環境委員会 第13号
- 発言数
- 110 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1993/06/11
会議録
○原田委員長 これより会議を開きます。 園田博之君外四名提出、水俣病の認定業務の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。園田博之君。 ————————————— 水俣病の認定業務の促進に関する臨時措置法の 一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○園田議員 ただいま議題となりました水俣病の認定業務の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 水俣病対策は環境行政の重要課題の一つであり、水俣病患者の迅速かつ公正な救済のためには、まず、その認定業務を促進することが求められております。 この認定業務は、基本的には、公害健康被害の補償等に関する法律、いわゆる補償法に基づき、関係県知事等により行われておりますが、その促進を図るため、これまで熊本県において検診・審査体制の充実強化が図られる等の措置が講じられ、さらに昭和五十三年十月に本臨時措置法が制定され、翌昭和五十四年二月十四日から施行されました。その後、昭和五十九年、昭和六十二年及 び平成二年に認定申請期限を延長する等の改正が行われ、現在に至っております。 この法律においては、旧公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法、いわゆる旧救済法により県知事等に対し水俣病に係る認定の申請をしていた者及び補償法により昭和五十七年八月三十一日以前に同じく申請をしていた者で当該申請に関する処分を受けていないものは、平成五年九月三十日までの間に環境庁長官に対して認定の申請をすることができることとされております。 本法施行を含む国及び県の認定業務促進に係る努力の結果、一時は六千人以上を数えた未処分者数は平成五年三月末現在で約二千三百人にまで減少してきております。しかしながら、なお相当数の未処分者が存在する状況にあることから、長期にわたる申請滞留者を速やかに解消することにより水俣病対策の推進に資するため、この法律案を提出した次第であります。 以下、法律案の内容を御説明申し上げます。 第一は、認定の申請期限の三年間の延長であります。 旧救済法または補償法による水俣病に係る申請者でいまだ申請に関する処分を受けていないものは、平成八年九月三十日まで環境庁長官に対して認定の申請をすることができることといたしております。 第二は、環境庁長官に対して認定の申請をすることができる者の範囲の拡大であります。 補償法による水俣病に係る申請をした者で環境庁長官に対して認定の申請をすることができるものの範囲を、昭和六十二年八月三十一日以前に補償法による申請をしていた者でいまだ申請に関する処分を受けていないものまで拡大することといたしております。 なお、この法律の施行期日は、平成五年十月一日といたしております。 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
○原田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○原田委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中昭一君。
○田中(昭)委員 今趣旨の説明がございました臨時措置法は五十三年に制定がされまして、今日まで三回改正がなされております。今回の改正は四回目となるわけでありまして、前回改正、平成二年で、平成五年の九月三十日まで延長、こういうことになっておったわけであります。 そこで、前回の改正以降、今日までのこの措置法に基づく認定申請者の数、そのうち認定された者の数、棄却された者の数、現在の未処分者数、それから認定申請を行わない理由、この点について簡単に御説明をいただきたいと思います。
○松田政府委員 お答えいたします。 五十四年の法施行以来、現在まで三百十三件の申請がございました。このうち百四十件のものにつきまして処分が終わっております。処分の内容でございますが、そのうち認定したものが三十三件、棄却したものが百七件ということでございます。 また、直近の前回の改正以後の申請件数でございますが、トータルで三百十三のうちの百三十二件が前回改正後の申請件数でございまして、そのうちの処分件数は二十三件でございます。その二十三件のうちの認定件数は一件、棄却が残りの二十二件でございます。 以上でございます。
○田中(昭)委員 今説明があったわけですけれども、率直に申し上げますと、その実効がそんなに上がっていないわけであります。この臨時措置法は、五十一年十二月に熊本県の認定業務のおくれに不作為違法判決が出されたものなどによってこの法案がつくられたということについては、その時点の意義として私は十分承知をいたしておりますが、この措置法に基づく認定のあり方については、私は基本的に疑義を持っております。 これはもう環境保健部長はよく御存じのように、昭和五十二年の七月一日に環境庁環境保健部長が「後天性水俣病の判断条件について」という通知を出したわけです。いわゆる五十二年判断条件を発出をした。そして一年後の昭和五十三年の七月三日に「水俣病の認定に係る業務の促進について」という通知、いわゆる五十三年事務次官通知を発出をしたわけです。この中で、後天性水俣病の判断は、先ほど申し上げましたいわゆる五十二年判断条件にのっとり、検討、判断すべきと、こういうふうに事務次官通知で明確にしたわけであります。 この判断条件というのは、それまでの四十六年の事務次官判断条件を改悪し、変更したものであることは明確でありまして、その一つとしては、視覚障害などの症状のいずれかの症状があればそれまではいいとしていたものが、いわゆる組み合わせ論、複数の組み合わせが必要だ、こういうふうに変更をしたわけです。 それから二つ目として、有機水銀の影響を否定し得ない場合も水俣病の範囲に含むとしていたものを、これも極めて後退する判断をつけたわけであります。 それから三つ目としては、疫学的資料を軽視をする、そして「高度な学識と豊富な経験」、こういう言葉によりまして医学的な判断を強調する、こういう状況になったわけで、いわゆる一般に言う組み合わせ論を中心に認定業務を実質的には患者切り捨ての促進業務ということに変更したというのが、今日までの歴史的な経過の中で明らかでありまして、これを境に水俣病患者切り捨てが進められて今日の三十八年にわたる悲劇の歴史がつくられた、こうなっているわけであります。このことは、それ以前の環境庁長官に存在されておりました大石武一先生も、そのことが水俣病悲劇の始まりになった、こういうことを明確にしているわけであります。 したがって、私は、基本的に問題がある、実効もない、しかも九百万円もの国費のむだ遣いをする、こういう法案になっているわけでありまして、これを素直に履行しようとするならば、判断基準についてはもとに返って見直すべきである、こういう立場を基本的に持っているわけであります。したがって、そういう意味から、本臨時措置法案については、私どもとしては反対をしたい、こういうふうに申し上げておきたいと思います。 関連をいたしまして私は少し申し上げたいわけでありますが、ここに二通私は年賀はがきを持ってきております。この年賀はがきは昭和六十二年です。長官、見てください、この字を。これは普通の者じゃ書けないです、震えて。これは六十二年、これは同じ人が書いた平成二年の年賀はがきです。もう解読ができないのです。これは後からしっかり見てください。 この患者さんは、いわゆる自覚症状として、手足のしびれ、頭痛、全身のだるさ、難聴、それから味、においがわからない、転びやすい、それからカラス曲がり、左の足が突っ張る、物を握るとなかなか手指がそのままで伸びない、不眠、物忘れ、これが自覚症状でありまして、医者の所見としても、知覚障害、それから痛・触覚で四肢末梢性及び顔面に中程度の知覚障害が認められる。振動覚でも低下を認める。運動失調、歩行は不安定で失調が目立つ。ロンベルグ現象陽性、片足立ち不安定。それから指鼻、鼻のここでするやつですね。指鼻試験では、不規則で企図振戦、震えてどうにもならない、これが見られる。失調としても中程度。それから視野、眼球運動、ゴールドマン型視野で高度求心性視野狭窄を認める。活動性眼球運動では軽度異常。聴力障害、両足とも高度障害、それから臭覚障害が認められる。その他ずっと症状がある。これは医者の診断。 この結果、これはもう御承知と思いますけれども、昭和六十二年三月の熊本県の地裁の第三次訴訟第一次判決でこの人は水俣病として認められた。ところが環境庁はこれを控訴しましたから、 福岡高裁に行って今係争中、こういう人なんです。熊本地裁の判決では、いろいろこの人の疫学的条件というのは、非常にもうめちゃくちゃなんですね。父方のおじいさんは手足のしびれなどを苦にして自殺。お母さんは、四肢末梢知覚障害、求心性視野狭窄、聴力障害が見られ、水俣病の疑いが強い。この人も十四歳のころから非常に症状がいろいろ出てきておる。 それでこの判決では、「昭和三十年、」水俣の隣の村ですが、「津奈木の漁師のうちにて出生、幼いときから昭和四十五年までメチル水銀に汚染された魚類を多食した等の疫学的条件があり、遅くとも昭和四十四年ごろから足の感じが鈍くなって症状が始まり、四肢末梢性及び顔面の感覚障害、中程度の運動失調、振戦、」震えですね、「高度求心性視野狭窄、高度難聴、聴覚障害、四肢の粗大力低下、情意障害、知能障害などの症状があり、水俣病に罹患をしている。」こういう判決が出たわけです。 これは見られるとわかるように、うそでこういう字は書けないんです。ところが、先ほど申し上げましたように、その認定業務の中ではこの人は水俣病と認められていないのです。こういう症状がたくさんありまして、裁判所も医者も全部これはもう大変な状況だと言われた人が認定業務で認定されていないのです。これがこの水俣病の悲劇の実態なんです。このことを私は、よく長官は知ってほしいのです。この方は福岡高裁の結審の際、ことしの二月の六日ですが、三十七歳で死んでしまっているわけです。 このようにして私は、今裁判になっておる人の症状なり疫学的条件、医学的な判断、所見、全部見てみますと、なぜこの人たちが認定業務の中で認定されないのか不思議でしょうがないわけです。こういう現実的な状況から、それは認定業務を促進をしなければならないことはもう当たり前の話なんです。ところが、こういう認定業務が、五十三年にそれまでの認定業務のやり方を環境庁の通達によって変更した。そのときの環境庁長官であった大石武一さんも、これが水俣病の悲劇の始まりだ、これがなければこんなに水俣病問題というのは拡大をしなかったし悲劇も起こらなかった、こう言われておるわけです。 そういう意味から、私は、単に反対をするだけではなくて、認定業務の見直しについてもう少しやはり真剣に考えなければ、この水俣病の問題というのは私はもう決して解決することはできないだろう、こういうふうに思います。このことを申し上げて、この提案については反対の立場を明確にしておきたい、こういうふうに思います。 それから、二番目に申し上げたいのですが、お尋ねをしたいのですが、水俣病問題つきましては、長官も御承知のように、今次第百二十六国会が始まりました以降、私は、環境基本法の議論などを通じまして四回にわたって長官にいろいろと意見を申し上げております。それ以前も、厚生委員会でもあるいは予算分科会でも、国賠法の責任が問われておる各大臣の皆さんに対しても、私はいろいろと意見を申し上げてきました。いろいろな御意見をお伺いをいたしております。 そこで私は、もう今次国会の中でこういう議論をする機会はないんじゃないかな、こう思っておりますが、ぜひ長官に見解をお聞きをしたいのは、私は、この間環境基本法が上がる際に、日本が先進的に環境問題を取り上げて環境基本法としてつくり上げるということはすばらしいことだということを申し上げた。そして、公害とか環境問題の先進国として我が国はもっともっと頑張らなくてはいけないんじゃないか、そういう意味では、環境基本法についてはできるだけ立派なものをつくらなければいけない、こういう持論を申し上げました。 同時に、世界から環境・公害問題の先進国だと言われておる我が国が、環境基本法をつくる。一方、世界最大の公害の原点だと言われておる水俣病の問題が三十八年も経過してまだ紛争状態がずうっと続いておる。こういう状況を何としてもやはり解決しなければいけないんじゃないか。現地では、水俣市も熊本県もこの問題の紛争状態を何としても解決をしたい、したがって和解によってこれを解決しようではないか、大変な努力をされております用地元からは何回も何回も要請がございます。署名も百万をはるかに超えている。国連でもこの問題については、我が国の態度について、国論としてもう少しやはりきちんとすべきじゃないか、こういう意味なども提起をされておるわけです。 〔委員長退席、塩谷委員長代理着席〕 私は、そういうことを踏まえまして、一つは、公害の原点である水俣病問題、もうそろそろこの紛争状態の解決を図らなければならないんじゃないか、放置できないんじゃないか、このことを申し上げました。 