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126回国会衆議院1993/02/23

科学技術委員会 第3号

発言数
174
登壇者
30
会派数
4
開催日
1993/02/23

会議録

小澤潔自由民主党

○小澤委員長 これより会議を開きます。  科学技術振興の基本施策に関する件について調査を進めます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本件調査のため、本日、参考人として住宅・都市整備公団理事鈴木政徳君の出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小澤潔自由民主党

○小澤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――

小澤潔自由民主党

○小澤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹内猛君。

竹内猛日本社会党・護憲民主連合

○竹内(猛)委員 私は、先般の長官の所信表明に関連をして若干の質問をいたしたいと思いますが、中心として筑波研究学園都市の研究体制、あるいはその客観的な生活の状況等について質問をします。  研究学園都市は、昭和三十八年の九月に筑波研究学園都市建設が閣議で決定をされ、四十六年には建設促進の特別立法が制定をされました。以来二十四年を経過をした今日、概成から完成、そして最近では熟成という言葉が使われている。平成五年につくば市の人口が十五万人を超えましたけれども、この十年間くらい男性の方が女性よりも六千人多い。これがずっと続いている。なぜ一体ここに男性が女性よりも六千人多いのが持続をしているのか、これが問題なんです。このことについて、これは担当の長官からひとつお聞きをしたい。

中島衛自由民主党科学技術庁長官

○中島国務大臣 今竹内先生からお話がありましたように、筑波研究学園都市も年々充実をして、研究体制も整備されていい形になってきておると思います。  男性の方が女性よりも六千人多いがなぜかという質問でありますが、研究者の皆さん方は男の人が多いと思いますけれども、やはり家族で生活するとかいうような形にすれば男性と女性の数の差も相当近づいてくるのではないかと思います。単身で来ている方があるとか、そんなようなこともあるのではないかと想像をするわけであります。  これから科学技術庁の担当の者にそんなようなこともお聞きをいたしまして、竹内先生の質問に答えるようにしていきたいと思いますが、いろいろな意味で生活環境の整備をしていくということがそういうものの差を縮めていくことにつながるのではないか、私はそういうふうに考えております。

竹内猛日本社会党・護憲民主連合

○竹内(猛)委員 長官の言うことはそのとおりなんでして、研究者だけがそこに赴任をしてきて、単身赴任ですね。家族が一緒に住めない、そうして定年になれば帰っていく。そのほかにもまだたくさん問題がありますが、今言うことを満たすことによってこの問題が解決をするわけですけれども、次々と問題を提起をいたします。  つくば市は旧筑波町と大穂町、豊里町、矢田部町、桜村の五町村が合併をしたものであり、茎崎町を入れて現在十八万人くらいの人口になっています。これを二十二万人の人口を目標にしておりますけれども、それに比べるとまだかなり人口の到達率は少ない。そして、二千八百ヘクタールの山林と原野を開発をしてできたものでありますが、私は、その原野、山林、タヌキやキツネが出るころからこのところに関係をしておりまして、今日までのことをよく知っております。現在は住宅・都市整備公団ですけれども、当時は住宅公団がこれを開発をした。大変努力されたことをよく承知をしています。その関係者には敬意を表したいと思いますが、いずれにしても今日目的にかなり達していないという問題がありますから、この点を一つ一つ詰めていきたいと思っております。  まず問題の一つを提起しますが、この二千八百ヘクタールの開発地域は二種住宅地域になっている。ところが、従来の土地は一種ですね。ここに問題が生じました。特に万博のころに、二種の地域に公務員がなけなしの金で住宅を買ってそこに住む。ところが、その土地の所有者は高層ビルを建てる。そうして、その上の方からのぞき込んだりしてプライバシーの問題が起きたり、日照権やいろいろなことが起きて非常に困ったことがあります。  そのときに東大あるいは筑波大学の関係の学者に参加をしてもらい、県あるいは当時は村ですけれども、村からもそれぞれ専門家に来てもらったけれども、法律上解決がつかないと言っている。今日でもその問題は残っているのです。これは建設省の関係になる法律だと思いますけれども、建設省、これはどうされますか。

浅野宏建設省住宅局市街地建築課長

○浅野説明員 今先生の方から御質問がありましたのは中高層ビルの問題だと思いますけれども、周辺に低層住宅があって、そういう中に中高層の住宅等が建つ場合に、いわゆる日照問題ということでいろいろ社会問題になったときがございました。そういうものを受けまして、建設省といたしましては、建築基準法という法律の中に、昭和五十一年でございますけれども、日影規制というものを導入したところでございます。  基本的には、住居系地域を中心にいたしまして一定の日影の範囲に抑えていただくというような規制内容でございまして、具体的には、対象の区域でありますとか、あるいは規制の何時間以内に日影を抑えるというものにつきましては、基準法の中で幾つかメニューを用意いたしまして、それにつきまして条例で各地方公共団体の方で設定をしていただくというような手法で取り組んだところでございます。その後、一応この日影規制が導入されたことによりまして日照紛争等が相当程度解消したというふうに考えているところでございます。  また、実は昨年都市計画法と建築基準法の一部改正を行いまして、特に住居系用途地域につきましては、それまで三種類ということでございましたけれども、それを七種類ということで細分化をすることにいたしまして、現在この政令の策定作業中でございますけれども、住居地域の住環境の確保というような意味で、この新しい用途地域の指定がえを推進していきたいと考えているところでございます。  ただ、日照紛争につきましては、建築基準法に合っておっても、相隣関係の問題でトラブルが発生するということもございます。公法規制としてはなかなかそれ以上立ち入れないわけでございますが、最終的には民事上の解決をしていただくということになるわけでございますけれども、その前にできるだけ地方公共団体を通じまして、周辺住民の方と建築主との間で話し合いをしていただくというようなことで、極力円満に相隣関係がおさまるようなことを指導しているところでございます。

竹内猛日本社会党・護憲民主連合

○竹内(猛)委員 現在は地価が上がってしまって、公務員の給料並びに退職金、年金では土地が買えないということになっているから、そういう立場から住宅も余り建たないから、問題は鎮静をしていますがね。やがてまた政府の政策がよろしければ、また同じようなことが起こる可能性がないとは言えない。また、そのときには問題を提起しなければならない。そういうことが起こらないようにひとつ注意をしていただきたい。  次の問題は、あそこには一万人を超えるところの学者あるいはそれの援助をする者、多くの研究者が移転をされておりますけれども、その中で学研労協という関係の労働組合員が調査をしたもの、あるいは直研連という研究所の所長さんたちが集まって調査をしたもの、それからもう一つは、そこの一般の方々が調査をしたもの、世論調査をいろいろしております。  そういう世論調査の中から出てくる第一の問題は、これは昭和六十二年を一つのポイントにし、平成三年をとった場合に、交通問題に対する困ったということは非常にふえておりまして、交通については八六・六%。それから買い物に関する不便さというものを訴えるのが六六。パーセントにはそれぞれ違いがあるけれども、この二つは何としても抜きがたい、移転をされる方々の声ですね。そういうことになっている。  そういうような状態のときに、国立機関として社会的に、あるいは経済的に、国際的にそういうニーズに応じて、民間には期待できない基礎的な、先導的な研究をする大事な筑波研究学園を充実するためには、どうしても環境問題というものをひとつ整理をして、本当に安心をして研究ができるようにしなければならないということが一つの問題なんです。  それから、研究水準というものを高めていく、それを維持する、こういうこともまた一つの問題な点だと思います。そして、本都市におけるところの基礎研究というものに対する整備と拡充ということが非常に大事であり、研究に従事する学者、それに対して援助をする補助員、こういう人たちが生きがいを感じてそこで頑張れるような生活環境というものをつくっていくということが大事だと思いますね。そういう点について、これはひとつ科学技術庁の方からお答えをいただきたいと思うのです。つまり、そういう条件のもとでなお大事なことを進めるために必要な問題点についてです。

島弘志科学技術庁科学技術振興局長

○島(弘)政府委員 先生御指摘のように、国立研究機関等の国の研究機関というのは、基礎的、先導的な研究を一生懸命やりまして、国際公共財を生み出していく、そういうような役割を担っているわけで、解決しなければいけない問題というのは、今御指摘があったように支援者の問題あるいは研究施設の問題、研究費の問題、体制の問題等々いろいろあることは私どもも承知をいたしております。それぞれに私どももみずから採点をしてまだ百点というわけにはいきませんけれども、一歩一歩努力を重ねてまいりたい、このように考えております。

竹内猛日本社会党・護憲民主連合

○竹内(猛)委員 だんだん前の方へ進んでいくにつれてまた後ろへ戻ることもあるから、行ったり来たりしますけれども、これをひとつ御承知おき願いたい。  まず第一の問題としては、交通問題に入ります。交通問題においては、二つの問題があるのです。  まず首都圏ですね。東京及びその近隣と筑波との交通関係、これは今常磐新線をつくろうということで努力をしております。けれども、これができるというのはそう簡単ではない。したがって、交通は既存の常磐線を使う以外にはない。そして、その間に竹園から八重洲口まで高遠バスを使おうじゃないかということでありましたが、その高速バスが時間に間に合うように筑波から東京の方へ向かっためには、どうしても幾つかのところに渋滞が起こって、一定の会議には間に合わないから、したがって、土浦とか荒川沖とか牛久とか、そういうところから行かざるを得ないという形になる。したがって、高速道路というよりも、既存の常磐線の輸送力を強化してもらいたい。このことについては、昨日私は別に、地域の要求を背景にして、国会法七十五条の質問主意書を出しましたから、それについてはここで改めて答弁をいただかなくても結構ですけれども、もう一つそれに加えてないところがあります。  それは、六年前の万博のときに牛久と荒川沖の間に中央駅というのをつくって、臨時にそこに停車をして使ったところがある。そこは今住宅整備公団が手を入れて、そして都市づくりをしていますね。あそこを駅として開発してもらいたい。これは、首都圏との間において通ずる非常に大事な場所になるであろう、こういうふうに地元から言っておりますし、私もそうだと思いますけれども、これは運輸省、いかがですか。

安富正文運輸省鉄道局都市鉄道課長

○安富説明員 先生御指摘の牛久北部地区の新駅設置の話につきましては、我々も地元の方から要望が強いということをよく承知しております。現在、JR東日本の方で地元それから住都公団といろいろ検討しておるというふうに聞いておりますけれども、新駅設置に当たりましては、基本的に新しい駅をつくるわけですので、地元の協力が必要だということが第一点でございます。  それから第二点としましては、新駅設置に伴う費用がございますが、その新駅に伴う旅客収入でその費用が賄えるかどうかということがございます。さらには既存の列車ダイヤに影響を与えるかどうかとか、あるいは技術的に新駅をつくるだけの可能性があるかどうかといういろいろな観点から検討していく必要がございますが、我々としても、JR東日本で現在そういう趣旨の観点を含めまして検討していると聞いておりますので、今後JR東日本の方に適切に指導していきたいというふうに考えております。

竹内猛日本社会党・護憲民主連合

○竹内(猛)委員 これは、当初からもう既に道路もできているし、公団の方でも住宅建設をし、区画整理をしておりますから、やる意思があれば当然やれるということでありますから、しっかりひとつ実現をしてもらいたいということを要請をしたいと思うのです。  次の問題は、学園内部の問題なのです。  二千八百ヘクタールという細長い地域において、住宅と職場が分離をしていて、一カ所に公務員住宅というものが集中をしていて職場はまた離れているという形で、全体としては陸の孤島である、筑波学園都市は陸の孤島だ、こういうふうに言われている。だから、首都圏との関係も今のよう形で交通は容易じゃないけれども、中に至ってはバスが終わってしまったらどうにもならない。したがって、自家用車を動かすかあるいはタクシーを使うか、これ以外には交通の道はない。そういう中で循環バスを今まで動かしてきたけれども、最終はかなり早く切り上げてしまう。乗り手がいなければそうなってしまうけれども、だからといってそれじゃそれでいいのかというと、これは問題です、そういうことがある。  それから、バスの停留所についても、暗い、雨が降れば屋根がない、だから照明をつけてくれ、あるいは停留所をもう少しふやしてほしい、こういう要求が世論調査から出てくるわけです。それから、常磐線の発着とバスの運行というものの時間を合わせてもらいたい。これも世論調査から出てくることであります。なお、筑波研究学園と成田の空港との間にバス路線をつくって、あの辺の連絡をうまくしてもらいたいということもある。  たくさん要求がありますが、この点について関係者は聞いているかどうか。聞いているとしたら、それに対して今どういう答えをするか、この点について。

春田謙運輸省自動車交通局旅客課長

○春田説明員 今の御質問につきましてお答え申し上げたいと思いますが、今御指摘がありましたように、筑波学園都市は大変広大な面積を有しております。  その中でバスの輸送ということの御質問でございますが、実は筑波の学園都市、今お話しの中にもございましたように、自家用自動車の利用というのは非常に高こうございます。バスの利用が二%というような分担率にとどまっております。そういう中で、ここは関東鉄道という会社がバスを経営しておるわけでございますが、主なる路線というのは、最寄りの鉄道駅でございます土浦駅、荒川沖あるいは水海道、牛久、こういうような駅と筑波のセンターを結ぶという形の路線の構成になってございます。  そういった環境の中で、今御指摘の問題でございますが、循環バスという点につきましては、このような長大な割と長い路線が多い中で、もっと都市内の内々の地区相互間の輸送というものに対応するようなサービスを充実すべきではないかというような御意見もいろいろいただいております。そういう中で、今、既存のバスの路線の運行頻度なりをどれだけ向上させていくのか、それから今お話しございました終バスにつきましては、現在土浦駅あるいは荒川沖におきましては、二十二時、夜の十時の時間で終バスということになってございますが、この時刻について延長ができないか、あるいは鉄道の駅のバスの発着時刻について、鉄道との乗り継ぎが便利な形での対応ができないか。それぞれ関東鉄道、バス会社でございますが、そこにおきまして従前から利用状況に応じた対応をしてきておるところではございますが、さらに今学園都市は非常に発展をしている過程でございます。利用状況についてもいろいろな御意見をいただいております用地元の公共団体あるいは公団、そういった関係の皆様とも相談をしながら、バス事業者としても対応していくということでございます。私どもも、これにつきましては十分な対応が行われるように取り組みをしてまいりたいと思っております。  それから、停留所の夜間照明あるいは上屋の整備ということでございますが、いわゆる停留所の夜間照明につきましては、土浦駅、荒川沖、牛久というような駅につきましては電照式、いわゆる明かりの中に組み込まれました施設でございますが、そのほかの場所につきましては、そういった照明がないという現状でございます。これにつきましても、逐次利用実態に応じまして整備が進むように取り組んでまいりたいというように考えております。  それから、成田との間でのバスの連絡の点でございます。この点につきましては、今の関東鉄道あるいは東京空港交通、こういった会社で成田との直通のバス路線の営業が可能であるかどうかというようなことについてかつて調査された経緯もございます。まだ必ずしも需要の面で多いとは言えない状況ということもございまして、事業者におきましてはその辺の実態もよく見ながら対応していきたい、こういう状況でございます。  私どもも、このような取り組みにつきまして、地元の要望等を踏まえまして十分な対応が行われるように取り組んでまいりたいというように考えております。

竹内猛日本社会党・護憲民主連合

○竹内(猛)委員 次に、これも建設省になりますか、車庫法ができました。従来は、高層ビルの中のマイカー、今マイカーが多いという話があったが、それが道路のわきの方にかなり並べてあったけれども、今度はそれができない。そうなると、どうしても車庫を持たなければならない。さあどうするかということで、この車庫問題というのは最大の課題になっている。それから、自転車が多いんです。その自転車については、これはどこが担当するかわかりませんが、自転車の問題がある。それから、暴走族がこのごろたむろして、何とか暴走族を始末してもらわなかったらどうにもならない。特に研究者の頭を暴走族が乱してしまっている。きょうは別に警察庁を呼んでいるわけではないから、ひとつつないでもらわなければならないが、この三つについて。

浅野宏建設省住宅局市街地建築課長

○浅野説明員 それでは、私の方で建築基準法の関係で、車庫になりますいわゆる駐車場というものの規制を一定の程度やってございます。これは用途地域によりましていろいろ規制の内容が違うわけでございますけれども、例えば現在ですと、第一種住居専用地域という低層戸建て地域の住環境を保全するというような趣旨の用途地域でございますと、いわゆる独立した車庫なる駐車場は禁止をいたしてございます。しかしながら、戸建て住宅にお住まいの方の車庫は当然必要になろうということでございますので、附属の車庫につきましては、現在は三百平米以内は許容できるという形でございますから、附属の場合等ですとかなりできるということにしてございます。  第二種住居専用地域等でございますと、独立車庫は五十平米以内、附属ですと千五百平米以内ということで、マンション等ですと建築物として駐車場を整備する場合、一定程度のものができるようにしてございます。これは建築物の観点でございますので、いわゆる青空駐車場等は建築基準法の規制対象外ということで、いわばフリーということになっていると思います。先般の建築基準法の一部改正によりまして、モータリゼーションで対応して一部規制緩和ということで、独立車庫につきましても、例えば第二種住居専用地域では五十平米から三百平米までできるようにしようということで改正いたしました。また、附属車庫につきましても、現在政令で緩和の方向で検討中でございます。  そういう意味では、建築基準法の中で住環境と車の問題を折り合いをつけながら、一定程度規制緩和の方向で現在は動いておるというような状況でございます。

竹内猛日本社会党・護憲民主連合

○竹内(猛)委員 あとの二つの問題、これは大都市圏の方にひとつ要請をして、この自転車と暴走族の問題については十分に関係者と連絡をとって……。  それから、もう一つの問題が要請がありますね。それはどういうことかというと、公務員の住宅が既に二十年ぐらいたったのがある。かなり傷んでいますね。壁が落ちている。そういう点があって、これを修理してもらいたいという声が非常に強い。それから、女子の単身赴任者がいて、これについても配慮を求めています。世論調査ですから、そういうのがずっと出てくるわけですから、ぜひということ。  それから次の問題が、国家公務員共済病院をつくってもらいたいということを私は前から要望してきた。ところが、それはなかなかできないという形で筑波メディカルセンターということになっておるのですけれども、医療機関というのは人間が住んでいるところからはるかに離れた遠いところにある。その病院に行くためには物すごい車代がかかるという形ですから、どうしてもやはり国家公務員共済病院というのはつくらなければならないと思うのですけれども、これもきょうの回答ということにはならないと思いますから、要請だけはしておきたい。  あと大事なことが次にありますから、それを申し上げたいと思う。  やはり単身赴任をしなければならないということについては、幾つかの理由がありますね。第一は、奥さんの仕事がないということです。御婦人が立派な仕事を持っている、能力を持っていながら学園の中には働く場所がない。したがって、従来の仕事場に行かなければならないということがある。それが一つ。それから、子弟を教育するのに、現在のような学歴、学閥の社会、いいか悪いか別だけれども、そうなっている。そのときに、あの周辺の高校というのはかなり内容が高いとは言えない。もともと農業高校から一般に移ってきたのが多いのですから、三つ四つの高校を除いては、高校だといって看板は高校だけれども、中身はかなり低いじゃないか、こういうふうに言われておりまして、そういう点でやはり高校に通われる子弟というのは、東京とかその他の近隣の方にいる。そうすると、一つの家が三つぐらいに分かれなければならないというわけですから、学校の問題が大きい。それから今度は定年で退職をされた場合に、その後の仕事がないわけですから、したがって公務員の宿舎は出なければならない。仕事がない。そこでやはりもとの住居に帰っていく、こういう形になる。  それには、あそこの地価が高過ぎる。地価が高いから、現在の地価では――宮澤総理は年収の五倍でマイホームが持てるようにということを盛んに言うけれども、とてもあそこで年収の五倍で土地が持てるように、住宅公団の理事もいらっしゃるけれども、そういうふうにはなっていない。高いですよ。それは公団が整地をして地主に返した土地というのは、今百万円以下の土地というのはないのだから。これもなかなか難しいということになると、よほどの人でない限りは学園の中には土地が持てない、こういうことになる。  そこで、まず第一に要請したいことは、若年の労働者というか職員ですね、この方々が東京にいれば当然夜間も大学に通ってしかるべき資格を得ることができる、向学心のある人は。ところが筑波にいる限りにおいては、そういうことは望んでもだめだ。したがって、勤務以外の時間というのはほとんどそういうことを考えることができない。それから、おやめになる定年の技術者や学者が働き場がないということにもなる。こういうことを考えると、やはりここには民間の私立の総合大学をつくらなければいけないということを私は前から主張してきたのです。  そして、予算委員会の分科会でも何回かやってきて、文部省の方では、条件が整えばあそこには大学をつくる余地はあるのだ、それは土地と学生とお金、この三つが整えばよろしい、こういうことを言われており、きょうはあえて文部省を呼ばないのは、そういうことが言われているから、あとはその三つの条件を整える。  そこで、国土庁にお伺いしたいのですが、移転すべき機関は全部移りましたか。

山中保教国土庁大都市圏整備局特別整備課長

○山中説明員 研究学園都市建設推進本部で決定をいたしました国等の試験研究・教育機関の移転あるいは新設につきましては、現在建設中でございます科学技術庁金属材料技術研究所本所の移転を除きまして、全機関の移転または新設が完了をいたしております。なお、一部の機関にございましては、当初予定をいたしております施設の一部につきまして、まだ整備に未着手のものがございます。  以上でございます。

竹内猛日本社会党・護憲民主連合

○竹内(猛)委員 移るものは移ったというのならば、それはそれで結構です。  そこで、日本住宅公団の方にちょっとお伺いするのですが、住宅公団は今まで大変努力をされてきたことは先ほど申し上げたとおりです。そこで、移るべきものが移った。にもかかわらず、まだ住宅公団が管理をしている土地があるはずなんです。去年のちょうど六月ごろでしたか、筑波の郵便局が、職員が倍になって駐車場がないということで、私は現地調査をして、公団から便宜を図ってもらって、あそこに駐車場をつくった。あのときにこういうことを要請したはずなんです。  今まで住宅公団が管理している土地については、これは住宅整備公団が管理している土地ですよ、そしてその使用目的はこれこれこれなんだ、そういうことを看板を出してもらいたい。ところが、どうも見渡す限りそういうことはされていないのですよ。これは国会の要請に対する違反なんだ。だけれども、いろいろすると確かに公団の管理地だと言われていますよね。それから、この広い土地が現在もかなりあいているところがあるから、ああいうところを何とかしてもらいたいという声がある。そのことについて一つの理屈を言っている人がいるのですね。  どういう理屈かというと、今から二十数年前に三百坪を四十万円で買い上げた土地が、今日地主さんに整地してお返しをした。これは減歩がありますからね。それにしても坪百万円というのは、大体相場。ところが竹園あたりの中心地になると、何百万というぐらいになっている。そうなると、それは開発利益というものがあるのじゃないか。そういう開発利益というのはどこへ行っちゃったのだということを言う人がいるのですね。だから、公団があっちの方にもこっちの方にも寄附をされていることは知っているし、努力もされていることも知っているし、下水道や上水道をつくり、いろいろなことをしたから地価が上がったこともわかっているが、それではこの三井センタービルの周辺ですね、ああいうようなところはもう何百万ということになっている。ああいうような利益というものについてどうしたかということは、同時に筑波新線の土地を提供する皆さんにも今精神的に非常に響いているのですね。だから、一遍所有権を渡してしまったら、何をされてももう文句の言いようがないのだと言うのですね。だから四、四方式とか二、二、四とかいろいろな方式のことを言っていますけれども、なかなか話が進まない。  そこで、やはり公団の皆さんに協力してもらいたいことは、持ち分があるとすれば、やはりこういった若い働き手にもお年寄りにも、それから家族にも非常に大事な大学をつくりたい。新治のソニー大学がだめになって、そして今あそこにある筑波情報科学専門学校を昇格をして総合大学にしたらいいじゃないかという話まで後ろでしているわけですから、ひとつ公団の方からこの辺のことについてちょっと説明をしてもらいたい、こう思います。

