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125回国会参議院1992/12/04

予算委員会 第3号

発言数
353
登壇者
33
会派数
8
開催日
1992/12/04

会議録

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  平成四年度一般会計補正予算、平成四年度特別会計補正予算、平成四年度政府関係機関補正予算、以上三案を一括して議題といたします。  昨日に引き続き、質疑を行います。種田誠君。

種田誠日本社会党・護憲民主連合

○種田誠君 私は、昨日の総括質問を受けまして、総理また閣僚の皆さん方に質疑を行いたいと思います。  今回の佐川事件にまつわるスキャンダル、そして過般のリクルート、ロッキード、こういうふうな日本の政治の信頼を損ねるような、そしてまた政治に対する希望と期待を損なうような、こういう出来事が余りにも頻繁に立て続けに続いております。  二十一世紀まで数えてみるとあと七年、世界の新しい国際秩序づくりが今動いている。一体私たち国会議員は何をやっておるんだろう。国家、国民のことを真剣に考えて、世界の皆さんとともに生きる、こういう視点での政治に取りかかっているんだろうか。私は一人の政治家としてみずからも深く反省をしているところでもありますが、総理、なぜこのように何回も何回も性懲りもなくこの種事件が繰り返されるんでしょうか。端的にその原因を教えてもらいたいと同時に、国民の皆さんに納得のいくような説明をしていただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) これは所信表明の際にも申し上げたことでございますが、私も種田委員とまことに憂いをともにいたします。基本的には政治に携わります者の一人一人の倫理の問題であると申さざるを得ませんが、同時にまた、そのような誤りを起こさないための制度上の改革ということも必要であって、それが十分に行われるまでに至っていない。  昨日も当委員会におきまして一八〇〇年代後半のイギリスのお話がございましたけれども、我が国の民主政治の過程において、かつてイギリスが経験したような腐敗の状況、それに対する反省、改革、そういうようないわば民主政治の成長の過程においてこれは起こっているものであるというふうに考えますが、したがいまして、もう一度もとに返って申し上げますならば、一人一人のモラルの問題と、またそれを担保するための制度の改正というものが十分に行われていない結果である。したがって、これからなすべきことは、そういう努力をお互いにいかにすべきかということであるというふうに認識をいたしております。

種田誠日本社会党・護憲民主連合

○種田誠君 今、総理も一八八三年のイギリスの状況を述べたわけでありますけれども、それだけの思いを持っておるなら、今回の臨時国会においても国民の皆さんが納得するような抜本的な政治改革の提起を政府・与党としてはせざるを得なかったんじゃないか。それができない状態にある。  総理は、次の国会において抜本改革を提起したい、このようなことを述べておりますけれども、この総理の決意を果たして閣僚の皆さんや、そしてまた自民党の皆さん方は総力を挙げてなし遂げようとする決意があるんでしょうか。総理はその点どのように考えておりますか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 事実に徴して申しますならば、いわゆる緊急改革というのは前国会において御審議を願っておったところのものでございます。これは各党、共産党は入っておられませんでしたが、において事実上合意のあったものであって、それが前国会で成立しなかったことはまことに残念なことであると申し上げざるを得ません。これは国会の御都合でありましたのですからやむを得ませんけれども、残念であったと思います。したがって、これは急ぐ部分でございますので、これを今国会でぜひ成立をさせていただきたい。  しかし、抜本改革というものがさらに大事でございまして、これは私どもの党内でほぼ結論に近づいておりますので、結論を急ぎまして、次の国会ではぜひお願いをいたしたい、こう考えておるところでございます。

種田誠日本社会党・護憲民主連合

○種田誠君 今回の佐川スキャンダルにおいては、まさに一言で言われる政官財癒着の構造のあらわれだと、そういうふうなことが、何か国民もなるほどと言わざるを得ないような司法と政治の不透明な、しかもこの国会を通じて刑事局長が釈明に釈明を国会で重ねている、こういう実態まで国民の前にあからさまになっているわけであります。  そういう中で、過般裁判所において公判調書が朗読された。これは、公判調書の朗読は刑事訴訟法上の当然の原則でありますから当たり前なんですけれども、それに対して検事告訴をするとか裁判官を告訴するとか、こういうふうな話が、立法府から訴訟指揮のあり方や刑事訴訟の手続のあり方に関して発言が猛烈になされるということに関しては、法務大臣はいかようにこれを理解しておりますか。

田原隆自由民主党法務大臣

○国務大臣(田原隆君) お答えします。  検察官は法の定めるところに従って適正に職務を行ってきたところでありますし、裁判所もそうであろうと思います。裁判所のことは三権分立の立場から申し上げることはできませんが、違法性は全然ないわけでありますけれども、ただ、裁判 の過程で第三者の氏名が出ていろいろ誤解を受けたり名誉が棄損された場合には、その第三者をどうするかということは虚心坦懐に冷静に考えなきゃいかぬときがあるのではないか。特に、か弱い第三者のような場合にも配慮するという意味で、一般論として第三者のことを考慮するようなことが、冷静に虚心坦懐に反省があってもいいのではないかという気がいたしておるわけでございます。

種田誠日本社会党・護憲民主連合

○種田誠君 今回、国会の中で、そしてまた自民党において行われてきた司法に対する批判というのが国民の目にどのようにとまっているかということを真っ正面から法務大臣は見ていただきたいと思うんです。私は、今のような姿勢では法の厳正な執行、法の中立というのはこれから怪しくなるんではないだろうかな、こう思うからあえて言うわけであります。  そこで、ちょっと法務当局の方に伺いたいんですけれども、きょう金丸さんの上申書なるものが全文朝日新聞に発表されております。法務省、これはどこから出たんでしょう。(発言する者多し)

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 御静粛に。

濱邦久法務省刑事局長

○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。  朝日新聞に今委員が御指摘の記事が出ていることは、私もけさ承知いたしております。  どこから出たのかというお尋ねでございますが、これは、少なくとも私の方でお答え申し上げられることは、検察庁のサイドから出たものではないということははっきり断言さしていただきたいと思うわけでございます。

種田誠日本社会党・護憲民主連合

○種田誠君 問題は、衆議院においても当院においても、これらの確定記録を審議のために出してくれと私たちは要求をしてきたわけですけれども、こういうものがぽこっと、確定訴訟記録法というのが、確定記録の保存に関する法律があるにもかかわらず、こういうものが私たち国会に出るんではなくてマスコミに出るという、このこと自体が問題だと思うんですけれども、当局の御見解を賜りたい。

濱邦久法務省刑事局長

○政府委員(濱邦久君) 先ほどお答え申し上げましたように、新聞記事に出ているものについて法務当局から御意見は申し上げられないわけでございます。  ただ、御理解をいただきたいと思いますので申し上げるわけでございますが、今、委員がお尋ねになっておられる点に関しましては、先ほどの衆議院予算委員会におきましても、金丸証人の証言を踏まえて御質問があった際に、金丸前議員の上申書を含む確定記録は現在継続中の捜査に支障があるということで公になっておらず、一方、検察官の閲覧拒否処分に対する特別抗告が最高裁に係属中でございまして、司法の御判断を仰いでいるところであるということでもございます。そのときの質問で、仮に金丸前議員側から上申書の写しと称するものが国会に提出されても、その内容と検察当局で保管しておりますところの上申書の内容とが同一かどうかというようなことの確認はできないということをお答え申し上げたところでございます。  今、委員のお尋ねは、このけさほどの朝日新聞に掲載されているものがその確定記録中にある上申書と同一のものであるという前提でお尋ねになっておられるかと思うわけでございますが、そこのところは、先ほどお答え申し上げましたように、確認をいたしかねるわけでございます。

種田誠日本社会党・護憲民主連合

○種田誠君 検察当局からまさか出たわけじゃないでしょうね。  と同時に、この確定記録に関して、今現に捜査中だと言ったけれども、現に捜査中といっても何カ月間も捜査が朝から晩まで続いているわけじゃなくて、現に取り調べに必要なその限りにおいてこの調書が必要だったというのであって、それが終われば直ちにもとに戻すべきなんですよ。ですから、出してしかるべき調書なわけですから、これは直ちに検察当局は出してください。

濱邦久法務省刑事局長

○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。  まず、検察サイドの方からは出ていないんでしょうねというお尋ねでございます。  これは、そこのところを御理解いただきたいと思いますので申し上げるわけでございますが、東京地検における確定記録の保管体制というものを御理解いただきますれば、おのずとその間の経緯は御理解いただけると思うんですが、東京地検におきましては、検察合同庁舎地下の記録庫において確定記録を保管しているわけでございます。この記録庫に立ち入るには、関係者に配付されたホログラム入りのカードが必要でございまして、かつ、このカードを用いて記録庫に入った場合には、だれがいつ入退室したかということは自動的に記録されることとなっているわけでございます。  金丸前議員に対する政治資金規正法違反事件の略式確定記録もこれに従いまして、閲覧拒否処分に対する準抗告のために記録が東京地裁に、また特別抗告のために最高裁にそれぞれ貸し出された期間を除きまして、検察当局において今申しましたような形で厳重に保管しているところでございます。したがいまして、検察関係者の方から流れたとかそういうようなことはあり得ませんし、現実にもないということをまずお答え申し上げたいと思うわけでございます。  それから、確定記録中の現在公開されていないものにつきましては、もちろんこれはもう委員御存じと存じますが、刑事訴訟法の五十三条一項ただし書きの規定によりまして現在は公開されていないことになっているわけでございますが、その要件が解除されますれば、もちろん当然これは公開されることになるわけでございます。

種田誠日本社会党・護憲民主連合

○種田誠君 これ出すか出さないか、そのことを答えてください。出すか出さないかという質問があったでしょう。

濱邦久法務省刑事局長

○政府委員(濱邦久君) ですから、確定記録が公開していいということになる時期が参りますれば、それは当然公開されることになるわけでございます。

種田誠日本社会党・護憲民主連合

○種田誠君 私が聞いているのは、もうこれを公開してはならない理由というのはまずないということと、捜査の必要性というのは現にその時点で使っている限りにおいてのみ必要なんであって、それがなくなればいつでも出せるんじゃないかということです。これは、実はこの上申書、極めて中身において重大なものが含まれております。今までの捜査の流れを覆すようなことにもなりかねないものですから、私はこの質問を続けるに当たっては、ぜひこれを直ちに委員会の方へ出していただきたい。委員長において取り計らっていただきたい。お願いします。質問ができない。背景が全く変わっちゃう。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 速記をとめてください。    〔速記中止〕

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 速記を起こしてください。  ただいまの件については、後刻理事会において協議をしたい、こう思いますので、御了承願っておきたいと思います。

種田誠日本社会党・護憲民主連合

○種田誠君 じゃ、しかるべく理事会の方で適切に処理をしていただきたいと思います。  そこで、もう一つ法務当局に伺いたいんですけれども、過般衆議院で証人調べがなされました。一つ例を挙げれば、金丸さんの証言調書と上申書とどちらが証拠価値は高いんでしょうか。

濱邦久法務省刑事局長

○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。  今、委員のお尋ねは、どちらが信用できるかという御趣旨、証拠価値ですから、それはどちらが信用できるかという信用性のことをお尋ねになっておられると思うんでございますけれども、それは法務当局からお答えできることではないと思うわけでございます。

種田誠日本社会党・護憲民主連合

○種田誠君 じゃ、訴訟法上のそれぞれの証拠に関する説明をしてください。(発言する者あり)

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 御静粛に。

濱邦久法務省刑事局長

○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。  刑事訴訟法上の、特に証拠法の分野にはいろんな規定がございます。通常、証人として法廷で証言する場合には、その証言自体が証拠となるわけでございます。それから、証拠書類が証拠となる 場合には、これは委員も御案内のとおり、刑事訴訟法三百二十条以下の伝聞法則の適用がございまして、一定の要件がある場合にのみ証拠能力が与えられて、法廷に証拠として願出されるということでございます。  そういう意味では、証言につきましては、もちろんその証言の中に伝聞の供述がまじっております場合には同じように伝聞法則の適用がございますけれども、証言につきましては証言自体が法廷での証言でございますよ、法廷での証言につきましては証言自体が証拠能力を持ちますし、証拠書類につきましては、先ほど申しましたように伝聞法則が適用されて、刑事訴訟法三百二十条以下の規定によってその要件を満たす場合に初めて証拠能力が与えられるということでございます。

種田誠日本社会党・護憲民主連合

○種田誠君 国会における証言調書の証拠能力について聞きます。どうですか、もう一度お願いします。

濱邦久法務省刑事局長

○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。  先ほど私が証言と申し上げておりますのは、お断り申し上げましたように、当該裁判所の法廷での証言を言っているわけでございます。したがいまして、今、委員が御指摘の法廷外での、例えば国会の証人喚問の場での証言、これは刑事訴訟法の三百二十一条の伝聞法則の適用がありまして、その要件が満たされる場合に初めて証拠能力を持ってくるということになるわけでございます。

種田誠日本社会党・護憲民主連合

○種田誠君 法務当局もおわかりのように、上申書に書いてあることと金丸さんが国会で証人として述べたこととは中身が全く違っている。この場合、どちらが優先するんですか。

濱邦久法務省刑事局長

○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。  一般的に申しまして、裁判所に例えば証言調書というものが先ほどお答え申し上げましたように三百二十一条の要件を満たして証拠能力があるという形で法廷に出た場合と、それから証拠書類という形で法廷に出た場合に、どちらを信用するかということは、結局、裁判所の自由心証主義によりまして、裁判所の心証によってどちらを信用するかという、裁判所が判断することになるということでございます。

種田誠日本社会党・護憲民主連合

○種田誠君 法制局長官、この問題に関して、国会における証言調書の位置づけというのをはっきりしてください。

工藤敦夫内閣法制局長官

○政府委員(工藤敦夫君) これは国会における証言の問題でございますし、また一方におきましては刑事訴訟法の問題でございますので、私の立場からこれというふうに申し上げることはいかがかと存じます。

種田誠日本社会党・護憲民主連合

○種田誠君 法制局長官は国全体の法律の総元締めのようなものでしょう。御見解を賜っているんですよ。もう一回答えてください。(発言する者あり)

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 御静粛に願います。

工藤敦夫内閣法制局長官

○政府委員(工藤敦夫君) ただいまの委員の御質問でございますが、まず、先ほど法務省当局から御答弁申し上げましたように、裁判所においていかに扱われるかということでございますし、私の方から申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 速記をとめてください。    〔速記中止〕

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 速記を起こしてください。

工藤敦夫内閣法制局長官

○政府委員(工藤敦夫君) お答えいたします。  ただいま委員お尋ねの件は、一方におきましては議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律いわゆる議院証言法に基づきます、この件は国会の国政調査権に由来するものだと存じますが、そこにおきましての証言、これにつきましてはこの法律におきまして偽証の罪その他のことも規定されております。これにつきましては、それなりの、そこに定められました法律の手続に従って処理される、こういうことでございます。  一方におきまして、いわゆる刑事訴訟法上の手続に関しましては先ほど法務省当局から御答弁があったようなことだと、そのような関係に立っている、こういうふうに存じます。

種田誠日本社会党・護憲民主連合

○種田誠君 いずれにしろ、この辺は次に集中審議でじっくりやりたいと思いますので、それまでの間に整理をしておいていただきたいと思います。  もう一つ法務の方に伺っておきますけれども、過般の新潟県の知事選をめぐって検察庁の方に証拠となるテープが提出されておると思いますが、テープを受け取った事実があるか、このテープを調べた事実があるか、それだけ答えてください。

濱邦久法務省刑事局長

○政府委員(濱邦久君) ちょっと御質問の趣旨がよくわかりかねたんですが、私、誤解しているとするといけません。質問をちょっと正確に確かめさせていただきますが、新潟県知事選挙の関係でテープがということでございますか。

種田誠日本社会党・護憲民主連合

○種田誠君 それに絡んでの三億円の献金事件があった。それとの絡みにおいてのテープが証拠として検察庁に提出されたことがあるか。また、あった場合にはそれを取り調べたことがあるか。

濱邦久法務省刑事局長

○政府委員(濱邦久君) 今の新潟県知事選挙の関係で、今委員がお尋ねになっておるようなテープが押収されているかどうかということについてはちょっと承知いたしておりません。

種田誠日本社会党・護憲民主連合

○種田誠君 それじゃ、その点もこの次の集中審議のときまでに十分に調査をしておいていただきたいと思います。  そこで、次の質問に移る前に、関連で佐川事件に関しまして肥田議員の方から質問がありますので、お願いいたします。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 関連質疑を許します。肥田美代子君。

肥田美代子日本社会党・護憲民主連合

○肥田美代子君 佐川事件は教育上子供たちに与える影響が大変大きいと私思うんですけれども、このことに関しまして鳩山文部大臣に御所見をお伺いしたいと思います。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 例えば小学校の学習指導要領の社会科の指導書の中にいろいろ書いてありますが、要するに国会議員というのはどういうものであるか、そして国民の生活の安定や向上に貢献をする代表者であるということをきちんと教えなくてはならない。そして一番重要なのは、国会は国権の最高機関であって国の唯一の立法機関であるという憲法の条文についてこれを教えるということでございまして、国会は国権の最高機関であるということは、その構成員である国会議員は、総理もおっしゃっておられますように、最高のモラルあるいは倫理観を求められていると思うわけであります。  にもかかわらず、いろいろな政治と金の問題が起きたり、リクルート、共和、佐川というような事件が世の中を騒がすということは、子供がそうした報道等を見てどういう気持ちを抱くかということを考えた場合に、私は非常に残念なことであり、やはり国会議員というのは非常に尊敬に値するところだということを子供たちが見続けることが大切なわけで、いろんな事件がある、あるいは牛歩などという妙なものを見れば、子供は絶望的な気持ちになることもあり得るわけでございます。そういった意味で政治改革をやって倫理観の高い国会をつくることが重要だと存じます。(発言する者あり)

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 御静粛に。

肥田美代子日本社会党・護憲民主連合

○肥田美代子君 先日、日本語流行語大賞の新語部門の金賞に褒め殺しという言葉が選ばれました。そして小学校の子供たちの間では、褒め殺しであるとか五億五億という言葉が今はやっているそうです。それで、大人はもとより子供たちに今政治不信が起きている。  二十一世紀を任せる子供たちに、一体私たちはどういうふうにしたらいいのか、総理の御所見お伺いしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 今、文部大臣が言われましたとおり、やはりこれは大変に深刻な問題だと思います。

肥田美代子日本社会党・護憲民主連合

○肥田美代子君 総理、今、私ちょっと総理のお心が心に届かなかったんですけれども、もう一度総理のお言葉でしっかりしゃべっていただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 御質問がわからないん です。

肥田美代子日本社会党・護憲民主連合

○肥田美代子君 済みません。二十一世紀を託す子供たちに今の政治の状況がどのような影響を及ぼすというふうにお考えであるか。わかりませんか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 恐れ入りますが、ちょっと御質問の趣旨をもう一度お願いいたします。    〔肥田美代子君「二十一世紀を託さなけれ    ば……」と述ぶ〕

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 肥田君、立ってやってください。

肥田美代子日本社会党・護憲民主連合

○肥田美代子君 二十一世紀を許さなければならない子供たちの間に今政治不信が起きているわけですね。ですから、このことに関して総理はどのようにお考えであるか、総理の立場としてお答えいただきたい。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 大変深刻な事態だと考えております。ですから、そういうためにもこういう政治不信をなくすために我々が努力しなければならない、こう思います。

肥田美代子日本社会党・護憲民主連合

○肥田美代子君 具体的にどういう努力をなさるつもりでいらっしゃいますか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それは子供たちのためということばかりでなく、そもそも事柄が、先ほどからあるいは連日御議論がありますように、このような政治不信というもの、政治家のモラルの問題であり、政治と金の問題であり、そして、そういうことを改めるためのいわゆる政治改革、こういうことに全力を挙げなければならないというふうに思うわけでして、そういう現実の事態が改まることによって子供たちの受け取り方が変わってくる、そういうことが一番基本だと思います。

肥田美代子日本社会党・護憲民主連合

○肥田美代子君 この補正予算が通ったら内閣改造をすぐになさるという報道に接しておりますけれども、そのように理解してよろしいですか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それは、補正予算が一日も、やはり合成立が大事でございますので、そのことにただいま全力を挙げております。

肥田美代子日本社会党・護憲民主連合

○肥田美代子君 そうすれば、予算が通ったらやるというふうに理解してよろしゅうございますか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまは予算の早期成立とその執行に全部の力を注いております。

肥田美代子日本社会党・護憲民主連合

○肥田美代子君 予算が通ったらやるというふうに今はっきりおっしゃいませんでしたけれども、恐らくそうなるんじゃないかと私は思って伺うんですが、私は一年ぐらいで内閣が簡単にかえられるべきじゃないという考えに立っております。と申しますのは、閣僚は簡単にかえることができましても、教育とか、特に入試のあり方について簡単に変えられると子供たちが困るんですね。  それで、鳩山文部大臣は教育の原点に立ち返った発言を最近していらっしゃいますが、業者テストの問題に関して私は鳩山文部大臣の哲学及び方針について伺いたいと思います。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 教育改革というものは、臨教審等から始まりまして、要するに個性を重視していこうということでございまして、人間の多面的な能力等をきちんと引き出すような教育をやりたい。したがって、来年から今大蔵省にお願いをしております第六次の教職員の改善計画についても、これは個に応じた教育をやるための教職員の配置ということを考えております。新しい学習指導要領も個に応じた教育ということを打ち出しているわけであります。したがって、人間が自分の個性を伸ばすことができない画一化された中で受験というストレスもたまる、そういう中で例えば登校拒否とかあるいは高校中退というような現象もあらわれているのではないだろうか。子供たちが個性を伸ばすことができるように学校五日制で土曜日を休みにしようということを始めたわけであります。  それに対して、今の業者テストによる進学あるいは進路指導、あるいは実際上の推薦入学、事前相談、こうしたものは、あくまでも一つの一本の物差しにすべての子供を全部並べて、他の要素を一切見ないで偏差値で人を振り分ける。しかも、業者がやっているテストでありまして、テストの実施期日がさまざまでございますから、おくれて試験をやる子供で要領がよければ既に試験をやった子供から問題を聞き出すことも容易でございます。決してそういう意味で言えば正しくない。正義とは言えない。その業者テストの結果が実際には進路指導に利用されて、九割方私立の高等学校と公立の中学校の間の相談で決まってしまうというようなことも言われている。  そうしますと、この間、新聞報道にありましたように、僕は一生懸命中学時代運動をやって部活を一生懸命やったけれども、九月や十月の業者テストの結果は部活に一生懸命だったからよくなくて、希望の学校を受けさせてもらえない、本当はこれから勉強して追い込もうと思ったんだけれどももう遅いらしいんだという、そういう投書か意見が載っておりまして、本当に恐ろしいことだと思うわけであります。  ですから、そういった点で私は、言葉は極めて悪い使い方かもしれませんが、偏差値一本、しかも業者テストによる偏差値で私立の高等学校と公立の中学校の間でいろんな話し合いがされて事実上の推薦入学が決められていくとするならば、これは子供の志望校を選定する自由も奪うものであって、実質上の人身売買に近いような、実際には人身売買という事象とは全く違いますが、そう言ってもおかしくないような教育の自由の侵害行為が行われていると思っておりますので、全国の都道府県の教育委員会からそれぞれ事情を詳しく伺う予定にいたしておりますし、とにかく公立の中学校が私立の高等学校に絶対に業者テストの偏差値を渡さないということを平成六年の入試から実現をしたいと思っております。

肥田美代子日本社会党・護憲民主連合

○肥田美代子君 鳩山さんが閣僚に残られるなら本当にこのお気持ちが続いていいのですが、もし違う人が大臣になられました場合には、業者テストがそれなりに利用価値があるというふうにおっしゃるかもしれない。入試の方針が変わりますと、また子供たちは困るんですね。  それで、業者テスト問題と高校入試をどのように考え、どうあるべき姿が望ましいと思うか、総理にお伺いしておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) この問題は、どこに弊害があってどういうことが問題なのかというところまでは私も自分なりに理解ができるのですけれども、それならばどういうふうに改善をしたらいいかということになりますと、非常に専門的な知識も必要といたすことでございますので、今、鳩山文部大臣が文部当局とその辺のことをお考えになっておられるわけだと思います。したがいまして、行政というのは一貫性を持っておりますので、そういう鳩山文部大臣の方針というものを私は支援してまいりたいというふうに考えております。

