厚生委員会商工委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 115 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1993/04/07
会議録
○浦野委員長 これより厚生委員会商工委員会連合審査会を開会いたします。 先例によりまして、私が委員長の職務を行います。 内閣提出、福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律案を議題といたします。 本案の趣旨の説明につきましては、これを省略し、お手元に配付してあります資料により御了承願います。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。吉田和子君。
○吉田(和)委員 私は商工委員という立場で、通産省がこれまで進めてきたプロジェクトの内容、成果などについてお伺いをしたいわけでございますけれども、先立ちまして、厚生省の皆様に幾つか御質問をさせていただきたいと思います。 高齢化社会が二〇一〇年にはピークを迎えようというふうな中で、待ったなしの準備が進められなければいけない状況になっております。今回の福祉機器の開発や利用を進めようという法の中身、今の時期に大変重要な課題であるというふうに認識をしておりまして、法の実効性に大変期待を寄せている一人でございます。 現行の施策がいろいろと行われている中での法の改正ということで、現行法がどういうところに問題があって限界があるのか、これからこの法の改正でどういうところを解決して、運用に役立てていこうとしているのかということに絞ってお伺いをしたいわけでございます。これまでの施策で、現場のニーズをくみ上げて開発をするために、厚生省はどのような施策をされてきたでしょうか。
○横尾政府委員 福祉用具の開発、普及につきましては、かねてから関係の方々から、いわゆるゴールドプランで申します諸サービスの展開とともに、こうした物的な環境の整備の重要性について御指摘をいただいてまいりました。 具体的に申し上げますと、さきに行われました老人保健法の改正あるいは福祉八法の改正の際に、国はこうした問題について研究開発に努めるべきであるという条項がつけ加えられたということもございます。 こういうことを踏まえまして、私どもは、ゴールドプラン設置のときに設けられました長寿社会福祉基金の運用益を設けまして、約五億円余りの研究助成を行うなどしてまいりましたが、この研究助成を進める中で社会福祉施設の現場に働く方々も含めてニードをくみ上げる、こういった形で対応してきたところでございます。
○吉田(和)委員 運用益を使って研究を進めてきたというふうな経過の御説明でございました。現場のニーズ、ユーザー、使っていらっしゃる皆様の意見というか希望、それらのものをくみ上げるというふうな形ではどういうことがなされてきたでしょうか。
○横尾政府委員 これまでも私どもは関係方面の方々の御意見、要望を生かしながら対応してきたというふうに考えておりますが、決してそれだけで十分だとは考えておりませんで、本法案で指定法人が情報収集の任に当たり、福祉用具の製造業者にその情報を伝えることを義務づけておりますのも、御指摘のようなことが一層進展することを目的としてのことでございます。
○吉田(和)委員 それでは、それらの研究開発された福祉機器が現在の福祉施設でどういうふうに使われているのだろうか。利用状況をどのように把握されておられますか。
○横尾政府委員 介護を要します高齢者が入所する福祉施設としては、特別養護老人ホームが一番その収容能力が大きゅうございます。約二十万人の能力を有しているわけでございますが、この特別養護老人ホームにおきましては介護用のベッド、これはさまざまなタイプのものが導入をされております。また、車いす、入浴関係機器ではさまざまな浴槽など、福祉用具が活用されているところでございます。 また、本年度におきましては、各都道府県の特定の施設に介護機器を導入して、その成果を他の施設に普及させることを目的といたしました介護機器普及促進事業を実施いたしまして、一層の普及が図られるように検討しているところでございます。
○吉田(和)委員 現在の我が国の福祉医療、福祉施設の介護の状況の中で大変問題になっているのは、寝たきりにされているというふうな数が大変多いことが指摘をされているわけでございます。 青梅市の老人病院では、寝たきりの老人を起こして外に出そうということで、三百九十八人中三百八十八人に実施をしたら、三人に一人は車いすで生活ができるような状況になっているということも報告をされているわけでございます。もっとそういう器具を使って老人が自立をしてというか、自分の力で、助けをかりて生活ができるようなことを目指すというふうな法の中身なのでございますけれども、これまでの状況で、何が現場でそういう機器を使いにくくしているのか。現場で働いている人たち、ヘルパーをしている人たちの御意見、そしてそこに入所されているお年寄り、そういった皆様からのそういう点でのお声はないのでしょうか。
○横尾政府委員 寝たきりゼロ作戦と申しますものが私どものゴールドプランの一つの重要な柱でございます。 先生のお尋ねに対するお答えの一つに、寝たきりというのは起こすことができる、あるいはつくらないで済ますことができるという、私ども行政関係者も含めて、現場のスタッフも含めて、認識を変えるということが非常に重要だったわけでございますが、幸いこのことについては幅広な分野で御理解が深まってきたというふうに思います。そしてまた高齢者の方々自身も、寝たきりにならないことが可能であるということへの意欲を持っていただけるようになってきたと思っております。 それでは、そこにこういった機器の普及がどのように導入されるかといいましたときに、私ども今問題意識として持っておりますのは、どういう機器があるのか、あるいはそれをどういうような条件のもとで使ったらいいのかということの情報の提供、そして指導助言をする体制が非常に少なかったことが、これまで普及を妨げてきたもう一つの要因ではないかというふうに思っております。
○吉田(和)委員 私は、福祉の施設で、医療の場でもそうだというふうに思うのですけれども、どういうふうな機器が現在使われているか、どういう状況でどういうふうな使い心地であるかということを国なり都道府県なりが情報を把握をする、そして一定程度のところにはきちっと公開をしていく。どういう状況であるかということが公開をされて、現在の状況と、それからこういう機器を開発をしていこうとしているというふうな状況、そういうふうなものをしっかりとしたデータとしてみんなに情報が伝わるということが大切だというふうに思っているわけでございます。 どうもお話を伺いますと、現場で今どういうふうに利用状況が進んでいるか、数的には把握をされていないというふうに聞いているわけでございますけれども、それはそうでしょうか。そして、そういうふうな利用状況の把握というのをこれからはどういうふうに進めようとされていらっしゃいますでしょうか。
○横尾政府委員 実際の利用の状況は、もちろん先ほど申し述べました特別養護老人ホームのほかに、老人保健施設あるいは病院、障害者の方々の施設、さまざまであろうと思います。また、そうした施設に加えまして、実際問題在宅で療養をされている方々が、それぞれさまざまの機器を利用されていらっしゃるというふうに思っております。 それを総体として利用状況を把握する状況に現在はなっていないわけでございますが、今後私どもが考えておりますのは、行政のルートを通じましては、都道府県のレベルでの介護実習・普及センターといったようなところで専門的な相談、展示を行う場所を設ける。また、市町村のレベルでは在宅介護支援センターという窓口を設ける。これが全国で一万カ所の普及を目指しておりまして、そういったところで実際に在宅、施設を通じた利用の状況についての情報を把握することが可能であり、また実際の利用の中で、苦情であるとか新たな改善への注文であるとかということも受けとめることにしたいと思っております。 また、この法案では、販売やレンタルを行う事業者に対しましても、そうした苦情を受けとめ、よりよい商品の開発に努めるような責務を求めておりますので、行政あるいは事業者双方のチャネルで御要請を受けとめることが可能になるのではないかと考えております。
○吉田(和)委員 ちょっと乱暴な質問になろうかと思うのですけれども、提供する側の情報、現在の状況というのをこれからは収集をしていく。 医療を受けている皆さんの障害のプライバシーにかかわるところの問題は、どこまで線引きするかというところがあるのだろうというふうに思いますけれども、医療面で、例えば病院にかかっていておうちに帰られるお年寄りが、地域の中でそういった支援センターからサービスを受けて在宅で介護をしようなどといったときに、そういう都道府県団体でも、それからそういう支援センターの窓口でも、何かそういうふうな地域で、どういうお年寄りがどういう状況でどういう障害を持っておられて御自宅の方におられるというふうな情報を収集して、ある一定のところでは把握ができるというふうな情報の集め方というのは、どういうふうに考えておられますでしょう。
○横尾政府委員 寝たきりをゼロにするという施策を進めてまいりまして、今多くの関係者の方々が指摘をされるのは、先生が御指摘になりましたように、病院退院時の適切な対応の重要性であります。そのために、昨年行いました診療報酬の改正でも、その点に着目をいたしまして、病院を退院される方の状態について、もちろん患者さんの了解を得た上でございますが、所管の市町村にその障害の状況についてあるいは在宅サービスの必要性について連絡をすることについて、情報提供料というような項目を設けているところでございます。 そういう形で行政と病院との連絡のシステムは既にでき上がっておりますので、それを活用して、退院をしてきたときにはもう既に家で必要な機器が何であるかがわかっているような状況に持っていくために、今あと一息というところにあるのではないかと認識をしております。
○吉田(和)委員 これまでの審議の中で再三問題点が指摘をされておりましたけれども、レンタル制度についてもっと進めるべきではないかということを織り込んでいきたいのですけれども、もう一つ、今お話にございました在宅介護支援センターの活用が、これからどういうふうな形になって地域に見えてくるのかなということを期待しているわけでございます。 特に私は東京の下町の出身でございまして、東京の中でも高齢化の高い地域で、そして人口が密集をしているところで、大変狭い住宅の中で暮らしているお年寄りたち、そして、そういう人たちが障害を持っていながらも、生き生きと暮らせる町づくりということに地域では要望が強くて、地域の中で、行政に頼らなくても自分たちで支え合えるようなシステムをつくろうというふうな動きも大変多くて、私が地域を歩きますと、そういう点で私もボランティアを自分の時間のこの時間の中でやってみたい、やりたい、これから先、自分の住環境の中で心配をしているというふうな声が大変あるわけでございますので、この在宅介護支援センターがどういうふうに自分たちの町に展開をされてくるだろうかということに大変期待を寄せ、また、いろいろなことについて要望も出しているわけでございます。 きょうも地下鉄の中で、つえをつかれて地域の方が出かけるので、どちらへきょうはお出かけですかというふうに聞きましたら、区民センターのところでこういう障害を持った人たちが集まって作業をする、週に二回行っている、うちの中でぽつんといるということではなくて、そういうところに行くと私は生きがいを感じるんですよというふうなやりとりもございまして、本当に期待をされているんだなというふうな実感を得たわけでございます。 具体的に申し上げますと、これから支援センターの数を中学校区に一カ所ずつふやしていこうというふうな計画があるわけでございますけれども、私たちがぜひこういうことでは実行できないかなというふうに考えておりますのが、地域の住民による協力団体をつくって、その団体にいろいろな任務を任せていただいて、そして、地域の中で例えば福祉施設や医療機関との連絡をその住民の協力団体が円滑に行っていて、なおかつそういうところの手続も代行できるような、そういうふうな仕事ができるような地域の力の結集というか、そういうものができないかな。 そこの地域には、できれば中学校区というよりも小学校区ぐらいの単位で欲しいなというふうに言っているのですけれども、介護や福祉、医療機器をその団体が貸与をして、近隣の皆さんに、こんなものがあるということで利用の促進を図っていくことはできないか。もちろん医療機関、例えば地域で割り振って、お年寄りを何十人というふうに回診をして歩いておられる開業医の皆さんがいらっしゃるわけでございますので、そういう医療機関との連絡も密接に行っていく。 今まさに地域の中で大きく膨らもうとしているそういった高齢化社会に向けて、自分たちの高齢化社会をどう描いていくかというふうな思いに向けて、そういった人たちを何人かバックアップをするような機関をつくることにむしろ力をかすような、そういった方向にこの在宅介護支援センターの活用がなされていくべきではないかという声が地域の中でも多く出ておりまして、ぜひこの機会にお聞きをさせていただきたいと思いました。
