決算委員会 第7号
- 発言数
- 174 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1993/04/19
会議録
○貝沼委員長 これより会議を開きます。 平成元年度決算外二件を一括して議題といたします。 本日は、内閣所管、総理府所管中総理本府等及び法務省所管について審査を行います。 この際、お諮りいたします。 内閣官房長官及び法務大臣の概要説明並びに会計検査院の検査概要説明につきましては、これを省略し、本日の委員会議録に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○貝沼委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。 ————————————— 平成元年度内閣所管一般会計歳入歳出決算の概要説明 内 閣 平成元年度における内閣所管の一般会計歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 内閣主管の歳入につきまして、歳入予算額は、三千二百六十八万円余でありまして、これを収納済歳入額七千九十一万円余に比較いたしますと、三千八百二十三万円余の増加となっております。 次に、内閣所管の歳出につきまして、歳出予算現額は、百二十九億五千四百六十八万円余でありまして、支出済歳出額は、百二十九億四千百三十九万円余であります。 この差額一千三百二十九万円余は、不用となったものであります。 以上をもちまして、決算の概要説明を終わります。 何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。 ………………………………… 平成元年度決算内閣についての検査の概要に関する主管局長の説明 会 計 検 査 院 平成元年度内閣の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法又は不当と認めた事項はございません。 ————————————— 平成元年度総理府所管一般会計歳入歳出決算の概要説明 総 理 府 平成元年度における総理府所管の一般会計歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 総理府主管の歳入につきまして、歳入予算額は、二百八十六億三千四十八万円余でありまして、これを収納済歳入額三百二十六億一千四百二十六万円余に比較いたしますと、三十九億八千三百七十八万円余の増加となっております。 次に、総理府所管の歳出につきまして、歳出予算現額は、七兆三千二十四億四千三十九万円余でありまして、支出済歳出額は、七兆一千三百二十六億二百七万円余であります。 この支出済歳出額を歳出予算現額に比較いたしますと、一千六百九十八億三千八百三十二万円余 の差額を生じます。 この差額のうち翌年度繰越額は、一千三百十六億四千六百六十五万円余であり、不用額は、三百八十一億九千百六十六万円余であります。 総理府所管の歳出決算のうち、警察庁、総務庁、北海道開発庁、防衛庁、経済企画庁、科学技術庁、環境庁、沖縄開発庁及び国土庁については、各担当大臣から御説明申し上げることになっておりますので、これを除く部局、すなわち、総理府本府、公正取引委員会、公害等調整委員会及び宮内庁関係について申し上げますと、歳出予算現額は、四百九十四億四千百八十二万円余でありまして、これを支出済歳出額四百八十七億九千二百三十九万円余に比較いたしますと、六億四千九百四十二万円余の差額を生じますが、これは調査研究が少なかったこと等のため、不用となったものであります。 以上をもちまして、決算の概要説明を終わります。 何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。 ………………………………… 平成元年度決算総理本府等についての検査の概要に関する主管局長の説明 会 計 検 査 院 平成元年度総理府の決算のうち、歳入並びに総理本府、公正取引委員会、公害等調整委員会及び宮内庁関係の歳出につきまして検査いたしました結果、特に違法又は不当と認めた事項はございません。 ————————————— 平成元年度法務省所管一般会計及び登記特別会計歳入歳出決算説明書 法 務 省 平成元年度法務省所管一般会計及び登記特別会計歳入歳出決算の大要を御説明申し上げます。 一 まず、一般会計の決算についてであります。 (一) 法務省主管の歳入につきましては、歳入予算額は、八百七十二億五千六百二十五万円余であります。 これに対しまして、収納済歳入額は、九百四十億五百五十五万円余であり、歳入予算額に比べると、六十七億四千九百二十九万円余の増加となっております。 この増加しました主な要因は、罰金及科料三十四億七千五百五十万円余、刑務所作業収入十四億三千六百七十二万円余、返納金八億三千五百八十三万円余、不用物品売払代三億七千二百七十四万円余、過料三億三百六十八万円余が増加したことによるものであります。 (二) 次に、法務省所管の歳出につきましては、当初予算額は、四千二百九十七億百三十四万円余であります。これに、予算補正追加額九十三億二千八百二十八万円余、予算補正修正減少額十二億七千八百八十八万円余、予備費使用額十四億二千五百七十七万円余があり、差引き九十四億七千五百十八万円余の増加がありましたので、歳出予算現額は、四千三百九十一億七千六百五十二万円余となっております。 これに対しまして、支出済歳出額は、四千三百五十億七千八百四万円余であり、その差額は、四十億九千八百四十八万円余となっております。 この差額のうち翌年度へ繰り越した額は、二億三千百八十二万円余であり、不用額は、三十八億六千六百六十五万円余で、不用額の主なものは人件費であります。 支出済歳出額のうち主なものは、人件費三千六十四億七千二百十一万円余、外国人登録事務処理経費二十一億七千五百十一万円余、検察事務処理経費三十四億七千三十万円余、矯正施設における被収容者の収容、作業等に要する経費二百五十九億三千九百四十五万円余、補導援護経費四十七億三百三十九万円余、出入国審査・難民認定及び被退去強制者の収容、送還等に要する経費二十四億六千三百五十一万円余、暴力主義的破壊活動団体等の調査に要する経費二十億四千四百八十五万円余、施設費百三十三億二千六百六十七万円余となっております。 二 次に、法務省所管登記特別会計の決算についてであります。 (一) 収納済歳入額は、千百五十五億二千八百二十九万円余であり、支出済歳出額は、千八十九億九百三十二万円余で、差引き六十六億千八百九十六万円余の剰余を生じました。 この剰余金は、登記特別会計法第七条の規定により翌年度の歳入に繰り入れることとして、決算を結了いたしました。 (二) 次に、歳入につきましては、当初予算額は、千九十七億八千二百七十万円余であります。これに、予算補正追加額十二億五千二百九十二万円余、予算補正修正減少額九千六百二十七万円余があり、差引き十一億五千六百六十五万円余の増加がありましたので、歳入予算額は、千百九億三千九百三十六万円余となっております。 これに対しまして、収納済歳入額は、千百五十五億二千八百二十九万円余であり、歳入予算額に比べると、四十五億八千八百九十二万円余の増加となっております。 この増加しました主な要因は、前年度剰余金受入三十四億三千五百四十万円余、郵政事業特別会計より受入十一億三千四百六十三万円余が増加したことによるものであります。 (三) 次に、歳出につきましては、当初予算額は、千八十九億六百二十七万円余であります。これに、予算補正追加額十六億二千九百十五万円、予算補正修正減少額四億二千三百八十九万円余、前年度からの繰越額四千五百五十六万円余があり、さらに、予備費使用額六千九百九万円余を増減すると、差引き十二億五千八十二万円余の増加がありましたので、歳出予算現額は、千百一億五千七百十万円余となっております。 これに対しまして、支出済歳出額は、千八十九億九百三十二万円余であり、その差額は、十二億四千七百七十七万円余となっております。 この差額のうち翌年度へ繰り越した額は、一億五千百五十四万円余であり、不用額は、十億九千六百二十三万円余で、不用額の主なものは、予備費であります。 支出済歳出額のうち主なものは、人件費七百三十三億三千二百八十三万円余、登記情報管理事務処理等経費二百七十二億百五十二万円余、施設費八十三億六千百三十八万円余となっております。 以上、平成元年度法務省所管一般会計及び登記特別会計歳入歳出決算について、御説明申し上げました。 よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。 ………………………………… 平成元年度決算法務省についての検査の概要に関する主管局長の説明 会 計 検 査 院 平成元年度法務省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。 検査報告に掲記いたしましたものは、意見を表示し又は処置を要求した事項一件であります。 これは、宅地建物取引業を営む者が現金で供託した営業保証金のうち時効完成したものを歳入として徴収するための処理に関するものであります。 宅地建物取引業を営む者が供託所に現金で供託した営業保証金は、供託原因が消滅後、一定期間経過すると時効が完成して取戻請求権が消滅する取扱いになっていて、時効完成により歳入として徴収することになっております。 しかし、供託原因消滅の有無について、これを把握する事務処理手続や主務官庁に対する照会に関する指針を定めていなかったことなどのため、時効が完成したのに歳入として徴収するための処理が行われていないものが多数見受けられました。 したがって、法務省は、これらについて歳入徴収の処理を行うとともに、供託原因消滅の有無を把握して時効完成した営業保証金を歳入として徴収するための所要の措置を講ずるよう是正改善の処置を要求いたしたものであります。 以上、簡単でございますが説明を終わります。 —————————————
○貝沼委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。森英介君。
○森(英)委員 森英介でございます。 先般、自由民主党の金丸前副総裁が所得税法違反の容疑で逮捕されました。私も、自由民主党の一員として、まことに沈痛な思いでこの出来事を受けとめております。 ところで、それはそれといたしまして、昨年の金丸議員に対する略式処分以降、検察に対してさまざまな批判が加えられております。最近の例では、四月十三日の本会議における政治改革をめぐる論議の中で、ある野党議員の方から、大勢の政界有力者の摘発が続くイタリアの現状を引き合いに出して、あたかも我が国の検察が手ぬるいかのような発言もありました。私は、このような風潮にいささか危具の念を抱いているものであります。釈迦に説法とは存じますが、検察というのは、時の権力とか世論とかに左右されることなく、あくまでもクールに、法の定めたところに従って厳正に淡々と職務を遂行されるべきであると私は考えております。また、厳に戒めなければならないことは、考えてみれば検察自身一つの権力でありますから、その権力を恣意的に行使して、いわゆる検察ファッショとみなされるような状況を現出させないということであると思います。この点我が国の検察は、さまざまな毀誉褒貶にもかかわらず、現在のところ私が今申し上げたような姿勢で実にきちんと職員を果たされていると思いますし、私は検察に対し強い信頼を寄せている者の一人であります。 しかるに、最近のマスコミや一部世論の検察に対するエモーショナルな反応を見ますと、批判であっても、あるいは拍手喝果のいずれでありましても、極めて危険な兆候があらわれているように私には思われてなりません。大体、マスコミについて言いますと、本来権力の恣意的な行使には抑制的な立場にあるはずな保のに、検察に対しては、また事柄によっては、権力の行使をあおっているかのような印象を受けます。 このような観点から、項目によってはあるいは逆説的な表現になるかもしれませんが、法務省並びに検察当局に、検察のあり方あるいは姿勢について幾つかの質問をさせていただきたいと存じます。まず初めに、今申し上げましたように、昨年の金丸副総裁に対する略式処分以降、検察に対しては種々の批判が加えられているところでありますが、そもそも検察の職員は何であって、検察はそれを適正に果たしてきたと言えるのかどうかについてお伺いしたいと思います。
○濱政府委員 お答えいたします。 今委員の御指摘の中にございましたように、刑事事件における検察の職員は、端的に申しますれば、国家の刑罰権を適正に実現することでございます。申すまでもなく、刑事事件につきまして、公共の福祉と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ、事案の真相を明らかにして、刑罰法令を適正かつ迅速に適用実現するという刑事訴訟法の目的に沿って行使されるべきものであることは申すまでもございません。 具体的には、検察は、刑事事件について刑事責任の有無や程度を明らかにするという観点から、適正な捜査処理、公訴の維持及び裁判の執行の監督等の職務を行う権限と職員を有するものであるというふうに考えているわけでございます。
○森(英)委員 このような検察批判は、見方によりますと、国民の検察に対する期待の裏返しというふうにも思えますが、このような国民の期待にこたえるためにも、検察は、国民が知りたいと思うことについては積極的に真相の解明を行うべきではないかという考え方もあると思いますが、この点について御所見を伺います。
○濱政府委員 これは申すまでもないことでございますけれども、検察当局の捜査の目的は、先ほどもお答え申し上げましたように、刑事事件について刑事責任があるかどうか、あるいはその程度を明らかにするということにあるわけでございます。したがいまして、犯罪の嫌疑を離れて、例えばおよそ疑惑と言われるものすべてについて、国民が知りたがっているというようなことで検察が捜査権に基づく解明に乗り出すということは、これは申し上げるまでもなく、その職員と権限を越えるものであるというふうに考えているわけでございます。検察は、従来からこのような立場で適正に捜査権を行使してきたものというふうに確信しているわけでございます。
○森(英)委員 金丸前副総裁に対する政治資金規正法違反事件に関する上申書処理、略式処分と所得税法違反事件に関する逮捕、正式起訴処分との間には、余りにも大きな落差があるように思いますが、これで整合性がとれた検察権の発動と言えるのかどうか、また、上申書処理、略式処分に対する国民の批判をかわすために所得税法違反事件に着手したのではないかというふうにも思えるわけでございますけれども、この点についての御所見を伺います。
○濱政府委員 今委員が御指摘になられました事件の捜査処理のうち、政治資金規正法上の量的制限違反の罪は、これはもう御案内のとおり、当時その法定刑が二十万円以下の罰金であったということ、言葉をかえて申しますと、特段の事由が認められなければ被疑者を逮捕するのは適当ではないというふうに法律解釈上考えられたところでございます。金丸前議員の上申書を含む関係各証拠によりまして、当時被疑事実を認定するに十分であるということから、公訴を提起するとともに略式命令を請求したものでございます。 一方、所得税法違反、すなわち所得税の逋脱事犯の罪の法定刑は、これも委員御案内のとおり、五年以下の懲役または五百万円以下の罰金という重いものでございます。したがいまして、罪証隠滅のおそれがあるかどうかという観点から検討を加えた結果、罪証隠滅のおそれも認められたことから、裁判官の発した令状に基づきまして金丸前議員を逮捕し、勾留し、約十億円という脱税の十分な嫌疑が認められるに至ったということから公訴を提起したものでございます。 このように、二つの事件はその法定刑を大きく異にしているわけでございますし、また、罪証隠滅のおそれがあるかどうかというような、事案の内容も全く異なっているわけでございまして、検察当局といたしましては、それぞれの事案に応じまして適正な捜査処理を行ったものである、したがいまして、今委員がお触れになられました、一部に、あるいは落差があるとか、あるいは整合性がないというような御批判があるとしますれば、それは必ずしも当たってはいないというふうに思うわけでございます。また、検察当局は、犯罪の嫌疑が認められたことから、先ほども委員が御指摘になられましたように淡々として捜査を行ったものでございまして、御指摘にあるような理由から捜査を行ったものではないということは明確に申し上げることができると思うわけでございます。
○森(英)委員 私もただいま刑事局長の御説明のとおりであっただろうと拝察しているものでありますけれども、ここで気になりますのは、上申書処理あるいは略式処分について各方面から強い批判があった中で、特に検察OBがその批判の側に加わったことが国民感情に弾みをつけたんじゃないかというふうにも思います。このような検察OBの批判に対する法務当局の御所見を伺いたいと思います。
○濱政府委員 今委員が御指摘になられましたこの政治資金規正法上の量的制限違反事件の捜査処理に際しましては、検察OBの発言を含めましていろいろな御議論がなされたことは承知しているところでございますけれども、そのことそれ自体について法務当局から御意見を申し上げることは差し控えさせていただきたいと思うわけでございます。 ただ、先ほどもお答え申し上げましたとおり、検察当局の職員やあるいは量的制限違反事件の捜査処理の経緯等につきましては、これはこれまで御説明申し上げてきたとおりでございまして、検察当局としては適正にその職務を遂行してきたものというふうに確信しているわけでございます。
○森(英)委員 もう一つ、金丸前議員の略式処理の時点におきまして一たん立件を見送った五億円の使途に関する件について、その後提起された告発事件の捜査を検察が続けておられますのはマスコミの論調等に影響されてのことでははないか、また、検察はマスコミの論調などにとらわれることなくその職務を遂行すべきであるというふうに私は考えますけれども、この点について法務当局の所見を伺います。
○濱政府委員 これはもう改めて申し上げるまでもないことでございますけれども、検察当局といたしましては事件を捜査している過程で刑事事件として取り上げるべき事件、犯罪の嫌疑が認められる事実があると考えた場合には、先ほど申し上げましたように淡々として事件を立件し、公訴を提起するという手続をとってきているわけでございます。検察官に対して告訴あるいは告発がなされましたときには、この点につきましても検察官としてはその事件について捜査を行うのは当然のことでございます。 御指摘の告発事件につきましても、検察官としては刑事責任の有無等を明らかにするという目的から事案の真相を解明するために必要な捜査をなお行っているものというふうに承知しているわけでございます。検察当局が捜査を行っておりますことと量的制限違反事件の捜査処理に対するマスコミ等の批判があったということとは関係はないものというふうに承知しているわけでございます。
○森(英)委員 検察に対する国民の批判の一部には、法務当局を介して政治力が検察に介入したのではないかという点もあったように思います。この点について、法務当局と検察当局との関係がどうなっているかということについて、改めてお尋ねしたいと思います。
○濱政府委員 これはもう委員も御案内のとおり、検察権も行政権の一部をなすものでございます。内閣は行政権の行使について国会に対し連帯して責任を負うものとされているわけでございますから、内閣の一員である法務大臣としては検察官の事務につきまして指揮監督ができるものとされておるわけでございます。したがいまして、法務当局は法務大臣のこのような権限の行使を補佐する立場にあるわけでございます。 しかしながら、検察は刑事について捜査、公訴を行うなど、司法権と密接不可分な関係にあることも改めて申し上げるまでもないところでございます。司法権の独立を確保するためには、検察権の独立がまずもってその前提として確保されなければならないわけでございまして、その権限は常に不偏不党、厳正公平を旨として運用されなければならないものであるわけでございます。 法務当局といたしましては、この点を十分に念頭に置いて、十分留意して対応してきたところでございます。したがいまして、一部に御批判があるやに今委員も御指摘になられましたいわゆる政治的な力の介入というようなことはもちろんなかったわけでございますし、先ほどお答え申しましたように、不偏不党、厳正公平に検察権の行使に努めてきてきてるものというふうに考えるわけでございます。
○森(英)委員 次に、検察の活動につきまして国民のより一層の理解を得るためにも、国政調査権の行使に対し、法務当局は、捜査記録を提出するなど、もう少し積極的に協力すべきではないかという考え方もあるわけでございますけれども、この点についてのお考えを伺います。
○濱政府委員 検察当局といたしましては、先ほどもお答え申し上げましたように、刑事事件について刑事責任があるかどうか、あるいはその程度を明らかにするという観点から、事案の真相を解明するために捜査を行う権限を与えられているというふうに考えているわけでございます。したがいまして、捜査におきましては人のプライバシー等に踏み込まざるを得ない側面があることも当然でございますし、また、場合によりましては強制手段によってそのような証拠を収集することも認められている、あるいは逮捕等の手段も認められているわけでございます。 そのような捜査手段によって収集した証拠の内容、捜査の秘密に属する事柄につきましては、これは刑事手続以外の場でこれが利用されたりあるいは公にするということになりますと、これは関係者の名誉、人権の保護ということはもちろんでございますし、裁判に対する不当な影響の防止という観点からも、あるいは、国民の期待と信頼のもとに円滑に遂行していかなければならないところの今後の捜査、公判一般に対する国民の協力の確保等の観点から、問題がある、支障を生ずることになるおそれがあるというふうに思うわけでございます。 委員も御案内のとおり、刑事訴訟法の四十七条はこのような観点から捜査資料の非公開の原則を定めているわけでございます。捜査資料そのものを国会に提出することは、そういうことで御遠慮させていただいているということを御理解をいただきたいというふうに思うわけでございます。 ただ、法務当局としましては国政調査権の行使に対しまして、国政調査権の重要性にかんがみて法令の許す範囲内でできるだけの御協力をすべきことは当然でございますし、これまでも最大限の御協力をしてきたところでございます。今後とも、国政調査権の行使に対しましてはできる限りの協力をすべきものであるというふうに考えているわけでございます。
○森(英)委員 東京佐川急便事件や金丸前副総裁の所得税法違反事件においても、事件の内容や捜査の経緯などについてかなり詳細な報道がなされております。このような情報を検察がリークしているのではないかというふうな疑いを持たざるを得ないような場面もあるわけでございますけれども、そのようなことは実際にあるのか、あるいは絶対ないのか、この点についていま一度明らかにしていただきたいと思います。
○濱政府委員 先ほど来お答え申し上げておりますとおり、この検察官の職員、検察官は刑事事件について、犯罪を捜査し、公訴を行い、裁判所に対し法の正当な適用を請求するという重要な職員を持っているわけでございます。したがいまして、その重要な職員を十分自覚して、検察官としては捜査の秘密の保持、捜査内容の秘匿ということに格段の注意を払っているというふうに考えるわけでございます。 その理由は、適正な捜査の遂行あるいは先ほど申し上げました関係者の名誉、人権の保護等の観点から、捜査に関する情報の秘密というものは厳正に保持しなければ職員を全うできないという、その職務の性質上から一つは来るわけでございます。 また、これは改めて申し上げるまでもございませんけれども、検察官、検察事務官を含めまして検察庁の職員は、国家公務員として秘密を厳守しなければならない法律上の義務を負っているわけでございますから、これに違反するようなことがありますれば法律上の制裁措置を受ける場合もあり得るわけでございます。そういうことを常に念頭に置きまして、検察官、検察事務官を含めまして検察庁の職員といたしましては、常に捜査の秘密の保持、捜査情報の秘密の保持に格段の注意を払っているということを申し上げることができると思うわけでございます。 ただ、これはいつも御理解をいただかなければならないことでございますけれども、いわゆるマスコミ等の報道機関におかれましても、独自の取材活動等によりまして、捜査に関する情報を事前にあるいは捜査中に取得されるということもあるわけでございまして、そういう意味で事件の内容あるいは捜査の経緯等について報道がなされたということと、検察官あるいは検察事務官の方から捜査情報が提供されているというようなことには、必ずしもそうではないわけでございまして、先ほど申し上げましたように、検察庁の職員としては捜査情報の秘密の保持というものに特に留意して職員を全うしているというふうに考えるわけ でございます。 結論的に申しまして、お尋ねのように捜査情報が検察から漏れるというようなことは現実にも絶対あり得ないものであるというふうに確信しているわけでございます。