種田誠日本社会党・護憲民主連合

○種田誠君 本日各紙はトップで、経企庁が昨日景気の動向を発表したところ、成長率が前期比マイナス〇・四%であって、前期のGDP成長率がマイナス〇・二だった、こういうふうなことを一面に取り上げております。そしてまた過般は、有効求人倍率が一を割った、こういうことも言われております。今日的に総理は景気の動向をどのように見ておりますか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 昨日、七−九のいわゆるQEが出ました。今御指摘のような数字であったわけで、七−九という時期は、お互い既に経験をしてあのときのことという感じがございますから、まずこういう数字ぐらいかなということは私は概して予期をいたしておりました。  それから、有効求人倍率が一を割りましたことにつきましても、まあまあ予期したことでございました。後者の方は、昨日もこの委員会で労働大臣が説明をしておられましたが、雇用調整資金等々十分にございますし、今の我が国のいわば人手不足という基調がございますからさほど深刻には受け取っておりません。十分な対応をいたさなければならないと思いますけれども。  そこで、七−九がこうなったということはこれから経済企画庁の専門家の諸君がよく分析をされると思いますが、中身をちょっと昨日見ました。つまり民間設備投資が、予想されたことだけれども、落ち込んでいる、在庫調整もなお進行中である、個人消費そのものはそんなに落ち込んではいないようですけれども、公共投資は前期比で言いますとマイナスになっている。これは前期が非常に高かったからということもあろうと思います。概して私は、七−九というところで、経済がこれで転換点になるのではないか、その前がゼロでございますので、ゼロ、マイナス〇・四と申しますかマイナス一・六と申しますか、大体ここで転換点になるのではないか。  というのは、十−十二というのが今お互いが経験しているこの時期でございますけれども、総合経済対策が効果を発揮してくる段階。それから、最近の住宅着工、機械受注は多少不確かなところがございますけれども、在庫調整も一部ではかなり進行している。あれこれ考えまして、七−九をもって転換点と考えていいのではないかなと思いますが、なおもう少し専門家が分析をしていることであろうと思っております。

種田誠日本社会党・護憲民主連合

○種田誠君 私は、今の総理の分析はちょっと甘いんじゃないか過去の政府が経済分析を間違ったように、今回そうならなきゃいいな、こう思っているわけでありますけれども、予想以上に消費者マインドは冷えておりますし、企業のマインドもこの先見えないという状態が強く高まっておりまして、むしろ新たな金融緩和とか刺激策としての減税とか、こういうことが強く求められているのが今日的状況だと思うんですけれども、このままの状態で政府経済見通し大丈夫ですか、経企庁。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(野田毅君) 政府経済見通し大丈夫かというお話ですが、その点について、本年度の経済見通しについては大変激しい状況にあるということは率直に認めなければならぬと思います。  もちろん本年度、実績としては四−六それから七−九、半分の実績が出たわけで、少なくとも年度後半の部分は今進行中であります。しかも、総合経済対策、あるいはそれに先立ついわゆる三月に決めました前倒しを中心とする緊急対策、これらの効果がどちらかというと年度後半にかけてあらわれてくる。そして特に、現在御審議をいただいております公共事業の追加を中心とするこの総合経済対策の効果が、どうしても十月以降実施のものが多うございますし、補正予算、今まさに御審議中でございます。  そういったことを考えますと、年度後半とはいいましても、やはり効果が本格的に出てくるのはどうしても年明け以降にならざるを得ない。いずれにしても年度後半にはそれらの効果が前半よりも出てくるであろうという期待感はあります。しかし、年度を通じて考えてみると、いわゆる当初見通しの達成ということについては大変厳しいということは言わざるを得ないと思っておるんです。  ただ、私は率直にこの機会にぜひ御理解をいただきたいのは、現在、複合不況だとかいろんな表現があるんです。そういう点で、確かに昨年秋ごろ私どもが想定をしておりました、あるいは期待をいたしておりました経路よりもかなり下振れをしておるということは事実です。やはりそれの最大の要因というのは、日本が戦後初めて経験する資産価格の下落ということが具体的にどういう経路を通って、そしてそれがどれぐらいの広がりと深さを持つものかということについて事前予測ということは、率直に言って極めて厳しい。  かなりの程度の広がりがあるであろうということは当然想定はされるわけですけれども、そのことがかなり明確に金融部門に影響を与え、そしてその金融部門のリストラを通じ、あるいは融資態度を通じ、そういった中で実体経済に及ぼす側面もあれば、しかしそれだけではない、資産価格の下落、そのことが少なくとも企業の収益力そのものを直撃しておる部分がある。いわゆるバランスシートが大幅に悪化しておる。それを通じて企業の収益力そのものに影響する。企業の収益力に影響するということがこれまたいろんな賃金その他、設備投資に特に影響してくる。  あるいは個人の世界においても、今、消費のお話がありましたけれども、これは単に所得要因だけではない。いわゆる家計部門における財務内容の悪化ということがかなり消費態度そのものにも影響しておるであろう。あるいは消費の先食い的な要素もあったであろう、いわゆるストック調整という言葉もありますし、飽和という話もありますけれども、いずれにしても個人の家計の部門においてもかなりそういったリストラが、資産内容改善のための動きがある。それから今までの消費態度そのものについての見直しといいますか、より堅実化をしようという動きも現にある。実はさまざまな要因が重なっておるわけです。  したがって、その消費の問題を単に可処分所得の追加という側面だけで消費需要を喚起するということが、果たしてそれが現在の経済の実態に合わせた的確な方策であるかどうか、この点は必ずしもどんぴしゃりといかない部分がある。つまり、そういったことが消費性向を逆に今は低下させておる。足元ですね。そういったことも頭に置いておかなければならぬ。そういうことであります。  しかしいずれ、今、民間部門においても大変厳しい状況の中で、懸命の、財務内容の改善であったり経営の革新を一生懸命汗をかいておられるわけで、これらの成果はいずれ必ず出てくるわけです、基本的には。さらにまた、消費需要においてもいずれは買いかえ需要その他の問題もまた出てくるでしょう。在庫の調整の動きも、今は生産を抑制することによって在庫調整をずうっと続けておるわけですが、かなり一部の分野においてずれ込みが見られますけれども、総体的に見れば緩やかであるが前進をしてきておる。これもほぼ、総体としていえば、山を越したとは言いませんが、めどがつきつつあるという状況にある。  そういったことがめどがつきつつあるということになれば、生産の方もある程度、少なくとも在庫との関係で言えば今のレベルよりも多少は改善はできるだろう。しかし、本格的にいわゆる景況観ということで言えば、やはり出荷が伸びる、売り上げが伸びるということがないと、率直に言ってそれだけの力は出てこない。  そういったことで、やはり大事なポイントの一つは、設備投資がどうやって動くか、この点が従来は一番大事なポイントであったわけです。今リストラの最中なものですから、金利が下がったことにおいてもなかなか設備投資が敏感に反応しにくい今の足元の状況にあります。そういうことを思いますと、回復の足取りということはかなり緩やかにならざるを得ないであろう。したがって、いつが底であるかということについて、いろんな分野から事後的に専門的な分野で検討しなきゃならぬと思っておりますが、ただいま総理からお話がありましたように、ほぼ大底といいますか、そういう感じの気配はある。今、明るい材料、それからさらにまだ悪化する材料、これが綱引きをしておる、そういう状況にあろうか。内需で見ると四−六からマイナスに入っておりますので、GDPで言えば四−六、七−九、ほぼ底ばい状態にあるのではないか、このように見ております。

種田誠日本社会党・護憲民主連合

○種田誠君 いろいろと説明をいただいてありがたいんですけれども、問題は、政府の経済見通し、これはエネルギーの需給の問題から、さまざまに影響していくわけですね。ですから、これが安易に大丈夫だ、こういうような形で進んでしまいますと、経済の実態と政府の位置づけが全く乖離してしまうわけですね。このことが今日的なさまざまな問題を私たちに提起しているんじゃないかなと私は思うんですね。前倒しがあった。十兆七千億が出てくる。本来ならばもう景気は回復の兆しを見せてもいい。それが全然見えないというところに今回の不況のさまざまな難しさがあるんだと思うんですけれども、ぜひ経済見通しに関してしっかりした数値を出していただきたいと思う んです。  そこで、先ほども出ましたけれども、やはり個人消費が国民総支出の五六%以上を占めているということになりますと、この個人消費というものが一体どのようになっているのかということが極めて景気回復に対しては今日的には重要でないかと私は思うんですけれども、スーパーや百貨店の今日的売り上げ状況はどうなってますか。

石黒正大通商産業省大臣官房審議官

○政府委員(石黒正大君) お答えいたします。  御質問のスーパー、百貨店の売り上げ状況でございますが、ことし十月の数値を申し上げてみますと、百貨店におきましてはマイナス三・四%、スーパーにおきましてはマイナス一・二%という状況でございます。

種田誠日本社会党・護憲民主連合

○種田誠君 最も国民が日常的に利用するスーパーや百貨店がこういう状態になっていますと、一体個人消費というのは今私たちはどういうふうにこれを認識したらいいんだろうか。政府の皆さん方は心配ないよと言いますけれども、個人がここまで買い控えをしてしまう。大変な努力だったと思うと同時に、このことに関して通産省の方でどのようにこの事実を分析していますか。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(渡部恒三君) 今、政府委員から答弁がありましたように、確かにお話のように、百貨店、スーパーともに前年比三・四%、一・二%と低迷しておることは事実でございます。ただ、大型店の売り上げは小売の一〇%でございますから、これだけですべてを判断するというものではありませんけれども、残念ながら消費マインドの冷え込みから消費行動が慎重になっておることは委員御指摘のとおりだと思います。  このような個人消費の低迷に加えて設備投資も停滞しておることから、今それぞれからお話がありましたように、なかなか景気が回復基調に乗るというような展望が明確にまだ見えてこない。しかし、こうした状況の中で、総合経済対策の完全実施のための平成四年度の補正予算を成立させ、また来年度予算の編成、これから始まるのですけれども、これを思い切って景気に配慮した予算にし、消費者及び企業のマインドの回復によい影響を与えることによって来年の春から回復軌道に乗っていくように、これは総理も大変御熱心でございますけれども、政府全体が全力を尽くして努力をしていかなければなりませんので、どうぞ補正予算、一日も早く成立をお願いいたします。

種田誠日本社会党・護憲民主連合

○種田誠君 今述べてきたように、個人消費が国民総支出に五六・五%と極めて大きなウエートを占めるわけですけれども、そこを回復するのには、私は率直に言って今日的にいわゆる個人の購買力を上げていく、税負担感を軽くしていく、そういう手続もあわせとらぬといかぬじゃないかなと思うんです。  特に、この五年間での賃上げ率が二三・五に対して、年収七百万円の方が五六・六%も所得税がふえている。これに関して大蔵省はどう思いますか。

濱本英輔大蔵省主税局長

○政府委員(濱本英輔君) お答えいたします。  御指摘ございましたように、所得税には累進構造という構造が組み込まれておのますものでございますから、給与水準が高まりますとそれ以上に負担水準が、税の伸び率が高くなっていくという現象がございます。  確かに、例えば民間給与実態調査で見ますと、標準世帯の平均収入額で見ますと、平成元年は給与収入が六百十二万円ぐらいでございました。このときの負担率は六・七%でございました。これが平成三年になりますと六百七十万円ぐらいの給与収入になっておりますけれども、負担率が七・二%に上がってきております。  ただ、そうではございますけれども、抜本改革前の水準というものとこれを比較してみますと、平成元年の直前でございますけれども、負担率が約一〇・六%ぐらい当時想定されておりまして、そういった負担水準に比べますと、まだ負担水準というものはそれをかなり下回るものになっておるということは言えようかと思います。

種田誠日本社会党・護憲民主連合

○種田誠君 その今の抜本的改革の前というのはちょっと例にならないのであって、今日的に重税感が極めて高い、それが消費マインドを冷やしている、そういうところに大きな問題があるのであって、大蔵大臣も減税の必要性は感じているんでしょう。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(羽田孜君) 今の、税負担が高くなったから消費者マインドを抑えているという前提が実はあったわけでございますけれども、しかし私ども考えておりますのは、バブル期におきまして個人の場合にも相当やっぱり耐久消費財等を中心にしまして買われておるという現実があろうかと思っております。  そして、先ほども通産大臣からもお話がありましたように、消費も百貨店ですとか大型店のあれから比べますと、全体を見たときには、例えば今、郊外の衣料なんかを売る店ですとかいろんな知恵を使っておるところというのはやはり相当伸びておるわけですね。  ですから、そういうことを考えましたときに、税負担が大きくなったからというよりはストックが家庭にも相当高まっているということ、こういったところがあろうと思います。それと、やっぱり全体に不況感があるということでありますから、非常に消費性向というものも堅実になっておるということが言えるんじゃなかろうかと思っております。  そういったときに、私ども、何というんですか、減税の財源というものがない中で今所得減税というものを行うことは、やっぱり将来の子孫たちに大きなそのツケを残してしまうということは、私たちここで考えなければいけないんだろう。今、一時的には少しはその影響はあると思います。これはないとは言いませんけれども、しかし将来に大きなツケを残してしまうということが果たして本当にいいんだろうかということを我々やっぱり真剣に考えておくべきだろうというふうに考えます。

種田誠日本社会党・護憲民主連合

○種田誠君 私のところに、労働組合の連合の方のアンケート調査などもいただいております。何と九割以上のサラリーマンの方が今日の税制に関して不公平感を持って、九五%以上の方が減税を求めている、七割以上の方が五万円以上の減税を求めている、こういう状態が今報告されているわけです。したがって、サラリーマンが持っている重税感、そしてまた直間比率の問題、さまざまな問題が今我々の前に提起されておる。  総理自身は、減税を今やらなきゃならない必要性を感じませんか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 減税というのはもともと政治そのものだぐらいに私は思っておりますから、いつでもできればやりたいという気持ちを持っています。  おっしゃいましたように、昭和六十三年、四年、あのときに大きな五兆何千億という減税をいたして、大蔵大臣の言われるとおり、中あるいは低いところの階層の重税感というのはかなり実は改まったと思っています。  それから時間がたったじゃないかとおっしゃれば、そこは考えようなんですが、今この日本の経済の状況の中で、先ほど野田長官も言われましたけれども、それは納税者が減税を望まれることはよくわかっておりますし、それは大事なことなのですが、この不況を脱出するために、景気を回復するために、仮に二兆円なら二兆円という財源があったときに、これを所得税減税に充てるのがいいか、あるいは公共投資その他生活関連の仕事を中央、地方がしていった方がいいか。  御指摘のように、先ほど春闘のお話もありました。これは企業の経営状況もかなり暗くなっているという点がございます。それからまた、雇用の方は基本的には心配ないといいましても、やはりパートとかオーバータイムとかいうものは減っていっている。そういうときに二兆円というものがあれば、やはりそういう方に向かって使う方が私は経済効果が大きいんじゃないだろうか。  これはいわゆるトレードオフの関係になる。難しいところですけれども、私はそういう気持ちがいたしておりますものですから、減税が悪いとか要らないとかいうことを申しておるのではござい ません。与えられた財政の状況の中で、仮に二兆円なら二兆円というものをどう使えばいいのか。それは月に千円、仮に年に一万二千円という減税は私は小さいとは決して申しませんけれども、月に千円という金が今消費者としてあるいは納税者としてどういうふうにそれをされるだろうかということをいろいろ考えていったりいたしますと、私はやはりトレードオフの関係にあります。そのような歳出面で配慮していく方がこの隊としては有効なのではないかということを申し上げたいのでございます。

種田誠日本社会党・護憲民主連合

○種田誠君 景気の下支えも含めて私は減税を考えるべきじゃないかというのと、それから、大蔵大臣、もとより私は長期の国債を出せと言っているわけじゃなくて、例えば特別減税国債みたいな短いのを出して、それを近々、直間比率の見直しとか抜本的な税制改革を我々はここ二、三年でやらなきゃならないわけですから、それとの関係での償還を考えていくようにすればいいんじゃないですか。どうでしょう。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(羽田孜君) 短い国債というお話があったわけでございますけれども、この短い国債にいたしましても、今度それをやっぱり返していかなければならない。それは今までも実は例えばバブルのときにもっと国債等を償還できればよかったろうという御指摘もあるわけでございますけれども、しかしまたそういったときにはもうちょっと社会資本の整備、そういったものに振り向けるべきであると実は強い御要請等がありまして、なかなかこれは難しい。  例えばこの間、湾岸のときなんかにまさにそういった措置をしましたけれども、これはそれに引きかえて増税分もきちんとめどを立てた上でこういった措置をしたということでございまして、今御指摘のようなやり方はなかなか難しいな、そういったことをそういうもので対応していくというのは非常に困難であろうということを申し上げざるを得ないことをお許しをいただきたいと思います。

種田誠日本社会党・護憲民主連合

○種田誠君 いずれにしろ減税は、先ほど申し上げましたように、多くの国民の求めているところであります。今国会は無理にしても、ぜひ次期国会において実施をしていくような方向を検討していただきたいと思います。  これで私の質問を終わります。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 以上で種田君の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 次に、白浜一良君の質疑を行います。白浜君。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 先ほども審議がされておりましたけれども、きょう朝日新聞に載りました金丸氏の上申書の件でございます。  先ほどの法務当局の答弁を聞いておりましたら、一つは、検察からは出ておりませんと。野党各党から、上申書を出せ、資料として出せと。これは出せないと。それを伺いました。それを踏まえて申し上げたいのは、そうしたら、きょうこの朝日新聞に載った全文、これは本物であると認定されますか。

濱邦久法務省刑事局長

○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。  これは報道をされておる事柄でございますので、法務当局からこれは肯定も否定もいたしかねるわけでございます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 私は、そういう一般論を言っているんじゃないんです。今はこの佐川事件の全貌、真相を解明しようというそういう国会じゃないですか、あなた。そんな事務的な答弁でどうしますか。私は、この上申書を資料として出せということも当然大事でございますが、内容が大事だから私は言っているんです。もう一度答えなさい。(発言する者あり)

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 御静粛に。

濱邦久法務省刑事局長

○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。  私は先ほど結論部分だけを申したわけでございますけれども、先ほど来お答え申し上げておりますように、この金丸前議員の上申書なるものは金丸氏に対する政治資金規正法違反事件の確定記録の一部になっているわけでございます。その確定記録は、一部のものを除きまして、これはもう委員も御案内のとおり、これを保管しております東京地方検察庁が、告発を受けて捜査中の政治資金規正法違反事件や所得税法違反事件の捜査上支障があるということで、刑事確定訴訟記録法に基づく閲覧請求を拒否している、そういうことで公開されていないわけでございます。  もちろん、先ほどもお答え申し上げましたとおり、一方におきまして検察官のこの閲覧拒否処分に対する特別抗告が現在最高裁に係属中でございまして、司法の御判断を仰いでいるところでございますけれども、そういう事情がございますので、現時点においてこれを公開するということはできないわけでございます。  したがいまして、それと同じことになるわけでございまして、今報道されたその上申書だというものが本物かどうかということにつきましては、これは肯定も否定もいたしかねるという立場をひとつ御理解いただきたいと思うわけでございます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 そういう答弁はもう何回も私聞いております。  総理、総理もこの佐川事件は真相解明しようとおっしゃっておりますね。これ、一般紙に載っだということは、国民が全部もう存知しているんですよ。私たちはこの国会で真相を究明する責務があるんです。総理、今の法務当局の返答、どう思われますか。真相解明のために、これが事実かどうか認定ぐらいできませんか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それはるる法務当局から今朝来答弁を申し上げておりますとおり、今の段階では開示を申し上げられないということでございます。そうであるといたしますと、もちろん国政の立場から国政調査の必要は存じておりますが、開示できないという立場であれば、報道されたものが真であるか偽であるかということをいずれ申し上げましてもある部分を開示申し上げることになりますから、そういう立場からお答えができないということを申し上げておる。御理解をいただきたいと思います。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 全く私納得いきませんが、内容が大事だから私は言っているんです。  例えば、金丸さんが五億円もらったと。自分は要求していないんだとおっしゃっておりますが、きょうの新聞の内容を見ましたら、総選挙が目前に迫っていた、そのために資金の必要に迫られていたと。ここの事実認定が大事なんです。この点はどうですか。認められますか。

濱邦久法務省刑事局長

○政府委員(濱邦久君) たびたび同じお答えになって恐縮でございますが、先ほどと同じお答えでお許しいただかざるを得ないわけでございます。  ただ、これはもう私どもいつも申し上げておりますように、国会の国政調査権の行使というものにつきましては、法務当局としても法令の許す範囲内でできる限りの御協力をしなければならないということはいつも考えておるわけでございます。ただ、先ほどのような理由から法令上の制約が課されているわけでございますので、そういうことで先ほどのようなお答えにならざるを得ないということで、そこはひとつ御理解をいただきたいというふうに思うわけでございます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 委員長、納得できません。質疑を続けられません。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 速記をとめてください。    〔速記中止〕

