安全保障委員会 第2号
- 発言数
- 7 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1993/02/18
会議録
○志賀委員長 これより会議を開きます。 国の安全保障に関する件について調査を進めます。 防衛庁長官から防衛政策に関して説明を求めます。中山防衛庁長官。
○中山国務大臣 先般、防衛庁長官を拝命いたしました中山利生でございます。安全保障委員長在任中、当委員会の皆様から賜りました多くの御指導、御支援に対しまして厚く御礼申し上げますとともに、我が国の防衛という国家存立の基本に関する崇高な任務に携わることとなった今、その使命と責任の重大さを痛感いたしております。 本日は、平素から我が国の安全保障に深い関心を持たれ、御指導いただいている志賀委員長を初め委員各位に謹んでごあいさつ申し上げるとともに、あわせて、私の所信の一端を申し述べさせていただきたいと思います。 まず、最近の国際情勢について概観させていただきます。 一昨年のソ連の解体により東西冷戦は名実ともに終結し、現在、国際社会においては、STARTⅡの署名などに見られるような国際情勢の安定化に向けての各般の努力が継続されています。こうした中、国際情勢は、総じていえば好ましい方向への流れが一層進行しつつあり、国際社会は新しい世界平和の秩序を模索しているところであると言えましょう。しかしながら、旧ユーゴの紛争や流動的な中東情勢など、世界には依然として多くの不安定要因が存在していることもまた事実であります。 アジア・太平洋地域に目を転じますと、中韓国交樹立や韓ロ基本条約の調印など、この地域の緊張緩和に向けた注目すべき動きもありますが、この地域の情勢はヨーロッパとは異なって複雑多様であり、朝鮮半島、南沙群島や我が国の北方領土のような未解決の諸問題も存在しております。また、膨大な極東ロシア軍の存在は、軍再編の先行きの不透明さもあり、アジア・太平洋地域の不安定要因と認識しております。また、北朝鮮における核関連施設の建設や地対地ミサイルの長射程化のための研究開発に対する懸念があり、こうした北朝鮮の動きはこの地域の大きな不安定要因となっております。さらに中国は、核戦力や海空軍力など軍事力の漸進的近代化を推進するとともに、近年、南沙群島等を中心とした海洋における活動を拡大するなど、その動向が周辺諸国からの注目を集めております。 このように国際情勢は現在も変化を続けているところであり、不安定性及び不確実性に特徴づけられた新たな時代にあっては、これらについて今後なお慎重に見きわめていくことが必要であると考えております。 次に、我が国の防衛政策について述べさせていただきます。 我が国の防衛政策は、日米安全保障体制を堅持するとともに、みずから適切な規模の防衛力を保有することにより我が国に対する侵略を未然に防止することをその基本としております。我が国の防衛力整備の指針となっている防衛計画の大綱は、このような考え方のもと、我が国に対する軍事的脅威に直接対抗するよりも、みずからが力の空白となってこの地域における不安定要因とならないよう独立国として必要最小限の防衛力を保持するという、基盤的防衛力構想に立脚しております。 現在の中期防衛力整備計画は、このような大綱の基本的考え方に基づき策定されたものですが、昨年末、策定後の内外諸情勢の変化を踏まえて修正されたところであります。これにつきましては後ほど御報告させていただきます。 現在、国会で御審議いただいております平成五年度の防衛関係予算につきましては、皆様のお手元の資料にもございますように、修正後の中期防衛力整備計画のもと、厳しい財政事情等を踏まえ、極力経費の抑制を図り、防衛力全体として均衡がとれた態勢の維持、整備を図るための必要最小限の経費四兆六千四百六億円を計上いたしております。その内容といたしましては、正面装備については、老巧装備の更新・近代化及び欠落機能の是正に努めることを基本とし、後方分野については、 隊舎、宿舎等生活関連施設の充実、隊員の処遇改善、基地対策の推進、特別協定等による在日米軍駐留経費負担の充実等の諸施策を重点的に実施し得るよう配意しております。 防衛力の整備と並ぶ国の防衛の骨幹をなすものが日米安全保障体制であります。昨年一月に発表された「日米グローバル・パートナーシップに関する東京宣言」では、安全保障面において、日米両国が日米安全保障条約を堅持していくこと及び日米防衛関係がこの地域の平和と安定に重要であると認識し、緊密に協力していくことが確認されました。その後、共和党から民主党に政権が移行し、クリントン政権が発足いたしましたが、同政権も日米防衛関係は非常に重要であるとの認識を表明しています。 私は、日米安全保障体制の信頼性の維持向上のために、我が国は不断の努力を行っていくことが重要であると考えます。このため、あらゆる機会をとらえて防衛当局間の協議を行い相互の意思疎通を図るとともに、「日米防衛協力のための指針」に基づく研究、日米共同訓練の実施、装備、技術面での協力など各種の日米防衛協力を行い、また、在日米軍の駐留を円滑にするための諸施策を実施し、防衛分野における日米関係のさらなる緊密化に尽力してまいる所存であります。 