厚生委員会 第6号
- 発言数
- 194 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1993/04/02
会議録
○浦野委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、薬事法及び医薬品副作用被害救済・研究振興基金法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。網岡雄君。
○網岡委員 薬事法及び医薬品副作用被害救済・研究振興基金法の一部改正の法律案に対して、若干の質問をさせていただきます。 まず第一に、薬事法の目的は、現行法では医薬品等の品質、有効性、安全性を確保するとされてきたのでありますが、現行法は過去のサリドマイド、スモン等の薬害の体験を踏まえまして、国民の生命、健康を保護することを最も重要な目的として制定されてきたのであります。 今回の改正法案では、この目的規定を修正いたしまして、医薬品の研究開発の促進を目的の一つに加えることとされているのでありますが、確かにすぐれた医薬品の開発を促進し、できるだけ早く医療の場に送り出すということも重要でありますけれども、今なぜこのような改正が必要とされるのか、その改正に当たる厚生省としてはその背景にどんなものがあったと判断をいたしまして法改正をされたのか、その趣旨につきまして御説明をいただきたいと思います。
○丹羽国務大臣 先生からも御指摘がございましたように、薬事法の目的は、国民にとって適正な医薬品等を供給することにより、国民の医療水準、保健衛生の水準の維持向上を図ることにあるは言うまでもないことであります。 最近、国民の医薬品などに対するニーズが大変多様化してまいりました。一方で、医薬品産業におきましても、新しい医薬品に対する開発に多くの資金と期間が必要とされるようになってきておるわけであります。このような中におきまして患者数が少ないいわゆる希少疾病用医薬品、オーファンドラッグと呼んでおりますけれども、オーファンドラッグにつきましては、医療上必要性が高いにもかかわらず、研究開発がこれまで必ずしも十分に進んでおらなかった、こういうことでございます。 このため、これらの研究開発を促進することなどにより、医療上必要な医薬品等を一日も早く、まさに医療現場に提供することが求められておるわけでございます。今回の措置を通じまして、国民のさらなる医療水準の向上、保健衛生の向上を図っていく、これが最大のねらいでございます。
○網岡委員 今大臣の御答弁がありましたけれども、オーファンドラッグの必要性につきましては私も大臣と全く同感でございます。 以下の質問の中で私の意見も申し上げていきたいというふうに思っているところではありますが、しかし、冒頭質問をいたしましたように、過去のサリドマイド、スモンの薬害ということが現実にあったわけでございますので、この医薬品の持つ重要性というものを考えてみましたときに、品質、有効性、安全性ということを確保していくことは、やはり依然として薬事法を施行していく場合におきます最も大事な基本的なスタンスであるというふうに思いますので、今後ともこの点につきましては十分な留意を払っていただきまして、薬事行政を推進していただきたいということをまず要望しておきます。 次に、質問の第二に移りますが、これによって医薬品の品質、有効性、安全性を確保するという本来の目的が希薄となり、将来に禍根を残すことになるのではないか。承認審査の迅速化は、ある意味でいきますと、オーファンドラッグの承認審査をやっていきます場合に、その必要性というものは私もある意味では理解をいたすわけでございますが、しかし、そのことによって審査を急ぐ余りずさんなものになりはしないか。薬事法の最も重要な目的は、国民の生命と健康を守ることにあるということを改めて確認いたしたいと思うのでございますが、この点についての政府のお考えをお示しいただきたい。
○岡光政府委員 大臣もお答えを申し上げましたように、医薬品の品質、有効性、安全性の確保は極めて重要であるわけでございまして、今回の改正におきましてもその精神は変わっておらないわけでございますし、また今回の改正内容の中でも、こういった品質、有効性、安全性の確保対策を充実する措置も盛り込んでおるところでございます。 先生御指摘の、審査の迅速化ということによって審査がずさんになるのではないかという点でございますが、そういうことはあってはならないわけでございます。 私ども今回の改正で、医薬品副作用被害救済・研究振興基金にこの組織を拡大いたしまして、審査事務の一部を委託をしたいと考えておりますが、これはあくまでもこの基金が専門的な知見を持って、しかも厚生大臣の厳重な監督下で職員は秘密保持義務を公務員と同じように持っておる、そういう特別の認可法人でございますので、そういうことによって、そこに審査を委託するからといって審査の質が低下するというふうなことはないと考えております。また、審査をめぐる最終責任はあくまでも厚生大臣が負っているわけでございまして、その本質は変わっておらないというふうに考えております。
○網岡委員 それでは次の質問に移りたいと思います。 医薬品の開発研究は、言うまでもなく製薬企業としての社会的な一つの使命であると思うのでございます。しかし、我が国の製薬企業の医薬品開発の姿勢を見ると、医療保険制度のもとに保護されてきたと言ってもよいと思うのであります。そういう保護の中で薬価基準が高くつきそうなものを開発し、そして薬価差益を医療機関に提供することで売り上げを伸ばし、成長してきたと批判されているのであります。 その結果といたしまして、医療機関も製薬企業も薬価依存体質が非常に強いわけでございます。いわゆる薬づけと言われる医療を生んでしまったのでありますが、我が国の国民一人当たりの医薬品使用額は、実にアメリカの二倍になっていると言われているのであります。現在の医療保険の制度では、メーカーは一生懸命薬価を下げて薬価差益を病院に与え、一方、病院は薬を使えば使うほどもうかるというシステムになっているのであります。 このような制度を残したままでメーカーの体質が変わらないということになったといたしますならば、この悪循環は依然として解決するということは難しい状況にあると言わざるを得ません。薬価差益の縮小、医薬分業の推進、出来高払い制度の見直し等、医療保険制度や医療制度の見直し等、医療機関の医薬品使用の現状を変えていくという積極的な努力が必要であると思うのでございます。 そして、これまでの薬づけ医療と言われるような、そういうものを一日も早く変えていかなければならない現状があると思うのでございます。政府は、医療制度、医療保険制度の中で医薬品使用のあり方を是正し、物から技術本位の制度へと変えていく時期に今あると思うのでございますが、この際、厚生省の確たる御見解を承りたいと思います。
○丹羽国務大臣 診療報酬の改定を行うに当たりましては、これまでも技術料重視の考え方に立ちまして、今先生から御指摘がございました、過剰な投薬につながるのではないかと危惧されております薬づけ医療の是正などに努めるなど、良質な医療の効率的な供給が図られるように努力をいたしておるような次第でございます。 具体的には、技術料重視の適正な評価を行っていくこと、それから二番目といたしまして、老人など長期入院患者につきましては、投薬料、検査料、看護料、さらに注射料、これを包括した定額制の導入を図っていく、それから、むやみに薬剤を投与するいわゆる多剤投与の抑制の問題について先生から御指摘があったわけでございますが、昨年の診療報酬の改定におきましては、一回につき十剤以上につきましては一割カットされる、こういうようなことで、多剤投与の抑制の導入に努めていたことは先生御承知のことと思います。 そのほか、薬価算定方式の改正と定期的な薬価改定の実施によりまして、実勢価格と余りにもかけ離れているのではないか、こういうような御批判があったわけでございますけれども、実勢価格をより適切に薬価に反映するように努力をいたしておるような次第でございます。また、これにも関連してくる分野でございますけれども、医薬品の流通の改善、さらに医薬分業の推進、こういうような各般のさまざまな施策を通じまして、今御懸念のような問題の解消に努めていく決意でございます。 今後とも中央社会保険医療協議会の御議論を踏まえまして、診療報酬上適切に対処し、いずれにいたしましても国民の皆さん方にとって良質な医療の確保に努めていく決意でございます。
○網岡委員 大臣から極めて明確な示唆に富んだ御答弁をいただきました。決意といいますか、厚生大臣としての考え方を明確にお示しになったわけでございますが、ぜひひとつその方向でさらに行政が推進をいたしますことを願っておる次第でございます。 次の質問に移りたいと思いますが、今回の法案として出ておりますオーファンドラッグの問題について、以下質問をしてまいりたいというふうに思います。 オーファンドラッグの多くは、いわばこれは難病の薬であると言っても決して過言でないと思います。つまり、オーファンドラッグ対策とは、一種の今日の日本における難病対策とも言えるのではないかと思うのであります。厚生省は、現在各種の難病対策をいろいろな局で別個に進めているが、縦割り行政はこの際やめて、難病研究、オーファンドラッグ開発促進等の事業は、厚生省の中の各局が連携をとっていくような総合的な体制づくりをする必要があると思うのでございます。 そこで、そのことの必要性を申し上げる意味で一つ提起をいたしたいと思いますが、例えば、今厚生省の中にあります熱帯病研究班におきましては、チアベンダゾール、メベンダゾール、プラジカソテルといったような幾つかの医薬品が一つのレールに乗ったという成果を実際の研究の中でおさめておるわけでございますが、厚生省は、この趣旨に基づきまして各種の事業を連携協力させるということで、この熱帯病研究班のようにもっと成果が上げられるのではないかと私は考えているのでございます。 オーファンドラッグ開発推進のためには、例えば特定疾患治療研究事業、さらに厚生省の中で歯車が回っております小児慢性特定疾患治療研究事業等の研究成果を活用することが考えられないのか。業務局の新薬開発推進事業と保健医療局の特定疾患調査研究などとの省内の連携を図る体制を整備すべきではないかと存じておりますが、厚生省の考え方をお尋ねする次第でございます。
○岡光政府委員 先生御指摘のとおりでございまして、今お話がありました特定疾患調査研究事業は保健医療局が対応しておるわけでございまして、原因不明の疾患を対象として原因の究明をするなり、診断基準の作成等を行っているわけでございます。また、私どもの方では新薬開発推進事業ということで、患者数が少ない疾患に対する医薬品の開発を目指しておるわけでございますが、おっしゃいますように相互の関連があるわけでございまして、この私ども二つの局なり、あるいは児童家庭局も含めたような関係局間における情報交換、連携の強化ということをぜひとも進めたいと思いますし、また研究班のレベルでも相互に研究交流を行ってもらうとか、こういったことにはより努力をしてまいりたいと思っております。
○網岡委員 局長から御答弁がありましたが、もう一つ私この際指摘をしておきたいというふうに思うのでございます。 それは、ここに兵庫医科大学の南田先生がまさにオーファンドラッグのことを書いておられまして、表題は「見すてられた良薬」ということで本を出されているのでございますが、この中に書いてあるリムソー50というアミロイドージスの医薬品がございます。この医薬品は実は間質性膀胱炎に極めて有効な薬効を持っておるわけでございますが、欧米では広く利用されているのでございます。しかし、我が国では認められていないために、実はこれはかなり使っていかなければならない薬であるわけでございますので、したがって、医療現場ではどういうことになっているかといいますと、病院は医師からの要請によりまして、病院の薬剤部で調製して使用していると聞いております。 しかし、こうした承認されていない医薬品は、もちろん当然のことでございますが、保険で認められていない。薬価の請求もできないし、もちろん病院薬剤師の調剤技術料もつかない、こういう状況にございます。いわば病院の社会的責任を踏まえた奉仕の形でやっているというのが現状でございます。 アミロイドージスは厚生省の難病に指定されておりまして、実は特定疾患治療研究の対象となっているのでございます。当然この研究の過程におきましては、厚生省のもとで行われているこの研究は、医療現場の中ではリムソー50というアミロイドージスの医薬品の使用も実際は行われていると思うのでございます。当然この薬物が使用されているにもかかわりませず、これが実際には承認されていないために、今言いましたように技術料もつかないといったような形で、大変苦労してやっているというのが医療現場の実態でございます。 今言いました「見すてられた良薬」の中に書いてあるのですが、私は実はそれで知ったのでございますけれども、厚生省の特定疾患には二十一番目にアミロイドージスが昭和五十四年十月に研究の中に採用されておりまして、厚生省のもとで昭和五十二年、昭和五十三年、昭和五十四年、アミロイドージス班が既に研究の成果を報告しているところでございます。そして、もう一つの班のアミロイドニューロバチーという班がございますが、これもまたその五十四年を引き継ぎまして、昭和五十五年、昭和五十六年、五十七年の三年間にわたって研究がなされております。そして、次に原発性のアミロイドージス班、これはその後を引き継いで昭和五十八年、五十九年と、実に八年間にわたるレポートが提出をされているのでございます。 にもかかわらず、これが倉庫の中にしまっておかれておりまして、全然活用されていない、こういう状況にあるのでございます。こうした貴重な調査研究が倉庫の隅に置かれている、そして活用されていない。しかもその研究は、厚生省の中でつくられた特定疾患の研究班によってやられた、政府の一つの事業として、厚生省の一つの事業としてやられた確たる研究でございます。そして貴重な報告がなされているのでございますが、こういうような実態にあるリムソー50というアミロイドージスの医薬品が承認されていないという状況は、ちょっと言葉がきついかもわかりませんが、税金のむだ遣いと言っても決して過言ではないと私は思うのでございます。 大臣、こうなっているのですよ。局長、この実態を踏まえてすぐ局長が指示をしていただければ、八年間の研究の成果はちゃんと詰まっているのでございます。どうぞこれは速やかに手続をとっていただいて、データを見られて足らないものならば、それを早急に詰めることによってこの薬が表に出る、そういうことをぜひ厚生省としてはやっていただきたい。そして、難病に苦しんでいる患者に対して一つの温かい光明の光を与えるということは、健康を守る厚生省の立場からいきますと当然の責務だと思うのでございますが、この点についてどうお考えになっていますか。そして、この問題についてどう処理をされるか、この際明らかにしていただきたい。
○岡光政府委員 アミロイドージスというのは、御指摘がありましたように、体の組織にたんぱく質が沈着をして、膀胱とか肝臓などの臓器が肥大をして、しびれるとか異常な感覚があるとかという原因不明の病気だそうでございます。 これはいい治療薬がないということでいろいろ検討されているわけでございますが、先生今御指摘がありましたように、研究班におきましてリムソー50という薬が有効なのではないかということで、いろいろ今臨床の世界で試み的に使われているわけでございます。この病気に対しましてはなかなか決め手がない、有効な薬剤がないわけでございますが、そういう意味では、試みられるべき一つの有力な薬として、これが浮かび上がっているというふうに私どもも承知をしております。 なお、これは長期投与が必要なんだそうですが、長期投与が可能な投与方法を改良するとか、現時点で副作用が余り多くないということだそうでございますが、この辺のフォローアップをするとか、そういう意味で、もう少し安全性についての配慮をしなければならぬだろうという御指摘もあるようでございます。 いずれにしましても、適切な治療薬がないアミロイドージスにとりまして、このリムソー50は有力なる手段だというふうに考えられるわけでございまして、そういう意味で、私ども研究班の成果を踏まえながら、どこかの医薬品メーカーがこの開発を手がけてくれて、臨床データをとって、承認をとってくれなければいかぬわけでございますので、そういった企業が発見できますように、協力が得られますように、関係業界とよく相談しながら、何とか先生の御趣旨に沿うような形で検討してみたいと思っております。
○網岡委員 せっかく局長が今最後のところで御答弁をされましたが、オーファンドラッグ法案がいよいよ成立をするわけですから、その最初の仕事としても厚生省が積極的に製薬メーカーに対しても指導をされて、日の目を見るようなそういう体制をぜひやっていただきたいということをこの際要望しておく次第でございます。 次の質問に移りたいと思いますが、薬事法で優遇措置をとっておりましても、メーカー任せでは必要な医薬品はなかなか開発されないという一つの例といたしまして、私は指摘をさせていただきたいと思うのでございますが、それは、製薬企業に開発計画を任せているだけでは、本当に必要な医薬品の開発は期待できないのではないかと思っているところでございます。厚生省は、企業が積極的にオーファンドラッグの開発に参加するよう強力な指導を行うべきであると思うのでございます。先ほどの答弁もあるところですけれども、改めて御答弁をいただきたいと思います。 本法案においては、新薬としてオーファンドラッグの開発を促進することになっているのでありますが、既存の製品であっても、その製品が希少疾患に対する適応症が承認されていないにもかかわらず、使用されているというケースがございます。やむを得ずやられているものでございます。このような場合、支払いは患者側の負担になるケースがほとんどでございます。 例えば、インターフェロンという薬がございますが、はしかの後遺症と考えられている小児の難病の一つでSSPEという病気がございます。このSSPEには抗ウイルス剤が有効とされているのでありますが、なかなかよく効く薬がないというのが今の実情のようでございます。最近になって、がん、C型肝炎に使われるインターフェロンがSSPEに効くと言われ、使用されているようでございます。 しかし、このインターフェロンという薬は非常に使われる頻度が高くて、薬価は非常に高いという状況でございまして、一本三万七千円ぐらいするという非常に高価な薬のようでございます。したがいまして、メーカーの販売金額は急増しているということでございます。一方、SSPEという病気は、まさに希少疾病の典型でございますが、年間数十例しかない、こういう非常に珍しい病気のようでございます。 メーカーは、こういう状況でございますから、このインターフェロンをSSPE適応症ということで申請しようとする努力が少しもされていないのでございます。これもまたインターフェロンによってかなりの利益、もう莫大な利益を上げているわけですし、製薬会社というのは国民の健康を守る意味において一つの大きな社会的責任を持っているわけでございますから、ぜひひとつこのSSPEの疾病に対しての適応症の一つとして、インターフェロンの承認を得るような努力を製薬メーカーが行うように、この際厚生省が強い指導を行うべきでないかというふうに私は思うわけでございますが、この点について業務局としてのお考えをお示しいただきたいというふうに思います。
