決算委員会 第2号
- 発言数
- 211 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1993/02/22
会議録
○貝沼委員長 これより会議を開きます。 平成元年度決算外二件を一括して議題といたします。 本日は、総理府所管中経済企画庁及び労働省所管について審査を行います。 この際、船田国務大臣及び村上労働大臣の概要説明並びに会計検査院の検査概要説明につきましては、これを省略し、本日の委員会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○貝沼委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。 ————————————— 平成元年度経済企画庁歳出決算説明 経済企画庁 平成元年度における経済企画庁の歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、平成元年度の当初歳出予算額は、四百九十二億千八十九万円余でありましたが、予算補正修正増加額百億四百三十六万円余、予算移替減少額七億六千二百二十万円余を減少いたしますと、平成元年度歳出予算現額は、五百八十四億五千三百五万円余となります。 これに対しまして支出済歳出額五百八十二億百十六万円余であり、歳出予算現額との差額二億五千百八十九万円余は不用となった額であります。 次に、支出済歳出額のおもな内訳は、経済企画庁七十八億千四百二十万円余、海外経済協力基金交付金四百九十一億千四百九十二万円余、国民生活安定対策等経済政策推進費五億千二十三万円余、経済研究所七億六千百七十九万円余等であります。 また、不用額のおもなものは、経済企画庁について、人件費を要することが少なかったこと等によるものであります。 以上、平成元年度経済企画庁の歳出決算の概要を御説明いたしました。 何とぞよろしく、御審議のほどをお願いいたします。 ………………………………… 平成元年度決算経済企画庁についての検査の概要に関する主管局長の説明 会計検査院 平成元年度経済企画庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法又は不当と認めた事項はございません。 ————————————— 平成元年度労働省所管一般会計及び特別会計決算説明要旨 労働省 労働省所管の平成元年度決算について、その概要を御説明申し上げます。 まず、一般会計の歳出決算について申し上げます。 歳出予算現額及び歳出予算額とも四千八百九十一億五千七百八十万円余であります。 この歳出予算現額に対しまして、支出済歳出額四千六十億一千四百五万円余、不用額八百三十一億四千三百七十四万円余で決算を結了いたしました。 支出済歳出額の主なものについて申し上げますと、雇用保険国庫負担金、職業転換対策事業費及び失業対策事業費等であります。 これらの経費は、「雇用保険法」に基づく求職者給付等に要する費用の一部負担、高年齢者労働能力活用事業の実施に要した費用等及び「緊急失業対策法」に基づき実施した失業対策事業に要したもの等でありますが、このうち失業対策事業の主な実績は、事業主体数三百九十五箇所、事業数一千五十二、失業者の吸収人員一日平均一万三千人となっております。 なお、不用額の主なものは、雇用保険国庫負担金等であります。つぎに、特別会計の決算について申し上げます。 まず、労働保険特別会計について申し上げます。 この会計は、「労働保険特別会計法」に基づき昭和四十七年度に設置されたものであり、労災勘定、雇用勘定及び徴収勘定に区分されております。 初めに労災勘定について申し上げます。 歳入につきましては、歳入予算額二兆五百十三億一千七百五十四万円に対しまして、収納済歳入額二兆七百二億一千三百二十万円余でありまして、差引き百八十八億九千五百六十六万円余の増となっております。 これは徴収勘定からの受入れが予定より多かったこと等によるものであります。 つぎに、歳出につきましては、歳出予算現額一兆二千五百五十二億八千二百三十二万円余でありまして、その内訳は、歳出予算額一兆二千五百三十四億三千八十一万円余、前年度繰越額十八億五千百五十一万円であります。 この歳出予算現額に対しまして、支出済歳出額一兆五百七十二億三千三百四十九万円余、翌年度繰越額八億二千百六十四万円余、不用額一千九百七十二億二千七百十八万円余で決算を結了いたしました。 支出済歳出額の主なものは、「労働者災害補償保険法」に基づく保険給付に必要な経費及び労働福祉事業に必要な経費等であります。 この事業の実績の概要について申し上げます。 保険給付の支払件数は、五百二十三万二千件余、支払金額は、七千四百十三億七千八百二十三万円余となっております。 なお、不用額の主なものは、保険給付費等であります。 つぎに、雇用勘定について申し上げます。 まず、歳入につきましては、歳入予算額二兆三千六百十六億三千五百五十九万円に対しまして、収納済歳入額二兆一千六十八億四百十六万円余でありまして、差引き二千五百四十八億三千百四十二万円余の城となっております。 これは、予備費を使用しなかったこと等により、雇用安定資金からの受入れを必要としなかったこと等によるものであります。 つぎに、歳出につきましては、歳出予算現額二兆三千六百十七億六千九百二十七万円余でありまして、その内訳は、歳出予算額二兆三千六百十六億三千五百五十九万円、前年度繰越額一億二千三百六十八万円余であります。 この歳出予算現額に対しまして、支出済歳出額一兆六千二百四十二億四千三百三十七万円余、翌年度繰越額四千百二十万円、不用額七千三百七十四億八千四百七十万円余で決算を結了いたしました。 支出済歳出額の主なものは、「雇用保険法」に基づく失業給付に必要な経費及び雇用安定事業等三事業に必要な経費等であります。 この事業の実績の概要について申し上げます。 失業給付のうち、一般求職者給付及び日雇労働求職者給付の月平均受給者実人員は、一般求職者給付五十万五千人余、日雇労働求職者給付六万七千人余、また、高年齢求職者給付、短期雇用特例求職者給付及び就職促進給付の受給者数は、高年齢求職者給付五万四千人余、短期雇用特例求職者給付五十四万八千人余、就職促進給付二十四万九千人余でありまして、支給金額は、一般求職者給付七千百八十九億八千六百三十一万円余、高年齢求職者給付二百六十九億九千百二十九万円余、短期雇用特例求職者給付一千三百八億一千五百六十万円余、日雇労働求職者給付三百八十億七千七百三十九万円余、就職促進給付六百五十四億八千四百九万円余となっております。 また、雇用安定事業等三事業に係る支出実績は、支出済歳出額四千九百十三億三千九百三十七万円余となっております。 なお、不用額の主なものは、失業給付費等であります。 つぎに、徴収勘定について申し上げます。 まず、歳入につきましては、歳入予算額三兆二千六十六億四千七百十二万円余に対しまして、収納済歳入額三兆二千三百六十二億四千五百八十八万円余でありまして、差引き二百九十五億九千八百七十六万円余の増となっております。 これは、前年度剰余金の受入れが予定より多かったこと等によるものであります。 つぎに、歳出につきましては、歳出予算現額及び歳出予算額とも、三兆二千六十六億四千七百十二万円余であります。 この歳出予算現額に対しまして、支出済歳出額三兆二千十二億三千九百二十七万円余、不用額五十四億七百八十四万円余で決算を結了いたしました。 支出済歳出額の主なものは、労災勘定及び雇用勘定への繰入れに必要な経費であります。 この事業の実績の概要について申し上げますと、労災保険適用事業場数二百三十四万余、労災保険適用労働者数四千百二十四万人余、雇用保険適用事業場数百六十九万余、一般雇用保険適用労働者数三千三十五万人余、日雇雇用保険適用労働者数九万人余となっております。 なお、不用額の主なものは、保険料の返還に必要な経費であります。 最後に、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計のうち、労働省所掌分の炭鉱離職者援護対策費及び産炭地域開発雇用対策費の歳出決算について申し上げます。 歳出予算現額及び歳出予算額とも二百二十一億八千六百三十五万円余であります。 この歳出予算現額に対しまして、支出済歳出額二百十五億五百十三万円余、不用額六億八千百二十一万円余で決算を結了いたしました。 支出済歳出額の主なものについて申し上げますと、炭鉱離職者緊急就労対策事業に必要な経費及び産炭地域開発就労事業に必要な経費であります。 これらの事業の実績の概要について申し上げます。 まず、炭鉱離職者緊急就労対策事業につきましては、事業主体数三十四箇所、事業数百三、就労人員延二十四万人余となっております。 つぎに、産炭地域開発就労事業につきましては、事業主体数四十四箇所、事業数二百二十二、就労人員延六十三万九千人余となっております。 なお、不用額の主なものは、炭鉱離職者援護対策費等であります。 以上が労働省所管に属する平成元年度一般会計及び特別会計の決算の概要であります。 なお、平成元年度の決算検査報告において掲記されております事項につきましては、会計検査院の御指摘のとおりでありまして、誠に遺憾に存じております。 これらの指摘事項につきましては、鋭意改善に努め、今後このような御指摘を受けることのないよう一層努力をいたしたいと存じます。 以上をもちまして、労働省所管に属する一般会計及び特別会計の決算の説明を終わります。 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。 ………………………………… 平成元年度決算労働省についての決算の概要に関する主管局長の説明 会計検査院、 平成元年度労働省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項七件、意見を表示し又は処置を要求した事項一件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項一件であります。 まず、不当事項について御説明いたします。 検査報告番号一六三号は、労働保険の保険料の徴収に当たり、徴収額に過不足があったものであります。これは、事業主が提出した保険料の算定の基礎となる賃金の支払総額が事実と相違していたことなどにより、徴収額に過不足があったものであります。 検査報告番号一六四号は、雇用保険の失業給付金の支給が適正でなかったものであります。これは、失業給付金の受給者が再就職しておりますのに、失業給付金のうちの基本手当を支給していたり、事実と相違した再就職年月日を基に再就職手当を支給していたりして、給付の適正を欠いていたものであります。 検査報告番号一六五号は、雇用保険の特定求職者雇用開発助成金の支給が適正でなかったものであります。この助成金は、高年齢者等特定求職者の雇用機会の増大を図るため、特定求職者を公共職業安定所の紹介により雇用した事業主に対して、その者に支払った賃金の一部を助成するものでありますが、事業主が既に雇用している者を新たに雇用したこととしているなど、支給要件を欠いていたりなどしているのに助成金を支給しており、給付の適正を欠いていたものであります。 検査報告番号一六六号は、雇用保険の地域雇用開発助成金の支給が適正でなかったものであります。この助成金は、雇用機会が不足している地域の雇用開発を促進するため、施設等の設置・整備を行って当該地域に居住する求職者等を雇用した事業主に対して支給するもので、雇い入れた労働者に支払った賃金の一部を助成する地域雇用奨励金、施設等の設置・整備に要した費用と雇い入れた労働者数に応じて助成する地域雇用特別奨励金などから成っておりますが、事業主が既に雇用している者を新たに雇用したこととしているなど、支給要件を欠いていたりなどしているのに助成金を支給しており、給付の適正を欠いていたものであります。 検査報告番号一六七号は、労働者災害補償保険の療養の給付に要する診療費の支払が適正でなかったものであります。療養の給付は、業務上の事由又は通勤により負傷し又は発病した労働者に対して、医療機関において診察、薬剤の支給等を行うもので、都道府県労働基準局において医療機関からの診療費の請求を審査することになっておりますが、医療機関が診療費を誤って過大に算定して請求しているのに請求どおり支払っており、支払の適正を欠いていたものであります。 検査報告番号一六八号及び一六九号の二件は、職員の不正行為による損害が生じたものであります。一六八号は、三重労働基準局において労働保険料の納入督励及び収納の事務に従事していた労働事務官が、滞納事業主から直接現金等で収納した労働保険料の全部又は一部を領得していたものであり、一六九号は、尾道、三原両労働基準監督署において障害補償給付等の審査事務に従事していた労働事務官が、業務上の負傷による障害が発生したように装って障害補償一時金等を領得していたものであります。 次に、意見を表示し又は処置を要求した事項について御説明いたします。 これは、労働者災害補償保険の診療費の算定に関するものであります。 労働者災害補償保険の療養の給付に要した費用については、労働省において定めた労災診療費算定基準によって算定することになっておりますが、茨城労働基準局はか十七労働基準局では、この算定の基準のほかに同基準より割高な地域特掲料金をさらに設定し、これらにより労災診療費を算定しており、労災診療費算定の適正確保からみて適切でない事態が見受けられました。 したがいまして、労働省において、速やかに各労働基準局における労災診療費の算定の実態を調査したうえで、具体的な方策を指示するなどして地域特掲料金の解消を図るよう改善の処置を要求いたしたものであります。 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。 これは、雇用保険の地域雇用特別奨励金の支給に関するものであります。 この特別奨励金は、雇用機会が不足している地域内において、施設等の設置・整備を行って当該地域に居住する求職者等を雇用した事業主に対して、設置・整備に要した費用と雇い入れた労働者数に応じて助成するものでありますが、事業主が、建物の建設費等について申請した費用より低額で実施していたり、既に購入していた機械等を新たに購入したこととしているのに、申請どおりに支給している事態や、他の省庁の補助の対象となった建物の建設費や機械の購入費について、さらに特別奨励金の支給の対象としている事態が見受けられ、適切でないと認められましたので、当局の見解をただしましたところ、労働省では、支給要領を改正して、設置・整備に要した費用等の確認の方法について改めるとともに、他の省庁の補助の対象となった建物等について特別奨励金の対象にしないこととするなどの処置を講じたものでおります。 なお算検査報告に掲記いたしましたように、労働者災害補償保険の遺族補償年金等の受給資格者の認定について、昭和六十三年度決算検査報告に掲記いたしましたように、競走事業従事者に係る雇用保険の取扱い及び雇用保険の再就職手当の支給について、それぞれ意見を表示し又は処置を要求いたしましたが、これらに対する労働省の処置状況についても掲記いたしました。 以上をもって概要の説明を終わります。、以上のほか昭和六十二年度決
○貝沼委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。前田武志君。
○前田(武)委員 それでは、自由民主党から私質疑をさせていただきます。 まず、経済企画庁関係でございますが、船田長官、御就任おめでとうございます。先般来代表演説、経済報告等お聞きいたしながら、若い船田大臣が実現してはつらつとその抱負を述べておられる姿を見ながら、私はいよいよ二十一世紀、船田大臣のような世代の方々がこの日本の経済を引っ張っていかれるのだなという大きな期待をしたわけでございますが、まずは就任おめでとうございます。大いに御指導のほどをお願いする次第であります。 さて、私も実はこの委員会に向けてきのう最終で上京してまいったわけなのですが、御多分に漏れず、地元でずっといろいろな方々と懇談をしたり、あるいは集会を持ったりしてまいりました。そういう中で、むしろ地元の地域の方々の方がかえって現在の経済の状況というのは肌身に感じて知っておられるなという感じがいたしました。むしろ我々国会議員の方があるいはその辺のところがいささか敏感さに欠けたりして、とにかく切れ目のない予算を組んで早く景気浮上のためにしっかりやってくれという声が満ち満ちておるような次第であります。 例えば、私の地元は材木のメッカでございまして、木材、これは外材等の影響で非常に不況をきわめております。そういう中で、しかし、最近アジアの方はどんどん発展してきて、そちらの方で材木も買うものですから、いささかその木材が下げどまってきて若干の将来の見通しが出てきたのではないかというような話もされておりました。要するに、地域のちっちゃな地場産業の経済も、関西、そしてアジアの経済、そういったものの中で大きく発展し得るかどうかというものにかかってきた。 いわばふるさとの発展というものは、例えば私どもの場合でありますと、奈良県の経済は関西圏の経済の発展であり、それがまた発展するアジアのその先頭を切って関西経済がアジアの発展の中に大きくその主流としてやっていけるかどうか、そういったことで、地元の経済から、したがって結果としては世界の平和というものにまで一つの大きな筋で通じていくというような時代であるということをむしろ地元の方々から教えられたような感じでございます。 さて、そういう中で経済白書なども見せていただいておりますと、日本の経済のありよう、そういったことを踏まえて分析が行われているように思うわけであります。したがって、経済企画庁が主管するODAの問題にしても、そういった面から大きな意味合いも持つのだろうというふうに思います。 こういった中で、要するに日本が世界に大きな役割を持ち、しかも世界の平和発展の中にしか日本の経済の発展もないというような時代において、まさしく二十一世紀に向けて大きな活躍を期待しております船田長官、現在のこの経済状況をどう見、そしてまた生活大国を築いていくに当たってこれからどういったお考えでやろうとされているか、その御決意をお聞きする次第であります。
○船田国務大臣 前田委員にお答えをいたしたいと思います。 最初に、私の年が若いということも絡めて大変ありがたいお話をいただきましてありがとうございました。私としても、これは一つのめぐり合わせということもございまして、年齢ということだけで、それだけで評価が終わってしまうということではなくて、企画庁長官としてどういう仕事をしたか、あるいはしつつあるかというその中身で評価をいただけるような、早くそういう立場にならなければいかぬなということで今全力を尽くしておるわけでございまして、どうぞ今後とも御指導のほどをお願いいたしたいと思っております。 先ほど前田委員から御指摘のございました経済全般にわたる問題、特に生活大国という点、この点にお話が及んだわけでございますが、確かに戦後半世紀にわたって我が国の国民がたゆみない努力をしてきた。そして我が国の経済規模は世界でも有数のものになったわけでありますが、しかし同時に、その経済力というのが本当にその国民一人一人の生活に的確に反映をされているのかどうかという点については、やはりここはいろいろ議論の分かれるところでもございますし、なかなかそうは言いがたいという面もあるのではないかというふうに思っております。 また一方では、先ほどもお話をいただきましたけれども、我が国の国際的な地位の上昇ということに伴って、国際社会の中での我が国の責任とか我が国の役割、こういったこともますます増大をしているというふうな認識でございます。このもとで、政府としては昨年六月に御承知のように「生活大国五か年計画」ということを閣議決定いたしました。地球社会と共存する生活大国への変革、このようなキャッチフレーズでございまして、国民の経済の目標がより直接的に生活の質の向上に向けられるように、経済成長のあり方あるいはその成果をどう活用していくかということに対する考え方の転換を図るべきじゃないか、こういう提言がその中にあります。 生活大国、これは言葉の上で経済大国に対比するものとしての生活大国ということでの提示をいたしたわけでございますが、大国という言葉が果たしていいのか悪いのか、その議論は確かにございましたけれども、仮にこの生活大国ということを申し上げますと、それは国民一人一人が豊かさとゆとりを日々の生活の中で実感できるということ、あるいは多様な価値観を実現するための機会ということが国民にひとしく与えられるということ、さらには美しい生活環境のもとで簡素なライフスタイルが確立された社会であるということ、そういうことを目指しながら頑張っていきましょう、こういうことであろうと思います。 また、それは我が国だけが豊かな生活を目指すということではなくて、やはり地球社会と共存する、ある意味では一国平和主義と言われていたようなそういう従来の日本の態度あるいは立場というものから変わりまして、世界とともに生きる、そして地球社会と共存をする、そういう我が国の社会でなければならない、こういう大きな意識の変革を求めようともいたしているわけであります。 そしてことしは、その生活大国の実現に向けて本格的な第一歩を踏み出す年でございまして、企画庁としても今後ともこの生活大国に盛り込まれたさまざまな事項において全力を尽くしてその実現のために頑張っていきたい、このような気持ちでおりますので、ぜひ御協力、御理解のほどをお願いいたしたいと思っております。
○前田(武)委員 ただいま船田大臣から生活大国の考え方、理念といったものもお聞かせいただいたわけでございます。本国会冒頭における宮澤総理の施政方針演説においても、本年度が生活大国づくりのスタートであるといったような趣旨の御発言があったというふうに思うわけですが、今長官指摘のように、生活の質の向上であり、またこれは一人の人がライフサイクルの各ステージにおいて本当に幸せ感と生きがいを持って過ごしていけるような社会が生活大国であろう、こういうふうに思うわけでございますが、この生活大国を実際に具体附にどういう方向に向けてやっていくのか。 もちろんその場合には、日本の場合にはまだまだ社会資本のおくれというものが目立っておるわけでございますが、そういった具体的な社会資本の整備の目標と申しますか、そういったものをどういうふうに進めていき、それがどういったぐあいに生活大国実現の中で評価されていくのか、そういったところを含めまして御答弁をお願いいたします。
○船田国務大臣 「生活大国五か年計画」の具体的な施策ということでございますが、概括的に申し上げますと、例えば年間総労働時間千八百時間の達成、あるいは年収の五倍程度で住宅を取得できるような土地住宅対策の推進、あるいは利用者の視点に立った社会資本の整備、さらには女性が社会参加しやすいような環境の整備とか、あるいはよくゴールドプランと申し上げておりますが、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」、この推進などを挙げておりまして、各般の施策が推進されているところでございます。 特に、具体的に申し上げますと、まず労働時間ということについては着実にその短縮を図られておりまして、今後とも年間総労働時間千八百時間の達成という目標に向けて労使の積極的な取り組みが期待をされております。政府におきましても、この目標の達成に向けて、つい先ごろでございますが、労働基準法改正案が閣議決定をされました。いよいよ今国会に提出をされ、そして真剣な議論をしていただくわけでございますけれども、このことも大きなてこになるのではないか、こう理解をしております。 それから住宅土地対策についてでございますが、現在の地価は、御承知のように、大都市圏において勤労者世帯の平均年収の五倍程度を目安にした良質な住宅の取得が可能となるためにはまだなお若干高い水準にあって、政府としては土地税制の着実な実施、住宅宅地供給の促進など総合的な土地住宅対策を引き続き推進をしていかなければいかぬ、このように思っております。 また、三番目の社会資本の整備ということにつきましては、平成五年度の予算において、住宅や下水道、あるいは環境衛生、あるいは公園、そういうのも入ると思いますが、いわゆる生活関連分野に重点的に予算を配分したというところでございまして、今後とも生活に関連をした社会資本の整備に重点を置いてやってまいりたい、こんなふうに考えておるわけでございます。 今後も政府としては、今申し上げたものはごく二部でございますけれども、その他さまざまな指標を設定しておりまして、それに向けて生活大国の実現に向け全力を挙げていきたい、このように考えております。
