予算委員会 第2号
- 発言数
- 318 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1992/11/24
会議録
○高鳥委員長 これより会議を開きます。 平成四年度一般会計補正予算(第1号)、平成四年度特別会計補正予算(特第1号)、平成四年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題といたします。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 ただいま議題となっております三案審査のため、本日、参考人として日本銀行副総裁吉本宏君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高鳥委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○高鳥委員長 お諮りいたします。 本日、最高裁判所島田刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高鳥委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○高鳥委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。津島雄二君。
○津島委員 私は、自民党を代表いたしまして、景気対策、補正予算、行政改革等の諸問題を中心といたしまして、今国民の皆様が知りたいと感じておられる点に絞って、総理初め閣僚に質問をさせていただきます。 特に、総理におかれましては、ここで率直に国民に語りかける気持ちで真情を吐露していただきたいと思います。 それにいたしましても、予算委員会の審議がこれほど待たれたことはありません。審議入りがおくれて、国民に多大な迷惑をおかけしていると思います。 今、景気の低迷が深刻な社会問題を生じておりまして、例えば大都会におきましては、日雇いの方は、通常であれば五時か六時ごろから仕事を探すために並ぶのでありますけれども、最近では三時ごろから並ばなければ仕事にありつけないという話も聞いております。また、東北からの出稼ぎ者につきましても、優良な出稼ぎ先がなくなって困っておるという話もあるわけでございます。また、寒冷地では補正予算の成立を一日千秋の思いで待たれておるのであります。 倫理は倫理、そしてまた、国会の責任は責任であります。国会が国民に対する義務を果たさなければならない。最近の問題につきまして、なかなか補正予算の審議も始まらないという今の国会の現状に、非常に私は憂慮をしております。国民生活を人質にとって、いわゆる党利党略の与野党のやり合いをしていていいんでありましょうか。この際、国会そのものの改革が必要であると私は同僚の議員の皆さんに強く訴えたいと思うのでございます。 それにいたしましても、いわゆる佐川事件がこの国会の停滞の原因であったとすれば、まことに遺憾であります。また、このことにつきまして、政界の先輩、指導者と言われた方々がかかわったとされておるとすれば、まことに残念なことであります。また、暴力団との関係も取りざたされておる。このようなことはあってはならないと私は思うのであります。 そこで、まずここで総理・総裁である宮澤総理から、この事件について今どのようにお考えになっているか、心境を率直にお述べいただきたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 冒頭に今日の経済状況につきまして御指摘がございました。政府といたしまして、過般総合経済対策を決定をいたしました。これは史上最大の規模の十兆円を超えるものでございますが、できるものはできるだけ早く既に実行に移っておりますが、その中に補正予算の形で国会の御審議を仰がなければならない部分がございまして、補正予算を提出いたしたところでございます。 津島委員の御指摘のように、経済状況なかなか好転をいたすのに時間がかかっておりまして、昨今、有効求人倍率の低下に見られますように、雇用にもただいま御指摘のような影が差すような状況になってまいりました。また、中央から地方へ不況が及んでおりまして、地方といたしましてもこの状況に対して、単独事業をふやし、対応いたしてもらっておりますが、補助事業になりますとやはり国の予算、補正の成立が必要であるといったような事情もございます。また、中小企業関連での金融につきましても、補正予算でお願いをしている部分がございまして、補正を待たずして中央地方、全力を尽くしておりますけれども、やはり補正予算の成立をできるだけ早くお願いをいたしまして、この不況に対処をいたしたいと念願をいたしておるところでございます。 いわゆる佐川事件等をめぐりまして、政治と金の問題あるいは政治家のあり方の問題について多くの問題が投げかけられ、国民の政治に対する不信というものは極めて深刻なものであると考えております。私も政治に携わりましてかなり長い時間経過しておりますが、このような国民の不信、かつて自分が体験したことのないような異常なものであるというふうに感じております。政府に対するもの、政党政治に対するもの、あるいは政治全体に対するもの、いろいろよって来るところは多うございましょうが、非常な不信を肌に感じておりまして、この異常な状況に対して政治が間違いなく対処いたしませんと長く悔いを残すことになるのではないかと憂えております。 また、その間に、国民の間に長い要望のあります政治改革が思ったほど早く進んでいないということへの批判も国民の間から強く起こっておりまして、そのような一般的な政治に対する不信、冒頭に言われました差し迫った経済状況といったようなものが、ただいまこれに対して政治が速やかに、果断に対応しなければならないということを求めておる、そういう実情であると考えております。
○津島委員 佐川事件につきましては、政治改革の問題と関連をいたしまして後半のところでじっくり総理初め閣僚の皆様方に質問させていただきたいと思いますが、こういうふうな日本の政界の現状でございましても、世界の政治は一日も待っていてくれないわけであります。 アメリカでは新しい大統領が誕生するということになっております。日本にとって最大の友好国でもあり、また政治的、経済的にも非常に関係の深いアメリカの将来というものは、日米両国にとって非常に重要な問題であることは言うをまたないわけでありますが、総理は、新しい大統領に決まりましたクリントン氏に祝意を表されましたか、どういう形で祝意を表されましたか。電話で話をされましたですか。
○宮澤内閣総理大臣 クリントン氏が当選されまして間もなくのことでございましたが、とりあえず電話をもって祝意を表したところでございます。当選直後の、先方も非常に忙しい、またできるだけ早く休息を求めておられた時期でございましたから、詳しいことを申しませんでしたが、私からは二つのことを申しました。 一つは、日米間にいろいろ問題が当然のことながらございます。これは絶えざる対話が行われておりますので、さらにそれをあなたと私との間で強める形で処理をしてまいりたいと。 それからもう一つ申し上げておきたいのは、日米両国合わせて世界のGNPの四割を占める。とすれば、お互いが一緒になって世界に対して果たさなければならない仕事がやはりたくさんあると思う。グローバルレスポンシビリティーと申しますか、地球的な共通の課題、これは両国の間の課題とは別に共通のしなければならない仕事が多くあって、このことについてもこれから緊密に御相談をしてまいりたいと思いますと。 この後者の点は、当然のことのようでございますけれども、新しく大統領に就任されますので特に御注意を喚起をいたしておいたわけでございますが、それに対してクリントン知事からは、私と一九八五年に東京で会っておりますが、そのようなことを言われました後、今後とも今の二つの点について十分に緊密に相談をしていきたいと考える、こういうお話でございました。 時が時でございましたので、長い電話ではございませんでしたが、要約いたしますと以上のようなことでございます。
○津島委員 既に新大統領と個人的にお会いになった過去の経歴がおありだということは大変結構なことだと思いますが、御承知のとおり来年早々、一月の二十日に新大統領が年頭教書を発表いたしますけれども、これは新大統領の最初の年頭教書であり、これから四年間の政治の方向を明らかにされるという意味で非常に重要だと思うのでありますが、それがそうであればあるほど、その前に日米関係、そしてまた、アジアにおける、また世界の経済の中で重要な地位を占めている日本の考え方というものが十分念頭に置かれた上で新しい方向を打ち出していただくことが必要だと思うのでありますが、総理は、新大統領、就任されて早急にお会いになる意向がおありでしょうか。それからまた、我が国の考え方等々を新大統領に通じていく意思疎通の方法について特別の工夫をしておられましょうか、その辺お伺いしたいのですが。
○宮澤内閣総理大臣 御指摘のように、新大統領が就任に当たりまして、御自分の国の問題及び世界各国との問題について間違いないスタートを切っていただきたい、殊に後者につきましては、念願いたしますことは当然のことでございます。そういう意味では、できるだけ早く我が国が考えておりますことを、先ほど申しました二つの点につきまして、新大統領にも理解をしておいていただきたいと考えております。 ただいまのところ、新大統領がいっそのような実質的な仕事を始められるつもりであるかということにつきまして、十分なスケジュールを承知しておりません。まず最初に、多ければ数千人と言われる人事が行われなければならないわけでございましょうが、その中心になります人事が、まず、輪郭がまだ出てきておりませんので、そのあたりのことが最初にあろうかと思います。その辺から大体の方向というものを想像することも可能になるかと思っておりますが、まだそういう人事、どういうことになりますかはっきりいたしておりません。 それからもう一つ。それはそれとして、クリントンさんのスタイルとして、現政権から正式に受け継ぐまでは、殊に外交問題については表立った動きをしないという、そういうスタイルをとられるのであるかあるいはそうでないのかということも確かめておかなければなりませんで、それらのことにつきましては、当然のことでございますが、外務当局を中心にできるだけの情報を得るために努力をいたしております。 いずれにいたしましても、津島委員の言われますように、新大統領が就任をされるその早い時期におきまして、我が国との関係はもとよりでございますが、先ほど申しました、両国が世界に向かってしなければならない共同の責任、共同の課題について、早い時期に意見の交換並びに意思の統一を図ってまいることは必要なことであると考えておりまして、そのためにどのような方法が適当でございますか、十分注意をして実は毎日考えておる。十分その点は怠りなく注意をしてまいるつもりでございます。
○津島委員 ぜひとも適時適切な対応をしていただきたいと思います。 今さら言う必要もないかと思いますが、米国の社会経済が健全になることが世界のためにも必要なことでもあるし、また日本にとってもいいことであるというような意味で、両国が今後とも密接に協力していくということを強く希望しておきたいと思います。 世界は待っていてくれないというもう一つの重要な進展がございました。ウルグアイ・ラウンドの交渉でございますが、アメリカとECの間の農業交渉が一応の合意に達したという報道がございます。これによりましてウルグアイ・ラウンドの年内決着の可能性が非常に高くなったと言われておりますが、この点について外務大臣どういうふうに見ておられますか。
○渡辺(美)国務大臣 ウルグアイ・ラウンドを成功させない方がいいという国はないですね、世界じゅう。みんなウルグアイ・ラウンドの成功を祈ります、ぜひ成功させたいと、総論は賛成なわけです。しかし、各論になりますとやっぱりいろいろ利害がございますから、そこで交渉が行われていることも事実。特に農業問題は各国とも非常に影響が大きい。こういうようなこともあるし、すぐに生産性が急に上げられないというような問題もあってなかなか難しいことも事実です。 そこで最大の問題は、ECとアメリカとの関係でございますが、これらについては、輸出補助金の問題とかいろいろございますけれども、最後まで残ったのがいわゆる油糧種子といいますか油をつくる種ですね、この問題について最後までもめたのですが、一応の合意が見られた。具体的にもっと細かいことがよくわからぬと何とも判断できないのでありますが、いずれにしても二国間から多国間の交渉にこれが入っていく。 日本の問題については、もう言うまでもなく、我々は例外なき関税化反対という基本姿勢でやってきておりますから。ところが、こういう国は世界に数カ国であって、我々としてはこの特殊事情をいろいろと説いて、今後も基本方針のもとで頑張っていきたいという気持ちは持ってやっておるところであります。具体的なことについては、今後とも農林省や関係団体とも相談をしながら、一番いい道を探し当てていかなければならぬ、そう思っております。
○津島委員 この交渉がいよいよ最終決着に向かってまいりますと、やはり日本に対しましてぎりぎりの最後の決断を求めてくるであろうという見解が強いわけでありますけれども、これまでとかく我が国はヨーロッパの陰に隠れてその場を取り繕っているということを外国から言われていた。しかし、我が国の主張すべきことは毅然として主張するということが必要でございまして、今外務大臣がそのような姿勢を述べられたことは大変結構だと思っております。 関係大臣、通産大臣、農林大臣それぞれ頑張っていただきたいわけでありますが、農民は特にこの交渉の将来に対して本当にかたずをのんで見詰めているわけであります。農林水産大臣の今後の格別の御努力をお願いしたいと考えておりますが、どうでしょうか。大臣は、このウルグアイ・ラウンド決着の報道がありましたときに、現実的解決を図らなければならないと言われたような報道がありましたけれども、そのことを含めて、今後対処するお考えについて述べていただければありがたい。
○田名部国務大臣 今外務大臣からお答えのあったとおりでありますが、いずれにしても我々は早く多国間交渉を進めるべきだ。アメリカとECだけでいろいろなことをおやりになるのも結構ですが、やはりそれぞれの国に困難な問題があるし、それを主張する場というものが今までなかったということで、私も再三アメリカ、カナダ、ECに行きまして、このことを申し上げてまいりました。日本の主張というものを個々には申し上げてまいりましたが、マルチの場で主張させてほしいということで、長いことかかりましたが、今度そういう場が設けられるということでありますから、従来の基本方針にのっとって私どもの考え方を主張していく。もちろんEC、アメリカがどういう具体的な話をされたかというのは詳細にわかっておりませんし、またそういうことも質問をしながら、私どもが抱えておるこの困難な問題についても十分検討してもらう、そういうことを主張してまいりたいというふうに考えております。 いずれにしても、マスコミ等でいろいろなことを報道されましたが、全然私が申し上げなかったものばかり随分報道をされまして、いささかああいう報道を聞きますと、諸外国に与える影響も非常に大きいのではなかろうか、こう思っておりました。いずれにしても、従来の日本の主張が盛り込まれるように全力を挙げて取り組んでいきたい、こう考えております。
○津島委員 農水大臣の今の決意を聞いて、大変多としたいと思います。将来に対して農業者が自信と希望を持って歩んでいけるようにどうか頑張っていただきたいと思います。同じ農業地域を基盤とする政治家として、私どもは大臣に対して全面的な力いっぱいの応援をしたいと思いますから、どうか頑張っていただきたいと思います。 そこで、景気の問題に入ってまいりたいと思いますが、経済企画庁長官、景気をどう見ておられるでしょうか。また、八月の末に発表された景気対策等の効果をどう見ておられるか、まずお伺いしたいと思います。
○野田国務大臣 現在の我が国の経済は、御案内のとおり、需要面で見てまいりますと、個人消費は低迷をしておりまして、伸びの鈍化が続いております。それから、設備投資については製造業を中心に動きが弱いという状況にあります。そうした中で、住宅建設についてはやや回復の兆しにあり、また公共投資、公的資本形成については先般来のいろいろな対策によってこれを下支えをする、こういう姿になっておるわけであります。一方で、生産の動向は現在在庫調整が進展をいたしております。そうした関係で、生産も停滞ぎみで推移をいたしておりますし、企業の収益状況、これは依然厳しい状況にあり、厳しいリストラが続行中であるというふうに見ております。雇用の面でもやや需給関係が緩和の動きが見られる、こういうように我が国経済全体が厳しい調整局面にある。そうした中で依然として景気の動向については減速感が見られておるというのが全体的な姿であろうかと思っております。 ただ、そういう中で、今申し上げましたように住宅建設の分野などにおいても一部明るい兆しが出てきておる。あるいは機械受注の動向についても三カ月にわたって対前期比でややプラスの動きが出ておる。点々と明るい兆しもないではないわけでありますが、総じて現在のところまだ厳しい調整局面にあるというふうに認識をいたしております。 そうした中で、三月に決定をいたしました公共事業の前倒し発注、あるいは八月末に策定をいたしました総合経済対策、これらの効果が徐々にその効果をあらわしつつある、それがまた資材系統にも波及が今あらわれつつあるということも現実でございます。 しかし、何といいましても、せっかく八月末につくりました経済対策そのものが本格的なそのフル稼働をいたすためには、何としても基本的にはこの補正予算ができるだけ早期に成立するということが極めて大事なことでございます。もちろんかなりの部分はあるいは財投の弾力条項の発動などによって前倒しで既に実施に移されておるものもあるわけでありますけれども、基本的にはこの補正予算が成立するということが裏打ちをするわけでありまして、私どももこの補正予算が早期に成立をいたしますように心からこいねがっておるという状況にございます。
○津島委員 今の御説明で、伸びの鈍化が続いているという表現をされたわけでありますが、私は今の日本の経済というのは本当に深刻だ、何十年に一度の非常に深刻な場面に来ておると思うのであります。 なぜかと申しますと、今まで前例のない出来事が起こっているということでありまして、二、三例を挙げてみますと、例えば非製造部門の投資というものが日本の経済の中で非常に大きくなった。昔は製造部門の投資を見ていればよかった。鉄鋼、セメント等から始まるその部門を見ていればよかったのでありますが、今は非常に大きくなった第三次産業、情報産業や通信産業、こういうものの投資の動向が非常に大きく経済を左右する。それからもう一つは、もう言うまでもなくバブルの崩壊の影響でありまして、キャピタルロスというものが、資産的な損失というものが経済全体にどういう影響をするかということについて、今まで前例がないわけであります。こういう前例のない場面に入ってまいりますときに、どうもやはり官庁のエコノミストを中心として、政府の側は本当に見通しが甘かったんではないかということを指摘する方が多いんですね。 今、長官の御答弁ありましたけれども、あなたのお名前で出しているこの経済白書ですね、七月の二十八日付なんですね。これの巻頭の言で、一ページのところに、「平成四年度後半にかけて徐々に最終需要が伸びを高め、生産活動も上向いていくものと期待されます。」と書いてありますね。今まさにもう平成四年度の後半なんですね。これはまあ期待するというんで、期待はしなければいかぬのかもしれませんけれども、本当にこうなるであろうというような気持ちがおありになつだとすれば、私は非常に問題だと思うんですね。 通産大臣、産業政策の側から見て、どういうふうに景気を見ておられますか。
○渡部国務大臣 経済の動向、私、昨年の十一月この任をお引き受けしてから心配をしておりましたけれども、残念ながらいまだに設備投資また個人消費、これらの減退が続いておりまして、既に十二カ月製造業の生産動向については前年比マイナスという状態でありますし、また基幹産業、主要産業、造船とか特殊の例はありますけれども、ほとんどが減収減益、また在庫調整も必ずしも進んでおらない状態であります。何といっても、社会福祉をやるにも立派な教育をやるのにも経済がよくならなければなりませんから、この問題こそ津島先生御指摘の、今日私どもが果たさなければならない、国民の生活を守るための最大の問題であると思って、今通産省取り組んでおるところでございます。 また一方、先ほど外交面の津島先生の御心配がありましたけれども、通商面でも、残念ながら内需の低迷が結果として、私はグローバル・ビジネス・パートナーシップということで輸入拡大を産業界に訴えてまいりましたけれども、現実には輸入の減退で、恐らく経常収支一千億ドルをかなり超すということになれば、通商面でも、諸外国から我々は厳しいいろいろの批判を受けなければならないという心配がございます。 また、今回の経済は都市型不況、大企業不況、こう言われておりましたけれども、今やこれが地方に、また中小企業に、当然のことでありますが、これは大企業が悪くなればその下請企業に影響していくわけでありますから、地方の下請企業、中小企業等にもかなりの今厳しい影響がございます。 そこで、今回の補正予算、これは大蔵省にも奮発をしていただいて、年末、中小企業の皆さん方が金繰りに困って倒産するというような社会問題を起こしては断じてならないということで、七百四十五億円という、これは今までの例に全くない大きな金額の中小企業対策の予算を御審議いただいておりますが、これを通していただいて、また、一兆二千億の財政投融資で、中小企業金融公庫とか国民金融公庫とか、この七百四十五億を原資として、できるだけ安い金利で、そして中小企業の皆さん方に簡便な金融を行って、これらの方々が年末の厳しいこの不況を克服して新しい正月を迎えることができるように、それには何よりも何よりもまずこの補正予算を速やかに成立させていただくようにお願いをしたいと存じます。
○津島委員 通産大臣が非常に事態を深刻に見ておられることは結構なことだと思います。先ほど前例がないということを申し上げましたけれども、最近発表されております企業の業績を見ますと、今までになく何期も続いて、三期連続減益というような姿が見られるわけでありますし、それから日本銀行の統計を見て一番びつくりしますのは、一番大きく変わっているのは、消費性向がずっと落ちているのですね。極めて大きく落ちている。つまり、これは全国の消費者の皆さん方、国民の皆様方が心配をしてガードを始めたということです。そこまで今の事態は深刻になっているんだろうと思います。 それからまた、公共事業の将来についても今のバブルの崩壊の影響が非常に大きいわけでありまして、私は全国各地で見ておりますと、例えば流通関係の大規模店舗がキーテナントになっていわゆる都市の再開発を考えていた。それで、建設省の方も再開発予算を用意しておいた。ところが、そのキーテナントになるところが実は撤退をしてしまう、そのことから町づくり全体がとまってしまう、公共事業が進まなくなってしまう、こういうことは今までなかったんですね。 ですから、こういう新しい日本の経済の状況になっているということを踏まえて、やはりおくれないように政府の方は対応していただかなければならないわけでありますが、もう一つ問題なのは金融政策であります。きょうは三重野総裁においでいただいてじつくり議論したいと思ったのでありますが、大変高熱、風邪を引かれたそうでありまして、大事にしていただきたいわけでありますが、吉本副総裁に、まず最初に日銀としては経済をどう見ているか、それからもう一つ、株式市場の現況についてはどう見ているか、お答えいただきたいと思います。
○吉本参考人 お答えをいたします。 足元の国内景気について見ますと、私どもも引き続き厳しい調整局面にある、このように考えております。製造業を中心とする設備投資が減少する。また、個人消費も、ただいま御指摘のありましたとおり、足取りが鈍化をいたしております。全体として最終需要が停滞傾向にあるわけでございます。こうした状況下で、最近相次いで発表されております九月の中間決算におきましても、多くの企業で上半期収益が大幅に減益となっておりまして、企業マインドも引き続き慎重でございます。 しかし、そうした一方で、住宅投資の持ち直しやあるいは公共事業の増大、こういった景気回復を促す力が働き始めていることもまた見逃せない側面ではないか、このように思っております。おくれぎみでございました在庫調整につきましても、加工業種ではなお水準が高いものの、素材業種はなお相当進捗を見ておりまして、全体として遠からず山を越えることが展望されるのではないか、このように思っております。 さらに、こうした経済の推移の中で、ただいま御指摘のございました八月末に打ち出された総合経済対策、これがフルに実施に移されてまいりますれば、その効果は必ずや実体の経済面に浸透してくるのではないかと思っております。また、これに加えまして、私ども既に五次にわたる公定歩合の引き下げをやっておりますが、これに伴う貸出金利も着実に低下をしてきております。我が国の経済はいましばらくは調整局面が続くといたしましても、これ以上落ち込むおそれは少ない、いずれ回復の方向に向かうものと私どもは確信をいたしておる次第でございます。 いずれにいたしましても、経済は生き物でございますので、今後とも予断を抱くことなく情勢の展開、推移を見守りたい、このように思っております。 次に、株式市場についての御質問でございますが、私どもの立場といたしまして、株価の動向、その背景、水準等についてコメントを申し上げる立場にございませんのですが、一般論といたしまして、この株価の下落の企業マインドに及ぼす影響、これを通じて実体経済面にもろもろのインパクトを与える可能性があるということは否定できないところでございまして、私どもとしてもその株価の動向について注意深く見守っているところでございます。基本的には、株価にとって最大の特効薬は、早く景気が回復軌道に乗るということであろうかと思います。 そういった観点から、私どもとしては、景気が早く回復することについて期待を持っているところでございます。
○津島委員 日本銀行の公式な見解というとそういうことになるのかもしれませんけれども、やはり本当にそう考えているのかなと言いたくなるのですね。 それはやはり過去のことを申し上げなきゃならぬのでありますけれども、九〇年八月末に公定歩合を六%までお上げになりましたね、これは予防的引き上げたと。ちょうどこれは湾岸戦争の始まる前後のことでありますけれども、日本にインフレの兆候が出てきた、予防的に引き上げようと。引き上げられて、翌年の九一年七月、〇・五%下げるまでずうっと高い水準に据え置いてこられた。これはいろいろな意見があります。バブルを早く崩壊させなきゃならないという気持ちがあったのかもしれませんけれども、日本銀行としてやはり頭に置いていただきたかったのは、この公定歩合を上げる四カ月前に総量規制が始まっているのですね。ですから、地価の問題、バブルの問題については相当強力な政策が始まっていることの中で公定歩合をぽんと上げてしまった。そして、上げたままの水準でずうっと九一年七月まで据え置いた。七月に下げたのも〇・五%しか下げなかった。 その後、順次現在の水準まで下げてきたとおっしゃるわけでありますけれども、いずれも遅きに失するという声の方が強いのですね。その背景に、先ほど政府の方にお伺いしたと同じように景気に対する見方のおくれがあるとすれば、私はこれは非常に重要な問題だと思うのですね。 ですから、今副総裁が必ず自律反転していくというようなことを言われる。それは、期待を込めて言われるのはいいんだけれども、もしそうならなかった場合ということも、これはやはり現実の金融当局として考えておかれなければいけないだろうと思うのですね。どうですか、今言われたような自律反転というものが考えられるでしょうか、このままで。 私は、一つ申し上げたいのは、今素材型の製造業においては在庫調整が進んできた、それは当然そうなんですよ。ところが、今重要なのは、素材型でない方の投資が問題でございまして、それからまた生産の状況も問題でございまして、例えば電子産業関係は非常に厳しい状況に置かれている。 それからまた、ソフトはもっとひどい状況に置かれている。それで、ソフト産業の不況の原因にあるのが、やはり金融機関を中心とするいわゆる機械化投資がばったりとまってしまったということにあるとすれば、そういう今一番問題になっている分野が自律的に反転をする先が見えているのかどうか、素材産業と同じように反転をしていくのかどうかということについて、私は非常な疑問を持たざるを得ないのです。それは、確かに公共事業を初めとする国や地方財政からのてこ入れば一生懸命進めていかれると思うのでありますけれども、日本銀行が、いつかはよくなるであろうというような形で金融政策を運営していいんであろうか。 なぜそれを申し上げるかといいますと、金利というのは毎日毎日働いているわけですね。金利の水準というのは経済全体を支配をする面を持っておるわけでありますから、だから、判断がおくれることによって不当にと申しますか、高い水準に据え置いていくということがやはり非常に深刻な事態を招来するおそれがあるわけであります。 よく言われるのですけれども、どうなんでしょうか、日本銀行がかなりコントロールできるはずの短期の金利、コールレート、標準的に無担保翌日物というところで見てまいりますと、ずっと四%の水準で据え置いてきている。一度、九月の末ですか、五%まで上がったことがあるんですね、これは月末の特別なあれかもしれないけれども。今、インフレ率が二%前後のときに、どうしてそういう高い水準にコールレートを維持する必要があるのかどうか、これは多くの方々が指摘をしておるところですね。その一方で、株式市場にはなかなか投資資金が入ってこない。コールレートが高いから、そこで日銭を稼いでおけば結構な金利になるものですから、コール市場の方には金が随分滞留をしているという指摘もある。 この短期資金の金利について、副総裁はどういうふうに見ておられますか。今のスタンスをしばらく続けていっていいというふうに見ておられますか。
○吉本参考人 その前に、私どもの公定歩合の操作について御批判をいただいたわけでございますけれども、私どもは、常々経済の実情に即して適時適切に公定歩合の操作をするということに最大限の努力を用いておるつもりでございます。 特に、昨年の七月の引き下げが遅かったのではないかという御指摘がございましたけれども、その当時の経済状況を振り返ってみますと、企業の収益あるいは設備投資の水準など、まだかなり高い水準にございまして、景気の腰がしっかりしておるということは、これは一般の判断、私どもだけでなしに世の中一般の判断ではなかったか、このように思っております。 特に五月の短観——短観と申しますのは、私どもの企業に対するアンケート調査でございまして、企業の見方を反映したものでございますが、この五月の短観の調査で見ても、なお景気が良好であると判断する向きが多うございまして、物価面でも、労働需給はなおタイトでございまして、そういったことでいろいろなお問題があった、これが昨年の前半の状況でございます。私どもは、七月の引き下げについて、全般の判断に基づいてやったわけでありますが、そういうことで御理解を賜りたいと思います。 それから、コールレートの問題でございますが、御案内のように、私どものコールレート、日々の金融調節に当たりましては、金利水準が全体として現在の経済情勢あるいは私どもの政策スタンスにふさわしいものかどうかという観点から、適切な市場地合いの形成ということに意を用いておるところでございます。最近のコールレートについては、御案内のとおり、十一月二十日の水準で、無担保オーバーナイトで三・九%ということになっておりまして、これはピーク時に比較しまして四・五%下がっております。また、これは短期金利の代表的なレートでございますが、CD三カ月物金利を見ましても、これも十一月二十日現在で三・七五%、これはピーク時に比べてやはり四・五%以上下がっておるわけであります。まあ、短期の金利水準としてはかなり下がってきているというふうに考えております。 それから、もう一つここで申し上げておきたいと思いますのは、私どもとしては、やはり規制金利の水準というものを全く無視できない状況でございます。 規制金利と申しますのは、いずれ金利が完全に自由化されればこの規制金利というものがなくなるわけでありますけれども、現在この規制金利というのは公定歩合に連動する形になっておりまして、前回公定歩合を引き下げたときにやはり預貯金金利の引き下げをやりました。しかし、これはフル連動という形ではなしに、若干規制金利の引き下げ幅を少なく下げたわけであります。これは預貯金者に対する配慮等、そういった問題もございまして、これはやむを得ないことでございますけれども、この規制金利の水準というのが実は現在大口預金あるいはMMC預金のフロアになっておりまして、市場金利が下がっても大口定期預金が、例えば一年物について見ますと、フロア金利以下には下がらない、こういう形になっておるわけであります。 やはり全体の金利水準を考えまして、私どもとしては公定歩合との関連において現在のコールレートの水準は適正である、このように判断しているところでございます。
○津島委員 今のお話もいろいろな問題点、金融政策の問題点を浮き彫りしてくれるわけでありますが、よく言われるのは、日本だけ独自の金融政策をやるには、これだけ自由化されて、資金の国境間の移動が自由になると難しい、こういうことも言われるし、恐らく、きょうは言われなかったけれども、ヨーロッパの金利は高いですよというようなことを言うのでしょう。 そこで、私申し上げたいのですけれども、例えば、つい二、三日前もスペイン、ポルトガルの通貨の切り下げがあった。EC自体が、ドイツの政治的構造的高金利と私は思っておるのですけれども、その影響を受けまして非常に難しい状態にあることは認めるにやぶさかでないのですけれども、しかし、日本は可能な範囲内でやはり自主的な金融政策を志向していっていただきたいのですね。特に、これまで心配をされた資産インフレを抑止する構造がだんだんとでき上がってきておりますし、それから幸いなことにインフレ率はまだ日本は二%前後であるというようなことも考えますと、金融政策の選択の幅は非常に大きいと言わざるを得ない。だから、やはり必要なことはきちっとやっていただきたい、勇気を持ってやっていただきたいと思うのであります。 そこで、もう一つ問題になるのは、さっきの規制金利の問題ですね。日本は余りにも金利水準というものをいろいろ、例えば公定歩合がこうだからプライムレートはこうだ、あるいは預貯金金利はこうだという、連動して右倣えでやっている。自由化がそこまで行っていない。その結果どうなるかといいますと、やはり下げどまる方へ資金が集まっちゃうということでございます。この点は、政府におかれましても将来の自由化というものが非常に大事だということをよく頭の中へ置いていただかなければならないと思います。 それで、副総裁がおられる間にもう一つ聞いておきたいのは、いわゆるマネーサプライですね、マネーサプライの伸びが非常に低い。月によってはマイナスになったということを非常に深刻に受けとめられる方が多いのでありますが、私は、マネーサプライというのはある意味では結果として成り立つものであって、その原因のところが問題だというふうに思っておるのでありますけれども、この中で、どうなんでしょうか、今国民の預貯金、さっき申し上げましたように消費性向が落ちてきて、みんな国民は心配して貯金を始めた。今一番やっていただきたいのは、実は健全な消費をしていただきたいのですけれども、どんどん心配をして貯金をするようになった。その貯金が、どうですか、スムーズに民間の金融機関の方へ行っていますか。その点どういうふうに見ておられますか、日本銀行としては答えにくいかもしれないけれども。
○吉本参考人 個人預金について見ますと、現在最も増加しているのは郵便貯金でございまして、郵便貯金の吸収力が非常に強い、相対的に銀行の資金吸収力が若干低下をしているということは否定できないと思います。
○津島委員 今の問題もいわゆる規制金利に関係することをここで指摘しておきたいのですが、そこで、郵貯に入ってきた金がすぐに市中に回ってくるということであれば問題もそれほど大きくないのでありますけれども、今の財投の運用の仕方を見ておりますと、かなりのタイムラグがある。結局その間は、やはり国が吸収した姿になっておるのじゃないでしょうか。いわゆる財政対民間収支、国庫対民間収支なんかを見ておりましても、やはりそういう状況がかなりはっきり見てとれるわけでありますけれども、大蔵大臣、今のようなこの仕組みをそのままにしておいていいのでしょうか。非常に不景気で困っているのに、そして郵貯に金はどんどん集まっていく、それが財投に回るまでずっと滞留しているという指摘に対して、大蔵大臣はどういうふうにお考えですか。
○羽田国務大臣 確かに郵貯に今資金がシフトしているということが指摘されるところであります。これにつきましては、確かに国庫の方に滞り、そしてそれが出るのが遅いということでありますけれども、しかし、今、私どもが今度の補正を組みましたり、あるいは総合経済対策全体を組みますときにも、やはりあそこに資金があるという中で、これを積極的に財投に回すことができたということは私たちは評価すべきものであろうと思っております。 ただ問題は、金利の自由化という中にありまして、今ここの点がやはり問題があるというところで、今郵政省とも話し合いをいたしておるところでございまして、やはり国民の預金というものが、いろんな選択ができるようなものにしていくことが金利の自由化の大事なところであろうと思っておりまして、今後とも、そういったものをよく私ども勉強をしながら、やはり国民の資金というものが十分に民間の中でも活用できるような体制というものはつくる必要があろうと思っております。
○津島委員 ぜひ努力をお願いしたいと思います。 また、この点は郵政大臣の方におかれましても、やはり国全体の経済がよくならないと、回り回って国民も幸せになれないわけでありますから、そういう意味で国全体を見た行政を進めていただくように、大蔵大臣とよく御相談いただくように、この機会にお願いをしておきたいと思います。 何か一言ありますか。
