厚生委員会 第14号
- 発言数
- 217 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1993/06/02
会議録
○浦野委員長 これより会議を開きます。 厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 社会保険労務士法の一部を改正する法律案起草の件及び調理師法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。 両件につきましては、先般来各会派間において御協議いただき、意見の一致を見ましたので、委員長においてそれぞれ草案を作成し、委員各位のお手元に配付いたしてございます。 その起草案の趣旨及び内容について、委員長から簡単に御説明申し上げます。 まず、社会保険労務士法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。 近年、我が国における労働及び社会保険関係制度においては、社会経済情勢の変化や高齢化社会の到来等と相まって、関係法規の整備充実が図られ、その内容は極めて複雑かつ専門的なものとなってきており、労働、社会保険関係法規に熟達した社会保険労務士の果たす役割はますます重要なものとなっております。 これに伴い、その業務に必要とされる資質についても、より高い水準が求められているところであります。 本案は、このような状況にかんがみ、社会保険労務士の資質の向上等を図るため、社会保険労務士会への入会制度を整備するとともに、社会保険労務士の職務内容を明確にする等の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。 第一に、社会保険労務士が行う労働に関する相談・指導業務の重点が労務管理に関する相談・指導業務にあることを明確にするとともに、これに対応して、試験科目名を変更すること。 第二に、開業社会保険労務士がその業務のために備えつける帳簿の保存期間を一年間から二年間に改めること。 第三に、社会保険労務士は、社会保険労務士名簿に登録を受けたときに、当然、社会保険労務士会の会員となること。 第四に、この法律の施行の際、現に社会保険労務士会の会員でない社会保険労務士が、この法律の施行後三年を経過する日までに社会保険労務士会の会員にならなかったときは、その登録を抹消されること。 その他所要の経過措置を講ずること。 第五に、この法律は、平成六年四月一日から施行すること。 以上が本起草案の趣旨及び内容であります。 ————————————— 社会保険労務士法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○浦野委員長 この際、お諮りいたします。 お手元に配付いたしております草案を社会保険労務士法の一部を改正する法律案の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○浦野委員長 起立総員。よって、そのように決しました。 —————————————
○浦野委員長 次に、調理師法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。 近年の国民の外食依存の傾向にかんがみると、多数人に対して飲食物を提供する飲食店等において調理の業務に携わる調理師の資質の向上を図ることがますます重要なものとなっております。 調理師に関しては、免許交付後、その者の氏名、住所等が把握されておらず、調理師の資質の向上を目的とした講習会等を実施することが困難な状況となっております。 本案は、このような状況を改善し、飲食店等において調理の業務に従事する調理師の資質の向上を目的とする研修等の円滑な実施に資するため、これらの調理師にその氏名、住所等の届け出を行わせる等の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。 第一に、飲食店等で調理の業務に従事する調理師は、二年ごとに氏名、住所等をその就業地の都道府県知事に届け出なければならないこと。 第二に、都道府県知事は、あらかじめ指定する者に、届け出の受理に係る事務の全部または一部を行わせることができること。 なお、この法律は、公布の日から施行すること。 以上が本起草案の趣旨及び内容であります。 ————————————— 調理師法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○浦野委員長 この際、お諮りいたします。 お手元に配付いたしております草案を調理師法の一部を改正する法律案の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○浦野委員長 起立総員。よって、そのように決しました。 なお、両法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浦野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
○浦野委員長 次に、内閣提出、精神保健法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。衛藤晟一君。
○衛藤(晟)委員 精神保健法について質問させていただきたいと思います。 精神保健対策は、精神障害者の社会復帰の促進に関する社会復帰対策と、医療を必要とする精神障害者に対して人権に配慮した適正な精神医療を提供するという医療対策、この二点から構成されておりますが、両者は精神保健対策を支える車の両輪として極めて重要なものであります。 そこで、以下、精神障害者の社会復帰対策及び医療対策について質問申し上げたいと思います。 まず、社会復帰対策について質問をさせていただきます。 精神障害者の社会復帰対策は、五年前の昭和六十三年七月の法改正において、初めて精神障害者の社会復帰施設が精神衛生法から保健法に盛り込まれました。その意味で、前回の法改正にかかわったところの昭和六十三年というのは、精神障害者の社会復帰対策元年とも言うべき記念すべき年であったというぐあいに思います。 しかし、その間、五年がたったわけでありますけれども、精神病院においてもいろいろなことがありました。過去においては宇都宮病院事件等の人権上の問題等もありましたし、今後の精神医療というのは、精神障害者の人権に配慮した適切な医療が望まれているというぐあいに思っております。 そこで、この人権に配慮した適正な精神医療を確保するためには、入院を必要とする精神障害者に対して、しっかりと入院による適正な医療の機会を提供するということが必要でありますとともに、既に入院医療を終了して退院することが可能となった精神障害者については、速やかに退院をさせて適正な社会生活を営ませていくという、この基本的な考え方が重要ではなかろうかというぐあいに思っております。 過去、厚生省が五十八年に行った精神衛生の実態調査によりますと、精神病院において入院中の精神障害者について、条件が整えば退院の可能性があるという回答をなされたものは全体の二二%というぐあいに聞いております。現在の精神病院における入院患者数、おおむね三十五万人でありますから、そうすると七万七千人の精神障害者の方が条件が整えば退院の可能性があるということになるわけであります。 精神障害者の社会復帰施設は、精神病院において入院医療が終了した精神障害者が一日も早く社会生活に適応することができるように、日常生活上の訓練や指導などのサービスをきめ細かく提供するものでありまして、精神障害者の社会復帰の促進を図り、そして、精神保健法の目的を達成するためにもどうしても不可欠の施設であります。今後とも一層その整備を促進していくことは必要であるというぐあいに考えています。 精神保健法の施行から見ますと、今年で丸五年を迎えるわけでありますけれども、これまでにおける精神障害者の社会復帰施設、精神障害者援護寮、精神障害者福祉ホーム、精神障害者の授産施設等の整備状況というものを見ますと、援護寮は、昭和六十三年には施設五カ所、定員百名というのが、四年後には施設が四十六カ所、定員九百というぐあいになっております。それから福祉ホームの方は、六十三年には三十一カ所の施設、総定員が三百十名であったものが、四年後には施設数で六十四カ所、定員数で六百四十というぐあいになっております。それから授産施設の方は、六十三年には十二カ所、二百四十人、それが四年後には五十一カ所、一千名となっております。 そうすると、これで全体措置できる方々というのは二千五百四十名というぐあいになるわけでありまして、条件が整えば退院の可能性があると見込まれる方々が七万七千人いらっしゃるということになると、このギャップは余りにもひどいわけであります。五年間たった今も、昨年を見ましてもこういう状況でありまして、ことしも大分この施策というのは進もうとしているところでありますが、飛躍的にふえているというような状況ではないわけであります。 これだけ社会復帰施設というものに五年間力を入れて努力をしてまいりましたけれども、そういうところは評価するのでありますが、いまだ大変な不足を来しているというのが実情ではなかろうかと思います。今後とも積極的に整備を促進していく必要があるというぐあいに思うところであります。 しかし、先ほどから申し上げますように、数値で見ると、七万七千の対象者と現在措置している二千五百四十名というのでは余りにも差があり過ぎる。進展が遅々として進んでいないとも言えるわけでありますので、その原因は何であるというように考えるのか。また、今後とも精神障害者の社会復帰の促進を図るために、積極的に施策を展開していかなければいかぬと思うわけでありますけれども、これにつきまして厚生省の御見解を承りたいと思います。
○谷政府委員 精神障害者の社会復帰施設の重要性につきまして、ただいま先生からるるお話がございました。 前回の法改正において、初めて精神障害者についての社会復帰施設を法律に規定をしたところでございますが、私どももその整備促進というのは非常に重要なことだというふうに認識をしております。ただ、今お話ございましたように、確かに他の障害者の施設等に比べますと、まだ非常におくれているということでございます。 その原因でございますが、その一つには、これらの施設の運営費に係る設置者負担というのが今まであったということがあるのではないか。それから、一般的と申しますか、全般的に精神障害者に対する国民の理解というのが現場においては十分でないというようなことで、施設がなかなかできないというようなこともあって、必ずしも整備が十分進んでいないのではないかというふうに考えられるわけでございます。 この設置者負担の問題につきましては、平成五年度から運営費の設置者負担が地方交付税の手当てによりまして解消されるということでございますので、これによりまして社会復帰施設の経営の改善というものが図られ、また今後整備が促進をされるというふうに期待をいたしております。 また、今回の法改正におきましては、精神障害者の社会復帰の促進に関連いたしまして、いわゆるグループホームというものを法定化をいたしまして、前回の改正のときには精神医療施設から社会復帰施設へという一つの流れのもとに改正をさせていただいたわけでございますが、さらに社会復帰施設から地域社会へという流れをつくっていきたいというふうに考えております。 いずれにいたしましても、精神障害者の社会復帰の促進ということにつきましては、今後とも国民の皆様の御理解を得ながら進めていきたいというふうに考えております。
○衛藤(晟)委員 平成五年に運営費の設置者負担というのが解消されたということで、私も大変よかったなというぐあいに思っています。これでぜひ一気に施設整備が加速されてもらいたいものだと思っております。 ただ、私どもの県では前からこれと全く同じ状態になっていまして、精神薄弱者の適所授産施設、これなんかは父兄がお金を出したり、あるいは民間の方がお金を出して社会福祉法人をつくって、県下に十七カ所ぐらい一気に整備されたのです。そういう整備の勢いが精神薄弱者の適所授産施設のときにはあったのですけれども、精神障害者のこのような施設につきましては、まだまだ整備していこうという勢いみたいなものがないような気がして、どうももっと何か考えなければいけないのかなという気がいたしております。私どもも一生懸命これを考えてまいりたいと思いますが、ぜひいま一度お考えいただきたいなと思っています。 また、このような社会復帰対策が円滑に進展しない原因の一つに、残念ながら国民の精神障害者に対する社会的な偏見がまだまだ残っているなという感じがするのであります。もちろん先ほど言いました精神薄弱者につきましても相当ありましたけれども、それはもう非常になくなってまいりました。そういう中でやはり施設も整備されてきたのだろうと思うのですね。ですから、ぜひともこのような社会的偏見をなくすという方向をもうちょっと検討しなければいけないのじゃないかなという感じがいたしております。 国連の障害者の十年を経ましたし、新たな十年間に向かって私どもも頑張らなければいけないという年になったわけであります。その最初の年でありますし、障害者対策のあり方に対しましても、去る一月には中央心身障害者対策協議会の方から総理に提出されました「「国連・障害者の十年」以降の障害者対策の在り方について」と題する意見書においては 障害者対策については、今後とも行政が中心となって取り組んでいくべきことは言うまでもないが、住民、企業、団体等社会の全ての構成員が、障害者を取り巻く諸問題を理解し、主体的に取り組むことが必要であり、特に市民が全員参加により取り組んで行かなければならない。とされています。今後における精神障害者の社会復帰対策を推進する上においても、この意見書に示されたごとく、国民のすべてが精神障害者の社会復帰に対して理解を示し、協力をしていくということはやはり非常に重要だなと、先ほどから申し上げましたように私は考えているところであります。 厚生省においても、今後とも積極的に啓発広報活動を推進していくべきであると考えますけれども、それにつきまして見解をお伺いしたいと思います。
○谷政府委員 精神障害者の社会復帰を促進していく上で、国民の理解あるいは御協力をいただくということは不可欠なことだと考えております。 精神障害者の社会復帰に関するいわゆる広報活動と申しますか啓発活動につきましては、従来から精神保健普及運動の実施ですとかあるいは全国大会の開催、あるいは保健所、精神保健センターにおきます知識の普及等を行ってきたわけでございまして、これらについては引き続き力を入れていきたいと思っております。 また、ことしの八月でございますが、我が国において初めて世界精神保健連盟の世界会議が開催をされることになっておりまして、私ども厚生省におきましても、その開催に対しまして予算措置をいたしまして支援をしていくことになっております。こういうことを機会にさらに国民の理解が深まることを期待をいたしております。 また、今回の法律の改正におきましても、精神障害者の社会復帰に関連して、啓発広報等を行う民法法人を精神障害者社会復帰促進センターとして厚生大臣が指定できるというようなことにいたしているところでございまして、これらの施策を通じて国民の理解を一層深めてまいりたいと思っております。 また、今回御提案させていただいておりますこの法案の中でも、いわゆる資格制限の問題に関連いたしまして、従来絶対的な欠格事由でございました、先ほどもここでお話のございました調理師とかあるいは栄養士等につきまして、相対的な欠格事由にするというような内容も盛り込ませていただいておりますので、そういうようなことも含めて、精神障害者に対する差別とか偏見とかいうものをできるだけ少なくしていくように努力をしてまいりたいと思っております。
○衛藤(晟)委員 この医療対策の中において、精神障害者という言葉の中に精神薄弱者も入っている。これはもともと議論されているところでありますけれども、この精神薄弱者という呼び名、精神障害者という呼び名、これは私どもこの前精神薄弱者の運賃の問題をやりましたときにも、各方面でも結構よく把握してないというか誤解というか、そういうものが出たところであります。 この精神薄弱者、それから精神障害者という呼び方についても、今いろいろな議論がされておるようでありますが、余り誤解を招かないような、もっとわかりやすいいい呼び名はないものかなというように思っておりますから、厚生省においてもぜひ御検討いただきたいなというぐあいに思っております。 今、精神障害者の範疇の中に、医療という面、精神病院という面の中では精神薄弱者も入っておりますので、それをひっくるめた扱いというようなことになっています。もちろん医療面からだろうと思いますけれども、そういうこともひっくるめて、どうも精神薄弱者、精神障害者、体の方は身体障害者と言うわけであります。ところが、IQが低い人たちは、精神障害者と言わなくて精神薄弱者と言う。そういうところで呼び名にも、いろいろな問題があるようでありますから、ぜひこれは将来に向けて呼び名の検討をしていただきたいというように思っております。 それから、ちょっと外れますけれども、精神薄弱者について質問をさせていただきたいと思います。 精神薄弱者につきましては、相当いろいろな面で施策も進んできたというぐあいに思っております。そんな中で今一番困っていますのが心身障害者の早期発見、それから早期療育であります。 お母さん方が子供さんをどうもおかしいなと思う。それでお医者さんとかいろいろなところへ行くと、障害者ですよ、あるいは知恵おくれの子供さんですよという話を聞く。そこで、おろおろして、一応保健所だとかいろいろなところはあるのでありますが、総合的に指導したり療育したりする施設が非常に乏しいのですね。全国的にも療育施設の充足率というのは極めて低いわけでありまして、十カ所か十一カ所、そういう感じだったと思いますけれども、そういう整備なんですね。 そういう状況の中で、私は、心身障害者の早期発見、早期療育というものを早くすることによって、障害の程度を軽減できるというとあれですけれども、ある程度機能回復することはできるというぐあいに思うのですね。それはそうできておるわけでございますから、ぜひ医療機能を備えた総合的な療育施設の整備を促進しなければいけないというように思っているのです。そういう制度は一応あるのだけれども、なかなか整備が進んでいかない。 あとの面では、精神薄弱者の施設は、学校から、あるいは卒業していきますと適所の授産所からグループホームから福祉ホームから、あるいはいろいろな収容施設、更生施設を入れて相当整備もされ、就労面では若干おくれているかもしれませんけれども、大分進んできたと思うのですが、非常な立ちおくれはこの早期発見、早期療育の医療機能を備えた総合的な療育施設の整備だと思っておるのです。これについてどうお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
○清水(康)政府委員 お答えをいたします。 心身障害の早期発見、早期療育というのは御指摘のとおり大変重要な問題であると考えておりまして、福祉と医療の連携というふうな意味からも、特に医療機能を備えて、心身障害の診断、検査、判定ということを行うとともに適切な療育訓練を行う、そういう施設が必要だということで、実は昭和五十四年度からでございますが、心身障害児総合通園センターというふうな事業を行っているわけでございます。 ただ、御指摘のとおり、現在このセンターは全国に十一カ所程度ということでございますが、設置基準がやや厳しかった点もあるのではないかというふうなことから、ことしの三月に基準を若干緩和いたしました。例えば規模ですと、人口規模でそれまでおおむね三十万以上の市ということだったのですが、おおむね二十万程度の市でもいいというふうなこと、あるいは、それまでは肢体不自由児通園施設、精神薄弱児通園施設及び難聴幼児通園施設、この三つを全部備えること、三つが必置だ、こういうふうなことであったわけでございますが、今回からこれらのうち二種類以上でいい、そういうふうな緩和もいたしております。 いずれにしましても、心身障害児総合通園センターというものの必要性なり重要性というものは十分理解をしているつもりでございますので、その整備について一層努力してまいりたい、そう考えております。 一部、民間でそういう動きがあって、自治体の設置しか認められないのはおかしいではないかという御意見がございますが、実は相談、検査部門はいわば診療所という位置づけになっておるものですから、診療報酬で賄うという原則になっております。しかし、その部分はどうしても運営面からいいますとやや赤字になりがちだというふうなこともございまして、経営、運営の安定ということから自治体設置ということを基本にしているわけでございますが、仮に民間でいろいろ御協力をいただければ、例えば自治体が設置したものを、いわゆる公設民営といいますか、運営を民間にお任せする、お願いするというふうなやり方もあるかと思います。いろいろ研究して、ぜひ整備を進めてまいりたいと思います。 それからなお、最初に用語の問題の御指摘がございましたが、確かに親の方々から、精神薄弱、精神が薄いとか弱いとか何だ、少しいい名前がないかというような御指摘、御意見はいろいろいただいております。最近、外国でも用語が、例えば英国ではインテレクチュアル・ハンディキャップ、知的障害というふうな言葉を使ったり、アメリカの方でもディベロプメンタル・ディスアビリティーというのですか、発達障害という言葉にかえたり、いろいろそういう動きがございますが、これがいいという最終的に一致した御意見というのはまだないものですから、これからも引き続き適切な用語をどうすればいいかということについてはぜひ研究をしてまいりたい、そう思います。
○衛藤(晟)委員 よくわかりました。ことしは基準の緩和をしてくれたところでありますし、そういう意味で私ども期待をいたしておりますけれども、十四年間で十一カ所の整備というのは、これは私は本当に考えなければいけないと思うのですね。 設置主体が都道府県あるいは政令指定都市、あるいはことしからまた三十万というのを二十万以上の市ということにして、そこに補助ができるということにしておりますが、先ほど言いましたように診療所部門は相当な赤字が見込まれる。これをバックアップする一つの方法として、公設民営も進めてみようというお話が今ありましたが、そういうのも確かに一つのすばらしい方法だと思います。しかし、もっと何らかの形で促進できるようなことをぜひ考えていただきたい。 あと、精薄で特に残っていますのは療育部門です。早期のころからちゃんとしたお医者さんの診断や検査や判定、それから御指導をいただきながら、お医者さんの指示のもとにちゃんとした療育訓練を行っていく、これは明らかに残った分野だというぐあいに思います。これは医療と福祉の両方にかかわる難しい部分もあろうかと思いますけれども、地方自治体の方は医療と福祉は別に分かれていますが、国の方は厚生省一本であります。これをちゃんと進めていただけるのはやはり厚生省しかないというふうに思っておりますので、ぜひもっともっと積極的に整備できるようにお願い申し上げたいと、要望申し上げる次第でございます。 さて、精神障害者の問題に返りたいと思います。 保護義務者制度につきまして、議論の末にその名称を保護者とするようになったわけでありますけれども、私もこれについては大変な評価をいたしているところでございます。保護義務者は、精神障害者の身近にあって精神障害者に対して適切な医療や保護の機会を提供するものでありまして、代替制度が存在しない現状においては、精神障害者の利益を擁護する重要なものである以上、存続せざるを得ないであろうというぐあいに考えております。 しかし、現実にその保護者となっている方々の御苦労を見ておりましても、本当に大変なものであります。以前、全家連、全国精神障害者家族会連合会という精神障害者を抱える御家族の方の団体が生活実態等の調査を行いまして、日本の精神障害者と家族の生活実態白書というのを取りまとめていましたけれども、これによると、精神障害者に対して主としてお世話をしているのはその御両親や御兄弟でありまして、全体の七割以上を占めているということがわかりました。特にお母様、母親の方がお世話をしている場合が全体の過半数を占めているという状態にあります。 また、精神障害者を抱える家族の世帯の年収を見ますと、三百万円未満の世帯が全体の約半数というぐあいになっています。また、御両親の年齢を見ると、五十歳以上の方々が全体の九割を占めているということになっているわけであります。 これは、私も精薄の問題をずっとやらせていただきまして、精薄の問題と精神障害者の問題は、施設整備がやはり抜本的に違うところじゃないかと思うのですね。精薄の方々の親は若い、そして所得も平均するともっとありますね。そういう中で、思い切って社会福祉施設に対して皆でお金を出してでもつくりましょうという機運がありますけれども、精神障害者については、親の実態からいってもちょっと難しいのですね。そういうぐあいになっています。 まあ話はそれましたけれども、このように、精神障害者を抱える家族においては大変多くの御苦労があることがわかるわけであります。厚生省におきましても、これを支援するための施策の充実が必要じゃなかろうかなと思っております。 今回の法改正において、保護者の支援及び負担の軽減に関しましてどのように配慮したのか、また、その該当内容を明確に示していただきたいと思います。そして、今後とも保護者制度というのは家族の状況等を十分に踏まえつつ検討していくべきではないかと思いますが、それについてお答えをいただきたいと思います。
○谷政府委員 今回の改正におきましては、保護義務者という名称を保護者に変えるということを一つお願いをしているわけでございますが、具体的な保護者に対する負担軽減の問題ということに関しましては、入院措置が解除された精神障害者を引き取る保護者に対する支援を充実するという観点から、新たに精神病院あるいは社会復帰施設に対しまして保護者の方が相談や援助を求められるよう、保護者のいわゆる権利規定というものを設けたわけでございます。また、精神障害者と同居する保護者の方を保健所の訪問指導等の対象として明確化を図ったところでございます。 なお、この保護者制度あるいは従来の保護義務者制度につきましては、ただいま申しましたような精神障害者を抱える家族の負担を軽減するということから、当面支援策を充実をしていくということが重要だというふうに考えているわけでございますが、今回の法案の作成をする際のもとになりました公衆衛生審議会の意見書におきましても、この保護義務者制度のあり方については、やはり検討を行っていくことが必要であるということが言われているわけでございまして、今後私ども、関係の団体の御意見等も伺いながら、どういうような改善の方法があるのか、研究を進めてまいりたいというふうに考えております。
