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126回国会衆議院1993/06/11

厚生委員会 第16号

発言数
14
登壇者
6
会派数
5
開催日
1993/06/11

会議録

浦野烋興自由民主党

○浦野委員長 これより会議を開きます。  厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。  心身障害者対策基本法の一部を改正する法律案の起草の件について議事を進めます。  本件につきましては、先般来各会派間において御協議いただき、意見の一致を見ましたので、委員長において草案を作成し、委員各位のお手元に配付いたしてございます。  その起草案の趣旨及び内容について、委員長から簡単に御説明申し上げます。  国際連合においては、昭和五十八年から昨平成四年までの十年間を国連障害者の十年と宣言し、各国において行動計画を策定し、障害者の福祉の増進を提唱してきたところであります。  我が国においても、この提唱に基づき、昭和五十七年三月に障害者対策に関する長期計画を決定し、この十年間に、身体障害者福祉法の改正、障害基礎年金の創設、障害者の雇用の促進等に関する法律の改正等、障害者に関する施策の着実な進展が図られてきたところであります。  さらに、昨年四月には、本年、すなわち一九九三年から二〇〇二年までの十年間をアジア太平洋障害者の十年とすることが国連アジア・太平洋経済社会委員会第四十八回総会において採択され、政府においても、本年三月に新たな障害者対策に関する長期計画を策定し、これまでの理念及び目標を受け継ぎながら、新たな時代のニーズにも対応できるよう積極的に取り組んでいくこととしております。  しかしながら、障害者の完全参加と平等を目指すためには、今後も引き続き施策の一層の充実強化が求められております。  本案は、このような国連長期計画の節目の時期に当たり、障害者を取り巻く社会経済情勢の変化等に対応すべく、心身障害者対策基本法を大幅に改正することとし、障害者の自立と社会参加の一層の促進を図るため、同法の題名を改め、障害者のための施策に関する基本的理念を定めるとともに、障害者の日及び障害者のための施策に関する基本的な計画に関する規定を設けるほか、雇用の促進、公共的施設の利用及び情報の利用等に関する規定の改正等、障害者のための施策を総合的かつ計画的に推進するための措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。  第一に、法律の題名を「障害者基本法」に改めるとともに、障害者の自立と社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動への参加を促進することを法律の目的とすること。  第二に、法律の対象となる者の名称を障害者に改めるとともに、身体障害、精神薄弱または精神障害が法律の対象であることを明定すること。  第三に、基本的理念として、「すべて障害者は、社会を構成する一員としてあらゆる分野の活動に参加する機会を与えられるものとする」を加えること。  第四に、十二月九日を障害者の日とすること。  第五に、政府は、障害者基本計画を策定するとともに、都道府県及び市町村も同様の計画を策定するよう努めること。  第六に、政府は、毎年、国会に、障害者の施策の概況に関する報告書を提出すること。  第七に、国及び地方公共団体は、障害者の医療、施設への入所、在宅障害者への支援及び雇用の促進等について、必要な施策を講ずることとし、事業者に対しても所要の努力義務規定を設けること。  第八に、心身障害者対策協議会の名称を障害者施策推進協議会に改めるとともに、中央協議会の委員を障害者及び障害者福祉事業の従事者のうちからも任命すること。  第九に、この法律は、公布の日から施行すること。ただし、障害者施策推進協議会及び障害者基本計画等に関する規定は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内で政令で定める日から施行すること。  以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。  心身障害者対策基本法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