○渡辺(秀)国務大臣 せっかくの機会ですので……。 国民の個人の小口な、財布がわりにお預かりしているこの郵便貯金が非常に、おかげさまと言っていいのか、あるいはまた国のこのサービス機関である郵便局を信頼してくださっていると言っていいのか、とにもかくにも今おっしゃられるとおり、ただ意図的にシフトさせているというのではなくて、自然的に、しかもまたある意味では必然的に郵便貯金の方に個人の貯金が預託されてきているという現実は、今津島委員指摘されたとおりでもございます。 ただ、今大蔵大臣からも答弁がございましたが、いわゆる津島委員の御懸念されるような、私は必ずしもそれがすべてではないと。日々全額大蔵省に、郵便貯金というのは資金運用部に預託されるわけでございまして、しかもまた、資金運用部に預託された資金は財投機関に融資されるわけで、これはもう委員御案内のとおりです。財投機関は資金を眠らせることはないというふうに私は確信いたしております。借り入れ後直ちに活用している。郵政省の金融自由化対策資金として、自主運用を通じて金融・資本市場に直接還流もいたしているわけです。一時的に生じた余裕資金は、即日この資金運用部により金融債、国債の購入に充てられているという現実もございます。 以上のようなことで、郵便貯金資金はいたずらに国庫に眠ることなく直ちに日々市中に還流しているということだけはひとつ御承知をいただきたい。 ちなみに、この財投資金による国民の協力によって、今日の予算におけるこの郵便貯金の役割、極めて大なるものがあるというふうに思っておりますし、その責任も感じて、いささかのこの期待に怠りのないように努力をいたしてまいりたい。また、景気後退による企業の資金需要の低下や民間金融機関の貸し出し態度の慎重化などによるものと、この近年の民間金融機関の貸し出しの伸び悩みなどもどうもそんな感じがしてなりません。 郵政省としては、これからも個人の貯金に対して鋭意、効率のいい、しかもまた弱者救済、そういう意味でもこれからもその責任の役割を果たしてまいりたいと思っておりますので、御理解を賜りたいと思います。
○津島委員 頑張っていただきたいと思います。 ただ、市中に返すといっても、コール市場に返したり、それから銀行に又貸しするような返し方だけはしないでいただきたいと思いますよ。 それは、副総裁のあれがありますから、もう一問だけお願いします。 バブル崩壊と関連しまして、金融システムの信頼性に疑いを差し挟む声が強かったわけですね。昨年から私たちが提案した不良債権を買い取って始末をする構想が金融界自体の御相談でだんだんと実を結びつつあるわけでありますけれども、あの構想を頭に置いて、かつ、最近の中小金融機関を含むところの金融機関の経営の実態を見て、日銀としては、我が国の金融システムについていささかも揺るぎがない、信認に間違いはない、問題はないというふうにお考えかどうか、御見解を承ります。
○吉本参考人 先般、三菱銀行を中心といたしまして買い取り会社の構想が打ち出されまして、遠からずこれが発足の運びになるかと思います。これは、民間の金融機関の自助努力によりまして不良債権の処理方針をできるだけ早く確定して計画的かつ段階的な処理を図るということ、また、金融機関の信頼性の強化あるいは融資対応力の向上を図る、こういうことが目的であろうかと思います。 私どもとしては、先般大蔵省からいわゆる金融機関の不良債権について公表がございましたけれども、全体として見ますれば、日本の金融機関はかなりの内部留保を持っております。また、企業の収益力もございます。株価の動向によって若干変動がございますが、なお株式の含み益等もございます。こういったことで、全体として見れば日本の金融機関の健全性についていささかも疑う必要はない、このように思っております。 なお、個々の金融機関で若干の問題を抱えているという向きにつきましては、それぞれ早目にリストラ計画をつくって、それぞれ自主努力によって再建を図るなり構造の改善を図る、こういうことでやっていけばいいのではないかと思っております。 日本銀行といたしましても、通貨の安定と金融機関の、金融システムの安定性を図るということは、これは二大使命というふうに考えておりますので、今後とも十二分に意を用いていかなければならない、このように思っております。
○津島委員 そのように望みたいわけでありますけれども、中小金融機関あるいは住宅専門金融機関等についてはいろいろ心配な話が流布されておることを忘れてはならないと思います。 何と申しますか、もう少し公が立ち入って救済をしてやったらどうかという声もあるのでありますけれども、私はこの点についてはアメリカは他山の石だと思っておるのでありますが、アメリカは日本より少し前に地方の金融機関が次々と倒産、整理に追い込まれて、その結果、預金保険機構を活用いたしまして問題になった担保不動産の多くを公共部門が抱えざるを得ないという格好になった。そういうことは日本はしてはならないというふうに考えてはおるわけでありますけれども、しかし、やはり円滑な金融システム、ひいては経済全体の運営のために必要な場合には、必要なことはおくれずにやってもらわなければいかぬと思うのでありますが、大蔵大臣にお伺いしますけれども、どうでしょうか、中小金融機関あるいはいわゆる住専、そういう分野において今いろいろ言われている問題については、一つ一つ丹念に解決をしていくという方法で大体対応できる、こういうふうにお考えでしょうか。
○羽田国務大臣 住宅金融専門会社あるいはノンバンクなどの個別の問題というのは極めて多数の金融機関が関与しておりまして、これは利害関係が錯綜しておるということはもう率直に申し上げることができると思います。その解決にはやはり時間と困難、これを伴うものであるということ、これは私たちも覚悟しなければいかぬと思っております。 そこで、八月十八日の「金融行政の当面の運営方針」、そして、党の方と御相談いたしました総合経済対策、これを踏まえた関係者の真剣な努力によりまして、着実に問題の解決に向けて進展しておるというふうに考えております。しかし、なお残された問題も多くございまして、今後とも関係者の皆様に努力をしていただかなきゃならぬと思っております。 いずれにしましても、客観、公正な価格による不動産担保、この債権の買い取り会社の設立、これが損失の分担についての合意形成への一つの大きなインセンティブ、これになり、住専問題あるいはノンバンク問題の糸口になるであろうというふうに私たちは期待をして、これを見守っていきたいというふうに考えております。
○津島委員 時間がありませんので、次に進みたいと思います。 補正予算の問題に入ってまいりたいと思いますが、この補正予算の成立が待ち望まれておるわけでありますが、幸い一つ救いになりましたのは、地方財政を中心といたしましてやれることからどんどんとやっていただいた、特に単独事業、単独事業債の活用というものは日本の地域社会に非常に大きな活力を与えていただいていると思うのであります。 そこで、一兆八千億に及ぶ単独事業債、それからまた、地方に関係いたしますが、公共事業の先行取得債の運用でありますけれども、あの八月末の追加策で、景気対策で予定をされたような消化が可能なんでしょうか。順調に進んでいるかどうか、自治大臣から現況をちょっとお話しいただきたいと思います。
○塩川国務大臣 景気対策に対する地方財政の寄与につきまして正確、的確な御判断をいただきましてありがとうございました。 おかげさまで地方行財政の方は堅実に推移しておると思っております。特に、六十三年から始めましたふるさと創生事業、これが非常な効果を発揮いたしまして、今地方団体におきましては、みずから考えみずから行うという、いわば自治の本旨に目覚めまして懸命に努力をいたしておりまして、ちょうど馬力がかかってきて順調にずっと上昇線をたどってきたところへ、この総合対策による追加の措置を講じてまいったということでございます。したがいまして、概略のことを申しますと、本年度につきまして、上半期前倒し契約予定が七五%でございましたものが七七・四%という状態で推移しておるということをまず申し上げたいと思っております。 それから、八月の末、月末でございましたが、総合経済対策で追加を決めていただきました単独事業の一兆八千億円、各自治体にそれぞれ問い合わせました結果、予定を超えまして一兆九千二百億円という予定が出てまいりまして、なお若干の前倒しがさらに追加されるのではなかろうかと思っております。 これらの追加措置につきまして、既に九月の市会並びに県会におきましてそれぞれ予算化されたところもございますし、十二月の県会等において上程されるものも相当ございますが、何分この予算がまだ上がっておりませんので、一刻も早くこれを成立させていただくならば、それを受けて各自治体において予算化していくものが相当出てくると思っております。しかし、その点を見通してみましても、非常に予定よりは順調に消化されておる。私は、追加措置といたしました一兆九千二百億円のうちのあとの十数%のみが十二月並びに二月県会等に追い繰っていかれるのではなかろうか、それ以外のことはもう大体予定額を超過していく、こう思っております。 それから一方、先行取得、土地対策でございますが、これも一兆円の追加要請をさせていただきました。これにつきまして状況をずっと見てまいりますと、今、開発公社とそれから土地開発基金におきますところの積み上げ、これが非常に順調にいっておりまして、対前年度、つまり平成四年度の土地の先行取得全体を見ました場合、平成三年度に対しまして三三%の上昇率になるのではないか、このように思っております。
○津島委員 いずれ補正予算は早く成立させなければいけませんが、だんだんと冬が近づいてくるということで、私どもの地元などでは消化ができるかという心配も出ておるわけでありますが、どうでしょうか、この補正予算、予定をされた事業の消化については、大蔵大臣、自信を持っておられますか。
○羽田国務大臣 先日も閣議で御報告申し上げたところでございますけれども、私どもが計画いたしておりましたより高く、七七・四というところでございまして、今現在それらを進めながら、さらに残の部分につきましても引き続きこれを前倒しをしておるということでありまして、これは建設御当局、担当の御当局にお聞きいただければ御理解いただけると思いますけれども、順調に下部にまで浸透しておるということは申し上げることができると思います。 いずれにしましても、ずっと九月までの間、各月各月調査をいたしますと同時に、これを浸透をお願いしてまいったところでございます。
○津島委員 今度の補正予算に関連をいたしまして、国民生活に非常に関係の深いいろいろな政策が盛り込まれていることを、この際国民の皆様方に知っていただきたいと思うのであります。 例えば、今住宅の買いかえについて非常に需要が強いわけでありまして、家族構成が変わってくる中で、より適切な住まいを求めるという声がやはり根強いものがございます。そういう中で、例えば住宅金融公庫などの中古住宅に対する融資の利率を下げるというようなことが盛り込まれているわけでございます。 この関係で、住宅建設が回復の兆しがあると言われているし、さらに、中古住宅の需要が非常に伸びていると言われておるのでありますが、この状況について建設大臣から、あるいは政府委員でもいいです、最近の状況についてちょっとお伺いしたいのですが。
○三井(康壽)政府委員 ただいま、中古住宅についていかがかということでございます。 確かに、中古住宅市場は多少冷えかかっているわけでございます。ただいまちょっと数字を持ち合わせていないので恐縮でございます。したがいまして、今回の補正予算におきまして、また、住宅金融公庫法の改正を今国会お願いしているわけでございますけれども、中古住宅につきまして、現在は中間金利といいまして基準金利よりちょっと高目の金利で貸し出しをしているわけでございますけれども、これを、一定の住宅につきましては基準金利、現在四・五五%になるわけでございますけれども、こういったことでぜひ中古住宅を一次取得者の方が買いやすくしていただきたい、そういう措置をとらしていただきたい。またさらに、今国会の補正予算並びに公庫法の改正では、償還期間を五年ほど延長させていただきまして、一次取得の方々が当初の負担が軽減をするような措置をとらしていただきたい、こういったことをお願いしているところでございます。
○津島委員 庶民の住宅に対する潜在的需要は非常に大きいわけでありますから、諸般の政策を打ち出していかなければならないわけでありますが、そういう中で、一つ今議論になっておりますのは、将来の話として、家族構成が変わってくれば当然今の住宅、住まいを売って新しい住まいに入るという需要が出てくるであろう。ところが、税制上の買いかえの特例はこの間原則として廃止になったけれども、あれは行き過ぎではないだろうか。考えてみれば、地価が上がる、あるいは下げどまったりするという心配があるからああいうことも必要かなと考えた向きもあるけれども、その点についてきちっとした対応ができれば、あれはもう一度考え直す必要があるんではないかという声が強いのですが、建設大臣、どうですか、地価が上がらないようにして庶民の要求にこたえる方法はありませんか。
○山崎国務大臣 お答えいたします。 買いかえ特例の復活が地価の高どまりあるいは下支えになるんではないかという御懸念が一部にあることは承知をいたしておるところでございます。しかしながら、宮澤内閣の内政上の最大の課題は生活大国づくりでございます。その生活大国づくりの中でメーンになりますのは、やはり先生がただいま御指摘になりましたような住宅の充実であろうかと思うわけでございます。 したがって、例えばシンボリックな目標といたしまして年収の五倍程度で持ち家を取得できる方向で努力するということがございますが、同時に、先生のお話のとおり、居住水準を切り上げていくということが本来的な住宅政策ではないかと考えております。住宅全体といたしましても、現在は平均一戸当たり八十九平米程度でございますが、これを二〇〇〇年には百平米にしたいという目標を持っております。ただ、それは全体でございまして、持ち家と賃貸は大体六対四ぐらいの比率になっておるところでございまして、持ち家の、ただいまのお話のような、家族がふえたということに従って居住面積もふやしたいと存じますし、あるいは、我が国の伝統的な美習だと思いますが、親子二世代あるいは三世代が同じ家の屋根の下に住むということも必要ではないかと思うわけでございます。そういう次第で、居住水準向上のためにもう一度買いかえ特例を復活さしたいと思うのでございます。 そのことが地価の高騰につながるか、あるいは高どまりにつながるかという御懸念でございますが、そのようなことはないものと考えているのでございます。 それは、一つは地価というのは、専門家の先生に申し上げるのはどうかと思いますけれども、実体経済全体の中で決まるものと存じますし、このような特例が適用されるケースというのは取引の中の一部でございますから、そのようなことにはならぬと思います。さらに、地価高騰期におきましては例えば投機的な意味合いでそういうことが行われるということもあろうかと思いますが、現行の地価情勢におきましてはそういうことにはならないんではないか。 そしてまた、地価が高騰する可能性が再びあるんではないかという心配に対しましては、さまざまな地価政策がとられているところでございまして、例えば総量規制、解除いたしましたけれども、トリガー方式になっておりますし、監視区域制度は整備されていると存じますし、あるいは地価税によりまして土地保有課税というのが強化されている、さまざまな手当てがなされておりますから、現行の地価はむしろ下落傾向にある。そのような情勢の中において、この買いかえ特例を復活させることが再び地価の高騰につながるおそれはないものと考えている次第でございます。 したがいまして、ぜひともこの買いかえ特例を復活させるように、これは条件つきで検討をいたしておりまして、例えば処分の資産が、売却価格が二億円以下であるとか、十年保有以上でありますとか、あるいは適正価格において取引が行われるとか、このようなケースにおきましてもトリガーを導入するとかさまざまな条件を考えておるところでございまして、そういう一定の条件つきで結構でございますから、居住用財産の水準の向上のために、我が国の生活大国づくりのために、ぜひ特例を復活させるようにお願いをいたしたい、かように考えております。
○津島委員 これまでの議論を通じまして、今私は改めて感じますのは、今の不況が非常に深刻で、また処方せんがなかなか適切なものが見当たらない、それから出口がまだ見えてない、それから民間も自信を失いつつあるんではないか、消費者もガードして将来を案じつつある、非常に心配な状況であろうと思います。 エコノミストの皆さんは雇用がいいじゃないかとおっしゃるんだけれども、日本で失業率が上がってこないのは、逆に言えば企業が抱えているからでありまして、その分だけ企業収益に圧迫になっているわけであります。 こういうことをいろいろ考えますと、総理にお伺いしたいんですけれども、この補正予算を早く通さなければならないけれども、これまで打ち出されたこれだけの政策で果たして十分なんだろうか、非常に心配な状況ではないかという声が強いんでありますけれども、総理、どういうふうにお考えになっておりますか。
○宮澤内閣総理大臣 先ほどから御指摘をずっと伺っておりまして、まさに今我が国の経済が持っております、財政、経済が持っておりますいろんな問題についてお触れになったその一つ一つ、私は肯繁に当たっていると思いつつ伺いました。 殊に、例えば非製造業の投資が非常に大きくなっているというようなこと、それからキャピタルロスとおっしゃいましたのは、結局バブルがはじけたということですが、それから来る金融、株式への影響のみならず、いわゆる逆資産効果と言われるところの購買力に関係をしておる、あるいは企業の投資計画にも関係をしてきたということ、それらのことから全体の消費動向が落ちておるということ等々すべて、私は今の問題をほとんど余すところなく分析をされたと思いますが、これらのことが、冒頭にもお話しになられましたように、実は統計的に非常にとらえにくい部分である。本来、官庁のエコノミストがマクロの統計で仕事をするわけですが、そのことにも問題があるけれども、この統計に非常にかかりにくい部分について問題がたくさん起こっているということ、そのことをよほど私どもは気をつけていかないといけないと思います。 そこで、今年度の当初にいわゆる前倒しをいたしました。これは、先ほどから大蔵大臣、自治大臣のお話のように、まずまず所期以上の効果を上げつつある。それから、十兆七千億円という大きな総合経済対策も、補正予算はまだ未成立でございますけれども、その範囲において中央も地方も最大限の努力をいたしておる。私が期待をいたしますのは、このような状況を背景にして、今やや好転が見えております住宅投資と、それから当然のことでありますが公共投資、国の公共投資、この二つの波及効果がやがて消費にまで及ぶ、あるいは企業の設備投資にまで及んでいく、そういうことのために要する時間、それがどのぐらいなものであろうか。それを検証することはなかなか難しゅうございますが、しかし、例えば在庫調整がある部分についてはかなり進んでいる。それは素材部門については初めも早かったですが、調整のテンポも速い。他方で、しかし、津島委員の言われますように、エレクトロニクスや自動車はどうなんだ。これは遅い。在庫調整の速い遅いがございます。 全体としては、私は、国がいたしました前倒し並びにただいまお願いしております補正予算に含まれております国、国と地方とむしろ申し上げるべきですが、総合的な努力というものが、相当これは大きな補正でございますから、必ず経済に影響を及ぼしてくる、これはもうくることは明らかであって、その時期がどのぐらいかかるかということであると思いますけれども、そういうふうに基本的には思っております。思っておりますが、これから平成五年度の予算編成に当たりまして、やはり先ほどおっしゃいましたようなこともございまして、何としても国のいわゆる貯蓄に当たる、国民経済の貯蓄に当たる部分を総動員をしてやはりこの不況の回復に当たらなければならない。そのために平成五年度の予算編成というものは、やはりこの総合経済対策の延長においてもう一遍考えることが適当であろうというふうに考えております。 他方で、お触れにはなりませんでしたが、国際収支の問題というのは我が国の対外的な責任にも関係あることでございますので、その面からもそのような予算編成をいたしまして、ただいまの総合経済対策の延長線でさらにこの対応に万全を期したいというふうに考えております。
○津島委員 これまでの検討や対策の延長線上でさらに積極的にやろうというお考えはわからないではないのですが、一つだけこれまで議論してない分野があった。それは財政の基本構造、税制であります。 〔委員長退席、町村委員長代理着席〕 直間比率という議論がかつてございました。考えてみますと、昭和三十五年、高度成長が始まるころ直接税五四・三%であったのが、ずっと高度成長の間高まってまいりまして、現在では七四・一%というところまで直接税の比率、これは国・地方両方あわせて上がってきたわけでありますが、どうでしょうか、今の状況。いわゆる消費税が導入されましても、またじりじりと直接税の比重が上がってきているわけですね。所得、消費、資産にバランスのとれた負担を求めるということも盛んに言われた。 よく言われるのは、一人当たりの国民所得と税負担を計算してみると、アメリカは別として、日本よりもヨーロッパの方が高いじゃないかというような説もございますけれども、私は、国際比較をするときにやはり一つの落とし穴は、いわゆる為替レート、年間の平均レートで比べておられるのですけれども、実は国民生活の実感はいわゆる購買力平価の方が本当は合っているのですね。例えば購買力平価でいくと一ドル二百円だというような説もあるとすれば、そういう調整をして税負担を比べてみますと、私は、日本の税負担は言われているよりも相対的にかなり高位にあるという説もあり得ると思うのであります。殊に、給与所得者ばかりでなくて事業所得者を比べますと、これはもう給与所得控除がないのでやはり非常に高いのですね。例えば恐らく一千万をちょっと超えてくると、日本の事業所得者の方がヨーロッパよりも高いという計算ができるのではないかと思います。また、これをそのまま放置していきますとじりじりとまた税負担は上がっていく。 あの消費税導入のときに、基本的な税制の仕組みの再検討を総合的になさいました。一時は、ほんのわずかでございますが、直間比率は是正をされた感じなんでありますけれども、そういう中で景気対策の一環としても所得税減税をやるべきではないかという声が非常に高まっておるわけであります。景気に対する対策として、促進効果として、所得税減税と例えば公共事業と比べてみたらどうだという議論がありますが、大蔵大臣、どうでしょうか。 〔町村委員長代理退席、委員長着席〕
○羽田国務大臣 今、直間比率の問題あるいは国民全体の負担の問題についてまずお話があったわけでありますけれども、確かに直間比率、実施された後、平成元年のときにはやはり相当比率が正されたということがありますけれども、バブル期等によりまして、直接税が相当あれしたという中で、現在またそれが少し率が低くなっておるという現状であろうと思っております。 また、確かに累進性というのは、日本の税制には累進性が入れられておる、導入されておるということがありまして、今御指摘がございましたとおり、一千万を超えるということになってきますと我が国の税負担というのは少し大きくなってくるということは確かにあろうかと思っております。しかし、中低所得者ですか、この方たちの税は、やはり依然先進各国に比較いたしまして相当低いところにあるということは率直に申し上げることができるのじゃなかろうかと思っております。 それから、今最後にお尋ねございました、所得税をやったとき、あるいは公共投資の経済に対する、景気に対する効果というものについてのお話があったわけでございますけれども、これは確かにそのときの経済構造ですとかあるいは経済情勢、これによって異なるということは申し上げられようと思っております。そういうことですから、具体的になかなかお示しするということは困難なことであることはもうよく御案内のとおりであります。 しかし、現在の家計におきまして、ここ数年の耐久消費財の需要が非常に好調であるという、こういった反動というものが全体の最終需要というものを抑えておるというのが現状であろうといったときに、今お話がございましたような所得税減税というものをやったときの効果というものは、私は非常に小さなものになるであろうということを申し上げざるを得ないわけでございます。 およそ、これの効果というのをあれしてみますと、一般論として申し上げますと、例の世界経済モデル、これによりますと、仮に一兆円の所得減税をやりますと、公共投資とをそれぞれ全額公債発行ということで行った場合ですけれども、景気に対する効果というのは、名目のGNPの増加額でそれぞれが、初年度約一兆一千八百十五億円、これは公共投資の方でございますね。それから所得税減税によりますとこれが五千三百億円というふうになっておりまして、所得減税の景気拡大効果、これは公共事業に比べましてやはり非常に限られたものになっておるということを申し上げざるを得ないであろうと思っております。 そして、終わりにもう一つ重ねて申し上げるわけでありますけれども、確かに所得減税という声はいろんな形で私ども承っておるわけでありますけれども、いろんな角度から検討いたしましたときにも、先ほど申し上げましたように、やはりこのバブル期において相当なストックを各家庭もお持ちになっておるということでありますから、これを少し刺激したらすぐこれは需要が広がるというものじゃないということをやはり一般的にも申し上げることができるんじゃなかろうかということを率直に申し上げさせていただきます。
○津島委員 今の大蔵大臣の御答弁に対して二つだけ申し上げておきたいと思います。 一つは、所得税減税と公共事業の効果についてはおっしゃるとおりであろうと思います。恐らくそうだとは思うけれども、そこは二者択一ではないよと、公債政策と組み合わせた場合には、どっちの効果が大きいから、あれかこれかではないということが一つであります。 それからもう一つ申し上げたいのは、減税の効果も、累進構造を是正するような、言ってみれば中堅所得層以上に大きく効果が及ぶものをやればこれは総体的に効果は大きくなるということは言えると思うのであります。よく言われるように、もう世界の主要国の中では一番高いところにある日本の課税最低限をさらに上げるだけの減税をやりますと、これは一兆円財源を食うけれども、サラリーマンにとって月の月給が千円ぐらい余計振り込まれるという程度のものになってしまうわけでありますから、その点はお間違いなく考えていただきたいのですが、しかし、さっき申し上げますように、所得税の構造というものはいずれ見直さなければならないことは間違いないわけであります。 また、見直すときには当然、負の所得税と言ってもいいような、例えば年金について、年金生活者のお立場を考える総合的な検討が必要になると思うのですが、高齢化社会でだんだん財政負担がふえるよという心配をなさる向きも多いのですが、年金はいずれ再計算する必要がありますね。平成六年の再計算ですし、またそのときには年金の一元化を図らなければならない。共済年金とあわせて一元化の方向に一歩でも二歩でも進めていかなきゃならない。 その点について、厚生大臣、どうでしょうか。年金の再計算はある程度の負担の調整が必要であると私は思うのでありますけれども、どういうふうに考えておられますか。
○山下国務大臣 我が国もいよいよ高齢化社会になってまいりまして、そこで高齢者の生活の根拠はやはり年金に依存する。現に年金に依存する度合いがますますふえてきておるわけでございます。 そこで、こういった公的年金の役割というものを十分果たしていくためには、やはり年金自体が長期的に安定した制度にならなきゃならぬ。それは給付と負担の割合が均衡になっていかなきゃなりませんが、この負担と申しますのはやはり賃金が基準でございますから、賃金はそのときどきの経済全体の動向であるとかあるいは企業の利益の状態であるとか、あるいはその他いろいろな要素があると思うのでございます。 したがって、そういうものをやはりそのときどきに見直して適正な賦課をしていかなきゃならぬ。これは法においても五年に一回見直すということ、再計算をやるということになっておりまして、それが来年度になるわけでございますから、この時期に今申し上げましたようなことを全部一遍洗い直してみる。そして、そこで新たに、より公正、的確な年金というものをここでまたやるということでございます。 そうなりますと、現在のように高齢化社会になってまいりますと、だんだん負担の方がオーバーしてくる、オーバーというより、逆に給付を受ける方がオーバーしてまいりますから、したがって払う人、年金を負担する人が少なくなるならば、バランスをとるためにやはり支給年齢というものはどうしても上げていかなきゃならぬということでございまして、あるいはそれを六十から六十五にするとかいろいろな方法をとりながら、長期・安定の年金制度をそういう意味においてやっていかなければならぬということでございます。 したがって、今申し上げましたように、支給開始の年齢を上げていくということは、今後の年金を安定して確立していくためには避けて通れない問題だろうと思いますから、来年の年金の制度改正のときにあわせてこの問題も十分検討してまいりたいと思います。
○津島委員 そこで、この議論の締めくくりでお願いをしておきたいのでありますが、税制についてもやはり長期の安定が必要である。また、社会保障制度についても長期の安定が必要である。そしていずれも国民の負担にかかわる問題である。そういう意味で、私はそんなに遅くない将来、いや、今からと申し上げたいのでありますけれども、そのあり方についてひとつ総合的な検討を政府部内においておやりになっていただきたい。その中から税制のあり方あるいは社会保障、年金制度のあり方、国民負担のあり方について適切な結論を必要なときには出していくという姿勢をぜひとも望みたいと思います。 総理、何かこの辺で御意見、御答弁を。
○宮澤内閣総理大臣 最後に残りました問題、税制についてただいまお話があったところでございます。 私は、今承っておりまして、概して津島委員の言われましたことはごもっともなことだ。年金の再計算の時期も決まっておりますし、直間比率と言われた問題についても、いろいろな事情はありますけれども、十分な成果が上がっているとは申しがたい。 前回の所得税の抜本改正は、御記憶のように、六十二年、六十三年、あのころでございました。その結果として課税最低限は非常に高くなりました。それから、大蔵大臣の言われるように、中低層と申しますかの重税感もかなり楽になったことも事実でありますが、あれが六十二、三年でございましたから、ある時間がたちました後、これからの社会の高齢化を考え、あるいは年金の再計算の時期を考え、将来における国民負担というものをどういうふうに置いておくべきかといったようなことをやはり考えなければならない時期が私は来る、それは恐らく避けられないであろうと思っております。 願わくば、そのときに我が国の国民経済をやはり少しいい調子にしておきたい、これは非常に大事なことだと実は考えておりまして、先ほども申しましたように、政府もその努力を一生懸命いたしておりますが、そのころには国民経済にもう少し明るい展望が持てて、そういう中でただいまのような問題を総合的にやはり考えなければならない。そういう時期に我々としても備えていくべきであろうというふうに、この点は御所見に私も心から同感でございます。
○津島委員 それでは、政治改革の問題に入りたいと思います。 先ほどちょっと冒頭で触れました佐川事件でありますけれども、暴力団が政治に介在したという報道は、もし事実であるとすれば言語道断でありますけれども、その前に、私としてどうしても理解できないのは、あの褒め殺しというような暴力、言論の暴力が何で防遏できなかったのだろうか、ああいうことを未然になぜ防げなかったのか。これは警察御当局から、なぜできないのか、それをまず御答弁いただきたいのです。 時間がありませんから、もう一つ続けてお伺いしますが、裁判所で朗読された、数人の政治家が事件にかかわったと言われておるのでありますけれども、私どもの同僚の政治家の名誉のために私はどうしても伺わなければならない。皆さん方は政治家の名誉にかけてそのようなことはなかったと言っておられるのでありますが、これは検察当局の方に伺いたい、法務大臣に伺いたいのでありますが、きちっと裏をとってああいう調書を朗読させる結果になったのかどうか、そこをぜひお伺いしたい。 それぞれ御答弁をお願いします。
○菅沼政府委員 お答えいたします。 右翼団体のいわゆる街頭宣伝活動に伴います違法行為に対しましては、警察は積極的に取り締まりを行っているところでございます。御質問の日本皇民党の街頭宣伝活動に対しましても、当時、法令に従い可能な取り締まりを行ったところでありまして、道路交通法違反や公務執行妨害などで十三件、十四人を検挙いたしております。しかしながら、街頭宣伝活動そのものを規制することは当時の法令上困難でございました。 具体的に申し上げますと、当時の日本皇民党の街頭宣伝の内容からいたしまして、名誉棄損罪や侮辱罪あるいは脅迫罪に該当すると解しますことは困難でありましたし、街頭宣伝活動の騒音につきましても、当時は現在と異なりまして、静穏保持法や暴騒音取り締まりの条例は制定、施行されておりませんでした。軽犯罪法の適用が考えられましたが、軽犯罪法による騒音の取り締まりは、同法の罪が拘留または科料という軽いものでありますため、刑事訴訟法第二百十七条の規定上、本人が住所氏名を明らかにいたしますと現行犯逮捕もできないということで効果的な現場措置がとれない、そういう状況にございまして、街頭宣伝活動の取り締まり法規としては十分なものではなかったということでございます。 以上でございます。
○濱政府委員 お答えいたします。 まず、一般的に申しまして、刑事訴訟の場で証拠として採用されました供述調書等につきましては、これは朗読の方式により取り調べがなされることが原則でございます。そのこと自体につきましては、法律的な問題はないというふうに理解しているわけでございます。今の調書の朗読の問題も含めまして、刑事裁判におきましては、実体的真実を明らかにするために、捜査、公判の過程で数多くの人の実名等が出てくることは、これは事柄の性質上やむを得ない面があるわけでございます。 ただ、今委員がお触れになられました裏づけ捜査がなされているかどうかというような点につきましては、例えば捜査、公判で名前が出た人、そのような人からの事情聴取という形での裏づけが必ずしもなされていない供述調書が公判に提出されるという例は、これはよくあるわけでございます。このような供述調書にありましては、裏づけ捜査の必要性という問題は、その証拠の立証趣旨との関係で決まるものでございます。 もう少し申し上げますと、例えばある人物が他の人物からある話を聞いたという事実を立証し、その聞いた話の内容が真実であることを立証する必要がないという場合には、その話の内容の真実性についての裏づけ捜査を行うことは必ずしも必要ではないものと考えているわけでございます。 もちろん、それはそうでありますけれども、訴訟の場を離れて見た場合に、ただいま委員御指摘になられましたように、そのような第三者の名前が出ることによりまして、世間一般に無用の誤解を与えたり、あるいはその関係でその人の名誉にかかわってくるというようなことはこれはあり得るわけでございまして、このことを十分に念頭に入れなければならない。訴訟当事者を含めまして、訴訟に関係する者といたしましては、第三者の名誉や人権にも配慮して捜査あるいは公判活動を行うべきであるという声には謙虚に耳を傾けるべきであるというふうに考えております。
○津島委員 私も刑事訴訟法ぐらい知っていますから、今の現行法でどうなるかということぐらいはわかって聞いているんだよ。だけれども、問題は、裁判所に非常に問題のある証言が大手を振って出てくる。しかもそれは伝聞証拠だ、そういう話を聞きましたと。そういうことを放置をし、それが報道機関の手によって全国に広げられるというようなこと自体は非常な人権問題ではないだろうか。ですから、それは法律が不備であるならば、我々立法府として考えなければならない。それは、私は同僚の議員に申し上げたいのは、やはり人権、人権というのはすべての人に公平に与えられるべきでありますから、この問題はこの機会に本当に真剣に考えてもらいたいと思っております。 残念なことに時間がありませんから、次の質問をいたしますけれども、佐川急便という会社がタニマチと言われていた。一体、政府の、運輸省の免許事業をやっている会社がそんなにもうかるようになっているんでしょうかね。私は、これは不思議でならないんだ。だから、その点について、どうでしょうか、運輸大臣、御見解があれば——時間がありませんから、それじゃまことに残念でありますけれども……。 そこで、今回の問題というのは、全体的にやはり政治を支える諸制度がうまく機能しているかどうかという問題であろうと思います。この佐川事件のようなことを繰り返さないことが大切でありますけれども、総理は、今どういう改革が何よりも必要だとお考えになっておりましょうか。
○宮澤内閣総理大臣 先般からいろいろ御議論になっておりますように、この異常な国民の政治に対する不信感というものは、まずすべての政治にある者の倫理の問題であることはもとよりでございます。しかしながら、その倫理を担保するためのやはり制度的な改革というものもどうしても必要であって、そこで政治改革の急が叫ばれておると思うのですが、その政治改革について考えますと、これも津島委員よく御承知でいらっしゃいますとおり、一人一人の倫理の問題であり、あるいは選挙制度の問題であり、あるいは政治資金の問題であり、また国会並びに政党における改革の問題である。 それらは、やはり焦眉の問題として国会におきましても先般から各党協議会において御論議いただいておるところでございますが、さしずめ緊急の改革をしていただきますとともに、問題はさらに根深い抜本的な改革に至らなければならないと考えておりますので、抜本改革につきましてもやがて各党協議会の場で御議論をいただくべく、自由民主党といたしましては党内でただいま抜本改革の案につきまして鋭意議論を詰めておるところでございますが、いずれにいたしましても、この緊急改革、さらに抜本改革を法制を改める形で成立させることによりまして政治の信頼を回復する、これが最も大切なことであるというふうに考えております。