○森(英)委員 ぜひ私どもの信頼に足る検察として、今後ともあくまでも冷静に厳正に職務に当たっていただきたい、またプライドを持って職務に当たっていただきたいということを切望いたします。 続きまして、入管関係の質問に移らせていただきます。 最近の不法就労者の問題でございますけれども、まず、不法就労者の現下における数と実態についてお伺いいたします。
○高橋(雅)政府委員 お答えいたします。 不法就労者の数でございますが、不法就労者は潜っているわけでございますので、その実数を正確に把握するのは事柄の性質上困難でございますけれども、当省といたしましては、入国出国の電算機統計に基づきまして推計を行っておりまして、それによりますと平成四年十一月一日現在二十九万二千七百九十一人が不法に残留しているということになっておりますので、このほとんどが不法就労者と推定しております。 それから、不法就労者の実態でございますが、平成三年について申しますと、平成三年に退去強制手続をとった不法残留者等入管法違反者の数は三万五千九百三人でございましたけれども、そのうち不法就労者は約九一%、三万二千九百八人でございます。その国籍で申しますと、韓国、イラン、マレーシア、タイ、フィリピン、中国等でございまして、職種としては、男性は建設作業者、生産工程者が全体の八割で、女性はホステスが半数以上でございます。それから場所としては、東京都が一番多くて、首都圏がかなり多くなっております。 平成四年については、現在集計中でございまして細かい数字はまだ出ておりませんが、この平成四年中に摘発をいたしまして退去強制手続をとった不法残留者等の数は約六万八千人となる見込みでございますので、それに占める不法就労者の割合は前年と同じ程度と推定されるものでございますから、約六万二千人ぐらいというふうに見込んでいるところでございます。
○森(英)委員 次に、そういう実態を踏まえての不法就労外国人対策をお伺いいたします。
○高橋(雅)政府委員 不法就労外国人対策の基本的な方針といたしましては、定着化を防止しつつその減少を図るということにいたしておりまして、具体的には、まず、入国の事前審査及び入国審査の厳格化によりまして、不法就労を目的として入ってくる入国者を水際で阻止する、それから在留審査の厳格化によりまして、違反の防止と早期に発見するということといたしております。それから、ブローカー介在等悪質な案件を中心といたしまして摘発活動を一層強化する。それから、関係省庁と情報交換や合同摘発などを連携を強化して行っている。具体的な問題といたしましては、外務省とともに査証発給のときに厳格にする、あるいは警察、労働省等と連携を図りまして摘発の強化を行い、不法就労助長罪の効果的適用により悪質な事案の厳重な取り締まりを行う、それから、国内国外に対する広報活動を行ってこのようなことを未然に防ぐというようなこととしているところでございます。
○森(英)委員 最後に、法務大臣にお尋ねいたします。 法務省には、今まで質問いたしました検察、入管のほか、いろいろと地味で目立たない部門が多くあることと思います。こういう各部門も法秩序を守る上で非常に重要な役割を果たしていると考えますけれども、ここで勤務する職員がその能力を十分に発揮し、また法務行政が適切に行われるためには、人的あるいは予算面での特段の配慮が必要であろうかと考えます。この点についての法務大臣の御所見を伺います。
○後藤田国務大臣 法務行政につきましては、とかく検察の仕事が割合世間の耳目をそばだたせるといいますか、突出した印象を与えるわけでございますけれども、事実は、そのことも大変重要なのですけれども、今御質問にありましたように、法務の仕事の中には、今お答えもしておりましたような外国人の取り扱いの問題、あるいはまた刑余者の保護の問題、あるいは国民の権利保全といいますか、端的に言えば登記の事務、こういったような大変重要な仕事を実は担当しておるわけでございますが、私、昨年の暮れに法務大臣に就任をいたしまして、それぞれの局からの説明をよく聞いたわけでございますが、さすがに法務省というのは明治以来大変な歴史の積み重ねの上に立った、大きく世の中がどんどん変わるに従ってとかく役所の中も、役所によっては少しいかがかな、こういった傾向なきにしもあらずと私自身はそう思うのですが、法務省はそうではありません。私は一番しっかりした土台の上に立って仕事をしている役所だな、こういう率直な印象を持っておるわけです。しかし、同時にまた反面、世の中の進運に伴っての最小限やはりそれに対応するだけの変化というもの、これはなければならないのですが、その点について少し憶病がなといったような面を率直に感じております。 そういうような観点で考えますと、いろいろな法律の改正の問題もそれぞれもちろんあるわけですが、人の面あるいは施設の面、予算の面、こういう面で、非常に堅実ではあるけれどもこれでは少し不十分ではないか、いま少しく充実をしなければならぬ面が相当にあるのではないかな、私自身はそういうふうに感じておるわけでございますが、今の森議員の御質問もそういうお立場に立っての御意見ではないかな、こう思うわけでございますが、私自身もそういう印象を持っておりますだけに、今後また皆様方の御理解も得ながら、そして同時に国民の理解を求めつつ、微力でありますけれどもできる限りそういう面で充実強化をさせていただかなければならぬ面があるだろう、こういうような観点で、部内では各局それぞれにひとつ見直してみてくれといったようなことで今勉強を各方面でやってもらっておる状況でございますが、今後逐次そういう面でなさなければならない改革というものが出てきた場合には、よろしくひとつ皆様方の御理解を仰ぎたい、かように思うわけでございます。
○森(英)委員 ぜひ頑張っていただきたいと思います。 質問を終わります。
○貝沼委員長 次に、小森龍邦君。
○小森委員 きょうは、死刑の執行の問題につきまして、若干私が疑問としております点についてお尋ねをしてみたいと思います。 極めて初歩的というか、原則的なことをお尋ねするようでありますが、こういった国会などの議論の場において死刑を執行された方の個人名を挙げて議論するということは、先日の法務委員会においても私は差し控えるということを申し上げたわけで、法務当局との間の議論は、私の考えと同じようなことでやりとりが行われておるわけでございます。 そこでお尋ねするということは、極めて初歩的なことでありますが、そういう国会の議論というものと、マスコミ各紙はそれとはまた異なって具体的な名前を挙げて報道をしておる。したがって、そういう角度からすると国会の議論というのが、何か靴の裏から足をかくような、宙に浮いた、本当に国民の知りたいことを明らかにするという議論にならないのではないかと一面では思われます。したがって、先ほども検察の行政のあり方について自民党の森議員の方からお尋ねもあったようでありますが、要するに国会というものが突っ込んだ議論をする場合に、新聞よりも後の議論、しかも明々白々たるものを、新聞は名前を出しているが国会は名前を出さない、あるいは新聞が報道していることを国会は答弁を遠慮させてもらいますということでは、本当の国権の最高機関として国民の声を代弁してやりとりするということにならぬと私は思うのです。 しかし、この間も申し上げましたように、きょうも私は名前は秘して仮の、つまりアルファベットの頭文字くらいでやりたい、こう思っておりますが、その点については法務当局はどういうふうにお考えでしょうか。
○濱政府委員 今委員がお尋ねの点につきましては先般も、今委員のお話の中にございましたように、法務委員会においてもお尋ねを受けましてお答えを申し上げたわけでございます。 死刑の執行につきましては、死刑を執行された者の家族その他関係者の心情に対する配慮、あるいはほかの死刑確定者の心情の安定等に対する配慮の観点から、従来からお答えを差し控えさせていただいておるところでございまして、その点は御理解をお願いしたいと思うわけでございます。 今委員がお触れになられました報道との関係につきましては、これはもちろん、その報道機関がどういう根拠あるいはどういう由来でそういう報道をされるのか、ここは別といたしまして、その点について法務当局から御意見を申し上げることはいたしかねるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、死刑の執行につきましては、一般論としてのお答えで御勘弁をいただいているということで御理解をいただきたいというふうに思うわけでございます。
○小森委員 国会はそういうことでその枠内の議論をするといたしまして、新聞記事は具体的な名前を書いていろいろと報道をしておるわけでございます。それは、その人の罪状というようなものについては、その公判記録などもありますから幾らでも調べる機会はあるわけですけれども、何日の何時に処刑をされたということは、これは要するに拘置所があるいは法務省の関係の役所から報道陣に流れない限り、物理的にわかりようがないと思うんです。私は、それをわかった方の新聞が問題があると言っておるのではないんですよ。新聞は、当然国民の知る権利にこたえて、一意専心そこのところを社会の機能としては果たされておるわけでありますから、むしろそれはなかなかよく調査をされたなということで感銘を覚えるのであります。しかし、そのニュースはほかから流れることはないんですね。国会で名前を出してやれないというようなものがなぜ新聞に名前が出るか、この点についてはどうですか。
○濱政府委員 今委員が御指摘になられました、報道機関が死刑の執行があったかどうかをも含めまして死刑執行に関する報道をしているという点との関係でお尋ねでございますけれども、先ほどお答え申し上げましたように、死刑の執行がなされたかどうかということも含めまして従来法務当局としてはお答えを差し控えさせていただいているわけでございます。そういうことで、死刑執行に関する情報が法務省関係者から漏れるということは考えられない、あり得ないということをまず申し上げたいと思うわけでございます。 それから、委員のお尋ねの中には、要するに、この死刑の執行に関する情報をも含めて私どもが考えておりますところは、死刑の判決が確定するに至ったいきさつ等は、これはすべて公開の裁判によって国民の前に明白になっておるわけでございまして、刑罰権行使の適正を図るという見地に立ちましても死刑の執行につきましてはこれを公にする必要はないと考えているわけでございます。 そういう理由から、死刑執行があったかどうか、あるいは執行の日時、場所等、死刑の執行状況につきましては、事前事後を問わず、公にしない取り扱いにさせていただいていると思うわけでございます。もちろん、例えば検察統計年報あるいは矯正統計年報等によりまして公にされる範囲につきましては、これは法務当局からも死刑の執行の状況に関する情報を公表させていただいているということで御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○小森委員 死刑をだれが執行されたかということは、拘置所の廊下を挟んで各房がある場合もあろうし、片側通行のような形で房がある場合もありましょうが、同じ拘置所にいる者が物音で知るとかというようなことは、これはあります。しかし、どの房に入っておっただれが処刑をされたかということが日ごろ接見交通などをやっておる弁護士を通じて外に出るためには、私は数日かかると思うんですね。ところが、それがもうすぐさま出るということは、実際にやった者でなければわからない。やった者でないと知り得ることのできないニュースが外に出るということは、法務省関係者が漏らしておるとしかこれは考えられぬじゃないですか。それを統計年鑑で知るということになれば数カ月後があるいは一年後かでしょう。ちょっとこれは筋道が通らぬのじゃないですか。 私は法律の専門家ではないけれども、素人なりに幾つかの刑事事件の素人の弁護をやったことがあります、刑事事件の第一審で。特別弁護人として私は法廷に立ったことが何回かあります。そこで、だんだん私は知るようになったんですけれども、つまり、犯罪実行者でなければ知り得ない秘密を告白したときには、それは相当重みのある自白でしょう。しかも、それがその自白に基づいて物的証拠に突き当たったらほぼ揺るがない証拠でしょう。 そういうことから考えたら、知った者がばらさない限りは外にわかりようのないことがわかっておるんだったら、知っておる者がばらしたということじゃないですか。簡単に答えてください。余り周辺のことをやると時間がもったいないですから。
○濱政府委員 先ほどお答え申し上げましたように報道機関がどういう手だてで、あるいはどういう報道をなさるかということは、これは私どもの方で立ち入って御意見を申し上げることはいたしかねるわけでございます。 ただ、先ほどから繰り返し申し上げておりますとおり、先ほども申し上げたような理由から死刑の執行に関しては公にしないということでございますので、法務当局の方からそういう死刑の執行に関する情報が出るということは絶対ないということを御理解いただきたいというふうに思います。
○小森委員 余りここで時間をとっても、きょう私が尋ねたいことに時間的になかなか到達できないから適当にしなきゃならぬと思うんですけれども、一足す二は三とか、三引く二は一というぐらいのこれは勘定ですよ。なるほど言葉の遊びとすれば今のような答弁はできますよ。しかし論理学的にはそれはなってはおらぬのですよ。この点は余り詭弁を弄さずに、発表してはいけないものなら発表しない、国民の知る権利に対応するというなら知る権利に対応すると正々堂々とやってもらいたいと思いますね。私は、また無為にこの情報が大きく流れるということになるといろいろと心を痛める人がおられると思うから、私はイニシアルぐらいで議論をしたい、こう思っているんですよ。しかし、それとは全然逆の裏をかくようなことが現実に目の前に展開されておるということになれば、国会の議論で、あなたが認める認めぬは別として、一言それは注意をしておく必要があると思って申し上げておるわけであります。 そこで、特に死刑の判決を受けた人の精神的安定を図るためにいろいろなことが行われておると思います。これは矯正局も、例えば死刑に反対するようなメンバーには、死刑囚には、要するに親族であっても面会をさせないというようなことをやっておる事実を私は知っております。それは、一種の思想というものによって行政が対応する、分け隔てをしているということになるから、厳密な意味でいったら、これは差別的処遇ですね。しかし、きょうはそれを私は問題にしようとは思っていないのです。 問題は、拘置所内に、大きな活字で「死刑三年四カ月ぶりに執行」、なるほどここへは墨は塗っていますよ。墨は塗っていますけれども、こんな大きな活字のものが拘置所の中で閲読をしてもよいようにしておるということは、この国会で幾らあれしたって、心痛む者がおるからと思って公な議論をなるべく控えてやっても、あなた方のやっておること自体がこんなことじゃないですか。これは数日ぐるぐる回って、数日というのは一週間以上かかっていると思いますね、ぐるぐる回ってきて私の手に入った。なるほど支障らしいように墨で消していますよ。墨でちょこちょこ消していますよ。しかし、大きな活字があるんだからどうにもならぬじゃないですか。しかも、この前私が申し上げましたが、ラジオで編集もせずにばっと拘置所の中で流したという事実もあるでしょう。 この点は、先ほど私が申し上げましたなるべくプライバシーのことについて知ってもらいたくない、一両国民は知りたいということもあるが、当事者の知ってもらいたくないという権利に対して我々が配慮をしてそういう議論をしておっても、あなた方のやっておること自体がでたらめじゃないですか。その点、ちょっと答えてくれませんか。
○濱政府委員 行刑施設におきましては、被収容者の身柄の確保、規律、秩序の維持等に支障のない限り、被収容者に対して新聞、ラジオニュース等による時事の報道に接する機会を与えるよう努めているというふうに承知しているわけでありまして、当該支障のあるなしにつきましては、施設の長が個別に判断しているというふうに理解しているわけでございます。 今申しましたように、それぞれの行刑施設内でラジオニュース等の報道を流すことを制限することが適切かどうか、例えば、その報道を部分的にカットするというようなことが適切かどうかというようなこともあると思うわけでございますが、ラジオニュース等の報道を流すことを制限するこが適切かどうかという問題、ということは、先ほどから私がお答え申し上げておりますような死刑執行に関する情報を法務当局が公表することを例えばその死刑確定者の心情の安定への配慮とかあるいは家族その他関係者への配慮から差し控えるということは、別の問題であるというふうに理解しているわけでございます。
○小森委員 要するに、拘置所に収容されておる死刑囚の心の安定ということについては、教誨師なども入れたりさまざまなことをして安定させようとしておるわけでしょう。その安定させようとしておるときにこんなものがもし閲読されるということになれば、それは動揺するでしょう。だから、言っておることのつじつまが合わないんじゃないですかね。拘置所の所長のそれぞれの判断と言うけれども、それでは国会だけが名前を秘して議論するというのは何かひとり芝居をしよるような感じになりはしないですか。国会がそういう節度を持って議論するということになれば、やはり行政当局ももう少し節度のあることをされなければならないのではないか、こういうように私は思うのですが、いかがですか。
○飛田政府委員 先ほどから矯正関係者の、特に拘置所の職員がおかしいのではないかという趣旨の御質問で、非常に当惑しているわけでございますが、まず拘置所の職員が漏らしたろうというような前提でのお尋ねがありましたが、それは私は、拘置所の職員から漏れたことはない、漏れたというかそういう報道の材料が提供されたことはない、これは間違いないと確信しております。 実際問題として、私どもは死刑が行われたかどうかということは公表しているわけではございませんから、ですから漏れたとか漏れないとかと言うことはちょっと問題でありますが、報道の材料が提供されたかどうかということになると、それはないと思います。 一般論として申しますと、死刑が執行されれば、それだけであとは無に、全部そのままでどこにもいろいろな余波が及ばないということではないのでございます。死刑が執行されれば、一般論といたしまして、執行された者の遺品がございます。遺書がある場合があります。そういうものは遺族に渡さなければなりません。また、死亡した場合には区役所とか市役所に死亡届を出さなければなりません。また死体については、これは焼却いたしまして適切なそれなりの届け出をいたしまして、その遺骨を遺族に戻すなり、あるいは行刑施設の墓に納めるなりしなければなりません。そういうふうに、すべてのことが拘置所の中だけで行われているとすれば確かに御指摘のとおりかもしれませんが、そういうふうな余波がございますから、ですから拘置所の職員が漏らしたというふうに一方的に決めつけられることに対しては、私はちょっと残念に思っております。 それから二番目の、墨を塗った塗らないの問題につきましては、これは当該施設に入っている被収容者の衆情の状況を見てその施設の長が判断するわけでございます。でありますから、ある人には見せてもいい記事が、例えばその記事を見てショックを受けて自殺をされるような心配のある者に対しては見せない場合もあるわけでございます。そういうふうに個別的に、個々の収容状況と被収容者の心情、あるいは規律、秩序の維持というようなことを総合して拘置所長が判断するわけでございますから、それと法務省が一般的に死刑の執行について公表しないということとは別問題だと考えておりますし、それとの矛盾もないと考えているわけでございます。
○小森委員 周辺の事情を説明して、それは遺品を受け取るとか、あるいは死体を受け取るとか、遺骨を受け取るというようなことがあって次第に当事者にわかってくるというのは、なお数日を要することなんですね。ところが新聞の報道は数時間くらいの後でしょう。だからそれは消去法でいくと、みんな知らない、一億二千五百万のうちの一億二千四百何十何万何千何百何十何人まで知らない、あとはわずかだ。そのわずか、行き当たるところはいわゆる行刑当局じゃないですか。そういう子供だましみたいなことを言いなさんな。 それで、ちょっと私はお尋ねしていきますが、今回の執行した三人というのは公然たる事実なんですけれども、遺品や遺骨はもう遺族に渡しているのですか。
○飛田政府委員 重ねてお言葉を返すようでございますが、死亡届はその日のうちに、死亡したら速やかに提出いたします。また、家族を呼んで遺品を返すのも、その日のうちに連絡をいたします。ですから、余りその点でおしかりをいただきたくないなというふうに思っております。 それから遺品や何かを返したかということでございますが、私どもの方は公表しているわけではございませんから、その点についてもここで答弁をすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○小森委員 これにかかわっておるある弁護士が、そのことに対して非常に深い関心を持っておられるある弁護士に対して出されておる状況説明書みたいなものがございまして、これは一九九三年四月七日付の説明書でございますが、私は非常に心にぐさっとくるのはこういうことなんですね。要するに、「遺品、遺骨引き取りは、執行自体を認めない拘置所当局、押し問答申です。」と、四月七日の文書がそうなんです。執行というものを認めてないのだからそんなものについてとやかく言うことはない、こういう態度をとられたらやりようがないでしょう。片方ではばあんと発表しておきながら、言いたくないことだけは言わない、あるいは言いたくないことだけは知らさない。それは自分らをガードするための論理でしかないでしょう。そこが問題なんですよ。これは法務省関係の議論だけじゃなくて、日本の政治の全体が、いやそれはちょっと答弁は差し控えますというようなことをよく予算委員会なんかでも言いよります。自分の都合の悪いことは言わない。都合のいいことだけぱっぱっと宣伝するのです。 特にこれは人間の生死にかかわる、人権にかかわる問題ですからね。考えを入れかえてもらわなければいけませんね。まあ、この入り口のところで議論しよってもいけませんが、私は、たまたま法務委員もしておりますし、発言の機会も多いし、まだ引き続いて、きょうで断念をしませんから、このことはこの程度にしておきます。 そこで、次の問題に移らせていただきます。 今回の死刑執行をされた者の中に、精神障害者であった可能性のある人が私の調査ではおりました。私がひとり合点でそういうことを言っておるのでなくて、その人を担当しておった弁護士が大阪拘置所に照会をいたした文書がございまして、それは大分前の照会文書もあるし、ごく最近の文書もあって、いずれもそれと思われるような、照会に対する回答がございました。 最初は一九八七年の十一月十四日の大阪拘置所の文書でありますが、「幻覚」、幻覚症状のことですね、「幻覚妄想状態(分裂病の疑い)と診断されています」という——これはやはりその関係の、拘置所の関係のお医者さんですね。私もよく拘置所を視察させてもらいますが、刑務所も、そこに病院、診療所がありますね。だから、そういうところのお医者さんに頼んでしてもらったんじゃないかと思いますが、したがって、「幻覚妄想状態(分裂)」、これは分裂症と書かずに「分裂病」と書いていますが、「(分裂病の疑い)と診断されています」というのが一九八七年の十一月十四日。ずっと近づいて、九二年、去年ですね、六月三十日、「幻覚妄想の存在は否定しない」、こうなっていますね。 こういうものは法律的に死刑の執行をしてはいかぬのじゃないですか。どうでしょうか。
