商工委員会 第5号
- 発言数
- 151 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1993/02/26
会議録
○竹村委員長代理 これより会議を開きます。 通商産業の基本施策に関する件、経済の計画及び総合調整に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴木久君。
○鈴木(久)委員 景気が大変低迷している中で、さらにその上に円高が追い打ちをかけるという大変厳しい状況になってまいりました。円高問題についてまずお尋ねをしたいと思います。 十九日にアメリカのベンツェン財務長官の一層の円高が望ましいという発言をきっかけに、急激な円高が日本を襲ってまいりました。どこまでこれが行くのか、まだ想像がつかないところでございますけれども、もう百十七円あるいは百十五円あたりまで一時行っていますので、先行き全く不透明ですけれども、大変厳しい状況だと認識をいたしております。さらに、G7が行われて、ここでこの問題がどういうふうに討議をされるのかということを含めて、大変注目をしなければならないと思っております。 その背景は、御承知のとおり、日米の貿易不均衡の是正を含めたねらいがある。昨年のアメリカの貿易赤字が六十九億ドル、日本は逆に黒字が一千三百億ドル、こういう状況が背景にあって、円高による調整というねらいがどうもあるんじゃないだろうか、こういうふうに思います。 日本の景気対策についても、アメリカやヨーロッパから見ると、どうも十分に行っていないのではないか、内需拡大が進んでいないんじゃないかというふうなことももう一つ背景になっているんじゃないか、私はこんな気がいたしておるわけであります。まあ、相場そのものは多少思惑的なことがあって急激に進んだのかもしれませんけれども、どう見てもプラザ合意のような形でどんどん進んでいくとは思いませんが、かなりの線まで行かざるを得ないだろうというか、そういう円の高値になるんじゃないだろうかというふうに思うのです。 日本の大蔵や日銀当局そのものも、急激なものは困るけれども多少容認しているという姿勢に見えてなりません。急激なものには介入するけれども多少の円高を容認する、そういう姿勢を含めて考えますと、やはりある一定の程度円高は進む、こういうふうに考えられるわけでございますけれども、まず、今後の推移を含めて、現状の認識についてどのように考えているか、お尋ねをしたいと思います。
○白川政府委員 円高の現状認識について御答弁を申し上げます。 委員御指摘のとおり、昨年十一月あたりまでは百二十三円から百二十五円で大体安定的に推移をしてまいったわけでございますけれども、ことしに入りまして、二月九日ごろから円高が急伸いたしております。これは御指摘のとおりでございます。 ただ、二十三日に、瞬間ベースで百十六円三十銭、終わり値ベースで百十六円七十八銭と、いずれも最高値を記録した後、この二日間ばかりは小幅ではございますが値を戻しているという状況でございます。昨日の終わり値が百十七円五十三銭、それから本日の朝の寄りつきでは百十七円九十五銭ということで、やや円安の方向に戻してきているということでございまして、先ほど御指摘ありましたように、あす開催されます主要先進国蔵相会議、G7の動向が市場筋では非常に注目をされているということであろうかと存じます。 いずれにいたしましても、私ども通産省あるいは政府全体として、円レートについては経済の基礎的な条件を反映して安定的に推移するということが望ましいと考えておりまして、このような考え方のもとに今後円レートの動向を十分注意してまいりたいというふうに考えております。
○鈴木(久)委員 経済の基礎的なものを反映をしてという、いわゆる円のレートの問題をお話しになりましたけれども、先ほども背景の話をしましたが、日本の貿易黒字問題ということを考えますと、それが、基礎的な数字が十分に反映していなかったから円高に行ったのかという問題を含めて、ある程度きちっとしておかなければいかぬと思うんですね。 アメリカの財務長官の発言があったからというのがきっかけなんだろう。もっと背景には、日本の円が、やはり貿易の不均衡の問題を含めて、基礎的なものが反映をするというのならもっと円高なのかということが今回の反映になったものかどうか、私どもその辺は十分に把握できないわけですけれども、そうすると、いわゆる貿易不均衡のいずれ解消という問題は、これは日本の経済界あるいはまた政府にとっても極めて重大な政策課題になってきていると思いますね。その辺については、この円高の問題と関連してどのように基本的に考えていらっしゃるか。どうですか、政務次官、お答えいただきたいと思います。
○白川政府委員 御指摘のとおり、昨年、千三百二十六億ドルという非常に大幅な貿易黒字を日本は出しているということで、そういう意味では、欧米初め各国から注目されておりますし、こうした対外不均衡の是正ということが我が国の経済運営上の大きな課題になっておるということは、御指摘のとおりでございます。 ただ、最近の急激な動きにつきましては、先ほど私の方から、ファンダメンタルズを反映した動きで安定的な推移が望ましいと申し上げましたけれども、やはり委員御指摘のベンツェン財務長官の御発言を初め、欧州議会での動きとか、それからアメリカの経済研究所長の発言等々、いろいろなことが影響しておるし、やはり思惑的な動きが非常に大きく影響しているというふうに判断をいたしております。 経済の基礎的な条件を反映した円レートがどれくらいであるかというのは、これは非常に申し上げることが難しゅうございます。ただ、大幅な貿易黒字、この対外不均衡の是正につきましては、あくまで内需の持続的な拡大ということを基本に据えつつ、別途輸入拡大努力を懸命に進めることによって対応していくという考え方で臨むべきであると存じますし、また、そのように努力をしていきたいと考えております。
○鈴木(久)委員 いずれにしても、急激な場合も含めて、大幅に円が高くなっていくということになると、日本経済、不景気の上にもう一つ、かなり決定的な打撃を受けることになるのではないだろうか。バブルの問題は日本経済を少しぜい肉を取ったということだろうとも思いますけれども、円高の場合は実は経済に与える影響というのはかなり広範囲に、今まで、輸出産業、それでなくても自動車や電機などはバブル崩壊後、大変厳しい状況になっていることは御案内のとおりでして、特に中小、下請レベルでは、やっと経営を支えているというか、もっている状況ですね。これに円高、追い打ちかかって高値安定というようなことになっていったら、私はかなり厳しいものがあると思います。 円高のメリットというのは、どちらかというとごく一部の部分に集中します。しかしデメリットの方は、地方や我々、今まで余り東北の方なんかは比較的バブルの崩壊で経済厳しく影響を受けなかった面もあるのですけれども、今度は逆にこれがいきなりくるのではないか。今まで持ちこたえたところもこれで物すごく厳しくなる。それは、もちろん法人の収益が減れば地方の財政まで影響を受けるくらいの、前の円高で経験をいたしております。ですから私は、極めて深刻に受けとめなければならないのではないだろうか、こんなふうに思っているのです。 大蔵当局は、急激な円高の場合は介入もあり得る、こういうふうなことを言っておりますけれども、円高の影響を考えて、いわゆる産業レベルを中心としたメリット、デメリット、そういうものをどのように影響として受けとめていらっしゃるか、まずお伺いをしたいと思います。
○白川政府委員 一般的に申し上げますと、特に対外不均衡との関係では、円高になった場合には、対外的な取引条件の変化を通じて、一方でドル建て輸出価格が上がることによって、輸出量が減少の方に作用される、それから国内の輸入価格が低下するということで、長い目で見て、対外不均衡の是正に向かうということが言われております。 ただ、最近の為替相場というのは、これは経済の基礎的な条件を反映したものと申しますよりは、むしろ思惑によって非常に短期間に大きな変動をしているということでございまして、こういったことでございますと、非常に急激に輸出による円の手取り額が減少する等々のマイナスの影響を通じまして、ただでさえ今急務になっておりますところの、国内経済の停滞をさらに一層悪化させるという懸念があると存じます。さらに、そのような影響が生じます場合には、輸入の不振ということにつながってまいりまして、一般論として理論的に言われておる対外不均衡是正というよりは、むしろ輸入の減退を通じて、かえって不均衡是正に逆行するというようなことも考えられるわけでございます。 したがいまして、円高については、特に大幅な、かつ不安定な動きというのはメリットよりはデメリットの方が多いというふうに現在の経済局面では判断されますので、内需中心の経済的な、持続的な成長を図り、かつ、他方で輸入拡大努力を行うということがあくまで基本であるべきと考えております。
○鈴木(久)委員 今度の円高が急激ということで、多少投機的なものがあるのだ、だから、ひょっとすると、それはもう少し先を見たらもとに戻っていくというふうにもし考えられているとすれば、私は、それはどうも甘いのじゃないだろうかというふうに思いますので、やはりかなりのところまで円高は進んでいくのじゃないかというのがどうも全体の見方のようですから、むしろそれを踏まえた対策というのを講じていかなければならないのじゃないか、こういうふうに思うのです。 最近の出来事をちょっと見ても、日産自動車が座間の生産工場を閉鎖して大合理化計画を出す。これは九二年から九五年の四年間で八千人の人員整理を行うのだという計画のようでございまして、前の円高の不況時よりも随分大規模な合理化計画ですね。きょうは、沖電気か何かがやはり減収になって、三月期の決算が減収で、また合理化計画を立てるというふうなことがどんどん現在起きてきております。これは、バブル崩壊とあわせて円高が追い打ちをかけるともっと加速するのじゃないだろうかというふうに思うのです。ですから、通産当局も輸出産業を中心にいろいろな調査を始めたようでございますけれども、その調査の中身と今後の対策、どのように考えていらっしゃるか、特に輸出産業を中心に、今後の対策についてどのように考えているか、お伺いをしたいと思います。
○逢沢政府委員 今回のような急激な円高、委員御指摘のように輸出関連産業の円ベースでの手取りを大変急激に減少をさせておるということは言うまでもないことであろうかと思います。収益のさらなる悪化を招くなど、景気に好ましくない影響を大変大きく与えているわけでありまして、例えば、多少大ざっぱな話になるわけでありますけれども、自動車産業の輸出は、一円円高になりますと年間を通じて二百から三百億円の収益減ということが言われておりますし、また家電産業におきましては、大体各社ともドル建ての比率が五〇%内外ということでありまして、一円円高で一年間続くと大体収益がマイナス百億円、重電でありますとか、あるいは半導体を含んだ形の電機産業全体ということになりますと、一円の円高は大体年間で二百億円の収益減という大変大きな影響が出るわけであります。したがいまして、通産省といたしましても、特に今回、事務方の皆様に御努力をいただきまして、主要産業二十業種あるいはまた輸出型産地二十五地域に対しまして、今回の円高がどういうふうに企業経営に影響があるかということで、早急に調査に取り組んでいるわけでありまして、その調査結果につきましては、回答が集まり次第できるだけ早急にまとめるように私どもの方から指示をいたしているところであります。その二十業種と申しますのは鉄鋼あるいは非鉄金属に始まりまして、ガス、電力、そして流通の百貨店、スーパー等に及んでいるということについて申し上げておきたいというふうに思います。 その調査のざっとした内容は、円高についての各企業の認識がどういうことにあるか、為替水準の見通しについて、あるいは為替レートが損益に与える影響、円高への対応等々の内容について各企業にお伺いをいたしておるところであります。また輸出型産地につきましては、繊維、雑貨あるいはまた機械、金属、そういった、大きく分けまして四品目につきましてお伺いをいたしておるということでございまして、改めて申し添えておきたい、そのように思います。 したがいまして、現在低迷下にあります景気の現状を注視しながら、そういった調査を急ぎ、早期の景気の回復を目指して、適宜適切な経済運営にこれからも全力を尽くしていきたいと思いますし、また特に、その際におきましては、為替相場の動向等も十二分に踏まえた政策の展開に注意をいたしてまいりたい、そのように存じております。
○鈴木(久)委員 そういう、これからの推移もあるだろうと思いますけれども、景気の低迷が続いておるだけに、国民の方から見れば不況感が一層強くなる。さらに、今のような電機、そういう輸出産業部門で雇用問題が具体的に出始まるということも考えられるわけですね。そうすると、なおさらこの景気対策は抜本的に、もっと前進をさせて、進めなければならない。私どもは、今野党三党で所得税減税を含むいわゆる減税を求めておりますけれども、そういうことを含めた景気対策はもちろんでありますけれども、こういう雇用不安まで起きますと、やはり逆に円高のメリットがある部門に対して国民はかなり厳しい目を向けることになるのだろうと思うのです。円高でメリットのある分を国民にどういうふうに還元をするかということを今度はむしろ、一方で大事な課題になってくると思います。 そういう意味で、きょうあたりの新聞を見ても、牛肉などそういう部門では、それぞれのスーパーあたりが円高のメリッ十分を還元しましょう、こういう動きがもう出始まっておりますけれども、やはり輸入の大宗といいましょうか、かなり大きな分野を占めるエネルギーなどの分野を中心にそういうものの還元の方策というものについてはしっかりやらないと、これは国民から厳しい批判をいただくことになるのじゃないだろうか、私はこんなふうに思うのですけれども、その辺の考え方について、基本的な部分で結構ですから、お尋ねをしたいと思います。
○熊野政府委員 円高によりまして、先ほど来差損の議論が行われているわけでありますけれども、他方輸入材料等の価格低下を通じて一般的には差益の発生が考えられるわけであります。 しかしながら、デメリットについても同様でありますけれども、これは円高の状況がある程度通じて、ある期間その状況が続く、先ほど政務次官からお答えいたしましたような例で申し上げましても、例えば一円の円高が一年間続くということを前提として仮の計算をしているわけであります。そういう意味で、差益の発生につきましてもある程度の期間円高の継続が必要でありますし、それから差益の発生ということになりますと、他の条件を含めて考える必要があるわけであります。円高の差益は出ても、例えばもともとの価格、ドルベースの価格自体が予想より上がっておりますと、逆に差損が発生するという状況もあるわけであります。そういうことでございまして、一般的に申し上げますと、原材料の価格低下あるいは製品の価格低下等を通じて物価全体の安定に寄与するのではないかというふうに考えております。
○鈴木(久)委員 先が不透明なだけに、これ以上これで余り議論はするつもりはありません。ただ、背景にあるものが貿易収支問題を含めた大変構造的なものがあるということ、さらに、この先この円高問題がどのようになるのかという推移の問題でいえば、G7がどういうふうにこの問題で対応をしていくのか、どういうふうに決着をするのかというあたりも極めて注目をしておかなければならないことだと思います。しかし、どう見ても楽観は許されないんじゃないか、むしろ厳しい方向へ行くんじゃないだろうか、私はこんなふうに思いますので、特に円高対策問題については輸出産業を中心とする厳しい状況にさらされているだけに、なお一層のきめ細かい対策を求めておきたいというふうに思いますし、これからより具体的にそういう問題が発生をしてくるということになれば、なお一層、通産当局、中小企業を抱え、それを振興する役割を持っている当局として極めて重大な役割を担っていただかなければならない、そしてその努力をしていただかなければならない、こういうふうに思いますので、その点は強く要望しておきたいと思います。 ちょっと関連をいたしますけれども、昭和シェル問題。きょうの新聞紙上を見ますと、いわゆるあの問題でトップが交代をするというところまで参りました。株主資本が一千五百三十億円くらいのところに八二%くらいに当たる一千二百五十億の含み損を出した。これは、輸入をしていくこういう業界にとっては為替の先物というのは当然常につきまとっていることであろうとは思いますけれども、どうも為替の決済、損をしたものは先送りをして、どんどん膨れ上がっていって、それがもうどうしようもなくなって、隠し切れなくなってああいう状態になったというふうにも言われております。ですから、財務担当者の独走だ、刑事事件をもというふうな話もありますけれども、これはバブル時代のずっと流れの中で、この昭和シェルだけじゃなくて、どうも全体的にやってきた、氷山の一角ではないかというふうにも言われてきております。一そこでお尋ねしたいのは、この昭和シェルだけでなくて、今後三月期の決算、いろいろな各業界の三月期の決算で特に石油各社や商社などが同様のケースというのが出てこないのかどうか、今まで表に出ていませんけれども。そういうことについて十分な掌握、把握を通産当局はしていらっしゃるかどうか、まずお尋ねをしたいと思います。
○黒田政府委員 ほかの会社で先物為替取引によって同じような問題が発生していないかということでございます。 この問題、一義的には各会社の経理の問題でございますので私どもも詳細立ち入って検査するというようなことはしていないわけでございますが、石油会社につきまして、ほかの社についても調査をいたしましたところでは、各社からの報告ではいずれも為替先物取引は原油輸入などに必要な範囲で行っており、かつ含み損について予約期日を延長したり、あるいは累積させて抱えるといったことも行っていないという報告を受けているところでございます。
○鈴木(久)委員 昨年の六月に外国為替等の審議会、諮問機関なんでしょうけれども、ここで為替決済の先送りをすることはやめなさいという措置をしていると思いますね。そういうことは、これは守られてこなかった、だからこういう格好になっていったんだろうと思うのですけれども。どうなんでしょうか、そういう意味では、通産、大蔵はこのいわゆる指導している方の立場ですね。したがって、今、民間のそういう決算の状況だから十分に掌握できないというふうなお話でございますけれども、この種問題については、皆さんの方でむしろ、そういう含み損があったものをどんどん先送りしてはならないよということをちゃんと指導している立場でありますから、もう少しきちっと掌握をすべきなのではないか。そして、先送りをして雪だるまのようになってしまって、後からこういう問題が出てくるということになれば、これは経済全体に与える影響ももちろん大きいわけでありますけれども、信頼の問題を含めて、これはきちっと考えておくべきなのではないかと思うのですけれども、いかがですか。
○黒田政府委員 今の御指摘の、できるだけ先送りしないようにというような指導も踏まえて、昨年の決算、昭和シェルの場合には一―十二月期が事業年度でございますけれども、そういうことで銀行との関係もあり、こういうことをよく検討し、かつ公表せざるを得なくなった、こういうふうに承知をいたしております。 なお、今後の昭和シェルの含み損の処理自体につきましては、九三、つまりことし、事業年度から大体三年程度で処理していこうというふうな計画であるというふうに報告を受けているところでございます。
○鈴木(久)委員 次に、時間短縮との関連等、特に中小企業に与える影響も含めて、労基法の改正が今度の国会に提案をされるということでございますので、この問題について、基本的には労働省の管轄の問題でございますけれども、この時間短縮をやるのに難しい条件にある中小企業等の問題を抱えている、そして、そういう立場でこの問題をどうとらえるかということは、かなり重要な意味を今持っていると思いますので、そういう立場から、ちょっと労働時間短縮、労基法の改正の問題について、考え方をただしておきたいと存じます。 今度の労基法の改正、その背景には日本の長時間労働に対する厳しい批判もあるし、これはやはり、先ほども議論いたしましたけれども、日本の貿易収支の黒字の問題なども、そちらの方からもやり玉に上がっている一つのことであろうと思うのですね。ですから、時間短縮はまさに国際的な要請でもあるというふうに考えなければいけない。そして、日本自身も、これは政府が生活大国の新しい経済計画の最重要課題に考えていることだというふうに思いますときに、労基法の改正というのはその意味でしっかりとやってほしいというふうに思います。 そこで、一月二十九日にいわゆる労基法改正のための答申が、要綱の答申という形でなされました。現行の四十四時間を四十時間にということとあわせて、問題になっているのはむしろ中小企業の、これまでも猶予措置をとっておりました、ことしの三月三十一日までの猶予措置があったわけですけれども、これの延長をめぐって審議会の答申よりはずっと後退するような形で、どうも動きがある。あるいはまた、割り増し賃金の問題についても、いわゆる時間外は五割増し、休日労働は十割増し、一〇〇%、倍にしようという方向で、ほぼ審議会の議論というのはなされてきたように思うのです。これも、どうも法案の段階では二五%から五〇%の間という形で政令で定めようというふうになってまいりました。本文ではない。 こういうことを見ますと、この間の動きはどうも全体から見ると後退をしている。その理由にされているのが、やはり特に中小企業などは時短をするのは大変難しい環境にある、だから、この延長措置も、猶予措置も少し延長しようということなどがとられたのだ、こういうふうにマスコミを含めて報道がなされております。 担当は労働省ですから、これは労働省に、この間の、この審議会の要綱答申があった後、法案の作成までにいろいろな過程があったと思います。猶予措置の延長の問題、割り増し賃金面での、私から見れば大きく後退をしたということについて、どういう経過があったのか、何があったのか、まずお答えをいただきたいと存じます。
