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125回国会衆議院1992/12/08

労働委員会 第1号

発言数
98
登壇者
10
会派数
5
開催日
1992/12/08

会議録

川崎寛治日本社会党・護憲民主連合

○川崎委員長 これより会議を開きます。  国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  労働関係の基本施策に関する事項  労使関係、労働基準及び雇用・失業対策に関す   る事項以上の両事項について、その実情を調査し、対策を樹立するため、小委員会の設置、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中調査を進めたいと存じます。  つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川崎寛治日本社会党・護憲民主連合

○川崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。寺

川崎寛治日本社会党・護憲民主連合

○川崎委員長 労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岩田順介君。

岩田順介日本社会党・護憲民主連合

○岩田委員 質問に入ります前に、風邪をこじらせていましてせきを持っていますので、失礼になるかもしれませんけれども、よろしく御容赦をいただきたいと思います。  まず、大臣に佐川問題に関して所見を賜りたい、こう思うわけです。  私は、この秋にマレーシア、インドネシア、シンガポールに行ってまいりました。その目的は、PKO、日本の自衛隊をカンボジアに出した後かって日本が侵略をしたこれらの国々がどういうまなざしで日本を見ているかということに興味を持ちまして、三国の与野党の国会議員を初めそれぞれの国の政府の方々ともお会いをする機会を得てきたわけです。  このPKO問題につきましては、かつて侵略をされた国々の方々という先入観がありますものですから、かなりいろいろな角度から批判もあるのではないかというように思って行きましたが、会った方々は政府及び議員の方々でありましたけれども、意外にクールというかさめた目で見られていまして、国連のもとで展開をするならば、それはいいではないかということが一つ共通していましたね。それから、もっと日本は貢献をすべきだ、彼らからいうと技術援助ですね、資金援助、とりわけアジアに対する、ASEANとは言わなかったですね、アジアに対するもっと積極的な働きかけを日本はすべきではないか、今がチャンスだ、日本のリーダーシップを発揮するチャンスだ、こういう意見も大体共通をしておりました。  むしろ、これらの問題よりも彼らが関心を非常に示したのは佐川問題であるし、マラッカ海峡を通るであろう、当時は秋ですからマラッカ海峡を通るであろうプルトニウムの輸送問題について、関心というか大きな懸念を示していましたね。マラッカ海峡は通るべきでない、この海峡は海難事故が非常に多くて、もし一たん何かあるとどうするんだ、日本は公表もしないし問題ではないのか、ぜひとも通らないようにしてくれ。さらに、このプルトニウムを日本に輸入して日本が核兵器をつくるというようなことは考えてないけれども、大丈夫かというような指摘も明確にありましたね。それから、やはり佐川問題につきましては、日本の総理が誕生する過程におけるさまざまな出来事、とりわけ暴力団とのかかわりについて異常なほどの関心を示していましたね。  つまり、それらを聞いてまいりますと、話をしてまいりますと、日本は先進国だし経済大国になったけれども、核兵器をつくるようなばかなことはしないだろうが、再軍備というか、かつてのような侵略するようなことはしないだろうけれども、しかし、日本の今の政治の状況を見るとこれはちょっと心配ですよというのが最後にやはり来るわけです。胸にきりを刺すような言葉が飛んでくるわけですよ。  佐川問題に関しましては、世界のあらゆる国から新聞が論評を加えておりましたね。我々にとってはもういたたまれないような新聞記事もありました。私行ってまいりまして、ASEAN三国だったけれども、日本の政治の現状について極めてゆゆしい状況を彼らに提供した、かつてないほど日本の政治の品性というか品格を落とした出来事ではなかったかというふうに思いますね。以下多くは申し上げませんけれども、世界の枠組みが変わって、日本は新しく世界のリーダーとしてかっちりした評価をやはり得ていかなければならない状況、これは今がチャンスだとも言えるのですけれども、そのときに起きただけにこの事件は残念であった、こういうふうに思うのです。  労働省にも、かなり国内的な問題についての質問もあったし、いろいろさまざまなことがあったのですけれども、世界に対するイメージ、非常に悪くなったという残念ながらそういう結果を持って帰ったのですが、大臣の所見をお伺いをしたいと思うのです。

近藤鉄雄自由民主党労働大臣

○近藤国務大臣 先生から佐川問題について御指摘がございました。  申すまでもないことでありますが、政治の基本は政治に対する国民の信頼でございますから、佐川事件をめぐるさまざまな報道が国民の皆さんの我が国の政治に対する信頼を非常に損ねている現状を私は大変深刻に憂えるものでございますが、とりわけ、御指摘がございました海外における日本のイメージですね。私は、いわゆる暴力団というのを英語で何と訳されているのか、ギャングスターとなっているのかアンダーグラウンドパワーになっているのか、どういうふうになるのか、日本のいわゆる暴力団といったものは適当な言葉がないんじゃないかと思うのです。かつてはヤクザというのが日本語で外国語になっておったこともございます。ですから、どういうふうな訳され方をしているのか大変気になるわけであります。  特に、お話がございましたように、これから国際的な舞台で日本の役割が大きくなっている、また日本に対する期待が大きくなりつつあるときに、まさに日本の政治の根幹に触れるような形で佐川問題がとかく報道されている、国際的に報道されているということについては憂慮すべきことだと思いますし、私も政治家の一人としてみずから自戒自省しているこのごろでございます。

岩田順介日本社会党・護憲民主連合

○岩田委員 来年の夏はサミットですよね。日本で東京サミットをやるのですが、それに向けて、この事件がどういう展開をするか、解明されるかというのは日本にとっても大きな政治課題です。したがって、今の国会で議論されております佐川事件の究明というのは、非常に大事であることは言うまでもないですね。これが、きのうあたりの証人喚問でもそうですけれども、事件の解明をするということはもちろんですけれども、さらに、多くは政権与党の問題でもあるのですが、しかし単にそれにとどまらず、与野党含めてこの事件をどういうふうに乗り切っていくか、そして解明の後にどういう政治改革をやっていくのかということがまさに課題だろうというふうに思いますね。ぜひ大臣の決意をひとつ前向きに展開していただくように要望するわけであります。  二つ目に、佐川問題自身に若干触れてみますと、この事件が構造的であるというふうに言われているのはもう御承知のとおりだと思います。例えば、暴力団との関係もさることながら、特定の政治家と政界の関係、いわゆる政治家と官の関係、それから財界との関係、つまり国が持っている許認可権という権限と、それを達成するためのお金もセットされておるわけですが、そういうことを考えるとき、やはり幾つか私なりにも疑問と問題を有するわけです。  例えば、佐川の場合、七〇年、八〇年代というのは急速に成長いたしておりますよね。もう数倍というふうに、三千億から九千億に急成長するという産業ですけれども、普通一部上場する会社などの歴史の過程では、一度か二度大蔵の査察を受けるというのが、一般的にそうなっていますが、ここには一回も大蔵省は入っていませんよね、入っていません。入らないところか、いわゆる運輸省の場合は、だれが考えてもできないことを許可、認可、免許を与えていっています。これなどはやはり今後大変な大きな課題だというふうに思いますね。それから、地元の町長は何と職員を動員して、佐川のターミナル建設の土地の買収に動員かけて一生懸命やったなんという話は、これはちょっと近代国家とは言えないわけですね。  労働省も、そういう意味では少しじゃなくて、佐川の労働条件の改善や労働省に関する監督業務についてはやはりちょっとおざなりであったということは、だれの目からも明らかなんですね。この点について、大臣、今後一体どういうふうにされていくのかというのをお聞きをしたいと思うんです。

近藤鉄雄自由民主党労働大臣

○近藤国務大臣 佐川グループが御指摘のようにいわば急成長を遂げたわけでございますが、その間にいわゆる労働基準法その他労働関係法令に違反したことがあったじゃないか、甘かったんじゃないか、こういうような御指摘がございましたけれども、実は労働省としてはことし十一月に行ったものを含めまして合計五回にわたる全国一斉監督を実施いたしました。そして、労働基準法その他関係法令に違反が認められた場合には、厳格にこの是正を求めてまいっただけではなしに、重大かつ悪質な法違反につきましては、司法処分を行うなど厳正な処分を行ってきたところでございます。  そういうことで、私たちとしては佐川急便グループ所属事業場に対し適切に対処してきたと考えておりますけれども、今後とも引き続き的確な監督を実施し、重大かつ悪質な事案が認められる場合には、厳正に対処してまいる所存でございます。

岩田順介日本社会党・護憲民主連合

○岩田委員 佐川のいわゆる労働条件、勤務時間を初めとする労働条件の改善というのは、これは単に佐川問題だけではなくて、次の労働基準法改正について今大変議論があるところでしょうけれども、これにも影響していくのではないかというふうに私は感じるのです。とりわけ、いわゆる労働時間が短縮できない、改善できない最大の業界というのは運輸業界だろうというふうに思うのです。佐川を放置しておったのでは改善もうまくいかないだろうということは言うまでもない思いますね。  そういった点からも、今大臣がおっしゃいましたが、労働省からも今まで労働省が何を佐川にやったかというのをいただいておりますけれども、確かに改善をされたけれどもしかしまだまだ問題というのが多く残されているというふうに思うのです。これはやはりきちんと行政指導をやって一定のレベルまでやらないと、いわゆる横並びといいますか、何しろ佐川急便というのはあっという間に業界ナンバーツーまで上がった企業ですからね、それに対して行政官庁がきちっとやり得ていないということになれば、なかなか全体の指導もうまくいかないだろうということは言うまでもないと思うのです。そういう点について僕はもう一遍お聞きをしておきたいと思うのです。

石岡慎太郎労働省労働基準局長

○石岡政府委員 道路貨物運送事業等自動車運送業における労働時間は、着実に短縮しているものの、御指摘のとおり他の業種と比べますとまだ相当長い実態にございます。  このため、労働省といたしましては、拘束時間、運転時間の上限等を定めました「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」を告示いたしまして、指導を行ってきているところでございます。また、昨年三月には道路貨物運送事業を対象に労働時間短縮の目標、課題等を定めました「労働時間短縮指針」を新たに策定いたしまして、行政指導も行っているところでございます。  それから、御指摘のように道路貨物運送事業に係るものも含めまして、週四十時間労働制への移行が今労働省の課題になっておりまして、現在、中央労働基準審議会におきまして鋭意検討を行っているところでございますが、この道路貨物運送事業の将来の労働時間をどうするか、これを真剣に中央労働基準審議会でも検討していただきまして、その建議を受けまして、労働省としては適切に対応してまいりたいと考えております。

岩田順介日本社会党・護憲民主連合

○岩田委員 今局長からもお話がございましたように、同業界の時短問題というのは、他の業種に比べてまだまだ相当開きがあるというお話だろうと思いますね。  こういうことはないと思いますけれども、もう一つ具体的なことをお尋ねをしておきたいと思います。  十一月二十七日に金丸元副総裁の臨床尋問が行われましたが、その際に委員の方から、渡邉元社長があなたに献金の申し出をする背景は何かというふうに聞かれていますけれども、これに対して金丸元副総裁は、労働条件の問題などがあることは聞いていた、私が道路調査会の会長であるので何か期待があったのではないか、具体的に何かの見返りではなく、会社の将来のことを考えて決断したのではないか云々、こういうふうにあるのですよね。  これは以前からいろいろ風聞として言われておったことなのですね。金丸さんが道路会長である、その配下というか組織下にある、傘下にあるいろいろな業界、トラック、いろいろありますね、これに改善命令を出したってなかなかそれはうまくいくはずがないという議論もありました。ここで何を言われているのかというのはよくわかりませんけれども、しかし、あの金丸さんでさえも労働条件の問題などがあるというのを明確に示された点が、これはなるほどと思わざるを得ませんね。こういうことがあって、遅々としてこの行政監督がおくれておったのではないかというふうにも思われなくもない記事なのです。これは金丸さんがおっしゃったことでよくわかりませんよ、もしそういうことがあれば大変なのですけれども。こういうのは、具体的にどうなのですか、労働省としてはひしひしと感じておった問題ですか。

近藤鉄雄自由民主党労働大臣

○近藤国務大臣 先生御指摘の金丸さんの発言、私も新聞等で知りましたものですから、内部でいろいろ調べてみてもらったわけでございますけれども、先ほど申しましたように、最近も労働省は非常に厳しい態度で監督に当たっておりますし、金丸さんがおっしゃったような形で労働行政が多少ゆがみを受けたというようなことは、全くなかったと私は理解をしております。

岩田順介日本社会党・護憲民主連合

○岩田委員 あってはならぬわけで、いささかもそういうことを周辺に感知させないような姿勢をひとつとり続けていただきたいものだというふうに思うところです。  次に、大臣に経済動向と雇用失業情勢問題についてお聞きをしてまいりたいと思うのです。  とうとう有効求人倍率が一・〇を割りましたね。それから七月——九月のGNPも前期比で〇・四%減ですね。年率で一・六%減。今回の総合経済対策を見込んでみましても、経済成長というのは三%を割る、一%台である。こういうふうに下方修正をしなければならない状況になっていったと思うのですけれども、今後の景気問題、景気の動向をどういうふうに推移するとお考えなのか、雇用失業情勢についてどういう認識を持っておられるのか、お聞きをしたいと思います。

近藤鉄雄自由民主党労働大臣

○近藤国務大臣 現在の景気調整過程をできるだけ早くもとへ戻したい、こういうことで政府としては、ことしの四月以来、緊急経済対策、総合経済対策を発表して、また、公共事業の前倒し等さまざまな手を打ってまいったわけでございます。それをさらに具体的に進めるためにこの国会におきまして補正予算の審議をお願いいたしまして、何とかこの八月末に決定いたしました十兆七千億の公共事業を含む景気対策をさらに強力に推進してまいりたい、こう考えておるわけでございます。  御指摘のとおり昨今のデータは必ずしも好ましくはない。完全失業率は二・二%と依然として低水準にございますけれども、有効求人倍率が四年五カ月ぶりで一を割って、今の状況が続くとさらにこれが下がってくるのではないか、こういう心配もございますので、労働省も実は今度の補正予算の中にも五百億労働省関係の施設改善費を取り込んでおります。  ただ、先生、これは率直に言って、全体の景気の中といいますか国民総需要に占める政府支出の割合というのは、国・地方を集めても七%ちょっとぐらいでございますから、これを幾ら増加しても全体の景気の活性化にはなかなか荷が重い。結局、民間設備投資や民間消費といった民間経済活動が、その政府の施策を一つのきっかけにして、それを刺激にしてまさに設備投資、消費が動いてくる、これが動かないとなかなか景気は我々の希望どおりに回復しないというのが現状でございます。

岩田順介日本社会党・護憲民主連合

○岩田委員 いや、そのとおりいかなかったのですね。うまくいかなかったのですね。投資の落ち込みが非常に厳しい。これは言うまでもないのですが、九〇年度当初から始まった株価の下落、それに昨年夏の金融不祥事、こういったものが重なった。世界経済の枠組みが変わった。バブルがはじけて何層にも重なっていったわけですね。かってない構造じゃないかというふうにも言われているのでありますが、大臣もおっしゃったように一生懸命やられた。  例えば、三月には緊急経済対策というものを打ち出されたわけですね。それでも株が上がらない。一万五千円を割り込んだ。あわてて緊急な株価対策もやられた。それでも上がるどころか落ちつきもしない、こういう状況が続いた。慌てたかどうか知りませんけれども、やはり総合経済対策というふうになっていったわけですね。  当初から経企庁だとか政府だとか総理周辺だとか、労働大臣のお話は聞いたことはございませんけれども、経済は堅調であるとか、雇用は堅実に進んでいるとか、心配ないというふうにずっと続けてこられたのですよ。しかし、民間を含めていわゆる企業サイドというのは余りそれを信用していなかったと思いますね。くるくる変わるというか、こんなに厳しい状況が予測されるにもかかわらず株はいっか上がるであろう、これが上がらない、消費の拡大もやがて、これも上がらない。やはり今日の景気不況という一種の混乱を招いた原因というのは、政府の経済見通しの甘さにあったということは僕は指摘せざるを得ないというふうに思うのです。  例えば、宮澤総理も何回か祈るような気持ちで記者会見をされておると思いますよ。七、八月が底だろうというふうに言いますけれども、しかし日銀などが発表したいわゆる調査報告を見ると、来年の三月以降までずれ込むだろう。いろいろまだありますが、その政府の経済見通しの認識の甘さが大きいんじゃないかと思いますが、大臣、いかがですか。

