安全保障委員会 第3号
- 発言数
- 3 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1993/03/25
会議録
○志賀委員長 これより会議を開きます。 国の安全保障に関する件について調査を進めます。 外務大臣から我が国の安全保障政策について説明を求めます。渡辺外務大臣。
○渡辺国務大臣 我が国の安全保障について所信を申し述べたいと思います。 今日の世界は、東西冷戦は終了したものの、民族や宗教に根差した対立の激化、ロシアを初めとする旧ソ連諸国の困難な情勢、大量破壊兵器拡散の懸念等に見られるような厳しい現実に直面しており、不透明で流動的な状況にあります。 国際社会はこれらの問題への対応に追われつつ、新しい平和と繁栄の枠組みを模索しております。しかし、その枠組みが構築され国際社会が安定するには、なお少なからぬ年月を要するものと考えます。 アジア・太平洋地域においては、冷戦の終了は一定の好ましい動きをもたらしております。しかし、この地域の安全保障環境の多様性を反映して、この地域の変化は欧州におけるほど劇的ではありません。 例えば、北朝鮮の核兵器開発疑惑の問題は引き続きこの地域の安全保障にとっての重大な懸念材料であります。特に、先ごろの北朝鮮の核兵器不拡散条約脱退決定は、核不拡散体制に対する挑戦であります。 また、極東地域のロシア軍は依然として核兵器を含む近代化された膨大な戦力を蓄積しております。そして、ロシア情勢が極めて流動的な中で、かかる軍事力の存在はこの地域の安全に対する不安定要因となっております。 このような国際情勢の中にあって、日米安保体制は、我が国が平和と繁栄を享受していくために必要な抑止力を提供するとともに、日米間の緊密な同盟、協力関係に安定した政治的基盤を与えております。また、この体制はアジア・太平洋地域の安定要因となっている米国の存在を確保する上でも不可欠の手段となっております。 政府としては、このような意義と重要性を有する日米安保体制を今後とも堅持し、その円滑な運用と信頼性の向上のために、できる限りの努力を払っていく所存であります。 特に、在日米軍の円滑な駐留の維持・確保については、本年二月、私が訪米した際、アスピン国防長官に対して在日米軍駐留経費の支援を行って いること等を述べるとともに、米軍施設・区域の円滑かつ安定的な使用を確保していく上で地元住民の御理解と御協力が必要である旨述べ、先方の理解を得たところであります。 政府としては、安保条約の目的達成と地域住民の要望との調和を図り、米軍施設・区域に関する諸問題の解決のため、今後とも引き続き努力を払っていく考えであります。 国際社会が新たな秩序の構築を模索している今日、安全保障政策の一つの柱としての外交の重要性はますます高まっております。 アジア・太平洋地域の長期的安定を確保するために、朝鮮半島問題等の未解決の問題の解決を図っていくことや、ASEAN拡大外相会議の場を通じて安心感を高めるための全域的な政治対話を行うこと、さらには、この地域の国々の経済発展の一層の促進のための協力を多面的に行うことは、我が国の安全保障の見地から極めて重要であります。 さらに、我が国は、カンボジアにおける平和維持活動への要員の派遣やポル・ポト派説得工作など、平和と安全の維持のための国際的な努力に協力しております。 また、核不拡散体制の強化、通常兵器に関する国連軍備登録制度の確立、化学兵器禁止条約の早期発効、旧ソ連諸国の大量破壊兵器関連の科学者・技術者の流出防止のための国際科学技術センターの設立などに積極的に貢献することを通じて、我が国は国際的な軍備管理・軍縮及び不拡散の努力に協力しております。 このような努力を行っていくことは、国際社会における我が国の責任を果たすという見地に加えて、我が国の安全保障という観点からも重視すべき外交課題であります。 我が国は今や、これからの国際秩序の基本にかかわる問題に大きな影響を与え得る存在となりました。私としても、このような我が国の責任と役割を自覚しつつ、我が国の安全のみならず、世界の平和と安定のために努力を注いでいく決意であります。この重責を十分果たせますよう今後とも皆様の御協力をお願い申し上げる次第であります。(拍手)
○志賀委員長 以上で説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前九時四十六分散会