鈴木政徳住宅・都市整備公団理事

○鈴木参考人 何点が御指摘がございました。  まず御説明させていただきたいのは、公団が筑波研究学園都市の建設に携わっておりまして、全体で千七百十五ヘクタール所有しております、昨年末現在ですが。そのうち、既に国等の試験研究機関あるいは教育機関等に千六百二十六ヘクタール、全体の九五%ぐらいに該当いたしますが、それにつきましてはお渡しし、その利用に供されております。残る五%に当たります八十九ヘクタールがまだ未利用になっている土地ということで、未利用の土地があるわけでございます。  ただ、この未利用と申しますのも、例えば国の移転機関ですと、国土庁が中心になっております建設推進本部の方で移転機関の移転先については決定をされております。そのほか市役所用地であるとか小学校とか幼稚園とか、そういうものにつきましても地元の御要望を聞きながら大体計画を立てている。あるいは中心市街地には、今後町が熟成してくれば商業業務地域が必要であろう、住宅も当然必要だというようなことで、一応そういう利用計画を持っているところでございます。  ただ、そういうところに新たに大学を設置する必要が出てきてそういうものが設置できないかということになりますと、これは具体的に大学の必要性、それから大学の内容等を私どももお伺いいたしまして、国土庁あるいは地元等と連絡調整をとりながら、今後検討していくべき問題ではないかというふうに考えます。  それから、これは御指摘で御質問じゃなかったかもしれませんけれども、大変難しい問題で開発利益の問題がございます。私ども確かに安く買って、現在は地価が上がっているという現状もございますが、私ども事業手法といたしまして、新住宅市街地開発事業であるとかあるいは土地区画整理事業でやっておりまして、ほとんどの公共施設を整備して、それを原価ないしはいろいろ無償に近いような形で地方公共団体、地元にお渡ししているというような問題もございまして、なかなか――確かに一部時価で売ったところもございます。それは新住宅市街地開発法で、そこに住んだ方々が仕事もなくては困るというようなことから、特定業務施設というものを導入し、設置することができるようになっておりますが、そういう用地につきましては時価で売らなければ他と不公平になるということで、時価で売却しております。なるほど土地取得したときの値段に比べればそういうものは利益が上がっておりますが、そういうものは先ほど申しましたように、公共施設等の整備に充てているというようなことで、事業が終了したときには収支ちょうど合うようになるというような前提で事業を進めているところでございます。  また、昨年先生から御指摘されました、管理地ということは明確に表示すべきであるというふうに確かに御指摘をいただきまして、現在検討しております。ちょっとおくれてまことに申しわけございませんが、さらにこれにつきましては前向きで検討させていただきたいと思います。

竹内猛日本社会党・護憲民主連合

○竹内(猛)委員 今理事から話があったように、大学の話はソニー大学が白紙に返って、これは八百人ぐらいの規模でやろうとしたけれども、それはできなくなってきた。そうなると、やはり筑波に民間の総合大学をつくって文科系の学部を入れてやるために、これから私は帰ってからあの地域の人たちというよりは周辺の市長や何かと話をして行動を起こしますからね。公団の方でもそれを受け入れるようにひとつ腹構えをしてもらいたい、難しいけれども、それは要請します。  次に、研究体制の整備について一つ質問をしますが、研究体制の整備の中で、せっかくあれだけの広いところに立派な建物をつくって、研究施設をつくった。ところが研究者の中には、一般研究費、人当研究費、あるいは海外と必要な交流をするための出張の旅費、こういうようなものを含めて余りにも少な過ぎやしないか。多ければ多いほどいいけれども、やはり学園都市という世界に冠たるもので、しかも拠点をやるためにはどうも少ない。我々が何遍か何遍か言って一万か二万は上げてもらったけれども、それは少ない。その上に持ってきて、今度は研究者に対する助手、支援者といいますか、これも定員でどんどん削減するという。一生懸命集中して勉強し研究しているときに、学者がお茶酌みをやったり電話を聞いていたら、そういうことは中絶してしまう。こういうことは余りよろしくない。  けさも科学技術庁から援助法の説明を聞いたけれども、そういう話が出た。これは総務庁がやっているわけだけれども、どこへでもここへでも定数是正を持っていって言うということは適当じゃないじゃないか。やはり必要なところには必要な人間を配置して研究者を助けていかなければいけないという点では、これはいかがですか。

林幹雄総務庁行政管理局管理官

○林(幹)説明員 先生御指摘の点につきまして御説明いたします。  国家公務員の定員管理という点でございますけれども、その目的は、総数の膨張を抑制しつつ、行政需要の変化に対応して既定の定員を見直していくということでございますが、その適正な配置を図ることによりまして、国民から信頼される効率的な業務処理体制を確立しようということを目的としておるわけでございます。そういうことでございますので、あらゆる行政部門、職種を通じて社会経済情勢の変化等に対応いたしまして、政府みずからが常に既定定員を見直しまして、その合理化努力を行うということが当然必要となっておるわけでございます。  定員削減計画でございますが、それは不可欠な仕組みとして定員管理の中に導入されておるものでございますので、特定の部門、職種を対象外とするということは考えられないわけでございます。もちろん、定員削減計画の策定に当たりましては関係省庁と十分に御相談申し上げているわけでございまして、それぞれの業務の実態に応じまして、定員削減の難易度、それから定員事情などを十分考えに入れているところではございます。  それから一方、毎年の増員要求の審査に当たりましては、行政需要の変化に対応して、試験研究を行うという目的を十分に達成するために、これまた関係省庁と十分御相談いたしまして、試験研究機関ごとに研究業務の実態を見ながら必要な増員措置を行っておるわけでございます。  そういうことで、今後とも関係省庁と十分協議して、定員削減それから増員ということをやっていきたいと思っておりますので、何とぞ御理解を願いたいと思います。

竹内猛日本社会党・護憲民主連合

○竹内(猛)委員 研究学園都市というのを世界に冠たるものにしていこう、拠点にしようということであって、そのためには人間の面でも、それから予算の面でも、それから研究体制の面でもしっかり支えていかなきゃいけない。ところが、それがだんだん崩れていって、学者はいるけれども援助する補助員が減ってしまってなくなっていくということは、私は現場によく行きますからそういう声をあちこちから聞くのです。そうすると、これはやはり科学技術庁の責任でもあるんだな。親分、研究開発局長あたりがしっかりこれをやってもらわなくては困ることなんだね。  そういう点では、それは本当にこれからますます大事になってくるわけですから、シーリングでやたら切らないように、ひとつ支えるところは支えるし、切るものは切ればいい。余り言いたくはないけれども、平和の状態にあるときに数の多いのが、むだだとは言わないけれども多いのがありますよね。それならそういうのは減らしたらいいんだ。つまり自衛隊などというものはだんだん減らしたらいいじゃないか。そういうように予算を、あるいはそこに行っている人間でも、志ある者は回していくというような話をして、やったらいいじゃないですか。そして、本当に科学技術の国際貢献というものを日本は平和憲法のもとでやっていくのだ、こういう強い意志のもとに進めてもらいたいということを要望するし、なおこれで終わるわけじゃない、またこれからも事あるごとにこの問題は続けていきます。  時間もだんだん来ているようですから最後になりますが、筑波学園手当の問題について、これは実に問題の多いものですね。前々から移転手当というものがあって、私もこれについてはいろいろな調査もし、一役買ってきたこともありますが、現在一万二百十四名の職員がおります。その中で、移転手当というか手当をもらっている者が九千四百五十七名、全然もらわないのが七百五十七名いる。そしてしかも、一〇%もらっている者が六千九十四、五九・七%。八%もらっているのが千三百四、一二・八。五%が四百四十九、四・四。三%が千六百十、十五・八。ゼロが七百五十七、七%。  こういう実態を見たときに、同じ職場で同じ仕事をして、同じ食事をして、同じたばこを吸って、同じ酒を飲む。ところが、給料をもらったら差がついている。これはむちゃくちゃですよ、だれが考えたって。しかも、この髪もこんなに差がついている、一〇%からゼロまで。そしてしかも行(一)、行(二)というようなところは、どうも低い。除外をされている。中には、現地雇用だからそれはやむを得ないんだということで頑張ってきた人もいるけれども、現地であろうと二十余年たてばみんな一緒なんです。だから、仲間同士でこれはおもしろくない。今後は管理をする。管理と言ったら悪いけれども、上級にあっていろいろ仕事を統括する者からしてみたら、やはり職場がどうもおもしろくない。これでは本当にいい研究も何もできませんよ。  これは直さなければだめだ。人事院、どうしてもこれは直してもらわなければだめだ。そして、筑波手当にしなければいけない。東京にいればみんな一〇%ぐらいもらえるのでしょう。ところが、東京から移った人はそれをもらった、地元はゼロだ。また、ほかから移った者もそういうふうに差別をされちゃった。こんな差別のあることはないですよ。これを前に見たときに僕はびっくりしたよ、本当に。もう少しよくなっているかと思ったら、とんでもない話なんだ。これはだめだ。これを直さなければしょうがない。どうですか。

石橋純二人事院事務総局給与局給与第三課長

○石橋説明員 筑波研究学園都市の移転手当につきましては、先生大変お詳しいわけでございますけれども、御承知のとおり、本手当につきましては、首都圏における過密状態、人口の集中を緩和するために筑波研究学園都市をつくる、その移転を円滑化し、あるいは職員の移転を促進するために設けられた手当でございまして、基本はあくまで機関の移転に伴って異動しました職員の従前に支給されておりました調整手当の減収を防止する、いわば調整手当の異動保障期間を延長するような考え方、言葉をかえますと、調整手当相当的な手当を支給するという移転手当であったわけでございます。したがいまして、これは移転の目的を達成してまいりますれば基本的には収れんさせていく方向であるべきでございますし、移転職員以外については基本的には手当は支給しない、支給されない職員が生じるのもやむを得ないものであると考えております。  ただ、従来から、ただいま先生御指摘のような趣旨の要望もいろいろございました。大変強くございました。したがいまして、昭和六十一年の見直しの際には、それまで支給されておりませんでした職員のうち、相当程度の者につきまして、率は低いわけでございますけれども新たに支給の対象に加えたということもございます。  ただ、移転職員であるかどうかにかかわらず一律的に手当を支給するような方向につきましては、これは移転手当という給与法の法律の趣旨にそぐわない、適当ではないものであると考えておりまして、現在の取り扱い措置につきましてこれで足りているのではないかというぐあいに考えておるところでございます。

竹内猛日本社会党・護憲民主連合

○竹内(猛)委員 これは東京に住んでいる公務員と筑波に働いている公務員、さっきからも言っているように一軒の家庭が、筑波に単身赴任をする、奥さんは別なところで働く、お子さんはまた今までの学校に行く、三つくらいに分かれて生活をしている。これは大変金がかかるんだよ。それから世論調査にも出てきているように、交通と買い物が非常に、交通については八四%くらいでしょう。買い物についても六六%くらいが意見があると言っている。そうすると、金が余計かかるのですね筑波は、むしろ。  そういうところで手当がなくなってしまう。もう移ってから二十年近くの人たちがかなりいるんでしょう。そういう人たちにとっては、これは生活の一部なんだ。やがてそれをとってしまうなんということになったら、研究に対する熱意を失うわけだね。ほかに収入なんかないでしょう。これはないですよ。そういうことが一番問題なんだ。だから、精神的いら立ちというものは職場にあってもあるし、家に帰ればあるし、もうぬぐい切れないのですね。何とかこれは一律にこういう筑波手当という形で処理をする。これは大体東京では都市手当でしょう。地域手当になっているんでしょう、地域給みたいな地域手当に。そういうふうにしていかなきゃならない。  大変重大なことだから、ここで課長さんからよろしいと言うわけにはそれはいかぬだろう。いかないことはわかっていても、わかっていながらこれは言わなければならない。残念ですよ、本当に。悲しいですね。これでは本当の思い切った研究に打ち込むことができないという形になる。もう一遍それをひとつ聞かしてもらいたい。

石橋純二人事院事務総局給与局給与第三課長

○石橋説明員 筑波研究学園都市移転手当につきましては、前回の見直しの際に、これは昭和六十一年でございますけれども、この手当が先ほど申し上げましたように移転促進のためのものであるという性格にかんがみまして、基本的には収れんをさせるという考えから、前回の見直しから十年後の平成八年末までに改廃、すなわち改正、廃止の両面から改めて検討して所要の勧告を行う旨、これは給与法の附則第十二項に定められているところでございます。あと三、四年ほどあるわけでございますけれども、その間に筑波手当のあり方を検討するということが、この法律によって人事院に与えられている責務となっておるわけでございます。したがいまして、関係当事者の御意見等も伺いつつ、いろいろな角度から検討を行っていかなければならないと考えておりますけれども、先生御指摘の筑波手当化あるいは地域給化といいますか、そういうことももとより一つの御議論ではあろうとは思っております。  ただ、各方面からいろいろ要望もありまして、これを調整手当にできないかというようなこともありますけれども、調整手当という形で考えます場合には、また別の問題があるわけでございます。すなわち調整手当は、これも給与法の第十一条の三に規定されておりますけれども、民間賃金、物価、生計費の特に高い地域に支給される手当でありまして、この手当につきましては、人事院は平成元年に、非常に長い間手つかずに置かれておりました支給地域の抜本的な見直し、全国的かつ全般的な見直しを行ったわけでございます。  その際に、つくば市につきましても当然検討の対象に入っておったわけでありますけれども、当時賃金等の基準をクリアすることができませんで、引き続き不支給地域とされているわけでありまして、そういう経緯がありますことから、調整手当としての取り扱いについてもなかなか難しい面があるのではないかというぐあいに考えております。  ただ、いずれにしましても、移転促進のために設けられましたこの手当の今後の取り扱いにつきましては、昭和六十一年の見直しの際、その際も改廃を検討するということでございましたけれども、そのときと同様に、筑波地区の生活環境の状況であるとか研究機関の充実の状況、あるいは科学研究拠点としての筑波の役割、民間における賃金や生計費の状況等を踏まえまして、また関係当事者の御意見等も伺いつつ、平成八年の末までに改廃に関する結論を得るべく検討していきたいというぐあいに考えておるところでございます。

竹内猛日本社会党・護憲民主連合

○竹内(猛)委員 これは筑波という国際都市として、そしてまた科学技術の拠点地域として国が力を入れてつくった筑波研究学園都市ですから、これについては、地元にいるということだけではなくて、全国的に見てこれをしっかりしたものに築き上げていくということが政治の責任だろうと思うのですよ。そして、あそこに働く皆さんが生きがいと生涯をかけてそこで仕事ができるような、そういう鋭い、たくましい、立派な都市にしていかなければ、何だ給料もらったらまるきり隣と同じ仕事をしているのに違うじゃないか、これは本当にたまらない悲しみだよ。こういうことではいけない。  したがって、この問題は、人事院の問題はまた別のところでも質問をしていかなくちゃならない。本来なら、総裁に言うべきことですから。私は、予算委員会の委員でもあるから、予算委員会でも今の話も含めて話し合いをしたいと思いますし、それから公団の方には、大学の問題はきょう火ぶたを切っているのだから、やがてこれから燃え上がりますからね、燃えたらそれを消さないように、水をかけないように、花を吹かせてもらいたいということで、土地の問題についてはいろいろとまた相談に行きますから、これはぜひ若年の働く者、退職者、それから家庭、こういう三つ。  それから、地域を活性化する意味においても、総合大学というのは必要だ。これは文部省が認めているのだから、あとは地元がやる意思があるかないかということですから、地元はやる意思がある。ですから、そのことも含めて、きょうは時間が来たからこれで終わりますけれども、要請だけして、きょうは終わります。  どうもありがとうございました。

小澤潔自由民主党

○小澤委員長 川島實君。

川島實日本社会党・護憲民主連合

○川島委員 私は、現在議題となっております科学技術庁長官の所信表明及び本年度の政府予算に伴う次の事業について、以下お伺いをしていきたいと思います。  一つは地球環境保全について、二つは原子力発電の安全管理について、三つは新エネルギーの研究開発について、四つは省エネ対策とリサイクル事業について、以上四点の予算と事業規模、計画達成までの施策についてお尋ねをいたしたいと思います。  一九九三年度政府予算は、景気の低迷で政策経費である一般歳出の伸びが三二%と、前年度の四・五%を大幅に下回りました。このような中で科学技術、環境関連予算は、政府の研究開発予算早期倍増の方針や地球環境問題の深刻化などにより、五・四%の高い伸びとなったことは高く評価をしたいと思いますが、まだまだ十分なところまでとはいかない多くの課題が山積いたしております。  まず第一に、地球環境の保全について幾つかお尋ねをいたします。  政府は、本年度予算で、科学技術による国際社会の貢献対策として千二百七十八億を計上し、前年対比一三〇・八%と大幅な伸びを示しております用地球環境問題には、地球温暖化対策、オゾン層の破壊対策、酸性雨対策、熱帯林の減少、砂漠化対策、その他有害廃棄物の越境移動、海洋汚染、野生生物の種の減少、途上国の公害問題など、人類の未来に影響が心配されているところでございます。  政府は、さきにオゾン層の破壊の深化が激しいため、アメリカと一緒になって、一九九五年までに原因となっおります特定フロンの全廃に全力を挙げておると言われておりますが、現在はどのようになっているのか。五カ年短縮をした目標達成に行動計画は計画どおり進んでいるのかどうか、まずお伺いをしておきたいと思います。

西出徹雄通商産業省基礎産業局化学品安全課オゾン層保護対策室長

○西出説明員 ただいま先生から御質問のありましたオゾン層保護の関係でございますけれども、昨年の十一月、モントリオール議定書の第四回の締約国会議によりまして、これまでフロン、トリクロロエタンにつきましては二〇〇〇年あるいは二〇〇五年までに全廃ということでございましたけれども、これを一九九六年までに全廃ということで大幅に前倒しということになりました。  これに関しまして、私ども従来から、国内的にはオゾン層保護法に基づきまして、生産、消費の削減というのに努めてきたところでございますけれども、さらにこの需要の削減を推進するために啓蒙普及活動、あるいは具体的に各用途分野ごとの需要を削減するために、技術の指導ですとかマニュアルの作成ですとか、そういうことによりまして円滑な目標の達成ということに努めているところでございます。

川島實日本社会党・護憲民主連合

○川島委員 限られた時間であと質問がたくさんございます。皆さん方にあらかじめ質問内容についてもう言ってあるわけでございますので、ひとつ的確な御答弁をいただきたいと思います。  二〇〇五年までにアメリカと同じように特定フロンの全廃に向けてやる、こういう決意で進んでいるわけです。しかし、一般の中小企業の皆さんについては、フロンはなくなったけれども代替品は一向に出てこない。東南アジア諸国でも、日本がもっとこういう環境問題について指導をいただきたい、いろいろな声が上がっているのですが、一向に目に見えた形で進んでないので達成できるかどうか、達成できないとしたらどういう原因でできないのか、これを明らかにしていただきたいと思います。

西出徹雄通商産業省基礎産業局化学品安全課オゾン層保護対策室長

○西出説明員 今先生御指摘のように、代替フロンというような技術あるいは代替技術というような形で、オゾン層保護の規制に合わせた形で、現在規制の対象になっています物質の削減を円滑に進めていくということが重要でございます。  代替フロンにつきましては、開発普及をちょっと簡単に申し上げたいと思いますが、例えば冷媒に使われております代替フロンのHFC134a、あるいはHCFC22というようなもの、あるいは発泡用に用いられています141b、あるいは142bというものにつきましては、既に量産体制に入っております。したがって、これから需要が従来の特定フロンからこういった代替フロンにかわってくるのに合わせて生産能力の増強が行われてくるものと考えております。それからさらに、代替フロンの中でも発泡用、冷媒用に用いられる見通しとなっております123、あるいは洗浄用の225というようなものにつきましては、現在サンプル出荷の段階にございますけれども、これも需要の動向に合わせて生産が本格化されていくというふうに考えております。  さらに長期的には、こういう特定フロンの円滑な削減を進めていくという上で供給を円滑にするということが非常に大事でございますので、低利融資の制度を活用して、民間ベースでの代替フロンの開発あるいは生産の促進を進めているところでございます。  最後に一点加えますと、さらに長期的にはオゾン層を全く破壊しない、あるいは地球温暖化効果もないという次世代の新しい、いわゆる第三世代のフロンというのがございます。これにつきましては、平成二年度から新エネルギー・産業技術総合開発機構による補助事業といたしまして研究開発を進めでいるところでございます。

川島實日本社会党・護憲民主連合

○川島委員 現状についてお伺いをいたしました。目標までに達成ができるようにひとつ今後とも御努力をいただきたいと思います。  次に、気候変動条約に関して質問をさせていただきたいと思います。  この条約は、一時アメリカ等の反対がございまして、国連で日本も同調して、改めて少し条約変更をして締結をして、今国会で外務委員会にかかっている条約でございますが、地球温暖化の主原因でありますCO2の除去、このことについてどのような対策が現在とられておるのか。また、石油からのSO2、硫黄酸化物除去対策、それからNOx、窒素酸化物除去対策についてもあわせてお伺いをしておきたいと思います。     〔委員長退席、光武委員長代理着席〕

西尾哲茂環境庁企画調整局地球環境部環境保全対策課長

○西尾説明員 まず、気候変動枠組み条約の批准に向けての施策の準備状況というお尋ねでございます。  委員御指摘のとおり、昨年五月に採択されました地球サミットにおいて、我が国を含む百五十五カ国が署名いたしました気候変動枠組み条約、現在批准の準備を進めておるところでございますが、我が国としても本条約に基づく義務を的確に履行するということが大切でございます。  この点につきましては、既に平成二年十二月に温暖化対策の目標というものと、それに対しますいろいろな政策というものを掲げました地球温暖化防止行動計画と申しますものを地球環境保全に関する関係閣僚会議において決定しておるところでございます。この中には、二酸化炭素排出の少ない都市地域構造をつくっていきますとか、あるいは二酸化炭素排出の少ない交通体系をつくっていく、あるいは二酸化炭素排出の少ない生産構造やエネルギー供給構造をつくっていく、さらにはそういったライフスタイルを実現していくという多様な施策が盛り込まれておるところでございます。  私どもといたしましては、関係省庁と連携をいたしまして、この政策がきちんと進んでいきますように進めてまいりたいと考えておるところでございます。

川島實日本社会党・護憲民主連合

○川島委員 私ども見ておりまして端的に言えることは、例えば自動車の排気ガス、特にトラックのNOx等の排ガス対策というのは、ここずっと長年見ておりまして一向に進まない。各国道、一号線を初めほとんどの道路の真っ黒な状況を見ると、石油を使っている自動車の排ガス対策がおくれている。このことについて現在どういうふうになされておるのか。さらにまた電気自動車を普及するということで、この科学技術委員会でも昨年も検討させていただきました。平成四年度で千五百台、こういうふうに言われているわけです。民間もいろいろやっているようでございますけれども、これが増加をしないのは一体どこに原因があるのか、このことをお伺いしていきたいと思います。

西尾哲茂環境庁企画調整局地球環境部環境保全対策課長

○西尾説明員 大都市の窒素酸化物対策の点について、まずお答えを申し上げます。  私ども環境庁におきましては、大都市の窒素酸化物の改善、これは懸案の課題でございますので、昨年の通常国会におきまして、大都市の自動車から排出される窒素酸化物、特にトラック等の大型ディーゼルから出ます排出ガスを削減するための特別法案を提出させていただき、御成立をいただいたところでございます。目下、それの施行準備ということを一生懸命やっておるところでございます。この法律の成果も見ながら、大都市におきます自動車から排出される窒素酸化物の改善ということを図っていきたいというふうに考えておる次第でございます。  もちろん、この中には委員御指摘の電気自動車でございますとか、そのほか各般の自動車の総合的な対策が必要ではないかということもございまして、この法律の中にも、そういった各省の施策を進めていく基本方針というものを盛り込んでいただいておるところでございます。

