建設委員会 第3号
- 発言数
- 157 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1993/02/24
会議録
○野中委員長 これより会議を開きます。 建設行政の基本施策に関する件及び国土行政の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木間章君。
○木間委員 おはようございます。 先般行われました両大臣の平成五年度の所信表明に対しまして、若干の意見も添えさせていただきながら、質疑に参加したいと思っております。 まず第一番目に国土庁長官にお尋ねをしたいの でありますが、四全総は均衡のとれた国土建設を目標に設定をされたのでありますが、今日有効に働いているのかどうか、私は、皆さんの方向と違った方向へどんどん進んでいるのではないだろうか、このように実は受けとめておるのであります。 東京は我が国の首都として発展してまいりましたし、とりわけ近年金融、情報、人材が集まって、世界の中枢都市として拡大を続けております。大きくなり過ぎた東京は、土地住宅問題、交通悪化、環境の悪化、水、ごみ処理問題を抱えまして、集積の利益よりもはるかに超えて大きな弊害をもたらしているのであります。反面、地方はとめどもなく人口減少で、地域社会の維持すら危ぶまれるような実態にありまして、つまり過疎化が進んで大変深刻な状況であります。 政府はこれを是正しようということで、一極集中を是正して均衡のとれた国土建設をするのだとして、一九八七年六月、第四次全国総合開発計画をつくりました。しかし、先ほど申し上げましたように、皆さんの期待とは全く逆に集中化はとまらない、過疎化はとまらない、四全総の掲げられた政策手段は有効に機能していない。きつい言い方になりましょうが、むしろその内容に誤りがあったのじゃないだろうか、このように私は感ぜられるのであります。 世界の主要国と比較してそれほどもてあますような広い国土ではありませんが、国土利用は偏り過ぎておる、今日の皆さんの手法での国土利用は偏り過ぎておる、このように受けとめておるわけですが、長官の認識、あるいはどうしなければならないのか、そういうことについて、最初にお尋ねをしたいと思います。
○井上国務大臣 おはようございます。 ただいま先生御指摘のとおり、四全総におきましては、昭和六十二年に作成されましたが、東京一極集中を是正して多極分散型の国土形成を図ろうということを中心課題として作成されたわけであります。そのために私ども、地方拠点都市の整備とか、あるいは多極法に基づく振興拠点地域の開発整備、あるいはテクノポリス法、頭脳立地法、いろいろな手段を講じてまいりました。しかしながら、最近の情勢を見ますと、東京圏におきます人口の社会増、これは六十二年に十六万でございましたのが、平成三年には八万とやや鈍化をしておるという兆しはございますけれども、また、工場、研究所等の立地も地方に展開をしておるという事実がございますけれども、なお、御指摘のように、東京一極集中は依然として進行しております。 先生おっしゃいましたように、東京は大きくなり過ぎた、メリットよりもむしろ住宅問題、通勤問題、過密に伴ういろいろな弊害が生じておるということは事実でございます。四全総の目指すところが順調に進捗しておるとはなかなか言えない状況であるということは、私どもも認識をいたしております。これからまた、昨年成立させていただきました大阪湾臨海地域開発整備法とかあるいは国会等の移転法、こういうものもおつくりいただきましたので、こういう施策の推進に努めて東京一極集中を是正して潤いのある国土にしたいということで、なお一層四全総の中心課題の推進に努めたいと思っておりますが、既に六年近くたっておりますので、ただいま国土審議会におきまして四全総の総点検という作業をやっていただいております。この総点検、急いでやっていただいております。どういう点に誤りがあるか、どういう点を是正すべきかということにつきまして研究をしていただいておりますが、できるだけ早くその結論をいただきたいと思っておる次第でございます。
○木間委員 国土庁長官から、六年間たって今審議会などで六年間の総括をされておる、そのことは、それなりに時代に合った状況ではないだろうか、私もこうは思っております。しかし、新年度の所信表明の文章を見ましても、今まで続けてきた流れをさらにそのまま継続していくんだという域を出ていないと、やはり私は思うのですね。 大阪湾ベイエリア法も完成いたしまして、これから関西圏においても新しい施策がなされるでありましょうが、これとて、やはり地方からの、何といいましょうか、スポイトの役割を果たすのじゃないだろうかと考えられるわけです。しからば、東京圏の解決にはほど遠いでありましょうし、地域の過疎化はさらにとまらないであろう、こう思うわけであります。 結局、やはり思い切った大手術が必要ではないだろうか。長官もおっしゃられたように、国会等の移転といったハードなものを随所に織り込んでいかなかったら、これらのものはなし遂げられないであろう、とまらないであろう、私は実はこう感ずるところです。 それで、地方もただ手をこまねいておってはいかぬということで、国の総点検に合わせまして第二、第三の国土軸もぜひつくろうじゃないか、こういう息吹が出てきております。東日本の第二国土軸構想、あるいは西日本の第二国土軸構想、さらに、日本海沿岸の国土軸構想、こういった機運が出てきております。したがいまして、先ほどの長官のお返事にも想像されるわけでありますが、四全総はもうここで転換のときではないだろうか。したがって、五全総といいますか、新しい全国総合開発計画に一歩二歩大きく踏み込まれていいのじゃないだろうか、このように実は思っておるわけです。そのときにやはりソフトの面よりもハードの面にウエートをかけた内容を持った展開をすべきだろう、こう思っておりますが、大臣の感想をちょっとお聞かせいただければと思っております。
○井上国務大臣 先ほど申し上げましたように、ただいま四全総につきましては、国土審議会で総点検をやっていただいておりますが、できれば早く結論を出していただきたいと思っております。いろいろな点で、せっかくやった施策がむしろスポイト現象、ストロー現象とでもいうのでしょうか、過密過疎を激化するというような結果になっているという現象もございますし、その辺もしっかりと研究をしていただきまして、遅くともことしじゅうには結論を出していただきたいな、こういうふうに思っております。この総点検の結果によりまして四全総を見直して、大転換が必要であれば、おっしゃるような全面的改定といいますか、五全総という問題も出てくるのではないかと思っております。 それから、先生御指摘の国土軸のことでございますが、御指摘のとおり、今東北、東日本の方へ国土軸を、それから西日本の方へ、四国を通って大分県の方へ国土軸を、それから日本海沿岸をずっと通ります国土軸というようないろいろな構想は出ておりますし、私どもなりに研究をいたしております。 恐らく、こういうところで私が予想を申し上げるのはいささか逡巡するわけでございますが、仮に全国総合開発計画を改定するとすれば、この次はこの国土軸という考え方が中心になってくるのじゃないかなという感じすら私は受けておる次第でございます。 また、この国土軸という問題がクローズアップされてまいりましたので、わずかではございますが、平成五年度に国土庁も調査費を計上いたしまして、国土軸に関する研究調査を展開していきたい、こう思っておる次第でございます。
○木間委員 一極集中の裏側には過疎があるということも指摘しましたし、長官もお認めいただいておるわけでありますが、私はやはりこれからの新全総を考えるときに、つくられるときに、考えなきゃならぬのは、過疎化にむしろウエートを置くべきでないだろうか。大都市は金融情報もありますし、いろいろの人間生活の上での文化その他のことも整っておりますが、一方、中山間地は惨たんたるものであります。ですから、中山間地にウエートを置いたような施策をぜひ講じていただきたい、こう思っておるわけであります。 つまり、中山間地への定住条件の整備、ただこれも、文言だけじゃなくて、むしろハードの面で積極的に取り組んでいただきたいと思うのです。 やはり定住条件の整備は、都会並みに生活が送られるような、そういうものでなくてはならぬな、こう実は思っております。もとより、農業や林業の振興は言うに及ばず、社会保障、医療、衛生の充実、あるいは文化、教育面での充実、交通網の施策なども大事であろう。中山間地で定住条件が整備されていけば、住んでいる人たちの都会への転出はとまるであろうと私は思っておりますし、都会生活に飽き足らない人たちは、あるいはすぐれた知識や技術を持った人たちも、地方へダーンをされるのじゃないだろうか、こう確信をする一人であります。 ですから、今日まで政府挙げてそれらの問題にも取り組んでいただいておるには違いないのでありますが、私も多少は受けとめておるわけでありますが、このような認識で建設省も対応されております。まず、建設省の取り組んでおいでる内容あるいはこれらの認識についての御意見をちょうだいしたいと思います。
○伴政府委員 先生お尋ねの中山間地域の定住条件の整備でございますが、建設省ではかねてから住宅・社会資本の整備ということを通じまして、農山村地域におきます産業基盤あるいは居住環境の整備を図って、定住条件の整備をしてきているところでございます。しかしながら、御指摘のとおり、最近特に農山村地域は急速な高齢化が進んでおりまして、地域の活力なりあるいは魅力が低下している、何とかこの地域の活性化を特にこういうところに集中してやりたいということが要請されているというふうに考えております。 建設省では、平成五年度におきましても、この中山間地域を含めた農山村地域の定住条件の整備のために、今二つほど施策を考えておりまして、一つは、モデル市町村を選びまして、モデル市町村を対象にいたしまして、所管事業を中心とした整備計画、それを策定していただき、そういうところに重点的な公共投資をしていくというようなことを考えておりまして、そういった生活基盤を中心とした総合的な整備を通じまして、農山村地域の総合的な居住環境の整備を図っていこうということを、モデル市町村を対象にまずやってみたいというふうに考えております。 それからもう一つは、建設省所管事業と、関係省庁、例えば農林省の所管事業との所管施設の調整の問題がございますので、これを何とか両方で効率的に、複合的に実施していこうというようなことを考えておりまして、例えば農林省との間ではそのルールづくりをしようということで、関係課長会議などを早速開きまして、調整しているところでございます。 いずれにいたしましても、先生おっしゃっておられましたとおり、ハードの面での積極的な位置づけということが大変大事でございますので、建設省としましても、生活環境整備なり集落整備に不可欠な道路、河川、下水道、公園等の公共施設の整備とか、あるいは住宅宅地の供給とか、そういった面でもって中山間地域におきます生活環境あるいは産業の基盤整備ということの推進を図っていきたいというふうに考えておるところでございます。
○木間委員 中山間地の振興の取り組みについては、建設省から今お伺いいたしました。各省庁に関連する問題でありまして、以外の省庁は呼んでおりませんので、統括的にはやはり国土庁の仕事でありますから、建設省のこれらの問題も含めて、国土庁の決意をお尋ねしたいと思います。
○秋本政府委員 厳しい条件にございます中山間地域で定住を図っていくための条件整備、いろいろ御指摘のありましたようなことを、私どもも大変重要であると存じております。今も建設省の方からその取り組みについて御答弁ございましたが、私ども各省と連携をお図りしながら、過疎地域対策あるいは山村振興対策、豪雪地帯対策、離島振興対策、いろいろな面からこれまでも施策を講じてきております。 平成四年度、今年度でございますけれども、今年度からの新しいやり方としまして、若者定住促進等緊急プロジェクトといったような事業も行っておりまして、過疎地域等の条件の不利な地域で若者の定着を促進するために、市町村が快適な居住環境の整備、あるいは魅力ある就業の場の創出といったことのためにいろいろな事業を行うという場合に、地方財政措置を中心として支援をしよう、平成四年度に採択をしました件数が三十件、これは単年度の事業ではございませんが、事業費総額にしますと一千億を超えるといったようなことになっております。例えばこういったようなこともやっておりますが、それだけでなくて、今後とも関係省庁と連携を密にしまして、これらの地域の総合的な支援方策を推進し、そしてその活性化を積極的に進めていくということで努力をしてまいりたいと考えております。
○木間委員 今日まで地域振興のための立法は数多く存在をしておりますし、皆さん方も鋭意努力をされておるのであります。その点は私もわかるのですけれども、かといって、なかなか全体的には過疎化はとまらない。それらの法律の適用は単位自治体が中心になっておるからでないだろうか、こうも思うわけであります。ですから、複数の自治体といいましょうか、ブロックとかそういう大きい枠での対応策がむしろ必要ではないだろうかな。それは自治法にも協議体とかいろいろの諸制度はありますけれども、むしろそういった立法を措置する場合でも大きくくくって、そして共同でそういった事業が大胆にできるように、そういうふうにやっていただいたらどうかな、今そのように感じたわけでありますが、私のこのような認識が間違いであるかどうか、あるいはお考えがあれば、少しお答えをいただきたいと思うのです。
○秋本政府委員 御指摘ございましたように、最近の人口の動向などを見ましても、規模の小さな町村では人口減のところが非常に多い。しかし、ある程度の規模を持った市になりますと、むしろ人口は増加しているといったようなところが見られます。そういったようなことからいたしましても、都市の整備を図りながらその都市と一体となった関係を保って、そして町村、その周辺地域を含めた振興策を展開していくということは必要であろうと思います。 これまでもそれぞれ各省のいろいろな施策の中で、建設省の地方生活圏あるいは自治省の広域市町村圏、いろいろなものの中でそういう圏域的な対応を進めてきておりますが、例えば昨年成立をさせていただきました地方拠点法という、これも都市と周辺の農山村地域を一体として整備をしていく。それは都市を整備するというだけじゃなくて、その効果が周辺にも及ぶように持っていこう、そういう考え方であろうと思っております。私どもも、そういうような意味合いで、都市とその周辺の地域とのいわば交流も深めるというような中で地域の振興を図っていくということをこれからも努力してまいりたいと思います。
○木間委員 拠点都市法の事例が出されたわけでありますが、拠点都市法にいたしましても、しょせん単位自治体の事業が中心になるであろう、こう実は私は思っております。ですから、もう少し強力な、何かパンチがきくような、そういうことを考えなきゃならないな、こう思っておりますが、この問題についてはまだ次回に譲ることにいたしまして、私、やはり定住条件がそろってきただけでは過疎化がとまらないし、人口増も出てこない、こう思えて仕方がありません。 そこで、中山間地の住民と都市の住民との交流がやはり不可欠であろう、こう思っておるわけであります。したがいまして、森林や中山間地地帯は、都市住民にとっても大変大事な憩いの場であるわけです。大人たちのリフレッシュあるいは余暇のための空間、余生の場、あるいは子供たちの自然との触れ合いの場、こういう貴重な財産が存在をしております。 また、地元の人たちにとりましても、都市住民との接点を持てば、中山間地の保全、維持を実現できる、こうした問題にも波及していくだろう。また、本来の意味でのリゾートづくりもできますし、国土の保全や景観の保持、そして外部資本に よるリゾートの問題ではなくて、地元の創意と資源を利用した手づくりのものとなるであろう。このようにして都市住民との接点が出てきますと、笑い声が谷間にこだまをするでありましょうし、振興は約束されていくであろう、私はこのように感じておるわけです。 それで、都市との交流の面におきまして、具体的にどのような施策を取り組んでおいでになるのか、最初に建設省の方からお尋ねをしたいと思います。
○藤井(治)政府委員 お答えいたします。 つい先日、私のところにこの中山間地域の市町村長さんがお見えになりまして、先生がおっしゃるとおり、若者が定住するために高速道路のような大きい道路をつくってくれないか、そうしないと、どんどん都市に逃げちゃって山が荒れてどうにもならない、こういうお申し出がありました。そういうことが実は私どもの大きな含みでございまして、今回の十一次五カ年計画の柱の活力ある地域づくりの中に、実はこの都市と周辺農村地域との連携強化、これを大きな柱として私ども意識をいたしております。従来は、私ども広域基幹道路というような形で都道府県道を整備する、過疎地域と都市とを結ぶ道路を広域基幹道路として指定いたしまして、これを重点的にやる。さらに財政力なり執行能力が弱い場合には、過疎代行あるいは山村代行といったような代行制度なども工夫しながらやってまいりました。しかし、それだけではやはり足りないだろうと思っております。 そこで、今回の第八次奥産道路整備計画の改定に当たりましては、従来対象道路を小さな道路まででとめておりましたけれども、今回は主要地方道まで追加いたしました。基幹的な道路もこういう特に推進する道路として、本来はいろいろな補助とか重点整備の対象にしておりませんでしたけれども、こういうものを入れて、しかもそれを今回各県ごと、市町村ごとに広域整備基本計画というものをつくっていただいております。その中にこれとこれとこれは中山間地域といいますか、交流のために必要だということを指定していただきますと、そういうものを地域の五カ年計画でも明確にし、私ども国の五カ年計画にもそれを入れた形でこれを推進したいというふうなことで、これからいろいろな試行錯誤はあると思いますが、実験をしながら先生の御趣旨の方向を私どもとらせていただきたいと思っております。
○木間委員 私は比較的建設委員会所属が長いのでありますが、道路をつくろう、こういうことを随所でお話を申し上げますと、ある人は、冷やかしたと思いますが、引っ越し道路にしちゃいかぬぞ、こういう言葉が出たことがあります。やはり道路整備は、とりわけ山間地域は大変重要なウエートを占めておる公共事業の一つであります。そういった意味で、国土庁も全体的に眺められて努力をされておろうと思いますが、今ほど言いましたように引っ越し道路にしちゃいかぬのでありまして、そういう点で国土庁の全体的な考え方をお尋ねしたいと思います。
○秋本政府委員 道路ができたから引っ越しをしていなくなるということでなくて、その道路を使いながら定住が図られていくというように私ども持っていかなきゃいかぬだろうと思います。そういったことのためには、先ほど来御指摘ございましたようなハード面での整備といったことも大事だと思いますし、また、都市と農山村との交流を深める、そういう形でその地域の魅力、活力を一層増していくといったようなことも必要だろうと思います。 今御指摘がございました特に交流といったことにつきましては、私ども平成四年度、今年度でございますが、地域間交流推進本部といったようなものを私どもの方に設けさせていただきまして、大変ささやかでございますけれども、各地の交流の実情、事例といったようなこと、関連する情報、それらを地方団体にお伝えをするとか、あるいはまた、平成五年度からは新規の事業、例えば「過疎地にふるさとを」といったような名前のモデル的な事業をやろうではないかとか、あるいはほかの省庁とも連携をしまして「緑のふるさと・ふれあいプロジェクト」といったようなものをつくって滞在型の交流施設をつくろうではないかとか、あるいはまた、平成五年度の税制改正におきまして、ふるさと寄附金控除制度と俗称いたしておりますけれども、例えば地方から東京に来て働いておられる方が地方団体に対して寄附をされるといったようなときには、住民税におきましても一定の控除を認めることにしようとか、そういったものを通じてさらに参加を深めるとか、いろいろなことをやってきております。 今後とも地域間交流その他いろいろな面で努力してまいりたいと思います。
○木間委員 もっともっとこの問題などについて議論をしたいのでありますが、国土庁長官は先ほど、新しい全国総合開発計画の準備にも入った、このように私は受けとめておるわけでありますが、その折には、ソフト面もさることながら、ハード面でもぜひやろう、こういう御決意もちょうだいいたしました。私どもも、これから研究を続けながら提起も申し上げたいと思います。 いま一つ、通告はしていない課題で大変恐縮なのですけれども、新全総を考えられるときの問題として、一つは分権自治の問題にウエートをかけていただきたい、こう思っております。 さきの国会で誕生いたしました国会等の移転法の一番大きな特徴は、そういった点にもあったわけでありますし、いま一つは、国際化が大変進んでおります。例えば、外国人労働者が随所に入っておりますし、外国からの花嫁さんが、これまた全国に入っておられるところでありますから、新全総を立てられるときに、こういった面に一つのポイントをぜひ持っていただきたい、こう思っておりますが、大臣の御決意を賜りたいと思います。
○井上国務大臣 御指摘の地方分権問題、それから国際化の問題、これは新しい計画を立てるときには十分考慮してやらなきゃいかぬということはかねてより考えております。 私も、今やっていただいておる国土審の点検作業、途中で、まだ一遍も経過を伺っておりませんが、意見を申し上げる機会があれば、そういう点も強調してまいりたいと思います。御指摘ありがとうございました。
○木間委員 ありがとうございました。 政府は、昨年六月「生活大国五か年計画」を策定されて発表されたわけであります。読み返しては見ておりますが、文章的にはなるほど官僚の方々の作文だなということはわかるわけでありますが、なかなか具体的なものは出てこないような感じがいたします。それは各年度のそれぞれの省庁の事業費の計上によって具体化されてはきておるのだろう、こう思いますが、さきに四全総が策定されて取り組まれておりますし、今ここに「生活大国五か年計画」が出たわけでありますが、私どもはこの関係をどう受けとめればいいのか、このことについてお尋ねをしたい、こう思っておるわけであります。 四全総についても、先ほど国土庁長官の方から、過密も過疎もより一層深刻になっておるから総点検を今始めた、こういうことであります。ですから、そこへ生活大国という計画が作成されたわけでありまして、私はその生活大国そのものは評価はいたします。支持はいたすわけではありますが、この国土庁の平成五年度の計画の基本を見ましても、大臣表明にありますように、各省庁との連携を密にしながら自治体も含めて、さらに四全総の施策を推進するのだ、こう言っておいでるわけであります。この延長でとらえるならば、四全総と「生活大国五か年計画」との絡みがだんだんわからなくなってくるわけであります。そういった点で、私どもはどのように受けとめればいいのか、所信をお尋ねしたいと思います。
○糠谷政府委員 お答え申し上げます。 「生活大国五か年計画」と四全総との関係、整合性という点でのお尋ねでございますけれども、先生御案内のように、「生活大国五か年計画」は計画期間五年、中期の経済運営の指針という性格でご ざいますし、四全総は計画期間十五年近くということで、長期の国土づくりの指針という性格がございます。 また、つくりました時期も、四全総が昭和六十二年、「生活大国五か年計画」が平成四年でございますので、そういったことで計画の性格、計画期間あるいは策定時期ということで違いはあるわけでございますけれども、目指すところはどちらも同じでございまして、国民がひとしくゆとりと豊かさを実感できる生活大国を実現するというためには多極分散型国土をつくっていくことが重要だ、こういう認識で同じだと考えております。 具体的に申し上げましても、多極分散型国土をつくるためには、地域主導の地域づくりが重要であるということでございますし、社会資本整備につきまして「生活大国五か年計画」では幾つかの指標を掲げております。全部で二十七の指標が「生活大国五か年計画」に掲げてあるわけでございますけれども、この社会資本整備の指標につきましても、かなりのものは四全総の社会資本整備の考え方と同じというふうになっていると私ども考えております。 そういう意味で、「生活大国五か年計画」と四全総、整合性は十分図られている、こういうふうに考えておるところでございます。
○木間委員 建設大臣にこの機会にお尋ねしておきたいと思います。 「生活大国五か年計画」と公共事業との位置づけと申しましょうか、大臣の御決意をお尋ねしたいのですが、所信表明では「「国民一人一人が等しく豊かさとゆとりを実感できる社会」を実現していく」、そのために「十年先、二十年先を見据えて」やっておるのだ、こういうことでございます。確かに、国の公共事業全体の七割近くを建設省が担当されておるわけでありますから、この五カ年計画と公共事業の位置づけについて、大臣の御決意をお尋ねしておきたいと思います。
○中村国務大臣 お答えいたします。 ただいま先生の方から「生活大国五か年計画」と公共事業との関係についてという御質問がございましたが、我が国は、個人個人の経済状況というのは諸外国と比べて確かに充実してきていると私は思うわけであります。一九九〇年の段階でアメリカの一人当たりの国民所得が一万七千三百ドル、西独が一万七千四百ドル、我が国の国民所得は、平均しますと一人一万九千ドルを超しているわけでございます。GNPも、一九九二年の段階で四百七十二兆円くらい、こういうことでありますし、一世帯当たりの貯蓄も、勤労世帯で一千万円を超す、こういった状況になっているにもかかわらず国民がひとしく豊かさを実感することができないというのは、国民共有の財産といわれる社会資本の整備が非常に立ちおくれていることが、一つの大きな豊かさを実感できない原因であろう、私はこのように思うわけであります。 そこで、この「生活大国五か年計画」の中でいかにして社会資本を充実させていくかという具体的な問題となってまいりますと、まず身障者の方とかお年寄りの方といった方々が安心して通行することができるような歩道、こうしたものを整備するのを現在の二〇%から三〇%ぐらいまで引き上げていきたい。あるいは少し集中的な雨が降ってきたことによって安全が脅かされるような地域に住んでいる方々が約二千九百万人おりますが、この方々を二千三百万人ぐらいに下げていきたい。そして、公園などももっとふやしていくような計画。下水道も現在の四五%から二〇〇〇年までに七〇%ぐらいまでその普及率を上げていきたい。こういったことが、建設省所管の五カ年計画、八本ございますので、こうしたものを網羅的に行うことによって社会資本の整備を充実していく。そうすることによってひとしく豊かさが実感できるような環境の大きな基礎をつくっていきたい、このような考え方で、この考え方を今推進しているところでございます。