○前田(武)委員 いささか時間が迫ってまいっておりますので、お答えの方は結構でございますが、そういった社会資本の整備という中で、今御指摘もありましたように、地域社会の均衡ある発展という視点を大いに留意されてひとつお願いしたいな、こういうふうに思います。 やがてサミット等もあることと思います。顔の見えない日本だとかいろいろ言われるわけでございますが、船田長官、ひとつ大いに張り切っていただいて、その明晰な分析と語り口、その若さで、ひとつ顔の見える日本の経済の発信をお願いする次第であります。 それでは次に労働大臣の方に御質問をさせていただきます。 まず最初に、村上労働大臣、御就任おめでとうございます。非常にパワフルな手腕で知られた労働大臣が、今、労働行政、労働政策の転機にひとつ大いに手腕を発揮していただきますように御期待を申し上げる次第であります。 特に私はいろいうな自民党内の部会で大臣の御発言等を共鳴しながら聞かせでいただいておりまして、大臣はいろいろなところで折に触れ、日本人の労働観と申しますか、長い歴史の中で培われてきた日本の勤勉性、それは日本人の文化の一つの根底をなすものであるといったようなお考え方であるというふうに受け取らせていただいております。 確かに西洋流の労働というのは禁断の木の実を食べたそのペナルティーとして課せられた労働という考え方でしょうが、我々日本人の中にある労働観というのは一ところで一生懸命働くという、天職と申しますか、そういった考え方があるわけでございまして、これはまさしく地球環境時代と言われるような中で世界の人々がお互いに調和し合って生きていくには一つの知恵のある考え方ではないかなというふうにも私は思うわけでございます。そういった意味で、ひとつ村上大臣の労働観等を踏まえて御所見、御決意をお聞きいたします。
○村上国務大臣 過分なお言葉を賜りましてありがとうございます。 私は労働大臣に就任いたしまして第一に考えましたことは、やはり今前田委員のおっしゃられました日本人の持つ勤勉かつ実直であり、またすぐれた創意工夫、そしてまた働くことをとうとぶ精神、こうしたものは資源の乏しい我が国の経済的発展に大きな力になってきた、こう思っております。こうした国民の勤労に対する伝統的な価値観を大切に、大事にしていかなければならない、それが今後の日本の持続的発展につながっていく、こうした考え方を私は基本に持っております。 そういうことで、この御指摘の日本人の持つ勤労の価値観というものを労働行政にどのように生かしていけばいいのかな、こうしたことを事務当局の皆さんにもひとつ大いに勉強してもらいたい、提言をしてもらいたい、こういうことを申し上げているわけであります。 いずれにいたしましても、この労働行政の基本は一人一人がその能力、天分を十二分に発揮できる、そうした行政、そして喜びと生きがいを感じつつ働く意欲を持てるような社会をつくることが重要であると考えて、そうした中で時短を進めていかなければならない、こういうふうに思っておりまして、その価値観をしゃ具体的にどうして政策的に反映していくのかということにつきましては、例えばこれは一つの例でございますけれども、つい先週、一つの提言をいただいたわけでありますが、働きがいと技能尊重に関する有識者懇談会、こうした懇談会等々で、日本人の持つ働く価値観、こうしたものがどこにあるのかどういうふうにしてこれを具体的な政策の中で反映していけばいいのか、こういうことで今鋭意その答えを出していこうとしておるところでございます。 以上であります。
○前田(武)委員 今大臣のお話を伺いながら意を強くしているわけでございますが、その中で、御指摘もありました時短のお話、今これが非常に大きな問題になっていることは御承知のとおりでありますが、しかし、これも業種別にいろいろ問題があると思います。 例えば建設労働関係であれば、これは発注の時期であったり、あるいは工期の制約であったり、いろいろな気象条件等いろいろなこともありまして、なかなか一概にはいかぬものがあります。各業種の中では、一番労働時間の長い分野の一つではないかなという感じがいたします。また、森林労働者のケース等も見られます。さらには、我が国の経済の一番の活力源になっている中小企業でございますが、雇用者の百人以下の中小企業の場合でありますと、週休二日を実現している割合が一〇%以下というふうに聞いております。これに比べて千人以上の大企業であれば、もう既に七五%以上が週休二日を実現している。 こういった中で、そういった非常に厳しい条件の分野においても、自主的な努力をされて時短を実現しようとされている分野がたくさんあるわけでございますが、そういった分野に対する支援と申しますか、労働省としてどういうような対応策を講じておられるか、お聞きいたします。
○村上国務大臣 業種別ということになるわけでありますが、建設業や中小企業については、確かに工期、発注、こうした条件に大きく左右されるわけでありまして、しかしながら、生活大国を実現するためには労働時間の短縮はぜひともこれはなし遂げていかなければならない。労働時間短縮の進めにくいこういった建設業や中小企業については、きめ細かな指導援助を行って進めていかなければならないということを私たちは非常に重要に考えております。 建設業については、業界を挙げて労働時間の短縮を進めるため、労働時間短縮指針を策定し、これに基づき発注時期の平準化や適正工期の確保を指導いたしております。 また、中小企業の労働時間短縮については、集団による取り組みが効果的であるため、同一の業種や地域の集団を対象に指導、援助を行っております。さらに、先日国会に提出いたしましたこの基準法等の改正案により、労働時間の短縮に取り組む中小企業に対する助成制度をつくることにいたしておりまして、今後こうした助成制度の活用を図るなど、労働時間の短縮に対する全面的な支援に全力を挙げてまいりたい、こう思っております。
○前田(武)委員 労働時間の短縮を実現していく過程で、当然自由時間等が生じてくるわけでございますが、これこそ生活大国、生きがい大国の一番の原資になるものではないかなというふうに思うわけでございます。少しでもそういった時間、自由時間を生み出すと、それぞれの方々がそれぞれの自分の人生の目的に照らし、あるいはそういった価値観に照らして、生きがいある人生を実現していかれると思います。ボランティア活動であったり、あるいは地域社会においていろいろと地域社会発展のために役割を負うとか、いろいろあると思います。 そういった面について、労働省としてどのような支援といいますか、いろいろ職業訓練あるいは生涯教育的なことも含めてになってくると思いますが、どういうような考えをお持ちであるか、お聞きいたします。
○若林政府委員 ただいま先生御指摘ございましたように、自由時間がふえてまいりますので、職場、家庭、地域、こういったそれぞれの場で充実した、バランスのとれた豊かな勤労者生活を送っていくことが大切でございまして、そういった点で行政としては環境整備を図っていくことが役割であるというふうに考えておるわけでございますが、これまでもこういった考えに立ちまして、そういう勤労者が自由時間に活動を行うことがしゃすいように、いこいの村でございますとか、あるいは体育施設、あるいは勤労者福祉センター、そういったものの整備を進めてまいっております。特に若い方のためには、若い方がそういうような活動を行います場といたしまして、全国に勤労青少年ホームというのがございますが、こういったものの整備も進めてまいっているわけでございます。 今後はさらに平成五年度、ただいま先生御指摘ございましたようなボランティア活動でございますけれども、これも大変に重要なものであろうと思っております。私ども、ボランティア休暇制度の普及促進、勤労者のボランティア活動等に関する情報の収集、提供、相談等を行います勤労者ボランティアセンター、仮称でございますが、こういったものを開設いたしまして、そういった活動を支援していきたい、環境整備を進めていきたいというふうに考えておるところでございます。
○前田(武)委員 こうやってそれぞれが時短も実現し、いろいろな場面で活躍もしていただく、また、経済社会の構造の複雑化、高度化に従って職種もいろいろとふえていくわけでございますから、そういった中での予期せざる災害等も含めまして、労働行政がきめ細かな支援をしていく分野はますます広がっていくことであろうと思います。 そこで、若干私どもの地場産業にも関係することで御質問をさせていただきます。 配置売薬というのがございます。越中富山の万金丹と言えば皆さん御承知いただけるかなと思いますが、置き薬でございますね。これはずっと昔からの日本の伝統産業であると同時に、戸別に訪問して、そして配置者、これは人生の経験者であり、また、もちろん医薬品の専門家でございます。核家族化したようなお宅ですと、若い奥さんが子供がむずかる、こうやったらいいんですよ、この薬飲みなさい、そういった全人格的なコミュニケーションの中でお薬を販売していくやり方でございまして、これは言ってみれば古くて新しいやり方であり、セルフメディケーションを実現しているわけでございます。 そこで、この業界というのは、かつては交通不便のころは故郷から出先の拠点、定宿みたいなものがございまして、そこにずっと逗留してその地域に薬を販売した、置き薬をやった、盆と正月ぐらいに帰ってくる、こういうシステムでありました。しかし、最近は交通が便利になりましたものですから、しょっちゅう拠点と車に乗って行き来をしております。 ところで、この労災保険がかつての古い業態に対しての対応になっておりまして、拠点から先に販売するときには労災の適用がきいております。しかし、故郷からその拠点に行く、あるいはその拠点の定宿からまた地元へ戻ってくる、その間については適用されておりません。これはもう、こういうような実態を踏まえると、そうやって遠く離れて販売活動を行う配置業者の御家族から見ると非常に不安なことでございますから、これはやはり現在の状況に対してはいささか手落ちではないかなというふうに考える次第でございまして、ひとつ労働省側の御対応をお願いする次第であります。
○石岡政府委員 医薬品の配置販売業の労災保険の特別加入者の場合、先生御指摘のとおり、故郷の自宅から旅先の拠点の定宿への移動等の途上で発生しました災害の取り扱いにつきましては現在非常に不明確になっております。しかしながら、一般労働者の場合につきましては、赴任途上あるいはまた単身赴任者などが自宅への往復途上に発生した災害につきましては平成三年二月から労災保険の補償の対象にいたしております。そういうバランスから考えましても、医薬品の配置販売業の特別加入者につきましても、御指摘のようなケースにつきまして労災保険の保護の対象とする方向で検討いたしまして、なるべく早くその方針を明らかにしたいと考えております。
○前田(武)委員 最後に、私は、こういった非常に高度化してきた、しかも価値観が多様化する社会の中で高齢化社会が進むわけでございますから、結局は、一人一人がその心臓が閉じるときまで自分は生きがいを持って生きたなというようなそういう社会が実現されればそれがすなわち生活大国、生きがい大国だろうと思います。 例えば福祉関係——これはもう本当に労働力も二十一世紀初頭にピークを迎えて落ちていくわけでございます。これはもう人口動態からいっても必至のことでありますが、そういう中で福祉関係はますます福祉にかかわる人材が必要になってくる分野でございまして、そういう中に、例えば六十歳定年を迎えて第一線を終えた人たちの能力、そして生きがいを実現させるような形も可能でございましょうし、また子育て後の御婦人方のパワーを生かすことも可能でございましょう。そういった意味で、それぞれの各個人個人のライフステージに合った役割をいかに、心臓を閉じるまでと言っちゃいかぬかもわかりませんが、大臣の御指摘の労働に対する価値観をお持ちの方々に対してそういった役割をいかに用意をしていくかといったようなことも生活大国実現のためには非常に大きな課題であろうかというふうに思う次第でございます。 最後に、その辺のことも含めまして大臣のお考え、御決意をお願いいたします。
○村上国務大臣 生活大国の実現に向けまして、おっしゃられますように働く人一人一人が我が国の経済的地位にふさわしい働きがいとゆとりのある、そして今お話しのように、目を閉じますときに本当にすばらしい国で生まれてよかったな、おれの人生はこれでもう何も言うことはないよと言えるような、そうした働きがいとゆとりのある生活を送っていただくことだ、こう思っております。そうした方向に労働行政を進めてまいりたい。 その一つといたしましての大きな柱であります労基法改正、労働時間の短縮、そして安全の確保等健康で快適な職場づくり、総合的なパートタイム対策、そしてまた女性や高齢者の方々が生き生きと活躍できる環境づくりなどの施策の推進に全力を挙げてまいりたいと考えております。とにかく今まで、私もそうでありますけれども、どちらかというと時間に追われた生活、これはまあ国会議員のさがとでも申しましょうか、特にそういう感を深くするわけでありますが、しかし、時間に追っかけられるのではなくして時間を追うような、そうしたゆとりを持つという、そうしたことでこの時短という一つの哲学的なそういうものを出せれば、こう思っております。 しかし、実際、生活大国といいましても、まず一般、これはまあ都市周辺でございますけれども、朝通勤時間が二時間、二時間半、まだまだ霜のおりているうちに家を出て、そして電車に乗れば満員電車、会社に着いたときにはもうくたくたになっている。こういうことで果たして生活大国とその実感が味わえるのか。こうしたこと等々、やはりこれからの大きな課題だと思っております。 そしてまた、この時短によって生まれてくる時間、この時間をどういうふうにして使っていくのか。今、先ほどのお話にございました。これはそれぞれの人生観がおありでしょう。しかし、政治という立場に帰ったときには、やはり安くて安易に、安易といいましょうか容易にいろいろな施設が利用できるという、余暇貧乏になってはこれは意味がないことでございますので、そうした余暇施設の整備にも取り組んでいく必要がある、このように考えております。 大臣の考え方を述べろといえば、どちらかといえば総花的にずらずらずらっと今のようなお話を申し上げる、これを一つずつ具体化していくということは今後なかなか大変なことだと思いますけれども、しかしそれに向かって労働省挙げて頑張ってまいりたいと思っておりますので、どうぞひとつ御支援、お力添えを願いたいと思います。
○前田(武)委員 終わります。
○貝沼委員長 小森龍邦君。
○小森委員 私は、労働大臣、そして経済企画庁長官に本日御質問を申し上げたいと思っておりますが、その前に一つだけこの決算委員会の委員長にお尋ねをしておきたいと思うのですが、現在審査をいたしておりますものは一九八九年、平成元年にかかわるところをやっておるわけでありまして、これはもう地方議会なんかであると考えられない国会のルーズさである、こういうように思っておるわけでありまして、決算委員会というものがあり、しかも現実に決算というものをやらねばならないということになっておるとすれば、物事は間に合うようにやらなければいかぬ、こう思いますので、格段の努力を決算委員長にお願いをい たしまして、速やかに決算審査が進んでいくような、そういうことをひとつお願いしておきたいと思います。 ついては、新しくなられた決算委員長でございまして、決算委員長、どういう考え方でその職におつきになっておられるかということをちょっとお尋ねしたいと思います。
○貝沼委員長 ただいまの小森委員の御発言、決算委員会の格段の努力と速やかな促進ということだと私受け取っておりますが、考え方は全く同感でございますので、そういう趣旨で進めてまいりたいと思っております。
○小森委員 繰り返すことを避けたいと思いますけれども、ぜひひとつ速やかに審査が進むように努力をしていただきたいと思います。特に決算委員会の回を重ねるということが大事でありますので、国会の全体の日程をにらみながら、あわせてまた決算委員会が本当に機能しようと思うと閉会中の審査を具体的に進めていくということも一つの案ではないかと思いますし、どうぞひとつ委員長の方で十分な配慮をお願いをしておきたいと思います。 それでは、本論へ入らしていただきたいと思います。 まず、労働省の方にお尋ねをしたいと思います。余り私は細かい事件について、その事実の分析ということは時間の関係でできないと思いますから、まず労働大臣にお尋ねをしたいと思いますことは、この間、東京都の江東区塩浜付近での水道管の敷設工事におきまして、青森県あたりから働きに出ておられた方が労働災害を受けて死亡をされました。このことについて、先ほど来あるべき我が国の労働条件というようなことについても抱負を述べられておりましたが、かかる事件が起きるということは、労働省の行政として一般的に災害が起きるということももちろんこれは大問題なのでありますが、よくよく見ておるとそういう危険なところは出稼ぎ労働者が立ち振る舞いをしておるという現状だと思いますので、その点について労働大臣はどういう見解をお持ちでしょうか。
○村上国務大臣 まことに痛ましいことだと思っております。以前から、いろいろ災害が発生いたしますとその被害者はほとんどが今おっしゃいましたような孫請の方々、そういうことを常々私も思っております。 今日労働大臣という立場でございますが、先般もこの江東区の建設工事の爆発事故、私が報告を受けましたのは真夜中でございまして、そして翌朝、政府委員室に参りまして、どういう状況になっているのか直ちに聞きました。しかし、まだ被害者の救出ができていない、随分時間が手間取っておる、こう思って、私も現地へすぐ行きたい、現地の状況を見たい、こう思っておりましたが、午前中は国会日程で、午後十二時半に役所を出まして、その間救出できればいいがなと思っておりましたが、救出したという連絡は受けませんでしたので、十二時半に現場へ参ったわけであります。坑内に入りまして、送電がされております酸素がありますところまで、その現場は救援するための消防の皆さん方が二十人くらい、ちょうど切り羽の二百メーター、百五十メーター手前くらいのところでございましたが、そこまで行きまして現場をつぶさに見てまいりました。 そういうこともありまして、私も非常にこうした災害について注意を払っておりましたし、そして一体どこにこうした原因があるのだろう、そういうこともありまして、去る十八日に、これも労働省といたしましては異例なことでございましたが、建設業界大手二十三社の最高幹部の方に来ていただきまして、私は私なりに、どうして災害が起きるのかという原因につきまして考えておるところを二十三社の最高幹部の皆さん方に、こういうところに原因があるのじゃないか、それに対して皆さん方の御意見があればひとつ聞かせてくれという会合を持ちました。 そのこういうところにということについて多少一つ一つ列挙してみますと、孫請が常に犠牲になるということ。元請から一次、二次、また三次、孫請、こういう仕事の流れそれ自体にメスを入れなければならないのじゃないだろうか。ということは、下請の重層化が行われるほど元請と末端の下請との関係が薄くなり、元請の現場作業者への責任意識が希薄になっているのじゃないのか、そういうことを申し上げました。 そしてまた、元請のつくる施工計画が下請の行う作業まで十分配慮したものとなっていないのではないか。それから、現場全体の安全管理が十分にできる能力を持っている技術者が配置されていないのではないか。また、現場の土質、それから水がわいて出ますね、そういうような状況を一日見て把握する能力、そしてまた、そのような変化に応じて即座に仕事の段取り等ができるような技術者が少なくなっているのではないか。また、その養成が十分でないのではないか。 また、ガス爆発、異常出水などの緊急時に十分な対応のできる職員が必要数配置されていないのではないか。また、作業員全体に対する安全衛生教育が徹底されていないのではないか。緊急時の避難等についての日ごろの訓練、繰り返しが十分に行われていない。下請との請負契約に下請において必要な安全対策が行われるような経費が十分含まれていないものとなっているのではないか。作業に熟練していない出稼ぎ労働者について必要な最低限度の教育訓練が行われていないのではないかというような問題を指摘をいたしました。 そして、私は、その抜本的解決に万全を期すよう指示するとともに、労働省の中においても、こうした下請労働者の労働災害を防止するためにどのような具体的な監督を行えばいいのか、管理を行えばいいのか、対策を行えばいいのかそうしたことについてプロジェクトチームをつくって早急にその検討をするように申し渡したところでございます。 そして、とにかく元請の孫請、下請に対する責任感をまず持ってもらうことが大事なことだ。これは建設省といろいろ相談しなければならぬ部分がありますけれども、孫請に対する元請の責任意識というものが非常に希薄である。ならば、せいぜい一次下請程度で仕事が責任を持ってできるようなことをしないと、こんなことを申し上げますと非常に問題を起こすかもわかりませんが、元請を受けて下請で、そこにまた利益が出てくる、利益を出すというよりも下請からはねるわけですから。そして、二次、三次、四次となれば、これはいろいろな面において問題が起きてくるのは当たり前だ。そこらあたりにメスを入れる必要がある、こういうふうに私は思っております。
○小森委員 労働大臣、かなり的確に物をつかまれておられまして、私の言いたいと思っておったこともかなり分析をされておるわけであります。 二月二日の読売新聞の夕刊でありますが、見出しが端的に現在の我が国の労働市場といいますか、元請と下請、さらに孫請、さらにひ孫請というような感じのこととあわせて、我が国の農村の今日の農業の荒廃といいますか、百姓仕事をしたのではとても食っていけないというような関係もありまして、ここに「またも出稼ぎの悲劇」、つまり出稼ぎをするということは家族と別れて働くということだし、それ自体が大変な不正常なことで、豊かな暮らしということが実感できる生活大国だなどというようなことはお義理にも言えないと私は思うのでありますが、宮澤総理はなかなか口の先ではうまいこと言っておりますけれども、実際、現実はこういう形で起きてきておるわけでありますから、ひとつ建設大臣ともよくコンセンサスを図っていただいて、少なくともこういう災害が起きないような努力というものを具体的な政策として進めていただきたい、かように思います。 そこで、この事件の内容について、余り詳しくは掘り下げられないと思うのですけれども、現場にガスが充満をしてきて危険になるということを示すメーター器のところに制御装置を見ておらねばならなかった人がいなかったというようなことも新聞に出ておるのでありますが、この工事の具体的な状況では、制御装置を監視する人というのは、そのときにその場にいなかったというその人は、元請の人なのですかそれとも下請の人なのですか、その点は把握されておるのでしょうか。
○石岡政府委員 先般起きました江東区の爆発災害のケースにつきましては、元請がメーターを使いましてガスの発生等を監視するという責務を負っていたと聞いております。 しかしながら、事故発生当時の模様につきましては現在鋭意調査中でございまして、調査結果を待ってお答えを申し上げたいと思います。
○小森委員 こういうところが大変ポイントになるわけで、本来なら災害対策などについては元請が万全を期さねばならぬということが常識だと私は思うのだけれども、労働省当局におかれて、表向きは元請が制御盤というものをじっと監視しながらしか谷へき指示を一番突先の現場へ出すというのが本当だと思うのですけれども、この現場においては、その日、本来だれがいなければならなかったのか、それは私はここの場で名前を特定する必要はないと思いますが、あの現場では制御盤を下請に見させておったのか元請に見させておったのかこの程度くらいはもう相当たつのですから把握されておるのじゃないかと私は思うのですが、いかがですか。
○村上国務大臣 今基準局長は調査中と申しました。私はいろいろ、これは鹿島、熊谷、鴻池三社のジョイントでございまして、この三社の責任者が大臣室に参りましたときにこの点をお尋ねいたしました。このときのお話では、ちゃんと元請の社員がそこにいた、元請の社員だったというふうに聞いておりますが、なお今、私のところへ監督署の方から詳細にわたって報告をいただくようになっております。 また、御質問ではございませんけれども、例えば、この事故に遭った方たちの稼働日数、十分に休暇がとれてなかったのじゃないかということをも私は懸念をいたしましたので、この下請に入ってからの事故に遭われた五名の方の稼働日数の出勤表も出していただきました。そういったところにも、気のついたところについては指示をいたしてこの原因究明に当たっておる、こういうことでございます。