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 速記を起こしてください。  ただいま白浜君の質問に対して各党間で協議をいたしました結果、さきに社会党の質問にも大体同一の趣旨の質問がございましたが、御承知のような結果であると。そういうような点で、昼の休憩時に理事会を開いて改めて検討して結論を出したい、かように申し上げておきたいので、質問者の方はひとつ発言を継続してやっていただきたいということでございます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 じゃ、法務当局、非常に残念でございますが、これは内容的に全文を認定するのが 私は当然だと考えております。しかし、内容的にここの部分というのがいわゆる本物かどうかというのが非常に大事でございまして、これは金丸さんが政治資金規正法の単なる量的違反なのか、もしくは虚偽記載にもなるわけでございまして、私はそういった面で、私も理事でございますから、後ほど理事会で協議ということで、不満ではございますが次の質問に移りたいと思います。  衆議院でいろいろ審議がされました。衆議院の審議を踏まえまして一、二点ちょっと基本的なことを私は伺っておきたいと思うんです。  総理、竹下元総理が証人喚問でさまざまな証言をされました。そのときに、六十二年の十月五日ですか、渡邉廣康氏と会われているわけです。そのときの印象を、いわゆる皇民党の街頭宣伝活動でございますが、その停止問題とかかわりがある印象を受けた、このように竹下さんがおっしゃっております。このかかわりがある印象を受けた、私はこれはどう見ても、もう知っていた、かかわりがあるんだというふうにしか読めないんですが、総理はどういうふうにこの証言を認識されますか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 当時の記録を今ここに持っておりませんので正確には申し上げられないかと思いますが、そのような意味の答えをされたと思いますけれども、それに対して質問者の方から重ねて質問をしておられませんので、それがどういうことでありますか、どうも私から判断を申し上げる立場にはございません。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 総理は所信表明で、この佐川事件は重大事件だ、暴力団とかかわりもあるということで真相解明に全力を尽くすとおっしゃっているわけですね。ですから、こういう偉大な政治家でございました竹下元総理が証人で来られて証言されているわけです。そういう中身も全く吟味されていない。それは、不明確な部分は不明確な部分ですよ。しかし、その証言ですら吟味されていないというあなたの政治姿勢に私は本当に疑問を持つんですが、どうですか、これ。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) これはそういう問題ではなくて、国会において証人として喚問をされた、その証人の発言につきまして、それをどう解釈するかということは国会が有権的に解釈をされるべきものであって、行政府が口を差し挟むべきではない、私はそういう抑制の立場から申し上げておるのです。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 私は、総理・総裁としての政治姿勢をお伺いしているわけでございます。  それじゃ、いわゆる皇民党の褒め殺しに関しまして、それを停止するために稲川会の石井前会長がかかわっていたという、そういうことを少なくとも竹下さんが総現在任中の六十三年十二月以降承知した、このように明言されております。現職の総理大臣がみずからの総理誕生に関して、たとえこの証言が事実だとしても、自分が総現在任中に、総理誕生の経過において稲川会の前会長が関与していたという事実を知った。これは、総理も今現職の総理大臣でございますが、こういう事実、やはり結果責任は問われるものなんです。みずからの総理誕生にかかわる問題なんです。宮澤総理、あなた自身にこういう経過がもしあるとしたらどのように認識されますか。どのように思われますか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) その問題に関しまして唯一具体的にあらわれました表現は、九月二十二日の東京佐川事件の冒頭陳述におけるものでございます。その中で東京地検の言っておりますことは、渡邊という人が、かねて交際のあった政治家がいわゆる右翼団体の活動に苦慮していることを知った、そこでその解決を石井という人に依頼した云々ということでございまして、これ以外の具体的な私どもが知り得た事実はない。これを事実と申すのは言葉がよくありませんが、ステートメントはないわけでございます。  この冒頭陳述は、依頼をしたのは渡邉という人である、渡遣という人にそういうことをしてくれとだれかが言ったというふうには述べられておりませんので、私としてはやはり、このございます冒頭陳述をもとに判断をするしかないというふうに考えております。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 そういうことを私は聞いていないわけで、竹下元総理そのものが、その六十三年十二月以降に稲川会の石井前会長が関与していたということを承知したとおっしゃっているわけですね。現職の総理ですよ。六十三年十二月、あなたも現在の総理でございますが、総理という非常に重たい立場で暴力団の介在をもしあなたが認識されたらその事実をどう判断されますかということを私は聞いているんです、あなた自身の問題を。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) これもきちんと申し上げなきゃなりませんが、竹下さんのおっしゃっていることは、自分は某月某日、後になってそのことを認識したと言っておられます。しかし、そのことは竹下さんが依頼をしたわけではない。そういうことは言っておられないわけでございますから、ある事実があったということを認識したと言っておられるにとどまるわけです。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 指示したとかしないとかじゃないんですよ。介在したと。いやしくも総理誕生にそういう暴力団が介在したという事実、そのことを私は言っているんですよ。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ですから、おっしゃっていらっしゃることは、全く自分に関係のない第三者があることをしたということをどう思うか、こういうお尋ねに尽きるわけでございます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 全く私は理解できません。  総理の著書で私拝見したんですが、「戦後政治の証言」、こういう本を書いていらっしゃいます。この中でお述べになっているんですが、「政治のリーダーの選択がいかに正しいものであっても、国民の意識との間に距離がありすぎると、せっかくの改革もうまくいかない。」と。これ、書いていらっしゃいますね。  総理みずからがおっしゃっているこの内容、私は非常に大事だと思うんです。この佐川事件、まあ引き続いてずっと政治腐敗事件が起こっております。自民党みずからも政治改革を一応テーマに掲げていらっしゃいます、踏まえて。それは私よくわかるんです。しかし、総理のこの著書を読みますと、いかに改革を目指そうとしても国民の意識との間に距離があり過ぎるとうまくいきませんよと総理みずからがおっしゃっているんですね。こういう認識、間違いないですか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 間違いありません。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 そういう意味で申し上げましたら、今、国民の意識というのは、総理もいろいろ、御存じだと思いますが、さまざまなマスコミの世論調査を踏まえましても、非常に強く出ているのは、一つは真相解明、もう一つは、さまざまな疑惑を持った、暴力団の関与を含め、結果責任において竹下さんは議員をやめなさいという、こういう世論が圧倒的に多いんです。その国民の意識との間に距離があり過ぎると改革もうまくいかないと、今、国民は大綱を言えばこの二つのことが物すごく意識として強いんですね、国民の意識というのは、だから、これを踏まえなければ、いかにあなたが政治改革を進めますと言ったってうまくいかないとあなた自身の論理の中で帰結するんじゃないですか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) もちろん、政治改革は進めなければなりません。しかし、今問題になっておりますのは、この起こった出来事について竹下氏御自身がどうかかわり合ったかということについてのお尋ねでございますから、それはやはり人にはすべて人権があるのであって、そのことはきちんと、我々が知っている事実と知っていない事実とははっきりいたしておかなければならないと思います。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 そこで、世論の大きな要求がございます。例えば、徹底した疑惑解明という観点で申し上げましたら、先日、法務当局の中間報告がございました。それはわかります。要するに法務当局も努力されている。しかし、いわゆる行政の範囲で調べるという問題じゃ僕はないと思うんです、この徹底した疑惑解明というのは。少なくと も、真実かどうかは別にして、この佐川に関してさまざまないわゆる政治家の関与ということが疑惑を持たれているわけです。ですから、その範囲というのは、当然検察の範囲で調べることもあるでしょう。しかし、お互い政治家としてその政治的、道義的責任を問われる。それを浄化するのは政党なんです。だから、少なくとも法務当局の中間報告はそれはそれで結構です。だけれども、自民党の国会議員でさまざまな名前が出ていらっしゃる方いらっしゃいます。少なくとも自民党総裁として、そういうものをみずから調査して、その政治的、道義的問題にかかわる部分だけでも実はこうなんですということを自民党総裁としておやりになる決意はございませんか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 何度も申し上げておりますように、そういうことをいたしたいと思っております。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 じゃ、自民党でそういう政治家、自民党の国会議員のさまざまな疑惑をいつ幾日までにこういう形で国民の前に公表しますと約束してくださいよ。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) これは申し上げるまでもないことでございますけれども、このたびの事件というのは、一つはこうやって国会において国政調査の立場から御審議をしていらっしゃいます。また、関係の証人をお呼びになるというふうにも、本院におきましてもそういう御予定であることを承っております。また、検察は検察として、その他政府のつかさつかさがおのおのの捜査なり調査なりをいたしております。公判に保っている部分もございます。  したがいまして、今この出来事はまさにそういう各方面から現実に調査なりあるいは真相解明なりが行われておりますから、関係の御自身の方々はやはり自分の立場というものをきちんとお守りにならなければならない。その人権は尊重をいたさなければなりません。  私どもの党内で私は真相解明のことを指示いたしておりますが、そういうことはすぐに実は残念ながらよそに出る、それはそういうふうに考えておきませんと、全く秘密でそういうことができると思えません。そうなりました場合に、自分の立場を守らなければならない方々のそういう立場というのはやはり大事にしてさしあげなければなりませんから、いつどういう方法でいたすかは、これは私どもが判断をしていたします。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 当然人権の問題も私よくわかります。疑惑そのものが全部真実だということで私言っているわけじゃないわけで、当然御自身の人権の角度からも政治的角度からもやはり自分の正当性を主張する、そういう必要性もあるわけで、なぜそういうことを自民党としておまとめにならないか。検察を訴えるとかそういう感情的な表現もございましたが、政党としてそういうことをきちっと、こういう経過です、こういうことです、こうおっしゃったらいいわけで、そういう簡単なことがなぜできないか。別に人権をどうこう言う問題じゃないんです。みずからの、潔白であれば潔白を自民党としてそういう証明をされればいいんじゃないですか。私はそのことを言っているわけです。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) もちろん潔白であればそれでよろしゅうございます。しかし、調査というものはいろんな場合を考えて調査をするのでありますから、いかなる意味においてもその方々の人権というのは大事にしなければならないと思います。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 私は、人権の問題を言っているわけじゃないですよ、別に。当然人権は一番大事なことで、別にそれを無視しろと言っているわけじゃないんです。疑惑をきちっと晴らしたらいいということです。そういう自民党としての自浄能力を持てばいいということを私は言っているわけで、これはもう押し問答になるのでやめますが、本当に国民の信頼度というのはそういうところにあるということを総理として御認識いただきたい、私はこのことを要求しておきたいと思います。  もう一点、竹下元総理辞職せよという国民の声も強いんですが、先ほどお述べになりました、それは竹下元総理御自身の判断、これは尊重せないけません。しかし、事こういう佐川事件の解明の中で出てきた疑惑があるわけですね。そういう面で、こういう世論がございますよというふうなことを、宮澤総理、お話しされたことございますか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 賢明な方ですから、だれよりもそれは御自分で御存じだと思います。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 次に移りますが、なぜ竹下元総理がいわゆる皇民党の褒め殺しを恐れたかということで、非常にこの点が私はわかりにくい。確かに、九カ月にわたるいわゆる街宣活動、妨害活動、それは大変なことだと私思います。だけれども、そういう右翼の嫌がらせというのは日常的にあるわけですね。それほど特別恐れるようなものではないわけでございまして、そういう意味でどうしても中心にある問題が平和相銀にかかわる問題じゃないかというように私は思えてならないんです。  一つ私は総理に御認識を伺いたいんですが、先日の金丸証言の中で証言されておるところで、いわゆる「住友銀行という問題については、竹下は私に一言も話をしてくれぬ。私がびょうぶの話をするもんだから、こんな男に何ぼ話をしたって協力はしないと。びょうぶはどんなびょうぶだ、見せると言ってるんだけれども、見たことないね。」、こういうふうに金丸さんが証言をされている。当然、御親戚でもございますし、非常に親しい間柄ですね。いわゆる住友銀行またはびょうぶ問題に関してこういう証言をされているということは、少なくともいつもそういう住友銀行の話題、平和相銀の話題、びょうぶの話題がお二人の間で語られていたというふうに私は認識するんです、この金丸証言は。  これは総理、どういうふうにこの御発言を認識されておりますか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 私が申すべき立場にはございません。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 余りそんな怖い顔して言わんといてください。私はどう思われますかということを聞いているわけでございまして、申し上げる立場にないと言われればそうなんですが、私それもわかります。だけれども、もう少し積極的に御発言されないと国民はわかりにくい、そのことを申し上げておきたいと思うわけでございます。  それで、この金丸証言の中から、少なくとも竹下さんはこの住友銀行、平和相銀、そしてそれに絡む問題に非常に関与されていたということを私は強く認識するわけでございます。  平和相銀に絡む問題というのは既にさまざま報道されておりますが、三つの大きな事件があるわけですね。  一つは、いわゆる伊坂元監査役、平和相銀のですね。特別背任で訴えられました神戸の屏風地区の売買事件の問題がございます。二点目が、平和相銀の所有の馬毛島の土地を売却しようとしたいわゆる政治工作の問題。三つ目が、いわゆるびょうぶ事件と言われる金びょうぶの問題でございます。  それで、私、法務当局にちょっと確認したいんですが、特別背任罪で告訴されました伊坂元監査役、神戸の屏風地区、この冒頭陳述を見せていただきました。その冒頭陳述を見ますと、概略申し上げましたら、日本青年同盟ですか、豊田さんという方に伊坂さんがこの土地の売却の依頼をされている。右翼の方に依頼をされている。そこから会津小鉄系の方に話が行きまして、いわゆるそういう冒頭陳述がさまざま出ておりますが、これは事実でございますね。

濱邦久法務省刑事局長

○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。  ちょっと正確を期する意味で申し上げるわけでございますが、いわゆる平和相互銀行事件の冒頭陳述の中で、今委員が御指摘になっておられます部分は、豊田一夫を介して会津小鉄会高坂が屏風物件等の開発メーカーに平和相互銀行から八十億円の融資を受けさせたという趣旨の記載があるこ とはそのとおりでございます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 時間ございませんので私詳しくできませんが、二点目の馬毛島の件でございますが、同じその屏風地区の土地の売買に出てきた豊田氏という方がここにも出てきまして、検察当局も事情聴取をされた、このように私は認識しておりますが、この点はどうでしょうか。

濱邦久法務省刑事局長

○政府委員(濱邦久君) いわゆる平和相互銀行事件を捜査している過程で、今委員が御指摘になられましたようなことを含めましていろいろな報道がなされたことは、当時検察当局も承知しておったわけでございます。  この平和相互銀行事件につきましては、そういう意味では、今委員が御指摘の点をも含めまして種々報道されたことをも念頭に置いて検察当局は捜査を進めた結果、委員も御案内のとおり、既に起訴されている事実について犯罪の嫌疑が十分であるということで公訴を提起したというふうに聞いているわけでございます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 豊田氏が二十億円の受領を認めていらっしゃいます。それを国会議員のいわゆる政治工作に使ったというそういう記事もございますが、この点はどうですか。

濱邦久法務省刑事局長

○政府委員(濱邦久君) 今の点は突然のお尋ねでございますので、ちょっとお尋ねの趣旨もよくわかりかねたのでございますが、ちょっとお答えいたしかねるわけでございますが。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 じゃ午後から、質問の時間が多分残ると思いますので、回答していただけますか。この馬毛島の土地の売却に対する政治工作、この問題です。

濱邦久法務省刑事局長

○政府委員(濱邦久君) 今、委員のおっしゃっておられることだといたしますと、お尋ねの趣旨は、要するに何か馬毛島の問題を含めてどういう捜査をしたかという御趣旨のお尋ねになるのかと……

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 検事が事情聴取をしたというそういう記事があるんです。

濱邦久法務省刑事局長

○政府委員(濱邦久君) この平和相互銀行事件の捜査の過程で、検察当局がどういう事実を把握して、その関係でどういう捜査をしたかということは、これはちょっとお答えはいたしかねるわけでございます。  ただ、これはもう委員御案内のとおり、伊坂被告人ほか数名に対する平和相互銀行事件として公訴を提起しておるわけでございまして、それ以外の点については犯罪の嫌疑が認められなかったということで公訴の提起には至らなかったものであると理解しているわけでございます。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 白浜君の残余の質疑は午後に譲ることとし、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十五分休憩      ————◇—————    午後一時二分開会

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  平成四年度一般会計補正予算、平成四年度特別会計補正予算、平成四年度政府関係機関補正予算、以上三案を一括して議題といたします。  休憩前に引き続き、白浜一良君の質疑を行います。白浜君。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 午前中に引き続きまして、平和相銀の問題を伺いたいと思います。  三つ目の事件に、午前中申し上げましたが、いわゆる金びょうぶの事件があるわけでございます。平和相銀の大株主でございました小宮山家の株を住友銀行の系列でございます川崎定徳の佐藤社長のもとに株が譲渡された、それを何としても伊坂さんが買い戻したいということで、そこに八重洲画廊が所有する実質一億から五億と言われている金びょうぶを平和相銀が四十億で買い取った、こういうことでございます。報道を見ておりますと、検察当局もこの辺の関連を捜査されたことがある、このように聞いておりますが、この点はどうでしょうか。

濱邦久法務省刑事局長

○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。  いわゆる平和相互銀行に関する特別背任事件の捜査の過程におきまして、今委員が御指摘になっておられる点も含めいろんな報道がなされたことは承知しております。また、検察当局もそれらの報道を十分視野に入れて捜査を行ったものと思うわけでございます。  ただ、今委員がお尋ねになっておられます金びょうぶ絵巻の取引に関して犯罪の嫌疑が認められたという報告には接しておらないわけでございまして、先ほど午前中、馬毛島でございましたですかの売買に関しでもお尋ねがございましたときにもお答え申し上げましたように、起訴に係る事件以外には結局公訴の提起に至る犯罪の嫌疑が認められなかったということであったと聞いております。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 一部報道で、いわゆる検察上層部から捜査のストップがかかった、このような報道をされておりますが、この点はどう認識されておりますか。

濱邦久法務省刑事局長

○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。  これはもう委員十分御案内のとおり、検察当局におきまして事件の捜査をいたします場合には、それぞれの担当検察官が、検察官独立の原則に立ちましてその独立性を保障された権限と責任においてそれぞれの事件を処理するわけでございまして、検察官一人一人が独立に事件を捜査し処理するわけでございます。したがいまして、それ以外のほかから、検察上層部にしろあるいはそれ以外の立場からにしろ力が働くとか、そういうようなことは一切ないわけでございます。  今、委員何か事件を特定してのお尋ねかもしれませんけれども、今の一般論で十分御理解はいただけると思うわけでございます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 一般論はようわかるんです。しかし、この新聞報道で「複数の関係者が証言」している、こういうふうに書いているわけで、確かにこれは新聞報道でございます。しかしいわゆる全国紙と言われる新聞にこういうふうに明言されているわけです、複数の関係者が証言していると。この事実は、ですからあなたはうそだとおっしゃるんですか、こういうことは疑わしいとおっしゃるんですか。

濱邦久法務省刑事局長

○政府委員(濱邦久君) 委員がおっしゃっておられる証言というものがどれを指しておられのか私よく承知しませんけれども……

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 金びょうぶ事件。

濱邦久法務省刑事局長

○政府委員(濱邦久君) おっしゃっておられるのは、要するに平和相互銀行事件の関係で法廷で証言された人の証言をおっしゃっておられるわけでございましょうか。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 捜査関係者。金びょうぶ、平和相銀の金びょうぶを捜査していた人の証言です。

濱邦久法務省刑事局長

○政府委員(濱邦久君) 個々の方がどういうふうなことをおっしゃっておられるかということについて、あるいはおっしゃっておられる内容について法務当局から御意見を申し上げることはいたしかねますけれども、先ほど申しましたように、この事件につきましても、今、委員がお尋ねになっておられるようなことは一切ない。当該事件の捜査処理を担当しました検察官がそれぞれの独立した権限と責任において捜査処理を行っているということは間違いない事実でございます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 一般論はわかるんですが、先ほどその前提でおっしゃった個々の方がどういうふうに対応されたか知りませんがと、その辺非常に重要です。だから、そういうことを言われた方がおるかもわからぬ、こういうことですね、局長。

濱邦久法務省刑事局長

○政府委員(濱邦久君) 先ほどお答えいたしましたように、報道の中でどういうことを言われているか、これは論評する立場にはございませんけれども、今、委員がお尋ねになっておられるような事実はないということを申し上げているわけでございます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 押し問答になるからやめますが、そうじゃないですよ。あなたは個々にそういう対応されたがは知らないとおっしゃったわけだから知らないところでこういうことを証言している人がいるということをこれは認めていることになる わけで、そのように理解をしておきたいと思います。  時間がないのでもう総括的に言いますが、要するにこの平和相銀に絡む三つの事件、その背後に住友銀行があるんです。当時の住友銀行の小松頭取が、これは関西がベースの銀行ですから、住友銀行は。この関東圏に基盤を築くために平和相互銀行は非常に欲しい銀行だと、そのように当時の小松頭取が、当行ほど平和相銀に対して魅力がある、こういうふうにおっしゃっているわけです。  ですから、私が申し上げたいことは、私も検事じゃございませんのですべて立証するわけにはいきませんが、非常に多くの疑惑がある。平和相銀を中心としてこの三つの事件がある。先ほど言いましたように、告訴されております伊坂さんのいわゆる特別背任罪、これだけを見ましても、冒頭陳述の中でこれはもう検察当局も認めていらっしゃるわけです。右翼、暴力団の介在がある、伊坂さん自身がそういう人脈もある。そして馬毛島の件も、豊田という方が二十億円のそういう受領も認めていらっしゃって、動いているという事実はあるわけでございまして、また金びょうぶも背後にそういう複雑な人間関係がある。  ですから、私が申し上げたいのは、当然この一連の平和相互銀行、そのバックに住友銀行があって、そこに多くの暴力団、右翼が関与している、この辺の裏話が、当然さまざまないわゆるバックマージンといいますか、やみ献金としてお金が動いているわけで、当然右翼、暴力団はそういう情報を知り得る立場にあるということを私は非常に強く認識しているわけですが、これは間違っていないでしょうか。

濱邦久法務省刑事局長

○政府委員(濱邦久君) ちょっと今、委員のお尋ねの御趣旨がよくわかりかねたわけでございます。ですから、お答えになっていなければもう一度御指摘いただきたいと思いますが、平和相互銀行事件で既に公判請求されて裁判になっております事件以外の点については、結局公訴の提起をするに足る犯罪の嫌疑は認められなかったということであったと聞いているわけでございます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 それは、いわゆる公訴されているのはこの第一点目の神戸の屏風地区だけですから、それは法務当局としては認定されないと思いますが、事実関係として平和相互銀行に右翼、暴力団が非常に絡んでいるということで、当然私この皇民党という右翼にもそういう情報が流れ得る可能性は大いに強いということを申し上げているわけで、なぜ竹下総理がそれほど皇民党の褒め殺しを恐れたかということの一つの背景として、私は大きな要因があるというふうに思うわけでございます。  二点目、三点目はいわゆる検察当局も最後まで捜査するような対象になっていないということでございましたが、どうですか総理、この辺の、時間がないのできちっとはお話し申し上げていない面もございますが、いやしくも平和相互銀行という公的な銀行が、その人脈においてさまざまな右翼、暴力団が背後にあるというこの事実、そこにさまざまな、公訴されているのはこの伊坂さんの特別背任罪だけです。だけれども、そういうものが非常に疑惑を持たれる温床になり得るということは、これは私言えると思うんですが、この点に関しまして、総理、どのように御理解されますか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ずっとお話は承っておりましたが、どうも私自身判断を下す立場にございませんので、御理解をいただきたいと思います。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 そう言われれば、それで終わりでございますが、これみんな国民が見ておりますから、総理の答弁がどれだけ前向きかということはそれはわかるわけでございます。  いわゆる北陸佐川が政治家にさまざまな献金を行っているということで、既にもうこれは発表になった部分が、マスコミ報道されている部分がございますが、私もいろいろ調査をいたしましていわゆる北陸佐川の総勘定元帳という、これは本当に一部でございます、報道されている部分がございます。黒で消している部分がたくさんあるわけでございます。これは要するに、これを入手した右翼が窃盗罪等で今裁判をされている、こういうふうに伺っておりますが、この辺の関係、ちょっと警察当局お願いします。

廣瀬權警察庁刑事局暴力団対策部長

○政府委員(廣瀬權君) お答えいたします。  お尋ねの北陸佐川急便から総勘定元帳が流出したという関係でございますが、現在、石川県警察の方におきまして被疑者不詳の窃盗容疑事件として捜査中でございます。現在まで、関係箇所の捜索ですとか関係者を任意で取り調べているという状況でございます。引き続き鋭意捜査をしてまいるものと承知いたしております。  なお、総勘定元帳でございますが、現在、窃盗容疑の証拠物といたしまして石川県警が領置をしているという状況でございます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 そこで、これは窃盗事件ですから余りこの内容は関係ないと思うんです。黒で消されている部分もございますし、佐川と政治家の関係という観点で、いわゆる元帳の中から政治家が出てくる部分だけを引き抜いて報告していただきたいと思うんですが。

廣瀬權警察庁刑事局暴力団対策部長

○政府委員(廣瀬權君) お答え申し上げます。  証拠物の中身を公表せよという御下問でございますが、これは捜査一般について言えることでございますけれども、証拠物の内容は被疑者の特定、犯行の動機、目的の立証のための有力な決め手となるものでございますので、これを明らかにいたしますことは捜査上支障が生じますので、その中身について公表することは差し控えさせていただきたいと思います。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 そういう姿勢、本当に残念に思います。  そこで、この一連の政治疑惑の温床は結局企業のお金、いわゆる企業献金と言われることが大きな存在であるわけで、さまざまな政治改革の必要性の中で私この企業献金の一点だけきょうは少し問題にしたいと思うわけでございますが、企業献金と言いますと、企業も社会的存在だ、常にこう答弁されます。この辺の法的根拠はいわゆる八幡製鉄の献金事件の最高裁判決、これは地裁でも違憲判決されておるわけでございますが、この辺の判例が基準になっておりますか。

吉田弘正自治省行政局選挙部長

○政府委員(吉田弘正君) 企業献金についてのお尋ねでございますが、政治資金規正法におきましては、法の制定当初から企業等の寄附につきましては特定のケースを除きましてこれを禁止する旨の規定は設けられておりません。これは先生御承知のとおりだと思います。  御指摘の八幡製鉄判決におきましては、会社は自然人たる国民と同様、政治的行為をなす自由を有するものと解され、政治資金の寄附をすることも社会的実在として当然に許容されるものとされているとしておりまして、同時に会社による政治資金の寄附についての取り扱いは立法政策上の問題とされているところでございます。したがいまして、企業等が政治資金の寄附を行うことについては、最高裁の判決によっても支持されているものと理解をいたしております。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 その論議は今後に譲るといたしまして、たとえそれが足といたしましても、いわゆるやみ献金が本当に多いんです。きちっと正式に、企業だって政治献金でルールに従ってやるのは問題ないわけでございますが、やみで動いている金が余りにも大きいからこういうさまざまな政治疑惑が起こるわけでございまして、やみ献金という面で申しましたら、いわゆる社会通念上「期待ないし要請される」ものという、こういう最高裁の判例の概念の中に含まれますか。

吉田弘正自治省行政局選挙部長

○政府委員(吉田弘正君) 最高裁判決は、企業の政治資金一般について、これを評価したものというふうに私ども理解しております。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 やみ献金、やみ献金。

吉田弘正自治省行政局選挙部長

○政府委員(吉田弘正君) やみ献金というのは、政治資金規正法では、一定の企業献金につきまして、現行法制上、量的制限、質的制限がございます。それ以外のものはすることができないという ふうになっておるところは御承知のとおりかと存じます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 やみ献金が発覚しますと、もうそれ自体で企業にとっての取締役のいわゆる忠実義務違反と、こういうふうに認定されますか。

吉田弘正自治省行政局選挙部長

○政府委員(吉田弘正君) 御承知のように、政治資金規正法上、企業等の寄附につきましては、質的規制と量的規制があるわけでございます。それ以外のものは、規制に触れるものは寄附することができないような格好になっておりまして、寄附されたものについては、これは収支報告をするという法律の仕組みになっているわけでございます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 そんなこと聞いていないよ。取締役の忠実義務違反になりますかということを私は聞いているんです。

吉田弘正自治省行政局選挙部長

○政府委員(吉田弘正君) これは、政治資金規正法上の、今、私説明をしておりまして、そういうものに従って寄附されることが期待をされているわけでございます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 取締役忠実義務違反や商法違反になりますかということを聞いているんです。

塩川正十郎自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(塩川正十郎君) それは、節度ある範囲内における献金である場合には義務違反にならないということであります。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 やみでもですか。

塩川正十郎自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(塩川正十郎君) やみ献金は初めから認めておりませんから。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 いや、やみ献金が発覚したらと言っているんです。額の多少にかかわらず、やみ献金ということが発覚したら。

塩川正十郎自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(塩川正十郎君) やみ献金を前提にして法律はできておりません。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 だから、もう押し問答なんで、やみ献金が発覚したら、商法上言うといわゆる忠実義務違反です。そして、やみ献金そのものを出した方の罰則がないと何ぼでも裏金が動くということを私は指摘したいんです。  この辺、要するに裏金を出した方、やみ献金を出した方に対する罰則強化を図っていかなければならないという、そういう方向性を示してください。