近藤鉄雄自由民主党労働大臣

○近藤国務大臣 現在の不況についていろいろなことが言われております。先生もおっしゃったように、これはバブル崩壊後の複合不況であるとか、大蔵大臣は複雑骨折だと、いろいろな言い方がございますが、私はそういう言い方は全部正しいと思います。同時に、今度の不況のべーシックス、基本は、過剰投資による過剰生産ですね。そして、結果的には、国民も自動車やテレビや洋服や靴やいろいろな物を相当豊富に持ってしまった。だから、気がついたら企業も過剰設備だった、気がついたら国民もいろいろな物を買い込んでおった。したがって、バブルが消えた途端にずっと冷え込んできたのが現在の不況の深刻さである、こういうふうに私は考えておりますので、政府の経済政策の甘さということも、私はそういう批判はまさにそうであったと思います。  同時に、あえてこの際申し上げますけれども、民間企業の方々も毎年十数%ずつ設備投資を続けられたわけですね。考えてみると、毎年十数%設備投資を続けてそれだけ生産能力が拡大したときに、それだけ拡大した生産能力を一体どこが吸収するのか、どこにマーケットがあったのかということについての見通しが、政府も甘かったけれども民間の企業の方々も甘かったのではないかというふうに私は考えますので、したがって、こうした過剰設備状況が解決するためには、やはり多少の時間がかかる。公共事業でいろいろ内需拡大はいたしますけれども、先ほど言いましたように、国民総需要に占める公共事業の割合は国・地方を通じて七%前後ですから、これだけでは日本みたいな大きな経済を押し上げるわけにはなかなかいかないということで、多少の時間が現在かかっている。  しかし、これ以上この景気の落ち込みをなくするように、労働省は御案内のような雇用調整助成金というものを出して、そして企業の方々が一部過剰雇用の状況を解雇という形で調整されないように企業内で何とか支えていただく、そういうことで、消費の落ち込み、雇用の落ち込みをこれ以上悪化することを何とか防衛をしておるといいますかサポートをしておる、こういうことでございます。

岩田順介日本社会党・護憲民主連合

○岩田委員 そういうことだったと思いますけれども、しかし、バブル時代の状況は異常であったということは、だれしもその当時から知っているわけですよ。日本の国内で三百万台程度の車しか売れないところに六百万台の設備投資をしてきたわけですから、異常が異常を繰り返すことは大体想定できたんじゃないかと思いますよ。  それから、景気が悪くなったら公共投資と言いますけれども、これも悪循環ですね。もうかったときにいわゆる設備投資をだあっとやっていく、設備投資に公共事業が追いつかないという側面をずっと日本は持ってきているわけですから、何月には底をつくとか何月には明るくなるとかということだけじゃなくて、今大臣がおっしゃったように、企業側の経営スタンスというか経営思想のあり方も含めてそこは誤りじゃなかったか、そういう意味で私は申し上げたつもりです。  今、雇用問題を言われまして、解雇が出ないようにとかいう問題が出ましたけれども、その問題についてついでに触れてみたいと思うのです。  大体一九七五年のオイルショック、八六年の円高、九二年の今日のほぼボトム記録をとってみますと、何らかの形で雇用調整をしている企業の割合は、七一がオイルショックのときです。それに比べまして、円高のときは四〇、今日は三一をちょっと回っているくらいだろうという統計が出ています。まだ過去の二回のいわゆる雇用調整をやった時期と比べるとやや緩やかに推移していますね。しかし、残業時間の規制等は八六年の円高に追いついています。これは来年追い越すんじゃないかと思われますが、こういう状況ですね。それから休日等の増加は、きっちりした数字は出ていませんけれども、これは時短の問題もあるのでしょうか、追い越していくと思います。さらに、臨時工だとか臨時職員、これらの再契約の停止だとか解雇が若干目立ち始めたという状況じゃないでしょうか。労働省はパートを含めてこの実情をつかんでおられるのか。  それから、今大臣がおっしゃったように不況対策等を含めてやっていくと思われますけれども、それだけでは実効性というか不足じゃないかと思います。企業側に何をアプローチするのか、企業側に何を要請していくのか。これはたくさんあるでしょう。時短の問題も世界の趨勢だし、さらには、いわゆる労働人口だって日本は非常に危機的な状況をやがて迎えるわけですから、したがって、不況の時代の今日はそういう行政指導をするに悪い時期なのかいい時期なのかという判断があるでしょうけれども、私は、この苦しい時期に労働省も企業にアプローチするところは積極的にやっていくという姿勢も必要だと思うのですが、この二点についていかがでしょうか。

齋藤邦彦労働省職業安定局長

○齋藤(邦)政府委員 最近の雇用情勢を第一次オイルショックの時期あるいは円高不況期と比較をいたしますと、確かに何らかの形の雇用調整を実施しております企業数は当時の水準まで行っていない。それから、残業その他が中心でございますが、当時と比較しまして希望退職者の募集とか解雇というような事態は今のところ避けられておるという意味におきまして、その当時の水準にはまだ行っていないと思っております。ただ、全国の情勢をいろいろ把握をいたしてみますと、その都市その都市の産業によっても違いがございますけれども、雇用調整は幅広い形で行われていることは事実だろうと思います。さらにまた、今後の景気の動向いかんにもよりますけれども、こういう雇用調整といったものが一層高まる可能性もあると思います。  これに対しまして、どのような対応策を講ずるかということでございますが、一つは、やはりできるだけ失業というような形での雇用調整が行われないように、雇用の維持をそれぞれ各企業、事業主の方に努力をしていただくことが基本にならなければならないというふうに思います。そのために、私ども雇用調整助成金の支給要件を緩和いたしましたし、対象業種といたしまして、既に十月、十一月、十二月合わせて四十七業種指定をいたしました。それからまた、さらに現在一月の指定に向けて作業を進めておりますが、そういうような努力が一つあるというふうに思っております。  それから、もう一つといたしまして、そういう政策的努力とは別に、個々の各企業の皆さん方にやはり雇用維持の努力、あるいはできるだけ多くの方をまた雇っていただく、中小企業には依然としてさらに根強い人手不足感が残っておるところもございますので、そういう意味で、そういうようなところに対して求人をお願いするというような努力、あるいはまた逆に求職者の方々に適切な求人の紹介をして、失業されている方には一日も早く就職口を見つける努力が必要になってくるというふうに私ども思っております。

岩田順介日本社会党・護憲民主連合

○岩田委員 幾つか資料をいただきまして、見ますと、バブルがはじけて二年連続減収であるということが一般的に言われていますけれども、後ほど若干大臣にお尋ねをしたいと思っている点があるのですが、やはり中小と大企業というのは雲泥の差が出ていますね。いろいろなところで差が出ていますね。例えば、自己資本比率で見ましても、大企業というのは三六%ぐらいの水準を保っている、保っているというよりもぐんとよくなっているのですよ。それから、中小企業は過去のよかったときも悪かったときもやはり低水準をずっといっていますね。ぜひこの点は考慮に入れていただいて、中小、零細、中堅の企業の保護というか育成には格段の力を入れる、そして今日の景気の状況を雇用にしわ寄せをしない、こういうかたい決意でひとつ臨んでいただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。  これに関連して先日、これは十一月の二十日ですか、大臣がどこかで発言をされたことが大変論議を呼んでいると思います。つまり、賃上げにつきまして大臣が触れておられますね。二つ言われている内容があると思います。景気を拡大する、消費を拡大しなければならない、そのためには民間も頑張ってもらわなければならぬというのが一つでしょう。もう一つは、じゃ、その財源をどうするかといったときに、必ずしも企業というのは損をしていない。これはいろいろな見方があるでしょうね。各社、決算報告を見ていますと、ぐんともうけたところはないわけですからね。先ほど私が申し上げましたように、単年度で見たらそうなのだけれでも、二年前が異常だったということはひとつ頭に置いていかなければならぬじゃないかと見ることも一つの見方だろうと思いますね。財源はストックしているじゃないか、こう大臣おっしゃった。  これは議論が展開するところですが、山岸連合会長は大臣の発言に対して、うれしくもあるしうれしくもないというようなコメントをされておりますけれども、私もどっちが勝つか、どっちかに加勢をするというような立場で言っているわけではないのです。これは大事なことだと思いますので、真意を短く言っていただけませんか。

近藤鉄雄自由民主党労働大臣

○近藤国務大臣 先生のお目にとまって恐縮でございます。  私は、先ほど来申し上げておりますように、国民総需要の中で占める民間の割合が大きい、二割が設備投資であって六割が消費。二割の設備投資はもうバブル時代に相当投資してしまって今さらそうふえないでしょう。そうなると、あとの六割の民間消費が拡大するようなそういう戦略をことしから来年にかけて、国も一生懸命考えますが、しかし、やはり経済発展のメジャープレーヤーである財界もそうですし、それからもう一つのメジャープレーヤーは労働組合だと私は思うわけでありますが、そういう経済のメジャープレーヤーの財界も、経済団体も、組合の方々も、どうしたら来年度の消費を拡大することができるかということについてお互い知恵を絞ってみるべきじゃないか、こういうことでございます。ただ厳しいから厳しいからということばかりでは、もうただでさえ慎重な消費態度がさらに一段と冷え込んでしまったら、なかなか景気はよくならない。個々の賃金とかボーナスは、それはもう文字どおり会社単位で労使の方々が真剣に議論してお決めになることでありますから、それに対して労働大臣としてとやかく言うことは全くない、ただ、客観的な事実関係を申し上げただけであります。  第二点として、バブルのときにため込んだじゃないか、それを使っていいという話をしたら、いや、そんなことはない、もう厳しいので、そんなことは世の中を知らない大臣の言うことだ、こういう話でございますが、私は政治家でありますから、経済人と比較しておれの方が経済をよくわかっている、経済人がわからないなどと、そういう大それたことを申し上げることは全くないのであって、それは政治家なんかよりは、大臣なんかよりは経済界の方々の方が、自分の経営ですから百もわかっていらっしゃるのは当たり前なんだけれども、ただ申し上げたいのは、今厳しいことはわかります、だけれども、過去五年、八七、八八、八九、九〇、九一、五年間は増収、増益という事実があるんですね。これは、上場企業の経常収支の黒字を集めてみると、何と五十兆円あるんですよ。あることは事実なんです。それはどこに行ったんでしょうかねということを私は申し上げるのです。どこに行ったんでしょう、これは。もうかっておるのは事実なんですよ、五年間。どこへ行ってしまったんでしょう。  そこから先を言うと多少あれがありますが、先生のお話でございますからあえて申し上げますが、この五年間の同じ企業グループの設備投資が大体四十兆なんですね。だから、利益四十兆を積んでいるんです、経常利益。だけれども、大体それがそのまま全部設備投資に入ってしまっているんですね。そのこと自体が現在の設備過剰、過剰生産の大きな原因であることは事実なんじゃないでしょうか。  だから、そういうことを踏まえてひとつ関係者の方々がいろいろお考えいただきたいという問題提起をしているわけでございますが、どうするかということは私の言うことではないけれども、事実四十兆の利益が積んであって、四十兆の設備投資をしてしまっているんですね。しかし、その設備投資が正しかった設備投資であったら、今のような不況は来なかったのではないでしょうか。

岩田順介日本社会党・護憲民主連合

○岩田委員 時間が迫っておりますから、これ以上大臣の御見解を聞く時間がありませんが、今おっしゃられたように、もうけがどこに行ったかというのはいろいろ見方もありましょうが、これは設備投資に一番多く行っているでしょうね。それから、いろいろな資料を見てみますと、内部留保は随分ふえていますよ。給与、退職金などはぐんとふえまして、それから借金はずんと減って、銀行からの借り入れが少なくなって、利子も払って、それであの時代、バブルの時代は土地を買って設備投資をやってきたんでしょう。設備投資の過剰で、今固定費のはね返りであっぷあっぷ言っているというのは、これは大蔵省の各種資料でもはっきり出ていますよ。ただ、その原因は、原因というかそれらを展開できた主たる要因はエクイティーファイナンスであろうということもはっきりしていますね。先ほど申し上げましたように、自己資本の状況を見てみますと、そういったことが潤沢にやれた大企業とやれなかった中小企業では歴然としているということなんじゃないでしょうか。ですから、一様に企業がもうかっているとかもうかってないとかいう議論を私はしているのではないのですが、やはり依然として苦しい立場に置かれている中小企業対策を一体どうするのかということについては、もっと腐心をしていただきたい。  それから、大臣おっしゃったように、何回も申し上げますけれども、イザナギ景気、第一次・第二次円高不況、今次の局面は、例えば自己資本比率で見ましても、ことしの三月は三七・六ですよ、かってないような高さを示しているわけですね。これは過去のピーク時とことしの三月を比較しましても、非常に高いものを示しているわけですよ。  ですから、時間がないのでお聞きできなかったというふうに言いましたが、例えばことしの二月、ソニーの盛田さんが論文を出されて、やはり春闘を前にしていろいろ議論がありましたね。彼が言っている一つの思想というか、これからの日本の企業の戦略はこうあらなければならないということを私は引き合いに出して申し上げましたら、大臣は盛田さんの言われていることは一つの見識だとおっしゃいましたね。僕はやはりこういうものが一つ一つ検証されて、努力されていかなければ、なかなか大臣がおっしゃるように企業の側はそう発想の転換をするはずがないのではないかと思いますね。  だって、そうでしょう。もうけるときはがっぽりもうけて、その分は設備投資に回して、借金を減らして、給料は横並びで、もうかっておってももうからなくてもちょぼちょぼしか出さないという日本の企業の体質を一体どうするのか、今これが問われておるのではないですかね。ですから、先ほど言いましたように、僕は連合や労働組合に加勢して言っているわけでも何でもないのですよ。客観的に見ればそうでしょう。やがてこれは例えば海外との摩擦の要因にならぬとも限らない、いや、きっとなるでしょうよ、これは。  そういう意味で、大臣がおっしゃった点は僕は非常に評価していいというふうに思いますね。ぜひ日本の、日本というかこれから先の経営のあり方も含めて、とりわけ、もう一方では中小零細はやはり苦しんでいるということを申し上げておきたい。  それから、次の問題は減税、税制の問題です。  先般の大蔵委員会、予算委員会では、羽田大蔵大臣は二兆円の減税、千円ほどのものがサラリーマンの財布に入っても、きっとそれは呼び水にならぬだろうというふうにおっしゃいましたね。それはそれで、その言い方は一つの考え方ではあるでしょう。千円くらいではどうしようもない、ありましょうね。特に、大蔵省は赤字国債を出してまでも減税したくない。ですから、同じ消費を伸ばすためには企業も頑張れというふうに言っている今、そういうさや当てというか対立の入り口にあるのではないかというふうにも思うのですがね。  しかし、当の勤労者の生活実態というのは、もうこれは卑近な問題を言いますと、牛肉から豚肉、鶏肉になっていっているというのは、近くのスーパーの店長さんの話を聞いても明確にこうなっていますね。食生活の改善というか、後退、まさにこういう状況になっていますよ。ですから、そういう状況のときに、大蔵省は減税をやらない、企業はボーナスはこの二年間の赤字で軒並み昨年割れというふうになっていきますと、消費というのはますますかたくなっていくのではないですか、消極的になっていくのではないですかね。減税もやるし、ボーナスもやはりやらなければならぬ。どうせ企業に返ってくる金でしょう、大きく見れば。ですから、双方長期的な視野に立つべきだというふうに私は思うのです。  だから、大蔵大臣の答弁はありましたけれども、経済関係閣僚のお一人ですから、勤労者の立場に立って、減税もやる、先ほどの中小零細の状況も踏まえた民間投資というか、労働分配もやるという立場に大臣は立つべきだというふうに思うのですが、これはいかがでしょうか。

