公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号
- 発言数
- 159 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1992/11/30
会議録
○松永委員長 これより会議を開きます。 この際、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴いまして、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松永委員長 御異議なしと認めます。 それでは、理事に北川正恭君を指名いたします。 ————◇—————
○松永委員長 次に、本日付託になりました綿貫民輔君外九名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたします。 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。梶山静六君。 ————————————— 公職選挙法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○梶山議員 公職選挙法の一部を改正する法律案の趣旨とその内容の概略を御説明申し上げます。 衆議院議員の定数配分につきましては、昭和三十九年及び昭和五十年に議員一人当たり人口の多い選挙区について定数を増加させ、総定数をそれぞれ十九人、二十人増員することによって、その是正が図られ、さらに、昭和六十一年には、いわゆる八増七減により、是正が行われたところであります。 この昭和六十一年の定数是正に際しては、国会決議が行われ、それ以降、抜本的な衆議院議員の定数是正に向けて、各党各会派において真剣な論議、検討が重ねられてきた経過につきましては、御承知のとおりであります。 この間、政治と政治資金をめぐる問題を契機として、国民の政治に対する信頼が大きく揺らぐことになりました。 我が自由民主党におきましては、国民の政治不信を解消し、政治に対する信頼を回復するためには、選挙制度や政治資金問題を含めた抜本的な改革が不可欠であるとの観点に立って、この衆議院議員の定数問題についても、選挙区制のあり方との関連等も含め、幅広い角度から真剣な検討を行ってまいりました。 昨年の第百二十一回国会に政府から提案された改正法案は、このような我が党の論議も踏まえて、選挙区間の人口格差をおおむね二倍以下とするものでありましたが、成立には至りませんでした。 しかしながら、最大三・三八倍にもなっている格差の現状やこれまでの最高裁判決の考え方等に照らして考えるとき、定数是正をこれ以上放置しておくことは許されず、一刻も早く是正を行うことが、立法府としての責任を果たすゆえんであると考えます。 このため、我が党は、去る十月二十日の政治改革協議会において、格差を二倍程度に近づけるよう漸次是正するという考え方のもとに、司法の判断に対する受け身の対応にとどまらず、実現可能なぎりぎりの緊急是正案として、九増十減案を提示したところであります。 我が党は、政治改革協議会において、各党合意のもとに、今国会で定数是正が実現できるよう、最大限の努力を尽くしてきたつもりでありますが、まことに残念なことに、いまだ合意を得るには至っておりません。 責任政党としての我が党は、国民世論の動向等も勘案し、この緊急是正を今国会においてぜひともなし遂げなければならないと考えます。このため、今国会の会期をにらみながら、いわば、ぎりぎりの選択として、政治改革協議会に提示した九増十減案を公職選挙法の一部を改正する法律案として、提案いたした次第であります。 この法律案は、衆議院議員の選挙について、当分の間、総定数を五百十一人とし、議員一人当たり人口の多い選挙区から順に九選挙区について選挙すべき議員の数をそれぞれ一人増員し、議員一人当たり人口の少ない選挙区から順に十選挙区について選挙すべき議員の数をそれぞれ一人減員することとし、これにより、定数がゼロになる奄美群島選挙区については、総合勘案の上、当分の間、鹿児島県第一区に属するものとするものであります。 これによりまして、選挙区間の最大格差は、現在の三・三八倍から二・七七倍となるものであります。 なお、この法律案は、次の総選挙から施行することといたしております。 以上が、この法律案の趣旨と内容の概略であります。
○松永委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本案審査のため、明十二月一日、参考人として奄美群島市町村長会会長野村良二君及び鹿児島県信用保証協会会長今吉弘君の御出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松永委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 —————————————
○松永委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤観樹君。
○佐藤(観)委員 昭和六十一年の五月二十一日に、本院におきまして、衆議院議員の定数是正に関する決議がなされております。 選挙権の平等の確保は議会制民主政治の基本であり、選挙区別議員定数の適正な配分については、憲法の精神に則り常に配慮されなければならない。 今回の衆議院議員の定数是正は、違憲とされた現行規定を早急に改正するための暫定措置であり、昭和六十年国勢調査の確定人口の公表をまって、速やかにその抜本改正の検討を行うものとする。 抜本改正に際しては、二人区・六人区の解消並びに議員総定数及び選挙区画の見直しを行い、併せて、過疎・過密等地域の実情に配慮した定数の配分を期するものとする。 右決議する。これがいわゆる定数是正に関する本会議の決議であります。 今、梶山議員の方からいわゆる九増十減案について御提案がありましたけれども、一体提案者の側は、この国会決議という極めて重い決議に対しまして、しかも六年半たっているという現状において、この国会決議、また国会決議が出てまいりましたその経過というものにつきましては、梶山議員もその当時議会にいらっしゃったわけではございますが、どういうふうにその経過を認識をし、そしてその認識に基づいてこの九増十減案というのが出てきたのでございましょうか。
○梶山議員 佐藤委員御指摘のとおり、六十一年に国会決議がなされたことは承知をいたしております。それに基づきまして、昨年の百二十一国会において政府提案の三法案はこの抜本改正を敷衍する方式として提出をされたわけでございますが、残念ながら廃案になったことは御案内のとおりでございます。 ですから、この抜本改正をめぐってのやり方、確かに六十一年の決議は中選挙区を考慮に入れながら、中選挙区を前提にしながらなされたことは現実でございます。しかし、その後のいろいろな社会情勢、政治情勢を考えて制度改正に踏み切るべきだという自民党を中心にした考え方からこの三法案が一括して出された経緯も皆さん方御案内のとおりであり、またこれが廃案になったことも御承知のとおりであります。ですから、私たちは今この六十一年の国会決議を踏まえて、そして、なおかつ今違憲状態になっているいわゆる衆議院の定数をどう是正するかという問題に取り組まなければならないわけであります。 六年たったとおっしゃられますけれども、昨年、残念ながら我が政府が提示をした政治改革三法案が廃案になって、抜本的な改正が実は不可能になったわけであります。そういうのを踏まえて、昨年来各党協議の場である政治改革協議会が持たれまして、既に十数回の会合を持ちながら、その他万般の政治改革について、しかも緊急是正を要すべき違憲状態のこの定数をどう是正するか、大変真剣な討論がなされて今日に至っております。 本来なれば四党合意のもとに委員長提案という形をとりたかったわけでございますが、残念ながらその機が熟しておりません。しかし、さはいうものの、既に前の選挙が終わって二年有余を経ておる昨今、この問題を避けて通るわけにはまいりませんので、残念ながら抜本改正というわけにはまいりませんけれども、少なくてもこの今の違憲状態を解消し、なおかつ各党から言われている、ただ単に違憲状態の解消、いわゆる四増四減ではとても国民の期待にはこたえない、それぞれの各党は大幅な改正を要求したことは皆さん方御案内のとおりであります。ここにも幾つかの資料があります。最小限度二けたに乗るようにという適切な、現実的なアドバイスもございます。もろもろのことを勘案しながら、今現実可能な九増十減案を提案したということを御了承願いたいと思います。
○佐藤(観)委員 お言葉でございますけれども、国会決議というものを、第一党であることは間違いない、与党でありますけれども、自民党さんなりあるいは政府が独自に解釈をするというのは、これはあってはならないことだと思うのです。国会決議というのは、あのときは共産党さんが反対をされましたけれども、その他の政党が全会一致で国会決議ができたことは御承知のとおりであります。それを今梶山議員の方から御説明がありましたように、昨年の政府案だけで、政府案の中にそれがいわば換骨奪胎と申しましょうか、要旨としては入っているのだ、ですからそれでいいのだというのはおかしな議論でございます。 そのことをさらにお伺いしていく前に、我が党の基本的な考え方を述べさせていただきたいのであります。 今梶山議員言われましたように、三・三八倍になっております現状というのはいわば異常な状況でございますから、一日も早く定数是正をして、そして、やはり最終的には一人が二票を持つというような状況というのを脱却していかなければいかぬ、そのことは当然のことであり、そして私たちは、本来、最高裁が言うところの三倍以内なら憲法違反ではないという議論も、常識からいってまことにおかしいと思いますが、しかし今、表現としては憲法違反の状況を脱するという、三倍以内ということを言っておりますから、そのままの言葉を使うとすればそのことも早急に解決をしていかなければなりません。なるがゆえに、昨年政治改革関連三法案を政府が出されましたときに、我が党の方も国会決議に基づきまして一・五六倍という極めて原則に近い、そして、それは昭和二十一年に現在の定数のもとができました同じやり方で、その後二十名、十九名あるいは沖縄の五名と、議員定数は増えておりますけれども、いわば昭和二十一年にやりました、もう一度各県に定数配分をし、それを選挙区に配分をする、そして中選挙区制の従来の枠でございます三名区から五名区を外れるものにつきましては、六名区につきましては分区、そして二名区以下につきましては合区をするあるいは境界線変更をする、そういう法案を昨年出しておるわけでございます。したがいまして、私たちとしても、基本的に定数の是正をしなければならぬ、あるいは緊急に憲法違反と言われるような状況というのを脱却しなければいかぬ、この趣旨においては賛成でございます。