○衛藤(晟)委員 精神病院において、積極的によりよい環境において質の高い医療を提供していくということは非常に重要なことだと思っております。 そこで、適切な精神医療をきめ細かく提供していくためには、医師、看護職員、作業療法士等が相互に連携を図って医療に当たるチーム医療を確立する必要があるというふうに考えていますが、それについてお答えをいただきたいと思います。 また、そのためには、臨床心理技術者等の国家資格制度を創設し、その資質の向上を図る必要があると考えていますが、それについて御質問を申し上げます。
○谷政府委員 まず、チーム医療についてでございますけれども、特に精神医療におきますチーム医療の推進ということは、適切なあるいはきめ細かな精神医療を提供するということから大変重要だと考えておりまして、今後、職種の役割とか連携の方法等を明確にしていくといったような具体的な検討なり研究を行っていきたいと思っております。 また、臨床心理技術者等の資格の問題でございますが、これの国家資格化につきましては、特に臨床心理技術者につきましては、現在検討会を設けて検討を行っております。また、当事者間の理解を得るということが必要でありまして、当事者間の内部の調整を行っておりまして、その結果が得られますれば適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
○衛藤(晟)委員 最後に、適切な精神医療を確保するためには、何よりも精神病院等における経営の安定を図るということが重要でありますが、先日精神病院の協会の方からお聞きしますと、経営が大変厳しくなっているというお話をお聞きしたところであります。このためにも精神病院に対する適切な診療報酬を確保するということが重要だと考えますけれども、それについてどう考えますか、御質問申し上げます。
○古川政府委員 適正な精神医療を確保するために、この精神病院等におきますところの経営の安定を図るということが大変重要であるということは、私ども御指摘のとおりであろうと思っておるわけでございます。 それで、昨年四月の診療報酬の改定におきましては、精神医療関係におきましては、適切な医学的判断のもとで患者さんの病状に応じまして早期の退院あるいは社会復帰を促進し、患者さんの福祉の向上を図る、こういう観点から、通院患者またはその家族の方々に対しまして継続的に指導助言を行うというようないわゆる通院精神療法とか、あるいは精神科デイケアなど精神医療の専門性を評価したほかに、看護料を初めとして入院関連の診療報酬の引き上げを図ったところでございます。 こういった病院の経営安定の確保については、こういうようなことで診療報酬の改定等を通じて対応を図っているところでございますけれども、今後とも患者の早期の退院や社会復帰を促進するという観点を踏まえまして、これは今月、六月に実施中でございますけれども、医療経済実態調査の結果等を見きわめながら対応し、全体として医業経営の安定の確保が図られるように私ども大いに努力をしてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○浦野委員長 網岡雄君。
○網岡委員 今度、精神保健法の改正が提案されているわけでございます。前回の精神保健法の改正は、任意入院制度の導入と社会復帰施設の規定などを新しく設けることにより、精神障害者の人権擁護と社会復帰の促進への端緒をしるすものでありましたが、その際、国会修正として、五年後を目途に法の施行状況を検討し、必要な措置を講ずるとの見直し規定が設けられたところであります。私ども立法府といたしましても、ことしはその責任を果たさなければならない重要な年だというふうに認識をいたしているところでございます。 しかし、残念ながら、この五年間の法の施行状況を見ますと、社会復帰施設の整備が低調であることに端的にあらわれていますように、精神障害者の人権擁護と社会復帰の促進という前回改正の趣旨からすれば、全く不十分であると言わざるを得ません。地域ケアの飛躍的な充実、総合的な福祉サービスの強化、さらには精神保健医療及び福祉に係る公的補助の増額などを見直しの基本的な立脚点とすべきであると考えます。 この観点に立って、見直しの重要項目として、一つは社会復帰施設の抜本的な充実整備、二つ目には適切な精神障害者の定義、家族に過剰な負担を強いる保護義務者制度の洗い直し、精神医療審査会の改革、大都市特例の実現などが含まれる改正を、私ども社会党も検討小委員会をつくりまして、政府、厚生省に求めてきたところでございます。 その視点に立って、以下若干の御質問を申し上げたいと思います。 まず、先ほども質問がございましたが、今回の改正において、精神障害者の定義に国際疾病分類にない前回と同じ精神薄弱、精神病質を明記された理由は一体何か。 三月十七日に公衆衛生審議会が答申をしておるわけでございますが、この項につきましては、「精神病者、精神薄弱者及び精神病質者」との規定は「国際的な疾病分類や用語の慣行と照らして適切でなく、また、疾患・病態の範囲が不明確となったり、誤解を招いたりするおそれがある」との指摘がありまして、さらに加えて「例えば、「精神疾患を有する者」とすること」を検討すべきであるといたしておるのでございます。 そのことからいきますと、先ほども申しましたように、前回と同じような精神薄弱及び精神病質が今度もまた明記されているというのは一体いかなる理由に基づくものか。公衆衛生審議会の答申の内容から見ますと、私ども若干の疑義を挟むものでございますが、この点について厚生省の見解を問います。
○谷政府委員 今回御提案をさせていただいております法改正案の中では、精神障害者の定義につきましては、第三条の定義を「精神疾患を有する者」ということに変更するということをお願いしているわけでございます。 この考え方につきましては、医学上の用語に合わせてより適切な表現とする、あるいは対象範囲を明確化するということを目的といたしまして、また、公衆衛生審議会の答申にもございますような国際疾病分類との整合性をとるという考え方から、「精神疾患を有する者」としたわけでございますが、ただ、この趣旨を広く一般の国民の方に理解をしていただき、また、従来の定義と範囲が変わったのではないかというような誤解を生ずることがないように、従来から定義規定にありました中毒性精神病、精神薄弱、精神病質という疾患名を例示として残したものでございます。 この趣旨を周知徹底するために、本法案の成立後、施行までの間に十分関係方面に周知徹底をしていきたいというふうに考えております。 ただいま先生が御引用になられました公衆衛生審議会の意見書の中でも、今私が申しましたような趣旨で、「精神疾患を有する者」というふうに定義を変えることが適当ではないかという意見が述べられているというふうに理解をしております。
○網岡委員 簡単に再度お尋ねをいたしますけれども、やはり公衆衛生審議会の一番ポイントのところは、「例えば」という表現でございます。「精神疾患を有する者」とすることについて検討せよと改めて明言をしているところでございます。先ほども御質問がございましたように、今回はこれとして、一般社会での認識というものが一応のレベルに達したというような段階にこれから入っていくと思うのでございますが、そういうこともあわせ考えてこの定義について適当な時期に見直しをする、こういうようなお考えはありますか。
○谷政府委員 今回の改正につきましては、医学界で使われている言葉、それから国際疾病分類との整合性というようなことで「精神疾患を有する者」といたしましたが、ただ、従来から使われている言葉を例示として残したということでございます。今後このような新しい言葉が定着してくることをもちろん私どもは期待をしておりますし、またそのために十分周知徹底を図っていくつもりでございます。 今後の医学界なり関係方面の御理解、あるいは精神障害者対策、精神保健対策の進展の状況というものを勘案しながら、この問題には対応していきたいと考えております。
○網岡委員 適切な対応を望んでおきます。 次に、保護義務者の自傷他害の防止の役割が家族にとって非常に大きな負担になっているのは御案内のとおりでございますが、この項を削除するという考えはございませんか。 精神障害者の家族というのは一般的に言ってかなり高齢者の方が多いわけでございますが、こういうことからいきますと、自傷他害の監督義務を負っていくということは至難と言っても決して過言でない状況にあるというふうに思います。そういうことからいえば、この自傷他害の防止という義務が課せられていることは家族にとってかなり過酷であるというふうに思うわけでございますが、この点について改めて厚生省のお考えをお聞きいたします。
○谷政府委員 精神障害者は、その疾病の特殊性ということから、本人の病識を欠き、医療の機会を逸するというようなおそれがあるわけでございまして、そういうことから、精神障害者の利益を擁護するということのためには、身近にあって適切な医療あるいは保護の機会を確保する役割を果たしていただく方がどうしても必要なわけでございます。 特に、自傷他害のおそれのある精神障害者に対しましては、速やかに身近な保護者あるいは保護義務者が適切な医療、保護の機会を確保する必要があるということから、現在直ちに保護者に与えられましたこの自傷他害防止の役割規定を削除することは困難であるというふうに考えているわけでございます。この保護義務者制度全体の問題につきましては、かねてよりいろいろな機会に議論をさせていただいているわけでございますが、現時点で今お話しのような保護者の役割の削除というのは、非常に難しいというふうに私どもは認識をしております。 ただ、保護者の負担を軽減をするということから、社会復帰施設の整備を促進をするとか、また今回法案の中に提案をさせていただいておりますが、入院措置が解除された精神障害者を引き取る保護者につきましては、社会復帰施設あるいは医療施設に対して相談をする、あるいは必要な援助を求めるといったような規定を設けているところでございますし、また同様に、入院措置が解除されました精神障害者と同居する保護者の方につきまして、保健所が行います訪問指導の対象として規定をさせていただいたところでございます。
○網岡委員 それでは、同じような内容でございますので、次の質問に移ります。 先ほどもございましたけれども、確認をする意味でお尋ねいたします。今回、保護義務者を保護者と改める意味についてお伺いをいたしたいと思います。 そして、これに関連をしまして申し上げたいのでございますが、同じく公衆衛生審議会は、この保護義務者の荷が非常に重いということを考えてだとは思うのでございますが、次のようなことを示唆いたしておるわけでございます。「家族等に代わる公的保護義務者である市区町村長の役割を重視することが必要であり、当面、担当職員の資質向上」云々と、こういうふうにあります。つまり、公的保護者として市区町村長がやはり担うべきである、こういう方向の内容を公衆衛生審議会は答申の内容として付しておるわけでございます。 こういう意味からいって、この保護義務者の義務が抜けだということは、こういう公衆衛生審議会の答申の内容も踏まえながら、将来保護義務者についてのあり方を答申の内容に沿った形で見直しをする、こういう気持ちが厚生省の中にあるのかどうか、この辺についてもお答えをいただきたいと思います。
○谷政府委員 今回、保護義務者の名称を保護者と改めたわけでございますが、現実に振り返ってみますと、現在の保護義務者制度につきましては、いわゆる行政上の命令ですとかあるいは罰則規定があるわけではございませんので、今日の時点であえて義務ということを名称の中に強調をする必要はないのではないかということから、保護者というふうに改めることにしたわけでございます。 一方、今お話がございましたように、現在の精神保健法におきましては、保護義務者になるべき者が存在しない場合、あるいは存在してもその役割が果たせない場合につきましては、市町村長が保護義務者となることとなっているわけでございますが、先ほどお触れになりました公衆衛生審議会の意見書の中でも、そういう実態を踏まえて、担当職員の資質を向上するべきだというような御意見がありますので、私どもとしては、今後そういう研修の機会というものをふやして、その機能の充実をしていきたいというふうに考えております。 ただ、今お話がございましたように、今後の方向としてどうするのかということでございます。保護義務者制度につきましては、今後必要な検討というものをやっていかなければいけないというふうに思っておりますが、それは市町村長にするという前提ではなくて、保護義務者制度についてどういうふうに今後考えるのかということを、幅広く関係者の御意見も伺いながら研究をしてまいりたいということでございます。
○網岡委員 ちょっと局長の答弁ですが、言葉としては非常にスマートですけれども、一体どういうふうに中身がこれから変わってくるかということについては、私ども質問者には全然わかってこないわけでございます。 しかし、もう次の時間がありますから、この程度にとどめますが、再度申し上げたい点は、公衆衛生審議会での答申というのは、先ほども局長から御答弁もございましたように、やはり検討していくという方向のものが書かれておるわけでございます。高齢化に向かっていく親の場合というのは、特に単身の場合もあるし、場合によれば老人ホームに入っている人たちなどもあるわけでございます。そういうことを全体的に眺めた場合には、公的保護義務者というものを思い切って前向きに考えていく時期に来ているのではないかというふうに思いますが、そういう方向で検討をさらに図られたいということを申し上げておきます。 次に、大都市特例についてお尋ねをいたしますが、今回の大都市特例というのは、私どもに提案されました精神保健法の改正の中では、これは最も目に見える内容の改正点であるというような評価を実はいたしております。 しかし、これは前回改正の積み残しになった嫌いもあるところでございますから、そういうかかわりを持った大都市特例というものを一たんやると踏み切った以上は、法律では平成八年の四月一日と、こういうふうに実施のスタートが規定されているわけでございますが、前からの問題でもあるわけでございますので、大都市特例のスタートをもう少し早める、こういうようなお考えがないかどうか、お尋ねをいたします。
○谷政府委員 今回の指定都市への権限の委譲ということにつきましては、各指定都市あるいは関係県に対しましてあらかじめ意見を求めたわけでございますが、いろいろな施行の準備等の関係から、おおむね平成八年度なら実施が可能だということが地方自治体の方からのお話でございました。そういうようなことから、施行期日を平成八年四月一日というふうにしたわけでございます。 なお、最近、同様にこの大都市特例を導入いたしました精神薄弱者の福祉に関する事務につきましても、たしか二年半程度の経過措置が設けられているのではないかというふうに承知をしております。
○網岡委員 期日は決まっておりますが、早いことは幾ら早くなってもいいわけですから、ぜひひとつ全力を尽くして体制整備に向かっていただきたい、対応していただきたいということを重ねて要望しておきます。 次に、精神障害者の社会復帰、そして社会参加を促進させるために、今回各種の資格制限等の見直しをすることになっているのでありますが、今回見直しを取りやめたものにどのようなものがあるのか、そしてまたその理由と、今後関係方面への働きかけを進めて、この資格制限というものを外すような努力を一体厚生省はどういうプログラムを持ちながらやろうとしているのか、この際お尋ねをいたします。
○谷政府委員 この資格制限の見直しにつきましては、やはり関係者の方の御理解というのがどうしても欠かせないものでございます。今回提案させていただきますものについては、関係方面との調整がついたというものからお願いをしたわけでございまして、栄養士、調理師等五つの職種でございます。 今のお話ですと、見直しを取りやめたものにどういうものがあったかというようなお尋ねだったと思いますが、率直に申し上げまして、厚生省の関係では、理容師法及び美容師法につきまして改正を見送ることにいたしました。これらにつきましては、なかなか今回の改正までには関係者の間の御理解を得ることができなかったということでございまして、今後これらにつきましては、関係者の意見を十分にお聞きしながら、引き続き検討していく課題だというふうに考えております。 以上でございます。
○網岡委員 ぜひこれは答申の内容からいきましても、床屋さんとパーマネント屋さんというところが見直しの取りやめということになったようでございますが、しかし、これからは、社会復帰を経て、そしてさらに幾つかの段階を経て社会に出ていくという、精神障害者の治療と社会復帰の施設についてのいろいろな段階をこれからつくっていくように本法案にも定められているわけです。 したがって、それが本当に稼働していくことになりましたならば、そう心配をしなくてもいいような状態になる時期はかなり早いのではないか。そして、試験制度のあり方についても、やはりその辺は厳格にしていけばいいわけでございますので、その両面をあわせ考えながら、今言った理容師、美容師の点についてはできるだけ早い時期に、もちろん条件の整備が必要でございますが、そういうことを含めて、早くやってもらうように厚生省としては善処をしていただきたいということを要望いたしておきます。 それから次に、厚生大臣にお尋ねをいたしたいと思います。 公衆衛生審議会において、臨床心理技術者、ソーシャルワーカー等の資格制度化について検討することとしているのでございますが、前回の改正時の附帯決議にも入っているにもかかわらず今回行われなかったのは一体なぜか、そしてまた、今後この問題についてどういうふうに対処していかれるのか、これらの点についてその見通しを明確に厚生大臣の所信としてお答えいただきたいと思います。
○丹羽国務大臣 まず、精神医療のあり方でございますが、御案内のように、チーム医療というものが大変重要なウエートを占めておるわけでございます。 そういう中において御指摘の臨床心理技術者、さらにソーシャルワーカー等の資格化というものが要求されておるわけでございますけれども、これらの資格の国家資格化につきましては、当然のことながら当事者の理解を得る必要があるわけでございます。 具体的に申し上げますと、臨床心理技術者につきましては、医師との関係のかかわりというものが実は問題になっておるわけでございます。それからソーシャルワーカーにつきましては、これが医療の職種であるかあるいは福祉の職種であるか、こういったような問題がなお調整として残されておるわけでございますけれども、私どもといたしましては、公衆衛生審議会の中においてこの問題について触れられておられますし、また、前回の改正時において附帯決議でこの問題について取り上げていただいておるわけでございますので、ひとつできるだけ当事者間の意見の調整を行って、そしてその結果を踏まえまして、まとまり次第具体的な国家制度のあり方について検討を行っていく考えに立つものでございます。
○網岡委員 大臣の答弁にありましたように、それぞれの問題になっている条件をぜひ速やかに解消していただきまして、御答弁のありました方向で積極的にやっていただきたいということを申し上げておきます。 そこで次に、社会復帰施設についてお尋ねをいたしたいと思います。 前回の法律改正に当たりましては、宇都宮病院の例の事件を契機にいたしまして、精神病院から社会復帰施設へということの課題が出されたのでございます。しかし、このせっかくの社会復帰施設へということを提示しておきながら、社会復帰施設の五年間の進捗状況というものを見ますと、例えば県の段階で見ました場合に、全国で十の県が一つも社会復帰施設がない、こういう状況でございます。 特に大県と言われる、経済的にも非常に恵まれた県とも言われている京都、そして、残念なことですけれども、私の出身である愛知などもこの十の中に入っておるわけでございます。このことが一つです。 それからまた二次医療圏、精神障害の対策を考えていく場合には、やはり二次医療圏という一つの地域を踏まえながら整備していくということが主体だと思うのでございますが、たしか三百四十五の二次医療圏の中で、実に驚くことに四分の三の二次医療圏はいまだに社会復帰施設が未整備の状況でございます。辛うじて社会復帰施設が置かれたのは三百四十五のうちの四分の一しかない。しかも経過は五年たっている。 こういう状況でございますが、この非常に少ないと思われる社会復帰施設の整備の状況は一体どういう原因に基づくものなのか。そして、五年前、精神病院から社会復帰施設へという課題を改正に当たって目標に掲げたのでございますから、その法律を推進していく立場にある厚生省の責任は極めて重いと私は思うのでございますが、この点についてどういう反省と認識を持っておみえなのか、お尋ねをいたします。
○谷政府委員 精神障害者の社会復帰施設につきましては、前回の改正によりまして初めて法律に規定され、その整備の促進を図るということでスタートしたわけでございますが、確かに今先生お触れになりましたように、その整備についてはまだ必ずしも十分でないということは十分に認識をしております。 幾つかの理由があると思いますが、やはり一つは、従来この社会復帰施設につきましては、運営費に係る設置者負担というものがあったということがございます。それからもう一つは、全体として精神障害者に対する理解、そういうものが十分ではないという面があって、実際につくろうと思っても、現場でなかなかうまくいかない面があるというようなことがあったのだというふうに思っております。 設置者負担の問題につきましては、平成五年度におきまして、地方交付税をもってその解消を図るという措置をいたしました。少なくともこの点に関しましては、設置者負担がなくなったということによって、今後大いに促進をされるというふうに期待をしております。 ただ、先ほどお触れになりましたように、都道府県単位でもってまだないところがあるということは、私ども今後この法改正を契機といたしまして、改めて各県に強力に指導をしてまいりたいと思いますし、二次医療圏の問題につきましてもお触れになりました。これは二次医療圏ごとに作成をいたします地域保健医療計画というものの中で、これは任意記載事項でございますけれども、社会復帰施設についても盛り込むということを指導しているわけでございます。 そういうことも含めまして、地域においての社会復帰施設の充実ということについて都道府県を指導してまいりたいというふうに考えております。
○網岡委員 それでは、次のところに移ります。 小規模作業所、デイケアというところですが、小規模作業所は、社会復帰施設から比較をいたしますと、やや数においても前進をしているということは率直に認めます。しかし、国全体の分布の状況からいきますとまだまだ不十分だということは、率直に言って私ども指摘をせざるを得ないと思うのでございますが、この原因は一体何かということをお尋ねいたします。 そして、さきの質問も同じでございますが、今後やはり厚生省が一定の方針を持ちながら、整備促進に関する年次計画を立てていく必要があるのではないか、こういうふうに思うわけでございますが、この点について厚生省はどういうようにお考えになっているか、その対応についてもお答えいただきたいと思います。
○谷政府委員 小規模作業所につきましては、本年度二百九十四カ所の作業所に対する補助を行うことにいたしております。また、精神科通院医療の一環として精神科デイケアというものがございますが、現在二百四十六カ所の病院等でこの精神科デイケアを実施いたしております。 この小規模作業所につきましては、今後とも家族会を通じまして必要な運営費の補助というものを行うことによって、その充実に努めてまいりたいというふうに考えておりますし、デイケア等につきましても、これらの事業の充実に努力をしてまいりたいというふうに考えております。 ただ、先ほどもお触れになりました社会復帰施設あるいは小規模作業所、やはり今後ともふやすよう努力をしていかなければいけないというふうに考えております。具体的にその整備計画をつくるかどうか、あるいは年次計画をつくるかどうかということでございますが、これにつきましては今後都道府県など地方公共団体の意見も伺いながら検討させていただきたい、一つの検討課題というふうにさせていただきたいと考えております。
○網岡委員 それでは、次に移ります。 次は、精神病院に入院しておる患者の実態でございます。これは五年前の改正の中で大変問題になったところでございますが、依然として長期入院状態にある患者がかなり多いという実態がございます。私が得た資料によりますと、五年以上入院の長期在院の患者は全体の約五〇%を占めているという状態でございます。私は、これはある意味でいきますと異常な状態だというふうに思うわけでございます。 この原因は、社会復帰施設、それから小規模作業所といったような整備がおくれている。先ほど指摘をいたしましたような内容のものが現実にあることが、結局この精神病院における五年以上の長期入院を抱えている、実態を引きずっているというふうに私ども思うわけでございます。それらの点について認識をどう持っておられるのか、そしてどういうものが原因と考えておみえになるのか、厚生省のお考えを示していただきたいと思います。
○谷政府委員 私どもが承知をしておりますデータでも、精神病院におきます五年以上の入院患者は約五〇%ぐらいというふうに承知をしております。 精神疾患は、他の疾患と異なって、まだ原因とか治療法等が十分解明されていない部分もあるというようなことで、多くは慢性疾患として、あるいは慢性的な疾患として長期の治療を必要とする部分があるというふうに理解をしております。そのことが長期入院患者の存在する原因というふうに考えているわけでございます。 一方、先生御指摘ございましたように、社会復帰施設の整備がおくれている。社会復帰施設の整備あるいは社会復帰対策を促進することによって、一層退院が促進をされるという面もあるというふうに考えられます。そういう意味で、先ほど来お話ございます社会復帰対策の促進ということには、一層努めてまいりたいというふうに思っております。
○網岡委員 それでは、次に御質問を申し上げますけれども、結局、私どもが考えておりますことは、社会復帰施設の設置に対して、地方公共団体が設置の義務を負っていくような規定を設けるというところが大事なところだというふうに思うわけでございます。 その申し上げたい根拠というのは、老人福祉法で、痴呆老人などの入る福祉施設や在宅福祉サービスの権限を市町村に移譲、一元化されておみえになるのでございます。もし精神保健法も社会復帰その他の施設の整備に関して地方公共団体に設置義務規定というものを設けるならば、私は、例えば先ほど指摘しました京都とかあるいは愛知とかいったような財政的に余裕を持った県は、この法律によってかなり前進するという状況が出てくると思うのでございます。地方公共団体にこういう設置義務規定を設ける必要があると思うのですが、これについて厚生省はどうお考えになっているか。 それからもう一つは、地域サポートシステムの一環として二次医療圏ごとに社会復帰施設をつくる、こういう必要があると思いますが、この点について厚生省が今後どういう強力な指導をされていくのか、この辺についてもお答えいただきたいと思います。