○荒説明員 お答えいたします。 今回の労働基準法の改正案ですけれども、一月二十九日の中央労働基準審議会の答申に沿って基本的につくられているものでございます。大きな内容といたしましては、一週間の法定労働時間を短縮することでございます。現在、一週間の法定労働時間につきましては、週四十四時間と定められておりますけれども、これを原則平成六年四月から一週間四十時間労働制に移行するという内容の点でございます。 それから、先生御指摘の、審議会の答申から今回の法案の内容がいわば後退したのではないかということでございます。 委員御指摘になりましたその割り増し賃金でございますけれども、割り増し賃金につきましては、現在、二割五分ということで法律で定められているところでございますが、これにつきましては、法律上、二割五分以上五割以下の範囲内で政令で定めるというような内容の改正にしております。これにつきましては、実は五割という数字、委員から御指摘がありましたけれども、これは労働側委員の方の主張でございました。逆に経営側の委員の方は、現在の景気状況等にかんがみて二割五分というものは推持すべきであるというような、いわばまとまらなかった部分でございます。決して審議会の答申から後退したというようなことにはなっていないという点につきまして、ぜひ御理解願いたいというふうに思うわけでございます。 それから、現行の法定労働時間の猶予の問題でございます。これは、基準法の改正問題とは別の問題でございます。現在、一週間の労働時間は四十四時間というふうになっているわけでございますが、中小企業を中心に四十六時間ということで本年の三月まで猶予されております。これについても、審議会の中の意見では、特に経営側の委員の方から、現在の厳しい景気状況にかんがみて当分、一年間延長してほしいという意見があったわけですけれども、労働側委員の方は、そういうことはおかしいと、やるべきではないということでやはりまとまらなかった部分でございます。 ただ、これにつきまして、委員も先ほどから何回も御指摘になっていますように、景気状況が非常に厳しいということがございまして、いわば緊急避難的な措置として、当分その四十六時間の猶予というものも一年間延長するのもやむを得ないのではないかというふうに私どもは考えておりまして、具体的には来月早々、関係審議会の審議を経まして具体的な措置を講じていきたいというふうに考えているところでございます。
○鈴木(久)委員 そこで、これは通産省にお尋ねしたいのですけれども、今のように厳しいからそういう猶予措置をしているということ、それは緊急避難的だと、こういうお話でございますけれども、一方では四十時間をちゃんと守るところ、やっていく事業所、猶予措置がどんどん伸びていくということになると、その格差がますます広がってしまうのですよ。法のもとの平等という問題、原則の問題、その問題はもちろんだけれども、いわゆる労働者の立場からいったら、もちろん不満だらけでしょう。 それだけではなくて、本当に四十時間を実施していこうというときには、どうしても格差がますます広がるというふうに思いますね。この問題をそういうふうな少し安易な形で、暫定てしょうがないじゃないかというふうにずっとやっていったら、実際は四十時間の法案そのものも骨抜きになるし、効果も上がらないし、また、そういう事業全体の中での格差も広がってしまうというふうに思うのです。 ですから、本当は一日も早くきちっとした形で実施していただきたいというふうに我々は思うのですけれども、どうですか、通産の立場からいえば、中小企業の振興あるいは今の現状の厳しさというものを考えなければいかぬということは十分承知の上です。しかし、そういう暫定措置をいつまでもやっていく、それよりはむしろ中小企業がもっと労働時間短縮をやれるような環境をしっかりつくって援助をして、そして、すんなり移行していくということの方がむしろやらなければならない仕事なんじゃないか。今ちょっと問題があるからずっと先送りをするというのは、私は、むしろ後ろ向きの姿勢なんではないか、こんなふうに思うのですけれども、いかがでございますか。
○逢沢政府委員 鈴木先生御指摘のように、労働時間の短縮は、まさにゆとりと豊かさの実感できる社会を実現するためにも、そしてまた、我が国の産業の国際的な調和を確保していくためにも絶対に譲ることのできない大切なテーマであるというふうに思います。また、宮澤内閣が掲げる生活大国実現のことを考えましても非常に重要なことである、私ども基本的にそのような認識を持っているところであります。さらに、中小企業にとっても労働力の確保を図る上で極めて重要な課題である、そのように認識をいたしております。 したがって、通産省といたしましても、かねてより労働省と連携しつつ中小企業労働力確保法の策定など労働時間の短縮に向けていろいろな施策、努力を続けてきたわけでありますが、しかし、いみじくも先ほど委員御指摘のように、現下の厳しい経済状況を背景として、時短に伴うコストアップヘの対応、そのことが中小企業においては非常に困難な状況であるということについても十二分に私ども配慮しなければならぬ。そして、そのことについて中小企業の経営者の皆様から大きな声が上がっている、慎重な対応を求めたいのだ、そのような声が上がっているということにつきましても、委員先ほど御指摘のとおりでございます。 したがって、先ほど労働省の方からもお話があったわけでありますが、今般国会に提案されました労働基準法は、基本的には週四十四時間から四十時間にということでございますけれども、中小企業等については当分の間四十四時間、そして、特にその中でも一定の規模、業種に属するものについては当分の間四十六時間の猶予期間を適用するというふうなことにさせていただいたわけでございまして、この背景には、中小企業の実情というものについて十二分な配慮をする、そして、配慮しつつ産業界全体の時短を推進する、そのような内容になっておるということについて改めて御理解をいただきたい、そのように思います。
○鈴木(久)委員 今の若い人が、就職をするときに何が問題かというと、休みがあるかということなのですね。こういうことがまず一番初めに自分の仕事を選ぶときに言われるくらい、労働時間の問題や休暇というものは人材を確保するためにも極めて重要なのだろうと思うのです。ですから、本当の意味で中小企業を育成振興していく、労働力を確保していくということを考えると、それは当然時間短縮をストレートにできれば一番いいと私は思うのです。今のように厳しいということであっても、暫定的だということでどんどん先送りをするのは問題がある。労働側の方も、恐らくこの問題ではかなりこれからの対応で激しい、厳しい対応を求めてくるのだろうと思うのです。 そこで、きょうはこの議論はこれ以上やめますけれども、一日も早く中小企業が時間短縮ができるようにするためのバックアップを皆様これまでもやってきましたので、労働省は時間短縮支援センターを設立して企業に助成や情報提供をしていきましょう、こういう新しい仕事をするようでございます。通産省の方も、これまでいろいろ時短を推進するための援助措置をやってまいりましたけれども、私が見る限り、あれで十分ではないなというふうに思う。あの対策をしたから時間短縮ができるというふうにどうも思えないのですね。ですから、もっと抜本的な、暫定措置でそういうことがだんだん先送りされるような状況なのですから、なおさらそういう対応をもっとすべきなのではないかと思うのですけれども、いかがでございますか。
○桑原政府委員 中小企業が人材を確保する上で時短は非常に重要なことであるという御指摘につきましては、我々もそのとおりであるというふうに考えておりまして、従来からいろいろ中小企業が時短を進めやすいような対策を講じてきたところであります。 例えば、先ほどから話が出ております中小企業労働力確保法というものもつくっておりますが、それ以外にも下請中小企業が大企業との取引関係において労働時間を短縮しやすいような環境をつくるという意味で振興基準の徹底というものもやっておりますし、また技術開発等についてもいろいろな施策を講じております。さらに、昨年秋、総合経済対策を講じることになりましたけれども、その中におきまして省力設備百三十設備を投資減税の対象に追加するということもやったところでございますし、さらに低利の資金を融資するという意味におきまして中小企業時短促進緊急特別貸付制度というものも策定したところでございます。 今後とも労働省等関係省庁と連携しつつ、いろいろな施策を活用し、また充実をさせて中小企業の労働時間の短縮に積極的に努力をしていきたいというふうに考えております。
○鈴木(久)委員 猶予措置を延長するというよりは、むしろ積極的な対策をして、中小企業が一日も早く四十時間という、本当に法のもとの平等が実現できるように強く私は求めたいと思っております。 次に、商品ファンドの問題について幾つかお尋ねをしたいと思います。 先物市場の中で新たに商品ファンドが、法が整備をされて施行されました。時間がありませんから端的にお尋ねをいたしますけれども、現在の運用状況、それから販売資格、投資顧問資格などの免許の状況、あるいはまた、その資格が政令でどのように定められたのかなとについて、まずお尋ねをしたいと思います。
○細川政府委員 お答え申し上げます。 まず運用の実態でございますが、この法律が平成四年四月二十日に施行されておりまして、十月十六日に許可申請がございました四十九社に対しまして商品投資販売業の許可を行っております。許可業者の内訳でございますが、商社が九社、リース会社が十三社、信販会社が五社、商品取引員十九社、その他三社ということになっております。 それから商品ファンドの販売実績でございますが、商品ファンドが国内で販売されました平成二年九月から平成五年一月末までの累計で千六百九十一億円でございます。なお、先ほど申し上げましたこの法律が施行されました平成四年四月二十日以降平成五年一月三十一日までをとりますと二百二十四億円ということになっております。 それから政省令についてというお話でございますが、必要がございましたら詳細は別途お答えをするといたしまして、簡単に概要だけ申し上げたいと思います。 政令の概要ですが、商品投資の対象、これは商品取引所法の対象商品及び現物ファンドを定めております。それから、資本金の要件につきまして、商品投資販売業者につきまして定めております。また、商品投資顧問業者につきましても、同様に資本金の要件を定めております。その他詳細は省略させていただきますが、こういうものを出しております。
○鈴木(久)委員 千六百九十一億円の運用をしているということでございますけれども、それは主に外国市場での運用ということで、目標にしておった国内の市場の育成、拡大ということには現状でつながっていらっしゃいますか。
○細川政府委員 運用の実績でございますが、現在のところ海外での運用でございまして、御指摘のように国内の市場整備についてはなお課題が残っております。
○鈴木(久)委員 国内の運用、もともとファンド法をつくったねらいですね、これはこの先物市場全体のいろいろな法案整備も事前にございました。新しくファンド法をつくっていわゆる国内の市場の育成、拡大も一つのねらいになっておったと思うんです。 もう一つは、ファンドそのものが一億円というかなり高いところにガードをしましたので、そんなに一般的に普及するということにはならない、大変いわゆる安全運転をしようということが出発点だったと思います。その意味では、このファンドそのものが元本保証型というのが多いわけで、商品そのものは安全、有利な投資商品ということを考えておられた。で、実際は国外の、外国の市場での運用がほとんどということと同時に、現状の一億円、大口法人がこれを利用するという形のところでとどまっているんじゃないかな、こういう感じをいたしております。もともと先の目標というのは、一体このファンドはどこに置いていらっしゃるんでしょうか。現在の運用は、今言ったようにそういうところにとどまっている。そして取引員なんかの場合もほとんど、商社やリース会社というのがいわゆるこのファンドを組んでいる方もそうですけれども、そういう形になっていらっしやいます。この先をどういうふうに皆さんは考えていらっしゃるのかお尋ねをしたいと思うんです。
○細川政府委員 お答え申し上げます。 商品ファンドの分野の今後をどう考えるかという御質問であるというふうに理解をいたしましたが、商品ファンド法は、先ほどお話がございましたように、商品ファンドが近時導入された新しい投資商品でございまして、これになじみのない投資家の被害を未然に防止する観点から、事業者について所要の規制を行うことによりまして業務の適正な運営を確保することを目的として施行されております。商品ファンドが一定の秩序のもとで広く一般に受け入れられるように、この法律の厳格かつ適切な運用によりまして、商品ファンドに対する社会的信用をまず確保していくということが必要だと私どもは考えております。 一方で、販売されました商品ファンドの主要な運用先の一つとして国内の商品先物市場が想定をされておりますが、商品市場への資金の流入を通じて商品市場を活性化し、ひいては商品の生産、流通の円滑化に資するとの性格を有することも本法の重要な意義の一つというふうに私どもも理解をいたしております。 現在のところ販売されました商品ファンドは、先ほど申し上げましたように、ほとんどが海外の商品先物市場で運用をされておりまして、商品ファンド資金が国内の商品市場においても幅広く運用されるためには上場商品の多様化、投資コストの低減など国内商品先物市場におきます所要の基盤整備に努めていくことが重要ではないかというふうに考えております。
○鈴木(久)委員 そういう条件が整えばいわゆる国内での先物市場での運用というものが考えられる。ここはいろいろ業界の皆さんでも議論があるようですけれども、現状のハードルで、あるいは政令で定められている資本金等の問題で、販売資格、投資顧問の資格の許可条件等々いろいろ勘案をいたしてまいりますと、目標にしている国内市場運用というのはなかなか難しいかな、ほとんどやっぱり外国の方にお金を持っていって運用してしまうということに結果としてなるんじゃないだろうかというふうな、いつまでもその問題は皆さんの目標にしているところに届かないんじゃないか、こんな気がいたすわけでございますけれども、我々もあの法案を審議するときに、まさしく被害を出してはならない、ですから安全な投資商品とすべきであるということを強く求めました。しかし問題は、やはり商品ファンドが安全で確かな投資商品だとすれば、むしろそれは国内で運用されるような方向というのを、これは外国へみんな持っていっちゃって運用するよりは国内の市場の健全育成という立場からもそちらを志向すべきなんだろう。その場合に最も隆路になっていると思われるものは何ですか。
○細川政府委員 お答え申し上げます。 一言で申し上げますと、国内の市場の整備がまだ行き届いていないということでございますし、国内で行われるような習熟された状況にはなっていないということじゃないかと思います。
○鈴木(久)委員 それは国内市場自身の問題だ。ファンドそのものの、今の現状のファンドの例えは一億円というかなり大口法人しかやれないというふうなことなどについては障害にはなってないんですか。
○細川政府委員 先ほど申し上げましたように、本法は業のファンドの健全な発展と投資家の保護という両々、両目的を達することが必要でございますので、現在のところ一億円という原則は必要なものと考えております。
○鈴木(久)委員 これ以上の論議はやめます。 それでもう一つ。先物市場が今のようになかなか整備をされていないというふうなことを含めて、取引所の合併問題というのが随分前からこれはいろいろ言われておりました。国際的な信用の問題、体質改善の問題、随分紛議がありました。そしていろいろと被害者を出してきたという経過がございます。ですから、むしろファンドなんかはいい安全な投資商品だ、こういうふうに言われている一方、一般投資家が今どんどんやっている部門はまだ逆に問題があり、改善をしなきゃならないというふうに思うんですね。ですから、被害の問題とかなんかということになればむしろ私は今のお話はちょっといただけないところがある。ですから取引所のいわゆる体質改善あるいは経営改善、そういう問題をきちっとするに当たって労働省で、これは農林省ですか、の管轄だと思いますけれども、合併問題というのはどんなふうに現在推移していらっしゃいますか。
○白須説明員 委員御指摘のとおり、国際的に見ましても我が国のそういった商品取引所の規模、私は農林水産省の担当でございますが、なお小さい面があるわけでございます。ただいま御指摘のとおり、経営の基盤といったような面でもいろいろ改善を図っていかなければならないという面もあるわけでございます。したがいまして、我が国の商品市場に対します信用を高めまして国際的に通用する市場にいたしますために現在私ども、関係の商品取引所の合併を推進しているというところでございます。 具体的に申し上げますと、農林省の関係の取引所は全国に十二あるわけでございますが、このうち東京にございます東京穀物商品取引所、それから東京砂糖取引所の合併、それから関西にございます大阪穀物取引所、それから大阪砂糖取引所と神戸の穀物商品取引所でございますが、これら三つの取引所を一つにいたします合併につきましては本年中の合併を目途ということでございまして、それぞれ現在合併のための協議を進めているというところでございます。 また乾繭関係につきましては四つの取引所があるわけでございますが、これらをそれぞれ東と西の二つずつということでございまして、横浜の生糸取引所と前橋の乾繭取引所の合併、それから神戸の生糸取引所と豊橋の乾繭取引所との合併ということにつきましても現在事務的な協議を進めているという段階でございます。いずれにいたしましても、今後ともただいま委員の御指摘のような点も踏まえまして、また関係取引所の意向も踏まえながら合併の推進、指導、支援に努めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○鈴木(久)委員 経済全体の分野から考えれば先物市場というのは本当にごく一部の役割なんだろうと思うのですね。ですけれども、この問題は、これまでいろいろ被害者側の問題があって、法案整備も随分いろいろやってまいりました。それで、自主規制団体が新しくできて、それぞれ業界も努力をしてきているのだろうとは思いますけれども、現在の法改正後、あるいはファンドを新しくつくった、そして運用し始めだということを考えてまいりまして、従来から比べて皆さんがこの先物市場業界全体をどんなふうに現状認識しておられるのか。そして、今のような合併問題を含めて、国際的にもう少し信用を高めるとか改善をしていくとかという方策をとっていけば、まあ証券業界いろいろな議論がありました。あるいはまた銀行を含めたこの間のバブルの問題で国民はそういう問題について大きく関心を持っておるわけでございまして、今先物市場の状態というのは一体どういう位置にあるのか、今後どうすべきなのかという問題点について、基本的な部分で最後に少しお尋ねをして終わりたいと思います。
○細川政府委員 お答え申し上げます。 まず商品取引の問題、商品先物取引の問題とそれから商品ファンドの問題とは一部ダブっているところがありますが、商品ファンドの方には現物ファンドがございますので、必ずしも商品ファンドと商品先物取引とは同義語ではないということを御理解いただきたいと思うのであります。 その上で、商品先物の現状でございますけれども、先ほど来お話が出ておりますように、国際化ということは時代の流れの中で大変必要なことだと思いますし、そういうことから、今までにも関係者の間において市場の整備あるいは投資家保護の観点からいろいろな努力が大変なされております。今後も引き続き関係者の間の努力が必要だと思っております。
○鈴木(久)委員 もう一つ、いわゆる会員権関係の方を通告しておったのですけれども、時間が参りましたのでやめます。ありがとうございました。
○竹村委員長代理 この際、安田範君から関連質疑の申し出があります。これを許します。安田範君。
○安田(範)委員 初めに、大変な経済環境の変化があるわけでありますが、そういう中で、とりわけ高度技術、ハイテク産業の状況というものが通産としてはいろいろ大変気になるところではないかな、こういうふうに考えるわけであります。 平成元年に地域ソフト法というものが制定をされて今日に至っているわけなんでありますが、そのわずか四年の間にもこのソフト産業の周辺というものは、大変な景気の変動もありますし、同時にまたそういう業界自身の営業あるいは販売、そういうものも含めて変化が著しい、こういう状況だと思うのであります。最初に、総体的に日本のハイテク産業の現況とでも申しましょうか、これについてひとつ所見を伺っておきたいのであります。
○中川説明員 お答え申し上げます。 昨今の景気の低迷によりまして、ハイテク産業、コンピューター、半導体あるいは先生御指摘のソフトウエア産業にも大変厳しい波が来ております。特に最近は大型コンピューターから小型化へということで、御承知のようにパソコンやワークステーションを初め小さなコンピューターが入ってまいりました。大変事情が変わってきておりまして、それに対応するソフトウエアの開発が重要になってきております。ソフトウエア産業、戦後二けた成長を続けてまいりました。この景気の波をかぶってソフトウエア産業もほかの業種と同じように大変厳しい状況にございます。ただ、ハイテク産業、これから日本経済の高度化のために大変大事な産業でございます。御指摘のソフトウエア産業も含めまして、このハイテク産業の健全な育成を今後も続けていかなければならないと思っております。
