商工委員会 第2号
- 発言数
- 126 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1992/11/30
会議録
○和田(貞)委員長代理 これより会議を開きます。 第百二十三回国会、内閣提出、特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大畠章宏君。
○大畠委員 日本社会党の大畠章宏でございます。 私は、特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律案について質問をさせていただきたいと思います。 現在、国内的に見ますと、各地方自治体の一番大きな悩みの一つがごみ処理問題であります。年々ふえ続けるごみをどのようにして処理するか、またその処分地をめぐり、自治体内または自治体間で地域紛争的なトラブルなんかも発生をしているということを聞いております。この問題は、国際間でもいろいろと問題が発生しており、そういう観点から、いわゆる環境保全の面からも大変重要な問題だと認識しているわけであります。したがいまして、廃棄物の減量化、再生利用、適正処理、処分など、まさに私たちが真剣に対処すべき課題だと考えております。 国内的には、リサイクル法や廃棄物処理法等整備してまいりましたけれども、いずれにしても、今や製品の開発に費やされてきたと同等またはそれ以上の努力が必要であり、いわゆるこれらの課題に真剣に対処しなければ、地球環境が人類の生存を許さないように変化してしまうということも予測されているところであります。 こういう観点から、地球環境保全のため、国際的なルール化が緊急かつ重要な課題だと思います。私の質問時間は三十分と限られておりますので、関連する詳細内容につきましては午後の連合審査会等における同僚議員の質問にお願いするものとして、私は、本法案の成立により影響を受ける貿易面に的を絞り、何点か質問をさせていただきたいと思います。 本法案は、一九八九年三月に国連環境計画で採択された有害廃棄物の国境移動に関しての国際的共通ルールであるバーゼル条約の批准的法案であると理解するものであります。すなわち、先進国と発展途上国間等で多く発生している有害廃棄物輸出入についての国際的共通ルールをつくり、地球環境保全と有害廃棄物に関する国際的トラブルを防止することが目的だと考えております。 そういう意味では、この法案の趣旨について、まさに地球環境を守るためにも早く制定すべきものと理解するものでありますけれども、まず最初に、基本的に我が国は率先してこの環境先進国を目指すべきだと思いますが、ただ、世界的共通ルール化を目指すとすれば、日本だけがといいますか、一国だけが厳しい制限内容、規制内容とした場合に、貿易面でのいろいろな心配も予想されます。世界各国の制定している法案と比較して、内容は同等か、特に厳し過ぎる点はないかなど、本法案の趣旨により、有害な廃棄物の国際間の移動を制限することは当然でありますけれども、適正な貿易まで制限してしまわないように、どのように検討をしてこられたのか、関係省庁にお伺いしたいと思います。まず、これは外務省と通産省にそれぞれお伺いしたいと思います。
○伊佐敷説明員 お答え申し上げます。 有害廃棄物の輸出入、運搬、処分等に関する一般的な規制制度につきましては、各国において異 なっております。その規制の度合いについて一概に申し上げることは難しゅうございますけれども、いずれにいたしましても、バーゼル条約の締約国は、締約国といたしましてそれぞれの国内制度を活用し、バーゼル条約上の義務の履行を確保するための措置をとっております。他方、我が国もバーゼル条約の内容に沿った国内法制の整備を行うこととなるわけでございますので、我が国の法制度が諸外国に比し特に厳し過ぎる規制を行っておるということではないと考えております。
○堤政府委員 お答え申し上げます。 今回御審議いただいております法案でございますが、バーゼル条約をベースとして日本としてもつくりました。したがいまして、各国いろいろございますけれども、私たちの法律、制度が特に外国に比して厳しいというようなことはないと存じております。また、バーゼル条約自身、当然のことながら正常なリサイクルにつきましては阻害しないような配慮をしてございますので、今回の法案も正常なリサイクル貿易を制限するものにはならないというふうに理解しております。 以上でございます。
○大畠委員 今立地公害局長の方からもいろいろお話ございましたけれども、このリサイクル問題で、先ほど申し上げましたとおり、製品等をつくる場合にはなるべくごみが出ないように、あるいは廃棄物にしたときの減量化、そしてまたその再生利用というのも私は大変重要な課題だと思います。最近の貿易の傾向等を見ますと、いわゆるリサイクルに絡む貿易というのも増加しているというふうに聞いておりますし、このリサイクルの推進も有限な資源の有効利用という意味からも私は大変重要だと思います。そういう意味では、日本の国を考えた場合に、日本から主に東南アジア等にリサイクル目的での貿易がふえているということでありますけれども、日本がこのバーゼル条約等を、この法案を通した場合に、このバーゼル条約の非加盟国といいますか、非加盟国が東南アジア等では多いということなんですが、そういうことを考えると、非常に貿易面での制約が出てきてしまうんじゃないかということも懸念されております。そういう意味では、この非加盟国、東南アジア関係、あるいはまた輸出先といいますか、これまでリサイクルという形でやっていた国との貿易面で発生する障害をなくするためにも二国間協定などを整備すべきだと考えておるのですけれども、現状とこれからそういうふうな問題に対してどう対応するのか、通産省にお伺いしたいと思います。
○堤政府委員 おっしゃるように、リサイクル貿易につきましては世界各国とやっておるわけでございますが、その中でも特にアジア、東南アジア関係は多うございます。今後この条約に加盟した場合、非加盟国とのリサイクルの貿易は条約上禁止されるわけでございますので、そういう国との関係では貿易ができなくなる可能性があります。それにつきましては、まずできる限りそういう国々に対しましてもこの条約に入っていただくということを促進してまいりたいと思っております。 先生から御指摘のございました二国間協定につきましては、これは確かに理論的にはできるわけでございますが、それに関して時日を要するというような問題点もございます。できればそういう国が早くバーゼル加盟国になっていただくということが非常に重要なことではないかと思っている次第でございます。
○大畠委員 できるだけ早くということでありますが、私が手元にいただいていますバーゼル条約の署名、また批准の状況を見ますと、アジア関係は非常に少ないように感じられるのですけれども、今のような、できるだけ加盟してもらうのだというような対応だけで大丈夫ですか。
○堤政府委員 現在世界の中で加盟した国は、現時点までの情報では三十五カ国ございます。そういう意味では、そういう国との関係は問題ないわけでございます。 それからもう一つ、OECD理事会におきましてこのバーゼル法と類似の理事会決定をしておりますが、これに参加している国は、日本がこの理事会の決定に参加をしさえすれば問題がなくなるという意味では、先進国との関係は問題がなくなるわけでございます。 それから、第三のカテゴリーといたしまして、既に発展途上国であっても、例えば中国のように加盟をしている国もございますし、韓国のようにまだ未加盟でございますけれども既に加入する方針をとっておる国もございます。そういう国といたしましては、フィリピン等も年内に条約を批准できるようなことを努力しておるようでございますし、インドネシアにつきましても年内に加入の意向などを表明しております。したがいまして、それぞれの国におきましてバーゼル条約に加入する努力ということを、日本が参加するまでの間にできる限り入っていただくということが必要でございまして、それでもどうしてもだめな場合には、先生のおっしゃるように、この条約上も認められております二国間協定というのが最後の手段としては当然可能になるわけでございます。
○大畠委員 先ほど日本がいわゆる環境先進国として率先してこういう問題については取り組むべきである。今まで日本が経済大国、経済的な力が強いというので非常に世界的な影響力を持ってきているわけですが、そういうものだけじゃなくて、日本という国は環境も非常によく考えている国なんだということを内外に鮮明にするためにも、いろいろな関係があったのでしょうけれども、バーゼル条約の国内批准的な国内法の法案の整備が非常におくれてしまったというのは私は大変残念だと思うのです。今のお話を伺っていますと、他の国と同等に一国として参加をし、バーゼル条約の国内法を整備するという姿勢しかちょっと感じられないのですが、例えば日本がもっと積極的に周辺のアジア諸国だとか、そういう少なくとも日本の影響範囲といいますか、日本が真剣に考えなければならないのはアジア地域でありますので、アジア地域に呼びかけて、こういう状況だからぜひバーゼル条約等の条約署名だとか批准を推進しませんかというような音頭取りぐらいやるべきだと私は思うのですが、この件について、これは環境庁なのか通産大臣なのかよくわかりませんが、環境庁長官として、このバーゼル条約をアジアの中で率先してやるというような意向はございませんか。
○中村国務大臣 委員御指摘のとおり、国境を越えて有害廃棄物の移動というものをいろいろな面できちっとやって、もって環境の保全と健康を守るということですから、これは日本が率先してやらなければならないのはおっしゃるとおりでございます。そして、今おくれているという御指摘がありましたけれども、世界で今三十五カ国、通産省から御答弁ございました。アメリカもまだ入っておりませんし、日本が特に大変おくれているというのではない。今一生懸命急いでお願いをして、この法律もこうして御審議をいただいているということだということを御理解いただきたいと思います。そして、東南アジアの諸国が入っていない国が多いのでございますが、御指摘のとおり、私ども多くの貿易関係を持っておるわけでありますし、リサイクルのためにも大切だし、そういう国々に入ってもらわなければいけない。そういうことで、大変近しい、親しいつき合いをしている国々でありますから、日本がこういった法律を通し、条約に加盟するということがいいインセンティブになるんじゃないかということと、御指摘のとおり積極的にこの条約に入っていただくように働きかけを行っていきたい、このように思っているところでございます。
○大畠委員 今アメリカとの比較ということでありますが、アメリカもまだ入っていないんだから日本も入らなくてもそんなにおくれていないのですよという指摘でありますが、アメリカも決してすべてについて積極的とは言いがたいところもあります。特に、環境問題等々についてはちょっと出おくれている、ヨーロッパ等に比べれば出おくれているというのが実態でありますので、余り環 境庁長官としてアメリカとの比較でもって云々するのはいかがかと思いますので、ぜひその点はもうちょっと進んでいる、先進地域であるヨーロッパ諸国をベースとした考えでやっていただきたいなと思います。 いずれにしても、今環境庁長官からアジア地域に対する働きかけを日本としても積極的にしていくというようなお話がございました。何かというと経済力だけが目立つ日本でありますので、ぜひ環境面でアジア地域でリーダーシップをとってやるというような姿勢を日本として打ち出していただくことを要望しておきたいと思います。 それからあと、先ほど二国間協定等々については、なるべく働きかけをしながらそれをやっていくということでありますが、この件も日本がそういう環境に配慮をしながら前向きな姿勢を示したということじゃなくて、今の環境庁長官の御答弁にもありましたとおり、関係部署が連携をしながら二国間協定等の締結に向けてもぜひ進んでやっていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。 それから、貿易面でいえば、国交がない国との間の貿易について、このバーゼル条約を批准した場合に、どういう問題点が出てくるのか、その点についてどういう分析をし、今後の対応策をとろうとしているのか、これも外務省と通産省の両省にお伺いしたいと思います。