浦野烋興自由民主党

○浦野委員長 本件について発言を求められておりますので、順次これを許します。平田辰一郎君。

平田辰一郎自由民主党

○平田(辰)委員 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました心身障害者対策基本法の一部を改正する法律案に対し、賛成の討論を行うものであります。  一九八三年から始まった国連障害者の十年は昨年で終了いたしましたが、この間、我が党は政府と一体となって施策の拡充に努めてまいりました。こうした努力により、障害者施策はこの十年の間に大きく進展いたしております。しかしながら、障害者の自立と社会参加には依然としてさまざまな障壁があり、克服すべき課題も少なくありません。また、本年は国連アジア・太平洋経済社会委員会が決議したアジア太平洋障害者の十年の始まりの年でもあります。  このため、この十年間の成果を踏まえて、引き続き施策の充実を図っていくことが求められておりますが、今後は、さらに一歩前進し、障害者が社会、経済、文化等あらゆる分野の活動に参加できる社会づくりを目指し、完全参加と平等という目標の達成に向けて努力していくことがぜひとも必要であります。  本改正案は、こうした観点に立って、我が党が関係諸団体の意見を聞きながら検討を行い、取りまとめたものであります。  以下、本改正案に賛成する主な理由を申し上げます。  まず第一の理由は、法律の題名を「障害者基本法」と改め、法律の目的、基本的理念の改正を行うこととしている点であります。これらの改正により、この法律が障害者施策の基本となる事項を定めるものであるということをより明確にするとともに、完全参加と平等を目指すことを法律上明らかにするものであります。  第二の理由は、障害者の定義を改正し、身体障害、精神薄弱または精神障害がこの法律の対象であることを明記し、従来から議論のあった精神障害者が本法の対象となることを明らかにしたことであります。  第三の理由は、障害者施策を総合的かつ計画的に推進するため、障害者基本計画に関する規定を設けたことであります。これにより施策の一層の充実が期待されます。なお、計画策定に当たっては、障害者が委員となって参加する障害者施策推進協議会の意見を聞くこととしております。  第四の理由は、障害者の日に関する規定を設けたことであります。障害者が差別されない社会をつくっていくためには、社会全体の理解が不可欠であり、障害者の日の法定化により、啓発広報活動が一層推進されることが期待されます。  第五の理由は、公共的施設の利用、雇用の促進、情報の利用等の障害者施策に関する具体的な規定の整備を図った点であります。特に、公共的施設を設置する事業者等に対して所要の努力義務規定を設けたことは、極めて重要な意義を有するものと考えます。  以上、本改正案に賛成する主な理由を申し述べました。この改正案が成立すれば、障害者の方々がその持てる能力を十分に発揮し、有意義な人生を営むことができるような社会づくりに当たって、大きな前進となることが期待されます。  以上をもって私の賛成討論を終わります。(拍手)

浦野烋興自由民主党

○浦野委員長 次に、池端清一君。

池端清一日本社会党・護憲民主連合

○池端委員 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表して、ただいま議題となりました心身障害者対策基本法改正案に対し、賛成の討論を行うものであります。  国連障害者の十年は昨年をもって終了いたしました。この間における障害者運動の蓄積と総括の上に立って、今般、心身障害者対策基本法がその名も「障害者基本法」と改めて二十三年ぶりに抜本的な改正がなされ、今般、全会派一致をもって合意に達したことの意義は極めて大きく、なお残された課題はあるにしても、一歩前進と評価するものであります。  特に、法律の題名が「障害者基本法」に改められたこと。  第二に、障害者のための政策の基本理念として、完全参加と平等の理念に基づき、「障害者は社会を構成する一員として、社会、一経済、文化などあらゆる分野の活動に参加する機会が与えられるものとする」ということが新たに規定されたこと。  第三に、障害者基本計画の策定を国及び都道府県、市町村に求めること。  第四に、雇用や公共的施設の利用に当たっては、国や地方公共団体のみならず、事業者に対してもその責任を明記したこと。  第五に、十二月九日を障害者の日として、広く障害者福祉についての啓発に努めることを定めたこと。  その他「収容」を「入所」に、「発生の予防」は「予防」にというように差別的な文言の修正を図ったこと等は、積極的に評価するものであります。  しかし一方、今後早急に検討を進め、結論を得なければならない積み残しの課題もございます。  その一つは、障害者の定義についてであります。改正案では、障害者の定義として、身体障害、精神薄弱または精神障害がある者というように、固定的な障害を持っている人のみを障害者としてとらえておりますが、欧米先進諸国では、てんかんや心臓、腎臓、肝臓障害など長期にわたって医療のコントロール下にある難病患者についても、障害者としてとらえる考えが一般的になっています。したがって、難病に苦しむ方々も障害者に含めるべきであると私ども日本社会党は考え、主張してまいりましたが、この点についての早急な検討が必要であると考えます。  第二に、第十二条の教育についてでありますが、私どもは、障害者が可能な限りその居住する地域の通常の学級において教育が受けられるべきであり、そのような施策が講ぜられるような規定を設けるべきであることを主張してまいりました。一部字句の修正はありましたが、なお不十分であります。これについても再検討の必要があると思います。  第三に、一九九〇年七月二十六日発効しましたアメリカ障害者法、ADAは、障害ゆえの差別を禁止して、雇用の機会均等の保障、公共輸送へのアクセスの保障、公共施設やサービスヘのアクセス保障、電気通信リレーサービスの保障等、画期的なものとなっております。それに比べると、今回の改正で前進したとはいえ、なお欧米の水準に比べて法律上もかなりおくれていると言わざるを得ません。我が国もアメリカのADAに学び、真のノーマライゼーションの確立が急がれると思います。  第四に、法律の題名から「心身」と「対策」という字句が省かれましたが、他の法律でこれらの文言がなお残っているのが散見をされます。例えば児童福祉法第七条では、重症心身障害児施設という文言があります。これらについては現行法を一度総点検して、基本法の表現に合致させるよう修正する必要があるということを要望しておきたいと思います。  以上、主要な幾つかの点について意見を申し上げましたが、今後とも障害者基本法全般について鋭意検討を加え、できるだけ早い時期の見直しをすることが肝要であると考えますので、その点強く要望いたすものであります。  最後に、障害者の皆さんにも開かれた国会にするための国会改革も急務であるということを申し上げたいと思います。車いす用のリフトの設置、またスロープ等も施され、いろいろな改善はされてきていますものの、まだなお不十分と言わざるを得ません。当面しては、聴覚障害者のための手話通訳の導入等についても検討を加え、早急に実現すべきだということを要望しておきたいと思います。  仏つくって魂入れずという言葉があります。言わずもがなのことでありますが、せっかく法律ができても、それに血肉を通わすには、思い切った予算措置を含めた施策の一層の推進を図ることが極めて重要であることを付言して、私の賛成討論を終わります。(拍手)