○濱政府委員 特定の死刑確定囚の問題につきましては、立ち入ったお答えは差し控えさせていただきたいと思うわけでございます。 ただ、一般的にこれもお答えをすることをお許しいただきたいと思うわけでございますが、刑事訴訟法四百七十九条によりますれば、「死刑の言渡を受けた者が心神喪失の状態に在るときは、法務大臣の命令によって執行を停止する。」ということを規定しているわけでございます。死刑確定者が心神喪失の状態にあるかどうかということにつきましても当然に考慮されるわけでございまして、心神喪失の状態にある者に対して死刑を執行するということはないということは申し上げられると思うわけでございます。
○小森委員 言葉だけぽんぽん飛んだんじゃいけぬのんでね。やっぱり、名前は出さないけれども具体を考慮に入れてまじめな答えが欲しいと私は思うんです。 法律はそうあるけれども、だから、法律にそうあるからそういうことは事実としてないと言われると思うから、私はわざわざ大阪拘置所の所長が照会文に答えた文言を今言っておるんじゃないですか。こうして時間がたては、あなた、済む思うたら間違いですよ。時間がたったら済む思うたら間違いですよ。あなたの方の系統の役所の役人が弁護士の照会に対してこういう文書を出しておるんじゃないですか。この点、どうですか。
○濱政府委員 重ねてのお尋ねでございますけれども、一般論としてお答えをさせていただくよりほかないわけでございます。 「死刑の言渡を受けた者が心神喪失の状態に在るときは、法務大臣の命令によって執行を停止する。」というふうに規定されているわけでございますから、死刑確定者が心神喪失の状態にあるかどうかということについてもこれは当然に考慮されている。したがって、心神喪失の状態にある者に対して執行することはないということで御理解をいただくよりほかないと思うわけでございます。
○小森委員 この前の東京佐川急便、金丸五億円事件のやりとりも頭隠してしりを隠さぬようなことで、私は、これははっきり言っておきますけれども、検察庁の名誉ということも考えなきゃならぬけれども、追い込められて追い込められて今のような状況になったと思っていますよ、検察庁も。あのままで国民世論が静かだったら、金丸事件はここまで発展していませんよ。私はそう思っていますよ。 だから、今の議論も、濱刑事局長、あなたの答弁はいつもそんな答弁なんですよ。精神喪失で、精神的な問題が、医学上そういう診断があったということを外へ照会文として出ておるんですが、私は照会のそのかがみも持っていますよ、かがみも。かがみというのは前へつけておる文書も持っていますよ、コピーですけれども。そういうふうにあなたがずっとしらを切って逃げるのなら、いつまでも私は追いますから。だけれども、私の言っておることを私はひとり合点で言いよるのでないということを、時間が追っておりますから一つだけ紹介しておきましょう。たくさん資料を持っていますから、また次の機会にこれは結論を見るべく出しますよ。 つまり、死刑を執行される直前に、この人が弁護士に対して手紙をよこしているんです。何を書いておるかわからぬのや。きのう私は、何人もかかって、何人も検討しながらよくわからない字を埋めていったんですよ。あなた、読んで、これから何を言うたことかわかるか、ちょっと判断してみてくださいよ。法務大臣もよう聞いておってくださいよ。何のことかわからぬですね。 また与太郎の飼い犬共の夢を拝んで見たらけっこう達者におられるので御安心しました。安心というのを、自分の方を自分で「御安心」と言っている。 宿命とは云え飼い犬の与太郎じゃさまになりませんが、それなりに一生懸命に生きているんですが、 生への執着がこの辺で出ておるね。 立派なものですよ。なにしろ顔を拝むのも若い身の上で、カモになりえる達者もので、さぞ苦しいことでしょう。この飼い犬共さんの言い分も有りますので何分にも理解をされておられると存じております。先生も心なりしも胸が痛む思いでしょうが、どうか御身体には充分に気を付けて、いまでもお元気でおられる事と祈っております。 何を書いておるかわからぬ。これはもう精神が錯乱しておる証拠じゃないですか。 これは最近の手紙ですよ。私が持っておる、ほかの同じ房の中におる人が外へ便りを出しておるのに、処刑をされたこの人は、毎日うおううおう叫んで、たったさっきふろへ入ったばっかりなのにシャンプーで頭をどっどっ洗うて、もう何某にもわけがわからぬいうことを便りを出しておる資料も私は持っていますよ。それで、あなたは口の先で、いや、法律にそうあるんだからそういうようなことをするということはないだろうというようなことでは済まされぬのじゃないですか。 私は、きょうはあなたの答弁をこういうふうに想定しておったんです。法律は心神喪失ということを言っておるので、少々の精神障害者のことを言っておるのではないと言って逃げるんじゃないかと思っておったんです。また何回か私が議論をしよると、そういうふうにあなたは論理を変えられるかもわからぬけれども、先に言っておきますわ。そのくらいの論理が差し込んでこられるぐらいのことは私も考えておりますよ。 じゃ、もう時間が余りありませんから尋ねますが、国連の社会経済理事会及び第四十四回国連総会では、死刑を執行しようとする、つまり死刑囚に対してどういう配慮をしなければならないと国連総会で決議をしておって、日本政府もそれに賛成しておるか、御存じでしょう。二、三点ポイントをちょっと言ってください。
○濱政府委員 委員が御指摘になっておられる国連決議の関係でございますが、もちろん国連決議の趣旨あるいは解釈等につきましては、これは本来外務省御当局からお答えすべきものと考えますけれども、とりあえず私から承知しているところをお答え申し上げたいと思います。 まず、一九八四年五月二十五日の経済社会理事会決議の項目としては九つございます。九つ全部申し上げた方がよろしければ……(小森委員「いや、何点かポイントだけ言ってください」と呼ぶ) 一つは、「死刑を廃止していない国においては、死刑は、最も凶悪な犯罪に対してのみ科すことができ、生命を奪い」……
○小森委員 ちょっと途中ですけれども、私が今問うておるポイントに対して関連のあるのを何点が言ってください。それは死刑制度全体の議論になりますから、また法務大臣とじっくりやりたいですから。
○濱政府委員 はい、わかりました。御趣旨を踏まえてお答えいたします。 今途中になりましたところだけ最後まで読みますけれども、「死刑は、最も凶悪な犯罪に対してのみ科すことができ、生命を奪い又はその他の極度に重大な結果を発生させた故意の犯罪以外には死刑が科されてはならない。」これが一でございます。 それから三でございますが、「犯罪を犯した時に十八歳未満であった者に対しては死刑判決を言渡すことができず、妊娠している女性若しくは幼児の母親又は心神喪失者に対しては死刑を執行することができない。」という項目がございます。今お尋ねの点は、恐らくそれを指しておっしゃっておられるんだろうと思うわけでございます。
○小森委員 我が国政府が反対をしておるのなら、それはそのとおり守らぬからといったって法理論的には、国際法的に関係として日本が裏をかいたということにならぬけれども、日本が賛成しておるんですよ。その賛成しておる中に、我が国の刑事訴訟法では心神喪失と書いておるけれども、国連の総会の決議は精神障害者と書いているんですよ。だから、相当広い意味で国際的にはこういうことを考えて、人権を考えてやろうじゃないかということになっておるんですよ。 私、時間を守りたいと思いますから、法務大臣にちょっともう少し時間があるときにゆっくりやらせてもらいますけれども、あなたは我が党の鈴木喜久子議員に対する答弁として非常に立派なことを言われておるんですね。つまり、死刑執行の問題をめぐっては「一点の疑問の余地がないといったときに、法務大臣の個人的な感情あるいは物の考え方等でちょっと待ったというわけには私はいかぬのではないか。」そういう信念でやった、こうなっているんですよ。まあ、きょう私が言うことを全部うそだと思われれば、それは一点の曇りがないということもあるいは通らぬこともないかもわかりませんが、私もこうして公的な場で物を言うということになれば、それなりの確たるものを持って言っておるんですよ。これは一点の曇りもないことになるでしょうかね。ちょっと法務大臣のきょうただいまの心境を聞かせてもらいたいと思う。
○後藤田国務大臣 法務大臣の役割の中に、死刑執行の命令書を決裁するということは、これ、大変重い役割でございます。それだけに、死刑執行の命令書に決裁する際には、当然のことながら従来からの経緯についてすべて説明を聞き、その上で私自身がこれはどうだといったような感じを持つ点については、私もまんざらの素人ではございませんので、十分質疑もし、説明も聞き、その上で一点の疑問の余地がないといったときには、当然の法務大臣の職務として決裁をすべきものである、かように私自身は考えておるわけでございます。
○小森委員 時間が来ましたからこの辺で終わりますが、法務大臣の先ほどの言葉を聞いておりますと、つまり、当局の役人の皆さんが大臣に決裁を受ける場合のいろいろな問題点というものを精査してやったという意味のことがございましたが、今私が言うたようなことを行政実務担当者は法務大臣によく言いまして、こういう問題もあるが、これは処刑しなければいかぬのだということを言うたんかどうか、またこれは追ってお尋ねをいたします。 終わります。
○貝沼委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時十六分休憩 ————◇————— 午後一時二分開議
○貝沼委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。志賀一夫君。
○志賀(一)委員 私は、まず最初に官房長官にお聞きをいたしたいと思いますが、対ロシア支援については、つい最近十八・二億ドルの無償、有償の支援を決めたようでありますけれども、これは何を根拠にこのような支援を決めたのか、まず、これらについてお聞きをしたいと思います。
○河野国務大臣 委員も十分御承知のとおり、今日のロシアの状況は、自由主義、民主主義をとる我々の極めて関心のあるところでございます。 かつて旧ソ連の時代に東西の冷戦という厳しい時代が長く続きましたけれども、その冷戦が終えんを迎えまして、今日ロシアは経済的にも社会的にも政治的にも、民主主義あるいは自由主義、市場経済の方向に改革をしようとして努力をしているということを、いわゆるG7、先進国が集まって、この努力を評価し、これを支援していくことが重要だ。それは、今回のこうした改革が失敗に終われば、再び帝国主義的な、共産主義的な大きな国家がそこに生ずる危険性も十分にあるわけでございまして、こうした改革への動きというものを我々は重大な関心を持って見ると同時に、この改革への動きが成功をおさめることが世界の平和秩序にとっても極めて重要であろう。 これは、私、個人的に思いますのに、こうした試みがもし失敗に終わるということになって、再びかつての冷戦時代あるいは厳しい対立の時代を迎えるということになるとすれば、それははかり知れないほどのまた軍事費でありますとか防衛費でありますとかいうことも必要になってくるのではないか。今回のこうした先進国を中心とする支援は、まさに平和への投資というべきものであろう、こういった意見が、これはG7の主要メンバーの中からもそうした考え方がございまして、我が国といたしましても、こうした考え方に賛同をしてロシアに対する支援を決めたところでございます。
○志賀(一)委員 長官の趣旨につきましては十分わかるわけでありますが、今日までもロシアに対しましては多額の有償、無償の支援をやっております。にもかかわりませず、その支援が果だして国民の皆さんが喜んでいただけるようなものになっておるのかどうか、こういう点についても若干問題なしとしないわけでありますし、報道によりますと、ロシアの国民の皆さんの中には必ずしも日本の支援を望まない、そういう方々もいるやに聞いておるわけでありますが、その点と、もう一つは、北方領土の返還というのは我々日本国民にとっては長い間の懸案事項であったわけであります。それが、今のエリツィン大統領がおいでになるということで、国民の皆さんも熱いまなざしで待っておったのでありますけれども、それが国内事情のゆえんかわかりませんが中止になり、そして北方領土返還の問題というのは何かはるかかなたに遠のいたという感を、我々国民としてはそんな感じを受けておるわけであります。 ところで、この七月、東京サミットが行われるわけでありますが、その際は何としても、我が国にとって年来の国民の念願であるこの北方領土の返還について、どうしてもロシアとの間に話し合いをつけて返還していただきたい。これが一遍でなくても、二段階論でも結構でありますから、やはり返還してほしいという国民の大きな期待と願望があるわけでありますが、それらについてどのような対応をされるお考えであるのか、まずお聞きをしておきたいと思います。
○河野国務大臣 まず前段のお尋ねでございますが、今回の対日支援につきましても、基本的には、先ほど私申し上げましたロシア国内におきます政治的、社会的、経済的な改革というものはロシア自身の自助努力といいますか、ロシア自身がそうした方向に向かって努力をするということが何より前提であろうと思います。そうしたことなくして、周辺、外部からの期待、願望を込めたものがあっても、それは決して成就しないというのは当然でございまして、まず何よりも、ロシア国民がこうした改革に向かって自助努力をしていかれるということが前提であるということをまず申し上げたいと思います。そうして、今回の支援につきましても、それは国民レベルに実効の上がる援助となることが重要だということをあわせて、今回G7の蔵相外相会議に出席をされましたフョードロフ副主相及びコズイレフ外相にもその旨をお伝えをいたしてございます。 それから後段の問題でございますけれども、委員お尋ねのとおり、我が国とロシアとの間には領土問題という未解決の、日本の国民の長く悲願とする問題、解決しなければならない問題があることは全くそのとおりでございまして、私どもも、この問題を解決して日ロ関係を完全に正常化するということが何より重要ということを考えておるわけでございます。 しかしながら、最近のロシアの状況は、かつて旧ソ連と言われていた時代には、領土問題が存在することすら認めないという長い時代がございました。そうした時代を越えて、ゴルバチョフ大統領の時代に変わって、四島という、北方に未解決な四島の問題があることを認めるということになりました。さらに、エリツィン大統領の時代になって、法と正義のもとでこうした問題は解決をされるべきだということを大統領御自身が御発言をなさるようになっております。このエリツィン大統領の御発言は、内政、外交いずれにわたっても法と正義を基調として問題を解決するというお考えが伝えられておるところでございます。 こうしたことに着目をいたしまして、日ロ関係は、これからこの問題の解決というものを通して完全な日ロ両国間の関係を改善する、正常な形にするという方向に向かって努力をされるべき場面がやってきつつあるということを私ども考えております。 そこで、先ほどお触れになりましたが、七月の東京サミットにおきまして、エリツィン大統領に対して東京サミット議長の名前において、そのときに東京においでをいただくよう御要請をしたところでございます。これは、あくまでも東京サミットという先進国の会議の議長として、その会議の折においでを願いたいということを申し上げていることでございまして、このサミットの議長としての招請問題と二国間問題とはリンクをしないということを宮澤総理は言明をしておられまして、それとは別に、二国関係は二国関係としてきちっと問題解決のためにけじめをつけなければならない問題である、こういうのが我々の考え方でございます。 委員もお聞きと思いますが、先般のG7閣僚合同会議の折に日本に参られましたコズイレフ・ロシア外相との間で、エリツィン大統領のいわゆる二国間の問題としての訪日問題というものが協議をされているところでございます。まだ、いついかなる時期にどういう形で日本に訪問をせられるかについては外相会議の協議がございまして、その結果を持ってコズイレフ外相はモスクワに戻られまして、その返事を現在は待っておるという状況になっておることを申し上げます。
○志賀(一)委員 今回招請に応じられてエリツィン大統領がおいでになるとすれば、かってこの訪日を延期された経緯から考えても、わざわざおいでになるのですから、やはり宮澤さんと腹を割った話し合いをまずするということが大事ではないでしょうか。そのサミットの際に、結論が果たして出るか出ないかは別にしましても、やはり日本の、今日まで我々が主張し、そしてまた国民の皆さんが悲願としてきたその気持ちを宮澤総理が吐露して、そしてやはり理解を深めて次のステップに行くようにする、その外交努力というのが必要なんであって、そのためには、やはりおいでになられるということになれば、その隠そういう話し合いをする機会をぜひ設けるべきだ、こういうふうに私は思いますが、いかがでしょうか。
○河野国務大臣 まだ申し上げるところまで固まっておりませんので控えておりましたけれども、先ほど申し上げましたコズイレフ・ロシア外相と我が国武藤外相との協議、会談によりますれば、その二国間の問題を抱えてエリツィン大統領が訪日をなさる時期は、そのサミットの時期より前である可能性も十分あるわけでございまして、私が先ほど申し上げましたのは、サミットにおいでになるのはサミットの折においでになるということであって、日本とロシアとの関係について、委員御指摘のように、昨年秋延期をされたロシア大統領の日本訪問という延期された部分については、それはサミットの折においでになるということでその延期が果たされるのではなくて、その延期された大統領の訪日は、延期された大統領の訪日としてきちっとした形で実現をすることが本来望ましいわけでございますから、そうしたことを考えて目下具体的な時期等について、それは、実はまだサミットの前になるか後になるかはわからないわけでございますけれども、今そうしたロシア大統領の日本訪問という、つまり昨年の秋の延期の分についてその約束を果たすのは、これはサミットの折に来るということで果たすのではなくて、それはそれ、これはこれで訪日を果たされるようにということを考えて協議をいたしているところでございます。
○志賀(一)委員 お話としてはわかりますが、サミットの前になるか後になるかでそれはおのずと対応が異なると思います。しかし、前になる場合は結構ですが、もしその後になる場合については、そのサミットにおいでになるならば、その際、やはりその機会をとらえて宮澤総理が虚心坦懐な話し合いをするということが、その結論を得るか得ないかは別にしまして大事なことだ、こういうふうに思いますので、そのように御努力を官房長官としても願いたい、そういうふうに思います。 それでは、次の問題に移ります。 金丸さんも多額の保釈金を積んで釈放されたわけでありますが、今国民の多くの皆さんが抱いている気持ちは、金丸さん、そして竹下さん、こういった一連の政治不信の問題についてはまだ納得がいけるような状態に国民はいないと思います。そういう結果として、自民党にもそしてまた野党にも厳しい批判が今なお厳然として残っていると私は思います。 したがって、この国民の皆さんの期待にこたえるような努力を我々が国会の中でもっと進めるべきだというふうに考えますと、やはり今政治改革の特別委員会でいろいろ制度的な問題を中心にして議論がなされておりますが、私からいえば、制度より前に、あの英国で百年前につくられた政治腐敗防止法案、あのようなものをやはり前段としてつくっていく、いわゆる政治腐敗防止のための土俵づくりをまずして、その上にこの制度改革の問題をのっけて議論をするというのが本来の筋ではないだろうか、そういうふうに私は実は思っているところであります。 そういう意味で、これから以下質問をいたしたいと思いますが、自民党の金丸さんは三億円の保釈金で釈放されているわけでありますが、秘書の生原さんは一億五千万の保釈金を積んだけれども、検察庁の方から異議が出て、結局釈放されずに済んでしまった、今なお拘置所におられるということであります。これらの問題を通じましてどうも釈然としないものがありますが、この辺についてお聞かせをいただきたいと思います。
○濱政府委員 委員のお尋ねは、端的に申しまして、生原元秘書については最終的に保釈許可にならなかったのはどういう理由がということになるかと思うわけでございます。 検察官が準抗告を申し立てました理由は、生原元秘書に対する所得税法違反事件におきましては、刑事訴訟法八十九条四号に言う「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がある」ということで、生原元秘書の保釈を許可したのは判断を誤ったものであるということで準抗告の申し立てをしたというふうに承知しておるわけでございます。そして、その準抗告の申し立てに対しまして、本三月三十日、東京地方裁判所、すなわち準抗告を受けた裁判所が検察官の準抗告を認容しまして、保釈許可決定を取り消した上、弁護人の保釈請求を却下する旨決定したといういきさつであったと承知しているわけでございます。
○志賀(一)委員 今のお話によりますと、証拠隠滅というようなお話であります。既に証拠書類としてたくさんの物件が押収され、中でも生原元秘書に対する疑惑としては、約六億五千万円の所得隠しと約三億三千万円の脱税容疑でそれぞれ逮捕されたのでありますけれども、その大筋を認めたことによって一億五千万円の保釈金で釈放するという決定をしたわけでありますのに、なぜに準抗告で証拠隠滅のおそれがあるとして勾留され続けているのか。自民党元副総裁という立場の金丸さ んと秘書という立場、こういうことでの差別があるのかどうか。いろいろお聞かせを願いたいと思います。
○濱政府委員 委員が今お触れになられましたように、「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由」があるかどうかということを判断するに際しましては、それぞれの具体的事件における証拠関係いかんによるわけでございます。 金丸前議員に対する所得税法違反事件として公訴を提起した事実と、それから生原元秘書に係る所得税法違反の事件として公訴を提起した事実、これはもちろん、一部金丸前議員と生原元秘書が共謀したものとして公訴提起をされている事案もございますけれども、いずれにしろ、金丸前議員に係る公訴事実と生原元秘書に係る公訴事実とは異なるわけでございます。「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由」があるかどうかを判断するに際しましては、それぞれの事案の証拠関係いかんによって決まるわけでございます。 もちろんこれはこれから公判が始まるわけでございますので証拠関係に具体的に立ち入ったお答えはいたしかねるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、それぞれの事案の証拠関係いかんによって、一方では「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由」がなお存在するという判断をされる場合もございますし、他方の事件では、証拠関係から「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由」はないというような判断に達する場合もあるわけでございまして、これは、一にかかってそれぞれの事案の証拠関係いかんによって違ってくるというふうに御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○志賀(一)委員 しかし、生原さんが逮捕される原因となった事実については大方認めて、その結果として釈放が決定されたという経緯があるわけであります。そういたしますと、何かほかの理由があって、たくさん押収した物件の中で新たな事実があって、そしてそれをもっと調べる必要があるという判断での勾留延期という措置をとっておるのかどうか。あるいはまた、巷間聞くところによりますと、自殺するおそれがあるというようなことで勾留を延期したのだというような話も聞いているわけであります。いずれの理由が、明確にし得る範囲でひとつお答えいただきたいと思います。