近藤鉄雄自由民主党労働大臣

○近藤国務大臣 所得税の現在の水準が高いか低いかという議論は、これは国際的比較もございますし、多少時間をおいて長期的な視野で考える、例えば直間比率をどう改善するかという問題も含めて。  ただ、私は、まさに今当面景気対策として所得税減税どうかという議論であれば、ボーナスも余りぱっとしない、ベースアップもぱっとしない、その分は減税でどうだ、こう言われても、どうでしょう、一般の勤労者の方々は、そんなに厳しいなら貯金をしよう、民間金融機関よりも郵便貯金にということになってしまいますと、減税分がすぐに消費に、厳しい状況だとそうばっと出てこないんじゃないかという感じを持っていまして、例えばボーナスもふえる、賃金も上がる、それに追い風で所得税減税なら今度は景気がいいから出てきますけれども、厳しい厳しい、その分は所得税減税ということはどうかなという感じを私はちょっと持っているわけでございます。  そこで、時間もありません、はしょりますけれども、私は、減税するなら具体的な支出に関連した減税がいいのじゃないかと思うのです。端的に言って、今住宅環境は依然として非常に悪いですから、だから、住宅を融資を受けてつくられる方についての、よく言われますけれども、利子分の所得控除、現在はそれはできないけれども、三千万までは二十五万限度の税額控除がございますから、そういう支出に関連した所得税減税というものを住宅を中心に思い切って、場合によっては短期的な時限立法としてこれをやる、こういうことが支出の拡大につながるのであって、住宅投資につながって、それがそれ以外のいろいろな消費を引きずっていく、こういうふうに私は考えますので、一般減税よりも何か目的を持った減税というのが短期的な景気対策としては必要ではないか、こういうことを先ほど予算委員会でも御答弁申し上げた次第でございます。

岩田順介日本社会党・護憲民主連合

○岩田委員 これで終わりますけれども、大臣、そこまでおっしゃるのだったら、それはぜひ実現をしていただきたい。平成五年の税制改正に対して労働省は十九項目ぐらいから成る要望書を出されておりますが、これは期待をしていると思いますね。  今住宅問題に関しておっしゃいましたけれども、できれば検討していただきたいのは、今こういう状況の中で勤労者が一番頭を悩ましているのは住宅と自動車のローンじゃないかと思うのですよ。住宅のローンの繰り延べぐらいは、この際時限立法としてどうするか考えていただきたい。金融はそれぐらいの余裕は僕はあると思います。これを要望して終わりたいと思います。

川崎寛治日本社会党・護憲民主連合

○川崎委員長 伊藤英成君。

伊藤英成民社党

○伊藤(英)委員 まず最初に、先ほども若干話も出ましたけれども、来年の春闘と最近の景気対策等について伺いたいと思います。  まず、来年の春闘での賃上げについてでありますが、特にこういう景気低迷あるいは消費意欲が一段と冷え込んでいる、こういう状況の中でありますけれども、この春闘の問題について労働大臣としてどういうふうに考えられるか、その効果、意義等についてまずお伺いしたいと思います。

近藤鉄雄自由民主党労働大臣

○近藤国務大臣 春闘における賃金決定は、これはあくまでも個々の企業において労使が話し合って決めることでございますから、労働大臣としてまた政治家として、とかくそういった民間が自主的にお決めになることについて物を申す立場ではないわけでございます。  ただ、いろいろ私の発言が新聞等で伝えられておりますけれども、その趣旨は、当面来年の景気をどうしたら回復するかというそういう戦略について申し上げれば、みんな厳しいから厳しいからと言って横並びに、ボーナスもだめだ、ベースアップもだめだということでは、ただでさえも冷え込んでいる消費をさらに冷え込ませて、そして景気を一段と悪くする危険もあるのじゃないか。ですから、個々の産業、個々の企業でそれぞれ違うわけでございますから、お決めになるのは結構なんだけれども、しかし、単に横並びで物を決めないで、いいところはいい、悪いところは悪いと、それなりに現実的な対応をしていただいて、全部悪いから全部だめだというような形では、どうも来年の経済運営についてはさらに厳しさを増すのではないかということを申し上げた次第でございます。

伊藤英成民社党

○伊藤(英)委員 今日までも労働大臣は、日本の経済の状況を見ながらいろいろと見識のある発言をされているわけでありますけれども、ぜひ頑張っていただきたいな、こういうふうに思っております。  それにも関連するのですが、先ほど、最近の日本の経済運営の問題につきましていろいろと大臣からもお話があったりいたしました。例えば、最もベーシックなものは民間企業の過剰投資あるいは過剰生産というような話をされておりました。そういう側面もなきにしもあらずなんだけれども、必ずしもそういうふうに思っていいのかなというふうに私は思っております。  それは、日本の経済というのは、世界的に見ればかなりよくできた混合経済ですね。そういうふうなことを考えてみたときに、余り民間、民間ということだけ言っていたのではいかぬのではないか、こういうふうに思います。特に、労働大臣という立場から見ましてもあるいは国務大臣という立場からしても、働いている人たちの状況等々をいろいろ考えて発言されるのだと私は思うのですが、大変な大型景気、バブル景気というような状況があったりした。そしてそのために人手不足等も大変あったりいたしました。違法な状況も含めて、あるいは人材派遣業というような話も結構あったりした。あるいは不法就労者もいろいろあったりしましたよね。そして今、今度は大変な不況だという状況ですよ。有効求人倍率も一を割っている。大変だ大変だという話をしたりするのですが、何でこんなふうになったのだろうかといったときに、先ほど申し上げたように、ただ企業だけの責任にしていいのだろうかということであります。  それでは、日本の経済をどうやって運営してきたのだろうか。例えば金融、財政面はどうだったのだろうか。金融面に関していえば、例えば公定歩合等の動きは、もう今さら申し上げるまでもなく、日銀総裁までが、ああ間違っていたという意味で反省をされたと私は思うのですね。じゃ、財政政策はどうだったのだろうか。  私はこの間の十二月一日の予算委員会でも申し上げましたけれども、最近の日本はどんな予算を組んできたのだろうかということであります。当初予算を組む、大変な景気だ、そして税収はぼんぼん上がる。このころの日本はどんな補正予算を組んできたのだろうかといいますと、今私たちが、例えば所得減税を一兆五千億あるいは二兆円、こう言ったりしておりますが、その財源がない、その財源がないという話ですよね、今。  しかし、じゃ最近の補正予算はどんな予算を組んできたかといいますと、八七年は当初予算に対して四兆一千億の補正予算を組んでまいりました。八八年は五兆一千億、八九年は五兆九千億、九〇年が三兆四千億、いわば五兆円くらいの補正予算を組んでやってきたのですね。税収が上がった。そうしたらそれを単年度主義ということでぼんぼん使ってきた。まさに山はますます高くなるような政策を実行してきた。こんなことをしておれば、山が高ければ谷は深くなるのは当然でありますよね。  日本には、例えば決算調整資金制度というのが、昭和五十二年だったでしょうか、できました。使ったのは一回だけですよね。お金が余ったときにそこにプールをして、そしてそれを使うようなシステムをもっと本気でつくり、あるいは運用しなければなりませんね。しかし、そんなことを我が政府はあるいは私たちは実行してこなかったわけです。  私は、日本の経済というのは混合経済で結構うまくやってきている、こう言いましたけれども、今のようなことがうまくコントロールできなくてどうして経済運営がうまくできるのだろうか、あるいは、そこに働いている勤労者は本当にそれなりに安定した生活ができるのだろうかと考えたときに、国務大臣としてもあるいは労働大臣としても、過去のことについては終わったことでありますが、今後のことを考えればこの問題は私は極めて重大なことだと思っているが、いかがですか。

近藤鉄雄自由民主党労働大臣

○近藤国務大臣 私は、民間設備投資は日本の経済発展に非常に大きな役割を果たしてきた、まさに日本の高い成長率も、また国際的な産業の競争力も、また国民生活の向上も、この基礎的な、技術的な力をつけてくれたのはまさに日本のたくましい民間設備投資だったと思いますので、これを評価することには人後に落ちないつもりでございます。  ただ、先生、同時にやはり物事には限度というものがありまして、毎年十数%設備をずっと伸ばしていって、そして十数%キャパシティーが伸びてきた場合に、そのマーケットがどこにあるんだといえば、それは従来みたいにどんどん海外に売り込んでいけばマーケットは無限に拡大するかもしれませんが、しかしそれがいろいろな国際的な状況から許されないとしていけば、結局国内にマーケットを拡大していかなければならない。  そうなると、結局経済発展を支えるのは、そのダイナミックな力としては設備投資だけれども、さらにこれを吸収していくのは民間消費なんですね。そして政府も、まさにソーシャルインフラ、社会基盤整備でありますから、結局社会基盤整備と民間消費というのが最終的な経済の生産力をうまく吸収して、そして均衡発展をしていくわけでありますから、その点を考えていくと、これまでのバブル時代はどっちかというとウエートが設備増強の方に偏り過ぎて、それを国民生活の向上という形で受けとめていく体制がおくれてきたんじゃないか。  ですから、宮澤内閣はまさに今生活大国を目指そうということで、労働時間短縮だとか、それから勤労者が住宅を持てるようにする、いろいろなことを考えて、公共事業をふやそうということで、何とかこの膨れ上がった生産力を国内の生活向上に引きずり込もうと努力しているが、いまいちまだそれがうまくマッチしないというのが、現在の不況がなかなか解決しない一つの大きな要素ではないかというふうに考えている次第でございます。

伊藤英成民社党

○伊藤(英)委員 今の点はこれからの問題と考えればよろしいのですが、私が申し上げたのは、いわゆる財政運営のあり方として、過去数年の状況というのはやはり反省すべきではないかということなんですね。先ほど申し上げたように極めて景気がいいとき、大型景気が続いているときでありますから、本来は政府支出は公共事業等も含めて若干抑えぎみの方がいいわけですね。にもかかわらず、そういうときに拡大予算を組んできたんですよ、そういう補正をやってきたんですよということではないかと思うのですね。  これはもう十何年前でありますが、かつて日本のある財政学者がこう言ったのです。私がさっき申し上げたような意味で、いいときに若干プールをしそれを悪いときに使うというような発想ができないならば、日本にフィスカルポリシーなんというものはあり得ないと。せめて日本も早くそういうふうになりたいものだという趣旨で言ったのだと私は思うのです。それから二十年近くになるのですが、ここ数年の状況の財政運営は明らかに間違っていた、だから、今後のために、そういう反省の上で対処すべきではないだろうかという意味で私は申し上げたのですが、いかがですか。

近藤鉄雄自由民主党労働大臣

○近藤国務大臣 先生の御指摘のことはわかりますし、これはまさにいろいろ議論の分かれるところでございます。  ここから先は個人的な考えになりますけれども、私はまさにバブル時代の原点における経済企画庁長官をして、過剰流動性処理ということで内需拡大。しかし、そういった効果が株や土地を上げて、それが設備投資や民間の需要に行くよというような話をもう六、七年前にやっておった一人でございますので、あえて反省の意味を込めて申し上げますが、私は、むしろ間違いは、さっき言いました社会公共投資がおくれているのですね。これはまさに財政がすべきだったと思うのです。それをどちらかというと、大蔵というか我が国の財政当局は、財政再建の方にウエートを置いて、そしていろいろな起債の、国債の償還にそっちをつけた。そうすると、その金があふれてきて、経済発展のいわば主力をマネタリー、金融政策に任せちゃった。それが低金利を招き、民間設備投資を招来したというのが実は私の解釈でございまして、財政はむしろ税で取って、それをきちっと、東京は土地バブルの問題があるとすれば、地方のまさに道路や交通など、いろいろな社会基盤整備に積極的に財政を持っていけば、中央における土地バブル、株バブルはなかった、したがって、民間設備投資も過剰にヒートアップしなくてもよかったんじゃないかというのが、私、反省を込めて考えておる次第でございます。

伊藤英成民社党

○伊藤(英)委員 今のはこれ以上ここで議論しておりますと、どんどん長くなってしまいますけれども、もちろん国債の償還の問題等々にも向けたりしているのですが、しかし、ほかのところに随分たくさんの金が投じられたことは事実ですよ。きょうは数字で説明することはいたしませんけれども、それは国・地方を含めて言えることである。だから、財政政策としてはそれは基本的には私は間違っていたと思いますし、今後ますます労働大臣としても、あるいは極めて見識のある、影響力の高い政治家でもありますから、ぜひそういう観点でこれからも取り組んでいただきたい、こういうふうに思います。  それから、パート労働法の問題についてお伺いいたします。  御承知のように先国会に社公民、社民連、私たちが共同で議員提案の形でパート労働法の提案をしております。そして昨日、労働省のパートタイム労働問題に関する研究会が報告書をまとめて発表をされておりますが、その中にもパートタイム労働者の労働改善を促すパートタイム労働法の制定が必要であるというふうに提起されております。また、御承知のように昨日、自社公民、社民連の与野党のパート問題協議会というところで、私たちの要請に対して与党の方から、パート労働法の政府案を提出するようにしたいという考え方の回答がありました。  これを踏まえて、労働省としてこれからどういうふうに取り組むおつもりか、そして今度の通常国会には政府提案をされるのか、お伺いします。

松原亘子労働省婦人局長

○松原政府委員 お答え申し上げます。  昨日提出されました労働省のパートタイム労働問題に関する研究会の報告におきましては、今後ますますこのパートタイム労働問題というのが重要になるという観点から、第一に、パートタイム労働指針の周知徹底を図り、その実効性を確保するためということが第一、それから第二に、パートセンターを通じて、労使に対する情報提供や相談、事業主団体の雇用管理改善に対する指導・援助を行うということが第二、この二つを目指しまして法的整備をするようにという御提言をまとめられ、提出をされたわけでございます。  私どもといたしましては、この報告を貴重な参考資料といたしまして、今後法的整備の検討を進め、できるだけ次期通常国会に提出させていただくよう努力してまいりたいと思っているところでございます。

伊藤英成民社党

○伊藤(英)委員 野党の案を既に出しているわけでありますから、その野党提案のパート労働法の案の中身を十分に反映したものにしていただくように、ぜひお願いをしておきたいと思います。  時間も参りましたが、最後に大臣にお伺いしますけれども、この十二月三日にICFTU、国際自由労連の書記長が宮澤総理に会われたときに書記長が、先進国、途上国の雇用失業問題や南北問題が社会的、政治的問題になっており、経済開発のために日本の協力を期待するというふうに述べて、そして来年七月の東京サミットで雇用失業問題を論議する必要性を指摘されたようであります。これに対して首相は、雇用失業問題は次のサミットでの重要問題の一つだと思っている、こういうふうに答えられたと伝えられておりますけれども、サミットに関してこの失業問題等について大臣はどのように臨むのか、その見解をお伺いいたします。

近藤鉄雄自由民主党労働大臣

○近藤国務大臣 先般ICFTU−APROの会合が東京でございましたときに、その会長のゴペシュワールさんですか、それからICFTUの書記長のフリーゾさん、幹部が集まられまして総理に会われたわけであります。山岸連合会長が御同行され、私、労政局長が立ち会ったわけでございますが、新聞にもあるように、フリーゾ書記長から、まさに今世界の最大の問題は雇用問題である、その中で大事なのは先進国の雇用が安定することで、先進国の雇用の安定がなければその他の国の経済発展も雇用の安定もない、そこで、幸い来年の七月には東京サミットが行われて、先進七カ国の首脳が集まられるので、その場で先進七カ国の雇用問題から始まって世界の雇用問題について十分に議論をしていただきたい、こういうお話がありました。それを受けて総理も、全く自分も賛成です、ぜひこれは取り上げたい、こういうお話があったら、さらにフリーゾ書記長から、いわゆるサミットの公式的な型どおりのコミュニケじゃなしに、具体的なアクションを伴ったプログラムとしてぜひ議論して提言を出していただきたい、こういうお話があって、総理も、よくわかりました、わきに山岸連合会長も近藤労働大臣もいて、周りでわあわあ言うから、必ずやりましょうなんて、冗談まじりにおっしゃったわけでございます。  私は、繰り返しますけれども、我が国のみならず世界の最も大事な問題は雇用問題で、政治の要請は、やはり国民に安定じた雇用を確保し国民生活の向上を図ることでありますから、これがもうすべてに優先しなければならぬ、こう思っておりまして、実はこれも一部新聞に出ておりますが、東京サミットの前に労働大臣だけのサミットをやったらどうだということで、アメリカの労働大臣、西ドイツの労働大臣、フランスの労働大臣は日本に来てくれて、会って、それからECの労働担当コミッショナーにも話をして、皆さん一致してくれたので、実はイタリアとイギリスとカナダにも労働大臣時代に行って説得をして、五月にレーバーG7をやろう、こういうことを考えておったわけでありますが、どうも私も余り長くこのポジションにとどまっていないようでございます、でありますが、これは労働省の幹部もまさに同じ気持ちでございますので、どなたが私の後の大臣におなりになっても、何とかこの五月に労働大臣G7をやって、そして一回粗ごなしをする、それをもって今度は七月の首脳会議に宮澤さんに臨んでいただければいいなということを実は内々思っている次第でございますので、大臣をかわる際にはきちっとこれは引き継ぎをしていきたい、かように考えております。

