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125回国会衆議院1992/12/01

公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第3号

発言数
181
登壇者
20
会派数
5
開催日
1992/12/01

会議録

松永光自由民主党

○松永委員長 これより会議を開きます。  綿貫民輔君外九名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本日は、本案審査のため、参考人として、鹿児島県奄美群島市町村長会会長野村良二君及び鹿児島県信用保証協会会長今吉弘君に御出席をいただいております。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  参考人におかれましては、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。本案について、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。  次に、議事の順序でありますが、野村参考人、今吉参考人の順序でお一人十五分程度に取りまとめて御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対しお答えをいただきたいと存じます。  それでは、野村参考人にお願いいたします。

野村良二鹿児島県奄美群島市町村長会会長(鹿児島県大島郡喜界町長)

○野村参考人 ただいま御紹介賜りました鹿児島県大島郡町村会の会長をいたしております野村良二と申します。  地元十四市町村を代表いたしまして、本委員会に出席をさせていただき、直接委員の先生方に本件について意見陳述を申し上げる機会を賜りましたことに、心から感謝を申し上げる次第でございます。  さて、平素より奄美群島の復興、発展につきましては絶大なる御尽力を賜り、その成果を着実にいたしているところでございます。この席をおかりいたしまして厚くお礼を申し上げる次第でございます。  御案内のとおり、奄美群島区は昭和二十八年、アメリカ軍政府より祖国復帰以来、全国唯一の衆議院議員定数一人一区の特別区として国政への参画がなされて四十年を迎えようといたしております。今日、議員一人当たりの有権者数が全国百三十選挙区の中でも最も少ない地区の一つとして、今般、定数改正地区として鹿児島県本土の選挙区との合区が避けられない情勢にあると伺っており、奄美群島島民がこの問題に多大の関心と心配をいたしているところでございます。  そこで、私ども地元といたしましては、鹿児島県本土の選挙区との合区が避けられないことの情勢を踏まえて、合区先を鹿児島一区とすることを全部一致で決議いたし、これまでも関係方面に郡民の意向を陳情申し上げてまいったところでございます。  郡民が、鹿児島県本土の選挙区との合区が避けられない情勢であることをよく理解し、鹿児島一区との合区を選択いたしましたことのよって来るところは次の点にございます。  一つ、奄美群島区すべての海路及び空路が鹿児島市すなわち鹿児島一区と直接結ばれており、社会的、経済的一体性は他の二区あるいは三区にはなく、一区とのみ深く結ばれております。その結果、鹿児島市を中心とする一区地域に奄美出身者も集中居住いたしております。すなわち、生活圏としての一体性が鹿児島市地区の一区にございます。  二つ目が、戦後四十七年の歴史的な観点から考えますとき、昭和二十一年、隣接の三島村が、これは当時大島郡でございましたが、三島村が分離して鹿児島一区に合区いたし、同じく隣接の十島村が、これも大島郡区でございましたが、昭和二十七年四月の本土復帰において鹿児島一区にそれぞれ一足早く合区いたしております。私ども奄美も同じ状況であります。一区合区は地元にとっては当然であり、他への合区は無理である。一区以外との合区は望むところではございません。  以上、区割りの大原則とされる、社会生活上一体感を有する地域同士でするという原則に鹿児島一区合区が合致するものとして奄美十四万郡民すべてがこれを切望し、奄美の十四市町村議会は与野党全会一致でそれぞれの議会で決議いたし、全都市町村議員全員の署名をもって鹿児島一区合区の意思決定をいたしているところでございます。  これに対し、奄美群島区以外の一部に鹿児島一区以外に合区すべきという意見があるやに聞き及んでおりますが、まことに残念に存じております。  議員定数の見直しは、日本国全体の視野に立った国家的な緊急是正と承知いたしており、奄美群島民もそのことを理解いたしておりまして、合区やむなしの選択をいたしたわけであります。生活圏と無関係の選挙区との合区になるとすれば、選挙民が寄せる選挙への期待は何であろうか。生活圏と選挙区とは一体であり、政治への期待を実現する選挙区が生活と分離されることは私どもの願うところではございません。  ここで重ねてお願いを申し上げます。奄美群島民は、このたびの公職選挙法改正の緊急是正の趣旨をよく理解し、合区やむなしの選択をいたしましたが、合区先は鹿児島一区を選択いたしております。また、願わくば定数五名の新しい選挙区として発足できますよう切望する次第でございます。  戦後、米軍政下から衆議院議員奄美群島区一人一区体制と続いた半世紀を今終わろうとする奄美の全群島民の選択とその願いは、非常に重いものがあると存じておるのであります。委員会の先生方の温かい御高配を賜り、私ども奄美の切望をおかなえくださいますよう心からお願いを申し上げまして、陳述を終わります。  ありがとうございました。

松永光自由民主党

○松永委員長 ありがとうございました。  次に、今吉参考人にお願いいたします。

今吉弘鹿児島県信用保証協会会長(前鹿児島県副知事)

○今吉参考人 御紹介をいただきました鹿児島県信用保証協会会長をいたしております今吉弘でございます。  公職選挙法改正に関する調査特別委員会の委員の先生方には、かねてから大変お世話になり、深く感謝申し上げている次第でございます。また本日は、意見を申し述べる機会をいただきましたことに対しまして厚く御礼を申し上げます。  二十七日に提出されました公職選挙法の一部改正案におきまして、衆議院議員の定数是正等に関する緊急措置として、私ども鹿児島県に関するものといたしましては、奄美群島区を廃止して鹿児島県第一区に合区し、これまでそれぞれの定数一人と定数四人、合わせて定数五人でございましたものを定数四人とする内容になっております。私は、この改正案の本県に関する部分につきましては、これまでどおりの選挙区、これまでどおりの定数としていただきたいというのが率直な気持ちでございまして、お願いをさせていただきたいと存じます。  以下、四点に分けて申し上げさせていただきたいと存じます。  まず第一に、奄美群島区存続の必要性について申し述べさせていただきます。  奄美群島区は、鹿児島県名瀬市と大島郡の一市十三町村の区域から成っております。当地域はさきの大戦後、昭和二十一年の二月に米国軍政府下に置かれまして、昭和二十八年の十二月に本土に復帰したところでございます。本土復帰に当たりまして、それまで公職選挙法上は鹿児島県第三区でございましたのを、昭和二十八年十一月十六日公布の奄美群島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置等に関する法律によりまして、奄美群島をもって一つの選挙区とし、その定数を一人と定められたところでございます。その後、昭和三十九年の七月、公職選挙法について所要の改正もいただきまして、これまで四十年近くにわたりまして定数一人の奄美群島区としてまいったものでございます。  この地域は、本土から遠隔の地にございます。台風の影響も受けやすいという地理的条件のもと、社会資本の整備も著しくおくれておりますことから、今日まで特別法による国の支援をいただいてまいりました。すなわち、時系列的に申し上げますと、奄美群島復興特別措置法、奄美群島振興特別措置法、奄美群島振興開発特別措置法等による支援をいただきまして、道路、港湾や空港等の基幹交通体系の整備、生活環境施設の整備、大規模な農地開発やサトウキビ、畜産、園芸などによります農業におきます複合経営の促進、大島つむぎを初めといたします地場産業の振興、教育、文化、観光の振興など、本土との格差是正のため県、市町村と一体となって懸命に努力を続けているところでありますが、いまだ所期の目的を達成する段階までには至っておりません。例えば一人当たり郡民所得につきましては、残念ながら全国のそれと比べて六割の水準でございます。また人口の減少、高齢化も進んでおります。このような奄美群島の現状を見ますとき、奄美群島の声を代表する衆議院議員の選出を保証していただいております現行の公職選挙法附則第十項の規定は、なおその必要性をいささかも失っていないと考えているところでございます。  さきに昭和六十一年の五月、第百四国会におきまして八増七減の案が御審議をされました際、新たに生ずる二人区・六人区につきましては、これを将来抜本改正の際解消する旨、附帯決議がなされております。その際、当奄美選挙区につきましては何ら触れられておりません。現行中選挙区制の特例として扱われていることがその際にも明らかになったのではないかと考えております。したがいまして、これらの経過を踏まえていただきまして、奄美群島区の存続をぜひ図られますようお願い申し上げる次第でございます。  第二に、合区の問題について申し上げさせていただきます。  奄美群島の地元市町村長会、市町村議会議長会には鹿児島県第一区との合区を求める意見がございますが、これは合区を推進するということではなくて、合区をするならば鹿児島県第一区との合区にすべきとの認識で一致されたというものでございまして、地元代表がなくてもよい、奄美群島区がなくてもよいというものではございません。昨今の状況からしての地元の方々の苦渋の選択であったろうと私は思っております。  現在の鹿児島県第一区の状況でございますが、第一区の関係の方々のお話として地元新聞等に掲載されましたものを申し上げてみますと、一つには、選挙区は公選法の本則に戻すべきだ、さらには、奄美群島と種子島、屋久島地域が一緒の方が離島という共通の課題に一緒に取り組みやすいのではないか、あるいは選挙区が大変広くなってしまうといった意見がございます。また、昨年廃案となりました小選挙区比例代表並立制導入のための公職選挙法改正案におきましては、奄美群島区の地域は、鹿児島市内の南部と指宿市及び揖宿郡と合わせて一つの選挙区となるものでございました。このときの地元選挙人の意見では、地域の一体性等についての疑問等異論があったところでございます。公職選挙法の本則では、奄美群島区の地域は鹿児島県第三区となっております。  第三区は、御案内のように本県の東側にございます大隅半島、離島であります種子島、屋久島の熊毛地区を包含する地域でございます。屋久島、種子島地区の定期船によります航路は、鹿児島市にございます鹿児島港が発着基地となっております。奄美群島との定期船による航路も同じく鹿児島港との発着てございます。したがいまして、奄美群島市町村長会等の陳情書にございます航路の面、人的、経済的交流が多いということによります鹿児島市を含む鹿児島県第一区との合区という考え方につきましては、熊毛地区につきましても同じことが言えますことから、将来にわたりましてこれらのところをどう考えていくべきか、なお慎重に検討を要することではないかと思っております。  第三に、定数の問題について申し述べさせていただきます。  今回の改正案では、鹿児島県第一区定数四人、奄美群島区定数一人でありましたものを、鹿児島県第一区に合区されまして、これまでの鹿児島県第一区の定数と同じ四人となるものでございます。この結果、鹿児島県から選出されます衆議院議員の定数は、十人であったものが九人となるわけでございます。  鹿児島県におきましては、各界の協力をいただいて一昨年の六月、「すこやかな郷土、ゆとりの文化圏域の構築をめざして」を主眼に、簡単に申し上げれば、「けんこう・すこやか」を合い言葉に総合基本計画を策定いたしまして、この計画実現のための諸施策を一生懸命推進いたしているところでございます。この計画の達成による本県の発展を考えますとき、他県に比べまして民間の活力部門が十分でない本県といたしましては、公的部門でございます県と市町村が相互協力のもとに強力に施策を推進してまいらなければなりません。しかしながら、地元の力だけでは限界がございまして、国政の立場からの御理解、御協力をいただかなければならない実情にございます。こういったときに地元選出の衆議院議員の定数一人減は、本県にとりましてまことに大きな痛手となるものでございます。  私ども過疎、離島、辺地を多く抱える県の立場といたしますと、過疎の解消と国土の均衡ある発展を図ってまいりますためにも、これら過疎、離島、辺地の声を国政の場に反映させる地元国会議員の数の確保が必要であると痛感をいたしております。本県では、さきに昭和六十一年の公職選挙法改正で鹿児島県第三区が定数三人から定数二人となりまして、総数十一人から十人となったものでございますが、今回さらに一人減となることにつきましては、鹿児島県民にとりましてはまことに厳しく感ぜざるを得ないところでございます。ぜひ御理解を賜り、見送っていただけないかと存じます。奄美群島区を定数一人のまま残していただいて、九増十減ではなくて九増九減、プラスもマイナスも同数という方法をぜひお考えいただきたくお願いを申し上げます。  第四に、一票の格差是正の面から申し上げさせていただきます。  現行定数によります一票の格差は、御案内のように、東京都第八区と千葉県第四区との間において一対三・三八倍となっております。改正案におきましては、これが愛媛県第三区と東京都第十一区との間において一対二・七七倍となっているところでございます。愛媛県第三区は議員一人当たりの人口は十四万六千九百十人でございまして、奄美群島区の議員一人当たりの人口十四万二千八百三十四人との差は約四千人でございます。奄美群島区をそのまま据え置くとした場合におきましては、奄美群島区と東京都第十一区との間におきましては二・八五倍となります。三倍は下回りまして一票の格差には大きな変動はないのではないか。つまり二・七七と二・八五、差は〇・〇八というところでございますので御理解をいただきたいと存じます。また、仮に一歩譲って奄美群島区の存続が認められない場合には、鹿児島県第一区の定数を四人から五人としていただきますと、議員一人当たりの人口は十九万八千五百八人となります。東京都第十一区との間においては一対二・○五ということになりまして、その順位は改正案の百二十九選挙区中おおむね中位、六十九位となりますので、鹿児島県第一区へ奄美の定数を振りかえていただきたいと存じます。  以上、一票の格差是正が重要な政治課題の一つであること、また先生方が大変御苦心をいただいておりますことは重々存じ上げておりますが、本県の置かれております立場、実情を踏まえて申し上げた次第でございます。  奄美群島区の存続、それが困難な場合には鹿児島県第一区の定数を五人とすることにつきまして、何とぞ事情を御賢察の上、先生方の御理解をいただきますようお願いを申し上げる次第でございます。  どうも失礼いたしました。

松永光自由民主党

○松永委員長 ありがとうございました。  以上で参考人の御意見の開陳は終わりました。     —————————————

松永光自由民主党

○松永委員長 これより両参考人に対する質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。新盛辰雄君。

新盛辰雄日本社会党・護憲民主連合

○新盛委員 きょうは、はるばる遠い奄美の方から奄美群島市町村長会会長野村良二さん、そして鹿児島県信用保証協会会長の今吉弘さん、本当に御苦労さまでございました。この公職選挙法改正に関する調査特別委員会の参考人としておいでいただきましたことに対し敬意を表しながら、今お述べになりました参考人の陳述を中心にして若干の質問をしたいと思います。  まず、今吉参考人にお聞きします。  鹿児島県の政治的、経済的、文化、すべてにわたって今奄美群島と言われているこの行政管轄の中においては、ある意味では表裏一体のものだというふうに私どもも認識をしておりますし、奄美振興政策においては全県下挙げて、国会議員の皆さんも同一次元で超党派でお取り組みいただいていると思います。そういう中で奄美が日本に復帰をして、その行政の中で、特に今吉参考人はこれまで鹿児島県の副知事もやっておられたわけですから、この奄美を含める、いわゆる離島ではございますけれども、離島振興その他いろいろございますが、県行政の中から見てこの奄美と鹿児島の関係、いわゆる同一次元での行政、こういう面ではどういうふうに理解をしていらっしゃいましょうか。

今吉弘鹿児島県信用保証協会会長(前鹿児島県副知事)

○今吉参考人 鹿児島県政の中に幾つもの重要課題がございますが、奄美の振興は県政の重要課題の一つとして位置づけられてまいっております。ただいまも意見の中で申し上げましたように、県、市町村一体となりまして振興に努めているところでございますが、力に限界もございまして、復帰以来国の非常なお力をいただいているところでございまして、おかげさまで交通関係の環境あるいはウリミバエの撲滅等大きな成果も上げてまいっておりますけれども、残念ながら所得格差が、全国を一〇〇とした場合に六〇、鹿児島県本土と比較した場合で七八という状況にございまして、今後とも各面にわたりまして一層努力をしていかなければならない、このような理解をいたしているところでございます。

新盛辰雄日本社会党・護憲民主連合

○新盛委員 この今回の選挙法一部改正によりますと、九増十減というまさに新たな手法で緊急是正、まあ抜本改正というのは少し今検討がされているとはいいますけれども、これから先、この九増十減の内容を中心にしてお聞きをしますが、合区について、奄美群島区の皆さん市町村議会で超党派で一区の方に合区することができるならというのと、もともと合区を推進しているのではなくて、できるなら九増十減の中でこの奄美群島区一名は、一議席は残してほしい、しかし、それをもし合区という諸条件が論議されるならばいたし方ない、こういうふうに言っておられた向きがありますが、ここは合区を推進するのではなく、合区をするなら鹿児島一区へ、こういうふうに話が出ているわけです。  そのことについて、離島の共通の課題として、屋久島、種子島、これは種子・屋久と言いましょう。甑島など離島が鹿児島には非常に多いわけですから、そういうものを一つにまとめるということも一つの方法ではありましょうが、これは広大な、交通費が要りますし、選挙する側から見れば大変なことであります。したがって、航路の面で、交通の便で鹿児島市に直結、これは種子・屋久も一緒ですけれども、そうなっていますね。しかし、種子・屋久の方は三区で、そして奄美群島区の方は一区へ、こうおっしゃっているわけですけれども、ここのところを鹿児島一区へつけることによって生ずるもろもろの弊害、いわゆる効果の面あるいはデメリットの面、メリット、デメリットが出てくると思うのですが、どういう認識をしていらっしゃるでしょうか。この問題はさらに野村参考人にもお聞きいたしたい事項であります。

今吉弘鹿児島県信用保証協会会長(前鹿児島県副知事)

○今吉参考人 先ほど申し上げましたように、地元の市町村長さん方、市町村議会が一区との合区が妥当であるという御意見を出されているのは事実でございますが、これも奄美群島区を進んで放棄しようというのではなくて、もし諸般の情勢から合区ということでなければしようがないというのであれば一区が妥当であるという、苦渋の中での御意見の集約と私どもは理解をいたしております。地元の鹿児島の新聞等を拝見いたしますと関係者の御意見は分かれております。もちろん一区が妥当だという御意見も多々ございますが、これまでの歴史等から見ても三区が妥当だという御意見もかなり強うございます。緊急是正という意味合いはわかりますけれども、やはり選挙区を動かすということは、これまでの生活感覚、政治感覚から見て非常に大きな問題でございますので、私どもは、抜本的な改正の際にひとつ適切な御判断をいただくべきではないかと考えております。

野村良二鹿児島県奄美群島市町村長会会長(鹿児島県大島郡喜界町長)

○野村参考人 お答えさせていただきます。  ただいまの新盛先生のお話、地元としては、合区は、本来奄美区を残してほしいという願いがあるのだけれどもやむを得ずというお話でございます。私どもは、今回の奄美群島全体が一区合区に決しましたときに、国の憲法違反論議その他の諸情勢の中でこの合区、定数是正の問題が出たことを考えますときに、奄美が一人区として残ることは非常に難しい、そういう認識がまずあります。そして、それならば一区に、これは先ほど来、冒頭に申し上げましたような事情によって、一区が一番地域の活性、生活関係、経済関係、生産関係もすべてでございますが、輸送とのつながりの中になければ生活はあり得ないわけでございますので、これは一区ということでございます。  私は、ここでこういう公の席で率直に申し上げさせていただいて、奄美の住民があれだけ激しい選挙の中でこの問題については全員一致で決めたということは、地元の意思を御理解願いたい。先ほど来お話がありましたように、苦渋の中でございます。そして私どもは、確かに有権者の我々に問題がある、この奄美の選挙にはあると思いますが、しかし、制度自体にも関係なしとしない問題があるのではないかと思う次第でございます。現在、騒がせました町村長が一年半も不在という異例の事態が発生いたしたのも、選挙民の問題も確かに責任はあると思いますが、同時に、この一人一区の弊害が無関係ではないという認識がございます。そういうことで、今回の一区合区の新しい法案が出ましたのを拝見いたしまして実はほっといたしております。偽らざるところでございますので、十分御賢察を願いたいと思う次第でございます。  なお、一区合区によって奄美は確実に生活基盤、生産基盤がいい方向に向かうという確信を私は持っておるところでございます。よろしく御理解を賜りますようお願いいたします。ありがとうございました。

新盛辰雄日本社会党・護憲民主連合

○新盛委員 そこで、具体的なことで少しお聞きいたします。  今おっしゃいますように、奄美群島の皆さんの悲願、鹿児島一区合区への超党派の決議もされて、深刻な奄美群島区、特別区のこれまでの選挙の状況を考えて、これではいけない、せめて一区に合区するならそういうものもだんだん解消されていくだろう、こういう気持ちもおありのようですが、奄美が鹿児島一区に合区されるとすると、これは人口比で、恐縮ですがこの調査の時期からまた少し減ったと思うのだけれども、奄美は人口が十四万三千人、鹿児島一区へつけますと九十九万二千五百四十一人、それで、奄美の定数を減らして合区するのですから四名ですね。さらに鹿児島二区の人口は六十一万三千人、鹿児島三区が三十三万四千九百七十五人、これは先般、六年前に二人区にされた場所ですね。したがって鹿児島二区は四十七万人で三名区、そして三十三万四千九百七十五人の鹿児島三区が二名区。仮に二区と三区を合区というか、数を合わす面で便法的にいきましても約八十万人という状況ですね、八十万ちょっと上です。そして逆に鹿児島一区は、これで奄美が入るわけですから九十九万二千五百四十一人。県内で現実にこういう格差が生ずる。  このことについては、奄美の皆さんはそこまで計算をしてこられているのではなくて、文化的にも政治的にも経済的にも交通の便においても、そしてああいう今までの特別区における選挙戦を見て、これはもう何とかしてもらわなければいけないということとの問題意識だけでそういうふうに皆さんが思っていらっしゃるのか。現実、県内で格差が生ずることについてはどういうふうに理解していらっしゃるでしょうか。これは野村参考人にお聞きします。  さらに今吉参考人に。現実こういうふうな形になってくる。そこで、先ほどから述べられておりますように、かつて復帰のときのいわゆる公選法特例十項の問題がこれまで位置づけられていたので、この数の面から、人口の面から見ても合区するなら三区ではないかという、まあ鹿児島県内においてもいろいろと意見がございましたね。賛否両論あります。そうした方がより種子・屋久の関係とかこういったつながりによっていいじゃないか、そういうことも今度は県内格差の面でも解消する、こういうふうにも言われているのですが、どのような御感想を持っていらっしゃるでしょうか、お聞かせください。