そして、この問題の中心というのは、被害者の救済、人道上の問題、しかも患者の年齢は七十歳を超して相次いで死亡している、もう看過できないんではないかな、このことを二つ目として申し上げました。 それから三つ目として、PPPの原則を否定するつもりはございません。しかし、加害者は本当に企業だけであったのかどうなのかということをやはり冷静に考えなければいけないんじゃないか。国や県は全くの無実なのかということをこの、際やはり考えなければならないんじゃないか。当時の高度成長経済政策の中で産業政策をかなり優先をしてきた、こういうかかわりがかなりあるわけで、一〇〇%企業に責任がある、こう言い切れない面があるんではないかな、こういうことを申し上げました。 それから、国や県の国賠法上の責任があるという現実に司法の側の判決が存在をする。これはやはり無視できないんではないか。それから、国賠法上の責任はないと言われた司法の判決の中でも、解決責任がある、政治的にはやはり解決をしなければならない、和解によって解決をしなければいけないんじゃないか、こういう意見があるということも申し上げました。 それから、先ほど申し上げましたように、PPPの原則を否定をしないけれども、これを単に特定企業の支援だという位置づけでなくて、広範な住民、恵まれない、本当に追い詰められている、そういう住民の救済、紛争の収拾、こういう意味でもやはりこの際何とかしなければいけないのじゃないか、こういうことを申し上げました。そして、世論の支持があるのではないか、これはすべてのマスコミが主張欄などで、この際やはり国は決断をすべきである、こういう意見があるということを申し上げました。 これに対しまして、私は最後に長官から大変誠意のある御回答をいただいて感激いたしておる、こういう結びでこの環境基本法の議論は終わったわけですね。 この際長官が、「環境基本法案は今国会で成立をお願いしているわけでございますので、それを追うようにして、水俣問題については、私は一つのそれなりの答えをどうしても出さなければならないという決意でおります。」こういうことで、いろいろと御回答をいただいたわけで、長官はこういうことも言われておるわけです。「寝ても覚めてもこの問題は頭から離れません。これは先生方のお力添え、お知恵をいただきながら、必ず納得していただける方法をなるべく早く見出したいと私は思っております。」こういう答弁もいただいたわけです。この答弁で私は本当に感激したのです、これはもう率直なのです。患者の皆さん方も涙を流して、これで長い間の苦難の道から逃れることができる、こういうことを言われておるわけです。 したがって、環境基本法も参議院でそろそろ上がる時期だと思います。成立するわけです。この時期に、それを追うようにして水俣病問題については答えを出さなければならない、こういう答弁をされた長官として、今ここで結論がないにしても、この問題にどう対応しようとするのか、この点についてこの際明確な御回答をいただきたい、私はこういうふうに思います。
○林(大)国務大臣 田中先生の御熱意にお答え申し上げます。 たしか五月の十一日の当委員会における私の答弁と記憶いたしておりますが、そのときに田中先生の御質問に答弁した、そしてまた、今田中先生から改めてそれを復習的に申し述べられた、そのことについての私の決意、その心情、毛頭違っておりませんし、そのために日夜今努力しておる最中でございます。ですから、追うようにして一つの結論に迫るという私の答弁は、それを具体的な答弁として、一つの結論をどう結論づけるかということについての検討に取り組んでおる姿においてはいささかも変わりございませんので、それを申し添えたいと思います。
○田中(昭)委員 長官がそう言明されるわけですから、私はそれを信じたいと思いますし、ぜひそういう立場でお願いをしたい、こう思っておるわけです。 そこで、私は林長官にこういうことを言うのは大変失礼かと思いますけれども、公害の被害者というのは常に全く一方的なのですね。被害者が加害者に転化をする、逆転というのはないわけです。公害の被害者というのは、全くその人個人にとっては過失も何にもない、防ぎようがないわけです。そして、この被害者というのは常に経済的に弱者です。恵まれない人が非常に多いのです。生活の問題もいろいろ問題があるような状況ですね。これもおわかりのとおりです。情報にも恵まれない。権力も持たない。そして、企業とか行政がいろいろ物を決めたり、判断を下したり、そういうものに対して参画もできないし、一切口出しもできないわけです。認定のあり方があった、突如として判断基準を厳しくして、そして今までですと認定患者として認定される人がぞろぞろ棄却される。それに対して被害者は一言も口出しもできないのです。決定権も何にもない。こういうふうに加害者というのはある意味では極めて横暴、被害者はそれに比べて非常に情けない状態であることは間違いないと思うのですね。 それで、こういうことを言いたくありませんけれども、環境庁長官は一年か二年でかわられるでしょう。この間の総選挙から林長官でもう四人目です。常にかわる。局長もかわられる。部長もかわられるのです。いろいろ担当している担当官もかわられるわけです。知事もかわれば、公害を担当しておる部長もかわっていくのです。チッソも役員は次から次にかわっていくのです。任期が過ぎればそれで終わりなんです。任期が過ぎても自分がやってきたことに命をかけてずっとやるという方は、ほとんどいられないわけですね。 しかし、被害者というのは任期がないのです。被害者が逃れる道はただ一つ、死だけです。死ぬだけです。死ぬまで交代できないのです、被害者というのは。だから被害者は生きているうちに救済する。年も七十になって、ぞろぞろ死んでいく。こういう状況の中で、先ほど言ったように被害者というのはまさに一方的ですから、何も言われない立場ですから。何にも悪いことしていないわけです。何も悪いことしていないのに、先ほど言ったように、この字を見てください、こういう状況。見てください、これを。何にも悪いことしていないのにこういう状況。そこで一生を送ってしまう。これから逃れるのは死ぬ以外にないのです。これは二年、三年で交代できないのです。 そういう問題を真剣に考える、これが私は政治であり、行政であると思うのです。そのことを長官はよく知っているから、先ほど言ったように何とかしなければならないという決意を申された。このことを信頼をしたいと思うのです。だから、被害者が全部死んでしまうのを待っておる、そういう政治とか行政のあり方についてはやはり真剣に考えなければいけない、このことを私は強く訴えておきたい、こういうふうに思います。 そこで、少し具体的になります。 これは、私と環境庁との間では非公式になっておりますし、そして環境庁は熊本県に対して非公式な打診だというふうに聞いておりますから、そういう扱いの中で、本委員会で表に出して議論をするというのは信義上私はやるべきじゃないと思いますから、具体的な中身については余り触れたくないと思います。 それは、今新聞紙上をにぎわしております、いっぱい記事があります。私たちに対しては非公式で県に対しても非公式打診だ、こう言っておりますけれども、現実はマスコミではどんどん報道されておる、いわゆる環境庁案と言われる新しい金融支援の問題です。 私は、今までのいろいろな論議の経過からすれば、先ほど環境庁長官が言われた、この問題に何とかけりをつけなければいけない、収拾しなければいけないという一つの延長線上でこの新しい金融支援などについて考えたいと思っているわけです。思っていたわけです。そこで、先ほど言ったように非公式な扱いですから、基本的な問題について二、三お考え方をお聞きをしたいと思います。それは、ここで平場で議論することはなじまないということであれば、答弁は否定されても構いません。 二、三お聞きをしたいのは、今も申し上げましたけれども、今日までの水俣病問題をめぐるすべての議論の経緯からしますと、私は当然のことだと思っているのですが、補償金支払い総額には、いわゆる関係訴訟の判決に要する仮執行金などを含むことになっておるというふうに聞いているわけですね。これは、その中身について国会議員の中で保も実は解釈に違いがあるわけです。 これは、訴訟における判決のみならず、和解に基づく支払い額を含むと理解をしていいのかどうなのかという問題なんですね。ここのところは、それはもう関係がないと言われるのか、それは延長線上にあるかということによって、この問題についての見解が実は変わってくるわけです。これは、私はきょう地元に帰りますけれども、あす地元の県会議員の皆さんと、県の対応のあり方について意見を求められておりまして、議論をすることになっておりますので、ここのところはどういうお考え方なのか、ここで答弁ができる立場にあるならば答弁をいただきたい。これが一つであります。 それからもう一つは、私は環境庁と熊本県の非公式の議論をよく聞いておりませんからよくわかりませんけれども、しかし今までの経過からすれば、熊本県は昭和五十三年以来二十七回にわたってチッソの金融支援のための県債を発行しているわけです。これは、長官も御存じのように、五十三年六月二十日の閣議了解というのがございます。これに基づいて実施をされている国の施策の一環であるというふうに私どもは認識をいたしておるわけです。 しかし、こういう閣議了解事項がございますけれども、発足の当時から、チッソに万一不測の事態、経営が悪化をする、こういう状態になった場合に県の財政に波及をする可能性があるんじゃないかなという疑義が幾度か出されております。しかし、この点については国側において十分な対応を構ずるんだ、先ほど言ったように、県債の発行でチッソの金融支援を行うというのは国の施策の一環である、この立場を私たちは基本として今まで取り組んできたというふうに理解をしているわけですけれども、今後も新しい県債などを発行して金融支援などを行うという場合にそういう方針というのは基本的に変わりがないのかどうなのか、この立場を少し明確にお聞かせをいただきたい。 この二つの基本的な考え方をこの際簡単にお聞きをしたいと思います。 そして、三つ目の問題として、もし非公式な扱いでどうにもならないということであれば別ですけれども、そうでないとするならば、この金融支援策によって水俣病問題というのはどういうふうに展開をしていくというふうに環境庁はお考えになって提起をいたしておるのか、お聞かせをいただけるとすればこの点についてお聞かせをいただきたい。 この三つをお願いしたいと思います。
○八木橋政府委員 最近の経済事情の変動により ましてチッソが経営的にかなり困難な状況になってきているということから、チッソの患者に対する補償金支払いに支障が生じないように、チッソの経営の維持強化を通じましてそういった補償金支払いを全うさせていくということと同時に、地域経済の安定を確保するということは極めて大事であるという点から、チッソに対する金融支援策につきまして、現在事務的に熊本県及び関係省庁と話を始めていることは事実でございます。 しかし、まだ十分な意思疎通を行った上で成案を得るに至っておらない段階で、その詳細にわたって申し上げることは、やはりこれからの折衝を円滑に行う上におきまして支障を生じるということから、避けさせていただきたいというぐあいに思うわけでございます。 そこで、先生御指摘になりました三つの点でございますが、第一で、環境庁が案をつくるに当たって和解金も視野に入れたのかということでございます。 私どもは、ただいま申し上げましたように、原因者負担原則を堅持しながら、チッソの経営基盤の維持強化を通じまして補償金の支払いに支障を生じないようにする、同時に地域の経済社会の安定に資するという観点から検討し、ただいま関係者間の協議をしているわけでございます。 そういった際に、何を対象として議論するかということでございますが、現に行われております既往の県債発行につきまして対象としておったものは今後どうするかということで、これは当然含めていかなければならない。同時に、水俣病関連訴訟の判決金につきましては、現に判決仮執行金の支払いが行われている、それが三月における金繰りの問題として、現実の問題として派生しているということから考えますと、県債額算定の基礎として考えなければならぬというぐあいに私どもも考えているところでございますが、和解金につきましては、現にその支払いが起こっているわけでもなく、またそのような支払いが近く起こるということも私ども承知しておらないということから、現時点で県債額算定の基礎とすることは、私どもの案としては考えておらないところでございます。 それから第二点の県債発行につきまして、これは国の施策としてやってきたのではないかということでございますが、これを、御指摘のように閣議了解に基づいて政府が決めた事柄としてやっているわけでございます。 同時に、その中におきまして、万一不測の事態が生じて償還財源の確保が困難となった場合には、熊本県財政での対応は極めて困難な実情にあることに留意しまして、熊本県の当該地方債にかかわる元利償還財源については国において所要の対応策を講ずるものとするという閣議の了解が行われたところでございますし、その後各長官が閣僚会議の際に発言なさってきて、同様の趣旨をさらに明確にするところを述べてきたところでございます。 このことにつきましては、これからどういうふうに案がまとまるか、現時点で申し上げることはできないわけでございますけれども、私どもは、熊本県の県債につきましては、従来と同様の考え方に立ってこのことは堅持するべきであるというぐあいに考えておるところでございます。 それから第三点でございます。(田中(昭)委員「もういいです、いいですよ」と呼ぶ)よろしゅうございますか。
