厚生委員会 第11号
- 発言数
- 259 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1993/05/14
会議録
○浦野委員長 これより会議を開きます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 厚生関係の基本施策に関する件、特に年金問題について調査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浦野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
○浦野委員長 厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴木俊一君。
○鈴木(俊)委員 私は、年金の問題を中心にいたしまして、高齢化社会への対応策について質問いたしたいと思います。 改めて申し上げるまでもなく、日本社会は平均寿命の延びや出生率の低下によりまして、他国に例を見ないスピードで高齢化が進行しております。実際、老年人口比率を見ますと、一九九〇年に一二・〇%であったのが二〇一〇年には二一・三%、二〇二〇年には二五・五%という予測でありますから、実に四人に一人が六十五歳以上になる見通してあります。間もなくやってくる超高齢化社会において国民が安心して老後生活を送れるようにするためには、年金制度が将来にわたって安定的に運営されていくことが極めて重要なことは言をまたないわけであります。 我が国の年金制度は、昭和三十六年に国民皆年全体制が達成され、その後も昭和四十八年に物価スライド制や標準報酬の再評価の導入等が行われ、前回の平成元年の改正では完全自動物価スライド制の導入、国民年金基金の創設等、幾多の改正により制度の充実が図られてまいりました。 しかしながら、今後の超高齢化社会を展望したときに、将来の年金制度への不安の声もよく聞くわけであります。特に若い世代からは、自分たちが一生懸命掛金を掛けても年をとったときには幾らももらえないのではないかとか、これからますます負担が重くなっていくのではないかという声も聞こえるわけであります。実際に厚生省が先般発表いたしました新人口推計に基づく暫定試算においても、現役世代の負担は相当重くなるということが予想されているわけであります。 そこで大臣にお伺いいたしますが、二十一世紀を目の前にした平成六年に予定されている年金制度改正を踏まえて、今後の年金のあり方についてお考えをお伺いしたいと思います。
○丹羽国務大臣 まず、人口構成の話でございます。 鈴木委員の方からは人口構成の分野でお話があったわけでございますが、年金の分野でございますと六人で一人のお年寄りを支えておる、これが現実でありますが、三十年後には二人で一人のお年寄りを支えなければならない大変深刻な超高齢化社会を迎えるわけであります。その中において、現在高齢者のいる世帯の大半が年金を受給し、所得に占めるその年金のウエートも年々高まってきておるなど、公的年金制度は名実ともに国民の老後生活にとって大変大きな役割を果たすようになってきておるわけであります。 今、高齢化の話を申し上げたわけでございますが、欧米に比べましてもこの高齢化の波というのは三倍から四倍のスピードで進んでおります、私どもがかつて経験したことのないような超高齢化社会が見込まれておるわけであります。 こういった中において、私どもは公的年金制度の充実というものをさらに進めていかなければならないわけでございますけれども、まず基本的な認識として申し上げたいことは、この公的年金制度というのは、国民の老後の生活における基本的な部分をまず確実に支えていくという役割を果たしていくことが望まれているのではないか、こう考えております。こういうような観点に立ちまして、いずれにいたしましても、産業構造や就業構造の変化にも十分たえ得るような長期的安定を図っていくことが何よりも大切であります。 それから、今鈴木委員御指摘の、まさに年金というのはお互いの支え合いでございますので、現役世代とあるいは年金をいただく年金世代とのバランスの問題、それから制度間の公平の問題、こういったような点を十分に配慮しながら、今私どもは来年の財政再計算時に向けていろいろな準備作業を行っている途中でございます。 いずれにいたしましても、この年金制度につきまして国民の皆さん方の一層の御理解を賜りたい、このように考えております。
○鈴木(俊)委員 ただいま大臣から今後の年金のあり方、また問題点についてもお話があったわけでありますが、私なりに次の平成六年に予定されております制度改正の問題点を考えてみますと、年金の給付水準、年金額といった問題よりも、こういった給付水準、年金額はもう既に幾多の制度改正によりまして一応国際的な水準にはなっておりますし、さらに仕組みといたしましても、五年ごとの再計算、また物価スライド等といった仕組みできちっと担保されておりますので、こういう給付の水準よりも、むしろ高齢世代が受給する給付とこれを支える現役世代の負担のバランスの問題がより大きな課題になるのではないかと思っております。具体的には、厚生年金の支給開始年齢を現在の六十歳から六十五歳に引き上げるかどうかの問題であろうと思います。 この年金の支給開始年齢につきましては、人口の高齢化が我が国より現在進んでおります欧米先進諸国のほとんどの国は六十五歳となっておりますが、さらにドイツでは、段階的に特例的な早期支給制度を原則廃止して六十五歳へ引き上げることとされており、また、アメリカでも二〇〇三年から段階的に現行六十五歳から六十七歳へ引き上げるなど、各国とも高齢化がさらに進む中で、支給開始年齢の改正に取り組んでいると聞いております。 我が国におきましては、戦後のベビーブームの世代、いわゆる団塊の世代の人たちが一斉に引退をして、年金生活に入る時期はおおよそ二〇一〇年ごろとなるわけでありますが、私の考えといたしましては、そのときまでに支給開始年齢を六十五歳に引き上げざるを得ないのではないか、むしろそのときの現役世代の負担を考えるならば、六十五歳に引き上げなければ年金制度の安定的運営は絶望的ではないかというような気がいたしております。 しかも、かつて昭和二十九年に厚生年金の支給開始年齢を男子で五十五歳から六十歳に引き上げたときや、昭和六十年に女子の五十五歳を六十歳に引き上げたときの例を見てみますと、引き上げが完了するまでにおおむね十五年から二十年かかっているわけでありますので、団塊の世代の方々が年金生活に入る二〇一〇年に間に合わせるためには、次の平成六年の制度改正がまさにタイムリミットに来ているのではないか、そんなような気がするわけであります。 そこで、労働省にもおいでをいただいておるわけでありますが、厚生年金の支給開始年齢を仮に引き上げるとするならば、その前提といたしまして、定年延長の問題や再雇用の問題を含めて、雇用と年金の連携が極めて大事であると思います。また、年金の問題を離れましても、我が国においては特に高齢者の勤労意欲が高いと言われ、個々人の老後生活の充実という観点からも、また社会全体の活力維持の観点からも、高齢者雇用の促進が重要であります。 そこでお尋ねいたしますのは、企業の定年年齢がどのようになっているのか、また高齢者の雇用状況、そして高齢者雇用の促進に向けての基本方針について労働省からお伺いいたしたいと思います。
○北浦説明員 高齢者雇用に関しますお尋ねでございますが、最初に、企業におきます定年の状況について御説明をさせていただきたいと思います。 私どもの調査で、平成四年、昨年でございますが、六十歳以上の定年を実施しております企業は七六・六%、大体四分の三の企業が六十歳以上の定年になっております。ただ、予定しているというところもかなり多数に上っておりまして、こういった企業も加えますと、九〇・二%の企業が六十歳以上の定年を既に実施あるいは予定している、こういう状況になっているわけでございます。中小企業でまだ若干おくれている面はございますが、こういったように六十歳定年については確実に定着をしてきている状況にあるかと思っております。 一方、このように企業におきましての雇用は六十歳定年ということで確実に進んでおりますが、六十歳以上の継続雇用ということになりますと、まだなかなか十分には進展していない状況でございます。六十歳以上で六十五歳ぐらいまでという目安をとりまして、希望すればだれでもそれまで働けるような制度を持っている、そういう継続雇用制度を持っている企業の割合は全体の二割程度でございまして、この辺まだまだもう少し引き上げていかなければいけない、このように私ども考えている次第でございます。 一方、企業を離れまして一たん離職をいたしますと、高齢者の再就職は大変厳しい状況にあるわけでございまして、その点御指摘のとおりでございます。求人倍率、これは安定所に申し込まれております求人の数と安定所に仕事を探しに来る求職者の比率でございますが、全体が、最近はちょっと一倍を切っておりますが、大体一倍近くにあるのに対し、五十五歳以上の方だけ見てみますと、昨年の数字でございますが〇・二七倍、つまり、四人の求職者に一人分の求人という状況でございます。さらに、六十歳定年を超えた六十歳以上の方になりますと、六十歳から六十四歳のところで見てみますと〇・一六倍ということですから、百人の求職者に対し十六人分の求人ということでございますので、一回企業を離れてしまいますとなかなか再就職が難しいという状況にあるわけでございます。 そこで、私どもの今後の高齢者対策の考え方でございますが、このように一度企業を離れてしまいますとなかなか再就職が厳しいといったことで、できる限り企業あるいはその企業のグループの中において雇用を抱えていただく、こういう方向を進めているわけでございます。 私ども、それに対しまして、六十五歳ぐらいまでを目標といたしまして、六十五歳までは希望すれば働くことのできるような社会にしていかなければならない、このように考えて、現在六十五歳までの継続雇用に最大の重点を置いて進めているわけでございます。これに対します実効ある方策を考えなければならないということで、現在労使の方も入っていただいて鋭意具体策を検討しているわけでございまして、まとまり次第、来年度予算以降に反映できるものは反映しながら対策の一段の充実強化を図ってまいりたい、このように考えております。
○鈴木(俊)委員 厚生年金の支給開始年齢の問題でありますけれども、これは将来にわたる年金制度の安定的な運営にとって重要な問題と思いますし、また、それを離れましても、個々人の老後生活に与える影響も大変大きいものであります。来るべき新しい時代に我が国が本当に豊かな長寿社会になっていくかどうかにかかわる事柄であろうと思うわけであります。 厚生省として支給開始年齢の問題にどのように取り組んでいかれるつもりなのか、厚生省のお考えをお伺いしたいと思います。
○山口(剛)政府委員 厚生年金の支給開始年齢の問題をめぐりまして、その背景、また問題の重要性、先生御指摘いただいたとおりだと思います。そして、この問題につきましては前回の再計算時におきましても御審議をいただきまして、次の財政再計算の課題として宿題もいただいております。まさに平成六年の今度の制度改正の重要な課題として、私どもも避けて通れない問題だと認識をいたしております。 ただいま労働省から雇用の関係の御説明がございましたけれども、その辺との連携もよくとりながら、先生御指摘をいただきましたような趣旨に沿って、制度改正の方向をぜひ今度の改正で見出したいということで審議会等でも御議論をいただいておりますので、鋭意努力してまいりたいと思っております。
○鈴木(俊)委員 年金制度の問題につきましては、ただいまの支給開始年齢の問題と、もう一つ被用者年金の一元化の問題があろうかと思います。年金制度の一元化は、産業構造の変化に対応した制度の安定的運営のためにも、また、制度を通じた個々人レベルでの負担と給付の公平化のためにも必要な課題であると思います。 お聞きするところによりますと、政府は平成七年に一元化の完了を目指しており、昭和六十年改正で基礎年金制度が導入され、さらに現在、一元化までの措置として被用者年金制度間の負担の調整事業が行われているところでありますけれども、現時点では一元化の全体像自体が余りはっきりしていない状況ではないかと思います。 厚生省としては一元化についてどのような方向を考えているのか、また、今後どのようなスケジュールでこれを進めようとされているのかをお尋ねしたいと思います。
○山口(剛)政府委員 先ほど大臣からも御答弁させていただきましたように、これから高齢化社会を迎える中で、長期的に安定した年金制度にしていくために、この一元化という問題は大変重要な問題だというふうに受けとめまして、政府としては、平成七年に一元化を完了するということで目標にしているわけでございます。 先ほど先生御説明ございましたように、今までもそういう方向で制度改革がされ、努力をしてきているわけでございまして、さらにその一元化をよりレベルの高いものにしていくということで現在検討を進めているわけでございますけれども、御指摘のとおり、経緯がございまして、大変難しい問題でございます。 したがいまして、政府部内といたしましては、とりあえず各制度がこの問題についてどういう目標を持って、どういう考え方のもとに対応していくのかということを本年の秋を目途にそれぞれの制度で検討しよう、それを持ち寄りまして、できれば政府全体としてこの問題にどう対応していくかという検討の場を設けて、平成七年に向けての作業を進めていこうという段取りで政府を挙げて取り組んでいきたいということで、今鋭意努力しているところでございます。
○鈴木(俊)委員 いずれにいたしましても、平成六年あるいは七年に行われます年金制度の改正、見直しといいますものは、来るべき超高齢化社会にどのように対応するかといった意味で大変重要な改正、改革であると思っております。特に、年金自体が国民生活に密着した制度でありますから、この重要な改正に当たっては広く議論を行い、国民の十分な理解の中で行われるべきであると思います。 お聞きするところによりますと、厚生省は新人口推計に基づく年金財政の暫定試算を公表し、また制度改正に関する有識者へのアンケート調査を実施したとのことであります。こうした試みは今後議論を広く行うための素材として大変有意義なものと考えますが、国民的合意形成のためにどのような取り組みを行っていくのか、お伺いをいたしたいと思います。
○山口(剛)政府委員 御指摘をいただきましたように、年金制度は国民の皆さんの連帯のもとに成り立っている制度でございますので、この改革の方向等につきましても国民の皆さんの合意形成ということがぜひとも必要でございます。 そのために、各界の代表の方にお集まりをいただいて、本格的に次の制度改正に向けての御議論を審議会等でもお願いしているわけでございますが、それ以外にも、今先生御指摘がございましたように有識者調査等を実施いたしまして、私どもなりに現在の年金制度が抱えている課題等について御説明をする。大変複雑な制度でございますので、十分に御説明をし、あるいは数字の上でもできるだけ情報を公開して、御理解をいただく努力をしていくことが大切だということで、暫定試算あるいは有識者調査等努力をしておりますけれども、御指摘のとおりでございますので、今後も制度改正の作業を進めていく中で、できるだけ御要請に沿うような形で私どもも最大限の努力をさせていただきたいと思っております。
○鈴木(俊)委員 次の制度改正、本当に大切な改正であります。年金改正の動向が社会経済全体に与える影響も本当に大きなものと思います。次期改正をめぐる状況、いろいろ難しい面もあろうかと思いますが、これらの状況を踏まえて次期改正にどのような考えで臨むのか、大臣のお考えをお聞きいたします。
○丹羽国務大臣 五年ごとの財政再計算というのは、御案内のように、年金は毎年物価スライドで上がっていくわけでございますが、そのほかに、いわゆる年金水準の見直しそのものも行っていくわけでございます。私ども、それと同時に、今回は、先ほどからお話がございますように、いわゆる支給開始年齢の引き上げの問題が大変大きなポイントとなってくるわけでございます。 もう今さら申し上げるまでもなく、この年金制度というのは世代間の支え合いで成り立っておるわけであります。つまり、現役世代と年金世代のバランスを図る必要がある。その点につきましても先ほど委員から御指摘を賜っておるわけでございますが、その際に、いわゆる給付水準と保険料率と支給開始年齢、この三つというものが密接に絡まってきておるわけであります。 先ほどから御指摘賜っておるわけでございますが、近々の暫定試算によりますると、いわゆる厚生年金の保険料率は現在一四・五%でありますが、六十歳の支給開始だと三十年後には三四・二%の高負担を余儀なくされる、これを六十五歳に引き上げますと保険料率は二八・八%まで軽減することができる。私は世代間のバランスを考えていく上で避けて通れない、こう考えておるわけでございます。 六十五歳の支給開始における最大の課題は、先ほど労働省の方からもお話がございましたように、六十歳定年というのは九割ぐらいまで見込まれておるということでありますが、問題は六十歳から六十五歳までの間で、勤労意欲がありながらなかなか職につけない人や、あるいは職にたとえついても十分な所得が得られない人がおるのが現実でありますので、こういった六十歳から六十五歳までの救済策をどうやって打ち立てるか、いずれにいたしましても不安がないようにしなければならない、これが大きな問題と考えております。
○鈴木(俊)委員 年金の問題につきまして大臣のいろいろなお話も伺いましたけれども、次の制度改正というものは本当に重要な、しかもタイムリミットの迫った時点での改正でありますので、厚生省の方も遺漏なき対応を進めてくださいますように要望をしておきます。 そこで、残り時間もあとわずかでありますが、次に高齢者福祉の問題についてもお伺いをいたしたいと思います。 ただいま質問をさせていただきました年金制度の安定、これは老後の所得を保障する上で重要な問題でありますが、これと同時に、高齢者福祉の充実も高齢化社会に対する備えとしては大変重要な課題であると思います。実際、地元に帰りますと、高齢者福祉の主に施設のことに対する要望というものも大変大きなものがあるわけであります。これらの高齢者福祉施策の基本であります高齢者保健福祉十カ年戦略、いわゆるゴールドプランは今年度で四年目を迎えるわけでありますけれども、その進捗状況についてお伺いをいたします。
○横尾政府委員 平成三年度実績で申し上げます。 丸い数字で恐縮でございますが、ホームヘルパー四万八千人、デイサービス二千二百カ所、特別養護老人ホーム十八万六千床、老人保健施設五万六千床ということでございます。ちなみに平成五年度の予算におきましては、それぞれ、ホームヘルパー五万二千人、デイサービスセンター四千三百カ所、特別養護老人ホーム二十万二千床、老人保健施設十一万三千床を整備することとしておりまして、今後も目標の達成に向けて努力をしてまいりたいと考えております。
○鈴木(俊)委員 次に、老人保健福祉計画についてお伺いいたします。 高齢者の福祉を充実していくためには、何といっても、実際にサービスを受けるお年寄りや地域住民のニーズを踏まえて、地域の実情に応じて施策を推進する必要がありますが、そのためには住民に身近な行政主体である市町村あるいは都道府県の役割が大きいと思います。 この四月からすべての市町村、都道府県において老人保健福祉計画の作成が義務づけられているわけでありますけれども、その作成状況についてお伺いをいたします。また、計画策定に当たって、地域住民の声を反映させるためにどのようなことをしておるのか、この点につきましてもお伺いをいたします。
○横尾政府委員 本年三月三十一日現在で自治体の状況を調査したところを申し上げますと、既に計画決定に至っている自治体が百六十市町村ございます。また、三百十一の市町村が計画原案の作成を終了しておりまして、現在関係方面と調整を図っているところでございます。その他、計画原案作成中の市町村を合わせますと、全市町村の約五四%が何らかの計画が見えるようになってきているという状況でございます。 また、お尋ねの住民意見の聴取等につきましては、一番多い形が、計画作成委員会に参加をする形で住民の意見を反映するということが多いように存じております。
○鈴木(俊)委員 時間が参りましたので、最後の質問にさせていただきたいと思います。 高齢者福祉につきまして、先ほどゴールドプランの進捗状況、そしてただいまは老人保健福祉計画の進捗状況等についてお話しをいただいたわけでありますが、いずれゴールドプラン、これはぜひ推進をしていただかなくてはならないわけであります。しかし、ゴールドプランによりまして福祉施設の整備が進められていくわけでありますけれども、これらの施設で実際にサービスを提供するのは人であるわけでありますから、これから労働力人口の減少が予想される中で、福祉マンパワーをいかに確保していくかということは本当に大きな課題であると思います。昨年看護婦等人材確保法というものが制定されたわけでありますけれども、この人材確保につきましては、ぜひ厚生省においても今後とも十分な対応をしていただきたいと思います。 この問題につきまして常々私考えておりますのは、福祉の担い手として、我々自身のボランティア活動というものが今後必要になっていくのではないかという点であります。今でもいろいろな福祉の面におきましてボランティアで携わっている方々はおられますけれども、専門的な知識、技術が必要なところは別として、そうでない部分は、みんなで社会奉仕として福祉に携わる環境づくりというものを今後考えていかなくてはならない。これは学校教育の問題もあり、また我々一人一人の心構えの問題もあり、多岐にわたる問題でありますけれども、国としてもこうした方向をにらんで、ぜひ考えていただきたいと思っているところであります。 最後に大臣にお伺いをいたしますけれども、来るべき高齢化社会の到来を控えて、お年寄りが住みなれた地域や家庭で安心して暮らし続けていけるよう、高齢者福祉の充実は大変重要でありますが、今後どのように取り組んでいかれるのか、大臣の決意をお聞きをいたしまして、私の質問を終了させていただきます。
○丹羽国務大臣 まずボランティアの件でありますけれども、私もかねがね、これからのマンパワーということではなくて、国民の皆さんお一人お一人がこういう問題について大変深い関心を持って、御理解をいただくということが何よりも高齢化社会を生き抜いていくために必要じゃないか、お互いに助け合う互助の精神というものが何よりも必要ではないか、こういう認識に立っておるわけでございます。 これからますます高齢化社会を迎えるわけであります。今寝たきりのお年寄りは全国で七十万人おります。それから、お気の毒なことに痴呆症にかかった方が百万人いらっしゃる。合わせて百七十万人いらっしゃる、こういうことでありますし、年々六万人から八万人くらいふえているとも言われているわけでございます。 こういった方々に対する介護でございますけれども、今先生が御指摘のように、高齢者が住みなれた地域や家庭で安心して暮らせる、これが何よりも大切なことではないか、そういうことで、私どもは、先ほどからお話が出ておりますように、いわゆるゴールドプランの中において在宅ケアに力を入れております。ホームヘルパー、ショートステイ、デイサービス、在宅三本柱を中心にして、これらの方々がいわゆる在宅ケアを受けられるように力を入れていく。そのほか施設の面においては、特別養護老人ホームであるとかあるいは老人保健施設であるとか、こういった面の充実も図っていかなければならない、こう考えておるわけであります。 それとともに、今国会で成立をいただいたわけでございますけれども、このようなお年寄りの皆さん方が実際に自立して生活していくためには、福祉用具の利用というものが大変重要ではないか、私はこのように考えているような次第でございます。 さらに、今度はこのゴールドプランでございますけれども、ゴールドプラン十カ年計画というのは平成二年からスタートしておるわけでございます。今年度から実際に地域の、先ほど御質問もございましたけれども、市町村版ともいうべきいわゆる保健福祉計画というものを打ち立てまして、その中でより身近に保健福祉サービスというものを総合的、計画的に提供していく体制を整備していくことが大切だ、このように考えているような次第でございます。 いずれにいたしましても、私どもはこのゴールドプランやそのほかの諸施策を通じまして、福祉、保健の面におきましても世界に冠たるものだ、ひとつこういったものを打ち立てていきたい、このような考え方に立つものでございますので、先生の一層の御理解を賜りたいと思っております。
○浦野委員長 五島正規君。
○五島委員 私は、まず厚生省に対して、昨今のさまざまな調査の中で、医療機関が非常に経営危機に瀕しているという報道が多数されているわけでございまして、その問題についてお伺いしたいと思います。 先般厚生省がまとめられました平成三年度の病院経営収支調査年報、これは地方公共団体の経営する病院、それから赤十字、済生会、厚生連の病院及び国家公務員共済組合連合会の経営する二百六十五の病院を対象として調査しておられるわけですが、こうした公的な病院におきましても、甲表、乙表とも八三%の医療機関が赤字経営であるという数値が出ております。 また、その後の民間のさまざまな調査の中におきましても、平成四年度の診療報酬の改定によりましてもむしろ経営が厳しくなっているという調査が多数ございまして、約八割くらいの病院が赤字経営になっているというふうにも伝えられているわけでございますが、その点についてまず厚生省はどのようにお考えか、お伺いしたいと存じます。
○寺松政府委員 今先生から、いろいろとデータを用いられまして医療機関の経営の状況についてお話がございました。私どもの考え方をお聞きいただいておるわけでございますが、それにつきましてお答えをいたしたいと思います。 平成三年六月の中央社会保険医療協議会、いわゆる中医協でございますが、中医協の調査、あるいは今先生が御指摘になりました公的病院を対象といたしました診療報酬改定後の状況、そういうものを含める調査によりますと、最近医療機関の経営が非常に厳しくなりつつあるという傾向がある、こういうふうに認識いたしております。しかしながら、医療機関全般の経営状況を把握するためには、民間病院も含めました経営状況についての詳細な調査分析が必要なんではないか、このように考えておるわけであります。 このために、民間病院の経営状況や民間病院の経営に影響を及ぼす要因というものの動向、例えば看護婦等の人件費の動向あるいは医療機器の整備の状況、医薬品の購入状況、こういうふうなものなどを含めまして早急に調査するように今準備を進めておるところでございます。
○五島委員 国民の医療を現場において支える医療機関の健全な経営ということは、これは当然必要でございまして、今さまざまな形で医療機関の経営の危機が伝えられている中において、早急にそうした調査をされて、対応策をとっていただきたいと考えるわけでございます。 一方におきまして、今日、社会生活の変化に伴いまして、当然国民の療養環境等に関するニーズの変化というのは非常に大きいものがございます。厚生省も、例えば長期療養病床に対する療養病室の改善、あるいは談話室等々のスペースの改善の問題、あるいは先般東京都の消防庁の方から出されましたように、収容患者のセキュリティー問題に関しましても大幅な改善というふうなものが要望として出されてきております。 そういう意味では、昭和二十三年に最初に制定されました医療法の時代から考えますと、今日、社会の変化に伴いまして、そうした意味における医療機関の施設の変化というものは非常に強いものがございます。また、当然それに対応していかなければなりません。またスプリンクラーであるとか退避路の問題、あるいは痴呆老人等の問題を考えた場合に廊下の問題等々、いろいろな問題があるわけでございます。 その中でごく一部、痴呆老人にかかわる問題あるいは長期療養病床への病床転化の問題等について、厚生省は一定の補助というふうな方法もとられているわけですが、そうした部分に限らずに今日非常に広く療養環境の改善というものが求められている。こうした経費というものが診療報酬によって支払われるべきとお考えなのか、それともこれらの経費というのはどのようにお考えなのか、その点について厚生省のお考えをお伺いしたいと思います。
○古川政府委員 御指摘のように、医療機関が国民のニーズにこたえていくとかあるいは適切な医療サービスを行っていく、こういった点で医業経営というものが非常に大事であるということは私どもも十分認識しているわけでございまして、これについては、提供される医療サービスを適切に評価するということのためには診療報酬がある、これが基本だと思うわけでございます。 御案内のように、診療報酬の改定に当たりましては、従来から医療経済実態調査を実施いたしまして、先生が御指摘されたような経費増も含めまして医業経営の実態を把握する、そして物価、賃金の動向とか医療を取り巻く諸状況を総合的に勘案して、そしてさらに中医協の御審議を踏まえまして、全体として健全な医業経営が行われるといったことで努めておるわけでございまして、ことしの六月にもこの医療経済実態調査を実施していきたい。御指摘の点も十分念頭に入れて対処してまいりたい、かように考えておるわけでございます。 なお、医療機関の施設整備の問題に関しては、御案内のように、医療の普及とか向上を図るという観点から、社会福祉・医療事業団による低利融資といったものが行われる、あるいはまた税制上の特別措置が講じられているほかに、救急医療体制の整備というふうな特に必要な医療の確保のためには補助金が支出されている、こういう体制でございます。 スプリンクラーなんかの話もございましたが、そういった問題も含めて、そういった経費の増も診療報酬で基本的に対応するというのが基本ではなかろうかと思っているわけでございます。