林洋和通商産業省機械情報産業局自動車課長

○林(洋)説明員 先生御指摘になられました後半部分の電気自動車でございますが、私ども、電気自動車を初めとする低公害車の導入、普及は極めて大切な問題だというふうに認識しております。ただ、現状でやはり問題点がございまして、御承知のように電池の価格あるいは性能にかなり左右されるものですから、現状では通常車両の三倍ぐらいする、あるいは速度が出ない、航続距離が短い、それから電池の重量が大きいため積載重量が小さい、こういった問題点がございます。そのため、私どもやはり電池性能の向上が一番だということでございまして、通産省の中のニューサンシャイン計画というところで電池性能の向上の技術開発を行っております。また、商業化に向かっては各メーカーが研究開発をしておる。それから他方、やはり普及をする仕組みが大切だというふうに考えておりまして、電気自動車の導入に対して、自動車取得税とか自動車税とか、こういった税制上、あるいはリースの試用制度、こういったものを設けております。     〔光武委員長代理退席、委員長着席〕  さらに加えさせていただきますれば、この電気自動車の普及というのは、やはりメーカーとユーザーとそれからインフラでございます電気の供給、こういったメーカー、すなわち製造段階と利用者それからインフラ、この三者の情報交換が大切ではないかと思いまして、昨年の秋以降その三者の連絡会、フォーラムというのをつくって、例えばこういう分野で普及できるのではないかとか、ユーザーの立場から見るとこういうふうにしてもらいたいとか、こういうところにスタンドがあったらいいというような情報交換を積極的にやっておるところでございます。

川島實日本社会党・護憲民主連合

○川島委員 まず最初のトラックの排ガスについては、ひとつ早く施行計画をつくって実施に移していただきたいと思います。  電気自動車の件ですが、内部の電機労連の組合が発表しております表を見ますと、今あなたが答弁いたしました、電気自動車は充電器に非常にかかる、こういうふうにおっしゃいますけれども、車両に電気自動車は二百四十万、これに対して普通のガソリン車は八十万。充電器に二十六万ということで、あとは車両にかかるわけですよ。だから、たくさん発注を、二万台なり三万台発注をきちっとすれば、これが安くなればわずか二十六万の差だけなんですよ。維持費の関係は電池の交換に十二万かかることになっていますけれども、片方は燃料費が電気は非常に安いものですから、維持費の関係についてはガソリン車も電気自動車も両方変わらない形になっている。内部からこういうふうにきちっとデータが出ているわけでございますから、もう少し研究をしてもらって、しっかりこのことに取り組む姿勢を明らかにしておいていただきたいと思います。  次に、地球観測プラットフォーム技術衛星の打ち上げについてお伺いをさせていただきます。  熱帯雨林の破壊等、海洋観測等について宇宙ステーション、深海調査等に今回予算が組まれておるわけでございますが、どのような成果が期待をされるか、お伺いをしておきたいと思います。

石井敏弘科学技術庁研究開発局長

○石井政府委員 ただいまの御質問にお答えさせていただきます。  地球環境問題といいます場合、非常に広範な領域にわたって、炭酸ガスの動きの問題、あるいはオゾン層の破壊の状況の問題、各種のいろいろなデータを蓄積していくということが非常に重要なわけでございまして、先生御指摘の地球観測プラットフォーム技術衛星、これは平成七年度の冬季に打ち上げるということで現在開発を進めておりますが、このADEOSは、オゾン層の状況あるいは二酸化炭素の分布濃度等を地球規模で観測するということを目的といたしまして、現在その開発を進めておるところでございます。  また、熱帯降雨の広域観測ということにつきましては、熱帯降雨観測衛星TRMMというものを平成九年度の夏季に打ち上げるべく、五年度から新たに開発に着手いたしたところでございます。  このほか海洋分野につきましても、海洋が地球温暖化に果たすといいますか占める機能ということが非常に大きな問題でございます。したがいまして、海洋の観測というようなことも非常に重要なことになるわけでございまして、海洋センター等を中心といたしまして、各種の海洋観測技術の開発といったようなことを現在進めておるところでございます。

川島實日本社会党・護憲民主連合

○川島委員 今回の予算の中で、この海洋観測の中で、深海一万メーターまで調査をする船の建造が計画されているわけですが、話を聞きますと、一般のそういう深海調査船をつくるということです。しかし、一昨々年「むつ」の原子力船がいろいろ成功をして、大学の原子力の担当者から聞いた話によりますと、深海一万メータ一、そういうところは酸素を供給しなくて済むから、原子力エネルギーを使うことによって深海調査が非常に成功すると胸を張っておっしゃっていたわけでございますが、科学技術庁は、こうした「むつ」の成功だとか深海に対してのそういう調査の方向づけもしているのに、なぜそれらについての研究を進めていないのか、この辺のことについてお伺いをしておきたいと思います。

石井敏弘科学技術庁研究開発局長

○石井政府委員 ただいまの深海の問題につきましては、地球を知るという意味におきまして私ども非常に重要だ、かように考えておるところでございまして、従来から「しんかい二〇〇〇」あるいは「しんかい六五〇〇」というような開発を進めてきたところでございまして、さらに今現在鋭意開発を進めております「かいこう」という深海一万メートルにまで潜れる、これは無人でございますが、このようなものを開発いたしておるところでございます。このようなものは、深海底における地球物理学的な問題あるいは生物学的な問題といったような各種の成果が期待されるところでございます。  また、地球環境問題というものにつきましても、深海底におきましては、海洋の中の中層あるいは深層水には現在炭酸ガスが炭素換算で三十四兆トンも吸収されているのではないか、このようなことが言われておるわけでございまして、私どもこのような深海を観測する船を開発いたしまして、観測技術を開発してこのような問題にも積極的に対応していきたい、かように考えておるところでございます。  なお、御指摘の「むつ」との関連といったような意味での深海底のものということでございますが、私どもが開発を進めてきました「しんかい六五〇〇」あるいは深海の一方を潜る「かいこう」といったようなものは、自重、みずからの重さで沈んでいくというようなものを主体とした技術体系でございまして、潜ってから一部のそれなりの推進力を当然持たせておりますが、これは数時間の観測といったようなことでそんなに大きな推進力を必要としないというようなことで、原子力といったようなものを今の段階で使うというようなものではございません。

川島實日本社会党・護憲民主連合

○川島委員 私は指摘をいたしておりますのは、例えば「むつ」が反対の中で二十年もかかってようやく、多額な、六千億近いそうですが費用をかけながら成功した。科学者がみんな胸を張って、次の新しい人類のためになるものをやっていこう、それには「しんかい」のような調査船にはぜひこれが向いているんだというようなことも含めていろいろ発表されている。そういう気持ちを継続的に、税金を使っているわけですから、有効に使えるような研究開発が進んで当然だと思うわけでございます。  これらを含めて、今質疑の中でいろいろ議論をされました地球環境問題について、最後に科学技術庁長官から決意をひとつお伺いをしておきたいと思います。

中島衛自由民主党科学技術庁長官

○中島国務大臣 地球温暖化でありますとか、それからオゾン層の破壊、酸性雨などの地球環境問題は、かけがえのない地球を守り、人類の繁栄にとって欠かすことのできない良好な環境を維持していくための人類共通の課題でございます。先生から御指摘のありましたように、重要な課題だと思っております。世界有数の科学技術力を有するに至った我が国としては、国際貢献の観点からも積極的に取り組むべき重要課題と考えております。  このため、人工衛星などによる地球環境の観測、監視の充実、地球環境変動のメカニズムの解明等に積極的に取り組んでまいる所存でございます。さらに、温暖化の原因と言われる炭酸ガスを発生しない原子力の開発利用は、これも大事な問題でございまして、着実に推進をしてまいりたいと思います。  今後とも、科学技術を駆使して、地球環境問題の解決のために全力を尽くしてまいる所存であります。

川島實日本社会党・護憲民主連合

○川島委員 次に、原子力発電の安全性についてお尋ねをいたしたいと思います。  我が国の長期エネルギー需給見通しによると、国民が好むと好まざるとを問わず、原子力によるエネルギーの供給は、一九八九年が全体の八・九%に対し、二〇〇〇年は全体の一三・三%、二〇一〇年は全体の一六・九%の増加の見通しになっております。年々全体量がふえていっておりますが、その中の一〇〇%の割合で今言っているわけでございます。  このような今後のエネルギー事情を考えると、問題がいろいろあるにしろ、我々は地球に優しいクリーンなエネルギー政策を求めてやまないわけでございますけれども、現存する原子力発電の安全性について、常に問題になっております原子力施設による放射線がもたらす障害や災害の防止はどのように行われておるのか。さらにまた、事故につながる人為的なミスの防止、不安のない信頼性の高い管理、そういう運転が行われているかどうか、どのような対策がとられておるのか、ひとつお伺いをしておきたいと思います。

佐竹宏文科学技術庁原子力安全局長

○佐竹政府委員 原子力発電所につきましては、原子炉等規制法に基づきまして、設計、建設の段階で厳正な安全規制が実施されております。  まず、一次規制庁であります通産省が基本的設計につきまして十分審査を行います。その通産省の行った審査につきまして安全委員会がチェックをいたします。これを通称ダブルチェックと言っております。この段階で、通常時におきます原子力発電所からの放射能、放射線が人体に対しましては何ら影響を与えないこと、また万々が一の事故に対しましても、そういった放射線、放射能の流出が人体に多大の影響を与えないようなことをチェックいたしまして、行政庁に対して答申、行政庁はそれを許可するというふうなことになっております。  また、運転の段階におきましては、毎年一回、これは原子力発電所の場合は通産省でありますが、定期検査を実施しておりまして、こうして原子力発電所の運転の安全確保には万全を期している次第でございます。  したがいまして、また、これまで原子力発電所は我が国で相当長きにわたって運転を継続しておりますが、人体に影響を与えたような放射線、放射能の流出はまだ一度も経験をしていないところでございます。

川島實日本社会党・護憲民主連合

○川島委員 今日本の原子力発電所でいろいろミスといいますか、細管破裂とかいろいろありますのは、これはどういうふうに受けとめておるのですか。この件について再度お伺いをしておきたいと思います。

佐竹宏文科学技術庁原子力安全局長

○佐竹政府委員 お答えいたします。  古いものにつきましては、少し材料の選定に適切さを欠いたところがあったかと思われます。また、最近のものにおきましては、そういった古い原子炉のミスを十分に生かしまして、材料の選定には細心の注意を払っております。そしてまた古いものにつきましては、安全委員会あるいは通産省などでどのような対策を立てていくか、これは経年劣化対策ということでございますが、対策を立てておりまして、交換できるものについては交換といったようなことで、いずれにしろ、運転をしております原子力発電所の安全確保には万全を期していく方策で臨んでおります。

川島實日本社会党・護憲民主連合

○川島委員 次に、老化した悲常に古い原発の安全基準についてお伺いをしておきたいと思います。  我が国の最も古い原発は二十六年前につくられた日本原電の東海一号機、あと数年で三十年を超すことになるわけでございますが、今後これらの古い原発施設が次から次とふえていくわけでございます。このことについて政府はどのような安全対策を考えておるのか。特にこれは大臣にお伺いしておきたいと思いますが、今原子力発電所の耐用年数は三十年から四十年という考え方があるわけでございますけれども、今日の技術の発展に応じて、そういう今までのようないろいろな施設の事故が起こらないように、新しい設備、施策についての更新をしていくという考え方は我が党の中にも一部あるようでございますけれども、大臣としては、今後の原子力政策の中でそういう古い原発についてどのような対応をされるおつもりか、決意をお伺いしておきたいと思います。

中島衛自由民主党科学技術庁長官

○中島国務大臣 我が国の原子力発電所においては、故障を未然に防ぐことが重要であるという観点から、年一回定期検査を国が実施しているところであります。定期検査時あるいはそれ以外でも、必要に応じて部品、機械、機器等の補修、交換を行うこと等により安全確保に万全を期しているところでございます。さらに、技術の進展や経験の蓄積によって得られた知見の適切な反映に努力しているところでございます。先生のお話のありますように、我が国の既存の原子力発電所も二十数年を経過したものもあるわけでございまして、原子力発電所の安全性の確保には一層努力をいたしていかなければならないと思っておるところであります。  先生御指摘のとおり、原子力発電所の安全性の一層の向上は極めて重要な課題であると認識しておりますので、今後とも原子力の開発利用に当たっては、最新の知見を積極的に活用するなどにより、安全性の維持向上に一層努力をしてまいりたいというように考えております。

川島實日本社会党・護憲民主連合

○川島委員 次に、放射性廃棄物についてお尋ねをいたします。  原子力発電所から出る低レベル廃棄物の使用済みペーパータオルや作業着、洗浄水などをセメントで固めてドラム缶に詰められ、毎年二百リットルドラム缶で二万八千本廃棄物が出ております。九三年三月末で四十八万本がおのおのの発電所に貯蔵されておると言われております。ことしから青森県の六ケ所村の低レベル放射性廃棄物埋設センターに移されると聞いておるわけでございますけれども、この件についての安全性はどのようにとられておるのか。  さらに、二十六年の間こうした廃棄物の処理方法が、我々から見ておりましても一向に進んでない。昔からのやり方、ここにこそ本当に科学技術のメスを入れて、この四十八万本を貯蔵するということでなくて、もっともっとこれを少なくする方策というのはあるのじゃないかと思うわけでございますが、これらについてお伺いをしておきたいと思います。

石田寛人科学技術庁原子力局長

○石田政府委員 お答え申し上げます。  先生御指摘のとおりに、放射性廃棄物の処理及び処分に関する研究開発は非常に大事なことでございます。御承知のとおりに放射性廃棄物にはいろいろな種類があるわけでございまして、原子炉の中にそのものがありますために、それまで放射能を帯びていなかったものが中性子等によって放射能を帯びるようになる、そういうものもございます。それから、ウラン等が核分裂して出てきます核分裂生成物もございますし、あるいはこれらのものではなくても、そのものが表面に付着したりいたしまして汚れておる、そういうものもあるわけでございます。こういうものそれぞれに的確なる対応方策をつくるための研究開発は非常に大事でございます。  それで、今先生御指摘のとおりに、この分野は余り研究開発の進展がなかったのではないかという御指摘でございました。これは確かに非常に地味な分野でございますので、余り目立ったことはないわけでございますけれども、各原子力発電所あるいは研究施設等におきましては、少しでもいうところの減容と申しましょうか、今先生御指摘のように二百リットル入りのドラム缶に最後入れるわけでございますけれども、なるべく効果的、効率的にドラム缶に詰めることができるようにするということとか、あるいは全体そういう廃棄物を処理しますプロセスを合理化していくというようなことにつきましては、それぞれの事業所の現場では、地道ながらもいろいろな努力をしてきたところでございまして、かつ、数年前まではドラム缶にいたしまして三、四万本発生してきていたものが、今では二万本台になっている、そういうこともあるわけでございます。  そういうことも含めましていろいろ努力をしてきておるわけでございますが、今先生おっしゃいました青森県六ケ所村の低レベル放射性廃棄物埋設センターでございますけれども、これにつきましては、今冬電力会社の原子力発電所から低レベルの放射性廃棄物を受け入れつつあるわけでございまして、約三百年間の管理期間を設定しておるわけでございます。  先生今御指摘の点も踏まえながら、今後とも低レベルの放射性廃棄物のより一層合理的な処理あるいは処分の推進のために努力していきたい、かように考えているところでございます。

川島實日本社会党・護憲民主連合

○川島委員 低レベルだけでなくして、高レベル廃棄物は、ガラスに溶け込ませてステンレス製の容器の中でガラス固化体にした後、最終的には地下百メーターより深い地層に埋設する、こういうふうに聞いているわけです。この件についても安全性が問われるわけでございますが、これらについて科学技術の面からどのようなメスが今日まで入れられてきたのか、お伺いをしていきたいと思いますが、平成五年度の科学技術庁長官の所信表明の中に実はこの一番大事な放射性の廃棄物対策についての取り組みが触れられていないわけでございますが、長官の原子力政策についての所信を改めてお伺いをしておきたいと思います。

中島衛自由民主党科学技術庁長官

○中島国務大臣 エネルギー資源の約八割を海外からの輸入に依存し、今後とも着実なエネルギー需要の伸びが予想される我が国においては、エネルギーの安定供給を確保することが重要であります。このため、エネルギー需要を抑制するとともに石油代替エネルギーの開発導入に努力することが必要であります。特に総発電電力量の約三割を賄い、国民生活に不可欠なエネルギー源である原子力は、供給安定性、経済性にすぐれるとともに二酸化炭素等を発生しないことから、地球環境問題の解決においても重要な役割を果たすことが期待されております。  今先生が御指摘のありました放射性廃棄物対策は、極めて重要であります。所信表明においては、核燃料サイクルの確立という文章で表現をしてありますけれども、核燃料サイクルを確立するためには、やはり廃棄物対策がきちんとしていないと核燃料サイクルが確立しないわけでありまして、極めて重要なものだと思います。はっきりとした書き方をしなくで申しわけなかったと思いますが、原子力開発利用を円滑に推進する上で極めて重要な問題と認識をいたしております。  今後とも安全の確保に最大限の努力を払いながら、国民の皆様方の理解と協力を得て、放射性廃棄物対策を含め原子力の開発利用を着実に推進してまいりたいと思っております。

川島實日本社会党・護憲民主連合

○川島委員 次に、核燃料のサイクル施設についてお伺いをいたします。  我が党は、サイクル施設の建設には反対をいたしておりますけれども、原子力発電の使用済み燃料から燃え残りウランとプルトニウムを取り出して再び燃料として使えるようにする再処理工場が着工すると聞いております。いつごろ完成をするのか。安全性は保たれておるのかどうか。現在イギリスやフランスに委託をして再処理を頼んでおるわけでございますが、これをやめると、我が国としてはどのくらいのウランの量をお願いすることが助かって、金額的にどのくらい使わずに済むか、このことについでお伺いをしておきたいと思いますし、回収ウランによる資源の確保、こういう観点から見てどういう位置づけになるのか、見通し等についてもお伺いをしておきたいと思います。

石田寛人科学技術庁原子力局長

○石田政府委員 お答え申し上げます。  現在青森県の六ケ所村で進められております核燃料サイクル施設の計画、特にその中での使用済み燃料再処理工場の計画は、我が国の自主的な核燃料サイクルの確立という観点から極めて重要なものであるというふうに認識しているところでございます。  この再処理施設につきましては、昨年の十二月の二十四日に事業の指定、平たく申しますと許可みたいなものと申し上げてよろしいかと思いますが、事業の指定が行われたところでございまして、ここに至るまでには事業者あるいは地元関係者がそれぞれ最善の御努力をなされまして、また事業指定に至るまでの安全審査等につきましても、科学技術庁、これは主として原子力安全局及び原子力安全委員会等におきまして専門的立場から検討が尽くされ、その安全性を確認しながらやってきたというところでございます。当庁といたしましては、今後とも安全確保を大前提に、地元の皆様方の御理解と御協力をいただきながら、この計画が円滑に進められるように努力していきたいというふうに思っております。  今後の計画でございますけれども、事業者は、西暦二〇〇〇年の操業開始を目指しまして、現在鋭意準備を進めておるところということでございます。  それで、お尋ねのイギリス、フランスヘの再処理委託をもしもやめた、こういたしますと一体どういうことになるかということであるわけでございます。これは非常にお答え申し上げるのが難しい御質問でございまして、やや苦労するわけでございますが、若干量的な関係を申し上げますと、これまで我が国の電気事業者は、イギリス及びフランスに対しまして約五千六百トンの軽水炉からの使用済み燃料の再処理委託契約を締結しておるところでございます。  なおこのほかに、イギリスにはガス炉用のものがございますけれども、ガス炉は若干別のものでございますから、ガス炉につきましてはコメントせずに、我が国の原子力発電所の一基を除きましてはほとんどすべてを占めております軽水炉について申し上げますと、約五千六百トンの再処理契約があるということでございます。この五千六百トンのうち、これまでイギリス及びフランスに対しまして、軽水炉からの使用済み燃料を両方合わせまして約四千五百トンを運び出しておるということになっておるわけでございます。したがいまして、今後これから我が国から英仏に搬出されるであろうものは残り一千百トンということになるわけでございます。もちろんフランス、イギリスに着いておりますものも一部は再処理され、一部は再処理されていない。特にイギリスは、まだTHORPの再処理工場が稼働いたしておりませんので再処理はしてないわけでございますけれども、イギリス、フランスに持ち込んだものでフランスで再処理されているものもあればされていないものもある、イギリスのものは再処理されていない、そういう状態であるわけでございます。  それで、これから搬出すべきものを搬出をやめたといたしますと、全体一千百トンのものが余るわけでございまして、その分が一体どういう額になるかということになりますと、これは再処理契約の単価ということでございまして、これにつきましては、これまた別の委員会でいろいろな御議論があったところでございます。ちなみに動燃事業団の再処理料金、一トン当たり二億四千八百万という料金があるわけでございますが、それと一千百トンの掛け算という結果にもなるのかとも思われますけれども、これはまだいろいろなことがあるものですから、なかなかその辺、結果こうなりますと申し上げるのが難しゅうございます。ただ、そういうことになっていくということであるわけでございますけれども、その意味では具体的な数字を申し上げることにつきましては、なかなか難しいということを御了解賜りたいと思います。  なお、回収ウランによります資源の確保でございますけれども、御承知のとおりに使用済み燃料に残っておりますもの、大部分は回収ウラン、減損ウランと申し上げてよろしいのでしょうか、ごく平均的に申し上げまして、もともとスタートの三%程度の濃縮度のものから一%ぐらいまで落ちてきましたそういう減損ウラン、回収ウランでございます。これも天然ウランよりは燃料的には当然〇・七%よりも一%の方がウラン235の含有量が高いわけでございますから、その意味では非常に使い得る燃料というふうになるわけでございまして、これをむしろ再濃縮いたしましてさるに使う、そういうローテーションもあるわけでございまして、それらも含めまして全体使用済み燃料を再処理していくことの意義は極めて大きい、かように考えておるところでございます。

川島實日本社会党・護憲民主連合

○川島委員 次に、国際熱核融合実験炉計画の成功の見通しについてお尋ねをいたします。  本年度予算のうちで六十八億五千六百万が組まれておりますが、全体の予算規模、現状と今後の完成までの方針についてお伺いをしておきたいと思います。  核融合は、まだまだ開発の途上にあるエネルギー源と言われております。現在、ようやく科学研究の段階から技術開発の段階に入ろうとする状況とも言われておりますし、核融合の原理は通常のガスバーナーの原理とよく似ており、核融合燃料ガスを何億度という超高温に加熱して、核融合を起こす重水素と三重水素の混合ガスでDT核融合炉で燃やし、燃えかすは安全な元素とヘリウム、中性子であり、残留放射能も非常に低いと聞いておりますけれども、安全性や経済性はどのように違うのか、お伺いをいたします。  また、あわせて科学技術庁長官にもお伺いをしておきたいと思いますけれども、核融合研究開発に対する大臣としての取り組みについての決意のほどをお伺いをしておきたいと思います。