○伊佐敷説明員 お答え申し上げます。 国交のない国との間での貿易についてはどのように対処するのかというお尋ねでございますが、我が国と有害廃棄物等の貿易の実績がある国または地域であって、我が国と国交のないものまたは我が国が承認していないものといたしましては、具体的には台湾が相当するというふうに承知しております。 バーゼル条約第四条5を見ますと、締約国と非締約国との有害廃棄物等の輸出入を禁止というふうに定めておりますけれども、本条約に言います締約国及び非締約国とは、ともに基本的には国に限られるというふうに解しております。したがいまして、第四条5は締約国と国に当たらない台湾との間の廃棄物取引には適用されないというふうに考えております。 ただし、台湾が国に当たらないとの理由から台湾との廃棄物取引を何らの規制にもかからしめないということは、有害廃棄物等がもたらす危険から人の健康及び環境を保護するとの目的でありますこの条約の趣旨を損なうおそれがあるというふうに考えております。 他方、バーゼル条約第十一条には、非締約国との間でも、バーゼル条約により義務づけられている有害廃棄物等の環境上適正な処理と両立する取り決め等によって行われる有害廃棄物等の輸出入を認めております。我が国といたしましては、この第十一条に言及されております取り決め等と同等の内容を持つ民間の取り決めが日台間で結ばれるように働きかけることとしたいと考えております。この取り決めに従って廃棄物取引が実質的に行われることを確保することによりまして、バーゼル条約の趣旨が全うされるよう努めたい、このような立場で臨むことにしております。
○堤政府委員 基本的考え方は、外務省と全く同じでございます。特に、台湾ともリサイクル関係での取引がございますので、今のような民間取り決めという形でぜひやっていただきたいと思っている次第であります。
○大畠委員 わかりました。一つ冒頭にも申しましたとおり、現在の資源問題、大変な重要な問題でありますので、一方からある規制をしようとすると、一つの方のリサイクルの推進というのがダウンしてしまうということがないように、ぜひ関係省庁間で協議をしながら進めていただきたいと思います。 それから、有害廃棄物の定義を今回の法案の中では、バーゼル条約の附属書に掲げる物としておりますけれども、特にその解釈をめぐって、あれはどうなんだろうか、これはどうなんだろうか、国内的にもまた国際的にも混乱が起こるのじゃないかという懸念の声が上がっております。すなわち、今のリサイクルを目的とするなどの適正な貿易に混乱を起こすことのないように、私はもっと詰めて明確にその対象物というものをすべきだと思うのでありますけれども、これに関して、これは環境庁の方の主管かもしれません、環境庁の方ではどのようにこの附属書の内容というものをブレークダウンして明確にしようとしているのか、あるいは通産省として、現在のこの附属書に掲げるというような法案の内容で、現在の国内的なトラブル、国際的なトラブルが発生しないと考えているのか、そこら辺についてお伺いしたいと思います。
○赤木政府委員 有害廃棄物の定義、本法第二条におきまして、本法とバーゼル条約との規制対象の整合性を確保するということで、条約上の規定を援用していまして、なかなかわかりにくいというようなお話もあるわけでございますが、この内容がよくわかるようにということで、本法の運用に当たっては、告示その他の方法によって、その規制対象となる特定有害物質等の内容の詳細が、国民の皆さん方によくわかるようにしていきたいというふうに考えてございます。
○渡辺(修)政府委員 お答え申し上げます。 今先生御指摘のように、本件、再資源目的等によります輸出あるいは輸入にも当然関連してくるわけでございます。したがいまして、我々、外国為替貿易管理法に基づきまして、当然のことながら、輸出、輸入の承認をやるわけでございますが、御承知のように、現在たくさんの品目について輸出入の規制をやっておりまして、これらの対象物につきましては、輸出注意事項あるいは輸入公表といったようなそれぞれの細かい通達でもちまして、対象物さらには承認基準等々について細かく定めまして、これを輸入公表その他発表いたしまして関係輸出入業者が十分周知できるような形で、現在膨大な品目につきまして処理しておるわけでございます。先生御指摘のバーゼル条約関係の有害物質等につきましても、まさにおっしゃるように非常に細かい中身になるものでございますから、十分な時間を持ちましてあらかじめこれを輸出注意事項等に定めまして周知徹底いたしまして、混乱のないように十分注意してまいりたいと思っております。
○大畠委員 わかりました。 それから、この法案を定めますと、いわゆるバーゼル条約の解釈でいいますと、自国で処分できる有害廃棄物は基本的に輸出不可ということになるわけですね。しかしながら、地球上の有限な資源を有効に利用するためには、廃棄処分じゃなくて、できるだけリサイクルに努めるという姿勢も一方では重要なわけであります。そういうことから、再利用の処理過程において環境を汚染しないという認定をされるようなリサイクルの可能物については、経済的な関係などから関係国が同意するのであれば、適地にて再利用を促進するというのが現在の段階では妥当だと考えるわけでありますけれども、この件について環境庁並びに通産省ではどういうふうな検討をしているか、それぞれお伺いしたいと思います。
○赤木政府委員 リサイクルのような資源の有効利用という面から考えても必要なことでございますけれども、環境上の適正な保護での処分を積極的に対応していくということも必要だというふうに考えておるわけでございます。そういうふうな形で、バーゼル条約の実施法たる本法でもリサイクル利用される特定有害廃棄物等について、その環境上適正な輸出入あるいは運搬、処分を確保する観点から運用をされるというふうなことになっているわけで、リサイクル目的で環境上適正に輸出されるものを抑制するというようなことにはならないというふうに考えてございます。
○堤政府委員 お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、リサイクルというのは大変意義のあることだと思っております。日本全体で排出物というのは三億トンございますが、そのうち最終的ごみになるのはその六分の一の五千万トンぐらいでございます。その残りの大半、大半 というのですか、半分ぐらいは実はリサイクルという形で姿を変えてごみにならずに済んでおるわけでございますし、リサイクルがあるために日本のエネルギーの七%ぐらいが省エネができているということもございます。そういう意味で、リサイクルの意義は日本だけではなくて国際的にも非常に重要だと私は思っております。 条約上の位置づけでございますが、条約上には四条9項というのがございまして、その中で今委員御指摘のように、日本で処理が不可能な場合は輸出できないということに加えまして、輸入国側でぜひ再利用のために必要であるという場合には日本側から輸出することが許可できるという体制になっておるわけでございまして、条約上もリサイクルを決して邪魔をするという形にはなっていないと思っております。リサイクル目的につきまして、今後円滑に行われるように、我々としても輸出入の許可を勘案してまいりたいと思っておる次第であります。
○大畠委員 基本的な姿勢についてはわかりました。 いずれにしても、私どものといいますか、我が国の法律が実際に効果を発揮するためにはこの法案の中に、いつものことでありますが、省令とか政令とかそういうふうなものがいろいろ入ってくるわけでありますが、この法律を構成する省庁が複数あるということから、いろいろ詳細詰めていくと非常に混乱をするんじゃないかということも今うわさされているところであります。この法律が通過した後、同僚委員から政令はどうなんだ、あるいはまたここはどうなんだろうかという質問が出ると思いますが、ぜひ私は、各省庁のいろんなお考えがあると思いますが、先ほど冒頭に申しましたとおり、目的はやはり地球の環境を、自国の利益とか云々もいろいろあると思いますが、地球環境をどう我々人類が守っていくかという大変重要な課題に対する法案であるということを意識していただいて、ぜひ協力してやっていただきたいと思うのです。 そういう点では、きょうは通産大臣もおいでになっておりますけれども、この法案等に対する窓口は、諸外国との関係だとかあれですが、通産省がその窓口になるという話を聞いておりますけれども、通産省として関係省庁と調整をしながらどう運用していくのか。特にこの法案あるいは省令ができた後もいろいろな各国間との問題が出てくると思うのですね、あるいは国内的な問題、そういう問題をどう大臣としてこの法案の趣旨を生かして実効あらしめるという決意を持っておられるのか、最後にお伺いして質問を終わりたいと思います。
○渡部国務大臣 ただいまのお尋ねでございますが、かけがえのない地球を廃棄物の発生による環境の悪化から守って快適な生活水準と経済活動を長期的に維持していくということを、これは廃棄物の適正な処理を確保することはもとより、今先生からいろいろお話ありましたように、省資源と資源のリサイクルを織り込んだ経済社会の転換を地球規模で進めていくことが大変大事なことだと思っております。 このため、今お話のありました本法の運用に当たっては、関係省庁間で十分な連携をとりながら、環境上適正な方法で有害廃棄物などの輸出入、運搬、処分が行われ、かつ、適正なリサイクル目的の国際間取引に支障を生じることのないように努めてまいりたいと存じます。
○大畠委員 終わります。
○和田(貞)委員長代理 斉藤節君。
○斉藤(節)委員 私は、公明党・国民会議の斉藤でございます。バーゼル条約に関連した国内法案につきまして御質問申し上げます。 まず最初に、昨年十二月十二日の新聞でございますが、これによりますと、「通産省は十一日、地球環境保全のため、有害廃棄物、有害物質などの国際移動や貿易に関するルールを定めた「バーゼル条約」に日本も加入することを明らかにした。」このようにあります。そして、「次期通常国会」前国会でありますけれども、「次期通常国会に法案提出する。」このようにあるわけでございます。また、今年四月二十四日の夕刊にも、「自民党商工、環境両部会も了承した。政府は連休明けにも閣議決定する。」「しかし、輸出入の審査権限について、通産省が他の商品同様に自ら所管することを主張したのに対し、環境庁は「有害廃棄物の審査には環境保全の視点が必要だ」として対立、法案づくりは難航していた。」このような報道がございます。 このバーゼル条約というのは、申すまでもなく、国連環境計画、UNEPが、一九八九年に採択しまして、批准国、加入国が二十カ国を超えたことによって今年五月に発効したわけであります。これまでに三十五カ国が締約している、このように言われております。国際的な信用にもかかわる問題として、我が国としても今年六月に開催されましたブラジルにおきます地球サミットに間に合わせるよう前国会で成立させてほしいということが各界から強く要望されていたところでもありますし、また私も環境委員会などで強くこれを要望してまいったわけでございます。しかし、ついに今臨時国会にずれ込んでしまいまして、しかもきようになってしまったことは大変残念なことであると私は思っているわけでございます。 そこでお尋ね申し上げますが、巷間いろいろと言われておりますが、今臨時国会にずれ込んでしまいました本当の理由につきまして詳しくまず御説明いただきたい、そんなふうに思うわけであります。よろしくお願いします。
○堤政府委員 お答え申し上げます。 本法案は、特定有害廃棄物の環境上の適正な処理を図り、もって人の健康の保護と生活環境の保全に万全を期するということが第一の目的でございます。ただ一方で、先ほどから御質問がございますように、リサイクルをまた害しないという面もあるわけでございまして、貿易管理あるいは貿易手続自身が二重行政になったりしないように合理的な手続をとるということが重要でございます。そういう意味では、通産省、環境庁、厚生省との業務分担につきまして適正でかつ合理的な分業、分担はどういうふうにあるべきか、しかも、それが最終目的である健康の保護、環境保全に万全であるかどうか、一方でそれをお使いになる国民の皆様にとって合理的であるかどうか、この二点がなかなか問題がございました。そういう観点から、最も望ましい制度、現在御提案申し上げているような内容になるまでに大変時間を経たことは大変残念であると同時にやむを得ないことではなかったかと思っている次第でございます。 本法のこれからの施行に当たりましては、各省間で十分連携協力して的確、円滑な実施になるように努力をしてまいりたいと思っておる次第でございます。 以上でございます。
○斉藤(節)委員 環境庁さんは、どんなふうに考えておられるのですか。
○中村国務大臣 今、基本的には通産省からお答えがあったとおりだと思います。 今、実際にある手続としての輸出入のやり方の法律もあるわけですから、行政の重複にならないようにどこがどういう分担をしたらいいかということで、環境庁が窓口になって有害廃棄物という判断はさせていただいて、貿易の手続は通産省の方でおやりいただいて、廃棄物、ごみに関するところは厚生省もということでございます。そして、やはり日本の環境行政、これは政府一体となってやるものですから、そこで環境庁は環境行政、地球環境問題に対する企画と総合調整をやる役所でございます。そういうわけで、熱心に政府内の調整を行った結果こうなったということで、最善のものができたと思っておりますので、御提出をさせていただいたということでございます。