○濱政府委員 今委員が御指摘になられました具体的な事実関係に踏み込んでのお答えは御遠慮させていただきたいと思うわけでございますが、これは、生原元秘書に対する保釈許可決定に対する準抗告に対して裁判所が判断をして、最終的に「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由」があるという判断をして、一たん出されました保釈許可決定を取り消した上で、弁護人の保釈請求を却下する旨決定したわけでございます。 その裁判所の判断の中におきましては、この事件の罪質、態様等にかんがみて関係者あるいは相被告人の供述等、複数年分にわたる極めて多額の脱税という重大事案であって、関係者も極めて多数に上る、これら被告人と関係者等の人間関係あるいは利害関係等に照らして、現時点での裏づけ証拠の収集状況を前提とするときは、罪証隠滅を図る危険性及び実効性は高いものと認めるのが相当である、こういう判断をしているわけでございます。 一つつけ加えて申し上げますと、要するに、先ほどもお答え申し上げましたように、一方の事件では「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由」があるというふうに判断するにつきましては、その当該事件の証拠関係にかんがみて、最終的に「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由」があるという判断をしたということでございます。
○志賀(一)委員 検察当局によって押収されたたくさんの証拠物件は宝の山だというふうにも聞いているわけであります。その宝の山には、既に報道されて明らかにされている高官名もかなりの数で上がっておるというふうに聞いておるわけであります。また同時に、多くの政治家の名前もその中に出ておる、こういうふうにもお聞きしているわけてあります。脱税の有無を含めて、今後とも捜査を継続していくお考えでいるのかどうか、その辺を明らかにしておきたいと思います。
○濱政府委員 今委員御指摘になられましたように、金丸前議員らに対する所得税法違反事件の捜査の過程におきまして多数の証拠物等を押収したことは、そのとおりでございます。ただ、私どもが報告を受けておりますのは、金丸前議員らに対する所得税法違反事件の捜査はおおむね終了したものと聞いているわけでございまして、検察当局におきましては、今後、公訴維持等の観点から、必要に応じまして今回押収した証拠物等の分析、検討を行うものと思うわけでございます。 これは相当の日数を要する作業でもあるわけでございますが、委員の今のお尋ねは、今後における検察当局の捜査の見通し等についてのお尋ねかと思うわけでございますが、この点は、検察が今後どういうことを捜査するかという捜査の内容等につきましては、もちろん立ち入ったお答えはいたしかねるわけでございますので、その点はひとつお答えを御遠慮させていただきたいと思うわけでございます。 ただ、いつも申し上げておりますとおり、一般的に申しまして、検察当局において、捜査の過程において刑事事件として取り上げるものがありますれば適正に対処するというふうに考えているわけでございます。
○志賀(一)委員 今のお話では、金丸さんにかかわる問題については大方捜査が終了した、そういうふうにおっしゃられたわけですわ。といたしますと、秘書である生原さんのかかわりは、金丸さんのかかわりの中で逮捕されて今日まで捜査されているわけですね。そういたしますと、その生原さんが今なお勾留されて、証拠隠滅のおそれがあり、もっと捜査が長引く、こういう判断の基礎には、当然にして何らかの理由があって、捜査をしなければならない、金丸さんと直接でない何らかのものがあるからこそ勾留を継続するということになるのではないのですか。
○濱政府委員 私、先ほどお答え申し上げましたのは、金丸前議員らに対する所得税法違反事件というふうに申し上げたわけでございまして、金丸前議員及び生原元秘書に対する所得税法違反事件の捜査はおおむね終了したものと聞いているという趣旨のことをお答えしたつもりでございます。 今委員がお尋ねになっておられますのは、公訴を提起した事実についてなお罪証を隠滅するおそれがあるというのはおかしいではないかという御趣旨のお尋ねかと思うのでございますが、あるいは私の、委員のお尋ねを誤解してお答えしている点があるかもしれないと思いますが、あくまでも、罪証隠滅のおそれがあるかどうかという判断は、勾留された事実、勾留と申しますのは保釈との関係で対応する勾留事実でございますけれども、その勾留事実、もう少し申しますと、勾留されたまま公訴を提起された事実、この本件の金丸前議員あるいは生原元秘書につきましては勾留事実と公訴を提起した事実との間で若干違いますけれども、厳密に申しますと、勾留された事実について罪証を隠滅するおそれがあると認める相当の理由がある、こういう趣旨で保釈が不許可になった、こういうことでございます。
○志賀(一)委員 私は法律家ではありませんのでわかりませんね、どうもその辺は。 常識として考えて、金丸さんとのかかわりで生原さんが違反容疑があって逮捕された、その問題はもう大体大まかに終了しているという事態ですね。そうすると、何がゆえに証拠隠滅の、逮捕される理由になった原因についての捜査は既にもう終了しているのに、何がゆえに今なお勾留されているのか、隠滅のおそれがあるのかという点では、別な何らかの、逮捕しなければならない、勾留しておかなければならない当然の理由があって延期をしている、証拠隠滅のおそれがあるから勾留をしている、こういうふうに判断するのが、私は素人ですけれども、そうお聞きするのが当然なことでしょう。いかがですか。
○濱政府委員 ちょっと繰り返しのお答えになるかもしれませんが、罪証を隠滅するおそれがあるかどうか、要するに、保釈を許可するかどうかの際に判断される罪証を隠滅するおそれがあるかどうかの判断というのは、あくまで勾留事実との関係で罪証を隠滅するおそれがあると認められるかどうかということが判断されるわけでございまして、勾留事実以外の事実について罪証を隠滅するおそれがあるかどうかということは判断の対象にはならないわけでございます。 本件の場合に、生原元秘書に対する勾留事実、所得税法違反の事実についてなお罪証隠滅のおそれがあるというふうに判断されたということは、例えば、公訴提起のあった事件について将来裁判で検察官が立証活動をし、また被告人、弁護人がこれに対する防御活動をするわけでございますけれども、その立証との関係で、公訴提起された事件の立証との関係でなお罪証を隠滅するおそれがあると認められるかどうかということが判断された、その結果、結論的に罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があると判断された、こういうことなのでございます。
○志賀(一)委員 どうもわかりませんね。 それでは、先ほどお聞きしましたけれども、既に報道されておる高官名あるいはまた政治家の名前が、脱税容疑等の有無を含めて捜査を継続しているのかどうか、こういう点についてはいかがでしょうか。
○濱政府委員 今委員が御指摘になられましたいろいろな報道がなされていることはもちろん承知しているわけでございますが、具体的事案における犯罪の成否ということは、これは改めて申し上げるまでもなく、あくまでも捜査機関が収集した証拠に基づいて判断すべきことでございますから、例えば脱税以外のほかの犯罪があるのかどうかというようなことは、法務当局からお答えをできる事柄ではもちろんないわけでございます。これまでのところ、起訴したもののほかには訴追すべき犯罪の嫌疑が認められたということの報告には接していないわけでございます。
○志賀(一)委員 法務大臣にちょっとお聞きをいたしたいと思います。 今は亡き元法務大臣の稲葉修先生は、良識の士としてその職を全うされ、ロッキード事件の際には、勇断をもって灰色高官名を明らかにした結果として、ロッキード事件の解明がなされ、長く法務大臣としての名声は歴史の一ページを飾っているものだ、そんなふうに私は思っているところであります。 自民党の政治改革会長代理として政治改革に情熱を傾けてこられた後藤田先生が、宮澤総理の特段の御要請を受けて、自民党の良心と言われる副総理兼法務大臣として入閣されたことは、この大事件の解明のための歴史の必然性の結果かもしれません。宝の山から拾い出し、限りなく黒に近いものは天下に公表して、政界浄化のために特段の御尽力をしていただきたいというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
○後藤田国務大臣 稲葉先生は私どもにとっては政治の大先輩でございまして、大変尊敬をしておる方でございますが、稲葉先生と私とはまた立場が違うわけでございます。私は私なりに政治行動をとりたい、こう思っておるわけでございますが、事件の捜査といったようなことについては、これはあくまでも捜査機関の冷静な、しかも法に基づき適正な法の手続、その中で真相解明を遂げて、そして処罰すべきものは処罰するというのが建前であって、政治の立場にある我々がとかくこれに対してどうこうするといったようなことは避けなければならないことである、かように考えておるわけでございます。
○志賀(一)委員 今の後藤田先生の御趣旨についてはわかるわけでありますが、今我が国の政治に対する国内外の厳しい批判、そういったものを考えたときに、その担当者である法務大臣の責務は極めて重要でないか、そんなふうに思いますと、やはりこの問題をうやむやにするのではなくて、より積極的にこの宝の山を切り崩して解明していただきたいな、そんなふうに思うのでありますが、大臣、あなたが長い政治史の中で振り返って悔いのない政治生活であれということを私も祈念しながら、ぜひそういうことをお願いしたいものだ、そういうふうに思います。 それでは次の問題に移りますが、商法の特別背任罪に問われた元東京佐川急便社長の渡邊廣康被告に対する公判が去る二月十五日東京地裁で開かれ、暴力団稲川会の故石井進前会長系企業北洋産業社長の庄司宗信被告が検察側証人として出廷したことが報道されております。庄司社長は、自民党総裁選挙を控えていた一九八七年秋、竹下登元首相、当時自民党幹事長に対する右翼団体日本皇民党からのほめ殺し攻撃について、渡邊元社長から中止要請を受け、石井前会長が解決に動いた結果、攻撃が中止された状況について証言した、こういうふうに聞いておりますが、この証言のとおりでありましょうか、お伺いをします。
○濱政府委員 今委員が御指摘になられました二月十五日の渡邊廣康被告人の公判における庄司証人の証言ということで事前に通告を受けましたので、御指摘いただいた証言があったかどうかについて検察当局から報告を受けた範囲でお答え申し上げるわけでございますが、そのような証言があったものというふうに聞いております。
○志賀(一)委員 わかりました。 その次に、渡邊元社長からほめ殺し中止の要請があったのは八七年九月二十日過ぎ。当時東京佐川急便の社長だった渡邊元社長から庄司社長のもとに電話があり、実は竹下さんのことで右翼がいろいろしている、特に四国の日本皇民党のほめ殺しの街頭宣伝で困っている、何とか中止してもらえないかと石井会長に頼んでほしいと言ってきたと証言しておるのでありますが、この証言についても間違いはないでしょうか。
○濱政府委員 そのような証言はあったものと聞いております。
○志賀(一)委員 三番目は、庄司社長が石井前会長にこの要請を伝えたところ、渡邊社長にはお世話になっているとして中止工作に動き始めた。石井前会長は知り合いの京都の暴力団組長の仲介で当時皇民党の稲本虎翁総裁、故人と都内のホテルで会ったところ、中止の条件として竹下氏が田中角栄元総理邸を訪ね、総裁選立候補のあいさつをすることを求められた、こういうふうに証言をいたしておりますが、このとおりでしょうか。
○濱政府委員 そのような証言があったと聞いております。
○志賀(一)委員 次に、庄司社長はこの話し合いの内容を渡邉元社長に報告。その後、最初に皇民党側に約束があった日には訪問がなく、二度目の約束の日に竹下氏の田中邸訪問が実行され、これを確認した皇民党が街頭宣伝を中止して引き揚げたとの報告が京都の暴力団組長から石井前会長のもとに届いた。庄司社長が結果を渡邊元社長に報告すると、渡邊元社長は非常に喜び、会長にくれぐれもよろしくお伝えくださいと言ったと証言しておりますが、このとおり間違いないでしょうか。
○濱政府委員 その点も、そのような証言があったと聞いております。
○志賀(一)委員 ただいまの公判廷での証言内容は、公判廷での証言でありますから確かな事実だというふうに私は思います。したがって、この証言について法務大臣もそのとおりだというふうに確認されてよろしいでしょうか。
○後藤田国務大臣 私はその庄司なる者を全然知りません。法廷における証人の証言が正しいかどうかは、宣誓の上で証言しているのですから庄司自身はそうだと思っているのでしょうけれども、私はそれが事実だということは断定はいたしません。それはわからないことでございます。
○志賀(一)委員 私は、今刑事局長が、公判廷で証言されたその結果について、そのとおりですという確認をいただいたわけでありますので、この証言の内容について大臣は御報告を受け、それを確認しているかとお聞きしているところであります。
○濱政府委員 先ほど来委員の方から御指摘をいただきました渡邊公判における庄司証人の証言につきましては、先ほど委員が御指摘になられたような趣旨の証言があるということは、そのとおりでございます。ただ、大臣もお答えになられましたように、その証言内容がそのまま信用できるものかどうかということは、これは最終的には裁判所が判断することでございますので、そこはそういうふうに御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○志賀(一)委員 当時の直接関係者である渡邊社長の証言というのは、事実関係、私も直接タッチしたわけではありませんが、しかし公判廷で証人として証言したことは、私は当然にして信頼し得るものである、そんなふうに思います。この事実に照らして、今後の対応を十分やるべきではないかというのが私の考えてあります。 それでは、次に別の問題についてお聞きをいたしたいと思います。 まず、今日まで佐川急便の問題を中心にしまして、金丸さんの裏金、そしてまた不正献金等々、大変な問題を引き起こしているわけでありますが、こういった問題について、私は、重要な役割を果たさなければならない立場にあるのが公正取引委員会ではないか、そんなふうに思いますと、公正取引委員会について若干お聞かせを願いたいというふうに思います。 まず一つは、取引委員会の構成についてお伺いしたいと思います。
○塩田説明員 委員の御質問は、公正取引委員会の委員の現在の構成についてであったかと思います。 独禁法の規定によりまして、公正取引委員会の委員長及び委員は、年齢が三十五歳以上で、法律または経済に関する学識経験のある者のうちから、内閣総理大臣が両議院の同意を得て任命するということになっております。それで、御質問の、現在の公正取引委員会の委員長及び委員は、行政経験を有する者から構成されておりまして、その出身省庁別といいますか、行政経験のあった役所ということで申し上げますと、大蔵省、通産省、法務省、外務省及び公正取引委員会事務局各一名でございます。
○志賀(一)委員 今お聞きをいたしましたが、私は、このような構成で本当に正しい公正取引委員会の使命を果たし得るのかなと疑問を持つ一人でありますが、やはりこの構成自体の中に民間の方々、弁護士さんとか、あるいはまたそれに詳しい学者の皆さんとか、あるいは一般の中からの知識人とか、そういう幅広い範囲の中から選んで、そして公正取引委員会がまさにその名の示すような活躍ができるように、広範にしかも公正に行うべきではなかろうか、そんなふうに考えますが、いかがでしょう。
○塩田説明員 先ほど申し上げましたように、公正取引委員会の委員長及び委員は、一定の年齢以上で、法律または経済に関する学識経験のある者のうちから、内閣総理大臣が両議院の同意を得て任命するということになっておりまして、私ども公正取引委員会といたしましては、その人選のあり方について見解を述べる立場にございませんので、大変恐縮でございますが、御質問に対するお答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○志賀(一)委員 公正取引委員会の今日における重要さはまさに大変なものだというふうに思うのでありますが、国民の皆さんからその活躍を強く求められているのではないかというふうに思うのですけれども、にもかかわらず、アメリカの政府から日本の独占禁止法は機能していないなどと言われるまでもなく、やはりもっと積極的なこの公取の役割を果たすべき使命があるのではなかろうか、そんなふうに思うにつけても、この構成について、やはりいろいろな角度からもう少し検討する必要があると思いますが、いかがでしょう。
○小粥政府委員 ただいま事務局からお答えを申し上げたところでございますけれども、私自身、この立場への任命につきましては、両院の御同意をいただきました上で、内閣総理大臣から任命された者でございます。したがいまして、ただいまお尋ねの公正取引委員会の委員の人選の内容につきまして、私からお答えすべき立場にないことは御理解いただけると存じます。 ただ、私は、このような手続を経て任命されました以上、私の前職にかかわりなく、公正取引委員会の一員として、またこの委員会を代表する立場にある者として、法律に定められた職務を誠実に履行しなければならないと考えておりますし、そのように努めてきたつもりでございます。 それからなお、ただいまの御質問にございましたが、例えば外部から公正取引委員会の活動のあり方についてとかくの評価があるというお尋ねでございますけれども、私、もちろん外部からの、それがどの方面からのものであるにせよ、公正取引委員会の活動につきましての批判につきましては、これは十分謙虚に耳を傾け、私どもの努力のなお足らざるところを補っていかなければいけないと考えておりますけれども、ただ、御指摘ではございますけれども、最近の公取委員会は独占禁止法の執行につきまして、その法制度面におきましても、執行体制の強化に法律改正を含めまして積極的に取り組んでおりますし、それからまた、独占禁止法違反行為に対する厳しい対処と、詳細は省略をさせていただきますけれども、事件の処理件数その他、私どもとしましては、法律に基づいて、与えられました職務権限を活用いたしまして、厳正な職務の執行に当たっているつもりでございます。 ただ、せっかくの御指摘でございます。私どもなお一層、独占禁止法の我が国経済社会における理解の徹底、そして違反行為に対する厳しい対処、あるいはさらにその未然防止につきましては、今後とも全力を傾注してまいりたいと存じております。
○志賀(一)委員 ただいま委員長からお話がありましたが、この構成、運用等について問題があるというふうに私は思っているのですが、宮澤内閣の副総理である後藤田先生、どのようにお考えでしょう。
○後藤田国務大臣 公正取引委員会の委員の任命は、申し上げるまでもなく国会の承認事項でございますし、それだけに政府としても十分各方面の意見をも頭に入れながら公正な人事が行われておる、したがって、そういった方々の構成する委員会であるだけに、今日の公正取引委員会のもろもろのおとりになっていらっしゃる処置は公正、適正なものである、私はかように考えております。
○志賀(一)委員 大蔵、通産というふうに許認可権の多いところの方々、それにまたすべて官僚の皆さんによって構成されている、こういう事態がやはり問題ではないかというふうに思いますので、今後この構成について十分ひとつ検討していただきますように、特段のお願いを申し上げておきたいと思います。 次に移りますが、建設省と大手建設業界との関係は、官僚の天下り大事によって結ばれているわけであります。平成四年の人事院の就職承認に関する年次報告、建設省から二十二名で、大蔵省に次いで多いわけであります。このほか大臣承認の人事もあるわけであります。日本土木協会加盟だけでも三十八社、六十人が会長、社長、副社長、専務、常務という重要ポストを占めている状況にあります。公共事業受注に有利な情報はもちろん、建設族議員、官僚と結ぶパイプ役になっており、そのパイプが時として天の声を流すということになって、裏金、使途不明金の温床となっていることは間違いないわけであります。これらのゼネコンと言われる大企業が、横須賀での談合事件あるいは静岡、埼玉、千葉と、相次いで出ている状況を考えれば、このような建設官僚がゼネコンに天下りするということについてはいかがなものかと考えざるを得ない現況だと思います。 このような状況の中で、私は、抜本的な見直しをしないととんでもないことになるのではなかろうかと思うのでありますが、これについては、官房長官がおりませんから、副総理の後藤田先生にひとつお答え願えないでしょうか。よろしくお願いします。
○後藤田国務大臣 従来からこの天下りの問題は各方面からいろいろな御批判を受けておることはよく承知をいたしております。また、十分これは注意をしなければならぬことであることは言うまでもありませんが、やはり官僚の方はそれぞれの専門の分野で長年仕事をしておるだけに、もともといい資質の人が多いし、しかもまだ経験も専門的に積んでおるわけでございますから、役人をやめた後もそれぞれの分野で活動なさるということは、私は、これは、人物経済の上から見ても必ずしも否定すべき事柄ではあるまい、かように考えておるわけでございます。 しかしながら、そうはいいながらも、一方で厳しい批判があるということは、そのことによるマイナス面が相当出ておるのではないかなと、かような思いもするわけでございますから、こういった点については従来政府もいろいろ指導もしておりますし、現実の制度上、私の記憶に間違いかなければ、直接監督下にあった企業に対しては二年間、人事院の許可がなければ就職はできない、こういうような制約も課しておるわけでございますが、いずれにいたしましても、人物経済上あながち否定すべき事柄ではあるまいけれども、いささか目に余る点もありはしないのかなと、これが率直な私の考え方でありまするので、将来、今行政改革その他も進めておるわけでございますから、問題等が出た場合には、率直に私のこの考え方は述べてみたい、かように考えます。
○志賀(一)委員 これは、年々許認可事項が増大する中で、それぞれ通産、農水、建設等々天下り人事がどんどんふえているという実情下にありますから、今大臣の言われた趣旨も十分わかりますけれども、やはりどこかで歯どめをかけるということがなければ、それは官僚と財界、そして政界の癒着構造をおのずからにして構成されるということになりますので、その辺は十分御検討の上御指導くださるように、特段のお願いをしたいと思います。 次に、公取委員長にお聞きをしたいと思いますが、ゼネコン各社の多額の裏金、使途不明金が流れていることが明らかになっている以上、その裏面に談合の存在を否定するわけにはいかないのではないかというふうに思いますが、公正取引委員会として調査権の発動をして、国民の皆さんの期待にこたえるべきではないでしょうか。 また同時に、山梨における公共事業の発注をめぐる問題は、新聞等で報道されておりますように勝ち組、負け組の受注の状況のみでなく、私ども先月の三十日、調査団を組織いたしまして現地に行ってまいりましたが、やはり公共事業の発注において極めて正当性を欠き、また自由な競争を阻害されるような現実の実態に接してまいりました。こういう状況が明白になっている以上、公正取引委員会が調査をしに行かないわけには私はいかないんではないかというふうに思うのでありまするけれども、公取としてどんな取り組みでいらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。