浦野烋興自由民主党

○浦野委員長 次に、遠藤和良君。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 私は、公明党・国民会議を代表いたしまして、心身障害者対策基本法の一部改正案について賛成の討論を行い、かつ若干の意見を述べさせていただきます。  国際障害者年は、我が国のこれまでの障害者福祉の常識に衝撃を与え、大きな反省を迫るものであったと思います。それに続く国連障害者の十年にあっては、基本的人権の尊重に基づいたリハビリテーション体制の確立を初め、自立生活実現への施策の確立、在宅対策と施設対策のあり方の反省、多様なニーズに対応できるようなサービスの整備など、ノーマライゼーションの視点から、それまでの施策の大幅な洗い直しが行われてまいりました。  改正案では、完全参加と平等が改正法の基本的理念に明記されたのを初め、国、自治体に対して基本計画の策定と主要施策の年次報告等を義務づけるなど、障害者の自立と社会参加の推進を願う方々にとって大きな前進が図られたと思います。  今回の改正に臨んで特に申し述べたいことは、第一に、国及び自治体が策定する基本計画は具体的で充実したものにしなければなりません。そのため、障害者や障害者福祉事業の従事者、学識経験者や勤労者の代表など、各界からの意見、要望を十分に反映したものにすべきであると思います。  第二に、教育における機会の確保について、原則として普通学級で学習できるよう、関係各位の一掃の努力をお願いしたいということであります。  第三に、福祉の町づくりの推進についてであります。ケアと住宅を用意することで地域で自立できる障害者は大勢おります。基本計画の策定を契機に、全国自治体で町づくり条例をつくるなど、福祉の町づくりに一層積極的に取り組めるよう、国の支援体制を拡充すべきであります。  第四に、障害者の雇用の確保についてであります。重度あるいは精神障害者の受け入れについてはさまざまな隆路があり、ほとんど進展を見ておりません。今後の重要な課題であります。その意味で、授産施設での就労も自立、生きがいのために重要であり、重度・重複障害者のための本格的な適所施設を創設するとともに、急増している小規模作業所に対してはこの際、補助金の基準額を大幅に引き上げるべきであります。  第五に、高齢の障害者に対する施策についてであります。年をとった御両親にとって一番の気がかりは、残される障害者の行く末であります。障害者が高齢者となったときの施策について特段の配慮を求めたいと思います。  最後に、以上の各点に加え、障害者対策をめぐる状況の変化に機敏に対応するため、五年後の見直しを提案いたします。  ノーマライゼーションの展開は地域社会での生活が中心になるだけに、公的な福祉サービスのシステムとは別に、地域社会における対応が参加と平等のかぎを握ることになります。頻繁に起きる地域における障害者施設の設置に対する反対運動は、我が国において障害者がどのような位置に置かれているかを如実にあらわしております。今回の改正が克服すべき課題を一つ一つ乗り越えていける出発点となるよう念願して、私の意見表明といたします。  以上。(拍手)