なるがゆえに、今お話ございましたように、我が党といたしましては、政治改革協議会で山花書記長の方からいろいろな角度から意見を述べてきたことは梶山議員御承知のとおりでございます。その基本的な私たちの態度を述べた上で質問をしたいのであります。 御承知のように、なぜ国会決議ができたかといいますと、今から六年前になると思いますけれども、自民党さんの方から六・六案という定数是正案が出されたわけでございます。これは二名区を含んだものでございました。したがって、これは現行中選挙区制の枠を外れるではないかということで、野党そろいまして、その二名区になるところにつきましては合区をして、そして是正をすべきであるという、我が方も六・六案というのを出したわけでございます。結論からいいますと、これは両方廃案になりました。しかしその前に、最高裁の方から三倍以上になっておるのは内容的に言えば違憲状態であるという判決が下っておりますから、議長が中心になりまして定数是正協議会というのができて、最高裁の判決を待つまでもなく、何としてでもひとつ定数是正はしなければならぬということで、議長が中心になって動かれたことは御承知のとおりであります。そして、各党の党首を集められて、そのときは中曽根内閣でございましたけれども、我が方は石橋政嗣委員長の時代でございますけれども、そのときに、各党協力をするようにという議長の提案、議長見解というのが出ておるわけでございます。これは御承知のように、議員定数については五百十一名を変更しない、それから議員一人当たりの人口の格差というのは三倍以内にする、それから三番目に小選挙区制はとらない、それから六十年の国勢調査の確定値が公表された段階で速報値に基づく定数是正措置の見直しをし、さらに抜本的改正を図る、こういう議長見解のもとに定数是正協議会というのでいろいろな角度から議論をしてきたわけであります。その結論が御承知のように八増七減であり、そこには境界線変更もありましたし、残念ながら二名区もできたということで、国会決議に結びつくわけであります。したがいまして、こういう一連のこの八増七減に至り、そして国会決議が出るまでの経過の中には、小選挙区制をとらない、これは野党こぞっての意見でございましたから、提案でございましたから、議長もそのときには小選挙区制をとらないというのをわざわざ入れているわけです。 ですから、梶山議員今答弁の中にもありましたように、国会決議は中選挙区制のもとにおけるものであるということを言われましたように、私たちはあくまで枠組みは中選挙区制のものである、それが国会決議の正しい読み方だというふうに理解をし、また当然であると思うわけであります。しかし、今梶山議員の御提案の中あるいは答弁の中には、いや昨年の政府案の中には、あれは一・二をちょっと超えておりましたが、小選挙区制の中で定数是正をするんだ、したからこれは国会決議に違反をしていないんだ、あるいは国会決議の精神にのっとっているんだ、こういう御答弁がありました。これは私が冒頭申し上げましたように、国会決議というものを自民党さん流に、あるいはあの当時法案を出したのは政府でありますから、行政府が立法府で行いました国会決議というものを自分流に解釈して法案を出してきた、こういうことになるのでありまして、今梶山議員が言われましたように、あるいはこの趣旨説明に書いてございますように、「昨年の第百二十一回国会に政府から提案された改正法案は、このようなわが党の論議も踏まえて、選挙区間の人口格差をおおむね二倍以下とするものでありましたが、成立には至りませんでした。」というのは、これは小選挙区制における話でございまして、梶山議員からの御答弁の中にあったように、中選挙区制における国会決議というものとは全然異質のものであるわけであります。このことをはっきりしておきませんと、この定数是正問題というのは自民党流に、あるいは政府が国会の決議をねじ曲げて法案にしていくという、議会制度におきまして大変禍根を残すことになってくるというふうに私は考えますが、いかがでございますか。
○梶山議員 昭和六十一年の国会決議は厳然として生きていることはこれは私も認めるわけでございますが、昨年の第百二十一国会において小選挙区比例代表並立制を中心とする政府案を上程をし審議をされたという事実もこれまた厳然たる事実でございますし、またそれが廃案になったということも踏まえて私たちは今回の提案をいたしたわけであります。 そういうことを考えますと、確かに六十一年の国会決議、大変国会に大きいおもしを持っているわけでありますが、これを補って余りあるものというか、改正するに足るべき理由が存在するならば、これは不磨の大典と申すべきものではなくて、やはり新しい社会の状態やあるいは政治状態に対応すべきものだ。その原因者が、自民党にもちろん小選挙区を主張するゆえんがありますし、例えば今回でも、公明党さんはブロック別の比例代表選挙区併用制というものを一つの試案として出されておりますから、必ずしも中選挙区が金科玉条、日本で絶対変えてはいけない制度のものというふうに思料することは、これは余りにも固定化し過ぎるものでございますので、これはこれからの議論にゆだねるべきものでございまして、今私たちは中選挙区のもとで、この違憲状態の解消プラス国民のニーズにこたえ得るような緊急是正を行わなければならないということで今回の提案をしたわけでございますので、御理解のほどを願いたいと思います。
○佐藤(観)委員 私も、中選挙区制は金科玉条で全然変えてはいけないということを言っているわけではないのであります。それはそれとして、当然私は抜本的な政治改革の中で大いに議論をすべきであるし、後から申し上げますけれども、長い間私も政治改革協議会の実務者会議の一員といたしまして、そこに森座長もいらっしゃいますし、あるいは津島さんもいらっしゃいますし、与謝野さんもいらっしゃいますけれども、さんざんいろいろな角度からやり合いました。そして、これはもうこういう協議会、あるいは中選挙区なり、あるいは今の法律体系の中ではおのずと一定のところまで、限界まで来ているのじゃないかなと私は個人的な感じを持っているわけでありますが、その問題と、今梶山議員が冒頭に言われましたこの国会決議というものは厳然として生きているという言葉とは全然内容が違うわけであります。 したがって、さらにこれは詰めていかなきゃなりませんけれども、余り私も個人的に古証文を持ってきてこれは違うじゃないかというのも好きな方な性格ではないけれども、事は国会決議です。お互いに政党が責任を持ち、議員が責任を持ったものを、そのような解釈によって、いわば自民党流と申しましょうか、昨年出した政府案が審議されたことは事実ですが、私の議事録を見ていただきますれば、それときよう今申し上げているのと同じように、国会決議と小選挙区制のもとに出された政府案の、定数是正をねらったのでありましょうが、いずれにしろ一・二倍をちょっと超えるようなものとはこれは全然異質のものですよということについては、私たちは納得できないわけでありまして、審議されたからそれが既にいわば、どうも梶山議員の言われるのは、国会決議が消えたがごとくなるということは、これを消すなら消すで、私はこれは個人的な意見でありますけれども、それならそれで国会決議はないものにしましょうという決議をやはりしないと、国会決議というのはそんなものかということになってくると私は思うのであります。その意味で、今の答弁というのは決して納得ができないわけでありまして、いわば国会決議は生きていると言いながら実際には小選挙区制の中でそれを実現をしようとしているというふうにしか言えないわけであります。 さらにお伺いしたいのは、この趣旨説明の中で、ちょうど真ん中のあたりでありますけれども、三・三八倍になっているからこれ以上放置できない、そのとおりであります。「このため、わが党は、去る十月二十日の政治改革協議会において、格差を二倍程度に近づけるよう漸次是正するという考え方の下に、司法の判断に対する受け身の対応にとどまらず、実現可能なぎりぎりの緊急是正案として、九増十減案を提示したところであります。」という文言がございます。ここで私がわからないのは、ここで言うのは緊急是正だと。解散も間もなく近いのかもしれません。あるいは我々の方も内閣不信任案を出すような状況になってくるかもしれません。確かに三・三八倍というような状況というのは一日も早く私たちも脱却しなきゃいかぬと考えておることは先ほど言ったとおりでありますけれども、皆さんの方で、聞くところ、いや実は先々は十一月いっぱいまでに選挙制度も含んだ抜本改革というのがあるんだ、やるんだということを天下に言われているわけですね。一体そこにおいてこの皆さん方が出された九増十減案というのは、この抜本改革というものと、ここで出されたものとの関係というのはどういうことになるのだろうか。 もっと端的にお伺いします。 私は、今いろいろな言葉が飛んでおりますので、定数是正の問題については、国会決議は抜本是正と言った方がわかりやすいと思うのです。抜本改正と言いますとまことに紛らわしい。そして、選挙制度を含んだものにつきましては抜本改革というふうにひとつ言葉を統一しますと非常にわかりやすいのじゃないか。国会決議は定数の抜本是正、そして選挙制度を含んだものは抜本改革というふうに言った方がわかりやすいと思うのでありますけれども、皆さんの方では十一月いっぱいまでにまとめられるという選挙制度を含んだ抜本改革とこの九増十減案なる緊急是正というものは、一体どういう関係になっていくのですか。抜本改革というものができればもうこれでこういうタイプの定数是正というのはおしまいなんだ、もうあとは皆さん流に言えば、小選挙区の中で一・二倍以内の定数是正をやればそれは国会決議の中で吸収できるのだ、こういうことになっていくのですか、どういうふうになっていくのですか。