○田中(昭)委員 今局長から御答弁ございまして、いろいろ議論したいこともございますが、前段のこともございますからきょうはこれでやめますが、いずれにいたしましても長官、長官が先ほど言われましたね。何とかしなければいけない、環境基本法を追うようにして、こう言われた。そのことを私たちは信じております。 それと、具体的な施策が今もう出ている。それがどう整合していくのか、別の方法が出てくるのか整合されるのか、今のところよくわかりません。わかりませんけれども、私は、やはり政府として、国として責任を持ってこの問題について早く解決の道を見出す、こういう方向でさらに早急に結論を出していただくように、これはお願いをしておきたい、こういうふうに思います。 そこで、もう時間がないのですけれども、僕は、これも非常に申し上げにくいのですけれども、長官も局長も患者の皆さんなどと十分にお話し合いをした経験が余りないんじゃないか、こう思っております。 新聞にいろいろ水俣病問題が出る。金融支援の問題、長官の顔写真入りも出ました。発言も、いろいろ出ています。そうしますと、先ほど言ったように、一体どうなるんだ、どういうことなのか、これは一番関心を持っておるのは患者の皆さんなんですよ。ところが、患者というのは全くつんぼ桟敷ですね。だから、水俣病問題が国会でもいろいろ議論になっている、マスコミにこれだけ出ている、どうなんだろうか、聞きたい。知る権利も含めまして当たり前の話だと思うんですね。 ところが、私は再三にわたって、長官と、患者もたくさんじゃない、代表二、三人でいい、弁護士一人か二人つけて、二、三人でいい、長官がどうしても日程がとれないなら局長でもいい、責任者とお話をしたいと何回も申し上げている。日程がとれない、日程はそちらに合わせます、夜でも朝でもいつでも結構です。何回言っても会おうとしない、何回も何回も。これは率直に申しましてまさに私は差別だと思っているのです。許されないと思う。 ここにこういうのがあるのです。「疑わしきは補償せずという国の方針は、一人の人間として義憤を感じ、水俣病患者に救いの手を差し伸べるべきだと考えていた。人間は人を愛するという気持ちがなかったら人間じゃないよ。これは福祉に限ったことじゃない、行政に携わるすべての人間の基本は人を愛するという気持ちを持つことだよ。」これは前の企画調整局長、亡くなられた方の本が本屋に二冊今出ています。この中の言葉なんです。 私は、そういう言葉があるとすれば、本当に水俣病で悩み苦しんで、死を待つ以外にないという人が、自分たちの問題がマスコミにどんどん報道される、国会でも議論になっている、聞きたいということで面会を求めてきた場合に、時間はそちらに合わせますと言っているのですよ。しかも二人か三人に絞りますと言っている。極めて謙虚ですよ。それを一年も一年半たっても全く会おうとしない。しかも最近は局長以下の部長クラスまで会おうとしない。さりげなく話し合いをしたいというなら、たまたま私の部屋に来た際に、そこに患者あるいは弁護団が座っておった、話をした、こういう形をとってほしい。それでも私は話ができればいいと思っているのです。しかし、そこまでなぜこの人たちを差別しなければいけないのかというのは、私はまさに疑問でしょうがない。 憲法第十四条は、「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」第十五条「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。」こうなっている。国家公務員法の九十六条でも、「すべて職員は、国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当っては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。」憲法で、国家公務員法で、こうなっているのです。何で主権者である国民が、しかも自分たちのことが問題になっているのに、お話し合いをしたいというのに、しかも国会議員を通じて何回も何回も頭を下げてお願いしても、なぜ断固として受け付けようとしないのか、僕は全く頭にきているんだ、この点については。 それは長官まで届いておるのか、局長まで届いておるのか、どこまで届いておるのかわかりませんよ。しかし、私たちはルールに基づいてちゃんと窓口を通じて何回も頭を下げてお願いしている。やる気持ちはないんですか、なぜそれができないのか、このことだけ私ははっきりしてほしいのです。これは本当に、この水俣病問題を誠意を持って解決する気持ちがあるのかないのか、この 問題だと私は思うのです。憲法違反です。断固としてあの人たちに会うつもりはないと言い続けるとするならば、私はそれなりの覚悟をしている。告発しますよ、これは。どっちが勝つかやってみましょう。それくらいの気持ちを私は今持っている。その点について、長官のお答えを最後にお聞きしたい。 〔塩谷委員長代理退席、委員長着席〕
○林(大)国務大臣 私はいまだかつてお目にかかることを拒否したことはございません。私の気持ちの中には、いつでもお目にかかりたいという気持ちは持っております。ただ、少し答弁が長くなって恐縮でありますけれども、先ほどの田中先生の御発言の中に、長官はいずれ間もなくかわるかもしれぬ、間もなくという言葉は使いませんでしたけれども、一、二年でかわるでしょう、局長も次官もだんだんかわっていくでしょう、ということから、責任逃れのことだけ言っておけばその場だけ通るだろうというふうに解釈をされることは大変私としては残念な言葉であります。 むしろ私は、生きていく人間はやがて年をとり、だんだん新しい生命に譲っていくことは、これはもうしょうがない世の中のことだ。したがって、当然官庁も大臣は永久に努めることはあり得ることではありませんし、それぞれの立場立場でかわっていくのは当たり前であります。しかし、当たり前であっても、変わってならないのは国民に対する責任であります。したがって、今回の環境基本法の中に大きく責任が問われているのも、その意味であろうと私は解釈しております。 したがいまして、いついかなるときに、あすやめようとも、私が環境行政に抱いた気持ちというものはだれかに引き継いでもらわなければならない。それを引き継いてくれるのは事務方であります。ですから、私は事務方を大事にしたいと思っております。事務方の考えに誤りがあってはいけないと思うし、また事務方が十年、二十年、三十年積み上げてきたその実績、経験からしましても、このことでいくしかないという結論があるならば、それも大事にしてあげなければならないという気持ちを持って行政に取り組んできておりました。 今先生から御指摘のありました問題につきましても、私自身はいつでもお目にかかる考えを持っております。ただ、事務方が心配するのは、大臣が会うと、大臣発言ということで、非常にある意味において片りんだけをとらえて報道された場合には、その事務方の責任を免れないということになってくると困るという大変慎重論もあるかもしれません。あるのもこれはやむを得ないことだと思います。しかし、それよりも、私はそういった方々にお目にかかってお互いに心を通わせ合いたい、そういう気持ちは持っております。
○田中(昭)委員 時間が来ましたので終わりますが、今の長官の言葉はしかと受けとめました。したがって、私も国会議員の端くれですから、無責任なことをするつもりはありません。責任を持って話し合いをするなら話し合いをしたい、こう思っておりますから、よろしくお願いしたいと思います。 終わります。ありがとうございました。
○原田委員長 馬場昇君。
○馬場委員 まず長官に申し上げておきたいのですが、今提案されております臨時措置法が制定されたのが一九七八年、昭和五十三年でございます。この昭和五十三年、これは、水俣病が公式に発見されましてからもう四十年近くたっているわけでございますけれども、私に言わせてもらいますならば、昭和五十三年というのは、国が水俣病行政において患者を救うのじゃなしに、患者を切り捨てる、そういう方向に方向を転換した、そういう年だと思っておるのです。今日水俣病がまだ解決されずに混乱をいたしております。この混乱を引き起こしたのはこの年にある、まさに歴史的な年が昭和五十三年だと思っております。 もう大臣も御承知と思いますけれども、昭和五十一年に、先ほども話がありましたように、熊本地裁は熊本県の認定業務の不作為は違法だという結論を出しました。熊本県は、特に県議会は認定業務というのは国の機関委任事務だ、もうこれは国に返上しよう、こういう動きが強くなってまいりました。だから、県も議会も国に対して打開策を講ずるようにという要望をしてきたわけです。 当時の環境庁長官は石原さんでございました。石原さんはその願いを受けて、チッソの認定促進の問題とチッソの再建策、これを中心にして議論するために関係閣僚会議を開こうじゃないかということで、閣議の了解を受けて関係閣僚会議を設置されたわけでございます。そうしてこの五十三年に、関係閣僚会議の議を経て閣議が「水俣病対策について」という閣議了解事項を決定したわけでございます。 その内容はもう御承知のとおりでございまして、まず第一が認定業務の促進です。第二がチッソ株式会社に対する金融支援です。第三が関係行政機関、業界等によるその他の支援措置です。第四が水俣・芦北地域の振興、こういう閣議了解事項を得たわけです。 私はそのときこの環境委員でもございまして、水俣病をずっと闘ってきておりますから、直ちにそのときにこの環境委員会で追及をいたしました。この一連の閣議了解事項の措置というのは、県債を発行してチッソに金融支援をするということに藉口して患者を切り捨てることじゃないかということを大分ここで主張いたしました。 事実、その当時、国の中にも、あるいはこの国会の中にも、県債で患者の補償をするんだったら患者の増大に歯どめをかけるべきだ、そういう意見が大分ありました。そして、甚だしきはにせ患者が申請してくるのだ、こういうような話もございまして、そういう中から環境庁は、四十六年の次官通達、判断基準というのを、この年、五十三年ですよ、判断基準を厳しくしたわけです。そして、四十六年であれば救済される人たちが、五十三年の通達で厳しくなって切り捨てられた。その人たちが今二千人、三千人、四千人として問題を闘っておる人たちなんです。ここで切り捨てが行われなかったならば今日のこういう混乱というのはなかった、そういうことがございます。 そしてそのときに、認定促進をやらない、不作為は違法だということで、県が認定審査会をつくっておるのに、国もバイパスをつくって認定を促進しますよ。これは言うならば国もバイパスをつくって切り捨てを促進しますよという形でこの法律はできたのだ、こういうことで私はここで追及いたしました。マスコミも、この県債発行というのと新認定基準というのと臨時措置法というのは三点セットだ、患者を切り捨てるのだ、こういう報道もたくさん行われました。患者団体も、そのころ十ぐらいありましたけれども、この人たちも、すべての患者団体がこれは切り捨てだ、そして環境庁に座り込みをしてこれをやめろ、こういうような闘いもあったわけでございます。 私もこの委員会で、理事会なんかで深夜に及ぶ理事会を何回かここで行いまして、そしてこれに対する統一見解なりあるいは附帯決議なり、こういうことを確認をいたしたこともございます。そして、その中の一つに、例えばこの臨時審査会の委員の任命や運営については申請者の信頼を得るようにやる、こういう話もできました。運営もそうするのだ、そういう確認もしたのですけれども、その後審査会の委員は一方的に任命されて、一番詳しい熊本大学からも委員に入っていない、こういう状況であります。 そこで患者団体は、このバイパスに、国の臨時審査会には申請がえをしないという運動を患者たちは起こしてきたわけです。その当時六千人ぐらいの滞留者がございました。現在二千人ぐらいにさっき言ったように減っておりますが、そのころ毎月数百人という申請者も出ておりました。そういう中で、この臨時審査会というのは平均二十人ぐらいしか、六千人も七千人もおる中で二十人ぐらいしか申請はなかったわけです、平均この間に。 そして、最近五年間を見てみますと、昭和六十三年に一人ですよ、認定したのは。平成元年に一 人、平成二年はゼロ、平成三年一人、平成四年ゼロ、この五年間でわずかに三人しか認定していない。そして、現在申請はないわけです。ないときには県と環境庁が、ないかないかと私どもが言うものだから、勧誘して意見を聞く人をここに移しがえした、そういう工作も行われてきたわけでございます。現在申請者もないのだから、これをつくるのはむだ遣いですよ。国費のむだ遣いです。そういう状況ですから、私たちはこの法案に反対です。 そこで、一つだけ環境庁に聞いておきますけれども、これは議員立法でできた法律ですが、法律ができれば国の法律ですね。だから、延長するとかいう改正を出すときには国が出すべきじゃないですか、必要があるならば。何で国が出さずに今園田さんが提案者としてまた改正を出したか、これは国の法律になっているのに、延長する必要があればなぜ政府が出さなかったか、このことについて一つ質問しておきます。