○谷政府委員 社会復帰施設の整備につきましては、私ども、基本的には地方公共団体の自主性というものを尊重し、地域の実情に応じて適切に処置される必要があるというふうに考えております。また、他の障害者の福祉施設につきましても、基本的には施設設置の義務づけはなされていないということでございますので、現時点で地方公共団体に社会復帰施設の設置を義務づけるということは考えていないわけでございます。 ただ、先ほど来お触れございますように、社会復帰施設全体がまだ非常に不足をしているということでございますし、設置がされていない県もある。また、二次医療圏ごとのお話もございましたが、そういう実態を踏まえて、各都道府県に対しましては、今後社会復帰施設の設置について積極的に対応するよう指導をしてまいりたいと考えております。
○網岡委員 指導もさることながら、設置義務規定を入れるとすれば、当然国の方が財政支出を覚悟しなければいかぬことになるわけですから、その両面を考えながら、しかし、一方においては、我が国における精神保健対策が先進国であるヨーロッパとかいったような国々におくれないよう、経済大国である日本は一日も早く人権擁護という立場で、かなりスピードを上げて整備をしなければいかぬときでございますので、ぜひそういう方向でこれは検討してもらいたいということを申し上げておきます。 次に、大臣にお尋ねをいたします。 先ほど申しましたが、五年前に精神病院から社会復帰施設へという方針が打ち出されました。そして今回の法律改正に当たりましては、さらに一歩前進をいたしまして、社会復帰施設から地域社会へという目標を実は掲げておるわけでございます。 このことからいきまして、精神障害者の真のノーマライゼーションを実現してまいりますためには、公衆衛生審議会が進むべき方向として示唆をいたしておるところでございますが、しかし、それにもかかわらず、今私が質問いたしましたように、例えば社会復帰施設は二次医療圏でわずかに四分の一しか設置されていない。小規模作業所は数においてはやや伸びておりますけれども、全体から見ればまだまだ整備の状況は不十分だ、こういう現状があるわけでございますが、これに対する厚生省の認識と、この認識の上に立って今後どういう方針を掲げてこの精神保健対策を進められていくか、厚生大臣にお尋ねをいたします。
○丹羽国務大臣 先生から御指摘をいただきましたように、前回の改正におきましては精神病院から社会復帰施設へ、そして今回の改正からさらに一歩進めまして、社会復帰施設から地域社会へということを私どもは標榜いたしておるわけでございますけれども、先ほどから御指摘を賜っておりますように、社会復帰施設がなかなか思うように進んでおらないことも紛れもない事実でございます。 なぜ社会復帰施設が進まないかということでございますが、先ほどから保健医療局長からも御答弁を申し上げておるわけでございますけれども、一つには、運営費に係る設置者負担がこれまで四分の一あったことであります。 それから二番目といたしましては、精神障害者に対する、国民、特に地域住民の皆さん方が、いざとなると社会復帰施設をつくるということに対しましてまだまだ根強い反発があることも紛れもない事実であります。こういった観点から、国民の理解がまだ十分に進んでおらないのじゃないかというふうに私は考えておるわけでございます。 そこで、今後の対策でございますけれども、平成五年度からは、社会復帰施設の運営費の設置者負担は、これは地方交付税の方に措置をお願いいたしまして、解消をすることができたわけでございます。と同時に、いわゆる地域保健医療計画の中に盛り込んでおるわけでございますので、これにつきましても各都道府県を指導いたしまして、とにかく地域の実情に応じたきめ細かな社会復帰対策の推進を行っていかなければならないと考えておるわけでございます。 今回の法改正におきましては、さらに地域に即した創意と工夫、地域住民などの理解と協力による訓示規定の創設、こういうものを新たに設けさせていただいておるわけでございますし、また精神障害者社会復帰促進センター、これは機構でございますが、全家連を念頭に置いておるわけでございます。これの創設ということも今回の改正の位置づけの中に織り込まさせていただいておるわけでございます。こういうような施策を通じまして、今御指摘の問題について一歩一歩前進を図っていく決意でございます。
○網岡委員 ぜひさらなる精神保健対策の推進を図っていただくように要望いたします。 それでは、時間があと十五分くらいしかないので、少し早めますけれども、次は、地方精神保健審議会の委員に「精神障害者の社会復帰の促進を図るための事業に従事する者」を加えた理由は一体何か、これは簡単でいいですから、明瞭にお答えいただきたいと思います。
○谷政府委員 精神障害者の社会復帰を一層促進をしたい、すべきであるということから、地方精神保健審議会において社会復帰に関する事業の現場の意見を反映するといった多角的な審議を行う必要があるのではないか、そういうことから、社会復帰に関する事業に従事する方を委員として加えることにしたものでございます。
○網岡委員 それでは、今局長が御答弁になられた同様な趣旨で考えていきますならば、公衆衛生審議会の委員に患者の家族及び家族を代表する法律家を入れることが、今後の精神保健行政を進める上で大きな役割を果たすと私は思うのでございます。 今の御答弁にありました考え方をさらに一歩前進をさせて、今度は公衆衛生審議会の委員の中に患者の家族及び家族を代表する法律家をぜひ一枚加えていただくことによって、我が国における精神保健衛生が一層の進展を図られるようにしていただきたいということを考えるわけでございますが、この点についての厚生省のお考えはどうでしょうか。
○谷政府委員 現在、公衆衛生審議会の精神保健部会におきましては、精神保健に関する業務に従事する方あるいは司法関係者などによって組織をされておるわけでございますが、精神保健部会の地域精神保健に関する専門委員会におきましては、家族会の代表の方あるいは家族会で研究をされている方にもお入りをいただいておるわけでございまして、今後ともそういったような家族会の意見が反映されるよう、審議会の運営ということには心がけていきたいと考えております。
○網岡委員 これは正式な委員としてのいすが与えられませんと、公衆衛生審議会の中における患者の家族の権利が、じかにその必要性を伝えるということにはならぬと思いますので、ぜひ今後早急に御検討いただきたいというふうに思います。 それでは、次に移りますけれども、中医協の診療報酬基本問題小委員会におきまして今審議が続けられていると聞いておるわけでございますが、その検討課題及びその進捗状況についてはどのようになっているのか、御答弁いただきたい。そして、技術料について取り上げられているのかどうか、この点について御答弁いただけませんでしょうか。
○古川政府委員 お答えいたします。 診療報酬に関する多岐にわたる基本的な諸問題につきまして中長期的な観点から論点整理を行おう、こういうために、御案内のように平成三年の七月に中医協に診療報酬基本問題小委員会が設置されまして、現在まで十三回にわたりまして委員会が開催されているという状況でございます。 検討項目といたしましては、御指摘のございました技術料評価のあり方、こういったものを初めといたしまして、医療機関の機能、特質に応じた診療報酬のあり方、あるいは患者ニーズの高度化、多様化への対応、そういったこと等六項目が取り上げられておりまして、精力的に御審議をいただいているということでございます。 今後の日程でございますけれども、この夏ごろには検討項目につきまして一通りの御議論を終えていただきまして、その後何らかの取りまとめをいただきたい、こういう予定でございます。
○網岡委員 状況につきましてはわかりました。それでは、そういう作業の進行状況でございますから、この際、精神保健衛生の重要性からいきまして、ぜひひとつ診療報酬のあり方について検討していただきたいというふうに思うわけです。 先ほどちょっと資料をお手元に送っておきましたが、まず一般病院と精神科病院の一カ月の収入のあれを言いますと、一般科の医療費は一人四十五万円、こういうことでございます。しかし、精神科医療費というのはその半分である二十四万円程度というのが実態でございます。したがって、一般科から比較をいたしますと約半分という状況でございます。 そして、資料を今そこへ出しましたけれども、これは平成三年度の自治体病院患者の一人一日当たりの収入を甲表、乙表に分けまして提示がしてあるわけでございます。その中で、結核病床はもうやめまして、一般病床と精神病床というものを比較をいたしていきますと、一般病床の場合は、投薬、注射、それから処置・手術、検査、放射線といったものを合計をいたしますと、ざっと一万四千七十三、こういうことになると思うのです。 そして精神病床の場合は、同じ放射線まで合計をいたしましても、わずかに十二分の一か十三分の一ぐらいになると思いますが千八十三、こういうことになるわけでございます。これはもう圧倒的な格差でございます。これでは幾ら病院経営を合理化をしたりやりましても、とても追っつかない状況にございます。結局のところ、精神病院における技術評価というものが、きちっと精神医療の実態というものを踏まえた評価が行われていない、こういうことに私は起因すると思うのでございます。そこで、ぜひひとつこういう実態を踏まえていただきまして検討していただきたい。 特に私が付言をしておきたい点は、重要なところでございますが、要するに一般診療、一般科の場合は、例えば放射線にしても検査にしても、全部これは目に映るわけです。はっきりわかるわけです。だから診療報酬にきちっと積算をされていくことになるわけですが、精神医療の場合には、さっき言ったように、わずかであるということと同時に、医師なりあるいは臨床心理技師といった精神病院におけるあらゆる従業員が患者と一対一でじっくり話をしながら、何か現場の医師に聞きますと、一時間から二時間ぐらいかかるというような実態だそうでございますが、こういうような問診を通じて精神状態を診断していくその作業というものがほとんど診療報酬に加算されていない。その現状が表で出ているような実態になっているというふうに思うわけでございます。 こういう点について今検討されているというふうに御答弁がございまして、夏ごろには正の方向が出るということでございますが、その一定の方向が出る前に、今私が指摘しましたような精神病床における目に見えない、心の関係で一対一で会いながら診断をしていくという、これもやりようによっては、検査なんかはもうちゃんとメーターが出るわけです。だから、すっとわかるわけですが、その心の診断というものは極めて難しいところでございます。より高度な技術が必要なところでございます。 だから、こういう点をぜひひとつ診療報酬の中にきちっと盛り込んでいただくような検討を厚生省の立場からやってもらうように努力をしていただきたいと考えるわけですが、この辺について厚生省はどう考えているか。
○古川政府委員 今後の方針といいましょうか考え方の前に、ただいまいろいろ資料をいただきまして見させていただきましたが、現状について一言触れてみたいと思うのでございます。 基本的には、こういった一般病床あるいは精神病床の間で非常に大きな格差があるということについては、疾病に対する治療の特性によるものであるということでございまして、収支の状況でいいますと、平成三年の医療経済実態調査によりますと、精神病院の百床当たりの医業収入というのは二千七百七十六万円、一般病院の場合は七千五百八十四万円ということで、三七%の額であるわけでございます。 他方、医業コストの方を見ますと、精神病院が二千六百九十六万円、これに対して一般病院は七千五百六十八万円という状況で、両者の差額である医業収支差額は、精神病院が八十万五千円、これに対しまして一般病院は十六万二千円ということで、精神病院の方が一般病院に比較して医業収支差額は大きくなっている。これはそういった事実があるわけでございます。 ところで、今先生の御指摘のような、いわゆる精神医療の特性といいましょうか、そういったことを評価すべきではないか、これは御指摘のとおりだと思うわけでございまして、私どもも従来から、適切な医学的判断のもとで、患者さんの病状に応じまして患者の早期退院、社会復帰を促進していく、そして患者の福祉の向上を図るという観点から、精神医療の専門性を評価する、通院精神療法等そういった評価をしてきたわけでございますが、さらに御指摘のような精神医療の特性を踏まえて、技術料重視という考え方に立ちまして現在医療経済実態調査も実施しておりますし、今後そういったことで検討してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○網岡委員 最後に、三十秒でやめますけれども、目に見えない技術の評価というのは、やはり目盛りがないわけですからなかなか難しいのですよ。だから、厚生省の方から中医協のそれぞれのポストのところに、精神病院の実態をきちっと調査をして、そして現場の意見というものをじかに聞いてもらって対応するようなことを、夏の時期に結論をつける、見通しをつける前にぜひひとつ実行に移してもらいたいということを要望しておきますが、その点についてどうでしょうか。
○古川政府委員 ただいまの御指摘につきましては、これは中医協で御議論をいただいておるわけでございますので、中医協の方にそういった御指摘の趣旨を申し上げたいと思っておるわけでございます。
○網岡委員 終わります。
○浦野委員長 午後零時三十分より再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時四十二分休憩 ————◇————— 午後零時三十三分開議
○浦野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。土肥隆一君。
○土肥委員 冒頭、委員長にお願いしたいのでありますが、一枚の資料を委員及び政府委員の皆さんにお渡しいただきたいと思いますが、いいでしょうか。
○浦野委員長 どうぞ。配付をしていただいて結構です。
○土肥委員 それではお配りくださいますように。 質問をさせていただきます。 一九八四年、例の宇都宮病院事件が起きました。そして前回、二十二年ぶりに精神保健法の改正が行われまして、五年後の見直しをするべく今精神保健法の改正を審議しているところでございます。 昨年、平成四年六月の厚生省の調査では、いわゆる任意入院、これは自発的な入院でありますけれども、六〇・三%となったと報告されております。大変この率が高くなることは精神保健上好ましいことと考えますが、一方で、病院の閉鎖病棟は依然として五八・二%。前回決められました閉鎖病棟の中に公衆電話を置くということですけれども、まだ八七・八%しか置いていない。それから、任意入院でありますからほぼ自由に開放病棟で移動ができるはずなのに、現在任意入院の患者さんが五五%も閉鎖病棟に入っているというふうな統計が出ています。 私は、宇都宮病院事件以来、日本の精神病院は処遇やらあるいは治療が今日どの程度改善、改良されたのかということに興味があるわけであります。しかしながら、どうも今日でもなお通信とか面会の自由が十分でなく、また入院時に当然行われなければならない告知のあり方、あるいは指定医が少のうございまして、任意入院の患者さんが保護室に入れられるというようなときも指定医が診ないで、とりあえず任意入院で入れておいて後で医療保護入院に切りかえるなど、さまざまな具体例、問題があるようでございます。 そういう観点から、私はある大阪の病院を訪れたわけでございます。それを少し紹介させていただきますけれども、期日はことし一九九三年五月八日の土曜日でございました。大阪に大阪精神医療人権センターというのがございまして、これは弁護士さんたちが中心にやっております、任意の精神病の患者さんたちの人権を守るセンターでございますけれども、そこに所属する弁護士さん三名、それからこのセンターに出入りしていらっしゃるその病院以外の精神科の医者二名、その他数名と、それに参議院議員の三石久江先生、そして私、土肥隆一が同行いたしました。 そして、五名の患者さんの面会を申し入れたわけでございます。この人権センターに事前に電話で、あるいは友達を介して、この人権センターの訪問を受けたいという申し出がございましたので、人権センターでは面会申入書という書面をつくりまして、昭和六十三年四月厚生省告示第百二十八号第三号規定に基づく代理人であるというふうに言いまして、弁護士の名前を挙げ、そして所属は大阪弁護士会である、患者名はかくかくである、患者本人に会いたい、そして五月八日の日付を入れて病院の窓口に提出をいたしました。 病院では女の方がいらっしゃいまして、その患者さんの名前をメモに控えまして、そして、ちょっとお待ちくださいと言って裏の方へ行ったわけであります。しばらく待っておりましたら、大体それが十三時二十分ごろでありますけれども、二十分ほどしましたら、ここの川井院長、それから春日医局長がちょうどそのあたりを歩いていらして、たまたま外来の診察室に入られるのを見ましたので、私は名刺を差し出してごあいさつをしたわけであります。そして、一緒に参りました者がその外来の診察室に入りまして、いろいろとやりとりを始めたわけであります。 それは、まずは面会に来たわけでありますから、面会の手続をしてもらっている間だけ少しお話を聞かせてくださいと申しまして、特にその中では、実は二月二十二日にこの病院である事故が起きまして、患者さんが救急病院に入って、そこで亡くなられるという事件がございました。そのことについて、これも後で少し申し上げますけれども、いろいろとお聞きをしたわけであります。 新聞報道等あるいはこの人権センターが調べた範囲ではいろいろと問題点があるので、その点を主治医であります川井院長、ここでは名前を挙げさせていただきますけれども、そして内科の先生である春日医局長、このお二人と私の三者が座りまして、その周りで連れの者が話を聞くということになりました。そして、いろいろその患者さんの死亡事件について聞いていったわけであります。 この事件の内容についてはいろいろと疑問がございますので、その当時の実情がどうだったのかということをいろいろお聞きいたしました。しかし、これはもう既に告訴されておりまして、刑事事件として警察が入っておりますので、その内容について多くを申し上げる必要、また申し上げることもできないというふうに思いますが、その面会をしている間にいろいろお聞きして、なかなか面会の手続が進まないわけですね。まあかれこれ二時間ぐらい、そこでその二人のお医者さんと話をしていたわけです。 そして、いよいよ面会が成るのかなと思いましたら、この春日という内科の先生ですけれども、今現在、私どもが訪問した直後にこの院長がかわりまして、この春日医局長が院長にかわっておりますので、ある意味では更迭人事がなというふうにも思ったわけでありますけれども、この春日医師がやってまいりまして、面会は保護義務者の依頼でしかできない、保護義務者あるいは本人の承諾書があれば面会できます、こういうふうに言って、我々の面会はできないということを言ってきたわけです。 御承知のように、この精神保健法では、弁護士の面会はあらゆる場合を通じて制限されないというのが原則でございまして、我々は面会をする権利があるし、また患者さんも面会を受けていいはずだというふうなやりとりをいたしました。それでもだめだと、こう言うわけです。 この春日医師はこの外来の診察室からしきりに入ったり出たり入ったり出たりするわけでありまして、何をするのかなと思いましたら、どうやら某所、どこかわからないのですが、私ども大体推測はっきますけれども電話をいたしまして、一々どうしたらいいかということを聞いているようであります。三度ほど電話を入れておりました。そして、その都度何かを言ってくるわけです。 最初にやりましたのは、面会を申し入れた患者さんのメモ書きを持ってまいりました。そして、メモ書きは何が書いてあるかというと、患者さん自体が会いたくないと言っているからあなたたちは会えません、こういうふうに言うわけです。それはここに写しを持っております。この春日医師が自分でも言いましたけれども、私が指揮して書かせた、例文を出して書かせた、こういうふうにおっしゃいましたので、これはもう間違いないことでありまして、面会人に会いたくない、こういうふうに患者が言っていますよと、ちらちらしながら持ってきまして、そして私どもにそれをくれたのですね。 こう書いてあります。患者名は伏せます。「大和川病院長どの 平成五年五月八日」名前が書いてありまして、「今後入院ちりょうについてはそうき退院をお願いします つきましては弁ごし等に一切いらいしません」拇印が押してあるのです。もう一人の方は「今後の入院退院に付いては病院側の指示にしたがい弁護士等いらいは一切致しません」「こんどのりょうようおよびたいいんについてはいっさい病院がわのちりょうにしたがいます べんごしはりよういたしません」「今后、早期の転院をお願い致します。つきましては今后弁護士等いらい面会することはありません。よろしくお願い致します。」こうなっております。こんなものをなぜ書かせるんだということでまた一悶着あったわけであります。 しかし、後にこの春日ドクターが報告書というのを書いておりまして、だれにあてた報告書がわからないのですが、そのファクスの写しが私の方にも回ってまいりまして、とにかく人権センターと国会議員がやってきて、脅迫をもって面会を強要したというふうに書いてありますので、もし議員の皆さんや厚生省当局にそういう文書が入りましたら、いつでも私の面会の記録と照らし合わせて読んでいただきたいと思うのであります。 そして、こういうことを書かせるというのは、これはもうまさに医者としての越権行為である、こういうことをやるべきではない、面会をさせてほしいということをたびたび申し上げました。 それで、電話で何度もまた連絡をいたしまして、やっぱりだめだと。例えば二名だけ、一人退院してもらいましたから四名残っているのですが、そのうちの二名だけでいいから会わせてくれと、私が政治家みたいな交渉を始めたわけでありますが、そうしたらまた電話をするわけです。それで、だめだと。では一名だけということで依頼いたしましたら、この春日ドクターもさすがに、まあそれくらいしょうがないだろうなというような気分になってきたので、やれやれと思っておりましたら、またもやまずい、だめだ、こういうふうに言うわけです。 三回目の電話の後でこういうふうに言いました。僕が言ったんじゃないぞ、これは僕が言ったんじゃないけれども、僕にとってはちょっとなと。私が、これは管理上の問題ですから、あなたが責任者であるから、あなたの権限で判断したらどうですかと言ったら、それはできないんだ、私には権限がないんだ、こういうふうに言いまして、とうとうその場を我々は引き下がらざるを得なかったというのが実態でございます。この病院の面会を私、経験いたしまして、まだこんな病院があるのかということを痛切に感じました。 そこで、少しこの病院の中身に入ってお聞きしたいのですが、まず、どうでしょうか、厚生省当局の方の見解として、この弁護士が持参しました面会申入書は、精神保健法的にもあるいは面接の通知や告知上も適切なものであるのかどうか、お答えいただきたいと思います。
○谷政府委員 ただいま先生からるる御説明のございました件につきましては、先生が病院に行かれた際の弁護士の面会申込書については、私ども内容を見させていただいておりますので、そのものについては適切なものであるというふうに判断をしております。
○土肥委員 それでは、この敗者さんたちに弁護人には会いたくないという文章を書かせた、こういうことを医師が指導するということでございますけれども、これは一種の面会制限に当たると病院側は言うでしょう。現行制度上、こういうものが日常的に書かれているような病院なんですが、そのことについてどういうふうな考えを持ち、今後どういうふうな指導をなさろうとしていらっしゃるのか、お答えいただきたいと思います。
○谷政府委員 まず御指摘の、弁護人には会いたくない旨の文章が書かれたかどうかということについては、現在この問題全体を含めて大阪府の方で調査中でございますので、今お話しのことについて具体的なコメントはちょっと差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論として申しますと、先ほど先生もお触れになりましたように、現行の精神保健法上、精神病院の管理者は、患者または保護義務者の依頼によって患者の代理人になろうとする弁護士との面会の制限を行うことはできないということになっておりまして、たとえ管理者が患者による面会を希望しない旨の文書を有していたといたしましても、この取り扱いは同様だというふうに考えております。 入院患者との面会につきまして不適切な運用がなされている場合につきましては、そういうことがないよう都道府県が病院を指導すべきものというふうに考えておりますし、また、特に必要がある場合におきましては、精神保健法第三十八条の七に基づきまして、精神病院の管理者に対して改善命令をすることができるということになっております。
○土肥委員 その三十八条の七、改善命令についてはまだ後でお聞きいたしますが、この病院に参りますと全くの閉鎖状態、閉鎖病院、これはもう病院全体が閉鎖病棟と言っていいくらいで、中に準開放病棟、開放病棟もあるのですけれども、感じとしては患者さんががんじがらめにされているんじゃないかということです。 実はもっと大事なことは、私どもが面会しました患者さんが、五月八日に私どもが面会依頼をしたのですが、五月の十日に突如退院をさせられているわけであります。この退院をさせられた患者さんは今もってどこにいらっしゃるかわからない。中には内部疾患、肝臓とか膵臓の病気を持っていらっしゃる方、あるいは行路病者として行き倒れのようになっていた方が入院されていたわけでありますが、それが突然退院を余儀なくされている。つまり、いなくなっているわけです。 こういうことが行われますと、私どもが、あるいは弁護士さんたちが面会に行く。面会に行ったらその都度いわばほうり出されるということでございまして、例えば、その日のNさん、三十七歳、五月十日退院をするわけです。この人はアルコール治療を受けていたわけですが、今日でも幾ら調べましても住所不定でわかりません。どこにいるのかわかりません。それからKさん、五十歳代の方で、年齢ははっきりわからないのですけれども、この人もどこに行ったかわかりません。連絡先不明であります。Uさん、この人は二十一歳ですけれども、この人もどこに行ったかわからないし、どういう暮らしをしているか一切わからない。この三名が退院をさせられました。 お世話をしていらっしゃる人権センターの方によると、恐らくまた路上生活者に戻ったり、それから、生活保護を打ち切られますからその日の生活にも困るようなことで、大阪府の福祉事務所に聞いてもわからない。わからないならば、それは生活保護の対象者から外されるわけであります。実は五月八日の後も、二十二日などに面会をしたら、早速六月五日にはおまえとおまえとおまえは退院させるというような情報も入っております。 この病院で、とにかく非常に制限された中で、電話や人づてに弁護士との関係を持った者は次から次に追い出されるというような格好になりまして、この人権センターでも、面会が患者さんを非常に不利にするんじゃないかというふうな状態になりますので、こういうことが行われているということについてはもう厳重な注意をこの病院にしていただかないと、今後患者さんが弁護士と会おうとしたときには、その都度追い出されるようでは困るのであります。この点についてどういうふうに対処なさるか、お答えをいただきたいと思います。