○小森委員 この制御室を離れだということが新聞に報道されておるわけですが、これは大臣、どちらにしても、当時下請の関係者が制御盤を監視する立場にたまたま割り当てられておったとしても、それはまたそれなりに元請の責任が出てくるわけですね。そういう安全のことに関してちゃんとした元請がしかるべき責任をとらにゃならぬじゃないかという問題があるのですが、元請の社員を配置しておりながらそこにいなかったということは、これはまた大変な大きな問題でしょう。要するに、それだけ下請とか孫請とかひ孫請の関係の労働者の権利というか人間のとうとさというか、そういうものを無視しておる、こういう状況だと思いますので、そこはひとつ今後の問題としても労働省は厳格な態度で臨んでいただきたいということを申し上げておきたいと思います。 それで、まあ大臣も的確に理解をされておりますから多少屋上屋になるかと思いますけれども、広島がアジア・オリンピックの会場になりますので、今交通システムの大々的な工事が行われておりまして、広島新交通システムというのでありますが、二年ほど前にそこの工事中の鉄製の橋げたが、何十トンという重みの橋げたが落ちまして、下を通行中の自動車十台ほどがぺしゃんこになって、自動車に乗っておった者はもう即死状態になった。そしてその橋げたが落ちたことによって工事現場で働いておった者が何人か振り落とされて、死んだ者もおり大けがをした者もおる。そして注目すべきことは、その中に、労働基準法で禁止されておると思いますけれども、十六歳の少年がそういう高いところへ上がってとび職の仕事をしておった。これも振り落とされて、これは重傷であったのですけれども、そういうような事態が起きておりますが、私が調べてみたらこれとてもひ孫請なのであります。下請、孫請、ひ孫請なのであります。 つまり、日本の産業の構造というのは、こういう建設事業のみならず自動車産業だって皆そうでありますけれども、何もかにも下請、こういう構造になっておるわけで、つまり因果的な関連性といいますか、そこのところは労働大臣はよく考えて、我が国の労働市場というものを本当に人権が守られるような、命が守られるような仕掛けに持っていってもらわないと、こういうことは次から次へ口まねをするように起きてくると私は思います。そういう点で再度労働大臣の決意のほどをお伺いしたい。 と同時に、この際、経済企画庁長官、これは我が国の経済のシステムの問題でもありますから、日本の経済をどうするだこうするだといったところで、例えば今回の出稼ぎ労働者の村は青森県の森田村という村なんでありますけれども、毎年五百人も六百人も村から出稼ぎ労働者が関西とか関東へ出てくる、そうしなければ農村の経済が成り立たないという状況なんでありますから、日本の産業構造の根本の問題でもあろうと私は思うのです。そういう点については、経済企画庁長官、どういう所見を持っておられるかお尋ねしたいと思います。
○村上国務大臣 私もその点を、今回の事故、また今広島、この前の秋葉原もそうですね、みんな元請の社員というのは、まあ元請の社員が事故に遭えばそれでいいということじゃありませんけれども、しかし、ほとんどがそういう孫請の方々でございます。ですから、先ほども申し上げましたように、やっぱり建設業界、下請を使わなきゃならぬというこの実態は認めるといたしましても、せいぜい元請と一次下請ぐらいで仕事をやっていく、孫請やこういう季節の労働者、こうした方々はそうした孫請という形ではなくしてせいぜい第一次下請の管理体制の中で身分を保障していくという、そうしたあり方というものは検討できないのか、私はそう思っております。 それから、先ほどおっしゃいましたように、一つの事業体をジョイントでやり、そして第一次、第二次孫請、さらにはひ孫請のようなことでやりますと、結局最終末端の安全に必要な予算なんというのは恐らく出てこないのじゃないか。出てこないということは必要な人員をカットしていく。今言いましたように、地上にあるメーターを常に監視しなければならない、だからここにだれか常におればという、これは仮定になるわけでありますけれども、発見ができたんじゃないか、早くそれを予知できたんじゃないか、連絡できたんじゃないか。その人件費は余り切り詰めるから出てこないのだという考え、憶測も出てくる。そうしたことからいっても、こういう三重、四重構造のあり方というものには、私はそこまでメスを入れなければ災害はなくならない、こう信じております。 ですから、そういう面については建設省とも十分話し合いをする、そして、これが同じ企業体の中で、三年未満に二度もこういう死者を出す事故を起こすという企業に対しては指名の停止の期間のあり方、こういうところまでやはり厳密に、厳格に考えていく必要もある、こういうふうに私は思っております。
○船田国務大臣 小森委員にお答えいたします。 個々の事故あるいは問題点、この点につきましては労働省あるいは労働大臣から詳しく御答弁を申し上げておる状況でございますが、一般論として、私としても国の経済運営を預かる一人といたしまして、経済の発展の中でやはり出稼ぎ労働者の存在、あるいは下請、さらには孫請、ひ孫請という御指摘もございましたけれども、そのような問題点があるということは私どもも十分認識をしているわけでございます。 しかし、経済の発展を図るということは、同時にまたもう一つの重要な観点として、経済の発展なりあるいは経済活動の成果というものがすべての人々に享受されなければいけない、やはりしわ寄せというものがあってはいけないのだということを非常に強く私自身痛感をしているわけでありまして、経済の発展なりあるいは経済活動の成果というものがすべての人々に及ぶような施策を今後とも政府挙げて取り組んでいかなければいけない。経済企画庁としても、その観点を決して忘れずに努力をしていかなければいけないな、こういう気持ちを持っておるわけでございます。
○小森委員 先ほど来熱を込めて労働大臣も答弁をなさっておるわけで、少しでもお話しになったような形に近づけていただかなければいかぬ、こう思います。しかしながら、私の見たところでは、なかなか簡単にそれが是正される方向にいくかどうかというと、これは建設業はもちろんのことでありますが、その他の産業におきましても大企業というものががんじがらめに中小企業の分野というものを排除して自分の傘下に入れていく、自分の下請構造の中に入れていく、こういうことになっておるわけです。 きょうは、建設省の関係者もおいでをいただけばよかったんですけれども、私も余り論議の窓口を広げてはいかぬと思いましたから、私は建設省など出席の要請はしなかったのですけれども、特に経済企画庁長官、その構造を破らなかったら、これは豊かな生活だとか生活大国だと言うたところで、それは知らぬ人間が物を言いよるにすぎないのであります。宮澤総理なんか物を知らずに言いよるんでないかと思うのですね。 もし本当にこれをやるんなら、下請ができる仕事をなぜ元請を通して国家はやらせるのか、公共の工事を下請ができる仕事をなぜやらせるのか。せいぜいメリットは何かいったら、入札のときの仕様書ですね。工事明細の仕様書を一つでとじられるかあるいは分割するかだけのものでしょう。いや、それは国会い工場になったらいかぬなんて言ったら、ジョイント自体がいかぬじゃないですか。そうでしょう。これは私ははっきり言っておきますけれども、ジョイントというのは、建設業の場合は特に大企業の談合をするための便宜上、全部一人が取れば分け分、取り分が少なくなるから、円滑に業者が仕事をどうするという話ができるためのジョイントだと私は思いますよ。 もともとジョイントというのは大企業と中小企業を組まして中小企業を育成するというところにあったと思うのです。ところが今は全然そうじゃない。そこのところを余り掘り下げるということもできませんけれども、企画庁長官、あなたは日本の経済の構造というものをそこに一つ焦点を絞って見直されなければ、日本の経済とか経済を基盤にして成り立つ文化とかというようなものが大変いびつなものに定着してしまうと思いますよ。そういう点で、もう一度経済企画庁長官、特に私が力説をする我が国経済の二重構造といいますか重層構造といいますか、そういうものを少なくとも政府側は是認をしてやらしておる、こういうように思いますが、その点はどうでしょうか。
○船田国務大臣 お答えいたします。 ただいまの小森委員から御指摘をいただいた経済の二重構造という問題でございます。これはたしか一九六五年の同対審の答申の中にもこの指摘があったかと思っております。私ども政府としても、この同対審の答申を受けまして、同和問題というのはまさに我が国の憲法に保障された基本的な人権にかかわる課題であるというふうに考えておりますが、その中での経済の二重構造という御指摘でありました。 この問題につきましては、その後のさまざまな取り組みにおきまして、その二重構造が仮にもしあったとしても、その格差はだんだん是正をされる方向ではあると思いますが、また同時に、まだ十分にその二重構造のような、あるいはそれによってあらわされるさまざまな社会現象とかあるいは問題点とか、そういったものがまだまだ是正をされない、そういう部分もあると私は理解をしておりますので、その点について、先ほどJVの建設工事のあり方とか元請と下請とのあり方とか、そういう御指摘もいただいたわけでございます。 その点、建設省が確かに所管ではあるわけでございますが、これは企画庁としてもやはり経済の大きな、また重要な一角をなすものでございますので、この点につきましても相談をしながら、より御指摘をいただいた観点に立って問題のないような状況をつくり出していかなければいけない、このように理解をしております。
○小森委員 経済の二重構造という問題については、既に一九五七年の経済白書で政府みずからが指摘をしておるわけですね。昭和三十二年、一九五七年の経済白書にあるわけです。このときに基調というか物の考え方を読んでみると、そういう二重構造で急速に拡大再生産を図っていくということは、それは拡大再生産が図れるというのは、低賃金で無権利な労働力を意のままに使うことができるという条件のもとでいわゆる資本の蓄積がどんどん進んでいったということなんでありますが、一九五七年の経済白書では、それはあんまり早まったことをやり過ぎるという意味の、経済というものはもう少し堅実な歩みをさせなきゃならぬというようなことが書いてあるわけです。 しかし、それ以後の我が国の状況というものは、政治家が業界に押されるのかあるいは政治家が逆に業界の機嫌をとって選挙基盤を強化するのか、まあ私は相互作用だと思いますけれども、そういうものがあって我が国の経済の二重構造というのはなかなか是正できない。時間があったら十分に議論をしたいと思うのですけれども、また別に機会を私はとりたいと思いますけれども、日米の構造協議というのを、アメリカ自体は二重構造という言葉を使ってないですけれども、あそこで指摘しておる二百何項目は、ほとんど二重構造にかかわって日本に対してアンフェアだと言っているのです。アメリカがなぜ貿易収支がああいう形になって日本に対して大変大きな赤字が累積するのかということは、日本の経済の、要するに大企業にとってはまことに得手勝手な労働市場の支配というものがあってそうなっていると思うのです。 この経済白書では、大企業の労働者の賃金を仮に一〇〇とすれば中小企業は五〇だ、零細企業は四〇だ。同じ旋盤を使って同じように自動車の部品をつくっても、三人か五人かで家内労働力を中心にやっておるところでは労働力は四〇にしか見積もられないが、大企業でやる場合には一〇〇の賃金が払われる。これで、いびつな形で国際貿易の帳じりを合わせておると私は思うのですが、そこのところを本当に企画庁長官、あなたにわかってもらわないと、幾ら表向き日米協調だといったところで、最終的には協調も何もできぬようになってしまうと思うのです。 そして、日本の働く者の権利がそれで守れるのかといえば、先ほどのような災害が続出をして守れない。災害を受けないまでも、一家は崩壊の寸前にある。何のためにこの世に生まれてきたのか、妻と子供と別れて働かなければ妻や子供を養うことができない、それでは私は全然だめだと思いますから、その点をひとつよくお考えをいただきたいと思うのです。 先ほど企画庁長官が例示をされました例の同和対策審議会の答申は、昭和三十二年、一九五七年の経済白書が出てから後、一九六五年ですからね、同和対策審議会の答申は。七年たったときに、部落差別の原因が経済の二重構造だと言っておるんです。今お話がございましたけれども、企画庁長官はそういう受けとめ方をされてますか、どうですか。部落差別というと、例えば我が国における労働市場に例をとってみたら、大変な無権利、低賃金の労働者群というか、都合のいいときだけ働かしてもらえるんですから労働者群とも言えないですね。じゃ潜在的な失業者というのか、これは学問的になかなか規定しにくいような労働市場に操られておる。私は部落解放同盟の中央本部の書記長ですから、以前からそういう問題については、どういう呼び方がよいか、失業者と言うたところで、一度も正式に職についたことがない、それを失業者とはなかなか言いにくい。だから、学問的な言葉で表現する概念さえなかなか見つからぬような状況にあるんですね。 そこで申し上げますが、先ほどの東京江東区の問題も話題に出しました。そして、広島新交通システムの問題も出しました。大臣の方から、逆にほかの例も出されました。こういう事実があるということを両大臣に聞いておいてもらいたいと思うのは、例えば新潟県の神林村という村があります。これは同和地区として指定するとかせぬとかいって騒動して、裁判して、指定しなければいかぬじゃないかという意味の判決が出たけれども、政府はいまだにほったらかしにしておるわけですね。新潟地裁でそういう判決が出たけれどもほったらかしにして、同和対策の制度を適用してないわな。 その神林村に私が行ったときに、新潟空港まで現地の役員が送ってくれたときに、自動車の中で話すのに、小森書記長、もう考えたら残念で残念でかなわぬ、農村一般が出稼ぎ労働に出るが、出稼ぎの中でも最も危険なところで働かざるを得ないから、このわずか百十世帯ほどの小さな村で、もう死んだ人とか大けがをして労働にたえられぬようになった人が十指に余ると言うんですよ、百十世帯で。だから、最底辺の労働市場を支えているということが言えるでしょう。こういう現状にあるということを、あなたが今回対審答申ということを出して答弁されたが、理解をされた上で言われておるのかどうか、もう一度お尋ねをしたいと思います。
○船田国務大臣 先ほどの、これは一九六五年同和対策審議会答申で言及をされたわけであります。もう御承知と思いますけれども、本文を若干私ももう一度読ませていただきますと、我が国の産業経済は二重構造と言われる構造的特質を持っており、その特質がそのまま社会構造に反映をしている。また、我が国の社会は、一面では近代的な市民社会の性格を持っているが、他面では、前近代的な身分社会の性格を持っている。さらには、精神、文化の分野でも昔ながらの迷信、非合理的な偏見、前時代的な意識などが根強く生き残っているというふうに指摘をされておりまして、続けまして「このようなわが国の社会、経済、文化体制こそ、同和問題を存続させ、部落差別を支えている歴史的社会的根拠である。」こういう認識をこの時点でお示しをいただいているわけであります。 私自身としても、この二重構造、特に経済の二重構造という問題が人々の意識の、差別意識といいますか、そういったものにも反映をし、あるいはそのことが精神や文化の分野においてまで規定をされてしまっている、この点につきましては、私ども非常に大きな問題である、このように認識をしております。その根源の二重構造というものをなくしていこう、こういうことで、もちろん同対審の答申を受けたその後の三たびにわたる対策の法律も施行されてまいりました。また、我が国の経済運営の中においても、そのような二重構造というような状況、これをとにかく格差をなくしていこうということがやはり一つの大きな目的ではなかったかというふうに思っております。 最近に至りましてかなりその格差の状況も以前よりは解消されつつある、このように感じておりますけれども、しかし同時に、まだまだ解消されていない部分、あるいは意識的、あるいは精神的に問題の残っている、そういう点があるということもこれまた事実でございますので、そのような問題が根本的に解決をされるように私としても全力を尽くしていきたい、このように思っております。
○小森委員 そういう経済の二重構造というものが人間の精神、文化に反映をして、物の考え方を規定しておるということを同対審答申が分析しておるわけですが、労働大臣、この点はいかがですか。仮にあなたがあの現場にもし——ちょっと視察に行かれたようでありますが、災害がないときに仮にあなたが、あの二十六メートルも地下へ入って穴を掘っておるというところに、それはあなたでなくてもあるいは鹿島組の社長がヘルメットをかぶって入るというときに、普通として制御装置の目を離すでしょうかな。ここが結局二重構造と人間の精神状況との関係なんですよ。下請労働者だったから目を離しておったのでしょう。そういうことがおわかりかどうか。今企画庁長官が大事なところをお読みになりましたので、その点を今度は労働大臣に答えてもらいますが、そこが一番問題だということを私は言うのです。どうでしょうか。もしあなただったら恐らくそれは制御盤を目を離さぬと私は思いますが、どうでしょうか。
○村上国務大臣 それは鹿島の社長であれ、現在切り羽で作業をやっておるわけですから、あの地上の詰所を留守にするということは、これはあっちゃいかぬことだ、私はこう思っております。たまたま現地に行きまして説明を聞いたときに、きょうのあれは二交代でやっていたそうでありますが、二番方の作業は、きょうの作業が終了したということの連絡を受けて、地上にいた詰所からその担当者が坑内へ入っていった。たまたまそういうことがあったという、このように現状を聞いておりますが、だから私は、逆にそこに問題がある。結局予算を切り詰めていくために、いなきゃならない人員配置をそこで怠っていたのじゃないか、こういうところに問題があるのかな。 それと、同対審の答申の中で、同和問題を一日も早く解決すべきである、こういう答申の精神を受け継ぎながら、国・地方、国民が一体となってこの取り組みに努力することが重要であろう、私はこう思っておりますし、それからまた私も出身が福岡県の田川でございます。そして、かって私が政治の師としてお仕えした、総務庁長官で中曽根内閣のときに現大臣、閣僚の現職のときに、烈死といいましょうか、がんとの闘いの中で亡くなられた玉置和郎先生が和歌山の御坊でございまして、私はそれなりにこの実態は十分他の議員の皆さんよりも知っておるつもりでございます。 こうしたことからいきまして、労働行政の中でこの格差をなくしていかなければならないし、そしてまた就職の機会均等を確保していかなきゃならない、こういうこと等々思いながら、企業トップクラスに対するこうしたことについての充実を図るための啓蒙を一層強化していかなければならない、こういうふうに思っております。
○小森委員 経済の二重構造ということに関係をして、もう少し具体的な数字についてお尋ねをしたいと思います。 我が国の今日の年間労働時間というものが欧米諸国、イギリスとかドイツとかフランスとか、そういうふうな国に比べてまだどの程度の差があるか。それからもう一つは、いわゆる労働分配率においてヨーロッパの先進諸国に比べてどの程度の差があるのか。その差自体が実はこの二重構造の結果がなしておるわざではないか、こう私は思いますので、その辺の数字もひとつお知らせいただきたいと思います。
○石岡政府委員 労働時間の国際比較について申し上げますと、これは一九九〇年の数字でございますが、製造業の生産労働者について比較いたしますと、日本が二千百二十四時間、英国が千九百五十二時間、米国が千九百四十八時間、フランスが千六百八十三時間、ドイツが千五百九十八時間となっております。 それから分配率につきましては、私、手元に資料を持っておりませんけれども、我が国の分配率は諸外国と比較いたしますとやや低いという状況ではなかろうかと理解しております。
○小森委員 進んだ欧米先進諸国に比べて、労働時間も短縮の方向へ努力されておることはわかるのですが、これはひとつ何とかしようじゃないか、週休二日に何とかしようじゃないかという単なる奨励策で問題が解決がつくか。今のような経済の二重構造というものを解決せぬ限りは、危ないところへでも進んで働かなかったらどうにもならぬというような中小企業とか零細企業の親方のところで働いておる者は、普通なら休む時間に休めないという、単に労働時間短縮を政府がかけ声として呼びかけただけでは片づかない。もっと人間の意思を決定する、そうせざるを得ない経済の問題というものがあってこうなると私は思うのですが、企画庁長官、それをどうされますか。そういう日本の経済の隅々までまつわりついておるいわゆる日本型の生産様式ですね。それを表向きだけやられたら、陰でこそこそ働く以外にないでしょう、食うていけないのですから。それをどうするかという、そこの観点に立って政策というものは考えてもらわなきゃいかぬと私は思うのですよ。 それで、くどいようですけれども、私が言いたいのは、そういうルーズな我が国の経済の仕組みの最底辺に徳川封建幕府以来四百年間の部落差別があるのですよ。政府が本当にやる気になったら、このたびのような公共事業をうんとせなきゃならぬときに、いろいろな問題を解決せにゃいけぬが、いやせめて部落問題だけここ二、三年でひとついいように解決しようというぐらいの気持ちになってよかりそうなものだと私は思うが、何じゃかんじゃ言ってそれを引き延ばしでおる。ということは、今の経済の構造を、不合理な前近代的な二重構造と言われるようなものを温存して、そしてアメリカから少々文句を言われてもとにかくもうけさえすればよい、日本の産業構造というものはこういう構造になっておるのじゃないですか。 そこに視点を置いて労働分配率とかあるいは労働時間の問題とか——労働時間の問題については労働大臣ですけれども、労働分配率は経済の問題ですから、企画庁長官の考えを聞きたいと思うのです。
○船田国務大臣 お答えをいたします。 例えば労働分配率の問題でございますが、これは後ほどまた政府委員から詳しい数字を述べた方がいいのかと思いますけれども、私も手元に若干ございますので申し上げてみますと、平成三年では一億円未満の資本金の会社の平均の労働分配率が七三・八%、それから十億円以上というところは五九・八%、こういうことにはなっております。もちろん、この労働分配率の数字の上だけを見ますと、中小企業の方があるいは大企業よりも高い人件費比率がある、だから労働分配率も高いということになっているわけでございまして、両者の相対的な関係に大きな差はここ四、五年変化はない、こんなふうな数字が出ておるわけであります。 しかし、これは単にその数字だけがこういう状況だから改善をしなくていいということでは決してありませんで、やはり先ほども御指摘をいただいた労働時間につきましても大企業と中小企業との間ではまだまだ格差がございます。その他、給与面におきましても、これもかなりその差は縮まってきていると思いますけれども、まだなお十分ではないという点もあるわけでございまして、そのようなことも考えますと、やはり今のような大企業と中小企業あるいはまた零細企業と言われる存在がある、この事実を私どもも大変重く受けとめまして、今後の経済運営の中で中小企業向けあるいは零細企業に対する施策というものはやはり特筆して、これはいつまでも時間をかけてだらだらやってもいいという問題では決してありませんので、やはり早急に取り組んでいくという必要があろうかと思っております。
○村上国務大臣 二重構造の現存する中で、中小企業はもともと大企業に比べまして経営基盤が非常に弱い、そうした中で労働条件の改善が進めにくい状況にありますことは確かでございます。しかし、きめ細かな指導、援助を行いながらやってまいりたい、このように思っております。 先日国会に提出いたしました労働基準法改正案においても、中小企業については三年間の猶予措置を講ずるなど、その実情に配慮しつつ週四十時間制への移行を実現することといたしております。そしてまた、時短に取り組む中小企業に対する助成制度をつくることといたしておりまして、今後とも中小企業の労働時間の短縮など労働条件の改善に対する支援については万全を期してまいりたい、このように思っております。