○安田(範)委員 だれもそのような形で認識をしているのだろうと思うのですが、とりわけこれからの日本の産業分野の中におきましてのハイテク産業、この位置と申しますか、そういうものは非常に高いというふうに認識をしなければなりませんけれども、そういう中で、今日までの通産行政の中でいろいろ気になることがございます。これについてお伺いしたいと思うのであります。 というのは、先ほども申し上げましたように、平成元年に地域ソフト法、これを施行したわけでございますけれども、そのソフト法の一つの目標といたしましては、五年間に全国に三十カ所のソフトパークですかな、これを設置したい、こういう構想があったと思うのですね。現状は十五カ所というふうに聞いておるわけでありますが、あと一年間残余期間があるという状況なんですけれども、その進捗の状況と今後の見通し、これについて御説明いただきたいと思います。
○中川説明員 地域のソフトウエアセンターにつきましては、先生御指摘のとおり、平成元年にいわゆる地域ソフト法というのを制定いたしまして、それ以来、平成三年度末の時点で十五カ所の事業計画の承認をいたしました。平成四年度につきましてはさらに二カ所について事業計画の承認申請が行われているところでございまして、合計いたしまして十七カ所の申請中あるいは申請済みの計画になっておるところでございます。
○安田(範)委員 申請も含めて十七カ所という話なんですけれども、それぞれの地域を詳細に調査をしたわけではございませんけれども、一般論として言われておりますところは、このソフトパークの中で、社団法人日本パーソナルコンピューターソフトウエア協会、言うならばパソ協と言われるのですが、この地域のソフトセンターですね、合築をすることによって経営上大変困難さが増してきているというような話も聞いておるのです。今日までの十五カ所、既存のものですね、これについての経営状況等の認識がありましたら御説明いただきたいと思います。
○中川説明員 先ほど先生からも御指摘ございましたように、当初私どもがこの法律を導入いたしましたときに、五年間で三十カ所程度つくりたいということで進めてきたわけでございますが、先ほど御報告をいたしましたように、これまでの設立件数が当初の想定を下回っているというのは事実でございます。これは当然のことでございますけれども、高度なソフトウエア技術者の育成が大変重要であるということについては御理解があるわけですが、平成元年度に始めまして、専用の建物を持ってソフトウエア技術者に対して研修事業を行っておりますのは、先ほど申し上げました十七カ所のうち実は六ヵ所でございます。その他のところでは建物等を借りて行っている状況にございます。 そういう意味で、この事業全体がまだ初期段階にございまして、必ずしも十分な体制がとられていないわけでございますが、徐々に年月もたっておりまして好転の局面になっておりましたところ、先ほど申し上げましたようにソフトウエア業の非常に急激な落ち込みがこぎいました。また、地方によってはこうしたセンターの設立に必要な出資金の確保など地域の体制固めに実は手間取っているところもございまして、進捗の状況は必ずしもよくないという実情にございます。
○安田(範)委員 進捗状況じゃなくて、既存の十五カ所、これの経営の状況ですね。経営の状況、これについて、内容についてお知りならば明らかにしていただきたい。
○中川説明員 先ほど申し上げましたように、この地域ソフトウエアセンターでございますが、私ども通産省の情報処理振興協会あるいは労働省の雇用保険会計等から出資金の半額援助をやっております。また、そのほか補助金等も出しているわけでございますが、当初の段階にございまして、必ずしも十分な経営ができておりません。したがいまして、特に当初の見込みどおりの研修生を確保し切れていないという状況がございまして、赤字になっておるセンターもあるという実情にございます。
○安田(範)委員 大変大ざっぱな答弁でちょっと困るのですけれども、赤字になっている団体があるという話なんですけれども、私の聞いている範囲では、赤字になっている団体がある程度の話ではなくしてほとんどの団体が赤字だ、こういうふうに聞いているわけですよ。したがって、そういう面からしますると、今後のソフトセンターの建設につきまして、何がそういう赤字の原因かなということについての検討がないと、なかなかそれぞれの県におきましては、もう実態があるわけですから、そういうものを参考にしてみた場合に、これから大変な財政負担を余儀なくされる。こういう事情の中では、後これから承認を受けよう、こういう動きにとても続いていかないのじゃないか、こういう心配があるのですけれども、そういう面での考え方はどうですか。
○中川説明員 先ほどお答え申し上げましたように、事業の運営が必ずしも十分にいっていないところが多うございますので、地域のこうしたソフトウエアのいわば研修センターでございますが、研修センターに地域のソフト企業から研修生を出しやすいような体制にしなければいけないという ことで、私どもいろいろな運用の改善を実は行ってまいりました。 例えば、研修の時間が長くなりますと、ソフト企業から、いわばこうした研修センターに人を拘束をして出さなければいけない。二カ月程度になりますと、中小ソフト業にとっては大変重荷でございますから、研修期間についても短縮を図る、あるいは研修コースを多様化をして専門的な短期コース、四、五日で済むようなコースも導入をしたい。また、教育カリキュラム等につきましても、教材として私ども、情報処理振興事業協会がその標準テキストを用意いたしておりましたけれども、昨今の情報化の大変激しい波で少し古くなっておりまして、これを魅力のある教材にする等文、運用の改善を行ってきたところでございます。 今後とも、このソフトウエアの人材育成強化というのは大変大事な課題でございまして、私ども、産構審の情報産業部会でも人材対策について現在検討中でございます。その中で、この地域ソフトウエアセンターを含めまして、公的な人材育成機関について運用強化を図る方策を検討しているところでございます。
○安田(範)委員 中川次長ですかな、今答弁されているのは。どうも余り実情を把握していないような答弁としか聞こえないのですけれどもね。 というのは、今日まで、このソフトセンターを設立をする場合にはいろいろ制約がありまして、例えば三十日間の連続研修を三カ月やるようにという一つの条件があったわけですね。労働省の方の話も聞きますると、これはもう三カ月間ではちょっと無理なので、これについては弾力的な運用をするというような話になっておりますけれども、先ほど申し上げましたように、今日の経済状況の変化あるいは産業界の変化、こういうものを背景にしますると、いかに人材育成といいましても、企業から人を出すわけですから、そういう意味では、三十日も三カ月も連続で継続してなんということは、企業としてはなかなか出しにくい状況になってきていると思うのですね。 そういう面からして、若干の弾力的な運用ができるという、労働省からの説明ですよ、そういうものがありましたけれども、今二カ月という話が次長からあったのですが、二カ月じゃない、これは実際は三カ月なんですよね。それをどういうふうにこれから運用の改善をしていくか、これが一つの課題になっていると思う。これはやはり今日の経済状況に合わせたり、企業の状況に合わせて人が出やすいような条件づくりというものをもっときめ細かくやっていかなければいけない。これは典型的な一つの例であろうと思うのですね。これは大ざっぱな答弁じゃなくて、今時間がありませんから詳細な答弁は求められないと思うのですけれども、より具体的な改善策、こういうものをできるだけ早い機会に、必要があればまた時を改めて質問いたしますけれども、そのころまでにひとつまとめておいていただきたいな、こういう辛うに考えるわけでして、もしも所見があれば後でお聞きをします。 それからもう一つは、地域ソフトセンターの設立に際しましてはシグマ計画というのがあるのですね。シグマ計画の中には、ワークステーションを買え、買わないとこれは認めないよというような話のようであります。これは、なかなか実際に需要がないということも含めて、それぞれの地域におきましては、これが赤字の原因であるとかあるいは新しく立地をしようという場合にはこれがネックになっておる、こういう話も聞いておるのですが、これについての考え方はいかがですか。
○中川説明員 地域ソフトウエアセンターのいわば必要条件といいますか、国で基本的な制度的制約としての要件というのは、年間百人の研修を行う、あるいは二十五人収容できる教室をつくる、一人について一台のコンピューターを備える、そういうような要件はございます。一方で、先ほど先生御指摘の、研修時間四百五十時間のうち八〇%以上の実施が必要だというようなことは実は条件にはなっておりません。ただ、助成をする場合、労働省の補助金の助成の場合の一つの要件になっておりまして、これも要件としても労働省から御説明があったと思いますが、割合弾力的に実は運用をしているところでございます。 それから、シグマ・システムでございますが、これはいわゆるコンピューターを人手ではなくて工業的につくるといいますか、コンピューターのソフトをコンピューターを活用してつくるということでございます。これは通産省がこの開発を促進してまいりまして一定の成果を得ておりますが、これにつきましてもこのシグマ・システムを買わなければならないという条件づけはいたしておりません。私ども開発いたしましたシグマ・システムにつきましては、勧奨をするといいますか、慫慂はお願いしておりますけれども、義務づけということでやっておりません。現にシグマ・システム以外のコンピューターを導入してやっておられるセンターもございます。
○安田(範)委員 次長、答弁の中でそういうものは言うならば条件とはしていないという話なんですけれども、実際には、そういうふうな答弁がありましても、先端で当該県なんかと接触をする場合にはどうしても、条件ではないと言いながらも、それがよりベターだ、こういう考え方で実際にはほとんど条件に近い、そういうものとして県の方で受けとめざるを得ないようなそういうふうな形での状況が現状なんですよ。そこのところをやはりしっかりと見きわめて、形式的には条件じゃないということだけで済まされる問題じゃありませんから、これについてもきちんと、もう少し次長あるいは局長の考え方と第一線の皆さんの考え方、こういうものがより連動していくように配慮していただきたい。これは申し上げておきたいと思うのであります。 さらに加えまして、教材一人当たり十五万ですよね。これも今お話しのように百人分ということになっているわけですね。これも今日の状況の中ではなかなか百人をきっちり確保するというような環境は、率直に言えばないでしょう。あの法律で定めている百人ですね。この百人をその地域ソフトセンターが充足できるような状況というものは非常に少ないのじゃないか。だんだん厳しくなればなるほど、その技術開発あるいは人材育成、そういう面で一生懸命やりたいという気持ちはありながらも、企業の実態としてなかなか人を派遣することができない。こういう状況になってしまうのじゃないかと思う・のですね。そうしますると、百人というものがどの程度の基準、言うならば固定したものなのかどうか。これについてやはり相当これまた弾力的に考えざるを得ない状況が今日の状況ではないかと思うのですが、その辺はいかがですか。
○中川説明員 御承知のように、保大変な不況でございますので、中小のソフト業からたくさんの研修生を派遣することが難しい状況が特に昨今ございます。教材につきましては、百人を切ります場合には、所定の教材の購入まで私どもお願いをしていないケースもございまして、実情に応じまして弾力的に、全体の情報教育がうまくいきますように配慮を加えながら今後もやっていきたいと思います。
○安田(範)委員 そうしますと、大体三点申し上げたところですね。三十日間の連続研修を三カ月、この問題。さらにまたシグマ計画のワークステーションを買え、まあ借りてもいいよという話もあるんですが、これについては条件ではない。このことをやはり、それぞれの当該県と十分意思の疎通ができるような、そういう形での認識というものは出てきたということでこれはいいですね。 もう一つの、ただいまの一人当たり十五万の教材百名分、これについても、今日の企業を取り巻く背景を十分配慮して、百名ということではなくして、弾力的にそれぞれの地域に合った状況の中で運用してまいる、こういうことでいいよということで理解してよろしいんですか。
○中川説明員 先生御指摘のとおりでございます。
○安田(範)委員 時間がなくて大変あれなんですが、具体的な地域の話で恐縮なんですけれども、私は栃木県であります。栃木県では、高根沢町という町がありまして、あそこにテクノパークをつくろうという計画があって、既に県は六億円の平成五年度の当初予算の計上をしている、こういう状況が実はあるわけなんですね。通産の方に聞いてみましたら、まだ事業計画が出ていないという話なんです。片方では一生懸命やろうという話になっているんですが、通産の方では、事業計画が出ていないから、計画が出てきたら検討しましょう、こういう話なんですな。もうちょっと中身を聞いてみますと、言うならばテクノパークとパン脇の合築、地域ソフトセンターですね、これを合築すれば通産は容易に認可をするという雰囲気になってきているようなんですけれども、県の方では、いろいろあちこち状況をお聞きしますると、それぞれの十五の県で今大体年間一億ないし一億五千万ぐらいの赤字を毎年累積させているというような状況もあって、地域のソフトセンターについては、何とかこれは勘弁してもらってというのは変な言葉なのかわかりませんけれども、これについてはひとつ切り離して、ソフトパークだけはできないものかというような考え方もあるように聞いておるんですよ。それは、通産省の方からしますると、パン脇を通じた方がより一層人材育成のためには効果が上がる、これが通産の考え方。しかし、財政面からすると、当該県としてはこれはひどく重いな、こういうふうな印象で、なかなか折り合いがつかなくて事業計画が出せない、こういう状況が現実ではないかというふうに私は理解しているんですが、その辺については次長いかがですか。
○中川説明員 栃木ソフトリサーチパークの件だと思います。 私ども、御指摘のように、まだ正式に聞く段階ではございませんが、栃木県あるいはこの構想のもともとの出どころでありますパーソナルコンピューターソフトウエア協会というところから内々にこの構想についても伺っております。中身は二つあるようでございまして、 一つは、パソコンを使ったいわば稼働試験をするテスティングセンターという構想と、それから、それとあわせて、先ほど来御議論になっております、情報処理技術者を研修していく研修センターという二つの中身がございます。 この二つはそれぞれ別個の案件でございまして、このテスティングセンターの設立について、地域の研修センターが一緒でなければならないということはございません。ただ、私ども、一般的に申しまして、こうしたソフトリサーチパークと申しますか、ソフトウエア産業を振興していきます場合に、パソコンのテスティングセンターとあわせて、そういったテストセンターを動かすために必要なソフトを開発する人々の教育もあわせて行うような、いわばソフト産業全体の振興に資するような形で行われることが基本的には望ましいと思っております。 ただ、固有のこの件につきましては、まだ事業の中身が固まっておりませんし、私どもも正式に聞く段階になっておりませんので、その段階になりましたら、それぞれこの二つの機能を別々に切り離して判断をしたいと思っております。
○安田(範)委員 地域ソフトセンターの設立に対しては、産投会計から四億円ですか、出資金があるわけですね。したがって、その四億円の出資金があるということになりまして、これは会計検査院の検査の対象になってくるというふうなことであります。言うならば、会計検査院がこれはどうも認められないというようなことになりますると、出資金を返さなくてはならない、こういうことも事実上出てくるんじゃないかと思うんですね。まだよその十五の箇所につきましても会計検査院は入っていないようでありますけれども、それぞれの県としましては、やはりこの辺についての大変な懸念も持っていることは間違いない、そういう状況なんですね。したがって、ソフトセンターが累積赤字がかさんで困るというような実態であるからして、これを積極的に合築でいいよという結論にならない。会計検査院の指摘を受けたときには困っちゃうな、こういうふうな心配を非常に強く持っている部分もあるように聞いているわけですね。 したがって、そういう面から考えますると、時間の関係で私は結論を申し上げますけれども、今日の高度技術、ハイテクの技術者の養成、人材育成ということになりますると、これは法律がありますから法律に準拠するのは当然ですけれども、しかし法律も万全じゃないわけですよね。すべての法律は人間がつくるわけですから、そのときの情勢によっては相当、改正すべきものはする、あるいは運用の面について、弾力的に運用できるものについてはするというようなことが一つの基本になってよろしいと思うのです。そういう面からしまして、今日の状況からすれば、それぞれ県なりあるいは地元の団体の実態に合った要請、実態に合った要求と申しますか、そういうものを基盤にして、いかに通産の方で温かく援助をし指導をするか、こういうことが基本として問われているんだと思うんですね。余り押しつけて、このとおりやれよ、法律をつくったのはこういう目的なんだということで押しつけたり、あるいは、嫌だと思いながらもついついこれをのまなければならないような形にしむける行政手法というものは厳に慎むべき必要がある、こういうふうに私は思っているのです。 したがって、その辺について今後の問題、まだ十七カ所ですね、申請二カ所を合わせて。まだ大分数があるわけですから、そういう面では、法律をつくった、制定をしたときの状況と今日の状況をきちんと対比をして、変化に合わせ、同時にまたそれぞれの地域の要請、こういうものを両々勘案しつつ新しい方策を絶えず創造していく、こういう気持ちが求められていると思うので、その辺の気持ちはいかがですか。
○中川説明員 地域の情報化のためにこの地域ソフトウェアセンターの構想が出たわけでございまして、日本国全体の情報化を進めます上で、地域の持つ特性をそれぞれ生かしながら、また地域の実情に応じて私どももこうした施策を展開していかなければならないと思っております。 残念ながら、初期段階ということもありまして、必ずしもうまくいっていない状況もございますけれども、先ほど申し上げましたように、産構審の情報産業部会でも、こうした人材育成のために運用を改善すべき点がどこにあるか、あるいは強化するためにはどうしたらいいかということもあわせて検討中でございます。地域の実情もよく見きわめながら、今後この人材育成にさらに努力をしていきたいと思います。
○安田(範)委員 最後に一言だけ申し上げてみますけれども、今日のこの財政的な厳しさというものは、国だけではなくて、やはりとりわけ地方自治団体におきましても大変な厳しい状況がある、これはもう御案内のとおりですね。そういう中で、とりわけ国の行政をどうやっていくかということを考えた場合には、やはり地方分権、言われているとおりでありまして、それぞれの自治体のいろいろな計画に対して、現法律を基本にしつつも、いかに優しく、いかに親切に、こういうことがすべての基本ではないか。これは通産だけではないと思うのですがね。役人の人たち、大変失礼な話を申し上げますけれども、メンツにこだわる、こういう風潮が非常に強い。これはやはり頭の切りかえを必要とする大変な課題だろうと思うのですね。法律をつくったんだからというようなことでメンツにこだわらないで、やはり実態に合わせてきちんとその法律を運用していく、このことが肝要だということを申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○竹村委員長代理 和田貞夫君。
○和田(貞)委員 先ほど私どもの方の鈴木委員から、最近の急激な円高について、非常に懸念する余りに質問してもらったわけでございますが、ちょうど経済企画庁長官がおられませんでして、通産大臣にかわって次官の方から、円高に対する自動車産業、あるいは電機産業に与える影響というのは非常に、数字を示して説明があったわけであります。 今週末にG7がロンドンで持たれますので、船田経済企画庁長官は経済閣僚でございますが出席はされませんね。しかし、あなたはやはり経済運営についての責任者であるわけでございますから、やはりしかと閣議で大蔵大臣にやかましく言って、そしてあなたの指示で大蔵大臣を動かして、特に、円高になりましたら、やはり自動車産業、電機産業の下請、又請、部品をつくっているそういう小さな企業に与える影響というのは大変なことでございまして、そこに働く労働者も大変心配するわけでございますから、少なくとも、アメリカの言いなりに、ヨーロッパの各国がその方に向けて日本を包囲して、そして日本の円高に向けていくというようなことに対して、日本がみじんにもこれに迎合するようなことのないような態度でG7に臨んでもらいたい、こういうように思うわけでございますが、せっかく長官来られましたので、先ほどの質問者の鈴木委員もおりますので、どうぞ、あなたの立場から、この急激な円高の見通しを、どのようにあなたとしては考えておられるか、あるいはG7に臨むに当たって、あなたの考え方を、しかとひとつ、この機会に御意見をお聞かせ願いたい、こういうように思います。 〔竹村委員長代理退席、安田(範)委員長 代理着席〕