○津島委員 政治改革につきましては、与野党の協議によりまして一応緊急改革という形で、例えば量的規制を超える政治資金の寄附について追徴、没収という規定を導入するとか、あるいは公私混同を避けるために政治家個人が献金を扱わないようにするとか、あるいは量的規制を破った場合には禁錮刑を導入するとか、既に合意ができているわけでありますから、この点はぜひとも速やかに実施に移していくべきであろうと考えておりますが、ただ私は、今一般に行われている議論の中で政治資金をただとめてしまえばいいという、あるいは企業献金はない方がいいという議論がございますけれども、これに対しては非常に大きな危機感を持っております。 私は、国民の皆さん方が諸外国の資金規制制度をちょっと見ていただきたいとさえ思っているのでありますけれども、外国の制度では意外にその規制が少ないわけであります。例えばイギリスでもドイツでもフランスでも、企業献金に対する規制は全くありません。イギリスの腐敗防止法というのは、不正に使った場合あるいは不正に選挙運動をやった場合に公民権停止を含む罰を受けるわけでありまして、その政治献金の入りの方については全く政治家の倫理、良識に任されているわけであります。 それで、考えてみますと、民主政治の基本というのは、選良である国会議員と有権者の間のコミュニケーションが基本にあるわけでありまして、そのコミュニケーションのために今我々はどういう立場に置かれているでありましょうか。 アメリカの国会議員は、国会が終わるたびに有権者全員に自分が国会においてとった行動についてのパンフレットを配ることになっておりますよ。私の選挙区は有権者が八十万近くおります。この八十万の方にパンフレット一枚を配りますと、郵送だけで六十円かかりますから、恐らく百円はかかるでしょう。つまり、一回それをやるだけで八千万という金額が極端に言えばかかってしまう。我々はやりたいけれども、できないのであります。しかし、これが民主主義の基本であります。だれかがこれをさせてくれないと、政治に身を置く者と有権者の間のコミュニケーションは、いわゆるマスコミの論調だけに任されてしまうのであります。 私は、今この機会に、総理を初め同僚議員にも強く訴えたいわけでありますが、この民主主義を担保する基本的なコストというものは国民は必ず理解していただけるのでありますから、その理解を得て、やはりできるものは公的に、ある程度のものは担保をしていただくことを今お願いをしてもいいのではないか。そして、今後の政治というものが、そのような国民の理解による公的助成と、それから政党を中心とする政治状況をつくって政党の力によって進める部分と、そして幾らかは無理のない募金で賄っていく、こういう構造を早く実現する必要があるのではないかと思うのであります。 その場合にやっぱり大切なことは、政治の枠組みを根本的に見直す必要があると思うのでありますが、総理は先般、我が党の会合にお出になりまして、最近の状況を見ますと今のような政治のやり方というのはもう長続きするとは考えられないとおっしゃったわけでありますけれども、私は、選挙制度の問題にまで立ち入って見直していかなければ、このような状態が長続きする心配があるなと思っておるのでありますが、最後に総理から、このような政治の枠組みをどうやって変えていくか、そしてまた、それが場合によっては政界の再編成につながってもいいではないかという声もあるわけでありますが、そういう全体の姿について率直にお考え、御意見を承って、私の質問を終わりたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 若い優秀な国会議員の諸君が、ただいま津島委員の言われましたような郵便、選挙民に対する報告をいたしますだけでも非常な大きな金を必要とする、それをまた自分でつくらなければならないということは、金額の大きさから見ましても今のような状況を長く続けておれるとは思えません。また、これを続けようとすれば、本当に志のある人たちはなかなかそういうところへ入ってくるのにちゅうちょをするであろうとすら実は憂えられます。さりとてそのような若い人たちの努力を、いわば先輩たちが何かの形で援助するといたしましても、この援助にも実は限度のあることであって、援助のための資金をつくるということも、これも御存じのような事情からなかなかいつまでも続けてやっておられることではないように思われます。したがいまして、今のこの制度というものは、しょせんいつまでもはやっていられないということを、私、党内の政治改革の会合で何度か申しました。さように思って一おります。 そういたしますと、これを改めるためにはいろいろな選挙制度の問題、倫理の問題、資金の問題、党改革、いろいろございます。それを一つ一つなし遂げていかなければなりませんが、最後に津島委員のお触れになられましたようなそういう民主主義の活動は、これは国民のためのものでございますから、その費用の一端は国民に負担してもらってもいいのではないかという発想は、私は確かに一つの発想であると思います。ただしかし、そのためには大きな前提がございます。 つまり、そのような国民の負担というものが真に民主主義のために使われている、そのことに間違いはないということのやはり制度的な、あるいは事実に基づく担保が必要であって、今まさに私どもはそういうところにこの問題が来ている、そう認識することにおきましては、私は津島委員の御所論をよく理解をいたしますが、さて、そのような担保を政治の実態として間違いなくつくって、その上で税金による国民の支援を要請をするというようなところにどうしたらいけるのであろうかという議論をもう少し深めていく必要があるであろうと思います。
○津島委員 率直な御答弁を感謝して質問を終わります。ありがとうございました。
○高鳥委員長 これにて津島君の質疑は終了いたしました。 次に、山花貞夫君の質疑に入ります。山花君。
○山花委員 問題山積の臨時国会を迎えています。言うまでもなく、大きなテーマとしては、何よりも佐川の疑惑の解明の問題、そして政治改革、景気対策、補正予算の問題。しかし、まず何よりも最初に問われなければならないのは、佐川の疑惑に対する政治の責任である、こう考えます。 今も自民党議員の質問を伺っていましたけれども、全体の質問の中でこの問題について触れたのは、冒頭一言ありましたけれども、わずか八分間だけでしたね。質問する側でも佐川の疑惑解明に対して逃げている、これが私の午前中これまでの質問を聞いておっての印象であります。私は、全体たくさんの問題ありますけれども、まずこの問題から入っていきたいと思っています。 その際、やはり一言委員長に伺っておかなければならないと思います。 新聞報道だけではいけませんから、これについて委員長に、これ、あなたの手によるものかどうかをごらんになっていただきたいと思うのですが、ごらんになっていただけますか。
○高鳥委員長 私の筆跡だと思います。
○山花委員 九〇年二月の総選挙が終わった直後の二月の二十日の日付であります。高鳥委員長は、佐川急便の元会長佐川清さんに対して手紙を書いている。 「連続八期当選させていただき、中央でも先輩が大分少なくなりましたし、新潟県でも田中角栄先生既に立たず、村山、小沢両先輩もそう長くはないでしょうし、佐藤君も健康がすぐれないようですので、それだけ私の責任の重大さを痛感している。」次の選挙にはこうなるだろう、こう言って、大事な部分は、「つきましては、私もここまで参りました以上、バックアップしていただければひとかどの者にはなれると思いますので、ぜひあなた様から御後援いただきたく、御都合よろしい日を御指示いただければ、どこへでもお願いに参上いたしますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。」とあります。 大事なこの佐川の問題について、証人喚問を含めこの予算委員会でこれから審議が進められます。この手紙を拝見しますと、御援助いただきたくというのは、どう考えても資金援助をお願いしているというように読める。この問題に対して、委員長、どういう理由からこれを出したのか、まずそこのところをはっきりしていただいて、この委員会の運営の公正を期したいと思いますので、一言回答いただきたいと思います。
○高鳥委員長 この席からお答えしてよろしゅうございましょうか。私自身のことでございますので、なんでしたら委員長席を離れてお答えをしてもようございます。——では、この席で一言だけお答え申し上げておきまして、あとは、詳細な事情については理事会で御説明を申し上げさせていただきます。 なお、御不満があれば、私自身証人喚問でも何でもしていただいて結構でございます。
○山花委員 理事会で十分御相談いただきたいと思います。 きょうからの審議において、私、腰が引けるようなことがあってはならない、このことだけは強く委員長に要望しておきたいと思います。
○高鳥委員長 山花委員に申し上げますが、ただいま理事の方々にお集まりいただきまして御協議をいただいた結果、正式に理事会でこの問題についてお取り上げをいただき、御説明を申し上げるということにいたしましたので、その結果を待ってまた御検討いただきたいと思います。
○山花委員 さて、宮澤内閣発足して一年たちました。この一年間の宮澤内閣の実績について検証しなければならないときだと思っています。 総理は昨年十一月八日、所信表明におきまして、何百年に一度という大きな変化の時代である、我が国の進路に誤りなきを期したい、こうお述べになったことについては御記憶だと思います。幾つかキャッチフレーズもありましたね。生活大国、政治改革、そして品格ある国家ともおっしゃった。 政治改革については、後ほどまた議論を続けますけれども、この一年間全く進まなかったんじゃないでしょうか。 生活大国については、「ずしりと手ごたえのある「生活大国」」と言って所信をお述べになった。しかし、今国民の多くの皆さんは、だれがずっしりと重いこの生活大国を実感しておられるでしょうか。バブルの経済が崩壊して、そして、今これまで御質問ありましたとおり、日本の経済はまさに底ばいの状態、あらゆる指標というものが年を越してまだ来年までずっと続くのじゃなかろうかと、こう見ております。 労働組合のセンターである連合が調査いたしました結果によると、過去三年間、働く勤労者も、職場で疲れたという感じがふえているという方が半数近く占めている。勤労者は長時間でくたくたである、会社は過当競争でもうからなくて赤字を出している、貿易摩擦で海外からはたたかれている。まさに三重苦が続いているというのが、総理が一年間生活大国を目指したそのことのもたらしたものではなかったですか。 外交、どうだったのでしょうか。 まず、ブッシュ大統領の訪日延期から始まって、しかし、日米基軸と、こうおっしゃってましたけれども、今アメリカで新しい大統領が誕生しました。クリントン大統領は、春の日米首脳会談について大失敗だったと、こう酷評していましたね。アメリカの国民は変革を求めています。どうするのかということについて何も国民に見えてきていない。 アジアの中の日本も大事な政治の課題でしょう。日韓首脳会談、総理は新しい日韓関係をつくるのだと、こう意気込んでおられましたけれども、国民の印象に残ったものは、アジアの民衆のうめきにも似た戦争責任に対する謝罪の要求と、戦後補償の問題、従軍慰安婦の問題ではなかったでしょうか。 その韓国にロシアの大統領が訪問しましたけれども、訪問をキャンセルされたことについては、やはり外交の失敗でしょう。全部ロシア側の理由だというわけにはいかないのだと私は思います。この間、例えばこの一年間に、冷戦構造の崩壊によって、欧米諸国は旧ソ連への支援に努力している。じゃ、一体日本はということになれば、例えば従来の政経一体論ということにこだわらないで、極東シベリア地域の援助などで欧米の諸国に先んじるというような実績があってもよかったのじゃなかろうか。そういうことは全くなかったと言わなければなりません。 全体の軍縮をめぐる経過でもそうだったと思います。アメリカでは、九二年度の国防報告で、九五年度末まで大幅な軍事費用の削減を計画しています。欧州でも、主要国は九五年ごろを目指して軍備の削減を表明しています。日本は、こうした国際的な流れに沿って、防衛費の大幅な削減、防衛計画の大幅な縮小を鮮明にすべきだったと思うのです。そういうことに手をつけていなかった。 そして、こうした問題に対する国民の評価は世論調査の結果にあらわれているでしょう。総理が誕生したときには、歴代二位の高い支持率の中で宮澤内閣がスタートしたことは、みんな覚えています。しかし、最近の世論調査の結果、御存じのとおりでしょう。共和で二〇%になった。最近のある世論調査では、支持率が一四%と出ている。この一年間を振り返って、宮澤内閣の一年間を総括して、総理の所見を伺いたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 就任に当たりまして、今の世界というものが冷戦後のいわゆる新しい平和構築の時代に入る、我が国としてはそのために一端を担って平和構築に努めるべきであって、それは国際協力の時代に入ってくるということを申し上げました。このことにつきまして、私は、流れの動きを、大きな流れを見誤っていたとは思いませんし、また、一年間に我が国が国際貢献のためになし得たことも少なからずあったというふうに考えます。 その一つは、もとより国際平和協力法の成立によりまして、今我々の同胞がカンボジアにおいて平和の国づくりに協力をしているという事実でも見られるところでございますが、その他我が国の外交の面におきましても各国と、先ほども津島委員に申し上げましたが、日本としていわゆる果たすべき地球的な責任、国際的な責任の遂行について、ミュンヘンのサミット、あるいは対米、対英その他各国との協力を進めてまいったつもりでございます。 韓国につきましても、私が一月に訪韓をいたしました。このときに、おっしゃいましたような問題が指摘されましたことは事実でございます。私はそのことを事実として認めました。と申しますのは、我々の過去について正直に語ることが将来の協力を確保するゆえんであるというふうに考えたからでございまして、このことは私は何も誤ったことをしているとは思いません。むしろそういう上に立って、韓国大統領と、両国がこれから未来志向の国交をしていこう、つき合いをしていこうという約束ができましたことは大きな収穫であるというふうに考えております。 ロシアの大統領の訪日が突然中止になりましたのはまことに残念なことでございますが、エリツィン大統領の電話による説明によりますれば、これはロシアにおける事情によるものであって、日本側の事情によるものではないということを明言しておられました。私は、いかなる事情であれ、まことにそれは残念なことであって、早くそういう事情が解消することを祈るということをエリツィン大統領に申し上げてございます。このことにつきまして何か日本側に落ち度があったという御指摘でなかったかもしれませんが、私はそういうふうに考えておりません。 これからどういうふうにソ連あるいはロシアを支援していくべきかということについては、御承知のように、人道的な分野あるいは技術的な分野につきましては既に大きな貢献をいたしておりますし、また国際的な合意でも我が国のコミットメントは二十六億ドルを上回るものであって、最近になりまして先般の対ソ支援会議について我が国の協力を感謝する旨のエリツィン大統領の書簡が参りましたのは、恐らく、その以前にどういうわけか日本からは何ら援助を受けていないという誤った情報を信じられた、その訂正であったろうと思っていますが、我々としてはあくまで人道的なあるいは技術的な支援は続けていきたいと思っております。 もとより基本的には、領土問題を解決して両国の間が正常な平和条約によって形づくられるということが大切なことであって、このことを等閑に付するわけにはまいらないと思います。 次に、このような冷戦後の時代においての我が国の防衛体制について御指摘がございましたが、いわゆる中期防の見直し、前倒しでこれを見直すということは前国会で申し上げまして、ただいまそれを鋭意進めておりまして、国際情勢の変化につきましては十分注意をいたしておるつもりでございます。 生活大国につきましてもお話がございました。これは、経済審議会において我が国の五カ年計画の形で決定をいたしてもらったものでございます。しかも今回は、消費者、生活者の立場から具体的に目標を掲げて、五年間あるいは今世紀中におけるその達成を年次計画でしていこうというふうに考えておりまして、これは我が国の政策、国の政策の中に定着しつつございます。 言われますとおり、この間、不況が続きまして経済運営がなかなか思うに任せません。そういう中からいえば、思ったほどの国民生活の充実と申しますか、あるいは経済の成長と申しますか、それが十分ではないではないかと言われますことは、これはおっしゃいますとおりです。そのことは、それに対して政府も、本予算の前倒しであるとか、あるいは総合経済対策であるとか、御審議願っております補正予算とかによりまして、今全力を挙げて対応をいたしておるところでございまして、どうぞこれには速やかに御協力をお願いいたしたいと存じますが、そうかといって、その間生活大国への目標を見失っているわけではございませんで、この補正予算におきましても、国民生活関連の施策について一つ一つ充実を図ろうと考えておりますことはお認めをいただけるのではないかと存じます。
○山花委員 総括的に全部触れていただいた気がいたしますけれども、それぞれのテーマについては、またこれからこの委員会で、同僚議員含めて徹底的に議論を詰めたいと思っています。 冒頭申し上げましたとおり、やっぱり国民の皆さんの関心は、何をするにしても今の政治が信頼できないというところから始まっているわけですから、佐川問題について触れなければならないと思っています。まずこの点について、いわゆる佐川疑惑全体についての総理の所見を伺いたいと思います。 佐川事件は、当初、かってなかったスケールのものとしてマスコミで報道されました。大体スケールとしては七百億円から八百億円が配られたんじゃないだろうか。有力政治家には一人五十億円を超える金が配られたという報道から始まったわけですが、今こうなってみると、検察が明らかにしたのは、金丸前副総裁への五億円の違法献金と、金子新潟県前知事への一億円の事実だけ。氷山の一角に触れられただけじゃなかろうかと思っています。ただ、佐川事件のロッキード、リクルートとは違った本質というものについては、今国民の皆さんだれでもはっきりとつかんでいる。 三つあるんじゃないでしょうか。 一つは、法治国家の政権が右翼や暴力団の力を利用し、かつ巨額の汚れた金の周りで誕生していたこと。 第二番目は、この問題に対して、かつてのロッキード事件のときの三木総理大臣、稲葉法務大臣、あのときの姿勢を思い起こした中で、宮澤総理はこの問題に対して積極的でない、一体何をやったのかというのが二番目です。 第三番目の問題は、これまでの大きな疑惑のときには、検察当局に対してこれだけ批判が高まったことはありませんでしたね。今回は金丸前副総裁に対する呼び出しなしの略式ということを含め、あるいは首脳陣の政治家との癒着の問題等々が随分マスコミで報道されたことも含め、政治不信と同時に検察不信というのが今度の事件の大きな特徴ではないかと思っています。 一言つけ加えて申し上げるならば、時系列的に当時を振り返ってみると、あの総裁公選、一方においては皇民党が動いたというこうした問題があるんだけれども、同時に総理、忘れてならないのは、やっぱり総理の側にも問題があったということを忘れていただいては困ると思っています。ちょうど去年の今ごろのリクルート問題、疑惑が解明されていないではないかと私が追及しましたけれども、リクルートの株があった、そのほかに五千万あった、五千万あったと。宮澤総理に対して、江副さんから宮澤総理の口座に振り込まれた五千万のお金については、ちょうど同じ時期ですよ。振り込まれたのが三月の二十六日、五月に服部さん、松本さんがそれをおろして、宮澤総理の秘書がおろして配って歩いておった時期なんです。ある人には五百万、ある人には三百万、二百万、百万と配ったというこの時期の出来事が皇民党の事件です。自民党の総裁選挙は、一方においては裏金が配られていた、一方においては皇民党の事件があったということの中での今度の事件です。 総理・総裁の選挙がどうなっていたかということを振り返りながら、今度の佐川事件全体に対して、まず冒頭、総理の所見を伺いたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 基本的には政治と金をめぐる問題、あるいは政治家のあり方につきまして、国民からかつて例を見ない厳しい政治批判のあることをひしひしと感じております。また、冒頭にちょっとお触れがありましたが、政治改革が十分に実を上げていないということも、この国民の不安をさらに助長することになっておるというふうに考えております。 そこで、暴力団の問題についてお話がございました。政治家と暴力団の関係について指摘がなされております。また、それについていろいろ報道がありますこともよく承知をいたしておりまして、政治家がこのような集団とかかわり合いを持つべきでないことは、これは申すまでもないことでございます。政権の誕生と暴力団がどのようにかかわったか、かかわらないかということにつきましては、恐らく国会においても御審査があることと存じておりますが、このようなかかわり合いを政治家が持つべきでないことは申し上げるまでもないことでございます。 次に、この問題の解明について、ロッキード事件のときとの比較において私が消極的であったというふうにおっしゃいましたが、私はそう考えておりません。捜査すべきところは検察当局あるいは警察当局が十分な捜査と調査をいたしておりますし、法に基づいてこれに適正に対処をいたしております。また、ある部分は裁判所において公判が係属中でございます。その限りにおいて行政権も司法権も十分に健在し、その務めを果たしておると私は考えておりまして、ただ、三木内閣のときと異なりますのは、御記憶のように、あの際に冒頭にアメリカ側からいろいろな資料を受けなければならなかったという事情がございました。この点は、今回はそういう問題がございませんのでその部分は異なっておりますけれども、全体として行政あるいは司法が健在で、おのおの果たすべき職責を間違いなく果たしておるということに私は変わりはないというふうに存じております。 検察批判について最後にお話がございました。私は、検察は法の定めるところにのっとりまして必要な捜査を行い、証拠によって犯罪の嫌疑が十分あるという場合には法定刑の枠内で適正に公訴権を行使しておる、そのことに一点の私は疑いもない、かように考えております。
○山花委員 この問題について一番最初に宮澤総理の態度、印象に残っておりますことは、金丸前副総裁が副総裁をやめると言った前後の事情、やめないでくれと慰留されましたね。以来この問題について私たちの印象は、かつてのリクルートのときの十三回のノーコメントではないけれども、やっぱり総理が沈黙をずうっと守っておったというのが国民の皆さんの印象だと思いますよ。我々もそうでした。 一番最初に政治家と暴力団に触れたのはやっと十月十四日、金丸前副総裁の議員辞職表明を受けての記者会見の席でちょうど今おっしゃったことと同じことをおっしゃったんです。その次は所信表明。てにをは変わっただけでしたね。今おっしゃったことと同じこと、「政治家がこのような集団とかかわりを持つべきでないことは言うまでもありません。」と言った。きょうまた三回目、私は伺いました。評論家的なんですよ。もっと突っ込んでこの問題、まさに日本の政治のあり方にかかわったテーマとして積極的にリーダーシップを持って真相解明の努力を示すべきじゃないですか。 総理は、本会議ではおっしゃった。国会での審議には協力すると言いました。参議院の代表質問に際しては、政党と政治家の名誉に関することであるので、党に対しても調べさせる、調べたいと言った。今まで国会に対してどういう働きかけがありましたか。国会の審議にどういう協力をしたんですか。お話しいただきたいと思うし、自民党内の調査はどうなりましたか。 たしか新聞の報ずるところによれば、法廷で名前が出た政治家から、十分間ぐらいですか、ずうっと自民党が伺ったということは聞いていますけれども、こういう問題ですから、自民党として党の名誉のために責任持ってやると言うならば、告訴、告発なんて考える前に、自民党としてまず調査の委員会つくって、みずからの問題についてみずから解明して国民に明らかにすべきではありませんか。自民党は調査委員会つくって真相を明らかにすべきである。国会の作業に先行して行われるべきであったと思いますけれども、やってない。やってないんだったらこれからやるべきだと思いますけれども、自民党総裁としての立場も含めて、総理の所見を伺いたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 私どもの金丸副総裁から辞意の表明が電話でございました。また、使者を私のところへよこされましたときには、それについての具体的な状況というものの御説明はありませんでした。迷惑をかけたからということでございましたから、私は、それはもう一度お考えいただきたいということを申しました。その後にテレビでこういう事情だというお話がございましたので、私は翌日その辞意をお入れをした、認めたのであります。つまり、はっきりした事実がわからない段階においてはちょっとお待ちを願いたいと申した。御本人のお話がありましたから、それはやむを得ないということを申したのであります。 それから、いろいろ報道がある、そういうことについて私がそれを一々取り上げて物を言わないということは、それは、私の立場としては私は当然だと思うのです。いろいろな批評がある、いろいろな評判がある、報道がある、それはそれでよろしゅうございます。しかし、私の立場としては、はっきり事実に基づかない限り私の判断を言うべきでない。私はそういう責任を持っておりますから、そこはあくまでその立場を私は貫かなきゃならないと思っています。 次に、いわゆる供述調書によってたくさんの名前が報道をされた事件につきましては、先ほどもここで御議論がございましたので繰り返しませんけれども、これは、人権というものは、政治家にもあるし、町の人にもすべて平等にあるものであって、政治家であるがゆえに人権が無視されていいということはない、私は今でもそのように思っています。
○山花委員 問題は、今お話しのとおり、事実がまだはっきりしなかったから発言しないとおっしゃったけれども、しかし現実には、この問題について総理が積極的に事実を確認する努力をしてきたという気配は全く感じられません。したがって、私たちは、国会の証人喚問を含めて、国会の場において真相解明の努力をしなければならないと思っています。今回、三名については証人喚問決定されましたが、これはいわば疑惑解明のための第一歩であると思っています。 この会期を考えるならば、この会期だけで十分なのかという問題もあるとするならば、次の通常国会を含めて、この問題については徹底的に国民の政治の信頼回復するために真相解明の努力をしていきたい、こうした気持ちで我々はこの問題に取り組んでいきたいと思いますので、この点を表明さしていただきますが、同時にこの問題、やっぱりこれまでの経過、リクルートのときもそうだったのですけれども、ある程度段階煮詰まったならば、法務大臣から報告があったのです。中間報告という形。リクルートのときもそうだったし、ロッキードのときもそうでしたね。 法務大臣に伺いたい。 この問題について、せんだって一たん捜査を打ち切ったんだ、こういう話もあった。その後告訴があったからもう一遍再捜査になっていると言われるけれども、中間報告をすべきだと思いますけれども、法務大臣にこの点についてお約束をいただきたいと思います。
○田原国務大臣 お答えします。 東京佐川急便事件をめぐる一連の事件の捜査結果については、国会からの報告を行うようにとの要請がございましたら、その時点において、法令の許す範囲でどのような御協力ができるかについて検討してまいりたいと、このように考えております。
○山花委員 今のお話だと、国会から要請あればということですから、これは理事会でひとつ相談をしていただきまして、きょうの理事会でも、お昼あるそうですから相談していただいて、決まったならばこの問題について中間報告をしていただいて、ひとつこれまで一体どうなっているのかということについて十分承知した上で議論を進めたいと、こういうように思います。 同時に、こうした問題について、実はあの佐川の問題だけじゃないのです。今回予算で質問させていただくに当たって、私はいろんな問題について資料要求したんです。とりわけ、まず一〇〇%中身出てこなかったのはPKOの関係ですね。後で伺いたいと思っています。やっぱり国会改革の重要なテーマとして情報公開の問題あります。その問題について私は大きな壁に今回もぶつかりました。いつもそうなんです。 後でまたこの問題に触れたいと思いますけれども、佐川の問題につきましては、以下三点について資料要求いたしたいと思いますので、これまた後ほど理事会で相談をしていただきたいと思います。 まず第一。提出を求める文書の標目といたしましては、金丸信被告に対する政治資金規正法違反事件、平成四年(ハ)第〇一三四五号事件、平成四年九月二十八日略式命令の確定記録全部。これは我々あの確定記録を見に行きましたけれども、見せてくれませんね。中身を見れば随分問題点がはっきりいたします。もし中身があるならば、この予算委員会の議論の展開だって随分違ったでしょう。一時間の質問が十分か十五分で済むんじゃないかと思います。全く見せてもらえない。これはぜひ出していただきたいと思っております。確定記録ですから、法律に基づいて取り寄せすることは出てくるはずであります。 第二番目。東京地方検察庁に係属する被告人渡邉廣康、同松沢、同早乙女、同大内、同庄司に対する商法違反事件において、公判廷で取り調べ済みの調書、朗読されたと言いましたけれども、開示された調書につきましてはやっぱりうそか本当か見なければ検討できないと思っています。やっぱり質問の際にはその辺を確かめなければしっかりした質問はできないんじゃないかと思っています。これをぜひ取り寄せていただきたい。 第三番目。本件に関し、日本皇民党関係者の所有する政治家との会話を録音したテープの全部を出していただく。これはぜひやっていただきたいと思います。我々も皇民党を初めとして関係者に随分お会いをした。その中でテープの話も聞きました。マスコミにも伝えられています。それが出てくればいいじゃないか、こういう意見が自民党内からもあることについては承知しています。 この三点について取り寄せを理事会で検討していただきたいと思いますけれども、この点をお諮りいただきたいと思います。
○高鳥委員長 お申し入れの件につきましては、法務大臣の中間報告を求める件並びにただいまのそれぞれの三件にわたるお申し出につきまして、後刻理事会において協議いたします。
○山花委員 それでは質問を先に進めたいと思いますけれども、今回の事件は、政治家と暴力団のかかわり、皇民党事件だけではありませんでした。これから次第に明らかになってくると思いますけれども、同時に浜田予算委員長の辞任問題、朝鮮民主主義人民共和国を訪問した際の右翼の活動に際して、あるいは山梨県の知事選挙について、振り返ってみれば、総裁選挙、そして国会の人事、さらには外交、選挙活動のすべてについて暴力団が何らかの形で利用されるといったことが問題点として浮かび上がってきたわけであります。まさにゆゆしき事態と言わなければなりません。 とりわけ予算委員会、この場であるとするならば、予算委員長という大事にまで介入しておった、介入という言葉は逆なのかもしれませんけれども、暴力団の力が及んでおったということは、まさに予算委員会の名誉にかけても明らかにしなければならない問題だと思っています。 そうした大きなテーマがあることを前提にしまして、まず皇民党の関係について伺っていきたいと思います。 皇民党事件に関しては、八つぐらいの疑問があるんじゃないかと、こう私は整理をいたしました。 一つ、皇民党が竹下氏への、元総理への褒め殺し攻撃を始めた動機、理由というのは一体何なんだろうか。第二番目、だれか仕掛け人がいたんだろうか。第三番目、皇民党は、長期、大規模、執拗な街頭宣伝を全国に展開しました。莫大な経費がかかったはずであります。だれが一体これを負担したのか。第四番目、竹下氏側は、皇民党の何になぜおびえたのか、なぜ法的措置をとるのではなく暴力団を使ったのか。第五番目、中止工作に関与した政治家とその役割、行動はどうだったのか。第六番目、中止工作に関与した暴力団とその役割、行動はどうだったのか。そして第七番目、皇民党との間に金銭の授受はなかったのか。第八番目、金丸、竹下、小沢の三氏がこれらの経過にどこまでかかわっていたのか、どこまで知っていたのか。こうした疑問に迫っていかなければならないと思っています。 まず、冒頭、これは公安調査庁ということになりますか、伺いたいと思いますけれども、皇民党というのは右翼と言われていますけれども、右翼なのか暴力団なのか、この辺ちょっと冒頭伺っておきたいと思います。
○関場政府委員 お答え申し上げます。 皇民党は、私どもでは右翼団体として把握をいたしております。これは、彼らの活動面が北方領土あるいは皇室問題等で各地で遊説活動を行っている、そういった面からそのように把握している次第でございます。
○山花委員 右翼と把握しているとおっしゃいましたけれども、全国で恐らく公安調査庁が把握しておる右翼団体というのは約一千四百団体と伺っています。そのうちの半数ぐらいは暴力団と関係がある。いろんなケースがあるようです。暴力団が結成したもの、暴力団がその団体の主導権を握っているもの、あるいは元暴力団員が結成した、三つ。大体こういう形があるんだと思いますけれども、皇民党の前総裁、稲本総裁と暴力団の関係、どの程度把握しておりますか、公安調査庁にまず伺いたいと思います。
○関場政府委員 公安調査庁は暴力団の取り締まりとか調査はいたしておりません。そこで、個々の人物が暴力団員かどうかにつきましては確答いたしかねます。お許しをいただきたいと思います。
○山花委員 じゃ警察庁の方、暴力団側から伺いたいと思いますけれども、どうでしょうか。
○廣瀬政府委員 お答え申し上げます。 日本皇民党の稲本前総裁が過去に山口組系の暴力団に所属していた旨報道されていることは承知をいたしておりますが、それのことにつきましては、同人と極めて近い関係にあった人物の発言等しかるべき根拠があってそういう報道になっているものと考えております。 しかしながら、警察の立場といたしましては、ある特定の人物が過去に暴力団構成員であったかどうかということにつきましては、当該人物にかかわる犯罪を検挙した場合等は別といたしまして、公表すべきではないというのが原則でありまして、警察としてはお答えいたしかねるということも御理解いただきたいと思います。
○山花委員 実は、こうした問題について、これまで私ども既に伺ったところもあります。これまで役所の説明いただいたところでも、稲本総裁は三代目山口組系白神組・稲本組の元組長であった。白神英雄組長は山口組一和会系の幹部であったということについては、これは実は役所から伺っているところでございます。 我々、随分関係者に伺いましたけれども、なぜ稲本総裁、ローカルの右翼の団体とはいいながらこの力かということ、やはり疑問だったんです。今、何といっても一番大きな広域暴力団としての組織は山口組、その若頭の宅見勝組長と昔から兄弟の杯を交わした関係であるというようなことについては随分マスコミに報道もされていましたし、我々も関係者から聞いて確かめたところです。 戦後の一時期大阪にあった南道会というやくざの組織の元組員でお二人ともあった。宅見組長は南道会傘下の福井組、稲本総裁は白神組に所属して、稲本総裁は白神組の白神英雄組長の初代の若頭となって、宅見組長は南道会から山口組系直系となった福井組、福井英夫組長を経て、その後今日に至っている。若頭というのはナンバーツーですね。跡目襲名の際には、それを継いできて一番近いところにある方だと思います。そういう格があるので稲本さんというのは一日置かれてあった。関係者に聞きますと、その影といいますか、というところが一ローカルの右翼の代表ということを超えておったということを私ども伺っているわけであります。 こういう関係では、実は単にそうした関係だけではなく、右翼関係におきましても伺っておきたいと思うのですけれども、後でまた関連する団体について聞きたいと思いますが、稲本総裁は皇民党総裁ということだけではなく、西日本獅子の会の代表でもあったはずであります。いろいろな場面で出てきましたね。魚住代議士は内村正弘氏を通じて面会を求めたとされていますけれども、内村さんはこの西日本獅子の会の九州担当の副理事です。同時に愛国青年党の総裁であり、愛国青年党というのは暴力団岩井一家と裏表の関係であるということは我々も調べておりますけれども、この西日本獅子の会というものは全体、いろいろ調書にも出てきたけれども、いろいろな場面に登場しますが、一体どんな組織なのか、概括的に伺っておきたいと思います。
○菅沼政府委員 お答えいたします。 西日本獅子の会は、昭和五十八年十一月ごろ、西日本の右翼団体を中心に結成された協議体でございまして、加盟団体数については変動もございますが、現在おおむね五十団体、三百人ぐらいが加盟しているものと見ております。
○山花委員 五十団体、三百名とおっしゃいましたけれども、例えば、それは非常に数を絞った加盟ですね。私どもが調査したところでは、六十九団体、九百七十八名ということだったんですけれども、後で関係あります街宣車の数につきましては、大体、全体合わせると百十九台ぐらい持っておったという資料があるわけでありますが、全体として大変たくさんの組織が加わった、それがさまざまな形で連携とって行動している、だからローカルの一右翼ということでは済まなかったんじゃないでしょうか。こういう団体が、そして全国的に動いたという経過が、この後のいろんな経過で明らかになってまいります。 皇民党につきましては、まず褒め殺しの問題、この竹下総裁選挙のとき初めてではなかったようですね。こうしたボリュームいっぱい上げての褒め殺し問題というのは、これは実は政治家に対してだけじゃなくて、いろんな場面であるようです。弁護士などもこれでやられる。例えば悪徳商法ということで、そういう人たちにかかわった事件を担当しますと、法律事務所の前に来て朝から晩まで弁護士を褒めるという形で威力で妨害する、そんな例があるんです。選挙についてもあった。昭和五十六年の県会議員選挙では、高知県、自民党の大物議員が、お金もうけも上手なすばらしい方ですということで徹底的にやられた、こういう経過があったそうです。 そういう例としては、五十七年五月、森政調会長も褒め殺しに遭ったということを聞いております。この点について、警察庁、経過調べているようですから、簡単にお話をいただきたいと思います。
○菅沼政府委員 お答えいたします。 昭和五十七年五月の中旬ころから同月の末までの間、石川県下で国誠会という団体が一、二台の街宣車を用いまして、森喜朗輝励会という名称で、森議員を総理にしようという内容の街頭宣伝活動に取り組んだということを承知いたしております。
○山花委員 今ちょっと話が出ましたけれども、国誠会というのは西日本獅子の会の加盟の右翼団体ですね。このときも皇民党一緒に動いておるようです。 今ちょっと説明に出ましたけれども、森喜朗輝励会、褒める会ですね。これは竹下輝励会というのもできておったようですね。こういう褒め殺しを始める場合には、後援会つくる、街宣車のための輝励会をつくっていく。森政調会長の場合にもそれでやられた。この自民党総裁選挙のときにも竹下輝励会というのができておったようですが、竹下褒める会です、これができておったのかどうか、この点について把握しておりましたら報告していただきたいと思います。
○高鳥委員長 答弁どなたですか。菅沼警備局長。
○菅沼政府委員 お答えいたします。 昭和六十二年一月ごろから十月ごろにかけまして、竹下登輝励会と称して街頭宣伝を行われたことはございます。
