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126回国会衆議院1993/05/18

環境委員会 第12号

発言数
133
登壇者
13
会派数
5
開催日
1993/05/18

会議録

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、環境基本法案、内閣提出、環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び馬場昇君外二名提出、環境基本法案の各案を一括して議題といたします。  これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。谷津義男君。

谷津義男自由民主党

○谷津委員 本日は、衆参の本会議も開かれましたし、総理におきましては本当に大変お疲れのところ恐縮でございますが、環境問題についての憲法ともいうべきこの基本法が審議の最終段階を迎えるに当たりまして何点か質問いたしたいと思いますので、ひとつよろしくお願いいたします。  まず、経済と環境についてお尋ねいたしたいと思います。  今日の環境問題の特質と言われるものは、経済や国民生活の多様な活動からさまざまな環境への負荷が発生しております。このため、環境破壊につながる個々の行為を規制するだけではなくして、国や地方公共団体、あるいは事業者や国民の積極的な対応を促進することによりまして、環境への負荷の少ない持続的な発展が可能である経済社会を構築することが必要であると考えるのでありますけれども、総理はこの点につきまして、環境と経済の関係についてどのようにお考えでありますか、まずもってお伺いいたしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 この問題につきましては、法律の第四条に基本の考え方が述べられておると思いますが、つまりしばしば言われますような持続可能な開発の達成という、地球サミットでもそういう表現がございましたけれども、環境への負荷をできるだけ少なくする、そのような経済社会を構築していくということに考えるべきであろう。かつて昔、経済と環境の両立というようなことについていろいろ議論があったことを記憶しておりますけれども、それからやはり我々の意識は随分進んでまいりまして、この第四条に述べられておりますような環境への負荷を少なくしながら持続的経済発展の可能な社会の構築をする、こういうふうに考えるべきものと考えております。

谷津義男自由民主党

○谷津委員 環境と経済の問題というのは確かに両立させるべきものであると考えておりますので、この辺のところはしっかりとしたお考えのもとにこれからも御指導いただきたいと考えるところであります。  続きまして、環境基本計画についてお聞かせをいただきたいと思います。  この環境基本法案においては、環境基本計画が新たな施策の手法として位置づけをされております。そして、環境保全施策の計画的、総合的推進を図るためのマスタープランとしての性格が示されておるわけであります。この環境基本計画は、政府全体の環境施策の方向を示すものであるというふうに私は考えます。本計画を受けた施策の展開が実効あるものでなければいけないと考えておるわけでありますけれども、総理にお尋ねいたしますが、環境基本計画を実効性あるものにするためにはどのようにしていったらいいか、この辺のところをお伺いいたしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 これも立法の上で、あるいは御審議の過程で、いろいろな問題のあるところと存じますけれども、結局、環境基本計画は、政府全体の基本的な計画として閣議で決定をされるということでございますから、いやしくも環境の保全に関する国の施策は、この基本計画の基本的な方向に沿って考えられなければならない。そういう意味で、閣議という場におきまして、政府一体としての環境の保全に関する施策の推進が行われる、こういうふうに考えるべきものと存じます。

谷津義男自由民主党

○谷津委員 次に、よく話題になっておりますところの経済的手法についてお伺いいたしたいと思います。  環境への負荷の少ない持続的発展の可能な社会の実現を図るためには、規制的な手法だけではなくして、経済的手法を取り入れることによって、自由主義経済の市場メカニズムを活用して、経済システムに環境配慮を取り込んでいくことが重要であろうというふうに考えるわけであります。また一方で、経済的な支援あるいは経済的負担ということの中に、環境税を導入してはという意見もありまして、いろいろと議論もされてきたところであります。これは総理も御存じのとおりであろうというふうに考えるわけであります。  経済的な手法については、先ほど言いましたように、補助金をくれたりあるいはそういう支援をすることによって、一方にはそういうものを助長していくという面もありますが、一方においては環境税を導入するということも一つの手法として考えられる面もあるわけであります。これは、世界においては、アメリカを初めそういった面についての方策も考えられているようでありますけれども、環境税導入を考えるとすれば、どのような状況の場合にこれを想定し得るのか、この辺を総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 一般に、環境税というものが最初に考えられましたときに、ただいま御指摘のように、企業にとって環境を害することが企業の損失になると申しますか、当時は内部化するという言葉が使われた時代がございますが、企業内部の問題にしてしまうということは、それについての負担を課するということでございますが、環境税というのは、一方でそういうものとして考えられてまいりましたし、今でも実は考えられる、あるいは実施されているところもあろうと思います。それは一種のペナルティーを科すことによって環境についての配慮を企業側に求めるということになるのであろうと思いますが、また他方で、この環境税そのものは時として、国内的にあるいは世界的な規模で、環境問題についてのコストを賄うための一つの手段であるというふうにもまた考えられてまいりましたから、両方の面でそういう御議論が起こっておるというふうに承知をいたしております。

谷津義男自由民主党

○谷津委員 この環境税というものは、国民的な合意も得られなければできないというふうに私も考えるわけでありますが、世界ではこの原理を取り入れよう、名目はいろいろありますけれども、取り入れようとしている国々は多くなっております。そういう中で、いずれ我が国も、そういうふうな事態というのは当然起こり得る可能性も十分あるのではなかろうかというふうにも考えるわけなんですね。  そういうふうなときが起こってきた場合のことをもう一回聞くわけなんですけれども、当然我が国としてもこれを実施する方向に行くのかどうか、その辺のところをもう一度お聞かせいただきたいと思うのです。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 これは、しょせんは世論の成熟ということに大変に関連すると思いますけれども、ちょっとお尋ねに真っすぐお答えをするという意味でなくお聞き取りをいただきたいのですけれども、私は、税金というものはなるべく政治の上では取らない方がいい、なるべくそういう負担は国民がされないような政治というものが本来であろうというふうに考えております。  しかし、それはそれといたしまして、今言われましたように、いずれかの意味で、つまり国内あるいは対外的な施策をこの環境問題という問題のために進めていく上で、特に国民がみんなある程度のものは負担をしてもいいと考えられる状況が展開するか、あるいは環境に対する負荷が非常に大きいということで、そういうものをむしろ奨励しない意味で、そういう意味での負担をさせることがもはや不可避であると国民が考えられるか、そういう事態になりましたら、それはやはり世論の成熟によって決めなければならないことだろうというふうに思っておりますけれども、私自身の政治の哲学といえば大げさでございますけれども、政治というものを考える場合に、なるべく負担というものは国民にしてもらわないでやれる方法があれば、それがベターだという気持ちは持っております。

谷津義男自由民主党

○谷津委員 当委員会においても、総理をお迎えしての審議というものも最終ということで、いよいよ採決に入ろうというときでございます。そういう中で、最後に総理に環境保全への決意についてお聞かせ願いたいのです。  と申しますのは、環境の保全は、この法案の第一条に規定されておりますように、「現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに人類の福祉に貢献する」という目的を持った政府全体の最重要課題であります。環境基本法案の本当に衆議院の最終段階を迎えて、総理といたしまして、国民に向かって、特に環境保全に対する決意をお聞かせいただきたいと思いますが、よろしくお願いします。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 昨年のリオの会議が象徴いたしますように、環境の問題というのは、我々周辺だけの問題ではなくて、地球の環境というふうに今や考えなければならない、地球的な、文字どおり地球的な課題として認識をされることになりました。  これは、一つはやはり宇宙飛行士のようなものがありましたり、サテライトのようなものがありまして、地球を外から見るという、我々そういう機会に恵まれたことに非常に関係があると思いますけれども、地球環境という空間的な広がりと、それから我々の子孫がどのような環境に住むか、いっとき我々の環境が非常に悪くなったという経験を自分で持っておりますから、このまま野方図な経済成長が続いた場合に子孫がどうするかというその時間的な広がりと、両方、空間と時間の広がりを持った問題になってきたというふうに思います。  そういう意味では、二十一世紀に向けまして、豊かさとゆとりを実感できる社会の形成を我が国としては目指しておりますけれども、その際にこれは重要な政策課題でございますし、また、国際的な視野で見ましても、人類の生存基盤の問題でありますから、人類共通の課題でもあると思います。そういう意味で、環境の保全というのは、ただ我々国民的な課題であるばかりでなく、全人類に対応しなければならない問題と思います。  そういう意味で、政府としても、内外にわたっての重要な課題であると考えおりまして、この環境基本法は、そのような背景のもとに御提案をし、御審議をいただいておるところでございますので、この法案を早期に成立をさせていただきまして、ここに盛り込まれました基本理念あるいは施策につきまして、具体化を早急に図っていくことがぜひ望ましい、そのような意味で、どうぞ御審議の上、通過を認めていただきたいということを念願いたしております。

谷津義男自由民主党

○谷津委員 時間が参りましたので、これで終わります。どうもありがとうございました。

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 岩垂寿喜男君。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲民主連合

○岩垂委員 総理、大変お疲れのところ御苦労さまでございます。  早速お尋ねをしますが、アセスメントのことについて一番最初に御答弁を煩わしたいと思うのです。  七月には東京サミットが開催されるわけでありますけれども、サミット構成国で環境アセスメント法を持たない国は日本だけでございます。我が国の環境アセスメントと呼んでいるものは、もう御案内のとおりに法律によらないで閣議決定要綱に基づいての行政指導、こういうことになっているわけでございまして、これはちょっと不透明なやり方だというふうに私は思います。そういう意味で、法律による行政の原理にのっとって環境アセスメント法を制定するということが、先進国として非常に重要な問題だろうというふうに思うわけであります。  そこで、最初に環境庁長官にお尋ねをしますが、環境アセスメントについては経済社会情勢の変化などを勘案しながら必要に応じて見直しを行うという答弁がございますけれども、この見直しの中には法制化も含まれているというふうに理解してよろしゅうございますか。

林大幹自由民主党環境庁長官

○林(大)国務大臣 岩垂委員にお答えいたします。  委員も御存じのように、我が国におきましては環境影響評価の重要性というものは非常に重く考えておりまして、昭和五十九年以来、閣議決定要綱に基づいて環境影響評価の推進を図ってきておりました。このたびの環境基本法案におきましては、環境影響評価を法制的に位置づけるために、第十九条において、国は環境影響評価を推進するため「必要な措置を講ずる」と規定しておることは御案内のとおりでございます。  そこで、今岩垂委員の御質問は、この必要な措置には環境アセスメントの法制化をすることが含まれるのかという御質問だと理解しておりますが、そういう理解でよろしゅうございますか。(岩垂委員「はい」と呼ぶ)これはもちろん、必要な措置には、必要な場合には法制化するということも含まれていると私は理解いたしております。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲民主連合

