外務委員会 第1号
- 発言数
- 241 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1992/12/07
会議録
○委員長(野沢太三君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る四日、松前達郎君が委員を辞任され、その補欠として谷本巍君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(野沢太三君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野沢太三君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に磯村修君を指名いたします。 ―――――――――――――
○委員長(野沢太三君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、国際情勢等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野沢太三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(野沢太三君) 有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約の締結について承認を求めるの件を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。渡辺外務大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま議題となりました有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 この条約は、平成元年三月二十二日にスイスのバーゼルにおいて作成されたものであり、有害廃棄物及び他の廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制について国際的な枠組みを定め、これらの廃棄物によってもたらされる危険から人の健康及び環境を保護することを目的としております。 我が国がこの条約を締結することは、これらの廃棄物の輸出入の適切な規制、廃棄物の適正な処理等についての国際協力を一層推進する見地から有意義であると認められます。 よって、ここにこの条約の締結について御承認を求める次第であります。 何とぞ御審議の上、速やかに御承認あらんことをお願いいたします。
○委員長(野沢太三君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○久保田真苗君 バーゼル条約では放射性物質については外されているわけです。そして、それが適用される国際文書で規制されるそういう廃棄物はここからは除かれている。そうすると、放射性物質の廃棄物についてはどういう規制が行われているのか。また、その規制は十分に安全を保障しているというふうにお考えになるのか。この点について、科学技術庁いらしていますね。
○説明員(塚腰勇君) お答えいたします。 我が国におきます放射性廃棄物の規制に関しましては、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等によりまして放射性廃棄物の処理処分が適切に行われるよう規制されているところでありまして、放射性廃棄物が発生したそれぞれの事業所や許可を受けました廃棄事業者の廃棄施設において厳重に管理されているところでございます。また、放射性廃棄物の輸出入につきましても、同法に基づきまして放射性廃棄物を輸出して廃棄することはできないこととなっております等、厳重な規制が行われているところでございます。
○久保田真苗君 外務省に伺いますけれども、そうすると国際文書とは何なのか、それはどういう性質のもので、その保障は外務省としては十分だというふうに思っていらっしゃるのか、その点について伺えますか。
○政府委員(須藤隆也君) 放射性廃棄物の輸出入に関する国際的な規制の枠組みといたしましては、国際原子力機関において一九九〇年に加盟国のコンセンサスによって採択されました放射性廃棄物の国境を越える移動に関するIAEA実施基準、コード・オブ・プラクティスというものがございます。この実施基準の趣旨及び内容は基本的にはバーゼル条約と同じような内容になっておりまして、放射性廃棄物の国際的な移動の場合には事前通告の義務、それから発送国や受領国や通過国の同意が必要であるというようなこと、それから放射性廃棄物の安全な管理、処分能力のない国は廃棄物の輸入をしてはならない、あるいはそのような国に輸出をしてはならないというようなことが決めてございます。 なお、この実施基準は法律的に拘束力を有するものではございませんが、この基準はIAEAの総会において全会一致で採択されたものでありまして、IAEAの加盟国がこれを遵守することになっておりますことから、規制の枠組みとしては十分機能しているのではないかと考えているところでございます。
○久保田真苗君 自主コードのような形であって拘束力がなくしかも条約にもなっていない。一般の有害廃棄物と比べますと非常に不安な状態であると私は思うわけです。 ところで、あかつき丸の件がございますね。これはもちろん放射性廃棄物ではないのですけれども、プルトニウム輸送ということでこれが開始される前から世界的に相当の危惧あるいは場合によって抵抗を招いているというふうに思います。それで、こうした形で二〇一〇年までに三十トンをさらに送る。今回は一トンであるというふうに言っておられますけれども、今後もこの形で輸送をしていくというおつもりなのかどうか、科学技術庁に伺います。
○説明員(坂田東一君) 先生ただいま御指摘がございましたプルトニウムの輸送でございますけれども、今回の輸送に関しましては、これまで疑問や懸念を示されました国々に対しましては基本的には在外公館を通じて、また必要に応じまして専門家が出向きまして、この輸送の必要性、安全対策、さらには核物質の防護の対策等につきまして関係資料を提示し誠実に説明を行ってきたものでございます。その結果、私どもといたしましては、各国政府のレベルにおきましてはおおむね理解が進んだものというぐあいに認識をしてございます。 我が国の電力会社がイギリスやフランスの再処理の事業者に委託をいたしました使用済み燃料の再処理の結果、これからもプルトニウムが回収される予定でございます。我が国といたしましては、このプルトニウムをすべて持ち帰りまして原子力発電所の核燃料として平和利用をする計画でございます。 したがいまして、これからも今回の輸送の経験にかんがみ、さらに国際的に無用な御心配や誤解を招くことのないよう一層の努力をいたしまして、国際社会から理解を得てこのプルトニウムの輸送を実施してまいりたいと考えております。
○久保田真苗君 科学技術庁としてはこれからも今と同様のものを続けるお考えだというふうに承りますけれども、例えばエネルギー資源のない途上国というのは非常に多いのです。開発へのこれがネックになっておりますね。湾岸戦争とか石油危機、そして油代の高騰に大変苦しんだ経験があるわけです。 これだけ派手にプルトニウム輸送をやって世界の耳目をそばだてているということは、一方に日本のイメージあるいは外交上のダメージということも考えるのですが、他方ではそんなにプルトニウムが結構なものだったらばこれからはひとつ日本に見習ってプルトニウムを燃料として使っていくという、そのことに目標を置く国も決して少なくはないと思うのです。その点、科学技術庁はどう考えていらっしゃいますか。
○説明員(坂田東一君) 現在、プルトニウムの平和利用を実施できる能力のある国あるいは実施する政策を明確に立てている国と申しますのは、一般的に申し上げまして既に十分な原子力発電の経験を持ち、進んだ原子力技術を安全に使いこなせる産業基盤も持ち、さらにはエネルギー政策上も一定の合理的根拠を有し、これらに加えまして非核兵器国の場合にありましては核不拡散上も十分信頼できる国に限られていると承知をしております。 したがいまして、開発途上国で原子力発電の経験のないような国が直ちにプルトニウムの平和利用に取り組むということは非常に想定しがたいことだと考えております。
○久保田真苗君 そういう国、これから先進国になっていく国、そして経済力もある国、そういうものは恐らくアジア地域だろうと思いますね。こういったところで原子力の平和利用をやっていくのだ、それもその中でプルトニウムを使うのが最も効率的だからそれをやっていくのだと、そうなったときに科学技術庁は、技術協力としてあるいは経済援助としてこのプルトニウムの再処理、ひいては高速増殖炉の建設、そういったものに協力していく考えはおありですか。
○説明員(坂田東一君) 先生御存じのとおり、我が国におきましては、従来から原子力基本法に基づきまして平和利用に限って原子力の開発利用を進めてきております。国際協力を進めるに当たりましても、この基本方針に基づきまして協力相手国の平和利用の担保を十分に確認をして対処をしてきているところでございます。 開発途上国が直ちにプルトニウムの平和利用に取り組むことは非常に想定しがたいことは先ほど申し上げたとおりでございますが、仮にある開発途上国が我が国に対しましてプルトニウムの平和利用について協力を求めてまいりました場合には、ただいま申し上げました我が国の対外原子力協力の基本方針を踏まえまして、その国におけるプルトニウムの利用の必要性、合理性などを総合的によくよく考慮し慎重に対処する必要があろうかと考えております。
○久保田真苗君 それでも、慎重にだけれどもやるということですね、そのスタンダードに達した国があれば。一言で結構ですけれども、どうぞ。
○説明員(坂田東一君) 現実的なことを考えますと、現在開発途上国の中でプルトニウムの平和利用について明確な方針をお持ちになっている国があるとは承知をしておりません。 将来の問題につきましては、ただいま申し上げました考え方にのっとりまして十分慎重な検討を加えたいと思っております。
○久保田真苗君 そうしますと、一面からいえば途上国については日本がエネルギーでもって国際貢献ができる余地は極めて狭いし、将来そういう国が出てくるとおっしゃるけれども、恐らくそれはすぐ出るだろうというふうに考えますと、この将来というようなことでは済まないのではないかと思います。 そこで私、渡辺外務大臣に伺いたいのですが、プルトニウムの商業的利用の問題、つまり商業ベースでもって発電にこういうものを使っていく、そのために再処理をやっていく、高速増殖炉でふやしていく、そういう問題と核拡散の問題なのです。 私の考えでは、核兵器の拡散というのは国際的にはかなり厳しく管理されていると思います。しかし、商業用プルトニウムの利用ということは、核不拡散条約が原子力の平和利用はすべての国の持つ権利であり、それについて便宜供与を受けることができるという、そういうことを認めているわけでございますから、日本のようにこういうふうにプルトニウムを発電に使うということが非常に世界的に関心を浴びるということになりますと、この商業用のプルトニウム利用を通じて、ここがとば口となって核拡散をしていくという、そういうおそれを私は非常に持つのでございますけれども、大臣はどういうふうにごらんになっていらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 傾向としては、今お話にあったように、プルトニウムの平和利用ということは将来ふえてくる可能性は私はあろうと、そう思います。そのためにもIAEAのブルスコープ保障措置というものを大いに拡充をして、そしてだれが見てもそういうような悪用をされないようによくみんなが目をみはった中で平和利用を認めていくということがよいのではなかろうか、そう考えております。
○久保田真苗君 特にプルトニウムにつきましては、非常に大きな危惧を消すことができないと思うのです。だからそれは世界的な反響を呼んでいる、そういう状態だと思うのです。 その一つの大きい理由は、巨大な爆発力があって容易に爆発するということ、それから二番目には人体に極めて有害な物質であるということ、そしてしかも半減期の寿命が二万四千年ばかりと非常に長いということ、こういうことがあると思います。それゆえに万に一つの事故もあっては困る。日本はこれからいろいろな原子炉あるいは軽水炉にまでこれを使うという計画、そのためにプルトニウムを再処理していろいろなところから集めてくるという計画があるのですけれども、万に一つの事故も困る。原発としてここに工場がつくられる場合にも困るということが一つございますね。 そして、それよりもさらに恐ろしいのは容易に核兵器に転用できるということだと思うのです。日本が商業ベースでプルトニウムをどんどん再処理して利用するということになりますと、ほかの国も、ルックイーストと言ってくれた国もあるのですが、そういう意味では途上国にとってもこれは使いたいものだということになります。そして、それは容易に核兵器に転用できるという、そこに大きな落とし穴があるわけだと思います。 ですから、今回運ばれているものは一トンというふうに聞いておりますけれども、八キログラムのプルトニウムで相当な原爆が一個できる。八キログラムはオレンジの大きさだそうですね。そして、百二十五個分それが今運ばれているわけです。商業利用ということである程度あっちでもこっちでもこれをねらってくるということになりますと、やっぱり私たちとしてはまくらを高くして寝られない。そういう状態だと思うのですけれども、この商業用のプルトニウム利用が核拡散の媒体になり、そして核兵器転用への媒体になるという、このことを大臣はどういうふうにごらんになっていらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはもう信用の問題ですから、まずその国が日本のように核は平和利用以外やらないということを国際社会の中で明らかにし宣言をしてもらって、そして先ほども言ったように、世界の原子力機構の保障措置、そういうものをきちっと守っていくし査察も十分に受けるということでやっていけば、突然あしたから核爆弾ができるという話ではございませんし、そういう兆候があればそれなりに何らかの国際社会での取り押さえということも可能なわけでありますから、我々としてはどこまでも日本がやってきたようなことを他の国にも極力勧めていくということしかないだろうと考えます。
○久保田真苗君 それは私は、やっぱりお互いがまくらを高くして寝られないという事実を決して消していないと思うのです。 そうしますと、北朝鮮の問題について伺いたいと思うのですけれども、日本は日朝交渉の中で北朝鮮の核疑惑というものを言っていまして問題にしているのですけれども、一体北朝鮮に対してどういう措置を求めているのか、それをお聞かせください。
○政府委員(池田維君) 北朝鮮のいわゆる核疑惑の問題につきましては、これまで日朝交渉やあるいはIAEA等の場において一日も早くこの疑念を解消してもらいたいということを強く働きかけてきたわけでございます。 その内容は二つございまして、一つはIAEAの保障措置の完全な履行、つまりIAEAの査察を完全に受けるということが一つでございます。それからもう一つは、韓国と北朝鮮の間でやっております相互の査察の実施、この実施を通じまして国際社会の懸念を一日も早く払拭してもらいたいということを言ってきたわけでございます。 そして、前者のIAEA査察につきましては既に四回にわたって北朝鮮側はこれを受け入れておりまして、私どももここに一定の前進があったというように評価しておりますけれども、しかしながらまだ何らかの結論を出すというような段階には至っておりません。 それから韓国と北の相互査察の問題につきましては双方で現在協議が続けられておりますけれども、最近もその協議は難航をしております。したがいまして、依然として懸念材料としては残っているということでございます。 我が国としましては、今後とも関係諸国と十分に協力しながら北朝鮮に対して同様の働きかけをしていきたいというように考えているわけでございます。
○久保田真苗君 韓国と北朝鮮が話し合うということは、それはそれで結構なことだと思いますのですけれども、そうすると日本としては、再処理によってプルトニウムをつくっていく、再処理工場を持つことについてはどうなのですか。それは国交正常化の条件なのですか。それとも条件ではなく希望なのですか。
○政府委員(池田維君) 私どもは、再処理施設の保有の問題、これにつきましても特に南と北の間の非核化共同宣言というものの中にはっきりと再処理施設は保有しないという規定がございますので、こういう非核化共同宣言が着実に実施されるということが重要であるというように考えてきております。 これは条件という言葉は使っておりませんけれども、しかしながら日本と北朝鮮との国交正常化においてもこの問題は避けて通ることができない重大な問題であるというように説明してきております。
○久保田真苗君 それはそのようにプルトニウムの再処理、プルトニウムをためていく、あるいはプルトニウム利用の原発がいろいろな国にできていく、そういう状態がここに始まるわけでして、しかし日本は先進国で相手は技術が劣っているのだからそれはいけないとか、日本は法律があるけれども相手はそれが弱いからいけないとか、そういう根拠は私はとても周辺国がお互い同士、国の間で持つ核の兵器転用の問題を打ち消すような何物もないと思いますよ。それは日本はそうやっているかもしれないけれども、法律はいつだって変えられるわけですからね。そういうものを信じて日本は高速増殖炉で盛大にやるけれども、あなたのところはいけないのだというようなことはとても長続きするお話じゃないと思うのです。 これはもう私は、やっぱり一つの何かテーブルを持って、日本もぜひ自粛していく、やめていく、そういうはっきりとした方向に向かわない限りとても周辺国の説得なんかはできない案件だと思いますけれども、この点について大臣にも御見解をいただければありがたいと思うのです。 私は、このプルトニウムの計画、それもまた現にない原発に対してそういうものを、プルトニウムを生産し備蓄していくのだというようなこういう計画は、とても日本の信用を高めるゆえんじゃないと思うのです。どうぞお願いいたします。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 日本は平和主義国家としては世界の中の最高の優等生だと私は思っているのです。したがって、日本のように何の疑惑もない、日本が核爆弾を持つのじゃないかなんて言っているのは北朝鮮が言っているぐらいで、あと世界じゅうどこも言っている国はありませんね。ですから、世界じゅうから信頼されているわけです。だから私は、日本のようにみんなあけっ広げて大っぴらにどこでも見てくれというようなことであれば、他の国だって本当に純粋に平和利用をするということについてそれを拒む理由は余りないのじゃないか。 ただ、北朝鮮の場合は、先ほどアジア局長が言ったように、まだ疑念がいっぱいあるのですよ、どうもはっきりしない、隠しているのじゃないかと疑われるようなことが。だから、そういうことがなくなってくればまたおのずから変わってくるのでしょうが、今のところそういうような疑念を晴らす努力をされないというところに萩は問題があると思っております。