○梶山議員 冒頭佐藤委員が言われた、この国会決議が厳然としてあるということは私も認識をいたしております。それから、さきの百二十一国会で政府三案、すなわち小選挙区を中心とする幾つかの法案が提出をされ審議をされたというのもこれまた事実でございます。そういうのを考え合わせてみますと、私どもはこの生きとし生ける世の中にあって、生々発展をする社会の中にあって、中選挙区が現状望ましいという方もあるし、それからこの制度的なものを打ち破らなければ到底やっていけないという方も数多くあるわけであります。そういうものを私は拘束するものではなくて、それぞれの党やそれぞれの個人が大いに議論を闘わせながら、より現実に対応し、特に国民の皆さん方は一票の格差、いわば投票権の平等性、これを求めているということと、それから制度についてのいろいろな意見があることは皆さん方も御案内のとおりでございますから、この問題をめぐって我々はどうするかということが第一の問題であります。 それから、委員御指摘の抜本改正、抜本改革という言葉、これが何を意味するかという問題はあるかもしれませんが、あの六十一年の国会決議は、抜本改正とかその言葉にはとらわれずに、この当時の決議の内容は中選挙区を志向していたというふうに私も理解をいたしております。その点で変わりがあるはずはございません。そして今、認識はどうかといいますと、それぞれの党でそれぞれの会派でそれぞれの方々が、いわば制度をどうしたらいいかということを真剣に私は討論をいたしている段階であろうと思います。ですから、この議論を私たちは封殺する必要はない。むしろこれは、六十一年の国会決議は厳然としてあるけれども不磨の大典ではない。新しい事態に対応する努力をすることは当然でございます。そういう認識のもとに、なおかつ今抜本改正ではない、いわゆる違憲状態、どこが違憲状態かというのはなかなか私も判然といたしません。しかし、最高裁の判断を、今までの例を見ますと、格差が三倍以上になると違憲状態であるという認識を大半の判決が示しているわけでございますので、我々がそれに甘んずるわけではございませんが、少なくとも今三倍以上の格差がある段階で、違憲状態と指摘をされる段階を正常なものにしておくことは、これは議院の本来の務めでございます。これを抜きにして私は議会制度は成り立たないという気がいたします。なぜ我々が定数是正を行うかということは、もう佐藤議員に私が申し上げるまでもなく、これは一内閣や一自民党を初めとする各党各会派のために行うものではないということは、私は前の政治改革協議会でも申し上げました。我々日本国の健全な議会制のために行うものであり、いわゆる政策というものとは異質な課題でございます。ですから、この定数是正の責任はまさに我々のこのハウスにあると言っても過言ではありません。ですから、このハウスに対して、立法府に対して、いわば対峙的な立場にある、それぞれ侵さない分野の立法府にあえて違憲状態と言うからには、憲法解釈その他を十分にされて、なおかつ三倍以上は幾ら何でも違憲状態ではないでしょうかという疑問を我々に呈しているわけであります。もちろん選挙の効果を否定するものではございませんけれども、しかし、そういう状態を脱却しておくことは、これは議会の本来の務めでもございますから、今この違憲状態、三・三八倍になっている現状を是正しなくていいという理論は、幾らどんなことを言っても成り立ちません。ですから、確かに前回の六十一年のいわゆる定数是正に対する決議というものは、あの当時行われた緊急是正のいわば補完的な役割として、今後やるときには抜本改正をいたしましょうよ、抜本改正をするときにはこういうことに配意をいたしてやりましょう、こういう決議を行ったわけでございまして、我が党、我が政府は、実は昨年その手段、方法を小選挙区に求めて皆さん方に提示をし、残念ながらこれが廃案になったということは現実でございますから、今日考えられることは、今のままで小選挙区を出してこの定数是正を行うかどうか、これは余りにも日がない、お互いの議論も詰まらない、そういうところを考えますと、これだけほうはいとしてわいているいわば一票の格差、この問題を第一義的に取り上げて定数是正を行わない限り、国民の政治に対する不信、信頼感の回復は不可能だということを考えれば、とにもかくにも違憲状態にある今の定数を是正をし、そしていわば三倍以内ということで考えれば、四増四減であれば二・九九倍、あるいはそれでおさまるかもしれませんが、これは各党ともそれのみをもってしてはとても国民の期待にこたえ得ない。十分なプラスアルファをつけながらの緊急是正を行うべし、こういう御意見を踏まえながら今日の提案をいたしたことを御了承願いたいと思います。
○佐藤(観)委員 結局、私の聞いたことに梶山議員は何にも答えてないのですよね。理念については、私たちも三・三八倍になっているのはそのままでいいなんということは一言も言っていないので、例えば九増十減の範囲内のことだけで言えば、我々は昨年一・五六倍案を出しましたけれども、この九増十減だけの範囲に限っても、例えば二名区・六名区の解消という国会決議があるものも、それも一切無視をして出されている案であります。ですから、政府三案を出して、その中で審議をしたことは厳然たる事実だと言われるが、厳然たる事実かもしれないけれども、その中でも私はちゃんと言っているわけですよ。それは国会決議を無視したことですよということもちゃんと言っているので、否決されたことまで何でもやればいいという話ではないわけであります。したがって、きょうは十一月三十日でしょう、十一月いっぱいまでに皆さん方は抜本改革を出すのだと言われている。それは自民党さんの御都合ですから、少しおくれるのは、別にそれは自民党さんのお話ですけれども、想定している抜本改革というものとこの九増十減というものとはどういうことになるのですか。 逆の聞き方をいたしましょう。国会決議に言っております抜本是正というのは、一体どういう状況になったらそれを実現するのですか。今梶山議員のお話を聞いておりますと、それは昨年の政府案と同じように小選挙区制において実現するんだというふうに聞こえるのですが、そういうことなんでしょうか。
○与謝野議員 佐藤先生がお尋ねのお話は、国会決議を自由民主党はどういうふうに考えているかということと関係すると思います。我が党は国会決議を尊重するということは当然のことと考えております。 そこで、国会決議と中選挙区制の関係ということを明確にしておかなければならないわけでございます。国会決議はその文面から見ましても、また決議がなされた時点の選挙区制が中選挙区制であったこと、国会決議が中選挙区制を踏まえてなされたということは、ただいま梶山議員よりお答えをしたとおりでございます。しかしながら、国会決議は、その後いかなる社会情勢あるいは国民世論の変化があっても中選挙区制以外の選挙区制のもとでの抜本的な定数是正を一切許さない趣旨のものかどうか、そこまでの制約を立法行為に与えているかどうか、私どもはそのようには考えておりません。選挙区制の改正は当然のことでございますが、法改正が必要でございまして、国会での審議、議決が前提となりますので、その後の社会情勢の変化等を踏まえ、その時点時点で立法府としての判断を行っていただければよいのではないかと考えております。 ただ、選挙区制を変更する必要ありと判断した場合においても、国会決議に流れる定数是正の基本的な考え方、すなわち選挙権の平等性の確保、定数の適正な配分、過疎・過密等地域の実情への配慮等については十分尊重されなければならないと考えております。
○松永委員長 ちょっと待ってください。補足する意味で細田博之君から答弁がありますから。
○細田議員 一言補足をさせていただきます。 まず抜本論についてはただいま両議員から御説明したとおりでございますが、緊急の必要性という意味からちょっと補足説明を申し上げます。 我が国は昭和六十年に国勢調査をやって、わずか五年の間で、平成二年の国勢調査の結果を見ますと、これから増員をしようという選挙区で異常な人口の伸びを見たわけでございます。つまり、千葉四区においては一〇%以上、神奈川四区においては七%、埼玉五区においては九%、その他埼玉二区においては一〇%等々、八、九、一〇%の伸びを見たわけでございます。つまり、三倍におさめたと思ったら一〇%伸びましたから、そこで三・三倍になるわけでございます。減員区におきまして見ますと、東京八区が異常な減少を示したわけでございます。約九%人口が減少しました。これらの減少はなぜ起こったかと申しますと、言うまでもございません。これは最近のこの五年間におきまして大変異常なバブル経済と、首都圏あるいは近畿圏における人口のアロケーションの異常が起こりまして人口移動が起こったということによりまして、一人当たりの選挙権の重さというものが大いに変わってきたということがあるわけでございます。 したがいまして、これを直ちに是正をいたしませんと、憲法に違反することはもとより、とりあえずはこの緊急是正をすることによって、バブルが鎮静化しました現在、対応がある程度できるのではないかという考えもありまして、その最小限の範囲がどこにあるんだということでこの案が出てきたものでございます。抜本案につきましては先ほど申しましたとおりでございますが、緊急是正案は必要ないではないか、何で今ここですぐに緊急是正が必要なのかということにつきましては、以上のような緊急事態が生じた、この五年間、いろいろな経済現象、一極集中の問題で生じたということでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○佐藤(観)委員 私も、緊急的なことは、政治は生き物でありますから、やらなくていいなんということを言っているわけじゃないのであります。ただ、梶山議員、与謝野議員のお話を聞いても、梶山さんも国会決議が厳然と生きているんだと言い、かつ与謝野さんも国会決議は当然尊重しなきゃいかぬということを言っておられながら、じゃ実際に出てきた九増十減案なるものは何か。それは国会決議に明文化されております二名区・六名区の解消という部分においてすら何ら尊重されてないわけですね。 私も昭和六十年代、その前からずっとこの委員会にいるわけですが、六・六案のときからずっとやっているわけです。もう一回これを読み直してみたんです、ずっと。六・六案のときから議長のもとでの、先ほど申しました定数是正協議会から、その後当委員会には定数是正小委員会というもので随分一生懸命やったんです。最大の問題は尽きるところ何か。それは一挙にやれば、定数是正ができればそれにこしたことはないが、それはなかなか難しいでしょう。難しい部分もある。したがって、順次やっていくということについては、これはお互い常識的に理解をしていると思うのです。ただその際、ずっと長い定数是正論議の中で最大の問題は、率直に言って二名区問題ですよ。議長のもとに、周りに各党書記長がお集まりになって、あるいは国対副委員長等が中心になってやられたときにも二名区問題ですよ、最大の問題は。したがって、国会決議の中には二名区・六名区の解消ということがわざわざ明記をされているわけですね。それに対しまして今度も、今現状四選挙区あるにもかかわりませず、さらに二名区を三つつくるというわけでしょう。 そして、さらにお伺いしておきたいのは、これは明らかに国会決議の精神にすら反しているじゃないですか。しかもこの趣旨説明の中にも、「格差を二倍程度に近づけるよう漸次是正するという考え方のもとに、」ということですから、これから二名区がどんどん皆さん方流のやり方をしていけばふえていくんじゃないですか。二名区・六名区ができてしまった、そして定数が一名ふえたという状況をもって、しかもそれこそ緊急だからというのでやったのが八増七減で、国会決議やったわけでしょう。その反省のもとに二名区・六名区の解消ということを言っておきながら二名区も六名区もどんどんつくるというのは、国会決議は尊重しますとか、あるいは国会決議が厳然として生きていますといったってみんなわからないなというふうになるのは当然なんじゃないでしょうか。長々とお話しなさっているけれども、ちっとも答えになっておらぬのであります。