○岡光政府委員 今回の改正の一つの仕切りといたしまして、今例を挙げられましたが、既存の薬でありまして、それが別の病気に効くのではないかというのを効能追加と言っておりますが、これも追加対象になる疾病が非常に希少疾病であれば、今回の改正によりますところの開発助成の対象にしたいというふうに考えております。 今の具体的な例示につきまして、どこをどういうふうにするかという話になりますと、関係の企業もありますし、また体制も整えなければならぬわけでございますので、先ほど申し上げましたように、そういう体制を整える意味で、少し関係業界なりと相談をさせていただきたいと思っております。 いずれにしましても、製薬企業も社会的な使命を担っているわけでございまして、いわば採算に合うものばかりではなくて、患者が必要としているものの開発努力をする、やはりそういう姿勢が必要なわけでございます。 しかし、一方では自由経済ですので、採算ベースに乗らないものはなかなか手がけないという現実もあるわけでございまして、その辺を今回の改正で関係企業を支援して、いろいろな助成なり指導をすることによって、できるだけそういった医薬品を開発して、医療の現場で一つの救いを見出していきたい。ある意味で、企業の社会的責任と私どもの行政指導ということと両々相まって、国民の要望にこたえていきたいというのが私どもの考え方でございます。
○網岡委員 ぜひひとつ強力な指導と対処をしていただきたいと思います。蛇足のようですが、インターフェロンで大分もうかっているわけですから、したがって、社会的な責任の一端を果たすということは、やはり厚生省としてもぜひひとつ強力な指導をしていただきたいということを望んでおきます。 次の質問をいたしたいと思います。 今度の改正によりまして、十四条の第四項で、承認審査を優先するものとして希少疾病用医薬品、希少疾病用医療用具を挙げているのでありますが、もう一つ「その他の医療上特にその必要性が高いと認められるもの」を新たに加えておみえになるわけでございます。オーファンドラッグのほかに優先する医療上特に必要性が高いものというのは、この法律で示されているこの字句というのは具体的に一体どういう医薬品を想定しているのか、これをひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○市川(和)政府委員 御指摘の医療上特に必要性の高いものといたしましては、私どもとしては、医療上の重要性それから緊急性から、患者に一刻も早く届ける必要性の高い医薬品というふうに考えておりまして、具体的にはこれから中央薬事審議会等で御議論をいただかなければいけないことでございますけれども、現在のところ、基本的には、一つは、やはり既存の治療方法と比較して新しいものであることという要素、それから、既存の医薬品によってうまく治療できない重篤な病気に非常に有効な治療法を提供するか、あるいは有効性または安全性の改善をもたらすようなものであることという二つの条件をともに満たすような医薬品を考えております。
○網岡委員 今二つの条件を示されたわけでございますが、その運用につきましては、ぜひひとつ厳正公正にやっていただくようにしていただきたい。書類がたくさんありまして、承認を得るのにもう目の色を変えてやっているというのが日本の企業の実態でございますから、恣意的に動くということになりますと、これは非常に社会的に問題を起こすことになりますから、ぜひ公正厳正な運営を図っていただきたいということを要望しておく次第でございます。 二つ目の質問でございますけれども、この医療上特に必要性が高いというものは、基準と手続というものが明確にならなければならぬと思うのでございます。これはどういう手続によってやっていくのか。今御答弁がございましたけれども、この点をさらにひとつ明確にしていただきたいということを御質問申し上げます。
○市川(和)政府委員 優先的な審査を行います対象品目の選定基準というものにつきましては、先生御指摘のとおり、公平かつ透明なものでなければいけないというふうに考えておりまして、この点につきましては、先ほど申し上げましたように、今後中央薬事審議会におきまして技術的な視点から御議論をいただくことといたしております。この選定基準ができ上がりましたならば、これを公表することにいたしておりまして、個々の医薬品につきましては、この基準に従いまして決定することにいたしております。 それから、個々の品目の承認に際しましては、優先したかどうかということを明らかにすることにしておりますので、優先審査をいたしました場合には、その品目選定の公平性、透明性というものは確保できるものというふうに考えております。
○網岡委員 では、質問を次に移りたいというふうに思います。 今度の法案でも出ているところでございますが、医薬品基金の本来の業務は、実はこれは医薬品による副作用の被害患者に対する救済で出発をしたものでございます。そういう経緯からいきまして、この医薬品副作用被害救済というものの上に研究振興基金というものが加わっていく、こういうことは、何か一つの入れ物の中に必要性があったらそこへまた一つ入れる、次にまた一つ入れる、こういうことになりますと、この医薬品基金というところの機構というものは非常にたくさんの仕事を抱えていきまして、問題がかえって起こるのではないかというふうに思うのです。 基本的に言うならば、薬の副作用被害というものも大事でございますから、それは一つとして第三セクターができて、そしてこのオーファンドラッグ法案に基づく作業を第三セクターとしてやっていかれるならば、そのことを専門にやっていく一つの機構がつくられていくということが私は本来のあり方ではないかというふうに思うわけでございます。こういうふうに木に竹を接ぐというところまでは申し上げませんけれども、あるところへ全部詰めていくというようなやり方はいかがなものであろうかと思うのでございます。 その点について厚生省としてはどうお考えになっているのか、そして、この機構についての運用というものについてどういう姿勢でやっていかれようとするのか、その辺のところの考え方を明らかにしていただきたいというふうに思います。
○岡光政府委員 医薬品基金の業務を振り返ってみますと、おっしゃるとおり副作用被害救済から始まったわけでございます。その次に研究振興の業務を追加したわけでございますが、これは、やはり医薬品の副作用被害ということと研究振興というのはかかわりが実質的にはあるんではないだろうかという内容的な判断とあわせまして、医薬品に専門的にかかわっているところでこの研究振興の仕事もさせた方がいいであろうという、もう一つの実態上の判断もあったわけでございます。 一方では、こういった組織についてはできるだけふやさないようにという行政改革の発想もあったわけでございまして、そういう意味で、医薬品について専門的な知識を持っている医薬品基金に、まずはこの研究振興の仕事を追加したような次第でございます。 それからまた、今回の改正で、承認審査の一部の仕事につきまして基金にお願いしようということを内容的に盛り込んでおりますが、これは、厚生省がやっております承認の仕事に当たりまして、申請が出てきた医薬品が既存の医薬品と同じかどうか、同一性の調査をしなきゃならないわけでございます。その同一性の調査という部分につきまして、これは非常に画一的に仕事ができますが、ボリュームとしては大変なボリュームになりますので、そういう意味でこの調査の仕事をお願いしたい、こういうことを考えたわけでございます。 いずれにしましても、そういった医薬品の専門的な知識を持っているところで、従来から経験を重ねているところでやってもらうのがふさわしいだろうという判断をしたわけでございますが、先生御指摘のように、本来の副作用被害救済がないがしろになっては大変なことでございます。そういう意味では、組織としましてもそれぞれ別組織でございまして、それぞれが独立の仕事をしているわけでございますし、また勘定も別勘定にしておりまして、お互いの金が何か変に流用されるというふうなことは全然ないわけでございます。 そういう意味では、私ども、従来の仕事がきちっと遂行されるように人員体制も整えたいと思いますし、経理区分、会計処理に当たりましても、そういったことが起こらないようにきちっとした処理をしたいというふうに考えておるわけでございます。本来のこの副作用被害救済ということが迅速に行われますように、一方では努力をしたいと考えております。
○網岡委員 聞くところによりますと、最初のスタートの段階では、二名の職員の配置というふうに説明を受けているわけでございます。今局長は、一たんこの仕事がスタートを切ったら万遺漏なきを期すような体制で行きたいというお考え、決意を述べられましたけれども、恐らくこれはスタートの段階ですから、二名の配置ということでございましょう。しかし、現に申請の書類が随分詰まっているわけでございますから、かなりの仕事の量があるわけでございます。 そうなりますと、第三セクターとして出発いたしましたならば、速やかにその体制を強化していただかないと、荷物を第三セクターに移したことによって厚生省が荷物をおろしたというような形になったといたしましたら、これはまた一つの大きな問題を惹起することになるわけでございますから、二名のスタートから時間のかからない時期で、次の段階では何か二十名ぐらいというようなことをちょっと聞いたわけですが、その辺のところも将来どういう体制でやっていくのかというようなことについても、この際局長から確たるお答えをいただきたいというふうに思います。
○岡光政府委員 この医薬品基金を調査機構ということで改めてお願いをしたいと思っておりますが、本年度は十月から希少疾病医薬品の助成の仕事と、それから医薬品の開発に当たりましての指導の仕事をお願いしたいと思っておりまして、先生御指摘がありましたように純増二名、形式的には四名の体制を整えたいと思っております。 それから、年度がかわりまして、来年度から審査の一部の仕事の調査の仕事を改めて追加をしたいと思っておりますが、これにつきましては別のまた体制を整えなければならぬわけでございまして、その辺は仕事のボリュームを考えながら、新しく担う調査の仕事にふさわしいだけの組織体制を整えていきたいと思っております。 いずれにしましても、この審査の一部の事務を調査機構にお願いするといいますのは、全体の審査の迅速化でございますので、これで変に仕事が停滞をするとか厚生省が責任逃れをするとか、そんなことを考えているものではないわけでございまして、その辺はひとつ御理解をいただきたいと思います。
○網岡委員 あと四分くらいしかないものですから、大事なことをひとつ大臣に確認をさせていただきたいというふうに思います。 それは、前にもちょっと質問をいたしましたが、一つは、特定疾患治療研究事業の対象疾患を拡大していくという必要がございます。難病はもう百五十種と言われているわけですが、今やっているのは三十四という状況でございます。そういう状況ですから、一つ一つそれはまないたにのせていっていただかなければいかぬわけでございます。そういう対象疾患の拡大を早急にやっていただきたいというふうに思うわけでございますが、大臣のこの点についての確たる所信を承りたいと思います。
○丹羽国務大臣 難病対策につきましては、これまでも特定疾患治療研究事業の対象疾病を逐次拡大をしておりまして、本年の一月にはさらに一疾病を追加いたしまして、現在三十四疾病に至っておるわけでございますけれども、今後とも対象疾病の拡大を含めて、難病対策の充実強化に努力をしていく所存でございます。
○網岡委員 もう一つ大臣にお答えいただきたいのでございますが、医薬品機構の助成の対象となるオーファンドラッグが年々ふえておるのでございますが、助成の財源もこれまた年々ふえているのでございます。その必要に対処して国から補助金を増加すべきである、こういうふうに考えているわけでございますが、オーファンドラッグに対する補助金というものの対応について、これまた厚生大臣の確たる御答弁を賜りたいと思います。
○丹羽国務大臣 オーファンドラッグ等の研究開発促進策につきましては、この法案を通じまして初めて二億円の助成金をお願いいたしておるわけでございますけれども、今後とも医薬品機構への補助金の増額を含め、その充実強化に努めていく決意でございます。
○網岡委員 ありがとうございました。 以上で終わります。
○浦野委員長 菅直人君。
○菅委員 きょうは、大変長い法律ですが、薬事法及び医薬品副作用被害救済・研究振興基金法の改正案の質疑ということで、今網岡先生の方からもいろいろと質疑がありましたが、私も特に医薬品基金の性格について若干まずお聞きをしておきたいと思います。 〔委員長退席、持永委員長代理着席〕 私の記憶しているところによれば、この基金がつくられた一つの経緯は、スモン被害があって、それがなかなか裁判という手続で救済することが時間がかかる、そういう中から、あらかじめ一種の保険機構のような形でこういう制度をつくることになったように記憶をいたしております。 そういう中で、先ほど来の質疑の中でも、その後いろいろな業務を付加していって、今回さらに新たな業務を付加する。それぞれ追加される業務にはそれなりの意味があるとは思いますけれども、この基金という機構にそういう業務をどんどん付加していくことが、本来のあり方として適切なのかどうかというところが、いろいろ説明を聞いても疑問になるわけであります。 そこで、最も基本となる業務が現在どういうふうに動いているのか、そのことからまずお尋ねをしておきたいと思います。基金の救済、いわゆる副作用被害の救済について現状が一体どういうふうになっているのか、その中で、特に拠出金の率なども非常に時期によって大きく変化をしているようですが、そういう拠出金の率などがどういう考え方で、どういう手続によってこういうふうに大きく変化をしているのか、それも含めてお答えをいただきたいと思います。
○岡光政府委員 先ほども網岡先生にお答えを申し上げましたが、先生から御指摘がありましたように、医薬品の副作用被害救済を行う、それを主目的にこの基金がスタートしたわけでございますが、その後研究振興の仕事等を付加した。それから、このたびまた審査の一部の仕事をお願いしようとしているわけでございますが、それはあくまでも一方で行政改革の趣旨にのっとりながら、他方で専門的な知見を有し、かつ厳正中立な仕事ができる、そういったところを選んだわけでございます。 御質問ございました拠出金の関係でございますが、御指摘ありましたように、確かに過去を振り返ってまいりますと、この救済の拠出金は、五十五年度から救済事業が実施されたわけでございますが、その五十五年度の発足当初はどの程度被害が出てくるか、救済対象が出てくるかわからなかったものですから、まず発足当初は非常に少ない事務的な経費を必要とするというので、それにふさわしい拠出金の割合にしたわけでございます。 そして動き出しました五十五年度、これはどの程度被害が出てくるかデータがございませんでしたので、とりあえず拠出率を千分の一にいたしました。その後につきましては、救済事業の実績とか、それから積立金も用意することにしておりますが、積立金の規模を勘案しながら、必要とする財政規模にふさわしい拠出金が得られるように、その拠出率を動かしてきておるというのが実情でございます。
○菅委員 手続的にはどこで決めるのですか。
○岡光政府委員 基金の内部では評議員会がございまして、そこで拠出を決めますが、外部には告示という行為をとります。
○菅委員 積立金は現在幾らぐらいで、その適正な積立金の規模というのはどういうふうな考え方なんですか。例えばスモンの場合に、私もどのくらいの被害が裁判制度によって認められたかという詳しい数字はありませんが、相当巨額であったと思います。サリドマイドの事件もそうであったと思うわけですが、現状の積立金の金額とどの程度を適当だと考えているか、その点について考え方を示してください。
○岡光政府委員 御指摘ありましたように、過去のそういう大規模な薬害の際の必要な金などを背景にしながら積立金を考えているわけでございまして、当初はおおむね百億程度ということを考えたわけでございますが、平成三年度では、その積立金は八十五億二千万ほどということになっております。
○菅委員 その百億程度というものの考え方の何らかの論拠があるなら、論拠を教えてください。
○岡光政府委員 スモンのような大規模な薬害を想定いたしまして、そのときに必要な救済の金額の規模を念頭に置いたわけでございます。
○菅委員 ということは、大体スモン救済に必要である、そういうものを参考にして、この程度あればそういう大きな副作用被害があってもこの積立金でほぼ賄える、そういう見通しということですか。
○岡光政府委員 スモンとかサリドマイドもそうでございますが、そういう大規模な薬害被害の事件というのはそうめったにはないわけでございまして、またそれはあってはならないわけでございますし、その後の薬事法も、安全性の確保につきましてそれを念頭に置きながら改正したわけでございまして、そういう意味からしますと、百億程度のものがあれば対応ができるのではないかという判断をしているわけでございます。
○菅委員 率直に言いまして、この拠出率を見ていますと、一番高いときが五十五年の千分の一ですよね。一番低いときは昭和六十三年から平成二年まで千分の〇・〇二。ですから、何十分の一になりますか、一番高いときに比べて五十分の一ということになりますか。また平成三年になって〇・〇五と、二・五倍にぽんとここは上がっているのですね。例えば、この平成二年から平成三年のところでぽんと二・五倍に上がった理由というのは何かあるのですか。