○久保田真苗君 プルトニウムの利用ということは、私は核不拡散条約の内容に照らして実際にもっと国際的に厳重に制限されるべきものだと思うのです。これが民間ベースで商業ベースでやられるということ、これは平和利用だと言いながら転化が極めて容易だということ、そのことを考えますと、私はやはりこれは世界の物議を醸すに足る話題を日本はまいていると思いますね。 ですから、核拡散へ商業利用の広さ門、それがこれから開けていくというようなことでは各国政府の懸念も非常に高まるだろうと思います。現にこの問題は、先進国においてすら非常に一つの転換期にあるのではないかと思われるような状況にあるわけです。それで国際管理という話も出ております。というのは、先進国が移転をしなければそれは大丈夫なのだというようなときはすぐ過ぎてしまうと思いますね。ですから私は、先進国が厳重な自己抑制をするということを内容として国際管理、そういうものでこの危険を、そして危惧を除いていただきたい、そういうふうに思うわけです。 そして、プルトニウムの将来性については、国内でも国際的にも安全、環境、核武装というようないろいろな観点から大きな抵抗が今後ますます出てくると思う。そういうものへ今日本が組んでいこうとしているのだということについて、私はこのプルトニウム政策、それを考え直し、かつ国際的なプルトニウム政策への一つの大きな歯どめをかけるべきだと思います。大臣のお考えを再度伺います。
○政府委員(須藤隆也君) プルトニウムの利用につきましては、先生御指摘のとおり、核不拡散との関係から国際的にもいろいろ議論されているところでございますし、過去においても国際的に相当大きな議論がありまして、国際核燃料評価という専門家の会合が一九七〇年代の終わりに開かれていろいろな角度から検討されてきたところでございます。 これまでの国際的検討の結果、結論といたしましては、プルトニウムの平和利用を含めて核物質の平和利用は、そのしかるべき核不拡散上の措置をきちんととれば核不拡散の目的と両立するという考えになっておりまして、我が国のプルトニウムの平和利用も非核三原則を初め平和利用に徹するということを原子力基本法等でも明確にした上で、IAEAとの保障措置もきちんと受け入れてやっているわけでございますが、御指摘のとおり、核不拡散の問題というものも重要なことでございますから、IAEAの保障措置の強化、あるいは今お触れになりましたプルトニウムの国際管理というような考え方にも日本としても積極的に検討に参加した上で、核不拡散と原子力の平和利用と両方を両立する形で、かつ国際社会の理解を得ながら進めていくということが必要ではないかと考えております。
○久保田真苗君 核不拡散条約が平和利用を認めているということは私も知っていますけれども、このプルトニウム再処理、こういうものの出現以来これが平和利用かと言えるような実に紙一重のところにあって、しかもそれが拡散の勢いの趨勢の中にあるということは、条約そのものにやはり一つの穴があるのじゃないかということを私は申し上げるし、それからこのプルトニウム政策の将来について国際的にうんと抵抗が強まってくる、そういう状況を見失わないでいただきたい。ですから、早めに転換を考えるとかそういう措置を外交上の立場からとっていただきたいということをお願いして、次の質問に移ります。 カンボジアなのです。私、七月中旬にカンボジアヘ行きました。それで、日本政府が非常にあそこを平和的に何とかポル・ポト派、民主カンボジアを説得する努力をしていらっしゃるのも拝見いたしましたし、明石代表も一生懸命やっていらっしゃるということもよくわかったのです。 私たちは総選挙用の携帯ラジオを贈るための下見聞に行ったのですけれども、そのときにシアヌーク殿下にお目にかかることができまして、そして随分、一時間半ぐらい自由に濶達にお話を伺ったのですが、その後たってみますと、だんだん殿下のおっしゃるように様子がなっていくと思うのです。 それは私なりにそのときの状況をまとめてみますと、こんなこともおっしゃっています。 ポル・ポト派虐殺時代のリーダーは今も全部生き残っているのだということ。それから次は、総選挙には非常に参加しにくい立場だから、こういう八五%の紛争のないようなところでカンボジアの総選挙が行われ、そして経済復興ができればとてもいいのだということ。それからポル・ポト派は経済制裁をやっても蓄積があるからこたえないだろう。対外資産の凍結と言うけれども、そんなものは見つかるようなところにありはしないというようなこと。そんなことを私ぽつぽつと散見しまして私なりに、カンボジアというのはほかのユーゴともソマリアとも違う、そういう対応が必要じゃないかと思っている次第なのです。 それで、外務省がそんなふうに大変努力をしていらっしゃるということを多とするのですけれども、この努力は今後も説得なり交渉なりそういうことをお続けになるおつもりなのかどうか、その辺いかがでしょうか。
○政府委員(池田維君) ただいま久保田先生御指摘になられましたように、私どもことしの七月から十月にかけまして四回にわたってポル・ポト派の指導者と話し合いを行ってきたわけでございますが、このうち前三回につきましてはタイと共同してその他の主要関係国との十分な相談の上で行いました。第四回目につきましては、安全保障理事会の要請が出まして、安全保障理事会がぜひ日本とタイにもう一度やってほしいということを言ってきたものですから、それに基づいて行ったわけでございます。 いずれの場合も私どもとしましては話し合いを通じて何とかポル・ポト派が武装解除の方向に進むということを期待して、そのための条件を探るために交渉を行ってきたわけでございます。しかしながら、残念ながら現在のところまで具体的な成果は出ておりませんで、ポル・ポト派は依然として武装解除に応じていないということでございます。 十一月三十日に国連安保理の決議が出ましたけれども、この決議自体はやはり来年の五月に総選挙を行う、その面では確固とした姿勢をとっていくという決意を示しているわけですが、他方ポル・ポト派に対しましては門戸は開いていくという構えをとっております。 したがいまして、日本としましても、ポル・ポト派がこの決議の意思を深刻に真剣に受けとめてUNTACに協力してくれることを期待しているわけでございますけれども、日本としましても、必要であれば関係諸国あるいはUNTACと十分に話をしながら粘り強く説得のための外交工作を行っていきたいというように考えているわけでございます。
○久保田真苗君 大臣、これからもポル・ポト派に対する交渉を日本としては続けていくという御決意でございますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 今、局長が言ったように、いつまでもと言われてもなんですが、極力精力的に説得は続けていきたい、そう思っています。
○久保田真苗君 私もそう思っておりましたものですから、この間の十一月三十日の決議、これは実質上のポル・ポト派への経済制裁措置を決議したというふうになっておりまして、もちろん強制力の点ではあるいは留保があるのかもわかりませんが、これに日本が共同提案国になっているので私はちょっと意外に思ったのです。 なぜなら、日本はタイと一緒に組んで工作をしてきたわけです。そのタイはこういう実質上の制裁に非常に慎重なのですね。それなのに日本はみずから提案国になった。そうしますと、日本の立場というのは今後調停者あるいは交渉者の立場と制裁者の立場を兼ねるということは非常に難しくなるし、タイに対してもまずいのじゃないかというふうに私は思ったわけです。 その辺はどうなのでしょうか。そういう提案国にならなかった方が私はよかったと思うのです。
○政府委員(池田維君) 十一月三十日に採択されました国連安保理の決議といいますのはパリ協定とかSNCが決めて行うことができる措置でございまして、これはただいま御指摘ありましたように、強制的な措置ではございません。ただ、来年の五月に総選挙を行う、そのための準備を進めるという点から申しましてもこの程度の、強制力はないけれども、やはり国際社会としての一つのはっきりとした方向を示す措置をとることは必要だという考え方がコンセンサスとしてあったわけでございます。 したがいまして、日本としてもこの決議案の共同提案国の一つになりまして、特にこの決議案の作成に当たりましてはむしろ日本側の意見をいろいろ聞かれまして、そして日本側の考え方を十分に盛り込んだような決議案になっていると思います。 他方、ただいま御指摘のございましたタイの対応ぶりでございますけれども、タイ政府としましてはこの安保理決議が採択されましたときに、タイの法律、主権、領土保全に反しない限りにおいてこの決議で言及された措置に従うということを言っておりまして、全体としてこの措置を尊重するということでございます。 これは日本とタイはこれまで緊密に協力してまいりましたから、同時に中国等に対しても話しかけをしてまいりましたので、そういった意味では今のところこの決議案は国際社会全体の総意を代表しているというように考えております。
○久保田真苗君 国際社会の大方の総意であるとは言えるのでしょうね。国際社会のじゃないですよ、安保理のですよ。安保理のです。十五カ国のうちの大方のところはそうだということだと思うのです。 ですから、そのコンセンサスに入ることはあるいはやむを得ないのかもしれません。中国は棄権していますけれども。でも日本は、今後もし大臣の御努力が続くのであれば、ある程度数の少ない提案国には、こういう制裁の提案国には私はならないでほしいと思いますね。 これは何もポル・ポト派に対してどうじゃないのです。この途上国、カンボジアのような悲しい国で、ほかに生計の道がない人がたくさんこういうところの国境で仕事をやっている。そういう人たちの生計の道を閉ざすようなことを私はあえてやる必要はない。安保理が振り上げたこぶしはわかりますけれども、安保理のメンツのためにやっているわけじゃないのですから、このUNTACは。ですから私は、日本は最後まで交渉者、調停者、説得者としてやるのであればそのカードを放さないでほしいなと思うのです。そこのところはどうぞよろしくお願いいたします。 それからもう一つ、日本からも要員が行っているのですね。要員が行っているということを考えますと、直接そういう一番危ないようなところには余り行っていないらしいけれども、しかし報復ということだってあり得る。その場合、外務省あるいは平和協力本部としては、停戦の合意が崩れたらそれは要員を引き揚げるあるいは中断する、そういうことになっていますね。PKO法には私たちは反対しましたけれども、しかしこれは政府のお出しになった法律だから、それはお守りになるわけでございましょう。そうしますと、停戦の合意が崩れるというのはどういう状態を指すのかということをここでちょっと定義していただけませんか。
○政府委員(萩次郎君) お答えいたします。 お話しございましたように、国際平和協力法では、停戦の合意が存在しなくなったとき、それから紛争当事者の同意、参加の同意が得られなく保なったとき、それから中立性が維持されなくなったと認められる場合には、内閣総理大臣たる国際平和協力本部長がその業務を中断し、短期間でこのような状況が回復できないというときには派遣を終了する、いわゆる撤収する、こういうことになっておるわけですが、この際のいかなる場合に停戦の合意が存在しなくなったというふうに認められるかどうかということは、これは個々具体的な問題にわたりまして一概には申し上げられません。それぞれ具体的な状況に照らしまして、総合的に判断せざるを得ないのではないかというふうに考えております。
○久保田真苗君 そんなお答えじゃ困るのです。ですけど、ちょっと時間がありませんから私の方から申し上げます。 もし十一月三十日のこの実質上の経済制裁の決議、これに強制力が伴ったときには停戦は破れたと見てよろしいですか。どうですか。
○政府委員(萩次郎君) 停戦の合意がどのような場合に破れたかというのは、先ほど申しましたように、総合的に勘案せざるを得ないと思いますが、例えば経済制裁があったということのみをもって合意が既に存在しないというふうには考えられないのではないかというふうに考えます。
○久保田真苗君 私はそんなことを伺っているのじゃないのですよ。停戦の合意が破れるということは、経済制裁に強制力が伴って軍事行動が伴ったときは停戦の合意は明らかに破れる。ですから、今後私はこの決議の実施の方向を見守っていきたいと思うのです。 そして、日本としてはこのUNTACを成功させたい。成功するにはどういうことが成功なのかといったら、総選挙ができてそして制憲議会が発足することが最終的な目標で、これができれば合格点、これができなければゼロ点ですよ。ですから、私はそれの邪魔になるような行動は一切慎むべきだと思っております。 勝手に申し上げて申しわけございません。 それで最後に、私は二つお願いしたいことがあるのです。 ソマリアがああいうことになりました。ガリ事務総長が「平和の課題」という題で出したリポートの中身が、実はそれが審議もされないうちに実行に移されつつあるわけですね。これは人道的救援だということなのですけれども、私はこのガリ事務総長のリポートについて一つ注文をつけたいのです。 それは軍備規制とか武器貿易制限とか、そういった内容のことについて安保理は六章でもって任務を負わされているのです。しかし、ここは全く行われていなくて、ガリ事務総長のこの「平和の課題」にも軍備規制と武器貿易の規制ということは何一つ載っていない。これは私、平和の課題として非常にバランスを欠いていると思う。私は全部が全部あれを悪いなんて思っているわけではございませんけれども、しかし日本としては去年の決議で通常兵器の登録制度を提案した立場をしっかりと、やっぱりこれだけ無視されるということは日本にとって困ることですから、それはお出しになって物言いをつけていただきたい。これが一つなのです。 それからもう一つはILO条約の問題です。 ILO条約は、私たちが女子差別撤廃条約を批准するときにこの外務委員会の決議として、条件として婦人に関係の深いというのがついているけれども、ILO条約をどんどん批准するということを決議して、当時の安倍外務大臣から非常にいいお答えをいただいているのです。ところが、その後さっぱりなのですね。私はこんなことでは、先進国並みの半分しかILO条約を批准していないという状態は非常に、日本が国際貢献だなんていう足元からアリだのウサギだのと言われるもとだと思うのですね。ですから、これはぜひ毎年出していただきたいし、それも二つ三つ出していただきたい。 今度の通常国会では、ILO条約の批准を求める案件というのはお出しになるつもりなのかどうか。今お願いしておかないとおくれてしまいますので、どなたか。条約局ですか。
○政府委員(澁谷治彦君) 第一の点でございますけれども、確かにガリ事務総長の報告の中では武器関連の項目は欠落しております。しかしながら、今後この報告書につきましては国連の場においていろいろ議論の場がございますので、私どもも武器の移動の透明性ということで提案をしておりますので、その観点から積極的に我が方の主張を行っていきたいと思っております。
○説明員(河合正男君) 久保田先生の第二の御質問でございますが、ILOの条約につきましては、先生御承知のとおり、ことしになりましてILOの百五十九号条約、つまり障害者の職業リハビリテーション及び雇用に関する条約を批准いたしたところでございます。 ILO条約につきましてはたくさんあるわけでございますが、批准後これを厳正に実施する必要がございますので、批准に当たりまして国内法上必要となる措置について慎重に検討を行ってきております。そこで問題がないという結論が得られる条約につきましてできるだけ早くこれを批准してまいりたいということで、現在も手続を進めているところでございます。 次期通常国会につきましてそういうことで可能なものがありますかどうか、ほかの条約案件との関係も考えまして検討を続けてまいりたいというふうに考えております。
○久保田真苗君 ぜひお願いいたします。大臣、どうぞよろしく。 終わります。
○谷本巍君 新ラウンドの農業交渉について若干お尋ねいたしたいと思います。 十二月四日にガット本部で主要二十カ国による農業非公式会合が開かれ、農業交渉がスタートされました。そこでは日本政府は、例外なき関税化について話し合わねば前に進めることはできない、つまり例外なき関税化修正協議が交渉を進める前提との考えを示したと伝えられております。また、ほかの国からも、例外なき関税化についての例外の設定、それから実施時期の順延、そして修正などを求める意見があったと新聞は報道しております。 現段階の交渉の概況とその見通しについて簡潔に承りたいと思います。
○政府委員(小倉和夫君) 実は先生も御承知のとおり、アメリカとECの交渉が一つの節目を迎えまして、かなりの点いろいろな点で合意ができたということを踏まえまして、二十六日、ジュネーブで貿易交渉委員会というものが開かれまして、これからの多数国間での交渉の状況をどうするか、交渉のやり方をどうするかということが相談されているわけでございます。 ただ、現在のところ、実は非公式会議ということが何回か積み重ねられております。その意味は、交渉のやり方についてこれからどうするかということについて、主として議長、先生も御承知の第一トラック、第二トラック、第三トラック、第四トラックとございますが、第四トラックは別といたしまして、いわゆる第一―第三トラックの議長が中心となりまして交渉の進め方をどうするかということが先週いっぱい議論されてきておりまして、今週から本格的な交渉をサービス、市場アクセスなどについてやろうじゃないかというところに来ておりまして、まだそういった本格的交渉は今のところスタートしていない、こういう状況でございます。
○谷本巍君 そこで伺いたいのは、今、小倉局長は、節目となったアメリカとECの合意ということでありますが、そのアメリカとECの合意をどう見るかということについて初めに伺いたいと思います。 まず輸出補助金問題であります。 ドンケル合意案では、財政で三六%削減、数量で二四%削減ということになっておりました。これに対してアメリカとECの合意は、数量削減で二一%という結論になりました。八割は残すということでありますから、事実上のこれは存続ということになるわけであります。 御存じのように、新ラウンドが始まりました最大の要因は何であったか、これは言うまでもありません。不公正貿易の典型である輸出補助金問題、これが最大の問題であった。ところが、アメリカとECとの話し合いで決めたものは事実上それを存続していくということでありますから、何のためのガット協議がということにもなってくるわけであります。 例えば日本の米作農家でいいますと、減反を強いられるという状況の中で輸出補助金つきのダンピングのものと競争させられるというのは、これまた不公正の典型なのではないのかというふうに思うのですが、いかがでしょう。
○政府委員(小倉和夫君) 先生おっしゃいますように、今回のガットのウルグアイ・ラウンド交渉の特に農業分野での一つの大きな契機となったのが輸出補助金を通じる農業貿易の歪曲であった、これを直さなければいけないということが一つの大きな動機であったことはそのとおりだと思います。したがいまして、今回の交渉を通じてやはりそういった点についても厳しい規律というものが出てくるのは、当然の一つのそういう流れから申しますれば望ましい状況であろうかと思います。 ただ、先生も御案内のとおり、実は今回のウルグアイ・ラウンド交渉の一つの大きな特徴は、今までほとんど手がつけられていなかった分野、すなわちサービスそれから農業に何とかして新しい一つの規律、規制、これを持ち込もうということでございますので、そこはおのずから全く新しい、農業は全く新しいとは申せませんけれども、従来工業分野に比べますといろいろな意味で自由貿易の精神と申しますか、そういうものがなかなか貫徹されてこなかった分野である。 その分野に戦後の交渉としましてはほとんど初めて大幅な一つのルールを持ち込もうとしたものでありますだけに、やはりこれはそういったルールを持ち込む際にいきなりあしたからということではなくて、どういうふうにそれをやっていくかということが非常に大きな問題で、おっしゃいますように、一気になかなかいかない面もあろうかと思いますけれども、それを時間をかけながらも一つの正しい方向性だけは立派に打ち出していく、この方向性をきちっと打ち出していくということが今回のウルグアイ・ラウンドの一つの大きな目的なのではないか、こういうふうに考えております。