○横尾政府委員 在宅介護支援センターがねらいといたしますのは、まさに地域の人々が、いざというときによりどころとする一番身近な相談機関という意味合いで運営を進めてまいりたいと思っております。その意味で全国一万カ所というものをセットしているわけでございますが、こうした支援センターに、御提案いただきましたように、より地域にふさわしいものとして活躍していただくために、実は相談協力員の配置という制度がございます。これは、支援センターにそれぞれの地域で得られる人的な資源を活用させていただくという意味合いで、相談協力員を配置するものとしております。 おっしゃるように、民生委員、老人クラブの方々、婦人会等の地域活動団体の方、あるいは地元商店、薬局でありますとか郵便局等も含めまして、こうしたことに力をおかしいただける方々を委嘱をいたしまして、一つの組織体として本来の役割を果たすように考えているところでございます。 また、これからの高齢者福祉というのは、国が一律でこうしなければならないという部分以外に、それぞれの地域の実情に応じて、弾力的にお取り組みをいただくということが非常に重要になってきております。物的な資源、人的な資源も含めて、地域の自治体で新しいお取り組みをいただくことは大変結構なことだというふうに考えております。
○吉田(和)委員 地域の中で高まっている高齢化社会に対する、自分たちの問題としてとらえるそういうパワーをバックアップをするような施策を、これからもぜひ検討を進めていただきたいというふうに考えております。 もう一つ、マンパワーの問題なんですけれども、福祉機器を開発をするときに、これまで技術者は技術者の考えでテーマを設定をしてきた。臨床をやっている皆さんはまたそれなりの専門の御意見を持っている。そこをつなぐ人の養成。欧米では、何か研究機関があったり、きめ細かなものがあるというふうに聞いておりますけれども、そういう中間の役割をする人の養成というのはどういうふうに考えておられますか。
○横尾政府委員 福祉用具が、これまでなかなか優秀な機器が広範な場面で生産されてこなかった要因の一つに、今御指摘がありましたように、よい福祉用具のためには、多くの学問分野が学際的な研究に取り組む必要があるというところに由来している部分も大きいのではないかというふうに思います。 そういう意味で、日本が持っております有数の産業技術と、それから個々の障害のある方々の求めているものをつなぐものとして、この法案で御提案申し上げておりますのが、厚生省につきましては厚生大臣の指定する法人、そして通産省におかれましてはNEDOがそうした役割を果たしてそれぞれの分野に働きかける、こういったことを構想しているところでございます。
○吉田(和)委員 今回の法の成立て、これまでの限界をどう超えようとし、運用しようとしていかれるのか、普及の目標というものがありますでしょうか。法の成立によってどのような効果が上がるのであろうか。これは大臣にお答えをいただきたいと思いますけれども、いかがでしょう。
○丹羽国務大臣 まず、今度の法案の目的でございますが、高齢者や心身に障害のある方々が、地域において身近に福祉用具を見たり触れたり、さらに、必要とする福祉用具の選択や使い方について相談を受けることができるような体制整備をすることであります。 先ほどからお話が出ておりますけれども、具体的にはゴールドプランの一環でございます在宅支援センター、この場において相談や展示を行うことになっております。在宅支援センターの整備につきましては、先ほどから委員からも御指摘がございましたけれども、現在は千八百カ所でございますが、これを中学校区に一カ所ずつ、一万カ所を目指しておるわけでございます。これによりまして、心身の状況やあるいは住まいの構造などの環境に合った福祉用具を利用することが容易になり、高齢者や障害のある方々の自立の促進や、介護をする方々の負担の軽減を図ることをまず目指していきたいと思っております。 同時に、福祉用具の研究開発に当たりましては、入浴介護用具あるいは補装具など、いわゆるハンディを補う性格のものにとどまらず、スポーツやレクリエーションなど、QOL、生活の質を高めるものに取り組んでいきたい、このような決意でございます。
○吉田(和)委員 次に、通産省の関係の御質問をさせていただきたいと思います。 昭和五十一年からプロジェクトで開発をされている研究が幾つかあるわけでございます。平成四年までの間に四十五億ほどかけた十五のプロジェクトが完成をされている。実用化レベルにどういうふうに具体化をしてきたかというふうなことをお伺いをしたいわけでございますけれども、その十五のプロジェクトの中で具体化をされ、使われているレベルに達しているというのは、その中の幾つでしょうか。
○松藤政府委員 五十一年度から研究開発を行ってきておりますけれども、既に製品化されております具体的な事例を申し上げますと、まずモジュール型の電動車いす、これは現在生産されている電動車いすのほとんどを占めておりまして、厚生省の公的給付の対象にもなっています。平成三年度までに約一万二千台普及しております。それから言語障害者用発声発語訓練装置、これは全国にございます聾学校に設置されておりまして、既に大体二百台は設置されておるわけでございます。 それから重度身障者用の多機能ベッド、これは寝たきりの御老人等の重度身障者に対する介護を行う際の重労働を軽減するためのベッドでございますけれども、大体六百台普及しておりまして、また、これとあわせて開発されました吸引式の採尿器、これが大変好評でございまして、一万七千セットほど既に市場に出ております。それからまた、植え込み型の人工中耳につきましては、平成四年度に我が国で人工臓器としては初めて薬事法の製造承認を得たところでございまして、徐々にマーケットに出てくるところでございます。 先生御指摘のように、福祉用具のマーケットというのは非常に小規模でございまして、しかも多品種少量生産型であるところから、この十五の研究開発テーマがすべて商業化に成功しているというわけではございませんが、何とか政策的支援と相まって、消費者のニーズに応じたきめ細かな供給ができるような体制に持っていきたいと考えておるところでございます。
○吉田(和)委員 具体化されたものもあるけれども、されなかったものもあるわけでございます。企業組合の皆さんからの御意見も出されているというふうに伺っておりますけれども、実用化の上での大きな問題点は何だったのか。それから、それらのプロジェクトを組んで研究してきた研究結果での評価というものを通産省自身がどういうふうに採点しているか、どう評価しているのかという点についてお伺いをいたします。
○石原(舜)政府委員 御指摘のとおり、また先ほど御説明いたしましたように、例えば当省の研究開発では、モジュール型の電動車いすだとか言語障害者用の発声発語訓練装置だとか、実用化の実績も幾つかありまして、私ども国として社会福祉機器の基盤技術を開発した担当者といたしましては、一定の成果を果たしているのではないかというふうに自負しているわけでございますけれども、なお今後、今回の新法などとあわせまして、御指摘のように、さらに実用化に進む方向にこの基盤技術、我々が持っています産業技術を生かしたい、そういうふうに考えております。
○吉田(和)委員 後は、実用化は業者の皆さんの努力にかかっているというふうな実態であると聞いております。採算がとれないという理由で進まないという現状があるというふうに伺っております。 今お話に出ました基盤研究とおっしゃいましたか、基礎研究という言葉であらわされたわけでございますけれども、システム開発を福祉にどう生かすかということが大変難しいところではあろうかと思うのですが、プロジェクトで開発されたもの、それはもうかなり具体的なものができているわけで、基礎研究というふうな範囲をもはや超えているのではないかな。研究に取り組むテーマの設定とか、開発が何か中途半端な位置づけにされているのではないか、どっちにもあれするような位置づけではないかというふうに見受けますけれども、その点ではどうでしょうか。
○松藤政府委員 概して申し上げますと、国は民間のみでは実現が期待しがたいような、基盤的な技術と我々言っておりますけれども、いわば基盤的な技術の研究開発を担っておるわけでございまして、今までも現に開発リスクの多い基盤的技術を私どもが実施いたしまして、新たな機器の原型の試作までをやる。その後これを商業化するのは、専ら民間の企業の活動によってきたわけでございます。 ただ、先生御指摘のように、福祉機器の場合には市場が非常に小さい、細分化されておる、それから供給者も非常に中小零細企業が多うございまして、なかなかニーズに合ったものを生産するような体制になっていないのが現在の問題でございます。このため、私どもといたしましては、厚生省と協力しながら、民間による実用化開発についてまでNEDOあるいは厚生省の指定法人を通じて民間企業を支援することによりまして、非常に難しいマーケットに対応し得るようにメーカー側を支援してまいりたいと考えておるわけでございます。
○吉田(和)委員 今年度の新規予算で六千万円というふうな計上がなされているわけでございますけれども、研究のテーマの設定とか内容に関しては、やはり体系的な見地から設定をされるべきではないか、そして研究の積み上げなども必要ではないかというふうに考えるわけでございますが、新規予算でその六千万円をどういうふうに使ってやろうとされているのでしょうか。
○松藤政府委員 先生御指摘の数字は、NEDOを通じて民間業者に対する実用化支援のための予算の額だと思いますけれども、NEDOには一億六百万円計上をお願いしてございます。これにつきましては、ユーザーサイドの意見などを聞きながら、委員会を組織いたしまして、そこに専門家の方々あるいは学者の方々、身障者あるいは寝たきりの御老人の状況をよく認識している方々にお集まりいただきまして、企業から出てきた提案というものをそこで審査していただきまして、初年度でございますから、およそ十件程度を選択しながら、この実用化の実を上げていきたいと考えておるところでございます。
○吉田(和)委員 これは実用化の方の新規の予算だったのですね。はい、わかりました。 今度の法の成立て、今お話に出ましたNEDOの業務の追加が行われる、実用化の開発に補助がつけられるという内容でございます。具体的に業務追加をしてどういう制度にしていくのか、何がこれまでと変わっていくのか。今までは試作、研究開発の方に支援が行われてきた。今度は実用化の方にも支援をしていこう。新規に予算が組まれているということになるわけでございます。両方に支援をする、二重に助成をするというふうなことになるわけでございますけれども、両方に果たして必要なんだろうか、有効に使われるのだろうかというふうな感じもいたしますが、どういうふうに具体的に変わっていくのかということをお願いいたします。
○石原(舜)政府委員 先ほどお答えいたしましたように、福祉機器は一般に市場リスクや開発リスクが大きくて、福祉機器の利用可能な新たな技術が開発されても、企業が単独で実用化することは非常に難しいという点がございまして、工業技術院の研究開発プロジェクトによりましてプロトタイプを試作して技術的な可能性を出す、さらにそれを実用化に向けて数年かけて開発する、こういう形で行ってきたわけでございます。このたび、新しく福祉機器に関する産業技術の実用化を行おうとする企業等に対して、助成金の形でこれを交付いたしまして、そのようなリスクの低減を図って、これによって我々のプロジェクトの研究成果を含めて、福祉機器に活用することができる産業技術の実用化を効果的に推進していきたい、そういうふうに思っております。