○山花委員 こうしてまず、いわば励ます会といいますか褒める会をつくって、そこで始めていく、こういう形がとられておったようですけれども、その後も幾つかあったようですね。昭和六十一年の衆議院選挙、香川一区、自民党の前職議員が徹底的に褒め殺しに遭って、このときには選挙に落ちておられる、こういう経過もあったようです。 新聞を見てみますと、殺人事件にも皇民党の名前、出ていますね。 京都府警とけんかをした、糾弾をしたということもある。京都府警の問題はちょっと大事な問題ですので、概要を警察庁の方から説明しておいていただきたいと思います。
○菅沼政府委員 お答えいたします。 お尋ねの、いわゆる京都府警察糾弾街頭宣伝と申しますのは、平成二年、京都市で開催されました全国教職員組合協議会の教研集会に対する反対街頭宣伝中の日本皇民党の車両等が平成二年二月二十二日に京都府警から窃盗容疑で捜索差し押さえを受けたことを不服といたしまして、二月二十三日から三月下旬までの間、京都府警に対する抗議街頭宣伝を実施したものと承知しております。この過程で、同団体の幹部三名を公務執行妨害、公安条例違反で逮捕いたしております。
○山花委員 実は、これは私ども確認できておらず、新聞の報道なんですけれども、このときは京都府警糾弾ということになって、当時の京都府知事選挙の告示日に皇民党が立候補の届け出をしたようですね。一体どうなるかということだったんですけれども、最後は急に皇民党は京都を離れたようです。新聞記事にこうありましたね。佐川会長がこの辺で勘弁してやれと運動を中止させたと、佐川急便グループ前会長佐川氏の側近が話しておった。皇民党は四国へ引き返す直前、選挙の七つ道具を京都府左京区にある佐川氏の屋敷に届けた、こういう報道がありましたけれども、警察庁、この点確認していますか。
○菅沼政府委員 お答えいたします。 三月十九日に京都府の知事選挙が告示されました。日本皇民党は、その折、構成員三人を選挙に立候補させまして、批判街宣を継続いたしております。三月二十一日、これはまだ選挙期間中でございますけれども、批判街宣を終了して京都を離れたというように承知をいたしております。その間の事情等については承知いたしておりません。
○山花委員 この点はまださらに調べたいと思っていますけれども、佐川会長のところにどうも届けたというあたり、一体どうなっているんだろうという疑問が残るわけです。 今ずっとその褒め殺し前歴について伺いましたけれども、こういうものをも含めて、今一般の市民や業者みんな闘っているのですね。警察の力もかりているけれども、裁判所の力もかりています。こういう問題についてはっきりしているのならば、なぜ裁判所に仮処分出さなかったのでしょうか。午前中の質問もありましたね。役所の方からも答えがあった。なかなかできなかったというけれども、裁判所で仮処分どんどん出ているじゃないですか。 こうした問題について今どれだけ頑張っているかということにつきまして、一般の暴力団のかかわり、日本弁護士連合会では、早くから民事介入暴力対策委員会というのをつくりまして、「自由と正義」という本に載っておったのですけれども、こういう事例、七十二の例が紹介されていました。褒め殺し、たくさんありますね。さっき言ったような弁護士に対する褒め殺しに対して、裁判所、こういう問題は一日で出してくれますよ。そして多くのケース、一日で出したんだけれども守らなかった場合には、これまで私が承知しておるところでは、一日について例えば三十万円、五十万円の罰金を払う、ここまで今裁判所はやっているのです。 こうした事態について裁判所は動いている、救済の手段になっているのです。なぜあの当時、政治家はだれ一人こういうことをやらなかったのですか。ここに最大の疑問が残ってまいります。なぜ毅然たる態度をとれなかったのですか。何でおびえたのか。なぜこうしたきちんとしたことをとれなかったのかということを、先ほど午前中、何もできなかったんですというような話がありましたから、そうじゃないんですよ、みんなそうやって頑張って暴力団と闘っているのです。闘っていないのは政治家だけなんだ、こういう批判があることを私は強く指摘しておきたいと思うのであります。 さて、ここでそうしたことは一たん整理いたしまして、具体的な事件に入っていきたいと思っていますけれども、事実の経過につきましても、実は公判の調書についても、随分私どもは詳しく分析したつもりでありますけれども、はっきりしない部分がありますね。そうして調書がどうも客観的な事実と食い違っているんじゃなかろうかという部分も実はありました。あの当時、例えば田中邸訪問の前後のところなどは、朝、毎、読売、その他、新聞で若干事実を確認すれば整理できるんじゃないかと思うんだけれども、一体どうなっているんだろうかということ等が実はあったものですから、この点について、私たちの調べたということでお話しさしていただきたいと思うのですが、それでは、ちょうど時間ですので、我々の調査したところから次回始めたいと思います。
○高鳥委員長 午後一時再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時一分休憩 ————◇————— 午後一時一分開議
○高鳥委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。山花貞夫君。
○山花委員 まず警察庁の方に伺いたいと思います。 一九八七年、昭和六十二年、自民党総裁選挙の際のいわゆる竹下元総理に対する褒め殺し街頭宣伝について、皇民党の動向、どのように全体を把握しておったのか、伺いたいと思います。
○菅沼政府委員 お答えいたします。 自民党総裁選に関するお尋ねにつきましては、昭和六十二年一月の下旬から同年十月上旬までの間、日本皇民党が断続的に竹下登輝励会と称して、東京、島根等各地において竹下新総理誕生を訴える街頭宣伝活動を行った事実を承知いたしております。
○山花委員 大変概略をお話しいただいたわけですが、よく言われておりますのは、今一月下旬からとお話ありましたけれども、一月から十月の二日まで皇民党の褒め殺し街頭宣伝があったということがマスコミで伝えられております。我々が調査したところによりますと、以下の経過だと思っています。 稲本総裁のもとにおける政治結社日本皇民党は、一年後に総裁選を控えた、今お話にあった前の年、八六年、昭和六十一年の秋から竹下褒め殺しの準備と調査活動を開始しています。十一月の十四日には、愛媛県の今治市に日本皇民党の政治団体結社の届け出をしております。そして八七年の一月二十二日には、皇民党本部所在地と同一の場所を主たる事務所として竹下輝励会、励ます会の政治団体を届け出ています。こうして、この年の一月八日から島根県において褒め殺しの街頭宣伝を始めています。一月二十六日の通常国会開会日に間に合わせて上京し、一週間活動しております。三月二十二日までの約二カ月間は島根県を中心に街頭宣伝を行い、この間新潟にも立ち寄り、午前中の質疑で若干明らかになりましたけれども、滋賀県では公務執行妨害、傷害事件等を起こしています。各県本部から動員された街宣車は十四台、一台の街宣車に乗車していた人数は平均四人くらい、動員力は約百二十人程度である、こういうように把握しているところであります。 裁判におきましては、漕野調書、構成員三十人、動員力六十人、街宣は一月から九月、十五台、約四十人、警視庁の調べたところでは十八台から二十台、構成員三十二人、動員二十人と、若干違いはありますけれども、要するに十台から二十台の車、かなりの人数を乗せて、かなりの大規模な宣伝を行ったということが明らかになっています。東京で街頭宣伝が現認されたのは一月二十九日のはずです。二十八日に恐らく高松を出発したのではないかと把握しています。二月から三月にかけては新潟、滋賀、島根で、四月からは東京、特に五月の竹下派パーティーの際には、これに合わせても上京しています。幹部がその間、長い間、東京プリンスに滞在しています。東京での本格的な活動、皇民党では第二次活動と言っているようですが、七月十九日から十月二日まで。十月の三日にはぴたりとやめて、活動をしておりません。街頭宣伝の際、十四名が検挙されております。 我々が調べた経過は大体以上なわけですが、かなりの人数が動いているのです。我々がそこに乗っておったという人に聞いたところでは、一日の日当は約八千円と言われておりました。十人で八万、五十人で四十万、これは日当だけです。普通にはガソリン代、街宣車の減価償却、食事代実費あるいは泊まり代、野営しておったといいますけれども、それなりの金はかかるでしょう。一日大体五十万から百万かかったということではないでしょうか。ということですと、よく何千万単位と言われていますけれども、もうちょっと大きくなるのじゃないでしょうか。全体、どう計算しても一億近くの金はかかった、こういうように考えなければならないわけであります。 じゃ一体、一つのこの政治団体が億というようなお金、負担できたのでしょうか。金銭のやりとりはないということで、きれいごとで全部でき上がっていますけれども、警察庁、この点について当然、これだけ大きな動きにつきましては、全国に指令を発して警察庁としても行動を把握しておったことについては我々聞いております。先ほど質問した幾つかの疑問について、だれが一体この費用を負担したのだろうかということを含め、警察庁、わかっておりましたならば教えていただきたいと思います。皇民党がもう前の年から準備を始めたことは把握しておるはずであります。褒め殺し攻撃を始めた動機、理由についてどう把握しているか、仕掛け人がいたのじゃないでしょうか、お金はだれが負担したのでしょうか、この点について調査してわかっているところがありましたら報告をしていただきたいと思います。
○菅沼政府委員 お答えいたします。 お尋ねのようなことにつきましては、詳細、警察といたしましては承知いたしておりません。
○山花委員 今そういうお返事でしたけれども、私、全体を調べた中では、かなり警察庁に伺った部分も実は入っております。どことは特定いたしません。やっぱりもうちょっと、わかる範囲はおっしゃるべきじゃないですか。その上で、警察で把握したのはここなんだ、こう言うべきですよ。後でもっと大きな問題があるので、その際にもう一遍この点については改めて、持っているものについては出してもらいたい。これだけ国民の関心を集めている国会です。そのことについて、もう一遍後でこの問題については警察庁に求めたいと思います。 さてこうして、先に行きたいと思いますけれども、その後の経過については、一部概況について、これまでの四回の東京地裁における裁判、明らかになった、開示された、朗読された調書によってある程度明らかになっていると思います。しかし、全然あそこには欠けている部分がありますね。幾つかの暴力団絡みの話について、調べた結果出しましたけれども、とりわけあの渡邉前社長の供述調書に欠けている部分は、ほかの暴力団が絡んだという部分だったと思います。我々の調査は、およそ次の経過ではなかったかと把握しています。 この年の九月の末のある日の昼ごろ、二代目稲川会の石井前会長から京都山科にある組事務所にいた三神忠組長のところ、ここに連絡があったようであります。その内容は、日本皇民党が自民党の総裁選をめぐって竹下おろしの運動をして困っておる、稲本総裁に運動をとめてくれるようお願いしてもらえないだろうか、たっちゃん、とめてやってくれと、こういう電話があったそうです。石井前会長は三神組長のことをたっちゃん、こう言っておったようですね。「あれをとめてやってくれ。」そこで三神さんは、「何でつか、頑張れ言わはったんと違いまっか。」こう答えている。「いやあ、ちょっととめてやってくれ」と、こういうことになりまして、とめることについて三神組長は、この要請を受けまして稲本総裁に伝えようとしました。すぐ連絡とれなかった。そこで、街頭宣伝中の稲本総裁を、名古屋にいた皇民党総裁代行の米沢喜康さんと読みますか、にっかまえてもらって話をしたそうです。何の目的でやっているんだと聞いたならば、親の財産をとり総理大臣になるのが我慢ならなかったんで運動をしたとのことだった。もう筋を通したんだからと言って三神さんがやめることを説得したようです。皇民党の中にももう潮どきだろうと判断する幹部も出て、その幹部も稲本総裁を説得してくれた。 ただし、稲本総裁は、活動を中止するに当たって条件を一つ出した。それは、竹下氏が田中邸を謝罪訪問するというものであった。稲本総裁は三神組長にその条件を伝え、三神組長はすぐにその内容を電話で東京の石井会長に伝えた。 これは渡邉調書からすっぽり落ちている。私たち調べた部分なんですけれども、この三神組長が関与したことについて警察庁の方は把握しておったかどうか。それと、三神組長と稲本総裁との関係、石井前会長との関係、わかっておりましたらお話をいただきたいと思います。
○廣瀬政府委員 お答えいたします。 稲川会の前石井会長の依頼を受けまして、会津小鉄の荒虎千本組、ここの三神忠組長が皇民党の稲本総裁につないだ、そういう報道もあり、また検察当局の調べでもそのようなくだりがあるというふうに仄聞いたしておりますが、私どもにおきましても、石井前会長と荒虎千本組の組長の間のつながりがあったということにつきましては、詳細は確認いたしておりませんが、これを否定する資料はないものというふうに考えております。
○山花委員 否定する資料はないというお話でしたけれども、石井会長との関係におきましては、三神組長は石井会長の仕事を随分手伝っていたというように我々聞いています。御本人の話によると、月のうち半分ぐらいは東京に行ってあの北祥の事務所で仕事を手伝ったのじゃなかろうか、こういうようにおっしゃっている。また一方において、三神組長は稲本総裁とは白神組当時からのずっと知り合いであった。そうした稲本、三神両氏の関係についてたまたま知っておった石井前会長が三神さんを通じて稲本さんを説得した、こういう経過に私たち把握しておるわけですが、ここで申し上げたいのは、そうした全国縦断するような格好でそれぞれの連絡があったということに加えて、大事なことは、こうした立場の人も、褒め殺しをやめる条件として、竹下元総理が、当時幹事長が田中邸におわびに行くことだという条件を出している。竹下元首相は、伝えられるところによると、こうした関係については全く知らないと言っていますけれども、こういう条件というのははっきりしておるんです。渡邉調書だけが材料ではありません。こうした関係者が全部、果たして田中邸におわびに行くか行かないか、そこに関心を持ってずうっと視線が集まっていたということは、こうした状況からも私たちははっきりしてそこに問題があったのだというように思っています。 公判廷の調書の中で、十月の二日の動き、三日の動き、四日の動き、五日の動き、六日の動き、若干はっきりしない点があると思っています。あの当時のずうっと新聞をつぶさに検証いたしますと、竹下総裁候補が決起集会をやった、あるいは仙台に行った、あるいは福岡に行った、ずっと流れがあるわけですけれども、ちょうどそのときに一連の動きが起こっています。二日の日の稲本・石井会談ということについては、私たちは、調書にあったとおり、何人かの調書です、これは渡邉調書だけではない、大島調書にもありました。こういう何人かの調書にあっただけではなく、間違いないと思っています。 ただ、ここのところ、検察庁の調書に、二日の会談については東京プリンスとなっていましたね。あの辺は私は間違いじゃないかと思っているのですけれども、赤坂のプリンスホテルでしょう。 そうして、もう一つはっきりしていることは、五日の晩から六日の朝にかけての出来事、これは大体あの法廷で出たとおりじゃなかろうかと思っています。このいきさつにつきましては、いろい ろあの状況について新聞で報道されていますけれども、金丸前副総裁、竹下元首相、小沢前幹事長、そして渡邉さんが加わって相談した、五日から六日にかけて。新聞で伝えられていますね。竹下元首相が、そうなると全くぶざまだと嘆いた、金丸前副総裁が涙を流して、小沢前幹事長がうろうろしたという格好で紹介されたこの経過については、私ははっきりしているのだと思います。そして、六日の朝訪ねている。 大体、そうした経過について今ここであれこれすることは大事でないと思っていますけれども、この中からはっきりした疑問が出てくるんじゃないでしょうか。全体、あの法廷などを通じて明らかになったことは、皇民党が褒め殺しをやめる条件として、竹下元首相に田中さんのところへ謝りに行ってもらえという条件を出しておったことについては間違いないと思っています。でも、おかしいですね。そのことについて最終的に判断したのは、例えば法廷の調書等によりますと、五日の晩から六日にかけて今言った四人が集まって、長谷川先生がそこに加わって、相談してその日の朝行くことになった、こうなっているんです。 最大の疑問は、あれだけ全国的に大規模な執拗な街頭宣伝をかけた、こんなたくさんのお金を使ってやったその皇民党が、たった一つの条件と言われた竹下元首相が田中邸に謝りに行くということについての返事も聞かないで、街宣やめますか。やめたのはだれが見ても三日なんです。二日じゅうにやめたということになっています。これは警視庁の方も三日にはもうぱたりとやめたと言っている。このことにつきましては、あるいは会ったという浦田議員につきましても、会談している途中にやめて帰ったと言っている。私たちがずっと調べた資料でも、二日の日にはやめているんです。若干残っていたかもしれませんね、あの竹下輝励会の一行はその後も晴海埠頭の方に残っておってフェリーで帰ったという情報もつかんでいますから。しかし、全体として街頭宣伝は二日でぴったりやんでいる。たった一つ出した条件がのまれていないのになぜやめますか。そうなってくると、一銭のお金も動かないで、きれいごとで二日以降ずっとストーリーができているのだけれども、その前に手打ち式があったに違いない、こう考えるのが当然なんじゃないでしょうか。そうでなければおかしいのです。 また、別の観点から同じ問題について迫ってみたいと思いますけれども、はっきりしているのは十月六日朝の田中邸訪問でしょう。その間、三日に計画したけれどもだめだった、五日の日に行こうと思って竹下元首相みずからが電話でやりとりしたけれどもだめだった、こういう経過については当時の新聞に出ています。三回計画して一回だけ、六日の朝現実に行ったという、こういう経過だったと思っています。とすると、明らかに三日の日に行こうとしているのです。五日の日にも行こうとしているのです。行ったのは六日。もし本当に、五日、ホテルに四者が集まって相談して、渋っている竹下元総理のしりをたたいて行ってもらうことにした、決まったのは六日の朝だとするならば、その前に行こうとしているのはおかしいんじゃないですか。三日とか五日に行こうとするのはおかしいのです。 要するに、全体を振り返ってみると、二日の日に石井・稲本会談が行われてそこで手打ちがあったんだ、それで終わったんだということだけれども、その前に話がついていなければそんなことになるはずがないのです。この二人の会談というのは恐らくトップ会談ですよ。既にできた話について詰めたのが二日の会談だったのですよ。したがって、その段階で解決しておったはずである。だからこそ皇民党は三日の日に帰ったんじゃないですか。四日、五日、六日の動きというものは話が終わった後の動きです。こう考えない方がおかしいのです。 ということですと、検察庁のストーリーというものも、金銭の授受というものが全くなかったきれいごとででき上がっているけれども、どう考えたって、三日の日に皇民党が既にわかったと言って帰ったとするならば、その前で解決があったはずである。この点について警察庁はどう把握しているか、伺いたいと思います。
○菅沼政府委員 お答えをいたします。 日本皇民党が十月二日まで街頭宣伝活動をやっておりまして、三日以降の街宣は見られないということは承知をいたしておりますが、その間の事情でありますとか、あるいは構成員個々の動き等については承知いたしておりません。
○山花委員 同じ質問について、法務省にも伺っておきたいと思います。 今お話ありました。二日で終わっているのです。もう帰っているのです。話し合いできて田中邸へ行くということについて返事をしたのが六日の朝だということならば、帰るはずがないじゃないですか。二日の前にあったのです。その関係について、法務省ほどう把握しているか伺いたいと思います。出してくださいよ、全部。そうしないとわからない、真相は。
○濱政府委員 お答えいたします。 まず初めに申し上げておきたいわけでございますが、検察当局におきましては、東京佐川急便株式会社元社長の渡邉廣康らに対する特別背任事件の捜査に必要な範囲で関連する事項を捜査し、解明しているわけでございまして、今るる委員がお尋ねになられました点すべてについて、どういう捜査をしたか、あるいはどのような事実を把握しているかということについては、これはお答えいたしかねるわけでございます。 ただ、国政調査権の行使につきまして、法務当局におきましても、法令の許される範囲内で最大限の御協力をすべきことはもちろん当然でございます。したがいまして、現在裁判係属中のいわゆる東京佐川急便事件の公判におきまして取り調べられ、あるいは公判で既に朗読された、あるいは要旨の告知がなされた供述調書に、法廷に明らかになった範囲でどのような記載があるかということについて御質問がございますれば、それにお答えできる範囲でお答えしたいというふうに思っているわけでございます。 今委員がお尋ねになられました中で、東京地裁におきまして今審理中の渡邉廣康らに対する東京佐川急便事件の公判におきましてその内容が朗読された供述調書の中には、十月二日、石井稲川会会長と稲本日本皇民党総裁が会談したということはございますけれども、それ以前にも会合が持たれていたかどうかということについては、そのような記載があるとは聞いていないわけでございます。
○山花委員 私もそのことは言ったのです。二日の日に稲本・石井トップ会談があったということについては出ているのです。その前の行動を私は聞いているわけでして、これは法務省あるいは警察庁は把握しているんじゃないかと私は推測しているわけです。 例えば、この点に関してある週刊誌が、事件が起こった六十二年当時、稲本総裁を事情聴取した資料ということについて、稲本調書ということでついせんだって紹介していました。稲本調書といって、何か検察官のとった調書あるいは警察のとった調書とは全く違うものですからちょっと誤解を生じがちですけれども、だから雑誌の方もかぎ括弧をっけまして「「稲本調書」と言えるだろう」と、こういう格好で紹介しているんです。私は、これは恐らく捜査報告書というようなことではなく、当時何らかの形で稲本さんから当時の行動をとったんじゃなかろうか、こういうように思っております。 こういった問題については、最近の雑誌ではなく、こういうように問題が大きくなるずっと前のマスコミの報道などを分析しましても、当時稲本さんが警察に出てお話しになったということについては我々は聞いている。当時これだけ大規模な事件ですから、一国の総理大臣を決めるに当たって何十台の車が動いたという事件ですから、警備公安当局は全部、稲本総裁、米沢総裁代行、そして大島行動隊長、当時です、行動は把握しておったはずです。どこに来たのか、ずっと行動は把握しておったはずなのでありまして、そうしてさっきの、最近十一月十九日の雑誌の記事によりますと、「事情聴取が行われたのは、故稲本総裁が竹下攻撃を中止し、本拠地である高松に引き揚げた直後の昭和六十二年十月初旬」とあります。三日に引き揚げた、そして五日、六日がさっきのホテルの会談、十月の初旬にその時点で稲本さんを調べているという、まずこの点を伺いたいと思いますけれども、警察当局は当時稲本総裁から事情を聴取したことがありましたか、この点を伺いたいと思います。
○菅沼政府委員 お答えいたします。 御指摘のような報道がなされていることは承知いたしておりますが、いろいろ調査、確認等いたしましたけれども、そのような調書、報告書といった文書は存在しないというように報告を受けております。
○山花委員 法務省関係はこの点何か把握しておりませんでしょうか。同じ質問です。
○濱政府委員 お答えいたします。 そのような事実はございません。
○山花委員 そういうものはなかったというお話ですけれども、私どもがいろいろ調べたところでは、そういう形で調書となっていないものであったって事実関係について把握した、行動等についての記録を把握したものはあるはずだと思っています。私はこういう問題について、やっぱりどんと大きな体制を構えてこの問題に当たるべきじゃなかったか、この点を疑問に思っているんです。 ロッキードのとき、リクルートのときに比べてどうですか。今の捜査の体制どうなっていますか。ちょっと関連してこの点を伺っておきたいと思いますが、東京特捜部の捜査の体制について伺いたいと思います。
○濱政府委員 お答えいたします。 東京地検特捜部の体制は、検察官が約三十名、検察事務官が約六十名の人員でございます。 この事件にどのような体制で当たったかというお尋ねでございますが、各全国の地検からも応援をとりまして、検察官約三十名、検察事務官約三十名で捜査に当たったと承知いたしております。私の記憶に誤りがなければ、さように承知いたしております。
○山花委員 この特捜部の体制については、三班あるけれども、三班全部やったんじゃなく、総がかりじゃなくて、そのうちの佐渡班がやっただけじゃないですか。この点を伺いたいと思います。
○濱政府委員 お答えいたします。 今委員御指摘になられましたように、東京地検特捜部では、原則として三班体制で執務しておりますけれども、大きな事件を捜査いたしますときには相互に、各班相互の中で応援したり応援し合ったりしているわけでございまして、このいわゆる東京佐川急便事件について主として当たったのは、今委員が御指摘になられましたように佐渡副部長の班でございますけれども、それ以外にも、ほかの班からも、それから先ほども申しましたように他の検察庁からもそれぞれ応援をとって捜査に当たったわけでございます。
○山花委員 今お話があったとおり、応援をとったと御説明ありましたけれども、総がかりじゃないんですね。もし間違いがあったら訂正していただけたらと思いますけれども、東京地検特捜部は五十嵐特捜部長以下検事二十七名、約三十名でしょう。副検事四人を加えて三十一名。検察事務官の体制もあると思いますけれども、三班ある。三班のうち大泉検事の財政経済班、これは別の仕事を大体担当しておる。佐渡さんとともにもう一つの特殊直告班の熊崎検事以下は、佐川と関係なく別の事件を担当している。最近は医療機器の事件がありましたね。それぞれ担当しているんですよ。この事件を担当しておるのは、全体としての東京特捜部の三分の一の体制が中心となって、あとちょっと応援もらっているということじゃないですか。過去と違うのです。 過去の例を見ると、例えばロッキードのときには吉永検事正以下最高のスタッフをそろえたと言われていますけれども、総がかりで取り組みましたね。リクルートのときにも、労働省ルートの熊崎班、文部省ルートの樋渡班、NTTルートの佐渡班、総がかりだったんですよ。ロッキードも総がかり、リクルートも総がかり、そして平和相銀も総がかりだったと聞いています。今度は総がかりじゃありませんね、三つの班の三分の一ですよ。これだったら、何もわからないところが出てくるのじゃないですか。あの中間報告、ロッキードのとき、見ると、東京高検の管内から検事十名、検察事務官十名応援を求めるなどして、検察官三十五名、副検事五名、検察事務官六十五名、合計百五名の体制、ロッキードは百五人でやったのです。今度は他の検察庁から応援を求めてないでしょう、特捜部を三つに割ったうちの一つがやっている。こんな体制ではできっこないじゃないですか。私は現場の検事の皆さんは大変苦労されておると思うけれども、大体上層部がそれだけやる体制つくってないのじゃなかろうか、こういうことを私は指摘しておかなければならないと思うわけです。 この点について、もし私の質問に間違いがあるならば、ちょっと指摘していただきたいと思います。
○濱政府委員 お答えいたします。 委員がおっしゃる総がかりの体制あるいは大がかりな捜査体制という意味合いは、まあいろんな意味があると思いますけれども、この今回のいわゆる東京佐川急便事件にかかわらず、これに限ったわけではございませんけれども、あるいは政治家の絡む事件であるか否かにかかわらず、検察当局としてはそれぞれの事件に最も適切な捜査体制で臨むこととしているわけでございまして、この事件につきましても、先ほどお答え申し上げましたように、東京地検以外の全国の検察庁から検事、検察事務官の応援をとって捜査をしているわけでございまして、いつの場合にも検察当局としては適正な捜査体制のもとで適時的確な捜査処理を行っているものというふうに考えております。
○山花委員 今お話しになった適正という中身が問題だということなんです。従来総がかりでやった。今度は従来の規模で、しかもそのうちの三分の一の体制でやっておる。これだけ大きな事件なのにそんな体制で、現場の一線の検事の皆さんに苦労だけかけさせるけれども、実績は上がらないんじゃないだろうか、これだけ大きな事件ということについての認識がなかったんじゃないだろうか。ということが背景にあるから上層部のいろいろな癒着がうわさされるんですよ。やはり全体の体制を組むべきである、今からだって遅くはないと思っています。たくさんの大きな新しい事実が改めて出たならば、検察当局はしっかりとした体制を組むべきである、このことをこの機会には主張しておきたいと思います。 話、もとに戻りますけれども、という体制の中で、私が質問した、二日の前に話がついていなければ三日に引き揚げるわけがありませんよ、六日の日に話がついたということならば三日の日にもうぱたりとやめたことの説明がつかないじゃないですかと。こんな当たり前の疑問は調べてあるはずですよ。この点につきましては、私は、秘密のものは秘密であってもいいと思います。あの国政調査権のこれまでの議事録を読んでみると、秘密なものだって出せるということになっているのですから、もし公にここに出さないならば、秘密のものとして取り扱うからやっぱり出していただきたい。 このことについて伺いたいと思うのですが、これは、法制局長官はお帰りになったか。——いらっしゃいますか。じゃこの問題について、秘密のものだって国政調査権の対象になるんだということは、国会法制定当時きちんと議論されておるようですから、その点についてだけちょっと触れて説明しておいていただきたいと思います。
○工藤(敦)政府委員 お答えいたします。 ただいま委員御指摘の部分は、昭和四十九年に参議院の予算委員会で三木総理が読み上げられた政府統一見解についてのことかと存じますが、ここにおきましては、いわゆる国政調査権、これが憲法六十二条に由来するものであるということで、国政の全般にわたってその適正な行使が保障されなければならないということを言いました上で、「一方、憲法第六五条によって内閣に属することとされている行政権」、これに「属する公務の民主的かつ能率的な運営を確保するために、国家公務員には守秘義務が課されている。」そういうことで、「そこで、国政調査権と国家公務員の守秘義務との間において調整を必要とする場合が生ずる。国政調査権に基づいて政府に対して要請があった場合、その要請にこたえて職務上の秘密を開披するかどうかは、守秘義務によってまもられるべき公益と国政調査権の行使によって得られるべき公益とを個々の事案ごとに比較衡量することにより決定されるべきもの」である、こういうふうに申し上げているところでございます。なお、さらに、「個々の事案について右の判断をする場合において、国会と政府との見解が異なる場合が時に生ずることは避け得ないところであろうが、政府としては、国会の国政調査活動が十分その目的を達成」することができるよう、政府の立場から許される最大限の努力をすべきものと考える、かようにお答えしているところでございます。
○山花委員 質問をちょっと衆議院法制局のかつての答弁ということに絞ったらよろしかったと思っていますけれども、私の方からも時間の関係がありますから引用します。 一九四六年十二月十九日の百四条についての答弁でありますけれども、こう言っております。「本条は現行議院」、ちょっと省略しまして、この規定につきましては「会社及び個人も含んでおる」。「またたとえ秘密な書類といえどもその提出を求めることができるのでありまして、その秘密な書類を審査する場合には、秘密会を開けば足りることであります。秘密なるが故にこの提出を拒絶することはできないものと解しております。」こうなっております。 私は、さっき質問いたしましたのは、あの六十二年の十月二日前の皇民党の動向について警察庁は把握しておったはずである、調書になっていなかったとしてもその点についての記録が残っているはずだ、こういうことを主張いたしました。この点について、その記録が出てくれば、私はその前の問題点というものはかなり解明されるというように思っています。これはまた理事の皆さんと相談したいと思いますけれども、もう少しこの問題については詰めた上で、改めて百四条に基づいて提出命令を出したいと思っておりますので、そのことだけを指摘して質問を先に進めたいと思います。 次に、やはり検察の取り扱いの問題、冒頭申し上げましたとおり、政治批判と警察批判、検察批判というのは今度の大変大きな特徴となっているわけでありますけれども、問題は、金丸前副総裁に対する五億円、二十万、上申書の処理ということに批判が集まっているということについては言うまでもありません。この金丸前副総裁に対する五億円に関する疑問につきましては、整理すると六つぐらいあったのじゃないかと思います。 第一、五億円の授受の時期。平成二年の一月中旬とされていますけれども、元年六月に授受されたとされておった五億円は一体どうなったのか。第二番目、五億円を配分されたとされる六十数名の氏名と趣旨、それぞれの金額、時期。第三番目、配分に関与した者は一体だれだったのか。第四番目、上申書のみで金丸氏本人の取り調べをしなかった理由。第五番目、常識的な疑問です。新潟では金子前知事は一億円で公判請求されたのに、なぜ五億円の金丸前副総裁は略式、二十万の罰金ということになったのか。第六番目、税金はかからなかったのかどうか。大体問題点は以上だと思っています。 この点について伺っておきたいと思いますけれども、まず法務当局に対して、五億円の授受、二年の一月中旬の問題、元年六月の問題、一体どう整理されたんでしょうか。また、その後、以下私が伺った問題についてお答えいただけるものについて、冒頭お答えをいただいておきたいと思います。
○濱政府委員 お答えをいたします。 まず、冒頭に委員がお尋ねになられました平成元年に金丸前議員に献金されたとされる五億円についてのお尋ねでございます。 これにつきましては、起訴された事実関係以外に検察当局がどのような事実について捜査し、またどのような事実を把握したかということにつきましては、これは捜査の秘密に属することでございます。したがいまして、お答えいたじかねるわけでございます。 ただ、これまでに起訴に係る五億円以外の金丸前議員の余罪として訴追できるものは確認できなかったというふうに聞いているわけでございます。
○高鳥委員長 ほかの件は。まだ幾つも質問があったんです。答えられる範囲で答えてください。
○濱政府委員 幾つかの問題をお尋ねになっておられると思いますので、ちょっと長くなりますので、一つ一つお答えした方がよろしいかと思います。 まず一つは、金丸前議員の捜査処理について、金丸前議員本人を取り調べないで略式起訴したのはどういうわけであるかというお尋ねもあったかと思うわけでございます。 これは委員もう十分御承知のとおり、被疑者の取り調べという手続は刑事訴訟法百九十八条一項にもございますとおり、捜査機関が「犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。」というふうにされているわけでございます。したがって、これは刑事訴訟法が定めております任意捜査の方法の一つであるわけでございます。もともとこの被疑者の取り調べ自体は、被疑者本人から被疑事実についての弁解を聞いて事実認識を聴取するという手続でございまして、その目的とするところは、あくまでも被疑者本人に弁明の機会を与えて、被疑事実についての弁明の機会を与えて、捜査機関が必要な証拠を収集するという手続でございます。したがいまして、被疑者の方からいたしますれば、出頭の求めに応じて取り調べに応ずるかどうか、あるいは供述するかどうかということはすべて被疑者本人の任意に任されているわけでございます。 他方、捜査機関の方からいたしますれば、それぞれの具体的事件を担当いたします検察官において、被疑者の取り調べをするかどうかを含めまして、いつどのような、いつの時点どのような捜査を進めるか、どのような捜査方法をとるかということは、当該事件を担当しております検察官がその事件の具体的事情をいろいろ総合判断して決めるわけでございます。例えば、その事件に適用しようとしている罰則の法定刑が重いか軽いか、あるいはその事件の証拠の集まりぐあいはどうか、あるいは捜査の進展状況はどうであるか、あるいは捜査処理上の制約はないかどうか、そのようないろいろな、それぞれの事件の具体的事情を総合勘案して決めていくことになるわけでございます。 ところで、今委員がお尋ねになっておられます金丸前議員に対する政治資金規正法違反事件につきましては、これも委員御案内のとおり、適用しようとされておりました罰則の法定刑は罰金だけでございまして、その最高額が罰金二十万円という、法定刑から見ますると比較的軽い罪でございます。また、金丸前議員の方からこの事件につきましては供述書が提出されまして、通常上申書と言われておりますけれども、刑事訴訟法から申しますれば供述書、本人の供述書が提出されまして、その供述書は本人が自己の刑事責任を認める内容のものであるわけでございまして、提出されました供述書を含めましてそれまでに収集した証拠全体を総合勘案いたしまして、被疑者の取り調べをするまでもなく十分捜査の目的は達したというふうに検察官は判断したということでございます。 ということで、略式手続にしたことについてのお尋ねがあればまた後ほどお答え申し上げますけれども、一つ一つお尋ねいただきますれば、それぞれについてお答えを申し上げたいと思います。
○山花委員 長い説明を伺いましたけれども、聞いておったらだんだん私もわからなくなりましたね。やはり具体的に聞かなきゃいけないでしょう。 最高裁の方に伺いたいと思います。 この世の中にという言葉、札幌の佐藤検事長の言葉を引用してですけれども、略式命令に際して本人と直接、憲法問題ありますから、やりとりなしで上申書で略式命令を出したという例がありますか。最高裁判所の方に、これについて調べておりましたならば回答していただきたいと思います。
○島田最高裁判所長官代理者 そのような例については、あったかなかったか把握しておりません。