○岡光政府委員 率直に申し上げまして、やや財政が逼迫をしてまいりましたので、それに対応するものとして上げたわけでございます。
○菅委員 財政が逼迫というのは、積立金が少なくなったということですか。
○岡光政府委員 おっしゃるとおりでございます。
○菅委員 そうすると、積立金はこの数年八十五億程度になっているわけですが、積立金が八十五億程度になるように単年度的に、支出が前の年ふえれば翌年は少し拠出率を上げて補てんをする、逆にそれが超えてくれば拠出率を下げて戻す、そういう考え方で運用しているということなんですか。
○岡光政府委員 おっしゃるような運用実態でございますが、そのような判断をするときにも、やはり長期的な見通しも加味をするつもりでございます。
○菅委員 率直に申し上げて、どうもこの考え方が、何と言いましょうか、本来保険というのはかなり長い物の見方で考えるわけですが、非常に単年度ベースで考えられているような今の考えなわけですね。ですから、そういう意味で、私などは、もっと本格的なきちんとした制度で、例えば積立金がたくさん蓄えられれば、それこそその金利ぐらいでほかのことに振り向けるというようなことは大いにやればいいと思うのですけれども、単年度ベースで若干ふえたから料率を下げ、若干足らなくなったから拠出金の率を上げる、そういうふうな運営が果たしてこの性格上適切なのかどうか、非常に疑問だということをまず一点指摘をしておきたいと思います。 それからそれに加えて、今回追加をされる業務を含めて、従来追加をされた研究振興業務というのがあります。研究振興業務を加えたこと、これは今回の法律ではありませんが、これでかなり性格が変わってきたと思うのです。今回特にオーファンドラッグの開発振興というのは、ある意味では助成措置だと思いますけれども、調査等の業務を加える。この調査というのは実務が相当伴うと思うのですが、例えば現在との部門でやっていて、どのくらいの人間でやっている仕事なのですか。
○市川(和)政府委員 今回基金の方に委託をしようというふうに考えております調査業務は、現行の体制で申しますと、業務局の主として審査課を担当課として行われている業務でございまして、この調査関係を全体としまして約二十名程度の人員で行っているという状況でございます。
○菅委員 そうすると、この基金に相当する人員を配置するという考えですか。
○市川(和)政府委員 これを円滑に実施するためには、基金においてその程度の人員が必要になってくるのではないかというふうに考えております。
○菅委員 今、基金全体でどのくらいの人員で運営しているのですか。
○市川(和)政府委員 現在、基金の人員は五十一名でございます。
○菅委員 従来、業務局の審査課がやっていたことをここに移さなければいけない理由というのは、何かあるのですか。今のところでやれない理由、やりにくい理由あるいは何らかの理由があるのですか。
○岡光政府委員 率直に申し上げまして、公務員の総定員というのは規制があるわけでございます。そういう意味では、私ども委託できる定型的な業務につきましては、それを外部に委託するという発想はとらざるを得ないのじゃないかというふうに考えているわけでございます。
○菅委員 この費用はどこで見るのですか。
○岡光政府委員 委託でございますから、その部分につきましては国が委託費を出すということと、それからそのほかに企業の指導をしようということにしておりますが、その指導の経費は企業からそれを拠出してもらおうというふうに考えております。
○菅委員 ちょっと今のはどういうことです。企業の指導をするのに、企業からお金を出してもらって指導するのですか。そういうことですか、今の局長の答弁は。
○岡光政府委員 企業の方にいろいろ指導をいたしますので、その指導を受ける際には手数料をもらうということで、必要な経費を確保するという発想でございます。
○菅委員 どういう種類の指導です。
○岡光政府委員 医薬品の開発に当たりまして、それが円滑に進むように企業側のいろいろな疑念に答えるなり、一つのステップを踏んで次のステップに進む場合にどのような対応をすればよろしいかとか、そういう医薬品の開発をめぐる指導でございます。
○菅委員 今までそういう指導はどこでどういうふうに行われていたのです。
○岡光政府委員 それは、今のところは業務局の担当課でそれをやっておるのが実態でございます。
○菅委員 これまでに手数料というのは取っていたのですか。
○岡光政府委員 それは取っておりません。
○菅委員 どういう意味なのですかね。どうもしゃきっとわからないのですね。先ほど来言っているように、この基金というのは、もともとは副作用に対する保険機構のような形で設けられた。その後いろいろな機能が含まれた。 特に今私か問題にしているこの調査等の機能、従来審査課がやっていたのを外に出す。総定員法があるから、仕事がふえたので仕方ないから外に出したい。これ自体も政府全体の考えでいえば、果たしてそれが行革になったことになるのかどうか、大変怪しいわけですね。総定員法があるから外に出してしまって、その枠を実質上ふやして、単にそれを人件費じゃなくて委託費の形に変えていくという、いわばよく行革の網を抜けるためにやるやり方であることは皆さんも御承知だと思います。 それに加えて、企業指導をしてそれで手数料をもらう。いいのか悪いのかを含めて、私にはよく判断ができないのですね。一般的に適正な指導であれば、当然行政の責任でやるべきことですから、指導することは悪いと言っているのじゃないのですが、手数料をこれまでもらわなかったことにもらうという、何かそこに意味があるのですか。
○丹羽国務大臣 今回の改正の趣旨でございますけれども、医薬品機構においては、いわゆる画一的な簡素な業務をお願いをする、こういうことがまず第一でございます。厚生省におきましては、当然のことながら、平たい言葉で申し上げますと、その分だけ余力が出てくるわけでございますので、新薬の審査やあるいは副作用、有効性のチェック、こういうようなより重要な再審査等の業務の充実を図ることによって、審査の迅速化と医薬品の品質、有効性及び安全性の一層の確保を図っていこう、こういうことでございます。まず基本的にそういうようなスタンスの上に立って、今申し上げたような要するに一部につきましては機構の方にお願いをする、こういうことであります。 しかし、今先生から御指摘がございましたけれども、機構に調査委託を行っても、審査の最終的な責任というものはあくまでも厚生省が負っていく、こういうことでございますので、御理解を賜りたいと思っております。
○菅委員 今、業務審査の問題に入ってきましたので、同じテーマではありますが、少し方面を変えてみたいと思うのです。 実は私、長い間丸山ワクチンの問題で超党派のいろいろな委員の会議にいたり、あるいはそれとの関連で、他の抗がん剤のいろいろな審査について、この委員会でもかなり以前から何度か取り上げてまいりました。 その中で、ちょっと日にちはたってしまったのですが、一九八八年あるいは八九年ごろでしょうか、クレスチンという薬について、中央薬事審議会で再審査というのですかあるいは再評価というのでしょうか、そういうことが行われたわけであります。そして、それまで単独療法として許可されていたものが、単独では効かないというのか、少なくともその時点の評価にはクリアできないということで、一部の薬との併用剤として、再度それに限っての許可が出たというふうに理解をいたしております。 そのときに、その再評価をするときのメンバーの中に、その再評価のデータを出した、判定の対象になった論文を出したメンバーがその中にいたのではないかと、当時の新聞などもそのことをかなり大きく報道いたしております。 まず事実関係を確認しておきたいのですが、今私が申し上げたように、このクレスチンという薬の再評価に当たって、その委員の中にそういったクレスチンの併用に関する論文を出されたメンバーがいたのかどうか、そのことについてまず事実を確認しておきたいと思います。
○市川(和)政府委員 クレスチンにつきましては、平成元年に再評価が行われたわけでございます。当時の再評価に用いられましたいろいろな論文がございますが、その論文の一つに、当時委員であられました方のうちお二人の方が関与しておられました。それから、もう一つの報告論文に別の委員の方一名が関与をしておられました。
○菅委員 その委員がそこに同席したというのは、ちょっとおかしくないのですか。
○市川(和)政府委員 薬事審議会で御議論いただく場合に、審議会の委員というのはどうしても第一線の先生方と申しますか、そういった方々で構成されるわけでございますので、委員のどなたかがその申請の資料の作成にかかわっている場合があるということは、どうしても避けられないことでございます。 その場合に、審議の公平性を保つために、当時の中央薬事審議会の規程では、「当該資料について意見を述べ、又は議決に加わることができない。」というふうに規定をいたしておりまして、当時中央薬事審議会で議論が行われる際には、この規程に従いまして、これらの論文の審議に当たりましては関与した委員は発言を控えておりまして、問題はなかったものと考えております。
○菅委員 私は、その扱いは非常におかしいと思うのです。 まず先に聞いておきたいのですが、現在でも同じようなケースで同席は認めているのですか。つまり、現在の扱いも、委員会で質疑をしているその中に、手を挙げて発言さえしなければ、他のメンバーと同じようにそこに出席を認めているのですか。
○市川(和)政府委員 このクレスチンの再評価が行われました際に、これは内部的には非常に公正に行われていたとしても、外から見られた場合に若干の疑念を持たれることもあり得るのではないかという御批判がございました。したがいまして、その後、中央薬事審議会の方でもこの点を御議論いただきまして、現在では、申請資料の作成に関与されました委員は、当該の品目と申しますか物を審議いたします場合には、審議会場から退室するという形で運用をいたしております。
○菅委員 これはたしか普通の審査ですと、調査会があってその上の全体会議があるわけですが、両方ともですか。あらゆるそれにかかわるところは退席をするという扱いを現在とっているということですか。
○市川(和)政府委員 そのとおりでございます。 もう少し詳しく御説明をさせていただきたいのでございますが、平成二年に中央薬事審議会としましてもいろいろな審議のあり方を御議論いただいたわけでございます。それに基づきまして、審議会の規程というのがございますが、この審議会規程の中で、申請者の依頼によって作成された申請資料に関与した委員あるいは臨時委員の方は、当該申請に係る医薬品等に関する調査審議に原則として加わることができないということを規定いたしておりまして、その審議に加わることができない具体的な運用といたしまして、調査会、特別部会等ともに、当該委員は「当該品目についての審議又は議決が行われている間、審議会場から退室する。」という運用になっております。現在、このような場合には私ども審議会の際に別室を設けておりまして、そちらに御退室いただくというようなことで運用いたしております。
○菅委員 平成二年にそうなったということで若干の改正が行われたのでしょうが、そうすると、このクレスチンについては退席はしてなかったわけですね。あるいはその調査会と特別部会両方、いえば発言はしなかったけれども同席はしていたということですね。
○市川(和)政府委員 そのとおりでございます。
○菅委員 丹羽大臣、大臣もこの委員会は長いから、あるいは御記憶にあるかもしれませんが、実はこのクレスチンという薬は、最初の審査のときにも同じ問題があるわけですよ。 これは一九八一年ですからもう古い話ですが、私はこの委員会でやはり取り上げたのです。最初の審査に当たっても、つまりクレスチンの効果があるというデータを出された、たしか二人だったと思いますが、二人の方が抗悪性腫瘍剤調査会のメンバーになっていて、そして堂々とその審査に当たっていた。それが後になってわかりまして、簡単に言えば、そのときに中央薬事審議会のあり方について相当議論があったわけです。 その同じ薬がまた再評価に当たって、発言をしていないといっても、専門家のそう多くない集団の中で、私が責任を持って出したデータではこんなに効いていますというものが出されているところで、いや、どうもあのデータの中身はちょっとおかしいんじゃないか、他のデータもあるんじゃないかと言うことは、やはり若干遠慮というものが当然ながら発生するわけですよ。 しかもこのクレスチンという薬は、御承知だと思いますが、先日出してもらったデータによると、最大時年間五百三十億円程度の売り上げがあった。承認から現在に至るまで、単独では一兆円まではいかないかもしれませんが、少なくとも一兆円に近い数千億という巨額の売り上げをこの薬は上げているわけです。 しかも、率直に言いましてこの薬についての効能は、再評価では少なくともその水準には達していないということになって、併用剤としての承認のみになったわけですが、結局この負担はだれがしているのか。大部分の国民の加わっている、あるいは全国民が加わっている保険診療の中から出ているわけです。そういうものがそのスタートの段階に当たっても大変問題のある形で質疑をされて許可をされ、今度は再評価に当たっても、もう取り消されるのではないかと言われていたのが、併用剤という形でいわば生き延びた。疑惑を二重にも招いているわけです。 それで、平成二年に規程を変えて、少し厳しくしたと言われますが、少なくともこの一九八一年当時、園田大臣の当時ですから大分古い話になりますが、もうその時点からこのことが指摘されているにもかかわらず、その後約十年近くにわたってきちんとした改正がされてこなかった責任というのは、厚生省、特に業務局の体質に非常に問題があるのではないか。業務局というのはどうしてもメーカーとの関連が非常に深い。先ほど、今回の企業指導というのも何か手数料をもらってやるんだと言われるから、どうもぴんとこないのですね、そういうことも含めて。そういう点で、業務局の姿勢に基本的に問題があるのではないかと私は思いますが、大臣、いかがお考えですか。
○丹羽国務大臣 この問題につきましては、かねてから菅委員が当委員会におきまして御指摘なさっておることを私も十分に承知いたしております。 御案内のように、中央薬事審議会における審議の一層の厳格化を図るために、現在は平成二年四月に改定されました審議会規程に基づきまして、新薬承認申請や再評価申請などの資料の作成にかかわった委員は、当該品目についての審議または議決が行われている間、審議会場から退場することになっておるわけであります。 こういう背景には、率直に申し上げて、専門分野の委員が極めて限られておる、これがその背景にあるほか、こういう新しい薬をどんどん開発していくにおいては産学協同でやってきておる。じゃないと実際問題進まない、こういうことがあるわけでございますけれども、私どもは、先ほど申し上げましたように、あくまでも一つの材料を提供していただくということでありまして、その判断におきましては厳正中立に行っていることと確信いたしております。 〔持永委員長代理退席、委員長着席〕
○菅委員 開発そのものが産学協同、つまりは学者の先生方とメーカーが協力し合わなければならないという実情は私もよくわかるつもりなんです。ただ、今この国会は金丸前副総裁の問題で疑惑に包まれて、これは建設業をめぐる談合ということで言われておりますけれども、使途不明金が多い業界は、どうも建設業に続いて製薬業だと一般にちまたで言われているわけですよ。 私もこの十数年間、この委員会にほぼずっとおりまして、医療制度をいろいろ議論する中で常にバックにある問題というのは、薬メーカーというものに医療関係の政策なりあるいは大事なりというものが非常に大きくコントロールされているといいましょうか、薬価基準の決め方なども、昔からいえば大分変わってきましたけれども、相変わらず諸外国に比べて医療費の中に占める薬の割合は非常に高いものがある。そういうことを見ると、どうも薬メーカーの利益というものがいろいろな形で、業務局を中心とする厚生省と、いわゆる学会などの専門家、そしてメーカーという三つのトライアングルをつくっているのではないか、こういうふうに常々思っているところであります。 そういった意味で、きょうは個別の問題としてはこれ以上クレスチンの問題には深入りをしませんけれども、特にこの薬が効く効かないという問題は専門家の皆さんの問題であるだけに、学者の数が少ないから一部の人に頼むしかないんだという言い方は、必ずしもそのまま素直に聞けるのか聞けないのか。 実際にここにもある記事で、かつての抗悪性腫瘍剤調査会の座長をやられた方が、これはもちろん大分古い一九八八年六月の「アエラ」の報道ですが、クレスチンというのは効いたとも効かないとも言えないね、みたいなことを言われているわけです。もちろん報道ですから、御本人の趣旨と若干違うかもしれませんけれども、そういうふうな立場にあった人でさえ、裁量の余地みたいなところがそういうメンバーによって非常に大きくある。そうすると、メンバーの中にそういう人がいる、いないだけで決定的に違ってくる、こういうことにもなるのではないかと思うわけであります。 そこで、これもまた長い長い議論がある問題でありますが、丸山ワクチンという薬が従来から広く使われているわけです。これもこのクレスチンなどの少し前に認可申請をして、最終的には効果について十分な結果が得られないということで、現在なお有償治験薬という形の扱いになっていることは大臣も御承知のとおりだと思います。現在有償治験薬となっているこの丸山ワクチン、SSMですかについて、今後どういうふうになろうとしているのか、その現状なり今後の見通しについてお聞かせをいただきたいと思います。
○丹羽国務大臣 まず、先生の御指摘でございますけれども、使途不明金の問題でございます。医薬品業界は使途不明金が多いのではないか、こういうような御指摘がありましたけれども、私どもが調べたところによりますと、医薬品業界は使途不明金がほかの業界に比べて極めて少ないということをまず御理解を賜りたいと思っております。したがいまして、国税庁などから通報は受けておらないということを一応申し上げさせていただきたいと思っております。 それから、丸山ワクチンの件でございますけれども、先生がこの問題につきまして大変御熱心にこれまで取り組んでいらっしゃることに対しまして、心からまず敬意を表する次第でございます。 まず、一般的な話として申し上げさせていただきますならば、医薬品の承認に当たっては、申請者から提出された基礎試験、効力を裏づける試験、臨床試験などの資料に基づいて、有効性及び安全性に関し総合的に審議、評価しておるわけであります。したがいまして、提出された資料から有効性を確認できないものについては、医薬品として承認することができない。 それで、先生が御指摘のように、丸山ワクチンにつきましては、現在有償治験薬ということで患者さんに提供されておるわけでございまして、メーカーの方から試験研究を継続したい、そういう希望が出ておるわけでございまして、その結果を待って厳正にこの問題につきましては検討していきたい、こう考えております。