○吉田(和)委員 同じものを試作するときに、開発のところで支援をして、また実用化に支援をするというふうな印象も受けるわけでございますけれども、実用化の開発に関しては、必ずしも同じものにかかるわけではなくて、もう少し規模の小さいものにかかってくるというふうなことも聞いております。 NEDOの業務として、本当にたくさんの業務を抱えているわけでございますので、余りに広範になり過ぎないかというふうな御指摘もあるわけでございます。指定法人とNEDOが連携をとって、ユーザーの要求や現場の声を技術に結びつけてというふうなことが今度の法案の中では大変意義のある内容ではないかというふうに考えておりますけれども、そこら辺を大臣にお伺いをしたいわけでございます。指定法人とNEDOの連携体制はどのようにとれるのか、そういうふうな内容をちょっとお伺いをしたいと思います。
○森国務大臣 吉田委員の御指摘でございますが、NEDOにおきましては、利用者のニーズを念頭に置きつつ、まだ十分には確立されていない技術シーズに注目し、福祉用具にかかわる技術の向上を目的として行う産業技術の実用化に関する研究開発に対する助成を行おうとしているものでございます。他方、指定法人におきましては、老人及び障害者の具体的なニーズに対応するため、確立された技術に着目し、福祉用具の研究開発に対する助成を行うこととしているわけでございます。 この両者の間で研究成果の交換、それぞれが収集した技術シーズ情報及び利用者ニーズ情報の交換等の連携に努めまして、福祉用具の研究開発をより一体的かつ効率的に促進してまいりたい、このように考えております。
○吉田(和)委員 各大臣の御努力にこれからも期待をしていきたいというふうに考えております。 最後になると思いますけれども、これまで規格になかった高齢者、障害者向けの製品などに対応する規格を加えようとしているのが新JIS規格策定だろうというふうに考えます。具体的にはどういうものをどこが検討しようとしているのか。大変厳密な調査に基づいたデータが必要ではないかというふうに考えるわけでございます。 特に福祉機器をつくっているメーカーは中小が大半なわけでございまして、そういう調査データというのを非常に持ちにくい企業の人たちが頑張っているというところで、ここら辺のところはぜひ進めていただきたい。欧米などではそういうものを研究開発する機関というのがきめ細かくあるというふうに聞いておりますけれども、その点についてはどういう検討がなされているでしょうか。
○松藤政府委員 福祉用具を安く、しかも効率のいいものをつくっていくためには、規格化、JIS化というのが大変重要でございまして、今まで工業技術院の標準部におきまして二十二のJIS規格をつくってきております。 しかしながら、まだまだこれは不十分であると思っておりまして、私どもとしては、新たな施策といたしまして今度暮らしとJISセンターというものをつくばに設けまして、そこで実際に身障者の方々あるいは寝たきりの御老人等に造詣の深い方々等の御意見も聞きながら、単に効率性とか安全性だけではなしに、実際に使う方々が本当に使いやすい、使い勝手のいいものを開発していくためにそういう場を設けまして、JIS化を今後ともさらに一層進めてまいる所存でございます。
○吉田(和)委員 今、千八百種の中で二十機種がJIS化が進められているということでよろしいでしょうか。これからどういうふうな基準でこういうものに対してJIS化を進めていくというふうな、具体的な内容はありますでしょうか、
○松藤政府委員 今先生御指摘の千八百というのは、在宅介護センターのことを御指摘かと思いますけれども、JISは先生御承知のように、電動車いすですとかあるいは義主義足、その他福祉用具それ自体の規格化を行っていくわけでございまして、この千八百のうちの二十二ということではございませんで、JIS化すべき対象というのはもちろんたくさんあるわけでございます。 ただ、ユーザーニーズの方がまた非常に細かく分かれておるものでございますから、なかなか単純に規格化を一挙に進めるというわけにはまいりませんが、先ほど申しましたように、いろいろな機械について安全性、品質、それから利便性等を考えながら、極力前向きにJIS化を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○吉田(和)委員 基準化というか、その策定というのが大変難しい、たくさんあるというふうに伺っているわけでございますけれども、ぜひいいものを、そしてユーザーの方が本当に安心して物を選べるというふうな基準になると考えておりますので、その研究機関に大いに期待をし、仕事をしていただきたいというふうに考えております。 先ほどちょっと聞き漏らしたのですけれども、プロジェクトで開発をされた研究の中で、関連のものの中で、国有特許を取られているものがあるわけでございます。その特許の使用実績というのがどういうふうな数字で出ているかということを伺うと、開発をしてきた機器がどのように生かされているのか、どんな分野で生かされているのかということがわかるのではないかというふうに思ったわけでございます。ちょっと前後になりましたけれども、特許の使用実績について聞かせてください。
○松藤政府委員 本プロジェクトにつきまして、既に終了しているプロジェクトベースで平成三年度までの数字について見ますと、出願件数も含めて百七十四件ございます。出願中であっても実施契約が結ばれるわけでございますけれども、出願中が百七十四件ございまして、平成三年度初年度におきまして現実に実施契約が結ばれておりますのは、先ほど申し上げました言語障害者用発声発語訓練装置等々二十二件となっております。
○吉田(和)委員 件数ですか。どういうふうなものに、いろいろそのままというのではなくて、部分的にも使われている基礎研究の部分のところのものもあろうかと思いますけれども、細かいものは出ませんか。
○松藤政府委員 具体的に申し上げますと、モジュール型の電動車いす、これが特許出願件数が三件、実用新案件数が三十三件でございます。実用新案で一件実施契約が結ばれてございます。それから点字複製装置、これは特許出願件数で八件、実用新案件数で四件ございますけれども、これで実施契約が結ばれているのが六件ございます。それから重度身障者用多機能ベッド、これが特許出願件数二件、実用新案四件でございますが、実施契約が一件結ばれております。さらに言語障害者用発声発語訓練装置、これが特許出願件数三十四件でございまして、実施契約が十三件ございます。これで、先ほど申し上げましたように、実施契約は二十二件となっておるわけでございます。 それで、それ以外にもいろいろ基礎的な、あるいは基盤的な研究開発をやってきておりますけれども、先ほど申し上げましたように、まだマーケットが非常に細分化されておって、商業化が難しいといったようなことがございまして、特許実施契約に至っていないものも多々ございまして、これを先ほど申し上げましたようにNEDOにおける実用化を支援する等の措置によって、なるべく早く市場に出ていくように、またこれが実施契約が結ばれるように、我々としては今後とも努力していきたいと思っているところでございます。
○吉田(和)委員 これまでの御努力の中で、これからこの法が成立をすると横断的な協力関係ができて、情報の交換もし、また研究開発、普及のところで、同じようなことを何度もあちこちでやらなくてもいいというふうなことにもなってくるというふうに期待をしているわけでございます。 当初この法案が、運輸省だとか労働省だとか建設省だとか、厚生、通産を入れて五省庁の共管ということで報じられていたわけでございますけれども、ぜひともこれら幅広い全般的にかかわる高齢化社会に対応する施策として、横断的な研究開発、そして利用の促進、そういったものを検討をしていただき、一日も早く私たちの身近なところでそういうものが目に触れ、手にさわれ、そして私たちの生活の中に取り入れていかれる、そういった実効性があることを期待をして、私の質問を終わらせていただきます。
○浦野委員長 小松定男君。
○小松委員 厚生大臣に最初に質問をいたします。今回の法律で、これは午前中若干質問が出たような気がするんですけれども、これも厚生大臣の所管でありますので、最初に厚生大臣には一点だけ基本的なことだけ伺っておきたいと思うのです。 これからの高齢化社会を迎えるに当たって、かつまた身障者のための町づくりとも大きく関連する問題でもあります。すなわち、福祉の町づくりはこれからの大きな課題でありますので、これに関連して、建設省も呼んでありますので、町づくりのあり方については後で若干質問をしていきたいと思いますが、これの基本的なことについて、厚生大臣の見解について最初に伺っておきたいと思います。
○丹羽国務大臣 障害者や高齢者の方々がきょう御審議をいただいております福祉用具を使いやすいような、私は受け皿と申し上げておりますけれども、町づくりは、障害者や高齢者の自立と社会参加を促進するに当たって重要な課題であるとまず考えております。 私的なことで恐縮でございますが、かつて私は羽田澄子さんの「安心して老いるために」というドキュメンタリー映画を見たことがございます。たしか岐阜県の池田町であると思いますけれども、町がこぞって福祉の町づくりに取り組んでいる姿を、光景を拝見いたしまして大変感動したわけでございます。 いずれにいたしましても、生活環境改善を中心とする各種の事業を総合的に実施する住みよい福祉のまちづくり事業というのを今推進をいたしておるところでございますけれども、障害者の皆さん方あるいは高齢者の皆さん方が受け入れやすいような町づくりのために努力をしていきたい、こういう決意でございます。 今後でございますが、先般策定をいたしました障害者対策に関する新長期計画に沿いまして、政府全体でこの問題に取り組んでいくことになっております。私といたしましても、厚生行政の責任者といたしまして、また政府の障害者対策推進本部の副本部長として、今後とも今先生が御指摘になったような住みよい温かい町づくりのため、福祉への配慮を十分にした町づくりのために、関係省庁とも十分に連絡をとりながら、その実現に向かって頑張っていく決意でございます。
○小松委員 ぜひひとつそういう立場で、これについては推進を図ってもらいたいと思うのです。 そこで、今度は厚生省に、先ほど来出ておりました在宅介護支援センターの件です。 これはいろいろと午前中からの質問で出ておりますので、質問の内容は重複しないようにしたいと思うのですが、例えば今まで、昨年の計画が千二百カ所としても、それが半分少ししか実現をしていない。これはどういう理由でこのようになっているのか。 それから、中学校区に一つずつつくるというけれども、実際に市町村へ行って、例えば特養なんかの場合でも、そういう場所のいいところばかりでもないということで、先ほども指摘がありました。したがって、場所の設定とかあるいはこれの運営、設置、市町村がやりますね。財政的な問題、こういういろいろな問題があってできないんだろうと思うのですね。 したがって、それらのことを考えた場合に、だからこそ今度の法律では、国の責務として、財政的にもいろいろと助成措置を講じなければならない、こういうことをうたうわけですけれども、そういうものを兼ね合わせできますると、今までもそういうことで計画どおり進まないとなれば、ましてやこれから一万カ所つくるというのですから大変だなという気もしますので、そこら辺本当に進めることができるのかどうか。この点についてはひとつ大事なことですから、もう一度確認をしておきたいと思うのです。
○横尾政府委員 今まで進まなかったことの要因をあえて端的に申しますれば、在宅介護支援センターに対する理解の問題、それから整備費も含めて財政の問題、また都会を主といたしまして用地取得の問題、こういった点があったのではないかというふうに考えております。 まず理解の問題でありますが、そもそもゴールドプランにこの在宅介護支援センターを取り入れるというその以前の段階で、幾つかの特別養護老人ホームが試みとして取り組んでおられて、非常に有効な施策であるということを考えまして、平成二年度に政府の施策として取り入れた非常に新しい施策でありますので、そのことについて関係行政機関の理解が得られていなかったという実情がございますが、この点につきましては、私ども、平成五年度中に実現をいたします市町村高齢者福祉計画の中で位置づけられることもありまして、急速に理解を得られるものではないかというふうに期待をしているところでございます。 第二の財政の問題でございますが、平成三年度の実績で四百カ所ができ上がっておりますが、その八割は特別養護老人ホームの付設の支援センターでございます。残りが老人保健施設、病院等でございまして、こういった医療機関サイドの取り組みがおくれているわけですが、実はこの部分に対する施設整備費が従来なかったという点がこの差を生じせしめている点も考えまして、平成四年度からは医療機関に対する施設整備にも取り組んだところでございます。 第三に土地の問題でございますが、これはにわかにはなかなか解決ができないわけでございますが、ゴールドプラン関係施設に共通いたしまして、合築、あるいは都市でございますと子供が少なくなってまいりますので、子供の施設との適切な共有というようなことも含めて、弾力的な運用でこの問題を解決していきたいと考えております。