野村良二鹿児島県奄美群島市町村長会会長(鹿児島県大島郡喜界町長)

○野村参考人 お答えいたします。  御指摘の九十九万という人口と選挙区での有権者数の大きさといいますか、そういったものの違いについては、私どもは今回のこの選挙とは直接関係があるというふうに実は思っていませんでしたので、このことについては地元の方では考えておりません。  以上でございます。

今吉弘鹿児島県信用保証協会会長(前鹿児島県副知事)

○今吉参考人 先ほども申し上げましたように、種子・屋久に行く船はやはり奄美と同じように鹿児島港から出ている。鹿児島市との交流関係は、種子・屋久についても奄美についても全く同じ密度であると私は思っております。それだけにそれをどちらにどうするか、どこかで割り切りはもちろん必要なわけですけれども、これまでの長い歴史的な経緯、県内外、各界の御意見を十分聞いた上で慎重な御判断をいただきたいというのが私どもの気持ちでございます。

新盛辰雄日本社会党・護憲民主連合

○新盛委員 そこで、九人がふえて十名が減になるという今回の緊急是正になるわけですが、鹿児島では奄美特別区の議員を減らす、その上で合区、こういうことが大体今回の改正の視点になっているようです。  それで、今吉参考人がさっきお述べになったように一人減らすということは痛手になる、いわば奄美特別区、すなわち奄美振興の上に立っても、これまでの四十年間の経過を見ても、これは離島としての広範な選挙区とはいえ議員一議席は確保してもらいたい、確保することが現状としては、またもっと大事な奄振の関係を含めてこの地域の意見を国政に反映することができる、こういうことなのでして、これも前回、六年前も議論されたところですが、やはり公選法附則第十項によって当然そういう主張というのはあってしかるべしだ。しかし、これが現実は減員、そしてその上で合区、こういうことになっているわけですから、減るということに対して、鹿児島三区が六年前二名になったというときもそれこそ地域の皆さん方が猛烈に反対されたわけですが、こういう面で、今現実一名減になることによって行政の面においても、国政に反映させる意見としてもこれは本土の方が中心になるのじゃないか。選挙は全県下を見てやるわけですから、私どもは選挙区に介在する一人として、平等に公正に、そして、そこの住民の声を反映するということにおいては変わりませんが、特殊的な事情の離島ですから、そういう群島の意見を開陳するためにはやはり議席一名が欲しい、こういうことを強調しておられる向きもありましたが、私も全くそうだと思っています。その一議席を減らさないでどこに合区するかということになれば、また問題意識が違うのじゃないか。それで、野村参考人の方も、これは減るから鹿児島一区がベターだというふうに認識をされたということなのですが、私どもとしては、やはり奄美は奄美として残すべき筋合いのものではないか、こういうふうに思っておるのです。  今、もう少しその辺の合区について、そしてできるなら定数としては一減にならないように、こういう御主張がございましたから、その辺のことを今吉参考人の方からもお伺いしておきたいと思います。

松永光自由民主党

○松永委員長 まず野村さんですか。野村参考人。

野村良二鹿児島県奄美群島市町村長会会長(鹿児島県大島郡喜界町長)

○野村参考人 お答え申し上げます。  今お話がありました、先ほど冒頭にも申し上げましたが、願わくば一名増で、一名そのまま残して一区合区というのが私どもとしましてもこれは一番ありがたいことだと思います。しかし、現況そういうことができなければ、それでは一名のままで残してもらった方がいいという認識はもうないわけです。これは先ほども申し上げましたとおりでございます。要するに合区あり、そしてその後で定数の話は願わくば一区一名増としてお願いできればなおありがたい、願わくばということでございます。  それから、私どもの地元の方の意見の中には、社会党の代表者の皆さん方も一緒に私どもは陳情申し上げましたが、その席でも、代表の皆さん方も社会党あるいは公明党、共産党も御一緒でしたが、そのときにも、今までの奄美の一区の選挙区の状況では、保守系公認候補と保守系無所属候補の選択しかない。そうしますと、そういう人たちは心ならずも保守系無所属に入れて、保守系公認を、言い方は悪いですが落とすことでせめてという非常に消極的な選挙がなされておりますので、そのときのお話は、その方々がおっしゃるには、今から中選挙区制として鹿児島一区に合区できれば、我々も望む方に直接投票できるという一票の質の問題も議論をされたところでございます。そういうことでございますので、私ども奄美は、合区あり、合区ありきという前提を持っているというふうに御理解を賜りたいと思う次第でございます。

今吉弘鹿児島県信用保証協会会長(前鹿児島県副知事)

○今吉参考人 奄美を代表する議員を選出できるという意味合いは先生御指摘のとおりでございます。私も冒頭からその歴史的な経緯、現在の意義も申し上げてきたとおりでございます。  また、定数の面から見ましても、仮に一区に合区いたしました場合に、現在の定数四であれば最大の東京十一区との差は一・六四、これを五にしていただいても二・〇五ということで、全国の改正案百二十九選挙区の中での十分中位に位置するということで、決して今回の緊急是正の御趣旨に反するものではないと私どもは考えております。同様な意見について、地元の南日本新聞の社説等でもその辺の問題点を指摘していることを申し上げておきたいと存じます。

新盛辰雄日本社会党・護憲民主連合

○新盛委員 率直に申し上げて、この奄美の保徳戦争と言われているのか保徳戦争と言われているのか、目に余るというふうに世間のひんしゅくを買っておりますが、お二人にとってみれば、それこそしのぎを削って奄美の振興のために一生懸命やろうという意欲がなせるわざでございます。鹿児島一区へ具体的に合区されるとなると、従来鹿児島一区は自民二、社会二です。したがって、生臭い話になりますが、この四名区に奄美保徳、必ずしも保徳さんになるかどうかわかりませんけれども、そういう面で合区されることによって起こるいわゆる選挙、これはもう推して知るべしとよく言われております。何々が上陸するぞというような話もあるわけで、こういう状況を鹿児島県民、今度はどういうふうに受けとめているだろうかと危惧を持つのですが、まあ率直に言って上陸をされるということ、そのことはどういうふうにこれからなるのかな。これはやっている人たちはまさしくそんなことは度外視して、いや、もうまともにと、こういうことになるのでしょうけれども、しかし、なかなかそうもいかない。ただ、議員の心理としては、利害を伴ってこの問題を議論をするということは控えなければいけません。  私どもは、この今回の問題は反対なんです、これははっきり申し上げて。今政治改革とは何ぞや。いわゆる佐川問題を契機として、これからやはり新しくこの中身を変えて政治浄化を図るためには、公職選挙法等の罰則強化とか企業・団体献金の禁止とか厳しい制約をつけた上で、定数是正は抜本改正。さきの国会で政府が提案しました小選挙区比例代表並立制は、これはつぶれました、三法案。しかし、今新たに論議されておりますのは、自民党の改革本部で言われております単純小選挙区制度、これは恐らく野党が猛反発をするだろう。しかし、私どもは反対のための反対はやっておりません。社会党自身は、ちゃんと抜本改正の提言として法案までつくってさきの国会に提出した経緯があります。それは、二倍以内に抑えた思い切った定数是正を踏まえてやっているわけです。だから早晩私どもの方も、これは数がどんどん、地域過疎化を加味していくということでは、過疎化とか過密化を考慮に入れるとは言っていくものの、鹿児島は議員の減員というのは避け得られない。仮に小選挙区比例代表併用制を野党がもし持っていくという話になったとしても、これはまあ結論を出しているわけではないのですが、そんなふうになったとしても、やはり数は減っていくわけですね。  そういう面の選挙民の議員に対する期待、それが奄美が鹿児島一区に、まあある意味では選挙戦としては上陸をするとしても、そのことによる弊害というのは、これはまあそれぞれにやってみなければわからないわけですけれども、当面の課題として、私どもはこの九増十減では抜本的改正につながらない。また国会決議、百四国会でのあの二名区・六名区をつくらない、この決議を実行していないわけですから、逆に二名区がふえました、逆に六名区がふえました。これはまさしく屋上屋を重ねるという今回の処理でございまして、そういう観点に立って申し上げているわけですが、この抜本改正の二名区・六名区解消、こういうことについて、これはひとしく県民の気持ちとして、あるいはまた、それぞれの個々の選挙区の皆さんにしてもこれは当然のことだと認識をされておられると思うのですが、この一連の関係について今吉参考人から、県政全般におわたりになった行政の代表者でもありますから、お聞かせをいただきたいと存じます。

今吉弘鹿児島県信用保証協会会長(前鹿児島県副知事)

○今吉参考人 二人区・六人区の解消についての国会での附帯決議等は私も承っております。これらの解消が大きな課題であることは存じておりますが、要は、申し上げたいのは、選挙区を直す、改革をしていくというのはひとつ根本的な、全国的な立場に立って手をつけていただきたい。今のままですべてが満点だとは私どもも思っているわけではございません。一票の格差も是正をしなければなりませんし、いろいろな地域間のつながりについての見直しということも十分御議論をいただいてやっていただかなければならないということは我々も認識しております。  ただ、部分的に、率直に申し上げてなぜ鹿児島県の奄美を解消されようとするのか、なぜ合区して一人区を従前どおりの四人とするのか、全国的な均衡との面から十分理解しがたいというのが私どもの率直な気持ちでございます。

新盛辰雄日本社会党・護憲民主連合

○新盛委員 今のことについて野村参考人からひとつ。

野村良二鹿児島県奄美群島市町村長会会長(鹿児島県大島郡喜界町長)

○野村参考人 お答え申し上げます。  私どもの方では、今の全国的な二人区あるいは六人区をなくすという問題については、正直言って私の地元の方ではよく承知をいたしておりません。また、そういう話し合いも地元ではいたしておりませんので、その点についてはちょっとお答えをいたしかねます。  ただ、私どもの地元の方では、奄美の今の一人一区という、非常に全国的な枠から全く別に外して一人一区制というのをそのままにしてある、そのことによって奄美ではこれだけ四十年間のうちに毎回代議士がかわる、あるいはやっと安定したかと思うと近年のあのどさくさでございます。中選挙区の中で一人区というのをいつまでも残しておくということは、これはいかがなものかというふうに思っております。そのことは私は、国全体としても、これは奄美の有権者の問題だ、あるいは奄美の立候補する人の問題だというふうに突き放しておいて国政としていいのかなという率直な気持ちがございます。これは、ぜひこの機会に解消していただきたいというのが願いでございます。  以上でございます。

新盛辰雄日本社会党・護憲民主連合

○新盛委員 今のおっしゃっておられることがいわば選挙民が考えていることではないか、私はそういうふうに理解をいたします。まさしくそのとおりだと思うのです。  こうした状況の中で、今おっしゃいましたように過疎・過密の問題ですけれども、総じて鹿児島は過疎県とよく言われていますね。そういう中での第百四国会の決議は、過疎・過密を解消して、二名区・六名区などというのも解消して新しく選挙区割りを実施する、これは抜本改正の主体なんです。この過疎・過密の中におけるいわゆる過疎ですね、これを救済するためにどうするか。これはひとしく選挙民の公正あるいは平等な、そして国民の権利を行使するために地域的な自然環境、そういう問題もあるわけですから、また、今回鹿児島一区へ奄美特別区一減のまま合区されたとしても、議員の皆さんももちろんこれは大変な交通費を使い、そして広範な、ある人の計算によると岡山県にまで進展するぐらいの広さだ、こういうふうなところで選挙活動をするのは大変だと言っておる人もあるわけですが、そういう面でこうした定数をゼロにして先ほどから議論がありますように合区をするというのは、全体のバランス上は問題がある。やはり一議席確保の上で合区してほしい。これはおっしゃっておられますように、必ずしも野村参考人もそのことは否定していらっしゃらないわけです。ただ、過疎だから十四万の人口が、これは先ほど今吉参考人がるる述べられましたように、愛媛との関係とか東京八区の問題とか、こういうことから考えれば、逆転現象の中でやはり何も奄美を離島、群島一人区だからといってここで減らす必要はない、こういう御主張もございました。  そのことを踏まえて、これからのこの合区することに対しては、あくまでも定数を減らすんじゃなくて、一減じゃなくて、そのまま減らさないまま合区をしてもらいたい、こういうこと。これはこれから論議されるわけですから。まあしかし、およそれ増十減、もう決まるよ、その上に立って鹿児島一区四名区であろうと奄美の身分はよろしくお願いします、これは野村参考人もおっしゃっているとおりですから。その辺も踏まえますと、何としても我々としてはこの奄美の定数を減らさない、減らさないまま合区というならばそれはまた一つの方式である。  と申し上げますのは、実は宮崎、大分、九州管内においてもこれは一区、二区、そして宮崎もそうですが、これは宮崎の二区は三が二になるわけですね。そうすると宮崎の皆さんは、これは一区、二区を合区してほしい、そうすると人口比の面からすると減らさないで済むことになる、いわゆる従来の六名のままでいける、しかし五名ということには計算上ならないんだ。だから全県下、宮崎県は猛烈に反対をしていらっしゃいます。だから、このことから踏まえまして奄美を合区するんならばほかの県も、これは和歌山二区でしたね、もうここも減らされるというんで合区をしてほしいというのも一面出ているわけです。  そういう面を私どもこれからも強調しなきゃならぬし、何よりも二名区・六名区はつくらない、こういうことの国会決議をどう踏襲するか。これから私どもの責任ですけれども、今おっしゃったように皆さんの責任じゃない、私どもがやらなければならないことですが、合区をやるなら鹿児島の場合やはり奄美を一緒に一名残したままつけてほしい、これは今吉参考人も、そして野村参考人も異存はないもの、こう伺ってよろしいでしょうか。

今吉弘鹿児島県信用保証協会会長(前鹿児島県副知事)

○今吉参考人 私どもは奄美群島区を残していただくというのが第一希望でございます。しかし、どうしても合区というのであれば、当面の緊急措置として鹿児島第一区と合区するというのであれば、先ほど申し上げました数字的な理由をもってぜひとも定数五としていただきたい、こういう気持ちでございます。

野村良二鹿児島県奄美群島市町村長会会長(鹿児島県大島郡喜界町長)

○野村参考人 お答えいたします。  奄美の方は、先ほど来申し上げておりますように一人一区は解消してほしい。そして今おっしゃられるように、一名奄美を減にしないで合区にしてもらうということができればそれにこしたことはない、こういうふうに御理解いただければよろしいと思います。

新盛辰雄日本社会党・護憲民主連合

○新盛委員 どうも参考人の皆さんには大変ありがとうございました。貴重な意見をいただきまして、これから論議に移していきたい、こう思います。ありがとうございました。

松永光自由民主党

○松永委員長 次に、井上義久君。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 本日、野村、今吉両参考人におかれましては、急な日程にもかかわらず、また遠路はるばる当委員会にお越しをいただきまして、貴重な意見を承りまして心から御礼申し上げます。きょうは本当に御苦労さまでございました。  それで、初めに野村参考人にお伺いいたしますけれども、これは確認の意味でお聞かせ願いたいのですけれども、要するに奄美群島区はなくしてほしい、それがまず大前提である。それで、できれば定数を一ふやして鹿児島一区に合区をしていただきたい、そういうふうに承ったのですが、ともかくこの奄美群島区をなくしてほしい、定数一の選挙区をなくしてほしいというのが一番の前提である。こういうふうに理解してよろしいのでしょうか。

野村良二鹿児島県奄美群島市町村長会会長(鹿児島県大島郡喜界町長)

○野村参考人 そのとおりでございます。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 それで、実は今選挙制度についての議論が盛んに行われておりまして、私どもは、民意を正確に反映できる比例代表を中心とした制度、しかも候補者の顔が見えるということで併用制ということを提案いたしておるわけでございますけれども、一方で小選挙区制にすべし、こういう議論もあるわけでございます。そういう意味から、選挙制度を議論する上で参考になるかと思いますので、この奄美群島区定数一の選挙区をなくしてもらいたいというその理由を幾つか挙げていただければと思います。

野村良二鹿児島県奄美群島市町村長会会長(鹿児島県大島郡喜界町長)

○野村参考人 お答えを申し上げます。  先ほども少し触れさせていただきましたが、奄美は昭和二十八年に復帰以来、もう四十年近く一人一区という選挙区でございます。確かに、奄美から代表者が一人確実に出せるということについては地元としては非常にありがたいことであるというふうに思っておるわけですが、しかしこの四十年間の経過を見ますと、一人一区のために、一名の国会議員が当選して次は落選をしてという繰り返しが続いた経緯がございます。さらに昭和四十八年以降でございますか、やっと落ちついたかなという、非常に一般的な言い方で恐縮ですが、そう思っていると、近年御案内のとおりの激しい選挙が続いて、地元の有権者は、表現は悪うございますが、敵か味方かというようなまことに激しい選挙戦が続けられておるわけです。  これは私ども有権者の責任大なるものがあると思います。しかし同時に、中選挙区制の中での一人一区という制度自体にも私は問題があるのではないかという気がいたすわけです。先ほどもちょっと申し上げましたが、保守系公認候補に対立する形で保守系無所属候補が出ると、革新の皆さん方は心ならずも保守系無所属の方に投票するというようなことで繰り返し、そして今はそういうことが激しい選挙の中でもやはりございます。これはやはり中選挙区制の中でそういう一人一区というのは弊害が制度的にもあるということを感じておるところでございます。  それで、今回のこの是正の中には、地元で十分議論をしましたが、要するに一人一区という制度に奄美としていつまでも固執することは奄美のためによくないという認識でございます。それで今は一区合区、これは先ほど来申し上げているようなとおりの理由によってでございます。  以上でございます。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 今のお話をお伺いしておりますと、保守系の公認候補と無所属の候補が争って交代する、定着しないということなのだろうと思うのです。それが一つの大きな問題であるという御指摘だったと思うのですけれども、国会議員ですから、そのときそのときの代表者はそれなりの役割を果たせばいいわけでありまして、一人の人がずっと続いた方がいいということは必ずしも言えないのじゃないか、こういうふうに思うわけでございます。  それと通常、小選挙区にすべきだ、こうおっしゃっている方は、いわゆる政策本位の選挙になる、金のかからない選挙になる、こういうふうにおっしゃるわけでございますけれども、奄美の御経験をいろいろお伺いしていますと、どうもそうじゃないのじゃないか、逆なんじゃないかという考えを持つわけでございますが、そういう具体的な選挙のあり方ということについてどのようにお考えでございましょうか。

野村良二鹿児島県奄美群島市町村長会会長(鹿児島県大島郡喜界町長)

○野村参考人 私どもは専門でもないし、そういうことをよく承知をいたしませんけれども、しかし、私どもの地元でもいろいろ素人の我々として意見がありますが、それは一人一区という小選挙区制が全国的になって、いわゆる政党として争うという議論であれば、一人一区というのは私どもは意味があるのではないかというふうに思います。しかし、中選挙区制の中で一地区だけ一人一区というものの弊害が奄美で今出ているということである。したがって、一人一区制度自体の全体的な論議とは違う内容が奄美で今起きているというふうに御理解いただきたいと思うし、私どももそう思っております。  以上でございます。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 何か突っ込むようで申しわけないのですけれども、では、例えば全国が小選挙区になったとして、奄美群島区が定数一の小選挙区になったとした場合に、全国が小選挙区になって政党同士が争うというふうに、具体的に言いますと、奄美で保守系の政党とあるいはそれにかわる政党が出て、その政党間同士の争いになる、制度がかわればそういうふうになるということは余り考えられない。そうなっても、当選の可能性の問題ですから、保守系の人と保守系無所属の人、あるいは政党になるのかもしれませんけれども、同じ争いになるのじゃないかな、こういう感じがするわけでございますけれども、その辺はいかがでございましょうか。

野村良二鹿児島県奄美群島市町村長会会長(鹿児島県大島郡喜界町長)