石田寛人科学技術庁原子力局長

○石田政府委員 まず初めに、先生の御質問の事実関係の方からお答えを申し上げます。  核融合に関します国際熱核融合実験炉、ITER計画でございますが、これにつきましては、今先生御指摘のありました平成五年度予算案の中に約六十八上八億円計上させていただいておるところであるわけでございます。  これは全体で幾らかかるのかということであるわけでございますが、現在御承知のようにこのITERはEDA、エンジニアリング・デザイン・アクティビティーズ、工学設計活動段階という段階にあるわけでございます。それで、この工学設計活動段階でこれは幾らかかるか。これは御承知のように日本だけではございませんで、アメリカ、EC、それからソ連であったわけですが、今はロシアと申し上げるべきだと思いますがロシア、それから日本と四極でこの全体の費用を分担するわけでございますけれども、このエンジニアリング・デサイン・アクティビティーズの段階で、基本的には工学研究開発といたしまして約七億五千万ドルというのがございます。それから設計活動といたしまして、ドルに直しますと約二億五千万ドルということになるわけでございまして、合計約十億ドル程度のものがこの工学設計活動。全体期間といたしましては約六年を予定しておるわけでございますけれども、それぐらいのものが要るということでございます。全体十億ドルのものをこれは四極で基本的には分担するという考え方で計画ができておるわけでございます。  ただ、その十億ドルを四分の一したもののほかに、国内では物理的ないろいろな研究開発、これはその十億ドル以外のものもあるわけでございますし、あるいは国内におきますいろいろな研究のためのインフラストラクチャーの整備みたいなことに努力もしなければいけないということになっておるわけでございます。  いずれにいたしましても、こういうことで現在ITERは工学設計活動段階にあるわけでございまして、これらにつきましてはこれからいよいよ本格化していくということであるわけでございます。  そこで、この核融合の安全性と経済性の話でございます。核融合の安全性につきましては、普通の原子力発電所、これは核分裂であるわけでございますが、それと違うところと申しますと、燃料を絶えず反応する部分、外から燃料を入れてやるということになっておるということでございまして、もしも異常が発生した場合におきましては、この燃料の供給をとめれば反応が速やかに停止するということである。なおかつ、制御が不可能になってしまうようなそういう反応促進のメカニズムがないということで、核融合炉は原理上は非常に高い固有の安全性を有しておると専門家は言っております。  また、先生もおっしゃいましたように、核融合反応の生成物は最終的にはヘリウム4でございまして、これは核分裂生成物と違いまして、放射性は持っていないということであるわけでございますが、もちろん中間段階でいろいろなものがございますので、これはまだそれらの問題もあるかもしれないということもございます。あるいは核融合炉は中性子密度が非常に高いということもございますので、それまで放射能を帯びていなかったものが、非常に密度の高い中性子によりまして放射能を帯びるに至るという問題ももちろんあるわけでございます。ただ、これにつきましては非常に慎重に材料を選べば対応できるということも言われておるわけでございます。  そういこともございまして、原理的には非常に高い安全性を目指し得る可能性があるということでございますけれども、何せ御承知のように今まだITERの工学設計活動をやっている最中でございますので、具体的なことはかなりこの先のことになろうかと思うわけでございます。  次に、経済性でございますけれども、これはもっと難しいわけでございまして、安全性につきましてもこういう状況であるわけでございます。経済性につきましては、これまた原理的には何と申しましても今先生おっしゃいましたような重水素、三重水素の融合によりましてエネルギーを出すわけでございますから、経済的になり得るポテンシャルは持っておるものと私どもは思っておりますけれども、一体どういうプロセスで、どういう格好で今のエネルギーコストに近づいてくるか、これらにつきましてはまだ相当これからいろいろな努力も必要でございますし、私どもいろいろな勉強もさせていただきたい、かように考えておるところでございます。

中島衛自由民主党科学技術庁長官

○中島国務大臣 核融合は、必要な燃料がほぼ無尽蔵に存在するほか、地球環境への影響等の面ですぐれた特徴を有しております。これが実用化された場合には、人類が恒久的なエネルギー源を確保することを可能とするものであると思います。我が国においては、昭和六十二年に日本原子力研究所の臨界プラズマ試験装置JT60により、原子力委員会が定めたプラズマ性能の目標領域に到達いたしました。引き続きプラズマ性能の一層の向上を目指した研究開発を推進しておるところでございます。  このような成果を踏まえまして昨年六月、原子力委員会は、実験炉による自己点火条件等の達成を目標とする第三段階の核融合研究開発基本計画を決定をいたしました。今後、我が国といたしては、平成三年五月に採択をされました本委員会の決議の趣旨を踏まえ、ITER計画に主体的、積極的に参加していきたいと思っております。来世紀半ば以降のエネルギー供給に貢献することを目指しまして、核融合の実用化に向け、長期的観点から計画的に研究開発に取り組んでまいるつもりでございます。

川島實日本社会党・護憲民主連合

○川島委員 次に、新エネルギー対策の予算と取り組み状況についてお尋ねをいたします。  地球環境を守るために窒素酸化物や二酸化炭素の発生をできる限り抑制するエネルギーが望まれるわけですが、天然ガスを利用するコンバインド・サイクル、LNG、コジェネレーション、燃料電池発電、ガス冷房、パイピング、メタノール等の発電の状況はどのような位置づけを持っておるのか、お伺いをいたしておきたいと思います。  政府が予定をいたしております二〇〇〇年、二〇一〇年の目標に対して、新エネルギーが占める割合は増加率が非常に少ないような受けとめ方を私はいたしておるわけでございまして、我が党は原子力にかわるこうした新エネルギーに対して、あと石炭の無公害化の利用だとか水力発電所の未利用エネルギーの活用だとか風力発電、高温岩体発電、地熱発電、このような形のものを幾つか提唱をして、研究開発にもっと力を入れろ、こう言っているわけでございます。  あと太陽光発電だとか大陽熱発電というクリーンな太陽エネルギーの熱利用をもっと積極的に取り入れるべきだ、こういうことも期待をしておるわけでございますが、これらについて今政府はどのような新エネルギーに対しての対応策をお持ちなのか、目標に対してどう進んでおるのか、わかりやすくひとつお答えをいただきたいと思います。

長田英機科学技術庁科学技術政策局長

○長田政府委員 それでは私の方から新エネルギーに関する研究開発の面を申し上げますと、エネルギーの研究開発につきましては、内閣総理大臣はエネルギー研究開発基本計画というのを定めておりまして、このもとで関係省庁が連携して積極的に研究開発をやっております。  本計画におきまして、いわゆる太陽エネルギー等の自然エネルギーの利用の拡大というようなこと、あるいは地熱、海洋、風力、バイオマス等々いろいろなエネルギーの利用拡大を目指した研究を推進しようというふうに規定しておりまして、この計画に沿って着実に研究開発を行っていきたいと思います。

森信昭通商産業省工業技術院総務部研究開発官

○森説明員 御説明いたします。  通産省といたしましては、昭和四十九年度から、先生御指摘のような自然エネルギーあるいは新エネルギーといったものに着目いたしまして、サンシャイン計画のもとに研究開発をこれまで実施してきております。  平成五年度からは、これまでのサンシャイン計画、あるいはムーンライト計画、あるいは地球環境技術といった三本柱でそれぞれ研究開発を進めてきておりましたものを、新しくニューサンシャイン計画という名のもとに一本化しまして、このニューサンシャイン計画のもとに、より一層総合的かつ加速的にこういったエネルギーの研究開発を実施してまいりたいというふうに考えております。

川島實日本社会党・護憲民主連合

○川島委員 新エネルギー対策として二〇〇〇年なり二〇一〇年に目標にしている五・何%ですか、非常に私どもは低いと言っているわけです。これに対して、現在行われている取り組みが非常に力足らずだと受けとめている。  例えば、四国の伊方発電所の太陽光を見さしていただきました。地熱発電所も見さしていただきました。おのおのの話を聞きますと、電力会社はもうこれが限界だという受けとめ方をしている。しかし一方では、岩体熱発電ですか、ああいう形でこれから我々が考えても発展しそうなものもあるわけですね。風力だって、水力とかみ合わせて、ダムを使って風のときだけ上に水を揚水してやっていくという方策もこれから考えられるだろうと思うわけです。いろいろな方策があるわけですが、これらに対しての具体的な取り組みが目標達成を上回ることができないかと問うているわけですが、これに対していかがでございますか。

藤野達夫資源エネルギー庁長官官房省エネルギー石油代替エネルギー対策課長

○藤野説明員 新エネルギーにつきましては、先ほど先生も一部数字を御紹介いただきましたけれども、平成二年十月の代替エネルギーの供給目標の中で、二〇〇〇年二・九%、それから二〇一〇年五・三%という目標を定めて、今技術開発を初めその導入の促進に努めているところでございます。  ただ、多くの新エネルギーにつきましては、例えば太陽光発電等につきましては、リニューアブルな、再生可能なエネルギーということで、それから資源の偏在がないエネルギーということ、それから地球環境の確保の観点から極めて有効ではございますけれども、現実には自然条件に左右される、あるいはエネルギーのあれが希薄であるとかということで、コスト的に導入するのはまだかなり問題がある状況でございまして、現時点では、近い将来においてエネルギー供給の大宗を占めるということはまだ困難な状況だと考えております。  こうした課題を克服するために、従来からサンシャイン計画等を通じてこうした新エネルギーの導入についての技術開発を進めますと同時に、モデル事業の推進等を行う、あるいは税制上の優遇措置を講ずるという形で導入促進策を行ってまいっているところでございます。さらに、昨年度から太陽光発電及び燃料電池につきましては、フィールドテスト事業というものを開始いたしまして、平成五年度予算案におきましても、その拡充を図って、太陽光発電の導入あるいは燃料電池の導入に向けた施策の拡充を行っているところでございます。  今後とも一層の技術開発により、コスト的な面での競争力の確保及び信頼性の向上を図るとともに、開発導入に向けて努力を続けてまいる所存でございます。

川島實日本社会党・護憲民主連合

○川島委員 もう時間がございませんので、省エネルギー対策については次回の二十五日にさせていただきますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。  最後に大臣にお伺いいたします。  今、新エネルギー対策についてお伺いをいたしておりまして、私ども見ておりますと、政府は原子力については非常に重点を置いているようですけれども、国民から見ても問題の多い原子力に対して、新エネルギーの開発についての力の注ぎ方というのは非常に低いような気がするわけでございます。現実的に平成五年度の予算でお示しいただければいいと思いますけれども、原子力対策費と新エネルギー対策費とどれだけ開きがあるのか、このことについてひとつお伺いをして、大臣の新エネルギーに対する決意、御所見をお伺いをして、質問を終わりたいと思います。

中島衛自由民主党科学技術庁長官

○中島国務大臣 先ほど政府委員からもお答えをいたしましたけれども、エネルギーの研究開発については、内閣総理大臣が定めたエネルギー研究開発基本計画に従いまして、関係省庁の連携のもとに研究開発を積極的に推進してきておるところでございます。  その計画の中では、原子力の開発利用のみならず、エネルギーの安定供給の確保及び地球環境問題への対応の観点から、太陽エネルギー等の自然エネルギーの利用の拡大を目指した研究開発を推進することとしておりまして、現在太陽エネルギー、地熱エネルギー、海洋エネルギー等の新エネルギーに関する研究開発が行われておるところでございます。  やはり将来は、クリーンなエネルギーの開発をやってそれらに頼るべきだと私は思いますし、今の石油を初めとする化石燃料のエネルギーからそれらのエネルギーにつなぐ間、原子力の利用ということもこれは大事なことだと思います。今は原子力の予算の方に配分の重点が行っておりますけれども、これから新エネルギーの開発の方にも力を入れていかなければならないというように考えておるところであります。政府としては、新エネルギーの重要性にかんがみまして、今後ともエネルギー研究開発基本計画に基づき、新エネルギーの研究開発を積極的に推進してまいりたいと思っております。

石田寛人科学技術庁原子力局長

○石田政府委員 先ほどの先生の御質問のうちで、答えておりませんところを一言答えさせていただきます。  「むつ」で得られた成果の深海底利用調査の件でございます。これにつきましては、現在日本原子力研究所におきまして、将来の舶用炉研究の一環といたしまして、深海潜水調査船を想定いたしました舶用炉の設計評価研究をやっておるということを御報告申し上げたいと思うわけでございます。  それから、原子力船「むつ」にこれまでかかった費用でございますけれども、これは平成三年度までに一千百億円強という、そういう数字になっておるわけでございます。  それから、例の再処理搬出物につきまして、やめたらという仮定の数字を申し上げました。これにつきましてはあくまで仮定の話でございまして、実際我が国の電気事業者にこれを聞いてみますと、再処理契約をやめるということは恐らく考えてない、全くそういうことは考えてないわけでございますけれども、たまたま仮定ということでお答えしたというふうに御理解賜りたいと思います。

川島實日本社会党・護憲民主連合

○川島委員 ありがとうございました。終わります。

小澤潔自由民主党

○小澤委員長 秋葉忠利君。

秋葉忠利日本社会党・護憲民主連合

○秋葉委員 先日の科学技術庁長官の所信表明、さらに我が国が直面する科学技術上の幾つかの問題について質問をしたいと思います。  最初に、大変僭越でございますけれども、実は我が党社会党ではシャドーキャビネットというものをつくっております。これは国の制度上認められたものではありませんけれども、その意図としては、政治の活性化といいますか、一つには政党間で政策の討論を行う、それもガラス張りの政治討論を行うことによって、最終的にはできるだけ正確に民意を反映した政治を行う、そういったことを目的としてシャドーキャビネットというものをつくっているんですけれども、偶然私がその科学技術担当ということになりました。我々の方は、いわば党内の一つの組織としてつくっているわけですから、公的な立場ではございませんけれども、ともかくせっかくこうした努力をしているわけですから、何とか積極的にこの制度を生かしていきたい、そういう気持ちも持っております。  我々の場合には、シャドーというのは影の内閣とかあるいは裏の内閣とかそういうことを言っているわけですけれども、その任務を果たすに当たって、実は表の、本物の正真正銘の科学技術庁長官、国務大臣に、我々のシャドーキャビネットとしてどんな勉強をしていったらいいのか、あるいはもう少し個人的な立場で申し上げれば、裏の長官から表の長官になるためにはどういう研さんを積んだらいいのかといったあたりを先輩として御教示いただければ大変ありがたいと思いますけれども、冒頭にそれを伺いたいと思います。ぜひこういうものを読めとかといったような必読書といったものでも結構ですし、あるいはこういった姿勢で政治を考えたり、あるいは科学技術政策について考えたらいいのじゃないかといったようなアドバイスでもモットーでも、どのような形でも結構なんですが、冒頭に当たってとりあえずお願いをしたいんですけれども、長官、お願いいたします。

中島衛自由民主党科学技術庁長官

○中島国務大臣 専門家の秋葉先生から非常に大事な質問をいただきました。  私は、昨年の十二月に科学技術庁長官に就任したばかりでありまして、今一生懸命勉強しておる最中でありますが、秋葉先生はずっとこの面での専門家でございまして、私より詳しいのではないかと思っておりますが、私どもも、これからの科学技術によって国際社会とか人類全体のために貢献していくということが、これからの科学技術政策の基本になるというように思っております。  科学技術会議の十八号答申を見ますと、「地球と調和した人類の共存」とか「知的ストックの拡大」とか「安心して暮らせる潤いのある社会の構築」とか書いてあります。政治は、当面の問題にも対応しなければなりませんけれども、十年、二十年後の我々の社会の発展、経済の発展をなすためには、今何をやっておかなければならないかというようなことを考えましたときに、科学技術の振興、科学技術政策の発展ということは非常に大事なことではないかというように考えております。今我々の生活があるのも、過去の科学技術の成果であるというように思っております。  私は、たまたま宮澤内閣の科学技術庁長官でありますが、このたび秋葉先生が社会党のシャドーキャビネットの科学技術庁長官に就任されましたことに対して、心から敬意を表し、また歓迎を申し上げたいと思います。  お互いに勉強をして、私どもは政策の直接の責任者でありますけれども、秋葉先生初め、社会党のシャドーキャビネットの大臣を初め担当の皆様方のいろいろな勉強の成果を委員会その他で御披露いただきまして、それらを私どもの政策の中に反映させていくことができれば、こんないいことはないわけでありまして、今後ともひとつ御協力をお願いいたしたいと思います。

秋葉忠利日本社会党・護憲民主連合

○秋葉委員 大変御親切な言葉をいただきまして、大変ありがとうございます。  今のお話の中でございました、これから十年先、二十年先、それ以上先の世界を頭に入れた上で科学技術政策が貢献をしていくのだ。そして今の私たちの生活も、実はこれまでの科学技術的な、またはそれ以外の努力の成果であるということを伺いまして、実はゴーガンの非常に有名な絵がありますけれども、私たちはどこから来て、今どこにいて、これからどこに行くのかという絵があることを思い出しました。  科学技術政策というのは、非常にテクニカルな分野だというふうに一般的には思われているわけですけれども、その根底には、一つには哲学といいますか、あるいはもう少し具体的な形では世界観といったものが必要だということを今痛感した次第ですが、それについても、実はせっかくシャドーキャビネットというようなものをつくっているわけですから、政府の政策に対して、あるいは政府の哲学に対して、私たち野党側もそれに対抗し得るような哲学や世界観をきちんと示した上で、では具体的にどういった政策を推進すべきなのか、そういったきちんと代案を示した上での討論をぜひしていきたいというふうに思っております。  また、そういった機会がマスコミ等を通じていろいろ設けられることを、私たちの方でも積極的にそういった機会をつくっていきたいというふうに思っておりますが、委員会の中では時間的な制約もございますので、きょうは幾つかの問題点について私の方で質問をするという形で、我が党並びに私が考えている科学技術政策、あるいはその根底にある物の考え方といったようなものを少しでも提示できれば幸いだというふうに思っております。ですから、私ども社会党の考え方については直接申し上げませんけれども、一つのたたき台としまして、出発点としては、これは去年出たものだと記憶していますけれども、科学技術会議が出した十八号答申、いわゆるそういうふうに言われている答申がございます。  今も、その目標について長官の方で触れられましたけれども、この十八号答申には三つの目標ということが設定されてあります。長官の所信表明演説の中でも、この三つの目標というものがその基本的な柱になっているというふうに演説を伺いました。その三つは、長官もおっしゃいました「地球と調和した人類の共存」、それが一つ。それから二番目が「知的ストックの拡大」。三番目が「安心して暮らせる潤いのある社会の構築」ということなんですが、この答申が出た際に、私たち社会党の科学技術委員何人かがこの答申について質問をいたしました。それから大体一年というふうに考えていいと思いますけれども、この三つの目標を達成するためにそれから一年いろいろな仕事が行われたというふうに思いますけれども、この三つの目標を達成するための具体的な研究課題、これがどういうものなのか例示的に挙げていただきたいと思いますのできれば、例えばこの目標のためにはこういうことをやっている、こういうことをやるとどういう理由でこの目標が達成できるんだという説明もつけていただければ大変ありがたいと思うのですけれども、まずその具体的な研究課題をお示しいただきたいと思います。

長田英機科学技術庁科学技術政策局長

○長田政府委員 科学技術会議の十八号答申において示されました今後の科学技術政策の目標、これを達成するための、先生今おっしゃいました当庁がやっております代表的な研究開発課題の例をお答えしたいと思います。  まず第一の目標は、「地球との調和を図りながら、人類が共存していけるよう」ということでございまして、例えば地球環境問題、エネルギー問題、食糧問題などを解決することということだと思いますが、このためには地球観測衛星の開発など地球科学技術の研究開発、あるいは例えば国際熱核融合実験炉、ITERでございますが、こういうような干不ルギー問題を解決するための計画への参加、こういうことが例で挙げられると思います。  第二番目の目標は、「知的ストックを拡大すること」ということでございまして、これは自発的で多様な基礎科学の一層の振興ということであると思いますが、このためには、例えば科学技術振興調整費の拡充とかあるいは創造科学技術推進制度、新技術事業団がやっておりますが、こういう制度の拡充、フロンティア研究の推進というような基礎研究を推進していく制度の充実を図ってきているということであります。  また第三の目標は、「安心して暮らせる潤いのある社会を構築すること」ということでございまして、このために生活者の立場を重視しながら、健康の維持増進、あるいは防災、安全、こういうような点が重点でございますけれども、具体的には、がん関連の研究とかあるいは地震予知関連の研究、こういうような分野について推進を行っている、そのようなことでございます。

秋葉忠利日本社会党・護憲民主連合

○秋葉委員 わかりました。  それで実は幾つかの例が挙がってきたわけですが、今お挙げになった各課題の中でもこれは起こることですし、それから今列挙された幾つかの項目同士で競合する場合もあるわけですけれども、こういった具体的な研究を実施するに当たって、当然有限の時間のうちに有限のお金を使ってやるわけですから競争が起こる、その配分をどうしても考えなくてはいけないという事態が出てくるわけです。実は、抽象的なレベルで科学技術政策を論じている、あるいは政策一般を論じている場合には、できるだけたくさんのものを羅列しておくということでも済むわけですけれども、具体的に実行するに当たってはどうしても優先順位をつけなくてはいけないということになります。  例えば今触れられたことの中で、ではどういうふうに優先順位をつけているのか。優先順位のつけ方といっても、いろいろなつけ方がございます。二つのものを比べてどっちか一つしかとれないとしたらどちらをとるのかといったような、いわばこれはオール・オア・ナッシングといいますか、すべてか無かといったような形での優先順位のつけ方もありますし、あるいは両方とも実行するんだけれども、片方に十の比重を置くとしたらもう片方は一ぐらいでいいんだよという優先順位のつけ方もあると思います。そういった基準、大まかで結構ですけれども、どういったような考え方で、どういった視点あるいは原理原則で、例えば今お出しになったような幾つかの課題についての優先順位をつけておられるのか、科学技術庁としての姿勢を伺いたいと思います。

長田英機科学技術庁科学技術政策局長

○長田政府委員 科学技術会議の十八号答申におきましては、今申し上げましたように三つの点が最初にございまして、それから以下「重要分野の研究開発の推進」という項がございまして、こういう分野が重要なんだというようなことをまず指摘しております。  ちなみに申し上げますと、例えば物質、情報、生命といったような基本的な要素を対象としたり、宇宙、海洋、地球といったフロンティア空間を対象とするような基礎的、先導的な科学技術。あるいは二番目が、人間活動の拡大に伴い顕在化してくる地球環境とかエネルギー、食糧等の問題の解決。それから、人類が快適に充実した生活を送るための健康の維持増進、安全性問題など、そういう分野が重要分野として分野を挙げて指摘されております。  それからさらに、こういう分野が指摘されておりますが、それぞれの分野につきまして分野ごとに科学技術会議が研究開発の基本計画をつくるということで、その分野の中でまたどういう点が重視されるべきであるかというようなところは、その計画の中でまた細かくなって出てまいります。それ以上にと申しますとなかなか難しいのでございますが、それはあと個別のケースに応じて、いろいろな先生方の意見を聞いたりしながら判断していく。先生の御質問のように、二対八とか三対七とか定量的に書くのはなかなか難しいわけでございますけれども、そういうような発想でだんだんと優先順位がづけられていくというふうに考えています。

秋葉忠利日本社会党・護憲民主連合

○秋葉委員 何も簡単だと言った覚えはないので、非常に難しいことだと思います。  ただ問題は、やはり最終的に非常にだれにもわかるような形で、一対一とか十対一とかそういう形で、方針が出てこないにしろ、大まかなところというのは決定できると思いますし、それ以上に大事なことは、そういった努力をすることによって実は原理原則というものが、あるいはどの分野を重視するかというきちんとした基準ができることだと思うのです。  ですから、そういった基準をおつくりになっているのか。あるいは、つくる努力はしているけれども結果としてできないのか。例えば全部についてはできていないけれども、この分野についてはこういった基準で優先順位を考えていますというようなことがあるのか。最優先にされている研究に対して、従属的に扱われているような研究分野については、例えばこれはこういう形でそれでもやらなくてはいけないから、これはこういう形で、補完的な形でサポートしているんですよというようなことをやっているのか。ともかくできているところだけで結構ですから、何かその基準づくり、できるだけ客観的な基準づくりといった方向への努力の軌跡、軌跡というのはミラクルではなくて、これはできたら、事によったらミラクルなのかもしれませんが、その努力の跡をぜひ御説明いただきたいと思うのです。