○谷政府委員 現在、具体的な事例については大阪府で調査をしているわけでございますが、一般論として申しますと、精神病院の管理者は、例えば医療保護入院患者を退院させたときには、十日以内に都道府県知事に届け出なければならないということにされているわけでございまして、こういうことが適切になされていない場合には、都道府県を通じて病院を指導するということになると思います。
○土肥委員 どうでしょうか、五月八日の三名は大阪府の方に確認なさったのでしょうか。
○谷政府委員 まだ現時点で、私ども退院届が出されたかどうかについては把握をしておりません。
○土肥委員 もう十日を過ぎているわけでありますから、これはまさに精神保健法上の瑕疵であるというふうに思いますね。 それから、十日以上もさることながら、病院が退院のときには保護義務者あるいは扶養義務者に通告をして、そして退院させなきゃならないということも書かれておりますね。そのことも行われていないということも指摘しておきたい、このように思います。 さて、そういうことでございまして、この病院は調べれば調べるほど不可解きわまりない病院でございまして、例えば診療の実態もどうなのかということは、いろいろと患者さんの訴えがあるわけでございます。中身については、いわばカルテを押さえなきゃならないとか、あるいは診療報酬の請求上のいろいろな手続からしかわからないという面もあろうと思いますので、一つ例を挙げて申し上げますと、入院の手続のときにやらなきゃならない告知義務というのがあるわけてありますが、皆さんのお手元にこの大和川病院の告知義務の文書をお渡ししております。 厚生省は丁寧に任意入院あるいは医療保護入院の場合の「入院に際してのお知らせ」、つまり告知についてモデルを示しまして、様式七とかそういうふうにして示してありますが、これを今局長ごらんになりまして、どんなところが問題だとお考えでしょうか、お聞きしたいと思います。
○谷政府委員 精神病院への入院に際しましては、精神保健法に基づいて、その入院形態に応じて所定の事項を患者本人に対して書面で知らせるということにされているわけでございますが、医療保護入院の場合には、精神病院の管理者は、その入院措置をとる旨、それから治療上必要な場合には行動制限をすることがある旨、また、都道府県知事に対しまして退院等の請求ができる旨を書面で示すことにされております。 また、任意入院の場合には、これに加えまして、本人の退院の申し出によって退院ができるということ、それから、指定医が必要と認めた場合には退院制限をすることがあるという旨を書面で知らせ、患者から入院に同意する旨を記載した書面を受け取ることになっているわけでございます。 先ほどお示しなされましたこの病院の「入院に際してのお知らせ」ということでございますが、仮にこれが医療保護入院について用いられた場合を考えますと、入院形態が医療保護入院である旨が示されていないのではないか。それから、都道府県知事に対しまして退院請求及び処遇改善請求ができる旨が示されていないのではないか。 それから、仮に同じ書面が任意入院で用いられましたと仮定した場合には、入院形態が任意入院であるということが示されていない。それから、先ほど申しました退院の申し出によって退院ができる、あるいは指定医が必要と認めた場合には退院制限をすることがあるということが記されていないというようなことが指摘されるのではないかと思います。
○土肥委員 今、七つ、八つ御指摘になったと思いますが、例えば都道府県の連絡先の電話であるとかそういうものも記載されておりませんし、あるいは福祉事務所など書いてありますから、その福祉事務所の電話番号なども書くべきだというように思います。 これは、局長は仮に任意入院とおっしゃいましたけれども、医療保護入院にも使われているというふうに我々は考えておりまして、この「入院に際してのお知らせ」を見ますと、巧妙に、例えば第一番目に「あなたの入院はあなたの( )の同意と医師の診察の結果入院と成りました」、ここにだれが同意したかということを書かせるというふうになっております。 私は、これもおかしいと思うのですね。患者さんが、自分が非常に不当な入院をさせられたというふうな意識を持った場合に、それが親であるとか子供であるとかというようなときに、その人に対して敵意を持つということもあるわけでありまして、これはもう明らかに書いてはならない、そういう関係を書いてはならないというふうに思うのであります。 それから、割り印を押しまして、下に「告知を受けました」といって自分の名前と判を押すというようなこと、これは必要ないことであります。告知を受けなければ入れないわけでありますから。そこだけを切り取って、いかにもあなたはもう文句が言えないのですよというふうな気分にさせる。それから、大和川病院の管理者氏名、それから主治医氏名、印などが全部抜け落ちている。 これはどうなんでしょうか、大阪府が定期検査、監査で、この書面については指導は行われたのでしょうか。
○谷政府委員 現在大阪府において全体的な調査をし、かつ六月に入ってから再度調査をするというふうに聞いておりますので、その調査の過程の中で、こういったような問題についても当然指摘がされるものだというふうに理解をしております。
○土肥委員 あえて申しますけれども、定期的な監査で当然目に触れる、また見なきゃならない項目ではなかろうかと思うのですが、これが何入院かもわからない形で全患者に使われているというようなこと、これがもう日常的であって、春日医師はこれを私にくれまして、まあこんなものですよというような平気な話であります。精神保健法も通知も通達もあったものじゃないというふうに強く感じております。ぜひとも徹底的な監査をしていただきたい、このように思うわけであります。 細かいことになりますけれども、例えば病院の中に電話が置かれている。公衆電話を置かなきゃならない。どうも置かれているようであります。ところが、朝夕三十分だけ許可をする。そして、五百円分十円玉を用意して、それぞれかけさせて、本人の生活費の中から差っ引く。つまり、三十分の間に五百円分がけるということで、非常な制約の中で電話を使っている。電話を置いていますよ。だけれども使用時間を極めて短くする。 あるいは、ここは日曜祭日は面会をさせないのです。日曜祭日こそ患者さんとその親たち、家族が面会すべきときに面会はさせない。あるいは、面会もなるべく短くして十五分ぐらいでやってくれ、こう書いてあるのです。表に堂々と面会の案内が出ております。それから、食事の時間が、夕食が三時三十分ごろにあるとかいろいろ言われておりますし、あるいはいろいろなカルテの記入の問題、あるいは薬の調剤の問題、投与の問題、さまざまあるようでございます。 どうでしょうか、県の監査というのは、こうした病院の職員あるいは医者、看護婦、看護人等の配置、あるいは生活時間、あるいは電話、あるいは医薬品の投与、管理、そういう総合的な病院の監査があるのでしょうか。どういう監査をなさっているのか、ちょっと突然の質問で申しわけないのですが、お答えいただきたいと思います。
○谷政府委員 精神保健法の上では、病院管理者というのは入院患者に対する適切な処遇を確保すべき責任があるわけでございまして、そういう意味において、そういうことについて十分やられていない場合には、県の職員が報告を徴収するなりあるいは診療録を立ち入って見るなり、そういうことが県の職員の権限として与えられているわけでございまして、今回の事例について現在、先ほど来申しておりますように、大阪府が具体的な調査を行っているという段階でございます。
○土肥委員 一般論とか、都道府県の係が適切にやっているだろう、やっているはずだという答弁がございますけれども、これはちょっと納得いきませんですね。 これはもう医療法人は定期的な監査、検査があるわけでありまして、その都度その監査項目が記載されているはずでありますし、その監査項目に基づいてどんな改善がなされたかということが報告なされているはずでありますし、それに基づいて次の年はどうかということを重ねていけば、例えばこんな「入院に際してのお知らせ」みたいなわけのわからない文書が今もすっかり残っているなんということは到底考えられないというふうに思うのです。その点はどうなんでしょうか、本当に徹底してやっていただいているのでしょうか、お聞きしたいと思います。
○谷政府委員 こういったような病院の調査につきましては、精神障害者の問題については年に四回病院の調査をするということになっております。また、先ほど来申し上げておりますように、六月には改めて調査をするというようなことになっているわけでございまして、私どもその調査の結果を待って、この病院に対する適切な対応をとってまいりたいと考えております。
○土肥委員 私どもいろいろ調べてまいりますと、何もかも病院に問題があるということがわかりますので、きちっとやっていただきたい。 例えば六十年六月十九日、保険局の第六十八号を見ますと、昭和六十年ですからかなり古いのですが、そのときに実地調査のことをかなり言っておりますね。最近「看護要員数の不正申請の疑いで保険医療機関関係者が逮捕・送検されるという事態が生じた」ということが書いてありまして、そして「実地調査を確実に実施する」とか「実態の確実な把握に努める」とか、看護要員数の把握をきちんとしなさい、「看護婦名簿、出勤簿、勤務割表、賃金台帳、病棟日誌、看護婦免許証の写し等の提出を求め相互に点検を行うこと。」とか、あるいは「保険医療機関の開設者、管理者のほか、必要に応じ、事務責任者、看護責任者等からも状況聴取を行うこと。」こういうふうに六十年の「基準看護の承認に関する取扱いについて」というところに出ているわけであります。 こういうものが繰り返し繰り返し出ながら、なおかつこういう病院があるということは不思議でしょうがない。そこでは行政にどこか手落ちがあるんじゃないかと言わざるを得ないぐらいのものであります。 そこで、大和川病院のことをよく調べていきますといろいろなことが疑問点として出てまいりますので、お尋ねしたいのでありますけれども、この医療法人はさまざまな事業をやっておりまして、その事業の中身もさることながら、今日も、これからもいろいろと問題を引っ張り出していくんじゃないかというふうに思うんです。 先ほどちょっと申し落としましたが、この二月二十一日に大和川病院で死亡事件が起きました。これは新聞を読みますと、ここに入院していた患者さんが急に容体が悪くなって、近所の救急病院、八尾病院に送致するわけです。そして、転院した後に亡くなっていくわけでありますが、実は最近の新聞で、この事件に関して大和川病院が逆に救急病院を告訴したというわけですね。搬送先の病院長を訴える。訴えた事件は、自分たちの病院、大和川病院の信用を失墜せしめるような診察をしたからだ、所見をしたからだというふうに言うわけです。 この病院の特徴は、何もかもすぐに告訴に訴えるという病院でございまして、顧問にいる弁護士が悪いんじゃないかなと思うのですが、経営者も含めて、これはやはりはっきりさせていただかなきゃいけないと思うのです。特に医療法人でありますから、医療法人についての監査をきっちりしていただかないと困るんです。 この大和川病院は元安田病院といいまして、安田という名前がまさに象徴的な名前でありますけれども、一九六九年四月に看護人による患者撲殺事件が起きまして、三人の看護人がバットで患者を殴り殺したんですね。これは刑事告訴を受けまして処分されている。行政処分が出ております。一九七九年にも、寝てはならない時間に寝ていたといって、患者さんを規則違反だというので、トイレに引っ張り込みまして撲殺しているわけです。これも行政処分を受けております。 そして今回二月二十二日、もう既にこの患者さんの親戚の方が告訴しておりますから、中身は刑事事件としての結果を待たなければならないわけでありますが、これを告訴した。そして、その告訴の理由として、大和川病院に問題があるんじゃないかと言った途端に、救急先の八尾病院がそういう判断をして、これは不審な死に方であるから警察を呼んだということ自体がおかしいといって、一億三百万円の損害賠償の要求をしているわけです。こういうことが日常的に行われている。これはもうまさに一大和川病院の問題ではなくて医療法人の問題ではないか。法人自体はやはり厚生省によってきっちりと把握していただかなければならない、こういうふうに思うのです。 そこで、この医療法人の登記上は、いわば私どもが御本尊と呼んでいるんですけれども、安田基隆という人、もともと大和川病院は安田病院と言っていたんです。このお医者さんは、理事長は三つの病院を経営しているんですが、それぞれの病院の登記上の理事長には挙がっていなくて、彼は安田記念医学財団というものをつくっております。それだけではなくて、この人はいろいろな商売もしていらっしゃいます。 その辺についてちょっと明らかにさせていただきたいと思うのでありますが、まず、安田記念医学財団というものが平成四年十二月二十一日に大阪府の所管でありました財団から厚生省に所管がえをいたしました。どうして所管がえをなさったんでしょうか。
○谷政府委員 これは、従来は大阪府の認可の財団法人だったわけでございますが、六十三年九月に大阪府下において医学の研究助成、主としてがんの予防並びに治療、それから医療技術者の育成を図り、医療の向上に寄与することを目的に大阪府知事から設立を許可され、事業活動を行ってきた財団でございます。 平成四年度におきまして、当財団から大阪府知事に対しまして、全国からの助成要望等にこたえるため、二つ以上の都道府県にまたがる活動を行う財団として寄附行為を変更したい旨の申請が出されまして、大阪府知事より厚生大臣に対して変更認可の進達がなされました。審査をいたしまして、厚生大臣所管の財団法人として平成四年の十二月二十一日付で認可がされたものでございます。
○土肥委員 もう一つ聞いておきます。 先ほどの刑事事件は、これは警察の手に渡っておりますけれども、厚生省としてはどういうふうな関心をお持ちか、お話しください。
○谷政府委員 先ほど先生がおっしゃいましたように、現在刑事事件として捜査中でございますので、私どもが現在のコメントをすることは差し控えたいと思います。
○土肥委員 いや、これはこれから訴訟が起きていろいろ問題になりますし、こんなことが精神病院で起こるということですね。 私、いわゆる主治医である川井元院長にお会いしましたときに、気軽なものですよ。いやいや、肺炎ですよ、ちょっと重体になりましたから送りました。そうしたら、あなたの所見では、こんな肋骨が四本折れているとか脳挫傷があるというのはわからなかったか。所見上わかりませんでした。なぜレントゲンを振らないかと言いましたら、いや、ちょうどポータブルレントゲンが壊れていましてねというような話なんですね。そして結局逆訴訟しまして、受け入れた八尾病院が落としたんじゃないかとか、そんなことを言いまして、とにかく院長みずから、しかも主治医である院長みずからいいかげんだということを強調しておきたいと思います。 私がなぜこんなに怒っているかといいますと、もう一人の医局長でありました現院長の春日ドクターが、私が来たことを、いいですか、自称衆議院議員土肥隆一が来たと書いてあるのですね。名刺を渡したわけですね。国会議員の名刺がこんなに信用がないのかと私は初めて知ったわけでありまして、国会議員はあちこちで名刺を配りますから、やはり信用がないのだな、こう思ったのです。 そういう書き方で、そして最後は、どうやら票集めに来たらしいなんていうのです。私、大阪まで行って票集めする必要はないわけでありまして、そういうことをぬけぬけと言う医者なんですね。自称衆議院議員、自称参議院議員の思想的な行動であって、選挙票絡みの嫌がらせの一環であると思われる、こう書いてあるのですね。これは個人的な文書ですから、当局の皆さんにはお尋ねしません。 さて、この安田記念医学財団というのは、要するにがんの研究をした人に金を渡そう、お金をやろうというわけです。私のこの資料では二十七億七千万円の定期預金を持っている。あるいは土地建物もありますけれども、基本財産といたしました。これはどうやってつくったのでしょうか。おわかりでしたらお答えください。
○谷政府委員 現在の安田記念医学財団の基本財産でございますが、平成四年の十一月現在で三十億というふうに承知をしております。寄附額の大部分は今お話しの安田氏によるものだということでございますが、その集めた経緯等については特に把握をしておりません。
○土肥委員 これは安田さんのお金ですね。局長命そうおっしゃいましたね。ですから、安田さん個人の寄附ですね。大変なお金でございまして、どうやっておつくりになったのかなと貧乏人の私も勘ぐりたくなるところであります。この財団の目的は研究助成及び人材育成ということで、いろいろな資料を見ますと、高度なあるいは先進的ながん研究の研究者に最高五百万円からのいわば助成金を渡すという大変気前のいい事業でございます。 それはそれで結構だと思うのです。しかし、厚生省は都道府県管轄から国管轄に、全国的な法人の運動を展開するために必要なわけでありますから、そういう格上げをした。それはやはりいい財団だ、財団法人を与えるにふさわしい財団だとお考えになった、こういうふうに思っていいと思います。 ところが、いろいろ中身を調べてまいりますと、この理事の中に、別に理事がいいとか悪いとかいうわけじゃありませんが、府会議員という人が元府会議員も入れれば五名ですね。それから安田基隆さんが理事長でありますけれども、顧問弁護士の中藤幸太郎さんという方が常務理事でおります。あとは大学の先生だとか国立がんセンターの研究所長なども挙がっております。 どうでしょうか、この理事構成を見て、どうも私は、別に府会議員が悪いとは言わないのですけれども、少し多過ぎるのじゃないか。あるいは国立がんセンターの研究所長だとか、大阪大学微生物病研究所の所長あるいは札幌医科大学の学長などが名前を連ねていらっしゃいますが、これはこれでいいとお考えでしょうか。
○谷政府委員 理事あるいは評議員の選任というのは、財団の寄附行為に規定をいたします理事選任手続に従って選任をされたものだと考えておりますので、この財団そのものの構成、理事あるいは評議員の構成について、私どもがコメントをする立場にないのではないかと思っております。
○土肥委員 そうすると公務員でも構わないということですね、局長。
○谷政府委員 公務員につきましても、財団法人の理事に就任することについては、先ほど申しました財団の寄附行為に規定する選任手続に従って選任され、かつその方の所属長の承認があれば問題はないと思っております。
○土肥委員 安田基隆さんは、財団法人としては大変気前のいいというか、ある意味でがん研究にも寄与していらっしゃるのだろう、こういうふうに思います。 ところが、安田さんはこのほかにいろいろなことをしていらっしゃるのです。それは何かといいますと、いろいろな商売をしていらっしゃるのですね。恐らく安田病院の実質的な経営者、法人上の理事長は別になっておりますが、実際上のオーナー、こう申し上げていいと思うのであります。この安田さんの医療法人、これは北錦会といいますが、そこに住所を置いて、医療法人と同じ住所のところにさまざまな看板が上がっております。まず、安田開発興業株式会社、安田もとだかビル株式会社、株式会社安進、安心して進むという意味ですね。株式会社エイトアンドエイト、株式会社豊生殿、株式会社チャーム、こうなっております。 役員名簿を見ますと、すべてに安田基隆さんが取締役ないしは社長ないしは顧問にも名前が挙がっておりまして、そして弟さんであるとか奥さんであるとかも役員に名を連ねていらっしゃいます。 聞くところによりますと、これは全部安田さんが起こした会社というふうに理解されます。そこで特徴的なのは、医薬品の販売であるとかあるいは食品の取り扱いであるとか、不動産業もやっているわけでありますが、病院の経営に関する業務であるとか、これはよくわからないのですけれども、毒物劇物の販売に関する業務であるとか、飲食、喫茶業、日用雑貨、臨床検査受託、寝具の管理、リース業、そして総合結婚式場、サウナぶろも経営していらっしゃいます。 これを見てまいりますと、何か安田さんというのはよくわからなくなってくるのですね。お医者さんです。そして三つの病院を実質上運営していらっしゃる。このことについて厚生省の局長に一つ一つああだこうだと言うわけにはいかないでしょうけれども、法人を監査していただくということにおいて何をしているのかということをはっきりと調査していただきまして、報告していただきたい。 特にこれは厚生省の監査になるかどうかということは、医療法人ができましても、同じビルのその窓に今の会社がべたっと全部張ってあるのです。写真を見たらもうすぐわかるわけですね。そして、彼はこうした会社を経営しながら三つの病院を動かし、大和川病院の一々の指示もしています。先ほどの春日ドクターが電話していたのは、恐らくこの安田さんか中藤弁護士であるというふうに思います。 なお、聞くところによりますと、要するにこういう会社は一種のトンネル会社でありまして、例えば食品を病院に納入するといって食品会社をつくってあるわけですね。それから、おむつだとか医薬品、医薬品と言ったらいいでしょうか医療用具品でしょうか、そういうものを納める会社があるのです。ビル管理といえば、病院の掃除や何かにビル管理といって入れる。つまり、病院も経営し、その上になおこういう経営をしているということでありまして、相当忙しい経営者で、これで本当に三つの病院を管理することができるのかどうかということを強く強く申し上げておきたいと思うのであります。 大臣、今私がるる申し上げましたけれども、それは裏がとれないとか憶測というふうなことを言われても、我々はそれなりの資料を集めておりますから、なお今後の皆さん行政当局の指導を期待するわけであります。 日本にはまだこういう病院があって、しかもこの大和川病院には五百二十四ベッドの人が本当に何か胸が張り裂けるような思いで入院しており、何か事を起こせば殴られ、そして追い出されるというふうなことが実際にあるということを考えたときに、一体日本の精神保健の行政というのはどうなっているのかということを考えざるを得ない。 そういうことを思うときに、今回この精神保健法の改正に当たって、こういう病院がまだあるということについて大臣は一体どういうお気持ちで今のやりとりをお聞きになったのか、そして、今後どういうふうにしたらこの精神病院の指導や改善、改良が行われると考えられるのか、大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○丹羽国務大臣 まず、今回の法改正でございますが、先ほどから御指摘を賜っておりますように、いわゆる社会復帰施設から地域社会へと一歩きもに前進を図っていくことをねらいといたしまして、特に患者さんを尊重した医療、さらに社会復帰を促進することを目指しておる、こういうことで法案の御審議を賜っておるわけでございます。 特に、精神病院においてはさまざまなケースがあると思います。いろいろなケースによって異なっていると思いますけれども、いずれにいたしましても、精神障害者に対しまして、きめの細かな医療サービスというものが提供されるということが当然のことながら大変重要なことであります。 さきの公衆衛生審議会の意見書におきましても、今後の精神医療に関しまして「より良い環境において質の高い医療を受けること」を目指していく、こういうことが強調されておるわけでありますが、先生に先ほどから御指摘いただいておりますような、非常に実態とかけ離れているではないか、こういうことだと思います。この病院につきましては現在調査中でございまして、今後の調査の経緯を見守って私どもは判断をしなければならないと思っておるわけでございます。 大部分の医療機関においては、私どもが目指していることに対しまして十分な御理解を賜り、また地域の住民の皆さん方の御理解を賜りながら、一歩一歩改善に向かって進んでいると思いますけれども、もし先ほどから委員が御指摘のようなことが現に起こったとすれば、この問題は一個人病院の問題ではなくて、いわゆる精神医療学界全体へ影響を及ぼしかねないような大きな問題であるというふうに、大変厳粛に受けとめております。 いずれにいたしましても、私どもは、先ほどから申し上げましたように、患者の人権を十分尊重した精神病院のあり方を今後一層徹底していく考えに立つものでございます。
○土肥委員 あと一分残っておりますから、どうでしょうか、厚生省はこの法人監査をなさる決意でいらっしゃいますか。
○谷政府委員 現在、大阪府が調査をしておりますので、その結果を見て、私どもとして対応しなければならない状況であれば、そのような必要な措置をとりたいと思っております。
○土肥委員 終わります。ありがとうございました。
○浦野委員長 五島正規君。
