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126回国会衆議院1993/04/20

環境委員会 第7号

発言数
5
登壇者
3
会派数
2
開催日
1993/04/20

会議録

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 これより会議を開きます。  先刻付託となりました内閣提出、環境基本法案、環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び馬場昇君外二名提出、環境基本法案の各案を一括して議題といたします。  順次趣旨の説明を聴取いたします。林環境庁長官。     —————————————  環境基本法案  環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関   する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

林大幹自由民主党環境庁長官

○林(大)国務大臣 ただいま議題となりました環境基本法案及び環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容の概要を御説明申し上げます。  今日の環境問題は、地球環境という空間的広がりと、将来の世代にわたる影響という時間的な広がりとを持つ問題となっております。環境問題は、二十一世紀に向けて真に豊かさとゆとりを実感できる社会の形成を目指す我が国にとって、重要な政策課題であるばかりでなく、人類の生存基盤としての有限な環境を守り、次の世代へと引き継いでいくという、人類共通の課題でもあります。  我が国では、かつて経済の高度成長期において、環境汚染や自然破壊が大きな社会問題となり、これに対処するため、昭和四十二年の公害対策基本法の制定どこれに引き続く昭和四十五年の公害関係十四法の制定または改正、昭和四十七年の自然環境保全法の制定等により、鋭意対策の推進を図ってまいりましたが、これらに基づく対策の推進及び国民や企業の努力によって、激甚な公害の克服やすぐれた自然環境の保全については、相当な成果を上げてまいりました。  しかし、その後の経済的発展の中で、物質的にはより豊かになったものの、大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会経済活動が定着するとともに、人口や社会経済活動の都市への集中が一層進んでおり、そのような中で、大都市における大気汚染や生活排水による水質汚濁等の都市・生活型公害等の改善は依然として進まず、また、廃棄物の量の増大等による環境への負荷は高まっており、さらに、身近な自然が減少を続けている一方、人と環境とのきずなを強める自然との触れ合いを大切にする国民の欲求が高まりを見せております。  また、地球温暖化やオゾン層の破壊、海洋汚染、野生生物の種の減少など、地球的規模で対応すべき地球環境問題が生じ、人類の生存の基盤であるかけがえのない地球環境が損なわれるおそれが生じてきております。昨年六月に世界の国々の首脳が集まって開催された地球サミットの成果も踏まえ、我が国としても、積極的に取り組んでいく必要があります。  環境は生態系の微妙な均衡によって成り立っている有限なものであり、人類は、このような環境をその生存の基盤として将来の世代をも含めて共有しており、また、環境から多くの恩恵を受けるとともに、環境にさまざまな影響を及ぼしながら活動しています。このため、広く国民、ひいては人類が、環境の恵沢を享受するとともに、将来の世代に健全で恵み豊かな環境を継承することができるよう、適切にその保全を図らなければなりません。  今やこの環境を保全していくためには、環境の保全上の支障が生じないように科学的知見を充実して未然防止を図るとともに、国民一人一人が、環境への負荷が人のさまざまな活動から生じていることを認識し、すべての者の公平な役割分担のもとに、自主的かつ積極的に、経済社会システムのあり方や生活様式の見直しを行い、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会を構築することが求められています。  また、地球環境保全が人類共通の課題であるとともに国民の健康で文化的な生活を将来にわたって確保する上での課題であること及び我が国の経済社会が国際社会と密接な相互依存関係にあることにかんがみれば、我が国は、その経験、能力等を踏まえ、世界の国々と手を携えて、地球環境保全に積極的に取り組んでいかなければなりません。  こうした状況を受け、環境の保全の基本的理念とこれに基づく基本的施策の総合的な枠組みを示す新しい基本法を国民的合意として定立するよう、ここに環境基本法案を提案することといたした次第であります。  次に、環境基本法案の内容の概要を御説明申し上げます。  第一に、環境の保全についての基本理念として、環境の恵沢の享受と継承等、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築等及び国際的協調による地球環境保全の積極的推進という三つの理念を定めるとともに、国、地方公共団体、事業者及び国民の環境の保全に係る責務を明らかにしております。  第二に、環境の保全に関する施策に関し、まず、施策の策定及び実施に係る指針を明示し、また、環境基本計画を定めて施策の大綱を国民の前に示すこととするとともに、環境基準、公害防止計画、国等の施策における環境配慮、環境影響評価の推進、環境の保全上の支障を防止するための規制の措置、環境の保全上の支障を防止するための経済的な助成または負担の措置、環境の保全に関する施設の整備その他の事業の推進、環境への負荷の低減に資する製品等の利用の促進、環境教育、民間の自発的な活動の促進、科学技術の振興、地球環境保全等に関する国際協力、費用負担及び財政措置など基本的な施策について規定しております。  第三に、国及び地方公共団体に環境審議会を設置すること等について規定しております。  次に、環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の内容の概要を御説明申し上げます。  この法律案は、ただいま御説明申し上げました環境基本法の施行に伴い、公害対策基本法を廃止するほか、自然環境保全法等の十八法律について規定の整備を行うとともに、所要の経過措置を定めるものであります。  以上が、これら二法律案の提案理由及びその内容の概要であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 次に、馬場昇君。     —————————————  環境基本法案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