長田英機科学技術庁科学技術政策局長

○長田政府委員 大筋の方向としましては、この十八号答申、科学技術政策大綱として出ているわけでございまして、これらを受けまして私どもとしましては、私どもと科学技術会議が具体的な予算のヒアリングをしたり調整をしていくということになっておりまして、その調整を行う場合に、一つの考え方を示しまして、こういう分野が重要じゃないか、こういう点に重点を置かなきゃいけないんじゃないかというようなことを示しておりまして、その上で各省庁からもいろいろ話を伺って、まあこれはいいだろうとかダブりを調整したり、こちらの方がいいだろうというような形で、政府の内部で調整が行われていくということでございます。  ただ、この基準と申しますか、これは非常に細かいものということではございませんで、各省庁とのディスカッション、あるいは予算面における調整を経ていろいろな研究課題が現実のものになっていく、そういうようなことでございます。

秋葉忠利日本社会党・護憲民主連合

○秋葉委員 調整をしなくてはいけないということもわかりますし、科学技術庁がそれに対するたたき台を恐らくおつくりになっているんだろうということも、科学技術庁の任務として当然なわけですから、それはわかります。私が伺っているのは、そのたたき台をつくる段階で、これは大事じゃないか、これはそれほどでもというような濃淡をつけるに当たって、それをどういうふうにやっているんですかということを伺っているわけです。  つまり、科学技術だけではありませんけれども、日本の政治がわかりにくい一つの理由は、そういった目に見えた形で、具体的にどういう政策を推進しているのか、あるいは非常に大事だと言われていることに対して、それほど大事ではないというような政策がどういうふうに扱われているのか、それがだれの目にもはっきりと簡単にわかるようなシステムになっていないというところが非常に問題だと思っているわけです。  つまり、非常に悪い言い方をすれば、行き当たりばったり、あるいは極端な場合には、力のある政治家が文句を言うとそれが突然重要な問題になってしまう。そして、これは科学技術庁がそういうことをやっているかどうかは別問題として、抽象的なレベルでは、それが今度は重点政策としてたたき台になって、各省間の調整でもって具体的に実行されるというような形になっている。それを批判しようとする側としては、批判をするにも批判に耐える構造がないわけです。つまり、だれか力のある人がやっちゃったんだからもうしょうがないでしょうということで、力のない側としてはあれよあれよという間にそれを見ているか、あるいは全く違った次元で、例えば物理的な抵抗をやるとか、ここで委員長席を占拠してしまうとか、そういう非常に原始的なやり方しかなくなってしまうような傾向があるわけです。  それをきちんとした議論の場にのせるためには、少なくとも現実に政策を動かしている側の方で、どういうプロセスでどういうことを重要だと考えて決定を行っているのですよということを公開してくださらない限り、私たちは言葉によってそれに対して対抗できない。つまり、どこのところが非常におかしいから直してくださいと各事象については言えるけれども、その事象を統括するような原理原則が示されていない限り、原理原則ということは政策ですけれども、政策レベルの議論はできないということなんです。私は、ぜひ政策レベルの議論をしたいのです。ですから、それに関してはわかるような形で政策を出していただきたい。  一例を申し上げますと、これは去年も同じ委員会で言ったことですからまた繰り返しになりますけれども、例えば科学技術開発関連経費ですか、それを早期に二倍にするということがうたわれています。それでは一体その予算をどういうふうに配分していくのかというのは、当然これは政策の重要な柱になるわけです。では、基礎科学を重視するということで、基礎科学の、しかも国が予算を執行している部門で見てみますと、これは国立大学の研究ということが非常に大事になってくるわけです。そうすると、当然そこで考えられるのは、それは大事なところもある。大事じゃないところもある。大事じゃないと言われた人、あるいは研究というのは確かに不満を持つということはわかりますけれども、それは置いておいて、大事なところがあったらそれに当然重点的に金を回すのが私は政策だと思いますけれども、その際、基礎研究に力を入れるということを言い、国立大学の研究がその基礎研究の大部分を担っているとしたら、総体として二倍になるのであれば、国立大学の研究費だけは例えば五年の間に三倍にしましょう、あるいは五倍にしましょうという政策が出てきてもちっともおかしくない。  ですから、そういういことをおやりになるおつもりはあるのですかというのを昨年の委員会で聞きました。それに対する答えは、今と同じように非常にあやふやなもので、二倍より上になるかもしれないけれども、どうも二倍より上にはならないというような答えでした。最終的にそうなると、これは数学的に考えればわかることですけれども、国立大学の基礎研究における投資が二倍以下になってしまえば、応用、基礎という大まかな分け方をすれば、それは応用研究費の方が二倍以上になるということです。そっちの方に重きを置いているというふうに諸外国はとるわけです。実は、そのこと自体が命日本が基礎研究ただ乗り論というような形で批判をされていることだ。  だから、もし本当にやる気があるのだったら、当然これは論理的な必然として、国立大学におけける基礎研究費というものを例えば五年間の間にきちんと三倍にいたしますということが政策として出てこないとおかしい。そういうことが出てこないで、だけれども基礎研究は一生懸命やりますよ、しかも予算的措置も考えてあるんだ、できるだけ早期に二倍にするんだというようなことを言われても、まるっきり説得力がないということを昨年私は申し上げました。一年間猶予があったわけです。この一年の間に、私が問題提起をしたことに関して少しはお考えいただけたのでしょうか。

長田英機科学技術庁科学技術政策局長

○長田政府委員 まず、科学技術政策の意思決定のやり方について御質問でございますが、私ども日常の実務をやりながら、当然のこととといたしまして、どういうふうにどういう分野の研究を進めていったらいいのかということを日常考えております。それから、その上に科学技術会議の政策委員会というのがございまして、そこに高名、知名といいますか、学識経験者の先生方にお集まりいただいて、そこでいろいろどういう分野を優先してやったらいいかというようなディスカッションと決定を行っております。  一例で申し上げますと、こういうようなプロセスを経て、例えば平成五年度の予算におきましては、基礎研究の分野の予算をふやそうというようなことで、私が担当しております調整費も、従来余りふえておりませんでしたけれども、百十億から百三十三億に一挙にふやすというようなことを行いまして、そういうふうにそれぞれのときの政策課題に対応した予算要求、それから予算調整が行われているということでございます。  なお、予算倍増のお話でございましたが、これは実は早期倍増となっておりまして、では何年で倍増と、よくそういう議論がございますが、やはり予算の状況、そのときの財政状況ということが重要なファクターになりますので、最初から何年計画というふうに決めるのはなかなか難しいわけでございますが、例えば平成五年度の予算要求におきましては、全体の歳出が三・一%でございましたけれども、科学技術振興費は八・五%に伸ばすというような形で科学技術の予算を伸ばした、そういうような努力をしてきているわけでございます。

秋葉忠利日本社会党・護憲民主連合

○秋葉委員 大事な点でどうもすれ違いがあるようですから、これは長官に伺いたいのですけれども、私が今申し上げた論理的なつながりについては御理解いただけたと思います。  全体として科学技術に対する投資を二倍にするのであれば、その一方で非常に重点的だと言われている分野が幾つかあるのであれば、その分野における伸び率というのは二倍以上でないと、全体としてはその二倍ということは達成できない。となると、幾つかの分野を選んで、そこでは二倍ということにとらわれずに三倍とか五倍とか、そういう形できちんと予算をつけていかなくてはいけないんだということをおわかりいただけると思いますけれども、ともかくそういった方向できちんと予算の配分も含めた実際的な政策をつくっていくという、これは科学技術庁の方針、そういった方向でお進めいただけるというふうに理解してよろしいわけですね。

中島衛自由民主党科学技術庁長官

○中島国務大臣 今の秋葉先生のお話、それから政策局長の答弁を聞いておりまして、いろいろ参考になる点が多いと思います。  特に、基礎研究の分野をこれから大事にしていこう。日本の場合は、アメリカや科学技術先進国の基礎研究の恩恵を受けて、そして応用研究を発展させて、いい製品をつくることによって経済を発展させるというようなことをやってきたと思いますが、これからは、ここまで科学技術分野が高度になってきますと、また経済力も強くなってきますと、やはり日本は基礎研究を十分やって世界に発信をしていくというようなことが必要になってくる。そうすると、予算の使い方もそういうところへ重点を置かなければならない。そうすると、国立大学の基礎研究分野の予算等を重点的に配分していく必要があるというお話だったと思いますが、私も秋葉先生のそういう御意見には賛成であります。  ですから、国の予算というのは各省庁との連携もあるし、過去の積み上げもありますからなかなか簡単にはいかない面も多いと思いますけれども、そういう色合いをつけてきちんとやっていくところに政治があり政策があると思いますから、私は貴重な御意見とお聞きし、来年度以降の予算編成につきまして、そういう点を配慮してまいりたいというように考えております。

秋葉忠利日本社会党・護憲民主連合

○秋葉委員 ありがとうございました。時間が残念ながらありませんので、この問題についてはまだ文教委員会その他で提起をさせていただきたいと思います。  今の問題に関連して、もう一点だけ。先ほどの川島委員の質問に関連して伺いたいと思うのですが、例えばこれからの将来のエネルギーの供給源ですけれども、現状では原子力がかなりの部分を占めている。しかも、原子力に対する投資額というのは非常に大きなものになっているというところがあると思います。しかしながら、先ほど長官もおっしゃいましたように、やはり新しいクリーンなエネルギーというものをもっと推進しなくてはいけないということは、これは現在の原子力発電、それをどの程度まで認めるかあるいは推進するか、いろいろ意見の違いはあります。あるいは今すぐやめろという意見もあるわけですけれども、そういった意見の違いにかかわらず新しいエネルギーを見つけ、そしてそれをもっともっと使っていく方向での研究をしなくてはいけない。それについてはコンセンサスがあるのではないかというふうに思います。  そこで、今申し上げた前提で、つまり何が重要で何が重要でないのか、その重点順位をつけるという観点から考えますと、次のようなことも可能ではないか。つまり、原子力関連の国の投資が例えば一〇〇だとしますと、現在所エネルギー関連の投資というのは、具体的な比率はわかりませんけれども、仮にそれが一〇だったとして、今後例えばそれを三倍にするとか、つまり一〇〇に対して三〇ぐらいの割合で必ず新エネルギー開発に対しては予算をつけなくてはいけない、そういった感じで新エネルギーの開発努力というものを奨励することは可能だと思います。一〇〇対三〇という比率がここでは問題なのではなくて、そういった何か現実に行われている政策に関連づけてその重要性というものをアピールして、それに予算的な措置をつけで、具体的に何か事が起こるという形での政策が必要なのではないか、そういうふうに私は感じます。  原子力とそれから新エネルギーという問題について、例えばそういった形でのある一定の比率を設けて、必ず新エネルギー開発の方に研究費を回す。しかも、これまで以上にそれを出していく。できれば毎年毎年増額するような方向で新エネルギーへの、原子力をにらんだ上での政策を行うというようなことはお考えになっているんでしょうか。

長田英機科学技術庁科学技術政策局長

○長田政府委員 新エネルギーの研究開発につきましては、先生御指摘のように非常に重要なものであるという認識で私ども基本計画をつくって、関連省庁と一緒に取り組んでおります。  今先生お話しの、原子力と新技術とを一定の割合でやっていこうか、初めての提案でございますので、今私が考えてみますに、エネルギー全体のバランスということもありますので、原子力と新エネルギーとをすぐくっつけてしまうということにまた問題があるかもしれませんし、それぞれの技術の発展段階に応じて、また投入する金額も違うかもしれませんし、いろいろな要素があると思いますが、一つの御意見として承っておきたいと思います。

秋葉忠利日本社会党・護憲民主連合

○秋葉委員 できたら、一つの意見としてではなくて、積極的に検討する課題としてお受け取りいただければ大変ありがたいと思います。  次の問題なんですが、例えば三つの目標の中にありました第一の問題、地球との共存、「地球と調和した人類の共存」ということですが、その面での研究に関連してODA、これは外務省を中心にかなりのお金が開発途上国に回っているということがあると思いますけれども、こういった途上国あるいはいわゆる南の国々に対する援助という点でも「地球と調和した人類の共存」という目標達成のためにさまざまなことができると思いますけれども、こういった点でこれまでどんな具体的な研究を行ってきたのか、簡単で結構ですからお教えいただきたいと思います。

島弘志科学技術庁科学技術振興局長

○島(弘)政府委員 科学技術の分野で、我が国が国際社会で従来以上に積極的な役割を果たしていかなくちゃいけないという認識は強く持っておるわけでございまして、特に発展途上国との協力ということでございますけれども、この基本は、各国の自助努力というものをベースにして、それに対して人づくりを中心に、相手国の国情に応じたきめ細かな協力を行うということが基本的な考え方であろうと思っておりますが、協力活動を質的、量的に拡充していきたいというふうに考えております。また、このことは十八号答申にも、あるいは政策大綱にもうたわれていることでございます。  具体的にどういうことをやってきたかというお尋ねでございますが、アジア各国の研究者を招聘いたしましたセミナーを開催するとか、あるいは人材の交流でございますとか、あるいは研究交流といったようなスキームを保考えまして、そういう中で具体的なテーマについてもいろいろ展開をしているというところでございます。具体的には、原子力の問題あるいは宇宙の問題、いろいろございます。さらに言えば、もう少しそういう国々との間で、援助という枠組みだけではなくて、研究者とのネットワークを太く多様にしていくという観点も必要ではないかというようなことも考えておりまして、こういう点も今後充実していきたいものだというふうに考えております。

秋葉忠利日本社会党・護憲民主連合

○秋葉委員 研究のレベルでの、そして純学術的な研究というのも大事だと思うのですけれども、やはり途上国に対しては自立したといいますか、自助努力的なことが大事だというふうにおっしゃいましたけれども、経済的に効果のあるような、そういった方向での科学技術の貢献ということが大事になってくるんじゃないかと思います。  そういった意味で、経済的効果があるような形での研究、直接結びつかないにしろ、いろいろな中間的なステップが余り多くないような形での研究といったものは、科学技術庁としてはこれまでイニシアチブをとってきたんでしょうか。

島弘志科学技術庁科学技術振興局長

○島(弘)政府委員 経済的な効果の上がる研究ということでございますけれども、例えば物質・材料に関するような研究というのもそういったカテゴリーに入るとすれば、そういったことについてもかなり力をいれてやっておりました。

秋葉忠利日本社会党・護憲民主連合

○秋葉委員 実は私がここで考えておりますのは、経済的な効果が上がるということは、南の側に属する国々、途上国と言っていいのかもしれませんけれども、その国々が例えば何か技術供与によって物がつくれるようになる、そういう場合に、その国がつくったものを今度はどこかに売らないといけない。もちろん自国内需要だけでもいいんですけれども、それをどこかに売るというようなことが当然考えられるわけです。その場合に実は非常に問題になるのが、市場が、マーケットがそういった製品に対して開かれているということだと思います。  その際に、実はもう一つとても大事な条件があって、それは何かというと、例えば日本が親分になってしまって、その下請をアジアの国々に出す、アフリカの国々に出す。その下請というような形で、そういった歴然とした力関係があって、しかも一方的な力しかないというような形での開発とか、あるいは経済的な効果があっても余り意味がないということだと私は思う。最終的には非常に害のあるような構造になってしまう。  そういったものを是正しながら、それを技術の力で新たな構造をつくっていくような方向での科学技術の貢献ということが、私は考えられるのじゃないかと思うのです。これはイニシアチブとしては科学技術庁でやっていただきたいのですが、より具体的には、産業技術の分野に入ることだと思うのですけれども、例えば通産省の立場としては、この科学技術の十八号答申に沿った方向で、例えば途上国に対する援助として、北側の市場が自然に開かれるような形での研究開発というものを日本の国内でやっているのか。  ちょっとわかりにくいと思いますので、一例を申し上げたいと思います。恐らくこれはODAだと思いますけれども、途上国に対して鋳物の技術を日本が供与したという例がありますけれども、そのほとんどの場合、実は現在の途上国の技術レベルでは精度が余りよくなくて、それを今度は日本が買い上げて何か別のものに使っていくというところでは余り役に立たないということがあるわけです。つまり、せっかく技術を移転しても、その移転された技術が途上国では経済的な効果に結びつかないということになっておるわけです。今までの私たちの常識的な考え方では、それはもっとお金をつぎ込んで、精度の上がるようなシステムをその途上国につくれというようなことを考えてきた。  しかし、十八号答申の中に盛られている精神というのを考えてみますと、実はそういった考え方を逆転する必要があるのではないか。つまり、技術の力のないところに、例えば一番下がこんなところだとしますと、百メートルも二百メートルも上のところまで技術的に飛び上がれということを言っているわけですけれども、そうではなくて、高いところと言ったら変ですけれども、非常にたくさんの技術を簡単に使える立場にある側が、例えば精度の悪い鋳物であっても、あるいは精度の悪いねじであっても、それを日本での製造過程において非常にフレキシブルな形で、ばらつきのある製品というものを最終的には使いこなせるようなシステムを日本の方で開発すればいいということは考えられるわけです。それは考えられても実行不可能だと言われるかもしれないけれども、考えてもみたことがないことについて実行不可能だと言うのはちょっと早計じゃないかと思うのです。  そういった思考を逆転して、本当に途上国で製造したものが北側の国々で実際にマーケットとして受け入れられるような形での研究開発というものを、我々の側でやるといった方向での研究開発投資といったものが今まで行われてきたか、あるいはこれからそういったことをすべてのところでやるわけにはいかないにしろ、ある程度検討してみてもいいというような流れが通産省の中にあるものかどうか、とりあえず伺いたいと思います。

舟木隆通商産業省通商政策局経済協力部経済協力企画官

○舟木説明員 ただいま先生おっしゃいましたように、途上国のそういう地場産業といいますかそういうものを育成をして、途上国の本当の意味での自律的発展を促進していくということが極めて重要であると考えております。そういう点で、通産省といたしましても、現在サポーティングインダストリーの育成というのを非常に大きな柱として掲げておりまして、技術的な支援ですとか資金協力ですとか、そういうものを集中的にやっていきたいと考えておるところでございます。  今お尋ねの技術の点でございますが、現在通産省といたしまして、途上国の持っております技術をも最大限に活用しまして、当該国の輸出振興ですとか輸入代替、そういうものに資する技術協力を従来から推進してきておるところでございます。  具体的に申しますと、例えばタイにおきまして、地場産業としまして鋳物ですとか陶磁器とかそういったものがございます。そういったタイの地場産業の保有技術を活用しまして、人材の育成、技術開発の拠点となります金属加工機械工業開発研究所という研究所があるのですが、そこに対しまして技術協力を行っておるところでございます。  先生今おっしゃいました途上国の持っている技術レベル、低いレベルでも対応できるような何か物ですとか、そういうものの市場開拓といったようなお話がございましたが、途上国におきましてもそれぞれ一生懸命努力をしておりまして、できるだけ高い技術水準にキャッチアップをしたいという努力をしております。我々はその技術開発努力を積極的に支援していきたいと思っておりますし、また一方で、先生おっしゃいましたように、途上国が今持っている技術でもつくれるものがないかという点につきましても、一生懸命途上国の相談に応じているところでございます。  いずれにしましても、途上国の自律的な発展というのが、やはり経済協力を考えます際に最も重要な点かと存じますので、先生御指摘の点も踏まえまして、今後とも検討してまいりたいと思います。  以上でございます。

秋葉忠利日本社会党・護憲民主連合

○秋葉委員 ありがとうございました。私の申し上げていることの一つは、やはり科学技術を考えていく上で、地球的な規模で考えていかなくてはいけないということです。それはあえて言うまでもないことだと思いますけれども。  それで、そういうコンテクストで科学技術を考える際に、今まで私たちが頭の中に描いてきた科学技術の発展のモデルというのは非常に線形的なものですね。一次元的なモデル。つまり、低いレベルの科学技術があって、それが高くなるというような形での一次元的なものしか考えてこなかった。実は科学技術を考える上で、もちろんそれで十分通用する面もたくさんあるわけですけれども、別の視点からの、別の枠組みからの考え方を今導入することが必要なのではないか。そういう意味で、低い方の技術を高い方の技術に合わせる、追いつき追い越せという形での科学技術の発展という今までのパターンではなくて、それとは違ったモデルによって科学技術の調整を行うというようなことを考えてもいいんじゃないか。少なくとも、今の日本にはそのくらいの余力はあるのではないか。  そういった方向を模索することによって、実は事によったら人類は人口が爆発して、二〇五〇年あるいは八〇年というような数字もあります。そういったところで人類全体が危機に陥ってしまうというような非常に暗い予測もあるわけですけれども、そういった問題に対する解決の糸口が見つかるかもしれない。そういったことはやはり日本の責任として、国としての責任としてある程度の投資をしてもいいんじゃないか。すべてそんなことを、ほかのことは全部やめてそれをやれと言ったらむちゃかもしれませんけれども、ある程度の投資はしてみる価値があることじゃないか。そういう意味での問題提起ですので、また何らかのチャンスにそういったことを議論できれば大変ありがたいと思います。  最後に、時間がなくなってきましたので、その目標の第三番目に関連のあることで、実は非常に緊急を要する事態が発生しておりますので、それに関連したことを一、二伺いたいと思います。  実は昨日、これは福島第二原発で事故がございました。新聞報道ぐらいしか現在情報は持っておりませんけれども、科学技術庁の方でもう少し詳細なこの事故についての、特に原因に関して情報がおありでしたら、ぜひ伺っておきたいと思います。

荒井行雄資源エネルギー庁公益事業部発電課長

○荒井説明員 昨日午後四時過ぎに、東京電力福島第二原子力発電所の補助ボイラーにつながる蒸気供給管から高温の蒸気の漏えいがございまして、一人の人が死亡し、二人の方がけがをされたという人身事故が発生いたしました。  この補助ボイラーのある建物は、原子炉本体のある建物とは別棟に設置されておりまして、また、この補助ボイラーは洗濯廃液の処理あるいは発電所内の暖房等に利用される蒸気を供給するためのものでございます。したがって、原子炉本体の安全に直接かかわるものではございませんし、また蒸気にも放射能は含まれておりません。  しかしながら、発電所内における人身事故でございますし、当省としては、可及的速やかに原因究明を行うとともに、再発防止に万全を期すため事業所を指導監督してまいりたい、こう思っております。

秋葉忠利日本社会党・護憲民主連合

○秋葉委員 現在、事故の起こった建屋というのはどういう状態になっているのですか。運転はもちろんとまっているんだろうと思いますけれども、それ以外の措置はとられているんでしょうか。

荒井行雄資源エネルギー庁公益事業部発電課長

○荒井説明員 事故の起こった建屋につきましては、その補助ボイラー、これは五台設置されておりますが、この補助ボイラーについてはすべて現在停止した状態でございます。それで、人身事故ということもございまして、まず現場保存がされまして、その現場の確認後、調査を開始する、そういう段階になっております。

秋葉忠利日本社会党・護憲民主連合

○秋葉委員 原因がある程度わかった段階で、できるだけ早くまた詳細についてお知らせいただけたらと思います。  安全性の問題、原子力に関連してのことでもう一つ最後に伺っておきたいのですけれども、先般のあかつき丸によるプルトニウムの輸送です。この安全性、それからそれに関連した情報公開について、これは世界的に非常にたくさんの入が本当に安全なのかということで心配をしたことなんですけれども、私も直接世界じゅうの人からいろいろな声を聞いてまいりました。この点について、大きな項目としては一つですけれども、何点か質問したいのですが、当初は非常に秘密主義であった。あかつき丸という船名も非公開にされたわけですし、どこを通ってくるかということも全く公開されなかった。そういう非公開主義がどこかの段階かで、政策決定、変化が起こったんだと思いますけれども、いろいろな形で情報が公にされてまいりました。それで、その非公開という方針が変わったいきさつをぜひ伺いたいと思います。  それ以前の問題として、それ以前に非公開にしたという根拠もついでに伺いたいと思います。つまり、その根拠がはっきりしない限り、じゃなぜ公開してもいいんだということの理由づけがよくわからないと思いますので、その両者。そもそも非公開ということにしたその根拠と、非公開だったにもかかわらず、途中で随分公開されてしまったことがあるわけですが、じゃ公開してもいいというふうに決めた根拠、それをとりあえず伺いたいと思います。