伊藤英成民社党

○伊藤(英)委員 時間が参りました。終わります。ありがとうございました。

川崎寛治日本社会党・護憲民主連合

○川崎委員長 岡崎宏美君。

岡崎宏美日本社会党・護憲民主連合

○岡崎(宏)委員 きょうは、私は、女性が働くということに絞っていろいろお尋ねをしていきたいと思っております。特に均等法、それから、けさのニュースでも出ておりましたし、先ほどの質問の中にもありましたパート労働に関して、幾らかお尋ねをしていきたいと思っております。  均等法は、施行になってから今七年目ですが、かなりの期待を集めながら少し歴史を刻んできた、そういう法律だと思っております。ただ、私自身も働いてきたし、私の周りの働いている女性の人たちからも、大きな期待をかけてきたけれども、しかしどうも期待どおりではない、そういう面を持っている法律じゃないだろうか、正直そういう声も聞こえてきております。ちょうど労働基準法の扱いをめぐって、時短ということをめぐって、年明けには、時間だけではなくて男の人も女の人も働いていき方が問題になってくるであろう、そういう時期だと思いますので、あえてそういうことにこだわってお尋ねをしていきたいと思っております。  均等法が職域の拡大あるいは待遇の改善に結びついた、そういうふうに積極的に評価できる面、去年の白書にはこの均等法の結果について踏み込まれた評価があったと思うのですけれども、今の時点で均等法が積極的に評価できるというふうに言えるとしたら、募集・採用、配置・昇進あるいは教育訓練、福利厚生、定年の年齢、そのそれぞれにどのような形になって、具体的にどのような数字になって評価される面が出てきていると労働省の方は考えていらっしゃるか、お尋ねしたいと思います。

松原亘子労働省婦人局長

○松原政府委員 私ども均等法の施行状況というのは随時調査などいたしておりますけれども、今の段階でお話できる調査結果によりますと、ただいま先生御指摘いただきました項目のうち募集・採用でございますけれども、均等法施行直前の昭和五十九年の調査によりますと、例えば四年制大卒を募集した企業自体が二五%ぐらいだったのですけれども、その募集した企業のうち、男女とも募集したというのが三分の一程度でございました。それ以外の、つまり約三分の二の企業は男子のみの募集だったというのが均等法施行前の姿でございました。それが元年、まあ施行してから大分たっての時期ですが、元年の調査によりますと、四年制大学卒の事務・営業系というふうにこのときはちょっと職種を分けてとっておりますが、事務・営業系では、大卒を募集した企業というのは三割ございまして、そのうち男女とも募集した企業が七割、依然として男子のみが二六%といったような数字ではございますけれども、施行前に比べますと大幅に女子にも門戸を開いた企業がふえたという実態を把握いたしております。  それから、例えば女性の管理職でございますけれども、これは制度としてもちろん管理職にも女性を登用する制度にしたというところが多いわけでございますが、実際に今後の方針なり現状におきまして女性の管理職をふやしたのか、今後ともふやす方針なのかといったようなことを平成元年度に調査したものがございます。管理職といいましてもいろいろなレベルがございますが、例えば係長相当職を見てみますと、過去と比べて女性管理職がふえた企業というのが三五%くらいございます。それから、今後の方針としてさらに係長相当職の女性をふやしていくという企業が五二%あるといったような結果が出ておりまして、管理職登用に当たっても女性を積極的に登用していくといいますか、均等にやっていくという姿勢が非常に強く出てきているというふうに考えているわけでございます。  なお、男女別定年制につきましては、法施行前からもうほとんどの企業が男女同一になっていたというようなことで、法施行前から男女別定年制はなく対応する必要はなかったという企業が八割を超えているわけでございますけれども、残りの企業のほとんどはもう改善したという結果も、これは昭和六十一年でございますので施行直後という数字でございますけれども、そういったことで、個々具体的な雇用管理のステージにおける男女均等取り扱いは大幅に進んでいるというふうに私どもは認識しているわけでございます。

岡崎宏美日本社会党・護憲民主連合

○岡崎(宏)委員 今報告をいただいた最初の募集・採用、配置・昇進、これは努力義務の項目ですね。定年の年齢については、これは施行前からほぼ一緒だったというふうなことで、大体済んでいるだろうとおっしゃられた。そこは禁止の規定です。それ以外の教育訓練、福利厚生、禁止というふうにしたその項目はどうでしょうか。今はその二点に関しては数字の報告がなかったのですが。

松原亘子労働省婦人局長

○松原政府委員 福利厚生でございますけれども、これも昭和六十一年度の調査でございます、福利厚生、いろいろな措置がございますが、法施行前から男女とも同じ扱いであったという企業が非常に多いということでございますが、男女別であった企業につきましても、均等法の施行を契機に変更したというところがほとんどでございます。  その男女別であったという中には、対象が男性だけだったものを男女同一にしたというのもありますし、いろいろな条件、例えば住宅に入るというときの条件がありますが、これが男女で異なっていたのを同じにしたということで、同じにしたという意味がいろいろ違うのですけれども、福利厚生の、例えば住宅資金の貸し付けですとか、生命保険料の一部補助、世帯用住宅の貸与、いろいろな項目がございますが、そういったものにつきまして施行を契機にほとんどの企業において男女同一の取り扱いがなされてきているという実態にございます。  それから教育訓練でございますが、例えば新入社員研修でございます。これについても男女差別的取り扱いが禁止をされているということでございますが、法施行前から男女同じ扱いであったので変更する必要はなかったというのが五六%ございます。変更したというのが五・六でございます。非常に少ないようでございますが、残りは新入社員研修はしていないというところでございまして、これにつきましても、ほとんどが男女同一取り扱いになっているということが言えるのではないかというふうに思っております。     〔委員長退席、永井委員長代理着席〕

岡崎宏美日本社会党・護憲民主連合

○岡崎(宏)委員 今また景気が悪くなっている、来年の大卒の女子の募集がどうも落ち込んできている、これは専ら言われていることなんですけれども、募集・採用がこうして努力の範囲であるときに、経済のそのときの状況によって、女性が同じように採用されていたり、結果的に門戸が狭められていったり、こういうふうになっていくのは均等法から見ればどうだろうか、これが一つ。  それから、今、福利厚生のところで、以前から男女一緒だったとか、あるいは、男性だけだったというところはそろえた、ほぼ改善ができたというふうなお話もあったのですけれども、特にこの福利厚生の問題についてはたくさんの女性の人たちから意見もあります。  というのは、住宅資金の貸し付けにしても住宅の貸与にしても、本当に無条件だろうか、男性も女性も同じところにそろっているだろうか。同じ条件になったというときに、男に限るとか女に限るとかいうことではなくて、世帯主というふうに条件づけられているところがある、あるいは主たる生計の維持者というふうに条件づけられているところがある。それは結果的に男性に有利、女性の場合は世帯主でなく、あるいは主たる生計の維持者でないという場合が多いんじゃないか。これは結果としては、やはり女性の場合ははじかれてきているということになるんじゃないか、これはどう考えたらいいか、そういう声があるわけですが、それについてはどんなふうにお考えでしょうか。これが二点目です。

松原亘子労働省婦人局長

○松原政府委員 最初の点でございますけれども、来年の春大学を卒業する女子学生について特に就職状況が非常に厳しいということは、マスコミ等で報道をされております。ただ私ども、個別に人事担当の方にお会いをするときにそういう状況もお聞きをしておりますけれども、確かに企業によっては女性の数を減らした、募集の数を減らしたというところもありますけれども、いわば男子学生についての募集も非常に減らしていて、それはほとんどパラレルに減らしているんだというところもあれば、いや、男子の方を大幅に減らしたというところもあって、個別に聞きますとさまざまでございまして、一概にどうこう言えないのではないかというふうに思っております。  ただ、私どもとしても、これらを全体としてどう把握するかということを調べる必要があるということから、現在調査を実施しておりまして、なるべく早い時期に全体的な傾向を把握したいというふうに思っております。もちろん、女性だからということで応募の機会がない、また採用されないというようなことがありましたら、それは均等法に照らして望ましくないということは当然のことでございます。そういうことがあれば、婦人少年室を通じて指導するなり、またそういった御相談があれば適切に対応するというのは当然のことでございます。  それから、第二点の福利厚生に関します世帯主要件でございますが、これにつきましては、私どもは法律上の解釈としましては、世帯主という場合に、それから主たる生計の維持者という場合に、これはいわば夫婦で話し合ってどちらかがなるということは、いずれも社会的に、制度的に制約があるということではないわけでございまして、まさに二人の間の選択で決めていかれるべきものだというふうに思っておりますことから、これにつきましては均等法上問題があるというふうには考えておりません。  特に、福利厚生と先ほど先生も御指摘がございました住宅の貸与だとか住宅融資ということになりますと、個人単位にこれを考えるべきものか、それとも世帯ということで考えるかということについてはいろいろ議論があろうかと思いますし、あえて世帯で考えなくていいものまで世帯主という要件をつけているのならばともかく、そうでない場合については、法律上これは問題があるということは言えないのではないかというふうに思っております。

岡崎宏美日本社会党・護憲民主連合

○岡崎(宏)委員 条件の中に、世帯主とかあるいは主たる生計の維持者というふうになっている企業が実際どれくらいあるか、そして、その世帯主あるいは主たる生計の維持者はどういう形で認定をしているか。そういうふうに主たる生計の維持者というふうに挙がっている場合には、主たる生計の維持者というのはどういう形で認定するかというのは必ずついてくるものですから、それはどういうふうに把握されていますか。

松原亘子労働省婦人局長

○松原政府委員 これにつきまして総合的に把握した調査というのはございませんけれども、個別に聞いておりますのは、例えば世帯主という場合、住民票上の世帯主をそのまま使っているという企業もあれば、それから主たる生計の維持者という場合には、例えば前年の住民税の納付額等からいずれか決めるというような企業もあれば、お互いの話し合いで決めるとか、さまざまあるようでございまして、一概には言えないのではないかと思っております。また、恐縮でございますが、私ども、そういったところまで細部にわたっての調査はちょっといたしておりませんので、全体的な傾向はちょっと申し上げられないような状況にございます。

岡崎宏美日本社会党・護憲民主連合

○岡崎(宏)委員 ぜひ一度、この部分に限って検討はしてほしいと思うのです。  主たる生計の維持者というときに、社会保険の中なんかでよく言われてきた、それが使われてきたことが多かったのですけれども、夫と妻といて、例えばどちらかの所得が三割ぐらい多いとか、そういうふうに言われてきていますね。そのときに、白書を労働省は出していらっしゃるけれども、どう考えても男性を一〇〇として賃金を見たときに、女性の場合は、ことしで、この白書でまだ六割にならないのです。  個別ということで今おっしゃる、それぞれ夫婦で考えればいいことだ、そういうふうに言われるけれども、しかし、片一方では、個別の問題ではなくて総体として法律というのは物をくくっていくことがある。どう考えても男性の賃金が一〇〇としたときに女性が一〇〇を超えない、まだ六〇にもいかない、そういうときに、例えば生計の維持者だとか世帯主だとかいうのは、これはみんなの意識というのは今の社会の情勢について回るものですから、そこを抜きにしてこれは差別とは言えないと、そういうふうに言い切れるものかどうか。私は言い切れないと思います。現に、例えばこの白書で賃金が男性が一〇〇としたときに女性も一〇〇と、そう並ぶような結果になったときに初めて、どっちでもいい、お互いの話し合いでと言えるのじゃないか、そんなふうに私は言えると思うのですけれども、この賃金の大きな差と実際上の問題とどんなふうにお考えになりますか。

松原亘子労働省婦人局長

○松原政府委員 男女間の賃金の比較というのはいろいろ難しい点を含んでいるということは先生も重々御承知の上で御質問されたんだというふうに思いますけれども、賃金、今おっしゃった数字が何を指しているかあれですが、まず、所定内給与だけを取り出して比較するというのが、最もといいますか相対的に近い比較になろうかと思います、つまり、所定外給与までは含まないという意味で、ですから、まず所定外労働時間については、これは男女で法律上の規制もございますので差が出てくるということから、男性の所定外労働まで含めた賃金を一〇〇とすれば、それは当然女性は平均すれば低くなってこようかと思います。  次いで、所定内給与についてはどうかということになってまいりますけれども、この場合に多くの企業が各種手当という手当制度を採用しているわけでございます。この賃金は福利厚生ではございませんけれども、中には配偶者手当といったような制度も設けている企業もあるわけでございまして、もちろんその配偶者手当という場合に、これが妻だという限定をするということはできないわけでございますけれども、多くの場合、実態としては男性が受け取るということが多いわけでございます。そういうことからして賃金に差が出てくるということになってくるわけでございますけれども、これをもってまたそれが不当な差であるということは言えないのではないか。つまり、配偶者手当制度をどうするかという議論なしに賃金の結果だけを見て議論することはできないのではないかというふうに思います。  先ほど来ちょっと申し上げましたけれども、その主たる生計の維持者をどう考えるかということについては、男女の平均的な賃金の差でもって議論する話ではなくて、それはまさに個々の家庭なり家計なりで話し合って決めるべきもので、賃金格差がこうだから、したがって、この男女の賃金格差がなくならないうちにそういった概念を持ち出すのはおかしいということにはならないのじゃないかというふうに思っております。つまり、個々の家庭の問題と平均の問題とは別だということだと思います。

岡崎宏美日本社会党・護憲民主連合

○岡崎(宏)委員 これはどう読んだらいいか教えていただきたいのですけれども、前の婦人局長の佐藤ギン子さんがお書きになっている「男女雇用機会均等法の五年」という本がございます。これは労働省の婦人局の皆さんがかなりかかわって書かれたと思うのですけれども、皆さん専門家だから教えていただきたいと思うのですが、ここに差別的取り扱い、特に福利厚生などは禁止に当たっておりますから、その中で差別的な取り扱いということで、こんなふうに書かれているくだりがあります。  「労働者が女子であることを理由として、男子  と差別的取扱いをしてはならない」ことの意味  は、前条の教育訓練と異なるものではない。その前の教育訓練に並んで今の福利厚生があるのです。  なお、供与の対象を「世帯主」、「主たる家計の  維持者」等とすることは「女子であること」を  理由とするものには当たらないが、「世帯主」、  「主たる家計の維持者」等の決定に当たって女  子について男子に比して不利な条件を課した結  果、女子労働者が現実に不利益な取扱いを受け  ることになれば「女子であること」を理由とす  る差別的取扱いになると考えられる。  この際、先ほどのお話では、世帯主だとか主たる家計の維持者というふうに条件をつけている企業がどれくらいあるかとか、それに関する条件というのは、実際には調査がほとんどないというお話でしたけれども、例えば、ここで言われていることに当たる世帯主あるいは主たる家計の維持者などの決定に当たって、結果として女子であることを理由とするような差別的取り扱いになるというのはどんなふうなことを指しているわけでしょうか。

松原亘子労働省婦人局長

○松原政府委員 例えば世帯主を判断する場合に、男性でしたら住民票上の世帯主ということで企業も世帯主と認める。しかしながら、女性の場合にはそれだけではなくて、加えて、夫よりも給与が多いといったようなプラスアルファの要件を課しているといったようなことがそれに相当するわけですし、例えば主たる生計の維持者という場合に、前年の給与で判断する。したがって、夫の給与が高ければそれはそのままであるのだけれども、女性の場合には、高いだけでは済まなくて、例えば三割ぐらい高くなければ認めないといったようなことで女性により厳しい条件を課しているといったようなものが、今先生が読み上げられた女性に不利な条件というのに該当するというふうに私どもは考えているわけでございます。