○木間委員 住宅問題について少し意見交換をさせていただきたいと思っております。 日本国民、ひとしく土に愛着がある民族といいましょうか、マイホームを希望する声が非常に強いわけです。それは都市のサラリーマンにも共通する課題であろう、こう思っております。しかし現実は、都市のサラリーマンには、マイホームを持とう、こういう気持ちはあっても、高ねの花であります。「生活大国五か年計画」では、取得価格は年収の五倍程度、良質な住宅の面積は百平方メートル、このように言われておるわけでありますが、建設省の住宅政策を見ておりましてでも、公庫融資を重点に置いておりますから、マイホームを志向されておるのであります。 しかし現実は、先日の国土庁の鎭西土地局長のお話でも伺ったわけでありますが、土地価格は下降ぎみにあるとはいいながらも、バブルに入っていったあの直前の五十七年、五十八年価格の二・一六倍、あるいは住宅は今日なお年収の六・何倍でしょうか、そういうことが答弁されておったわけであります。 そうなりますと、やはりマイホームをあおったとしてでも、志向が強いからということで皆さんも取り組んでおられるとしても、手も足も出ないというのが現実であろう、こう思っております。したがいまして、私は、首都圏において、大都市圏において、マイホームもさることながら、むしろ公共賃貸住宅にウエートを置くべきでないだろうか、こう考えておるわけであります。ですから、思い切った公共賃貸住宅にウエートをかけていくべきであろう。調べてみますと、賃貸住宅の状況は、公共担当で全戸数の七・五%、民間は三七・五%であります。また、住宅の広さは今日八十九・三平方メートルと言っておりますが、公共賃貸では二一・六%がこの水準に達しておりません。民間では五五・六%が達していないのであります。 これもまたくどいようでありますが、大臣の所信表明では「家族団らんの場であり国民生活の基礎となるもの」が住宅である、このようにされておりますから、居住水準百平米、確かにこれはゆとりあるものになっていくとは思うのでありますけれども、現実はほど遠い現状であります。ですから、具体的に今提起いたしました公庫融資の施策もさることながら、これを減らせと言っておるのではないのでありますけれども、それもさることながら、やはり公共賃貸にいろいろな手法でふやしていくという作業が必要でないだろうか、こう思っておりますが、住宅局長、いかがでしょうか。
○三井(康壽)政府委員 ただいま「生活大国五か年計画」づくりの中での住宅政策の位置づけというところから問い起こしの御質問だと思いますが、「生活大国五か年計画」におきましては、国民生活の最も重要な基盤をなす住生活の充実を図ることが、生活大国を築く上でも最も重要な課題の一つである、そして持ち家系につきましては年収五倍論、公共賃貸住宅につきましては供給の拡充を、こういうふうにうたっているわけでございます。 私どもは、先生方にずっと御指導いただきまして住宅建設五カ年計画を引き続きやらせていただいておりますけれども、その中での一番の目標は居住水準の向上でございますし、また、持ち家か借家がという御議論につきましては、それぞれ国民の皆様方のニーズに対応して政策を展開していく、こういうふうに申し上げてきたところでございます。これは基本的に変わっていないところでございます。ところが、今御指摘のございましたように、持ち家に比べて借家の方が居住水準がなかなか向上していない、非常に居住水準が見劣りする、これは御指摘のとおりでございます。したがいまして、公共の賃貸住宅の供給の拡充を図るというのが一つの方策でもございますし、民間賃貸住宅を何とか引き上げていく、これが次の課題になっているわけでございます。 まず、公共賃貸住宅について申し上げますと、第六期の五カ年計画、これは平成三年度からでございますけれども、前期の第五期の五カ年に比べまして四万五千戸ほどふやしまして四十七万戸という計画を立てているところでございます。実施に当たりましては、大変用地を取得するのが困難 であるとか、そういった問題もございまして、新規につきましては、本年度予算でも幾つかの新たな提案をさせていただいておりますけれども、努力はいたしますけれども、やはり建てかえをしていかなきゃいかぬとか、あるいは従来、民間の賃貸住宅でお任せきりになっていたものを、新たにインセンティブというか助成をしまして、これを公共賃貸住宅として取り込んで、そして居住水準を引き上げていこう、しかも適正なる家賃で国民の方に入っていただく、こういったことをねらいといたしまして、今回、特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法案を提案させていただいているところでございます。
○木間委員 その法案が今国会にも出されておりまして、間もなく審議も始まるところでありまして、私は大枠賛意を表するところであります。 それから、今年度の予算で、新規事業で、公団住宅の建てかえのときに複合建てかえ制度を採用されました。これも一昨年、我が社会党が建てかえられる地区を調査いたしまして、住民とのいろいろの会話の中で、公団の建てかえのときは、公団住宅だけではなくて、比較的収入の少ない方でも入れるようにあるいは公社住宅、公営住宅もその敷地内で建てようじゃないか、またその反面、公社あるいは公営住宅の敷地内にも公団住宅が建てられるようにお互い相互乗り入れをやろう、こういう制度がいよいよ日の目を見たわけであります。 少し宣伝めいたことになりましたが、そういった意味で、地域住民のコミュニティーを壊さないように、ぜひ今後ともこの問題に取り組んでいただきたい、こう思っております。答弁は要りません。 私は、やっぱりこの機会に住宅基本法をつくられてしかるべき時期に来たんじゃないだろうか、こう実は思っておる一人であります。特に「生活大国五か年計画」を具現するという立場では、やっぱりこの基本法がぜひ必要だ、こう思っております。既に国会へは、各党それぞれ衆議院、参議院の場で法案を提出してきた経緯もあります。そうして、その基本法の内容は、一つには、やっぱり国の責任を明確にする、あるいは二つ目には、住宅供給に地方分権を入れるということ、三つ目には、賃貸住宅重視の施策を採用する、四つ目には、質の問題ではやっぱり百平方メートル以上、そうして家賃水準は世帯収入の一五%以下、あるいは公共賃貸住宅の総数は住宅戸数全体の二〇%を目指すべきであろう、二十一世紀の初頭には二〇%が確保できるようにしていくべきであろう、こういうものを盛り込んだ基本法を何とか実現できないかな、こう実は思っておりますが、この点についてお考えをいただきたいと思います。
○三井(康壽)政府委員 住宅基本法をめぐる御議論は、先生も先刻御承知のとおりでございまして、大変長い間この御議論をさせていただいているところでございます。国会におきましても、社会党、公明党、民社党、それぞれの各党からも法案の御提案がなされているところでございます。 この問題をめぐる問題点といいますか、従来からやってきております居住水準の向上対策を柱とする住宅政策は、それぞれ各個別法等によりまして、基本は、現在住宅建設計画法がございまして、それに関連をいたしまして公営住宅法あるいは住宅・都市整備公団法あるいは大都市法等々の各種の個別の立法によりまして一応整合性を保つ形で政策を展開させていただいているところでございますが、住宅基本法という御議論になってまいりますと、多少いろいろな角度からの御議論が、国民の各界各層に意見の相違がまだ現実にあると考えております。 例えば、住宅政策の目標あるいは国、地方公共団体の責務、住居費負担の考え方等々、今御指摘のように賃貸住宅を重視するのか、持ち家を重視するのか、あるいは家賃水準をきちっと基本法の中に書くべきなのかどうか、あるいは住宅の保障をどうすべきなのか、そういった御議論がかなり各般で、御意見がまだコンセンサスを得るところまでなかなかきていないのではないか。基本法の性格からいいまして、各党あるいは国民各層の御意見がなるべく一致することが好ましいと考えております関係上、もう少し議論を深めさせていただきたいと考えているところでございます。
○木間委員 各党の意見はそれなりにこれからも続くでありましょうけれども、ぜひ政府にも基本法をつくる、そういう決意をお願いしたいと思っております。先へ進みます。 道路整備に関して平成三年度に、総務庁が行政監察を行いまして勧告を行っておるのであります。平成二年四月から六月まで道路行政に対して監察を行いまして、その結果、平成三年九月に勧告を行っております。当時の内容をマスコミ報道を引用いたしますと、「地価高騰などで将来の高速道路整備には多額の事業費がかかり、日本道路公団などの道路利用料金の大幅な引き上げ要因になりかねないことが明らかになった。」そのために「用地取得費を国が一部負担するなど有料道路制度の抜本的見直しを行うよう建設省に勧告する。」実は、こうなっておるわけであります。 この勧告について現状を建設省はどのように受けとめ、対応をされておるのか、少し明らかにしていただきたいと思います。
○藤井(治)政府委員 平成三年九月に行われました行政監察勧告の内容、先生御指摘のように、有料道路制度のあり方、事業の執行、運営の合理化、サービスの提供等でございまして、この勧告の内容を含めまして、私ども、道路審議会で御審議をいただきまして、平成四年六月、有料道路制度のあり方について中間答申をいただいております。 その内容は大きな二つに分かれておりまして、この行監の御指摘と、勧告とほぼ一致しておりますが、適正な料金水準のもとで採算性を確保しながら有料制度を活用する方策としての用地費の扱いであるとか、償還期間の考え方であるとか、公的助成の充実といったようなものでございます。 さらにもう一つの柱としては、より一層利用者の理解を得られやすい料金制度とするための方策ということで、いわゆる料金徴収に伴う利用者の非常な不便をどのようにこれからやっていくか、対応していくか、こういうことでございます。 私ども、正直言いまして有料制度、昭和四十七年に道路事業全体の二二%のシェアでやっておりましたけれども、この平成五年度の予算では二八%と、六%もシェアが増しております。といいますのは、やはり少ない財源でなるべくうまくおくれている道路を整備しようとなりますと、どうしても料金の負担ということをお願いしなければならない。特に、一万四千キロの高規格道路をこれからさらにやるとなりますと、この有料制度をうまく活用しなければいかぬ。といって、全部それを料金に持っていくというようなことは、今までの考え方の延長上ではあり得ませんので、私ども、この行監の勧告及び道路審議会の中間答申をベースに、いろいろな制度を具体的にやっていこうと思っております。 例えば高速道路の用地費に関する助成ということでは、本来高速道路の用地費は道路の、国道の新設または改築に要する費用の一部だということで料金によって償うものとされております。そういうことではございますけれども、私ども、昨年六月の中間答申で、用地費については負担軽減を検討する必要があるという御答申もいただきましたので、北海道縦貫自動車道における資金コストの引き下げ、それから用地費に対して金利負担の軽減というようなことを平成五年度の予算でも入れさせていただきました。 なお、これだけに限らないと思っております。これから具体的にとれる方策をさらに検討させていただきたいと思っておりますけれども、この国費助成といいますか、公的助成というのでは、三%路線の導入は昭和五十八年から、逐次、六十二年、平成元年、そしてこの平成五年というふうにふやしながら全体としてやっております。 さらにもう一つ付言いたしますと、これだけではなくて、単に国幹道方式といった方式だけではなくて、公共事業方式をうまく活用する組み合わせ事業というようなものも考えながら、いろいろ なことを考えて料金への転嫁を極力抑える中で、この勧告の指摘している内容を十分生かすような工夫を今後ともさせていただきたい、かように思っております。
○木間委員 極力住民負担を、利用者負担を減らすというのじゃなくて、勧告の内容は、はっきりと国費で持ちなさいとなっておることを、私は指摘しておきたいと思います。 最後でありますが、これも新聞報道を取り上げることで大変恐縮なんですけれども、先般臨時行政改革推進審議会が特殊法人の民営化や統廃合の可能性を探るなどして所管官庁からヒアリングを行った、このように報道しております。これはマスコミ報道そのままでありますから本意はわかりません。とりわけ建設省は公共事業の分野が多いわけでありまして、建設省所管にその内容は集中しておるのではないだろうか、私はこう思っております。例えば、日本道路公団、住宅。都市整備公団、首都高速道路公団、阪神高速道路公団、本州四国連絡橋公団、住宅金融公庫、日本勤労者住宅協会、こういうものがこの中に対象になっておるやに報道されております。それで、建設省はどのように受けとめておいでるのか、お尋ねをしたいと思います。 これらの事業は、いずれも国民生活に直結しておる事業でありまして、本来国がやってきた事業であります。それが民営化の波の中で御多分に漏れずこのようになっていきました。それは官施行の事業でありますと小回りがきかないとか、いろいろあったわけであります。そういうことで半官半民の公社、公団となったわけでありますが、やはりこの中心は国の財政の投入が基本となって運営されておるのは明らかであります。仮に今ここで民営となりますと、それらの手法は全く閉ざされてしまうわけでありまして、そうなりますと、いよいよ使用者、事業者の負担で賄うことに置きかえられていくであろう、私はこのように受けとめるわけでありますが、建設省の皆さんは、この行革審の問題についてどう受けとめておいでるのか、少し御答弁を賜りたいと思うのです。
○望月(薫)政府委員 行革審の御議論のことに関しまして、先般、先生御指摘のような新聞報道がなされたわけでございますが、その報道はともかくとして、現状についてお答え申し上げさせていただきます。 このことについては、さきのこの委員会でも大臣から御答弁させていただいているところでございますが、実は臨時行政改革推進審議会では、今二つのテーマを中心に御議論を進めようとなさっております。一つは政府部門の果たすべき役割の再検討、それからもう一つは、総合的な政策展開が可能な行政システムの構築、こういうことでございますが、その前段の政府部門の果たすべき役割、この御議論の一環として、各省庁の特殊法人の役割について議論が行われる、こういう次第でございます。 建設省は、二月の三日に住都公団、住宅金融公庫あるいは勤労者住宅協会、さらに道路、計四公団、これについての俗に言うヒアリングを受けたところでございます。私どもこのヒアリングに臨むに当たりまして、今先生のおっしゃっていることと基本的には同じような精神に立つものでございますけれども、この関係公団、公庫等がいかに国民生活充実のために機能してきている、意義があるか、あるいは実績があるかということを申し上げながら、今後のことについても我々の認識を披瀝した次第でございます。 そういった中で、一々はここで繰り返す時間もございませんけれども、とりわけ住宅・都市整備公団につきましては、賃貸住宅七十一万戸供給あるいは分譲住宅二十五万戸供給した実績とか、あるいは金融公庫については、戦後建設された住宅のほぼ四分の一に当たる千三百万戸弱、こういったものについての貸し付けを行っているとか、道路公団については、既に五千キロ余の高速道路を建設し、しかも適切な管理、きめ細かい管理に努めていることなどなどを、丁寧に御説明をさしていただきました。 率直に申し上げて、時間が限られた中でございましたので、私どもあるいは十分でなかったかなという感じはありますけれども、そういった意味で、各委員の御理解を深めるための私どもの率直なことを披瀝させていただいた次第でございます。 しかも、ここで一言つけ加えさせていただきますと、これらの公団、公庫の定員事情でございますけれども、端的に言いまして、先ほど申しましたような住都公団、七十万戸の賃貸住宅を建設、管理し、あるいはさらに新規を供給しているこの要員は、五千人足らずでございます。あるいは道路公団についても、これだけ大きな仕事をしておりましても九千人にも満たない八千八百人であるなどなどのことも、大変大事な視点として言えるのじゃないか、こんなふうに思っております。 いずれにいたしましても、私ども、先ほど来先生のお話ありますように、生活大国の実現あるいは国土の均衡ある発展を実現していくことのために、国は当然でございますけれども、これらの公団、公庫の果たすべき役割というものは、従来以上に重いんじゃないか、重いというふうに確信いたしております。 そういった中で、先般も、大臣の所信の中でも、建設省、公団、公庫一体となって生活大国づくりの基盤を充実していくということを申されておりましたけれども、私ども、この基本的な精神を今後とも大事にしてまいりたい、かように思っております。 今後、審議会でどういう御議論がなされるか予断を許さない、私どもわかりませんけれども、あらゆる機会を通じまして、私どもはこれらのことをしっかりと申し上げながら、最大の努力をしてまいりたい。基本的には、これらの関係特殊法人の役割は従前にも増して重い、また、その責任は、課題は大きい、こういう確信でおります。 一方でまた、こういった場を通じていろいろな御意見も、業務改善等の御意見も出てくるかと思います。それらについても、また率直に受けとめる度量の広さというものは持っていかなければならぬ、こんな気持ちでおります。 以上であります。
○木間委員 これで終わります。ありがとうございました。
○野中委員長 貴志八郎君。
○貴志委員 私は、まず地震と液状化の問題について質問を申し上げたいと思います。 地震だとか台風だとか洪水だとかを天災と呼んでおるわけでありますけれども、液状化の問題を天災として片づけるわけにはまいらない、そういう今日の客観的な情勢にあると私は思うのでありますが、つい一月十五日、先日のことでありますが、釧路沖地震が起こりました。この地震は、マグニチュード七・五、震度六の烈震ということでございました。この釧路沖地震で液状化は起こらないかととっさに私も頭にひらめいたのでありますが、案の定、翌日の新聞には液状化の問題が相当大きく報道されました。 私も地元に多くの埋立地を抱えております関係上、この問題を看過することができないと思って、現地に行ってまいりまして、二日間にわたりまして、現地の事情を視察するとともに、現地の大学の地質学の先生にもいろいろと勉強をさせていただいて帰ってまいりました。こういうことから見まして、私は、液状化の問題を、今日これはもう人間の手で防止のでき得る状態にある、そういう観点を持ったわけであります。 帰ってまいりまして、少し調べてみますと、国土庁の中に置かれた液状化対策特別委員会という名称でしょうか、委員会が設置をされまして、東大の岡本名誉教授が委員長でそれを取りまとめられまして、一つの提言をなさっておるわけであります。この対策委員会の提言は、ある意味では今日の海の埋め立て、あるいは山を切り取って土地を開発する、そういう人間の手による開発、埋め立てといったものに対する天の警告であるとともに、この液状化対策委員会の作成いたしました報告は、まさに警世の忠告であると私は受け取った のでありますけれども、国土庁長官はこの取りまとめに対してどのような感想をお持ちになっておるか、まず冒頭にお尋ねをしておきたいと思います。
○黒川政府委員 先生御指摘のように、液状化対策検討会ということで、東京大学名誉教授の岡本先生を中心とされます委員会が、昨年、液状化対策についての提言をいただきました。 中身は、先生御指摘のとおり、いろいろ具体的な対策、構造対策、それから起こった場合の復旧対策、あるいは特に施設が異なる場合の境界の部分についての対策等々、非常に貴重な御意見が含まれております。 それなどを踏まえまして、国土庁及び建設省で相談いたしまして、昨年の八月に、液状化対策推進の一環といたしまして、小規模な建物に対応できるような液状化マップの作成マニュアルを作成いたしました。現在、関係省庁及び都道府県に通知しまして、その普及に努めているところでございます。
○井上国務大臣 ただいま政府委員から御説明をいたしましたが、この液状化現象によりまして、今回の釧路沖地震におきましても、港湾施設あるいはライフライン等に相当大きな被害が生じました。したがいまして、この液状化対策というものは非常に重要なものだということは、私もこの地震を経験いたしまして強く感じておるわけでございます。 ただ、いろいろ調べてみますと、この液状化現象というものが大きな被害につながるというのは、実は昭和三十九年の新潟地震のときに経験をいたしました。それ以来、実は三十年近い期間がたっております。その間に、これは地震対策として最も重要だということで、道路の橋梁とか、建築の基礎とか、鉄道の構造物、いろいろな重要な公共的な構造物に対する液状化対策、そして、それをやるための設計基準、そういうものは相当整備をされてきておると私は思っております。したがいまして、最近行われておりますいろいろな大規模な構造物については、ある程度液状化対策が施されておりますので、安心ができるのではないかと思っておりますが、実は以前からできておる既存のいろんな構造物、今回も釧路の港湾の岸壁なんかそうだったと思います。下水道なんかもそうだと思いますが、そういう既存のものに対して液状化対策をするというのは、経済性の問題もございまして、大変難しいということでございます。今そういう点について委員会等で検討を賜っておりますので、その成果に期待したいと思っております。
○貴志委員 昭和三十九年の新潟地震で生じました液状化は、地盤の水平移動とかいうふうなことが永久移動というふうな現象を起こしまして、四階建てのアパートが倒壊した、横倒しになったということで、これが大変人口に膾炙をされるということになったと思うのです。あれから、長官おっしゃるように、三十年たっておるわけなんですが、その間にこの液状化のメカニズムが全般のコンセンサスを得るほど解明がきっちり果たしてなされているのだろうか、仮にそれが進んで、おっしゃられたように、現在ではさまざまな対策がとられておるというけれども、しかし一番心配なのは、やはり例えば東京都副都心のライフライン、これらが報道や評論などによりますと、東京都が液状化防止対策の手引書を出したころにはもう既にほとんど完成した後だった、こういうことでありますから、国土庁が今想定されております南関東の直下型地震が仮に起こった場合に、このライフラインの大きな事故につながっていくおそれが十分にあると私は心配をするわけでございます。特に、従来施工してきた港湾だとかあるいは埋立開発地などにおいて全然液状化を予測しない工事がたくさんあるということもお認めになっておりまして、これに対する対策をするというのはとても経費上間に合わないというわけでありますけれども、少なくとも人命に危険のある部門については、整備点検の必要がある。なかんずく人口の集中地における埋立造成地等についての液状化対策、構造物の基礎、そういったものに対して明確な対策を立てなければならない。既に我々は幾つかの経験の中でそれをしなければならないということを身にしみてわかるわけでありますけれども、果たしてそれだけの法律的な裏づけというものを持っているのだろうか、また海岸の埋立造成等について、それを認可するに当たってそれらの防災工事を義務づけようとしているのだろうか、そういう点について、私は現状から見まして大変疑問に思うわけでございますが、その点についてどのような対策を現におとりになっているか。例えば建築基準法だとか構造物の基礎の問題だとか、そういうことについて、液状化に対する対策をどれだけきちんとお持ちになっておるのかということを、この際確かめておきたいと思います。
○黒川政府委員 液状化についての対策でございますけれども、先ほど大臣が御答弁申し上げましたそれぞれの道路あるいは鉄道の構造物あるいはLNGの地下貯蔵施設あるいは港湾、水道、下水道、土地改良事業あるいは共同溝、港湾、そういったものにつきましては、それぞれの省庁が整備水準の設計基準等をつくっていただきまして、具体的に推進しているところでございます。 また、個別の住宅等の小さいものにつきましては、先ほど申し上げましたように、はっきり言って、従来からそこが抜けておりました。そういったことで、小規模な建築物に適用できるような液状化マップのマニュアルを現在作成いたしまして、関係省庁と一緒になって対策を進めることにしておりまして、具体的には、昨年の八月に南関東直下型の地震対策に関します大綱を中央防災会議で決めて、各省庁及び都道府県に通知しておりますけれども、その中では、さらに今のようなのを具体化しますために、「小規模宅地地盤・建築物の液状化対策に関する技術指針を作成し、」普及するものとするとしておりまして、現在建設省において具体化を進めていただいているところでございます。
○貴志委員 これからの問題としてはわかるわけですが、それで十分だとは決して私は思いません。従来ある石油貯蔵所だとかガスタンクなどに対しても、早く造成された埋立地などに設置されておるもの、そういうところに対しては、液状化対策というふうなものを確実に行うようになっているのかどうか、その辺をもう一遍お尋ねをしておきたいと思います。
○黒川政府委員 今の石油関係の施設のあれでございますけれども、これにつきましては、昭和五十四年でございますけれども、LNG地下式貯蔵施設については構造基準ができまして、それ以後のものについてはこういった対応がなされているわけでございます。
○貴志委員 液状化の問題については今後の問題もあり、既設のそういう危険物の貯蔵等に対する万全の対策を強く求めて、一応次の問題に移りたいと思います。 次の問題は、公有水面埋め立てに関する問題でございます。 これは冷戦が解消いたしましてから世界の物事に対する判断基準が随分変わりまして、人権と地球には国境がない、こういうふうな考え方、思想がこれからの最も大事にしなければならない考え方として一般的に受け取られておるわけでございます。そういう意味から申しますと、この公有水面埋立法という法律を拝見いたしますと、いろいろな意味で問題があるように思えてなりません。 特に、この法律は大正十年に制定されたものでありまして、当時の明治憲法下、文語体の、しかも片仮名書きの法律、これはその後時代の変遷とともに幾度か他の法律の成立に伴って改正をされてまいりました。独自には昭和四十八年に環境保全と土地転がしを防止する意味での大改正が行われておりますけれども、全般といたしまして、どう拝見いたしましても裁量権が余りにも多い、そういう法律でありまして、最初申し上げたように、古色蒼然とした法律であります。 冒頭に申し上げたように、地球環境の時代に入った今、この法律はむしろいえば開発推進法と いうか開発容認法と申しますか、この法律の持つ中身は決して環境保全のために十分機能するわけにはいかないのではないかという疑問を持つわけでございますけれども、建設大臣は、この公有水面埋立法は、これからもこの法文のままで時代が変化した今日でも十分機能する、そういうふうにお考えでいらっしゃるかどうか、まずお尋ねをいたしておきたいと思います。 〔委員長退席、野田(実)委員長代理着席〕