○岩垂委員 総理にお尋ねをしますが、環境アセスメントの法制化を見送って閣議決定要綱によって進めていくということを決めたときの自由民主党の政務調査会長の政府あての通知によると、「今後とも法制化の問題を含めて検討する」と実はなっているわけであります。そして歴代の環境庁長官も、この法制化を含めて検討するということを答弁されてまいりました。状況はあれから一歩も進んでいないわけであります。そういう意味で、環境アセスメントの法制化を進めるためには、まず第一歩を踏み出さにゃいかぬ、具体化への一歩を踏み山さにゃいかぬ、こんなふうに思いまして、この委員会でも私は何回か質問をさせていただきました。  しっかりと予算をつけて、内外のアセスメントの状況、制度の状況というものをよく研究して、そして国と地方自治体の関係や住民参加あるいは情報公開などを含めた制度全般について、環境庁はもとより関係省庁も一緒に、つまり政府一体になって総合的、専門的な検討を行う場を設けることが必要だというふうに思いますが、これについて、見直しの作業を具体的にどう進めていかれるのか、御答弁をいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 今岩垂委員の御指摘になりましたような方向が恐らく一番具体的であり、かつ有効なこれからの道行きではないかと考えます。  政府としては、これまでも的確な環境影響評価の推進に努めてまいりましたが、この環境基本法が成立すると仮にお認めをいただきますと、これはやはり画期的な出来事でございます。この後と前とではやはりこれだけ、この問題についてすべての人の受け取り方が違ってくる画期的な出来事でございますから、この基本法が成立いたしました後、内外の制度の実施状況等に関してやはり関係省庁みんな一体になって調査研究を行う必要もございます。それから、その結果を踏まえまして、経済社会情勢も変化してまいりますが、その中で、先ほど環境庁長官の言われましたように法制化も含めまして所要の見直しについて検討することが大事である。この法律が成立をするということを契機にそういう各省庁間の一体的な努力が進むもの、またそうなければならないと考えております。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲民主連合

○岩垂委員 念のために。総理がやはりそのイニシアチブをとっていただきたい。そして、具体的に委員会なら委員会を設けて審議を始めていく、国民の目に見えるようなそういう動きを総理がイニシアチブをとってしていただきたいということをお願いをしたいと思いますが、いかがでございましょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 それは当然私に与えられました責務と考えております。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲民主連合

○岩垂委員 これは環境庁長官にお願いをしたいと思うのですが、今ODAを含む日本の海外における事業者の活動というものが、環境の配慮の上でいろいろな問題を起こしています。そういう意味では、私は海外における日本の環境保全に対する取り組みという問題について、例えば制度だとか手続だとかいう問題をぜひ検討をして、それを具体化させていただきたいというふうに思いますが、長官はどんなふうにお考えでございましょうか。

林大幹自由民主党環境庁長官

○林(大)国務大臣 お答えいたします。  岩垂先生の御質問もこの委員会で何度か出た御質問でございますが、政府の開発援助にかかわる環境配慮、そういうことにつきましては、実施機関において環境配慮ガイドラインの策定あるいはまた審査体制の整備、これが進められるところでございます。そして事業者の海外活動にかかわる環境配慮につきましては、事業者団体においてガイドラインを策定し、それを普及するなどの努力がなされておりますが、こうした取り組みの進展を図ることは非常に大事なことであります。  ただ、新たな制度の創設をどうするかという御指摘でございますけれども、この点につきましては相手の国の主権の尊重ということもございますので、そういう見地から、今すぐ新しい制度を創設するということにはもっとやはり研究を要すると考えております。しかし、そうはいいましても、海外における活動、それからまた環境保全上の支障の生じないように適正な環境配慮を行うという必要は当然これは付随するものでございます。このような趣旨から見まして、基本法の第三十四条におきましては環境配慮に関する規定を置いたところでございまして、今後この趣旨に沿いまして、さきに述べたような取り組みの一層の進展を図り、環境配慮の強化を期してまいりたい、そのように存じております。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲民主連合

○岩垂委員 続いて総理にお尋ねしますが、実は私ども社会党も対案を出しておりまして、御審議をいただいたわけでありますけれども、その中での二、三の問題点について質問をしておきたいと思います。  環境権の問題です。これは私どもとしては、健康で文化的な生活を営むことは憲法で保障されたすべての国民の基本的人権であるという前提に立ちます。そうすると、健康で文化的な生活を営む上で豊かな環境がもたらす恵沢というものを享受する、このことも当然のことながら欠かすことのできない条件ではないか。そこで、環境の恵沢の享受というものがすべての人間にとって基本的な人権だということを私どもの法律には位置づけたわけです。政府案にはこれはございません。  ただ、政府の基本法第三条の中に、権利という言葉は書いてございませんけれども、それなりの規定が盛り込まれているわけですけれども、この考え方というのは、政府の考え方と私どもの考え方というのは同じものだと考えてもよろしゅうございますか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 この三条を読んでおりますと、まず、健全で恵み豊かな環境が人間の健康で文化的な生活に欠くことができないということを言っております。それから、おしまいの方では、現在及び将来の世代が恵み豊かな環境の恵沢を享受できるようにすべきである、しなければならないということを言っておりますので、これを法律上の権利として言うかどうか、私は法律家でございませんのでしっかり申し上げられませんけれども、国民が健康で文化的な生活を営む、そういういわば憲法で保障された条件でございますので、その条件に寄与し、条件を確保するための条件をこの三条が述べておると思います。ごくごく普通の会話でございましたら、これは権利だなと言ってしまってもだれも違和感を持たない種類のことであろうと私は思います。法律となりますとどうなりますか、それは専門家のことでございますけれども、そうおっしゃって別段私は一向に違和感のないことでございます。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲民主連合

○岩垂委員 総理の認識を聞かせていただいて、本当に力強く思います。  それから、先ほど谷津さんからも御質問がございましたけれども、四条のところの経済との関係、健全な経済の発展を図りつつという規定があるわけであります。どうもこれが出てくると、先ほど総理が御答弁いただいた環境と経済の調和という調和条項のところがつい頭に浮かんでくるわけであります。私は、少なくてもあそこへ戻るなどということは考えていないと思います。  同時にまた、二十一世紀に向けて我が国が、あるいは世界と言っていいのかもしれませんけれども、成り立っていくためには、経済のことだけ考えていたってどうにもならぬぞと思っていらっしゃると思うのですが、社会党の案はここのところを「環境の保全を優先させる経済社会への転換」とはっきり書きました。この辺、総理の先ほどの御答弁で大体尽きているかもしれませんけれども、もう一遍ちょっと御認識をお聞かせいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 実は私は、公害対策基本法をつくりますときに、やはり閣内にたしかおりまして、経済の健全な発展との調和云々という、それは御記憶のように大変にやかましい議論になりまして、また、こういうことは議論し始めますととめどもない話で、ちょっと考えてみると、そんなに言わなくてもお互いにわかっていることではないかというような感じがいたしましたけれども、その後たしかこれは削除された。それは、それだけ常識が進んだのだろうと私は思っております。  したがいまして、先ほど十九条でございましたか何かでも、あるいはむしろ四条でございますか、「持続的発展が可能な」、こういうことは今としてはもう余り議論の必要でない、お互いによくわかる、それこそ時間的なあるいは地球的な、平面的な規模の問題になりましたので、すんなり受け入れられる考え方ではないかと思っております。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲民主連合

○岩垂委員 環境基本計画というものを、本当に日本の社会を、国民生活を未来にわたって保障していく上で考えるためには、環境基本計画以外の経済計画やいろいろな計画があるわけですけれども、それを、環境保全に関して言うと基本計画を基本として進めていくというように、環境を重点にしてあるいは環境基本計画を柱にして計画を考えていくというふうにしていかなければいかぬと思うのですが、その点についてはいかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 そうであろうと思います。ですから、計画そのものがまたそのように立てられなければなりませんけれども、そのように立てられた場合、それが中心になって環境問題が進んでいくということでなければならぬと思います。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲民主連合

○岩垂委員 今申し上げましたように、基本計画というのは環境の保全に関しては国の基本の政策になるわけでして、閣議決定の手続を経る、そして国の他のさまざまな計画も環境基本計画と整合したものにする、そういう意味では、総理大臣の責任はますます重いと思います。  そしてまた、そこは心していただきたいと思うのですが、他の計画との整合性といいましょうか、それなどについての目配りについて、総理はどんなふうにお考えになっていらっしゃるのかなということをちょっとお尋ねしておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 それはある意味で大変難しいお尋ねでございますけれども、閣議で物が決定される場合には、各省庁のいろいろな意見がございますから、それを総合調整する、その部分が必要と思います。しかし、これは環境に関する指針でございますから、それが一たび決められた以上、環境の問題についてはそれが指針でなければならぬ、そういう作業を通して決められなければならないものと考えます。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲民主連合

○岩垂委員 今の基本計画が決まりますと、個別法といいましょうか、基本法に対して個別法というようなものを変えていかなければ、修正をしていかなければならないだろうと思うのです。私、いろいろ調べてみると、古い法律には環境なんて全然書いていないのです。最近になってこそ、いろいろな書き方はございますけれども、環境のかかわりという問題が出てきます。したがって、その意味では、各省庁とも環境基本法に基づいて環境を優先させる、そういう法律の手直しをしていかなければならぬじゃないかと私は思うのです。  これは、ある民間の団体が環境の問題で、何と言ったらいいか、悪い法律というかワーストスリーというのを挙げていまして、一種の世論調査なんですけれども、リゾート法が一番悪い、多いのです。その次が電気事業法、これはちょっとおもしろいなと私も思ったのですが、つまり今の九電力体制だけでなくてということなんでしょう。それから、都市計画法もあります。廃棄物の処理及び清掃に関する法律もございます。その他、河川だとか道路だとか港湾だとか、日本の建設省所管のいろいろな法律もあります。それは建設省だけに限って申し上げるつもりはありません。そういうものをずっと徐々に直していかないと、これは基本法があっても、仏つくって魂入れずということになりかねない。したがって、個別の法律などについても、計画的にというか順次直していくという方向を総理にお示しいただきたいと思います。     〔委員長退席、高橋委員長代理着席〕

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 それは場合によりまして、その法律を直さずとも、そういう新しい環境という大事な価値観が生まれますと、その法律の施行そのものがもうそれで改まっていくということは少なからずあるであろうと私は思います。その末に、それなら法律を直してしまえということになっていくのかもしれませんし、それは、新しい大事な価値観が生まれました場合に古い法律がそれに適応する過程というのはいろいろあると私は思いますけれども、当然そういう過程が起こっていくであろうと思います。     〔高橋委員長代理退席、委員長着席〕

岩垂寿喜男日本社会党・護憲民主連合

○岩垂委員 そういうことに目配りを進めていただきたいな、やや意識的にやっていただきたいなということだけをお願いしておきたいと思います。  それで、私どもの議論の中で特に問題になったのは、総理御案内のように、実は私は川崎なんです。川崎は環境行政についていろいろな意味でかなり先取りみたいな面もありました。基本条例もつくりました。そうすると、国の今度の基本法と必ずしも、何というか、その枠ではないという面もございます。そういうものについて、どういうふうに聞いたらいいのかよくわかりませんが、我々の言葉で言うと、自治体のいわば横出しとか上乗せとか、総理御存じのとおりですが、そういうものを妨げないということについては、大体この委員会でもやりとりをしてきましたけれども、御認識をいただきたいなというふうに思いますが、いかがでしょうか。