○小松委員 これも、これからまたかなりいろいろと問題というか、財政的にも含めてあると思いますので、その都度チェックしながら、また質問する機会もあると思いますので、次に移りたいと思います。ぜひこれは前向きに進めていただきたいと思います。 きょうは通産省にも来ていただいておりますので、二点あったのですが、ほかのもありますから、時間の関係で一点だけに絞ります。 例えば、この間テレビで放送しておりましたが、ある自動車の会社で障害者用の車を研究開発しているところが出ていました。これはやはり採算には合わないのだろうと思うのですが、しかし、最近障害者用の車としての希望も多いし、またこれはどんどん研究を重ねていきますと、今の技術の向上からすると、いいものができるようになることは間違いありません。そういうことで、いろいろと研究しているところが報道されておりました。これについては今度のこの開発研究助成の対象には入っているのだと思うのですが、その点ちょっと伺っておきたいと思うのです。
○松藤政府委員 身障者用の車そのものにつきましては、直接それを対象に工業技術院で現在研究をやっているわけではございませんが、車にも使える超小型の電池の開発を鋭意私ども始めようとしております。 現在、電池というのは非常に重くて大きいものですから、例えば電動式車いすなんかも非常に扱いにくい重いものになって、重量が八十キロ以上もあるものでございますから、身障者の方々は非常に扱いにくいわけでございますけれども、この小型電池が開発できますと、電動車いすの小型化にも非常に役立つことになりますし、また、先生御指摘の電気自動車などにも非常に役に立つことになるということで、私どもとしては鋭意これを進めていきたいと思っています。 また、今後の問題といたしまして、自動車一般について私どもの研究対象にすることはちょっとどうかと思いますけれども、自動車会社の方から身障者用ということで特に研究テーマが出されるのであれば、我々としてはそれは十分検討してまいりたいと考えております。
○小松委員 それでは次に、建設省に伺いたいと思うのです。 先ほど申し上げましたように、町づくりと大変関係をしております。これからいろいろ都市計画をされるところもありますが、現在、町の中を見ても、例えば横断歩道橋なんかありますね。これは、かつて車がどんどんふえたときに、道路に横断橋をたくさんつくったことがございます。ところが、今現在、皆さんも至るところを見て御承知のとおり、果たしてこの横断橋が利用されているかというと、余り活用されていないところもあります。 ましてや、これは車優先社会の中で考えられたものですから、お年寄りとか障害者はこれについては余り利用ができない、こういうのが実情だと思うのです。それから、町づくりをするにしても、今の車道と歩道、歩道なんかもないところもたくさんありますね。そういうふうにしてまいりますと、これからの社会というのは、やはりそういうことも含んだ総合的な町づくりをしていかなければならないと思うのですね。 ですから、そういう限りにおきまして、建設省としてはこれから市町村に対してどういう都市計画なり町づくりを指導するのか。今幾つかモデル地区として、市町村が障害者の町づくりということでいろいろと調査したり、やっているところも出てきております。これらに関連しておりますが、ぜひひとつその点を伺っておきたいと思うのです。
○橋本説明員 ただいま御指摘のように、例えば道路でいいますと歩車分離ということで、歩道橋でございますが、先生御指摘のようないろいろな御批判もまたございます。今後、例えば道路につきましてはスロープをなるべくつけるとか、ペデストリアンデッキ、建物あるいは駅から直接利用できるような施設、あるいは必要に応じて昇降装置、エレベーターをつける等の努力を現在進めているところでございます。 また歩道につきましても、一応三メートル以上ということを目標にしまして、三メートル以上の歩道をできるだけ整備していくということで、現在逐次整備を進めているところでございます。 何といいましても町づくり全体という観点から建設省としては政策を進めなければいけないということでございまして、そういう意味で、福祉の街づくりモデル事業というのを現在十一地区で進めておりますが、総合的な施策という意味では、御指摘のように、将来、都市計画とのリンク等いろいろな形で進めていかなければいけないということでございます。 昨年、都市計画法及び建築基準法の改正をさせていただきまして、都市計画のいわゆる上位計画という形で、市町村が主体的に町づくりに関してマスタープランを作成するということになっておりますので、我々といたしましてはこういうマスタープラン、都市計画の上位計画でございますが、こういうところへ望ましい町づくりという形で盛り込んでいただくよう期待をしているところでございます。
○小松委員 町づくり全体、まだまだそういう計画を積極的に進めなきゃならないと思うのですが、それと同時に、例えば障害者の人たちがデパートを利用する、マーケットを利用する、銀行を利用する、その他いろいろなところを利用するにしても、これまでそういうものが日本の場合には非常におくれている。ヨーロッパ、アメリカなんかではむしろ障害者に対しての差別的な位置づけとして、このあたりはかなり日本より進んでいることは事実のようでございます。したがって、こういうものに対するこれからの建設、改造、そういうものを含めてやはり考えるべきではないかと思うのですが、この点についてはいかがですか。
○那珂説明員 ただいまのお尋ねは建築物一般のお話だろうと思うのですが、特にデパート等不特定多数の方が大変利用される頻度の高い公共的な建築物において、障害者の方々が利用されやすいような設計の基準でありますとか仕様の基準、その普及についてどうすべきか、こういうことだろうと存じます。 我が国では、建築物一般についての法規といたしましては、代表的なものに御案内のとおり建築基準法がございます。ただし、この建築基準法といいますのは、最低限の基準を定めて、これを広く全国的に例外なしに強制的に義務づけるという性格が強いために、個々のビルの用途、あるいはそのビルの使われ方、地域等、それぞれの事情によってどういった基準を具体的に定めるかについては、なお慎重な検討を要するという判断でございます。 しかしながら、近年、先生御案内だと存じますが、各地方公共団体におきまして、この建築基準法等に基づく条例によりまして、一定規模以上の、かつ先ほど申し上げました不特定多数の方々が利用される用途の建築物につきまして、建築基準法に定める基準以上の水準をもって、障害者の方々がより利用されやすい、利用しやすい設計基準を定める動きが見られます。 建設省といたしましては、このような各地方公共団体の条例制定の動向を見定めつつ、また開発銀行等の助成面における制度の拡充に努めてまいりたいと存じます。
○小松委員 これもそういう町づくりの大きな一環ですから、ぜひひとつ進めてもらいたいと思うのです。 それから、今ちょっと最後の方にお話がございましたが、障害者の人たちの利用する、例えば住宅にも絡んでくるのですが、いろいろと改造するにしてもそれだけの資金もかなりかかるわけなのですね。これに対して、現状ではローンの融資関係に対する金利の若干の制度というものはあるような気がするのですが、それだけではとてもじゃないけれども不十分だという声もあります。したがって、こうした障害者の人たちが住宅を改造するに当たって、これに対するいろいろな助成措置というものの拡大については図れないのかどうか、このあたりはどうでしょうか。
○那珂説明員 住宅政策におきましても、高齢者や身障者の方が暮らしやすい住宅を供給し、あるいはその住宅の整備ということは大変重要な課題だと考えております。 このため、住宅金融公庫融資におきまして住宅を新築する場合あるいはただいま御指摘のような改築をする場合、こういうような場合につきましては、高齢者や身障者の方と同居するための住宅を新築する場合ですとかあるいは特別の設備を設ける場合等につきまして、住宅金融公庫から割り増し貸し付けを行っているところでございます。割り増しの額につきましては、例えば新築住宅の場合は三百万円でありますとか、改築する場合には一般が五百十万円に対して、設備の種類によって異なりますけれども、五十万円から百万円割り増しをする、こういうことでやっております。 現在のところではこの住宅金融公庫の融資、低利融資でありますが、低利融資をもってその普及にまずは努めるということで、直接個人の財産であります家屋に対する補助というような助成については考えておりません。
○小松委員 時間も大してありませんので、次に、郵政省にもきょう来ていただいているのですが、たしか今、法案の方でも審議されると思いますので、一つだけその施策について伺っておきたいと思うのですが、視聴覚障害者に対するテレビの問題、これも障害を持つ人たちから非常に強い要望が出されてきております。 そこで、解説放送それから字幕放送、こういうものが今現状では大変おくれているということは事実だろうと思うのですね。したがって、これについての今後の取り組み、もっともっとこういう人たちがテレビを利用できるようにしてもらいたいということが強く出されておりますので、この点について伺っておきたいと思うのです。
○清水説明員 先生御指摘のとおり、字幕放送、解説放送というような形で視聴覚障害者の方にとって番組の内容を理解していただくことが、今こういうテレビジョン放送が国民生活に欠かせない基幹メディアになった時代には、大変重要なことだと認識しているところでございます。 今、関東地区でございますと、例えば平成五年度のふだんやっております番組を見ますと、字幕放送で大体一週間当たり十五時間五十分ぐらいでございます。NHKの「ええにょぼ」ですとか「遠くへ行きたい」ですとか、そのほかの番組等が十五番組、週に流れております。また、解説放送の方も「火曜サスペンス劇場」等三番組で、大体週に九時間十九分ぐらい出ておりますが、まだまだ御指摘のとおり十分な状態ではございません。 そこで現在、身体障害者の利便の増進に資する通信・放送身体障害者利用円滑化事業の推進に関する法律案というものを今国会に提出して、御審議をお願いしているところでございまして、この法律案では、字幕放送それから解説放送の制作に係る費用の助成、それから障害者向け情報通信サービスに関するデータベースの構築等の措置を講じようとするものでございます。 今後、この法律をお通し願えたならば、これらの措置を有効に活用するとともに、また、ふだんのベースにおいても、放送事業者に対する要請を行いつつ、障害者向けのテレビ放送の充実に取り組んでまいる所存でございます。
○小松委員 ぜひひとつ積極的に進めてもらいたいと思うのです。 さて最後に、運輸省にもせっかく来ていただいたのですが、時間もあと二分ぐらいしかありませんので、これは私の方から希望だけ申し上げておきたいと思うのです。 今、障害者の人が改札を入りまして、それから電車に乗るということに対して非常に困難な状況にあります。これはそういう肢体不自由の人だけじゃなくて、老人もあるいは内部疾患の人もそういう立場だと思うのですね。したがって、この点については、やはり一つにはエレベーターの確保、それから、エスカレーターも上りだけじゃなくて下りもできるようなこと、あるいは改札なども含めて、障害者の人たちが通れるようないろいろな施設をつくっていかなければならないと思うのです。見渡すところ、主要な駅のところには一部ついているところもありますが、まだまだ大変不十分だと思いますので、この点については指摘だけしておきますので、ぜひひとつ進めてもらいたいというふうに思います。 それからもう一つは、バス関係ですね。これもリフトつきのバス、一部確かに少してきました。しかし、まだまだ見渡すところ、そう数も多くございません。したがって、こうしたことに対する施策も積極的に進めてもらいたいということだけ、きょう運輸省来ておりますが、もう時間もありませんから答弁は要りませんから、強く要望して、終わりたいと思います。 以上です。
○浦野委員長 草川昭三君。
○草川委員 公明党・国民会議の草川であります。 まず、通産省にお伺いをいたします。 本法案は福祉用具の研究開発と普及となっているわけでありますけれども、福祉用具を製作するメーカーに対する育成というのはどのように考えていられるのか、あるいはこの法案の中で具体的にどのような手当てをされているのか、お伺いをします。