○梶山議員 答えになっていないという御指摘もございますけれども、この国会決議を読みますと、「抜本改正に際しては、二人区・六人区の解消並びに議員総定数及び選挙区画の見直しを行い、併せて、過疎・過密等地域の実情に配慮した定数の配分を期するものとする。」これは大変難しい選択です。言葉としては楽な言葉でございますが、過疎と過密等の地域の実情を配慮した定数の配分というのはなかなか意味深長で、私はなかなか理解し切れないところがございますが、いずれにしても、今回の改正が抜本改正でないという、緊急避難的ないわゆる違憲状態の解消プラスサムシングないものであるかという御理解をひとつ賜りたいということであります。 なお、この問題をよく見てみますと、もうこれは佐藤委員は百も御承知だと思うのですが、我々漸次この問題を何遍かに分けて最終的に一対二に近づける着地点を求めると言っておりますが、確かに今回の作業一つ見てみても矛盾点をさらに生み出すという結果にもなります。しかし、それは政治判断で今の違憲状態を解消し、そのことと矛盾点の大きさとどちらをとるかというこれは判断の問題でございます。ですから、我々は今違憲状態を解消し、なおかつ何物かの定数の前進を図ろうとすれば九増十減がぎりぎりで、それによって生ずる多少の矛盾はこの違憲状態の解消にまさるものではない、そういう判断のもとにいたしているわけでありますが、この作業をずっと進めてまいりますと、私でも本当に漸次やれるのかしらという疑問を感ずるわけであります。恐らくこの次にやる際は、一挙にやるか何らかの制度改正を含むか、何らかのことを考えないと、そんなに今の状態のただ単に手送りでやれるものではないなという漠然とした気持ちを私は今でも持っているわけでありますが、よく言われるように、その先の道すがらをどう考えるか。さはいうものの、私はあと一年有余しか任期を持っていないわけでございますから、その先に向けてこれから一年有余の間に本当に抜本改正ができるのかどうなのか。抜本改正が本当に各党合意のもとにできるとなればこの提案をしないでも済むはずでございますが、私の勘や私の今までの実情からいいますと、そういうものを将来することは私は不可能だという気すらいたします。と申しますのは、過去何遍か我々の先輩が定数是正を行ってきております。しかし、その定数是正はあくまでも違憲状態の解消ということのみに終わってしまったという現実をよくお認めを願いたいと思うのであります。 私、よく田舎へ帰って若い人たちに言うのですが、日本の国というのは戦後四、五十年の間に大変大きく変わった。それは何が変わったというと、経済社会が変わった。それは、私たち農村に生まれた人間でございますが、かつて五〇%を超えた一次産業の人口は、今や七、八%まで下がったわけであります。そして、二次、三次産業がふえたことは御案内のとおりであります。そして、我々の所得も、実際には物価指数その他を全部勘案をいたしますと戦後約三十倍、三十数倍になっているはずであります。GNPも現実に比較論でいって四十倍にはふえているはずでございますから、こういうものを見て、我々の生活が高まったその反面、いわゆる産業間の民族の大移動があったということは結果として都市化をあるいは都市集中化を、新しい組織化を求めてやってきたわけでありますから、世界に類例を見ないほど人口の移動が多かった、この現実は見なきゃなりません。そういうことで考えますと、果たしてこのままの推移でずっと将来とも一次産業が減少し、地域間の格差というか、人口格差が拡大をするのかどうなのか。今私はちょうどその最初に来たのではないか、あるいは漸次そういう方向にこれからもなっていくのか、あるいはもう一回回帰本能というか、もう少し地域回帰がなされるかどうか、この辺の状態を踏まえて私たちは抜本改正をし、これからもそういう勉強をしながらやっていかなければならない大切な時期に逢着をしたからこそ、今日将来の本当の意味での展望を持たなくても、今の違憲状態を解消するという手段をとることの方がはるかに大切である。そして、この次は、各党各会派、それぞれ政治改革協議会を通じて熱心な御討論を賜って、よりよいいわゆる制度論をひっくるめて政治改革が進むことを期待をしなければならないというふうに考えております。
○佐藤(観)委員 自治大臣経験者としての大変高道なる我が国土均衡ある発展論まであるわけでありますけれども、そこまで話を広げてみますと大変時間がかかるわけでありまして、結局はしかし、端的に何も答えてないのですよ。自民党さんの中には、この案をつくる前までに二・七七倍になったものをその次は二・五倍に持っていこう、あるいはその次は二・〇以下にしようという意見もこの二・七七倍の九増十減案が出てくるときにあったと我々も聞いておるわけであります。一体そういうふうにしていくことと、それから抜本改革という選挙制度まで含んだ問題と、どちらを結論を急ぐんですか。もうこういう二名区がふえるということについては、もう将来これっきりということなんですか。この趣旨説明を見ても、「格差を二倍程度に近づけるよう漸次是正するという考え方のもとに、」こう書いてあるわけですよね。したがって、二・七七になったのをその次にまた二・五倍以下に持っていくのか。そうしますと、まず当面、愛媛三区が三名区ですから二名区になってくる。香川二区、鹿児島二区、長野二区。そして兵庫五区は一名区、富山二区は二名区、東京一区は二名区と、どんどん出てくるわけですよね。この問題で非常に重要なのは、先ほどお話がありましたが、私たちも選挙制度を含む抜本改革というのは非常に重要だと思っております。それについては我々も取り組みを始めております。そのことの答えを出すことと、今趣旨説明にございました二・七七倍をさらにだんだんと縮めていく、そのやり方は恐らく自民党流でいえば二名区をどんどんふやすこと、あるいは六名区がどんどんふえていくことにつながるでありましょう。これは私の推測ですよ、ありましょう。では、どちらが早く到達点に達するのですか。それが見えないものですから、私たちとしてもこの法案に対しまして評価が非常に難しい。反対の方が強いですが、その次に抜本改革まで入って、各党が本当に日本の政治の改革のために、このような不信を招いている状況というのはどうやって脱却するかということを本当に合意をするために、自民党さんの方が小選挙区を中心とするものでない各党が合意できるようなやり方というものを考えるようになっていけば、この問題は別の格好で解決していくであろうと私個人は思っているわけであります。 でも、その先が、長いこと梶山議員は説明されるけれども、結局二・七七倍から二・五倍なり、ここで言うところの、漸時是正していきますという二・五倍なり二・〇倍以下にしていくのが先なのか、選挙制度も含む抜本改革が先なのか、その辺のことが見えないのですね。そのことをお伺いしているのですけれども、緊急是正は必要だ、必要だということだけ、憲法違反の問題だけやる。そのことは私たちもわかっている。質問に答えてもらいたいと思います。
○梶山議員 くどい答弁になりますけれども、佐藤委員の御指摘のこともよく理解ができるわけでございますが、私たちは今から二年以降のことを拘束する発言を残念ながらすることはできません。そういうことを考えますと、少なくとも私たちの任期があと一年有余しかないわけでございますから、その意味で次のことを拘束することを截然と申し上げることは残念ながらだれしも私はできないと思うのです。 ただ、私たちの議論の過程においては、今佐藤委員御指摘のとおり、この次一対二・何ぼにしよう、その次着地にしようとかいろいろな試案をつくりながらやってきておりますが、今回発生をしたこの矛盾点、二人区・六人区、その他もろもろの矛盾点がございますが、その延長線上で、いわゆる算術計算的な困難度ではなくて、これからは幾何級数的にその倍率を高めていけば大変難しくなるという現実もございます。 ですから、今度のことを考えますと、私たちは現状違憲状態を脱却をするためのいわば必死の努力というか、そういうものをなすべきであって、将来の展望が画然とできなければやれないというほど、私は残念ながら社会主義国家に生まれた人間じゃございませんから、それほど計画経済とか計画的に何もかもうまくやれるほどの能力を私は持ち合わせをいたしておりません。しかし、何とか今の中でとにもかくにも、将来あるいは二またになるかもしらない、三またになるかもしらない、しかし、現状どちらでもいける範囲内での今回が緊急是正だということを御理解をいただき、先が見えないじゃないか、見えないじゃないかと言われましても、先は私の任期であるかどうかわからない。しかし、六年何ぼたったってできないんじゃないかというけれども、今まで定数是正というのは、いわば違憲状態の解消以外にいまだかつて一歩も踏み込んだことがない四十数年の歴史であります。このことも私たちは先輩を責めるわけでも何でもなく、いかに与えられた権益というものが大切であるか、こういうものを考えますと、特に減少区の問題というのを考えると身を切られるような思いがするわけでございますから、議論は議論といたしておりますが、そういうものを断ち切るためにどういう方式がいいか。これは神ならぬ身でございますから、だれしも難しくて将来を予測することはできませんが、毎度何遍も私は申し上げますが、さりとて、困難があるからといって今の違憲状態を今のままに放置していいというわけにはまいりません。どうかひとつ御理解のほどをお願いしたいと思います。