○船田国務大臣 和田先生にお答えをいたします。 先生今御指摘をいただきましたように、為替相場、思惑等によりまして短期間のうちに大きく変動をする、こういうようなことはやはり経済にも悪影響を与える可能性がありまして、好ましくない、こう私も感じております。 基本的に申し上げれば、為替相場というのは、経済のファンダメンタルズ、基礎的条件を反映をして安定的に推移するということが望ましいわけでございまして、為替市場の動きについては今後とも注意深く見守っていく必要があるだろうというふうに思います。ただ、現状におきまして、今回の円高が、例えば一時的なものであるのか、それとも今後恒常的なものになっていくのか、現状において予見を申し上げるわけにはなかなかいかない状況であります。今後、その動きというものを本当に注意深く見守っていく必要があろうというふうに思います。 それからG7、今週末にロンドンで行われるわけでありますが、それに向けての対応いかん、こういうことでございます。これは、基本的には林大蔵大臣がきょう夕方から出発をいたしまして、G7の会合に御出席になり、そして月曜日の予算委員会等に間に合うようにお帰りいただくということになっておりますけれども、基本的にはやはり・大蔵大臣としては、今私が申し上げたような各国の基礎的条件、こういったものがきちんと反映された形での為替相場というものができることが望ましい、このようなことで御発言をいただくもの、こう理解をしているわけでございますが、特に大蔵大臣にとりたててお願いするということよりも、大蔵大臣はもう既にそのようなお気持ちできちんと対応してくれるもの、このように確信をしておりますので、そのように私は理解をしております。 〔安田(範)委員長代理退席、竹村委員長 代理着席〕
○和田(貞)委員 大蔵大臣が頼りないと思ったら、あなたも一緒に行って、みじんにもやはり態度が、国際会議に臨むのには、我が国を代表して行くのにやはり態度が大事ですから、ひとつあなたは若さを持って、行くまでに時間があるから大蔵大臣にきちっと言って、どうも頼りないと思ったらあなたも追いかけて向こうへ行って、そしてぜひとも日本の態度というものを鮮明にして、アメリカやヨーロッパ諸国にもう押し伏せられて泣き寝入りするというようなことのないようにひとつ頑張ってもらいたいということを強く要望しておきたいと思うわけでございます。 時間の関係もございますので、この間の所信表明に対する質問のときに述べさせていただきました、最近非常にちまたで被害を受けておって、そして国民生活センターや各県の消費生活センターに持ち込まれるいわゆる継続的役務に対する消費者の被害、これをやはり救済する措置というものをどうしても早急に講じなければ、悪の業者をいつまでもはびこらせるということになるわけでございますので、この前も申し上げましたように、昨年の通常国会で、前の渡部大臣に対しましてこのことを強く具体例を挙げて要請をいたしましたところ、新しく法の制定あるいは現行の割賦販売法の改正、これを含めて、この問題について通産省としては私の意見を取り入れて、検討し、早急にひとつ結論を出すようにという旨の答弁がなされておるわけであります。それは、経済企画庁の方もこの間指摘させていただきましたように、非常に若い大臣として就任間もなく、早速国民生活センターに行かれて、そしてその実情というものを熟知していただいて、これは通産省の方に早急に対処方をひとつお願いしようということを消費者の皆さんに発言されているわけですね。国民の皆さんに記者会見で約束されているわけですよ。あなたのそういう行動というものを私は非常に敬意を表しているわけであります。私は、そのことをただ約束するだけじゃなくて、それが現実に通産行政の中にあるいは消費者行政の中にどれだけ具体化していくかということがこれから大事な問題でありますので、あえて質問いたしたいと思うわけでございます。確かに通産は通産としてこれらの業界に対するところの行政指導というものは行ってきてくれました。そしてさらに、昨年の十月には通達を出して、これは法的な根拠のない行政指導でございますが、クレジット産業に対して文書をもって行政指導をやったという、これも非常に評価できる通産のやり方であるというように私は思っておるわけでございます。 そこで、せっかくの場でもございますので、ひとつ通産省の方から、現在までどのような対応をしてきたかということを、これから私たちも勉強するために、ぜひともひとつこの場で皆さん方が進めてこられた内容について報告してもらいたい、こういうように思います。
○細川政府委員 お答え申し上げます。 まず継続的役務取引の適正化あるいはあり方につきまして、和田委員には昨年あるいは前回のこの場での国会審議の場などなどを通じまして非常に貴重な御意見をいただき、また御激励もいただきまして、また今は評価もいただきまして大変ありがたいことだと思っております。 それで先ほどお話のございました渡部前通産大臣との質疑でございますが、これは昨年の四月の十五日であったと記憶をいたしておりますけれども、その質疑を踏まえまして昨年の十月に、学識経験者それから弁護士、消費者代表などから構成されます継続的役務取引適正化研究会を設置をいたしまして、トラブル防止のあり方などにつきまして非常に幅広く検討をいたしております。必要がございましたら、後ほどこれまでの検討状況を申し上げます。 これに並行いたしまして、先ほどお話がございましたが、特に多くの問題が生じていると言われておりますエステティックサロン、外国語会話教室などの業種につきましては、支払い方法として私どもの調査ではクレジット契約の利用が非常に多うございますので、ちなみにちょっと申し上げますと、私どもの調査では割賦購入あっせん利用が支払いの中で九割を占めておるということでございますので、その点に着目をいたしまして、クレジット業界に対しまして、先ほど申しました四月の十五日の質疑の後、平成四年の五月二十六日に、それまでの指導に加えまして通達という形で、役務提供事業者を加盟店とする場合におきます審査の厳格化など加盟店管理の強化などについて指導を行ったわけでございます。さらに昨年の十月には、継続的役務提供事業者が倒産などの事由によりまして役務提供ができなくなった場合には利用者への支払い請求を停止するなどの措置をとるように指導を行ってきておりまして、現在その効果を期待をいたしておるわけでございます。
○和田(貞)委員 その通達を出されたということについて先ほども評価いたしましたけれども、あなた方の今日までの対応の結果どのような成果が上がっておるのかお聞きしたい。
○細川政府委員 二点申し上げたいと思います。 第一点は数字で申し上げたいと思うんですが、これまでの主要な倒産事例について見ますと、当省の指導の結果、先ほど申し上げました指導の結果、約五千三百名、クレジット残高で約二十五億円について支払い請求の停止などの措置が講じられているということを把握をいたしております。これが第一点でございます。 それから第二点は、クレジット産業協会加盟全社につきまして、したがいまして基本的に全数調査だというふうに理解をいたしておりますが、その結果によりますと、クレジット会社の役務提供加盟店管理というのが非常に強化をされております。特に大手十五社について見ますと、その大半のクレジット会社が、経営状況や消費者トラブルの発生状況の把握、商品内容や料全体系のチェック、中途解約への対応状況などの点について留意しながら当該役務提供加盟店の管理の精度向上を図ってきておりまして、最近は特にこれらの状況を見て加盟店契約の内容や取引額について見直す傾向が出ております。必要がございましたら、詳細を申し上げます。
○和田(貞)委員 一応の成果が上がっておるというようにあなたの方は評価されているわけでございますが、これは今なお、皆さん方の方で今御報告がありました研究会を持っておられるわけですが、その研究会の報告を、時間がだんだん迫っできましたけれども、簡単に報告できるのであればひとつ今報告してくれますか。
○細川政府委員 構成につきましては先ほども申し上げたとおりでございますけれども、十月に発足をいたしまして毎月一回のペースでやっておりますが、十月にはエステティックサロン業それから英会話会話教室業、学習塾業、家庭教師派遣業と、一般的に非常に苦情または被害が大きいと言われておるこの四業種につきましてその概要の研究を関係業者を加えましていたしました。加えまして、継続的役務取引をめぐります消費者トラブル、苦情の概要ということについても同日にやっております。それから、さらに十一月の二十六日には、当省の消費者相談室などに寄せられました消費者相談の中身を相当詳しく実態に迫りまして検討をその場でいたしております。加えまして、先ほど申し上げました割賦購入あっせんを利用いたしました継続的役務取引をめぐりますトラブルヘの対応ということについても検討いたしております。さらに十二月に至りまして、英会話会話教室、学習塾業界それから家庭教師派遣業、それぞれにつきまして関係業界からヒアリングをいたしております。それから昨二月の十八日には、エステティックサロンに焦点を合わせまして同様のことをやっておりまして、加えまして、継続的役務取引とクレジットの関係について検討をいたしたわけでございます。
○和田(貞)委員 今御報告がありましたことに対する私のこの考え方、午後からやらしていただきたいと思いますが、ただ、クレジット産業界の方には確かに行政指導されて、新聞にも載っておるように、成果が上がっておるということは事実なんです。 しかし、契約者はサラ金を利用している者もやはりあるわけです。通産省は管轄外だから、これは大蔵省でやってもらえというようなことであればやむを得ないと思いますけれども、やはり被害者というものは全般にわたって出てきておるわけでございますから、全体を通じてやっていこうと思いましたら、国民生活センター自身も認めておられるように、あるいは船田長官自身も現場に行ってその意見をお聞きしているように、現行の法律の状態ではこれはどうしても対処することができない、お手上げたというように全国の消費者センターも言っておるわけでございますから、これに対するところの意見、午後からひとつやらせていただくということにして、午前の質問はこれで終わります。
○竹村委員長代理 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十一分休憩 ――――◇――――― 午後一時開議
○竹村委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。和田貞夫君。
○和田(貞)委員 朝からいろいろと通産省の考え方をお聞きしたわけでございますが、設置されております継続的役務取引適正化研究会、近くその結論を見出してもらわなければならないわけでございますけれども、いろいろと若干の資料を見てみましても、あるいは船田長官が国民生活センターに訪問されたときにも現場の相談員の皆さんが訴えておりますように、現行の法体系ではどうにもしょうがない、消費者を守ることができない、被害者を予防することができない、できてきでも救済ができない、こういうふうに言っておられるわけですね。それは船田長官もよくお聞きのとおりであると思う。だから、何とかせなければいかぬというように私たちも言っておるわけでございますが、通産省の方でこの研究会で検討を進めていって、そして、先ほどから繰り返し申し上げておりますように、新法の制定あるいは割賦販売法の改正、これを具体的に、そこに標的を定めて検討を進めておるのか、そのような結論を出そうとしておるのかということをひとつお聞かせ願いたい。
○細川政府委員 お答え申し上げます。 まず、我々が考えております研究会の当面のスケジュールでございますが、先ほど申し上げましたように、昨年十月より検討を開始いたしましてこれまで五回会合を重ねております。その間に業界関係者からのヒアリングも実施をいたしておりますし、午前中に申し上げましたようにいろいろな角度から検討を加えてきておりますが、今後さらに検討を重ねまして、本年の夏ごろには報告を取りまとめていただきたいというふうに考えております。もとより、その目的は消費者利益の実質的な保護の確保ということを中心に据えておるわけでございまして、クレジット業界に対する通達など指導の効果を見きわめながら、研究会の報告を踏まえて必要に応じ一層の対策を講じてまいりたいというふうに考えております。 なお、割賦販売法の改正を必要とするかどうかということにつきましても、この研究会の検討の中を通じまして結論を得たいと思っておりますが、お許しをいただければ中途解約権の導入あるいは役務を規制対象とすることの是非ということについてさらにこの場で私どもの当面の考え方を述べさせていただきたいと思います。よろしゅうございますか。 〔竹村委員長代理退席、安田(範)委員長 代理着席〕
○和田(貞)委員 いや時間がない。これは時間がありませんので、あなたしゃべっていたら後の質問者に迷惑をかけますので、あと六分しかありません。 そこで、あなた方の考えておられるのは、どうも今歯切れがいい返事がもらえなかった、回答、答弁をもらえなかった。法の制定あるいは割賦販売法の改正、どうもそこまで求めて結論を出そうと検討しておるというようには一〇〇%思えないわけでございますが、それでもなお、新法の制定、割賦販売法の改正、これを一挙にできなければ、せめて割賦販売法の改正だけでもぜひともやるというように前向きになってもらいたい、あるいは、できるならば新法の制定によってこの種の被害が起こらないように、国民生活センターや地域の消費者センターの相談員の皆さんがその法に基づいて被害者を自信を持って救済していく、こういうようなことになるようにぜひともやってほしいというのが私たちの願望であります。 そこで、時間がありませんので押しつけがましい言い方になろうかと思いますが、法の制定に当たって問題点になるのは、私たちもよく承知しておる、規制対象はどうしようかというところにやはり一つの問題があろうと思うのです。あるいは前払い代金の保全措置をどうしようかというところにやはり問題があろうと思うのです。あるいは中途解約権を、まじめにやっておられる業者もあるわけでございまして、例えば約八十から九十の業者は既にモデル契約というものによってひとつ契約をしていこうというような、そういう人もあるということを私たちは百も承知であるわけです。しかしそれ以上に、なお法定中途解約権というものがあるならばそれにこしたことがない。しかし、それにはどうするかというようなこともやはりあろうかと思うわけであります。あるいは、物品と違いまして、商品と異なって役務ということになりますと、そのサービスを受けたことが果たして瑕疵であるかどうかというようなことを判断するのが難しいという点もあるということも私たちは百も承知であるわけです。 しかし、例えば規制対象を、先ほどからおっしゃっているようにあなたの方のこの研究会の方でも、一つは教授サービス、一つはエステティックサービス、これを対象にして研究会で議論されておるわけであります。しかし、その中でも、なお政令によって、一定の金額以上、すなわち高額性を伴うもの、あるいは期間を何回以上とかあるいは何カ月以上とかというように極めて長期性のあるもの、あるいは一括にしろ分割にしろ前払い性のあるものというようなところに限ってその対象の規制というものをやっていったら問題が解決できるのじゃないか。あるいは法定中途解約権につきましても、いろいろな観点があろうと思いますが、あくまでも契約の安全性あるいは事業の安全性あるいは解約に伴うところの返戻金の算定、違約金の額の制限というような問題等についても議論して絞っていくようにしたらいいのじゃないか。あるいは瑕疵の判断につきましても、この際商品と異なって事前に見ることができないわけでありますから、目でこれが悪いものであるとかあるいはインチキなものであるというようなことがわからないわけでありますから、結果的にはサービスを受けて後にしかこのことがわからない、そういうことでございますから、やはり伴った被害を救済するための法律というものはぜひとも必要であるというように私は思うわけでございます。 きょうはもう時間が終わりでございますので、せっかくのことでございますから、長官でも通産大臣でもどちらでも結構でございますから、今まで通産省の方が検討を進められてまいりました研究会で、国民生活センターやあるいは消費生活センターの相談員の皆さんが、救済をするためにはどうしても法律が要るということを言っておるのです。あるいは弁護士の皆さん方も日弁連を通じましてぜひとも法律が必要であるということを言っておられるのです。私たちも言っておるわけであります。他の政党の皆さんも、勉強すれば、そうやということを言っておられるわけであります。どうぞ、そういう意味で、法の制定あるいは割賦販売法の改正ということを視野に入れた結論を検討の結果出していただきたい、こういうように強く要望するわけでございますが、どちらかの大臣の方からそのことについての考え方をひとつ示していただきたいと思います。 〔安田(範)委員長代理退席、竹村委員長 代理着席〕
○船田国務大臣 和田先生にお答えをいたします。 先ほど来から和田先生の大変貴重なお話をちょうだいいたしまして、ありがとうございます。私も、御指摘のように、一月の中旬でございましたか、国民生活センターに視察に参りまして、いろいろ、継続的役務取引の問題、特にクレジットが絡む問題ということについてさまざまな、しかも数もかなりの数でございましたけれども苦情が来ている、こういう現状をつぶさに意見として聞かせていただいたところでございました。 この継続的役務取引におけるさまざまな問題あるいはトラブル、これはやはり私どもとしても、消費者行政、特に消費者保護行政ということをやっております立場からしますと大変大きな問題ではなかろうかということで、私も真剣にこの問題を考えてきたつもりでございます。現状としては、先ほど商務流通審議官からもお話がありましたように、通産省の中でその研究会を今つくっていただいておりまして、各方面からの御意見もいただいているというような状況と伺っております。また、私どもとしても、国民生活等を通じまして、あるいは部内におきましても、個別の消費者相談の充実やあるいは的確な情報提供、こういうことに現在努めております。また、いろいろな報告を聞きますと、どうしてもやはり若年層といいますか二十代、三十代、そういう消費者の中でのトラブルが非常に多い、こういうこともございまして、これはやはり消費者教育ということも充実しなきゃいけない、こんなことも考えておりますし、もちろん、先ほど来先生御指摘のような法の改正あるいは新法制定ということもある程度視野に入れながら検討していく必要があるだろう、このように思っております。 ただ、法制定あるいは法の改正の点では、やはり今先生御指摘のような技術的なさまざまな問題点ということも一方では指摘をされているわけでございまして、これは今後先生の御意見を十分に参考にさせていただきながら勉強していきたい、また、この法改正に伴うものは通産省が所管でございますので、通産省とも連携をとりながら対応していきたいと思っております。
○和田(貞)委員 法の制定を強く要望して質問を終わります。
○竹村委員長代理 長田武士君。
○長田委員 まず初めに、我が国の経済の現況をどのように見ておられるのか、お伺いを申し上げます。 先日の予算委員会では、宮澤総理は、企業の在庫調整も既に終わっておる、景気の回復もそんなに遅くはないであろう、このように答えておるわけでございまして、その後急速な円高が起こりまして、また、きのうの新聞によりますと、「製造業、在庫調整すれ込み」、通産省の見通しては終了は四月から六月以降である、このように通産省が製造業の在庫調整の、鉱工業の生産動向の分析をいたしております。これが新聞に出ております。そういう状況でございまして、私は少し状況が変わってきておるのではないか、このように考えておりますけれども、通産大臣、経企庁長官、現状はどうでしょうか。 〔竹村委員長代理退席、安田(範)委員長 代理着席〕
○森国務大臣 お答え申し上げます。 まず、先生も十二分に日本の経済の現状についてはいろいろな角度から御検討また御勉強されていられると思いますので、今通産省としてはこのような分析をいたしておりますということを中心にお答えを申し上げたいと思います。 我が国の経済の最終需要の約四分の三を占めております個人消費、それに設備投資の低迷、これが大変厳しい状況になっているというふうにまず私どもは見ております。 個人消費につきましては、所得環境の悪化に加えまして、ストック調整による耐久財の買い控え、雇用の先行きに対する不安感によるマインドの心理的な冷え込みといいますか、これが背景になっておりまして、百貨店、スーパー等の販売統計が、これまでにない前年割れの状況が依然として続いておるわけでございます。 設備投資につきましても、ストック調整は進みつつはあるものの、稼働率が非常に低うございまして、収益環境の悪い状況では早期の回復の期待は難しい、先行指標である機械受注統計、建設受注統計を見ましても、これも前年割れが続いておる現況でございます。 こうした最終需要の低迷が続く中で、企業は在庫調整を懸命に進めておるわけでありますが、近時、耐久消費財、資本財等の在庫調整は進展してきておりますが、これまでに在庫調整が進んでおりました生産財につきましては、このところおくれが見られ始めだということが懸念される新たな材料にまたなっております。これは、先ほど先生からも新聞等をごらんになっての御見解が述べられておりますが、まさにそのような状況になって打ります。 今回の景気低迷は大企業中心と今日まで言われてきたわけでありますが、現在では中小企業にも波及しておりまして、売上収益、資金繰りは悪化傾向が続いておりまして、倒産件数も高い水準にあるなど、非常にこれも苦しい状況にございます。さらにその上、最近のこの急激な円高が、輸出関連企業それに輸出産地におきましては、円ベースの手取りが減収になっておりまして、企業収益の一層の悪化を招くということなど、好ましくない影響を与えているということも懸念される要因でございます。また、バブル崩壊に伴う資産価格の著しい下落が、金融システムや実体経済に対する懸念を強めておるわけでありますが、先行きに対する不安感を醸成している点も見逃せないものであると考えられております。 こうした状況を踏まえまして、政府といたしましては、たびたび総理も、また大蔵大臣も私も申し上げておりますように、十二月の補正予算の成立を受けまして、総合経済対策の完全実施の努力を倍加させているところでございます。さらに、現在の景気を下支えをいたしております公共事業が息切れしないように、切れ目のない実施ができますように、景気の一日も早い回復を実現するために、ただいま御審議をいただいております平成五年度予算の早期成立がぜひともこれはまず不可欠である、このように考えております。 景気の先行きにつきましては、公共投資が堅調に推移することが見込まれているほか、住宅投資は回復の動きが続いておりますこと、企業が在庫調整の努力を続けておりますことなどの積極的な面も見られるわけでございまして、全体としては依然として予断を許さない状況にある、こういうふうに見ております。このため、私といたしましては、経済の実態をマクロ面のみならずミクロ面においても注視をし、一日も早い景気回復を目指して、適時適切な経済政策の実施に努めてまいりたい、このように考えております。