○小森委員 もう余り時間がなくなりましたので、締めくくりのつもりでさらに私の考え方を申し上げておきたいと思いますが、両大臣、それぞれ閣僚の立場でございますので、政策の上にきょうの答弁を含めてひとつ実行するべく反映をさせていただきたい、かように思います。 それは、今申しました下請、孫請、ひ孫請という構造で、元請会社というのは手を汚さずにもうけているわけなんですね。これは、我が国の幕末から明治年間ずっと寄生地主というのがおりましたが、働かずに、つまり自分がその地主だという立場だけで実にぜいたくな、豊かな生活ができたわけですね。今の大企業というのは、政府なら政府あるいは県なら県から仕事を請け合って戻って、それをペーパーの上で仕分けをして、これをだれにやらせる、これをだれにやらせるという形で一五パーなり一八パーなり引いておるわけでしょう。そして、その下請が受けたものがまたペーパーだけで自分のもう一つの下請に八パー引くとか一〇パー引いてやらせるわけでしょう。 したがって、とどのつづまるところは、本当に工事に使われる金というのはもう六五パーか六〇パーぐらいで仕事ができておる。そうすると、これは非常に切り詰めたことをしなければならぬから災害のおそれもある、こういう関係になるし、そのことが、恵まれざる立場に働く人はせめて時間を切り詰めて、長時間働いて手取りの賃金を多くしなければならぬということになるから、労働時間の問題もなかなか解決がつかない、こういう形になっておると思うのですね。 そういった構造の最底辺にずっと伝統的に部落問題が存在し続けたのであります。だから、経済の二重構造というのは、確かに政府が言い出したのは一九五七年のこの経済白書が初めじゃないかと思いますけれども、学者の研究をしたのを読んでみると、それはもう顕著に一九二〇年代くらいから経済の二重構造というのはあらわれているのです。その二重構造があらわれるもとというのは何かというと、今出稼ぎ労働者が農村地帯から関東、関西の方面に出てこられておられますが、つまり農業を分に合わない産業分野とすることによってそこから労働力を絞り出しておる、こういう感じだと思うのですね。 今いろいろ言われております米の輸入自由化とか農産物をどうするとかというような問題については私はそういう問題があると思うのです。アメリカだって見当違いを言っておると思うのですね。わずかな米のことを言って、本当はアメリカが大損しよるのは何で大損しよるかといったら、日本の農村の労働者を絞り出して、安い低賃金労働で働かして、我が風産業構造というものを二重構造あるいは三重構造、多重構造にすることによって、日本の企業というものは国際貿易、国際収支においては勝ちよるのであります。それは極めてアンフェアなんであります。だから、ぜひひとつそういう構造的な問題をとらまえていただいてやっていただきたい、こういうことを再度念を押しておきたいと思います。 そして、ここは総務庁長官に来ていただいている場所ではありませんから、先ほどちょろちょろと私は同和問題に触れさせていただきましたが、先ほど出しました神林村なんかは、裁判所が制度の適用をしなさいと言っておるのにいまだにしてないということと、労働大臣にも経済企画庁長官にもこのことをわかっておいていただきたいと思いますけれども、今全国におよそ六千部落、徳川封建幕府以来差別され続けてきた部落が存在すると言われておりますが、四千六百三が指定されておるのです。都市化現象で分散してなくなったところもあると思いますが、私はおおよそ千部落がこの二十数年間、同和対策から全くらち外に置かれておると思う。 今度私どもは、その千部落も含めて実態調査をして、部落の実態を浮き彫りにして、しかるべき本当の正しい政策を打ち立ててもらいたい、こう言っておりますけれども、今日の政府は、所管が違いますからあるいは両大臣はそのことをお知りにならないかもしらぬけれども、千部落は放置したまま行く、何にも手をつけない、こういうことになっておりますから、私はまたこれは二重構造というのはなかなか解決つかない、こう思うのです。したがって、そういうふうな我が国のこの経済の構造というものをしっかり頭に入れた上で両大臣に活躍してもらいたい、こう思います。 最後に一言ずつひとつ所信をお述べください。
○船田国務大臣 お答え申し上げます。 先ほど来、小森委員御指摘をいただいております一九六五年の同対審の答申、それからその以前の、これは経済企画庁でございますが、一九五七年の経済白書における経済の二重構造という点、この点は私どもとして、この二重構造はやはり解消すべきものである、こういう観点から努力をしていかなければいけないというふうに思っております。 その構造ということが人々の意識あるいは精神あるいは物の考え方、差別意識ということにつながっていくということ、これも私としてもそういう実態があるのだなということをつくづく感じておりまして、その根本である構造をやはり直していかなければいけない、その格差を一日も早く縮小、解消していかなければいけない、こういう観点に立って、経済運営は、もちろん国全体の経済運営ということも大事でありますけれども、同時に、今先生御指摘をいただいた、さまざましわ寄せを受けている部分、構造の中で底辺に置かれている部分、こういったところにきちんと光が当たるようなそういう政策を経済政策全体の中でも重点を置いてやっていく必要があるだろう、私はこのように思っておりますので、今後とも一層努力をしてまいりたいと思っております。
○村上国務大臣 お説をいろいろとお聞かせいただきました。私も十分こうした問題について関心を持ち勉強をさせていただいて、国務大臣としてやるべきことがあれば積極的に取り組んでまいりたい。また、労働行政の中においても、先ほど申しましたように就業の平等という見地から立ちましてその努力を払ってまいりたい、このように思っております。
○小森委員 終わります。
○貝沼委員長 次に、時崎雄司君。
○時崎委員 佐川急便グループの問題について労働大臣並びに運輸省にお尋ねをいたしたいと思います。 まず最初に、たしか先月の二十八日ですか、予算委員会で同僚の赤松委員が労働省にお尋ねをいたしておりますが、佐川急便グループの事業場の現場において、特に労働関係法令に違反をしている事例が政府委員の方から若干お話がございました。 まず最初に、ここ五年ぐらいの間に佐川急便グループで労働関係法についてどのような違反があったのか、その実態についてお尋ねをいたします。
○石岡政府委員 佐川急便グループ所属事業場に対しましては、昭和六十二年以降繰り返し全国一斉の監督を実施してきたところであり、また、昨年十一月におきましても、主管店を中心にいたしまして九十七事業場に対する全国一斉監督を実施したところであります。 監督の結果を申し上げますと、労働基準法等関係法令に照らしまして何らかの法違反が認められた事業場の割合は、昭和六十二年の場合が九五・五%、平成元年の場合は六六・七%、平成二年の場合は九二・三%、平成三年の場合は九〇・二%となっております。昨年の監督結果につきましては現在取りまとめ中でございます。 また、結果が出ております平成三年の場合の主な法違反の状況をさらに申し上げますと、就業規則の改正をしたにもかかわらず届け出をしていないという違反が最も多く、五十一事業場中、三十四事業場で見られました。次いで、労働時間に関する違反が二十七事業場、健康診断をしないという違反が十七事業場で認められたところでございます。
○時崎委員 今の話ですと、昭和六十二年度以降で、平成元年の六六・七%を除けば、全部九〇%以上を超える違反の実態だということでございます。 私も直接佐川急便の労働者とお会いしてお話を聞いているのですが、確かに所得というのか、収入は同じぐらいの年齢の同業者と比較して大変高いということは事実のようでございまして、しかし、労働強化という点から見ると、三十歳ぐらいまで勤めればもう終わりかと、体ががたがたになってしまう、こういうようなことも直接佐川急便に勤めている方から聞いているところでございます。また、他の運送業に勤めている方が佐川の労働者を見る目というのも聞いているわけですが、とてもああいう状態では長続きして勤めることはできない、こういうことも言われているわけです。 そこで、これほど調査をされて労働関係法に違反をしているという実態をつかんでいるとすれば、それぞれの関係法では罰則規定などもあると思うんですね。そういう規定を適用した事例についてお知らせをいただきたい、こう思います。
○石岡政府委員 先ほど申し上げましたように、佐川急便グループ事業場につきましては、昭和六十二年以降五回にわたりまして全国一斉監督をやって法違反を是正しているところでございます。 司法処分について申し上げますと、実はその六十二年の前の六十一年にございます。昭和六十一年に、横浜佐川急便及び中京佐川急便につきましては非常に悪質かつ重大な基準法等の違反がございましたので、これら法人等関係者を送致いたしまして、罰金刑が科せられているところでございます。
○時崎委員 労働大臣、今局長からも答弁がございましたが、昭和六十一年に悪質だということで罰金刑が科せられた、それ以降六十二年、元年、二年、三年と九〇%もの法違反が指摘をされている。最近では罰則適用した事例がないような報告でございますが、労働省がこれほど指導し、または昭和六十一年に罰金刑まで科せられて、なぜこの法違反というのが後を絶たないのか。労働省の指導がまずいのか、それとも佐川急便というのはとんでもない会社で政府の言うことを全く聞かないということなのか、どのようにお感じになっておりますか。
○石岡政府委員 先ほど申し上げましたように、昭和六十一年につきまして佐川急便グループの二社を司法処分に付したわけでございます。その後、五回の抜き打ちの全国一斉監督をしてまいりました。その結果、違反率も先ほど申し上げましたように非常に高い結果で、甚だ遺憾に存じております。しかしながら、佐川急便グループの対応について申し上げますと、法違反の是正を我々がまず勧告いたします。それらにつきましては、佐川急便グループ事業場は直ちに是正を行う、そしてその報告を提出するという点も見られましたし、労働基準法違反あるいは安全衛生法違反の中でも非常に重大な違反だと考えられる事態もだんだん少なくなってきた、そういう実態も実はあるところでございます。 しかしながら、こういう高い違反率が何年も続くということは、いかなる事情がありましてもいいことだとは思っておりません。今後につきましては、昨年十一月に実施しました全国一斉監督の監督結果を見まして、あるいはまた個々の労働者から申告のある場合もございます、そういう申告の状況も見ながら厳正に対処してまいりたいと考えております。
○時崎委員 後ほど大臣には総括的にお答えいただくとして、その今労働省が調査をして実態として出された内容もさることながら、現にそこに働いている方々からの話というのも大変重要だというふうに思うのですね。ちっとも変わってない。それは検査に来ればその形態を整えておくということであって、実態は以前とちっとも変わってない。 これだけ佐川問題が騒がれていながらも、昭和六十一年に悪質だということで二社を罰金に処したというだけでございますから、私、どうも政府の対応が、これだけ社会問題になっておりながらも対応がまずいのではないかという気がしているのです。後ほど運輸省にもお尋ねしますけれども、ぜひとも厳正な対応をしていただきたい。先ほどの小森委員の質問等を聞いておりましたけれども、労働災害が起きてから対応してもどうにもならぬことでありますから、ぜひ事前にそういうことの起きないような万全の策を講じていただきたい、こう思うところでございます。 さて、運輸省の方、おいでいただいていますか。——あらかじめ都市計画法違反の事例十件について資料を出していただいております。去る一月二十八日に同僚の赤松委員から予算委員会で指摘がされまして、伴政府委員の答弁がございました。十件の都市計画法違反のうち七件については既に是正を完了しており、残るのは三件だということでございましたが、この資料を見ると、一番から十番まで番号がついておりますけれども、何番と何番がいまだ違法な状態になっておるのか、お答えを願いたいと思います。
○鈴木説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、佐川急便グループの都市計画法違反、全部で十件の事例がございまして、これについて、七件については是正が済んでおりまして、残る三件が年度内に是正できるようにということで今努力が続けられている段階でございます。 それで、先生のお手元に差し上げてございます資料のうち、現在まだ是正が済んでいないものを申し上げますと、一番目の青森佐川急便の弘前営業所、これがまず第一でございます。それから次に、八番目の滋賀佐川急便の竜王営業所、これが第二番目でございます。それから第三番目の営業所は、十番目の番号を振っておりますが、松山佐川急便の本社営業所でございます。 以上、三件でございます。
○時崎委員 この資料を見ると、八番と十番は確かに「移転準備中」ということでございますが、一番の佐川急便の弘前営業所については「移転認可済」というふうになっておるのですが、「平成五年一月二十八日」という数字が出ておりますけれども、これもまた違反の状態が続いているのですか。
○鈴木説明員 青森佐川急便の弘前営業所につきましては、あと、ほかの残りの二カ所もそうでございますけれども、実は移転のための用地の確保は既に済んでおるわけでございます。移転するための諸手続を、それぞれ進捗の度合いの差はありますけれども、進めておるわけでございますが、このうち最も進んでおりますのが青森佐川急便の弘前営業所でございまして、これは、営業所を移転するための手続といたしまして、私どもに対しましては貨物自動車運送事業法に基づいて事業計画の変更認可申請をしていただくわけでございますけれども、私どもの方で、この日付の一月二十八日付でこの移転のための認可をした、こういうことでございます。ただ、具体的には、移転の認可が済みました後で工事を進める、こういうことでございますので、今工事をしている最中でございますから現実にまだ移転は済んでいない、こういうことでございます。
○時崎委員 それじゃ、七カ所は既に法違反が解消されて、残りが今解消に努力をされている、こういうことで理解をして、さて、五番の「土浦佐川急便鹿島営業所等」についてお尋ねをしたいと思います。 ここは私の選挙区でございまして、再三そばを通りますので、私も実態についてはある程度知っておるわけですが、先月の二十八日に予算委員会で伴政府委員から、この十件の都市計画法違反等にかかわって、このように答弁されているのですね。「こういうような事例が再発しないように、再発防止策としまして、昨年九月に運輸担当部局と開発許可担当部局との連携を強化いたしまして、相互にチェックしようということにしております。」こういう答弁がありました。 実は、この土浦佐川急便鹿島営業所、昨年の十月九日に現地を直接見てまいりました。その後、直接の担当であります茨城陸運支局にも寄りまして、支局長ともお話をしました。支局長の話では、既に十月の初旬に移転が完了しております、こういうことでございました。私どもが現地を見たところ、全く移転はされておりませんでした。ここに当時の写真もございますし、営業の実態等も写真に載っておるわけですが、それで、あわせて開発許可を行う茨城県の建築指導課にも寄りまして、当時お話をさせていただきました。それによりますと、県の方も、陸運支局長の言われることとは違って、いまだ実態としては違法な状態にある、こういうことを断言しているのですね。そこで、陸運支局長ともお会いしたときに、現地を見て確認しているのかということをただしましたところ、現地は見ていない、こういうことでございました。 これが去年の十月九日の状況でございまして、ことしになりまして、この二月九日、そして先週の金曜日、十九日でございますけれども、見てまいりましたが、残念ながら、新しく陸運支局が認可をした茨城県の鹿島町の長柄というところには、小さいプレハブの六坪の建物、それから、屋根のついた一台入れる程度の車庫、これが存在しておりますけれども、その六坪の事務室などを見ても、子供用の二段ベッドが一個、スチール製の事務机が一個、電話が一本、これがあるのみで、全く使用された形跡はないというのが実態でございます。運輸省、そういう事実について詳細に承知しておりますか。
○鈴木説明員 先生の方にいろいろと御心配をおかけして、大変恐縮でございます。 先生が調査団としてお見えになりましたのは十月九日であったかと思いますけれども、私ども運輸省の方でこの土浦佐川急便鹿島営業所の移転につきまして認可をいたしましたのが昨年の九月十七日付でございます。それで、九月十七日付で認可をしたにもかかわらず、調査団がお見えになりました十月九日現在でまだ移転が完了していないではないかという御指摘をいただいたわけでございます。 それで、この時点では、認可をした後での引っ越し作業というのがいささかおくれたのではないかというふうに私ども思っているわけでございますが、調査団の御指摘なども踏まえまして、その後、昨年の十月十五日、私どもの茨城の陸運支局、それから開発許可担当部局であります茨城県、これが一緒になりまして、現地、現地というのは移転先及び移転前のところ、両方でございますけれども、確認をさせていただきました。 その結果、移転先の実態などにつきましては、具体的に車両の運行に対する指示もそちらで行われておりますとか、あるいは運行管理者もそちらの方におつてきちんと車両の運行管理をしておるとか、営業所としての実態は認められるということが確認されたということでございまして、私どもの方では移転は完了したのではないか、こういうふうに考えておるところでございます。
○時崎委員 今、移転が正常に完了しているようなことを言われておりますが、それはどうもあなた方の調査が十分じゃないのじゃないかと思いますね。 昨年の十月九日に茨城陸運支局にお邪魔をして聞いたところ、既に十月五日に移転完了ということで報告があった、こういうことが支局長から言われておりまして、私どもが調査したのはその四日後ですから、これは一人で行って見てきたわけではなくて、十数人の者が調査をし、そしてここに全部当時写真を撮ってまいりました。私は、移転先として違法性のない正しいところを許可されたということでこのことも問題だろう、こう思っているのは、従来違法に使っておった場所というのは、実は面積においても新しく許可したところに比べると六倍も大きいわけですね。さらには、その事務所を含めた作業場というのも大変大きいものでございますし、さらには駐車場についてもそのとおりです。 それが、新しく移転をしろということで許可をされたのが何とプレハブの六坪の事務室、そして、一台だけ入れるような駐車場、そして、実はプラットホームもない。そして、その土地はコンクリートも打たれていない草ぼうぼうの砂場のような状態。どうしてこれが移転以前の、十八台もの車を許可して運送業をやっておるのがそこに移転できるのか。それから、コンピューターの端末機だって何台もあるわけですね。そういうものが六坪のところに入れるかどうか。常識から考えて許可をした方が私はおかしいのではないか、こう思っているのです。 そして、既に移転を終了しましたという時点で聞いたところ、現地も見ていない。それならば、新しいところの許可をしたところにここから電話をしてごらんなさい、使われているのかどうか。そこまで私は当時指摘をしてきたところです。 ところが、先週の金曜日の十九日、さらには二月九日、二度にわたって調査をしても全く使用している形跡がないということなのですね。先ほど十カ所の都市計画法違反の事例、そしてそのうち七カ所は既に違法性がなくなった、こういうことでありますが、今私が申し上げた一カ所見てもこういう状態ですから、それから類推すれば、他の六カ所についても果たして法違反が解消されたと言えるのかどうか、大きな疑問があるということなのです。少なくとも、九年間に及んで都市計画法違反でもって営業させてきた責任は私は重大だ、こう思うわけであります。 そこで、直接皆さん方が現地を見て、本当に新しく許可をしたところに移転をされているのかどうか、確認する気があるのかどうかそのことについてまずお尋ねします。
○鈴木説明員 かなり技術的なお話になってしまって大変恐縮でございますけれども、移転先が面積的には大変狭いということは委員御指摘のとおりでございます。 ただ、移転先が基準に従ってきちんとその体裁を整えているかどうかということについては一応私どもの方では審査をさせていただいたわけでございまして、例えば確かにプレハブづくりの事務室がございますけれども、これについてもきちんと建築確認を受けた建物である、こういうふうにお伺いしております。それから、有蓋車庫が一台分ということでございますけれども、これも実はやはり車の定期点検なんかを行ったりいたします場合に、屋根のある車庫が一台分は最低なければいけないということでそういう基準は設けておるわけでございますけれども、それについては一応基準は満たしている。それから、確かに土地も草ぼうぼう、こういう話もございましたが、これは確かに好ましいことではございません。これは基準の上では、必ず舗装していなければいけないという基準があるわけではございませんけれども、これは余り好ましいことではないからきれいにしたらどうか、このような指導はしております。 そのようなことで、先生の方から、ほかの調査団の先生方、いろいろと御指摘があった点も含めまして逐一確認はさせていただいておりますけれども、なお今後とも十分気をつけて見てまいりたいと思います。
○時崎委員 それじゃ次に、今の問題で、九年間も違法な状態で営業しておったことについて、運輸省は何か処分したのですか、この会社に対して。
○鈴木説明員 この土浦佐川急便が都市計画法の違反をした、これは時点としては昭和五十八年当時にさかのぼるわけでありまして、本来このときに私どもの方が都市計画法違反についてちゃんと気がついておれば、このような九年間にわたる違法な営業を防ぐことができたということは今御指摘のとおりでございます。 ただ、この点についても、先ほどの調査を踏まえまして、直ちに移転せよ、このような指導をいたしましたところ、事業者の方でも直ちに移転しますということで、違法状態の是正のために早急な手を打っていただいた、こういうことでございますので、私どもの方では都市計画法の違反、これは本来都市計画法の体系で何かすべきであろうということでございますけれども、一応事業者の方々が私どもなりあるいは開発許可担当部局の指導に従って早急な是正のための手を打っていただいておりますので、その措置を見守った、こういうことでございます。
○時崎委員 どうもこういう問題について、運輸省は腰が重いというのか消極的だというような感じがしてなりません。 私どもがマイカーを所有しよう、自動車を持とうとした場合には、どんな手続をするのかあなたは御承知ですか。少なくとも、車庫証明というのが絶対に必要なんであります。そうしない限りは車を所有することができません。そこで、その車庫証明も最近は厳しくなりまして、必ず現況確認をやられているのですね。違いますか。あなたは車を持ったことがあるかどうかわかりませんが、警察に車庫証明をお願いすると、最寄りの交番の方が来るか、もしくは交通安全協会の職員の方が現況を確認してからでないと今は車庫証明を発行しないのですよ。十八台もの車を許可しておいて、入りますか、あそこに車が、路上駐車じゃないですか。わかっているのですかあなたは、現況というのを。 ここに、写真持ってきていますよ。六坪の事務室というのは、これは何ですか。中はがらんとして何もないのですよ。前に違法しておった根三田のところで商売やっているじゃないですか。それを確認も行かないのでしょう。もっとはっきり言わせていただければ、昨年の十月九日に我々が行ったのですよ。陸運支局長は十月五日に移転を完了したと届けがあったと言っているのですよ。そして、その足で県に行ったら、完了はしてない、違法が続いていると言っているのですよ。だったら、なぜ調査をしないのですか、こう聞いたら、現況確認もしていないということですね。私は十九日に、一番早いところでは十九日に見てきたのです、これは。全く商売をやってないのですよ。 こういうことを放置しておいて、そして我々個人が自動車を持つときには大変厳格なやり方をされている。何か佐川急便にのみ役所の方が恩恵を与えているのか。差別をしているのじゃないかと住民の皆さんそう思っているのですよ。だから、再三厳しく追及しているのですよ。もう一度実際に新しく許可をしたところで営業しているかどうか、移転をしているのかどうか、調査をする気はありますか。
○鈴木説明員 重ねての御指摘でございますので、改めて調査するようにいたします。
○時崎委員 時間もありませんので、労働大臣、先ほどの労働関係法令についての違反事例、そのパーセント、調査をして一番新しいところで平成三年九〇・二%、局長のおっしゃるのには以前よりは悪質なものはないとはいうものの、何度指摘されても今現在で九〇・二%の違反の事例がある。そして、今運輸省にお尋ねしたこともお聞きいただいたと思います。 法違反を是正するために指導してきて、そして法違反のなやように完了しました、移転まで終わりましたと言ってあれからもう何カ月になりますか。四カ月ぐらいたっているにもかかわらず、全くその実態が変わっていない。移転完了の報告がありましたという時点で県の建築指導課は、いや違法が実態として存在している、ここまで自治体の方は言っているのですよ。 こういうことを考えてみますと、私は、この佐川問題というのは、今政治家に多額の金が渡り、それがどういう使われ方をしたか、そういう視点だけではなくて、なぜ佐川という会社が中央地方を問わず政治家に多額のお金をばらまいたかという、その原因というものを十分明らかにする必要があろう、こう思うのです。ところが、今現在の実態では、このように労働省においても運輸省においてもどうも国民が期待するような実態になっておらないのではないか大変残念でならないわけでございます。 政府委員の方から、予算委員会では、昨年の十一月に調査した結果、今集計中だということでございますから、それらを見てぜひとも是正のための強力な指導なり取り締まりを行っていただきたい、こう思うのですが、いかがですか。