○五島委員 基本的には診療報酬にそれらの施設の改善費用も含まれているというお話でございますが、現実の診療報酬の中において施設に対する費用というのは、入院室料という形であるだけでございますね。入院室料というものが、到底今日の時代において国民が望んでいるような療養環境を実現するようなものでないということは、これはおわかりになって話しておられるのだと思います。 例えば、これも先日厚生省の方でお出しになりましたいわゆる患者さんのサービスに対する要望調査がございますが、食堂一つとってみましても、患者さんの要望というのは、圧倒的にカフェテリア方式で食事を望みたいというふうな要望が非常に強い。だけれども、現実の医療機関の中において、そうしたカフェテリア方式で食事を供給することはいいとわかっていたとしても、それに対応していくためのそうしたコストがどこにあるのか。 それは医業経営全体が経営的に安定している状況の中においては、いわゆる自由開業医制のもとにおいて、これまで各医療機関の自主的な努力としてやられていいということになるかと思うわけですが、今日のように医業経営の悪化している医療機関が非常にふえている、しかも患者のニーズはそうしたところに非常に強まってきているという矛盾の中で、今おっしゃったように診療報酬の世界の中でそれらの問題が解決できるのかという問題がございます。一つは、そうした部分をアメニティーと考えて、患者さんに自己負担をさせていくというやり方もあるのかもわかりません。しかし、そのことは結果として非常に患者に対して、国民の医療に対して選択の幅を狭めてしまうという結果にもなりかねない。 そういうことを考えますと、今おっしゃいましたように、社会福祉・医療事業団の融資というものが基本的に非常に大きな役割を持ってくるだろうというふうに思うわけです。その場合に、現在の事業団の融資の枠あるいは今日の建設単価等々、必要なあれからいいまして必要額の八〇%、加えて限度額ということで、非常に融資枠の利用の範囲というのが難しい。これをもっと大幅に拡大し、低利子のそういう融資制度というものをもっと拡充すべきではないかと考えるわけですが、その辺について御見解を賜りたいと思います。
○寺松政府委員 今、五島先生がおっしゃいましたこと、それからまた保険局長がお答えいたしましたように、病院の経営というものについては診療報酬が大きな役割を果たすのではないかとは思いますけれども、私考えますのは、日本の医療というものは民間医療機関で七割、八割を支えておるというようなことでございますから、やはり民間病院の経営が安定、健全化してないと本当に良質な医療が国民に提供できないんじゃないか、こういうふうなことを考えておるわけでございまして、そこでいわゆる政策融資というのでございましょうか、金融上の問題あるいは税制上の問題も考えていかなきゃならぬと思います。 今先生の御指摘は社会福祉・医療事業団についての御質問でございますので、ちょっとそれに絞りましてお答えを申し上げたいと思いますが、社会福祉・医療事業団の医療貸し付けの融資枠につきましては、事業団ができましたのは昭和六十年でございますが、六十年度の貸付計画は八百億円にすぎませんでした。しかし、平成五年におきましては千三百八十億円を予定いたしております。年々着実に増額を図っておるということが一つでございます。 それからまた、先生も御指摘になりました融資条件でございますけれども、利率でございますとか貸付金の限度額でありますとか据置期間あるいは償還期間というようなもの、そういう融資条件につきましても充実を図っておるところでございます。 ちょっと御説明を申し上げますと、平成五年度におきまして一つ新しくやりましたのは、療養型病床群というものを医療法で位置づけていただきましたので、その病院の建築資金の貸付限度額というものにつきましては特定の病院等というものの範囲に入れまして、現在のところ八億円ということになっております。それから病院と老人保健施設の貸付金の限度額でございますが、これは六億円ということになっておるわけでございます。それぞれ引き上げてまいりました。 今後とも、医療機関の資金需要に適切に対応できますように、私ども融資制度の充実につきましては努めてまいりたい、このように考えております。
○五島委員 局長にそれに関連してお伺いしたいのですが、例えばスプリンクラーの設置の問題がございます。現在厚生省の方は、三千平米以上の病室を持っているところに対してはスプリンクラーをたしか平成七年までに設置するようにということになっておりますが、今回東京都の消防庁の方ではその限度を取っ払って、患者を収容しているような施設においてはスプリンクラーを設置しろというふうに言っておりますね。事実、三千平米ということに対して根拠があるわけではありません。また、今日のように特にお年寄りが非常にふえてきている中では、患者のセキュリティーから考えまして、そうしたスプリンクラーの設置というのがもっと全体的に広がっていくことが望ましい。 また、非常に土地が高騰する中で病院の施設が高層化するという中では、患者の万一のときの避難という意味からいっても、そうした施設の整備というのが重要なわけですが、その場合に、例えば社会事業団の融資というのが三千平米以下の医療機関に設置する場合にも対象になるのか。あるいは、地方において浄化槽等々の基準値を環境保全のために上げていった場合に対応した形での増改築というものや新設、そういうふうなものについてはこの事業団の融資の対象になるのか、お伺いしたいと思います。
○寺松政府委員 今先生スプリンクラーなどの例を挙げて御質問になりましたが、私ども平成五年度におきましていろいろと考えておりました。 一つは税制上の問題の優遇措置を考えておったわけですが、なかなか活用する方がないわけでございまして、そこでスプリンクラーの施設整備につきまして補助金等何か考えられないものかということで、今回の補正も含めまして来年度の予算等々、予算的に何か国の補助的なものを考えなきゃならぬのじゃないかというようなことで、検討課題の一つとして今取り組んでおるところでございます。
○五島委員 補助金という形でお考えをいただくのも非常にありがたいわけでございますが、補助金というものをそういう施設面に対して入れていくとした場合、どの範囲までかという問題が必ずあるわけであります。患者の安全というのはどういう医療機関であっても図られなければならないということを考えた場合に、そうした分野についての社会事業団の融資の適用、とりわけ患者の安全という意味において、必要な部分についての思い切った低利融資という制度をぜひお考えいただきたいと思うわけですが、その辺についてお考えいただけませんか。
○寺松政府委員 先生今御指摘のように、病院におきましてはやはり患者の安全ということが一番大事でございますから、そういうこともございまして、スプリンクラー等の施設整備につきましての融資というような問題につきましては、できるだけ融資条件がいいように考えたいと思いますし、これからも努力をしてまいりたい、このように考えております。
○五島委員 どうもありがとうございます。 そこでもう一つ、例えば日本の国民総医療費というのが二十四兆円まで暴騰したという問題があるわけですが、その一方において医療機関等々の医業経営は非常に悪化してきている。 そういうふうな原因は一体どこにあるのかということを考えた場合に、一つは、やはり老人を中心とした福祉費用というものが医療保険の中に編入されてきている、それが医療費の高騰につながってきているということは否定できないと思います。例えば老健施設あるいはデイケアあるいは訪問看護、それらは一部において医療とも関連しますが、一部においては福祉とも関連するわけです。それらの経費が医療保険によって賄われている。 私はそのことを否定いたしません。それを医療保険で賄おうということであるならば、医療保険自身がそうした高齢者福祉を賄っていけるだけの財源として確保される、そういうふうな手段がとられているのかどうか。その辺の検討がないままに、高齢社会が迫ってくる中で、非常に安直に医療保険の中でそれらの経費を賄ってきたという経過があるのではないかというように考えるわけですが、その辺を基本的にどういうふうに考えておられるのか。 これからもこうした傾向というのは、先ほどの質問者に対しての御回答の中にもございました。例えば老健施設、平成三年度では五万ぐらいだったのが平成五年度に十一万ぐらいにふえていくというふうなお話もございましたが、老健施設がふえていけばふえていくほどそうした問題が出てくるわけでございまして、そうしたことをどのように考えておられるのか、これをひとつ御返答いただきたいと思います。
○横尾政府委員 老人保健施設は二十八万床を目標に整備する、訪問看護事業も約五千のステーションを目標にするということでございます。 老人保健制度は、その出発のときから、疾病予防から医療、そして機能訓練までを一貫してやるということを目標として創設されてきたわけでございまして、ちょうど十年が経過をいたしました。この十年の間にそれぞれ予防、医療、機能訓練というものを実際に見る中から、老人保健施設や訪問看護といったものの必要性が生まれてきたわけで、私どもは、それはそうした制度目的を実現する一つの方法として、新しい手法として関係者の合意が得られてきたものであるというふうに思っております。 ただ、これからどうなっていくかを考えていくときに、こういった老健施設、訪問看護事業以外に、福祉サービスが十分でなかった時代に、医療機関が入院という形で請け負ってきた部分というのがあったというふうには認識をしておりまして、それは先ほど来御質疑がありましたようなゴールドプラン等々の福祉サービスを進めるということが、一つは利用者サイドのサービスの質をよくするという点からも、社会資源の効率的な運営という意味からも重要であろうというふうに思っております。そういう意味で、老健制度の諸施策と福祉関係の諸施策というのは、連携をとりながら、総合的な視野のもとで進められていくべきものだというふうに考えております。 おっしゃいますように、それぞれの制度が進捗していく中で相互に関連をし合うといいますか、相互に乗り入れをするような部分が出てくるんではないかというふうに思っておりますので、保健福祉、医療サービス全体を見た上で費用負担あるいは財源問題をどうするかということは、やはり重要な問題だというふうに考えております。
○五島委員 横尾局長がおっしゃったように、老健施設ができたということの社会的背景はありますし、そして老健施設あるいはデイサービスあるいは訪問看護といったような事業を考えた場合に、福祉の活動と医療の活動が融合していく、それは一つの流れとして絶対必要なわけですね。そのことは私はそうなんだと思います。 問題は、それに対する費用というものが医療保険の中で賄われている部分が大きい。今日これからは高齢者の福祉というのを考えた場合、これは老健施設でそうであっても、特別養護老人ホームでだって同じような内容が必要なわけです。 そういう点から考えた場合、その費用の負担を医療保険の中でこれからも全部賄っていこうとするのか、それとも福祉についてきちっとした財源を持って、いわゆる医療保険と別に福祉の予算を持ってやっていこうと考えているのか。どちらともとらないままに、とりあえず医療保険の中にそれらを入れてきて、そして国民総医療費が膨大化したということになってしまっているのではないか、そこのところをお伺いしているわけなんです。大臣、その辺いかがですか。
○横尾政府委員 私どもは、現在の姿として、老人保健施設やデイケア、老人訪問看護など現在進めている施策が、福祉の部門を医療保険の費用で肩がわりをしているという認識は持っておりません。 そして、特養のような福祉サービスについては、これは福祉財源として取り組んでいくべきものだというふうに考えておりますが、将来それぞれ総合的に連携をさらに進めていくという供給体制全体の検討の中では、財源について、それぞれの財源をどのように使うかという整理が必要な場面もあるいはあろうかと思います。
○五島委員 横尾さんは今そう言わないと仕方がないというのはわからぬでもないけれども、現実問題、老健施設ができ、デイサービスができる、これはその地域の中において、在宅まで含めた地域の老人福祉にとって非常に役に立っているわけです。そういう意味では、国民のサイドからいえば、これを福祉の拠点として考えていたのは明らかに事実なんです、そのことはおわかりのはずなんです。 しかし、それを費用の問題でいった場合に、整理されていないから横尾さんがおっしゃったようなことを言わざるを得ないのだろうけれども、そこのところをきちっと何らかの基本的な方針というものをつくっていかない限りは、そのことによって今後ますます医療保険の財源が圧迫されていくだろうということです。きょうはほかにも質問したいことがございますので、その点についてはこれ以上押し問答しませんけれども、ぜひ大臣、どのように長期的にお考えになるかを後でまとめて御返事いただきたいと思います。 あわせまして、今の横尾さんの話にもありますように、医療と福祉が限りなく結合していっているという一つの流れ、それは時代の流れとして極めていいわけですが、もう一方において、医療と保健との結合というのは極めて不十分なままに置かれている。各種の健康診断があり、あるいは職域においては職域の健康管理、学校においては学校の健康管理等々がばらばらにあるわけです。いずれにしても、そうした個々人の健康情報というものが、トータルなその人の生活の中において必要に応じて参考として利用できるというシステムになっていない。すなわち、医療と保健との結合が極めて不十分であると言わざるを得ないと思います。 医療と保健、そして、医療、保健と福祉の結合ということを考えた場合に、この隘路というのはもう二十年前から指摘されたまま、何ら具体的な方向性をたどっていないわけです。数々の調査においてモデル的に実施されているところはありますが、そうした先進的な地域のモデル例も踏まえながら、これからどのような方法で保健と医療を結合させていこうと考えておられるのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○寺松政府委員 先生今言われましたように、モデル的というのでございましょうか、保健と医療、場合によっては福祉までも連携を図っていらっしゃるいろいろな地域がございます。知恵を出しながらやっていらっしゃる事例も、私も幾つか存じております。 そこで、一般論から申し上げれば、確かにこれからの本格的な高齢社会に向けまして、国民が生涯にわたって健康な生活を送ることができる可能性というのは非常に強く望まれておるわけであります。したがいまして、保健サービスあるいは医療サービスあるいは福祉サービス、それぞれが充実を図られなければならないと思うわけでありますけれども、それをさらに効率的に行うためには、横の連携をよく保ってやることが大事なのではないか。特に受け手の住民のサイドから考えますと、非常に大事なことではないかと思っておるわけであります。 そこで、今いろいろと御指摘になりましたように、医療保険制度におきましてもそれから職域関係におきましても、いろいろ健診等のデータを蓄積されておるところでございますが、確かにまだ個人の健康管理としてはデータ的にも十分生かされていない。ばらばらに行われているというか、その嫌いが非常に強いのであります。 そこで、できるだけそういうことを連携して情報を集積したい、しかも、個人が持っているカードというようなもので何とかプライバシーを保護しながらやれないものかということで、私ども実は各地でモデル的にやっておるわけでございます。 一つは五色町とか姫路市というようなところでやっておりまして、特に姫路市におきましては、プライバシーにつきましてはもちろん十分な保護をしながら、保健医療カードシステムというふうなものの研究開発を行って、実際今実施しておるわけでございます。そういうところでいろいろ問題点がございます。いわゆる互換性の確保でございますとか情報の入出力というような課題がございまして、私ども、平成五年度におきましては、標準的なカードシステムというふうなもののガイドラインをつくってまいりたい。 いずれにいたしましても、カードだけが先行するのではございませんで、本来、個々の方々の健康を生涯管理するのに役立つ、そういうふうなシステムをつくる一環としてそのカードが何か役立たぬものかというようなことで、今努力をしておるところでございます。
○五島委員 そういう努力をしておられることは存じておるわけです。 そこで局長、一つ教えていただきたいのですが、五色町あるいは姫路市、かなり自治体の規模には差があるわけです。それらのところでやられている現在のシステムのヘルスとコストのベネフィットというのは検討されているのでしょうか。そういうふうなことをやったことによって健康及びコストに対する効用といいますか、それはどうであったのか。そこのところは、こういうふうなことをやってしまいますと、やったという実績に基づくその評価というのは非常に難しいところがございます。これは厚生省として早急にきちっと科学的に検討を加えるべきだ。そして、それによってコストとヘルスのベネフィットがいいということになれば、やはり大胆に進めていくべきだというように考えるわけですが、いかがでしょう。
○寺松政府委員 お答えします。 私ども、先ほど御紹介しました姫路市におきましても今実施している最中でございまして、モデル的に試行しておるというようなことでございます。したがいまして、研究開発の段階と考えてよろしいかと存じますが、まだそれぞれを評価するほどのデータの蓄積がございません。 しかし、今先生御指摘のように、こういう制度を導入いたします場合にコストベネフィットというのでしょうか、そのアナリシスを十分やる必要があること、これは私どもも十分承知しておりまして、やはりデータの蓄積のもとに、それを解析しながら段階段階でその評価をしていきたい、このように考えております。
○五島委員 ぜひ精力的に進めていただきたいと存じます。 そこで、問題がかわってもう一つお伺いしたいと思うのですが、先日、衆議院の本会議におきまして労基法の改正が通過いたしました。まだ参議院は通過していないようでございますが、いずれにいたしましても、週四十時間労働制への移行はほぼ決定されたという状況になってまいっております。 私、この問題については労働委員会におきましても質問いたしました。厚生省からもおいでいただいてお伺いしたわけですが、週四十時間労働制に移行するということは、現場におけるマンパワーとして見た場合に、患者のサイドから見ますと、約一割ぐらいの労働力が労働現場においては少なくなる、薄くなるということを意味しております。そういう意味では、この労基法改正に伴いまして、それの実施の状況の中において、現在の特に看護婦や看護要員等の人員配置の基準、これを変えていかれる用意はあるのかどうか、それをお伺いしたいと思います。
○寺松政府委員 人員配置の基準を変えるかどうかという御質問でございますが、看護婦の問題の週四十時間勤務というような形につきましては、私どもがつくりました新しい需給見直しというものの中にカウントいたしまして、二〇〇〇年までに何とか需給のバランスをとりながら週四十時間も含めて積み上げたものでございます。 したがいまして、その実現に努力するつもりでおるわけでございますけれども、労働省の方で、今の時短法の関係もございまして準備をいろいろ進められております。私どもも、また現場の実情も、やはりこれは無視するわけにまいりません。その辺を考えながら、今の需給見直しをさらに改めてみるということもやらなければならない、そういう事態になることも予測されるわけでございまして、その辺もまた考えていかなければならぬと思います。 病院の看護職員の人員配置の基準につきましてでございますが、現在、各病院におきましてこれを遵守するように指導いたしておるところでございます。看護婦等の人材確保の促進に関する法律に基づきまして昨年末に基本指針を定め、現在、これを基盤として看護職員の確保対策を推進しているところでございます。この基本指針の中にも、当面週四十時間労働制を目指して、完全週休二日制の普及等、労働時間短縮を進めていくなどの看護職員の処遇の改善に関する事項を盛り込んだところでございます。 厚生省といたしましても、今後とも看護職員の確保対策はもちろん推進をしてまいらなければなりませんが、それと同時に、昨年の医療法改正の際、附則に病院の人員配置に関する検討規定が盛り込まれております。その趣旨を踏まえまして、医療施設機能の体系化を図っていく中で、今後の需給状況の推移、そういうことも勘案しながら、医療施設の機能に応じた適切な配置基準、そのあり方につきまして検討してまいりたい、このように考えております。
○五島委員 検討していきたいというお話ですが、実際問題として、例えば週四十時間、週休二日というものが実施された場合に、これはかって私この場でも質問したわけですが、基準看護を一つ例にとりましても、現在特二類、二・五人に一人の看護基準という医療の現場が、週四十時間労働になりますと、特一類、三人に一人の看護基準のところの看護量しか患者さんに対して提供できなくなってくる。したがいまして、現在の特二類の看護量を患者さんに提供しようとするならば、現在の特三類に近い基準を新たにつくらない限りは、現在の看護の量の提供というのはできなくなってまいりますね。そういう意味では基準看護そのものの見直しというものをされるのかどうか。 それをされないということになりますと、結局看護力が不足する。各医療機関がそれぞれそれでは足りないと思うのなら、診療報酬では手当てしないけれども勝手に雇いなさいよということでやったとしたら、先ほども質問いたしましたが、現在の医療機関の経営の実態の中ではそれは不可能だろう。そういうふうな点から考えると、現在の看護基準の見直しあるいは基準看護の見直し、これは緊急を要しているのじゃないかというふうに思うわけですが、その辺についてはいかがですか。
○古川政府委員 御案内のように、診療報酬につきましては、本来は医療機関における使途を個別具体的に特定するものではないわけでございまして、診療報酬上の措置が労働条件の改善にストレートに結びつくということを制度的に直接担保しているというものではない。 そういった点では困難な面もございますが、御案内のように、昨年の四月の診療報酬の改定におきましては、良質な看護サービスの安定的または効率的な供給というような観点から、例えば改定率の設定に際しましては、平均引き上げ率五・〇%のうち看護関連部分が約二・六%、また、具体的な点数の設定に際しましても、看護料の約二五%アップという大幅な引き上げのほかに、適切な夜勤体制及び所定の労働時間が実施されている場合の加算を新たに設けるというようなこともやったわけでございます。 そこで、御指摘のこういった問題との関連での基準看護の見直しということでございますけれども、この点につきましては、私ども基準看護の普及状況の推移等を見守りながら、中医協の御議論も踏まえまして慎重に対応してまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○五島委員 病院職員、特に看護婦さんたちの労働条件が非常に悪い。そこで、我々医療関係者として言えば、非常にそういう言葉が使われていることに対して腹立たしい気持ちがありますが、看護現場が三K労働と言われているような状況にあるわけです。それの改善のために前回の診療報酬の改定が原資として使われた。これは実態としてそうなんですね。 そのことと、今問題になっているのは、患者さんにとってこれまで提供されていた看護の量を維持できるかどうか。維持するためにはそこに人をふやさなければいけない。それを診療報酬の中においてやっていくのかやっていかないのか。やっていかないということになれば、それの被害というのは患者さんへ来るわけですね。その点をお伺いしているわけなんで、今の御回答では極めて不満足であると言わざるを得ないと思います。 あわせて、その問題に関連して、最近非常にバート看護婦さんを雇うということがふえてまいりました。そして、現在厚生省は、パートの看護婦さんがそれぞれの医療機関の中で就労された時間数の総和をもって看護婦の基準値としてカウントするというふうなことをやっておられるようでございます。 そうした中で昨今非常に問題になってくるのが、夜勤専門看護婦あるいは夜勤専門バート看護婦さんの存在。私も何例かの話、相談を受けるわけですが、ダブルジョブという形で、昼間は夜勤のない診療所などで勤務しておられる看護婦さん、その看護婦さんが昼間の勤務を終わってから、別の病院で夜勤専門パートとしてお勤めになっているというふうなケースがあると聞いております。厚生省はそういう形での就労について認めているのかどうか。また、そういう形の就労の場合も勤務時間として時間単位のカウントの中に入れておられるのかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。
○寺松政府委員 今先生の夜勤看護婦、特に夜勤を専門にやるという看護婦は、最近確かに私が知っておりますところでも希望者が非常に多いように聞いております。 夜勤専従の看護婦につきましては、世の中の生活様式の非常な多様化の中で、夜間勤務を特に希望するあるいは休日等に働くというような方々がふえ、そして、その合間をもって大学で勉強したいというような看護婦さんもあるように聞いております。また、他の看護婦の夜勤負担を軽減するという観点からも、非常にその導入は検討するに値すると思っておるわけでございます。 しかし、夜勤専従看護婦の人事や労務管理というような観点から、導入に当たりましては慎重な対応が必要であろう、勤務条件や職場環境の整備に十分配慮する必要があるだろうというふうにも考えておるわけでございます。 なお、準夜または深夜勤務において夜勤専従看護婦を導入している医療機関では、勤務時間帯、一カ月の勤務日数等、看護婦本人の希望を配慮した上で導入しているというふうにも私ども報告を受けておるわけでございます。 そういうような実態でございますが、私どもも看護婦の業務につきましては、今トータルの話で、ちょっと私がお答えする中で言い落としたと思いますので、補足も含めて申し上げたいのでございますが、本来看護業務というのはどんなものかということも一遍検討するべきではないかということで、ここ二、三年検討いたしております。近く取りまとめをしていただこうと思っておるわけでございますが、その中で、勤務の体系という中で、やはり夜勤の看護婦さんというふうな方の導入というのは非常にメリットがあるのではないかというような御指摘がございます。それは御本人の御希望もございましょうし、それからまた、実際の看護婦のローテーションを組む場合にも大きなメリットがあるというふうなこともございます。 以上申し上げましたように、看護業務自身の本来業務、今までむしろ他の職種がやってもいいような仕事まで看護婦さんがやっておるというようなことを整理したり、あるいは病院の中で病棟等の機能、診療機能に応じて配分をしていくというようなことも十分頭に入れて対応していけば、少しでもその辺の看護婦さんの有効な活用に役立つのではないか、このように思っております。
○五島委員 マンパワーが足りない、特に看護労働力が足らないということの中でそういうふうなお話も出るのかと思うのですが、しかし、看護の人が足りないということで、看護婦さんの労働条件については、それは余り考えなくてもいいんだということにはならないと思うのですね。 きょう労働省の方にも来ていただいているわけですが、労働省の方にお伺いします。 労基法の第三十八条「時間計算」という部分ですが、「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。」こうなっていますね。平成三年八月一日改訂発行である「労基法便覧」の中に、それについての「解釈例規」というのがございます。「本条において「事業場を異にする場合においても」」とあるのは、「「事業場を異にする場合」とは事業主を異にする場合も含む。」というふうに明確に書かれているわけです。 そして、「事業主Aのもとで法第三十二条第二項所定の労働時間労働したものを、B事業主が使用することは、法第三十二条又は法第三十六条の規定に基き、夫々時間外労働についての法定の手続をとれば可能である。」というふうになっています。そして、「二以上の事業主に使用されその通算労働時間が八時間を超える場合」は「割増賃金を支払わなければならない。」こうなっているわけです。そうですね、労働省の方。
○上村説明員 ただいま先生から労働基準塗二十八条のお話がございました。三十八条一項に先生がお読み上げになりましたような規定が書かれておりまして、その関係の解釈等は先生が申されたとおりでございます。
○五島委員 労基法の世界の中でそのように明確になっている。そうなりますと、ダブルジョブを持って夜勤専門看護婦としてパートで働いておられる方は、少なくても一日に八時間の時間労働というものがずっとある。週何回かあるという形になっていきます。 そうしたことを全く掌握せずに、厚生省は例えば一週間のうちにそうしたダブルジョブを持った看護婦さんを週二日夜勤専門看護婦として雇っていく、それを人員定数の中にそのままカウントしていく、これはある意味では労基法のこの世界を無視するものになるのではないかと考えるわけですが、いかがでしょうか。
○寺松政府委員 今先生の御質問は、同一の看護婦が複数の医療機関で働いているというふうなものの実態について厚生省もきちっとチェックして指導するように、こういうことであろうかと思いますが、複数の病院で労働しておる看護婦にはそれぞれの事情もあるのではないかと思います。そこで、個々の病院にとりましては、管理すべき労働時間外のことについて、なかなか事情は把握しにくいというのが実情ではないかと思います。 そういうようなことが背景にございますけれども、やはり適正な労働環境といいましょうか労働条件といいましょうか、そういうようなものの観点から考えますと、何かいい方法はないものか、むしろこの辺は私ども御専門の労働省あたりともいろいろお話をして、どんないい対策があるのかというふうなことを考えてまいりたい、このように思います。