○五島委員 今、同僚の土肥議員から、現実に起こり、そして患者さんが亡くなり、それが司法で争われている、裁判所で争われているという具体的な事例についてお話がございました。私も医療に携わってきた一員として、こういう日本の精神医療の現状に対し、本当に腹の底から恥ずかしいという気持ちと無念だという気持ちでいっぱいでございます。 その意味におきまして、今回提出されております精神保健法、この法案は言うまでもなく、法案の名前のとおり、精神障害者の医療、障害者に対する福祉の諸施策、障害を持つ者に対する疾病のコントロールとかリハビリテーションあるいは障害防止の対策を含む保健、ヘルスというこの三側面をあわせて持っている法案でございまして、この法案によりこうした日本の精神障害者に対する対策が一歩でも前進することを願いたい、その気持ちは先ほど大臣おっしゃった気持ちと全く一緒でございます。その意味におきまして、今回提出されておりますこの法案の内容について具体的にお伺いしていきたいと考えます。 まず最初に、この法案の精神障害者の定義の問題についてでございます。 精神障害者の定義につきまして、「精神病質その他の精神疾患を有する者」というふうな形で書かれているわけでございますが、この精神病状態を欠いている者も対象とする、いわゆる従来の問題というのは解決されておりません。精神病質といったような状態あるいは精神薄弱といったような状態、場合によってはパーソナルディスオーダーと言われる部分までがこの問題に含まれるわけでございますが、これがいわゆる福祉の部分で含まれていくのか、ヘルスの部分で含まれていくのか、医療の部分にまでそれが含まれるのか、その仕分けが全くできておりません。 したがいまして、従前の精神科医療におきまして、そうしたものまでが医療の範囲の中で含まれ、そして数々の混乱あるいは問題点を起こしてまいりました。今回の改定につきましては、「その他の精神疾患を有する者」ということで、「疾患」という形で一つ強調されているわけでございますが、逆にこうした一般状態、精神症状を欠いている者も漠然ととじ込んでいるというような状況の中でこの定義が入ってまいりますと、むしろ精神障害者の定義の拡大解釈が生まれてくる危険があるのではないか、そのように心配するわけでございます。なぜ一部だけの病名や状態名を例示として残されたのか、その理由をお伺いしたいと存じます。 時間も一時間でございますので、あわせてそれに関連してお伺いしておきますが、精神障害者の範囲については、先ほども申しましたが、人権や保健、福祉といった側面では可能な限り広義であって、そういうふうな人たちに対して対応ができるということが望ましいことは言うまでもございません。しかし、強制入院という問題との関連において、被強制入院者の人権の側面に関係する診断名と状態名ということについては、あいまいさが排除された厳格な定義が必要であると考えます。 国際的にはWHOの国際疾病分類、ICDによって統一されているわけでございます。我が国の疾病分類、厚生省がお出しの疾病分類におきましてもこの国際疾病分類が使われております。 しかし、依然として我が国の医療の現場の中においては、病名であるのかパーソナルディスオーダーであるのか、一体どういう根拠でその病名が出てきたのか、あるいはその病名はどういう精神症状を指しているのか、極めてあいまいな病名のままで処理されているということが非常に多いわけでございまして、そういう意味において、今後この法の具体的な運用に際しては拡大解釈がないように厳重に指導し、我が国でもWHOのICDを使用していく、普及させていくということについて一層努力する必要があると考えるわけでございますが、その点についてどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。 〔委員長退席、山口(俊)委員長代理着席〕
○谷政府委員 精神保健法におきます精神障害者の定義は、精神病院への入院のほか、いわゆる通院医療あるいは社会復帰対策を含む精神保健対策全般の対象者の範囲を規定するものでございます。 今回、この定義の変更をしたわけでございますが、これは従来の精神障害者の範囲を変更するものではなく、用語の適正化等を図るためのものでありまして、その対象者の範囲は拡大をしたわけでもありませんし、狭まったわけでもなく、全く同じであると私どもは考えております。 今回、「精神疾患を有する者」という表現を用いることによりまして、精神医学上の用語との整合性のとれた表現となったと考えておりますし、また、国際疾病分類との間においても、それに合わせたというふうに考えているわけでございます。ただ、今回あえてそういう前提の中で疾患名を例示いたしましたのは、従来の対象範囲に変更がないということを法文上明らかにするためでございまして、そのため、従来の定義規定にあった疾患名を例示として使用したものでございます。 それで、今回の定義の変更によりまして関係者の間に誤解や混乱が生ずることがないように、法律が施行されるまでの間におきまして、十分周知徹底を図ってまいりたいと考えております。また、先ほど先生お触れになりましたが、この運用に当たっての取り扱いについては、従来の考え方と変わらないということをあわせて周知徹底をしてまいりたいと考えております。
○五島委員 従来の考え方、範囲と変わらないということ自身が実は大変問題があるわけです。精神病質と言われている人たちあるいは精神薄弱者と言われている人たち、それらの中に多くの場合精神症状を持っているケースがあることは事実でございますが、逆に言えば、そうした精神病あるいは精神症状というものを欠いているケースがあり、いわゆるパーソナルディスオーダーとして考えられるケースが含まれていることは局長は御案内のとおりでございます。 そうした人たちも同じように精神疾患、精神医療の対象として対応されてきているところに非常に問題がある。治療の対象でないものを、あたかも治療により何らかの対応ができるかのようなそういう問題というのは、非常に問題があるわけでございます。 また逆に、従来の範囲から変わらないと言うけれども、疾病構造自身がやはり精神科医療の範囲においても随分変わってきております。例えば、精神分裂病というものを代表例として出されているわけですが、今日非常に問題があって、社会的にも非常にふえてきている疾患名としてのいわゆる躁うつ病の問題であったり、いわゆる神経症の問題であったり、そういうふうなものが随分とふえてきている。したがって、治療だけでなくて、保健、予防、福祉という立場から考えるならば、従来の範囲と考え方は全く変わらないということでは精神科医療は整理できないであろう。 だからこそ、現実に医療機関がそれぞれ病名として使っておられる疾病をそのまま疾病分類として使っているわけではなくて、厚生省自身が、疾病分類としては、WHOの国際疾病分類というものに依拠して疾病分類をやっておられるのではないか。そういう意味では、精神科領域における疾病の整理、そしてそれに対応した治療という面から考えた場合に、もっと厚生省は国際分類というものを厳格に運用の中において広げていく、その努力をすべきでないかというふうに考えるわけですが、いかがでしょう。
○谷政府委員 先ほど、今回の定義規定の改正によって、従来の精神障害者の範囲を変更するものではないということを申し上げました。精神保健法による精神障害者というのは、先ほど申しましたような病院への入院のほかに、通院なりあるいは社会復帰対策を含む対象者の範囲を言っているわけでございまして、その限りにおいて、私どもは、従来使っておりましたこの定義規定と今回新たに設けました「精神疾患を有する者」という定義については、考え方としては、国際疾病分類との関係においても変わっていないという考え方をとっているわけでございます。 ただ、先ほどちょっとお触れになりましたいわゆる強制入院についての病名の問題でございますが、これは従来から状態像、病態像について示し、それの原因となる疾患名を告示によって示しているということによって、いわゆる精神障害者の人権を束縛をするという部分については厳格な運営をしているところでございます。
○五島委員 従来のとおりでうまくいっているんだということで局長は頑張られるわけですが、やはり国際的には非常に合意されている疾病分類に日本も従って、そしてとりわけ治療の場において、この疾病分類の中においての治療の対応、あるいは患者さんのカルテの記載、あるいは治療方針の確立ということが、今後精神科医療がただ収容ではなくて本当に治療の場となっていく上においては、私は避けられない問題だろうというふうに考えます。そういう意味で、精神科学会へ対する働きかけも含めて、ぜひそのような努力をしていただきたい。 WHOの国際分類をそういう形で普及することについて、谷さんはそういうふうな努力をする気がないというふうにおっしゃっておられるのか、あくまでこの法の範囲の上において、現行法の定義規定において問題はないと言っておられるのか、いま一つわからないわけですが、その辺、国際疾病分類を広げていく、普及をしていく、それに基づく診断名と治療、カルテの記載というふうな形を進めていくということについて厚生省はどう考えていられるか、その点に限って返答してください。
○谷政府委員 今回定義が変わったことに関しましては、特に医学界の方の御理解を得る必要がありますので、今おっしゃったような趣旨も含めて、また、先ほど私が申し上げておりますような現場での混乱を避けるという意味においても、指定医の研修、そういうときにおきましては、この問題について積極的に取り上げて御理解をいただくようにしたいと思っております。
○五島委員 ぜひそのような方向で、医療の面においても、この精神科医療というものを本当に医学的な合理性のある内容に変えていただきたい、そのために厚生省も努力していただきたい、お願いしておきたいと思います。 いま一つ、今回の法律の改定の中におきまして、いわゆる保護義務者の名称が保護者というふうに改められました。受ける印象としては、これまでいわゆる自傷他害といったような問題も含めて、患者の家族にその義務が課せられたかのような保護義務者という名称が変えられた。それは名称の上での印象からいえば、少しはまともかなというイメージも受けます。しかし問題は、こういう保護義務者の名称を保護者というふうに改めたことで、具体的にどのような点で家族に課せられた義務において相違があるのか、お伺いしたいと思います。
○谷政府委員 現在の保護義務者制度と申しますか、保護義務者に課せられた義務というものにつきましては、個々の義務の履行に関しまして、特に行政上の命令とか罰則がないわけでございます。そういう意味で、あえて名称の上で義務という側面を強調すべき理由がないのではないか。また、他の命令や罰則が存在するような立法例におきましても保護者という名称がつけられているというようなことから、今回保護者という形にさせていただいているものでございます。 したがいまして、今先生がおっしゃいました意味合いにおきまして、現行の保護義務者の役割についての変更というものを伴うものではございません。
○五島委員 具体的内容の変更ではなくて、文章上の表現の変更であるということでございます。 それにしても、保護義務者というふうに過大な義務を押しつけたかのような表現が変えられること自身はいいわけでございますが、いずれにいたしましても、患者さんに対するさまざまな保護あるいは社会復帰、そういうふうな分野におきまして、それぞれの御家庭の中において障害者に対して保護していくその能力を超えたものが障害者に対して提供されなければならないということは言うまでもないわけでございます。 したがいまして、保護者は、保健、医療、福祉の各分野において必要な援助を受けることができるというふうになっているわけで、援助を与えるのは国、県、市町村、どこかが与えなければならないわけでございます。これは障害者に対して、直接そうした福祉施設の推進あるいは福祉制度の確立という形でもって国や地方自治体が進めていくのは当然でございますが、家族に対する保護者の立場においてその保護者の過大な義務を支援していくその責任は、言いかえればその義務は国にあるのですか、それとも県ですか、市町村ですか、どこにあるのでしょうか。
○谷政府委員 今回の改正におきましては保護義務者、新たな保護者に対する支援策ということを規定させていただいているわけでございますが、具体的には、入院措置が解除されました精神障害者を引き取る保護者に対しまして支援をしていくという観点から、精神病院や社会復帰施設に対しまして相談や援助が求められる、そういったような保護者の権利規定を整えだということが一つでございます。 それから、精神障害者と同居する保護者に対しまして保健所が行います訪問指導の対象とするということを明確にしたわけでございまして、今先生がおっしゃいました意味合いにおきましては、都道府県あるいは精神病院あるいは社会復帰施設がそういう保護者に対する支援策というものを講じていくということでございますので、厚生省といたしましては、精神病院あるいは社会復帰施設に対しまして、可能な限り保護者に対する相談、援助が行われるような指導というものを行っていきたいというふうに考えています。 〔山口(俊)委員長代理退席、委員長着席〕
○五島委員 もちろん医療機関、社会復帰施設、社会福祉法人等々が家族に対してもあるいは障害者に対しても支援をしていく義務を持つことは言うまでもないわけですが、やはりそれらの保護あるいは援助というものを具体的に推進させ、実効あらすという役割を国あるいは県、市町村というところが具体的に持っていかないと、それぞれの医療機関に任じ、それぞれの民間の社協に任じていくということで、自然に家族に課せられた過大な保護義務というものが軽減するものではないだろうというふうに思います。そういう意味では、家族に対する支援という立場からの問題の取り組みというものを一層進めていただきたいというふうに考えます。 それとの関連の中におきましてお伺いしておきたいわけでございますが、例えば今、各局長の方から保健所という名前が出ました。保健所がこうした家族や障害者御本人に対してさまざまなアドバイスを行い、支援をしていく、これは非常に重要な役割であり、また課せられた重大な任務だというふうに考えていますが、いま一つ、それぞれの都道府県において精神保健センターが建設されております。 ただ、精神保健センター、現在のところ各都道府県に一つしかつくられていないということでございまして、現実にはその機能あるいはその中における業務が非常に過大になっているという問題がございます。そういう意味におきましては、この精神保健センターをもっともっとふやしていくべきではないかというふうに考えます。 とりわけ今回の改定の中におきまして、大都市特例の設置によりまして、現在実施されている県の役割というものが大都市に対して、政令市に対しておろされることになりました。現在、県の設置義務としてある一つの問題としては、精神病院の設置あるいは精神保健センターの設置というふうなものがあるわけですが、これらもすべて大都市特例におろしまして、大都市においては独自にこうしたものをつくらせていこうというお考えなのかどうか、お伺いしておきたいと思います。
○谷政府委員 今回、大都市特例を設けることにしたわけでございますが、具体的にどの事務を指定都市に委譲するかということについては、現在提案させていただいております法律では政令によって定めるということになっておりまして、今後大都市特例の施行までの間、平成八年を予定しているわけでございますが、各都市の状況あるいは御意見を伺いながら決定をしていきたいというふうに考えております。
○五島委員 この精神保健センターは、先ほども言いましたように、その役割は非常に重要になってきている。そういう中でこれから政令の策定にお入りになるわけでございますが、これを具体的に広げていくという役割においても、大都市において精神保健センターの設置というものができるというふうな形で政令も整備される必要があると思うわけです。 ただ、そういうふうに進めてまいりますと、実は地域医療計画との間で非常に矛盾ができてくる。現在都道府県が持っておられますそれぞれの精神保健センター、これは大体県都を中心とした大都市に一カ所つくられております。そして、大都市特例でもし精神保健センターをそれぞれの政令市がつくっていい、大都市でつくっていいということになりますと、大都市においては精神保健センターのようなサービスが非常に集中する。しかし、地方や郡部というところにおいては全くそれは遠隔の地に集中して、非常に利便性に問題が生まれてくるというふうな矛盾が生まれてくるわけでございます。 そういう意味では、大都市特例とあわせて、現在の地域医療計画も非常に問題があるわけでございます。それとの整合性を持った精神保健センター、あるいは精神保健活動を極めて強化した保健所の育成というふうなことに取り組むべきではないかというふうに考えるわけですが、いかがでございましょう。
○谷政府委員 大都市特例の導入というのは、前回の改正時からの宿題の一つだったわけでございますが、大都市の住民の精神的な健康を取り巻く状況の変化、あるいは地域の実情に即したきめ細かな対策をやっていくということを一応念頭に置いて、今回こういう措置をとったわけでございます。 具体的な委譲の事務につきましては、先ほど申しましたように、今後地方自治体の御意見も伺いながら決めていくわけでございますけれども、その際、今先生お話ございました地域医療計画との整合性ということについては、十分配慮しながら考えていかなければいけないというふうに考えております。 また一方、大都市以外の地域の問題でございますが、これは精神保健センターの例を挙げて御意見をいただいたわけでございますけれども、やはり保健所における精神保健活動といいますか、そういうものの充実ということを図っていかなければいけないのじゃないか。保健所を中心にして、精神保健相談ですとか訪問指導というものをやっていく必要があるというふうに考えておりますので、そういう点におきましてはぜひ都道府県を通じた指導というものをやっていきたいというふうに考えております。
○五島委員 いま一つ、この法律の改定の中で、仮入院期間の短縮、施設外収容の禁止規定の削除というものが出されております。私もこの改定に対しては、完全に改善であるということで全面的に賛成するものであるわけでございます。 しかし、同時に、措置入院に関しましては、措置決定後やはり精神医療審査会で一カ月程度で再審査を行うべきでないか。そのことによって不要な措置入院というものを減らすことができるのではないか。 また、任意入院の拡大、それから開放処遇を原則とする医療の確立、そういうふうなこともあわせて、精神医療審査会等の役割がそちらの方向に向いていくように具体的に進めていく必要があるのじゃないかというふうに考えるわけでございますが、厚生省はそのための具体的な施策というのをお持ちかどうか、お伺いしたいと思います。
○谷政府委員 現在の精神医療審査会は、御承知のように、医療保護入院の入院展の審査、それから措置入院者あるいは医療保護入院者の定期病状報告の審査、それから精神病院に入院している者からの退院請求あるいは処遇改善についての審査を行っているわけでございます。 特に、今おっしゃった措置入院決定後一カ月ぐらいの間に審査を行ったらどうかということでございますが、入院直後から退院請求等が可能であるといったようなこともございますし、また入院する施設が指定病院に限定されているというようなことから、これに加えて、現在の段階で入院後非常に短期間の間にさらに審査会による審査を行うということは、私どもの考えでは必要ないのではないかというふうに考えております。
○五島委員 ほかの医療の場と違いまして、正直言って、精神科の指定病院というものが本当に今日の精神科医療の方向の先端を走っているかどうかということに非常に疑問があるから、こういう質問をするわけでございまして、そういう意味では、先ほどの大和川病院だって指定病院のはずなんです。 指定病院であろうとなかろうと、今日、急性症状を発症した精神障害の患者さんが一カ月も治療した場合には、過半数が改善されているというのは常識のはずです。そういう意味では、不必要な措置の期間というものを少しでも減らしていく、またさらには開放処遇の拡大というふうなことに進めていく、そういうことが必要だろうと思うのですね。むしろ指定医療機関なんかについても、そうした面での開放病棟がどの程度ふえてきているのかといったようなことを基準として、本来は指定の問題も考えられるべきではないかというふうに考えるわけでございます。 いま一つお伺いしたいのは、精神障害の急性期の対応というのが極めて重要になる。この急性期の対応がおくれてしまって、結果としては長期入院になったり、あるいは数々の社会問題を起こしたりするということはもう御案内のとおりでございます。そういう意味では、精神科の外来、精神科の救急外来制度というふうなものを総合病院あるいは精神科病院というふうなところできちっと整備させていくべきだというふうに考えるわけですが、どのようにお考えでしょう。
○寺松政府委員 今先生の御質問は、精神科といえば長期慢性型というような一般的なことの場合が多いのかもしれませんが、急性期の場合にどう対応するのかというようなお話でございます。 今先生も御指摘の中で、総合病院というものに精神科とかあるいは神経科とか、そういうふうな科目あるいはそういう病室を持つというようなことの御提言があったわけでございます。 これも先生御承知かと思いますけれども、現在総合病院というのは千百ちょっとございますが、その中で大体四割ちょっとぐらいが既に精神科とかそういうふうなものを持っております。私ども、急性期も含めまして、そういう形で対応していくということは望ましいことではないかと思うわけでございますけれども、また地域の医療のニーズ等をいろいろ考えてみますと、例えば総合病院の横に精神科の病院があるというふうに、病院が全然別々でも、連係を十分とればそれぞれ対応していけるでありましょうし、また神経あるいは精神の診療所であっても、病診連係というような形でも対応していけるのではないかと思います。 しかし、先ほど申し上げましたように、総合病院の中にそういうふうなものを置くということが、より効率的にうまくやれるというのも先生の御提言のとおりだと存じますので、私ども、そのようなことにつきましてはいろいろと指導をしていきたいと考えております。
○五島委員 総合病院すべてに精神科を設置するかどうか、そこまで私は言っているわけではございません。また、総合病院であっても、精神科の病床は持っているけれども精神科の外来は極めて小規模である、積極的でないというところが多うございます。まして精神科医療の中において、いわゆる救急外来というイメージというのがまだまだ不十分だ。 だけれども、実態的な中身をごらんになっておわかりになりますように、今日、精神科であるからそれは慢性疾患を意味するのだ、精神科の患者さんは慢性長期の入院治療を必要とするのだ、これは非常に古い時代の話でございまして、むしろ昔のそういう医療がうまくいかなかったときの陳旧化した患者さん、そういうふうな患者さんたちの問題をどうするかというのが今後の問題である。 今の現状の患者の状態からいうならば、いかに急性期に対して的確な治療をするか、そして、早期に治療して早期に社会復帰させるか。そのことが可能であり、そのことが患者さんにとってよりよい結果をもたらすということが証明されてきている状態になっているわけですね。したがって、医療のシステムにつきましても、そうした現在の医学の状況に対応した形で整備していくべきではないか。 そういう意味では救急医療の問題。救急医療といった場合に、精神科の救急というのはどなたも余り本気になって取り上げておられないのですが、極めて重要な問題だ。そうした精神科の救急の問題をやっていくとするならば、当然それに伴ってのマンパワーの問題やあるいは医療費の問題等々の問題が生まれてくるというふうに考えるわけですが、その点について救急医療の体制をとうお考えか、お伺いします。
○谷政府委員 精神障害者の場合に、精神症状が非常に短期間の間に急変をする、あるいは悪化をするという場合があるわけでございますが、その場合において、もちろん精神保健指定医によります専門家の診断がなされるということが必要だと思います。 精神医療におきます急性期の対応というのは、現在は、制度的には応急入院制度というものが設けられて、その応急入院のための指定病院の指定ということを各県に促進方をお願いしているわけでございます。 一方、今先生がおっしゃった意味での精神科の救急医療ということにつきましては、受け入れ医療機関の確保ということが一つございますけれども、急性期を過ぎた後、今度は医療をどういうふうにするのかということが、いろいろ専門家の意見を聞きますと、なかなか難しいというか、制度的にあるいは考え方としてまだ整理ができていないということがあるというふうに理解をしております。 いずれにしても、今おっしゃったような意味での精神科の救急外来というものは、今後必要になってくるというふうに私どもも考えておりますので、具体的にどういう仕組みを考えたらいいのか、研究をしていきたいというふうに考えております。
○五島委員 いま一つ重要な問題ですが、現場においては現状では大変困難だ、あるいは非常に困難性が高いということでなかなか進まない問題として、インフォームド・コンセントの問題がございます。 国連原則に基づいてもやはりインフォームド・コンセントの確立というのが必要であるわけですが、精神科医療の中におけるインフォームド・コンセントというものを具体的にどのように確立していくのか。それが確立していくとするならば、先ほど土肥議員の指摘されたような事件というものも恐らく起こらなくなるだろうと思うわけですが、現実にはこれがインフォームド・コンセントになっていない。 先ほどの事例で「入院に際してのお知らせ」という形での署名をとる。これは何もせずにほうり込んで、そしてバットで殴るというふうな状態よりは少しは外見上は繕ったように見えますが、こういう文書を患者さんに渡して、サインを書かすということがインフォームド・コンセントであるはずがございません。そういう意味では、一体精神科医療の中におけるインフォームド・コンセントというのは具体的にどのような形でつくっていくべきだというふうにお考えなのか、お伺いしたいと思います。
○谷政府委員 精神科医療におけるインフォームド・コンセントあるいは精神障害者に対するインフォームド・コンセント、これは国連原則の中にもうたわれていることでございます。今回の法案を作成するに当たりまして御審議をいただいた公衆衛生審議会の意見書の中でも、今後の検討課題の一つとして、このインフォームド・コンセントについての検討というのが最後に掲げられたわけでございます。 基本的には、精神障害者の人権に配慮した適正な精神医療を行っていく上で、インフォームド・コンセントというものの考え方は非常に重要だというふうに認識はしておりますし、また精神障害者の問題に限らず、一般的に医療において、このインフォームド・コンセントの考え方というのが医者と患者の信頼関係を支える一つの重要な柱であるということから、非常に大切な事項だということは認識をしているわけでございます。 ただ、精神疾患の場合に、疾病の種類とかあるいはその方の置かれている状況によっては、病名とか病状あるいは治療方針等の説明が非常に難しい場合があるわけでございますし、またこの病気の特殊性からいって、どこまでコンセントがなされるのかというようなことがあろうかと思います。私どもとしては、この精神医療におけるインフォームド・コンセントのやり方といいますかあり方ということについては、今後いろいろな方の御意見を伺って、少し検討しなければならない課題だというふうに思っております。
