国会等の移転に関する特別委員会 第2号
- 発言数
- 218 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1992/11/26
会議録
○村田委員長 これより会議を開きます。 海部俊樹君外十七名提出、国会等の移転に関する法律案を議題といたします。 提出者から趣旨の説明を求めます。山口鶴男君。 ————————————— 国会等の移転に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕
○山口(鶴)議員 ただいま議題となりました国会等の移転に関する法律案につきまして、提出者を代表いたしまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 我が国は、国民のたゆみない努力により今次の大戦による荒廃の中から立ち上がり、かつてない経済的繁栄を遂げてまいりました。 しかしながら、我が国の現状を見ると、政治、経済、文化等の中枢機能が東京圏に過度に集中したことにより、人口の過密、地価の高騰、生活環境の悪化、大規模災害時における危険の増大等の問題が深刻化する一方で、地方における過疎、経済的停滞、文化の画一化等の問題が生ずるに至っております。 本法律案は、このような状況にかんがみ、一極集中を排除し、多極分散型国土の形成に資するとともに、地震等の大規模災害に対する脆弱性を克服するため、世界都市としての東京都の整備に配慮しつつ、国会等の東京圏外への移転の具体化について積極的に検討を進めようとするものであります。 次に、本法律案の要旨について御説明申し上げます。 まず第一に、前文におきまして以上申し述べましたような趣旨を明らかにしております。 第二に、国は、国会並びに行政及び司法に関する機能のうち、中枢的なものの東京圏以外の地域への移転の具体化に向けて、積極的な検討を行う責務を有することとしております。 第三に、国は、国会等の移転について検討を行うに当たっては、広く国民の意見を聞き、その合意形成を図ること、地方への権限の委譲の積極的推進、国による規制の合理化等行財政の改革と的確に関連づけること等により行うものとしております。 第四に、移転の対象の範囲、移転先の選定基準等について調査審議するための機関として、総理府に国会等移転調査会を設置することとし、その組織・運営等について必要な規定を定めることとしております。 以上が、この法律案の提案理由及び要旨であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○村田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○村田委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上普方君。
○井上(普)委員 井上普方でございます。 この国会内におきまして、首都移転という問題を具体的に研究いたしましたのは、初めて懇談会を発足させたのが昭和五十年と思います。自来、十八年にわたって研究を重ねてまいりました。考えてみますと、その十六年の最初の会員として出てきたのは十五名か十六名ぐらいでございましたが、もう当初からおりますのは私のみということに相なりました。しかし、十八年の時日は長かったなという感をいたしておるのでございます。 そこで、首都移転というのは、第一次のオイルショックに続きまして地価の高騰があって、地価の高騰があって東京はもうにつちもさっちもいかぬじゃないか、これじゃ一体どうするかというのが契機でございました。しかし、その後、その間に地価問題を、ともかく地価抑制をするためにどうするかということで、国土庁という役所もつくりました。しかし、最初の目的と国土庁とは、どうも調整機能ばかりになって、地価問題に対して積極的にといいますか、主導権を握りながらやっていくという目的とどうも外れておるように思われてならないのであります。そこで、またこのたびの地価問題も起こってまいりますし、巨大都市東京というのが実現しまして、これを何とかしなければならない、このように今度は全国会の中から、共産党は別にいたしまして、声が起こって、現在では会員は二百六十人に及ぶ大世帯になり、これが国会の世論となって今日の移転に関する法律案の提案にこぎつけたことは、まことに慶賀の至りと私は思っておるのであります。 そこで、これはひとつ、今後この移転をするには調査会をつくらなきゃならないけれども、その前に各省庁におきましていろいろの問題を抱えておると思いますので、その点についてひとつお伺いいたしてまいりたいと思うのであります。 第四次の全国総合開発計画、こういうものがございまして、生活圏構想というのが大きく打ち出されてまいった、大平内閣のときでございました。ところが、生活圏構想というのも実は十分な成果を上げることができなかった。その後、またまた新しい、今度は一極集中排除という、多極分散型国土形成という名前のもとに、全国総合開発計画が変わってまいった。しかし、私は、この多極分散型というのは果たしてできるのか、今の行政組織のもとでできるのかということを考えますと、これはちょっと難しいのではないかと思うのであります。 そこで、生活圏構想がどういうような、最初私もこの生活圏構想のときに審議会の委員をいたしておりまして、当時次官が下河辺さんでございました。この生活圏構想というのは、大体分けてみますというと、生活圏というのは全国分けてみますというと大体二百八十ぐらいになる。この二百八十というのは、河川を中心にしてずっと配置しますと二百八十ぐらいになる。ちょうど徳川時代の大名の配置とこれは似ているということが当時指摘されておったのであります。そうすると、一体これは二百八十の諸大名、藩をつくって、それを高速道路と新幹線とで結んで参勤交代をさす制度ではないかということを私は申した記憶があるし、現在もそのように、あのときの構想はそうだったんだなと実は思っておるのであります。それがこのたびの、今度の国会等移転、まあ首都移転です、これははっきり申して。首都移転を実現させたならば、一つ大きな問題になってくるのは、何をいいましても今のこの巨大な行政組織、そして中央に集中しておるこの権限、これをいかにして地方に分散させるか、分権させるかということが大きな問題になるかと思うのであります。 そこで、自治大臣にお伺いしますが、この地方分権というのは言われて久しい、あるいは地方行政委員会等々で、あるいは審議会等で論議されておると思うのでございますが、地方分権についてはどういう構想で今論議されておるのか、お伺いいたしたいと思うのです。
○塩川国務大臣 地方分権の議論の歴史は、新しくて実は古い議論でございまして、日本で自治体のあり方をめぐりまして戦後特に非常に活発な議論が行われてまいりました。その時代その時代によりまして地方分権のいわば範囲というものも違ってはおりましたけれども、戦後、御承知のように地方の組織に関することは自治の本旨に基づいてということが憲法にうたわれましたことによりまして、分権運動が非常に重要な、かつ深刻な問題として展開されてきております。 現在、自治省といたしましても、地方分権の方向に向けましてあらゆる努力を傾注しておるところでございますが、いかんせん現在の国家行政組織法なり各省設置法との関係等を見ました場合に、地方分権がなかなか容易ならぬ事態であるということは私も深刻に受けとめております。しかしながら、各省庁の方向といたしましてもできるだけ地方に権限を移管していこうというその方針につきましては、私は否定するものではない、こう思っておりまして、それである以上は、今後積極的にまず地方自治体におろされておりますところの権限委譲の問題をぜひひとつ実施していきたい、こう思っております。 今、機関委任事務が非常にふえてまいりましたことを一応整理いたしまして、これを先ほど申しましたように地方自治体に移管をしていただく。それに伴いまして、必要な財源の問題が必ずついてくるのでございますが、それらは、その財源は一部は一般財源化するものもあろうし、あるいはまたそれによるところの、移管に伴うところの税措置というものも必要であろうが、積極的に分権への道を歩む一つの道程としてそういうようなものの強化を図っていきたい、こう思っております。
○井上(普)委員 当然やらなきゃならないわけでございますけれども、そこで受け皿です。一体、現在の都道府県あるいは町村制のもとでそれが可能であるか、あるいはやるのかどうかというのは大きな議論の分かれ目であります。実は、先日も懇談会の方々に私も質問いたしましたら、あなた方はこの地方分権をやらなきゃいかぬと言うが、一体どういう地方組織を考えているんだ、こう申しますと、道州制を考えておる、こう申される。しかし、私らはまだ国会の中においてもそこまでは論議は進んでないと思う。今の時点において、果たしてどういう受け皿、地方分権をやることは私は賛成です。やらなきゃならぬと思うが、受け皿というのをひとつ考えなきゃならない。それには、今の地方自治体というもの、すなわち市町村という基礎組織があって、その上に総合行政機関としての府県がある。その上に道州制というものを持ってくると、三つ段階ができてくる。果たしてそれでいいんだろうかと私は思わざるを得ない。 そこで考えられるのは、生活圏構想という一つの単位、これを自治体にするという大変革を行わなければこれは難しいんじゃないだろうか、生活圏という単位で。といいますのは、その方にも、実はその懇談会の委員に聞いたのですが、あなたは道州制ということを考えておられるが、一体アメリカ型の道州制を考えておられるのか、あるいはまたドイツのような道州制を考えておられるのかと言って質問をいたしましたら、いやドイツ型でございます、こうおっしゃる。もう道州制なんていろいろですよ。 ここで分権の受け皿として、それは地方自治体に分権するのは結構なんだけれども、果たして今の市町村にそのままではこれはちょっと無理だという感も私はしないでもない。いや大丈夫ですよとおっしゃる方もおられる。しかし、町村にいたしましても、これは今あなた、小さいところだったら人口千八百人ぐらいの市町村もあるんだ。こういうようなところで分権をしていって、果たしてできるだろうか、行政能力があるだろうかということを考えるならば、これはまたちょっと難しいし、東京みたいに大きくなってしまったところ、あるいはまた人口がどんどんと減っていくような府県というものも考えると、これまた難しい。一体どうすればいいのかという結論は私も持っておりません。持ってはおらないけれども、町村をもう少し大きくして、町村合併をやって、そして一つの生活圏構想といいますか、あの当時考えられた生活圏という自治体をつくっていって、そこに権限を大いに分権していくという考え方もあるだろうと思うんですよ。今の自治体、今の府県制度、市町村制度のままでは分権というのはなかなか難しいと思うのですが、自治大臣いかがお考えですか。
○塩川国務大臣 おっしゃるように、現在の三千二百数十市町村という状態、これを一つ一つを受け皿として見ていくということは、私は相当無理なことだと思います。余りにも上下の差が甚だしいし、行政能力の格差も格段の相違がございますので難しい。 そこで、自治省ではずっと古くから、実はちょうど井上さんのおっしゃるような考え方のもとで生活圏というものを中心にして広域行政圏という、三百三十ほどございますが、先ほどおっしゃった二百七十というのとよく似たような考え方なんです。先ほど井上さんのおっしゃるのは川を中心にということだったと思いますが、こちら自治省の方は、現在ございますところの行政区の中で生活範囲といいましょうか、ヒンターランドをとってひとつ見ておると思うのでございますが、私は、広域行政圏というものをおっしゃるような一つの自治体区分として見るのは非常に有力な見方ではないかな、こう思うのです。 道州制の話も出ておりましたけれども、道州制の話にしても、府県制の話、そして市町村のあり方、広域行政圏のあり方、こういうのが現在地方制度調査会で検討されておることでございまして、我々もその成り行き、検討結果を見守っていきたいと思っておるのでございますけれども、現在これだけ通信、交通が発達してまいりました場合に、昔のような村意識によるだけの町村、行政単位というものは難しい。何かやはりそこに、おっしゃるように交通事情を中心としたものでもって区画を見るか、生活圏で見るか、何か私はそういう格段の工夫が必要であろう、そうでなければ、それだけ、いわばその単位でなければ行政機能は付与できないような状態になってしまうんじゃなかろうか、そう心配いたします。それで、行政権が執行できるようなぐらいの相当の団体に受け皿というものをつくっていかなきゃならぬ、こう思っております。
○井上(普)委員 あなた方の広域行政というもの、これはまた財界の連中は違った考え方を持っているんですな。そういうところは、京阪神、こういうような一つの経済圏を行政単位にしろとか、あるいは東京を中心に一つの経済圏を道州の制度にしろと言って、ともかく発想が全然違ってきているんですよ。この首都移転に関する懇談会というのですか、話し合いの会の中のこの間の中間答申の委員に聞いても違うのです。だから、私らのところは地方分権をやれということを主張しておりますけれども、そこらあたりが明確にならなければこれはなかなか実行が難しいんじゃないだろうか、このように思いますので、ひとつ自治省におかれましてはなお一層その点の論議を早くやっていただきたい。 これに、大体首都移転といったら、一番反対するのは役人ですよ、役人であることは間違いない。これは明治政府が東京に、明治天皇をこっちに移す際に、ともかく京都の公家さんを初めとしてあの連中が反対したものだから三百万円を置いて、そして東京へ来られたというような事実もあるんです。ですから、ここらあたりを——もう一つ申しましょう。 昭和五十二年だったですが、東京都の知事が美濃部さんだった。美濃部さん、ひとつ首都移転を考えたらどうだ、こう私らが質問しますというと、それは皆さん方愉快でしょうな、新しい町をつくって、新しい都をつくるんだから政治家としたらおもしろい仕事ですな、ただし東京都知事としては反対ですと言われたので、何を言っているんだと実は私は思ったことがある。しかし、今ようやく道筋が開けてきたので、それは恐らく反対も多いだろうと思う。しかし、これはやらなければ、あなた、日本の国の将来がどうなるかと考えると、とてもじゃないがかなわない。 一例を挙げるなら、虎ノ門から汐留までの間に都市計画道路がある。これが八百メーターですよ。これに要する金が一本の道路で九千億円というのだから、汐留からは何本も出すんだから、あの都市計画道路をやるとすると、恐らくあれは、二、三兆円要るでしょう。それをまたアメリカとの日米構造協議のときに、十年間でやりますからなんと言って約束しているんだから、あほなことやったものだなと私は思っているのですよ。 それは別にいたしまして、ともかく東京を住みよいところにする、それには我々もまず新首都をつくっていくことだ、こういう発想からもできるのでありますから、御努力願いたい。しかし、それには何を申しましても地方分権という大きな問題がある。地方組織をどうするかということを考えていただきたいと思うのです。 これはドラッカーでしたかな、人間の歴史というのは都市に集中するんだ、二千年、三千年前から都市へ集中する傾向がある、それは幾何学的数字で膨らんでいくんだということをドラッカーが言っておったと思うのであります。それはともかくとして、日本の例で申しますと、これは竹下さんの言うことですが、明治二十三年以前に国勢調査が行われた。そのときに一番人口の多かったところはどこだといいますと、新潟県なんですね、百四十数万でした。東京は二番目だった。ところが、第二回の国勢調査を明治二十八年、日清戦役の最中にやった。そうするともう逆転いたしまして、東京が百五十万か幾らになりまして、第二位が新潟県になっておる。私は、これは竹下さんから言われまして、なるほどなと思って実は感心したのであります。数字の好きな人だから、よく覚えているなと思って感心したのでありますが、今やそれが千二百万になっているんだ。そこらあたりを考えますと、ますます膨張していく、これを抑制する効果というのは少ない。それにはやはり政府の中枢機能を移していく以外ないと思うのです。ただ、そういうことはなかなか難しいだろう。しかも町村制度について、これに手を加えるのは難しいと思います。 しかし、私は、明治の先人は偉かったと思う。明治維新を達成しまして、市町村制、今まで私ども田舎でありましたら、大字という地名のところは全部村だったのです。それを、明治八年でしたか、合併して町村をつくって、そして近代組織に変えていった、こういうようなことがございます。そのときの国民のレベルというのは、識字率が男では八〇%というのだから、世界で一番高い識字率を誇っておった日本国民だから、封建制度からああいうような早急な切りかえが可能であったのだと私は思います。そして、それには今までのしがらみというものを全部取り払って、村であるとかあるいは郷であるとかというのを取っ払って一つの町村、行政単位をつくっていった、その先人の知恵というものをここでやはり発揮しなければならないのではないだろうか、このように思うのであります。どうでございますか、自治大臣。
○塩川国務大臣 おっしゃるとおり、我々も全くそのとおりだと思っております。 つきましては、この地方制度の将来のあるべき姿につきましては、先ほど申しましたように、地方制度調査会等を中心といたしまして、なお国会の意向もその制度調査会に反映し得るように私たちも今後努力をいたしていきまして、できるだけ的確な方針が打ち出されるように極力推進方努力してまいりたいと思っております。
○井上(普)委員 今予算の時期です。この間も会館へ、金魚のふんがついていくようにぞろぞろとともかく陳情団が押しかけてくる。これは何だ。各地方、各省が、ともかく港湾の整備のための予算獲得のためにと言って、町村長あるいは町村議会議員が動員せられて来ている。あるいは、道路の財源が少ないからひとつこの際圧力をかけるかいななどと言って、建設大臣、徳島県はやったことないですよ、第一次の道路整備五カ年計画の財源確保のために。そんなもの、徳島県でやって、続いては四国でやって、今度は全国大会といって、ともかく全部町村長あるいは町村議会議員が建設省に動員せられてやってきているのですよ。むだな話だ。これが今の政治の実態、行政の実態なんだ。 これを直すには、一体どうすればいいと建設大臣は思いますか。私は、今の立場でできることはあるのですよ。市町村道に補助金を出す制度をつくったのはいつですか。御存じですか。これは道路局長、知っているかな。来ていますか。——来ていない。それじゃ私が申し上げよう。昭和四十四年なんですよ、市町村道に補助金を出すような制度をつくったのは。それまでは府県道に対しては補助金を出すような制度であった。四十四年からやり出した。これは何だと言えば、悪く言えば国会に、議員がこれだけ、堂々とは私は申しませんけれども、国会議員の集票能力を高めるためという側面もあったことも事実でしょう。しかし、町村道にまで補助金を出すような制度などというのはやめた方がいい。こんなものはたくさんあるんだ。 これは一例でありますが、こういうのをともかく自治体にどんどんと財源と一緒に渡していくような方策を講じなければ、首都移転をいたしましてもまたまた陳情合戦になってしまう、こう思いますので、地方制度調査会というのをやっておるようですけれども、まだまだ御勉強が、しかも明治の先人のように大胆にやられるというようなことがなさそうだから、論議がなされていないようだから、自治大臣におかれましてはうんとやっていただきたい、促進させていただきたい、これをひとつ要望いたしておく次第であります。 続いて私は申し上げたいのは、首都移転をするに際しまして法整備が必要である、こう思います。今度つくろうとするのは調査会でありますけれども、大体各省にまたがる法律改正が百本ともあるいは二百本とも言われております。この点については国土庁、ひとつ御勉強になっておられるならお示し願いたいと思いますが、どうでございますか。
○内藤(勲)政府委員 本法案がこの委員会に諮られているわけですけれども、その後、首都機能の移転を進めていくに際しましてはいろいろな法律が必要になるかと思います。例えば、首都移転、どういう場所にするかという手続に関する法律とか、あるいは新しく首都移転を想定した場合の土地に関する法律といいますか、土地に関しても取得をし、土地利用をし、さらには地価高騰に結びつかないような首都機能移転、そういう事業にしたいと思いますので、そういった土地に関するいろいろな法律が必要になろうかと思います。それから、都市計画に関するような法律とかそういうようなことで、いろいろな法律が必要になろうかと思います。 そういうことで、調査会が設置されますとその場でいろいろな議論がされると思いますが、その議論を踏まえながら法律の検討を引き続きやっていきたいと思います。以上です。
○井上(普)委員 そこだ。手続に手続法が要る、あるいはまた土地規制あるいは利用、こういう法律が要る、あるいはまた特別な都市計画法というものもこれまた要る。そんなことわかり切っておることだ。だから、手続法においては何本要るんだ、これであるいは土地利用あるいは規制、こういう法律は何本ぐらい想定されますか。あるいはまた都市計画法、特別な都市計画法をつくるとすると、これに要する都市計画法並びに建築基準法の特例もこれまたつくらなきゃならないと思う。これらを想定すると、大体どれくらい法律が要るんだということをお伺いしているのです。
○内藤(勲)政府委員 法律の本数が何本というのはお答えしにくいのですが、先ほど申し上げましたように関連する分野が非常に出てくる。分野ごとに考えましてもそうです。十くらいの分野が考えられますので、例えば十本程度といいますか、そういったものは想定されるかと思います。
○井上(普)委員 この問題について国土庁は能力ないと私は思うんだ。ああいう大都市圏整備局というのは建設省にあったのだ。それを国土庁に移したんだ。それと、調整機能というのは経済企画庁にあったのを国土庁に移したのだ。まあ申し上げると、今のような、しかも役人が全部各省から出張してきているんだ、出向してきておるような形。だから、国土庁というのは、私はつくった張本人の一人ではあるけれども、あるいはこんな役所はつくるのでなかったかいなという気が実は私はしているのだよ、今。この行政機関を第一番にやらなきゃいかぬなと思っているのですが、つくったのだけれども、これはいかぬわ。あなた、もう十七、八年もたってみれば、だんだん、ともかく役人は自分のもとの役所の方へ顔を向けて、どうも仕事ができていないように思われてならないし、土地規制についての役所なんだけれども、それが実行に移されていない。ある大臣のごときは、いや、土地の、地価の調整機能の役所でございますなどということを平気で言うような役所になってしまった。ですから、これはもう企画庁が持っておったような機能に戻してしまってもいいと思う、企画庁に戻してもいいな、今のようなお話をするのであれば。 というのは、実はこの問題については、総理大臣の懇談会あるいはまた国土庁の長官の諮問機関をつくったときに、こういう勉強をしておいてくれということを国会が注文したはずなのです。だから、私は一体何本ぐらいを想定されるのだと聞いたら、各分野十ぐらいの分野で、考えられるのは十本ぐらいとあほなことを答弁するような役人が出てくるのだ。そんなのわかり切っているのだ。具体的にどういうようになっているのだということをお伺いしているのです。例えて言うならば、都市計画法では現在の都市づくりというのはできない。どうしても西ドイツのように建築基準法との関連においてやらなければ、新しい都市というものは十分にできない。現在の法体系のもとではできない。しかし、新しい法律をつくるにはこういうような考え方がございます、したがってこういうような都市をつくるにはこういう法律が必要ですというぐらいのことはひとつ御勉強になっておるだろうと思ってお伺いしているのだが、どうです。この点は勉強しているのかしていないのか、ちょっとひとつお伺いしたい。
○内藤(勲)政府委員 十分勉強しているかといいますと、まだ勉強の過程だと思うのですが、国土庁長官の懇談会などでそういった議論もなされました。ただ、法案の具体的な中身というよりも、基本的な法律といいますか、第一段階のこの法律ができた後検討すべき法律がこういう分野のものがある、そういうようなことについては一応の勉強はしております。
○井上(普)委員 それぐらいの勉強しかしておられないのですね。かつて国土庁の次官をしておった下河辺さんは、我々の懇談会に参りまして、具体的にこういう法律といって八十数本をお示しになったことがある。あなた方の先輩ですよ。しかし、現在まさにこれから発足しようというときにそれぐらいの予想が立たないということでは、今のようなアバウトな発言、私らのような頭の中で考えられるようなことしか言えないような役所ではこれはちょっと困る。任しておくわけにはいかぬようになっている。 私がなぜ言うかといいますと、筑波学園都市というのができた。これは大体十年で完成すると申しておった。ところが、筑波学園都市というのは何年たっていますか、まだ完成していませんよ。どこに原因があるかといえば、最初はともかく役人がサボつたのです。それは無理もない。医療機関、教育機関等々が不十分なところに行くと言う人は少ない、役人で。そしてまた研究者なんかは、ともかくネーベンアルバイトですか、東京であったらそういうのをできるけれども新しいところへ行ったらできないというので、単身赴任する方ばかりがおって、いつも東京の方ばかり顔を向けているようなことをやっておったものだから、いまだに筑波学園都市というのは当初目的にしておった都市ができていない。四五%か。だから、一番サボるのがともかく役人なのだ。ここを突破しなければこの新首都というのはできないと思うのですが、いかがですか。
○村田委員長 私から御説明申し上げます。 この法律が通れば、調査会を設置してそのエキスパートをお願いするという予定をしております。また、外国の事例調査、国内の事例調査等各般にわたって諸準備を早急に進めて今の井上委員のおっしゃった点に対応をしていく決意でございまして、政府にもこのことをよくお願いをしたいと思っております。
○井上(普)委員 政府にお願いしておったらこれはだめだ。だから国会等の移転に関する法律ということで、まず国会が行こうでないかということにしているのです。政府なんというのは後からついてくるものだ、それくらいの決意でやらなかったらこれはだめだと私は思います。 それからもう一つ。これはどこに聞いたらいいのかな、国土庁に聞いたらいいのかな。この中にありますが、何でも中間答申でも言っておりましたが、政府の中枢的な機能、行政の中枢的機能というとどの程度を考えられておるのか、ひとつ調べておるなら、あるいは懇談会の中でどういうような機能まで考えられておるのか、具体的にあればお示し願いたいと思います。
○内藤(勲)政府委員 本法案でも立法、司法、行政の中枢機能ということが書いてございます。それを移転対象として考えている法案になっておりますが、国土庁長官の懇談会の中でも議論がされていまして、ほとんど同じ表現なんですが、立法、司法、行政のうち全国を統括する機能といいますか、そういう範囲で考えています。
○井上(普)委員 私もアバウトな頭をしておると思うたが、今の答弁もこれまたアバウトだな。全国を統括する、わからないな。具体的にどんなことだ、もう少し。あなたそれで飯食っている人じゃないか、我々これは素人よ、国会議員なんというのは。あなた方はこれで飯食っている人なんだ。その飯食っている人にそんなアバウトな答弁をされたのでは、これはまた何をか言わんやなんだ。だから役人がサボっていると言うんだ、私は。どうなんだ。
○内藤(勲)政府委員 立法、司法、行政の中枢機能ということで、立法機能といたしましては、国会議員あるいは議員秘書等が移転することを想定しているということでございますし、司法府の場合には、最高裁判所というものを意識しておりまして、最高裁判所、それに研修所のようなものを考えておるということでございます。それから、行政府につきましては、中央省庁の内部部局といいますか、地方支分部局を外した形での内部部局でございますが、そういうようなものを想定して懇談会の検討のときには勉強を進めてまいりました。 しかしながら、これから具体に首都機能移転ということを考える際には、どういう範囲で移転させるかということは再度詰めた議論が必要だと思います。それで、新しく設けることが予定されています調査会の検討項目の中に、移転すべき機能の範囲といいますか、そういったことも調査会の審議事項としていただいております。
○井上(普)委員 中間答申が出ているんでしょう。その中にはやはり中枢機能という言葉も出ているでしょう。だから、どの範囲だということをお考えになっておられるのか承っておきたいのです。一体内部部局というのはどんなところだ。官房ぐらいのところですか。建設省なら建設省について、具体的に内部部局というのはどの付近までを内部部局というのだ。大臣、知っていますか。
○市川政府委員 建設省にお尋ねではないかと思いますが、建設省の場合に内部部局として私ども理解しておりますのは建設本省でございまして、その中で大臣官房、それから各局がございまして、それらを含めまして内部部局というふうに理解しておりまして、内部部局以外のものといいますと、各地方建設局、八つございます。そのほかに国土地理院、土木研究所、建築研究所、こういったような考え方でございます。
○井上(普)委員 そうすると、今のお話だったら、内部部局というのは建設省丸ごと移ることじゃないですか。そうすると、各省のこれぐらい多い、中枢機能とあなた方の答申の中に入っているんだよ、中間答申に。それを内部部局といかにも小さそうに言うけれども、本当は全部、建設省そのまま移る。運輸省も、外局はあるけれども全部移ってしまうということになるんじゃないですか。 そうすると、一体その内部部局では大体人間どれくらいが移るのだ。
○内藤(勲)政府委員 ただいま建設省から御答弁ありましたけれども、本省機能は各省とも全部移転するという想定で考えています。したがいまして、移転する人口、これは行政府だけではないのですが、先ほど私が申し上げました、全国を統括するといいますか中枢的な機能、東京では霞が関を中心とする本省機能ということを全部含めてなのですが、立法、司法、行政含めますと五万四千人くらいになるようです。