○谷本巍君 私が伺っているのは、アメリカとECが事実上輸出補助金を残していくという方向について外務省はどう考えているのかということです。
○政府委員(小倉和夫君) これは御案内のとおり、ガットの現在の規定では、工業品については原則として輸出補助金は認められない。しかし、現在の規定でも農業につきましては輸出補助金を認めているわけでございまして、ガット上合法でございます。 もちろんそれにはいろいろ過去のシェアをどうするとか一定の約束はございますけれども、補助金そのものは農産物については許されておりますので、そういう現在のガットの規定を前提といたしますと、農業についての輸出補助金を一切あしたからゼロにすべきである、これは工業品と同じようにいけないものであるというふうに決めてしまうということについては、現在のカットの規則から見ますといきなりそこまですぐ持っていくのはちょっと無理があるのではないか、そういう感じでございます。
○谷本巍君 輸入国に対しては例外なき関税化ですね。それがセットになっているわけですよ。不公正とは思いませんか。
○政府委員(小倉和夫君) それは、輸出補助金につきましては、先生がおっしゃいますように、輸入国の義務と輸出国の義務、それから国内支持の問題、これはバランスがとれた形で交渉の中で解決されなければならないという御趣旨であれば、そのとおりだと思います。したがって、その点は随分我々も主張しておりますけれども。
○谷本巍君 そこで、アメリカとECの合意をどう見るかということについて、続いて大臣に伺いたいのです。 輸出補助金の問題は今申し上げたとおりでありますけれども、もう一つは油糧種子の問題です。 アメリカはこれまでECに対して生産数量の削減を迫ってきました。これに対してECは面積削減を主張してきた。そこで、アメリカは報復措置で譲歩を迫ったが、結果は何のことはない、生産面積一〇%削減で妥結ということになったわけですね。これはだれが見ても奇妙な話ですよ。ガットでもアメリカは勝っているのですから、どうしてアメリカが譲歩したのか。 例えばけさの日本農業新聞によりますと、そこには日本の牛肉市場問題があったという。というのは、アメリカとECとの間には秘密協定があって、ECは日本を含む極東地域への牛肉輸出に補助金は使わぬということにしていたというのですね。そこでECは、米国が譲歩しないと秘密協定は破棄するということ。それで結局先ほど言ったような結論になったというのです。その意味するものは何なのか。これは明らかに市場の分割の談合というふうに断じてよかろうと思うのです。 それからもう一つ、所得補償の問題についても同じようなことが言えます。ドンケル案と合意案とは異なる結論になっておるわけです。その裏にあったものは何なのか。アメリカの不足払い制度は輸出補助金で三六%削減すべしとの批判をECはやめて、削減率の低い国内支持政策として扱うことを認めたというのです。 アメリカの不足払い制度というのは、安い国際価格で輸出しても生産者の所得は補償されます。ですから、これは実質的には輸出補助金だと言われてきたわけです。それを両国の話し合いで残すことにしたわけですね。輸出補助金は事実上八割残す、それに類する米国の不足払い制度も残していくという合意がなされておるわけでありますしてみますというと、アメリカ、ECの合意というのは世界市場をアメリカとECでの分割に向けた談合ということではなかったのかという疑いが出てまいります。 明らかに新しい貿易を確立するという目的に沿ったものとはこの合意は違うということになるわけでありまして、その点を大臣はどう見ておるか。また、今後の交渉の中でそうした点について大臣がどう臨んでいくか。ともかくもアメリカとECの合意を前提にした米市場開放に踏み切るということになれば、これは著しい不公正ということになってくるわけですから、大臣の所見を承りたいわけです。
○国務大臣(渡辺美智雄君) アメリカとECの妥結の中身はある程度わかっておるわけですが、いずれにいたしましても、これは全体のバランスの問題でございますので、日本の場合もただやぶから棒に完全自由化を要求しているわけではございませんし、どこの国でも農産物の保護というのは形を変えて何らかの形でやっておるわけですから、どういうふうなことでやることが一番いいのかをこれから我々の基本的な立場を踏まえながらさらに交渉していく、こういうことですね。相手のあることですから。
○谷本巍君 ですから、私が伺っていますのは、公正な結論ということにしていくのかどうなのか、そこですよ、問題は。繰り返し申し上げてきていますように、アメリカとECとの合意案というのは多くの問題を含んでいるということを私は指摘しているわけですから。どうなのですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 公正公平というような判断は何でするかということですが、当然に我々は公正な合意案をつくるようにしなきゃならぬ、そう思っております。
○谷本巍君 それで、ECとアメリカとの合意案にはこういう問題があるということを指摘したわけですけれども、大臣の見解はどうですか。
○政府委員(小倉和夫君) ちょっと先生のお許しを得まして、事実関係も絡んでおりますので、牛肉の問題とそれから所得補償の問題につきましてお答えさせていただきたいと思います。 今、先生の御指摘のECとアメリカが極東向けの牛肉輸出について何か密約をしたのではないかというようなこと、情報があることは事実でございます。我々はこれを確かめなければいかぬと思っておりますし、交渉の場でいろいろ問題提起したいとは思っております。 ただ、現在のいわゆるダンケル提案と言われております最終合意案を見ますと、輸出補助金を従来与えていなかった市場、新市場、新しい市場とそれを呼んでおりまして、それには輸出補助金を付与しないという約束をすることは輸出補助金の拡大を防ぐ観点からいいことではないかというような趣旨のことが盛り込まれておりますので、仮にECが従来極東向けには輸出補助金をつけていなかった、ECにとりましては極東は一つの新市場である、したがってそこに新たに輸出補助金を出すのはやめようということであれば、ダンケル提案の趣旨に沿ったという面もあるわけでございます。 ただ、これは輸入国の合意と申しますか、了承なしに勝手にそういうことをやられるのもまた問題でございますから、そういう意味におきましては、この問題は輸入国も含めて当然話し合われるべき性質のものではあると思いますけれども、精神論から言えば、このこと自体が悪いことであるということは必ずしもダンケル・テキストに照らした場合は言えないのではないかという気がいたします。 それから所得補償の問題につきましては、これは先生おっしゃいますように、いろいろ問題があるのは事実だと思います。アメリカ、ECともに合意内容がどういうものであるか、今、私どもはガットの場で詳細に説明するように言っておりまして、恐らく今週そういう説明が正式に行われると思いますが、その場合、ただECとアメリカの合意はECとアメリカの合意でございまして、これはガットの現在のダンケル提案なりガットの今の進んでおります交渉の中でそういうものがほかの国によって認められるかどうかということはまたおのずから別の問題でございます。 そういう中で、所得補償、ECのやり方あるいはアメリカのやっておりまするいわゆる不足払い制度、こういったもの、特にそれがECとアメリカの合意の結果どういうことになるのかということはよく事実をまず確かめまして、その上で現在の交渉のやり方の上で問題があるのであれば、それはやはり第三国として指摘すべきものは指摘していかなければいけないのではないか、こういう立場ではないかと思います。
○谷本巍君 ガット協議を輸出国、輸入国にとって対等平等で公正なものにしていくために日本政府としてどんな主張を今後展開していくかということについて、要望も含めて三点ほど大臣の見解を承りたいと思います。 まず初めに伺いたいと思いますのは、米の自由化反対の国会決議と自治体決議をどう受けとめているかということであります。 御存知のように、衆参両院では三回にわたって決議をしております。本院における農林水産委員会では五回にわたって決議を行っております。過去にこんな事例は恐らくないのではないかと思われます。一方、都道府県、市町村議会など自治体決議で見てみますというと、実に九四%自治体の数で決議をしております。これは大都市、それからまた特別区や市なども含めた数字であります。 この種の決議というのは、法律や条例というのは多数決で決めるわけでありますけれども、決議というのは全会一致で決められておるものであります。それだけに国民の意思を反映しているという点については極めて重たいものだというふうに私は受けとめておるのでありますが、大臣はどう」受けとめておられるのでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 決議は法律でも憲法でもありません。しかしながら、決議はそれだけの非常に皆さんが関心を持ち大きな重みのあるものであるということはよく認識をしております。
○谷本巍君 国会決議とかあるいは自治体決議というのは、主として国内事情、地域事情を中心にしたものであります。ところが、その後ウルグアイ・ラウンドが始まって以来、とりわけ最近のことでありますが、国際的世論の動向も大きく変わってきております。 その点について大臣がどう受けとめているかについて伺いたいのでありますが、まず消費者の側で言いますと、例えば三年ごとに開かれる世界消費者大会、昨年七月に開かれておりますが、これまでは農産物の自由化は、安価な食糧を手に入れるということと選択の幅を拡大するという意味で消費者の利益になると言ってまいりました。ところが去年の大会は、農産物の自由化というのは輸出国、輸入国、発展途上国のそれぞれの消費者にとって利益にならないという大会決議を行っております。その主たる理由は二つほどありまして、一つは食糧安保、それからもう一つの問題は、貿易の自由化というのは農業の企業的再編成を促す、これが環境破壊につながっていく、つまり環境問題からそうした考え方が示されておるということであります。 それからまた、生産農家の側で言いますと、ごく最近の事例を引くならば、先週フランスで世界各国の代表参加も得て八万人による世界農民大会が開かれました。ここで強調されたことは、アメリカ、EC合意の線でまとめられれば世界の家族農業は崩壊するということであります。これは欧州だけではなくてアジアを含めた農業団体の共通認識だとされております。消費者運動もそれから生産農家の側も言っていることの持つ客観的意味は、環境破壊型企業農業への貿易体制ではなくて、環境保全にかなう家族農業の存立を前提とした貿易体制にすべきだという考え方であります。 大臣も御存知のように、時間がありませんから中身は申し上げませんが、例えばOECDの論調もかなり変わってまいりました。ことしの六月に開かれた地球環境サミットのNGOの集まりでは、食糧安保は基本的権利だといい、そして農産物貿易については経済よりも環境を優先すべきだという考え方を示しております。十一月二十三日からブラジリアで列国議会同盟の環境と開発に関する会議が開かれました。私もそれに参加をいたしました。ここでも大体同じような合意が得られておるということであります。そうであってみるならば、国会決議の持つ国際的意義というのは客観的にも大きな裏づけを得た、そういう時代になっておるということなのではないでしょうか。 そこで、大臣に伺いたいのは、米市場開放拒否の持つ国際的意義を明確にしながら、これまでのような待ちの姿勢ではなくて、お家の事情としてではなくて、輸入国の結束を固めながら世界の日本としての指導力、これを発揮するようにすべきではないのかと思うのだが、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 議論というのは白でなければ黒、黒でなければ白というわけにはなかなかいかないのでして、本当に今言ったようなことが世界的に認知されておるならば、ウルグアイ・ラウンドでそんな貿易の自由化を進めるなどということはやめたらいいという話になってしまうかもしれません。 しかし、大勢はそうじゃない。やはり物は程度問題であって、自由化を大いに進めましょう、しかし農産物については今言ったようにそれぞれ国内の事情もあるし、環境保全の問題もあるし、食糧安保の問題もある。それはどこの国でも認めているのですね。したがって、それはもう壊滅的な打撃を与えた方がいいなんてだれも言っていないのですよ、実際は。やはりそれぞれの国がある程度の保護措置をとることはやむを得ないでしょう、だけど、それは余り極端じゃいけませんよと。だから、ある程度の自給といいますか、必要最小限度のものは確保できるようにしながら、その一方では他国のものは一トンも入れません、一トンでも入れればそれは食糧安保に反しますと、そうも言えないのですわ。そこは相身互いのところもありますから。 だから、私はそういうふうな考えはありますが、全体としてやはりなるべく国際的に自由貿易を中心として広げていこうという大きな流れの中で、農産物についてもある一正の自国を脅かさない程度のものについては協力をしていこうじゃないかという流れじゃないですか。
○谷本巍君 私が申し上げていますのは、国会決議の正当性というのは国際世論の面でも裏づけられるような状況が出てきている、したがってそういう点をきちっと踏まえて米の市場開放問題については当たってほしいということを申し上げているのです。大臣いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 国際決議は国際決議で、それぞれの状況に応じまして国民の考え方を吸い上げて決議されてきたものと私は思っております。 したがって、国際的に今言ったような消費者大会がこういうことを言ったから日本の国会決議がそのために正当であったとかどうとかということには結びつきませんが、しかし今言ったように、やはり食糧安保だとか環境保全だとかこういうようなものがある程度国際的にも認められるようになってきたという点で、その点は国会決議と大体似通っている点が出てきたなということじゃないですか。
○谷本巍君 ということでやっていくということですね。 続いてまた、日本政府の主張を展開していく上でもう一つ重視すべき状況変化について大臣の所見を承りたいと思います。 その前に農林水産省に伺いたいのでありますが、基本食糧である穀物についての世界の需給動向、これをどう見ておられるか、時間がありませんので申しわけありませんが、簡潔にひとつおっしゃっていただきたいと思います。
○政府委員(日出英輔君) 手短に申し上げますれば、八六年当時は穀物の在庫は大変多かったということで、二八、九%というかなり記録的な多さでございましたが、その後、穀物の期末在庫率はどんどん下がってまいりまして今は一八%台ということで、全体的にいいますとかなり引き締まり状況になっているというのが特徴的かと思います。
○谷本巍君 中長期的にはどうですか。
○政府委員(日出英輔君) 中長期的には、先般私どもが六月に「新しい食料・農業・農村政策の方向」を打ち出しますときに、世界食糧需給モデルによりまして二〇〇〇年の世界の食糧需給の予測をいたしたわけでございます。 この予測は二つの方法で成り立っておりまして、通常従来型の単収の伸び等が趨勢値で決まっていくような一つの現状推移のシナリオと、もう一つは環境問題その他で単収の伸びなんかが期待できないということで生産制約的なシナリオと、二つ用意したわけでございます。 本音は後者の方にあるのではないかと思っておりますが、この二つの結果を見てみますと、現状推移シナリオではおおむね現状どおりで需給が均衡していくということでございますが、生産制約シナリオになりますと、生産が伸び悩む、価格が大体二倍程度に上昇するという形でかなり逼迫基調がきつくなるのではないか、そういうような認識で、先般の「新しい食料・農業・農村政策」のペーパーでは世界的に逼迫基調で推移するであろう、こういうふうに考えた次第でございます。
○谷本巍君 大臣、お聞きのとおりであります。 新ラウンドで農業問題が大きな課題になった重要な背景の一つにあったものは、輸出国の生産過剰ということでありました。生産が過剰であるから、したがって輸出補助金によるダンピングが行われる。そういう状況であるからまたそれが過剰を加速化させる。したがって、輸出補助金を削減または全廃しなきゃならぬという議論が出てきた。さらにまた、過剰であるからということで輸出国のみか輸入国に対しても支持価格を削減しなきゃならぬというような話になってきたわけです。そして、例外なき関税化でもって効率の悪いものを淘汰し合理化していくという状況の中で過剰問題も解決できるのではないのかといったような視点があったということであります。 そこで、大臣にまず一つ伺っておきたいのは、新ラウンドがスタートしたときとその意味では状況が一変してしまったということであります。ということは、本来なら見直し仕切り直しをされるべき状況になってきているのではないのかということが一つであります。 それからもう一つ大臣に申し上げたいのは、東西対立の時代は終わりまして、環境と食糧問題、これの解決に向けて北と南がどう協力をしながら解決していくかという時代になってまいりました。そういう立場で自由貿易というものを見てみますと、自由貿易が何を生んだかということが指摘されなければならぬように思います。 自由貿易したがって輸出競争という状況の中で、輸出国は薬物づけの農業生産を営む。つまり土と環境に無理な負担をかけて生産の過剰を生み出してきた。輸入国の農業もそれに対応してコストを引き下げるために同じようなことをやってきた。一方、発展途上国はどうか。発展途上国はかつては食糧には事は欠かなかった。ところが、慢性的不足状況になってしまったのはなぜなのか。結局、競争のために土地条件のよいところで輸出換金作物をつくる。そして、基本食糧は土地条件の悪い限界生産地に追いやられるというようなものができ上がってきたからであります。 自由貿易というのは結局そういうものを固めるということにしかなっていかないのではないのかということを考えてみますと、国会決議の持つ意義というのはそうした状況からも見直され、私は高い評価が与えられていいと思うのです。自由貿易の恩恵を日本は受けてきた、したがってその恩返しを米の市場開放でという考え方が一部ありますが、そういうふうな考え方というのはこれはお門違いと言わなければなりません。 時間もありませんので、大臣の所見を承りたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 御趣旨、おっしゃることはよくわかっております。したがいまして、今後ともそういうようなことも念頭に結論を出していきたいと思います。
○谷本巍君 最後に、日本だけが米の市場開放問題等で一方的譲歩を迫られた場合、そういう場合に大臣として強い決意で臨んでいくのかどうなのか、そこの考え方をお聞かせいただけませんか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは交渉事でございますから、強い決意でもちろん臨むのですが、どういうように臨んでいくのか臨み方にもよるだろうと。世界じゅう相手にけんかもできませんし、みんながある程度納得するようなことでまとめるように固い決意でやっていくよりほか方法はないのじゃないか、そう思っております。
○谷本巍君 あくまでも国会決議の趣旨を体してやっていかれますか。そこを伺いたい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは国内にあっては国会決議があるわけですから、だからそれを軽視するようなことはありません。