○船田国務大臣 長田先生にお答えいたします。 今通産大臣が詳しくお話をいたしましたけれども、私の見方としても、今通産大臣がお答えになったこととほぼ同様でございます。特に、今もお話がありましたけれども、今後の見通しということにつきましては、私どもとして、昨年の八月の総合経済対策、それから第六次の公定歩合の引き下げ、そして今平成五年度の予算について御審議をいただいているわけでございますが、それが一日も早く執行されるということであれば、切れ目なく公共事業を中心としてその執行が行われる。そのことが、公共投資、住宅投資が成長を牽引するという形になりまして、そしていずれは個人消費、設備投資も徐々に回復に向かうもの、こういうふうに期待をしておるわけでございます。
○長田委員 円高対策と不況対策について、両大臣にお尋ねをいたします。 最近の急激な円高は輸出関連産業に大きな打撃を与えておりまして、再び企業倒産が増加するのではないかということを懸念されております。本日の東京為替市場では、午前の終わり値は百十七円七十三銭、やや円安傾向に走っておりますけれども、金曜日の後場の取引は恐らく百十円台ということで、ある程度百二十円台から百十円台が定着しつつある、このように為替は見なければいけないのだろうと考えております。 前回の円高は、昭和六十年九月のプラザ合意によりまして、当時一ドル二百四十二円前後だったのでありますけれども、一年後の六十一年八月には百五十五円前後まで急騰いたしました。その当時のことを思い出しますと、輸出関連産業の中でも、私たちも視察に参りましたけれども、新潟県の燕市、食器をつくっておりますけれども、大変大きな打撃を受けておりました。窮状を訴えられまして、私たちも本当にその状況をつぶさに調査をしたところでございます。 このときの円高は、当時の我が国の大幅な経常黒字、つまり五十八年度の経常黒字が二百四十二億ドル、五十九年度の経常黒字が三百七十億ドル、それから六十年になりますと五百五十億ドルと我が国のGNPに対しまして大体三%から四%、大幅な黒字を背景にいたしまして、G5の大蔵大臣がプラザホテルに集いまして、その合意によって政治的な為替相場が誘導された、こういうふうに見て構わないと私は思っております。 本来為替相場というのは市場によって自由に形成されるものでおる、このように私たちは認識をしております。しかし、経済の原則に沿った相場が形成されず、何となく政治的な動向によって形成されるのではないかというような感じさえ私は、G5、プラザ合意以降の為替相場をつぶさに見てまいりますと、どうも政治的な動きに連動して動いておるのではないかというような感じを強く持つわけであります。 最近になりまして、我が国の貿易黒字というのが大体一千億ドルを超えております。そういう水準にありながら、最近の円対ドルレートというのは百二十五円、これをずっと推移しておりましたね。たまには百三十円台に乗っかるというようなことで、円安に動いた事実もございます。これは私は不思議でならないと思うわけでありますけれども、為替相場というのは一体どういうふうにして形成されるのか、貿易の大幅な黒字などには反映しないのはなぜなのだろう、そういうことが私は不思議に思えてなりません。この点について、為替相場の形成について両大臣からひとつ私に教えていただければ大変ありがたいと思います。
○土志田政府委員 お答えいたします。 為替レートの決定でございますけれども、基本的には各国の物価上昇率とか経済成長率といったようないわゆるファンダメンタルズというようなものを反映して決定されるというふうに理論的には考えられもわけでございますけれども、時期によっては内外金利差というようなそういうことで資本取引が影響を受けるというようなこと、あるいは経常収支の動向といったようなことによっても影響を受けております。 それで、過去の動きについて円ドル関係でちょっと見てみますと、一九七〇年代におきましては、石油危機が二回ございまして、そのときは、日本の場合貿易収支が赤字になる、インフレ率が高まるということで円安に動きまして、その後、それを克服しますと再び円高になるということでございます。それから八〇年代に入りましてからは、金融面でさまざまな自由化措置がとられまして、資本取引が大きくなったわけでございます。したがいまして、特にアメリカの金利が高いというようなことで、かなり金融資産の取得ということで当時円安・ドル高が生じたということになっておりまして、そのときどきでそういった金融面あるいは資本取引の動向によって左右される場合、あるいは経常取引の方で左右される場合とまちまちになっております。
○長田委員 そうすると、この為替相場というのは政治的な発言等によっては余り左右されない、ファンダメンタルズ等の要因等によって動くものだということなんですか。
○土志田政府委員 御指摘の、いろいろな発言で動くというのは短期的な動向としてはそういうことも見られるわけでございますが、それが実際定着するかどうかというようなことになりますと、それはまた、先ほど申し上げましたいろいろな経済の全体の動きで変わってくるのではないかというふうに考えております。
○長田委員 私は為替相場について不思議に思えてならないことが何点か実はあるのです。 当然相場に反映すると思われております国際収支、それには余り反応を見せない。むしろ政治的な発言や思惑によって相場が動いておるというのが現状ではないかと私は思うのです。今回の場合もそうでありますけれども、クリントン政権が誕生いたしまして、先日、民主党の下院議長が日本に来られました。彼はどういう発言をしたかといいますと、クリントン大統領は円高を希望しておる、こういう発言をいたしました。このような発言をした途端に円高に走りました。また、これに追い打ちをかけるようにいたしましてアメリカのベンツェン財務長官、彼が円高要望発言をいたしましてさらにそれに拍車をかけました。これに対して我が国の大蔵大臣は、思惑的な神経過敏な動きである、このようには発言をいたしておりますけれども、また日銀総裁も大蔵財務官も、今月末に開かれておりますG7での円高誘導合意を否定するのみで、積極的な円高防衛発言というのは、今のところ閣僚からも聞こえてこない、あるいは総裁からも聞こえてこない、このことは私は大変不満であります。 それはともかくといたしまして、為替相場が経済よりも政治によって動かされておるというようなこういう傾向というのは日本にとって余りプラスではないんじゃないか、私はこのように考えるわけであります。そして、こうした急激な円高によりまして我が国経済が大混乱に陥ることは不本意きわまりないと私は考えておりまして、大変迷惑な話である、このように考えております。 市場経済の原則を無視した政治的発言によって市場経済が混乱しようとしておるこの現状について、我が国の経済の運営を預かる経企庁長官、経済安定のために、日本経済を発展的、そして持続させるために、為替の現状をどう見ていらっしゃるか。為替の動き、余りにも政治的な発言によって動くこの為替相場に対する考え方、どうお考えでしょうか。
○船田国務大臣 先生御指摘のように、その為替相場が思惑等によりまして短期間のうちに大きく変動するということは、これは経済にも悪影響を与える可能性がございまして、これは好ましくない、こう私は考えております。言うまでもないことですが、為替相場というのは基本的には経済のファンダメンタルズ、基礎的条件、そういうものを反映して安定的に推移をしていくということが望ましいわけでありまして、現在の為替の状況が、この円高の状況が一時的なものであるのか、あるいはある程度恒常的なものになっていくのか、今後の見通しということもまだつかないような状況でございまして、いずれにしましても、為替市場の動きについては今後とも注意深く見守っていかなければいけないな、こういうふうに感じておるわけでございます。
○長田委員 市場経済を正常な状態で運営するためには、私は、政治や行政の過分な介入、これはぜひ避けるべきだと考えております。 ところが、月末のG7に先立ちまして、先日G7の次官クラスの会合がありました。急激な円高が進行しているさなかにこの次官クラスの会合が、為替相場は市場に任せるという発言をいたしております。このような発言の内容は当然といえば当然だろうと私は考えますけれども、この円高が進行している中で、市場に任せるとわざわざ発表するものですから、円高を容認したというふうに受け取られる筋も実はあるのですね。私は、このような発言は日本にとっては迷惑千万だろうと考えております。 プラザ合意以来、G7は為替の問題についてはどうも政治的な発言が多過ぎると私は考えているわけであります。G7が世界経済の安定、発展を図るためには、各国の経済運営、そういう具体的な問題について話し合うべきで、そして例えば日本が黒字で悪いというならば、経済運営の方法を改めること、内需拡大をするとかあるいはそれによって輸入をふやすとか、そういう具体的な案件を徹底的に討議する、そういう場であるのがしかるべきであろう、私はこのように考えておりますけれども、通産大臣、いかがでしょうか。
○森国務大臣 今長田委員いろいろ御指摘になられました。 確かに今度の円高は、外的にはいろいろアメリカ大統領の周辺あるいはフォーリー下院議長のお話もされておりましたが、私もお目にかかりましたが、私どもにはそのようなことはおっしゃっておられませんでした。いろいろな諸条件が今アメリカ政府にはあるのだという厳しいことをおっしゃっておられました。 そういうことと、もう一つは、ベンツェン財務長官の円高容認のような表現があって、それがこの二十七日のG7で、恐らく誘導策でも協議されるのではないか。これが市場に反映した、思惑になったと私は思っております。 何も政府がはっきりしたことを言わないじゃないかという御指摘、おしかりもございますが、私どもの立場からまいりますと、今何とか景気を回復しようと一生懸命努力しておりますときだけに、こういうときにこういう急進的な円高というのは非常にはた迷惑な話でありまして、そういう意味では、重ねて記者会見では、景気低迷の足を引っ張ることになる、せっかく努力しつつあるところにぶち壊しになってしまいますとは言いませんでしたが、それに近いようなコメントも私は出しておったわけであります。 対外不均衡の是正を進めていくためには、基本的には為替レートは、先ほど船田長官も申されましたように、日本の経済の諸条件に合わせて緩やかな円高傾向になっていくことは望ましいだろうと考えておりますが、しかしながら、思惑等によって短期間のうちに変動させるということは、不安定な動きを示すことは極めて好ましくない、私はそういう考え方、そういう見方をいたしております。 いずれにいたしましても、林大蔵大臣も明言されておりますように、円高誘導の合意などは今度はないということを明確にしておられますし、また二十四日にはベンツェン米財務長官が、G7は顔見せ会議となり、共同声明などは予定されていない、こういう発言がございまして、次第に落ちつきを見せている、またそのことを期待したい、こう思っております。
○長田委員 森通産大臣、自民党の政調会長もやられましたし、政策通でございますし、大物政治家の通産大臣でございます。その手腕を期待いたしておりますから、よろしくお願いいたします。 円高で、きょうもテレビでやっておりましたけれども、スーパーなどは輸入牛肉を大分値下げして販売をする、明るいニュースも実はあるのですね。けさテレビでやっておりました。そういうメリット、デメリット両様あるわけでありまして、特にここで被害を受けますのは自動車産業を初めといたしますところの輸出産業、大体一円の円高で数十億ドルの減収になるとか、そういう状況でございます。また、電力あるいはガス業界、石油業界のように、一円円高になりますと五、六十億円収益が上がる、このように言われておるわけであります。 私が商工委員のときに、たしか数年前だったでしょうか、ドルが大変乱高下激しい時代がありました。その都度電力料金の値上げをするとか、いろいろな問題が惹起いたしまして、このような為替変動相場制に対しまして積み立て方式をとりまして、積み立てをいたしまして、差損が出た場合にはそれで調整をしようということを実施いたしました。きょう調べてみますと、現在電力十社で一兆三千四百九十五億円積み立てております。ガス業界でも三千六百八十五億円、これは大手三社でありますけれども、平成三年度末ではそれだけの積立金を持っております。 このような円高が急激に来ておるわけでありますから、どうでしょう、通産大臣、電力なども今いろいろ努力をされておりまして、電線の地中化とかそういう設備投資に相当金をかけておりますけれども、さらに景気が低迷してこのような状況でありますから、公共事業はもちろんでありますけれども、電力さんにお願いをいたしまして、それらの投資の促進という面で不況の一つの突破口にしたいというお考えはないのでしょうか。
○森国務大臣 円高によりまして差益が発生するためにはある程度の期間継続して円が高くなっていく、こういう必要があろうかと思います。為替レートの今後の動向や円高傾向の定着等がまだ定かではない現時点におきましては、円高差益の発生について具体的なことを申し上げることは、いかにも今の動きを私どもは肯定してしまうということにもなりかねないわけでございます。 ただ、通産省としましては、今後の為替レートの動向を十分注視しながら、必要に応じて、今先生がおっしゃったような、御専門家でございますから、当然私どもとしては、もしそういう場合はどういうことがあるだろうか、どういうことをすべきだろうか。前回の方式も今いろいろとお示しになられました。例えばこの委員会でも、たしか後藤委員だったでしょうか、円高メリットをみんなに分けてしまうようなことは必ずしも効果的ではなかったし、また、いいことではないというような趣旨の御質問もあったように私は記憶しておりますが、私も確かにそんな感じがいたしますし、今長田先生がおっしゃいますように、それをむしろ公共事業にプラスして景気に転じていくようにしていく、そのことによって社会資本を充実させていくということは、とり得る一審いい方法だろうと私は思いますが、くどく申し上げて恐縮でございますが、現時点ではまだそのことを云々する段階ではない、私はそう申し上げておくしかございません。もしそれで御不満でございましたら、もしそうであれば、何をやるのかということを黒田長官にお尋ねをいただければと思います。
○長田委員 それ以上言わないことにいたします。 次に、今回の円高の内容についてでありますけれども、私の感ずるところでは、プラザ合意以降円はドイツ・マルクとともにドルに対しまして同じような動きを示したように思います。私、いろいろ資料を調べてみたのですけれども、マルクの動きも大体そういう動きをいたしております。つまり、マルクが何らかの理由でドルに対して高くなれば円もつられて高くなる、マルクが下がれば円も下がるという、ほぼそのような基調であったように思っております。ところが、今回の円高はそれとはちょっと違うように思うんですね。そういう点を調べてみますと、どうも円の独歩高であろう、そういう感じを強く抱きます。経企庁長官、この点はどうでしょうかね。
○土志田政府委員 お答えいたします。 最近の円相場の動きを見てみますと、円ドルレートで申しますと二月初め百二十五円程度でございましたけれども、直近では百十七円程度でございます。また、円マルクレートの方も二月初めは七十八円程度でございましたけれども、直近では七十三円程度ということでございますので、御指摘のように最近の状況は、円はドルに対してのみならず欧州通貨に対しても上昇しているという感じでございます。これは、先生おっしゃいますように、プラザ合意以降の状況とか、例えば昨年の九月の欧州の通貨危機のときとは違いまして、ちょっと様子が違うようでございますけれども、これが一つの傾向として定着しているのかどうかというようなことにつきましてはもう少し動向を見きわめたいというふうに思っております。
○長田委員 今回の円高がほぼ独歩高のような感じが私はしてなりません。そうなりますと、輸出産業の立ち直りというのは私は容易じゃないような感じがいたしております。もちろん業界では、生き残りのためには厳しい国際競争といいますか、それに負けないためにはいろんな施策が練られるわけでありまして、コストの引き下げであるとかあるいは輸出コストを採算ベースまで持ってくるように努力するのは当然であります。従来の例で申せば、輸出業界が円高からの立ち直りのために行ったことは、コストの引き下げ、それからドル建ての輸出価格の引き上げという、そういうことが非常に可能でありました。 この昭和五十二年から五十三年の円高のときには、この資料によりますと、例えば自動車は円高分のドル建て輸出価格への転嫁は九九・七%、約一〇〇%の転嫁であります。電気機器の転嫁率は七九%、精密機械は八四%、一般機械は六九・三%、鉄鋼は六三%。そして昭和六十年のプラザ合意以降の円高局面では、自動車が六八・三%、電気機械は四八・四%、精密機械が四〇・八%、一般機械は六三%、鉄鋼がちょっと低くて六・七%、そういうふうな状況になっております。今回の円高は円の独歩高であるようでありますから、我が国の製品だけが輸出のドル価格を引き上げれば、当然これは国際競争力という点では負けてしまいます。これは経済企画庁の「日本経済の現状」、これは昭和六十二年度版。これは六十一年の本であります。ここに全部細かく載っております。 そういう意味で私は今までの円高局面とはちょっと状況が違う。そうなれば、不況下におけるところの円高というのは企業としてはまさしくダブルパンチを食ってしまう、こういう状況に陥っております。そういう点でどうかここいらの認識は真剣にきちっと持ちませんと対応がおくれてしまう、対応を誤ってしまう、そういうふうに私は考えるんですが、両大臣はここいらの認識はどうでしょうか。
○森国務大臣 冒頭の経済状況の現状という点でも申し上げましたように、まさに一番大事なことはやはり景気の低迷から脱すること、そしてさらに、いわゆる内需主導型の経済成長に進めていくこと、特に輸入拡大という面に最大努力をしていくということに尽きると私は考えております。なお一層努力をいたしたいと考えております。
○船田国務大臣 お答えいたします。 確かに急激な円高はよろしくない、こういうお話を先ほど申し上げたわけであります。もちろん理論的には円高が続くということによってもちろんプラスの面もないわけではなくて、輸入品が安くなり調達コストが安くなる、低くなる、そうすればいわゆる交易条件の改善ということでそれが経済に及ぼすプラスの効果ということはあると思います。しかし、それが現出するまでにはかなりやはり時間的なずれというものもございまして、短期的なところをとってみると構造的にはやはり輸出が減少し輸入がふえるということになりまして、GNPを減らす効果というのはやっぱりあるんではないか。さらにそれが急激でありますと企業家心理を冷やしたりあるいは輸出関連産業、自動車なり家電なりそういう輸出関連産業へのダメージというのが特に強調されて出てくる、こういうふうに考えておりまして、いずれにしても今後の円ドルの関係あるいは為替相場の状況というものを注意深く見守っていかなければいけない、このことが決して景気の回復をおくらせるということがあってはいかぬ、こういう気持ちでやっていきたいと思っています。
○長田委員 国際収支の不均衡は、特に最近における我が国の国際収支、一千億ドルを超えておるわけでありますが、これは国際社会においてただまさにひとり勝ち的な観を呈しているわけですね。日本だけが一千億ドル以上の国際収支の黒字を持っておる。これは思い返してみますと、我が国のこうした黒字に伴う第一回目の摩擦というのは昭和四十年代後半から始まっているんですね。このときは昭和四十八年暮れから始まった第一次の石油ショックで石油価格が暴騰いたしました。我が国の経常収支は瞬く間に赤字に転落をいたしております。そういうような状況で摩擦は一たん解消いたしております。しかし、昭和五十年以降我が国の黒字は再び巨大となりまして第二回目の摩擦が惹起をいたしております。しかし、このときも昭和五十四年の第二次オイルショックによりまして我が国の国際収支が赤字と再びなりました。このときもこの摩擦というのが自然的に解消されております。このような経過を経まして昭和六十年九月のプラザ合意、まあその前に一応第二次石油ショックで摩擦は解消したのでありますけれども、再び黒字がどんどんどんどんふえる、そういうような状況で、六十年の九月ですかプラザ合意が行われた。その結果、六十年二月には一ドル二百五十六円であったものが、先ほどちょっと申し上げましたとおり、六十一年八月には百五十五円まで円が急騰した。このときには輸出関連企業というのは大混乱を起こしました。それで当時は中曽根内閣であったわけでありますけれども、こうした傾向に増大する経常黒字、我が国の経済運営におきまして、世界経済にとってもやはり危機的状態である、そういう認識のもとに六十一年四月の七日に例の前川レポートなるものが、報告書が総理大臣あてに提出をされたわけであります。これは私、本棚からいろいろ探しまして前川レポート見つけてきました。この前川レポートというのは日本が国際経済に通用するような私は新憲法である、そのように私たちあの当時受けとめまして真剣に何回も何回も読み、私たちもこの提言を真摯に受けとめたという、そういう私は記憶がございます。そういうようなこの報告書を私今回見まして、この前川レポートは現在も私は生きているというふうに考えておりますけれども、経企庁長官、前川レポートは御存じですね、現在も生きているんでしょうか。