林大幹自由民主党環境庁長官

○林(大)国務大臣 上乗せ、横出しという言葉が今出ましたけれども、地方公共団体がどんな上乗せをしあるいは横出し条例を制定しているかということにつきましては、これは憲法も、また地方自治法におきましても、法令に違反しない限りにおいては自治体がそれなりに制定できるという旨を規定してございます。それからまた、最高裁判所の判例におきましても、個別の国の法令と条例の趣旨、目的、内容及びそこから生まれる効果、そういうものを比較しまして、両者の間に矛盾、抵触があるかどうかを検討して、それによって上乗せ、横出しの姿を定めていくということになっておりますので、今度の環境基本法が国会の議決をいただきまして通過さしていただいた上におきましても、従来のそういう取り扱いを変更する理由はもちろんないわけでございます。  ただ、基本法に特別に規定を設けるということは、つまり上乗せ、横出しの規定を設けるということは、今の段階では必ずしも適当とは考えられない面もございますので、といいますのは、自治体の取り組み方もございますから、そこで、今後この考え方に沿って、各地方公共団体、必要に応じましてそれぞれの地方公共団体の自主町な実施にゆだねるという考え方を持っております。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲民主連合

○岩垂委員 これは総理に通告していないので申しわけないのですが、行革審などでも議論されている情報公開法、これは総理、どんなお考えを持っていらっしゃいますか。私は、やはり民主主義の社会においてできるだけそういう制度を定着させていくことが大事だな、こんなふうに思いますけれども、御認識を伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 それはやはり我が国が、戦後と申し上げますが、戦後、荒廃から立ち上がって、いわば、何と申しますか、シビルミニマムとでも申しましょうか、そういうものが一応全国に行き渡るまでの段階で、いろいろな意味で中央が地方に対してあるべき姿というようなことを示す必要もあったであろうと思います。しかし、今一応のシビルミニマムというものが行き渡りました後、地方住民の意思というものが地方自治となってもう少し強い形であらわれるということは、これは国全体として決して歓迎していけない状況ではないというふうに思います。  もちろん、事と次第によりましてまだまだ国が一つの基準を設けて地方に協力を求めるという問題があると思いますけれども、全体の立場として申しますならば、我々はある意味で、国を挙げて軍事大国になろうとも思っておりませんし、国民の一人一人が複数の価値観を持って自分の生活設計をしてほしいというのが生活大国の考え方でございますから、そういう意味で地方の住民の意思というものが地方自治に集結をしていく、したがって今のような場合にも、仮に上乗せというようなことを地方がやります場合には、上乗せをすればそれだけある意味で企業というものについては負担になるわけでございますから企業は来ないかもしれない、しかしそれでもなお地方としてはその方がベターだという選択の問題になる場合もございます。  そういうわけですから、やはり我が国もここまで参りましたら、地方の住民の意思というのをできるだけ大事にするというのが本来の地方自治というものであろう、私は基本的にはそう考えております。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲民主連合

○岩垂委員 一つだけ最後に、イエスかノーかで結構ですが、水道水源を初めとする水質の一層の保全のための新たな法制度について、正直申し上げると各省庁の縦割り行政がちょっと問題になっているわけでございまして、そういう弊害を排して、総理のイニシアチブで早急にこの法案の成立のための努力をしていただきたいと思いますが、これはもう申し上げるまでもございませんけれども、御答弁をいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 この問題は重要な課題でありまして、政府部内で必要な施策について今いろいろ検討を行っております。長くほうっておいてはいけない問題だということは意識しております。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲民主連合

○岩垂委員 ありがとうございました。

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 馬場昇君。

馬場昇日本社会党・護憲民主連合

○馬場委員 総理、大変御苦労でございます。  この環境基本法案がことしの三月に閣議で決定されましたときに、総理大臣が物すごく力強い総理大臣談話を発表なさっておるわけでございまして、私ここに持ってきておるわけでございます。  その中に物すごく力強く、「環境の保全に関する様々な経験と能力を有している我が国は、こうした経験や能力を活かし、国際社会において率先して役割を果たしていかなければなりません。」こう書いておられまして、物すごく頼もしい限りでございます。それからもう一つ、「ここに我が国としての環境への新たな取組みが開始されたことを宣明し、」こういうことを言っておられるわけでございまして、日本はまさに世界の環境問題の先進国だ、こういう自負のもとに世界の環境問題をリードしていこう、こういう決意があらわれておるようで、非常に頼もしく思うわけでございます。  そこで、水俣病についてまず質問したいと思うのです。  水俣病は、その被害の広さ、深さ、悲惨さは他に例を見ないものでございまして、まさに世界の公害の原点と言われておるわけでございまして、地球サミット等でも取り上げられて、世界じゅうの人がこの水俣病には注目をしておるわけでございます。  私が生まれて育ったこの地域、学名では八代海と言いますが、通称不知火海と言っておるわけですけれども、不知火海の沿岸の二十万人の人がこの水銀の被害に実は暴露されておるわけでございますし、水俣病だといって認定申請した人が一万七千百四十三名おります。そのうちで認定された人が二千二百五十五人、三月三十一日現在ですけれども、棄却者が一万二千五百三十一人おる。まだ、申請して未処分者が二千三百五十七人おるわけです。  この水俣病は、公式発見されてからもうことしで三十八年目になるわけですね。この三十八年たった今日においても、御存じのように、生きておるうちに救済を、こう求める人が裁判に提訴したり自主交渉やったりして、現在約五千人おるわけでございます。  そこでお尋ねですけれども、この水俣病問題を解決せずして地球環境を語っても世界の人々は心から信用しないんじゃないか、この水俣病問題を解決せずして世界の環境問題を日本が果たしてリードできるだろうか、こういうことを実は私考えておるわけでございまして、先ほど総理言われましたが、これをつくる前とつくる後は全然違うんだ、そういう決意が違わなければならぬということを岩垂さんにお答えになったわけでございますが、私はこの環境基本法を、きょう通過するかも。しれません、これを機会に水俣病問題を全面解決すべきだということを心を新たにするべきではないか。このことは環境庁長官にも質問いたしまして、まさにこのときに水俣病問題を早期全面解決しなければならぬということで、全力を挙げて取り組みたいと環境庁長官は答弁をしているわけですけれども、総理の決意のほどをまずお聞きしておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 この問題が、いわゆる環境問題についての我が国の対処の仕方の上で国際的にも重くのしかかっているということは私もよく承知をいたしております。そして、これだけ長いこと問題が十分に解決せずにあるということも極めて異常なことだというふうにも考えておりますし、実はときどき、この問題についての私なりの啓発を受けたいと思いまして、関係者からいろいろな話を伺ったりしております。長い間たくさんの人が試みられて、全面的にすべての人に受け入れられるような解決というのがなかなか見つかっていないということには、それなりの理由があることではあろうと思いますけれども、やはりこの問題は何とかして、多くの方がまあまあこれでというふうに思われるような解決はないものだろうか。私、今どうしていいかということを存じませんけれども、しかし、問題についての意識は深く持っております。

馬場昇日本社会党・護憲民主連合

○馬場委員 具体的にどうせい、こうせいということはまだ総理も御存じないと思いますけれども、原則的に、この環境基本法をつくるというこの機会に、水俣病を早期全面解決をするという決意を新たにして取り組まなければならない、内容はいろいろ検討しなければならぬと思いますけれども、そういう基本方針というものをきちんとこの際確立すべきだと思うのですが、その点はどうですか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 今日までそう思われた人は、恐らく関係者でたくさんおられたと思います。しかし、それがなお今日まで答えが発見されていないということは、それだけいろいろな複雑な事情があるのだろうということも考えますので、なかなかこれということを私が今申し上げることはできませんけれども、しかし、これはいつまでも我々の上に重くのしかかっている問題だという、そういう意識は強く持っております。

馬場昇日本社会党・護憲民主連合

○馬場委員 私がここで質問していることは、中身を聞いているのではないのですよ。ただ、先ほど、この環境基本法というのを世界に先駆けてつくる、そして、リオ宣言なんかを日本において先取りして、世界に先駆けてやるのだということでこれは取り組んでおるわけですから、こういうときに、いろいろな各省庁、関係ありますから、全力を挙げて早期解決するように検討しなさい、努力しなさい、そういう基本方針をやはり総理が各省庁に、特に環境庁長官等に指示をして早期解決に取り組ませるということをしていただきたいということを私は言っておるわけです。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 それはおっしゃっていることはわかっておりますけれども、私自身が、大体どういうことをすればこの問題の解決に資するのかということを自分なりに知っておきませんと、ただひとつ解決してみると言いましても、それはたくさんの方が長いこと努力をされて、それが結果になって出てきていないわけですから、私自身がもう少しこの問題について知らなければならないというふうに思っております。

馬場昇日本社会党・護憲民主連合

○馬場委員 後で長官にもまた聞くかもしれません。  そこで、これは質問も通告していたのですけれども、現在、この水俣病問題の当面の最大の課題というのは、原因企業であるチッソの経営危機が問題になっておるのは総理も御承知と思うのです。平成四年度の決算を見てみますと、チッソの経常利益は十五億円なのです。それに、平成四年度に支払いました補償関係の費用が六十六億円、ヘドロ処理関係の費用が四十二億円、合計百八億円の支払いを水俣病関係でやっているわけです。そして、現在までの累積赤字というのは千三百五十九億円ございます。このままの状態で推移すれば、チッソの倒産はもう必至でございます。この三月期に大変な危機が来まして、これは各省庁も心配していろいろ援助していただいて、三月危機は乗り切ったのですけれども、四月、五月とずっと危機が続いておる。  こういう状況の中で、昭和五十三年にチッソがこういう状態になったときに、閣議の了解事項としてこういう取り決めが行われております。チッソの経営基盤を安定させて補償金支払いに支障を来さないようにということであります。それから、水俣・芦北地域の経済社会を安定させる、こういう閣議了解事項、閣議の決定で熊本県の県債方式でもって金融支援をするということを決定して現在まで来ておるわけでございますが、この熊本の県債の累積が、元利合計いたしますと千七百六十億円ぐらいになっていまして、このことが今の経営危機の一つの原因にもなっておるわけでございます。  そこで、昭和五十三年に、チッソの経営基盤を安定させるということと、補償金の支払いに支障を来さないということ、当該地域の経済や社会の安定に資するということで県債方式による金融支援を決定されましたが、今度はもう少しこの時期に、こういう状態の中で新しい金融支援方式というのを確立しなければチッソは倒産してしまう、そうなったらもう大変なことになるわけでございます。やはり新しい金融支援の方法を検討して、こういう状態だから、危機だから、これを支援しなければならぬということで、総理が各関係省庁に対して、そういうことを検討せよということでリーダーシップをとっていただきたいと思うのですが、どうですか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 昭和五十三年の閣議了解以来今までの経緯は、詳しくは存じませんが、大体知っております。それが今どういう状況になっているかということについてつまびらかでございませんから、どのようなことを今しなければならないのかというようなことを、ちょっと私基本的な知識がございませんので、今ここでお答えをすることができませんけれども、この五十三年の閣議了解の線というものはきょうまで維持されてきたというふうに考えております。

馬場昇日本社会党・護憲民主連合

○馬場委員 環境庁長官に聞きますけれども、今この経営危機の中で、新しい金融支援をやらなければ倒産してしまう、大変なことになる、だから新しい金融支援方式を、あなたは何回もここでそれを検討するんだとおっしゃっておるわけですけれども、それでいいですか。