○松田政府委員 お答えいたします。 先生御承知のように、この臨時措置法はいろいろのいきさつがあってできたわけでございますが、昭和五十三年当時、ちょうど認定業務の促進が大変大きな問題になりました。そのときの……(馬場委員「なぜ国が出さなかったかということだけでいいんです」と呼ぶ)はい。当時の問題の発端が熊本にございまして、そのときの問題解決のために地元の国会議員の先生方が議員提案でなされたわけでございます。当時の緊急性という事態にかんがみまして、私どもも議員提案でしていただいて大変助かったという経緯があるわけでございます。
○馬場委員 何を言っているんだ、あなたは。今はもうこれを三回も延長してきたわけです、改正して。だから、これは議員提案であろうと、もう国の法律になっているんです。必要ならば何でこの延長を政府が出さなかったか、環境庁が出さなかったかということを聞いているんです。
○松田政府委員 お答えいたします。 認定業務の促進は、国におきましても非常に重要な課題でございます。今申しましたように、当時の状況下におきまして議員提案という形でこの立法がなされたわけでございます。その後も引き続き、その当初の経緯を踏まえまして議員提案で行われてきたというふうに承知しておるわけでございます。
○馬場委員 何で国が出さなかったかというのです。それだけでいい。こういうことで出さなかった、だからまた園田さんが今出しているわけですから、だから何で国が出さなかったかということを聞いているのです。はっきり言いなさい。
○八木橋政府委員 先生御指摘になりますように、提案する場合に政府提案でいくのか、または議員提案でいくのか、それは両方の方法があるわけでございます。この件につきまして関係の先生方と御相談を申し上げまして、どちらでいくことが適当かということをいろいろ相談申し上げました上で、従来の経緯も尊重しまして議員提案でお願いする方が適当だということで、そういう経緯になったものでございます。
○馬場委員 関係議員は地元で、園田さんが関係議員で出しているのですが、そこで、もう私は内容を知っているんだ、ある程度。これは大体必要ないということなんです、政府の提出は。しかし言いませんから、相談されて出すようにしたということですから、それを答弁として受けておきたいと思います。 次に、この中にもあります、第二にありますチッソに対する金融支援でございますが、これにつきましては、これも五十三年、このときに決まったわけです。閣議了解事項という形でチッソに対する金融支援が決まっているわけです。これは、例えば閣議了解事項というのをいろいろ聞いてみましたところが、本来関係大臣が決めることなんだけれども、この問題の非常な重要性にかんがみて閣議全体の了解を受けておくことが必要だ、こういう意味で閣議了解事項になっておるんだ、こういうぐあいに答弁を受けてきておるわけでございます。だから、特に関係閣僚はこの閣議了解事項に責任を持つべきであると思うのですが、大臣、簡単に、どうですか。
○林(大)国務大臣 閣議了解事項については、これは引き続き閣議に責任があることはそのとおりでございます。
○馬場委員 もう一つ、この閣議了解事項にこう書いてございます。チッソに対して県債で金融支援する理由として、公害の原因者負担、PPP原則を堅持するため、チッソの経営基盤を維持強化して患者の補償支払いに支障を生じないようにする、あわせて地域社会の安定に資する、こう書いてございますが、この閣議了解の原則は今も踏襲されておられますね。
○林(大)国務大臣 そのとおりでございます。
○馬場委員 そこで、閣議了解によって県債を出して金融支援をやっているのですが、これは閣議了解事項でやっているわけですから、国の施策ですね。
○八木橋政府委員 御指摘のように、チッソ支援に関しましては閣議了解に基づいて行っている、そういう意味において国の施策だというぐあいに御理解していただいて結構でございます。
○馬場委員 そこで、大臣も聞いておいていただきたいのですが、閣議了解事項のチッソに対する金融支援という項目の第三項に、「熊本県がチッソ株式会社に対する金融支援を行うために発行した地方債の償還財源の確保が困難となった場合においては、国において所要の措置を講ずるもの」とする、これが閣議了解事項にあります。そうして、閣議了解事項と同じ日に行われました関係省庁間の覚書、これは官房副長官と各省庁の次官が署名をしておるわけですが、各省庁間の覚書がございます。その覚書の中に「地方債の償還財源の確保」として、「熊本県の地方債による融資について、万一、チッソ株式会社からの返済が履行されない事態が生じた場合には、熊本県の当該地方債に係る元利償還財源については、国において十分の措置を講ずるよう配慮するものとする。」こういうことがございます。 そこで私はこの場所でも、閣議了解事項の「所要の措置」というところあるいは「十分の措置」とは、もしそういうことがあった場合には国が一〇〇%保証するんですかと何回となく追及いたしました。そしてさらに、あいまいに、それをはっきり言われないものだから、法を改正するなりあるいは特別立法でもつくって一〇〇%保証するということを明らかにしなさい、こういうこともここで追及をいたしました。 私だけではございません。熊本県も、ちょうど五十三年の上期の融資所要額が協議会で三十三億五千万、こうなりまして、じゃ、三十三億五千万の第一回目の県債を出すかという議論が熊本県議会で行われました。そのとき県議会の議論は、これは熊本県政史上例を見ない措置だ、熊本県も熊本県議会も県民に対して十字架を背負うようなことになるんだということで、この三十三億五千万を決めるときに八項目の附帯決議がついておるわけです。たくさんありますけれども、その中の一つにやはりこの一〇〇%のことが出ておりまして、「万一、チッソに不測の事態が生じた場合においては、国において一〇〇%の措置をすること。」「県は県民の負担となる一般財源による償還は行わない」ようにすること、このことを三十三億、第一回目の県債を出すときの附帯決議で熊本県議会が県民の心としてつくったわけです。 それもありまして、県からもどんどん言ってくる、議会からも言ってくる、我々も追及するということで、関係閣僚会議の意向として、熊本県に迷惑はかけない、こういう言明を歴代の環境庁長官はやってこられました。そこで、迷惑をかけないということは一〇〇%か、そういう追及に対して、どんどん追及が行われまして、さらに熊本県にはいささかも迷惑をかけない、関係閣僚会議の意向として環境庁長官がこういう言明をされてきておるわけです。 そこで、いささかもとは何だという追及もいたしまして、これは日本語で、辞典を繰ってみます と、少しもということを言っておる、少しも迷惑をかけない、わずかでも迷惑をかけない、これがいささかも迷惑をかけないということなんだ、日本語で言えばそうなるんだ、一〇〇%ではないかという話をしたわけでございますが、環境庁長官は、一〇〇%保証します、こうおっしゃることができるのか、あるいは従来の環境庁長官と同じようにいささかも迷惑をかけない、これを踏襲していくのか、どうですか。
○林(大)国務大臣 私、国語辞典ではございませんけれども、しかし、いささかもという言葉は当然今先生の御質問の内容を含んでいると思います。
○馬場委員 だから、歴代長官は皆言っておりますが、環境庁長官も、いささかも県に迷惑をかけない、こういう方針で対応するということですか。
○林(大)国務大臣 先生の御理解のとおりでございます。
○馬場委員 そこで、熊本県は現在もう八百億以上の県債を出しておりますし、元利償還合計いたしますと千五百億円くらいの借金を、県債を出しておられるわけです。熊本県の予算というのは、一年間七千二百億くらいですよ。その中に千五百億くらいの借財を抱えておる。熊本県にとっては実に大変な問題。しかし、一〇〇%という言葉を得なかったけれども、熊本県知事は関係閣僚会議にオブザーバーで出ているのですね。それから熊本県の副知事もその各省庁間の協議会に出ているわけです。だから、知事も出ているし、副知事も出ているし、国会なんかでもいささかも迷惑をかけないと言っておられるのですから、一〇〇%だということを信じて十五年間、今県債を支払い続けてきておるわけです。 ところが、また今度新しい金融支援措置を今検討されておるわけでございます。私は、新しいことをやる場合においては、またそれが熊本県では問題になっておるわけです。だから、もうこの際はやはり一〇〇%保証するんですと、国の施策ですから。それを県が肩がわりして、全国三十三県に患者はおるのですよ。そしてその患者に対する補償金を何で熊本県だけが県債を出さなければいかぬのか。鹿児島県の患者は鹿児島県が県債を出せばいい、福岡県の患者、大阪の患者、愛知の患者、百人とか二百人とか三百人とかおるのですから、そういうところはそこで県債を出せばいいじゃないか、こういう意見もあるわけですから、やはり一〇〇%ということをしなければ、今後の県債問題にいろいろ問題があります。県民も心配です。一〇〇%保証しますということを文書で、この際は新しい金融支援をするときには約束すべきだと私は思うが、どうですか。
○八木橋政府委員 チッソに患者に対する補償責任を全うしていただくと同時に地域社会の安定を図っていくという昭和五十三年の閣議了解の精神に基づきまして、チッソに対してどのような支援策を構ずる必要があるのかということにつきましては、今関係者間で協議中なわけでございます。 そこで、新しい県債云々ということにつきましては必ずしも結論が出たわけではございませんが、既往の県債もあるわけですし、仮にそういったものにつきまして、チッソに万一不測の事態が発生した場合において、熊本県財政にいささかの支障も生じないよう国側において十分な措置を講ずるという、この精神というものは、どういう県債が出されようと私どもは堅持していくべきであるというぐあいに考えております。それをどういうような方式であらわすかということにつきましては、今後関係省庁間、熊本県とも話し合っていかなければなりませんが、そういった方向に沿って私どもは検討していかなければならないと考えているところでございます。
○馬場委員 長官、いささかも迷惑をかけないというのは、これは関係閣僚会議があった後、環境庁長官が記者会見をしておっしゃっている言葉です。それで、私どもがここで質問をして、答弁としておっしゃっている。それが、いささかも迷惑をかけない。 だから、もうそれだけあれば十分だという人もおりますけれども、また新しい県債を出すわけですから、できれば関係閣僚会議で−-熊本県が、文書でそういうことを約束してくれ、さらに一〇〇%ということをそれに書いてくれ、こういうことを強く望んでいるわけです。そういうことがないと、じゃ、今からやろうという新しい県債、新しい金融支援というのが果たしてスムースにいくかどうかわからぬ。またこれ以上熊本県民に千五百億も何も、こういう状況で借金を負わせるということは県民も納得できないと思うので、できれば関係閣僚会議なんかで、そういうぐあいにして一〇〇%という数字あるいはこれを文書で出すということ、そういうことをひとつ長官が提案して、そういうことをしようじゃないかということで提案して議論をしていただきたいと思うのですが、どうですか。
○林(大)国務大臣 先生の水俣病に対する御熱意は言葉の端々にうかがうことができます。ただ、熊本県も厳然とした一つの自治体でございますし、政府のかいらい自治体ではないわけでございますので、あくまでも自治体の尊厳を尊重しなければなりません。したがいまして、やはり私は、一〇〇%という言葉を文書で使うことはいささかどうかと思っております。それこそ、いささかも熊本県にそういうあれをかけないという表現で日本人の気持ちは通ずるものと理解しております。
○馬場委員 私は日本人じゃないのでしょうか、通じないのです。 今、熊本県が自治体だから尊重するとおっしゃるけれども、一〇〇%と言うことが自治体を尊重することになるのです。それを言わぬことは自治体をばかにしていることですよ。道なんです、大臣が今言われた答弁と私が言っていること、熊本県民の心と。 だから、何で一〇〇%と言わぬのかというと、それについては、債務保証を国がすることになるのだ、これは予算総則なんかに載せなければいけないのだ、そういう難しい手続がいろいろあるものだから、このくらいの言葉で我慢してくれぬか、こういうこともあるのですよ。あるいは、今、公害健康被害補償法、公健法には原因企業が倒産したときのことは全然書いてないのです。 だから、予算総則に書くなり、あるいは公健法を改正して、倒産企業になった場合にはどうするのだと書くなり、あるいは特別立法、水俣だけは別だ、公害の世界の原点だ、別だという特別立法をするなり、何とかして一〇〇%保証ということははっきりさせるべきだということを強く、さっきの答弁はちょっと私の気持ちと違いましたから、こういうことをあなた自身検討してもらいたいし、関係閣僚会議にそういうことを言って検討していただきたいのですが、どうですか。
○林(大)国務大臣 関係閣僚会議が開かれますときには、数字を文書にどう表現するかは別といたしまして、先生のお気持ちを十分体して私の発言をつくりたいと思っております。