○五島委員 看護婦さんのサイドからいえば、ダブルジョブを持って、言いかえれば、労基法の世界でいえば、長時間の時間外労働によって所得を得たいという希望があるのだから、それを捕捉することはできないという話かと思うのですが、これも今の労基法の三十八条関係の説明の中に、「事業主を異にする場合」に、それもだめということになれば、「個人の側からすれば一日八時間以上働いて収入を得んとしても不可能となるが、この際個人の勤労の自由との矛盾を如何にするか、又内職は差支えないのか」ということに対する説明として、要するに、内職であれば「発註者との間に使用従属関係があるか否かによって法の適用の有無が決定される。」こうあるわけです。 医療機関の場合、明らかに使用の従属関係というのはあるわけです。だめだということをはっきり言っているわけです。だめだとはっきり言っている部分を、それは捕捉できないからという形で、現在のマンパワー不足の問題をそのことによって、看護婦さんの長時間労働あるいは低賃金ということを悪い言葉でいえば利用して補足しよう、糊塗しようというのは、これは非常に問題があるだろう。この辺、労基法の世界と現在の厚生省のそういう看護婦の配置の問題との間の整合性というのはきちっととっていただきたいと僕は思うわけですが、いかがですか。
○寺松政府委員 今私がお答えしたことだと思いますけれども、実情、病院側もなかなか実態の把握が難しいかと思いますけれども、その辺の実態を十分把握した上で御専門の労働省とも相談をしてまいりたい、このように思います。
○五島委員 時間がございませんので次にいきますが、そのことは、病院側が夜勤の専門パート看護婦さんを雇われるときに、その看護婦さんがダブルジョブを持っているかどうかということのチェックをすることをきちっと指導すれば済むことではないかというふうに思うわけで、それをぜひやっていただきたいと思います。 時間がもうございませんので、通告をしておいた質問の内容をかなり大幅にカットさせていただきますが、最後にHIVの感染者についてお伺いいたします。 現在、日本の感染者数及び発症者数をどのように把握しておられるのか、その経過をお伺いしたいと思います。またあわせて、アメリカにおけるそうした公表された数値の経過というのをお聞かせいただきたいというふうに考えます。
○谷政府委員 現在我が国のエイズの感染者あるいは患者の現状でございますが、ことしの二月末現在で患者が五百五十四名、感染者二千六百一名ということが報告をされております。 アメリカにおきます数字でございますが、私どもが把握しておりますのは一九九一年まででございます。九一年末だと思いますが、約二十万人の患者というふうに承知しております。
○五島委員 十年前のアメリカはどうですか。
○谷政府委員 十年前、大体一九八三年ごろが四千五百人、八二年が千五百人というふうに承知しております。
○五島委員 公表されたデータだけで比較いたしますと、人口の差はございますが、日本は十年前のアメリカと同じくらいのHIVの感染者及び患者が発生しているというふうに考えていいかと思うわけです。 今年度、厚生省はこれに対して予算もかなりつけられて、取り組みを強化しようとしておられるということはよくわかっているわけでございますが、果たして本当に日本のHIVに対する対策というのが具体的に効果を上げているのだろうか、上げられるのだろうかという不安が非常にあるわけでございます。これに対する予防ということになりますと、まず啓発、啓蒙活動というものが極めて重要でございますし、また患者さんに対する、あるいは感染の機会の濃いというのですか、いわゆるハイリスクの人たちに対するカウンセリング活動、そしてもう一つは患者さんの治療の場、この三つが非常に重要になってくることはもう御案内のとおりでございます。 ところで、日本においての啓発、啓蒙活動ですが、さまざまなポスターとか、あるいはマスコミを通じてそれなりにはやられているわけですが、中にはHIVの予防に関連してとんでもない誤った情報なども流されている。 例えば、きょうここに持ってまいりましたのは、本年の二月でしたか、出されました日本写真新聞社の「学校保健ニュース」の中学校用と高校用とを持ってまいりました。 エイズは確実に死ぬ病気”純潔”こそがエイズを防ぐ唯一の手段 年頃の異性と二人きりで喫茶店に出入りしたり、部屋や車内で二人きりになることから、不純異性交遊は始まっています。やさしい誘いも、断固として断る勇気を持ちましょう。 コンドームを使用しても、エイズの感染を完全に防ぐことはできません ほかにもいろいろと、こういう場で読みたくないこともございます。そういうふうなばかげた誤ったポスターが学校の方へ配られた。さすがに広島県の教育委員会は、これの学校での掲載をとめたということが新聞に報道されております。 文部省の方にもお伺いしたいのです。これは全国でかなり配られたはずでございますが、別々のものです。中学校用と高校用です。これは全国でどの程度こういうふうなものが出されて、そして それは実際に学校で張られたのか、お伺いしたいと思います。
○近藤説明員 お答えをいたします。 現在エイズが深刻な問題になっておりまして、エイズ教育に関連をいたしました出版物あるいは教材、今先生御指摘のようなポスター、これが多数販売、配布をされておるわけでございます。私どもは、本件のポスターがどの程度販売されておるか、あるいは学校に掲示されたかということにつきまして、個々の数字を把握しておらないわけでございます。 いずれにいたしましても、私どもは、学校におけるエイズ教育につきましては、正しい知識を身につけさせることによってエイズを予防するとともに、エイズ患者・感染者に対する偏見や差別を除き、人間尊重の精神を育てることが重要である、このように認識をしておりまして、平成四年度でございますけれども、小中高等学校の教師用の指導の手引を六十五万部作成をいたしまして、全国の学校に配布をいたしました。また、高等学校の子供に対しましては、五百八十万部でございますが、パンフレットを作成をいたしまして、これもまた教育委員会、学校を通じて配ったわけでございます。 今後とも、私どもにおきましては、都道府県の教育委員会を通じまして、いろいろな研修会等もございますので、こういうエイズ教育が適切に行われていくよう関係者を指導し、周知徹底を図ってまいりたい、かように考えておるところでございます。
○五島委員 もう時間もないようでございますが、 エイズを治す薬は、まだありません。エイズ に感染すれば、死を待つしかないのです。こうした恐怖心をあおり立て、しかもこういう刺激的な文字で飾ったようなポスターが中学校や高校に張られる、これはとんでもない問題で、こういうふうな形でのエイズに対するキャンペーンというものは、逆にエイズ対策をおくらせるだけである。そのことについてやはり文部省は迅速に対応していただきたい。どこに張られたかわからないということでは困るわけで、こういうふうなポスターは誤りであるということをぜひ明確にしていただきたいと思うわけです。 また厚生省の方にも、時間がありませんので一まとめでお願いしたいわけですが、カウンセリング活動について、今医者や保健婦さんに対して年間百名あるいは二百名のカウンセラーの養成をやっておられます。 問題は、カウンセリングを一体どこでどのような形でどのような対象者に行うかという問題なんですが、例えば今保健所でエイズ検査をやった場合に、HIVの免疫反応がポジティブに出た人を対象として対応しておられる。私はそれは非常に間違ったやり方だ。これは厚生省の過去の例から考えればわかるはずだと思います。もちろんポジティブになった人に対する対応が必要なことは言うまでもありません。 しかし、こうした検査を受けに来られる人たちの中には、かなりの程度ハイリスクグループがおられる。それをスクリーニング的に、例えば肝機能検査をやって異常があったかなかったかというのと同じょうに対応していくということでは、感染症に対する対策のイロハを忘れておられるのかと言いたくなる。そういうハイリスクグループがせっかくわざわざ保健所まで来られて、自分のそういう面での健康の心配をなさっているわけですから、やはりその段階できちっとしたカウンセリングをやっていく、それがまず予防の第一だろう。 それに必要なマンパワーの確保というのをぜひやるべきである。医者は、当然治療よりも診断ですね。診断の結果、それについて伝えなければいけませんので、それらについての知識を医者が持たなければならないことは当たり前ですが、具体的なカウンセラーということになってまいりますと、保健婦さん、あるいは母子専門保健という立場からいうならば助産婦さんといったような人たちに対するカウンセリングの教育、カウンセラーとしての教育をやはり今大々的にやっていくべきだろうというように考えるわけです。 私も、具体的な名前を出すことができないということをこの場で恥ずかしいと思うわけですが、私の知っているある大学の健康管理を担当している医者から、そこの大学生の中にHIVの感染者が二けたいる、しかし、実は検査したということを学生に言っていない、そのまま放置しているという話があります。 そういう意味でいえば、今HIVの検査というのは、各医療機関の中でも、患者さんの了承を得ないまま、医療従事者の安全という意味から随分とこっそりHIVの検査をされている、あるいは産科医院なんかにおいてもやられているという実態も知っています。そして、そういうふうな中から免疫反応ポジティブとなった場合には、医療機関としてそれを言うこともできないということの中で、結局埋もれてしまうというふうな実例もあります。そういう意味からいえば、何としてもそうしたカウンセリングの機能というのがオープンにきちっとやれていって、そのこと自身が患者さんにとっても周囲にとっても差別を伴わないような体制というのをぜひつくっていただきたい。 もう一つは、現在エイズを発症しているあるいはコントロールしている患者さんたちの治療の場です。現在その治療専門医療機関というものをつくりたいという話ですが、現実には血液疾患の専門治療機関までがそうした患者さんを診ることを嫌がっているというふうな状況、あるいはHIVの発症者が入院しようとすれば、大学病院でも非常に高額な個室しかいれない、個室でしか治療しない。何ら医学的根拠はないですね。大部屋であろうと個室であろうと、そのHIVの治療に対して大部屋であってはならない医学的根拠はない。だけれども、それは個室でしか治療していないというふうなことの中で、HIVの感染者の方が非常に苦労しておられるというふうな実態があります。 今、厚生省が、各都道府県の中に何カ所かそういう治療機関をつくろうという形で努力しておられることはありがたいわけでございますが、そのことによっていわゆるエイズ差別のようなものが強化される、そして、エイズの患者さんが早期の段階でのカウンセリングを通じての療養生活に入っていくということがおくれることがないように、どのような御配慮をなさっているのか、その点を含めて質問して、私の質問を終わらせていただきます。
○谷政府委員 一つは、まずカウンセリングのことでございますが、先生お話しございましたように、主として保健所の保健婦さんを対象にしたカウンセリングの研修をやっております。特に保健所におきます匿名検査というものを実施するということにしておりますので、その過程におきましても決して陽性者だけを対象にするということではなくて、陰性の場合においても、感染をするようなことがないような、そういった意味での知識の普及ということも含めてカウンセリングをやるということで、現在県の方にも指導をしているところでございます。 ただ、いずれにしましても、先ほどお話しございましたような正しい知識の普及ということがやはりエイズの問題については一番重要でございますので、先生がお話しいただいたようなことも含めて、現場において対応していく必要があるというふうに考えております。 それから医療の問題でございますが、私どもとしては、一つは医療従事者に対して正しい理解を持ってもらうということで、医療従事者の研修ということをやっていきたいと考えております。また、お話しございましたような各都道府県において拠点病院をつくるということでございますが、そういう準備を現在進めているわけでございますけれども、一般国民にエイズについての正しい知識を持ってもらうということとあわせて、やはり医療機関の従事者あるいは医療機関の方々にエイズについての理解というか、対応についての理解を持っていただくということが、これからの啓発活動の中でひとつ重点を置いていかなきゃいけないことじゃないかというふうに認識をしております。
○五島委員 終わります。
○浦野委員長 沖田正人君。
○沖田委員 私は、昭和六十一年一月に発表されました国立病院・療養所の再編成計画についてお伺いをいたしたいと思います。 この計画そのものは、昭和五十八年の第二次臨調に基づいて合理化の基本指針というものをつくられて、六十年三月の閣議に報告されたものを受けまして策定をされたと理解をいたしますが、そういう理解でいいかどうか、お伺いをいたします。
○田中(健)政府委員 ただいまの国立病院・療養所の再編成の問題でございますけれども、その経緯は今先生がおっしゃいましたとおりでございまして、第二次臨調でいろいろ国立病院・療養所のあり方が議論をされまして、それを受けまして私ども厚生省として「国立病院・療養所の再編成・合理化の基本指針」というものを、お話がございましたように昭和六十年の三月に閣議に報告をいたしました。これに基づきまして、昭和六十一年の一月だったと思いますが、再編成計画の全体計画を公表してそれを実行に移している、こういう経緯でございます。
○沖田委員 この計画の内容については後ほど詳細にお答えをいただきたいと思いますけれども、少なくともこの計画というものは、国立病院特別会計の財政状況が悪化したから、赤字減らしのためにつくられたものじゃないだろうか、こういうふうに心配をするわけであります。 この辺の事情も後ほど御説明をいただきたいと思うわけでありますが、大臣が参議院の本会議の方に出かけられるようでありますから、この機会に質問を全部聞いていただいた上でお答えをいただきたいのでありますけれども、事情は御賢察をいただいていると思いますから、ポイントを申し上げて、大臣の答弁をお願いをいたしたいと思うわけであります。 といいますのは、要はこの国立病院・療養所の再編成に当たっては、余り強引な、むちゃくちゃな手法で整理統合を図ることのないように配慮を十分にしていただきたい。この点についての大臣としてのお答えをいただきたいと思うわけであります。 同時にまた、もう一つ、私の地元でありますけれども、東京・中野における国立療養所中野病院の跡地の利用計画、さらにはこの移転に伴ういろいろな手続等について、今地方分権の時代でありますから、少なくとも土地を持っているからといって厚生省が乱暴に、強引に、むちゃくちゃな手法で一方的に押し切ることのないように、東京都や中野区や関係団体ともひとつ協議を円満に進めていただく、このようにお願いいたしたいと思いますが、この点についてのみ絞って大臣にお答えをいただきたいと思います。
○丹羽国務大臣 国立病院・療養所の再編成の計画でございますが、御案内のように、昭和六十一年に作成をいたしました。全国二百三十九カ所ありますものを百六十五カ所に再編成しよう、こういうものでございます。その実施に当たりましては、先生からも御指摘がございましたように、地元の関係者と十分に話し合い、さらに自治体あるいは議会、医師会の理解を得ながら進めていきたい、こういうような基本的な考え方に立つわけでございます。 しかし、今、国立病院・療養所のあり方というものが大変厳しく問われておるわけでございます。運営におきましても大変赤字経営のところがふえておりまして、一般会計から平成五年度におきましては二千五百億円にも達する繰り入れを行っておる、こういうようなことから、ぜひとも再編成計画というものは地域の皆さん方の御理解を得ながら、国民の皆さん方の御理解を得ながらもなし遂げていかなければならない、こういう考え方に立つものでございます。 それから、中野病院の跡地の問題でございますけれども、いろいろな経緯、行き違いがございまして、まだ十分な調整がついておらないわけでございますけれども、私どもは、当然のことながら、地元の皆さん方の意見というものを十分に尊重しながらこの問題の解決を図っていきたい、こういう考え方に立つものでございます。
○沖田委員 関係自治体、関係団体等との円満な話し合いによる解決を進めていただくということを重ねて大臣にお願いを申し上げておきたいと思うわけであります。 引き続いて、この計画についての、つまり、国立病院・療養所の再編成計画についての内容について担当部局の方から御説明をいただきたいと思いますし、あわせまして、今申し上げたように、財政状況が悪化したから、赤字減らしのためにこの計画がつくられた、こういうことではないだろうか。基本的には、やはり国立病院・国立療養所の存立の意義なり重要性なりというものが当然大切にされなければならぬわけでありますから、その辺のところも踏まえて、ひとつ考え方を明らかにしていただきたいと思います。
○田中(健)政府委員 ただいま先生から何点か重要な点につきましてお尋ねがございましたので、ちょっと長くなりますが、あわせましてお答えをさせていただきたいと思います。 まず、国立病院・療養所の再編成の基本的な考え方でございますけれども、御案内のとおり、我が国の医療機関は、公私立の医療機関が整備充実されてきた結果、量的にはほぼ確保されてきております。今後は、疾病構造の変化、医学医術の進歩などによります医療内容の高度化にも対応した、効率的な医療供給体制の整備を図っていく必要があるというふうに理解をしております。 一方、昭和二十年の発足以来、国民医療の確保に大きな役割を果たしてきました国立病院・療養所につきましては、現在でも重要な役割を担っておりまして、医療環境の変化の中で良質で効率的な医療を供給することが期待をされております。 このような観点から、現在、厚生省として鋭意進めております病院・療養所の再編成は、行革の一環として、また国立医療機関としてふさわしい役割を果たしていけるようにするために実施するものでございます。 再編成計画は、国立で担うべき医療はどうあるべきかということに加えまして、合理化の視点から、先ほど先生からお話がございました昭和六十年三月に閣議報告をいたしました「国立病院・療養所の再編成・合理化の基本指針」によりまして進めているものでございまして、その基本的な考え方といたしまして、国立病院・療養所は、ほかの医療機関と連携しつつ、国立医療機関にふさわしい広域を対象としました高度または専門医療、臨床研究、それから教育研修などの機能を果たしていくこととしたものでございます。 具体的には、統合した方がより機能の強化が図れる施設は統合をいたしまして、診療機能等を総合的に見まして国が直営でやるよりもほかの経営主体が経営するのが適当な施設は、経営移譲を行うということにいたしております。 なお、現在の私ども国立病院・療養所の定員事情あるいは財政事情、これから御説明いたしますが、大変厳しい状況でございまして、こうした状況を勘案しますと、すべての国立病院あるいは療養所を充実強化することは困難な状況にございますけれども、国立にふさわしい機能を担うための再編成を通じまして生み出されました要員等を必要に応じまして存続すべき施設に重点的に再配置をして、その機能の強化が図られることになる、こういうことでございます。 国立病院・療養所の再編成はこのような考えに立って進めているものでございまして、ぜひとも御理解を賜りたいと存じます。 それから、国立病院特別会計の財政状況でございますけれども、平成三年度の収支状況は、経常収入がおよそ五千八百十八億円、それから経常支出はおよそ六千八百二十四億円となっておりまして、収支率は八五・三%でございます。 国立病院・療養所は、通常の診療収入のみでは歳入が確保できない難病、がんあるいは循環器病などの政策医療の実施や、先ほど申しました臨床研究、それから看護婦の養成等の機能を担っておりまして、これに基づきまして一般会計から繰り入れているところでございます。先ほど大臣がお話を申し上げましたけれども、平成四年度予算で二千四百六億円、それから五年度予算で二千四百八十二億円となっております。それから、一部施設整備につきましては財政投融資資金からの借入を行っておりまして、その借入残高は平成四年度末で六千四百九十四億円となってございます。 このように、国立病院特別会計の財政状況は非常に厳しい状況にございまして、国立病院・療養所の経営改善が大きな課題となっております。 それで、先生のお尋ねの、この再編成は赤字減らしのために行っているのではないかという点でございますけれども、再編成計画は、さきに申し上げたとおり、国立で担うべき医療はどうあるべきか、こういう基本的な考え方に立って進めているものでございまして、単に赤字減らしのために行っているものではないということを御理解をいただきたいと思います。 それから、さらに先生のお尋ねの再編成のこれまでの進捗状況でございます。長くなって恐縮でございますが、説明をさせていただきます。 先ほどお話を申し上げましたように、具体的なケースにつきましては、昭和六十一年一月に公表をいたしました全体計画により進めているところでございますけれども、個別ケースにつきましては、従来から地方自治体等地元関係者と十分話し合いを行いまして、自治体あるいは議会、医師会の理解を求めながら統合あるいは経営移譲を進めているところでございまして、この点につきましては先ほど大臣からお答えを申し上げましたとおりでございます。 それで、再編成の進捗状況でございますが、終了したものが四ケースございます。それから今年度、平成五年度統合予定のものが四ケース、統合予定で建物等整備中のものが五ケース、その他統合予定のものが一ケース、移譲予定のものが二ケースでございます。 既に終了したもの、四ケースでございますが、一つは、国立療養所阿久根病院を鹿児島県の社団法人出水郡医師会に経営移譲をいたしました。これが平成元年の十月でございます。 それから、国立柏病院と国立療養所松戸病院を統合いたしまして、先日当委員会で御視察をいただきました国立がんセンター東病院を設置いたしました。これが平成四年、昨年の七月でございます。 三番目が、国立田辺病院と国立自浜温泉病院を統合いたしまして、国立南和歌山病院の設置をいたしました。これも平成四年の七月でございます。 四番目でございますが、組織統合といたしまして、国立精神・神経センターと国立国府台病院の組織統合を昭和六十二年四月に行いました。 それから、平成五年度におきまして統合予定のものといたしましては、一番目が国立療養所盛岡病院と国立花巻温泉病院の統合でございます。これをことしの七月に予定しております。 二番目が国立療養所南花巻病院と国立花巻温泉病院の統合で、これもことしの七月の予定でございます。 三番目が国立療養所東栃木病院と国立療養所宇都宮病院の統合でございまして、これが平成五年、ことしの七月でございます。 四番目に、先ほど先生からお話が出ました国立病院医療センターと国立療養所中野病院の統合でございます。統合いたしまして、仮称でございますけれども、国立国際協力医療センターとする予定でございまして、ことしの十月の予定でございます。 それから、統合予定で建物等整備中のものといたしましては、一番目が国立福岡中央病院と国立久留米病院の統合でございまして、平成六年度を予定いたしております。 二番目に、国立王子病院と国立立川病院の統合でございまして、平成七年度を予定しております。 三番目に、国立高知病院と国立療養所東高知病院の統合につきましては、現在、統合のため国立高知病院隣接地の土地を取得中でございます。 四番目に、国立津病院と国立療養所静澄病院の統合につきましては、現在、統合のため土地取得中でございます。 五番目に、国立療養所西新潟病院、国立療養所寺泊病院と国立療養所村松病院の統合につきましては、ことしの四月二十二日に基本計画を公表いたしまして、着工に向けて手続を進めているところでございます。 その他、統合のケースで動きのあるものといたしましては、国立療養所東松本病院と国立療養所松本城山病院の統合につきましては、平成五年三月十九日に、統合促進と国立療養所松本城山病院の後利用に関する要望が松本市から厚生省になされておりまして、それを受けまして、新病院の構想について鋭意検討中でございます。 それから、移譲のケースでございます。 移譲のケースとしましては、京都府の国立福知山病院につきまして、平成四年十一月に福知山市が市地域医療審議会を設置いたしまして、平成五年二月、国立福知山病院の移譲を受けて、市立病院として充実整備することが適当であるという答申がなされました。ことしの三月議会において市長が、条件が整えば五年度中に移譲を受けることを目途に関係機関と協議すると答弁いたしておりまして、厚生省に対しまして、四月十二日に国立福知山病院の移譲に関する要望書が提出されております。 最後でございますが、静岡県の国立疾病院につきまして、平成三年二月に静岡県知事が経営移譲の前向きの答弁をなされております。今年度から、地元一市五町一村の首長と担当課長で組織します賀茂地区医療推進協議会の場で、運営主体を含めて実務的な話し合いを続けることになったと聞いております。 以上、大変時間をかけて御説明いたしましたが、再編成の計画は着実に推進している、こういうふうに私どもとしては思っております。
○沖田委員 順調に進んでいるようにお伺いをいたしましたけれども、地元との関係その他、患者の転院等を含めまして、トラブっているといいましょうか、難航中のところはどことどこですか。
○田中(健)政府委員 ただいまお話し申し上げましたケースの中で、今年度実施を予定いたしております盛岡病院あるいは南花巻病院、東宇都宮病院等につきましては、ただいま先生のお話にございました患者との関係等も極めてスムーズにいっているというふうに理解をいたしております。 その他のケースにつきましては、これから具体的な計画が進んでまいりますので、患者との関係等はまだ出てくる状況には至っておりません。 こんな状況でございます。
○沖田委員 再編成計画を進められるに当たりまして、くどいようですが、強引に一方的に進められることのないように、地元関係団体、関係自治体、さらには患者の安全、円満な転院、その他を含めまして、適切な対応、対処をひとつお願い申し上げておきたいと思います。 国立療養所中野病院を国立国際協力医療センターに転換をしていくという計画について、もう少しく内容を説明していただきたいと思います。国立国際協力医療センターというのはどういう性格で、業務の内容はどうなっていくのか、いつからどこで具体的に進めていかれるのか。国立の東京第一病院だろうと思いますけれども、その辺のところをひとつ説明願いたいと思います。
○田中(健)政府委員 ただいまお話がございました両施設を統合いたしまして、仮称でございますけれども、国立国際協力医療センターを設置するわけでございます。この趣旨は、国際社会の一員でございます我が国に対しまして、先生も御案内のとおり一層の人的貢献が今求められている状況でございまして、我が国が行う医療分野における国際貢献の拠点といたしまして、本年十月一日に国立国際協力医療センターを現在の国立病院医療センターのところにつくるという計画でございます。 この国立国際協力医療センターでございますけれども、先ほどお話し申し上げましたように両施設を統合するわけでございますが、国際医療協力に資する情報の収集機能、人材育成機能、研究機能、それから高度の総合的な診療機能を備えた国立高度専門医療センター、これをいわゆるナショナルセンターと言ってございますけれども、ナショナルセンターとして運営をすることにいたしております。 より具体的な内容を申し上げますと、一番目は、開発途上国におきます保健医療情報の収集と分析。それから二番目が、開発途上国において問題となっております疾病の調査研究、それから開発途上国に適する保健医療技術の開発と移転の研究。三番目に、開発途上国に派遣します医師等の専門家の養成と確保、それから開発途上国からの医療技術研修生の受け入れ等、総合的、専門的な医療技術の教育を行うという機能でございます。それから四番目に、こうした人材育成等を行う臨床の場といたしまして、プライマリーケアレベルから高度の専門的診療機能までを有する病院を合わせ持つ、おおよそ以上のような内容でございます。
○沖田委員 非常に立派なお仕事を進められようとしているようでありますけれども、さてそれでは国立療養所中野病院との合併における整合性は一体どうなるだろうか、このことが一つ心配になってまいります。とりわけ結核性の患者さんが中心的に収容されている国立療養所中野病院、呼吸器系の患者さんもいろいろいらっしゃるわけでありますが、こういう患者さんの転院に当たっては十分に話し合いが進んでいるのか、転院の計画は具体化しつつあるのか、この辺のところをひとつきちんと聞かせていただきたいと思います。 同時にまた、職員の皆さんとはどういう話し合いになっているのか、この辺のところもひとつ説明をい。ただきたいと思うわけであります。