吉田弘正自治省行政局選挙部長

○政府委員(吉田弘正君) やみ献金というものをどういうものかということを言っておられるかよく存じませんが、要するに政治資金規正法に違反して、量的規制あるいは質的規制に違反して出されたものについては当然罰則の規定もあるわけでございますし、収支報告につきましても、政治団体がこの収支報告をしない、虚偽の報告をする、あるいは不記載ということになれば、それについての罰則があるわけでございます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 だめですよ。要するに、こういうことをきちっとしないと、発覚した時点でまたきちっと帳じりを合わすとそれでいいんだと。やみ献金を公に認めているようなものじゃないですか。  だから、やみ献金が発覚した時点で出した方にもきちっと罰則を強化する、そういう方向性を、総理どうですか、出すべきなんです、これ。発覚した時点で帳じりさえ合わせればいいとなればだれでもやります、こんなこと。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 発言者、これはどなたに質問されますか。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 総理大臣。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 私、玄人じゃございませんですが、今の政府委員に対しての御質問を伺っておりますと、やみ献金というものは、政府委員の立場からいえば、政治資金規正法の質的あるいは量的、あるいは両方の規制に違反をしているものを恐らくやみ献金と、そういうふうに考えましたならば、当然政治資金規正法の罰則を受ける、こうお答えを申し上げているのだと思いますが、いけませんでしょうか。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 そういうことじゃない。出す方のこと、出す方です。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) いや、ですから出す方が政治資金規正法の罰則を受ける、こう申し上げておると思います。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) ちょっと発言者にお願いしたいのは、何省とか、かに省とか、そういうようなのを言ってただしてほしいなと、委員長として希望しておきます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 私は、総理と言ったんです。  これは検討してください。ここを厳密にやらないと政治腐敗はなくなりません。だから、そういう方向性を総理に示してほしいから、私は言ったわけです。  もう時間がないので、あと二点だけ。  減税で、社公民三党が減税要求をしました。これを大蔵当局はどう受けとめておりますか。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(羽田孜君) 三党から、私どもの政調会長に対しましてそういう御要請があったということを私どもの方も受けとめておるところであります。  ただ、私どもといたしましては、せっかくの御提案であるわけでございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、今財源が非常に厳しいということ、それから税の体系といいますかこの前の五兆五千億をやりました、六十二年でしたか、六十二年にやりました改正、そういう中で課税最低限あるいは税率、こういったものについても、他国と比較いたしましても日本の場合には恵まれているといいますか、評価されるものじゃなかろうかというふうに私どもは考えておりまして、中低所得者、こういった皆様方の税の負担というものは、よそに比べましてもいいものであるということを申し上げて、私どもとしては今所得減税というのをやる考え方がないことだけを申し上げさせていただきます。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 時間がございませんので、税制全般の論議は別にいたしまして、ただ一つだけ言いますが、例えば障害者控除というのがございます、普通と特別と両方ございますが。いわゆるこの該当者、これは余り資料がないんですが、六十三年で十八万八千六百七十九、平成二年で十九万六百八十九、ほとんど変わっていない。しかし、実際はさまざまな障害者の手帳をもらっている方が二十万を超えると言われているんです。こういうことに対しても、さまざまな障害をお持ちの方に対する配慮もないという。一般論として大蔵大臣はおっしゃっているだけで、これは前向きに考えられませんか。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(羽田孜君) 現在、障害者に認められております所得税制の控除といたしましては基礎控除、配偶者控除あるいは配偶者特別控除、扶養控除のような一般の人的控除三十五万円のほかに、障害者控除として二十七万円、特別障害者の場合が三十五万円認められ、さらに、配偶者や扶養親族である特別障害者が同居しております場合には同居特別控除として三十万円の加算が認められるということになっております。  これらの控除につきましては、先般の税制改革におきまして、人的控除の引き上げとバランス等を図りながら、福祉政策等の観点からその引き上げが行われたところでございまして、その結果、一般の人的控除三十五万円に比べまして六十二万円と、相当程度考慮されておるということでございまして、いずれにいたしましても、今日の財政事情の中では、なかなか代替財源なしにこういったものも対応することは非常に難しいということをお答えせざるを得ないことをお許しいただきたいと思います。

白浜一良公明党・国民会議

○白浜一良君 最後に一点だけ。  中小企業の特別融資、今回の補正関連で一兆二千億ありますが、要するに大事なことは運転資金を拡大することが大事なんです。今回一兆二千億でも二千億だけなんですね。私は大阪でございますが、大阪でも大阪府、大阪市が融資を要望しましたら、もう何倍もの要望が来るんです。ですから、いわゆる投資用の資金じゃない、今は運転用資金が欲しいんです。年越せない。そういった面で最後に一点だけ、この年末厳しくなりますので、前向きの御答弁をいただきたいと思います。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(渡部恒三君) 今お尋ねの点について、経営に不安定を生じている中小企業に対する円滑な運転資金等の供給が極めて重要であること は認識をしており、先般の総合経済対策においても、運転資金等の提供を通じた中小企業の経営安定を一つの大きな柱とする中小企業金融対策を行うことを決定しております。このうち、中小企業金融公庫等の貸付限度の大幅な別枠追加、また小企業など経営改善資金金融融資制度の限度額の別枠追加について、これは既に実施をしております。  さらに、今般の補正予算案において、中小企業体質強化資金助成制度に、経営安定のための新たな低利融資制度を創設するなどに必要な政府関係金融機関などに対する出資を盛り込んでございます。  また、年末の金融繁忙期を迎え、中小企業の金融の一層の円滑化を図っていくために、政府関係金融機関などに対し適時適切な貸し出し保証を行うように指導をいたしております。  これらの施策によって、現下の情勢における中小企業に対する支援が有効かつ十分に機能するものと確信をいたしております。大変中小企業について御心配を賜り、ありがとうございます。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 以上で白浜君の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 次に、吉田之久君の質疑を行います。吉田君。

吉田之久民社党・スポーツ・国民連合

○吉田之久君 民社党・スポーツ・国民連合を代表して質問をいたします。  まず、減税問題について総理にお伺いをいたします。  今、サラリーマンはいよいよ高まる重税感にあえいでおります。労働組合の連合の調査によりますと、年収七百万円のサラリーマンの場合、八八年から九二年のこの五カ年間で、賃上げ率は二三・五%でありましたが、所得税は五六・六%も増加したと指摘しております。税金の伸びは二倍になり、九二年度の実質可処分所得の伸びは一%台に低迷いたしております。これで消費が促進されるはずはございません。深刻な今日の不況はどこまで行ってもその出口を見出せないだろうと思います。  中堅サラリーマンを対象とした本格的な減税は一九七七年以降実施されておりません。この間の実質増税分の払い戻しされるべき額は約二兆円になると連合は試算しています。総理はこの減税要求の正当性をお認めになりますか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) これは午前中にもお答えを申し上げましたが、改めてのお尋ねでございますので申し上げますが、本当に政治というのは減税だというくらい私は減税ということを大事に考えております。殊に所得税減税はその中核をなすものでございますので、できるだけそれはやっていきたいと常に考えておるところでございます。  今、吉田委員は一九七七年と言われたと思いますが、七七年は五十二年でございますから、私どもは六十二、三年のいわゆる地方税を合わせまして五兆五千億という減税、これは最近の大改革であったと考えておりまして、これで中低所得層の重税感というものもなくなった。また、諸外国に比べましても課税最低限は相当高い。事務当局によりますと、夫婦子二人の標準世帯で申し上げるならば、昭和六十二、三年の減税も、その後の給与の上昇を勘案しても税負担の水準はまだ低いのだと、こう言っております。それはいろいろ議論がその辺はしかしございますでしょう。  いずれにしても、しかしあのとき大改正をいたしましてかなりの重税感というものはなくなってきている、そういうふうに思っております。また、いわゆる累進度の緩和もそのときにいたしました。基礎控除の引き上げもいたしました。  こういう不況の時代になってまいりましたので、だれもがどちらかといえばそういうまた税の重さを感じる、そういうときになっておりますことは私も否定いたしません。いたしませんが、不況を脱出するための財政経済政策の問題として考えるならば、これはけさ申しましたのでもうくどくは申し上げませんが、やはりそれだけの歳出における公共事業なりあるいは生活関連のための投資あるいは融資、中小企業への融資あるいは投資減税のための処置等々の方が有効なのではないかというふうに私どもは実は考えておりまして、減税というものが入り用がないとか、それはよろしくないことだというふうに決して考えてのことではありませんで、ただいまの段階におきましては、こういう財政の状況でございますので、そのような景気回復のための支出を中心に財政経済政策を考えるべきではないかということを思っておるわけでございます。

吉田之久民社党・スポーツ・国民連合

○吉田之久君 総理はしばしば税制そのものが政治であると。まさにそうだと思います。  それで、その中で今部分的な税制の改革はそれぞれ行われておりますけれども、本当に今中堅サラリーマンがせっかく給料が上がっても税金でほとんどそれが消されていく。実質所得のふえた感じがないんですね。だとすれば、これは消費、購買力を著しく減殺させていく。この不景気の中で、その辺が全部新しく物を買おうとする意欲を持たなかったらいつまでたっても景気は回復しない、だから今必要だと。  私は、今政治がなすべきことは何よりも大幅なサラリーマン減税だと思うんです。まずそのことを確認されて、それで財源があるかないか、なければどうするかということを次に考えられるべきでありまして、金がないから減税ができないんだ、こういう考え方というものは非常にやっぱり国民に対して不親切でありますし、特に不公平税制感の満ち満ちておる今日の国民を説得することはできない。だから、まずそのことを認めて、ならば財源をどう捻出するか。それは行政改革もあります。あるいは剰余金の充当もあります。あるいは一部やむを得ず赤字国債に借りる、借りるとしても、頼るとしてもそれを速やかにどう返済していくか。そういうことを真剣に考えるべきだと思うんですが、大蔵大臣、いかがですか。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(羽田孜君) 今お話をお聞きしておりますと、税の負担率というのはこのところ賃金の上昇に比べて上がっておる、そういう中で消費というものが刺激されなくなってきておるというのがお話の基調にあったと思うんです。これは先ほどもお答え申し上げたことですけれども、やっぱり今消費が減退しておるというのは、先ごろの大きく膨れ上がった経済の折に、各個人のお宅におきましても耐久消費財等相当積み上げておるという現状があるんであろうと思いますし、またそういうそのときが過ぎて、今日、いわゆる消費性向といいますか、そういったものが非常に堅実なものになってきておるというのが現状であろうと思っております。  ですから、それは減税をやったことが全然消費にこれは影響がないなんということを申し上げるつもりはございませんけれども、しかしそういう状況の中にあって今減税というものをやることが本当に消費の刺激になるかといいますと、私はさほど大きなものでないだろうというふうに考えておりますし、先ほど総理からお話がありましたように、もしそういった財源があるとするならば、将来に残していくいわゆる社会資本の整備とか、そういったことに充てることの方が重要なんじゃなかろうかというふうに思います。  しかし、いずれにいたしましても、今度の補正予算でも、大変いろいろと苦労しながらやむを得ざる措置というものを幾つかとりながら今度の補正も組んでおるという現状の中で、財政というものからいっても、私は今減税をやる状況にないということを申し上げざるを得ないことをお伝えしたいと思います。

吉田之久民社党・スポーツ・国民連合

○吉田之久君 今、減税なくして私は景気の回復はあり得ないと思います。この点はまたいずれ論議を続けてまいりたいと思います。  次に農業問題についてであります。  アメリカとECの間で合意に達したウルグアイ・ラウンドの内容は、向こう六年間で輸出補助金を二一%削減するということでありました。ダンケル案は六年間で二四%削減であったにもかかわらずこれが二一%で決められたと。したがって 輸出補助金は七九%温存されることになるわけであります。しかも、この合意に至る駆け引きの中で、ECは極東地域への牛肉輸出に補助金を使わないとの秘密協定がなされたと伝えられております。これは、輸出大国間同士の利益だけを優先させた談合そのものではないかと我が国の農業団体も怒りに燃えておる現状であります。外務大臣はこの間の事情をどう分析なさっておりますか。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田名部匡省君) お答え申し上げます。  おっしゃるとおり、この極東地域への牛肉輸出に補助金をつけないということがこれが事実だとすればまことにフェアでないと私も思いますが、実際報道内容は私も承知しておりますが、これについては確認がとれておりません。したがって、多国間交渉の場で十分な説明を実は求めているわけでありますが、いまだにその回答が得られていないというのが実情でございます。

吉田之久民社党・スポーツ・国民連合

○吉田之久君 外務大臣にもお伺いします。  要するに、国民はガット・ウルグアイ・ラウンドのアメリカとECの交渉、ただ日本の外務省はその情報集めぐらいしかしてなかったのではないかという不満があるわけなんでございます。  農水大臣にもお聞きしますが、農水省に、近く米の条件つき関税化を前提とした検討チームが発足するというふうに言われておりますけれども、これは本当でありますか。要するに、今後日本としてあくまで米の市場開放に反対するのかあるいは逐次条件闘争に移行しようとするのか。この辺、外務大臣と農林水産大臣の決意を改めて承りたいと思います。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田名部匡省君) 最近の報道を見ておりますと、いろいろなことを取り上げておりますけれども、米の条件つき関税化を前提としたおっしゃるような検討チームというものはありません。従来から私どもは国会決議の趣旨を体して、国内産で自給するという基本方針で交渉に当たっておりますので、そういうことはございません。  それから、あくまでもこの米市場開放に反対するのか、あるいは条件つきかと、こういうお尋ねでありますが、私ども結果的には反対ということでありますが、輸出補助金に比較して包括関税化というのは公平を欠いておる、あるいは従来から国土の自然環境保全あるいは地域の経済問題、そういうものに農山漁村というのは大変な役割を果たしている、そういう中にあって包括関税化というものは受け入れられないということを申し上げておるわけでありまして、ただやみくもに反対ということではなくて十分理論展開をしながら、こういうことはできない、もちろん土地の条件でありますとか気象条件、これは各国違いがあるわけでありまして、そのことを私どもは粘り強く理解を求めて、そうして我が国の主張が通るように最善の努力を合いたしております。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) ウルグアイ・ラウンドを成功させましょうというのは各国とも反対の国はないんですよ。それから国内の各政党でも、我が党はウルグアイ・ラウンド絶対反対だ、つぶしてしまえという話は余り聞いたことはないんでして、やはり世界の大勢からいっても、自由貿易がしぼむということになれば、特に日本などは大被害を受けるわけですから、やはり自由貿易というものがもっと広がるように、小さくならないで保守化しないで広がるようにしよう、こういう中で多角的ないろいろな貿易関税の交渉が行われておるわけです。  政府としても、やはりこれは成功させなきゃならぬと、こう言っているわけでありまして、ダンケル・ペーパーが大変問題になるが、それは農産物はみんな自由にしちゃって、負けるところはもうつぶれてもいいんだなんてだれも言っておらぬわけでありまして、要するに農産物は特殊事情が者ありますから、それは守ることもある程度はやむを得ないことじゃないですかと、そのための条件はこうこうしかじかだという話は出ていますが、どこの国でも農業を守る、そのためにかなり高額関税をかけることもそれは許容しているわけですよ、だめだと言っているわけじゃないですから。しかし、我が国は例外なき関税化は反対だという姿勢をとってきておるので、今までずっと国会決議の方針といいますか趣旨を体しまして、それで頑張っているというのが現状であります。

吉田之久民社党・スポーツ・国民連合

○吉田之久君 両大臣ともその姿勢を崩さずに、しっかりとこれから正念場でございますから頑張っていただきたい。  次に、総理、防衛庁長官、大蔵大臣にお聞きいたします。基盤的防衛力の整備についてでございます。  東西の冷戦は終わりました。しかし、ここにきて世界各地の混乱は激増しております。しかも問題は、ヨーロッパで削減した旧ソ連の新型兵器が極東に再配備されつつあることであります。また、中国の海軍力は次第に増強されつつあります。我が国のシーレーンの重要な要衝に当たる南沙群島は関係国間の緊張の中にあります。そして、まことに残念なことは、今やアジアが次第に世界一の武器市場になりつつあるということでございます。  こうした情勢の中で、我が国が長期安定的な基盤的防衛力を保持するために極めて重要なことの一つは、我が国の防衛産業の基盤をしっかりと守り、四十年間にわたって蓄積した技術水準の維持向上を図ることだと思います。総理はこの点を配慮して来年度の防衛予算の配分にその指導力を発揮されるべきだと思うのでございますが、いかがでございますか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 前段におっしゃいましたソ連、殊にロシアの国の経済の再建と申しますか、そういうコストの関連において、武器、兵器が一番外貨を獲得しやすいという状況の中で、相当大きな輸出が近隣等になされておりますことは、私自身も実は心配をいたしております。そのような可能性につきましては、実は七月のサミットのときにも私は発言をいたしたのでございますけれども、その後、なおそういう傾向がございまして、我々としてはこれはやはりいろいろな機会に、そういう動きに対して我々の注意喚起を外に向かっていたさなければならないと思っておるわけでございます。  そのことはそのことといたしまして、中期防と申しますか、もともと我が国の防衛力というものは、いわゆる基盤的防衛力の整備ということでございますから、仮想敵を持って防衛力を増強しているわけではございません。ただ、しかしそうは申しましても、世界的にこれだけ大きな変動がございますから、中期防の見直しについては前倒しで防衛庁長官に昨年来検討を願っておるということでございます。もちろんその際に、ただいま吉田委員の言われましたような点も、これも我が国のいわば防衛力を生産力として支える企業でございますから、企業自身のためという考えでなく、我が国の健全な防衛力を今後とも支えていく、そういう観点は忘却してはならない、よく視野に入れておかなければならない問題だということは認識をいたしております。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(宮下創平君) お答え申し上げます。  アジアにおける情勢等の認識は今総理が御答弁なさったとおりでございますが、私は、その防衛産業の存在の意味について申し上げたいと存じます。委員の御指摘もその点に重点があったかと存じます。  防衛産業の問題につきましては、これはずっと防衛計画の大綱時から、国産化と輸入の問題として大変論議され、防衛計画の大綱の中にも、装備品等の整備に当たりましては、適切な国産化につき配慮しつつというような文言がございます。そして同時に、緊急時に急速に取得できるかどうか、あるいは教育訓練の容易性があるかどうか、あるいは費用対効果等、総合的な見地から検討すべきであるということが書かれております。  私どもは、そういう趣旨に沿いまして今防衛産業を見ておるわけでございまして、もちろん我が国の防衛上必要な計画のもとに防衛生産というのがあることは当然でございますけれども、あとうべく、なるべく防衛産業は国産化によって行わ れることが私個人は望ましいとは思っております。  委員はもう専門家でいらっしゃいますから言うまでもありませんが、現実に一般輸入あるいはFMS輸入等完成品輸入の割合というのは正面装備で言いますと約一割くらいだと存じますが、今後もこうした点について縦深性のある装備の整備を図るべきことは当然であると私は考えております。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(羽田孜君) 今、それぞれお答えがございましたこと、また先生の方から今御指摘いただきましたこと、こういったことを私たちも基本にしながら、予算のときを今迎えておりますので、防衛庁とも十分話し合っていきたいというふうに思っております。

吉田之久民社党・スポーツ・国民連合

○吉田之久君 ありがとうございました。  それでは、次に移ります。  自賠責保険料率の引き下げについてでありますが、奥田運輸大臣と羽田大蔵大臣にお伺いいたします。  自賠責保険の特別会計の滞留資金を還元するために昨年四月に平均八%の料率引き下げが行われました。にもかかわらず、その後も多額の運用益が発生し、平成三年末には滞留資金は実に一兆五千九百億になると言われております。自賠責保険は強制加入でありますから、支払う側からすれば税金に近い感じで受けとめております。一方、乗用車の世帯当たりの保有率は既に七〇%に達しております。  そういう現状から見て、自賠責保険料率の引き下げによって一兆六千億の資金をユーザーに還元することは景気浮揚にも役立つものと考えますけれども、その点いかがですか。特に、我が民社党の試算した結果によりますと、料率を二〇%下げても、向こう十年間、二十一世紀に入るまで現状の滞留資金を還元し切れないと予想いたしております。  この点につきまして、既に決算委員会で直嶋委員も奥田運輸大臣にその間の事情を申し上げたところでございますけれども、大臣の重ねての答弁をお願い申し上げます。

奥田敬和自由民主党運輸大臣

○国務大臣(奥田敬和君) 平成二年でこの自賠責特会の滞留資金は一兆四千億、一昨年でございますけれども、それで、料率引き下げの御要請に基づいて昨年は八%引き下げを行ったところでございます。ところが滞留資金は、八%引き下げたわけでありますけれども、今御指摘のような多額の資金が残っております。平成四年度見込みで大体一兆九千億にいくんじゃなかろうかという状態でございます。このことは当然ユーザーに還元されるべき性格のものであります。特別会計は何ももうけることが目的でありませんから、利益もつくってはいかぬかわりに損もしてはいかぬ。ノープロフィット・ノーロスという原則で貫かれておるわけであります。  したがって、この九月に直嶋委員から、参議院の決算委員会でございましたけれども、この問題を御指摘いただきまして、料率引き下げに踏み切るべきであると。直嶋委員ばかりでなくて、今度は参議院の運輸委員会では寺崎委員からも指摘されました。衆議院の予算委員会へ行ったら、今度は伊藤英成委員からも御指摘をいただきました。そして、一週間ほど前には民社党国会議員団が大挙おいでいただきまして、これはいつやるのかという形で、わあわあ言われたといったらおかしいですけれども、厳しい御要請をいただきました。全く、引き下げに関しては御主張のとおりであろうと私も思います。  ところが、これは具体的には大蔵大臣が料率認可を決めていただくわけであります。具体的段取りをここで申しますと、八日に諮問が行われて、十四日に答申をいただけると期待しております。もちろん料率引き下げのことでございますから、引き下げに関しては運輸大臣の同意を求めて相談に来られると思いますけれども、いや、行くのかもしれませんけれども、そういった段取りで決められます。  今、二〇%云々という御指摘に、果たしてそれができるかできないかは別として、答申をいただいた上で、これは引き下げの方向でいただける答申でございますから、相当大幅な引き下げが期待できるのであろうと、私もまたそうあってほしいと願っておるわけでございます。したがって、今吉田委員御指摘のように、こういった景気情勢のときにユーザーに還元されるべきものはきちんと還元する、そういったことでプラスになれば大変結構なことではなかろうか、こう思っておるわけであります。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(羽田孜君) ただいま奥田大臣の方からもお答えがございましたけれども、この四年度の検証の結果これがまとまったところでございまして、前回改定時に想定いたしましたよりも損害率、これが大変低くなっているということで、今お話しのような大きな滞留資金、これが生まれてきているように私どもも承知しております。  今御指摘がありましたように、今また奥田大臣の方からもお話し申し上げましたように、日程が八日に諮問するということでございますので、私どもといたしましてもこれを諮問いたしまして、そしてその審議の結果を踏まえまして検討を加えていきたいというふうに考えておることを申し上げます。

吉田之久民社党・スポーツ・国民連合

○吉田之久君 特にこんな時期でございますから、両大臣お答えのとおり、精いっぱい頑張って大幅な料率の引き下げを実現してやっていただきたいと思います。  次に、PCBの入っておる機器の処理の問題につきまして、厚生大臣、通産大臣、環境庁長官、この順番でお答えをいただければありがたいと思うのでございます。  人体や環境に多くの影響を与えるPCBを使用した電気機器類は、使用者責任のもとに管理、保管されることになっております。化学物質審査規制法ができて二十年になりますけれども、しかし。実情はそれはもう管理とは名ばかりで、屋外に放置されておればいい方でありまして、知らぬ間に山野にあるいは地中に投棄されておるという事情もあるようでございます。  これに対して、いろんな関係者が高熱処理方法等でその処分方法等を考えているようでございますけれども、一向に役所の窓が開かれない。鐘化の高砂工場では五千五百トンの焼却処分は終わりましたけれども、それはそこだけの問題であって、他の全国のものを入れようとはしない。トヨタでも同じ焼却炉をつくろうと今計画中のようでございますが、まだ認可がおりないとも聞いております。こういう環境を守る大事な行政がこのような状況で一体いいのかどうか、非常に憂えている一人でございますけれども、いかがでございますか。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○国務大臣(山下徳夫君) PCBが人体や環境に有害であることはもう御指摘のとおりでございます。従来は、これは発電所の機器とかあるいは役所や会社等で使われておりましたカーボン紙の類でございますけれども、現在は既にもう全く使われておりませんし、したがって製造もいたしておりません。  問題は、御指摘のとおり従来からあるものをどうするかという問題で、既に技術的にはこれを処理する技術は開発されておりますけれども、その施設の立地、これについて周辺の住民からなかなか同意を得られないということで、これが一番難しい問題でございます。したがって、それが設置されるまでの間は使用者責任として厳重に保管するように言っておりますが、今お話がありましたように、一部にはそれが不完全な保管があるやに私も聞いておりますから、さらに厳重に保管するように通達を重ねていたしたいと思っております。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(渡部恒三君) おおむね厚生大臣から答弁がございましたが、通産省としてもできるだけ早い機会にこの適正な処理が必要であると考え、今厚生大臣からもお話がありましたが、これまでの処理施設の技術的な検討、必要なプラント施設の立地について努力してまいり、この結果、安全に処理できる技術についてはほぼ技術的に確 立をしております。  ところが、今厚生大臣が話したように、この最終処理施設の立地について、これは先生御承知のように一般のごみ処理場でもなかなか立地が困難な時期でございますから、この有害ごみの処理場ということになりますと、地元の合意がいまだなかなか得られないできょうに至っておることは大変申しわけございませんが、通産省としては、本件は極めて重大な問題であると認識し、関係省庁とも連絡をとりながら処理施設の整備等について積極的に取り組んでまいります。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(中村正三郎君) 今、両大臣からお答えいただいたとおり、PCBの保管、処分については、産業という立場から通産省、廃棄物という立場から厚生省が担当されるわけですが、環境庁といたしましては、環境基準を設定して法律に基づいて排出規制等を行って環境基準の達成に努めていくということで対処してきたわけであります。  それから、環境庁といたしましては、従来からPCBの環境汚染状況の常時把握に努めております。ところが、委員御指摘のとおり、これやっているんですが、もう既に四十九年で生産が中止されたにもかかわらず横ばいの状況でありまして、改善が見られない。したがって、今後とも引き続きこの環境の監視、常時把握というものに努めてまいりたい。そして、今後ともこの環境汚染の重要性にかんがみまして関係省庁と連携をとりまして対策の推進に努めてまいりたいと思っております。