林大幹自由民主党環境庁長官

○林(大)国務大臣 お答えしますが、まずお答えする前に、私はきょう総理の心情を承りまして、本当に総理の御苦衷というものを私もよくわかったわけであります。したがいまして、一日も早く解決しなければならない、つまり早期解決、これは関係者みんなが考えておることであるということもこういう場合にはっきりするわけですが、じゃそれがどういう方法で解決の道がつけられるのか、こうなりますと、非常に難しい問題がありまして、大変な年月がたってしまったわけであります。  そこで、いつかも馬場先生の質問に対しても、寝ても覚めてもこの問題は忘れられないんだということから、いかにして解決の道をたどるかということをやっておりますが、それについてはまだ、率直に言いまして発表できるような、そういうところまで詰まっていないわけですね。いずれできるだけ早い機会に、総理の御決裁をいただけるような、そういう案を何とかつくらなければならぬということで、今環境庁、担当者が取り組んでおることは間違いないのです。ただしかし、そうであっても、それが最善の策だと言うこともできないし、具体化する場合にはもっと別のいい方法があるのかもしれないということがありまして、まだ成案を得て総理の御決裁をいただくところまでに至っていないということだけ申し上げますけれども、そうだからといって怠けてやらないということではありませんで、本当にそれこそ骨身を削るような思いで環境庁の担当者は取り組んでおるということをこの機会に申し上げて、御理解をいただきたいと思っております。

馬場昇日本社会党・護憲民主連合

○馬場委員 どうもこの環境基本法をつくるときの総理の談話のあの物すごい力強さ、気迫というものが今の答弁ではほとんど感じなかったのですけれども、それは環境庁長官がまだ具体的なことを総理のところに上げていないと今おっしゃったから、それならそうかもしれぬなと思ったのです。  政治家としてそういう信念は後でまた聞きたいわけですけれども、その前に長官に、この基本法を制定する機会に世界の公害の原点と言われる水俣病を早期に全面解決するように努力しなければならぬということ、そのためには、当面、経営危機になっているチッソを何とか金融支援をしなければならぬということ、そのことは腹に据えて検討しておられるわけですね。

林大幹自由民主党環境庁長官

○林(大)国務大臣 当然、汚染原因者負担の原則というものをきちっとしておりますから、これでチッソの経営支援に対しては引き続き最大の努力を払うという気持ちでおりますし、それからまた、水俣病そのものに対する解決につきましても、ただ精神論で取り組む、取り組むということではなくて、具体的にいろいろな角度から検討しておるけれども、まだこれならいいという案に到達していないということを申し上げたいと思います。

馬場昇日本社会党・護憲民主連合

○馬場委員 きのう、きょうの新聞にも具体的なやり方が一部出ているわけですよね。基金をつくるとかいろいろなことが出ておりますね。その中身はきょうは聞きません、煮詰まっていないそうですから。  少なくとも私がここで総理とあなたに聞いているのは、こういう機会にやはりここで全面解決するという意欲を持って力強く考えておるんだということ、そして、当面の問題としては、チッソの経営危機に金融支援をしなければならぬということで検討しておるのだ、積極的に取り組むのだということを今聞いておるわけでございまして、これについては中身は総理もまだ御存じないようですけれども、今長官が答弁しましたことに関して、総理の決意のほどをもう一回答弁してください。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 やはり答えは非常に具体的でなければならないと思いますので、どのような案が考えられるかということについて、環境庁なりあるいは長官からまた私も聞かせていただきたいと思います。

馬場昇日本社会党・護憲民主連合

○馬場委員 そこで、長官にお尋ねするわけですけれども、もしチッソが倒産でもしたら、それこそ現在の認定された人に対する補償金も支払いができぬ、今五千人くらいの人がいろいろな要求をしている、それにもこたえることができぬ。そしてまた、地域の経済も社会も物すごく大パニックになると思うのですね。だから、熊本県政の中で一番重大な問題は水俣病問題です。また、環境庁もこの基本法をつくるに当たって、世界に向かって環境を叫ぶならば、これを解決しなければならぬ。今までも一生懸命頑張っておられるわけですけれども、環境庁に対しても重大な問題になるわけです。  ところで、熊本県民の感情として、心としては、六月県議会でもうこれはどうにもならぬというような意思があらわれてくるのじゃないか。だから、新しい支援の方法は六月県議会、熊本県会の前までには明らかにすべきだ、こういうところで努力をしておられると思うのですけれども、その辺についての長官の見解を聞きたい。

林大幹自由民主党環境庁長官

○林(大)国務大臣 六月という期日を確約するということは、これは大変残念ですけれどもこの場所では申し上げかねますけれども、ただ、私が一つ、これは本当にこの問題解決に当たってありがたいなと思っていることは、与野党の先生が、全員が、この問題を解決しろよという激励をいただいているということであります。これは大変心強いのです。  でありますから、六月というのは、恐らく県会としては県債の問題が絡んでいると思うのですよね。だけれども、この県債の問題に対して、全部熊本県が背負ってしまうということはできない、だからこれに対しては国に考えてもらわなければ困る、そういうことが連動していると思うのです。したがいまして、国としましても、熊本県にすべてを担わせてしまうというようなことは考えられないことなんですね、この問題解決のためには。  ただ、そうする場合には一体どういう手順が要るのかということで、手順の進め方は、先ほどから申し上げますように、一つの実となって、そして最終的に総理の御決裁をいただくということで、そうしなければいけないのですけれども、まだ御決裁をいただくまでの手順が詰め切れていないということでありますけれども、気持ちにおいては馬場先生のおっしゃった気持ちと同じであります。

馬場昇日本社会党・護憲民主連合

○馬場委員 総理にちょっと要望しておきたいのですが、環境庁の方から上がってくるのを待っているという姿勢じゃなしに、せっかく環境基本法をつくって、あのような立派な談話も出しておられるわけですし、総理の談話の中に、「環境基本法案は、地球サミットの成果に沿った新たな取組みを世界に先駆けて始めるための挑戦でもあります。」ということも書いてある。ここには「我が国としての環境への新たな取組みが開始されたことを宣明し、」ということも談話で書いて国民に約束されているわけですから、下から上がってくる前に、何とかおまえたち早くやれ、全面解決のために努力せい、こういう指示は総理大臣が関係各省庁の大臣に与えていただきたいということを要望しておきたいと思います。  そこで、これは先ほど岩垂委員からも質問がございまして、環境アセスについてですが、答弁を聞いておりまして、法制化を含め所要の見直しについて検討するという答弁をなさったわけでございます。環境アセスメントの法制化は世界の常識だし、日本とイタリアを除いて先進国は皆あるわけでございますから、これは先ほどの岩垂委員に答弁されたわけですけれども、アセスメントの法制化についてぜひ総理がリーダーシップを発揮していただきたいということについて、再度私からもお尋ねしておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 この点は先ほどもお答えをいたしましたけれども、これまでも的確な環境影響評価の推進に政府としては努めてまいりましたが、この法律案が成立をするということになりますと、関係省庁一体になって内外の問題について調査もする、研究もする、また社会情勢の変化に応じて、先ほど申しましたように法制化も含めまして所要の見直しについて検討をいたすということ等を考えております。  この法案ができますまでの経緯が、やはりそこのところはかなり難産をいたしましたから、しかし、この法律ができるということで、そこは一つの踏み切りが行政の方でできていくということでなければいけませんので、そういう意味で先ほどのようなお答えをいたしました。

馬場昇日本社会党・護憲民主連合

○馬場委員 いま一つ、私は、我が党で案を出しているときに本会議で提案理由の説明をしたのですが、環境基本法というのは我が国の環境憲法だというくらいの認識を持って、それぐらいの位置づけをもって私たちは提案したわけですが、この環境基本法は環境憲法だというぐあいに総理にも考えていただきたい。  そういう中で、先ほども出たのですけれども、他の基本計画をやるわけですけれども、他の計画にこれが優先するんだ、あるいは環境に関するいろいろな法律、例えばリゾート法とかなんとかいろいろあるわけですけれども、そういう他の法律の環境に関する部分についてはこの環境基本法が上位にあるんだ、それから、これを施行するに当たっては環境庁が他の省庁に対する調整機能の権限を持っているんだ、こういうことで、やはり環境憲法だというような認識のもとに今言ったようなことが具体的に行われなければならないと思うのです。この環境基本法を環境憲法として認識をして大いに力を発揮するように運営していかなければならぬと思うのですが、総理、どうですか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 それは新しい価値観が、法律も基本法というような法律で成立をいたしたわけですから、今までその価値観以前にとられていた法制なり行政なりというものは、それは影響を受けるということは当然であろうと思います。それが影響を受けて、さらにその法律そのものを直した方がいい、あるいは法律を直さなくとも、法律の施行が改まっていけばいい、そういう経緯はいろいろあろうと思いますけれども、新しい価値観が一つの基本法によって成立をしたということは疑いを入れないところと思います。

馬場昇日本社会党・護憲民主連合

○馬場委員 時間も来ましたので、最後に一つだけ申し上げておきたいと思うのですが、先ほどもちょっと総理も言われたわけでございますが、法案の作成過程におきまして、やはり財界とか関係各省庁の方から意見がいろいろあったわけでございます。私が見ておると、どちらかというとそういうものに気を使い過ぎたといいますか、気を使って、リオデジャネイロのサミットの宣言に従って未来を先取りするというような内容じゃなしに、現状を追認するというような法案になっているという面も大分あるんじゃないか、こういうぐあいに思います。  そこを考えた場合、この法律が、立派なものができたとしても、私はざっくばらんに言って、この永田町の国会議員とか霞が関の官庁のお役人さんたちとか、あるいは大手町の経済界の人たちとか、こういう人たちの心が変わらなければ、やはり本当の立派な運営はできないんじゃないか。心が変わるというと、やはり今までの心というのは、物、金中心の世の中だったんじゃなかろうか。私は、濁った川、水とか汚れた空気、こういうものを見ますと胸が痛むとか、公害患者を見るとやはり心が痛むとか、そういう環境に優しい心というのを、お互いに衝に当たる、特にさっき言いました永田町とか霞が関とか大手町とか、こういう人たちが環境に優しい心を持ってもらわなければならぬ、そのことが基本にあるんじゃないかと思うのです。それに対する総理の御意見を伺って、質問を終わりたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 それは、結局この四条のところに返るのだと思いますけれども、経済成長ということと環境というものが相入れないものである、したがってこれをどう調整するかというような時代はもう去りまして、そして持続可能な発展ということがみんなの人に受け入れられるようになってきたわけですから、やはりそれは、そういう法律が基本法として成立したということになりますと、そういうところから新しいみんなの考え方が芽生えていく、私はそういうふうになっていくと思います。