○坂本(吉)政府委員 車いすを初めとする福祉機器関連の産業を積極的に応援していくということにつきましては、通産省としてもこれを重要な政策の一環と考えておるわけでございます。 まず一つには、開発銀行による融資制度によりまして、福祉関連機器の開発でございますとか生産、また流通といったことについて、特利でこれを支援するということをまず特別の制度として考えております。ただ、車いすを初めとする福祉関連機器の生産業者には中小企業も大変多うございますので、これにつきましては一般の中小企業施策ということを中心に支援をしてまいろう、こういうふうに思っているところでございます。
○草川委員 現在のところ通産省の工業技術院が出資をしているもので、いわゆるNEDOというのがあるわけですね、新エネルギー・産業技術総合開発機構。その下に福祉機器の研究所等々があるわけですが、これは組合として組織をしておみえになるのか、何か福祉関係の企業が五十五社あるやに聞いておりますが、それらが対象になるのか、改めてお伺いします。
○松藤政府委員 ただいま先生御指摘のように、NEDOのもとに技術研究組合といたしまして医療福祉機器研究所を設立いたしまして、その中に組合員としてメーカーにたくさん参加していただきまして、この医療機器の研究開発を推進しているところでございます。
○草川委員 少し時間があれば、この問題に後で戻って申し上げたいと思いますが、次に進みます。 福祉用具の普及にレンタル業の役割が非常に重要になってきます。それで、このレンタル業の対象というのは、これは通産省になると思うのですけれども、この取り扱いはどうなっておられるのか、お伺いをします。
○坂本(吉)政府委員 御指摘のように、福祉機器を普及するに当たって、レンタル業者に対する支援を行うというのは、我々としてもこれを重視いたしているところでございます。そのために特別の融資制度を用意いたしておるところでございますけれども、十分実態を把握して、これを積極的に進めるという必要性はさらに高いもの、こういうふうに考えておりますが、福祉機器を購入してこれをレンタルするというシステムも、次第に前進しつつあるものというふうに考えているところでございます。
○草川委員 ぜひこのレンタル業に対する資金援助の問題等を含めまして手厚い対応をしていきませんと、実際その利用者は市町村が窓口になる場合もあるでしょうし、社協が市町村で窓口になる場合もあるわけでありますけれども、十分な連絡を密にしないと、せっかくの施策というものが生きてこないのではないか、こう思います。 それからもう一問、通産省にお伺いをいたしますが、通産省がかつて作業用の三次元車いすの開発のために、五十六年から六十年にかけまして二億九千七百万円を投入した三次元の車いすがございます。こういうものは実際上末端で利用されるものかどうか、お伺いしたいと思うのです。
○松藤政府委員 先生御指摘のように、作業用三次元車いすにつきましては、五十六年から六十年まで開発いたしました。 これは車いすを使いながら仕事をする方々が、例えば機械の組み立てですとか組み立て検査工程等の作業をするに当たりまして、手の届く範囲というのは非常に限定されてくるものでございますから、車いすを前後方向、左右方向、上下方向に移動できるようにしまして、ハンディキャップの方々が通常の人間と同じように作業しやすくするようにしたものでございまして、まだ現在十分とは言えませんが、およそ三十台前後は市場に出回っておるところでございます。今後とも、さらにこうした機器の普及に努力してまいりたいと考えております。
○草川委員 現物を持ってくればよくわかるのですが、確かに三次元で車いすがこう上がりまして、非常に高いところの作業ができるという意味でのアイデアは非常に立派だと私は思うのですが、例えば今日の障害者の方々の職業訓練の現状なり、あるいは障害者の方々の作業がどういうように行われているかということを考えますと、この三次元の車いすというのは四つ輪の大きな台車が要るわけですよ。その台車の上に、どこか町の電気工事店の方々がやるような三次元の車いすということになるので、このことよりももっと優先する方々がたくさん手を挙げているのですよ。 例えば車いすにソーラーをつけて、ソーラーで車いすが運転できるようにという申請なんかを通産省にしているのだけれども、それが後回しになってこういうものが、こういうものというのは作業用三次元の車いす、早く言えば大きな電力会社の工事用の車いすが対象になっている。私はこれは悪いことではないと思いますけれども、もっと前にやるべきものがあるのではないか、こういうことを主張したいと思うわけであります。 要するに、福祉用具というのは手づくりで、量産化ができないわけですよ。ですから、当然のことながらコストが高くつく。コストが高くつくということをまず理解をしながら、それに対してどのような援助をするのか、補助をするのかということが今非常に緊急な問題だと私は思うわけです。 この車いすの価格については、ヨーロッパに比べますと日本の車いすは一体高いのか安いのかということになりますと、補助の金額によるのではないか。だから通産省でも厚生省でも、車いすをもっと安くしろというような指導をしておみえになると思うのでありますけれども、今申し上げたように、補助をたくさん利用者に与えることが今最も緊要ではないだろうか、こんなように私は思うわけです。 そういうような立場から、現在の車いすあるいは補装具等の価格がどうかという問題を取り上げたいわけでありますが、例えば車いすの場合だと、大人の方々が利用する車いすに対して十四歳以下はマイナス一〇%、それから五歳以下は二〇%ということになっておるわけです。これは昭和二十五年の身体障害者福祉法の制定以来、十四歳以下は大人の一割引き、あるいはまた二〇%引き、こういう価格に設定をされているわけですが、先ほど私が申し上げましたように、福祉用具というのは手づくりなのです。ハンドメーキングでつくるわけで、量産化ができないという条件で、子供用の場合が果たして二割安くできるかどうか疑問であります。 そういう意味で、これは厚生省の方にお伺いをいたしますが、社会局扱いと児童局扱いの長い間の対応の違いが今日まで残っているわけです。この点について変える気はないのかどうか、当分の間現状のままで行うのかどうか、それぞれ両局にお伺いをしたいと思います。
○清水(康)政府委員 お答えをいたします。 御指摘のとおり、車いすにつきましては、現在十五歳以上の方の車いすは、平成四年度予算の単価でございますけれども九万八千三百円、六歳から十四歳までは八万八千五百円、零歳から五歳までは七万九千七百円ということでございますので、お話しのとおり、いわゆる車いすの受託報酬額というのは、六歳から十四歳までの子供については成人の約一割減、零歳から五歳までの子供のものは成人の約二割減、こうなっているわけでございます。 お話にもありましたとおり、実はこうなりましたのは、昭和二十六年に児童福祉法を改正いたしまして、車いすなどの補装具を児童にとっても給付の対象にするというふうにしたときに、関係者からいわば実勢価格について見積もりをとりまして、その結果三区分とすることが合理的である、そういう判断のもとに行ってきておりますので、既に四十年近い年数がたっているわけでございます。 ただ、昨年の一月に普通の車いすを製作している企業、事業所二十一社に調査をしましたところ、販売価格に年齢差を設けているところが十一社、設けていないところが十社というふうなことで、半々になっておりますので、このままの状態を続けていくことが妥当かどうか、今後ともよく実態を調べまして、実勢価格を反映したような改定をするよう努力していきたい、そういうふうに思っております。
○草川委員 今、実勢価格を反映するように検討したいと言っておりますが、私はいろいろとメーカーの方々等に聞いてみましたら、組合をつくっておみえになりまして、メーカーの組合からは、もう過去何年来となくこの差別をなくしてもらいたいと。 それで、後でまた通産省にも聞きますが、いわゆる患者というのですか、障害を持った方々の体型に応じた車いすをこれからつくらなければいかぬわけですよ。そのために通産省は、コンピューターによるCADシステムの設計を採用して、ドクターからのオーダーがあれば、それに合うような車いすをつくろうというように片一方は言っておるわけですよ。 車いすというのは、同じ車いすをたくさんつくったってだめなのですよ、量産化は。これはまず原則として考えてもらいたい。利用者一人一人の、障害を持った方あるいはお年寄りの方さまざまありますけれども、その人の体型に応ずる車いすをつくるという前提で通産省も厚生省もきちっと基本的に考えていただいて、そして公費支給ならそれなりに公費支給をしていただく、これは当然のことです。そういう現場の声をきちっと反映をして、車いすであろうとその他の福祉用具の取り扱いも考えていただきたい、こう思うのであります。 今は児童家庭局の答弁だと思いますけれども、これはどうでしょう、厚生大臣。後で一遍よく考えて、この福祉器具のことについての細かい提案ではありますけれども、非常に重要ですから、早急にこれは現場の声を取り上げていただいて、十四歳以下は一割引き、五歳以下は約二割引きだというような設定は四十年来放置されておるわけでありますから、四十年来の指針について、その指導について考え直すというようなことをもう一度ちょっと明確に答えていただけませんか。
○清水(康)政府委員 お答えをいたします。 御指摘のとおり、車いすにつきましては、その一人一人の体型に合ったようないわば注文による製作をしなければいかぬということでございますので、私どもはそれに支障のないように対応していきたいと思いますが、現在の価格によりましても、これは国庫補助を出すときの上限として決めている価格でございますので、これで対応されているケースも相当あります。今まで調査の時点が若干古かったということを私どもは反省しておりますので、今年四月一日現在の制作者の方々の表示価格の実態をよく調べまして、御指摘の点を十分に配慮しながら検討してまいりたいと思います。
○草川委員 ぜひお願いをしたいと思います。 それで、これから具体的にこういう福祉用具の普及ということが非常に重要になってまいりますが、普及の場所というのは、ゴールドプラン等々からいきますと、今回は従来の県だとか市だとかというところにさらにプラスになりまして、町村段階でもこの普及ということについて取り組んでいただくことになりますし、窓口としていろいろと申請の受け付けをしてもらうということになってくるわけであります。 ところが、県と市と対応が違うところが多いのです。あるいは市と町村によって違うところが多いわけです。それから町村段階になってまいりますと、いかに厚生省の方が県を通じて指導いたしましても、人事異動が頻繁に行われておりますので、細かい解釈だとか運用に差があるわけです。もう少し親切な対応をぜひやっていただきたいというのが、実はきょうの私の質問の趣旨になります。 そういう意味で、二、三まず具体的な例を挙げて聞いてみたいと思うのです。 ことしは昨年十四億が十八億になっておるわけですから、相当な普及が行われると思いますけれども、例えば電動介護のベッドは価格というのは上限があると思うのですが、その上限以上のベッドが発売をされた場合に利用できるのかどうか、公費支給の場合ですよ。それで、その上限だけは自分で負担することができるのかどうか。いや、だめなんだ、従来でいうならばベッドは幾らでございましたか、相当高い金額ですが、どのような取り扱いになるのか、お伺いしたいと思うのです。
○横尾政府委員 ある品目につきまして、国庫補助単価を超えるような機種を利用者の方が希望する場合もございます。そういう場合には運用上、利用者がその差額を負担すれば、自由に選択できるように指導しているところでございます。
○草川委員 それが実は各町村の段階にいきますと、いかに個人が負担をするといっても、それはだめだという窓口の指導が多いのですよ。今局長が言われたようにきちっとした対応が実はとれていません。それで、統一した指導をぜひお願いをしたいと思うわけであります。 例えば、今度移動用のリフトが採用になっていますね。移動用のリフトというのは在宅でこれから相当な普及をすると思うのです。その個人の家の構造によって、当然のことながら移動用リフトというのは違うわけですよ、どこにどう階段があるかわかりませんけれども。そういうような場合は、この移動用リフトについても上限を超えて本人が負担するからつけたい、いや、それはだめだというようなことは多いと思うのですが、その場合の指導はどうされるのですか、お伺いします。