○野村参考人 私どもの方では実際にそうなったときにどうなるかということは、正直言って承知しませんし、なかなか憶測できないわけですが、大変口幅つたいことを申し上げますと、一人一区という制度が全国的な制度として小選挙区でなるとすれば、当然政党同士の政策論争というのが恐らく出るのではないか。これは非常に口幅つたいことを申し上げて恐縮ですが、そういうふうに思っております。さすれば、今のような保守系無所属あるいは保守系公認候補というような個人の争いとは違うのではないか。ですから、そういう意味では少し性格が違ってくるというふうに理解をいたしておるところでございます。  以上でございます。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 それで今度は逆に、鹿児島一区との合区ということになる案であるわけなんですけれども、確実に奄美群島区から出身の国会議員が出るとは必ずしも限らない、こういう問題になるわけでございますね。その辺のデメリットというものをどのようにお考えでございましょうか。

野村良二鹿児島県奄美群島市町村長会会長(鹿児島県大島郡喜界町長)

○野村参考人 お答えいたします。  今先生御指摘のように、確かに奄美出身の候補者あるいは奄美出身の国会議員を出せないという事態が発するかもわからない。しかし、中選挙区制というような制度の中で一地域から直接代表が出なくても、地域全体として考えるというのが中選挙区制の存在だと思っております。したがいまして、確かに一人は奄美出身あるいは奄美の候補者としては出せないかもしれないけれども、仮に五名の皆さんが奄美の問題を同時にお考えいただける、そしてまた、私どももその方々を代表者として考えさせていただくということによって地域の国政に対する意見を反映することは可能であると私は思っておりますし、また、奄美の出身者が仮に全く通らないということでもないというふうな期待もいたしております。  以上でございます。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 全くそのとおりでございまして、私どもも、選出された地域は違うわけでございますけれども、国会議員でございますから当然離島の問題、奄美の問題、私たち自身もこれはもちろんやらなければいけないわけでございまして、奄美出身だから奄美のことをやるのだということじゃ必ずしもないわけでございますので、そういうふうに御理解いただいておりますことはまことにすばらしいことだと思います。我々も奄美の問題について我が党の議員からもよく伺っておりますので、また一生懸命取り組んでいきたい、このように思っている次第でございます。よろしくお願いいたします。  次に、今吉参考人にお伺いいたします。  今吉参考人の方からは先ほど、できれば奄美群島区を一区として残してもらいたい、こういうお話であったかに承ったのですが、今野村参考人からお話があったことを踏まえまして、なぜそうなのか、ちょっとお聞かせいただけますか。

今吉弘鹿児島県信用保証協会会長(前鹿児島県副知事)

○今吉参考人 お尋ねは、奄美が独立した選挙区でなくても十分意見が反映できているのではないかというふうに承りましたけれども、理屈としては、おっしゃるように例えば合区して五人にして、五人の方々が奄美のことも含めて、当然十分御配慮に入れて御活躍をいただけると私どもは思っております。しかし、そこにおのずと奄美とのつながりの密度、同時に、奄美が戦後おくれて日本に復帰をしてきたという今日までの歴史的な経過、それを考えますと、そういった経過というものを大事にしていただきたいというのが私どもの気持ちでございます。とりわけ、今回の御改正の案は緊急措置としてというふうに承っておりますが、抜本的な全国的な基本的な改正をなさる際に、もっと論議を深めた上で適切な御判断をいただくべきではないか。今臨時の措置としてなぜ奄美へという気持ちが一般的に鹿児島の地元としては強いということを申し上げておきます。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 今吉参考人は長らく県で地方行政に携わってこられたわけでございますので、ちょっとお伺いしますけれども、選挙区の区割りですね。中選挙区制抜本是正のときは、鹿児島三区は今定数二になっているわけでございますから合区ということが当然考えられるわけでございますけれども、いわゆる衆議院選挙の選挙区割りが地方行政にどういう意味を持っておるのか、その辺のことを今までどういうふうに考えてこられたのか、お聞かせいただけますか。

今吉弘鹿児島県信用保証協会会長(前鹿児島県副知事)

○今吉参考人 もちろん、国会議員の方々でいらっしゃいますから、どの国会議員の方も国政全般について御活躍をいただいておりますし、鹿児島県につきましても、全国の議員の方々、御関心をいただき、御援助をいただいております。しかし、どうしても私ども、おのずと緊急の事態ということになりますと、あるいは事細かな問題になりますと、その地元選出の国会の方々ということになり、お願いをし、お互いの意見の交換もする、それも密度が濃くなるということで、おのずと一区、二区、三区、奄美選挙区という形態がこの四十年の間にでき上がってきている。その中で地方行政の諸問題についても密接な御協力をいただき、御指導をいただいてきたというのが地方行政の実情ではないか、かように考えております。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 先ほど、定数が今回県全体として一減になる、前回の定数是正でも一減になったわけでございますが、国会議員の数が減るということについて県として非常に困るんだというふうに表現されたかどうかわかりませんけれども、そういうような趣旨だったと思うのですね。国会決議にも過疎・過密に配慮して、こうあるわけでございますけれども、一方で一票等価、一人が二票持っちゃいけないという憲法の大原則があるわけでございまして、やっぱり参政権というのは議員定数の配分というものが平等に行われていませんと確保されないということでございまして、その辺の、定数が減っていくということと、そういう一票等価と選挙権の平等ということについて今吉参考人はどのようにお考えでございましょうか。

今吉弘鹿児島県信用保証協会会長(前鹿児島県副知事)

○今吉参考人 もちろん、国会の御審議の過程でも単純に算数的に、数学的にのみ御論議い、ただいているわけじゃございませんで、また最高裁の判決等でもその辺を御考慮いただいて、地域性、地域代表の性格といったことも考えての最高裁の判決あるいは国会での御論議ということは私どもも承知をしております。ただどうしても、恐縮ですが、他の地域との比較論ということを私どもとしては申し上げざるを得ないわけでございまして、その意味で先ほどるる数字を申し上げましたように、これは申し上げませんでしたが、奄美を仮に独立いたしますと、これも触れましたが二・八五という数字で、愛媛三区とは〇・〇八の差という形になる、あるいは鹿児島一区に合区して五人にすると二・〇五ということになって全国の中位になる、決して全国的な均衡の中で御迷惑をかけるということにはならないのではないかというのが私どもの意見でございます。  それと、率直に申し上げまして、昭和六十一年に十一人が十人になる、そして今度また九人になるということになりますと、はて、残念ながら鹿児島県の人口は減ってはおりますけれども、そんなに十一分の九までに人口は減っているわけではございません。たまたまそれは数字のあやだとおっしゃればそれまでですけれども、いかにも鹿児島にとって風が厳し過ぎると申し上げざるを得ないわけでございます。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 今回緊急是正ということで提案されておりまして、鹿児島の皆さん、他の選挙区に比べて不平等じゃないか、こういう思いを持たれたことはまことに我々としてもじくじたるものがあるわけでございまして、抜本是正に向けて我々も最大限の努力をお誓いいたしまして、参考人の皆さんに対する質疑を終わりにしたいと思います。きょうは本当に御苦労さまでございました。

松永光自由民主党

○松永委員長 次に、木島日出夫君。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 日本共産党の木島日出夫でございます。  最初に、我が党は小選挙区制度が本来持っている多くの弊害を除去するという立場から、一人一区という特例小選挙区制を解消して奄美群島区を鹿児島本土の選挙区と合区することには賛成であります。そして、次にどこの選挙区と合区するのが最も妥当であるか、その判断でありますが、歴史的、地理的条件、政治、経済、社会、文化、そして人的交流の一体性、そして何よりも重視されなければならないのは、当該地域に居住をしております地域の住民の皆さんの意思こそ最も尊重さるべきではないかと考えております。私の党のところにも奄美群島区の皆さんから鹿児島一区との合区を求める陳情書が参っておりますが、そうしたもろもろの条件を考えて、我が党として鹿児島一区との合区が妥当であると考えております。まずそのことを冒頭申し上げまして、野村参考人にお尋ねをしたいと思います。  一人一区の半世紀の歴史という言葉を参考人はお使いになられました。伊仙町の事態、一人一区の弊害と無関係ではないという言葉、そして正直ほっとしているという言葉も使われました。  実は、現在奄美群島区から選出をされております徳田衆議院議員は私と法務委員会で席を同じゅうしております。衆議院本会議におきましても一人置いて隣のいすに座っているわけでありまして、よくその選挙の実態をお聞きしております。すさまじい金権選挙になっておるということであります。徳田議員が一九九〇年五月十六日にテレビ朝日でこう述べられました。小選挙区制になると一票で決まる、私たち十一万票のところで戦って千百五票差で決まった、そういうときに一票を三十万円、五十万円、百万円で買っている人がいた、このように話しております。私は徳田議員からの話を聞いて、必ずしも誇張ではないのではないかと感じている次第であります。  そこで、まず野村参考人に率直にこの現在の一人一区という小選挙区制の実態を、あなたも町長さんでありますから、行政にどのような悪影響を与えているのか、二つ目には、社会経済生活にどのような影響が与えられているのか、三つ目には、子供の教育にとってどのような影響を与えているのか、四つ目には、人の心にどのような影響を及ぼしているのか。私に与えられた時間は十分でありまして、大変短い時間で恐縮ですが、許す限り実情をお述べいただきたいと思います。

野村良二鹿児島県奄美群島市町村長会会長(鹿児島県大島郡喜界町長)

○野村参考人 木島先生にお答えを申し上げます。  今の御指摘は、奄美の選挙が非常に厳しいものであるということは新聞報道あるいはテレビ等でもう御案内のとおりでございます。先ほど来私も申し上げておりますとおりでございますが、私も行政の立場におりますので、行政的にも今のこういう制度、右か左かというような選択の中でいつも住民自身がそういう揺れ動きをします。あるいはそういう認識を常に持っている。つまり、常にそういうことが諸般のことに影響している、そうしてそれは行政とも必ずしも別でないというのが実態であります。事今回も、私も実はことしの九月に選挙があったわけですが、このときもそういう関係が全くなかったわけではない。確かに無投票になりましたけれども、やはりそういう底流があったことは事実でございます。  それから生活の問題でございますが、日常生活の中でもやはり、あの人はあちらの派、この人はこちらの派というようなささやきがあることも事実でございます。常にそういうことがささやかれる。あるいは心の中にある。先ほど心の話がございましたが、やはりいつも、これは私の組であろうかあるいは向こうの組であろうかとか、そういうお考えを持った方が少なからずおられるという実態でございます。  それから教育の問題でございますが、これはもう申すまでもなく、ちまたの新聞あるいはテレビ、そういう報道の中で私ども大人が、有権者が本当にこういうことをやっているということを子供たち自身が感じないわけはありません。そのことは非常に重要な今後の奄美の問題にかかわってくるという気がいたします。  そういった意味で私どもは、この特異な選挙制度は改めるべきだというふうに思う次第でございます。  以上でございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 差し支えなかったらもうちょっと具体的にお話をお伺いしたいのですが、参考人が無投票で町長さんになられたということと、衆議院選挙が一人一区であるということがどういう点で関係しているのか。いろいろ言いにくい点もあろうかと思いますが、重要なことでございますので、ぜひともその関連性をお話しいただきたいと思うのです。

野村良二鹿児島県奄美群島市町村長会会長(鹿児島県大島郡喜界町長)

○野村参考人 お答えをいたします。  大変私ごとの部分がありますので申し上げにくい点もありますが、正直言って、無投票になるまでのいわゆる水面下といいますか、それは私がある意味で片一方を支持しておるということで、反対の方々が、無投票ということはまかりならぬ、勝つ負けるは別にしても、必ず一人候補者を立てるべきだという動きがあった、こういうことでございます。  以上でございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 今吉参考人にお尋ねをいたします。  先ほど来、今吉参考人の意見をお聞きいたしました。いろいろお述べになっておりますが、結局種子島、屋久島の皆さんの条件も、歴史的そして地理的に奄美大島の皆さんと同じではないか。同じ離島という条件であり、そして経済的にも鹿児島市と直結をしている。そういう中で、今回仮に奄美が鹿児島一区に合区することになりますと、私の勝手な推測かもしれませんが、種子島、屋久島の住民の皆さんの感情からして、公平といいますか、感情に合わないというふうなことではないかと受けとめたわけであります。  今吉参考人自身、奄美が一区に合区すること自体に、そのものに反対なのではなくて、種子島、屋久島の皆さんとのバランス、種子島、屋久島の皆さんの住民感情というのを非常に重視されているのではないかなとお聞きをしたのですが、その辺どうなんでしょうか。

今吉弘鹿児島県信用保証協会会長(前鹿児島県副知事)

○今吉参考人 おっしゃいましたように、私が申し上げましたのは、種子島、屋久島と鹿児島市との交通、文化、歴史的なつながり、それは奄美と同じではないかということから当然論議が出てくるということを申し上げた次第でございます。  奄美の方から、先ほど野村参考人からお話しのような意見陳情書もあってという経過で申し上げているわけでございますが、ほかの地域からは具体的な動きは現在ございません。逆に鹿児島一区の方においては、一区の関係者の中には、じゃ三区の方はどうなるのかという御意見がございます。また、三区の方からの具体的な御意見、あるいは種子・屋久からの具体的な御意見といったものはございません。  私が申し上げたいのは、そういった歴史的なつながり、現在の経済、文化の交流等から見て、客観的に判断をしていただくべきではないか、もつと論議を深めていただくべきではないかということで申し上げた次第であります。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 時間が参りましたから質問は終わります。  お二人、ありがとうございました。

松永光自由民主党

○松永委員長 川端達夫君。

川端達夫民社党

○川端委員 民社党の川端でございます。両参考人におかれましては、当委員会が突然の御要請を申し上げたにもかかわらず、大変お忙しい中をまげて御出席をいただきまして、心からお礼を申し上げたいと思います。  私も時間が限られておりますので率直にお尋ねしたいと思いますが、私も議員になるまでサラリーマンをしておりまして、職場の仲間にたくさんの鹿児島県、とりわけ奄美群島の方がおられました。何度かそのおうちに遊びにも行きました。非常に関心を持ってこの選挙制度のことを注目をいたしておりました。そういう中で今一番強い関心を持っておりますことは、今日の政治状況、皆さんもそうでありましょうけれども、東京佐川急便事件を中心としていろいろ政治腐敗が言われる。真相解明して責任をとるべきだということは当然でありますが、そうしたらどういうふうにしていったらいいのか、このお金まみれの政治をどう直したらいいのかという議論の中で、今の政治にお金がかかる、その根源は中選挙区制にあるんだ、同じ政党同士が相争うという自民党の体質の中で、選挙制度で一緒に争わなければいかぬからサービス合戦になってお金が余分にかかるんだ、だからその腐敗の根源を絶ち、お金のかからない政治をするには選挙制度を変えなければいけない、それは中選挙区制が諸悪の根源であるから小選挙区制にすべきだ、大体こういう御議論をされている方が多いというふうに思います。  そこで、野村参考人にお尋ねをしたいのですが、そういう人たちは、小選挙区制というのは一人ですから、半分近くの票が、死票という言葉が正しいのかどうか知りませんが、入れた人が当選しなかったという票になるわけですが、そういうような欠陥があっても、小選挙区制の長所としての政策本位の、お金のかからない選挙ができるんだというふうにおっしゃるわけです。現実に、中選挙区制の中でただ一つ定数一名という選挙を御経験されている野村参考人におかれましては、ほかの選挙区に比べて政策本位の、そしてお金のかからない選挙というのは行われているというふうにお感じになっているのかどうか、まずお尋ねをしたいと思います。

野村良二鹿児島県奄美群島市町村長会会長(鹿児島県大島郡喜界町長)

○野村参考人 お答えを申し上げます。  今の、ほかの地域でどういうふうに考えられるかということについて私はお答えできかねますが、奄美の小選挙区での弊害が、全国的な小選挙区施行のときにそのまま例として考えられるかという御指摘は、私は少し違うような気がいたしております。  奄美の問題は、中選挙区制の中で小選挙区制というか一人一区選挙区制というのが暫定的にという形で今までずっとあった、そこに違いがあると思います。したがって、私のところの小選挙区制度の弊害は、政策論争はもうそっちのけというわけじゃございませんが、同じ保守系無所属あるいは保守系公認候補の争いの中でのお話でございますから、私は、全体的な小選挙区制の問題については、この奄美の例が即悪例としてだめであるということにつながるかどうかは、少し違うのではないかというふうに承知いたしております。  以上でございます。

川端達夫民社党

○川端委員 現行中選挙区制のもとのたった一つの一名区ということで、現在のいわゆる派閥政治等々が持ち込まれるというふうなことを御指摘なのかもしれませんが、現に定数一名で争うというときに、政策で争うという以外に、やはりそういうお金絡みの、いろいろ報道されている部分を持っている現実を引き起こしているのは事実だと思うのですね。それは、選挙制度とお金がかかるということとが非常に密接にリンクしているのではなくて、やはり立候補される方等々の選挙のやり方というのですか、かける人か、かけない人かということに非常に起因するのではないかなという感想を私は持っております。  そういう中で、さて今回の改正案が通るといたしますと、定数四名の中選挙区に編入をされるというか、一種合区をされるということで、今までと違う選挙を体験されることになるわけです。そのときに、地理的なとか合区とかいうことの中で、先ほどの御議論では選択の幅が広がるということを挙げられました。それは一つのメリットだと思います。今まで、ある意味では皆さんにとっては不名誉とも言われる、あそこは物すごい金まみれの選挙をやっているんだという批判がありましたけれども、そういうことに関して、今度合区されるということでどういうふうになると思っておられるか。相変わらずの選挙が続くのかなと言われるのか、多少違うのかなと言われるのか、そこら辺はどういうふうに思っておられますか。

野村良二鹿児島県奄美群島市町村長会会長(鹿児島県大島郡喜界町長)

○野村参考人 お答えいたします。  恐らく合区して鹿児島一区になりましたら、私は直ちに奄美の選挙のおかしなところが解消するというふうには思っておりません。しかし、相当解消される方向に向かっていくことは間違いないというふうに思っておりますし、また、これだけの広い選挙区の中で、そういうお金絡みの選挙がそんなにいつまでもできるものでもないというふうに思っております。  以上です。

川端達夫民社党

○川端委員 参考人は、小選挙区制だからお金がかかるということではないという御意見を冒頭お述べになりましたけれども、少なくとも現実に小選挙区から中選挙区に変えて、今よりよりお金まみれの選挙が行われるということではないということは、私もそうだと思います。おかけになる人もおられるかもしれませんけれども、制度的にはそういうものだと思います。  そこで、今吉参考人にお伺いをしたいのですが、参考人は副知事をされたということで、広く県下全般を見て鹿児島県の選挙区割りあるいは定数配分がどうなるか、どうあるべきかということをお考えでの御意見をお述べいただいていたというふうに思います。そういう中で、奄美の人にとってあるいは鹿児島一区の人にとって、おのおの選挙区が広がるという意味で、この法律が通りますと、今の案では実施はこの法律が通った後行われる総選挙からということになっております。解散というのはいつあるかわかりませんから、例えば年末解散をするという、この国会の終わりごろに解散をするということになれば、正月に選挙をするということになるわけですね。そういうときに、選挙民としては今までと対象が広がった部分で選ばなければいけない。  そういうことに対しては、ある一定の期間というのはやはり確保されるべきではないかというふうに私は思うのですけれども、その部分に関しては、法律が通ったらすぐにこの選挙区は合区でもう結構だというふうにお考えか、やはり少しの猶予期間が、そうなりましたよという中で選挙民が、合区するということでは自分の選挙区に、例えば奄美の人だったら今まで一人しかおられなかったのが、あと現職として四人おられるんだなということも含めてどういう人なのかなという、あるいは鹿児島一区の人にとっては奄美の人はこういう人かということも含めて、そういう期間が必要と思われるか、いや、この法律どおりのことでいいと思われるか、お伺いしたいと思います。

今吉弘鹿児島県信用保証協会会長(前鹿児島県副知事)

○今吉参考人 なかなか一概にはお答えできがたいと思います。  奄美にかかわらず選挙区を動かすということは、長年の生活感覚、政治感覚にとりまして非常に大きな変動になるわけでございます。それだけに私が先ほどから申し上げているのは、十分慎重な御論議をいただきたいということを申し上げておる次第でございまして、人によりましては、即刻新しい選挙区で投票があっても対応していくのにびくともしない方もおられましょうし、はて候補者のお名前もお顔も存じ上げないと戸惑いをなさる方も一方ではかなりおありだろうと思います。いろいろな意味で、選挙区の手直しをされるということは慎重な御配慮が必要だと私は申し上げたいのでございます。

川端達夫民社党

○川端委員 同じ質問で野村参考人、次善の策として、鹿児島一区に合区するということは次の選択肢としてあり得る、できれば一つで残った方がいいけれどもというお話でしたけれども、そういう部分で、合区されたときの群島区の皆さんの、次にすぐ選挙があるなというときに、やはりそれなりの皆さんへの周知徹底というのは必要とお考えかどうか、お伺いしたいと思います。

野村良二鹿児島県奄美群島市町村長会会長(鹿児島県大島郡喜界町長)

○野村参考人 これは法律が変わりましたら、私どもは法律に従ってやるということが地元としては当然だというふうに理解をいたしております。  以上でございます。

川端達夫民社党

○川端委員 ありがとうございました。終わりにしたいと思います。

松永光自由民主党

○松永委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人各位におかれましては、貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。  午後二時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時二十六分休憩      ————◇—————     午後二時四十三分開議