○谷本巍君 軽視するというのじゃなくて、これは重視しながらやっていかなきゃならないのじゃないですか。どうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは同じことで、重視してやってまいります。
○谷本巍君 最後にもう一つ伺いたいのは、米と牛肉は違うということです。といいますのは、米の場合については、仮に米の市場開放を受け入れたと仮定するならの話でありますけれども、これは食管法改正が必要であります。つまり米の場合は牛肉と違って事実上の国会批准と同じょうなものが伴っているというのが特徴であります。 したがいまして、ウルグアイ・ラウンドの農業問題の交渉に当たっては与党のみか野党との協議もあって私は当然だろうと思うのです。その点、大臣、交渉を進める際に野党などとも協議をしていかれるのかどうなのか、その辺の考え方を聞かせていただきたい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはどういうふうに交渉がまとまるかにもよりますが、当然私は協議していかなければうまいぐあいにはいかぬのじゃないかと思っております。
○谷本巍君 終わります。
○委員長(野沢太三君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(野沢太三君) 速記を起こしてください。
○堂本暁子君 それでは質問させていただきます。 今、この上の階での商工委員会の環境と厚生の連合審査でバーゼル条約に関連した国内法の審査をして、大急ぎでおりてきたところでございます。今度は条約の方のことでまたいろいろ確かめさせていただきたいと思います。 お手元に「台湾に輸出された有価商品の不法処理現場」という写真をお配りしてございますけれども、これは高雄市の廃棄物輸入管理地というところです。 上の写真は、有価物として台湾の方からすれば輸入された例えば日本の自動販売機、電子レンジ、テレビなど、もう日本商品の山、山、山でございます。これはこの上の写真だけで一つの業者だそうです。こういった業者が大体百五十社ぐらいある。ということはどれほど多くのごみがアジア、特に台湾に輸出されているかということを知ったわけですが、アメリカとそれから日本がここには輸出しているということです。確かに金属をとるのですけれども、回収率はわずか一%、残り九九%は下にごらんになりますように不法に処理されて、そのまま有害な廃棄物が野積みされている残骸がたくさんあります。今のところ三十万トンという大変な量です。 二枚目は、これは相手の輸入台帳です。そこにローマ字で名古屋とか神戸、横浜、それから大阪といったようなどこの港から出荷したかということが書いてあります。 ごみの山の中へ行きますと、ごらんのようにさまざまな日本のメーカーの名前、クーラー、パソコン、冷蔵庫、ステレオといった日本商品が所狭しと実は置いてございます。 四枚目になりますが、これは不法に燃やされている不法焼却の現場ですけれども、ダイオキシンが発生して、近くの小学校の子どもたちは通学するにもマスクをつけ、それから教室でも本当に大気の汚染の中で授業を受けるという状況にございます。そして、川や海では魚が浮いている。こういう状況は、言ってみれば水質がどれだけ汚染されているかということをこの魚の絵からごらんいただくことができると思います。 こういった状況、台湾なのですけれども、台湾は余りにごみの公害が大きくて、もう来年の一月から輸入を禁止するそうです。そこで気になりますのは、業者が今度は日本からの廃棄物をマレーシアですとかフィリピンですとかタイですとかベトナムですとか、そういった国に工場を建ててまたやるということを発言しているということなのです。 大臣にこれをごらんいただいて、予算委員会の場でも宮澤総理と、日本がもし環境の分野で世界のイニシアチブをとるのならばというお話をいたしましたし、恐らく日本外交の柱の一つは環境だと思うのですけれども、そういった中で、今度はごみ公害の輸出という形で日本がアジアの中で問題になっては大変なことだと思います。そのためにこそバーゼル条約を批准し、そして新法をつくるのだと思いますけれども。 最初に確認させていただきたいことは、例えばここも相当管理地区の外にまでゴミがはみ出しているのですね。もう大変不法に燃焼させている。これから新法が施行され条約が批准されたら、こういうことはなくなるかもしれません。しかし、その輸出業者とか発生者を捜すことは大変に難しい。そういたしますと、このバーゼル条約では最終的には国がそれを引き取る、逆輸入するというようなことになっております。そういったところまで今後日本はやっていかなければいけないと思うのです。 まず大臣に、近いところでいいますとやはりアジアの国々、韓国とかシンガポールとかというところですけれども、そういったところにゴミ輸出をしない、そういう外交の基本姿勢をぜひ伺いたい。御決意のほどを伺いたい。 それから万一こういったことになった場合、今後は国としてどこまで責任を持つのか、そのこともあわせて伺いたいと思います。
○説明員(河合正男君) まず事実関係のところだけ御説明させていただきます。 今、堂本先生も新法それからこの条約が批准されればこういうことはなくなるかもしれないというふうにおっしゃられましたが、まさに条約が実施されれば不法取引は厳格に規制される。つまり今は廃棄物の輸出に当たりまして何らの相手国との手続も要請されていないわけですが、これも事前にしっかりとした同意を取りつける。また、輸出国側も環境上適正な方法でもって廃棄物が処理されるということを確認した契約書がなければ輸出を認めない。また、不法取引が起こった場合にはこれを処罰するというふうな規定になっておりまして、先生も今、連合審査で御審議いただいたと思いますが、これらの手続は新法の中で確保されているわけでございます。 この新法と条約の実施において今御懸念が示されたような問題は厳しく防止されていくというふうに考えておりますし、そのような厳格な措置をとってまいりたいと考えております。
○堂本暁子君 具体的にそれでは伺います。 バーゼル条約九条の二項「有害廃棄物又は」というふうになっているところの(a)のところですが、「輸出者若しくは発生者若しくは必要な場合には輸出国」というふうに書いています。ここのところで、もしこういう状況になった場合、台湾の環境庁は日本は一体知っているのだろうか、そう言っているそうです。そういった形で相手国から実際に日本からの非常に不法投棄があるということが言われた場合、九条の2の(a)、そこで言うところの「輸出国」、国として責任を持ってこれは引き揚げてくる、再輸入するということをしてくださるわけでしょうか。
○説明員(河合正男君) お答えいたします。 新法の方でも議論があったかと思いますが、新しく今制定が期待されております新法におきまして輸出者または発生者の責任ということが明確にされております。その責任が全うされない、または不法な取引が行われた場合には、輸出者、発生者に引き取りの措置を強制的にとらせるということになっておりますので、まずこの新法が実施されれば不法な取引というものは極めて発生しにくくなるというふうに考えておりますが、それにもかかわらず日本人による不法取引が行われた場合どうするかということにつきましては、今後さらに検討してまいりたいと考えております。
○堂本暁子君 今後検討ではなくて、この条約は批准するのですね。
○説明員(河合正男君) それは最終的には国が責任を持って処理をするということになりますが、検討と申し上げましたのは、具体的な実施ぶりについて政府としての規則を検討してまいりたいと考えております。
○堂本暁子君 条約を批准すると国としての責任も義務もあると思いますが、この条約を批准するということはここに書いてあることを実行するということだと思うのですね、釈迦に説法ですけれども。 はっきりずばり伺いたいのですが、今後検討などということではなくて、ここに書いてあることは批准をした場合には日本としてはきちんと政府としてやるのかどうかということでございます。
○説明員(河合正男君) 政府として実行するということでございます。
○堂本暁子君 その場合の予算措置とかそれから運用については、今後どのような形で検討をなさる予定ですか。
○説明員(河合正男君) そこは先ほど申し上げましたように、今後関係省の中で具体的に検討していく方針でございます。
○堂本暁子君 もう一つ押して伺いたいのですけれども、この写真をごらんになりましても、大変に広い範囲で、しかも川も空気も土も汚染されているのですね。今三十万トン野積みされています。こういった状況が今後起こらないことを望みますけれども、こういったごみだけを日本へ持ち帰った。その場合、下の土壌ですとかそういったところも非常に汚染されているというふうに思うのです。そういう汚染されたところを相手国が日本政府の責任を問うてきた場合にはどういうことになりますでしょうか。
○説明員(河合正男君) これはまず基本的には新法によりましてその責任者、つまり輸出者または発生者に責任をとらせる、強制的に措置をとらせるということになりますが、条約に基づきましてそれができないということになりましたら国としての措置をとる必要が起きてまいります。
○堂本暁子君 今おっしゃったのは、ここに書いてあります「引き取ること又は」ということですね。引き取るということまででしょうか。
○説明員(河合正男君) 有害な影響が出た場合というのが、輸出国、輸入国いずれにその責任があるのかということによってまいります。これは輸入国側の不法取引でもって起こる場合、それも条約に規定されております。輸出国の責任による場合には、九条の2に規定されているこの規定にのっとりまして輸出国側が措置をとるということになります。
○堂本暁子君 十一月三十日からウルグアイでバーゼル条約の締約国会議が開かれているそうでございますが、この会議には何カ国ぐらい出席し、そして議題はどういう内容だったのでしょうか。
○説明員(河合正男君) まず主な議題でございますが、条約で既に規定されているものを含め、まず条約国会議の手続規則、財政規則、三番目に賠償及び補償の問題、四番目に権限のある当局及び中央連絡先の指定、第五として情報の送付、第六、国際協力、第七、廃棄物の環境上適正な管理のためのガイドラインの作成、第八として訓練及び技術移転のためのセンターの設置、以上主な八点につきまして議論が行われました。 この第一回締約国会議には我が国も含む現在まで非締約国であるアメリカ、それからECのまだ非締約国もオブザーバーとして参加いたしました。もちろん既に締約している国の非常に多くが参加したというふうに聞いておりますが、正確に何カ国であったのかということはまだ最終文書が届いておりませんのでわかっておりませんが、相当数の国が非締約国も含めて参加いたしました。
○堂本暁子君 地球サミットのときもそうですけれども、大変先進国と途上国の対立が激しゅうございましたが、今回はどうだったのでしょうか。
○説明員(河合正男君) 今回はまだ相当結論が出ていないところがございますが、今後さらに規制を強化すべきかどうかということで、途上国の一部はもっと厳格にすべしという意見もあったようでございますが、結論に至ってはいないというふうにとりあえずの報告を受けております。具体的にどういう規制強化を図るかということについての結論は出ていないという報告を受けております。
○堂本暁子君 途上国は規制強化の要求をしたのですか。
○説明員(河合正男君) そういう意見が出たという報告を受けております。
○堂本暁子君 大臣、大変に厳しい状況だと思うのですね。今こういった大量消費国である日本がアジアにごみを出すということは大変大きな問題でございますし、それから途上国からはより厳しい要求が日本に突きつけられている。日本と申しますか、先進国と言った方がいいかもしれません。日本としては今後そういった強い要求に応じていく努力をしていけるのでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これからバーゼル条約を批准いたしまして、先ほどから事務当局が言っているように、野方図状態になっておった廃棄物の輸出等についてきちっと各省庁連絡の上で規制をしてそういう非難を受けないようにしていかなきゃならぬと、そう考えております。
○堂本暁子君 外務大臣よりも副総理に、もしかしたらこれは国の大変大きな政策として伺いたいのですが、前文に「これらの廃棄物によってもたらされる危険から人の健康及び環境を保護する最も効果的な方法は、これらの廃棄物の発生を量及び有害性の面から最小限度とすることであることに留意し」というふうにございます。要するにごみを出さなくする、そういったことなのですね。 今までの日本の政策というのは大変経済に大きなウエートを置いてきた。そういった経済のあり方から今度はやはり環境を保全するということ、そして外交面からもこのごみということは決して小さい問題ではない、大変大きい問題だと思うのです。そういった社会経済的なあり方、経済政策の大きな転換点に来ていると思いますが、大臣はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 一時は消費の美徳とか使い捨ての美徳とかいって、回収したりちょっと修理をしたりというようなことをやらないで何でもやたらに捨てるというのが高度成長経済の初めのころはあったですね。そういうことがいろいろな公害を起こしたり、今言ったような廃棄物までいろいろ人の健康を害するようなことになったりしてきているわけですから、そういう中にあって、やはり物を大事にするというだけでなくて、やたらに捨てない。利用できるものは再利用するとか、資源の保護にも役立ちますしごみも少なくて済むしということですから、私はただこういう条約をつくって輸出させないというふうな消極的なことだけでなくて、もっと一歩進めてごみを出さない運動といいますか、そういう方にも力を入れていく必要がある、そう考えております。
○堂本暁子君 ドイツと日本と比較して大変違いますことは、ドイツの場合は生産者、製造者責任で、つくったところにすべて戻っていくわけですね。ですから、車でももう組み立ての速さよりも今度はどう分解してまた再利用するかということまで工場でやる。ところが、日本の場合はそういったいわゆるつくった生産者に責任が及ばない。もっと本当にごみをリサイクルするのであれば、やはり生産者に責任を持たせるということがこれからは求められているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはいろいろ考え方の相違がありまして、私も製造者責任ということに今すぐに賛意を表するというところまでいっていないのです。もう少し勉強させてもらいたいと思います。
○堂本暁子君 外交面で、大変ごみが多く出るということは、生産、消費、廃棄という三つの問題でいいますとバーゼル条約は最後の部分ですけれども、やはりその前の生産と消費、そこのところでここに書いてありますように量と質で小さくしていく、最小限度にしていくということをやらないと日本はごみ排出国、ごみ公害国になってしまうのではないかという危惧を持ちます。 次に、これも大臣に伺いたいのですが、お読みにならなくて結構ですけれども、前文に世界自然憲章というのが書いてあるのですね。そして、自然憲章の精神、これは人間環境の保護とそれから自然環境の保全、これを倫理的な規範として採択した。そういった世界の自然憲章の精神を大事にするということが書いてございます。 ごみを出さないということは、何も私たち人間がこういった公害によって苦しむということだけを抑制するのではなくて地球上のあらゆる自然を大事にするということ、日本が率先してそういった理念で立ち向かっていくということが大事だと思うのですけれども、外務大臣はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 同感であります。
○堂本暁子君 ありがとうございます。 新法の方、こちらの方は生活環境という形で書いてあります。しかし、条約の方は環境という大変もっと大きい意味で書いてあると思いますので、ぜひ外務大臣に頑張っていただいて、そして日本の国だけではなくて、やはり世界の海とか川とかそういったところがいつも有機的に機能しているような方向に日本がイニシアチブをとれたらとてもいいなと思っておりますが、それをお願いしたいと思います。そのことが野生生物の保護とかそういったことにもつながってくると思っております。 次に伺いたいのは、これは河合参事官に伺った方がいいかと思いますけれども、二条の8「有害廃棄物又は他の廃棄物の環境上適正な処理」についてというところ、その中で有害廃棄物の「実行可能なあらゆる措置」というふうに書いてあるのですが、この「実行可能なあらゆる措置」とはどういうことでしょうか。
○説明員(河合正男君) 二条の8の環境上適正な処理を行うための「実行可能なあらゆる措置」につきましては、この条約の四条にございます技術上の指針に照らしまして判断されることになります。 それでは技術上の指針とは何かということになると思いますが、これにつきましては先週の第一回締約国会議におきまして、本条約の対象となります廃棄物全体についての一般的指針と、それから一部の廃棄物についての個別の指針が定められました。まだ個別の指針については残っておるわけでございますが、その分野につきましては引き続きアドホック委員会で検討を行いまして第二回締約国会議に上げるというふうになっております。
○堂本暁子君 問題は、日本は非常に技術を持っている、しかしアジアの国それからアフリカの国はもしかしたら日本よりも低いレベルの技術しかない、そういった場合にやはり問題になると思うのですね。そのような場合に、そういった国には日本からは輸出しないというようなことは考えておられますか。
○説明員(河合正男君) これはまず輸出を許可する際に相手国にそのような処理する能力があるということが締約上確認されるというのがこの条約上の要件になっておりますので、開発途上国においてそういう処理能力がないというふうな場合には日本としては輸出を許可しないということ、今度のこの条約に基づいてそういう措置がとられることになっております。
○堂本暁子君 環境庁に伺いたいのですけれども、いらっしゃいますか。お願いいたします。 環境庁はそういった確認をなさる役を負っておられるわけですけれども、環境庁として、ここの今の部分でございますけれども、どうしてもこの台湾の例から見ましてもやはり日本より技術もない、それから管理も悪い、そして大変行政的にもそういった能力がないというようなところにこれだけ膨大な量が出ていってしまう。ところが、今のところは日本よりもそういった意味で進んでいるという途上国は恐らくないと思うのですね、周りを見回したときに。そうなりますと、恐らく日本の国内で、条約の原則である国内で何とか処理をするという方針を強くしなければならないのではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○説明員(木下正明君) 先生のお話のとおり、私どもバーゼル条約を国内で担保するために現在国内法を御審議いただいているところでございます。その新法におきましては第四条におきまして、一定の申請のものにつきましては通産大臣からその写しをいただきまして、環境庁長官が環境保全上必要な措置が講じられているかどうかの確認をすることにいたしております。 そういう審査の中で基本的には国際的な技術的なガイドラインを参考にしながら審査を行いますが、途上国に行く場合におきましては、日本の国内規制を十分満足するレベルまで相手国において処分がなされることを確認した上で通産大臣の方へ御返事するということを考えておるところでございます。そういう形で途上国に対する公害の輸出といったことはある程度防げるというふうに考えているところでございます。 また、結果といたしまして国内において若干そういう外へ出られなくなったと。これは国内処分の原則ということもありますので、廃棄物につきまして処分先がなくなるということもあろうかと思いますが、この点につきましては厚生省の方か努力されているというふうに聞いているところでございます。 以上でございます。