○山花委員 そんなものはないんですよ。ないことを、あれがお役所答弁というのだと思いますけれども、この問題はずっと前から調べていただいているはずなんで、恐らく調べるまでもなく全くないからということでしょう。 最高裁に続いて伺いたいと思いますけれども、略式命令について、例えば私が知っておりますのは、書記官の研修所で勉強している六十三年三月の研修教材第七十九号「略式手続」の、拝見したのは五訂版でありますけれども、そこではこういう説明がありますね。さっきちょっと説明があった、長い説明の後、この「手続きは、前に述べたように、違憲論を解消させるため、極めて重要な手続きであるから、慎重に、かつ、具体的に行い、被疑者に送付して略式手続きの趣旨を告知し、略式によることについて異議がない旨の書面を提出させることは、許されないものと解したい。」これは書記官研修所の教科書ですね。書面じゃだめなんですよ、許されない、こう考えなければいかぬ、こういう指導をしているのです、内部では。 もう一つ伺いたい。これはちょっと説明してください。 三十五年一月の刑事裁判資料一四〇号に載っております最高裁判所事務総局のこの点についての通達、質疑の回答、どういうやりとりになっているか。これを勉強しているのですから、裁判官も書記官も。ちょっとこれを紹介してください。
○島田最高裁判所長官代理者 ただいま委員御指摘の二つのうち、この書記官研修所の教材の点は、ただいま委員が読み上げられたとおりでございます。 後の方の刑事裁判資料一四〇号でございますが、「検察官が被疑者を取り調べないで、書面を送付して略式手続の趣旨を告知し、かつ、略式手続による旨の同意書を徴することは、違法か。」とあり、答えとして「許されない」というふうに書いてございまして、この答え、この質疑回答でございますが、これは法務省刑事局係官が昭和二十八年の十月に全国の次席検事会同における質疑に対してなした回答ということになっております。
○山花委員 今説明していただいたとおりなのでありまして、やっちゃいかぬということになっているのです。今度、やっちゃいかぬことをやったことになるのです。 佐藤検事長があの投書でこう言っていましたね。「仮に暴力団との癒着が取りざたされている者から政治献金があった」ということの場合、いろいろ疑問がある。そういうことを調べないで「それらの追及を怠る検察官がこの世に存在するとは思えない。」こう検事の内部からの告発もある。一体どういうことですか。 このことについては、一部私たちが拝見することができた略式命令についての手続、弁護士さんからお願いしますと要請がありますね。どういうお願いがあったんで、検察庁、これに応じたんですか。答えていただきたい。
○濱政府委員 お答えいたします。 今お尋ねになっておられます金丸前議員に対する政治資金規正法違反事件の捜査処理の過程で、どういういきさつがあったかというお尋ねかと思うわけでございます。 この点につきましては、弁護人の方からは、金丸議員においては略式命令の請求手続による起訴処分及び書面による略式手続の告知を望んでいるということの申し出がございました。最終的には、先ほどもちょっと申し上げましたように、提出された供述書とそれまでに収集された証拠をあわせ検討した結果、本件違反事実を認定するのに十分である、また、その犯情に照らせば、政治資金規正法の量的制限違反の寄附の受領罪の法定刑の上限である二十万円の罰金刑を科すべきであるというふうに判断されたことから、先ほどお答え申し上げましたように、金丸議員からの、略式手続の告知を経て作成された略式手続によることに異議がない旨の書面を徴した上で、東京簡易裁判所に公訴提起するとともに、略式命令の請求を行ったものでございます。
○山花委員 今、私の質問をさっとこうすりかえておられるのですね。 はっきり私の方から指摘しましょう。弁護人からは異例の上申書が出されています。こういう内容です。「被疑者金丸に対する検察官からの略式手続の告知につきましては、被疑者金丸の自宅が日夜多数の報道陣に取り囲まれている等の異常事態にかんがみ、書面による告知の方法をとるなど、特別の御配慮を賜りたく、ここに伏して上申いたします。」特別の御配慮を伏して上申したんです。特別な配慮をしたんです。これが間違っているというんです。同じような問題、あれですよ、新潟の事件の佐藤弁護士が言っているんだけれども、私はなるほどなと思いましたね。あの南雲さんという方、七十一歳、高齢、脳閉塞で倒れた、半身不随、足元が不自由、そんな南雲さんを点滴を受けている病院から引っ張って、そして呼び出したんですと。こういう調べ方をやっているんです。一方で、金丸さんは堂々とマージャンをやってたんじゃないかと弁護士は怒っているけれども、私は当たり前だと思いますね。 どういう特別な配慮をしたんですか。特別な配慮というものは、さっき最高裁から説明していただいた、書面じゃだめなんですということと矛盾しないんですか。そうした長年の、そしてごく当たり前、だれもが考えておった手続をひっくり返していいだけの特別の配慮とは一体何ですか。お答えいただきたいと思います。
○濱政府委員 幾つかの問題点を指摘しておられますので、分けて御説明を申し上げたいと思います。 一つは、先ほど委員が御指摘になられました教材に出ている記載との関係でございますけれども、要するに、略式手続が適法に行われるためには、略式手続についての説明が正確になされ、被疑者がその略式手続の内容について十分理解をした上で、通常の裁判手続によることができる旨を告げられた上、当該略式手続によることについて異議がないということが確認されることが必要なわけでございます。 先ほど例として挙げられましたように、例えば、略式手続の説明書あるいは略式手続によることについて異議がない旨の書面をただ郵送、送付して、それについて署名をさせるだけでいけないということは、それはもう御指摘のとおりでございまして、この金丸前議員の事件については、これは弁護人がついておりまして、先ほど申しましたように、弁護人から略式手続による起訴処分を望んでいるという意向が示されましたこともありまして、略式手続の告知、それから通常の正式裁判によることができる旨の告知、これを弁護人を通じて正確に被疑者本人になされたということが確認された。したがいまして、法的には検察官が直接告知をしたのと同等に評価できるということで、適法な略式手続であるということを申し上げているわけでございます。
○山花委員 今の説明は、弁護士にもよく説明したじゃないか、こういう説明です。この答えも私の質問に答えていないんですがね。 そこだけ触れておきたいと思いますけれども、弁護士に説明しただけでいいんですか。弁護士というのは代理人じゃありませんね。弁護士と代理人は違うんです。この場合に、私は一件記録ずっと見てみたんだけれども、代理人届は出ていませんね。しかし、ある雑誌に担当した弁護士さんが説明したところでは、「私が代理人として検事に相対した」、「委任状と本人に略式手続きについてちゃんと説明したという書類を用意した」と、こうあったのです。 だから、弁護人選任届と代理人としての委任状を両方出したのかと思ったならば、一件記録には、代理人出していないのです。弁護士と代理人とは違うのです。説明いろいろ聞いたりして本人にかわってやる場合には、代理人としてやらなければいかぬ。これは弁護士としてやっている今の説明ですから、弁護士に説明したということだけでは納得できない。 話が広がっちゃうといけませんから、一点だけに絞りたいと思います。 弁護士は特別の配慮をしてくれと言った。特別の配慮をしたんですか。その点について伺いたいと思います。
○高鳥委員長 最高裁、何か説明ありますか。
○山花委員 いや、いいです、聞いていませんから。ちょっと時間の関係……。
○高鳥委員長 では、法務省刑事局長。
○濱政府委員 まず、先ほどちょっと私のお答えに舌足らずの点があったかと思いますが、この略式手続の説明告知の手続をした時点におきましては、弁護人選任届が出ておりまして、弁護人であったということをつけ加えさせていただきます。 それから、特別の配慮をしたのかということでございますけれども、先ほど申し上げましたように、弁護人がついて略式手続について説明告知が正確になされたということを確認し、また、検察官みずからがそのことを本人と電話で話をして確認をして、確認をとって、略式手続に異議がない、略式手続について正確に理解しているということを確認した上で手続を進めたわけでございます。したがいまして、適法な手続であるということを申し上げているわけでございます。法的に見て、検察官が直接説明告知し確認をとったということで、適法な手続であるということを申し上げたわけでございます。 なお、もう一点でございますが……(発言する者あり)
○高鳥委員長 最高裁の方からも発言を求められておりましたので、最高裁刑事局長。
○島田最高裁判所長官代理者 略式手続を理解させるための説明告知の方法についてでございますが、先ほど委員から御指摘の二つの資料がございまして、委員朗読あるいは私の方で朗読させていただきましたが、その趣旨については、私どもとしては、やはり先ほど法務省刑事局長から御説明ありましたように、被疑者が十分に略式手続の何であるかを理解し、そしてかりそめにも誤解に基づいて略式手続でやることに同意をしないようにという点、その点を十分慎重にやれという趣旨のものと理解しておるわけでございます。その点だけちょっと加えさせていただきます。
○山花委員 今のようなお話ですと、じゃ、あれですか、今後はですよ、交通違反とか交通事故その他たくさんあって略式、たくさんある場合に、十分に理解して、よろしいと言えば行かなくてよろしいのですか。大変な問題ですよ。それでいいのかどうか。これまでの取り扱いを全部変えるのか。そこにつながる問題として、特別の配慮は一体何かということについて伺っておきたいと思います。この点についてわかりませんね、今の説明では。やりとりの経過ははっきりしているのです。特別の配慮をしてくれと言った、そして大物だから特別の配慮をしたのでしょう。明らかにしてもらいたい、そのいきさつについて。
○濱政府委員 先ほど最後にお答え申し上げようとしたところで遮られましたので、お答えができなかったところでございます。 特別の配慮をしたのかというお尋ねでございますが、国会議員であるがゆえにということで特別の配慮をしたとかそういう事実は全くございません。 それから、今委員がお尋ねになっておられます交通違反の事件についてどうかということだと思うわけでございます。交通違反事件の場合と申しましても、これは交通違反にも重い罪から軽い罪いろいろありますけれども、例えば速度違反、よくございます速度違反で、例えばよくお尋ねを受けますのは、上申書を出せば行かなくてもいいのかというようなお尋ねがございます。しかしながら、速度違反という罪は、これは委員もよく御存じと思いますけれども、法定刑が「六月以下の懲役又は十万円以下の罰金」という、法定刑の上では比較的重い罪でございます。それから、それではその交通違反のうち、例えば駐停車違反はどうかということになろうかと思うわけでございます。駐停車違反と申しますのは罰金十万円、放置駐車の場合ですと罰金十五万円ですから、まさに罰金だけの罪ということになるわけでございます。 しかしながら、交通違反の事件につきましては、例えば駐停車違反でも結構でございますが、果たしてその罪を犯したのが被疑者かどうか、例えば身がわりの可能性がないのかどうか、あるいは当該事実について本人が自己の刑事責任を認めるのかどうかということが必ずしもはっきりしないであろうというふうに思われるわけでございます。したがって、被疑者の取り調べをするという観点から必要かどうかということを一つ考えなければならない。 それからもう一つは、先ほどお話に出ております略式手続についての正確な説明告知が行われ、略式手続によることについて異議がない旨の確認が正確に上申書だけで行われるかどうかということも考えなければならないわけでございまして、例えば交通違反の場合でも、弁護人がついて供述書が提出される。その供述書の内容が例えば自己の刑事責任を認める内容のものであって、それ以上に捜査の目的が十分達している、被疑者から直接取り調べしなくても取り調べの目的を達している。さらには、略式手続についての説明告知、確認が正確になされているということであれば、同じような取り扱いが行われ得るわけでございます。 ただ、交通違反の場合には、先ほど申しましたように、身がわりの可能性がないかどうかというような問題も含めて、今回の金丸前議員に対する政治資金規正法違反事件のような取り扱いと同日に論ぜられるかどうかは、これは別問題でございます。
○山花委員 今のお話でも話のすりかえがあるわけでして、法定刑の大きい小さいというところは別の問題です。法定刑が重くたって略式でいこうという場合には全部そこでは横並び、したがって取り扱いは同じです。交通違反だけじゃなくて選挙の関係の違反だって全部同じなんですよ。そういう略式で取り扱われる場合によろしいのかという質問に対して、私は、法定刑の問題を取り出して、あっちは重いからというような話はちょっと問題がすりかわっていると思う。もう一遍話をもとに戻して伺いたいと思いますよ。ほかの一般的な問題ではなく、この問題について、まず、じゃ伺いたいと思います。 弁護人から出た上申書には、「多数の報道陣に取り囲まれている等の異常事態にかんがみ、書面による告知の方法をとるなど、特別の御配慮を賜りたい」と、特別の配慮を賜りたいという理由については、多数の報道陣に取り囲まれたこと以外何も書いてないですよ、上申書は。こういう上申書があったのかどうか、まずここを聞いておきたいと思います。
○濱政府委員 お答えいたします。 今委員が御指摘になられましたような記載が上申書の中にあったことは、そのとおり間違いございません。
○山花委員 そういう上申書があって、一たんはこの事件についてはすべて事終わりということになったんです、告発があってまた再捜査になったということではありますけれども。そのときに、例えば九月二十九日の新聞に各紙報道されておりましたけれども、高橋次席検事の言葉、金丸前副総裁は取り調べを拒否したわけではない、出るに出られないということなので上申書が出されたということでこういう処理をしたと、処理した方もそういうふうに言っているんですよ。したがって、この特別の配慮の問題については、さっき最高裁の刑事裁判の資料とかあるいは書記官研修所の教科書、こういうものと、明らかにきょうの答弁、矛盾しています。この点について、これは統一した見解を出していただかなければ、これからの実際の運用、大変だと思いますよ。 私もちょうど弁護士三十年やっていますけれども、たくさん、年じゅうこんなの扱っているんですよ。じゃ、行かなくていいですよ、わかったと言って、私が行ってあげます、そうやって処理していいんですか。統一見解出していただきたいと思います。
○高鳥委員長 山花委員に申し上げます。 ただいまの法務省刑事局長の答弁を聞いておりますと、まだ必ずしも国民の納得が十分に得られるような形ではないように感じておりますので、したがって、答弁内容につきましてさらに十分検討していただいて答弁していただくべく、若干の時間の余裕をここでとらせていただきたいと思います。 質疑を続行してください。
○山花委員 次の質問に移りたいと思います。 法務当局に伺いたいと思うのですが、五億円を受けた趣旨について、従来いろいろ伝わっておったところでは、秘書の生原さんは、政治団体の方に入れてそれで配ったということだった。でも、結局は金丸前副総裁個人として受け取った、配った、こういう格好になりましたね。それによって政治資金規正法の二十五条、二十六条、取り扱いがずっと違ってくるわけでありまして、したがって罰金だけで済んだんだ、こういう説明だと思うのですけれども、その五億円というものは、だれが渡してだれが受け取ったと認定したんでしょうか。まず、根本的なところについて伺っておきたいと思います。
○濱政府委員 お答えいたします。 今お尋ねの五億円は、東京佐川急便株式会社元社長の渡邉廣康個人から金丸前議員個人に対して渡されたものというふうに理解しております。
○山花委員 個人が受け取ったということならば、また再捜査の必要は出てこないんじゃないですか。この点については、個人が受け取った場合には一体どうなるか。まず自治省に政治資金の取り扱いについて、ちょっと説明をしておいていただきたいと思います。 個人で受け取った場合には、保有金という取り扱いになるでしょう。それを指定団体に入れたならば、また収支の報告の問題が出るでしょう。この関係につきまして、個人で受け取ったという場合にはどうなるのか、その点について。時間の関係もあります。金丸前副総裁は保有金の届け出をしておったのかどうか、この点についてもあわせて伺いたいと思います。
○吉田(弘)政府委員 お答え申し上げます。 政治家個人が政治活動に関する金銭等による寄附を受けた場合のケースでございますが、これは政治団体、指定団体に寄附をして指定団体で報告するというケースと、それから指定団体に寄附をしないでみずからこれを使うという場合には保有金として報告するということでございます。 今回の具体のケースは存じておりませんが、金丸議員についての保有金については、保有金報告はございません。御承知のように、これは政治団体に全額寄附した場合には保有金報告は必要がないわけでございます。法律ではそうなっております。
○山花委員 もう一点関連して自治省に伺っておきたいと思うのですが、ちょっと質問通告を落としておったので、なければ私の方から出したいと思いますけれども、金丸前副総裁の指定団体である新国土開発研究会、この平成二年度分の収支の報告書、そのうち収入の方、一月十一日以降、金丸信前副総裁本人から指定団体にかなりのお金が入っているようですが、この辺、収支報告書はどうなっておりますか、ちょっと伺っておきたいと思います。
○高鳥委員長 資料はありますか。——吉田選挙部長。
○吉田(弘)政府委員 ただいまの御指摘の問題でございますが、金丸前議員の指定団体新国土開発研究会、これは、手元にございますのは官報に公示したものでございます。その中で、金丸議員から指定団体に対する寄附として三千二百八十万円というものが記載されております。
○山花委員 今中身のところを、ちょっと私が詳しく通告していなかったので、私の方から引用しますけれども、この年の五億円を受け取った一月中旬ごろ、金丸信前副総裁本人から入金が続いております。一月二十三日各百万円、三口合計三百万。二十五日三十万、百万円四口四百万円、計七百三十万円。さらに、一月二十九日百万円、二月六日五十万円、二月七日百万円、二月八日百万円、計三百五十万円。以上十二件、合計一千八十万円。五億円から比べると一千八十万円ということではありますが、一月は、一月全体で本人から入れたものはわずか百万円、三月、四月はゼロなんです。この五億円をもらった直後に一千万円以上この指定団体に入っている。ちょっと見ると、すぐこれは五億円の中からもう少しここに入ったんじゃなかろうかなと思うのですけれども、この点は法務当局というのは調べたのですか。 あるいはもう一つ聞いておきたいと思います。収支報告書とか会計帳簿というのは調べたのでしょうか。そこを調べたか調べないかによってまた大きな問題が出てくると思いますけれども、この点伺っておきたいと思います。
○濱政府委員 お答えいたします。 具体的な捜査の内容についてはお答えいたしかねるわけでございますが、検察当局におきましては、平成四年九月二十八日に略式請求した金丸前議員に対する政治資金規正法違反事件の捜査におきましては、金丸前議員に対する五億円の献金の真相を解明するために、金丸前議員の秘書で、かつ指定団体である新国土開発研究会の代表でもあります生原正久秘書のほか、指定団体の会計責任者等関係者多数の取り調べを行いまして、違反事実の立証のための裏づけ捜査を行ったと聞いているわけでございますが、当然お尋ねの収支報告書、会計帳簿につきましても捜査したものと思うわけでございます。
○山花委員 調べたかのような雰囲気の答弁でありましたけれども、これは金丸さん本人に聞かなければわからない部分ですね、こういうものについては。五億円の一部だったのかそうでないのか等々を含めて、あるいは会計帳簿がどうなっておるのか、これは本人に聞かなければわからないのですよ。本人に聞かなければわかんないことがあったのに上申書で、報道陣いっぱいいるからということでやめちゃった、こういう流れじゃないですか、というところに問題がある。 ということですと、この問題につきましては、我々は証人喚問として生原秘書を求めておりますけれども、今回三人の決定のうちには入りませんでしたが、その他の証人として、やはりどうしても証人喚問、今後は必要であるということをこの機会に一言強調しておきたいと思います。 そして、この問題につきましては、自治省に伺いたいのですが、金丸前副総裁は、さっき法務省がおっしゃったように、個人として受けたというならば、保有金の修正の届けを出さなければいけないんじゃないですか。出していないとしたって、やはり届け出しなければいけなかったんじゃないでしょうか。この点について説明していただきたいと思います。
○吉田(弘)政府委員 政治家個人が寄附を受けた場合に、これは報告をしていただくわけでございますが、それは、みずからそれを保有している場合には保有金として報告していただく、それから指定団体に寄附をしたという場合は、指定団体がこれを報告をしていただくという仕組みになっておるわけでございます。 私どもその事実関係をよく承知しておりませんで、どういうことか、これに即してのお答えはできませんが、一般論として申し上げますれば、そういう報告義務のある方において適切に処理をしていただくということでございます。
○山花委員 今ありましたように、ベテランの答弁が、具体的な事実を把握してないとおっしゃるところがわからなかったところなんです。これはやはり調べなければわからぬ。それをやはり呼ばないで上申書で処理した、こうした問題点等については、また同僚議員から後ほど取り上げさせていただきたいと思います。 国税庁に聞きたいと思いますけれども、課税関係はどうなっていますか。その後いろいろ動きがあったやに新聞で報道されていますけれども、この問題についても伺っておきたいと思います。
○瀧川政府委員 お尋ねの件は個別にわたる事柄でございますので、答弁は差し控えさせていただきたいわけでございますけれども、一般論として二点ほど申し上げたいと思うわけです。 まず、政治家個人が受け取った政治献金というものは一体どういう課税関係になるかというのが第一です。これは、その政治家にとりまして雑所得の収入金額になる。その収入金額から政治活動等で費消したというものを控除した残りが課税の対象になるということでございます。 それからもう一点でございますけれども、これも一般論として申し上げますが、我々国税当局といたしましては、常に納税者の適正な課税を図るという、その実現をするという観点から、あらゆる機会を通じまして課税上有効な資料、情報の収集というものに努めておりまして、これら収集しました資料と、それから納税者から提出されました申告書等を総合勘案して、そして課税上問題があるということになりますれば、実地調査を行うなどによりまして適正な課税の実現に努めているというのが私どもの立場でございまして、今後とも一般的にこういった形で努力してまいりたい、こう思っております。 〔委員長退席、中山(正)委員長代理着席〕
○山花委員 一般論としてでなくお答えいただいている部分もあります。国民の皆さんの疑問としては、五億円受け取った、で、六十数人に配った、そこのところがはっきりしない。個人で受け取った、保有金ということで一体だれに幾ら配ったのかということについて、上が二千万なのか下が数十万なのか、わからなかった場合には当然税金の問題が出てくるんじゃなかろうか。当たり前の心配だと思います。 かつてロッキード事件・丸紅ルートで五億円受け取ったとされた田中元総理大臣は、三億九千万円追加課税されたと新聞で報道されました。これは金額につきましては、私どもが仮定の計算しますと三億七千四百万円ぐらいですから、ちょっと数字は違っていますけれども、ほぼそのくらいの税金は納めたんじゃなかろうかと我々は理解しております。今回の場合一体どのくらい税金がかかるかということにつきまして、もらったという場合、贈与税ならば、無申告課税、加算税などを加えると四億七千八百二十万を納めなければならないということだと思います。また、もし政治活動に使ったという説明がつかなかった場合には、雑所得として課税対象、脱税問題を加えれば、四億三千二百五十九万七千円納めなければならないということになる。 今、一般論としてお話しになりましたけれども、こうした問題につきましては、これから検察で六十数人について政治資金として使ったかどうかということが明らかになるかどうかということにもかかってきますけれども、とにもかくにも国税当局は、現地調査を含めて、五億円の使途の解明について国税当局としても努力をしなければいけないテーマだと思っています。国税当局としての努力はしているのかしていないのか、するつもりがあるのか、この点について伺っておきたいと思います。
○瀧川政府委員 先ほども申し上げましたように、個別の事柄につきましては、いろいろな事情がございまして、御答弁具体的に申し上げるわけにいかないわけでございますけれども、一般論として、先ほど申し上げましたように、あらゆる情報を集めまして、そして申告書等々を総合勘案して、正しい課税をしていくというのが私どもの立場でございます。
○山花委員 国税当局に対しても毅然たる姿勢を国民が求めているということについて、真っ正面から受けとめていただきたい、断固やってもらいたいと、こういうように思います。 もう一つ法務当局について伺っておきたいと思います。 五億円の配分を受けたとされている人たちに対して事情聴取は行ったんでしょうか、これから行うんでしょうか、この点について伺いたいと思います。
○濱政府委員 お答えいたします。 約六十名に配られたと言い伝えられておる事実関係につきましては、東京地方検察庁におきまして、その点をも含めまして告発を受理して、現在なお捜査を続けているところでございます。したがいまして、その捜査の中身につきましては、お答えをいたしかねるわけでございます。
○山花委員 一たん捜査をやめたと報道されましたね。それからまた再捜査ということになりましたね。新聞などで拝見しておりますと、告発があったから再捜査をやったと、こう言っています。なけりゃやらなかったんですか。こうした検察の姿勢が問われていると言わなければならないと思うんです。私たちは、この問題についてなおこれからの機会にも同僚議員から追及させていただくつもりですけれども、全体として佐川の事件を振り返ってみると、巨額の政治献金、そして大変大がかりな事件だと言われながら、どうも捜査が全容に迫っていないんじゃなかろうか。そういう理由について考えてみると、私は一言で言って、本来検察は国民のための仕事をしなければいけないという部分があるのだけれども、これまでの経過を振り返ってみると、検察の捜査というものが政治日程に左右されておったんじゃなかろうか、こういうように振り返らざるを得ません。 さっき私は特捜部が総がかりで取り組んでいなかったんじゃなかろうかと言いましたけれども、こんな長期になれば無理なんじゃないですか。一般的には、参議院選挙があったから、それに対する影響を恐れてこの問題について手をつけなかったんだと言われている。そう思っていますよ。本来、検察の特捜の捜査というものは周到な準備のもとに急を襲って一挙に本丸に迫る、これが検察の捜査だと言われておったはずですよ。去年から始まってずっと長い間来れば、ぽろぽろぽろぽろ中身が出てくる。検察のリークと言われるものも確かに私はあったと思っています。そういう中で政治日程を考えておったから、だからこんなおくれちゃって、特捜部の皆さんだって、だから困ったんじゃないですか。 そうして、私は同じ問題は、これも、金丸前副総裁に対する略式命令だってそうですね、臨時国会の日程ですよ、どう見たって考えられるのは。そこをにらんで慌てふためいて処理したからこういうことになったんじゃないでしょうか。私どもは、この全体の経過を振り返ると、検察は国民のためのものではこの部分ではなかったんじゃなかろうか、政治日程に左右されたんじゃなかろうか、こういう批判に対してどうこたえるか、お答えいただきたいと思います。
○濱政府委員 まず初めに、先ほど委員が御指摘になられました、告発を受けて初めて捜査を始めたのではないかというような御指摘があったかと思うわけでございますが、それは必ずしも正確な御理解ではないと思うわけでございます。 先ほど申し上げましたように、このいわゆる東京佐川急便事件につきましては、既に起訴額合計で約一千億円という特別背任事件で公訴提起がなされているところでございますが、このような巨額の債務保証や融資等にかかわる資金の流れにつきまして、押収した多数の証拠物の検討あるいは多数の関係者の取り調べ等のために相当の日時を要しているということは御理解いただけると思うわけでございます。検察当局におきましては、一連の捜査の流れの中で、刑事事件として立件できるものにつきましては逐次公訴の提起等の措置をとってきたものでございまして、捜査をその後続けているわけでございまして、先ほどもお答え申し上げましたように、告発という事態も受けまして、それまでの捜査結果を踏まえてなお捜査を続けているわけでございます。 捜査体制の問題につきましても、東京地検、東京地方検察庁におきまして、必要な人員を投入して必要な捜査を行っているというふうに考えておるわけでございます。
○山花委員 政治日程に左右されたか、こういう聞き方をしましたけれども、随分最近は雑誌、新聞で、例えばN—Oラインとか、N—Kラインとか出ましたね。そして、検察の側がいろいろな雑誌、新聞で一生懸命弁解に当たっている。こんなこといまだかってなかったことですよ。そうして、よく検察のリークということが言われました。根來次官がそんなことあり得ないと雑誌で言っていましたけれども、検察のリークというのは私たちはやはりあったと思っていますね。八月二十二日の新聞がそうですよ。 そうして、私は一つだけこれを挙げて、裁判所では盛んに弁護士が調書を漏らしたとか、そういうことでいろいろな議論になっていましたから、そうじゃない、私は検察のリークの問題についてはっきりした問題を一つだけ挙げておきたいと思うのですが、渡遣さんの公判、冒頭陳述が行われたのは九月二十二日でしたね。九月二十二日です。九月八日の段階ですよ、新聞に出たのは、冒頭陳述の内容が。「東京地検特捜部は七日までに、」というのは九月の七日です。「八七年の自民党総裁選で右翼団体が竹下登元首相を攻撃した皇民党事件を冒頭陳述に盛り込むかどうかの検討を始めた模様だ。」こうなっていますね。さらに、「渡辺被告が稲川会系企業へ多額の佐川マネーを提供した背景として、特捜部は皇民党事件を重視。暴力団ルートも含め四百二億円に上る渡辺被告の特別背任罪について、その動機を明らかにするために、冒頭陳述で皇民党事件を取り上げる案が出ている。」検察庁が九月の二十二日にやる冒頭陳述の内容がこんな時期にもう出てしまっているんですね。 これは検察のリーク以外の何ですか。弁護士がどんなにいろいろ調べたって、知っているはずがないじゃありませんか。皇民党の事件が冒陳に出る、それがもう政界を駆け回りましたね。検察庁、この問題どうですか。これが検察首脳のリークの問題ですよ。これを私は否定することはできないと思う。検察庁にこうしたリークに対してどう考えるか、伺っておきたいと思います。
○濱政府委員 お答えいたします。 今の委員のお尋ねは、捜査情報あるいは今の冒頭陳述でございますかについて、検察からリークがあるのではないかというお尋ねではなかろうかと思うわけでございます。 この点につきましては、委員もお尋ねのとおり、検察は犯罪について捜査をして公訴を提起し、裁判所に法の正当な適用を請求するという厳粛な使命を担っているわけでございまして、今御指摘のような検察が情報をリークするというようなことは万々あり得ないということは確信しているわけでございます。 事は重大な問題でございますから、若干その理由をひとつ御説明を申し上げたいと思うわけでございます。 一つは、捜査の過程で収集した資料、情報等、捜査の内容にかかわる事柄がかりそめにも外部に明らかになりますれば、これは関係者の名誉、人権の保護はもちろんのこと、証拠隠滅の防止等の上でも重大な支障を生ずるわけでございます。国民の信頼と協力のもとに円滑に捜査を進めていくということも期しがたいこととなるわけでござい まして、捜査当局にとりましては大きなマイナスにこそなれ、何らプラスにはならないということをまず御理解をいただきたいと思います。 また第二に、およそ検察庁における捜査に従事する職員、これは検察官であれ検察事務官であれ、すべて捜査上の秘密保持の厳守がその職責遂行上の基本的な心構えの一つでございまして、それに反することが国家公務員法上の懲戒事由に該当する場合のあることは熟知しているところでございまして、日ごろから秘密保持に厳重な注意を払っているところでございます。 また、今回の東京佐川急便事件につきましても、これは推測にわたることになるかもしれませんが、報道機関におかれても熾烈な取材競争を展開されまして、多数の人員等動員されて取材に当たっておったわけでございまして、報道機関におきましても独自に把握し得る情報は当然把握しているわけで、検察が取得し得ると同じ程度の情報を把握するということは、これは十分可能なわけでございます。 そのような事情を御理解いただきますれば、検察がみずからの手で自分の首を絞めるような捜査情報を流したり、冒陳の内容を流したりするようなことはあり得ないということは御理解いただけるのではないかと思うわけでございます。
○山花委員 理解できませんよ、そんなことおっしゃっても。具体的な話は何もないのですから、一般抽象論だけですよ。今マスコミは一生懸命努力するでしょう。それはそのとおりだと思いますよ。しかし、検事の冒頭陳述の内容、これは一般に出るものじゃありませんよ。まず地検の方で、特捜で相談して原稿を上げて、決裁を上げて上へ行ったのでしょう。上が漏らしたというふうに一般に言われていますけれども、初めは名前があったけれどもなくなった。一体全体今度の事件につきましては、商法違反の問題も大変大事なんだけれども、一番大きな関心は皇民党の問題じゃないですか。果たしてこの問題というものを検察官どう取り扱うのか、一番最初の検事が述べる冒頭陳述で出るかどうかというのが最大の関心ですよ。こんなにはっきりと中身まで引用して、こんなに早い段階に出るなんというのはリーク以外にないじゃないですか。今の返事はこのことに対して一言も答えていない。 大体、言われていますよ。ナンバーツーのリークということは、だれだってその世界なら知っているじゃありませんか。そういう問題があって、今おっしゃったとおり、みずから首を絞めるようなことをやっているんじゃないですか。そういうところから混乱があったというのが私は最大の問題点の一つだと、こういうように考えているわけでありまして、実は準備したその他の検察の捜査の手続のミスなどを含めての問題あるんですけれども、この問題、今のお答えを伺った上で、もう一遍ちょっと練り直して同僚議員とともにやっていきたいと思いますので、次に送りたいと思います。 私は、今言ったような経過を含めて、検察は国民の批判を銘記していただきたいと思うんです。佐藤検事長のあの、ああいう立場にあってみずからの内部の批判をするなんということは、よっぽど思い切った態度ですよ。血を吐くような思いがあの文章にこもっていたじゃないですか。それを呼び寄せて注意したという。何ですか。国民の声をつぶそうとするのと同じ考え方のもとに検察の上層部があるんじゃないだろうか。私は、今度の事件が進んだ中で、検察の上層部は現場の検事の苦労を実を結ばせなかったと、こういうようにコメントしたりしましたけれども、そうした問題については自制をしていただきたい。 全容解明のためにある特捜部出身の検事が言っているじゃないですか。恥を忍んで捜査をもう一遍やると言ったんなら、徹底的にやってもらいたいと言っている。まさにそれが国民の声です。この問題については、自民党の議員の皆さんも名前が出て迷惑だとおっしゃっている。しかし、迷惑だとおっしゃっている方もいるけれども、あの中では何人かの皆さんは、魚住さんだって浦田さんだって浜田さんだって、ある程度事実関係について、中身はさておいて、経過について認めているじゃないですか。その部分では信感性があったんじゃないですか。ということならば、総理に調査会をつくれということについてもお願いしたりしたけれども、検察はそうした問題に対して迫ってもらいたい、全容解明のために努力をしてもらいたいということについて、まずきょうは佐川の総論ということですから、以上申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。 残るテーマとしては、政治改革の問題、減税の問題、PKOの問題について、残る時間伺っていきたいと思います。 政治改革のテーマにつきましては、総理が不退転でという決意だけは随分繰り返しておっしゃるわけでありますけれども、きょうの質疑等も通じてやはり問題点たくさん明らかになってきたんじゃないでしょうか。最近新聞を拝見していますと、自民党の方でもまた、またぞろと言っていいかもしれません、派閥解消の問題について十一月の抜本改革の中には組み入れるということが出ておった。 しかし、振り返ってみれば、あのロッキード事件のときには、三木内閣のときに派閥解消じゃなかったですか。リクルート事件のときには、政治改革大綱において派閥の弊害を除去すると言ったはずじゃありませんか。今度は何ですか。そんなことを言ったってなかなか——なかなかと言う以上に国民はだれも信用しません。やはりここで総理が、もう九〇%の皆さんが政治改革、宮澤政権に期待しないと言っているかもしれないけれども、やはりこうなんだということでリーダーシップを発揮していただくとするならば、この国会で十八項目と言われているものだけはなく、やはり一番大事な派閥と金、政治と金の問題について、リーダーシップを持ってこれをやるということを総理が指示をすることにあるんじゃないでしょうか。私たちは野党そろってまた新しい八項目出していますけれども、お金の問題に絞っていますよ。今度の佐川事件の教訓ということを考えるならば、この臨時国会で手をつけなければまたずっと先へ行っちゃんじゃないでしょうか。やはりこの国会でやるべきであると思っています。 何といっても要点は、第一は企業・団体献金の禁止と公的助成の問題です。第二番目は政治資金を透明化しようという問題。野党は政治団体を一つにしよう、公開基準を下げようと言っています。これだけやったならば私はかなりきれいになる、こういうように思います。第三番目は罰則の強化。政治資金規正法違反に対して公民権停止を含む、あるいは公職選挙法を改正して連座制を含む、こうした大事なポイントが既にこの国会で提出されているわけであります。何よりも政治改革ということになるならば、抜本改革ができるまでは全部先送りだということじゃなくて、この国会で手をつけるべきであると思いますけれども、総理の所見を伺いたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 ただいま御所見を伺いまして心強く存ずる次第でございますが、既に各党協議会におきまして、実は前国会におきましていわゆる十八項目等々につきましては事実上の、共産党以外でございますけれども、合意がございました。したがいまして、前国会におきまして、いわゆる緊急改革については成立をさせていただくことを私ども期待をいたしておったわけでございますが、いろいろ御事情によりましてそれができませんでした。したがいまして、先般党首会談でもお話を申し上げましたとおり、この国会におきましてぜひともこれについては成立をお願いを申し上げたいと思っておりまして、つきましては、この十八項目にさらに加えまして二ないし三項目につきましての協議あるいは実務者会談が行われますので、取りまとめまして、どうぞこれを今国会において成立をさせていただきたいと存じます。 これがまず緊急改革でございますが、これは御指摘のように、しかし抜本改革につながりませんと十分な意味を持ち得ないわけでございます。私どもの党内では、ただいま抜本改革につきまして文字どおり夜に日を継ぎまして検討いたしておりまして、その項目としては今書記長の言われましたようなことでございます。選挙制度の問題であるとか、あるいは資金の問題であるとか、その他幾つかの問題につきまして、私どもの中で、まず党内を取りまとめまして、その上で各党協議会において御討議をいただいて成案を得たい。これは事の性質上、この国会で緊急改革をお願いを申し上げまして、抜本改革につきましては、前国会になろうかと存じますが、私どもの党内では可能な限りこの十一月の末までに、緊急改革と混乱いたしません限りの早い時期においてこれを取りまとめてもらいたい、その上で御協議を申し上げたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