松永光自由民主党

○松永委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議及び日本共産党の出席がありませんので、そのまましばらくお待ちください。——先刻来、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議及び日本共産党所属委員に出席を強く要請いたしましたが、いまだ出席が得られません。  この際、暫時休憩をいたします。     午後三時八分休憩      ————◇—————     午後七時開議

松永光自由民主党

○松永委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  公職選挙法改正に関する件について調査を進めます。  この際、穂積自治政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。穂積自治政務次官。

穂積良行自由民主党自治政務次官

○穂積政府委員 この機会に、第十六回参議院議員通常選挙の結果の概要について御報告申し上げます。  今回の選挙は、本年七月七日に任期が満了となった参議院議員の通常選挙でありまして、選挙すべき議員の数は、比例代表選挙が五十人、選挙区選挙が七十六人、合計百二十六人でありました。また、これと合併して埼玉県選挙区の補欠選挙が行われました。  選挙当日の有権者数は約九千三百二十五万人で、前回の通常選挙に比べ約三百三十六万人増加しております。  次に、投票の状況について申し上げます。  七月二十六日の投票日の天候は、一部の地域で曇りのほかは、全国的に晴れの好天に恵まれましたが、投票率は五〇・七%でありまして、これは前回の投票率に比べ一四・三ポイント下回り、残念ながらこれまでの通常選挙の中で最も低いものとなりました。  次に、立候補の状況について申し上げます。  比例代表選挙につきましては、名簿を届け出た政党は三十八政党であり、前回に比べ二政党減少しており、その届け出名簿に登載された候補者の数は三百二十九人で、前回に比べ五十六人の減、競争率は六・六倍でありました。  選挙区選挙につきましては、候補者数は三百十一人で、前回に比べ二十六人の増、競争率は平均四・○倍でありました。  次に、当選人の状況について申し上げます。  党派別に申し上げますと、自由民主党は比例代表選挙で十九人、選挙区選挙で四十八人、合計六十七人ですが、追加公認を含めると六十八人、日本社会党は比例代表選挙で十人、選挙区選挙で十二人、合計二十二人、公明党は比例代表選挙で八人、選挙区選挙で六人、合計十四人、日本共産党は比例代表選挙で四人、選挙区選挙で二人、合計六人、民社党は比例代表選挙で三人、選挙区選挙で一人、合計四人、日本新党は比例代表選挙で四人、スポーツ平和党及び第二院クラブは比例代表選挙でそれぞれ一人、諸派・無所属は選挙区選挙で七人となっておりますが、自由民主党に追加公認された一人を差し引きますと六人となっております。  次に、比例代表選挙の全有効投票に対する党派別得票率は、自由民主党三三・三%、日本社会党一七・八%、公明党一四・三%、日本共産党七・九%、民社党五・〇%、日本新党八・〇%、スポーツ平和党三二%、第二院クラブ二・九%、諸派七・八%となっております。  また、選挙区選挙の党派別得票率は、自由民主党四三・四%、日本社会党一二・九%、公明党七・八%、日本共産党一〇・六%、民社党二・三%、連合の会九・七%、諸派・無所属一三・三%となっております。  最後に、選挙違反の状況について申し上げます。  投票日後九十日目の十月二十四日現在の今次選挙における検挙件数は四百四十三件、検挙人員は一千十七人となっておりますが、これを前回と比較いたしますと、件数で五十四件、一〇・九%、人員で三百六十八人、二六・六%減少しております。  以上をもちまして、過般の参議院議員通常選挙の結果の御報告を終わります。

松永光自由民主党

○松永委員長 次に、警察庁國松刑事局長より発言を求められておりますので、これを許します。警察庁國松刑事局長。

國松孝次警察庁刑事局長

○國松政府委員 ただいまの御報告に引き続き、本年七月二十六日に施行された第十六回参議院議員通常選挙における違反行為の取り締まり状況について御報告いたします。  先ほど申しました検挙状況につきまして、罪種別に申しますと、買収三百三件、七百二十五人、自由妨害二十四件、十九人、戸別訪問三十六件、七十四人、文書違反五十七件、百七十四人、その他二十三件、二十五人となっておりまして、買収が検挙事件のうち件数で六八・四%、人員で七一・三%と最も多くなっております。  また、警告状況を申し上げますと、総数で一万九百四十件でございまして、前回は一万一千三百七十三件でございますが、ほぼ前回並みとなっております。なお、警告ケースのほとんどは文書関係についてのものでありまして、総件数の九六・四%を占めております。  以上、御報告を申し上げます。

松永光自由民主党

○松永委員長 これにて説明は終了いたしました。     —————————————

松永光自由民主党

○松永委員長 次に、綿貫民輔君外九名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。堀込征雄君。

堀込征雄日本社会党・護憲民主連合

○堀込委員 公職選挙法の一部を改正する法律案、政治資金規正法の一部を改正する法律案、特に公職選挙法を中心に質問をさせていただきます。  きのう来議論が大分実は煮詰まってまいりまして、したがいまして、きのう来の議論の中で不明確なところ、あるいは私自身が議論を聞いて気になったところを中心に質問させていただきます。  何はともあれ、提案説明があったわけであります。そして、きのう質疑がございましたが、いずれにしても、六十一年の国会決議に今度の九増十減案はやはり大きく外れているんではないか。これは二人区・六人区の解消の問題、あるいは格差を二倍程度に近づける、そういう努力の面からいっても、やはり国会決議に大いに反しているというふうに言わざるを得ない面があろうかと思います。  これは六年半も、実はきのうも議論ございましたけれども、国会決議が放置をされてきた。きのう実は梶山議員の答弁では、昨年政府は三法案を出して、その間るる努力をしてきているんだ、こういう御答弁ございましたけれども、それはそれとしまして、いずれにしても去年の三法案をつぶしたのが野党ではないかというような答弁に聞こえたわけであります。そうではなくて、やはりこの際六年半にわたって、私ども国会の任務として、責務として、この問題を放置してきた、国会決議に沿って改革がなされなかったということについて、やはり深い反省が必要なのではないかというふうに思うわけでありまして、昨年三法案を出したことは必ずしも国会の免罪符にはならないんではないか、こういうふうに思いますが、いかがでございますか。

与謝野馨自由民主党

○与謝野議員 昨年の三法案の取り扱いについて申し上げますと、あの三法案は政府提出の法案でございまして、政治改革特別委員会というものをわざわざつくりまして、そこで審議をいたしたわけでございます。そのときの委員長は小此木彦三郎議員が委員長をされておられまして、与野党の審議の状況等をすべて勘案された上で、廃案とすべきものと決するということを御決定になったわけでございます。  確かに、前回の定数是正をいたしましてから相当の期間が経過をしております。定数是正の責任は一体だれにあるかといえば、先生まさに御指摘のとおり我々自身、このハウス、院にあると私どもは考えております。しかしながら、国会決議との関係においては、確かに二人区・六人区というものは解消されないのが今回の提案でございますけれども、やはり国民の選挙権の平等性は確保するということについて一歩でも前進をする、また、最高裁の判決について我々は迅速な対応をしていくということは必要であろう、かような観点から、自由民主党の提案の法律として今回出させていただいたわけでございます。

堀込征雄日本社会党・護憲民主連合

○堀込委員 そういうことで抜本改革がある。この九増十減は当面、最高裁判決で言っている、いわば三倍以内が一般的に合理性を有する、それに合致するための当面改革だ、こういう提案だというふうにきのう来の答弁を聞いていますと解釈できるわけであります。  そこで、今度のこの九増十減は、御存じのとおり一票の重い方から減らして、いわば九増十減を多いところと少ないところと機械的にやっているわけですね。そうしますと、その最高裁の根拠もございますけれども、三倍以内ですと、四増四減で三倍はクリアできるわけです。きのう来、九増十減が国民の期待にこたえる中身だ、こういうふうに答弁されていますけれども、私は、九増十減で国民の期待にこたえる中身なのかどうか、四増四減ではなぜいけないのか、なぜ九増十減が国民の期待にこたえる中身なのかという点について、きのう来どうも納得できる答弁がないというふうに思いますので、その点について伺いたいと思います。

与謝野馨自由民主党

○与謝野議員 確かに、現在の最高裁の判決だけをクリアするということであれば、先生の御指摘のように四増四減でもクリアできる、これは先生の御指摘のとおりでございます。しかしながら一方、私どもとしては、前回の定数是正のときにふやしました一名の総定数、これを一名減らす、これは一名でございますけれどもなかなか苦しい選択であったわけでございます。それと同時に、四増四減だけで済ますということももちろん可能であったわけでございますけれども、やはり先ほども申し上げましたように、選挙権の平等性の確保へ一歩でも前進をする、そういう意味で九増十減というのが現実的な対応としてぎりぎりのところであるということで、我々は皆様方にお願いをしているわけでございます。  こういうものは、先生今機械的とおっしゃいましたが、定数是正をやりますと定数が減る減員区というものがございまして、こういうところには我々の友人、知人、本当に親しい議員もおりますわけでございまして、その定数是正というのは、先生も多分御理解いただけると思いますが、我々にとりましてもなかなかつらい作業である、こういうこともぜひ御理解をいただきたいと思います。

堀込征雄日本社会党・護憲民主連合

○堀込委員 そこで、今自由民主党では抜本改革について党内議論をされている。そして、宮澤総理も不退転の決意で抜本改革に臨む、こういうことを何度もおっしゃっておられます。  実はきのうの答弁で、梶山先生、風邪で大丈夫でしょうか、きのうちょっと気になった答弁があったんです。私の勘からいえば一年以内に抜本改革ができるかどうかわからない、歴史的に見てもなかなかこうした改革はできていないという経過がある、神ならぬ身で将来のことはわからない、こういう答弁を実はうちの佐藤議員の質問に対してなさっています。つまり、抜本改革はできるであろうかどうか、まあちょっとわからない面がある、これは不退転の決意じゃなくて、どうもそういうふうに受けとめたわけであります。抜本改革ができないときはできないときで、とりあえずこの九増十減をやっておけばしばらくいいんではないかというような点が、多少きのうの答弁のニュアンスの中であったわけでございますが、この抜本改革、不退転の決意でおやりになる、こういうふうにぜひ言ってほしいというふうに思うわけでございますが、いかがでございますか。

梶山静六自由民主党

○梶山議員 風邪で声が聞きづらいことをお許しをいただきたいと思います。  抜本改正はぜひともやり遂げねばならない課題でございます。きのう私の発言で舌足らずのところがあったらばお許しをいただきたいと思いますが、私の勘というか、神ならぬ身、一年間で必ず抜本改正をいたしますということには、残念ながら私はまだ今申し上げるほどの自信、確信がございません。ただ、いたそうという意欲があることだけは御了承のほどを願いたいと思います。

堀込征雄日本社会党・護憲民主連合

○堀込委員 ぜひそういう意欲で取り組まれたいと思います。  政治資金の問題についてお伺いをいたします。  実は、きのうの議論の中で企業献金問題、随分論議がございました。昭和四十五年六月の例の八幡製鉄の政治献金事件の最高裁判決があって、いわば「会社は、自然人たる国民と同様、国や政党の特定の政策を支持、推進しまたは反対するなどの政治的行為をなす自由を有する」という有名な判決があるわけでございますが、これを盾に企業献金というのは合法的だというふうに認知をされ、あれ以来企業献金が合法性を持つということになってきているわけであります。  しかし、私は今考えてみますと、あの判決は昭和四十五年であった、既に二十年以上経過をしているということ。この二十年の間に企業献金によって腐敗事件がたび重なって起こっている、こういう問題もございます。さらにはまた、この二十年間の間に日本の社会は企業社会、法人社会と言われるほど、あるいは日本株式会社と言われるほど法人の発言力が強くなってきている。この法人の社会への支配力の強化、強くなっているというような現状を考えるときに、やはり企業献金そのものを最高裁判決の時点とは違った意味合いで私どもは考え直す必要があるのではないか、こういうふうに思いますが、津島先生は昨日、企業献金そのものは悪いものではないという立場から御答弁なさいましたが、この点はいかがでございましょうか。

津島雄二自由民主党

○津島議員 企業献金のあり方についていろいろ議論があることは私も承知をいたしておりますが、要するに政治のコストを負担するために善意の献金をしていただく、寄附をしていただくという立場から見ますと、それが企業献金であれ個人献金であれ、いろいろな意味で政治のプロセスをゆがめるものには問題があるわけでありまして、企業献金だからどうである、そうでないからどうであるという考え方を私どもは必ずしもとらないわけであります。  もとより、金額が大きくなればゆがめる可能性も大きくなるということは、それは事実かもしれませんけれども、そうであるがゆえに今政治資金規正法によりまして一定の限度が決められているわけでございまして、例えば会社がその大きさに応じて一年間で政治献金ができる金額がしっかりと決められておるわけであります。それを超える献金というものはないわけでございます。  こういう量的な規制につきまして、私は昨日は申し上げなかったのですが、今回の緊急是正でもう一つ新しいことが行われましたのは、行われようとしておりますのは、量的規制を超えた献金についてはそれを没収、追徴をする。そしてまた、それにかかわった行為について罰則も強化をした。  こういうことを全体として考えてみますと、今企業献金を定めております政治資金規正法の制度というものは、私は常識的に言って妥当なものであると考えてよろしいと思います。そうであるとすれば、企業もやはり社会的な存在でもございますので、そういう枠の中で行われる政治献金というものは、これは適切なものとして受けとめるのがよろしかろう。  問題は、そのようなせっかく法律、規則で決められておりますいろいろなルールというものをきちっと守っているかどうかということが問題であろうと思われるわけでありまして、重ねて申し上げますけれども、企業献金だからどうだ、個人献金だからどうだということは、必ずしも私どもはとっていないわけであります。ルールを守るかどうかというところに問題がある、こういうふうに考えておるところであります。

堀込征雄日本社会党・護憲民主連合

○堀込委員 私はちょっと考え方が違いまして、先ほど申し上げましたように、日本の今の企業社会、法人社会の支配力を見ると、企業献金は極めて問題を将来にも残すであろうというふうにも思いますし、しかも、損金算入制度やあるいはまた使途不明金の規制などの問題もございますし、最近の事件の頻発を見ましても、やはりこれは禁止をしていくということがいいのではないか、よりベターな立場ではないかというふうに思います。  時間がありませんから、ちょっと先へ行かせていただきます。  そういう立場であるにせよ、企業・団体献金を仮に禁止できないという場合に、政党に一元化しようという考え方が、昨年の法案でもあるいは幾つかの民間からも出されています。これは、ぜひ企業献金を規制しなければならない、政治資金の入る方を公明性を高めなければならない、透明性を高めなければならない、そういう立場から議論がなされているわけですが、その点はいかがですか。

津島雄二自由民主党

○津島議員 企業献金であれ個人からの献金であれ、一定のルールに従って国民の皆様方の監視のもとに進めていくということが必要なわけでありますが、そういう角度から申しますと、今政党に対する献金は、御承知のとおり一万円以上の献金は全部公表するわけでございます。そして、その収入と使途についてはすべて報告をされ、公表される。また、私どもの党で申しますと、これは党大会で承認を受けなければならない。こういうものでございますから、一般的な立場から申しまして、政党に対する政治献金というものが、企業献金であっても、最も今御指摘のような問題の少ないものであるということは言ってもいいのではないかと思います。  そして、重ねて申し上げますけれども、委員が御指摘のような献金について問題のあったケースは、実はルールに外れた献金でございまして、ですから、今あるルールをまず守るということが基本である。そして、重ねて申しますが、そのルールは、政党に対する献金については最も透明度が高くなっている、こういうことを申し上げたい次第でございます。

堀込征雄日本社会党・護憲民主連合

○堀込委員 ルールに外れたものはやはりなくしていくという考え方であるとすれば、私は、今度の十八項目プラスアルファの与野党協議の場で、政治改革協議会の場で、例えば指定団体を一つにするとか二つにするとか、そういうことはどうしても必要な措置だと思うのですね。もうこれ、提案の先生方、幾つお持ちか知りませんけれども、やはりそういう考え方であるならば、指定団体を絞るとか、幾つかの方策があるわけでありますから、そういうことについてもぜひ前向きな取り組みをお願いしたいと思います。  時間がございませんので、最後に選挙制度について質問します。  きのう細田先生、森先生から、小選挙区、中選挙区制度の是正のところまで議論がされてきている、野党がどう理解してくれるかも視野に入れて討議が進んでいる、こういうふうに御答弁がございました。  御存じのように、私どもは比例制を中心とした考え方を持っているわけであります。選挙制度は、民意の反映という点では、やはり比例制が鏡のように民意を反映する制度だ、こういうことはもう言うまでもありません。そういう意味で、この比例制を基本にした制度を考えるべきだ。しかし、選挙民から顔が見える、こういう制度も必要であろう。選挙民がよく顔が見えて投票行為ができる、こういう制度、つまり小選挙区を加味して制度を考えていくべきではないかというふうに考えるわけでありまして、この組み合わせが一番いいのではないかというふうに私は思いますし、そういう配慮がないと、きのうの答弁にございましたが、野党の理解を得て何とか選挙制度を含めてこの政治改革をなし遂げようという場合に、やはり非常に難しくなるのではないか、こういうふうに思いますが、いかがでございますか。

森喜朗自由民主党

○森(喜)議員 昨日、私がその件に関して少し自民党の考え方、あるいはまた、今政治改革本部で石井先生を中心に議論しておりますことなどを御報告のような形で申し上げました。  この夏といいますか、国会がお休みのときに、今お見えの佐藤先生あるいは井上先生や左近先生や、実務者会議のメンバーでヨーロッパやアメリカの選挙制度も、もちろんこれまでの先生方も十分勉強なさっておられますが、再度私ども国会派遣の形で行ってまいりました。そのときも、比例代表ではどうなのかという意見がイギリスでも皆さんから出ておりました。そのときも、イギリスの与党、野党とも、やはり比例代表はよくないということを両党とも言っておられました。今先生がおっしゃったのと同じように、イギリスの第三党だったと思っておりますが、投票ではかなりの票をもらっているのに、議員の数では一けたのパーセンテージになってしまうということをおっしゃっているところがありました。  そういうことに対して今の与党、野党はどう思いますかということでしたが、基本的には、政党が政権を持つということに対する責任というのがやはり大事だ。比例代表制というものを加えていきますと、どうしても連立内閣のような形になってくる、これは国民に対して政治の責任の上で好ましいことではない、与党も野党もそういう意見を言っておられまして、野党のきょうお見えの先生方もそのことはお聞きになっておられると思うのです。  もちろん、議会制度の最も基盤となる選挙制度のことですから、これから自民党だけで幾ら何でも、仮に多数あってもやれるべきものでもありませんし、当然与党の中の意見をまず集約することが第一。そして、野党の皆さんの理解を得ながら議会で成立を図る。あるいはまた、現状から見れば、参議院で与党は過半数を持ってないという現状にかんがみれば、当然野党の皆さんの御理解もいただかなければならぬと思っております。  しかし基本的には、我が党の今論議の高まりは、ある意味で成熟は、やはりきちっとした小選挙区制の方が、あえて今の選挙制度を改正するなら、制度としてはその方がいいという考え方がかなり多い。もちろんその中にもいろいろな意見はございますけれども、選挙制度改革本部の選挙制度部会というのでしょうか、ここで我が党の各先生方に個人面接をして意見を集約したところが、大体単純小選挙区制の方がいいという声の方が多いということでございます。もちろんこれからまた党内を取りまとめてまいりますのに、まだ時間的経過を当然要することになると思います。

堀込征雄日本社会党・護憲民主連合

○堀込委員 終わります。

松永光自由民主党

○松永委員長 次に、沢藤礼次郎君。

沢藤礼次郎日本社会党・護憲民主連合

○沢藤委員 予想しておりました時間が半分になったので、質問事項もはしょります。御答弁もひとつ簡潔にお願いしたいと思います。  抜本是正といわゆる緊急是正ということの関係が依然としてよくわからないのです。きのうたしか与謝野議員は、今度の決議に沿ってないのじゃないか、二人区・六人区ふやしたのじゃないか、これに対して、いや、これは緊急の措置であって、抜本是正がちゃんとあるのだ、それまで我慢しなさいという意味の発言をなさっているわけです。  ところが、その抜本是正がいつになるかわからないみたいな答弁になりますと、前提が崩れてくる。いずれ抜本でやりますよ、したがって、今のところは六人区・二人区の問題は目をつぶっていきましょう、これは崩れてくるわけです。だから、抜本是正に向かって走る途中の途中下車だとするならば、仙台から東京に向かう途中下車は福島か郡山ならわかるけれども、青森の方に突っ走っておるわけです。  そこで、それも含めてですけれども、では抜本是正が行われる段階では、決議どおり二人区・六人区は解消します、もとに戻しますということに解釈してよろしいですね。