石田寛人科学技術庁原子力局長

○石田政府委員 お答え申し上げます。  今回のあかつき丸によります輸送につきましては、日米原子力協定等の規定に基づきまして、いわゆる核ジャック防止等の核物質防護対策に万全の措置を講ずることが求められておったわけでございまして、このため輸送船を海上保安庁の巡視船「しきしま」に護衛させるなど、特別の措置を講じたところでございます。  核物質防護の観点からは、具体的に輸送船がいつどこを通るかというような詳細な情報を公表いたしますことは、このオペレーションの性格上適切ではなくて、米仏両国政府とも協議の上、本輸送について公開することによりまして核物質防護の実効性を損なうおそれのある情報につきましては、必要最小限の範囲でこれを慎重に取り扱うという方針によりまして、このたびの輸送の情報の取り扱いをしてまいったというところであるわけでございます。  今回の輸送の経験からいたしまして、今般とりました輸送情報に関する措置につきましては、振り返ってみてもそのようなものであったと思っておるわけでございまして、これは米仏両国も同じような認識であるわけでございます。いずれにいたしましても、今後とも輸送情報につきましては、公開できるものは可能な限り公開していくということでございます。  それで、輸送情報公開の考え方につきまして、変わったのかという御質問でございます。これにつきましては、基本的に輸送情報の取り扱いの考え方は変えておりませんで、途中からということでありますけれども、これは全体統一した考え方のもとに、出し得る情報は可能な限り出す、ただし、核物質防護の要請から出せないものは出せないという、その辺のバランスで全体のオペレーションをやってきたというふうに御理解賜れば幸いでございます。

秋葉忠利日本社会党・護憲民主連合

○秋葉委員 そうすると、出せないものは出せないという判断であかつき丸という船名は最初は出さなかったけれども、出してもいいものはできるだけ出していいという方針で、途中からあかつき丸という船名を公開した。  それが統一された姿勢は変わっていないというのですけれども、どういうふうにそれは統一されたんですか。出せないものは出せないという態度と、出せるものは出せるという態度とは相矛盾すすね。やはりこの倍増ということは、これはもう本当に焦眉の急だと私は思うのです。予算を何年で倍増するんだ、関係各省の長が本当に責任を持って、政府がそれだけ決定しているのだから、ぐんぐん迫っていく迫力がなかったらどうしますか、これ。ただ関係各省に何とかふやしてくださいよ、総額で何とか前進しましょう、そんなことばかりやっておるから、政府がそのように答申を出し、何しておってもなかなか進まない。もっと迫力のある取り組みをしてもらいたいのです。そうでしょう。  それじゃ、あの答申が出てから、何回真剣にこの倍増計画につきまして、何年度で我々としてはめどをつけたい、そのために関係各省はこのように努力しましょうと真剣な話し合いをしたのですか。

長田英機科学技術庁科学技術政策局長

○長田政府委員 先生の御激励、非常にありがたいと思います。実は、この倍増という、早期に倍増ということになっておりまして、ところが何年で倍増というのは、やはりそのときの経済状況とかあるいは財政の状況とかその状況によって、また予算全体の規模とか、いろいろそういうことが規定されてまいると思いますし、それとも非常に密接に関連するというようなことで、ときどきの財政事情等を踏まえつつというふうになっているわけでございます。そういうことで、お言葉ではございますが、なかなか何年で倍増するというようなことを決めるのが難しいわけでございます。  ただ、早期に倍増をしようということは、とにかく予算をふやすように一生懸命やろうということでございますので、例えば一例で申しますと、一般歳出の伸びが対前年度三・一%でございます。これに対しまして、科学技術振興費は八・五%でございます。このように八・五%といいますと、相当通常の予算と比べると高い伸び率だと思います。そういうことで毎年毎年努力をしていく、各省庁と一緒になって努力をしていく、こういうようなつもりで臨んでおります。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 私が言っていることにつきまして激励と、非常にあなたたち人間が優しいからそういうように激励と受けとめても、私はこれは怒っているのやからね。  そういうことで、とにかく非常に手ぬるいですよ。それはときどき経済状態はいろいろ変化があるのは、それは当然のことですよ。経済ほど難しいものはありませんよ。だけれども、七年なら七年、八年なら八年と経済状態が落ち込んだ。しかしまた回復もあるわけですから、そのときはさらに伸ばす、やはりそういうような長期計画を、中長期の計画を立てて、そして追い越していく。そういうものがなければ、ただ何となしに対前年比で努力していけば何とかなるでしょう、どんぶり計算ですよ、それは。皆さん方中小企業の経営者だったら、みんなつぶれますよ。もっとしっかりしてもらいたいですね。  そういう点で、ひとつこれは大臣、先ほどいろいろお話を聞いておられてわかるとおりでございまして、関係各省、大臣もう一度よく打ち合わせをしていただきまして、制度としてはこれは公に倍増と言っているわけでございますから、少なくとも何年をめどに迫力のある取り組みをするということを早急に打ち合わせをしていただきたい、このように思います。大臣が御答弁いただきたいと思います。

中島衛自由民主党科学技術庁長官

○中島国務大臣 今近江先生から非常に力強い御意見を伺いまして、私どもも先生の御意見と同じ考えでこれから取り組みをさせていただきたいというように思っております。  さっき、ことしの科学技術振興費が八・五%伸びたということを言っておりますけれども、この調子でいくと十年かかるわけでありますから、それが一年でも二年でも縮まるように全力を挙げさせていただきたいというように思っております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 それじゃ、努力をしっかりしていただきたいと思います。  それから、この中に国の研究所等の施設の整備を進めていく、そしてまたさらに大型放射光施設等の建設等々お述べになっていらっしゃるわけでございますが、この大型放射光施設につきましては、私も現地を見てまいりました。非常に関係者は期待されているわけでございまして、同時にこれは、欧州では九四年、米国は九六年本格稼働する、このようにも言われておりまして、日本も何とか早くおくれないように進めよう、政府もそのように努力されていると思いますが、補正予算で五十億ですか、後おつけになったわけでございますが、それではなかなか早まりそうにないわけですね。  ですから、これにつきましては、やはり欧米先進国同様そのように先を走っておるわけでございますので、しっかりとこれもさらに弾みをつけていただきたい、このように思うわけです。今年度予算にも、当然これは予算づけされておるわけですけれども、さらにプラスのそういう体制をとるべきである、このように思いますが、いかがでございますか。

島弘志科学技術庁科学技術振興局長

○島(弘)政府委員 先生御指摘のように、学界の方からもこれを何とか早く実現するようにという御要請もございます。  御指摘のように、平成四年度である程度の措置はさせていただいているわけでございますけれども、ただ、まだ大部分の金額はこれからの問題でございまして、平成十年度の供用開始というのがもともとの目標でございますけれども、平成四年度の措置によって部分的には一年ぐらい早まるかな、こういう見通しもございますが、学界の要望にこたえながら全力を挙げて努力してまいりたい、このように思っております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 これはひとつさらによく努力していただきたいし、またこれは共同施設でございますので、完成しましたら、そういう点につきましては十分そういういろいろな方の要望にこたえていかなければならぬと思いますのできてから考えるのじゃ遅いわけでございますから、しっかりと打ち合わせ、抜かりのないようにしていただきたい、これは強く要望しておきます。  それから、科学技術情報の流通の促進ということをおっしゃっているわけでございますが、情報センター等もあり、また研究機関の相互のそれぞれ流通されていることも承知いたしておりますが、しかし御承知のように、アメリカではクリントン大統領、ゴア副大統領組が誕生しまして、特にゴアさんは、これは全米の国立研究機関、大学、民間、本当に巨大な情報革命をやろう、巨大なシンクタンク、研究所ができる以上の大きな成果が出るだろうと言われている。これは情報につきまして、特にゴア氏が総力を挙げておるということをいろいろな角度で聞くわけでございます。  ですから、今政府はいろいろな情報の整備等をやっておられますけれども、これは本当に立ちおくれますよ、今みたいな状態では。こんな小手先の、ちょっと関係各省の話し合いをしましょうとか、そんなことじゃとてもだめです。いわゆる情報革命と言われるぐらいのそういうことをやらなければいけませんよ、これは。ですから、その辺の認識、今後どうしていくのか、その辺についてお聞きしたいと思います。

島弘志科学技術庁科学技術振興局長

○島(弘)政府委員 まだ私自身、ゴア副大統領の具体的な構想に触れているわけではございませんけれども、いろいろ情報から察するに、私自身もかなり感動的な思いで受けとめております。  この問題は、多分技術的な問題もさることながら、体制上の問題というのにかなりそういうイニシアチブを発揮しながらこれから進めていこう、こういう決意でいるような気配を感じ取っておりまして、私どもも何とかおくれずにというのもあれでございますけれども、総合的な体制づくりをすべきではないかなということで、今部内でもいろいろ勉強を始めているところでございます。もちろん、いわゆる一般的な科学技術情報の流通体制の整備というのはかねてからの課題でございまして、これはこれで関係各省庁ともいろいろ連絡をとりながら進めてまいりたいと思っております。すね。やはりこの倍増ということは、これはもう本当に焦眉の急だと私は思うのです。予算を何年で倍増するんだ、関係各省の長が本当に責任を持って、政府がそれだけ決定しているのだから、ぐんぐん迫っていく迫力がなかったらどうしますか、これ。ただ関係各省に何とかふやしてくださいよ、総額で何とか前進しましょう、そんなことばかりやっておるから、政府がそのように答申を出し、何しておってもなかなか進まない。もっと迫力のある取り組みをしてもらいたいのです。そうでしょう。  それじゃ、あの答申が出てから、何回真剣にこの倍増計画につきまして、何年度で我々としてはめどをつけたい、そのために関係各省はこのように努力しましょうと真剣な話し合いをしたのですか。

長田英機科学技術庁科学技術政策局長

○長田政府委員 先生の御激励、非常にありがたいと思います。実は、この倍増という、早期に倍増ということになっておりまして、ところが何年で倍増というのは、やはりそのときの経済状況とかあるいは財政の状況とかその状況によって、また予算全体の規模とか、いろいろそういうことが規定されてまいると思いますし、それとも非常に密接に関連するというようなことで、ときどきの財政事情等を踏まえつつというふうになっているわけでございます。そういうことで、お言葉ではございますが、なかなか何年で倍増するというようなことを決めるのが難しいわけでございます。  ただ、早期に倍増をしようということは、とにかく予算をふやすように一生懸命やろうということでございますので、例えば一例で申しますと、一般歳出の伸びが対前年度三・一%でございます。これに対しまして、科学技術振興費は八・五%でございます。このように八・五%といいますと、相当通常の予算と比べると高い伸び率だと思います。そういうことで毎年毎年努力をしていく、各省庁と一緒になって努力をしていく、こういうようなつもりで臨んでおります。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 私が言っていることにつきまして激励と、非常にあなたたち人間が優しいからそういうように激励と受けとめても、私はこれは怒っているのやからね。  そういうことで、とにかく非常に手ぬるいですよ。それはときどき経済状態はいろいろ変化があるのは、それは当然のことですよ。経済ほど難しいものはありませんよ。だけれども、七年なら七年、八年なら八年と経済状態が落ち込んだ。しかしまた回復もあるわけですから、そのときはさらに伸ばす、やはりそういうような長期計画を、中長期の計画を立てて、そして追い越していく。そういうものがなければ、ただ何となしに対前年比で努力していけば何とかなるでしょう、どんぶり計算ですよ、それは。皆さん方中小企業の経営者だったら、みんなつぶれますよ。もっとしっかりしてもらいたいですね。  そういう点で、ひとつこれは大臣、先ほどいろいろお話を聞いておられてわかるとおりでございまして、関係各省、大臣もう一度よく打ち合わせをしていただきまして、制度としてはこれは公に倍増と言っているわけでございますから、少なくとも何年をめどに迫力のある取り組みをするということを早急に打ち合わせをしていただきたい、このように思います。大臣が御答弁いただきたいと思います。

中島衛自由民主党科学技術庁長官

○中島国務大臣 今近江先生から非常に力強い御意見を伺いまして、私どもも先生の御意見と同じ考えでこれから取り組みをさせていただきたいというように思っております。  さっき、ことしの科学技術振興費が八・五%伸びたということを言っておりますけれども、この調子でいくと十年かかるわけでありますから、それが一年でも二年でも縮まるように全力を挙げさせていただきたいというように思っております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 それじゃ、努力をしっかりしていただきたいと思います。  それから、この中に国の研究所等の施設の整備を進めていく、そしてまたさらに大型放射光施設等の建設等々お述べになっていらっしゃるわけでございますが、この大型放射光施設につきましては、私も現地を見てまいりました。非常に関係者は期待されているわけでございまして、同時にこれは、欧州では九四年、米国は九六年本格稼働する、このようにも言われておりまして、日本も何とか早くおくれないように進めよう、政府もそのように努力されていると思いますが、補正予算で五十億ですか、後おつけになったわけでございますが、それではなかなか早まりそうにないわけですね。  ですから、これにつきましては、やはり欧米先進国同様そのように先を走っておるわけでございますので、しっかりとこれもさらに弾みをつけていただきたい、このように思うわけです。今年度予算にも、当然これは予算づけされておるわけですけれども、さらにプラスのそういう体制をとるべきである、このように思いますが、いかがでございますか。

島弘志科学技術庁科学技術振興局長

○島(弘)政府委員 先生御指摘のように、学界の方からもこれを何とか早く実現するようにという御要請もございます。  御指摘のように、平成四年度である程度の措置はさせていただいているわけでございますけれども、ただ、まだ大部分の金額はこれからの問題でございまして、平成十年度の供用開始というのがもともとの目標でございますけれども、平成四年度の措置によって部分的には一年ぐらい早まるかな、こういう見通しもございますが、学界の要望にこたえながら全力を挙げて努力してまいりたい、このように思っております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 これはひとつさらによく努力していただきたいし、またこれは共同施設でございますので、完成しましたら、そういう点につきましては十分そういういろいろな方の要望にこたえていかなければならぬと思いますのできてから考えるのじゃ遅いわけでございますから、しっかりと打ち合わせ、抜かりのないようにしていただきたい、これは強く要望しておきます。  それから、科学技術情報の流通の促進ということをおっしゃっているわけでございますが、情報センター等もあり、また研究機関の相互のそれぞれ流通されていることも承知いたしておりますが、しかし御承知のように、アメリカではクリントン大統領、ゴア副大統領組が誕生しまして、特にゴアさんは、これは全米の国立研究機関、大学、民間、本当に巨大な情報革命をやろう、巨大なシンクタンク、研究所ができる以上の大きな成果が出るだろうと言われている。これは情報につきまして、特にゴア氏が総力を挙げておるということをいろいろな角度で聞くわけでございます。  ですから、今政府はいろいろな情報の整備等をやっておられますけれども、これは本当に立ちおくれますよ、今みたいな状態では。こんな小手先の、ちょっと関係各省の話し合いをしましょうとか、そんなことじゃとてもだめです。いわゆる情報革命と言われるぐらいのそういうことをやらなければいけませんよ、これは。ですから、その辺の認識、今後どうしていくのか、その辺についてお聞きしたいと思います。

島弘志科学技術庁科学技術振興局長

○島(弘)政府委員 まだ私自身、ゴア副大統領の具体的な構想に触れているわけではございませんけれども、いろいろ情報から察するに、私自身もかなり感動的な思いで受けとめております。  この問題は、多分技術的な問題もさることながら、体制上の問題というのにかなりそういうイニシアチブを発揮しながらこれから進めていこう、こういう決意でいるような気配を感じ取っておりまして、私どもも何とかおくれずにというのもあれでございますけれども、総合的な体制づくりをすべきではないかなということで、今部内でもいろいろ勉強を始めているところでございます。もちろん、いわゆる一般的な科学技術情報の流通体制の整備というのはかねてからの課題でございまして、これはこれで関係各省庁ともいろいろ連絡をとりながら進めてまいりたいと思っております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 これは今大きな波として国際化だとか情報化だとか、我が国ではまた高齢化社会の到来だとか、いろいろな波が言われているわけですね。とにかくこれからの時代ということを考えますと、本当に情報の整備、流通ということ、これは本当に我が国としては今日まで、戦後廃墟の中ここまで来たわけですね。それはそれなりに民間だって何だってみんな努力もしているし、またいろいろな蓄積したものもある。それを本当にもっとお互いに、いろいろなプラス面をさらにまたかけていけばどれだけ大きなものができていくか。  それは非常に、日本の場合島国根性といいますか、やはりそういうものも一面あるのじゃないかと思うのです。そういうことをきちっと先導的にやっていくのが政府でしょう。やってないとは言いませんよ。迫力がない、迫力が。アメリカはそのように公言しているのですよ。着手しますよ、あれだけの巨大な国が。立ちおくれもいいところですよ、今みたいなそういう姿勢じゃ。これはとんでもないことです。これにつきまして、ひとつ大臣から御答弁いただきたいと思います。

中島衛自由民主党科学技術庁長官

○中島国務大臣 ゴア副大統領の姿勢については、私どもも勉強していかなければならないというように思っております。  また、日本の科学技術情報の集め方、そして発信の仕方等いろいろ問題点が多いと思いますから、我々も、今世界の情勢も非常に変化しておりますし、それから科学技術の進歩も非常に早いですから、きちっとした情報をとれるような体制をつくるように、今の先生の御意見を聞いて庁内で検討させていただきたいと思っています。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 それじゃ、大臣、しっかりお取り組みをお願いいたします。  それから、第二に、大臣は国際社会に積極的に貢献するということをおっしゃっているわけですね。特に、宇宙ステーション計画等云々とおっしゃっているわけでございます。この宇宙ステーション計画につきまして、アメリカのクリントン大統領はこれを縮小すると、大変な衝撃を与えでいるわけでしょう。我が国は今まで、私が聞いている範囲では七百億、今年度予算でも四百五十億、約三千億以上出資する。こんな長期計画、国際計画に従ってやってきて、一方的に向こうが厳しいから何割カットであると。どうなるんですか、こういうことになってきたら。  宇宙開発については、御承知のようにも利さんのああいう成功もあり、子供たちの宇宙授業ですか、子供たちも夢を持って非常にそういう理解というか、関心が高まった。私も喜んでいるわけです。アメリカの一方的なこういう削減、同じようにスクラムを組んでやってきて、そんなことを一方的に言われていいのですか。これは我が国としてはどうするのですか。ああそうですか、日本は決められたとおり、アメリカさんのおっしゃるとおり従ってやっていきます、そんなことでいいのですか。これはどうするのですか。

石井敏弘科学技術庁研究開発局長

○石井政府委員 先生御指摘の宇宙ステーション計画につきましては、これまでアメリカ、日本、ヨーロッパ、カナダ、四極での国際協力でこれを進めてきたところでございまして、御指摘のように宇宙ステーション計画というのは、将来の本格的な宇宙環境利用の基盤あるいは有人宇宙活動に必要な基礎技術の習得、開発の機会というようなことで極めて意義あるものということで、我が国といたしましても、この四極の一極を担って、宇宙開発政策の中での大きな位置づけを与えて進めてきたところでございます。  ただいま先生御指摘のように、クリントン政権になりましていろいろな話が流れておりましたが、二月の十七日にクリントン大統領の経済政策演説の際に配付されましたステートメントの中におきまして、宇宙ステーション計画を継続するということを明らかにいたしますとともに、投資効果を増すために計画見直しを行うというふうなステートメントを出したところでございます。  宇宙ステーション計画につきましては、参加主体が宇宙ステーションの構成要素を分担して開発していく、このような方式をとっておるところでございまして、今回の米国の計画見直しは、米国が担当いたします部分を見直すというものでございまして、また、米国政府からは計画の見直しに当たっては国際パートナーが進めております部分、日本について申しますとJEMに影響がないように行いたい、かようなNASAの首脳の意向も伝えてきておるところでございます。  このようなことから我が国といたしましても、これまでの方針どおり、我が国が担当しております実験モジュールの開発を着実に進めてまいる、かように考えておるところでございます。もちろん、今後とも米国の状況を十分把握し、我が国が主体性を持って状況に応じ適切な対応を図っていきたい、かように考えているところでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 そうすると、アメリカはその何割カットするかわかりませんけれども、日本は予定どおりやっていく、居住区域、いわゆるJEMのそれ。そうすると、アメリカはどうなるんですか。アメリカは何分の一に縮小になる。日本の方が広い。まあ言えば、これまた日米摩擦ですよ、日本は何だと。そうでしょう。微妙なそういういろいろな問題が出てきますよ、これから。そんな簡単なことじゃないと私は思います。そういう点、どうなるのですか。

石井敏弘科学技術庁研究開発局長

○石井政府委員 NASAの九四年度のステーション予算に対する要求は、NASAから行政府に出ておりましたものは二十二・五億ドルの要求がなされておったところでございます。そして、今回NASAに提示されました九四年度予算額は二十三億ドルというふうなものになった、かように承知いたしておるところでございますが、この二十三億ドルの中はいまだ明確な中身になっておりません。したがいまして、先生がおっしゃいますように、今後ステーションの中身、米国側が分担しておるものの中身がどのようになるかは、いまだ情報が定かでない。あるいはNASA自身がトップダウンで出てきた話ということで、現在NASA内部で今後検討を進めていくというような段階でございまして、今私ども一概にこうだああだと言い得るだけの情報がないということでございまして、私ども今後とも十分に米側の動きというものを注視すると同時に、必要に応じ国際間での話し合いということも当然やらなければならない事態があるのかもしれない、かように考えておりまして、米側の検討の状況をとりあえず今後把握していこう、このような状態でございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 金額的に言うと、要求額よりも二十二億五千万でしょう。二十三億ついたじゃないか。ただそれだけを聞いておれば、ああそうかなと。これはとんでもありませんよ。計画を縮小するためのいわゆる損失補償だとかそういうところに予算を組んでおるのです、二十三億ドルというのは。これから大幅なカットになってくるのですよ。そうでしょう。これからも時々話し合いの場があるかもわかりません、そんな悠長なことを言ったらだめですよ。はっきりと向こうは縮小ということは基本方針でやっておるわけなんですから。そうでしょう。これだけの国費を、三千億から国民の血税を入れるのですよ。そんなただ簡単な上辺だけの報告を聞いて、そうですと答弁しておるようじゃだめですよ。もっと真剣にアメリカとそういう基本方針、約束を変更してきたんですから、つぶさに、本当に真剣な説明もさせ、こちらも意見を言う。そういうコミュニケーションがなかったらどうするんですか。そうでしょう。一方通行ばっとされて、慌てふためいておる。それでは情けないじゃないですか。真剣な取り組みをこれからやってください。よろしいですか。答弁、もう一遍。

石井敏弘科学技術庁研究開発局長

○石井政府委員 二十二・五億ドルが二十三億ドル、まさに先生御指摘のような要素を宿しておりまして、私どもも真剣にこれに対応していくということは当然のことといたしておりまして、今後とも先生御指摘のように、米側とも十分なる連絡をとり、必要に応じ私どもの意見を適宜強い態度で、当然のこととして言っていきたい、かように考えておるところでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 では、大臣もその点よろしくひとつ頑張っていただきたいと思います。  それから、ビッグサイエンスという点からいけば、SSCの問題もあるのです。SSCも恐らくそういう方向になってこようかと思うのですが、これについては政府間同士はどういう話になっておりますか。