○中村国務大臣 先生御指摘をいただきましたこの法律につきましては、昭和四十八年に大改正が行われたということは、今御指摘をいただいたとおりでございます。 まず、その埋め立てにつきましては、埋め立てが我が国の今日の発展の中で果たしてきた役割は、率直に言って非常に大きかった、私はこのように考えております。しかし、公有水面は国民共通の財産でありますので、その埋め立てに当たっては適正なものでなければならないし、また公益を十分尊重した埋立計画でなければならない。その中で環境保全とか、その他自然に対するあるいは防災、こうしたものがやはり十分検討された上での埋立計画というものが慎重に図られていかなければならない、このように考えておりますので、今先生から、これからいろいろの意味で御指摘をいただく中で、私どももさらに関心を深めていきたい、このように考えております。
○貴志委員 そこで、法の解釈、手続、裁量等の問題につきまして、私は幾つかの疑問点を持ちますので、この機会に、それぞれの問題について若干一般論として御質問をしておきたいと思います。 そこで、免許期間中の問題、それから埋め立てが竣功して後の問題、大体この二つに分けて聞いておきたいと思うのであります。 まず、その前提として、昭和四十八年の法改正後の埋立件数は、当局の資料をちょうだいいたしまして、五十ヘクタール以上民間で埋め立てられた件数は、運輸省関係で九件、建設省関係で四件ということになっております。このうち、公益性の高いものということで電力会社等における埋め立てを除きまして、その他の民間の埋め立てということだけを取り上げて見てみます。 その場合に、今経済の動向が大変大きく揺れ動きまして、その経済上の理由で埋め立てを、途中で用途を変更したり権利の譲渡をしなければならないというふうな事案、あるいはバブルが崩壊をいたしまして、そのために埋め立ての事業が継続できないというふうな事態が十分起こり得る問題である。先ほど申し上げた大きな民間の企業ではそういうことはないかもしれませんけれども、他の小さな部分を含めてまいりますと、そういう事態が起こる可能性は極めて大きいとしなければならぬと思うのでございますが、要するに、現在埋立免許期間中で埋め立ての最中であるけれども、途中で用途を変更したりあるいは埋立権を移動しなければならないというふうな事例は、今日まであったのかなかったのか、お答えをいただきたいと思います。 〔野田(実)委員長代理退席、久野委員長 代理着席〕
○岩井政府委員 先生、先ほど御指摘のように、昭和四十八年に公有水面埋立法の改正がなされておりますが、その改正以後になされました建設省所管の埋立免許のうち私企業に対してなされたもの、さらに五十ヘクタールを超える大規模な埋立免許でございますけれども、これも先ほど先生御指摘ございましたけれども、昭和五十五年の住友金属工業に対する鉄鋼業用地としての百七十六・五ヘクタールの埋め立て、それから昭和五十九年、九州電力でございますが、発電所用地としての七十八・六ヘクタールの埋め立て、昭和六十年に九州電力と電源開発でございますが、これも発電所用地としての七十一・六ヘクタールの埋め立て、それから六十二年に関西国際空港に対しまして空港用地としての五百十・八ヘクタールの埋め立てがあるわけでございます。以上の埋立免許にかかわります所有権の譲渡または用途変更というものは、今のところございません。
○貴志委員 現在は具体的に出てないということでありますけれども、一部周知の事実となっておる埋め立ての用途変更あるいは譲渡等の問題が起こっているやに仄聞をするわけでありますが、この法律は、権利譲渡、用途の変更など、埋立期間中の権利の譲渡なり用途の変更などについて予定をしておるのかどうか。 私はちょっと意見を申し上げておきますと、この法律を見る限り、埋立最中に権利の譲渡やあるいは用途の変更などは、どうあってもなしがたい、そういう法律になっておると思うのでありますが、そういった見解を含めてひとつ考え方をお示しいただきたいと思います。
○岩井政府委員 まず、公明水面埋立法の上からは、やむを得ない理由がある場合に、都道府県知事の許可を得た上で用途変更あるいは所有権の譲渡を可能にしているところでございます。一方、埋立地というものは、国民共有の貴重な財産である公有水面を廃止することによって造成されるものでございますので、その適正な利用を確保するということは、当然重要なことでございます。昭和四十八年改正の現行の公有水面埋立法におきましては、用途変更等に対しまして厳正に審査し、判断していくことになっております。 この点を少し具体的に申し上げますと、公有水面埋立法の上からも、竣功認可の告示の日から十年以内に行う理立地についての用途変更等の申請がある場合、申請があってから、こういうことでざいますが、まず所有権の譲渡につきまして、一つは、所有権を譲渡しようとする者が不当に受益しないこと、それから二つ目に、譲渡の相手方の問題でございますが、相手方を選考する方法が適正であること、それから三点目に、譲渡を受ける者が埋立免許で定められた用途に従いましてみずから利用すると認められること、転売とかそういう気配が全くないということ等を基準といたしまして許可の可否を判断するように措置されております。 それからその次に、用途変更につきましては、一つは、変更後の用途が適正かつ合理的であるということ、それから二番目に、国または地方公共団体のもろもろの計画があるわけですけれども、そういった計画に違背しないこと等を基準として、許可の可否を判断することとなっておる次第でございます。 そういうことで、竣功認可の後、用途変更等の申請がある場合には、先ほど申しましたようなことを厳正に審査し、判断して、知事がそれを許可する場合は許可するということになろうかと思います。
○貴志委員 私がお尋ねをいたしましたのは、埋立免許期間中の問題についてお尋ねする、竣功検査後のお尋ねは実は残しておるわけなんです。今お答えになったのは、竣功検査後の権利の譲渡なり用途の変更などについてお答えをいただいたわけです。免許期間中にそんなことは予定をしておるのかということを私はお尋ねをしておるわけでありまして、免許期間中にそういう用途の変更を行う場合には、もちろんこれは知事だけの許可ではなしに、一からの申請が必要になってくるわけでありまして、一からの、最初の出願と同じだけの条件を整えなければならないはずであります。かつ、埋立権の譲渡というふうなことになってまいりますと、それこそ一からやり直さなければなりませんから、現実の問題として、免許申請期間中の変更ということはあり得ないと私は判断をしますが、いかがでございますかということをお尋ねをしたつもりでございます。 〔久野委員長代理退席、委員長着席〕
○岩井政府委員 公有水面埋立法といたしましては、竣功後の用途変更等があり得るということで予定されておりまして、それが竣功前におきまして変更が行われるということも、当然法律の趣旨といたしましては予定されておる、予定されていないとは言えないと思っております。
○貴志委員 これは常識的に、法律は常識でなければならぬわけですが、埋め立ての免許の期間中 の場合は、それはやはり一たん免許権者にお返しをしなければならぬという手続が必要ではないかと私は思っているんです。そのところ、きょうはぎりぎり詰めて議論をしてしまうよりも、お互いの検討課題にしてもいいんじゃないかとは思いますけれども、少なくともこの公有水面埋立法の法律によるならば、埋め立て継続中には、竣功するまでの間には、それは難しい。一からの申請と同じ申請をやって、そして同じ当該市町村の承認も得て、全部書類の縦覧も図書の縦覧もやりまして、そして免許を受けたその当時と同じことをやらないとできないというのが、この法律のとおり解釈すると、そうなると私は思うのです。中途で知事の許可だけで変更ができないという仕組みになっておると私は思います。 しかし、ここでそのことについてあえて詰めませんけれども、そういうことを前提としながら私は聞くわけでございますが、仮に、その場合、周知の事実として、埋立免許の期間中に用途を変更したり、あるいは所有権を移転するという前提のもとに埋め立てを継続するということになりますと、無願埋め立てということになりはしないか。これは一般論でありまして、法律の考え方としてそのことについてお確かめをしておきたいと思います。
○岩井政府委員 先ほども申し上げましたように、所有権の譲渡あるいは用途変更につきましては、やむを得ない理由がある場合に厳正に審査し判断するということになっておりまして、先ほど私の答弁は竣功後の変更ということで申し上げたかと思いますが、竣功前におきましても竣功後の変更と同じ手続で行われるということになっております。 〔委員長退席、野田(実)委員長代理着席〕
○貴志委員 そう何遍も言われると、こっちも、そうですかと言うわけにはいかない部分が出てくるわけであります。事後の、竣功後の変更は、法律には、それが実行可能か不可能か裁量権の問題は含めて後で質問していくわけですが、埋立期間中の目的変更だとか譲渡などにつきましては、これはその知事の許可権で済まない、ちゃんとこうなっているのですよ。同じ条件で許可をするわけにはいかないのです。そういうことはもう法律ではっきりしているのですから、検討しておいてください。 それで次の問題に、今度は仮に竣功後ということに問題を移してみたいと思います。 竣功後の問題につきましては、ただいま局長がお答えになりましたように、法第二十七条及び第二十九条でその取り扱いについて記載がされておりまして、おっしゃるように、知事の許可でそれが行えることに法文の上ではなっておりますが、さて、この法文に基づいていろいろ解釈を検討してまいりますと、事実上これもかなりの裁量権を持ってやらなければそれができないというふうなことになりはしないかということについて、疑問を持つわけでございます。 そこで、一番肝心な部分について、まず第一番目に聞いておきたいと思います。 環境庁からもお越しをいただいておると思いますが、昭和四十八年のこの埋立法の改正に当たって、先ほど申し上げたように、いたずらに土地を造成して、公有の水面を埋め立てて、それを第三者に転売して金もうけをするというふうなことを防止するために、転売防止のためのいろいろな難しい制限を設けた。それから、用途の変更等についても非常に難しい項目をつけました。それは四十八年の改正の重立った点でありまして、ある意味では前進をしておるわけでございますが、その改正の精神からいいますと、環境保全という問題が当初の申請と異なる場合に、環境保全上どのような法の規制を設けるかということがかなり注目をされるところでございます。 そこで、昭和五十一年に瀬戸内海環境保全特別措置法ができました。この瀬戸内海環境保全特別措置法がどのように機能するかということについて、埋め立て後、言われる十年以内の用途変更あるいは所有権の譲渡などによって生じてくる問題として、この瀬戸内海環境保全特別措置法がどう機能するかということがまさにテストケースとしてその存在価値が問われることになろうと私は思うのでありますけれども、仮に、今までそういう事例がなかったということでありますが、竣功後の所有権の移転あるいは用途の変更等についてこの瀬戸内海環境保全法との絡みの中でどう機能するかということにつきまして、はっきり言えば、環境庁は拒否権発動もあり得るのかということを含めて、ぜひ見解を承っておきたいと思います。
○和田説明員 お答えいたします。 今先生、瀬戸内海においてという一般論で御質問でございますが、御案内のように、瀬戸内海には、埋め立てを厳しく抑制するということで、四十八年に瀬戸内海環境保全特別措置法及びその法律に基づきまして、審議会から「埋め立てに当たっての基本的な方針」という考え方をいただいているわけでございます。御案内のように、その埋め立てが必要不可欠である、あるいは公害防止に寄与する、あるいは環境保全上十分に配慮がなされるというようなものについてのみ認めているわけでございます。 今、竣功前あるいは竣功後ということでお分けして質問されておるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、埋め立てに至った経緯あるいはその変更の内容、規模あるいは環境保全上どういうふうにそれが配慮されているかというようなことで、個別に、環境保全の観点から問題があるかどうかというようなことから慎重に対処していきたい、そういうふうに考えております。
○貴志委員 これは、環境庁にとってはまさに存立の可否を論じるほどの重要な課題ではないかと思うのです。環境庁が十分審査をするといって、審査をした結果どうするのですか。環境アセスをやるのですか。あるいは、審議会に諮問をするのですか。あるいは、仮に公有水面埋立法に基づいて許可ができるという他の条件がそろっておっても、環境庁はこれに対してクレームをつけるということもあり得るのですか。それを聞いておきたい。それこそまさに環境庁のお仕事じゃないですかということでございます。
○和田説明員 お答えいたします。 一般論でございますが、先ほど御答弁申し上げましたように、変更の内容、規模あるいは環境保全上、そういう問題がいろいろございますので、ケース・バイ・ケースになると思いますけれども、瀬戸内法という趣旨からいえば、その目的外に使用されるというようなことであれば、先生御指摘のように、あらゆる面から検討していかなければならないというふうに考えてございます。
○貴志委員 きょうは運輸省の方からもせっかくお越しいただいておりますので、一つだけお尋ねしておきたいと思います。 仮に、用途変更したり、あるいはそこにできる土地の所有権を移転したりというようなことになってまいりますと、港湾計画の変更などの手続が必要になってくると思うのでございますけれども、仮にそういうふうな場合が生じたときには、港湾計画の変更等についての手続は当然やることになると私は思うのですが、いかがでしょう。
○石田説明員 御説明いたします。 港湾計画の土地利用計画が変更される場合には、その規模、内容にもよりますけれども、基本的には港湾計画の変更手続が必要となってくる、このように考えております。
○貴志委員 そこで、もうちょっと具体的な問題について聞いておきたいと思うのです。 用途変更する場合には、当初の申請当時に出した計画の目的と申しますか、例えば公害を少なくするというふうな目的、そういうふうなものがあるわけです。それで、仮に用途変更いたしますとその目的が達成されないとすると、その目的によって市町村が承認を与え、住民が協力して行ってきた埋め立て、それが用途変更になってしまった場合には、そういった当初の目的を少なくともクリアできる保障を与えなければならぬと思うのです。 もうちょっと簡単にわかりやすく言いますと、 仮に千のものをつくっておって現在は半分になった、したがって公害も半分になっている、目的はもう既に達しているのだという理屈は、それじゃ、もう再び千に生産が復活することはないという保障がなければなかなか納得できないわけでありますが、そういった面での、将来仮にそういうふうなことになってまいりますと、行政指導をどう行っていくのか、あるいはそういった環境アセスを含めまして、情報の公開やそういったことについてどのようにやっていくのかというふうなところが、これは具体的な課題といたしまして、仮に用途変更などがある場合にはきちんと詰めておかなければならない課題ではないかと思うのです。 そういったことも含めて、この公有水面埋立法の中で、そこまでのことを果たしてこの法律は期待しているのだろうかというふうなことに、私は疑問を持つわけでございますが、御見解をひとつ承りたいと思います。 〔野田(実)委員長代理退席、委員長着席〕
○岩井政府委員 現行の公有水面埋立法に基づきますと、所有権の譲渡あるいは用途変更があり得るということでございますが、その際に、変更後の用途あるいは変更後の所有権者がだれか、それから目的はどういうことか、それを厳正に審査して許可すべきは許可するということになっておりますけれども、今先生御指摘の、当初許可を受けた者の目的というのがあるわけでございますので、それが十分達せられないまま変更が行われる、その点についてどうかということにつきましては、現行の埋立法ではそこまでチェックはできない、あくまでも変更後の用途がどうか、目的がどうかということで審査をするということになっております。 それから、ちょっと先ほどの答弁で、竣功前と竣功後の手続のお話がございましたが、竣功後につきましてはそのとおりでございますけれども、竣功前にもし申請が出てきた場合は、当初の埋立免許を審査する場合と同じような手続になります。 環境の話も先生今出ておりましたが、例えば五十ヘクタール以上の大規模な埋め立てにつきましては、当初埋立申請が出てきた場合には知事から建設大臣に上がってくるわけですが、建設大臣は環境庁長官の意見を聞くということになっておりますが、そういった点、竣功前に変更申請が上がってきた場合には、知事に判断をゆだねるという法律の建前になっておりますので、そういった環境庁長官の意見を聞くというふうなことは法律的に定められておりませんが、そういうふうになっていないのですけれども、実態上は十分環境庁の御意見なんかもお聞きをしていくということになろうかと考えております。
○貴志委員 用途変更の場合の取り扱いについては、法律に書いてありますので、あえてここでそのことについて議論は今のところはやめておきましょう。 それで問題は、埋め立ての免許期間中であると大変厄介な手続が必要だ。要するに、実態としては一から審査をするのと同じだけのことをやらないと許可はおりない、そういうことになります。竣功検査後の場合は、かなり厳しい制限はあるけれども、後で申し上げますが、何とかなる可能性は持っておるというふうなことになるわけですが、私はここのところが大変問題だと思うのですね。 埋立免許期間中、竣功検査というのはもう境は薄いのです。薄いというか、ダブってくるというか、そんな期間に、仮に埋立中に用途変更とかあるいは所有権の譲渡が周知の事実として行われている場合、これは大変な申請が必要だ。しかし、そのまま埋め立てを続けて埋め立てをやってしまえば知事の許可だけでよろしい。ここに、法律の盲点はないか。事実はどうかというよりも、そういう既にもう埋立終了間際に一つの方向が出ておるのに竣功してしまう、竣功してしまえば知事の許可で済むというところにこの法律が悪用、まあ悪用とは言いませんけれども、法律の制限をクリアしてしまう、簡単ではないでしょうが、クリアしてしまえるというところに問題が確かに残っておる。これはやはりこれからも議論をして、そういったことについてのやはり見解というものをきちっとまとめておかなければいけないというふうに、きょうのところは提言をしておきます。 それから、先ほど局長の方で、二十七条の権利譲渡あるいは二十九条の用途変更についての御説明をいただいたわけでありますが、まず二十七条の二項でございますか、一から五まで説明をされたような条件が出されておりまして、これを全部クリアした場合には許可をなすべし、こう書いているんですね。じゃ、そのうち、一つでもクリアできなかったら、それは許可をなすべからずと読むべきなのか、五つのうち一つ二つ欠けておっても許可ができると読むべきなのか、この辺私も非常に疑問に思うわけであります。その辺のところに対する見解は、一体どうなっているのか。
○岩井政府委員 私ども建設省の解釈といたしましては、すべての条件が満たされない限り許可はすべきでない、そのように考えております。
○貴志委員 そこで、これは運輸省の方の通達でございますか、昭和四十九年六月十四日通達港管第一五八一号では、電気、ガス事業などの公共性、公益性のあるものについては、許可しても差し支えないというふうな通達を出しているわけですね。これは二十七条及び二十九条に照らす中で、こういう公益性のあるものについては差し支えないという裁量権を示した通達と私は解釈するわけですが、これは港湾ですから運輸省ですな、運輸省の方のお考えを一遍お伺いしておきたいと思います。
○石田説明員 電気、ガス公営企業に対しての許可の場合には、二十七条と二十九条と照らし合わせて行う、こういうふうにしております。
○貴志委員 どういう意味か意味不明の御答弁でございますが、きょうはそれ以上そのことにこだわって言っておりますと、もう時間もないようでございますから、最後にもう一点だけ。 法二十七条の中に、先ほど局長が言われたように、第三号で所有権の移転あるいは設置に当たって「不当ニ受益セザルコト」こういうふうに出ております。「不当ニ受益」というのは、一体どういう範囲を指して言うのでございますか、見解をお願いします。
○岩井政府委員 開発利益についてでございますけれども、埋め立てに要したコストを上回る土地資産が取得された場合、当然そこに開発利益というものが生じるわけでございますが、そういった開発利益につきましては、潜在的には当初の埋立事業者に帰属するわけでございますけれども、そもそも用途変更あるいは所有権の譲渡というものは、埋立法におきましては当然それがなされるべきものということではなくて、万やむを得ない場合にいろいろな事情を考慮して認めるということでございますので、その開発ということは、今当初から譲渡を目的あるいは転売といったものを目的とするものでないわけでございまして、その後の万やむを得ない事情によって変更というものが生じてきた、こういうことでございますから、そこに不当な受益をしない、そういう条件が当然ついておるわけでございますが、どの程度の価格で所有権を譲渡するかというふうなことにつきましては、なかなか一概に言えないところがございまして、その辺は個々のケースごとにケース・バイ・ケースで判断されるべきものではないかというふうに考えております。
○貴志委員 大阪湾ベイエリア法で、いわゆる利益の公共還元という項目があるわけであります。そういう精神からいいましても、当然その代金は当初の埋立者に帰属してしまうというふうな考え方はいかがなものであろうかという疑問も私は持ちます。 しかし、時間もないようでございます。きょうは、公有水面埋立法については表面をさらっとなでた程度で御質問を申し上げましたが、いずれ機会を見て大いに議論をし合って、より公共性の高い、より環境に留意した内容のものが生まれてく るように私も努力をいたしたいと思いますので、建設省あるいは運輸省、環境庁の各位には御努力を賜りたいということを切望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○野中委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○野中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。渋沢利久君。
○渋沢委員 今回初めて建設委員会にお世話になります。どうぞよろしくお願いいたします。 きょう私、できれば地震対策に絞った形でお尋ねをしたいと思っております。 先ほど貴志さんの質問の中で、冒頭液状化の問題が出ておりました。東京のことも心配していただいて御発言があるのを聞いておりました。 国土庁長官は、三十年前の新潟の経験もこれあり、おおむね心配のない状況になっておると言い切っていただいて、その言葉どおりであれば大変安心なのでありますけれども、御存じのように、都も非常に努力をいたしまして、液状化状況というものについて掌握をいたしております。埋立地だけじゃなしに、河川の周辺だけでなしに、かつて河川であったものを埋めた地点が非常に危険な状況になるというようなこともありまして、これから建てるところについては、先ほど来お話しのようなチェックのしようもあるし、現にチェックもしております。 ですから、地方の行政もそれなりの努力をいたしておりますから、そういう意味では心配がないかもしれない。一応今できる万全の体制をとっていると言えますけれども、そういう液状化状況を持っていながら、なおかつ、面的に住宅が密集している、そういうところでは新しく建てかえの際にチェックをする、指導をするという以外にはないわけですから、そういう意味でいいますと、東京的に、心配はありません、こう一言で言い切れる状況ではないと私は知っておったつもりですから、ちょっとその辺のところ、この部分は余りあれこれやりとりしようと思っているわけではありませんが、ぜひ少しきめの細かい、東京ですらこの程度の掌握ではちょっと逆に懸念が残るという感じでございまして、ぜひ地方は地方なりに、それは必死でいろいろな対応をしておりますけれども、やはりそういう部分を本当の意味で、建てかえ時期になったら御注意を願うというような対応ではなしに、より積極的に進めるとすれば、そういう場合の税制とか補助金とか、それは何らかのメリットを与えて指導しなければ、面的な解決案というものはできるわけがないですから、少しその辺のところは突っ込んだ御検討を、もちろん液状化だけではありませんけれども、液状化についても心にとめておいてほしいというふうに思っています。 ちょっとそのことで、長官の意見があったらお願いします。
○井上国務大臣 私、午前中に貴志委員の御質問にお答えいたしまして、最近は相当技術的な基準等が進歩しております。ただ、安心していいとは申し上げたわけではないと思いますけれども、いずれにいたしましても、新しく建てられましたものは私は割に丈夫だと思いますけれども、古く液状化現象などというものがよくわかっていなかった時代に建てられたものがまだたくさんございます。先般の釧路沖地震の場合も、私、現地にまだ行っておりませんので、目で確かめたわけではございませんが、きちっと液状化対策をした地盤のところのものは壊れていない、それから古い港湾の岸壁などはやってありませんから壊れてしまった、こういうことでございます。したがいまして、既存のものに対する手当て、そういうものをひとつこれから進めてまいりたい。 特に小建築のものについては、政府委員が御説明したように、マニュアルを公表して液状化マップをつくるようにやっておりますから、そういうところに対する手当ては、先生おっしゃいましたように、税制とかなんとかという方法もあるかもしれません、まだそこまではいっておりませんけれども、十分検討してまいりたいと思います。