馬場昇日本社会党・護憲民主連合

○馬場委員 終わります。

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 大野由利子君。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 環境基本法につきまして、既に当委員会で二十八時間、きょうが終わりますと三十時間審議を続けてまいりました。環境に関する憲法ともいうべき大変重要法案でございます。先ほど同僚議員からいろいろ御質問ございましたが、初めに、私も環境アセスについて質問をさせていただきたいと思います。  環境アセスメントは、開発と環境保護を両立させ、そして開発を環境保全の側からコントロールできる必要不可欠な法案手段ではないか、そのように思います。環境の破壊の未然防止のためにも極めて重要な施策であり、世界の趨勢を見ましても、先進国は当然、途上国でも時代の趨勢になってきている、そういう現状でございます。我が国も、当然環境アセスを法制化すべきではないか、そのように思うわけですが、現行の環境アセスの制度は、第三者機関によります審査手続がないとか、計画段階におけるアセスが行われていない、また、環境庁長官の意見を聞くことが義務づけられていないとか、事後調査が位置づけられていないとか、さまざまな問題点があるわけでございます。  今まで私を含め同僚議員のいろいろな質問に対しまして、今までの御答弁では、経済社会情勢の変化等を勘案しながら必要に応じて現行の措置を見直していくという繰り返し、ワンパターンというか、そういう答弁が行われてきた現状でございます。総理も本会議におきましてやはり同じ答弁をなされているわけでございますが、経済社会情勢の変化等ということは具体的にどのような変化を勘案することをおっしゃっているのか、また、必要に応じて現行の措置を見直していくとの判断は、だれがどのように判断をするのかについて伺いたいと思います。総理に伺いたいと思うのです、総理も本会議でこのように答弁をされていらっしゃるので。

林大幹自由民主党環境庁長官

○林(大)国務大臣 大野先生にお答えいたします。  大野先生からたびたびこのアセスメントの御質問をいただいておりますが、今先生が繰り返し申されたような形で推移してまいりました。先ほど岩垂先生やあるいは馬場先生にもお答えいたしましたけれども、経済社会情勢の変化ということは、これは例えば今までだれも地球が有限とは考えなかったのですね。既に無限に地球というものがあるものと考えておったのですね。しかし、リオ宣言以来、あるいはまた先ほど総理もお述べになりましたように、宇宙飛行士が地球の外から地球を見たとき、そういうことから地球の有限性というものが初めて人類の心の中に強く意識されるようになったのですね。  したがいまして、これから経済社会の情勢というのは刻々変化していくと思うのです。そういう変化の中で必要に応じて見直しをするという、その見直しの中には環境アセスメントの法制化も含まれるということを御答弁申し上げましたのでございまして、見直しの中からやがていずれは、時間がたつに従いまして、アセスメントの法制化が含まれる形で見直されるということに移っていくだろう、そういうことでございます。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 昭和五十九年の閣議アセスが実現をして以来今日まで九年間、既にその環境アセスは法制化を含めて検討、そう言われている状況が九年間ずっと続いているわけでございます。今回この環境基本法が成立した暁には、政府が一体となって、諸外国と比較して我が国の環境アセスの運用状況とかそういうものを調査研究する、また技術の力というようなものも調査をする場を設けまして、そしてその法制化を目指して見直しの検討が予算もつけて始まる、そのように受けとめてよろしいでしょうか。総理に伺いたいと思います。

林大幹自由民主党環境庁長官

○林(大)国務大臣 政府としましては、今度の基本法の十九条に、先ほど申し上げました「必要な措置を講ずる」という条文を入れてございます。これにつきまして、環境影響評価のこういう条文がなくとも、政府としては今まで閣議決定で、国の大きな事業に対してはそれをもとにする、あるいはまた自治体におきましては条例なり自治体の要綱で取り組むとか、そういうことをしてまいりましたけれども、ただ、それで果たして十分であるのかということになりますと、なかなか十分とも言い切れない面も確かに出てきております。まして今度は、閣議で決定しました要綱では、法律を拘束することができない点もございますから、いろいろな意味においてこれからやはり取り組まなければならない点も出てきております。  しかし、従来、今まではそういう姿でみんなが力を合わせてやってきたわけでありますが、この法案が先生方のお力によって国会を通過することができますれば、今度は、現行制度の適正な運用に努めるとともに、法案が通ったから制度に怠慢になるということでは意味がありませんので、法案が通っても、制度に対しては厳格に実行しなければなりません。  そういうことをしながら、それに基づく制度の実施状況などをつまびらかに検討しまして、関係省庁が一体となって調査もし、研究もし、そしてその結果を踏まえまして、その時点における経済社会情勢なども十分に考慮に入れまして、必要によりましてはその段階から法制化も含めた見直しに入っていく、そういうことでございます。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 今環境庁長官からこのようなお答えをいただきましたが、これは政府一体で取り組まなければいけない、環境庁だけではできないことではないか、そのように思いますので、総理がリーダーシップを発揮していただいて、政府一体で取り組んでいただくという御答弁を確認させていただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 もとより、閣議で物を決めるということは各省庁が調整をしながらやっていくことでございまして、一省庁だけの仕事ではございません。そういう大事な仕事は、もとより総理大臣がいわばリーダーシップをとってやっていかなければならない仕事だ、当然そう考えます。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 環境基本計画について伺いたいと思います。  この環境基本計画を意義あるものにするために、環境の保全に関しまして、環境基本計画以外の国の計画と調和のあるものにしていかなければいけない。環境基本計画の示す方向に沿って、総合的かつ計画的な推進を図ることが大切だと思うわけですが、政府の基本法案はこれを明記していないわけです。どのようにしてこれを確保することができるのか、長官に伺いたいと思います。

林大幹自由民主党環境庁長官

○林(大)国務大臣 大野先生にお答えいたします。  先生御案内のように、環境基本計画そのものは、環境の保全に関する政府全体の基本的な計画として政府部内で調整を行い、そしてまた、閣議の決定を経て定められるものでありますから、環境基本計画以外の国の各種の計画につきましては、環境の保全に関して基本計画の示す基本的な方向に沿ったものになるというように理解いたしております。環境基本法案に先生御指摘のような規定を置くことをしなかったのもその点でございまして、御指摘される趣旨は十分にこの法案の中で担保されているものと実は立案者の方では考えて、このようにしております。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 この環境基本計画は環境政策の基本に関する計画でございまして、極めて重要なものであるわけですが、これが本当に有効に機能して環境の保全に実効性を確保するためには、地方自治体、事業者、また国民等々が参加して策定するということが大事なのではないか。住民や地方自治体の意見が反映できるような、そういう対話や意見を聞く会を開く等々の御努力をぜひお願いしたい、住民参加で進められるように、ぜひその辺をお願いしたいと思いますが、その点についていかがでございましょうか。

林大幹自由民主党環境庁長官

○林(大)国務大臣 住民参加ということは大変大事なことでございます。ただ、基本法が制定されますと、今度、基本計画を策定するに当たりましては、環境の保全に関する学識経験の豊かな者が中央環境審議会という一つの審議会を構成することになります。この審議会は、国全体の中からそれなりに学識経験を豊かに持っている者を選んで審議会を構成して、その意見を聞くということにしておりますので、中央環境審議会における審議、運営を通じまして、それこそ各界各層の意見が幅広く反映できるように配慮していきたい、かように考えます。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 総理に伺いたいと思うのですが、今回、環境基本法案に大変たくさんの新しい施策が盛り込まれているわけでございます。新しくつくられるこの基本法案のもとで、総合的かつ計画的、有機的と申しましょうか、そのような状況で進められていかなければいけない。そういった意味で、国、また地方公共団体がしっかり、緊密に連携をとりながら相互に協力し合って、総合的見地に立った行政組織の整備と行政運営の改善が必要なのではないか、そのように思いますが、総理の御見解を伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 環境問題に的確に対応していくということになりますと、この法律が成立いたしまして、もちろん関係省庁間の緊密な連携のもとに政府が一体になりまして、行政の取り組み、その体制を強化していかなければなりません。  それから、先ほど大野委員が言われましたように地方との連携、これは、地方の行政は地方にやってもらわなければなりませんので、それは強化していくことがもとより必要だと思います。環境庁が中心になりまして、そのような各省庁、地方との連携をとって、機能が十分発揮されるように対応してもらわなければならないと思います。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 環境の日の設置について総理に伺いたいと思うのです。  国民的な環境保全活動を行うためには、国、地方公共団体、また広く国民や事業者とともに環境保全に対する意識を高め、実践をする、行動に移していく、そういうことが必要かと思います。世界環境デーであります六月五日を環境の日として、そして大きく啓蒙もする、そういう日にしていってはどうかと思いますが、総理の御見解を伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 環境の日というものが、環境の保全に関する活動を行う、国民的な意識を高める、こういう意味での御発想であれば、国会の御判断として、政府としても当然それは尊重してまいります。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 ぜひそういう方向でお願いをしたいと思います。  さらに、この六月五日を環境についての国民のお祭りの日、そういう祝日にする方向で御検討をいただければありがたいなと思いますが、その点について御見解を伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 実は、国民の祝日とすべき日につきましては各方面にいろいろな御意見がありまして、その候補となるべき日もいろいろなお考えをお持ちの方が多うございます。我が国の祝日は現在十三日だそうでございますが、これは先進国の中でもどちらかといえば多い方だそうでございます。そういういろいろな状況がございますので、それにつきましては今初めてお伺いをいたしますが、慎重にいろいろ考えさせていただかなければならないと思います。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 環境破壊の未然防止について長官に伺いたいと思います。  環境政策のかなめは、環境破壊をもたらさないように未然防止が非常に重要なわけでございまして、基本法の第四条に基本理念が出ております。「科学的知見の充実の下に環境の保全上の支障が未然に防がれることを旨として、」そのようにあるわけですが、今まで、科学的知見が明らかでないということを口実にいたしまして、被害者の救済がおくれたり公害防止対策がおくれてきた、そういう状況がございます。我が国の水俣病も大変大きないい経験であったわけでございますが、「科学的知見の充実の下に」ということは、科学的知見の充実を強調して対策がおくれてきた従来の後追い的、受け身的な姿勢を踏襲するというのか、それとも未然防止を強調して環境保全について新たな決意を示そうというのか、その辺について、長官の見解を伺いたいと思います。

林大幹自由民主党環境庁長官

○林(大)国務大臣 環境基本法の四条に今先生の質問された内容があるわけでございますけれども、「科学的知見の充実の下に環境の保全上の支障が未然に防がれる」べきことを規定したとなっておりますね。これは例えば、それによって、科学的知見が不確実であったために、あるいは知見の充実を図るというそのために時間がおくれてしまっても、そこに責任を転嫁するというようなことになるということではいけないじゃないかというのが先生の御質問の真意だと思いますけれども、そう解釈してよろしゅうございますか。  そうであるならば、科学的知見が不確実であるということをもって対策がおくれることのないようにするということの方が重要である。ですから、対策に重点を置いておるというふうに理解していただいて結構だと思います。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 環境教育について伺いたいと思うのですが、すべての人が環境の保全の重要性を理解して、活動に意欲を持っていくということが非常に大事ではないか。学校教育も非常に大事だと思いますが、また地域とか家庭とか、自然との触れ合いの場等々を通しまして、環境の保全に関する教育、学習活動が進められることが大変大事ではないか。このような活動を進めるに当たりまして、環境アドバイザーともいうべき環境の保全についての知識とか経験を有する人材の育成が急務である、そのように思いますが、その点について伺いたいと思います。