○村上国務大臣 確かに数字的に見ますと昭和六十二年九五・五、平成元年六六・七、平成二年九二・三、平成三年九〇・二、こういう数字を見ますと、お怒りのように、一体何をしているのだ、こういうことになろうかと思います。 しかし、これをさらにこの違反の状況の区分と申しましょうか、労働基準法には八つの区分があります。労働安全衛生法には五つの違反の項目が挙がっておりますが、中身はいろいろあろうかと思います。がしかし、今日これだけ批判を受けているわけですから、やはり中身の悪質だとか悪質じゃないとか、まあこの程度だったらと、こういう中身の検討はいざ知らず、やはり全体のそうした違反の率について、これはやはり十分考えなきゃならぬと思います。 そこで、昨年十一月調査をいたしておりまして、その結果が三月か四月に出るということでありますので、もし依然としてそういう違反事項、特に、私は悪質だとかなんとか、こう言いましたけれども、これは厳正に対処してまいる、こう思っております。
○時崎委員 最後に、運輸省に調査をもう一つ行っていただきたいな、こう思っていることがございます。 それというのは、土浦佐川急便鹿島営業所というのは、あなた方は許可をいたしたということでございますけれども、私はその鹿島営業所なるものは存在しないのではないかと思っているのです。あなた方が根三田というところで営業していたものを今度は長柄というところに適法な営業所として許可をしたということですが、実はそれはどういうことかというと、昨年十月九日に茨城陸運支局に行ったときに佐川急便株式会社土浦支店というのは許可していますかと聞いたのです。そういうのは許可してない、佐川急便株式会社には土浦店というのはない、こう言うのですね。 ところが、私がその鹿島の営業所を見に行ったときにもらった名刺が全部佐川急便株式会社土浦店となっているのですね、そこにいる職員は。実態はもう土浦佐川急便というあなた方が許可をしているその鹿島営業所というところはないのじゃないですか。この世に存在しないのじゃないですか。いかにずさんかということですね。運輸省は何をやっているのかと言いたいですよ。これはその会社それ自体が存在するのかどうか、そこからもう一度調査していただきたい。 このことを、これは答弁は結構です。先ほども、調査もすることですから、あわせて調査をしていただきたい。このことを強くお願いして私の質問を終わります。ありがとうございました。
○貝沼委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時十八分休憩 ————◇————— 午後一時四分開議
○貝沼委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。小川国彦君。
○小川(国)委員 私は、きょう労働省あるいはまた労働大臣に、シルバー人材センターの設置並びに運営状況について質問をいたしたいと思います。 日本も大変な高齢者時代を迎えまして、シルバー人材の活用ということが国家的にも非常に有意義なこととして行われているわけであります。そういうことで、政府も積極的にこれを助成し、振興するという方向で進んでいるようでありますが、最初に労働大臣から、このシルバー人材センター設置の意義、そして今後の展望についてどのような御見解をお持ちであるか、まずお伺いしたいと思います。
○坂根政府委員 お答えいたします。 シルバー人材センターにつきましては、御承知のように、今後の高齢化社会へ向かって短期的あるいは臨時的な就業の場を確保していくということで重要な柱としてこれまで対策を講じてきたところでございますが、今後ともその重要性が増していくということで、その育成に努力していかなければならぬ、こういうふうに思っております。
○小川(国)委員 今御答弁くださったのはどなたですか。
○貝沼委員長 答弁は、坂根高齢・障害者対策部長です。
○小川(国)委員 私、村上労働大臣に御所見をお尋ねしたわけでございますが、大臣の御所見をまず承りたいと思います。
○村上国務大臣 ただいま部長がシルバーセンターのその制定された意義についての御説明がありましたが、要するに、障害者の雇用について、障害者が健常者とともに働けるような社会を実現していくことに重点があると認識いたしております。 本格的な高齢化社会を迎えつつある中で、高年齢者の定年退職等における臨時的かつ短期的な就労を提供をするシルバー人材センター事業の果たす役割はますます重要になってくるものと認識しております。今後とも職域の拡大など図りながら、その育成を図ってまいりたいと考えております。そういう趣旨がこのシルバーセンターの趣旨であろうかと思っております。
○小川(国)委員 ちょっと前段の御答弁は違うようでございますが。
○村上国務大臣 大変失礼いたしました。前段は障害者の問題を申し上げまして、後段が先生の質問の趣旨になろうかこう思います。大変失礼いたしました。
○小川(国)委員 大臣の答弁はやはり模範答弁になっていないといけませんから。 それでは次に、シルバー人材センターが今大臣ないし対策部長のお話しのように全国的に設置されているわけでございますが、今その設置状況、設置箇所、設置市町村数、それからまた登録者人員数、その状況はいかがなっておりましょうか。
○坂根政府委員 国の補助の対象となっておりますシルバー人材センターの設置数でございますが、現時点で六百四十団体となっております。市町村の数とほぼ見合うと思いますが、これは広域シルバー人材センターなどがございますので必ずしも一致しませんが、団体数は六百四十団体でございます。 それから、三年度末の会員数は約二十五万人というふうになっております。
○小川(国)委員 その設置基準、また今後の増設計画はどのようになっておりますか。
○坂根政府委員 お答えします。 シルバー人材センターは、高年齢者雇用促進法に定められております事業を円滑に実施できる団体を原則として市町村ごとに一個に限りまして都道府県知事が指定することになっております。具体的には、会員数百五十人以上かつ就労延べ日数六千人日以上見込まれるところを指定いたしまして、補助対象としているところでございます。 今後の予定でございますが、先ほど申しましたように、既に六百四十団体がございますが、来年度、平成五年度におきましてもさらに二十団体の増設を予定しているところでございます。
○小川(国)委員 最近五年間におけるシルバー人材センターの契約件数及び契約金額、それから契約件数の業種別内訳、それはどのようなものになっておりますか。
○坂根政府委員 今先生お尋ねのシルバー人材センターの契約件数でございますが、昭和六十二年度約七十六万五千件、契約金額が四百五十億円、それから六十二年度約八十九万一千件、五百六十億円、平成元年度百四万七千件、六百八十億円、平成二年度九十六万六千件、八百億円、平成三年度百三万七千件、九百億円というふうになっております。 それから、これを仕事の種類別に見ますと、この契約件数は清掃などの軽作業の割合が高うございまして、これが四三%、それから植木などの技能系の仕事が三四%、事務整理や管理等の仕事が一四%、そんなふうになっております。
○小川(国)委員 こうして活動しておりますシルバー人材センターの発足以後、会員についての業務災害、通勤災害が発生しているようでありますが、それぞれ何件発生しており、また、年度ごとの発生状況はどのようになっておりますか。
○坂根政府委員 お尋ねのシルバー人材センターの発足以降の事故発生件数でございますが、発足が古うございまして、その調査はございませんが、過去五年ということでお許しいただきますと、また、シルバー人材センターの事故そのものは統計がございませんが、シルバー人材センター団体傷害保険というのがございまして、その保険給付状況がほぼ見合っているということでお答えをしたいと思います。 この給付状況から申し上げますと、六十二年度二千三百八十三件、このうち就業中のもの千七百四件、通勤途上六百七十九件、六十三年度二千七百三十四件、就業中千九百九十七件、通勤途上七百三十七件、平成元年度三千百六十二件、就業中二千二百八十七件、通勤途上八百七十五件、二年度三千五百十六件、就業中二千四百六十三件、通勤途上千五十三件、三年度三千八百二十九件、就業中二千六百八十五件、通勤途上千百四十四件となっております。
○小川(国)委員 一九九一年度におけるシルバー人材センターの会員の事故発生件数のうち、死者は何件、また傷害者数は何件、さらに傷害者数の中の重傷者数と軽傷者数、この内訳はどうなっておりますか。
○坂根政府委員 お尋ねの一九九一年度の事故の発生件数を同じくシルバー人材センター団体傷害保険の給付状況から見ますと、全体で三千八百二十九件となっておりまして、そのうち死亡は二十六件でございます。 また、重傷者数あるいは軽傷者数という統計はとっておりませんが、それに相当するものとしまして、同じく保険給付の状況から見ますと、入院が五百九十六件、通院が三千百七十二件、後遺障害三十五件というふうになっております。
○小川(国)委員 事故に際しまして、傷病者に対して団体保険の適用を行っているようでありますが、いかなる会社とどういう保険契約を行っているか、その概要をお知らせいただきたいと思います。
○坂根政府委員 シルバー人材センター団体傷害保険でございますが、これは各シルバー人材センターが民間の保険会社と個別に保険契約を締結しているわけでございます。 その契約内容でございますが、死亡の場合は六百万円の一時金、入院の場合は一日三千円、通院の場合一日二千円といった統一的な基準で契約をしているわけでございます。 なお、保険料は会員一人当たり年千六百八十円となっておりまして、これはシルバー人材センターが負担をするわけですが、それに対しまして国が二分の一の補助を行っているということになっております。
○小川(国)委員 事故に際しまして、最近三カ年における保険の支払い件数は何件で、また支払い金額は、平均幾ら、最高金額は幾らか。
○坂根政府委員 最近三カ年におきますシルバー人材センター団体傷害保険の支払い件数でございますが、これは先ほど申し上げましたけれども、平成元年度三千百六十二件、平成二年度三千五百十六件、平成三年度三千八百二十九件ということで、会員数の増加に伴いまして増加してきているわけでございます。 それから支払い金額の平均でございますが、これは現時点では把握しておりませんが、先ほど申しましたように傷害の程度に応じた内容になっております。死亡の場合には六百万円、これは一律でございます。後遺障害の場合には最高六百万円で、障害の程度に応じて支払われる。それから、入院、通院の場合には先ほど申しましたように日額三千円あるいは二千円で、最高百八十日を限度として、けがのために働けない日について支払われているということでございます。
○小川(国)委員 およそシルバー人材センターの概要とか事故に対する対応とか伺ったわけでありますが、最近、私の知人のお父さんがある人材センターに登録されまして、事業所で旋盤の仕事についていたわけであります。ところが、昨年九月、業務上の災害で負傷をして、全治六カ月の診断を受けて、現在五カ月目に入っているわけであります。後遺症もどうなるかという懸念がされているわけであります。しかし、この治療に当たって労災保険の適用がないわけであります。この点についていろいろ事情を調べてみますと、そもそもシルバー人材センターとの雇用契約がない、したがって、労働基準法上の労働者でないために労災法の適用がなくて、救済する方法がないというふうに言われているわけです。 調べてみますと、こういうような事故は、今対策部長のお話しのように全国的に大変多発しておりまして、例えば、いろいろ全国的な資料で見ますと、九一年の一月二十四日には、札幌市で屋根の雪おろし作業中の七十三歳の男性が転落死、四月十六日には、埼玉県富士見市の東武東上線みずほ台広場で同市高齢者事業団職員八十歳が放置自転車を整理中乗用車にはねられ死亡する、こういう事故が起きております。 また、そういう事故は各地に起こっておりまして、大阪府の豊中市のシルバー人材センターの会員の塩田弘之さん、七十一歳は、業務の安全性と事故の際の十分な補償を訴えて、シルバー労組をつくらなければだめだ、こういうような動きをされております。同センターでは同年一月に、警備会社に派遣されていた当時六十九歳の男性が豊中市立体育館で天井を点検中に転落死、遺族が九月四日、実質的な雇用であると大阪天満労働基準監督署に労災申請をした。それで、塩田さんは、昨年七月から豊中市内のスーパーマーケットに駐輪場整備員として勤務、今月十四日、派遣先のスーパーに一人労組の結成を申し入れていた、こういうような例があります。 中にはまた、シルバー労災急増、人材センター派遣先で雇用関係なし、保険受けられずというのが九一年の九月二十六日大阪でございまして、高齢者に生きがいのための仕事の場をとつくられた大阪府豊中市など全国の自治体のシルバー人材センターで働くお年寄りの事故が急増しているということが労働省の調査でわかった。仕事で死亡しても、雇用関係はないとされ労災保険の適用を受けられないという深刻なケースも続出、人手不足で高齢者を安上がりの労働力として使う企業がふえてきたことが背景にあると見られ、豊中市ではシルバー労組結成の動きも出てきた、事態を重視した同省は、近く全国五百六十五のシルバー人材センターに安全対策の強化など改善を申し入れる、こういうふうに書いてあるのですが、このように全国各地でいろいろ事故が多発しているわけであります。こういうことに対して、労働省の当局としてはどのような対策をお考えになっていらっしゃるか、その点を伺いたいと思います。
○齋藤(邦)政府委員 確かにシルバー人材センターで働いておられる方、事故が間々目につくといいますか数多く起こっております。建前といたしまして、シルバー人材センターの会員は臨時的、短期的な就業を目的としているということからしまして労災保険の適用がないという前提でございまして、そのかわりとしまして、先ほど部長も申し上げましたような保険で対応するという形になっているわけでございます。 ただ、いずれにいたしましても、会員が安全に就業できるということが非常に大事なことでございますし、事故があってはならないということもまた大事なことだというふうに思います。そういうために、一つには、シルバー人材センターで仕事をあっせんする場合に、高年齢者の方にふさわしいような、いわば安全な仕事を確保してあっせんをするというのが大事なことだというふうに思いますし、また、事故防止の意識を会員の皆さん方も持っていただくということも大事だろうとい うふうに思います。 そういうような観点から、平成五年度からは会員に対しまして、安全に就業できるようにするための講習、研修を専門的に行います安全就業推進員というのを各センターに配置することにいたしまして、一層その関係の対策を強化しようとしておる次第でございます。
○小川(国)委員 シルバー人材センターの趣旨は、今の御答弁を伺うと、シルバー人材センターの登録者の方々に臨時的かつ短期的就労の機会を提供することだと言われているわけであります。そして、六十歳以上の人を会員として登録する、仕事はセンターが請け負う、仕事の発注者と会員との間に雇用契約は結ばない、契約は発注者とセンターの間で行う、仕事はセンターが責任を持って完遂する、請負代金は一括してセンターが受け取り、従事した会員には配当金としてセンターから支払う、こういうふうな仕組みになっているというふうに伺っているのですが、このとおりでございますか。
○坂根政府委員 おっしゃるとおりでございます。
○小川(国)委員 そこで、私は、労働者というのは労基法の第九条に基づきまして、労基法で言う労働者というのは実態で判断される、こういうふうに理解しているわけです。その際、その使用従属関係にあって賃金を支払われる者であれば、その人は労働者である。してみると、シルバー人材センターの登録者は労働者ではないのかと思うのですが、この点はいかがでございますか。
○坂根政府委員 シルバー人材センターの、発注者とセンターとの関係あるいはセンターと会員との関係は、先ほど先生がおっしゃったのが基本的な考え方でございます。したがいまして、原則としまして、発注者と就労者の間には雇用関係ができないわけでございますが、何らかの事情なり理由で、先生がおっしゃるように発注者といいますか仕事先と就業者との間に支配従属の関係がある、こういうことになれば雇用関係がある、こういうことになろうかと思います。
○小川(国)委員 この場合、事業主というのは一体だれになるのでございますか。
○坂根政府委員 事業主は、支配従属をしているといいますか指揮命令をしている人ということで、具体的に発注先が指揮命令をしているとすれば、そこが事業主になるわけでございます。 それから、ひとつ念のため申し上げますが、シルバー人材センターは、先ほど申し上げたような請負方式のほかに無料の職業紹介をやれるようになっておりますから、職業紹介を行った場合には当然紹介先との間に雇用関係ができるということでございますから、シルバー人材センターがやっている場合に常にその請負先との関係で雇用関係がないというわけでもございません。先との間に雇用関係がある場合には、それに従った法律の適用がなされていく、こういうことかと思います。
○小川(国)委員 一定期間働いて対価として賃金を受ける者は労働者、こういうように思うのですね。そうすると、請負というのは仕事の完成をもってするものを請負というわけでありますから、その請負契約と労働契約の違いは、請負は仕事を完成すればよくて、労働契約は自分が働かなくてはいけない、そうすると、センターの契約は他人をもってかえることのできない契約ですから、明らかに労働契約ではないか、こういうふうに思うのでございますが、いかがでございますか。
○坂根政府委員 お答えします。 雇用契約か請負契約がの境目、区分は、基本的には、先ほど先生がおっしゃいましたように、働いているところが指揮命令を行っているかどうかというところがポイントになろうかと思います。 そこで、仕事の完成といってもいろいろなケースがございますので、例えばよくございますビルメンテナンスの清掃などのような場合には、一人で行って清掃をやるという場合もございますが、これも請負事業でございます。問題は、先が指揮命令をしているかどうかということかと思います。
○小川(国)委員 発注者とシルバーセンターとの契約の書式はどういうもので行われておりますか。
○坂根政府委員 簡単に申し上げますが、まず注文主、企業なり家庭なりの方から注文書が出るわけでございまして、それに対してセンターの方が見積書を出すということで、それで契約が成立した場合に、実際に働きに行って、その後は一般の請負事業と同様に、シルバーに対してその請負代金が払われる、こういう契約になっております。
○小川(国)委員 その場合、発注者とシルバー会員との間で、仕事の仕方についてだれが指揮命令をしておりますか。労働時間はどういうふうに定められておりますか。それから、仕事の場所はどういうふうに決まっておりますか、特定しておりますか。
○坂根政府委員 今おっしゃった指揮命令は、請負でございますから、指揮命令というよりは、まずシルバー人材センターがその会員に対してこういう仕事があるから受けないかということで、シルバー会員が受けますと、それはだれからも指揮命令を受けることなくその条件に従って、契約の内容に従って仕事場で働く、こういうことでございます。ですから、働く場所、内容、時間、それは発注者とセンターとの契約内容で決まってくる、こういうことでございます。
○小川(国)委員 作業日報はどのようにつけておられますか。
○坂根政府委員 作業日報は会員が書きまして、それをセンターに提出する、こういうことになっております。
○小川(国)委員 その場合、事業主はどういう立場に置かれますか。
○坂根政府委員 事業主といいますのは発注者のことだと思いますが、発注者はその契約内容に従って業務が、事業がといいますか、業務が完成されたかどうかをチェックするといいますかそういう立場になろうかと思います。
○小川(国)委員 配分金というのですか、配当金というのですか、配分金を支払う場合の計算はどのようにしておりますか。時間単価をもとにしておりますか。
○坂根政府委員 多くの場合、時間単価で計算されているということでございます。
○小川(国)委員 それ以外の場合というのがおありになるのですか。
○坂根政府委員 お答えします。 わかりやすく申し上げますと、例えばあて名書きという仕事がございます。その場合には、一枚幾らということで、何枚実際にあて名を書いたか。またあるいは、賞状を書くというようなものがございます。その場合も、何枚を書いたか、一枚幾らということで計算をされるということでございます。
○小川(国)委員 シルバーセンターは会員に対して、仕事の時間、仕事の場所を特定して指示を出しておられますか。
○坂根政府委員 それは先ほど申し上げましたように、契約の内容でどこでどういう時間帯で働くということをセンターが会員に言うわけでございますが、それは指示というわけではなくて、仕事のいわばあっせんのような形になるわけでございまして、会員がそれを望まないのであればそれは請け負わなくていいわけでございますから、そういうことで契約の内容で決まってくるということでございます。
○小川(国)委員 シルバーセンターの会員が毎日毎日働く仕事の時間とか仕事の場所も、全部契約書どおりはいかないと思うのですよ。契約というのは最初に行われて、それに従って、一週間とか半月とか、一定の期間会員は働きに行くわけでございましょう。その労働時間とかその場所について、一々センターがそれを指示したり指導するということができますか。現実にそう行われている と思いますか。
○坂根政府委員 ですから、契約の内容が千差万別でございましょうが、契約の内容に従って仕事場に行くわけでございますが、それが包括的に条件を定めているとしまして、何かの事情で変更をする必要があるというような場合には、会員あるいは発注企業の方からセンターに連絡をとってもらいましてその変更をするということだろうと思います。したがって、一々その指示をしているということでなくて、契約に従って基本的には一括して条件を会員に示している、こういうことだろうと思います。
○小川(国)委員 労働基準局長さんにお伺いしたいのですが、労働者の定義というのはどういうふうになっておりますか。
○石岡政府委員 基準法上の労働者は、先ほど部長からも答えましたように、一つ、使用従属の関係がある者でございます。それから、賃金が支払われている者であると考えております。
○小川(国)委員 労働者というものはそれと同時に、契約の形式を問わず実態をもって労働者であるか否かということを判断すると思うのですが、このような場合、労働基準局長として、契約の内容いかんを問わず労働の実態をもって労働者と判断する、こういう労働基準法の考え方からいけば、労働基準局長としては、このシルバー人材センターの会員は雇用契約であって労働契約ではない、労働者ではない、こういう判断を下されますか。
○石岡政府委員 労働基準法の適用に当たりましては、先生御指摘のとおり、実質的な実態が労働者であるかどうかという判断をして行っております。したがいまして、シルバー人材センターのケースにつきましても、発注先あるいは派遣先と会員の間で実態的に判断いたしまして、会員が労働者であるというような事実があれば、労働基準法の適用あるいは労災保険法の適用はあるところでございます。
○小川(国)委員 例えばシルバーセンターの会員の方で駐輪場の整備をする人がいる。この人はある一定の時間について仕事をしている。しかし、これは労働者に該当する人とはなりませんか。
○石岡政府委員 一般的にシルバー人材センターのケースにおきましては、雇用関係といいますか、ではない形が多いと思いますけれども、個々のケースにつきましては、先ほど言いましたように、労働者性が認められる場合は基準法の適用なり労災保険の適用があるところでございます。先生一つの例を挙げられましたけれども、実質的に労働者かどうかという判断は、個々具体的なケースの実態をよく調べまして、その上で判断したいと考えておる問題であります。
○小川(国)委員 例えばある事業所において旋盤工として毎日一定時間を働いている人がいるわけです。ですから、登録してあるかないかは別として、ある事業所において旋盤工として毎日一定時間を働いている人がいた。これは労働者ですか労働者でございませんか。
○石岡政府委員 先生今一つの例を挙げておられるわけですが、労働基準局といたしましては、具体的なケースにつきましてよく実態を調べまして、その上で労働者性があるかどうか判断をしてまいりたいと考えております。
○小川(国)委員 シルバー人材センターで二十五万人の人が働いているわけですが、その仕事の例に挙げられている職種のうち、労働者として仕事をする以外に考えられない職種というのがあるのかどうか、あったら教えていただきたいと思うのです。