与謝野馨自由民主党

○与謝野議員 国会決議にはそのように書いてございます。

沢藤礼次郎日本社会党・護憲民主連合

○沢藤委員 もう一度お聞きします。  抜本改革がなされる段階では、二人区・六人区はつくらない、こういうことですね。

与謝野馨自由民主党

○与謝野議員 実は、国会決議には抜本是正という言葉の定義が書いてないわけでございます。抜本是正というのは一体何かというのは、実は先生方を初め、国会で大いに意見を闘わして、抜本是正とは一体何かということを考え、決めていかなければならないわけでございます。ただ一つメルクマールがあるとすれば、それは選挙権の平等性の確保へ進んでいくということだと私は思っております。

沢藤礼次郎日本社会党・護憲民主連合

○沢藤委員 提案の趣旨からすると、きのうきょうの御答弁は、立たれる方、きょうは違うし、きのう言われていることときよう言われていることは違うのですよ。  私は社会党の態度として、これこれの理由によって反対だということを言った。その一つには、抜本改革との関係が全然不明確だということ。今の御答弁を聞いて、これがますますはっきりした。私たちはやはり反対の態度というのを、これは説得力あるかなと思っているのですが、これはいずれ三野さんやこれから続く方にがっちりやっていただきますので、私はきょうはできるだけ多くの時間を割いて、同じく決議の中にあります過疎・過密という問題を取り上げてみたいと思うのです。  この定数是正が出てきたというのは、当然人口の変化、移動があって、したがってふえたところには増議席、減ったところには減という格好になってきたわけですね。つまり、一票の格差をなくすのだ、そっちの方向に向かってやるのだ。ただ一つ欠けておるのは、この一票の格差がなぜ起きたのか、どのような政策によって導き出されたのか、それに対する我々の点検、反省というのがないと思うのですね。現象がこうなった、それ数字だということで、九増十減だ。そこには、今までとり来った政策に対する点検、反省がない、このことについて一言。

細田博之自由民主党

○細田議員 簡単に申し上げます。  この格差は、昨日も申し上げましたように、大都市圏において異常な人口増加があったために起こっているのであって、過疎地域において人口の減少が著しく起こったから起こっているのではありません。したがって、この増減は大都市において増加させるために、しかも総トータルの議員定数を一名でも減らすために減を余儀なくされる地域があるわけでございまして、過疎と過密の問題というのは、当然その格差の中に含まれておる。しかし、憲法上の法のもとの平等という観点で、やむを得ないところであるということでございますから、過疎・過密の問題とは独立して判断したわけでございます。

沢藤礼次郎日本社会党・護憲民主連合

○沢藤委員 とするならば、私はここで全総の歴史を振り返ってみざるを得ません。  全総、これは余り詳しく申し上げる必要はないと思うのですが、拠点開発方式、新全総、国土開発交通ネットワーク整備、そこで三全総が出てきまして、定住圏構想というのが出てきた。これからは地方の時代ですよ、人口の都会に対する過度の集中は抑えるのですよ。そしてそれがある時期、確かに東京圏なりあるいは二大都市圏、三大都市圏に対する集中がやや勢いを衰えさせた時期がありました。ところが、四全総に向かっては、むしろまた格差が生じているのです。これは国土庁も認めているのです。四全総はどううたっているかというと、三全総に恥ずかしいと思ったのでしょうか、定住圏構想は一応ちゃんと下敷きにとっておくけれども、一極集中是正、多極分散型国土形成。つまり一極集中がやまないますます激しくなった、東京に対して。したがって、今度は定住という言い方ができなくなったものですから、多極分散という言い方をしてきた。  これはいろいろな本にありますけれども、全総の歴史は敗北の歴史だ、こういうきつい表現さえあるのです。敗北という言葉が言い過ぎであるなら、無力の歴史だ、こういう反省の中で私たちは過疎・過密の問題に立ち向かわなければならない。そのことを抜きにして、さあふえたから議席をふやせ。こっちは過疎進んでいますよ。これは認識を改めてください、これは数字ありますけれども。それから、同じ県の中でもやはり過疎・過密の進行というのはあるのです。アンバラが生じているのです。それに対する我々の反省、点検というものはないということを指摘しているのですが、一言どうぞ。

与謝野馨自由民主党

○与謝野議員 過疎地域の方々からは、議員の数を減らすとますます過疎が進んでしまうという鋭い御指摘が実はあるわけでございます。これは三全総、四全総のお話が出ましたが、やはり戦後日本、一次産業、すなわち農業に就業している方々の人口は、先生御承知のように大変劇的に減少したわけでございます。既にもう農業についておられる方は総労働人口の一〇%以下という時代、二次産業、三次産業の時代に入ったわけでございます。そういう中で、確かに過疎・過密という問題が発生し、三全総あるいは四全総においてそれを是正しようという努力をしたわけでございますが、集積のメリットがこれにまさったということではないかと思っております。

沢藤礼次郎日本社会党・護憲民主連合

○沢藤委員 一票の格差ということをおっしゃいます。これは当然是正しなければならない、これも私、賛成なんです。ただ、格差という場合に、生きることの格差というのは現実にあるのです。生命を脅かされたり、これから実例をもって挙げますけれども、健康あるいは集落の構造、地域の社会構造が崩れる。過疎・過密、出稼ぎ、蒸発、こういったものが出ているわけです。これは、霞が関とか永田町に座っていただけでは実感できない。そういったものの格差解消という、最もとは言わないけれども、大きな我々の使命があると思うのですよ。ですから、一票の格差も全体の格差の一つの重要な部分だというふうに考えなければならない。だからこそ、あの決議の中に過疎・過密の問題を配慮云々という言葉が出てきたと思うのです。その精神をどう発揚するかということに焦点を当てなければならないと私は思うのです。  そこで、次に進ませていただきますが、私、当該選挙区域、九増十減の十番目ですけれども、だから反対だという意味ではないのです。これは東北あるいは岩手、こういった長い歴史の中の、日本の歴史の中における東北の果たしてきた役割、あるいは今置かれている過疎現象の中のいろいろな人道上の問題等がありますから、この問題をやはり真剣に取り組んで、これこれの方策を展開しています、します、そういう政策展開の裏づけがないままに、定数是正だけが数字が走り出すということについて私は批判しているわけです。  今度は一つ一つ項目を分けて申し上げたいと思うのですが、人間あるいはいろいろな情報機能、産業、文化、経済の機能が一極集中している。象徴的に東京という言葉を使わしていただきますが、私の言うのは大都市とかあるいは太平洋ベルト地帯というふうなことも含めてと御理解いただきたいと思うのですが、この人間が集中している歴史を見ますと、さっきも触れましたが、明治の富国強兵は東北からの兵隊あるいは九州、山陰、貧しい農村地帯からの兵隊が行って富国強兵の最前線に立った。女の人たちは産業の最前線に立った。戦後はどうか。金の卵ともてはやされて、集団就職列車で泣きの涙で多くの中学校卒業生が東京の方に行った。  最近は出稼ぎの問題があります。通年出稼ぎというのを御存じだろうと思いますが、つまり冬季の農閑期の出稼ぎは、秋じまいが終わって十二月ごろから春の農作業の始まるまでの期間出稼ぎするというのが普通の農閑期型の出稼ぎで、農家の長男は大体そういうタイプ。次三男は農家が出稼ぎに行った後、旅の翼を休めるために来て、そして二、三カ月いて、あとはずっと通年出稼ぎなんです。ここには家庭生活というのはないですよ、妻との関係、子供との関係。私は岩手ですから、たくさんのことを見ています。おやじさんがどこ行ったかわからない、子供たちだけで暮らしている岩泉の子供たちもいる。行ってみたら廃屋になっている。その廃屋の中には位牌が転がっていて、一家は離散という状況もある。  そういった中で、この人間の集積、その次には青少年への影響を考えたいのですけれども、東京というものに象徴される文化というのでしょうかあるいはマスコミというのでしょうか、そういったものへの意欲が、気持ちが随分吸収されていますね。だから、一度は東京に出たいといって、農業を、ふるさとを捨てるという価値観の問題がある。そして同時に、それは労働力の吸収ですから、農業、林業の衰退につながっている。過密・過疎の問題は、農業、林業の衰退と無関係じゃないのです。こういう社会構造に与えている影響というものを無視するわけにはいかない。多極分散型国土形成促進法というのがある。あの条文を見れば、本当はこれに立ち向かわなければならないということがはっきり書いてある。しかし、それは結果としては出ていない。全総は敗北の歴史だ、こういうことになるわけですね。  それから、大都会と工業というのはやや似たところがありまして、空気と水という重要なものをばくばくと消費しているわけです。酸素を消費し一炭酸ガスを放出する、つまり環境問題へもつながっていますね。そして、その炭酸ガスをせっせと吸収して酸素にかえるというのは農業と林業でしょう、緑でしょう。それから、工業用水なり生活用水なりをせっせと保持しているのは森林でしょう。一年間に日本列島に降ってくる雨の量、雪の量は四千百億トンと言われている。その七〇%は森林ががっちりと受け持っているのです。膨大な量ですよ。その役割については我々はどう意識しているかというと、必ずしもそうじゃない、政策の展開は非常に冷たい、こういうこともある。  どうでしょうか、こういった考え方に対して、私はやはり国土の均衡ある発展というのが政治の大きな役割だと思うので、これに対しての点検、総括をしながら、うん、自民党・政府は均衡ある国土発展のためにこの法律も進めている、なるほど三全総、四全総は挫折ではなかったという、そういう努力なり成果なりというものが全然見えないで、出てくるのは数だというのでは、東北の人たちはなかなかおさまらない、人間ですからね。どうです。

細田博之自由民主党

○細田議員 提案者の中で最も過疎地である島根県出身ということでぜひ答弁させていただきたいのでございますが、先生の御質問の趣旨には、私も個人的に全く賛成でございます。  戦後岩手県でも人口がむしろふえております。人口の減ったところは、山形県と島根県ぐらいでございます。しかしながら、定数減ということで、定数増の地域があるがゆえに定数減を強いていくというのは、ある意味では過酷な話であり、過密・過疎是正という政策を考えた場合には、本当にいいのだろうかという気持ちは絶えずあるわけでございますから、今後ともそういうことは検討していかなければならないと思います。  ただ、今行われている議論は、神奈川県の人一人の価値と島根県の一人の投票の価値が三倍以上になっておって、島根県民一人の価値は神奈川県の一人の価値の三倍なのか、こういう議論にはやはり何とか最小限こたえていかなければならないということですから、基本の問題と今回の問題というのを余りリンクさせて考えるべきでないので、あとの点については全く私は同感でございます。

沢藤礼次郎日本社会党・護憲民主連合

○沢藤委員 ところが、リンクしているのですよね。これはもう価値観の違いと言うよりほかありません。あなた方の姿勢はそうである。今の御答弁をそのまま会議録を増し刷りして私は東北の人間にばらまきましょう、自民党はこう言っていますよと。これでいいのですか。これは対立点ですからいたし方ないですね。  環境保全ということに対して、炭酸ガスの問題が非常に大きくなってきました。さっき申し上げたとおり、炭酸ガスを大量に排出している企業に連帯の責任というものはやはりあってほしいと思う。したがって、繰り返すようですが、せっせと炭酸ガスを吸収して酸素に切りかえている農業、林業というものを見直せ。川下と川上の関係じゃないか。川下の人たちは、川上よきちんと、ああよく頑張ってくれている、こう言ってもらいたい。  ですから、問題になっている米の輸入の問題、安いものを買うのは当たり前だろうとおっしゃる。南方から安い木材が何ぼでも金さえ出せば来ると言う。しかし、金を出して来るのは木材だけれども、森林機能は輸入できないですよ。金を出して米を買えるかもしれないけれども、水田機能は輸入できないのですよ。その違いをわかっておらない。こうした質問ですが、どうですか、この問題について一言。

森喜朗自由民主党

○森(喜)議員 前の定数改正がございましたときに、私の選挙区ではございませんが、石川県の第二区も三名から二名に実は減員をされました。きのうもこの委員会で話題に出ておりました、また例示として佐藤観樹先生からお話が出ましたように、石川県の人口よりも富山県の人口が少ないのに、富山県が一人議席が多いという、そういう矛盾点のお話もございました。  定数減ということは、やはり当該の議員の皆さんにとっても大変な苦痛のことでもございますし、またその地域で投票する有権者の皆さんから見ても、何か今までの政策で過疎だから少なくなったのか、人口が減ったから少なくなったのかということに対しての、やはり何とも言えないやるせない気持ちもあります。これは私どもも当時、選挙区が違いますけれども、十分そういう声は聞きました。  しかし逆に言えば、これは東京の先生方におしかりをいただくかもしれませんが、我が党の中の論議の中には、それじゃ数だけ多ければいいのか、実態のその投票率はどうなんだろう、地方の過疎へ行けば行くほど本当に山を隔てて、峠を越えておばあちゃんが投票に行かれる、まさに九〇%を超える投票率。ところが、例え話として言いにくいんですが、都会の方は投票率が五〇%を切るようなことが間々ある。こういうことはどう加味するのかねと、ここで何かいい方法はないのかと、いろいろな論議が我が党の中でもございました。  しかし要は、きのうも私はここで御答弁申し上げましたように、選挙区の定数というのは、憲法のもとで最高裁の判断が出たということであれば、これは議員のものではなくて、その選挙をする、投票をする有権者のものだという考え方で、やはりどこかで割り切らざるを得ないというのが、我々も苦労し、そしてまた、六年間何にもしなかったじゃないかというおしかりをいただきましたが、この六年間絶えずこういう論議は党内でやってきておりまして、その都度こうした議論、まさに先生のお話のとおり、情緒的には私はおっしゃるとおりだと思っております。  しかしまた、このことがこういう形で済んでいくとするならば、きのうもこの表を、参考資料を見ていただいて、東京と大阪だけで七十人も国会議員がおられて、下の方へいきますとこんなに寒々としたものかなと、これで本当にいいのかなという感じがしますと。逆に言えば、東京に、中央に陳情に来て、道路一つ、河川の改修一つ、中央でお金をもらっていかなければならぬというような陳情政治が果たしていいのかどうかということも、これはまた政治の、一つの行政の改革の中で考えてみなければならぬ。  過疎なほど議員がたくさんいて中央との連係を密にして、そして中央に声を反映させる、そういう役割はあるのかもしれませんが、むしろ逆に言えば、地方分権をしていって、地方の例えば道州制を広めていくとか、中央に一々議員を通じて陳情しなければならぬというような政治体制はこの際思い切って改めてみるというようなことなども、我が党で今後やはり議論をしていかなければならぬ大事な課題だというふうに、今のところは私の私的な意見でありますが、そんな感じも持っております。

沢藤礼次郎日本社会党・護憲民主連合

○沢藤委員 大変共感できる御答弁が大部分でございました。この課題は、時間の関係もありますので、いずれ時を改めて徹底的に、本当は我々与野党で話し合わなければならないテーマだと思うのです。  さて、先を急ぎまして、昭和六十三年の数字ですけれども、東北六県に関東圏、東京あたりから持ち込まれたごみ、廃棄物、合計三十二万九千トン。わざわざ青森にまで持っていくのもあれば、私、一関にいましたけれども、山をぽかっと削って、目隠しの塀を回して、そして何を捨てているかわからないような状況で明け方に捨てに来るということがある。けしからぬ。そこで、問題を一つ提起して、質問を一つだけに絞って申し上げたいと思います。  廃棄物等の関係は市町村が大体主体的に処理するという仕組みになっているようですが、ここで御質問申し上げたいのは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律というのがあります。これは昭和四十五年の制定です。ところが、もうあれから二十年以上も過ぎている。実態はもう全く合わない。そこで、いろいろな首長さんたちが集まって改正を訴える。その理由を見ますと、実態に合わなくなっている、排出事業者の責任をより明確にすべきだ。あの条文には企業の責任というのは書いてありますけれども、罰則も何もないわけです。そして、自治体で廃棄物の処理のためのいろいろな努力をし、施設をやろうと思っても、それに対する制度的なバックアップというのがまずほとんどない。ということから、この廃棄物の処理及び清掃に関する法律、これを再検討願いたいと思うのですが、どうですか。

津島雄二自由民主党

○津島議員 委員におととしの廃掃法の改正の経緯、本院における御議論をひとつじっくりお調べをいただきたいと思いますが、私はそのときに衝にございまして、昭和四十五年につくられました廃掃法の全面改正をいたしました。全面改正の趣旨は、まさに今委員が御指摘になったことを実現するためのものでございました。  そのためにどういうことをしたかと申しますと、まず第一に、今ごみの話を一括しておっしゃいましたけれども、一般廃棄物と産業廃棄物、これをまず明確に分けていかなければならない。一般廃棄物につきましては、委員が御指摘のとおり、その市町村において処理をするという原則が長くございましたけれども、今県域を越えて移動する大量のごみは、産業廃棄物でございます。この産業廃棄物の処理につきましては、各地方団体にあらかじめ計画をつくらせる。そして、これを処理するための認可制度を導入する。そして、その間の動きに対しましては、いわゆるマニフェスト制度をつくりまして、そのごみの動きを全部捕捉していく。これは、廃掃法の採決のときには御党においても御賛成をいただいて成立したものでございまして、私どもとしては最大限の努力をしてきたことを、ぜひ皆様方に御理解をいただきたいと思います。

沢藤礼次郎日本社会党・護憲民主連合

○沢藤委員 勉強不足の点を御指摘されましたが、がっちり勉強をさせていただきます。  あと五分ということですから質問を急ぎます。  東北新幹線、北陸新幹線、九州新幹線、ミニ、フル、ミニ、フルですね。こんなばかな話は私はないと思う。踏切が多い、プラットホームの改造をしなければならぬ、レール三本になれば切りかえの問題も出てくる。もう今JRの方でも、これはまずかったなという声は出ているのですよ。つまり、投資をけちったために結果的には事故が起きたり、また後で手だてをしなければならないという、私から言わせればかなり愚かなことをやっている。  もう一つ、岩手の場合、新幹線がフルの区間は在来線をなくせと言っているのです。これはとんでもない話ですよ。一戸という地域で、きょう町長さんと電話でいろいろ話し合ったのですけれども、在来線は四つの駅があるのです。その四つの駅を利用して、病人が通院をする、老人が通院をする、学生は通学をする。福祉施設には社会参加の一つの予備的な行動として通勤をする、買い物をする。つまり自家用車を持っていない、持てない、いわゆる交通弱者と言われている人は、その手段を奪われる。これはいわば、あそこは経済効果、効率が悪い、金がもったいない。そこで、ミニにしろ、在来線をつぶして支出を少なくしろ、金の論理ですよ。そこには、福祉とか民生をどう考えるかという視点がない。これは問題だと思うのですね。あそこには福祉施設、福祉の里もあります。たくさんの生活者がいます。多数の論理で、経済の論理で少数者の生活を犠牲にするということは、果たして温かい政治と言えるのだろうか。これが一つ。  もう時間がないから、もう一つついでにやってしまいます。  東京一極集中、これを多極分散するんだということの作業が行われているのですが、これに対する取り組みですね。いわゆる行政機能、立法機能、司法機能、あるいは学術研究機関などは、東京でなくていいし、東京でない方がいいのです。これはブラックユーモアとして聞いていただきたいのですが、ある人の言葉に、もう国会を移転した方がいい、ではその後どうするか、いやだいやだと言っている青森の核燃料施設を持ってきてもいいのじゃないか、大丈夫だ、あれは害にならない、絶対心配ないと政府が言っているのだから、東京の人も納得して受け入れればいいのじゃないですかという声もある。それを不謹慎だと言うなら、それを不謹慎だと考える方が不謹慎だ。青森の人はどうするのですか。そういった意味で、東京一極集中、首都機能分散ということについてのお考えと決意をお聞きしたい。  以上、二つ。

森喜朗自由民主党

○森(喜)議員 明治政府が日本に国鉄を敷いて、それこそ北海道から鹿児島まで鉄道網を敷いた、それが日本の戦前戦後を通じて大きな経済の躍進の源にもなった、このように伝えられております。それぐらい国鉄というものは大きく評価もされ、そして日本の国の繁栄のために役立ってきたわけですが、百年目あたりから大赤字になってくるわけですね。それにはもちろん国民の多様な価値観の変化もあったと思いますが、そのほか、労使ともいろいろ考えてみなければならぬ面もあったと思うのです。  ただ、一極集中を排除していく、多極分散型の象徴的な政策はやはり新幹線だと私は思っております。しかしやはり一方では、JRになったとはいえ、採算性というものを常に考えていかなければならぬ。今、上越新幹線、東北新幹線、その新幹線だけのプロパーで見ると恐らく赤字のはずでございます。ですから、どうしてもやはりJRになって民営化した以上は採算性というものを常に考えていかざるを得ないというのが、私どもとしてはぜひ実現をさせたい新幹線構想ではありますけれども、人様の企業の経営方針というものもやはり考えていかなければならぬ、そこに難しさがございます。  確かに御指摘がございましたように、いわゆるフルだのいろいろな形で取りまぜたということについては経緯がございまして、当時としては、とりあえず当面、東北、いわゆる盛岡以北と、それから北陸と九州をやっていかなければならぬ。当時、約四兆八千億、五兆円近いお金が必要であったわけですが、どうしても財政的な理由によりましてそれを約一兆四、五千億、四千億ぐらいだったと思いましたが縮小したために、いわゆる優先の順位の線路を決めるよりも、優先着工の箇所を順番に決めていった。当時そういう経緯がございまして、地元選出の国会議員あるいは知事さんたちと御相談をしながら実はああいう形でスタートをいたしましたが、確かに考えてみますと、ちぐはぐな形で出てくるというのは私はおかしいと思うし、それから現に九州博多まで使っておられる新幹線、あるいは東北の盛岡まで、あるいは上越の皆さんだけがそれによる恩恵にあずかるということであれば、やはりこれは政治の公平性という面から見ても問題はあるというふうに私どもは思っております。  ですから、来年の七月には新幹線についてもう一度見直しをしなきゃならぬということもございますし、財源をどう手当てするかということさえ、これさえ解決すれば問題はないわけでありますけれども、そのことも含めて、自由民主党と政府の間で見直しをしようという条項がございますので、もう一度将来に向けて、新幹線というものは既に、まさに日本の国のいわゆる多極分散型の象徴である。そして、将来もそれぞれの地域がやはり自主的にいろんな計画を進めていくという上において、都市計画を初めとしてどうしてもこの新幹線というものを中心に考えていくとするならば、もう一遍やはり抜本的な見直しをしていかなきゃならぬ、私はそういう時期が来ておるような感じがいたしております。また野党の皆様方にも、そういう意味ではぜひバックアップもしていただきたいということをお願い申し上げておきます。