○佐藤(観)委員 先の見通しあるいは全体的な構想はないということだけはわかりました。その部分はわかりました。 そこで、自民党の首脳がいらっしゃるところですから、こういうふうに政党同士がこういう格好で議論をすることは私たちは大変いいことだと思って、当委員会では随分いろいろな議論を試みてきたわけであります。例えば、定数是正に関する小委員会なんかでもそういうことで、余り時間にとらわれずにやろうやということで随分やったこともございます。ただ、残念ながら、そのころは自民党さんが案を持たないものですからちっとも進まなかったということがあります。 それは別にいたしまして、その抜本改革の問題について少しくお伺いをしていきたいと思うのであります。今お答えできる範囲内でお考えをお聞かせ願いたいし、我々の考え方も少しその中で述べてみたいと思います。 一つは、政治改革協議会で一生懸命いろいろな角度から、実務者会議だけでも十八回、各党間のいろいろな打ち合わせを含めたらかなり精力的にやったわけでありますが、前進したものもございますけれども、全体的に見れば、これで本当に日本の政治がきれいになるという保証があるかと我々問われれば、私個人から言えば、中にいた者として、残念ながらこれで絶対日本の政治は生き返りますと言えるものではないと思います。随分いろいろな点でまだ欠けている問題があります。その意味で、私は自民党さんがどうしても、例えば運動員のかなり幅広い部分まで連座制を強化して、選挙違反を犯した場合には立候補の制限がかけられるとか、あるいは政治資金規正法違反者に対しまして公民権の停止がついて、そして政治資金規正法というものが非常に重いものだ、これをもし無視をするような者があった場合には政界を事実上永久追放になるんだというようなことに賛成する土台として、もちろん企業・団体献金の禁止という問題もありますけれども、こういう本当に政治の浄化につながる基本的ないわば根幹に触れるような改正をするということをもし自民党さんがのまれる状況というのは、たびたび梶山さんから出ております昨年の政府案の中にその原点と申しましょうか、萌芽はあったと私は思うわけであります。 それは確かに政治資金のことでいえばちょっと問題があるのでありますけれども、それは後で触れるといたしまして、指定団体というのは一つにしましょう、それから我々のお金を集金をするその団体については二つに限りましょう、そして、それも一つは年間二十四万円までしかだめですよという法案でありました。それから、違反者については連座制をかけるということ、政治資金規正法につきましては公民権の停止をかけるということにいたしました。そういう面では、そこまでいけばかなり根幹に触れる政治風土というものは直ってくるのではないかというふうに私も思います。このことは我が党もいわばその根幹的な提案を既にし、そして今国会に法律も出すところでありますが、ただ、残念ながら昨年の政府案というのは小選挙区制を中心とするところの、比例代表も入っておりますけれども、これは全く木と竹をつないだようなものでありますから、別物でありますから、第一党にとりましてはまことに都合のいい法案でありましたから、与党の反対もこれあり、したがって、これは廃案になったわけであります。したがって、これは私のまだ個人の意見でありますけれども、抜本的な政治改革、選挙制度まで踏み込むときにはその選挙制度を各党が合意できる、自民党さんの方は小選挙区制に重点を置いて言っていらっしゃる、我々野党の方は、野党の方はというよりも、他の政党に責任を持つわけではないから、我が社会党は比例代表を中心に物を考えておる、そのミックスしたところの選挙制度でいくならば、これは必ず抜本的な政治改革というのは大きく進むであろうというふうに私は思います。 したがって、どなたでも結構でございますけれども、今自民党さんの中で単純小選挙区制が大変支持者が多い。これは恐らく自民党さんが、小選挙区制にすれば、どなたも計算なせるように四割の得票で八割の議席が得られるというのが定数になっておりますけれども、方程式になっておりますけれども、こういう結果をもって恐らく自民党さんの中では小選挙区制が一番多いのだろうというふうに推察をするわけでありますけれども、せっかくこれだけ機運が乗った抜本的な政治改革をしなきゃならぬというときに、そこに自民党さんだけに一番都合のいい選挙制度を導入することは、自民党さんがこの抜本的な政治改革というものに事実上ストップをかけてしまうことにつながると私は思っております。まだ固まったわけではありませんからこれ以上決定的なことは私申し上げませんけれども、本当に抜本的な政治改革を具体的に進めるためには、まだ私の個人の意見にしかすぎませんけれども、我が党もできればこういう方向で皆さん考えてもらいたいというふうに思っておるわけでありますけれども、小選挙区制をそこに入れてくることは、いわば昨年の政府案よりもさらに後退をすることになり、それは事実上抜本的な政治改革というものを閉ざしてしまうことにつながると私は思っておりますが、どなたでも結構でございますので御意見を伺いたいと思います。
○梶山議員 政治改革の問題でございますから、今、実務者の座長やその他がおいでになりますから、そこから十分にお話をお聞きを願いたいと思うのですが、私は、今申し上げているのはいわば定数是正の問題で、これは政治改革ではございません。これは選挙民が選挙権の公平、平等性を求めているという、その現実の一点にどう我々が対応していくかという問題でございますから、政治改革という問題と切り離して、これは国民の権利にどう近づいていくか、国民の権利要望に対してどう近づいていくかということでございまして、一対三対ゼロ、三倍以上は違憲状態、なおかつそういうものでは足りない、限りなく一対一に近づけろという要望も踏まえ、今々やれる緊急是正というものは今回の九増十減だということで、御理解のほどを願いたいと思います。
○森(喜)議員 佐藤さんは社会党さんの中でも、ここにいらっしゃる委員の皆さんといわゆる選挙制度については、まさに御当選以来、ちょうど私とあなたと同期生ですから、本当に実質的な社会党の選挙対策の権威者でもありますが、同時にまた新しい選挙制度をどのようにするかということについて、大変政治生命をかけておられることはよく熟知をしております。私どもも今お話しのとおり、選挙制度の仕組みや政党政治の仕組み、活動の仕組みなどは本当は胸襟を開いて、党利党略、派利派略といいましょうか個利個略といいますか、そうしたものをみんな抜いて率直な話し合いをして、将来のための民主主義、議会政治の基盤をつくるということは大変大事なことだと思います。 そういう意味で前回の、先ほどから梶山先生からもお話がございますように、いわゆる政治改革三法が廃案になりましてから、各党の皆様の御協議によって、政治改革協議会というものが自主的に各党間の申し合わせでできたわけであります。もちろん当時としては、議長のもとに、何か議会の権威の中にという意見もございましたけれども、廃案になった法案について議長がそれを扱うというのはいかがなものかという意見もございまして、当時の幹事長・書記長会談で今のような政治改革協議会がスタートをした。そしてその後、あなたもメンバーでありますが、各党の政調あるいは選挙制度のそうしたものに対する実務者レベルで実務者会議というものが開かれましたのも御承知のとおり。実に、先ほどあなたがおっしゃったように、十八回私どもとして協議をしてまいりました。とにかく朝起きてから夜寝るまでこのことばかり考えておりましたし、朝起きるといつも佐藤さんや左近さんの顔がちらちら目につくぐらい、本当にいろいろな意味で御指導もいただいたことを感謝しております。そういう意味では、こうした問題を、まだまだ足りないとはいえ二十一項目について、それぞれの各党の皆さんのいろいろな意見はございましたけれどもここまでまとめ上げたという成果は、忌憚のない意見の交換ができ得たからだと思っております。 今あなたもおっしゃったように、まだまだ足りぬところはたくさんございます。そういう意味では、本当に政治になぜ金がかかるのか、選挙にかかる経費というものは実際のいわゆる経費と法的に規制されているものとが一体どういうそごを来しているのか、そうしたことを本当はもっと深く掘り下げて各党が話し合っていくべきことだと思っております。あなたの今おっしゃるように法的に縛るということも大事でありますけれども、逆にアメリカのようにむしろ選挙制度は自由にやっている、余りそういう制限はない、一体どちらがいいのか、こういうこともやはり議論をしていく必要があると思っております。そこで、そういう意味では本当はそういう論議をしていくためには、将来の日本の議会というものを継承していく人たちのために、本来は今各党みんな政治休戦でもして本当の論議をしていくという大事なそういう時期ではないかなという感じも、実はこの実務者会議の座長をしながら、そんな感想も今私は持っておるところでございます。 我が党は、今ちょっと席を外されておりますが、石井さんなどはそれこそ朝から晩まで選挙制度のこと、津島さんは政治資金のこと、また与謝野さんは全体的な法的なこと、本当によくやっておられます。ですから、確かに抜本改革はこれから、三年以上我が党の中でも議論をしてまいりましたから、もうある程度まとめ上げていかなければならぬところでございますが、党内にもいろいろな意見があり、そして、仮に私どもはこれが絶対だと思って提案をいたしましても、野党の皆さんから果たしてそれが合意を得られるのかどうか。選挙制度などというものは民主主義の基盤でありますから、一党だけで進められるものではないということは、これは言うまでもないこと。各党の皆さんの合意を得られるには相当な努力をしていかなければならぬということになれば、現状としては、今の違憲状態を国会が何か機能を果たして努力をしたということが国民にわかるようにしていくためには、やはりかなり思い切った、本来言えば四増四減でよかったのかもしれません。ここにおられる梶山さんなどはその案のむしろ提唱者でありまして、しかし、それではやはり国会が努力したことにならぬのではないか。また近々、平成七年になればまた国勢調査も行われることでもございますし、そういうことを踏まえて、ぎりぎりたえ得ることだけは国会で努力をしておこうというのが今回お願いをしたこの九増十減案であるというのは、これはもう佐藤さんも御承知のとおりだと思います。 我が党として、これから何をどのようにやるべきか、どのようなことまでやっておるのかということをここでお話をしろということであれば、それぞれ専門家がございますからお話を申し上げていいと思いますが、お互いにより協議をし合い、そして、国民のやはり期待にこたえていくというのが今回の私どもお願いをしている法案であるというふうに私ども思って、ぜひ御理解を賜るようにお願いを申し上げたいと思う次第であります。