吉田之久民社党・スポーツ・国民連合

○吉田之久君 総理お聞きのとおり、今環境庁長官もお答えになりましたが、環境庁は基準を示していかに環境を守るか一生懸命であります。厚生省は、廃棄物の処理でいろいろ自治体に指導すべく努力をしております。通産省は、メーカー責任を問いながらその協力を求めて新しい近代的な技術処置を急ごうとしています。それぞれは縦割りに一生懸命やっているのでございますが、全然つながっていない、だから何も進まないという、これが非常に重要な問題だと思うんですね。  これはPCBの機器だけではありません。今後製造されるいろんな化学物質の弊害をどう取り除いていくか、それが環境を守ることなんですね。しかし、それがこのことさえも進まないようでは私は暗たんたるものがあると思うんです。これを各省庁総合的にまとめて、そして本当に解決をしていくという姿勢を持たない限り、これは問題だと思います。その点、総理の一段の御指導を願いたいのでございますが、いかがですか。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○国務大臣(山下徳夫君) 御指摘のような点があるかもしれませんが、それぞれの省で所管していることについては最善を尽くしているわけでございますが、やはりそれぞれ事情を抱えておる。例えば、私が申し上げましたように、厚生省におきましては、技術的にはもう解決はいたしておりますが、周辺の住民の方の納得を得るためにその場所の選定に困っておる。通産も環境もそれぞれ異なった事情があると思います。したがって、それをどう処理するかということは関係大臣協議をいたしておりますし、さらにそれぞれの立場でそういう問題を解決してひとつ早くやろうということは、各大臣横の連絡は十分とっておりますことをつけ加えておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 我が国の行政は立ち上がりのときにかなり時間がかかるのでございますけれども、一度合意ができますときちんとやる、そういう一種の習性を持っておりまして、よく注意をいたしまして、御指摘のようなことが起こりませんように私も注意いたしておきます。

吉田之久民社党・スポーツ・国民連合

○吉田之久君 最後に、政治改革の問題についてお聞きをいたします。  総理は、衆議院の本会議や各委員会でも、今前途有為な自民党の一人の青年国会議員を育てるために、その人たちは一年間にほぼ一億程度の資金を必要としておる、それはなかなか大変だろうから先輩である我々もいかにそれを支えてやるか、その辺が非常に苦労しているところなんだと、大体そんなお話がありました。その言やよしと思います。  ところが、一人や二人の面倒を見るならば一億二億で足りますが、総理みずからが率いていらっしゃる派閥、自民党の派閥は平均五十人余りでしょうか、百人の大派閥もあります。そうすると公式非公式の資金、ともあれその分だけでも一年間に総額四十億も五十億も要るのではないか。ということは、月に三億や五億の金が絶えず出入りしていないとそうならないはずでございます。  私は、今度の金丸さんが受け取られた佐川からのお金、それはそうした金の一部ではないかと。三億の金が政治資金規正法にすんなり乗るはずはありません。領収書は要らないよと、ああそうと。領収書を出していないのが会計帳簿に載せられるはずがありません。いわゆる裏の別資金にしなきゃならない。それは政治的に効用を発揮して動いていく。しかし、それが自分も領収書を出していない、記帳もしていないお金を、今度は政治家に与えて領収書をとることはできない。やみからやみに葬られていると。これを今度の事件でこのまま処理したら、まあ見つかれば政治資金規正法違反、上申書で二十万の罰金。それが二百万になるのかどうかは知りませんが、これからは。それで済むのか、それが済んでいいのかと。かなり重要な問題を含んでいる事件だと思うんですが、総理はどうお考えになりますか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 前途有為な青年に毎月千万円の金をつくるために奔走させるようなことをしては私はいけないと思うんです。そういうことをさせてはいけないと思います。ですから、年寄りが何とか少し助けようと思いましても、それも数がまとまりますと本当にとてもやれるものじゃない。これはもう言われるとおりです。  ですから、こういう状況というのはもう続けられないという実感がございまして、そこからもやはりこの今の政治改革というものをやらなきゃならないということで、片方で出の方の問題は少し、いわゆる冠婚葬祭等々についての、これはそのための出費よりはそのために秘書をあるいはアルバイトを雇っておきます人件費の方が大変なんでございますね。自分の選挙区に二十人も三十人も雇っておきませんと冠婚葬祭に落ちができてしまう。それはかなりよくなりました。その点はかなりよくなりまして、出の方が一部よくなりましたんですが、それでもまだまだ若い人は苦労をしています。ですから、やはりこれはいろんな意味で改革をしなければなりません。  今度のようなことを私直接に論評する立場にございませんけれども、しかし大変にいろいろ無理がきておって、もうこの制度はとてもこのままやっていけないことは確かでございますのでございますから、いろんな意味での政治改革というのをぜひやらなければならない。そうでありませんと、前途有為な人が政治を志すということは難しくなる。それを非常に心配いたします。

吉田之久民社党・スポーツ・国民連合

○吉田之久君 今、総理もおっしゃいましたとおり、ここにきて自動政権構築マシンはついにもう限界にきて摩滅し始めていると思うんですね。ですから、もう内容的にもだめでありますし社会的にも認められないと。どうしても金のかからない選挙制度に切りかえる、抜本的に切りかえなければなりません。同時に、人を集めたくとも当選させたくとも、派閥をこのままで存続させてはならないと思うんですね。この辺の問題、それをやるべきは総理御自身しかありませんので、勇断をもって進んでいただきたい。最後に、国家公安委員長にお伺いいたします。文部大臣にもお聞きしたいのでございますが、今日のこの風潮、若い警察官は暴対法に基づいて暴力団の事務所に命がけで飛び込んでいます。ところが、気がついてみたら、その暴対法をつくった政治家のトップと暴力団の親分と、ないしはその辺にかかわる人たちが一緒に酒を飲んでよいしょをやっておると。これはたまらぬと思うんですね。上、上たらずとも下、下たれと、そんなことが今日の民主主義の社会で言えますか。  文部大臣は、暴力団が極めて非社会的な集団であることを子供に教育するために、この現状をと う憂えておられますか。御答弁を求めます。

塩川正十郎自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(塩川正十郎君) 今個別の問題をお聞きになっているとは思いません。一般的におっしゃっていることでございまして、その意味におきましてまさにおっしゃるとおりでございまして、まあ幸いにいたしまして暴力団新法がこの三月一日に発効いたしましてから鋭意警察庁が全力を挙げて暴力団対策を講じておりまして、今御存じいただいておりますように、暴力団の活動も萎縮してまいったことは事実でございます。これをさらに一層締めつけをきつくいたしまして平穏な社会をつくりたいということを念願しておりますが、そういうやさきにあって、政治に関係する者なりあるいはまた社会的指導者が暴力団とのつき合いをしておるということは、これはあってはならぬことだと私は思っております。  したがいまして、そういう社会の木鐸的な方々も、あるいは指導者はできるだけそういうことに十分な配慮をしていただいて、平素の心得が私はやっぱり大事なんではないか、こう思っておりまして、自分ら自身も心得て行動すべきだと思っております。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 一般的に申し上げて、暴力団の問題については、中学校あるいは高等学校で生徒指導というような形でその反社会性を教えていく、まあ教えてきているところでございましょうし、今後はそのような指導を充実してまいりたいと思いますが、お尋ねのお話は、先ほども同様の御質問がありましたが、国会は国権の最高機関でございますから、その構成メンバーたる国会議員はいわば国民の模範的な存在でなければならない。そういう意味で、極めて高いモラルあるいは倫理観が求められているということは総理が答弁をされているとおりでございまして、暴力団の問題に限らず、リクルートとか共和とか佐川とか、そういうような政治家と金の問題がいろいろと社会問題化して、大きなトピックとして世の中に出回っていくということを子供たちが見ていれば私はいい影響は決して受けないと正直にそう思いますので、だからこそ政治倫理の確立あるいは大胆な政治改革をやって、先ほど総理がおっしゃったように、今後こういう問題が起きないような新しい政治の体質というものを実現しなければならないと存じます。

吉田之久民社党・スポーツ・国民連合

○吉田之久君 ありがとうございました。質問を終わります。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 以上で吉田君の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 次に、聴濤弘君の質疑を行います。聴濤君。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 日本共産党を代表して、佐川急便事件について質問いたします。  まず最初に、金丸前自民党副総裁の五億円問題についてですが、金丸氏が不正の五億円を受け取ったことは確かです。ところが、略式起訴、そして本人の事情聴取はなして、そして二十万円でけり、こういうことである。  私は政府から資料をいただきましたが、昨年略式起訴を受けた人、これは実に百十五万二千九百五十人おります。そのうち本人の事情聴取を受けたケースは政府は把握してないと言う。当然なんです。略式起訴であっても本人の事情聴取を受けるのは当たり前なんで、こういうことは調査してない、こういうことであります。ですから、一年間に実に百十五万二千九百五十人、これが略式起訴でも事情聴取を受けている。たった一人受けてない人がいる、これが金丸氏であります。当然国民の怒りが沸き起こるのは当然のことであります。その上、臨床尋問が行われましたけれども、五億円を受け取った時期、使途、配付先、これがまだわからない。ますます国民の怒りが巻き起こるのは当然であります。国民は、一体この金がどう使われたのか知りたいと思っております。  そこで、端的に総理に伺いますが、総理は真相の解明がどうしても必要だということをたびたび言われました。この五億円、どのように使われたか、これを解明する必要がある、そういうふうに首相も思われると思いますが、いかがですか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) そのような努力が行われていると承知しております。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 それではお伺いしたいと思いますが、その解明をするためにはどういう方法があるのか、どこにその解明のかなめがあるのか、それはどういうふうにお考えになりましょうか。金丸氏は、国政調査権を発動して行われた臨床尋問で、それは生原秘書に任せてある、生原秘書に、あの人に聞いてくれ、そういうふうに金丸氏は言っております。かぎを握っているのはこの生原正久、金丸前副総裁の秘書であります。国会として、政治的、道義的責任を明らかにするために生原氏を証人喚問する、これは急務だと私は思いますが、総理いかがだと思いますか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) これは政府委員から前段の部分はお答えすべきかと思いますが、五億円の使途につきましては、告発もございましたから、捜査当局においてその関連の捜査をいたしておるものと思っております。  国会の本件についての国政調査のあり方につきましては、これは私から申し上げることは度を越えたことでございますので、申し上げません。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 国会での解明が必要であるということも同時に明白であります。捜査は捜査であります。首相も喚問に反対ではないと私は思います。  次に、この生原氏と暴力団との関係の問題、これについてでありますけれども、渡邉元佐川急便社長の検事調書によれば、金丸氏側が暴力団稲川会の石井元会長に頼み込んだ問題は四つあります。第一は竹下政権誕生をめぐる問題、第二番目は衆議院の予算委員会の委員長人事をめぐる問題、三番目は北朝鮮外交をめぐる問題、四番目は山梨県で起こったトラブルの問題であります。  第一の竹下政権誕生をめぐる問題については私は後でお聞きいたしますが、刑事局長、衆議院の予算委員会の委員長人事をめぐる問題では、だれが直接渡邊氏に頼んだのか、どのように検事調書に出ているか、お教えください。

濱邦久法務省刑事局長

○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。  今、委員お尋ねの点は、生原秘書であったと理解しております。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 それでは、北朝鮮外交の問題のときにはだれですか。刑事局長。

濱邦久法務省刑事局長

○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。  同じく生原秘書であったと聞いております。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 たびたびで申しわけありませんが、山梨県のトラブルの件についてはどなたですか。

濱邦久法務省刑事局長

○政府委員(濱邦久君) 同じく生原秘書であったと記憶しております。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 総理、今お聞きのとおりであります。  暴力団問題でも生原氏の果たした役割というのは検事調書によればまさに重大であります。ですから、この事件の解明に当たっては、この生原氏を抜かして我々は真相の本当の解明というのはできない、このことははっきりしていると思います。  総理いかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 御説は十分に承っておりますけれども、国会の国政調査の問題でございますので、私からはその点については申し上げることを御遠慮いたします。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 五億円の問題にしても、暴力団の問題にしても、事件の真相解明、事件の真相を明らかにしていく、そして道義的、政治的責任、これをはっきりさせるという点で生原氏を国会に証人喚問することは我々の急務だと思います。  委員長、理事会でこの問題を協議されるようお願いいたしたいと思います。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) よく承知いたしております。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 理事会で必ず協議されることを重ねて要求いたします。  次に、竹下政権の誕生の際の暴力団の関与の問題についてでありますけれども、奥田運輸大臣に お聞きしたいと思います。  ことしの九月の参議院決算委員会で我が党の高崎裕子議員に対して、奥田運輸大臣は、褒め殺し街頭宣伝に非常に憂慮していたことは事実で、直接接触を図ろうと思ったが私には手だてがなかった、このように答弁をされました。  あなたは何をそんなに憂慮されたのか、お答えいただきたいと思います。

奥田敬和自由民主党運輸大臣

○国務大臣(奥田敬和君) 先般の参議院決算委員会で高崎委員にお答えいたしました。いわゆる一連の褒め殺し活動といいますか、街宣車による彼らの活動に対して、何とかならぬものかと憂慮したという形はそのとおりでございます。大体、この東京都内ばかりではありませんけれども、我々の研修会の場所まで押しかけてくるというような経緯もございましたし、いずれにしても、あの街宣車を何台も連結して、しかもああいった行動に、一日二日ならいざ知らず、何カ月間にわたってやられるということになると、それはもう普通我々ばかりでなくて、一般市民も大変な不快感を持たれることは当然だと思うんです。  我々も、最初のうちはいいかげんにこれも一つの有名税かなという気持ちでおったわけでありますけれども、あれだけ長期間、そして彼らの寝泊まりしているところはどこだろう、資金背景は何だろうということを探していったら、晴海の埠頭のところに並べてまたそこで車内宿泊しているのか、そういった形の中で、これは相当長期間に続く計画的な行動だなと大変憂慮したことは事実でございます。ということは、基本的には、竹下政権を目指す我々にとってみて竹下の評判が落ちるとか落ちないということよりも、むしろ都民の騒音、交通混雑等々を考えるだけでも不愉快きわまりない話じゃないかということで、それも含めて憂慮したというのは事実でございます。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 それでは、騒音でうるさくて困ったということでございますか。その運動、その中で言われたこと、宣伝されたこと、そのことについては何の憂慮もなかったということですか。

奥田敬和自由民主党運輸大臣

○国務大臣(奥田敬和君) 内容に関しては別に憂慮すべきことは一つもございませんでした。ただ、うるさい、不愉快、そしていたずらに関係のない都民のストレスをかき立てる。そこに、竹下を総理にしましょうというような一連のあれでやられていくだけですから、彼らには何の作戦も内容もないんです、その言葉の中にも。これはある意味においては、心理作戦からいうと、かえってごちゃごちゃ言って理屈っぽく物を言うよりも、あれはとても嫌らしい、ストレスをかき立てた宣伝活動であったと思っております。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 とても納得できるようなお答えじゃない。うるさいうるさいと言うなら、日本共産党の周りでしょっちゅうやられていて、我々うるさくてしょうがないんです。竹下氏を総理大臣にしようと宣伝されて、それでそれが困った困った、ただうるさいから困ったと。とても納得できません。もう一度お答えください。

奥田敬和自由民主党運輸大臣

○国務大臣(奥田敬和君) それは、まじめな真摯な団体が竹下を総理にしようという形で宣伝していただくことだったら、これは歓迎すべきことでございます。しかし、あの種の形でやられたら、それは市民が反感を持つ形であって、要らない人に応援してもらったような形のときのあなたの立場でもよくおわかりになると思います。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 奥田運輸大臣はそのようにおっしゃいますが、それでは竹下氏は何を恐れられたんですか。あなたは当時竹下派の情報責任者だと、情報を担当しておられたということですから、そのことはよくおわかりだと思いますが、いかがですか。

奥田敬和自由民主党運輸大臣

○国務大臣(奥田敬和君) 竹下は余り気にしていないようでした。こういったこともあるかな、自分の不徳のいたすところかな、そういったしおらしいというか、そういった態度にむしろ我々としては何とかこれを早くやめさせる手だてはなかろうかなと、憂慮したというのはそのことでございます。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 くどいようですけれども、今これテレビで全部見てますよ、国民が。それでこんなことで国民が納得すると思いますか。日本国じゅう大騒ぎしているんです、この問題。それで何にも別に憂慮したことはないとあなたはおっしゃる。それで日本国じゅうこれだけ大騒ぎしている。あなた方自身、一九八七年竹下総裁選に当たって約一年間ずっと大騒ぎしている。それが別に何でもないことだと。こんなことで我々納得できないし、国民も納得できないです。もう一度はっきり答えていただきたい。

奥田敬和自由民主党運輸大臣

○国務大臣(奥田敬和君) お答えは同じ結論になるわけでございますけれども、ああいった長期間継続した右翼団体の街宣車によるあの手のいわゆる褒めつぶしといいますか、褒め殺しと申しますか、そういった行動は、私たちは市民反感、国民反感の一つの大きな原因になるという形で、そういった意味合いも込めて、私自身は非常に早く何とかとめる手だてはないものだろうかなと憂慮したことは先ほどから申し上げているとおりでございます。この問題で幾ら言われてもこの結論しか出ないということを御認識いただきたいと思います。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 それでは、あなたはこの宣伝をやめさせるために、いずれにしろ困ったということでやめさせるためにどのような手を打たれたのか。これ金まで積んだというような話まで出ていることでありますから、明確にお答えいただきたいと思います。

奥田敬和自由民主党運輸大臣

○国務大臣(奥田敬和君) いろいろ実態把握に努めたということは事実でございますけれども、具体的に皇民党の方たちと直接折衝をすることはできなかったということも事実でございますし、私自身何ら接触を持ちませんでした。ただ、できれば、治安の充実したこの国においてこういう行動が許されていいんだろうかというそういった気持ちに立って、司法当局のいわゆる法に基づく取り締まりの方法はないのかという形でいろいろ検討もさせていただいたことは事実でございます。  ですけれども、しばらくの駐車、停車に対しては道交法違反でやるとか、あるいは過度な騒音に対しては、当時はまだ条例制定もしっかりしておりませんでしたから、一台当たり何十ホンかという規定以上のものに関しては軽犯罪的に取り締まることはできたとしても、彼らもなかなか知能犯で、一台ではちゃんと適法で、それでそれが何台かを連結していくと複合騒音になるということまで、なかなかそういう手だても難しかったというのが実態でありまして、そしてまた、道交法あたりでの軽犯罪で仮に逮捕等々の手だては警察当局も随分努力はしていただいて、迷惑であろうということで理解を示していただいたわけでありますけれども、彼ら自身の、何か捕まえたところですぐ釈放せにゃいかぬというような状態で、むしろ箔づけするような形で実際は実効が上がらなかった、そういった点はまことに残念でした。  それで、その後いろいろな形で東京都なりあるいは各府県自治体なり、条例改正も含め、まあこの問題が契機となったとは考えませんけれども、そういった形に対しての対応は随分今日は進んできたと思っております。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 私たちの独自の調査によりますと、一九八七年七月、石川県で、石川県というのはちょうど奥田運輸大臣の議員選出県でありますけれども、その石川県で右翼団体の恐喝事件が起こった。それで、団員が逮捕された。その公判に皇民党の稲本前総裁が証人として出頭している。その証人尋問調書、私ここへそれ持っておりますけれども、それと団員の供述によりますと、皇民党が竹下氏にほめ殺し攻撃をやったのに対して、あなたが警視庁にねじを巻いた、そして皇民党を弾圧しようとした。このねじを巻いた、弾圧しようというのは、これはこの調書に出ている稲本の言葉であります。それで、彼らは奥田氏に対しても攻撃をしよう、こういう相談をしたということが出ております。この事実をあなたは御存じですか。

奥田敬和自由民主党運輸大臣

○国務大臣(奥田敬和君) 一切関知いたしておりません。弾圧という言葉で表現されているとすれ ば、私がいわゆるそういった形で合法的にどうかならないかなという形で相談を持ちかけたという事実を指しておるのかもしれません。そして、軽犯罪なりの形で、道交法なりの形で、そういった一時的な対応にしろ、違反をして現場でやられた人たちが出たということも事実でしょうから、そういった形の中で私を憎んだ対象にしたということはあったかもしれません。しかし一切関知いたしておりません。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 いずれにしましても、奥田氏は今おっしゃられた範囲で申しましても、警察に相談をするとか、道路交通法での取り締まりで何とかならないかとか、いろいろ悩まれたと。結局それでも効果はなかったわけですね。皇民党は褒め殺し宣伝をやめなかったわけですね。そのことはお認めになりますね。

奥田敬和自由民主党運輸大臣

○国務大臣(奥田敬和君) やめませんでした。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 あなたは情報責任者としていろいろ手を打たれた。それで、今のようなこともあった。ところがやめなかった。その結果を責任者として竹下氏とかあるいは金丸氏に報告をして、どうしようかと相談されましたか。

奥田敬和自由民主党運輸大臣

○国務大臣(奥田敬和君) 別に相談はしなかったと思います。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 もう一人お尋ねいたしますけれども、小沢一郎元幹事長に報告をされましたか。そして相談をされましたか。

奥田敬和自由民主党運輸大臣

○国務大臣(奥田敬和君) 小沢君はまだ派閥の総務の担当局長か何かやっておったと思います。まだ幹事長というようなそんな偉いものじゃないんで、むしろ私の方に向こうが相談を持ちかける立場でございました。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 今のお答えを聞いていまして、私は次のような印象をどうしても持ちます。奥田さんはこの褒め殺し攻撃というこの八七年の一年間、竹下総裁選、これをめぐってほぼ一年間、大問題になった問題を何ら大したことのない問題だと憂慮もしなかった、何でやっているのかもはっきりしなかった、ただうるさかった、こういう問題だというふうにお答えになりましたけれども、もう一度聞きますけれども、そういうことで国民が納得すると思いますか。もしそうだったらこんな大問題になっていないということを申し上げたいんだが、どうですか。

奥田敬和自由民主党運輸大臣

○国務大臣(奥田敬和君) 皇民党が何の意図で、何の背景で、何の代償を求めて動いておるのかというそういう原因の把握の方がむしろ私としては大事なことだと認識したわけで、それは今日こういった形で大きな問題点として御指摘されているような状態のときですから、私の答弁は非常に国民の皆さんには心証を悪くするかもしれませんけれども、しかし現実にあの当時の状況としては、彼らは一体何の目的でやっているんだろうという形で、むしろそちらの方の、現象面よりも背景面の方に疑念と憂慮をしたといった形が本音でございます。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 それを聞いているんですよ。  時間があれですから先に進みますけれども、結局お答えにならぬが、しかし警察に頼んだりいろいろな手を打った。金のことは否定されましたけれども、警察にも手を打った。ところがやめない。こういうのがこの事件の最後の段階に来たときの状態だということがわかります。これで私たちが考えるには、金丸氏らが渡邉氏を通してあの稲川会石井会長にあのことを頼み込んでいく、そういう大きな背景があるんだということがここではっきり出てくると私は思うんですね。  現に金丸氏は臨床尋問で、川に流された子供を助けてもらい、それが暴力団であっても感謝の気持ちがあってもいいじゃないか、これが私の政治哲学だ、こういうふうに言っております。この川に流された子供というのが竹下氏であることは、これはもう言うまでもないことだと思います。そして竹下氏自身も、田中邸訪問が褒め殺し中止とかかわりがあったという印象を持ち、心に葛藤があった、こういうふうに言って、褒め殺し宣伝中止に石井会長が関与したことを事後ではあるが知ったと、こういうふうに証言をしております。  総理、私は総理に率直にお聞きしたいと思いますけれども、竹下氏は八八年十二月以降、すなわち総理の座にいるときです、そのときに事後ではあるが知ったと、こういうふうに証言をしております。私は、竹下氏が事実をその時点で知った以上、当然国民にそのことを公表し総理をやめるべきだった、結果責任というものはあると思うんです。総理、いやしくも最高の責任ある地位にある総理たる者がとるべき道、これは結果責任をきちっととるということだと思いますが、どうお考えになりますか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 私が聞いております。ただ一つのことは、九月二十二日でございますか、検察の冒頭陳述でございますが、これによりますと、その渡邉という人にだれか政治家がこういうことについて依頼をしたというふうにはなっておりませんし、いわんやその石井という人に接触したということも出ておりません。冒頭陳述によれば、渡邉という人が憂慮しているのを察して自分で云々と、こう書いてございます。さすれば、竹下氏にしてみれば全く自分の知らないところである種の出来事が起こった、そのことを八八年の何月でございますかになって初めて知った、こういうことにとどまりますから、したがってそのことについて竹下さんに何か責任がある、あるいは職を辞さなければならない、そういうことにはどうもならないのではないか。冒頭陳述によりますと、私はそんなふうに承知をするわけでございます。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 関与したことを事後であるけれども知ったということははっきり証言をされております。今総理がお答えになったようなことでは、これでは再発防止、これにならないと思うんです。また起こる。やめてこそはっきりこれは再発防止になるわけであります。  竹下氏は、暴力団との関係をそのようにして国民に隠して総理の座にいただけではありません。あの褒め殺し宣伝中止を暴力団に依頼したことがきっかけになって、東京佐川急便は御承知のとおり無謀な債務保証をせざるを得なくなって、そして経営が危機に陥った。その再建会議にも出席していることを竹下氏は証言の中で認めております。また、そのほか青木秘書の自殺に至るまでいろんな事件が竹下氏の周辺で起こっている。証人喚問のときに竹下氏は「罪万死に値する」、こういうふうに言っています。  総理、そうであるならば、竹下氏の気持ちが言葉どおりであるならば、最低限のこととして、「罪万死に値する」と言っているんですから、最低限のこととして議員を辞職すべきだ、そう思いますが、いかがですか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) このことにつきましては何度もお答えをいたしましたので重複を避けますが、それは御自身の御判断せられるべき問題と思います。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 時間です。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 委員長、最後です。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 簡単に。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 今のあれは私は詭弁だと思うんです。暴力団は社会の敵であり、政府がその壊滅を目的としている組織です。いやしくもその組織と政治家が関係を持つというようなことは、これは政治家がみずからその政治生命を絶つに等しいものだと思うんです。それにもかかわらず、総理の今の態度はそういう政治家をあくまで弁護しよう、こういう態度であって、私たち絶対許すわけにいかない、宮澤内閣は総辞職すべきだ、私はそういうふうに思います。  また、真相を徹底解明するためにこのかぎを握っている生原氏を証人喚問する、この参議院に証人喚問する、このことを重ねて委員長に要求して、私は質問を終わるものであります。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 以上で聴濤君の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 次に、磯村修君の質疑を行います。磯村君。