○山花委員 今のお話でもやはり緊急改革先行ですね。結局、そのことを口実として、大事な政治資金の問題についてまたまた先送りになるんじゃないか、こういう気持ちを抱かざるを得ません。 総理は所信表明のときに、十八項目については触れましたけれども、追加の項目については実は触れておらなかったんですよ。結局、すべてそういう問題については抜本改革ができないとだめなんだ、そういうお考えじゃありませんか。この点については政治改革協議会で梶山国対委員長が、あのとき総理は触れてなかったんだけれどもこっちだって考えてますよ、こういう説明がありましたけれども、そうじゃなくて、やはりこの機会に本来抜本改革ということになって小選挙区制出てきた場合には野党みんな反対なんだから、またもめて先にいくかもしらぬという問題があるじゃないですか。この機会に一歩でも二歩でも踏み込むことが大事である。したがって、そういう意味で総理のリーダーシップをこの最後の機会にお願いしたい、こう思うわけでありまして、政治資金の問題についてはとりわけ、政治資金の金をきれいにする、透明にするということについて、一歩でも二歩でもこの臨時国会でも踏み込むつもりである、こういう決意を伺いたいと思います。 〔中山(正)委員長代理退席、委員長着席〕
○宮澤内閣総理大臣 ぜひそのようにお願いをいたしたいと思っております。 すなわち、十八項目のほかに各党協議会で御協議をいただいております項目が幾つかございまして、その中のうちで、例えば寄附金の量的制限に違反がありました場合の罰則の問題、あるいはパーティー券とか資金の問題につきましての、そのいわゆるパーティー券を売りますときに公務員がこれに関与するようなことがあってはいけないという問題等々につきましては、ほぼ各党の間で、協議会の各党の間で合意ができつつございますので、この問題を十八項目にプラスをいたしましてこの国会で成立をお願いいたしたい、そういうことで実務者会議がほぼ御決定をいただくに近い段階になっておると思いますので、ぜひ十八項目に限らずここまでのところはお願いをいたしたいと思います。
○山花委員 まだこれは議論が進んでいる最中ですから、十八項目プラス八項目、そのうちの三項目について動いているようですけれども、八項目全体について、できるだけプラスアルファとしてこの国会で成立するように、我々も努力をしていきたいと思います。 次に、米の問題について、大事な最近の情勢です。やはり私たちは、最低限どうしたってここのところが大事だと思っているのは、基礎的食糧である米の自給体制は崩せない。アメリカ、ECの合意はドンケル・ペーパーの修正なんですから、どうか政府としてもこれまで三回の国会決議ある基本的な政策についてこれを守っていってもらいたい、こういう気持ちで伺いたいと思っているわけですけれども、ECの農業交渉が基本的合意ということを受けて、全体のマスコミの論調は米市場開放避けられない、こうした一色の方向ですね。しかし、私たちはそうではないと思っています。 この基本合意を総理はどのように受けとめているかということについて、まず総理からお答えをいただき、これは農水大臣からもお答えをいただき、また外務大臣からも、ちょっと重複した御質問になるかもしれませんけれども、大事なテーマですので、統一的なお話を伺いたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 基本的な認識といたしましては、いわゆるダンケル合意案というものをめぐりまして、昨年の十二月からでございますからもう十一カ月もの間、長いことECとアメリカとの間で、いわば交渉がございました。その合意が一応成立したということで、そこで多国間の協議に移されよう、論議に移されよう。いわゆる貿易交渉委員会、TNCが間もなく、今週開かれるということでございます。その間、我が国としては我が国の主張をしてまいったわけでございますけれども、これについては、必ずしも各国と合意が得られないままの状況にある。したがいまして、ここで多国間交渉が始まりますので、我が国としては我が国の今まで主張しております点を主張をする。 つまり、私どもが申しますことは、今度のことでアメリカとECの間の協議の結果として、もしそれが最終のものになるとすれば、いわゆるダンケル・ぺパーというものは修正をされなければならないことになるはずでございますが、私どもは、今までのいわゆるダンケル・ペーパーは、三つあります要素、すなわち国内措置、それから輸出補助金、国境措置、この中で国境措置についてのバランスが外れているということを言ってまいったわけです。我々は輸出国ではございません。生産国ではございませんで、輸入国でございますから、輸入国としてその点に大きな関心を持つのは当然のことだと今日まで言ってまいりました。その立場をさらに今回多角交渉で主張をいたしたい、こう思っておるわけでございます。
○田名部国務大臣 お答え申し上げます。 二十六日から貿易交渉委員会が、今後のスケジュール、そうしたものが議論になっていくだろう、こう思っておりますし、そのスケジュールが決まりませんと多国間での交渉というのはわかりません。しかし、我が国としては、今後のこの多国間交渉の中で今回の合意内容につきまして米・EC双方から説明を十分聞かなきゃいかぬ。どういうことが話し合われたかという詳しい部分というのはわからぬものですから、いずれにしてもECとアメリカが一体どんな打ち合わせをした、どういうことで合意をしたのか、詳しいことを説明を受けなければなりません。今回の米・EC間の合意はダンケル合意案の私は修正だ。それにつながる問題を含んでおりますので、我が国としても年来の主張が交渉結果に反映されるように努力をしていかなきゃいかぬということであります。 いずれにしても、冒頭申し上げましたように、スケジュールが確定し、私どもも今度正式に交渉の場に臨めるということでありますから、その中で従来の基本方針にのっとってきちっと対応をしていきたい、こう考えております。
○渡辺(美)国務大臣 確かに外交は外務省がやっておりますが、国の外交は内閣と一体でございますから、それは総理が先ほど詳しくるる説明したとおりであって、内閣及び党の方針が決まった、決まればその方向で動くということであります。
○山花委員 外務大臣も含め政府の基本方針に変わりないというこの方向で一体となってやっていく、こういうように答弁をいただきました。 考えてみると、これからの問題としては、水田農業確立後期対策にかわる新たな生産調整、減反政策が打ち出されたばかりではありますけれども、こことの絡みにおきましても、関税化問題というものは食管法否定ということにもつながってまいります。米の生産、流通、輸出入を政府が一元的に管理するという大変大事な基本方針については、我々も今後とも堅持すると、こういう方向でいかなければならないと思っておりますが、こうした方向につきましては、またこのテーマ、今後議論を詰めるという必要があると思います。これからの予算委員会でなお質問をさせていただきたいと思っています。 次の質問に移りますが、午前中もちょっと総理お答えになっておりましたが、減税の問題。冒頭にもちょっと触れましたけれども、やっぱり今日の景気の落ち込みに対して減税という声が高いことについては、もう私が言うまでもないと思っています。 細かい資料については省略したいと思いますけれども、全体として、これは一部の要求ということを超えて、もうほとんどすべての国民がそのことを考えておる。さっき午前中、バブルの蓄積があるから、こういうお話もありましたけれども、こんなことを聞いたら国民の皆さん怒り心頭ということだと思いますね。そんな余裕はもうなくなっていますよ。 所得減税の必要については、日経連も来年度二兆円程実の減税を実施すべきだと言っています。経済同友会は、消費マインドを刺激するためにも減税は必要として、二兆円程度では効果が薄いとまで言っています。日本商工会議所、日本百貨店協会、日本チェーンストア協会でも、軒並み所得減税を説いています。ついせんだって新聞に出ましたね。ある新聞社の今月中旬、全国の主要な企業百社の経営者を対象にしたアンケートによっても、四十七社がまずは所得減税と、こういうように言っています。 さっき大蔵大臣の方も、減税の景気に与える効果について、試算の方法、いろいろ難しいんだがと言って御説明になっていましたけれども、あるシンクタンクの試算によりますと、一兆円の景気浮揚策をとった場合の効果は、公共投資で一・五三兆円、所得税減税で一・四兆円、こういう数字、確かにいろんな数字が出ているわけですけれども、公共事業投資と建設業、公共投資というものは建設業と製造業、こういうところに効果が集中して始まるわけでありますけれども、減税ということになれば幅広い影響が出てくるわけでありますから、これは従来考えておったようなこととは違った効果というものが期待できるんじゃなかろうか。やはりこういう問題について、私たちは、まずこの減税は実施すべきであるという総理の決意があれば、そこを与野党の共通の認識としてその次の相談に入っていくことも可能ではないかと思っているわけでありまして、減税問題につきまして、これは総理の方からそうしたことについてのお考えを伺いたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 一般的に減税ということは、私は政治の大切な目標だというふうにいつも考えてまいっております。ですから、所得税の減税をしたいという声があることを私は少しも不思議と思いません。 問題は、そういうことができるかどうかということであると思っておりまして、今、国の財政事情が非常に苦しいことは書記長もよく御存じでございますから、そうだといたしますと、仮に二兆円からみの所得税減税をするとすれば、それはその財源を赤字国債に求めるのならば別でございますが、そうじゃなければ何かの歳出をかわりに切らなければならない。減税とその他の歳出とのいわばトレードオフの関係にあるということにならざるを得ない。そうでなければ、その他どこかで増税をするということでございますけれども、これはまた問題外であろう。 そうしますと、果たして二兆円の歳出を、ある種のものを切っておいて二兆円の所得税減税をすることが今国民経済全体にいいかどうかということに私はなってくるんだと思いますので、私はこれについて決してドグマ、ドグマといいますか独断的な立場をとるつもりはございません。できればいいことであるし、いずれあるときにはしなければならないであろうということを思っておりますけれども、今のような財政状態でございます限り、トレードオフになる二兆円の歳出をここで本当に切っていいかという、それが現実にできるかというようなあたりがやはり恐らく大蔵大臣も苦労しておられるところではないかと思っております。
○山花委員 大事なPKOの問題について次に伺いたいと思うのですが、ここでは実は資料の請求の問題について、午前中佐川に関連してちょっと問題提起しておりましたけれども、いろいろPKOの問題について伺いたいと思っていました。前国会で強行採決されたPKO協力法に基づいて九月八日、安全保障会議と閣議でカンボジアなどに対する国際平和協力隊の業務を決めた実施計画と関係政令ができまして、その後実施要領ができましたね。そうして、先月半ばまで陸上自衛隊施設部隊を中核とする部隊が現地に、さっき御説明があったとおり展開されています。 私たちは、こうした既成事実が積み重ねられていますけれども、それによって国民のコンセンサスがないまま武器を持った自衛隊を部隊として海外に派遣すること、それが憲法に抵触するという、そうした法律が免罪符を持つものではないと思っております。その後のポル・ポト派の動きもあるという格好で、一体どういう形で出ていったのかということについて国民の疑問もある、前国会から引き続いた議論もある。いろいろ実は資料請求したんです。一言で言ってほとんど出してもらえませんでしたね。 これは資料請求としてこの場でお願いしたいと思っておりますけれども、まず総理府に対しては実施要領について。この前の国会の議論では、武器の問題その他含めて実施要領を見ればわかるというはずだったのです。ところが、実施要領について出していただけませんでしたね。こういうことですよ。国際平和協力本部事務局からは、「下記の理由により提出できません。」いわば内部の訓令であって公表は適当でない、こういう回答です。カンボジアについての三件、停戦監視、文民警察、施設大隊の実施要領については出してもらえませんでした。したがって、質問する前提、調べることができなかった。アンゴラに対する選挙監視の実施要領、総理府、これも出すことができないと言って出してもらえなかった。UNTACのSOP、日本語訳、英文、これについても国連との約束があるからだめだと言って出してもらえなかった。四番目、日本政府と国連の間に交わされたPKO派遣についての口上書、これは本来あの法案審議の際には、いざ出す場合には国連といろいろ協定を結んでやっていく、こういうふうに我々受けとめていましたね。協定書にならなかった。口上書のやりとりになった。 外務省の説明によると、この点について、口上書でいいと言うからこういうことになったのであって、またこの内容を見れば参加五原則についても十分国連に説明してあるから心配ない、こういうのが今までの答えであったはずです。これも見せてもらえないということだった。私は午前中このことについて触れました。さっき実は外務省からこれだけ届きましたね、口上書についてだけ。これは今、午後の質問が始まる十分前に私いただいたのです。これが実態なんですよ。 ずっと前から、この前の法律案ができた後から、こういう問題について調べさせてもらいたいとお願いしておった。幾ら資料を請求しても出てこないんですよ。今度の質問で質問しようとしたら、午前中はなかった。今やっと出てきたんですよ。これも今回私が質問するというので聞いたのではない。ずっと前からお願いしておったけれども、最も大事な自衛隊を海外に派遣することについての国連との約束について、なぜ国民にごまかすのですか。ごまかすというのは失礼だったか。知らせないのですか。私たち国会議員に知らせないのですか。国会で議論させようとはしないのですか。これが秘密主義ですよ。私が質問する十分前にこれが届いた。だから私は、今質問している間に同僚議員にこれを読んでいただいたのです。それくらいしか質問できないのです。 そうして読んでもらったところによれば——勉強してもらいました、今私が質問している間に。これを見たのだけれども、従来外務省が説明しておった、口上書をごらんになっていただければ御心配の参加五原則については全部やりとりしてありますから心配ありませんなんということは一行も書いてないじゃないですか。書いてないことが国民の前に明らかになるから出せなかったのですか。今十分前に出したこの文書、後ほど私たちはまた検討させていただきたいと思っています。 あるいは「カンボジア国際平和協力業務に当たっての武器の使用に関する要領」、これは防衛庁です。これも出してくれませんでしたね。出せない理由は何か。「自衛官等の生命または身体を防衛するための武器使用の手続等について定めているものであることから、事柄の性質上秘密に該当し、提出は差し控えたい。」これも出してもらえないんですよ。また、そういうことから、今回の派遣に関し、自衛官に配付したPKO関係の資料ということだったら、幾つか見せてくれる、こういうものはありましたね。 しかし、こういうものは私たちの手元には見せてもらえません。一つ、「国際貢献活動に関するQアンドA」、中隊ごとに配付をしております。二つ、「陸上自衛隊が行う国際貢献活動の概要」、これも見せてもらえない。そして「海外生活の参考隊員必携」、これも出してもらえない、見せてもらえない。「海外生活の参考」、これも出してもらえない。「海外派遣衛生ハンドブック」、これも出してもらえない。「海外派遣隊員の救急法」、これも出してもらえない。私が今度予算委員会で質問したいから、前国会以降もう既に自衛隊は展開しているではないか、参加五原則どうなったのか、自衛隊の皆さんは一体どういう立場で行くのかということについて、問題となった武器の使用問題を含めて資料を要求したけれども、ほとんど見せてもらえなかった。 この問題について、総理府、外務省そして防衛庁の方から、なぜ私が要求した資料について見せてもらえなかったのか、説明していただきたいと思います。根本の問題として、口上書については質問の十分前に初めて見せてもらった。なぜ今まで見せなかったのか、そういうことでそれぞれお答えいただきたいと思います。これを出してもらわなければ質問できませんよ、これは。
○柳井政府委員 お答え申し上げます。先ほど山花先生から御指摘ございましたように、私どもといたしましては、実施要領につきましては、隊員の具体的行動の要領について定めましたいわば部内の訓令でございまして、公表は適当でないという考えをお答えした次第でございます。また、国際平和協力法案の審議に際しましては、要員の安全等の見地から公表になじまない部分もあり得ましょうというような趣旨で政府側からお答えした経緯もあったというふうに記憶しております。 したがいまして、実施要領をそのままの形で公表することは差し控えさせていただきたいと存じますが、内容につきましてはできる限り御説明いたしまして、審議に資するような形で明らかにしていきたいというふうに考えております。
○山花委員 あとの出さない理由、聞く必要はないでしょう。 今、実施要領についてそうでしたけれども、五月十八日、政府はコマンドについて統一見解を示しています。その構造というものは、国連にはコマンドというものがある、これに適合した実施要領をつくるんだ、実施要領を介して防衛庁長官が自衛隊を指揮監督する、そうして出てくる国連と日本の二重指揮となる問題については、この実施要領を見ていただければよくわかるんだ、こういう格好だったのですよ。これまで出さないということだったら議論できないじゃないですか。今私が要求した資料については全部出していただいて、自衛隊海外派遣については実態どうなのか、我々国会議員にも教えてくださいよ。国民に知らせましょうよ。そうしてこの問題について、やはり大事な問題、議論したいと思います。まずそれを出していただく、このことを要求したいと思います。
○高鳥委員長 防衛庁畠山防衛局長。
○山花委員 いや、委員長、いいですよ。今の答えは要りませんから。出さないという回答を聞いたってしようがないから。出してもらわなければ困るということですよ。
○高鳥委員長 ただいまの御要求につきましては、理事会で協議をいたします。
○山花委員 では、私の方は、今の資料について拝見させていただいてから、関連する残る時間質問させていただきたいと思います。質問については留保させていただきたいと思います。
○高鳥委員長 これにて山花君の質疑は留保部分を除き終了いたしました。 次に、市川雄一君の質疑に入ります。市川君。
○市川委員 私は、公明党・国民会議を代表しまして、佐川問題に絞って御質問を申し上げたいと思います。同僚二見伸明委員から景気対策の質問をいたしたいと思います。 質問に入る前に、午前中の質疑でもございましたけれども、高鳥予算委員長が佐川清佐川急便会長あてに出した手紙、私の手元にもあるんですが、ちょっとこれ、筆跡を確認いたしたいと思います。
○高鳥委員長 はい、間違いございません。
○市川委員 午前中の質疑の中で、理事会で協議するということでございましたので、理事会の協議の結果を伺いたいと思いますが、委員長におかれましては、非常に重要なこの予算委員会でございますので、厳正、中立な委員会の運営をぜひお願いいたしたいと思います。その点、どうでしょうか。
○高鳥委員長 私の個人的な書簡につきましていろいろとマスコミで報ぜられておりますこと、そしてそのために、あるいは私のこの委員会の運営について公平にやれるのかというような疑念を持たれましたことにつきましては極めて遺憾なことでありまして、大変残念に思っております。私自身は佐川清氏から何ら援助を受けておりません。したがいまして、この委員会の運営につきましては必ず御期待にこたえるような運営をいたしたいと存じます。 なお、先ほど理事会におきまして、細かいことにつきましては御説明を申し上げたところでございます。十分自戒をして取り組んでまいりたいと存じます。
○市川委員 総理にお伺いします。 ロッキード事件のときですね、総理、第七十八回の国会で当時の三木総理大臣は所信表明におきまして、この国会で最も重要な案件として御審議いただきたいのはロッキード事件の究明であります云々、その真相を明らかにしなければ日本の民主主義は大きく傷つけられることと考えました、こういう極めて異例に近い決意を発表しておるわけですね。ロッキード事件の究明というのは、与野党の賛否を問うような案件として当時国会にかかっていたわけではないと思うのですが、あえて当時の三木総理は、今国会の最も重要な案件として審議いただきたいのはロッキード事件の究明である、こう断言しているわけです。 どうですか、総理、この国会で最も重要な案件として御審議いただきたいのは佐川急便問題の事件の真相究明である、こう総理はここで断言できますか。
○宮澤内閣総理大臣 先般、この第百二十五回の臨時国会の所信表明におきまして、私は冒頭にかなり長い時間を割きまして当面の問題について申し上げ、また政府として国民の皆様にもおわびをいたしたところでございます。 今朝も申し上げましたが、今、政治に対する国民の不信には極めて異常とも申すべきものがございます。この国会を通じましてこの問題についての解明が行われ、またお互い我々政治家が政治家本来の倫理の厳しさを取り戻して、そして政治改革をなし遂げて国民の信頼を取り戻さなければならない、こういうふうに私自身考えておりますので、したがいまして、この臨時国会は補正予算もお願いをいたしとうございます。同時にしかし、この問題の解明と、また政治改革につきましての成案をぜひ得ていただきますようにお願いを申し上げたいと思っております。
○市川委員 この国会が景気対策、補正予算というものが重要な案件であることは、我々も十分承知しているつもりでございます。しかし同時に、総理も所信表明の中で、国民の政治不信はかつてないほど深刻であるという、そういう認識をお示しになっているわけでありまして、したがって、三木総理はこの国会で最も重要な案件という認識を示されているわけでして、総理のお立場で補正がどうこうということはもちろん言えないことはわかりますけれども、同じぐらいの認識と決意はお持ちですか。
○宮澤内閣総理大臣 片や国民生活の問題でございますが、片や我が国の民主主義の根幹にかかわる問題でございますので、その軽重いずれも、私は、いずれを軽しとし、いずれを重しとすることができないほど大切である、こう思います。
○市川委員 既に本会議等のやりとりで出ておりますが、外国の、例えばアメリカのワシントン・ポストなんかでも、総理が所信表明まで何も物を言わなかったということは非常に異常だということを報じているわけですね。 例えば八月二十七日、金丸元副総裁が五億円受領の記者会見、副総裁辞任、九月三日のNHK「総理にきく」という番組では、このことについてこちらからもとより何も言おうという気持ちはありませんと、総理はこうおっしゃっている。五億円を受領したという、金丸元副総裁が事実を認めたわけですね、それで副総裁辞任。という事実が二つ明らかになって、九月三日のNHK「総理にきく」という番組で、こちらからもとより何も言う気持ちはありません。九月二十五日、上申書を提出に当たって、私から何も言うことはありません。いわゆるノーコメントを繰り返しておられるわけでして、先ほど午前中の答弁を伺っていますと、総理大臣という立場から、事実に基づかない風評によって物を言えないのが私どもの立場だ、こうおっしゃっておられたのですが、それはそれなりに理解はできるのです。 理解はできるのですが、しかし、五億円受領という事実を認めた、副総裁辞任という、それを受けて総理が物を聞かれて、こちらから何も言うことはありません。ですから、ワシントン・ポストでは、国民をびつくりさせたことなのに政界でただ一人何も語らなかった人物がいる、宮澤首相だ、こういうふうに海外で言われるわけでございまして、国民の政治不信がかつてないほど深刻であるならば、総理はこの国会で、内閣の支持率も随分下がってきましたね、この国会で真相究明を行い、出直し的な改革をやる決意をお持ちなのかどうか。総理が言う政治改革というのは、十八項目とプラスアルファじゃないんですか。この国会で抜本改革をやるということじゃないと思うのですよ。ですから、十八項目プラスアルファは緊急の改革であって、我々も十分な政治改革だとは思っていないわけでして、まず真相究明を行い、抜本的な政治改革をやる、それなくしては国民の政治に対する信頼は回復されないということもおっしゃっておりますが、その決意はどうですか。
○宮澤内閣総理大臣 先ほど申し上げましたことですが、いろいろな問題について報道があり、また意見があるという中で、私自身がこれは適当でない、間違っているということを申しますためには、やはりきちんと事実なり行政各庁のつかさつかさの判断に基づかなければ、感想を私はただ言ってはならない立場であると思いますものですから、そういう意味で歯がゆいような御指摘を受けておるかと思います。気持ちはもとよりそういう問題について無関心でおるはずはございませんで、ただ、申しますときにはきちんとした事実の上に立って申さなければ、それこそ過ってお人を傷つけることがあってはならないのでございますので、そういう気持ちを持っておりますという点だけを御理解いただきたいと思います。 それから、確かにこの国会では、前国会でほぼ御同意をいただいておりました十八項目プラス何項目かの緊急改革を成立さしていただきたいと念願をいたしております。と申しますのは、既にそれに続きまして抜本改革を私どもの党内ではかなり詰めて議論をいたしておりますので、この抜本改革を一緊急改革が済みました後、各党の協議会で御協議をお願いしたいと思っております。そして、調い次第、次の国会におきまして成立をさしていただきたいということを念願しておりますものですから、抜本改革によって初めて国民の求めておられる政治改革というものが完成をする、選挙制度の問題にしましても、資金の問題につきましても、あるいは倫理の問題につきましてもさようであろうと思っておりますので、まずこの国会で緊急改革をお願いいたしまして、次には協議会において抜本改革の私どもの成案をひとつ御協議をいただきたい。先ほども申しましたように、そういうことによってのみ国民の政治不信を回復することができると考えておりますので、この点は私、ぜひお願いをいたしたいと思っておるところでございます。
○市川委員 まあ今の総理の御答弁の中にもいろいろ問題はあるんですが、先へ進みたいと思うんですが、確かに十一月四日の衆議院本会議で総理は答弁をされました。その答弁の骨子というかポイントは、国民の政治不信はかつて経験したことがないほど深刻だと痛切に感じている、国民の政治不信がかって経験したことのないほど深刻だ。今ここで、今ここでですよ、いっかじゃないんです、今ここで政治への信頼が回復されなければ将来に大きな禍根を残すことになる。第三点は、信頼を回復するために総理自身が一身を挺して努力する覚悟だ、一身を挺する覚悟だ。四番目に、事件の真相究明は重要だ。五番目に、自民党として真相解明について努力中だ。こういう答弁をされているのですが、今現在においてもこの認識、決意は何ら変わりありませんか。
○宮澤内閣総理大臣 変わりございません。
○市川委員 そこで総理にお伺いしたいのですが、今起きているこの佐川問題というのは、もちろん自民党の中で、自民党の中の代議士が起こした事件。しかし、これは自民党だけの問題ではない。国会議員、政治家全体が問われている問題でもある。国会でも真相究明をしなければならない。しかし、政権与党、政権を担っている与党、これは自民党ですよ。唯一自民党が今政権を担っている。政府・与党一体。その与党の中に絶えず事件が起きてくる。ロッキード事件、リクルート事件、共和事件、今回の佐川事件。そして、そのたびごとに政治改革が叫ばれながら、政治腐敗が根絶するような政治改革が行われたことは一回もない。それに対する国民の怒りは与野党の政治家に向けられているというふうに私は今感じているわけでございますが、そういう点を考えますと、国会は真相究明を行う責務がある。当然です、これは。 同時に、政権を担う与党自民党として、自民党の中に起きたある意味では事件が発端なんですから、その自民党がみずから真相究明を行う責務、責任が私は国民に対してあると思うのです。この自民党がみずから真相究明を行う責任があるということを総理はお認めになりますか。
○宮澤内閣総理大臣 政府といたしまして、政府の各機関がそれぞれのつかさつかさにおいて調査をし、捜査をし、必要によりまして法律の処置をとるということは当然でございますが、それと別に、私どもの党内に起こったことは私どもの党内においてやはり事実を明らかにしなければならない、それは以前にも申し上げましたし、私は当然のことと考えております。 また、事実、そういう努力が党内いろんなところでなされておりますのみならず、実はこのよって来るところ、今書記長の言われましたような何回かの過去のこういう事件というものから、党自身の改革をしなければならないのではないかという深刻な反省をいたしておりまして、一般的な政治改革は、これは国会にお願いをして法制を変えていただかなければならない部分が多うございますが、党改革は私どもだけでできる問題でございますので、政治改革本部におきまして、実は党改革部会というものを持っておりますが、そこで具体的に党改革についての成案を、これもできれば十一月の終わりまでに政治改革全般の一環として党内で成案を得たい。党内で決まりますれば、これは私どもがそのとおりする、しない、ほかにしりの持っていきどころがございませんので、私どもがしなければならないことでございますが、そういう、ただいま党改革の成案をまとめつつあるところでございます。
○市川委員 今政治改革をいつやるかということを伺っているわけではありませんでして、政権与党として自民党みずからが真相究明を行う責任がある、総理はそれを認めますかということを聞いておるわけで、認めますか、総理。
○宮澤内閣総理大臣 そう考えております。
○市川委員 総裁として総理がその真相究明の先頭に立つ決意はありますか。
○宮澤内閣総理大臣 現に私どもの党内では、表に党内のことですから立ちませんけれども、真相の究明にいろんな立場でいろんな人が努力をいたしております。
○市川委員 野党でこういう事件が起きましたら、委員長は大変ですよ、党首は。もうみずから真相究明を党内でやらなかったら、これはもうもちません。同じですよ。政権与党じゃありませんか。総理が先頭に立ちますか、決意があるかと聞いている。党内でいろんな人がいろんなふうに努力してますということを聞いているのじゃない。総裁として先頭に立つかどうか、その決意ありゃなしや、お答えいただきたい。
○宮澤内閣総理大臣 現実に、私は真相究明の責任者でございます。それをやっておるつもりです。
○市川委員 先頭に立つ決意がある。じゃ、どういう機関でやるんですか。自民党のどういう機関で、だれが責任持ってやっているんですか。これを明快にしてください。
○宮澤内閣総理大臣 それは、おのおの党内にいろいろやり方がございます。私自身が自分でやっておる部分もございます。
○市川委員 自民党内に調査委員会をつくったんでしょうか。
○宮澤内閣総理大臣 自民党には十分いろいろな機関がございますから、その機関において、おのおのの責任でこれをやっております。
○市川委員 だから、この佐川問題については自民党のどういう機関で、だれが責任持って調査して、総理にどういう報告、総理に報告しているのはだれなんですか、明快にしてください、明快に。
○宮澤内閣総理大臣 それは、党内問題でございますからお任せをいただきます。
○市川委員 政権与党としての立場があると思うのですね。したがって、自分が先頭に立つという以上は、党内でだれが責任者で、どういう委員会で調査していると。私のところにはだれから絶えず中間報告があるとかないとか、その程度のことはお答えになって当然じゃないですか、そんなことは。何が党内問題ですか。
○宮澤内閣総理大臣 最終的な責任者は私でございます。私の下に執行部がございまして、おのおのの立場においてこの真相を明らかにする努力をいたしておるところでございます。
○市川委員 これは全然答弁になっていませんね。では何を調べているんでしょうか。最高責任者だと、こう総理はおっしゃった。じゃ、佐川問題の何を調べているのか、明快にしてください。何を調べている。
○宮澤内閣総理大臣 片方において、捜査あるいは調査が国の機関の手によって進められておりますが、他方におきまして、どのような実際の人的関係において何が起こっているかというようなことは私自身が無関心であり得ませんので、それぞれの立場で真相を私は調査をいたしておるわけでございます。
○市川委員 ですから、先頭に立つ最高責任者は私だと言い切る。じゃ、どこの機関でやっているんですかというと、あいまいになっちゃう。じゃ、何を調べているんですかというと、またこれがあいまいになっちゃう。何もやってないということじゃないですか、これは。何を調べているんですか、何を。佐川問題の何を調べているんですか。明快に言ってくださいよ。
○宮澤内閣総理大臣 伝えられるようなことが果たして真実であるのか、どのような状況でそういうことが起こったのか起こらないのかというようなことにつきましてはいろいろに調べておりまして、一部にはまた関係したと伝えられる人たちの意見を聴取したこともございます。
○市川委員 政権与党というのは、野党と違ってそこまで責任あると思いますよ。それを党内のことだ、党内のことだと、それは政権与党の誇りがなさ過ぎますよ、そんなことを言っているんじゃ。政権与党の、政権を担っている自由民主党なんでしょう。そこで起きた事件、自分でみずから真相を究明して、こうですと言わなきゃ。しかも総理は、国民の政治不信はかつて経験したことがないほど深刻だ、こう言っている。それが党内問題で済みますか、それが。何を調べているのか、聞いてもわからない。だれが責任者で、どういう機関で調べているのか、これもわからない。わかった人いないと思いますよ、この質問を聞いていて。わからないと思います。総理、わかっていますか。 ずっと社会党の山花書記長がるるいろんな質問をしました。五億円、金丸前副総裁が受け取った五億円、この行った先、どうなっているのか。これにも、なぜ上申書なのかとか、なぜ出頭を求めなかったのかとか、いろいろあります。それから、五億円の性格についてもいろんな問題があります。保有金なのか、政治団体に入ったのか入らないのか、一体どういう扱いをしたのか。 それから、竹下内閣誕生のときに、皇民党が、暴力団が関与した。皇民党は義で動いたのか、だれかに頼まれて動いたのか、そのお金はどこから出たのか、もし動いたとすれば。大勢の政治家が褒め殺しの中止を頼んだ。竹下元首相の意を受けてやったのかやらないのか、いろんな問題があるわけですが、この暴力団関与、まあ一口に言って暴力団関与、こういうことも総理、自由民主党の最高責任者、真相究明の最高責任者として、五億円の使途、あるいは今申し上げた暴力団関与の問題、こういうことも調べるとおっしゃった中に入っているんでしょうか、入ってないんでしょうか、明快に言ってください。
○宮澤内閣総理大臣 違法であればもちろんでございますけれども、そうでなくて、いわゆる政治の倫理から考えて適当でないといったような種類のことにつきましては、かれはやはり党内としてきちんとした事実を究明をしておく必要がある。何でもかんでもとは申しませんけれども、そういう種類のことについてはきちんとしておかなければならないと考えておりまして、それはもとより、他方で、調査あるいは捜査当局のその進行とも並行いたしますけれども、そういうことも知りながら、最終的に党としての真相はきちんとしておかなければならないと考えております。
○市川委員 それはもう既に、あれですか、幹事長に総裁として指示されておるのですか。
○宮澤内閣総理大臣 執行部には常にそういう、違法なことはこれは申すまでもございませんが、党の倫理に反するようなことについてはきちんと、調査当局、捜査当局の調査、捜査とも並行しながら真実の把握に努めるということは、執行部に常に申しております。
○市川委員 そうしますと、答弁は非常にあいまいな点が多いのですが、政権与党として自由民主党みずからが真相究明に当たる責任は認めますと、総理は総裁としてその先頭に立ちますと。機関がどこなのか、これは幾ら聞いてもお答えがない。何を調べているのかと聞いてもあいまいなので、私の方で今五億円の使途とかあるいは暴力団関与の問題、これも当然調べますと、こういうことなんですが、いつまでおやりになる気ですか、その調査を。
○宮澤内閣総理大臣 今五億円の使途云々とおっしゃいましたそのこと自身に私はお答えをしたわけではございませんで、私は、違法なことはもとより、政治の倫理に反するようなことにつきましては真相を解明しなければならない、こう思っておりまして、それには他方、片方で関係当局による調査あるいは捜査等々も関連をいたしますから、それとの関連もあって、並行しつつ最終的にはやはり私どもの手によって真相というものをはっきりさせておきたい、こう考えております。
○市川委員 真相究明、いつごろまでになさるのですか、総理がおっしゃっている真相究明は。