○井上(普)委員 初めから本省は全部移るんだということを言えばいいんだ。わからぬようにわからぬようにおっしゃるからこういうことになるんだ。しかしそれは、だから私は聞いているんだけれども、ともかく本省が全部移るんだということになる。 そこで、一番大事なのはやはり私は役人だと思うのですよ。それは気の毒だ。新しい町へ移っても住宅も十分じゃない、あるいはまた教育施設あるいは医療機関もない。過疎過密の一番問題になるのは学校と医療機関なんだ。それらが完備していかなかったら、手順上役人が一番に反対する。しかも、このごろみたいに学校が小中学校、高等学校、大学の学歴社会、あるいは何やらおかしげな偏差値というようなものも出てきておるんだから、なかなか私は難しいと思う。ここらあたりの手順を一体どうするか。八十島委員会では大体何年とか言っていたけれども、そんなに待てませんよ、実際問題として。私らが目の黒いうちに移ってもらわなければ、日本はとてもじゃないが沈没してしまう。ですから、そういう準備をひとつうんと促進していただきたいと思うのですが、どうでございましょう。国土庁長官にお願いしたいのだが、どうです。さらに準備の促進をやっていただきたいと思うのですが、どうでございます。
○村田委員長 私から御説明いたしましょう。 先ほど井上委員からお話がございましたように、この問題については昭和五十年二月に首都機能についての懇談会が設置をされました。その当時の委員は十三名、当初からずっと続いておられるのは井上委員、私どもであると承知をしております。今までもう随分この協議会を行い、幹部会等を合わせれば五十回を優に超しておると思います。それから、先ほど井上委員の御指摘になりました国土庁長官の諮問機関である八十島委員会、これも随分相当な累積を積まれたと聞いております。それから、一昨年十一月七日の衆参両院の国会等の移転決議以来、内閣総理大臣のところにも有識者懇談会が六名の委員から成っております。これも相当の勉強をなさり、私どももそこに行かせていただきました。 今までのこの国会等の移転、もっとはっきり言えば首都機能移転でございますが、これについての研究は相当なボリュームに達しておると思います。そういったことは、もちろん今後設置をされます調査会におきましても逐一取り寄せまして検討し、政府にもそれを明示し、大いに督励をしてやっていきたい、このように私は自覚しております。
○東家国務大臣 ただいま委員長から御発言がございましたように、鋭意有識者会議、懇談会を通じて今日ここまで取りまとめていただきましたのも、国会移転に関する決議がなされて以来の今日までの経緯には、大変皆さん方のそれぞれの立場立場からの貴重な御意見で今日取りまとめができ得たわけでございます。なおまた、先ほどから法律論の話もございましたが、初期から具体的な実施ということの法律というものは段階的につくられていくものだと私は承知いたしております。そういう点で、まだまだ私たちの方も勉強不足でございますけれども、この法律の成立によって、調査会を通じて私たちもさらに勉強を重ねて役所としての役割を十分果たしてまいりたいと思います。
○井上(普)委員 どうも首都移転というのは、司馬遼太郎さんに言わすと、民族の発展に応じたものだ、モニュメントをつくらなければならぬという民族的な使命もあるぞというようなことを申されたことを覚えておるのであります。幸いにしてそういう機会が我々の世代でできるのであります。考えてみますと、それに相応する準備をつくらなければならないかと思うこのごろのことでございますので、何を言いましてもお役人が協力的でなければこれは話にならない。今の御答弁でも、私は、ああいかにもやはり役人は反対するな、こう実は思っておるのです。ですから、この点は閣僚の皆さん方あるいは党の領袖の皆さん方も心してひとつ臨んでいただきたいことを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
○村田委員長 渋谷修君。
○渋谷委員 ただいま井上委員の方からも質問が行われまして、またそれに先立ちまして提出者の方からの提案理由の説明もございました。 この問題についてはきのう、きょうの話ではなくて、もう随分以前から議論がされてきたことでございまして、とりわけ東京の一極集中という問題については大変深刻な課題ということで、それぞれの場でこの問題についても議論が行われ、そしてまた一定の取り組みなどが行われてきたわけでございますが、この一極集中の排除という問題について、きょうお願いをしております建設、そして国土、自治省の方もお願いできますか。さらに、大学等の東京への集中の問題もありますから文部省の方からも、こうした東京への一極集中問題についてどのように解決をするということでそれぞれの省庁が取り組んでこられたか、そしてその成果、さらに今回のこの法律につきまして評価を、まず最初に一言ずつお伺いをしておきたいと思います。
○穂積政府委員 当局の中で、まず自治省からお答えいたします。 東京の一極集中問題は、まさに国土計画の大問題としてこれまでも議論されてまいりまして、四全総におきましてその一極集中の是正、多極分散型の国土の形成ということが明示されて、それに則しまして各省庁努力してきたところでございます。 自治省といたしましても、ふるさと創生関連施策によりまして、各地域におきましての自主的あるいは主体的な地域づくりの積極的支援に努めてまいりました。その際、先立つ財源といたしまして地方税財源の充実確保ということに留意してまいりましたし、また地方の自治体への権限委譲ということにつきましては、その推進について年々留意してきたところでございます。関係省庁とともに多極分散型国土形成促進法、御存じの法律、あるいは新たに制定をされましたが地方拠点都市法、その法律の名前を申しますと、地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律などの制定を図ってまいったところでございます。 今回このような国会等の移転に関する法律案が提示されましたことは、こうした東京一極集中の諸問題が深刻化している現況にかんがみまして、国会等の移転の具体化について積極的に検討を進めることを目的とされておりまして、この法律案が成立されましたならば、これに伴い設置されることとなる国会等移転調査会におきまして具体的な検討が進められるものと考えております。
○東家国務大臣 一極集中を是正し、多極分散型国土形成をということでいろいろな諸施策が実施されてきたのでございますけれども、地方の活性化がなかなか思うように進んでおりませんし、むしろ十八県にも及ぶ人口減少県が今日ふえ始めているわけでございます。そういうような地方の活性化のためには法律はたくさん、地方分散法だけでも百ぐらいの法律があると聞いております。にもかかわらず、そういう今日の現状を踏まえて考えるとき、さらにやはり各省庁が一体となって、そして今回の地方拠点の法律をつくらしていただきましたけれども、画期的な、各関係省庁が共同で作業を進めてきたわけでございます。 そういうことで、さらにこの問題もこれからの重要な課題でありますし、なおまた首都移転の問題でも、先ほどから御質問賜りましたようにこれはもう早急に、国民のコンセンサスを得ながらということでいろんな角度からアンケート調査をいたしましても、やはり大多数の皆さん方が早急に実施するべき方向を示していただいているわけでございます。特に、もう答えにならないかもしれませんけれども、関東大震災等の災害が起きた場合の首都の機能というものの問題は、やはり私どもは国際的にも大きな国内の問題としての想定をした検討に入るべきだというようなことを考えますとき、そのほかにももちろんございますが、しかし、この法律が成立された暁には、調査会を通じてこの首都移転の問題が、そうした一極集中を是正し、そしてそれぞれの役割分担がいろいろ今日もっと整合性を持つような、やはり行政のあり方についても言われておりますことを、各省が一体となってこれは取り組んでいく重要な法律だと私は思っております。
○金子政府委員 御質問いただきました件、首都圏に我が国の人口の四分の一、三千二百万人が住んでおられる。ただでさえ狭い国土が狭くなっている、いろいろな問題を引き起こしておる、この狭い国土を広く使っていきたい。建設省としても、これまでこのための、広く使うための諸方策、道路の整備、高規格道路の整備、河川、下水道、都市等々の整備を進めてまいってきたところであります。さらに、この一層進める対策として、既にお話が出ました地方拠点都市構想、さらには、こういうものをさらに有機的に活用しよう、地域高規格道路の整備といったようなことを進めてまいるところであります。 この法案につきまして、建設省といたしましても、二十一世紀の国土建設のあり方という観点から大変重要なテーマであると認識しておりまして、この法律によって、法案成立によって設置されます国会等の移転調査会において具体的にこの点が検討されますことを強く期待をしているところでございます。
○渋谷委員 今の一極集中に取り組んできた三省庁の取り組みの経過と、そして今度の法律に対する期待のお話をいただいたわけですが、国土庁長官から、それぞれ取り組んできたけれどもなかなか思うようにいかない、だんだん深刻な状況は続いているという現状のさわりの話がございまして、これは細かい数字を挙げて申し上げる必要はないと思いますけれども、まさに東京圏に三千万人という人々が集中をするような状況になっておりまして、これは私が知っている限りにおきましても、東京は既に都市としてのキャパシティーを完全に超えている。今新たにつくりますごみの処分場、計画どおりにつくられたといたしましてもあと七年でいっぱいということになっておりまして、ごみの問題一つとりましても、あるいは交通の問題、もちろん住宅の問題しかりであります。そうしたもろもろの、いわば都市の容量ということで申し上げますと、これはもう完全に限界を超えている。 そういうこともありまして、国会等の移転、これを一つのきっかけにしながら、この一極集中問題の解決に取り組んでいかなければならないというようなことになったわけでありますけれども、先ほどの提案理由の説明の中にもありましたが、また、この間の議論の中にもあったと思いますけれども、単に国会等を移転しただけでは均衡のとれた国土形成ということもなかなかできないということでありまして、先ほど来若干議論になっておりました、法律で言えば第四条、地方への権限の委譲の積極的な推進、あるいは、最近では分権化といったようなことで議論されておりますが、これがどうしても具体的に必要である。この新都市を建設するのが十年あるいは二十年かかるとすれば、その間に一方でこの分権化という問題について、私は、実は別の言葉で申し上げたいのですが、とりあえず今大体そこまで来たということでの言葉で申し上げますと、地方への権限委譲あるいは分権化ということを具体的に推し進めていかなければならない。実はそういう決意で先般の通常国会に都市計画法の改正案を私どもは準備をして提案したのであります。 これは、例えばフランスなどのように、私の記憶で言えば一九八二年だと思いますが、フランスでも中央集権的な体制が非常に問題になりまして、これをいかに分権化していくかということになりましたときに、たくさんの課題があるけれども、やはり都市計画から取り組むのが地域住民の参加する姿勢あるいはシステムという観点からいって非常にいいんだ、それが一番だということから、実は都市計画についてまず取り組みまして、国と州と県とそれから市町村の権限の配分に関する法律というのを提案いたしまして成立をさせ、現在取り組んでいるということなども聞いているわけでございます。 私は、自治省の方もいらっしゃると思うので、本当は塩川自治大臣にお話を伺いたかったのですが、先般の代表質問のときにも実はこの問題を取り上げまして質問をいたしました。それに対して、既に六十三年の地方制度調査会におきましては、具体的に「都市計画は市町村の事務とし、市町村が都道府県に協議して決定することとするとともに、都市計画区域、都市計画の決定及び都市計画事業の施行に関する国の関与を廃止する。」「国の関与を廃止する。」という明確な答申を実は行っている。これは一体何を意味するのか。実は地方自治というぐあいに言いますけれども、本当は地方という言葉を使うべきではない。私は、地域自治というぐあいに基本的に認識するべきだろうと思っています。地方という言葉は、あくまでも中央があって、その相対的な言葉で地方というぐあいに言うわけですね。地方自治というぐあいな認識で物を考えるべきでない。これは地域自治という考え方で理解をするべきだというぐあいに思います。 と同時に、権限を譲ってあげるという、そういう委譲という考え方、あるいは分権という、権限を分けてあげる、本来は国の権限であるものを地域自治体に譲ってあげるとか、あるいは分けてあげるというものが本来地方自治の、あるいは地域自治のあり方ではなくて、そもそもが地域自治というのは固有の権利であって、地域自治主権というぐあいに理解していいと思います。そういう地域自治が、本来の権限が、固有の権限としてあったものが、しかし人材の問題だとか財源の問題だとか、もちろんそういう意味での準備態勢が整っていないためにとりあえず国がこれまではやってきた。歴史的な経過の中ではやってきた。しかし、地域自治体にそれだけの実力がついた。地域自治体の実力がついたんだから、本来の固有の権限をこれに戻してやるという考え方に立って今後の、この法律の四条で書いてある「地方への権限の委譲の積極的推進」、言葉ではこうなっておりますけれども、これはそういう観点に立って進めるべきだというぐあいに考えるわけであります。 特にこれについては建設省と自治省、自治省の先ほど地方制度調査会のことを引用いたしましたから、まず自治省の方からの見解をお伺いして、そして建設省に、特に私は都市計画のかかわりで今申し上げましたから、都市計画のかかわりとの関連で申し上げまして、これを早急に地域自治体の固有の権限ということで法律を抜本的に改めていくというぐあいに私は思うわけでありますけれども、そうしたことも含めてぜひ御見解をお伺いしておきたいと思います。
○穂積政府委員 ただいま渋谷先生から、地方自治の本旨についての御高説を伺いましたけれども、私どもも大変共感するところがございます。 御指摘のように、地方制度調査会で既にそうしたお話のような趣旨での答申もいただいていることでございますし、仮に首都が移転する、中でもまずは国会等が移転するということになりますれば、その移転先の地域におきましてどのような町つくりをするかということにつきましては、御指摘のようにその地域の住民の主体性を持って町づくりに取り組むということが適切かと存じます。そういう意味では、土地利用のあり方とか、あるいは町づくりに関することなど、そうしたことについて今後、今回の法案で示されておりますように、地方への権限委譲の積極的推進につきまして私ども努力してまいりたいと考えております。
○市川政府委員 建設省といたしましても、東京一極集中を是正いたしまして国土の均衡ある発展を図っていくためには、地方への権限委譲、分権化を推進いたしまして、地方公共団体の自主性、自立性の強化を図っていくことが肝要であると認識しておるところでございます。とりわけ、地域に密着いたしました住宅、社会資本の整備に関しまして、地方公共団体の果たすべき役割と責任は大きいというふうに考えておりまして、御指摘ございました都市計画制度におきましても、基本的な考え方につきましては、ただいま渋谷委員から御指摘ございました考え方と私どもも同じような考え方を持っておるつもりでございます。 都市計画法に関しましては、昭和四十四年から施行されております都市計画法におきましては、すべての都市計画権限が都道府県知事または市町村の権限となっております。ただ、広域的観点から判断する必要があるものにつきまして、一部大臣の認可とか、あるいは協議を必要とするという体系になっております。そういった分野につきましても極力国の関与を簡素化していくという考え方で、大臣の認可等につきましてほぼ毎年のようにそういった認可を要しない範囲を拡大してまいったつもりでございますが、なお一層そういった問題につきまして前向きに取り組む必要があるという御指摘と思いますが、基本的にはそういう考え方で取り組んでおるつもりでございます。それから、さきの通常国会で成立いたしました都市計画法におきましても、市町村のマスタープラン制度等、そういった趣旨に沿いました新しい提案をいろいろ盛り込ませていただきまして国会を通過させていただきました次第でございます。
○渋谷委員 今の御答弁の中で、実はこの法律に基づいて国会等の移転を図る場合に、大変実は重要な部分が含まれているのです。今度の法律の中には明確に出ていないのでありますけれども、つまり移転先となる、それは日本国内の土地でありますから人が住んでないというところはまず考えられないわけでありまして、この間の答申の中でも明らかにされておりますけれども、真っさらの砂漠の中に新しい都市をつくろうという話ではない。幾つかある中小都市との連携の中で、その中に有機的に結合できるような新首都を一定の規模でつくり上げていこうということだろうと私は理解しておりますけれども、当然そこには既存の自治体があり、あるいは市町村があり、あるいは地域住民がいる。これに対する配慮という部分が、具体的にどう配慮するのかという部分が実は明確な形では抜けているのですね。調査会の項目の中では出てきます。審議する項目の中では出てきますが、法律の中にきちんとした形で入るということでは実は抜けているのですね。 これはなぜかといいますと、何を言っているかといいますと、これだけの規模の新しい都市をつくるということになりましたら、国のレベルで青写真をかいてここにつくりますよというやり方は、かつて失敗した成田空港と同じことになっちゃうのですね。そうではない、これは受け入れる側の都市の側、地域自治体の側が、言ってみればみずからがやる気、我々はこういう町づくりをしますよということでの、そういう意味では自治権ですね、自分たちの地域に対する責任、やる気というものを持って、国の計画と相協力をしながら新しい都市づくりをやっていくということでなければ、後々具体的に幾つか申し上げますけれども、そういうことができないということを実は感じているものですから、実はあえて申し上げているわけです。 これは後ほど若干触れますけれども、その前に、先ほど私が具体的に提案をいたしました。権限委譲とかあるいは地方分権という言い方をされているけれども、これはどうも違う。地域自治、地方自治でなくてこれは地域自治、そしてまた、地域自治というのは、本来これは地域自治体の固有の権限であって、地域自治主権という観点に立って今後の地域自治のあり方というものは、考え方は進めるべきだというぐあいに考えているのですが、一言ずつ、建設省と自治省と、東家さんも忙しい中いらっしゃるから、今の話は政治家が答えられる話だから、ぜひ大臣から一言ずつお願いします、賛同できるかどうか。
○穂積政府委員 実は、この国会移転等の話が出ましてから、私の経験を交えてお答えさせていただきますが、受け口となる地域がまさにぜひ国会をお迎えしたいというような気持ちになり、その準備が進むということが肝要だと、私も先生と同様の考えでございます。そのような意味で、具体的にぜひ国会に来ていただきたいという地方公共団体は、地域住民の意向も確かめながら、その土地、どの辺に選定すべきか、それからそのインフラ等を含めての整備はどうすべきかというようなことを住民も含めて相談するような、そういう組織を早くつくってお迎えするようなことを考えてはどうかというようなことを私自身が申しているようなこともございます。これは、この問題についての一般的な国と地方との関係の、今後そんなことでうまくいくのではないかと私は考えております。
○東家国務大臣 いろんな方々の御意見の中に、江戸幕府時代は年貢を納めて、地方がそれぞれの財政から各般にわたる行政を取り仕切ってきた、明治になってから中央にそうした権限が集中した、戦後の今日までの経済大国に発展するまでにはそうした中央官庁の役割というものは、大変な重要な役割を果たしたものと私どもは考えております。しかし、今お尋ねのような、もう地方もそれぞれの力をつけてきているのですから、今回の首都移転を契機に、ひとつそうした御質問のような権限の委譲等も含めて、これから取り組まれることを私は期待をいたしているところでございます。
○渋谷委員 今の質問は、地方への権限委譲とかあるいは分権という考え方ではなくて地域自治主権という基本的な考え方を、これからの将来議論していく過程の中ではそういう方向にもう認識を改めるべきではないかということを私の方から具体的に提案をしているわけです。そのことについて、それは理解できるということか、あるいは、そうではない、依然として国は国であり地方は地方だという考え方なのか、そのことだけ一言ずつお願いしたい。
○金子政府委員 基本的には、今提案されております地方自治、地域自治という言葉をお使いになられましたけれども、建設省としてもそういう方向でさっき総務審議官が答弁しましたけれども、私、建設政務次官としてもその方向というのは尊重しながら進めていきたい。事この問題について、国会移転という話になってまいりますと、自治政務次官がお答えになられましたように、むしろ地方がそういう準備をしてそして整備をする考え方を持って多分これを進めてくる。そういう意味ではこの国会移転、さらに進んでいきますとまさに地方、地域自治というものが相当中に織り込まれたいいプロジェクトになっていくだろう、またそういうことを個人としても大変強く期待をしております。
○穂積政府委員 先生冒頭からおっしゃっております地方自治、どうあるべきかということに即してお答え申しますと、まさにこの地域住民の主体性を持って自分たちの社会形成をしていくということについては、まことに同感だと先ほどもその趣旨を申し上げたところでございます。法制的には、それを具体化するためには、御指摘のように、現在国と地方公共団体の間に権限がそれぞれ配分されているもののうち、地方に権限委譲を相当とするものについては順次これを権限委譲に努力していくということだと考えております。
○東家国務大臣 私は、もう御質問のとおりだと思います。 その過程の中に、先ほども国土庁の役割について激励のお言葉だと受けとめて聞いておりましたが、今後縦割りの行政の中から、やはり調整する機能を持つ国土庁にさらに私は前進していかねばならない、しみじみ感ずることが多うございます。そういう意味で、地方に権限を委譲する過程の中に、それぞれの省庁の縦割りをやはり是正し、そして一体的に地方に対してどう取り組むべきかということの、私は具体的なそうした各省庁の話し合いができるような環境を早くつくって、そしてそうした今お尋ねのような、将来に向けて権限の委譲に進むことがどうしても必要ではないだろうかと思っております。
○渋谷委員 今の件は、つい最近もタイ、ラオス、ベトナムなどを回ってまいりまして、向こうの政治家と地方自治のあり方について、逆に向こうから質問をされたような経験がございまして、タイなどでは依然として地方自治体、まさに地方自治体の首長は選挙ではなく勅命制なんですね。ですから、議会が一応ありましても、それは首長の方が大変大幅な権限を持っていまして、実際の地域自治というのは確立をされていない。これを選挙の制度を導入するということが大変重大な課題なんだというぐあいに必死に私などに言っておりましたし、また韓国でもつい最近やっと地方議会の選挙が実施される。 ですから、そういうところから見ますと、日本はアジアの国の中でもそれなりに地方自治は進んでいるというぐあいに思われているわけですけれども、依然として私などもこうして地方自治という言葉を平気で使っておりますように、制度としては確かに形としてはそういうぐあいに進んでいるように見えますけれども、法律等も含めまして実はそんなふうになっていない。勅命制の名残が依然として残っている、あるいは国家の機関委任事務というような形で国に権限があって、それは都道府県にそれをやらせているというようなところもあるわけですね。ですから、地域自治体に参りますと、県なりあるいは国の顔色をうかがいながら仕事ををしているというのが現状でありまして、これをよりもっと一歩進めて地域自治主権というところまでいくことができれば、これは相当違ったものになってくるし、今いろいろなところで行われている議論もそこに多分収れんされていくのではないかというぐあいに思いまして、若干具体的な提案をしてみたわけであります。 四条のところでありますが、今度の法律は議員立法でありまして、私も賛成者になっているわけですから、法律そのものの質疑という感じにはなりませんけれども、四条の「国による規制の合理化等行財政の改革と的確に関連付けるものとする。」若干わかりにくい表現になっているわけですが、これにつきましては、既にそれぞれの各省におきましていろいろな調査会があり、こうした問題についての議論が行われてきています。地方制度調査会の先ほど具体的な指摘も申し上げました。あるいは、臨時行政改革推進審議会の審議の内容などもございます。こうした内容を単なる答申ということにするのではなく、そうした答申をきちんと踏まえながら、整合性を持ってこれは進めていかなければならないという観点から、この第四条を規定しているわけでありまして、関連するそれぞれの省庁におきましては、その辺の趣旨を十分念頭に置きながら、この法律が成立した以降はそうした観点でぜひ作業を進めていただきたいというぐあいに思います。 次に、先ほど来の話をさらに関連をさせていただきますが、この国会等の移転をする移転先の問題は、絞り込みですね、これはもちろん調査会の今後の作業になるわけでありますが、どうしてもやはり国民はあるいは一般的に言えばそうしたところに関心がいかざるを得ない。私は、できる限りこれはオープンにし、透明性を図りながら、妙な利権を生まないようなシステムをつくりながらやらなければいけないというぐあいに考えるわけであります。これは、もちろん今直ちに各省庁に何か具体的な考え方があるというぐあいには思いませんけれども、しかしこの間議論してきた経過の中で、例えばこういう方式をとったらどうかという案がありましたら、国土庁がこの法律についてはいずれ事務局になるといったようなことも聞いておりますけれども、国土庁の方にそうした意味での絞り込みについてのアイデアなどが議論としてありましたら、お示しいただけますか。
○内藤(勲)政府委員 今の段階でなかなかお答えにくい御質問なんですが、この法律におきましても、移転先地に求められる条件ということで、自然条件、社会条件などが既に法律の中身に記載されております。 自然条件といたしましては、災害に対する安全性、あるいは地形の良好性、水供給が十分確保されている、そういうような中身だとか、社会条件といたしましては、交通の利便性、あるいは土地取得が容易である、そういった検討指針というのが既に書かれておりますが、これからの検討の過程では、さらに具体的な条件、基準というものの検討が必要かと思います。これは調査会の審議事項として掲げられてあるとおりでございます。 なお、具体に絞り込みの手順というものがありまして、条件の検討とあわせて手順の検討というのが必要になろうかと思います。手順につきましても、いろいろ議論はあろうかと思うのですが、手順に対する考え方、どう手順があるべきかというようなことを含め、新しい調査会での議論をお願いしたいところでございます。
○渋谷委員 確かに、今の段階で具体的な手順について示すということは難しい点はあろうかと思いますが、その条件をきちんと示していきながら、私は、それに対応できる自治体からそれぞれ立候補させて、その立候補した自治体につきましてさらに内容を具体的に精査をして、そのことももちろんオープンにして精査をして、まさに国民合意が得られる形でさらに絞り込んでいくという手続をとっていかなければならないだろう。 その場合に、先ほど来議論している、実は地域自治という問題と密接な関連が出てくるのです。先ほど来申し上げました。どこかの、例えば六十万というぐあいに答申の中にありますけれども、人口の規模でいいますと。そういう新都市を新たにつくる。これは既存の都市に、大きな都市ですね、例えば都道府県の首都レベルの都市にそういうものをつくるという発想ではないのですよ。そうではない。中小都市ぐらいと連携する、いわゆるクラスター方式と言っていますけれども、連携する形でつくろうということになるのですが、そうなりますと、当然市町村ということでいえば自治体がばらばらなんですね。先ほど来議論がありました。日本の自治というのは、こういう規模でいいますと、行政組織でいいますと果たしてこれでいいのかという議論があるのですね。しかし、これだけの新しい都市をつくるとなれば、当然重複をする幾つかの自治体との連携が図られなければならない。 それで、当然地価高騰だとか地価の問題についても手だては講じられるでしょう。法律の中にも十条で「適切な土地対策を講じる」。これは、国土庁の所管でいえば、例えば監視区域にするとか規制区域にするとかという話になりましょう。実は、それだけでは不十分なのですね。地区計画よりもより厳しい詳細計画、それをベースにした形で都市計画ということでの網を大きくかける形でやっていきませんと、やはり乱開発だとかあるいは計画にないような形での開発がどんどん行われるということになりますと、これは既存の地域住民あるいは地域自治体に対し大変大きな負担を与える、あるいは悪影響を与えるということになりかねないのです。 となりますと、幾つか複数の自治体で自治体連合を組ませる、例えばコンペで。自治体連合を組ませて、その自治体連合がきちんとした主権を持ちながら、そしてそこが国の計画と相まってきちんとした都市計画を打ち立てていく。そうなりますと、実は地価監視はそんなにやらなくても、これは詳細計画がベースにあって都市計画がかかるわけでありますから、それを超えるような形でバブルで地価がかかるなどということにはならないですね。そういうことは、私は例えばこれを見ただけで大体頭の中にイメージとしてそんなふうに浮かぶわけでありますけれども、そういう自治体連合については今も議論されているようなパイロット自治体みたいなことの適用も考えていいと思うのですね。自主的にどんどんやりなさい、やる気がある自治体がコンペに参加してくるわけですから、そのやる気を大いに評価をしてパイロット自治体としての資格も与え、いろいろなことを自主的にやらせる、なおかつ小さい自治体ではなくて、そういう自治体連合として取り組むような体制づくりということを考えさせたらどうかというぐあいに考えるのですが、このことについては、国土庁、どうでしょう。
○内藤(勲)政府委員 この法案の中で、調査会ができ、そこの検討事項の一つに新都市の都市整備のあり方ということがあり、その中でどういう形での都市づくりをしていくかということが議論されると思います。文言上は、新しい首都機能を有する都市が世界機能を有しなければいけないというのは当然ですが、先生御指摘のとおりの良好な居住環境、そこに住む人方のために良好な環境を備えた都市でなければならない、そういう位置づけがなされているわけで、ぜひともそういう町づくりが必要かと思います。しかしながら、今先生の都市連合とか、いずれにいたしましても首都機能を有する都市が新しいところにできるわけですから、地方組織といいますか、そういったことについても当然検討事項になるのではないかと思います。