○菅委員 たしか有償治験は三年置きですので、ことしの暮れですか、ちょっとその確認をしておきたいのです。有償治験の期限と、それと若干目的が違いますが、既に白血球減少抑制剤としての認可がおりたというふうにも聞いておりますが、そのあたりのことについてちょっと事実関係を確認しておきたいと思います。
○市川(和)政府委員 現在行われております丸山ワクチンの有償治験の期限は、本年の十二月二十日でございます。 それから、御質問の第二点でございますが、丸山ワクチンと同じ成分で、その濃度等はかなり濃くなっているものでございますが、アンサー二〇注という製品が一昨年の六月に承認をされました。このアンサー二〇注は、その適用を放射線治療法による白血球減少症に対する医薬品として開発され、承認申請されたものでございまして、抗がん剤としてのデータは提出されておりませんので、この当時は評価の対象とはなっておりません。
○菅委員 先ほど大臣は、私が使途不明金ということを言ったことに対して、それは大変少ないという。よく調べられて結構なことですが、使途不明金が多いか小さいか、私も数字を今手元に持っておりませんから、それにはあえて反論いたしません。 しかし、薬の業界というものが往々にして、先ほど来大臣自身の口からも出ましたように、産学協同ということの場面が非常に多いことと、もう一つは社会保険で支払われる、つまりは大部分は社会保険で支払われるという意味では、価格によるマーケットメカニズムというのは働かないわけですね。極端に言えば、よく薬づけ医療の問題が議論になったころも、お医者さんの手元に残る差額が大きい薬の方がたくさん使われているんじゃないか、昔からあって薬価がだんだん下がってきて実勢価格と余り差がない薬と、新たにつくられたほぼ同じような薬効の薬だと、薬価差益が大きいものがたくさん使われるのではないかとか、そういう意味では私は大臣の答弁に若干スタンスとして疑問を感じるわけです。 つまり、この問題は、ある意味では一兆円と言われた例えばクレスチンとかピシバニールという薬が、ある見方でいえば、ここにはこんなことが書いてある。これも古いあれですが、「抗がん剤一兆円の気休め料」なんて書かれてあるのですね。ほとんど効かなかったんじゃないだろうか。一兆円の気休め料じゃないか。特にクレスチンという薬は、私もいろいろとお医者さんに聞いてみましたら、口から飲める制がん剤、しかも副作用が全くない。結構なことなんですが、効果ももしかしたら全くないかもしれないということで問題になるのです。しかし、気休め料として一兆円というのはかなり高いものになるわけです。多分この薬をつくったところは、これによって巨額の利益を上げていることは間違いのないことなわけであります。 そういう点で、その巨額の利益というものが少なくとも国民の社会保険料から支払われるというこの構造を考えると、やはりそこには当然ながら公正な、ガラス張りの制度がそのことをきちんとチェックしておかないといけないんであって、産学協同が必要だからそういうところに任せるしかないという答弁では、国民的な立場からいえば、それだけでは偏っているんではないか。産学協同の必要性は必要性とした上で、やはり国民的な見地に立った薬事行政というものが当然のこととして必要なんじゃないか。その点についての基本的スタンスをもう一度大臣にお聞きしておきたいと思います。
○丹羽国務大臣 まず、当然のことながらでございますが、医薬品につきましては適正な使用を推進していかなければならない、こういうことでございます。 それから、先ほどから菅委員から御指摘がございました中央薬事審議会のあり方でございますけれども、いずれにいたしましても、御疑念を招かないような厳正な運営は、当然のことながら心がけていく決意でございます。
○菅委員 今かかっておりますこの法案で、先ほど来申し上げておるように、追加業務とされている二つの業務、それぞれどこかでやらなければならない業務だということは理解できるわけです。特にオーファンドラッグの場合は、確かにマーケットメカニズムといいますか、そういう商品としてだけでは必ずしもメーカーが積極的に開発をしにくいということであれば、それに対しての支援をするというのは大いにやっていいことだと思うわけです。同時に、調査等もどこかでやらなければならないことであることは、私も決して否定はしません。 しかし、先ほど来のいろいろな議論の中でも、どうもこの医薬品副作用被害救済のためにつくられた基金が、今はその部分が何か他の目的の、軒先を貸しているのがいつの間にか軒先どころじゃなくて、一番大きい座敷のところはそっちに占められているんじゃないか。 この中で議論はしませんでしたが、エイズについても以前これでやれないかと言ったら、当初は、エイズの場合は副作用とはちょっと別の概念だということで、できないんだということで、その後新しい制度の中で取り入れられたわけですね。 そういうふうに、本来あるべき薬の救済あるいはエイズ患者の救済ということに大いに力を注ぐというのであれば、我々もろ手を挙げて賛同できるわけですが、どうもそちらの方でない厚生省の、先ほどからしきりに行革の趣旨からいってとか総定員法からいってとか、全然副作用の問題とは関係のない趣旨の方が中心になってこういうふうな改正法が出されてきているということについては、かなり疑問があるというふうに率直なところ言わざるを得ないわけであります。 そういった点で、この基金法が本来の目的をきちんと守るといいましょうか、きちんとその機能を果たすように特に要望申し上げまして、時間ですので、私の質疑を終わりたいと思います。
○浦野委員長 五島正規君。
○五島委員 まず、大臣にお伺いしたいと思います。 医薬品の開発費用というのは非常に巨額になる場合が多うございます。そのために、医療上必要性が極めて高いというものであっても採算性の予測が悪い場合、そのように企業が判断した場合に、開発、製造されないというようなことがよくあるわけでございます。また、我が国の到達した技術の応用によって十分に開発可能な医療機器やあるいは医療材料といったようなものについても、同じような理由で開発がおくれ、そのために結果として患者さんの治療に支障を来すというふうなことも間々見られるわけでございます。 このことは逆に言いますと、採算性が合うと予想されるような医薬品にこの開発努力が傾注され、その結果としてさまざまな別の形での問題、今日でいえば抗生物質や抗がん剤がその開発の中心となり、そして、その多用の中で今日問題になっておりますMRSAなんかの問題が生まれてくるというふうなこともあるわけでございます。 こうした必要な医薬品の開発について国が努力することは当然であるわけですが、企業もまた今日の日本の大変な社会的な利便を受けて存在しているわけでございますから、これに関連する企業がこうしたオーファンドラッグや極めて必要に迫られている医療機器の開発、そういうふうなものについて開発普及していく社会的責任があるというふうに考えるわけでございますが、その点についての大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○丹羽国務大臣 製薬メーカーの社会的な使命、これは当然国民のニーズに合った医薬品であるとか今御指摘の医療機器であるとか、こういうものを供給して、まさに国民の医療あるいは保健衛生の向上に貢献していただく、このようにまず期待をいたしておるわけでございます。 しかしながら、御指摘にございましたように、これまでメーカー、企業側は採算性ということを優先せざるを得ない、こういうようなこともございまして、どちらかというとオーファン関係の医薬品であるとか医療機器であるとか、こういう分野がややもすると立ちおくれておったわけでございます。このため厚生省といたしましては、積極的にこういう分野の開発支援を行うことによって、いわゆるオーファン医薬品の研究開発を促進していきたい、これが今回の法律案の最大のねらいでございます。 厚生省といたしましても、オーファン医薬品の開発促進策によって、今後いわゆる難病であるとか奇病であるとか、こういった疾病分野において有効な新薬が、この法律案を契機にいたしまして開発されることを強く期待をいたしている次第でございます。
○五島委員 この医薬品の分野におきます我が国の知的収支といいますか技術収支について見てみますと、一九八三年から一九八七年まで収支が黒字という時期がございますが、八八年以後も含めまして、基本的に知的収支というのは赤字の状態です。 言いかえれば、別に知的収支が黒字か赤字かは問題というわけではないのですが、そうした開発の努力をするよりも、外国の技術を購入して、そして製造するということが製薬メーカーとしての、あるいは製薬業界としての一つの基本的な流れになっている。この点は非常に問題があるし、企業、製薬メーカーが新薬開発、そうしたことについて医療上必要な開発努力を継続してやれるような指導をお願いしたいというふうに思います。 そうした上で本法案について御質問させていただきますが、今回の法律案の中では、いわゆるオーファンドラッグに対して税制上の特別措置あるいは独占的地位の確保ということを定めることによって、この開発努力を促そうというふうにしておられるわけでございます。 そこで、具体的にお伺いするわけでございますが、この開発の出発の段階、開発の最初の段階において希少な疾患であったとしても、開発後非常に対象患者が増加するという場合がございます。 具体的な例を挙げますと、例えばエイズの治療薬、今日の段階においては、エイズの発症者の数は幸い日本においてはまだそう多くはございません。しかし、開発され、十年間の独占的地位を保障するということでございますが、その期間を置かずして、東南アジアの事例あるいは欧米の事例から見ると、一応の目安としておられる五万人の発症者の数というのが突破されるという場合もあるかというふうに想定します。そうした場合に、この税制上の特別措置や独占的地位の確保というものはどの時点まで保障されるのか、それについでお伺いします。
○岡光政府委員 一応対象患者数を私ども五万人というふうに考えておりまして、非常に有用であるということとあわせまして、患者の規模指定の際の基準に考えているわけでございます。これはしかも日本国内での患者でございますが、先生お話がありましたように、それが五万人を超えるということになりますと、これは一定の市場規模を確保できるということでございますので、企業みずから開発が可能であるという考え方で、指定を取り消すという発想にしております。 したがいまして、特に税制上の措置が絡んでまいりますが、指定を取り消した後は、税制上の優遇措置の対象にならないというふうに整理をしております。
○五島委員 ということは、オーファンドラッグとして開発されて使用の認可がおりた、そして使用の認可がおりた段階において患者の数が五万人を超すと、こうした独占的地位の確保といったような問題についても、開発後の保障問題についても、そこで取り消すということでございますか。
○岡光政府委員 今御指摘の独占的地位の確保というのは、現在の再審査制度を使おうということでございまして、先生よく御存じのとおり、再審査制度というのは、その医薬品の承認までに得られたデータでは有効性、安全性を再確認する必要があるんじゃないだろうかということがございますので、医薬品として医療の現場に提供した後も引き続いてデータをいろいろ収集して、その辺の確認をしよう、その確認をしている間は、同じような医薬品についてはその結果がわからないわけですので、その承認はしませんよというのが再審査の扱いでございます。 そういう意味で、希少疾病用医薬品は特に患者数が少のうございますので、やはりその有効性なり安全性について再確認をしていく必要性が高いだろうという発想で、基本的には六年のところを十年程度、長い期間をかけてデータ収集をしなければいかぬのじゃないだろうか、こういう発想をしたわけでございます。この十年に延ばすものにつきましては、いわゆるオーファンドラッグのほかにも、非常に医療上必要性が高いものにつきましては、そういった扱いをせざるを得ないのじゃないかと思っております。 したがいまして、先生お話がありましたように、ただ単に患者数がふえたからといって、すぐそこで十年の再審査期間を六年に戻すというふうなことは、物によってそれぞれ違うんじゃないだろうか。しかも、この指定を受けて開発助成を受けるような品物につきましては、かなり医療上の必要性が高こうございますので、そういったことは単に機械的に処理するということではいけないのじゃないだろうか。その物の必要性を念頭に置きながら、弾力的に対応すべき一面があるのではないだろうかと思っております。
○五島委員 局長の言われることは私も基本的にはわかるわけですが、先ほど大臣も言われましたように、現状、日本の製薬関係の産業界におきましても、基本的には利益の追求ということの中でこれらの行為がなされている。そうした中において、医学上、医療上必要なものの開発はさせなければいけないという趣旨でもって、この法案をつくられているのだろうというふうに考えているのです。そういう意味では、一刻も早くそうした開発努力を進めていくという意味からも、その面からの配慮をぜひやっていただかないと効果が上がらないのではないかというふうに考えるわけです。 また、これとの関連の中で、この法案はいわゆるオーファンドラッグ、薬だけではなくて、医療上その開発が必要である医療用具も対象としておられるわけです。医薬品以外の医療機器あるいは医療材料も入るのかどうかわかりませんが、それらについてはどういうものを想定してこの対象にしようとしておられるのか、お伺いします。
○市川(和)政府委員 希少疾病用の医療用具といたしましては、医薬品の場合と同様に患者さんの数が少ないということで、しかも、いいものがなくて困っているという患者さんが多いというような状況を考えますと、例えば筋ジストロフィー等によります筋運動不能患者に用いる人工筋肉とか、肝硬変等によります重度の肝機能不全患者さんに用いる人工肝臓といったものを想定いたしております。
○五島委員 厚生省からお伺いしますと、人工筋肉、これは筋ジストロフィーの患者さんへの適用ということですが、それから人工肝臓、人工心臓、人工膵臓といったようなことをお聞きしております。今の技術のレベルで考えますと、例えば移植を前提とした応急処置といったものかなという感じもせぬわけではないのですが、いずれにしても、かなり大型の機器を対象としてお考えになっているというふうに感じております。 ところで、現在の日本の技術の応用によって、緊急度の高いものについても必要なものはたくさんあります。例えば一、二例を挙げますと、次世代のペースメーカーですね。今日のペースメーカーは、電池の寿命の関係もございますし、それから患者さんの運動によって心拍が一定になってしまうということでの無理、さまざまな問題がございます。次世代のペースメーカーというのは、現実に開発が可能ではないかと言われながら、まだ具体的に実現されていないというふうな問題もございます。 あるいは人工血管。まだ完全に血栓の除去ができないというふうなさまざまな問題、日本の現在の技術の中において、その応用において可能性が高いけれども、十分にそれの開発努力がされていない、そういうふうな医療機器があるわけでございます。 この部分についての区分け、先ほどおっしゃいました筋ジストロフィーの患者さんに対する人工筋肉は、オーファンということで話がわからないでもない。しかし、人工肝臓、人工膵臓、かなり大型の器械になりますが、これも器械の普及の状態によっては、人工心臓も含めましてどれぐらいの普及があるのかということを考えてみますと、果たしてオーファンなのかどうかという問題もあるわけでございまして、こういう医療機器についてはどういうふうな線引きをされるのか、そこのところをちょっとお伺いしたいのです。
○市川(和)政府委員 まず、先ほど先生の方から、医療機器については比較的大型のものだけを対象にしているのではないかというような御指摘もございましたが、私どもの方は、この法律の中では、小型の機器あるいは用具類でありましても、その対象となる患者さんが医薬品と同様一定数以下で、保健医療上特にすぐれた使用価値を有するようなものでありますれば、当然指定の対象になるというふうに考えているところでございます。 それから、御指摘がありましたペースメーカーだとか人工血管につきましては、本邦における患者さんの数もかなり多いのではないかというふうに推測されるわけですが、こういうものの開発は御指摘のとおり大変重要でございまして、私どもペースメーカーにつきましては、体内の幾つかのセンサーと申しましょうか、要素に反応できるような次世代のペースメーカーの開発を目指しまして、現在これは出資制度がございまして、この出資制度によりまして出資会社をつくりまして、研究を鋭意進めている段階でございます。 それから、人工血管につきましても同様でございまして、次の時代にはどうしても組織親和性の高い人工血管をつくっていかなければいけないということで、この点につきましても医薬品副作用被害救済。研究振興基金によります出資会社をつくりまして、国も出資いたしまして、同様に研究を進めているところでございます。
○五島委員 この法律はオーファンということが一つは大きなあれになっているわけですが、同時にエイズの治療薬といったような問題を考えた場合に、国民の医療の上において極めて緊急性が高く、開発が急がれる部分も含まれるような仕組みになっています。としますと、その点についての問題点は医療機器のところでもあらわれてくるだろうと思うわけです。 同じく対象の中で、この法律の中では、例えば先日アメリカと日本の企業との間で特許契約を結ばれたという、ラジオ放送しか聞いておりませんので、私は中身をまだ読んでいないのですが、皮膚の人工培養増殖によって本人に移植をするという技術がアメリカで開発されて、日本に導入されることになったというのがつい二日か三日前に報道されております。こうした培養増殖技術、いわゆる医療におけるソフト面のノウハウでございます。 これは例えば白血病患者に対する血中組織の培養であってみたり、幹細胞の培養であってみたり、本人の組織を本人に移植するというのは極めていいわけでございますし、また仮に第三者からそれをもらうとしても、そういう形でドナーになる方に対して非常に侵襲の少ない形で技術が普及できるということで極めて重要な技術なわけですが、こうしたソフト面での技術開発、これについてはこの法案の対象になるのかどうか。その辺はどうなのでしょうか。