岡崎宏美日本社会党・護憲民主連合

○岡崎(宏)委員 私もそうだと思っております。  だとするなら、現実の問題として、夫婦の単位で話をするに当たっても、結果として出てきている今の社会の平均的な、個別か平均的かは一緒に話はできないということだけれども、もちろんそういうことはあるわけですけれども、しかし結果としては出てきている今の賃金の格差というものは、ほとんどの場合個別の家庭においても該当してくるだろう。きょうはこれ以上これだけでやりとりするわけにはいきませんけれども、私は、現実の数字というものは、例えば禁止ということにしているこの項目についてぜひ一度調べていただきたいと思います。実際、表向き世帯主、主たる生計の維持者ということになって、それ以上何にも言わないかというと、言われている、条件がついている企業は私はたくさんあるというふうに思っておりますので、それは調査をぜひしていただいてまた答えをいただきたいと思っております。  同じように、間接的に結果としてこれは差別じゃないのだろうかと女の人たちが考えていることの一つにコース別の管理の問題があります。  これは婦人局の方も随分関心を持っておられて、それが悪用されないようにということでされていることも知っておりますけれども、これについてガイドラインというふうなものも出されて、この間ごらんになってきた結果、このコース別管理が現状どんなふうになっているか、報告をいただけますか。

松原亘子労働省婦人局長

○松原政府委員 これにつきましても全般的な評価というのはちょっとできかねるかと思いますけれども、確かに、コース別雇用管理ができて、いわばそれが女子を本当に活用しようということでうまく機能している企業ももちろんあるのですけれども、一部には、そうではなくて、コース別雇用管理が形を変えた男女別管理になっているようなところもないとは言えないという実態だというふうに思っております。  そういうことから、今御指摘いただきましたコース別雇用管理の望ましいあり方ということで私どもガイドラインを示したわけでございまして、コース別雇用管理制度をとっている企業には、この周知徹底を図るとともに、個別に女子労働者の方から婦人少年室にいろいろな御相談なりがあったときは、こういったことを踏まえて助言をし、かつ、実際に紛争が起こるということになりますれば、それに基づいて企業に対して指導するといったようなこともやってきているわけでございます。

岡崎宏美日本社会党・護憲民主連合

○岡崎(宏)委員 これはたまたまけさの毎日新聞に、家庭欄なんですけれども、コース別管理に対して不満がふえている、そういう記事がありました。  その中の引用をいたしますと、「東京の女性労働問題研究会が一月にまとめた全国調査でも女性の不満はむしろ強まっている。コース別管理のもとで働く女性は四三%と二年前の一三%より増えたが「昇進・昇格や賃金は男性と同じか」の質問には六三・三%が「異なる」。一般職女性の四三・五%は「賃金差別がひどく昇進・昇格も限られ働く意欲もわかない」と答えている。」これは労働省がやっているものではないと思いますから、出てきた数字が即座に労働省がそのとおりだとおっしゃるかどうかは別問題だと思いますけれども、こういう一つの結果が出ている。  均等法ができて総合職に昇格をしたけれども、結果として年収は十歳下の男性と同じ程度だというふうに答えている女性もいるというふうに、コース別の管理に対して、転勤を求められたり、さまざまなかせがはまっていることによって思い切って行けない、あるいは行ったけれども、ここに出てきているように昇進・昇格にもやはり差がある、こういう声が返ってきております。  私は、できるだけ婦人局は均等法に照らしてこのコース別というのをずっと監視をしていただきたいと思っておりますけれども、この新聞にもあるように、またさっきの説明にあったように、仮に不満が出てきた場合、おかしいという苦情が出てきた場合にじゃどうするのかということが私は大きな問題だろうと思っております。  均等法では十三条、十四条、十五条に、苦情の処理あるいはその調停、婦人少年室の助言だとか指導とかいうことも含めてあるわけですけれども、それぞれについて今現状どうなっているのか。  例えば、十三条の自主的解決、これは苦情処理機関というものがこの十三条の中に入っているわけですけれども、これがどういうふうに機能しているのか。それぞれの企業に経営者の方の代表と労働者の方の代表という形でこれは設置されているはずなんですけれども、どうなっているのか、まず教えていただけますか。

松原亘子労働省婦人局長

○松原政府委員 企業内における苦情の自主的解決の方法につきましては、平成元年度に調査したものがございますけれども、それによりますと、上司が相談を受けるような仕組みになっているという企業が六〇%ということで最も多くなっております。次いで、人事担当者が相談を受けるというのが三一%、事柄によってそれぞれの担当部署が相談を受けるというのが二〇%、労働組合が仲介するというのが五%、企業内に苦情処理機関があってそこにゆだねるというのが一・九%といったような結果になっております。

岡崎宏美日本社会党・護憲民主連合

○岡崎(宏)委員 この十三条の中には、括弧書きで、苦情処理機関というのは「事業主を代表する者及び当該事業場の労働者を代表する者を構成員とする当該事業場の労働者の苦情を処理するための機関をいう。」とあるわけですけれども、それが一・九%ということなんですね、今の御報告でいくと。  この十三条、いろいろな読み方があるのでしょうけれども、苦情処理機関というものがわざわざ挙げられながらどうして全体の一・九%でしか機能を持っていないのか、そこで処理ができないのか、これはどんなふうにお考えですか。それぞれ婦人少年室なんかでいろいろな相談事があったときにこうした処理機関に対してどんな指導が行われているのか、お知らせいただきたきたいと思います。

松原亘子労働省婦人局長

○松原政府委員 この十三条は、苦情があった場合にはそれを労使の間で自主的に解決していただくという趣旨のものでございますので、それに対して行政が介入するということはございません。もし行政機関が何かということであれば、次の別の条文に基づくことになってこようかと思います。  なお、この十三条に基づく苦情処理機関につきましては、苦情処理機関で苦情を処理するといったようなことをいわば例示として示しておりまして、これでなければいけないという趣旨ではございませんで、先ほどちょっと御紹介しましたように、人事部にそういう体制をとっているとか、その他苦情が自主的に解決されるような仕組みであれば、かつ、それが有効に機能しているということであれば、それでいけないということにはならないものでございます。

岡崎宏美日本社会党・護憲民主連合

○岡崎(宏)委員 働いている側にとってみれば、役割が果たせない機関だなという随分寂しい思いがあるのですけれども……。  それじゃ十四条の「紛争の解決の援助」については、今これはどんなふうな状況になっているでしょうか、各都道府県の婦人少年室が努力はされているとは承知をしているのですけれども。

松原亘子労働省婦人局長

○松原政府委員 この十四条に基づきます紛争解決の援助は、労働者の方がこういったことがあるので解決してほしいというふうに持ち込まれたときにその解決を図るということでやっているものでございますけれども、平成三年度までの数字が出ておりますが、平成三年度ではこれが全国で五十三件でございまして、法施行後からの累計で二百七十九件というふうになっております。

岡崎宏美日本社会党・護憲民主連合

○岡崎(宏)委員 その二百七十九件はどんな形で介されているか。助言だとか指導だとかということですね、どんな形で介されてきたか。解決に要した時間といいましょうか、相談しに行ってから結果が出ていろいろな助言になり、指導になり、勧告になり、落ちついたというまでは大体どれくらいかかっているのでしょう。

松原亘子労働省婦人局長

○松原政府委員 これは全国それぞれの婦人少年室でやっているものでございまして、私ども個別にといいますか全部集計して大体どれくらいというのは把握をいたしておりませんで、非常に短く簡単に解決されるものもあればかなり時間を要するものもありまして、ちょっと一概には申し上げられないような状況でございます。

岡崎宏美日本社会党・護憲民主連合

○岡崎(宏)委員 電話での処理だとか書面だとかいろいろあると思うのですけれども、私は、結果が出るまでにどれくらいかかるのかというのは、相談をしに行った方にとっては随分大きな問題だろうと思っております。それは婦人少年室の皆さんとも、県の皆さんとも話をしていても、手が足らないだとかいうことも含めて努力というものはよく承知しているのですけれども、相談をしに行った側にとってみれば、それに要する時間は短ければ短いほどよし、あるいは適切な指導があるいは助言がすぐに行われることがよしというふうに考えておりますから、これは一度各地の意見を寄せていただいて、ぜひそれが実行しやすいようにお願いをしたいと思います。  問題は、その次の十五条というのが一つのネックだろうと思うのですね。  さっきの新聞では、けさの毎日ですけれども、これまで調停の申請が六十二人からあった、しかし調停が開始されたのはゼロだという見出しがついております。これは大体間違いない数字でしょうか。もし間違いないとしたら、調停の申請にまで行く人というのは、今の雇用関係の中でいうとよくよくの思いで調停申請をしていると私は思うのですけれども、それがなぜ今日まで七年が大方過ぎようとしていてゼロ件なのか、このあたりをどういうふうに考えておられるか、お聞かせいただきたいと思います。

松原亘子労働省婦人局長

○松原政府委員 調停に関係いたします数字は、先生御指摘いただきました六十二とはちょっと違いまして、申請があったのは六十三件でございます。ただ、実質的には六件といいますか、企業数で見れば六件ということでございます。確かに、調停が開始されたものはこの中には一件もございません。  これら実質六件の内訳を御紹介させていただきますと、女子労働者から調停の申請がありまして、婦人少年室長が調停開始のために事業主の同意が必要ということになっておりますので、その同意を得る過程で事業主が差別的取り扱いを是正したということで女子労働者が納得して申請を取り下げたというケースが三件でございます。それから、申請してきた事案が、調停対象事項というのが法律に決まっているわけでございますけれども、その対象事項に該当しなかったというのが二件でございます。事業主に同意を求めたけれども、事業主は労使で話し合って解決したいということで調停開始に同意をしなかったというのが一件という結果になっております。つまり、実質六件、六十三人でございますけれども企業は六社でございますので、その六社の方から分析いたしますと以上のような結果になっております。

岡崎宏美日本社会党・護憲民主連合

○岡崎(宏)委員 結果として途中で引き下がるというかお互いにもう少し自主的にやってみようということもあるんだろうと思うのですが、そこに至るまでのいろいろなやりとりは、このケースの場合はこうだった、こんなふうな話があると今ここで言う時間もありませんけれども、関係当事者の一方から調停の申請があった場合に、他の関係当事者が同意をしなければ始まらないということは、これは一つのネックになっているのじゃないのでしょうか、そんなふうに私は思うのですけれども……

松原亘子労働省婦人局長

○松原政府委員 今御紹介いたしましたように、調停がなされました六件、実質六件のうち、相手方当事者が同意をしなかったから調停が始められなかったというのは一件でございます。  そういうことで、私どもは相手方の同意が必要ということになっているために調停がないというふうには思っておりませんで、むしろ調停の案件まで行くのが少ないというのは、労使ともといいますか、特に企業の方が均等法に沿った雇用管理を実現しようということで大幅に見直してきているということがあろうと思いますし、そういう苦情が企業の中であれば、労使で話し合った上で自主的に解決をしようという空気が強いということがあろうかと思います。  それから、問題があった場合に、女子労働者がいきなり調停の申請ということで来るよりも、先ほどの十四条に基づく紛争を解決してほしいという援助を求めてくる場合もあるわけでございまして、そういった段階で多くが解決されているということもございますし、それから調停が申請された場合も、先ほど申し上げましたように、事前の同意を得るための作業をやっている過程で実質工事案が解決をされているといったようなこともございます。  そういうことから、この調停については、先ほど御指摘のようなことがございましたけれども、私どもとしては制度の存在自体がこれらをめぐる紛争の解決を促進することに大きく寄与しているというふうに考えているところでございますが、ただ、調停制度がまだ知られていないということも場合によったらあろうかと思います。そういうことで、それについては今後ともいろいろな機会に周知を図っていきたいというふうに思っているところでございます。     〔永井委員長代理退席、委員長着席〕

岡崎宏美日本社会党・護憲民主連合

○岡崎(宏)委員 私は、やはり現状についての認識は随分ずれていると思います。六十三人だけれども実質六件、そして調停になったのは一件もない、相手が同意しなかったからならなかったのは一件だから、この項目がネックになっているとは思えないと言い切れる婦人局というのは、実際の現場でやりとりをしている人たちに随分知らないと言われても仕方がないのじゃないかというふうに私は思っております。それはあえて申し上げておきます。  実際には努力であれ禁止規定であれ、一番最初にどれくらい積極的な評価ができるのかお尋ねしたときに数字を並べていただいたけれども、確かによくなった面もある。それは否定はしません。よくなった面があるけれども、総体としてはやはりまだまだという部分が数字になっていないものも含めてたくさんある。調停の仕方も知らないことが七年たってもあるとしたら、そのことが問題じゃないかと思うし、婦人少年室長さんなんかに各地の県の人が聞くと、いや、一生懸命やっているけれども正直なかなかわかってくれない人もいるというふうに答えるのは、知らぬ顔をしていたって、仮に守らなくたって何の罰則もないということも含めて、抜け穴がたくさんある法律じゃないかというふうに私自身は思っております。  そのときに、これからのパートもあるいは労基法の問題も含めてそうなんですけれども、さっきの佐藤さんの本を読んでいて、ああ、これに今の労働省の考えというのは集約されるのかなと思う言葉があったので聞いていただきたいと思うんです。  この本の前書きといいますか、佐藤さんが書かれている中で、「日本という母胎に応じた、日本の社会の身の丈にあった法律」として均等法は誕生したんだ、こういうふうに書かれているんです。あくまで「日本という母胎に応じた、日本の社会の身の丈にあった法律」である、それが私は今のいろいろな結果の報告の中にあるような気がするんですけれども、身の丈に合うというのは、あくまでもそれが今の現状だからこの現状に合わせるという姿勢だと読みかえることができるんじゃないかしら。書かれた方に聞くわけじゃないからあれですけれども、そんなふうに私には見えてしようがないんです。  だけれども、今すごく私たちが問題にしなければいけないのは、この身の丈の方をどうやって変えるのか、変えるために有効な手だてというものは何か、こういう話でないとおかしいと思うんですよね。だから、例えば間接的な差別だと女の人が思うようなことが出てこないようなものに変えていかなきゃならない。そうしたら、やはり身の丈に合った法律ということを見直す必要があるんじゃないか。身の丈を変えていくためには、ぐずぐず言ってなかなか動かない人たちを動かすためにあえて罰則もっけたらどうか、あえてその相手の同意がなくても調停なら調停という作業に持ち込んで、みんながもっと言えるようにしようじゃないか、こういう方向があっていいんじゃないかと私は思っております。  均等法が誕生してから随分見直しの話はあるわけですね。しかし、全く違う意味合いからの見直しが言われているわけで、これは仲に立つような形の労働省としては簡単には言い切れないことがあるかもわかりませんが、私は身の丈を変えるための見直し、そういう働いている人たちの気持ちというものも組み込んだ見直しをすべきではないかというふうに思いますので、それは大臣にお考えを聞きたいと思います。いかがでしょうか。

近藤鉄雄自由民主党労働大臣

○近藤国務大臣 先生からいろいろな御指摘がございました。そういったいろいろな御指摘も踏まえながら局長からもお話があったわけでありますけれども、本年六月に第二次女子労働者福祉対策基本方針を策定したわけでございますが、これに基づきまして、男女雇用機会均等法の一層の定着に全力を挙げてまいりますとともに、企業の雇用管理の実態の把握や問題点の分析を行いまして、法の趣旨をさらに徹底させるための有効な方策について、随時必要に応じて法令や指針の見直しも含めて幅広い検討を行ってまいりたいと考えております。

岡崎宏美日本社会党・護憲民主連合

○岡崎(宏)委員 私は、ぜひ大臣からは身の丈を変える、そういう決意をいただきたいと思っております。そうでなければ、例えば、これから年が明けて労基法の改正の作業に具体的に入っても、パートの法制化ということが言われているわけですけれども、どうしてもこれまでの法律を考えていくときに、議論をされていく中で言われていくのは、日本の現状に合ったものでなければならない。私はとっぴなことを言う考えはありませんけれども、しかし現状がどうであるか、だからそれに合わせるんではなくて、やはりこれはおかしいなと思うのが現状の中にあるとしたら、身の丈を変えるという決意だけは大臣を先頭に持っていただかなくてはいけないと思うんですよね。その決意をお伺いしたいんです。