○斉藤(節)委員 どうもありがとうございました。主要国であります。アメリカが加盟しておりませんので、日本はその辺手心を加えたのじゃないか、そんな感じがしないわけでもなかったわけでありますけれども、そんなことはないということで安心いたしました。 そこで、条文の方に入らせていただきますけれども、まず第二条第一項でございますけれども、そのハでありますけれども、「政令で定めるところにより、条約第三条1又は2の規定により」云々とあります。ここで条約の第三条というのは、申すまでもなく「有害廃棄物に関する国内の定義」ということになっているわけでございますけれども、どのようなものを想定しておられるのか、具体的にお答え願えればと思います。
○赤木政府委員 条約によりますと、条約で規定しているもののほかに、締約国等の国内法令によって有害であると定義されまたは認められている廃棄物の有害廃棄物として条約の規制対象となるような規定が置かれてございまして、条約のこの規定に基づきまして規制対象を追加するというようなシステムになってございます。これは条約第三条の規定に基づいて締約国が条約事務局に通報することによって効力を発するというような形になってございますが、この規定を受けた形で、国内法でも、今回の本法でも追加が可能なようにするための規定であるわけで、ただ、現在のところ具体的にこれに該当するものを想定しておるわけではございません。
○斉藤(節)委員 このうち、PCBだとかダイオキシンなどの有害性の強い物質は政令で別途明記するということになっていますけれども、これはこの中に含まれるのでございますか。
○赤木政府委員 そういうものは既に条約の対象とするようなものの中に入ってございます。
○斉藤(節)委員 どうもありがとうございました。 そこで、次は第三条でありますけれども、「主務大臣は、条約及び条約以外の協定等の的確かつ円滑な実施を図るため、次に掲げる事項を定めて公表するものとする。」とありまして、第一号、第二号から第四号までございます。ここに、第一号は「人の健康又は生活環境に係る被害を防止するための施策の実施に関する基本的な事項」、第二号は「事業を行う者がその事業を適正に行うために配慮しなければならない基本的な事項」、第三号は「国民が配慮しなければならない基本的な事項」、第四号が「適正に行われることを確保するための重要な事項」、このように「基本的な事項」とか「重要な事項」とありまして、私特に御質問申し上げたいのは、第三号に「特定有害廃棄物等の発生の抑制及び適正な処分が行われることを確保するために国民が配慮しなければならない基本的な事項」とありますけれども、「国民が配慮しなければならない基本的な事項」とは一体どういうことなのか、詳しく述べていただきたいと思います。
○赤木政府委員 本法の第三条でこういう基本的事項を明らかにするということにしております趣旨は、本法がバーゼル条約の実施法であるということから、特定有害廃棄物等の輸出入の承認等、外為その他既存の法律で十分対応できない条約上の訓示規定等については、その内容を整理して国民に明らかにしていく必要があるということで、本法の基本的な理念や運用に当たっての必要事項を基本的事項として明らかにしようということでこの規定が設けられてございます。 お尋ねの第三条三号でございますけれども、これは「特定有害廃棄物等の発生の抑制及び適正な処分が行われることを確保するために国民が配慮しなければならない基本的な事項」について述べるということになってございますが、この号では、例えば特定有害廃棄物等の処分について当該特定有害廃棄物等が発生した国において国内処分を原則とするんだというようなこととか、あるいは社会的、技術的、経済的側面を考慮しつつ国内における特定有害廃棄物等の発生を最小限度にするというようなこと等を規定することを予定してございます。
○斉藤(節)委員 ちょっとまだよくわからないのですが、これは事業者じゃないですよね。国民ということですから、一般国民を指すわけですね。そうじゃないんですか。
○赤木政府委員 国民というのは、もちろん個人も、法人もみんな入って、すべからく国民という意味で理解してございます。
○斉藤(節)委員 まあ、いいと思います。じゃ、次に参ります。 次は、輸出の承認に関する事項でございますけれども、この第四条第二項に「通商産業大臣は、その輸出に係る特定有害廃棄物等の処分に伴い生ずるおそれのある大気の汚染、水質の汚濁その他の環境の汚染を防止するため特に必要があるものとして」云々とあります。ここで「特に必要があるもの」とありますけれども、どのようなものを考えておられるのか、またバーゼル条約の附属書に該当するもの以外のものもあるのか、そんなようなことをお聞きしたいと思います。そしてまた、この中に「通商産業省令で定める地域を仕向地とする」云々とありますけれども、ここで言う「地域」として締約国以外の国もあるのかどうか、その辺お尋ねしたいと思います。
○渡辺(修)政府委員 お答え申し上げます。 四条第二項に御指摘のように、環境の汚染を防止するために特に必要があるものとして、承認の写しを環境庁長官に送付する、こういう規定を置いてございまして、その中身は関係省令で決めることになっております。 これは先生御指摘のように、本バーゼル条約の輸出入の規制に当たりましては、特に輸出国につきまして物を輸出する場合に相手国関係当局の同意をとるとか一連の相手国への配慮、相手国の環境上に対する配慮というのが一つの条約上の非常に大きな要件になっております。したがいまして、ここでチェックいたします一つの条約上のポイントといたしますと、輸入国がそういった特定有害廃棄物等を処理する能力を持っておって、かつその環境上適正な方法で処理できるのかどうか、こういうことをチェックすることになります。 そうなりますと、例えば先進国でございますと、当然のことながら先進国は法制も整備いたしておりますし、さらには一連の処理技術も確保されておりますから、そういう先進国に対して我が国から、例えばリサイクルを目的に有害物質を出すといったような場合には、これはそこまで我々が気をつける必要はないと思います。こういったものはこの対象から除こうと思っておりますが、それ以外の、例えば発展途上国等に対する場合、今言ったような観点できめ細かく見なければいけないものがあると思います。 そういうことを考慮いたしまして、内容につきましては、そういったものを対象に環境庁に写しを送付いたしまして、我々が見ると同時に環境庁から専門的な目で見ていただく、そして大丈夫だということになったとき、かつ当然のことながら相手国から同意があった場合に出す、こういうような非常に慎重なチェック体制をしいたというのがこの確認の制度でございます。 それから、今御指摘もありましたが、ここで決めます地域とかそれから国あるいは物につきましては当然この附属書の対象のものであり、かつまた締約国である、こういうことでございます。
○斉藤(節)委員 環境庁さんも同じような考え方ですか。
○赤木政府委員 先ほど御説明あったと同じ考えでございますが、一定の特定有害廃棄物等の輸出については、環境庁長官が大気の汚染とか水質の汚濁その他の環境上の汚染を防止するために必要な措置が講じられているかどうか確認するということで、そういうものを特定するということでこの共同省令が定められるというふうになってございます。これは先ほど御説明あったとおり、先進国を仕向け地とする再生利用を目的として輸出される特定有害廃棄物など以外のものはこれの対象にしていくというふうな考え方で考えてございます。
○斉藤(節)委員 次に、環境庁に引き続いてお尋ねいたします。 この同じ第四条の第三項でございますけれども、「環境庁長官は、前項の規定により申請書の写しの送付があったときは、その申請書に係る特定 有害廃棄物等の処分について環境の汚染を防止するために必要な措置が講じられているかどうかを確認し、」とあります。その確認はどのような手順で行われるのか、また、輸出先の国にまで出向いたしまして確認するのか、その辺はどのようになさるのか、お尋ねしたいと思います。
○赤木政府委員 環境庁長官の確認に当たりましては、処分に供される施設が環境保全上支障なく特定有害廃棄物等を処分するための公害防止施設を有し、かつ適切に維持管理されているかどうか、あるいは処分される特定有害廃棄物等が施設能力を超えてないかというようなこと、さらには、輸入国における環境保全上の措置に照らして相当の措置が講じられているかどうかというようなことなどについて、通産大臣から送付された申請書の写しをもとにそれぞれのケースに応じて具体的に慎重に審議するというふうにしてございます。したがって、原則として現地に出向くことは考えてございません。ただ、必要がある場合には、相手国の環境担当の機関を通じまして、相手国における状況も十分把握して対処していきたいというふうに考えてございます。
○斉藤(節)委員 では、相手国に行かないけれども、十分こちらで、相手国の環境庁でしょうか、そういうところとの連絡を密にして、どういう状況になるか把握するということ、そして確認するということですね。わかりました。その辺厳密にやっていただかないと、環境の問題でもってよく反対派の人々がいろいろと問題をこちらに言ってきたりしますので、そのようなことのないように、輸出におきましては十分御配慮願いたい、こんなふうに思うわけでございます。 では、次に御質問申し上げますけれども、次は輸入の承認に関する事項でございます一これは「特定有害廃棄物等を輸入しようとする者は、」という第八条でありますけれども、この第二項に「環境庁長官は、環境の汚染を防止するため必要があると認めるときは、通商産業大臣が前項の承認を行うに際し、事前に、通商産業大臣に対し、必要な説明を求め、及び意見を述べることができる。」このようになっております。どのような場合必要と認めるのか、具体的に御説明願いたいと思うわけでございます。 これは、衆議院の商工委員会の調査室から「特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律案の要点及び問題点」という冊子をいただきましたけれども、このところに、今までのバーゼル条約の対象となると予想される廃棄物取引の例がいろいろと出ております。このようなものがいろいろありまして、特に粗銅の電解において沈殿しできます汚泥みたいなもの、この中にはいわゆる白金だとか金だとか銀といったような貴金属が含まれておりまして、そういうものを輸入してこちらでリサイクルするということが考えられるわけであります。しかし、その中には砒素イオンが大量に含まれております。そのようなことから、やはりこちらにおける処理の場合いろいろ問題になるかと思うわけでございまして、その辺どのようにお考えになっていらっしゃるか、具体的に御説明願いたいと思います。
○赤木政府委員 第八条において、輸入承認の際に環境の汚染を防止するため特に必要と認めるときは環境庁長官が意見を述べることができるというようなことになってございます。これは、国内において輸入された特定有害廃棄物等の処分等を行う場合に、水質汚濁とかあるいは大気汚染等を引き起こす可能性があって、環境上適正な処分等を行うことが困難であると認められるものを輸入しようとする場合等についてこういう意見を申し述べるというふうに考えておるわけでございますが、具体的には、これまで我が国において処分実績がないような特定有害廃棄物等が輸入されるような場合だとか、あるいは処分を予定している事業者が十分な技術的な技術力を有していないと考えられるような場合とか、あるいは処分が予定されている施設が水質汚濁防止法等における改善命令を受けているような場合等を考えておるわけでございます。
○斉藤(節)委員 わかりました。その辺よろしくお願いしたいと思うわけでございます。 そこで、次の質問でございますけれども、これは条文にちょっと関係ありませんけれども、有害廃棄物の輸出入がこれまでにどの程度行われていたのか、また統計をとっておられるのか、その辺について御質問申し上げたいと思うわけでございます。