○渋沢委員 そこで、関東大震災から七十年で、最近東京を含む南関東、私も東京の議員ですから、これを東京直下型という言い方で申し上げるかもしれませんけれども、それは南関東という趣旨でありますが、非常に問題になってきている。 まず最初に、きょうは、被害の激甚性あるいは切迫性、予知の課題など、漸次幾つかお尋ねしていきたいと思いますので、全般的なやりとりでなしに、お尋ねした部分についての所見を求めたいのですけれども、シミュレーションがあります。東京もこの間、三次目のものを出しました。かなり努力して具体的なものを出している。国土庁もやっておられる。それはおおむね関東大震災規模の地震の再現、大規模地震の発生というものを想定したシミュレーション、シミュレーションはシミュレーションでしかないといえばそれまでですが、しかし、かなりの費用と努力の上で、これからの震災対策、防災対策を考える上で非常に重要なデータを残していただいておるわけであります。 けれども、今東京で懸念されておるのは、それよりも一クラス下のマグニチュード七クラスのもの、これは、関東大震災レベルのものは遠い先のことで、切迫性の外にあるものという前提で東京の被害の問題というものを受けとめていいものかどうか。東京の場合は、これはマグニチュードが六ないし七という規模のものに一クラス落ちたといたしましても、東京で想定されるような、つまり、今のままで予知なしの中規模地震が発生した場合を想定いたしますならば、これはまさに関東大震災を想定して行われているシミュレーションをはるかに超える、少なくともそれと変わらない規模の被害というものをむしろ受けとめて防災対策というものを考えていかなければならぬ、そういう性格のものではないか。 八以上、関東大震災クラスというものと、いやいや、さらに一クラス下がったマグニチュード七クラス、こういう位置づけを強調して、そしてその被害の激甚性にかなりの差があるということ、やはりそれはまさに、あるのは常識ですけれども、しかし東京の事情からいうと、これはとてもそんな区別をつけられるほど生易しい被害ではない。これは、もし七クラスの地震が発生するならば、まさに関東大震災規模の被害あり、こう想定した対策を考えなければならぬという性質のものではあるまいかと思っているわけですが、そういう認識について、長官、どういうお受けとめをしていらっしゃるか。これは建設大臣も、一つの常識論ですから、一緒に御判断を賜りたいものだと思います。
○黒川政府委員 先生御指摘のとおり、関東大震災クラスのマグニチュード八のものは相当先であるけれども、その間にマグニチュード七ぐらいの直下型の地震が数回発生するという見通しが、先般の中央防災会議の専門委員会の報告にあるわけでございます。 その結果としての被害でございますけれども、具体的には、関東大震災ですと、まさに南関東全域が対象だったわけでございますけれども、今回の場合には、具体の発生する場所そのものは、マグニチュードが例えば七でございますと、大体今半径が三十キロぐらいの区域だ、そういうことでございます。具体的にその被害が起こった場所をとってみますと、まさに震度六以上になる場所、烈震のある場所について報告がなされたわけでございまして、具体の施策の推進につきましては、やはり震度が六以上の被害があるという想定のもとにいろいろな対策は立てなければいけない。そういう意味では、大きな意味では同じような考え方で対策を講ずるということの報告だというふうに認識しております。
○渋沢委員 それは全く正解なんでして、ここに 国土庁から出たものですけれども、首都機能移転問題に関する懇談会、御努力いただいてまとめをされた。そのまとめの報告書の中にも、私が申し上げるのも言わずもがなの話になるのですけれども、「地震等災害に対する脆弱性への対応」「首都機能は、」こということについて、これは「国内はもとより海外諸国とも密接な係わりを有しているものであり、一時たりとも休止することが許されないものである。現状において、東京圏が地震等の大規模災害に見舞われた場合、首都機能が麻痺もしくは大幅な機能低下をきたす可能性が高く、この場合、災害の影響は、被災地のみならず全国、海外へと波及し、被害が広域晦かつ相乗的に拡大していくことが懸念される。」として、「直下の地震による被害は、」「当該地域においては海溝型巨大地震と同程度の強い揺れをもたらすおそれがあり、震災対策は緊急性の高い課題であるといえる。」そして防災白書の平成四年度版の中の一つ大事な部分を取り出して、「過去の被害地震の例からみると、震源が陸地の直下の比較的浅い部分にある場合、マグニチュードは七級であっても、局地的にはマグニチュード八級の海溝型巨大大地震と同程度の強い揺れをもたらすおそれがあると考えられる。」「南関東地域の直下において、マグニチュード七級の地震が発生した場合、大きな被害が生じるおそれがある。」ということを特記してまとめにされておる。これはもう読むまでもない話なのでありますが、政府の御認識であるわけでございます。 私は、やはりこれからの対策を考えていく上で、しかし、まさに東京、南関東直下型の一クラス下の六ないし七のこういうクラスの地震があった場合には、これはまさに関東大震災と変わらない、あるいは場合によればそれを上回る、局地的かもしれない、面の広がりは地震の特性で予測しがたいが、そういう激甚性ということでいえば区別をつけがたい大きな被害を想定しなければならぬということにあるだろうというふうに思っております。そういう認識、大臣はお答えにならなかったが、どうですか、 〔委員長退席、大野(功)委員長代理着席〕
○井上国務大臣 先ほど政府委員がお答えした後お答えしようと思っていたのですが、もう先生のおっしゃるとおりでございまして、今この東京直下で地震が起こった場合の被害というものはまさに甚大であり、かつ国際的、世界的な影響を及ぼすものじゃないかというふうに思っております。 昨年八月に中央防災会議で、特に南関東地域直下の地震災害に対する大綱というものをつくっていただきました。その中には、一番初めに先生が御指摘になりました液状化対策というのも今度は明記してございますし、あらゆる面で被害が最小限に食いとめられるように、また都民に対するいろいろな面での防災訓練とか、PRとか、そういうものも書いてございます。そういうことについて十分に対策を練ってまいりたいと思います。
○渋沢委員 私は東京ですからいろいろな資料をたくさん持っておりますので、これはちょっともう周知のことではありますけれども、いわゆるシミュレーションで使う関東大震災、七十年前の状況と東京を対比してみても、当時は東京府で四百万の人口、今もちろん一千二百万人、昼間人口はその四倍と言われるわけであります。例えば当時は大人車が十三万台、これが交通機関の主流なんですね。これに火がついて、避難民が避難路を動けなくて被服廠のああいう災害の直接の原因になったと言われたりするわけですけれども、当時車は四千五百台、今は四百五十三万台ですからね、これはまあ大変なものであります。 それで交通量、東京市電の営業キロとか今の交通機関の営業キロも、これはもうあえて申しませんけれども、いろいろ見てみると大変な過密現象。それで、いざ東京で−この間の釧路では夜間の発生だということで、夜間特有の被害が起きておりますね。あそこも市役所がまず停電してしまって、それで右往左往。情報を集めたりいろいろ発信する電話が十本しかなくて、これもしばらくの間事実上機能しないというような、一番大事ないざ起きたというときにどういうメッセージを市民に送るかというようなことで、夜間の災害だということで非常に被害も違った形のものが出ていますけれども、東京的にいえば、昼間の場合、夜の場合、いろいろなことを想定して調査もやっているようですけれども、調べてもらったら、例えば通勤距離が大体三十キロ、四十キロということの中で昼間起きますと自宅へ帰れない、帰宅できないというような状況、駅のターミナルに集中するのが二百万人を想定するとかいろいろなことを、細かいことは言いませんけれども、冊子にして外に出したもの以外に、その前提となる細かい資料をたくさん積んで勉強しております。 もしあの種のものが起きたら、東京は本当にどうなるか。国土庁のまとめの文章で言うように、国の内外に向けて大変な影響があるというふうに思っているわけであります。 それで、その東京の特殊性ということで、これも言わずもがなのことだけれども、長官の御認識を確認しておきたいわけだけれども、東京はこのように人が多くなった、車も多くなった。それに火がつけば爆発する。火薬庫をみんなお互い背中にしょって歩いているような、そんな都市構造の中で、過密性ということで対比がされるのは、もう一つ、申し上げたように、また言われているように、首都としての機能、一極集中。まさに政治、経済、国際金融、あらゆる部分が一点集中。だからこそ、今国政のメーンの課題としてその機能の地方移転ということが大きな課題、政治問題になっている。こんな状況の中ですから、まさにこの東京問題というのは、単に過密性、都市化現象というだけでない。首都機能の集中している、こういう状況ですね。特殊性が二重に重なり合っているという意味で、非常に重大だというふうに思っているわけです。 これも政府の文書で確認をしていることだから言うまでもないことだけれども、後いろいろお尋ねしていくことでかかわりがあるので、前提として、明確に、大臣も同じ認識でいらっしゃると思うけれども、これからの対策はいいですから、私の伺っていることについての認識を一言お願いします。
○井上国務大臣 御指摘のとおり、首都にあらゆる政治、経済の機能が集中いたしておりますので、ここが被害を受けますと大変なことになるということは、先ほど申し上げたとおりでございます。 その一環として、さきの国会におきまして国会等移転の法律もつくっていただきまして、移転をどういうぐあいにやるかということを調査会をつくってやる。それから、まさにこれは国の責務であるということを法律に明記していただきまして、この事務は国土庁で所管いたしておりますので、私どもはただいま鋭意準備を進めておりますが、一大決心をもって対処したいと思っております。
○渋沢委員 そこでもう一つ、切迫性ということについてであります。 六十二年、中央防災会議の専門委員会の中間報告を見ました。平成四年に出した同じ専門委員会の報告も見ました。いずれも切迫性について触れているが、六十三年の部分で言えば、やや切迫性があるという表現が、平成四年の部分ではかなりもっと深刻な形で強調されている。やはり南関東、東京直下のマグニチュード六ないし七クラスの地震の切迫性ということについては、これはかなりのものがある。やはり中央防災会議や委嘱を受けておられる、政府に協力しておられる専門家の委員会の人たちが、この切迫性について物を言い、物を書く場合の影響を十二分に考慮の上、慎重な上にも慎重に物を言っておられる、課題が課題だけに、そういう場面だろうと思うのです。それをしても、なおかつ、かなりの切迫性を指摘しておられる。これは非常に重大な事態だと考えるわけです。 そのほかに、そのメンバーの一人である東大の力武先生の主張、これもかなり具体的に、切迫性ということについて言えば、これはぞっとするほ ど厳しい指摘をされておる。それは四〇%の可能性だとはいっても、九〇年代にこのクラスのものが起こる可能性を、あれだけの水準の高い先生が、東京と国を憂えるばかりに、地震の専門家として言わなきゃならない指摘をされておるという意味で、私は非常に重大に受けとめるわけであります。 東大の地震研の溝上教授のレポートも、週刊誌にちょっとつまみ食いで何か書いておりますが、それはあの先生のレポートそれ自体も読ませていただきました。このことの内容に細かく触れている時間はありません。もうちょっと時間があれば、実は少し突っ込んだやりとりもさせていただきたい。私専門家じゃないから一生懸命、こういう専門家のうんちくあるデータというものを大事に読ましていただいているというにすぎませんけれども、その感じで言うと、これはまた非常に、同じような意味で、これらのすぐれた水準の高い専門家がその切迫性について指摘をされている。 疑いもなくこの懸念があることを、予知連の茂木会長自身が昨年の、十年前じゃない、昨年のこの国会の委員会参考人としておっしゃっている中で言っておられますね。「いつ起こってもおかしくないという時期になりつつある」こうおっしゃっていますね。予知連の会長ですから、しかも国会の場で物を言うのですから、大変にいろいろお考えの上、しかし明確におっしゃっていますね。マスコミはいろいろ材料も多いから、この種のことを余り大きく扱うということがないような感じがいたしますけれども、しかし我々国会議員としては、この国会の中で予知連の会長がこういう証言を参考人としておっしゃっておるということの意味は、非常に重大だと受けとめました。 先生は言っておるのですね。マグニチュード八クラスの巨大地震について、「東京の、あるいは南関東地域の真下で起こるマグニチュード七クラス、ですから一ランク小さいローカルな地震ですが、これでも、その起こった場所によっては非常に大きな被害を与えます。一八五五年の安政の江戸地震では、当時でありますが一万人ぐらいの死者が出ております。」「これからはぼつぼつそういう直下の地震が起こり始める、言ってみれば、いつ起こってもおかしくないという時期になりつつあるというふうに思います。」 言葉の表現を、政府の立場も、いろいろなことを影響を考えながら、非常に慎重な発言ではあるけれども、しかし、責任のある者の発言としておっしゃっていること、これは非常に重大に受けとめなければならぬことではないかと私は思っておりますが、長官のお感じはいかがですか。
○井上国務大臣 私も読ませていただきましたが、まさに先生のおっしゃるとおり、重大に受けとめなければならぬ問題だと思っております。
○渋沢委員 そしてさらに、だから、危機的に重大だという印象で物を言わなければならぬと私は思いますのは、予知についてであります。 予知は困難であるというのが、六十三年の専門委員会の中間報告でありますね。予知が困難だという理由を主として二つ挙げておられて、一つは、南関東地域の地盤の堆積層の特性というものを挙げられている。もう一つは、都市化現象ですね。井戸を掘っていろいろ調べようと思っても、車が多い、住宅が建っておる、観測がしにくい立地条件、この二つの理由を挙げて、予知は困難、現状では、ということがついています。現状では東京を含む南関東の予知は困難だと言っている。 重大だというのは、これは六でもとでも、東京で起こった場合には関東大震災並みの被害だということは、政府も、専門家も、大臣も、議員も、みんなが認めなければならない、そういう前提に立っている。その切迫性については、いつ起こってもおかしくないと予知連の会長が責任のある議会で、責任のある立場であるにもかかわらず、控え目に、しかしそのことだけは明確に言わなければならないという事態、これは去年のことだが、こういうことですよ。こういう局面の中で、六十三年に専門家の委員会は中央防災会議に対して、東京においては予知は非常に困難である、こういうまとめを出した。これはもう事実だからしょうがない。専門家の判断で重く受けとめなければならぬ。 しからば、それを受けとめて、政治は、行政は、何をしなければならぬか、何を考えなければならぬかということが、少なくとも六十三年以後問われ続けているはずだ。地震を懸念する、人の命を大事にする立場からいえば、その時点から政治家は、政府は、一体何を考えて何をしてくれているかということが問われているのでしょう。余り大きな声を出してはいけないな。しかし、私どもこれは非常に心配ですよ。 そこで、お尋ねするのですよ。予知が困難だという二つの理由は、六十三年に初めてわかった話じゃない。あなた、二十年も三十年も前に地層のことや都市化現象はわかっていることじゃないですか。 もう一つ理由があるのです。時間がないから、もう一つの理由を僕の方から言います、私が考えていること。東京の予知対策は一生懸命やりましたよ、それは科技庁でもどこでも。特に専門家の先生方、歯ぎしりして物をおっしゃって建議を重ねてこられた。しかし、南関東、東京を含む関東における予知対策への政府のまさに危機感を持った真剣な取り組みが不十分だったこと、これは認めないといけないのじゃないですか。予知困難と六十三年に言わしめた状況の要因に、三十年前から明らかな二つの理由のほかに、もう一つつけ加えなければならぬのじゃないかということをちょっと言いたいのですね。 済んだことでごちゃごちゃ言うのは私は嫌いな方だから、余りしつこく言うつもりはないが、しかし政府自身がそういう認識をお持ちにならぬと、これからの本当の対策は出てこないという懸念を持っているのですね。 長官、建設大臣、あなたも今までのやりとりの中で何か感じる、どうですか、私の申し上げていること、ちょっと乱暴ですか。
○井上国務大臣 大変厳しい御指摘でございましたが、振り返ってみますと、地震予知に対するいろいろな観測施設とか研究施設というものが確かに十分ではなかったということは、大きく反省しなければならぬ問題だと思っております。 〔大野(功)委員長代理退席、委員長着席〕
○中村国務大臣 お答えいたします。 ただいま先生から、東京に大きな地震が来た場合にという前提でお話をいただいているわけでありますが、先生の御指摘をいただいたように、我が国の車の保有台数、五千九百万台を超しているわけであります。ですから、その日に大体どのくらいの車がここに来ているか、どのくらいの人が集まっているか、そして政治、経済、物の動き、すべて東京を中心として動いているわけでありますから、昼でも夜でも来たときに、大変な、それこそ我が国災害史上例を見ないほどの大きな被害が出るだろうということは、もう十分推測もできますので、それに対してどのように対応するかということになりますと、やはりできるだけ地震予知というものが正確にできるように最善の努力をするということは、当然のことだろうと思います。 また、予知でカバーできない部分は、どのようにして地震に強い町づくりというものをしていくかということを計画的に推進していく。両々相まっていって初めて、先生から御指摘をいただいたような問題に対応できるのではないが、このように考えております。
○渋沢委員 済んだことを余り言挙げするのは私の趣味じゃないと言いながら言うのは恐縮だけれども、しかし、ちょっと言っとかにゃいかぬことがある。 それは、測地学審議会第二次建議というのが、昭和四十二年ですよ、今から何年前ですかね、東京を特定観測地域として観測の強化を図るような提起をしている際に、四千メートル級の深井戸の観測を提起していますね。具体的に提起している。これ、やらなきゃいかぬと言っていますね。昭和五十年の見直し建議、ここでは、特に東京対 策のおくれが指摘されておって、私、全文を、一次から六次までですか、読みましたがね、特に警告的な、役所の文章ですから、そんなきついこと書いてないが、しかし、よく読み取れるのには、明らかに東京のおくれ、そしてそれを急ぐ必要性を半ば警告的に指摘をされておる。書類ありますけれども、それは読みません。かなり前から学者の先生方は、こうして二十年も前から東京の問題、観測の開発について指摘をしておるのですね。 科学技術庁、見えていますね。三千メートル級の深井戸観測、これは、震源決定を行うのに最低でも三本は掘らなきゃ、三カ所で掘って同時観測をすることで初めて一定の把握ができるという性質のものだと思うのですが、その是非、そうですか、いいですか、ちょっと。
○葉賀説明員 御説明いたします。 地震の震源決定につきましては、三本ないと位置の特定等できません。それで、先生御指摘の……
○渋沢委員 その後やったのはいいよ、わかっている、それだけ聞けばいい。 そうなんです。私が言ったんじゃ、私の演説だと思われちゃいかぬから、それは科技庁に——それは常識なんですね。 それで、昭和四十三年の文部省所管の測地学審議会では、その深井戸を、ここでは四千メートルと言っておりますけれども、とにかく三千とか四千という、もっとやらなきゃだめだということを提起されておるのです。それで、それを受けて取り組んだのだ。科技庁一生懸命やっていますよ。ここ何年に二本目、次に三本目、今こう言おうとしたことはわかっている。やっていることは事実だ。今四本目にやっと手がついた。 けれども、三本つけなきゃ本当の意味の観測効果の上がる配置にならぬという常識の中で、しかしそれは、まあ予算のことがあったりいろいろあったのでしょう、それは科技庁、国土庁の責めをとやかく言うつもりはないが、どうあれ、もっと早く、専門家の指摘があったのに、やはり本当にそのことの持っている意味、ここは非常に幾つかの理由によって予知が困難なところだ。 しかし、ここで予知なし地震が発生した場合の影響の大きさを考えるならば、政府は、これはここでどんな無理があっても、そのときの被害総額を想定してごらんなさいよ。それに比べれば、幾ら金をかけてもここは必要な手を打つべきだと判断するものがなかったのですね、時の政治に、行政に。でしょう。だからたらたらと、一本ずつたらたらやった諸君の御努力を私は決して否定するものではないが、しかし、一本一本丹念に時間をかけておやりになった。やってないとは言わないけれども、遅過ぎるのですよ。認識が甘過ぎるのですよ。さっき長官、確かに不十分だと言ったが、恐らくどれほど不十分かもおわかりにならないでおっしゃったんじゃないかと思うくらいの思いがありますよ。政府の足元でこういう具体的な建議を受けて、そしてこの程度のことしかできなかったというのは、非常に私は残念ですね。こういうきちんとした反省の上に立って、これから予知の問題は考えてもらう。困難であると言うだけで済む話ではないと私は思うのですね。 そこで、大臣、どうしますか、これ。予知は困難だ。科技庁は計画立てましたよ、何か。しかし、本当にいつ起こるかもわからない。しかしシミュレーションは、私はある意味で、厳格な意味でいえば、一つ問題を残しているというのは、予知なし地震というものをどうして想定するかしないかということ、しかも、その予知の程度によっても、これも一時間前から半年前まであるわけでしょうから、それはそういうこともあるでしょうけれども、そういう意味での予知なし地震の被害想定というものを考えると、これはもう大変なことだというふうに思うのですね。ですから、これはどうあれ、この困難性に、予知対策ということについては国を挙げ、政府を挙げて、あらゆる犠牲を払っても予算を投入して、最大限度の対応をすべきですね。そう思うのですが、どうでしょうか。その点だけ。細かい対策はいいんですよ、そんなものは。大臣の、政治判断の問題ですよ。そういう重要なものだと判断するかどうかの問題ですよ。 かつてなかったんだよ、四十三年前には。だから一本ずつぽんぽんやってきたんだ。それで、予知連の会長言っているでしょう、速記録見れば。あの人も、本当は深いところを掘ってやれば、これ、やらなければだめなんだ、しかし、これ、金がかかるものだから、少し浅いところでやらなきゃならないとか、一本やるのに十年かかった、こう言っているんだ。茂木さんはそうおっしゃっているが、厳格に言うと、そんなにはかかっていない。もっとそれは、今四本目に手がついているんだから、進んでおるわけです。だから私は、長官の危機認識ですよ、予知に対する緊迫性だ、そういう非常に危機的な予知対策のおくれというものを取り返さなきゃならないというものはお持ちになっているかどうかということ、それをお聞きしたい。 科技庁から何か今教わったでしょう。所管が違うからわからないんだ。それは後でまた聞きますけれどもね。
○井上国務大臣 予知の問題、極めて重要だということは、認識をいたしております。 ただいま科学技術庁からも着々として進めておるという報告がございましたので、それに期待したいと思いますが、予算面その他、いろいろと制約があるでございましょうから、地震に対する各省の取りまとめをしております国土庁といたしまして、先頭に立って予知の技術の向上に努力をいたしたいと思っております。
○渋沢委員 それは、そんなことを言っていたんじゃだめなんだよ、あなた。科技庁もそんな程度のメモしか渡せないんじゃもうしょうがないんだな、実際には。 これは大綱がある、やることはやっている、こう言うのです。確かに大綱つくった、あの専門委員会の報告を受けてね。しかし、大綱というのは、ここにありますけれども、見なくてもわかっているが、この中で予知の扱いなどというのは、どうなっていますか。 あれは明らかに、一言で言えば、地震が東京で、南関東で発生して、発震後の対応ですね。さっき建設大臣もちょっと言うたが、地震に強い都市づくりだとか、そんなことは、言葉は簡単だが、それ本当に、例えば東京だけで考えたって、予知なしで、いつ起こるかわからない地震に対応できるような、それを防衛できるような建築構造を東京につくるということは、大変なことなんだ、言葉は簡単だけれどもね。しかし、あの大綱は、まずそこから始まっているのですよ。言葉の羅列でと言っては言い過ぎかもしれないが、発生後の、発災後の対応をあれこれ非常に丹念に書いておられる。それをやろうとしておられる。やっておられる。 それは、政府も自治体も、とりわけ自治体は、大きな財政負担を覚悟でやっておる。しかし、予知の扱いは最後にちょっとです。ここなんですよ。こういう事の経過で、六十三年の中間報告あり、そして平成四年の報告もまたあり、そして大綱に至る。その大綱自身の中に東京、南関東における予知への対応のおくれをどう取り戻すかということの事の重大性がかけらも感じられないのです。最後のつけ足しにちょっと出ているのです。大綱があるでしょう、要約したものがあるでしょう。それをごらんになったらそのとおりだ。大臣、ここに問題があるんだ。言葉で、これから予算も足らぬで大変だけれどもやっていきたいとおっしゃっているけれども、しかし実際は、その部分の、一番大事なところ、私が一番懸念に思っている予知体制をどう強化するかという点で欠落しておるというふうに言わざるを得ないのです。 そこで長官にお尋ねしたい。大規模地震対策の特別措置法でいわゆる強化地域に東海地域が指定されたということで、東海地域に対する予知対策は世界のどの国に出しても地震対策としては胸を張っていいシフトを組んで対応していると言っていいでしょう。このためにやっている政府の努力 や関係者の努力や専門家のノウハウは大変なもので、私は評価するのです。しかし、それとの対比の中で東京、南関東を扱えないというのは、この法の適用をしないからでしょう。できないから、できないと決めているからでしょう。なぜ同じような扱いをしないのか。それは、あの法律には大規模地震に限るという法律の趣旨で、しかも大規模地震の大規模というのはマグニチュード八以上という、そういう認定をすることによって中以下を避けた、退けた。すなわち、予知可能な八以上の部分についての対策ということで線を引いたのがあの法律のトリック、弱点、盲点、言い方はいろいろあるだろうけれども、ここが非常に問題点ですね。でしょう。あの法律では強化地域に指定できないのでしょう、あの法の趣旨そのものからいえば。 そのネックになっているのは、東京は予知ができないからですよ。できる八以上のところを、東海はできるから適用したのです。できるところは予知対策を含めて国を挙げて責任を持ってやると言っている。できないところはだから適用できないというのは、ますます悪循環じゃないですか。だから、何もやってないと言っていませんよ。一生懸命いろいろな方針を出していますよ。けれども、それならばなぜ強化地域として東海並みの扱いをしようとしないのか。それだけ重要な地点にあるということを、東京を含む南関東を位置づけないのか。法律に問題があるなら法律を改めても、古い法律じゃないですか、あのときは東海がクローズアップされたから東海用につくったような法律です。 しかし、今の東京及び南関東の懸念を考えるならば法律をさわったっていいじゃないですか、時代とともにそれはさわるべきものではないですかと私は思うのです。もし法律に手をつけないほかの手法があるならよろしいです、私は形をこだわっているわけではないのです。日本で最高の政策、施策を予算も十分つけて集中できるようなシフトをしく必要がある、なぜそれをお考えにならないかということを問いたいわけです。