与謝野馨自由民主党

○与謝野議員 私ども東京の人間にとりましては、必ずしも過密になるということは好ましいとは思っておりません。一方、国会移転を含めまして首都機能をどういうふうに地方に移転できるかということを検討する特別委員会も国会にはございますし、また、そのための法律も多分今晩の本会議で成立するのではないかと思っております。しかしながら、先生は過疎の部分を大変強調されましたが、過密にも大変弊害がございまして、そういう意味では、国土の均衡ある発展という言葉は過疎の地域だけに通じる言葉ではなくて、やはり過密の我々東京にいる人間にとりましても大変大事なテーマだと私どもは思っております。

沢藤礼次郎日本社会党・護憲民主連合

○沢藤委員 終わります。

松永光自由民主党

○松永委員長 次に、北川昌典君。

北川昌典日本社会党・護憲民主連合

○北川(昌)委員 時間の削減もございましたので、はしょってお尋ねいたしたいと思いますが、また重複する面があるかもしれませんけれども、お許しいただきたいと思います。  今回の九増十減に当たっては、抜本改正に至る経過措置として行うんだ、こういうお話でございますけれども、一応経過措置であるならば、この延長線上に抜本改正というものがなければならないと思うのです。そして、その抜本改正と今回の措置との整合性というものが見えてこなければならないと思うのですけれども、この点、九増十減案ではこうした延長線に抜本改正という姿が映らないのでございますけれども、そこあたりはどのように御説明いただけますでしょうか。

与謝野馨自由民主党

○与謝野議員 抜本改正がいかなるものであるべきかというのは、実は我々国会に所属する議員が決めなければならないことであります。昨年は、政府が提出した小選挙区比例代表並立制は、残念ながら廃案となりました。政府はあれを抜本的な改正と考えたわけでございます。  現在、自由民主党におきましては政治改革本部というのがございまして、ここで抜本改正はいかにあるべきか、これは選挙制度のみならず、選挙制度とリンクされて考えられるべき政治資金の制度はいかにあるべきか、あるいは国会の審議のあり方等についても政治改革の一環として考えていかなければならない。その中で、先生御指摘の点は選挙制度の点であると思います。これは、議員一人一人が選挙に関しましては専門家でもございますし、自民党の中で議論をいたしましても、いわば百家争鳴のような状況になることも事実でございます。しかしながら、一つの成案を得るために、現在自民党の中で懸命に努力をしております。もとより、自民党の案が絶対的なものであるとは考えておりませんし、選挙制度自体のあり方というのは、自由民主党のためにあるのではなく、日本の議会制民主主義のために選挙制度はあるものだと考えております。  そういう意味では、自民党が今後皆様方に御提案いたします抜本改革案に対しましては、活発なそして建設的な御意見を、ぜひ社会党を初め各党からもいただきたいものだと考えております。

北川昌典日本社会党・護憲民主連合

○北川(昌)委員 確かに議員一人一人が考えなければならない問題でもございますし、同時にやはり政府の責任もあります。政府・自民党の責任でもあると思うのです。これはもう言い尽くされましたように、六十一年の国会決議で、できるだけ速やかに抜本改正を検討する、こういう国会決議もございました。したがって、そういった面からいきますならば、当然政府・自民党の方でこの問題、積極的に改正について努力をいただくということも一つであります。もちろん同時に、これは自民党案だけでもいかないわけでございまして、国民の納得のいく改正でもなければならないと思うのです。  したがって、私は今日的に言いますならば、この抜本改正というものが経過措置であるから、中に一つの目に見えてこなければならない部分がなければならないと思うのですけれども、それが目に見えておりませんので、そこあたりどのような手順といいますか、まあ宮澤総理は近いうちに出すとおっしゃっておられますけれども、いつごろにこれが、今まで検討された結果の案が出されてくるのか、そこ、どうなんでしょうか。

与謝野馨自由民主党

○与謝野議員 議員の側から見ました政治改革、あるいは国民の側から見ました政治改革、選挙制度改革、こういうことを考えますと、国民の側から見ました選挙制度の改革で最も重点が置かれるべきもの、これは国民の側から見た、有権者の側から見た選挙制度の中でどこに最も重点が置かれて物が考えられているのかということを考えますと、やはり投票価値の平等性に一歩でも近づくということではないかと思います。これはどのような選挙制度でありましても、そのような投票価値の平等性というものは非常に重要視されて物が考えられているのではないかと思います。  ただし、先ほどの御質問にもありましたように、過疎地域の方には過疎地域の方の強い御意見がありまして、にわかに一対一にするということは技術的にもできませんし、また過疎・過密に配慮するという国会決議の趣旨からいたしましても、完全な一対一という制度は不可能であると思っております。最高裁の一対三の判決をよく読みますと、実にいろいろなことに配慮がされて書かれた判決文でございまして、これは過疎地域のことも考え、その地域の歴史的なことも考え、いろいろな経過も考え、そして一対三以内ならば合憲だろう、そういうことを実は最高裁の判決は言っているわけでございます。  抜本改正に至る道は、これはやはり自由民主党が現在は衆議院で多数を占めており、私どもの党が皆様方に案を御提示申し上げ、そして先ほど申し上げましたように、皆様方より建設的な御意見をいただきながら抜本改正への道を進むということであろうかと思います。自由民主党だけの選挙制度というのはあり得ないわけでございまして、また、野党のためだけの選挙制度というのはあり得ないわけでございまして、選挙制度がそもそも存在するのは、国民のため、また我が国の健全な議会制民主主義のためにあるものだと私どもは確信をしております。

北川昌典日本社会党・護憲民主連合

○北川(昌)委員 さらに、二人区・六人区の解消という国会決議の問題でありますけれども、今回の是正案は、まさに人口万能といいますかによって是正されたものでもあると思いますけれども、そういう意味では、先ほども話が出ますが、過疎地域の問題については余り取り上げられていない是正だ、このように私は考えるわけですね。  とりわけ宮崎県の場合を申し上げますと、全体的には人口は減っておりません。しかし、宮崎二区の場合、ワーストツーということになるわけでございますけれども、これが二名に一名減になるわけであります。したがって、宮崎県全体の議員は五名ということになるわけです。ところが、今度は、三野先生おられますけれども香川県の例をとりますと、人口は宮崎県よりも十五万少ないんです。面積は、宮崎県は全国十四番目に広い土地、香川県は全国で一番小さな県ではないかと思いますが、そういった点からいきますと非常に矛盾が出てまいります。これは北海道と埼玉ですかね、それら幾つかの逆転区が今度の案では出てまいっておりまして、そういった面では非常に、過疎地域の県民としては大変このことに対して不満を持っておるのも事実なんです。  そこで、宮崎県議会からも自民党の方にも意見書が出されておると思いますけれども、やはり過疎地域というところは、とりわけ国土保全に重要な役割を果たしておる。山林資源とか農山村の活性化、多くの国土保全のために役割を果たしておる、広大な面積を持っておりますので。そういった中で議員の定数が減っていきますと、国政に県民の声が反映できなくなる、少なくなる、希薄になるわけで、したがって定数は減らさないでほしい、こういう意見書も出ておると思うのです。  先ほども話が出ましたが、宮崎県を走っております日豊線、全国では地方幹線で見ますと余り類を見ない単線なんです、地方本線ですが。さらにまた高速道につきましても、東九州は、まだいまだに基本計画、整備計画で着工されていないという地域でもあるわけでありまして、それも県民から言いますと、鹿児島は八名、宮崎は六名、やはり国会議員の数じゃないか、こういう意見もあるわけです。これは何といいましても、今地方は、先ほど政調会長もおっしゃいましたが、分権がなされてない、地方分権が十分進んでない。そういう中では、やはり地方は中央にしょっちゅう出てこなければならないという、非常に厳しい条件にも置かれておる。そういう中で議員定数が減らされていくということは、過疎に拍車をかけることになるというふうに思うわけであります。ここあたり、どのように酌み取っておられるのか。

細田博之自由民主党

○細田議員 今おっしゃったことにつきましては、先ほども申しましたとおり、全く同感の点が多いわけでございます。特に、宮崎県とか宮城県とか三重県は、全県の人口で見る場合にはあれだけ人口もふえておりますし、ただ県庁所在地に非常に人口が偏っており、かつ、その他の二区、いわゆる二区というところがどんどん人口、過疎といいますか減少傾向にある、あるいは微増にしかすぎない。  ところが、この九増十減案というのは、過疎を減らすために実はやっておるのではなくて、過密である千葉県、神奈川県、埼玉県あるいは広島一区と福岡一区、大阪をふやさなければ三倍が解消しないというところからスタートいたしまして、それが九つある。そうすると、本当は定数を九ふやした方がいいかもしれないのでございますが、やはり国会の姿勢として一つは減らさなければならないだろう。そうすると、十のところを選んで減らさなければならないということでございますので、これはむしろこの法案というものは、過疎の方々に御協力をお願いしながら後押ししていただくという案でございます。  おっしゃるような、過疎に対する配慮というのは当然しながらやらなければならないわけでございますが、ただ合区などをする場合に、自民党内でも非常に議論しましたけれども、合区をすればまた県庁所在地に巻き込まれてしまって、むしろ二人でも三人でも代表を出している過疎地域が消滅するということが本当にいいことなんだろうかという議論もございまして、それならまあ我慢をするけれども、少し減らしてもその区が独立して存在する方がいわば過疎対策としても意味があるのじゃないかという議論もかなり出て、こういう案が出ておるわけでございます。

北川昌典日本社会党・護憲民主連合

○北川(昌)委員 今先生がおっしゃったように、その県の中で一極集中が起きて、そこにまた議員の一極集中ということは、それは余り御心配いただかなくてもいい問題だと思っているのです。やはり県全体の問題としてそれぞれの議員さん、取り組みいたしますので、また県民もそれぞれの議員さんを代表として頼りにいたしますので、そこに一極集中、確かに議員の一極集中はあるかしれませんけれども、その力というものはそれぞれに分配されていくということでございますから。  そこで、今せっかく出ましたので申し上げますが、宮崎県を全県一区にして、これは五名——二名区・六名区はつくらないという国会決議は今度破られたわけでございますから、六名区もできていましたし、二名区に至っては解消どころか四つ新しく生まれた、こういうことでございますので、全県一区六名にしましたら、この一票の重さというものは二倍以下になるわけで、一・八ぐらいになるわけなんですね。過疎の地域を考えてこういった点は御検討にならなかったのかどうか、そこ、どうなんでしょうか。

与謝野馨自由民主党

○与謝野議員 先生には大変申しわけないわけですが、今回の九増十減というのは、いわば非常に機械的な作業でございました。  今の先生のお話は、線引きの見直しを含めた話、あるいは合区の話を含めた調整でございます。そうなりますと、この話は全国に波及をいたしまして、御関係議員が非常にたくさんになり、御意見をまとめるということについては非常に時間を要する問題に実はなるわけでございます。そういう意味で、実は今回の九増十減案は、線引きは一切いじらない。奄美の場合は、これは一名がゼロになったわけでございまして、観念的には、奄美の選挙区の方はゼロになりますと投票権が行使できない、一体どこで投票権を行使するか、そういう問題で私どもはとらえ、奄美の有権者の方々は鹿児島一区でその投票権を行使する、そういう考え方でこの案を提出したわけでございます。県間格差あるいはいろいろな問題もございますが、今回のはあくまでも緊急是正であって、やや機械的な是正作業である、こういうことで御理解をいただきたいと思うわけでございます。

北川昌典日本社会党・護憲民主連合

○北川(昌)委員 機械的にでも緊急的にやらなければならないことだったのかということも、私は疑問に思うわけですね。抜本改正をするというわけですから、抜本改正、これは難しいと思いますよ。先ほどおっしゃったように、合区したり分区をしますとかなりの多くの関係者が出てくるので難しいとおっしゃる。どっちが難しいかわかりませんけれども、やはり難しさを乗り越えて、立派な、国民も合意するような抜本改正というものがされるべきではないか。そのことに手をつけずに緊急是正ということでやられることは、私も納得できないわけなんですね。  そういう意味で、先ほどちょっとお伺いしましたが、抜本改正はいつごろ目の前にあらわれてくるのか、姿を出してくるのか、どのようにお考えなんでございましょうか。

与謝野馨自由民主党

○与謝野議員 これは、政府が提示すべきかあるいは自由民主党が提示すべきかという問題は、もちろんございます。現在、自民党には総裁の直属機関でございます政治改革本部というのがございまして、ここで鋭意すべての問題を一つのパッケージ、ワンセットとして議論をしております。政治資金だけ独立して議論がされているわけではございませんし、選挙制度だけが独立して議論されているわけではございません。こういうものが表裏一体となって議論をされております。こういうものは、近々自由民主党の総裁に答申をされます。  しかし、それが自由民主党の党議となるためには、さらに政審、総務会というような議決機関で承認をされなければなりません。かてて加えまして、こういう問題はやはり自民党と野党の皆さんが忌憚のない意見を交換しながら最終的な成案を得ていく、そういうことが私どもとしては望ましいのではないかと思っております。

北川昌典日本社会党・護憲民主連合

○北川(昌)委員 人口万能と先ほど私は申しましたけれども、やはり人口だけでいきますと非常に問題が起きてくるのですよ。投票率も、御案内のとおりでございますけれども、格差倍率の最も高い千葉四区では、九〇年の総選挙では投票率が六五%です。それと神奈川では六七%、これまた余り高い率じゃございません。一方、倍率の低い過疎地であります私宮崎の二区でございますが、八三%と高うございます。長野三区になりますとやはり八二%、こういう実績が出ておるわけなんですね。したがって、これと連動して考えていきますと、これに加えて死票の問題もついでに言わせていただきますと、三人区の場合は大体死票が二三%ですか、ところが二人区になりますと三六・二%と死票がふえてくるわけなんですね。  そういった面を総合的に考えますならば、やはり人口だけでこの配分をしていくということは矛盾が出てくるのではないだろうか。やはりその県の面積も補完的な数値として入れて、今度抜本改正をされるときの考慮に入れていただきたいということなんですよ。そういった面積も補完的なあれとして入れていただく、そうしますと比較的に平等なものができてくるのじゃないかと思うのですけれども、そこのあたりはどうお考えでしょう。

与謝野馨自由民主党

○与謝野議員 投票率は地域的にかなり傾向が毎回選挙で似通っていることも確かでございますが、投票率というそのときどきによって変動する要因で選挙区の定数を決めるということは、必ずしも正しくないのではないかと思っております。最高裁の判決をよく読んでいただきますと、あの一対三という判決の中には、面積を初めその土地のいろいろな要素というものが加味されておられまして、そういうことを総合勘案した上で一対三というものが許容範囲であるという判決でありまして、私は立派な判決だと思っております。  ただし、高裁の判決の段階になりますと、地方選挙を含めまして最近格差に対する裁判所の考え方が非常に厳しくなっているという傾向がございます。地方選挙によっては一対二が限界だというような判決も見られているということがございます。そういう意味で、そういう過疎の問題あるいは面積の問題その他、その土地土地の特別な要因をすべて加味して一体格差というものはどこまでが許容範囲かということは、現在のところ我々のよりどころとするのは最高裁の判決しかございませんが、裁判所の判決の傾向としてはそれがより厳しくなっているということもまた事実であると思っております。

北川昌典日本社会党・護憲民主連合

○北川(昌)委員 終わります。

松永光自由民主党

○松永委員長 次に、北側一雄君。

北側一雄公明党・国民会議

○北側委員 公明党の北側一雄でございます。  今回の九増十減案でございますが、現行の定数配分が憲法違反の状況であるため、これを回避するための緊急是正であるというふうに思います。今、自民党の党内におきましても抜本的な選挙制度改革について議論はなされているかと思いますが、昨年の小選挙区並立制案の例を考えましても、この抜本的な選挙制度改革というのは必ずしも合意が容易ではないというふうに思うわけでございます。選挙制度改革につきまして、今後我々も積極的に議論をしていかねばならない、そのように思います。  ただ、ここ数年間にこの抜本的な選挙制度改革について国会で合意を得ないというふうなことになってしまいましたら、結局現行の中選挙区制度のもとでの抜本的な定数是正、すなわち一対二未満となるような抜本是正をしなければいけなくなるのじゃないか、そのように思いますが、いかがでしょうか。

与謝野馨自由民主党

○与謝野議員 日本はいろいろな選挙制度をとってまいりました。我々が今採用している制度は昭和二十二年の中選挙区制でございます。その後奄美、沖縄等の返還もございまして、定数もふえ、またさらには人口の増加による定員増もございまして、前回の定数是正のときにはその時点で五百十一だったわけでございます。それに定数を一名足しまして五百十二名にいたしまして、その中で調整作業を行ったわけでございます。昭和二十二年の中選挙区制度を決めましたときには、終戦というある種の政治の断絶がございまして、その中で大変模範的な中選挙区での定数配分が可能であったわけでございます。  そういう意味で、中選挙区制で抜本的に改革するということは理論的に可能でございますけれども、政治的にそういうものが可能かどうかということは、自由民主党を初め各党とも現実的に考え、対応していかなければならないと思っております。

北側一雄公明党・国民会議

○北側委員 私が申し上げたいのは、抜本的な選挙制度改革、私も必要であると思います。積極的に議論をしなければいけないと思います。しかし、それが合意に至るまでにはさまざまな困難が恐らくあるであろう。であるならば、現時点で、現行の中選挙区制度のもとでも抜本是正の道筋をやはりある程度明らかにしておくことも必要であるのではないか。これは決して選挙制度改革についてこれから我々を含めて一生懸命議論をしていこうということと矛盾することではないと思いますが、いかがですか。

細田博之自由民主党

○細田議員 自由民主党では、政治改革本部におきまして、ここにおられます石井議員を中心といたしまして、議長といたしまして検討しているわけでございますが、当然、中選挙区の格差を二倍以下にするためにはどの程度やったらいいか、そういう検討もやっておるわけでございます。  ただ、現在の抜本改革の議論は、そういうことはいいけれども、やはり選挙制度を大きく変えないと政治がよくならないのではないかという人が党内に非常に多いものですから、そういう線に即して考えたときにどういう制度がいいのか。小選挙区をとるのかどうか、小選挙区の中では四つばかりの検討案が出されまして、どれをとるのがいいのかという議論にもう走り出しておるわけでございます。  したがいまして、選択肢の一つではありますけれども、それをとりあえずの抜本策として中選挙区の定数抜本是正を表に打ち出してくるという環境には、我が党内には雰囲気がないわけでございますが、いずれにしても、これは国会で各党間で御議論いただくことだと思います。

北側一雄公明党・国民会議

○北側委員 いずれにしましても、今回のこの九増十減案というのはあくまで緊急是正にすぎないということだけは確認し合いたいと思いますし、この選挙制度改革について抜本的な議論をするにしても、仮に合意を得ないならば、やはり近い将来私はこの現行中選挙区制度の抜本是正をしなければいけない、そのように訴えるものでございます。  次に、この抜本的な選挙制度改革と腐敗防止制度との関係についてお聞きをしたいんです。  私は、非常に政治改革協議会で長い時間かけられて議論をされた、それはよろしいんですけれども、非常に納得をしておらないのが、追加項目が結局三項目しか入らなかった。その追加項目といいましても、例えば罰則の強化というふうに、それだけ聞きますと何かすごいことをやったのかなというふうに思うのですけれども、内容を見ましたら、例の寄附金の量的制限、これについて禁錮刑を導入するということだけでございます。やはり罰則強化というのであれば、例えば罰金の額が今二十万円以下、これが非常に話題になっているわけでございまして、この罰金の問題について大幅に引き上げるとか、さらには公民権停止の問題、政治資金規正法違反の罪を犯したような場合には公民権を停止する、このような我々の覚悟というのが必要じゃないか、そのように思うわけでございます。  そういう意味も含めて、この選挙制度改革と腐敗防止との関係をどのようにお考えになっておられるのか。