○渡辺(修)政府委員 お答え申し上げます。 御承知のように、有害廃棄物等につきまして今回こういうことで新たな条約を締結し、法規制に入るわけでございますので、これに該当するものについての統計については、残念ながら今までとっておりませんので、整備された統計の数字でお答えすることはできないわけでございますが、ただこれが実施されました場合に、今まで入っておったもので、例えばこういうものが該当するであろうという例示は幾つかできるだろうと思います。 〔和田(貞)委員長代理退席、自見委員長代理着席〕 まず第一は、いわゆる特定有害廃棄物のうちで、いわゆる廃棄物でございますが、これに相当する輸出、輸入というのは、今まで実績がほとんどないと思います。問題は、そのリサイクルでございまして、リサイクルを目的として輸出入が行われているというもので幾つか例がございます。 我が国から輸出されているものについて見ますと、例えば自動車解体業者とかあるいはガソリンスタンド等から回収いたします使用済みの鉛蓄電池というものがございます。これは相当鉛の含有がまだあるわけでございまして、こういったものを我が国から台湾、インドネシア、韓国、香港等に輸出いたしまして、そこで鉛をとってそれを有効利用する、こういったようなケースがございまして、これは平成三年の実績で約二万五千トンくらいこういった輸出が見られます。 他方、輸入について例を挙げますと、例えば亜鉛を製錬いたしますときに発生するカドミウム酸化物、これは集じん機で取り集めましたごみである場合と、それが液体になっておるいわゆる沈殿物である場合と両方がございますが、こういったものを諸外国から輸入いたしまして、この中から必要なカドミウムをとるといったような、こういったような有効利用をするものもございますし、さらにはセレン、これはセレンスクラップというものを、これは複写機の感光部の部品なんかの製造工程で発生するものでございますが、こういった感光ドラムというのを、アメリカ等から約四十トン、昨年の実績でいきますと十五トンでございますが、大した量ではございません、輸入いたしまして、そこからセレンを採取して有効利用する、こういったようなのもございます。 いずれも再資源を目的、有効利用を目的とした輸出入でございます。
○斉藤(節)委員 セレン、テルルとかそういったようなものは、大変危険物でありますけれども、有用な金属でございますから、そういう点はかなりあるんだと思いますけれども、それを今度バーゼル条約のもとにしっかりとやっていただきたいと思うわけでございます。 では、時間になりましたので、最後の御質問でございますけれども、これからは有害廃棄物の国境移動全体を視野に入れた取り組みが必要となると私は思うわけでございます。これに対しまして両大臣の御所見をお伺いして、終わりたいと思います。よろしくお願いします。
○渡部国務大臣 お尋ねの点でございますが、有害廃棄物の国境を越える移動に伴う環境汚染の問題は、本年の六月に行われた地球サミットにおいても取り上げられました。近年、国際的な環境問題の主要なテーマでございます。環境先進国である我が国として、本条約の加入及びそのための国内法の整備を図っていくことが急務となっておると存じます。 このような観点から、本法案を御可決いただきましたときには本法の適正な運用に努め、バーゼル条約の的確な実施により国際的責務をまず果た してまいらなければなりませんし、また、本法の適正な運用に加えて、国内における廃棄物の減量化、リサイクル化対策の推進、リサイクル技術等の開発に努めるとともに、リサイクルを進めるための技術移転により、これは大事なことだと思います。私も各国を今歩いてお話ししておると、大変な期待をいただいております。環境面における国際貢献を積極的に果たしてまいりたいと存じます。
○中村国務大臣 もとより、この条約、法律は、有害廃棄物の輸出入、運搬、処分の規制を行って、もって環境の保全、そして我々の生活を安全なものにして、健康を守るという目的がありますから、極めて重要なものでございます。特に、今年は地球サミットが開かれまして、委員よく御存じのとおりでございますけれども、そのアジェンダ21の中でもこういった問題が非常に大きなテーマとして取り上げられております。我が国としては積極的に取り組んでいくべきものでございます。 と同時にもう一つ、これは、先ほどから御議論に出ておりますように、リサイクルという大きな問題を抱えている問題だと思います。そして、やはりリサイクルに伴って起こる害を防止するということで、むしろリサイクルというものに対する認識を高めて、それを促進する効果が出てくるべきものではないか、そういう認識も私ども持っているわけでございまして、そういった面も含めて円滑なこの条約、法律の実施ができるように努めてまいりたい。 それからもう一つ、日本のやるべきことといたしまして、先ほどもお答えいたしましたように、いまだ加盟してない国、まだ日本もこれから、今御審議いただいているわけでありますけれども、国に対して、特に発展途上国に対して働きかけを行って、早期に加入していただくように働きかけするとかいうことと、やはり我が国が持っている今まで蓄積しましたいろいろな技術力、ノウハウ、そういったものをもって、アジェンダ21でも言われておりますように、技術的並びにいろいろな面で、資金的な面もございますと思いますが、そういった面で国際的な貢献をしていく、そしてひいては地球環境、環境問題のやはりイニシアチブを日本がとっていくということにつながるように努力をしていかなきゃいけないと思っております。
○斉藤(節)委員 どうもありがとうございました。 これで終わります。
○自見委員長代理 次に、小沢和秋君。
○小沢(和)委員 法案について質問をする前に、一言お尋ねをしたいことがあります。 昨年、産業廃棄物の発生量を抜本的に減らすためにリサイクル法をつくり、古紙、鉄くず、ガラス等の回収率を大幅に引き上げることが決められましたけれども、不況の深刻化の中でこれらの再生資源が暴落し、回収した古紙などが倉庫に山積みされ、業者が廃業に追い込まれるなど、リサイクル体制を崩壊させかねない状況になっております。このことはけさのNHKテレビでも放映されました。 政府としては、リサイクルを今後も堅持していくためにも、業者の救済なと思い切った対策を講じなければならないと思いますが、どうなっているでしょうか。
○堤政府委員 昨年リサイクル法を通過させていただき、その後その実施に努めておるわけでございますが、それの効果といたしましては、古紙でございますと、その再生利用率というのが四八%ぐらいだったものが五〇%を超えるというような事態にもなってきておるという意味では、それなりの効果があるわけでございます。ただ、委員御指摘のとおり、最近の市況の低迷がございまして、需要が急速に低下をしているために、古紙自身が必ずしも十分回収されていないというような状況にあります。 我々といたしましては、今後古紙の利用が進むような需要拡大策というんでございましょうか、そういうものを産業界あるいは消費者に対してお願いをしてまいるという所存でございます。来年度の新政策におきましてもそういう方向での検討を今鋭意やっている事態でございます。
○小沢(和)委員 では、法案の質問に入りますが、まず環境庁長官にお尋ねをいたします。 この法案はバーゼル条約に基づき特定有害廃棄物等の輸出入について規制しようとするものであります。この条約では、一、輸出国では、技術力や設備面で有害廃棄物等の適切な処理ができないとき、二、輸入国において当該有害廃棄物等がリサイクルのための原料として必要なとき、などに輸出入を認めることになっております。この法案もこの立場に立っているというのでありますけれども、日本のような経済大国は、ただその基準を守っていればよいというだけではないのではないでしょうか。もしこの基準だけでよいというのであれば、日本の国内で処分場が確保できないとか、コストが高くつくなどということで、家庭ごみなども輸出することができるようになるのではないでしょうか。またPCBも、技術的に日本の国内で処理できないということでなら、輸出できるということにもなってしまうのではないでしょうか。金の力でアジアの近隣諸国を日本のごみ捨て場にしてはならないと思いますが、長官、ここが一番基本的な点だと思いますので、明確にお答えいただきたい。
○中村国務大臣 御指摘のようなことが起こらないようにするためにこの条約を国際的につくり、国内法を整備するということだと思いますので、まさにそういったことを配慮して、環境に役に立つ、今リサイクルということを委員大変強調されますが、まさにそのとおりで、地球環境を救うのはリサイクルにあると言われるようなところもあるわけでございまして、危険のないようにしてリサイクルを促進するということが本旨でありますから、まさに御懸念のようなことをなくするためにこの条約がある、法律をお願いしているということでございます。
○小沢(和)委員 私が懸念をするようなことがないようにこの条約を批准するんだと言われましたけれども、この条約で先ほど申し上げたような二点を言葉どおり解釈するというと、私が言ったような家庭ごみやあるいはPCBなども輸出することができるようになってしまうのではないかというふうに私は懸念をするわけであります。 大体この法案には、特定有害廃棄物等の輸出入をどういう基準で環境庁がチェックするのか、どこにも明確に書いてありません。第四条第三項では「環境の汚染を防止するために必要な措置が講じられているかどうかを確認し、」とだけ書いてありまして、これでは相手国で環境を汚染しないような処分が行われるかどうかのチェックしかしないように読めますけれども、その点どうでしょうか。
○赤木政府委員 本法はバーゼル条約が要請している輸出入許可について、既存の制度を活用しながら効率的に行うということで、こういうふうな、本法のような制度になってございます。この今お話のあった、輸出される有害廃棄物のうち、その処分について環境汚染の防止に必要な措置が講じられているかどうかを確認する必要のあるものについては、環境庁長官がその点を確認する、確認したものでなければ、確認したということの通知をまた通産大臣にするわけでございますが、そういう通知があったもの以外は輸出入許可をしないという、確認が、通知が行ったものだけを輸出承認するというふうなことになっておるわけで、この法律を適正に運営していけば、環境の汚染の防止という点では十分対応できるのではないかというふうに考えてございます。
○小沢(和)委員 それでは納得できません。私が申し上げたように、家庭ごみなどについてもその処分場などが日本の国内で確保できない、あるいはPCBなどについても技術的に日本の国内で処理できないというようなことでだったら、この今の条約でこういう場合には輸出入を認めるというふうに言っているものからするというと、我が国でもクリアすることになってしまうんじゃない か。だから、そうはならないというのは、この法案のどこを読んだらその点が確認できますか。
○赤木政府委員 バーゼル条約第四条9において、有害廃棄物の輸出について、輸出国が環境上適正かつ効率的な方法で処分するための技術的な能力及び必要な施設、処分能力または適当な処分場所を有しない場合とか、あるいは輸入国において再生利国産業または回収産業のための原料として必要とされている場合、あるいは締約国全体として決定する他の基準に従って行われる場合というような、いずれかに該当するような場合に限り許可は認められるということになっております。 お話のPCBのようなものでございますが、処理施設の立地については問題は解決してないものの、日本でもある程度の処理技術はあるわけでございます。さらに、リサイクルのための原料に使用されるということも考えられないわけですし、さらに、現在条約第四条9に基づく締約国全体として決定する他の基準もないというような実態を踏まえますと、バーゼル条約上から見ても我が国からPCBの廃棄物を外国に輸出することは困難であるというふうに考えるわけでございまして、本法の運用に当たってはそういうことで対応していきたいというふうに考えてございます。
○小沢(和)委員 この法案は条約の国内法でありますけれども、その条約の一番大事になるような、今ここで議論をしておりますような基本的な規定、これが法案のどこにも文言として書き込まれていない。ほかの点についても、私はそういうようなことが言えるんじゃないかと思うのです。そうすると、そういうようなことが法律の本文に書かれなくても条約の内容がきちんと守られるということがどこで保証されるのか。 〔自見委員長代理退席、和田(貞)委員長 代理着席〕
○赤木政府委員 いろいろな国内法の規定を運用しながらやるものもあるわけでございますが、今お話のような条約上要請されている事項、訓示規定等もあるわけでございますが、こういうふうなことがはっきりわかるような形で、三条の「基本的事項」ということで明らかにしていきたいというふうに考えてございます。三条の中では各号に、いろいろな施策上、あるいは国民が配慮しなければいけない事項等いろいろ明らかにするような形になってございます。こういうものの中で国としてどういうふうな考えで対処するかということもはっきりわかるようにいたしていきたい、それで、国民がこれを見れば十分明確にわかるような体制にしていきたいというふうに思っております。