八木橋惇夫環境庁企画調整局長

○八木橋政府委員 先生御指摘のように、環境教育の推進のためには、学校以外にも地域また家庭、野外といったさまざまな場におきまして、環境教育に携わる人材の育成を図っていくことが重要であるということを私どもも考えているところでございます。  そのため環境庁といたしましては、従前から、地方公共団体の環境担当職員等を対象にいたしました環境教育研修の実施でございますとか、環境教育関係者を対象といたしましたシンポジウムの開催でございますとか、さらにはパークボランティア、自然公園指導員などといったような自然と触れ合う活動を推進する人材の育成等に努めてきたところでございます。また、今年度からは新たに、環境教育に関する有識者等の人材バンクとしての機能を有する環境教育データベースの供用開始ということを考えておりますし、また近年、地方公共団体で、先生御指摘になったようなアドバイザー制度というものがございます。そういったものに関する調査研究を国としても行いまして、他の地方公共団体に対する情報提供も行えるようなことを考えているわけでございまして、人材育成に関する新たな取り組みを環境庁といたしましても考えてまいりたいというぐあいに考えております。  今回、この基本法二十四条には、環境教育等の振興に関する規定を置かせていただくことになっているわけでございます。この趣旨を踏まえまして、人材育成を含めまして、環境教育施策の一層の充実に努めてまいりたいというぐあいに考えているところでございます。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 平成三年十二月に政府で申し合わせて作成されました行政情報公開基準というのがございます。各行政機関がそれぞれ保有されている膨大な行政情報を、自主的に国民の求めに応じて公開するかどうかという判断基準を示されたものでございますが、この中に、非公開にすることができるということで、個人とか法人とか団体の権利、利益を侵害するおそれがあるものというのがずっと出ております。「国民の生命、身体、健康及び財産・生活の保護のため公開することが特に必要と認められる」ものは例外規定として出ているのですね。私は、国民の健康とか生命とか身体に危害を生ずるおそれがある場合は、国や地方公共団体、事業者が情報の公開をしなければいけない、積極的に情報の提供を義務づける必要があるのではないかと思いますが、これについて伺いたいと思います。

八木橋惇夫環境庁企画調整局長

○八木橋政府委員 先生御指摘のように、平成三年に政府が申し合わせました行政情報公開基準では、例えば法人等の営業秘密に関する情報であっても、事業活動によって生ずる国民の生命、身体もしくは健康への危害または財産・生活の侵害から保護するため公開することが特に必要と認められる場合は公開の対象とするというぐあいな取り扱いになっているわけでございます。  私ども、情報の公開一般に関しましては、まだ議論すべき課題、また調査研究しなければならぬ課題というものがたくさんあるということから、昨年十二月の行革大綱におきましても、一般的な制度化の問題につきましてはこれまでの検討課題を踏まえつつ引き続き調査研究を進めるというぐあいにされたところでございます。この趣旨を踏まえまして調査研究を進めることが重要だと考えておりますが、一方、環境保全に関する情報を広く国民に提供していくことはやはり環境保全上重要であるということから、今回二十六条におきましてそういう趣旨の規定を置かせていただいたところでございますし、また、一般的な情報につきましては、十一条におきまして環境白書等を通じて提供するというようなことを考えているわけでございまして、私どもとしては、環境情報につきましてはなるべく広く提供していくというようなスタンスで考えているところでございます。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 最後に、総理にちょっと伺いたいのですが、水俣病の教訓にいたしましても、もっと早く情報が公開されていればあんなに被害が大きくなる前に防ぐことができたのにという、そういう大変な教訓ではないか、そのように思うわけです。私は、いろいろ難しい点はたくさんあるというのはわかりますが、ともかく身体、生命、健康に危害を及ぼすおそれがあるものに対しては、国、地方公共団体また事業者が公開をする方向で何とか検討を始めるということが必要ではないか。今すぐ公開は無理であっても、公開する方向で検討を始めるということが大事なのではないかと思いますが、総理の御見解を伺わせていただいて、終わりたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 過去にも確かに言われましたような事案があったわけです。今、政府委員がるる御説明申し上げましたようなことで、みんなに考えてもらいたいと思っております。

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 次に、寺前巖君。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 わずかな時間でございますので、せっかく総理がお見えたから、いろいろなことを聞きたいと思いますが、私は二つの点に絞って聞きたいと思います。  その前に、私どもは、今環境基本法をつくって次の世代にいい環境を渡していくという使命を果たさなければならない。ですから、そこでは二つの面が私は重要だと思う。一つの側面というのは、国民にとって有効な、いい、あいまいさを残さないような法律をつくってやる、これが一つの私たちの使命だろうと思う。ところが、せっかくいいものができてもそれを執行する機関が、これまた積極的な役割を担っていただく、まあ両方が相まっていい役割をしていくことになるだろう。そのことを期待しながら、二つの問題を聞きたいと思うのです。  一つは、先ほどから話題になっておりました情報の公開、市民参加という問題です。これは、昨年のリオの宣言でも重要な課題として位置づけられておりました。私は、環境基本法を語るときに忘れることができないのは、環境破壊のために泣いていったたくさんの人々がおる。その中心の一つに水俣病というのがありました。  最近、資料を見ておりましたら、一九九〇年五月に全面的な解決を見ることなく亡くなっていった平田ミツ子さんの記事を読みました。せっかくの機会ですから、ちょっと紹介したいと思います。   私は、原告の平田ミツ子です。今は宇土市に  住んでいます。コップは、一カ月に何十個も割  れてしまいますし、茶碗も落とします。スリッ  パもよく抜け、片ちんばで歩いていることがよ  くあります。そして、靴下は履かないようにし  ています。履くと、感覚がよけいに分からなく  なり、歩けないからです。どんなに寒くても、  雪が降っても履かないようにしています。歩く  のもソロソロですし、じょうずに歩けません。  買物は、夫が行ってくれています。孫の子守も  できません。赤子は手から落とすし、歩き出す  と孫についていけないからです。何もできない  自分が情けなくなって、もう死んだほうがまし  と、何回思ったか知れません。生きていても何  にもならん、と思います。元気なら仕事もでき  るのにと、自分の体がはがゆくなります。   お金はどうでもいいんです。もし、元の体に  戻るなら戻してほしいと思います。体が一番だ  からです。私も四人も五人も流産をしました。  しかも、一、二年ごとに死んでいって、墓地も  広くなかったので、一人埋めたあとを掘り返  し、次々に埋めてきました。その人たちの骨だ  けは拾って、今、宇土のお寺に預けています。  その人たちを入れる納骨堂を作りたいと思いま  す。それができれば、何も望みません。私の望  みを聞き届けて下さい。お願いいたします。云々です。そして、その直後に亡くなられて、夫の手記も読みましたけれども、本当に多くの人が、万という単位の人々がこうやって泣いているわけです。  そこで、総理に、先ほどからお話がありましたけれども、もう総理も国会で長年お仕事をやってこられたお方だけに十分御存じのことで、申し上げるのも失礼かと思いますが、一九五九年、チッソの水俣工場内の附属病院で行われた猫四〇〇号実験、本当にあれが知られていたら、どれだけたくさんの人が水俣病にならずに楽しい人生を送ることができただろうか。あるいはまた、その直後に通産省が全国調査をやっておりますけれども、その結果の情報を公開していたら、こういう被害を広げることはなかっただろう。ましてその後に問題になってきた新潟水俣病の被害などというのは食いとめることができたのじゃなかっただろうか。  こういう姿というのは今もあるのじゃないだろうか。ゴルフ場の建設、その下流に取水口がある。ゴルフ場でどんな農薬が使われているかわからない。聞いても言ってくれない。やはりそういう意味からいうと、情報の公開というのがどれだけたくさんの人を救うかわからない。物事を建設する段階から市民が参加できるような状況をつくっていたらもっと明るい社会になるのじゃないだろうか。私はそういう原則的な気持ちとして総理に聞きたいと思うのです。情報の公開があったらどんなに社会は明るいだろうか。その点について一言、総理の御発言を聞きたいと思うのです。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 その点は先ほどもお答えを申しましたが、一般論といたしまして、やはりそのような情報はできるだけ提供されることが望ましい。過去においてそういうことでございましたらいろいろなその後に起こった事件は妨げたであろうと思うことは多々ございますので、寺前委員の言われますことは、私は基本的にそのように認識をいたします。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 せっかくの機会でございますので、水俣病については水俣病問題関係閣僚会議というのがございます。今までの話は、いや、成案ができたらどうのこうのとおっしゃっていましたけれども、今、加害者の会社も、県もあるいは裁判をやっている方々も、みんな同じテーブルで相談し合っているのです。政府だけがそこに加わっていない。私は、速やかな解決の道といえば、この和解をしようという話の中に国が一枚かんでいく、そのことを閣僚会議を開いて決めていただきたいと思うのですが、この問題については、総理、どういうふうにお考えになるでしょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 この問題についてはいろいろ難しい経緯があるということを承知しております。最近の一番新しい状況は存じませんので、十分ここでお答えすることができません。自分としても少し勉強してみたいと思っております。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 第二の問題です。  一連のいろいろな開発事業を国家的にもやりました。総理の出身のお隣の岡山県の児島湾の締め切り事業というのをかつてやりました。十二年間で、当時、もう古い話なんですが、総事業費二十二億三千万円を使ったのです。それで締め切った結果が何を生んできたかというと、湖沼水質保全計画でも水質汚濁が著しく進行してしまって、そうして環境基準の約二倍になってきてしまった。児島湖の環境の悪化は大きな社会問題にまでなってしまった。これでは何のために締め切ったかわからぬじゃないか。三年計画で国営総合農地防災事業として二百九十八億六千万円のお金をかけてヘドロのしゅんせつ事業をやっている。莫大な二十二億からのお金をかけて何をしたことなんだろうかとつくづく思う次第です。  また、宍道湖、中海といって、あの島根県、鳥取県のところの淡水化事業というのが計画される。それが実行されました。二十五年間に、八八年度までの事業で七百六十五億というのですから、いろいろなことを入れると一千億になるでしょう。そして、地元においては四百億円以上の地方負担金と本庄工区の年利六・五%、複利の金利の地元負担がのしかかってきているのです。莫大な金を使ったのですが、ついに今から五年前、八八年の九月に、直ちに宍道湖、中海の淡水化を行うことは両湖の水質保全等の面で懸念があるため当分の間これを延期し、引き続き水質保全上の問題等の解決に努めたいといってとまってしまった。もうでき上がっていますよ。しかし、それを執行するわけにいかぬ。ヘドロの海になってしまうのじゃないか。莫大な金をかけてやったこういうことが何をしたのだろうか。結局、実行計画が先にあってしまって、そのためのアセスをやっていない結果がこのようなことになる。アセスというのは、計画段階から実行段階までいろいろな段階のものを考える、同時にそこには違う案、代替案についても考える、世界的にはそういう方向に向かっているのです。何でそういうことをやらなかったのだろうか。  現に今でも、愛知県、岐阜県、三重県、三県境のところにあるあの長良川の問題がやはり同じような問題になっています。長良川に生息する豊富な動植物に与える影響はどうなんだろう、河口ぜきをつくって塩害防止をするというけれども、あの河口ぜきでよかったのだろうか、こういうような問題が、まだ当時そういうものが計画になかったからといって、一九六五年の計画ですから、十分に環境アセスがやられぬままになってきているけれども、しかしまだ進行過程にある以上は、私は今からでも遅くないと思うのです。計画段階から総合的な代替案を含めたアセスというのは、これを放置したらあかんのだ。初めは水が欲しいから、こう言ったけれども、考えてみたら、今になったらもうあんな水は要らぬよというところまで来てしまっているのだから、そうすると、やはり総合的に先々まで読んだところのアセスというのを十分に市民参加でやるべきではなかったのだろうか。  今、私は二つの問題をこの点について聞きたいと思うのです。  総合アセスというのを、計画段階から総合的に代替案を含めてやるというような方向はぜひ考えるべきではないだろうか。それは、法制化を含めて検討に入るべきではないだろうか。これが一つです。  それから、長良川の問題について、ほかのところで起こっていたのと同じようなことが現にあるんだから、せきの建設に対して住民の皆さんがいろいろな資料を提供してほしいと言っているんだから、情報の公開をやって、国民の合意があるまではちょっと待つように、建設の工事はストップしたらどうだろうか。もとの環境庁の北川長官がこの問題をいつもおっしゃっていましたし、あるいはまたそのずっと前の長官もそういうことを言っておられました。  私は、本当に環境を後代に移していこうという場合に、一度手をつけたからといってまっしぐらに進むのじゃなくして、やはり待ったをかけて、環境アセスをやり、情報を住民に公開し、中止をして、よく考えて仕事をするという方向を打ち出すべきではないかと思うのですが、総理の御見解を聞いて、終わりたいと思うのです。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 十九条の解釈の問題につきましては、先ほど申し上げたとおりでございます。  それから、長良川の河口ぜきのことは、当時としてはベストを尽くした環境調査が行われたように聞いております。また、地元関係者にも十分説明をしたとも聞いております。また、追加調査も平成三年度には行われたと聞いておりますが、これにつきましては、私は、それ以上詳しい状況を存じませんので、ただいま具体的にお答えすることができません。  ただ、長い間の調査もあり、経緯もあり、関係自治体もそれを望んでいるというようなこととして私は報告を聞いておりますけれども、最近のことを存じませんので、これ以上明確に申し上げることができません。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 それじゃ、環境庁の長官は今の長良川の件について御存じでしょうか。御存じでないんだったら、ぜひ改めて見直しをやっていただきたい。所管は建設省でございますけれども、環境のことでございますので、環境を大事にするという意味において、私は、環境アセスが本当に総合的にやられたというふうには思えませんので、もう一度見直しをやっていただくことを要望して、終わりたいと思いますので、一言。