○津島議員 協議会の、そしてまた実務者会議の協議がいろいろな意味で実りの多いものであったという点は、私ども佐藤委員を初めとする野党の皆様方と御議論しまして、多くの点で共通の認識を持つことができたということは言えると思います。先ほど佐藤委員が特に御指摘になったのは、しっかりした政治改革の方向を見出していくためには党利党略に偏ってはいかぬ、そういう意味で私どもに対して厳しいお言葉があったわけでありますが、私どもとしてもそういうことをできるだけ避けて、共通の認識に立って、みんながそれならばやれるというものを構築していかなければならないと思っております。 そういう意味で、今ここで改めて、我々の間で議論しているうちにだんだんとわかってきたことを幾つか申し上げてみたいと思うのでありますが、第一に、我が国の政治資金制度については、その基本的なあり方についてどうも議論が未熟であった。例えば、私は毎度申し上げておりますけれども、国会議員と有権者の間のコミュニケーションを図るためにそれなりのコストが要るわけでありますけれども、そのコストをどうやって賄うかということについて、実は徹底した議論がないわけなんですね。このことは私ども与党にとっても大変厳しい話なんですが、当然どの政党にとっても、こういうコストをどう賄うかというのは大きい問題だと思うのであります。そういう意味では、例えば有権者に対して国会が終わった後で、それぞれの政党がどういう主張をしたか、それに基づいてそれぞれの国会議員がどういう行動をとったかということについて適切に伝達していける広報、またその広報を実現するためのコストは、ある程度国民の理解を得て、公的の負担も考えていただきたい。こういう問題点が一つございますね。 それから二番目に、我々は共通の認識に達しつつあるのが、世界の各国に比べて、日本がやたらと政治資金制度についてルールと罰則が多いということであります。例えば、よく言われるイギリスの腐敗防止法でありますけれども、これは資金の利用と選挙運動のやり方において誤りがあれば、それこそ公民権停止にいくのですけれども、例えば資金を集める方法についてはほとんど自由であるというようなことを、やはり国民の皆さん方には知っていただかなければならない。企業献金すなわち悪であるというような思想をとっている国は、実は日本以外には余りないということもわかってきているわけでありますが、それはやはりそういうコストを、有権者と選良の問のコミュニケーションのコストをどうやって負担するかという議論を徹底的にやらないといけない。 そして、ルールは守れるルールをつくっていくということを考えなければならないし、そのルールを守るためには国会の自浄作用にまつ必要がある。そうなると、倫理審査会というものの議論にもつながっていく、こういう一連の問題につきまして、本当に佐藤委員にもいろいろ教えていただくところもありましたし、私どもは共通の認識に立ってこれから進んでいける点がある、かように思っておる次第でございます。 したがいまして、今回のこういう緊急是正というものは、とりあえず私どもが合意に達した点について実現を図るということでありますが、これまでの議論というものを大切にし、それをさらに積み重ねて、さらに国民の理解と納得の得られるよい制度をつくり上げていきたいというのが私どもの気持ちでございます。
○佐藤(観)委員 そこで、ちょうどいい話を津島先生からしていただきましたので、皆さんの方で審議中ではありますけれども、私たちも企業・団体献金、悪か善かという議論をやっていますと、これは八幡事件判決からずっといろいろな考え方がある。ただ問題は、今なぜ、この趣旨説明にも書いてあるように、政治と政治資金をめぐる問題を契機として、国民の政治に対する信頼が大きく揺らいだか、そういう事態になったかと言えば、それは残念ながら企業・団体献金というものそのものがこの政治不信を呼んだ原始である、もとである。あるいは温床になってきたことは、実態的にも私はそのとおりだと思うのであります。 したがって、やはりこれは一挙にいかないにしても、そんなに長く待てるわけじゃありませんから、これは漸次減少させていく。と同時に、今、津島先生からお話があったように、やはり国民の皆さん方にも公的な助成をお願いする。しかし、公的な助成をお願いする前提というのは、片方で、だれが集めるか、だれが使うかは別として、どんどんと企業献金、団体献金を集める、片方では公的助成をしてくださいというのでは、国民の皆さんの同意は得られるでしょうか。恐らく賢明なる津島先生はそれなら無理だろうなというふうに答えられるだろうと私は思っているわけであります。したがって、企業・団体献金を三年なり五年なりでだんだん減らすと同時に、その半分ぐらいずつを公的な助成をしていくという方向でなければ、私は国民の合意、国民の納得というのはとても得られないと思うわけでございます。 その意味におきまして、マスコミで伝えられるところによりますと、御党におきますこの問題については、この前の政府案と同じように、企業・団体の献金はなるべく政党に集めようじゃないか、政党が中心になり政策本位の選挙に変えていこうではないかということのようでありますが、その枠自体が、今一億円までというのは資本金が一千五十億円であります。そういう政治資金規正法上の二十二条の枠がございますね。これを何か御党によりますと倍にする。最高の一億のところを二億にするんだという話が巷間伝えられておるわけでございます。これで、片方で公的な助成をといってみても、先ほど言うように、私は国民の納得は得られない。 なぜならば、今以上に企業・団体からお金を集めて、集まるところは政党だ。個人の持つ指定団体その他の団体は数は絞り、金額も絞るけれども、今まで皆さんの側に行っていたお金が政党中心になるだけの話であり、いや、そうじゃない、もっと倍にしようという話のようでありますから、そんなにお金にどっぷりつかってしまうような体制で、一体本当に国民の皆さんが求めているような抜本改革になるんだろうか。私はならないと思います。このあたりは自民党さんの中の議論でございますけれども、こういう場でございますから、御意見があり、また私の見解が違っていると思うのでしたら、ひとつ答弁をいただければと思いますが、いかがでございますか。
○津島議員 御指摘のとおり、私どもの内部では抜本改革のための真剣な議論が今大詰めを迎えておりますけれども、いよいよ大詰めになってまいりますといろいろ解決すべき問題が先鋭に出てまいりまして、もう少し時間をおかりしなければいけないという状況になっております。 そういう中で、基本的に、今佐藤委員から御指摘の政治資金制度をめぐるいろいろな事情が国民の不信の原因になっておるという点は、私ども認めるにやぶさかではございません。原因がいろいろあるわけでございますけれども、一つには、正当な政治活動を支えていくための資金をきちっとルールに基づいて集めていくという、そのルールがどうも現実に合わないところが幾つもあるということも御指摘しなければならないと思うわけであります。そういう意味で、我々基本的に考えております将来像といたしましては、これは党派を超えて、この部分は国民の恐らく御理解は得られるだろう、有権者の方々のところにきちっとした情報が伝わるように、各党ともそれぞれの立場で公平、平等にできるコストはお願いをしたらどうであろう。 それから二番目に、有権者は政党の政見を見て投票行動を起こしていただけるわけでありますから、それぞれの政党が活発に広報宣伝を行うということは当然のことでありますから、そういうことのためのコストもそれぞれ集められるようにしよう。そしてさらに、これを超えて政治家個人が調達をする部分については、本当に無理なく調達できるような制度を構築する必要がある、こういうような考え方に基づいて将来構想を今検討しておるわけでありますけれども、そういう中で、今御指摘のございましたように、一方では、できるだけ国民の前に政治資金の流れというものが透明でなければならないという要請にはこたえなければならない。それはやはり、政治資金の調達とこれの活用というプロセスが無理なくやれるような制度全体の仕組みをつくっていただくこともまた並行的に必要でありますから、だから、それぞれ両方をつなげながら検討して結論を出していく必要があると思います。 したがって、今非常に適切に御指摘になりましたような、公的な助成が入ってくる、そのときに、やはり透明性の要請にもう少しこたえていくというのは、おっしゃるとおり当然のことだと思います。公的な助成をいただきながら今までと同じようにやらしてくれというのは、これは無理だと思うのでありますけれども、同時に私どもにとって一番厳しい状況というのが、いわゆる中選挙区制のもとでそれぞれの選挙区に複数の与党の同僚議員が出て相争わなければならないという、この構造についてもやはりそれなりに真剣に検討して将来方向を出していきませんと思い切ったことができないということで、前回の政府案におきましては選挙制度の改革案と政治資金制度の抜本的な改革案とが並行して提案されておることは御承知のとおりでございます。 こういう全体の問題については大詰めの議論を詰めまして、できるだけ適切な答申を取りまとめたいということで今一生懸命させていただいておりますが、最終段階になりまして、例えば一例を挙げますと、この政治資金について一番指摘をされている公私混同を避けるという、この問題について私ども実務者協議でも真剣な議論をさせていただきましたけれども、その点を我が党としてどういうふうに進めていくかということについて、かなり難しい問題、技術的な問題がございまして、今時間をおかりしているというのが現状でございます。 いずれにいたしましても、佐藤委員初めとして野党の皆様方からも一緒に考えていただき、共通の認識を持った点について私どももできるだけこれを大事にして、これからの仕事を進めてまいりたいと思います。
○佐藤(観)委員 肝心なところは何も触れられない御答弁でございますが、私たちも、皆さん方の方で俗に言う同士打ち、複数出されている、あるいは無所属の候補も出るということについては私なりに理解をし、それからもっともっと我々も国民の皆さん方にいろいろな情報というものを党なりあるいは個人からもしなければいかぬ、そのためのコストもかかる、なるがゆえに公的な助成をお願いしようじゃないかということについては、そこまでは理解できます。しかし、その際に、公的な助成ということで国民の皆さん方の税金をこちらに使わせてくださいと言う限りは、今政治腐敗の温床になっております企業・団体献金の方は、せめて半分ができないなら四分の三にするとか漸次減らしていって、皆さん方の、量は減らないで倍にして、それを政党にやるからいいだろうという話だけであって、これでは公的な助成をなんて僕はとても恥ずかしくて国民の前に言えないと思うのです。そこが最大の問題じゃないですか。それを津島議員は透明性を高めるという言葉で表現されたのかなと。つまり、名前を出してなんでございますが、俗に言われております経団連から三百億円、大体は自民党さんにだと思うのでありますけれども、行っていらっしゃる。これが恐らく大体倍になるわけですね、六百億円。こういうふうにしておいて、片方の方で公的な助成をと。いかにいろいろな情報なり各政党の宣伝広報が必要だということを言っても、それは国民は認めてくれないですよ。やはり、その経団連から出ておる、例えば三百億なら三百億を百五十億にしましょう、そのうちひとつ必要なものは党として、公的な助成として各政党にそれなら七十五億を出しましょうとか、そういうようなことをしなかったらちっとも金権から逃れられないのじゃないですか、我が日本の政治は。私はそのことを問うているので、あとのことは津島議員、全部わかっておりますので。 一体、皆さんのように、今のところに、政治資金規正法二十二条で言うところの最高一億を二億にして、なおかつ公的助成というのは国民の皆さん方に対して無理である。それは企業・団体のところを減らしていくと同時に、初めて公的な助成をもう少しふやしてもらいたいということが言える権利が発生するのであって、片方の方も、企業・団体の方も今までの倍お願いし、片方で公的助成というのは、それは私は大変、日本の政治腐敗、金権腐敗になってしまった、あるいは私のところは金欠病でありますから、金満病の皆さん方の方がますます金満になっていくのじゃないでしょうか。これでは政治改革の本当のことはできないのではないかと私は思うのでありますが、その点だけでいいですからお伺いをしておきたいと思います。