○小沢(和)委員 今、基本的な事項というところでそれを書くようにするというお話でしたけれどども、それは私は、法律の本文に書くのに比べるというと、簡単に書きかえることもできるし、あくまで行政の単なる指針ということにしかならないんじゃないか、非常に扱いが低いということになるのではないかという懸念をここで申し上げておきたいと思うのです。 次の質問に進みたいと思うのですけれども、相手国でリサイクルをするというのであれば輸出してもよいというふうにも私は簡単に言い切れないんじゃないかと思うのです。さっきもちょっとお話が出ておったかと思いますけれども、かつて台湾に輸出した電話交換機などのスクラップを地元業者が焼却し金属を回収しようとして、有毒なダイオキシンを発生させ、周辺住民に健康被害が発生したということで大問題になったこともあります。環境庁としては、リサイクルするという立場で申請が行われても十分内容を検討してから輸出国に通告などをすべきで、問題があれば、日本の環境庁として、相手国に通告するまでもなく自主的にその輸出をやめさせるぐらいの厳しい姿勢が必要ではないかと思いますが、いかがですか。
○赤木政府委員 ただいまのお話は、法律の四条三項の特定有害物質の処分について、「環境の汚染を防止するために必要な措置が講じられているかどうかを確認」するというふうなことになっていることの運営の話だと思いますけれども、これらにつきましては、提出されております書類の写しを見ながら、十分な審査を行いながら、輸出先国で環境上の汚染を生じることがないような形で、十分審査していきたいというふうに考えてございます。
○小沢(和)委員 私はこの法案は環境保護立法のはずだと思いますけれども、法律の仕組みとしては、外国為替及び外国貿易管理法の輸出手続の一部として、特定有害廃棄物等の輸出の可否のチェックが環境庁の手で行われるようになっております。これは、本末が転倒しているのではないかと思うのです。第四条第二項で、一定の途上国を仕向け地とする特定有害廃棄物等について、環境庁のチェックを受けるかどうかは総理府令、通商産業省令で定められているということになりますけれども、具体的には通産側がその必要性を判断することになるのではないか。この手続の主導権は通産省側が握っているというふうに見られるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○渡辺(修)政府委員 具体的な輸出輸入に関する御質問でございますので、私の方からお答え申し上げます。 先生御指摘のように、第四条の第一項をごらんになっていただきますと、「特定有害廃棄物等を輸出しようとする者は、外国為替及び外国貿易管理法第四十八条第三項の規定により、輸出の承認を受ける義務を課せられ」ているということでございまして、この法律によりまして、輸出入、特にこの輸出のところでございますが、輸出については外国為替貿易管理法の承認に係らしめるということになっておるわけでございます。現在、外国為替及び外国貿易管理法におきましては、外国貿易及び国民経済の健全な発展を図る観点から、幾つかの項目につきまして承認制に係らしめておるわけでございます。 例えば例を挙げますと、銅とかニッケルというような国内需給の観点から規制をする必要がある物とか、あるいは繊維その他、輸出入の秩序維持の観点から規制をする必要がある物とか、さらにそれに加えまして、ワシントン条約といったような例の希少動物を保護する、これは国際条約でございますが、その条約に基づいてそれを実施するために輸出輸入について承認を係らしめるもの、これも外国為替貿易管理法でやっておりますし、さらにはロンドン・ガイドラインというものに基づきまして、有害化学物質の規制を行うもの、これも外国為替及び外国貿易管理法でやっておるわけでございます。 こういったように、非常に幅広く外為法で規制しておるわけでございますが、今回のバーゼル条約におきましても、今申し上げましたような一連の考え方のもとに、この条約に基づいて、もちろん環境の確保が主眼の条約でございますが、この条約を忠実に実施するために、既存の、今申し上げました幾つかの輸出承認制度の一環といたしまして、この一般法によって対処しよう、こういうことで処理したわけでございます。 したがいまして、この承認に当たりまして、どういう基準で対処するかということにつきましては、先ほど環境庁の方からお答えがありましたように、一般的な基本方針ということで書かれております事項、さらには、先生御指摘のありました幾つかの、条約において、輸出入において規制をしなければいけないと規定されておりますような事項、そういったものは、いずれも承認基準といたしまして、輸出注意事項で明確に細かく書きまして、これを輸出入業者にあらかじめ十分お示しして、万全を期して承認できるようにしたい、こう考えておるわけでございます。 それで、その中の一環といたしまして、今おっしゃいましたように、リサイクル等の申請が出てまいりましたときに、相手国でこれが十分それを処理する能力の設備を入れておるかどうか、あるいは相手国の法律水準が十分それにうまく合うようになっておるかといったようなところを承認基準の一環としてチェックすることになっておりまして、その過程で環境庁の確認を求め、その御意見を十分尊重して一体的に処理するというような 仕組みになっておりまして、関係省庁と力を合わせて万全に対処できると考えております。
○小沢(和)委員 私はこの法律の第二条で定義をされている「特定有害廃棄物等」、これ全部を輸出の申請があった場合にチェックをするという仕組みになっているのなら、今のようなお話でもそれなりに了解できるのですけれども、そこに、この第四条の二項の中で「総理府令、通商産業省令で定める特定有害廃棄物等の輸出」ということで、もう一つ狭めるような縛りがあるでしょう。だから、通産省側が環境庁の方に書類を回す必要があるかどうかをここでもう一段狭める判断をあなた方がするんじゃないか、だから通産省主導になるんじゃないかということを懸念して言っているわけです。その点、いかがですか。
○渡辺(修)政府委員 御指摘のとおり、四条で承認に係らしめるわけですが、四条で外国為替貿易管理法の承認に係るものは、バーゼル条約の対象になります物資につきましてはすべて輸出の承認に係らしめられるわけでございます。その中で、特に二項に書いておりますようなものについて環境庁長官の確認を求めるということになっておるのは御指摘のとおりでございます。 では、なぜそれ全部をそこに、二項の方で環境庁長官の確認を求めなかったかということでございますが、先ほども御説明申し上げましたように、例えば先進国に対してリサイクルを目的に物を輸出しようといったような場合に、相手国、つまり先進国ではそれを処理する十分な技術的能力もあり、あるいは設備も持っておる、さらには我が国にまさるとも劣らない環境法令を持って基準ができておるといったようなものにつきましても全部それを持っていくかどうか、こういうようなことは輸出の円滑な実施ということから必要ないというのが我々の考え方でございまして、そういったようなもの以外のものにつきましては、ここに書いてございますように、「環境の汚染を防止するため特に必要があるもの」としてここで指定をして、環境庁の方に写しをお回しして十分両省でチェックしていきたいということでございまして、どちらが主体性を持つとか主導するということではございませんが、一体的に万全を期してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○小沢(和)委員 今お話を伺っていると、私の質問と答えがちょっとずれているんじゃないかと思うのです。私は、「総理府令、通商産業省令で定める特定有害廃棄物等」ということで、地域の話じゃなくて、その「特定有害廃棄物等」について、第二条で定められている全部じゃなくて、ここでこういう形で狭める、そうなるというと、通産省側がふるい分けて環境庁に書類を渡すようになるから、ここのところであなた方が判断する余地が働いて通産省主導になるんじゃないかと言っているのですよ。その点、もう一遍はっきりさせてください。
○渡辺(修)政府委員 お答え申し上げます。 もう一度繰り返しますが、四条一項の承認に係るものは条約の対象物資すべてでございます。すべてが四条一項の外国為替貿易管理法の承認の対象になります。その中でどういうものを環境庁長官の確認に係らしめるかということは、通産省の省令のみならず、総理府、つまりこれは環境庁でございますが、両省一致した省令で、どういう地域に対しどういう物を出すかというのを写しを回すというのを決めることになっております。したがいまして、そこは両省合意のもとに物を決めていくんだけれども、その一例として、例えば地域については、先進国というのは先ほども申し上げましたように必要ないであろう。あと、物につきましてはこれから細かく環境庁と実態に即しまして御相談しながら決めていきたいと思いますが、考え方としては今申し上げましたように、両省、つまり総理府令及び通産省令両方でよく話し合って一致したものを地域と物についてここで定めていこう。 それで、少なくとも一項では全部条約の対象物資は承認の対象に係っておる。それを二項で、今言ったように両省で話し合って、地域と物についてここで省令で掲げて写しを回そう、こういう仕組みになっておるわけでございまして、この両方の仕組みから先生の御懸念のようなことは起こり得ないと考えております。よく相談してまいりたいと思います。
○小沢(和)委員 時間が来たようですから、私これ以上議論しませんけれども、「特定有害廃棄物等」ということで第二条で定義されているものについては、私はすべて書類を回して環境庁でチェックをするというのがしかるべき筋だというふうに考えます。 最後に、通産大臣に一言お尋ねをしたいと思います。 バーゼル条約は、どの国も有害廃棄物等の輸入や処分を禁止する権限を持つこと、特に有害廃棄物をできるだけ開発途上国に持ち込むべきでないこと、可能な限りこれらの廃棄物はそれを発生させた国で処分すべきこと等を義務づけ、本当にやむを得ない場合に、厳しい条件つきで他国への有害廃棄物等の輸出や処分を認めることにしております。私は、この条約の精神を日本が率先して厳守し、有害廃棄物等の輸出でアジアの近隣諸国の環境を決して破壊するようなことはしないということを、この場で政府を代表して言明していただきたい。本法案の運用についての決意を最後に伺って、質問を終わりたいと思います。
○渡部国務大臣 本法の運用に当たっては、関係各省庁間で十分な連絡をとりながら、今いろいろお話もございましたが、環境上適切な方法で有害廃棄物等の輸出入、運搬等が行われ、かつ適正なリサイクル目的の国際間の取引に支障が生ずることのないように努め、今お話しのように、我が国として、国際的にも私どもは環境問題の重要性を訴えておるのでありますから、努力していくのは当然のことでございます。
○小沢(和)委員 終わります。
○和田(貞)委員長代理 川端達夫君。
○川端委員 大臣、長官、よろしくお願いいたします。 バーゼル条約によりますと、当該廃棄物の輸出入は条約の締約国間でないとできないというのが原則というふうに伺っております。近隣のアジア諸国あるいは米、ドイツ、ソ連などがこの条約の締約国に現時点て入っていないというふうに聞いておるわけですが、主要な国が現在なお加入していない。日本はまだこれからということでありますが、その部分に関しておのおのの国の事情等々もあると思いますが、主要な国が今なお加入していないという部分の背景、理由等々、どのように御認識をされているのか、簡単に通産省の方でお教えをいただきたいと思います。
○堤政府委員 各国につきましては、現在この条約に加盟をした国は三十五カ国ございます。その中で日本と取引のある国は八カ国でございます。 さらに、この法案が通過した場合には、我々としてOECDの理事会決定にも加盟できますので、そういう意味では、既に取引のある三カ国の問題があわせて消えてくるというふうに考えております。 そのほか、取引があってまだ加盟をしてない国、そういう国につきましては、今後とも我々とともに、あるいは近い時点におきましてこの条約に加盟をしていただくよう働きかけていくつもりでございますが、その中では、幾つかの国は既に年内にもこの条約に加盟をするというような状況にある国もございます。 それから、いろいろ国内的な事情でまだ参加のできない国というのもありまして、今後も働きかけを続けていきたいというふうに存じております。
○川端委員 そういう意味で、締約した後というか、現在、輸出入の主な国で当分入れないというふうな国はどんな国があるのでしょうか。
○堤政府委員 手元の資料で確認できるものといたしましては、東南アジアの国、例えばマレーシア、シンガポール、香港それからタイというような国がその主なものかと思います。
○川端委員 今おっしゃったような国々、日本の経済的な関係も非常に密接な国が多いわけですが、そういう国が、締約するということで、こういうたぐいの廃棄物関係の輸出入ができなくなるという状況になるわけでございますが、そのような事態に対して、これを締結するという事態を迎えて、政府としてはおのおの通産省、環境庁の立場でどういうふうに考えておられるのか。