○山口(鶴)議員 今まで渋谷さんからお話のありました点は、まさにそのとおりだと思って拝聴いたしておりました。 問題は、憲法では地方自治の本旨がうたわれているのですけれども、現実の我が国の制度としては中央集権になっている。そして、これを御指摘のような意味で本当の地方自治の本旨に基づく地域自治体にしていくためには、今日まで地方制度調査会なりあるいは新行革審等が数々の答申をする、したけれども現実にはなかなかそれが実行されていかない、したがってこの際私たちは国会等の移転を考える、そういったドラスチックな方法を通じて私は地方自治の本旨にふさわしい地方分権を実現していきたいものだ、そういう願いを込めて実はこの法律を提案したのだということをひとつ御理解をいただきたいと思うのです。 したがって、受け入れ先も、自治体としましては、私は御指摘のように合併ばかりが能ではないと思います。現在の地方自治法の中でも、自治体の連合、協議体方式、さまざまの方式があるわけでございますから、これはもうまさにその地域の住民の意思を尊重して地方自治の本旨にふさわしい受け入れ体制を整備していくべきものというふうに考えている次第でございます。
○渋谷委員 今の提案者の方の説明もございまして、もう少し論旨がはっきりしてきたというぐあいに思うのですが、東京で失敗しましたのは、実は先ほど来申し上げておりますように、成長の管理といいますか、都市も生き物でして、東京の場合は人が地方からどんどん集中をしてくる。もちろん集める引力といいますか、力があるからですね。それでその力に任せてどんどん膨張するままにほっておいてあるものですから、都市のキャパシティーを超えてしまう。やはり都市というのは、基本的にはそういう意味では成長力に限界のあるものであるという観点に立って、これはアメリカなどでは最近当たり前のような議論になっているわけですけれども、成長の管理、管理と言うと何か妙に計画的な感じになってしまいますからそうじゃなくて、都市の成長のコントロールという考え方は、この新しい都市をつくる場合にどうしても入れていかなければならない。六十万という規模でありましたけれども、六十万という都市を大体想定するけれども、既存の都市などとの連携の中で、例えばあっという間に百万になる。それがさらに一定の力を持ちまして、あっという間にこれが百五十万、二百万ということになりますと、社会資本整備が全然立ちおくれて、周辺にあちこちスプロールが始まり、都市問題がまたそこで起こってくるということでは、一体何をやっているかわからなくなるわけですね。そういう意味で言いますと、成長管理の政策をここでやはりきちんと最初から当てはめていかなければならないというぐあいに考えますし、また、先ほど来申し上げておりますように、今現在もありますが地区計画制度ですね、これを超えるような強制力を持つ詳細計画をベースにした都市計画というものを、例えば予定の地域に網をかぶせていくということになりますと、これはやはり既存の、住んでいる人たちの協力なしにはできないですね。合意なしには絶対できないのです。日本とヨーロッパの都市計画の違いはまさに基本的にここにありまして、したがって私が先ほど来申し上げている地域自治主権というのは、なぜそういうことを言っているかというと、地域に住んでいる住民がまさに主人公で、あなた方が自覚と責任を持ってやらなければいけないのですよ、その能力を引っ張り出しながら、それと連携して新しい都市づくりをするということになれば、これは単に集中の排除だけの問題ではなくて、日本の都市計画を抜本的に変えていく大変重大な意味を実は持つことになるわけですね。そういう観点で申し上げているということをぜひ御理解をいただきたいと思います。 あと幾つか質問の点がありますので、一極集中排除の問題とのかかわりで若干質問を申し上げながら、残る時間があれば、実は国会等の移転等の一方で、残る東京の地震の災害問題だとかその他がこの法律の中にも指摘されているわけです。それは後で若干お伺いをいたしますが、先ほど来申し上げておりますように、今度の国会等の移転に関する法律は一極集中の排除ということが一番大きな理由ということになっているわけなんですが、既に先ほど来御答弁もいただきましたけれども、これまでもずっと議論もされ、あるいは政府としても例えば昭和六十三年には「国の行政機関等の移転について」ということで閣議決定を行って、国の機関の移転などに取り組んできた。これもなかなかうまくいかない。一部移動したけれども、東京圏に残ってしまうというようなこともあるわけですね。こうした法律が今度国会で成立をするということになりましたときに、この一極集中の排除というのは、これまでの単なる議論とは違って具体的に実現しなければならない課題ということになるわけなんです。ところが一方で、国の機関あるいは国の機関に準ずるような施設を、何も東京でなくてもいいような施設を東京に立地をさせ、つくるということが行われているのですね。たくさんあります。そういう問題はたくさんありますが、それを一々触れているわけにいきませんから、具体的な事例を触れれば、きょう、提案者の方々も、あるいは各省の方々も委員の方も御理解いただけると思いますので、あえて個別の問題を申し上げて問題提起をしておきたいというぐあいに思います。 北区の西が丘に国立のスポーツ競技場というのがございます。細かい経過を説明していますと質問時間がなくなってしまいますから、私の方から簡単に申し上げますと、これは文部省の方がいわばモデル的な施設として国民にスポーツをする場所、機会を与えるために、本来であれば地域自治体にそうした施設をどんどんつくってもらいたいけれども、まずは国がモデルをつくるということで、北区の西が丘にスポーツ競技場をつくりまして、ここは年間延べ五十万人ぐらいの人たちが利用をしているのですね。大変喜ばれている施設です。若い人だったらわかると思いますが、西が丘はサッカー場があることで有名です。サッカー場がありましたり、あるいはテニスコートがあったり体育施設があったりプールがあったり、その他のそういう施設が全部ありまして、そこが非常にたくさん地域住民に利用されているという施設なんですね。 ところが、ここに今度は文部省が、オリンピックのエリート選手の養成施設といいますか、スポーツ科学センターをつくりたい。で、今延べ五十万人の利用している人たち、サッカー場は残しますけれども、その他の建物の建っている部分を壊しまして、そしてそこにそういうエリート選手の訓練をする、例えばメニューづくりだとか、あるいは科学的な分析だとか、そういうものを行うための拠点施設をつくりたいということになりまして、したがって、最初は、今一般の人が利用しているのは全部排除してしまって、そしてそういう施設をつくるという話だったんですが、いろいろ私なども文句を言ってきた経過がありまして、何とかそれは地域住民と共用できるような形にしましょうというような話になってきたのです。なぜそういう施設をつくるかということを他の委員会で文部省に聞きましたら、結局エリート選手の面倒を見ている、例えばカウンセラーであるとか、アドバイザーであるとか、あるいは医療的にいろいろと専門的に取り組んでいる人たちは、みんな大企業だとかそういう医療施設に勤めているというわけですね。そういう人たちからの要望でいえば、やはり都内に便利なところにそういう施設をつくってもらいたいということで建物をつくる計画が出てきたわけであります。 最後の部分は文部省の立場にかかわる話でありますから、そもそも国立スポーツ競技場をなくして、それで今申し上げましたスポーツ科学センターをつくらなければいけなくなったという理由について、長い時間要りませんから、三点なら三点、私が今申し上げたことが違っているなら違っているで、訂正して御答弁していただけますか。
○奥田政府委員 お答え申し上げます。 先生がただいまお話しのように、国立西が丘競技場は、特殊法人の日本体育・学校健康センターの施設といたしまして昭和四十七年に設置されたわけでございます。お話にございましたように、体育館、プール、テニスコート、サッカー競技場等ございます。特に、これも御案内だと思いますけれども、我が国の国民の中に国際競技力を大いに高めるべきだ、そのためには外国と同じようにスポーツの科学、医学というふうな研究を大いに進めるべきではないかというふうな強い要請がございます。そういうようなことなどを受けまして、御指摘にございましたようにこの特殊法人の一部門といたしまして国立スポーツ科学センター、仮称でございますけれども、これを、現在西が丘競技場がございますのでその一角につくりたい。先生も御案内だと思いますけれども、この施設、約六万九千平米ほどございますけれども、その中の一部の一万六千五百平米程度をこのスポーツ科学センターにしたい。御指摘にございましたように、従来の経緯もありまして住民に広く活用されてまいりました。したがいまして、今後ともこの研究をするに当たりましても、そういう方々のお気持ちを十分に体して御利用していただくようなことを配慮していきたいというふうに考えております。
○渋谷委員 なぜ持ってくるかという個別理由はほかの委員会で答弁していたんですが、ここでは申し上げませんでしたけれども、そういう施設そのもの、組織そのものをつくるということについて反対しているわけじゃないんです。なぜ東京に、これだけ集中しているところ。それから、利便と言うんですけれども、北区西が丘については余り御存じない方がいらっしゃると思いますが、駅からも結構遠いんですね。都内からも、北の外れですから、車で行くとなりましたら昼の時間で大体一時間はかかりますね。今どき、例えば新幹線で一時間といいますと、東海道新幹線だったら静岡まで行っちゃいますし、上越だったら高崎まで行くでしょう。こっちだったら宇都宮まで行くんじゃないでしょうかね。 長野で今度国立のトレーニングセンターをつくるという報道が一部ありまして、JOCの中で議論がされているという話もありましたが、そういう計画というのはあるんですか、ないんですか。
○奥田政府委員 先生が御指摘の点は、日本オリンピック委員会の検討の状況だというふうに思いますけれども、私どもは、今先生おっしゃるようなそういう構想について具体的にこういうふうにすべきだというふうな結論を得たというふうなことは聞いておりません。
○渋谷委員 つまり、今申し上げていることは、東京の中にそういう問題についての専門家がいる。その専門家からの要望もあり、選手からの要望もあって、したがって東京の中にそういう施設を設けなければならないというのは、まさにこれは東京一極集中の効果によるものなんですね。これは国がお金をつけてこういう施設をつくるわけですよ。一極集中を排除しようということで国全体で取り組もうというときに、また新たに東京の中にそういう施設をつくる。当然そこで働く人も出てくるし、それから、それは専門家も選手たちもそういうところに集まる。合宿しに全国から集まる選手も当然いるでしょう。そうすると、一極集中を促進することになってはいても、排除という政府として取り組んでいることとは全く逆行することになりますよ。だって、ほかへ持っていって不都合はないのですから。長野にナショナルトレーニングセンター、大規模なものをつくるということであれば、それと一体化した形でつくり上げた方が効率がいいじゃないですか。もう既にこれは実施設計を行うという段階に入っていますけれども、以前にもほかの計画で、例えば調査費あるいはそういう基本設計費をつけても、いろいろ時代の流れ、経過の中でこれは違うということになって、それで打ち切られて計画そのものが変更されたというような事例なども、国のレベルの計画の中では幾つもあるのです。 そういうことでいいますと、これはもっと本格的な、言ってみれば西が丘は四百メータートラック一つつくれないのですから。先ほど話をしていましたけれども、六万九千平米のうち一万六千平米だけだといいますけれども、その多くの部分はサッカー場がありますから、サッカー場も取っ払うという話になったらこれはまた話が大きくなっちゃいますが、そういうことでいえば、今延べ五十万人の人々が利用している施設、国に感謝し文部省に感謝しているわけですから、それはそれで残しておきながら、そういう新たな組織が必要だ、それはわかります。議論としてはわかりますから、そういう施設については分散化するという基本的な国の方針に沿って、長野なりあるいは他の地域につくっていくという考え方に文部省としては見直す考え方はございませんか。
○奥田政府委員 結論を先に申し上げますと、十分熟慮の上決定をしたものでございまして見直す考えはございません。 つけ加えさせていただきますと、先生もちょっとお触れになりましたけれども、ここの研究センターは、医者であるとか学者であるとかスポーツの指導者でありますとかあるいは優秀な選手であるとか、東京あるいはその周辺におります人たちが適宜集まりまして共同研究をするといったようなことなどが中心になりますので、そういう意味ではこれはぜひ実現をさせていただきたいというふうに考えております。
○渋谷委員 提案者の山口先生あるいは各省の方、今お話をお聞きになっておわかりでしょう。スローガンとしては、これだけ重大な法律を含めて東京への一極集中を排除しましょう、具体的な施策を進めましょう、閣議決定で官公庁を含めた機関の地方移転も図りましょうとやったって、個別施策になったらいろいろ理由をつけて、だから私はよく言うんですよ。官僚というのはやれない理由をまず先に見つけてくる、できる理由を先に考えない。こうしたらできるじゃないか、国の施策に準じてできるじゃないかということを考えないんですね。やれない理由だったら、それは私だって十や二十は見つけできますよ。そうじゃなくて、この問題については地方に移転できるじゃないですか。今の説明の話は、結局は東京の一極集中で、そこに専門家も集まっている、選手もいる、だから利便性のあるところに施設をつくりたいという話になったら、一極集中を是正しようなどという議論にならないでしょう。 これはこの事例だけじゃないですよ。ほかにもあるのです。ほかにも、他の省庁にかかわる問題でもあるのです。あえて私はこれを象徴的に申し上げておりますけれども、これは今文部省の話がありましたが、財政当局も責任を負わなければいかぬと私は思う。幾つかの施設をつくる、計画が出てくる、これについてただその中身がその省の政策に合っていれば金をつけるというだけではなくて、これは国の財政を預かる者としてはこの一極集中排除ということは当然念頭に置きながら各省と折衝しているわけですね。そこのところの確認と、今の問題について見直しをするということも、例えば将来的に地方にそういう意味でのナショナルトレーニングセンターができる、それと一体化した形で科学センターをつくった方がいい、これは当たり前の話じゃないですか。例えばそういう方向で計画ができたらその方がいいというような議論になりませんか。財政当局、大蔵省。
○福田説明員 お答え申し上げます。 東京に一極集中しているこの事態を是正いたしまして多極分散型の国土の形成を目指すことは、国土の均衡ある発展を実現させる上で重要な課題の一つであるというふうに私どもも認識しております。大蔵省といたしましては、基本的には関係省庁と相談してその推進に資するよう適切に対拠してまいりたいと存じております。 今お話しの、個別具体的の本件について今まだ査定中でありますので、細かい事柄は別にいたしまして財政当局として一般論を申し上げますれば、新たな場所に新たな施設を設けるということになりますと、例えば土地代も必要になります。管理費用もそれだけ増加するということになりますので、時代の変化に対応した新たな行政目的を達するための施設についても、できるだけ既存の場所にスクラップ・アンド・ビルドの原則に従って整備をしていただく、限られた財政資金を効率的に使うことが望ましいと基本的には考えております。
○渋谷委員 一般論としての話はいいんだけれども、後段の部分が気に食わないね。東京の土地を、それだったら何もそこにつくるという話じゃなくて、あれだけ高い地価のところに今施設があるわけですから、地方公共団体に例えば半分でも三分の一の価格ででも譲渡したら、それは郊外にあるいは地方に一定の、一時間以上離れたところだったら広大な土地と施設をつくるだけの金が出てきますよ、それは。そんなの当たり前の話じゃないですか。まさにその方が財政的には節約できることになるじゃないですかというぐあいに私は思いますけれどもね。そういうことも含めて財政当局は、国の基本的な政策、方針として集中を何としても排除していく、あるいは、排除のことはすぐできるわけじゃないですから、まずは抑止をする。抑止をするということについて民間に協力を求めるだけじゃなくて、まず政府機関がやるという基本的な姿勢を持たなければ私はいけないというぐあいに思います。もちろんこの問題だけではございませんけれども、あえて個別問題としてこういうことがあるということを、したがって一極集中排除というのはいかに難しいかということを強調するためにこのことを申し上げさせていただきましたが、余り時間がなくなりました。 先ほどちょっと質問の予告をいたしましたけれども、この前、地震予知連の会長がこの委員会に参りまして、マグニチュード八以上の地震はまあまあ予測できるけれども、マグニチュード七以下の直下型地震については全く予測不可能である、東京は危機ということでいえば非常に切迫した状況にあるという話を聞きまして、私は東京の選挙区でございますけれども、ある意味では愕然といたしました。その意味で言いますと、国会だけ逃げていくのか、政治家だけ逃げていくのかという議論だってあるわけですね。これはタイムラグは実際にあるわけですけれどもね。しかし、一般的に新聞その他でニュースが出れば、都民や国民がそう思うのは当たり前ですね。 そこで、東京の予想される直下型地震、これに対する防災対策、これはもう既に各省庁関連して取り組んでいるところだというぐあいに考えますけれども、それについての姿勢、さらに予算等は十分にそれに対して行われているのかどうかということについて、一言お伺いをしておきたいと思います。
○黒川政府委員 先生御指摘のとおり、東京を含めました南関東の地震対策というのは極めて重要な事柄でございます。 これにつきましては、この法律の問題とは別な意味で現実に居住しておられる方々の対策でございますので、万全を期していく必要があるわけでございます。したがいまして、これにつきましては、先般八月二十一日に「南関東地域直下の地震対策に関する大綱」というのを中央防災会議で決めさせていただきました。これをもとに、東京都それから関係省庁一体となってそれぞれ役割分担をしながら事業の強化を図りまして万全を期していきたいということで、予算等々につきましてもそれぞれの段階で対応してまいるところでございます。
○渋谷委員 もう時間になりましたからこれでおしまいにいたしますが、二点だけ質問いたしましてそれぞれに御答弁をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。 今度のこの法律でもそうですが、調査会というのが今後の作業をする上で大変重要な意味を持つわけであります。先ほど来地域自治ということについてもお話をしてまいりましたけれども、やはりこれからのこうした機関における審議、議論といいますのは、これはもちろん国民的なコンセンサスを得なければならないということでありますから、できる限り情報は公開され、関係する都市市民が十分に参加できるという手続を、制度として、これはスローガンじゃないです、スローガンじゃなくて、ちゃんと手続として、調査会ができましたら調査会における規則その他ということで手続としてきちんと位置づけをするべきである、調査会の中における議論は、原則として資料を含め議事録は公開にするべきだというぐあいに私は考えております。このことについて、事務当局となる国土庁はどんなふうにお考えか。 そして最後に、提案者である山口鶴男委員より、ぜひこの法律を提案する立場で、政府に対し、あるいは各省庁に対する決意といいますか、考え方というのを改めてお伺いを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○内藤(勲)政府委員 ただいまの御質問、調査会の運営のあり方の問題だと思いますが、首都機能移転、国会等の移転というものを考えますと、広く国民的な合意の形成が必要だ。そういうことを考えますと、調査会での議論の内容が国民に周知されることが非常に望ましいことだと思います。しかしながら、調査会の運営のあり方につきましては、調査会発足後、調査会の会長が定めるといいますか、調査会の中で運営のあり方が決められることになるかと思います。
○山口(鶴)議員 ただいま渋谷さんの御質問は、この法律の最も重要な点ではないかと私は思っております。 したがいまして、この法律案を作成する過程で、この国会の国会等の移転に関する特別委員会の理事懇談会では、この問題は随分議論をいたしました。そうして、同じような法律でできております調査会の中でも、例えば地方制度調査会は公開である、マスコミも参加をし、また要求があればマスコミに対して議事録も公開するということをきちっとやっております。したがって、そういう例もあるので、この調査会も同じような趣旨であるべきだということは私随分強調いたしまして、皆様方の御理解もいただいた次第であります。 したがって、具体的には、この調査会の運営方式については、調査会が発足いたしました後、調査会でその規則をつくるわけでございますけれども、私たちは提案者といたしまして、そういう趣旨をもってこの法律をつくったのだということは、当然各党から調査会の委員のメンバーが出るわけでございますから、そのことは強調いたしたいと思います。そうして、御指摘のような趣旨でこの調査会が運営されるように私たちいたしたいと思いますし、また法律の中にも公聴会の開催とか参考人の意見聴取等もございますので、国民各階層の皆さん方の御意見も十分この調査会に反映させるような運営をぜひともやってまいりたい、渋谷さんのこの御質問の趣旨はきちっと守ってまいりたい、提案者としてこういう決意でおるということを御理解いただきたいと思います。
○渋谷委員 ありがとうございました。
○村田委員長 鳥居一雄君。
○鳥居委員 まず南関東直下の地震に関しまして、地震防災対策という観点で伺ってまいりたいと思います。 このたびの国会等の移転に関する法律案、この法案の中で、前文でも次のように指摘をいたしております。「地震等の大規模災害に対する脆弱性を克服するため、世界都市としての東京都の整備に配慮しつつ、」また本文第十一条でありますけれども、「地震等の大規模災害に対処する上での緊急性、東京都の災害対策の充実等に配慮するものとする。」つまり国会等の移転を考える大前提として、懸念される南関東直下の地震対策について万全の防災対策を講ずるのだ、こういう法律の精神であると私どもは認識をいたしております。 国土庁長官、東家大臣は防災の所管大臣であり、中央防災会議の事務局長という要職にあるお立場でどういう御認識でございましょうか。
○東家国務大臣 お答え申し上げます。 東京都を含む南関東地域においてのマグニチュード七級の直下地震の発生の可能性が指摘されておりますが、諸機能の集中したこの地域にこのような地震が発生すれば大きな被害が生ずることはもう皆さん御承知のとおりでございます。極めて重要な問題だと受けとめております。 このために、関東大震災の経験やその後の内外の地震被害の経験等を踏まえて、中央防災会議において大都市震災対策推進要綱等に基づいてこれまで関係省庁と東京都を初めとする関係地方公共団体とも挙げて対策を講じてきたところでございます。今お尋ねのように、こうした中央防災会議における直下型の地震の発生により被害が生ずるおそれがあると推定される地域において講ずべき防災の対策については、さらに私ども関係機関と協議しながらこれからの対策に万全を期すべく努力をしてまいりたいと考えます。
○鳥居委員 今東家大臣が御答弁されました「南関東地域直下の地震対策に関する大綱」、本年の八月二十一日、中央防災会議が結論を示されました。それで、この報告の中に、大綱決定の背景として南関東直下の地震というのは切迫性につきましてどういうことになっているのかというのがここで表現されているわけでありますけれども、率直に言って切迫性については、直下の地震が数回発生することが予想される。つまり百年か二百年先に発生する可能性が高いという相模トラフ沿いの地震、マグニチュード八クラスの海溝型巨大地震が起こるまでの間に直下の地震が数回発生することが予想される。また、中央防災会議の地震防災対策強化地域指定専門委員会中間取りまとめが昭和六十三年にありました。この中間取りまとめで、この切迫性について、起こる地震の型と、南関東を襲うであろう直下の地震の切迫性につきまして、相模トラフ沿いというのはまだ当分の間、百年ないし二百年先である、それからもう一つは、房総半島沖の地震については資料が不足していて、考慮しておく必要があるけれども非常に難しい、つまり的は南関東直下の地震に絞られて対策がとられるべきであるというのが今回のこの八月二十一日の中央防災会議の大綱のもとになった取りまとめであったと認識をいたしております。 このある程度切迫性があるんだという表現は非常にあいまいでありまして、専門家の間でどういうふうに言われているか、いろいろ私なりに調べました。それによりますと、東大の名誉教授でありますが力武常次さんという方がいらっしゃいます。この方の指摘によりますと、品質管理工学の確率計算の方式で計算をした、それによりますと、南関東直下の地震については一九九一年から十年間にマグニチュード六またはそれ以上という規模の地震が起きる確率が四〇%である、こういう指摘です。この四〇%の意味はどういう意味なんだろうかということでありますが、一九八九年にアメリカにおいてロマプリータ地震が起こりましたが、これは同じ品質管理工学の統計計算によりまして、当時一九八八年、地震発災の一年前に計算をいたしまして、アメリカの地質学研究所で確率三〇%、向こう三十年間に起きるであろう地震の発生の確率が三〇%、こういう計算をしているわけでありまして、相当この数字は高い。それから、我が国におきまして東海地震の発生確率、同じような計算をいたしますと四〇%。つまり、南関東直下の地震の確率が四〇%、東海地震の確率が四〇%、この発生確率からいくとどっちが先に起きても不思議ではない、こんなような位置づけだと認識をいたしております。国土庁長官の御認識はいかがでしょうか。 〔委員長退席、谷川委員長代理着席〕
○東家国務大臣 ただいま御質問のような直下型地震が発生する可能性について、先般もその指摘を受けているところでございます。この緊迫性が今後さらに高まってくることは疑いありませんし、著しい被害を生じるおそれがあると推定される地域については、さらにこの大綱に従って取り組んでいかねばならないというふうに今計画を策定しているところでございます。 その計画はいろいろございますが、特に避難路の整備計画やそのほかもろもろの防災対策が必要であること、しかし、それをかなえていくためには、やはりどうしても我々は予算的にこれから要求をしていかねばならないわけでございますが、特にまたそれぞれの関係の地域においては補助率のかさ上げ等も私たちは必要であるということで取り組んでいるところでございます。
○鳥居委員 この八月二十一日の中央防災会議の大綱発表と同時に、強化地域指定専門委員会の検討結果の報告がありました。それで、この検討結果の報告、大綱、この中で、これまで南関東直下の地震対策というのはできない、できない、こう口をそろえて言われてきたわけです。それは、一つは地域がどこを対象にして対策をとったらいいのかわからない。それから需要がどのくらいあるのかわからない。こんなことが防災関係者の、特に国土庁の立場であったと思うのです。しかし、今回起こるであろうと考えられる地震モデル、十九モデルの地域、七都県、これまでには六都県市が中心になってぜひこの防災対策上、東海並みの助成策をとってほしい、こういう要請が非常に強かったのですが、これをはねてきた理由というのは、南関東、南関東というけれどもどこに地震が起きるのかわからない、こういう一つの抜け道がありました。しかし、今回十九のパターンの中のどこかで起きる、しかも規模は半径三十キロ、そして震度六以上ということを想定した防災対策上の一つの大きな指標ができ上がったわけです。したがいまして、東海の方で今日まで緊急整備計画を持ち、避難地、避難路、耐震性貯水槽、あるいは小中学校の耐震強化というような緊急整備計画が当然南関東地域において、指定地域に関して図られるべきである、こういうふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○黒川政府委員 東海地震それから南関東地域の地震のいろいろ予知の問題、あるいは切迫性の問題について、今先生が御指摘されたとおりでございます。 これにつきまして、東海地震は予知が可能だ、これはマグニチュード八ぐらいの地震だということで、これにつきましてはそれを前提に大規模地震対策特別措置法によりまして地震防災対策強化地域に指定をしまして、これに関連いたしまして、いわゆる地震財特法という法律がございまして緊急整備事業というものを設定しまして、これについて各実施主体、ほとんどが地方公共団体でございますけれども、物によっては直轄の事業もございます。それらについてはそれぞれ予算措置を講じて推進しよう、こういう制度でございました。 今般の南関東の直下型の地震につきましては、先ほど先生から御指摘のありましたように、マグニチュード八ぐらいの大きな地震は起きないけれども、それが起こるまでの間、これは百年ぐらい先かと言われておりますが、その間に直下型の地震が数回発生する。それについては、先ほど先生御指摘の十九のモデルをベースにいたしまして震度六以上になるような地域が先般専門委員会の方から報告があったわけでございます。その中で、しかしこれについてはまだ予知が不可能だ、予知についてはやはり今後科学技術庁を中心に予算もつけながら予知できるような努力はしてまいりたいと思いますが、現時点では予知が不可能でございます。 そういったことで、大規模地震対策特別措置法及びこれに係る地震財特法の緊急整備事業という法制度は現在ないわけでございますけれども、これにつきましては先般お示しいたしました「南関東地域直下の地震対策に関する大綱」におきましては、やはり地震に強い地域をつくっていくということで防災施設等の整備がまず第一だというふうにしておりまして、その中で避難路、避難地あるいは消防用施設等のいろいろな施設につきましては、それぞれ、地方公共団体でございますと地域防災計画というのがございます、それから各省庁でございますと防災業務計画というのを持っておりますけれども、ここにおきましてやはり整備の目標、整備の期間等を具体的に決めていこう。したがいまして、地方公共団体に対しましても、地域防災計画におきまして目標の整備量あるいは整備の期間というのをひとつ事業計画として明確にするようにぜひ努力いただきたい。そういった地域防災計画に計上されたものにつきまして、国におきましてもいろいろな支援をしていきたい、そういう方向で今各省庁それから関係地方公共団体と一緒になりましてそういった計画の策定について推進をさせていただいているところでございます。