○堂本暁子君 通産省もお越しいただいていると思いますが、先ほど商工委員会の連合審査の際に、有害なリサイクル物もこれは環境庁の方にそのリスト、申請書ですかを回してチェックするというお話でしたけれども、今どのぐらいまでお話がどういう形で進んでいるのか、御答弁ください。
○説明員(今井康夫君) 先生御指摘の国内法におきまして、四条の二項でございますけれども、一定の場合には環境庁に通産省より書類を提出して環境庁の確認を得となっておりますが、その場合には、先進国のように環境基準も非常に整っているところはともかくといたしまして、発展途上国のようなところを指定したい。それから先進国におきますリサイクル、こういう目的で輸出されるものについては対象から外すということを考えておりまして、これから環境庁と相談してまいるところでございます。今のところはそういう基本的な考え方についてすり合わせをしております。
○堂本暁子君 一つ心配なことがあるのですけれども、途上国の場合それだけの技術がなくても、先ほどもこちらは内政干渉になるから調べに行くこともできないというような御答弁もございましたけれども、そういった場合、外貨が欲しいとか少しでもそのことによって収入を得ようということで、環境と引きかえにと言ってはなんですが、日本で使ったもののツケを今度は外国でもってそれを引き受けてしまう。そういった事態に対してはどのように防止すると申しますか、そういう事態が起こらないようになさるおつもりですか。
○説明員(今井康夫君) 今、環境庁からもお話がありましたように、環境庁におきます確認に当たりましては発展途上国向けのリサイクル物もそれの対象になると考えておりますので、現地の処理体制、技術、それから日本国並みの基準で処理ができるかということについて環境庁の方で確認をいたしまして、それを受けて通産大臣の方で承認をいたすということになってございます。
○堂本暁子君 もう一つ今の心配と同じようなことで、これもそうですけれども、人里離れたところにごみを持っていく。今、処理場とおっしゃいましたけれども、単に谷ですとかそれから山奥とか、そういうところに投棄をするという可能性についてはどうでしょうか。
○説明員(今井康夫君) 通産大臣が承認をする場合、それから環境庁長官が確認する場合におきましては、運搬、処分、その具体的な方法につきまして十分にチェックをすることになっておりますので、場所とかどういう形でそれを処理をするのかということも含めまして審査の対象にして万遺漏なきを期したいと思っております。
○堂本暁子君 先ほど伺いました環境ということの意味で、世界自然憲章、その精神を持ったこれは条約であるということですから、そういったところで私が一番得意な分野なのですけれども、生物の多様性条約も日本はサインしておりますし、そういった中で多くの植物や動物、人が住んでいなくてもそこをきちんと守り抜くということはいかがでしょうか。
○説明員(木下正明君) 条約の方では「環境」という言葉を使ってございます。この概念は、水質、大気等の環境一般を指すものと思われますが、私ども御提案しております国内法におきましては、公害対策基本法の規定を参考にいたしまして「生活環境」という言葉を用いております。その趣旨は条約の「環境」と同じ意味と私ども認識しておりまして、特に用語の違いによりまして差が出てくるという認識は持っておりません。 なお、公害対策基本法の「生活環境」には「人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及び生育環境を含むもの」ということが規定されておりまして、基本的には条約でカバーしている範囲をカバーするということでございます。
○堂本暁子君 今伺ったのは、国内法のそういった基本理念もさることながら、むしろ現地で実際に自然を破壊してしまった場合、そういった破壊した自然に対しても責任を持つのか、それからそういうことが起こらないように予防をするのかという点の確認です。
○説明員(河合正男君) ただいま環境庁の方から説明がありましたような解釈、これは私どもそういう解釈をとっておるわけですが、この条約におきましては輸入国側の自然環境破壊というものもこの環境の定義に入ってまいりますので、その自然破壊も対象として条約上の措置がとられていくものでございます。
○堂本暁子君 やはり今回非常に不安になる理由の一つは、外為法という形で承認するということなのです。 外為法はあくまでも貿易の力学の分野ですし、そして今申し上げたような動物とか植物とか、それから海の中にいるそれこそ魚とか、もっと微生物とか、まさに有害な化学物質というのはそういった動植物それから人間の健康にも害を及ぼすわけです。そこをどんなに調査をする、調べるということがありましても外為法という形で、何かリサイクルに関しても今度はちゃんと調べます、確認しますというふうにおっしゃっているのですけれども、そういった輸出入といった力関係の中でどんどんこういったものが出て、日本で要らなくなったものが外国へ出てって投棄されて、そこで環境破壊を起こす。そのことの一つの歯どめになるのかならないのか。 日本だけですよ、環境庁じゃなくて通産省がハンドルする国は。そこでどんなにそういうことをいたしますということをおっしゃっても、やはり大変手続上も複雑な廃掃法があり新法があり、そしてその中で一部を環境庁に持っていく。一体その手続上どういうところでどうやってだれが責任を持ってこれを運用するのか、非常に不安に思います。 ですから、実際にこの法律ができたがゆえにどんどん輸出入が起こるというような逆の現象が起こらないことを願うわけですけれども、少なくともそういうことが起こらないように環境的な視点からこの条約をきちっと日本で施行し、そして国内法をやっていけるのかどうか、それがきちんと担保されているのか、その辺を最後に河合さんに伺いたいと思うのです。
○説明員(河合正男君) この条約の実施につきましては、新しい法律と既存の廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部改正ということで実施することになっておりますが、まず新しい特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律につきましては、先生その合同審査の方で御審議されたとおり、輸出入に関する諸手続の実施、それから移動書類をつけなければならない等の義務づけまたは措置命令を明確にしております。それからこの法律の実施により条約上の義務であります環境上適正な方法での有害廃棄物の輸出入、運搬、処理が明確に確保されていくものと考えております。 もう一つの法律でございます廃棄物の処理及び清掃に関する法律の改正によりまして、廃棄物の輸入については厚生大臣の許可を要する、それから輸出についても厚生大臣の確認を受けなければならないというふうな規定になっておりまして、この条約の趣旨を十分踏まえた内容になっていると思います。先生が御懸念されたような問題が起こらないように、この条約が新しい国内法に基づいて実施されていくものと考えております。
○堂本暁子君 では大臣、法律はそのようにつくってあるというふうに参事官はおっしゃいますけれども、よくよく読んでみるといろいろと網の目のように抜けるところがあるのではないか、はざまがあるのではないかという気がしないでもありません。 副総理のお立場から、やはりアジアに今度はごみ公害輸出国と言われないというだけの、大所高所からの外交政策として決してごみという小さい問題ではない、非常に大きな問題なのだということで、その辺の御決意を伺いたいのですが。
○国務大臣(渡辺美智雄君) まさにそのとおりでございまして、我々この条約の精神に沿って今後とも努めてまいりたいと存じます。
○堂本暁子君 どうもありがとうございました。
○荒木清寛君 議題となっておりますバーゼル条約につきましては、開発途上国への公害輸出を規制し地球環境の保護を進めるという趣旨でございまして、賛成であります。むしろ我が国の条約の締結が遅きに失したという感が否めないわけでありますけれども、締約する以上は我が国が地球環境の保全に積極的な姿勢でいるということを示していく必要があると思います。 そこで、大臣にひとつ決意をお聞きしたいのですが、この条約の運用には、国際的な窓口となる外務省は当然でございますけれども、関連の国内法規を所管している通産省、環境庁、厚生省との緊密な連携関係が必要であると思われます。今回は通産省または環境庁との間の調整がおくれて締約がおくれた、そういう指摘もなされているわけであります。この条約を実効的に実施をするために政府が一体となって取り組む必要があると思いますけれども、その点につきまして副総理でもある大臣のお考え、決意をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) まさに御指摘のとおりでございまして、各通産省にしても厚生省にしても現場を持っておりますから、そう口で言うように実態が動かないということもございましょう。そういうようなことで非常に困難もございますが、いずれにしても、この条約の趣旨をよく徹底させた上で国内法の整備を行い、我々内閣を挙げて一体となって、業界も含めて、今後とも条約の実施について遺憾のないようにしてまいりたいと考えます。
○荒木清寛君 次に、条約の個別的な問題に入りたいと思いますけれども、第一条で規定しております「有害廃棄物」あるいは「他の廃棄物」、これに該当する廃棄物が現時点において年間どの程度輸出あるいは輸入されているか、そういうことがわかれば教えていただきたいと思います。
○説明員(河合正男君) 有害廃棄物のこの条約で対象になる品目は附属書1で四十五品目あるわけですが、この四十五品目についてすべてどのくらいの輸出入があるかという正確な統計はまだ出ておりません。今、通産省の方で鋭意取りまとめている最中でございます。個別の主な品目の輸出トン数については出ておりますが、全体として幾らかという数字は今のところ出ておりません。
○荒木清寛君 恐らく輸出につきましては相当量が動いているのではないかというふうに思います。 先ほど堂本委員からも御指摘ありましたけれども、そういった有害廃棄物の不法取引を厳しく禁止していくということが大事になってくると思いますが、こうした有害廃棄物を不法取引させないための調査あるいは監視体制についてはどのように整備をしていくおつもりなのか、お聞きをしたいと思います。
○説明員(河合正男君) この条約の国内的な実施につきましては、新しい法律を現在参議院で御審議いただいておりますが、この新法の中で不法取引の防止また監視が実施されてまいります。もしそのような不法取引が起こった場合には処罰するという厳格な規定も新法により実施されてまいります。
○荒木清寛君 厳しく監視、調査の方をお願いしたいと思います。 先ほど話がありました締約国の第一回会合が先般開かれたというふうに聞きました。その折にこの条約の第十五条に言います「海洋環境の保護及び保全に関する責任を果たす上で役立つ必要な追加的措置を検討する」ということが議題になっているはずなのですが、この点につきましてどのような話し合いが行われたか、お聞きしたいと思います。
○説明員(河合正男君) この点について、海洋投棄の規制につきましては、先週の第一回締約国会議におきましていわゆるロンドン条約との関連で、技術指針をさらに発展させていく際にはロンドン条約の技術指針を十分考慮するよう要請するという決議が採択されました。 また、有害廃棄物の海上輸送に関する既存の規則の再検討につきましては、関係国際機関、例えば国際海事機関等との協力を推進するということと、この国際海事機関等関連国際機関に対しまして、本条約の第六条等に定める通告、移動書類等に十分に考慮を払うよう要請するという内容の決議が採択されたという報告を受けております。
○荒木清寛君 その廃棄物の海洋投棄に関するいわゆるロンドン条約には、日本は加盟しておりますでしょうか。
○説明員(河合正男君) 日本は加盟しております。
○荒木清寛君 九〇年に行われましたロンドン条約の締約国会議におきまして、一九九六年からは産業廃棄物の海洋投棄を原則的に禁止する、そういう合意がなされたと聞いておりますが、その点間違いございませんでしょうか。
○説明員(河合正男君) 間違いございません。
○荒木清寛君 現在、我が国の産業廃棄物の海洋投棄は一九九〇年の調査では年間四百三十八万トンで世界一である、そういう調査もなされているようですけれども、我が国として廃棄物の海洋投棄の禁止に向けてどのような対応をしているのか、お聞きをしたいと思います。
○説明員(河合正男君) 先ほど先生御指摘の決議には日本政府も賛同しておりまして、したがいまして現在環境庁を中心といたしまして関係省庁連絡会議を設置いたしております。そこで産業廃棄物の海洋投棄の現状把握をまず行いますとともに、海洋投棄削減の方途について鋭意検討を行っているところでございます。
○荒木清寛君 そうしますと、今の体制で一九九六年における産業廃棄物の海洋投棄の原則禁止、こういった約束を日本も遵守できる状況にあるのでしょうか。
○説明員(河合正男君) その方向で現在政府部内で検討しているところでございます。
○荒木清寛君 環境問題に関連しまして若干敷衍してお聞きしたいと思います。 ことしの六月のいわゆる環境サミットで、地球環境の保全に向けて全世界が一体となって行動する、そういうことが確認されましたけれども、大事なことはこのサミットの成果を受けてきちんとフォローアップをしていくということではないかというふうに考えております。 そこで、具体的にお聞きしたいのですけれども、このサミットの成果であります持続可能な開発委員会の設置に向けて日本政府はどう対応しているのか、あるいは地球温暖化防止条約そして生物多様性保護条約の批准の見通しはどうか、そしてまた砂漠化防止条約の作成の寄与に日本はどのようにかかわっていくつもりなのかをお聞きしたいと思います。
○説明員(河合正男君) まず第一点の持続可能な開発委員会への対応でございますが、この点につきましては現在開会中の国連総会で審議がまさに行われているところでございまして、この審議に我が国も積極的に参加しているところでございます。まだこの点についての結論は出るに至っておりません。 気候変動枠組み条約につきましては、我が国もこの意義は非常に大きいというふうに考えておりまして、UNCED期間中に本条約に署名いたしております。 また、この条約につきましてはミュンヘン・サミットの経済宣言におきまして、サミットメンバー国は九三年、来年末までに批准するよう努力するということが要請されております。政府といたしましても、できるだけ早期に締結できますよう現在所要の作業を鋭意進めているところでございます。 三点目の生物多様性条約につきましては、生物多様性の保全及びその持続可能な利用に関する措置につきまして包括的に規定するものでございますが、我が国はさきの気候変動枠組み条約とあわせてリオのUNCED期間中に署名いたしております。 この条約は非常に内容の広いものでございまして関係する国内法令もかなり多いというところから、十分な検討と調整を行ってまいりたいと思っております。また、ほかの国の動向も見定めつつ、できるだけ早期に締結できるように作業を進めていきたいと考えております。 第四点の砂漠化防止に関する条約につきましては、現在開催中の国連総会において条約交渉委員会の設置が正式に決定される予定でございます。我が国は砂漠化防止の重要性を十分認識しておりまして、今後開始される条約交渉におきましては、国連等の場におけるこれまでの審議及び我が国の国際協力等を通じまして得られた経験を踏まえ、現実的また建設的な貢献を行ってまいりたいと考えております。
○荒木清寛君 その同じ地球サミットで、我が国は環境分野のODAを今後五年間で一兆円をめどに拡充をしていくということを表明をしております。この表明を受けまして、ブラジルのごみ処理施設、下水道処理施設の建設及びメキシコの植林事業に対しまして総額約一千百億円のいわゆる環境円借款が供与されることになったというふうに聞き及んでおります。 それ自体大変に望ましいことであると思いますけれども、この点は大臣にお聞きしたいのでありますが、こういったいわゆるハード面でのODAといいますか、大規模なプロジェクト事業に対するODAということとともに、ソフト面でのODA、つまり例えば公害防止技術を移転し相手の国にみずから環境問題に対処する能力をつけさせる、そういった意味での技術協力といいますか、ソフトの面でのODAも今後拡大していく必要があるのではないかというふうに考えますが、大臣の見解はいかがでしょうか。
○政府委員(橋本宏君) 先生御指摘のように、プロジェクト型の資金協力だけでなくて公害防止技術の移転といったソフトの面の協力を従来以上に促進すべきであると我々も考えておりまして、既にJICAを通じて研修員の受け入れだとか専門家の派遣といったような協力もやっているわけでございます。 先生の今まで御指摘の中のブラジルということだけとってまいりますと、既に大型の技術協力としまして鉱山公害防止のための協力を本年度から始めております。これは鉱山から出ます水質汚濁の問題につきまして、我が方から専門家を派遣しまして測定だとか試験だとか分析技術といったようなことを教えているということでございます。 それから先生の御指摘の中には入っておりませんけれども、例えばアジアにおきましてはタイにおきまして環境研究研修センターというものをつくっております。その中では環境の五分野という水質汚濁、大気汚染、騒音振動、廃棄物、有害物質といったような面についての標準測定法の開発だとか発生源の調査だとか環境基準の設定、そういったものの行政に直接関係する実用的な問題についての研究だとか研修だとかということを進めておりまして、今後ともこういったいわゆるソフト面での協力というものは、我が国と関係の深いまた環境問題で苦しんでいる国々に対して逐次拡充してまいりたいと思っております。
○荒木清寛君 それに関連しまして緑の平和部隊、グリーン・コーズという構想がございます。これは出雲市長の岩國さんが提唱されまして我が党もその実現の推進をしているものでありますけれども、つまり人と金と知識を一体として森林の保全また砂漠の緑化に取り組んでいこう、こういう部隊を該当地域に派遣していこうという構想でございます。政府としてこういった構想の実現を検討していく意向はございませんでしょうか。
○政府委員(橋本宏君) 緑の推進協力プロジェクトにつきましては、一九八六年よりはセネガル及びタンザニアにおいて、また八八年よりはニジェールにおいて実施しております。これは主として青年海外協力隊員を派遣するという形での砂漠化防止のプロジェクトでございます。 例えばセネガルなりタンザニアなりことしの十二月でもってこのプロジェクトは一応終了を迎えるわけでございますけれども、終了時におきます評価を踏まえまして、これは非常に効果があるし、しかしもう少し長い目で見ていきませんと効果のほどもなかなかというところがございますので、延長ということを予定していきたいと思っております。
○荒木清寛君 今おっしゃったプロジェクトで、実際に砂漠の緑化ということが技術的にある程度成功しているのでしょうか。
○政府委員(橋本宏君) 例えばセネガルにつきましてやっていることは、セネガルの中のティエスという州でございますけれども、そこの住民に対しまして森を造成するための苗木の供給、住民の植林運動の推進のための技術指導、いわゆるアグロフォレストリーの普及といったことがその協力の目的でございまして、苗木の供給は従来の七、八万本から二十万本へと拡大しているといった具体的な成果があらわれております。しかしながら、砂漠化防止というアフリカ大陸全体を見ますと、我々の協力はまだまだ限られたところでございます。