○津島議員 ただいま御指摘の点について二、三、先生の認識を改めていただきたいという願いを込めて申し上げさせていただきます。 まず第一に、私も党の金庫番、経理局長をいたしましてよく知っておりますけれども、先生がお触れになりました金額は過大でございます。そんなにたくさんの献金を自民党として集めることができればもっと楽でございます。それは恐らく企業献金ばかりでなくて党費であるとかそういうものを含めた金額として言われているのだろうと思います。これが第一点であります。 それから二番目に、いわゆる企業献金と言われているものの中で、国民政治協会を通じて党に正々堂々と入ってくる金額は全部公表されております。一万円以上全部公表でございます。そして、この使途も公表をされており、党大会でも承認を得る必要がございまして、この点については私は政治資金の流れの中で最も透明度の高いものであると自信を持って申し上げる次第でございます。 したがいまして、今御指摘の、党に対する献金に政治資金の流れをずっと集中をさせると申しますか鈍化していった場合に、その限度をどうするかという問題は、昭和五十年から十七年間据え置かれているという事実も、やはり私どもは非常に重くのしかかっているということも申し上げなければならない。また、このことはいろいろな意味で企業、組合団体からの献金として、私どもだけでなくて野党各党の皆様方にも恐らく同じような問題意識は当然おありになるのじゃなかろうか、それを私どもが代弁して申し上げているのではないかということすら感じておると申し上げさせていただきます。
○佐藤(観)委員 いや、三百億が百億でも論理としてはいいのです。しかし、国民の皆さん方に新たにそういうことの負担をお願いをしようということならば、片方の方を切らずに負担をお願いをできないのじゃないでしょうか。確かに国民協会、一万円以上は公表していることは私も知っております。それにおいても全体的にこの金満病に、あるいは日本の政治自体が腐敗の温床になっているものを減らしていかないと、国民の税金の負担をお願いしたいということには私は決してならないということを申し上げさせていただきたいと思うのであります。 それと津島先生、我が方のことも御心配いただきましたが、我が方の方は、正直申しましてそこまでいっぱいいっているかな、あの限度額までいっぱいいっているかなというところでございまして、私たちは、私も選対委員長をやった経験からいいまして、よくこれだけの運動費でこれだけの議席を得ていられるなというのが実感でありまして、御心配いただいておりますが、確かに昭和五十年からあの政治資金規正法二十二条の総額についての規制が変わっていないことは事実でありますけれども、しかし、それをもってしても今このような腐敗の状況に残念ながらなってしまって政治不信を招いているわけでありますから、私は、企業献金、団体献金が善か悪かという問題ではなく、実態論からいって、ここは減らしていかないと国民の理解は得られないということを再度申し上げ、次に、定数是正の問題でさらにお伺いしたいのは、この前の八増七減でも、たまたま森議員がいらっしゃいますけれども、石川県と富山県の隣同士で、隣の富山県の方が人口は三万人多いのに富山県の方は一区と二区がきれいに割れていたものだからこの増減方式でやった場合には全然関係してこず、石川二区の方は人口が少なくなったものだから二名区になり、そして、富山に対して人口の三万人多い石川県の方が衆議院議員が五人になって、そして富山は六人になった、さらに逆転区を生じせしめたという問題がございました。今度の場合にも同じようなことが起こるわけですね。 もう時間がありませんから、お手元に配らせていただきましたけれども、例えば埼玉は三名今度の九増十減案でふえるわけでありますけれども、しかし、北海道の二十三に対しましては逆転区が解消されないという問題がございます。この中で、一番そういう意味での矛盾が拡大をしているのは宮城県でございます。宮城県は宮城二区が九増十減に抵触しているものですから、今一区の方に集中しているために、本来ですと私たちが計算したところは、宮城県は九名議席があってもいいにもかかわりませず、今度は宮城二区が一名減るということで八名になりました。八名になったことで、その表の下を見ていただきますと、さらに人口の少ない長野県十二名、福島県が十二名、それから岐阜県の九名、群馬県の十名、栃木県の十名、岡山県の十名、それから熊本の九名、鹿児島の九名よりもこの宮城県の議員の定数は少ない、こういう逆の現象、本来是正しなきゃいかぬものが、この増減方式、こういう九増十減というやり方でやるものですから、こういう新たな矛盾を生じせしめたわけですね。 そのほかのところを見ていただければわかりますが、三重県が一名減って八名になりましたけれども、その下には人口の少ない山口、長崎、愛媛、これは九名なわけであります。それから、一名減った大分は六名になりましたけれども、人口の少ない秋田の七名より少ない。それから、宮崎は一名減りましたけれども、人口の少ない富山六名よりも少ない。和歌山も一名減りましたけれども、減って五名に対しまして、香川県の六名よりも少ない。こういうように、こういう増減主義でやる限り、冒頭申し上げました富山と石川の例のようなことは随所に起こって、是正しなければいかぬにもかかわりませず、こういう部分改正をしますと、新たな矛盾、逆転区というものを生じせしめる結果になるわけであります。 まあ、梶山流に言えば、緊急是正で憲法違反を脱するためにはこういうものに目をつぶってやらなければいかぬということになるのかもしれませんけれども、しかし、これまた各県の議員だけではなくて、有権者の権利にかかわる話なんですよね。ですから、私はこの増減方式というのは、その意味におきましては大変間違ったやり方ではないか。既にそれは国会決議の中のあの八増七減のときでも既に指摘をされておるわけでありますから、私は、本来こういうやり方については各党の合意を得た上にやるべきであったというふうに思いますが、いかがでございますか。
○細田議員 そもそも戦後この選挙区割りが行われたもとには昭和二十一年の人口調査、先ほど先生がちょっとおっしゃいましたが、これが基礎になったわけでございます。当時の日本の人口というのはわずか七千三百万人でございまして、後に返ってまいりました沖縄と奄美を除いて四百六十六という定数であったわけでございますけれども、その都道府県別の格差というのは実に小さいものでありまして、福井県と鳥取県の格差一・二四八一倍というのが最大であったわけです。なぜそれが最大であったかというと、ともに四人区で、一番小さな人口の県と二番目に小さな人口の県の格差が一・二四倍であったからであります。そうして東京などは当時四百万の人口で、格差はわずか一・一一倍でありました。ところが平成二年の国勢調査に至りますと、人口規模が神奈川県は何と四倍に増大し、埼玉県は三倍、千葉県、東京都は二・八倍というふうに極めて大きく伸びたわけでございます。ところが、その間のいわゆる過疎地域と言われる県でございますけれども、例えば秋田においても一・〇倍、岩手においても一・一倍、青森においても一・三倍というように、もちろん人口は減っておるわけではなくて微増しておるわけでございます。しかし、アロケーションがうんと違った。したがって、三・八倍という選挙区間の格差があらわれ、かつ人口割りの格差も二・何倍というふうに各県ごとにあらわれて、その過程においてどうしてもしようがないので都会をふやしてきたわけでございます。しかしながら、余り都会をどんどんふやすことが適当かといいますと、そうでもない。つまり、定数をふやしただけでございますから、過去二度大きな定数増をしましたときには、定数減というものを考えなかったですから、ぎりぎりに抑えたということで二倍を超え、三倍近くなって、そして二・九何倍という定数是正でいいじゃないかということになった経緯があるわけでございます。 そこで、今おっしゃいましたこの定数是正を県ごとにすべて逆転を解消しろということになると、過疎の県、先ほど申しましたようなほんの数%しか人口が増加してない県と、神奈川県のように四倍になった県はもとどおりにやれば四倍になっていいのかということがございます。これは、今一極集中の問題に非常に大きな反論が各県から出て、むしろ逆に地方の人口がふえるようにして都会の人口を減るようにしなければならないというようなことを言うのですが、それにあわせて、例えば一対一とか一対二未満というように急激な是正をするということについては地方と都会の大きな問題に触れることになるわけでございます。私ども自民党の中におきましては、この二倍以内という案も検討いたしたわけでございますけれども、これは県間格差逆転を解消いたしますと、ほとんどの県、半分以上の県において検討し直さなければならないということで、実務的にとりあえずは非常に難しいという結論になったわけでございます。 そこで、考え方としては、選挙区間格差をとりあえずは取り上げていこう、そして最高裁の判断がある三倍以内にしようということでございますから、もちろん長期的な問題としては、県間の逆転を解消すべきであり、県間格差を解消すべきであるということはわかっておるわけでございますが、それをやろうと思えば、七割もこの間ふえた人口を是正しなければならない、かといって、定数はもうふやさないという行政改革的なセンスで減らさなければならないという前提でございますから、人口の減っていない選挙区をどんどん代表を減らして、そして人口の急増したところをふやして、例えば二十三増二十四減というふうに対応させなければならないということになるわけでございますから、地方にとって非常に厳しい案になるということも勘案しなければならない。そういう難しさを今後どういうふうに考えるかということは国会全体の責任であると思います。
○佐藤(観)委員 要するに、全体的に再配分をしたのではまことに影響するところが大、したがって、部分部分でやるからそういう矛盾は目をつぶりなさい。その辺の方々の議員だけではなく、その背後にいらっしゃる有権者の皆さん方のその不満というのはいたし方ない、こういう結論のようであります。しかし、これは片方の方で、また権利を直そうと思ったがゆえに逆に新たな矛盾を生み出し権利を奪うことになるわけでありますので、この問題は何ら解消しないことになるわけであります。 もう一つ、提案者にお伺いをしたいのでありますけれども、私たち今度の九増十減の中で、現実の問題として最大に不満に思っておりますのは、二名区・六名区の解消ということが何らできてないからであります。また、国会決議は国会決議、現実緊急改革、憲法違反を脱却するためにはそれもやむを得ぬということを言われるでありましょうが、これがもう少し、少なくも野党第一党としての合意を得られるようなものにしてくれるのだったら、私はもっといい案になっていたのではないか。それは今度二名区がさらに三つできる、この前二名区が四つできたことで、国会決議にわざわざ明記したにもかかわらず、それは国会決議は国会決議、今度は緊急だというのでまたそれを無視をするというのでは、これは関係の皆さん方、関係の県の有権者の皆さん方を納得するわけにはまいらぬ。一体自民党さんの方は、例えば宮崎二区を宮崎一区と合区して五名にするとか、和歌山の二区の二名区ができてくるのを和歌山一区と合区するとか、あるいは大分の二区の二名区になるのを境界線変更するとか、そういうような発想というのはどうしてだめなのですか。