○鳥居委員 この大綱を見ますと、確かに設備計画というのが初めて出てくるわけですよ。しかし、精神規定みたいなもので、あのいわゆる大震法に基づくという東海地域の対策と今回の大綱で示しているいわゆる整備計画というのはもう雲泥の差である、こう言って間違いないと思うのですね。だから、具体的に何をどう整備していくのか、つまり発災までの間に国として手だてをとらなければならない、こういうことが全く手が抜けているわけですよ。発災後どうするかということについては、これは対策本部をつくり、消防庁を中心にどういう活動を進める、ライフラインの復活のためにどういうふうにする、これは極めて一つのものができ上がっている。ところが、発災に至るまでの間に被害を最小限にとどめるために一体どういう手を尽くすべきかということについては全く手がついていない、こういう現状だと思うのです。 例えば避難地。昭和六十一年に建設省都市局長名で避難地についての一応の基準を通達で出しました。各自治体に対しまして、避難地は二キロ程度で到達できること、集まってくる人間の頭数に一人当たり二平米が理想的であるけれども、一平米でやむを得ない、そういう広さの避難地を一つの基準にして計画をつくるように。昭和六十一年以来六年たちますけれども、この通達の効果がどうなっているのか。計画策定中を私は調べてみましたけれども、もう本当に限られた、ごく数えるほどしかないということになっているわけです。つまり、通達は出したけれども、通達の効果も建設省としては掌握をされてないと言って過言ではないのだろうと思うのです。掌握していればしていると、どんな状況になっているか、端的にお答えをいただきたいと思うのです。それで、この整備計画はそういう基準に基づいてどういう実態になっているかというのを的確に中央防災会議が掌握すべきだと思うのです。 今指摘しました避難地について、それから小中学校の耐震対策につきまして改めて取り上げたいと思いますけれども、まず避難地、いかがですか。
○鹿島政府委員 大規模な地震災害から都市の住民の生命、身体を守るということは大変重要なことでございます。そのために避難地が大変重要であるということを私ども認識をいたしておるわけでございます。 そこで、建設省といたしましては、今日まで、大震火災時におきましてそうした防災性を強化しようということで、避難地等として機能いたします都市公園の整備を積極的に推進をしてまいったわけでございます。南関東地域におきます都市公園面積は、平成二年度末で約一万一千七百ヘクタールございます。今後さらに、平成三年度からスタートさせていただきました第五次の都市公園整備五カ年計画を通じましてその整備を推進をしていきたいというふうに考えております。 そういう中で、ただいま先生から御指摘のございました避難地の整備につきまして、これを計画的に進めるということであろうかと思います。地域防災計画におきまして各自治体今日まで取り組んでいただいております。そしてまた、仰せのとおり、私ども、六十一年になりますけれども、都市防災構造化対策事業計画というものを策定をしていただきまして、御指摘の避難地について、その中でとりわけこれの整備を進めていただくようにということでお願いをいたしておるところでございます。仰せのとおり、まだ計画の策定につきましては各自治体いろいろ御事情もあるようでございます。今後私ども、その計画策定を自治体の方へさらにお願いをしてまいるようにしたいと考えておりますけれども、強力に指導を図ってまいりたいというふうに考えておりますので、どうぞ御理解のほど、お願いを申し上げます。
○鳥居委員 都市公園建設という建設省の本来的な業務、一方においては防災上、地震防災対策上避難地という観点で確保をしていく、そういう側面を持たなければいけないと思うのですね。だから、中央防災会議は、少なくともそういう眼で、建設されている都市公園が目標としている避難地確保とどういう進捗状況になっているのかという、そういう眼でもう絶対に掌握をすべきだと思うのです。それが建設省の事業であり、国土庁が調整機関であると言っている間は、防災という立場で進捗状況を掌握できないばかりか、この財特法の必要性すら埋もれてしまって検討すらできないという状況になってくるんだろうと思うのですね。ぜひこの点ひとつ御検討いただきたいと思うのです。 小中学校の耐震性も、小中学校の耐震性をまず重大な問題として意識していただきたいと思うのです。つまり、発災後の重要な拠点になる。また、児童生徒の生命の安全確保のためにも、補強工事が必要であるならば補強工事を行う、これが東海地域でとられてきた緊急整備計画。南関東、例えば東京都を取り上げてみますと、昭和五十六年以前の建物、つまり構造基準に耐震性を加味されない以前に建築されたものに関しまして、耐震強化の工事が必要であるのかないのかという検査が耐震診断ですけれども、耐震診断の実態というのは五六%ですよ、実際の検査自体は。 そういう状況の中で、非常に緊急性のある、切迫性のある直下の地震を前にしまして、だれが本気になって対策をとっていくのか、こういう問題を提起したいと思うのです。文部省は自治体任せです。文部省としても状況を、どういう実態になっているのかというのはもうとんと掌握しておりませんでした。中央防災会議、各省庁に呼びかけて、つまり防災の完璧を期す、そういう意味で非常に重要な役割を、国土庁長官はそういうお立場に立つんだろうと思うのです。財政需要を推しはからなければならないという点、特別措置が必要であるのかないのか。かさ上げの実態を見てみますと、消防施設、公立小中学校の改築、あるいは福祉施設、こういう点で東海地域においては措置がなされているわけです。二分の一が三分の二になる、三分の一が二分の一になる、こういうかさ上げが行われてまいりました。東海地域と同程度の規模だと思うのです、南関東地域。どのぐらいの実態なのかつかめないから措置がとれない、国土庁はこう言ってまいりましたけれども、この点について国土庁長官、どういうふうにお考えになりますか。
○黒川政府委員 先生御指摘のとおり、それぞれの施設を体系的につくり、これを全体として掌握すべきだということは御指摘のとおりだと思います。 先般の八月二十一日までの段階で区域というのが、全体としてはっきり言って明示されておりませんでした。八月二十一日に区域が明示されたことと相まちまして、先ほど御説明しております大綱ができたわけでございます。これにつきましては、それぞれの公共団体、それぞれの各省庁で取り組んでいただくようにそれぞれ通達をし、会議を持っておりますけれども、これについては、御指摘のとおり、全体として掌握して推進すべきは当然でございますので、中央防災会議の事務局といたしましても、これを具体的にフォローして、掌握して、さらにみんなで話し合って具体化していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○鳥居委員 予知について、地震予知の方式解明、こういう大きな命題があります。これは科学技術庁を中心にやっているんだから国土庁は関係ない、こういう立場をずっと一貫してとってこられたと思います。しかし、よく考えてみますと、イタチごっこをやっているように思えてならないのです。予知解明ができないから事前予知がない、事前予知がないために事前の対策というのがとりにくい、こういうことなんです。今地震予知推進本部、科学技術庁長官が本部長になりまして関係者が集まり、やっております。一方におきまして、地震学者の集まりで文部省の測地学審議会がありまして、この測地学審議会において方針を決め、そして南関東直下の地震の解明のために一つの方針を持っています。この方針をなぜ速やかに進めないのか。つまり、難しい難しいといって予算をちょびちょびつけながら、なかなか解明できないできないといってこの事前における防災対策を逃げている、こう見えてならないのです。中央防災会議の名において地震予知推進本部に対してひとつ強烈なねじを巻く、このぐらいの迫力のある態度表明なりやるべきじゃないのか、こういうふうに思うのです。やるべきことはわかっているのです。マグニチュード三以下の微小地震の解明ということが目下のところ直下の地震対策、直下の地震の予知の、もう一点しかないのです。そうすると、難しい難しいとはいいながら観測のための設備をつくるんだ、つくるための予算をしっかりとれ、こう中央防災会議は言えばいいわけです。なぜ言わないのでしょうか。
○黒川政府委員 地震対策にとりまして予知ということは、先生御指摘のとおり非常に基本的な重要な事柄でございます。これにつきましては、政府全体としては地震予知推進本部、科学技術庁長官が主宰していただいております本部を設置して、関係のいろいろな機関が集まって対応しておりますけれども、もちろん中央防災会議といたしましても、これについては一体としてやるものというふうに考えておりまして、具体的に南関東直下型地震につきましても、その観測網の強化、これらにつきましては一緒になって推進してまいりたいと考えております。 そういった中で、地震予知推進本部におきましては、南関東の直下型地震の予知に関する検討会というのを先般発足させまして、国土庁もその中のメンバーとして入っております。大綱をフォローアップする立場から、中身の充実、それから予算の獲得等につきましても、国土庁としましても協力しながらやらせていただきたいと思います。
○鳥居委員 どうもぬるま湯につかっているように見えてならないのでありまして、予知に本腰を入れて取りかかれるような中央防災会議からの圧力、これをぜひ期待したいと思っております。 関連いたしまして、この国会等移転に伴いまして、移転先地、新都の建設ということになってまいりますが、運輸省のお考えをぜひ伺っておきたいと思います。 まず運輸省として、交通アクセスあるいは空港建設、どういう条件について考えているのか、どう取り組んでいくのか、お伺いしたいと思います。あわせて、リニア技術の開発状況なのですが、開発の見通し、新都−東京間、リニアが実現できるのか、あるいは在来の新幹線方式でいかざるを得ないのか、このあたりを伺いたいと思います。あわせて、大規模国際空港の建設というのがこれまで議連の中でもいろいろ議論されてまいりました。SST時代を迎えることによって、空港の条件というのも、滑走路が従来の三千メートルというので十分なのかどうかという点もあわせて御答弁いただきたいと思います。
○奥田国務大臣 本法案の意図されるところは、国会移転を含む新都建設と申しますか、壮大なロマンでございますから、運輸省としてもこの法律案が通りますれば、移転調査会の検討を踏まえつつ結論を出していくことになろうかと存じます。 しかし、本法律案にも記述されておりますように、今委員の御指摘にもございました通信交通体系の整備、これが最大の肝要なことでございます。と同時に、世界と我が国を結ぶためにも、今新国際空港と申しますか、そういった形の問題点ももちろんございます。そういったことについても万全を期さなければならぬわけでございます。と同時に、交通の利便性、先ほど来御指摘のように、災害に対するいろいろな安全性等々に配慮しなきゃならぬことは当然でございます。なお、本法律案にも示されておりますように、東京都との機能面における連携を図っていくという、そういったことも考えた地域選定が必要であろう。 いずれにしても、交通体系一つとってみましても、技術の日進月歩と申しますか、大変な時期でございます。リニアの時代、実用化も目前に迫っておることでございますし、航空施設の機能においても、もうどんどん世界が新しく生まれ変わりつつありますし、また、海上交通一つ取り上げてみても、いわゆる陸の新幹線に匹敵するような海の新幹線と申しますか、テクノスーパーライナーの、いわゆる時速九十キロあるいは百キロというような海上交通時代の到来も目の前に来ているわけですから、それらの点を踏まえまして、運輸省としては積極的に対応してまいりたいと存じております。 〔谷川委員長代理退席、委員長着席〕
○鳥居委員 移転先地の建設という点で、インフラ部分の非常に重要な一翼を担う情報通信、郵政省としてはこの分野でどういう検討をされていますか。
○松野政府委員 国会等の国家中枢機能の新都市への移転ということでございますが、その所期の効果をより一層上げるためにも、御指摘のとおり新都市において、いわばその中枢神経とも言うべき高度な情報通信基盤を整備する必要があろうかと考えております。 今省内でも勉強を続けておるところでございますが、この通信ネットワークを三つの側面から考えてまいりますと、一つには新都市と東京を初めとする国内各都市との間の緊密な情報交流を図るための情報通信基盤が大事になります。国家中枢機能の活動に伴います重要な情報でありますとか、あるいはデータなどのやりとりを各都市との間で行うために、例えばでございますが、マイクロ無線網でありますとか、光ファイバー網でありますとか、あるいは衛星通信網を構築して、テレビ会議等の高速かつ大容量の情報通信を行うことが一つ考えられます。 また、新都市と海外の主要都市との間におきまして、いわゆるテレポートの整備によりまして、衛星を利用した国際通信網を構築することも一つ考えられます。 さらに、新都市内部の情報通信基盤としまして、二つの面があろうと思いますが、国家中枢機能の高度化、効率化等を支援するために、例えば官邸でありますとか、国会でありますとか、あるいは各省庁間の情報の伝送を円滑に行う、あるいは住民の立場からしまして、やはり新都市の生活機能や文化機能の向上も支援するために、光ファイバー網等を利用したいろいろな施設を構築してまいる必要があると思います。 ただ、一言つけ加えさせていただきますと、やはりこの新都市におきます情報通信基盤の整備に当たりましては、特にその国家中枢機能の安全性の確保等のために、例えば通信回線の二重化でありますとか、バックアップセンター等の設置等、いろいろ安全性の面で格別の配慮もしていく必要があろうと存じます。 なお勉強中でありますが、以上のような考えを持っております。
○鳥居委員 私の質問は以上で終わります。
○村田委員長 渡辺嘉藏君。
○渡辺(嘉)委員 冒頭に発議者の山口先生に御質問申し上げたいと思います。 平成二年の十一月七日に国会決議をいたしまして以来二年間にわたって、ここに国会等の移転に関する法律案が各党合意の上で提案、審議ということになったわけですが、この間における提案者並びに委員長及び関係者の皆さんの御努力には心から敬意を表する次第でございます。政治腐敗追及を叫ばれ、混乱をしながら今日に展開されておるこの国会で、言うならばこういう法案の審議ということはまさに泥沼にハスの花が咲いたごとくすばらしいことだと思っております。 しかし、この法律をつくるに当たり、またつくってからこれを実行するに当たっては、並み大抵の努力ではないと私は思います。それがために、提案者は、これからこの法律に基づいて調査会その他の事務並びに行政官庁のこれに対する協力、こういうことを監視、督促しながら、この法律の成果を期すためには国会内に何か強力な機関が必要ではないか、これについてはどういうことをお考えになっていらっしゃるか、まず承りたい。
○山口(鶴)議員 政治腐敗に対して、政治改革を主題とするこの臨時国会で、この法律を提案をいたしました。私は、この法律も政治改革の一つの大きな柱ではないかと思うのです。現在の政治不信は、政官財あるいは暴、これの癒着による事件であった、こうも言えると私は思います。そういう意味では、この国会移転の法律を通じまして地方自治の本旨に基づいた地方分権を徹底していくということは、今の政官財暴の癒着という構造を改革する、そういう意味では、私は政治不信に対処するための重要な意義を持つ法案ではないかというふうに一つは思っております。 それから同時に、私は二十一世紀を展望するまさに世紀の大事業だと思います。それだけに、調査会ができて、調査会の皆さん方に真剣な御議論をいただきたい。しかも、先ほどお答えしたように、国民合意を期すためにできる限り公開の場で御議論をいただきたい、こう思っておりますが、同時に、御指摘ありましたようなこれを推進する機関が必要であることは言うまでもないと思います。 我々は国会決議をいたしました。国会決議を実行に移すために、現在の国会移転の特別委員会もございますが、この特別委員会の設置は国会で議論して決めることではありますけれども、我々提案者としては、この特別委員会は存置をして、そうして御指摘のような点に十分備えていきたいものだ、この世紀の大事業を推進するために特別委員会を存置して私どもとしてはこれを強力に推進する、そのようにいたしたいものと考えておる次第であります。
○渡辺(嘉)委員 さすがに多くの提案者の中から衆目の一致を見て趣旨説明に当たられた山口先生だけあって、今すばらしい基本理念を聞きましたが、どうかひとつその基本理念と、いま一つはこの特別委員会が従来同様より強力にこれの実現方に御努力をいただきたいと思う次第です。 そこで、しからばこれを具体化していくに当たりまして、国土庁長官に承りたいわけですが、国会移転に関する二つの答申が出たわけなのです。一つは国土庁に設けられた首都機能移転問題に関する懇談会の中間取りまとめ、それから内閣の諮問いたしました有識者会議、こう二つあるわけなのですが、これに対して八十島会、平岩会、こう略称いたしますが、これを将来どのようにされるおつもりか、あるいはまたその答申についてはいずれが優先するものなのか、このことをまず承りたい。
○東家国務大臣 お答え申し上げます。 私の方で主宰してまいりました八十島先生を座長とした首都機能移転問題に関する懇談会と、内閣総理大臣の主宰する平岩先生を座長とする有識者会議、今御質問の内容のとおりでございますが、八十島懇談会の御意見は専門的な立場から踏まえた御意見であり、有識者会議の御意見はまた、八十島懇談会の取りまとめの内容を基本的に適切であるとした上で、大所高所に立った御意見を承ったわけでございます。したがって、いずれかを優先するというものではなく、両者相まって有意義な御提案となっていると受けとめておりますので、両会の今後の取り扱いについては、本法案についての御審議の動向を踏まえた上で、懇談会の委員の皆様方にお諮りした上で、今後とも御協力をいただきたいというふうに考えております。
○渡辺(嘉)委員 今長官から両者同次元での扱いでいきたい、こういうふうに承ったわけですが、これをそれぞれ読んでみますと若干ずつ違うところがあるのですね。だから、そういうときにどちらかということを私は聞いたわけなのですが、専門的な答申がいわゆる国土庁内の八十島会の方なんだ、有識者会議は総括的なものだ、こういうふうにこれから踏まえて進めていきたいと思いますので、お含みをいただきたいと思います。 そこで次に、後ほどこれはまた聞く予定もしておるわけなのですが、有識者会議の中では、現在進められている官邸整備、行政機関移転等の首都圏整備は緊急の課題であり、将来の利用方法にも留意しつつ首都機能移転の検討と並行して検討するようにと有識者会議は言ったのです。しかし、こちらの八十島会の方はそういうことは触れていない。これは時間的な問題もありますからわかりますが、この点については長官はどういうお考えでございますか。
○内藤(勲)政府委員 大臣は席を外されましたので、私の方からお答えさせていただきますが、今の点につきましては懇談会の方でも新官邸の整備の必要は言っておりまして、そこのところは矛盾するものではございません。
○渡辺(嘉)委員 これはまた後ほど聞きます。 建設大臣のかわりに政務次官がおいでですから承りたいと思います。 国土庁の八十島会から出てきました移転の手法として段階的クラスター型開発方式、小都市群の集積という方式が出てきたわけです。過去にも例があったと思いますが、私は余り実物を見ておらないわけなのですが、この点について、言うべくしてむしろなかなか大変なことではなかろうか、こういうふうに私は思うわけなのです。地価の問題、あるいはまた虫食いの問題、成田空港の例の問題等々から考えて、こういう方式で建設省としては最も適当な方法と思われるかどうか。 それから、この特別委員会の中では常に出てきた論議は、今後の建物、施設、環境は、かつての帝国日本のような権威、豪華、賛美というものを排して、庶民的で堅固なものをつくろうではないか、こういうことがうたわれてきたわけなのですが、この点についての建設大臣の構想を承りたいと思います。
○金子政府委員 今の渡辺委員の段階的クラスター方式というお話、これがいろいろな問題を秘めているのではないか、段階的に広げていく、それがゆえに虫食いもしくは地価高騰を惹起する等々の御指摘であると思っておりまして、大変詳しく勉強されておられますこと、まず敬意を表する次第であります。 ただ一方、八十島委員会で出て、懇談会で出てまいりましたこの問題に対しては、こういう問題を、御指摘されましたようなことを考えますれば、当然に開発する地域、保全する地域、いわば市街化地域、市街化調整区域といったような、線引きといったような土地利用計画法というものを相当きめ細かく、しかも広範にかけていくということになってくるだろう。そこのところは、もしそういう方向で進めていくとすれば、やはり事前に相当準備してやっていかなければならないと思っております。ただ、現段階では建設省としてこの開発方式につきましてどういう方法でいくのかということにつきましては、八十島委員会でこういうふうに提起をされたということは承知をしておりますけれども、むしろその開発の手法は今回の調査会、設置をされます調査会で整備に関する具体的な検討が行われていくもの、またその中で都市計画の課題も含めて計画の手法、それから関係制度の一環として検討してまいりたいと思っております。 それからもう一つ、帝国海軍(渡辺(嘉)委員「帝国議会」と呼ぶ)失礼いたしました。帝国議会の権威云々というお話ございましたけれども、私たちとしても、当然これまで議論をしていただきました官庁施設の整備につきましては、親しみやすいこと、それから利便性のあること、当然に安全なものであるということ、この基本精神に基づいて実施されるべきであると思っております。もちろん、同様にこの調査会でまた関連官庁施設の対象といったようなものも御議論をされてまいると思いますので、その検討の中でまた議論をさせていただきたいと思っております。
○渡辺(嘉)委員 今の答弁、後段はお互い文章表現ですからそれでいいんですけれども、前段はちょっと腹へ入らぬのです。なぜかというと、こういういわゆる段階的なクラスター方式でやりますよというこの八十島案、これは僕は一つのやはり実験的な意味、過去にあることも含めてですが、実験的な意味において首都機能移転という大事業についてそれもわかるんですが、専門的な立場である建設省、これはあなた方専門的な立場で、次官は専門かどうか知りませんけれども建設省そのものは専門的ですから、だからこの建設省の、今大臣にかわって政務次官が答弁されるわけですが、建設省としてはこういう方式が首都機能移転の手法として妥当なのかどうか、どうお考えですか。
○市川政府委員 ただいま政務次官がお答えいたしましたように、具体的な新都市の、新首都でございますか、整備の仕方はこれからいろいろ御議論されていくものと思っておりますが、ただいま先生から御指摘ありました開発方式の問題につきましては、一般的に申しまして、一体的に面開発を行うというのが通常の開発方式ということを想定していただきました場合に、かなり大規模にわたりまして、しかもその整備が長期間にわたります場合には、その整備の過程でいろいろ経済社会の情勢の変化といったものがあるわけでございます。そういったような情勢変化に的確に対応しながら、かつ、全体的な計画をうまくやっていく一つの手法としてクラスター式の開発方式というのは、最近、例えば京阪奈で行われております関西研究学園都市等でも提案されやられておるわけでございますが、今回の首都移転問題に関しましては、相当長期間にわたってかなりの規模の開発規模ということが想定されますので、そういった場合に、その開発期間及び移転完了までの期間におけるさまざまな情勢変化に対応する一つの方法としては、クラスター方式の方が少なくとも面的、一体的に一気に開発してしまうやり方よりも現実的なのではないかという八十島委員会のお考え方につきましては、私どもも基本的にはそういう考え方が現実的なのではないかなというふうには思っておるわけでございますが、しかし、何といいましても、どういった形でどういうふうな移転を行うのかという基本的な問題点の詰めの方も大事でございますので、その辺も慎重に見きわめる必要があるというふうに考えます。
○渡辺(嘉)委員 次に、運輸大臣に承りたいと思いますが、地震予知連絡会の会長の茂木清夫先生から地震予知のことについていろいろ教えていただいた中に、日本は地震大国である、これはもう今までの質問者から何回も出たとおり。安政の大地震がマグニチュード六・九だ、関東大地震もマグニチュード八だ、それから私の地元の濃尾地震は内陸型で、これはマグニチュード八だ、こういう説明がございました。しかし、今度移転する先はできるだけ地震多発地帯は避けた方がいいのではないかというお話も承ったわけですね。そうすると、そこでしからば地震多発地帯で危険と思われるのはどういうところか、日本地図に書いてもらいたいということで出してもらったのがこの表なんです。これは各委員にみんな行ったわけなんです。 これを見ておりますと、もうしわだらけなんですね。しわは地震多発地帯なんです。しわだらけなんです。このしわだらけを見ていまして、それに注釈が出ましたのが、海岸地帯、活断層地帯、火山地帯、これは避けるのが賢明ではなかろうか。しからば、私はこれで質問したのですが、濃尾大地震のような、あの内陸でああいうマグニチュード八というようなものが出たのだが、あれはどんなものですか、あれは明治に起きたわけですが。そうしたとろこが、こういう地震はまず千年に一回程度でしょう、このいわゆるマグマの噴き上げるエネルギーが蓄積する期間はまず千年ぐらいではなかろうか、こういう話も出たのです。とするならば、この際新しい移転地に地震の多発地帯はできるだけ避けたいということと、いま一つ、しからば濃尾平野で起きたこの濃尾地震、このものも避けるべき対象になるのかどうか。私は、避けるべき必要はない、除外すべきものではない、こう考えたわけなんですが、これは所轄の運輸大臣どうお考えですか。
○奥田国務大臣 濃尾地震の予知というような非常に専門的分野でございますので、気象庁の長官にかわって答弁させます。
○新田政府委員 お答え申し上げます。 当該の地域におきまして先生御指摘のように一八九一年、明治二十四年に濃尾地震が発生いたしまして、先ほど御指摘のようにマグニチュード八・○、死者が七千二百七十三名という大変な被害をもたらしております。一般に内陸に発生いたします地震の再来間隔といいますのは非常に長いとされているわけでございますけれども、地震の原因となる断層というものがかなり多数存在いたしますことでもありますので、当該地域におきまして今後いつ被害を伴う地震が発生するかにつきましては、現在の技術では特定が困難な状態でございます。
○渡辺(嘉)委員 私の質疑は以上で終わります。
○村田委員長 これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。渡辺嘉藏君。
○渡辺(嘉)委員 御多忙のところを総理大臣御出席で、当委員会のこの重大な国会等の移転という大きな問題、歴史的な問題を抱えた特別委員会で質疑に御参加いただいたことに敬意を表する次第でございます。貴重な時間ですから進めさせていただきます。 まず、国土庁長官のもとにできております首都機能移転問題に関する懇談会の中間取りまとめ、簡単に八十島会といいますが、八十島会の案と、それから有識者会議と言われる内閣のこの機関、平岩会といいますが、この位置づけと関連、並びにことしの二月の二十六日、七月の二十一日にそれぞれの答申が出たわけですが、これの位置づけをどう考えていらっしゃるかということと、それから八十島会は二月、平岩会は七月、それぞれ答申が出たわけなんですが、それぞれもう既に八カ月あるいはまた四カ月と経過をしておるわけなんです。この間に行政の長としての総理は何をやられたか、まずこれを承りたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 八十島学長が座長になられました国土庁の方の懇談会の御意見というのは、私は報告として書面で拝見をしておりますが、これはどちらかといえば専門的な立場に立っての御検討でございました。他方で、有識者会議は私自身がお願いを申し上げたところでございましたので、私自身が出席をして御意見を伺う場合が多かったわけでございます。これは、国土庁の方の懇談会の考え方を基本にしまして、もう少し、専門的でなく、大所高所というような立場から、首都移転というものの是非、それが及ぼす将来への影響等々、これはいろいろなお立場のお方がいらっしゃいましたが、いずれも専門的というよりはもう少し高い、高度からの御意見が多うございまして、私も終始拝聴することができました。幸いにしていわゆる首都移転懇、国土庁の懇談会の方と有識者会議の方とが基本的には同じ認識に立たれたというふうに考えておりまして、今後この問題を考えます上に、私たちの指針としては、大所高所に立ち、また具体的な検討をもしていただきました考え方をちょうだいをすることができた、こういうふうに考えております。 そこで、答申をいただきましたので、私どもとしてはいろいろな機会がありますごとにこの両方の御答申、結論に含まれておりますものを各方面に紹介もするように努めましたし、また国民意識の動向がどうかということについて世論調査なども実施をいたして、まあ予期されたことではございましたが、この答申、意見に盛られました考え方が国民の中に広まっていくそのための努力を行政府としてもいたしてまいったところでございます。
○渡辺(嘉)委員 有識者会議、平岩会からの答申があってからでももう既に四カ月たっておるわけですが、今聞いておりますと、具体的に何と何をやったということが、今世論調査その他をやった、こうおつしゃっただけで、どうも実効性がある手段をとっていらっしゃらないような気がするのです。 この点について、まず第一の八十島会と平岩会との関係につきましては、平岩会の方におきましても、基本的には国土庁に設けられた八十島会の考え方を適当と考えておるが、しかし次のような見解を述べるといっていろいろ述べた結果、「政府においても、国会審議の動向を踏まえて、機を逸することなく検討を進めることを強く期待する。」こう書いてあるわけですね。だから私は、では、強く期待された総理はこれに対して具体的にどういうことをされたかということを特に聞きたかったわけですが、この点についてもう一遍、四カ月の間にこういうことをやったということをこの際御答弁をいただきたい、何もやっていなければやむを得ないのですが。