馬場昇日本社会党・護憲民主連合

○馬場議員 ただいま議題となりました環境基本法案について、提案の理由及びその内容の概要について御説明いたします。  我が国は、一九六〇年代の高度成長政策以降、日常生活の質的な充実よりも生産力の更新と増大を優先させた結果として、日本列島各地に、例えば四日市ぜんそく、水俣病、イタイイタイ病、スモン薬害、カネミ油症、川崎公害など、激甚かつ悲惨な事件が続発し、公害先進国の汚名を世界にさらしたのであります。  私が生まれ育った地に発生した水俣病は、世界の公害の原点と言われていますが、公式発見から三十八年を経過した今日においても、いまだに救済されない被害患者が多く残されております。  その一方で近年、いわゆる都市公害が広がっており、自動車排ガスによる大気汚染、河川環境の悪化、まずい、危ない水道水、工場や産業廃棄物による地下水の汚染などが、各地に広がっているのであります。  今日の経済社会は、我が国の環境を汚染しているばかりではありません。日本は、既に世界第二位の生産力を持っておりますが、それは、世界じゅうの資源やエネルギーを輸入し消費する量が、世界一という事実と連動しております。加えて、世界各地に進出している企業や資本を通じても、日本は諸外国の環境に対して相当な負担をかけております。つまり、既に日本は地球規模での環境影響大国の座を占めていると言わなければなりません。したがって、熱帯林の減少や砂漠化の進行、地球の温暖化、動植物の種の減少、オゾン層の破壊、海洋の汚染といった地球環境の危機的な状況に対して、諸外国にも増して重大な責任を果たさなければなりません。  日本社会党がここに提案いたしました環境基本法案は、以上のような内外の状況に対応できるよう、現行の公害対策基本法を本案に切りかえるとともに、自然環境保全法その他の改正を前提といたしました。またそれは、まずみずからの経済社会を改革するとともに、地球市民と協力して、地球の豊かな生命保存機能を未来に引き継ぐための環境憲法というべきものであります。さらにそれは、一九九二年の地球サミットの宣言の趣旨に忠実な国際貢献宣言というべきものであります。  次に、我が党案の内容について、政府案と重複している点や類似している事項を除き、政府案よりも数段すぐれている独自の内容について簡潔に説明したいと思います。  本案の基本理念としては、第一に、環境のもたらす恵沢を等しく分かち合うことは、現在及び将来にわたって、すべての人間にとっての基本的人権であること、第二に、自国の中だけでなく、我が国の企業を含めたあらゆる活動が、国の内外において環境の保全に貢献しなければならないこと、第三に、人類は自然生態系の一部であるとの視点から、自然生態系及び生物多様性を守られるようにすること、以上三つを掲げております。  また、施策の基本的な原則として、一つには環境の保全を優先させる経済社会への転換、二つには国際協力の推進、三つには軍備縮小と平和の実現、四つには住民と地方公共団体の重視、五つには最高水準の規制、以上の五点を明らかにいたしております。  次に、環境の保全に関する基本的な施策について申し上げます。  まず、環境基本計画についてであります。例えば経済計画、全国総合開発計画、公共投資基本計画といった環境基本計画以外の国の計画が、環境保全に関しては環境基本計画を基本とすることとし、さらに政府は環境基本計画の実施計画をも定めなければならないことといたしました。なお、これら計画の中心的な目標となる環境基準については、政府案は現行どおり単に行政の努力目標としているのに対し、環境基準が「確保されるようにするものとする。」として、その実現のための政府の責務をより明確にいたしております。  第二に、環境アセスメントについては、国が環境アセスメントの「制度を確立するため、必要な措置を講ずる」とし、法制化を当然とした内容にするとともに、住民の意見が反映される手続を含むものとしなければならないことを明記いたしました。  第三に、情報公開義務についてであります。政府案では、情報公開は国の努力義務にすぎないばかりでなく、「教育及び学習の振興並びに民間団体等が自発的に行う活動の促進に資するため」と限定していますが、本案は、そのように限定せずに公開義務を明記し、さらに進んで事業者に対しても情報を公開するように指導することといたしております。  第四に、新たな経済指標、いわゆるグリーンGNPの開発について、政府案では科学技術の振興の一環として位置づけられているだけでありますが、本案では国がその開発を推進するとともに、経済政策の企画立案にそれを活用することといたしております。  第五に、住民と自治体の主体性を基本に据える立場から、あえて「住民と地方公共団体の重視」という条文を設けるとともに、法令で特に定めがなければ、条例でいわゆる上乗せ、横出しができるようにいたしております。  次に、農林漁業を環境保全と調和したものにしようということであります。もともとこれらの生産活動は、自然界の生態系を維持し、保全する多面的な機能を持っています。例えば林野庁が先日発表した林業白書によると、森林の持つ公益機能だけでも、水資源涵養や大気浄化など、金額に換算すると、九二年時点で国の予算の約半分、三十九兆円と推計されています。本案は、農林漁業の持つ環境保全を初めとした公益機能をさらに強化・拡大することによって、環境保全型の農林漁業を確立する政策方向を明らかに示しております。  以上のほか、政府案に見られない施策の内容としては、核兵器等の解体等への国際協力、有害化学物質の規制制度、水道水源の水質保全、アイヌ民族の生活基盤としての自然環境の保全、廃棄物の国内処理、原子力発電からの脱却、交通体系の再編成などを明らかにいたしております。  以上が本案の提案理由と内容の概要でありますが、最後に、いまだ病苦と闘う各地の公害患者のみならず、汚されていくこの自然と地球に対して、その痛ましさを感じ取れる心を持つことを、政・官・財の首脳並びに国民各位に強く訴えて、終わりたいと思います。  慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。  以上です。

原田昇左右自由民主党

○原田委員長 これにて各案の趣旨の説明は終わりました。  次回は、来る二十三日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時十九分散会      ————◇—————

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