津島雄二自由民主党

○津島議員 ただいま委員の御指摘の点については、協議会並びに実務者協議においていろいろと検討をいたしました。今、罰則の強化が禁錮刑の導入だけであった、量的制限に対する違反について禁錮刑の導入だけに終わったとおっしゃったのでありますが、同時に、前の国会から既に合意が成立しておりましたこの量的制限を超えた違法の献金について、没収、追徴をするという規定をあわせて読んでいただきたいわけであります。  これは法律の専門家がほとんどひとしく指摘をしておりますけれども、この規定が入ることによりまして量的制限の実効性というのは格段に上がる、恐らく今までと違った一つの世界になるであろう、こう言う方もおります。私は全く同意見でございまして、そのまた反面的な効果といたしまして、透明性の要求も高まってくる。つまり、政治資金規正法のルールにのっとらない政治資金の流れというものは没収、追徴の対象になるということは、非常に資金の流れというものをルールどおりにしてしまう効果があると申さなければならないと思います。  今、委員は腐敗防止法を参考にして、恐らくこれは各党のお出しになっている案とかあるいはよく引用されるイギリスの例について申されていると思うのでありますけれども、いわゆるイギリスの腐敗防止法は、御承知と思いますけれども、選挙活動について法律的に定められたルールに違反したときには公民権の停止や立候補制限という非常に厳しい制裁を受ける、こういうことでございますが、しからばどのような内容の罰則があるかという点を子細に検討してみますと、日本の例えば政治資金をめぐる規則というものはむしろこれらの国、例えばイギリスとかドイツとかフランスよりもはるかに細かく規制をしておるわけでございます。  したがいまして、ここで私が申し上げたいのは、ルールを守るということが今必要であって、ルールは既に十分できている、私はむしろこういう認識を持っているということを申し上げたい次第でございます。

北側一雄公明党・国民会議

○北側委員 今お話に出た没収、追徴のことなんですけれども、例えば追徴、これは没収というのは現実的にはなかなかあり得ない話なんです。没収というのは特定物に対して、お金の場合は特定物じゃございませんから、追徴というのが大半の場合だと思います。ところが、個人の場合はいいですよ、量的制限違反をした個人の場合はその個人に対して追徴ということが可能かもしれませんが、政治団体の場合、政治団体に対する追徴というのは、その政治団体にお金がなければ、財産がなければ追徴できないわけですよ。取れないわけですね。そういうふうなそもそも大きな問題があるわけでございます。この没収、追徴があるからいいというのは、全く当てはまらない。  そこで、私が一番お聞きしたいことは、今回このような佐川の事件があった、こういう場合に、議論をしていきます。議論をしていきましたら、必ずといっていいほど選挙制度改革の話が出てくるわけなんですね。やはり選挙制度改革を抜本的にこれを変えていかないと今の政治、金がかかる政治というのはなかなか変わらない、そのようにおっしゃるわけですね。確かにそういう部分もあると思います。ただ、それだけではなくて、先ほど言ったように選挙制度改革というのは時間が当然かかるわけでございます。これから与野党で議論をして一定の合意に至るまでには時間がかかります。それを考えますと、やはりできることの腐敗防止のための制度というのは実現を少しずつやっていかないといけない、私はそのように思うわけなんですね。  そういう意味では、先ほどこの罰則の強化の点なんかは、罰金のことを言えば、ほかの刑法とかの罰金についてはこの間法務委員会で審議されて大幅に罰金額が上がったわけですよ。でも、政治資金規正法はさわらなかったのです。なぜさわらなかったかといったら、行政の方が国会の自律性というのを尊重してさわらなかったわけですよね。だから、こういう機会にむしろこの罰金額も引き上げていこうじゃないか。  公民権停止の問題でも、一気に政治資金規正法違反がすべて公民権停止というのはよくないというのであれば、例えばせめて起訴されて執行猶予になったような場合、実刑になったような場合、こういう場合には、政治資金規正法違反については、まあ実刑の場合は今でもそうですけれども、執行猶予の場合でも公民権停止をしようじゃないか、ここまで我々が踏み込まないといけないのじゃないかなと思うわけでございます。これは一例でございます。いかがでしょうか。

与謝野馨自由民主党

○与謝野議員 私、個人的には政治資金規正法の罰全体系を上げろ、上げるべきだという先生の御意見には賛成でございます。しかしながら、今回はそういう立法作業が間に合わなかったということもございます。これは与野党の間の重要な課題であると私は思っております。  公民権停止という制度を政治資金規正法に導入せよ、こういう御意見でございます。私は、公民権停止というのは多分、選挙の廉潔性を汚したということによる公職選挙法違反の付随的効果と申しますか、そういうものでありまして、必ずしも政治資金規正法の体系にはなじまないのではないかと思っております。

北側一雄公明党・国民会議

○北側委員 もう時間が来ましたのでこれで終わりますけれども、私は、選挙制度改革、抜本的な選挙制度改革をする前に、やはり我々が腐敗防止のための制度づくりを一生懸命汗を流してつくっていかなければいけない。  今私、罰則の強化の話をいたしましたが、それ以外にも政治資金の透明性の強化の問題、例えば指定団体を限定していくとか収支の公開基準を引き下げするとか、また公職選挙法の方でいえば選挙犯罪、買収に対する連座制の強化をしていくとか、できることはたくさんあると私は思うのですね。これはやはり選挙制度改革とは切り離して、これからも継続して与野党で協議をして、早い時期に何とか成案をつくれるようにしなければいけない、私はそのように思う次第でございます。  今後の御決意を聞かせていただいて、終わりにしたいと思います。

森喜朗自由民主党

○森(喜)議員 実務者会議は、親協議会であります政治改革協議会から、これらの項目について各党の合意を得るように、こういう御指示をいただいて議論をいたしました。この国会も、短い期間ではございましたけれども、精力的に論議を進めてまいりましたけれども、何といいましても会期に一つの期限がございました。できればぎりぎりまで論議することはやぶさかではなかったわけですが、やはり作業もしなければなりません。事務局もいろいろな意味の法的な整備もしなければなりません。したがって、実務者会議がこの国会で始まりました冒頭に、論議を封殺するわけではないけれども、物理的な作業のことも考慮して、でき得ればおおむね十五日ぐらいに一応議論はやめようじゃないかということで、これも各党の皆さんに冒頭には合意をいただきました。しかしその後、国会が四十日ということにもなりましたので、二十日の週までさらに延ばして、週二日のペースで論議も進めてきたわけです。  そこで、幾つかの点では、これは親協議会にお返しをしたものではございますけれども、やはり十八回もみんなが一生懸命こうやって論議をいたしますと、このままにしておくのももったいないなというのが幾つかございました。ですから、これからもまた実務者会議で協議していきましょうということで、実務者会議ではそういう申し合わせにいたしております。しかし、それも親協議会に御報告申し上げましたら、親協議会で要らないよということになるのかもしれませんし、これはまた政治改革協議会の、いわゆる幹事長・書記長レベルの皆さんがどう御判断をなさるかであります。  しかし、実務者のメンバーは、北側さんの党の方から井上さん、本当にまじめに、真摯に、また御専門的なお立場で私どもの論議にいろいろと御指導もいただきました。そういう意味で、この実務者会議はこのまま終わってしまうのはもったいないなというのは私の座長としての正直な感想でございまして、これからも、公式になるのか非公式になるのか、いい将来像をお互いに見据えながらできれば論議を続けていく方がよろしいのではないかな、こう思いますので、また北側先生のいろいろな面での御指導をいただきたいとお願いを申し上げて、答弁にかえます。

北側一雄公明党・国民会議

○北側委員 以上で終わります。

松永光自由民主党

○松永委員長 次に、木島日出夫君。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 日本共産党の木島日出夫でございます。  最初に、九増十減案の問題でありますが、仮に今回の九増十減案が成立をいたしましたとしても、有権者一票の価値の格差の最大が二・七七倍残ります。そして、二人区が新たに四つできる、六人区が新たに一つできる、こういうものであります。これはどんな詭弁を弄そうとも、八六年、昭和六十一年国会決議に反することは明々白々であります。あの国会決議では、緊急課題として一票の格差を三倍以内に抑える、そして将来速やかに抜本的な是正をやるのだということでありますから、それは理の当然のことでありますが、一票の格差は一対二未満に是正をしなければならない義務を国会は国民に負ったわけであります。そしてもう一つ、あの決議は、六人区・二人区の解消ということを明白にうたっておるわけでありまして、今度の九増十減案はまさに国会決議に反するものであります。国民に対して国会自身の責務を放棄したものだと厳しく指摘しなければならないと思います。  日本共産党は、このようなびほう的なものに対しては断固として反対であります。今やるべきことは、一対二未満の抜本的な是正をやることだと考えております。この点については、我が党の東中議員から昨日来質疑を繰り返しております。  そこで私は、時間の許す限り、政治資金の問題、そして定数問題以外の今回予定されている公職選挙法の一部改正の具体的な内容についてお聞きをしたいと思います。  最初に、政治資金パーティーについてお尋ねをいたします。  現在の政治資金パーティーの法的規制について、発議者はどのように認識をしているのかからお尋ねをいたします。  実は、政府、自治省は、現在のいわゆる政治資金パーティーについては、八八年四月十五日に衆議院公職選挙特別委員会において次のように答弁をいたしております。「購入いたしますパーティー券の価格が社会常識の範囲内のものであり、その購入枚数も出席を前提とした妥当なものである限りは、パーティーと対価関係にありまして、政治資金規正法上の寄附にはならない」、こういう公式見解であります。  これは法律的に考えますと、購入するパーティー券の対価が社会常識の範囲内をはるかに超えたり、その購入枚数が出席を前提とした妥当なものでない場合は、要するに、一人か二人しか出席しないにもかかわらず百枚、五百枚という単位のパーティー券を買ったりするような場合には、パーティーと対価関係がないわけだから、当然現行政治資金規正法上の寄附に当たるんだ、その寄附の量的制限の枠内にあるんだということを自治省は答弁していると考えるわけでありますが、現行の政治資金パーティーについて、発議者もこのような自治省の解釈を是認した上で、これから行おうとする政治資金パーティーに関する規制をやろうとしているのでしょうか。まずその点を明確にお答えいただきたいと思います。

津島雄二自由民主党

○津島議員 パーティー券の問題について自治省の方から出された見解につき、私の方からコメントする立場にはありませんけれども、極めて常識的な意味において理解のできる解釈ではないか、かように考えております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 そういうお考えの上に立って、じゃ今度のいわゆる政治資金パーティーの規制と言われるものがどういうものかについて確認をしたいと思うのですが、政治資金パーティーは原則として政治団体が行うんだ、一回のパーティーにつき一個人、企業はパーティー券の購入上限を百五十万とするんだ、百万円以上の購入者については氏名、金額等を公表するんだということのようであります。  発議者は、今度の正式に立法化される政治資金パーティーの収入と支出の差額でありますが、その差額が政治活動に支出するとされるものは政治資金パーティーとするわけでありますが、これは現行政治資金規正法上の寄附に当たるとお考えなのでしょうか。それとも、その差額は政治資金規正法上の寄附ではなくて事業収入という範疇に当たるとお考えで法律を準備されたんでしょうか。明確にお答えをいただきたい。

津島雄二自由民主党

○津島議員 先ほど解釈規定、つまり常識的な意味のパーティー券の購入とパーティーへの参加という解釈を述べられたんでありますが、これは常識的に理解のできるところではありますものの、現実にそれがどのような金額になればどうであるか、寄附であるのか寄附でないのか、通常のパーティー券の購入であるのかないのかということについては、非常に解釈が難しいわけであります。  そこで、結論を先に申し上げますと、そのような議論を際限なく繰り返すよりも、パーティーについては一定のルールを定めて、そのルールによって適正に行ってもらいたいということでこのようなものを御提案した、こう申し上げた方がいいと思います。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 私の質問は、今度立法化しようとする政治資金パーティーの政治資金規正法上の位置づけを聞いているわけであります。  対価を徴収して行われる催し物で、収入から経費を差し引いた残額を政治活動に支出するとされるものを政治資金パーティーと称するわけですが、そういう残額は現行政治資金規正法上の寄附なのか事業収入なのか、どっちだと考えているのかを闘いでいるのです。そこを答弁してください。

津島雄二自由民主党

○津島議員 そのような御議論がございますので、私どもは今度のルールによって適正に行えばいいであろう、そういうのが私どもの提案の理由であります。  なお、今の政治資金規正法との関係についてどのように政府は解釈しているかということであれば、それは政府に聞いていただきたい。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 いや、発議者はこの差額を規正法上事業収入なのか寄附なのか、どっちの規制に当たるんだと考えて法律を提案しているのかを聞いているのです。発議者が答えられなくて何でこのような法律を出すことができるんでしょうか。

津島雄二自由民主党

○津島議員 条文としては極めて明瞭な条文でございまして、これは寄附ではないという前提で書かれておる。したがいまして、強いて言えばそれは事業収入ということになるかと思います。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 寄附ではないという御答弁をされました。  そうしますと、今度立法化される政治資金パーティーによって収支の差が出た場合に、その差額は現行政治資金規正法上の寄附の量的制限の枠には閉じ込められない、それとは別枠で政治団体は処理することができるということになるわけであります。そうしますと、一政治家について幾つでも政治団体を持つことができるわけであります。そしてまた、政治団体は一年間に何度パーティーをやっても自由なわけであります。そしてまた、行われるであろう一つのパーティーを開催するときに、どんなに多くの企業からパーティー券を買ってもらって収入を受けようとも自由なわけであります。今私が触れたことは、すべて現行政治資金規正法上の寄附の量的制限から外れるということになるわけであります。  そうしますと、まさに今度の政治資金パーティーに関する規制なるものは、規制どころか逆に、政治資金規正法による現行制度の上限、いわゆる量的制限を事実上取っ払って、幾らでも青天井の企業献金を政治家や政治団体は集めることを可能とする、そういう枠組みになるんだということにならざるを得ません。これは、今まさに佐川急便問題が大問題になっておりますが、こうした金権政治をやめなければならない。金権政治の最たるものは、何といっても企業からの政治家、政党、政治団体への寄附であります。これを規制しなければ今日本の金権政治は是正できないという国民の多くの怒り、あるいは企業献金やめよという要求に全く逆行するものだと言わざるを得ないことが、ただいまの発議者の御答弁によって明らかになったのではないかと思います。  そこで次に、政治活動について——いや、もう答弁は要らない。明らかです。時間の制約がありますので……。選挙運動の期間の短縮の問題についてお尋ねをいたします。  今度の公職選挙法改正法案によりますと、衆議院選挙を一日減らして十四日、参議院選挙を一日減らして十七日、知事選挙を三日減らして十七日、選挙期間を短縮するという内容になっております。例えば衆議院議員選挙の運動期間を見ますと、公職選挙法制定時、一九五〇年五月一日施行でありますが、三十日あったのです。五二年に二十五日間に短縮をされました。五八年に二十日に短縮されました。さらに、八三年には十五日間へと短縮されてきたわけであります。  これらの期間の短縮は、立会演説会の廃止とかビラの規制などとあわせて、有権者の知る権利、おのおのの政党や候補者が一体どういう政見を述べようとしているのか、それを知る機会を狭めてしまう、まさにあるべき政治改革の方向から今回の選挙期間の短縮は逆行しておると言わざるを得ないわけであります。なぜ今期間を短縮しなければならないのか、その合理的根拠を説明していただきたい。

与謝野馨自由民主党

○与謝野議員 これは、この前までは二十日が選挙運動期間、それが各党合意で十五日間、今回は衆議院議員選挙については十四日になったわけでございます。  共産党は、政治活動の自由、選挙運動の自由等を主張されまして、確かに実務者会議では長い方がいいという御主張をされたことはしかと覚えておりますが、各党とも、例えば衆議院議員選挙については一日くらい短縮するということは妥当性があるという御判断だったと私は思っております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 だから、各党がそういう意見だったというのは聞いておきましょう。なぜ今衆議院選挙の期間を一日減らさなければならないのかの合理的な理由の説明を求めます。

与謝野馨自由民主党

○与謝野議員 十四日間でそれぞれの選挙区の有権者に十分その政党また有権者が持っております個性等を訴えられる、また選挙区の面積にはいろいろな差異はございますでしょうけれども、平均的に言って、一日くらい短縮いたしましても、選挙民に対しまして立候補者がその持てる政策や政治姿勢を訴えることに不足はないという判断を皆様方がされたのだと私は思っております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 大体現在の、例えば衆議院選挙のやり方を見ておりますと、投票日を日曜日と設定をするわけでありますね。そうしますと、公示の日は三つ前の週の金曜日、いや土曜日になるわけですね。土曜日に公示して、二週間やって、日曜日は投票日ということになるわけですね。この一日削る、まさにその土曜日を削るということになるわけでありますね。今の説明では、なぜ一日カットしてしまうのかの合理的理由は説明になっていない。有権者の知る権利がそれだけ狭まる、狭めるだけの合理的な理由にはなっていないと私は思うわけであります。もうちょっと有権者の知る権利を狭める合理的な根拠を説明していただきたい。

与謝野馨自由民主党

○与謝野議員 二十日間のころに比べますと、法定ビラもございますし、テレビの政見放送というものも新たに加わりました。必ずしも一日削ったことが有権者の知る権利を狭めたものとは私どもは判断しておりません。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 私は非常にしつこく聞いたわけでありますが、それは選挙で一番大事なことは、主権者である国民、有権者が政党、候補者の政策を本当によく理解する、そして政策を基本にして選択をする、そういう機会をふやすこと。ふやすことこそ議会制民主主義の発展につながると考えるわけであります。そのことは否定できるものではなかろうと思います。  そういう立場からして、現行の十五日ですら、かっての三十日とまでは言わなくても、歴史的に見ますと二十五日、二十日、十五日と減らされてきたわけでありますが、もとへ戻すという方向に向かって進むことこそ国民本位の抜本的な政治改革のあるべき姿ではなかろうかと思うわけですね。その点、どうでしょう、そういう考え方について。

与謝野馨自由民主党

○与謝野議員 共産党のように、たくさんの部数の赤旗を持っておられるところは、多分国民が共産党の政策を隅から隅まで御存じの上で投票され  ているものだと思っております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 選挙期間を短縮して、公明正大に堂々と政党や候補者が主権者である国民の皆さんにその政策を知ってもらうということを狭めてしまうということは、要するに、裏を返せば見えないところでお金その他情実などで有権者から支持を得て票を集めよう、そういうことを助長することに逆につながる、まさに逆行だと思わざるを得ないことを申し添えまして、次の質問に移るわけであります。  選挙運動用の通常はがきの問題であります。  衆議院及び参議院議員の選挙について、従前、一定の額の範囲内で無料で作成できるとされていたものを、今回の改正によって供託物没収にならない場合に限りという足切りをつくり出したわけであります。これはどうしてでしょう。

与謝野馨自由民主党

○与謝野議員 公費を支出するわけでございますから、その候補者がある一定の評価を有権者に得るということが、税を使うという意味からはやはり必要なわけでございまして、そういう意味では、やはり公費負担の場合にはある一定の得票数がなければ供託金が没収になるというのは半ば当然のことだと思っております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 我が国の現在の公職選挙法によりますと、基本的に主権者に許された文書活動は一切ないわけであります。候補者の側につきましても非常に規制が強い。特に文書については規制が強い。そういう中でわずかに許されているのが、この選挙運動用はがきと個人ビラであります。  このはがきについては衆参両院選挙、都道府県知事選挙等について、公職選挙法制定である一九五〇年以来今日まで四十二年間ですか、営々と無料が実施されてきたわけであります。供託物没収にならない場合に限りなどという足切りなどはなかったわけであります。この四十二年間足切りなどなくして行われてきたこの大変大事な選挙運動用の通常はがきの作成について、今回それを切ってしまわなければならない、そういう過去四十二年間の間の弊害というものがあったのか、あったとすればどういうものなのかを示していただきたい。

与謝野馨自由民主党

○与謝野議員 先生、一つだけ誤解されておられますのは、はがき自体の候補者に対する無料配付というのは、無料配付というか、選挙用はがきをお使いいただくことは従前どおりでございます。ただし、それの印刷費につきましては公費で負担をするということでございますから、その公費を請求できる場合を厳格にしているということでございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 印刷代であることは、私は承知の上で質問しております。四十二年間、この無料はがきの印刷代について無料化で足切りなどなかった、それにもかかわらず、なぜ今回それを足切らなければならないのかの合理的な理由を説明していただきたい。

与謝野馨自由民主党

○与謝野議員 今までは郵送料は無料でございましたが、印刷代は先生方の御負担でございました。その印刷代を今回ある一定の要件のもとに無料化するということでございまして、これは公費負担の一歩前進だと私どもは考えております。その点をぜひ誤解していただきたくないと思っております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 いや、誤解でないと思います。  時間が迫っておりますので、次の問題について質問します。政治活動のために使用される文書図画の掲示の問題であります。  今回新たに規制されるものとして、現行の事前ポスターの制限の問題でありますが、掲示責任者の住所、氏名の記載がなければならぬということになるわけであります。これはなぜこのような規制を今回新たにつくらなければならぬのでしょうか。