○宮澤内閣総理大臣 それは、いわゆる有識者会議、平岩座長の方の最終的な会議が開かれましてからそんなに長い時間たっておるわけではございません。これからどういうふうにしていくかということについて、私どもとしては、そういう二つの委員会、懇談会の意見をお酌み取りになりながら恐らく国会において立法をお考えになるであろうということは承っておりました。そうしますれば、その立法の中で恐らく行政府に何らかの役割をきっとお与えになるであろう、そういうことは想像いたしておりましたので、それに向かいまして、これについての世論調査であるとかそういうようなことを、まあいわば心の準備をいたしておったということでございます。
○渡辺(嘉)委員 そうすると、心の準備はもう万全にできたというふうに承って、それで、では具体的に聞いていきますが、八十島会では「今後の課題」として、地方分権・規制緩和、行政改革、それから三つ目には皇居についての考え方、四つ目には移転の時期、場所、五つ目には土地対策、事業主体、財源等々の対策を具体的に挙げておるわけですね。そして、これについて平岩会は早急に検討に入れ、こういう注文をつけられたわけなのです。 そこで総理にまず聞いていきたいわけですが、この地方分権ということについて、先ほど自治大臣その他からいろいろ聞いておりますが、なかなかこれは言うべくして大変なことだと思うのです。我が党は、この国会等政府機能の中枢の移転という歴史的な大事業に当たりまして積極的にこれに取り組もう、こういうことで山口代表を先頭に私どもも取り組んできたわけなのですが、それだけに、今総理のおっしゃったように、心の準備はできたということならば、この首都機能移転と地方分権、そして行政改革、これは一体のものだと私どもは認識をいたしましてこれに取り組んできたわけですから、この地方分権というのは、これまた言うべくして簡単でないわけですが、今地方制度調査会等でも行われておりますが、この地方分権をどの程度まで心の準備で描かれておられるのか、この点を具体的にひとつお示しいただきたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 いわゆる地方分権というのは、御指摘がありましたように過去においてもう数十年言われ続けている課題であります。いわゆる地方への行政、財政の再配分という名前で長いこと言われ、また行革審の答申等でも何度か指摘を受けておりまして、政府といたしまして可能な限りにおいて権限の委譲であるとかあるいは補助金の整理合理化等に努めてまいりました。やはり憲法で定めております幾つかの課題の中で、一番進行が十分でないのは地方自治ではないかということを私は以前から考えておりますけれども、そういうことに向かってもやはりこの地方分権ということは大切なことであるし、また住民福祉といったようなものを考えましても、地方公共団体が自分でやってくれることが一番住民にとってかゆいところに手の届くということも事実でありまして、そういう意味で地方に対する権限委譲ということを努めてやってまいりました。なかなか実績に徴しまして思い切ったほどのことができていないということは残念に思っていますけれども、しかしこれは何度も行革審でも御指摘があり、このたびもまた新しい行財政改革の問題としてお取り上げをいただいておるわけでございますので、これはいずれにしても続けてやってもらわなければならないが、その場合に、この国会等の機能移転ということとの関連がございますとなお地方分権というものの姿がはっきりしてくる、こういうふうに思っております。
○渡辺(嘉)委員 この国会等の移転に関する法律案の大きな柱が、前文にも本分の中にも地方分権との一体性を明らかに明記いたしておりますので、この点ひとつ総理も英断を持って取り組んでいただきたいと思います。 あわせて、規制緩和による行政改革も当然セットにされるべきものだと思いますので、その決意とともに、それから三つ目に、皇居についての考え方ということが八十島案ではまた出てきたわけなんですが、これについてはどうお考えになりますか。
○宮澤内閣総理大臣 これについての御議論が幾らかあったことは承知しておりますけれども、もちろん一つの結論というようなことではございませんでした。この法律が成立いたしますと調査会が設置をせられることになりますけれども、恐らくこの法律の趣旨から考えまして調査会等においてそういう問題の検討をいたすことになっていくのではないであろうか、ただいままでのところこれについての十分な結論なり提言というものはなされておりませんので、やはり調査会に与えられる任務の一つになるのではないかというふうに考えております。
○渡辺(嘉)委員 調査会が、これからできるものに対する付託になるわけですから、調査会が主体になってこれから進められるということは、これは当然のことだと思うのです。総理としての見解を明確にそれぞれ聞いていきたいので質問しておるわけですから、そういうつもりでひとつ御答弁をお願いしたいわけです。なぜこれを言うかというと、かつては東京は政治の都府であり、そして大阪は経済の都府であり、そして皇居があり文化の都府として京都があったわけですね。これが今東京に一極集中した、こう言われておるわけですから、こういうような意味で、私はこの三番目の問題を主に取り上げるつもりで申し上げたわけではないのです。首都機能を移転するというこの国会等特別委員会の考え方で申し上げておるわけです。こういうようなことから、この点について承りたかったということでございます。 と同時に、この国会等の移転の時期について、クラスター方式で段階的にやるんだ、こういうことになっておるわけです。しかし、移転の時期、場所、あるいはまたそれに関連する財源の問題等、いろいろ挙げれば切りがないわけですが、これらについてまず総理の基本的な所見をきちっと承って、この文章では二十一世紀の日本の政治、経済、文化をにらんで、こう書いてありますので、二十一世紀というともうあと八年先のことなんですね。ですから、こういう時期、場所、あるいはまた財源等についての御所見を承りたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 このたびこの法律が成立いたしますと初めて政府の中に、総理府でございますか、調査会が設置されるということでございますが、この法律が成立いたします以前のただいまの段階におきましては、こういう問題をここまで詰めて検討する部門を政府は持っておらないわけでございます。したがいまして、ただいま言われましたようなことの具体的な積み上げの検討があるわけではございません。この法律が成立いたしますと、この調査会においてそのようなことを積み上げて検討していくことになると思います。ですから、今一般論として申し上げますならば、この前文にもございますような、今の時代の我が国にとって二十一世紀を展望して、こういう一極集中の排除であるとか、あるいはもっと大きな意味で我が国の政治、経済、文化等をどのように二十一世紀を展望して考えていくべきかというような、そういう政府の一般的な考え方としてはしばしば申し上げているようにございますけれども、より具体的には、この調査会ができましてそこで集中的に考えていくことになると思います。
○渡辺(嘉)委員 そういう御説明はわかるのです。意味はわかるのです。しかし、この法律案が初めて宣言法的な、検討指針法的な、そして調査会をつくるという組織法的な、これが今スタートをするわけなんです。だから、今から決勝点を決めるというのはおかしいかもしれないけれども、しかしやはりスタートと決勝点がきちっとしておることが、物事を実行する上においては成果が期せられるわけですね。何百メーター走っておっても決勝点がないというようなことならだれも走りませんからね。そういうような意味で、しからばこの法律が通ってから設けられる調査会は、大体総理のお気持ちとしては、総理もまだまだお若いのですからまだ二十年も三十年も御活躍になると思うけれども、しかし余り長いことは先ほど申し上げたとおりやはり好ましくないので、この調査会が答申をするめどはどのくらいに置いていらっしゃるか、また、もしめどでなければ期待はどの程度持っているか、三年だとか何年だとかという、この点はどうなんですか。
○宮澤内閣総理大臣 法律案によりますれば、調査会のうち十四人は両院議員が委員として御就任になるわけでございます。そういう意味では、政府がどう考えるということももちろん御意見を伺って考えていかなければなりませんけれども、調査会の委員の皆様が、この調査会をどういう目的で、どういうものを調査審議していくかということはやはり委員の皆様の御意見に左右されるところが非常に多いであろうと私は思います。もとより政府といたしましても、この調査会を総理府に設けさせていただきますから、御意見は十分に承りますし、また調査会の御審議に応じて政府の考えも申し上げますけれども、ただいま申し上げましたような物事の対象あるいはどのくらいの時間をどういうふうに段階的に経過していくかというようなことも、そういう調査会の御調査の中から決定をせられるべきものではないかというふうに思います。
○渡辺(嘉)委員 調査会の中でそういうことは決められるのだ、これは当然御答弁としては別に失答だと思いません。そのとおりだと思いますが、ただ、あのように平成二年に国会決議をいたした次第ですから、それによれば速やかに二十一世紀をにらんでこうしようじゃないか、こういうことなんですから、当然行政府の長である総理もその考え方には縛られるのではないか。とすれば、当然ある一定の期間で期待したいとか答申を望みたいとか、そうでないと今の行き詰まり現象を含んだ一極集中の排除をするためのこの法律が期待しておるものは日暮れて道遠しになるのじゃないか、こう思うので、ある程度この時期については御希望をひとつ明らかにしてもらいたい。
○宮澤内閣総理大臣 国会の御決議もあり、またこの法律案そのものが国会のこういう多数と申しますか、恐らく全員と申し上げるべきかと思いますが、御意思で成り立っていきますので、当然それがこの調査会の御意見を規定するでありましょうし、また政府もこの調査会といろいろお話し合いをしながら当然そういう方向で物を考えていかなければならないと思っておりますけれども、どのくらいの時間でどのくらいの範囲でということは、実は今までどこでも具体的に示されたことがございませんものですから、この調査会が発足をすると申しますか、法律が成立をして調査会の御議論がいろいろございます。その前に何かと申し上げることが実際十分な根拠を置いて申し上げ得ないのでございますから、調査会が発足をいたしましたらいろいろお話しの上でやはりある程度のターゲットは決めていかなければならぬと思います。いつまでもいつまでも議論だけするというためにこの法律ができたのではございませんから、それはターゲットを具体的に決めていかなければならないことだと私は思っておりますけれども、それはやはり調査会の御審議が始まってのことではないかと思います。
○渡辺(嘉)委員 じゃその一定の期限については、ひとつ私も早急に期待をいたしますので、総理の主導性をひとつ期待をいたす次第でございます。 次に、この調査会については十八条の規定で公開をされる、こういうふうに私どもは理解をいたしておるわけですが、この点について総理はそういうふうに御理解をいただけますか。
○宮澤内閣総理大臣 十八条は資料の要求、協力依頼、二項には公聴会の規定がございます。思いますのに、調査会をどういう形で開くか、公開が適当であるか非公開が適当であるか、あるいは場合によってそれが異なるのかという運営につきましては、やはり調査会の自主的なお立場を尊重するのがいいのではないかと思います。調査会が全部公開することがいい、あるいはこの場合非公開がいいというように事柄によっても違うかもしれませんので、それは調査会の主体的なお立場を尊重していったらどうかと思います。
○渡辺(嘉)委員 私の方がちょっと説明不足だったかもしれません。これはこの特別委員会の中で再三論議が出て、調査会は公開すべきだ、こういうことになったわけですが、この点については地方制度調査会等においてもこういう条文によって公開をしておるから、この十八条の条文で御了解を、こういうことがありましたので。だから、今度できる調査会は政府機関ですから。 そこで総理に承っておきたいわけですが、この調査会はこういうことで公開をできるものなんだ、こういうふうに確認をしておきたいのであります。
○宮澤内閣総理大臣 普通に考えますと、この法律の御趣旨も、いわゆる国会等の移転についての認識、問題を国民全般に広く知らせるべきだという法律の御意思であろうと思われますから、そういうことを調査会はそういう意味ではなるべく開かれたものである方が望ましいというふうに考えるのが私は自然だと思いますし、調査会もまた委員の方々もそういうふうにお考えになるのではないかと思います。何かのことでこれは特別に非公開の方がいいというようなことは、それもあり得ることですが、基本的には特に機密を要する事項でなければ委員の方々が公開でいいとおっしゃるのではないだろうか、またそれは自然ではないかと思います。
○渡辺(嘉)委員 これだけの国家的な大事業ですから、何といっても国民合意が必要なんですから、私は公開でどんどんと広げ、そして国民の意見が反映できるように運営を期待をいたしたいと思います。 そこでいま一つ、この首都機能移転は大事業なんですが、これの担当大臣を任命されるつもりはないかどうか。
○宮澤内閣総理大臣 この出発に当たりましては、今までの経緯から考えますと国土庁長官がこれに当たられるのが適当ではないかと思いますが、事が非常に各省庁にわたっておりますから、調査会の仕事が進んでまいりますと、場合によって担当の大臣を置くことが必要になるかもしれない。少なくともそのくらいの広がりを持った仕事になる可能性は多いと思いますので、そういう場合にはそれを考えなければならないかと存じますが、さしずめは国土庁長官がこの仕事をやらせていただくのがいいのではないかと思います。
○渡辺(嘉)委員 じゃ最後に一点。 私ども社会党も、自民党を初め各党の方々と協議、合議そして今日に至ったわけですが、この法案の成立については私ども社会党も積極的な姿勢を持って今日に来たわけなんです。それには重大な決意がなければこれはなかなか実現しないのではないか、私はこういう危惧も反面持っておるわけなんです、大事業なんですから。 そこで、先ほども申し上げましたけれども、今度の国会はいわゆる政治腐敗を追及し政治改革をする、そういうこの国会であったわけです。言うならその混乱の状態は、泥沼のような状態で進んできた国会が今正常化しつつあり、その中にちょうどこの国会等の移転の法案が成立するとすれば、まさに泥沼にハスの花が咲いたようなすばらしいことだと私は思っておるわけなんですね。それだけに、そのときの総理大臣が宮澤喜一総理大臣だ、こういう歴史的な立場からもよほど重大な決意でこれに取り組んでいただかないと実現しないと私は思うのですが、最後に重ねて総理の決意を承りたい。
○宮澤内閣総理大臣 国の将来に非常に大きな影響を持ちます大切な命題でございますので、法律の趣旨に従いまして全力を挙げて取り組みをいたしてまいりたいと思います。
○渡辺(嘉)委員 ありがとうございました。 以上で終わります。
○村田委員長 五十嵐広三君。
○五十嵐委員 率直に申し上げて、今同僚議員の質問に対するお答えを聞きながらちょっと総理はお疲れになっておられると感じましたけれども、それだけでなくて、この大きな問題に一体関心をどのぐらい総理はお持ちになっておるのかとつくづく実は感じたような次第であります。 そこで、まずお伺いしたいのでありますが、二年前に立法府としては国会決議をしたわけです。意思を明確にした。しかし、今度の首都機能移転というのは、法律にも書かれていますように、これは立法府と行政府と司法府、三権の中枢部門を移そう、こういうことですから、もちろん総理も行政府の長として、この問題については十分なこの二年間の御検討がみずからあったものというふうに思うわけです。 しかもこれは、ちょっとやそっとの仕事ではないですね、今もお話があったけれども。この間の懇談会の中間報告でも十四兆円。しかしこれは、そこに至る鉄道だとか高速道路だとか、こういうインフラは入れないでですから、もう大変なものですよ。十数年にわたった仕事、内閣としても、六代でできるのか八代でできるのかわからないような仕事だ。後世の政府や国民に大きな負担もかけていくことになる。この仕事を今踏み切ろうとしているわけですよ。あなたはそのときの総理大臣なわけですよ。それにしては、私はさっきから聞いていて、その決意というものがおありになるのかという危惧を感じないわけにいかないのですよ。 どうか総理、行政府の態度はまだ明らかになっていないということも含めて、この際明確な、今言うような大きな任務を背負った今日の総理としての責任ある決意表明をお願いしたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 これは長いこと御議論があって、国会でもそうですが、国会外でも、いわゆる民間でも長いこと御議論のあった問題でございますから、ここでようやくこれが一つの国会の御意思で法律として成立をするということは、やはりこれは画期的なことであると思います。 同時に、しかし、ただいま御指摘になりましたように、その及ぼすところも非常に大きいわけでございますから、まずこの出発点で、百メートル競争をするわけではありませんで、そうかといっていつまでもかかっていいとは思いませんけれども、それだけ大きなことの出発点でございますから、やはりここにございますように、調査会等においてその問題の広さ、幅、そして重大性というものをよく考え、また検討して分析をしていただく、その上にこのものを築き上げるということでなければならないと思いますので、それは容易ならぬ仕事だと思っております。また、そういうものとして、決して時間が幾らかかってもいいとは申しません。が、やはり最初の出発というものは慎重に、よくこの調査会にベースを置きまして仕事を始めてまいらなければならないと思います。
○五十嵐委員 調査会では、さまざまな具体的な、これを進める内容についていろいろな検討をしていただき、答申をしてもらうということになろうと思うのだけれども、行政府の長として、あなたの意思が今全く決まっておらない。これから調査会の話を聞いて、政府としては行政府も移すのか移さないのか決めようなんという考え方なんですか。まあ、司法の方もそうですわね。これもまだ態度は未決定だ。三権のうち態度の明確なのは立法府だけです。今法律を出そうとしている。あしたでも、全体の状況にもよりますが、決めようとしているこのときに、総理大臣ともあろう者がまだそういうような程度では、我々の審議は少し早過ぎるのではないですか。どうですか。おかしいですよ、これは。さっき言うように、大変に大きな、将来に向かっての責任あることを今我々は決めようとしているのですから、どうも総理の先ほど来の答弁を聞いていると、私は納得がいかない。やる気があるのだかないのだかわからない。非常に残念に思います。 さて、話を進めていきますが、今もちょっと出ていましたが、皇居についての話であります。 三権の中枢部門の移転ということで今我々議論しているわけですが、懇談会等でも皇居についても議論は恐らくあったのだろうと思います。最近の皇居におけるお仕事などを伺ってみますとなかなか大変なようです。各国大使の信任なんかも百何十カ国にわたるものでありますから、しかもまた、それぞれが閣僚がついていかなければならぬというようなことがあってみたり、あるいは、国賓だとか公賓の接待だとか、非常に御多忙であるなという感じで我々はお見受けしているわけであります。今、三権の中枢部門が移転をする、こういう状況の中で、一まさかそう行ったり来たりするというのもなかなか大変だろうな、そうすると、皇居は皇居でここに置くとしても何かの方法がなくてはならないかもしれないなという感じがしますね。もしそうだとすれば、これはまた、用地の選定においてもあるいはその地域における都市計画の決定においても非常に大きな要素となってくるわけです。 私は、そういう点を考えてみたりしますと、しかも、事柄の性格上やはりこれは御意向もまたお伺いをしながら検討すべきことなのかなとも感じたりしまして、総理は、今のような、先ほど来のお考えですから、なかなかそこまではどうかとも思いますが、天皇の御意向を伺う考え方はあるか、そのことをちょっとお聞きしたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 それは、私、考えてみませんでしたお尋ねでございますが、この法律が成立をいたしまして、第一条に言われるところのいわゆる「国会等」ということの中で、立法者でいらっしゃいます当院がどういう範囲をお考えになるかというような、そういうことについての立法者の御意思の問題もあるだろうと思います。さらにまた、具体的には、法律によりまして調査会が仕事をいたしてまいりますと、例えば、移転の対象の範囲というような問題がございます。これらのことについて、具体的にただいまの問題についてもあるいは御議論になることになるのかもしれない。それはまだこれから先のことでございますから、その推移を待たなければならないと思います。
○五十嵐委員 予想しない質問であったと言いますが、通告はしてありましたので、その点は誤解のないように。 それから、少なくとも法律ができ、先ほどもちょっと御答弁にありましたように、総理はその法律に沿って全力を挙げたいということであるとすれば、私はそれだけの決意を内外に明確にするということになれば、今の首相官邸の増改築の問題、これはなかなか手狭だし、我々もたまに行って、辛抱してやっていただいているなという気持ちはするのでありますが、お聞きしますと、あそこの敷地等の問題については、科学技術庁などのお持ちの分が整理がついて、基盤整備そのものは平成六年までに大体整うというふうに伺っているところであります。その後、基本設計をし、実施設計をし、そして建築にかかってでき上がるとなると、どう考えたってこれはやはり平成九年や十年になってくるんじゃないですかね。そうなりますと、今、一方で首都移転の作業を進めて、これだってそんなにめちゃくちゃ先のことではなくて、委員長なんかも相当、ここ三年くらいで場所を決める、こう言っているんですから、そうなってくると、一体その首相官邸というのはどうなるのかなという感じがするのですよ。むしろ、この際改築はやめる、つまり、国会等政府のいろいろな機関も含めて、この際、世紀の事業に本格的に取り組むんだという決意を示す上では、首相官邸の増改築はやめた方がいいんじゃないか、こういうぐあいに思うが、いかがですか。
○宮澤内閣総理大臣 そういう御意見は、私は確かにあろうと思います。首相官邸は昭和四年でございますか、ですから、六十年ほどたちました昭和六十二年に閣議了解がございました。が、しかし、今おっしゃいましたように、首都の移転ということは、こういう法律こそございませんでしたが、当時からいろいろ御議論があったわけですから、果たしてそれとどういう関係に立つかということで、昨年になりまして、臨時行政改革推進審議会、行革審でございますが、行革審がこのことをもう一度取り上げられまして、それは首都機能の移転という問題はあるけれども、官邸というものの施設設備の整備は、かなり悪くなっていて緊急を要するということをさらに行革審が提言をされました。そういうこともございまして、今お話しのように、一部の用地買収であるとか、道路のつけかえとかいうことを少しやっておるようでございます。それで、全体が早く進むようでございましたら、何とか本当は待てないのかという感じもいたしますけれども、専門家に言わせますと、官邸そのものの老朽化がかなりひどいというふうに聞きますので、ただいま程度のところで仕事を始めておるというのが現状でございます。
○五十嵐委員 そうですね。その辺で不退転の決意を示したらいいなというふうに僕らは思います、それは御辛抱は大変だと思いますけれども。しかし、今のお答えではどうもその決意も伺うことはできなかったと思います。 さて、残った時間わずかですが、もう一つ決意を伺いたいことがある。これは、今もそれぞれお話があったのですが、分権の問題です。私は、東京の一極集中というのは、何といったって中央に権限が集中されてきた今日までの一世紀にわたる歴史の蓄積、これがやはり最大の原因だというふうに思うのですね。ですから、ハード面における国会等の移転をするということだけで一極集中は終わるのかということになると、私はそうは思わない。人口六十万のものをつくるといったって、今二十万ぐらいずつ毎年首都圏としてはふえるのですから、三年もしたらそれは埋まってしまうわけですよ。もちろん、首都機能の移転について私は基本的に賛成ですよ、それも一つの方法だろうが、それと同時並行して、それを契機にして地方分権を進めること。この際抜本的に分権を進めて、そして首都も移転をされれば、スリムな政府ができて、そうして地方に多くの権限や財源が委譲されて、そこで新しい時代に即応した、今までの画一的なものではなくて、多様な行政に対応できるような、こういうものをつくるべきだと思うのです。しかも、やはり中央政府は中央政府で、そう今細かいことを何から何まで背負ってしまって身動きできぬというような巨艦主義ではなくて、そうでなくて、むしろスリムにして、外交だとか防衛だとか、あるいは全国的な社会保障の問題だとか、あるいは重要な経済計画の問題だとか、こういうものに集中する。国民の日常の生活に関係したものはみんな地方自治体に譲っていくという考え方というものをこの機会につくらなければだめだ。 もう今までこういうことは、本当にそれは新しくて古い問題で、臨調でも行革審でも、地方制度調査会、これも同じ総理の諮問機関ですが、余り総理は出ないので、私も二回ぐらいやりましたけれども、ここなんかでも熱心にこれを今まで何十年か答申しているわけですね。しかし、一向に前進しない。もうこれではどうもならないと思うのです。私はこの機会だと思う。幸い今度の法律案なんかでもその点を配慮してつくられておるようでありますから、この際、総理、私は地方分権の国会決議を行うべきだと思う。その国会決議を踏まえて基本法的な地方分権推進法のようなものを制定すべきだと思う。そうして、国会が移転をしたときには分権はほぼでき上がっているような、そういう大きな行財政改革の方針をこの際やはり示していくべきだと思うが、いかがですか。
○宮澤内閣総理大臣 地方自治に長い御経験をお持ちのお立場から今言われましたことは、私もそうだと思います。 実は、この首都圏の懇談会の有識者懇の席上で、たしか宇野さんでいらっしゃったと思います、これは行革審をお願いしているものですから、言われましたことが私の頭に残っておりますが、首都圏の機能を移転するということは、今持っている権限をみんな持っていくことではありませんよ、何も持たないで行けるくらい、それより前に権限をお分けなさいということを言われて、それはごもっともだと思って聞いたのです。したがいまして、今の行革審には地方分権について再度の御答申をお願いしようと実は思っておりまして、と申しますのは、これはもう御承知のとおり、問題はわかっておりましても、なかなか政府の中の意思をまとめるということには御承知のようなことで大変な苦労のあることでございます。もう一度、ひとつ行革審に御答申をお願いして、ぜひこれはやりたいと思っているところでございます。
○五十嵐委員 もう時間でありますから、これで切り上げたいというふうに思いますが、どうか、殊に今一番おしまいの分権に関して、非常にいい、御意欲のある答弁を受けて心強い限りでありますが、我々ももう分権や何かについては、各政党ともほとんど意見は一致していると僕は思います。ですから、もう超党派でこの問題についてはしっかり議論をして、この機会にこそ、これまたその分権を置き去りにして国会移転だけ行ってしまったらまただめですからね、総理。ですから、この機会にこそ分権をどうしてもつくるということのために、政府としても一層の御協力をお願い申し上げて、質問を終えたいと思います。ありがとうございました。
○村田委員長 渡部一郎君。
○渡部(一)委員 本委員会におきまして国会等移転に伴う法律が提出されたことにつきまして、私は万感無量であります。今日まで長い間苦労され努力された本委員会委員長を初め、たくさんの同僚議員の御努力に敬意を表しますとともに、この法案の作成が有終の美の結論を得るように、私たちの世代及び後の世代に深い努力と貢献を心からお願いしたいと思うわけであります。 その立場から、まず、この国会等移転に伴ういろいろないきさつを政府側で最もよく知っておられた宮澤総理に対しまして、この国会等移転、そしてひいては首都機能の移転に当然つながる問題でございますが、これに対する御見識を承りたいと思っているわけでございます。
○宮澤内閣総理大臣 それは、やはりこの法律案の前文にそこは大変に問題を的確にとらえて書いておられると思いますけれども、戦後の荒廃からきょうの我が国がここまで参りました過程で、かなり実は正直を言って無計画的にきょうの我が国ができ上がってしまったという部分がやはりございます。 その一つは、この一極集中ということになってあらわれたのであると思いますが、その一極集中そのものは、ここにございますように大規模災害にも弱うございますが、また我が国が二十一世紀に向かって政治、経済、文化をさらに育てていくために、この辺で今いわばちょっとにつちもさっちもいかなくなったような首都というものをどうかしなければならないではないか、前文に言われていることはそういうことだと思います。戦後四十年余り一生懸命走ってまいりました。確かにその成果はありましたが、後ろを振り返ってみて、もう少し計画的にという余裕はなかった。その今におけるこういう問題意識というのは、私はこの前文に大変に的確にとらえられておるというふうに思っております。