○荒木清寛君 次に、アジア・太平洋地域の地球環境保護ということについてお聞きしたいと思います。 酸性雨や海洋汚染といった問題は、ある程度まとまった地域で隣接諸国が検討して連携をして対処しなければならない問題であると思います。この意味で、我が国の呼びかけによりましてアジア太平洋地域地球環境研究ネットワークづくりが進みつつあるという報道に接しましたことは非常に時宜を得たものではないかというふうに考えております。 そこで、このネットワークづくりにつきましてお聞きをしたいのですけれども、現在までどの程度進行しているのか、あるいはこのネットワークづくりにどの程度の資金が必要であって、そのうちのどの部分を日本が負担をしていくという意向であるか、お聞きをしたいと思います。
○説明員(河合正男君) 本件のネットワーク構想は、地球を三つの地域に分けて地域的なネットワークをつくろうという構想でございます。一つは南北アメリカ、二番目にヨーロッパ、アフリカ、そして三番目にアジア・太平洋でございますが、アジア・太平洋につきましては我が国が中心となって検討を行ってきておるものでございます。 報道がありましたワークショップは、先週の木曜日、金曜日の二日間にわたりまして東京外務省において、日本学術会議の協力を得まして日本の十省庁が共同で主催したものでございます。このアジア太平洋地域地球変動研究ネットワークのワークショップには域内の十五カ国の政府関係者及び科学者が参加いたしました。また、そのほかにアメリカ、EC、アジア太平洋経済社会委員会、国連環境計画、国連教育科学文化機関、国連大学等の関係諸国、機関がオブザーバーとして参加いたしました。 このワークショップでは、この地域内の地球変動研究機関のネットワーク化につきまして域内の諸国が共同で検討を行ったわけでございます。その結果、ネットワーク化構想の有用性については幅広い合意が見られましたが、具体的にどういう形で活動を行っていくかということについてはさらに話し合っていこうということになった次第でございます。 また、御質問の所要資金量でございますが、新しい予算が必要かどうかということも含めてまだ検討する段階には至っておりません。その点についての具体的な議論はございませんでした。
○荒木清寛君 次に、ロシアに対する関係での環境分野での支援につきまして大臣のお考えをお伺いしたいと思います。 ことしの十月、ロシアでは初めて環境白書を発表しましたけれども、それによりますと、飲料水のうち半分は衛生基準を満たしていない、また国民の一五%しか衛生基準に合った空気を吸っていないということで、大変環境汚染がひどいという状況が明らかになっております。 言うまでもなくロシアとは、大きな課題としまして北方領土を解決して平和友好関係を築いていくという課題があるわけですけれども、それに至る大きな一つのステップとしまして、この環境分野において日本が協力をしていく、援助をしていくということが大事な視点ではないかというふうに思っております。 日本が人道的な対日支援を決して少なくない金額を行っているということは了解をしておりますけれども、その割にはロシアの国民また大統領が我が国に対して感謝をしているということが余りないように思うわけであります。こういった冷めた関係を温かいものに変えていく一つの大きな要素といいますかステップとしまして、環境分野での対日支援あるいは技術支援ということを積極的に行っていってはどうかというふうに考えるわけですが、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 御指摘のとおりでありまして、我が国といたしましてもチェルノブイリの原発事故が発生した事態克服のための協力をしてやったり、それからそのために去年の十月にはデヴャトフ・チェルノブイリ原発事故対策委員会副議長などソ連側から専門家十名を招待して具体的な日ソ間の共同専門家会合を開くとか、さらにことしに入ってからもベラルーシ、ウクライナ、ロシア等に計八名の専門家を派遣するなどいろいろ実はやってきております。したがって、そういうような考えで今後も進めたいと思います。
○荒木清寛君 今後こうした環境分野での技術支援をさらに拡大していく、そういうお考えであると伺ってよろしいでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) そのように考えて差し支えありません。
○荒木清寛君 次に、日米協力についてお尋ねをしたいと思います。 日本もアメリカもいわゆる資源の大量消費国でございまして、地球環境保全について日米が協調していく、連携をしていく必要性は大変に大きいということは言うまでもありません。来年誕生しますクリントンの新政権では、環境副大統領というふうに呼ばれておりますゴア副大統領が就任すると言われておりまして、クリントン政権はこの環境問題に積極的に取り組んでいくのではないかというふうに私も考えております。 そこで、これも大臣にお聞きをしたいのですけれども、この環境問題での協力を今後の日米協力の主要テーマの一つに据えて推進していくというお考えはないかということと、さらに外務大臣は早期に訪米をするという御意向であると伺っておりますが、その時期は固まったのか。そして、その会談におきましてはぜひとも環境問題についての日米協力を取り上げていただきたいと思うわけですが、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○政府委員(小倉和夫君) ちょっと前段の環境の問題につきまして申し上げたいと思うのですけれども、先生も御案内のとおり、新しいクリントン政権は環境問題を非常に重視するという姿勢を示しております。 もちろん現在のところ政権ができたわけではございませんので選挙綱領でございますけれども、少なくともその中で四つの面で基本方針と言われるものを打ち出しておりまして、例えば国立公園の保護とかそういったことも言っておりますが、同時に国際的な指導力を発揮してアメリカがこの問題について国際協力に大きな貢献をしたい、こういうことを言っております。したがいまして、そういった新政権の態度に即応した形で日本も日米間で協力していくというのがまさに御指摘のとおり大事なことではないかと思います。 第二に、日米間では日米の環境保護協力協定というものがございましてそのもとで日米間の定期的な会合をしておりますので、そういった機会を活用いたしまして御指摘のような環境問題について日米間の協力の具体的なプロジェクトについて相談してまいりたい、こういうふうに思っております。
○荒木清寛君 大臣の訪米の時期はもう決定されたのでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 決まっておりません。
○荒木清寛君 なるべく早く訪米をしていただきたいと思います。 次に、若干時間がありますので、ソマリアに対する対応についてお聞きをしたいと思います。 言うまでもありませんけれども、内戦あるいはひでりといった問題でソマリアの食糧不足は深刻化しておりまして、連日何百人もの人が餓死をしているというような報道もなされております。こういう状況から、先般国連の安全保障理事会が全会一致で人道援助の物質輸送を確保するために多国籍軍を派遣する、こういう決議をしたということでございます。 そこでお聞きをしたいのですけれども、日本政府としてはこのソマリアの惨状の救済につきましてどういう貢献をしていくおつもりであるか、お聞きをしたいと思います。
○政府委員(小原武君) ソマリアの状況につきましては先生ただいま御指摘のような状況でありまして、新たな国連決議ができたわけでございます。 ソマリア被災民のこの悲惨な状況についてはかねてから政府も深く憂慮して行動してきたわけでございまして、例えば本年に入りましてから約三十四億円、二千七百万ドルに当たります食糧援助でありますとかあるいは空輸のための支援といった貢献をしてきております。 そこで、今回の決議でございますけれども、この十二月三日に全会一致で国連決議七百九十四号が採択されたことを受けまして、責任ある国際社会の一員として可能な範囲でできる限りの貢献をしていくという見地からただいま検討しているところでございます。
○荒木清寛君 あくまでも今回は資金的な援助に限って考えていく、そういうお考えとお聞きしてよろしいですか。
○政府委員(小原武君) 具体的な協力の中身につきましては、現在できましたこの決議のもとでどういう必要性があるのかということを把握し、それを踏まえて検討してまいりたいと考えております。したがいまして、現時点で説明申し上げる段階にはございませんけれども、いずれにしろ、いかなる協力が可能か広く検討してまいりたいと考えております。
○荒木清寛君 最後に、ウルグアイ・ラウンドについて一問だけお聞きをしたいのですけれども、米問題は先ほどるるお話があったとおりですが、サービス分野での交渉の進展状況をお聞きしたいと思います。 一つは外国人弁護士問題についてどういう協議の状況にあるのか。もう一つは外国人労働者の問題についてはどうか。ウルグアイ・ラウンドが仮に締結された場合には、我が国の単純労働者の入国は原則として認めないという政策の変更も余儀なくされるのかどうかを最後にお聞きしたいと思います。
○政府委員(小倉和夫君) ガットのサービス分野の交渉につきましては本格的交渉は恐らく来週からということになると思いますので、もちろん今までいろいろな交渉が行われておりますけれども、最終段階は来週から始まるというふうに考えております。 ただ、今までのところの感じ、したがいましてこれは交渉の中身そのものよりも全体の流れと申しますか、そういう意味で申し上げますと、先生が御指摘の外国人労働者問題につきましては、企業内における管理者ないし専門職の転勤、そういうことで大体主要国はオファーと申しますか、そういうことをお互い認め合いましょう、すなわち企業内における管理者や専門職の転勤といったものを認め合いましょうというようなことになるのではないか。すなわち単純労働者の勤労といいますか就労というものを無制限に認めるということを先進国ないしそれに近い国でオファーしている国はないというふうに了解しております。 したがいまして、日本の場合も大体そういう方向で考えていくのではないかという感じでございます。これはこれからの交渉でございますから確たることは申し上げられませんが、大体そういう方向ではないかというふうに、あえて申し上げればそうでございます。 それからいわゆる弁護士の問題につきましては、これはサービス分野での公認会計士あるいは建築士といったようなことと同じで、これをサービスと呼ぶこと自体に抵抗を感じられる方もあるようでございますけれども、ウルグアイ・ラウンドの中では専門職業サービスの一環ということで交渉が行われておりまして、この分野につきましてもどのようにするかということで、サービスの中でその分野をオファーするのかしないのかということを各国が今交渉している。 したがいまして、日本の場合もそれをどういう形でオファーできるのか、あるいは日本の法制上どうしても難しければそこのところをどうするか、そういったような問題でございますけれども、同時にこれはサービスのほかの分野とも絡んでまいりますのでほかの分野との関係も出てくるかと、交渉でございますから、そういうふうに考えております。
○荒木清寛君 以上でございます。
○猪木寛至君 バーゼル条約締約については賛成でありますが、この非締約国の今後の締約準備状況といいましょうかこの辺について、それからまた締結を促進する効果的な方法ということについてちょっとお伺いしたいと思います。
○説明員(河合正男君) 十一月二十一日の段階で三十五カ国が締結しておりますが、近い将来相当数の国が批准する見通してございます。東南アジア諸国の多くがもう既に批准の態勢に入っている、ないし近く批准するという方向にございます。ECにつきましては、十月にECとしての域内規則をつくりましたのでECとしての批准が見込まれておるという状況でございまして、相当数の国がこれに近く加盟して加入していく方向にございます。 また、我が国が批准しました暁には、ほかの非締約国に対しましてできるだけ早期に加入をするよう働きかけをしてまいりたいと考えております。
○猪木寛至君 この条約を日本が締結する意義、そしてここにも既に書かれてあります他国の動向というか、この辺を日本はいつも見きわめながら対応していくということで大変後々になるのですが、その辺はぜひ他国に率先してそういうものを進めていっていただきたいと思うのです。 きょうは時間の都合がありますが、先ほど荒木議員の方からもUNCEDに関しての質問がありました。私もちょうど六月参加させてもらいまして、そのときに環境と開発に関するリオ宣言というのが採択されたわけですけれども、前文そして二十七の原則ということでその中にほとんど環境関係の問題がありまして、採択された後その成果のフォローアップを着実に行っているのかどうかということ、非常にこれが重要ではないかと思うのです。 その一環として今後締結すべき環境関係の条約及びその意義というのでしょうか、それについてちょっとお聞かせください。
○説明員(河合正男君) UNCEDで署名された条約には、先ほども御説明いたしましたが、二つあるわけでございまして、気候変動枠組み条約と生物多様性条約でございますが、前者につきましてはミュンヘン・サミットの経済宣言におきましても、先進七カ国は九三年末までに批准するように努力するということが要請されております。政府といたしましては、できるだけ早期に締結できるように作業を進めてまいりたいと考えております。 生物多様性条約につきましては、関係する国内法令も多いというところから、十分な検討を行いまして、また各国の動向も見定めて、できるだけ早期に締結できますよう検討作業を進めてまいりたいと考えております。
○猪木寛至君 ちょうど行っている最中に各知事の会合がありましてそこに参加もさせてもらったのですが、たまたまアマゾナス州の知事が来ておりまして、今やはり水銀汚染という大変大きな問題が起きているわけです。これはブラジルではドエンサデ水俣と言う。水俣の名前が世界じゅうに売れた。 水銀は金を製錬するときに使うわけですけれども、私どもも何とか対策がないかなということでいろいろ環境関係の人たちを呼んで研究しているのですが、一つは、採取するときに水銀を使うとそれがこぼれて川に流れ落ちる。一方では、採取したものを今度はバーナーで大変熱い温度をかけますとこれが蒸発して一帯に散らばっていく。今はもう既に散らばったものを回収するというのは不可能に近いわけですから、もうこれ以上出さない方法としてどうしたらいいのかということで今いろいろ研究させてもらっているのです。 その中で、水銀は密輸という形で非常に安いものがメキシコの方からアマゾンの国境を越えて入ってくるということを聞いておりますが、一つの方法として、バーナーで熱を加えて蒸発させていくときに、フードをかけましてそして長い筒で流していきますと、大体三百八十度の温度で蒸発して三百八十度以下になるとずっと今度はここへ落ちてくるということでこれを回収することができる、水銀のリサイクルという形で。彼らに、カリンペイロといいますが、掘っている人たちをやめさすわけにいきませんから、そんなことを今我々いろいろ集めて研究をしております。 なかなかこの情報について、皆さんどういう対策をとっているかという情報が上がってこないのですが、政府としてはどういうふうに対応されていますか。
○政府委員(寺田輝介君) まず後者の方からお答え申し上げたいと思います。 私どもまさにこの問題につきましては大変な関心を持って見ておるわけでございまして、最近では、先生御案内のところかもしれませんが、十月二十六日にベレン市でブラジルの化学学会が開催されています。その内容につきまして現地のベレン総領事館から報告を受けておりまして、これが実は私どもの現地の状況における一番新しい情報でございます。 これを見ますと、まさに委員御指摘のとおり、この水銀の汚染の問題というのがかなり悪い状況になっておりまして、ただし二つ問題があるようでございまして、まさに金をとるために水銀を使用すると、その結果、ただいま委員の御指摘がありましたカリンペイロ自身が水銀の蒸気を吸ってしまう。その結果、体内に水銀が堆積していわば重い病気になる。これが一つございます。 もう一つの難しい問題といいますのは、金を採掘するためにかなり大量の水。銀が河川に流される。それがいわば水俣病の要因だったと思いますけれども、魚の中に蓄積される。そういう魚を食べる現地のインディオたちの間で被害者が出てきた。こういうふうな状況にあるということを私どもは承知しておるわけでございます。 そこで、私どもといたしまして、基本的に水銀汚染の問題といいますのは、やはり経済技術協力の建前からいきましてもブラジル政府が我々に対して具体的な協力を要請してくるということになりますが、既に昨年日本政府とブラジル政府の間で開きました技術協力年次協議というのがございまして、その中で、環境問題というものはやはり日本、ブラジル両国政府のジョイントプログラミングの中で取り上げなければいかぬ、そういう過程において水銀汚染問題も検討すべきというのがようやく出てまいりました。 したがいまして、私どもといたしましては、ブラジル政府とも今後十分協議し、一体いかなる協力が可能かというものを考えていきたいというふうに思っておるわけでございます。
○猪木寛至君 最後に、この条約の中の附属書Ⅰ「規制する廃棄物の分類」の中にY1ということで、「病院、医療センター及び診療所における医療行為から生ずる医療廃棄物」とありますが、私、先週たまたま医療廃棄物の焼却炉の実験を見てまいりました。この一つのポイントは、要するに非常に炉の耐熱性というもので結果としてはいろいろな注射針や何かが全部ぼろぼろになって灰になってしまう。かすがほとんど残らないという非常にすばらしい技術の実験を見てまいりました。この間もアメリカの方でそういう注射針というものが廃棄されたということで新聞にも出ておりましたが、そういう大変すばらしい技術も今生まれつつあります。 できましたら日本はこれからどんどんそういうお金と技術、ここに技術移転のことも書いてありますから、積極的にやってほしいということで、時間がもうないのでこれで質問を終わりますが、最後にお願いいたします。
○説明員(河合正男君) 注射針についてどういう処分が行われているのかという実態調査はまだできておりませんが、一九九〇年に発表されましたWHO事務局長の報告の中でも、今、猪木先生からの御指摘がありました医療廃棄物の適正な管理処分についての措置をとることが多くの国において緊急課題になってきているという指摘がなされてきております。この条約が実施される段階になりましたら、この点も踏まえて条約の第十条の「国際協力」の中でまた協力を進めていく必要があると考えております。
○猪木寛至君 終わります。
○立木洋君 有害廃棄物の移動の問題あるいは処分の問題についての規制というのは、これは環境問題の重要な問題ですから、これについては当然のことだというふうに考えます。この問題については、後で時間があれば条文の内容については若干お尋ねしたいと思います。 まず最初に佐藤さんの方からひとつ答弁してもらいたいのですが、この間も問題になっていました一九九一年のアメリカの会計検査院の報告が報道されました。あの報道の中で横須賀の基地の土壌がPCBや重金属に汚染されているという問題が問題になりまして、外務省の方がそれをアメリカ側に照会しているということは承知しているのですが、それについての何らかの回答はあったのでしょうか。