○馬場委員 ひとつ数字も入れてお願いしたいのです。 そこで、もう一つお伺いしますが、チッソの現在の状況について、この閣議了解事項には、熊本県が発行した「地方債の償還財源の確保が困難となった場合」、いささかも迷惑をかけないように国が措置をとるとなっている。関係省庁覚書にも、「チッソ株式会社からの返済が履行されない事態が生じた場合」、こうなるわけですね。 現在のチッソの状況は、「地方債の償還財源の確保が困難となった場合」あるいは「チッソ株式会社からの返済が履行されない事態が生じた場合」、こういう状態に当たるのか当たらぬのか、このことについて質問します。
○八木橋政府委員 チッソの経営が極めて困難になっているということは私は事実だと思いますが、ここでチッソが不測の事態になったというような場合、これはチッソが倒産して、以降償還財源の確保ができなくなった場合等を指しているものだと私どもは理解しておりまして、逆に申し上げますならば、先生のそういう質問に直接お答え した表現にはなりませんが、不測の事態にならないように、自力で償還責任を全うすることができるようにということで、今我々は努力している最中でございます。
○馬場委員 それは、不測の事態というのは絶対起こさせないように国が責任を持ってするとおっしゃれば、不測の事態のことは全然考える必要はないわけです。今局長はそういう答弁をされたので、それなら、絶対不測の事態が起こらぬように国で責任を持ってやるのだから不測の事態のことなんか心配せぬでもいい、こうおっしゃれば、それはそれでもいいわけです。 そこで、不測の事態とよく使うのですが、今局長は、不測の事態というのは、チッソが倒産した、そして払えなくなった、これが不測の事態だ、こういうぐあいに言われたのじゃないかと聞いたのですが、そう言われたのですか。
○八木橋政府委員 そういう趣旨で申し上げました。そういう事態にならぬようにということで努力しているわけでございます。
○馬場委員 そこで、先ほど田中さんからも新しい金融支援措置について質問が行われました。私もこれは環境庁からも聞いております。しかし、これは非公式に今熊本県に打診しておるのだということをおっしゃっております。また、熊本県もそれに対して対応を練っておりまして、言うならば対案みたいなものをこれまた非公式につくっております。しかし両方とも、非公式ですけれども、報道機関には全部報道されておるわけでございますから、国民、特に熊本県民は、どうなっておるんだという物すごい心配がございます。また、内容を知りたいということがございますので、ぜひ言えることは全部言っていただきたいと思います。 その前に、まず通産省に質問しますが、現在のチッソの経営状態というのは、五十三年、累積赤字が五百億近く出て補償金の支払いが困難になったということでこういう県債の発行が決まったのですが、五十三年のときの経営危機と今日の経営危機はどちらの方が深刻な状況ですか。
○古田説明員 御説明申し上げます。 チッソの決算状況でございますが、先生御指摘のように、金融支援が始まりました昭和五十三年度におきましては、売上高が八百六十六億円、経常損失三億円を計上しておりまして、かつ、未処理損失が四百三十九億円あったわけでございます。これに対しまして、平成四年度におきましては、売上高が一千四百六十七億円、経常利益が十五億円、未処理損失が千三百五十九億円ということでございます。 五十三年度の事態でございますが、昭和五十年度以降、五十年度、五十二年度、五十三年度と三カ年経常損失を当時計上しておりますし、また、補償金の支払いが漸増していく、あるいは累積損失がふえていくという状況でございまして、このままでは補償金支払いが大変困難になるのではないかということで大きく懸念されたわけでございます。 他方、今日の状況でございますが、需要の急速な減退でありますとか市況の低迷がございまして、化学業界全体としまして大変厳しい経営環境にございます。特に平成三年度から四年度にかけまして売上高、経常利益が大幅に減少しておりますが、チッソにつきましても、経常利益は平成三年度六十三億円から十五億円へと七五・五%の大幅な減少でございまして、五十三年当時と現在とでは単純な比較は難しいわけでございますが、この経常利益の減少幅でありますとか累積損失の大きさを考えますと、大変厳しい状況にあるというふうに認識しておるわけでございます。
○馬場委員 もう一つ通産に質問いたしますが、環境庁は今度の新しい金融支援で、三カ年間で百五十億円程度の金融支援をしたいというような新金融支援方式を考えておるようでございます。毎年五十、五十、五十ではないと思いますが、例えば百億、三十億、二十億、こうなるか知りませんが、とにかく三カ年で百五十億円程度の金融支援を考えておるようです。三年後にチッソの経営が安定して、自力で補償金が支払えるような経営状況でありますかどうか、そのことを通産省はどう見ておられますか。
○古田説明員 御指摘の百五十億円の設備投資の問題でございますが、チッソ株式会社といたしましては、現在、合理化投資、効率化投資、あるいはファインケミカル事業を中心とした重点事業分野の拡大ということを中心に投資計画を持っておりまして、これを通じて経営体質の強化を図って、収益力を大幅に向上したい、こういうことだというふうに承知しておるわけでございます。私どもといたしましては、そういった一層の経営努力を通じて体質強化をしていただいて、患者に対する補償責任を全うしていただきたいというふうに期待しておるわけでございます。 御質問の三年後にどうなっておるかということでございますが、景気の状況でございますとか、市況でございますとか、いろいろな要素がございまして、この設備投資が計画が幾らであるから三年後にこうなるというようなことを、現段階で確たることを申し上げることはなかなか難しいわけでございますが、いずれにしましても、私どもとしては、そういう重点的な投資の拡大を通じて経営体質を強化していただくことを期待したいということでございます。
○馬場委員 長官、この前、五十三年のときも、チッソは五年間の経営改善計画、再建計画を出しているのです。そうして、四年間県債で支援してくれれば、五年のこの再建計画が成就した場合にはもう自力でやれるというような再建計画を出した。それに基づいて最初四年間と決まった。今度の場合も、チッソの資金需要見通しをもらって見ますと、大体三年間すると四年目ぐらいからは自力で払えるような資金繰り計画にはなっているのです。 ところが、五十三年は、四年間だというのが延ばして延ばして、今県債を十五年続けているわけですね。今度も三年というけれども、またこれが延ばして延ばしていって十年か十五年続くんじゃないか、こういう心配があるわけですから、そういうことがないように、例えば三年なら三年で、こういうことでどうなるんだというぐあいに、次から次に延長して全然信用をなくするような、あるいは熊本県民に負担をどんどん、あれよあれよといううちにかけないような案をやはりぜひつくってもらいたい、こういうぐあいに思っております。 そこで、水俣工場についてまた通産にお願いしますが、その三年間にチッソは、水俣工場にどういう設備投資を幾らくらい予定してあそこの体質強化を図ろうとしておるのか、お聞かせください。
○古田説明員 御説明申し上げます。 チッソでは過去三年間で大体百十一億円の設備投資を行っておりますが、その大半は水俣工場への投資だというふうに承知いたしております。それからあわせまして、チッソの平成四年度の経常利益が十五億円あったわけでございますが、そのほとんども水俣工場からのものというふうに承知いたしております。 今後の投資の見通してございますが、引き続き水俣工場を中心に、能力増強なり体質強化のための設備投資につきましては、主としてファインケミカル部門に対する設備投資を計画しておるということで、過去三年と同程度の設備投資をしていきたいというような意向を持っているというふうに承知しております。
○馬場委員 そこで、これは環境庁に、今環境庁はどういう新しい金融支援の方式を検討しておるのかということを聞きたいのですが、これはなかなか答弁、表に出していないということでしょうけれども、大体、新しい地域振興基金という基金を設けて、それに国と県が資金を出して、運用益でいろいろな埋立地におけるイベントとか胎児性患者の雇用とか仕事をする、そのまた運用益でチッソに貸した利子の補給もするとか、いろいろ出しておる。だから、そういうのに対して大蔵省とか自治省とか、早急に交付税措置をとるとか、あ るいは基金に一般会計から大蔵省から出してもらうとか、いろいろなことを計画をしておられるようでございまして、今大蔵省とか自治省とかと熊本県と相談をなさっておると思います。 そういう中で、もう中身については時間もございませんから省略いたしますが、やはり県それから大蔵省、自治省、そういうものに新しい金融支援計画というのが、今考えているのが理解され得るのか。ぜひ理解してもらいたいと思っておられると思いますが、そういう点、どういう話をしているとか、中身は言えないかもしれませんが、ぜひそういう関係省庁と連絡をとりながら新しい金融支援方式を六月中にはやはりつくり上げるべきではないか、こういうぐあいに私は思いますが、そういう成案はいつまで練り上げようと考えておられるのか、端的にお答えいただきたいと思います。
○八木橋政府委員 先生の御質問に端的にお答えすることは非常に難しいわけでございまして、熊本県及び国の財政当局、地方財政当局、それぞれの視点からいろいろ御意見もございます。私どもは、そういう関係者間の理解を得ながら、やはり五十三年当初に考えましたように、患者に対する補償責任を完遂する。チッソがあの地域において主要な雇用力を持った工場であり、あの工場の成否というものは地域の安定に非常に大きい力を持っている、またそれがどうなるかということで地域が左右されるということから、何とかして私どもといたしましてはチッソが独力でそういう責任を全うできるようなところに持っていくことが大事である。そのためには、先ほど通産省の方から御説明がございましたように、やはり責任を全うするためには、チッソ自体が実力をつけていただくということが最低限の条件ではないかということから、私ども財政面からアプローチする場合において、従来から見ますといろいろな限度があることは事実でございます。私どもはその中でできる策というものを講じながら、やはり当初の目的に沿ったような案をつくらなければならぬということで、今鋭意努力中でございます。 ただ、いろいろ難しい問題もございます。熊本県には熊本県側の事情がございます。県議会の事情もございます。それぞれの事情がある。その中で、私どもとしてはどういう案、またその中でできる限りいい案をつくらなければならぬということで、日夜努力しているところでございまして、いつまでにそれができるということにつきましてはなかなか申しがたいわけでございますが、私どもとしてはできるだけ早く成案を得たい。片方におきまして、チッソの経営状況が極めて厳しいということも事実でございますから、私どもとしては、早く成案を得なければならぬという気持ちを一方に持ちつつ、そういう努力を続けているところでございます。
○馬場委員 地域振興基金というのをつくるというようなことが伝えられておるわけですけれども、この地域振興基金というのは、チッソに対する金融支援をやる基金か、あるいは閣議了解事項の第四項にあります水俣・芦北地域を振興する基金か、どちらの基金を今考えておられるのですか。
○八木橋政府委員 私ども、この案を考えるに当たりまして、当初の、チッソに対してその補償責任を全うすると同時に地域の振興を考えていく、そういう考えの中から、環境庁としてはまだ関係省庁の御了解を得ているわけではございませんので、こういう席で申し上げるのは若干問題があるかと存じますが、私どもといたしましては、その両方を兼ね備えた性格を持ったものとして考えていかなければならぬ。ただ、財政がやります場合に、一私企業の支援といったような格好でのつくり方ということは私ども問題があるというぐあいに考えております。やはり地域の支援、地域振興ということを考えなければ、仮にそういうことを考える場合に案としては成立しないのではないかというぐあいに考えておるわけでございます。 いずれにしましても、まだ関係者間の了解を得られたものではございません。私ども、鋭意関係者と話し合いまして、成案を得てまいりたいというぐあいに考えております。
○馬場委員 いま一つ尋ねておきたいのは、現在発行しております県債方式も算定方式を見直すということも言っておられるようです。いろいろありますけれども、その中で一つ、さっき田中委員からもお話があったのですが、現在の県債の額を算定する中に裁判の仮執行金なんかも入れるのだ、こういうぐあいに言っておられるわけですけれども、基本的にこの問題、水俣病というのは現在、例えば裁判をやって和解を進めている人もおります、自主交渉をやっておる人もおります、その他、総合対策を受けながらいろいろ要求しておる人もおるわけですけれども、例えば裁判で和解で一時金が出る、自主交渉でチッソと話して一時金が出る、こういうのも新しい県債の算定の基礎の中に入れて考えておるのか、入れていないのか。入れて考えるのか、考えないのか、どうですか。