○宮澤内閣総理大臣 それは、本件につきましての調査あるいは捜査等々の終了ということがございませんと、党自身としての最終的な真相もわかり得ないと思いますから、そういう時期になろうかと思います。
○市川委員 何か頼りないですね、御返事が。独自の調査は、捜査をやっていてもできるんじゃないですか、政党として党内で調査するわけですから。それで、やはり自民党みずからが真相を究明した調査資料というのは国会でも必要なんですよ、総理。それで、国会は国会で証人喚問とか同時にやりますけれども、これは自民党自身がこういうことでしたという資料も国会で必要なんです。 調査報告をする意思はありますか。その調査結果をきちっと発表しますか。
○宮澤内閣総理大臣 それは、いわゆる党規違反というものがございますれば、これは公にいたすことになると思います。
○市川委員 この佐川問題の冒頭陳述があってから既に二カ月経過しているんですね。それから、国会が開会されてから既に二十三日ですか二十四日ですか過ぎているわけです。事件の報道はもっとそのずっと前に行われたわけでして、少なくとももうかなりの調査が進んでいると、総理の口ぶりを伺っていると自民党として真相究明のかなりの調査が進んでいると、こういうふうに総理の答弁からは思われるのですが、どうなんですか。どのくらい調査は進んでいるんですか。
○宮澤内閣総理大臣 何度も申し上げますけれども、大きな部分は、これはいわゆる政府当局による調査あるいは捜査等にかかっておりますから、私どもが独自にそれ以上のことを進めているというわけではございません。
○市川委員 要するに、今の答弁ですと、検察庁がやっている、私たち独自の調査はやっていないと言う。では何も調査してないんじゃないですか。では何もやってないんじゃないですか、何も。
○宮澤内閣総理大臣 いや、今申し上げましたように、独自の調査がそれ以上に進展をしているというわけではございませんと申したので、何もやっていないという意味ではもとよりございません。
○市川委員 国民の政治不信はかつて経験したことがないほど深刻だと、今ここで政治への信頼が回復されなければ将来に大きな禍根を残すと、私は一身を挺して信頼回復に努力する覚悟だと、真相究明は重要だと、自民党としても真相究明に努力する、この言葉は非常に立派なんですよ、言葉としては。言葉としては立派なんだけれども、このとおりやっていないというところが問題なんです。その真相究明を公表する、あるいは国会にきちんと出す、与党として。そのくらいのことをここで約束できますか。その約束をしないと何もできませんよ。どうですか。
○宮澤内閣総理大臣 法に照らしまして違法であれば、それはそういう処置を受けることは、これは当然のことでございます。他方で、党には党としての党の倫理がございますから、そういう党規に照らして党としての調査をし、党規違反があれば、それはもとより公にする、処分をする、こういうことでございます。
○市川委員 要するに、法としてというよりも、法には接しないけれどもモラルが問われている問題もあるわけでして、それはやはり自民党としての真相究明でなければわからないではありませんか。法だけだったら、それは検察庁に任せるということもありますよ。だけれども、モラルというのはだれも裁かないわけでして、政治家みずからが裁くかあるいは政党として裁くか、これしかないわけでして、そういうことを聞いているわけですが、総理、ことし七月に行われた参議院選挙で「自民党 わが党の公約」というのがあるのですね。「わが党の公約」、これを拝見しますと、「倫理問題に対して党自体が素早く対処します」、こう書いてある。何にも素早く対処してないと思うのですが、「リクルート事件の深い反省に立って、わが党の中でも特に国会議員の責務の重大さにかんがみ、平成二年の党大会で定めた『自由民主党所属国会議員倫理規程』を一層、徹底します。そして、不祥事に対してはいち早く自律的に対処し、わが党に対する国民の信頼を確保します。」 金丸前副総裁の問題や暴力団関与の問題が起きてから、倫理委員会を開きましたか、総理。総理の指示で、早くやれと、これは公約だと、やりましたか。
○宮澤内閣総理大臣 御承知のように、金丸前副総裁は、副総裁を辞任をされましたが、議員を辞任せられたわけでございます。このことはもとより金丸前議員御自身の判断によるものではございますけれども、その中で、やはり党にいわば、お言葉を使えば、非常な迷惑をかけた、あるいは国民に対する政治不信を党に招く結果になったという、そういう心境のもとに進退を決せられたと思いますので、それはむしろ党規よりもさらに厳しい処置を御自分でとられたというふうに私は考えていまして、党紀委員会というようなものが現に委員会を開いてどうこうと申しますよりは、やはり党内においてそういうお互いの間の対話があり、お互いの間の意見交換があって、そういう処置に出られたというふうに私は考えております。
○市川委員 なぜこの党紀委員会を持ち出したかというと、総理御自身が、調査して党規違反があればきちっとします、こうおっしゃるから、今党紀委員会を持ち出したのですよ。だから、結局党紀委員会を開かないということですよ。 党所属国会議員倫理規程の中にも、「党紀委員会はその責任の有無について速やかな審査を行う。」何も速やかな審査を行っていない。これは公約ですよ、参議院選挙の、自民党の。 ですから、東京佐川の事件は、皇民党あるいは暴力団関与がだれか特定の政治家の罪になる、ならないというので争われている裁判ではないというふうに私は思うのですね。いわゆる東京佐川急便の元社長渡邉廣康被告がなぜ特別背任の行為に走ったかという動機の説明として、暴力団関与という問題が検事調書とか冒陳に出てくる。したがって、検察としては、渡邉廣康被告が稲川会の石井会長に大きな借りがあった、その借りを返すためにこういう巨額の債務保証をしなければならなかったという動機の説明としてその部分は出てくる。したがって、冒陳には、かねて交際のあった政治家ということで、特定の名前が出てこない。ですから、そういう意味では、私は、この裁判では特定の政治家が暴力団と関与したということを裁判所が認定しない。また、それによって何か罰則が適用されて罰せられるという、そういう裁判ではない。ですから、これは先ほどから申し上げているように、自由民主党として、これだけのかってない国民の政治不信を呼び起こしたわけですから、自由民主党がそこに踏み込んで真相を究明をしなかったら、何もわからないということじゃありませんか。 ですから、総理は、皇民党、暴力団関与の問題も、自由民主党の責任において、国会は国会、検察は検察、自由民主党は自由民主党として究明は行うと、こう約束できますか。
○宮澤内閣総理大臣 ただいまの御指摘のお話は、かなりの事実関係が明確でなければ話の進められないところでございますけれども、事実関係は、今市川書記長が言われましたように、冒頭陳述において、かねて交際のあった政治家がいわゆる右翼団体の活動に苦慮していることを知り、この件の解決を被告が石井に依頼し、同人の尽力により、同団体がその活動を中止した、そういう表現をしてございまして、これ以上のことはこの冒頭陳述からはわからない。確かに、そこまでが冒頭陳述の内容でございますから、その点はおっしゃるとおりと思います。 そこで、こういうことが、現実に暴力団自身との接触、あるいはそれに対する依頼があったかなかったかということは、事件そのものが今公判で進行中でございますから、その部外者がさらに進んでその真相をこの段階で究明をせよということは、それは私は難しいことであろう。しかし、やがていつかのときには、この事件のあとの事実関係は、これはきちんとしておくことが大事であるというふうには思っております。
○市川委員 じゃ、それを調べて公表しますか。約束してください。
○宮澤内閣総理大臣 仮に、関係する人が現に党員であり、活躍をしているということになりますれば、それは党規の問題にもなることが考えられます。そうなりますれば、それとして公にいたします。
○市川委員 ですから、参議院選挙でも公約しているし、まあ何回も申し上げますけれども、ロッキード事件、リクルート事件、それは野党にも関与する人はいましたけれども、本筋は自民党の人ばかりじゃないですか、全部。当時の政権に絡んだ人もいたし。それから、共和事件、佐川、全部自民党の事件なんですよ、本来は。 ですから、それで全部選挙制度にするわけですよ、それを突き詰めていくと。選挙制度が悪いから、だからお金の問題は解決できない。それは、自民党に選挙制度が悪いからと言う資格は、僕はないと思うのですね。それはもちろん、私たちも選挙制度、今のままでいいか、議論しよう、改革しなければいけないというのが私の立場です。しかし、自民党が、企業・団体献金の廃止もしくは政党の資金団体の一本化ということの議論を私たちがしていきますと、やはり選挙制度と一緒でなければできない。 今の制度のもとで体質を変えられない党が、選挙制度が変わったらその体質が変わるという保証は僕はないと思うのです。そこは全部選挙制度にするのはおかしいと思う。ですから、自民党の改革なんです、まさに、一つは。総理がおっしゃるように、自民党の改革なんです。 その自民党改革が、選挙制度のせいにされてできなかったのですよ、今まで。また今回も選挙制度のせいにされようとしているのです。真相究明も、何か総理の答弁聞いていますと、国会で各党御協議の場が整っているようですから、そこで。全部何か人の責任で全部振り分けている。検察がやっているようですから検察で、それから国会は国会で。もちろん、検察は検察、国会は国会ですよ。 だけれども、総理が所信表明で、かつてないほど国民の政治不信が、経験したことのないほど深刻だ、今ここで政治への信頼を回復しなければ、将来に大きな禍根を残す、私は一身を挺して信頼回復に努める覚悟だ。ここまでおっしゃるなら、宮澤内閣がつぶれるぐらいのことを覚悟してやったらどうですか、総理。一つの、一党一派がつぶれる、そんなこと関係ないんですよ、国民から見れば。一つの内閣がつぶれる、関係ない、そんなことは。やるべきことはやってもらいたいというのが私は国民だと思いますよ。 そういう意味で、総理はもっときちっと、この真相究明は自民党みずからの手でやりますと断言してくださいよ、ここで。それがなかったら、どうもやるのかやらないのかよくわからない。そして、だれがやっているんだかわからないようなやり方じゃなくて、自民党内に調査委員会をきちっと設けて、いついつまでに調査して調査結果をきちんと発表します、これが政権を担う与党の僕は責任だと思いますよ。野党でないんだ。それができないんだったら与党をやめることです。これしかないと思います。総理、どうですか。それだけの決意、明確に言ってください、明確に。
○宮澤内閣総理大臣 すべてを制度問題に帰するのは間違っていると言われますのは、私はそれは確かにそうだと思います。まず第一に一人一人の倫理の問題である。どういう制度ができましても、そこから出発しなければならないことはもう間違いございません。それから、一人一人の倫理の問題があって、次に私どもの党でいえば、やはり党改革というものがどうしても入り用だということも、言われるとおり私どももそれに気がついております。しかし、それをやりました上で、さらにそういう改革を担保する上で、やはり制度上の改善が必要であるということも、私はこれは否定できないことだと思います。そういう制度改革が国会にお願いをいたしたい政治改革の部分であると思います。 国会にお願いしてございますからと人任せのようにとおっしゃいましたが、無論そう申し上げたわけではなくて、前国会の終期には、いわゆる十八項目等々に関する緊急改革は私は成立をさせていただけるものと実は強く念願をいたしました。そうなりませんでしたことは残念でございますが、その後の党首会談におきまして、次の国会の冒頭にはひとつ御処理をお願いしたいということで大筋では御理解を得ている。そういうことを私は国会云々と申し上げているのでございまして、したがいまして、この国会で緊急改革をやっていただき、次の国会で抜本改革をお願いしたい。それは制度さえ直せば政治がよくなるという、そういう無責任な考え方をしているわけではございませんで、やはり倫理を改め、自分の党をきちんとし、しかもその上でなお幾つかの制度改革を国会においてお願いをいたしたい、こういうふうに申し上げておるつもりでございます。
○市川委員 一応自民党最高責任者として真相究明に当たります、調べます、法律違反のみならず党規違反があれば調べた結果も含めて公表しますということで、極めて不十分ですが、次の問題に入りたいと思います。 総理は所信表明の中で、政治家と暴力団の関係について、「およそ政治家がこのような集団とかかわりを持つべきでないことは言うまでもありません。」こうおっしゃっているのですが、なぜかかわりを持つべきでないとお考えなんでしょうか。
○宮澤内閣総理大臣 暴力団というものは、一応先般の法律によって法律上の定義が与えられました。そのようないわば民主主義を破壊するおそれの非常に高い、そういう人々と政治家はともに語る理由がない。また、そういう運動にかりそめにも手をかすような、あるいはそれを認めるような行為に出てはならないと考えております。
○市川委員 民主主義を破壊するような人、ともに語ったりその運動に手をかすようなことがかりそめにもあってはならない。その暴力団とのかかわりの事実があったら、これは政治家の中にあったら、総理はどう対処すべきだというふうにお考えでしょうか。
○宮澤内閣総理大臣 法律上のお尋ねではなく、倫理上のお尋ねであると思いますので、私どもの党におきましては、それはやはり党規に関連する問題だと思います。
○市川委員 党規に関連してどうなんでしょうか。
○宮澤内閣総理大臣 その態様によって党規違反に問われることがあり得ると思います。
○市川委員 この自民党の党規を知らない国民に向かってお答えいただきたいのですね。民主主義を破壊する人、ともに語ったりその運動に手をかすことがかりそめにもあってはならない、こう総理は答えた。もしその事実があったら、総理は、その政治家はどう対処するべきなのかということを聞いているわけでして、国民は自民党がどんな党規を持っているのかわからない。ですから、明確にお答えください。
○宮澤内閣総理大臣 具体的な態様がございませんから、そういう意味での明確なお答えはできませんが、党規に著しく違反したという場合には、最終的には党から除名せられるということであろうと思います。
○市川委員 九月二十二日の検察の冒頭陳述には、「被告人渡邉は、昭和六十二年九月末ころ、かねて交際のあった政治家がいわゆる右翼団体の活動に苦慮していることを知り、直ちにこの件の解決を石井に依頼したところ、同人の尽力により、同年十月上旬ころ、同団体はその活動を中止した。」こうなっているのですが、まず法務省に伺いますが、冒頭陳述、冒陳で言う「かねて交際のあった政治家」というのは、検察当局は特定していますか。
○濱政府委員 今委員御指摘になられましたように、検察官のこの渡邉廣康被告人らに対する特別背任事件の公判における冒頭陳述の中で、「かねて交際のあった政治家」というふうに指摘してございます。 一般的に申しますと、冒頭陳述自体は、検察官が証拠調べの冒頭に証拠によって証明すべき事実を明らかにするわけでございまして、さらにその具体的内容につきましては、これは当該公判の裁判の中で検察官が立証していくものでございます。 したがいまして、今のお尋ねに対してお答えできる限りのことは、当該公判において朗読されたあるいは要旨の告知がなされた供述調書にあらわれている範囲内において、お尋ねにお答えするよりほかにないわけでございます。 その点につきましては、渡邉廣康被告人の供述調書の中で、公判廷で明らかになった範囲の限りにおきましては、金丸前議員というふうに記載されているというふうに申し上げていいかと思います。
○市川委員 冒頭陳述で、かねて交際のあった政治家とはだれですかと、検察当局は特定していますかと。今、公判の中で、冒陳もしくは検事調書、明らかにされた中で特定をすれば金丸前議員、こういう御答弁でございました。 法務大臣、同じでしょうか、御認識は。
○田原国務大臣 お答えします。 実務に関することですから、刑事局長の答えのとおりであります。
○市川委員 総理に伺いますが、今の刑事局長の答弁、総理も同じ認識でしょうか。
○宮澤内閣総理大臣 刑事局長がその立場においてお答えいたしたことでございます。
○市川委員 そうなりますと、総理、僕は総理に伺いたいのです。 金丸氏は、金丸前議員は、渡邉被告が暴力団に依頼することを事前に十分知った上で褒め殺しの中止を頼んだ、稲川会の石井会長に会ってお礼も言っている。竹下元首相がまずそのことを知らされていたかいないか、これは別として、竹下総裁の誕生に当たって暴力団の関与があった、この事実を総理はお認めになりますね。
○宮澤内閣総理大臣 ただいま言われました前段のことは、私、つまびらかでございません。
○市川委員 じゃ、後段のことでも結構です。竹下総裁の誕生に当たって、竹下元首相が、暴力団関与があったかどうか本人が知っていたかどうかは別として、客観的な事実として、竹下総裁の誕生に当たって暴力団の関与があったというこの事実は、総理もお認めになりますね。
○宮澤内閣総理大臣 冒頭に言われましたことが、私に自分の判断を下せないことでございますので、したがいまして、後段も下せません。
○市川委員 冒頭陳述で、かねて交際のあった政治家、これは金丸前議員だということを刑事局長は認めて、総理もそれを認めたわけですよ。 それで、そうなりますと、金丸前議員が、渡遣被告、稲川会の石井会長というルートで褒め殺しの中止を頼んだ。したがって、竹下元首相が知っていたか知らないか、これは別として、客観的な事実として、竹下内閣の誕生に暴力団関与があったという事実、これは総理は認めざるを得ないんじゃないでしょうか、どうでしょうか。
○宮澤内閣総理大臣 そのことは恐らく国会におきましてやがて御調査をせられる対象であろうと存じますが、私の知り得ております唯一のことは、佐川事件の冒頭陳述において、先ほどもおっしゃいましたが、渡遣被告人は、かねて交際のあった政治家がいわゆる右翼団体の活動に苦慮していることを知り、この件の解決を石井に依頼し、同人の尽力により、同団体はその活動を中止したということでございます。 さらに申しますならば、「右翼団体の活動に苦慮していることを知り、」ということはどういうことであるかということは、これ以上ここでははっきりいたしておりませんし、その解決を依頼し、「同団体がその活動を中止した。」ということの内容につきましても、私が私の立場で知り得ておりませんので、それ以上突っ込んでお答えをすることは適当でないと思います。
○市川委員 渡邉被告は、恐らく総理がおっしゃりたい論理はよくわかっているんですよ。検察も非常に、僕は検察はちょっとずるいなというふうにこの冒陳を読んだんですね。政治家に頼まれたとは書いてない、確かに冒陳は。苦慮しているのを知って自分でやったと、自分で自発的にやったように冒陳には書いてある。そこが僕は検察は、ちょっと検察不信を感ずるんです。逃げてるんですよ、検察の責任を。 それで、渡邉供述の方にそれは全部ゆだねちゃっているわけですよね。渡邉被告は随分べらべらべらべらしゃべっているわけです、これでね。昭和六十二年九月、金丸氏と赤坂のレストランで会って頼まれたと、石井さんに頼めば、しかないけど、いいか、結構だ、こういう関係もちゃんと書いてある。それから、十月五日の夜の、もうさっきから何回も言われていることもしゃべっているし、十月二十九日の料亭でお礼を竹下元首相が渡邉被告に言ったということもしゃべっている。だから裏を、ある意味では冒陳は、渡邉被告がこうしゃべっているのですよと、これは供述であって事実ではないのですというふうに冒陳では逃げようとしているわけですね。 だから、冒陳の論理構造は、今まさに総理が答弁で逃げられたように、「かねて交際のあった政治家がいわゆる右翼団体の活動に苦慮していることを知り、」頼まれたというのは書いてないのです。非常に検察もここではずるいんじゃないか。ずるいという言い方はちょっと失礼かもしれませんが、要するに裏を返して言えば、政治家と暴力団の関与という問題が本件のいわゆる筋ではないということじゃないんでしょうか。もし本件の筋だったら冒陳に書かざるを得ませんよ、検察は。ということは、幾ら、総理がいつも繰り返しおっしゃるように、供述は事実でない、その信憑性はやがて裁判所が認定するんだというのは、これは一般論としてはわかるけれども、この事件では裁判所は何の認定もしないと思いますよ。 じゃ、聞き方を変えますが、法務省。検察当局は、金丸前代議士と暴力団が関与していた、これはけしからぬ、その事実は間違いないんだ、けしからぬ、こういうことを裁判所に認定してくれという、そういう裁判やってますか。
○濱政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、検察官の冒頭陳述は、検察官が証拠によって証明すべき事実を明らかにするものでございまして、検察官の主張でございます。その主張立証に必要な範囲で冒頭陳述で証拠により証明すべき事実を明らかにするということでございます。したがいまして、さらにその具体的な内容は、先ほどお答え申し上げましたように、当該裁判の中で裁判所が判断されるものというふうに理解しております。
○市川委員 いや、そういうことを聞いているのじゃなくて、政治家と暴力団が関与をした事実を裁判所に認めてくれ、それはけしからぬ、そういう判決を求めているのかということを聞いている。そんな判決は求めてないはずですよ。わかりやすく言ってください、わかりやすく。
○濱政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、検察官としては、公判係属中の渡邉被告に対する特別背任事件の動機の立証として、冒頭陳述で明らかにしているということでございます。
○市川委員 じゃ、刑事局長に伺いますが、渡邉被告は金丸前議員に何にも頼まれないのに、苦慮しているということだけを知ったので直ちにそれを石井に依頼した、こういう検察は認識なのでしょうか。
○濱政府委員 冒頭陳述の今お尋ねになっている部分の意味づけと申しますか、そういうことは、この裁判係属中の公判の審理の中で明らかになることでございます。
○市川委員 全然答弁になっていませんね。ですから、もし冒陳のとおりだとすると、なぜ巨額の背任横領をしたかという動機の説明はできないはずなのですよ。なぜ借りができたかということは、渡邉被告の検事調書で明らかになるわけでね。冒陳では、何でそんなにほいほいほいほい巨額の債務保証を稲川会の石井会長にやったのかというのは、冒陳だけじゃ説明できないですよ。苦慮していることを知ったので頼んだんだ。そうでない、冒陳だけの動機の説明では弱いから、渡邉被告の検事調書をちゃんと公判に出した。これだけだとまた裏がどうのこうのと言われるおそれがあるので、さらにいろんな、稲本検事調書とか、庄司検事調書とかだあっと出したわけで、そこにいろいろな政治家の名前が出てきて大騒ぎになったわけです。少なくとも冒陳と渡邉供述書は裏づけの調査をしているわけです、検察は。ですから、冒陳だけで、総理、答弁するというのは、これはやはり何か逃げていますね。 苦慮していることを知り、渡邉被告が稲川会の石井会長に頼んだ。では、その苦慮をすることを知る経緯というのは、渡邉被告検事調書に詳しくるる書いてある。それは検察としては、これだけの渡邉被告が巨額の債務保証をする動機として、こういうことがあったから特別背任という罪を犯してでも巨額の債務保証をしなければならなかったんだという、こういう動機の説明になっているわけでして、したがって渡邉被告の供述書を、全くこれは事実ではありませんと検察が言えるのかどうか。 どうですか、法務省、刑事局長。さっきあなた、そんなことを言うのだったら、かねて交際のあった政治家の名前、特定すべきじゃありませんよ、そんなら。かねて交際のあった政治家は金丸前議員だと特定しながら、今度はこっちが何か事実ではないみたいな、これはおかしな話ですよ。では、渡邉被告のこの検事調書は全く供述であって事実ではないと。じゃ何のために裏をとったんですか、いろいろな人の裏を。事実じゃないと断言できますか、法務省。
○濱政府委員 先ほど委員が御指摘になっておられます検察官の冒頭陳述の中にある「かねて交際のあった政治家」が金丸前議員であるということは、そういう記載が公判廷で明らかになった渡邉被告人の供述調書の中に、記載の中にあるということをお答え申し上げたわけでございます。 先ほどからお答え申し上げておりますように、この検察官の冒頭陳述のさらに具体的な内容と申しますのは、これは現在係属中の裁判の公判において明らかにされること、あるいは裁判所が判断することでございまして、法務当局からここでお答えできる事柄ではないということを申し上げているわけでございます。
○市川委員 今の答弁は非常に重要ですね。「かねて交際のあった政治家」が金丸前議員であるというのは、裁判所に出した検事調書の中にそういう記載があるということを申し上げたのであって、それが事実だというふうに言ったわけじゃないと、こういうことですか、今の答弁の意味は。
○濱政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、法廷で証拠調べの過程で明らかになった範囲内のことにつきまして、供述調書にこういう記載があるということはお答えできるわけでございますけれども、その記載が事実かどうかということについては法務当局としてお答えできる立場にはない。まさに先ほどからお答え申し上げておりますように、それは現在係属中の裁判の公判の過程で明らかになるものであるということを申し上げているわけでございます。
○市川委員 公判の過程で明らかにならないんですよ、これは。特別背任、横領が争われているのであって、政治家が暴力団と関与したから刑法の何条に違反してけしからぬ、関与した事実はこういうふうにありますというふうに告発しているわけではないじゃありませんかと言っているのです。裁判所は認定しないですよ、こんなことは。裁判所は認定しますか。どうもその一般論の中に逃げようとしている。一般論としては理解できるんだけれども、この裁判の性格から考えてそんな答弁は成り立たない、そう僕は思います。どうですか。
○濱政府委員 お答えいたします。 委員のお尋ねは、つまるところ公判廷で取り調べられた供述調書が信用できるかどうか、要するに供述調書の信用性についてのお尋ねだと思うわけでございます。その点は、先ほどからお答え申し上げておりますとおり、裁判所が判断することであるということを申し上げているわけでございます。
○市川委員 裁判所が判断することだというのは一般論としてはわかるのですが、この裁判では政治家と暴力団の関与というのは認定されないと思いますよ。認定されないと思う。ですから総理、こうやって全部やみの中に入っていっちゃうのですよ、これは裁判所の問題ですと、認定するかしないかは。ですから、さっき申し上げた、自由民主党の総裁として、政権与党として、総理がこうしたモラルの問題を含めて真相究明をし、きちっと公表する責務があるということを何回も繰り返して申し上げているのはここにあるのです。 かねて交際のあった政治家、金丸前議員、また暴力団関与の事実を聞くと、これは裁判中の問題です、これでは国政調査権を使っての真相究明なんてできませんよ。何か聞いていくと、これは公判中です、これは裁判所が決める問題です。もう少し行政として責任のある答弁はできないのでしょうか。 国民一般は、皇民党事件で金丸前代議士が暴力団と関与したということは、もう既成の事実として新聞も報道しているし、みんなそう受け取っているのですよ。国会はその解明をしようというのです。ところが、こうやって聞いていきますと、かねて交際のあった政治家がだれかということさえも、裁判所に出された記録の中に記載があると言うだけで、それ以上の答弁はできない。これで国会でどういう真相究明をするのですか。もう少し総理も明快な答えをすべきじゃないのですか。 ですから私は、もうそれは渡邉供述でも述べられているし、渡邉被告の検事調書の裏づけでも、この事実についてはいろんな人が確認した調書を言っているわけですよ。政治家が六人動いたとか動かないとかというのは、これは事実関係に違いがあるということで政治家の方から抗議があった。しかし、皇民党がいずれにしても竹下側から依頼されてやめたという事実は、いろんな人が証明しているわけです。ですから、竹下内閣の誕生に当たって暴力団の関与があったという、竹下元首相が知っていたか知らないかはこれは別問題、そのくらいの事実は総理、お認めになっていいのじゃないですか。どうですか、総理。
○宮澤内閣総理大臣 報道にこうなっているとか、みんなが言っているとかいうこと、だから認めろと、こうおっしゃっておられるようにも聞こえるのですが、一番このことについてこの国会の場でお答えができるのは法務省当局でございましょうし、それにも恐らく限界があるのだと思います。いわんや先ほど政府委員の言われましたように、供述調書そのものの信憑性は、必要があればそれは裁判所がやはり裁判の過程において決めるものと思いますという答弁も、これも私は正確な答弁だと思いますので、そういう意味では、御質問に対して、政府は誠意を持ってお答えできる限りのことを私はお答えを申し上げておるというふうに存じます。
○市川委員 では刑事局長に伺いますが、裁判で裁判でとおっしゃるのですが、ですからこの裁判で裁判所が金丸氏と暴力団と関与したと、そういう事実を認定するようなことをいう裁判の性格なんですかと聞いているわけです。そういう裁判じゃないんじゃないですかと。ですから、裁判で裁判でと言うけれども、裁判が、じゃ全部終わった段階でその事実関係が明確に裁判所から認定されますと、こうここで断言できますか、刑事局長は。僕はできないと思いますよ。答えてください。(発言する者あり)
○高鳥委員長 静粛に願います。
○濱政府委員 先ほどお答えいたしましたように……(市川委員「断定しますか」と呼ぶ)いやいや、先ほどお答え申し上げましたように、供述調書が信用できるかどうかということは裁判所が判断することなんでございます。(市川委員「だけれども、この裁判の性格でそれはやらないでしょうということを言っているわけです」と呼ぶ)ですから、裁判所が、今申しましたように、渡邉被告人の供述調書の内容について、今委員が御指摘になっておられる点も含めまして、信用できるかどうかということは裁判所が判断することであるということを申し上げておるわけでございます。
○市川委員 ですから、裁判の性格からいって、そんな認定を今回裁判所がしないでしょう。特別背任、横領だけでしょう。その動機の説明だけじゃないんですか。そこへ逃げちゃったんじゃ話にならないというのです。 裁判所がする、それはわかった。じゃ、裁判所が最終的に政治家と暴力団関与の問題を認定するのか、この事件では。しないというなら話はわかるのです。するというのでも話はわかるのです。裁判所がするだけです。そういう訴訟の性格を聞いているわけです。告発している側じゃないですか、検察は。裁判所が決める。じゃ、全部裁判が終わったら、政治家と暴力団の関与はありました。ありませんでした、これをきちっとこの裁判では、検察は裁判所にその信憑性を認めてもらうように求めていくのですか、じゃ、この裁判、この問題も。政治家と暴力団の関与があったかどうか裁判所が判断してくださいと求めていくのですか。裁判所は調査活動なんかしないじゃありませんか、そんなに。検察が出した証拠、したがって裁判の本筋は特別背任、横領ですよ。ですから、裁判の結果これは出てこない、こう言わざるを得ません。もう答弁結構です、同じ答弁ですから。 総理、こういう答弁なんですが、竹下内閣の誕生に当たって暴力団の関与があったということは、これはもう紛れもない事実だと私は思います。竹下元首相が後から知らされたのか、いつ知ったのか、これは別として、総理・総裁ですからね、やはりこれは責任は重いと思うのです。この点、総理はどうお考えですか。
○宮澤内閣総理大臣 ただいま市川委員の言われました前提は、市川委員の信じておられる前提でございますが、私どもはそれを信ずるに足る事実を存じておりませんので、そういう前提に立ちましてのお答えを申し上げることはやはり難しゅうございます。
○市川委員 まあ今の時点では総理はそういう認識だということ、国民は驚くと思いますよ。国会の議論って何なんだ。これ、芸能人とか野球人だったらもう永久追放ですよ、正直言って。それを国会では、何かあれだけ新聞で報道されていても、その事実さえ認めようとしないということですよ、今の議論は。極めて残念に思いますね。 それから、もう一点お伺いいたしたいと思いますが、先ほど山花委員の御質問に、金丸前議員が受け取った五億円は、東京佐川急便の元社長渡邉廣康被告が、個人が、金丸前自民党副総裁に持ってきた、個人から個人に行ったものだ、こういう御答弁でしたが、法務省はどういう認識でこれを政治資金と認定したのか。政治資金と認定した根拠を伺いたいと思います。
○濱政府委員 東京地方検察庁におきましては、この金丸前議員に対する政治資金規正法違反事件の捜査の過程におきまして、被疑者本人の供述書を初め関係者多数の取り調べを行いました結果、先ほどお答え申し上げましたように、金丸前議員個人に対する政治活動に関する寄附というふうに認定したものと承知いたしております。
○市川委員 これ、私たちも随分質問するに当たって政治資金規正法とかいろいろ検討したんですが、とどのつまり、検察は、五億円を個人から個人で受け取った、そうすると保有金、使い切ってしまった、だから保有金の報告がないということなのか。政治団体、指定の政治団体に入れた、だから保有金の報告がない、政治団体の記載漏れ、記載義務違反ということなのか。政治団体から六十数人に渡ったということなのか、保有金のまま六十数人に渡っちゃったということなのか、よくわからないんですね。わからないんですよ。 すると、その五億円が政治資金以外に使われたという立証がないんですよ、検察は。政治資金に使われたという立証もしていないんですよ。政治資金だという認定の結論だけある。で、罰金二十万、こうなっている、この事件は。だから非常にわかんないんですね、要するに。政治資金以外に使われたという立証をしなきゃいけない。政治資金以外に使われていないという立証をするかあるいは政治資金に使われましたという立証をする、どっちかしないとこれ政治資金にならない。どっちの立証もしていない。どっちの立証もしていなくて政治資金だという結論だけある。そして罰金二十万、上申書。 ですからやはりいろんな人がみんな疑問に思うわけでして、やはりこの政治資金と認定した根拠。まさか検察当局が何の根拠もなく、政治資金だ、罰金二十万でいいんだと決めたとは思えない。ですから何かの裏づけなり確証なり、何かがあってこれは政治資金なんだと御自分が納得されたんだろうと思うんですが、国民は全然納得してないわけで、ですから、その政治資金と認定した根拠は何なんでしょうか。もう一度お答えいただきたいと思います。
○濱政府委員 お答えいたします。 金丸前議員に対する政治活動に関する寄附と認定した根拠は何かというお尋ねかと思いますけれども、証拠関係の詳細につきましてここでお答え申し上げることはいたしかねるわけでございます。 ただ、付言いたしますと、検察官が金丸前議員に対しまして政治資金規正法上の量的制限違反の罪で公訴を提起し、略式命令を請求したのに対しまして、東京簡易裁判所も公訴事実をそのまま認定して略式命令が発せられたといづことだけは申し上げておきたいと思います。
○市川委員 そういう江戸時代みたいな答弁はやめてもらいたいですな。検察と裁判所でこう決めたんだからおまえら聞くなという、冗談じゃありませんよ。そういうのはよらしむべし知らしむべからずという。 そうじゃなくて、じゃ、保有金のまま六十数人に行ったんですか。どうなんですか。
○濱政府委員 先ほど私が東京簡易裁判所の裁判のことを申し上げましたのは、決して委員がおっしゃっておられるような趣旨で申し上げたわけじゃないのでございまして、要するにこれは既に確定事件として、判決が確定しているわけでございまして、その証拠の内容についてここでお答え申し上げることはいたしかねるという趣旨も含めて申し上げたつもりでございます。 それから、保有金と認めたのかどうかというお尋ねの趣旨でございますけれども、今の最後の点につきましては、これは委員も御案内のとおり、現在その点をも含めまして、金丸前議員ほか約六十名に渡ったと取りざたされている事案全部につきまして、告発を受けて、現在、東京地検において捜査を続けているところでございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○市川委員 いや、そういう答弁、そういう答えだからみんな疑問に思って告発したんですよ。ここで明快に答えれば告発はみんななくなりますよ。確定した事件じゃありませんか、もう。ですから、保有金としての記載、自治省にもう既に参議院の閉会中審査でしたかね、あるいはもういろんなところで自治省の選挙部長が答弁していますから、時間がもったいないからあえて聞きませんが、保有金としての届け出はない、それから六十三年、平成元年、平成二年、三年間にわたって保有金としての報告もないし、指定団体の収支報告もないということを既に答えているわけですよね。 そうすると、保有金としての報告もない、指定団体へ入ったという痕跡もない。本来なら保有金として報告されるか、指定団体へ入りましたよという形で収支報告されるか、どちらかが公式な記録でなければならない。それがなくて、よく検察はこれが政治資金だと決められたんですねということなんですよ。だから国民は納得しないんですよ。 保有金という報告もない。政治団体、指定団体へ入れたという報告もない。報告がなかったら、これは個人の所得ということになるのが普通なんです。ところが、個人の所得でもない、これは政治資金なんだ。ここが非常にわからないんですよ。私たちもわからないし、国民もみんなわからない。 だから法務省が政治資金だと判断した裏づけ、確証があって判断されたんでしょうから、今刑事局長もいみじくも言ったように裁判は確定したわけですから、ここへ、ちゃんとこの確証を国会へ出してくださいよ。出してもらわないと議論ができないよ、これは。どうでしょうか。
○濱政府委員 お答えいたします。 確定事件の記録につきましては、今委員のお尋ねございましたけれども、この点につきましては司法権の独立との関係もございますし、先ほど申し上げましたように、確定記録としての閲覧制度の関係もございまして、そういう制約から御提出するというわけにはまいらないわけでございます。
○市川委員 総理ね、今総理伺っていたようなああいう答弁なんです。要するにもうこの事件は略式起訴、略式裁判で確定したわけですよ。いろんな告発はあるというんだけれども。要するに私が今申し上げたようなみんな疑問を持っているわけですよ。だから告発しているわけですよ。国会でその点も真相を究明しよう、少なくともそのくらいの協力はしていただかなければ、国会で何の究明もできませんよ、これは。どうですか。総理もしくは法務大臣、もう確定したものは出しますと、こういうお約束をここでお願いできませんか。