○坂根政府委員 先ほど来御説明していますように、労働者になるのかあるいは請負でやっているのかということは、指揮命令があるかどうかというようなことで実態的に判断されるわけでございまして、雇用労働者としてしか働けないということを仕事の中身で特定していくのは難しいと思いますが、先生がおっしゃるように、例えば一つの企業の中でほかの労働者と同様に働いているというようなことになりますと労働者性が強くなるわけでございますので、そういうことのないように、雇用労働者になる場合には職業紹介として扱うようにということで指導をしているところでございます。
○小川(国)委員 部長さんの答弁は実態と全く食い違っておりますね。全国二十五万人の会員の人たちが、おっしゃるように職業紹介に該当する人は、ではどのぐらいいらっしゃいますか。
○坂根政府委員 職業紹介という形で行われておりますのは年間約五千人ぐらいでございます。
○小川(国)委員 そうすると私は、二十四万五千人という方はやはり実質的には労働者であって、賃金をもらい、しかも雇用契約を結んでいると思うんですよね。それを皆さんの方は、シルバー人材センターというのは会員であって、そして配分金であって請負であるという形でやっておりますが、これは私は労働基準法なり労災法なり労働者派遣事業法なりから調べていきますと、この実態というものはまさに労働者であって、賃金を支払われ雇用契約が結ばれる、こういう労基法、労災法で守られるべき労働者の立場にあると思うんですよ。 それをシルバー人材センターであるがゆえに、会員という形にし配分金という形にし請負という形にしている。そのために、こういう働いている方々がどういう不利益を受けるかというと、さっき言ったように、亡くなられたり、それから入院したり通院したり後遺症が起こったりする場合に、皆さんがやっておられる民間会社との団体傷害保険では、例えば入院しても通院しても、国の労災補償で労働者としての補償を受けられれば期限なしの治療が受けられるのに、民間であれば六カ月で打ち切りである。あるいはまた、支払われる保険料も、国の労災保険ならば相当額の保険料が支払われるのに、一人当たり年間千六百八十円で国庫補助が二分の一あるということですが、死亡の場合も最高六百万円。それから、さっき言ったように、入院しても補償期間は最高百八十日。それから、いろいろな補償の日額、入院、通院の場合の補償金額も、労災に比べたらはるかに後退した状況にあるわけ保ですね。 だから、労働者の身分や生活の安定を図る労働省が指導し管理し行っているシルバー人材センターにおいて、やはり労働者に対するこういう雇用なり補償なりあるいは労災なりに対する身分の安定の施策というのは万全を期して行われなければならないのじゃないか、こういう点について私どもは、シルバー人材センターの実態について皆さん方がもう少しその実情というものを立ち入って実態を把握するならば、やはりこれは労働者であって、災害があったときは国の労災法の適用を受けられる、こういう形をつくっていくべきじゃないかというふうに考えるのですが、この点、労働基準局長さん、職業安定局長さんからそれぞれ御答弁をいただきたいと思います。 〔委員長退席、森(英)委員長代理着席〕
○齋藤(邦)政府委員 ただいま部長いろいろ申し上げましたけれども、基本はシルバー人材センターの会員が安全に就業できること、また万一事故に遭ったような場合には適切な補償が受けられるということだというふうに思います。 確かに、先生御指摘のように、実質的に判断をいたしまして、実質は労働者であるとみなされるような場合もあろうかというふうに思います。これからシルバー人材センター数も多くなってまいりましていろいろあろうかと思いますけれども、私ども十分に指導をいたしまして、実質的に労働者であればそれなりのふさわしい補償を受けられるようにする、また労働者でないような形で、いわば請負でやるのであればそれなりに安全に就業できるようなための指導というものを一方でやっていく、こういうことが必要だというふうに思いますので、先生の御質問の御趣旨も踏まえて努力をしてまいりたい、このように考えております。
○小川(国)委員 労働省の労災補償制度の中にはいろいろな制度がありまして、労災保険の特別加入制度として一人親方という加入制度などがあるわけでございますね。そうすると、こういう人材センターの方々は事業主と早く言えば労働契約の形で実質的に一人で仕事に行く場合も多い。今現状は、事業主と人材センターと会員、こういう形で行っておりますが、実質は事業主のところへ行って旋盤工として働いたり避輪場で働いたり、警備員として働いたり植木屋さんとして働いたり、みんな直接事業主のところへ行って直接仕事をしているわけです。 ですから、私はそこにやはり労働契約はある、こういうふうに考えなければならないわけで、ただしかし集団で行っているわけではない。一人で行っている、こういう場合に、じゃどうするかということになると、一人親方の労災制度というのがあって、こういうものを適用していけば、現実には人材センターの会員の方々が集団で仕事に行こうが一人で仕事に行こうが、そこで通勤途上に労災事故があった、あるいは職場で労災事故があってもこれを救済する道はあるのじゃないか、こういうことはお考えになれませんか。
○石岡政府委員 ただいま先生は労災保険の特別加入制度について御指摘をなさっておられますけれども、御承知のとおり労災保険は本来雇用労働者の業務上の災害について保険給付を行うものでございまして、雇用労働者でない者はこの対象にならないという基本原則があるところでございます。 しかしながら、雇用労働者でなくても、その就労の実態等から見まして雇用労働者に準じて特に保護する必要がある、今一人親方の御指摘がございましたが、例えばそういうような者につきましては、労災保険の枠組みで問題が生じない限り労災保険への特別の任意加入を認めているところでございます。この場合、一般的に特別加入を認めるかどうかにつきましては、果たしてそういう者が労働基準法適用労働者に準じて保護する者にふさわしい者かどうか検討しなければなりませんし、また保険関係の適切な処理が技術的にそういう者について可能かどうかも検討しなければならないところでございまして、それらをいろいろシルバー人材センター会員について検討をしてみた場合、いろいろ問題がございまして、この問題につきましては慎重に検討すべき性格のものではないかと判断いたしております。
○小川(国)委員 もう一遍、これは労働基準局長に私は一つの提案として一人親方を申し上げたので、本来的には労働者として、そして労働契約がある労働者に対して労災に対しては加入させて、そして労災に対しては補償するという国の大原則があるわけですね。一人でも働いている人を使った場合には、それはもう全部労災保険に入ってもらう。労働災害があったら短期であろうが長期であろうがその災害に対しては補償する、こういう国の大原則は、局長さん、あるはずですね。
○石岡政府委員 シルバー人材センターの会員につきましては、先ほど来御答弁申し上げましたように、センターと会員の間あるいは発注先、派遣先と会員の間に雇用関係ではない関係があるのではないかと考えております。しかし、形式はともかくといたしまして、個々具体的なケースにおいて、実態から見まして会員に労働者性が認められる場合は、労災保険の対象に当然ながらしているわけでございます。
○小川(国)委員 これはぜひそういう方向で御検討いただきたいと思うのです。私、さっき十分申し上げられなかったのですが、現在民間の損保会社が傷害保険として就業中のみの損保の保険を掛けているようですが、この保険では休業補償がないのですね。私の友人のお父さんの場合、通院一日で三千円、九月から十一月いっぱい休業したのですが、労災ですとこの期間八〇%の休業補償があるのです。民間の保険ですと通院の日しか休業と認めない。ですから、ここのところに国の労災と比べて大きなマイナスがあるわけですね。 それから治療費の問題もあるのです。治療費は労災を使えないと健康保険で治療するようになるわけですが、この場合やはり三〇%の本人負担が伴うことになる。労災なら全額無料で済む。重症になればなるほどこの負担額は大きくなってくるということですね。 それから、後遺症の問題がございます。後遺症の問題については、当事者において民間の保険だと三十万円程度の見舞い金的なものが支給されているようでありまりすが、もしこれが労災適用になっていれば、等級によりますが、仮に十三級該当とすると百一日分支給されまして、時給千円掛ける六時間六千円、そうすると約六十万円の傷害補償金が出されるわけです。また十三級の該当者とすると、後遺症の補償は民間の保険だと労災の二分の一にしかならないわけですね。 だから、こういうふうに考えてまいりますと、せっかく労働省が指導し推奨し、高齢者対策として行ってきているこのシルバー人材センター、そしてまた高齢者の方々も大変喜んでこの人材センターに登録し、いろいろな職場に喜々として働いていらっしゃる。そういう喜びを与えているわけでありますが、一朝有事の通勤災害なり労働災害が起こったときに、こういう政府の労災保険と大変格差のある民間保険で、その場しのぎのと言っては大変失礼ですが、いろいろな面での労働者のそういう場合の補償というものが極めて政府の補償よりも低い形で対処されている。 こういう点を考えますと、私は今後たくさんの方々がこのシルバー人材センターで働いていかれると思うのですが、そういう人が安心して働けるサービスというものを政府はっくってあげる責任があるのではないか、こういうふうに思うわけでありまして、この辺、大臣なり次官なり、あるいはまた両局長さんからそれぞれひとつ御見解を承りたいと思います。
○齋藤(邦)政府委員 今、るる現在シルバー人材センターでやっております団体傷害保険の給付水準と労災保険との比較のお話がございました。ただ、人材センターの会員自身が臨時的、短期的な就業を目的としているところがございまして、その関係から報酬が比較的低水準であるということを考えに入れますと、労災保険と比べますと先生の御指摘ほどの差はないのではなかろうかというふうにも思いますが、いずれにしましても安んじて働いていただくためには、やはり万一の場合の補償というのも非常に重要なことだというふうに思います。そういう意味におきまして、給付水準その他につきまして少し検討をしていきたい、このように思っております。
○小川(国)委員 今やっている民間の団体保険では、その保険料の二分の一を国は補助金として出しているわけでございますね。しかし現実には、労災保険であれば、そしてまた聞くところによると、その半額は事業主に上乗せしてセンターが事業主に請求をしている、こういうことを伺っておりますが、この点はいかがですか。
○坂根政府委員 お答えいたします。 その保険料のシルバーの負担分を上乗せして請求しているということはないというふうに理解しております。
○小川(国)委員 そうすると、団体傷害保険料の二分の一を国庫補助していますが、あと二分の一はだれが負担しているわけですか。
○坂根政府委員 シルバー人材センターは、その運営補助はまず第一に市町村が行っているわけでございます。したがいまして、そのシルバー人材センターに対しまして市町村が補助をしているということでございまして、その二分の一を国が補助している、こういう仕組みでございます。
○小川(国)委員 そうすると、この労働災害に対する負担は事業主は一切負担しない。すると、市町村の補助金が二分の一、国の補助金が二分の一、こういうことでおやりになっているということですか。
○坂根政府委員 基本的にはそのとおりでございます。
○小川(国)委員 これは労働省のやっている行政の体系とか建前から見ると、労働者を雇用する事業主は、労働保険料については全額たしか事業主負担となっていると思いますが、この点、労働基 準局長さん、いかがですか。
○石岡政府委員 労災保険の場合、使用者は全額保険料を負担いたしております。
○小川(国)委員 ですから、これはやはり国の労災補償法の建前からいつても非常におかしいと思うのですよね。現実に事業主が労働者として使用している人に対して、労働災害が発生した場合の災害保険料を国の補助金や自治体の負担金でやっているというのは、これは労災補償法のあり方から見てもおかしいと思うのですよ。労働者を使う人は労働者の災害に対して補償する責任というものを持っているわけですよ。それは労働基準局長さんも原則として御理解のことだと私は思いますね。
○石岡政府委員 シルバー人材センターの会員が労働者か労働者じゃないかというところが問題でございまして、会員は基準法上の労働者じゃない、あるいはまた労災保険法の適用対象者ではないという形に現在のところなっている、そういうふうに私は理解いたしております。
○小川(国)委員 同じ労働省の中でも職業安定局と労働基準局と、局が違うとこう見解が一致しないので、私は国民の立場から見たらこれは納得できないことだと思うのですよ。 だから、労働大臣や次官もさっきから議論を聞いていただいていますので、何か御所見があったら承りたいと思いますが、少なくも私は今の考え方でいく限り、シルバーセンターの会員は労働者であり、労働契約であり、払われているのは賃金であり、これは決して皆さんがおっしゃる形のものとは違うと考えております。 ですから、この点はやはり労働省内部でも、会員、配分金、請負という形のシルバー人材センターの理解は現行労働基準法なり労災補償法なりの立場から考えたらこれを逸脱した考え方だ、これは明確に私は指摘せざるを得ないと思います。 このことについては労働省の中でも労働大臣、次官初め関係局の皆さんで十分御検討いただいて、私は本当にシルバー人材センターで働く人たちの労災事故、通勤事故に対して働く者としての補償がきちんとなされるようにその改善を強く申し上げまして私の質問を終わりたいと思います。では大臣。
○村上国務大臣 やはりシルバー人材の育成ということからいけば、その実態に即して労働省は対応していかなければならない。小川先生の先ほどからのお話をお聞きしておりまして非常に説得力がおありだ、こう思っておりますので、そこらあたりは労働省内部で調整をして検討させていきたい、こう思っております。
○小川(国)委員 終わります。
○森(英)委員長代理 倉田栄喜君。
○倉田委員 公明党・国民会議の倉田でございます。 私、初めて決算委員会に所属をさせていただきまして、さてまず最初に何からやればいいのかな、こういうことでございまして、まずその手がかりとして会計検査院の方で検査結果の報告のあらましの小冊子が出ておりますので、これを読ませていただくことから始めようかなと思ったわけでございます。 そこで、きょうは労働省、経済企画庁の平成元年度の決算でございますが、この会計検査院から出ております小冊子の検査報告、私の手元にある六十一年度から、つい先ほど平成三年度の報告もいただいたわけでございますが、労働省の分を見ますと、多少その折々に応じて違うことも書いてございますけれども、不当事項の記載がほぼ同じである。順番も大体、労働保険の保険料の徴収額に過不足がある、最初こういうところから始まっているわけでございまして、報告を読ませていただくと何となくパターン化しているような状況で書いてあるのかな、こういうふうな印象を受けるわけでございます。 社会の状況が変わり労働行政が相当に変化をする中で、六十一年度の決算の報告から平成三年度の概要、あらましたとは思いますけれども、大体同じような指摘事項が並んでいること自体不思議に思ったわけでございますが、まずどうしてこういうふうになっているのか、御説明を求めたいと思います。
○小川会計検査院説明員 お答え申し上げます。 労働省関係の不当事項といたしましては、御指摘のように労働保険料の徴収過不足の事態と失業給付金の不適正支給の事態、特定求職者雇用開発助成金の不適正支給の事態の三項目につきまして毎年継続的に指摘事項が検査報告に掲記されているところでございます。これらの業務につきましては労働行政の重要な一環としまして引き続き実施されておりますので、検査院といたしましても重点を置いて検査に当たっているところでございます。 これら継続的に指摘があるもののほかに、例えば六十三年実施の検査からは雇用調整助成金について検査を行いまして、六十二、六十三両年度の検査報告に掲記しておりますし、また平成二年実施の検査からは地域雇用開発助成金の支給についてと労災診療費の支払いについてそれぞれ新たに検査を開始して、平成元年度の決算検査報告以降におきまして不当事項として掲記しているところでございます。
○倉田委員 御答弁はいただきましたけれども、これは概要ということで、拝見をさせていただくと大体同じような内容のことに見受けられるわけです。そうしますと、今御答弁をいただいたわけですけれども、労働省に対する指摘事項というのは、これは概要といってもやはり指摘事項の中で一番重要なことということで指摘をされておられるのだと思いますが、今御説明いただいたほかには指摘事項として特になされておるわけでございますか。
○小川会計検査院説明員 ただいま申し上げましたように地域雇用開発助成金でございますとか労災診療費の問題につきまして指摘しているところでございますが、指摘にまでは至らない事態でございましたが例えば高年齢者多数雇用奨励金というものがございます。そういうものにつきましても検査の過程で指摘している、そういうような状況がございます。
○倉田委員 先ほど申し上げましたように、労働行政もいろいろな意味で社会状況が変わる中で変化をしているはずだと思うのです。会計検査院としても、今回はというか今度はどんな方向でどんな項目を調査をしていこうか、まずこういう検討をされることから始められるのだと思うのです。全般的に全部調べてみて、それでここが不当事項だからということでは多分ないのだろうと思うのです。最初にまず今の社会状況の中であるいは労働行政の中でこの分野を絞って調査してみましょうということから始まるのだと思うのですが、それはそういうことなんでしょうか。 私が思うには、それにもかかわらず、違うことも出ておりますけれども、大体同じようなことになっているということはどうなのか。大体それぞれの年度でどんなことを今回は会計検査院として調査をしていこうかということについてのまず最初の方針みたいなものがあるのだと思うのですが、その辺はどんなふうになっているのか、これも御説明をいただければと思います。
○小川会計検査院説明員 私ども会計検査院といたしましては、社会経済情勢の変化に即応した検査を行うということを一つの最大の命題といたしまして、検査に当たる各局各課でそれぞれ工夫を凝らして努力をしているところでございます。例えば、検査を始める前に毎年度重点事項というものを定めまして、それに従って計画的に検査を実施しているということでございます。 労働検査の分野におきましても、先ほど来申し上げておりますように、例えば地域雇用開発助成金という制度ができましたときには新たにその検査に当たるというような観点から検査を始めたものでございます。今後ともさらに一層御指摘の趣旨に沿った検査を充実するような方向に努めていきたいと思っております。
○倉田委員 そこで、労働省の方にお尋ねをいたしたいと思いますが、会計検査院の方から概要として指摘をされておること、最初にいつも出てくることが労働保険の保険料の徴収額の過不足の問題、これがトップでいつも同じように指摘をされて、大体継続的に指摘をされておることはどうも同じことである。これは、労働省としてはこの原因をどのようにお考えになっておられるのかどうか、お尋ねをいたします。
○山中政府委員 御指摘のように、労働保険の保険料の徴収過不足や、あるいは失業給付金あるいは特定求職者雇用開発助成金の不適正受給など、毎年不当事項として指摘されておりますが、これらのこのように指摘されております原因といたしましては、例えば労働保険ですと、これは相当数の事業所に全部適用いたしておりまして、相当の範囲にわたります。そういう意味で、事業主に対する関係法令等の周知徹底を図っておるところではございますが、そこが十分でなくてまだ理解不足であるとか、あるいは私ども、申請書類が上がってまいります、その場合に、そういう申請書の審査事務というのが、私ども限られた人員でやっておりますので、そこが審査、確認が不十分であったことによるものではないかというふうに私ども考えております。まことに遺憾であると思っております。
○倉田委員 理解不足であるとかあるいは審査が適切じゃなかった部分があるのではないのか、こういう御答弁ですが、もしそういうことであるとすれば、これは何というのですか、是正をできる、会計検査院からまた次の年度も同じような指摘を受けるようなことがないことができるはずだと思うのです。 しかし、ずっとこれだけ長く同じようなことを指摘をされておられるということは、やはりこの指摘されている制度とかあるいはシステムとかそういうことにも問題があるのではないのか。やはり現場の事務あるいは保険のあり方、給付の対象等々の中でどうしても不可能な、事実上できないことを法制度の中でシステム化されていて、そのできないことがやはり不当事項としてずっと指摘をされておるという実態もあるのではないのかな、こういうふうにも思うわけでございます。 今の御答弁ですと、これは労働省としてのいわば不十分なところであって、それさえ直せばできる、こういうふうな御答弁ですが、私はそれだけの問題なのかなと、ちょっと繰り返しになりますが、するのですが、その点はいかがですか。
○山中政府委員 私ども、この会計検査院からの不当事項としての指摘については厳正に受けとめて、何とか指摘がないように適正化に毎年努めております。このような事態が発生しないよう何とか——先ほど申し上げましたように法令そのもの自体については私ども欠陥があるとは思っておりませんで、このようなやはり理解不足とかあるいは私どもの職員の理解不足等々、それについてはいろいろな職員の研修などあるいは私どもの全国会議で厳正に対応するようにという指示をいたしまして、何とか指摘事項がなくなるよう努力を今後とも私どもしていきたいというふうに思っております。
○倉田委員 それでは次の問題に移りたいと思います。 特定求職者雇用開発助成金、地域雇用開発助成金、そういうのがございます。また、雇用調整助成金、こういう助成金がそれぞれ制度としてあるわけですけれども、平成三年度の決算の概要、報告については、この点、この前の特定求職者雇用開発助成金、地域雇用開発助成金についての指摘も会計検査院からはされていると思います。この不当であるかどうかということの問題は一応おきまして、この現在の利用状況について労働省の方にお伺いをしたいと思います。
○齋藤(邦)政府委員 平成三年度におきます支給実績について御報告をさせていただきたいと思いますが、特定求職者雇用開発助成金につきましては五百一億でございます。それから、地域雇用開発助成金は三百三十一億、雇用調整助成金二十三億、以上のとおりでございます。
○倉田委員 昨今、なかなか経営不況感と申しますか経営状況あるいは不況、非常に厳しい状況でございます。何回もいろいろなところで取り上げられていると思いますけれども、中小企業経営者の方は非常に厳しい状況にある、また経営基盤も非常に脆弱である、こういう状況にあるわけですけれども、今お答えいただいた中で雇用調整助成金、それぞれほかの二つについてとはちょっと違う部分はあるんだと思いますけれども、額については少ないな、こういうふうな印象を持つわけです。 それで、そういうことからすれば、今これだけ不況下の中で、雇用の状況、雇用の安定というのを図っていかなければいけない、その維持を図らなければいけないということですが、この雇用調整助成金についての指定業種、先ほどのほかの二つのところと比べても助成金、額のそのものもちょっと少ないのかと思いますし、その辺からしますと、この指定業種というのは十分に中小企業をどうもカバーしているようにもまた思えませんし、実際にこれを利用するときに窓口とか検査の手続とかなかなか大変というか、複雑と言っていいのかどうかわかりませんけれども、手続も結構大変だな、こういうふうな御相談も受けることがあるわけですけれども、この点について、いわゆる雇用調整助成金、もっと業種の問題についても拡大をする必要があると思いますし、また、その手続についても、もっと迅速に対応できるような手続の簡便化を図る必要があるのではないのか、こう思うのですが、この点についてはいかがでしょうか。