磯村修連合参議院

○磯村修君 私は、連合参議院を代表いたしましてお伺いしたいと思います。  佐川問題の事実問題につきましては後日に譲るといたしまして……

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) ちょっと静粛に願います。

磯村修連合参議院

○磯村修君 これまでの国会での質疑を通しまして私の感じたことを前提として、総理にお伺いしていきたいと思います。  何といっても今国民の厳しい批判というものがこの佐川問題に集中していることは、御承知のとおりでございます。なぜこういうふうな問題が起きてきたのか。つまり、これまで幾つかの政治腐敗の問題がございました。ロッキードあるいはリクルート、共和といろんな出来事がございました。それはやはり、何と申しましょうか、そういうものを防いでいく自浄作用となるようなものが、自浄能力というものがなかった。それを常にその都度、国民の皆さんの前にさらけ出してきた。そうしたことから、今日こうした佐川問題が起きたときに、国民の政治に対する不信感というものが非常に増幅して今日の状況を生んでいるわけですね。  そこで、総理にお伺いしたいんですけれども、この佐川問題をめぐる質疑に対する答弁の中で総理は、政治改革が思ったほど進んでいないということへの強い批判が国民の間から起こっている、この状況は認められて、その上に立ちまして、政治不信に対しては、政治は速やかに果断に対応しなければならないことを国民は求めているという認識を示されたわけでございます。    〔委員長退席、理事井上裕君着席〕  そうであれば、なぜ宮澤総理は総理・総裁として果断な指導力が今日までいち早く発揮できなかったのかという疑問が出てくるわけであります。こうした総理の優柔不断な姿勢に対する国民のいら立ちというものが今日募っているんじゃないかというふうに私は思うのであります。そうした総理の政治姿勢が、今日のマスコミの世論調査等に見られますように、内閣の支持率というものを大幅に低下させているんじゃないかとも考えられるわけですね。こうした国民のいら立ちを総理はどう受けとめられて、これからの国の指導者としての政治に対処していくお考えなのか、お伺いしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ここは国会でございますのであえて申し上げますが、こういう事件が起こった。全貌というものはまだ明らかになっているわけではありませんけれども、確かに国民はこれについていら立ちを感じておられると思います。しかし、日本は法治国家でございますから、こういう事件をやはり真相解明していくのにはおのずからその道がございます。そういう道を、政府のつかさつかさは誠実に自分の職責を果たして真相の解明に努めておるわけでありまして、時間がかかるということはこれはある程度やむを得ないことでございます。  私自身は、検察当局が殊に中心でございますが、に対しては一切そのような干渉がましいことをいたしておりません。もとより、その捜査をゆっくりしろとかあるいは早くしろとか、一切そういうことをいたしておりません。捜査当局は与えられた職責を忠実に尽くしておりまして、それは法に従って疑いがあるものを公訴を提起するということでございますから、法に照らして疑いのないものは、どんなに世論がいらいらしましても、法に照らして公訴を提起しないのが、これは法というものでございます。そのことは、いらいらがありましてもそれ以外に法治国家としてはとる道はないはずである、このことをはっきりいたしておかなければいけないと思います。  また、国会におかれまして真相究明を国政調査の立場からなすっていらっしゃることも、恐らくこれは私は国民が共感をもって見ておられるところだと思いますが、国会が喚問をなさりあるいは尋問をなさる、ベストを尽くして国会がおやりになり、またこれからもおやりになられるんだと思いますが、そこから真相という、国民が真相と仮に思われるもの、そのまま出てきませんでも、これは国会がベストを尽くしておられるということをもって、私は、やはり法治国家としてはそれ以上のことを望むことはない、そうではないかと思います。  ですから、ただ、いらいらがあるから、優柔不断であるとかいうお話は、それは法治国家としては法治国家として踏むべき順序というものがある、また、国会は国会としてのルールに従ってお仕事をなさらなければならないということを私はあえて強調いたしておきたいと思います。

磯村修連合参議院

○磯村修君 当然、法治国家、あるいはルールに従って物は処理されるということはわかりますのでも、一方においては、政治家としての一つの責任というものも、政治的な責任あるいは道義的な責任というものも存在するわけなんです。  そういう意味合いにおいてこれは後お伺いしてまいるわけなんですけれども、その前に、隣におられます乾議員が、いろんな各方面の今回の問題に対する御意見が寄せられておりますので、それをもとに伺っていきたいということですので、関連質問をお許しください。

井上裕自由民主党

○理事(井上裕君) 関連質疑を許します。乾晴美君。

乾晴美連合参議院

○乾晴美君 私は、きょう、徳島県を中心に多くの県の方々からお寄せいただきましたお手紙だとか、またはがきを持参いたしました。また、このほかに、佐川疑惑究明、そしてまた政治腐敗の緊急立法、そういった要求の請願の署名がたくさん寄せられました。ちなみに岡山県の連合岡山からは十三万八千名の署名が寄せられました。全国の方々は相当激怒していらっしゃるなということ、私の心にはびんびんと響くわけでございます。このお寄せいただきましたはがき、手紙の中の代表的なものを三点御紹介申し上げますので、後で総理に御感想をお聞かせ願いたいというように思います。  このお手紙が寄せられましたときにはまだ金丸様はおやめになっていませんでしたものですから、第一は、金丸信さん、竹下登さんは国会議員を辞職せよ、そういったような内容のものが九七%でございました。二番目には、自民党の総裁になるには暴力団、右翼の協力が必要なのでしょうか、いわゆる暴力団関係者との癒着とか不明朗な関係を指摘したものが九一%でございました。それから第三番目には、佐川事件それから暴力団にかかわった議員の辞職と宮澤内閣の総辞職ですか、そういったものが八九%あったわけです。  あとは、政治腐敗防止を含めて政治改革の問題だとか経済の施策の問題ということもございましたけれども、時間の関係がございますので、以上三点についての御感想を聞かせていただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それはもうこの委員会で既に何度か申し上げたことでございますけれども、竹下さんあるいは金丸さんの問題はもう済んだということですが、辞職云々については、これは御本人がやはり選挙民から御自分の受けた負託、また選挙民から受けている信頼感、それが失われたと感じられるときには御本人としてそういう決断をなさらなければならない。これは選挙民との神聖な関係であると私は思いますので、御本人の問題であるというふうに思います。  暴力団との癒着というような何となくはっきりしない表現のお言葉には、お答えしようがありません。それについては昨日からも申し上げているとおりでございます。  私自身が内閣を総辞職する気持ちはございません。  それから、政治改革につきましては、もう既に前国会で緊急改革は成立するはずであった、それが、これは衆議院のことでございますけれども、いろいろな事情でできなかったことを大変私は残念に思っておりまして、今国会におきまして成立いたしますことをぜひお願いを申し上げたいと思います。

乾晴美連合参議院

○乾晴美君 私、もう一つここに「おこった輪」という、こういう輪を持ってまいりましたのです が、これは徳島県の皆さんが中心になりましてこういった運動が今徳島では広がっているわけです。  これは横三センチ、それから縦十八センチにわたりまして怒りの気持ちを一人一人がお書きになって、そしてこう輪にしたものなんですけれども、国会に来られない方々が怒りの気持ちで国会を取り巻こうという怒りの鎖にしようというわけなんです。時々書いていない人もいらっしゃいますけれども、これは字がお書けになれない方もこの運動に参加したいということでお入りになっているのですけれども、今、一人が書いたんじゃないかというようなお話がありますが、よく見ていただきたいと思います。一つ一つ字も違いますし、皆さんが寄せていただいたのです。  御感想をお願いいたします。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 国民がいろいろいらつきを感じていらっしゃることはよくわかっておりまして、それは所信表明でも私も申し上げました。  そこで、国民の皆様にわかっていただきたいことは、この問題についてつかさつかさが、司直がおのおの調査、捜査を進めております。また、一部は既に公判も行われておる。また、国会は国会のお立場で国政調査を進めておられます。法治国家でございますから、何となく気に食わないからすぐやめさせてしまえというようなわけにはまいりません。それは法治国家のあるべき姿ではございません。我が国は、この問題について法に従って政府もその職責を誠実に行おうとしておりますし、また国会におかれましてもそのような御努力がなされておるということをぜひ国民各位にお伝え願いたいと思います。

乾晴美連合参議院

○乾晴美君 世論というのはそんなにばかにしちゃだめだろうと思います。  それで、自民党政治改革の本部長であります粕谷茂さんも、先日、世論が求めれば議員は辞職もすべきだというような発言もあったやに聞いておるわけでございます。  この「おこった輸」をつくった人たちは、これはもう皆さんは、とにかく宮澤内閣が総辞職して解散総選挙をして国民に信を問う、もうほかに道はないんだといったような気持ちでおっしゃっているのです。もう一度、解散総選挙と総辞職ということだけに限ってお答え願いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それはおかしいと思いますね。今、国民が望んでおられるのはこの事件の真相解明のはずであります。ここで総辞職をして選挙をして、どういう真相の解明になりますか。

乾晴美連合参議院

○乾晴美君 もちろん、真相解明をやって、そして総辞職をしなさいと。私たちはそれが責任をとることだと言っているのであります。それで、今の態度では本当に世論と国民と一体になった政治だということの姿勢がうかがえませんよ。  ここにも一つ「かげ唄」というのがあるんですよ。ちょっと読ませていただきます。これは鳥取県米子市の米原というところにお住まいの高島洋子さんから寄せていただいたんですね。この中に「金竹こいつわるい奴、民を欺ましてうそついて、二人でたくらむ金もうけ、水戸黄門裁くなら、(切腹」云々というように極刑に処するというよう言葉をこうずっと書いてあるわけなんですよ。これは元総理でありました竹下さん、そして宮澤総裁の副総裁であられた金丸さんに対して非常に不信を抱いているわけです。そのことに対して、総理が何のリーダーシップもおとりにならないということに対していら立ちを持っていらっしゃるわけなんですよ。  世界の人たちも、日本は政治がそんなに汚れているのかというように驚いているわけです。そういうことで、日本に住んでいる私たちは非常に恥ずかしい思いもしているわけなんです。ここしばらく、総理は本当に佐川の真相究明に対しても、政治責任を問うても何ら積極的に行動なさらない、気迫や熱意が感じられないということで、日本が国際社会の中で非常に極度に信頼を落としたと私は思うわけです。そういうことに責任をお感じにならないんでしょうか。  私は三分しか時間がありませんので終わりますけれども、そういった責任をとる気がおありになるのかならないのかお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 国民がそういううっせきした気持を持っていらっしゃることはよく知っておりまして、ですから所信表明でもそれを申し上げました。  ですが、重ねて申し上げますが、それと心を合わせてとおっしゃいますが、日本は法治国でございますからやはり法律の手続に従って事を進めていく、これが私は時間がかかりましても本当だと思うのでございますね。そのことは御同意いただけると思うので、私がもっと積極的にやれというのを、それなら検察当局にもっと急いでやれとかなんとかいうことであるとすれば、それは私はそういう干渉をするつもりはない。やはりおのおのつかさつかさがその職責を誠実に尽くしてやるというのが私は法治国の事態の解明の仕方ではないかというふうに考えるものでございます。

磯村修連合参議院

○磯村修君 午前中、今回の政治不信の問題につきまして、大変子供たちに悪い影響を与えているというお話がございました。総理は、モラルの問題、あるいは政治と金との問題、政治改革に全力を挙げることによってその子供たちの理解もよい方向にいくんだというふうな趣旨のことをおっしゃっておりましたけれども、今回の問題につきましては、例えば五億円の問題につきましてもあるいは元総理の問題につきましても、大変これは子供に対する影響を与えたという点につきましては大変私は重大な責任があると思うんですね。  ですから私たちは、こうした責任をお感じになるんでしたならば、先ほど総理は法治国家云々のお話をしておりますけれども、その一方には、やっぱり我々社会生活していくためには、法律はもちろんのこと、政治家には政治的な責任、道義的な責任というものが常についているんだという立場に立ちまして考えた場合に、子供たちに与えた影響が重大であれば、それなりのまた責任というものをとる必要があるんじゃないかと、こういうふうにも考えられるわけなんです。  と同時に、政治というものは国家国民のためにあるんだとよく言われますね。金丸信さんはこの言葉もよく引用された方でありますけれども、政治は国家国民のためにあるというならば、やはり国民の世論に対する何らかの態度というものを、姿勢というものを示すのが政治家の責任ではなかろうかと、こういうふうに私は思います。  NHKの世論調査、十一月末に行ったこれは電話による世論調査のようでございますけれども、八五%の方が竹下さんは責任をとるべきであると答えているんです。そして、そのうちの八〇%が議員はやめるべきだ、こういうふうに答えているんですね。これは一つの世論調査の結果なんですけれども、大半の国民というものが、そういう政治家としての政治的責任あるいは道義的な責任を求めているということは厳然たる事実なんですね。それに対する政治家としての、元総理という国家の指導者がこういうふうに世論の厳しい批判を受けている中で、やはりそれなりの態度をとるべきであるということはだれでもお考えになると思うんです。総理も私はおなかの中ではそう感じていると思うんですよ。じゃないんでしょうか。  そういう意味において、この何といいましょうか、政治的な道義責任というものにつきをしては厳格でなければならない。疑わしきは罰せずという法治国家の一つの言葉がございますけれども、政治家の立場、国民に対して責任を負わなければならない政治家の立場であるならば、やはり疑わしきも責任をとれ、とる、これが原則ではなかろうかというふうに私は考えるんですけれども、総理の所感いかがですか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) こういう出来事が本当に子供に与える影響というのは恐ろしいという、極めてそこは私も厳しく考えております。唯一のこれに対応する方法は、もうこういうことを起こ さないように自浄作用をして、そしてその真実をまた子供に見てもらう、そういうことが一番大事なことであろうと思います。  一人一人の政治家が自分の責任を法律的にもまたモラルとしても感じるべきではないかとおっしゃいますことは、私も同様に思います。

磯村修連合参議院

○磯村修君 時間が切迫してまいりましたので、政治改革の問題にも触れようかと思ったんですけれども、これはまた後日お伺いすることにいたしまして、どうしても私ども働く人たちの立場で、先ほど来お話が出ておりますけれども、所得税減税ということを触れなければならないと思うのであります。  先ほどもいろいろとありました。ユニオン連合の調査の結果も先ほどの話で出てまいったんですけれども、大半の働く人たちが減税というものを求めていることは事実なんですね。  総理は、減税ということにつきまして、今は不況の時代である、そのためには歳出効果というものが必要だということをおっしゃっておりました。しかし、その一方で、働く人たちの生活優先ということにかんがみてみた場合、生活大国の中の働く人たちが本当に満足できるような生活ができる、そういう状況、豊かさというものを実感できるような生活ということを考えた場合、やっぱり僕は減税というものをぜひ考えてほしいんだと、こういうふうに思うのであります。いかがですか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) その働く人たちの生活優先ということは、磯村委員も私も全く異存がないのです。それをどのようにしてやったら一時のことでなく長い間に向かって働く人たちの生活優先を確保できるか、それが私は今の問題だと思っておりまして、そういう意味で、限られた財源であればやはり生活関連とかいわゆる我が国の社会資本の充実のための投資をしていく方が長い目で見て働く人たちの生活優先ということに貢献するのではないか、そこが判断の分かれ目ではないかと思います。

磯村修連合参議院

○磯村修君 いろいろの考えがあるわけなんですけれども、ともかく総理、本当に市民生活の立場に立ってぜひともこの減税の方向というものに踏み出してほしいということを強く要望しておきます。  それから、いろいろ飛ばさなければならないんですけれども、最後に私はPKOの関係につきましてお伺いしたいんです。  これは当面、いろいろな問題が最近出てきているようでありますのでぜひ伺っておきたいと思うのでありますが、つい最近の報道によりますと、自衛隊が派遣されておりますカンボジアでポル・ポト派の動きが大分活発になってきているという状況にあるようなんですね。最近はUNTACの要員が拘束されるという事態まで起きているというんですけれども、実情はどういう実情であるのかということをお伺いしたいんです。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) もう既に御承知のとおり、UNTACが展開いたしておりまして武装解除を進めておりますが、三派はこれに合意したがポル・ポト派が合意しない。そこで、多少あちこちトラブルがある。つい最近に至ってはポル・ポト派の兵士によって六名の停戦監視員が拘束されたと報じられておりましたが、先ほどのニュースによると、臨時ニュースで、これは一時間か二時間前に釈放されたということでございます。  そこで、我々としてはやはり来年五月の選挙を目指しておりますが、できるだけポル・ポト派を説得して、そして選挙に参加してもらうようにいろいろ今後とも外交努力を重ねてまいりたいと考えます。

磯村修連合参議院

○磯村修君 時間が来てしまいましたが、一言もう一つお伺いしたいんですけれども、私どもPKO法案を審議している過程の中で不測の事態を大変心配して、不測の事態が起きた場合どうなるんだということをいろいろとお伺いした経緯がございます。PKO協力法の今の状況の中で、カンボジアの情勢の中で、五が原則ありますね。PKO協力法の五原則の中で、そういう事態、今は何かポル・ポト派が次第に武力を増してきているというふうな感じさえもするようなことが伝わってきているんですけれども、PKO協力法の中でうたわれているところの五原則との兼ね合いについて今の事態をどう認識しているのか、お伺いしたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) もともとPKOが出るときに、全くトラブルがないということはだれも思っていないんです。したがって、武器を携行するということは、万一の場合自分たちは逃げなきゃなりませんから、その場合に武器の使用があるという前提になっておるわけです。  したがって、もう何十万という部隊が戦争した後ですから、ゲリラ的な、上司の命令を聞かない、下克上じゃないが、まあそうですな、そういうのがいるんですよ。しかし、そういうのがおったからといって、それが向こうの反乱軍の全部の意思じゃなくて、上の方はやれと言わなくともそれをやっちゃうはね上がりがいるわけですから、だからそれだけでこれはもう停戦の協定の約束を破られたというようにはとれないんですね。それをとっておったら、もうしょっちゅうそんなことではPKO活動はできなくなっちゃいますから。  だから、今の段階はポル・ポトも、停戦、パリの合意を認めないとか、そんなこと言っていませんから、パリの約束どおりやりましょうと、こう彼らも言っているわけですから、したがって私はやはり話し合いをしながら平和裏に選挙参加を進めていくというようなことが一番いいと、そう思っています。

磯村修連合参議院

○磯村修君 終わります。

井上裕自由民主党

○理事(井上裕君) 以上で磯村君の質疑は終了いたしました。     —————————————

井上裕自由民主党

○理事(井上裕君) 次に、小林正君の質疑を行います。小林君。

小林正日本社会党・護憲民主連合

○小林正君 質問に入る前に、午前中我が党の同僚議員からの質問に対して文部大臣から、佐川疑惑という戦後最大のスキャンダルと言われるこの事件と、法的にも合法で国会戦術として慣行的に位置づいている問題との関係の中で発言がございました。極めて不適切だと思いますので、撤回されるよう、まず文部大臣の見解を承りたい。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) あの午前中の肥田委員の御質問に対して私の答弁がやや粗っぽかったということについては、これは認めますし反省もいたしております。  私は、いわゆる政治家というものを国民、とりわけ子供がどういうふうに見詰めていくかということ、先ほど総理からもお話がありましたし、国権の最高機関の一員はすべて最高のモラルあるいは倫理が求められるべきであるというふうに考えておりまして、打ち続いてこのようなさまざまな事件が起きるということはまことに残念なことであって、政治家と金の問題についてこういうような事件が今後起きないような体質を目指して政治改革をやるべきであると考えております。  ただ、政治あるいは政治家に対するイメージの若干悪い部分というのは何も今に始まったわけではありませんで、先般亡くなられた長谷川町子さんのあの有名な「サザエさん」の漫画の中に、サザエさんが妹のワカメちゃんを連れて歩いていくと、風が吹いておって千歳あめの袋が飛んでくる。そうすると、あ、千歳あめの袋が飛んでいるとワカメちゃんが言いますと、サザエさんが、当たり前よ、七五三なんだから、こう言います。それからまた歩いていきますと、三こま目は、今度はお札が飛んでくるわけであります。あら、今度はお金が飛んでいるとワカメちゃんが言うと、当たり前よ、選挙が近いんだから、こういうことが言われる。こういう漫画がある。これが今から多分私の記憶によれば二十五年前か三十年近く前の漫画でございます。  ですから、何か政治というものがそういうイメージでずっととらえられているということに大変残念なものを覚えますし、今回のようなこうい う事件についても大変悲しいことと思っております。  ただ、私、先ほどいわゆる牛歩戦術等について、これは区別してお話をしなければいけなかったとは思うわけで、ただすべて今情報化社会で、何でも回答等はボタンでやるような時代でありますが、国会はまだそういう近代化をしていないがために、例えば牛歩戦術というようなものが子供の目に映った場合に、あれは非常に能率の悪いことであって、非効率であって、場合によっては税金のむだ遣いだというふうに子供の目に映るのもまた確かであろう。それは国会の戦術あるいは内容のことですから、区別して議論をすべきだったとは思っております。

小林正日本社会党・護憲民主連合

○小林正君 全く無関係な問題を並列的にとらえてお述べになったというふうに思います。  もう一つ、質問に入る前にこれは首相にお伺いしたいんですが、国会という名称の問題なんですけれども、戦前、帝国憲法のときには帝国議会と言いましたですね。そして、今の憲法のもとでは国会というふうに言っているわけですね。これがどうもちょっと意味不明な言葉じゃないかなということを、私、議員になって三年ちょっとになりますが、考えております。  名は体をあらわすということもありますけれども、憲法上国民主権ですから、あるいは民主主義の三原則からすれば、国民の国民による国民のための政府なり政治というのが原則だとすると、国会というのは本来国民議会と言うべきものではなかったかなというふうに思うんです。そして今、国民議会と国会の関係で言いますと、民と議が抜けているわけですね。まさに民意をより反映する仕組みになっていないということと、もう一つは議、国民の負託を受けて議員になった皆さんが論議をする場になっていないということ。この民と議が抜けて国会という名前になっているんですから、まさに名は体をあらわしていると思うんです。  そういう意味で、今後の政治改革の、まず名は体をあらわすという意味からすれば、国民議会というふうに呼びかえる運動のイニシアチブを総理にとっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 実は考えてもみなかったことでございますので、よく考えてみます。

小林正日本社会党・護憲民主連合

○小林正君 お考えをいただくということだけ伺っておきたいと思います。  それでは本論に入って、限られた時間でありますのでお伺いをしてまいりたいと思いますが、今度の国会の冒頭の所信表明演説の中で特に日米関係の重要性について述べられまして、日米関係は共通の価値観によって結ばれているというお話がございました。この共通の価値観というのはどういうことか、お述べいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほどちょうどお述べになりました民主主義の問題、それから基本的人権、私はまたそれに加えて市場経済に対する信仰と申しますか、市場経済をよしとする考え方、それらが主たる、もちろん個人主義、自由個人主義というのはもちろんでございますけれども、これは民主主義の中に入ると思います。そのようなことと思っております。