長田英機科学技術庁科学技術政策局長

○長田政府委員 アメリカとの間におきましては、従来共同作業グループが設けられておりまして、いろいろな技術的な問題等について検討を進めてきております。しかしながら、大統領の選挙があるということで、アメリカの方と合意して、一応その共同作業部会は停止した状態になってきておりまして、現在もそのような状況のままでございます。  このSSCにつきましては、アメリカサイドの計画としましては、これは報道されておりますように、米国のエネルギー省が十七日に対外発表を行いまして、SSCの建設スケジュールを延期する、ただ一九九四米会計年度につきましては六億四千万ドルを要求する、こういうようなことを発表しております。  しかしながら、そこだけわかっておるのですが、こういう考えのもとにどういうふうな新しい計画になっていくのかというような点がまだ情報がございません。したがいまして、私どもとしましては、アメリカサイドはどういう考え方なのかというような考え方も十分に聞いて、そしてこれから日米共同作業部会をどうするのか、それからさらに科学技術会議でも本件検討しております。そういうことで、これからの対応を考えていくということになると思います。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 これだって一兆円からのプロジェクトですね。我が国に対しては二〇%、二千億ですよ。要するに、二〇%は外国からのそういう共同ということで押してゴーだ。こういうことを考えてみますと、国際共同とかいろいろなことを言っていますけれども、日米間の関係もありますけれども、まず着手、もっともっとそれ以前の問題ですね。本当にやはりそういう発想した段階のときから国際共同をやっていくという、それであるならば真剣な取り組みがないと。そうでしょう。一方的に要請してきて、ああまた計画縮小だ、そんな振り回されているようなぶざまなことでどうしますか。子供に振り回されているのと同じですよ、これは。国民として情けないですよ、こういうことはかり続いていけば。これについても、言うべきことはアメリカに対してもきちっと言って、そしてきちっと国民に説明できる、そういう姿勢でやってもらいたいと思う。今後国際共同開発等につきましては、慎重の上にも慎重を期して、そういうきちっと国民に説明できるプロセスというものを明確に、またルールをきちっとつくってもらいたい、そういう取り組みを特に要望しておきます。  特に国際共同のことにつきまして、政府のそういうきちっとした考えがあるならば、御答弁いただきたいと思います。

長田英機科学技術庁科学技術政策局長

○長田政府委員 このSSCにつきましては、もう先生御指摘のとおりだと私ども思うわけでございまして、これから検討してまいりますから、慎重には慎重を期し、おっしゃることを十分に踏まえて検討してまいりたいと思います。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 そしてまた、旧ソ連、東欧、アジア・太平洋諸国との協力を進めていくということもお述べになっておられるわけでございますが、対旧ソ連につきましては、北方領土等の問題もございますが、人道的な問題だとかそういうことについては大いに協力すべきであるとかねがね私も申してきておるところでございます。  科学技術庁として、特に旧ソ連の原発の問題だとか、さまざまな問題があります。科学技術会議の支援会議ですか、それの問題もございます。まだあと聞きたいことがたくさんありますので、特に対ロシアに絞りまして、どういう協力を今後していくのか、簡潔にお答えいただきたいと思います。

島弘志科学技術庁科学技術振興局長

○島(弘)政府委員 旧ソ連、ロシアでございますけれども、この地域の研究者が引き続き同地域内で研究に従事できるという環境を整えていくということ、それから軍需から民需への転換を促していくということ、その結果として研究開発が平和的、安定的に推進されるということが、このロシア、旧ソ連の経済社会の発展と安定に貢献するものとして非常に重要なことではないかしら、こういうふうに私どもも考えております。  そのために、我が国としましては、この地域との間で結ばれております科学技術協力協定等の枠組み、あるいは各種の研究交流の制度がございますものですから、そういったものを十分に活用することによって研究者や科学技術情報等の交流を促進する。そういうことを通じてこの地域との研究協力を進展させることが重要である、このように認識をいたしております。  具体的な分野では、原発の話でございますとかあるいは宇宙とかあるわけでございますが、そういったものに加えて、先生も御承知のように、旧ソ連の大量破壊兵器に関連する研究者の国外への流出防止というものを主目的とする国際科学技術センターの設立を米、欧州、ロシア、日本、この四極で現在推進しているところでございます。  今後とも、旧ソ連、ロシア等との協力については、その重要性を認識してその展開を図っていきたい、このように思っております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 第三点として、より豊かで安全な社会を達成するための科学技術を推進するとおっしゃっているわけですね。その中で、地震をトップに挙げていらっしゃるわけでございますが、この地震の問題につきましては、先般も御承知のように一月十五日には釧路沖地震、二月七日には能登半島沖地震等、非常に大きな地震が続いておるわけでございます。  今、政府のそういう地震予知また観測体制というのが関東周辺、東海地域等と努力されておることはわかるのですが、全国ネットで見ますと、そのように釧路沖だとか能登半島だとか、全国各地でこういうことになっているのでしょう。そういうことからいきますと、全国的な観測体制、そしてまた地震予知体制の充実ということが非常に大事な問題になるのですね。こういう点からいきますと、政府の地震対策というのは非常にまだまだ弱体であります。薄いです。ですから、今後どのように強化していくのか、この点についてお聞きしたいと思います。

石井敏弘科学技術庁研究開発局長

○石井政府委員 先生御指摘のとおり、地震は我が国の社会経済に一たん発生しますと極めて大きな影響を与える、また人命にも重大な損害を与えるおそれがあるといったようなことで、地震国でございます我が国にとりましてはその予知ということは極めて重要なものである、かように認識いたしておるところでございます。しかしながら、いわゆる東海地震と言われる地震、これ以外の地震、今回起こりました釧路沖地震あるいは能登半島沖地震、こういったようなものにつきましては、その予知ということにつきましては、現在の科学技術水準をもってしては難しい課題というのが悲しいかな、現状でございます。  ただし、私どもといたしましては、その予知にかかわります観測体制等の整備、こういったことは極めて重要な問題である、かように認識いたしておりまして、政府といたしましては、測地学審議会の建議の地震予知計画の趣旨に沿いまして、防災科学技術研究所あるいは気象庁、国土地理院あるいは国立大学等の政府関係機関等が緊密な連携をとりまして、微小地震の観測あるいは大中小地震の観測、地殻変動観測等の地震予知を進めるための観測研究等を全国的に実施しておるところでございまして、これらから得られました観測データは地震予知連絡会に集中され、専門家による適宜の総合的判断がなされる、このようなシステムをとっておるところでございます。  全国的な観測網の整備という点を先生御指摘いただいておるわけでございますが、地震予知連絡会におきましては、地震予知の実用化を早期に実現するとのことから、過去の地震発生あるいは地殻活動の活発な地域等を考慮いたしまして、地震予知を特に進める地域といたしまして、特定観測地域といたしまして北海道東部等の八地域及び観測強化地域として東海、南関東の二地域を選定いたしまして、各種観測を集中的に進めておるところでございます。  今後とも地震予知の早期実用化に向けて、測地学審議会の建議の趣旨を踏まえまして、関係機関の緊密な協力のもとに特定観測地域、観測強化地域におきます地震予知体制の充実強化を図るとともに、これら以外の地域におきましても長期的予知及び短期的予知に有効な観測研究の充実、地震予知の基礎的な研究の推進等の地震予知体制の一層の拡充強化を図るべく努力してまいりたいと思いますので、今後ともよろしく御指導をお願いいたしたいと思います。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 いろいろ答弁を聞いていたら、相当やっていただいているなと一般国民は思うかもわからない。だけれども、少なくとも私ずっとフォローして、地震について何回やっているかわかりませんよ。全然だめですよ、これは。予算一つを見たって、何ですか、これは。平成元年六十億、平成二年度六十一億、一億円ぐらいしか上げてない。平成三年六十六億、平成四年七十億、平成五年度予算案、まだ予算は通ってませんけれども八十一億。こんな二けたのことで、地震国と言われている我が国の予算として、経済大国と言われるのは恥ずかしいでしょう。もっと本気になって、関係各省で真剣に取り組んでもらいたいと思いますね。  この前、東大のゲラー・ロバート助教授が英国の科学週刊誌「ネーチャー」で、「前兆現象の観測ばかりに予算を割き、基礎的な研究がないがしろにされている」と批判していますね。これはこれで私は傾聴すべきことだと思います。「前兆現象の観測ばかりに予算を割き」と、こんなぐらいの額で、この言葉自体当てはまっていませんよ。そうでしょう。観測体制もできてない。ましてや、基礎的な研究はないがしろにされている。  今、それぞれ少ない予算の中で政府の皆さんは頑張っておられる。その方には本当に努力を多としますよ。その方は何も悪いことはないんだ。一生懸命頑張ってくれている。政府高官が悪いのです。もっと予算をつけて本当に皆さんが働けるように、いっぱいやりたいことは山ほどあると思うのですよ。こんな予算じゃどうしようもありませんよ。そうでしょう。だから、特にこの第六次、今年度は最終年度ですね。第七次が来年度からスタートするわけです。後でがんの問題も聞こうと思いますが、そういう第七次が来年スタートするわけですから、やはり本気になってこの地震の問題、また火山の問題も取り組んでいただかなければいかぬと思います。  政府に対しても、私は申し入れもいたしております。国立のそういう研究所もつくりなさいと。考えますと言ったって、ナシのつぶてですよ。ですから、冒頭に申し上げた政府の研究開発投資、その中にすべてが網羅されるわけですけれども、一つ一つやはり国民生活に密着した、大臣がおっしゃっているより豊かな社会、国民が安心して生きられる社会にするためには、地震の予知なんというのは一番大事なことでしょう。こういうことに力をもっと入れていただきたいと思うのです。来年度、九四年から七次がスタートするわけですから、これに対してどのように取り組んでいかれるのか、お聞きしたいと思います。

石井敏弘科学技術庁研究開発局長

○石井政府委員 先生御指摘のとおり、我が国の地震予知関連経費というものは、これまで政府といたしましてもその充実に努めてきたところでございまして、極めて厳しい財政事情の中ではございますが、平成五年度の政府予算案におきましては、地震予知関係経費といたしまして、対前年度当初予算比で申しまして一五・八%増の八十一億六千九百万円というものを計上させていただいておるところでございます。  これまでの地震予知関連の予算ということにつきましても、東海地震予知対策の推進あるいは首都圏の直下型地震予知研究の充実、こういった節目節目のいろいろな動きに伴いまして、私ども、地震予知関係の経費充実ということで逐次その充実強化に努力してきたところでございますが、今後とも、御指摘の点も踏まえまして、地震関係予算の拡充強化といったようなことに引き続き努力してまいりたいと考えております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 あともう時間がありませんから特に要望だけしておきますけれども、先般地震がありました釧路沖あるいは能登半島沖を初めとして、全国のいわゆる観測網の整備、これも全力を挙げていただきたいということを重ねて申し上げておきたいと思います。それから、これはやっておられることでございますが、首都圏直下型地震への対応にさらに力を入れていただく、そして第七次に対する取り組み等々、関係各省しっかりとひとつやっていただきたいということを申し上げておきます。  ここでまた、地震とともに、がんのことを大臣おっしゃっております。がんは、御承知のように十カ年総合戦略が今年度で終わりまして、来年から新しくいくわけでございます。がん対策につきましては、もう毎年私は対策を強く迫ってきたわけでございますが、特に次の十カ年総合戦略につきましてはさらにまた大きく飛躍をしていただきたい、このように思うわけでございます。  特に、がんの問題の中で、放医研でやっておられる重粒子線がん治療装置のこともお触れになっておられますが、これはことし完成ですね。恐らくこれだけの装置というのは世界初のものじゃないかと私は思います。それだけに全世界注目の装置だと思うのですね。そういう点で、共同研究を初めいろいろな声もあろうかと思いますが、できる限りそれにこたえていただきたいと思うわけでございます。そういう点で、今後、次の十カ年総合戦略に対するポイントといいますか、重点的な取り組みの考え方をお聞きしたいと思います。

石井敏弘科学技術庁研究開発局長

○石井政府委員 がん対策につきましては、私ども国を挙げて取り組むべき重要な課題である、かように認識いたしておるところでございまして、御指摘の「対がん十カ年総合戦略」に基づきまして、厚生省、文部省、科学技術庁の三省庁が合同でがん研究を積極的に推進してきたところでございます。  この「対がん十カ年総合戦略」によりまして、第一線の研究者による研究が進められ、発がん機構の解明がなされるなど、がんの本態解明に近づきつつあるのではないか、かように認識いたしておるところでございますが、現行の「対がん十カ年総合戦略」終了後の取り組みにつきましては、先日、がん対策専門家会議のワーキンググループより、「これまでの成果を踏まえ、その成果の臨床あるいは予防への応用をさらに促進していく必要がある。」との中間報告が出ておるところでございまして、がんの克服に向けて依然解決すべき課題も多いということで、今後とも関係省庁との連携協力のもとに、がん研究を強力に推進してまいる所存でございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 がんの予算等も、ずっと見ておりますとそれぞれ努力はされておりますが、次の十カ年につきましてはさらに飛躍的な取り組みをしていただきたい、特にこれを要望いたしておきます。  それから、がんもそうですけれども、エイズの問題、今や大変な問題でございます。このまま放置していけば一体どうなるか。厚生省等が中心でやっているかもしれませんけれども、科学技術庁としてはエイズ問題についてどういう取り組みをしてきましたか。

石井敏弘科学技術庁研究開発局長

○石井政府委員 エイズ研究につきましては、エイズ対策関係閣僚会議のもとに置かれましたエイズ対策専門家会議が平成三年に策定いたしました「今後のエイズ関連研究の推進について」といったものに基づきまして、関係省庁が連携を図りながら研究を推進しているということでございますが、科学技術庁におきましては、エイズ患者が報告されました直後の昭和六十年度から、エイズに関連した共通的基盤的研究開発を推進するということでやってきております。  具体的には、理化学研究所におきましてエイズウイルスの感染等に関する遺伝子等の研究、また科学技術振興調整費を活用いたしまして、関係省庁との連携のもとに、エイズの本態解明に関する研究、あるいはエイズの研究に必要な感染モデル動物の開発、こういったものを推進してきたところでございまして、今後とも関係省庁と連携協力しながら研究開発の一層の推進を図り、一刻も早いエイズ撲滅を達成すべく努力してまいる所存でございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 答弁だけ聞いていますと、まあそれはそれなりに理化学研究所においてやっている。ところがあなた、予算を見ますと、昭和六十年四千三百万、六十一年五千三百万、六十二年七千四百万、六十三年同じく七千四百万、平成元年五千七百万、平成二年五千四百万、三年度五千六百万、四年度三千九百万。下がっているのですよ。そんな何千万のオーダーで、科学技術庁としては胸をはってエイズ対策に取り組んでいます。何を言っているのですか。そうでしょう。厚生省が中心になってやっているかもしらぬけれども、エイズはがんと双壁の問題ですよ。こういう緊急問題については、振興調整費、これは後でまた聞こうと思っているけれども、今年度は百三十三億つけているわけですが、こんなことでエイズ対策やっています、だめですよこれは。もっと科学技術庁として、このエイズ問題についても真剣に、本当に本腰を入れて取り組んでくださいよ。  ですから、このエイズ問題についてはどうするかということを、科学技術庁として部局の人も本当に真剣に取り組んでやってもらいたいと思う。恥ずかしいですよ、こういうことでは。大臣、どうですか。今申し上げたそんな予算ですよ。

中島衛自由民主党科学技術庁長官

○中島国務大臣 今予算の額を聞いておりまして、なかなか伸びていない、かえって少なくなっておるということでありますが、政府全体としては厚生省を初めとして取り組みをしておると思いますから、科学技術庁がやらなければならない分野、理化学研究所における研究等、充実をしてまいりたいと思います。先生の貴重な御意見、これからの参考にしてまいりたいと思っています。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 きょうは、エイズ問題で厚生省も来ているはずだと思います。  厚生省にお伺いしますが、厚生省は厚生省として真剣に取り組んでおられると思いますが、本当に今ここで我が国として力を入れないと大変なことになります。そういう点で厚生省も、答弁を聞いてまた言いたいと思いますけれども、厚生省の取り組みも決して強いとは私は言えないと思います。厚生省は、本省だけでなく、科学技術庁にもこういうような形でバックアップしてもらいたいということはたくさんあると思うのです。そういう点どういうことがあるか、ひとつ答弁を願いたいと思います。

尾嵜新平厚生省保健医療局結核・感染症対策室長

○尾嵜説明員 厚生省におきましては、エイズ対策研究につきましては、エイズの発症予防あるいは原因ウイルスでございますH1Vの構造、機能あるいは免疫のメカニズムあるいはワクチンや抗ウイルス薬の開発、そういった分野において研究を進めておるところでございます。  それで、私どもといたしましては、文部省あるいは科学技術庁の方にも、それぞれのお立場での研究を推進していただきたいということで、かねてより要請しているところでございます。  私どもの方も、平成五年度予算案におきましては、平成四年度十三億の研究費をおよそ四十億にいたしまして、その研究の推進に努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 文部省は来ていますか。文部省からも答弁してください。

西口千秋文部省大臣官房文教施設部計画課長

○西口説明員 お答えいたします。  先生、突然のお話だったものですから、実は私ども施設担当の者だけしか来ておりません。  いずれにいたしましても、文部省といたしましても、がん対策につきましては鋭意、研究費その他の充実に努めておるところでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 担当の人がいなければ、やむを得ませんですね。  いずれにしても、厚生省はそのように取り組んでおりますし、厚生省、遠慮せぬでいいんですよ、科学技術庁に。特に、本省ではこうやっているけれども、科学技術庁さんとしては、こういう点が私たちとしては隆路になっている、バックアップしてもらいたいということがあったら、ちょっと言ってください。

尾嵜新平厚生省保健医療局結核・感染症対策室長

○尾嵜説明員 先ほども御答弁いたしましたが、私どもも科学技術庁にも研究の推進についてかねてよりお願いいたしておりまして、科学技術庁の方のお立場として前向きに取り組んでいただきまして、御検討をお願いしたいというふうに考えております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 まあ前向きに取り組んでくださいと言っておられますし、これは冗談じゃなくして、本当に真剣に取り組んでいただきたい。要望しておきます。  四番目に、大臣は、科学技術庁振興調整費の拡充等で政策推進機能を充実強化していくということをおっしゃっているわけでございますが、調整費も増額したとはいえども百三十三億、こういうことでございますので、見ておりまして、ここの調整費というのは非常に機動的にいけますし、これは非常に大きな科学技術庁の独自のユニークな制度である、私はこのように思っております。そういう点では、この予算づけはまだまだ足らないと思います。やはりこれだけ世の中が動き、新しい現象が起き、また新しいそういうニーズ、いろいろな芽が出てきておるわけですね。機動的にはっと対処していくのはここなんですよ。ですから、そういう点からいきますと本当にもっと充実していただきたいということを、これは要望だけしておきます。  次に五番目に、大臣は原子力の開発、安全対策、このように特におっしゃっているわけでございますが、これはクリントン大統領が誕生しまして、ゴアさんもそこにいらっしゃるわけでございますけれども、非常にシビアな態度をとっていますね、お二人。特にゴアさんは、そういう点では非常にシビアであると思います。昨年の六月でしたか、プルトニウムにつきましては平和利用といえども、そういう発言があったということも聞いておるわけでございます。そういう点で、今後日米の原子力協定もあるわけでございますし、その辺の影響というものは当然考えられるわけでございまして、新大統領誕生に伴うその辺のことにつきまして我が国としてはどのように受けとめておられるのか、お伺いしたいと思います。

石田寛人科学技術庁原子力局長

○石田政府委員 お答え申し上げます。  クリントン大統領は、大統領選挙運動期間中におきまして明らかにいたしました国家エネルギー政策、その中で、原子力ベの依存度を増加することに反対の意向を明らかにされておるわけでありまして、原子力推進の立場をとってまいりましたブッシュ前大統領とはかなり異なった姿勢をとっておるということであろうかと思うわけでございます。  ただ、この原子力推進のブッシュの期間におきましても、アメリカは御承知のように一九七七、八年以降、原子力発電所の新規発注は全くなかったということであったわけでございますが、他面、アメリカは約一億キロワットの原子力発電の設備を持っておる、そういう姿になっておるということであるわけでございます。  そこで、今月十七日に行われましたクリントン大統領の包括経済対策に対する演説におきまして、財政赤字削減のために原子力の研究開発などのプログラムを削減する旨の発言や、税収をふやし、エルネギー効率を高めて環境汚染を食いとめる観点から、原子力をも対象といたしましたエネルギー税を導入する旨の発言をしておるところでございます。  クリントン大統領が今後どのような原子力政策をとるかということにつきましては、私どもも本当に必死に注目しておるところであるわけでございますけれども、我が国といたしましては、日米原子力協力協定に基づきまして、原子力のさまざまな分野でアメリカと協力してきておるということであるわけでございまして、今後とも両国間の円滑な協力関係が継続いたしますように努めてまいりたいと思いますし、私どもの原子力に対する必要性につきましてもしっかり説明してまいりたい、かように考えておるところでございます。  さらに、クリントン大統領の核不拡散政策であるわけでございますが、これにつきましては詳細な内容はまだ明らかになっておりません。これにつきましても、我が国の原子力政策にも深く関係するところでございますので、米国の動向を注視してまいりたい、かように考えておるところでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 新大統領、新政権が発足しましてまだ余り時間も経過しておりませんので、今御答弁のあった点につきましては理解はいたしますが、よくコミュニケーションを図っていただきたいと思いますし、前提となるのはやはり何といいましても安全性の問題なんですよ。  今、秋葉先生ですか、おっしゃっていました福島の第二原発、福島も先般私行ってまいりました。現地の方々も、それはそれなりに真剣に取り組みもされておるわけですけれども、やはりああした事故等に対して、一種のなれ的なというか、そういう面も若干私は感じたので、それは人はどう思うかわかりませんけれども私はそう感じたので、厳しくも私はそこで申し上げたわけでございます。安全性、その管理というものがいかに大事なものであるか。  先ほどの福島の事故にいたしましても、本体の建屋とは違う、蒸気のそれによっての事故であった。しかし、人身事故ですね。しかも、原発の用地内における重大事としてとらえなきゃいけないと思うのです。関連の周辺機器に至るまで、すべては連動しているわけですから。そういう点では、要するにこういうトラブルなり事故なりがあったことにつきまして、電力会社にしろ何にしろ、それを他山の石として、本当に自分のこととして受けとめていくというその姿勢が、もう本当に私はそれは緩んでおると思いますね。それは本当に絶えず警鐘を乱打し、また当事者は本当にそのことを真剣にやっていかなければいけないと思うのですね。それを注意を喚起して引き締めていくのは、政府ですよ。科学技術庁であり、通産省でしょう。安全という点に対して、そういう小さなことであってもそういうことが続発しているということにつきましては、本当に反省をしていただきたい、このように思うのです。  ですから、この第二原発の件について私ども聞こうと思って今聞いておりますが、これは本体とは関係ないんだと言う。それはあくまで説明かもしれませんけれども、気持ちの上までそういうことであっては困るということを申し上げているのです。だから、もう一度通産省と科学技術庁からお伺いしたいと思います。

石田寛人科学技術庁原子力局長

○石田政府委員 原子力施設の安全性につきましては、安全局長からの答弁であろうかと思いますが、私ども原子力政策全般という立場におきましても最重要事項と思っております。  先ほどの福島の件につきましては、お答えがあったとおりであるわけでございますけれども、今後とも、まさに安全なくして原子力なしという精神で、私ども、原子力関係者に対しましてより厳密な安全を確保していくように要請してまいりたい、かように考えておるところでございます。

長瀬玲二資源エネルギー庁長官官房国際原子力企画官

○長瀬説明員 お答え申し上げます。  通産省といたしましても、原子力のエネルギー利用につきましては、安全の確保が大前提ということは十分認識しておりまして、今後とも安全の確保に努めるよう私どもとしても最大限の努力をし、電力会社にもそのように注意を喚起してまいりたいと考えております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 じゃ時間がもうほぼ終わりですので、あと一点だけ。  六点目に、大臣は宇宙開発をおっしゃっているのですが、我が国の宇宙開発という点からくれば、一番皆が期待をし、見守っておるのはHⅡの問題だと思います。HⅡの現状、今後どうなるかということを最後にお聞きして終わります。