浦野烋興自由民主党

○浦野委員長 次に、児玉健次君。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 私は、日本共産党を代表して、心身障害者対策基本法改正について発言します。  心身障害者対策基本法が一九七〇年に議員立法として成立してから、二十年余りが経過しました。この間、国連障害者の十年の取り組みを初めとする障害者運動の前進と世論の高揚の中で、心身障害者対策基本法の改正を求める声が高まっています。  日本共産党は、障害者関連法を、国連の諸決議、日本国憲法の生存権保障などの理念に照らして障害者の定義を見直し、障害者の全面参加と平等を保障する内容に抜本的に改正することなど、障害者の切実な願いを速やかに実現するよう繰り返し政府に申し入れてきました。  また、この改正に当たっては、心身障害者対策基本法改正についての提案を発表し、各党との協議を進めました。今回の改正では、法律の名称を「障害者基本法」とすることや障害者基本計画の作成、全面参加と平等の趣旨が法律に盛り込まれたこと、十二月九日を障害者の日と定める等の前進があったことを喜んでいます。  しかし、障害者の定義については、整理されたとはいえ、障害者の権利宣言で述べているように、「障害者とは、先天的か否かにかかわらず、身体的又は精神的能力の不全のために、通常の個人生活並びに社会生活に必要なことを自分自身では、完全に又は部分的にできないものをいう」と改めるには至りませんでした。  この法律は、近い将来、さらに一歩進めて、一九九〇年アメリカ障害者法に見られるように、障害者の権利保障を明確にし、雇用、教育、福祉、年金、公共的サービス、交通通信等あらゆる分野で障害者に対する差別を禁止するものとし、障害者に関連する法制を一本化することを目指すべきであります。  これらの課題実現のため、日本共産党は、全国の障害者、家族、関係者の皆さんとともに努力する決意を述べて、発言を終わります。

浦野烋興自由民主党

○浦野委員長 次に、柳田稔君。

柳田稔民社党

○柳田委員 私は、民社党を代表して、心身障害者対策基本法に関する意見を申し上げます。  現在、我が国には約三百万人の障害者がおりますが、その多くは適切な就業の機会や自立した生活の条件を得えられず、福祉施設や家族に依存した生活を余儀なくされています。障害者問題の基本は、障害の種別や軽重を問わず、できる限り自立した社会生活が行える条件を整備し、通常の国民と同様に社会に参加できるようにすることであると考えています。  そのためには、第一に、雇用機会の確保を図り自立のための条件を整えること、第二に、労働の困難な障害者については、年金の拡充など十分な所得保障を行うこと、第三に、すべての障害者に対し、障害の種別、程度に応じた予防、治療、リハビリ、養護に至る一貫した療養サービスを保障すること、第四に、すべての障害者の社会参加を促進するため、家族と同居できる住宅の確保、障害者が安心して暮らせる町づくりなど生活環境の整備を図ること、第五に、すべての障害児に対し健常児と同様の教育の機会を保障することなど、障害の程度に応じたきめ細かな政策を総合的、計画的に推進する必要があります。  その観点から、今回の基本法は、目的に障害者の自立とあらゆる分野への参加の促進をうたい、障害者基本計画の策定など国及び地方公共団体などの行う責務を具体的に定めたものであり、従来の法律から大きく前進していることを評価するものであります。  障害者が働こうとするとき、またいろいろな活動に参加するとき、その大きな障害は移動の困難さです。大都市部での満員ラッシュ、歩道や駅の利用など、障害を持つ人たちは大変な負担を感じています。  この基本法の第二十二条に盛り込まれている公共的施設、交通施設の利用に関して、障害者が円滑に利用できるように配慮しなければならないという規定を早急に具体化し、実現していかなければなりません。  これからの高齢化社会を考えるとき、障害者に優しい社会づくりはすべての人に優しい社会であり、今回の基本法に盛り込まれた理念と施策が着実に前進することを強く期待して、私の意見表明を終わります。

浦野烋興自由民主党

○浦野委員長 以上で発言は終わりました。  この際、お諮りいたします。  お手元に配付いたしております草案を心身障害者対策基本法の一部を改正する法律案の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

浦野烋興自由民主党

○浦野委員長 起立総員。よって、そのように決しました。  なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

浦野烋興自由民主党

○浦野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十時二十七分散会      ————◇—————

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