○横尾政府委員 移動用のリフトでございますが、これは四年度予算から導入をいたしました。レンタル料の上限を、月額でございますが一万三千二百五十円と定めております。大規模なものをお求めの場合はこれを超えることが考えられますが、それは先ほど申し上げたような考え方で運用を願っているところでございます。 各自治体によって取り扱いを異にしている場合があるという御指摘でございまして、そのことは私どもも気がついておりまして、そうしたことがないように四年度、五年度、いずれも関係行政機関に対して理解を求めているところであります。
○草川委員 今、移動用リフトが四年度から実施をされているということが言われておるわけです が、いわゆる老人の日常生活用具の移動用リフトというのが新規追加されたというパンフレット等はございますけれども、老人の日常生活用具給付等種目一覧表の中には、そういうものがなかなか明確に出ていません。 例えば、レンタルではありますけれども、給付として、自分で二階なんかに移動する場合に家庭の中に備えつけるという家があります。この場合の説明の移動用リフトというのは、ここにもありますけれども、つるのですね。患者をつって移動するというのが上限一万三千二百五十円、こういう数字になっております。いわゆる腰かけて二階に上がっていくというのが、今非常にモデルホームなんかでも紹介されておるわけですよ。一体それはどちらなんですかと問うても、町村段階ではわかりませんと言う。こういうことなんです。それを私は言いたかったわけなんです。これは一つの例ですが。 いずれにいたしましても、このような福祉用具の新しいものも含めました普及というのは、最末端ではどのように行われるのか、お伺いをしたいと思うのです。町村の役場でやるのか、あるいはメーカーというのですかレンタル業者のオープンの紹介所で行われるのか、役所としてはどちらを勧められるのか、お伺いをしたいと思うのです。
○横尾政府委員 最初に移動用リフトについての追加の説明をさせていただきます。 移動用リフトには二通りございまして、独立して床を走行するものと、天井にそれなりの設備を設けまして天井からのリフトで移動を図るものとございまして、現在までのところ、補助を行っておりますのは床走行型のものに限定をされております。したがって、天井からのものについては認められていないというような状況でございます。 また、具体的に今後どのように普及を図るかという点でございますが、まず、ユーザーの方々がどういうものが自分の家庭で必要かということを検討する拠点として、市町村の在宅介護支援センターを考えているわけでございます。この在宅介護支援センターが十分な相談が行えるように、そこに働く職員に対する研修を行っているところでございますので、その研修の中で、これまで御指摘のありましたような制度の理解も含めて、対応が円滑になされるように考えてまいりたいと思っております。 また、こうした行政面での対応とは別に、個々のユーザーが機器を利用される場合の販売業者、レンタル業者の所在情報についても、この在宅介護支援センターが提供できるように、ある種のネットワークを考えていきたいと思っております。
○草川委員 わかりやすく言うならば、福祉用具を利用したいという方々は、町村段階の窓口あるいは市の窓口というところへ行かれると思うのです。県だとか市は紹介をします。私ども愛知県の例を言いますと、そういうことを紹介したのですけれども、先ほど申し上げたレンタル業者の所在を抜かしているのですよ。それでレンタル業者が怒って、怒ったかどうか知りませんけれども、それはおかしいじゃないですかといって、県に申し入れをしたような例があるのですよ。事ほどさように、新しい今度の法律では普及という言葉が大変出ておりますので、私はそれは賛成なんですが、現状はなかなか普及しづらい形になっています。 なぜならば、役所は土曜、日曜は休みでしょう。お年寄りであろうと障害者であろうと、障害者はなかなか個人では移動できませんから、家族の介添えでそれぞれのものを購入をしたいと思うし、申し込みをしたいと思うのですよ。家族というのはやはり土曜、日曜しかないんです。土曜、日曜、どこへ行くのですか。県庁であろうと市役所であろうと、町村が親切に応対してくれますか。現実には応対してくれませんよ。福祉には土曜、日曜がないんですよ。だから、福祉には土曜、日曜がないという非常に厳然たる事実の上で厚生省は指導していただきませんと、私は問題があると思う。 だから、レンタル業者は今、土曜、日曜、夜遅くまでオープンしているのです。レンタル業者は、福祉は日曜も土曜もございませんから、どうぞ来ていただきたいと。ところが、行政の広報には、レンタル業者が土曜、日曜オープンしていますよという紹介は外すのですよ。私は意識的に外したとは言いませんけれども、私どもの愛知県のようなところでもそういうのが実態なんです。ましてその他のところでは大変問題があると思います。私ども自分の出身の県ですから、わざわざそういうことを言いたくはございませんけれども、あえて現実ですから。 ですから、福祉というものについては、福祉用具に限りませんけれども、いわゆる生活をしている水準のところで物を考えていただきませんと、せっかくこの新しい法律をつくっていただいても、あるいはまた新しい給付を考えていただいても、なかなか血の通ったことになりませんよというのが私の趣旨でございます。 時間があとわずかしかございませんので、実は医療用具の消費税のことについてお伺いをしたいと思うのです。 消費税については、現在いわゆる身体障害者用の物品については非課税になっております。このため、身体障害者用物品の製造業者にとっては、製造した身体障害者用物品の販売には税がかかっていません。しかし、その製造に要したさまざまな仕入れ、いわゆる車いすだと鉄パイプだとかタイヤ、たくさんの原材料があるわけですが、それに含まれる消費税分が控除できないわけでありまして、その分だけコストアップになるわけです。そこで、この場合、製造業者は非課税とされた物品等にかかわるコスト分をどのように処理をすればいいのか、これはきょう大蔵省から来ていただいておりますので、大蔵省から答弁を求めたいと思います。
○大武説明員 お答えさせていただきます。 まさに先生申されましたとおり、消費税は、すべての取引段階の事業者が納税義務者となる多段階の課税でございます。このため、消費税に消費税がかかるといった事態が生じないように、おのおのの事業者が売り上げに係る消費税額から仕入れに係る消費税額を控除して納付するということが原則でございます。しかしながら、ある物品が消費税非課税ということになります場合には、このような課税の累積が生じることがございませんので、非課税売り上げに対応する仕入れ税額を控除しないということにされておりまして、こうした仕組みは、付加価値税を採用しております諸外国とも共通したものとなっているわけでございます。 そこで、このような場合にその税額分はどうするのかという御質問だと存じますが、基本的には、コストの一部として販売価格に適正に反映されるべきものだというふうに考えているところでございます。
○草川委員 もちろん役所の方から公的に補助というのですか、給付の対象のところはコストに対して一・六%のオンがしてあるわけです。しかし、車いすというのは別に公費の対象者だけじゃないわけですから、病院も購入をいたしますし、個々人の家庭でも利用いたします。そういう場合の購入はどうしても消費税相当分が上乗せできない。片一方では公の金額というのは出ているわけですから。 今、大蔵省の方は、コストアップにならざるを得ないと言っていますが、現実にはそれは込みでサービスになっておるわけであります。でございますので、そういうことも含めて、この福祉用具の開発研究をされる方に力点を置くのももちろん結構ですが、まずそのメーカーが非常に苦労しながら少量の生産をしている、多品目の機種を生産しているいわゆる割の合わない中小企業が多いわけなので、私は一段ときめの細かい対応をしていただきたいと思うのです。 以上の点につきまして厚生大臣と通産大臣、それぞれの答弁を求めまして、私の質問を終わりたいと思います。
○森国務大臣 車いす等の消費税非課税製品につきましては、部品の消費税負担分が適切に転嫁されることは、今先生からの御指摘どおり、また大蔵省からも御答弁申し上げましたように、極めて当然のことでございます。 一般に製品価格は需給関係等にも影響されるものでございまして、転嫁の状況に関しては一律に言いがたい面もございますが、例えば車いすにつきましては、公的給付外の個人向け販売につきましては、一部では十分な転嫁がなされていない場合もあるというふうに聞いております。これも今委員から御指摘のとおりでございます。 いずれにいたしましても、今後とも事態の的確な把握に努めるとともに、きめ細やかな適切な転嫁の必要性について関係者の理解を得るように努めてまいらなければならぬ、このように考えております。
○丹羽国務大臣 福祉用具につきましては、先生御指摘のように多品種少量生産でございます。このため研究開発コストの回収が大変難しく、製造業が育成されにくい状況であるということは、私ども十分承知をいたしております。 このため、本法律案におきましては、指定法人及び通産省管轄でございますけれどもNEDOによる製造事業者に対する助成、国有の試験研究施設が安く使用できる、こういうようなことを通じまして福祉用具の研究開発を促進する施策を講じまして、同時に製造事業者の育成、こういうものをこれから十分に考えながら、いずれにいたしましても血の通う行政を進めていく決意でございます。
○草川委員 もう時間が来たので、これで終わりますが、通産省に最後に。 作業用三次元車いすの開発が行われまして、私ちょっと批判をいたしましたが、それはそれでぜひやってください。 それで、通産省の中にも非常にいいのがあるので、ちょっとその紹介だけしておきます。非常に喜ばれているのがあるのです。 今スカットクリンといって、これはもう市販をされておりますけれども、いわゆるお年寄りのおしっこですね、それに当てまして、これは男女ともですが、少し尿意を催しますとセンサーで吸引をしてしまう。これはもう完璧で、非常に高い評価があるのです。だから、そういうものこそ本来はもっと優先的にパンフレットに載せるべきではないだろうか。ここにおたくの分もありますけれども、たまたまこの中に、重度身障者用多機能ベッドの横に今言ったスカットクリンがありますが、スカットクリンは実は紹介されていないのです。おたくの方はなるべくヘビーな、重いものはこのパンフレットで紹介されて、一番喜ばれるものが過小評価なんです。だからここに感覚の違いがあるということだけ申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
○浦野委員長 次に、児玉健次君。
○児玉委員 この法律は厚生省と通産省とで準備をされたわけですが、全国の障害者、その家族、障害者団体から非常に強い期待が寄せられている、そのことをまず最初に述べておきたいと思うのです。 そこで、今の議論の続きという感じがちょっとしますが、福祉用具で求められている品目は非常に多い。しかし、一つ一つの品目の生産量は非常に少ない。そして、対象者の多くが経済力において豊かだとは到底言いがたい。そういう状態で日常生活用具その他に指定されても、なおなかなか売れていかない、そういったことが厳しい悪循環になっていると私は受けとめております。 障害者団体から具体的に意見が寄せられたケースを一つ取り上げたいのですが、この多品種少量生産はメーカーにとってなかなか厳しい。具体例として盲人用音声式体温計、これは一九八四年に日常生活用具として指定されている。ところが、翌八五年にこの生産に当たっていたある製薬メーカー、あえてある製薬メーカーと言っておきますが、製造、販売をしておったが、思うように売れないということで、やがて製造が中止されてしまう、在庫品のみで細々と販売される。盲人用体温計というのが視覚障害者の健康維持にとって重要なものだということについては、多くを述べる必要がないと思うのです。こういったケースを繰り返してはならないと思うのです。その点でまず厚生省の考えを伺いたいと思います。
○横尾政府委員 あるいは社会・援護局長からお答えすべきかと思いますが、そうした小さな市場を持つもの共通の取り扱いとして、私からお答えをさせていただきます。 恐らく期間が経過するに従いまして、そういった市場の小さなものはペイしないという場面は、ほかの福祉用具についても生じ得るのではないかというふうに思っております。しかしながら、なかなか売れないということの理由が、ニーズがありながら売れないということであるとすれば、ニーズの量、質という情報を指定法人等に集約いたしまして開発メーカーにつなげる、あるいはでき上がった機器を継続して生産することにつなげる、そこにも一つこの法案のねらいがあるところでございます。