○田中(健)政府委員 両施設を統合いたしまして国際協力医療センターが新設をされるわけでございまして、統合後の新宿の新センターに結核医療の機能を引き継ぎながらやっていく予定でございまして、現在地での国立療養所中野病院は医療機関としての幕をおろす、こういうことになるわけでございます。 それで、今お話がございました中野病院の廃止に伴い、現在入院中の患者さんがどうなるのか、こういうお尋ねでございます。 現在、これは平成五年四月の一日平均で患者さんの病態を見ましたが、入院患者が二百四十一人でございまして、結核の患者が百七十六人、それから非結核性の呼吸器疾患が二十二人、それから呼吸器系の悪性腫瘍が二十四人、それから循環器の疾患の方が十八人、およそこういうふうな状況でございます。それで、平成五年の、今年の十月一日以降は医療機関そのものが中野病院は廃止になるわけでございまして、そこでは治療ができないので、引き続き医療が必要な患者さんにつきましては、統合後の新病院またはほかの医療機関等に転院をしていただくことになるわけでございます。 したがって、現在入院中の患者さんにつきましては、主治医の判断によりまして、個々の症状に応じて主治医が患者とよく相談をして適切に対応いたしまして、患者に不安を与えないように対処してまいりたいと思います。まだ時期が五月でございまして、統合の時点が十月でございまして、個別の患者さんに対しましては、主治医からこれからそういう御相談を申し上げるということになろうかと思います。繰り返しますけれども、患者さんに不安を与えないように十分対処してまいりたいと考えております。 それから、中野病院の廃止に伴いまして職員はどのようになるのかというお尋ねでございますけれども、国立病院・療養所の再編成に当たりましては、統合の場合につきましては、職員は原則として統合後の施設に異動していただくこととしておりまして、中野病院の職員につきましても、原則として新しいナショナルセンターに異動していただくということになろうかと思います。 なお、ほかの国立病院等への配置がえを希望している職員につきましては、できるだけその意向を配慮してまいりたい、こういうふうに考えております。
○沖田委員 合併、統合に伴う中野病院の患者さんの転院に当たっては、非常に不安が募っているというふうに仄聞をいたしておりますので、十分ひとつ早急にドクターとの話し合いを含めて、適切な対応をお願い申し上げておきたいと思います。職員の皆さんとも円満な話し合いと、同時に勤務地の変更等については十分な理解のもとに対応されるように、強く要望しておきたいと思うところでございます。 そこで、この国立療養所中野病院の跡地については一体どういうふうに利用される計画があるのか、この点についてお尋ねをいたします。
○田中(健)政府委員 再編成によりまして統合いたしました病院の跡地利用につきましては、個別のケースに応じまして対処してきております。 中野病院の跡地につきましては、複数の団体から種々の要望が寄せられているところでございますけれども、厚生省といたしましては、これらの要望にできる限りこたえる形となるように、昨年の十一月に、病院と老人保健施設の医療施設用地といたしましておよそ三万二千平米、それから特別養護老人ホーム、高齢者在宅サービスセンター、リハビリテーションセンター等保健福祉施設用地といたしまして八千二百平米、それから宿舎や看護学校用地といたしまして二万平米として利用する案を関係者に提示したところでございます。 今後、それぞれの要望のあった関係者からの御理解を得ながら、有効に活用をしていきたいと思っておりますが、私どもといたしましては、昨年の十一月に、今申し上げましたような内容の利用計画をそれぞれ関係者に御提示をいたしたところでございます。
○沖田委員 この十一月に発表されました跡地の利用計画については、計画案が発表されたという理解でいいのですか、それともこれは具体的に関係団体の個別の計画とマッチして発表された、こう理解していいのですか。
○田中(健)政府委員 これはあくまでも私どもの計画の案でございまして、関係者の意向を徴している、こういう性格のものでございます。
○沖田委員 そうすると、関係者の意向に沿ってこの計画案というのはつくられた、こう理解していいのですか。
○田中(健)政府委員 ただいまお話し申し上げましたとおり、昨年の十一月のこの計画案をお示しした段階では、私どもとしては、関係者の各般の御意向を徴して一つの案をまとめ上げた、こういうふうに考えております。
○沖田委員 そうすると、具体的に言いますと、東京都や中野区、それから警察庁、私学共済病院など各団体の要望というものを具体的に組み込んだ計画だ、こういうことですか。
○田中(健)政府委員 もう少し経緯を細かくお話を申し上げますと、中野病院の跡地につきましては、地元中野区から昨年の八月ごろの段階では、まだ中野病院がなくなることについては賛成とも反対とも言えない、しかし、何らかの形で医療機能の存続を図ってほしい、こういう内々の要望を受けていたところでございますけれども、私どもが昨年十一月に案をお示ししたその後で、中野区の方から新たな跡地の利用計画が出し直されまして、ことしの四月六日には中野区長から、中野病院の施設用地の利用に関する要望事項が私どもの大臣のところに寄せられたという経緯がございます。
○沖田委員 ここで余り詳細に経過のやりとりをするつもりはありませんけれども、多少経過については食い違っているように思います。 いずれにいたしましても、今お話しになった複数の団体に、昨年の十一月に、病院の用地であるとか特養、保健施設だとか学校、宿舎の施設だとかいうようなものの面積などについての考え方が披露されたわけでありますけれども、問題は、具体的にこの十一月に発表されたときには各関係団体と話し合いがもう既に確定済みだったのかどうか、こういうことです。
○田中(健)政府委員 私どもとしては、当時の時点では、各団体の御意向を徴して、あらかじめそういう意向を踏まえて案を提示いたしましたので、それで御理解がいただけるかと思っておったわけでございますけれども、その後、先ほど申しましたように中野区の方向が変わりまして、現在では、この案では各関係者の御理解は得られておらないというふうに理解をしております。
○沖田委員 この「私学共済の新しい病院があなたの健康を支えます」という立派な資料が印刷されて配られているのですね。したがって、こういう資料がつくられているということは、厚生省は打ち合わせの上で、十分了解済みの上で各団体に配られている、こう理解していいのですか。
○田中(健)政府委員 中野病院の跡地につきましては、私学共済からも下谷病院の移転先として利用したい旨の要望が昨年の夏ごろ私どもに寄せられまして、私どもとしてもいろいろ御要望におこたえをしようということで、今申しました十一月に考え方を提示したところでございますけれども、その後、ただいま申しましたような経緯がございまして、要望のあった関係者のそれぞれの御理解を得ながら、有効な活用が図られるように現在調整をしているところでございまして、決定をしたということではございません。 それから、お話しのパンフレットでございますけれども、パンフレットを作成することについて私どもは承知をしておらなかったわけでございまして、私学共済が考えておる構想案につきまして、私学共済が地元の関係者の理解を得るために作成をしたものと私どもは聞いております。
○沖田委員 このようなパンフレットを拝見いたしますと、もう既にこれは確定したんだというふうに思われてなりません。まだ確定していないのですね。
○田中(健)政府委員 まだ関係者の理解は得られておりません。
○沖田委員 平成五年度の国立病院特別会計予算の概要という資料の中に、雑収入三百二十五億円、うち不動産売り払い代二百五十七億円と計上されているわけでありますが、この不動産売り払い代と書いてある二百五十七億の内容については、どことどこで、どの程度のものを計上したんだという数字、または箇所を説明していただけませんか。
○田中(健)政府委員 平成五年度予算の中で、再編成の関係の予算がいろいろ含まれております。平成五年度予算におきましては、国立病院特別会計の施設整備費等といたしましておよそれ百二十七億円を計上しておりまして、再編成に伴い必要となる施設整備費等につきましては、この中で対応していくこととしております。 それから、お話のございました中野病院跡地の売却収入でございますけれども、その一部につきましては、先ほど先生お話ございました国立病院特別会計全体の不動産売却代二百五十七億円の中に計上をいたしておるわけでございます。 それで、その二百五十七億円の中身でございますけれども、これはこれから相手先と契約をしていくという売り払い予定価格との関連もございまして、相手方との契約内容にかかわる問題でございまして、個々の売り払い代金を幾ら予定しているかということは、そういう観点から差し控えさせていただきたいと思いますが、不動産売却代二百五十七億円の範囲内ということで御理解を賜りたいと思います。
○沖田委員 何カ所で、どことどこですか。
○田中(健)政府委員 これも、これから売り払い相手先がそれぞれどうなるかわかりません。民間の場合もございますし、いろいろございます。ということで、箇所についても申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
○沖田委員 中野病院の跡地は入っているのですか。
○田中(健)政府委員 先ほどお答え申しましたように、この二百五十七億の中に含まれておるということで御理解をいただきたいと思います。
○沖田委員 別に予定価格を知ろうとか、そういう考え方は全然ありませんし、隠しているものを暴き立てるつもりもさらさらありません。しかし、問題は、今申し上げたように、この中野病院の跡地の利用について、既に約定済みであるかのような予算措置と、それから資料の配付等が行われているのではないだろうか、こう考えるからお伺いをしているわけでありまして、その点をはっきりしていただければありがたいわけでございます。
○田中(健)政府委員 先ほどからお答え申し上げているとおり、決定をしたということで額を積み上げているわけではございませんで、十月一日でこの中野病院は廃止されるわけでございまして、国立病院特別会計の財政状況、先ほど御説明申し上げましたように大変厳しい状況でございます。できるだけ早く跡地を処分して歳入の確保を図りたい、こういうことで、相手を特定したわけではございませんけれども予算に計上しておる、こう御理解をいただきたいと思います。
○沖田委員 台東、千代田、中央区、この三つの特別区の診療圏といいましょうか医療圏におけるベッド数、こういうものを考えても、いわゆる私学共済の下谷病院の現在の病院の立地というものは、台東区にとっても非常に重要な存在であろうと思うわけであります。台東区議会ではその存続についての決議も行われていると仄聞いたしますが、そういう関係があることを十分御承知の上でこの下谷病院と話し合いを進められているのですか。
○田中(健)政府委員 区議会のその辺の決議というのは承知をいたしておりませんけれども、私学共済からお話がございましたときには、私学共済の方で区当局と十分話をしていく、そういう前提で私どもは伺っております。
○沖田委員 台東区としては、生徒数、児童数が減ったために廃校にしなければならないような校舎もできつつあるので、その跡地を提供してもいいというような話も出されているように聞いております。したがって、地元ではやはり私学共済の下谷病院の存続というものを強く願っている、こういう実情にあると昨日まで私は聞かされているわけであります。 同時にまた、中野区においては、警察病院とそれからこの私学共済の下谷病院と大きな病院がこれから先七、八年ぐらいの間に二つできる、こういうことになるわけですね。そうなると、地元の医師会や関係者からすれば大変な影響を受けることは必至であるわけだと思うのですが、その辺の整合性については一体どういう話し合いになっておるのか、聞かせていただきたいと思うわけであります。 同時にまた、いわゆる新宿、中野、杉並というこの三つの圏内においてはベッド数は足りないんだ、こういうことになるかもしれません。この特別区を見てみますと、杉並区には病院の数が少ない。そういう点では地域的に整合性を欠いているということも言えるのではないだろうか。こういう地域的なアンバランスもやはりあるわけでありますが、そういう点を含めて、地域の地方自治体や中野区や警察病院、関係の医師会、団体等との話し合いは一体どうなっているのか、この辺をひとつ説明を願いたいと思います。
○田中(健)政府委員 私学からお申し出がございましたので、台東区との関係につきましては私学共済の方にお願いをいたしております。そのほか中野区あるいは中野区の医師会あるいは警視庁、これらにつきましては従前から私どもはいろいろと御相談を申し上げてきたつもりでございます。
○沖田委員 従来から話し合いを進めてきたことの結果は一体どうなっているのか、その点を説明してください。
○田中(健)政府委員 先ほどからお答え申し上げておりますように、中野区の方向が昨年の十二月に変わりまして、私どもといたしましてはそれぞれ御理解を得ようと今努めているところでございますけれども、まだ関係者の御理解は得られてないということでございます。 私どもとしては、今後とも関係者の御理解を得られるように、それぞれの関係者と引き続き鋭意調整を図ってまいりたい、こういうふうに思っております。
○沖田委員 先ほども大臣の答弁にございましたように、十分円満に話し合いを続けていくということであったわけでありまして、そう理解をしているわけでありますが、この国立療養所中野病院の跡地の利用計画については、地方分権の時代でありますから、東京都や中野区や警視庁などと十分な整合性を保って、円満に解決が図られるように話し合いで解決をしてもらいたいと思いますが、その辺のところをお答えいただきたいと思います。
○田中(健)政府委員 大変貴重な国有地、国有財産の払い下げでございまして、その跡地につきましては有効活用をできるだけ図りたいということで、私どもは幅広にその有効活用を図っていきたいというふうに基本的には思っております。先生のお話にもございますように、それぞれの関係者どこの跡地利用につきましてさらに話し合いに努めてまいりたい、こういうふうに思っております。
○沖田委員 円満に話し合いを進めてもらいたい、こう要望しているわけですが、話し合いを進めるということだけで言葉が切れているわけです。話し合いは円満に解決を図るために進められるのですか、強引に一方的に話し合いを進められるのですか、お答えを願いたい。
○田中(健)政府委員 医療機関の設置という問題でございまして、事柄からしてそう簡単に即断するわけにはまいりませんので、円満な解決が得られるように努力をしていきたいと思っております。
○沖田委員 どうも既成事実が一つ一つ積み重ねられて、その上で計画がいろいろ進められているように思われてなりません。そうではありませんか。
○田中(健)政府委員 先ほどからるる御説明をしているとおりでございまして、既成事実をつくり上げるということではございませんで、私どもは昨年の十一月の時点では、ベストと申したらなんでしょうけれども、ベターな案であるというふうに思っておったわけでございまして、その後事情の変更があったわけでございまして、決して既成事実の積み上げをやっていくというつもりではございません。御理解を賜りたいと思います。
○沖田委員 昨年の十一月に厚生省の案を発表したと言われる。その辺の意思の疎通が十分でなかった点があるかもしれませんけれども、いきさつについて余りこだわりなく、地方自治体との計画立案に当たっては調整を進めてもらいたい、話し合いで意思の疎通を図って円満な解決をしてもらいたい、こういうふうに強くお願いをしたいと思います。もう一度その点についてお伺いをいたします。
○田中(健)政府委員 ただいまの先生のお話の御趣旨を体しまして、努力をしていきたいと思います。
○沖田委員 これから先、国立病院・療養所等の再編成計画に当たっては、関係自治体等の、または関係団体等の協力というものが不可分であるわけであります。同時に、地方分権の時代でありますから、地方自治体における長期基本計画などとの整合性についても十分配慮しながら国が協力をする、厚生省が調整に応ずるということがやはり一番大事だろうと思います。そういう意味では、この東京のど真ん中で問題が後々長引かないように、円満な解決を図られるように強くお願いを申し上げて、私の質問を終わります。
○浦野委員長 午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時四十二分休憩 ————◇————— 午後一時四分開議
○浦野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。外口玉子君。
○外口委員 戦後四十八年を経た今、朝鮮人強制連行、従軍慰安婦問題等をめぐって、国籍、職業、性別等による日本の戦後処理や補償の理不尽な差別が明るみに出され、国際的な批判を浴びているところでございます。アジアの人々に対して戦後補償はおろか、旧植民地下で行われたさまざまな不正や犯罪行為に対する責任をいまだに明らかにしていないことへの不信はますます高まっております。 さて、一九九〇年八月の韓国の盧泰愚大統領の来日を機に、日本政府に対し朝鮮人軍人軍属名簿の韓国への返還が正式に求められました。朝鮮人強制連行の歴史的事実を明らかにし、被害者とその遺族に対し適切な補償を行うためにも、まず名簿の提示並びに公開は不可欠なものと言えます。それによって生死の確認という最も基本的なことをも進めることができます。隣国との信頼関係は、こうした基本的なことに対し誠意ある態度で臨むことからはぐくまれていくものと考える立場から、幾つかの点についてお伺いいたします。 最初に、軍人軍属名簿のコピー作業の問題でございますが、戦時中に強制連行された朝鮮人の名簿と旧日本軍に所属した朝鮮人の軍人軍属名簿の返還については、本年四月十四日の厚生委員会で、同僚議員の質問に対しましてこのような答弁がございます。軍人軍属名簿については現在コピー中で、八割方は済んだとのことでした。そして、そのコピーが進まない理由としましては、平常業務の合間を縫って交代要員をつぎ込んでコピーをしていること、コピー漏れや不鮮明なものの点検作業が必要なことが答弁されました。その後の進捗状況はいかがでしょうか、お伺いいたします。
○佐々木(典)政府委員 お答えいたします。 朝鮮半島出身の旧軍人軍属の名簿の引き渡しのその後の進捗状況ということでございます。私どもの遺族援護法を御審議いただきました際に、ただいま先生が御紹介になられました御質疑がございまして、私の方からお答えを申し上げたところでございます。 それで、基本的に、今お話もございましたような中身で鋭意引き続き作業を続けてございます。今もございましたけれども、何分にも名簿の対象者が相当数に上っております。八割と申し上げたわけでございますが、一つ一つの作業をとってみますると、何分作成されましてから長年たっておる、それから資料自体が戦時中の古い資料であるといったようなこともございまして、損傷しているものも大分ございます。そんなようなことから、個々の作業につきましてはなかなか手間がかかるものでございます。 しかしながら、御指摘もございましたが、これはできるだけ急ぐということで、なるべく早く作業を終えまして、外務省を通じまして韓国政府の方に引き渡すことができますようにやりたいということで、その後引き続き作業を続けているところでございます。 それで、実はつい今週の参議院の厚生委員会におきます遺族援護法の御審議の際も、重ねて促進方の御質疑をちょうだいいたしてございます。物理的に相当なボリュームということでございまして、相当な量を抱えておることでございます。今週火曜日でございましたけれども、今の段階で段ボール箱で五、六十箱ぐらいあるというようなことで申し上げたところなのでございます。 いずれにいたしましても、コピーの作業を進め、できるだけ趣旨に沿ってお引き渡しができますように、私ども誠意を持って引き続き作業を続けてまいりたいというふうに思っております。
○外口委員 この作業のおくれは、遺族等関係者の方々への日本政府の誠意のなさとして批判されていることは御存じでございますね。この名簿がないためにどれほど遺族の方々が悲しみ、苦しみ、憤りすら覚えているのかは想像にかたくないはずです。遺族の方々の心情を思うとき、一刻も早く名簿の返還を行うべきと考えます。 そして、厚生省の言う軍人軍属約二十四万人の名簿のコピー作業に、ハイテクの進んだこの日本でなぜこんなにも長い年月がかかっているのかについては、今述べられた理由のほかに、責任問題に発展するのを回避しようとしているようなことがあるのではないかというように関係者は大変危惧の念を持っておりますので、その点についてはいかがお考えなのか、はっきりと理由をお伺いしたいと思います。
○佐々木(典)政府委員 お答えいたします。 今回の名簿の提供の作業につきましては、今先生からもお話しございました韓国政府から御要請がありましてから、並行いたしましていろいろな機会に関係の皆さんから作業の促進方ちょうだいをいたしております。私どもも決してなおざりにしているということではございませんで、先般来あるいは先ほど申し上げましたとおりでございますけれども、精いっぱい誠意を持ってやってきているつもりでございます。 先ほども若干申しましたのですけれども、相当なボリュームにわたるということでございまして、いわゆる段ボール箱で今の段階で五十箱から六十箱ぐらいまでのボリュームにきております。そのようなことからもある程度御理解いただけますように、相当な量になっておる。なおかつ、かてて加えて、一つ一つの資料が先ほど申しましたような事情がございますので、私どもとしましては、資料の必要性あるいは関係の方々の気持ちは援護行政をやって承知しておるつもりでございますので、精いっぱい誠意を持って続けていきたい、こんな気持ちでございます。
○外口委員 いつごろ作業を完了するというふうに予定されておりますでしょうか、お答えください。
○佐々木(典)政府委員 確定時期はいつごろかと、責任のあることを先ほどの作業の状況からなかなか申し上げにくいわけでございます。しかしながら、これは私どもも急ぐべき性格のものというのは重々承知をいたしてございますので、いついつまでにと責任を持ったことはなかなか申し上げにくいのでございますけれども、大車輪をかけまして最大限取り組んでいきたい、こんな気持ちでおりますので、御理解をいただきたいというふうに思います。
○外口委員 これまでの期間で約八割方済んだと先ほど御答弁されておりましたので、これまでの作業の経過から見て大体いつごろかということを誠意を持ってお答えください。
○佐々木(典)政府委員 実は今週火曜日にも同じお尋ねをちょうだいしまして、重ねて同じことを申し上げたわけでございますが、ただいま申しましたような作業でございます。いつごろと私から確定的なことは申し上げられないので恐縮でございますけれども、とにかく組織を挙げて全力投球をしてやってまいりたいと思いますので、いましばらくお時間をちょうだいしたいというふうに思っております。
○外口委員 私は完了の期間、あるいはこのぐらいの時間がかかるということをやはりきちっと述べる責任があるというふうに思います。そのような実際の作業が非常に困難さを伴っているというような今お話でございましたので、では、実際に担当している方々の御苦労も含めて、私は見聞させていただきたいと考えます。近日中に現場の視察に参りたいと考えておりますが、よろしゅうございましょうか。
○佐々木(典)政府委員 私どもの作業の様子、直接ごらんいただかないと信用できないというようなお感じかと思いますが、私どもとしましては今申しましたとおり組織を挙げて一生懸命やっておりますので、その点は御承知おき願いたいと思います。私どもの役所の方までお運びいただくということで、もちろんそれはごらんいただくには全くやぶさかではございません。
○外口委員 では、近日中に参りますので、そのときには作業の過程、それから具体的な困難さについて十分な説明をお願いしたいと思います。よろしゅうございますね。
○佐々木(典)政府委員 作業の状況は今申しましたようなとおりでございます。ただ、資料の性格上、扱いにつきましては、私どもも例えばアルバイト等で外部委託というような形をとっておらない性格がありますことで、プライバシーの問題がございますので、その点だけはお含みおきいただきたいというふうに存じます。
○外口委員 では、近々皆様方のその作業過程を視察させていただきます。 次に、軍人軍属名簿の公安調査庁の数と厚生省の数の違いについてお伺いしたいのです。 軍人軍属名簿については、去る四月十四日の本委員会の同僚議員の質問によりますと、一九五三年の調査では朝鮮人の軍人軍属は三十六万四千百八十六人であるのに対し、厚生省は二十四万二千三百四十一人と大変に少ない人員で答弁がなされておりますが、このことに対し事実関係の調査をしていただくことになっておりましたね。その結果はどうなっておりますでしょうか。あのときは日にちが足らないということでございましたが、既に一カ月以上経過しておりますので、当然明らかになっているものと考えます。お答えください。
○佐々木(典)政府委員 朝鮮半島出身軍人軍属の総数につきましてのお尋ねでございます。 四月時点におきます遺族援護法案の御審議をちょうだいしました際に、当委員会におきまして加藤委員の方からその数字、資料の御提示をいただいたわけでございまして、その際に大臣の方からも一度公安調査庁の方にも照会をしてみたいということで、私どももその趣旨に沿いまして、早速公安調査庁の方にも職員を派遣いたしまして調査をしたところでございます。 公安調査庁に対しまして加藤先生のお示しされました資料のもととなった資料につきまして御照会申し上げたところ、「在日本朝鮮人の概況」という本のことと思われるけれども、この本につきましては、昭和二十七年公安調査庁発足当時、職員であった著者があくまでも個人的に作成した研究資料である、同著作物の根拠となった資料についても著者が個人的に収集したものであり、詳細は不明であるというふうなのが公安調査庁の回答でございまして、御指摘のありました資料中の数字の根拠につきましては、確認することができなかったというふうな状況でございます。 そこで、また私どもの局で保管をいたしております人事関係資料につきまして、昭和二十八年当時にさかのぼりまして入念に調査をしたわけでございますけれども、その根拠となったと思われます資料につきましては、確認ができなかったというふうな状況でございます。
○外口委員 ただいまの御答弁では、根拠となった資料が確認できなかったということですが、それに対して今後どのように取り組まれるか、お答えください。
○佐々木(典)政府委員 ただいま御説明申し上げましたとおりでございますが、私どもも、先般加藤先生の方から御指摘ありましたときは確かに一晩だけでございましたものですから、とりあえずの作業をいたしました。しかし、その後、ただいまも申し上げましたように公安調査庁の方にも照会し、さらに私どもの局で保管しております関連資料について入念に調査をいたしたわけでございますけれども、それに当たると思われる資料が確認できなかったというふうなことでございますので、御理解を賜りたいと存じます。
○外口委員 その調査過程で、何が最も判明できなかった理由とお考えになりましたでしょうか。
○佐々木(典)政府委員 公安調査庁の資料というものにつきまして、「在日本朝鮮人の概況」という著作に基づくものだと、そこに厚生省の方の資料だ、厚生省というか当時の復員庁でございますか、「第二復員局調査」という備考があったということでございますので、その関連とおぼしきものを当たらせたわけでございますけれども、それに対応すると思われるものが発見できなかったということでございます。
○外口委員 この数の差については大変に心痛むものがございますので、今後ともこれについて責任を持って調査を続けていくということをお約束ください。
○佐々木(典)政府委員 先ほど申しました公安調査庁の資料によりまして見ますと、「第二復員局調査」という備考が確かにございますので、私どもも入念に見たつもりでございますが、なお引き続きそういう目つきというものを持ちながら、いろいろな作業もなお続けたいというふうに思っております。
○外口委員 次に、生死の確認通知についてお伺いいたします。 いまだに韓国の元日本軍人軍属の遺族の方々は生死の確認すらできず、戸籍の整理もできていないという状況に置かれております。そのため、お葬式や法事もいまだなされないままに、遺族の深い悲しみをより大きくしているところでございます。 この点について去る五月十一日の参議院での同僚議員の質問に対する答弁では、政府が保有している二万一千九百十九人の戦死者名簿を返還しており、また、日本政府に対し、本人または本人の委任状を持つ人に所定の複雑な手続の上、申請があるならば個人的に名簿を公開しているとのことでした。しかし、当時は日本の軍人軍属として動員された以上、政府によってこの一人一人の人に対して生死確認の通知をすることは当然のことだと思います。これは道義的な問題であるとも思います。 この点について、日本政府は一人一人に生死確認の通知を出されているのでしょうか。はっきりとお答えください。
○佐々木(典)政府委員 ただいま御紹介ございましたけれども、火曜日に同趣旨の御質問がございまして、今お話しのありました御答弁を申し上げたわけでございます。 それで、朝鮮半島出身の方の戦没者の個々の御遺族に対して死亡通知をきちっとやっていたのか、やっていなかったのはまたなぜかというふうなことになろうかと存じますが、若干御説明をお許しいただきますと、朝鮮半島出身旧軍人軍属戦没者に関します通知につきましては、当時旧戸籍法第百十九条、現在でございますと、昭和二十二年改正後は八十九条に当たるわけでございますが、この規定に準拠いたしまして、これは具体的に事変地での死亡の場合には、市町村長あるいは本籍地の市町村長に通知をすべきであるというふうな趣旨でございますけれども、この規定にのっとりまして、終戦前においては日本人の場合と同様に通知をしてきたという経過がございます。 それで、終戦直後におきましては、連合軍総司令部による通信禁止指令というものがありましたために、連合軍司令部の認可を得ながら、終戦前に通知できなかった方についての通知を、一部でございますけれども、できる範囲で実施してきたという経過がございます。 しかしながら、その後、昭和二十三年に大韓民国等が樹立されました。さらにその後、御承知の朝鮮戦争の勃発というふうな事態が出てまいりまして、戸籍法に準拠する死亡通知を行うことができなくなったというふうな事情がございます。 そのような経過をたどったわけでございますけれども、その後ようやく昭和四十六年に外交ルートを通じまして韓国の方に死亡者連名簿をお引き渡しをした、こんな経過でございます。