○堤政府委員 原則といたしましては、なるべくこういう国にもこの条約の趣旨、地球環境の重要性を御理解いただいて、国内法を整備し、条約に加盟をしていただくという方向で働きかけてまいりたいと思います。もしそれで不可能な場合には、しかも大変取引に支障を来すような場合には、二国間取り決め、これは条約上認められておる形でございますので、そういうことも考えていく必要があろうかと存じておる次第でございます。
○川端委員 現在これは審査中でありますが、この法案、国内法の整備等が整ったときに、どの時点で正式加入、発効というふうに予定をされているのかもお伺いしたい。
○赤木政府委員 今バーゼル条約に加入するためには、これの必要な条件としての国内法を整備していく必要があるわけでございます。もちろん、この間、関係加盟国あるいは非加盟国の取引が禁止されているというような状況を踏まえますと、よその国の加盟状況というものも十分見ていく必要があると思いますけれども、先ほどお話があったように、リサイクル目的の輸出について我が国と取引関係のあるアメリカあるいは東南アジア諸国等も今後順次加盟することが予想されておるわけです。できるだけこうした取引の悪影響のないような形で、加盟促進するように働きかけていきたいというふうに思っております。 我々といたしましては、我が国としては、国会で本法が成立した後は、関係政省令の整備等の条件が整い次第、条約への早期加入に努めてまいりたいというふうには考えてございます。
○川端委員 その事務的な関係省令の整備等、可及的速やかにという部分での目途はどれぐらいに置いておられるのですか。
○赤木政府委員 この法案が成立いたしましていろいろ準備いたすということになると思いますが、来年いっぱいぐらいにはそういう加入手続等についても準備できるのじゃないかというふうに我々は期待いたしておるわけでございます。
○中村国務大臣 条約加盟の手続、国内法が成立してから、今お答えしました政省令の整備、条約加盟のための閣議決定とか国連寄託、寄託してから九十日目に発効ということになるわけですけれども、その手続に九カ月ぐらいかかるのではないかという話でございますけれども、私どもとしてはなるべく急いでやっていきたい、そういう努力をしたいと思っております。
○川端委員 事務的な手続等々、整備等々で必要な期間というのは当然やむを得ない部分でありますが、この問題で、当然ながら締結をすると取引ができなくなるという部分のいろいろな問題もあるということは重々承知をしております。しかし、これはやはり日本が国際的に置かれている立場等々を考えますと、いろいろなこと、対外的な部分の調整ということではなくて、むしろそういう国に積極的にあなたたちもいろいろな困難を乗り越えて入りましょうというリーダーシップをとるべき立場にあるということでは、余り横並びというか横にらみをしないで、本当に事務的な手続を終えた時点で加入をするということが原則だというふうに考えておりますが、大臣の御所見をもう一度確認させていただいて、今おっしゃったそういうことだということで理解してよろしいかということだけ確認させていただきたいと思います。
○中村国務大臣 我が国としては、地球環境問題に対して国際的な貢献をしていこうということが一つの大きな対外関係の方針の柱になっておりますから、こういった問題についてもリーダーシップを発揮していかなければいけないということでございます。 その中で、今御説明しましたように、いろいろな手続き等で時間がかかるということもございまして先はどのようなお答えをいたしましたけれども、私どもとしては環境問題は政府一体となって取り組むべきものでございます。その中で、環境庁としては総合的な調整を図るべき官庁ということになっておりますから、なるべく早くこれがなし遂げられますように努力をしてまいりたいと存じます。
○川端委員 希望でありますが、本来であれば、そういう作業的な部分でのめどというのはもう少し明らかにされるべきではないかと思います。可及的速やかにそういう実行を期待をいたします。 そこで、やはり一番大きな問題になりますのは技術格差の問題ではないかというふうに私は思います。産廃物、いわゆる有価物、無価物を問わずに、それぞれの国が有する技術力の違いというのは国際的には非常に大きな問題になってきている。一般的にはやはり有価物の回収を含めて、これはコストの問題もあるのでしょうけれども、どちらかというと先進国から途上国に対してそういうものが流れるというのが多いというふうに認識をしております。その場合に、結果として途上国がいわゆる公害輸入、我々の立場で言うと公害輸出をしているという非難が起こる可能性が非常に多い。そういう意味で、現在の時点で、我が国を含めた先進工業国と言われる国々の環境対策基準というものと、途上国のそのレベルというのは当然ながら違うのではないか。そういう意味で、それがどのような認識をされているのか。日本の環境基準は非常に厳しいということは認識をいたしておるのですが、地球環境を守るという立場で言えば、本来、途上国においてもそういうものを求めていかなければいけない。そのときに技術力というのが相当問題になってくるのではないかということなんですが、現時点においては環境庁あるいは通産省において、そういう技術力の差あるいは環境水準の差というものをどのように認識されているのか、お尋ねをしたいと思います。
○赤木政府委員 国によって環境基準や規制基準の項目や数値に差があるのは、自然的事情、社会経済事情によりやむを得ないものだというふうに我々は考えておるわけです。ただ、本法を運用するに当たって、環境庁長官が環境上の汚染を防止するために必要な措置が講じられているかどうかということを確認することになっておるわけでございますけれども、この場合、輸出先国における環境規制が遵守されているかどうかということは当然見るわけでもございます。同時に、我が国で適用されている環境規制のレベルを満足しているかどうかというようなことも審査基準として考えていきたいと思っています。 こういうふうな制度の運営で条約の要請に十分こたえられるのじゃないかというふうに思うわけですが、有害性の判定基準なんかも各国ばらばらというのもいかがか、今後国際的に統一された基準が整備されることが望ましいというふうに考えるわけで、我が国といたしましても、条約事務局及び締約国とも積極的にそういう面で協力していきたいというふうに思います。 それからさらに、国際的にはバーゼル条約の対象となっております、有害廃棄物の環境上の適正な処理のための基準、あるいは技術上の指針というものが締約国会議なんかでいろいろ討議、決定されるという運びになってございますので、こういうものの内容を見ながらいろいろ審査していくということになると考えてございます。
○岡松政府委員 先生御質問の途上国、先進国との技術の差が環境基準にあらわれてくるのではないかということでございますが、御指摘のとおりでございまして、もちろん所得水準、発展段階等の差はございますが、技術力の差というのが非常に大きな問題であるというふうに考えております。 途上国において環境問題を解決するためには規制が行われるということが必要でございますが、それを裏打ちするための技術が伴わなければなら ないということが重要な側面であると思っておるわけでございまして、途上国における環境技術の普及のために我が国の知見を生かしていくというのが大事ではないかというふうに思っております。 さきに閣議決定されましたいわゆるODA大綱におきましても、先進国、途上国が共同で取り組むべき人類の課題だというふうに環境保全を位置づけておりまして、通産省といたしましても、途上国における環境問題に対する技術的支援、技術協力というものを積極的に進めてまいりたいと思っておるわけでございまして、この分野での技術協力の一層の拡充を図り、途上国の環境保全の協力に資してまいりたいというふうに思っておるところでございます。
○川端委員 日本の環境行政といいますか、環境に対する理念、哲学という部分に非常にかかわってくるというふうに私は思います。冒頭の環境庁の御答弁ですと、私は非常に不満というか残念なんですけれども、日本の国内において環境基準がある。これはやはり日本国民として、政府として国民の安全な快適な生活を守るためにこういう環境基準をしようということでお決めになった。それが廃棄物を介して、いろいろな海外の部分に関しては、理屈として言えば、海外のその当事者国の環境基準というものに合致すればそれでいいということは、法的にはそれでいいと思います。しかし、日本がそういうものに相手の国に対してかかわっていく場合には、日本国内の技術水準も含め、環境基準というものをより悪いものということには影響を与えないというのが、私は国としてとるべき基本的な姿勢だというふうに思います。 そういう意味で、条約の成り立ち、法律の体制ということからはそういうことであっても、基本的な姿勢というものを明確にする中で取り組まないと、結局いろいろなトラブルを起こしてしまうのではないか。この条約に関係する分ではありませんが、放射性の廃棄物、物質ということで、マレーシアでことしの七月に日系企業が操業停止の一番判決を受けた。これは裁判上の問題ですから、双方にいろいろ言い分がありますが、それで調べてみたところ、放射性物質で日本は工場周辺地域での管理基準が一ミリシーベルト・パー・イヤー、マレーシアは五ミリシーベルト・パー・イヤー、国際放射線防護委員会の数値が五ミリシーベルト・パー・イヤーということで、日本だけが非常に厳しい。これは日本の放射性物質に対する国民感情というものも影響しているのかもしれません。しかし、一つには技術力というのは大きな問題で、そこまでやろうとすると相当なコストと技術が要るということが、例えばマレーシアではそれが非常に難しいという状況もあるのかもしれない。しかし、進出しているのは日本の企業なんです。日本の企業が国内で同じことをやろうと思ったら一ミリシーベルト以下でしかできないというときに、向こうでは五であるからというと、それはやはり甘い方向というのは安くつくという経済原理でいえば、実際の問題ではなくて当然出てくると思うのですね。 そういうケースでいえば、こういう廃棄物にしても、地球環境全体を守るそのリーダーを日本がやるんだというときは、日本がかかわっていく問題に関しては日本の基準というものを外国でも必ず適用するというぐらいの姿勢を持たないと、何かエコノミックアニマルだ、日本の国内では厳しいものが外国の甘いところにいくのではないかというトラブルは非常に多発してくるのではないかという懸念を持っております。この法案に直接関係があるかどうかは少し違うかもしれません。 そういう意味で、先ほど御答弁ありましたように技術移転、これは積極的にやっていただきたい。そのときに、技術移転といいましても、民間企業が非常に苦労して資本を投下し研究開発を進めてきた技術を海外に出すというときに、その技術は経済ベースでいえばコストがかかっているのですよ。環境のリーダーたる日本という部分でいえば、そういう部分をやはり国の力でバックアップしてあげないと、私は知的所有権のときにもこのことをお尋ねしたのですが、そういう手当てがなければ企業としてはやっていけないというものもまた現実にはあるわけです。そういう部分で、ODAの部分にお触れをいただきましたけれども、そういうことに関して相当積極的な政府の方針というものを、こういうことに関連をしてお出しになるべきではないかというふうに私は思います。 もう時間がありませんが、こういう問題を含めて、環境における、地球環境を守るという意味での日本の政府の立場ということで、環境庁長官及び通産大臣に御所見をお伺いして終わりにしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○渡部国務大臣 環境問題が今や地球規模で考えなければならない、これは世界の世論であり、我が国の国民の常識になっております。我が国は環境問題についてはいわば先進国ともいうべきすぐれた技術を持っておりますから、このすぐれた技術を世界の環境の問題に役立てたいということで、今お話しのODAと、また、通産省としてもグリーン・エイド・プラン等のいろいろなそれぞれの計画をいたしておりますし、また、我が国の外国への進出企業もこの点については非常に熱心に努力をしておりまして、私は海外を歩いておりますが、日本の企業が環境問題について模範的な工場をつくってくれたというような評価をいただいておることも御理解賜りたいと思います。