○齋藤(邦)政府委員 まず最初に、先ほど申し上げました雇用調整助成金の支給実績、平成三年度の実績でございまして、二十三億と申し上げました。ただ、この平成三年度、非常に好景気なときでございまして、現在とはやや事情が違っておるということをまず申し上げておきたいというふうに思います。 雇用調整助成金につきましては、平成四年、昨年の十月から業種の指定基準を緩和をいたしました。現在までの間、九十五業種を指定してきております。今先生おっしゃられましたように、中小企業の方々によく利用していただくというのが非常に大事なことだというふうに思っております。現在、できるだけわかりやすいような形で手続書類を書いていただくというような意味で必要なマニュアル等もつくらせておりますし、また、現地の窓口におきましてはできるだけ懇切丁寧に御相談に応ずるということを旨としてやるようにと指示をしております。 やはり、こういうような不況の波といいますか景気の後退の影響といいますのは中小企業に大きくかぶってまいりますので、そういう意味で、中小企業の方々にできるだけ利用していただく、こういうようなつもりで運用をしていきたいと思っております。 〔森(英)委員長代理退席、委員長着席〕
○倉田委員 この点はぜひ、業種の点もさることながら、もっと積極的に御検討をお願いしたいと思います。 それから、今利用状況について、もっと手続、十分審査をすることもこれは当然だと思いますけれども、もうその辺、申し込むだけでも面倒くさいということにならないように、もっと簡便化ならないものかどうか、これもお尋ねしたわけですが、この点についての御答弁なかったかと思いますのでお答えいただきます。
○齋藤(邦)政府委員 失礼いたしました。 申請書類を出していただきますときにいろいろな審査をいたします。また、先ほども御指摘ありましたように、いろいろ不正受給等の関係があるものですから、余り簡素化もできないという悩みもございますけれども、いずれにいたしましても、安定所の窓口におきまして、実際の申請書が出てきたときに懇切丁寧に指導をするということを旨としてやっていきたい、このように思っております。
○倉田委員 ぜひひとつよろしくお願いしたい、こう思います。 そこで次に、最近の雇用の情勢について、これは労働大臣にお尋ねできればと思うのですが、最近の雇用の情勢を見ますと、厳しい不況感の中で中高年齢者を対象とした希望退職者の募集や勧奨退職といった、これは受ける者にとってみれば非常に厳しい雇用調整が行われておりまして、新聞等々でもその種の報道が盛んにされております。 労働大臣としては現在の雇用の状況をどのように見ておられるのか、また現実に一部企業で行われております勧奨退職等の厳しい雇用調整、これをどんなふうにお考えになっておられるのか、御答弁をいただきたいと思います。
○村上国務大臣 雇用情勢は非常に憂慮すべき状況にある、まずそういう判断をいたしております。と申しますのは、景気の低迷を反映し、有効求人倍率が三カ月連続一倍を下回り、失業者数は増加するなど厳しい状況が続いている。また、雇用調整については、残業規制や中途採用の抑制がなお中心であるものの、各地域の電機、機械等で管理職を含む希望退職の募集、勧奨退職といった一段と厳しい方法をとっているところが見られますことの認識は、これは先生と同様でございます。 このような状況の中では、できる限り失業者を出さないようにすることが重要である、そのために希望退職の募集、勧奨退職といった厳しい雇用調整はできる限り避けるべきであり、企業の雇用維持努力の援助に努めることが肝要であろう。先般も、経営者側の代表の皆さん方にもお越しいただきまして、そのような趣旨の徹底を図っているところであります。
○倉田委員 今大臣にはできる限り失業者を出さない、こういう御答弁をいただいたわけですけれども、一方で厳しい雇用状況下にあり、そういう勧奨退職等の事実があることも大臣御認識のようでございます。 それで、実際に会社の方としては、いろいろ問題があるとするとこれは任意でという形でとられていくんだと思いますけれども、そうは言われても、受ける方とすれば、任意の形に応じたとしても、どうもやむなく不承不承というケースも結構多いのではないかと思うのです。 大臣が、できるだけ失業者は出さないようにすべきである、こういう御答弁だとすれば、先ほどお尋ねをいたしましたけれども、この勧奨退職の制度、それから実際にこういう対象者として雇用調整の対象になる方々に対して、大臣としてあるいは労働省としては、どんな点をそれぞれの経営者側に対しても注意をされておられるし、あるいはどんな対策を講じておられるのかどうか、お聞きしたいと思います。
○齋藤(邦)政府委員 基本的な対応策につきましては大臣からお話し申し上げたとおりでございますが、基本的にはできるだけ失業者を出さないようにということで、各事業主団体にも御要請申し上げましたし、また各機関を通じましてそれぞれ個別の事業主にも御要請をしておるところでございます。 私ども、そういうような具体的な情報といいますか事案の収集に努めることがまず第一だというふうに思っておりますし、そういうふうな事案について情報を手に入れ次第、各事業主に対しまして個別にお願いをしておる。それで、どうしてもこのような措置をとらざるを得ない場合におきましても、できるだけ数を少なくするとかあるいは強制にわならないようにお願いをしたいとか、また先ほど御指摘ございましたような雇用調整助成金というような制度もございますので、こういうような制度を活用して、できるだけそういうような強硬といいますか厳しい措置をとらないで済むような方法はないだろうかといろいろ御相談に応じながら指導をしておるということを、現実に全国五百ばかりの公共職業安定所がございますので、その機関を活用いたしまして全力を挙げて努力をしておる最中でございます。
○倉田委員 さらにもう一点お尋ねをしたいと思いますけれども、これも新聞等マスコミで報道されておるとおりでございます。一部企業でいわゆる学卒者の採用内定取り消しが行われておる。これもいわゆる採用者側とそれから学生側あるいは大学側、従来の信頼関係にひびが入るような状況も生まれてきておりますし、また実際には採用内定取り消しを受けた人にとってはもう新たな職探しするのも大変だし、非常に厳しい状況を迎えているわけです。 これも現在の厳しい経営状況下の中で大きな社会不安の一つになっておると思いますが、この内定取り消しについて労働省としてはどんな対策をお考えになっておられるのか、またどういう指導をされておられるのか、まず大臣からお伺いしたいと思います。
○村上国務大臣 私は、このことは大変なことだと思っております。それで、実は先日も担当局長、次官、官房長に指示いたしましたのは、やはり夢と希望を持ってこれから社会に出よう、そして求人側のいろいろな会社の経営、会社の経営理念、そうしたものをたくさんいろいろと聞きながら、Aという会社であればAという会社を選択して受けた、そして内定した、ところが内定取り消しが来た、これでは余りにも、こうしたこれから社会に巣立つ、こういう状況は許すべきことではない。ですから、その内定者を保護する何らかの法的処置、法的な方法というものはないものかということを今検討するようにいたしておるところであります。
○倉田委員 大臣から本当にいい答弁をいただいた、こう思っております。 労働省も御承知かと思いますが、いわゆる採用内定取り消しの分については既に最高裁の判例もございまして、やはり事実関係はいろいろあるかとは思いますけれども、出ている最高裁の判例はいわゆる雇用契約というふうに扱われているはずだと思います。そういう意味からすれば、やはり内定という言葉を使って、内定だからということで採用取り消しというのは許されないものだ、こういうふうに考えますし、今大臣も何らかの法的措置がとれないかどうか、そういうことで検討しておられるということでございますので、これはやはり雇用の一番最初の入り口の部分の重大な問題でございますので、ぜひ、しかるべき前向きな法的措置を含めた対策を御検討願いたい、こういうふうに思います。 それから、この問題に関しましてもう一点、いわゆる厳しい雇用調整が現実に行われる中、やむなく失業という状況に追い込まれる方がやはり現実には少なからず出ておるわけです。そういう方々がいわゆる職業安定所の方でいろいろお世話をいただいているのだとは思いますが、再就職先の確保、収入が途絶えるわけでございますので、そういうのが非常に重要になってくる、その辺はどういう対策を講じておられるのか、これも最後にお尋ねをしておきたいと思います。
○齋藤(邦)政府委員 私どもといたしまして、こういうような情勢の中においてやむなく失業された方々につきましては早期に再就職をしていただく、これが極めて重要なことだというふうに思っております。 そのために、一つは、私どもの出先機関でございます公共職業安定所におきまして、綿密な職業相談を行いまして、求職者の方の希望を十分伺った上で積極的な職業紹介をするということが一つでございますし、またもう一つは、やはり求職者の方々に適切な求人を提示するということも非常に大事なことだというふうに思います。そういう意味で求人を確保するということが大事でございますし、その求人の確保に当たりましても、やはり求職者の方のニーズにといいますか、御要望に合った形での求人をできるだけ確保しなければいけないということで、求人条件の緩和ですとか、あわせまして各事業所に職員を回らせまして、適切な求人の確保を行うということで努力をいたしておる次第でございます。 このような趣旨は、昨年の十二月に各都道府県知事あてに通達をいたしましたし、また一月早々、大臣もみずから出席をいただきまして、各県の職業安定課長を集めまして指示をいたしたところでございます。そういうような形で、積極的な職業紹介を行うことによって雇用の安定が図られるように努めてまいりたい、このように考えております。
○倉田委員 次の問題に移りたいと思いますが、いわゆる今大きなテーマとして、高齢化社会というのが言われておるわけでございますが、この高齢化社会をいよいよ日本が迎える、こういう状況の中にあって、高齢化社会における労働力の確保という問題についてお聞きをしたいわけです。 そこで、まず、いわゆる二十一世紀に到来が予想されるこの高齢化社会において、労働力の確保という視点から考えた場合、労働省はどのような見通し、あるいは対策を考えておられるのかどうか、この基本的な部分をお尋ねをしたいと思います。
○齋藤(邦)政府委員 今後の我が国の労働力人口の姿がどのような形になっていくかということを見てみますと、一九八〇年代におきましては、労働力人口は七百三十四万人増加をいたしましたが、二〇〇〇年からの十年間では、一転して百九十八万人減少する、このような見通してございます。さらに、高齢化が進展をしてまいります。こういうようなことを考えますと、若年労働力を中心といたしまして、労働力不足感というのが高まることが予想されるのではないかというふうに認識をいたしております。 そのようなことのためには、一つは、労働者の方々が働きやすい就業環境を整備していくということがやはり大前提としてなければならないというふうに思いますし、さらに年齢ですとか地域間とかいろいろないわば難しい問題が出てまいりますので、そういうような年齢によります格差あるいは地域間の格差というのを解消するような努力が一つ必要だろうというふうに思います。そのことによって、一つは必要な労働力を確保していく、それからまた、あわせまして省力化ですとか効率化というような形によりまして、生産性を一層上げることによりまして、労働力を有効に、有効にと言っていいか、言葉遣いが悪いかもしれませんけれども、労働力を効率的に使う方法というのも考えていく必要があろうか、このように思っております。
○倉田委員 私がお伺いをしたいと思っている趣旨は、中長期に見た場合、これは経済企画庁長官にもお伺いしたいと思うのですが、その成長率等々相まって考えた場合に、絶対的に労働力が不足をしてくる、いわゆる労働人口そのものが不足をしてくるのではないのか、こういう視点からお尋ねをさせていただいているわけです。 今おっしゃったように労働環境の問題であるとか、あるいは省力化の問題であるとか、あるいは効率化、そういう問題で対応できない労働力そのものが、今先ほど、現在の状況の中では雇用が非常に調整局面に入っていることを申し上げましたけれども、二十一世紀になったときにはいわば労働力そのものが足らないと、こういう指摘をなされておる。このことについてどんな基本的な認識をお持ちなのか、これをお伺いをしたわけでございます。労働大臣、この点、いかがでございますか。どういうふうにお考えでございますか。
○村上国務大臣 お答えいたします。 中長期的にこの働く人たちの人口の伸びの鈍化、減少が見込まれる中で、今後の労働政策の方向としては、先生の御指摘の二つの方向をともに視野に入れた対応が必要だと思います。 第一に、人口減少と高齢化社会の到来に対応して、より貴重となる労働力を大切に効果的に活用できるよう経済社会の構造を変えていくことは重要な課題である。 第二に、働く意欲と能力を持たれる方々が働く場を得られますような条件整備を進めることによって、必要な労働力の確保を図っていくこともこれまた大切な考えだと思っております。
○倉田委員 そこで、企画庁長官にお尋ねをしたいわけでございますが、経済企画庁として、中長期の経済成長率の見通し、それからその場合必要な労働人口、これをどんなふうにお考えになっておられるのか、お尋ねをしたいと思います。
○船田国務大臣 倉田委員にお答えをいたします。 私は、技術的なこともあり、数字の問題等は政府委員等がお答えするのが適当かもしれませんが、基本的な考え方を私からお答えいたしたいと思っています。 御承知のように、昨年六月に「生活大国五か年計画」が策定をされまして、地球社会と共存する生活大国への変革を目指す、こういうことで取り組みを始めたわけであります。その計画期間中、これは平成四年度から平成八年度まででございます、この五年間でございますが、実質経済成長率は年平均で三カニ分の一、三・五%程度になる、このように見込んでおるわけであります。 そして、お尋ねの労働力人口のことでございますが、計画期間中の労働力人口の伸びにつきましては、労働時間の短縮あるいは就業形態の多様化、弾力化ということを通じまして、やはり女性とか、あるいは高齢者の労働力の新たな供給というものがあり、その増加というものは確かに若干期待ができるわけなんですけれども、しかし、基本的には、先ほど来御指摘がありますように、人口構成の高齢化に伴って八〇年代の後半に比べますと若干労働力人口の伸びは低下する、このように理解をしております。この結果としまして、平成八年度の、これは「生活大国五か年計画」の最終年度でございますが、八年度の労働力人口は六千七百万人強になるであろう、このように見込んでおります。 それで、さらにその先ほどうかということでございますけれども、これは確かに政策課題への対応がどういうふうに進展をするかということによって、その与件といいますか、条件の設定によって経済成長の姿は異なっていくわけでありますけれども、少なくとも労働力人口につきましては、一九九〇年代ではテンポが鈍化しつつも若干ずつ増加は続ける、しかしながら二〇〇〇年以降になりますと、近年の出生率の低下なども反映をいたしまして緩やかに労働力人口は減少に転じる、このように考えております。これに伴いまして二十一世紀にかけて、もちろん先ほど来省力化とか効率化とかこういうこともありまして一概には言いにくいわけでありますけれども、しかし基本的に労働力人口が減少するということを踏まえれば成長率は徐々に低下していく、そういう大まかな姿がイメージできるのではないかな、こう考えております。
○倉田委員 これも、二十一世紀を見通した場合にどういうふうな基本的な認識を持って政策を進めていくかどうか、これは非常に大切なことだろうと思うのです。そういう意味で、今長官は労働力人口については若干低下をする、こういうふうなお言葉もお使いになりましたけれども、若干というふうな認識でいいのかどうか。もっと厳しい認識も必要なのではなのか、こういうふうに思うわけです。 それで、今長官から高齢化という問題の認識もございました。一方で出生率の低下の問題もございました。一昨日も、新聞トップで報じているところが多くありましたけれども、いわゆる我が国が世界に類例のないくらいのスピードでその質と量においてすさまじい高齢化社会を迎えようとしている。一方で合計特殊出生率、今、九一年は一・五三という数字が出されておりました。労働大臣に、ではこれから先の、日本の国土の状況を考えたときに適正な人口がどのくらいなのか、あるいは労働力はどのくらいなのか、これをお尋ねするのはなかなか難しいし、そういうことをきちんと出せる方も、そんなにはきちんとした答えが出るものではないとは思いますけれども、いわゆる労働力ということを考えた場合にはこれも大切な視点なんだろう、こういうふうに思います。 そこで大臣に、人口の増減そのものをどんなふうにお考えになっておられるのか。日本における適正人口、例えば現在の人口がやはり適正なんだというふうにお考えになられるかどうか。あわせていわゆる一・五三という出生率、これをどんなふうにお考えになるか。一方で国家的危機みたいな言葉を使われる方もあるわけでございますが、この点についての大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○村上国務大臣 まず、先ほど企画庁長官からも話がありましたが、昨年九月に厚生省人口問題研究所が出しました「日本の将来推計人口」の中位推計によりますと、出生率は一九九四年の一・四九を底にいたしまして上昇に転じ、二〇二五年には一・八〇の水準に達すると見ております。これによりますと、我が国の総人口は二〇一一年に約一億三千四十万人でピークを迎え、以後緩やかに減少し、二〇二五年には現在とほぼ同じ約一億二千五百万人程度になると推計されております。 これがお答えになるかどうかわかりませんが、そういう状況をたどり、今御質問の適正人口についてはおまえの考え方はどうだ、こういうことでございますが、一応何を基準にしてこれを出せばいいのか、おまえは労働省だから労働力というものを基準にして考えていけばいいんだということになりますが、国としてどこらあたりを適正と考えておるのかひとつ勉強してみよう、こう思いまして厚生省のこの人口問題研究所あたりにも問い合わせてみました。それから総理府にも問い合わせてみたわけでありますが、この数字が適正人口だという数字はないのですね。そうしたことから見ると、私のような浅学の者がこれが適正人口だといって先生にお答えすることはちょっとやはりはばかった方がいいな、こう思いますので、この適正人口については言及を避けたい、こう思いますのでお許しをいただきたいと思います。 そこで、一・五三ということについてはどうか、こういうことでございますが、子供を何人持つかという問題は、これは個人の生き方、人生観、そしてまた価値観に深くかかわる問題でありまして、政治が直接踏み込むべきではない問題と考えますけれども、一・五三という出生率は人口の現行水準を将来にわたって維持するのに必要と言われる二・一を下回っており、この状況が長期間続くことは、私個人としては望ましい姿ではないな。 そうしたところへいきまして、いずれ若い青年諸君が家庭を持ち、子供を産み、育てやすい環境をつくっていくことが極めて重要な政治課題ではなかろうか。私も昭和五十五年に参議院に当選してまいりまして五十六年に参議院の総括質問に立ちましたときに、これと直接関連いたしませんが、出生率について、当時、現在もそうでありますが、優生保護法というのがございまして、これはおなかの中にいる赤ちゃんの中絶が定められている条項がございまして、当時、昭和四十年、これは昭和二十二年に戦後GHQの政策としてできたわけでありますが、年間数百万という中絶が行われたということを私は着目いたしまして、ゆゆしき問題だということを提議したことはございます。そうした中でもやはり感じますことは、産みやすい環境をつくっていくことが大事だ、そして産んだ子供を育てられる環境をつくっていくことが大事だということを感じたわけでございます。 そうしたことからいきますと、私も出生率だとか日本の人口の動向につきましては割合それなりに勉強したつもりでおりますけれども、これはやはりそうした人生観だとか適正人口の基準をどこに置くのかとか、こうした問題に深くかかわってまいります事柄だと思っております。
○倉田委員 優生保護法の問題はいろいろ御議論のあるところですので、また別の機会にさせていただきたいと思いますが、今お答えの中で、特殊出生率は一・四九を一番底として一・八〇ぐらいまでは回復をするだろう、こういう御答弁もございました。大臣のお答えの中にもまた、人口の増減のない状態、静止状態というのには二・一が必要である、こういうお話でございました。そうだとすれば、この二・一に届かない限りは日本の人口は将来的に減り続けていくということになるわけですね。そういう減り続けますよという指摘が、今の状況のままでは、今のい古いろなことを考えながら、将来予測もいろいろな要素を含みながら考えてみても、いわゆる現在の人口というのは維持できる状況にありません、こういう指摘がなされているわけです。これに対して国は、労働省、どう考えるのかという実は私の問題の指摘であるわけです。 今現在、九一年の一・五三ショックという言葉まで言われるほどのこの出生率の低下、これに対しては大臣もいろいろ御答弁いただきました。産みゃすい環境、育てやすい環境をつくり上げていかなければいけない、こういうお話でございました。とすれば、今大臣の御認識というのは、個人間のいろいろな問題も多分いろいろ御指摘されてあると思いますけれども、やはり今の現状の中は、産みやすい環境、育てやすい環境にはなってないんだ、一・五三という数字はやはりそのことも意味しているんだ、こういうふうにお考えなんですか。一・五三という数字をどんなふうに大臣お考えになっておられるのか、もう一度御答弁いただきたいと思います。
○村上国務大臣 やはり先ほど言いましたように、二・一の水準、こうしたことに努力を傾けていかなければいけない。そのためにいろいろそうした条件、これは一つの教育問題にもなってくるでしょうし、それから、今おっしゃられたようなそういう、この状態が続けばやはり大変なことになるんだよ、こういうこと等々、大いに私どももあらゆる場を通じてお話をさせていただいていく必要があるのかな、こういうふうに思っております。
○倉田委員 私もこの問題を勉強させていただいて、こんなこともあるのかなと実は思ったことがあったのですが、いわゆる働くゆとりというのか豊かさというのか、今労働時間の短縮の問題も盛んに言われておるわけでございますが、一方で女性の晩婚化の傾向もある。この原因、いろいろあるんだと思いますが、企業社会ということを前提にした場合に、若い男性、これが会社中心主義の中で、そのエネルギーが非常に会社の仕事に朝早くから夜遅くまで吸収され尽くしてしまっている、とても女性の方に目を向けるエネルギーがないというのか。それで若い女性の方は、これはと思う男性はどうも会社の方にばかり時間を使われて、なかなか結婚のときにこれはと思う男性が見つからないということもあるのではないのかという指摘が、これは一つの例えの例だと思うのですが、やはり基本的には労働時間のゆとり、こういうことも背景にあるのかなという気もしないでもありません。大臣はこういう御指摘に対してどんなふうにお考えですか。
○村上国務大臣 やはり男性からすれば、非常に生活が、これは都会的な考え方かもわかりませんが、非常に便利になっているのですね。食べ物なんというのは一々家でつくることもない、夜の夜中でもコインを入れれば欲しいものは出てくるとか、洗濯は、銭湯の隣に行けばちゃんと、銭湯に入る前に突っ込んで、出てくればもうでき上がっているとか、そういう非常に生活が便利になってきたということで、男の晩婚化。それからまた、女性からすれば、何も男に頼ることはない、平易な言い方をすれば。先ほどもこの御質問が出されて、皆さんと話したときに笑ったことでありますが、やはり男の権威というものがだんだんなくなってきたのかな、こういう笑い話をいたしましたが、いずれにいたしましても、また女性からすれば仕事と結婚の両立がなかなか難しいとか、それから男性を選ぶよりも女性は社会的地位の向上ということで仕事を選ぶだとか、それからまた住宅問題等々、こんなことを考えていくと、非常に負担を感ずるんじゃないのかな、そういうことで晩婚化が進んでいるというようなことじゃないのかな、このように考えております。 私は割合早く結婚いたしましたので、息子にも早く結婚しろ結婚しろ、こう言っていますが、私の息子ももう二十九、全然結婚などは考えていないようで、困ったことだ、こう思っています。困ったことだ、これは私の息子だから私はこう申しておるわけでありますが、こういう傾向にあろうかと思います。