○市川(和)政府委員 この法案におきましては医薬品の開発ということを目指しておりますので、ただいま先生御指摘ありましたような、例えば幹細胞の培養というようなかなり普遍的な、基盤的な技術を開発すること自体は対象にならないかと思うのでございますが、ただ、こうした技術そのものは、医薬品の開発にとって極めて重要なものでございます。 御指摘の技術開発につきましては、厚生省といたしましては、ヒューマンサイエンス振興財団というところを通じまして、官民共同研究の大きなテーマとして現在取り組んでいるところでございまして、今後もこうした基盤的なあるいは普遍的なと申しましょうか、技術開発につきましてはその推進を図ってまいりたい、このように考えております。
○五島委員 そうした分については別のヒューマンサイエンス振興財団でやっていくということですから、それはいいといたしましても、いずれにいたしましても、この法案の中で求められている内容というのが、一つは非常に希少な、すなわち珍しい疾患で、しかも重要な疾患、それに対する治療ということを前面に掲げておられるわけですが、同時に、国民の医療上緊急度の高い医薬品の開発あるいは医療機器の開発というものを挙げておられるわけでございます。 そういうふうな問題についての開発について、もちろん産業界にもその努力をお願いするということについてはいいわけでございますが、そうしたことについて実際に審査し、あるいは指導していく、チェックしていく。それは先ほど来問題と なっております、今回医薬品副作用被害救済・研究振興基金を改組して研究振興調査機構でやっていくということですが、果たしてできるのかどうか。先ほどのお話を聞いていても、そのスタッフで果たしてそういうものができるのだろうかなという不安を持つわけでございます。 この法案の中にもう一つ、希少疾患の治療薬に対して優先審査ということが書かれているわけですが、この優先審査の中身というものについて、それとの関連でお伺いしたいわけです。 通常、薬の開発については、さまざまな段階を経過した上においても、例えば百五十例とか二百例とかという臨床症例が必須であると思うわけですね。このオーファンドラッグの場合はもともと患者が少ないということで、かなりそれを少なくするのだというふうな話を聞いているわけですが、そのあたりはどういう形で考えておられるのか、優先審査及びそういう臨床治験というところにおいてどういうふうにお考えなのか、お伺いします。
○市川(和)政府委員 いわゆるオーファンドラッグの場合には、もともとそういった症例数といいましょうか、患者さんそのものが少ないわけでございますので、当然その症例を集めるということが困難になります。このために、優先的に審査をするという場合におきましても、そこに上がってまいります症例数が、御指摘のとおりかなり限られてくるというふうにならざるを得ないものと考えております。従来からもこういった医薬品については、どうしても一般の薬に比べますと症例は少のうございます。 こういう状況でございますので、通常、医薬品を許可いたしました後六年間、再審査期間といたしまして、その間にかなりのその後の症例を収集するわけでございますが、オーファンドラッグの場合には再審査期間を最長十年まで延長することといたしておりまして、その期間中は必要によりましては全症例について追跡調査を実施するというようなことによりまして、通常の医薬品よりも精密な使用成績調査をとっていきたい、このように考えております。 一つの事例でございますけれども、昨年許可になりましたオーファンドラッグの場合には、国内症例数が全部でも十数例というような事例もございますので、かなりの期間をかけましても、やはりそう多くの症例を集めるということはなかなか難しい状況でございます。
○五島委員 そのオーファンドラッグというところに限って見ると、今審議官おっしゃったように、十年間ぐらい全症例を追いかけてみないといけないと出てまいります。しかし同時に、この法案の中には、緊急性の高い、しかも必要度の高い医薬品が含まれるわけです。例えばエイズ。じゃ、そういうふうなものが入ってきた場合に、先ほど局長は、場合によったら十年間というふうな話もあったわけですが、この研究調査機構というところでそういうふうなことが物理的に可能なんですか。私は、どうも二つの要件が入っておりながら、それの実施主体をこういうふうな形で調査機構に任せてしまうことで、やっていけるのかなということで大変不安を持つわけですが、その辺はどうですか。
○岡光政府委員 調査機構にお願いをするのは、あくまでも審査に当たりましての同一性の調査でございます。しかも、この同一性の調査をやってもらう範囲は、私どもはそもそもは後発品が中心ではないだろうかと思っています。今御議論がありますのはまさに新医薬品でございまして、この新医薬品の開発そのものは、これはもう業務局みずからがやらなければいけないのじゃないだろうか。 そういう意味では、従来業務局が担当しているその仕事、いわば定型的な業務を基金の方にやってもらって、その余力を全部求められておる新薬の開発の方に振り向けよう、そういう発想でございますので、あくまでも基金の方は限られた品物の、しかも定型的な仕事である調査の仕事というふうに限定をしておりますので、先生御心配のようなずさんなことをやるんじゃないかというふうなことにはならないと私は思っておりますし、また、してはならないと思っております。
○五島委員 では局長、もう一回確認しますけれども、新薬あるいはそういう新規な医療機器についての追跡、認可事項については業務局でやっていく。それじゃ調査機構においてやっていくのは、既存薬品についての疾病対象をふやすとか、そういうふうな分だけなんですか。
○市川(和)政府委員 基金に委託いたしまして行う業務といたしましては、ただいまお話ございましたように、主として後発医薬品、既にあるものと同種同効品と申しましょうか、そういったものについての調査がまず主体になろうかと思います。それといわゆるオーファンドラッグにつきましての研究の助成、それから開発に当たっての相談あるいは指導と申しますか、こういった業務を基金が行っていくことになるわけでございます。 したがいまして、厚生本省の方におきましては、いわゆる新医薬品、新医療機器、そういったものについての審査事務を行っていく、こういうことでございます。
○五島委員 ちょっと審議官、その話おかしいじゃないですか。同種の薬品であるかどうかの調査ということになりますと、オーファンあるいは希少疾病の問題とは別なのですか。いわゆる先行薬品があって、そしてそれに対して、我々は通称バチと言いますが、それをまねしてつくられる、それの審査をここでやろうというのですか。そうなりますと、それはオーファンとは関係ないですね。
○市川(和)政府委員 ただいま私は基金に委託する業務を御説明申し上げたわけでございまして、もちろん最終的な承認というものは、あくまでも厚生大臣がおやりになるわけでございます、すべての医薬品であれ医療機器であれ。 そのうちで基金に委託いたしますものは、審査に絡む業務としましては、後発医薬品の同一性の調査と申しますか、これはかなり定型化された業務でございまして、先発品と成分なりその分量なり効能、効果なりが同一であるかどうかという調査事務がかなりの部分を占めますので、そういった後発品の調査業務につきましては、これは基金に委託をするということを申し上げたわけでございまして、これといわゆるオーファンドラッグの研究開発のための助成の業務、それからその相談に乗ってあげる業務というものは一応別でございまして、こういった業務も基金でお願いするということでございます。
○五島委員 外国製品との関係におきましても、日本の製薬業界は、非常に技術を輸入して、あるいは特許を買い取っての製造が多いわけですが、国内的にいいましても、御案内のように、日本の場合は先発メーカーの技術、特許が解けた段階で、さまざまな後発のメーカーがそれを大量につくっていく。そのことによって抗生物質なんかは極めて過剰につくられたりなんかしている場合があるわけですが、そうした日本の薬品業界の一番問題のあるそういうふうなところをここに渡していく、審査を委託していくということになりますと、この法律がオーファンドラッグを掲げながら一体何を考えているのかな。今の業務局の中において、現実的な業務としては、そこのところは非常に大きな問題のはずなのですね。 そういうふうなものを先ほど網岡議員や菅議員に対して御答弁あったような体制でやっていくということになりますと、ますます後発の類似医薬品ばかりが増大してしまうというふうな心配も持つわけで、それは必要な医薬品の開発意欲もそいでしまうのではないかというふうに思うわけなのですが、どうなんですか。実際それはできるのですか、それくらいの人員で。 これはオーファンに関連して、そういうことをここにやらすのかなとこの法案を読んで私は思ったわけですが、いわゆる後発医薬品すべての審査をそこに任していくということになりますと、これは膨大な量になりますね。それが本当にできるわけですか、この調査機構の中で、先ほどおっしゃったような人員で。
○岡光政府委員 審査を行うに当たりましては、まずその申請が出てきた医薬品が既存の医薬品と同一かどうかという調査が必要になるわけでございます。その調査の部分を特に後発品に限りまして基金にやってもらおうという発想でございまして、その調査が済んだ段階ではまた業務本省に戻りまして、その後の有効性なり安全性の審査は本省でやるわけでございます。 ですから、定型的にできる既存の医薬品との同一性のチェックだけ基金でやってもらう。しかもそれはいわゆる後発品を中心にやってもらって、新薬とか非常に新規性があるようなものにつきましては、初めの調査の段階から業務本省でやっていこう。非常に限られた品物についての限られた定型的な仕事を基金にやってもらうというだけでございまして、最終的な有効性なり安全性の確認というのは厚生省みずからがやる、こういうことでございまして、私どもが後発品の審査の仕事全部を基金の方にお願いするという発想では決してないわけでございます。
○五島委員 時間がありませんので次へ進みますが、もう一つこの法律、特にオーファンの部分についてお伺いしたいのです。 この法律は日本で存在する希少疾患を対象とする医薬品の開発を対象としているのですが、その場合、開発を行う企業が外国企業であったとしても、それは適用されるのかどうか。 あるいは、これからのこうした分野においては、エイズの事例をとってみれば明らかなように、一国だけで開発するということが非常に効率的に悪いという場合が当然あるわけです。アメリカなりフランスなりあるいは東南アジアの各国なりとの共同の上で、費用においても共同の上でそういうふうなものが行われるという場合が十分に想定されるし、また必要ではないかというふうにも思うわけですが、そうした場合に、そうした外国企業との共同開発あるいは合弁による開発といった場合についてもこの法律は適用されるのかどうか。その辺はどうなんでしょうか。
○丹羽国務大臣 まず先生、エイズの問題を御指摘になりましたものですから、あえて触れさしていただきますけれども、我が国においては、まだエイズの患者、感染者というのは三千人を超えたかどうかということであります。しかし、世界的には、WHOの推計でも一千三百万人を超えておる、こういうことで大変重要な問題となってきておるわけであります。我が国におきましても積極的にその開発を進めてきておるわけでございます。 まず、最初にお尋ねのありました外国企業への助成でございますが、外国企業が日本国内において開発を行う場合には今回の措置が適用される、こういうことで、当然のことながら承認も得ていただく、こういうことになっております。 また、戻りまして恐縮でございますけれども、エイズの医薬品の開発につきましては、諸外国との共同研究やあるいは研究者の派遣、招聘などをもう既に行っております。今後さらにこの点を充実していくわけでございますけれども、ほかのエイズ以外のオーファンドラッグについても、必要があれば国際的な共同研究の実施を今後積極的に行っていく決意でございます。
○五島委員 大臣についでにもう一つだけお伺いしたいのですが、エイズの問題についての大臣の今の御答弁でございますが、もう一つ、我が国においては既に基本的には制圧された疾病、しかし疾病構造の異なる他の国においてはまだ猛威を振るっている疾病がございます。例えば東南アジアなんかにおいて、日本においては既に克服されているけれども、外国において存在する数々の疾病がございます。結核なんかもそうなんですが、また熱帯病その他の病気も、日本においては極めて例外的であるが、外国においては多数あるという疾病がございます。 今、日本に対して国際貢献がさまざまな形で求められているわけですが、日本が他の国の保健医療の向上のために対しても、そうしたものが求められる場合というものがございます。ところが、今日の日本の中において克服された疾病については、日本においてもう既に薬がないんですね。したがって、寄生虫症にしてもあるいは熱帯病にしても、あるいはある種の伝染病に対しても、もう日本では余り患者がいないということで、薬がつくられていない。そういうふうな疾病を対象とした薬の開発というものについても、これを適用するおつもりがあるかどうか。すなわち、国際貢献という立場から見て、日本の医薬品生産という面から見てどうお考えか、お伺いしたいと思います。
○丹羽国務大臣 例えば南方地域における伝染病であるとか、こういった問題が先生が御指摘なさっている点だと思います。私どもは、WHOを通じまして、こういった医療貢献というものについては積極的に取り組んでおるわけでございますが、今御指摘がありましたようなところまでは、残念ながらまだ、最初の局長に対する御質問の中にもあって、答弁も申し上げたと思いますけれども、とにかく我が国の医療というのは輸入超でありまして、まだ輸出というのは、平たく申し上げまして、間違ったらまた後で訂正させていただきますけれども、医薬産業七兆円と言われている中でほんの一%弱、こういう状況の中で、まだまだ残念ながらそこまでいっておらないわけでございまして、今後の課題として十分に承っておくような次第でございます。
○五島委員 終わります。
○浦野委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時二十三分休憩 ————◇————— 午後一時十二分開議
○浦野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。草川昭三君。
○草川委員 草川であります。 今回の薬事法改正は、オーファンドラッグと審査業務の簡素化が基本と言われております。また、企業の負担の軽減と研究開発の促進を図ることが目的とされていますけれども、そもそもこの薬事法というのは規制法規という位置づけにあるのではないかと思います。 こういう中で、いわゆる法体系の異なる企業の育成という面が強く出てきておるわけでありますけれども、異なる法体系のもとに新しい企業の育成ということが果たして共存できるのかどうか、まず基本的な概念についてお伺いをしたいと思います。
○岡光政府委員 薬事法の究極の目的は、医薬品等を通じまして国民の保健衛生の維持向上を図るというところでございます。一方で、医薬品等の品質、有効性、安全性の確保を図るということを考えておりますのと、今回お願いをしたいと思っておりますのは、医療上必要な医薬品等の研究開発を促進して国民への供給を図る、こういうことでございまして、手段は異なりますけれども、国民の保健衛生の維持向上という目的は同じであるというふうに考えておるわけでございます。 特に、研究開発の促進ということをこの際お願いをしたいと思っておりますのは、医療ニーズがますます多様化しておるということと、それから、新薬の開発には多額の資金と長い期間を要しておりまして、やはり物によりましては、行政の方で支援をしてその研究開発の促進を図らなければ、国民に届かないようなものもあるわけでございますので、そういったところに重点を置きながら、研究開発の促進を図るということをお願いをいたしたいと思っておるわけでございます。 繰り返しになりますが、あくまでも国民の保健衛生の維持向上ということを目指しているものでございます。
○草川委員 今、手段は異なるけれども目的は同じである、特に研究開発という面で力を入れていきたい、こういう趣旨の答弁がございました。 研究開発ということを目指したということになりますと、従来もそれなりの厚生省の行政というのはあったと思うのでありますけれども、これで画期的なことになるのか。あるいはまた、従来の業務行政というものを振り返ってみますと、リストラというのですか、再構築の考え方がこの法案の中にうかがうことができるのかどうか。この将来方向がいま一つはっきりしないので、もう一度この法改正の考え方について明確にされたい、こう思います。
○岡光政府委員 いわば医薬品の安全性、有効性の確保という規制だけでは、国民が望んでおります必要性の高い医薬品の供給ということは不十分な面がございます。そういう意味では、従来の業務行政の枠組みでは対応できない部分が出てきたのではないかというふうに考えておるわけでございまして、従来からももちろん研究補助金などを出しまして、あるいは研究班などを組みまして、研究開発の促進もしておりますが、この際、法律の上にその研究開発の促進ということを明定することによって、時代の要請に即するように持って、いきたいというのが趣旨でございます。
○草川委員 今のお話で、従来の業務行政の枠組みから少し飛び出してみるというのですか、前向きに対応したいというようなお話がございましたが、今回のこの法改正の中で規制緩和という言葉が出てまいりますし、それから、都道府県の新しい窓口での対応ということが出てきております。 これはまだ細かい省令だとかいろいろなものが出ていませんのでわかりませんが、私が直感をしたところによりますと、都道府県の窓口の受付というのですか窓口業務というものは、結局厚生省の間接的な関与を受けるいわゆる下請化の始まりではないか、こんなような感じがするのでございますけれども、一体その点の疑問に対してどのようにお答えになるのか、お伺いをします。