○黒川政府委員 大規模地震対策特別措置法につきましては、御指摘のとおりマグニチュード八で東海地震については予知が可能だという前提で強化地域を指定しておりまして、それを指定することによりまして、例えば数日以内に起こるという予知がありますと、その数日間に非常に大きな防災的な行動を防災機関、住民の方にしていただくということでできている法律でございます。 今回の南関東地震の直下型につきましては、マグニチュードが七ということで規模が小さいという意味での困難性ということと、先生から御指摘いただきました観測施設網がまだ不十分だといういろいろな意味でございますけれども、予知が不可能だ、予知が難しいということでございまして、こういった場合の対策といたしましては、我々は事前にどういうことを対策で講じておくか、あるいは緊急のときにどういうことをするか、そういう二つのことをやらなければいけないという意味で、昭和六十三年に南関東地域の災害応急対策の活動要領をつくらせていただき、また事前対策としては、既に大都市の震災対策要綱で各関係の、東京都その他でいろいろ町の防災強化等について努めていただいております。 さらに、それを一層集中的に強化しようということで、先般、昨年の八月に南関東直下型の地震の大綱をつくらせていただいたわけでございまして、その大綱におきましては、地震の予知の観測網等の推進についてさらに広域深部観測施設の整備等を積極的にやろうということで位置づけをしまして、現在は第六次の予知計画でございますけれども、これを次には第七次の計画につなげていくということでございます。
○渋沢委員 大臣、お聞きのとおりなんですね。やはり法の建前からいって予知のできないところは対象にならぬ、こう言っている。そういう扱いを受けるところは予知対策がますますおくれるわけです。東京をそういうことで位置づけておいていいのか。それだけの構えがとれないにしても別なことで一生懸命やっている、東京都もやっているなどと言うが、東京都の話を聞いているのじゃないのです。大綱があります、大綱でも言ったでしょう。予知がどうしてこんなに軽い扱いなんだと私は言っているでしょう。それに本当に答えてない。だから法律も適用できない。大綱でも、しかし今の現状では発生後の、地震が起きてから以後の対策ですね。そういう逃げの政策であります。これも大事だが、被害を最小限度に食いとめるためにあらゆる施策をとらなければいけないが、一番肝心な予知の点について思い切った対応をなぜとろうとしないのか。これは政治判断の問題だからね。 私はもう一回改めて、細かいことはまた時間があればいろいろ尋ねたいこともある。科技庁で出している計画も、あれはもっと本当に危機意識を持っておられるならば期間を縮めるとか、浅井戸の計画などもありますよ、ケーブルもやる、いい、結構だ。しかし、今やらなければならない最大限度のものを短期間にやるという政治判断ができないか。金のかかるときだから、政府はそう簡単に金のかかることは言えないということで今まで通してきた。三本つけなければ価値のないものを二十年かけてやってきているのです。これも予算がないということの、さっき長官が言ったようなことの繰り返しを二十年繰り返して、やるべきときに思い切ってやっておけばという機会を失しているわけですよ。 ですから、このままだらだら同じ形でいきますと、それは結局、ああ、あのときに思い切った投資をしておけばこんな大きな激甚な被害を南関東に与えなくても、政府が恥をさらさぬでも済んだということが必ず出てくる。今言葉だけでも変革だとか改革だとか言わなければ政治でないような時代だ。ベテランの長官と新進気鋭の、それはもう若さと決断に満ちた建設大臣が、おれの所管じゃないみたいな感じで受けとめられてはこれは困るんだ。主要な閣僚のスタッフとして、これはぜひ内閣の問題として対応してほしい。私は、細かいやりとりじゃなしに政治判断の問題として意見を交わしたい。改めてもう一回聞きますよ。今言ったことを前提にしてこれから問うが、そのことについての所感をお二人から聞きたいのです。 僕は、今の政府の対応、それからきょうの議論を通しても、やはり三つの不満を抑えることができない。どういうことか。 一つ、大規模地震の特別措置法がさっきのような経緯で成立したときに、東京に心配がある、そのときから既に予知の困難な地域だということはわかっている。けれども、ここを法律の対象として強化地域だと設定すれば、さあ想定される財政支出は並み並みなものではない。当面はとにかく東海への対応だということで、予知のできないところは切るという法律なんです。これは先ほど申し上げた。わかった。仮にそうなら、その瞬間から、時の政府に心あらば、地震に対する懸念があるならば、私は、やはり同時に、それでは予知の困難な東京あるいは南関東の予知対策、災害対策、地震対策というものについて、政府は、あるいは国会を挙げてどういう取り組みをするかということの対策を出発させるべきだ、そういう責任が本来あったんじゃないのか。それが、先ほど来指摘をしたように、大変専門家の指摘があるにもかかわらず怠ってきたということを、政府、長官みずからも認めざるを得ない、これが一つ。 二つ目に、先ほど言いましたけれども、国会移転も法律になった。その国会や首都機能を移転しなきゃならない理由、三つか四つ挙げておられるその主要な理由の一つに、東京で地震が起きたらこれはえらいことになるということが確認されている。まさにそのとおり。だから国会も移さなきゃならぬ。国会だけではない、各省庁も動かさなければならぬ。大規模な新都市への移転構想が法律になり、委員会もつくられ、国土庁を中心に動いている、政府は。作業が始まった。 しかし、この瞬間に同時に、これは東京都民や南関東の懸念される地震災害を受ける人々への対応、このメッセージを同時並行に、もっと言うな ら、国会移転、首都機能移転を法律化する前に、少なくとも並行してこの東京の地震対策、とりわけ予知対策というものの重要性というものに真剣に、同じレベルで取り組むという姿勢が、これが真っ当な政治の常識ではないのか。それが見えない。そして、同じことがあの大綱、すなわち六十三年、東京の予知は困難だという専門家の報告を受けてつくられたその大綱の中で、この南関東、東京の予知対策に対する本当に緊張感を持った対応というものが示されておらない。 私は、今までの議論を通して、今の政府の対応の中でこの三つの点を指摘して、やはりここは何としても特別な措置を、測地学審議会の第三次の建議の中でも、東京は特別な措置が必要だという表現があります。ごらんになってください。もうあれこれの事情の中で、東京は特別措置が必要だという表現があります。まさに特別な措置を政府に考えてもらわなきゃならないところに来ていると私は思うんです。そのことを強く御指摘を申し上げて、両大臣の御判断、御意見をぜひ聞かせていただきたい。
○井上国務大臣 先生おっしゃいますとおり、大綱には、一番最後に「直下の地震の予知は現状では非常に難しい状況にあるが、」云々として、「測地学審議会の建議の趣旨に沿って、」こといって、いろいろな研究観測体制を強化するということが最後のページに書いてございます。私は、今先生のいろんな御意見を伺いまして、東京直下型地震の予知について大変難しいということを聞いておりますけれども、そのためには、金を惜しまず、予算を惜しまず観測とか研究を進めるべきだと思いますので、私も素人でございますが、科学技術庁等関係方面と打ち合わせながら、これの予知の体制の強化に最大の努力をしてまいると……
○渋沢委員 大綱のその部分での練り直しぐらいはやらなきゃならないんじゃないですか。私は、そのくらいの決意をおっしゃるかと思って、期待しながら質問している。
○井上国務大臣 いや、ですから、予知に関する体制ができれば、大綱は変更することにやぶさかでございません。 それから、予知そのものの難しさと申しますか、東海地震等との差等について、もし御必要あれば、政府委員から説明をさせます。
○中村国務大臣 ただいま国土庁長官が答えたことと同様でありますが、ただ、今ちょっと具体的に数字を調べさせましたら、科学技術庁の予知予算が二十五億八百万ですか、そして全体が八十二億、こういうことだということも今報告を受けました。 実は私も、六十八日間でありましたが、科技庁の長官もやりましたので、そういう面では、地震の予知の重要性というものは、十分先生の趣旨を理解できるものであります。科技庁の予算、限りある予算の中で、ややもするとぎゅうぎゅうの中で予算を伸ばしていくということは、今の動きの中ではなかなか難しかろうと思いますので、政治的な意味でこういった重要性を政府としても取り上げていくべきではないかという趣旨に対しては、私も前向きに取り組む必要性がある、このように考えております。
○渋沢委員 じゃ建設大臣、長官も大変心強い決意を述べられた、この場だけのかわしの御答弁ではない、それは本当に重大な課題、荷物をしょったという感想を述べられたというふうに、言葉は短くても、私は素直に受け取って、ぜひきちんとした取り組みをお願いしたい。法律で強化地域の指定をしたと変わらないような対応を見せてほしいというふうに思っております。 それで、できれば、科技庁が出している深井戸観測の整備計画、持ってますけれども、これは大変結構、しかしこれも早期実現、大体この辺をめどにしてということしか科技庁としてはそれは確かなことは言えぬ、全部予算がついているわけではない、こうしたいという整備計画、これが短期に達成できるような努力をぜひお願いしたいと思います。 もう時間が三分ですから、最後に一点お尋ねをしたい。 これは、大変困難なことであるかもしれないし、事情が許さないことがたくさんあるのだろうと思うけれども、事地震について言うと、予知だけで見ましても余りにも各省庁のかかわりが多岐に及んでおる。中央防災会議が、総理府が事務方になるのはわかるとしても、科技庁、文部省、通産省、運輸省これは気象庁の関係ですね。建設省、郵政省、各省にまたがっておる。これは、行政上ばらばらにならないようにそれぞれの取り組みを統一的に一元化して連絡調整をやっておることは承知しております。しかし、それはもうここまで来れば、というのは、非常に地震の問題、これはある意味では三年後かもしれない、二十年後かもしれないという課題で、我々四年ごとに選挙をやらされる政治家族のまあお互いのしがらみで、言葉ではいろいろ言うけれども、本当の意味で長期の、国家百年の計というが、未来の日本を念頭に置いて思い切って汗をかく、犠牲を払うというようなことがなさ過ぎるように思うのです。 これこそ、我が国は残念ながら地震大国だ、東西南北さまざまなプレートに攻め立てられて、その接点に立っている。そういう意味では、まさに日本のように国土全体がいわば地震帯の中にすっぽりある。まして、茂木予知連会長の言葉をかりれば、首都がそのまた最も危ないところにあるなどという国も珍しい、こうおっしゃっておるが、まさにそういう国柄なんです。私は、地震庁というのが悪ければ災害庁でもいいが、地震の大臣は私である、この省庁が責任を持って事地震については対応すると言えるような、やはり行政の一元化というものを思い切って目指さぬといかぬのじゃないのか。役所を多くするということは私は決していいと思ってない。小さな政府で機能的な対応が迫られているときではあるけれども、六つも七つも八つも各省庁にまたがって、そして連絡会議、調整でやる。それはやっとそういうところに来たんだけれども、それはそれなりの効果があることを否定しないが、もうその域にとどまっておってはいけない、さらに一歩前へ出て行政の一元化に大胆に取り組む時期に来ていやしないか。時間がないので例示を挙げて細かいことを申し上げにくいが、以上のことを申し上げ、所見を伺って終わりにしたいと思います。
○井上国務大臣 国土庁は予算も力も余り持ってはおりませんが、縦割り行政であります政府部内の各省の行政の総合調整を役目といたしております。そのうちの極めて大きな問題が、ただいまの地震を中心とする防災面でございます。おかげさまで国土庁にも実は防災局というのが数年前にできたばかりであります。それまでは官房の一部でやっておったという状況でございますが、ある局をつぶして防災局をつくり、そして今各省の連絡調整に当たっておるわけでございまして、あくまでも、国土庁としては各省の施策にすがるということは実態ではございますが、やはり防災対策、地震対策には先頭を切って各省を引っ張っていこう、こういうつもりで取り組むつもりでございますので、御理解を願いたいと思います。
○中村国務大臣 ただいま国土庁長官からお話をいただいたことでありますが、私もたまたま先生の選挙区と近いところから出ておりますので、この地震のことについては非常に深刻な問題である、このように受けとめておりますので、こういう話は政治的な運動が非常に大きな運動になっていくことによって動いてくるという部分もあろうかと思いますので、私も先生と同じような危機意識のもとでこの問題を積極的に取り扱えるような政府の中での環境づくりに努力をしていきたい、このように考えております。
○渋沢委員 どうも心配な余り声高な質問になりましたが、御容赦願って、以上で終わります。ありがとうございました。
○野中委員長 次に、薮仲義彦君。
○薮仲委員 私は、先般両大臣が発表なさいました所信に基づいて、建設、国土両省の重要課題について何点か順を追って質問をさせていただきたいと思うわけでございますが、本来、道路、住宅、 都市計画、順を追っていこうと思いますけれども、国土庁長官がやむを得ない御用事だそうでちょっと質問を順番をひっくり返しました。今の続きになりますけれども、災害の問題から質問をさせていただきたいと思うわけでございます。 先般、当委員会でも何回か御質問ありましたように、釧路地方にマグニチュード七・八の非常に大きな地震が発生したわけでございますが、幸いなことに震源地が深かったことによって局地的な被害におさまったことはある意味では不幸中の幸いと言うべきかと思います。しかし、この地震によって亡くなられた方に対しまして心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災なさった方々が一日も早く元気になられますよう祈りつつ、質問を展開させていただきます。 私も衆議院の災害対策特別委員として現地へ行かせていただきました。現地でいろいろ行政の方あるいはいろんな立場の方の御意見あるいは実態を見てまいりまして、やはり河川、道路、そのほか港湾施設等思わぬ大きな被害が出ておりました。やはり建設、国土両大臣の大きな力によって早く復旧してほしいというのが最大の願いでございまして、道民、あるいは能登半島でも被害を受けられたわけでございますが、皆さんの勇気づけのためにも両大臣の復旧への力強い御決意をまず冒頭にお伺いしたいと思います。
○中村国務大臣 釧路沖の地震災害復旧につきましては、建設省といたしましては道路、河川を中心といたしまして、被災状況にあって、一日も早い復旧活動ができるように全組織挙げて取り組んでいるところでございますので、御指摘をいただいたようにさらに力を入れていきたい、このように考えております。
○井上国務大臣 釧路沖地震につきましては、夜の地震であったということや、それから非常に大きな地震ではございましたが深度が深かったということで津波もございませんでした。子細に調べてみますと、液状化現象とかいろいろと今後教訓になるような弱点もございましたし、それからあの辺は従来たくさん地震のあったところでございますので、市町村を中心として市民に対する地震対策、PRと申しますか教育が非常によくて、火災が十一カ所起きましたけれども延焼が一カ所もなかったというようなこと、こういうことは非常に不幸中の幸いであったかなと思っておるわけでございます。 ただ、残念なのは、厳寒の中の災害でございましたので、今建設大臣もお話しございましたが、災害復旧の方法が、応急復旧はやれますけれども本格復旧の査定がなかなかできないということで時間がかかっておりますことはまことに残念に思いますが、建設大臣初め関係省庁にもお願いをいたしまして、一日も早い復旧と市民の生活の安定に努めたいと思っております。
○薮仲委員 今国土庁長官、多くの教訓というお話がございました。防災局長も我々と同行していただきまして現地をつぶさに視察をしていただいて、これからの国土防災行政に大いに参考にするという立場にいられるわけでございますが、防災局長としてどのような教訓を得られたか、お話しいただけますか。
○黒川政府委員 衆議院の災害対策委員会の調査に私も同行させていただきまして、薮仲先生初めいろいろな先生方と一緒になって現地を見させていただきまして大変大きな教訓を受けました。 一つには、やはりこういった大きな災害の中で住民の方々が非常によく対応していただいた、これは災害についてのいろいろな常日ごろの市町村等についての指導の中身あるいは住民の方々の御理解の中だったと思います。 それから、今大臣も申し上げましたけれども、そうはいいながら、具体的にはやはりどのような対策をしていても、具体的に事件が起こった場合にはいろいろマニュアルどおりにはならないわけでございまして、具体具体の場所で見ますと、やはり液状化現象が出ていたり、あるいはがけつ縁が崩れていたり、いろいろな問題がございます。そういったことで、事前の対策を着実に進めるとともに、やはり緊急時の対応は、行政機関もそうでございますし住民の方もそうでございますが、そのときの緊急判断というものを常にできるような体制をつくっておくこと、あるいは学校とか職場などを通じましていろいろ住民の方にも心構えを持っていただくこと、この辺を中心にやっていく必要があるというようなことを教訓で受けました。
○薮仲委員 限られた時間で、局長には大変無理な質問をしたわけで、反省しておりますけれども、その場その場でいろいろ教えていただくことが数多くございました。私も地元が静岡でございますので、今同僚議員が御質問なさっておりました東海地震をいつかは受けて立とうという決意で県民一同覚悟をしておるわけでございますが、地震と聞きますと私は非常に関心といいますか、いろいろな教訓をそこで学んでこようとして行ってまいりました。 私は両大臣に、これは今後の課題として御検討いただきたいのは、私は釧路へ行って一番重大だなと思いましたのは、これはテレビでも何回も放映されましたけれども、いわゆる情報がぷっつんであったわけですね。あの釧路の市長さんも、例えば病院あるいは消防へ電話しようと思っても電話が通じませんでした。今度の災害は、ある意味では私は非常に守られたと思うのですが、言い方が余り適切ではございませんけれども。と申しますのは、ガス漏れは二カ所でした。もしもあれが全市的に発生して皆さんがガス会社へ、一一九番へ電話をしてもほとんど電話は通話不能だったと思うのです。全然通じない。しかも、市長さんが病院の状況を電話で調べたくても調べられない。市役所から車を出して病院の状況を調べた。こういう情報がぷっつんということは非常に怖いことだ。ガス会社にガス漏れの通報、あるいは消防へ火災の通報、今長官がいみじくもおっしゃいましたけれども、皆さんが本当に防災に来られて、火をすぐ消された、しかし、数多くの方はやけどしているのです。 ああいうことを見ておりますと、情報伝達とか事前の訓練とか、数多くの教訓があったと私は思うわけです。局長も地震発災のときにマニュアルどおりいかないとおっしゃいましたけれども、いかなければ困るのです。いかなければ大変なことになる、大惨事になるのです。ですから、これから一つ一つここで確認をとっておきたいと思うのでございますが、まず郵政省、あのような地震発災のときに、電話の交換機というのはどのようにコンピューターがセットされているか、教えてください。
○竹田説明員 まず、災害発生時には、緊急の連絡ですとかあるいは見舞いの電話、こういったために全国から被災地へ電話が集中いたします。それから、被災地の域内で電話が急激に増加しまして、電話の回線設備の能力を超えて処理し切れなくなります。そういった電話の利用に影響が出ます。このため、災害発生時におきましては、災害の救援や交通、通信、電力等の確保、または秩序の維持のために必要な通信を確保するということが重要でございまして、このために優先の電話という取り扱いをしておりまして、その他の一般の電話を一部一時的に制限できるように電気通信事業法で定められております。このような優先の電話は、国、地方公共団体、消防、警察、交通、電力、ガス、水道、金融、報道機関、病院、学校等の各種防災関係機関に設置されております。釧路市の場合には、約四百カ所以上にこういった優先の電話が設置されております。 それで、電話の回線設備におきましては、優先の電話の通信を確保するために、災害発生時の状況に応じまして、まず全国から被災地域への通信を規制する能力を有しておりまして、一般の電話について通話の規制を行います。それから第二に、被災地域内の電話につきましては、ある一定の電話回線設備の能力を超えます場合には、一時的に一般の電話の発信を規制するような機能が働いております。 なお、特に重要な通信を確保するためには専用 の回線を設置するということが考えられまして、例えば雲仙・普賢岳の噴火火災におきましては、自治省及び国土庁と現地の災害対策本部を結ぶ専用回線が設置されております。
○薮仲委員 今の説明、もう少しわかりやすく、こちらで解説するのもいかがかと思いますけれども、それは静岡でもやっていることなんです。地震が発災しますと、全国からかかってくる電話の九五%はカットするようになっているのです。この釧路の場合も、大体その九五%はカットされて、よそからかけようとしてもかからない。 それから、これは後で課長に確認していただきたいのですが、今の釧路の交換機は、通常かけている電話の本数より五%アッパーになりますと自動的にカットしてしまうのです。ですからかからない。今、優先というお話がありましたけれども、優先は有線じゃありませんで、優先順位の優先ですね。プライオリティーでございますから、優先順位にかかるわけでございますけれども、例えば、長官のところには、優先の電話機を持っていますと、こちらからかけるときにかかる。行政サイドからかけようとするとかかる。これは優先があるわけです。これも、今言ったように四百数十カ所が通じているわけでございますけれども、現実には果たしてそれが役に立ったか、立たなかったのか。あの釧路の市長さんの御発言を聞いておりますと、私はその方も余りどうなのかなという感じがあるわけでございます。 それから、当日、病院がどうであったか、病院の状況を言っていただけますか。
○今田説明員 釧路市内におきます、地震直後から翌朝の通常の診療時間までに、地震を原因といたします傷病者は二百七十一人でございました。 その受け入れ状況でございますけれども、主な受け入れ病院といたしましては、釧路市医師会病院が百三十三名、市立釧路総合病院が六十一名、この二病院だけで全体の七一・六%が受け入れられているという状況になっております。 なお、当日、この釧路市医師会病院が通常の救急医療体制でいいますところの第二次救急医療体制の病院群輪番制の当番日であったこと、市立釧路総合病院が二十四時間体制の救急救命センターであったこと、こういったことがこの二施設に集中したというふうに思っております。
○薮仲委員 これはもう少しわかりやすく言ってもらいたいのですけれども、自治省、消防庁来ていると思うのですけれども、国土庁には国土全体の国土防災ありますが、両大臣御承知のように、各市町村は自治省を中心にこのように地域防災計画を持っているわけであります。それで、地震発災のときにどういう対応をするかというマニュアルは、さっき局長が言ったように、一応書いてあることは書いてあるのです。この中に九十七の医療機関があるのですが、そこの中で患者さんが集中したのは二つの病院なんですね。特に一番集まったのは、釧路市医師会病院というところへほとんどの人が入った。これはテレビでもやったと思うのです。ほかの、それよりもはるかに病床数の多い釧路労災病院やなんかはもうスタンバイしておったのですが、一人も来ない。あるいは日赤も、釧路赤十字病院も来ていないのです。最終的には、釧路労災病院は重傷六名、軽傷十四名、釧路赤十字病院は重傷ゼロ、軽傷六名、こういう状態で、地域防災計画に病院が九十七書いてあって、患者さんが集中したのは二カ所。 しかも、あそこで、両大臣とも心を痛められたのは、シャンデリアが落っこってきて奥さんを助けようと思ってけがなさった方が、最終的には救急車で運ばれて命を落とされた。もっとすいている病院へ入っていったらまたという思いがあるわけです。これも、市長さんが車を走らせなければ病院の実態がわからなかった、果たしてこれで本当の防災体制と言えるのかな、こう私はどうも疑問に思えてならないし、この問題を解決していただきたいと思うわけでございます。 それから、消防庁さん、ちょっと言いにくいことを言って申しわけないのですけれども、お許しいただきたいのです。消防庁さんの望楼がどんと落っこったのですね。あの望楼の近所の建物はびくともしないのですよ。望楼だけ、すとんと落っこったのです。しかも、悪いことに、消防には一一九番を受ける無線と消防無線がありますが、その望楼のてっぺんに消防無線のアンテナが立っていて、それがぼしゃんと落っこったのですね。通じなくなった。一時的には消防本部へ無線が通じない。ですから、移動の無線でカバーしたと思うのです。こういうような、発災のときに最も救命救急の本拠地である消防本部の望楼が落っこった。新聞にでっかく出ておりました。これは古い建物であるということかもしれませんが、私は、そういう消防の一番大事な救命救急の連絡の本部は地震で壊れるような構造であっては困る、まず全国の建物をしっかり確認してもらいたいし、どんなときにも無線が通ずるような消防本部であっていただきたい。自治省、いかがでしょう。