○八木橋政府委員 先ほどお答えしましたように、私どもは、チッソが原因者負担原則を堅持しながら、その経営基盤の強化維持を通じて補償金の支払いに支障を生じない、地域の経済社会の安定に資する、この二つの目的を中心にして考えております。 そこでその際に、先生御指摘になった問題でございますが、水俣病関連訴訟の判決金につきましては、現に三月に判決仮執行金の支払いが行われているということもございまして、現実の資金繰りの問題として起こっているということから、それは県債額算定の基礎にすることを考えることが適当であるというふうに考えているわけでございますが、和解金につきまして、現にその支払いがあるということでもなく、また、近くそのような支払いが確定しているということでもないことから、私どもとして、県債額算定の基礎に現段階で考えることはいたしておらないわけでございます。チッソの経営基盤の強化を図るということがまず大事だというぐあいに私どもは考えておる次第でございます。
○馬場委員 これは大蔵省に聞きたいと思うのですが、熊本県が現在まで県債を発行しております、この利子が非常に高いわけです、資金運用部資金の利子が。だからこれを低利の、大体今八百億ぐらい出しておりますけれども、平均七%近い利子を払っている。現在は四・五ぐらいの利子でございますが、高いときに借りた利子を、高いのですからこれを借りかえるとか、あるいはその利子を軽減するとか、こういうことをぜひやっていただきたい、こう言っておりまして、県債償還が、例えば平成四年度は四十三億返しておみのですけれども、うち三十四億は利子ですね。だから、現在の利率で、前の高いものを借りかえますと大体年に二十億円ぐらい浮いてくるというようなこともあるものですから、既発県債の低利に対する借りかえとかあるいは利子の軽減措置とかいうことをぜひやってくれと熊本県は望んでいるのですが、これに対して大蔵省はどういう考えですか。
○潮説明員 運用部資金についてお答えをいたします。 運用部の資金は、郵便貯金それから年金等、国民の貴重な財産を原資としているものでありまして、資金法におきまして確実、有利な方法で運用するというふうに義務づけられているところでございます。 その中で熊本県に対します貸し付けは、三十年、据え置き五年という最も優遇された貸し付け条件ということになっております。また、郵便貯金、年金等の預託者に払います金利と同じ金利で貸し付けを行っているということでございまして、利ざやがございません。 運用部特別会計は独立採算を前提としておりまして、一般会計からの繰り入れが予定をされておりませんので、金利の減免というものに応じられるような制度、仕組みではないわけであります。また、財政法八条におきまして、「国の債権の全部若しくは一部を免除し又はその効力を変更するには、法律に基くことを要する。」という規定がござ います。これを受けまして、債権の条件変更等に関する法律というのがございます。資金運用部の融通を受けた者が災害その他特殊の事由により元利金の支払いが著しく困難となったときに、一定の条件のもとに融通条件の変更をすることができるという規定がございますが、熊本県が現在こうした状況にないことははっきりしていると考えられます。したがいまして、金利軽減措置等を行うことは無理であるというふうに考えております。 また、国であります運用部が実質的に補償金支払いのための金利負担を肩がわりをするということになりますと、チッソが負担すべき損害賠償責任の一部を国が負担をするということになりまして、汚染者負担原則から見ても無理であるというふうに考えております。
○馬場委員 五十三年、今の県債を発行するときも、これは当然、地方財政法の五条一項第二号によって県債を発行して患者補償をさせる、これはできないんだということを自治省はここで私に対して答弁もされました。 ところが、いろいろ関係閣僚会議なんかで議論されて、そして結局県債を出して補償を支援するということになったのですが、今もうできないようなことですけれども、やはり現行の制度の中でできるんだという意見も私は聞いております。それでできなければ関係閣僚会議でそういうことを決めてしまって、あるいはそれでもできぬというなら、法律を変えてもこの利子負担の軽減をしなければ、この県債方式というのはもう引き受けられない、続かないと私は思うのですから、これはぜひ長官に検討していただきたいと思います。 そこで、もう時間が来ましたから、最後に、長官は、やはりこの前私と田中さんが質問したとき、長官になってから寝ても覚めても水俣病のことを考えておるんだというようなことをここで答弁されて、感激をしたわけですけれども、この新しい金融支援を決定するときは、今問題になっている、三十八年も続いた、半世紀も続いた水俣病を早期完全解決する、そういう展望を持って、その糸口としてこれからこの新しい制度を考えていただきたいということを申し上げます。 それから、水俣病を解決するのは、患者の心とか水俣の住民の心を知らなければ本当の解決策は出ない。それで、国会も終わりますから、なるべく早く長官は水俣に行って、水俣に長官が出向いて、水俣の患者の心、水俣の心を知っていただいて、そして万遺漏のないような環境行政をやっていただきたい、そういうことを最後に要望しておきますが、ぜひ水俣に行ってくださいということに対してはどうですか。
○林(大)国務大臣 馬場先生の数々の御質問、突き詰めて言えば、私どもとそう離れた考え方ではないはずでございます。ですから、その意味においては十分努力したいと思っております。
○馬場委員 水俣に長官が行くということはどうですか。
○林(大)国務大臣 その気持ちは私は片時も離れておりませんので、そういう機会がぜひ訪れることを私自身も願っております。
○馬場委員 終わります。
○原田委員長 大野由利子君。
○大野(由)委員 私は、水俣病の認定業務が促進されることは結構なことである、そのように思うわけでございますが、水俣病の患者の切り捨ては断じて認めるわけにいかない、また水俣病患者が生きている間に国は血の通った温かい誠意のある早期解決をなすべきではないか、そういう立場できょうは質問をさせていただきます。 現在、参議院で環境基本法が審議をされておりまして、間もなくこの基本法の成案ができるのではないか、そのように思っているわけですが、水俣病は公害・環境問題の原点であるわけでございます。水俣病解決という問題は環境基本法成立という問題にまさるとも劣らない大変重要な問題であるわけでして、水俣病の早期解決なくして何のための環境基本法か、そういう思いがいたします。 初めに長官に伺いたいわけですが、去る四月六日のこの環境委員会におきまして、私は、三月二十五日に熊本地裁で出されました水俣病第三次訴訟第二陣判決について長官に質問をさせていただきました。長官は答弁の中で、実は控訴するかどうかについては、環境庁だけの問題ではありませんで、関係している省庁もございますので、これと相談して国の姿勢を決めなければならないということで、今関係省庁と協議を重ねている段階でございますので、この段階で控訴するとかしないとか、ここでちょっと触れるわけにいかない、そのような御答弁でございました。 ところが、翌日に福岡高裁に控訴をされているわけでございます。今関係省庁で協議を重ねている段階であると言いながら、その控訴の準備が終わっていたということは、終わって翌日控訴されているということは、国会の軽視ではないか、国会での答弁が果たしてそれでいいのかどうか、そういうことについて初めに伺わせていただきたいと思います。 〔委員長退席、高橋委員長代理着席〕
○林(大)国務大臣 大野先生の御質問でございますが、実は、今関係各省庁と検討しておるという私の答弁はうそ偽りではございませんで、あの時点においてはまさにその段階でございました。したがいまして、これを控訴手続をとりましたのは七日のたしか夕方の五時だったと思います。控訴手続は政府がやる場合には法務省が表に立ちますものですから、関係省庁との協議ということは非常に大事でございますので、そういう意味で、まだ環境庁だけの考え方で進める段階ではございませんでしたので、大野先生にはありのままにそのようにお答えいたした次第でございます。
○大野(由)委員 長官は、福岡高裁に控訴をされたことで、この問題については一日も早く解決に持ち込みたいというのが我々の気持ちだ、そう言ってこられたことと、この控訴されたということは非常に矛盾があるのではないか。国は水俣病の解決をまさに長引かせようとしているのではないか。長官のその本心を伺いたいと思います。
○林(大)国務大臣 本心は、何度かこの委員会でも御答弁させていただきましたように、一日も早く解決に入りたいという気持ちはいささかも変わっておりません。 ただ、なぜそれならば一審の判決に従って対応しなかったのか、控訴すれば控訴審の結論が出るまで時間がかかるではないかという御心配であろうと思いますけれども、それは確かに先生のお考えのそういう時間の経過はございますが、私としましては、一審における判決だけで国がそれをそのとおりでございますというように承知するということよりも、やはり従来の過程もございますものですから、高裁の判断も仰いだ上でという考えで環境庁としては控訴をいたしました。
○大野(由)委員 生きている間に救済をということが被害者の方々の切なる願いでございまして、今回の判決に至るまで十一年半にわたる、長期にわたる裁判が行われてきておりまして、また原告の方々の平均年齢は大体七十歳に到達をするという状況でございますが、これから高裁で争われ、また場合によっては最高裁まで上告をされるというふうなことになりますと、それこそこれから先二十年くらいかかってしまうのではないか。生きている間に救済をという、被害者の方のそのような願いすらかなえることができないというのでは、もう余りにも行政は血も涙もないのではないか。国としてのモラルとしてもこれは本当に許されるべきことではないのではないか、そのように思うわけでございますが、重ねてもう一度御見解を伺いたいと思います。
○林(大)国務大臣 実は、血も涙もないという、そういう意味の措置ではございませんでして、環境庁といたしましても、行政府の一角として、国民から国民の負託にこたえる責任を環境庁も与えられておりますので、国民の皆様方に環境庁のとった措置が妥当であったと認めていただくためにも、実は高裁に控訴してその判断も仰ぐという措置をとった次第でございます。
○大野(由)委員 健康で安全な暮らしができる、 その最低を保障するということは基本的人権として憲法で認められているわけでございますし、こうした患者の方々の基本的人権、最低限の基本的人権を守っていくという、その辺の配慮というものが余りにも足りないのではないか。 厚生省にちょっと伺いたいと思いますが、先日の判決におきましても、国また熊本県は、食品衛生調査会が厚生大臣に水俣病の原因物質はある種の有機水銀化合物と答申をした昭和三十四年十一月十二日までには、水俣病の原因物質は有機水銀で、汚染源はチッソ水俣工場と認識できたはずだ、食品衛生法に基づいて規制権限を行使しなかったということは違法であるという判決を下しているわけでございますが、この判決に対する感想と、なぜ控訴をされたかについて伺いたいと思います。
○織田説明員 三月二十五日に言い渡された熊本地裁の判決につきましては、判決の内容を検討し、関係各省庁と協議の上、さらに上級審の判断を求めるべく控訴をしたところでございます。 食品衛生法に基づく規制権限の問題につきましては、水俣病の原因物質が判明していない等の状況のもとで、水俣湾内産の魚介類の摂食自粛等の行政指導を行う等できる限りの措置をとっていたものであり、国の責任はないものと考えております。このため、厚生省としても今回の判決には承服しがたいと考え、控訴すべきものとしたものでございます。
○大野(由)委員 食品衛生調査会でこういう答申を出した、この答申はどういうふうに扱われたのでしょうか。
○織田説明員 その後研究調査が行われたわけでございますが、昭和四十三年に至るまで原因物質が判明せず、かつ、有害な魚種、その生息場所も特定できなかった、このように考えておるわけでございます。
○大野(由)委員 昭和三十四年に食品衛生調査会が、水俣病の原因物質はある種の有機水銀化合物である、そういう答申を出された。しかも、この答申がそのまま十年以上ほっておかれて、そしてその食品衛生調査会の答申の後、この調査会が解散されている、そういう状況であるわけでございますが、ここに何らかの、行政が責任を感じないというか、責任がないというのは、これは大変な間違いというか、不作為の責任があるというこの裁判というのは当然のことではないか、そのように私は思うわけでございます。 あわせてちょっと、せっかく来ていただいていますので、農水省、通産省の方にも、今回の判決についての感想と、なぜ控訴されたかについて伺いたいと思います。
○吉崎説明員 水俣病訴訟において、原告側は、農林水産省に漁業法及び水産資源保護法の運用をめぐる法的責任を前提とした国家賠償責任があると主張し、農林水産省としましては、このような法的責任はなく、請求には応じられないとの主張を行って裁判所の判断を求めていたところでございます。 ことし三月二十五日の熊本地裁判決におきましては、これまでの農林水産省の主張の正当性が基本的には認められたものと受けとめております。しかしながら、国の主張の中には判決において認められないものもあることから、国として控訴するということにしたところでございます。