○渡部(一)委員 前文の表現に対して、総理は見解を同じくすると述べられたのでございますが、この法案は総理府に調査会をつくるという法案でありますから、この方向は方向といたしましても、私どもはこの法案の前提に盛り込まれた考え方を現時点においてさまざまの施策に生かしていかなければいけない立場にあるかと思っているわけであります。 特に、一極集中排除という問題はここにもうたわれてはおりますが、調査会がひとりでそのすべての回答を与えることができるとは私も思っていないわけでありまして、関係各省庁の日ごろの御努力をさらに追加していただかなければなりませんし、特に政府を率いておられる総理の御見識と決断こそこの法案の成否を占う重要なテーマではないかと思っているわけであります。法案提出者及び賛成者である私たちがあえてきょう総理をお招きして御見識を承るのも、その点が心配であり、重大であり、そしてそれを加速させたい、つまり一極集中排除という方向をいろいろな面にわたって直そうという、手を打っていかなきゃならぬという思いがたくさんあるからでございまして、その意味で総理に御見識をまとめて伺いたい、こう申し上げておるわけであります。
○宮澤内閣総理大臣 確かに、前文にございますように、国会等の移転によって一極集中ということはかなり是正をせられると思いますけれども、これのみが一極集中を排除する方法ではございません。むしろ一極集中排除ということは、政府の施策の全般にわたっての目標でなければならないわけでございます。そういう意味では、やはり一つは、本来このいわゆるデイコントロールと申すのですか、権限等々をやめること、規制緩和ということが一つであると思います。それからもう一つは、残った規制というものをできるだけ中央から地方へ分散をしていく、こういう二つの方法によって一極集中緩和ということをやはり政府の政策全般に常に意識して行わなければならないことだと思います。 もとより、国会等の移転によりまして、その結果として一極集中緩和が行われるであろうという期待は確かに持てますが、それのみが唯一の方法であるわけではありません。また、そのときを待たなければならないということではなくて、常に規制緩和と地方分権ということは政府の政策の全般にわたる目的でなければならないと思います。
○渡部(一)委員 そこまで意見一致していただきましたので、大変ありがたく思っておるわけでありますが、最近、さらに地方自治の様子を考えますと、東京にともかく出かけていって中央省庁回りをしなければならない県知事、市長、町長、村長の行動というのは目に余るものであります。正直申しまして、執行できる予算の一割しか持たない、あるいはよくても三割というような状況の中で、よく言われることでありますが、小さなバスの停留所を一つ動かすにも東京まで行かなきゃならぬとか、あるいは自転車文化振興費というのを申請しないために東京に呼び出されてしかられた町長がいるとか、そして交付支給されたのは三千円だったとかというような笑い話のようなことが起こっています。中央一極集中が地方自治体を苦しめているわけであります。 ここで、国会等移転とともに品物とかシステムは確かに移動できるわけでございますが、一番面倒な行政権の拡散、地方自治体に対する権限の委譲、そして財政権の十分な委譲というものなくしては、これはこの調査会を樹立したとしても実際的にはまだ、つまらないことになってしまうのではないかなと考えるようになったわけでありまして、むしろそれがひどく重いことだな、これは簡単に言って遷都などというテーマよりももっともっと重要なテーマではないか、こう思っておるわけでありまして、ここで十分議論はできませんけれども、総理のこの問題に対する御見識を後世にとどめておきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○宮澤内閣総理大臣 問題は二つありまして、一つはまず、国なり地方なりが現在いろいろな権限を法律によって、あるいは条例によって与えられておりますが、そういう権限というものが全部必要であるのかどうか、規制というものはいろいろな意味で緩和できないのであるかどうかという問題が一つございます。規制緩和はいろいろな意味で努力を積み重ねてきておりますけれども、まだまだ緩和できるところがあるというふうに一般に言われておるわけです。権限を持っておる者が離したがらないということはそれとしまして、もう離しても大して問題はない、たくさんあるというふうに言われております。それが一つであります。それからもう一つは、そうしました後もなおしかし残らなければならない権限、規制というものをできるだけ中央から地方に渡すということであるというふうに思います。 この後の部分が中央と地方との関連で行財政の再配分ということに、これは補助金等々も含めまして、財政も含めましてかかってくるわけでございまして、行革審のいわば一番大事な課題でありながら、規制緩和も中央から地方への委譲も両方とも十分できておりません。もう一度今の鈴木会長に、行革審におきましてその肥大化した権限というものをどういうふうにしたら正常化できるか、スリムにできるかということの御検討と御答申を来年までにはお願いしようと今しているところで、それをひとつ、今度こそはという気持ちがいたしますが、何とかやってまいらないといけないというふうに思っています。
○渡部(一)委員 大枠の御返事としては私はありがたい御返事だと思いますし、今後の御努力をお願いしたいと思っております。 次に、遷都の問題のこじれた実例でございますが、京都から江戸へ、つまり東京に遷都をいたしますとき、古い資料を集めて見ますと、相当の抵抗があり、相当の困難があったようであり、今日もなおその悪いしこりが残っているのであります。 当時の明治維新政府は、京都から天皇の居住地を移すことによって遷都の形をつくろうとした。ですから、法律その他合意というようなものよりも、ともかく形だけ整えようとして、「東京に天皇は行幸されるのだ」と京都側に説明し、結局「天皇は東京からまだお帰りにならない」ということで京都側を説得し、そして勧工場を初めとする今日でいう産業振興策を京都側で実施することによって京都側を説得して、抑え込んで、百年がたったわけであります。したがって、京都側が依然として今もなお天皇のお帰りを待つというのぼりが立ってみたり、東京は首都でないと今まで論及する人があったり、こじれることの一つの論拠になっていると私は思います。こうしたことはあってはならないと存じます。 もちろん、皇居問題が今度の法案には絡んでおりませんから、こうした問題は起きないと私は確信しております。このところは同僚の議員も御理解を賜りたいと存じますが、その前の分、つまり東京遷都の分については、政府は一回も見識を述べたことがないのであります。つまり、遷都したのかしないのか、首都なのか首都でないのか、これは京都人が鋭い目をもって見守っているところでありまして、お答えのいかんによってはどうなるかというところまで怒っておられる方々がようけおられるわけであります。したがって、やむを得ない、私は、この百年間の関西人の意向を代表いたしまして、明快な御答弁をここできちっと述べていただきたいと存じます。
○宮澤内閣総理大臣 これは役所の方が私の答弁のために書いた文章でございますけれども、それによりますと、御指摘のような意見のあることは承知しているが、現在、国民の間では東京が我が国の首都であると広く認識されていると考える、こうなっております。 ただ、このお話は、私は、渡部委員の言われますように、今でも京都に行きますと、それは違うんだということを随分聞きます。ですから、今から百二十何年前に、どうもその辺のところが必ずしも明確な形でなく陛下が東京にお出ましになったということ、京都の人は少なくともそういう歴史を語っておりますので、このことについて、私どもは今こうやって東京で仕事をしておりますから、どうしても東京の方の意見が強くなっておるのかと思いますが、その百何年前のことは確かに京都の方には御主張があるように、私も京都に参りますとよくその話を聞かされます。
○渡部(一)委員 これは今みんなが首都だと思っているというお役人のペーパーをお読みになり、御自分としてはそういう意見を京都で聞かされているという認識を述べられました。しかし、それでは片づかないだろうと私は思います。 したがいまして、当時の政府の話を後の継続した政府が今さら何だかんだ言うのもおかしなことであり、憲法も変わっていることでございますから。ではございましょうけれども、これは政治の継承と申しますか流れがございますから、政府が京都府に対し、京都市民に対し、明快な説明、場合によっては釈明、場合によっては謝罪というのをかちっとなさらないと話が進まないだろうと私は思う。 日本人は過去の失敗を水に流すのが得意で、水に流すのは、加害者の方は流すのが得意でありますが、流された方は絶対に流されていないのでありまして、これが多年のしこりになるわけであります。この辺の民衆の胸の中の思いもひとつ御理解をいただいて、今すぐ答弁はとても無理だろうと私も思います、この秀才の総理がああいう言い方しかなさらなかったところを見れば御苦労はわかるわけでありますが、後には一遍きちんとなさった方がいいのではないか、関係者に、つかさつかさに指示なさるのが至当ではないかと思いますが、いかがでございますか。
○宮澤内閣総理大臣 ちょっと真っすぐにお答えを申し上げることにはなりませんけれども、京都は間もなく建都千二百年になるわけでございます。そういうことがありまして、例えば京阪奈の学研都市というようなものもそういうことを頭に置いてなされておりますし、いろいろな御準備もある。あるいは、場合によっては京都に和風の国の迎賓館をつくったらどうかという国会議員の方々の御意見もあったりいたします。これはお尋ねに真っすぐお答えすることになりませんので恐縮ですけれども、しかし、やはり京都が持っているそういういろいろな気持ちというのは、いろいろなことでこたえられるものならこたえてさしあげた方がいい、またそれは決して無意味なことではないというふうに、私はかねがねの気持ちとしては思っております。
○渡部(一)委員 さすがに立派な御答弁をいただき、きっと今の御答弁で将来に希望をつなぐ方がおられると私は信じておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。 昭和六十二年七月、公明党としては、石田幸四郎現委員長が本会議におきまして、ニューヨークとワシントンの例を挙げて、政治、経済の機能を分離するような手続が必要であるという言い方で、首都機能の移転というものを提案したわけであります。 また、本年二月二十六日、首都機能移転問題に関する懇談会の中間取りまとめにおきまして、既に相当のことが決められて提案されておりまして、六十万人、十四兆円、クラスター方式、最初のクラスター部分については全部国有地、総面積九千ヘクタールというような提案が、これは明らかに政府側の考え方として予備的な考え方が始まったと私どもは承っているわけであります。これからこの調査会はできるわけでありますが、当然政府はこうした見解をお述べになって、議論の中に見識を示されることと信じております。この提案は政府の最終見解ではないとは存じますし、もちろん中間取りまとめではございますが、この調査会に対して報告され、説明され、一つの基礎となると理解してよろしいものかどうか。 また、首都機能移転問題を考える有識者会議、これは首相の諮問機関でやっておられるわけでございますね。そうすると、ここでもいろいろな考え方が出ているのは私たちは漏れ承っているわけであります。そこでもいろいろな議論がある。そういう議論は今まで秘密にされておる、クローズされておるわけですね、中間取りまとめだけは表へ出ましたが。この秘密にされていくということが国民を納得させない大変なことであり、東京都を初めとする人々の不安を駆り立てるものだと私は思うわけでございまして、こうしたものは調査会において当然反映されてお述べになり、議論は公開されるものと確信しているのでございますが、要するに、この二つの会合は、そういう意味で調査会に資料を提供されるのか、あるいは意見は公開されるのか、そして国民合意を得られるために政府としても御努力をなさるのか、そこのところを最後に承りたいと存じます。
○宮澤内閣総理大臣 国土庁長官の諮問機関でそういう御意見が出ておるそうでございます。それから、有識者懇の方は私が自分で大体伺っておりました。そういうお話も確かにございまして、有識者懇に関して申しますと、その移転があった後の東京都というものはどういう機能を営むのかにつきましてはいろいろな御議論といいますか、あえて結論を求めるような御議論ではなかったのですが、いろいろな御議論がありました。 いずれにいたしましても、その国土庁長官に対する諮問委員会の記録それから私の方の有識者懇の記録、これはこの調査会にお渡しを申し上げます。調査会が御調査をなさるときの御検討のためにそのままお渡しをいたして御調査の資料にしていただきたい、こう思っております。
○渡部(一)委員 ありがとうございました。
○村田委員長 金子満広君。
○金子(満)委員 限定された時間でありますから、東京一極集中の原因がどこにあるか、この問題に絞って総理の見解をお聞きしたいと思います。 まず、この一極集中は東京に国会等首都機能が集中しているからだ、こういう意見もあります。そのことが人口の過密を生む、そして地価が高騰する、住宅、交通、そしてまたごみの山、こういう問題が出てくるんだ、こういうことも言われます。だから、国会等をほかに移転すればこの問題は大きく解決がつくんじゃないか、こういうことも言われます。そしてまた、移転法もそういう立場から出ているんだということも言われます。 果たしてそうなのかという問題です。言うまでもないことでありますが、国会が、そして議会制度ができてから百年を超えます。こういう中で、一極集中という言葉が出たのはいつごろだろうか。これはおよそ十年前だと思います。それまでは、東京過密、地方過疎という言葉はありました。それも何十年も前の話ではないのです。ですから、国会ができたときから、一極集中というのは東京になってくるんだなということを予定したり予想した人がいるのかどうなのか。それを予想したかどうか、これも総理にひとつ聞きたいのですが、私は、そうではなくて、この約十年間の状態というのは極めて異常な事態だと思うのです。したがって、この異常な事態について政府も独自にその原因を分析すべきだと私は思いますが、まずその点からお伺いしたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 分析そのものは専門家の力を必要とすると思いますけれども、確かにこの一極集中という言葉自身はそんなに古い言葉ではないように思います。どっちみち東京が経済も政治も両方でございましたから、当然集中しやすいことではありましたが、一極集中という言葉は、やはり私は国際化とかなり関係があったように思います。つまり、お互いが気がついてみたら、どんどんビルが建ち、外人の家が建ち、そのスペースが不足でというようなことがある時点から急速に起こりましたのは、やはり経済の国際化、それからソフト化というようなものが進みまして、外国の人がみんな東京をアジアの地域のいわば出先とするといいますか、ヘッドクオーターズにするような動きがいっときに起こりましたのは昭和五十年代の後半、今から申しますと十年余り前のその時点から急速であったということは、私も経験でそのように思います。
○金子(満)委員 総理が言われるように、そんな古い言葉でないことは事実なんですね。そういう中で、例えば去年東京都は都市づくりの報告書というものを出しました。その中で、一極集中の問題について次のような指摘があります。「今回の集中については、情報化・国際化を背景とする産業構造の高度化や世界に占める日本経済の比重の増大などの要因が大きく作用している」、「金融や保険をはじめとする企業の中枢機能が集中し、これと関連して、対事業所サービスなどの都市型産業が集積、いわば集積が集積を呼ぶ過程が進行した。」これが一極集中の原因だということで述べていますが、これは先ほどの総理の発言の中にありましたが、この点は賛成ですね。
○宮澤内閣総理大臣 私も自分の経験ではそのような感じがいたします。
○金子(満)委員 やはり今総理が言われるように、これは東京の決して特殊な考え方ではなくて、政府自身が今年の通常国会に閣議了解したとして出しているこの報告書の中でも同じようなことが書かれているわけですね。 そこで大事な問題というのは、この一極集中の原因が東京に首都機能の中枢が存在しているからだというのが一つもないわけですよ。したがって、私は、この首都機能が集中しているから東京がマンモス都市になるんだ、こういうような論理の進め方というのは正しくないと思うのですね。したがって、こういう中で政府自身が指摘している問題ですね、「金融機能の集積が業務管理機能の集積を促している」という。これが一極集中ですから、こういうことを考えたときに、私はこれを解決するためにはこの原因を取り除くというところに政治のメスを入れない限り、一極集中是正、是正といっても、これは歌に歌っただけに終わってしまうので、総理、ここにメスを入れる考えがあるかどうかなんです。
○宮澤内閣総理大臣 それは私は有識者懇でも御議論になっているのも伺ったことがございますのですが、確かに昭和五十年代後半からの一極集中は、東京には結局ソフトがあるんだな、そういう言葉でソフトが東京に集積したということですが、しかし、東京が首都でなかったならばそういう集積が起こらなかっただろうかということはいろいろ私はやはり疑問がある。首都であったことによって起こった集積が随分あったのではないかと思います。委員のおっしゃいますように、それはそれとして、なぜ五十年代後半からの集積があったかということは検討しなければならぬことですけれども、首都でなかったならばこういうほどには起こらなかったのではないかという御議論を有識者懇でもなすっていらっしゃるのは私も伺った記憶がございます。
○金子(満)委員 首都機能が東京に集中しているからという、それも一つの要因ではあるという御意見だと私は思います。しかし、この一極集中の東京の肥大化というのは自然の災害でないことははっきりしているのです。だんだんそうなったのではないのです。私はそういう点で、例えばこの一極集中という言葉がもう日常的に使われるようになったあの時期は八〇年代の初めなんですね。確かに東京一極集中になるという方向はいろいろなところで指摘されたのです。ところが、この一極集中を規制するようなものはなくて、逆にこれを促進するようなことがやられたと思うのです。私は、その最たるものがあの中曽根内閣のときの民間活力の導入だった、そのやり方だと思うのですね。都市計画をどうするとか、あるいは建築関係の法規の規制緩和を大幅にここでやったことは、もう天下周知のことですよ、今その弊害が指摘されているのですから。こういう中でオフィスビルがどんどんできる、ビルの林の中に特に都心部は埋もれてしまうという状態が生まれてきたんだと思うのですね。だから地価が高騰する、これが今日の状況だったと思うのですね。そうしますと、一極集中がここまで弊害、被害を広くした原因はどこにあるかといえば、私は政府の政策の中にあったと思うのです。ここのところをはっきりしないで、何か自然災害のような雰囲気をつくるということはもちろん正しくないし、国会移転をすればそれが緩和するんだというように見ることは、もちろん正しくないと思うのですね。 そういう中で、今度の移転法の中でも指摘されているのですが、東京を経済及び文化における国際的中枢機能を備える都市として整備するということが明記されているわけです。これは一極集中の加速なんですよ。ここのところをはっきりしなけりゃならないと私は思うのです。 そういう事態の中で現実に何が進んでいるかという問題です。今東京は、二十四時間稼働する国際都市東京ということで、金融センターを含めて、臨海部副都心の開発がどんどん進められている。これは御承知のことと思いますが、十兆円の総事業費なんですね。これは八六年に金丸さんもわざわざ東京都へ行って、知事と一緒にあの東京湾からこの臨海部の副都心開発を促進することで一定の役割を果たしたというのは、当時も指摘されていたことなんですね。ところが、こういう中でバブルがはじけた。バブル経済のあだ花が、何か臨海部副都心の開発ということになっているのですね。ですから、そういうことを考えたときに、ここのところは黙っていて、何か国会等の移転があると幾らか緩和されるんじゃないかという幻想をまいてこの臨海部副都心の開発をどんどん加速させるということは、もう逆行だ、一極集中加速だ。ですから、総理はこういう点については根本から見直すべきだということを意思表示した方がいいし、すべきだと私は思いますが、この点どうですか。
○宮澤内閣総理大臣 国会等の移転をこの法律で考えておられるのは、一極集中を排除することがただ一つの目的ではない、当然のことでございますが、そうではございません。この法律はもっと法律自身の目的を持っておるわけですが、その結果としてしかし一極集中もかなり解決されるのではないかというふうに考えているというのが、この法律の考え方だと思います。東京で副都心をつくられたこと自身は、これはやはり区部といいますか中心部の集中を副都心という形で排除、緩和されようとしたのだろう、それなりの意味はあると思っていますが、いずれにしても、一極集中そのものはこの法律だけで図れるわけではありませんで、国全体の施策の中で考えていくべきことだと思います。
○金子(満)委員 納得できない点はありますが、私の質問を終わります。
○村田委員長 これにて内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。 引き続き、質疑の申し出がありますので、順次これを許します。五十嵐広三君。
○五十嵐委員 主として塩川自治大臣にお伺いしたいというふうに思うのですが、その前に、今度の法律案の提案者である山口鶴男委員に、一点だけ御質問を申し上げたいと思う次第であります。 今度の法案の第三章「国会等移転調査会」の第十三条第二項「調査会は、前項の調査審議を行うに当たっては、行財政の改革の推進との関連に留意しなければならない。」このようにうたわれておりまして、このことは、ここで言う「行財政の改革の推進との関連に留意しなければならない。」ということは、第二章「検討指針」における第四条「地方への権限の委譲の積極的推進、国による規制の合理化等行財政の改革と的確に関連付けるものとする。」第五条「国会等の移転と多極分散型国土の形成の促進に関する施策との一体性を確保するものとする。」ということを受けて、地方への分権であるとかあるいは多極分散型国土の形成であるとか、こういうことの推進と一体的に進めていくということをうたわれているのではないかと思うが、いかがですか。
○山口(鶴)議員 五十嵐さんのおっしゃるとおりであります。 特に、前文をごらんいただきたいと思うのですが、前文の後の方に一極集中については、「もとより、国会等の移転のみで問題が解決するものではなく、これと併せ、地方分権その他の行財政の改革等を推進することにより、自主的で創造的な地域社会の実現を図っていく」のだ、それが「国会等の移転をそのような改革の契機として活用していくことが重要」だということを前文でうたっております。そうして、その趣旨でこの第四条、第五条の規定を置いているわけでございまして、したがって、第十三条の二項は当然、前文そして第四条、第五条、御指摘のような地方への権限の委譲の積極的推進、国による規制の合理化等の行財政の改革、そして多極分散型国土の形成、こういったものと一体的なものとして、この十三条の一から六までの検討はそれとあわせて行うものであるという趣旨を明確にしたつもりでございます。御指摘のとおりであります。
○五十嵐委員 よくわかりました。 そこで、この機会に、今もお話がございましたように、首都機能の移転とあわせて地方分権を同時並行するということが一極集中是正の上では不可欠のことだという意味から、地方分権に関して若干の御質問を申し上げたいと思う次第であります。 私は思うのですが、今も国会で佐川問題が連日議論になっている。昔は十年に一遍くらい大きいのがあったわけですが、最近はやや続いてきてしまっている、リクルート、共和、佐川と。大変に国民の怒りを受けている最近の政治、行政を見ながら思いますことは、これは一つの面で言うと、権限を中央に集中している、そこのところの構造にやはり一つ大きな問題があるのではないかと思うのです。言うまでもなく、塩川大臣は御存じのように、今政府が掌握をしている許認可項目は、昨年の報告で一万七百項目に及ぶ。殊に運輸省等は約二千項目近い数になっているようでありますけれども、これが年々ふえながら、中央でしっかり握っていて、そこに一つの癒着、腐敗が生じてくるということが、私は最近のさまざまな事件を見ながら非常に痛感するところなんですね。 ですから、やはりこの機会にこれをできるだけ分権していく、住民の目の前のところで、風通しのいいところで許認可がされていくというような構造に変えていくということも、実は政治改革の重要な一つの柱ではないかというふうに感ずるわけなんです。この点について自治大臣の御感想をまず伺いたいと思います。
○塩川国務大臣 権限があれば、どのような階層、どのような団体にありましても、そこに不正事件が時々起こってくるということは残念至極でございますが、やはりそれだけの理由があるのだろうと思っておりますが、これはぜひ是正していかなければならぬ最大の命題であろうと思っております。 ところで、国から地方に移せばそれだけでなくなっていくかというと、そうばかりも言えない。地方だってやはり政治不祥、不信事件が随分起こっておりますしいたしますが、いずれにしても、国も地方も政治腐敗のような事件の起こらないようにしていくことが必要である。そのためには、おっしゃるように権限をできるだけ、国だ地方だというのじゃなしに、権限全体が規制とかいうようなものをセーブしていく必要があるだろう、そういう努力もなしに、私はこの問題は、やはりいつの時代においても起こってくるような感じがしてならぬのです。 ですから、できるだけ権限を少なくするということ、これがまず前提だ。そして、できれば中央から地方へ移していく。憲法が地方の自治を約束しておりますのは、地方の開発等に関するものは地方自治体で行わせる方がいいという趣旨が貫かれておることでございますので、中央の権限をできるだけ地方に移していくというのは当然の成り行きであろうと思っております。
○五十嵐委員 まあ仰せのようなことですが、もちろん分散すれば汚れも分散されるのではないかという懸念も当然する向きもあるわけでありますが、しかし、ここしばらくのさまざまな事件を見て痛感するのは、私がさっき言ったようなことなんですよ。やはり中央のところで、政官財、このごろはもう一つくっつくようなことになってきたようでありますが、我々国会の場合だって本当にこれは自戒しなければだめだと思うのは、それぞれ許認可権の多い、殊に委員会等でどうしても族議員というのができちゃう。これはまた与野党を問わないものかもしれません。そこにいますとなかなか移ろうとしない。長期になるからなおそういう傾向が強くなるということもあるのかもしれませんが、全体として私は過度の集権が政治腐敗に与える影響というのは非常に大きいものがあるというふうに痛感をしているわけなんです。ですから、なるべくこれを分散していく、そして、監視のしやすいようにしていくということも必要ではないかというふうに思います。 さらに、別な面で言えば、先ほども総理もおられたわけですが、総理は、このごろ特にいわゆる生活大国ということをおっしゃる。確かに今までの経済大国から生活大国に大きく転換をさせていかなければだめだということだろうと思うのですが、そして豊かさを本当に国民が実感できるような政治にしていかなければいけぬのでしょうが、しかし、そのことは一体、実際にどこが担当して進めることになるのかということになると、私はやはり実際には地方自治体がしっかりとそれぞれ実務として進めることになるというふうに思うのですね。ですから、経済大国から生活大国に転換するということは、ある意味では地方自治体の役割というものはまた新しい時代に大きく背負っていくことに今なってきているというふうにも思うのです。 しかもこれも総理にさっき申し上げたのですが、中央政府というのはそう何もかにもこれを担当するというのじゃなくて、本当に肝心なところを受け持っていくということであるべきであって、それは外交だとか防衛だとか、主要な経済のさまざまな計画だとか、全国的な社会保障の基礎的なものであるとか、こういうようなものに限定をして、日常の国民の生活にかかわるものは地方にどんどん渡していく、また都道府県も市町村に渡すものは渡しながら、全体として国民生活に近いところに行政がわたっていくというような流れを強く進めていかなければならぬ、私はこんなふうに思うわけなんです。 しかもこのごろは、これは大臣の方がお詳しいかもしれませんが、海外で見てもそれぞれの国の分権化への取り組みが非常に積極化してきている。例えば、フランスなんというのは長い間、いわばナポレオン体制以来、相当集権的な構造であったわけですが、ここ十数年、その改革が非常に積極的に行われた、ここ二、三年、また特に取り組みが進んできているということを初めとして、例の北欧における、スウェーデンを初めとするフリーコミューンの制度だとか、あるいはまた最近はスペインでもそうですね、イタリアでもそうですね、いろいろなところで分権化の試みがどんどん進んでいるというようなことを考えますと、これはやはり一つの時代の流れで、やはりそういう多様な、多彩な国民のニーズにこたえるような行政構造というものをどこでも求めているんだなという感じがするのです。我が国もまさに今そういうときにあるというふうにも思われるわけであります。 先ほども大臣は少しお触れになられましたが、そういう今日の我が国の分権へ進むべき時代背景だとか、そういうような成熟した今日の我が国の政治構造というようなものへの御所見を重ねてお伺いしたいと思います。
○塩川国務大臣 非常に難しい問題でございまして、私ら一政治家でなかなかなし得るものではないと思うのでございますが、私は国会に出ましたその当時、その以前からでございますけれども、思っておりますことが一つございます。 それは、国の中央省庁はそれぞれ設置法を持っておりまして、その設置法によりまして、政策官庁、指導官庁、監督官庁であると同時に事業官庁でもあるという性質を持っております。そのことで、権限を地方におろし得ない一つの根本的な問題がそこに潜んでおるように実は私は思うのであります。したがいまして、真の分権化を進めようとした場合に、どうしてもその中心となる各省設置法、さらには進みましたら行政組織法の問題にもなろうかと思いますが、そこらの関連をしっかりと検討の中に入れて改正をしていかなければならぬだろう、こう思っております。しかし、そのことはなかなか容易ならぬことでございますし、革命的なことにつながっていくと思います。 そこで、私たちが考えておりますことは、まず機関委任事務というものが、これは明治以来、地方自治体というものを、つまり手先なんだ、出先機関なんだ、そういうことに手懐けてきました大久保利通の政策そのものがずっと百何年続いてきておるわけでございまして、そのことをやはり改めていかなければならないのではないか。そこを、機関委任事務を整理し、そして移管していくものは移管すると同時に、そこに財源的なものも相呼応したものを付与していくということを考えていくべきではないか。このことは私はそんなに難しいことではない。時間をかけ、そしてそれを受け入れていくだけの地方自治体の訓練と能力をつけていけば、そのことは不可能ではない。まず私は機関委任事務の合理的な整理というもの、これをやはり地方分権を進める中における一つの柱として考えていただければ、こう念願しておるところであります。