与謝野馨自由民主党

○与謝野議員 事前ポスターというお言葉を使われましたけれども、事前ポスターというのはすべて公職選挙法違反だと私は考えております。政治活動用のポスターについてのお尋ねだといたしますれば、政治活動用のポスターが町にはんらんしている、都市の美観あるいは一人一人の政治活動者の経費負担がそういう過当競争によってふえていくことを何とか防げないかという議論もございまして、しかしながら一方では、政治活動の自由もあるということでポスターを掲示する以上、政治活動に限りますが、だれが掲示しているのか、だれがその掲示責任者であるかということを明確にするということもまた必要だという結論に達したわけでございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 もちろん、私は、選挙が告示される前の時点での政治活動用としての文書図画の掲示について聞いているわけですよ。今まで掲示責任者の名前と住所を記載しないものが、今までどおり政治活動として張れる、名前を入れろ、これはどういう結果をもたらすか。  要するに、今全国各地でこうした合法的な政治活動の一環としてのポスターの掲示等について、警察等が例えば軽犯罪法違反とかその他等で大変厳しい規制をしようとしているわけであります。政治活動の自由がそういう点で大変厳しい対抗関係にさらされているというのが、現在の日本の政治活動の一環としてのポスター掲示の実態であります。そういうところへもってきて、ポスターを張ってもいいけれども名前を入れろということは、そういう警察の政治活動の一環としてのポスター掲示に対して弾圧の口実を与える。まさに、ますます日本の政治活動の自由をそういう形で規制をしていくというものにこの問題はつながらざるを得ないと思うわけであります。そういうことをあえて承知の上で今回発議者がこのような政治活動の自由に対する規制を加えようとするものに対しては、到底賛成できないと考えるわけであります。  ただいま私は三点について述べましたが、いずれも主権者の知る権利、立候補する候補者や政党の政治活動の自由、そしてまた選挙において主権者国民にみずからの政策を堂々と述べる権利、これらの民主主義を根本から後退させるものであるということを厳しく指摘いたしまして、質問を終わらせていただきます。

松永光自由民主党

○松永委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————

松永光自由民主党

○松永委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。  綿貫民輔君外九名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

松永光自由民主党

○松永委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松永光自由民主党

○松永委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

松永光自由民主党

○松永委員長 次に、公職選挙法改正に関する件について調査を進めます。  公職選挙法の一部を改正する法律案起草の件及び政治資金規正法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。  両起草案の趣旨の説明は、昨日、私から御説明をいたしました。  この際、発言の申し出がありますので、順次これを許します。島村宜伸君。

島村宜伸自由民主党

○島村委員 私は、自由民主党を代表して、委員長から発議されました公職選挙法の一部を改正する法律案並びに政治資金規正法の一部を改正する法律案の二案について、賛成の意見を表明をいたします。  本二法案は、委員の皆様御承知のとおり、政治改革に関する与野党協議の機関である政治改革協議会及び同実務者会議における長期かつ綿密な議論を経て、法案化されるに至ったものであります。  政治改革の早急な進展を求める国民の声は、日ごと強まりこそすれ、弱まることはありません。政治家として、また公党としてこの声にどうこたえるか、ただ情緒的に主義主張を唱えることだけでは済まされず、具体的に目に見える形で改革の第一歩をしるす必要があります。  まず、公職選挙法の一部を改正する法律案について、賛成の意見を申し上げます。  収賄罪を犯し、刑に処せられた者の公民権停止については、公職にある間に犯したすべての収賄罪を対象として、執行猶予がついても執行猶予中の期間は公民権を停止することが必要であると思います。  また、選挙運動期間の短縮や供託金の額の引き上げ、国と地方における選挙公営の拡大、さらには候補者等の氏名等を表示した裏打ちのない政治活動用ポスターの規制、報酬支給の対象となる事務員等の数の引き上げなどは、委員長の発議のとおりこれを行うべきであります。また、当選人等に係る刑事裁判の迅速化については、公選法で根拠づけることは積年の懸案であり、この際、ぜひ行うべきことであります。  引き続きまして、政治資金規正法の一部を改正する法律案について、賛成の意見を申し上げます。  政治資金パーティーについては、収支の明確化を図る観点から、委員長が発議した措置を講ずることは必要であり、政治資金の運用の規制や政治団体が有する資産等の公開についてもこれを行うべきであります。  匿名寄附の禁止の特例については、街頭等で一件当たり千円以下の寄附に限ってこれを認めることは、適切な措置であると思うところであります。  さらに、違法な寄附の没収、追徴を行うことや、寄附の量的制限に違反した場合には、他の違反行為に係る罰則との権衡を考慮し、禁錮刑を導入することは必要な措置と考えるものであります。  最後に、公務員が地位を利用し寄附及び政治資金パーティー券の販売に関与することを禁止する措置は、当然に行われるべきであると考えるものであります。  以上、公職選挙法の一部を改正する法律案と政治資金規正法の一部を改正する法律案について、我が党の見解を申し述べました。冒頭申し上げましたとおり、これは政治改革の第一歩、第一段階であります。抜本的改革を前にした緊急改革であります。  本案を取りまとめられました委員長を初め、今日までの過程で特段の御努力をいただきました関係各位に心から敬意を表しますとともに、重ねて本二案への賛意を表明して、自由民主党を代表しての私の意見の開陳を終わります。(拍手)

松永光自由民主党

○松永委員長 堀込征雄君。

堀込征雄日本社会党・護憲民主連合

○堀込委員 委員長より提案のありました公職選挙法及び政治資金規正法の一部改正案について、日本社会党・護憲民主連合を代表して、意見を表明いたします。  今臨時国会の任務は、佐川急便事件などで国民の政治不信、国会に対する不信がかつてなく高まっている折、事件の徹底究明を図ること、二度と事件が起こらないような仕組みをつくること、とりわけ金と政治家の関係を整理して国民の皆様の政治への信頼を取り戻すことにあることは言うまでもありません。  そうした立場から、さきの国会においても、第一歩として十八項目が与野党の間で合意され、このたびの国会では、さらに野党側からは八項目の追加提案がなされ、鋭意折衝、話し合いが行われてきたところであります。  私どもは、提案のあった政治資金規正法改正及び公職選挙法の改正については賛成であります。しかし、それは現状より一歩前進しているという、消極的意味合いだけからの判断によるものであります。今日、国民の政治に対する不信がかつてなく高まっている折、この程度の改革で済まされることは許されないはずであります。政治の不信を招いている政治と金の関係を正常化し、政治倫理、政治資金の透明性、腐敗防止についてさらに踏み込んだ内容が必要であります。  まず、収賄罪で禁錮以上の刑に処せられた者の公民権停止の規定でありますが、罰金刑の者、秘書、親族等連座対象者の拡大、公民権停止の拡大を図るべきであります。また、会計責任者に対する政治家の監督義務責任を明確にし、政治家の責任を秘書に押しつけるような風潮を改め、違反者には公民権停止の本人責任を明確にすべきであります。  次に、パーティー規制ですが、今回は、公務員の関与の制限、パーティー開催は政治団体によるものとすること、収支報告の義務づけがなされたことは前進ですが、政治資金調達のためのパーティー全体の規制、透明化のための抜本的検討とさらなる規制が必要であります。  また、政治資金規正法違反の罰則強化については、金丸事件もあり、量的制限違反に禁錮刑を付すべきことは当然でありますが、量刑の問題など検討すべき課題が残っております。  また、政治家個人に対する寄附の禁止が申し合わせ事項になったことは、どうしても了解できない点であります。政治資金の受け入れをすべて指定団体に一元化し、透明性を高める必要性は、今回の佐川事件を見ても国民の期待するところであり、国会が実現しなければならない課題であることは言うまでもありません。  政治資金の運用制限、匿名寄附の禁止特例の措置は、おおむね妥当であり、選挙運動期間の短縮、供託金の引き上げ、ポスターの掲示の責任者及び印刷者の記載業務等についても妥当と考えます。特に、選挙公営の拡大が行われ、私どもが強く希望した地方選挙に拡大されたことは、前進だと評価をいたします。にもかかわらず、今回の改正が佐川事件のさなかの国民注視の臨時国会の改革としては、決定的に不十分なものと言わざるを得ないのであります。  私どもが主張したように、企業・団体献金の禁止、指定団体の数の制限、寄附の公開基準の引き下げ、また連座制及び公民権規定の強化が図られなければなりません。この野党の一致した要求に対し、ひとり自由民主党のみがこれを拒んだのであります。改めて抜本改革の際に検討するということでありますから、自由民主党は国民の皆様に重い責任を負ったことを肝に銘じ、真の改革に向けて取り組むべきであります。  この法案が、少なくも当面の批判をかわしたり、お茶を濁す改革にとどまることなく、抜本的改革につながるものでなければなりません。特に総理及び提案者の自民党の皆さんは、こうした重い責任を自覚し取り組まれることを要望し、私どもも改革に向けて総力で取り組むことを申し上げ、意見の表明といたします。(拍手)

松永光自由民主党

○松永委員長 井上義久君。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 私は、公明党・国民会議を代表し、委員長提案の公職選挙法の一部を改正する法律案並びに政治資金規正法の一部を改正する法律案につきまして、意見を表明いたします。  委員長提案の法案に対しては、緊急改革の第一段階として賛意を表するものですが、この際、政治改革全般に対する基本的な考えを述べておきたいと思います。  空前の構造腐敗事件である佐川急便事件の真相解明とともに、腐敗構造の根を断つ政治改革を求める世論が、かつてない高まりを見せている。  政治改革は、何よりも緊急な課題として取り組まなければならない。政治改革の具体的な目標は、政治腐敗を根絶し、政権交代のある民主主義を実現することである。  今回、緊急改革として与野党間で十八項目プラス三項目が合意され、関係法令の改正が行われるが、合意内容は、国民の期待とはほど遠く、全く不十分なものである。  我々の主張する抜本的な腐敗防止策は、第一に政治資金制度の改革である。まず、企業・団体献金を禁止するべきである。少なくとも当面は、政党もしくは政党の資金団体に一本化するくらいの改革は行うべきである。加えて、政治家の指定団体は一つにし、違反者に対しては公民権を停止する。さらに、指定団体に対する政治家等の監督義務を定め、会計責任者のみならず、政治家等にも罪が及ぶようにするなど罰則を強化することである。  第二には、国会の自浄能力を発揮できる機関とし、証人喚問や辞職勧告ができるような政治倫理委員会を設置することである。  第三に、公職選挙法の違反者に対し、連座制も含め罰則を強化し、買収等の選挙違反を犯せば、事実上政治生命を失うような仕組みにすべきである。  こうした腐敗防止対策の強化とともに、衆議院の選挙制度を抜本的に改革する必要がある。現在の中選挙区制度が制度疲労を起こしていることは否定できない。我々は既に、民意を正確に反映し、個人も選べる制度として比例代表選挙区併用制度を提示しているが、各党間で案を出し合い、制度改革に本格的に取り組む必要がある。  自民党は、政権与党として生き残るために単純小選挙区制度を導入しようとしているが、現実に政権を担う二つの軸が存在しない日本の政治状況の中で小選挙区制を導入すれば、現状を固定化し、政権交代はますます遠ざかることは必至である。そうなれば、政治腐敗はますます深刻になる。したがって、小選挙区制導入は認められないというのが基本的な考え方である。  衆議院の選挙制度の抜本改革については、これまでの経緯からも十分に時間をかけ、国民的な合意のもとに改革を進める必要がある。それまでの間、国民の一票等価の原則に基づき、定数不均衡の抜本是正を行うべきである。定数是正に当たっては、各選挙区の議員定数は国会決議を尊重し、三人以上五人以下とする、各選挙区間の議員一人当たりの人口格差は二倍未満とする、などを基本原則とすべきである。  九増十減案については、現行定数が違憲状態にあり、これ以上放置しておくことが許されないことから、抜本是正に至る緊急措置としてやむを得ないと考える。  以上でございます。(拍手)

松永光自由民主党

○松永委員長 木島日出夫君。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 私は、日本共産党を代表して、自民党提案の公職選挙法一部改正案に対し断固反対の態度を明らかにするとともに、委員長発議による公職選挙法一部改正案及び政治資金規正法一部改正案に反対する意見を表明します。  まず、定数是正であります。一票の格差が最大三・四〇倍に拡大した衆議院議員定数については、公職選挙法別表第一の「五年ごとに、直近に行われた国勢調査の結果によって、更正するのを例とする。」という規定の実施を歴代自民党政府が放棄してきた結果にほかなりません。現行中選挙区制のもとでの格差一対二未満への抜本是正、二人区・六人区の解消をうたった八六年五月二十一日の本院決議に基づいた抜本是正を誠意を持って実行することが求められており、我が党は、昨年四月二十二日、選挙区間の格差一対一・五という抜本是正案を既に提示しており、その実現のため各党による誠実な協議を行うよう一貫して主張してきました。  ところが、自民党提案によるいわゆる九増十減案は、是正後の格差一対二・七七倍というものであり、原理原則のない、びほう策以外の何物でもないばかりか、新たに四選挙区を二人区とするなど、小選挙区制に道を開くものであります。これが国会決議に真っ向から反することは明らかであります。抜本改革に向けた第一歩などと詭弁を弄しても、抜本改革が伝えられるような小選挙区制であれば、第二歩はあり得ないことになります。また総定数を一名減らすことについても、ヨーロッパ先進諸国と比べ、人口割合に対する国会議員定数は日本が少ないのが実態であり、何ら減らす必要はないのであります。  次に、いわゆる二十一項目の合意事項に関連した委員長発議に関してであります。  佐川、共和、リクルート事件など相次ぐ汚職・腐敗事件を一掃するためには、企業・団体献金を直ちに、きっぱりと禁止すること以外にはないのであります。ところが、昨年設置された政治改革協議会で、この緊急、重大な問題を先送りしたのが我が党を除く各党の合意事項であり、ただいま委員長が発議された改正案の内容なのであります。  委員長発議による政治資金規正法の一部改正案は、違法献金の没収規定や懲役刑の導入など当然の改正も含まれてはいますが、その中心は脱法行為の政治資金集めパーティーを合法化し、逆に企業献金を温存拡大することにあります。企業は、一回のパーティーで百五十万円以内でありさえすれば何回でもパーティー券を購入できるのであり、年間の献金枠に関係なく企業献金を無制限に拡大することになるという驚くべき内容とされています。まさにパーティー規制どころか、資金集めパーティーの名による企業献金自由化法とも言うべきものであります。  同じく公職選挙法一部改正案についても、収賄罪に対する公民権停止や百日裁判の徹底を図るなどは当然でありますが、その一方、選挙運動期間をさらに短縮し、有権者の選挙に当たっての知る権利、参政権を一層制限するばかりか、供託金の額を大幅に引き上げ、立候補の自由を経済面から大きく制限しております。これがどうして政治改革と言えるのでしょうか。政治改革どころか、政治改悪の押しつけと言わなければなりません。  最後に、政治改革と称して、以上述べたような金権腐敗政治を温存し、国民の基本的権利を侵害する改悪案が提出あるいは発議されるもとには、我が党を除く与野党の密室政治があるということを指摘しなければなりません。  政治の主人公は有権者、国民であります。国会と各政党は、今こそ密室のなれ合い政治ときっぱりと決別し、国民とともに金権腐敗政治を一掃するために全力を尽くさなければなりません。日本共産党はその先頭に立って奮闘する決意を申し上げ、私の意見表明を終わります。(拍手)

松永光自由民主党

○松永委員長 川端達夫君。

川端達夫民社党

○川端委員 私は、民社党を代表して、ただいま委員長から発議のありました公職選挙法の一部を改正する法律案並びに政治資金規正法の一部を改正する法律案について、次の意見を付して賛成いたします。  今国会においては、景気回復と並び、佐川急便事件の全容解明と再発防止のための政治改革が、国民から課せられた最大の課題でありました。その認識のもとに、我が党は、先国会で合意した十八項目の実現は当然として、それに加えて実務者会議に新たにおろされた八項目すべてを緊急改革と位置づけ、その実現に全力を尽くしてまいりました。  しかるに、宮澤総理が、思い切った政治改革を実現するため、不退転の覚悟で取り組むと所信表明で公約されたにもかかわらず、実務者会議においては、自民党は各項目に前向きな対応をほとんど示さず、また宮澤総理自身のリーダーシップも残念ながら発揮されませんでした。  今国会の政治改革が、佐川急便事件、とりわけ金丸氏の違法献金受領問題による国民の政治不信を回復するためのものであったことを考えるとき、追加項目の中の政治資金規正法の罰則強化及び公職選挙法の罰則強化は最低限実現されなければなりませんでした。  しかし、公職選挙法の罰則強化は何らの前進を見ず、政治資金規正法の罰則強化は、量的制限違反に禁錮刑が付与されたとはいえ、我々民社党は、これは入り口にすぎず、執行猶予の場合の公民権停止、罰金刑までの公民権停止、さらには政治家の監督責任という階段を上がることを主張してまいりました。  その意味で、今国会における政治改革は、政治家個人に対する寄附制限が申し合わせ段階にとどまったこともあわせ、端的に言うならば、半歩前進、されど道なお遠しと言わざるを得ません。  しかし、合意に至らなかった項目も、国民的要請の高い緊急改革項目であり、その実現に向け、自民党も引き続きしかるべき機関での検討を約束されたわけでありますから、今後も与野党が全力を傾注しなければならないと考えます。しかも、共産党を除く野党各党の主張をおおむね一致を見ているのが現状であり、残るは政権政党である自民党の決断一つであることを最後にいま一度つけ加え、民社党としての意見表明といたします。  以上です。(拍手)

松永光自由民主党

○松永委員長 これにて発言は終了いたしました。  公職選挙法の一部を改正する法律案の起草案について、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣の意見を聴取いたします。塩川自治大臣。

塩川正十郎自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○塩川国務大臣 本法律案の提出並びに協議に当たられた議員各位の御努力に深く敬意を表するものであります。  政府といたしましては、本法律案について特に異議はございません。

松永光自由民主党

○松永委員長 これより採決いたします。  まず、公職選挙法の一部を改正する法律案起草の件につきまして、お手元に配付いたしております起草案を本委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

松永光自由民主党

○松永委員長 起立多数。よって、そのとおり決しました。     —————————————

松永光自由民主党

○松永委員長 次に、政治資金規正法の一部を改正する法律案起草の件につきまして、お手元に配付いたしております起草案を本委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

松永光自由民主党

○松永委員長 起立多数。よって、そのとおり決しました。  お諮りいたします。  両法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松永光自由民主党

○松永委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。     —————————————

松永光自由民主党

○松永委員長 ただいま自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、民社党を代表して島村宜伸君外三名から、政治改革の推進に関する件について決議されたいとの動議及び日本共産党を代表して木島日出夫君から、政治改革の緊急課題推進に関する件について決議されたいとの動議が提出されております。  この際、両動議を議題とし、提出者から順次趣旨の説明を求めます。島村宜伸君。

島村宜伸自由民主党

○島村委員 ただいま議題となりました決議案につきまして、提出者を代表して案文を朗読いたします。     政治改革の推進に関する決議(案)   国民の政治不信が高まっている現在、今回の政治資金規正法及び公職選挙法の改正は、緊急に改革すべき事項を実施するとともに、違憲状態ともいうべき衆議院議員の定数に関する現行規定を早急に改正するための暫定措置である。   政治に対する国民の信頼を確立するためには、政治家一人一人が、より高い倫理観にもとずくことはもとより、政治資金制度、選挙制度や国会の在り方など政治の仕組み全体の討議を深め、議会制民主主義の健全な発展を期さなければならない。   当委員会は引き続き、抜本的な政治改革に取り組み、その速やかな実現に努め、国民の期待に応えるものである。   右、決議する。  何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願いいたします。

松永光自由民主党

○松永委員長 木島日出夫君。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 ただいま議題となりました政治改革の緊急課題推進に関する決議案に対し、日本共産党を代表して提案の理由を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     政治改革の緊急課題推進に関する決議(案)   佐川・暴力団問題で国民の批判が極度に高まっている時、政治腐敗をなくし、議会制民主主義を確保するために、今、緊急に必要な政治改革の中心は、企業などが金の力によって政治を動かすという企業・団体献金を、ただちに、全面的に禁止する措置をとることである。また、禁止規定に反する者については厳重に取り締まり、公民権停止をするなど、厳しい規定を設けることが必要である。   選挙制度については、小選挙区制導入など制度の改変にはしることなく、昭和六十一年国会決議にもとづいて、すみやかに現行中選挙区制下における憲法違反の選挙区間定数格差を一対二未満に抜本是正し、二人区・六人区の解消を行い、もって議会制民主主義の健全な発展を期さなければならない。   右、決議する。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

松永光自由民主党

○松永委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  島村宜伸君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

松永光自由民主党

○松永委員長 起立多数。よって、本件は本委員会の決議とすることに決しました。  ただいまの議決の結果、木島日出夫君提出の動議は議決を要しないものとなりました。  本日は、これにて散会いたします。     午後九時三十六分散会

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