次に、自衛隊による国際貢献について述べさせていただきます。 昨年六月の国際平和協力法の成立以来、防衛庁、自衛隊からも同法に基づき陸・海・空各自衛隊の部隊が、また停戦監視要員たる陸上自衛官が、幾多の苦難にもめげずに国際平和協力業務を整斉と実施しております。このような派遣隊員の活躍により、国際平和協力法のもと、国際社会における平和と安全の維持のためには、我が国がその地位にふさわしい責任を果たすことが不可欠との認識が国民の間にさらに深まったものと確信しております。我が国に求められている人的な面での協力を行っていくに当たっては、自衛隊の果たす役割が極めて大きいものと考えます。防衛庁、自衛隊としては、これからも与えられた任務を着実に遂行することにより、国民の期待にこたえるとともに、我が国が行う国際貢献により一層寄与していくよう努めてまいる所存であります。 最後に、私は、国民の理解と支持を得ながら、我が国の安全確保のために全力をもって国防の任に当たる所存でありますので、志賀委員長を初め委員各位におかれましても、我が国の安全保障に関し幅広く議論される場である当委員会での御審議を通じ、なお。一層の御指導、御鞭撻を賜ることをお願い申し上げまして、私の所信表明とさせていただきます。(拍手)
○志賀委員長 この際、防衛政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。三原防衛政務次官。
○三原政府委員 先般、防衛政務次官を拝命いたしました三原朝彦でございます。 中山長官を補佐し、最善を尽くして職員を全うしてまいる所存でございますので、委員長初め委員各位の御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。ありがとうございます。(拍手)
○志賀委員長 次に、中期防衛力整備計画の修正について、防衛庁長官から報告を聴取いたします。中山防衛庁長官。
○中山国務大臣 政府は、昨年十二月十八日、「中期防衛力整備計画(平成三年度~平成七年度)の修正について」を安全保障会議及び閣議において決定いたしました。 以下、これについて御報告申し上げます。 我が国は、平成二年十二月二十日に安全保障会議及び閣議において決定された「中期防衛力整備計画(平成三年度~平成七年度)」のもとで防衛力整備を進めてきたところであります。この計画においては、三年後には、その時点における国際情勢等を勘案し、必要に応じ、計画の修正を行うとされておりましたが、平成三年十二月二十八日の安全保障会議の席上、内閣総理大臣から、政府として、諸情勢の変化等を見きわめつつ、前広に、所要の検討に着手することが適当であるという趣旨の御発言があり、その後、政府として所要の検討を行ったところであります。 計画策定後の内外諸情勢には次のような変化が生じてきております。 まず、国際情勢については、安定化に向けて各般の努力が継続されている中で、なお各種の不安定要因が存在しておりますが、特にソ連の解体により東西冷戦が名実ともに終結したことの結果として、総じていえば、好ましい方向への流れが計画策定時よりもさらに進行しつつあると見ることができます。また、財政事情は一段と厳しさを増しているところであります。 このような計画策定後における内外諸情勢の変化については可能な限り早期に防衛力整備に反映させる必要があることから、計画において三年後に行うこととされている計画の修正を、これを待たずに一年早めて行うことといたしました。 計画の修正に当たっては、主要装備について、防衛計画の大綱に定める防衛力の水準を全体として適切に維持することに重点を置きつつ、後に述べる防衛力の在り方の検討を行っていることをも念頭に置いて、より緩やかな形で整備を進めることといたしました。 このため、主要装備について、一部任務の遂行態勢の緩和等に留意し、計画に定める事業の実施を一部見送るとともに、諸外国の技術的水準への対応に配意し、老朽装備の更新・近代化及び欠落機能の是正に努めることとして、期間内の整備規模を修正いたしました。 こうした措置により、計画に示す防衛関係費総額の限度については、いわゆる湾岸削減措置に係る約一千億円の削減を含めて五千八百億円減額し、平成二年度価格でおおむね二十二兆一千七百億円程度をめどとすることとしております。 なお、国際情勢は現在も変化を続けているところであり、こうした変化は我が国の防衛力の在り方にも影響を及ぼす可能性があると認識しております。したがって、防衛力の在り方を検討するに際しては、これらの変化を今後慎重に見きわめる必要があります。 一方、その際、将来における人的資源の制約の増大等の要因もあわせて考慮する必要があります。 このような観点から、国際情勢の変化をも踏まえ、自衛官定数を含む防衛力の在り方について引き続き精力的に検討を行い、本計画期間中に結論を得ることといたしております。 私といたしましては、引き続き、国民の信頼にこたえ得る真に有効かつ効率的な防衛力の維持、運用を図っていく所存であり、国民の皆様の御理解を賜りたいと考えております。 以上でございます。
○志賀委員長 これにて報告は終わりました。 本日は、これにて散会いたします。 午前十時二十一分散会