○五十嵐委員 今機関委任事務に関して、我が国の集権体制の一番核心をついたところへの言及がなされました。私も全く同感なんです。これはしかし、地方六団体等からも古くから言われ通してきていることだ。あるいは臨調でも行革審でもそうです。地方制度調査会のごときは、この機関委任事務に関して委員会をつくってがっちりした報告などもかつてされたんですが、しかし減らないんです。 昭和三十三年、機関委任事務の項目数はどうであったかというと、これは地方自治法別表に掲げるものでありますが、都道府県関係で二百四十六件、市町村関係で百十件、合わせて三百五十六件です。平成四年でこれはどういうことになっているかというと、都道府県で三百六十二件、市町村で百八十四件、合わせて五百四十六件。しかも、これはずっと毎年の状況を見てみますと、毎年ふえてきているのです。これではせっかく自治大臣がおっしゃっておられるようなことになっていない。ぜひこれを改革していかなくてはいかぬというふうに思います。 今のは機関委任事務数でありますが、ついでに言いますと、総務庁行政監察局の去年十一月の国の関与の実態把握の結果についてということの報告で見ますと、国の関与の総数は三千百二十二項目。二年前に比べて四十七項目ふえている。あるいは国の許認可等の総数については、さっきもちょっと触れましたが、去年三月で一万七百十七件。この五年間のうちに六百六十三件ふえている。年々ふえているのです。ですから、あらゆる団体がいろいろな運動をしてきた地方分権化への闘いというのは、率直に言って敗北の連続であったと言わざるを得ないような気がするのです。 最近のパイロット自治体の問題にしてもそうです。我々も去年の新行革審の、第三次ですか、あれの豊かなくらし部会の中間報告のときは一つの期待を持ったわけであります。あのときには、私どもの党、社会党というのは行革審を評価した声明はかつて出したことはないのでありますが、去 年の暮れは、私はシャドーキャビネットの立場で初めて評価コメントを出したのです。しかし、その後の状況を見ると、どうもやはり後退した、各省庁、国の運用に任されたということで、これはやはり各地方団体の落胆と不満が非常に多いことは御承知のとおりであります。 あるいは、地方拠点都市の今回の第一次指定、これなんかは、もう実は知事が選定をするということは私は大きな前進だというふうに思いました。その点についての評価を惜しむものではないのですが、しかし、十一月の二日に全国知事会はこういうものを緊急要望した。議決をしている。 「地方拠点法」にかかる地方拠点都市地域の選定に関する緊急要望 現在、各都道府県においては、過般関係省庁の合意のもとに作成した「地方拠点法」の基本方針が告示されたことを受けて、都道府県内の指定候補地域の選定作業に取り組んでいるところである。 しかしながら、この間各都道府県に対し、特定の省庁から運用上からの関与等がなされている。 よって、関係省庁は、あくまでも地方の自主性を最大限に尊重するという法及び基本方針の趣旨を遵守し、都道府県が行う指定候補地域の選定に対する関与等を行わないよう強く要望する。 これは異例のことでしょうね、こういうことは。いろいろ聞いてみると、特にきょうは大臣もおいでになっているが、建設省等のお話が強かったというようなことを我々は仄聞をいたしているような次第であります。どうもそういう点を考えますと、残念ながら思うような分権化への流れというのは進んでいかないようであります。 この間、あれは何のときでしたかね、ちょっとメモをあれでしたが、もちろん官房副長官が行くぐらいの会合ですからしっかりした大きな会合なんですが、そこで石原さんが、これはもう長い間自治省にずっとおられて、地方自治に関してはよく承知しておられる方でありますから、その官房副長官が思わずやはりこぼしておられた。いろいろなことをやるときに、まず各省の偉い人が集まって、そこの総論のときにはいいと言うんですね。それはいいことじゃないかと言うんですが、いよいよそれを具体的に進める段取りになると、それぞれ実務の課長連中が集まって、いや、もううちの省は絶対にだめだということになってみんな結局御破算になる、困ったことだということのお話をなさっておられた。まあ実感だろうというふうに思います。 パイロットの問題でも、細川さんや内田健三さんなんかが、内田健三さんは小委員会の委員長をなさっておられる。やはり中央官僚の地方に対する不信感というのは抜きがたいものがある、こう漏らしておられましたけれども。 なかなかこれは、今機関委任事務についてお触れになられたが、機関委任事務はそう難しいことでないのではないかというお話があったが、機関委任事務を変えることぐらい難しいことはないです、自治大臣。これを我々も本当にそう思う。長い間そう思っている。一遍整理をして本来国のやるべきことはちゃんと国のものにする、それから、地方へやるべきものは地方にちゃんと整理をする、両方で協力していくものは機関委任事務というよりは委託事務のような格好でやらなければだめなものも一部あるだろう、これはきちっと整理をしてやはりやっていくべきだということで長い間やっているんだけれども、これは難しいですよ。これは大臣お話しのように、この問題に手をつけるということは大賛成だ。ぜひひとつ努力をしてほしい。そのことを特にお願いを申し上げたいと思うのです。こういう点を解消していかなければ、僕は、やはり国会移転だけでは一極集中ということの解決ということにはならないんじゃないかと思う。 この際、先ほども申し上げていたところでありましたが、国会等の移転の折にぜひ思い切った地方分権を進めていくべきではないか。むしろ私どもとしては、大臣御承知のように、地方分権推進法のようなものを制定すべきだ、そうでなければ今の厚い壁というのはなかなか破れない、そういうふうに思うのですが、大臣、いかがですか。
○塩川国務大臣 今仰せのとおり、機関委任事務の検討は難しい。これは確かに、これはもう革命的な問題になると思っておりますが、しかし私は、現在の行革審の方々に、この検討を本当にまじめに進めてくれませんか、パイロット自治体の構想結構でございます、それを理想として我々努力しましょう、そして地方分権も進めていきましょう、がしかし、そのためにはやはり必要な道のりがあると思います、その道のりの一つとして委任事務の検討を見てくれませんか、こうお願いしてあるのです。 現在、府県市町村合わせて五百幾つございますか、その中で、中央省庁としてはもう荷厄介なこんなおいしくないものはたくさんあります、おいしくないものはまず地方に任してもいいんじゃないか、こう思うのです。しかし、そのことが雪崩的現象を起こしてもいけませんから、なかなかできにくいということもありましょう。けれども、私は、一つ一つの権限をつぶさに見ていったら、中央省庁としてこんなもの地方に渡した方がいいなというものが、手間暇厄介だ、もう随分ある。そのものを一般財源でどう見てやるかということの問題と合わせたら、私は、個々の検討を始めるならば相当なものがあるんではないか、それを今までは怠ってきておると思っておりまして、私は閣議でもこの問題を出しました。ちょうど五月ごろであったかと思うのでありますが、反応は全くございません。それは出したわけでございますが、反応はございません。私は、やはりこれを進めるべきだ。 同時に、私は、こうして委員会が開かれておる、国会ばかりで、国会議員の方でやっておられるのでございますから、そこまでおっしゃるならば、与野党ともにこれからこんな権限をぼかんぽかんとふやすようなことは、スクラップ・アンド・ビルドでやっていただいたらどうでしょうか。これは全部国会がおつくりになるのであって、役人がつくっているんじゃありません。この権限は全部国会が、法律が通って、法律に基づく権限でございますから、それはだめだ、スクラップ・アンド・ビルドだとおっしゃっていただいてもいいんじゃないかと思うのですが、いかがなものでしょうか。私は、そういうこともあわせて意見として申し上げさしていただきたいと思います。
○五十嵐委員 この前神戸で兵庫の貝原知事さん、貝原知事さんというのは地方自治については専門家でありますが、おっしゃっておったが、集権排除法を考えたらいいんじゃないか。これは、ちょうど今大臣お話しのようなことでしょうね。私は、初め入り口はそういうものでもいいと思いますね。それはもう本当に本気になって、やはりこれは与野党一緒にこういう問題について取り組んでいかなくちゃいかぬというふうに思うのです。 それにしてみても、行革審で出してもなかなかどうも、結局はつぶれていく。さっき総理は、私は、これは総理はある程度やる気になっておられるなと思ったのは、行革審に分権に関して再答申を求める、再諮問をするという御見解が表明された。大変私は心強くも思ったのでありますが、しかし、幾ら答申を出しても結局それがそのまま実現を見ていかないということの繰り返しであったわけでありますから、ぜひそれの実を結ぶように政府機関では御協力をいただきたい。特に各大臣が、その点については政治家の立場から大所に立って御指導、御協力をいただきたいというふうに思うのですが、きょうは運輸、建設等一番許認可権をたくさん持っておられるところがおられるようでありますので、できましたらお一言ずつ、今の申し上げたような趣旨について御所見をいただければありがたいと思います。
○奥田国務大臣 地方行政にも精通されている先生の御提言で、先ほどから何か、恐らく許認可権数一番多い運輸省ということで風当たりが強いのは当然でございますけれども、私も、地方分権化、小さい政府、これは国民の声でもございますし、確かに中央のそういった許認可権限を含めての体制が自治体に活力を失わせておるな。個性あふれる、金太郎あめみたいなのじゃなくて、それぞれ活力のある自治体づくりのためには、確かに私は権限委譲を含めてそういったことはとても大切なことだ、そういう気持ちで実は運輸大臣を拝命して以来いろいろ努力もやってきておるわけでございます。 何せこの運輸省というのは、物の移動、人の移動に対して責任を負う役所であるということに立ちますと、やはり安全、そしてより安く、よりよい移動サービスの提供という形からいきますと、まあ許認可権限、地方に簡単に委譲することで、果たして全国的な一つの水準といいますか、安全水準のレベルが維持できるのであろうか、そういった思いもございます。しかしながら、各地域実情に従った形の中でできるだけ、行革審答申のあの十三項目の御指示もいただき、そのうちほとんど改善の域に今かかっております、まだ検討中のも三件ほどありますけれども。これらに関しましてもできるだけ免許を許可に持っていく、あるいは認可を届け出にするというような制限緩和の方法もございますし、またできるだけ、運賃体系あたり一つとってみても、それぞれの地域実情に合った、必ずしもこれは全国画一じゃなく、利用者のサービス、安全ということが満たされるならば、そういった形もいいんじゃなかろうかという形で検討もさせておりますし、ああいったホテルの指定等々も、これも地方あるいは民間に委託させるというような方向の中でも現実化、法制化もいたしてまいりましたし、また空港あたりのいわゆるダブル化、トリプル化というような形の制限緩和という形も、できるだけ利用者のニーズにこたえていく形の中で地方の御要望を入れていくという形等々、あるいは港湾でも埋め立ての権限なんかに関しましても随分、届け出、緩和してくる形等々やってはまいっておりますけれども、今先生の御指摘の許認可件数の総数からいいますと、この運輸省は一番多いという実態というものは今後ともできるだけ、移動サービスという原点をわきまえながらも、そういった点については先生方の御提言に沿うような方向で努力してまいりたいと存じております。
○山崎国務大臣 国土の均衡ある発展あるいは一極集中の是正等を進めてまいりますためには、地方の社会資本の整備等が必要であろうかと存じますが、その際に、地方への権限委譲あるいは地方分権をいたしまして、地方の自主的な力、自立的な力を強化するということは当然必要であろうと存じます。とりわけ、地域に密着いたしました社会資本の整備という点については、殊さらにそのことが言えるのではないかと考えております。そこで、建設省といたしましても、臨時行革審の答申等を踏まえまして、今日までも地方への権限委譲につきましてはこれに誠心誠意取り組んできたつもりでございます。今後ともそのような態度を保持いたしたいと考えております。 先ほど事例としてお挙げになりました地方拠点都市地域整備の問題でございますが、この法律は前通常国会で成立をいたしまして、私はそのときここにいらっしゃる各大臣ともども答弁に立ちましたのでございます。その際、再々申し上げたことでございますが、極力と申しますか、全面的にと言った方が正確であると思いますが、地方の自主性を重んじる形で拠点都市地域の整備を図ってまいりたいと申し上げたことは事実でございまして、またその地域の指定権は知事にあるということも間違いないことでございます。 ただ、建設省はかなり関与しているではないかという御指摘がございましたが、これは御案内のとおり資源の重点的な配分を行う、限られた資源あるいは限られた財政の中でそのことを行っていくわけでございますから、この施策が実効を上げるということが必要でございまして、その観点から協議に応ずることになっておるわけでございます。私どもの官庁は特に社会資本の面におきましてはかなり大きなウエートを持っておりますので、その投資が効率的に行われる、実効を上げるということをこいねがっておるわけでございまして、そういう意味で真剣な御協議をさしていただいておるわけでございます。 例えば県際ですね、県境と言ってもいいのですが、またがる地域を同時に地域指定いたしまして開発した方がこの法案の目的にかなうというケースもあろうかと思うのですね。そういう場合は、これは各県知事さんのばらばらな指定ではそのことは実現いたしません。そういうことの調整といった問題も、この法案のいよいよ施行に当たりまして実は問題意識として出てまいっているわけでございますし、また先ほど申し上げましたように限られた財政の中でやるわけでございますから、これを一挙に全国一斉にやっちゃうというようなことが、果たしてこれはやらないことと同じ結果にならないかという意見もございまして、順次効果の上がるところからやっていただくというような意味で、交通整理的な意味で、私は、国としてこの問題に対して協議をやっていく立場があるんだということをこの際に付言させていただきたいと存じます。
○五十嵐委員 ぜひひとつ、それぞれのお役所を御指導いただきながら、分権の実のあるようによろしくお願いを申し上げたい。殊に、自治大臣、国会移転にかかわりながら、この機会こそ、ひとつ分権化を実現できるように閣内においての一層の御奮闘をお願い申し上げて、御質問を終えたいと思います。ありがとうございました。
○村田委員長 平田米男君。
○平田(米)委員 私も、五十嵐先生と同じように地方分権、規制緩和に重点を置いてお伺いをさせていただきたいと思います。 今の御質問に対する三大臣の御答弁に対して、大変興味深くお伺いをさせていただいておりました。いずれも許認可権限を多数お持ちの重要な各省の大臣として、地方分権、また規制緩和について正しい認識をお持ちである、また、高い見識をお持ちであるというふうに伺ったわけでございます。いずれも三大臣とも昨年の十一月に大臣に就任をされたわけでございますが、それぞれの大臣として、地方分権、また規制緩和に対して、就任以後一年間にわたって、今までの継続ではなくて、大臣それぞれの思いとして高い見識、また深い御認識の上で、具体的に地方分権、あるいは規制緩和について指示を関係部局にされたことがあるかどうか、あるならば適宜それを御指摘をいただければというふうに思います。まず、建設大臣からお願いできればと思います。
○山崎国務大臣 先ほど申し上げました、地方拠点都市地域整備の法案でございますが、これは六省庁の大臣が主務大臣として、いわば共管の形になっておりますけれども、私の建設省におきましても、地域の自主性を生かしながらこの整備をやっていただくということで、知事に指定権をお与えしたこと等にあらわれておりますように、これもいわば地方分権を進めた一つの施策ではないかと考えております。 それから、都市計画法、及び建築基準法の一部改正を行ったのでございますが、その中で、市町村が都市計画に関する基本的な方針を定めること、通称マスタープランでございますが、そういう権限を与えることにいたしましたし、あるいは特別用途地区、あるいは地区計画制度の拡充を行いまして、市町村の権限の充実を図るために、規制緩和を行ったところでございます。また、これはちょっと日米関係も絡んでおりますが、木造三階建て共同住宅等の新しい分野におきまして、木造住宅の開発、供給の推進、木造建築に係る規制の合理化を図った事例もございます。 今後これらの措置の実効ある実施を推進いたしまして、地方分権の推進と規制緩和によります民間活力の活用に努めてまいる所存でございます。
○平田(米)委員 今地方拠点都市整備法とか、あるいは都市計画法の改正を挙げられたわけでございますが、これは大臣就任以前から一つの流れとして存在したものではないかというふうに思うわけです。大臣が就任されて、独自の判断で具体的に地方分権もしくは規制緩和について御指示があったかどうか、これをお伺いできればと思って私は御質問をさせていただいたわけでございまして、その点について答弁がなかったということは、何もなかったというふうに伺ってよろしいのでしょうか。いかがでございましょうか。
○山崎国務大臣 何もなかったかと言われると私は非常に困りますけれども、これは法案の審議に私も全力を尽くしまして、その際にさまざまな御意見ございましたが、地方への権限の委譲あるいは地方の自主性の尊重、規制緩和等につきまして十分の配慮を行うように私なりにリーダーシップを発揮したつもりでございますので、お許しをいただきたいと思います。
○平田(米)委員 同様に運輸大臣から御答弁いただければと思います。
○奥田国務大臣 新行革審で指摘された十三項目については、詳細はまた御質疑の過程の中で政府委員から答弁させますけれども、十一項目が処置済みになっております。二項目についても近く結論が出るということでやっております。 私がなってから、では何をやったのか、こう言われますと、法改正を伴ったものでは、国際観光ホテル整備法の一部改正をやっていただきました。これは国際ホテル等の登録業務を民間に委託するという形にやった改正でございます。 また、運輸事業の規制でございますけれども、これに関しましては、緩和の方向の中でタクシー事業あたりの事業規制というものを、まだ実施は少しおくれますけれども、この増車なり免許のこういった形の緩和策を今現実に基準緩和を行って、結論が出る段階にまでまいってきております。それと航空運送事業で、これはつい先月でございますけれども、公表いたしましたが、航空運送の乗り入れに関しまして、従来のダブル化、トリプル化という条件というものを大幅に緩和いたしまして、できるだけ競争、競合の体制の中で各航空会社がサービスと安全を競っていただくという、これを行ってまいりました。 今後ともこういった形で、先ほども申しましたように、より安全、より安く、より速く、そして利用者のそういったニーズにおこたえできるような形の中で実効を上げていきたいと思っております。
○平田(米)委員 今のタクシーの件、それから航空運賃については、これは奥田大臣になられてから、奥田大臣の具体的な指示によって初めてスタートした、そういう御説明なんでしょうか。
○奥田国務大臣 それは地域の実情に合った形にできるだけ制限を緩和していこうということで、私の発案と申してはおかしいですけれども、決断で、そういう方向の規制緩和に積極的に対応したということでございます。
○平田(米)委員 私も課長クラスの各省の官僚とお話をしたときに、大変不遜な言葉だと私は思うのですが、自分たちの行政の中で、大臣やあるいは総理大臣がイニシアチブをとったことはほとんどない、こういう発言をしたことを聞いたことがございます。もうすべての主導権は各課の課長が握っている、大臣はただ上がってきたものをそのままやっておるだけだ、こういうような印象を私はその発言から受けたわけでございまして、これは事実ならば極めてゆゆしきことではないかというふうに思います。大変意地悪質問のようにとられたかもしれませんが、私は、各省の大臣がイニシアチブをとって国政をやっておいでになる、これを現実にきちっと事実をもって示していただきたい、こういう願いから質問をさせていただきました。 自治大臣には特に具体的にお伺いをいたしませんが、いずれにしましても、地方分権とかあるいは規制緩和ということは、総論ではどの政治家も賛成をされるわけでございますが、いざその最高権力者である各省の大臣になられたときに、その思いをその権限行使の中で実効あるものとして行われるのかどうか、また行われていくならば、いろいろな壁があったとしても、先ほど五十嵐委員から御指摘があったような機関委任事務が増大をしていくなどというようなことは本来考えられるべきことではないのではないか、こんなように思います。自治大臣の方からは、許認可権についてはスクラップ・アンド・ビルドをやったらどうかという大変すばらしい御提案がありました。私もきょうそれを提案するつもりでおったわけでございますが、まさに我々委員の側も責任がありまして、大体法案を通しますと許認可権を新しく設けるような法案ばかりでございまして、もう一度我々も反省をすると同時に、やはり法案を提出する側の各省大臣、このお立場でスクラップ・アンド・ビルドの原則を許認可権限について行う御意思があるのかどうか。 もう一つは、各省内に地方分権とかあるいは規制緩和を積極的に行う部局を設けるべきではないかと思うのです。行革審の答申をもらってどうのこうのではなくて各省が率先をして行っていく、それに対して、その部局に対してまた大臣が強い指示を出される、こういうことによって、少しずつであったとしても着実に地方分権と規制緩和が行われる、このように私は思うわけでございますが、今の私の御提案につきまして、三大臣、御返事をいただければ、御答弁をいただければ大変ありがたく思います。
○塩川国務大臣 おっしゃるように、法案の整理でございますが、私は、ちょうど昨年の十二月中ごろであったと思いますが、閣議で、実は今法律が、現行生きておる、いわゆる生きておる法律というのは幾つあるかということを問題にしたことがあります。千六百あるのだそうです。ちょうど私が運輸大臣をやりました、昭和五十五年でございますが、そのときには九百ぐらいだったのです。それを私は覚えておるのです。それが千六百という、それだけふえてしまっておるということは、法律を整理したらどうだということを言った。それが今内閣の方で、恐らく内政審議室でやってくれているんだか、あるいは法制局がやってくれているのだろうと思うのですけれども、この前も閣議でそのことを発言いたしましたら、各省それぞれ勉強して努力してくれということを官房長官が言っておりましたので、各省にもおりておるのかなと思ったりもいたしておりますが、つまり、法律が余り多過ぎるということ、それは国会がどんどんおつくりになったということなんです。ここの反省を国会がきちっとしていただかないと行政改革は進まないということなんでございまして、ですから、要らなくなった法律はスクラップにし、そして必要な法律を出していく、成立させていく、これは必要なのではないか。私ら自身もそれを心得なければいかぬ、こういうことを思っております。 それから、我々大臣が何かでくの坊のように、全部役所の課長がやっておるようにお話がございます。私は、行政はそうだと思います。行政は、本当にイニシアチブは課長のところに移っていると思います。局長も、上がってきたものを後から、ふんふんそうか、これしかしようがないか、そんなことだと思うのです。しかし、政治はやはり大臣が責任を持っておると思うのです。ここははっきりしていただかなければいかぬ。 でございますから、私も大臣就任と同時に地方の分権ということを進めよう、そのための前提がやはり必要だ、それには、まず第一に目をつけなければいけないのは法律の整理、そしてそれにまつわってくるところの機関委任事務の整理から入らなければだめだということを言いました。それが一つ。その次の問題として、現行の制度が残っておるけれども、実情に合わないものがたくさんあるのです。これを整理しようということ。三番目は、縦割り行政に風穴をあける、そして実情に合った行政ができるようにしよう。こういう三つの柱を立てたのです。 その一つ、つまり現在の制度の中で実情に合わないものについて、これは行革審が積極的に取り上げてくれて、今第一次、第二次の答申が出てまいりました。 そして、第三番目の問題として各省の縦割り行政の中に風穴をあけるということにつきましては、地方単独事業を拡大するということなのであります。この地方単独事業を既定の補助対象事業と組み合わすことによって、いわば新しい形の公共事業が生まれてくる。これはいわば縦割り行政から来るところの既定以外の行政がそこで行われる。これも一応積極的に切り開いていったものでございまして、それだけの、政治の問題はやはり我々のところで進めていっておる。 しかし、行政事務は課長のところでやる方がかえって安定なんだ、安全なんだ、行政まで政治に振り回されてしまったのではいかぬ、私はそう思っておりますので、ぜひ平田さんもひとつ認識をきちっとしていただきたいと思います。
○平田(米)委員 大変力強い御答弁をいただいたわけでございますが、内部に改革をする部局をつくるということについてはいかがでございましょうか。今自治大臣は大変前向きのお考えを披瀝していただいたわけでございますが、各省横並びではなくて、各省が競争をして地方分権と規制緩和に努力をしていく、こういう意味で、どこの省がどうのこうのではなくて、まず自治省から率先をされて規制緩和等について努力をされる部局あるいは担当官をおつくりになるようなお考えはございませんか。
○塩川国務大臣 やはり、それをやろうと思うたらまず国会の族議員をやめてもらわぬと、これは話になりませんね。だからそれを皆意識して、族議員が国民の立場に立った政治ということで、それは野党にだって随分ありますから、これは与野党の話、国会の話なんですよ。それによって国会から強く内閣に対して要請が出る、内閣はそれを受けて閣議決定する、そういう段取りを経ていかないと、各省それぞれといったって、やはり自分のところの営業品目を減らされることでございますから、それはなかなか自主的な努力だけでは難しいと思っております。
○平田(米)委員 一番前向きの自治大臣が最後はそういうしりすぼみの御答弁でございまして、あと運輸大臣、建設大臣も同様にお伺いをしたいのですが、時間が余り残っておりません。申しわけございませんが、スクラップ・アンド・ビルド、また省内に地方分権と規制緩和について特に積極的に考える部局を置くお考えがあるかないか、あるかないかについて簡単にお答えをいただきたいと思います。
○奥田国務大臣 運輸政策局で不断にこの見直し、規制緩和に関しての見直し等々のチームはつくっております。 委員御指摘のように、スクラップ・アンド・ビルドのふやさない原則、これは当然尊重してまいる基本姿勢でございます。ただ、運輸省の場合に、はっきり申しまして機関委任の、これがまた批判の対象にもなっているわけですけれども、機関委任事務は比較的少ない、これはどうしても、現地に陸運局とか港湾局とかそれぞれの実務担当の人間を派遣している関係もございまして、地方に対する機関委任事務は他省庁と比べると比較的少ない実情でございます。
○山崎国務大臣 スクラップ・アンド・ビルドの考え方には基本的に賛成でございます。それから、我が省におきましては、文書課に事務合理化対策官というのがおりまして、これがそのような規制緩和等を担当いたしておるわけでございますが、さらに業務を充実させるように努めたいと思います。
○平田(米)委員 先ほど族議員を何とかしないと自主的には難しいという御答弁を自治大臣からいただいたわけでございますが、私は、何とか自治省の自主的なことだけで解決できる問題ではないかと思う点が一つございます。前々から指摘をされておるわけでございますが、国家公務員が地方に出向をされておいでになる。自治省からお伺いいたしますと、自治省からは副知事に十九名、そして県の総務部長、部長としては一番偉い人でありますが、それに二十五名、そして県の財政課長、これまた大変権限のある課長でございますが、これに二十八名出ております。大蔵省からは、副知事に三名、県の総務部長に三名、県の財政課長に一名であるというふうに伺っておりまして、それぞれ合計いたしますと、副知事は二十二名、総務部長は二十八名、財政課長は二十九名ということになります。比率を計算いたしますと、副知事は各県一人という考え方でやりますと何割、何%いるかといいますと四七%、もう五〇%近いわけであります。そして、総務部長は六〇%、また財政課長は六一%、こういう高い比率を占めております。 確かにいろいろな事由があって出ておいでになるかとは思うのですが、それにしては地方自治体の大変重要な権限を持つ課長がほとんど国家公務員がやっている、しかも、それは前任者がやめるとまた次に任命されるというケースがほとんどである、こういう実態があるわけでございます。この事実についてはもう既に御認識かと思いますが、これは私は、まさに自治省がお考えを変えられれば速やかに解消する問題ではないか、地方自治体の自主性というものをこれから充実をさせていくということならば、これは早急におとりやめになって、人事交流というのはもう少し別の観点でお考えになってはいかがか、このように思うのですが、いかがでございましょうか。
○塩川国務大臣 現在、上級管理職でございますが、そういうところは、その比率は逐年下がっておるように思うのです。実は、それだけ地方自治体におきましても、行政業務がふえましたのに伴いまして管理職の数もふえておりますので、人数においては横ばいの状態ですけれども、その比率は下がってきておるように思うのです。それが一つ。 もう一つは、地方の方の職員を中央の方に随分入れていくという、いわゆる相互交流ですね、それが相当進んできております。おっしゃるように、むしろ自治省から派遣しております管理職が、それがいわゆる支配力を発揮するというようなことがあってはいかぬと思いますけれども、しかし現在のところでは、むしろ中央省庁とそれぞれの自治体、特に府県が多いんでございますが、府県の間のいわば潤滑油的なことになっておるという効用は、これは私相当大きいと思っております。 それと、私は各省庁もそれぞれふやしていただくように要請しておるのです。そのことは、各省の事務につきましても非常にスムーズに進行していくのに必要だろうと思いますので、地方と国との人事交流を活発にするということは私は将来ともに有益なことだと思って、そういう点から見ております。支配にならないようには十分気をつけてやっていきたいと思っております。