○政府委員(佐藤行雄君) きょう現在、まだ回答がございません。 実は、我々もこの問題は在日米軍だけの問題ではないと思いますし、向こうの雑誌の報道にもありましたように、向こう側の言う非公開の報告にも絡んでいる問題かと思いましたものですから、ワシントンを通じまして両方で問い合わせをしているところでございます。 ここから先は私限りの想像でございますが、残念ながら今、政権引き継ぎ時期でいろいろなことがありますものですから事務レベルの処理がおくれているのではないかなという想像はいたしておりますが、大事な問題でございますので、繰り返し督促をしてなるべく早く結果をとりたいと思っております。
○立木洋君 重視してきちっと当たって、結果を報告していただけるようにお願いをしたいと思うのです。 環境庁おいでになっているかと思いますが、四日におたくの方で発表したPCBの東京湾なんかにおける汚染の状況というのは、PCBの濃度がこの数年来非常に上昇しているというふうな調査の結果が発表されていますが、今問題になっているこの横須賀の米軍基地がPCBに非常に汚染されているという問題なんかとの関連については、あなた方の方ではどういうふうに考えておられるのか。そこら辺の考えがあればまず述べていただきたいと思います。
○説明員(小澤三宜君) 横須賀の米軍基地で報道されました件と、先日環境庁の方で発表いたしましたPCBの調査結果との関係というものにつきましては、先ほど外務省の方からも答弁がありましたように、米軍の関係はまだ事実関係というものがよくわかっていない段階でございまして、私どもといたしましても、その二つの関係というものにつきましては特段今申し上げることができるようなことはございません。
○立木洋君 米軍から確かにいろいろな状況を聞くということ、これは大切なことですが、可能な限り環境庁としてはその実態、何しろこのPCBというのはもう二十年前に禁止されているわけですからね、生産が。いわゆる管理者はきちっと保管をしなければならないという状況にあるのに、こういう事態が起こって数年来東京湾におけるPCBなんかの濃度が上昇しているというのは、これは異常なことなのです。 だから、そういう問題については、日本で調べられる範囲内ではきちっと調べるということは環境庁の仕事なのですから、それはアメリカの報告はアメリカの報告として十分にどういう状況か聞くということは重要でしょうけれども、あなたの方は調査は調査でするということはやはりきちっとしないといけないことだと思うのです。そういうことはちゃんと調査するように検討していただきたいと思いますが、いいですか。
○説明員(小澤三宜君) この関係につきましては、関係省庁を含めまして検討いたしたいというぐあいに考えております。
○立木洋君 さっき佐藤局長が言われた、これは非常に重要な問題だと。これは確かにそうで、一九九一年のこの会計検査院の報告、それから一九八六年と、その二回にわたって調査したわけですね。 その調査の内容についてはあなた方も既に御承知だと思うのですけれども、それを見てみますと、この横須賀の基地の問題というのはただ単なる一つの結果のあらわれであって、ここで書いているのは、日本、韓国、フィリピン、ドイツ、イギリス、イタリアの調査対象となった十の基地のすべてで国防省は環境保護法を遵守していないと結論づけているわけです。これはすべてでこの保護法が守られていないと。その中では非常に危険と分類されているところも数カ所あるというふうに指摘されているのです。 だから、横須賀の問題について回答を聞くということは重視してやっていただきたいわけですけれども、やはり日本の基地全体において十分に調べる、調査をする、そして検討するということが外務省の姿勢としても必要ではないだろうか。 ここのところは大臣におっていただきたいところだったのですけれども、まだ大臣は今、注射に行かれているそうですから、これは人道上の問題ですから注射に行っていただきました。帰ってきたらまた大臣に聞くかもしれないけれども、佐藤さん、あなたの考えをまず。
○政府委員(佐藤行雄君) 私は先ほど、環境の問題は大事な問題ですからと申し上げましたけれども、だからこそ日米合同委員会の中で、先生も御承知のとおり、環境分科委員会というものをつくってこの問題を特別に処理しているわけでございます。横須賀の問題につきましても、一応アメリカ側の新聞報道からいきなり直ちに環境分科委員会というのもあれなものですから、アメリカ側の説明を聞いた上で環境分科委員会と考えているわけであります。 それはそれといたしまして、今回の報じられた問題に限らず、御承知のこの間のレイ報告のときからこの問題は問題になっているわけでございまして、そしてレイ報告では、三回にわたって環境分科委員会を開きましてアメリカのあれも得て、我々の方の人たちにも現場を見てもらった結果として、一応環境上の大きな被害はないと結論を出したところでございます。 今、先生がおっしゃいました今度の報告を読んでみると、その全体、横須賀だけじゃなくていろいろなところが多いというのは確かにそうでございますが、これは私も雑誌の報道から物を議論するのはちょっと問題が、私自身も全文は非公開の報告ですからわからないとは思いますが、USニューズ・アンド・ワールド・リポートに出た記事、この記事の全体は主としてヨーロッパにおけるアメリカ軍の基地の取り扱いのことが書かれているわけでありまして、そしてそこから想像いたしましても、アメリカの会計検査院あるいはその前のレイ報告にいたしましても、アメリカの環境政策を正そうという見地からいろいろなことを書いてあるわけであります。 そのときのレイ報告、これは相前後しておりますので同じものではありませんけれども、アメリカ側の関心としては同じ流れだと思うのですが、そのレイ報告の中でもアジア・太平洋地域の問題については幾つかヨーロッパあるいは米本土とは違う点があると。一つは、そのアジア・太平洋地域では米軍がかなり環境のことをよくやっているところ、特に日本の場合にはよくやっているところがあるということが触れてありますし、それからこれはレイ報告のあれですが、これらの基地、これはフィリピン、日本、韓国の場合だと思いますが、これらの基地は米本国の基地において多くの廃棄物を排出する元凶となっているような大規模な工業関係の作業を行っていないというようなことも書いてございます。 そういう意味で、USニューズ・アンド・ワールド・リポートに出ましたその深刻な問題というのは、基本的にはヨーロッパのことが主たる焦点ではないかというふうに私は読んでおります。 ただ、いずれにせよ、実態をまず聞いてから判断するのが筋だろうと思いますので、そういう意味もありましてアメリカの回答を待っているというところでございます。
○立木洋君 確かにヨーロッパの問題について重視して報告していますね。だけれども問題は、このリポートの中で報道されている内容を見ても、フィリピンのアキノ大統領がアメリカ政府にスビックの海軍基地について問題がないかと言って問い合わせたら、問題ないと答えているのだね。問題なくはないのだ。問題あるわけだよ。あるのだけれども問題ないと答えている。だからこれはヨーロッパだけの問題ではない。 確かにこれを見てみると、一九九〇年の十二月の十日、米軍がヨーロッパの基地司令官に通達を出している。こんなのもひどい内容じゃないですかね。それについてはどういうことかというと、環境問題が非常に問題になっている中で、結局、現に住民の健康被害を訴えるなどしない限り、汚染されていると知っていても汚染について新たな問題を探すのに時間を使うな、減少・緩和措置をとるなど、こんなことを基地司令官に軍が命令しているというのですよ。住民から訴えがない限りそんなことをやるな、そんなことに手間暇かけるなと。こういうことがヨーロッパで問題になっている。アジアでは問題になっていませんと言えないのだ。 フィリピンだってこういう事態があるわけだし、だからこの問題についてはことしの二月からたしか問題になったわけだ。これは衆議院、参議院でもこの問題が問題になったのですよ。米軍基地のPCBの問題はどうなるのだと。 大臣が帰ってこないので、しょうがない、言わぬといけないけれども、このときに、ことしの二月二十六日に大臣がちゃんと確約しているわけだ。このPCBの問題について、嘉手納の問題、岩国の問題、横須賀の問題、それから幾つかの基地を挙げて、厚木の問題などを挙げて、問題ないかどうかこれについてまずきちっと調査をしなさいと要求されて、渡辺大臣が答えている。 まず調査をさせるということ、これはやらせます。それからその合同委員会でどうするかという検査の問題は検討いたします。それから日本で捨てる場所がないようなもの、それは米軍は今でもアメリカに運んでおりますし、今後もアメリカのしかるべき安全なところに持っていって捨てる、土とか何かですね。そういうこともやっていただく。 ちゃんと述べているのですよ、大臣が。ところが結果、その問題について今日までになっても総合的に日本が自主的に調査した結果というのは報告されていないのです。アメリカから聞いたことはどういうことかということは述べられていますよ。そういうことでは、アメリカの実態が会計検査院の報告でこんなに問題にされているのに、日本ではそれはヨーロッパの問題ですから問題はございませんというふうなことでは、佐藤局長、それでは通らぬのじゃないですか。やっぱり自主的に調べる。これは立入検査の問題等々もありますから米軍側とも折衝する必要があるということになるでしょうけれども、その点についてはしかるべき手当てを尽くさないと、日本人の健康問題にかかわる問題。 だから、あなたが一番最初にこれは重視すると言われたことを私は非常に注目して、最初からいい答弁を今度は出してもらえそうだなと思ったところが、どうも変な方向になりそうだから、もう一遍それを念を押しておきますけれども、どうですか。
○政府委員(佐藤行雄君) ヨーロッパの問題はヨーロッパの問題で構わないと私は思いませんし、ただこの問題はまずアメリカがみずから考えるべきことだろうと思います。そういう意味で、アメリカの議会の中にもあるいは国防省の中にもそういうことを反省していこうという動きが出てきているからこそまたああいう記事が出てきているのだろうと思います。 ところで日本の問題でありますが、大臣がお約束いたしましたことにつきましては、大臣が今お戻りになりましたけれども、ちょっと事実関係ですから先に申し上げますけれども、この前、大臣が国会でお約束いたしました調査その他についてはきちっと我々なりにやったつもりでございます。 ちょっと二、三だけ例を御報告しますが、まず嘉手納。嘉手納のあのときに問題になりましたPCB汚染のものでありますが、過去六回にわたりまして現場の掘削を行いまして、五回分の土はすべてアメリカ側へ持ち帰っております。六回目は最後なものですから、物が出ないところまで掘りおろしたものですから量が多いもので、今ドラム缶に詰めて配船を待っているという状況のようであります。 横須賀の例はレイ報告に出ておりましたドラム缶のことでありますが、調べた結果、旧帝国海軍のアセトンであったということがわかりまして、これはそれなりの日本の業者の契約で処理を済ませております。 それから岩国でもPCBを使った変圧器の問題があったわけですが、調べますと十三基ありまして、これは日本側が提供した変圧器の中に入っておりましたものですから、日本側の責任でこの十三基をすべてことしの四月の段階で撤去しております。交換しております。 それから最後に全体の報告であります。先生のお目に届かなかったのかもしれませんが、過去三回における環境分科委員会の調査の結果、審議の結果を踏まえまして、八月の十九日でございますが、最終報告をつくりまして発表をいたしております。その中で、今後とも環境の問題については環境分科委員会をより頻度を多く開いて、そして合同委員会の枠組みを活用してこの問題を対処していこうということを発表いたしております。 そういう意味で、私は一応大臣の御指示のありました点については我々もそれなりの対応をしたと思っております。
○立木洋君 大臣、ちょっと丹波さんに聞かれたと思うのですけれども、PCBの問題、ことしの二月から問題になりまして大臣が調査をさせるということを約束されて、それでアメリカに土も運んでいるからそれはちゃんとアメリカにやっていただくというふうに答弁なさっているのですが、この会計検査院の今度の報告の内容を見ますと、今、佐藤局長が言った横須賀におけるドラム缶は、これは今度のこととは違うのですよ。そのドラム缶のことでごまかしてはいけないということで、私はこの問題はこの問題できちっとやっていただきたい。その他については立入調査を私はやるべきだと思うのです。 これは昭和四十八年に立入調査をやっていますよ。日本では横須賀などの全部の基地で、全国の基地二十一基地を対象にして環境庁が調査をしている。そこでは全部立入調査をやって、そして佐世保だとかどこかでは水銀だとか鉛だとかカドミウム、重金属の問題があったり、それからPCBの問題があったり、これは水質調査から土壌の調査から大気の調査から全部やったのですよ。立入調査でやったのです。これは一九七三年ごろだから、それから二十年間いわゆる有害な廃棄物というのはもっとふえているわけだ。そういう状況にあって、米軍で今度の会計検査院が検査をしたところこんな重大な問題になっているということを報告しているのだから、米側と調査を七三年にやっている実績があるのだから、立入調査ができないはずはないのです。 だから、本当に健康を守っていわゆる環境の今度のこういうバーゼル条約を通してきちっとやるならば、それぐらいの責任ある態度で米側と交渉して、米側も本当に健康を守るという立場から、 どうぞそれなら調査してください、双方一緒になってそういう事態がないようにと。私たちは基地があること自身反対ですけれども、しかし現に基地があるのだから、ある限りこういうことは徹底して立入調査をやって全体的に報告すべきだと思うのです。 外務省も環境庁も来られているけれども、いやいいよ、佐藤さんは。
○政府委員(佐藤行雄君) 事実関係ですから答えさせてください。
○立木洋君 せっかく大臣帰ってきたのですから、大臣に。
○政府委員(佐藤行雄君) その前にちょっと答えさせてください。 環境分科委員会では、実は定期的に排水処理施設、ボイラーなど米軍基地に関する排水施設の定期協議をやっているのです。だから、今の御質問を聞いておられるとあたかも何もそれがないような印象を受けられる方もいらっしゃると思うので、事実上向こうどの合意の上で定期的な調査をやっているものもありますし、この間のレイ報告のときも向こうの理解で実際協力を得て、委員会も中に入って見てきた上での報告でございますので、その点だけは御理解をいただきたいと思います。
○立木洋君 一九七四年のときに、非常に詳細ないわゆるどういう形で調査をしたのかという経過報告、それから調査の結果どうだったのか、全部基地ごとに出した。それで、最終的にはそれに対して安全対策をどうするかというものまで出したのです、二十年近く前に。 今こんなに有害廃棄物というものが問題になってこういうバーゼル条約までできている状況の中で、米軍基地といったってこれは日本の領土なのだから、やっぱりそれはきちっと調査をする。積極的な前向きの回答をぜひとも大臣にいただきたいのです。そんなことをする必要はないなどというふうにまさか大臣はおっしゃらないと思うのですけれども、その点一言。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 非常に重要な問題でありますから、米側の回答をもらって、今後どうするか一番いい方法をもって、いずれにしても安心できなきゃいけませんから、安心できるようなことを考えたいと思います。
○立木洋君 最後にもう一言。 このバーゼル条約で、米軍の基地で生じた有害廃棄物というのは一体どうなるのか。自国の領域内における外国の有害廃棄物、これは処分を禁止するとか、発生した国において処分されるべきであるだとかといっていろいろな規定がここにあるわけです、しかし、現実にそこで米軍基地で生じておる有害廃棄物というのは処理場がないわけだから、基本的には基地内に。あるいは処理ができる可能性があるものもあるかもしれないが、その場合。それからこれは日本側に処分を委託されるのか。これは輸出になるのか輸入になるのか。それから米軍が本国に行ってこれを処理するという場合に日本は通過国になるのかどうか。そういう場合に一切の通報を受けてそれについて持ち運びが禁止されるのか。日本の主権できちっと管理監督ができるような状況になるのか。 つまりこのバーゼル条約の内容に基づいて、これはもう時間がないからあれだけれども、アメリカ側の在日米軍基地における有害廃棄物についてどうするのかということをきちっと取り決めをやる必要があるだろう。日本の主権の問題でもあるわけですし、今まだアメリカは条約に参加、批准していませんが、しかしアメリカはそれも今検討していますから、当然批准することになるだろうと思うのです。 そうすると、この問題というのはさっきの問題と関連して非常に重視して、きっちりとした主権国としての日本が対応できるような条約に基づいた取り決めを行う必要があるのではないかと思うのだけれども、その点についても、大臣、一言。
○政府委員(野村一成君) お答え申し上げます。 このバーゼル条約ですが、作成に至ります歴史的な背景、経緯というのがございます。そういうこともあるのだと思うのでございますけれども、条約をつくる過程におきまして、軍隊による今御指摘の有害廃棄物等の移動等の扱いにつきまして議論が実際なされたということはございません。したがいまして、率直に申し上げまして、今御指摘のような場合についてのこの条約の運用の有無というのを今の段階で私ども日本の方が確定的に申し上げるということはできないわけでございます。 しかし、いずれにしましても、先ほど来議論になっておりますけれども、在日米軍の廃棄物が環境上適正に処理されるべきというのはこれは当然でございます。したがいまして、この点については日米地位協定のもとで適正な処理が確保されるべきものである、そういうふうに考えておる次第でございます。 他方、一言ちょっと申し上げさせていただきたいのでございますけれども、先ほど先生いろいろな条約上に基づく手続のことを言われました。条約の適用の有無ということは確定的に申し上げることはできないわけでございますけれども、そういった細かい条約上の手続を課すというのは、日本あるいは極東の平和と安全を確保するために我が国に駐留しておる外国軍隊である米軍の基本的地位に私はなじまない、そういうふうに考えます。
○立木洋君 大臣、最後に。 これは野村さんが今そういうふうに言われましたけれども、いわゆる二国間の条約というのは先につくられているわけで、後発の条約というのが一般国際条約では優先するということはもうはっきりしているのですよ。ですから、地位協定でそうあるからといったって、この条約に基づいてやる方が、後発の一般条約なのですからこの方が優先するのだから、このことを明確に決める。 一つ一つ私は本当は聞きたかったのだけれども、この問題については検討する、そして日本の国民の健康を守り、そういう基地で発生した有害物質についてはきちっと対処できるようにやりますという考え方を、大臣、その考え方だけをはっきりさせておいていただきたいと思います。どうですか。これは外交上の問題だから野村さんはいいですよ。また改めて聞きます、あなたには詳しく。政治的な決断だけ大臣にどうしても聞いておかないと。
○政府委員(野村一成君) 一言その前に条約の解釈の部分だけでちょっと申し上げますけれども、やはり私申し上げました繰り返しになりますけれども、この条約の適用の有無については確言的なことを申し上げることはできないという、その点だけは理解をはっきりさせていただきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 条約の解釈の問題ですから、私は今ここで断定的なことは申し上げられませんが、いずれにいたしましても、世の中も変わってきていることでもあるし、やはり日本人の健康を守ることは重要なことでありますから、そういうことを念頭に置いて実務的に有効な方法をとるようにしたい。