岩井國臣建設省河川局長

○岩井政府委員 長良川の河口ぜきにつきましては、昭和三十八年当時、四年間ほどかけまして、専門家約九十名ほどの調査団を編成いたしまして、魚類、貝類、動植物プランクトン、水草、いろいろな環境に関する調査を私どもとしては十分にやっておるつもりでございますし、それから、河口ぜきの事業の内容あるいはそういう環境調査の結果につきましても、関係する地域住民に十分説明をしてきているところでございます。  今後とも環境関係につきましては、万全の対策を講じてまいりたいというふうに考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。

林大幹自由民主党環境庁長官

○林(大)国務大臣 長良川の問題につきまして、寺前先生にお答えしますが、これは、実は参議院の有働先生の質問に答えた内容でございます。  歴代の環境庁長官が長良川河口堰に慎重な姿勢をとってきているが、新長官として長良川河口堰の環境問題についてどう認識しているのか、こういう御質問でございました。  これは忠実に読みます。すぐ終わります。答えは、長良川は、良好な環境の河川であると認識しており、河口ぜきによる水質や魚類の生息への問題が生じないよう十分な配慮が必要であると考えております。これに関し、平成二年十二月に公表した長良川河口堰問題に関する環境庁長官の見解に沿って、建設省及び水資源開発公団においては、環境に関する追加的調査を既に実施し、これらの結果を踏まえた環境保全の対策を実施することとなっております。環境庁としましては、今後とも長良川の良好な環境が保全されるよう、引き続き努力してまいりたいと考えております。このように答弁申し上げておりますが、これは単なる答弁の言葉ではありませんで、率直な気持ちでございます。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 もう時間が来ましたので、終わります。

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 中井洽君。

中井洽民社党

○中井委員 総理、遅くまで御苦労さまでございます。  この基本法をまとめるに当たって御努力をなさった環境庁長官あるいは環境庁の皆さん方に心から敬意を表します。同時に、熱心に御討議いただいて、法案修正を含めて与野党で話がまとまりました。修正部分も含めて全党賛成という形で法案が成立しそうだということで、大変うれしい限りであります。御努力をなされました各党の皆さん方にも敬意を表したい、このように考えます。  その修正の中で、これから通るわけではありますけれども、先ほど総理がお答えになりました環境の日の設定というのがこの中に入ります。その中で、環境の日の趣旨にふさわしい事業を実施するよう国及び地方公共団体は努めること、こういう形で修正案が出されます。  私なんかから見ますと、例えばノーカーデーとか全国で空き缶拾いを一斉にやるとか、そういうのかなという感じを抱きますが、総理は初めてお聞きになったかもしれませんが、総理としてはどんなものを思い浮かべられますか。このことをまずお尋ねしたいと思います。  それから同時に、私どもは、環境の日を設定するだけじゃなしに、これは当然祝日にすべきだ、このように考えています。特に、労働時間の短縮という問題から考えても、なかなか労働時間の短縮が進まない。本年六月に皇太子殿下の御成婚の日が祝日になります。そうすると、来年は休みが一日減るわけです。そういう意味で、六月は祝日がありません。先ほど十三日祝日があって、一番多いと言いましたが、六月は日本では祝日がありません。あと六月で祝日にできそうなのは、六月十日、時の記念日ぐらいでございます。個人的に言えば、私の誕生日ですから、私はそれでもいいかなと思っておりますが、ぜひ来年にかけて、六月五日祝日という形で私どもは働きかけをしていきたいと考えておりますが、総理の率直なお考えをお尋ねします。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 恐らく、環境の日という御発想からいえば、環境の保全に関する理解、関心を高める、またそういう活動を行う、そして恐らくは国あるいは公共団体でそれにふさわしい事業をやるよう、こういう御趣旨であろうかと思います。国会の御意思でございましたら、政府としてはもとよりそれを尊重いたさなければならないと存じております。  ただ、この祝日ということになりますと、これは法律がございまして、現在新たに祝日としてこういうものを制定すべきであるという幾つかの候補と申しますか、各方面から御意見がございまして、その意味で、先ほどもう既に十三日というのは先進国としてもかなり多い方でございますと申し上げたのは、その関連でございましたので、どうぞそういうような点も御考慮をお願いいたしたいと思います。

中井洽民社党

○中井委員 アセスメント法制化についてお尋ねをいたします。  先ほどから各党の御質疑の中で法制化も含め見直しを急ぐ、こういうお答えがございましたので、それで結構であります。私どもが今回、他の野党の皆さん方と一緒に法制化を要求しなかった一番の理由は、大平内閣のときにアセスメント法が国会に提出をされました。社会党さんあるいは私どもを含めまして、立場はちょっと違ったのでありますが、このような法案ではだめだということで一切質疑をせずに二年間経過をいたしまして、この法案を葬り去った経緯がございます。今日、このような議論の中で時々、あのときはどうだったのだろう、じくじたる思いを実は持っております。  今回この基本法について、あの当時は衆参とも自民党さんが多数でありましたが、今野党が参議院で多数という中で、私どもが突っ張ると基本法そのものが流れてしまう。祝日、環境の日、この修正一本で賛成をする、とにかく成立をさせるのだ、そしてスタートさすのだ、私どもはこういう思いで実は審議をしてまいったところであります。そういうことでありますから、アセスメントの制度の見直しあるいは強化、できるだけ大急ぎでやっていただきたい、法制化についても結論をお出しいただきたい。  その中でぜひお考えいただきたいのは、地球環境問題。今度の環境基本法というものは、地球環境という発想が大きく入っているわけであります。従来のアセスには、地球環境という発想は入っていない。世界じゅうの国が地球環境についていろいろ言いますけれども、地球温暖化対策一つとりましても、実はなかなか具体策というものをつくっていない。日本は、二〇一〇年にエネルギーの消費をこのぐらいにするんだ、二〇〇〇年から二〇一〇年ぐらいまでの間は〇・一%ぐらいのエネルギーの伸びで抑え込むんだ、こういう具体的な数値を出して取り組もうとしているわけであります。せっかくそういうエネルギー需給見通しの立派な数値があるわけであります。そういったものを含めてアセスの中で使っていく、こういう発想というものを取り入れていただきたいと思いますが、いかがですか。

八木橋惇夫環境庁企画調整局長

○八木橋政府委員 先生御指摘のように、従来の環境影響評価は、地域の環境に著しい影響を与える大規模事業について、特に地域環境への影響を事前に調査、予測、評価をした上で適切に……(中井委員「短くしてくれませんか。質問にだけ答えてください」と呼ぶ)はい、わかりました。  そこで、御指摘のように、地球環境問題ということが起こってきたわけでございます。地球環境問題が起こってきた場合に、例えばフロン、CO2、どこで発生しても起こるような問題もございます。そうかといって、省エネとかなんとかということになりますと、やはりアクト・ローカリーというようなこともあるわけでございますので、そういった事業のタイプというものを考えていかなければならぬという問題が出てまいります。そういうことでございますので、私どもといたしましては、御指摘のような点も踏まえながら地球環境時代にふさわしい環境影響評価のあり方というものをやはり検討していくべきだというぐあいに考えております。

中井洽民社党

○中井委員 総理にお尋ねをいたします。  昨年私も、リオ・サミットヘ出席をいたしました。総理がお越しになれなかったこと、大変残念な思いを抱きました。総理はその中で、ビデオで出演をなさって、今後五年間九千億から一兆の環境ODAを日本はやっていくと、大変な歓迎を受けた決意を御発表いただいたわけであります。五年間で本当にこの一兆円近いという金額が環境ODAとして出していけるかどうか、これがまず一点であります。  二点目は、今回の法案の中で、三十一条、三十二条、三十三条、三十四条、国際問題について、あるいはODAについて述べられております。これらの法案が成立して、この環境ODAの中身というものが変わってくるのかどうか、今までどおりの発想でいかれるのか、これが二点目であります。  それから三点目は、先ほどお話にもありましたように、環境問題でのキーワードは持続可能な成長ということであります。おっしゃるとおり、日本においては、経済との調和なんということはもうとっくの間にクリアしてしまって次の段階へ進んでいる。しかし、低開発国においては、持続可能な発展、成長というのは、それぞれ違ったニュアンスで受け取っているのではないか。日本が環境ODAをお出しするときに、日本の発想での環境ODAでいくのか、相手国の持続可能な成長というのに合わせて、これも環境問題だという形で援助をしていくのか、そこら辺を少しきちっとされるべきだ。そして日本は日本で、低開発国の流れだけに押されずに、日本としての理念というものをもとに環境ODAというものをおやりになるべきだと私は思いますが、いかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 昨年リオで、私の意見表明といたしまして、今後五年間に八千億ないし一兆円の環境に関するODAをぜひ実行したいと申しました。これはそのとおり実行するつもりでございますし、実行が可能と思います。たしかODAの一二、三%が現に環境のために使われておったと思いますので、今後ODAをこれから五年間ふやしていくことになると思いますので、そういうことも考えまして十分可能と思っております。  それで、UNCEDでは、地球の緑、水、空気の保全等々のことをいろいろ議論しておられました。確かに、言われますように開発途上国においては、いわゆるサステーナブルグロースというのでございますか、持続可能な成長というのは我々と違う観念を持つことは十分あると私は思います。そのときにどうすべきかということは、そもそもODAというものをどう考えるべきかということに立ち返るわけでございますが、やはりこれを受ける者、受ける国の立場というものは十分に考えませんと、一方的に強いる種類の話ではないように思います。  ただ、環境の問題について申しますと、これはやや理想的に物を考えていくのが、大変にではいけませんけれども、我々先進国の努めであるという部分がございますから、そこはやはり説得をしてみて、こういう方がいいのじゃないかなというようなことは十分忍耐をし説得をして、それでよかろうということになればやはりそういうふうにやっていくことが望ましい。全く受け入れ国の意思を無視して一方的にやることはいけないことだと思いますが、そういう配慮は大事であろうと思います。