近藤鉄雄自由民主党労働大臣

○近藤国務大臣 先生から身の丈を変えろ、こういうお話でございますが、おっしゃるように、日本の現状がこうだからこれに即してということでは必ずしも私ども考えてないのであって、まさに男女雇用機会均等の趣旨に即して、現状でも変えなきゃならないことは積極的に変える、それが先生のおっしゃる身の丈を変えろ、こういう御趣旨であれば、それは一つの理想を掲げて、その方向に沿っての前進はぜひひとつ続けていきたいと考えております。

岡崎宏美日本社会党・護憲民主連合

○岡崎(宏)委員 私たちはいろいろ現場の人からの声は労働省の皆さんにもお伝えするつもりですから、やはりその声は大事にしていただきたいと思っています。  私、パートのことをいろいろ聞きたかったのですけれども、時間がなくなってしまったので、概略これもお尋ねをしておきたいと思います。概略というより姿勢の問題としてぜひ聞いていただきたいと思います。  さっきの均等法でも、罰則がないということで実は抜けていくものがたくさんあるのではないかと私は思っております。パートも、けさのニュースを見ていましたら、きょう報告をいただきましたけれども、研究会の報告が出た。労働省はこれから法制化の作業に入られるわけだから、今の時点でこうこうこうだと恐らく答えは出てこないと思うのですけれども、ニュースでこんなふうに言っているのですよね。この報告書を出すに当たって、中でも随分意見があった。それは例えば、罰則をつけろという意見もあったし、そういうことはなじまないという意見もある。けれども、総体として考えられている法律というのは、どうやら義務規定というものは設けないで指導という形でやっていく中身、当然罰則がないというふうな方向で考えられるだろう。これはテレビのニュースだから私が聞き間違えたのかもしれないけれども、そういうふうに言われている。  政治腐敗の問題もさっき岩田議員の方からありましたけれども、私たちが一つのみんなで守らなければいけない、これだけはやってはいけない、禁止というふうなことを決める場合に、言葉は適切かどうかわかりませんが、やはり人間は企業も含めて性悪説というところに立って考えないと、厳しくしていかないとだれもが守るという状態は出てこないんじゃないか。それからパートの労働法、私たち野党の方は共同で提案しておりますけれども、その中にはやはり実行をさせるために罰則を設けるべきだ、こういうふうに提案をしております。ぜひそれは入れていただきたいと私は思います。そのあたりをぜひ考えをお聞かせいただきたいと思います。

松原亘子労働省婦人局長

○松原政府委員 昨日提出されましたパートタイム労働問題に関する研究会の報告の中には、法的整備の必要性というものが指摘されているわけでございます。  どういう観点から必要かということにつきましては、二つございまして、一つは、現在パートタイム労働者につきましてはパートタイム労働指針に基づいて企業に対する指導等をやっているわけでございますけれども、このパートタイム労働指針の周知徹底を図り、実効性を確保するという観点が一つ、それからもう一つは、パートセンターというものを通じて労使に対する情報提供ですとか相談、事業主団体の雇用管理の改善努力に対する指導・援助を行うというため、このいわば二つを視点に置きまして法的整備を行うことが適当であるということの報告であったわけでございます。  もちろん、この研究会の中に、一方では法的整備は必要ないという御意見がございましたし、また一方では罰則でもって規制する必要があるという御意見もございました。労働省としては、これからこの報告書を参考といたしましてどういった法的整備をするかということを検討していくところでございますので、今具体的に先生がおっしゃいました点について、イエスともノーともなかなか申し上げられないわけでございますけれども、あくまでもこの研究会の報告に基づいた内容のものを私どもとしては目指したいというふうに思っているところでございます。

岡崎宏美日本社会党・護憲民主連合

○岡崎(宏)委員 そういうお答えだろうと思っておりますけれども、これは私たちの要望です。やはり実効あるものにしていくためにはそういう枠は必要だと思いますから、これはあえて要望をしておきたいと思います。そして、パートの方たちの実際の声というものもできるだけ法制化までに聞くということをお願いをしたいと思っております。  それで、最後にひとつ大臣に、これはパートも含めて、いろいろな働き方をしていく人たちの問題も含めてお願いをしたい。  それは、労基法が年明けに法案が提出をされて具体的な論議が始まっていくわけですけれども、労働時間を考えるときに、パートのこの報告書を見ても、女の人たちが働く側のニーズとしてパートというものがあるというふうに言われているんですね、この報告書の中でも。しかし、その背景というのは、やはり家事・育児と仕事との両立ということがあるだろうと言われております。そういうふうにも指摘があります。時間的に一日の労働時間、二十四時間の中の労働時間、これが短いということが、実はパートに女性の人たちが集中をしていく一つの理由だろうと思っております。週休二日制が進んだり、あるいは所定外が減っていくということについては、これは私は否定することじゃないと思いますし、進んでほしいと思いますけれども、それとあわせて、一日の労働時間が短くなるということがなければ、本当にいろいろな形の労働者がふえていくことになるし、一人一人の生身の人間が働くわけですから、その条件の改善というのはないだろうと思っているのです。  過労死が世界に通用するというふうに言われて頭を抱えている私たちですけれども、もう少し冷静に考えれば、過労死にいく前にも、会社人間だとか企業戦士だとか、そういう言葉が普通に使われておりますね。これは軍隊の用語のような気がします。それが普通に使われていることをおかしいと、そこを変えなきゃいけないというふうに私は思っておりますし、としたら、やはり一日の労働時間というものを考えてほしい。それが変わっていけば、間違いなくパートにしても女性の働き方にしてももっと違うものが出てくるというふうに思っておりますので、あえて大臣にお願いをいたしまして、終わりたいと思います。一言聞かせていただければ……。

近藤鉄雄自由民主党労働大臣

○近藤国務大臣 先生の御指摘の趣旨、私もわかるつもりでございます。何か人間にはバイオリズムというのがありまして、一日八時間働いて、八時間寝て、八時間その他、こういうような循環があって、これはやはり健康な精神、心身を維持するために必要だ、こういうお話もあるようでございますから、私は基本はそういうことだと思うのですね。思いますけれども、いろいろそこは労働者側の事情と、それからまた雇用者側の事情もございまして、原則は原則であっても多少まさにフレキシブルな対応というものも考えながらいってもいいのかな、こういう気持ちもございます。  このあたり、今後いろいろな関係者の議を踏まえながら検討して、また対応していきたいと考えております。

岡崎宏美日本社会党・護憲民主連合

○岡崎(宏)委員 終わります。

川崎寛治日本社会党・護憲民主連合

○川崎委員長 井上義久君。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 初めに、雇用対策につきましてちょっとお伺いをいたします。  景気後退によりまして、近年、人手不足あるいは労働需給の引き締まりといった表現が使われていたわけでございますけれども、ここのところに来ましてそういった表現は一気に姿を消して、最近では、数千人規模の人員合理化とか、あるいは一時帰休あるいは中途採用の削減、取りやめ、あるいは新卒採用ゼロといったような先行き雇用不安を感じさせるようなマスコミ報道が相次いでいるわけでございます。  十月の有効求人倍率も〇・九六と一倍を割りまして、八八年五月以来四年五カ月ぶりの一倍割れということで、九一年三月の一・四七倍をピークにして十九カ月連続で低下をしてきているわけでございます。景気の回復の兆しが今のところ見られないということで、私どもも雇用調整の動きが広まっていることに対して大変強い懸念を今持っているわけでございます。  従来、中長期的には労働力不足ということで企業の雇用調整は慎重なんじゃないかということで、円高不況のような状況にはならないだろう、こういうことを繰り返し大臣もお述べになっているわけでございますけれども、確かに、余り悪い悪いと言いますと、これがアナウンス効果をもたらして、逆にまた景気の足を引っ張るというようなことにもなりかねないわけでございまして、そこは慎重な表現が必要なんだろうと思いますけれども、現状をどのように御認識されておるのか、お伺いをしておきたいと思います。

近藤鉄雄自由民主党労働大臣

○近藤国務大臣 先生の御指摘もございましたが、私が労働大臣になった一年前と今と多少、多少以上さま変わりまして、当時は労働力不足だからどうなんだということが、今は雇用調整、こういうことで、お話しのように有効求人倍率が一を割った、こういうことでございます。  これは私、率直に申し上げまして、これまではまさに投資バブルに引きずられての雇用バブルと私はあえて言うのでありますけれども、それは大企業、大都市に人がぐっと集まっちゃってそれが地方や中小企業の人手不足状況、それさえ今悪化している、そういうことが今度反動になりまして、大都市、大企業を中心に雇用調整が進んできている。一方においては、むしろこの際、かつての人手不足時代に十分雇用が確保できなかった中小企業、地方において積極的にいい人材を雇用していこう、こういう動きもございますので、私は、これは地域的または産業間の一つの雇用調整でもある、そういう面もあると考えているわけであります。  ただ、こういう状況がさらに続いてまいりますと、いよいよ完全失業率、今は二・二だけれどもこれがさらに落ち込んでいく、むしろ上がっていく、こういうことにもなって、消費や雇用状況がさらに一段と悪化するような、そういう危惧も私ども率直に感じておりますので、だからこそ政府の景気対策ということでは、補正予算を通していただいて本格的な対策に乗り出していこう、こういうことでございます。  労働省としては、そういった需要的な効果も踏まえながら、現実にその企業が事に耐えるように、雇用された企業がこの際、雇用調整として表に解雇という形で出てこないように雇用調整助成金制度をフルに活用いたしまして、そういった方々が休業や職業訓練やその他出向についての賃金の助成を、大企業もそうでありますが、中小企業の面においても幅広くこれを積極的に活用していただきたいと思っておる次第でございます。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 雇用調整がいわゆる製造業からサービス業というふうに全般的に及んでいる。それから大企業から中小企業、あるいは都市部から地方と、特に東京、大阪がもう既に一倍割れをしている現状でございまして、それで、特に有効求人倍率というのは、経済指標でいいますと、いわゆる半年ぐらいおくれて大体出てくるということを考えますと、さらにこの問題というのは深刻になっていくんじゃないか。  十兆円の経済対策が、不況対策がどの程度功を奏するかということについてもかなり議論があるところでございますけれども、私どもは非常に厳しい認識を持っているわけでございまして、そういうことになると、雇用問題というのは少なくとも来年にかけてさらに厳しくなるんじゃないかな、こういうふうに認識しているわけでございます。特に、中長期的に見れば労働力不足であるという認識、これ自体も本当にそうなのかなということも含めて、これはかなり深刻な認識をしなければいけないんじゃないかな、こういうふうにさらに思うわけでございますけれども、いかがでございましょうか。

近藤鉄雄自由民主党労働大臣

○近藤国務大臣 率直に申しまして、私どもが当初考えておったよりもどうも今回の不況が長引くような様相を示しておりますし、それは私先ほどもお話しいたしましたけれども、いわゆるバブル時代に相当大量な設備投資を気がついたらしてしまった、そして民間の消費も気がついたら相当買い込んでしまったということが、バブルがはじけて皆さん冷静になってみると一挙に顕在化してきているわけです。  ですから、そう考えてくると、やはり設備投資もそう簡単にはもとに戻らないな。それから消費だって、御案内のように過去数カ月前年度に比べ、例えば百貨店の売り上げなんかみんなそれこそ下がっているわけです。こんなことは、過去の日本の経済の発展の歴史の中でなかったくらいですね。そういった意味で、消費も投資も厳しい。  政府も積極的な総合経済対策を打ち出してきたものの、例えば建設を考えてみても、この間建設大臣が閣議で言っておりましたけれども、公共事業がふえた、しかし民間の建設は冷え込んでいるから、トータルすると依然として建設需要は足りない、こう言っていました、建設大臣がみずから。ですから、そういうことを踏まえていきますと、補正予算はあしただったかあさってですか、通していただいて、さらに来年度予算について積極的な景気拡大のための財政にしようというようなことを、これは総理御自身が閣議の席などでもお話をしたような経緯もございます。  同時に、私はあえて申しますが、これは政府だけでやれることじゃないのです。全体の需要を持ち上げるにはやはり民間の活性化ですから、だから私もいろいろなことを申し上げておりますけれども、厳しい事情はわかりながら、また余り厳しい厳しいと言い過ぎないように、明るい面もあるわけですから、多少明るい話も一緒にしていただかないと、みんな厳しいと横並びでダウンしないような措置を、これは政府だけではなしに、まさに官民でお考えいただく必要があるのではないかと思っている次第でございます。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 そこで、町場を歩いていますと、特に中高年の方の雇用ということがかなり深刻になっているなということを実感しているわけでございます。  確かに一十月の有効求人倍率見ますと、年齢別で見ますと、三十五歳から三十九歳が一・九二倍、五十から五十四歳が〇・九〇倍、五十五から五十九歳が〇・四一倍ということで、中高年齢層の就職が非常に難しいというのが数字でも出ておるわけでございます。ただ、これはちょっと推移を見る時間がなかったので、実際に中高年齢層の有効求人倍率がかなりの勢いで落ち込んでいるかどうかということは定かではないのですけれども、数字の実態を見ますと、かなり中高年齢層の就職が難しいというのが現状はっきりしているわけでございます。  全体的ないわゆる労働力需給の逼迫ということが将来にわたって予想されていたということもあって、企業の側にも中高年齢層あるいは女性の雇用ということについてかなり前向きに取り組んでおりましたし、労働省も一生懸命しりをたたいていただいたということもあって、私は実際面でもかなり意欲的にここ数年進んだんじゃないかなというふうに思っていたわけでございますけれども、ところが、いわゆるこの不況で雇用状況が悪化をして、ここのところにもろにきてしまっている。どうも逆戻りしてしまうんじゃないかということを非常に懸念をしているわけでございますけれども、これら中高年齢層に対する雇用対策ということを重点的にやっていただかなければいけないんじゃないかな、こう思っているわけでございます。

齋藤邦彦労働省職業安定局長

○齋藤(邦)政府委員 今回の雇用失業情勢は、先生御指摘のように有効求人倍率が〇・九六倍という形になっております。  高齢者等につきましては、従来から同じでございますけれども、やはり五十五歳を超えた方の求人倍率は低いという形になっております。ただ、ことしが特に例年に比べて低いということはなく、例年ベースぐらいの低さだろうというふうには思っておりますが、いずれにいたしましても、こういうように一般的な雇用失業情勢が悪くなってまいりますと、高齢者の方に特にしわ寄せがいくのではないかということは当然懸念されるわけでございますし、また、現実に高齢者向けの求人が、窓口の実感から申し上げますと減ってきているということもございます。  そういう意味で、高齢者の方々あるいは障害者ですとかパートタイマーの方、そういうような方々に雇用調整の影響が集中しないようにということで、事業主の方にいろいろなお願いをしていかなければいけないというふうに思っております。  そのために、いろいろな形で私どもの安定機関をフル動員いたしまして、各種助成金等も活用いたしまして、こういう方たち、不幸にして失業された方あるいは職を探しておられる方についての就職機会の確保ということに努力をしていきたいと思っておりますし、また、一般的に申し上げまして、高齢者対策、これからの高齢化時代をにらみますと、やはり今のうちから種々の手を打っていかなければいけないというふうに思っております。  そういう意味で、定年延長ですとか、あるいは継続雇用の推進というようなことを重点にしまして、この辺につきましては従来と同じように万全の努力をしていきたい、このように考えております。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 それともう一つは、パートの現状はかなり厳しい。これもやはり町場、パート先が非常に減ってきている。それから、条件が非常に厳しくなってきている。特に、年齢制限なんか今までなかったところが年齢制限をつけたりというようなことが現実として聞かれるわけでございまして、総務庁の労働力調査なんか見ましても、いわゆる家事の傍ら仕事をする女性が減少傾向にあるというようなことも伺っておるわけでございます。  今のパートというのは、教育費だとか家のローンだとか家賃の足しにということで、かなり生活費化しているわけでございまして、特に、最近いわゆる家計の中心者の残業手当、ボーナスが減って、それも補わなければいけない、そういうところにパートが非常に厳しいというようなことで、先ほどパート労働法制定に向けてというお話もございましたけれども、パート対策ということをしっかりとやらないと、かなり家計が厳しいなという実感を持っているわけでございますが、この辺はどうでしょうか。