○清川政府委員 お答え申し上げます。 三月二十五日のこの判決におきましては、国の主張が認められないで国に賠償責任があるとされたことにつきましては、極めて厳しい判決であるというふうに受けとめております。 しかしながら、技術的な話になりますけれども、この中におきまして、通産大臣に対して工場排水等の規制に関する法律に基づいた規制権限の不行使の違法があったということにはなっておりませんで、通産省の主張が認められたものと受けとめているわけでございます。また、行政指導についての要求もあったわけでございますけれども、行政指導につきまして、判決の中におきましては、有効適切な行政指導がなされなかったとは言えない。これは、八幡中央排水溝の廃止あるいは排水浄化設備の早期完成といった任意の協力を得られる限度での行政指導を行ったということに対する判決でございますけれども、このようなことから有効適切な行政指導がなされなかったとは言えないというふうになっているわけでございます。 やや技術的な判決の中身に立ち入ったお答えを申し上げましたけれども、全体として国の主張の中には判決において認められなかったこともございますので、関係省庁と協議の上、さらに上級審の判断を仰ぐことというふうになりまして、四月八日に控訴されたわけでございます。 〔高橋委員長代理退席、委員長着席〕
○大野(由)委員 私は、行政はいかに人権を守るか、またいかに人の命を守るかということは本当に最も原点である、基本的なことではないか。犯罪を犯した人の疑わしきは罰せずということは人権を守るという意味で当然でございますが、人の命を守るという面で、やはり疑わしきはいかに早目に対応をしていくか、そして被害者が出ないようにしていくか、そういうことが本当に大事ではないか。また、水俣病の認定に際しましても、疑わしきは救済をする、水俣病でないと否定できない場合は救済をしていく、そういう姿勢が当然ではないか、そのように思うわけでございます。 昭和四十六年当時の事務次官の通達では、疑わしきは救済をする、つまり、水俣病でない、そのように確定されない者は救済をするという方向であったものが、その後どうして昭和五十三年の通達で厳しくなってきたのか、その辺について私は環境庁に伺わせていただきたい、そのように思います。
○松田政府委員 お答えいたします。 五十二年の部長通知に基づきまして現在、水俣病の判断条件が定められておるわけでございます。この判断条件でございますが、これは医学的に水俣病と疑わしいと診断し得るぎりぎりの線でございまして、これは、昭和六十年に開催されました水俣病の判断条件に関する医学専門家会議におきましても、あるいは平成三年十一月の中公審の答申におきましても、この内容が適正かどうかということを検討していただいて、そのままで結構であるということで現在に至っているわけでございます。 今、昭和四十六年の次官通知が五十二年の部長通知によりまして判断条件が変わったというような御指摘でございますが、私どもといたしましては、四十六年におきます事務次官通知の内容をその後の新しい知見を踏まえまして判断条件の具体化を図ったということでございまして、運用の面におきまして、あるいはその判断条件の考え方におきましては一貫しているものであるというふうに考えておるわけでございます。
○大野(由)委員 国の認定基準が非常に厳し過ぎる、二つ以上の主要症状の組み合わせがないと認定がされない、そういうことに対して厳し過ぎる、今回の判決の中にもそうした判決が出ているわけでございます。実際に水俣病じゃないということで棄却された方の中から、亡くなられた後に水俣病と認定された方がたくさんいらっしゃる、そういう現状でございます。 それからまた、ちょっと話がかわりますが、イタイイタイ病もことし四月、環境庁は吉木法というのでしょうか、骨軟化症の診断法の一つとしてこの方法在認めることを決めまして、今まで認定棄却処分を受けた人でこれに該当する人が約二十人いらっしゃる。ところが、約二十人認定されるようになったわけですが、残念ながら大半亡くなっていらっしゃる、そういう現状があるわけでございます。 そういった意味で、亡くなられてから認定をしたのではもう遅いわけでございまして、私はもっと認定基準、今回の三月二十五日の判決に従いまして、四肢末梢の感覚障害だけであっても健康障害は有機水銀の影響による可能性は高い、そのような判決を下しているわけですが、この判決を踏まえた水俣病の判断水準の見直しを図るべきでは ないか、そのように思いますが、御見解を伺いたいと思います。
○松田政府委員 お答えいたします。 先ほども申し上げましたように、現在の水俣病の判断条件につきましては、直近で申しますと平成三年の十一月でございますが、そのときの中公審におきまして、それまでに得られました新たな知見も踏まえまして、現在の判断条件を変更するような新たな知見は得られていないということで、そのままで私どもは運用しているわけでございます。したがいまして、現時点におきましては、この判断条件を医学の定説に基づいて現在適当なものであるというふうに考えておるわけでございますから、これを改定する考えは持っていないわけでございます。 それから、先ほどの裁判で、判断条件といいますか、いろいろ病像について裁判の上でもやられておりますが、私どもといたしましては、裁判の中でとられております病像論というものに対しましては非常に疫学条件というものを重視しておりまして、そして非常に蓋然性が高いというふうな観点に立って、四肢末端の感覚障害をもって水俣病と断定するには現在の医学を定説とした判断条件からはやはり無理があるのではないかというような考え方を持って控訴しているところでございます。
○大野(由)委員 今回の臨時措置法が制定されました昭和五十三年当時、六千人を超える未処分者が滞留をしていたということで認定業務の促進が叫ばれたわけですが、その後の水俣病の認定業務の状況について伺いたいと思います。
○松田政府委員 まず、水俣病全体についての認定状況でございますが、今までに申請者が約一万三千人ございました。その中で、現在二千九百四十五名の者を認定しているという状況にございます。臨措法につきましては、先ほど来もお答えいたしましたが、制度が発足いたしましてから、三百十三名の者の申請に対しまして三十三名の者を認定しているという実情にございます。
○大野(由)委員 この臨時措置法によって認定業務を行うに当たっての予算というのはどれぐらいか、実際にかかった費用等々について伺いたいと思います。
○松田政府委員 お答えいたします。 御指摘の臨時措置法の施行の経費といたしまして、平成二年度あるいは平成三年度は大体七百万ぐらいでございまして、平成四年度は八百五十万円というような予算を計上しているわけでございます。 〔委員長退席、高橋委員長代理着席〕
○大野(由)委員 この三年間におきまして、認定された方が一人、それから処分というのでしょうか、認定業務がなされた方が全部で二十三名、そういう中で年間八百五十万からの予算が使われて、非常に効率の悪いというか、むだ遣いがされているんじゃないかと思うわけです。 最近、申請者の七割が再申請者だということですが、三回以上申請されている方、四回以上申請されている方、また五回以上申請されている方がどれぐらいいらっしゃるかについて伺いたいと思います。
○松田政府委員 お答えいたします。 申請者の中に占める再申請者の割合が非常に多うございますが、先生御指摘のように回数別に考えてみますと、五回以上申請した人というのが全体の約一%ぐらいあるわけでございます。それ以外で、臨措法に限らず、今まで全体で約一万三千人の申請者がいたわけでございますが、その全体について、再申請者が大体どのぐらいあるかということを申しますと、約三二%ぐらいの者が再申請をしておりまして、二回以上の者がそのうち二二%ぐらい、三回の者が七・二%、四回申請した者が一・八%、五回以上も若干ございまして、〇・七%ということでございまして、ほとんどの者は二回の者が多いという状態にございます。
○大野(由)委員 このように大変な裁判、また検査を受けるということも大変なことでございます。何度も何度も申請をし、これをやっていらっしゃる方のことを思えば、本当に私は、もっときちっと国は早期の解決に向けてやるべきではないか、そう思うわけでございますが、最後に長官に伺いたいと思います。 今回、この臨時措置法の法案の審議であるわけですが、この認定業務の促進だけじゃなくて、水俣病問題の解決のために、行政としてはやるべきことがほかにもいっぱいあるのではないか、そのように思うわけでございます。平成三年から水俣病の総合対策、医療事業が実施されるようになったわけでございますが、本当にこのように何度も何度も裁判もし、そして現実に水俣病だと思って悩み、苦しみ、苦労していらっしゃる方々のことを思ったときに、国が国家賠償法で賠償するのがどうしても難しいということであれば、現実に苦しんでいる方がいらっしゃるということは事実なわけでございますので、その福祉事業を拡充するとか年金をお払いするとか、本当に苦しんでいる方の苦しみを少しでも分かち合うという方向で、この水俣の問題についてももう一歩大きくいろいろと検討ができないのかどうか、長官に今後の水俣行政についての御決意を伺って、終わりたいと思います。
○林(大)国務大臣 先生がたびたび御質問なさいましたように、国民の幸せを守るのはやはり行政に大きな責任があるというお話でございますし、行政としましても、法律が国民を守っておりますので、法律に基づいて行政を進めているわけでございますが、今度の水俣病に関する問題につきましても、基本はそうでありますけれども、その中で特に、法律とともに、行政面で進めなければならぬ問題につきましては積極的に対応してまいりたいと思っております。
○大野(由)委員 終わります。
○高橋委員長代理 寺前巖君。
○寺前委員 質疑時間が二十分でございますので、要領の悪い質問になるかもわかりませんが、御勘弁をいただきたいと思います。 まず、せっかく提案者がお座りでございますので、提案者からお聞きしたいんですが、臨時措置法が昭和五十三年にできて以来、今日までどのような役割を担ったんだろうか、被害者が、これで非常に助かりましたといって喜んでいるんだろうか。どういうふうにお考えになっているんでしょう。もしも不十分だなとおっしゃるのならば、どんな対応をしなければならぬというふうに見ておられるんだろうか。提案者にお聞きしたいと思います。
○園田議員 臨時措置法の経過というのは寺前委員御承知のとおりだろうかと思いますが、率直に言って、できて以来現在までの三百十三名の申請者、私は不十分だと思っております。 できた当時のことをよく存じませんが、当時申請される方々の中にも、国に申請すると大変厳しい、こういううわさがあったやにも聞いておりますし、そういった意味で、よく理解をされてなかった、それに対する努力も十分でなかったのかなというふうに私は思っております。 しかし、三百十三名のうちに、特に直近の三年間では百二十二名ふえておりますし、現実に二千名以上の未処分者がまだ残っております。そういった意味では、今回期限の延長をお認めいただいた上で、その際には、本当に実効あるものにするために、私は特に環境庁、県と一体となって、申請される方々に対して十分に御連絡をむしろ積極的に働きかけて、そして、今度の延長が本当に申請者の方々に今まで以上に実効あるものにしてもらいたいと思っておりますし、そういった意味では、逆に、二千三百名まだ残っているという現実を考えますと、それをしなければならない、こういうふうに考えております。
○寺前委員 当局の方からここで説明してもらったらいいのですが、時間がありませんので、昨晩資料をいただきましたので、私の方で紹介をさせてもらいますと、臨時措置法施行後から去年の末、平成四年末までの認定申請者件数というのは、処分件数が百四十件あって、そのうち認定したのは三十三件だ、未処分件数は百七十三件だ、 半分以上残っているんだと。それでは、最近の事態はどうか。まず一番近い状態を見ると、平成二年十月一日改正後、去年の暮れまで、百二十五件の申請があって、取り下げが三件あった、だから百三十二件だ。ところで、認定された人はゼロだ。その前の昭和六十二年から平成二年の九月まで、申請は六十七件あった、認定件数は一件だった。そうすると、申請件数はふえてきているかしらぬけれども、あそこへ行ったって認定してもらえなかったら、よかったなということにはならぬじゃろう。私が気になるのは、今度の臨時措置法の持っているそういう性格が気になるのです。 一方、この間に裁判がなされています。裁判の結果について知っているかと言って、環境庁に昨晩これも資料をもらいました。新潟水俣第一次訴訟、昭和四十六年九月二十九日、五十六名中容認したのは五十五名で一名棄却だ。熊本水俣病一次訴訟、昭和四十八年三月二十日だ。四十五名中四十五名認容。ずっとこう以下書いてあります。そして、一番最後に合計が延べ四百六十三名中約四百十六名が容認されている。約四十七名が棄却されている。裁判の方に持っていったら受け入れてくれるんやな、こっちへ持っていったら受け入れてくれへんのやなという格好になっている以上は、これは不十分だということでは済まぬのと違うんやろうか。 そこで、私は率直に大臣にお聞きしますけれども、数はふえたといったってこんな扱いをしておったら喜んでもらえないな、現実には泣いているんだから。だから裁判の方に期待をかけて大きな力を、そこに目を向けている、結果としてそうなっているんじゃないか。大臣はそうお思いにならないだろうかというのが一つ。 もう一つは、今度は判決内容を読んでみると、判断要件は狭きに失すると言って、こうやって容認している。これが特徴です。そうすると、今までやっている公健法にしてもあるいは臨時措置法にしたって、この判断基準ではどうにもならぬのやないかとみんなが思うのは当然じゃないか。私は率直に大臣の見解を聞きたいと思うのです。事務的にはもうよろしいんや、全部聞きましたから。時間がありませんので、大臣にひとつお願いをしたい。