○外口委員 今質問いたしました一人一人の方に通知を出されたか、出されなかったらどのような理由からかということについて、もう一度きちっとお答えください。
○佐々木(典)政府委員 ただいまそれぞれお一人お一人に死亡通知を行ってこられなかった理由について申し上げたわけでございますが、若干繰り返しになってしまいますけれども、終戦直後、連合軍司令部の管理下に日本政府が置かれてきたといったようなことからの制約、それから、その後の韓国あるいは北朝鮮との間での関係もこれあり、大韓民国あるいは北朝鮮としてそれぞれ国家が樹立され、あるいは朝鮮戦争等が生じた、こういったような諸般の事情からできなかったというわけでございます。 そこで、昭和四十六年九月でございますけれども、外交ルートを通じて、具体的に韓国政府の御要請を踏まえて、約二万二千名の死亡者連名簿を韓国政府に送付をしてきたというふうなことでございます。したがいまして、政府、厚生省としましては、そういう名簿は提供してございますが、なおかつ個別に関係御遺族から御照会がありました場合には、私どもの保管をいたします資料を調査の上、回答を行ってきているということでございます。 なお、このほか、先ほども申しました、冒頭にも督促をいただいておりますけれども、軍人軍属名簿を、厚生省が保管しているものにつきましてはできるだけ早い時期に韓国政府へ引き渡せるよう、ただいま努力を申し上げておるところでございます。
○外口委員 韓国に返還した旧日本軍在籍朝鮮出身者死亡者名簿ですけれども、この名簿を見ますと、氏名が当時創氏改名した日本名のままになっています。このことは現在もなお遺族が生死確認をする際の大きな障害にもなっています。日本政府は韓国名と日本名が対応できる名簿を保有していると思われますが、遺族の方が確認しやすいように、日本名に加えて名簿に韓国名を併記するつもりはおありなのでしょうか。
○佐々木(典)政府委員 朝鮮半島出身の軍人軍属の名簿が日本名で書いてあるということなわけでございますが、実は私ども厚生省は、戦後、復員省あるいは復員庁を経まして、旧陸軍、海軍の軍人軍属の人事関係資料を復員等の業務を担当するということでお引き受けしてきたわけでございますけれども、その引き継ぎました資料につきましては、当時のものをそのまま引き継いだものでございまして、当時の創氏改名のものが登載をされているということでございます。したがいまして、その当時の資料に記載されております氏名によらなければ、現実問題として調査は不可能というふうな状況でございます。 したがいまして、実は御照会がありました場合、遺族の方には、韓国内に引き継がれていると思われます戸籍書類等、何らかの情報について御提供願うというふうな協力も得ながら、できる限り確認の情報提供をさせていただいているというようなことでございます。 そんなようなことでございまして、私どもが引き継いでまいりました現在の資料によりまする限りは日本名表記のみでございますので、今申しましたような状況で対応せざるを得ないということでございます。
○外口委員 一九九二年九月に韓国の遺族会が六百三十人分の生死確認のリストを提出しましたが、委任状がないという理由で受け取りを拒否されました。委任状を書く際には日本名等を調べる必要があり、これが委任状を書けない大きな理由ともなっていると言われていますが、この点についてはどう考えますか。このようなことが集団の生死確認作業における低判明率の原因とも思われますが、お答えください。
○佐々木(典)政府委員 手続面で委任状の御提供等をお願いしているわけでございますけれども、私どもの局では、やはりいろいろな情報は同じでございますが、プライバシー保護等の観点がございまして、本人または御遺族、あるいはこれらの方から委任を受けた方についてのみ資料の閲覧または文書によります照会に応じておるわけでございます。日本人の場合も朝鮮半島出身の方の場合も、この扱いは同様にいたしておるところでございます。 そんなような事情があるわけでございますが、今現実問題として、遺族会の方等からの照会で判明の率が低いではないかというふうなことを指摘いただいております。私ども担当者は、できるだけわかるように努力をして対応しているはずでございます。 私どもが保管しております資料につきましては、先ほども申しましたように、戦後引き継ぎました限りの旧軍人軍属に係る資料のみであるわけでございますけれども、一つには、旧軍人軍属であるかどうか不明な方について照会があった場合につきましても、私どもは、保管しております資料すべてに当たりまして回答を申し上げるというようなことにいたしてございます。それからもう一つは、ただいま先生からも御指摘がございましたが、私どもの保管の資料は当時のものをそのまま引き継いでおるといった事情で、資料に記載されている名前、具体的に日本名表記によらなければ現実に調査ができないというのが実態でございます。 そんなようなことの制約がありまして、本人または御遺族からの御照会に際しまして、もしも創氏改名した際の氏名の情報がありますれば、もう少し私どもも判明する率が高くなってくるというふうに思っておるところでございます。
○外口委員 先ほど、日本人同様に朝鮮人の方々に対しても対応していますということを答弁されておりましたが、それには大きな間違いがあると思います。 日本政府は、日本人に対しては、援護の作業において一人一人に先ほど申し上げましたような死亡告知を行っています。さらにまた、それらを補完するために、一九七〇年度から十年間にわたり死亡公報補完業務を行い、陸海軍関係者約四十九万人分に対して、戦中戦後の通知で明らかになっていなかった死亡場所の細部についてまでも調査し、遺族に知らせています。 このように綿密な作業を行ってきた日本政府が、なぜ旧植民地の当時日本軍人軍属であった方々の遺族に対して行っていないのか、その点について極めて人道的に問題があると考えますので、きちっと責任ある答弁を伺いたいと思います。
○佐々木(典)政府委員 戦死された朝鮮半島出身者の生死確認を日本政府としてやるべきではないかというふうなお尋ねと思いますけれども、実は、外地にありました朝鮮半島出身者の方につきましては、連合国側の管理下において、直接出身地に送還されたというふうな扱いが終戦直後ございます。そういうことで、日本側におきましてはその状況につきまして完全に把握することができなかった、こういったような事情がございまして、これらの方々につきましては内地に引き揚げた部隊関係者から情報収集を行い、これによりまして死亡あるいは生存の確認を、限られた範囲でございますけれども行ってきたというふうな状況でございます。 なお、それぞれ主権を回復しました昭和二十七年以降も、邦人保護の一環ということで未帰還者調査を行ってきたわけでございますけれども、朝鮮半島等の出身者の方につきましては、既に韓国等の独立国の国民となっていたというような状況がございましたので、その後、生死確認は行ってこなかったというのが経過でございます。
○外口委員 非常に責任がないと思います。日本の戦争のために当時日本軍人として義務を負わせたにもかかわらず、その生死の確認に日本の政府として責任を持って当たっていないということは、これは極めて人道上の問題と思います。これに対して今後どのように取り組んでいこうとされているのか、御答弁いただきたいと思います。
○佐々木(典)政府委員 私どもとしましては、先ほど来御答弁申し上げたところでございますけれども、四十六年に韓国政府に渡し、その後は個別な御照会に精いっぱい対応するということでやってきてございます。ただいま作業を進めております私どもの預かりますところの名簿のコピー作業を最大限急ぎまして、外務省を通じまして早い段階で韓国政府にお引き渡しができますように、最大の努力をしていく所存でございます。
○外口委員 やはり実態の調査をきちっとして、事実を把握して、そして初めて責任をとっていくことができると思いますので、この件については今後引き続き積極的に取り組んでいただきたいと思います。 先ほど来の答弁を伺っていて、どうもいろいろな点で問題があると思いました。例えば、本人の申告があれば調査するといった姿勢は改めなければいけないと思います。これは生死確認問題を早急に解決するためにも、また日本の誠意を示す意味においても、もっとより多くの人が容易に対応できるような便宜を図ることこそが私ども日本の誠意ある態度だと思います。 そういった点では、例えば遺族にとっては、軍人軍属として徴用されたのか、あるいはまた労務者として徴用されたのかも区別ができない、そのような極めて人間として扱われないような徴用がなされてきている点も大きな問題となっておりますが、そういうことにもかんがみまして、きちっと窓口を設置していく必要があるんではないか。しかも、本人の申告が日本においでになってするなど大変困難をきわめておりますし、年々お年を召した方も多くなっておりますので、韓国内に韓国政府との協力の形で窓口を設置するということが絶対に必要不可欠だと思いますが、この窓口設置に関してどのように取り組まれるか、具体的にお答えください。
○佐々木(典)政府委員 まず、旧軍人軍属であるかそうでないかわからないケースもあるわけでございます。実は、私どもも御照会があったケースについては、それがわからないわけでございます。当局で保管いたしますのは軍人軍属の名簿に限られるわけでございますけれども、とにかく御照会のあったものについては、まず全体に当たるというふうな努力をして、その上で調査、回答を申し上げているというような状況でございます。 それから、ただいま韓国内に窓口を設けないのかというふうなお尋ねでございます。 先ほども申しましたが、昭和四十六年九月に、韓国政府からの要請に応じまして、約二万二千人を登載しました死亡者連名簿を韓国政府に送付しているところでございます。 それから、繰り返し申しますけれども、個別にそれぞれ御照会のある場合について、これに応じているわけでございますが、この場合も、郵送によって御照会いただく場合でも、当然に丁寧な対応をするというふうな取り扱いに努めているところでございます。 それから、先ほど申しましたが、さらに現在、韓国政府の要請に応じて進めております先ほど御指摘のありました旧軍人軍属等の名簿につきまして、大急ぎで作業を進めでございます。そんなようなことで対応していきたいというふうに思っております。 厚生省といたしましては、韓国内に厚生省の立場から、そういうことで窓口を設けていくという考え方は持っておりません。
○外口委員 やはり最も基本的な生死確認すら行っていないというこの問題にきちっと対応していくためには、窓口の設置はその一つの方法だと思いますし、今の答弁では私は大変に日本政府としての誠意が感じられませんので、この点については今後とも要求してまいりたいと思います。そして、何カ年計画か、三カ年計画とか五カ年計画で生死確認をお一人お一人に行い、お一人お一人に対応していくという誠意ある対応を進めていくことを要求して、次に移らせていただきます。 遺骨収集の問題です。 日本政府は、戦没者の遺骨収集を一九八八年度から三十回近くにわたって行うとともに、慰霊巡拝を四十回近く行ってきております。これに当時日本軍人軍属として戦死された韓国の遺族の方々が同行を求めた際に拒否したそうですが、この理由は何でしょうか、お答えください。
○佐々木(典)政府委員 ただいま先生からも御紹介ございましたけれども、政府が実施しております遺骨収集につきましては、さきの大戦におきまして海外で戦没された日本人の方々の御遺骨が収容されずに放置されていることは忍びないということで、その速やかな収容、送還等を求めて昭和二十七年六月に国会決議がなされておるわけでございます。それに基づきまして、国の責任と主体において実施してきているという経過がございます。 それから、慰霊巡拝につきましては、さきの大戦によりまして犠牲となられた方々の御遺骨をすべて収集することは、現実問題として物理的になかなか困難であるといったような事情がございます。今も御紹介ございましたように、昭和二十七年度から三次にわたる計画的な遺骨収集をやってまいってきたわけでございますけれども、今申しましたように、なかなか完全な遺骨収集の難しさが残っておるというような状況がございましたので、昭和五十一年度から、この遺骨収集を補完するということで、慰霊巡拝というようなことを行ってまいったわけでございます。 この慰霊巡拝につきましては、日本国を代表する日本政府として慰霊巡拝を行うという趣旨で行ってきたという経過でございます。したがいまして、このような観点から、韓国の方々あるいは御遺族の方が日本政府が行う遺骨収集、慰霊巡拝に参加をすることは難しいというふうに考えておるところでございます。
○外口委員 今おっしゃったことの法的な根拠はどこにあるとお考えですか。
○佐々木(典)政府委員 ただいま私も申しましたけれども、遺骨収集等につきましては、繰り返しになりますけれども、昭和二十七年の六月の十六日でございましたが、国会決議に基づきまして、国の責任と主体において邦人保護の観点から実施しているということでございまして、そのようなことで、日本政府を代表して行うというふうな立場から行っているということから、そういうふうに考えているところでございます。
○外口委員 当時、旧植民地の方たちは日本の軍人として戦地に赴いたのではないんですか。邦人保護という観点からというのはどういう意味合いでしょうか。そのことについてのきちっとしたお考えをお聞かせください。
○佐々木(典)政府委員 先ほども申しましたけれども、戦後、昭和二十三年に大韓民国等として独立をされ、さらにサンフランシスコ平和条約において分離独立地域ということで完全に独立をして、それぞれの国家を形成してきているというふうな事情と理解をいたしてございます。
○外口委員 このような問題について、政府はサンフランシスコ条約あるいは日韓条約により既に国家間で解決済みであるとの見解を崩さずに来て、人道的、道義的な責任を回避し続けている点、これが国際的に今大きく日本が不信を持たれている点だと思います。 当事者一人一人にとっては、情報が保存されたままになっているために、いまだに親兄弟の供養もできないまま月日を重ねている。アジアの国々のそういう人たちと新しい関係を築かなければならない日本が、こういう形で日本人に対してだけこのような対応をしているということについて、大変に憤りを覚えるものです。昨今、国際貢献などと言われておりますけれども、そういう点についてどのようにお考えでしょうか。 なぜ一緒に弔うことをなさらないのでしょうか。また、遺骨の発掘、収集過程をともにすることで、ともに責任をとっていく態度を示していくものだと思いますが、その点について誠意を持ってお答えください。それから、繰り返しが多いので、きちっとお答えください。
○佐々木(典)政府委員 繰り返しのおしかりをいただいておりますけれども、私どもといたしましては、先ほど申しましたような事情でございます。現在の慰霊巡拝は、日本国を代表するという形で日本政府として慰霊を行う趣旨でございますので、御理解をいただきたいと思います。 なお、私どもとしましても、韓国政府が同国政府として慰霊巡拝を行うに当たっての御相談があります場合には、日本政府としてどういう形のことができるか、よく検討させていただきたいというふうに思っております。
○外口委員 日本政府としてきちっと対応していくことに引き続き努力を要求いたします。 例えば、本年度予算において、戦没者追悼平和祈念館の設立ということで、戦没者追悼平和祈念館建設のための費用二十億三百六十万円が計上されましたね。この祈念館は、戦没者を追悼する気持ちを新たにするとともに、戦没者やその遺族の強い願いであった恒久平和の実現を祈念するためとその趣旨に書かれております。 しかし、去る五月十一日の参議院の厚生委員会で、この建設の趣旨にアジアの人に対する思いは全く考えていないとの答弁をなさっております。アジアに対する戦争責任に全く触れない祈念館は、アジアの人々の気持ちを踏みにじるばかりではなく、日本人にとってもみずからの犯した過ちを反省することを回避させることにもなりかねません。また、後々の世代に対しても、平和を希求する姿勢を崩していってしまうことにもなりかねません。国際的な協調が最も必要な平和の実現を祈念する祈念館の設立趣旨に近隣諸国への配慮が毫もないのは全く矛盾していると考えますが、いかがでしょうか。お答えください。
○佐々木(典)政府委員 お答えいたします。 戦没者追悼平和祈念館の趣旨につきまして、今お話しございましたように、去る十一日の参議院厚生委員会で御答弁を申し上げておったわけでございます。若干舌足らずな点があった、そういうことを思っておりますが、私の気持ちとしましては、前後の御答弁で繰り返し申し上げたところでございますけれども、戦没者追悼平和祈念館につきましては、戦没者追悼の意をあらわす施設であることに加えまして、国民の生活面から見た戦争の悲惨さと、戦中戦後を通しての国民の生活上の労苦を後世代に伝えることにより、恒久平和に資する施設を目指しているということでございます。 もとより当然のことながら、本施設の設置運営に当たりましては、アジア諸国等を初めとする戦争の被害をこうむった国々の国民感情を十分配慮して、日本国民の平和への願いが伝わるよう細心の努力を払う、そういう気持ちでおるところでございます。
○外口委員 今幾つかの御答弁を聞きながら、国民感情をかんがみてというようなお話なんですが、もっと私ども日本人の戦争責任を明らかにするという、その基本的なところの問題として、私は幾つか質問をしてきたつもりでございます。そういった点で、最後に大臣のこの取り組みに対する決意をお伺いしたいと思います。 日本政府は、さきに挙げた一九七〇年からの死亡公報補完業務を行うに当たり、戦時中の公報に死亡場所の細部が明らかにされていないことは道義的に見ても適当でないのみならず、遺族の心情にかんがみても、ぜひともこれらの死亡場所を調査し、遺族に知らせる必要があるという理由をはっきりとおっしゃっているではないですか。日本人に対しては道義的にも心情にかんがみてもと見解を打ち出して、大きな努力を払って調査しているのですから、韓国の遺族の方々にも同じように誠意を尽くしていくことは当然のことだと思います。この点について、今後の取り組みに対する厚生大臣の積極的な、かつ誠意ある御答弁をお願いいたします。
○丹羽国務大臣 さきの大戦においては数多くの悲惨な状況が生まれたわけでございます。朝鮮半島におきましても大変御苦労をおかけしたわけでございます。私どもは再びこのような過ちを繰り返してはならない。アジアを初めとする世界の国々に対しまして平和への誓いを新たにいたすものでございます。 先ほどから先生がお尋ねいただいております問題でございますけれども、厚生省といたしましても、御家族の消息を知りたいというお気持ちにできるだけおこたえいたしますように、朝鮮半島出身の軍人軍属の方々の名簿を、事務的なことがありまして、一度今度先生御視察いただくということでございますが、できるだけ早く韓国政府に引き渡すよう誠心誠意努力をいたす決意でございます。また、御要望がございますならば、関係遺族からの個別の生死確認の照会に対しましても、これもまた誠心誠意調査をしてお答えをしてまいりたい、このように考えているような次第でございます。
○外口委員 他のカナダ、アメリカなどにおいては、日本人に対して積極的に国が問い合わせをするという形で補償問題に取り組んできていることなどからかんがみますと、今の厚生大臣の御答弁は大変に消極的なものと思わざるを得ませんが、今後ともさらなる取り組みを要望して、次の質問に移らせていただきます。 私は、当委員会においてさまざまな質問をしてまいりましたが、課題として残されているものが幾つかございます。本日は時間の関係上、二つの問題に絞って、その後の関係責任者の取り組みの経緯について御答弁を伺いたいと思います。 一つは有料老人ホーム問題でございます。 私は、一九九一年八月の老人保健法に関する質問を行って以来、予算委員会分科会、物価問題対策特別委員会並びに厚生委員会などにおいて、有料老人ホームについての実態調査、設置運営の適正化、広告の適正表示、入居契約の公平化、介護ヒューマンパワーの配置基準の明確化、業界内部での公正競争規約などの問題をめぐり、一貫して消費者保護の立場から質問を行い、行政責任を問うてまいりました。今回は、これら一連の質問に対するその後の政府の取り組みの経緯についてお伺いいたします。 まず、一番直近に発売されました週刊朝日の五月二十一日号でございますが、埼玉県のある介護専用型老人ホームの取材に基づいて、有料老人ホームが必ずしも老後を安心して暮らせる場ではないことを指摘しています。もう既に関係者はお目通したと思いますが、ジャーナリストの大熊一夫氏の新連載ルポの一で、「ボケ老人は神様が私たちにくださった最高の贈り物」と称して「有料老人ホームの裏と表」ということで掲載されております。 日本の老人ケアの実態は、公的サービスが圧倒的に不足な中では、サービスの供給者がその消費者である入居者に対して大きな力を持っているという悲しい現実がございます。そこで、消費者を保護するためには、サービスの供給側の情報の開示と運営の透明化が必要不可欠であり、それに向けての行政の責任は重いと思います。特に一九九〇年の老人福祉法改正において明文化されましたように、有料老人ホーム協会への国の指導責任はかなり重いものとして規定されているはずでございます。 今回の週刊朝日に掲載のレポートによりますと、そこの行政責任がいかに果たされていないかが明白です。言いかえれば、消費者の保護に対する行政や経営者の努力不足が極めて顕著であることが指摘されているわけです。このことに対して厚生省の見解をお伺いいたしたいと思います。
○横尾政府委員 週刊朝日の記事でございますが、埼玉県下の聖マリア・ナーシングヴィラを大熊一夫氏が視察をされた。いろいろ花が飾ってあったとかいうような御視察の記事の後、別途職員の人から、実はその大熊一夫氏の視察に先立っていろいろ特別の準備をしたために特別の情景を視察したことになった、あるいは見えないところで入所者の処遇に問題があるという話を聞いだというような記事の内容でございます。 その意味で、私どもは、この記事そのものがこの有料老人ホームの実態を示しているかどうかについては、まだ判断をするような記述ではないと思っておりますが、少なくともそういうような指摘がありましたことから、このことについては埼玉県に対しまして事実関係の確認を指示をしているところでございます。
○外口委員 この記事の中で、さまざまな今局長が指摘された点もありますが、例えば私など医療、福祉に従事してきた経験を持つ者にとっては大変胸の痛むものを一つ取り上げますと、「入居者三十八人のうち、毎夕五時から十二時間以上ベッドに縛りつけられるお年寄り九人。入居金三千万円、管理費月約三十万円の「日本最高」の介護型有料ホームで、この待遇」というふうに出されて、拘束された状態の写真が大きく出ております。これは、だれもがこのような状況を見ましたときに胸痛むものでありますし、このような実態がもしあるとすれば大変に憂慮すべきだと思いますが、この点についてどのようにお考えでございましょうか。
○横尾政府委員 一部ベッドに横になっていらっしゃる写真が載っておりますが、そのこと自身もこの取材をされた方御自身が撮影をしたのかどうかも明らかでありませんので、私どもとして今その事実について確認をすることはできないと考えております。
○外口委員 では、責任を持ってその調査を進めていただきたいと思います。 厚生省は、この記事に掲載されてあるこの介護専用型有料老人ホームの実態については知っておりますでしょうか。
○横尾政府委員 この介護専用型老人ホームの概要については承知をしておりますし、また、埼玉県が指導を行いました際の報告については承知をしております。その指導に入りました際あるいは監査に入りました際については、かねてより厚生省がガイドラインで定めております要件には合致しているという報告を受けております。
○外口委員 それはいつの時期のことでしょうか。
○横尾政府委員 本年三月三十日に立入調査を実施しております。
○外口委員 この実態について知られたのはいつのことでしょうか。
○横尾政府委員 実態というお尋ねでございますが、記事に書かれている内容については、記事を拝見して承知をいたしました。
○外口委員 本年三月監査に入られたと先ほど答弁されましたが、そのときにはどのような対応、指導をされておりますでしょうか。
○横尾政府委員 ガイドラインに定められております職員配置と構造基準等について調査をいたしまして、特に指摘をする事項はないという状況でございました。
○外口委員 そうしますと、このような実態が今回出されたことについては、そのときと事情が大変違うというふうに考えられますが、今後どのようにこれに対しては取り組まれる御所存ですか。
○横尾政府委員 ガイドラインに沿って判断をいたしました直近の状況では、指摘をすべき事項がなかったということでございますが、こういう記事もございましたので、改めて詳細に事実関係を把握するように指示をしたところでございます。
○外口委員 いま一つお伺いいたします。 さきの三月二十五日の厚生委員会で、私は有料老人ホーム協会が発行している入居ガイドでございますね、これの内容に大変不備事項があるということを指摘し、改善を求めました。その折、横尾局長は、重ねて指導徹底を行うとの約束をいただいたはずですが、その対応と結果についてお伺いいたします。
○横尾政府委員 外口委員の御質問が三月の二十五日でございまして、私は、即刻有料老人ホーム協会に対しまして、委員御指摘の点を踏まえて取り組むようにというふうに指示をさせたところでございますが、そのとき既に印刷が終了しております分がございましたので、それについてはその印刷の中に改めてつけ加えるということが困難という判断から、きちんとした国の類型に即した分類を行った書類を折り込みとして付して発行するようにということにさせております。 また、今後印刷をする第十三号になりますが、これについては御指摘の趣旨を踏まえた改善を図ることとしております。
○外口委員 あのときの重ねてのお約束が履行されなかったわけですが、今のお約束はぜひともきちっと履行するように求めます。 大変時間が押しておりますので、次の質問に移らせていただきます。 先ほどの二つ目の課題でございますが、昨年五月二十日の厚生委員会において、私は入院中の重症心身障害児に対する院内教育について、国立療養所における実態の視察を踏まえまして質問いたしました。その折、病院の設置責任者である厚生省と教育の実施責任者である文部省との間で取り残され、非常に貧弱な教育環境のもとで重症心身障害児の教育が行われていることに大変問題を感じ、具体的な問題の改善を求めました。 それぞれの省庁が連携して問題に取り組むとのお約束をいただきましたが、一年たった今、その後の経緯をまずお聞かせください。
○日高説明員 お答えいたします。 病院に入院している児童生徒につきましては、医療を必要とする期間に応じまして、病弱養護学校あるいは小中学校の病弱・身体虚弱特殊学級で適切な教育を行うことが重要でございまして、病院内の特殊学級、いわゆる病院内学級につきましては、病気療養中の児童生徒に対する教育につきまして重要な役割を果たしているものと考えております。 文部省では、従来から、病気療養中の児童生徒に対する教育を適切に行うよう、病院内の特殊学級の適切な設置を図るよう各都道府県に対しまして指導しているところでございます。 また、本年度から新たに、二年間の計画でございますが、病気療養児の教育に関する調査研究というものを開始することとしておりまして、その中では、病気療養児に対する教育の実態の把握でありますとか病気療養児の指導内容、方法等のあり方、病院内学級のあり方、医療機関との連携のあり方といったものについて調査研究を進めてまいりたいと思っております。 先生から御指摘のありましたとおり、病院内学級の充実を図るためには、厚生省と連携協力を図ることが最も重要であるというふうに考えておりまして、今年度からスタートします病気療養児の教育に関する調査研究につきましては、厚生省の御協力を得ながら進めてまいりたいというふうに考えております。
○外口委員 国連障害者十年の活動により、人々の障害者に対する関心がようやく高まり始めていますけれども、まだまだ障害者の完全な平等と社会参加の実現には多くの問題が山積みしているのが我が国の実態でございます。いかなる障害を持っ子供も、できる限り普通学級でともに学習する方向を目指すべきであることは言うまでもありませんが、現在私のもとに、せんだっての質問をして以来、各地からさまざまな障害児学級の現状が寄せられております。また、養護学校から教育に対するさまざまな疑問も寄せられてまいっております。 その一つに、ある県においては、中学校の精神薄弱、すなわち、精神遅滞の生徒に対し毎日数時間粘土をこねる授業が行われている。そして、それは持久力と手指の機能の向上を図るのが目的だと言われているそうです。学習器具の発達あるいは教育における社会化の動きが強まる中で、特にもっと多様な働きかけが必要なはずなのに、このような児童生徒に対して十年一日のごとく同じような従来の方法が慣習的に用いられ続けたままになっているという点について、私は大変心を痛め、疑問を感じ、憤っている者の一人でございます。 したがって、養護学校の小中学校の学習指導要領にもう一度目を通しましたら、きちっとこのように書いてございます。「生徒の経験を広め、社会性を養い、好ましい人間関係を育てるため、学校の教育活動全体を通じて、」「生徒及び地域社会の人々と活動を共にする機会を積極的に設けるようにすること。」と明記されております。教育の内容を一人一人の社会参加を目指した学習計画によって進めていくことの必要性が強調されているわけです。 また、そのためには教員等のヒューマンパワーの確保、その資質の向上のための研修等を通して、質の高い教育活動が行われるような条件整備が急務であるとも考えるものでございます。この点について文部省の取り組みをお聞かせください。 また、ノーマライゼーションの実現に向けて、教育の主体である各都道府県に対してどのような取り組みをされているかもお伺いしたいと思います。