○立木洋君 残念ですが、時間が来ましたから。
○磯村修君 有害廃棄物の越境の問題につきましては、これは地球環境を保全していく意味においても大変重要な問題でありまして、これまでは発展途上国の処理コストが安いというようなことやあるいは環境規制が緩やかである、こういうことが理由でそうした有害廃棄物の越境ということがあったと思うのです。そういう意味合いにおいて今回こういう条約を結んでいかなきゃいけないということは十分に理解できるわけです。 そこで、外務省にお伺いしたいことは、こういう条約を締結するに当たりまして外務省当局がどの程度これまでの有害廃棄物の越境の実態というものを把握しているか、まずお伺いしておきたいと思うのです。
○説明員(河合正男君) 先ほども御説明いたしましたように、全体の輸出入統計がどうなっているのかという点につきましてはまだ正確な数字はそろっておりません。しかしながら、この条約の対象となっておりますリサイクル以外で単に廃棄されることを目的にした廃棄物の輸出入の実績については、我が国に関する限りほとんどないというふうに見ております。したがいまして、我が国が実際に外国との取り引きをやっておりますのはリサイクルの対象になる廃棄物でございます。 したがいまして、先ほど申し上げましたように、全体の数字はございませんが、リサイクル目的で輸出されているものといたしましては鉛くずとか亜鉛製錬時に発生するカドミウム酸化物、コピー機の使用済み感光ドラム等を輸出または輸入して再生利用をいたしております。
○磯村修君 そうした実態については関係各省庁との情報交換というものはなかったのでしょうか。どういう実態であるかということは、具体的にはそういう関係省庁間の情報というものは流れなかったのでしょうか。 〔委員長退席、理事山岡賢次君着席〕
○説明員(河合正男君) この統計につきましては関係省庁の間で検討いたしましたが、輸出入の主務官庁でございます通産省の方でこの条約の対象品目全体についての統計がいまだそろっていない、今までそのような統計作業をやってこなかったということで整っておりません。今後はこの条約の実施に当たりましてその統計を確認していく方針でございます。
○磯村修君 条約あるいは国内の法律の適切な運用のためにも、今後はその実態というものを十分に把握しながらやっていくべきだと思うのであります。 外交も環境外交ということが大変重要な位置を占めてきているわけでありますけれども、この点について環境外交に対する政府の基本的な考え方というものをもう一度お伺いしておきたいと思います。
○説明員(河合正男君) 先ほど来議論になっておりますように、環境分野での協力は日本の外交におきまして非常に重要な課題になってきていると思います。UNCEDにおきましても我が国は積極的に参加し、そのフォローアップにつきましても鋭意検討を進めているところでございます。 この条約との関連で言えば、廃棄物の処理は特に人の健康及び環境の保護という観点から重要でございまして、UNCEDにおきましても重要問題の一つということで議論されたわけでございますが、この条約の早期批准ということも環境問題への積極的な我が国の姿勢を示すことになると考えております。
○磯村修君 環境問題はこれぐらいでおきまして、次に伺っておきたいことは国民が強く望んでおります北方領土返還の問題ですけれども、我々は北方領土の歴史的な経緯等から、早く返還してほしい、返してほしいというふうなことを主張してきたわけですね。そしてまた、これまでの話し合いの中でも大変情勢が変化して、冷戦が終わりソ連邦も解体してロシアに変わった、また市場経済への切りかえというふうなことで非常にこれからの返還交渉というものもやりやすくなってきたのではないかと、こういう大きな期待感があったわけです。 しかしながら、今日の状況を見ておりますと、この北方領土の返還の問題につきましては、近づいてきたというふうな感じよりかも何か遠くへ行くような、遠ざかっていくような状況になってきたのではないか、こういう印象さえも持つわけです。 そこで、一つお伺いしたいことは、最近の報道によりますと、エリツィン大統領が先月末にいわゆるクリル諸島、この地域を特別経済区に設定する、そして外国投資家に土地を最高九十九年間認めるとか、あるいは投資に対する優遇税制を設定するとかというふうな大統領令というものを最高会議に提出したというふうなことも伝えられてきているのですけれども、何かこういう状況が出てきますとますます北方領土の返還ということが非常に難しくなってきたなというふうな一般の印象が強いわけなのですけれども、この実情。それからそれが実態であるとするならば、政府としてこれからどういうふうにそれに対応していくのか、交渉していくのかということをひとつお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(兵藤長雄君) ただいま先生御指摘の北方領土の交渉が後退したのではないか、特にエリツィン大統領下のロシア連邦との間で後退したのではないかという御指摘でございますけれども、私どもは必ずしも後退したという認識は持っておりません。 と申しますのは、エリツィン大統領になりましてから、法と正義に基づいてこの問題を積極的に打開してまいりたいという肯定的なメッセージが一年前に参りまして、それを受けて日本政府もいろいろと北方領土に対する基本的な方針の変更、二十六億ドルに上ります対日支援等をもってこたえたわけでございますが、その間においてゴルバチョフ大統領が参りましたときに合意されました北方四島住民との無査証の交流が実際に始まったわけでございます。あるいは渡辺外務大臣がニューヨークでコズイレフ外務大臣と会談をされました際には、北方領土問題に関しましての歴史的、法的な見解を両外務省でまとめてそれを公表する、いわゆる北方領土問題資料集を両国外務省の共纂のもとで発行するということもいたしました。これらのことは旧ソビエト連邦時代にはとても私は考えられなかったことであろうかというふうに考えます。 なお、先生御指摘のこの北方四島を対象にいたしました九九年の賃貸権等々を内容といたします大統領令の発令の検討が、大統領府、政府と最高会議の間で検討されておるということは私どももつとに承知をいたしまして、内々モスクワにございます大使館を通じまして情報の入手に努めております。また同時に、これは立法府、立法権の問題でございますから、それを踏まえながらロシア連邦政府に対しまして北方領土問題に対する我が国の基本的な立場というものをこの大統領令の発効、発布の動きと関連して随時申し入れをいたしております。 〔理事山岡賢次君退席、委員長着席〕
○磯村修君 そうするとこの大統領令というのは、外務省としてはその内容というものはまだ正確に具体的に把握はしていないということなのでしょうか。
○政府委員(兵藤長雄君) これはまだ大統領令は検討の段階でございますが、その内容については私どもは逐一情報として入手いたしておりますが、これはあくまでも先方政府の中の内部の検討段階でございますので、それ以上のことは申し上げることを差し控えたいと思います。
○磯村修君 とにかくこの北方領土問題というのは長い間の願望でもあるわけですから、ぜひとも強力な外交を展開してほしいというのが国民の期待だろうと思います。 それから最後に一つお伺いしておきますけれども、先ほど来、米の問題も出ております。いよいよ米の問題はこれからの交渉の焦点になってこようと思うのですけれども、国内におきましては、経済団体、財界はいわば例外なき関税化を認める方向に動いてきている。一万の農業団体は反対するというふうな立場をとっているのですけれども、外務省として、国会決議を先ほど重く見るというふうなお答えもあったのですけれども、今、財界とかあるいは農業団体が意見の異なった車場をそれぞれ持っているそうした中で、農林水産省とかあるいは通産省等との調整と申しましょうか、その辺の話し合いの調整というのはいかがなものでございましょうか。
○政府委員(小倉和夫君) 先生も御案内のとおり、ウルグアイ・ラウンドというのはほとんど史上初めて非常に新しい分野に取り組んだ交渉でございます。サービス分野が一番典型でございますけれども、農業分野につきましても非常に新しい考え方、デカップリングなどとよく言っておりますけれども、そういう考え方をその流れに乗せようという交渉でございますので、非常に幅広くまた深い知的所有権などの問題もございます。 したがいまして、おっしゃいますように、政府部内にいろいろな形の連絡会を設けておりまして、単にいわゆる経済官庁のみならず非常に幅広くいろいろな官庁との調整の上でこの交渉を進めなければいけない、そういうことで幅広い連絡調整をやっております。また、閣僚レベルにおきましてもウルグアイ・ラウンド関係の懇談をしていただいてそのような形で調整を進めているわけでございます。
○磯村修君 その調整も、先ほど大臣だったでしょうかお答えになったのですけれども、国会の決議を重く見ながらというお答えがありましたですね。そうしたことを前提にしての調整というふうに理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(小倉和夫君) もちろんそのとおりでございます。
○磯村修君 それからもう一つ、この農業交渉の日程というのはもうおわかりになっているのですか。
○政府委員(小倉和夫君) これは私が推測申し上げますよりも先般ガットの事務局長が言っているところを申し上げた方がよろしいと思いますが、ガットの事務局長としましては年末までにウルグアイ・ラウンドの政治的妥結を目指したい、これが一つのめどとなっております。 ただ、そのとき事務局長も言っておりますように、今申し上げましたような非常に幅広いものであると同時に、各国が具体的に例えば何%をどの品目の関税を下げるかとかそういう問題がございますので、細かな個々のいろいろな、スケジュールと通常言っておりますけれども、そういうようなことについては必ずしもこの年末までにすべて終えてしまうというのは不可能でございますので、これはしばらくかかるかもしれない。しかし、大枠と申しますか大きな問題についてはことしじゅうに決着したいというのが行司役のダンケル事務局長の意向であり、各国ともそれを目指して交渉しましょうと、そういうようなスケジュールになっております。
○磯村修君 終わります。
○武田邦太郎君 日本新党におきましても、地球環境の保全あるいは健康管理につきましてはもろもろの政策なり人的貢献についての準備を進めておりますが、そういう基本的な態度においてバーゼル条約への参加は大いに歓迎しております。それにつきまして幾らかお尋ねをするわけですが、どういう政策でもそうですけれども、こういう全世界的な問題、新しい問題については、国民全体の理解と支持を求めることが非常に大事だと思うのです。 それで、政治上の問題を国民にわかりやすく話すことにつきましては渡辺外務大臣は名人でございますけれども、お疲れになるといけませんのでそのほかの人にお願いしますが、このバーゼル条約に参加することで日本はどんな得をするのか、それに伴ってどういう責任を負うべきなのか、箇条書きくらいで結構ですからお話し願います。
○説明員(河合正男君) 日本が何を得をするのかという点につきましては、まずこれまでそういう心配をしたことはございませんでしたが、有害廃棄物がほかの国から不法取引で入ってくるということをこれは十分防止できる体制になるということだろうと思います。それにも増して先ほど来議論されているところで重要なのは、日本がほかの国に対して迷惑をかけない、そういうことかと思いますが、その面からいたしますと幾つかの重要な義務を負うことになります。 まず一つには、これまで特に手続が必要とされませんでしたが、日本が廃棄物を輸出する場合、輸入国または原則として通過国からも書面による同意をとらなければならないということでございます。 それから二番目には、廃棄物の国内処分を促進する。原則輸出ができるといいましても、輸出を極力減らすように国内処分を促進するというのが第二点でございます。 第三点は、この条約の規定に反しまして不法な取引が行われた場合にはこれを国内措置によって処罰するということでございます。これらの規定については新しい法律で措置が確保されることになっております。 それから四点目といたしましては、非締約国との間の取引、輸出入を原則として禁止するということでございます。 以上が主な義務ということになろうかと思います。
○武田邦太郎君 途上国に対して有害廃棄物を輸出して、途上国でそれを利用した後の最後的な処理については輸出した側、特に先進国が最後まで責任を持つようなシステムなり見通しなりは用意されておるのですか。
○説明員(河合正男君) 輸出国が処分の最後まで責任をとるといいますのは、輸入国側においてそのような環境上適正な措置がとれるかどうかということを確認できなければ輸出を行わないという意味で輸出国側は責任を果たすことになります。
○武田邦太郎君 アメリカその他の先進国とか、東南アジアにもかなり加盟していない国がありますね。そういう国は、日本がこの条約に加入することで取引が円滑に進まない、そういう条件が新しくできますとかえって資源のリサイクルの観点で混乱が起きる心配はないですか。
○説明員(河合正男君) 非締約国との取引が原則として禁止されておりますので、日本の主な取引国がこの条約に加入しないということになりますと今御指摘のような問題が生じますが、日本の主な取引国、東南アジア、韓国等の国は近い将来この条約に加入する方向にございます。例えば韓国につきましては、もう既に国内手続を終えていつでも批准できる態勢になっております。 しかしながら、日本が加入した後も主要取引国の加入がおくれるということになりましたら、政府といたしましてはこれらの国の早期締結を鋭意働きかけてまいりたいと考えております。
○武田邦太郎君 この六月のリオでの地球サミットでも有害廃棄物の越境移動の問題が話し合われたというのですが、その場合にやはりほかの問題と同じように途上国と先進国との間にフリクションがなかったのでしょうか。
○説明員(河合正男君) 武田先生が御指摘の開発途上国とのフリクションということが、実はそういう事件が起こったということがこの条約を作成する大きな背景の一つとしてございます。 また、その条約作成過程におきましても、開発途上国の権利をいかに保護するかという点を重視しまして議論しました結果このような条約ができ上がった次第でございます。
○武田邦太郎君 そういう問題を含めまして、結局は地球、世界が一つになる、あるいはしたいという観点からこういう問題も処理することが大事だろうと思うのですが、日本が特にそういう立場から率先して努力できますようにお願いしたいと思います。 終わります。
○委員長(野沢太三君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野沢太三君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約の締結について承認を求めるの件に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(野沢太三君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、本件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野沢太三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ――――――――――――― O委員長(野沢太三君) 国際情勢等に関する調査を議題といたします。 この際、便宜私から、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、民社党・スポーツ・国民連合、日本共産党、連合参議院及び日本新党の共同提案に係る有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約に関する決議案を提出いたします。 お手元にお配りをしてございますが、案文を朗読いたします。 有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約に関する決議(案) 目下、国際社会において、地球的規模の環境保全の重要性が強く指摘され、このための国際協力推進の必要性が痛感されている情況にかんがみ、バーゼル条約への加入に当たり、政府は、次の事項について特段の努力を払うべきで ある。 一、地球環境保全に向けての国際協力に積極的に参加し、関連する諸問題の解決に最大限の貢献をするよう努めること。 二、本条約の厳正な履行に万全を期すこと。特に、有害廃棄物はできる限り発生国において処理すべしとする本条約の趣旨に十分沿うよう、国内体制の整備、運用に努めること。 三、有害廃棄物の輸出入に当たっては、輸入国における有害廃棄物の処理に際し、人の健康及び自然環境を害することのないよう十分な配慮を行うこと。 四、本条約の規制を逃れるための有害廃棄物の不法な取引が行われることのないよう必要な監視、規制に努めること。特に開発途上国に対しては、リサイクル目的等と称して不法な有害廃棄物の輸出がなされないよう必要な措置をとること。 五、本条約第十一条に基づく協定等の締結に際しては、本条約の趣旨を尊重し、環境上適正な規定を取り決めるよう配慮すること。 六、本条約の趣旨を体し、我が国として国境を越える移動及び処分の規制を要する有害廃棄物につき常時検討を行い、必要に応じて規制のための指定拡大等所要の措置の整備に取り組むこと。 七、開発途上国に対する廃棄物の処理に関する技術移転、技術協力の推進に格段の努力をすること。 右決議する。 以上でございます。 本決議案を本委員会の決議とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野沢太三君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。 ただいまの決議に対し、渡辺外務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。渡辺外務大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約の締結につき、本委員会の御承認をいただきましたことにつき、御礼を申し上げます。 政府といたしましては、ただいま採択されました御決議の趣旨を十分尊重しつつ、この条約を誠実に履行することにより、有害廃棄物の国境を越える移動及び処分の規制についての国際協力を一層推進してまいる所存であります。 ―――――――――――――
○委員長(野沢太三君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。 国際情勢等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野沢太三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成及び提出の時期につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野沢太三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(野沢太三君) 次に、委員派遣に関する件についてお諮りいたします。 閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野沢太三君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十九分散会 ――――◇―――――