○松田政府委員 簡単にお答えいたします。 まず最初に先生が認定の数を御指摘されたわけでございますが、確かに臨措法におきまして認定される者が数少のうございますが、これは県において行われております認定作業におきましても同じように、最近の傾向としまして非常に判断困難な例が多い、あるいは再申請の者がいろいろな理由によりまして認定の率といいますか、数が少ないというのは同じ傾向でございまして、臨措法の方が特に低いということではないというふうに御理解いただきたいと思うわけでございます。 それから、判断条件が非常に厳しいのではないかという御指摘でございますが、やはり私どもは公健法にのっとりまして患者さんを認定する場合には医学の知見をもとにいたしまして公正に認定していくということでございまして、先ほど来申しますように、折に触れてその認定条件が現在までの知見にのっとっていいのかどうかという点検をしながら、今日に至っておるわけでございます。
○寺前委員 大臣、お答えになれませんか。 〔高橋委員長代理退席、委員長着席〕
○林(大)国務大臣 寺前先生の御質問につきましては、ただいま担当者から説明させましたけれども、やはり環境庁の立場といたしましては法を守る立場から、あくまでもその中で医学的知見というものも大きな要素でありますものですから、それらをもとに踏まえて、法に違反しないように処置しておるというふうに理解しております。
○寺前委員 法に違反しないって、あなた、法律に書いてあるわけじゃなくして、通知でもってやっているんだから、これは環境庁内部が改善すれば直る話です。裁判所というところでも、法に基づいておやりになっている。そこで、そんな判断基準ではそれは狭さに失するよ、思い切って救済するということをやらないかぬじゃないか、これが結論でしょうが。そうしたら、こういう司法の一定の判断が出てきている段階において、長官として、待てよということをお考えになって当然だと私は思うのですが、次に行きます。 それでは、臨時措置法が施行されてから一体どれだけの人が死んでいるんじゃろな、資料あるかと聞きましたら、資料くれました。平成四年度末の未処分者の二千百九十一人中三百三十九人が亡くなりました。ですから、一割以上の人が亡くなってきているという資料をいただきました。 私は、裁判の方の関係では一体どうなっているんじゃろうか、これも関係者に聞きました。原告は二千三百人からおるけれども、既に二百二十人からはお亡くなりになっている。日はどんどんたってくるんだから、これは平均年齢はどのぐらいになるんじゃろうな。もう恐らく七十歳前後になってきているんじゃないかと私は想像します、調べておいてくれとお願いしましたけれども、時間の都合でそれは省略させていただきます。第三次訴訟の原告団千五百七十三人、患者さん千三百七十八人。資料とりました。死亡者どれだけありますかと聞いたら、百六十五人です、こういう話でした。八七年三月三十日の判決後五十六人も死亡している。 こういうことを考えると、現実に水俣をめぐるところの問題で、裁判であと何年かかるのだろうか、ほっておいていいのだろうか、一刻の猶予もできない事態になっているな。圧倒的皆さんはこの訴訟に期待をかけて問題にしておられる以上、環境庁長官としては、一体この裁判、あと何年かかるのだろう、一、二年で解決するというものだったら待ったらいいでしょうけれども、何年ぐらいかかるというふうに踏んでおられるのだろう。踏み方によっては態度の決め方が変わってくるだろう。どういうふうに見詰めておられますか。
○林(大)国務大臣 控訴いたしました理由は先生も御案内と思いますが、今司法の判断を仰いでいるときでございますので、司法がいかなる判断を下すか、それを私どもも注意深く見守っておるところでございます。
○寺前委員 見守っているって、これはあと何年かかると思ってはるの、裁判。だから、あっちこっちの市長さん、出水市の市長さんの文書もありますわ。私きのうもらいました。ようけありましたわ。これは鹿児島県の出水市の市長さんですね。関係するところの市長さんでしょう。それから、これは熊本県の津奈木町議会の議長さんの名前とか東京都議会の意見書、早期解決の要望ですな。それから東京都の早期解決の区長さんの連名要望ですな。これは東京都市長会の会長さんですな。みんな連名で早期解決を願うというのは、その裁判がそんなに短時間に終わらないと見ているからでしょう。だから、時間がかかる、しかも年齢はいって死亡しておられる、こんなことを考えたら、これは本当にちょっと長官何とかしてよという声が、これが全体から出てくるのは私は当然だろうと思うのです。 ここに一九八九年六月二十三日、東京地裁で宇藤正男さんという原告が述べられた弁論があります。こう書いてある。 私たち被害者は、すでに三十年近く被害に苦しんできました。被害者は、年々、年をとっていきます。つぐないを受けることなく死んでいった人も、年々ふえています。 墓石にふとんをかけてもらっても、何のあったかさも感じないのです。生きているうちにつぐないをしないでどうするのですか。 ということを法廷で述べておられます。私も同感です。本当にこの気持ちが全体の気持ちであろうというふうに思います。 そうすると、私は環境庁長官にあえてもう一回聞きたいと思うのです。原告の救済なしにこの問題の解決はないんだという立場に立たれるのかどうか、これが一つです。もう一つは、各地の訴えの中にありますように、被害者と話し合えという要求があります。先ほど長官はこの質疑の中で、今日まで事務方が苦労してこられた、その事務方 の問題を尊重せぬわけにはいかないとおっしゃった。しかし、一番尊重しなければならないのは被害者じゃないでしょうか。その方々が先がもう短いんだという立場に立つ、しかも一定の見解が裁判所でそれぞれ出てきている、こういう事態を考えたときに、長官として率直にこの被害者と話し合ってくださいという願いにこたえられて当たり前じゃないだろうか。事務当局を尊重しますんやだけでは済まぬのじゃないだろうか。私は長官にこの点を二点聞きたいと思います。
○林(大)国務大臣 まず、話し合いということでありますけれども、原告側と私は話し合うということは今はできません、率直に言いまして。これはやはり係争中でございますので、係争中のときに話し合いで進めるということは私の責任上できませんので、原告側とお話し合いするということじゃなくて、私が先ほど申し上げましたのは、被害者の方々が私に面会を求めてきました場合には面会を避けることはいたしませんという気持ち、ただしその場合も、先ほど質問された先生の御判断にもありましたように、先生が皆さんを案内してくるためには、それなりの良識を持って案内をしていくのでという言葉もつけ加えてございますので、私はそれを信じております。したがいまして、そういう意味でのことでございます。 それからまた、何年かかるかわからないではないかという御心配でございますが、それは私どもも、何年何月までに司法の判断が下されるということを確認できるわけでもございませんし、また、三権分立て国の運営がされていくという今日の日本の立場でございますので、私どもはその中で司法は司法の判断というものを尊重しなければならない。その司法の判断も、これは初級審から高等裁判所、最高裁と三審の制度をとっておりますので、その中で、どの時点で我々は国民とともにその判決が納得できるものかどうかということも判断しなければなりません。したがいまして、今この場においていつまでにということを寺前先生に申し上げるということは私もできません。ただ、私も、一日も早く全体を解決したいという意味においては、いつもそれは、寝ても覚めてもという言葉を使いましたけれども、そのとおりの気持ちでおります。
○寺前委員 寝ても覚めても御心配になっておられるのですから、どんな形にせよ、公的に原告として闘っておられたりあるいは申請という形で要求したりしておられる人々とやはり率直に語り合って、今の問題点についてみずからやはり握っていただき、そして激励を与える、私は当然だろうと思うのです。そういう立場に、どんな形にせよやってもらいたいなというふうに思います。 それから、原告になったり申請者になって、その問題、申請の方は事実上、さっきも紹介したようにこの前のときからは認定はゼロなんですから、考えてみたら、そういう人たちが本当にゼロで喜んでいるなんてあほなことはないんですから、喜んでもらえるような姿というのは、私は、やはり何か検討してしかるべきやと大臣が提起されて当たり前じゃないだろうかとつくづく思うのですが、あえて御見解、もう一度何かございましたらおっしゃっていただきたいと思います。
○林(大)国務大臣 寺前先生からそのような質疑が私にあったということを十分頭に記憶しておきます。
○寺前委員 時間が来ましたので、終わります。
○原田委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○原田委員長 この際、本案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取いたします。林環境庁長官。
○林(大)国務大臣 水俣病の認定業務の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案に対する内閣の意見を申し上げます。 水俣病の認定業務の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案につきましては、政府といたしましては、異存ございません。 —————————————
○原田委員長 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、これを許します。寺前巖君。
○寺前委員 私は、日本共産党を代表して、水俣病の認定業務の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。 反対理由の第一は、本臨時措置法は、その制定目的からして、水俣病認定申請者の長期大量滞留及びチッソの経営危機という事態を患者切り捨ての方向で打開するため、一九七八年、それまでの認定基準を大幅に改悪した事務次官通知とセットで出されてきたものです。 本法案は、依然として悪名高い新事務次官通知とセットである点に変わりなく、現行の判断条件を改めることなく本臨時措置法を改正延長しても、患者救済に役立たないばかりでなく、むしろ患者切り捨て促進につながるものです。 第二に、本臨時措置法施行後現在までの約十四年の実績は、認定申請三百十三件、処分件数は百四十件、うち認定はたったの三十三件、棄却百七件、未処分百七十三件というありさまです。三年前の前回改正後の伸びは、申請で百三十五件、処分数で十四件、うち認定ゼロ、棄却十四件、その反面、未処分件数は、三年前は五十九件であったにもかかわらず、現在は百十八件と、この三年間に五十九件も放置されたままになっています。 一方で、現在一高裁、六地裁に二千三百名を超える患者が訴訟を提起し、救済を求めて争っており、本臨時措置法は水俣病の認定業務を促進するための法律でありながら、何ら認定業務の促進になってはいないし、患者救済は依然進んでいません。 第三は、認定業務は、自治体の事務という公害健康被害補償制度の大原則を崩したものであるということです。公害病の認定は、最も住民に近い立場にある自治体が行うべきであり、国での認定審査は、患者と審査業務を切り離し、その意味においても患者切り捨てにつながるものと言わざるを得ません。 第四に、国の認定審査会で棄却された場合、環境庁長官への異議申し立てが却下された後は、行政不服審査の道が閉ざされていることです。 第五が、今回の延長措置は、国や県の怠慢による認定業務のおくれを不作為の違法とした判決など一連の裁判対策、県や患者に対して、国も努力しているという体裁を繕うためのものでしかないということです。 水俣病は、公式発見されてから既に三十七年が経過し、被害者も高齢化しており、提訴以来すでに二百二十人の原告患者が死亡しています。生きているうちに救済をしてほしいというのが被害者の切実な願いです。 したがって、このような真の患者救済には実効性が乏しい臨時措置法を延長するよりも、水俣病被害者である原告の訴えをほぼ認めた今年三月の熊本地裁判決を厳粛に受けとめ、早期に被害者の全面救済を図ることを強く要請して、本法案に対する反対討論を終わります。
○原田委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○原田委員長 これより採決に入ります。 園田博之君外四名提出、水俣病の認定業務の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○原田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○原田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時一分散会