○日高説明員 心身障害児に対しまして社会性を育て、積極的に社会に参加する人間を育てることは極めて重要でございます。 盲聾養護学校におきましては、心身障害児の障害の種類、程度に応じまして適切な教育を行い、その能力を最大限に伸ばし、可能な限り積極的に社会に参加する人間を育てることを目指しておりまして、心身障害児の社会性を育てるため、従来から地域社会の人々や通常の小中学校との交流活動を行っておるところでございます。 このような交流活動につきましては、平成五年度に改訂されました新しい盲聾養護学校の学習指導要領におきましてもその重要性が強調されておりまして、盲聾養護学校においては、地域や学校の実態等を考慮いたしまして、例えば学校行事あるいはクラフ活動等の実施に当たりまして、できる限り小中高等学校の児童生徒あるいは地域社会の人々と活動をともにする機会を設けているところでございます。 文部省としましては、このような施策を進めるに当たりまして、一人一人の心身障害児に対しまして個に応じた適切な教育を行うために、指導力のある教員の配置が重要であるというように考えておりまして、初任者研修を初めとする教員研修の充実を図ってきたところでもございます。 また、文部省では、平成五年度から六年計画で教職員配置改善計画を策定いたしまして、教職員配置の一層の充実を図っているところでございます。 今後とも、これら特殊教育の条件整備につきましては、誠心誠意努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○外口委員 私は、きょうは、国籍によって、あるいはまた障害によって差別をさまざまな形で受けている人々の処遇の改善を国の責任において進めていくべきだという観点から、人権後進国とも言われる日本の実情についてもっともっと政府が敏感になり、それに対応した積極的な取り組みをすべきなどの要望を申し上げました。 最後に厚生大臣のそれに対する御見解を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○丹羽国務大臣 まず、前段のいわゆる朝鮮半島の軍人軍属の名簿等の問題につきましては、先ほどから審議官からも御答弁を申し上げましたように、できるだけ私どもは韓国政府に対しまして名簿を引き渡すということが誠意のあらわれである、このように考えておるような次第でございます。 それから、障害者の問題につきましても、これも予算委員会あるいは当委員会におきましても、いわゆる障害者の皆様方が一般の社会において自立と参加する、こういうような基本的な認識のもとに、ノーマライゼーションというものの実現を目指していかなければならない、そのためには障害者にとって優しい町づくりというものもあわせて考えていかなければならない、こういうような基本的な考え方を述べてきたわけでございますけれども、この問題につきましても、またさまざまな施策の中において、障害者の皆様方にとって真に過ごしやすいような町づくり、いずれにいたしましてもこの二つの問題に通じますことは、まさに私どもに求められておりますぬくもりのある厚生行政ではないか、こういった観点に立ちまして、ひとつ先生の御指導を今後とも仰ぎながら、一生懸命頑張っていく決意でございます。
○外口委員 終わります。 〔委員長退席、山口(俊)委員長代理着席〕
○山口(俊)委員長代理 児玉健次君。
○児玉委員 日本共産党の児玉健次です。子供の保育と保育所の問題を中心にして御質問をします。 一昨年のことですが、自治労連が全国二十三都道府県十万世帯を対象にして、約七万世帯から回答を得たアンケートがございます。子供を産み育て、働き続けるために何が必要か。複数回答ですが、第一位は保育・学童保育の拡充五一・八%、二位が育児休業の拡充四四・一%、三位が労働時間の短縮三〇%です。出生率の低下が非常に懸念されているとき、この答えというのは私は極めて注目すべきものだと思います。保育所に対する社会的な期待、厚生省もこれまで御苦労がありましたが、ますます保育所を充実させなければいけないだろう、こう思います。 そこで、具体的な御質問に入るわけですが、この自治労連の同じ調査の中で母親の帰宅時間を聞いた部分があります。午後五時までに帰ると答えた母親が三七・六%です。五時から七時までに帰るが四〇・九%、午後七時以降ないしは不規則であると答えた母親が二一・六%です。後の二つを足すと六二・五%ですね。 そこで厚生省に伺いたいのですが、保育時間についていえば、一九四八年、昭和二十二年の段階で 保育所における保育時間は、一日につき八時間を原則とし、その地方における乳児又は幼児の保護者の労働時間その他家庭の状況等を考慮して、保育所の長がこれを定める こうされております。この点御確認いただきたい。
○清水(康)政府委員 御指摘のようでございます。
○児玉委員 それで、日本社会事業協会が発行された「児童福祉施設最低基準」、これは昭和二十三年に刊行されたもののようですが、その中で当時厚生省の児童局企画課長の松崎芳伸さんが今の点についてこういうふうに述べていらっしゃる。 ここで問題になるのは、保育時間である。働く母親の八時間労働には、自宅から職場への通勤時間が算入されていない。だから、必然的に子供を保育所にあずけなければならない時間は、八時間以上ということになる。 そう言って、一方では保育所の保母の労働時間が問題になる、こう述べつつ、先ほどの一日につき八時間を原則としという部分を引用されて、この一見相ぶつかり合う要素を解決するためには 保育所の保母の超過勤務、すなわち、保育時間と保母の労働時間との関係は、各保母について適当の時間の組合せを考慮して定めればよい という解釈を下している。一九四八年、保育所が発足した段階での担当課長の見解としては、非常に柔軟かつ弾力的、そして母親の苦労を考えて、拘束八時間の中に通勤時間が入っていない、そのことを考えたらというニュアンスですね。この態度をもちろん厚生省は今も維持されていると思うのですが、いかがでしょうか。
○清水(康)政府委員 御案内のとおり、基本的に保育時間としては八時間を前提としているわけでございまして、その八時間の中に御指摘のような通勤時間というものが含まれていないということは、そのとおりでございます。 したがいまして、通勤時間も考えれば八時間で対応が十分なのかどうかという御議論はいろいろあろうかと思いますが、例えばその八時間というものについて、午前八時半から午後四時半までというふうに一律的に決めているというわけではありませんで、施設によっては、午後一時前後から午後十時ごろまでというふうなことも認めて措置の対象にしているということでございます。また、八時間を超えるような延長保育の必要性というものが現実にあるわけでございますので、私どもは特別保育事業として、いわゆる補助事業、補助金をもってこれに対応し、努力しているというのが現状でございます。
○児玉委員 厚生省からいただいた資料で保育所、保育時間別施設数というのがありまして、全国に保育所が二万二千七百三ある。その中で保育時間が九時間から十時間まで、そこのところが四千六百六十、十時間から十一時間が一万二千二百十、合わせて一万六千八百七十、全体の保育所の七四・三%が今局長のおっしゃった八時間を超えた保育をやっていますね。これはもう当然のことで、そのようにきちっとやる必要があるだろう、そう思います。 そこで申したいのですけれども、実際は皆さんの措置によれば八時間を一つの区切りとしておりますから、この際、当面少なくとも全国の保育所の相対的多数、七四・三%が行っている九時間から十一時間まで、例えば十時間のところ、そこを基準にして人員配置を行うべきではないのか、そして必要な単価のアップも進める必要があるのじゃないのか、こう思うのですが、いかがですか。
○清水(康)政府委員 御指摘の点については、御案内のとおり、保育所の開設時間中に職場からお帰りになることができないという形で、一たん保育所に預けるけれども、その後のために保育ママさんを探すとかベビーシッターにお願いするとか、いろいろな形でいわゆる二重保育ということに悩んでおられる母親の方々が多いということはよく存じ上げております。 私どもとしましては、現在、保育問題検討会というものをお願いして、保育所にかかわるさまざまな問題を幅広に御議論いただくということにしております。今先生御指摘のように、相当数の保育所が九時間以上いわば営業しているといいますか、そういう実情も踏まえながら、どのように総合的に措置費の中で取り組んでいくことができるか、あるいは補助金の制度の中でバックアップできるか、そういうことについていろいろ検討してみたい、そう思います。
○児玉委員 先ほど紹介した当時の松崎企画課長の発言というのは、現在にあっても非常に生命力があると思うのです。八時間というのは原則であって、保育所の目の前に職場もあれば自宅もある母親というのはほとんどいませんよ。そうすると常識的に見て、特に大都会にあってはどうしても十時間、十一時間になりますね。その場合に、保育時間は保育所の長が定める。保育所の長が定めた保育時間を厚生省が言ってみれば措置制度を発展的、弾力的に踏まえていって裏づける、これが必要だと思うのです。どうでしょう。再度お尋ねします。
○清水(康)政府委員 御指摘の点はよく理解できますけれども、御案内のとおり、これからの保育サービスのあり方をどうすればいいかということについては、さまざまな御意見があるわけです。 先般、四月七日でございますが、これからの保育所問題懇談会というところから、「今後の保育所のあり方について これからの保育サービスの目指す方向」というふうな御提言をいただいております。その中でも「柔軟な保育所運営のあり方」ということが一つの項目として取り上げられております。 先ほど先生も御指摘のように、保育所で働いている方々の労働条件の問題、勤務時間の問題等もございますから、そういうものとの関連を踏まえてどのように雇用の工夫をするか、あるいは保育所自体の画一的な運営ではなくて、その地域ごとの主体的な運営が可能になるのかというふうなことについて、場合によってはさまざまな規制緩和が必要かもわかりませんが、そういうことを含めて総合的に今後検討していきたいと思います。
○児玉委員 今局長がおっしゃった「今後の保育所のあり方について」、これは後ほど十分に論議をしたいのです。 私は、要は今述べたような意見、厚生省の昭和二十三年の段階での考え方も踏まえてのことなんですが、これを今後の厚生省の検討の中で十分生かしていただきたい。いかがでしょう。
○清水(康)政府委員 先ほども御答弁しましたとおり、八時間保育といいましても、保育所に児童を預けるためにまず朝の時間が必要、あるいは職場から帰ってくるための通勤時間が要る、そういうことはまさに御指摘のとおりだと思いますので、御趣旨を踏まえてよく勉強してみたいと思います。
○児玉委員 もう一つ保育所の問題で重要な点で、いわゆる児童の保育に欠けるという問題をどのように考えるか。言うまでもなく児童福祉法の第二十四条です。 私は北海道で、まだ国会議員になる前に、国際障害者年の十年間の取り組みを進めたことがありました。そのとき各地の母親から、特に聴力障害の母親、父親から、両親が聴力障害で生まれてくる子供が健常者である場合、聴力障害を持っていらっしゃる御両親のもとでそのまま家庭内で育てていったのでは言語の力がつかない。それで、お母さんが家庭にいらっしゃったとしても、そういう子供について保育所に入れたら、一、二カ月で言葉が交わせるようになる。そしてこの点は、各地の自治体に対する要望の取り組みの中で、私の記憶では函館市、千歳市、まずそういうところが母親が家庭にあっても保育所に入所させるようになり、今では札幌市などもそういった対応をしております。非常に結構なことだと思います。 それで、保育に欠けるということについて、一九六三年の七月に中央児童福祉審議会保育制度特別部会が「保育問題をこう考える 中間報告」というのを出しております。その第三の部分に「保育に欠けると思われる状況とはなにか」、ずばりこのテーマを扱ったお考えが提示されておりまして、「こどもの心身の発達にとって不可欠なものを与えなくする状況を保育に欠ける状況と定義すべきであろう。」きっぱり断言されていますね。そして、「従来保育に欠ける状況についての議論は、家庭内における欠損状況についてのみ論ぜられて来た。」こう言われて、「保育に欠ける状況とは、家庭内、それも特に両親の状況のみに限定されることなく、広くこどもの生活の場全体を考慮すべきであろう。」そういう提起をなさっています。 これは当然厚生省としても現在維持されている立場だと思うのですが、いかがでしょう。
○清水(康)政府委員 いわゆる保育に欠けるということの扱いにつきましては、御案内のとおり、かつては機関委任事務ということでありましたので、国の方が非常にきめ細かく定めて、逐一市町村に対する指示をしていたという経過がございますが、六十二年の制度改正で、現在では団体事務ということになっておりますので、政令で定める基準に従って条例で自治体が判断していく、一応こういう建前にはなっているわけでございます。 その中で、政令基準の中にも「疾病にかかり、若しくは負傷し、又は精神若しくは身体に障害を有していること。」というふうな基準がございますから、御両親にそういう問題があれば、これは当然保育に欠けるという扱いができると思います。 なお、御指摘のように、両親の状態だけではなくて、広く子供の生活の場全体を考慮すべきであるという御指摘が昭和三十八年の中央児童福祉審議会の中間報告の中にございます。そしてその中では、例えばこれは住居事情のようでございますが、「住居全体が仕事場になっていて、児童に日中生活の場がない。」とか、あるいは「地域の状況が事故多発地帯である」とか「適当な遊び場がない」とかいろいろなことを指摘されておりまして、私どもは、保育に欠けるということについての判断は、やはり時代の変遷、世の中の必要とともに弾力的に考えていく必要がある。 一例を申し上げますと、育児休業法が制定された際に、育児休業をとって母親が休んでおられるわけですから御自宅におられます。そうすると、上のお子さんはもう保育に欠けないではないか。下のお子さんが生まれたために育児休業をとったら、上のお子さんを保育所から出さなければいかぬ。そういうことはそもそも育児休業法の趣旨に反するわけで、御案内のとおり通達など出しまして弾力化しておりますが、そういうふうに個々のケースに応じ、あるいは時代の変化に応じて弾力的に対応していきたい、そう思います。
○児玉委員 まさに家庭内における欠損状況についてのみ論ずることなく、子供の生活の場全体を考慮していく。今局長から具体的な御指摘もありましたし、その方向を発展させていただきたいと思います。 三つ目の問題、たまたま次に御質問しようと思っていたことが今のお話で出てきました。 全国保育団体連絡会が昨年の十一月にワーキングママ一一〇番というのをやっております。午前十時から午後の九時まで保育団体連絡会が電話でいろいろ問い合わせを受ける。合わせて百十三件。東京、神奈川、埼玉を中心にして、遠くは山口からも電話が来ているようです。 その百十三件をずっと拝見したのですけれども、例えばこういう問い合わせですね。東京の文京区の方、育児休業中です。ゼロ歳児、途中入所はだめだった、四月から預けられる保育園を探している。どこも年長組はあいているがゼロが少ない、そういうふうに言っている。それから小平市、この方は産休中です。小平市内には産休明けに預かる保育園がないので、新宿、練馬、保谷市あたりの無認可保育所を何カ所か教えてほしい。時間もありませんから最後に一例だけ。柏市の先生で育児休業中。育児休業をとっていたが十二月一日に職場に復帰した。前月の十五日に入園の審査があったが、あきがなかった。こういう状態がありますね。 そこで、今のような切実な要望にこたえるために、二つの点での弾力的な扱い、積極的な充実が必要だ。 一つは育休明けについてです。年度途中の入所は困難だ。そのために育児休業を途中でやめて四月一日に復帰する母親もいる。なぜかといえば、各保育所の保母さんの定員がぎりぎりであって、年度途中の入所に十分対応できていませんね。年度途中でも対応できるような保母さんの配置基準、その点での弾力性というのを発揮すべきではないのか。 もう一つは乳児保育についてです。今の配置基準によれば、乳児の場合、三人以上一つの保育所に保育されている場合は、乳児三人対保母一人という配置基準です。ところが、乳児が二人未満の場合は六対一の配置基準で人員が配置されていますから、このことがネックになって、今の三つの電話にあるようにゼロ歳のところが少ない。ここを解決するためには、乳児保育の一ないし二人まではカウントしないという点について、基準を現状に合わせる必要があるんじゃないか。あわせてこの単価の引き上げをしなければ、いつまでもこの嘆きが続くんじゃないだろうか。 この二点についてお伺いします。
○清水(康)政府委員 育児休業明けの保育の確保につきましては、委員御案内のとおり、この育児休業法が施行されました平成四年三月五日付で局長通達などを出しまして、年度途中で受け入れ可能なように、若干の予算措置と、それから例えば定員などにつきましても、認可定員に一〇ないし一五%の範囲内では弾力的にそれを超えて扱ってもよろしい、そういうふうなことでいろいろ努力をしているわけでございます。 しかし、地域によっては、特に公立保育所が多いという地域においては、職員の定数確保といったような角度から、なかなか年度途中での要望に弾力的に対応しにくいという事情があることも承知しております。この問題も、どのようにしたらもっと乳児保育を適切に受けられるかということについてぜひ検討したいと思います。 ただ、状況だけ申し上げますと、この乳児保育制度が始まりました昭和四十五年ごろは、ゼロ歳児の方の一%未満の八千三百人くらいしか受け入れていなかったわけでございますが、平成四年度の時点では四万四千二百九十二ということで、約二・七%くらいを受け入れている。逐次受け入れ数もふえてきておりますし、いわゆる指定の乳児保育所、乳児を扱う指定保育所も逐年ふやしてきておりますので、今後とも努力をしていきたいと思っております。 育児休業明けにつきましても、それから乳児保育の問題につきましてもさまざまな課題があって、国民の方々の要望に十分こたえ切れているかといいますと、必ずしもそうは言い切れないという側面は確かにあろうかと思いますので、先ほども申し上げましたが、現在保育問題検討会というのをさせていただいておりますので、そこの場で広く機能面、それから財政面、それからマンパワーの確保その他を含めて御検討いただいて、適切な結論が出されたものから逐次実行していきたい、そのように考えております。
○児玉委員 事柄の根っこになる部分なんですが、措置制度の問題です。 措置制度は、もう言うまでもなく、日本において福祉の公的保障を具体化するために設定されたものであって、そして先日、本会議で議論した子どもの権利条約にあっても、この措置という言葉は随所に出てまいります。ますますこれは充実発展させられなければならないものだと思います。 ことしの四月七日にこれからの保育所懇談会が提言を発表なさった。興味深く拝見しております。その中では国民の保育に対するニーズの多様化、これはそのとおりだと思います。そこで問題なのは、保育サービスに対する国民のニーズが多様化し拡大してきている、画一的な保育では対応できなくなっているという御指摘ですね。じゃ、どうしてそれに対応するようにするのか、ここが問題ですよ。だからこそ措置制度を実態に即して柔軟に、弾力的に発展させるべきだと思うのです。 厚生省が、先ほど紹介しましたように、昭和二十三年の段階で保育時間についてわざわざ「原則」という言葉を入れていらっしゃる。そして保育に欠けるということについても、再論はしませんけれども、極めて示唆に富んだ指摘をされていますね。これらの対応は、多くの関係者の熱意によって、現行の措置制度がさらにすばらしく発展していく可能性を持っている、そのことを見事に示していると思うのです。 ところが、さっきの画一的保育とかなんとかという問題を措置制度による弊害というふうに決めつけてしまって、そして措置制度そのものが持っている日本及び世界の社会保障における重要な位置づけ、これはもうますます充実させられなければいけないんだけれども、そこを発展的にとらえようとしない。この点は私は問題があると思うんですよ。 そこで、この際お聞きしておきたいのですが、一部の報道、文字どおり一部の報道ですが、保育サービス法(仮称)として、そういったものがあたかも遠からず出てくるんだというふうな言い方がひとり歩きをしておりますね。私はこれはまずいと思うんだ。今必要なのは、厚生省として、憲法と児童福祉法が提起している内容をますます現実に即して発展させることだ、このようにも思うのです。それらの点について厚生省の考えを伺います。
○清水(康)政府委員 我が国においてこの措置制度が非常に保育の充実について歴史的な役割を果たしてきた、また、今日でも果たしてきているということについては私も異論がございませんけれども、一方で、さまざまな多様なニーズに対応するために、基本的な保育については措置で対応すると同時に、さまざまな特別保育については現在保育補助制度で対応している。いわば二重構造といいますか、そういう仕組みになっているわけでございます。私どもは、これからの保育所のあり方についての提言を具体的に受けましたので、今後この保育問題検討会においていろいろな議論をさせていただきたいと思っております。 この保育問題検討会設置の際に、それに関する報道の中に、御指摘の保育サービス法云々ということがあった事実も知っておりますけれども、要は、どのような結論が出されて、国民のニーズに対応するような保育を確保するためにどのような仕組みをつくっていけばいいのか、これは保育のあり方、それから保育財政の問題、施設整備の問題、さまざまなものを含めて総合的に検討していかなければならない課題であろうと思っているわけでございます。 したがって、保育サービス法というような法律が先にありきということではなくて、どういうふうな内容に現行の制度を改めていくことが、保護者の立場からいっても、あるいは保育所に働いておられる従業員の方からいっても、あるいは保育所を経営しておられる方々の立場からいっても妥当なのかということについて、保育問題検討会で十分御議論いただいて、そこで得られた社会的合意、そういうものを持ってこれからの制度改正というものに当たっていきたい。 したがいまして、現在、先に何か単独立法ありきとかあるいは児童福祉法の一部改正だけで対応するとか、そういう結論が全くあるわけではありませんで、今後の審議の推移によってどのような対応をするかということを考えていきたいと思いますが、いずれにしても、措置制度を全面的に廃止するとか、そういうことを全く考えているわけではありませんで、措置制度の上に立って、むしろ措置制度がある程度果たしてきた役割、果たすべき役割の上に立って、多様な社会的ニーズに対してもっと国民の希望に即して対応できるような新しいシステムもづくっていく必要があるのではないか、そういうことからいろいろな議論をしていただいているというふうに考えております。
○児玉委員 長い歴史を持っている現在の保育所制度、これはますます発展させるべきで、それは今いみじくも厚生省からお話があったけれども、憲法と児童福祉法、そしてその後できたわけだけれども児童憲章、そういったものの大きな法体系の流れの中で、ますます柔軟に、弾力的に、あくまで措置制度を軸にしながら進めなければいけない。 そこで、最後に言いたいのですが、今問題なのは保育に対する父母の負担、自治体負担、そして国の負担がどうなっているかという問題です。 ことしの予算で、予算委員会に私たちが資料を要望しましたら厚生省からお答えが来ました。全国の保育事業の総事業費の中で、一九八四年の段階は二千七百八億、総事業費の三八・四%だったものが、九三年は絶対額も下がって二千六百二十四億、〇・九六倍ですね。地方負担の方は一九八四年、いいですか局長さん、当時は六百七十七億、総事業費の九・六%だったのですよ。それが九三年は二千六百二十四億、二五%に実に三・九倍ですよ。そして父母負担の方は、八四年が三千六百六十六億、五二・〇%、それが九三年五千二百五十億、五〇・〇%、一・四倍ですね。 ここのところをやはりきちっと踏まえて、そして国の負担すべきものはどうでなきゃいけないのか。少なくとも一九八四年の段階で、いろいろな不十分さがありながらもある程度国として努力なさっていた部分、その部分については復元させていく、そういう構えが基礎になければ、措置制度を軸にしながら保育所をますます充実発展させていくことはできないと思うのですが、いかがですか。
○清水(康)政府委員 この件につきましては若干見解が異なるわけでございますけれども、御案内のとおり、昭和二十年代に生活保護の制度が国庫八割、地方二割というふうな制度でできて、それに準拠してさまざまな福祉制度ができてきたわけでございます。 たしか昭和六十年だったと思いますが、補助金問題検討会というのがつくられまして、そこでさまざまな議論が行われた上で、やはり福祉の中でも、生活保護のようなものとあるいは保育サービスその他の老人福祉サービスとは性格が違うんではないか、生活保護については国の負担割合が非常に高くて結構だけれども、一般の保育サービス、老人サービスについては国と地方との割合が二分の一でやってしかるべきではないか、そういう結論が出まして、その結果に基づいて、従来の八対二というのは、現在国が一、地方が一というふうなことで老人福祉や保育行政が行われているという経過でございます。 私どもは、公費全体の中に占める国費の割合がどうのこうのということも大切ではありますけれども、むしろ例えば保育料の負担を軽減するというふうなことを考えますと、当然全体としての公費をふやさないことには保育料の軽減ができないわけでございます。その中で国と地方がどういう割合で持つことが適切かという議論になりますれば、さまざまな地方財政上の問題、地方財政措置その他を考えながら、市町村にとって財政措置に困ることのないような交付税措置その他を含めて対応していくことで可能なのではないか、公の責任というのは必ずしも国庫負担だけで議論すべきではない、そういうふうに考えております。
○児玉委員 時間ですから、今の点はこの後大いに議論していきたいと思います。そしてお話は、言ってみれば経過をお話しなさったので、私が言っているのは、特に父母の負担が八四年から九三年まで一・四倍になってしまっていて、そして厚生省の資料によれば、年平均の負担が十九万三千二百三十円から三十一万四千二百五十九円に、こちらは一・六倍になっている。そこのところをどうするかということも含めて議論したいと思います。 終わります。
○山口(俊)委員長代理 石田祝稔君。
○石田(祝)委員 きょうは、差しかえでお時間をいただきまして質問をさせていただきたいと思います。 まず最初に年金の問題についてお伺いをいたします。 ことしの一月二十九日に社会保険審査会において、障害に遭われた方の年金について新しい考え方の裁決がおりたというふうに聞いておりますけれども、この内容をちょっと簡単に御説明ください。
○山口(剛)政府委員 この一月二十九日に社会保険審査会で裁決がございましたが、このケースは、十八歳の会社員が厚生年金に加入後三カ月で交通事故に遭われたというケースでございます。 当時、厚生年金におきましては、障害年金の支給要件といたしまして、事故の前に六カ月以上の加入期間が必要ということでございますので、厚生年金は支給されないというケースでございます。また一方、国民年金におきましては、国民年金でカバーされない二十歳前の方々につきましては、その二十歳前の障害については障害福祉年金の支給をするという制度になっておったわけでございますが、この間の調整規定がございまして、ただし厚生年金でカバーされている方々につきましては、二十歳前の障害であってもこの障害福祉年金は支給しないという規定でございます。 その規定に従いまして、このケースにつきましても、厚生年金の被保険者でございましたので、障害福祉年金は支給をしないという処分をしておったところでございますが、これを不服といたしまして審査請求がされたというケースでございます。 一月二十九日の社会保険審査会におきましては、このようなケースにつきましては厚生年金の障害年金が支給されないようなケースですので、この調整規定の立法の趣旨からいたしましても、そのような場合には厚生年金の被保険者であってカバーされているといっても、年金が支給される可能性は全くないんだから、障害福祉年金は支給をしても差し支えないという解釈をすべきであるという御指摘で、その線に沿いまして障害福祉年金をこのケースについて支給をするという裁決がされた、こういうことでございます。
○石田(祝)委員 今御説明をいただきましたが、そうすると、その間に法律自体は変わっていないわけですね。ですから考え方が変わった、こういうように私は理解をするのです。 昭和五十四年にこの方は事故に遣われて、十四年目にして支給の裁決がおりた、こういうことであろうと思います。これは端的に言って、私も詳しく読ましていただいたわけではありませんけれども、以前との違いはどこなんだろうか。今までは出なかったものがなぜ出るようになったのか。結局これは法律上は変わっていない。そういう中で解釈が変わったのかな、こういうことを思うわけですけれども、これは局長、考え方が変わったわけですか。 今まで救われなかった人を広く救済をしていこう、いわゆる年金の網の目を小さくして漏れる人をなくしていこう、こういう広いお心に立ってなされたのかな、こういうふうに思いますけれども、従前との相違は結局何なのか、どういう観点から今回こういうことになったのか、これについて簡単で結構ですから、お聞かせいただきたいと思います。