○船田国務大臣 お答えいたします。 今御指摘の昭和六十一年の前川レポート、それから六十二年に新前川レポートが出たわけでございますが、端的に言えば、内需を中心とする経済構造への転換を図ろう、こういう趣旨であろうと思っております。 実は、御承知のように、昨年六月に、新たに政府として「生活大国五か年計画」という経済五カ年計画を策定をしたわけなのでございますが、この「生活大国五か年計画」の中でも、実は今のような文章と似た文章が出ておりまして、それは、環境と調和した内需主導型経済構造を定着させるということを政策運営の基本方向としておる、こういうことでございまして、これは、内需を中心とする経済構造への転換という、いわゆる前川レポートとの趣旨は同じでございまして、やはり現在でもその前川レポートの精神は生きている、こういうふうに申し上げてよろしいかと思います。
○長田委員 私は、昨夜この前川レポートをもう一度読み直してみました。非常に的確な指摘が要所要所に実はあるのですね。ちょっと読んでみますと、この「基本認識」というところでございますけれども、「基本的には、我が国経済の輸出指向等経済構造に根ざすものであり、今後、我が国の構造調整という画期的な施策を実施し、国際協調型経済構造への変革を図ることが急務である。」そして、「従来の経済政策及び国民生活のあり方を歴史的に転換させるべき時期を迎えている。かかる転換なくして、我が国の発展はありえない。と、ここまで実は断言をいたしております。まさに悲壮な決意がうかがえるわけでありまして、このレポートの持続的、傾向的経常黒字の増大を国難として受け取り、いろいろな提言が行われて、私は見事なものだというふうに考えております。 その結果、今日までの段階では、政府におかれましてもあるいは産業界におきましてもいろいろな努力はなされてまいりました。しかし、残念ながら、一時は解消の方向に向かっていたわけでありますけれども、傾向的経常黒字の増大、平成三年ごろからこれが再燃をいたしまして、平成五年度の政府経済見通してもこの黒字は一千百五十五億ドル、円に換算いたしますと十四兆二千億円となっておるわけであります。平成五年度の見通してあります。 円の為替レートは、今やプラザ合意以前の一〇〇%以上の切り上げになっておりますけれども、このことは、為替レートのみによって、我が国の黒字体質が依然として変わっていないという現状でございます。 経企庁にお尋ねするのでありますけれども、月末にロンドンで開かれるG7で為替のことが話し合われるかどうか、これは別といたしまして、今回の円高が、平成五年度中仮に百十円あるいは百十五円という価格で推移した場合、経常黒字、平成五年度は一千百五十五億ドルというふうに見ておりますけれども、これは減るのでしょうか。この点、いかがでしょうか。
○長瀬政府委員 お答えいたします。 一般論として申しますと、仮に一定期間円高が継続いたしました場合には、中長期的に見ますとこれは貿易収支なり経常収支の黒字が縮小するということになるわけでありますけれども、短期的と申しますか、一、二年と申しますか、そういう意味合いにおきましてはむしろ黒字が増加する、いわゆるJカーブ効果と申しておりますけれども、一時的に主として輸出入の円建て部分のドル価格が膨らんでいく、こういうことを通じまして、経常収支、貿易収支が膨らむ、こういうことになろうかと思います。 ただいま先生から御指摘がございましたようなG7との絡みというようなことになりますと、この円高というものが一時的なものなのか、あるいはそうではないのかというようなこともありますし、また発言には注意を要すべきであるという御指摘を賜ったところでもございまして、たとえ仮定計算ということでありましても、一定の御指摘のようなレベルでそれが定着する、こういう仮定のもとでどのような数字になるのかということにつきましては、できましたらその定量的な姿というものについての御説明はお許しをいただければ、このように考えます。
○長田委員 私は、この円高傾向というのはやはり一千百五十五億ドル平成五年度は予想しているわけでありますから、これだけの膨大な黒字を抱えておりますれば円高傾向に走らざるを得ない、そう見るのが私は正しい見方だと思います。その対応としての経済運営ということが今から一時的なものだろうなんという甘い考え方では日本経済はもたないだろうという感じが私はするのですね。 そういう意味で、私は、一過性のものではなくて、ある程度長期にこれは続くという見通しの上で対応というものを真剣に考えるべきだと私は思いますが、どうでしょうかね。
○長瀬政府委員 お答えいたします。 先ほど両大臣からもお答えがあったところでございますけれども、為替相場が思惑などによりまして短期間に大きく変動するということは、これはもとより経済にも悪い影響を与える可能性があるわけでありまして、好ましいことではないわけでございます。為替相場につきましては、既に先生御高承のとおり、基本的には経済のファンダメンタルズを反映しながら安定的に推移する、こういうことが望ましいわけでありまして、そのような意味合いにおきまして安定的な為替の推移、こういうことが重要かと思えますし、そのような意味合いにおきまして、為替市場の動きにつきましては今後とも注意深く見守っていく、また、そのような方向での対応が重要である、このように考えております。
○長田委員 この「平成五年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」これは私、見ましたけれども、ここに書いてあることは、平成四年度の経常収支は前年度より拡大しているが、これは円高によるドル建て輸出価格の上昇、高付加価値化、景気調整による輸入減少、投資収益の拡大によるものであるとして、調整過程にある。我が国の経済を内需中心経済型へ移行させるために、平成四年度には公共事業の前倒しとして十兆七千億円の総合経済対策をやりました、平成五年度もしっかりやりますというような趣旨が実は書いてあります。この持続的、傾向的な大幅黒字は、我が国経済が調整過程にあるのだからこれはやむを得ない現象であるというふうにどうも私は読めてならないのであります。 平成五年度の黒字は、政府見通しては、先ほど申し上げましたとおり、前年度よりは若干減っているとはいいましても、千百五十五億ドルという巨大な額であります。これで、私、前川レポートに言う危機的状態は依然として変わってないというふうに考えております。政府経済見通しの数字を用いて私が計算いたしましたところ、この経常黒字のGNP比は、平成三年度が二・六%、四年度が三・一%、五年度が二・九%という状況であります。エコノミストの間では、通常この比率が二%を超えますと摩擦が起きるというのが通説であります。しかも、先進七カ国のうち、従来日本のほかに西ドイツが黒字を続けていたわけでありますけれども、東西ドイツの合併でドイツも一九九一年以降は赤字に転落をいたしております。今や黒字国は日本のみでありまして、それが大幅なところに問題がどうしても起きやすい、そう考えております。私は、経済成長を進める政府、民間の努力は認めるといたしましても、前川レポートから既に七年、この黒字体質がおさまらない、一向に改まらない、そういう原因、理由というのはどこにあるのか。宮澤総理は、きのう、ドイツの記者団との会見で、黒字消滅にあと五年ぐらいかかる、こう記者団に語っておるのですね。 通産大臣と経企庁長官、この危機的状態というのが依然としておさまらない理由、均衡がとれた経済収支になるためにはどのぐらいかかるのか、この点、ひとつ率直にお述べいただきたいのであります。
○森国務大臣 専門的なことはまだ長瀬政府委員等からお答えいただければと思いますが、私の今まで国会議員をさせていただいておる間に経験をしたことから申し上げて、一つはやはり財政再建というものが命題であったということ、そのためにかなり予算というものが窮屈な状況がずっと続いておりました。シーリングがとられておったことも御承知のとおり。そういう中で、やはり全体的に、今先生から御指摘がありましたような、経済の動きといいましょうか、仕組みが少し窮屈な動きを続けてきたのではないかと私は思っております。ただし、それは、やはり財政再建をするということは、また、赤字公債をやめるということは、これは大きな政治的な課題、命題でありましたから、それはいけなかったということではございませんが、そういうことが予算面全体に、特に、日本の国のすべての官庁が政策を進めていく政策経費がずっと窮屈な状況が続いてきたということも、私は遠因としてあるのではないかな、私はそんな感じも、今までの経験上、そういうふうに思っているわけです。 今ここで、先ほども申し上げましたように、やはり何といいましても輸入を拡大策をとっていくということで、私ども通産省といたしましてもいろいろな方法をとっております。 先般ECに参りましたときにも、投資・貿易協力、産業協力、特にいわゆる第三国地域の市場といいましょうか、そうしたことも協力をしていこうということで、かなりECの国々からも評価を受けておりますが、さらにそうした形で、いわゆるODAもこの五年間の数字がきょうも出ておりましたけれども、私も総理にも申し上げておるわけでございますが、今部内でも検討していただいておりますようないわゆる資金還流、そうしたことも積極的に進めていかなきゃならぬ。いろんな手だてはとっていかなければなりませんが、何といいましても、やはり輸入を拡大するというこの政策は、通産省としてはさらに倍加して考えていかなければならぬだろう、こんなふうに考えております。
○船田国務大臣 お答えいたします。 通産大臣お答えになったとおりでございます。と同時に、前川レポートあるいは新前川レポートにおける経済構造、これを転換をしていこう、こういう精神あるいは趣旨というものが、私はある程度はその後の黒字減らしというものにも効果があったのであろうというふうに思っておりますし、また、昭和六十三年以降、我が国の景気の拡大、こういうこともございまして、そのことも黒字を若干減らしてきたという状況があって、たしかGNP比二%以下になった時期も確かにあったと思っております。しかしやはり、景気の後退などもございまして、我が国の貿易黒字、その幅が、また二%を超えるという状況になってまいりました。このことは大変大きな問題である、このように理解をしております。また、短期的には、円高、それから輸出品の高付加価値化ということによりまして、ドル建ての輸出価格が上昇するというそういう価格要因もあり、また一方では、景気の調整、低迷ということから輸入数量が減少している、こういうことも最近の黒字幅の拡大ということに影響がある、このように思っております。 いずれにしましても、やはり私どもとしては、黒字幅を解消するためには内需主導型の経済成長の定着、それから市場アクセスの一層の改善、そういった構造調整の推進ということに、これはもうあきらめずに継続的に取り組んでいく、こういう努力が必要である、このように理解をしております。
○長田委員 それでは、時間が参りましたので、最後に一問だけ御質問をいたします。 前川レポートの話が出ました。そして今、両大臣からも内需拡大ということが至上命令である、このように御答弁をいただきました。そこで、前川レポートも、一つは内需拡大、二番目には国際協調型産業構造への転換、市場アクセスの改善等七項目にわたって提言をされております。そしてこの前川レポートも、内需拡大のためには消費生活の充実、国民生活のあり方の歴史的転換が重要であるというふうに書かれておりまして、成果配分をより多くすること、それから労働時間の短縮や賃金引き上げ、それからさらに、所得減税を行うよう提言をされております。そこで今、内需拡大というお話が随所に出てまいりましたけれども、このように経済が冷え込んでおりまして、心理的な面も多々あると思いますけれども、そこで、消費を喚起するためにはどうしても所得減税が必要である、このように強く私たちは考えております。 そこで、端的に申し上げますから、両大臣にその決意のほどを伺いたいのであります。 一つは、今春のベースアップを、企業側は、定時昇給のみでベースアップは行わない、このように言っておりますけれども、私はそれじやいかぬと思っておりますから、今春ではベースアップを行うべきであるかどうか、この点が第一点。第二番目は、所得減税は行うべきであると思いますけれども、この二点について、両大臣から具体的に、明確にお答えいただきまして、私の質問を終わります。 〔安田(範)委員長代理退席、竹村委員長 代理着席〕
○森国務大臣 時間が余りありませんので、(長田委員「簡単でいいですから」と呼ぶ)他の方に御迷惑をかけてしまいます。 賃上げにつきましては、これはあくまでも労使が自主的に交渉して決定するものでございまして、政府として、あるべき水準はこうだ云々と言うことは、コメントは差し控えるべきものであるというふうに考えております。しかし私ども、与党・政府でございますので、与党の政策担当の皆さんがいろんな形で発言をしておられますこと、それは私なりにまた評価もしておるところでございますが、いずれにしましても、この春闘に際しましては、国民経済的な視点を含めまして、労使がこれまで以上にまじめに、真摯にこのことについて十分話し合って、合理的な解決を図っていただきたいということを期待をいたしたいと思います。先生に余り期待のいただけない返事だったと思いますが、職掌上やむを得ないことかと思っております。 それから、所得減税につきましでも、この委員会でも私は率直に申し上げたのです。所得減税というのは、何かこう、景気の最後の決め手みたいになっている。私はかえってそういうことは危険だなという感じがするのです。やはり今の、先ほどから現状を申し上げましたように、最終需要というのは動かない、耐久消費材が非常に動きが悪い。そういうところですから、お金が入ることによって本当に国民が物を買うんだろうかということを、今現実問題としては貯蓄がふえているのですね。なぜ貯蓄がふえて、なぜ物を買わないのかということを、やはりもう少し時間をかけて分析をすべきだと思っております。これは、先生この間御不在でございましたが、社会党の武藤委員が六つぐらいの形を述べておられまして、私は非常に興味深くそれも伺っておったわけです。 こんな席で申し上げていいかどうかわかりませんし、事務当局は後で怒るかもしれませんが、例えば、今給与は全部銀行に振り込みですね。これは安全性からいっても、会社の給与を担当している人たちが、人件費が余り要りませんし、非常にいいことはいいんですよ、私はそれを否定するものじゃありませんが、給与が全部銀行に振り込まれると、出ないんですね。お金が一たん金融機関に入っちゃいますと、もう長田先生のお金じゃなくて、奥様のものになるわけですね。そうしますと、必要なものしか絶対に買いませんから。私はそれをやめろというのじゃないのですよ、やめろというのじゃないですけれども、そういうふうに今彼に、どういう形で所得減税を、やるかやらないかは別としまして、仮にやるにしましても、私は、お金がそのまま銀行に入ってしまうとやはり貯蓄だけがふえてしまうのじゃないかなという心配をするめです。ですから、本当に私は所得減税、その財源という問題は大変大きい問題ですから、財源が仮に赤字国債に依存するのかどうかという論議も全部踏まえて、それを赤字公債に求めることがいいか悪いかということよりも、今の日本の経済、特に産業というものを預かっておる私としては、いい悪いではなくて、本当に効果があるのか、そして本当に効果があるべき税制というものを考えるべきではないかというふうに実は思っておるのです。 もう少し細かく申し上げたいのでありますが、時間がございません。ただ私は、率直に申し上げて、我が省では事務次官あるいは中小企業庁長官に、もちろんこの予算が通って、そして景気が低迷を脱していくということを当然我々は予想もし、期待もしておりますが、それでもまだ景気がもう一つ脱出できないということであるとすれば、これはやはり大変な責任を持つことでございますから、その後何をやったらいいのか、本当にどういうことをしていったら、今景気対策として何が考えられるのか、次の手が。 先ほどちょっと時間がないのでやめましたが、公共事業を積み増していくこともさらに大事だと思いますが、私の持論なのです。もう今までどおりの公共事業では本当にすそ野の広がりがないのじゃないだろうか、そういう意味で新しい新社会資本というものを考えていくべきではないだろうか、従来の公共事業の対象になかったものをむしろもっと広げて、そうした面も考えていくべきではないかということを私は強く事務方には指示をして、そういうことも検討するように、中小企業対策、税制、全体に見て、そういう指示を今申し上げておるところでございます。
○船田国務大臣 時間も経過しておりますので、ごく簡単に申し上げます。 第一の方は、春闘におけるベースアップがどうかということです。 基本的には労使の自主的な話し合いによって決められるべきものであって、政府としてこの賃上げ率、あるいはどうすべきだという具体的な見解を申し上げることは適当ではないとは思っています。ただ、一般論として言えば、ベースアップがある程度あるということは景気にプラスの材料を与えるものだと私は思っておりまして、すべて上げろというわけにはもちろんいかないと思いますけれども、ベースアツプができる、その余裕のある企業においては、これはぜひやっていただきたいということだけは申し上げておきたいと思います。 それから、所得税の減税云々のお話でございます。 通産大臣と同様の考えでございますが、消費性向が低下してきているという現状において減税の効果が出るのかどうか、これはまだいろいろ議論をしなければいけないところである。それから、赤字国債の発行ということがやはり避けられないであろう、そうなりますと、後世代に対するツケという問題をどうするのか、あるいは税全体の体系の中でどうバランスをとっていったらいいのか、こんなことも考えなければいけない。しかしながら、聞く耳は常に持っていなければいけませんし、また経済は生き物ですから、そのときそのときに応じて機動的に対応することを怠ってはいけない、このように理解をしております。
○長田委員 終わります。
○竹村委員長代理 小沢和秋君。
○小沢(和)委員 本日は、最近進んだ円高に対し日本がどう対応すべきかを中心にお尋ねをしたいと思います。 まず大臣にお尋ねをしたいのですが、最近二週間で円が百十六円まで急騰し、最高値を更新いたしました。日本経済の深刻な不況に追い打ちをかけるものとして国民の大きな関心を集めております。今回の円高の特徴は、アメリカやヨーロッパなど世界の主要国が足並みをそろえてしかけてきていることだと思うのです。このことは、昨年一年間で千三百二十六億ドルという巨額な貿易黒字を稼ぐ日本に我慢ができない、日本は内需中心に経済運営を根本的に改めよと世界じゅうから要求をつきつけられたということではないのでしょうか。今回の円高の意味するものをどう考えておられるか、大臣にお尋ねをします。
○森国務大臣 今小沢委員から御指摘ございましたように、我が国の貿易黒字は九二年で千三百二十六億ドルと大変大幅に拡大をいたしておるところでありまして、これは先ほどからもたびたび申し上げておりますが、輸出面での円高等によるドルベース輸出価格の上昇というのが一つございます。逆にまた輸入面では、景気低迷を背景といたしまして製品輸入が減少したというところが大変大きな数字になってあらわれてきている原因であろうと思っております。 このため、通産省といたしましては、今後とも内需中心の持続的経済成長を図るとともに、製品輸入促進税制、ジェトロ輸入促進事業の拡充及び製品輸入金融の活用等の輸入拡大策の推進にさらに積極的に努めてまいりたい、このように考えております。 さらにまた、国際産業交流の積極的な推進によりまして、諸外国との調和ある対外経済関係の構築に努めるとともに、発展途上国に対します資金還流の促進を図るなど幅広い施策を講じてまいりたい、このように考えております。
○小沢(和)委員 私は、対策をお尋ねするというよりは、この円高をどういうふうに受けとめるかという立場からお尋ねをしたのですが、先に参りたいと思います。 今回の円高が一時的なものか、この円高がそのまま定着をするのかは予断を許しませんけれども、日本が世界を納得させる対応を示さない限りさらに円高を進めて各国が圧力を強めてくるのではないかと思います。私は、今大切なことは、八五年のあの円高に対する日本の対応を反省してみることだと思うのです。当時も、日本はもっと内需主導型に経済を転換すべきだということが国際的にも言われたのに、本当の転換を果たすことができませんでした。特に輸出の中心になっていた大企業がその円高を乗り越えられるよう入減らしなどの大合理化を推し進めて、たちまち輸出競争力を回復した点が重大だと思うのです。 一例として鉄鋼業を取り上げてみたいと思うのです。八五年と今日で粗鋼生産、人員がどう変化し、企業体質の改善、輸出競争力の回復が行われたか、簡潔に示していただきたいと思います。