○小粥政府委員 まず一般的に申し上げさせていただきますと、ただいま御質問の競争入札におけるいわゆる談合行為でございますが、これは入札制度の根本を否定する行為でありますし、また競争を妨げる行為として独占禁止法に明らかに違反する行為でありますから、私どもといたしましても、従来からこのような談合行為につきましては厳しい態度でこれに対処してきたところでございます。 そして、ただいまお尋ねの件でございますけれども、私ども、独占禁止法違反の疑いのある具体的な事実端緒に接しました場合は、法律に基づいて、審査と言っておりますけれども、調査活動を行うことは当然と考えております。私どもといたしましては、お尋ねの本件につきまして当然強い関心を持っておるところでありますし、検察当局の捜査活動が行われてきたところでありますけれども、この活動の動向にも十分注視をしながら、情報収集活動にこの上とも努力をしていきたい、そのように考えているところでございます。
○志賀(一)委員 今のお話は、山梨の事件についても、ゼネコンについても同様な考えで対応するというお考えですか。もう一度お聞きしたい。
○小粥政府委員 申し上げましたとおり、私ども、独占禁止法に違反する疑いのある具体的な事実端緒に接しました場合には、当然それに対処するために調査活動を行うわけでございます。したがいまして、ただいまお答え申し上げましたとおり、私どもといたしまして、そのような問題があるということで何らかの手がかりがあります場合には強い関心を持ち、情報収集に努める、その結果として、先ほど申し上げました法律違反の疑いがある具体的な事実端緒に接すれば当然その調査活動を行う、そういうことでございますから、お尋ねの件につきましては、繰り返しになりますけれども、強い関心を持ち、情報収集に努めている、そういうことでございます。
○志賀(一)委員 私は一般的な事実についてお聞きをしているのではなくて、具体的な事実について、いわゆるゼネコンと言われる今度の金丸問題でも捜査を受けた各社、それから山梨の事件について、特に山梨の事件については、不公正な競争入札のやり方、そしてそういう事実があるという点を指摘しているわけでありますから、一般論としての返答としかどうも聞けないわけなのでありますけれども、もう一歩突っ込んで御回答願います。
○小粥政府委員 私ども、お答え申し上げましたように、独占禁止法に違反する疑いのある事実に接すれば調査活動を行うということを繰り返し申し上げました。ただ、それが、それでは具体的などのような事実なのか、あるいはどういうケースについてかという点につきましては、調査の結果、違反行為ありと認められれば私ども法に基づいて厳しい対応をしなければならない立場でございますから、具体的にどのようなケースについてかという点につきましては、業務の性質上お答えを差し控えさせていただきますけれども、私ども、そのお尋ねの件につきましては強い関心を持ち、情報収集活動に努めている、こういうふうに申し上げたところでございますので、御理解をいただきたいと存じます。
○志賀(一)委員 ぜひひとつ公正取引委員会の権威にかけて調査活動を進めて、しかるべくやっていただきたいということを特段に強く御要請しておきます。 次に、平成三年度で経営事項審査業者数は、大臣、知事合計で約十四万余であります。建設業協会加入業者数は、大臣、知事合計で約三万余であります。経営事項審査業者及び建設業協会加入業者がおのおの指名された件数及び受注された件数はいかほどか、明らかにされたいのであります。
○峰久説明員 建設省の直轄工事におきましては、まず競争入札に参加したい人を資格登録しまして、その後指名基準に従いまして十社程度を指名しているところでございますが、今お尋ねの、まず資格登録の件につきましては、入札参加希望者全員につきまして、完成工事高、経営状況、工事成績等の客観的な指数で点数化して定めておりまして、各都道府県の建設業協会に加盟しているかどうか、こういうことについては一切基準としておりません。また、指名に際してでございますけれども、この指名基準の中におきましても、業者の経営状況、地理的な条件あるいは技術的な適性、こういうことを勘案しまして十社程度を指名しているわけでございますが、建設業協会加盟員がどうかということは考慮しておりません。 したがいまして、御質問にありました協会加盟業者と未加入業者の指名状況あるいは受注状況については、そういう意味での資料はないわけでございますけれども、ただ、先ほど先生おっしゃられましたように、建設業協会加盟業者が三万余あるということ、それから我々の建設省への有資格業者が三万一千社ほどあります。こういうことなどから考えまして、ごく小規模の工事にランクされている業者、こういうものを除きましては、建設省に競争入札参加を希望して資格登録された企業の大部分は協会の加盟員だと思われます。したがいまして、資格登録されているのが大部分協会加入業者でございますので、受注の指名に際しても、建設省といたしましては、小規模な工事を除きまして大部分が協会の加盟員であると思っております。 なお、公共団体の契約につきましては、地方自治法等で地方公共団体の固有の事務でございまして、建設省としてちょっと今そういうふうな個別の発注のことについては承知しておりませんし、また、そういうことをコメントできる立場にないということを御理解いただきたいと思います。
○志賀(一)委員 私、今回山梨に行ってまいりまして調査をしたのでありますが、また私の地元福島でもそうだと思っていますが、協会に入らないとなかなか受注が難しい、どうしても協会に入りたい、こういうふうに思っても、一定枠以上はなかなかにしてふやせない、ふやさない、そういう建設業協会の方針だか体質だかわかりませんけれども、そういうことになっておるわけであります。ですから勢い資格はあってもなかなか公共事業を受注する機会が少ない。したがって、これは必ずしも公正な競争が行われるとは言いがたい、こういうふうに私は言わざるを得ないというふうに思うのであります。 私、実はいただいた資料で、これは昭和六十三年から平成四年度までの各県の協会員の員数が載っております。その全体を見ますと、協会員の数は大体平均化しておりまして増減なし。多少会員が減っている県が二十五県、わずかながらふえているというところが十七県、多少なりともふえているというのが四県にすぎないわけであります。ですから、結果としては、約三万二千名の協会員のうち五年間に八百三十二名の増加で、一年にしますと百六十六名の増加にすぎないわけであります。 ですから、協会員の数は、倒産したり、あるいは死亡したりということでないとなかなかふやさない、ふやせない、加入させない、こういうことの内容がこの数字を見ても明らかであると私は思うのであります。したがって、こういう状況を見ますると、建設省としては、現状を調査して、協会の加入についても差別的な取り扱いかないように指導するということが受注関係の公正化のためには最も必要ではないのかというふうに私は思いますが、いかがでしょう。
○風岡説明員 お答えいたします。 先生御指摘の都道府県の建設業協会でございますけれども、これは当然のことでございますが、それぞれ自主的に事業内容あるいは会員の資格要件というのを定めて、県の場合ですと都道府県知事の認可を受けることになっておりまして、必ずしも会員の資格に二足のルールがあるというものではございません。また、一般的に法人のルールづくりにつきましては、法人の目的、すなわち公益性というものを念頭に置いて、その範囲であればおのずと自主性というものは尊重すべきであると考えております。 今先生の方から、協会の会員がほとんど動いていないではないかという御指摘がございました。数字につきましては御指摘のとおりでございまして、若干増加傾向にあるというふうに考えております。これは一般的には、県の協会の場合ですと、いわゆるゼネコンと言われております総合工事業者、例えば土木とか建築とかそういった方々を構成員としている場合が多いわけでございまして、許可の件数その他を見ましても、ゼネコンの数というのは余りふえていないという事情もあろうかと思っております。 ただ、御指摘のように、各協会の加入の資格要件について、合理的な理由もなく制限をする、非常に高い基準を設定するとか、あるいは入会金を高くするとか、あるいは新規参入者を認めない、既存の者だけの組織にする、そういったようなことは当然のことながら望ましくないというふうに考えております。県の協会につきましては、一次的には都道府県知事の認可団体でありまして、知事の方で指導するということになろうかと思いますけれども、私どもも、建設業全般についての指導という立場から、今後ともそういうことのないように、私どもの立場でも十分な努力をしてまいりたいと思っております。
○志賀(一)委員 時間がなくなりましたから、最後の点は質問しないで、公正取引委員会に要望ということで申し上げておきたいと思います。 その要点は、五十九年につくりました建設業ガイドラインは、仮に正しいとしても非常に問題だ、こういうふうに実は私は思っておるわけであります。先ほども申し上げたように、協会に加入できる制限があって、そのことは、結果として公正な競争ができないような状態になっていることを私ども把握しております。しかも、ガイドラインの中に示しているような、発注予定工事に関する情報が協会員以外は入手ができないということは極めて不公正なことだというふうに考えますと、やはり今の協会のあり方自体が公正な競争を阻害するということで、独占禁止法に違反するのではなかろうかというふうに私は考えております。今後十分調査をして、違反がないように、公正な競争入札行為ができるようにしかるべく御指導願いたい、そういうことをお願いして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○貝沼委員長 次に、新村勝雄君。
○新村委員 最初に、副総理にお伺いをいたしますが、このところ大問題になっております佐川急便の問題です。戦前戦後を通じていわゆる汚職、疑獄事件はたくさんございました。戦後においても、残念ながらたくさんありましたけれども、そういう中でも、規模あるいは性格等において異常な多くの問題を含んでいる、そしてまた国民に対しても大きな衝撃を与えたという点においては、残念ながら随一の事件ではなかったかと思うのです。そうして、この問題については検察御当局あるいは国会においてもその究明に努力をされましたけれども、その全貌についてはいまだに明らかでない。このことが国民の疑惑をますます深める原因になっていると思うのです。 国民は、やはりこの問題の真相を知りたい、全貌を知りたいということだと思います。全貌がわかれば、それはそれなりの評価はされるでありましょうけれども、無用の疑惑あるいは無用の疑心暗鬼を招かなくても済むわけであります。何といっても、問題が起こった場合には、その問題の真相を発表して国民に知ってもらうということが必要だと思いますけれども、そういう見地から、これは政府の中枢にも関係のある問題でありますから、もちろん時期はあるでしょうけれども、政府の責任においてこの問題の全容を国民に発表する、知っていただく、そして謝るべきは謝るというようなお考えはありませんか。
○後藤田国務大臣 私は、かねてから国政調査権あるいは国会等の御質疑の際には、許される限度で最大限の政府としては対応をしなければならない、かように考えておるのですが、こういった事件の際も、同じようなもちろん考え方でございます。 ただ、御承知のように事件の捜査というのは、やはり国家権力によって強制的に逮捕したり、あるいは証拠物件を押さえたりといったようなことをやるわけでございまして、何といいますか、個人の名誉とか人権にも非常に大きな関係を持つわけでございます。そして同時に、これは当然のことながら、裁判の判断を求める、こういうことになるわけでございますから、取り扱いいかんによっては司法制度の運用にも影響を与えるといったようなこと、さらにはまた、これが、検察当局者が間違いないと思っておっても、必ずしもそれが事実なりや否や、最終判断は裁判でなければ下されないわけでございますから、その途中でいろいろな内容を発表する、そのことによって今後の検察運営に対する国民の協力といったような点についても配慮しなければならないといったようなことがかれこれございまして、捜査の段階においての我々の発表というものには、当然法律上の、公開してはならないといったような刑事訴訟法の四十七条の規定等もあるわけでございます。 そういったことをかれこれ考えながら、もちろん、公益上特に相当であるといったようなときには公表してもいい、こういう規定もあるわけでございますが、そこらをよく判断をしながら、我々としては慎重にこれは扱わなければならない。したがって、原則的には、協力はいたしますけれども、法令の範囲内で極めて限定的にしか御説明ができないのだ、この点はぜひひとつ検察の置かれておる立場というものを御理解いただきたい、かように考えるわけでございます。 したがいまして、私どもとしては、例えば今回の金丸事件ですか、あるいは佐川事件、こういうものについて、佐川事件でしたかね、たしか衆参両院から御要望等もあって、予算委員会で中間報告の形で御報告を申し上げておる。これ以上のことは、ひとつ置かれておる立場を御理解を賜って、いずれこれは法廷で明らかになり最後の決定が下されるわけでございますから、それまでの間の我々の立場、これについての御理解をぜひお願いをいたしたい、かように思うわけでございます。
○新村委員 大臣の言われることはわかるのですが、通常、裁判というのは相当の長期を要するわけです。その長期間、国民は真相を知ることができない、マスコミの報道程度しかわからない。あるいは国会の調査権がありますけれども、この国会の調査権も必ずしも完全に機能していないということになりますと、大変これは、そういう問題が起こった場合に困るわけであります。さりとて、今大臣が言われたことも一理も二理もあるわけであります。 しかし、政府においては、今まで大事件が起こった場合には、その裁判なり捜査権なりに支障を生じない範囲ではやはり報告をされているわけですよね。先般も報告をされましたけれども、もう少し踏み込んだ、国民にできるだけ納得してもらえるような形での政府の正式な公表あるいは声明というものがあってもいいのではないかと思いますけれども、この点については御検討をいただきたいと思います。 それから、これはもう既にたくさんの皆さんが議論をされておりますけれども、政治と金の問題であります。 金丸さんがああいうことになった。金丸さんという人はドンと言われ、ドンという言葉の中には、言ってみれば国土的な気概を持っておる方というような含みもあると思うのですね。我々はそういう印象を受けていたわけでありますけれども、そういう方が、それからまた歴代の総理が、いずれも金の問題で多かれ少なかれ傷ついていらっしゃるということは、日本の政治にとっては大変悲しむべき状況だと思います。 この問題について、金丸さんの問題にしても、金丸さんが本当にどういうことをなさったかということについては正確にはわかりませんけれども、報道されているところから判断しますと、ちょっと困ったなということではありますけれども、やはりこれは金丸さん一人を責めて解決できる問題ではないわけでして、日本の政治の体質なり日本の政治の置かれている環境が非常に困った環境の中にある、政治家がそういう環境の中に置かれているわけでありますから、その環境を浄化する以外にはないと思うのですね。 そのことから今、政府においてもあるいは各党においても政治改革の法案を出しておられます。これは大きな前進になるでありましょうし、この問題をいわゆる転禍為福ということにすることはできると思いますが、政治と金のあり方については、政治家と金を完全に遮断することが必要だと思うのですけれども、なかなかそこまでは行き切れない面があろうと思います。 そこで、選挙活動、政治活動、これをやるについて、過去、現在に至るまで、政治家は自分で金を集めて、自分の判断で金を使って選挙をし、政治活動をやってきたわけでありますけれども、考えてみると、議員という立場は、いわゆる国権の最高機関の構成分子でありますから、最高に公的な性格を持っていると思います。選挙活動も極めて公的なものであるし、日常の政治活動も完全に公的な活動であるはずでありますけれども、その公的な活動を、自分の才覚で金を集め、自分の判断で金を使ってやっていくということ、これは一つの私企業みたいなものですね。政治家が私企業みたいな形で金を集め、金を使っているということ、そういう状況に対して、政治家も、国民はそうではないと思いますけれども、政治家は余り自分のあり方について深刻に反省をしなかったのではないかという気がします。 やはり、そういう点で意識の革命をしていかなければこういう問題はいつになっても片づいていかないと思いますけれども、政治家と金とを徹底的に遮断をしていく方法、これについて、ぜひ必要だと思いますし、国会の中で今審議をされていることは大きな前進ではありましょうけれども、まだ完全ではないと思うのですね。その問題について、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○後藤田国務大臣 いわゆる腐敗事件が相変わらず続発をするということに関連しての新村先生の、これに対する政治改革についての御意見、あるいはまた政治と金にまつわる問題についての、どう改革をすべきであるかといったような、国の政治の将来を憂えてのただいまの御発言について、私は全く同意見でございます。何とかしなければならぬと切実に考えているわけでございます。 そういったようなわけで、今日各党とも政治改革に真剣に今取り組んでおるという段階でございますが、私自身は、やはり政治の抜本改革というのは、何といっても議会政治の活性化、そして健全なる与野党の対立の中から緊張した政治状況を現出をする、そうすることによって、国民に対する政治の責任を、そのときどき果たさなければならない政治課題を遂行する。そういう政治状況を現出をするために何としてでも政治改革というものをやらなきゃならぬし、それが政治改革の目的である、私はかように考えておるわけでございます。 それでは、そういう政治状況を現出するためにはどうすればいいのかということになりますと、今我々が論ぜられておる問題のこの出発点は何であったかといえば、やはり政治と金にまつわる不祥事から、このままではいかぬではないかといったようなことから出発をしたわけでございますから、改革の切り口というものは、やはり政治と金にまつわるいわく因縁、これをどう切り離すかということが一番大事なことではないのかな。 だとするならば、なぜ政治にこんなに金がかかるんだ、かかるというよりは、かけ過ぎておるのかもしれませんですね、見方によれば。なぜ、そうなったんだということを考えますと、今各党とも、共産党の方だけは多少意見が食い違っておるようですけれども、あとは各党とも、今の選挙制度そのものに問題がある。この選挙制度を何とかするということが一つのこの解決の方法であり、したがって、その選挙制度を前提としての日常の政治活動のあり方に問題がある。そういうことに金がかかり過ぎるのではないか。しかも、それが今日、本来政党対政党、政策対政策の常日ごろの争い、選挙の際の争い、それでなければならないこの政治の戦いが、個人中心で、個人が必要な資金を集めて、そしてそれを政治に投入し、選挙に投入することによって、そこからもろもろの欠陥が出てきておるのではないのかな。 だとするならば、やはりこういった政治に必要な金あるいは選挙に必要な金というものも、これは一つは、政党対政党の争いにする以上は国の助成ということを考えるのも一つの方法であろう。それから同時にまた、個人にシフトしておる今の政治資金の集め方というものを政党にシフトするように変えていくというのも一つの改革の方法ではないのか。そして同時に、その集めたお金の使い方、集め方、これを公明にするということ、つまり、中身を明らかにするということ、こういったようなことを改革をするのがなすべき当面の大きな課題であろう。 そういうことを改革すれば、結果としては、それは議会制民主主義の活性化、つまりは健全なる野党が存在をし、そして、時に政権の交代があるといったような政治システムが構築、結果としてでき上がるのではないかな、それが望ましい、私はこういうふうに考えまして、私も、今閣僚ではございますけれども、党におりました当時はそういうような物の考え方で改革に取り組んだわけでございます。閣僚といたしましても協力すべき場面が当然あるわけでございましょうから、そういうときにはそういう考え方のもとで私は政治の改革に取り組んでいきたい、それが正しいやり方ではないかな、いろいろ御意見はあろうと思いますけれども、私自身はさように考えておるわけでございます。
○新村委員 今の国会で政治改革が論議をされております。今大臣おっしゃるところによると、政治の乱れといいますか、金と政治の元凶は選挙制度にあるというようなお話でありました。我々それぞれ現在の自分の政党の案を支持をいたしておりますけれども、仮に最高の選挙制度ができても、政治家の意識改革と、それから政治家が置かれている環境を整備をしなければ、金と政治の問題は解決をしないだろうと思います。 仮に小選挙区制が実現をしても、これは私は小選挙区制も、地方の首長の選挙は小選挙区制ですから小選挙区制の状況も見ておりますし、中選挙区制の状況も見ておりますけれども、どちらにしてもこれは金のかかることは、現在の意識と現在の環境が同じであれば金のかかることは同じだと思います。そこのところを、今大臣が言われたように、公費で支弁すべき点は公費で支弁をする、政治家の政治活動あるいは選挙活動を公的なものと考えてこれを厳しく管理をしていくということがなければ、政治革新は恐らくできないだろうと思います。 そういう点で、副総理という立場から、ぜひ政治改革、特に政治と金の問題、政治家と金の問題の解決について大きく前進をすることができるように御努力をいただきたいと思うわけであります。 それから、ここのところ経済界と政治家あるいは政治の問題が多いと思います。証券問題にしてもしかり、談合問題にしてもしかり、佐川の問題にしてもしかりでありますが、ここで考えなければならないのは、企業の倫理観といいますか、企業の社会的責任、これをやはり考えてもらわないといけないと思います。 今の日本の政治は、自由主義経済、企業の活動をこれは認めておるわけです。それからまた、現在世界のトップになった日本の経済力、これを築き上げるその過程における企業の功績は我々も評価をするわけです。ただ同時に、企業の野方図な営利主義あるいは拡張主義、これが内外から今大きく批判を受けているわけです。国内においては、こういう政治と金の問題にかかわって、言ってみれば政治を毒している。それからまた対外的には、節度を失った経済的な世界征服をはかっているというようなことを外国から批判される。それからまた、その方法においても必ずしもいい方法ばかりではないというようなことが言われておりますけれども、少なくともこの企業の行動によって政治が毒されてきたという面が確かにあると思います。 そこで、企業の社会的な責任、特に金の面での企業の節度、これが必要だと思いますね。最近の報道によっても、これは大建設会社の社長が言っているのですが、当社にも使途不明金があるが、税務上使途不明金での処理を認めている現行制度には欠陥があるということを言っておられます。これは一つの例なんですけれども、企業会計の中に相当の額の使途不明金があるし、また、それを公然と認められているということ、これは問題だと思うのですね。 企業というのは、私企業ではあるけれども、天下の公の財を使って生産をし、政治活動をしているということが言えると思います。例えば使っている人材、この人材は自然にできたものではなくて、国家のあるいは地方自治体の膨大な教育投資によって優秀な労働力ができるわけです。それから肉体も、やはり直接間接、国や地方自治体がそういう健全な国民を養成しておるわけです。金をかけて。ですから、労働力というのは、これは天下の公共財だと思いますよ。それからまた資源についても、やはりこれはまさに天下の公共財。そういう天下の公共財を使って生産をし、価値を生み、そして国の富をふやしていくわけですから、その点はいいのですけれども、その企業の経理、特に金銭面については厳しく自粛をすると同時に、制度的に統制をし、監督をし、監査をしていかなければいけないんではないかと思います。 最近、商法ですか、商法の改正によって監査役の権限を拡大をし、任期を延長する点というようなことがありますけれども、これはやらないよりはいいですけれども、そんなことじゃなくて、もっと企業の経理については厳しく公的な指導なり公的な監査をする、それに違反した場合には厳しく処罰をするという、そういう企業の社会的な責任を一層強化をする制度的な整備を必要とすると思いますけれども、副総理はいかがお考えですか。