齋藤邦彦労働省職業安定局長

○齋藤(邦)政府委員 パートタイマーでございますが、パートタイマー自身の有効求人倍率は十月でも一・五七倍ということでございまして、一般が〇・九〇倍でございますので、そういう意味で、一般の求人に比べますと、有効求人倍率から見た感じではまだまだ高いというような状況でございます。ただ、各地方からそれぞれ寄せられております報告によりますと、やはりパートタイマーにつきましての再契約の停止ですとか、あるいは解雇というような形での雇用調整の例も見られるようでございます。  そういう意味で、先生御指摘のような、確かに求人条件の低下というような事例も見られるようでございまして、いずれにしましても、パートタイマーの方たちについての求職者指導に万全を期さなければいけないということでございまして、各安定所におきましては合同の求人選考会その他の手段を通じまして、いろいろな形での就職促進を図るように努力をいたしていきたいというふうに考えております。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 それともう一点、新卒者の採用状況でございますけれども、大卒、短大卒の採用計画人数、これが前年比でマイナスだというような報道もなされておるわけでございまして、民間の機関の調べでも、大卒男子の求人倍率が二・二倍ということで、八四年の調査以来最低だ。特に大卒女子が〇・九三倍ということで八年ぶりに一倍を割っている。  最近いわゆる大卒女子の採用ということについてはかなり企業も積極的だったわけなんですけれども、先ほども質問がございましたけれども、どうしても不況になると男子優先、女子学生に対する厳しい選別というようなことで、どうもまた逆戻りをしつつあるんじゃないか。男女雇用機会均等法というのができて、企業の経営者の基本的な物の考え方、やはりここにもちょっと問題があるのかなという実感をしておるわけでございますし、我々も大卒の女性の就職の頼み事というのは非常にたくさんあるわけでございまして、来年の新卒者に対する対応についてはいかがでございましょうか。

近藤鉄雄自由民主党労働大臣

○近藤国務大臣 先生、大卒についてはいろいろ皆さん言われておりますけれども、私はちょっと違った考えを持っております。  今までは大学さえ出ればいわゆる名の通った一流企業がじゃんじゃん採ってくれたわけでありますけれども、今はいわゆる一流企業も、先ほど来言っておりますように、少し採り過ぎちゃったものだから雇用調整に入っていて余り採りたくない、こう言っておるわけでございます。しかし、地方に参りますと、地方の中小企業なんかはこの際大卒を採りたい、こういうことで、例えば具体例を申し上げれば、私は山形ですが、山形NEC、いい会社ですよね、この会社ですら山形大学工学部を出た人が来てくれないとこぼしていたのですよ。みんな本社へ行っちゃっているわけですよ。ですから、この際山形大学工学部から優秀な技術者を大いに採りたい、こういう面もございますので、ひところよりは大卒も雇用が厳しいことは十分認めますが、しかし大学を出たら何でもかんでも大企業じゃなくたっていいと私は思うのですね。むしろ、大企業よりはまさに中小企業、地方でやって、積極的に自分の能力を発揮してもらうということが大事です。  それから、女子についてはさらに厳しいという御指摘も私よくわかりますが、やはり大企業の方が女子については比較的リベラルな考えであったことは事実だと思うのですね。中小企業の場合に女子大卒なんかという気持ちがあったかもしれませんが……。これも何か大企業という傘にみんな男女とも新卒がぶら下がらないで、むしろ小さい企業で積極的に自分の能力を発揮するという態度で、中小企業、そして地方へ積極的に雇用機会を求めていくということであれば、まだまだ雇用機会が多い。中高年とかパートとはちょっと違った面が大卒、新卒にある、私はこういうふうに考えておりまして、要は、考え方を少し新しい展開をしていただきたいと若い方々に申し上げておる次第でございます。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 大臣のおっしゃっていることは、私もわかります。ただ、大企業と中小企業を比較しますと、やはり中小企業に雇用管理の改善をしなければいけないというところはたくさんあるわけでございまして、そういうことも含めてこの問題を議論しないと、こういう不況の機会に、いわゆる技術者不足を生じている中小企業の方に人がシフトしていくということだけをとらえて、これはこれなりにいいんだというふうにはいかない問題だと思います。やはり労働力需給というのはミスマッチが起きないようにしていくことが労働省としてのお仕事だと思いますので、特に新卒女子については、先ほどちょっとお話があったようでございますけれども、かなり現状が厳しいのじゃないかなという認識を持っておりますので、ぜひ対応をよろしくお願いしたいと思います。  それから次に、来春闘の件でございます。  どうもここのところ、ことしに入りましてから労働者一人当たりの実質賃金の伸び率がずっと縮小傾向にあるようでございまして、一−三月期が前年同期比で一・四%増、四−六月期が〇・四、七−九月期が〇・一%増というふうに、だんだん縮小してきている。そこへもってきて、年末の冬のボーナスは、いろいろ新聞等で報道されていますが公式な統計がありませんのではっきりしたことは申し上げられませんけれども、どうも前年比でほとんどゼロベースである。春先あるいは夏に妥結したところはそれなりの伸びはあるようですけれども、どうも冬にボーナス闘争をやったところはマイナスだというような現状もあります。それから全産業ベースで所定外給与、いわゆる残業手当、これも前年比で減少傾向にあるということを考えますと、実質賃金は年間で本当にゼロベース、あるいはもっと割り込むぐらいのところにいっちゃうんじゃないかという懸念を持っているわけでございます。  先ほどから大臣もおっしゃっていますように、今回の不況は特に個人消費が非常に落ち込んでいる。この個人消費の落ち込みということについて、いわゆる資産デフレで心理的な要因がかなり強いという指摘も一部にはあったわけでございますが、ここへ来て実質賃金まで下がるというようなことになりますと、これは相当深刻だなという感じもしているわけでございますけれども、実質賃金ということについてどういう御認識をお持ちでしょうか。

近藤鉄雄自由民主党労働大臣

○近藤国務大臣 事実、先生の御指摘のようにまさに年末手当の伸び率はなかなか厳しいものがございますし、また来年のいわば賃上げについても、諸般の状況を考えていくと厳しい話が多いわけでございます。  私はたびたびこの委員会でも申し上げているわけでありますけれども、経済をよくするためには、大株主が国民の消費でございますが、国民総需要の六割が国民消費だ、二割が設備投資だ、この八割で大体大宗が決まっちゃうわけです。ところが、設備投資はまさにバブル時代の過剰設備ですぐに改善しないだろう。  実は労働省としては、こういう際だから積極的な時短促進のための投資だとか、快適職場のづくりの投資だとか、それから安全職場づくりの投資だとか、そういったものについては、大きな企業の場合には開銀融資、そして中小企業の場合には国民金融公庫、中小企業金融公庫で、特別の融資利率で積極的にお貸しをしよう、こういうことでお誘いしているわけでございますが、やはりそうはいったって、見通しはそう明るくないときに、それは省力化であれ何であれ、企業にとってはいずれも負担ですから、だからなかなか燃えてこない。  こうなってくると、来年の景気を占う大きなポイントは、国民総需要の六割を占める消費を今後どういうふうに活性化するか。六割でありますから、仮に消費が一%上がればGNPは〇・六%上がっちゃうわけですよ。逆に一%落ち込めばGNPは〇・六%下がっちゃう。非常に大きな戦略的なファクターです。で、来年もこれをどうしたら活性化するかということについて、国は国でもちろん考えなければならないと思うわけでありますけれども、民間の立場におかれましても、経営者団体や片や労働組合団体はまさに経済発展ゲームのメジャープレーヤーだと私は思っているのですが、このメジャープレーヤーの皆さんにもひとつこの際は知恵を出していただく必要があるんじゃないかということをしばらく前からお話し申し上げている次第でございます。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 そういうことで、来年の春闘というのは非常に重要なポイントになる。連合としても七%を中心に二万円ということで、前年を下回る目標を出したのは連合結成以来だということで、かなり厳しい認識を持っていらっしゃるわけでございますけれども、それに対して経営者側の方はとんでもないというかなり厳しい反応、いわゆる我慢の哲学ということを盛んに説いていらっしゃるようなんですね。そういう中で「生活大国五か年計画」もこの六月に策定をされまして、いわゆるゆとり、豊かさ、個人の生活重視ということを考えますと、今大臣おっしゃったように、個人消費というものを中心とした経済発展ということをやはり基本の政策として置かなければいけない。  そういうことになりますと、やはり来春闘で賃上げの規模というのがかなり重要になってくる。そういう御認識で大臣も盛んに発言をされているようでございますし、それに対して、経営者側から非常識だとかいうような発言もあったりして、口を挟むことについて何かいろいろな批判をしている方々もいらっしゃるようですけれども、経営者側も景気対策を政府にやれやれと言っているわけですから、政府の方も積極的にやはり企業側に、景気対策としても賃上げについてしっかり取り組んでもらいたいというようなことを発言されるのは、これはもう当然のことだというふうに思うわけでございまして、ぜひ積極的にこの件に関してはやっていただきたい、このように思う次第でございます。  もう一つ、そういう消費マインドを刺激するという意味では、賃上げと同時にやはり所得減税ということが大きなファクターだろうと思うわけでございます。特に、八八年の税制改正以来、減税が一度も行われておりませんから、いわゆる実質増税ということになっておるわけでございまして、物価調整も含めて今私どもが二兆円減税ということを言っているわけでございます。特に、中低所得者、このサラリーマンに対して減税を実施して消費マインドを上げるということが私はかなり重要な施策だと思うわけでございまして、労働大臣としてもこの問題に関してぜひ積極的な発言をお願いしたいと思うわけでございますが、いかがでございましょう。

近藤鉄雄自由民主党労働大臣

○近藤国務大臣 先ほど言いました消費拡大の戦略から考えますと、所得税減税をすればそれだけ手持ち所得がふえるからこれは消費に回るだろう、こういうことは理屈としては私はわからないわけではないわけでありますけれども、ただ、当面の消費拡大ということに絞って考えますと、ボーナスも余りふえない、賃金も上がらない、その分は所得税減税でひとつやるから頑張れ、こう言われても、ちょっと厳しいからこれはまず貯金をしておいてということにならないでしょうかという感じを私は率直に持つわけです。  ですから、所得税の税体系をどうするか、諸外国と比較したり、また、いつ所得税減税があってどうだと、いろいろな議論がありますから、そして直間比率をどうするというような議論も含めて、私は、所得税減税問題というのはいろいろな角度から議論していくことが非常に大事だと思っているわけでありますが、当面の消費拡大戦略という点から考えると、何か支出に関連する減税ということがいいのじゃないかなと思っております。そうすると、一番内需拡大に結びつくのは何といったって住宅投資ですから、住宅投資を促進するような減税ですね。現在も既に三千万までは二十五万まで税額控除の措置がございますけれども、これを住民税まで拡大していくとかこの枠を広げるだとか、何かそういう積極的な消費拡大につながる形の減税というものを考えたらどうなんでしょうかということを、実は私は予算委員会でも答弁させていただいているわけであります。  もう一つ、実は政府がいろいろなことをやることは責任で大事だけれども、民間は厳しいから、もうともかく徹底的に緊縮だ、あとは政府がやれとおっしゃられでも、政府も金はないのですよ。結局、建設国債といっても借金ですからね。だから、政府が積極的な政策をやるためには、やはりそれは建設国債で借金をして将来の負担を持ってやるわけで、政府はいわばそれだけの努力をして、汗をかいて、血を流してやろうというわけでありますから、再三申しますけれども、すべては政府がやることであって、おれたちは厳しい厳しいでいいんだというわけにはいかないので、まさに政府も経営者団体も、それから労働組合、関係団体、それぞれが景気拡大をするためのメジャープレーヤーだということで、政府だけのプレーではだめな時期があるというのが私の考えでございますので、ひとつ大方の御理解を得たいと思っている次第でございます。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 少なくとも物価調整減税を、最低限これだけはやるべきである、このように申し上げておきたいと思います。  それから次に、時短の問題につきましては、九月に労働基準法研究会の報告が出されて、今中央労働基準審議会で労働基準法の改正に向けての議論がなされておると思うのです。  それで、八七年の改正以来日本の労働時間というのは、不十分ですけれども減ってきている。しかしながら、九一年の年間総労働時間は二千八時間ということで欧米諸国に比べてまだまだ高いということを考えますと、やはり時短、千八百時間に向けて具体的な、何といいますか、かなり強制力の伴った手段をとらないとこの先なかなか進まないんじゃないか、こういう認識を持っているわけです。そういう意味では、完全週休二日制の定着とかあるいは年次有給休暇の取得の促進とか、所定外労働時間の削減とか、多面的な改革も必要だと思うのですけれども、特にこの四十時間労働制、これが最大の焦点だろうと思うわけです。  それで、いろいろ議論を漏れ聞きますと、どうも経営者側はかなり厳しい認識をというか意見を述べられている。特に、来年の三月三十一日までに四十条の特例業種を除いては四十四時間になる。今まで四十八、四十六、四十四と下がって四十四になったんだから、一足飛びに四十というわけにいかないんじゃないか、四十二じゃないかとか、どうもそういうような議論がなされていて我々の認識と相当かけ離れている。この法定四十時間労働制というものを実現するということは、これはこれまでの内閣の公約でもありますし、これの実現のためには相当な強い社会的な圧力といいますか、社会的な決意というものがないと、どうもこの議論を聞いていますと、来年のこの法改正で週四十時間労働制というものは明確な形で出てこないんじゃないかという危機感を私は今持っているわけでございます。  時間がありませんので、それとあわせて強い関心を持っておりますのは、時間外労働時間についてです。現在労働大臣の告示という形で行われているわけでありますけれども、これは上限を法制化するということを我々繰り返し言ってきたわけでございます。  それとあわせて、時間外あるいは休日労働の割り増し率の問題。現行二五%というのは、これはもう抑制も保障も両方の機能を全く果たしていない、少なくとも五〇%あるいは休日一〇〇%に引き上げるべきだということを盛んに主張してきたわけでございまして、この辺、やはり相当強い社会全体の時短に向けての決意というものがないと、これはどうも流されるのではないかという危機感を持っているわけでございます。これは中央労働基準審議会の議論の行方ということになるのだろうと思いますけれども、この労働基準法の改正について率直な現状認識をお聞かせいただければと思います。

近藤鉄雄自由民主党労働大臣

○近藤国務大臣 労働時間の問題は、生活大国づくりを目指す宮澤内閣の内政の最大課題の一つでございまして、私どもといたしましてはこの現計画期間中に千八百時間をぜひ達成したい、こう思っているわけでございますが、そのために、さきの国会で労働時間短縮促進法を御審議いただいて成立させていただいたわけでございますが、このことに基づいて横並び意識等々をうまく活用しながら、適用しながら、労働時間短縮を進めていこうということでございますけれども、それをさらに法制的に担保するために労働基準法の改正というものに取り組みたいということで、現在、中央労働基準審議会においていろいろ先生方から御議論を賜っているわけでございまして、何とかこの十二月半ば過ぎごろまでには中央労働基準審議会の御結論を得て、そしてそれを待って次の通常国会には改正法を提出させていただきたい、こう考えておるわけでございます。  そこで、中央労働基準審議会においては、これはまず労使の代表の方がお見えでございますし、第三者、中立の方がいらっしゃるわけでございますが、この三者の方々の中で、お立場お立場でまだいろいろな議論が出ているわけでございますが、私たちの最大の目的は週四十時間、そして現計画期間内に千八百時間、こういう目標を達成することでありますから、それにまさに関係労使の代表の方々のコンセンサスを得たい。このコンセンサスが出ないと答申がまとまらないわけでございますので、その四十時間に対しての、経過措置はともかくとして、コンセンサスを得ることが最大の眼目でございますから、それに集中をしていろいろ御相談をしているわけでございます。  その中で、いわゆる割り増し率の問題につきましては、これまたいろいろな御議論がございますから、それぞれのお立場の方々の議論を審議会で十分承っているわけでございますけれども、繰り返し申しますが、この四十時間についての時期や割り増し率の問題についても中央労働基準審議会のコンセンサスを得るためにどう持っていくかということが実は——持っていくと言うとあれですけれども、どういうふうに話を進めていただくかということが今我々の最大の関心事で、何とか今年中に結論を出していただきたい、答申を出していただきたい、こう思っております。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 合意を得なければいけないということはよくわかっているわけですけれども、私が先ほど申し上げました点で労働省がやはり強いリーダーシップを発揮をしていただきたい、中途半端な法改正になったのでは我々としては承服できないということをぜひ御理解いただきたい、こう思いますので、よろしくお願いいたします。  時間が来ましたので、以上で終わります。