○牧野政府委員 では簡潔に御説明をいたします。 粗鋼生産でございますけれども、八五年に一億トン強、八六年のこの円高不況で一億トンを割りまして九千六百万トンくらいになったわけでございますが、その後一億トンを若干上回るようなことで推移をいたしまして、九〇年度一億一千万トン強、九一年度一億トン強、それから九二年度につきましては、このたびの不況下で一億トンを割り込みまして九千八百万トンということでございます。 雇用人口でございますが、この円高不況、八六年の円高不況でこれは人員を相当削減をする計画を立てました。ただ、これは関連企業への出向その他でございまして、別に退職を求めたわけではございません。八六年に鉄鋼の本体で働いております従業員が十四万五千人でございましたが、現在大体十万人になっておるということでございます。
○小沢(和)委員 今お話がありましたように、粗鋼生産はほぼ横ばいですけれども、従業員の方は非常に大きく減っている。特に、出向をさせられている人を除くと五万人くちいは減っているということになるわけです。だから、それだけ人員を減らしたから生産性あるいは企業の競争力という点では非常に強くなって、もうわずか一両年の後には大変な利益を上げるようになってきた。そして、今不況だというようなことが言われているけれども、かつての八五年の直後のような状況から見れば、会社自身が余裕があるということを言うぐらいの状況に今なっているわけであります。 私が言いたいのは、これは鉄鋼業だけじゃなくて、大体日本のほとんどの製造業がこういうようなことをやって、もうたちまち一両年でそういう物すごい利益が上がるような状態をつくり上げ輸出競争力を回復したのではないかということですが、もう一遍お尋ねします。
○牧野政府委員 数字は先ほど申し上げたような状況でございますが、御説のとおり、八六年の円高不況を乗り越えました後国内の景気がよくなったというようなこともありまして、確かに八六年当時赤字でありましたものが黒字に転換したという状況はございます。ただ、それはいろいろな経済状況によるところであろうかと思います。 それから、企業は、もちろん鉄鋼本体の従業員は合理化のために減らしましたが、出向その他をした人たちに対しましては当然それだけの給与の負担をしておるわけでございます。 さらに、輸出、今国際競争力という点お尋ねがございましたが、鉄鋼におきましてはその後輸出は今ずっと減っております。かつて八〇年当時三千六百万トンぐらいの輸出がございましたが、現在ではこれは半減をいたしております。
○小沢(和)委員 輸出が減ったことは国際競争力を弱めたからだったということではないと私は思うのですよ。これはあくまで自主規制であって、摩擦をこれ以上ひどくしたくないということの配慮の反映でしょう。現にアメリカでは、また鉄鋼の輸出はダンピングだと言って今やられているんですからね。それぐらいの競争力は持っておるということははっきりしておると思うのです。 次にお尋ねしたいのですが、これとやや異なったのが自動車や電機の対応だったと思うのです。日本の最大の輸出産業である自動車は、円高を機にアメリカ、ヨーロッパなどに積極的に進出して現地生産を行うようになりました。八五年と現在とで海外での日本系メーカーによる生産台数はどう変わったか。日本からの輸出は六百七十三万台から五百六十七万台に減ったわけでありますけれども、海外での生産を加えると物すごくふえているはずだと思いますが、どうでしょうか。
○坂本(吉)政府委員 ただいまお尋ねの自動車の現地生産を八六年と現在の時点で比べますと、アメリカにおきましては八六年に六十二万台でございました。また、九二年ではこれがアメリカで百七十九万台、また、ECにおきましては四十万台というふうに変化をいたしているところでございます。
○小沢(和)委員 今のお話でも大変な伸びであるということが明らかだと思うのです。 こうして日本の大企業が入減らしなどの合理化でみずからの輸出競争力をさらに強化した結果、九〇年六百三十五億ドルまで一たんは減少した貿易黒字、これでも随分巨額であり、特にアメリカは赤字の四〇%が日本だと当時でも摩擦が絶えなかったわけでありますけれども、これが九一年一千三十億ドル、九二年千三百二十六億ドルと急増し、再び今円高問題を引き起こしつつあるわけであります。 一方、この間に国民は何を得たかという問題です。 過労死という言葉がはやるほど長時間、低賃金、超過密労働が広がって、多くの働く人々は、ゆとりと豊かさなど職場では全く感ずることのできない毎日であったと思います。せめて円高メリットの恩恵でも受けて家庭の生活水準ぐらい大幅に改善されたのか。経済企画庁の調査によっても輸入食料品などは余り値下がりしていないという結果のようですけれども、円高メリットを実際国民は十分に受けることができていたのかどうかですね。この点、お尋ねします。
○小林政府委員 今お尋ねの点でございますけれども、特に、円高のメリットとしては消費者物価に触れてみたいと思いますけれども、消費者物価につきましては、円高以降、一九八六年が○・六、一九八七年が○・一、一九八八年がO・七%ということで、昨今の消費者物価以上に極めて安定した状態が続いたわけでございます。これは、一番大きな原因は、円高が進行したということと無縁でないというよりは、そのせいではないかというふうに思っております。 消費者物価をさかのぼる卸売物価についてはさらに大きな低下が円高によって生じたわけでございますけれども、消費者物価に至る過程では、国内の生産あるいは流通あるいはサービスというようなものが介在した結果、先ほど申し上げた程度の消費者物価の安定にとどまったというのが実態でございます。
○小沢(和)委員 結局国民は円高のメリットというのを十分享受できておらないということだと思うのです。 こうやって十年近い経験というものを振り返ってみますと、確実に強化され、むしろこの円高をうまく利用したのは大企業だけだったということになるんじゃないでしょうか。国民はただ馬車馬のように働いた、それで、今も言いましたように円高にメリットもろくに手に入れることができなかったわけであります。今回もまたこの円高が新たな大企業の合理化や体質強化の機会になって終わるようなことがあってはならないと思うのですが、既に、各産業には合理化などを大々的にやるような動きなどが広がってきております。 そこで大臣にお尋ねをしたいと思うのですが、大臣、よろしゅうございましょうか。 私は、内需主導型に転換する第一歩は、この際輸出関係の大企業に率先して大幅な賃金引き上げや労働時間短縮をするよう政府として指導することだと思いますけれども、いかがでしょうか。そうすれば、若干輸出競争力は落ちるかもしれませんけれでも、もともと競争力が強過ぎるから円高になったわけでありまして、この程度のことは私は何の心配もないと思うのです。今でも多くの企業は内部留保などを十分抱えております。私が調査したところでは、輸出関係の大企業の賃金は他産業に比べて低いし、労働時間も長い傾向が歴然としております。内需拡大をここから始めるべきではないか。この大幅賃上げと労働時間の短縮をいわばばねにして全産業の労働条件改善を強力に推し進めたらいかがでしょうか。
○森国務大臣 賃金につきましては、先ほども長田委員の際にも触れましたように、これはやはり、政府がかくあるべしということを申し上げるのはいかがかなという感じを持っております。 ただ、私も先ほどちょっと言葉を他にかけまして、我が党の、政権を持つ我が党の政策担当者たちが、やはり企業の皆さんといろいろな話し合いをしている中で、やはり余裕のあるものについては十分考えるべきだということを言っておられることを、私は大変それは好ましいと期待をして見ていたわけでございます。 いずれにしても、これは労使双方でまじめに、今まで以上に真摯に話し合って、当然、今委員から御指摘がありましたように、会社にはそれぞれのいろいろな含みもあることでございましょう、十二分に話し合って決定をしていただくということかと思います。 それから、時短問題につきましては、国民生活のゆとりや、それから豊かさの実現等という観点からいたしましても、企業としては積極的に対応すべきであるということは言うまでもないことでございます。 ただ、国際競争力とは企業努力の結果として生ずるものでございまして、業種ごとにこれを減殺していくような政策をとることは不適切ではないか。貿易黒字問題というのは内需振興を通じてマクロ政策の中で解決をしていくものであろう、このように考えております。
○小沢(和)委員 今、賃金のことについて政府の立場で言うのは適当でないというお話がありました。私も、一般論として、労使の間で自主的に決めるべきだということについていささかも反対をしているわけじゃないのです。今問題にしているのは、円高で、国際的にももっと日本は真剣に内需拡大に努力をせよということが言われているときに、まさにこの円高を引き起こした一番の原因者である輸出大企業、そこを調べて見ると、ほかの産業に比べると賃金は低い、労働時間が長いという傾向がある。ここを是正させるために政府として特別にその点に着目して何らかの働きかけをするということは、私はいわば円高対策の一環として、そういうことをやっていいんじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○森国務大臣 輸出を中心とする、そういう御指摘、そういう大企業はということでございましたが、そういう企業が実質的に賃金が低くて、あるいは労働の時間が大変長いといいますか大きいといいましょうか、そういうような実態、今私手元にはそういう数字はございません。しかし、私は必ずしもそういう傾向ではないんではないかなというふうに考えておりますが、詳細が必要であれば、事務当局、数字があれば説明をしていただければと思います。
○小沢(和)委員 その論戦はまたやりましょう。 次の、これも大臣にお答えいただきたいのですが、政府の不況対策も、大企業へのてこ入れ中心をやめて、国民生活向上のための内需拡大にもっと力を入れるべきではないかという問題であります。 これまでは不況対策といえば大型の公共事業と投資減税が主でありましたけれども、今後は同じ公共事業でも、生活環境改善に集中すれば中小建設業者が請け負うことができるし、一般の国民にも直接恩恵が参ります。減税も、先ほど来お話があっておりますけれども、働く人々の所得減税をやるべきだ。私どもの党は赤字国債などを出さずに所得減税二兆円を要求いたしておりますが、政府はこの点でも不況対策の発想を変えるべきではありませんか。
○森国務大臣 さきに、昨年八月、たまたま党のそういう立場におりました私が総合経済対策を政府と協議をして設定をしたわけでありますが、例えば、今先生からも御指摘ございましたように、あのときの総合経済対策で、補正予算という裏づけも、裏打ちをすることも少し時間もかかると思いましたので、例えば地方単独事業を思い切って、たしか二兆八千億だったと思いますが、進めたわけです。これはもう本当に、各市町村が細かなそうした公共事業を、これが本当に公共事業なのかなと思われるくらいのところでもいいから思い切ってやってほしい、あとについては国で面倒見ましょう。これなどは、今委員から御指摘のように、一番地方の中小、むしろ中小というよりもう本当に零細な、小規模な企業に対していろいろと私は効果があったというふうに思っております。ですから、確かにおっしゃるとおり、私は、先ほどの長田委員のときにも申し上げましたとおり、従来の公共事業を積み上げていくというやり方はいささかやはり考えなければならぬ時期が来ていると思います。そういう意味では、同じように国民生活が豊かになるような、まさに我が政府が打ち出しておりますように、生活大国に見合った社会資本、そうしたものを考えていくべき時期が来ているというふうに私は考えております。
○小沢(和)委員 この機会に日産自動車座間工場の閉鎖の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。 この発表は円高が激しく進行しているさなかに行われたため、関係者だけでなく国民全体に大きな衝撃を与えております。この工場は日産の中でも最も歴史もあり、周囲には多くの関連企業が密集している、いわゆる城下町と言われる町であります。こういうところを突然閉鎖すると発表するほど無責任な態度はないと思いますが、通産当局はどうお考えでしょうか。
○坂本(吉)政府委員 日産自動車の座間工場をこれから二年後、九五年の春に向けまして移設をするという問題につきましては、現在我が国の自動車産業が直面をいたしております急速な市場環境の変化、また財務的にも固定費の負担、そういった点で各企業ともかなり厳しい局面に立っているわけでございます。こういう事態に直面し、また将来我が国自動車産業が市場環境の変化に対しまして力強くサバイブしていくという必要も一方においてあるわけでございます。そういう意味では、大変苦汁に満ちた判断であったとは思うのでございますけれども、現在この段階で、将来に向けて企業体質を強化するということで恐らく日産自動車において判断がなされたものと思います。 そういう意味では、既に少し前に同じ自動車部門でいすず自動車が一つの構造改善のプランを発表いたしたわけでございますが、それに次ぎまして日産自動車についてのいわば構造改革の一環と言うべきものと受けとめているところでございます。
○小沢(和)委員 私は、今の答弁は余りにも企業寄りの答弁じゃないかと思うんです。こういう工場閉鎖をやれば、そこで働いている労働者の皆さんはもちろんですけれども、下請業者から地域住民から自治体、こういうもの全部に大変なしわ寄せが行く、そういう問題としてもっと考えてもらわなければならないと思うんです。 今は、私非常に重要な御発言があったと思うのですが、他の企業も似たような問題を抱えているというように受け取れる発言があったのですが、私もその点は非常に重大な関心を持たざるを得ないんです。 日本の自動車メーカーは、先ほども指摘をいたしましたけれども、海外でもう二百万台も増産するような状況になってきた、そこへもってきて国内でも次々に新鋭工場を新増設して、ここ三、四年で百万台分を新たに生産能力をふやしているわけです。しかし、折からの不況にぶつかってどこも新鋭ラインの操業率が低いと言われておりますが、もし日産の今回のようなやり方がまかり通るということになれば、トヨタもマツダもあるいは本田もというように主力工場の一部閉鎖というような問題が波及しかねないんじゃないんですか。そういうような点はどうお考えでしょうか。
○坂本(吉)政府委員 私が先ほど申しましたのは、実例としていすず自動車が一つの構造改善の判断をしたということを申し上げ、またこのたび日産自動車が今回の判断をしたということでございまして、各社が各様に、それぞれ現在の市場環境の変化に直面いたしまして、部品の削減あるいは車種の削減、そういった合理化努力をしておるということでございまして、今小沢委員御指摘のように、今後とも各社が工場閉鎖その他を次々とやるというようなことを申し上げているわけではないわけでございます。 ただ、いずれにせよ、経済環境の変化に即応して企業体質を強化しなければならないというのは、各企業とも同様の事態でございます。そういう意味で、合理化努力を懸命にするということが一つの選択肢としてあると考えているところでございます。
○小沢(和)委員 だから私は、今度の日産の結果というのを他の企業も見守っているんじゃないかという点で、それが他に波及するきっかけになりはしないかということを非常に憂慮するわけであります。 次にお尋ねしますが、きょうの午前中の予算委員会における我が党吉井委員の質問に対し、森大臣は、自動車メーカーの海外進出や企業の設備投資については、通産省としてよく相談を受け、調整をしているという趣旨の答弁を行っております。これとは別に、昨年五月十一日付の日刊工業新聞によると「通産省は自動車業界に対し」「新工場を建設する場合はスクラップ・アンド・ビルドを前提とするよう求めていた。」と報じられております。この二つを突き合わせると、通産省は、日産が九州に第二工場をつくることについて相談を受け、あるいは、その中で座間工場のスクラップ化まで合意していたのではないかという疑念が生じますけれども、この点いかがですか。
○坂本(吉)政府委員 現在の我が国の経済体制において、いかなる時期にいかなる能力の設備投資をするかというのは、企業の自主的な判断でございます。これに対して通産省が設備の調整ないしは介入をするというようなことは、基本的にはないというのが原則でございます。 ただいま小沢委員御指摘の点でございますけれども、日産自動車が九州に第二工場をつくるということにつきましては、当然のことながらその内容をその時点で伺ったものと思いますが、しかしながら、それが直ちに今回の座間工場の閉鎖を意味するものというふうに承知しているとは考えておりません。
○小沢(和)委員 いや、私はここにその日刊工業新聞の現物持ってきましたが、この中にはっきり「新工場を建設する場合はスクラップ・アンド・ビルドを前提とするよう求めていた。」ということが書いてあるのですよ。そうすると、これは根拠のない報道であったということになるのか、これを一つお尋ねします。 それから、もう時間もなくなってきましたから、もう一つお尋ねしますが、そうすると、今回の座間工場の閉鎖については、通産省は相談というのは全く事前には受けていなかった、我々と同じように新聞で発表されて初めて知っだということですか。
○坂本(吉)政府委員 私、その日刊工業新聞の記事なるものを見ておりませんので、どういうふうに書いてありますか、後で私も読んでみたいと存じます。ただ、スクラップ・アンド・ビルドといったようなことが、一つの考え方としてこの自動車各社の中に恐らくはあったんだろうというふうには思います。ただ、通産省として、それをガイドラインとしてこうすべきだ、ああすべきだというようなことは、先ほど申しましたように、現在政府のとるべき立場ではないというふうに基本的に考えているところでございます。 なお、今回の座間工場の閉鎖につきましては、私自身会社の首脳部から話を伺いました。
○小沢(和)委員 時間が参りましたから、最後に大臣にこの問題で一言お尋ねをしたいと思うのですが、日産は経営が苦しいと盛んに宣伝をしておりますけれども、国内で九州工場を建設しただけでなく、アメリカで四十五万台の生産体制を整え、メキシコでも十万台の工場を増設しております。こうした企業戦略をどんどん展開しながら経営が苦しいなどと言っても、これは世間では通る話ではないのではないかと思うのです。 今まで我が国では素材型産業の工場閉鎖はありましたが、自動車産業のような花形と言われる産業の組み立て工場閉鎖は初めてのことだと思いますし、社会的影響は非常に重大だと思います。大臣としてこの日産座間工場の閉鎖を撤回させるように指導すべきではないかということをお尋ねして、質問を終わります。
○森国務大臣 先ほど政府委員から申し上げましたように、企業が工場を増設するあるいはまた縮小する、これは当然企業の利益という問題等かんがみて自主的にやっていくべきことでございます。それがいわゆる自由主義社会、自由主義経済というものだろう、こう思います。予算委員会でも貴党の吉井委員からも御質問ございましたけれども、いかにも我が国の国内での産業を空洞化させて海外にどんどん設備を持っていく、こういう御指摘の御質問でございましたから、私はそのとき申し上げたのは、必ずしも、それは企業が自主的に考えることもございましょうし、もう一つは、それぞれの国々からぜひ企業を誘致したいあるいは工場をつくってほしいというような要望をされている面もありますよということも私はお答えで申し上げておきました。 先ほどからおっしゃいましたスクラップ・アンド・ビルド云々ということは、私もそのころ大臣じゃございませんので承知をいたしておりませんけれども、いずれにしても、先ほどの政府委員のお話もございましたが、自動車業界全体に、これからのいわゆる需要予測というものを考えてみる、将来の企業のあり方、そういうものを長期的にもいろいろな形で、いろいろな角度から考えられた結果だろうと思うのです。それは何も日産のみならず自動車業界全体が、構造を改善をしていかなきゃならぬという考え方から進める、そのことが自動車業界がむしろ安定をすることなんだ、また、自動車業界で働く皆さんに対する安心感にもなっていくわけだろう、こう思います。まさに日本の産業にとっては、ここはいろいろな意味でみずからの構造を改善をしてさらに安定的な発展を遂げていく一つの段階だろうというふうに私どもは見ておるわけでございます。 ただ、御心配のように、従業員の問題あるいは中小企業、下請関係の問題、あるいは座間のように企業城下町というふうになった場合の周辺の地域経済に与える影響、これはもちろん日産が主体的に考えていかなきゃならぬ問題でございますが、当然私どもといたしましても十二分にそのことについて注視をしていかなきゃならぬし、また政府としてでき得る限りの支援体制もとっていかなきゃならぬ、このように考えております。
○小沢(和)委員 終わります。
○竹村委員長代理 川端達夫君。
○川端委員 大臣、よろしくお願いいたします。きょうの委員会、各委員から同じようなことが御質問で既にありましたので、重複する部分は簡単にお尋ねを申し上げたいと思います。 初めに、きょうは少し戻したという状況ですが、急激に円高が史上最高値を更新するまであっという間に進行をした。非常に国内経済が不況である、当然ながら消費が非常に落ち込んだ、何とか企業を回さなければいけないということで輸出にドライブが結果的にかかっていった、貿易黒字がどんどんふえた、国際的に見れば何だということで、やはり円高でなければいけないというふうな状況で、円高という国外からの非常に強い声が巻き起こっているという環境で、結果的には悪循環というのですか、国内景気が悪いことで輸出に向けてまた円高をつくり、それでまた企業がダメージを受ける、余計不況になるといういわゆる複合不況の中のトリプルパンチといいますか、円高というのを急激に今受けているという意味で経済界に大変な衝撃が走っているのではないか。これは単に輸出関連企業だけではなくて、その不況の上乗せということでのまた全体的な景気というものを含めて相当深刻な事態も予想をされるわけであります。 読売新聞が二十二日に緊急アンケートということで経営のトップの方々にどう思っているかというふうなことをアンケートでやったことも報じられておりますが、大変なことになったという危機感を持っている企業も、経営トップも大変多くおられますし、見通しも相当厳しく受けとめておられるということで、いわゆる円高に関して、急激なる円高に関して、不況の中ということでとりわけ政府の対応というのが重要ではないかというふうに考えるわけです。非常に難しい状況でありますが、あすのG7も控えて、このような国際環境の中でこの円高の見通しというものについては政府はどのように展望をしておられるのか。これは当然ながら、環境という意味で、国際的な環境の中での位置づけということでお尋ねをしたいというふうに思いますし、そういう中でいろいろな経営トップのアンケートでも、どんどん高くなるということは困るということと同時に、先行き不透明ということで対応のしょうがないという部分の不安感も非常に大きいという意味でも、政府としての御認識と見通しというもの、それからこの円高の影響、経済界に対する影響というものに関しての御認識をまとめてお尋ねをしたいと思います。