中井洽民社党

○中井委員 基本計画についてもいろいろな議論がなされました。端的に例を挙げてお尋ねをしたいと思います。  海部内閣におきまして、平成二年十月、地球温暖化防止行動計画というのがつくられておる。こういう計画は環境基本計画の中に入るのか、あるいは別計画なのか、どのようにお考えですか。

八木橋惇夫環境庁企画調整局長

○八木橋政府委員 環境基本計画は、まさに政府全体の環境に関するマスタープランでございます。したがって、地球温暖化防止行動計画、これは行動計画でございますが、その大筋におきましては基本計画の中にしっかりと位置づけられるべきであるというぐあいに考えております。

中井洽民社党

○中井委員 最後に、この法案の根幹に、国民や企業に、ライフスタイルの変更やら、あるいは生産方式やら発想の転換を求める、地球環境というものを考えてもらうのだ、こういったことがとうとうと流れていると私どもは理解をしております。これはこれで結構でありますし、日本人でありますから、呼びかけに対しては本当に対応していただけると私どもも期待をいたしております。しかし、私は、こういう法案ができたら、まず真っ先に取り組むのは政府みずからだ、このように思います。個人のライフスタイルの変更よりも、まず役所のスタイルの変更、これを考えるべきだ、このように思います。  例えば先週、ワシントンにおりましたが、あのクリントン大統領は、アースデーでのスピーチで、政府関係機関が数千台、クリーンカーを購入する、こういうことを発表をいたしました。日本でも、環境庁に一台とか通産省に一台とか、あるいは郵便配達の章二台とか、電気自動車の導入を始めております。国民のライフスタイルまで変えよう、変えてください、こういうことをお願いする政府がやはり真っ先にみずからやるべきだ、このように思います。  同時に、例えば建設省だとか農水省、事業をおやりになる省庁、ここはそれぞれに環境問題に配慮して事業をおやりになっていると思いますが、環境担当がいまだにいらっしゃらない。例えば私どもの地元で河川を改修する。三面コンクリートだ。環境の運動家が、柳くらい植えたらどうだと言ったら、コンクリートの上にかっぱの絵をかいてくれたのであります。それはかかぬよりはましですけれども。  今は、橋をつくったら、橋の欄干にみんなきれいな絵がかいてある。これはこれで結構だ。しかし、そんなことより、やはり橋のところに柳を植えたり、木を植えるということが大事ではないか。実に単純なことでやっていける。高速道路を走らせたって、木を植える、土手に木を植える、グリーンベルトに木を植える。これはみんな建設省と業界で決めてしまって植えてしまう。本当はその地域の人たちの意見を聞いて共同植生をする。その地方に生えている独特の樹木を植えていく。そういう発想の転換だけで随分違ってくる、やれることが多い、このように思うのです。  環境問題というのは、大きい、難しいこともあるけれども、本当に役所みずからが身の回りの小さなことからやっていく、そういう姿勢が出てこないと、こういうふわっとした法律で環境問題を世界一進めていくのだというのはなかなか難しいのではないかな。公害のときには被害というのがあります。人命というかえがたいものを破壊して、その反省に立っての法律であります。しかし、環境問題というのは、みんなが言いますけれども、やるということは難しい、こんなふうに思います。  そういった意味で、総理大臣みずから各省庁を叱咤激励をいただいて、きめ細かい、環境に配慮した行政あるいは事業、こういうのをやっていただきたい、このように思いますが、いかがですか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 先ほどのお話は本当にありそうなことで、これはやはり地方自治の中で考えられなければならない問題だと思いますね。  しかし、中央の官庁におきましても、まず隗より始めよと申しますとおり、この法律の物の考え方を行政をするときにみんなが身につけていくように努力をいたします。

中井洽民社党

○中井委員 終わります。

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 これにてただいま議題としています各集中、内閣提出、環境基本法案及び環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案についての質疑は終局いたしました。     —————————————

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 この際、内閣提出、環境基本法案及び環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案につきまして、塩谷立君外三名及び寺前巖君から、おのおの修正案が提出されております。  順次趣旨の説明を聴取いたします。塩谷立君。  環境基本法案に対する修正案  環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関   する法律案に対する修正案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

塩谷立自由民主党

○塩谷委員 ただいま議題となりました環境基本法案及び環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案に対する修正案につきまして、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議及び民社党を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。  両修正案はお手元に配付してありますので、案文の朗読は省略させていただきますが、まず環境基本法案に対する修正案の要旨は、事業者及び国民の間に広く環境の保全についての関心と理解を深めるとともに、積極的に環境の保全に関する活動を行う意欲を高めるため、六月五日を環境の日とすることであります。  次に、環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に対する修正案の要旨は、六月五日を環境の日とすることに伴い、規定の整理を行うものであります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。(拍手)

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 次に、寺前巖君。     —————————————  環境基本法案に対する修正案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

寺前巖日本共産党

○寺前委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっています環境基本法案に対する修正案の趣旨を説明します。  修正案は、既にお手元に配付されておりますので、詳細は説明いたしません。  その内容は、第一に、基本理念に良好な環境が人類共通の財産であること及びそのもとで健康かつ安全で文化的な生活を営むことは基本的な権利であることを明記するとともに、環境への負荷の少ない社会の構築、汚染原因者負担の原則、住民の意思の尊重、情報の公開、環境保全基準を確保するための環境管理計画の策定等を規定することによって、原案が不明確にしている環境保全の諸基本原則を明確にしたものです。  第二に、環境影響評価制度を確立するため、必要な措置を講ずるものとするとして環境アセスの法制化を規定し、あわせて地域住民の意思が反映される手続を措置することによって、原案が国民の声を真正面から受けとめず、その法制化を見送った環境アセスメントの法制化を明確にしたものです。  第三に、企業が負担すべき環境税を国民にしわ寄せすることにならないように、経済的措置の条項を削除すること。また、事業者の責務に基づいて事業活動を行う範囲を本邦の内外におけると規定することによって、原案があいまいにしている事業者の汚染原因者負担の原則を明確にし、大企業の横暴な海外活動に対する甘い規制を厳しくしたものです。  第四に、企業の無過失責任制と立証責任制の制度を整備し、地方自治体の自主的な施策としていわゆる上乗せ、横出しを認めると同時に、新たに環境保全のために必要な調査及び監視を行う地方環境保全委員会の設置を明記することによって、原案が改善を図ろうとしない被害者救済を拡充強化し、不十分な地方自治体の行政と権限を拡充強化したものです。  以上、委員の皆さんの御賛同をお願いして、趣旨説明を終わります。

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。     —————————————

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 これより、内閣提出、環境基本法案及び環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及びこれに対する両修正案につきまして討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  内閣提出、環境基本法案及びこれに対する塩谷立君外三名提出の修正案及び寺前巖君提出の修正案につき、採決いたします。  まず、寺前巖君提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 起立少数。よって、寺前巖君提出の修正案は否決されました。  次に、塩谷立君外三名提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 起立総員。よって、本修正案は可決されました。  次に、ただいま可決されました修正部分を除いて原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。  次に、内閣提出、環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及びこれに対する塩谷立君外三名提出の修正案につき、採決いたします。  まず、塩谷立君外三名提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 起立総員。  次に、ただいま可決されました修正部分を除いて原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 次に、ただいま議決いたしました環境基本法案に対し、高橋一郎君、斉藤一雄君、大野由利子君、寺前巖君及び中井洽君提出による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。まず、提出者から趣旨の説明を聴取いたします。斉藤一雄君。

斉藤一雄日本社会党・護憲民主連合

○斉藤(一)委員 私は、ただいま議決されました環境基本法案に対する附帯決議案につき、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。  案文を朗読して、説明にかえさせていただきます。     環境基本法案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。  一 環境政策の推進に当たっては、環境の保全上の支障の未然防止が重要であることにかんがみ、科学的知見の充実に努めるとともに、科学的知見が完全でないことをもって、対策が遅れ環境に深刻な又は不可逆的な支障を及ぼさないよう、積極的に施策を講じること。  二 環境基本計画とその他の国の計画は、環境の保全に関して調和が保たれたものとするとともに、環境の保全に関する施策は、環境基本計画の示す基本的な方向に沿って総合的かつ計画的な推進を図ることとし、これにより環境基本計画を実効あるものとするように努めること。  三 すべての者が環境の保全の重要性を理解し、活動のための意欲を持つようになることが重要であることにかんがみ、学校、地域、家庭、自然とのふれあいの場など幅広い場所における環境教育・学習を振興するとともに、環境の保全に関する知識や経験を有する人材の育成をはじめ、環境保全活動を促進するための措置の一層の充実を図ること。  四 環境の保全上の支障を未然に防止し、環境を良好な状態に維持するため、環境の状況その他の環境の保全に関する必要な情報については、環境教育・学習の振興のためのものを含め、広く適切に公表されるよう努めること。  五 生物多様性の重要性にかんがみ、自然環境の現状を認識するための調査研究に努めること。  六 環境保全に係る地域的な問題については地方公共団体の役割が重要であることにかんがみ、地方自治の精神を尊重し、地方公共団体が憲法及び地方自治法の定めるところにより地域の自然的社会的条件に応じて講じる独自の施策と相まって、環境の保全の一層の効果的、積極的な推進に努めること。  七 環境問題の重要性にかんがみ、本法の制定に伴い、必要な関係法令の見直しを含めた具体的な施策の的確な実施を図ること。 以上であります。

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 起立総員。よって、高橋一郎君外四名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決しました。  この際、ただいま議決いたしました附帯決議につきまして、政府から発言を求められておりますので、これを許します。林環境庁長官。

林大幹自由民主党環境庁長官

○林(大)国務大臣 委員長、大変恐縮ですが、一分間だけ速記をやめさせてください。

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 速記をやめて。     [速記中止]

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 速記を始めて。

林大幹自由民主党環境庁長官

○林(大)国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。ありがとうございました。     —————————————

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後八時三十五分散会      ————◇—————

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