○五島委員 この精神科領域におけるインフォームド・コンセントの問題につきましては、もちろん厚生省もぜひ積極的に対応していただきたいわけでございますが、何よりも医療界の中においてこれをどのように確立していくかという議論も必要かと存じます。そういう意味では、学会等に対しても、このインフォームド・コンセントについてどのように確立していくかということについて、ぜひ厚生省の側からも働きかけていただきたいというふうにお願いしておきたいと思います。 あわせまして、今回、施設外収容禁止の削除というのができたわけでございますが、この施設外収容の禁止条項によって、数々の患者に対する差別的な犠牲が生まれてまいりました。先ほどの事例もそうなんですね。バットで、要するに暴力によってけがをさせられて、それで亡くなったということであれば、これはもう明らかに犯罪行為でございますが、精神科の病院が言っておりますように、入院患者さんが肺炎になった、肺炎になったものを死ぬような状態まで対応できずに救急病院に送致したということ自身も、私は医療機関としては大変問題であろうというふうに思います。 かつて、宮崎の県立病院において精神障害患者さんの急性腎不全に対する腎透析の拒否事件というのがございまして、お亡くなりになったことは御案内のとおりでございます。精神科の患者であるからということでもって、理解が悪いということで必要な腎透析をやらない、緊急透析もやらないということで亡くなったわけです。 同時に、さらに翻って考えますと、そのケースの場合はかなり重症の糖尿病であった。入院したり通院したりするのを繰り返している患者さんで、精神障害以外にそういうお亡くなりになるまでの重症の糖尿病があった。その糖尿病のコントロールがきちっとできていたのかどうか。もしできていたとしたら、急に急性腎不全の状態になるまで精神科の病院に置いておくということもないのではないかと思われるわけですね。 そういう意味では、多くの場合に、精神科領域におきましては、一人の人間として持っている当然の権利である全体的な健康のチェック、全体的な疾病のコントロールということがほとんどされずに、精神障害の領域だけに限られてコントロールされる。結果としては、医療機関の中にいるあるいは医療機関にかかっているために、今日の社会でいえば、一般に元気で働いておられるあるいは生活しておられる市民の方々ほどは全身の健康の管理ができない、医療機関にかかっているがゆえに、医療機関に入っているがゆえに全身的な健康のチェックや管理ができない、そういうふうなことがこの精神科の医療の中には非常に多く見られます。 こういうふうなものを具体的に変えていかないと、全身的な疾病管理あるいは治療の能力を持たない医療機関の中で数年にわたって、場合によっては十年を超えるような形でもって患者は閉じ込められ、そして投薬その他の医療行為が繰り返されて、それによる障害も予想される状況というのは非常に私は問題があるだろうというふうに思います。 そういう意味では、この施設外収容禁止の削除だけでなくて、医療機関の当然の責務としてのそうした全身的な疾病、健康のチェックというふうな問題について、精神科領域においてどう考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
○谷政府委員 今回、旧法の四十八条にございます施設外収容禁止規定を廃止することといたしたわけでございます。 これは、御案内のように非常に古い法律制度を引き継いで、いわゆる精神障害者を自宅において拘束するというようなことを禁止する規定として設けられていたものでございますが、やはり今日的な状況において、そういうことを条文として載せておく必要はないのではないかという考え方から削除したものでございます。 一方、今先生お触れになりましたように、この条項があるがゆえに、合併症のため緊急の医療を要する精神障害者が、精神病院以外の病院において治療をするということが困難な場合がしばしばあったというようなこともございました。これはもちろん一部の全くの誤解でございますが、そういったようなこともございまして、これを削除するということにしたわけでございます。 それと関連するというわけではございませんが、今お触れになりましたように、合併症を有する精神障害者の治療をどうするかという問題は、その問題とは別の問題として、あるいは若干関係する問題としてあるという認識は持っております。 基本的には、今お触れになりましたような腎透析というような問題につきましても、できれば精神病院においてこれに対応できる体制をつくるということが最も望ましいものではございますけれども、ただ、医療技術が高度化してくるということに伴って、すべてを精神病院の中で行うということは現実的には難しいということであろうと思います。 そういう意味合いにおきましては、私ども、今後この合併症の問題については、地域の中での連係体制といいますか連係システムというものをつくっていく必要がある。それで、具体的にどういうふうにするのかということで、既に研究班をつくって検討していただいておりまして、その結果を得て、地域におきまして計画的にそういう体制が整備できるというような形で都道府県に対する指導をしていきたい、このように考えております。
○五島委員 この問題は精神科領域だけに要求してもだめな問題なんですね。私も具体的なケースとして経験しておりますが、近くのある公立病院にかかっておられた肝臓がんの末期の患者さん、その患者さんが末期状態の中で神経症状を起こされた。そのことを理由にしてそこの病院から強制的に退院させられた。そして、その病院の玄関の前でうろうろしておられた。それで、その患者さんを見知った方が私どものところへ連れてこられたという経過もございました。 言いかえれば、医療の中において、正直言って精神障害者に対して一般病院が受け入れたいと思っていない。治療が必要であったとしても、それは精神病院に任せてしまって、お互いに見て見ぬふりをしているというのが、現状として、率直に言ってなかったとは言えないと私は思うのです。そういう意味では、医療全体の中において、精神障害者の医療というもの、生命のとうとさというものに差がないのだということをきちっとさせていくしかないのだろうというふうに思います。 そういう意味では、今連係の問題を出しておられましたけれども、精神科の医療というものがもっともっと開放化されて、その中に専門的技術を有する精神科以外の医師が対診の形で自由に入っていけるというふうなシステムに変わっていかない限りは、なかなかこの問題は解決しないのではないか。そういう意味では、精神科、精神科病院のより一層の開放化というものがやはり求められるのではないかなというふうに思います。 そういうふうに考えてまいりますと、精神科医療に関しては、先ほども申しましたように、一般的には新規発症であった場合には七割くらいの患者さんが一月以内で改善される。そして、あるケースはかなり長期化する。そして、それぞれの患者さんに対しては、非常に多くの向精神薬を中心とした薬物の使用もあり、全身的な健康のチェックも必要だということになってきますと、医療法の世界あるいは診療報酬の世界の中で、精神科医療だけが人員の配置その他が別扱いされることに現実的な区別というのはないのではないか。急性期と慢性期という形で精神科の医療についても整備をしていきながら、同時に精神科医療に対する診療報酬を大幅に改善すべきではないかというふうに考えるわけですが、いかがでしょうか。
○寺松政府委員 それでは、精神病院の職員の配置の問題にお触れになりましたので、私の方から先に申し上げたいと思います。 これは先生御承知のように、精神病院につきましては、職員の配置のあり方について特例を設けておるわけでございます。これにつきましては、これをつくりましたころ、精神病の多くというのは大体慢性疾患でありまして、病状の急変が少ないというようなことから、精神病院の医師、看護婦等の配置人員というものにつきましては、一般病院よりも緩和されているというようなことであったと承知しております。 そこで、今先生御指摘のように、精神病患者さんの場合もいろいろ病態が最近変わってきておりますし、高齢化が進みますと、いろいろな他の疾患をもあわせ持つというようなことも起こってまいります。いろいろなことがございます。 私ども、これから医療施設機能の体系化を図っていこうとしておるわけでございますが、その中で、そういうふうな患者さんの病態、あるいは医療従事者間の役割分担のあり方、あるいは看護職員等の需給の状況というようなものも勘案しながら、精神医療の今後のあり方も含めまして検討を加え、また必要な場合にはそれなりの対応をしたい、このように考えております。
○五島委員 精神科医療の特殊性ということをおっしゃっておられるわけなんですが、特殊性の重視は必要でございますが、特殊性ということでもって現実に患者さんの病状の改善がおくれたり、あるいは社会復帰がおくれるということがあってはならないわけでございまして、精神科医療についても、その機能を見直すべき時期に来ているというふうに私は申し上げておきたいと思います。 また、特殊性ということで申し上げるならば、日本の精神医療体制というのは、より質の高いものに変わっていかなければなりません。そのためには、例えば精神科医療に特殊な形で必要な心理療法士あるいはPSWといったような人々が参加するチーム医療が形成されないといけないというふうに考えるわけでございます。 ところが、臨床の場においては心理療法士やPSWの役割は極めて大きいわけでございますが、まだ厚生省の方ではこれらについて具体的な資格というものをきちっとつくっておられない。これについて、やはり早急に心理療法士あるいはPSWを公的な資格として認め、チーム医療の重要な一員として精神科医療の中に位置づけていくべきだというふうに考えるわけでございますが、その点についてどのようにお考えでしょうか。
○谷政府委員 精神科医療におきますチーム医療の重要性については、いろいろなところから指摘をされ、私どもも非常に重要だというふうに思っております。その中におきます臨床心理技術者とPSW、精神科ソーシャルワーカーの資格化の問題でございますが、いずれも関係者の間の意見調整をやっている段階でございます。 ただ、臨床心理技術者につきましては、既に検討会を設けまして、カリキュラムをどうするのかとか、どういうような業務にするのかというようなかなり具体的な議論の段階に来ておりますので、そういったような議論が終わり、関係者の合意が得られれば、その結果を待って私どもとしては適切な対応をしていきたいと思っております。
○五島委員 精神障害者は社会の構成員の一員であって、その障害によって差別を受けたり人権が侵されてはならない、こんなことはもうだれもが当たり前のこととして認めているわけでございます。しかしながら、現実は、障害、病気を持った人と、それからその治療を提供する人という輪の中において、よほどきちっとしたシステムに支えられないと、こうした関係の中においては、最も基本的な命の問題においての差別が生じるということは、やはり指摘しておかなければならないと思います。 先ほどの土肥委員の質問に対する大臣の御答弁もございましたが、そのような甚だしいといいますか、非常にひどい事例が今の日本でたくさんあってはたまらないわけでございます。しかし、一九九二年の厚生省の調査でも、現在なお閉鎖病棟が五八%を占めている。また、任意入院であるにもかかわらず閉鎖病棟に入れられている患者さんが五五%もいる。一部にはまだ通信、面会の自由も守られていないところが十数%ある。これはすべて厚生省のデータでございます。こうした精神障害者を取り巻く医療の環境というのは非常におくれているということがあるわけでございます。 今回の改定によりまして、我が国の精神医療と精神障害者に対する福祉が一定の前進をすることは私も確信いたします。そして、それを願っているわけでございますが、なおこのような現状を見る場合、こうした数々の問題がこの法律の改定だけで本当に一掃されるだろうかと考えると、到底そうは考えられないもっともっと多くの問題があるというふうに考えます。そういう意味では、やはりこの改定ではまだ不十分であって、早期の見直しが絶対に必要だというふうにも考えます。 こうした問題につきまして大臣の御所見をお伺いいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○丹羽国務大臣 今回の改正は、前回の法改正の際の五年後の見直し規定などを踏まえまして、精神障害者の社会復帰の促進と適正な医療、保護を確保するために行うものであります。 私どもといたしましては、特に今回は社会復帰施設から地域社会へ、こういうような位置づけをいたしまして、いわゆるグループホームの法定化などを含めまして十分に検討を加え、関係審議会の御意見を賜った上で提出させていただいているものでありまして、現時点におきましては、政府としては必要な内容はすべて盛り込まれているものと考えております。 この精神保健法という法律は常に社会的にも大きな問題として注目されております。見直すべきところがあれば、当然のことながら時代のニーズに合わせて検討していかなければならない、このように考えているような次第でございます。
○五島委員 終わります。
○浦野委員長 遠藤和良君。
○遠藤(和)委員 まず、平成五年三月十七日に公衆衛生審議会が「今後における精神保健対策について」という意見をまとめております。この意見の中にいろいろな貴重な提言があるわけですが、これが今回の法改正の中にすべて盛り込まれている、このように理解していいのでしょうか、この点を聞きたいと思います。
○谷政府委員 今回の改正に当たりましては、今先生お触れになりました公衆衛生審議会の意見をもとにして私ども作業をしたつもりでございますが、この意見書の中に盛られました内容につきまして、特に法律によって対処すべきことについては、基本的には今提案をさせていただいております法案の中に盛り込んだつもりでございます。 また、意見書の中で法律の改正以外の形で対応する必要があるものについては、今後運用面等において対応をしてまいりたい、このように考えております。
○遠藤(和)委員 私は、法律の中に十分に反映されていないのではないかという懸念を持っております。 具体的な話をします。「当面講ずるべき改善措置等について」という項目がありますが、その中の「医療対策」のアのところでございます。 精神病院において、開放処遇を適当とする者については、開放処遇とすること。この場合、「開放処遇」の概念を明確化すること。 と第一項目に書いてあるわけです。現在も精神病院の実態は、いわゆる鉄格子のある閉鎖病棟あるいは病室等はたくさんあるわけですけれども、この開放処遇というものが明確化されているのかどうか、あるいはどういう実態になっているのか、ここについて答弁を求めたいと思います。
○谷政府委員 前回、五年前の改正の際に、任意入院患者については原則として開放処遇とするというような考え方が打ち出されているわけでございますが、この開放処遇の概念と申しますか、どういう形のものを開放処遇というふうに考えるのか、あるいはそういう一つの考え方を示すべきではないかというのがこの公衆衛生審議会の意見書の中での概念の明確化ということだというふうに私ども理解をしておりまして、この開放処遇の概念というものを統一をするといいますか、考え方をまとめるということは、これからできるだけ早く作業をしていきたいというふうに思っております。 ただ、開放処遇の問題につきましては、先生御承知のように、精神病院におきましては、精神医療の特殊性ということから、入院患者を外部と隔離をするという必要がある場合があるわけでございまして、この場合においてもできる限り開放的な雰囲気で処遇をすることが適当であるというふうには考えておりますが、いずれにいたしましても、今お触れになりました開放処遇というものの考え方を、改めて私どもなりにまとめて示さなければいけないというふうに認識をしております。
○遠藤(和)委員 これは先ほども出ましたけれども、厚生省の調査とお伺いしているのですが、一九九二年で、鉄格子のあるいわゆる閉鎖病棟が五八%だ、それから任意入院患者でも閉鎖病棟に入所している人が五五%いる、あるいは閉鎖病棟で公衆電話が設置されているのは八八%である、こういうことでございまして、この実態は開放処遇という精神からいって随分不十分ではないかと思うのでございます。 特に、今お話がありました、少なくとも任意で入院した患者さんには開放処遇とすることが大切でございまして、これを義務づける、こういうふうな法律改正は考えなかったのかどうか、ここを聞きたいと思います。
○谷政府委員 任意入院の患者については、みずからの同意によって入院をしたという患者さんでございますので、そういうことにかんがみますと、開放病棟での処遇が望ましいということは、前回の法改正の際から指導はしてきているわけでございます。ただ、入院患者の処遇というのは、やはりその方の症状に応じてなされるべきであるということから、一律に任意入院患者すべてを開放処遇とするということについては、医療上必ずしも適切ではないのではないかというのが一方においての御意見としてあるわけでございます。 そういう意味合いにおきまして、原則的には開放的な処遇ということを私どもは言っておりますけれども、任意入院患者についてすべて開放とするということを法律上位置づけることは、なかなか困難だというのが私どもの考え方でございます。
○遠藤(和)委員 その開放処遇としない根拠というのは、例えば医療法施行規則でいえば第十六条第一項の六と七、これを念頭にしておっしゃっているのじゃないかと思いますね。ちょっと読んでみます。 精神病室、伝染病室及び結核病室には、病院又は診療所の他の部分及び外部に対して危害防止又は伝染予防のためにしや断その他必要な方法を講ずること。 あるいは七のところは 精神病室の設備については、保護のために必要な方法を講ずること。 これがいわゆる閉鎖病棟とする根拠ではないかと思うのです。 その一方で、昭和四十年の八月五日に厚生省の医務・公衆衛生局長の連名通知でこういう通知をしておりますね。 精神病室の構造設備について 最近における精神医学の発達により精神科医療の内容も相当変化してきている状況に鑑み、精神障害者であっても、自傷他害のおそれがなく開放的な医療を行なうことが適当と認められる者のみを収容することを目的とする精神病院又は精神病棟においては、精神病室の鉄格子等によるしや断設備を必置のものとして取扱う必要はないと考えられる これは、片一方では必要なものだと言っていながら片一方では必要でない、こういう認識なんですけれども、ここがどちらでもいいというふうな根拠になるのではないかなということを心配するわけでございます。この医療法施行規則並びに通知、これをもっと具体的に、こういう場合はこうであって、こういう場合はこうであるというふうに立て分けて、整理して通知をすることが必要ではないかと思うのですが、どうでしょう。
○谷政府委員 先ほど先生もお触れになりました開放処遇の概念の明確化ということに関連して、開放処遇というのはいかなるものであるか、どういうものであるかということを具体的に少し整理をしなければならないと思っておりますので、それとの関連において、今御指摘の問題については改めて検討してみたいと思っております。
○遠藤(和)委員 もう一つ言いますと、いわゆる老人性痴呆疾患治療病棟施設整備基準というのがあるのですね。これは昭和六十三年七月五日に通知している厚生省保健医療局長通知ですが、この中には「窓には、いわゆる鉄格子を設置しないこと。」このように通知しておりますね。 したがって、今お話がありましたけれども、各地域によっても、開放病棟が主流のところと従来の形の閉鎖病棟が主流のところと随分地域の格差があるのではないか。医療の基準で分けていない、そういうところが多いように見るわけでして、ぜひ整理をして、全国的な基準というものを通知してもらいたいということを重ねて私は要求しておきます。
○谷政府委員 先ほど来お話しをいただいております開放処遇の問題につきましては、開放処遇というものがどういうものであるかというその考え方をまとめなければいけないと思っておりますので、今おっしゃいましたことも含めて、どのように対応すればいいのか検討をいたしたいと思います。
○遠藤(和)委員 同じくこの公衆衛生審議会の意見書の中に、同じ項目のカでございますけれども、ここには 精神病院においては、必要に応じ、入院時等の告知文書の写しを保護義務者等にも提示すること。また、外国語による告知文書を作成し、外国人の入院患者に対する告知を円滑に行うこと。 このように書いているのですけれども、これも法案の中には見えてこないところでございます。外国人のことまで考えると言っているのですが、日本人についても入院時の告知が十分守られていない、そういうケースがあるということを散見するわけですけれども、これはどのような指導をしているのですか。
○谷政府委員 入院時等におきます告知の問題につきましては、先ほど土肥先生の御質問の中にも触れられていたわけでございます。前回の法改正後、この告知の問題については、私どもとしては、都道府県あるいは関係団体、病院団体等を通じまして現場の医療機関に十分周知徹底を図ってきたつもりでございますが、今後とも、今回の法律改正を契機として、改めてそういう指導はしていきたいというふうに思っております。 もう一方、外国人に対する告知の問題でございますが、これは御案内のように、国連原則の中でもその人のわかる言葉で告知をしろという、ちょっと表現は正確ではないかもしれませんが、たしか項目がございまして、それを受けて、やはり外国語の告知ということをやらなければいけないのではないかということでございまして、外国人の保護義務者あるいは外国人への告知書の提示ということにつきましては、この法の施行に合わせまして現場において実施し得るよう、適切な対応をしていきたいというふうに考えております。
○遠藤(和)委員 それから、前回の法改正のときに積み残しになったいわゆる三つの課題ですね。これについても、いわゆる大都市特例の話だとか精神障害者の定義という問題はこの法律の中に見えてくるわけですけれども、保護義務者制度については、名前は保護者というふうに変わるわけですけれども、この制度を今後どういうふうにしていくのかということについては、またさらに検討するというふうな話になるのでしょうか。ここのところはどのように扱っておりますか。
○谷政府委員 まず、保護義務者につきましては、今回、保護者という形で名称の変更をするということでございます。このことにつきましては、私どもとしては、やはり現行の精神保健制度の中での保護義務者の役割ということにかんがみまして、単なる名称の変更ということではございますが、非常に意味のあることだというふうに考えているわけでございます。 ただ、保護義務者制度そのものにつきましては、この報告書の中でも触れられておりますように、保護義務者にかわるべき制度がないということから、やはり存続をすべきであるという御意見でございますが、一方において、今後あり方については検討を行っていくということにされているわけでございます。そういう意味合いにおきまして、私どもとしては、関係の家族団体等の御意見を伺いながら、どのような改善ができるのかということについて検討を進めてまいりたいというふうに思っております。
○遠藤(和)委員 ちょっと先ほどの関連ですけれども、いわゆる閉鎖病棟で公衆電話がついているのが八八%だという話をしましたね。これは密室で何をされているかわからないという患者の家族からの不安があると思うのです。ですから、少なくとも公衆電話をつけるぐらいはきちっと行政指導ができるのではないかと思うのですけれども、そこはどうですか。
○谷政府委員 公衆電話の設置、今おっしゃいますようにたしか八八%、八九%だったというふうに記憶をしておりますが、私どもとしては、非常に重要な問題でございますので、今後とも公衆電話の設置が促進されるよう、関係医療団体を通じて指導をしていきたいと思っております。
○遠藤(和)委員 大臣、今ちょっと私の思いつくところだけ述べてまいったのですけれども、先ほども話がありましたが、五年後ぐらいをめどにして、この施行状況をよく見ながら、さらに問題点があれば見直しを検討するということが大事ではないかと思うのです。その辺のお気持ちをお聞きしたいと思います。
○丹羽国務大臣 ただいま三つの積み残しの案件につきましてお尋ねがございまして、局長の方から御答弁を申し上げさせていただいたわけでございますが、保護義務者制度につきましても、現実問題として、訓示規定の中において義務者という名称が削除されたということは大変重いものがある。しかも、保健、医療、福祉の各分野に今度は支援規定を創設をしておる、こういうことでございますし、また、懸案でございました大都市特例というものを平成八年度から実施をする、こういうことでございまして、私どもといたしましては、現時点におきましては最善のものをつくらせていただいた、こういう考え方に立つものでございます。 この精神保健法というものは、御案内のように五年前に大幅な改正をいたしまして、いわゆる位置づけといたしまして、精神病院から社会復帰施設へ、その中で障害者社会復帰施設の法定化、こういうものをうたってきたわけでございますけれども、まだまだ実際問題として、現実には社会復帰施設というものが十分に整備されておらないのも事実であります。 こういう点を考えながら、いずれにいたしましても、私どもは、何年ということではありませんけれども、当然のことながら、時代のニーズに合って検討すべきものがあれば検討しなければならない、このように考えているような次第でございます。
○遠藤(和)委員 特に、精神障害者を持っていらっしゃる家族の皆さんが高齢化しておりまして、その方々が精神障害者の面倒を見ていく、保護していく、こういうことを義務づけるというのは大変過酷なところがあるわけですね。したがって、この制度を今後どうしていくか、あるいは家族にかわる社会的な支援体制をどのように整備していくか、こういうことは大変重要な課題であると思います。 したがいまして、これは私どももできれば各党協議して、法律の修正を要求したいと思いますけれども、五年後に見直しをいたしまして、さらにきめの細かな施策が展開できるようにしたい、このように考えているところであります。 それから、ちょっと中身に入りますけれども、これは健政局長でしょうか。要するに、精神病院におけるチーム医療のことについて、この意見書の中にもあるのですが、いわゆるお医者さんとか看護婦さん、作業療法士の人だとか臨床心理技術者、あるいは精神科のソーシャルワーカー等のマンパワーの充実を図ることが大事なわけですけれども、そういうことを念頭に置いて、政策的な誘導あるいは人員配置基準等の中にそれを盛り込んでいくということが大事じゃないかと思うのですね。 今、一般病床から比べても精神科の病棟というのは人員配置基準が薄くなっているわけですから、少なくとも一般病室並みに引き上げていく、こういうことは大事な問題ではないかと思いますが、これはどう考えておりますか。
○寺松政府委員 今先生の言われました中で、チームで医療に当たるということにつきましては、私ども、法律の改正があることに、それぞれの職種の身分法等につきまして、その中にチーム医療のといいますか連携規定を入れていきつつございます。したがいまして、そのようなことで今後も引き続き機会あるごとに考えてまいりたいと思います。 もう一つの御質問は、精神病院におきます人員配置というものにつきまして、一般の病院に比べて薄いのではないかというようなお話がございます。一応それにつきましては、この人員配置の標準というものをつくりましたころのことでございますけれども、精神病というものが多くは慢性病だ、慢性疾患である、そして病状の急変が少ないのではないかというようなこともございましたのでしょう、人の数が少なくなっております。 私どもは、この人員配置につきましては、実態的には、精神病院におきましても患者の病状に応じまして傾斜配置、重装備しておるところもございますし、いろいろでございますが、それなりに施設の方で対応されておるというふうに承知しておるわけでございます。 今後の人員配置につきましてどのように進めていくかということでございますが、私ども、良質な医療を適切に効率的に提供するというようなことから考えましても、医療施設機能の体系化を図っていく、こういうことにしておるわけでございまして、それは医療法の改正等で進めていっておるわけでございます。その中で、医療従事者間の役割分担のあり方、あるいは先ほどもちょっと申し上げましたが、精神疾患の病態と申しましょうか患者の病態、あるいは看護職員等の需給状況というようなものを十分考えながら、精神医療の今後のあり方を含めまして検討をいたしてまいりたい、このように考えております。