○後藤田国務大臣 企業の社会的責任ということについての新村先生の御意見、これまた私はいささかも異論がないところか、全く同意見でございます。 かつて、政治は三流だけれども経済は一流だ、こういう言葉が言われておりましたが、私は必ずしもそうは思っておりません。やはり企業も節度を外れてきておるのではないか、これが今日の現状であろう。いま少しく社会的な責任ということをお考えいただいて、お互いに直すべきところは直していただかなければならぬのではないかな、かように私自身は考えておるわけでございます。 実は、今回政府が決めました総合経済対策の中も、必ずしも新聞等で明確には出てないように思いますが——私は、やはり日本の企業も、今までどんどん物をつくれ、大量生産、そしてどんどんそれを売っていけ、そして市場における占有率の拡大、これ一途に今日まで来て、そしてどうやらそれが壁に突き当たったのが今日の現状ではないのか。ここらも企業倫理であると同時に、今までのような企業の経営方式そのものもどうやら壁にぶち当たっておるのではないかな。 したがって、今度の政府が考えておる総合対策も、とりあえずの景気対策、これはもう思い切って従来にないほどやっておるわけでございますけれども、しかし同時に、一方で、大きくは言っておりませんが、生活大国づくりということは、つまりは今までとは少し違った経済の成果というものをだれの一体幸せのために投じていくんだといったようなことを考えなければならぬということ、そして同時に、経済の構造それ自身も量的拡大、占有率の拡大から、どうやらもう少し付加価値の高いとでもいいますか、そういったような面に向けて経済構造それ自身も変えなければならぬのではないかといったようなことを、政府としても最近はそういう点に着目してやりつつあるんだ。やや先生の御質問とは筋が離れたようで大変恐縮でございましたが、政府としてはそういう考え方でやっておる。ましてや企業の金の使い方、これについて、しかもそれが政治との関係ということについては、私は、やはりいま少しく筋道がきちんと説明のつくものにしなければならぬと。 商法改正等のお話もございましたけれども、これは商法の改正とは——商法の改正も、これは、個々の株主の利益を少し守らなきゃならぬといったような意味合いもございましてああいったような改正を考えておるわけですが、商法改正の際の御議論の中に、使途不明金、これが政治に使われておるのはけしからぬ、これを直せ、こういう御主張があるのですが、私は、それに対しては、その点は企業の経営もまさに、例えば道路をつくるというときになかなか立ち退いてくれないとか、あるいは、高い建物を建てようとすると日照権がどうとかといったようなことで家が建たない、といったようなことでなかなか表に出しにくい私は企業経営上のやむを得ざる支出もあると思いますから、一々それが、使途不明金がけしからぬと言うつもりはありませんけれども、その中から不当な政治資金が出ておるとするならば、それは規制する必要があるだろう、しかし、それはあくまでも商法の世界ではない、これは政治資金規正法の世界できちんと処理をすべきものではなかろうかな。 こういうことをそれぞれの委員会でお答えをしておるのでございますが、いずれにいたしましても、企業の社会的責任ということについては、もちろん政治が基本でありますけれども、経済界の皆様方にも、最近の実情にかんがみて、よほどひとつお考えを願わなければならぬ時期が到来をしておる、かように考えておるわけでございます。
○新村委員 前向きの御答弁をいただいておるわけですが、例えば使途不明金にしても、国の会計や地方団体の中に使途不明金ということで出したら、これは国民から大変しかられますよね。ところが、企業では堂々と使途不明金で通っているということにやはり問題があるので、使途不明金とはいいながら、それは経営者はもちろん知っておるわけですよ。それから、今大臣がおっしゃったように、それはいろいろな対策の費用であるとか何かがある。いや、こういう対策の費用は国や自治体でもありますよね。ありますけれども、それは公表していますよ。ですからそれは、経営政策上やったのであれば、これはこういう理由でこういう使途に使いましたよと、使途不明金ではなくてちゃんと説明をして発表していただくというのが本当でしょうね。ですから、特に大企業、社会的な責任を感ずる企業であれば、国や地方団体の会計と同じ、あるいはそれに準ずる程度のやはり会計についての責任は持って国民に対していただくということが必要ではないかと思いますので、そういうことについてもひとつ副総理として御検討を賜りたいと思います。 それから、最後になりましたけれども、既にこれはたくさんの人から議論されておりますが、死刑の問題であります。 死刑の問題について大臣が決裁をされた。これは、制度上そうなっているのですからやむを得ないといえばやむを得ない。そのことについてお尋ねしょうとは思いません。思いませんけれども、今世界の大勢は死刑廃止の方向に向いているわけですよね。例えば主要先進国、この国が世界の最も進んだ国であるということは言えないにしても、仮にG7、今G7と言っているG7の7の国々、この国々では、日本とアメリカの若干の州を除いては全部死刑は廃止されています。これを考えても、やはり日本はもう死刑廃止を考える段階に来ているのではないかという気がするわけであります。 それから、御承知のように国連では、一九六六年の十二月国連総会で、市民的及び政治的権利に関する国際規約というものを議決をして、これについては日本も批准をされていますね。ところが、この市民的及び云々の規約を受けて、一九八九年に国連総会で採択をされた、死刑の廃止を目的とする市民的及び政治的権利に関する国際規約の第二選択議定書というのがありますね。前の方の規約は、できる限り死刑を廃止するように努力すべきだというような、そういう意味だと思います。ところが、それについては日本も批准をしているのですが、それを受けた一九八九年の第二議定書というのは、死刑を廃止をするということを目的とする議定書だと思います。この議定書について、まず外務省から御説明をいただきたいと思います。
○吉澤説明員 御質問のございました市民的及び政治的権利に関する国際規約第二選択議定書でございますけれども、この議定書はその第一条の1におきまして、この議定書の締約国の管轄内のいかなる者も処刑されてはならない旨規定いたしておりまして、さらに第一条2におきまして、締約国はその管轄内において死刑廃止のために必要なあらゆる措置をとる旨規定しているものでございます。
○新村委員 この第二議定書の内容を知りたいと思いまして外務省に聞きましたら、これは英語の正文はあるけれども、その訳文はないと言うのですね。こういう重大な国連総会で採択をされた議定書、これに訳文がないということは、国民に知ってもらう、知らせる意思も意欲もないということですよね。英語が読めればいいんですけれども、読めない人もたくさんいますから、少なくとも、今すぐに政府がこれを批准をするお考えがあるいはあるかもしれませんけれども、仮に今すぐというお考えがないにしろ、世界の大勢はこうなっているんだということを国民に知ってもらうことが必要ですよね。それには少なくともこの正文の訳文ぐらいは用意をして、批准を求める議案として出すのではなくても、国会に報告をするぐらいの。誠意があってもいいのじゃないでしょうか。ところが訳文がないと言うのですから。どうでしょうね、副総理としてその点についてどうお考えですか。
○吉澤説明員 ただいま市民的政治的権利に関する国際規約第二選択議定書につきまして訳文がないというお話でございました。 一般に申しまして、条約の日本語訳と申しますのは、その締結の作業過程で作成するものでございまして、現在のところ、この条約につきましては、訳文を作成する段階に至っていないということでございます。 一般的に条約の訳文の作成、公表につきましては、過去の条約の訳文の例でありますとか国内法との整合性、その他種々の要素を慎重に考慮いたしまして、政府の中で訳文を確定いたしまして、国会に御審議いただくときに訳文をお示しするということにいたしておりますので、これは、この条約に限らず、すべての条約について原則としてそのような対応をとらしていただいておりますので、ぜひ御理解いただきたいと思います。
○新村委員 これに限らず、国連総会で採択をされた規約なり規定なり条約なりというものは、我が国で今すぐ批准をしないにかかわらず、すべて訳文をまとめて、国民にこういう世界の情勢だということを知っていただく、そういう配慮が必要ではないかと思いますけれども、これは特に副総理に御配慮をいただきたいと思います。 それから刑罰、特に死刑の問題ですけれども、国家権力と刑罰、これは非常に重要な関係を持っておると思います。しかも、その国がどういう刑罰を持っているか、特に死刑を実施をしているかしていないかという問題は、その国の歴史あるいは文化と深い関係があると思います。 我が国においては、我が国の文化あるいは歴史というのは、一口に言って和を中心としていると言われますよね。和を中心としているということは、政治をやる上においてもできる限り厳しいことはやらない。国民のコンセンサスを得て、できるだけ融和的な政策で、説得と教育と指導によって国家目的を達成する方向に、国民にそういう方向についてきていただくような、そういう方策をとるのが和の政治だと思います。 それには、我が国では室町時代までは国家権力による死刑はなかったと言われております。それ以後、室町以降は戦国時代になりますから、これはめちゃくちゃですよね。それから、徳川時代になってもそれは確かにあったと思いますし、特に切腹を命ずるというような特殊な刑罰といいますかね、そういうのはあったと思いますけれども、とにかく我が国の行刑史を考えてみると、極端な、まあ死刑というようなものは諸外国に比べて一番少ないということは言えると思うのです。 それからまた、先ほど申し上げたように、和を中心とした歴史、文化を築いてきたわけです。これは、例えば国内で戦争をしても、対外的にはそうはいかないと思いますけれども、国内で戦争をしても、帰順をしてくれば今までの敵対行為を許して処遇をするというような寛大な考え方で来たわけですよね。ですから、日本の国こそ列国に先駆けて死刑を廃止をすべき文化と歴史を持っていると思うのです。 ところが、主要国が全部廃止したのに日本だけが残っているということでは、これはまさに困りますよわ。国辱というと言葉がいいかどうかはわかりませんけれども、困る。だからそういうことをお考えになって、ぜひ大臣には、判を押した、押さないという問題とは別に、できる限り早く日本から死刑をなくするような御努力を賜るように、これは要望しておきたいと思います。終わります。
○貝沼委員長 次に、倉田栄喜君。
○倉田委員 公明党・国民会議の倉田でございます。 私は、まず最初に国連平和維持活動、いわゆるPKOについて、官房長官及び防衛庁にお伺いをいたしたいと思います。 PKO活動につきましては、第一次部隊が日本にお帰りになった。これを受けまして、内閣としてもその中間の報告をされなければならないと思いますし、二十八日の本会議でされるという話も聞いてはおるわけでございますが、いわゆる今のカンボジアの情勢、ポル・ポト派の動向を受けて、当初派遣をしたときの状況と今と同じなのかどうか、いろいろな状況の変化が起こっているだろう、そういうふうに思います。 そういう意味では、今回行われます中間報告、それを受けてさらに今後も同じような形で継続ができるのかどうか。いわゆる平和五原則というものがきちんと守られているのかどうか、その事実関係はどうなのかということが明らかにされなければならないだろう、こういうふうに思うわけでございますが、そこでまずお尋ねをいたします。 この中間報告、どのような形でなされるかということは決まっているのだと思いますけれども、そのことと、そして、政府としてこの中間報告をなされるについて、今までのPKO活動にどのような評価をなさっておられるのか。それぞれ官房長官それから防衛庁にも、同じ答えになるのかもしれませんけれども、お尋ねをいたしたいと思います。
○河野国務大臣 委員御指摘のように、国会におきましていろいろ御相談をいただいて、来週にも本会議でPKO法に基づく御報告を申し上げるという場面が準備されつつあるように伺っております。国際平和協力業務にかかわる実施計画の決定でございますとか変更でございますとか、こういったことがあった際には、同法第七条の規定に基づいて国会に報告を行うということが法律に明記してあるわけでございますから、私どもといたしましては、閣議決定を受けて速やかにその都度議長には御報告を申し上げているところでございます。 今回の御報告は、私どもの心づもりといたしましては、カンボジアにおきます業務とは別に、新たにモザンビークにPKO法に基づきます国際貢献をいたそう、こういうことを準備をし、閣議決定に向かっているところでございまして、これらを受けまして御報告をさせていただきたい、こう考えておるわけでございます。もちろんその報告の際に、カンボジアの最近の問題について御質疑があれば当然これには積極的にお答えをするという心づもりでございますが、私どもの気持ちとしては、こうした新たな地域に新たな展開をするときには御報告をすることが適当であろう、こんなふうに実は思っているわけでございます。 さてそこで、今委員お尋ねのカンボジアの情勢は、およそ六カ月前、我が国のPKO活動がかの地に展開をいたしましたときと現在とでは状況は同じなのか変化があるのか、こういうお尋ねでございますが、報道等が知らせておりますように、昨今のカンボジアの状況は必ずしも計画どおり平穏無事に何の事件もなく推移していると言うわけにはまいりません。PKO活動として各国から参加協力をいたしております要員の中にも大変痛ましい事件に遭っている人々がおりますし、我が国からも国連ボランティアで積極的にカンボジアの和平に貢献をしつつありました青年が痛ましい事件に遭遇をするということがあったことも御承知のとおりでございます。状況は五月の制憲議会選挙に向けましてかなり緊迫しているというふうに感じてはおります。 しかしながら、当初から我々が承知をしておりますPKO五原則という条件は現在でも引き続き満たされておると考えておりますし、SNCに参加をいたしますカンボジアの四派も、それぞれいろいろ意見はございますもののSNCの考え方を否定はしないということを言明しておるわけでございまして、こうした大きな骨組み自体は変更はないというふうに承知をいたしているところでございます。
○伊藤説明員 防衛庁から御説明申し上げます。 私どもといたしましては、先般、今月初めでございますか、第一次の施設部隊がその任務を終わりまして帰ってきまして、現在第二次の部隊が現地に展開をしておるところでございますが、第一次の施設部隊につきましてはそれなりの成果を上げてきたのだというふうに自負しておるところでございます。また、これから、第二次の部隊が現在ほぼ現地に展開を終わりまして、近々具体的な作業に着手する、そういう段階になっておるところでございます。 国会への中間報告等につきましては、これは総理府の方でやっていただけるものと思っておりますので、私の方からは特に申し上げることはないわけでございますが、なお、現地の情勢等につきましても、ただいま官房長官からのお話もございましたように、大変厳しいものがあるということは私ども承知しておりますが、幸いと申しますか、施設部隊が展開しております地域においては現在のところ特段のこともございません。したがいまして、私どもとしましてはなお整々と与えられた任務を遂行していく、そういう考え方で現在おるところでございます。
○倉田委員 官房長官のお答えをいただいたわけでございますけれども、カンボジアの情勢に関しては緊迫をしているけれども総体の骨組み的事態は変化はないであろう、こういうお答えでございました。 しかし、新聞等の報道によれば、ポル・ポト派の動向は非常に気にかかる。事務所を撤退をされた、これから総選挙を迎えるに当たって相当の選挙の妨害等々も予想されるのではなかろうか、こういう報道がなされる中で、例えば防弾チョッキの使用であるとか、あるいは小銃等武器の携帯の必要性ということも検討されなければならないのではないかということも聞いておるわけでございます。そういう非常に緊迫する状況の中にあって、隊員の方々、行って作業をしておられる方々の安全を確保しなければいけないという要請が一方であり、また一方で、そういう武器を携帯するという事態になれば、それがまた偶発的に事故を呼ぶという状態を引き起こすことにもなりかねない。そのことがいわゆるPKO活動全体にもまた大きな影響を及ぼしてくることも十分に予想される、こういうふうに思うわけでございます。 そこで、今私が申し上げましたいわゆる防弾チョッキであるとか武器の携帯であるとか、そういうことについて今どのような検討をなされておるのか、この点についてどういう問題があるのか、あわせてお伺いをいたしたいと思います。
○伊藤説明員 ただいま施設部隊の方でとっております安全対策と申しますか、そのようなことについて御説明をさせていただきたいと思います。 従来から、私どもとしましては、隊員の安全ということは大変重要なことと考えておりまして、例えば日没後の外出禁止であるとか、外出時とか平和協力業務を行うときの単独行動の禁止でございますとか、あるいは、単独での車両の運行は極力避けるというような種々の安全対策をとってきておるわけでございます。 ただ、今のお話にございました小銃あるいは武器の携行あるいは防弾チョッキの携行等の件でございますが、これにつきましても当初から現地の大隊長の判断で必要なときには持たせなさい、こういうような指導をしておるところでございます。これはすぐれて現地の具体的な事情によるところが大きいと思っておりますので、個々別々に中央の方からどうこうしろと言うことはできないわけでございますが、それぞれ現地の判断で必要なときには必要なものを携行するというようなことをしておるというのが現状でございます。
○倉田委員 私、今申し上げましたように、武器の携帯、小銃の携帯というのが非常に現実性のある話となってくるような緊迫した情勢になっていると思うのですね。今お答えは、必要に応じて現地の部隊長なり大隊長なりの判断に任せるということですけれども、これ、一たん事が起こったら現地の大隊長の判断で済むような問題なのかどうか。確かに、安全性の問題として小銃の携帯、そういうものが必要になってくるケースは、まさに個々の現場の状況に即応しながら判断をしなければいけないのだろう、こう思うわけですけれども、使わざるを得なくて発砲をした、またそれに正当防衛的に応戦をする、そういうことが起こって負傷者も出るような事態になったときには、またこの日本でも大変な議論、大きな世論も、いろいろな形の議論が出てきますでしょうし、そういうことからPKO、維持活動の存続そのものにも、果たして大丈夫なんだろうかという疑念が浮かび上がりかねない、こういうふうに思うのです。 そういう意味からすれば、確かにその危険性の問題は現地の者でなければわからないということはそのとおりなのかもしれませんけれども、実際に武器を持つかどうかということは、もっともこれはいわゆるPKO、平和維持活動は、本部長は内閣総理大臣でございますので、総理府本府としてもきちんといろいろな面を考えながら一つの方針がなければいけない、こういうふうに思うのですが、これは官房長官、いかがでございますか。
○河野国務大臣 先生もよく御承知の上での御質問と思いますけれども、現在カンボジアにおきます状況は、一部地域においてかなり緊張が高まっている、あるいは若干の衝突があるということが報道によって知らされております。私どももそれは承知をし、大変心配をしながら事態を見守っているところでございますが、現在では、カンボジア全土にわたる全面的な戦争状態、内戦といいますか、戦争状態が起こるという状況ではないというふうに我々は見ているわけでございます。もしこういうことが起こるということになれば、これはまた全然別の判断があってしかるべきと思いますが、我々は、今そういう状況ではない。 御心配の一部ポル・ポト派といいますか、一部の集団が選挙に参加をしないということで、いわゆる選挙活動に非協力という状況があることは大変残念なことでございますが、このポル・ポト派でもSNCの枠組みは認めておりますし、今すぐにどうこうということは言っていないわけでございます。ポル・ポト派の議長としてプノンペンにおりましたキュー・サムファン氏も、その書簡の中で、我々はそうしたことはしないということを言っているわけでございます。しかし、それはそれとして、我々はやはりカンボジアの事情、状況については注意深く、細心の注意を持って見詰めなければならないというふうに思っております。 それで、我々は、繰り返しになりますが、先ほど申し上げましたように、全面的な戦闘状態になるというふうには思っておりませんが、しかし、一部地域においては局地的な事件はしばしば起こっているという事実もございます。こうした事態に日本のPKO派遣部隊が遭遇するという場面があるのではないかということも我々は心配をすると同時に、そうしたことも考えなければならないかという御意見もよく伺うところでございます。これらのそうした局地的な問題、事件というものがあったとしても、それは、恐らくまず第一義的に現地の判断で適切な措置がとられるに違いないというふうに思っております。 私どもも、全般に目配りをしながら、十分注意深く慎重には対応いたしておりますが、現時点では、先生おっしゃるような状況はないものと信じているところでございます。
○倉田委員 カンボジアの総選挙についてお尋ねをしておきたいと思います。 いわゆる中田さんがああいう形で本当に不幸な死を遂げられた、とうとい殉職である、こういうふうに思いますが、そういうわけで、いわゆる国連の選挙監視ボランティアの方々が非常に安全に関して不安を覚えられて、帰国をされておられる方々も相当出てきておるというふうに聞いております。そういう意味で、いわゆるカンボジアで総選挙を実施するために、選挙監視の不在地区、不在地域というものが出てくる。これについては、明石代表は、場合によったらその地域においては投票断念ということもあり得るかもしれない、こういうふうなお話をなさっておられると聞いているわけです。 日本政府としては、いわゆるこのカンボジアの総選挙を実施するについて選挙監視員の方々の不足、そして場合によったら投票されないところもあるかもしれない、こういう状況についてはどのようにお考えになっておられるでしょうか。
○柳井政府委員 選挙の実施方法につきましては、現在UNTACにおきましていろいろ具体的に検討を加えているところでございます。ただいま御指摘の中にもございましたように、投票所の数を絞るということもその検討の対象になっているというふうに承知しております。 本日の時点でまだ検討の結果確定的なことは承知しておりませんけれども、当初予定しておりましたよりは、例えば危険の多いところの投票所というものは設けない、そのかわりより安全なところに投票所を集める、そのことによりまして選挙監視要員の必要な数も少なくなってまいりますし、また、警備という面でもやりやすくなるということで、安全対策の一環としましてもそのようなことを検討しているというふうに聞いております。 私どもも、これまでいろいろな機会に、最近では中田さんのあの悲劇的な事件を契機にしまして、再びUNTACに対しまして安全措置の強化をお願いしているところでございます。御承知のとおり、現地での安全対策と申しますのは、一義的にはUNTACの方でとるべきものではございますのでそのようにお願いしておりますが、その一つとして、ただいま申し上げたようなことも検討の対象になっているというふうに聞いております。なお、私ども日本政府の側でもとれることはできるだけ行うということで、我が国から派遣されている要員との通信手段の整備というようなこと、あるいは情報の提供等々、できるだけのことはしてまいりたいと思っております。