○猪野説明員 御指摘のように、地震時に防災拠点であります消防庁舎が耐震性を有すべきであるということは極めて重要なことでございまして、釧路沖地震での望楼落下事故を踏まえまして、地震後開催されました全国消防所管課長会議等の各種会議の場で、あるいは文書によりまして、災害時の防災活動の中枢となるべき消防庁舎の性格にかんがみまして、その耐震点検を実施し、その結果に応じて必要な対策を講じるよう、都道府県及び各消防本部を指導してきたところでございます。 なお、このために必要とされる、耐震点検に要する経費につきましては、所要の財政措置を予定しているところでございます。
○薮仲委員 国土庁長官は、国全体の防災行政を掌握していらっしゃいますから、本当はきょうは消防庁長官にお見えいただいてと思ったのですけれども、よく伝えてくださると思って余り嫌らしいことを長官に言うのもいかがかと思っておるわけでございます。 私は、地域防災計画、これは拝見させていただきました。私はこの地域防災計画、非常に関心があるわけです。なぜ関心があるかというと、ちょうど長崎で、これは両大臣とも御承知のように、大変とうとい人命が失われたその被害がございました。あのとき消防庁長官は砂子田長官でございましたけれども、昭和五十七年七月二十二日、あの長崎で非常に多くの人命が失われました。あのときの前の地域防災計画がこの赤い水なのです。きょうはもう時間がありませんから、ごく簡単にやりますけれども、この赤い本には一番冒頭のところに雨のことが書いてあるのです。ところが、中身に雨のことは何にも書いてないのです。 雨のことをいいますと、こういうふうに書いてあるのです。二百ミリでがけ崩れ、三百ミリではんらん、地すべり、四百ミリで大地すべり、大災害と書いてあるんですが、中には何にも雨のことについては書いてない。こういうようなマニュアルの中でも、本当に重大なことが欠落しているようではいけません。地域防災計画の見直しを消防庁にお願いしました。それから、長官が真剣に取り組まれて、地域防災計画をこの長崎は直されたわけです。雨のことも書き方が全然変わりました。この雨の降り方も、河川のはんらんについては、毎時十ミリの一昼夜二百四十ミリには河川はたえます、しかし毎時八十ミリ三時間の二百四十ミリになればたえられません、急激に雨が降ったら河川ははんらんしますということなんですね。それから、既に二百ミリ以上の雨が降っておりますと、毎時五十ミリで一時間降っただけで河川ははんらんしますと細かく長崎市は地域防災計画を見直したのです。しかも、各地域で全部どこが危ないかを今度は明確にしたわけです。 でも、この担当者がいなくなると、またこれが役に立たなくなっては困るので、ずっと私は地域防災計画が本当に生きたものであってほしい、こう願ってきました。この地域防災計画に連絡の箇所が書いてあるのですが、これは抜けていると思うのですが、病院のことが抜けているのですね。一番最後の方に病院は全部載っております。 ただ、ここで私は今後のために御検討いただき たいのは、いわゆる住民と行政側とのアクセスをどうするか。これがぷっつんだったわけです。市長にあるいは市、行政機関に言おうとしても、電話が切れていますと非常に困る、この問題をどうするか。医療機関への連絡をどうするか。そして、一一九番への通報を住民の側からどうやったらいいのだろうか。そうなりますと、いわゆる同報無線というのがあるのですが、釧路市は同報無線はまだゼロでございます。あるいはまた、住民への徹底のあり方はどうするんだ。 これはよくマニュアルや水防法等にも地震発災のときには書いてあるのですが、いわゆる行政が、例えばローカルのテレビとかラジオに、とことこ病院へ行ってください、あるいはどこどこ病院が込んでおりますからどこどこ病院ですとか、的確な病院の状態であるとかそういうことをやはりテレビ、電波媒体を使って流すということは、真っ暗なあるいは電灯が切れたときでも、あの電池のラジオで入ってくる声は心強いものがあるかもしれませんし、そういう電波媒体にどう流すか。あるいは、私はこれは検討していただきたいのは、静岡の場合はそうなっているのですけれども、市の職員が携帯無線を持って河川がはんらんした箇所あるいはがけ崩れしたところ、避難地へ携帯無線を持って本人が飛んで行くのです。そうすると、行政側の連絡がアクセスできるわけです。ガスの事故が起きているところやそういうところへ飛んで行けば、車で行かなくたって徒歩で行ってもいい。そうやって情報を交換するような体制を私はもっともっと真剣に論議してほしい。 しかも、この中には広報車の活動が書いてあるのですが、広報車というのはこういう車ですね。広報宣伝の広報車がございますけれども、ああいう広報車の活動についても、本当にだれが担当してどういう情報を流すか、そこまでこの釧路地震を通じて全国の防災について私は教訓として御検討いただきたいと心から思っているわけでございます。 最後に長官にお伺いしますけれども、その前にちょっとまだ非常に痛ましいことがあって、これも残念ですが、通産省お見えだと思うのですが、ここでガス漏れで亡くなった方がいらっしゃいますね。これは今刑事事件になっていますから、何が原因がというようなことを私は聞こうと思いません。ただ、ガス会社がどういうことを行ったか、その事実関係だけ言っていただけますか。
○薦田説明員 お答えいたします。 今先生御指摘のように、今回の地震によりまして、死亡者一名を含め、中毒患者三十八名を生じております。亡くなった方につきまして、心から哀悼の意を表するところでございますが、先生の今の御質問の点でございますけれども、今回亡くなった方がお住まいだったところは、釧路市の大楽毛市営住宅に住んでおられた方でございます。 時間的経緯等をお話しいたしますと、一月十五日午後九時四十分くらいでございますが、釧路市消防本部から大楽毛住宅第一号棟でございますが、ここがガス臭いという通報がございまして、二十二時ごろ釧路ガスは緊急出動をいたしております。ガス検知器で調査をいたしたようでございます。調査をいたしました結果、敷地内にございます建屋の外にございます配管、ここからガスが漏えいしているということを検知いたしまして、十六日の午前零時ごろ、引き込み管の遮断バルブを閉止いたしまして、五十戸のガスを停止したというところでございます。 なおこの際、釧路ガスの職員は各家庭を訪れまして、遮断バルブを閉止したこと、それから窓をあけて換気をしてほしいこと、それから今後何か気づいたらすぐにガス会社に連絡をすることといったようなことを伝えたということでございます。 なお、被害者につきましては、翌朝七時十九分、救急車にて釧路労災病院に入院されまして、同八時十五分ぐらいに亡くなられたということでございます。 当省といたしましては、先ほど先生も御指摘ございましたように、今回のガス事故の原因につきましては警察でも調査中でございますが、今後委員会を設置いたしまして、その中で再発防止について十分検討してまいりたい、かように考えているところでございます。 〔久野委員長代理退席、委員長着席〕
○薮仲委員 大臣これもわかりやすくいいますと、ガス臭いということでガス会社に通報しました。ガス会社の係の方が来て、ガス検知器を持ってガス検知をしました。そして、建物の外のところで漏れているので外のバルブを閉めました。そして、今おっしゃったように言ってガス会社の方が帰られた。ところが、不幸なことに、さっき長官もおっしゃったように、非常に厳冬でございます。約八十センチぐらいがからからに凍っているわけですね。そのバルブを閉めていったのですが、既に漏れておったガスが恐らくその凍土の下を通って建物の中へ滞留して、そしてとうとい命を落とされた。これは、今課長の報告のとおり、一応ガス会社のおやりになったことは、通常のマニュアルどおりまでおやりになったと思うのです。でも、それ以上の被害が今度起きたわけです。 そこで、マニュアルにあっても今のようなことは起こり得ることですね。道路工事であるとか、凍土であるとか、いろいろなケースを専門の方がお集まりになって、この釧路のケースを本当に教訓として、再びこういう事故を起こさないような体制をどうぞ御検討いただきたい、こうお願いをいたしておきたいと思います。 それから、これはガス協会が全国から応援に行ったのです。これはもう長官よく御承知のとおりだと思うのです。でもこれは、逆に中小の零細ガスにとっては非常に大変なんです。私が例えば応援に行くガス会社ですと、その人の給料とか旅費は出します。しかし、向こうに行ってのいろいろな宿泊であるとか食事は受け入れ側の釧路ガスが受け入れるわけです。弱小零細なガス会社にとっては、このことが相当な負担になっているのじゃないかな。人命救助の上に、またそれから一日も早い災害復旧のために、歯を食いしばってあの寒い中をどれほど苦労しておやりになったか、私は現地へ行ってしみじみと実感をしております。 そういう中で、皆さん方の御努力は本当に評価をしつつ、ただ現実にああいう釧路ガスみたいな小さなところが困らないような基金の体制ですね。あのガス協会も東京ガスとかあるいは大阪ガスとか東北ガスとか、でっかいところがあるわけですから、ああいうところがしっかり基金の中心になって、何かあったらその基金でどこへでもみんなで行きましょう、そして地元のガス会社が全力で復旧に努力できるように応援しましょう、この体制があってしかるべしと考えるのでございますが、これは通産省に聞いた方がいいのか、国土庁長官が通産省を督励してやってくださるのか、まあ通産省に聞きましょうか。
○沖説明員 御説明申し上げます。 委員御指摘のとおり、今回の釧路ガスの復旧作業につきましては、釧路ガスの関係要員に加えまして、全国三十四社一団体のガス事業者からの応援要員七百六十七人が加わりまして、合計八百九十七人体制ということで復旧作業を実施したわけでございます。 釧路ガスの復旧費用につきましては、まだ具体的な数字が上がってきておりませんが、その数字がかなりの程度見通される時点におきまして、釧路ガスの負担能力なども勘案しながらガス業界において検討していくという方向で今進んでいるわけでございます。 また、先生御指摘でございます将来に向けての備えということでございますが、今後将来、仮にこのような天災地変が生じた場合、復旧事業を円滑に実施するとともに、その後のガス事業の的確な遂行を確保できるように、その費用負担のあり方につきましては現在の原則どおりでいいのか、さらにそれ以外に費用負担のあり方につきまして、委員御指摘のような基金の設置の可能性なども含めまして現在ガス業界で検討しているところでございまして、当省といたしましては、その状 況を見守り適切に対応していきたいというように考えている次第でございます。
○薮仲委員 これは省の違うことで、国土庁長官にお話しするのもいかがかと思うのでございますが、どうかこれを心にとめておいていただきたい。通産省の対応について、やはりこれは防災の大きな事業でございますので、御配慮のほどをよろしくお願いいたしたいと思うのでございます。 それから、これはややこしいことは聞きませんから、農水省と運輸省、意のあるところを酌んですかっと答えていただきたいのですね。意のあるところを酌んでくれというのは、負担法とか暫定法という法の枠の中でがたがたやられるとややこしいことになりますので、我々、現地に行った与党の先生や野党の一人一人が、またここにいるすべての建設委員の諸先生、もちろん両大臣は当然ですけれども、あの港湾施設あるいは漁港施設、全部一日も早く直ってほしい、こう思っているのですから、ややこしいことはちょっとおいておいて、意のあるところを酌んでお答えいただきたいわけでございます。 これは地元の市長さん初め皆さんが非常に心を痛めておられます。釧路港というのは、もう大臣御承知のように今までは日本一の漁港を誇っておったのです。しかしイワシの漁獲が減りまして、第一位を境港に持っていかれたのです。でも日本の水揚げ第一位であることは間違いないわけです。ですから、釧路市はそれだけの漁港施設を持ってきちんとやっていらっしゃるわけです。先ほど来質問がありましたように、あのエプロンのところ、あるいはいろいろな荷揚げの施設等も大きな被害を受けておるわけでございますが、私は専門でございませんけれども、アンローダーというのですか、穀物を引き揚げるものですね、それからいろいろなベルトコンベヤーも相当傷んでおりました。大変なお金がかかるな。 それだけでなくて、地盤そのものがもう液状化でがたがたになっておりました。お話のように液状化の対策をきちっとやった岸壁はびくともしなかったのですけれども、これはかっておやりになったところであって、今ここでその問題を言っても間に合いません。今私たちが望むのは、一日も早くあの港湾施設、そして牛やなんかにやるえさをどんどん揚げてほしいと思います。石炭も揚げてほしい、それから点もたくさん揚げて、安心した市民の生活を回復してほしい。 そこで、漁港施設も大変傷んでおりまして、あそこには農水省が四十六年から市場施設というものを事業としてやっているわけでございます。また、あそこは港湾区域でございますから、立派な港湾施設があるわけでございます。これ以上のことは言いませんから、どうか運輸省並びに農水省、知恵を出してあそこをすっきりともとどおり以上によくしてもらいたいと思うのですけれども、いかがでございましょう。
○石田説明員 お答えさせていただきます。 先生御指摘のように、今回の地震で釧路港の港湾施設が相当被害を受けております。現在基本的な応急復旧は終わりまして、その次にまだ順々にやっていかなければいけない応急復旧事業をやっております。先生御指摘の、特に漁港埠頭と私ども言っておりますけれども、その部分につきましてはエプロン部分も相当陥没しております。この辺につきましては、復旧工法については現在鋭意検討しておりますけれども、御指摘のところの復旧の可能性につきましても鋭意検討してまいりたい、このように考えております。
○大隈説明員 先生御指摘のとおり、魚揚げ場につきましては二月十二日現在で約十億の被害ということでございまして、建物そのもの、それから外周の沈下亀裂、あるいは給排水関係の被害というものが出ております。私どもといたしましても一日も早く復旧いたしたいと思っておりまして、地元の方からも魚揚げ場等市場関係の復旧につきまして要望が上がってきておりますので、今後どのような対応が可能か、関係方面とよく相談してまいりたいと思います。
○薮仲委員 これ以上ややこしいことは一切申し上げません。この辺のことは国土庁長官はもう百も御承知で、今まで行政マンとしておやりになった中で何だこれはと言いたくなるようなこともおありだと思いますが、我々はそこから先を言わないところがいいところで、きちっと直してくださることを期待しております。 今まで私はずっと申し上げましたけれども、これから道路とか河川とか建設大臣の方にいきますので、今までのところで私は決して嫌みとかそういうことで申し上げたつもりは全くございませんで、これはやはり全国どこでも起こり得ることであるということをよく教訓として、自分の町は、自分の市は大丈夫かと反省の材料にしていただきたいと思いますので、全部まとめて、復旧も含めて、ややこしいところ、道路や河川は中村建設大臣がばっちりやってくださると思うので心配ありませんけれども、今までのややこしいところをまとめて長官の御決意を伺いたい。
○井上国務大臣 さすが薮仲先生、現地にも早速お入りになり、非常に系統的な、また細かい点までの視察の御報告といいますか教訓等についてお知らせいただきまして、本当にありがとうございました。 一番初めに先生おっしゃいました情報の伝達でございます。実は先生から情報網の整備はどうかという質問がありましたので、ここに役人が書いてくれたのがございますが、これを全部読みますと、防災行政無線のことが書いてあります。政府と都道府県、都道府県と市町村、そこまででございます。今先生おっしゃいましたように、そこまではともかくとして、住民と行政機関との間の情報連絡がどうなっているのか、こういうお話で、なるほどこれではいかぬなと思っております。おっしゃいましたように、ここにもありますが、これからはああいう情報伝達の、電話機等も発達しておりますから、ポータブルな可搬型の移動無線機、こういうものを普及して、災害要員がそれぞれ持って現地へ行く、今小さいもので行けるわけですから、そういうものを全国にわたって普及させなければいかぬな、そういうふうに考えておりますので、そういう点に重点を置いて情報についてはこれからもやっていきたいと思います。 行政無線についてはもう先生よく御承知のとおり相当進んでおりまして、府県におきましてもあと三県だけやれば全国に普及する、こういうことになっております。 それから今度の釧路の地震は、冒頭私申し上げましたように、また今先生がいろいろ細かい点まで御指摘になりましたように、大変教訓を含んでおる。被害を受けた方に我々が教訓だ教訓だ、今後の役に立つんだなんということを言うのは大変失礼だとは思いますけれども、翻ってみますと、いい点もあったし、よかった点もあったし、これはまずかったなという点もたくさんございます。これを一つ一つ教訓として記録し、そして全国に普及させるということにいたしたいと思います。 中でも、私申し上げましたように、地震に対する市民の対応が非常に適切であったということ、火をすぐ消すというところが、本当に十一カ所の火災だけでおさまって延焼がなかった。しかし、火を消しに行ってやけどをされる、熱湯をかぶってやけどをされる、そこまでは思いが及んでいなかったということを反省させられます。 それから、もういろいろございますが、ガスの問題、先ほど通産からもまた先生からも御指摘ありましたが、私は、今度の中で大変いいことをしていただいたというのがやはりガスの復旧だと思います。ガスでお亡くなりになった方に対する対策はまことに残念でございましたが、全国から九百人、現地が百三十人おりますから七百七十人ぐらいですが、全国、九州の果てからもガスの専門家が釧路に集まって、九百人が一斉にガスの復旧あるいはガスにかわる暖房施設の貸与とかそういうのに走り回られたということは大変頭の下がることでございますし、通産省といたしましても、先ほどありましたように調査会を設けて今後ガス地震対策を練っていく。その中には、私も心配しておりましたが、ガス会社というのは地方へ 行くと本当に中小企業でございますから、全部自分でかぶると会社がつぶれてしまうんじゃないかというような心配もございますけれども、基金とかそういう資金の援助についても調査会の中で検討していただくということになっております。私は大変適切な措置ではないかと思います。 そのほかいろいろございますけれども、復旧につきましては今農林、運輸が申しましたが、何分厳寒地でございますのでおくれておることまことに申しわけございませんけれども、また解け出しますと融雪災害というのが出てまいります。それにも備えながら応急対策、恒久対策と進めてまいりまして、市民の生活が一日も早く安定するように、災害の取りまとめ窓口の国土庁として一層努力をするつもりでございます。
○薮仲委員 どうか長官の御尽力で関係省庁力を合わせて一日も早い復旧、そして次への新しいいろいろな改善がなされますことを心から期待をいたしておきます。 次に、いよいよ道路と河川の方へ質問を変えさせていただきたいと思うのでございますが、道路の被害もございました。これを質問すると藤井局長が何とお答えになるのか、余り喜ばしくはないわけでございますが、きょうは道路が本番じゃございませんのでちょっとお聞きいただきたいのですが、国道四十四号、それから二百七十二号、これは両方とも直轄国道でございます。これはもう局長先刻御承知のように、車がどんと落っこった映像もテレビに出ました。目の前が、走っていたら急に道が切れちゃった、こういうことでございます。あそこは湿原の多いところでございますから、切り土のところはいいのですけれども盛り土のところはどうしても地盤が脆弱であるということで、今一部復旧現場も見させていただきました。しかし、大変な苦労をしていらっしゃいました。あそこで復旧をするのには、ちょっと置いておけば土のうがからからに凍って役に立たなくなるような厳寒の地でもございました。 私は暖かい静岡とは随分遣うんだなと思いつつ帰ってきたわけでございますが、いずれ次の委員会で十一次五計を質問させていただきますけれども、この中でも道路局は安全で信頼性の高い道路ネットワークの整備ということで、震災対策としては平成三年震災点検による橋梁、共同溝等の要対策箇所等々、この震災対策については真剣に取り組んでこられておるわけです。 震災総点検をいたしました。あるいは道路施設以外の点検も平成四年にいたしました。あるいは落石も点検いたしました等々、この危険箇所についてはこの中で書かれてございますけれども、あの場所が果たして危険な箇所として想定しておったとこうあるいはそれ以外のところであったか、この辺のところも私にとっては非常に気にかかるところでございますけれども、この復旧と同時に、地震で、幸いあそこは車が落っこっても人身に及びませんでしたけれども、やはり人命を守れるような堅牢な道路であってほしいと考えておりますので、復旧と同時に今後のこういう災害対策についての局長のお考えをお聞かせいただきたい。
○藤井(治)政府委員 お答えいたします。 地震による道路の被害は、当時国道で全路線八路線十九カ所、とまった路線が五路線七カ所でございました。約九十キロもとめざるを得ませんでした。直ちに応急復旧に努めたために、現在のところまでは国道四十四号、二百七十二号の二路線二区間、二十五キロが一月十五日から今まで我慢をしていただいておりましたけれども、現地の部隊が頑張っていただいたおかげで、短期間で盛り土の安定を図る工法を採用して、この二月、今月の二十六日に四十四号が、二百七十二号は二十八日、いずれも今月ぎりぎりではございますが、とりあえず使えるようになるということになりました。本当に現地の人たちはよくやってくれたと思いますが、まだまだ道道は七路線ほどとまっておりますので、これからそれの復旧も全力を挙げてやりたいと思います。 今回の地震で私ども実は反省をいたしまして、三月中にも総点検の見直しをして、やろうと思っております。それは何かといいますと、今回のような地震、言ってみれば傾斜の比較的緩い地盤上の盛り土については私ども経験がありませんでした。それが今回崩壊いたしました。そこで、従来どうしていたかというと、どちらかというと勾配の高いところ、これについては全部調べて、そして設計する際に地震時の力を入れて安定計算をして、そして補強していたわけです。だから今回のようなものはありませんので、今度はもう傾斜は関係なしに、そういうちょっと集水から見てもいろいろと危なそうなものについては全部点検して、その上でそれをどうしたらいいかということを早速やろうということで、今準備を進めております。
○薮仲委員 局長のその力強い決意を聞いてほっとしました。どうか地震に強い道路をきちんと建設していただくように心からお願いをいたしておきます。 次に、河川をお伺いしたいのでございます。 この釧路川、これは現地へ行きまして、私は現地視察はいたしませんでした、しかし写真は見せていただきました。この釧路川も国の直轄の一級河川でございます。これも両大臣御承知のように、釧路というところは釧路湿原がございますように、今ちょうどラムサール条約が釧路で開かれますけれども、非常に湿原の多い地帯でございます。ラムサール条約にも北海道は釧路湿原、屈斜路湖、ウトナイ湖、ちょうどこのラムサール条約の会合が釧路で六月から開かれるわけでございますが、ちょうどその湿原のところへ堤防工事をやっていかなきゃならない。いろいろな御意見があったにしても、私はあそこの湿原の堤防は非常に重要だと思っております。 と申しますのは、これは建設大臣も国土庁長官も御承知のように、ここは大正のころから治水には非常に努力をしてこられたわけです。あそこはいわゆる治水容量といいますか、治水のために堤防をつくりました。釧路市を守るために遊水地をつくってあるわけでございます。その遊水地を支えているのが今度被害に遭ったこの堤防で、これはもう私がここで見せるのはちょっといかがかと思うのですが、私もこの写真だけ見て大変だなと思いました。このように堤防が縦にばさっと割れていますね。あるいは堤防が刀で切られたみたいに真っ二つ、一刀両断にばさっと切られているわけですね。こういうふうに、こう切られている。 これは余り岩井局長はうれしくないような写真だと思うのでございますけれども、私これ早くしまいますけれども、これをなぜ先ほども不幸中の幸いかといいますと、昨年北海道だけが台風があったのです。後ほど台風の問題をやりますけれども、本州は台風がなかったのです。ところが北海道だけ、どういうわけか知りませんけれどもあの十一号、十七号台風が来たのです。そのとき、河川局が釧路市への計画高水流量、いわゆる洪水を起こさないために水を途中でダム等でカットしておる、そういうのが遊水地になっておるわけでございますが、そこで、約三千三百立方毎秒その遊水地でカットするんですね。もしもここに水がたまっているときにこういう地震があったらば、余計な心配をして申しわけないのでございますけれども、幸い水のないこの厳冬期に地震があって堤防が破壊いたしました。 しかし、もしも水がたまっていたらどうなるのか。ちょうど昨年の台風十一号、十七号のときには、これはもう大臣も局長も先刻御承知のとおり、約三分の一ぐらい水が湛水したんですね。堤防が決壊したときには、これは大変な事態だったな、河川局長も非常に深刻にこの事態は受けとめていらっしゃると思うのでございますが、このように釧路市民を守っているような重要な堤防が湿原のところにある、やはり環境保全ということは大事でございます。と同時に、人命を守っていくという治水の立場もこれまた我々は十分理解をしていかなきゃならないと思っておりますが、幸い水のないときにこういう被害がございましたけれども、完全な堤防の復旧、そしてまた地震に不安 のないような堤防にしていただきたい、こう考えるわけでございますが、河川局長、いかがでしょう。
○岩井政府委員 このたびの釧路沖地震災害によりまして、河川関係で直轄河川五河川、箇所で五十六カ所、それから補助河川で二十六河川、箇所で四十五カ所被災を受けておりますが、今、その中で先生特に釧路川についての御質問でございますので、釧路川に限って御報告さしていただきますと、今回の地震によります釧路川の被災は、二月十七日現在までの調べで、堤防十七カ所、延長約九キロでございます。それから、護岸関係が九カ所で、総延長一キロになりますが、そういった大変大きな被害を受けておりまして、被害総額で百四十億くらいになるのではないかなと思っております。 そういった復旧がこれから課題になるわけですが、御案内のとおり、北海道あるいは東北地方におきましては春の融雪出水それから梅雨季の出水、もちろん台風期もあるわけでございますけれども、そういった出水期までに早期に何か緊急的な手当てが要るだろうということで、釧路川につきましては一月二十七日に約五億円をもちまして十九カ所の緊急復旧工事に着手しておりまして、現在鋭意施工中でございます。そういった緊急復旧工事につきましては、融雪出水前の三月下旬までに何とか完了させたいということで今頑張っておるところでございます。 それからまた、本復旧の方でございますけれども、本復旧につきましても、緊急復旧に引き続きまして、できるだけ早期に着手すべく、今現地調査に基づいていろいろ大蔵省とも協議中でございまして、災害防止に万全を期していきたいと考えておるところでございます。