○遠藤(和)委員 先日も当委員会で精神病院並びに援護寮ですか、視察をいたしてきたのですが、そのときに関係者からも、やはり経営実態が大変苦しいという話がありました。聞くところによりますと、中医協でこの六月から医療経済実態調査を開始するということですけれども、こういう結果に基づいて精神病院並びに関連の施設等の診療報酬の改定を検討するということでしょうか。
○古川政府委員 医療経済実態調査については、今実施をしているところでございます。 中医協におきましては、診療報酬改定の必要性を判断する上で医業経営の実態の把握が必要であるというようなことから、従来から、医療経済実態調査の調査年の十二月を目途に暫定的に医療経済実態調査の速報値を取りまとめまして、中医協における御審議に供しているということで、今回もそうなろうかと思うのです。 そこで、お尋ねの診療報酬の改定に反映するのかどうかというような話でございますが、この改定の要否とかあるいは改定内容につきましては、そういった医療経済実態調査等によりまして医業経営の実態などを十分に把握した上で、中医協の御審議を踏まえて適切に対応していく、こういうことになるわけでございますので、現在、六月に行う実施の結果を十二月といいましょうか、速報値で中医協の御審議に供して、その結果で対応する、こういうことになります。
○遠藤(和)委員 医療機関の経営が非常に逼迫化しておるという話は精神病院に限らないわけでございまして、特に我が党の市川書記長がことしの予算委員会でも取り上げたわけですけれども、一般の民間開業医の皆さんの経営状態が大変悪い、こういう状態ですから、これに対して早急に実態調査を行うべきだ、こういうふうな話をいたしまして、その予算委員会の席上で丹羽厚生大臣が調査をいたしますと約束をされたわけでございますが、この実態調査は始まりましたか。どうでしょうか。
○寺松政府委員 今先生の御質問は、おっしゃるとおり、予算委員会におきまして市川書記長から厚生大臣に対しまして御質問があったわけでございますが、私どもそれを受けまして準備を進めてまいりました。 これを調査することにつきましては、御承知のように、今民間病院の経営が悪化しておるということが盛んに言われておりまして、民間の病院というものが日本の医療の中で大きなシェアを占めておりまして、非常に重要な役割を果たしておるわけでございますので、その民間の医療機関の経営の健全化というものは非常に大事でございます。 したがいまして、私ども、この実態を早急に把握しなきゃならぬということで、緊急調査をやるということで、先ほどの医療経済実態調査とは別に今準備を進めております。協力をいただきます医療関係団体の御了解もほぼいただきましたので、六月の初めと申しますか、もうここ近日中に印刷をし、調査票を配付いたしたい、このように考えております。 そこで、今先生の御指摘の中にございました精神病院というものにつきましても、その調査の対象といたしまして緊急に調査をいたしたいと思っておりまして、私どものあれでは八月をめどにおよその概要でも把握したい、このように考えておるわけでございます。
○遠藤(和)委員 調査対象は五百カ所と聞いていますが、日本全国ですか。
○寺松政府委員 当初四百ぐらいと思ったのでございますが、精神病院等も含めてということもございまして、六百ぐらいの予定にいたしております。
○遠藤(和)委員 そうしますと、いわゆる診療所を除いて民間の開業医、病院六百カ所を八月ごろまでに調査を完了するということでございますが、調査というものはそれが生かされなくては意味がないわけでございまして、その結果が判明いたしました後、まさに来年度診療報酬の改定があるわけでございますから、それに反映されなければ意味がないのではないか、このように考えるわけでございます。 先ほどの中医協の医療経済実態調査もありますけれども、これと同じように、実態緊急調査も来年度の診療報酬改定の参考として厚生省は考えておるということでよろしいのでしょうか。
○丹羽国務大臣 まず、公明党の市川書記長から、予算委員会におきまして民間の医療機関の経営危機の問題が指摘されました。そこで私が御答弁を申し上げさせていただいたわけでございますが、いろいろな理由が考えられるのではないか。 例えば、薬の流通改善に伴いまして薬価の差益が極めて低下、縮小しているといった問題であるとか、看護婦さんなどを中心として人件費が高騰しているのではないかとか、さらにまた考えられる問題といたしましては、どこの病院においても高額医療機器をどんどん購入するような傾向が出てきておるとか、さらに、総合病院化がどんどん進められていく中において、十分にそれに対応できるだけの経営感覚というものが欠如していたのではないかとか、いろいろなことが出てくるかもしれません。 そういう点は私ども白紙の状態に置いて、いずれにいたしましても、どこに一番今の医療危機の問題があるのかという観点に立ちまして、ただいま健政局長から御答弁を申し上げましたように八月ごろまでにまとめたい、こういう考え方に立つわけでございます。 診療報酬の改定につきましては、これまで毎年六月、もう既に実施をいたしておりますけれども、中医協の実施する医療経済実態調査の結果や中医協の御議論を踏まえまして適切に対処していくという、これまでの考え方に立つわけでございます。 基本的には、今回もそういったことで、もし仮に来年の四月に診療報酬の改定が行われる場合には、中医協が実施しております医療経済実態調査を参考にしながら御議論をお願いすることになると思いますけれども、夏ごろまでにまとめ上げる病院経営の緊急状況調査の結果につきましても、当然のことながら中医協の方に提出して参考にしていただきたい、このように考えているような次第であります。
○遠藤(和)委員 大変明確にわかりました。ありがとうございました。 次に、この診療報酬の各論的な話でございますので、保険局長にお伺いしたいのですけれども、昭和六十一年に集団精神療法が診療報酬上評価されるようになって以来、大変効果を上げているという声を聞いております。現在、通院患者だけに集団精神療法が認められているのですけれども、これを今後入院患者に対しても拡大するべきであると考えるのですが、この点に対してどういうふうな見解を持っておりますか。
○古川政府委員 御指摘の集団精神療法と申しますのは、集団内の対人関係の相互作用を用いまして自己洞察を深めるとか、あるいは社会適応技術の習得、対人関係の学習等をもたらすことによりまして病状の改善を図っていく治療法でございまして、精神科医及び臨床心理技術者等がグループごとに一定の治療計画に基づいて行う療法でございます。御指摘のように、現在は通院患者に対して認められているということでございます。 入院患者につきましては、一般的には通院患者よりも重度の方々が多いというようなこと、それから、入院患者に対しましては精神科医が一対一で精神療法を行うことが適当な場合が多いというようなことが考えられることから、これは入院精神療法の診療報酬を算定できるような仕掛けになっているところでございます。 いずれにいたしましても、この精神療法に関する診療報酬上の評価という問題につきましては、御指摘がございましたような問題を含めまして、関係学会の御意見、それから中医協の御議論を踏まえまして、次回改定の際に適切に対応してまいりたいと考えている次第でございます。
○遠藤(和)委員 別の問題ですけれども、最近自閉症の子供さんが大変ふえている。そのお母さん方からいろいろ悩みを私は相談されることが多いのですけれども、この自閉症に対する対策が大変おくれているような気持ちがするわけです。 先日も厚生省に聞きましたら、この施設は医療関係で全国に五カ所、福祉関係では全国に三カ所ということでして、私どもの四国には一つも施設がない状態なんですね。これは自閉症児の数のふえ方に対して対応が余りにもお粗末ではないのか、もっと全国的にこうした施設をネットワークするべきであると考えておりますが、この点についてはどう考えておりますか。
○丹羽国務大臣 自閉症というのは私もちょっとよくわからないのでございますが、原因が不明で、これといった治療法がまだ確立されておらないということで、自閉症の子供さんをお持ちの御家庭の方々の御苦労は並み並みならぬものがある、このように私どもは真剣に受けとめておるような次第であります。 自閉症児などに対する施設、これには今医療型の施設と福祉型の施設が全部で七カ所ほどございますが、いずれにいたしましても、確かに今先生の方から御指摘を賜りましたように、これらの問題につきましてさらに施設の充実強化を図るとともに、ショートステイ事業やホームヘルプ事業など、いわゆる在宅対策を今後進めていく決意でございます。
○遠藤(和)委員 この自閉症児の方もさることながら、この方々が成人した後、自閉症者になるわけですけれども、こうなるとますます施設がないのですね。社会福祉施設だとか作業所だとか、そういうネットワークもいろいろつくってあげなければいけないのですね。今は精神薄弱者援護施設で対応している形をとっているのですけれども、今後自閉症に対する研究などもやらなければいけないし、生涯にわたるいろいろな施策も展開していかなければならないのではないか。大変困っている方が多いわけでございまして、これに対する対策をさらに強めていただきたい。重ねて答弁を求めまして、質問を終わりたいと思います。
○清水(康)政府委員 自閉症児の問題につきましては、先ほど大臣から御答弁があったとおりでございますけれども、御指摘のとおり、次第に成人をして、者の方々の対策が兄よりも重要になってきておりまして、一般的に言いますと、多くの方々が精神薄弱という障害を伴っておりますので、精神薄弱者の援護施設で対応しているわけでございます。 現在は主として成人をした自閉症者を入所させている施設が全国で三十一ございますけれども、これらの方々の大部分が入りまして、全国自閉症者施設連絡協議会といったようなものを設けまして、いろいろ研修やら施設の実態の調査やら運営上の問題についての情報交換、協議といったようなことも行っておりますので、私どもは、それらの施設連絡協議会の方々の御意見などもよくお聞きをしながら、今後とも自閉症者の処遇の向上ということに努めてまいりたいと思います。 また、施設入所だけではなくて、ショートステイとかホームヘルプサービスとか、そういった在宅対策も講じておりますし、また、研究につきましても、従来から児童家庭局の方に心身障害研究という費目がございまして、その一環としまして、例えば最近では強度行動障害児(者)の処遇に関する研究といったようなことで、自閉症の問題も含めていろいろ研究もしておりますので、これからも施設対策、在宅対策ともに両にらみをしながら自閉症者の福祉向上のために努力してまいりたい、こう思っております。
○遠藤(和)委員 終わります。
○浦野委員長 草川昭三君。
○草川委員 草川です。 まず、我が国の精神病院の総数の中で、民間病院及び国立病院の割合がどうなっているのか、お尋ねします。
○谷政府委員 単科の精神病院は、平成四年の六月現在でございますが、全体で千四十八施設、このうち国または地方公共団体が設置主体のものが五十一施設、その他の設置主体のものが九百九十七施設、約九五%でございます。
○草川委員 民間の精神病院における基準看護の適用状況はどうなっているのか、お尋ねします。
○古川政府委員 直近の厚生省統計情報部の医療施設静態調査によりますと、平成二年十月現在、精神病棟を持っている民間病院の数は千三百三十三でございまして、そのうち基準看護の承認を受けている病院の数は六百九十九となってございまして、全体に占める割合は五二・四%でございます。
○草川委員 基準看護の体系の中にもいろいろあるわけでありまして、それぞれの格差があります。本来はこれはもっと細かくお伺いをすればいいのですが、きょうは時間がございません。民間病院の基準看護が非常に少ない。今五二%とおっしゃいましたが、全体的な動向からいえば非常に低いのではないかと私は思います。 そこで、いろいろと聞いてみますと、当然のことながら、看護婦さんが集まらないというのが一番大きな理由のようであります。看護婦さんをもっとたくさん集めればいいわけでありますけれども、集めるためにはそれぞれの条件をよくしなければ集まりません。今看護婦さんの多くは国公立志向になっているわけであります。その方が条件がいいわけでありますから、当然であります。そうすると、民間の精神病院の場合は非常にそういう意味では条件が悪いわけでございまして、なかなか基準看護がとり得ない。 私は、ひとつこの際、精神病院の看護料を改めるということが基本的に大切だと思うのですが、その点はどうでしょう。
○古川政府委員 御指摘のように、民間精神病院で基準看護の承認を希望いたしましても、看護婦さん等の確保が非常に困難であるといったことから、基準看護の承認を受けることができない病院があるということの御指摘があることも承知いたしているわけでございます。 私どもといたしましては、看護職員の確保というものは大変重要な問題であるというふうに考えておりまして、そのためのいろいろな対策を講じてきたところでございますが、平成四年四月の診療報酬改定におきましても、看護料を大幅に引き上げるとともに、看護婦と准看護婦の比率の緩和とか、承認申請に係るいわゆる実績期間というものを短縮するというようなこと等を通じまして、基準看護の承認を受けやすくする、こういった措置を講じているところでございます。さらに、こうした改定の趣旨につきましては医療関係者に周知を図っており、基準看護の適正な評価とその普及に努めている、こういう状況でございます。 なお、看護料の問題を含めまして、現在中医協に設置された診療報酬基本問題小委員会、ここにおきまして診療報酬に関する多岐にわたる基本的な諸問題について御議論をいただいているところでございまして、また精神病院の看護料の改定につきましても、中医協の御議論あるいは医療経済実態調査の結果を踏まえて対応してまいりたい、かようなことで考えておる次第でございます。
○草川委員 基準看護をとってないところの精神病院の一カ月当たりの保険収入というのは二十二、三万円と私ども聞いているわけであります。これでは精神病院自身の経営が非常に不安定でございますので、ぜひ看護料を改める方向に持っていっていただきたいと思います。 同時に、入院時医学管理料の逓減制という問題があるわけです。前回の診療報酬の改定のときにかなり精神病院協会は抵抗したようでございますけれども、結局押し切られたようであります。すなわち、一年半たてば管理料が下がるわけです。精神病の患者が一年半で治癒をするという前提ならば、一年半の入院で逓減をして、それぞれの社会復帰を果たしてもらうという一つの考え方は理解できますけれども、現実の問題としてなかなかそうはまいりません。 どうしても長期入院にならざるを得ないわけでありまして、ならば、一年半たちますと管理料が下がる、二割近く下がるということになると、どうしても病院経営は苦しくなるわけです。でございますから、不完全なまま退院を強要するという場面だってあるわけですね。非常にトラブルがあるわけです。 今回の法改正は、それをまた別の立場から受け入れるということでは我々も理解をいたしますけれども、私は精神病院における管理料の逓減制は見直さなければならないと思うのですが、その点どうでしょう。
○古川政府委員 診療報酬の改定につきましては、まず基本的なことでございますが、医業経営の実態等を踏まえまして、全体として精神病院を含む医療機関の経営の安定が図られるようにこれを行っているというようなことでございます。 そこで、御指摘の入院時医学管理料の逓減制という問題でございますが、これは昨年四月の診療報酬の改定におきまして、これまで一年を超える入院患者に対しまして一律百二十九点の入院時医学管理料というふうに決めておりましたものを、平均在院日数が減少傾向にあるなどの実情も踏まえ、さらにきめ細かく評価をするということにいたしまして、従来一年以上ということで一年を超えるものを一律にしておりましたのを、一年六カ月を超える特に長期の入院患者に対する区分を新たに設けまして、その入院時医学管理料を百十九点としたわけでございます。 この点の御指摘であるわけでございますけれども、これは先ほど申し上げたような実情を踏まえまして、患者さん方の早期の退院、それから社会復帰を促進するというような趣旨を踏まえまして、入院早期の重点的評価、つまり、入院されたばかりの方々に対しては重点的に非常に評価したわけでございますが、そういった入院早期の重点的評価と、特に長期入院の方々の入院の適正化というようなことを踏まえまして行ったわけでございまして、私どもとしては適切な評価ではなかろうかと考えているわけでございます。 いずれにいたしましても、看護料を初めといたしまして入院関連の診療報酬を引き上げたほかに、通院精神療法とか精神デイケア、そういった精神医療の専門性を評価するなど、病院の経営安定の確保に全体として私ども十分配慮してきたことを御理解を賜りたいと思うわけでございます。
○草川委員 私は、精神病院の現場の実態というのを御存じないという反論をしたいと思います。 時間がございませんので次へ行きますけれども、措置入院患者の国公立病院及び民間病院それぞれの受け入れ状況はどうなっているのか、お尋ねしたいと思います。
○谷政府委員 昨年の六月末現在で申し上げますと、措置入院患者全体の数は八千四百四十六人でございます。このうち国及び都道府県が設置主体である精神病院への入院者が四百三十二人、これら以外の設置主体の精神病院への入院者が、全体の九五%に当たります八千十三人となっております。
○草川委員 今の答弁を聞いていただいておわかりのとおり、措置入院患者の受け入れは、国公立てはなくて民間が主体になっているわけですよ。それから、救急患者の搬送等についても、現実には国公立は受け入れていません。そこで、やむを得ず地域の精神病院協会の会長の病院なんかが受け入れているのですよ。もう満床ですよ。国公立の方が基準看護を受けていますから、明らかに条件がいいわけですよ。そういうところがもっと措置を必要とするところの入院患者の受け入れを拡大すべきだと思うのです。だから民間にしわが寄っておるという言い方になるわけです。そういう意味で、私は厚生省の基本的な考え方を見直して、精神病院の現状というのを把握していただきたい、こういうように思います。 ちなみに、精神病院における保護室の利用状況はどうなっていますか。
○谷政府委員 やはり昨年の六月末現在でございますが、保護室の全体の数が一万七百六十六室でございます。このうち保護室に隔離されている者の総数が六千四百八十九人というふうに承知しております。このうち、先ほどと同様に国及び都道府県が設置主体である精神病院への入院者が六百五十八人、約一〇%、これ以外の精神病院への入院者が九〇%、五千八百三十一人と承知しております。
○草川委員 これも今の答弁にありますように、民間が非常に難しい患者を受けておるという一つの数字だと思うのです。でございますから、私どもは、国公立が基準看護をとり、また看護婦さんもそこに比較的就職しやすい、一方、民間はその逆、そして難しい患者を受けざるを得ない、この現状に対してもっと目を向けるべきだということを強く主張したいわけです。 精神病院の格子をなくして強化ガラスで代替をする、これはもうかなり前から言われておるわけです。強化ガラスというのはかなり高いわけでありますが、私は、精神病院に強化ガラスを採用することによって患者に快適な環境を与えるべきではないか、そのために補助制度を設けるべきではないかと思うのです。どのようなお考えか、お伺いをしたいと思います。
○谷政府委員 今お話ございますように、従来の鉄格子にかえて強化ガラスを用いることがだんだん多くなってきているというようなお話も伺っております。現在、国においては強化ガラスの設置のみを対象とする補助は行っていないわけでございますけれども、老人性の痴呆疾患ですとかアルコール等の専門病棟の整備がなされる場合には、施設整備に対する補助は行っております。その中で強化ガラス等の設置に係る費用も補助の対象にはいたしておるところでございます。
○草川委員 ぜひ一般の病院の改築にも補助を採用して、これを進めていただきたい、こういうように思います。 自治省にも来ていただいておりますからお伺いをいたしますが、公立病院にはさまざまな公費負担がなされています。民間病院も同様の取り扱いを希望しているわけです。ところで、公費負担の基準というものが地方公営企業法のどういうところでどのような条件で負担がなされているのか、その基準をこの際明らかにしていただきたいと思います。
○板倉説明員 公立病院は、地域医療の確保、医療水準の維持向上、また、民間医療機関の進出が期待できないようないわゆる不採算分野の医療の提供など種々の役割を果たしております。 このような役割にかんがみまして、地方公営企業法の第十七条の二及び同法の施行令では、公立病院の経費のうち、その性質上経営に伴う収入をもって充てることが適当でないもの、例えば救急医療を確保するための経費ですとか保健衛生行政事務に係る経費ですとか、これらが該当いたしますが、そういうもの、さらには、能率的な経営を行ってもなおその経営に伴う収入をもって充てることが客観的に困難であると認められるもの、例えば僻地医療や高度医療に係る不採算経費など、こういうものが該当いたします。これらにつきましては一般会計などが負担をするということといたしております。 さらに、災害の復旧やその他特別の理由により必要がある場合には、同法の第十七条の三によりまして一般会計などから補助できるということにされております。 以上であります。
○草川委員 きょうは時間がないので言いませんけれども、各都道府県によっては、救急医療を確保するための空床補てんだとか基準看護の確保に関する経費だとか、いろいろな経費が出るわけです。これはそれでいいのです。自治体病院は赤字ですから、そういうことをやっていただいてもいいのですけれども、民間にはそのような補てんがどこにもないわけですから、その点はしかと考えていただきたい。これは厚生省に物を申し上げておきたいと思うのです。 それから、少し視点を変えますけれども、医療保険審議会の小委員会報告が先々週でございますか、まとめられました。その中で、現在現金給付となっている分娩費について、現物給付をすることについて検討すべきではないかという趣旨が述べられています。厚生省は、今後この分娩費の取り扱いの検討に当たっては、専門家の団体である日本母性保護医協会、いわゆる日母の意見を十分に聞いて対応をしていただきたい。これは私からも強く要望しておきたいと思うのですが、その点どうでしょうか。 〔委員長退席、山口(俊一委員長代理着席〕
○古川政府委員 先日の医療保険審議会の小委員会報告は、公的医療保険の役割及び保険給付の範囲、内容を中心にいたしまして、これまでの検討内容の整理を行いまして医療保険審議会に報告されたものでございまして、その中で分娩費の問題も取り上げられていることはおっしゃるとおりでございます。医療保険審議会におきましては、この小委員会報告を踏まえまして、今後幅広い観点から御検討をいただく予定となってございます。 厚生省といたしましては、医療保険審議会の検討状況等を踏まえながら適切に対処してまいりたい、かように考えております。
○草川委員 ぜひ関係の方々の意見を十分聞いて対応していただきたいということを特に要望しておきます。 時間が来ましたので、最後に厚生大臣にお伺いをするわけですが、昭和六十二年の前回の精神衛生法の改正に際しまして、衆議院の附帯決議に「今後の精神医療のあり方を踏まえ、診療報酬の面等において適切な配慮を行っていくこと。」ということが盛り込まれているわけです。しかし、残念ながら、この精神病院の経営というのは非常に今苦しいわけでございます。 先ほども大臣答弁をされましたけれども、民間の精神病院が我が国の精神科医療において大きな役割を果たしているということは十分お認めだと思います。この精神科の医療費が非常に低い。国公立病院との格差も拡大をしている。こうした実態を踏まえて民間の精神病院の経営を改善すべきではないか、こんなように思いますし、それから関係の諸団体からも、特に公私の格差ということが指摘をされているわけであります。その点について大臣の答弁をいただきまして、私の質問を終わりたい、こういうように思います。
○丹羽国務大臣 先生御指摘のように、我が国の精神医療におきましては、これは病床数でございますが、病床数でいきますると九〇%を民間の医療機関が担っておる、こういうことで、民間の精神病院の果たしている役割は大変大きなものがある、まずこのように考えているような次第でございます。 それから、先ほどから国公立病院の問題が提起されておるわけでございますけれども、国公立病院におきましては、アルコール中毒であるとか、あるいは薬物中毒であるとか、てんかんであるとか、政策医療分野を中心にして、それぞれこれもまた地域におきまして御貢献を賜っておるわけでございます。いずれにいたしましても、民間病院と国公立病院がそれぞれの特性を生かしながら、精神医療を担っていただくということが何よりも大切である、このように考えております。 問題は、病院の経営の確保でございますが、これまでも診療報酬の改定などを通じて適切な措置を講じてきております。最近、先ほども御答弁を申し上げたわけでございますけれども、人件費や材料費が大変上昇いたしておる。こういう中で精神病院も含めまして大変民間病院が厳しい、こういう声を私ども十分に聞いておるわけでございます。そこで、先ほど来御答弁を申し上げておりますように、精神病院を含めて民間病院の経営状況について緊急に調査を行い、その結果を参考として、経営の健全化対策全般について検討を行っていきたいと考えております。 また、診療報酬の面でございますけれども、ただいま実施いたしております医療経済実態調査の結果を踏まえまして、十分に中医協で御議論をしていただきまして、いずれにいたしましても、民間の精神病院の役割というものを十分に考えながら、良質な医療が確保されるようにひとつ努力していく決意でございますので、御理解を賜りたいと思っております。