○倉田委員 防衛庁の西元幕僚長は、十五日、これは発表されたことだと思うのですけれども、派遣施設大隊の採石加工拠点の一つ、トティエから宿泊地のタケオヘ引き揚げられた、こういうことでございます。撤収についてはいろいろ事情があったのだろうと思いますけれども、幕僚長は、カンボジア、ポル・ポト派の状況、あるいはその危険性とも無関係でもないみたいな発言もなされておられるみたいでございます。 そこで、この点をもう一度確認すると同時に、いわゆるPKO活動部隊がそれぞれ各地で展開をされておられる、宿営地へ引き揚げるということ自体についてはそれほど問題ないのかもしれませんけれども、例えば、これからいろいろな状況で検討なされるところで、現時点ではPKO五原則が守られているということで活動を続けておるわけでございますけれども、まさにポル・ポト派の動向次第では、総選挙を妨害するかもしれないその妨害の態様次第では、カンボジアの情勢というものはどんなふうに変わっていくのか。一部地域のまさに局地的な、あるいは事件が地域的、全体的に広がっていく可能性もなきにしもあらず、杞憂ということなのかもしれませんけれども、そういうときに、例えば我が国の平和維持活動部隊はどういう形で撤退をするんだろうか、どういうふうに手続、手順は進められるんだろうか、それもちょっと気になるんですけれども、それは検討なされておられるんでしょうか。
○河野国務大臣 事務的なことは後ほど政府委員から答弁をさせていただきたいと思いますが、私から委員に一言だけ申し上げたいと思いますことは、先ほども申し上げましたように、確かにカンボジア各地で、事件といいますか事故といいますか、カンボジアの平和を達成するために協力しようとして世界各地から参加をしている部隊の何人かの要員に痛ましい事件が起こったりしていることはお互い承知をしているところでございますが、これらの事故といいますか事件というものが、一体何者によってどういう意図でこうした事件が起こっているかということにについては、残念ながらそう明確になっているわけではないわけでございます。いつでもUNTACの説明は、正体不明の者に襲撃を受けたというような報告になり、あるいはどうもどれどれらしいという報告がございます。 その一方で、どうもそうしたことを踏まえていろいろと情報が流れたり、時には恐らくデマではないかと思われるようなうわさが流れたりするわけで、我々は、心配いたしますこと、あるいは考えておかなければならないことは、こうしたことで平和活動に貢献しようとしている多くの人間、部隊が浮き足立つといいますか、そうしたデマゴーグに本来の業務がうまく進められなくなるということは甚だ残念なことでございまして、ここは時に慎重でなければならない。もちろん、その安全を確保するためにも最大限の慎重さが必要であると同時に、こうした正体不明の、まだはっきりつかめない者の動きに対して我々はまた浮き足立つということもどうかという感じが一方でするわけでございます。 日本の派遣しております要員の懸命な努力というものが現地で展開をいたしておりますから、我々も最大限その安全を十分こちらから注視しながら、しかし一方で、何かあるとすぐいつ帰るのかという議論だけが行われるのではないかと思われるようなことには十分注意をしなければならない。もちろん委員御指摘のとおり、手順をどうするかとか、そういう場合にはどうするかをしっかり腹を決めてかかっていなければならぬということはよく理解をできますが、そんなことが考えられておりますということを一言だけ申し上げて、あと具体的な手順については、もし御要望があれば政府委員からお答えしたいと思います。
○柳井政府委員 ただいま官房長官から基本的な考え方につきましては詳しく御答弁ございましたので、私、手続的な面に絞ってお答え申し上げたいと存じます。 さきにこれも官房長官から御答弁ございましたように、政府としては、最近の治安情勢の悪化ということはございますけれども、和平プロセスの基本的な枠組みは依然維持されておりまして、いわゆる五原則が現在も満たされていると考えているわけでございますが、制度的な、あるいは手続的な面に限って申し上げますと次のようなことになると思います。 仮に万一、我が国からの要員、部隊の派遣の前提でございます五原則が崩れだということが明らかになった場合におきましては、国連側との緊密な連絡をする必要があると思います。その上で実施計画の変更という形で閣議決定を行いまして、派遣を終了させる。もし終了させるということが必要であり適切であるということになりますれば、このような形で閣議決定によりまして終了させるということになるわけでございます。 この手続は、御承知のとおり国際平和協力法の第六条の中で規定されているわけでございまして、これも御承知のとおり、最初派遣するに当たりましては、これは六条の一項でございますが、実施計画の閣議決定をするということになっております。そして、ずっと後ろの方の十三項というところで実施計画の変更につきましても閣議決定が必要だ、それで、その実施計画の変更には派遣の終了にかかわる変更も含む、こういうふうになっております。以上が手続でございます。 繰り返しになりますけれども、手続的にはそういうことでございますが、現在そのようなことを実際検討するというような状況ではないという考え方でございます。
○伊藤説明員 先生お尋ねの陸上幕僚長の発言に関してでございますが、これは第一次派遣大隊のときからトティエというところに採石場、道路の修理のための砂利をとるための石取り場でございますが、採石場を設けておりました。そこに二十名ほどの人間、隊員を常駐させておったわけでございますが、先般、これから雨季に入るというふうなことで隊員の生活環境が大変厳しくなるということが一つでございます。それからもう一つは、これからはアスファルトの材料が入りましたためにアスファルト舗装が重点になりまして、どちらかといえばそこに行っております隊員たちもそちらの方の仕事に従事していただく機会が多くなる。こういうようなことで、小人数の方をそのトティエのところに常駐させておくというのをやめることにいたしまして、タケオの本部と申しますか本隊の方と一緒にするようにといたしたわけでございまして、雨季対策それから仕事の上での便宜、こういうことでございます。 ただ、この件を陸上幕僚長が発表いたしましたときにいろいろと御質問がありましたので、結果として小人数の者が少しでおるよりは全体と一緒にいる方が安全度が増すことは確かでございましょうということを御説明したことはございますが、今回の措置はただいま御説明したような事情にもよるものでございます。
○倉田委員 私が官房長官からお答えをいただいたことも十分理解もできるのですが、いわゆるPKO活動が決して武器を使うために、また局地的なことであっても、事件であっても、いわゆる戦闘というか、戦うために行っているのではない、また、そのことを前提とすれば、戦いに巻き込まれるような状態からは避けなければいけない、そのことを強く申し上げたかったわけでございます。巻き込まれないためにはまた事前に十分に状況判断をしながら、巻き込まれそうであったらその場から去るということも必要である、こういうことを強く申し上げておきたいと思います。 そこで、次に対日支援の問題について、これは官房長官もうお時間なさそうでございますので先にお尋ねをいたしますけれども、いわゆる北方領土の問題ともかかわりながら、我が日本は政経不可分の原則というのをずっと政府も言ってこられましたし、国民の多くの皆さんもそのことで理解をしておったと思います。しかし一方で、最近のロシアの状況を見る中で、ロシア支援の緊急性がある、やはり日本政府としても世界の中から孤立化を避けるためにはこの支援も必要である、こういうことは私も理解できるのですけれども、一方で政経不可分という大きな原則がありながら、これをなし崩し的に崩していく。一方で拡大均衡路線、これは長官の記者会見でのお話ですけれども、政経不可分というネガティブな考え方は今は余りとらない、いわゆる拡大均衡というポジ的な方向でやっていくんだ、こういう趣旨のお話をなさったみたいでございます。 一つの時代、情勢というのはあるのかもしれませんけれども、ただそれをするにしても、国民に、ああなるほどそうなのか、その必要性があるんだ、そして今までの政経不可分の原則とどういうふうになっているのだということは、もうちょっとわかりやすく説明をしなければならないのだろう、こういうふうに思います。この点についての官房長官のお考えをもう一度わかるように御説明をいただければと思います。
○河野国務大臣 政経不可分も拡大均衡も、いずれも一つの政策的な表現だと思います。 一九六〇年代から七〇年代にかけて、かつてのソ連は領土問題が存在することすら認めないという状況でございました。この領土問題も存在しないというかたくななソ連の政策が一方であり、ところがその一方で、一九六〇年代の後半ぐらいでしたでしょうか、あるいは七〇年代に入ってからでしたでしょうか、ちょっと正確ではありませんが、チュメニ油田開発でございますとかシベリア開発の大きなプロジェクトが民間から持ち上がってきたことがございます。こうしたときに政府は、政経不可分という政策を立てて、領土問題という我が国が決して譲ることができない、両国の間に横たわった問題を旧ソ連側でその存在すら認めないという状況の中で、民間の経済活動だけが、極めて大型なプロジェクトが進むということではということで、政経不可分の原則というものを掲げて、これらを少し抑制をした、どちらかというとつまりネガティブな政策をとってきたということが過去にあったわけでございます。 しかしその後、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、旧ソ連の情勢が大きく変わりまして、今やロシアはかつての帝国主義的な政策を変えよう、そして政治的にも外交の上でも、あるいは経済的にも社会的にも、自由主義、民主主義、そういった政策をとることを言明をし、ゴルバチョフ大統領あるいはエリツィン大統領はこの領土問題にも、ゴルバチョフ大統領は四島の問題としての存在を認め、エリツィン大統領は法と正義によってこれらの問題は解決されるべきだということを言明される状況になったわけです。これは、かって領土問題も存在しないと言っていた旧ソ連の状況とは、明らかに大きく状況が変わってきているということがあろうかと思います。 そうしたことを受けまして、法と正義に基づいてこの問題を解決するという考え方を受けて、また一方で、今日のロシアの状況は自由主義に、民主主義にとその国の体質を大きく転換しようと大変な努力が行われているという場面をとらえて、我が国としても、新しい国際平和秩序をつくるという観点からも、この際ロシアが積極的に自由主義、民主主義を標榜する国になってほしいという気持ちも込めて対日支援ということに踏み込んでいるわけでございます。 こういうことになりますと、それは政経不可分という原則では、これはもう到底説明ができないことは委員もよく御理解をいただけると思いますが、少し前から拡大均衡という政策をとってむしろ積極的に、領土問題を解決するためにも拡大均衡政策が適切な政策であろうという考え方を持っているところでございます。 それで、万々誤解はないと思いますけれども、私どもは、日本、ロシア両国間に横たわる領土問題が解決されなければ日ロ両国間の完全に正常な関係というものは構築できないことはいささかも変わらない大原則であることは申し上げるまでもないことであろうと思います。こうした問題を解決するためにも政策を進めていくことが必要だと考えておりまして、拡大均衡と申しましても、つまり政治と経済を拡大的に均衡していくという意味であって、政治問題、すなわち領土問題を含む両国関係が置き忘れられるがごとく理解をされることは決して拡大均衡の本質とは違うものであることをぜひ御理解いただきたいと思います。
○倉田委員 済みません、官房長官、二点だけお答えいただいて、後は結構でございます。 いわゆるロシア支援、今まで政経不可分の原則のもとでやってこられました。しかし、今までやってこられた中で、ロシアの国民の方々が日本からこれだけの支援が行っているんだよということを果たしてきちんと受けとめておられるかどうかということに関して、非常に悲観的なアンケートの結果を私は見ております。別にもう支援は望まないよ、それは、ロシアの国民の方々に支援を受けていることがどうも直接行っていないのじゃないか、そういうふうな気がしてならないのですね。今回の支援が、確かにロシアの民主主義、自由主義、その方向で進めるということも大切なんでしょうけれども、ロシアの国民の方々にきちんと届く支援であるのかどうか、そういう支援になっているのかどうか、そのことについて一点。 それから、今お答えの中にありましたけれども、北方領土の主張はいついかなる場所でなされるのか、この二点についてお答えをいただきたい。よろしくお願いします。
○河野国務大臣 先ほども御質問にお答えいたしましたけれども、対日支援で極めて重要なポイントはまさに御指摘のところにあると思います。対日支援で最も大事だと先般のG7合同閣僚会議のときにも言われましたポイントの一つは、ロシア支援、ロシアが民主化、自由化に進むためにはまず自助努力が何より必要だ、ロシアの国民自身がその気になって改革を進めることがまず大前提であって、そのことに対して支援をするということでなければならない、これがまず第一点でございます。 さらにもう一つは、その支援が国民のレベルに届くことが大事だということが二点目でございます。委員御指摘のように、これまで日本がどれだけの対日支援を行ってきたかということがロシアの国民にどれだけわかっているか、また一方で、ヨーロッパの人にもそれがなかなか理解されずに、日本はさっぱり対日支援しないではないかというような非難を確かに受けたことがございますが、それは決してそうではなくて、これまで我が国は人道的支援を行ってきておりますし、また、極東を中心に人道的支援あるいは草の根の支援が行われて、極東では対日感情は随分と変わってきたというふうな報道もございます。 確かに、我々の支援がロシアの国民それ自身に意識をされるような工夫がもっと必要であろうかと思いますが、対日支援におきましても、現在考えられております、計画されております対日支援は、例えば貿易保険でございますとか、そういった民間の貿易関係に対する保険を政府がつけるといったようなことに大きな金額が計画されておりまして、国民生活にそのままこれが日本の支援だということがわかるような仕組みになっている部分は必ずしもそう多くはないのでございます。しかし、全体から見ればそう多くはなくても、しかし相当な金額が人道的支援その他で向けられるわけでございますから、この辺は大いに知恵を出す必要があるかと思います。 また、後段のお尋ねは、先般のコズイレフ外相と武藤外務大臣との外相会談の折にも、今後こうした問題を真剣に議論していかなければならないということは既に先方には伝えてあるというふうに承知をいたしておりますし、その際エリツィン・ロシア大統領の訪日問題も議論をされておりまして、まだその時期、どういう形式で日本を訪れるかということについて最終的な詰めまで至っておりませんが、我々は一つの可能性ありというふうに考えておりまして、その際には何らかの形でこうした議論も行われるというふうに承知をいたしておるところでございます。
○倉田委員 それでは続いて、皇太子の結婚の儀、御成婚に関連してお伺いをいたしたいと思いますけれども、現在の準備の状況、それからこの成婚式の概要、そして、やはりこれは国としてもまた日本国民としても大変に喜ばしいことである、私もそう思いますので、国家としてまた国民的に祝うために、政府として今どのようなことを考えておられるのか、これをお尋ねしたいと思います。
○宮尾政府委員 皇太子殿下の御成婚の準備状況についての御質問でございますが、皇太子殿下の御結婚のことにつきましては、去る四月十三日の閣議におきまして、結婚の儀、朝見の儀、宮中饗宴の儀は国の儀式として宮中において行うということが決定されたことは御承知のとおりでございます。明日二十日でございますが、皇室行事でございます告期の儀が行われ、勅使が小和田邸に赴きまして、結婚の儀を行う期日を伝えるという予定になっております。 結婚の儀、それから朝見の儀及び宮中饗宴の儀は六月上、中旬を目途として行われるというふうに閣議で決定をさしていただいておりますが、具体的にいつ行うか、あるいは参列者の範囲などをどうするか、こういう問題につきましては、実は本日、宮内庁に設置をされております御婚儀委員会におきましてこれまで検討してきたところを十分詰めまして、そこで決定を見ればこれを公にしていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。 いずれにいたしましても、皇太子殿下の御結婚は国民がかねてから久しく待ち望んでいたところでございますので、結婚の儀を初めとする諸儀式が滞りなく挙行できますように、私どもとしても万全の努力を尽くしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○倉田委員 御成婚が国の儀式として、また日本国民挙げて喜べるように政府としても万全の準備をしていただきたい、私はこう思います。 これに関連して、いわゆる恩赦の話もあるわけなのではないか、こう思うわけでありますけれども、過去の例を調べてみますと、大正十二年の御成婚のとき、それから昭和三十四年の御成婚のとき、それぞれ皇太子殿下御結婚に伴う政令恩赦及び特別基準恩赦が実施をされまして、それぞれの基準がされておられます。私は、御成婚を国民的行事として喜ぶことには大賛成でございますけれども、ただ、恩赦については、時代の中でいろんな変遷もあり、またいろんな議論もある。果たして従来どおりの、従来どおりという言葉はおかしいかもしれませんけれども、恩赦が現在の時代に合っているのかどうか、そしてまた恩赦が、例えば選挙違反事件、そういう場合に利用されないのかどうか、こういういろんな問題点の指摘があるということは御承知かと思うのです。 そこでまず、これは法務省にお伺いをすることになるのかと思うのですが、この御成婚に伴う恩赦について準備あるいは検討をなさっておられるのでしょうか。
○杉原政府委員 お答えをいたします。 法務省の保護局といたしましては、法務大臣の命を受けまして、国家的慶弔事に際しまして行われた過去の恩赦につきまして、現在先例等を検討し、勉強しているところでございますが、今回の皇太子殿下の御成婚に際して恩赦を行うか否か、あるいは恩赦を行うとしてもどのような恩赦を行うべきなのかというような問題につきましては、今申しましたとおりでございまして、現在検討中でございまして、今その方法について申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。 つまり、今回恩赦を行うか否かにつきましては、現時点では全く白紙の状態ということでございます。
○倉田委員 お答えをできないということですので、一般論的にちょっとお尋ねをしたかったのですが、時間がなくなってまいりましたので、また次の機会があればお尋ねをいたしたいと思います。 そこで法務省に、金丸元副総理のいわゆる不正脱税事件に関連をしてお伺いをしたいと思います。 当十六委員室に金丸元副総理の額が掲げてあるわけですが、私の席から見えていて、政治家の本当に最高の実力者、こう言われる方がああいう形で起訴をされる、しかも国民から、不正蓄財、そういう形で指弾をされるということは、同じ政治家として本当に悲しいな、寂しいな、そういう気がしてならないわけでございます。 それで、この事件に関連して法務省としては中間の報告もなされておられます。この中間報告の中で私はちょっと気になったというか、これはどう読むんだろう、こう思ったことがあるのですが、中間報告の前文の文章の中でこういう部分がございます。金丸前議員は、将来に備え自由にできる個人資産を確保しておくため、「将来に備え自由に使用できる個人資産を確保しておく」というのは一体どういうことなんだろう。いわゆる金丸元副総理の問題に関して言えば、公私の区別がつかなかった、公と私が混在をしていた、こういうふうに言われておりますし、またそのとおりなんだろう、こういうふうに思うのですね。 法務省としては、この部分、「将来に備え自由に使用でき各個人資産を確保しておく」ということは、いわゆる新聞の報道によれば、個人的蓄財を強調するための文章なんだ、こういうふうにも言っておられるのかと思うのですが、一方で、例えば、金丸元副総理が将来に備えて自由に使用できる個人の資産、それは政治活動に使うものであるかもしれない、あるいは巷間いろいろ言われる意味で、新しい政界再編のための資金かもしれない、こういうことだってどうもこの文章からは読みかわない、こういうふうに思えなくもないわけですけれども、そこでお聞きをしたいのですが、将来に備え自由にできる個人資産を確保しておく、これは一体どういうことを意味しているんだ、もう少し説明をしていただければと思います。
○濱政府委員 お答えいたします。 今委員のお尋ねは、金丸前議員の保持していた資産は、将来に備えて自由に使用できる個人資産であったという検察当局の認定に関する具体的事実関係についてのものだと思うわけでございます。それ以上の具体的事実関係につきましては、これはまさに今後の公判における立証事項とも関連する事柄でございますので、今ここでお答えを申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。この点は、委員も十分御案内のとおり、公判における立証の過程で明らかになるものというふうに思うわけでございます。
○倉田委員 私は難しいことを聞いているのではなくて、「将来に備え自由に使用できる個人資産」というのは、私がいろいろ申し上げたように、どう読むんだというふうに、読み方がどうもいろいろあるみたいな気がしますので、法務省としてはこの文章はどういうふうな意味で使っておられるのですか、ただこれだけのことをお聞きしたのです。
○濱政府委員 ちょっとお答えがかみ合ってないかもしれませんけれども、まさにここに書いてあるとおり、将来に備え金丸前議員が自由に使用できる個人資産を確保しておくという趣旨でございます。それ以上分析して具体的事実関係をお答えするということになりますと、先ほど申し上げましたように公判における立証との関係がございますので、それ以上のことはひとつ現段階では御勘弁をいただきたいという趣旨でございます。
○倉田委員 ということは、この「将来に備え自由に使用できる個人資産」ということの意味内容というのは、もしかしたらいろいろな読み方があるかもしれないけれども、これからの公判によって明らかになっていくんだ、こういう御答弁でございますか。
○濱政府委員 もちろん申し上げるまでもなく、公訴事実を立証する必要がございますから、その過程で当然に明らかになるものというふうに思うわけでございます。
○倉田委員 中間報告としてある文章でございますから、その文章の意味内容というものはやはり、ああ、そういうことなんだなとわかるような文章であっていただきたい。この文章の中で、何かいろいろな推測、憶測が成り立つような文章というのはどうかなという気がしてなりません。それが、ここに書かれていることが公判の段階で明らかになることはちょっと違うのじゃないかなという気がいたしますが、それはこれからいろいろ捜査が進むことだと思いますので、そのときにまたお尋ねできる機会があればお伺いをいたしたいと思います。 大変いろいろな質問を用意しておって、準備をしていただいたと思うのですが、時間がなくなってしまいまして、大変恐縮でございます。 それで、一つだけ、いわゆる少年法の再審の事件についてお伺いをしておきたいと思います。 御承知のように、少年法についてはいわゆる再審というものが認められておらないわけです。つまり、基本的には、これは教育処分であるから少年に不利ではないんだ、こういう建前と、それから保護処分の継続中でなければ認められない、こういう議論の中で、事実上再審は認められてない。 これは、この間も子どもの権利条約に関して御質問させていただいたところです、今回いわゆる民事事件の中で、民事の裁判としてはいわゆる無罪であった、こういう裁判が出てまいりました。これはたまたま被害者の側から損害賠償請求事件が起こっておったので、それに応訴をするという形で、民事事件としては無罪ということで請求が認められない、こういう判断になったと思うのです。ただ、この問題は、別に被害者の側から損害賠償請求が起きてなくても、いわゆる少年、加害者側から、いや、そういう損害賠償請求ありませんよという、その債務不存在を確定する裁判の起こし方をすれば、民事でいわゆる無罪かということを事実上争えるような形になってしまう。 こういう問題が出てくるとすれば、また少年の処分に関して、教育的処分なんだから少年には不利益ではないんだ、この考え方自体も問題あると思いますけれども、やはり制度として少年に再審の壁、いわゆる保護処分の継続中でなければ取り消しの申し立てが認められないということについても考えなければいけないんではないのか、私はこう思うわけですが、この点についての当局の御見解をお尋ねしておきたいと思います。