○森国務大臣 後ほど経企庁長官からもまたお答えをいただけたらと思いますが、できるだけ省けということでございますが、省きますと話が通じません。 対外不均衡是正を進めていくためには、基本的にはやはり我が国のファンダメンタルズ、これを反映しながら緩やかな円高傾向となることが私はやはり望ましいと考えております。今度のような 非常に思惑で、ベンツェンさんがこう言ったとか、さっきもちょっと出ておりましたけれども、アメリカの下院議長がこう言ったとか、そしてもう一つは、二十七日にG7がある、ベンツェンさんが容認をしたようなことをおっしゃったとか、こういうことで、市場原理が働くわけでございますから当然思惑が走ったというふうに私は見ております。そういう意味で、先般二十四日にはベンツェン財務長官がG7は顔見せ会議となって共同声明などは予定されていないということになりましてからやはり落ちつきを見せておるというのもやはりそうした市場の反映だろうというふうに見ております。 今どの程度のことを考え、見通しているのかということでございますが、政府といたしましては、私どもとしては、どのような形になるのか、どのようなところにいくのかということをコメントするということは、これは差し控えなければなりません。ただ、私は通商産業大臣という立場で、せっかく今必死になって、また野党の皆さんのお力もいろいろかりて円満にこの予算審議を年度内に成立てきる方向に努力をしていただいている、そういう中、いろいろな角度で景気対策にまさに命をかけているわけです。そういう時期にこうした急激な変化、しかも思惑によって動かされていくということは、極めて私どもは困るといいましょうか、迷惑だ。景気をまさに高めていくということは、これは日本経済だけではなくて世界経済全体に対する責任でございますから、そういう面で景気の足を引っ張るという形になるということで、極めて私どもとしては不満といいましょうか、不快感を示しているところであります。
○船田国務大臣 川端先生にお答えいたします。 為替相場が思惑等によりまして短期間のうちに大きく変動するということは、経済にとって悪影響を与える可能性があるわけでございまして、これはもとより好ましくないことと認識をいたしております。基本的に、為替相場は経済のファンダメンタルズ、基礎的条件を反映をして安定的に推移をするということが望ましいわけであります。現在の円高のこの状況が果たして一時的なものであるのかあるいは恒常的なものになっていくのか、その辺はもう少し推移を見守る必要があろうと思いますけれども、いずれにしても今後ともこの為替市場の動きについて注意深く見守っていかなければいかぬと思っております。もし仮にもこの円高の状況が現在低迷をし、これから先回復基調にある景気の状況の足を引っ張るというようなことがあっては決してならないわけでありまして、特に輸出関連産業を中心とした影響、こういったものも考えますと、今後本当に注意をして見ていく必要があるだろうというふうに思っております。
○川端委員 ありがとうございました。ただ、あすのG7以降どのような、日本の政府のお考えというのはよくわかりましたが、国際環境がどういう展開をするかというのもまだまだ不透明な要素もあります。そして、この不況の中での円高、場合によって定着あるいはさらに上げるというふうな状況ということになりますと、相当経済に対するダメージも大きいということでございます。注意深く見守ると同時に迅速かつ適切な産業への対応というのを特にお願いを申し上げておきたいと思います。 次に、そういう円高の情報が駆けめぐる中で、日産座間工場の二年後の合理化、移転という、これもまたショッキングなニュースが流れました。これも輸出産業の大手でもございます。恐らくは、私も民間企業におりまして、こういういわゆるスクラップ・アンド・ビルドという部分とそれから長期の需給見通しという部分は当然リンクしているわけですが、これがこの不況の中で大幅に狂ったことで一気に時期的にこういうことになったのかなという気もいたします。 つたない私の経験でも、私は、構造不況業種の繊維産業の中で日本では初めてのナイロン工場という東レの滋賀工場におりまして、設備の老巧化とともに今大臣のおられる石川県、選挙区の方に最新鋭の工場をつくって滋賀工場は閉鎖するということで、当時の労働組合の委員長をやっておりまして、一千名近い人間のいわゆる要員再配置という大変な経験をいたしまして、今この日産の皆さん、特に座間の皆さん、それから労使の皆さんの御苦労というのは痛いほどわかるわけでございます。 そういう場合、繊維などいわゆる構造不況業種で割にそういう歴史を、いろいろ浮き沈みを持っているところではなくて、今回の不況は、いい表現なのかどうか知りませんが、一名素人不況ということを言われた評論家がおられましたけれども、今まで比較的堅調に伸びてきた自動車あるいは電機という産業が初めて直面する大型の深刻な、要するにリストラを求められている不況であるという意味で非常に深刻ではないか。こういう中で、特にこれからもこういう、突然な話みたいなことでなくてもリストラの中ではそういう工場移転の問題とか、いろいろやはり出てくる可能性はあるというふうに思います。 そういう部分で二、三お尋ねしたいのですが、特にこの座間の例をとりますと、いわゆる企業城下町、典型的な企業城下町、人口十一万二千人で日産の従業員が四千人おられる。家族を入れると恐らく一万人くらい、約一割くらいは社員及びその家族でおられるということ。それから、その従業員以上に一次下請、さらにそれより広く二次下請ということで、いわゆる日産の工場を中心にかなりの部分市が動いているというのが実態だと思うのですね、こういうのを企業城下町と称せられると思うのですが。そうしますと、企業自体、本体自体のそういうリストラの中でのいろいろな動きという部分以外に、いわゆる直結している関連企業、部品メーカー等々、それからそのまた、第二次下請というのですか、その企業、それからそういうグループに働く人たちの生活を支えるための生活関連産業、食料品店も含め、そういうふうな部分どおのおの対応が違うと思いますし、そしてそこにまともに影響を与えてしまうということで、先ほどのお話でも企業の経営としての独自の責任の中で行われるということが原則の部分でありますけれども、与える影響の部分でいえば、これは子供が、例えば転勤者がふえるということで学校の問題も含めいろいろな地域社会、私の仲間も座間市の市会議員をしておるのがたくさんおるのですけれども、現に市の財政の税収がこれからどうなるかというと、本当に致命的な影響を受ける。そうすると、今まで計画的に安定的に税収があるということで、多少の波があってもということで町づくりを考え、やってきた部分がばっさり切られるということにもなるということで、ただ企業の自己責任におけることだということでは済まされない問題を実に非常にたくさん抱えている。 そういう意味で、いわゆる政府の立場としてダイレクトに通産省に関係する部分のことと、さらに幅広い部分と二種類あると思うのです。いわゆる中心企業の周辺企業、それから地場の下請企業、例えば周辺企業は、工場が移転するというと果たしてそこへ自分たちの下請企業もついていけるのかどうか、あるいは仕事が地場であれば全くなくなってしまう。それから生活関連企業、いわゆる通産省関連の企業というものを見ても、関連企業、それから地場の企業、そして生活関連企業と大きく分けて三つ、そういう企業グループをどうしていくのかというのは大変大きな問題としてあると思います。そういうことに関しては、一般論とこの座間の問題と両方含めて、通産省ではどのような対応をしようとされているのかお尋ねをしたい。
○坂本(吉)政府委員 座間工場の二年後の閉鎖に伴う周辺に対する影響につきましては、ただいま委員御指摘のように、従業員の問題、また関連下請企業の問題、また地元との関係、そういったかなり広範な問題を抱えていることは事実でございます。 そういった点につきまして、通産省といたしましても、まず、これから二年間かけて日産自動車 がどういう対応をしていくか注目をいたしているところでございますが、ただいま現在、私の承知いたしておるところによりますと、従業員の問題につきましては、それぞれ従業員の抱える家族の問題も含めて、他の工場に移れる人、移りにくい人、また場合によっては日産自動車の他の工場から例えばこれから集中的に生産します九州の第二工場へ移転、そういったことを含めて全体としての従業員のリシャッフルを考えるというふうに伺っております。 また、下請工場の問題につきましては、まずもっていわゆる部品工場がどういう選択をするかということにかかるわけでございますが、これは、現在の段階でまだどういう対応をするかという点ははっきり申し上げかねるところがあるわけでございますけれども、あるいは九州の方に移るという選択もございますし、また、現在の生産の座間から九州に部品を供給しているという実態もございますのであるいはそういう選択になるかもしれない。そういった選択につきまして、これから日産自動車と部品工場、またその下請工場との間でいろいろな相談が行われるだろうということを期待をいたしているわけでございます。 また、地元との関係につきましては、まずもってこの跡地の利用をどうするかといったようなことも含めて、日産自動車において十分地元の市と相談をしていくものというふうに期待をいたしているところでございます。 いずれにせよ、これから二年間の間に時間をかけてこういった閉鎖に伴う諸影響というものの緩和をできるだけ図るべく、日産自動車において努力されることを私どもとして期待しながら注目をいたしていきたいと思っておるところでございます。
○川端委員 大臣、お時間だそうでございますので、質問というよりお願いだけをしておきます。 この問題、とにかく日産よ頑張れ、ちゃんとやれよ、しっかりやってくれたらいいなと期待をするし、見ていくというふうな御答弁だった。日産というか、企業が対応できる部分の責任という部分では従業員の問題、それからせいぜい関連下請の直轄の、直営の部分というのは非常に責任を感じるでしょう。しかし、生鮮食料品やサービス業等々の企業の問題、あるいは先ほど私が申しました自治体の問題とかというのは、日産よしっかりやれと言うのでは及ばない部分も持って非常に大きな問題を抱えているのです。ですから、人ごとで、まあちゃんとやれということではなくて、私はあえて企業に関係する部分で三つに分けました。本体を別にして、関連企業と第二次の下請と、それから生活関連産業、企業、そういうものに関してはやはり行政の立場でこれからこういうことが起こり得るという、私はもっと起こってくるのではないかということも含めてもう少し御研究もいただき、対応をしていただきたいし、イニシアチブをとっていただきたい。むしろ、企業城下町と言われるところのいろいろな産業振興とかというのは、通産省でいろいろ法案もつくっていただいております。しかし、企業城下町自体が天守閣だけある日突然なくなりますよということになったときにどうするんだということに関して、私は企業城下町を何らかの形で認定するみたいなことでアセスメントみたいなものをやっていくとかいろいろなことをやはりもっと研究してやっていかなければ対応できないのではないか、非常に無責任ではないかというふうに思います。御要望を申し上げておきたいというふうに思います。 どうぞ、予算委員会の方に行っていただいて、一言もし御意見がありましたら……。
○森国務大臣 私どもとしては、ただそれを企業に任せておくということを申し上げているわけではございません。まだ今時間的に余りにも時間がなかったわけでありますし、そういう意味で、まずは企業のこれからの対応を注視をします。しかしもちろん、でき得る限り万全の応援体制、支援体制を通産省としても中小企業庁としてもとっていくというのは当然なことでございます。委員のいろいろ御指摘いただきましたそういう城下町というものについての検討は、やはり十分してみなければならないというように考えます。
○川端委員 どうもありがとうございました。大臣、どうぞ行っていただいて……。 それでは次に、中小企業庁に一点だけ教えていただきたいのですが、商工会議所等への経営指導員の人件費補助を平成五年度から段階的に一般財源化するという話がありますが、簡単に御説明いただきたい。
○井出政府委員 お答えをいたします。 商工会議所等商工会に設置をされております経営指導員の人件費につきまして、国は都道府県に対する補助事業をずっと行ってきたわけでございます。本件につきましては、行革審の答申等も踏まえまして、長年の実績を経ておりますものですから、都道府県の事業として同化定着をしているという判断から、平成五年度から地方財政における一般財源事業にすることとしたものでございます。 本件につきましては、昨年の予算政府原案の策定の過程におきまして、中小企業庁から各都道府県商工部局を通じまして十分な説明を行うとともに、自治省を通じまして全国の知事会にも内諾をいただいておるところでございます。現在、各都道府県におきまして、平成五年度予算編成中でございますけれども、交付税の不交付団体も含めまして、所要の措置を計上していただいているということを承知しております。
○川端委員 地方交付税で充当補てんするということで、今お触れいただきましたいわゆる不交付団体も都道府県単位で、不交付団体だから地方交付税ありませんからということも御配慮いただいているということで結構でございますが、この制度の移行に関しての部分で、そういうチェックをしていただくことになって担保されているのですが、一般財源化してだんだんたちますと、自主財源ですから、都道府県によって対応に差が出るという懸念も、地元では心配している向きも各団体でございます。そういう部分では、一般財源化された後も、ひとつ注目をし続けていただきたいことをお願い申し上げておきたいと思います。 それから次に、消費者保護ということでの、いわゆる製品事故から消費者を守るための警告表示について、お尋ねをしたいと思います。 最近の報道で、いわゆるテレビゲームで遊んでいた子供が筋肉けいれんの症状の発作を起こしたというような新聞報道がありました。このテレビゲームのソフトは、相当量海外に輸出をされているのですが、この輸出用のソフトには、筋肉けいれんの症状の発作を起こすことがある旨の表示がしてある。この筋肉けいれんを起こしたと報ぜられた製品の欧米向けには、「極めて少数の方は、日常生活の中である種のせん光などを見ると、てんかんの発作を起こすことがあります。」てんかんというか筋肉けいれんですね。「の発作を起こすことがあります。テレビゲーム使用中の場合もあります。こういう症状をもっている方は、事前に医師に相談してください」これは訳ですから、という趣旨の警告が英語などで書かれている。日本製品で外国に日本製品を出すときには、そういうふうに書いてある。日本では何も書いてない。日本の消費者は何なんだろうか、どう思われているんだろうかというふうに思わざるを得ない。 玩具以外でも一時期随分問題になりましたたばこたばこも、今の日本のたばこは、これはたばこ事業法で、販売用にたばこを製造するためには、消費者に対する注意表示をしなければならないというのが三十九条。具体的な内容ということで、大蔵省令で「あなたの健康を損なうおそれがありますので吸いすぎに注意しましょう」、「喫煙マナーをまもりましょう」とこれは書いてある。ところが海外の、アメリカのものは、かなり厳しい内容で、例えば「喫煙は肺がん、心臓病、気腫を引き起こします。また、妊娠に悪い影響を与える可能性があります」というふうに、かなり具体的かつ厳しく書いてあるという部分で、いわゆる製品のこういう警告表示というものが国内においてと海外でかなり違う。日本メーカーがつくって書いていることが違う。逆に、アメリカで書いてあるもの、例えばアメリカ製品で書いてあって、日本に輸入するときは書かないというふうに、日本の部分は非常に甘い基準になっているというのは事実だと思います。 そして、国内では何にもその規定がないビール等でも、例えばキリンの「一番搾り」のアメリカで売っているラベルには、「公衆衛生局医務長官によれば、妊娠中の女性は出産障害の危険性があるので、アルコール飲料を飲むべきではない」などと英語で書かれている、こういうことです。ところが、向こうから来る「バドワイザー」、向こうで売っているものには書いてあるけれども、日本では書かないというふうに、非常にアンバランスになっている。 そういう意味で、国内の消費者保護の観点で、メーカーが法律があるからないからということで今、現に対応しているわけですけれども、通産省としてはこういう製品をつくるメーカーを所管される立場として、こういう実態に対してどのような御認識、消費者保護の観点を含めて、あるいはどういう対応をしようとされているのか、お教えをいただきたいと思います。
○細川政府委員 警告表示の充実強化につきましては、事故の未然防止、被害の拡大防止といった消費者保護の観点から、私どもといたしましても当然のことながら大変重要な行政の課題だというふうに認識をいたしております。 このため、産業構造審議会におきまして現在総合製品安全対策の審議をお願いいたしておるわけでございますが、その一環として表示の問題についても検討を進めているところでございます。具体的には、家庭用品品質表示法の今日的なあり方ということを念頭に置いた検討でございます。 また、この産業構造審議会におきます検討と並行をいたしまして、実施できるものからその具体化を図るという観点から、平成五年度予算案では表示及び取扱説明書を充実するということを考えておりまして、具体的には危険の種類、程度が一見して消費者に理解できるようなマーク、色などの統一化につきまして調査検討を進めることを考えております。もう一つは、個別具体的な品目の表示の改善の検討を進める予定でございます。 御質問の中に内外の表示の違いという問題がございましたので、その点に触れさせていただきますと、商品の警告表示の内外比較といいますか統一につきましては、一般的に表示のあり方はそれぞれの国におきます使用状況、国民性、習慣などその国情によって異なるところもございますことですから、一概に統一ができるというものでもなかろうかというふうに考えております。
○川端委員 ただ、おっしゃることは、それなりにお立場ではわかるのですが、例えばこのテレビゲームの場合、そういう症状が起こるおそれがありますとアメリカでは書いだということは、これはそういうことが起こり得るというのはわかっているわけですね。たばこの吸い過ぎとかいうのはどの程度まで書くか、健康に害があるというのは大体の認識だということで、議論の余地はあると思うのですが、このテレビゲームなんかの場合はそういう症例があるということがわかっているから書いたのですね、別に法律であるとかいうことじゃなく。こんなものは国情の違いでもないですよ。習慣の違いでもないでしょう。そして、そのことをメーカーは知っているわけでしょう。知っていても書かないという体質の問題はどのように認識され、これからどうされようとしているのか、お尋ねしたい。
○坂本(吉)政府委員 御指摘のテレビゲーム機に関する問題でございますけれども、確かに外国においては先ほど委員の御指摘のような注意事項が書いてございました。これは恐らくは既に海外において訴訟案件、そういったものがあったというようなことに基づいてそういう対応がなされたものであろうかと思ってるところでございますが、我が国におきましては、国内販売につきましては、御指摘のように一般的な注意にとどまっていたという状況にあったわけでございます。 通産省といたしましても、これらの関係者から事情を聞きまして、またそういった因果関係その他についての情報収集をできるだけ広く行ってもらうようにテレビゲーム機の各社に要請をいたしたところでございます。各社におきましては、国内向けテレビゲーム機の表示につきましても、過般委員御指摘のような筋肉のけいれんあるいは意識の喪失の可能性について注意書きに書き加えることとしたところでございます。 今後ともこういった問題を踏まえまして、私どもといたしましても関係者に対しまして引き続き問題認識というものの喚起を図ってまいりたい、かように考えているところでございます。
○川端委員 時間が参りましたので終わりにいたしますが、外国で問題になって後でやるというふうな後追いではなく、いわゆる消費者保護というものでこういう警告表示というものはどういう観点でどうあるべきなのか、そしてメーカーはそのことに対してどう心がけて常に配慮しなければならないか、そういう政府としての御指導というものがきっちりとされていないというところに一番の問題があるんだというふうに思います。そういう部分で今後十分なる対応をしていただくことをお願いして終わりにしたいと思います。 以上です。
○竹村委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時二十一分散会