○田原国務大臣 お答えします。 確定しましても、次に告発されておりますし、現在捜査中の事件であることには変わりありませんので、実務上の問題として刑事局長の答えるとおりであると私は思います。
○市川委員 それでは少なくとも、何が書かれているのかわからないんですが、上申書が二通ある、このように東京地方検察庁特別捜査部の副部長検事佐渡賢一さんが言っているんですが、事実関係を認めたもの及び略式手続の告知に関するもの、この後者のものは私たちも閲覧で行って書き写して、今ここにワープロで打って持っているんですが、この事実関係を認めたものというのは閲覧させてくれないんですよ。だから、この予算委員会の質問のために何回も何回も関係者に行っていただいたんですが、この上申書を二通、一通は略式手続の告知に関するもの、これは閲覧しました。事実関係を認めたもの、少なくともこれだけでも、国会の真相究明、国政調査権に協力するという意味において、これ、お出しいただけないでしょうか。 総理、どうですか。
○濱政府委員 確定事件の記録につきましては、委員も御案内のとおり、閲覧制度がございます。委員先ほど御指摘になられましたように、一部については閲覧になっておられるやに聞いております。 問題は、今御指摘の金丸議員の上申書等についてのお尋ねだと思いますけれども、これは、先ほどお答え申し上げましたように、確定記録の全部であれ一部であれ、確定事件につきまして、これは司法権との関係もございまして、従来から提出は御勘弁いただいているわけでございます。 また、閲覧につきましても法律に定められた制約があるわけでございまして、そういう意味で委員の御要望には応じかねるわけでございます。
○市川委員 総理は今ここで真相究明、信頼回復ということをおっしゃっているわけでして、それでなくても国会は何やっているんだという批判が強いわけでして、ですから、少なくとも、二通ある一通は閲覧に供したわけですから、もう一通ぐらいは、これ出していいんじゃないですか、事実関係に関するもの。 ぜひ委員長、国会提出を求めるようお取り計らいをいただきたいと思いますが、どうでしょうか。
○高鳥委員長 ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。
○市川委員 私は、三つの角度からこの佐川問題について伺いました。一つは、政権与党としてかつてない、総理が指摘するかつてないほどの国民の政治不信が高まっている、これは深刻だ。そういう中にあって、政権与党自由民主党みずからが真相究明をすべきではないのか。総理・総裁はその最高責任者ではないのか。総理は、あいまいな箇所が随分ありましたけれども、いずれにしても調査はやる、党規違反の事実があれば公表する、こういうことでございました。 また、もう一点は、竹下内閣の誕生に当たって暴力団の関与があった。竹下元首相が知っていたか知っていないか、これは別として、あった。国民はみんなそう思っている。したがって、竹下元首相の政治的道義的責任は極めて重い。私は議員の辞職に値する、こう考えております。これは総理に聞いても、その前段の事実関係を総理は認めませんから、あえて伺いません。 第三点として、五億円が政治資金以外に使われたという立証がない。政治資金として使われたという立証もない。そして、五億円は政治資金だという認定、結論だけがあって、二十万の罰金。これは国民がわかるわけがない。これは検察当局にあえて申し上げたいと思いますが、この三つの角度から申し上げましたが、佐川問題については引き続き同僚議員がこの予算委員会の場で真相究明をしていくことになります。 残余の時間は、景気対策の問題について、質問を譲りたいと思います。
○高鳥委員長 この際、二見伸明君から関連質疑の申し出があります。市川君の持ち時間の範囲内でこれを許します。二見君。
○二見委員 私は、これから景気対策を中心に宮澤総理の見解を伺いたいと思いますけれども、その前に一言申し上げたいことがございます。 今の市川書記長の質疑を通して、やはり宮澤内閣が佐川問題の究明、政治改革に本格的に取り組んでいるのかどうかということについて、率直に疑問を感じます。 中国の総理だった周恩来総理がこう言ったことがあります。「言必ず信あり。行い必ず果たす。」言葉は必ず信用でき、行動は必ずなし遂げる。今、政治改革、佐川急便問題をめぐってのこの政治改革のこの正念場に来て、宮澤総理の言葉にすべて信用ができ、やりますと言ったことはやる。これがなかったならば、私は今の日本の抱えておる諸問題に到底対応できないんではないかというふうに思います。 この国会を通して政治改革について本腰入れてできない、真相究明もできない、そうなった場合には、内閣の命運をかける、潔く総辞職する、そのぐらいの決意がなければ、今この難局は対処できないんではないかと私は思います。景気対策を伺う前に、まず宮澤総理の、そうした自分でも腹を切るんだというところまで決意を固めているのかどうか、まず冒頭に伺っておきたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 先ほども申し上げましたが、政治改革につきましては、もう緊急改革分は前国会でもお願いしたがったぐらいのことでございましたので、この国会におきましてぜひともひとつ成立をさせていただきたい。これは、実務者会議におきましても、私どもの党も十分各党の御言い分を聞いておりますので、ひとつこの国会で成立をさせていただきたい。これは差し迫ったことでございます。 次は、抜本改革でございますが、これは、私どもの党内でどれだけ早く改革案がまずできるか、それが先決でございますが、ただいまのところ間もなく、相当党内の議論がございますが、抜本改革案をつくりたいと思います。したがいまして、これを各党協議会において御協議をいただき、また実務者会議でお取り扱いをいただきたいと思っておりまして、政府としては、あるいは私どもの党といたしましては、全力をもってこれをやり遂げたいと考えております。
○二見委員 ところで、景気対策に移りますけれども、宮澤総理は、これは十月十日だったかと思いますけれども、都内の講演だとか、あるいは記者団の質問に対して、七九月期に景気は底を打ったという認識をお示しになりました。 公明党では、埼玉県の川口市あるいは東京の足立区を初めといたしまして、全国で中小企業の経営者を対象にいろいろなヒアリングをしてまいりました。私も三重県の四日市へ行きまして、漁網の関係者、流し網漁法が禁止になりましたので漁網関係者がかなり痛手を受けている、あるいは鋳物業界の関係者、いろんな議論をし、いろんな意見を聞いてまいりましたけれども、到底景気が底を打ったなんという状況ではございませんでした。 例えば十月の倒産件数は千二百九十三件で、ことし最悪であります。また、データでも、個人消費は、全世帯の実質消費支出は前年比四−月は、四月から八月はマイナスであります。百貨店の販売額も四−月、七−月期はマイナス。一人当たりの現金給与の伸びも大幅に低下をいたしております。景気動向指数は、先行指標は八月は再び五〇を大きく下回っております。 住宅投資が上向いてきた、素材産業の一部に在庫調整が進行しているということはありますけれども、最終需要財の在庫調整はおくれぎみでありますし、マネーサプライも極端に低迷をしております。設備投資もマイナス。 そういう状況の中で、総理は、七−九月期でもう景気は底を打ったという認識をどういう根拠でお示しになったのか、ちょっと私は解せない。むしろ景気は七—九月期が底ではなくて、さらに十月か、十−十二月か、あるいは一月−三月か、むしろ底はずっとずれ込んできているんではないかというふうに思います。 総理の、なぜ七−九月期が底だという認識をされたのか、あるいは今は、七−九月期は底ではなくてさらに底はずれ込んでいるという認識をお持ちならば、景気はいつごろ底を打つというふうにお考えになっているのか、まず、見通しについて伺いたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 これは、十月の十日ごろでございましたかに、何の機会でございましたかに、私はそういう趣旨のことを申しました。 底というのをどう考えるかということでございます、一つは。それからもう一つ、今二見委員の言われましたようなことも事実であって、いずれにしても、このいわゆるQEというものが出ましたときの感じが、経営の実感として感じますところの間に大体二・四半期ぐらい御承知のように開きがございますので、統計がそう出ましても、経営者がなるほどと考えるのは、やはり半年ぐらいは少なくとも後ではないかということもございます。 この七—九は、今から二週間ぐらいの間にはわかってくるはずでございますが、七—九がマイナスでない、プラスであったとして、どのぐらい大きなプラスなのか、それはあと二週間ぐらいいたしませんとわかりませんし、何を底と言うかということもございますし、経営者の感覚からいえばとてもとても、恐らくさらに何カ月かというずれがございますので、その辺のことも実はつけ加えて申し上げておきたいと思います。
○二見委員 景気の底入れの時期というのを、経企庁は今どういうふうに見ておりますか。
○野田国務大臣 いわゆる景気の山と谷の判定については、ある程度事後的にいろんな関係者が集まって景気検討委員会で判定をするということにならざるを得ないと思います。 しかし、少なくとも現在の経済の動向というのは、今総理からもお話がありましたけれども、全般として非常に厳しい調整局面の中にはあるんですが、その中で幾つかの景気の動向の変化を示す兆しも実は出ておるということであります。 例えば景気動向指数、お触れになりましたけれども、十七カ月ぶりに七月の一致系列においては五〇を大きく上回った。その後八月、九月も、残念ながらこれは五〇を下回ったんですが、下回るその幅が多少五〇に近づいてきておるという、そういう意味でかなり今微妙な兆しがあるということは率直に言えるんではないか。あるいは民間の機械受注、これも力は弱いんですが、三カ月連続で前期比でプラスになってきておるとか、消費の動向にしても、いわば水面下ではあるけれども、水深の最も深いところは少し動きつつあるんではないか、こういうところはあります。しかし、いずれにしてもまだ水面下であるということであることは確かです。 そういったことを考えますと、なかなかこれをいつが底かということを今から断定するわけにいきません。そういう明るい希望もあるんだけれども、しかし一方で、ダインサイド・リスクも完全に消え去ったわけではない。 そこで、本年に入りまして、三月に緊急経済対策をとり、そして先般の総合経済対策をとったわけで、それらの効果が特にことしの秋以降、かなり具体的に公共投資の側面で下支えの勢いがついてきておる、あるいは住宅に関しても、明るい数字が出てきておる、そういったこと。あるいはお触れになりましたが、いわゆる在庫調整がかなりの分野で緩やかではあるが進展をしてきておることも確かであります。そういったことから考えて、来年の年明け以降、今日よりも生産のレベルは多少持ち直していくのではないか。 しかし、残念ながら、そのことによって果たして景気がよくなったという実感が出るかどうか、これはまた別問題である。少なくともミクロの経営者にとっては、出荷が伸びて、いわゆる売り上げが伸びて生産が伸びていくというパターンに入らないとそういう実感が出てこない。ということになりますと、総理から申し上げましたとおり、多少の生産の回復の状況と景況感というものにはずれがあるということは率直に言わざるを得ないと思っております。 ただ、今回の景気調整の非常に大きな特徴の一つは、経済活動のレベルということと、それからミクロの経営者の企業の業績ということが非常に大きくかけ離れておる。経営者にとって最も大事なのは、収益力がいつから回復していくかという、ポイントはそこにあるわけであります。そういう意味で、この収益力の回復ということになりますと、製造業、非製造業を通じて、今非常に厳しいリストラの最中にあるものですから、それらの汗をかいておる成果が必ずや出るわけですけれども、当面はこの厳しい状況については、なかなかぬぐい切れない印象を経営者の方々がお持ちであるという、そのことが景況感を一段と悪くしておることだと思っております。 したがって、これからの景気の動向については、そういうマクロ的な数字ということのみならず、経営者のそういったミクロの企業マインド、収益力の改善の状況ということを十分見通していかなければならぬ、こう思っておりますので、来年年明け以降に、すぐにいわゆる一線の経営者の方々が景気が回復してきたという実感を持つに至るにはまだちょっと早いのではないか。ただし、しかし、大きな目で見れば、生産の動きについては着実に改善の方向に進んでいくであろうということは言えると思っております。
○二見委員 景況感と底入れとタイムラグがあることは私もよく承知をいたしております。半年ぐらいあると思うし、場合によれば十カ月ぐらい、あるいは一年ぐらいあるということは私も承知いたしておりますが、いずれにいたしましてもまだ底という段階ではないというふうに思います。 ところで、総理は、一月にブッシュ大統領が来日されたときに、世界成長戦略に関する共同声明で、我が国は持続的成長達成のため、国内施策を既に決定をした、また、サミットのときでも、「生活大国五か年計画」の説明だとか、それから公共投資の前倒し等の説明をして三・五%に言及されているわけですが、そのために諸外国では、三・五というのはこれは国際公約ではないかという受けとめ方をしておりますけれども、これは国際公約というふうに受けとめてよろしゅうございますか。
○宮澤内閣総理大臣 経済成長率というものを厳密な意味で約束できるかということは、生き物の経済を扱うのでございますから申しにくいと思いますが、少なくともこれは日本が一生懸命努力をする努力目標であるということは、私はずっと今日まで説明をいたしてまいっております。
○二見委員 私は、ことし本当に三・五%実質成長が達成できるかということになると、かなり悲観的な見通しを持っておるわけです。例えば民間の設備投資は製造業を中心に弱含みですね。政府の見通しでは名目で五・一、実質で四・五%という設備投資の目標を掲げているわけです。しかし、実際はどうかというと、製造業は、四年度計画では全産業で三・二%のマイナス、製造業は一〇・三%のマイナス。では実質ではどうかというと、四−六月期は全産業では前期比一・三%のプラスであったけれども、七−九月期はもう〇・三%のマイナス、十−十二月期は二・四%のマイナス、一−三月期も一・七%のマイナスという予測が出ている。 では個人消費はどうかというと、個人消費は名目で五・八、実質で三・七%の伸びを見込んでいるんだけれども、この個人消費の伸びもこのとおりにはいかない。景気のクリーンアップトリオというのは民間設備投資と個人消費ですね。公共投資と住宅というのは、言うならばこれは野球で言えばトップバッターか六番目です。二軍選手が一生懸命頑張って、クリーンアップトリオは鳴りを潜めているというのが今の日本の経済の実態なんです。 ということになると、三・五%——今度の補正予算というのは、それなりに景気の下支えすることは私は理解するけれども、これがそのまま今年度予算に響くかというとそうじゃないでしょう。五年度予算にもこれはまたがってくるでしょう、この効果というのは。ということになれば、三・五%というのは努力目標ではあるけれども、私はかなり厳しいんではないかという率直な印象を持っている。 ですから、総理はその点はやっぱり厳しいなら厳しいと素直におっしゃった方がよろしいと思うんです。あくまでも三・五にこだわるならば、それならば第二次補正をやるのかどうか、この二点についてお伺いをしたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 確かにおっしゃいますように、我が国の経済は市場経済でございますので、公共投資とか住宅融資とかいうものは、まあ言えば一段ロケットの一段目でして、本当に二段目の消費なり民間設備投資が火がつきませんと本当のことにはならない、それはおっしゃるとおりだと思うんです。 それで、ああいう総合経済対策をいたしまして、この乗数効果が一年間でGNPで一・四だというふうに一応計算をされております。それだけのものは、ですから上積みをしてくれると思うんですが、確かに年度間の予測でございますから、もう野球で申しますと六回ぐらいまで来ておりまして、なかなか大変なところでございます。 まあ怠りなく、この予算も通していただきまして、一生懸命総合経済対策をいたしまして、また来年度の予算編成もそういう気持ちでやってまいりたいと思っております。
○二見委員 この問題、私のお尋ねしていることとちょっと違うんだけれども、私は、一つは、来年度のことに言及されましたから申し上げたいんだけれども、やはりこれからの日本の経済を考えた場合には、この補正予算と来年度の予算というのは、私は一体となって考えていいんではないか、いわゆる十八カ月予算ということを念頭に置いて来年度予算は編成すべきだろうというふうに思います、ことし三・五が達成できるかどうかは別として。ですから、来年度は私は当然拡大景気を刺激型というか拡大型になっていくべきだろうというふうに思います。 その点について総理の御見解を承りたいのと、もし三・五が、どうしても三・五を何とかしたいんだということになれば、私は第二次補正も考える、そこら辺まで腹づもりをしておかなければ、今年度三・五という、国際社会では公約と受け取っているかもしれないこの数字になかなか近づかないんではないか。今民間でいきますと、もう二・八だとか二・五だとか、機関によっては一・七なんていう数字も出ているわけです。三・五に限りなく近い数字が出るなんてことは恐らく考えられない。そういう状況ですから、場合によれば第二次補正するならする、そのぐらいの私は腹構えを固めてもいいんではないかと思いますけれども、その点はどうですか。 〔委員長退席、中山(正)委員長代理着席〕
○宮澤内閣総理大臣 先ほど総合経済対策の乗数効果を一年で一・四と申し上げました。それは、したがいまして政策が行われ始めてからの一年でございますので、今年の年度内とはかなり向こうへ出るわけでございます。それだけの効果はあると思いますが、平成五年三月と、こういうふうに年度を区切られますと、それまでの乗数効果はない。 同様な意味で、補正をもう一遍いたしましても、先の効果はともかく、年度内の効果というのは、もう御案内のようにやっぱり限られておると思いますので、多少ずれ込みますかもしれません。しれませんが、しかし、やはり世界の期待にはできるだけこたえていかなければならないと思いますし、また我が国の経済もそうですから、来年度予算はおっしゃいましたような心組みでやっぱり考えるべきだと思います。
○二見委員 この議論をいつまでやっても果てしがありませんからこの程度にいたしますが、ただ、私は今回の不況の特徴というのは、資産デフレが実体経済にダイレクトに結びついていること、これが戦後初めて経験する経済の実態だと私は思います。資産デフレは、不動産融資の焦げつきだとかあるいは担保不動産の価値の下落、そうしたことによるいわゆる不良債権の発生ということが現実に起こってきている。そうすると、当然金融機関とすれば、貸し渋りという現象も起こる。これは中小企業への影響が深刻になり、実体経済は悪化するという、こういう一つの循環になると思います。 今度の総合経済対策では、中小企業に対しては一兆二千億円の貸し付けの増枠を決めた。これは私それなりに評価したい、こう思います。問題は地価ですね。この地価の問題、大変難しいのだけれども、私は地価というのはさらに下がるべきだと思う。下げてもいいし、下がるべきだというふうに思います。それは短期で見ますと、金融機関にとってみれば不良債権を増大することになるかもしれない。土地を持っている企業は、その土地を担保にして金を借りようと思ったけれども、地価が下がるわけですから借りる金額が少なくなってくる。そういう面では、もちろん住宅は建てやすくなる、公共事業をやりやすくなるというプラスの面がある反面、厳しい局面も出てきますから、景気にマイナスに働くことは短期的には考えられると思う。しかし中長期的に見れば、地価が経済合理的な水準まで下がるということは、それは生活大国を実現する上でもすべての面で私は大事なことだというふうに思います。 それで私はお尋ねしたいのだけれども、例えば地価は、総理大臣は地価が下がるべきだとお考えになっているのかどうか、下がっていいと思っているのか、またどの程度まで下がっていいと考えているのか伺いたいのだけれども、実は土地資産額とGNPとの関係を見ますと、これは土地の資産総額、これと名目GNPとの間には非常に密接な関係があるのです。 昭和五十六年は実質土地資産額は八百六兆円なんです。名目GNPは二百六十兆なんです。名目GNPの約三・一倍なんです。それが大体三・一倍ぐらいでずうっと続いていくのです。五十七年が三・一倍、五十八年が三・一倍、五十九年が三・一倍、六十年が三・〇です。六十一年が三・七倍なんです。ちょっと上がり出した。平成二年はどうかというと、土地資産総額は二千三百三十八兆円、そうして名目GNPは四百三十七兆、五・三倍です。平成元年は二千百二十九兆円の土地資産総額で、GNP名目で四百六兆円、五・二倍です。GNPと土地資産とを考えてみると、まさにこの間にバブルがあったと考えざるを得ない。 ということになれば、地価というのはせめて名目GNPの三倍前後にまで下がっていいのではないか、私はこういうふうに思います。この点について総理の御見解はいかがですか。
○宮澤内閣総理大臣 概して申しまして、私はもっと下がらなきゃいけないと思います。金融機関のこともございますけれども、それはやはり上げ底はしょせん上げ底でありまして、いつまでもやっていられるわけじゃないと思います。
○二見委員 総理もおっしゃられるように、私は、地価がどの程度がいいかということはいろいろ議論はあるとしても、かなり下がっていいだろうと思います。 またもう一つ、これを機会にいわゆる土地本位制経済というのですか、これを脱却するチャンスととらえてもいいのではないか。土地を投機の対象にはできない、保有コストがかかって土地を投機の対象にしたのじゃ大変なことになる、むしろそのくらい思い切った改革をこの機会にやってもいいのではないかと思いますけれども、総理のお考えはいかがですか。
○宮澤内閣総理大臣 戦後の長い道を考えてみますと、中小企業のお父さんが都会に小さな土地を持っていて、それが担保になって立派な工場になったなんという成長の姿をお互いよく知っていますので、このことの功罪いろいろあったと思いますが、今度のバブルは全くひどうございまして、これは日本経済のみならず世界経済を揺すりましたので、もうこういうことはやってはいけない、少なくとも土地があんなスペキュレーションの対象になるようなことはもう二度とあってはならないと思います。そのことを、土地本位制はもういいかげんにと言われるのなら、私もそう思います。
○二見委員 テレビを見ていましたら、この地本位制というのは何か日本の江戸時代の元禄時代から始まったようでございますけれども、ぜひともこの際にここにメスを入れるチャンスだというふうに受け取っていただきたいというふうに思います。 時間がありませんので先へ進みますけれども、日銀、その前に大蔵大臣に伺いましょうか。 都銀、長信銀、信託の不良債権は九月末で十二兆三千億円ですね。これは要するに入ってこなかった利息はどのぐらいかというと、七千億とか八千億という莫大な利息が入らなかったということですね、この期間。これは大変な話です。回収不能の不良債権は四兆円、こういうことですね。全国銀行の中間決算は、業務純益は二兆三千六百五十四億円ですから、この不良資産額というのはこれは大変なことになると思いますが、五年の三月末の決算ではさらに不良債権、回収不能債権は増加することになりますか。どうでしょう。
○羽田国務大臣 お答え申し上げます。 今お話がございましたとおりで、この九月ですか、中間決算をもとにして申し上げたのは今お話しのとおりでございます。 ただこれが、お話がありましたとおりでございますけれども、これがこれからどんどんふえていくのかということになりますと、今後増加するものの、その増勢というものについてはこれから鈍化していくであろうということが各行からの私どものヒアリングでございます。 〔中山(正)委員長代理退席、委員長着席〕
○二見委員 日銀、お見えになられていますね。 日銀に伺いますけれども、株の含み益は、ことしの三月の末で日経平均一万九千三百四十六円でしたね、そうすると都銀は十兆七千億円の含み益が出るのです。日経平均が一万五千円になると五兆四千億円になるのです。長信銀では、日経平均一万九千三百四十六円ですと三兆三千億円の含み益が出るのだけれども、それが日経平均が一万五千円になると一兆五千億円になってしまう、こういうことのようです。きょうは株価が一万七千円台に乗ったようでございますけれども、もし株価が一万三千円になると含み益はゼロになる。そうすると、株価の下落というのは金融機関の信用秩序を揺るがすことになるのかどうか、これがお尋ねしたい一つですね。 もう一つ、この間不良債権が発表されたときに、大蔵大臣は、総体としては力があるから大丈夫だということをお話しされた。しかし私は、来年の三月末のディスクロージャーは、個別の銀行の状況も開示してもらいたいと思うし、それも総額だけではなくて回収不能額も私は各銀行は開示すべきだというふうに思っています、地銀、第二地銀も含めて。 そうすると、株価の下落あるいは土地の下落、あるいは来年個別銀行の内容を開示するということになると、これは個々の金融機関にとっては厳しい局面も出てくるのかなあというふうに思います。従来のような護送船団方式というのはもうとれないわけですから、ひとつ預金者には、といって勝手に倒産させていいというわけにいかない、預金者というものは絶対守らなきゃならない。そうすれば、例えば日銀法二十五条で信用制度の保持育成のための業務というのがあるから、それも含めて個別銀行対策というのは日銀としては考えているのかどうか、これもお尋ねしたい。 もう一つ、景気が今低迷しておりますので、公定歩合を引き下げるべきかどうかという議論も当然これからまた出てくるというふうに思います。私は、過去五回公定歩合を引き下げた結果、じゃ株価が上がったのかというと、株価は上がらなかった。銀行の貸出金利も、今は下がったといいながら、必ずしも連動して下がったわけではない。結果として金融機関を救済しただけではないか。それは業務純益が前年度比で四三%もふえているというこの間の発表にも明らかであります。 もう一方、公定歩合を引き下げるということになると、年金と退職金で生活している人にとってみれば、これは生活を直撃することになる。例えば千五百万円の退職金を銀行に預けて利息で食べている人は、三百万はマル優があるとしても、一%下がれば十二万円利子収入が減るわけですから、これは退職金で生活している者にとっては大変なことになる。といって、ここが難しいところなんだけれども、角を矯めて牛を殺すわけにいかない。それで、日銀としては、だから私は第六次の公定歩合の引き下げというのは非常に慎重にしてもらいたいし、そこら辺の配慮もしてもらいたいと思うけれども、日銀は第六次の公定歩合の引き下げについてはどう考えているのか。もし利を下げなきゃならないとすれば、どういう環境ならば考えられるのか。それから、総理は三・五%何とか達成したい、これに近づけたいとおっしゃっておるわけなんです。ということになると、そのこともやはり利下げの環境の中には含まれるのかどうか、このことについてちょっとぜひともお答えいただきたいと思います。
○吉本参考人 お答えを申し上げます。 まず、株価の変動の金融機関経営に及ぼす影響についてお尋ねがございました。確かに、株価が下落した場合に金融機関の保有株の含み益が減るという意味におきまして、かなり重要な関係を持っておるということは私ども認識しております。ただ、金融機関の経営の全般について申し上げますと、何と申しましても、やはりかなりの内部留保、自己資本を持っております。これは株式の含み益以外の過去の利益の蓄積という形で内部留保を持っているわけであります。また、各年の業務純益、これは現在金利が下降局面にありますので、それ相応の業務純益を上げております。それらのものがかなりございますので、私どもといたしましては全般的に見た金融機関の経営について懸念は持っていないわけであります。ただ、個別の金融機関について若干問題なしとしない点もございます。それらにつきましては、それぞれの金融機関が体質の改善、いわゆるリストラ計画について積極的にこれに対応していくということが必要なのではないか、このように思っております。 ただこれは、金融機関の破綻というのは極めて、何と申しますか、社会的に影響の大きいことでございますので、私どもとしては金融機関の破綻というようなことはぜひ避けたい。例えば預金保険機構による資金援助の方策がございますが、そういったことで、例えば最近も三和銀行が東洋信金を吸収合併する、こういったことで措置をした例もございますが、私どもとしては、金融機関の破綻というようなことはぜひ避けなければいかぬし、また、現在そういった懸念はないというふうに考えておるわけであります。 それから、第六次利下げの問題でございます。 これはやはり景気の現局面に対する私どもの認識ということになるわけでございますけれども、先ほど来いろいろ御議論がございましたとおり、現在、景気はかなり厳しい調整局面にあるわけでございます。ただ、住宅投資の持ち直しあるいは公共事業の増大等、景気回復を促す力も芽生えておる。また、現在御審議をいただいておるこの補正予算を含む総合経済対策の効果が加われば、これはやはり必ずや実体経済にプラスの面が出てくるのではないか、このように思っております。 私どもとしては、既に五回にわたる公定歩合の引き下げをやっておりまして、その公定歩合の引き下げの効果はやはり金利の面にはかなり出ております。いわゆる長短金利ともかなり低下をしております。そういったこともございまして、当面これらの浸透状況等を見きわめながら情勢の展開を注意深く見守ってまいりたい、このように考えているところでございます。
○二見委員 時間もありませんので、最後に減税について、先ほど若干議論がありましたけれども、改めて私も申し上げたいと思うのです。 総理も大蔵大臣も、減税は財源がないから財源がないから、その一点張りでだめなんです。 しかし、現状は、家計は、二軒に一軒は負債を抱え、三軒に一軒は住宅ローンを抱えている。自動車や家電製品など、それ以外のローンも急騰している。住宅ローンは残業収入やパート収入を織り込んで支払い計画を立てているのが実情であります。また、五年据え置きのステップ返済、これは八七年に借りたものはことしから支払い額がふえるわけです。例えば、金融公庫からステップで一千万借りますと、今までの五年間毎月四万七千百八十円で済んだんだけれども、六年目のことしからは七万八千四百四十円になる。残業収入は減る、パート収入は減る、その中でステップ返済で額はふえる。教育費はどうか。教育費だって年々増加の一途だ。特に四十歳から五十歳代のサラリーマンの家計負担というのは相当深刻なものがある。これは認識しなきゃいけない。 政府はこうした家計簿、家計に対して今回何か措置をしたのか。経済を担っているのは、一つは政府でしょう、もう一つは企業、もう一つは家計だ。これが経済の三主体。そのうち政府と企業に対してはそれなりの措置をした。家計簿については何やったか、何もやってないのが私は現状ではないかというふうに思います。 これを言えば、金がないからと言う。私たちはこの補正予算で減税をやるべきだと思っていた。平成三年度の決算剰余金が一兆五千億円あるので、これを減税財源に使ったらどうかと言ったら、一般財源に繰り入れをやった、だからできませんと。それなら外為特会七兆円あるじゃないか。その一部を借りてきたって一兆円ぐらいの減税できるじゃないか。あるいは定率繰り入れを一部停止したって減税財源はあるじゃないか。今までだって定率繰り入れというのは年じゅう停止していたんだ。過去、累積で十五兆何千億円という定率繰り入れをやめている。そういう知恵も働かさないで、金がないから金がないからと。バブルのときに、昭和六十一年から平成二年の間、自然増収は十八兆三千億円あった。全部これは借金に返した。それはいい。今は、じゃ税金を何とかしろと言ったら、金がないからできません。金がないからできないといったら、減税というのは永遠にできない。 しかも、来年度予算では何を考えているかといえば、道路財源のためにガソリン税取ろうか、どうも来年は税収がなくなりそうだから酒とたばこから税金取ろうか、そういうことまで考えている。減税するためにどうしようかという発想は全くない。大体議会というのは、税金をいかにしてまけるかということに議会があるんだから。そちらは取る方だ。我々はまける方なんだ。いかにして取らせないかというのが議会の役割なんだ。それを議論すれば、金がありません、細かいことは全部政府税調です。冗談じゃありません。減税するということは、政治行為としては最優先課題なんだ。そのことを念頭にも置かないで、金がない金がない。一塩川国務大臣「わかりました」と呼ぶ) 私、塩川さん、わかりましたと言うから、塩川さんもついでにお答えいただきたいんだけれども、住民税の世界で、住宅減税、住宅促進減税ぐらい考えたらどうですか。所得減税だって、例えば給与所得控除を十万円上げただけで、これは三千億円だけれども、パート労働者が百十万円まで非課税になる。そのぐらいのことを考えたってもいいと思う。 近藤さんは、あれでしょう、金利ぐらいは所得税の減税対象にしろと十月二十七日の閣議でおっしゃったでしょう。なかなか卓見だと思うから言ってもらいたいと思うけれども、そういうことも含めて、私は減税問題を避けて通っちゃいけないと思う。 本気になってこれは議論すべきだ。補正予算でやるべきだ。できなければ来年度でもってこれは本気になって所得税の減税あるいは住宅減税、教育減税、それへの芽を出す。この決意がなかったならば、これは国民は到底今の政治はおれたちのものではないという判断を下さざるを得ないと思います。この減税については避けて通れない。政府税調でごまかさない。ぜひともこれは総理大臣と、今関係ちょっとおっしゃったから、答弁いただいて質問を終わりたい。 ちょっと済みません、委員長、時間が延びちゃって。
○羽田国務大臣 お答えするとまたおしかりを受けてしまうと思うのですけれども、これは私どももやはりそれは減税というものはできるものだったらやはりやるべきだと思うし、やりたいと思います。 ただ、実際に、今お金がないからというお話でありますけれども、私ども今度の総合経済対策、そして補正予算、今御審議いただいておる予算、こういった中でも、やはりこれは確かに政府であり、あるいは企業というものに対して刺激する点があります。あるいは住宅等について刺激しております。これはすべてやはり国民生活、国民経済に関係してくることである。やはりそういった中でこれらがきちんと進んだときに所得というものも確保することができるわけでございますから、やはり私ども家計というものに対しても配慮しているんだという点はひとつぜひ御理解をいただきたいというふうに思うわけでございます。 いずれにいたしましても、もうよく御存じのとおり、かつてアメリカでもレーガンさんが減税をやられた。このことがもう今日の財政に対して物すごい大きな重荷になってしまっておるということで、ことしのIMF等の会議なんかでも各国からもそのことが指摘されて、やはり財政だけはきちんとしなければいけないということが実は言われておること、このことをやはり私たちはよくもう一度考えてみなければいけないんじゃなかろうかと思っております。 そして、確かに税のあれは厳しくなっておるという一面は、まあ収入の面は一面厳しくなっておるということはあるわけでございますけれども、やはり六十二年、六十三年、このときの減税の効果というのは、やはり中低所得者にとっては、何というのですか、非常に大きなメリットというものは、今なおやはり私は残しておるのじゃないのかということを、これはもう一々数字はこの前も申し上げましたから何も申し上げませんけれども、これは中低所得者にとりましては決して悪くないということ、そして主要外国と比較いたしましても、これは相当やはり高いレベルにあるんだということをぜひともひとつ御理解をいただきたいというふうに思います。 今、たばこですとか酒税、それらについてのお話がありましたけれども、これはいずれにしましても、今後の来年度の予算というものを一体どうしていくのかということ、これを基本に置きながら税調の方でやはり御審議をいただかなければならない問題であること、これを申し上げさしていただきたいと思います。
○近藤国務大臣 減税の是非についていろいろ議論がございますが、私の考えは、もしも減税するなら他の一般減税であるよりも支出、消費に関連したことで減税ができないだろうか。具体的には、住宅投資が促進すれば非常に多様な需要の創出となりますから、したがって、アメリカでやられているような住宅ローンの場合の利子を所得から外すということの所得減税というものは検討できないか、こういうことでございますが、実際的には、現在御案内のように三千万までの例の二十五万円の税額控除がございますから、これを多少拡大できないかなとか、それから住民税についてはこれはございませんから、そっちの方は検討できないかな、そんなことを申し上げた次第でございます。
○塩川国務大臣 私は今、低所得者には社会保障負担が非常にきついと思いますし、高所得者には所得税がきつい。私は、社会保障負担と所得税負担といいましょうか直接税の負担というものはやはりバランスを考えていくべきときではないかと思いますし、また一方におきまして、国税、地方税との関係というものも、地方分権を進めるというならば、やはりそれなりの財源措置も必要であろうと思いますし、そういう点、また直間比率の見直しということも必要だろうと思いますし、私は、税の問題については絶えず、おっしゃるように柔軟に対応することが必要だと。そして、やはり歳入欠陥になってはいけませんからバランスを考えながら取り組んでいくべきで、私は、この際に非常に柔軟な対応をもって対処すべきだ、こう思っております。
○宮澤内閣総理大臣 お聞きのように、閣内にもなかなかいい議論もございまして、二見委員のようなお考えも党内にも実はあるのです。ですから、これは本当に議論は五分五分のような感じがするのですけれども、私はそこで、ここで赤字国債を出すという決心がどうもっけられないのですよ。うまくこれが癖にならないでできるかといえば、いずれ日本経済がよくなれば、このときのぐらいはどこかで自然増収で取り返せるだろうという気持ちはあるのですけれども、しかし、一遍赤字国債を出したら、それの癖をどうやってやめられるだろうかという、その辺、大変悩んでおるのだということを率直に申し上げます。
○二見委員 以上で終わります。
○高鳥委員長 これにて市川君、二見君の質疑は終了いたしました。 次回は、明二十五日午前九時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十一分散会