○濱政府委員 お答えいたします。 刑事訴訟法のいわゆる再審制度に相当するものにつきましては、昭和五十二年六月の法制審議会のいわゆる少年法改正についての中間答申の中にも盛り込まれているところでございます。この中間答申につきましては、これは委員も十分御案内のとおり、いろいろの反対意見もございまして、関係機関との調整に努めてきておるところでございますけれども、その間に少年非行の情勢にも相当な変化が見られるなどの事情もございまして、いまだその実現を見ていないところでございます。 今委員が御指摘になられました刑事訴訟法の再審に相当する非常救済手続、こういうものについて少年の場合にも認めるべきではないかという御意見かと思うわけでございますが、少年法改正の中間答申の中にも盛り込まれておりますように、一口で申しますと少年法の全体構造にかかわる問題でもございます。今後ともこの少年法改正作業の中で検討していきたいというふうに思っているわけでございます。
○倉田委員 質問を大分残してしまいましたけれども、時間が参りましたので以上で終わります。
○貝沼委員長 午後四時十五分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後四時八分休憩 ————◇————— 午後四時十六分開議
○貝沼委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。寺前巖君。
○寺前委員 あと三十分、よろしくお願いします。 三つ聞きたいと思うのですが、まず第一番目、金丸脱税事件の問題について、法務省当局にお伺いします。 東京地検は、三月二十七日の金丸前衆議院議員及び生原元秘書に対する追起訴で脱税関係の捜査をひとまず終了したと言われています。東京地検の捜査の過程で異例に思えたことは、東京地検が金丸前議員らの追起訴を行う前日に国際興業本社の家宅捜査をしているということです。脱税事件にかかわる公判請求に必要な証拠物の押収が一定程度終わったと思われる時期に、百名からの係官が国際興業に捜査をやる。何だろうか。金丸前議員の割引金融債の購入原資の解明だけなのかどうか。それとも、ワリシンの巨額購入者の中に複数の政治家がいると報道されていますけれども、これらのことを視野に入れての家宅捜査であったのか。一体その家宅捜査というのは何を考えていたのだろうかということを御説明いただきたいと思います。
○濱政府委員 お答えいたします。 検察当局におきまして捜索、押収を行いますのは、まさにその捜査をしておりますところの事件についてその必要性があるということで捜索を行い、押収をするわけでございます。金丸前議員及び生原元秘書に対する所得税法違反事件の捜査の過程におきまして、事案解明のために必要であるということで、検察当局において捜索及び押収を行ったものというふうに考えているわけでございます。 それで、今委員がお触れになられました金丸前議員及び生原元秘書に対する所得税法違反事件を含めましていろいろな事柄について報道がなされたことはもちろん承知しておりますけれども、既に検察当局において金丸前議員らに対する脱税事件、所得税法違反事件の捜査はおおむね終了したものと聞いておるわけでございまして、これまでのところそれ以上に、それ以外に犯罪の嫌疑が認められる事実があったという報告には接していないわけでございます。 ただ、何というか、委員のお尋ねをそんたくをいたしますと、要するに検察当局が押収した証拠物等についての検討等についてもあわせてお尋ねになっておられると思うわけでございますけれども、これは今後、捜査の過程で押収いたしました証拠物等多数あるわけでございますが、今後公訴維持に万全を期するなどの観点から、必要に応じましてこれらの証拠物等の分析、検討を行うものと考えているわけでございます。ただ、それ以上に、今後検察当局としてどのようなことを捜査するのかというようなことについては、法務当局からお答えすることは御遠慮させていただきたいと思います。
○寺前委員 先ほども四月二日の法務省の中間報告が出ておりました。脱税事件で九十四カ所、約七千点の証拠物を押収したと報告には書いてありますが、東京地検は現在この証拠物の精査を行っているんでしょう。所得税違反だけにとどまらず、ゼネコンなどからやみ献金と受注行為との関係など献金の趣旨も視野に入れて精査を行っておられるんじゃないかと思いますが、そういうことを視野に入れてやっておられるんでしょうか。
○濱政府委員 検察当局がどのような観点からあるいはどのような捜査を行っているかということは具体的にお答えをいたしかねるわけでございまして、先ほどお答え申し上げましたように、既に公訴を提起いたしました所得税法違反事件の公訴維持等の観点から、必要に応じて押収した証拠物等について鋭意分析、検討を続けるというふうに聞いているわけでございます。それ以上に、先ほど今委員がお尋ねになられましたどういう観点からどういうことを捜査しているかということは、これはちょっとお答えを御遠慮させていただきたいと思います。
○寺前委員 中間報告を読んでいますと、金丸前議員は大手の総合建設会社や山梨県内の建設業者等から供与された、こう書いてありますので、一方、生原元秘書についても、金丸前議員の支援者からの陳情等の際に供与された。言葉だけ読んでおると、これ何か支援者から、陳情でお見えになった、ちょっとチップをもらったというふうにも読めるんですけれども、チップにすれば金額が五カ年で六億五千二百二十万円となると、これはチップやというわけにはいかぬなと。 そこで、今国民の間では、この金丸氏の問題というのは、口きき料としての問題点として全部注目をしていると思うんです。生原さんも、これだけの金額になると、これは金丸さんと一体となっている分野ないしは金丸さんを利用してという分野、いずれにしても口きき料としての役割を果たしてきているんではないだろうかというふうに思うんですけれども、それはどうですか。
○濱政府委員 最後のところの御質問の趣旨がちょっとわかりかねたんですけれども、この今回の金丸前議員らに対する所得税法違反の事実につきましては、これはもう委員も御案内と思いますけれども、金丸前議員と生原元秘書との共謀による所得税法違反の事実と、それから生原元秘書単独の所得税法違反の事実、それからもう一つ、ちょっと申し落としましたが、金丸前議員の単独犯による所得税法違反の事実というふうにあるわけでございます。確かに、先般の参議院予算委員会における中間報告におきまして申し上げましたように、金丸前議員の場合には、大手の総合建設会社や山梨県内の建設業者等から供与される資金の一部が原資になっているというふうに御報告を申し上げました。また一方、生原元秘書の場合には、金丸前議員の支援者からの陳情等の際に供与された資金等が原資になっているというふうに御報告申し上げました。で、これ以上この隠匿所得の原資が何であるかということにつきましては、ここではお答えを差し控えさせていただきたいというふうに思うわけでございます。
○寺前委員 要するに、これからの問題になるのか知りませんが、国民はそこを視野に入れた検察に対する提起を求めていると思うんです。 この間、新聞を読んでいましたら、金丸前議員に対する公共工事の口きき料の謝礼は受注高の三%だとか、そういう相場の話がずっと出ていました。ここは一番聞きたいところなんです。で、業界歴三十五年で政界担当を兼ねている大手ゼネコンの副社長クラスの役員の人のインタビューをこの間読みましたけれども、「数十億円以上の大型プロジェクト事業とダム工事は、金丸さんの力が特に大きかった。規模の小さい仕事では金丸さんまでいかず、生原秘書どまりで依頼する会社もあった。生原秘書が役所に電話してくれる。だから金丸さんだけでなく生原秘書がかなり隠し資産があったのはうなずける」、こういうことを言っているんですね。公共工事に絡んで、金丸前議員だけにとどまらず、生原元秘書が建設業者の意向を受けて役所に働きかけているということをこの副社長クラスの人がおっしゃっているんですが、そういう事実について知っているんでしょうか、法務当局は。
○濱政府委員 まず、これはもう当然のことでございますけれども、具体的事案において犯罪の成否ということは、これは検察当局を含めまして捜査機関が法の定めるところにのっとって、収集した証拠に基づきまして個別に判断すべき事柄でございますから、今御指摘のような報道等の内容につきまして、どういう犯罪が成立するのかとかいうようなことについて法務当局からお答えを申し上げることは、これはいたしかねるわけでございます。 ただ、これはいつも申し上げておりますように、検察当局をも含めまして捜査当局におきましては常に、犯罪の嫌疑があるかどうか、刑事責任の有無、あるいはありとしてその程度がいかばかりかということを解明するために捜査を行うわけでございます。したがいまして、その過程において犯罪の嫌疑があると思料いたします場合には厳正に捜査を行うものというふうに考えているわけでございます。
○寺前委員 いつでも法務省の答弁というのはそういうことになるわけですが、この大手ゼネコンの副社長の人の話を読んでいると、本当に国民にとって黙ってられないという気持ちになるわけですね。「ある会社が、東京の工事で山梨の名もない会社と共同企業体を組んでくれと建設省からいわれたケースを知っている。中央での仕事の実績がないのにおかしいと思ったら、裏で金丸さんが口を聞いていた」というようなことまでずっと書かれています。 建設業者などの要請で建設省や県庁の役人に、どの公共事業はどの業者になどと直接電話して行政をねじまげ謝礼を受け取っていたということになってくると、これはもうただごとでない。しかも、議員の場合も、それから秘書さんの場合も、これはちゃんと国会の秘書として登録されている生原秘書のことでございますので、それは国家公務員の特別職だということになってくると、この諸関係というのは、刑法百九十七条ノ四で言うところのあっせん収賄罪という疑いも出てくるということになると思うんです。私は、ここまで法務当局がメスをしっかりと入れなかったらその権威を失うことになると思うんですが、この証拠物の精査を行うに当たって、こういうことまで視野に入れて考えておられるのかどうか、最後にお聞きして法務省の質問を終わりたいと思いますが、どうですか。
○濱政府委員 今委員のお尋ねは、国会議員あるいはその公設の秘書について、例えばあっせん収賄罪というようなものが成立する場合があるのではないかというような趣旨のお尋ねかと思うわけでございますが、もちろん、先ほどお答え申し上げましたように、具体的事案において犯罪が成立するかどうかということは、これは捜査機関が証拠にのっとって事実を確定した上で初めてできることでございますから、今委員のお尋ねに対して法務当局から的確なお答えはいたしかねるわけでございます。 ただ、一般的に申し上げまして、先ほどからお答え申し上げておりますとおり、捜査当局、捜査機関においては、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、その場合には厳正に対処するということを申し上げることができるわけでございます。
○寺前委員 捜査当局の権威にかけてきちっとやっていただきたいということを要望しておきます。 次に、カンボジアの問題について官房長官にお聞きしたいのです。 UNTACがプノンペン政権の軍、警察の協力を受けて力で総選挙を行わなければならなくなってきている事態だ。これはもうパリ和平協定以前の問題になってしまっている。それで、ポル・ポト派を排除して選挙を実施しても、その後にできる政権に対してポル・ポト派が攻撃を繰り返すということがその後の事態の問題ではないかというふうに私は考えるわけですが、そういう懸念はあるのですか、ないのですか、どう思われますか、官房長官にお聞きします。
○河野国務大臣 カンボジアの情勢は、今委員が御指摘になったようなことも含めてなかなか複雑だと思います。こうした複雑な情勢に対応するために、UNTACを初めとして、カンボジアの恒久的和平を築き上げることを念願とする多くの人たちはまたいろいろなことを考えていると思うのです。制憲議会選挙が行われ、それが憲法制定に進み、議会をつくり、行政をつくりするプロセスの中で、例えばシアヌークさんという人物が一体どういう役割を果たすだろうかとか、その他にもまた、周辺の地域がどういう動き方をするかとか、いろいろなことがこれから起こってくるのではないかと思います。今日の状況を単純に見て、単純に今後の動きを想定するだけでは、恐らく将来像はなかなか見つけることはできないの一ではないか、そんなふうにも思うわけです。 例えば、国連のブトロス・ガリ事務総長も、カンボジアヘ行ったときにはシアヌークさんの存在というものに大きな関心と期待を寄せておられるようでありましたし、それ以外にもさまざまな国がこのカンボジアの和平についていろいろな役割を果たされるに違いない、そう思っているわけです。しかし、いずれにしても今やらなければならないことは、五月の二十三日と言われておりますこの選挙をきちんとやり遂げるというカンボジア和平を目指す人たちの厳然たる意志、そういったものが必要なのではないか。この場面でどうなるか先行きわからぬというようなことであっては、私は、カンボジアの和平は達成できない、恒久的な和平は達成できないというふうに私は感じておりまして、そのためにも我々もまた細心の注意を払いながら、慎重の上にも慎重でありながらもこの作業を続けていくということが大事だ、こう考えております。
○寺前委員 単純には見られないと、先行きがわからぬでは恒久平和達成はできない、こうおっしゃると、結局、単純には見られない事態で、先々わからぬというのだったら、恒久平和できぬというのやったら、要するにこれ結局何ですのや。結局どうにもならぬということにしかならぬじゃないですか。だから、これはもう私は、明らかにバリ協定以前の段階に来ているのだということを率直に言わなければいかぬと思うのです。 そこで、次に聞きますけれども、キュー・サムファン議長は、既にプノンペンから引き揚げた、プノンペンでのSNCの会議には参加しないとも言っているわけでしょう。ポル・ポト派が実態的にSNCに参加しないということになってきたら、パリ和平協定の枠組みはもうそれで崩壊していくことにならないのですか。いかがでしょうか。
○河野国務大臣 キュー・サムファン議長がプノンペンから引き揚げられたということは私どもも承知をいたしております。しかし、この際キュー・サムファン議長は、現在のプノンペンでは自分の安全が心配だ、それが引き揚げる理由の一つであるということを言っておられるようでございます。このことがどういうことを意味するか、私にはよくわかりませんが、そのことが一つと、しかしSNCからは脱退を、離脱することはしないということもまたあわせて言っておられます。また、周辺の意見を聞いてみますと、プノンペンから去ったのは暫定的なものだ、暫時プノンペンから離れたということではないかというのが多くの意見だというふうにも聞いておりまして、このことが必ずしもパリの和平協定の枠組みが壊れたとかSNCがその意味をなくしたというふうにはなら ないというふうに考えております。
○寺前委員 UNTACの軍事件業部会とか地方部会というのがあります。これはどういうことになっているでしょうか。ポル・ポト派は引き揚げているのですか、引き揚げていないのですか、
○柳井政府委員 ただいま官房長官から御答弁ございましたとおりでございまして、プノンペン事務所は引き揚げたけれどもSNCにはとどまると、また、プノンペンでの開催でなく、ほかの安全な場所における開催であればSNCには今後とも出席するということを先週の土曜日に、キュー・サムファンと申しますかポル・ポト派のスポークスマンが述べておるわけでございます。 それから、軍事混合委員会から脱退するというような報道もございましたけれども、私どもそのようなことになったという確認はまだ得ておりません。
○寺前委員 先ほど自衛隊が向こうで武器を携帯して活動するような話もありました。この間、日本から行っていた警察官が捕まっていろいろなものをとられてしまった。さあ、一人で警察官が配置されておるという事態が現地の方にはあるわけだけれども、今後こういう警察官はどういう扱いをしていくのですか、身の安全のためにどういう対処をしようとしておられるのか、御説明いただきたいと思います。
○柳井政府委員 文民警察につきましては、我が国から派遣されている警察官だけでございませんで、各国から、約三十二カ国から現在派遣されているわけでございますが、カンボジアのいろいろな地域に相当分散して配置されているわけでございます。それから、基本的には、文民警察は少なくともこれまでいわば丸腰で勤務についておりました。一月には我が国の文民警察の宿舎が焼かれるという事件がございまして、その後直ちに、第一義的にはUNTACが文民警察を含めて要員の安全確保をする責任を持っておりますので、我が方からUNTACに安全対策の強化ということをお願いいたしましたし、また最近の強盗事件の後にもそのような申し入れをやっております。 現在UNTACにおきまして安全対策の強化を検討しているわけでございますが、具体的には、例えば夜は近くの歩兵部隊の宿営地に泊まる、あるいは食事をするというようなことでございますとか、歩兵部隊と緊密な連絡をとりつつ任務を遂行するというようなことを考えているというふうに承知しております。 引き続き安全措置につきましては強化するようにお願いをいたしておりますし、また、我が国政府といたしましてもできることはするということで、特に通信手段の整備ということを今までもやってまいりました。 例えばそういうことでございます。
○寺前委員 現地に参加している事態では中立状態ではありません。 例えば、キュー・サムファン議長が四月八日の香港の週刊誌に、「この選挙は流血の選挙になるだろう」と書いておるし、あるいはまたプノンペン・ポストというカンボジアの週刊紙には、五月の総選挙は同派の排除をねらった西側諸国の陰謀であると指摘、私が西側諸国と言うときは日本も含んでいると、日本が攻撃の対象になることも示唆しているという事態の中で、プノンペンからキュー・サムファンが引き揚げていく。そこらじゅうでいろいろのトラブルが起こっている。 こういう事態を考えるときに、私は、日本のPKOの要員に犠牲が出るということもあり得るんじゃないだろうか、絶対にないという保証は何を根拠にして言うことができるだろうか。私は、ない、危険だという要素の方が主要な側面だ、こういうふうに思うのです。そうしたら、犠牲が出るという事態が明確になるまでPKOからの引き揚げというのは考えないんだろうかというのが、私は日本の国民として心配している一つだと思うのです。 官房長官、日本の自衛隊が攻撃の対象にされるという危険はないと見ているのでしょうか、こういうところまで雑誌などに書かれているわけですけれども。こういう事態を考えてみたら、明らかに中立性も侵されているし、引き揚げという問題は提起しなければならない段階が来ているというふうに見なきゃならぬのじゃないだろうか。 改めて問います。一つは、犠牲者が出た場合に今後の対処、部分的なことはいろいろありますわということで終わらせておくのかどうか。日本の自衛隊はこのような事態になっていてもなお引き揚げを考えないのかどうか。この二点について聞きたいと思う。
○河野国務大臣 カンボジアの永続的な和平を達成するという重要な国際貢献の任務を帯びて現地に行っておられるPKO要員の皆さんが、安全にその作業を終えて、立派に当初の目的を達成されるということが何よりも我々にとっては重要でございます。 しかし一方で、最近散発的に起きております事件、これは我が国UNVの中田さんの痛ましい事件もそうでございますし、世界各地からカンボジアのために集まってきている人たちの中にも多くの死傷者が出ているという報道を見聞するにつけ、大変心も痛みますし、こうしたことがもうこれ以上ないように、心から、安全対策を強化してくれるように、UNTACにお願いをしているところでございます。 さてそこで、御質問でございますが、ポル・ポト派が一体これからどういう態度をとってくるか、今委員御指摘のように、あちこちのマスメディアにいろいろな発言をしているということをお取り上げになりましたが、これはカンボジアの中にもさまざまな政治勢力があって、さまざまな宣伝合戦がなされております。そうしたさまざまな宣伝合戦の中でそうした過激な報道も時にはあるということを我々も承知をしております。 そして、それはただ単なる宣伝なのか、あるいはかたい決意の表明なのであるかということを識別する、判断する、そういうこが重要なわけでございますが、いずれにせよ、私どもは、カンボジアの幾つかある政治勢力がやはりカンボジアのために和平を達成する、こういうPKO活動に理解を示し、協力をするということでなければこの作業は進まないわけでございます。それで、そうしたことをSNCは求めているわけでございますから、SNCの枠組みの中に入っている限りにおいて、SNCを通して彼らに自重を求め、反省を求めるということがまず第一義的に必要なのだというふうに思います。 そこで、委員は、日本から派遣された人の中で事件に遭遇をした場合にどうするんだ、こういうお尋ねでございます。 私どもはそうしたことのないように、私は、PKO活動というものは絶対に危険がないということはなかなか言いにくいのは昨今の事件を見ればどなたでもお思いになるだろうと思います。しかし、我々は少なくとも事件に出遭うことの確率を下げるために最善の努力をする、そして、それは限りなくゼロに近づけるための努力をしなければならない。PKO活動に参加をしている施設大隊の人たちは、正しい規律、そして安全を確保するためのマニュアルをつくって、それを一人一人が厳格に守っているというふうに言われております。そうしたことが事件に遭遇する確率を下げているというふうに思います。また、我々もそうしたことをバックアップする、できる限り、あとう限りの努力をしなければならぬと思っております。 それにもかかわらず事件に遭ったらどうするんだ、その場合にはどうするんだという仮定の問題を提起をなさっておられるわけですが、私どもは今、そうしたことがないように、あとう限りの安全対策、安全に向けての努力をいたしますということを申し上げる以外にこの場での御答弁はないわけでございます。委員からは慎重にろいろと配慮をするように御指摘がございました。でき得る限り、こうした平和のための活動でございます、平和のための活動はでき得る限り細心の注意を払って事故のないようにしていかなければならない、これはお互いに事故があってはならぬわけでございますから、でき得る限りの努力をする所存でございますということだけが、今の段階では御答弁だということでございます。
○寺前委員 時間が来ましたのでもうやめさしてもらいますけれども、しかし、自衛隊を部隊として派遣する、その場合にはちゃんと条件、五原則というのがあって、中立がもう破られている。すなわち武装解除から総選挙への過程というのは、武装解除はしないわ、それから総選挙維持と、それに対して攻撃をするわという事態が発生しているもとにおいて、あのPKO法案の発動というのができるんだろうか。そういう組織的な、国会で決められたその道に基づいて見ただけでも許される事態じゃない、その上でまた犠牲が出たとなったら、私は、責任は、そんなことのないことを願っていますと言っておっても、客観的事実というのは、そういう犠牲が生まれる可能性の方が大きいというのが今日の時点であるだけに、政府として再検討していただくことを要望して、終わります。
○貝沼委員長 次回は、来る二十三日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時五十分散会