○草川委員 時間が来たので終わりますが、実は精神科七者懇談会というのがあります。これは学会から病院から自治体病院協議会等も含めたものですが、それが最後に 現在の日本の精神科医療の窮状の最大の理由の一つが、精神科医療費の貧困にある。この医療費を他科なみに、抜本的に増額することが、精神科医療改善のため不可欠 だということを言っておるわけです。この要望書がすべてをあらわしておると思うので、ぜひ十分配慮をされて今後の対応をしていただきたい。 以上申し上げまして、終わりたいと思います。
○山口(俊)委員長代理 児玉健次君。
○児玉委員 日本共産党の児玉健次です。 現行法の第四十八条、「精神障害者を収容することのできる施設以外の場所に収容してはならない。」今度の改正でこの部分が削除されることになりました。 厚生省に端的に聞くのですが、古い時代における精神障害者の座敷牢、そしてその後、保護義務者というか、親が精神障害にかかった子供を自宅で監置する、こういったことは一九五〇年、昭和二十五年まで法的に求められていたと思うのですが、違いありませんか。
○谷政府委員 今お触れになりました施設外収容禁止規定というのは、旧精神病者監護法における私宅監置制度、あるいは旧精神衛生法における保護拘束制度というものを受け継いでおるものだというふうに理解をしております。
○児玉委員 そこで、今回の改正に対して私が期待していたことの一つに、保護義務者の問題があります。午前中来かなり論議がありました。 重ならないように伺いたいのですが、今回、それが保護者と言い方は変わったのですが、保護義務者に対して過大な監督義務を負わせてきたことが精神障害者の社会復帰を社会の公的責任において進めることを困難にし、おくらせてきた一つの要因だ、そのように私は考えます。この部分は、端的に言えば、多少旧憲法下における古い家族制度をそのまま踏襲する、古い時代のやり方の誤判を引きずっている、こういうふうに思います。精神障害者に対する家族の支えは極めて重要だ。そして、それは本来家族間の愛情に任せるべき問題であって、法律によって強制すべきものではない、そう考えます。 そこで伺うのですが、第二十一条で、保護者がないとき、またはその義務を果たせないときにおいては市町村長が保護者となるとあります。この市町村長が保護者となった事例が全国でどのくらいあるか、そして保護者となった市町村長はどのような役割を果たしているか、お伺いします。
○谷政府委員 保護義務者についての内訳ということで、市町村長がなった例ということでございますが、平成四年の六月現在でございますけれども、六百三十七件、全体の約四・四%が市町村長が選任をされているということでございまして、役割としては、他の保護義務者と同じ役割だというふうに理解をしております。
○児玉委員 それは、措置入院のときに保護義務者にかわった事例を述べていらっしゃるのじゃないですか。
○谷政府委員 私、今申し上げましたのは、医療保護入院の場合でございます。
○児玉委員 そこで、けさからの厚生省の答弁の中では、精神障害者にはみずからが病気であるということの自覚がない、それから身近にいる家族が一番よく状態をキャッチできる、こういう趣旨のことが繰り返されましたが、そのような説明というのは、恐らく自宅における監置制度において最も理由になってきたものですね。それが一九五〇年に廃止されて四十三年、そろそろ半世紀近くたちます。 全体として、精神障害者に対する社会の責任というのが国民的なコンセンサスを得つつある時期ですから、とりあえず私は、今回の改正される法第二十二条における自傷他害のないように監督する義務、それから精神障害者が治療を継続して受け、服薬管理などをきちんとして行う、そういったことに対する監督義務については、市町村長や保健所等社会の公的な義務にゆだねる方向を明らかにしていくことが今極めて重要ではないかと思うのです。すぐ二十二条を削除しろとは申しませんが、その方向を社会的に進めていくことが今必要ではないかと考えるのですが、いかがですか。
○谷政府委員 先生今おっしゃいました保護義務者についての役割のうち、自傷他害の監督規定のことでございますが、これは先ほど来申しているようなこの疾病の特殊性ということから、病識を欠く。その結果、医療を受ける機会を逸するというようなことから、精神障害者の利益を擁護するという観点からは、身近にあって適切に医療なり保護の機会を確保する役割を果たす者が必要であるというふうに考えておりますし、また服薬についても、やはり同様な観点から必要なことではないかというふうに思っているわけでございます。 そういうことからいって、この保護者が持っております自傷他害防止の役割規定を削除するということは、私ども現時点では考えてないわけでございますが、ただ、保護者の負担を軽減するという観点から、社会復帰施設の整備を推進していくということのほかに、今回の法改正におきましても、入院措置が解除されました精神障害者を引き取る保護者について、精神病院や社会復帰施設に対する相談や援助を求めることができるという規定を新たに設けましたほかに、入院措置の解除をされました精神障害者と同居をする保護者につきまして、保健所が行います訪問指導の対象とするといったような規定を新たに盛り込んだところでございます。
○児玉委員 この点は今回の改正においても積み残しになるという点、非常に残念だと思います。五年を目途に見直すという方向で今議論が進んでいるわけですが、それを待つこともなく、さっき言ったように、少なくとも自傷他害、そして治療の継続、服薬、こういったことについては社会の責任へと、その方向を厚生省が前進させることを強く求めたいと思います。 次の問題ですが、これも午前中の論議になりました精神科医療の特質の問題です。 私、今度の改正に向けて、何人かの臨床で努力されている精神科の医師や研究者、その他から意見を聞きました。午前中、厚生省は、一九八六年から外来患者に対する集団精神療法が診療報酬で評価されることになった、それを前進の一つとしてみずからお述べになった。私も全くそれに同感です。今日、外来患者のデイケアにおける主要な治療法として、すぐれた効果を上げることが実証されつつあります。 ただ、幾つかの点を含んでいる。アルコール依存症と児童・思春期の感情障害に最初は限定されていて、その後、精神分裂症についても追加されたわけですが、現場で苦労されている医師が申しますのは、躁うつ病、そして対人恐怖症、こういった人格障害にも非常に顕著な効果を発揮するので、そこに向けての拡大が今必要ではないのかというのが一点です。 二点目は、現在三月を限度として算定されるとなっておりますが、これは短期間に過ぎる。実際に全国の精神病院でやっている努力を見れば、最低とりあえず一年を限度に算定していく、こういうふうに改善すべきではないのか、こういう意見が私に届けられているのですが、いかがでしょうか。
○古川政府委員 現状二点ございますが、まず現在の考え方を申し上げますと、御指摘のうつ病とかあるいは神経症等に対しまして集団精神療法が有効である、こういった専門家の御指摘がある一方で、これらの疾患に対する集団精神療法の有用性に関しては、現時点では必ずしも明確な成績が出てないというふうな御指摘もあるわけでございまして、現在はそういったうつ病あるいは神経症等に対しては適用がないという状況が一つあるわけです。 それから二点目の、通院患者に対しまして集団精神療法を行った場合には、三カ月に限りまして診療報酬上の点数を算定することができることとしておりますのは、この集団精神療法を長期漫然と行っても必ずしも治療効果が上がるものではなくて、ある一定の期限をもちまして治療効果が上がらないという患者さん方に対しましては、他の治療、例えば通院精神療法などを行った方が適切であるというふうに考えられたことによるものであります。 これは今の現状でございますが、いずれにいたしましても、先ほどもちょっと申し上げましたが、この精神療法に関する診療報酬上の評価というものにつきましては、関係学会の御意見とかあるいは中医協の御議論を踏まえまして、次回改定の際に適切に対応してまいりたい、かように考えているところでございます。
○児玉委員 厚生省はこの問題についての検討をされるようですから、余り繰り返しませんが、今局長が言われたことについて研究者から聞いたことを申しますと、対人恐怖症だとか拒食症だとか不登校だとか、そういった患者と医師との一対一の精神療法というのは相当な困難に逢着している。そういう患者を対象にして集団精神療法をやると、一対一の緊張感から解除されて、そして厚生省が言われている集団内の対人関係の相互作用を用いて自己洞察の深化、社会適応技術の習得、そっちの方に進む、こういう研究と、それから取りまとめが今進んでいますね。この点での検討を私は求めたいのです。 もう一つは、これは通院に対してのみしか適用されてないけれども、そもそもこの集団精神療法というのは、国際的に言えば入院患者を対象にして始まったものだ。釈迦に説法で多くを言いませんが、一九〇五年に内科の医師が、不治の病とされた結核の患者が社会から隔離されてうつ状態になる、そういう患者に対して集団療法を行ったら非常に大きな効果を発揮して、そのメソッドを精神療法においても適用するようになってきた。 だから、起源からいっても、これは国際的に言えば入院患者を対象にして進んできたものであって、そういう面でいえば、私はこの際入院患者に対して適用を拡大するということが求められていると思うのです。いかがでしょうか。
○古川政府委員 お答えします。 これは先ほど遠藤委員の御質問に対してお答えしたことでございますが、集団精神療法というのは、御指摘のように集団内の対人関係の相互作用を用いまして、先ほどおっしゃったように自己洞察を深めるとか社会適応技術を習得する、あるいは対人関係の学習等をもたらすことにより病状の改善を図ろうということで、いろいろと専門的に研究されている問題でございます。 現在、通院ということで、精神科医と臨床心理技術者とがグループごとに一定の治療計画で通院患者さんに対しまして治療をやっているわけでございますけれども、これを入院に適用するかどうかということについては、先ほども遠藤委員にお答え申し上げましたが、関係学会とかあるいは中医協の御意見を踏まえまして対応してまいりたい、かように考えているわけであります。
○児玉委員 積極的な対応を求めます。 三つ目の問題ですが、今度の改正案の中で特に私たちが注目しているのは、この第二条の三の二項ですね。 国、地方公共団体、医療施設又は社会復帰施設の設置者及び地域生活援助事業を行う者は、精神障害者等の社会復帰の促進を図るため、相互に連携を図りながら協力するよう努めなければならない。 ここのところが実際の効果を発揮するようになれば、日本の在宅における精神障害者の状態というのは確実に改善されていくだろうと思うのです。そういう点で、現在全国で試みられている幾らかの積極的、先駆的な教訓をどうやって全体のものにしていくか、このことが求められていると思います。 そういう面で私は一例だけ挙げたいのですが、千葉県精神科医療センター、そこが果たしている役割に注目したい。 御承知のとおり、このセンターは、本来は精神科救急医療の提供を主目的にして設置された病院です。入院期間は原則として三カ月を限度としています。このセンターでは、短期入院の補完と早期リハビリテーションの二つの機能をあわせ持つデイホスピタルが精力的に進められています。相当厚い職員の配置ですね。そしてそこでは、家族の面接、家庭訪問、電話連絡、精神障害者が速やかに就労、復学するための援助を行って、かなり注目すべき実績を上げています。 例えば、一九八五年七月から八九年三月、百十二名を対象にした場合、治療の継続三十六人、自宅療養二十七人、復職を含む就労二十六人、復学を含む就学九人、こういう結果を、中間的にですがもたらしています。集団アルバイトその他、大変意欲的な努力をしている。こういった試み、同様のことが川崎市のリハビリテーション医療センターや都立世田谷リハビリテーションセンターでも行われています。こういった努力について厚生省はどのように評価しているか、まず伺います。
○谷政府委員 今お話のございました千葉の精神科医療センターにつきましては、私も一回見させていただいたことがございますけれども、精神医療における新しい試みだというふうに私どもは理解しております。 今回の法案を作成するに当たりましての審議会の意見書におきましても、「通院医療が適切な者については、入院医療から通院医療への転換を推進する」というような御意見も出されているわけでございまして、さらに今お話にございましたような退院した精神障害者に対してデイケアを含めた通院医療を確保する、あるいは社会復帰のためのサービスを提供していくということは非常に重要なことであるというふうに思いますので、そういったような試みは、今後の対応を考える上でも非常に望ましいものの一つではないかというふうに考えております。
○児玉委員 今例示的に述べたケースでいえば、例えば千葉のセンターの場合、ベッド数は四十ですが、ドクターが九名、看護職が四十一名、保健婦三名、PSW七名、OT一名、非常に手厚い配置になっていますね。今局長からは積極的な経験として注目している、評価しているということが率直に述べられたのですが、精神保健法の第七条において精神保健センターについて厚生省が提起して、やっとそれが全国の都道府県に行き渡る一歩手前まで来ています。 そのことを一つのステップにしながら、今度の改正の一つの重要な趣旨である国、自治体、医療施設、社会復帰施設の相互連携、そして地域社会に精神障害者を参加させていく、そのための重要な役割を果たすべき医療機関として今述べたようなセンターが全国で広がっていく、それを設置者の責任にゆだねずに国としても制度として評価していく、その方向が求められていると思うのですが、いかがでしょうか。
○谷政府委員 都道府県によっては、精神保健センターに幾つかの機能を持たせているといったようなところがあることは承知をしております。 いずれにしましても、精神医療対策あるいは社会復帰対策につきましては、地域の実情あるいは地域の自主性に基づいて展開をしていくことが必要だというふうに考えておりまして、今お話がございましたような一つの施設を基盤として、地域精神保健対策を推進していくということも一つの方法だと思います。また一方、地域におきます精神保健センターやあるいは保健所、医療機関、社会復帰施設等が、相互に連携を持ちながら体制を整備していくというやり方もあるのではないかというふうに思っております。 したがいまして、今回提案させていただいております法律案におきましても、先ほど先生お触れになりましたように「精神障害者等の社会復帰の促進を図るため、相互に連携を図りながら協力する」という努力規定を入れさせていただいているところでございまして、私どもとしては、こういったような連携規定を契機にして、地域の実情に合った対応というものをそれぞれの地域で考えていく一つのきっかけにしていきたいというふうに思っている次第でございます。
○児玉委員 終わります。
○山口(俊)委員長代理 柳田稔君。
○柳田委員 まず、社会復帰対策の推進についてお尋ねをいたします。 精神病院、これは精神障害者を非自発的に入院させ、拘束する場合があります。こういうことから、精神障害者の人権を擁護する、そういう目的のためには、医学的に入院の必要のない精神障害者については速やかに退院させることが必要であろうというふうに思います。 一方、精神病院から退院した精神障害者の方がいきなり社会生活に適応していくということは、困難な場合があると思います。ということで、必要に応じて適切な生活訓練、指導等のサービスを提供していくことが必要であろうと思います。 また、精神病院から退院されました精神障害者を引き取る家族は、生活上多くの負担を伴う、そういう現状にあるのではないかと思います。このため、精神病院から退院した精神障害者を一定期間入所させ、生活訓練や指導等を行う社会復帰施設の整備を積極的に促進することが大変重要なことであろうと私は思っております。 そこで、厚生省として、今後とも十分な予算をとらなければできないことでありますけれども、予算の獲得を図りつつ、社会復帰施設等の整備を積極的に促進していかなければならないと思うわけでありますが、どのように考えていらっしゃいますでしょうか。
○谷政府委員 今お示しございましたように、精神障害者の社会復帰対策は、精神保健対策の中の重要課題として取り組んでいかなければいけないというふうに考えております。 社会復帰施設の整備につきましては、けさ古来いろいろ御議論いただいておりますように、まだまだ不足でございまして、十分ではございません。六十二年度は五十カ所でございましたけれども、平成四年度には百六十カ所まで整備が進んできたところでございまして、今後とも施設の種類の増加あるいは施設の数をふやしていくことはやっていかなければいけない。 また、本年度から、従来非常に大きなネックの一つでございました運営費の設置者負担というものが解消されたわけでございますので、これを契機として、より一層社会復帰施設の整備が促進されるということを期待いたしております。 今お話がございましたように、社会復帰施設の整備の促進につきましては、必要な予算を確保するために最大限の努力を払ってまいりたいというふうに考えております。
○柳田委員 最近税収が減ったという話も聞くわけでありまして、十分な予算の獲得は難しくなりつつあるのかなと一方では思うわけでありますけれども、我々としても精いっぱいバックアップをしながら、また何としても予算を十分つけていただくように、厚生省も努力をしていただきたいと思っております。 次に、小規模作業所についてお尋ねをいたします。 この小規模作業所、先ほど質問いたしました社会復帰施設の一部といえば考えられないわけでもないのですけれども、いろいろなところでこの小規模作業所はいろいろな役目を果たしております。ただ、お尋ねしますと、大分厳しい状況に今置かれておるのではないか。予算のつくところもあれば、ないところもある。お金もないわけですが、父兄の皆様が中心になって、一生懸命地域の方が努力をされておる。そういうところを考えますと、やはり小規模作業所をさらに安定して、適正な運営ができるような状況をつくっていかなきゃならないのではないかと思う次第であります。 この小規模作業所にさらなる積極的な支援をしていただきたいと思うのでありますけれども、いかがでございましょうか。
○谷政府委員 小規模作業所につきましても、昭和六十二年度からその運営費に対する補助を実施してきたところでございまして、本年度においては二百九十四カ所の作業所に対する補助を行うこととしておりますが、今お話ございましたように、まだ現在ある小規模作業所全体に対する補助にはなっていないわけでございまして、今後とも小規模作業所に対する補助が適正に行われるよう、私たちとしては努めてまいりたいというふうに考えております。
○柳田委員 全体的にどれくらいの数があるものなのでしょうか。
○谷政府委員 約六百カ所というふうに承知しています。
○柳田委員 ということは、今半分くらいはどうにか支援ができておるということであります。できれば残った半分にも同じような支援ができることが望ましいであろうというふうに思いますので、まあこれもお金にかかわることになるかと思いますけれども、すべての作業所に同じレベルでも結構でありますから、できるだけ早い段階で支援ができるようにお願いしたいと思うのです。厚生省としてどの辺のめどぐらいには全部に支援ができるというようなお考えがあれば、お示し願いたいと思うのです。
○谷政府委員 今後とも箇所数の増については努力をしていきたいと思っております。
○柳田委員 では、できるだけ早くやっていただければと思います。額も相当少ないようでありますが、その額の増額を言いますとすべてにも回らないようになりますので、まずは全部の箇所に回るということを早急にしていただきたいということを要望したいと思います。 次に、啓発広報活動についてお尋ねをいたします。 去る三月に厚生省の公衆衛生審議会から提出されました意見、「今後における精神保健対策について」というものでありますけれども、この中におきまして、今後の精神障害者対策は、障害者が障害を持たない者と同等に生活し、活動する社会を目指すノーマライゼーションの理念に基づいて、その実現に向けて施策を一層充実強化することが必要であるとされております。今後精神障害者の真のノーマライゼーションを実現していくためには、社会復帰施設の整備等、行政による社会復帰対策の充実に加えまして、地域社会全体の理解と協力を得ていくことも不可欠であろうと思うわけであります。 こういうことで、厚生省として、今後とも地域住民に対し、きめ細かく精神障害者の社会復帰等に関する啓発広報活動を積極的に推進していくべきであると思いますけれども、いかがでございましょうか。
○谷政府委員 精神障害者の社会復帰を促進する上で、国民の理解あるいは地域の方の御協力を得るということは不可欠であるというふうに思っておりまして、社会復帰施設がなかなかふえないことの理由の一部に、やはりなかなか理解が得られにくいということがあるというふうに考えております。 そういう意味におきまして、精神障害者の社会復帰に関する啓発活動あるいは広報活動ということは、従来から、精神保健に関する全国大会を行いますとか、あるいは保健所、精神保健センターにおきます正しい知識の普及といったようなことに努めてきたわけでございます。 さらに、ことしの八月には、千葉の幕張メッセにおいて日本で初めて精神保健に関する世界会議、世界精神保健連盟の会議を開催をすることにいたしておりまして、これにつきましても本年度の予算の中から厚生省としても助成をするといったようなことをやることにいたしているわけでございます。こういったようなことを通じて、さらに我が国における精神保健に対する正しい知識の普及ということが図られることを期待をいたしております。 また、今回の法律改正におきましては、精神障害者の社会復帰の促進に資する啓発広報等を行う民法法人を、精神障害者社会復帰促進センターとして厚生大臣が指定できることとしているところでございまして、これらの事業を通じまして地域住民等の一層の理解が得られるよう努めてまいりたいと考えております。
○柳田委員 精神障害者に対する認識というものはまだまだ大変古いといいますか、厳しいといいますか、進んでいない面も多いかと思います。軽度の人が、軽度という言葉が適切かどうかわかりませんけれども、地域社会に入って仕事をしていく。そうなりますと、地域住民、それ以外にも企業の方にも理解がなければならないのではないかと思うのですけれども、この企業に対しての理解、協力というものは厚生省としては何か考えていらっしゃるのでしょうか。 要するに、住民に対してはやられる。となれば、これから多分大分症状の軽い方は会社にも入って、勤めなければならなくなると思うのです。この啓発広報活動の中で、住民だけではなくて、企業にも何か働きかけを厚生省としてすべきではないかと思うのですけれども、その辺は何か考えていらっしゃいますでしょうか。
○谷政府委員 もちろん、住民に対することもやるわけでございますが、ただ、精神障害者の社会復帰の一環として、例えば授産施設ですとかあるいは福祉工場とか、今回平成五年度から新しい事業として取り入れることにいたしたわけでございまして、そういうことの御理解をいただくためには、どうしても企業あるいは作業所等の方の御理解をいただかなければいけないわけでございますので、私どもとしては、そういう事業を進めるために、保健所なり精神保健センターを通じた企業に対する啓発活動、あるいは御理解をいただくための運動と申しますか、そういうことはこれからもやっていくつもりでございます。
○柳田委員 ほかの省庁に対してこういうお願いというものは何かありませんか。というのは、企業を統括している省庁もどこかあるでしょうけれども、その辺とのタイアップというのはまだ計画としてはないのでしょうか。
○谷政府委員 現在、通院患者のリハビリテーション等につきましては、事業所の協力を得てやらせていただいております。昭和六十二年度で四百七十事業所でスタートいたしましたけれども、現在、平成四年度では千七百七十の事業所の協力をいただいているというようなことでございます。 こういったような事業を進めるに当たって、今後必要に応じて関係省庁にも働きかけていきたいと思っております。
○柳田委員 先日、厚生委員会で視察に参りましてお話を聞きましたら、好況のときにはよかったのですが、今回大変厳しい不況に陥りまして、真っ先に職がなくなりましたというお話も出ておりました。これは他の省庁のことだとおっしゃればそれまででありますけれども、やはり理解をしていただいて、他の省庁の協力も必要になるのではないかなと思う次第でありますから、ちょっと質問させていただきました。 そこで、労働省の方にお尋ねをしたいのでありますけれども、身体障害者については相当の仕組みができておるように思います。企業規模に応じまして何%採用しなさいというふうなのがあるようでありますけれども、今回この精神障害者についても、地域社会に戻っていろいろな仕事をしていただこうというふうにも考えております。雇用の機会をふやさなければならないというふうに思うわけでありますが、労働省として精神障害者の雇用の確保についてどのようにお考えになってこれからお取り組みになるのか、御説明を願いたいと思います。
○坂本説明員 精神障害者の方で働くことを希望する方に対しましては、これまでも公共職業安定所におきまして、求職登録制度等を活用して、専門の職員がケースワーク方式という形をとりましてきめ細かな職業指導、職業紹介を行ってまいりました。特に、精神分裂病、躁うつ病、てんかんにかかっている方につきましては、雇用に当たりまして、事前に事業所で職場適応訓練というものを行いまして、職場にスムーズに適応できるようにというようなことをやってきております。 昨年、障害者の雇用の促進に関する法律が改正をされまして、この中で、精神障害者に対しましても納付金制度に基づく各種の助成金の対象とすることとされたところであります。また、特定求職者雇用開発助成金の支給対象ともいたしました。 加えまして、昨年度からは、各都道府県の職業能力開発校におきまして精神障害者を対象とした職業訓練を行っておりますほか、各地域の障害者職業センターにおきまして、職域開発援助事業というきめ細かな職業リハビリテーションを本格的に実施をしたところであります。本年度からは、各県の公共職業安定所に精神障害者担当の職業相談員を新たに配置をすることにいたしております。 先生御指摘のとおり、身体障害者に比べますと精神障害者の雇用対策はまだ内容的にも十分充実していないという嫌いはございますが、労働省におきましては、精神障害者の雇用促進を図るために、医療や福祉機関との連携を含めた条件整備が不可欠であると考えまして、昨年度、本年度と二年間で調査研究を実施いたしております。この研究の結果も踏まえまして、今後ともさらに必要な条件整備を図る等施策の充実に努めまして、精神障害者の方の雇用の促進に努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○山口(俊)委員長代理 次回は、来る四日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時十五分散会