小林正日本社会党・護憲民主連合

○小林正君 十一月に大統領選挙がございまして、日本国民はずっと空転が続いている国会の状況を一方で見ながら、アメリカの大統領選挙は非常にハードな選挙運動がいよいよ結論を出すその場面も見ながら、アメリカの民主主義と日本の政治の実態というものを比較しながら、非常に日本人として日本の政治のありようというものに思いをいたしていたことは事実であります。  そして、外国の皆さんも日本の政治の問題についていろいろ述べておられるわけでありますけれども、これは朝日新聞に出ておりましたアメリカのプリンストン大学の日米研究所長のケント・カルダー氏が、インタビューに答えてこういうふうに言っておられます。  日本をどう見ているかということについて、「今の日本の政治体制では世界が求めているリーダーシップ(の役割)を果たせない。かつては米国にとって「自民党単独政権が続きさえすればいい」という時代もあった。でも、今や日本は世界の国民総生産の一五%を占め、世界の柱となっている。これだけ大きな国の政治がスキャンダルのために不安定になったり、派閥争いでリーダーが足の引っ張り合いをしていては、世界が困る。政治改革、政治の近代化をやってほしい。スキャンダルだって、根本的な政治改革をしない限り、お湯が煮立つように次から次に出てくる可能性がある」、こういうふうに指摘をされているわけです。  そして、多くのアメリカの識者は、あるいはヨーロッパの方々もそうですけれども、どうも日本の政治というのは欧米の考えている民主主義とは異質ではないのかという、いわゆる異質論者に口実を与えるような状況が現出をしてきているわけですが、こういう外からの批判について首相はどう受けとめておられますか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 私は、基本的には、我々の政治の欠点は我々の問題であって、我々がそれを自分たちの努力で改める、それによって外から日本を見る目が変わる、私は基本的にそういう物の考え方をいたします。外国からいろいろ言われることはもちろん恥ずかしいことでございますけれども、恥ずかしいからどうこうというのではなくて、我々が自分で自分を改めることによって我々に対する評価が変わってくる、そういうふうに物を考えたいと思っておりまして、そういう努力を続けてまいりたい。  日本の民主政治、日本のいわゆる民主主義、民主政治というものはほかの国と違ったところがあるかといえば、私はあると思います。それは、仮にアメリカもイギリスもフランスもドイツも我が国も民主政治であるというふうに考えますならば、みんな違っております。そういうことは私は、少しずつ違う、しかし、共通なところは、やはり先ほど言われました国民の国民による国民のための政治というようなこと、あるいは自由民主主義といったようなこと、そういうものが共通である。しかし、政治のやり方はおのずから、今幾つか国を申し上げましたが、おのおのやはり少しずつ違っておるであろうと思います。

小林正日本社会党・護憲民主連合

○小林正君 やっぱり民主主義というのは不断の努力で築いていかなければ、ファシズムがあらわれたりいろんな問題が出てくる危険が常にあると思うんです。  今、ヨーロッパで民族主義の炎がかなり広まってきていて、ネオナチの台頭というような問題が出てきています。そして、このネオナチに対する立法措置というような問題が一方では起きてきているわけですね。つまり、民主主義を守るための手だて、努力がそれなりにされておりますし、アメリカでも政治腐敗スキャンダルの問題がありました。そして、ウォーターゲート事件とかイラン・コントラとかさまざまな問題について、国会という場がそうした真相解明に大変大きな役割を果たしながら、返り血を浴びるどころかみずからを切るような形での努力をしているわけであります。  我が国はどうなっているかというと、右翼、暴力団の関係の中で政権が取りざたをされるというようなゆゆしき事態も明らかになりつつありますし、同時にまた、こうした政治状況を背景にして、自衛隊の幹部が、十月でしたか週刊誌に、こういう政治状況であればということで、ちょうど二・二六事件のような発想の昭和維新というようなものをやろうというのと同じ精神構造の中でクーデター論が出てくるという状況もあるわけで、大変危険な状況ではないかというふうに思います。このことについて具体的に防衛庁としてどういう対応をされたのか、お伺いしておきたいと思います。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(宮下創平君) 御指摘の週刊文春に、たしか十月二十二日号ということで十五日に発売されております文春に、柳内三佐という高射学校の教官でございますが、この幹部自衛官がこのような現状ではクーデターか革命しかないというこ とを述べられております。  私は、まず非常に重要なことは、今先生がおっしゃられたように、いかなる事態であっても議会制民主主義を否定するような見解は、これは特に武力集団である自衛官として絶対あってはならないことであるというのがまず本質的に私の感じでございます。  しかしながら、それを処分する以上はその事実関係を明確にし、そして所定の手続によりましてこれを確認した上でなければ、これはやはり自衛官といえどもその人権をきちっと尊重しながら、非は非として処分すべきである、こういう立場のもとに、一カ月有余かかりましたけれども、内部で慎重の上にも慎重な手続を経て、やはり週刊誌という媒体ではございますが、本人の意思の確認もできましたものですから、私どもとしては懲戒免職という処分に踏み切ったわけでございます。  なお、この柳内三佐の問題は、私の見るところでは、自衛隊にそういう風潮があるということではございません。これは私がよく調査をいたしましたが、個人的かつ特殊的な原因だというように思いますが、しかし武力集団である自衛隊がもしもさような憲法で規定する基本的な我が国の政治的な枠組みを否定するようなことがあるならば、これはゆゆしきことでございまして、私としてはあってはならない。個人的な特殊的な原因であるとはいえ、今後ともシビリアンコントロールその他の建前からこういった点はよく隊員の周知徹底を図って、そしてやっていかなければならないと存じます。  ただし、そういう枠組みの変更についての意見は私どもは断固やりますけれども、しかし、この中において自由な議論を行い発議を行っていくということは私は必要だと存じます。そして、それがどのような形で政策に反映されるかは内局その他でこれを取り上げていくわけでございますから、このことによって自衛官の活発な意見の開陳が阻害されるようなこともあってはならない、こういう配慮もいたしつつ、このようなことをいたしたわけであります。

小林正日本社会党・護憲民主連合

○小林正君 今の問題とあわせまして、先ほど総理から、外国の人は外国の人なりの物の考え方、見方で言うんだろうという話もありましたが、実は総理自身に対する外国の特派員の非常に手厳しい指摘もあるわけです。それは、日本の政治というのは政治の肩書と実際の政治力が異なっているという指摘なんですね。つまり二重構造になっている。  私は、議会というのが権威を持つことと、そして政府の責任体制の確立がされているということが政治に対する信頼の第一歩だと思うんですけれども、そのような見方。どこに責任の所在があるのか。政治の肩書としての総理と、そして実際の政治力というものが別の力で動かされているんだというような二重構造にあっては、これは国民は政府を信頼するということにはなり得ませんから、その辺の指摘についてどのようにお考えになっておられるか伺っておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 少し日本のことを外人特派員が知りますと、そういうことをよく申しますですね。まあそんなことはある意味でどこの社会にもあることだと思いますが、ちゃんと行政府が行政府の職責を自己の責任で尽くし、国会はもちろん国会として機能をしておられる、司法は司法の自分の務めを果たしておる、そういう限りにおいて私は別に心配いたしません。

小林正日本社会党・護憲民主連合

○小林正君 いや、総理が心配しないということになると、こういう指摘についてどれだけ自覚されているのかということを大変心配するわけです、私の方としては。そのことをお伺いしているわけです。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ときどき聞いておりますけれども、別に気にもいたしておりません。

小林正日本社会党・護憲民主連合

○小林正君 と申しますのは、実際問題として、総理は内閣総理大臣でありかつ自由民主党の総裁であられて、しかも自由民主党の総裁という立場で党運営の最高責任者として対外的に党を代表されているわけですね。その立場の中で、党内の問題やあるいは党自身としての課題については一切の責任を負うという立場にあられる。それが責任体制というものだと思うんですが、そういう機能の面で全く心配がないのかどうか、お伺いしたい。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 独裁国なら別でございますけれども、そうでない国においてはこれはいろんな意見、いろんな力というものがあって、それをいわば政党なり何なりが一つにしていくわけでございますから、その分析をすればいろんな力の作用があるのだという、そういうこと。ただ、最終的な責任がそれによって法律的にぼやけたりすれば大変なことでございますけれども、そうでない限りは私は別に気にすることではないと思います。

小林正日本社会党・護憲民主連合

○小林正君 実は国民がそのことを大変気にしているわけです。  つまり、この間の佐川問題についての八月以来今日に至るまでの総理のこの問題についての御発言というものを聞いておりますと、すべての情報を収集して判断できる条件が整っているのかどうか。そして、それを全体が支援する体制として責任体制の頂点に立っておられるのかどうか。仮にそうだとすれば、なぜあのように狐疑逡巡とした物の言い方、逃げ腰の態度でおられるのかと、これが国民が一番総理の最近の姿勢について不信を持つ最大の原因なんです。だから、先日の読売新聞の世論調査の結果、宮澤内閣に対する支持率は極めて厳しい状況になっているわけですから、そういう立場を踏まえてもう一度お答えいただきたい。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ここは大事なところでございますから申し上げますけれども、このたびのような事件が起こって、国民はいろいろな報道が先行いたしますから、これに対応する政府の対応の仕方がいかにもおそい、いらいらする。それは無理もないことでありますし、ほかの事情もありまして、一種の政治に対する異常な不信が生まれておるということもよく気がついております。  ただ、これは先ほども申し上げましたが、我が国は民主主義、法治国でございますから、こういう出来事が起こったときにおのおのその出来事を解明するための手続がございます。このことには時間がかかります。それはやむを得ないことだし、またそのために人権も尊重されなければならないということも確かでございます。国民がごらんになって、どうもこれは悪いやつじゃないか、早くやめさせてしまえとか、もっとどうかならないのということは私は理解をいたしますけれども、しかしそれは、法治国家というものはやはりそういうデュープロセスというものがなければならないのだということも、これも国民は一方で知っておられる。それでもいらいらいたしますけれども。  それからもう一つ、私が何かが起こったときにどうしてクロをクロと言わないのだという意味のお尋ねだったと思いますけれども、それはやはり法治国においては何人も最終的に有罪になるまでは無罪であります。このことは何度申し上げても申し上げ過ぎるということはない。  いかにそのことがどうも国民が聞いていらいらされようとも、何人も最終的に有罪になるまでは無罪である。このことは何度申し上げても申し上げ過ぎることはないので、私は行政の最高責任者といたしまして、はっきりした事実がない限り、証左がない限り、この人は間違っているとかこの人は罪があるとかいうことは言えない、言ってはならないことだというふうに私は思いますから、そういう意味では世の中の判定の方がはるかに先に下ってしまって、私が、ああこれは間違いでした、例えば略式判決というものがあって最終的に何かのことが決まる、これは非難をせられるべきことである、そのときに初めて言えることであってその前にそういうことを言ってはならないという、私はやはりそういう立場にもあるということをぜひ申し上げておきたいと思います。

小林正日本社会党・護憲民主連合

○小林正君 それは裁判所が裁判官の立場で言えば、まさにそのように考えていいと思うんですね。  しかし、この事案が仮に最高裁まで行って二十年後に結論が出たとしても、政治はその間に動いていくわけですから、政治家の任務としては国民の声を直接聞いて一定の行動を起こさなければ責任を果たしたことにはならないので、裁判所にお預けしてそれまで自分は知らぬ顔ということであってはならないのは当然じゃないでしょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それはそのとおりでございます。  私の申したいのは、仮に起訴というようなことがございますれば、これは私は一つのけじめであると思いますね、行政によります一つの判断でございますから。それでいわば容疑者ということに私はなるんだと思います。しかし、それより前の段階で容疑者として扱うことは、やはりいかがなものでございましょうか。  それから、判決があれば一審判決云々でもっと事態ははっきりいたします。ですから、最高裁の判決が決まるまでは何もないんだということを私は申し上げておるわけではなくて、いわば疑いがあるといって報道されたらすぐその人が罪人であるというふうな考え方というものは、私はやっぱりデモクラシーなり人権の立場からはこれは健全なことではない。いかにいらいらがありましょうとも、そこは分けて考えなければならない。それが人権というものだろう、それが法治国家というものだろうということを、少なくとも私だけは心得てそういうふうに行動したいと思っておりますので、全体の国民の怒りに無神経であるわけでもありませんし、私なりのいろいろ判断はしておりますけれども、やはり公に申し上げるときにはそういうけじめというものはつけておきませんと、私のそれが職責ではないかというふうに思っておるわけです。

小林正日本社会党・護憲民主連合

○小林正君 政治家としての責任はそれでは果たせないというふうに私は思います。  限られた時間でありますので大変はしょってまいって申しわけないんですが、予定されたのを若干割愛させていただきます。  ことし、明治五年に学制発布されましてちょうど百二十年ということで記念事業も行われたわけでありますが、ことしの文部省の教育白書等の中では、人によってはこの百二十年の歩み、教育はサクセスストーリーだったという見方をする方もありますけれども、また同時に、この中で学歴偏重の社会的風潮が出てきたり、あるいは受験競争の加熱化、青少年の問題行動等の問題が出てきているということも指摘をされているわけですが、文部大臣に、この百二十年どういうふうに文部省として、行政の長としてお考えになっておられるか、伺っておきたいと思います。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 今、先生が触れられた学制発布百二十年に関する幾つかの単語がございましたが、すべて私も同じように思っております。  今日の経済発展とか、あるいは日本の国の治安のよさとか、そういう面で考えれば、私たちは百二十年たどってきた我が国の教育の歴史に大きな誇りを持つべきであろう、こういうふうに思います。もちろん、それは個別にはいろいろと反省をしなければいけないことも多いと思いますが、概して言えばサクセスストーリーであったという色彩を強く帯びていると自負は感じております。  ただ近年、その余りに画一的過ぎる教育内容であるとか、そういうところから先生がおっしゃったような児童生徒の不正常な行動が起きたり、現在では登校拒否あるいは高校中退というような大きな問題も生んでいるわけでありまして、先ほども申し上げましたが、総じてそれらはこれからは個性に応じて教育をやっていこう、一人一人の子どもの顔が全部違うように個性が違うんだから、それぞれの個性を伸ばすような教育をやっていくことが二十一世紀のためにとても大事だという認識をいたしておりまして、それを教育改革というふうに私どもは位置づけております。  ですから、学制発布百二十年という本年がちょうど教育改革という面でもとても重要な曲がり角の一年になっておるという認識を持っております。

小林正日本社会党・護憲民主連合

○小林正君 新学習指導要領がこれからの学力観について、新しい学力観として知識の量から質への転換という問題提起、大変正しいというふうに思っておりますが、そういう立場と、それから自己実現のために教育が知識と技術その他の面で寄与していくという立場、そういうようなものについては大変私は賛成なんですが、従来どちらかといえば国家目的のための人づくり、企業目的のための人づくりという側面があったわけで、それを自己実現のためにという方向へ向けて一人の人間が幸福を追求していく状況をつくっていく、そのためにあるいは社会のために教育が果たすべき課題として提起をされた、そのことについては大変評価をしているところでございます。  そして今日、もう一つの課題としてグローバリゼーションの中で地球市民という概念が生まれて、教育が国を超えてそうした立場に立って、平和とか人権とか環境保護の問題に共通の課題として立ち向かうという側面からの教育のありようというものもまた求められているわけでございます。  そういう意味で、関連質問として堂本議員の関連質問を委員長におかれましてお許しいただきたいと存じます。

井上裕自由民主党

○理事(井上裕君) 関連質疑を許します。堂本暁子君。

堂本暁子日本社会党・護憲民主連合

○堂本暁子君 総理、リオにいらっしゃらなくて私は今でも残念だと思っておりますが、演説の草稿だけが届きまして、そのときに環境の分野で日本は率先した役割を果たしていくべきであるとお述べになっていらっしゃいます。  リオ以後、半年たちました。国内的そして国際的にこのビジョンをどう実現なさるおつもりか、まず伺わせていただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ちょうど小林委員の御質問の最後のところで地球的というお話があって、それに堂本委員の御質問も関係していますが、やはり我々はサテライトといいますか、地球の外から地球を見ることができることになって初めて地球的という発想が地についてきたと思います。  私がリオで申しましたことも、そういう意味での地球の将来ということを演説で申したわけでございますが、たまたま我が国は一九七〇年代に非常に深刻な公害問題を経験いたしました。ほとんど絶望かと思われましたが、それからほぼ十年余りで思い切った改革が行われた経験がございますので、これは我々にとって非常に貴重な経験でございますから、ぜひこれをこのリオの会議のときの問題意識にも生かしたいということが一つでございます。  それからもう一つは、我が国がこれから五年間に八十億ドル内外でございますが、ここに書いてございますけれども、九千億ないし一兆円を目指して政府開発援助の中で環境分野へ使いたいということを申しておりまして、これは我々のODAの計画の一部でございますけれども、これは必ずこのとおり実行をいたします。ODAが改まりましてもこの約束は必ず実行をいたしたいというふうに思っております。  それからまた、前のパリにおきますサミットにおきまして八九年から九一年度までの約束をいたしましたが、これは四千億以上と実績を達しておりまして、そのような財政的な援助ばかりではなく、技術移転、人材開発等につきまして我が国としてできるだけのことをしなければならない。我が国は今やODAにおきましては世界第一等の援助国でございますから、その中でこの程度のものを環境問題に割いていくという約束と、それから自分が経験した七〇年代の経験をぜひ役立たせたい、このことをこれからでも実行してまいりたいと思っております。

堂本暁子日本社会党・護憲民主連合

○堂本暁子君 リオ演説の中に総理は水俣病のことにも触れておられます。その同じリオに実はも う大変年老いた水俣の患者さんたちがおりてみえて、被害救済のおくれを訴えておられました。大変残念に私は思ったのでございますが、裁判所からの和解勧告にどう対応なさるのか、まず環境庁、厚生省、通産省、そして農林省の各大臣に伺いたいと思います。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(中村正三郎君) 水俣病の問題は、我が国の環境行政の一つの重要な課題であると認識を持って当たっております。  環境庁といたしましては、今まで公害健康被害の補償等に関する法律で既に二千九百名を超える患者の方々を認定して、医学的知見に基づいて公正な救済を推進してまいったわけであります。また、本年、平成四年度からでありますけれども、新たに中公審の答申に基づきまして水俣病総合対策事業というものを実施しておりまして、既に三千名近くに上る方々がこの対策に基づいて医療費や医療手当の支給を受けておられるという状況でございます。  今お話がありました和解ということでありますけれども、この訴訟の焦点が、何らかの損害が国民に生じた場合に、それを国民全体すなわち国民の税金によってどこまで補てんするべきであるかという非常に基本的な問題を含んでおります重要な問題であります。ですから、交渉等によって妥協を図るという性質のものではないと私どもは思うわけであります。また、裁判所からも和解をしたらという勧告もあれば、政府は賠償責任がないという東京地裁、新潟地裁の判決もございまして、やはりこれは非常に重要な問題であると思っているわけでございます。  でありますからこそ、環境庁といたしましては、この認定事業の推進に加えて、水俣病と認定されない方に対しても周辺の方に対しても水俣病の総合対策ということを講じて、そして水俣病の早期解決に向かって努力をしてまいりたいと存じております。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○国務大臣(山下徳夫君) ただいま環境庁長官から総括的な答弁がございました。そこで、私から申し上げることは、その中で厚生省としてでき得ることはもう一生懸命ひとつ協力をしてまいりたいということでございます。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(渡部恒三君) 環境庁長官、また厚生大臣から答弁がありました。お尋ねでございますので通産省の立場も申し上げさせていただきます。  水俣病問題については、その早期解決を図るため、政府において従来から窒素に対する金融支援措置などを講じておるところであり、さらに本年度から水俣病に係る総合的な対策を実施しております。今後とも、かかる行政施策の推進により水俣病の早期解決に向けて最大の努力をしてまいりたいと存じます。  訴訟に関しては、今、環境庁長官からもお話がありましたが、訴訟の争点が法に基づく国の行政のあり方の根幹にもかかわる問題であり、依然として当事者間の主張が隔たっておることから、和解勧告に応ずることは困難であることを御理解いただきたいと思います。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田名部匡省君) 救済の問題でありますが、大変重要な問題と考えております。  各種の行政施策の推進によって早期に解決されることは必要だと思うのでありますが、この訴訟は、国が国民のこの活動に対してどの段階でどこまで規制できるかということと、損失を生じた場合に国民全体の負担においてその損失をどこまで補てんできるのかという行政のあり方について、その根幹にかかわる問題に関するものであって、なかなか和解に応ずることは困難であろう、こう思っております。

堂本暁子日本社会党・護憲民主連合

○堂本暁子君 総理、和解は難しいというお返事なんですけれども、やはり国際的にももう水俣は公害のシンボルになっております。やはりこの問題が解決しないと、日本は地球環境のリーダーシップをとることが難しいと私は思います。これは総理の政治的決断を待つ以外にない。ぜひお答えいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) いわゆる法律によりまして認定された方々が既に二千九百名ほどおられますし、それ以外の方々についてもそれなりの対処をいたしておりますことは関係大臣から申し上げました。また、平成四年度からは水俣病の早期解決を図るための総合的な対策を講じております。  問題はその訴訟のことでございまして、堂本委員が外からごらんになりましたときに、この訴訟が片づいていないということが一つの恥部であるというふうにお感じになっておられるのかと思いますが、実体問題といたしましては、実に長い経緯もございましたが、政府としてはやれるだけのことはやっておると思いますので、この訴訟の問題、これが一種の法律問題として残っておりまして、何と申しますか、実体的なこの患者の方々あるいは被害を受けられた方々に対する措置はかなり進んでまいったと思いますけれども、この訴訟の問題が、これは一種の論理的な理論上の当事者間の主張の隔たりであるものでございますから、まだ和解ができずにおるというのが実情だというふうに思っております。  この問題がなお残っておるということはまことに私自身も残念に思っておりますが、いろいろな努力を各方面で続けていかなければならないと思います。

堂本暁子日本社会党・護憲民主連合

○堂本暁子君 患者さんの立場から、あえてその論理を超えていただきたいというお願いをさせていただきたいと思います。  環境庁に伺いますが、今、環境基本法の準備中と伺っておりますが、どのような施策を主に考えておられるか、お願いいたします。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(中村正三郎君) 環境基本法の問題につきましては、これは環境庁でかねて検討してまいりましたけれども、総理からこれの策定について早期に進めるようにという御指示をいただきまして、中公審と自環審に諮問いたしまして答申をいただきました。  その中で出されている理念を実現するということで今準備を進めているわけでございますけれども、基本的な理念として、健全で恵み豊かな環境の保全、持続可能で環境負担の少ない経済社会の構築、そして国際的取り組みの積極的推進ということをまず考えております。それから、今の環境問題はこれは国民生活や事業活動一般に起因するものでございますので、国、地方公共団体、事業者、国民、すべての主体が自主的、積極的に取り組む責務があるということを述べてまいりたいと思っております。  また、政策の手段としては、従来の規制的方法、手法のみならず、問題の性格に応じて経済的手法や環境影響評価の活用、科学技術の活用など多様な手法を適切に活用することによって経済社会システムのあり方や行動様式を見直していくことが必要であるということは、これは答申に述べられていることを実現していこうと思っております。  環境庁といたしましては、新たな環境政策の理念、この基本的な施策のあり方を法律で定めることによりまして、国民合意のもとに環境保全型社会が形成されるよう、新しい環境時代にふさわしい法律をつくるように、今それの努力をしているところでございます。

堂本暁子日本社会党・護憲民主連合

○堂本暁子君 長官にもう一つ伺いたいのですが、今環境影響評価についてお述べになりましたが、これは法制化ということを盛られるのか、それから基本法はいつごろまでにお出しになるのか、伺いとうございます。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(中村正三郎君) 基本法というのは、基本的な理念それからいろいろな政策のあり方ということを述べるわけでありますから、その中でどこまでどう規定するかということはこれからいろいろ検討するということでございますけれども、やはり基本的には考え方の基本を述べる、すなわちこういう手法もある、こういう手法もあるというような中からどうしていこうかということになるんだと思います。どういうものになりますか、今政府部内で検討中でございますので、しばらくお待ちをいただきたいと思います。

堂本暁子日本社会党・護憲民主連合

○堂本暁子君 経済的手法、通常環境税と言われておりますが、この導入、それから課税対象、目的税とするのかしないのか。大蔵大臣、環境庁長官、そして通産大臣に伺いたいと思います。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(羽田孜君) 環境税につきましてでございますけれども、環境問題に係ります税制につきましては、これまでも私ども大蔵省といたしましても適宜調査を行っておるところでございますけれども、今後とも環境政策全体の理念ですとかあるいは枠組みにつきまして、国の内外での議論、これの進展を私どもも注視しながら引き続き勉強させていただきたいと思っております。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(中村正三郎君) 今、委員は経済的手法すなわち税と、こうおっしゃいましたけれども、必ずしもそう限ったものではない。目的は、環境を保全するためにはどういう手法があるかという中の一つの手段が経済的手法であります。その中のまた一つが税であり、その中の一つがまたそういった先生の御指摘のような税だと思うんですが、やはり都市生活型の公害、不用物の排出量の増大問題、こういったものが非常に地球環境問題で大きな問題になってきているわけでありますから、従来やられている規制的手法だけでは限界がある。そういうところで、やはりこうした経済的手法の導入ということも必要であろうというふうに考えております。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(渡部恒三君) お尋ねの経済的手法については、従来から公害対策の一環として、税、財政、金融上の資金援助の措置などが講じられておるものと私ども認識しております。  中央公害対策審議会、自然環境保全審議会の答申では、経済的手法の考え方を環境基本法制に位置づけることが重要である旨を指摘しながらも、一方でかような多様な経済的手法のおのおのについて十分な議論を行い、国民各層の合意を得ることが何よりも必要な旨あわせて指摘されております。  こうした答申の趣旨を踏まえ、政府部内の調整を図ってまいりたいと思います。