○中村国務大臣 先ほどから委員御指摘になりました技術レベルの差だとか環境基準の差、こういうものを解消していかないと、なかなかスムーズないろいろな国との話し合いができないということでございます。これがやはり地球サミットの論議を通じても非常に大きな課題となっておりました。しかし、根本的にこれを解消するには、やはり私どもは日本の今まで培ってきた環境保全に対するノーハウだとか技術を移転していくということに努力をすべきである、そういうことで、二カ月ばかり前でしたか、国連環境計画、UNEPの日本のセンターが二カ所できました。先生御存じだと思います。御地元に近い方でございますが、そういうところを通していろいろな技術を出していく。また、今インドネシアでありますとかタイだとか中国に環境センターをつくるという援助もしております。いろいろな世界の国から御要望がありまして、今関係省庁と調整を図っているところであります。 また、地球サミットにおきましては、環境に関するODAをことしに始まる五年間に九千億から一兆円にふやして積極的に国際的な貢献をしていくということを宮澤総理の演説の中で表明したわけでありまして、そうしたすべての技術力、そして資金に関しまして国際的な貢献を進めて、そしてやはり地球全体がよくなっていくように努力するのが、これだけの工業力を持つようになった日本の責務であろうと思っておるわけでありまして、そういうことで、政府一体となって国際貢献に努めてまいるべきだというふうに思っております。
○川端委員 ありがとうございました。 今までの御努力というのは重々承知をいたしておりまして、こういうバーゼル条約というものも一つの大きな節目であります。なお一層の御努力をお願いをして、終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
○和田(貞)委員長代理 この際、暫時休憩いたします。 午前十一時二十五分休憩 ————◇————— 午後三時二十八分開議
○和田(貞)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。鈴木久君。
○鈴木(久)委員 前の連合審査会でもずっと長時間にわたって質疑が展開されてきたわけでございますけれども、幾つかまだただしたいことがございますので、質問を続けてまいりたいと思います。 通産省のサイドからいえば、このバーゼル条約 が批准される以前から、いわゆるリサイクルをして有価物をとってそれを利用するという意味では、廃棄物の有害物質であっても輸入の意義というのを持っておったわけですね。それで、先ほど来もいろいろ議論になっておりましたけれども、今まで輸入してきたいろいろな相手国がありますけれども、そこの中でバーゼル条約をまだ締結していない国、何か輸入対象国が二十二カ国あって、入っておるのが八カ国、それからOECD関係の批准か何かで八カ国ぐらい入っているから、あと十一カ国ぐらいが問題だという先ほどの答弁がございました。これは、未加入の国には加入するように推奨したいというお話でございましたけれども、それよりも一歩進んで、バーゼル条約にある二国間協定というのは結んで、今までと同じような状態を続けていくということにはならないのですか。その辺の考え方だけ、まずお聞かせいただきたいと思います。
○堤政府委員 お答え申し上げます。 十一カ国と申し上げまして、十一カ国のうち既に国内準備に入った国は五カ国ぐらいございますので、実際に今後問題になるのは六カ国ぐらいかなというふうに推定をしているわけでございます。 この六カ国ないし今後ふえるかもしれませんが、そういうところにつきましては、まず第一義的には、バーゼル条約に加入していただく、世界のスタンダードであるバーゼル条約に加入していただくということを御推奨するというのが日本の環境先進国としての一つの立場でございますので、それを第一義的にしてまいりたいと思います。ただ、どうしても国内事情でできない場合、これらの国に対して二国間条約を結ぶことも当然バーゼル条約上許されておりますので、そういう方法も考えていきたいと思いますが、それにつきましても、その国の一定の国内体制というのができませんと二国間協定ですらもなかなか難しいということがございますので、全体としてそういう環境あるいは廃棄物問題についての技術あるいは認識を高めていただくということも含めて、バーゼル条約に加入していただくことを慫慂していくことがよろしいのではないかと思っている次第でございます。
○鈴木(久)委員 それは当然そういうふうにしていただきたい、こういうふうに思います。 ただ、今まではバーゼル条約がなかったためにそういう輸出入がかなり自由に行われてきて、それを実際は生産活動に利用しておったということで、実質的に支障を来すということは、批准をしてすぐないのですか。そこだけちょっと。
○堤政府委員 観念的には、私は、支障を来すことがあり得ないとは申し上げられないと思います。しかし、これからまだ施行までの期間がございますので、その間に、可能な限り御示唆をいただきましたような御努力を続けてみたいと考えている次第であります。
○鈴木(久)委員 次に、バーゼル条約で規定されています附属書の中の有害廃棄物のほかに、国内法で日本が規制している、バーゼル条約以外の有害廃棄物というのはございませんか。
○赤木政府委員 バーゼル条約の規制対象は非常に広範にわたっています。有害廃棄物等と言われるようなものは、国内で規制対象とされているような有害物質はすべて含まれているというふうに考えてございます。
○鈴木(久)委員 そうすると、逆に、バーゼル条約を批准したことによって、今までの我が国の国内法で規定している特定産業廃棄物というか管理廃棄物、それよりももっと幅の広い有害物質の規定ができた、こういうふうに認識してよろしいですね。そうすると、逆に国内法をそれに合わせるような形で、バーゼル条約で規定されている有害物質というものを国内の産業廃棄物法にリンクして追加すべきじゃないか、こういう気がしてならないのですけれども、その辺は、やる気はございませんか。
○赤木政府委員 我が国では水質汚濁防止法とか大気汚染防止法、廃棄物処理法等、我が国の現実の環境の状況を踏まえた上で必要となる規制を国内では実施しているわけでございまして、バーゼル条約に加入したからといって直ちに各種の基準の見直しを行うことにはならないというふうに考えてございます。 バーゼル条約は、御承知のとおり、特定有害廃棄物等の国境移動、越境移動についての場合のいろいろな規制があるわけで、これに合わせた形での本条約の実施法としての今回の法案を提出しておるわけでございます。国内法の、先ほど申しました法律でいろいろやっておりますけれども、未規制の規制項目等が仮にあるとするならば、こういうものについては、国内の実態に合わせた形で従来各種の調査研究もそれぞれ行ってきているわけです。こういう調査研究の中から必要なものが出てくれば、条約で規定されているような有害廃棄物の範囲なども十分に参考にしながら、水質汚濁防止法等の環境規制法の適切な運営に努めていきたいというふうに考えてございます。
○鈴木(久)委員 先ほどもちょっとお尋ねをしましたけれども、国内法でつくったマニフェスト、有害廃棄物にはマニフェストを適用するという国内法がありますね。先ほどのあなたの答弁を聞いていると、それとうまくリンクしないのです。結局、国内に持ってきたときに、バーゼル条約で規定されている有害廃棄物のうち、国内法で言ういわゆる特別管理廃棄物になっていない物質はマニフェストの対象にならないということが先ほどの答弁でわかりました。そうすると、やはりそこには不合理があるのです。ですから、有害廃棄物はできるだけ行く先がどこへ行ったかというのを国内に来てもみんなわかるようにするというのがやり方として当然なんですよ。いつもどこかで消えてなくなってしまう。今まで国内でいろいろ、廃棄物法改正のときに議論になったのは、私どもはいわゆる有害廃棄物だけでなくて一般の産業廃棄物までマニフェストはやった方がいいよということを強く申し上げたのですけれども、それは国内法ではちょっと実現しなかったのですよ。 それで、例えば不法投棄が起きる、不法投棄が起きても、だれが排出したのかという排出責任を問えない、こういう問題が今までたくさんあったのです。私の地元で、先般、炭鉱の廃坑の中にトリクロロエチレンの入った灰を九万本も投げて、三年たってやっと県が代執行を始めたのです。なぜ代執行を三年もできなかったかといえば、排出者がだれか特定できない。今までのシステムですとできないですよ。排出者が特定できれば排出者責任を問えるけれども、排出者が特定できないために代執行もなかなかできない。不法投棄をした人間というのは大体回収能力や資全迫ヘがほとんどない、こういう形の不法投棄というのが多いのです。ですから、この際、有害物質は今度はマニフェストになりましたよ。それ以外のものであってもそういうことがこれからどんどん起きるのです。なおさら今度バーゼル条約を批准して、せめてここで規定をされている有害物質くらいは国内でマニフェストの適用をしたらいかがですか。
○赤木政府委員 私が先生の質問を十分理解しているかどうかちょっと自信がないのでございますが、この法律では、御承知の九条以降で、特定有害廃棄物等を輸入した場合には、輸入移動書類というものを処分の段階までずっとこういうものに該当するものについてはつけて、ずっと携帯等の義務を課したりしておるわけでございまして、こういう輸入移動書類というのがずっとついていくという形になってございますので、御指摘の点はこれで担保されているのではないかというふうに考えてございます。
○鈴木(久)委員 ですから、その伝票と国内法のマニフェストと実際はふくそうすることになるのです。ですから、この際私はいずれかの機会にちゃんと国内法でそういうものを規定をして統一的にやれるようにしたらいいじゃないか、こういうことを言っているんですね。今後の検討課題にぜひしていただきたい、こういうふうに思います。 それで、排出者責任の問題について少しお尋ねをしたいと思うんです。 これは、これから輸出入をこの条約に基づいてやることになります。それで、この法令でも排出した人、それから輸出する人、そしてそれを運搬する人、輸入する人、処分する人、こう一つの流れがございますね。やはり一番問題なのは、責任からいえば排出した人の責任、そして輸出する側の責任というのはかなり大きいと思うんです、こういう問題に関して言えば。 それで先ほど、輸出していって、その行った先でとんでもない処分をして、回収をしなさいという命令をすることになるんだろうと思いますが、そういうときにも資金がなきゃできないから、輸出業者なのか、あるいは排出業者なのかはよく知りませんけれども、資力を持った者でなければだめだというふうにします、こういうふうにおっしゃいました。資力を持った者ないしは保険を掛けさせるというお話でございました。しかし、今まで一度も輸出したことはないんです。ですから、どういう保険制度があるんだろうかなとまず一つは疑問に思いました。 それから、資力の問題と言いましたけれども、資力は排出した人なのか、ないしは輸出の業者なのか。これはどちらに負わせるのか、この辺を明確にしておかないと、やはり外国に行ってから不正な処理をされちゃりた、それを回収しなさいと幾ら言ってもこれはなかなか難しいことです。国内であっても先ほど言ったようなことがどんどん起きているわけですから、国外へ行ったら大変なことでございます。ですから、そこら辺のその責任の問題というものをこの際もう少し明確にしていただきたいと思います。
○堤政府委員 回収命令というのは、先ほど申しましたように大変資金もかかり、難しいことになるわけでございます。そういうことにならないように事前に輸出段階におきまして、これは法律上は輸出者がということになると思います、輸出者がどれだけの資金力あるいは最終的に回収するための保険に入っているかどうかというようなことをチェックをしていくということでございます。こういう要請は実はバーゼル条約の中にもメンションされておりまして、保険または担保金というような形でその回収をすることが保証できるような状況にあることということを確保するということが書いてございます。そういうこともございますので法律上、日本の法律では輸出者をまず第一義的にチェックをしようということになっております。ただ、実際にだれに回収命令をかけるかというのは、今先生御指摘のとおり排出者から運送者から輸出する者からいろんな、最終的に処分する人までおりますので、第一義的に責任を負うのは、だれの責任でこの不法行為が行われたかということをチェックし、その人に責任をとっていただく。ただ、そういうことが可能でない場合あるいは存在しないような場合、そういう場合には最終的には常に輸出者がその責任を負う、輸出国がその責任を負うということが条約上明記されておるわけでございますので、一種の国際的責務であるというふうに考えております。
○鈴木(久)委員 その流れからいうと、私は本当に排出者ないしは輸出者という責任が極めて大きいと思う。しかし、国をまたがって今度は輸入した側、運搬して輸入した側、ここにいろんな契約があってもちろん輸入がされる、その輸入した先で不正な処分が行われた場合、その責任問題というのをどういうふうにどこで問うのかということ、これは大変難しいことだと思うのですね。ですから回収させるのは一体そういう場合にだれに回収させるのか。回収をさせる、こうなっておるのですけれども、その辺のところはおおよそ想定できる問題でどんなふうにお考えでございますか。