○薮仲委員 どうか、釧路の方にとっては非常に重要な一級河川の堤防でございますので、局長の御発言を聞けば皆さん大変喜ばれると思いますので、しっかりとした復旧を重ねてお願いをいたしておきます。 そこで、河川局に話が参りましたので河川に関連してちょっと質問を変えさしていただきますけれども、私は長い間ずっと災害対策といいますか、災害対策の委員会には当選以来ずっと所属させていただきました。災害の中には、今思い出しても与党の先生、亡くなられた佐藤隆先生あるいは今いらっしゃらない天野光晴先生とか、物すごい熱心な方がいらっしゃいました。特に、佐藤先生などは御自分の体験を生かされて、やはり国土防災あるいは災害対策あるいは復旧ということに物すごい熱意と情熱をかけていらっしゃいまして、我々も初めて災害対策委員になったときに、かくあらねばならないなと心に誓うものもありましたし、先輩の諸先生の熱意には心を打たれるものがございました。私も全国の被災地をずっと視察させていただきまして、やはり自然災害から人命を守る、これが我々こういう立場にいる者にとっては一番大事だなということを深く認識いたしたわけでございます。 これはもう両大臣とも知っておりまして、今さら言うのもいかがかと思うのでございますが、日本の国のいわゆる台風による被害、なかんずく人命損傷といいますか、日本の国では有名な三大台風と言われます室戸、枕崎、伊勢湾、これはもう御記憶なさっていらっしゃる大きな台風でございました。このとき、室戸台風では二千七百二名の方が、枕崎台風では二千四百七十三名の方が、伊勢湾台風では四千六百九十七名、物すごい方が台風洪水で亡くなったわけでございます。防災白書を見ましても、自然災害で人命を落とされる方が毎年大変大きな数でずっと推移していっている。早くゼロにならないかな。これは両大臣とも同じ思いであろうと思うのです。 先般の防災に対する国土庁長官の所信の中でも、長官は、昨年非常にそういう意味でのお亡くなりになった方が少なかったことは、ある意味では非常に不幸中の幸せなことであるというような御発言もございましたが、私も一日も早くゼロになってほしい。その中で、人命が失われるのは何だろう。この白書をつぶさに見ていけばおわかりのとおり、これは土砂災害それから河川のはんらん、これによる死亡が一番多いわけであります。何とかこれがなくならないかということが年来の私の悲願でもございました。 ちょうど両大臣、今イメージしていただきたいのです。台風が来たとき、テレビを思い起こしていただきますと、例えば、NHKの画像の中に十二時ごろから静止画像出てますけれども、出てくるのは何か。まず雲画像が出るわけです。気象衛星からの雲画像がありますね。それから予報円といって、丸い円がかいてあって、何時間後にはここへ行きますという予報円があります。それからいわゆるアメダス、雨量が出てくるわけです。グラフで出てきて、この辺は大変雨が降ります。この三つしか出てこないわけですね。この三つで、ではどういう被害が起きるかということは、ある程度今後の雨の降り方等に御注意くださいというアナウンスがありますから、雨の降り方を見て寝るわけですが、しかし、現実、それだけで本当に危険なのかどうかはわからない。 何が必要かといえば、河川の水位が増高して洪水になるかならないか、これは、河川の水位がもしもわかるということがあればどんなにか安心した生活が送れるか。この問題を私は平成二年から災害対策特別委員会あるいはこの建設委員会等でずっと主張してまいりました。郵政省も非常に真剣に、この問題に取り組みましょうということで、郵政省が中心になりまして、建設省、国土庁あるいは気象庁、関係省庁が全部集まりまして、あるいはNHKも来ました、民放も来ました、それで、テレビ画像にどういう画像を出したら一番わかりやすいのだろうか、何回も何回も研究をしてくださいました。 ちょうどそのときに大臣は綿貫大臣でして、大臣も、賛成です、これはやりましょう。ちょうど私が静岡ですから、私はNHKにも行ってきました、静岡放送局へ。大臣は富山でした。それで、とにかくこれはやってみようということで、これはちょっと図柄ごらんになるとわかりますけれども、東京の荒川です。郵政大臣は当時荒川でしたから、東京もやろうということで東京も入っています。これは静岡の安倍川の例です。このような画像を最初研究したわけですね。では、これをどうするかということでいろいろな論議を重ねまして、静岡と富山でやってみようじゃないかということで平成三年から始まりました。これは建設省河川局の皆さんが本当に大臣のもとでしっかり頑張ってくださいましたし、歴代の国土庁長官も本当に真剣に御尽力いただきました。私は心から感謝を申し上げます。 それで、きょう、その先のことをお願いしたいので、今までのことをちょっと、委員長、これ大臣にお見せしてよろしゅうございますか。済みません。これは説明しながら後でお見せしますので、ひとつ一つずつお渡しください、後で何が何か説明しますから。 それで、このボール紙の紙芝居みたいなもので恐縮でございますが、「台風十八号」というもの、これは一昨年の台風十八号のときの画像でございます。これは、開きますとNHKの全国版のあれが出てきます。二枚目開いていただきますと「ネットワークしずおか」という画像が出てまいります。これは静岡のローカル、NHK放送のものでございます。それで三枚目を開いていただきますと、ここに建設省が御尽力いただいたこの画像が静岡で流れたのです。これはまだ一級河川だけなんですが、これを見た県民はこういう水位の情報がわかる、警戒水位を超えているか超えていないか。これは非常に大きな反響を呼んだのですね。それで、これはいいことだということになりまして、富山県と静岡県だけでやってないで全国に何とかできないかということで御尽力をいただきました。 それで、ちょっとこっちのバインダー見ていただけますか。これはその後、建設省がいろいろと御尽力いただきまして、全国の地建と放送局、十一の町でこういうふうに同じような画像を処理し てくださいました。今ではこの画像をスタンバイできているわけでございますけれども、去年は幸いなことに台風はございませんでした。ですから、ほとんどの画像は映像として出ませんでしたけれども、いわゆる情報としては、非常に河川情報の有効性というのが評価されたわけでございます。 それで、もう一つの、これです、白がありますね。これをちょっと見ていただきますと、これは、一番直近のNHKの画像でございます。これが北海道でございますが、北海道から始まって、NHKは画像処理をきれいにやって、こういう画像で今はテレビ処理、画像は先ほどのバインダーにあるよりよっぽどきれいな画像になっています。ここまで今来たわけでございます。これは、一生懸命関係の皆様が御尽力いただいて、大体建設省八つの地建とそれから北海道開発局ですね。NHKは十一の放送局まで来たわけでございますが、大体二十数県カバーしているわけです。私は、これだけの情報を、建設、国土両省でいろいろ御努力いただいてここまで来ているわけでございますから、四十七都道府県まで何とか、ちょうど国際防災十年の年でもございますし、何とかこれを推進していただきたいと思うわけでございますが、建設省のお考えいかがでございましょう。
○岩井政府委員 雨量、水位等の河川情報をより早く関係機関に伝達していくということは大変重要なことでございまして、先生も御承知のように、昭和六十年十月に河川情報センターなるものを設置いたしまして、ともかく関係する防災機関にまず情報を伝達するようにしようじゃないかということでずっと努力をしてきておりまして、現在では、約二千九百五十の防災機関に情報がオンラインで提供されるようになってきております。 それで、先生の御指摘は、防災機関だけではなくて、テレビ等のマスメディアを使って直接一般住民に、今お見せになりました、ああいった水位の情報を画面で伝達できないかということで、この場で言うのもあれですが、薮仲先生に大変御指導賜っておりまして、先ほどお話しございましたように、静岡、富山それから首都圏の荒川でございますけれども、まず三地域においてモデル的にやってまいったわけであります。 それで、その結果現在では、現状を申し上げますと、平成四年十月までにNHK本部それからNHKの地方放送局十局におきまして、そういった水位状況等の情報を提供できる体制が既に整備されておりまして、この結果、二十五都道府県へ、直接住民に対しましてNHKを通じて情報が提供されるということになっておる現状でございますけれども、これをできるだけ早期に全国に普及すべきではないかという御指摘でございます。先生の御指摘のとおりでございまして、私どもといたしましても、今までの実績を踏まえまして、関係機関とも協力しながら全国的な展開を図りたい、それから画面につきましても、さらにわかりやすい情報の提供を図るよういろいろ工夫も重ねていきたいというふうに考えております。 いずれにいたしましても、河川情報の提供につきましては大変重要な課題であると考えておりまして、これからも引き続きその拡充に努めてまいりたいと考えているつもりでございます。
○中村国務大臣 ただいま河川局長が答弁したことに尽きるわけでございますけれども、私も今先生から御指摘をいただいて、こういう資料が具体的にあったということを実は初めて知りまして、大変いいことではなかろうかと思っております。 全国に普及するためにどういった問題があるのか、どのくらいの時間がかかるのか具体的に詰めさせて、できるだけ早くそういったことが周知徹底できるようにやっていきたい、このように考えております。
○薮仲委員 大臣の御答弁を伺って、私も本当にほっといたしました。どうか、全国どこにいる方もこの情報を得て自分の身の安全を図っていただければ、洪水によって亡くなる方が一人でも、もちろんゼロになってほしい、この願いがかなっていくことを期待いたしております。 もう少しこれをさらに進めていただけないかというむちゃな期待もあるのですが、今の建設省のお力では、私は不可能ではないのじゃないかという希望もあるわけでございます。それは、静岡はサイポスという情報を持っておりまして、これは二級河川に入っているわけですが、このサイポスも今、建設省は流れるようにしてくださいました。非常に感謝いたしております。と同時に、建設大臣御承知の水防法では、洪水予報といいますか、何時間後にどのくらいの水位が増高する、あるいはこういうことになるぞというのは水防法、あるいは気象庁は気象業務法で決められているわけでございます。水防法上もこの情報提供ということは義務づけられるといいますか、定められているわけでありまして、将来のためにいろいろテクニカルといいますか技術的な問題が数多くあろうかと思いますが、どうか建設省のすばらしい技術力等で、もしも河川の将来の水位の増高まで予報、警報を出せるような時代が来ればなという期待感がございますが、これはいかがでございましょう。
○岩井政府委員 建設省では、御承知のとおり、気象庁と共同いたしまして、洪水により国民経済上重大な被害を生ずるおそれがある河川というものを洪水予報河川として指定しておりまして、現在三十六水系七十二河川あるわけでございますけれども、そういったところにつきましては、例えば警戒水位を超えるおそれがあるとか、あるいは計画高水位に近づく洪水になるおそれがあるというふうな形式で、一応予報というものもやっておるわけでございますけれども、先生の御指摘は、先ほどのテレビにおける画像じゃないけれども、画像の上で水位が予測できないか、何時何分にはどういう水位になるかというふうな形で予測ができないかという御指摘であろうと思います。 これからの方向でございますが、やはりそういった水位の予測カーブの情報を一般住民に提供するということは、方向とすればそういう方向に向かっていかなければならないと考えておりますけれども、現在のところ技術的にいろいろ問題がある。降雨は必ずしも予測どおりに降らないということもありますし、短時間内に水位予測精度の判断を求められるという精度上の問題なんかもちょっとございまして、現在の段階では住民に与える影響、もし間違ったりすると大変なことにもなりかねないので、現在のところではまだちょっと問題があるのかなというふうに考えておりますけれども、しかし、方向とすればやはりそういう方向に向かっていかなければならないというふうに認識しております。今後とも予測精度の向上に努めますとともに、一般住民への予測情報の提供につきましてもさらに調査検討を進めてまいりたいと思っております。
○薮仲委員 よくわかりました。これは大変難しい問題ですし、今局長がおっしゃられたように、逆に住民に与える不安、あるいはその情報予測がちょっとでも狂えばかえって大変なことになるというお話、そのとおりでございますので、十分経験則を踏まえた上で次へのステップを進めていただければ大変ありがたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。 続いては、海岸の問題に移りたいわけでございますが、ここに一枚の新聞記事があるわけでございますが、これをちょっと見出しだけ読みます。「急速に進む海岸線浸食」「防波堤・河川護岸が原因」という見出してございますが、これは必ずしも正確な記事であるかどうかということはおいておきまして、やはりこのような記事が出ておること自体は、海岸侵食ということについて、我々国民の側からしますと、非常に重大な関心を持たざるを得ないわけでございます。この記事の中にもございますけれども、ダムや護岸等により河川から海への土砂の流入が減少しておりますよ、こういうことが出ておるわけでございます。 しかし、国土地理院の地図等によりましても、河川が侵食しているというお話もございます。やはり日本の国土が侵食されて少なくなっていくというのは、これは国民にとっては大変なことでも ございますけれども、侵食の現状と原因をどういうふうにとらえていらっしゃるか、建設省のお立場での御認識をお伺いしたいと思うのです。
○岩井政府委員 先生御指摘のとおり、近年海岸侵食、全国的に顕在化しておりまして、侵食という問題が大変大きな問題だろうと思っております。 それで、その原因でございますけれども、原因につきましては一般に波浪、潮流などの海象条件、海の方の条件が基本的にきいてまいりますし、それから海底の勾配などの地形条件といったものも関係してまいるかと思います。そのほか、土砂供給の変化、これはダムなんかも関係しておるかもわかりませんが、それから海岸におきますいろいろな構造物、護岸もありますでしょうし港湾の施設もあるでしょうし、いろいろ構造物がふえてきておりますけれども、そういった構造物の影響など、そういったものがもろもろ複雑に絡んでおりまして、現在のところその機構につきましてはまだ十分に解明されていないというのが現状かと思っております。そういうことで、言うなれば、言葉は悪いですけれども、一つの複合的な現象としてとらまえざるを得ないのじゃないか、そんなふうに考えております。
○薮仲委員 本当はここでダムの方から海岸侵食にいきたいのですけれども、国土庁長官がお時間の都合があるから質問をがらっと変えますので、済みません。ちょっと地価の問題を、これはもう本当にごく短時間で、本当は長くやりたいのですけれども、短くやりますから。 地価の認識、これは地価を所掌していらっしゃる国土庁長官として、最近の短期地価動向調査を見ましても、ずっと下がっております。また、建設大臣といたしますと、これから道路の十一次の五計あるいは住宅あるいは河川の問題等出てまいりましても、地価の安定、そして安くなることは、これは国民ひとしく望んでおりますが、安くなればどこまでも安くなればいいのかということでもございませんし、やはり安定した土地の価格というのは重要だと思うのでございます。 両大臣にお伺いしたいのは、現在の地価、下がりつつあると言われておりますが、これが適正なのか、あるいはもう少し下がってもいいのじゃないのか、いろいろ御意見もあろうかと思いますが、両大臣の現在の地価に対する御認識を教えていただきたいと思います。
○井上国務大臣 お答えいたします。 地価動向につきましては、先生今御指摘のように、おおむね平成二年秋ごろをピークといたしまして下落、鎮静化の傾向を見せております。最近の動向を見ますと、御指摘のように、大都市圏におきましては顕著に下落をしております用地方圏におきましても、下落または横ばいという状況にございます。しかしながら、大都市圏の地価につきましては、勤労者世帯の平均年収の五倍程度で良質な家を持てるようにしようといういわゆる生活大国の目指すものにつきましては、地価はまだなお高い水準にある、そういうふうに認識をいたしておりまして、引き続き総合土地政策推進要綱に基づいて総合的に現在の地価対策を進めていきたいと思っております。 なお、今後の地価の動向というのは、これはなかなか的確に予測することはできませんけれども、短期地価動向調査等を勘案いたしますと、昨年後半までのこのような下落の傾向がことしに入っても基本的には変わっていない、なお下落の傾向にあるというふうな認識をいたしております。
○中村国務大臣 ただいま国土庁長官がお答えになったことと関連をいたしますが、今生活大国づくりで、都心から一時間から一時間半で大体七十平米のマンションを年収の五倍、こういう一つの大国づくりを目標にしておりますが、現在約六。五倍でありますので、まだその乖離がございます。地価がさらに下落し、そして土地の安定供給ができるようになっていくことが生活大国づくりとしては望ましいのではなかろうか、このように考えております。
○薮仲委員 そこで、これは国土庁長官にお伺いした方がいいのか、鎭西局長でも結構でございますけれども、これも新聞記事でもっていろいろな書かれ方をしておりますので、やはり土地の担当の国土庁として真意をお聞かせいただいた方がいいと思うのですね。これはもう大臣、長官御承知のように、これは次官が必ずしもこういうことを言ったのじゃないと思うので、非常にシンボリックに書いてあるわけでございますが、「「住宅地は底打ち感」 国土次官見通し」とか「春にも下げ止まり 住宅地価で国土庁次官」「住宅地で底打つ?国土次官が見通し」とか、こういう書かれ方をしているわけでございまして、中を読んでいけばそんなことはないなというのは我々はわかるわけでございますけれども、正式な場所で国土庁としての御意見を聞いておくことは大事なことだと思いますので。そこだけ聞いて、それと「地価監視、緩和へ」と出ているのですが、この地価監視の緩和についてはまだ改めて伺います。この地価動向については、次官発言はこのように「下げ止まり」というような御意見がございますが、これは果たして真意はいかがなものか、ちょっとお聞かせいただきたい。
○鎭西政府委員 地価の動向それから最近の水準に対します認識は、ただいま国土庁長官が申し上げたとおりでございますが、その中で例えば平成四年の第四・四半期、十月−十二月期でございますが、このあたりを若干詳細に見てみますと、東京、大阪あたりの周辺部の住宅地におきまして、やや実需帯に見合う価格と申しますか、若干値ごろ感のある価格帯の地域が出てまいりまして、そういうところにおける取引というのは比較的堅調になっている。こういうことを反映いたしまして、例えば一次取得者の能力に見合うようなマンションの成約状況もかなりよくなっている、こういうことがございますので、幾つかの機会に事務次官が申し上げたことを見出しとしてそういう形で報道をされた、こういうように認識しております。
○薮仲委員 次に監視区域のことをお伺いしたいわけでございますが、監視区域についてもやはりこのような記事になっているわけですね。「地価監視、緩和へ 国土次官が意向を示す」、これはもう国土庁長官も我々も認識は同じくしておるわけでございますが、監視区域の制度そのものが随時適切に運用すべき制度であって、何か監視区域を決めたらコンクリートみたいにがちがちということではありませんで、監視区域が必要なときにはかける、必要がなくなれば外す、これは当然の制度であるということは我々も理解いたしているわけです。しかし、現時点において果たして見直しできるような体制がどうかというと、私は、私の個人的な意見ですけれども、ちょっとまだそういう雰囲気じゃなさそうだな。今建設大臣もおっしゃいましたように、年収の五倍でというところにはまだ乖離もございますし、特定の部分ではそういうことが起きておりますけれども、これはまだまだいかがかなと思いますが、本当のところはいかがなのか、これも伺っておきたい。
○井上国務大臣 監視区域の運用につきましては、今のところ運用主体であります都道府県知事あるいは政令市長、こういうところが責任を持ってやっておるわけでありますが、まだそういうところから監視区域を解除したいあるいは緩和したいというような要望は出てきておりませんし、いういろと統計をとってみますと、監視区域で届け出をしてその価格が高過ぎる、値下げを指導したという比率がまだ三割近いものがございます。そういう状況を見ますと、当面はやはり的確な監視制度の運用をしなければならぬだろう、こう思っております。ただ、今先生がわざわざ御指摘いただきましたように、この監視区域の制度というものが恒久的なものではないので、私は的確かつ今の段階では弾力的な運用を志したい、こう思っておる次第でございます。
○薮仲委員 これは多少事務的になりますので、鎭西局長にお伺いしたいのですが、「監視区域制度の運用指針」というものが出ておるわけです ね。「監視区域制度の運用指針」の中では、一年間に少なくとも一〇%程度の地価上昇が見られる地域については早急に監視区域に指定しなさい、これは指定する方の条件が出ておるわけです。また、大規模プロジェクト、リゾート等の整備が予定される地域等については、地価上昇の可能性が高いと考えられることから、その事業計画に先立って監視区域を指定しなさいよという指針が出ていますね。 今度は解除する方です。今長官がおっしゃられた方でございますが、ここが私もう少し問題だと思うのですが、これは非常に難しいところでございますから。「当該地域及び全国の地価動向、土地取引の状況、金融情勢、景気動向等の社会経済情勢及び地域の実情からみて」ここからなのですよ、よくわからないのは。「地価上昇のおそれがない場合には、」こと書いてある。もう一つは、「なお、二年以上継続して当該地域において地価の下落傾向が見られ、再上昇のおそれがない場合」「再上昇のおそれがない」とか「地価上昇のおそれがない」、大変適切に書いてあるのでしょうけれども、よくわからない。 やはり運用指針というようなことになれば、どういう判断でこれを運用してよろしいのかという問い合わせが必ず地方自治体の土地局から出てくるのではないか。やはりこれについては、ある程度の原則的なものあるいはこういう考えとか、こういうことは必要かなと考えるのですが、今まだ検討中であれば検討中でも結構でございますが、私はある時期に国土庁として正式な見解は必要になるときが来ると思うのでありますが、いかがでございますか。
○鎭西政府委員 監視区域制度につきましては、冒頭国土庁長官が申し上げましたとおり、法律上もいわゆる時限的な措置でございまして、五年以内の期間を定めまして一定のエリアについて価格監視を行うことでございまして、恒久的な制度ではございません。したがいまして、法律の運用通達におきまして指定期間内でございましても地価の動向等に関する調査の結果を反映して的確に指定の解除または区域の減少を行うというのは、法律を改正いたしました当初からそういう運用通達を策定いたしまして指導しているところでございます。 ただいま委員御指摘になりましたガイドラインでございますが、これは基本的には制度ができましても、各自治体におきます指定というのがどうしても後手に回らざるを得ないという実態を反映いたしまして、私ども総点検の結果一定のガイドラインという形で策定したものでございまして、それにつきまして、区域の指定あるいは対象面積の引き下げ寺といったようなこと、それから体系としても監視区域の解除及び緩和についてどういう状況になればということを示しているものでございます。 一言で申しますと、法律上の指定をする事由がなくなったと認められるときは解除する、こういうことでございますが、そのときに、それでは非常に高騰した地価が下落、鎮静化したからといって直ちに解除、緩和をしていいのかどうか、こういう問題になりますので、全国的な経済金融状況の流れ、背景というものにそういうマグマがあるのかないのかといったような問題、それから非常にこれは地域的な特性があるものでございまして、その地域を総合的にウォッチされております自治体の責任当局がまだ早々に解除、緩和すると、場合によっては再騰の懸念があるというような判断というのは地域の実態ということを十分尊重しなければならない、かように考えておりまして、ああいうガイドラインを作成したわけでございます。 現時点で申しますと、一般的に各自治体に対しまして解除、緩和を考えていいのではないかというように言える水準になっているかどうかということについては、相当これは慎重でなければならないと思っております。 それからもう一つ、では各自治体が具体的に私どもにそういう方向での御相談をされてきているかと申しますと、これは主管課長会議、ブロック会議あるいは幹事県等々かなり緊密に意見交換をやっているのでございますが、今のところ具体的なケースとしてそういう御相談に来られている、あるいはそういう相談をしたいという自治体はございません。 ただ、今後の問題といたしましては、いずれ地価が鎮静化、下落し安定期に入り、各自治体において解除、緩和をしても安心できるという状況になれば、この時限的措置が解除ないしは緩和という方向でいくことは間違いないわけでございますので、そのときに後で後悔することのないよう誤りのない対応をするためには、私どもとしてもケース・バイ・ケースでの御相談に応じることはもちろんでございますが、どういう状況がつくられれば比較的安心して弾力的な対応ができるのではないかということについて、現在いろいろな実態分析を含めまして調査等も進めておりまして、そういう状況になりつつあるというときには、我々国土庁としては一定の方向で自治体と相談する環境をつくっていく必要があるのではないか、かように考えているところでございます。