○平田(米)委員 抽象的にはわかるのですけれども、具体的には副知事、総務部長あるいは財政課長という立場、自治体の中では大変主要な幹部なわけでありますが、そこに継続的に自治省あるいは大蔵省から出向する、これは支配にならないようにという心構えだけで済む問題ではないんじゃないかと私は思うのです。人事交流だとするならばいろいろな部局を担当すればいいのであって、同じところにずっと継続をしてやっていくなどというのは、これは自治省だけの問題じゃありません。ほかの省庁でも同様にございます。ちなみに建設省関係では、県の土本部長に十二名出ております。これも詳しい資料をまだいただいておりませんので、平成三年から任命された人だけで十二名おいでになるわけでございまして、しかも市の助役には十八名出ている。こういうことを考えますと、確かに金とかあるいは権限というものをまず地方分権としてやらなくてはいけないというふうに言われておりますが、これはおっしゃるとおり制度ということがあってなかなかできません。しかし、事実上ポストを国がとってしまっている。これは各省側がやめたと言えばあしたから終わりになるわけでございまして、ポストはとらない、こういう方針さえとられれば、すぐ解決する問題でございます。 私は、支配に及ばない、人事交流が必要だ、こういう前提をとったとしても、現行のあり方というのは大いに改善をしなければいけない、こういうふうに思うのですが、いかがでございましょうか。
○塩川国務大臣 平田さんの御提案も私は非常に大事な提案だと思っております。よく検討を今後ともしていきたいと思っております。
○平田(米)委員 今後とも検討という一応前向きの御答弁をいただいたわけでございますが、やはりこういう点から、できるところから積極的にやるという姿勢を僕は示していただきたい。先ほどの冒頭の就任以後一年間どのような具体的指示をされたでしょうかという質問とも関連するわけでございまして、大臣の御判断で、先ほど政治的判断ができる、やっているんだということならば、まさに今、地方分権、規制緩和ということは国の重要な施策でございまして、そこで大臣としてのイニシアチブをしっかりとっていただきたい、こんなふうに思います。 建設省からは平成三年二月以降の資料しかいただいておりません。先ほども申し上げましたように、それでも市の助役に十八名、県の土本部長に十二名、建築部長に一名、住宅課長に十一名、河川課長に十名、道路建設課長に六名、下水道課長に二名、合わせて六十名の人が出ておるわけでございます。これはもう少しさかのぼれば人数はふえると思うのです。これは、実態を教えてくださいと各省に言いましても、実態はなかなか出てこないわけでございまして、まさにこれだけ出していただいたということは、ある程度状況が把握できるわけでございますが、郵政省もあるいは農水省も労働省も通産省も厚生省も、いっぱいございます。そして、何々県の何々の部長、あるいは政令都市の何々市の何々局長というのはもうずっとそこの官庁が占めておるわけでございます。もう指定席なわけです。自治体の人たちに聞きますと、自分たちの役人の中では最高ポストである県の総務部長、これが国の役人にとられてしまっている、これでは本当にやる気というのは出てきません、こういう意見があるわけでございます。 建設省の土本部長であったとしても、土木関係をずっとやってこられた方からすれば、将来は県の土本部長になりたいと思っていたのが、ぼうんと国から来てしまう。しかも、長年地方公務員として努力をしてきた人は相当年齢を経なければ高い地位に上れませんが、しかし国からの出向は非常に若い人が来る。十歳も十五歳も年下の人が来る。しかも、その人のことを聞かなければいけない。これで自治体の活性化、自治体の充実ということは私はできないのではないかというふうに思うのですが、建設大臣、いかがでございましょう。もう時間がございませんので、あと建設大臣の御意見だけ伺って質問を終わらせていただきたいと思います。
○山崎国務大臣 あらゆる自治体あるいは組織におきまして、人事がその活力に与えます影響は非常に大きいということは先生のおっしゃるとおりだと存じます。 ただ、建設省の場合は、地方に出ている方の多くは技官でございます。そして、建設省の構成自体を見ておりましても、技官のウエートが非常に高くて、いわばテクノクラートの集団であるといつも感ずるのでございます。非常に高い技術水準を持った方々が集まっておりまして、その水準の高い技術力を地方自治体で必要としているという面もあることでございます。地方自治体からの御要請は、単に先生が御懸念なさっておられますような中央と地方とのいわばつながりと申しますか、そういう面だけではございませんで、人材を求めているというところもあるわけでございます。 また、建設省といたしましても、全国土の開発を行っていくわけでございますから、地方の経験を持つということは大変重要なことでございまして、できるだけ地方で地方の開発の必要性等につきまして十分実践を積んでくるということを期待いたしておるわけでございます。そういうこと等両々相まってたくさん地方に出ているということでございます。 ただ、そのことが地方自治体の活力を阻害しないように、これからも十分注意してまいりたいと存じます。
○平田(米)委員 いろいろお話はございましたけれども、もう少し実態をよく御理解をいただきたいと思うのです。地方との交流ということも必要でございます。それは私は否定いたしません。また、地方公務員が国の仕事を、出向で出てくる、出てきてやるということも必要だろうと思います。しかし、私も拠点都市整備法とか、特に都市計画法のときに大臣に申し上げたと思いますが、地方自治体に人材を養成することが都市計画法も自主的な都市計画ができる、こういうふうに申し上げたと思います。大臣も御賛同をされたかと思うわけでございまして、国に優秀な人材がいるからそれを派遣する、地方がそれを呼ぶから行きます、これではその都市計画法の審議のときの大臣答弁といささか食い違いがあるのではないのかな、私はこんなふうに思えてなりません。 ぜひとも、国も優秀な人材がある、しかし自治体はそれを上回るような人材もいるよ、こういう地方自治をつくってこそ本当の地方自治が生まれるのではないかというふうに思う次第でございまして、意見を申し上げて質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○村田委員長 金子満広君。
○金子(満)委員 法案が提出されましたので、改めて提案者から若干のことについて、基本と思われる問題点をお聞きしたいと思います。 法案の中で言われていることでありますが、国会、行政、司法の三権の中枢すべてが移転するということになれば、事実上は首都移転と同じだと私は思います。だとすれば、これは国民主権の基本にかかわる重大な問題だ、こういうように思います。そうであればこそ、やはり国民的な規模で広く議論をしていくことは当然のことだと私は思うのですね。 そこで、提案者、特にこれは政権党の自民党の西田議員に伺いたいと思いますが、これは念のために伺っておくことです。この法案は、国の責務としては、移転の可否、つまり移転するかどうかを検討するのじゃなくて、移転を前提にしてその具体化を検討することが法的に義務づけられているというように私は思いますが、その点はいかがですか。
○西田議員 お答えをいたします。 今私の答弁を先にお答えいただいたとおりでございまして、この法律というものは、国の責務を明確に位置づけておる、このように理解をいたしております。
○金子(満)委員 私は、大変重大な問題だと思うのです。これは一方的な押しつけになると思うのですね。今国民の中で、移転を具体化するということについて大方の合意はありません。確かに、政府の調査の結果では六割近い人たちが賛成をしています。というのは、逆に言えば四割以上の人が賛成をしていないということなんです。今、国民的な規模でいえば、ようやく国会の移転の可否について議論が始まったところだと思うのですね。これをしっかり踏まえないと、もう移転促進だけですというこの義務づけになると、私は大変な結果を生むと思うのですね。 もう御承知のことと思いますが、東京都議会は次のような決議をやっています。「首都機能の移転問題に関する決議」というので、「首都機能の移転に向けた立法化の動きが伝えられているところであるが、これについては、必ずしも都民や国民レベルでの論議が尽くされたとはいえない状況にある。」このようにして、「よって、東京都議会は、こうした論議が尽くされない段階での首都機能移転に関する法律案の提出については反対するものである。」こういう決議がされています。同時に、国会が所在するこの千代田区あるいは中央、文京、台東、新宿、葛飾区などでも同様の決議がされています。つまり前提は、まだ合意がないということが前提になっているわけですね。 さらに、ついせんだっての二十四日、東京都の調査の結果が発表され、新聞でもごらんになったと思います。それによりますと、七三%の人たちが移転は慎重に検討すべきだという答えを出しています。そして、早くやるべきだというのはわずか二六%。この調査の対象になったのは、一つは区市町村の長です。それからもう一つは、大学教授あるいは研究者、そして企業代表ということが、新聞にも出ているとおりです。 そういう中で、この法案の第三条では「広く国民の意見を聴き、その合意形成を図る」ということが明確に記載されています。現状では国民的な合意は不十分だ、十分ではない、そのことがいろいろの調査や世論調査の結果にも反映していると思うのです。こうした中で法案を強行していくということ、成立をさせていくということは、この合意形成を図るという法案の精神にも反するものだと私は思うのですが、その点どうでしょう。
○西田議員 調査会を設置して具体的な問題をいろいろと御協議をしていただくことになっておりますが、特に協力依頼、第十八条であったと思うのでございますけれども、この中には二つの項目を設けまして、一つは、いろいろ資料の提出あるいは意見の開陳、こういうものをお聞きするようにしておりますし、それから二番目には、公聴会を開きまして、中には反対の御意見もありましょう、それから賛成の意見もあります、そういうことを広く、これからこの法律をきっかけとして国民合意を得るべく進めていこうということでございますから、先生の御指摘とは何ら矛盾をしない、このように考えております。
○金子(満)委員 調査会ができる場合に、法律そのものが移転を促進するという立場からやりますから、反対の人はまず入らないのだと思いますよ。そうすると、今の説明でありますと、意見は聞くが決めるのはおれだということなんです。だから、それでは本当の民主的な運営にはならぬと私は思うのですね。そういう点をまず指摘をしながら、今度は具体的な問題、国土庁の長官にお伺いしたいと思うのです。 八十島委員会は国土庁の所管にあるわけですから、そういう中で伺いたいのは、この懇談会の名称は首都機能なんですね。ですから、国会等と私は同義語だと思いますが、そういう中で、この問題を所管している国土庁ですから、行政の機能の中枢を移転するということになりますと、ほかの省庁のことはこれからということになるかもしれませんが、国土庁自身とすればいろいろの部局があると思うのですよ。どこの辺が中枢でどこが末端とか、非中枢だとかいうようになるのかどうなのか、これはもう国土庁としては絵があると思うのです。そうでないと、中枢の職員はおまえさんです、あなたは非中枢で末端です、こうしたら、意識の上でもあるいは差別と感ずる人もあるだろうし、そういう点がいろいろあるので、今どのように考えているか。あるいは主管省庁ですから、他のところよりも私のところは中枢といえばこういう点です、そんなに大きな国土庁の組織じゃありませんから、もう区分けぐらいはできているんだと思うので、念のため伺っておきたいと思います。
○内藤(勲)政府委員 私の方からお答えさせていただきたいと思いますが、中枢機能ということで、先ほどもございましたが、全国を統括するような本省機能等を想定しております。したがって、国土庁の場合はというお話でございますが、国土庁の場合は出先機関が非常に少ない役所でございまして、大阪に事務所があったり小笠原に事務所がありますが、それ以外はほとんど東京の霞が関にございます。したがいまして、東京の霞が関にある機能はすべて含まれる、そういうことでございます。
○金子(満)委員 全体から見てこういうことが言えると思うのですね、中枢機能は移転する。これはきのう、きょうではないのです。いろいろの諮問機関もこのことは言っているのですね。そして、大臣自身もこのことは言っているのです。言葉はあるのだが内容がどこまでというのはほとんどないのですよ。だから、私はそういう点からいえば、確かに国民的な合意はないですよ。ところが、行政官庁の中でも、ここから上とか、ここからこちらが中枢で他は中枢でないというようなそういうことはまだないのですね。だから、言葉があって中身がない。そして、その言葉だけで法律や言葉だけで今後のいろいろの議論が進む。そして、逃げ込むと言えば言葉が悪いかもしれないけれども、いざとなったら調査会です、こういうようになるのでは、法案を提出したのだからその点は明確にしておく必要がある、私はこのことだけは指摘しておきたいと思うのですね。 それから同時に、こういうこととの関連にもなりますが、国会移転の大きな理由、最大の理由と言ってもいいと思いますね、一極集中の是正、それから特に地方分権という問題については多くのことが語られてきたし、また条文の中にも一定の表現があります。ここで地方分権という点で若干伺いたいと思うのですが、例えば、一極集中の是正、地方分権、首都機能、こういう三つの中で、緊急課題として国会等の移転はすぐできるというものじゃないと思うのです。来年とか再来年できるという問題ではない。しかも、これはやはり国家としても大事業であることは繰り返し指摘されているところなんですね。それにもかかわらず、ここで地方分権ということと国会等の移転ということを無理に関連づけるというか、ということになると、どんなことになるだろうか。そうすると、地方分権というのは先送りしてしまうようなことにもなったときに、今度は国会移転も同じくなってしまう。だから、そういう点でいえば、地方分権ということは、国会移転のあるなしにかかわらず、憲法の原則なんだから進めていかなければならない責任と義務が政府にも国会にもあるわけですね。そういう点で、国会移転のいかんにかかわらず、地方分権はすぐやるべきだという考え方、この点はどうです。
○西田議員 地方分権の問題は、先ほどの御議論を聞いておりましても、また国民意識の中でも非常に重要な問題だと考えております。ですから、今回つくりました、提出をいたしました法律案の中にも、地方分権という問題はかなり重要な位置づけをしておると考えております。 ただ、委員も御承知のとおりでございまして、このことは地方制度調査会であるとか行革審であるとか、別の組織におきまして専門的にこれは検討を進められておるところでございます。ですから、私どもといたしましては、やはり国会等を移転することと他の地方制度調査会等との成果というものとの整合性をよくとっていかなければいけない問題だ、このように考えております。むしろ、私は、国会移転ということが、地方分権あるいは権限委譲というような問題も並行して進めていくような一つの力になっていきたい、そういう考え方を持って法案を提出いたしております。
○金子(満)委員 法制局の方は見えていますか。法制局に伺いたいのですが、確かに今西田議員が言われるように、地方分権という問題について、これは第四条にありますね。第四条の討議の過程で、最初は地方への権限委譲はというところの中で、その「推進状況を踏まえる」ということで、「踏まえる」という表現があったと思うのです。それが、この法案、最終的に提案されたのでは「的確に関連付ける」、こういうようになっているわけですね。だから、「踏まえる」ということと「的確に関連付ける」という、このことの表現、これは表現上では若干の強弱は私はあると思うのです。これは間違いなくあります。それでは、法的な意味で違うのか違わないのかというのです。この点はどうでしょう。
○横田法制局参事 お答えいたします。 第四条におきます表現の問題ですが、「状況を踏まえる」あるいは「的確に関連付ける」という表現の違いということでございますけれども、いずれにいたしましても、それぞれの成果の整合性を図るというような意味でございまして、若干の表現上のニュアンスの強弱という観点はございましょうが、法的な意味づけは異なるものではございません。
○金子(満)委員 やはりそうだと思うのですね。 そこで、この法律によってつくられる調査会というのがあります。調査会はもちろん決議機関じゃありませんから、一定の報告を提出することになるわけですね。ですから、そのときに地方分権と今言われた「的確に関連付ける」ということになっているのですが、関連しないものが私は出ると思うのです。そういうときに、移転問題の具体的な内容を持った報告書をつくったときに、関連づけがなかったときには、これは移転法に反すると言えるかどうか。つまり、地方分権ということと移転というものとを関連づけないで、移転というものの内容をこういう方向です、ここまで議論しましたという報告書ができたとき、これは的確に関連づけるというのがないじゃないかというようなことになれば、やはりこの法案に、移転法に反するものだ。じゃ、無効ということが宣言できるのかできないかという、この問題なんです。これも法制局。
○横田法制局参事 この行財政改革との関連では、第四条と十三条の二項と、この法律には二つ条項がございまして、調査会の方は直接的には十三条の二項、すなわち「行財政の改革の推進との関連に留意しなければならない。」となっているわけでございまして、当然留意をしながら調査審議を行うと思っております。したがって、この過程で法律的な問題が生じるかどうかということは実はちょっと考えづらいという感じがいたしますが、それを受けまして、第四条では国の責務として「的確に関連付ける」となっておりますので、それを受けまして、また国は全体を包括する立場でもございますので、それを受けて的確に関連をつけるものであろう。 ただ、いずれにいたしましても、この規定そのものは検討指針という性格でございまして、いわば法的な無効ですとか瑕疵ある行政行為だとか、そういう論議にはちょっとなじまないのではないかと思っております。
○金子(満)委員 やはりそうだと思うのですね。だから、そういう意味で関連づけるといっても、いざ法律を具体的に詰めていくと、関連づかないんですね。一体のものにはならないと思うのです。こういう点は、考え方はこうだとか、こういう精神だとかというのは、言えば何ぼでも出るのです。しかし、じゃ法律的にどうか、関連づけられていないじゃないか、じゃ、これは無効ですということになるかと、私が言っているのはそれなんです。だから、そういう点では非常に、あいまいさというよりも、「的確に関連付ける」という表現が、何かうんと強い意味で関連づけなければ報告書も出せないんだ、こういうようにはなっていないと思うのです。これが私はこの法案のわかったようで不明確な、的確性を欠いている内容の一つだと思うのですね。 そこで、今度はその上に立ってもう一つ聞くのですが、これは国土庁の諮問機関である八十島委員会の方ですけれども、土地と建物だけで約十四兆を必要とすると言われているわけですね。この建物と土地以外に、もちろん交通や通信機能、そういうものを整備しなければ、首都の機能を継続して発展させることはできないわけですが、全体を含めるとどのくらいの予算を想定しているのですか。土地、建物で十四兆、このほか交通とか通信機構とか、こういうもの全体ありますよ。すると相当、何十兆という膨大なものになるだろうと私は思うのですよ、計算しないからわからぬけれども。だから、そういう点は提案者の方どなたか、幾らか考えているのですか。
○西田議員 八十島委員会から、面積は九千ヘクタール、それから現時点において積算をすると十四兆円、この数字が出ております。それから、新しい都市にいろいろなサービス等も入れて約六十万、こういうことが言われておるわけでございます。 そこで、御質問のインフラを入れ、それからもう一つ、お話にはなかったのですが、東京都の問題というのが当然、これは新しい国際都市としての東京というものを、経済、文化、言われておるような都市につくり上げ、そして都民の皆さん方が、快適な生活、こういうものを送っていただくためにも、相当なお金が要ると私は思うのでございます。それを今何十兆円かかるかということは、これは無理な御質問でございまして、これから調査会等で十分にひとつ検討を、御論議をいただかなければいけない問題だ、このように考えております。
○金子(満)委員 私の言うのが無理か、法案それ自体が無理か知りませんけれども、とにかく無理な法案にだんだんなっていくのです、内容を一つ一つやっていくと。そういう点で、私は必要な金は出すべきだと思うのです、それは。しかし、国民から見て、ああ、これはむだだな、ここに使うべきでないと言われるような金は出してはいかぬということは、もうこれは鉄則ですからね。 そこで、もう一つ今度は具体的問題でお聞きしておきたいと思うのです。いずれにしても、莫大な経費がかかるというのがこの国会等の移転なんです。そういう中で、まず国会等というのはこの建物ですよ。この建物を移転——これはこのままおいて新しくっくるわけですから、そうしますと、せめてこの国会を移転するというのだったら、あと何年ぐらいこれはもつものか、耐用年数というのはどうなのか、これを調べてあるのかないのか。この国会議事堂、できてまだ六十年になりませんよ、昭和十一年ですから。そして、あのときの資料、それから今度議会百年の議会が出したあの大きな本の中でも、日本の建築技術、工芸美術の粋をきわめてつくったのがこれだということが言ってあるわけです。まだ雨漏りがしているとかどこかの大理石が崩れたとかいうのは聞かないわけですね。そうしますと、この耐用年限というのは一体どのくらいのものか、ある程度検討されていると思うのですが、どんなことなんですか。
○西田議員 この建物とおっしゃいましたけれども、議事堂、こういう概念でお答えをいたしたいと思います。 国有財産の台帳の面からこの評価をしておりますが、これは実は御承知のように昭和十一年十一月に建てられたものでございます。そういうことになってまいりますと、大体コンクリートの建物は六十年と言われておりますから、大体平成七年くらいが耐用年数の限度だ、このように聞いておるわけでございます。ただし、国会議事堂はまだ今後も使えるだけの余力を残しておることは事実でございます。
○金子(満)委員 だんだん時間がなくなってまいりましたが、余力を残しているというのは私は本当だと思うのです。それは真実の声、どこへ行ってもそれはそうだ、否定する人はいないと思うのですね。私も西ヨーロッパ、北ヨーロッパの国会へ何カ国か訪ねてみました。日本の国会の方が丈夫だというのは、そして美術的にも工芸的にもすごいというのは私は言えると思うのです。 そういう点は一つ確認しておいて、今度はもう一つ、総理官邸の問題は先ほど社会党の議員からも質問がありました。これはもう用地とか道路とかいう立地条件がどんどん整備されていくのですけれども、どのくらいの予算で、どんな内容で、いつごろこれは完成するのですか。その点をだれかわかっていたらひとつ報告してくれませんか。−ではいいです、まだ追加がありますから。時間がないからいいですよ。すぐに出ないようですから。 そうすると、外務省なんです、今度は。 外務省は、今建っている建物の隣に情報センターの立派なものを建築する下地、地盤が今できたというか、ここへ来ているわけです。これも二、三年かかるのではないかということを風聞するのです。これも、外務省は移転するわけでしょう。移転するのに、とにかく全世界の動きが一日ではっとわかるような立派な情報センターを今からつくるわけです。これもどのくらいで、どんな予算で、いつごろ完成するのか、これはどなたかわかっていれば。
○林(貞)政府委員 先生御指摘の情報センターというのは、私どもが考えております新庁舎ということだろうと思います。 この新庁舎は、現在のところ平成六年度末に完成することを予定しておりまして、平成五年度概算要求前の建設総額は七十四億円ということになっております。
○金子(満)委員 その点はわかりました。 ついでに外務省、東京にある外国の大使館は幾つありますか。
○林(貞)政府委員 お答えいたします。 大使館が百十三、EC委員会代表部一、国際機関十五、計百二十九と承知しております。
○金子(満)委員 相当膨大な数だと思うのですね。私は、国会等が移転した場合、政府も裁判所も、特に立法府と行政府の中心部が移転した場合に、大使館も移転せざるを得なくなると思うのですよ、これは。そういうときに、日本では国会等が移転しました、外国の大使館も移転してくれ、これは移転強要なんだよ。私は、相談をしろとか許可を得ろ、そんなことを言っているのじゃないのです。移転を強要することになる、そして外国にむだな出費をさせることになるという解釈もある意味からは成り立つのです。そして、単純な額じゃないと思うのです。そういう点で、大使館の中には最近建てかえたばかりのところもあるのは御存じのとおりだと思うのですね。 そういう中で、この法案の前文には「全世界との連携を強化する」と書いてある。連携を強化するのだが、どこの大使館にも情報提供したのか、法案をつくるについて、日本ではこういう動きがあるのですがとかいうのを、外務省なりあるいは提案者の方で何か知らせたようなことはあるのですか。この点も伺っておきたいと思うのです。
○林(貞)政府委員 在京各大使館は関心を持って国会の論議をフォローしておると思いますが、外務省といたしまして、現在までに各大使館にこれを通報したということはございません。
○金子(満)委員 私はそういうところを見て、事ほどさように、初めに移転ありきになってしまうのです。そして答弁するときは、いろいろな諮問機関、いろいろなところで協議し、検討し、いろいろ出されています、出されていますと言うけれども、一番肝心なところで、国会の耐用年限がどうで、どう使えるかとか、あるいは総理官邸がどうかとか、これは答弁がないわけです。外務省のことはありました。大使館のことについては今言われた状態です。だから注目しているだろう、注目していますかと聞いたこともないと思うのです。であろうという想定なんですね。ですから、そういうことを考えたときに、私は、外国に迷惑をかけることは事実だと思うのです。いい悪いにかかわらず、迷惑をかけることは事実ですよ。そういう中で、確かに初めに移転ありきで、そして移転を決めておけば、あとはいろいろ理屈もあるし、いろいろなことはできてくるだろう、わからなくなったら調査会ですというようなことになったら重大問題だ。 私はそういうことから考えてみて、いずれにしても、この法案がここで提案された、これが可決されるということになって初めて、この法案について国民的な議論が沸騰するだろうと思うのです。これは特に、私は東京出身だから言うわけじゃないけれども、東京のセクトということではなくて、東京では大議論になると私は思うのです。ということは、全国的にも大議論になる、これはわかるわけですね。そして、こういう建物、土地で十四兆で、通信や交通を入れたら十四兆に上積みして何十兆になる。これはだれがやるのですか、利権がつきまとわないですか、誘致運動はどうなんです、政治家に対してどういう動きがありますか、大企業がいろいろ触角を伸ばすのじゃないですか。もし、これはもしですよ、まかり間違ったら、佐川急便の比ではないということすら世間で言われるぐらいですよ。だから、そんなこと絶対にありませんと言ったって保証の限りではないのだから、それは起こらないようにするというのはわかりますけれども。 私はそういう点を考えたときに、本当に国民的な大議論が必要だ。せっかちに早く、こういうようなことを今考えるべきでない。そういう意味からも、私はこの法案を出すということについては今までも反対という立場をとってきましたけれども、もっと議論を国民的規模でやることが先だということですが、この点、ひとつ山口さん、せっかくですから、一言伺って終わりにしたいと思います。
○山口(鶴)議員 ただいま金子さんからるるさまざまなお話がございました。 私ども、この特別委員会は、理事懇談会を何回も重ねまして、これは共産党を除くなどということではなくて、共産党の金子さんにも常時御出席をいただいて、そしてさまざま議論を積み上げてこの法律案をつくった次第でございます。ですから、きょうお話がありましたような御疑問がありましたら、理事懇談会の中で大いにお出しになったらよかったのではないだろうか。私どもは十分聞く耳を持っているからこそ、金子さんを含めて理事懇談会でこの法案の作成に今日まで鋭意努力した次第でございます。 したがって、ございましたような御意見につきましては、当然これは調査会において公聴会、参考人の招致、さまざまな形を通じて今後議論を重ねると思いますし、特に私が強調したのは、国民合意を得るために公開で、地方制度調査会と同じような公開のシステムでこれを議論すべきだということを申し上げ、また調査会の運営規定でそのような方向でいきますように私ども提案者としては超党派で努力もしたいということを申し上げたわけでございまして、そういう中で、私は、今金子さんからお話のございましたような点は十分消化していけるものというふうに確信をいたしている次第でございます。
○金子(満)委員 じゃ、一言だけ。 私も理事懇ではいろいろな話を申し上げました。また、参考人からいろいろ御説明を聞いて質疑の中でも今申し上げたようなことも言いました。しかし、理事懇は理事懇ですから、ここで公式にこういうことだというので私の意見は申し上げました。だから、今山口議員から、提案者から言われるように、この特別委員会というのは先ほども言われるように存置するわけですから、私は、そこでは大いに議論をしていくし、そして国民的な大議論をこれから大いにやっていきたい、このように思います。 終わります。
○村田委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 次回は、明二十七日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時二十一分散会 ————◇—————