堂本暁子日本社会党・護憲民主連合

○堂本暁子君 バーゼル条約の承認、それから関連国内法の審議が始まろうとしておりますが、この国内法でございますけれども、今通産省そして厚生省から法律が出ております。相手国の環境を汚染しないだけの十分な規定があるかどうか、この点を通産大臣、厚生大臣、そして環境大臣、三人の大臣が許可を出されるそうなので、お一人お一人に伺わせていただきたいと思います。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(渡部恒三君) 本法案はバーゼル条約実施のための国内法案であり、本法案によってバーゼル条約上我が国に要請されておる義務はすべて十分に履行できるものと考えております。  通産省としては、この法案成立後その適切な運用を図ることにより、バーゼル条約の的確かつ円滑な実施が十分図られるものと考えております。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○国務大臣(山下徳夫君) 御案内のとおり、バーゼル条約は、有害物質を国境を越えて移動させないというのが趣旨でございます。特に、先進国から開発途上国へ移動することは厳に慎まなきゃなりません。我が国は、そういう立場から厳にこのことを履行していくということで、今度の廃棄物法の改正によってバーゼル条約を批准するわけでございますが、このバーゼル条約は考えられるありとあらゆるものが含まれておるわけでございまして、一挙にこれを国内法で大変な数のものを全部網羅してやるということは私は不可能だと思います。そこで、現在考えられているものすべて一応はこれ盛り込みますけれども、今後新たに出てくるものはその都度追加していく、こういう方針でやってまいりたいと思います。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○国務大臣(中村正三郎君) 既に両大臣からお答えのあったとおりでありますけれども、バーゼル条約に規定されたことは、この法律によりまして有害廃棄物の輸出入の許可、移動書類の添付義務、回収命令等、すべてこの法律に盛られることになりまして、この条約に決められたことはこの法律によって十分担保されるものと思っております。  そして、環境行政というのは、これは政府一体となって取り組むものでございますから、厚生省だけでもできない、通産省だけでもできない、環境庁だけでもできないものでございますので、この法律が通り条約が制定されましたら、三省庁連絡調整を緊密にいたしながら、一体となってこの条約、法律の趣旨がきちっと守られるようにやってまいりたいと思っております。

堂本暁子日本社会党・護憲民主連合

○堂本暁子君 緊密にとおっしゃいましたけれども、省庁間の対立が大変多かったと聞いております。  地球環境問題担当大臣は環境庁長官なんですけれども、こういった場合にやはり総理が重大な決心をしていただきたい。本当は地球サミットに間に合わせるはずの条約批准だったと思うんです。これだけ格調高い演説が世界じゅうに配られております。これにこたえるためにも、総理は本当に地球環境担当大臣ともども勇断を奮っていただきたいというお願いをして私は終わりますが、最後によろしくお願いいたします。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまの各省庁の調整は、実は最終的には内閣の方でいたしました。時間がかかりましたことをおわびいたしますが、とにかく調整ができました。

小林正日本社会党・護憲民主連合

○小林正君 関連質疑は以上で終わりまして、私の持ち時間はあと二分ございますので、質問を続行いたします。  きょう午前中も出ましたけれども、いわゆる業者テストの問題、このよって来る原因をどう受けとめておられるのか、今後の対応をどうされるか伺います。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) よく言われるように、必要悪という面があるのではないか。必要悪という言葉でごまかして、悪いものでも必要だから使ってしまおうということを続けていけば子供は救われないというふうに私は考えております。  確かに、十五の春を泣かしてはならない、中学三年生で浪人させるのは気の毒だというのはよくわかるわけですが、そういう中から業者テストが便利であるということで、これほどひどい状態になってしまったと思っております。  私は教育改革ということを考えた場合、先ほど学制発布百二十年の御答弁で申し上げたように、新しい学力観というものを考えていきたい。個性尊重で教育をやっていきたい。人間にはいろんな物差しがあって、複雑多岐なディメンジョンがあってそれで判断をするという、そういう時代にしなければいけないというときに、今の業者テストのようなものをやむを得ないものといってずっと認め続けていくならば、教育改革を達成することは私は未来永劫できないと思います。  もちろん、最大の難関として学歴偏重社会というものがあります。学歴偏重という中から受験があり、偏差値偏重社会が生まれたということでもありましょうが、いずれにいたしましても、こういう大きな問題を解決していくための最初はアリの一穴ではないかという思いもありますが、思い切ってやっていきたいと考えております。

小林正日本社会党・護憲民主連合

○小林正君 本来テストというのは到達度診断という目的があって、子供のつまずきをどう是正して正しい道筋に乗せるかというその本来の手段がいつの間にか人材の選別のためのシステムの中に組み込まれていって、結果として教育という本来の目的にそれが取ってかわった、そして教育をゆがめたというところに今日の問題があるんだろうと思うんですね。そういう認識に立って今後具体的な是正の措置を展開していただきたいと思います。  それから、我が党の久保議員が本会議の席上で、財政がいかに厳しくとも教育におけるシーリングの問題については検討すべきだという指摘もされました。私も去年予算委員会でも申し上げまして、総理から大変前向きの御答弁もいただいて、以後それらの点がかなり教育行政面に反映をされたことを評価しつつも、今度、平成五年へ向けて、大変厳しい財政状況ではありますけれども、教育百二十年、さらにこれを本当の意味でサクセスストーリーにしていくための手だて、努力 として予算の裏づけをぜひお願いしたい。  いろいろ申し上げたいこともありますが、また関係の委員会の場等で申し上げながら教育の充実を図りたいというふうに思っております。今後ともよろしくお願いいたします。  質問を終わります。

井上裕自由民主党

○理事(井上裕君) 以上で小林君の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————    〔理事井上裕君退席、委員長着席〕

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 次に、青島幸男君の質疑を行います。青島君。

青島幸男二院クラブ

○青島幸男君 二院クラブの青島幸男でございます。  総理は御存じないかもしれませんけれども、私は九月二十六日に、佐川急便問題での検察の対応に腹を立てまして、金丸氏議員辞職を求めてハンガーストライキをやったわけでございますけれども、元来、私は性直情径行と申しますか、思い立ったら即座に何か行動に移すという癖がございます。これはこれなりにかなり反響があったわけですけれども、ハンストのノウハウを知りませんでしたので残念ながら二ひ足らずで脱水症状になりまして断念しましたけれども、しかし、そのおかげで全国から電報やファクスが私のところへ山と参りまして、私ばかりでなく日本じゅうの人々がこのことについて怒っているんだなということを知りました。  何とかもっと安全で手軽でだれにでも参加できる運動の手だてはないものだろうかということを病院で点滴を受けながら考えまして、抗議のはがきを集めよう、こう思い立ちまして、早速呼びかけたわけです。十日もたたないうちに約三十万通というはがきが参りまして、これもマスコミに載りましたので、検察も新たな動きを見せ、金丸氏はついに世論に負けて辞職せざるを得なくなった、こういうふうに私は認識しております。  私はこのはがきの山をできる限り読ませていただいているんですけれども、政治不信は確かに極限に達しておりますのでもまだ国民は、多くの方々は絶望もしていないし、白けていないということを感じました。正義と民主主義を切実に守っていきたいという心情を痛切に感じました。中には涙することもありましたですね。  私のもとにいまだに全国からはがきが集まってまいりまして、時を経てその内容も変わっております。最初のうちは、自分の身の回りに引き比べて、五億円の金額とか、あるいは上申書とか二十万円の罰金だとか、検察の対応の不平等などに怒りをあらわしておりましたけれども、そのうちに権力の二重構造への不信と不満が増してまいりました。総理の上にといいますか、陰にといいますか、内閣の大事にまで影響を及ぼすような別の力があって責任の所在が明らかにならない、このことへの憤りでございます。  それから、最近はまたもう少し変わってまいりまして、政府のやることにはビジョンがない、一体何を政策の基盤にしているのか理想が見えない、哲学がない、そのことに対する不安といら立ちです。  自民党政権が信頼を失うのは中曽根さんあたりから顕著になったと思うんですけれども、公約違反の消費税を竹下さんに押しつけました。竹下総理は、数を頼んで強行採決を重ね重ねまして、国民の意思を全く無視してこれを押し通しました。私はそのときに議員の職を辞してまで反対をしたのでございますけれども、抗議をしたのでございますが、後に続く者を信じておりましたけれども、だれもついてこないので私一人だけずっこけたという悔しい思いもいたしました。  直接税と間接税の比率のバランスをきちんととって後顧の憂いをなくすという御主張が政府にありました。ところが、今また直接税が七〇%を超えているということを伺います。個別物品税を洗い直しまして、このまれに見る悪税と言われる消費税をこの際一挙に撤廃してみたらどうだろうかということを提案申し上げますが、総理いかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 実は、物品税というのはあれは戦前からでございます。戦前からやりまして、いっときはマッチにまで課税をしたようなことがございます。だんだん行政が広がりまして大変に煩雑になり、ちょっと説明がしにくいところまでいきまして、ついに最後はやめることになりました。  考えてみますと、個別の物品税というものは大変に説明のしにくいもの、奢侈品であるというようなことを言った時代もございますんですが、何が奢侈品かということもだんだん怪しくなりましたし、やはり私はやるといたしましたら、売上税と申しますか消費税と申しますか、セールスタックスのようなものを、やり方はいろいろあると思いますけれども、一般的なほぼフラットな税率でありませんとなかなか行政が難しゅうございますし、また納税をされる国民の側もかえって納得がしにくいというのが私は物品税の経験ではないかと思いますが。

青島幸男二院クラブ

○青島幸男君 それにしても、総理、今の消費税は課税の方法が複雑で矛盾が多いというのと、徴税も不平等になっておりまして、細かいところまで徹底しないから取りこぼしが多くて、国民が三円、五円と取られております税金が途中で消えて国庫へ入るのは六〇%を割っているんじゃないかという試算をする学者もいますね。あのときに取りやめました物品税のロスも合わせますと、消費税が国庫へ貢献していることが非常に少ないんじゃないかと言われております。最近の数字で直接税の割合が七五%に迫っておるということを聞きますと、これはもう明らかなんじゃないかという気がするんですけれどもね。  その上この消費税、現行三%を五%に上げろとか一〇%にしたらどうだろうかというような声も出ているわけです。国民のことを考えずに手軽に実効の上がることばかりに手をつけようとなさる、それが許しがたいわけです。それからもう一つは、総理は当分上げない、動かさないとおっしゃっているんですけれども、後ろの方からそういう声が来るというのが許しがたいと私は思っておるんですよ。  その後の問題はPKOですけれども、これもおかしいですね。第一番に議論しなければならなかった憲法をすっ飛ばして衆院で強行採決しているわけですよ。後で成立に手をかした一部野党も私は腹立たしい思いで見ているんですけれども、ろくに議論も詰めないまま自衛隊をカンボジアヘ出しました。ポル・ポト派はいまだに武装解除に応じておりませんし、停戦破りは後を絶ちませんし、つい最近では国連の停戦監視員六人が拘束されて、見回りに行ったヘリが銃撃されたという話も聞きます。明らかに派遣の前提が崩れているわけですから、不祥事が起こる前に自衛隊の諸君を引き戻したらどうだろうということを提案申し上げますが、いかがでございますか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 消費税でございますが、私は、こういう不況なものでございますから毎月の税収の状況をずっと見ておりますけれども、消費税は比較的行政としてはと申しますか、一種の税収見積もりそのものがほぼ実態を見誤らずにおるのではないかという、そういう感じを持っております。  ひょっとしますと、青島委員の言われるように、しかしその中で非常にいろんなロスがあるとか不合理があるとかということでございましたら、これは改めてまいらなきゃならぬと思いますけれども、歳入そのものは国民の御協力があってまずまず予想とそんなに変わらない傾向線を描いております。国民に御不便があったり大きな不満がありましたら、それは直させていただきますけれども、まあ定着をし始めているんではないかという感じを私は実は持っております。この税率を今上げるというふうな考えは私は持っておりません。  それからPKOでございますが、前国会におきまして憲法違反だという御議論があって、私はそれだけはどうも承服できないといっていろいろ申し上げた記憶がございます。繰り返しませんです が、たまたまカンボジアでああいうことがございまして、いわば橋をかけ、道を直し、国づくりを今自衛隊の諸君がやっていてくれるほかに、停戦監視等の人も出ておるわけでございます。  おっしゃいますように、クメール・ルージュの武装解除の段階における協力が十分でございません。それは事実でございますが、さりとてパリ協定を無視するというようなこともございません。そういう意味では平和の枠組みは維持されておる。恐らくいろんな考えがクメール・ルージュにもありまして、選挙を控えて多少戦術的な動きもあるのではないかと思っております。  御指摘のように、停戦監視員六名が拘束されておったわけですけれども、それは現地時間で今日午前中に釈放されました。そのときに注目すべきことは、クメール・ルージュ、民主カンボジアの本部から現地の司令官に指令がありまして、現地の司令官がそれを受領してこれに従ったということでございますので、拘束そのものが現地の司令官、現地と申しますのはその地点でございますが、それによったのではないだろうか。したがって、クメール・ルージュの本部としては、その釈放の指令をしたということはUNTACというものの存在というのを本部としては尊重するという、これは結果としてそういう意思表示ではなかったかというふうに、そんな解釈が現地であるようでございます。  いずれにしても、安保理事会の決議もできるだけクメール・ルージュがこういう状況の中でパリ協定を、いろいろ嫌なところはございましょうけれども、大枠としてこの実施に協力をしてもらう、してくれるような仕向け方をしていくことが大事なことだろうと思っておりまして、したがいまして、ただいままでのところ、法律に従いましてただいま派遣しております自衛隊の諸君は法律に定められた五原則に従って与えられた任務を遂行しているものと、こう判断をいたしております。

青島幸男二院クラブ

○青島幸男君 私の杞憂に終わればいいんですけれども、派遣されている自衛隊の諸君の中から死傷者が出るいうようなことがあったら大変なことだとそら恐ろしく感じております。事ほどさように、歴代自民党政府のやってきたことは場当たり的で、一貫した合理的な整合性がないということを一般の国民は怒っているわけですよ。  政府の指導力のなさというのはさまざまな格好で出ていますけれども、例えば長良川の河口ぜきの問題一つとりましても、その必要性については長年論じられておりましたが、その方向が定まらないままに工事がどんどん進みまして、七割方もうできてしまったということですね。これを今さら壊すというと何かもったいないような気がしますけれども、しかしここで思い切って発想を転換しまして、百年先の子供たちの将来のために、国土の自然環境保全のために壊すことは新たな建設なんだというふうなお考えを持てば、壊すことにちゅうちょすることはないと思うんですけれども、そういう発想の転換をしていただきたいと思います。事の決定に当たって何が一番重要か、何を最優先させるかということを考えていけば、おのずと姿勢は見えてくるんだと思います。  結論として私は申し上げますけれども、私のところへ寄せられました四十万通のはがきから私が読み取りましたのは、多くの国民の方々はスキャンダルに嫌気が差しておりますけれども、互いにまじめに情熱的にこの国の政治、この国の将来について論じ合いたい、正義と民主主義を守ることを切実に考えたいと願っているということです。この国をどうしていきたいか、どういう手だてでどこへ持っていきたいかという基本理念、姿勢を高らかに示してもらいたい、そしたらついていくからと、こういう姿勢をお持ちだと思いますから、政府はこの国民の願いを真摯に受けとめまして、そのように御努力いただくのが肝要かと思います。  そのことを申し上げまして質問を終わりますが、何かお言葉がありましたらいただきましょう。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) そのような国民のお気持ちは、私もそのように考えておりますので、国民のそういう気持ちに反しませんように一生懸命努力をいたしたいと存じます。

山崎拓自由民主党建設大臣

○国務大臣(山崎拓君) 委員長のお許しを得まして、長良川について御質問がございましたので、これもせっかくの機会でございますから、国民の皆様方によくわかっていただきたいと存じまして、あえて答弁の機会を求めさせていただいた次第でございます。  今、青島委員は、何が一番大切かということをおっしゃいました。大切なものはたくさんあると思いますが、そのうちに私は人命もこれは大変大切なもの、あるいはこれが一番大切なものと言えるかと思うのでございます。  我が国は非常に世界有数の河川国家でございまして、暴れ川と言われるように、河川の災害は極めて大きいわけでございます。長良川もそのうちの一つでございまして、昭和三十四年には伊勢湾台風がございましたし、あるいは昭和五十一年には有名な安八災害もございまして、その他数え切れないほどたくさんの災害に遭ってまいりましたわけでございます。長良川沿川の三市七町一村六十七万人の生命、財産を守るという見地からこの長良川の河口ぜきの建設を行っているわけでございます。  我が国は全国に百九の一級河川がございますが、そのうちの五十四河川に実は同様の潮どめの機能を持つ河口ぜきを設けているわけでございます。  卑近な一例だけ申し上げますと、利根川、「大利根月夜」、歌の文句で有名でございますが、その利根川も代表的な例でございますけれども、昭和二十年代にカスリン台風を初めといたしまして一連の台風で洪水が続きまして大被害を受けましたので、これに対しまして対処すべく大規模しゅんせつを行いましたところ、昭和三十三年に今度は大渇水を生じまして、そのことに伴う塩害が千葉、茨城、二十六市町村に及ぶという大塩害が生じたわけでございます。このために河口ぜきを設けまして、今日におきましてはそういう弊害が起こっていないわけでございます。  長良川は、これまた我が国最大のゼロメートル地帯でございますので、ここでもし洪水対策を講ずるということになればしゅんせつ以外にないのでございます。大規模なしゅんせつをいたしますと塩水が当然遡上いたします。そこで、現在は河口から十五キロのところまで塩水が参っておりますが、現在の計画でしゅんせつをやりますと三十キロに及ぶということでございまして、そのことによって大規模な地域におきまして地下水が塩害に侵され、かつ長良川からの取水が不能になるという事態が予測されるわけでございます。そういうことから一日も早くやってくれということを治川の三市七町一村の六十七万人の方々から、自治体やあるいは議会の代表者を通じまして切実な御要望を承ってまいったわけでございます。私の在任中にもしばしばそういう御要望を承ってまいりましたわけでございまして、責任を持ちまして本件を取り進めてまいったところでございます。  先ほど御紹介がございました宮澤総理のUNCEDにおける演説でございますが、UNCEDはもともと国連環境開発会議と名のっておるわけでございますけれども、その中で、環境と開発は両立するのみならず、長期的にみれば、両者は相互に補強し合うものと確信するという発言がございまして、我々はそういう見地から、環境を守るということも大事であるが、同時に、人命を守り、あるいは国民の財産を守る、自然の猛威から守るという開発も必要である、それは両立するものである。同時に、私ども建設省といたしましては、建設行政を進めていく上におきまして、コンストラクションというのは破壊を伴う響きがございますが、むしろクリエーションである、新しい環境を創造する、そういうところに創意工夫を働かせながら進めてまいる所存でございますので、御理解をいただきたいと存じます。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 以上で青島君の質疑は終了 いたしました。

青島幸男二院クラブ

○青島幸男君 一言です。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 時間です。終わりました。終了です。

青島幸男二院クラブ

○青島幸男君 長々と御説明いただきまして一層の疑念がわきましたが、そのことは次回に譲ることにします。  終わります。ありがとうございました。(拍手)     —————————————

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 次に、武田邦太郎君の質疑を行います。武田君。

武田邦太郎日本新党

○武田邦太郎君 日本新党を代表いたしまして、ウルグアイ・ラウンドについて明確な展望と羅針盤を持って取り組んでいただきますように、農業者の立場から若干の見解を述べます。前半では大局的な問題でございますから総理大臣にお話をお伺いし、後半では先ほど発表されました農業の新政策を中心に農水大臣の御意見を伺いたいと、こういうふうに思います。  お手元に届けましたペーパーの左の方の表をごらんいただきますと、農業構造の現状が一覧するようにできております。  全国で申しますと、農家戸数、耕地面積、一戸当たりの耕地面積、後継者の数が出ておりますが、後継者が農家七十八・七軒に一人しかおらない。したがって、現在の状態では日本の農業構造は一戸当たり百八・三ヘクタールに拡大する方向に急傾斜している。これはまあ統計上の話でありまして、こうなるというわけではありませんし、また統計というものはこの数字にとらわれる必要はありませんが、大局的な趨勢はこれによって想像することができるわけであります。  特に、後継者がいないで、一戸当たり耕地面積が拡大する傾向と申しますのは、稲作県において甚だしい。新潟県では驚くべきことに三百四十九・三ヘクタールに拡大する方向に傾いております。秋田県がごらんのとおり、宮城県がごらんのとおりであります。言いかえてみれば、日本の農業構造は根本から崩壊中であるということは到底否定することはできません。  なぜそういうことが起こったかと申しますと、昨年度のお米で申しますと、農水省の統計ではお米づくりの農家全国平均家族労働報酬、日当は七千円であります。東南アジアの人が日本に来て建設工事に従事すると一万円以上もらうんです。しかるに、日本で米をつくれば七千円、こういうことは到底若い人はやれる仕事ではありません。  一般の二次、三次産業の従事者で賞与を入れて年間所得五百万ということは決して多い方ではありませんですね。ところが、年間二千時間働く、日数にすれば二百五十日です。日当なら二万円です。都会に行けば少なくとも二万円、これから先の経済成長はなかなか困難かもわかりませんが、二%半の年率、あるいは三%の年率でいけば十年後には三万円近くなるでしょう。したがって、若い人に米をつくらそうと思うならば、当面二万円になる稲作、十年後には三万円の日当になる稲作でなければ若い人に農業やって米をつくれと言うわけにはいかない道理であります。  こういうことが非常に絶望的に聞こえますけれども、世の中というものはよくしたもので、その中に非常に大きな洋々たる可能性が秘められている。つまり、今まで規模拡大というのは言うべくして非常に難しかった。ところが、こういうように物すごい規模拡大への可能性があらわれている。  これから先農業は、国際競争というと非常に人気の悪い話になりますけれども、仮に国際競争をやるとして、一軒の家でどれだけの面積をやればできるのか。これは、アメリカは一望千里の耕地を持っている、とてもかなわないというものは素人考えてあります。農業者一人が何十ヘクタールやって、単収をどれぐらい上げて、付加価値をどれぐらいとるかというのが農業の競争でありまして、カリフォルニア随一の稲作農場である国府田さんのところでも、従事者一人当たりの作付面積は四十ヘクであります。  ごらんのように、四十ヘクなんか平気でやれるほど若い人間はいないんですね。おまえさん、カリフォルニアの国府田さんと四つになって相撲とれと、そのかわり一人当たり四十ヘクの田んぼは構造改善の結果活用できますぜと言えば、これは洋々たる前途が開けるわけです。世界最大の規模を誇るオーストラリアでも一人当たりは五十ヘクから七十ヘクです。大した面積ではありません。こういうことが、つまり、零細企業とか下請の問題がありますけれども、世界第一をもって誇る二次、三次産業と肩を並べる農業でなければ若い人は農業をやらないのです。農業というものは、世界第一級にならなければ日本ではだれも農業なんかやりはしません。  ですから、一粒も米を入れなければお米は自給できると考えるのは大間違いでありまして、どんどん米はつくろうと思ってもつくれない。この実情を全国民的認識にしていただきたいと思います。米は自給できません、今のままでは。だから、農水省が減反政策を緩和しても農家は応じないでしょう。もうからないからです。これがもうかれば、米はもちろんです。小麦だって十分国内で自給できます。六百万トン輸入しておりますけれども、これは百万ヘクつくればいいんです。昔は百八十万ヘクの麦をつくっておったんです。それは麦はもうからないから、出稼ぎした方がもうかるから麦はやめちゃっただけの話です。  土地はあるんです。しかも日本の耕地の七割弱は平野部なんです。田んぼでも二百万ヘクは平らですよ。決して傾斜ではありません。緩傾斜が一七%、急傾斜が一三%です。あとは平野部なんです。それだけあれば一億三千万の国民の食べ物は少なくとも七割、うまくやれば七割五分は自給できます。今、穀物で三割でしょう。しかも百二十万トンの肉を輸入しておりますから、これを穀物計算すれば二五%しか自給していないんですよ。それは土地が狭いからか。そうでありません。土地は十分にあります。なぜ自給できないのか。もうからないからです。レベルが低いからです。  それで、その次の表をごらんください。表をごらんくださればわかります。お米をつくっても外国に勝てるという数字がここにあります。決してここの独特の条件でありません。二百万町歩の田んぼは全部アメリカと相撲をとって勝てる。  そこで、総理大臣も外務大臣も大蔵大臣も、これはまたあいつあんなこと言っていると、ちゃんと知っておられるんですね。しかし、この政策は人気がありません。世論が熟しておりませんから、これをやるといったら選挙に負けます。だから今言うことは私は勧めませんよ。しかし、世論を少しでも早く成熟させてこの方向に方向転換しなければ、クリントンが食べ物をやらないよと言ったら、もうアメリカに頭上がりませんよ。  ちょっとお願いできますか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 長年にわたり営農の指導をせられ、また御自分も外地、内地において農場経営の御経験をされ、また新農政を長いこと研究されておられました武田委員が御所信を国会で我々にお聞きくださる機会を得られましたことを大変私どもも御同慶にたえないと思います。  ただいまはまだ本当の結論だけを伺いました。また御教示を得まして、私ども農政の方向を誤らないようにいたしたいと思います。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 以上で武田君の質疑は終了いたしました。(拍手)  これにて総括質疑は終了いたしました。  本日の審査はこの程度といたします。  次回は来る七日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十一分散会

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