○岡光政府委員 一つねらっておりますのは、審査の迅速化ということでございまして、そういう意味で医薬品基金を改めまして調査機構にしていただいて、しかも審査事務の一部の調査という仕事をやってもらいたい。このねらっておりますのは、外部にお願いできる仕事については外部にお願いをして、本省業務としては、新薬を優先的に取り扱って医療ニーズにこたえたいというのが趣旨でございます。 もう一点は、規制緩和ということでございます。先生御指摘がありましたように、法律の上では、都道府県知事に厚生大臣の権限を政令で定めるところによって移譲するということが既に認められているところでございまして、現在でも一部の許可業務につきましては委任をしているわけでございますが、平成七年度までに準備態勢を整えまして、都道府県にお願いできるような仕事につきましては、もちろんこれは医薬品の有効性、安全性を確保するという前提でございますが、これはお願いをしていきたい。 といいますのは、現在も業の許可とか品目の許可に当たりましては、その実地調査を都道府県にお願いしているわけでございまして、そういう意味で都道府県も実績がだんだん上がってきているわけでございます。問題のない仕事につきましては、権限を地方に移譲することは行政簡素化の趣旨にも合うのでないだろうか、また地方の業務行政の活性化にもつながるのではないかと考えているわけで、決して都道府県に仕事を押しつけて、何か下請のような格好にするのではない。むしろ地方には地方の業務行政の必要性があるわけでございますから、その中でこういった権限も譲り渡しながら、業務行政を充実していっていただきたいという発想でございます。
○草川委員 少し立ち入って恐縮ですけれども、例えば製薬メーカーが新しく工場を建設する場合が一つあったとします。その場合は、従来は厚生省に直接だと思いますけれども、今回の場合は都道府県で終わるのか。あるいはまた、新薬を開発したいといったような場合は、都道府県を通じてこれが上がってくるのか。少し具体的な事例を教えていただきたいと思います。
○岡光政府委員 まず、製造業の許可権限でございますが、非常に判断が難しいもの、例えば生物学的製剤とかいったような高度な製造技術を必要とするものを除きまして、厚生省の方で基準を設定して、全国的に統一的に、公平的に処理できるものにつきましては、製造業の許可権限を譲り渡したいと思っております。 それから、医薬品の承認権限につきましては、一般用の医薬品、それから医薬部外品を念頭に置きまして厚生省で承認基準を定めたいと思います。そして、承認基準が定められたものから、順次これらの医薬品の承認権限を知事に委任していきたいと考えております。あくまでも基準を設定して、安全性、有効性に問題がないことが確保できる前提のもとで、権限を渡せるものは渡していきたいという発想でございます。
○草川委員 そこは現実にどういう指導がなされるか非常に微妙でございますので、先ほど私は、間接的な関与が依然として厚生省にあるのではないだろうか、きちっとした役割分担というように線が引けるのかどうかという疑問があったわけであります。実はそこをもう少し詰めたいのですが、ちょっとそれは後回しにしまして、公正取引委員会の方が後の会議の都合もありますので、公取の方に優先的に質問したいと思います。 実は、薬の公正取引ということが長年叫ばれてまいりまして、いわゆる建て値制度が昨年から実施されてきているわけです。特に平成四年四月の薬価改正で医療用医薬品の薬価は引き下げられたわけでありますけれども、その後、私どもがいろいろとお話を聞いてまいりますと、医療機関への医療用医薬品の納入価格は上がってきているのです。医療用医薬品業界では、公正取引委員会が新しい仕切り価制というのですか、建て値制を指導したからこういうことになったのだと言っているようであります。 私どもが現実に診療機関を訪れますと、薬価が下がった、診療報酬ももちろん上げてもらった、しかし現実に医薬品の支払いはふえました。幾らぐらいふえたのですかといって私どもいろいろお話を聞いてまいりますと、一般の開業医で大体七%ぐらい上がっているというのです。それで、ベッド数が三百とか五百近いかなり大きなところで、納入価格は五%ぐらい上がっていると言います。 ちなみに、愛知県医師会調査室がつくった資料を私今ここに持っていますけれども、医療機関医薬品納入価格調査結果というものです。調査医薬品千六百五十一品目、いわゆる消費税込みで計算をしたそれぞれの数字が出ておりますけれども、昨年の四月来納入価格が三%なり五%なり、ひどい場合は七%上がっているという、比較はなかなか難しいのですが、そういう数字が出ております。上がるものですからやむを得ず卸を変えてみたりするので、単純に一年前に比べてきちっとした数字は出ないわけです。 こういうことが出ておるのだけれども、これは公正取引委員会がこういう指導をしたからこうなったんだ、どうも窓口ではこういう説明をしているようですが、公正取引委員会の見解を求めたいと思います。
○妹尾説明員 御説明申し上げます。 医療用医薬品業界におきまして過去とられていた価格形成の慣行といいますのは、メーカーが卸売業者の納入価格に深く関与するということがかなり頻繁に見られたわけでございます。 そこで、公正取引委員会といたしましては、そのような価格形成の慣行については、独占禁止法で禁止しております再販売価格拘束に当たる可能性がかなり強いということで、価格体系の見直しをお願いしたところでございます。それに対応されまして、業界では昨年四月以降着々と新しい価格体系、すなわち、先生御指摘の新仕切り価制という価格体系に移行されてきていると承知しております。 その価格体系のもとでは、流通当事者が各自の自由な意思で取引を行いますので、その結果、あるいは納入価格が上昇するということが見られるかもしれません。ただ、その結果、業績が変動するということで各流通当事者からおのおの意見が出る場合もあるかと思いますけれども、公正取引委員会としては、やはり法律違反の行為でございますので、それはやっていただいては困るということが基本でございまして、その結果、経営実績等に変動が生じたとしても、それは直ちに公正取引委員会が関与すべきことではないというふうに考えております。
○草川委員 要するに、いろいろと指導はしたけれども、結果については、自主的に決定をしておるので、納入価格が上がったということについては別だ、こういうような趣旨であり、そのことについて公正取引委員会が介入すべきことではないということになるのではないかと思うのです。 そこで、もう一問公取に質問したいのですが、医療機関への納入価格が今申し上げたように上がったことは事実なのです。その上がったことについて愛知県医師会の資料などを見ますと、薬価差が二三%ぐらい従来はあったのだけれども、昨年の四月以降は一八・四%、約五%これが縮小している。これは全医療費に対して一・七%切り下げられたことになり、実質収入は一六から二〇%切り下げられたことになる、こういうことを言っておみえになるわけであります。 このことについては最後に厚生大臣にお聞きしますから、その際に今の質問を含めて答弁をしていただきたいのですが、公取に対しては、こういう点に関して私はもう少し現場の実態というものを見ながら、例えば仕切り価格を何か話し合いをしておるのではないだろうか。あるいは値引きをしないように共同でメーカーが話をしている。もちろん、メーカーが直接交渉の現場に出てくることはだめだということになっていますから、メーカーは直接出てこないにしても、プロパーという名前はなくなりましたけれども、実質的にプロパーというべき存在の方々はお見えになるわけでありまして、メーカーの非常に強い意思が背後で動いておるわけであります。 実質的に値引き補償に相当するようなことをやめろというようなことがなければ、つい最近行われたような、いわゆる漢方の事例のようなこともあるのではないだろうか。なぜ大きな漢方メーカーがバックマージンというものを支払うのかということも、推察をしますとここへ戻ってくるのではないかと私は思うのです。この点についていま一度公取から、独禁法上の問題について、どういう場合にこれが適用されるのかを含めて、この際お答えを願いたいと思います。
○妹尾説明員 御説明申し上げます。 流通当事者がおのおのの自由な意思で取引を行った結果、価格が上昇した件につきましては、直ちに独占禁止法違反と言うことはできないと思いますが、先生が御指摘されました状況、例えばメーカーがメーカー同士で結託をする、あるいは卸売業者が卸売業者同士で結託をする、その結果納入価格が引き上げられているというような状況、これはカルテル的行為ということでございますので、そのような場合に公正取引委員会として厳正に対処することは当然でございます。 なお、実質的な値引き補償をしているような行為につきましても、同じように厳正に対処することも当然でございますが、私どもはその点につきましても、日常の業務を通じまして、業界にそのようなことはなさらないようにということを累々お願いを申し上げてきているわけでございます。 なお、医療用医薬品業界の流通改善につきましては、私どもも、もう長年やってきておることでございますけれども、今後とも状況を注視しつつ、重要な関心を抱いてまいりたいというふうに考えております。
○草川委員 ぜひ重大な関心を持ちながら、薬の納入状況というのをフォローしていただきたいと思うのです。また後ほど大臣に答弁をしていただこうと思いますけれども、診療機関の実質収入の低下というのは、二八%から二〇%近く切り下げられたことになるという調査結果もあるわけでありますし、一方、リベート提供ということについての関心を厚生省としても十分払いながら医療の現場を見ていただきたい、こう思います。それでは公取さん、結構でございます。 そこで、もう一度審査の方へ戻ってまいりますけれども、いわゆる医薬品メーカーの国際化というのですか、医薬品産業の育成をするというのが今回の大きな柱になっていると思うのです。 薬事法というのは大きな流れとしては規制法規だ、そういう中で育成ができるのかどうかということを最初に質問をしたわけでありますけれども、国際化ということを展望する中で、従来とは違った意味での厚生行政のあり方があってしかるべきだと思うのです。こういう言い方をしますと、本法律こそがステップだ、こういうような答弁になるのではないかと思うのでありますけれども、例えば、日本で承認された制がん剤のうちアメリカのFDAで認められているのはどの程度か、あるいは日本で開発をされた医薬品というのは現在世界に通用しているのかどうか、お伺いしたいと思うのです。
○岡光政府委員 世界に通用する医薬品が出ておるかということですが、過去、例えばアメリカFDAでの新薬の承認で日本オリジナルのものを振り返ってまいりますと、一九八〇年代になりまして相当品目数が多くなってきているのは現実でございます。七〇年代、六〇年代と比較しますと、大体そのころは十年間で五品目ぐらいしかございませんでしたが、それが八〇年代には二十品目ぐらいにもふえているわけでございまして、日本の医薬品メーカーも次第に画期的な新薬の開発力をつけてきているのではないかというふうに、FDAの数字などからもうかがうことができるわけでございます。 制がん剤につきましてはなかなかいいものが余り出ておらない。先生御指摘ありましたように二製剤ぐらいしかないのかなと思っておりますが、FDAを一つ例にとりますと、次第次第に力をつけつつあるというのが現状だと思っております。
○草川委員 午前中も制がん剤については意見が出ておるわけですが、今も答弁がありましたように、アメリカで認められた制がん剤というのは二つしかない、こういう状況であります。さりとて、日本の医養費の中に占める薬剤費というのは三〇%だ、こういうことが言われておるわけでありますから、日本の国民としては、世界で通用する薬というものが残念ながら患者に投与されていないということにもつながっていくわけであります。 そこで、メーカーが国際化を展望しながら医薬品産業として一体どのように発展をするのか、大変私どもは興味のあるところであります。日本は経済大国だと言われ、古くは造船、あるいは化学、あるいは鉄鋼、自動車、電機、あるいは半導体というように、世界の市場、産業の米とも言われるべきものを多く輸出をしておるわけでございますが、医薬品、特に世界の関心を呼ぶ制がん剤がわずか二つしかないという状況でありますから、医薬品産業の育成を一体どう考えられるのか、これはひとつ大臣から答弁をしていただきたいと思います。
○丹羽国務大臣 医薬品の国際化の問題だと思いますけれども、先ほど午前中の委員の御質問にもお答えをしたわけでございますけれども、現在、平成三年度で我が国の輸出は四百二十五億円ということで、まだ大変お寒い限りでございます。 しかし、近年我が国のメーカーそのものも、この問題に積極的に取り組むようになっておりまして、海外に工場をつくったりあるいは研究所を設けたり、さらに海外の企業と共同で研究する、こういうような動きが出てきておるわけでございます。いずれにいたしましても、これからも厚生省といたしましては、海外においても十分に太刀打ちできるような研究開発力を強化することが大変必要ではないか、このような認識に立つものでございます。 厚生省といたしましては、これらの共同研究を支援するほか、国際的な承認審査手続の調和、つまりハーモナイゼーションでございますが、ハーモナイゼーションの推進や知的所有権の保護及び各国の法制等に関する情報の収集、その提供等を通じまして、我が国の製薬メーカーが海外に進出していきやすいような環境づくり、このための整備を図っていく決意でございます。
○草川委員 ちょっと事務局に質問しますけれども、今大臣は平成三年で輸出が約四百二十五億というような言い方をされました。これは日本の医薬品の生産額の一割以下になると思うのですが、アバウトで結構ですから、どの程度か、お答え願いたいと思います。
○岡光政府委員 平成三年度で、今おっしゃいましたあれでは、割合は〇・七五%でございます。なお、これは先生御存じのとおり、最終製品の輸出額でございます。いわゆる原料バルクというのでしょうか、それを含めますと、原料バルクを含めた輸出額は千五百九十億になって、約二%強ということになるのだろうと思います。
○草川委員 原料バルクを含めても今の千五百九十億ですか、二%だ、こういうわけですから、これはどう考えても、これだけの日本の医薬品産業が世界の中に占める率というのが、一割も輸出をしていないという大変貧弱な状況だということは、抜本的な反省をしなければいけないし、日本のメーカーに強くそういうことについての指摘をしなければいかぬと私は思うのです。 そこで、今たまたま大臣の方から、日本の治験のあり方等についての承認システムについても答弁が出ておりますが、日本における治験のあり方について海外からかなりの批判があるやに、MOSS協議なんかでも出ておるように聞いております。その点の現状はどうなっておるのか、お伺いします。
○岡光政府委員 日本の審査システムに対しまして海外からそんな注文はないと思っておりますが、過去を振り返りますと、昭和五十八年に薬事法を改正いたしまして、外国企業が直接申請ができるようにした。それから、六十年から今御指摘がありました日米のMOSS協議などが始まりまして、審査の透明性ということが要請されました。そういうことを受けまして透明性の一層の拡大を図る。 それから、それぞれの製品につきまして標準事務処理期間というのを定めました。例えば医薬品で申しますと、申請してから一年六カ月の間に結論を出せ、こういうふうにタイムクロックの制度をつくったりいたしておりまして、そういう意味では、基本的には本質的な問題はそう指摘されていないと思いますけれども、日本の市場を開放しろということは要請されておりますので、そういう観点からノンタリフバリアなどということを言われないような、そういうシステムづくりはしないといけないと思っております。
○草川委員 その次に、この法案の中にも、医療上必要な医薬品の迅速な供給を図るために、いわゆる画期的な新薬と希少医薬品を優先審査を行うという言い方をしておみえになるわけでありますが、画期的な新薬だとかあるいは希少医薬品というのですか、オーファンドラッグというのですか、こういうものの判断はだれがするのか。例えば従来なら中央薬事審議会というような一つの機関があったわけでありますが、その種のものを想定しているのか、あるいは行政ベースで判断をするのか、お伺いをしたいと思います。
○岡光政府委員 まず、いわゆるオーファンドラッグにつきましては、大臣が指定することにしておりますが、この指定に当たりましては、中央薬事審議会の意見を聞いて指定をすることにしております。 それで、法律上も、そのオーファンドラッグの対象は、患者数が小規模だということと、それから非常に医療上有用性が高いといったことを規定しておりまして、その医療上有用性が高いというそういった観点につきましては、中央薬事審議会の意見を徴した上で基準を設定いたしたいと思っております。 それは、従来の治療方法と比較をいたしまして、その物質の構造とか薬理作用が新規であるということと、それから既存の医薬品によって適正に治療されない重篤な病気に有効な治療法を提供する、有効性または安全性の改善をもたらす、こういうふうな基準を念頭に置きまして、その優先審査を何にするかというときの基準にいたしたいと思っております。