○山口(剛)政府委員 御指摘がございましたように、このケースは個別的なケースについての裁決でございまして、法律を変えたということではございません。 ただ、このケースは五十四年のケースでございますけれども、障害年金につきましては六十年に改正がございまして、従来六カ月という拠出期間を問うておりましたのを、加入直後において事故が生じた場合につきましても救済をするという方向で、これは制度改正がなされました。 立法の趣旨は、先生今御指摘がございましたように、障害とか遺族というようなケースについては、できるだけ幅広く救済をしていくような方向で対処していくべきだということがその立法の背景にはあろうかと思います。このケースにつきましては、従来の規定のもとで、背景には先生御指摘のような趣旨が含まれておるかと思いますけれども、社会保険審査会の法文の解釈として、これは従来の解釈を変更して支給をしてもいいということではないかということでございますので、私どももその線に従いましてこのケースについては支給をする、またあわせて、これと同様なケースにつきましては、この裁決の趣旨に従って処理をしたいというふうに考えております。
○石田(祝)委員 済みません、ちょっと聞き取れないところがあったのですが、解釈の変更があったんですかなかったんですか、どっちでしょうか。
○山口(剛)政府委員 あくまでもこれは障害福祉年金を支給するかしないかというケースでございますが、そこにつきましては、その裁決を受けて私どもも解釈を変更して、同様のケースにつきましては障害福祉年金を支給をするということにいたしております。
○石田(祝)委員 そうすると、今度は解釈を変えて出すようにする。これは今まで出なかった人もことしの一月の裁決を受けて出すということですから、明確に従前の考え方を変えた。これは先ほど局長の答弁ございましたけれども、広く救済をしていく、こういうことも一つ背景にあるんだ、こういうことだったと思います。 私は、ちょっと実例を挙げまして、どうかということをお伺いしたいのですが、これはプライバシーの問題もありますので、A子さんということでお伺いをします。生年月日が昭和三十七年九月ということで、昭和五十六年の三月に高校を卒業する。それ以降民間会社に勤められまして、厚生年金ですね、六月の三十日に心の病で退職をされる。ですから、約三カ月くらいの加入期間になるわけですね。初診は五十六年の五月だ、こういうことですから、旧法適用の方で、そして六カ月要件に達していない。 この方も今回のこの裁決の場合と全く同じであろうと私は思いますけれども、こういう方で身体障害また障害が決められた等級、そういう方であれば今回救われるのかどうか、障害福祉年金が出るようになるのかどうか。これはいかがでしょうか。
○山口(剛)政府委員 詳細につきましては詳しくまた御説明をお伺いしたいと思いますけれども、二十前のケースで、今回と同じようなケースで、たまたま厚生年金に加入しておられて六カ月の要件を満たしておらないという方のケースであれば、国民年金の障害福祉年金は支給をするというケースに該当すると思います。
○石田(祝)委員 私、実はこの方から年金の支給について御相談をいただいておりまして、今回こういう裁決が出て通知も出ている、こういうこともお知らせをしたのですが、その方が社会保険事務所なり県に行ったときに、まだそこに通知が行っていなかった、余り詳しくわからなかった、こういうことでありました。 これで私が心配するのは、こういう方は一回は却下をされているわけですね。却下をされているから不服を申し立てて、今回裁決がおりたということです。ですから、一回は窓口へ行って、だめだ、あなたは法律の要件に達していないから障害福祉年金ももらえませんよ、そして厚生年金も、旧法適用のときですから、六カ月たっていないからもらえませんよ、こういう形で、出ないということを一度言われているわけですね。こういう方たちが今回の裁決によって救われる道が出てきた。 ですけれども、私がその人に連絡したときに、どこの県かは申し上げませんけれども、まだ具体的に末端というか窓口までおりてきていない。ましてや断られた本人、またその親御さんは具体的には知るすべがない。こういうことについて、今回の裁決を受けて、そういう人たちに対してはどういうふうなことをされようとしているのか。 実は私、このことをきのう質問通告をした後で現地の方と御連絡をとったら、こういうことがわかったものですから、こういう広い気持ちで救済ということをお考えいただいているんだけれども、じゃ本当にそういう該当する人たちお一人お一人に、あなたは今回のこういう裁決で救われるようになりますよ、障害福祉年金をもらえるようになりますよ。だけれども、それは本人が申請をしなくちゃならない。それを知るすべがない。 これは具体的にどういうふうにお考えになって、そういう方々に、新しく制度が変わりましたよ、制度が変わったというか、こういうことになりましたよと知っていただくような手だてを具体的にお考えになっているのか、これからやろうとされていることがあるのかどうか。これはどういう予定ですか。
○山口(剛)政府委員 今回の裁決を踏まえまして、先ほど私が申し上げさせていただいたような方針でこれから臨みたいという判断をいたしましたので、そのことにつきましては、この三月に社会保険事務所なり市町村にも、そういう趣旨が徹底するようにということで社会保険庁の方から通知を出しております。 私どもといたしましては、それぞれの社会保険事務所なり市町村なりで、この具体的なやり方はなかなか難しいと思いますけれども、この方針を踏まえていろいろな御相談に乗ったり、必要に応じて御指導をしていただくということで、一律にこういう方式でやれというようなことを言っておりませんけれども、今後ともこの指導の趣旨の徹底につきましてはいろいろと工夫をし、私どもなりに努力もしてまいりたいと思っております。
○石田(祝)委員 これはぜひお願いをしたいと思うのですね。こういう文書を私もちょうだいいたしました。こういうことで社会保険庁の方から都道府県の主管課長さんに文書は行っておりますから、これは窓口はわかるわけですね。だけれども該当する御本人が、私がそうなるかというのはわからないわけですよ、今まで一回断られているわけですから。私の考えでは、そういう人は多分一回請求をして断られている人ですから、記録は残っているんじゃないかと思うのですね。 ですから、そういう人たちには、せっかく手を差し伸べてくれたのですから、もう一歩深くやっていただいて、あなたは今回こういう形になりますよ、こうやっていただいた方がより手が届いているんじゃないかな。せっかくこういうことで考え方を変えて、広く網の目から漏れる人を救っていこうということでやられているわけですから、局長もできるだけやりたいというふうにおっしゃっていましたけれども、これははっきり言って具体的にこういう形でやってもらいたい。 これをやらない限り窓口ではやりませんよ、県の段階では。具体的に、あなたは今回こうですよ、あなたはこうなりましたよということを言ってあげない限り、一回断られたら、法律が変わったかどうかわかりませんから、そういう一般的なお答えではなくて、責任者としていま一歩踏み込んだお答えをいただけないかなと私は正直に思います。いかがですか。
○山口(剛)政府委員 先生の御要請の趣旨はまことにごもっともなことだと思いますので、社会保険庁と具体的に、どういうことができるかというのはなかなか言うべくして難しい問題があろうかと思いますけれども、御趣旨を踏まえまして、何ができるか誠意を持って検討させていただきたいと思います。
○石田(祝)委員 これはぜひ、何度も申し上げますけれども、せっかくそういうことをやっていただいたわけですから、お願いをしたいと思います。 それで、これも無年金障害の方に関してなんですけれども、今のは二十歳未満の方でした。二十歳を過ぎた方でいわゆる大学在学中であったり、そういう方はもちろん障害になったらもらえないわけですけれども、私の知り合いというのでしょうか後輩で、大学を卒業して入社をした。そして入社をして半年にならない前に障害に遭ってしまった、こういう方もいるんですね。 この方は、年齢が二十歳前と二十歳後ということを除けば、先ほどの方と全く同じであります。この方については救済をされる道があるのかどうか、年金をどこかで支給される可能性があるのかどうか、現時点と将来、考え方がどういう形になるか、そういうことを含めて、二十歳を過ぎた全く同じ状況の方、これについてはどうなるのか、お聞きをしたいと思います。
○山口(剛)政府委員 先生御指摘のケースは、まさに拠出制の厚生年金の障害年金の支給要件の問題でございまして、先ほどの議論は障害福祉年金の話でございますので、これはまた性格の異なる問題でございますが、これも先ほど御説明をさせていただきましたように、六十年の改正で支給要件を変えたということがございます。したがって、六十年の改正前におきましては、その支給要件に該当しなかったために、厚生年金の障害年金が支給されないというケースがあることは事実でございます。 これは我が国の年金制度が社会保険方式をとっておりまして、保険料を拠出していただいて、その時点で制度が定める保険事故に合致した場合に年金を支給するという考え方でございますので、それを過去の要件に該当しなかったケースについてまで改正後の考え方でさかのぼって適用をしていくということにつきましては、社会保険制度の基本にかかわる問題でございますので、前半で御指摘をいただきましたケースとは別に、これは大変難しい問題があろうかと思います。
○石田(祝)委員 このことは、私、最後に意見だけ述べますが、社会保険方式という大前提はわかっておりますし、この例は無拠出者ではありませんので、掛けておったわけです。それが六カ月要件に達していないというだけですから、この六カ月要件が不合理だということで六十一年に改正をしたと私は思います。 要するに、まさしくこれはだれから見ても改正であった、いい意味で法律が直ったわけですから。今まで不合理だ、やはりこれは変えるべきだということで六十一年に変えた。ですから、六カ月要件をなくして、入ったその日からでも事故に遭えば障害年金の該当者、当事者になる、こういうふうにしていただいたわけですね。 ですから、これは遡及をしないという一つの法の前提でお話しになっていると思いますけれども、年金は、年金を掛けていらっしゃる国民全体がなるほどな、これは出してあげてもいいじゃないか、こういう納得するようなことになれば出してもいい話だと私は思うのです。法律の刑罰みたいに、だれが考えたって人を傷つけたり殺したりということはもちろんいけないわけですから、そういうこととは別に、この社会保険を支えている人たちが、拠出している人たちが納得すれば、ある意味ではいかようにも給付というのは改正できると私は思います。 ですから、これは今後の課題であろうかと思いますけれども、私の後輩に当たる者も決してお金を納めなかったわけではありませんので、ぜひこれは御理解をいただきたいと思います。また、これは長く時間がかかる問題かもしれませんので、今後私も自分の課題として勉強をさせていただきたいと思います。 これから年金の現況届についてお伺いをしたいと思うのです。 私ももちろん年金をもらっているわけじゃありませんから、現況届はわかりません。こういうことでお持ちをいただきまして初めて見たわけでありますけれども、このことでいろいろと御相談をいただきます。現況届を出さずにある日突然年金がとまった、年金が急に来なくなった、こういうことで慌てて御相談を受けて、実は現況届を出していなかった、こういう方が何人かいらっしゃいます。この現況届は根本的、第一義的にはどういう意味があるのか、現況届を出さす第一義的な意味は何なのか、これについてお伺いをします。
○佐藤(隆)政府委員 お尋ねの現況届でございますが、これは年金裁定後の受給権者の状況あるいはその配偶者など加給対象の方々の状況、こういったものを定期的に確認いたしまして、これによりまして、例えば受給権者の死亡による年金の過払いあるいはそれに伴います返納金の発生というものを防止いたしまして年金の支払いを適正に行う、こういう観点から実施しているものでございます。
○石田(祝)委員 私は第一義的にと申し上げております。いろいろな意味があることは承知しておりますけれども、根本的な意義は何ですか。
○佐藤(隆)政府委員 根本的と申しますか、基本的にはやはり年金受給権者が生存をしている、こういうことを確認するということだと考えております。
○石田(祝)委員 これは第一義的には、根本的に年金受給者の生存の確認であると私は思います。そのためにここに市区町村長の証明として判こをもらう、こういうことになっておると思います。 実は私の選挙区の高知県ですが、非常にお年寄りもふえてまいりまして、また県土も広くて人口が少ない。そういう中で単独の高齢世帯、こういう方がたくさんいらっしゃいまして、この証明をもらいに行くのも非常に大変だ。子供さんがかわりに行くにしても休みをとって行かなくてはならない。一日仕事だ。こういうことで、生存の確認ということが第一義的な現況届の役割であったら、もうちょっとほかにやりようがないだろうか、こういうお声も随分耳にするわけであります。 このことについて、この現況届の第一義的な意義、それは大事なものですから、これは確認しなくてはならない。だけれども、いつまでもこの現況届という形で御本人に、市区町村長の判こをもらって送り返してくださいよ、こういう形でいいんだろうか、ほかに何かないだろうかということが私の疑問でありますけれども、今後の問題も含めてこれはどういうふうにお考えになっているのか、お伺いします。
○佐藤(隆)政府委員 お尋ねのように、この現況届は、毎年一回、年金受給権者の生存につきまして市区町村長の証明を添える。先ほど先生お示しになりましたはがきに市区町村長の印を押していただく、確認をしていただくということで、その生存の確認ということでございますが、これにつきましていろいろ御意見があるかと思います。 一つの考え方といたしまして、例えば社会保険庁と市区町村の間で直接確認をする、そのようにしてはどうかというような御意見もあるわけでございます。そういうことになりますと、市区町村の理解を求めるということは当然でございますし、またそういった場合に、社会保険庁なり市区町村におきますコンピューターのシステムをどうするかという問題、あるいは市区町村の側にいたしますと、やはり住民基本台帳の内容を外に出すということでございますので、いわゆるプライバシーの問題等がございます。こういったような問題をいろいろ解決していく必要があると思っております。 いずれにいたしましても、今後の検討課題ではないかと考えております。
○石田(祝)委員 最後に、ちょっと時間がなくなってまいりましたが、特別養護老人ホームの措置費の件でお伺いをいたします。 先般、衆議院でも労働基準法が通過をいたしまして、明年から四十時間、こういうことで労働時間数も設定をされるようになっております。措置費もほとんど人件費と申しましょうか、寮母さんとかいろいろな形での、そういう人たちのお給料が措置費の大宗を占めているというふうに私は思いますが、例えば現場の方の御意見を聞きますと、やはりもうちょっと人をふやしてもらいたいという御希望がございました。ですから、この問題と、来年から労働時間数、法律という形で今回通す、こういうことで一生懸命やっているわけですね。今後労働時間数の短縮ということもこの措置費の中に反映をされていくのかどうか。 またもう一点、建物をつくるのも、建設費が高くなったりしまして非常に借金をしてやる。その措置費の中を見ると、借金をして特別養護老人ホームを自分の地域につくってやっていこう、こういう社会福祉法人があっても、借金を返す項目がないのですね。いろいろ積み上げて措置費を積算しているわけですけれども、結局その借金を返していくというところがないというように私は思うのです。 ちょっと時間がなくて申しわけないのですけれども、この二点について簡単にお願いします。
○横尾政府委員 特別養護老人ホームの職員の勤務時間の問題でございますが、現在のところ、所定の配置数を置いて、それに非常勤の職員の費用を加えることによって週四十二時間の勤務体制がとれるようにしているところでございます。労基法等の動きも見ながら、それに沿った所要の改善に今後とも努めてまいりたいと考えております。 また、特養の整備費の設置者負担についてのお尋ねでございます。 基本的に借入金については、自己資金や寄附金等で賄うことを原則としておりますが、適切な運営が行われている施設に限り、一定の条件のもとに剰余が出た場合その措置費からの返済が認められておりまして、そのことについてはことしの三月にさらにその条件を緩和して、関係施設の運営の実態に合うように変更したところでございます。今後もその点について改善の方向を検討してまいりたいと思います。
○石田(祝)委員 終わります。
○山口(俊)委員長代理 吉井光照君。
○吉井(光)委員 私は、まず最初に、特養ホームの整備促進について確認をしておきたいのです。 ゴールドプランでは平成十一年度の目標を二十四万床、それから老人保健福祉計画の指針によりますと老年人口の一%強の整備率、これを示しているわけでございますが、これは地域によって当然実情が異なって、一律にはいかないと思います。 そこで、地域によっては、北海道のように既にもう二%を超えたところもございます。となりますと、北海道はもう整備は必要ないと言うのか。まさか国は全国一律でこれを切ってしまうということはないと思いますが、特養ホームの今後の整備の進め方についてお聞かせを願いたいと思います。
○横尾政府委員 平成十一年度における目標を老齢人口の一%強といたしましたのは、それぞれ計画を立てる際の目安あるいは標準として置いたところでございます。 もちろん各地域が具体的に計画を立てる際に、まず地域の実態調査を実施していただくことになっています。実態調査は、高齢者の置かれている状況についての実態であると同時に、既に地域の中のさまざまな社会資源がどうなっているかということも含めているわけでございます。 したがって、結論を申し上げますと、二%になっているからすぐだめということではございませんが、将来の整備のありようについては、特養のみを取り上げるのではなくて、さまざまなサービス全体をどう組み上げるかということについての自治体の御計画が適正かどうかを踏まえて、判断をさせていただくことになります。
○吉井(光)委員 次は、在宅介護の問題点でございますが、厚生省は在宅介護ということについて非常に声高々に叫んでいるわけです。ところが、その実態は、その多くが病院等で処遇をされている実態がございます。 そこで、真に在宅介護を進めるには、施設処遇それから医療との公平性が図られる必要があると思います。こうした観点から、私は介護手当等の検討をぜひとも前向きに進める必要があると思います。 ちなみに総経費を見てみましても、施設処遇では大体二十二万から二十五万円、入院となりますと二十四万から三十万、これが在宅となりますと食費にプラス介護費用。この介護費用だけでも、私たち公明党の調査によりますというと二万から五万円、多い人では五万円を超しておる、こういう結果も出ておるわけでございます。しかも、場合によれば在宅介護をする若い人がいわゆるパートに勤めようと思っても勤められない、また仕事を犠牲にして介護に当たらなければならない、こういうこともございます。 その上に、施設処遇や医療では社会保障の給付が相当額に上っておりますが、在宅ではこれがないわけですね。しかも、自己負担でも施設処遇で平均三万円程度。これは所得によって変わってくるわけでございますが、このように格差が非常に大きい。入院では八百円掛ける三十日ですから二万四千円程度、こういうことでございますが、やはりこういう格差をある程度是正をしていかないと、在宅介護というものは進まないと私は思います。 また、ちょっと話は変わりますが、ホームヘルパーの訪問にいたしましても、これはバートのヘルパーの場合ですが、現在週に一軒について二・五日の出動。したがって、約一日八千円前後になっております。ところが、これ以上出るというと年収が百万円を超える。そうなりますと今度は税金の関係が生じてまいります。したがって、いわゆる出動日数を減らしている。ところが、他に仕事をしようと思ってもこれが非常に中途半端である、こういう実態もございます。 またその反対に、現在仕事といってもまだ余りないわけでございまして、仕事がなければもうホームヘルパーを断念しょう、こういう人も出てきております。しかしながら、将来を考えたならば、このホームヘルパーの仕事というのは確実にふえてまいります。そうなりますというと、どうしてもある程度の最低保障というものが将来的には必要になってくるのじゃないか、このような気もするわけですが、この点についてのお考えをお伺いしたい。 それから、同居率の考え方でございますが、今回居率は非常に高い。しかしながら、我が国も徐々に欧米並みに近づいてきておりますが、ところで、この在宅介護と入所では依然として格差が著しいわけでございます。この格差を埋めるには、同居の家族が介護する場合にもホームヘルパー制度と同様の扱いとなるようないわば家族ヘルパー制度、こういったものの創設も一つの今から大きい研究課題ではないかと思うわけでございます。 そのためには当然条件整備が必要でございます。例えば四十時間以上段階別の研修を受講させるとか、またその地域での福祉活動、またボランティア等の評価も加味する、こういったことも考えられるわけでございますが、厚生省のお考えはいかがですか。
○横尾政府委員 現実にゴールドプランを進めておりますが、進めるに伴いまして、今御指摘がありましたように、それぞれの施策が持っているもののバランスという問題もクローズアップされてきていることは認識をしているところでございます。 その中で、在宅におられる方と施設におられる方の費用負担の格差の問題も、一つ問題として挙げられているということは承知をしているところでございます。そのほかにも、具体的に受けるサービスの内容も、在宅と施設では相当違っているということも挙げられているわけでございます。 私どもは、従来、医療機関も含めまして施設の施策の方が比較的に進行しておりまして、それに比べて在宅サービスの方がおくれをとってきたという認識のもとに、今、極力この在宅のサービスというものを進めようとしているところでございます。 そして、この在宅サービスとお尋ねのありました家族の役割との関係を申し上げますと、私どもの基本的な考え方は、家族のいる方にも在宅サービスが提供できるようにというのが基本的な考え方でございます。したがって、配偶者のいらっしゃる方あるいは子供さんとともに同居をされている方のところにもホームヘルパーが派遣されますし、日中はデイサービスを御利用いただく、必要に応じてショートステイを御利用いただくという形での、家族とともに暮らすことの在宅サービスを目指しているところでございます。 そういう形で、家族ヘルパー制度というようなものをさらに取り込んではどうかという御提案でございます。これからの在宅を進める上での一つの発想かとは存じますが、家族をヘルパーとして位置づけて、それに対して例えば他のヘルパーと同様に手当を出すというようなところまでは、日本の今の状況としてなじむのはなかなか難しいのではないかというのが率直な気持ちでございます。その意味で、私どもとしては、具体的に在宅サービスを強力に推し進めることによって、どの程度このサービスの格差というのが埋められるかというところの推移を見たいという気持ちでございます。 また、パートのホームヘルパーさんについていろいろ優遇措置を講ずべきであるという御提案だと存じます。 パートのヘルパーさん、これから非常に活躍をしていただく方がふえると思いますが、それらの方々に仕事がなくても最低保障をするというのは、これもやはり実態、雇用の実情からしてなかなか難しかろうというふうに思っております。 いずれにいたしましても、総力を挙げて、在宅サービスはいろいろ工夫をしなければ実現が難しい問題でもございますので、御提案いただきましたことは検討をさせていただきたいと存じます。
○吉井(光)委員 次は、ショートステイ専用施設の整備計画でございますが、このショートステイという制度、これはもう非常に好評でございます。すなわち、三十床から四十床程度の専用施設、これは地方では非常に難しい問題でございまして、現在では大都市でございますが、今市町村窓口の一番の悩みは、あいた施設を探すのが大変だということでございます。現在では定員の約一〇%程度をショートステイに充てておりますが、大体六〇%から七〇%ぐらい埋まりますというと、もうあいていない、このように断られるのが通例だと言われているわけです。 また、現在実施されている二十床以上のショートステイの施設における送迎体制の補助、これをいわゆる二十床以下の施設についてもぜひとも実施すべきではないか、このように思います。 ちなみに山口県を例にとりましても、専用施設というものは当然ございません。すべて特養の中にこのショートステイのベッドを置いているのが実態でございます。しかしながら、すべて二十床以下であるために、送迎にかかわる費用、いわゆる車であるとか運転手、これが国庫補助の対象外になっております。したがって、そのフォローはある程度県が見ておるわけでございますが、大都市に比べてこういった地方の都市というものは財政的にも非常に脆弱でございます。したがって、やはり財政力の弱い地方都市にもこうした点を考慮をしていただいて、二十床以下の施設についてもぜひとも国庫補助の対象にしていただけないものか、このように私は思うわけでございますが、いかがですか。
○横尾政府委員 ショートステイ専用施設でございます。これまでのところ比較的少ない数の整備でございましたが、最近大変御関心が強まってまいりましたので、私どもも積極的に整備を進めるよう努力をしたいと考えております。 また、二十床未満のショートステイについての送迎車両でございますが、二十床未満の施設というのを見ますと、例えば二床しかないというようなところもございます。大半が回ないし五床というのが実情でございます。これに対しては二十床以上の施設と同様にその送迎車両を設けるというのがなかなか困難でございましたので、私どもも何か別な工夫をというふうに検討してまいりまして、平成五年度からは、在宅対策の一環として日常生活支援事業の中に移送サービス、移動をするということでございますが、この移送サービス事業を新規で設けたところでございます。これは、地域が車両を持つということによって、在宅の方を例えばショートステイであるとかデイサービスの場所へ運ぶための事業として位置づけておりまして、御指摘のような場合はこういった制度を活用していただくのも一法がと存じます。
○吉井(光)委員 いずれにいたしましても、寝たきりのお年寄りを素人が車に乗せて施設へ運ぶというのは、大変な重労働といいますか大変な作業でございますので、ひとつこの点にも十分着目していただきたいと思います。 それから、デイサービスに関する問題でございますが、御承知のように平成四年度から、A、B、Cの方に加えてD、E、こういうタイプが新しく導入をされました。このD、E型、いわば小規模のデイサービスの導入については私は高く評価をしておるわけでございますが、ここで申し上げたいことは、D型にもならないいわゆる託老所的な施設、これをぜひともデイサービスの一環として認めていただいて、国庫補助の対象にできないものか。現在行われている補助対象と同額のものとまではいかないまでも、何かの手でこれを補助してあげる、こういう考え方でございます。現在県段階でこれを実施しているところもあるようです。 それと、離島のデイサービスセンターの整備等についてもかさ上げ補助をぜひともすべきである。このように言いますと、離島については過疎債で対応できるじゃないか、それを全部交付税の対象としていけばいいじゃないかという答弁が返ってくると思うのですけれども、現実の問題としてはこれもなかなか難しい問題がございます。離島というのは特にお年寄りの方々が多いわけでございますから、こうした福祉サービスについては、別個の形でいわゆるかさ上げ補助を行うとかそうしたことができないものか、この点はいかがですか。
○横尾政府委員 D型のデイサービスというのは毎日の利用が八人程度ということでございまして、八人を一人でも下回ったらだめだというようなかたい運用はしていないつもりでございますので、地域である程度の処遇方針を定めてのサービスですと、恐らくこの程度の人数が必要なのではないかと思います。若干の弾力的な運用はさせていただいておるつもりでございますので、そういった点で工夫をしていただければありがたいと存じます。 また、離島の施設整備でございますが、補助率のかさ上げにつきましては、この離島問題に限りませんで、政府の中の施設整備全体として一応の整理を終了したところでございますので、このことについてのみ着目したかさ上げというのは大変困難だというふうに考えております。
○吉井(光)委員 次は、補助金の執行時期の改善についてでございますが、平成四年度におけるところの交付の内示及び決定が大幅におくれました。これはいろいろな事情があったかとも思いますけれども、各自治体や法人では補助事業の円滑な運営に支障を来したという実態もあるわけでございます。したがって、一刻も早く内示してもらいたいとの強い要望があります。 この問題は、もうどこに行ってもひとしく問題があるわけでございまして、当該年度の内示及び決定が翌年の二月、そして三月、場合によれば三月三十一日、こういう補助事業が数多くあるからでございます。したがって、地方自治体等では新規事業についても見切り発車をする、場合によれば内示が五十のところが三十になる場合もあり、その差二十というものは県や市の持ち出しということになる。こうした事態を五年度は招かないように改善できるのかどうか。 また、内示のおくれの原因につきましては、国会での予算審議のおくれ、市町村及び県レベルでのおくれ、また厚生省自身のおくれ等々、さまざまあると思います。しかしながら、今後本格的な高齢化社会に対応し得る厚生行政というものを考えたときには、この補助事業はますます多種多様化してくると私は思います。そして、膨れ上がることは確実でございます。特に、ハードより組みにくいソフト事業というものが今からは主流となることを考えますというと、この内示時期のおくれというものはより顕著になるのではないかと思うわけでございますが、厚生省はどのような改善策を考えていらっしゃるのか、お尋ねをしたいと思います。