○堤政府委員 お答え申し上げます。 最初に先生から御指摘ありましたように、確かにこういう、だれが責任かということが問題になりやすいわけでございます。そういう意味でこの法律の中、あるいは条約においてもさようでございますが、移動書類というものを非常に重要な位置づけにしております。それは排出した人から最終的には処分する人までその有害廃棄物につきまして、具体的にその有害廃棄物と一緒に動くようになっておりまして、いつどういう階段でだれがその移動書類に違反して処分をしたか、あるいは間違った運送をしたかということが理解できるようにしてあるわけでございます。そういう意味では過去の国際的な廃棄物事件の例に倣いまして、我々といたしましてはこの移動書類というのが非常に重要な役割をして大変発見をしやすくする、責任がだれにあるかということを明確にしやすくしているということがございます。ただ、そういう場合であっても不可抗力で例えば台風が来てできてしまった場合、あるいはせっかくだれが責任であるということを存在を確認しようと思って行きましたらその人が既にいなかったというような場合、そういう場合の最終的な責任としてやはり輸出者というものを最終責任者にしようというのがこの条約の考え方になっておるわけでございます。
○鈴木(久)委員 最終的な責任は私は当然そういうふうにすべきだろうと思います。ただ輸出入ですからね。今言ったように、伝票がずっと回って歩いてどこで不正を起こしたかというのがはっきりした段階でもしそれに回収命令とか措置命令を出す、こういうことになるとすれば今の資力の問題についてないしはそういうものを回収できる能力の問題について考えるときに、日本で考えた場合はむしろ輸入が多いわけですね。有価物の入った廃棄物を輸入して処分をして、その伝票がまた相手国に戻っていくというスタイルになると思いますね。そのときに、マニフェストの問題も先ほど議論しましたけれども、これが適用するものと適用しないものもあったりしますから、でもあの伝票だけは回りますから大体どこで不正があったというのはおおよそ把握ができる、こういうふうに御回答いただきましたので、輸入業者以降の国内でこういう不正が行われた場合、やはりそれはどこかに改善命令や回収命令というのを出すことになると思うのですね、国内法で。その場合にその資力とか保険とかというのは輸入の場合には考えなくてもよろしいのですか。
○堤政府委員 法律の十四条におきましては特に輸出の場合と輸入の場合を書き分けてございます。措置命令の場合に輸出の場合には回収命令をかけるということができております。輸入の場合には回収命令ではなくて、その特定有害廃棄物の適正な処分その他の必要な措置ということになっております。したがいまして、もともとある種の処分が想定されていて、その処分が環境上の観点からも健康上の観点からも問題がないということが確認された処分方法がございますので、それを一義的には適正にやっていただきたいということで適正な処分を行うということをまず一義的にはお願いをしておるわけでございます。万が一そういうことが行われなくて、その人の追及が国内的に不可能になった場合ということも想定されるわけでございますが、そういうときは、先ほどと逆でございますが、輸出国の責任が最後まで消えるものではないというふうになるわけでございます。
○鈴木(久)委員 ただ、国内法でマニフェストを適用していきますと、そういう不正な処分を行った場合には一番大もとのところで責任を負わせるということになっていますね。ですから私は、輸入業者がかなり大きな責任を負うことないしは輸入してそれを例えば有価物と無価物に分類して利用する企業、そういう責任はかなり問われることになるんじゃないでしょうか。それは厚生省どうですか。——いないですか。いなかったら通産省答えてください。
○堤政府委員 国内に入った場合には恐らく二つのパターンに分かれてくると思います。廃掃法の対象として廃掃法の中で処分を行われるような場合というのが想定されますが、どっちかといいますと、これは捨てるような場合でございますが、これを有効なリサイクルに回すというものは、ここに移動書類という形で、このバーゼル条約の実施法でいくわけでございまして、二つに分かれる わけでございます。したがいまして、だれが最終責任者になるかというのはどのパターンによるかによって、廃掃法の処分にかかわる場合、これを実は十四条でただし書きで抜いたような格好になっておりますが、そういう廃掃法の処分を受ける場合と、それから、リサイクルの観点から不十分に行われた場合におきましては、このバーゼル条約の実施法の措置命令を受けるという形が二つになると思います。ただ、いずれにいたしましても、もともとこれが入ってくるときに、輸入業者を優先するという考え方は条約上もございませんで、国内のどの業者が不適正であったのかが明確になるようにあらかじめ移動書類なりマニフェストの書類なりができているわけでございますので、その人を追及していくという考え方で、だれを優先するという考え方ではなくて、むしろ有責者を優先するという考え方になっておるわけでございます。
○鈴木(久)委員 その点については、先ほどから申し上げておりますように、国内法の再整備みたいなものをマニフェストと合わないものはやっていただくなり、不法投棄が起きても責任の所在が明確になるように、これだけは、前の国内法の産業廃棄物改正のときにも一番問題になったことですから、不法投棄があった後始末が何にもできない、そのまま放置されてしまうということが廃棄物の今一番大きな問題で、これが起きるから各地域では廃棄物の処理場をつくろうなんといったってだれも賛成しないんですよ。そういうのを見ているのです。みんな見ています。ですから、そこをきちっとしないと、これからの廃棄物行政をどういうふうに進めようといったって国内でそれはなかなかうまく進まない、こういうことになるんだろうと思うのです。今までは信用がなかったんです。本当に我々の地域などはそういうところがたくさんあるんです。しょっちゅうです。毎年起きているわけです。そうすると、住民の皆さんに理解を得ようとどんなに皆さんが努力をしても、そういう不法投棄をして三年も五年も放置されたまま、だれが捨てたかわからないという状態が続いている以上、この廃棄物行政をうまく進めるということは大変難しい、こういうふうに私は思います。 国内であっても今一番問題なのは、東京のごみがどんどんほかへ行って県をまたがるときに、それを要らないぞということをみんな言い始めています。そして、国が一般廃棄物に産業廃棄物のうちの有害以外のものにマニフェストをかけない、こういうふうに皆さんおっしゃっていますけれども、県によっては、もうあらゆる産業廃棄物にマニフェストをかけてごみの流れをチェックしない限りうちの方では受け入れませんよ、ここまで言っている県が実はあるんです。ですから、そのくらい厳しく、シビアに行政の方をきちっとしないと、これは国内処理を原則としますなんてかっこいいこと言ったって、これから大変難しい条件がますます出てくる、私はこういうふうに思いますので、不法投棄は絶対に起こさないようなシステムづくりというものになお一層努力をしていただきたいということを強く申し上げておきたいと思います。 時間がありませんから最後に、先ほどもちょっと話がありましたけれども、PCBのことについてお尋ねをしたいと思います。 先般資料をいただいたんですけれども、PCBの保管状況について資料を求めましたら、こういう資料が私の手元に来ました。液状PCBについては、九百六十八トンが三菱ポリティック、これは三重県ですね、に保管されている。それからPCB入りノーカーボン紙については、全国で約八百五十二トン事業所で保管されている、これは六十一年厚生省調べ。それからPCB使用電気機器については、変圧器約二千七百台、コンデンサー約六万八千二百台事業所に保管されている、こういう資料、これは平成四年三月通産省調べ。 先ほども議論がありました。事業所から保管されているはずのPCBのいろいろなものが流出してなくなってしまっているということがございました。これは大変ゆゆしきことでございます。PCBの処理問題については大変頭の痛いことであることは十分承知であります。しかし、これは今調査しているそうでございますけれども、その実態を早急に把握して、これらの問題が、いわゆる国外に流出するなどということになればこれは極めて重大なことになると思うのです。バーゼル条約を批准して、そして世界の環境を守ろう、現在のところそういう立場に立ったわけでございますから、前には、自動車の解体業者などがPCBを含んでいるそういうものを台湾あたりに輸出しようといってトラブルを起こしたという例もあるようでございますし、先ほどのお話のように、事業所がなくなってどこかへ行ってしまっているわけです。これは悪質な処理業者とか悪質な処分業者とかそういう人たちの手によって不法投棄がされているというふうに考えられるかもしれない。ですから、今度はそういうものが海を渡って外国に行くかもしれない、そういう潜在的状況というのをこのPCB問題は含んでいると思うわけです。 私はこれ以上申し上げませんけれども、きちっと保管されている部分についてはこれはいいわけですけれども、これからまだ技術的にしっかりした処分方法というのを、十分に見つかっていない、そういう段階ではどうかこの管理だけは厳しくしていただいて、こういうものが全国に不法投棄されたりばらまかれたりしたら、先ほど私が申し上げたようなことだけでなくて、もっと廃棄物行政全般に対する不信は大きくなります。ほとんど、特に地方レベルでもそういう建設はますます困難になってくるのじゃないだろうか、こういうふうに思いますので、しっかりした調査をしていただきたい。そして、流出するなどということが絶対に起こらないように管理体制を厳しくしていただきたいということを申し上げ、その考え方について御答弁をいただきたいと思います。
○渡部国務大臣 大変大事な問題でありますので、御趣旨に沿って努めてまいりたいと思います。
○鈴木(久)委員 終わります。
○和田(貞)委員長代理 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○和田(貞)委員長代理 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 第百二十三回国会、内閣提出、特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○和田(貞)委員長代理 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○和田(貞)委員長代理 ただいま議決いたしました本案に対し、額賀福志郎君外四名より、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。竹村幸雄君。
○竹村委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、関係省庁間の連携・協力態勢を整備し、関係者に対し事務手続上の過度の負担を課することのないよう努めるとともに、特定有害廃棄物等の範囲をわかりやすく関係者に周知する等の適切な措置を講じ、特定有害廃棄物の越境移動についての条約等国際的な取極めの遵守並びに本法の的確かつ円滑な実施が確保されるよう万全を期すべきである。 以上であります。 附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○和田(貞)委員長代理 これにて趣旨の説明は終わりました。 本動議について採決いたします。 額賀福志郎君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○和田(貞)委員長代理 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、中村環境庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。中村環境庁長官。
○中村国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。ありがとうございました。(拍手) —————————————
○和田(貞)委員長代理 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○和田(貞)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○和田(貞)委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時一分散会