○草川委員 オーファンドラッグについてはそういう定義だと思うのですが、俗に言う画期的な新薬というのはまた別にあるわけであります。その画期的な新薬についての判断というのは、非常に難しいものがあるのではないかと思います。 これは、厚生省の保険局が以前新しい薬価、新薬の算定方式の見直しをしたことがあるのですが、H2ブロッカー剤と貧血の治療剤の二種類を画期的な新薬のケースとして挙げたことがあります。これに対してメリット加算が最高になるものと例示をしたわけであります。しかし、抗潰瘍剤のH2ブロッカー剤を例にとりますと、今日では二番手に発売をされておりますところのザンタックが世界の主流だと言われているわけであります。 ですから、必ずしも先発品が有用性の面から見てすぐれているとは限らないわけでございますので、申請段階でそれをどう扱うかということが非常に重要になるのではないか、関係者はそういう心配を持っておるわけであります。 そのために、先発をしたメーカーの品にいわゆる特急券を与えて、これを優先的に審査をしますよということになるわけでありますが、仮に先発品を凌駕するというのですか、同じもののゾロではなくて、後から二番手が申請をする。ところが、実はその二番手の方が一番手よりすぐれているという場合だってあるわけでありますし、同じように、例えばエイズの場合でもそうでしょうけれども、三番手、四番手の製品に対しても同様な問題も出てくるわけであります。 そこで懸念をされることは、製薬企業の戦略上という立場から見ても、特急券を得るためにはまず何を明らかにして厚生省に申し出をするのか。全部オープンにして出してしまって、後のメーカーにそのノウハウを察知されるということでは困るわけでありますし、非常に微妙な駆け引きがここで出てくるわけであります。 そこで、私は、今まで厚生省なんかでメーカーの申請なんかも受け付けておるわけでありますが、その審議内容を公開をして、なぜ優先審査をするのか、あるいは何ゆえに優先審査の対象になったのか、いわゆる特許と同じような公開性が要求をされるのではないだろうか、こんなことを考えるわけでございますが、この点について厚生省の見解を求めたいと思います。
○岡光政府委員 優先審査をする対象品目の選定基準は、先ほど申し上げましたような考え方に基づきまして、これは公開をしようとしております。個々の品目につきましては、その基準に基づいて決定をすることにしております。そして、個々の品目の承認につきましては、これは優先審査の対象になったかどうかというのは明らかにすることにしておりますので、そういう意味では、優先審査の品目選定の公平性なり透明性は確保できると思っております。 これはもう言わずもがなのことでございますが、どういった審議をしているかということにつきましては、これはやはり秘密をちゃんと保持をしよう。しかしながら、その新薬についての情報を医療関係者に正しく伝えなければいけない。その点の調整をどうするかというので、私どもは、その審査の内容につきましては、その審査概要を今度は公開をしまして、いわゆるサマリーべーシスと言っておりますが、審査概要を公開して、医療関係者には、どういう新薬がどういう審査のもとで承認されたのかということをわかっていただくような別途の対応はしたいと考えております。
○草川委員 今回の法律によって、今の治験のあり方等々についていろいろな心配があるわけでありますけれども、後発メーカーというものの日本の製薬業界における位置づけを厚生省はどのようにするのかという問題が当然のことながら出てくるわけであります。 それで、オーファンドラッグ等として申請をするメーカーは、どうしてもこれは大手にならざるを得ないのではないかと思います。現在日本の医薬品を供給する製薬メーカーの中に、俗に言うゾロメーカーというのがたくさんあるわけであります。ゾロメーカーといっても大小さまざまでありまして、後発メーカーの中にも上場している企業もありますし、きちっとした安全基準によって製造をしておることは当然のことながら、かなり研究開発にも費用を投入しているのもある。しかし、ゾロの中には、俗に言うところの姿勢の悪い企業、あるいはすれすれのメーカーのところもあるやに我々承知をしておるわけであります。 でございますから、今回の法律というものをつくる段階の中で、一体厚生省は、今後日本のメーカーに対して非常に厳しい審査をする、あるいはそういう中で製造する、そういうことに耐え得る大手メーカーがどうしても中心になっていくのか、あるいは後発メーカーをこの際排除していくのか、あるいは自然淘汰を希望するのか。そこらあたりの将来展望を含めた日本の医薬品メーカー大中小に対してそれぞれどのような指導をされるのか、率直な見解をお伺いしたいと思います。
○岡光政府委員 我が国の医薬品産業の産業構造を考えますと、やはり大手と中小とがいわばそれぞれの連携を図りながら、それぞれの得意分野で仕事をしていくという体制を整える必要があると思っております。 平成二年二月に、私ども中小製薬企業のあり方に関する懇談会というのをつくって、そこで報告をいただいております。そこでも述べておられますが、各企業がその特色を生かす一方、必要に応じ協調、共同化を図りながら経営を強化していくことが基本であるというふうに指摘をされておりまして、私どももこの報告にあるような考え方で進めていくべきではないだろうかと思っております。いわば局方品のような基礎的な医薬品の安定供給のための配慮であるとか、それから、今回の法改正で後発品の承認審査につきましても迅速化を図りたいと思っておりますが、そのようなことを通じながら中小製薬企業の活性化を支援していきたいと思っております。
○草川委員 時間がございませんので少しはしょりますが、午前中も少し出ましたが、丸山ワクチンの治験の今後の展望についてお伺いをしたいと思うのです。 十二月二十日が三回目の延長の期限であります。現在患者が二十九万六千人、約三十万人が使用をしておるわけであります。日本のがん患者の推定は約三十万人。しかも日本医大に出向く新患というのが、新しい患者は三〇%を超しておるわけであります。当然のことながら年末の十二月二十圧に打ち切られるということになると、これは非常に重大な社会的な問題にもなるわけであります。 私どもは、さらに延長という前提で今後の厚生省の対応を求めたいわけでありますし、今日のこういう状況になってまいりますと、何も日本医科大学のみでの投与でなくてもいいのではないだろうか、登録をした診療機関においても同様な投与ができるようなことを求めたい、こういう立場から厚生省の見解を求めておきたいと思います。
○市川(和)政府委員 丸山ワクチンにつきましては、現在行われております有償治験の期間が、先生お話しのように本年の十二月二十日までということで予定をされておりまして、治験継続中という段階でございます。 その後の丸山ワクチンの取り扱いにつきましては、現在行われておりますこの治験の結果を待ちまして検討してまいりたい、このように考えております。
○草川委員 その答弁は午前中も出ておりますので、私は、先ほど言ったように、年末の十二月二十日の時点における再延長ということは、速やかに決断をされることを強く求めておきたいと思います。 そこで、今度は大臣にお伺いをいたしますが、実は大臣は二月の二十四日の予算委員会で、医療問題についてマルメ方式について質問があったときに、投薬や注射を抑えることによって老人がかえって元気になる、生活能力が向上したという発言をしておみえになるわけであります。私は、マルメ方式の一定の効果というのはあると思うのでありますけれども、マルメ方式によって投薬や注射を抑えることによって、老人がかえって元気になって、食事がおいしくなったという答弁を大臣が予算委員会の場でされたことについて、大変問題だと思っておるわけでありますので、改めて大臣の真意を求めたいと思います。
○丹羽国務大臣 まず、この問題につきまして、予算委員会で富塚委員の方からマルメ方式について御質問がございました。私は、入院医療管理科承認病院については、病状の安定した老人慢性疾患患者を対象としていることから、いわゆる点滴等の積極的な治療よりも、むしろ介護であるとか看護であるとか、こういったようなことを中心としたケアがまず重要である、こういう認識を申し上げました。 このような考え方に立ちまして、介護職員を手厚く配置できる基準とするとともに、看護料、投薬料、注射料、検査料を包括したもの、これがいわゆるマルメ方式であることは言うまでもないわけでございます。 入院医療管理料が平成二年の診療報酬で創設されましてから一年後の調査では、介護力の強化によるリハビリの実施回数の増加や日常生活介助の充実、ざらに入院患者のADL、例えば日常生活能力と呼んでいるのでしょうか、みずから体を動かすことになったとか、あるいはみずから口の中に食事を入れて食べるとか、こういうようなものが向上しておるという調査ができたわけでございまして、そのことをごく素直に申し上げた、御報告をしただけにすぎません。
○草川委員 もう時間が来たので、最後の一問で終わりますが、という今のような親切な答弁じゃなかったんですよ、予算委員会のときには。かなり激しい、何か病人が薬を投与しないために跳んだりはねたりするというような趣旨であったので、一言申し上げたわけです。 最後に、民間病院の経営が非常に苦しくなってきておるということは先ほども申し上げました。最後に大臣から、このような事態についてどう対処するのかということの答弁を求めて、質問を終わりたいと思います。
○丹羽国務大臣 民間病院が大変経営状況が厳しくなっておるということも、私も予算委員会でもたびたび表明いたしております。十分私もその認識は持っておるわけでございます。このため、民間病院の経営の状況につきまして、近く私どもといたしましては調査を行う予定でございます。 どういうところに民間病院の経営の悪化の原因があるのか。例えば、看護婦さんの不足というものが盛んに今指摘されておるわけでございますけれども、看護婦等の人件費の高騰によるものなのか、あるいは最近は次から次へ新しい高度先端医療というものが開発されておりますけれども、こういった医療機器の購入によるものなのか。さらに、先ほど先生が御指摘をいたしておりました医薬品の流通改善、この結果薬価差というものが縮まりまして、薬価差に依存する経営というものが一部の病院で行われていたということが指摘されておるわけでございますが、こういうものなのか。いずれにいたしましても、こういった総合的な面をひとつ早急に調べまして、八月ごろまでにはまとめていきたい、こういうふうに考えております。 私どもといたしましては、とにかく民間病院というのは、地域の医療におきまして大変多大なる貢献をいたしておるわけでございます。私もいろいろな友人がおりまして、最近はもう大変苦しくなってきておるということを再三にわたって聞かされておるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、本当に地域のために汗を流して一生懸命働く良心的な病院や開業医というものが、今後とも地域社会において十分に活躍、御尽力賜りますような環境づくりのために努力する決意でございます。
○草川委員 以上です。
○浦野委員長 児玉健次君。
○児玉委員 日本共産党の児玉健次です。 ある難病団体の責任者が、オーファンドラッグ法の制定を長年待ち望んでいたのでとてもうれしい、こういうふうに言われながら、私たちに対して、患者数が極めて少ない難病は、ここで例えば五万人以下というふうに述べられていることから、もしかしたら除外されはしないか、こういう心配を披瀝されています。 厚生省は昨年三月、異型高フェニルアラニン血症の治療薬を認可したと聞いておりますが、この疾病の国内における患者数は何人でしょうか。
○岡光政府委員 正確ではございませんが、十八人ではなかったかと覚えております。
○児玉委員 十八人の患者に対してビオプテンという薬を認可された。このオーファンドラッグ法が存在しない段階で厚生省はこういう薬品の認可をしたわけですから、この法律において患者数が極端に少ないからといって法の適用から外すことはないと思いますが、いかがですか。
○岡光政府委員 おっしゃるとおりでございまして、指定対象として考えたいと思っております。
○児玉委員 さて、今度の法案の中身に入りたいのですが、改正されようとしている薬事法第十四条の二、そこで厚生大臣は、今度基金から機構に名前が変えられようとしている組織に対して、医薬品等の審査における有効性、安全性に関するもののうち、政令で定めるものの全部または一部を行わせることができる、このようにしております。政令でどのような内容の調査を行わせようとしているのか、明らかにしていただきたい。
○岡光政府委員 承認事務の一部でございまして、いわゆる既存の医薬品との同一性の調査の部分を考えております。
○児玉委員 今度機構となるこの組織は、そもそも医薬品の副作用による健康被害の迅速な救済を図ることを目的として発足しております。医薬品の開発に関する試験研究に対する指導助言、医薬品の製造についての承認、その際の審査等は、本来厚生大臣が国民に対して直接責任を負って行うべきものである、このように考えます。機構に厚生大臣が行うべき職責の一部を委託する場合も、極めて限定的でなければならないと考えますが、いかがですか。
○岡光政府委員 おっしゃいますように、限定的にすべきと私どもも考えております。したがいまして、医薬品のうちでもどのようなものをまず対象にするかでございますが、基本的には医家向け医薬品のうちでも後発品、それから一般医薬品をあえて対象に挙げられるかなと考えております。 それから、審査事務の中でも、まず承認申請が出てまいりました品物につきまして、既承認の医薬品と成分、分量、製造方法、用法、用量、効能、効果等につきまして同一かどうかという調査をするわけでございます。これはそういう意味では非常に画一的な調査でございまして、その部分を基金にやってもらうということでございまして、その調査の仕事が済みましたらそれを厚生省に戻しまして、その後の有効性、安全性のチェック以降の仕事は厚生本省でやるということでございます。
○児玉委員 きょうの午前中も、この新しくできる機構、名前を変える機構が企業から徴収する手数料の問題についても若干の論議がありましたが、先日、大臣の趣旨説明のとき配られたこの資料の八ページをちょっとあけていただきたいのです。 この機構に対する業務の追加、この基金法の第二十七条第二項の関係ですが、そこで明確に「希少疾病用医薬品に関する試験研究に係る指導及び助言を行うこと。」と限定的に述べていると思うのですね。一般医薬品についてもし広げるとすれば、この規定との矛盾が出てくる。どうですか。
○岡光政府委員 基金に業務を追加をしてもらう関係で、今お話がありましたこの法案参考資料の八ページでございますが、ここは希少疾病用医薬品に関する試験研究に係る指導助言ということで、対象物品を希少疾病用医薬品に決めております。これはことしの十月から施行されるというものでございます。 そして、それ以外のものにつきましては、この同じ資料の十一ページの(1)のところに「行政庁の委託を受けて、医薬品の審査に必要な調査その他医薬品の品質、有効性及び安全性の向上に関する業務を行うこと。」これによって広くその委託を受ける体制ができるというふうに考えています。これは施行の関係が来年の四月ということでございます。 法律の上では施行日ごとに条文を分けて整理をしておりますので、先生の御指摘の点で、八ページに書きましたことと十一ページに書きましたことが若干区分けされておりますが、そういう意味では広く基金に仕事をお願いしたいという趣旨は、全体を読んでいただきますとそういうセットになっているわけでございます。
○児玉委員 私が言っているのは、広く機構に業務を委託するのではなくて、委託する場合は極めて限定的でなければならないという意味で述べているのですが、どうですか。
○岡光政府委員 基金に仕事をしてもらおうと思っておりますのは、おさらいをいたしますと三点ございます。 一つは、いわゆるオーファンドラッグ、オーファンデバイスの開発の助成金を流すという助成の仕事でございます。それからもう一つは、審査の仕事につきまして、その一部を厚生大臣の委託を受けてやるということでございまして、この審査の仕事につきましては、審査の仕事のうちの調査に限定をいたします。そして、その調査をする品物、対象の医薬品も、医家向け薬品ですと後発品の医家向け薬品に限定していこうではないかということで考えておるわけです。もう一つは、医薬品の開発そのものにつきましての指導助言を一般的に行ってもらおう、この三本から成り立っているわけでございます。
○児玉委員 今の点は、厚生省及び厚生大臣が責任を持って行うべき事柄の中で、特に国民の命と健康に深い関係がある薬品に関する部分は、厚生大臣が直接責任を負うべきであって、もしこの機構その他に委託する場合も限定的でなければならぬという主張を改めてして、この後の運営を見ていきたい、私はそう思います。 そこで、この基金が行うべき本来の業務、医薬品の副作用により被害を受けた多くの人たちに、例えば現行の基金法の第二十七条において「救済給付の支給に係る者について保健福祉事業を行うこと。」こうなっております。保健福祉事業というかヘルス事業というか、これを厚生省が積極的に推進することについて期待が寄せられています。この保健福祉事業を厚生省としてはさらに強力に推進すべきだと思いますが、いかがですか。
○岡光政府委員 先生御存じのとおり、いろいろ研究テーマを決めまして、その研究テーマごとの診断と治療とかあるいは予防・治療とか、そういった研究事業を保健福祉事業ということで進めているわけでございます。その治療方法なんかに関する研究につきましては、大いに今後とも進めていきたいと考えております。
○児玉委員 この新しい法律が希少疾病の一つとしてエイズを挙げていることとも関連して、二、三お聞きしたいと思います。 今、多くの感染者及びその家族が心から願っているエイズの根治療法、根本的な治療法、とりわけ抗エイズウイルス薬、ワクチン、これらの研究は現在どのあたりまで到達しているか、もしこの開発について困難があるとすれば、どんな点が開発上の困難として意識されているか、この点について伺います。
○市川(和)政府委員 エイズの治療薬といたしましては、先生も今お話ございましたように、エイズの発症予防を目的としますワクチン、あるいはエイズウイルスそのものを死滅させる抗ウイルス薬、こういったものの開発に向けまして、現在世界じゅうで多くの研究が行われているところでございますが、現在までの段階では成功いたしておりません。 その背景にあります一つの大きな要因は、エイズウイルスの構造というものが非常に変化しやすいことがあるのではないかというふうに言われておりまして、このことが非常にワクチンをつくりにくくしている。あるいは、抗ウイルス剤に対して耐性というようなものを非常に招来しやすいというようなことがございまして、相当困難をきわめているというところでございます。 しかし、この問題は非常に重要な問題でございますので、私どもとしても積極的に研究に取り組んでいるところでございます。
○児玉委員 最近エイズと結核の関連について随分問題の重要性が指摘されております。一方で、結核を専門的に研究されている医学者の減少の問題も相当重要な問題と私は考えています。そこで、この結核とエイズの関連疾病をこの後どう抑えていくか、この点で厚生省が現在打っている対策についてお答えいただきたいと思います。