○横尾政府委員 平成四年度は、国庫補助対象事業につきまして補助金の執行が大変おくれまして、関係方面に大変御迷惑をかけましたことを、私どもとしても大変遺憾でありまして、反省をいたしました。ことしは、昨年の反省を踏まえまして早期対応を旨としておりますので、御指摘のようなことをさらに受けることがないように努力をしてまいりたいと存じます。
○吉井(光)委員 ぜひともよろしくお願いしたいと思います。聞くところによりますというと、もうお金の方は県の金庫に納まっているようでございますが、結局、県の方としても内示がないと県の金庫に入ったままで、どうしようもないわけでございますから、したがって、その点を極力よろしくお願いしたいと思います。 次に、福祉サービスに対する基本的な考え方でございますが、私は、これだけ高齢化が進んだ現在、在宅福祉サービスについても出前の福祉といいますか、いわゆるアウトリーチ、これが実施できるように制度改善を行うべきだと思います。 具体的には、現在在宅福祉三本柱についてはいわゆる申請主義が基本となっておりまして、結局、役所にしても申請書が出ないと動けない、こういう状況でございます。これをひとつ柔軟に考えたらどうかということもあるわけです。市のお役人さんは、このように決まっているからと言って、もうなかなかそのガードがかたいわけでございますが、これを行政サイドの積極的なサービス提供が可能となるように改めるべきだと私は思うのです。すなわち、ヘルパーの評価訪問、これも非常に好評でございますが、含めてやはり行政の決定で動けるようにするということでございます。 また、施設福祉サービスについては今なお措置主義がとられておるわけでございますが、これは行政側の一方的な決定で、個人の意思が通らない。こちらへ入りたいと思っても、いやいやこちらへ入りなさいと、いわば押しつけ型になっているようにも思います。それをいわゆるサービスとして実施できるように法体系を改めるべきではないかと思うのですが、いかがですか。これは大臣にひとつお尋ねしたいと思います。
○横尾政府委員 在宅サービス及び入所の決定について、まず事実関係を申し上げたいと存じます。 在宅サービスについては、申請手続が煩雑であるというようなことで、実際の利用が行われないというケースもございます。そうしたことを踏まえまして、簡便なあるいは簡略な申請手続によってサービスの利用ができるようにということで、その一案として総合利用券方式をお勧めしているところでございます。これは、ある時期に例えば在宅サービスの利用券であるとか利用手帳というものを該当者に交付をいたしますと、それを持っている限り直接サービスの提供者、特養であれば特養と利用者との間のお話し合いで、サービスが即時に提供されるようになるというものでございます。現在これを実施している市町村が、二百二十四の市町村で行われるようになりまして、この普及をさらに進めてまいりたいと考えております。 また、もう一つのやり方といたしましては、在宅介護支援センターにこういうことで困っているという相談を持ちかけると、在宅介護支援センターが利用者の立場に立って申請手続の代行を一括して行う、こういった方式も進めてまいりたいと思いますが、いずれにいたしましても、御指摘のような出前の福祉といいますか、使いやすい福祉を実現するように努力をしてまいりたいと思います。 また、特養への入所措置でございますが、その特養への入所措置が適当かどうか、行政のサイドから入所の判定は必要なものだと考えておりますが、それに際しては、ケースワーカーが高齢者御自身の意向を十分に踏まえて、こうした施設が喜んで利用できるような条件のもとで入所をしていただけるように、これからも努力をしてまいりたいと存じます。
○吉井(光)委員 時間が参りましたが、最後に一点だけ、保健医療、福祉行政の連携についてお尋ねをしておきたいと思います。福祉事務所と保健所の統合化でございます。 既に御承知のように、広島県では出先機関の整理統合の一環として、保健所と福祉事務所を統合したところの総合福祉保健センターを県内八カ所に開設する、いわば全国初の試みでございますが、これに踏み切ったわけでございます。この試みを厚生省はどのように評価をしていらっしゃるか、お尋ねをしておきたいと思います。
○寺松政府委員 今先生御質問の件は、広島県の例を挙げて御質問になりましたので、それに関しましてお答えをしたいと思いますが、御承知のとおり、広島県におきましては、平成五年度から、保健福祉センターとしまして保健所と福祉事務所の一体的な運用を実施しておる、こういうわけでございます。 この事例につきましては、私ども二点ばかりちょっと問題があると思います。問題があるというよりも、評価できるところと問題というようなことになると思いますが、保健所と福祉事務所が管轄区域を同一にするという点については、私どもも一定の評価ができるのではないかというふうに思います。しかしながら、これは福祉事務所長の件でございますけれども、福祉事務所長が保健所長を兼務するという事例を生じておるわけでございます。あるいは実態を伴わない組織がある。例えば福祉事務所の方に試験検査課、それから保健所に福祉課というふうな名目の課がございまして、運用の範囲を逸脱していると思われる点もある、こういうふうな問題点もございます。 私ども健康政策局といたしましては、本年三月、組織改正が実施されるに当たりまして、二、三申し入れをいたしております。 一つは、運用に当たっては所掌事務や権限移譲が明確に区別できるよう最大限の配慮を行うこと、また二番目といたしまして、単なる組織上の一体化のみならず、住民の立場に立った保健と福祉との連携が実現できるように努力をしていただくこと、このようなことを申し上げておるわけでありまして、このような趣旨が実現されるように見守っておるところでございます。
○吉井(光)委員 時間が参りましたので質問を終わりますが、通告をしておりました医療監視制度のあり方等につきましては、また折を見でじっくりと論議をしたい、このように思っております。 終わります。
○山口(俊)委員長代理 柳田稔君。
○柳田委員 きょうは年金についていろいろとお尋ねをしたいと思います。 今、日本も大分長寿社会を迎えて、退職された後、年金生活も大分長くなってまいりました。年金受給者の生活の財源といいますか、一番大きな柱が年金である。この年金をしっかりしていかなければ年金受給者の生活も困るわけでありますから、この年金制度をしっかりしていく重要性もあると思います。しかし一方、大変な速度で高齢化社会が進行しておる。年金を支えていく現役世代も数年先、十年先でしたか、だんだん減少の方に転じていく。現役世代の負担も徐々に重くなっていく、こういうことが推測できるわけであります。 ということで、厚生省も平成六年に年金制度の改正を予定しておると聞いておるわけでありますけれども、今の状況の中、これからの推測を含めながら、どういうふうな基本的な考えてこの改正に臨んでいくおつもりなのか、まずお聞かせ願いたいと思います。
○山口(剛)政府委員 先生御指摘がございましたように、我が国の年金制度は、厚生年金も発足いたしまして五十年経過をいたしましたし、国民皆年金になりまして三十数年たっているという中で、本当に国民の皆さんに支えていただいて、老後の生活の大きな柱に成長してまいりました。 私どもといたしましては、この年金制度を二十一世紀の本格的な高齢化社会においてこそ十分に機能をしていくような、長期的に安定した制度にしていく必要があるというふうに考えております。また、何よりも年金制度は世代間の支え合いの仕組みでございますので、これも御指摘がございましたように、現役の世代と年金の受給世代とのバランスをとっていく、また制度間の公平を図っていくということが何よりも重要だというふうに考えております。 現時点で将来を展望してどうかということでございますが、これも先日、新人口推計に基づいた暫定的な試算ということで、現行制度のまま推移した場合に保険料等がどういうことになるかという試算を出させていただきましたけれども、御承知のとおり、出生率が予想以上に低下をしている、それから平均寿命も延びているという中で、年金制度を取り巻く環境というのは大変厳しい。将来の負担というような面を考えますと、なかなか厳しい状況にあるということを率直に受けとめなければならないと思います。 そういう観点から申し上げますと、冒頭申し上げましたように、高齢化社会において本当に国民の皆さんに信頼をしていただけるような安定した健全な制度にしていくためには、従来以上に現役の世代と年金受給世代とのバランスをとっていく、公平性を確保していくということが、先生御指摘のことでございますけれども、ますます必要になってきている、この視点が大変大事になってきているというふうに考えております。 そういう観点から、給付と負担のあり方、それからそれに関連をすることでございますけれども、かねてからの懸案でございます支給開始年齢の問題等も含めまして、制度全般にわたって幅広く検討をいたしまして、ぜひ次の制度改正によりまして二十一世紀が展望できるような制度に改革をしていきたいという決意で、今審議会等におきましても本格的な検討をお願いをし、私どもも鋭意取り組んでいるということでございます。
○柳田委員 大変私たちもよく理解ができて、わかっておる範囲内での答えでありましたけれども、現実的に、来年多分厚生省の方からも御提案になるかと思うのですが、それに向けていろいろと我々も知恵を絞りながら考えていかなければならないな、そういう時期に達してきたなというふうにも思っております。 今お答えの中にもありましたけれども、多分次の年金改正の最大の課題というのは、老齢厚生年金の支給開始年齢の引き上げ、ちまたでは六十から六十五歳へ段階的に引き上げようという話も聞くわけでありますが、この問題が最大の課題になるのであろうと思います。 この問題に関しては、厚生年金の将来の保険料負担を軽減するための財政対策にとどまらず、二十一世紀に向けて高齢者雇用をどのように進めていくかという高齢者の働き方、生活のあり方を含めた社会的課題として受けとめることが必要であろうと思います。また、二十一世紀を展望した場合、高齢者層の増大と若年労働力の減少が予想されるとともに、我が国においては特に高齢者の勤労意欲が高いというのも言われております。このような状況を踏まえた場合、高齢者雇用の促進を進めていくことがまず大事ではないかと思っておるわけであります。 そこで、まず労働省にお伺いしたいのでありますが、高齢者雇用の現状、そして今後どのようにしていくおつもりなのか、お聞かせ願いたいと思います。
○北浦説明員 お答えさせていただきます。 今先生御指摘のありましたように、高齢者雇用をどのように進めていくかということにつきましては、労働省としても最重点課題の一つとして取り組んでいるわけでございます。二十一世紀に高齢社会が到来するわけでございますが、全体の人口構成の中で高齢者の比率が高まるということは、当然企業の中での高齢者の比率が高まるわけでございまして、この高齢層をいかに活用するかということが日本のこれからの企業あるいは経済社会のあり方に大きく影響を与えていくだろう、こういった観点から検討をしているわけでございます。 そこで、お尋ねの現状でございますが、まず企業の中におきます高齢者の雇用の現状として、定年制についてでございますが、六十歳定年制につきましては、現在既に実施している企業が大体七六%でございます。これに今後実施することを予定している企業も加えますと九割、九〇・二%の企業が六十歳以上の定年制を実施または実施を予定する、こういう段階に来ておりまして、六十歳定年制については確実に定着をしてきている、このように考えている次第でございます。 ただ、六十歳を超えて企業の中で働けるかということになりますと、現在定年だけではなく、継続雇用制度ということで私ども進めているわけでございますが、六十五歳という目標を掲げて、それまでの間希望すればだれでも働けるような形になっているという形はまだまだ少のうございまして、全体の企業の大体二割程度であろうかと思っております。そういったような企業以外のところでは、まだまだ六十五歳まで希望すれば働けるような形にはなっていない。そこで、この六十以上の雇用の場を確保するに当たりまして、企業にはまず六十五歳まで継続して雇用していただこう、この点が最大の課題の一つでございます。 また、一たん企業を離れた場合には、高齢者につきましては再就職がなかなか難しくなっているのは御案内のとおりでございます。現在、求人倍率ということで、私どもの職業安定所に申し込まれました求人とそこに仕事を申し込んでいる求職者の人たち、これを倍率であらわしたものがございますが、高齢者の場合には、六十歳以上になりますと、おおむね五人の求職者に一人分の求人しかないという大変厳しい状況になっておるわけでございます。全体の求人倍率が一倍を切って最近の雇用情勢が厳しい中で、特にそういった意味でしわ寄せを受けやすいのは高齢者でございますので、こういった状況も最近の情勢下の中ではさらに厳しさを増しているわけでございます。 そこで、今後の対応ということにつきましては、何といっても六十五歳ぐらいまで働きたいという希望が非常に強いようでございます。それから、先生御指摘のあったような意味で、高齢者雇用も推進しなければならない。こういった観点から、私ども六十五歳を一つの目安といたしまして、それまでの間の雇用をできる限り確保していくということで現在取り組んでいるわけでございます。 1 その中心は、何といっても継続雇用を進めていくということでございますが、こういったように一回企業を離れてしまうとなかなか再就職がしにくいということでございますので、一つにはそういった再就職の援助ということと、あわせて企業にいるうちから今までの技能やキャリアを生かして円滑に移動できるような仕組み、こういったものもさらに充実させていきたいというふうに考えております。 またもう一つは、こういった中で働く意欲が非常に多様化しておりますので、そういった方々に対する対応といたしましてシルバー人材センターという対策がございますが、ある程度宮仕えという形でなく働くことを希望なさる方への対応、こういったことも含めまして、全体的に六十五歳までの対応を進めてまいりたいと思っております。
○柳田委員 今、現状と対策をお伺いいたしました。これで本当に六十五歳まで雇用ができる状況ができるんだろうかといいますと、大変難しいんじゃないかというのが我々の感想なんです。労働省として、今対策は聞きましたけれども、六十五歳まで雇用できる状況が果たして実現できるんだろうか。大変答えにくい質問になるかと思うんですが、今の対策でできるとお思いになりますか、それともさらにいろいろなことを加味しなければ難しいんじゃないかと思われますか、どうでしょうか。
○北浦説明員 大変難しい問題でございます。御指摘のありましたように、高齢者雇用の問題というのは、私ども今まで六十歳定年を中心に進めてまいったわけでございまして、六十五歳問題については取り組みを始めているわけでございますが、今の現状だけでは、まだ十分だと思っているわけではございません。私ども、こういったような意味で、企業に対します働きかけを強める中において、こういった対策もこれから拡充しなければならないと思っております。 その意味で、現在労使の方々も入れまして、この六十五歳まで働くということにまずコンセンサスをいただきながら、それを確実に進めていくような具体策というものを早急に練るようにしているわけでございまして、既存の対策とあわせまして、そういったものを進める中で徐々に六十五歳雇用を確実にしてまいりたい、このように思っております。
○柳田委員 多分ここ十年ぐらい、いろいろな努力をされても、本当に六十五歳ぐらいまで雇用できるんだろうか。多分年金制度からも、いろいろな面で、六十五歳まで働けるような状況をつくるようにもしていかなければならないんではないかなと思うのでありますけれども、一つ我々民社党として考えているのは、日本型の部分年金・部分就労制度、こういうことを検討したらどうかなというふうにも思っているんです。 と申しますのは、退職年齢、それと年金支給開始年齢の結合がまず大事だろう。としますと、六十代の十年間働きたい人、健康であるし体力もある、さらには就労意欲もある、私は七十まで働くぞという人も中にはいらっしゃいますし、もうちょっと体が悪いので六十で退職したい、いろいろ千差万別だと思うのですが、こういうふうな方々が引退と同時に年金が受けられる、結合するという制度を考えてみたらどうかな。 ということで、六十から七十というと大変長うございますから、まず六十歳から六十五歳の間、多分六十以上になりますと給料も下がるというのが今の現状でありますから、この給料の下がる分を年金で補う。しかし、引退をするときは、退職をするときは、またそれと匹敵するぐらいの年金をお支払いできるというふうな感じで、生活に困らないように、先ほども申しましたように日本型の部分年金・部分就労制度というのを考えると、この六十五歳まで働く環境づくりにも寄与できるのではないかと思うのですが、いかがでございましょうか。
○山口(剛)政府委員 ただいまも御議論がございましたように、この年金の支給開始年齢の問題は、まず年金制度以前の問題といたしまして、これから大変な高齢化社会を迎える我が国の社会を活力ある豊かなものにしていくために、どういう社会をつくっていくのかということにかかわる問題ではないかという認識を私どもも持っております。 先ほど労働省から御説明がございましたように、我が国の場合、大変多くの方々が健康で、そして働く意欲を持った高齢者が多い。そういう中で、高齢者が圧倒的にふえていく中で、果たして六十になったらみんな社会から引退をして、若い人たちに支えていただくというような考え方を前提にして、年金に限らずいろいろな社会的な仕組みを整備していくということにするのか、あるいはその六十というのは適当でなくて、六十五ぐらいまでは働く意欲のある方には働いていただいて、むしろ社会を支えていただくような層になっていただくということを念頭に置きながら、これも年金制度に限らずいろいろな仕組みを工夫していくのか、我が国のこれからの社会のありようをどういうふうに考えていくのか、国民の皆さんのコンセンサスを得ていくという大きな課題であろうと思います。 その中でそういう高齢化社会を展望していくとすれば、年金制度のあり方としてどんな仕組みがふさわしいかということになるのだろうと思いますが、そんなことを考えました場合に、労働省も、労働政策として六十五歳ぐらいまでは働く意欲のある方々には雇用を確保するという施策を進めていこうということでやっておりますし、多くの方々がそういう方向を期待しているということでございます。 とりわけ六十歳前半層の雇用、年金との関係をどういうふうにうまく役割分担をしていくかということが、これからの大きな課題ではないかと考えております。そのときに支給開始年齢をどうするかという問題があるわけでございますが、いずれにしても、この六十歳代前半層の雇用と年金の役割分担をどういう仕組みでやっていくかということが、この問題の大変大きな課題であろうかと思います。 審議会等でも今ここのところの御議論をいただいているわけでございますが、この辺のところの弾力的な措置を講ずることによって、なだらかに引退生活に入れるというような工夫をしていくことが、これからの社会のありようとして必要ではないかということであろうかと思います。 その工夫の一つとして、御提案のございました部分年金・部分就労という考え方も、そういう精神に従った一つの考え方であろうかと思いますけれども、いずれにいたしましても、この問題は、年金の財政問題ももちろんございますけれども、先ほど来申し上げております、我が国のこれからの社会のありようを考えていく場合のふさわしい制度にどうしていったらいいかという大変大きな問題だと思いますので、御提案の考え方も一つの参考にさせていただきながら、幅広い検討をさせていただきたいと思いますし、また、労働行政とも十分連携をとって、この問題についての方向を見出していきたいというふうに考えております。
○柳田委員 もう一つ、雇用と年金の連携という点からでありますが、現在の在職老齢年金、これは年金をもらえる年になった、しかし、働きたいから働く。両方から収入があるわけでありますけれども、どちらかというと、働いて賃金をたくさん得ても年金と合わせたトータルの額は余り変わらない。手取り額は一生懸命働いた割には変わらない。もう年金だけをもらって生活をしている人と一生懸命働きながら年金をもらっている人と、結果、自分の手元に入る手取り額はほとんど変わらない、こういうふうな現実もあります。 そういうことがありまして、もう年金をもらえる年になったんだから、まあ働くよりは悠々自適の方がいいやというふうな感じも見えるわけでありますし、また逆に雇い主の方は、あなたはもう年金をもらっている、年金と賃金を合わせても手取り額は変わらないのだから、これくらいの賃金で働きなさいやというふうに、賃金を低く抑えるような傾向もいろいろと聞くわけであります。 この辺の改善なんでありますけれども、年金をもらえる年になって一生懸命働いて賃金を得る人、こういう人については、手取り額が一緒というのではなくて、働いて賃金をたくさん得た場合には当然手取り額もふえるような仕組みをつくる必要もあるのではないか。そういうふうにすることによって、六十じゃなくて六十三まで働こうとか、六十五まで働こうとかいうふうなことも出てくるのではないかと思うのですが、この辺の仕組みの改正についてはいかがでございましょうか。 〔山口(俊)委員長代理退席、粟屋委員長 代理着席〕
○山口(剛)政府委員 厚生年金の在職老齢年金の問題でございます。 御指摘ございましたように、厚生年金は、退職をした後の所得保障をするというのが基本でございますので、在職中は原則として年金は支給をしないという考え方でございますけれども、六十歳以上六十五歳未満の方で在職をしているけれどもその所得が低い、一定以下という場合につきましては、その所得に応じて年金を段階的に支給をするという仕組みをとっているわけでございます。 現在の仕組みが、御指摘がございましたように、その調整の仕方によって賃金が増加しても総手取り額がふえない、勤労意欲を阻害するような仕組みになっているのではないか、また高齢者の賃金を抑制をするというような方向に制度が働いているのではないかという御指摘、私どももそういう問題点を持っているということは承知をいたしております。 先ほど来の六十歳前半層の雇用と年金の役割分担、あるいは雇用を促進していくような方向で制度的な仕組みを考えていくべきだということは、御指摘のとおりであると思いますし、先ほど申し上げましたようなこれからの高齢化社会を考えますと、大事な視点であろうかと思います。 したがいまして、私どもは、この問題は支給開始年齢の問題にかかわる問題でございますけれども、この問題と同様に次の改正の大変大きな課題だという認識のもとに、今審議会等でも御議論をいただいているところでございます。次の改正の大変重要な課題だという認識を持っております。
○柳田委員 次は、老齢厚生年金と失業給付の関係についてお尋ねしたいのでありますけれども、現行制度におきましては、六十歳を過ぎて民間の会社を退職した人、この人は老齢厚生年金を受給すると同時に、失業給付を最大三百日受給できることになっております。 この制度を利用しまして、失業給付が受けられるのだから、また働かなくてもいいやという気持ちにも相なります。さらに三百日、約一年近く仕事につかない場合、もうそれ以降も仕事につくという意欲もうせるようなこともあるのではないかという指摘もあるわけなんです。この老齢厚生年金の受給と失業給付、このことについても役割分担を含めて見直しを考えなければならないのではないかと思うのですが、この辺についてはいかがでございましょうか。
○山口(剛)政府委員 この問題も、御指摘をいただきましたように、六十歳以降で退職をされまして、求職活動をしながらなおかつ就労ができないというような方々につきましては、失業保険が一方で給付され、年金も支給がされる。両方の制度からそれぞれの給付が支給をされる、現在そういう仕組みになっているということは御指摘のとおりでございます。 確かに、双方それぞれ目的を持っているわけでございますけれども、総合的に社会保障制度として見たときに、重複して給付されるという点については、過剰給付の面があるのではないかということも指摘をされておりますし、また、そんなことで給付をされるのであれば、就労意欲なんかわかないではないかということも、御指摘のとおりの要素があろうかと思います。私どもといたしましても、この六十歳代前半の雇用と年金の役割分担を考えていくときに、失業給付と年金との調整のあり方が、現在ダブルで給付しているというのが適切な仕組みであるかという点については、かなり問題があるというふうに認識をいたしております。 ただ、現実問題といたしまして、双方のそれぞれの制度が持っております性格も若干異なる部分もございますし、また事務手続等も、年金と失業給付ではかなり異なった仕組みで給付がそれぞれされているというようなことで、この具体的な調整の仕組みを考えていく場合に取り組まなければならない課題はたくさんあるわけでございますけれども、今の状況を私どももベストというふうに考えておりませんので、これも先ほど来御指摘をいただいておりますような問題を含めまして、大きな課題として、次の改正で何らかの方向を見出していくように努力をいたしてまいりたいと思っております。
○柳田委員 考えますと、厚生省だけでやれるもの、ほかの省庁の力も得なければできないもの、いろいろなテーマがあるなというふうにも思います。 与えられた時間、あと十分でありますけれども、せっかく大臣もお越しなのでありますから、最後にというか、質問しなきゃならないかなという使命に私も燃えているわけであります。 今、来年、平成六年度の年金改正について、少しだけですけれども、いろいろと厚生省の考えを伺ったわけであります。何としてもやらなければならないというふうには私も思うのでありますが、それにしても課題が多いな。拙速とは言いませんけれども、安易にやってしまうと、また新たな不公平を生むような可能性も出てくるなという気もするのであります。大臣、今の私と山口年金局長の話を聞いておりまして、多分大変なことだなとお思いになった面もあるかと思うのですけれども、御決意をちょっとお聞かせ願えればと思います。
○丹羽国務大臣 まず、この年金問題につきまして、前回の厚生一般のときも柳田委員が取り上げられました。大変御熱心にこの問題に取り組んでいらっしゃることに対しまして、心から敬意を表する次第であります。 率直に申し上げて、いろいろな問題点がありまして、現在年金審議会において御検討をいただいておるわけでございますが、柳田委員を初めとして各委員の先生方に共通しておりますことは、これからの高齢化社会を迎えまして、特に年金の分野におきましては、現在一人のお年寄りを六人で支えておるのが一人のお年寄りを二人で支えなければならない、こういうような欧米に比べましても三倍ないし四倍のスピードで高齢化社会がやってくる。この現実において、いかにして長期的、安定的な揺るぎない年金体制というものを確立していくか、こういった点の基本においては全く同じ合意があるのではないか、私はこのように考えているような次第であります。 先ほどからいろいろな問題点が指摘されておるわけでございますが、特に大きな問題点といたしましては、いわゆる六十五歳の年金の支給というものは、今やそういったようなことから、もはや避けて通れない問題でありますけれども、先ほどから労働省の答弁にもありますように、現実問題といたしましては、まだ六十歳定年がこれから実施するところを含めても九〇%だということも紛れもない厳然たる事実だ。そういう中において、六十歳から六十五歳の救済策をいかに講じていくかということが一番大きな問題ではないか。 いずれにいたしましても、年金というのは、私から申し上げるまでもなく、保険料率、そしてその支給開始の問題、さらに給付水準、この三つがかみ合っておるわけでございまして、現在、年金の給付水準は現役労働者の六九%前後ということでありまして、大変高い水準であります。これを維持していくために、そしてさらに、保険料率をいかにして現役世代の負担に耐えられる範囲の中に抑えていくかということが一番の大きな課題ではないか、このように考えているような次第であります。 先生方におかれましても、この委員会におきまして、さらにいろいろな機会に専門家の皆様方と意見を交わすという話も漏れ伺っておるような次第でございますけれども、この問題は我々に課せられた、これから高齢化社会を迎えて後代にきちんとしたものを残していかなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。 いずれにいたしましても、これからの我が国の社会福祉政策の根幹にかかわっていく問題でございますので、十分にひとつ議論の上にも議論を重ねまして、国民の皆様方の合意を得ながら、この問題の解決策というものを見出していく決意でございます。
○柳田委員 宮澤総理の発言を聞いておりますと、この年金の改正を念頭に置きながら、所得税減税も念頭に置きながら税制改正もするような話もいろいろな場で聞くわけでありまして、大変大きな難題を抱えた仕事だなと思うわけでありますが、私としては財源問題も含めて逃げるつもりはありませんので、いろいろと今後議論をさせていただければと思います。 ありがとうございました。
○粟屋委員長代理 次回は、来る十九日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時二十六分散会