○薮仲委員 きょうは土地の問題を少しやろうと思っておったのですけれども、長官が御用事で退席なさいましたので、これで土地の問題はやめておきます。 建設大臣の方へ戻ります。 先ほど海岸侵食についてお伺いいたしました。そこで局長も、ダムも一つの原因かなというお話がございました。ダムの堆砂についてお伺いをいたしたいわけでございますが、残された時間も余りございませんので、こちらである程度お話をして御答弁をいただいた方がよろしいかと思います。 そもそもダムというものは、大臣御承知のようにおおむね百年の土砂の流入にたえるという設計になっておるわけでございますけれども、私、建設省からいただいた資料に基づいて少し具体的に指摘をさせていただきたいと思うのでございます。 大体、全国のダムの実態等がある程度ございますが、この中で百万立方、これはそう大きくないダムだと思いますが、百万立方程度のダムですと既に堆砂が九〇%に及んでいるダムが見られるわけですね。そしてさらには五百万立方、これは相当大きなダムでございますが、この五百万立方、ある程度の大容量と言ってもいいダムでございますが、この中でも、約八〇%近く堆砂しているのかなというようなダムがもう出ているわけでございます。さらには、五〇%以上のダムは十二ダムというようなことになっておりまして、大体八〇%、九〇%というような数字がこの表の中に出てきておるわけでございます。 堆砂量で、全堆砂率がどのくらいかというと、九七・八というのが一番多いわけでございますが、これはほとんどダムが満砂の状態と考えてもいいのかなと思うわけでございます。大きなダムの中でも八〇%近いというのは長野の平岡ダム、これは八八・四%、これもほぼ満砂の状態にだんだん近づきつつある、こういう状態まで来ているわけでございます。私はいわゆる堆砂、ダムにたまった砂というものが、このままではなくて、河川を伝わって海岸、海へ流れていくような方法がないものかなといつも思うわけでございます。私も静岡県に住んでおりまして、長大河川が県内を流れておりますのでダムもできております。やむを得ずつくる発電ダムや治水ダムもあるわけでございますが、ダムをつくりますと河川の流量が大分減ってまいりますので、仮に海へ入る土砂の量が少なくなる、こういうことでございますが、これはちょっと河川局長にお伺いしたいのですが、全国のダムの堆砂の量は何億立方か、それをちょっと先に言っていただけますか。
○岩井政府委員 全国のダムでございますが、ちょっと小さいのは除きまして、総貯水容量で百万立米以上のダムにつきましてデータが手元にございますけれども、堆砂量トータル十一・一億立米でございます。
○薮仲委員 この十一億立米というのはどのくらいかぴんとこないのですけれども、ちょっとある方に計算してもらいましたら、霞ケ関ビルで二千百杯分だというのですが、相当な量ですね。これはダムにたまっているだけでございます。しかし、実際はダムとダムの間に、河道に随分たまっておりますので、その堆砂といいますか、それは相当な量だな。これが海へ流入するということは、やはり海岸侵食を避ける上で、複合的な原因とは局長おっしゃいましたけれども、このダムの堆砂も、内水面の漁業者や河道に影響を与えないで何とか海へうまく流す方法がないのかな。これは研究をしてくださっているのかどうか、この辺の堆砂をどうするか、どういう対策を立てていらっしゃるか教えていただきたいのです。
○岩井政府委員 ダムの堆砂につきましては、先生御指摘の海岸侵食にも関係がないとは言えない、関係あるだろうということがございますし、それからまた、ダムの容量がその分だけ減るということで、ダムの所期の機能が損なわれるということがございます。そういったことで、やはりダムの堆砂につきましては、できるだけダムから下流に放出するということは大変重要なことではないかなと考えております。 現在、既設のダムにつきましては排砂ゲートというのが設置されておるのですけれども、時間の関係がございますので詳しくは申しませんが、もろもろの理由で余り有効に働いていないという現状がございます。したがいまして、ダム堆砂の下流への放出につきましての技術開発、今後大いに進めていかなければならないのじゃないかなと思っております。とりあえず、現在のところでございますが、流出土砂の多い黒部川の下流部におきまして、現在宇奈月ダムというのを建設中でございますが、この宇奈月ダムにおきましては大型排砂ゲートを設置いたしまして、洪水時に土砂と洪水を同時に放出して、下流へ土砂を放出できないか、そういった観点で現在いろいろ検討しております一それからまた、揖斐川の横山ダム、天竜川の美和ダムにおきましては、流入する土砂をバイパストンネルによりまして下流へ直接放出できないかということで、そんなことも今検討しております。 これらの効果分析をこれから行いながら、ダムの堆砂をダムの下流に放出するための技術開発につきまして積極的に取り組んでいきたい、そのように考えておるところでございます。
○薮仲委員 大臣、なぜこの堆砂あるいは海岸侵食ということをしつこく申し上げるかといいますと、ちょうど私の地元なんですけれども、徳川家康さんですけれども、イチゴで有名な久能海岸がある。私が初めて当選したころ、昭和五十一年ですが、あのころまだ前浜があったのですね。それが私が当選を重ねるごとにどんどん海岸が侵食されて、ちょうど五十七年当時にはもう海岸堤防が千メーターぐらい吹っ飛んだわけです。あれは補助海岸ですので、建設省も県を指導してきちんと早急に復旧してくださいました。しかし、あそこは絶えず低気圧や台風のときに海岸の護岸がどんどんやられる経緯があって、いつでも私は河川局の方に何とかこの海岸線の強固な護岸をやってほしいということは主張してまいったのです。 その久能からずっと行くと、今度は三保の海岸の方へ行くわけです。三保の松原ですね。三保の松原というのは、もう御承知のように、これは天下の名勝と言われた、日本の国で六つの名勝の松があるわけですが、一番最初、大正十五年に指定されたのがこの三保の松原です。 この松原、白砂青松の松原なんですが、これは歴史をひもときますと、古くはもう万葉の時代からうたわれておりまして、枕草子の中にも、浜は有度浜、舞は駿河舞、岬は三保が崎とありますように、もう平安時代から既に景勝の地だったのですね。あそこは、よく大臣も歌われたと思いますけれども、小学校唱歌に「羽衣」という歌がございます。あれは天女が羽衣を干しているときに漁師にとられて、舞を舞ってまた上がっていくという伝説があるわけでございます。それで三保には羽衣の松という名勝がございます。これほど伝説の地である三保が松は半分ぐらいになってしまった。きょう文化庁が来ていると思うのですが、私は、松ももう一度保存育成してほしい。と同時に、砂浜もずっと減ってしまっているのです。 ちょっと、きょう写真ばかり見せて恐縮ですが、これが三保の突端にある灯台なんです。これは世界の海図に載っている、清水港へ入ってくる漁船、海外の船がこの三保の灯台を目印に航行安全で入ってくるわけです。 ところが、これは地元の新聞にも掲載されたように、「真崎灯台ピンチ 浸食進み三分の一浮く」、こういう悲惨な状態で、この写真は後でお届けしますけれども、もう根っこが洗われる状態になったのです。これを仮復旧しておりますけれども、この上にあるものが昔の浜辺に建っておった三保の灯台なんです。それが今は見るも無残に波で洗われるような状態まで三保の海岸が侵食されてきている。これが今の三保の灯台と昔の砂浜を同じところから写している写真ですが、砂浜がこれだけ汀線が後退しているわけです。 これが今河川局で一生懸命海岸線を守ろうということでヘッドランドを入れてもらっているのですが、ヘッドランドを入れた先が、これがこのように侵食していくのですね。これはどうしようもない現象なんですが、やはりこの海岸の侵食が何とかとめられないか。これは久能街道のテトラポットで辛うじて道が守られている、こういう状態なんです。これは今お話しした五十七年のときに、これくらいの激浪が来るわけです。私は、ここは補助海岸ではなくて直轄海岸にしてほしいな、ここに護岸を含めた道路をつくっていただけないかということは、もう歴代の、当選したときの道路局長からずっと今日まで、藤井局長に至るまでぶっ通しで言っておるのです。これはやはり強固な道路にしませんと、すぐ寸断されて、ずたずたになってしまうのですね。三保の海岸はこのように惨たんたる状態でございますので、やはり海岸侵食とか護岸という問題が非常に重要でございまして、ちょっと委員長、これは大臣に。済みません。 そういう状態でございますが、この三保の護岸と対策を講じてほしい。このことについては建設省の河川局と運輸省の港湾局、両局で努力しているわけでございます。平成三年当時から、漂砂といいまして蛍光砂を流して、海岸線がどういう状態で侵食するのかということで、建設省の土木研究所や運輸省の研究機関できちんとある程度の海岸侵食のメカニズム、どういう工法をとればいいのかということはある程度でき上がっておりますことは聞いておるのですが、こういう状態ですので、一日も早く、きょうなぜ運輸省に来ていただいたかというと、灯台から内側が、写真で言うと左側ですが、運輸省の港湾海岸なんですね。灯台が境目で、右へ来ると建設海岸。これ両省にまたがっていてどうのこうのということになりますので、県に行けば一つのところがやっているわけでございますが、これ両省で力を合わせて、このような白砂青松の地が傷んでいく、やはりこういう名勝というのは、我々現在生きる者がこれから生まれてくるかわいい赤ちゃんに立派な姿のものを残していく責任があると思うのです。こんなに海岸が侵食されて、松もめちゃめちゃになったのでは、これでは申しわけないと思うのですね。そういう意味で、その灯台を挟んで、両省おりますけれども、建設、運輸、どちらでも結構ですから、これをどう直してくださるのか、御答弁をいただきたいと思います。
○石田説明員 お答えいたします。 先生御指摘のとおり、三保の海岸が相当侵食を受けているということは、私どもも十分承知しております。このため、先ほど先生のお話の中にありましたように、数年来静岡県の方で、河川、港湾一緒になりまして、いろいろ調査検討をいたしております。その検討結果がおおむね今年度まとまってくる、こういう状況になっておりまして、運輸省といたしましても、これまで港湾技術研究所という研究機関がございますけれども、そうい うところも積極的にそういう調査にも協力しております。間もなくこの海岸の保全対策工法、これは両省、河川、港湾一緒になった形での対策工法が取りまとめられると思いますので、運輸省としましては、建設省とも相談しながら、海岸管理者であります静岡県の考えをよくお伺いして、その事業化について積極的に支援してまいりたい、このように考えております。
○岩井政府委員 まず最初に、灯台のございます真崎地区の局部侵食の問題でございます。 御指摘のとおり、昭和五十年ごろより侵食が進んでまいりまして、昨年末の波浪によりまして灯台基礎まで洗掘され、大変な状況になっておる、こういうことでございます。県の方でもいろいろ今検討を進めておられますし、それから運輸省の方でも、今御答弁ございましたようなことでいろいろ検討中であるということでございます。私ども建設省所管区域につきましても、港湾区域の状況を見ながら、必要に応じて早急に対策を講じていきたいと考えております。 それから次に、三保の真崎海岸、三保の海岸全般の問題でございますけれども、現在、昭和五十七年度から国土保全という立場で緩傾斜提防の整備を中心にした海岸整備事業をやっておりますし、それから昭和六十三年には、白砂青松の自然を尊重したコースタル・コミュニティー整備計画なるものをつくりまして、地域整備と一体となった海岸整備を図ろうとしておるところでございます。 問題は、先生御指摘のとおり、大変に海岸侵食が進んでおって、三保の海岸自体がだめになるのじゃないか、これは大変なことだ、御指摘のとおりかと思います。全般的に昭和五十年ぐらいから大変侵食が進んできておるわけでございまして、特に近年汀線の後退が著しいということがございます。そういうことで、平成二年度から静岡県におきまして、海浜の変化の実態、それから今後の対応策をどうするかというようなことをいろいろ調査検討中でございます。私ども建設省といたしましては、そういった調査結果を踏まえまして、県等関係機関ともども対策を進めていきたいということでございます。それから、その間のとりあえず応急的な対策も必要だということで、それにつきましては、平成三年度より養浜、砂浜を養浜する、これを実施中でございます。 いずれにいたしましても、当海岸におきまして、安全で潤いのある良好な海岸環境が適切に保全されるということが極めて重要でございますので、私どもといたしまして、そういった方向で鋭意努力してまいりたいと考えております。
○薮仲委員 どうか白砂青松のきれいな海岸、そして松を守っていただきたい。 文化庁お見えでございますか。どうか松をしっかり守っていただきたいのですが、要点だけばしっと答えていただけますか。お願いいたします。
○若松説明員 三保の松原の重要性につきましては、再三先生の方から御指摘を受けておるわけでございまして、三保の松原、とりわけ、六つほど松原として指定させていただいております、その第一号というものでございます。指定当時に比べまして、大分松の数が減っておるということで再三先生からも御指摘をいただいておりますけれども、日本を代表する名勝地ということでございますので、県、市と力を合わせましてその保存に今後とも努めてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
○薮仲委員 どうか大事な文化遺産、これをよろしく御指導いただいて、一年間で一日でもいいですから、松の日というようなことで松のすばらしさを思い起こして市民が大事にするような環境を、またいろいろと御尽力いただきたいと思っております。 もっと河川の質問をしたかったのですが、これで河川は終わりますけれども、私は河川局長に、今国会でお願いする機会があるかどうかわかりませんのでお願いしておきますけれども、河川局がおやりになろうとした清流ルネサンス、やってほしいと思います。また、魚の帰れる道をというお話もございました。これもお伺いしたかった。また、近自然型の河川をつくっていこう。すべて私は、こういう建設省が本気になってやってくださる、また海域の浄化ということで真剣に取り組んでいただく、やはり水質の浄化とか、こういう河川、水辺の整備は、河川を管理していらっしやる建設省が、環境庁やあるいは他の省庁ということではなくて、真っ先に河川水のきれいな、そしておいしい水の飲めるような本当に自然の多い河川にしていただきたい、心からお願いをして、河川の問題は一応これで打ち切ります。 あと、本当に申しわけないのですけれども、時間がもうありませんので、道路と住宅はこの次ゆっくりとやらせていただきますので、お許しいただきたいと思います。 最後に、これだけはちょっとお伺いしたいのは、平成四年で長期営農というものがなくなりました。ここが生産緑地と宅地へ土地が二分されていくわけでございますが、これは建設省にとりまして、優良な宅地を造成する上において三大都市圏てたった一つ残された大事な土地、また優良な宅地提供の種地になるところでございます。平成四年でどういうふうになるかが決まったわけでございますが、生産緑地地区の指定状況、まず数字の上で結構でございますから、全体的にどの程度の生産緑地の指定があったか、教えていただけますか。
○鹿島政府委員 三大都市圏の特定市の市街化区域内農地につきましては、都市計画において宅地化するものと保全するものと二つに明確に区分を図るということで、税制等との関係から平成四年十二月末をもちまして関係公共団体、農業団体等の協力を得ましてその作業を実施してまいったところでございます。 その結果、三大都市圏の特定市の市街化区域内農地約五万ヘクタールのうち、市街化調整区域に編入されたもの約百三十六ヘクタールを除きまして、三割に当たります約一万五千ヘクタールが生産緑地地区として指定をされたところでございます。残るものが宅地化農地として残されたものでございますので、所要の都市計画制度を駆使いたしまして、先生かねてから御指導いただいておりますけれども、基盤整備を伴いました計画的な市街化推進を図ってまいりたいと考えると同時に、生産緑地地区として残された農地につきましては、これを大変重要な緑地といたしまして適正に保全をしていただくということで進めてまいりた いと考えております。
○薮仲委員 次にお伺いしたいのは、やはり土地問題といいますと東京が一番関心を持つわけでございます。代表的には十一区ぐらいかなという御意見もございますが、東京全体二十三区としてどの程度宅地化されたか、これが一点。 それから、今都市局長は、都市計画等を駆使してという御発言がございました。これもただ簡単に数字だけおっしゃっていただけば結構でございますけれども、都市計画をやろうとしますと、いわゆる都市計画の中の一つの手法に地区計画等もございます。地区計画に要する、計画を立案してから完成するまで地区計画は大体何年ぐらいかかるのか、また土地区画整理事業、これはいわゆるA調査、B調査とございますけれども、土地区画整理事業をスタートしてから完結するまで年数として大体何年ぐらい、数字だけで結構ですから、ちょっと教えていただけますか。
○鹿島政府委員 東京二十三区の生産緑地地区の指定の状況でございますけれども、市街化区域内の農地全体が約千五百八ヘクタールございます。そのうち生産緑地地区として残されたもの、選択されたものが五百六十四余りあります。約三七%というような状況にございます。 それから、次に仰せられましたのは、宅地等につきまして、地区計画で整備をするというものにつきましてどのくらい時間がかかるかということでございますけれども、この辺につきましては、私ども今日まで、ことしに入りましても、農業関係者とも話をしてまいっておりますけれども、こ れから手始めをさせていただきたいと考えておりますので、具体的な数字につきましては、もう少し勉強させていただいて調整させていただきたいと思っております。 それから、区画整理事業の関係につきましてさらにお尋ねをちょうだいいたしました。施行区域として都市計画を決定して組合ができるまでおよそ一年ぐらい、それから仮換地の指定、工事の実施等を行いまして、換地処分ということで整理が行われますまで約七年、合わせて八年強ぐらいかかっているというような状況でございます。地区計画につきまして、もう少し実績を踏んだ上で年限を申し上げたいと思っておりますが、構想をつくって、具体の計画をつくってということでございますので、しばらく時間を要するのじゃないかなというふうに思います。
○薮仲委員 もう一つ伺っておきたいのですけれども、今、局長から東京都の生産緑地指定の割合等お伺いいたしました。そうしますと、東京の土地から生産緑地を引きますと大体九百四十三ヘクタール、大体六三%の土地が宅地化されるわけでございますが、ここで大事なことは、やはり建設あるいは自治、関係省庁が協議をいたしまして、これを優良な宅地にするために固定資産税の十分の一の軽減を図りましょうという御努力を相当長期にわたってなさったと思うのでございます。 では、東京都の中で十分の一の軽減措置を申し出た、今局長に伺ったのは、なぜかといえば、そういう区画整理事業であるとか地区計画に参入しできますと、これは十分の一の軽減措置が受けられるわけでございますが、十分の一を選択した方は今、宅地化した方の何%ぐらいなんですか。
○鹿島政府委員 十分の一特例を御選択された方々の面積でございますが、対象農地面積の割合に比しまして東京都では九%程度になってございます。三大圏全体平均いたしまして一〇%というような状況でございます。
○薮仲委員 そうしますと、約九割の方が固定資産税は宅地並みでいいですよ、こうなるわけですね。 固定資産税課長お見えだと思うのですが、もう時間の関係で数字だけ言っていただければ結構ですけれども、いわゆる宅地並み課税で、都市局の皆さんに、練馬区を一つのプランとして私のところにお持ちいただいて説明いただきました。練馬区を例にいたしましてどのぐらいになるかを固定資産税課長にお伺いしたいのですが、平成三年度、例えば千平米の農地を持っていらっしゃった方の固定資産税と都市計画税、長期営農ということで農地並み課税になっていると思うのですが、この方は平成三年度、固定資産税は幾らであったか、千平米でですよ。 これは練馬区のAということで、個人的な名前がわかるといけませんから、私、大体この辺というところだけ言いました、何丁目のどこどこぐらい。それで、この方がもしも平成四年度に、今局長の言われた十分の一の軽減の適用を受けないで、私は宅地並みで結構ですと言うと、固定資産税と都市計画税でどのくらいの税額になるか、その数字をちょっとお教えいただけますか。
○堤説明員 お答え申し上げます。 平成三年度までに長期営農継続農地として実質的には農地並みの課税をされておる場合ですと、先ほどの御指摘のございました練馬区の一千平方メートル程度の農地でございますと、農地並み税額としては、固定資産税、都市計画税合わせましても二万円程度でございまして、これが平成四年度に生産緑地としての指定を受けませんと、平成四年度から既に宅地並み課税をされることになっておりますので、そういたしますと、周辺の宅地の地価がどれぐらいか、それと比準をして評価することになりますので一概には言えないのでございますけれども、今の場合の土地でございますと、都市計画税、固定資産税合わせまして約八十万円ということで、四十倍程度の税負担の増になるわけでございます。
○薮仲委員 きょうはこれでやめておきますけれども、大臣、今、幾つかの局長にやって、これ以上は時間がありませんからこれでやめますが、いわゆる三大都市圏の長期営農の方が生産緑地を選択なさるかあるいは宅地を選択なさるかは、その方の御意思だと思います。建設省初め自治省やいろいろな方が固定資産税の軽減をいろいろ御尽力なさった、何とか宅地にしようと。ところが、実際は一割の方しか選択なさらない。あとの九割の方は宅地並みで結構です。実際もう平成四年から払っていらっしゃるとは思うのですが、これが今、都市局長に伺いますと、地区計画あるいは区画整理事業というのは六、七年あるいはもっと、年数がかかるわけですね。 こういうことになってまいりますと、本当にみんなが参加しやすいようにあらゆる努力を、さっき局長は駆使してとおっしゃいましたけれども、本当にあらゆる税制から都市計画から道路事業から住宅政策から、これを全部駆使してここに優良な賃貸住宅をつくることが私は非常に重要なことだろう、そのことが地価を安定させ、ある意味ではまた良質な住宅を供給するという建設省の大きな眼目にもかかわるわけです。 今、固定資産税課長は数字をある程度はしょって言ってくださいましたけれども、これが平成六年になりますともっと上がってくるわけですね、そんな急激には上がりませんけれども。こういうことで、やはり農家の方が、今まで二万円ぐらいだったのが八十万超えるわけですから、さあ果たしてこんなに税金払っていって、私が懸念いたしますのは、これをきちっとやりませんと、また農家の方が何らかの助成措置や何とかしてくれといって長期営農に戻るようなことになれば、せっかく国を挙げて優良な宅地を三大都市圏に出しましょうということが消えてなくならないように。 もっといろいろ突っ込んで質問したかったのですが、もうきょうはこれでやめますが、最後に大臣、私の願いは、三大都市圏のこの立派な宅地を、建設省のあるいは関係省庁の総力を挙げて国民の望むすばらしい住宅をつくっていただきたい、このことをお願いして、私の質問を終わります。
○中村国務大臣 先生から御指摘をいただきましたこの問題は、建設省としても非常に重要な問題である、このように考えておりますので、さらにそれが実効が上がるように、ありとあらゆる工夫をして推進していきたい、このように考えております。
○薮仲委員 終わります。 ————◇—————
○野中委員長 次に、内閣提出、道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発道路整備臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。中村建設大臣。 ————————————— 道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発道路整 備臨時措置法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○中村国務大臣 ただいま議題となりました道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発道路整備臨時措置法の一部を改正する法律案について、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。 現行の第十次道路整備五カ年計画は、平成四年度をもって終了することとなりますが、我が国の道路は道路交通の進展に比べ、その整備のおくれが目立つなど今なお質量ともに不十分な状況にあります。今後、生活大国を目指し、活力ある経済に支えられたゆとり社会の実現を図るため、国民の道路整備への要請に的確にこたえつつ、緊急かつ計画的に道路整備を推進する必要があります。 このような状況にかんがみ、政府といたしましては、平成五年度を初年度とする道路整備五カ年計画を策定して、道路を緊急かつ計画的に整備することとし、このため、道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発道路整備臨時措置法の一部を改正する法律案を提出することとした次第であります。 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一に、平成五年度を初年度とする新たな道路整備五カ年計画を策定することとしております。 第二に、道路整備五カ年計画に合わせて、平成五年度を初年度とする奥地等産業開発道路整備計画を策定するため、奥地等産業開発道路整備臨時措置法の有効期限を平成十年三月三十一日まで延長することとしております。 第三に、公共事業に係る補助率等について、体系化、簡素化等の観点から見直しが行われることに伴い、道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発道路整備臨時措置法に規定する補助率等についても見直しを行うこととしております。 その他、これらに関連いたしまして関係規定の整備を行うこととしております。 以上が、この法律案の提案の理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
○野中委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時五十九分散会