○谷政府委員 エイズと結核との関係でございますが、御承知のように、現在我が国のエイズの患者は、ことしの二月末で患者が五百五十四人、それから感染者が二千六百一人という状況でございます。 エイズ患者で結核を合併したケースというのは、既にアメリカなどでは大変多く報告をされ、深刻な問題になっているわけでございますが、幸い我が国では、私どもが聞いている話では数例で、近くこれについては結核病学会において発表されるというふうに承知をしております。ただ、いずれにしても、今後のエイズの問題との関連において、結核との合併というのは非常に重要な課題だというふうに認識をしております。 平成五年度の事業といたしましては、エイズに結核を合併した患者さんを治療するというようなことで、モデル病室というようなものを整備をしていきたい。そういうことによって、ひとつこの問題の事業について国としても対応していきたいというふうに考えております。
○児玉委員 それでは最後に、これは丹羽大臣にお伺いしたいのですが、エイズに関連した厚生省の科学研究費、九三年度予算で幾らになっているか。伺うところによれば、九二年におけるフランスのこの分野の研究費が四億五千万フラン、百億円弱ですね。そして、フランスのパスツール研究所だけでも八千六百万フラン、二十億円弱、この程度の研究費を持っています。日本で今言ったような根治療法を進めていくために、この分野の研究費を思い切って強化しなければならないのじゃないかと考えますが、大臣の御意見を聞きたい。
○丹羽国務大臣 エイズの治療法などの新しい開発というものは、一日も早くその実現が望まれておるところでございます。 先生も御案内のように、エイズの治療薬といたしましては、現在AZT、いわゆる感染者の発病を遅延させる、こういうものがあるわけでございますけれども、感染そのものを防止するようなワクチンであるとか、それから患者になってからそれを食いとめるというのは、現在残念ながらまだ発見されておらない状態でございます。根本的な治療薬につきましては、大変残念なことでありますけれども、今世紀中にはなかなか困難である、こういうような考え方がよく言われておるわけでございます。 厚生省といたしましては、大変大きな問題でございますし、平成五年度におきましては、前年度のおよそ三倍の四十一億円を計上いたしております。この四十一億円で、今後とも基礎研究であるとかあるいは国際研究協力など一層の研究の推進を図っていきまして、いずれにいたしましても、一日でも早くエイズの治療法、治療薬が確立されますよう、全力を挙げることをお誓いを申し上げます。
○児玉委員 終わります。
○浦野委員長 柳田稔君。
○柳田委員 午前中からの審議の中にも、薬価差の問題がいろいろと出ております。この時期ですと確定申告ということで、よく高額所得者とかが新聞に出る時期でもあるのですけれども、新聞を見ておりますと、高額所得者の一番上にお医者さんが来ておる。一方、脱税の上にも病院の人も多い。しかし、最近そう言うと、政治家が一番脱税しているんじゃないかと言われる時代になりました。 そういうふうな病院の状態にあるわけなんですが、逆に病院自体の経営が苦しくなってきたという声もよく聞かれるように相なりました。何で苦しいのかというふうにお尋ねをしますと、薬価差の縮小が経営を圧迫しておるというふうな理由でございます。だから、ある面では大変いいようにも聞こえるのですが、ある面では大変経営が厳しい、そういうふうに大変いびつな状況が今あるのではないかなという気がしているわけであります。 流通改善、厚生省が多分この担当といいますか、指導をしているわけだと思うのですけれども、厚生省の立場から今の医療機関の経営状態をどのようにお考えになっているのか、御説明をお願いしたいと思います。
○寺松政府委員 医療機関の経営の問題でございますけれども、私ども公的な病院についてはかなりのデータを持っておりまして、年々経営は悪化の傾向にあります。ただし、今先生おっしゃっておりますように、ほとんどの民間病院の実態につきましては、御承知のように日本の医療の中で大きな役割を占めておるわけでございますけれども、経営実態はよくわかっておりません。 そこで、私どもは、何が今民間医療機関の経営を悪化さしている原因なのか、その辺の実態を十分把握してみたい、こういうように考えております。この場合には、医療関係団体の協力も得まして調査をやるということになると思いますが、現在その準備を進めております。一応私どもは夏ごろをめどに調査の結果を得て、そして本年度検討会を設けることにいたしておりますので、それの中でいろいろと検討をしていただきたい、このように考えております。
○柳田委員 今の医療機関の経営状態が大変苦しい、しかし、我々国民から見た目とは大分違うなという感じは大分以前からあったわけであります。今回調査をされて検討されるということでありますので、できるだけ早く実施をしてもらいたいし、その結果について早い段階で状況判断もしていただければと思うのですが、この調査の結果あるものが出た、そういう場合にはどのようにその結果を活用する御所存なのか、わかる範囲で結構ですから、御説明を願えればと思います。
○寺松政府委員 経営悪化の原因は何かということにつきまして、先ほど大臣からも御答弁を申し上げましたが、看護婦等の人件費の増、あるいは薬価の改定等に伴います差益の減少とかいろいろなことが言われておりますが、どのようなことが大きな理由なのか、その辺も十分把握した上で、私どもその所要の対策を考えてまいりたいと思っております。
○柳田委員 できるだけ早く対応策を考えていただきたいなと思う次第であります。 これから調査をされるということでありますけれども、薬価差が縮小して利益が少なくなったという反面、逆に診療報酬ももっと正当に評価してくれないかという声が大分聞こえるわけなんです。この診療報酬について、さらに何らかのことを配慮しなければならない時代ではないかと思うんですけれども、いかがでございましょうか。
○丹羽国務大臣 診療報酬の改定に当たりましては、従来より医療経済実態調査を実施をいたしまして医療経営の実態を把握し、物価及び賃金の動向、さらに医療を取り巻く諸状況というものを総合的に勘案するとともに、中央社会保険医療協議会の御審議を踏まえまして、その上で全体として健全な医業経営が行われるような体制をつくってきた、こういうような仕組みであることは先生も十分に御承知のことと思います。 医療機関の経営状況につきましては、平成四年の四月の、これはかつてない大幅な引き上げでございました。五%引き上げでございまして、診療報酬改定の効果によって改善されているところも出ているということも聞いておるわけでございますが、全般的に大変医療機関の経営が厳しくなっておる、私自身もこういう話を聞いておるわけでございます。先ほどからその原因についていろいろ私なりの考え方を申し上げておるわけでございますけれども、いずれにいたしても、ただいま健政局長から申し上げましたとおり、近く緊急に調査をいたしまして実態をまず把握したい、まずそのことが一番の先決でございます。 そして、来年の四月には診療報酬の引き上げが行われる予定となっておるわけでございますので、これに向けて六月には医療経済実態調査を予定をいたしておりまして、こうしたことも十分に念頭に入れながら、ひとつ中医協の御審議を踏まえて、いずれにいたしましても、民間の医療機関というのは、地域において大変地域医療のために御貢献を賜っておるわけでございますので、良心的な民間の医療機関がこのことによって大変大きな打撃を受けないような環境をつくるために、全力で頑張っていく決意でございます。
○柳田委員 医療機関の経営というと診療報酬だけでもないでしょうし、お薬の問題もあるでしょうし、人件費の問題、いろいろあるかと思います。先ほどの御答弁で調査をされるということでありますから、今回それを踏まえて総合的にいろいろな手だてを打たなければ、病院もさらに厳しい状態になるかというふうに思いますので、来年に向けいろいろと御努力をお願いしたいと思います。 次に、製造物責任制度についてお尋ねをしたいのであります。適正使用も含めまして、医薬品の安全性の向上には一層努力をしていただきたいと私も考えておる次第でありますけれども、不幸にして消費者に被害が起きた場合の救済措置も十分考えなければならない点だと思います。 昨年、国民生活審議会で製造物責任制度について答申が出されました。今回もオーファンドラッグということでいろいろと支援をしようということ、私自身も賛成であるわけでありますが、この製造物責任制度について答申が出されたことに対して、厚生省としてどのように検討をなさっておるのか、医薬品について今の状況を御説明願えればと思います。
○岡光政府委員 先生御指摘のありました国民生活審議会におきまして、「引き続き関係者の十分な理解を得るための努力を行うとともに、関係省庁においては所管の製品につき検討を進めること」、こういうことになっております。 これを受けまして、私ども昨年十月に業務局に二十一世紀の医薬品のあり方に関する懇談会を設けまして、専門家を集めましていろいろ御検討いただいておりますが、そのテーマの一つにこの製造物責任問題を掲げておりまして、それについては五月ごろをめどに基本的な方針を決めてもらいたいと思っております。医薬品の特性を考えながら、一方で消費者保護をいかに図るか、その点の基本方向をまとめていただきたい。 そして、それを受けまして、中央薬事審議会におきまして、医薬品にふさわしい製造物責任のあり方はどうなのかということで、秋ごろを目途に最終的なお考えをまとめていただきたい。そういったことを結果といたしましてまた国民生活審議会に反映をして、政府全体で考え方をまとめていく、そういう手順だというふうに承知をしております。
○柳田委員 今回のこの法案、オーファンドラッグをいろいろと国として支援をするということでありますけれども、この法案と製造物責任制度、この制度の精神から考えた場合に、今回の措置については何らかお考えが出ているのかどうなのか、もしあれば御説明していただければと思います。
○岡光政府委員 直接はなかろうと思っております。やはり医薬品につきましては、もう申し上げるまでもなく、副作用という製品に内在する危険性があるわけでございまして、これを完全になくすることは恐らく不可能だろうと思います。それから、既に副作用被害救済制度という、裁判ではない裁判外の救済制度が存在しているわけでございます。ですから、そういうことを前提にして、医薬品にふさわしい製造物責任のあり方というのを論じてもらおうと思っておるわけでございます。 今回の法改正は、むしろ国民の医療上の必要性にいかに対応するか、開発が促進されていない医薬品あるいは医療用具につきまして、それが経済的な見返りが少ないから放置されておるというのはいかにもひどいではないか、その点を支援をして国民の医療ニーズにこたえようというのが主眼点でございまして、ちょっと製造物責任とは、もう一つ何か議論をする必要があるんじゃないだろうかと思っております。
○柳田委員 今局長がおっしゃったとおり、副作用を完全にゼロにするのは不可能であろう。しかし、不可能であっても、もし実際に起きた場合、そして製造物責任法がもし成立していた場合、薬品会社、国の責任はそこで大変強く追及をされるようになるかと思うのです。まだ法案ができていないからいいや、不可能かもしれぬけれども、まあ出てもいいやというふうな姿勢でいた場合には、将来に大変大きな禍根を残すことにも相なるのではないかと思う次第でありますから、今回も運営面に当たっては相当の配慮をして、いろいろな面に御指導願えればと思います。よろしくお願いします。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○浦野委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○浦野委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 内閣提出、薬事法及び医薬品副作用被害救済・研究振興基金法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○浦野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○浦野委員長 この際、本案に対し、山口俊一君外四名から、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党の五派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。網岡雄君。
○網岡委員 私は、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。 薬事法及び医薬品副作用被害救済・研究振興基金法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、適切な措置を講ずべきである。 一 難病、エイズ等に対する医薬品等を一日も早く医療の場に提供するために、医薬品副作用被害救済・研究振興基金による開発助成の充実等希少疾病用医薬品等の研究開発促進のための諸施策の充実強化に努めること。 二 医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構の新業務が適切に行われ、副作用被害救済業務等従来の業務が今後とも円滑に運営されるよう、体制の整備を図ること。 三 業務行政における国と地方の役割分担の在り方を踏まえ、医薬品製造業等の許可権限等の地方委任を進めること。 四 難病治療薬の開発を強力に進めるとともに、患者の負担にも配慮しつつ、難病対策の充実を図ること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○浦野委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 山口俊一君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○浦野委員長 起立総員。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付することに決しました。 この際、丹羽厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。丹羽厚生大臣。
○丹羽国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力いたす所存でございます。 —————————————
○浦野委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浦野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○浦野委員長 内閣提出、福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。丹羽厚生大臣。 ————————————— 福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法 律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○丹羽国務大臣 ただいま議題となりました福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律案につきまして、提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 老人や障害者が自立し積極的に社会に参加していくためには、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」等に基づく保健福祉サービスの充実とともに、各種の福祉用具の利用が近年、ますます重要となってきております。 こうした状況を踏まえ、老人や障害者の自立を促進し、介護者の負担の軽減を図るため、福祉用具の研究開発とその普及を促進することとし、この法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、厚生大臣及び通商産業大臣は、福祉用具の研究開発、普及の動向やその目標、施策の基本的事項等を定めた基本方針を策定することとしております。 第二に、国、地方公共団体、福祉用具の製造業者、老人福祉施設等の開設者は、福祉用具の研究開発とその普及を促進するための責務を負うものとしております。 第三に、厚生大臣が指定する法人に、福祉用具の研究開発とその普及に対する助成等を行わせることとしております。 第四に、新エネルギー・産業技術総合開発機構は、福祉用具の技術の向上のための研究に対する助成等の業務を行うこととしております。 第五に、市町村は、福祉用具に関する情報の提供、相談等を積極的に行う一方、都道府県は、専門的な知識及び技術を必要とする福祉用具に関する情報の提供及び相談を行うとともに、市町村に対し、助言その他の援助を行うよう努めなければならないこととしております。 なお、この法律の施行期日は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日としております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○浦野委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○浦野委員長 この際、連合審査会開会に関する件についてお諮りいたします。 ただいま本委員会において審査中の内閣提出、福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律案につきまして、商工委員会から連合審査会開会の申し入れがあります。これを受諾するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浦野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 なお、連合審査会の開会日時等につきましては、商工委員長と協議の上決定いたしますが、来る七日水曜日午後一時から開会の予定でありますので、御了承願います。 次回は、来る七日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時四十一分散会 ————◇—————