○倉田委員 成長率あるいは労働人口の不足、そしてこの出生率の低下、こういうことがこれから日本がどんなふうに国の進路を決めていくのかと考えるときにやはり一つの大きな視点なんだろう、こう思うわけです。そういう意味からちょっと細かなところまでお聞きをしたわけです。 経済企画庁長官にお尋ねをいたしたいと思います。 確かに、いわゆる出生率一・八〇ですか、そこまで回復するとしてもとても静止状態を維持する出生率の二・一までは届かない。そうだとすれば、やはり労働人口は不足をする、こういうふうに思わざるを得ないわけですね。 そこで、長官は先ほどは高齢者あるいは女性の労働参加、そして省力化、効率化、そういうこともお答えになりましたけれども、経済成長率の見通しと絡めながら、労働人口の不足、今の日本の経済社会のシステムをそのまま維持しようと思う限りにおいては、やはり一定の成長率はなければいけないのだろう。このところからまだ私も踏み出してはおらないのですけれども、そうだとすれば、労働人口は不足をする、これを、先ほどの長官の御答弁のように高齢者あるいは女性、あるいは省力化、効率化、こういうことだけでこの労働人口の不足というのはカバーできるとお考えになっておられるのかどうか、この点については長官はどんな見通しをお持ちでございますか。
○船田国務大臣 先ほど御答弁の中で、一九九〇年代、その労働力の人口の伸びが若干鈍化するというお話を申し上げ、それから二〇〇〇年を超えますと、それは現在の、先ほど来話しありますように出生率の低下ということもありまして、やはり労働力人口というのは若干減っていく。この若干という言葉が少し不適切だったかな、このように思っておりますが、やはり緩やかではありますけれども減少傾向になっていくということは間違いのないことであろうと思います。 もちろん、先ほど御指摘をいたしましたけれども、例えば労働の現場における省力化あるいは効率化、そのための投資がかなり今後とも行われるわけでありますし、もちろんそのこともやはり労働力そのものの、つまり人口は減っていくけれども、あるいは伸びが鈍化するけれども、労働の力としてはある一定のものが保たれるという側面は一方でありますし、またさらには、先ほども御指摘いたしましたけれども、労働時間が全体として時短という形になってくる。あるいはフレックスタイム制なども、これはこの前閣議決定をいたしました基準法の中でも採用している。あるいはまた就業形態をさらに多様化させよう、こういう動きもあると思います。ですから、そういう条件整備ということによって、これまでなかなか女性が職場に進出できない状況あるいは高齢者がなかなか参加できない、そういう労働市場に対して、今後女性、高齢者がより参加しゃすいような環境づくりをしよう、あるいはそういうことになるだろうということが指摘できると思っております。 しかし、基本的にはやはり出生率の低下を初めとして、労働力が非常に不足をする、これはかなり引き締まりの基調で推移をする、このように考えておりますので、これは今申し上げた施策、それと同時に、やはり出生率を上げるという、先ほど来労働大臣も御持論を述べられましたけれども、私自身としても出生率の著しい低下あるいは低い状態というのは、今後の経済成長あるいは我が国の生活大国を目指すという大きな目標においてもやはりそこは問題であろう、こう考えておるわけです。 子供たちを生みやすい環境をつくるということ、あるいはまた住環境をさらに充実するというようなこと、教育費がやはりかかり過ぎる、これを何とかみんなで負担をしていこうというような考え方、もちろん、基本的には個々人の選択であり家庭の選択ではありますけれども、やはり国の政策というのは子供の数をどうするのか、出生率をどうするかということにもある程度の長期的な展望を持って適切に対応すべき問題であろう、こう考えております。
○倉田委員 同じ問題についても労働大臣、御答弁をお願いします。
○村上国務大臣 二〇〇〇年からの十年間では百九十八万人の減少に向かうとの見通してあります。中長期的に経済企画庁の申します適当な成長を遂げるためには、この労働力の不足の問題を解決しなくては適当な経済成長はあり得ない。ですから、そういうことからいきますと、この問題は本当に重要な、大きな問題として私は今後政府が取り組んでいかなければならない、こう思っております。
○倉田委員 時間が参りましたので、若干質問を残しましたけれども、私の質問を終わりますが、いわゆる高齢化社会における労働力不足をどうするのか、女性の社会参加あるいは高齢者の社会参加、あるいは一方で今問題になっている外国人労働者、これをどんなふうに考えているのか。これは一つ一つの具体的な法制度としてあらわれてくる必要があるんだろうと思います。 先ほども、いわゆる高齢者シルバーセンターの充実の問題も御指摘をなさっておられました。今経済企画庁長官からは、いわゆる教育費の問題、あとは教育費減税のことを主張していただいておりますし、いろいろなことをこの高齢化社会を迎えるに当たって労働人口をどうするかという視点からも考えていかなければいけないだろうし、それは具体的な法制度としてすぐあらわれてこなければなかなか間に合わないことだろう、こういうふうに思いますので、この点強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○貝沼委員長 次に、寺前巖君。
○寺前委員 私は、京都のユニチカの宇治工場というのがあるんですが、そこのレーヨンの紡糸職場におけるCS2、すなわち二硫化炭素ガス中毒の問題を聞きたいと思うのです。 なぜこういう気になったかといいますと、何人かの人に直訴されまして、こんなことが近代日本で許される話なのだろうかということで、私も改めて見詰め直させられた問題であったからです。 それを少し調べておりますと、去年の十二月に八代でこの問題に関係するところのシンポジウムがあったということを聞きました。そのときの記録も読ませていただいたら、そこには、南朝鮮から痛めつけられておった労働者の代表が問題提起に来ている姿を見ました。私はそこから何か朝鮮の新聞には載っているのじゃないだろうかということで探してみましたら、出てきたんです。 源進レーヨンという会社で、南朝鮮唯一の人絹製糸企業で、一九六六年より操業を開始、CS2中毒による労災認定患者が百七十六人も出てくるということで、国会でも大問題になった。そして、それらの諸君たちが、認定をしないというので、それで亡くなった人を会社の入り口に置いて、そうして百数十日間にわたるところの、何で認定できないんだ、葬式もやれるかといって死体を置いて闘っている姿が新聞で報道されている。私、朝鮮語を読めるわけではありませんので、読まれる人に解析をしてもらった。これを見ると、そこにはその姿が次々と浮き彫りになってくる。しかも、その工場の機械というのは、東レの滋賀工場から、日本の東レの方ではそれがもう使われなくなっていて、そして南朝鮮にその機械を持っていって、そこでそんな事件が生まれている。 そのシンポジウムに参加した人が言っている話を聞くと、こういうことを言っておられます。 入社して一年二、三カ月で発病し、職業病として認定された人もいるが、多くは原因がわからず、体が痛い、体調が悪いと言って会社をやめていき、なかには病院を転々としながら死んでいった労働者もいる。創業以来二四年間に、退職していった労働者は一万二〇〇〇人、男性 が多いにもかかわらず、平均勤続は四年九カ月と短い。 死に至るほどの職業病の原因は、レーヨン糸の製造過程で発生する有毒ガス、二硫化炭素だという。これはヒットラーがユダヤ人を殺すのに使った毒ガスの一種だが、この濃度が極端に高い密室のような工場の中で、労働者は二〇年以上も防毒マスクなしに働かされてきた。政府の安全基準によると、一〇PPM以下でなければならないが、会社は検査を受けるときは前日工場を休業して濃度を低くし、測定値を下げていたという。そのため八四年三月から八六年五月までの二年二カ月間、無災害記録工場として、労働部から表彰までされていたのである。 労働組合がこれを職業病として職場環境改善と認定闘争にとりくみはじめたのは、全国的に労働運動が活発になり、労組民主化の動きがはじまった八七年以降のことであった。云々とずっと書かれているのです。 それで、訴えに来たその南朝鮮のお方がこういうことを言っておられます。要するに、一九九一年一月死亡した労働者は、CS2中毒症と認められなかったため、百二十日余りを葬儀をせずに闘いの末認定された、現在は百七十六人が認定されていますが、患者数はさらに多くなっていくであろうということを言っておられるわけです。しかも、今度は南朝鮮のこの新聞を読んでいましたら、 ヨーロッパなど先進国では公害・職業病問題のために、人造絹糸工場設立が禁止されており、日本の場合有害部署は完全無人自動化施設を備えているが、源進レーヨンは、手動式方式の設備をそのまま動かし、二硫化炭素中毒患者を大量につくりだしてしまった。 日本ではそんなことになっていないんだけれども、あたかもなっているように南朝鮮の人は思っているわけなんです。 それはそうだと思うのです。明治この方、京都の宇治のレーヨンの工場にしたって、昭和三年からこの方全部同じ方式であって、若干の改善はしたけれども、よくぞそんなことでそんな工場をやってきたものだと、「ユニチカ一〇〇年誌」という本の中を見たってそのことが書かれているんですから。南朝鮮の人が思っているような姿に日本でもなっていない。そんな機械をよう気安くお隣の南朝鮮の国に売っているものだ。 私は、日本の政府としても、これから世界に大きな役割を担う位置にある日本として、そういう公害企業を吐き出していくようなことをやらしたら困るなというふうに思うのですが、まずは通産省にお聞きしたいと思うのです。実態、そういうことがあるんでしょうか。
○鷲坂説明員 お答え申し上げます。 東レ、これは当時の東洋レーヨンでございますけれども、東レが韓国の興韓化学繊維、これは今先生からお話がありました、現在源進というふうに呼んでおりますが、これとの間で一九六二年、昭和三十七年でございますけれども、十二月に滋賀工場のビスコースレーヨン製造設備を売り渡す契約をいたしまして、試運転、それから技術指導ということを行いました後、一九六五年、昭和四十年五月に先方の研修を終えまして引き渡しを完了したというふうに承知しております。 この設備は一九五七年に設置しました新鋭設備でございまして、日量約十五トンの生産能力を持つというふうに聞いております。
○寺前委員 新鋭設備でさえもそれだけの事件になってくるのですから、もっと早い段階からつくられて使われていた日本の工場で、労災というのが広範にわたって出ているということになるではありませんか。一体、日本の工場ではどういうことになっているんだろう。 中央労働災害防止協会が「現代の産業病」という本を、一九七〇年に初版を出しておられます。この中にその姿が書いてあります。 十年、二十年という長い期間を一つの職場で、こつこつ働いてきた人間の代償はあまりにも悲惨だった。脳神経がおかされ、高度の痴ほう症、その他精神神経障害を起こし、やがて廃人化して行く——これが”二硫化炭素”の慢性中毒症にかかった人間の姿である。微量の二硫化炭素ガスに暴露され続けた結果なのだ。 二硫化炭素中毒の歴史は四十年を越える、もっとも古くからある職業病である。しかも戦前、職業病の中でも一、二番目の高い発生率だった。このため昭和初期から化繊業界でその毒性などの調査、研究は活発であった。そして二十三年、日本化学繊維協会設立と同時に工場医、産業医学者などを動員、労働衛生研究会が発足、二硫化炭素中毒追放を行なってきた。今日、急性中毒は影をけしたけれども慢性中毒、潜在性中毒がいまなお、問題として残っている。 大阪大学医学部の先生は 「工場のガス濃度は平均すると一〇ppmだが、瞬間的には三、四〇ppmを越えた量を吸い込む。実際にガスをどれぐらい吸っているのかわからないので、症候学がはっきりしていても診断はむずかしいのだ」とおっしゃった、こういうような内容が書かれています。 この内容とそっくりの姿が、この工場で働いている諸君たちが次々出てくるわけなんです。「CS2中毒患者の自己意見書」というのも私は読ませてもらいました。まさにこのとおりの姿なんです。何とこの進んだ日本でこんな工場がいつまでも置かれたままになっているのだろうか、私はぎょっとせざるを得ないのです。 時間がありませんから、私は長々とこれ以上申し上げませんけれども、まずは日本の国内における対策、そして国際的な対策、無条件に何でも売ってよろしいということをやらせておいていいのだろうか。所管大臣でないかもしれませんけれども、労働大臣、最近もマレーシアで三菱化成でしたか、その関連の内容のことであそこで大問題になって日本に訴えに来ておられます。 日本が海外へ進出していくとこういう問題はこれからもますます広がっていくのじゃないだろうか。お隣の南朝鮮にそういうものを売っていた、そこで労働災害がひどいことになってきている、こういう姿を見たときに、これからの海外へのプラント輸出のあり方について閣僚として考えなければならないというふうにお思いにならないだろうか。率直な御意見を私は聞きたいと思うのです。
○村上国務大臣 海外における労働災害の発生に関しましては、基本的には当該国における国内法令の問題であると考えていますが、今のこの韓国の問題につきましては、労働省といたしましても、東レが売却した設備に問題があったかどうか、この事実関係を把握するよう関係部局に指示したところでございますが、率直な意見を言えとおっしゃいますので、もしそうしたところに問題があるとするならば、これはやはり重大な問題だ、こう思います。
○寺前委員 労働大臣は非常に素直に積極的に感情を示されたと私は思うのです。本当にお互いの国が平等に生きていくためには、やはり率直に物事を見なければいけないと思うのです。 そこで、日本の国内の問題になるわけですが、日本国内においてもこの問題で、先ほど読み上げましたように、四十年からの戦前、戦後の歴史を持っていることになっているわけですが、CS2におけるところのこの労災認定というのは実は割合新しいのです。興人八代で一九六四年以来三十八名が認定、十三名が死亡だ。日東紡郡山で十二名が認定だ、現在は製造中止になっている、こういうふうになってきているのですが、しかし、それにしたって、労災認定の八代の最初が一九六四年の三月ですから、あれから二十九年、三十年とたってきました。そして今、京都のユニチカ宇治工場で一九八五年十月に二名の労災認定が出てくる。そしてさらに、八六年一月に労働省の通達が出て、その後八七年に三名、昨年またもや二名の労災認定と、かつてのその被害はずっと引き続い て出てきているわけです。 本当にそういうことを専門的に診るお医者さんがあればすぐに突き当たる問題ですが、たまらぬといってこの工場を離れていった人たちが訪ねていくところのお医者さんにあっては、何の病気かわからぬままに捨てられておるということも起こっているんじゃないだろうかと私は思うのです。 そこで、お聞きしたいのです。 まず第一は、こんな職場の生産工程を改善することは緊急にできないものなのだろうか。日本ではそうなっているよと南朝鮮の諸君が思うほど現実はなっていない。だから、これを改善させることは緊急にできるのかできないのか、どこらまでやったら改善させ得るのか、お聞きしたいと思います。
○石岡政府委員 レーヨン製造工程における二硫化炭素中毒予防対策につきましては、先生御指摘のように大変古い問題でございまして、昭和三十五年に労働省といたしましては有機溶剤中毒予防規則を制定してこれに対処し、またそれを少しさかのぼりますが、昭和三十一年、昭和四十五年、昭和六十一年には関連の通達を出しまして、予防対策の徹底を図ってきたところでございます。また、昭和六十三年には労働省告示を出しまして、作業環境評価基準として二硫化炭素の管理濃度を一〇ppmと制定したところでございます。確かに御指摘のように労災認定患者がこの件について発生している事実はございますが、労働省、さらに全力を挙げまして予防対策等に努力をしてまいりたいと考えております。
○寺前委員 機械が少しも改善すべきところが改善されてなかったら、たまらんようになってやめていくだけでしょう。だから、そのもとを直すことを考えなんだらあかん。若干いろいろやりましたよ、工場からの排気ガスについては。あの宇治の平等院の鳳凰が傷んでいくというので、これは亜硫酸ガスの関係ですけれども、それをどうするかとかいろいろ若干の改善はあるけれども、今のあの工程の中において上へ引き上げていく、そのガスを瞬間的に吸わなければならぬという運命になっているのだから、せめてそれをプッシュプル方式によって下へ、横へと流すやり方はできぬのか。素人だってそういうことを言うのです。言うのだったら、そのことを実行させなかったらその工場はストップかけるとか、私は、本気になって現場に入り込んで見てもらう必要があるんじゃないだろうか。人の命は金にはかえられないとうといものだと思うのですがな。それ、やれませんか。これを改めてもう一つ聞きます。 それから、もう一つ聞きます。現場で働いている人の使っているマスクはどんなんじゃと聞いたら、昔私たちが子供のときに使っておったカラスのくちばし入れるような小さいやつ、あれ使っているだけですわ。そんなもので四時間違続して仕事をする。これは物騒な話だと思いますわ。苦しいから横へやったりすることもあるでしょう。何で私はこういう問題について、少なくとも協会の管理指針でも詳細に規定しているところのそういうものを使わぬのだろうか。いまだに使っていませんよ、現場の人に私聞いてみたのだから。個人責任になっているのです。だから、機械の問題からそのマスクの問題から、これだけ古い歴史がありながら、これだけの死人が出たりこれだけの傷病者が出ていながら、よくぞそれで済ましてきているものだと私は残念で仕方がないのです。いかがですか。
○石岡政府委員 プッシュプル型の換気装置について御指摘がございましたが、確かに一般的には有機溶剤の発散面が広いようなケースにおきましてはこの換気装置を設けることが予防上非常に有効であると考えているところでございます。これを設置していく場合には、現場の状況に応じて個別に設計を行うなどいろいろな問題がございますけれども、関係業界あるいはまた個別事業場を指導いたしまして、プッシュプル型の換気装置の早期導入について指導を加えてまいりたいと考えております。 また、御指摘のとおり、防毒マスクにつきましてもいろいろ、国家検定品でないものを使っているような実態が見られるところでございますので、国家検定品の防毒マスクを使用させるよう、先般も指導を行ったところでございますが、今後も指導してまいりたいと思っております。
○寺前委員 それで、時間の都合がありますので、もっといろいろ言いたいのですが、もう一つつけ加えさせてもらうと、現場の労働者の定期・特殊健康診断、もうちょっと本格的にやってほしいな、これは率直な私の意見です。 そして同時に、過去に職場をたまらないといって離れていった人たちがどんな実態になっているんだろうか。責任を持って追跡調査をやっていただいて、そういう人たちを救済することをやらなかったら、私は果たして会社任せだけでいくだろうか。ここに対する対応をどうしようとしておられるのか御説明をいただきたいと思うのです。
○石岡政府委員 二硫化炭素を取り扱う業務に従事する労働者につきましては、有機溶剤中毒予防規則及び関係通達に基づきまして特殊健康診断の実施の徹底を図っているところでございます。 また、御指摘がございましたように、最近一部特定の工場におきまして新たな労災の認定患者も出ておりますので、二硫化炭素を取り扱う業務に従事していた労働者に対しまして、退職時に一定の所見が認められる者につきましては退職後も二硫化炭素に係る健康診断を実施するよう個別に指導しているところでございます。
○寺前委員 指導するというのだから、指導した結果について改めて聞きたいと思いますが、私はこのまま放置しておったら日本の国もひどい国だなと言われることになると思うのです。 労働大臣が今度の国会で「働く人一人一人の能力、天分が十分に発揮でき、喜びと生きがいを感じつつ、働く意欲を持てるような職場の環境をつくっていくことであると考えています。人間愛あふれる人間尊重の労働行政を、私の基本に置いてまいります。」とおっしゃっていました。私は、このお話を聞いて、ぜひ頼むよと心からこのことをお願いしたいと思うのです。 そこで、若干の時間、お許しをいただきまして、パートの労働者の問題について一言聞きたいと思うのです。 労働基準法の改正が問題になってきている。この労働大臣の所信表明の中にもございました、「週四十時間労働制への移行等を内容とする労働基準法改正案を今国会に提出する予定です」と。そこで、このパート労働者がちゃんとした有給休暇を得ているという状況になっているのか、現状についてどういう状況にあるのか、御説明をいただきたいと思うのです。
○石岡政府委員 最近、パートタイム労働者につきまして調査をしたわけでございますが、年次有給休暇を付与している事業場はパートタイム労働者を雇用している事業場のうち一六・二%でございました。この調査は昭和六十二年の調査でございましたが、平成四年の調査では、パートタイム労働者に対しまして法定どおりもしくは法定を上回る年次有給休暇を付与している事業場は八二・〇%となっております。 守っていないところ、御指摘のように若干ございますが、是正をしてまいりたいと思っております。
○寺前委員 その資料は何の資料が、私ようわからぬね。パートの労働者に会うてみたら、有給休暇、そんなんあるのというのが常識でっせ、本当に。これはもう時間の関係があるから、あえてもう一回調べてくださいよ。そんな実態にないと私は思いますよ。調査をきちんとされるように、まず要求をしておきたいと思うのです。 その次に、パートの労働者に対しては、基本になっているところの正規の労働者、通常の労働者の過所定労働日数とパートの労働日数の比率を考慮して命令で決めると労基法の三十九条に書いてありますわな。それに基づいて施行規則の二十四条の三で、比例付与日数というのが表になって書いてある。 そこで、週四十時間ということに移行してきたら、五日制になってくるだろう、常識的に。そうすると、通常の労働者が五日制になってきたときに、この表のままでいいのかという問題に次は直面してくるだろうと思うのです。私は、自分の想像だから、間違っておったら指摘してください。 通常労働者の六日を前提として、パートの労働者四日お働きになるときには、一年の日数はこれこれですよ。すなわち、分母を六にして、そして分子を四にして、与える有給休暇は一年でいうと六日だという数字が私は出たのだろうと思う。ところがその分母が、今度は週働く日数が六から五に減ったら、要するに週休二日の方向になったら、パートの労働者もそういうふうに数字を直さないかんのと違うんだろうか。そこはそういう方向に、直すことに検討しておられるのですか、お聞きしたいと思います。
○石岡政府委員 現在のパートタイム労働者に対する年次有給休暇の比例的付与につきましては、先生御指摘のとおりのような条項で、法令で決まっているわけでございますが、この六日という日数などを決めるに当たりましては、御指摘のような週六日労働制が一般的であるとかその他の事情を総合的に勘案して、そう決めたものでございます。したがいまして、基準法、今般も改正いたしまして週四十時間制へ移行したいと考えておるわけでございますが、週五日制などが実現してまいります場合には、当然このパートの年次有給休暇の比例給付の日数も変わる、そういうふうに考えて、これからいろいろ検討してまいりたいと考えている次第でございます。
○寺前委員 私は、労働省の労働時間総合実態調査を、基準法の変えられた昭和六十一年の調査を聞きました。平成四年の調査を聞きました。週休一日制または一日半制の労働者が、昭和六十一年は五七・三%であったのが、平成四年には二〇・六%であった。だから、八割からの方はもう五日制に変わってしまっている。かつては四割であったものが八割と、もう大きく変化してしまった。月一回あるいは四週一回週休二日制の労働者は、昭和六十一年で一三・一%、平成四年になると一一・六%ですか。こうやって全体として週休二日の方に変わっているんだから、労働大臣が週四十時間を打ち出すというのは、客観的にそういう土俵に変わっているんですから。 そう考えてみたら、私は、今局長がおっしゃったように、パートの労働者にもそのことが明確に権利として確立するように、先ほどの話じゃありませんけれども、雇用主の方がそういうことになっている、あるいはパートの労働者がそういうことになっているというのを知らぬのが客観的な事態だから、労働省として、これを周知徹底させるように御検討いただきたいというふうに思うわけです。 いずれにしたって、時間が参りました、労働大臣は、「労働時間の短縮は、働く人々が時間的余裕を持ち、家族とのコミュニケーションや健康の維持により、心身を健全にし、能率的でよりよい仕事をするための大きな課題であり、生活大国実現のための大きな柱」だ、こうおっしゃっておられました。私は、多くのパート労働者のためにこの権利を保障するために、ぜひ力を注いていただきたい。大臣の御所見を聞いて、終わりたいと思います。
○村上国務大臣 パートにつきましては、中長期的に検討してまいります。 ユニチカの件につきましては、百聞は一見にしかずと申します。私、時間がありますれば、視察に参りたい、こう思っております。
○寺前委員 ありがとうございました。
○貝沼委員長 次回は、来る二十五日木曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時一二十七分散会