○児玉委員 今、横尾局長がおっしゃったニーズの量といいますか広がり、それからニーズの質、たとえ少数であっても、それがなければならないという意味でおっしゃったと思うのですが、そこの点についてこの法案がどのように有効に作用していくか、それが問われていると思うのです。 通産省に伺いたいのですが、多品種少量生産、開発リスクも大きいし市場リスクも大きい。国として、企業に対し福祉機器技術の実用化に至るまでの支援策が必要ではないか。先ほどの審議の中で、通産省から基礎技術の段階についてのさまざまな御努力について御答弁がありましたが、それを基礎にしつつ、福祉用具が実用化されるに至るまで支援を進めていくということがなければ、先ほどの盲人用体温計のことを繰り返す危険性なしとしない。この点についていかがでしょうか。
○石原(舜)政府委員 お答えいたします。 先生御指摘のとおり、多品種少量生産となるためにコスト高となる傾向がございまして、まさにこのために今回の新法によりまして民間の研究開発を助成して、コストダウンを図りたいと思っているわけでございます。当省としては、長年培いましたエレクトロニクス、新素材、ロボット等のすぐれた産業技術を持っておりまして、これを福祉機器に応用したい、そういうことによって低価格の福祉機器を開発したいというふうに大きな期待を寄せているわけでございます。 さらにまた、もう一つの考え方としまして、量産化によるコストダウンも多品種とはいえ考え得るわけでございまして、その場合には、部品のモジュール化によりましてコスト高を克服する方向で対処したい。すなわち、福祉機器の使用部品を標準化されたモジュールとして量産化して、このモジュール化した部品を取りつけるという組み合わせによりまして、利用者への適合性を確保しながらコストダウンに努めたい、そういうふうに考えております。 さらに一層のコストダウンを図るためには、部品の工業標準化、JISの新たな制定も現在検討しているところでございます。
○児玉委員 その方向が大いに強められなければならないと思うのです。 福祉機器の標準化が医療分野に比べて著しくおくれていると私はあえて言いたいのですが、これはなぜでしょうか。
○松藤政府委員 福祉機器の標準化につきましては、現在二十二のJISが定められてございます。そのうち部品に関する規格は十四でございます。 私どもとしては、先生おっしゃるとおり、JIS化がまだまだ不十分であると考えておりまして、先ほども申し上げましたが、つくばに暮らしとJISセンターというものも設立いたしまして、ユーザーのニーズ等を十分調査しながら、それを反映するような形で、今後一層JIS化に取り組んでまいりたいと考えている次第でございます。
○児玉委員 先ほどの工業技術院の石原院長の御答弁に関連してですが、コスト低減のためにも、機器の部品の規格化による互換性の確保が非常に重要だと思うのです。それは進める必要がありますが、その問題は同時に、福祉用具を一人一人のユーザーに合った形で調整し、そして故障した場合、修理を進めていくというときにもとても大きな威力を発揮すると考えます。その点はどうでしょうか。
○石原(舜)政府委員 先生御指摘のとおり、規格化によりましてコストダウンを図ると同時に、個々のユーザーに仕様を合わせた、個性とマッチした、必要に合った機器開発という両面が福祉機器の開発の場合には非常に重要でございまして、そういう両面を考慮しながら我々は技術開発を図っていきたい、そういうふうに考えております。
○児玉委員 そのことに関連して厚生省にお伺いしたいのです。 今の議論からもおわかりいただいていると思うのですが、福祉用具の場合に、でき上がったものをそのまま本人に届けるというのでは極めて不十分だと考えます。午前中の厚生委員会の審議で私が紹介したカナダにおける福祉用具の処理の仕方ですが、最終的に専門家が必要な状態に処方された、処方というのは訳としてちょっとどうなのか、薬の処方という言い方ですから。要するに、本人にぴったりフィットした形に調整されたものが届けられるというふうに私は読んだわけです。 そこで、北欧におけるこの分野の努力というのは、学ぶべき多くの点を持っていると思います。調整、修理がなければ本当の意味での高齢者や障害者のお役に立てない。何カ所か見て回ったのですが、大体福祉用具の展示を行っている場所では、地下に調整、修理の簡単な工場があって、そこに万力や簡単な工作機械などが据えつけられていて、専門のクラフトマンがいて、片っ端からニーズに応じて修理し調整していく。そのことが極めてスムーズに行われておりますね。 私が言いたいのは、北欧におけるうらやましい例なのかと思ったら、そうでない。日本でもその試みが既に始まっている。NHKの高齢化社会取材班が昨年出版した本ですけれども、その中で四国の松山市の例が載っておりまして、大工さんをやっていた曽我部さんという方、この方は脳梗塞を患われて右半身不自由になられた。しかし、大工をなさっていたという経験を生かして、介護機器店を始められて九年になる。みずからが障害者であるという経験を踏まえて、非常に注目すべき仕事をなさっている。 例えば、六十七歳になられたある方が二年前に脳梗塞で寝たきりになりかけたわけですが、この方はずっと畳に布団を敷いていて、ベッドを勧めてもなかなか抵抗がある。そこで、曽我部さんが市販のセミダブルサイズの畳式ベッドを一般の家具店で買って、それを改造した。改造の仕方は、この六十七歳の方は左半身の自由がきくので、左を使って起き上がれるようにプラスチックのパイプをつくった。そして、ベッドに座ったときに足が床にぴったり合うように、私は経験がないからわからないけれども、一センチでもすき間があると恐怖感がある。つき過ぎると今度は立つときうまく立てない。そういうふうに改造して、この方の自立を促進しているのですね。 最近、このベッドを使われた方に私、電話でお聞きをしたら、この方は曽我部さんという方を松山市の保健センターに相談して紹介されて、そして、自宅に来てもらって今のようなところに至った。この分野を今の松山におけるすぐれた局地的なケースにとどめずに、全国に広げる必要があると思うのですが、いかがでしょうか。
○横尾政府委員 まず、福祉用具の調整、修理の問題でございますが、我が国の現状から申し上げますと、障害者の方の補装具については、それぞれ身体障害者更生相談所等専門の機関が判定して、処方と言うべきかどうかわかりませんが、必要なものについて適切な判定に基づいて給付をする、おっしゃるようなシステムが確立していると私どもは考えております。 高齢者の日常生活用具給付事業につきましては、それに比較しますとやや体制は弱く、御家庭の方の御要望と現場での話し合いの中で決定がされているというのが実態であろうというふうに思われております。それで、今回御提案申し上げました法律を契機といたしまして、一つは、行政組織の流れてこの問題を担当する在宅介護支援センターの職員に対して、本当に適切な助言ができるような研修を講じたいと思っております。 もう一つ、先ほど来何度がお話が出ております具体的な事業者でございますが、特に直接ユーザーとかかわりを持ちますレンタルの事業者に対しましては、介護用品・介護機器賃貸サービスガイドラインというものを局長通知としてお示しをしておりまして、その中で職員研修を求めるほかに、利用者の心身の状況、家庭環境に応じて介護機器を選定してさしあげることができるような相談体制を設けることを要件にしております。 その両面の施策を今後とも深めまして、おっしゃるような畳二枚のベッドが生きるような、物を生かすような人のトレーニングも考えていきたいと思っております。
○児玉委員 その努力を強めていただきたい。 そこで、具体的な若干の提案なんですが、今お話に出た在宅介護支援センター、先週札幌のある在宅介護支援センターに行ってきたのです。廊下の片隅に幾らかの福祉用具が展示されていますが、私自身の関心は、やはり調整、修理はどうなのかというところにかなりありますので、その点ここではどうなりますかと聞いたら、残念ながら今の段階では我々の手に負えない、こう申すのですね。 それで、現在厚生省が近いうちに全都道府県へと目指していらっしゃる介護実習・普及センター、せめてこの介護実習・普及センターに福祉用具の調整、修理に当たり得る要素といいますか、それを併設することが今急がれるんじゃないかと思うのですが、この点はどうでしょう。
○横尾政府委員 既に七つの県で介護実習・普及センターが活動を始めております。そこでの状況からいたしますと、その場所での修理、調整については、極めて軽微なものを除けばなかなか困難な状況でございます。今後私どもは、実習センターのその場所で調整をするというよりは、関係事業者との連携を密にして、適切な対応が図られるようにしてまいりたいと存じます。
○児玉委員 これは通産省も厚生省も御理解いただけると思うのですが、それでなくても移動が困難な障害者の方々ですから、幾らかの用具を持って出かけていく、できれば速戦即決、その場所で専門家に見てもらって、その場所で手を加えてもらう、その方向を目指していただきたいということを私は求めておきたいと思います。 最後に、両大臣にお尋ねをしたいと思うのですが、去年の七月二日に、厚生省の扱っていらっしゃる会議ですが、介護機器等研究開発推進会議が報告書を出しております。拝見していてこういうくだりがあります。「現在、厚生省と通商産業省がそれぞれの所管の範囲で研究開発を推進しているが、その連携は必ずしも十分ではない。厚生省内においても、大臣官房長人保健福祉部、社会・援護局の両者で、それぞれ介護機器等の開発普及を行っており、情報も両者で管理しているために、行政としての対応は統一されていない。」重要な指摘だと思います。そして、それに続いて、これらの機器の「研究開発、規格・標準化、普及を行うために必要な補助等の制度についても、総合的・包括的な検討が行われていない。」こういう指摘をしております。 私は、この指摘に対して真剣にこたえるべきだと思うのですが、両大臣のお答えをお聞きしたいと思います。
○丹羽国務大臣 今回この法律案を提出するに当たりまして、通産省を初め関係省庁とも十分に連絡をとりまして、その上で共管という形で国会の方に提案をさせていただいたわけでございますので、十分な連絡、協力体制を密にしながら、いずれにいたしましても、政府としてこの福祉用具の研究開発及び普及に取り組んでいく、こういう決意でございます。
○森国務大臣 今委員からお読み上げになりましたそうしたことが、これからもそうしたそごがないようにするということから、この法案が両省共管になっているというふうにまず申し上げるわけでございますが、本法におきましては、もう委員も御承知のとおり、基本方針を通産、厚生両相が共同で定め、厚生省の指定法人と通商産業省のNEDOの業務が円滑に実施されますように、情報交換等の連携を図るなど必要な連携を確保して、政府として効果的、効率的に福祉用具の研究開発及び普及に取り組んでまいりたいと思います。
○児玉委員 終わります。
○浦野委員長 川端達夫君。
○川端委員 今回、この福祉用具に係る技術の向上に資するものに対する助成業務というのが、いわゆるNEDOの業務として追加をされるということになりました。 初めにそのことについてお尋ねをしたいのですが、先般NEDOに対して、石油代替エネルギー技術の導入促進業務あるいは海外における石油代替エネルギー技術等の導入促進業務、それからエネルギー使用の合理化関連技術の導入促進業務などが追加をされまして、そして今回新たに、今申し上げた福祉用具に係る技術の向上に資するものに対する助成業務というものが加わることになります。 この最近の一連の中で、国内的、国際的に非常に重要な業務がNEDOに追加をされるということで、NEDOの職員の方々は大変な責任と同時に、御苦労がふえることになるというふうに思いますが、ぜひとも目的達成のために頑張っていただきたいというふうに、職員の方には期待を申し上げる次第であります。 その業務を統べておられる政府に対して、若干お尋ねをしたいと思うのです。 NEDOは昭和五十五年十月に設立されて、産業技術関連の業務が追加されたり、あるいはその守備範囲が今回のように広がってきているということになっていますが、設立当初以降どのくらいの業務がふやされてきたのか、時期も含めて簡単にお答えいただきたいと思います。