石井敏弘科学技術庁研究開発局長

○石井政府委員 HⅡロケットの開発につきましては、これまで鋭意この開発を進めてきたところでございますが、現在までのところは、第一段の主エンジンでございますLE7エンジンを除きまして、おおむね開発は終了しておるという段階にあるわけでございますが、このLE7につきましては、昨年の六月に発生いたしましたふぐあいにより打ち上げスケジュールを一年延期するなど、これまで幾つかのふぐあいが生じてきたわけでございますが、その都度技術的課題を克服してやってまいりまして、最近におきましては、一台の試験用エンジンで四回の長秒時、三百五十秒の長秒時燃焼試験に成功するなど、燃焼試験はおおむね順調に進んでおるところでございまして、LE7エンジンの設計は確定したという段階になってございます。  HⅡロケットの開発につきましては、平成五年度冬季の試験機一号機の打ち上げを目標といたしまして、安全対策に留意しつつ全力を尽くしてまいる所存でございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 終わります。

小澤潔自由民主党

○小澤委員長 吉井英勝君。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 私は、きょうは細かい話はまた改めてするとして、大臣の所信に関連して幾つかの問題を伺いたいと思うのですが、最初に情報の公開ということについて伺いたいと思うのです。  実は先日科学技術庁主催で、第四回ウェースト・フォーラムが行われ、その講演の三では、スウェーデンにおける「社会的合意形成に関する活動」、これはスウェーデンの核燃料・廃棄物管理会社の方で、リンドクイスト氏が報告をされました。非常におもしろい報告でした。  この人は、「民主的な決定は正しい事実と情報の提供が必要だ、それはバックグラウンド情報も含めて提供するべきである。」また、質問に答えてリンドクイスト氏は、「住民に対して、SKBはどこまでわかっていてどこまでわかっていないか、大きいことも小さいことも、どんなつまらない情報でもすべて公開し、判断の材料にしてもらうことにしている。パブリックアクセプタンスといって、当局の決定を押しつけるのでなく、正確な情報を提供して、住民が決定に参加できるようにすることだ」というふうに述べておられました。  私は、このスウェーデンの報告で、これは我が国の原子力基本法の自主、民主、公開、この原則をスウェーデンの方はなかなかよく生かして頑張っておられるなと、こういうふうに思いました。  そこで、このフォーラムを主催した科学技術庁の大臣として、スウェーデンのこういう公開の原則の考え方についてどんなふうに思われるか、これをまず最初に伺いたいと思うのです。

石田寛人科学技術庁原子力局長

○石田政府委員 お答え申し上げます。  今おっしゃいましたウェースト・フォーラムでのスウェーデンの方の御発言でございますけれども、一般的に申しまして、極めて重要な、原子力を進める上において心しておくべき原則というふうに認識しておるところでございます。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 大臣も……。

中島衛自由民主党科学技術庁長官

○中島国務大臣 同じです。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 そういうことですね。  日本は、公開の原則という点で、スウェーデンなんかと比べてこれは非常に懸念すべき事態に今あると思うわけです。  昨年十二月八日に私はコジェマの資料で質問をして、ようやく輸送容器の申請書と、私の質問した、たどたどしい私のやった翻訳を皆さんの方の日本語訳として提出して、もういただきました。  このコジェマの文書の中で、例えばFS47というアンバラージュの耐水試験、これはニュースナックというのですかナステックというのですか、日本の試験機関ですね。ここでやったもので、一千バールの最大圧力で防水性を保持したということとか、八四年にフランスでやった試験で一千バールのこん包材の密封維持を示したとか、亀裂は理論的には水深三万メートルに等しい圧力で生じたこと、耐火については一千度Cの熱実験 で接合箇所は一時間半以上の条件でしか損なわれることはないということなどが、コジェマの方の資料では載っておりました。  この申請書の方を出していただいて見たのですが、このデータがさっぱりわからないわけですね。どこに載っているのですか。

工藤尚武科学技術庁原子力安全局次長

○工藤政府委員 原子力安全局の次長でございます。お答え申し上げます。  プルトニウム輸送容器の設計承認の申請書でございますけれども、これにつきましては、先日御要望に応じて一部途中段階のものをお示ししたわけでございますけれども、これにつきましては、基本的には核不拡散上、あるいは核物質防護上、あるいは商業機密のものにつきましては、これを慎重に取り扱うという考え方でございます。  こういう方針のもとで、科学技術庁といたしましては、申請者であります動燃事業団に対しまして、商業機密の観点からどういうものが商業機密になるかというものを特定してほしい、そういう要請をいたしました。それに対しまして動燃といたしましては、契約上コジェマの了解が必要でございますので、それにつきましてコジェマと交渉を行いました。その結果、コジェマの側からこの部分が商業機密であるということを言ってまいりまして、その部分を抜いて先生にお示ししたということでございます。  そういうことでございまして、安全性に関係する情報はかなりお示しした中に含まれていることは確かでございますけれども、他方、おっしゃいましたように、一部商業機密のために公表できないとしている部分が抜けているということも事実でございます。そういうことでございまして、現在さらに動燃とコジェマとの間で、さらにどういう理由でこれが商業機密かというようなことを詰めてほしいというような要望を動燃にいたしまして、それに応じて現在両者の間で協議が行われているというところでございます。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 私、十二月はフランス語版の方を持ってきてやったんですが、きょうは翻訳版の方を持ってこられたので、そっちの方で十一ページ、十二ページのところに公表しているものがあるのですね。これは、さっき私が言いました四点についで。その公表しているものについて、じゃこれにどこに載っているのか。フランスのコジェマは、これは公表しているわけでしょう。せめて公表しているものくらい出して少しもおかしくないと思うのですが、さっぱりありません。  実は、この資料、私はいただいてずっと繰ってみて驚きました。まず目次が二十三ページの中で、一ページ丸々白紙というのが五ページあるのですね。目次からして委員長、白紙なんですよ。これは何が載っているかはわからないのです、目次が白紙ということは。それから、この「原型試験結果」というもの、百二十二ページ、ここに私の言ったことが載っていなければおかしいのだけれども、百二十二ページあるのです。全部百二十二ページ丸々白紙なんです、これは。丸々白紙ですよ。それで、全部でこれは五百二十五ページあるのですが、そのうちの二百十六ページ、四割は完全に丸ごと白紙なんです。そのほかにもいっぱい白紙部分がありますから、まさに戦前の弾圧時代の検閲本を見ているみたいなものですね。ペケペケ本を見ているのと一緒ですよ、これは。  私はそこで、輸送容器の安全性について国会は何にもわからない、国権の最高機関に身を置く者として安全性についての検討もできない、議論もできない、これは余りにも異常じゃないかと思うのですよ。だから私、きょうは大臣に姿勢を伺いたいのです。  幾ら何でも国権の最高機関たるこの国会で、輸送容器だけに限った話じゃありませんが、やはり国民の安全にかかわる問題について議論をしようというのに、こういう肝心なデータ、大臣、見られたかもしれませんが、百二十二ページ丸々白紙ですよ、どこをあけたって。これは結果なんですよ。全体が百二十二ページなんです、その試験結果が。全部一ページ丸々自紙なんですよ。これでどうして国会で私たちが、安全性の問題について少なくともこの抽象的な議論じゃなしに、一定の根拠に基づいて検討したり議論したりできるのでしょうか。私はこういう点で、まずこうした基本的な公開について、大臣のお考えというものを伺いたいわけです。これはひとつ大臣の方にお願いします。

中島衛自由民主党科学技術庁長官

○中島国務大臣 今のコジェマの書類について、私はちょっと知識がないからお答えはいたしませんが、原子力開発利用について国民の理解を得るために、原子力の安全性等にかかわる情報についてはできる限り公開していきたいと考えております。  ただ、従来より、核不拡散上、あるいは核物質防護上の機微な情報及びノウハウ等の商業機密については、必要最小限の範囲内でこれを慎重に取り扱うとの方針により対応してきたことは事実でございます。今回実施されたプルトニウム返還輸送に用いられた輸送容器の設計承認の申請書についても、このような方針のもとに、契約当事者である動燃及びコジェマにおいて、商業機密に該当するものの仕分け作業が進められてきたところでございます。  いずれにしても、今後とも、今申し上げた方針に基づきまして、国民の理解を得られるよう、原子力の安全性にかかわる情報についてはできるだけ公表するように努めてまいりたいというように思っております。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 私、だからせっかくこの間科学技術庁が主催された青森県で行われたウエースト・フォーラムについてのスウェーデンの方の発言を取り上げたのですよ。石田さんは、これはこの原則同感だ、賛成だということをおっしゃったばかりじゃないですか。ところが具体の話になったら、これは本当に何といってもまず国民の安全にかかわる問題については、私は、あらゆることにも増して最優先して、公開もすれば国会でちゃんと議論をできるようにするべきだと思うのですよ。今の大臣の御答弁は全くいただけないということをまず申し上げておきたいと思うのです。  もう少しコジェマの話について伺いたいのですが、コジェマの技術で六ケ所村に再処理施設を建設するということで、八九年三月、日本原燃サービス株式会社、今これは日本原燃産業ですか、この申請書が出ておりますが、これの百十ページ、「ウラン・プルトニウム混合酸化物貯蔵容器貯蔵ピット概要図」、これも一ページ全く白紙ですね。こういうもので申請を出して、これは幾ら何ぼ何でもこの申請書を見て、私たち国会に身を置く者として、一ページ丸々白紙を見て、どう判断、評価できるでしょうか。実はこれは私、せんだって青森へ行ったときに、青森県の副知事や六ケ所村の村長や現地の住民運動のリーダーの方にも、この部分とコジェマ社のこれくらいのパンフレットのちょうどその部分とを両方お示しして、御感想を伺ったのです。そのとき私が示したときの写真がこれなんですよ。これはコジェマのパンフレットなんですよ。こちら側に載っているこれが、私が今お示ししたこの部分なんです。これはウラン・プルトニウム混合酸化物貯蔵容器の貯蔵ピットについて、コジェマ社の方は現実に既に完成したものを写真入りでパンフレットでも示しているわけですね。同じコジェマの技術を入れて日本がいよいよ審査をしようというときに、これは一ページ丸々白紙なんですよ。これは私が示しているところの写真なんです。何でしたら見ていただいて結構なんですが。  これで本当に青森の副知事も、それから六ケ所の村長も現地の方もびっくりされました。幾ら何でも私はこれはちょっとひどいのじゃないかと思うのだけれども、大臣、これはあなた御自身、これ見られてどうお感じになられますか。大臣の感じられたところをちょっと率直に伺いたいと思うのです。

工藤尚武科学技術庁原子力安全局次長

○工藤政府委員 今先生がお示しになった具体的なページにつきましては、今該当するものを持っておりませんけれども、例えば先日、先生の方で、一部建屋の部分が白抜きになっている。今回の御指摘も、それに類した御指摘だろうと思いますけれども、建物自体が白抜きになっている部分があるじゃないかという御指摘がございました。例えばそういうものにつきましては、確かに建屋の配置図につきましては、それは公開されますと施設内の進入経路に関する情報が明らかになりまして、核物質の盗取をしたいというような者があるとすれば、そういう者を利することになりますので、そういう意味ではこの建屋についての図面を非公開にしているということでございます。  しかしながら、そういう場合でありましても、そういう機器の配置図の一部が非公開になっております建屋につきましても、建屋内の機器の仕様でございますとか遮へいの方法でございますとか、そういう安全確保のために必要な情報につきましては、別途再処理事業者の指定申請書に記載をされておりまして、そういう記載によりまして安全性の判断が可能ではないだろうかと考えるわけでございます。  そういう意味で、我々といたしましては、核物質防護上必要最小限の情報について慎重に扱っているというふうに考えております。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 あなたのおっしゃったのは、さっきのこっちの方ですね。去年の十二月に私は言った。きょう言っているのはこれなんですよ。全く一ページまるまる白ぼてなんですよ。こんなあなたの言っている話、話にならぬですよ。何にもわからない。さっきの申請書に至っては、目次からしてないのですよ。何がこの申請書に出てくるか、さっぱりわからない。  それで、あわせて伺っておきますが、八百トンの再処理施設の次に八百トンの第二再処理施設の考え方がありますね。これは青森県の報告書、これは第二再処理施設増設用地が確保という趣旨のことが載っておりました。実は私、既にこの六ケ所で第二再処理施設用地があるということを思っていなくて行ったら、現地の方でこの尾駮沼の横のここですということをお話を伺って、そこで県庁へ行ったら、県の幹部は最初知らなかったのだけれども、ちょうど科学技術庁から青森へ出向で行っておられる方がおられますね、あの方が後ですっ飛んできてというか、わざわざ資料を持ってこられて、ここに書いてあります。だから、第二再処理施設用地はちゃんと六ケ所で考えられているのだとお話を伺いました。  そこで、科学技術庁にこの機会に伺っておきますが、この六ケ所での第二再処理施設増設予定地だということを、ここが予定地だと、これは大体いつ公に発表される予定なんですか。

石田寛人科学技術庁原子力局長

○石田政府委員 お答えを申し上げます。  第二再処理工場でございますけれども、これは、現行の原子力開発利用長期計画におきましては二〇一〇年を目途にということになっておると承知しておるところでございます。長期計画ではそうなっておりますけれども、具体的な計画はいまだ進行していないところでございまして、私ども国の立場といたしまして、具体的に次の工場をどこにどう建てるかということにつきましては事業者からは聞いてはいない、そういう状況にあることを申し上げます。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 これは青森県民の皆さんもそうですが、国民みんなそうなんですよ。なし崩し的に、小出しにして小出しにしてしか知らされていないのですね。さっき石田さんがおっしゃったスウェーデンの発想と全然違うのじゃないかと私は思うのです。最初、地元の方には三点セットですというお話で、いつの間にかこれは高レベル廃棄物も含めた四点セットに変わったのですね。そして八百トン計画だ。これは再処理施設ですね。それで、何かだんだん話を聞いておったら千六百トン計画なんですね。ただ、いつそれを公式に発表するかは、何か会社の都合がいろいろおありみたいだけれども。一時保管だという話が、最終的に高レベル廃棄物の処分地が決まらなかったら、そこで永久保管になるわけですね。どんどん膨らんでいっておる。国民や県民に、全体計画として六ケ所のここにどういう構想を持っているのだということを、これをやはり公開するべきだと私は思うのですよ。  日本の原子力関係で、原子力基本法に定める公開の原則は本当に侵されているというのは、私はこういうところに見るのですよ。小出しにして小出しにして、問題になり出したらぱらぱらと、何かららちらと出すぐらいで、出すといったって、この資料に見られるように、何か申請書を我々に出してきたと思ったら、一ページがまるまる白ぼてというのが四割あって、そのほかにも白ぼてのところはいっぱいある。なぜそういう非公開を貫くのですか。私は、少なくともこの六ケ所について言えば、今全体計画を国民や県民の前に、その計画どおりいくかいかないかは別にしても、皆さんが考えている全体計画をやはり明らかにするべきだ。大臣、この点どうですか。

石田寛人科学技術庁原子力局長

○石田政府委員 今先生、六ケ所の計画について小出しにしておるとおっしゃったところではございますけれども、私どもの立場でも、あるいは事業者でも、小出しにしておるということは余り当たらないのじゃないかと思っておりますのは、三点セットが四点セットになったという御指摘がございました。  これにつきましても、高レベル放射性廃棄物の一時貯蔵の施設につきましては、もともと県の方に申し入れしたときにももう既に書いておったところであるというふうに認識しておるところでございます。その意味では、決まっておることを決まっておるように申し上げているというのが実情でございまして、決して不必要に隠しておるとかそういうことはないということをぜひこの際申し上げたいと存ずる次第でございます。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 石田さん、あなた、それを青森県へ行って現地の住民の皆さんの前で言われたらどうですか。本当にこれは知られていないのですよ。私がコジェマのこの資料と、これは皆さんにお見せしたときの写真なのですが、それから皆さんが出された、これは皆さんの方が受け取った側が、この申請書と両方並べてお見せしただけで、本当にびっくりしましたよ。こんなこともさっぱり知りませんでしたと。事ほどさように知られていないのですよ。  少なくとも私は、せっかくおっしゃったのだから、スウェーデン並みにもう少し、これは皆さんにとって都合のいい材料も都合の悪い材料も含めて、やはり情報はすべて国民に公開する。そのことに向けて、これを大原則として、ここはひとつそういう政治的決断というのは大臣にしかできないと思うのですよ。私は、大臣にその決意を伺いたいと思うのです。

中島衛自由民主党科学技術庁長官

○中島国務大臣 原子力の研究、開発、利用に関する情報を公開していくことは、平和利用を確保するとともに、安全性について国民の理解を深めていく上で重要と考えております。原子力基本法においては、原子力の研究、開発及び利用についてその成果を公開する旨、基本方針として定めておるところであります。  この公開の原則に基づき、従来から核物質防護等やむを得ない理由がある場合を除き、政府として情報の公開に努めてきたところでありまして、今吉井先生からいろいろな御指摘がありましたけれども、できるだけ公開していく姿勢でやってまいりたいというように思っております。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 従来から公開に努めたとかできるだけやるとおっしゃるのですが、現実は事ほどさように公開されていない。これが青森県民の皆さんにとっても日本の国民全体にとっても、これは私は、原発推進ということに賛成の人も反対の人も、賛否とまではいかなくとも懸念を持っているというみんなを含めて、やはり今の姿勢ではそれは国民的な合意は得られないと思いますよ。私は、この点で大臣に公開の姿勢をもっときちっととられることを求めて、時間が残り少なくなってまいりましたので、申し上げておきました大臣の政治姿勢について、あと残るところを伺いたいと思うのです。  佐川暴力団疑惑の解明というのは、国会で取り組んでおる最大の課題の一つです。総理も解明にできる限り協力を行うと言ってきたわけでありますが、事件解明の上で、竹下内閣成立への暴力団関与でも五億円献金問題でも、中心人物の一人はやはり金丸前副総裁だと思います。  そこで、実は大臣の就任時のインタビューを受けられた新聞の記事を私持ってまいりました。そこでは、初閣議後の記者会見で、「金丸さんは、今まで私の政治の師であり恩人だ。今までと同様に尊敬し、指導を仰ぎたい」、こういうふうにこれは信濃毎日新聞で記者のインタビューに答えておられます。今もそのお気持ちに変わりないのか、またこれまでと同様に指導を仰いでいかれるのか、これを最初に伺いたいと思います。

中島衛自由民主党科学技術庁長官

○中島国務大臣 今もその気持ちに変わりはありませんし、これからも指導を仰いでまいります。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 これは事件の政治的、道義的責任をとって議員を辞職した人であり、今や刑事罰も受けた人ですね。引き続き指導を仰ぐ、これは大臣としてその姿勢は見過ごしにできないものだ、国民の皆さんは恐らくそれは納得できないだろう、このことを申し上げて、私はもう少し新聞等で答えていらっしゃることを見ておきたいと思うのです。  十月十八日付の南信州新聞、ここで大臣は「金丸さんから選挙の時に資金手当を受けていたのは事実だが、どういう金かはわからない。」こういう御発言とか、それからまた信濃毎日の十二月十一日付では、「盆暮れに金丸氏から政治資金を受け取った」ということを認めていらっしゃる発言があります。それからまた、これは週刊ポストの十一月六日号ですが、「同じ派閥にいて、金丸さんが会長なのだから、資金援助を受けているのは事実。」だというふうにも発言しておられるとなっておりますが、こういう発言をされたことは事実ですか。

中島衛自由民主党科学技術庁長官

○中島国務大臣 今吉井先生、何点か指摘をいただきました。私の発言に舌足らずな点があった点はおわびを申し上げたいと思います。一般論として申し上げたわけでして、九〇年一月、二月の時期のことを申し上げたわけではございませんので、そういう意味で誤解を与えたとすれば、おわびを申し上げたいと思います。  そういうことがありましたから、その後いろいろ事実関係を調べましたけれども、九〇年一月、二月の選挙時には資金提供を受けていませんでしたので、この間の予算委員会でそのようなことをはっきり申し述べた次第であります。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 実は、あなたの衛友会というのですか、この届け出で、八九年、ちょうど九〇年選挙の前ですね。このときは三月に新国土開発研究会から百五十万円、六月と十二月には経世会から三百万、五百万の八百万円を受けておられるのですが、九〇年は経世会からゼロということですが、もともと金丸氏の政治団体から経世会へのお金の出入りを見ておりますと、八九年も九〇年もそれぞれ三千万と三千三百万ですか、それほど大きな額は行っているわけではなくて、ですから五億円もらったということを認めていらっしゃるのだけれども、その五億円は経世会に入った、そういうことはありませんし、それから新国土開発研究会の方にも記載されていないわけですが、結局それはお金が入らずに六十数人にそのまま五億の金が流れた。その点では師と仰ぐ金丸氏、特別に入閣の電話まで入れてもらったという話等がマスコミでも紹介されましたけれども、この金丸氏から九〇年二月の総選挙時に表に出ていないものとして受け取られたのじゃないか、こういう点があるのですが、この点はいかがでしょうか。

中島衛自由民主党科学技術庁長官

○中島国務大臣 それは調査しましたから、そういう事実はございません。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 私は、五億円の一部があなたにも渡らずに、そしてとにかくどこへ行ったかわからないが五億円が蒸発してしまった、この不可解な話はとても信じられない。この点では、特にあなた自身の政治姿勢として今も指導を仰ぐということなんでありますが、そういう政治姿勢では国民の支持や納得は得られないであろう、この点を指摘して、時間が参りましたので質問を終わります。

小澤潔自由民主党

○小澤委員長 御苦労さまでした。      ――――◇―――――

小澤潔自由民主党

○小澤委員長 内閣提出、新技術事業団法の一部を改正する法律案を議題といたします。  趣旨の説明を聴取いたします。中島国務大臣。     ―――――――――――――  新技術事業団法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――

中島衛自由民主党科学技術庁長官

○中島国務大臣 新技術事業団法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明いたします。  近年、科学技術分野における我が国の国際貢献の必要性が高まるとともに、科学技術の一層の高度化、複合領域化等が急速に進み、基礎的・創造的な研究の積極的推進が強く求められるようになっております。このような状況に適切に対処していくためには、産学官及び外国との間の研究交流を一層促進していくことが必要であり、このことは平成四年四月に閣議決定された科学技術政策大綱において指摘されているところであります。  本法律案は、新技術事業団が、これまで産学官の研究者を結集した基礎的研究の実施等を行ってきた実績にかんがみ、同事業団に研究者の交流の促進に関する業務等を追加することにより、研究交流を総合的に促進するための体制の整備を図るものであります。また、国の行政機関等の移転に関する閣議決定に沿って、同事業団が移転することに伴い、主たる事務所の所在地に関する規定の改正も、あわせて行うこととしております。  次に、この法律案の要旨を申し述べさせていただきます。  第一は、新技術事業団の目的に研究交流の促進に関する業務を行うことを追加するとともに、業務の範囲に国内及び国外の試験研究機関への研究者の派遣、研究集会の開催、国の試験研究機関と政府以外の者との間の共同研究のあっせん、研究交流に関する情報の提供等の業務を追加することであります。  第二は、新技術事業団に設置されている新技術審議会の審議事項に、研究交流に関する重要事項を追加することであります。  第三は、新技術事業団の移転に伴い、主たる事務所の所在地に関する規定を改正することであります。  以上、この法律案の提案理由及び要旨を御説明申し上げました。何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。

小澤潔自由民主党

○小澤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  次回は、来る二十五日午前十時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時四十八分散会 ――――◇―――――

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