川崎寛治日本社会党・護憲民主連合

○川崎委員長 金子満広君。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 余り時間がありませんから、端的に質問したいと思います。  不況のもとにおける労働者の雇用と労働条件の問題です。  言うまでもありませんけれども、不況は地震や台風と違って自然の災害ではありません。それからまた、労働者の働きが悪いから不況になった、そんな理屈はないことはもうはっきりしているのですね。ですから、そういう中で大企業の場合、中小企業あるいは零細企業、さらに消費者、それぞれの立場から不況の原因が何かとか、どのように克服していくかという点についてさまざまな意見があることは当然だし、大いにこれは議論すべきだと思うのです。  そういう中で、先月の二十日でしたか、近藤労働大臣が記者会見でやったことが新聞によく報道されました。これはかなり波紋を呼んだと思うのですよ。見る人々によって、その点については非常識だと言う人もあるし、よく言ったと言う人もあるし、これは大いに議論すべきだと私は思うのです。これは何も小さくしておさめる必要はないので、議論がなければ不思議だと思うのですね、これだけ深刻な不況ですから。  近藤大臣は、景気の見通しが厳しいから賃金も厳しくし消費をさらに冷えさせるという悪循環は避けてほしい、企業にはバブル時代の利益の蓄積があり、これをこの際活用すべきだ、私はそうだと思うのです。大企業ほど不況だ不況だと大宣伝をするわけですよ。その下心はわかるのです。賃金は余り上げない、年末の手当も余り出さない、抑える、人員整理やむなしというところへ誘導していくためにやるのですね。しかし、確かにバブル経済がはじけた、損した、赤字だといっても、これまで大企業は、大臣も言われるように、去年よりは利益が上がらなかったけれども、赤字なんかにはなっちゃいないのですよ。そういう点ははっきりつかんでやるべきだと私は思うのです。  ですから、日経連の会長が言われた、非常識だ、本来は労使間でなされるべきことだ、こんな労使間でやるなんていうのはだれも百も承知のことです。しかし、物の考え方ですからね。これほど不況が深刻であり、しかも、いろいろな景気対策でも大企業に対しては相当優遇してあるわけですよ。そういう中でそういう者が、賃金の問題あるいは諸手当、さらには人員整理、人減らしですね、ああいうことを出してくるというのはもってのほかなんで、この点、労働省として強力な指導を行うべきだと私は思いますが、まず大臣に伺っておきたいと思います。

近藤鉄雄自由民主党労働大臣

○近藤国務大臣 先生、強力な指導とおっしゃるとどうも、我が国は計画経済でありませんので、余り強力な指導もできるような立場にありません。  ただ、私の本意は、先生もおっしゃったけれども、個々の企業の賃金決定はまさに企業で労使が真剣に議論していただいてお決めになることである、それは全くそういうことでありますから、周りでとやかく言うことじゃないわけであります。ただ、私も経済企画庁長官を数年前にやった一人として、マクロの視点から経済を見ておりますと、財政の役割ももちろん大事であります。これは先行的、まさに一つの旗振り役として大事だけれども、しょせんは公共事業というものは国と地方合わせても国民総需要の七%前後しかない。だから、これをふやすのは大事、賛成だけれども、おのずからトータルに与える影響としては限度がある。そうすると設備投資かというと、設備投資ももう目いっぱいやっちゃった。それが今景気の落ち込む原因になっているわけでありますが、そうなると、景気拡大戦略の主力はやはり国民の消費によらざるを得ない。先ほどもちょっと申しましたけれども、これが一%ふえれば〇・六%GNPは伸びちゃうわけですね。しかし、一%減ったら〇・六%ダウンということですからね。  だから、今景気の不況が騒がれているときにはさに官民挙げて真剣に議論しなければならないのは、この経済発展の主力部隊である消費をどうしたら拡大することができるか、そういうマクロの視点からの議論をしていかないと、ミクロの議論だけで厳しい厳しいと、全部横並びで厳しいでは経済が本当に厳しくなっちゃって、さらに底割れしてしまうから、マクロの戦略をひとつお互いに持とうじゃないか。政府はもちろん持ちますし我々も持ちますが、経営者団体それから労働組合という人たちは、繰り返しておりますように、経済発展、景気拡大のメジャープレーヤーですから、そのメジャープレーヤーとしての一つの見識でそれぞれ御判断をして知恵を出していただきたい、こういう気持ちでございます。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 景気回復といえば、単純に言えば消費を拡大することだ。この消費拡大がない限り、いかに言葉で景気回復をうたっても実現できない、これはもうはっきりしているのですね。消費を拡大する上でだれでも考えられるのは、購買力を高めるということです。ここに賃金という問題が一つ出てくると思うのですね。不況はさらに深刻だ、来年はもっと、こんなことを言ったら今ある金だって使わないですよ。大臣も言うけれども、それは預貯金に回るかもしれない。そうでなくて、一定の見通しを立てながら、そしてこの賃金を上げることが消費を拡大していくことにつながるんだ、そういうことを大企業にもっと堂々と言うべきだと私は思うのです。ですから、企業の論理でいえば、なるべく出さないで資本は蓄積して海外にも出ていこう、これが企業の論理ですよ。しかし、社会常識がそれを許さないのです。  そういう意味からいえば、大企業というのは巨大な社会的存在である。巨大な社会的存在であるから社会的に責任を持たなくちゃならない。その責任を持つというのが、今ないものを出せというのじゃなくてある袖を振れというのだから、それも根こそぎとつちゃうというんじゃなくて。その辺ができなければならぬし、私は、そういう点では、本当に労働省としても、主管官庁ですから、ずけずけ言うくらいにしていく。私は労働省の発言は少ないと思うのですよ。もっと頻繁に記者会見でもやって、ほかの省庁は一生懸命やっているところもあるんだから、どんどんやってしないことには、労働省もいろいろな圧力があって大変だろうなみたいな、変なことになってしまうと思うのですね。そういう点では堂々と、伸び伸びとやる。せっかくきっかけができたんだから、おたおたしないでやっていくことが私は大事だと思うのですね。  もう一つは、鉄鋼などにおける人減らし合理化の問題と関連して、残業が減ってきているんですよ。これは別な面だけでいくと、残業が減るから労働時間がどんどん短縮されているんだ、いよいよ千八百時間に近づいたとか、そんな形で計算をすると、これは片方を見て他方を見ないということになると思うのです。今の賃金体系からいいますと、基本給だけ、つまり残業なしで生活できる賃金体系になっていないんです。ですから、多くの労働者が残業を月にどのくらいしてどのくらいの収入があるかということを計算に入れて、これでいろいろの長期ローンを払っていっているんですね。ですから、残業がぐっと規制されて減るということは、家計に与える影響というのはちょっとではなくて深刻なんですね。だから、大黒柱まで影響してくるんだから、こういう点でいろいろな生産調整とかいって、日本鋼管なんか、あの大企業でどんどん残業を減らしているんですから、こういう点は直すように私は指導してほしいし、またやらないとならぬ。労働省はいろいろの会議で定期的に企業の代表とも会う機会がいっぱいありますね。ああいうところを使って、使ったときには社会に発表するということでないと、大変なことだと思いますよ。そういう点でこの今の不況と労働運動の問題も考えていかなきゃならない。  それから、雇用調整とかいろいろな言葉で出るんですけれども、とにかく人減らしの問題です。これを放置しておくとどんどん加速するんですよ。だから、私は、そういう点で、いろいろの雇調金制度その他がありますけれども、これも生首を切らないで雇用関係を維持し継続するということに考え方の基本があると思うのですね。  こういう点で、人減らし合理化を企業がなすがままにしているということについて、それを監督し指導し規制するという点で、何かこういうことをやったとか、やれるとか、しようとかいうものはありますかね。

近藤鉄雄自由民主党労働大臣

○近藤国務大臣 先生に大変褒めていただいた後でまた反駁するのはまことに恐縮でございますが、先生、今の生産調整は大変大事だと思うのです。生産調整のためには残業を減らすということはやはり大事なことであって、生産調整しないでずっと従来のように残業していけばまた問題が出てきますから、だから、残業を減らしていくということは私は大事なステップだと思います。そのおかげでだんだん労働時間も減ってくる。ただ、むしろこの景気がよくなったらまた残業だと戻らないように、まさに千八百時間というものを五年後に達成しようということで頑張っているわけでありますから、そういう労働時間を短縮した形のレーバー・ワーキング・ユニット、労働ユニットでどう今度は積み上げて経営をするか。そうなると、そこで今まで残業込みの賃金でどうだという議論がございますから、さあそこをどうするかという議論です。このあたりを議論しながら、残業しないでもそれなりの生活ができるような賃金体系というのをこれから真剣に考えなければならぬと私は思うわけであります。  それと関連して、今度人手減らしですね。これもこれから合理化が進めば進むほど、今度大企業の中で人手が、人数が多分要らなくなってくる、これも私は一つの趨勢であると思う。そうしなければ、まさに日本の国際的な競争力というのがこれまたおかしくなってしまうわけでありますので、そこで人を減らすことはケース・バイ・ケース、必要な場合も出てくる。  問題は、こういう時期に人手を減らしてしまってわっと失業者が町にあふれるようなことになると、大企業の場合には特にインパクトが大きいですから、これを何とか抑える。そこで、大企業に何だとおしかりを受けるかもしれませんが、大企業含めて雇用調整助成金というのを出して、解雇を表にしないで企業の中で抑えてください、そして、新しい需要への企業内部の生産転換のいわば待ち時間をここで何とかサポートさせていただいて、同じものをまたつくったってもうだめですから、だから、その内需拡大による方向でこれから伸びるような新しい商品を、まさに大企業であれば大企業であるだけに、全体見えるわけですから、考えていただいて、そっちの力に生産調整をする。そのために必要な職業訓練については、積極的にまさに雇用調整助成金でバックアップしよう、こういうことで企業内部のリストラクチャリング、内需拡大の方向へのリストラクチャリングを積極的に進めていただくことが大事ではないか、このように考えている次第でございます。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 私は、生産調整が必要でないというのじゃなくて、それも必要だ、しかし、残業ということをもっとやれというのでもない。問題は、時間短縮で残業がなくても生活ができるだけの賃金を、そういう賃金体系をつくっていかなければならぬ。企業の側もそこに責任を持たないと、景気がよくなるとばあっと広げて、悪くなるとまた犠牲、しわ寄せをする、こういうことでないように、その点をこういう時期だからこそ手を入れるべきだし、意識的にやるべきだ、こういうように思うのですね。  それから、時間がありませんから、次に女子大生のことについて、就職問題、先ほども質問がありましたが、私もいろいろ最近実情をじかに聞いているので、対策をぜひ立ててほしいと思うのです。  このままいきますと、来春の大学卒の女性で約二万人が就職できなくなってしまうのじゃないか、こういう懸念がいろいろなところでされているわけですけれども、現実に私自身も調べてみたところが、いろいろのことがあるのです。  銀行から採用するということで内定があったんだけれども、不況のために取り消しをしたいという、これは埼玉です。それから富山の中でも同じようなことがあります。それから特に深刻なのは、もうコネ採用はやめてくれ、それから学閥がひどい、特定の大学は特定のところだけにやる、こういう点は何とかしてくれ。これは愛知の例ですが、学閥がひどい。愛知なら、県内の金融は愛知大からしか採らない、県内流通なら名古屋大、Uターンは国公立大といった調子だ。こういうものを取っ払わない限り、女子学生の就職の門というのは非常に狭い。  こういう点で、労働省の方から、担当官の方で結構ですけれども、こういうコネとか学閥とか、そういう点について何か調査したことはありますか。

齋藤邦彦労働省職業安定局長

○齋藤(邦)政府委員 最近の雇用失業情勢を反映いたしまして、新規の大学卒業者の方々についてもなかなか厳しい情勢があるということは事実だというふうに思っておりますが、数字的にどうこうということになりますと、まだ把握をいたしておりませんが、原則といたしまして、大卒の場合には各大学で職業紹介があるという建前になっております。それ以外に私ども、全国主要都市六カ所に学生職業センターというのを設置いたしまして、大学以外の場で就職のあっせんをいたしておるわけでございますが、そこに来られる求職者、学生の方、確かに男性に比べますと女性の方がやや多いということが指摘できますし、また逆に求人の方は、前年に比べますとやや減ってはおりますけれどもまだあるというような状態でございまして、まだあと少しありますので、学校とも密接に連絡をとりながらいろいろと新規学卒者の就職促進に努力をしていきたいというふうに思っております。  ただ、先ほども大臣がお答えをいたしましたように、確かに大企業からの求人というのは全般的に減ってきていることは事実でございますが、中小企業におきましてはいまだに非常に根強い人手不足感、この機会に優秀な新規学卒者を採用したいという意欲が非常に強いところも多々ございます。中小企業の中にも大企業に匹敵するような雇用管理をしているところ、あるいは福利厚生施設も整っているような優良な中小企業も多々ございますし、大企業、中小企業ということではなしに、やはり学生本人の能力なり適性なりに応じた就職先に勤めていただくというのが一番いい姿だろうというふうに思います。  私ども、そのような観点から新規学卒者の一層の就職促進ということに努めていきたいというふうに考えております。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 女子大生の就職の門が狭くなってくると、学生のいろいろな組織でも言っておりますが、勢い縁故採用、出身校による差別というのが現実にあるのですね。私は、こういう点についてはぜひ調査してほしいと思うのです。私どももいろいろの実態をいろいろな機会に提示しますから、これは調査して直してほしい。  そこで、今も答弁がありましたが、それぞれの大学にある大学就職課、ここに対する企業紹介を具体的に進めていくという点で、私は労働省は体制がないのではないかと思うのです。これは労働省自身もそうだし、出先機関、ここも今の体制ではできないのではないかという点で、そこのところの必要な要員は、定員は確保する、この点が一つ。  同じくこの定員の問題でいきますと、とにかく不況の中で雇用問題に対するいろいろの質問、照会、要求というのはもう山のようにある。そういう中で、先ほども申し上げましたが、雇用調整助成金制度があるというのを知らない企業も、知らない労働者もたくさんいますね。そういう点で、職業安定所にでもこういう制度があるんだということをいろいろのニュースで、あるいは紙に書いて、印刷して張り出すとか、そんなようなこともできるのじゃないか、僕はやるべきだと思うのですね。そのための必要な人員確保、これはいろいろの懸念があるけれども、やってやり過ぎだと言う人はいないと私は思うので、その点も最後に答弁を聞いて、時間が参りましたから終わりたいと思います。

近藤鉄雄自由民主党労働大臣

○近藤国務大臣 先生おっしゃるとおり、雇用調整助成金は知らない人が大変多くて、地方の中小企業だけではなしに、私はこの間ある経済人の集まりの朝飯会で講演しましてこの雇用調整助成金という話をしたら、知らなかった、早速労働省に照会があったというような、具体的なそういうケースもございます。実は全国の職安を通じましてこういう雇用調整助成金制度があるんだよということを積極的に今PRしようということで進めておりますし、それから、大企業はともかく、中小企業の場合にはいろいろ書類の手続なんか面倒くさいとおっしゃる方もいらっしゃいますので、できるだけ丁寧に御説明をして、産業ごとに指定する、そして入ったら今度は積極的にPRするというふうにしていただきたい、こういうふうに考えているわけであります。  そういうことやその他で労働行政、最近は、まさに今度は内部の需給関係といいますか、需要に対して職員が非常に忙しい状況でございますので、先生からも御理解をいただいて大変感謝しております。ただこれは、政府全体として定員確保というのはなかなか難しい状況でございまして、労働省だけではなしにほかでもいろいろなその要求もございます。しかしその中でも、大事な労働行政に必要な定員を少しでも確保したい、こういうことで、例年予算の折には大蔵省また総務庁にこの要求をしてございますけれども、ことしもこういう時期でございますから、さらに思いを新たにして政府部内で何とか必要な人数を幾らかでも確保するためにひとつ努力をしてまいりたいと考えております。

川崎寛治日本社会党・護憲民主連合

○川崎委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時二十六分散会

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