○黒田政府委員 お答え申し上げます。 ただいま先生御指摘ございましたように、NEDOは、昭和五十五年の十月に石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律の制定に伴いまして設立されたわけでございますけれども、設立当初は、その前身でございました石炭鉱業合理化事業団の関係の石炭鉱業の合理化業務と石油代替エネルギーに関する技術、あるいは資源の開発業務ということで当時スタートをいたしたわけでございます。 その後、昭和五十七年の十月でございますけれども、アルコール専売法の改正によりまして、アルコールの製造業務が追加されております。また、昭和六十三年の十月に、産業技術に関する研究開発体制の整備等に関する法律の制定に伴いまして、産業技術の研究開発関連業務が追加されました。そして、ごく最近、先生今御指摘ございましたように、この国会でエネルギー二法案の成立に伴いまして、省エネ関係の業務の追加あるいは石油代替エネルギー関係の業務の拡充というものが行われておるところでございます。
○川端委員 そういうふうに業務の数も非常にふえてきたと同時に、その中身においても非常に重要な役割を担っている姿に変化をしてきたと思いますが、そういう意味では、中におられる方はなかなか大変だなということが実感でございます。 そういう中で職員の数はどうなってきたかということをちょっとお尋ねしましたところ、昭和六十三年で八百四十七人が、後一年ごとに八百四十七人、八百四十六人、八百四十八人、八百四十六人ということで、いろいろな要員の問題、定員の問題がありますが、要するに実質的には全く変わっていない状況になってきている。 そして、この数字は管理職を除く平均値ということで、時間外手当を支給した数字でありますので、サービス残業みたいなものは含まれないし、ある意味で予算管理の枠の話ですから、実態をあらわしているとは思わないのですが、一人当たりの平均残業時間も平成二年が月二十一時間、平成三年が二十一時間、平成四年が二十時間。これは予算の関係かもしれませんが、そういう意味で、実態としては、これだけ業務がふえてきたのに要員変わらずという部分は、相当な負担になっているのではないかなというふうに思いますし、今回もまた非常に大事な仕事を引き受けられる。 当然ながら業務の中でのいろいろな整理統合等々はやっておられると思うのですが、今日の国会の主要議題であります労働基準法の問題も含めて、時短の流れという中でこういう実態、仕事はどんどんふえて人はふえないということが本当にいいんだろうかなという感じを率直なところ持っておるわけであります。 そういう意味で、これだけ仕事がふえてきた、担っている役割もふえてきたという部分でいうと、NEDOの機構自体、あり方自体に抜本的に一度メスを入れて、あるべき配置、姿というのを考えられるべき時期に来ているのではないか。特に、ことし、この国会だけでエネルギーとこの福祉用具ということで一気に仕事がふえるということなんですが、そのあたりはどういうふうに御認識されているのか、お尋ねしたいと思います。
○黒田政府委員 職員の推移は御指摘のとおりでございます。また残業時間等についても、私どももNEDOの方から、今先生が御指摘のような時間数と聞いているところでございます。 おっしゃいますように、NEDOの業務は大変多岐にわたっていると同時に、時代のニーズに合わせまして非常に重要な業務を担ってもらっている。しかも、各分野におきまして民間で主体になるようなものもなかなか見つからないということで、中核的な、いわば技術蓄積とかノウハウといったものを活用した業務が非常にふえてきているのが現状でございます。しかしながら、一方で、全体の定員というのをなかなかふやしがたい状況にあるわけでございます。 したがいまして、私どもといたしましても、先ほど申し上げましたように、大きく分けますと、石炭鉱業の構造調整の関係、石油代替エネルギーあるいは省エネルギーの関係、産業技術の関係、アルコールの関係と四つの分野があろうかと思いますけれども、そういった分野相互間で業務の内容、量等をいろいろにらみながら、部間での調整も行いながら、できるだけ重点的に事業が実施できるようにと配慮しているところでございます。 今後とも、そういった非常に重要な業務を担っているわけでございまして、業務の実態をよくにらみながら対応を考えてまいりたいと思っているところでございます。
○川端委員 通産大臣、こういう状況の中で、NEDO自体は大変大事なところだというふうに私は思いますし、こういう実態になってきているということ、それから、全体的にいわゆる行政改革の中で、定員というものが非常に厳しい状況であるということも十分認識をしているのですが、仕事の内容等々がどんどん変化するという意味では、NEDOというものは独立した組織ですから、そこの枠ということにしますと全然身動きがとれないということもありますので、総枠の中でそういうことに関して幅広い柔軟な対応ができるようなことをいろいろな機会にまたお考えいただきたいと思いますので、大臣の御所見を賜りたいというふうに思います。
○森国務大臣 川端委員、NEDOに大変御評価をいただき、またいろいろと御心配をいただいておりますことは大変ありがたいきわみでございますし、長官からも申し上げましたように、NEDOの役職員はそれなりに大変意義を感じて日々努力をしておりますし、これからもまた努力を続けていくことであろうと期待をいたしております。 これまでのところ、エネルギー・産業分野の技術開発等について、その蓄積した幅広い知見やノウハウも活用して、効率的に業務を遂行してきたものでございます。今後とも、その有する知見、ノウハウの活用、業務遂行の効率性及び他の機関との関係を勘案しながらNEDOの業務範囲を判断していくとともに、多岐にわたる業務遂行が円滑かつ的確になされますように、その実施体制の整備についても配慮してまいりたい、このように考えております。
○川端委員 それでは次に、福祉器具の利用者ニーズの把握という観点からお尋ねをしたいと思います。 この法案は、福祉器具の研究開発が促進されるべく、助成を初めいろいろな角度からの諸施策が盛り込まれているという意味では、非常に前向きなことだというふうに評価をしております。しかし、こういう非常に専門的、そしていろいろ議論が出ていますように、多種多様な機器の研究開発を要求されているという意味では、いわゆるカスタムオリエント、消費者ニーズに本当に志向した部分というものが特に福祉の分野においては不可欠だというふうに思います。 そういう意味で、この法案で利用者、すなわち、体の不自由な人あるいはお年寄りという立場の人のニーズを、こういうニーズがあるんだというものを酌み取っていくという手段としてはどういう方策を考えておられるのか、具体的にお尋ねをしたいと思います。
○横尾政府委員 恐らくこの福祉用具を利用されておられる関係者の方々の広がりという点でまず申し上げますと、現在身体障害者の方々が二百七十二万人、約半数が六十五歳以上の高齢者ということになっております。また、身体障害児の方々が八万人、重複があると思われますが、寝たきりの高齢者が約七十万人というような状況でございます。 こういった方々が何を求めておられるかということの把握は、御指摘のようになかなか難しいものでございますが、私どもは、既に関係団体が行っているいろいろな情報、例えば障害者の団体が持っておられる情報、福祉施設の職員が研究、研修の場で集約した情報に加えまして、今後は在宅介護支援センターの現場職員が得た情報、そして販売業者、レンタルの事業者が得た情報等を指定法人に集約することによって、製造、開発の部面につなげるようにしていきたいと考えております。
○川端委員 この指定法人を福祉用具に係る情報の収集及び提供を業務として行うものと位置づけることで、指定法人にこういうことをやらせるということもお考えなんでしょうか。
○横尾政府委員 集約の場として指定法人を考えております。
○川端委員 この問題、今局長が御答弁いただいたように、本当に実のあるものにするというのは、やはり実際に利用される方の声で動かないと、全く意味がないということに尽きると思うのですね。 それで、今までいろいろな福祉の施策、用具に限らず、器具ということに限定をされるのではなくて、あるいは広い意味での町づくり等々も含めて、いろいろ行政の立場でおやりになった部分に関して実際のその立場の方々から聞く声は、本当のところちょっとずれているということも割に多く聞くわけであります。そういう意味では、これからこういう事業が本当に実のあるものになるというために使命を制するのが、生の声ではないかというふうに思います。 そういう意味で、こういう団体で、法人でおやりになるのも結構でございますが、いろいろな民間の声を聞きますと、例えば、ことしの一月十三日の日本経済新聞の記事に紹介があったのですが、「誰も書かなかった福祉機器の本」というのが、障害者らが中心となって設立し、福祉機器開発、販売を手がける会社、ユーダというところで発行されたということで紹介をされておりますけれども、そういう中でも、企業の参加もふえてきた、そして行政もいろいろやっていただいた、しかし、やはり本当に障害者の生の声は聞いておられないのではないかということが載っております。 それと、どうしても研究開発というと日の当たる部分に大きな取り上げられ方をするけれども、実際に必要なのは、例えば車いすに乗ったまま洗濯機を使いたい、洗濯機が傾くようにならないだろうかとか、それから調理台とか棚とかいうものも、少しの工夫だけれども、例えばそういう車いすに乗った立場でいえばこういうふうにしたら使えるようになるんだ。これはある意味で、ハイテクとか、非常に派手などか、もうけにつながるとかいうことでない部分に、非常に多くの情報が実はあるということをいろいろなことで示唆をされている本でございます。 そういう部分で、総論的には局長がお話しになりましたように、いろいろな機関で聞くということが大事なのですけれども、そのときに本当にその場にいる、職員の方とか製造業者とか販売業者ではなくて、本当にそれを使う人の御意向をどうして聞いたらいいのかということに関して、ぜひとも具体的に取り組んでいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○横尾政府委員 指定法人の役割の中に、的確になおかつ幅広にユーザーの声を集約するということが極めて大事な任務になっているわけでございまして、具体的な活動の方向というのは今後検討することになると思いますが、私どもは、例えばそういうユーザーの方の交流集会を行う、あるいはシンポジウムを行うというような手法も用いまして、研究開発助成が生きるような前提となるデータを入手したいと考えております。
○川端委員 もう時間がなくなってしまいましたけれども、くどいようですが、本当にそういう障害を持つ人、そういう福祉用具が必要となる人、そして、その周辺で支えておられる家族の方々という人の声をいろいろな機会に把握をしていただきたいし、具体的に言えば、例えばそういう方にアンケートをとるとかということも含めて御検討いただきたいと思います。 最後に大臣に、こういう法律をつくって前向きに取り組んでいただくということは高く評価をいたしますが、基本的にこういう立場にいる人というのは、やはり社会的な弱者の方が大変多い、経済的にも厳しい環境であられる方が多いという意味で、このせっかくの法律を実のあるものにするために、そういう現に必要に迫られる人の生の声を聞くことも含めて、この事業に積極的に取り組んでいただく決意をお聞かせいただいて、終わりにしたいと思います。
○丹羽国務大臣 先ほどから御指摘を賜っておりますように、福祉用具の研究開発につきましては、高齢者や心身に障害のある方々の利用者の生の声、これを十分に生かしていくということが何よりも大切なことである、まずこのように考えておるわけであります。 この法律の制定を機会にいたしまして、障害者や高齢者が福祉用具について身近なところで情報を得て、自分たちに合ったものを選ぶことができるようにすることが求められておるわけでありますが、単に機能がすぐれておる、こういうことだけではなくて、私は我が国の実情に、例えば我が国の住宅にマッチした福祉器具、例えばスウェーデンなどではベッドの車が大変大きい、こういうものですと畳が傷む、こんなようなことを指摘する向きもあるわけでございますので、いずれにいたしましても十分に研究開発をいたしながら、お年寄りの方々や身障者の方々に喜んでいただける福祉用具の研究開発を進めていく決意でございます。
○川端委員 ぜひともよろしくお願いします。 終わります。ありがとうございました。
○浦野委員長 以上で本連合審査会は終了いたしました。 これにて散会いたします。 午後三時四十一分散会 ————◇—————