○与謝野議員 国会決議をよくお読みいただきますと、二人区・六人区の解消は抜本改正に際してと書いてございます。詭弁を弄するわけではございませんが、今回は緊急改革でございますから二人区・六人区というものはそのままにしているわけでございます。なお、抜本改正の際には、二人区・六人区の解消ということもあわせて行わなければならないことはいわば当然のことだと考えております。
○佐藤(観)委員 与謝野さんがそう言われるのだったらもう一行前を見てもらいたいのでありますけれども、これは「昭和六十年国勢調査の確定人口の公表をまって、速やかにその抜本改正の検討を行うものとする。」ということで、この前の八増七減をやったらその次はこれをやらなければいかぬのですよ。それを皆さんの方は難しい、難しいと言って逃げておいて、全然やらずにおいて、そして都合のいいときには憲法違反の状況、緊急避難というのを持ち出して基本は逃れてしまう。そして今、与謝野さんから答弁がありましたように、あくまでこれは抜本改正の際だということですべて原則をなくして、自民党さんの方に都合のいい二名区をどんどんつくっていく。これはまた後でいろいろ議論しますけれども、抜本改正であろうと、改正の精神がここに載っているんですよ。あそこで二名区・六名区が八増七減でできてしまったからその反省を込めて書いているわけで、今度は緊急是正だからやらなくていいなんということはどこにも書いてないわけです。お互いあそこで誓ったやり方というのをやるのが当然だと私は思うのでありますが、これを言っているとまたどうせ梶山流答弁が出てくるでありましょうから、次の問題に移らせていただきます。 私も、最近なかなかこういう機会が、当委員会の一般質問がないものですから、一問だけ行政当局にお伺いをしておきたいのであります。 実は私もどんな選挙の投票に行っても、日本というのはどうして白書主義をとるのだろうか、自分で候補者の名前を書かないと有効とならないのだろうかということにかねがね疑問を持っていたわけです。もうこの時代でありますから、立候補したら投票用紙に候補者の名前を全部印刷して、それに丸をつけるなりなんなりをすればいいではないか。そしてそれを何かコンピューター化するなり、速い集票によってやるやり方というのは幾らでもあるのではないか。そうしていけば紛らわしいということで無効になるとか、何票違うから当落がそれによって影響されて長い間裁判をやるとかということはかなりなくなるのではないだろうか。世界的に見ても白書主義をとっている方がむしろ少ないわけです。そういうことからいいますと、白書主義というのはもう一回検討してみる必要があるのではないかということをかねがね私は思っていたわけであります。 そこで、一体なぜ白書主義に日本はこだわっておるのか、どうしてもこだわらなければいかぬ理由があるのかどうかということをお伺いをすると同時に、私もちょっと興味を持っておるので研究しておるのでありますが、投票につきましても開票につきましても全部コンピューター化して、投票と同時に結果がわかるというようなものがかなりでき得るということがあるわけです。こういうものを、いわば投票なり開票に先端技術を導入するというやり方について、自治省の方で研究するための予算要求を来年度されているということを聞いておるわけでございます。これは前向きに考えるべきだと私は思っておるのでありますが、その概要をお伺いしたい。白書主義と、来年度予算要求をする概要について聞かせてください。
○佐野(徹)政府委員 お答え申し上げます。 まず、白書主義の件でございますけれども、これにつきましては、先ほど先生の方からお話がございましたような、例えば丸をつけるという記号式投票というのがございますけれども、そういう制度を導入したらどうかというようないろいろな意見もございまして、現に例えば知事選挙、これは制度といたしましては記号式投票制度を導入いたしております。ただ、現実の問題といたしましては、知事選挙におきましても記号式投票を導入しておる県というのは非常にわずかでございます。やはり白書主義、候補者の氏名を有権者の方々が書く、こういう制度が長年定着してまいってきておる。そういうことで現実に記号式投票というのが実態面といたしましてはなかなか導入されておらない、こういう現状につきまして御理解をいただければと思います。 それから、選挙システムの電算機の利用、調査研究に関してでございますけれども、平成五年度の予算で、選挙システムの電子計算機利用に関する調査研究委託費というのを要求をいたしております。この中身でございますけれども、国と地方公共団体間の投開票速報のオンライン化等を図る、これによりまして電子計算機をより効果的に利用したい、こういうことでその調査、基本設計それから実施計画、これらに要します調査研究費を要求いたしておるところでございます。なお、あわせまして投開票システムにおきます電算機器活用の可能性等につきましても概略検討を行いたいと考えておりまして、これらに要する経費も要求いたしておるところでございます。
○佐藤(観)委員 きょうは自民党の森政調会長それから次期幹事長とも言われております梶山国対委員長もいらっしゃいますので、これは非常に画期的なことにつながるかもしれないことでございます。しかし、お金もかかる話でございますので、よく聞いておいていただきたいのであります。議運の理事の与謝野さんもいらっしゃいますけれども。 そこで、今御説明がございましたように、一つは各市町村の選管それから県の選管、国の選管、これをオンラインでさっと結ぶということもありますけれども、最初に白書主義の話を確認させていただきます。長年定着をしているからということで尽きるところ今白書主義だという御説明がありましたけれども、しからばこれはいろいろな角度から検討して、絶対に白書主義でなければいかぬという理由はないのではないかと私は思っておりますが、そう理解をしていいかどうかというのが一つ。 それから二番目に、選挙システムにおける電算機の利用に関する研究会というのでしょうか、これにおいては一つは各市町村の選管、県の選管、国の選管、これを早くオンラインで結んで一体化してやろうという、例えば参議院の比例代表などでは、そういう計算をすることができれば速いですね。というようなことが目的の一つであります。もう一つは、投票制度自体を変えて、何か聞くところによると液晶の板があって、そして投票しようと思うときに、間違えるといけないから、だれだれという名前を押すと政党名と写真まで出てきて、間違いがありませんか、間違いありませんといってそこを押すと一票入るということまでできるというような話を聞いておるわけであります。そんなようなシステムというのは一種の第二段階なのかな、そして、一体そういうようなことを導入するコンピューターというのは、全国各地で選挙というのは毎週やっているけれども、その市町村なり県なりから見れば、補欠選挙もあるけれども四年に一遍が原則ですね。そういうものに当然使えるし、例えば住民登録を異動したときに二カ所に行かなくていいとかそういう他の目的、地方自治体として行政事務上絶えず必要なそういうものにも使えるということに運用上できるシステムになるのかどうなのか。その辺のイメージがよくわからない。もし投票所にそういう液晶画面の投票機械というものが導入されたときには、現在五万カ所あると言われている投票所に一体どのくらいそんなものを入れて、全体、総額というのはそこまでやるとどのくらいの金額がかかるものだろうか。全くイメージなしに研究会をつくらないと思うのですね。どのくらいのものがかかるのだろうか。 そして、今開票事務、地方公務員の方々二十四万人を動員してこの開票事務をやってもらっていると聞いておるわけでありますが、こういった人の人件費と申しましょうか、割り増しを払わなければ当然いかぬわけでありますが、そういうようなコストはどのくらいになって、これから開発をしようというそういうシステムというのはどんな費用対比になるのだろうかということをわかる範囲内でお伺いをしたいのであります。
○佐野(徹)政府委員 まず白書主義の問題でございますけれども、これは先ほど来お話を申し上げておりますように、制度といたしましては、白書主義それから記号式投票両方考えられるわけでございます。ただ現実の問題といたしまして、例えば、記号式投票にいたしますと投票用紙の印刷をあらかじめやっておかないといけない、こういう問題をどうするか。それなりの選挙の期間というのが限定されておりますので、その期間内にうまく技術的におさめることができるかどうか。いろいろな問題がございまして、現実にはなかなか採用されていないというのが実態でございます。 それから、電子投票関係につきましてのお話でございますが、先ほど来申し上げておりますように、来年度の概算要求の中心は開票のオンライン化でございます。いわゆる電子投票システムと申しますか、これにつきましてはあわせまして概略検討できるかどうか、こういうことを今考えておる段階でございますので、佐藤先生いろいろなお話、いろいろな御指摘ございましたけれども、こういう点につきましては、研究の過程でいろいろな問題を、ないしはいろいろな課題をどういうように考えていくかということになるのではないかと思います。今の時点ではなかなか具体的に、これだけの経費が要ってこういうような仕組みが可能である、そういうところまでは行っておらないのが現状でございます。 なお、開票関係につきましての経費でございますけれども、まず平成二年の衆議院選挙におきましては、開票諸経費、開票速報費、これを合わせまして約二十三億円でございます。それから、ことし行われました参議院の通常選挙におきましては、同じ開票諸経費と開票速報費、これを合わせまして約三十一億円でございます。 以上でございます。
○佐藤(観)委員 昨年のPKO法案あるいはその前の消費税法案というように、有権者にとりまして全然選挙のときにそういうテーマがなかったような問題、あるいは国民負担上大変大きな変化をもたらすような問題、こういったような問題について、議会制度というものを補完する意味において国民投票制というのもこれから考える時期に私は来ていると思います。今も最高裁の国民投票、これは果たして率直に言ってどうかなというふうに思いますが、地方におきましてはリコールその他、非常に活発にと言っていいかどうかわかりませんが、システムがございますし、ある程度一定の人数が限られておりますから、やっていらっしゃることは大変でもありますけれども、そういう制度がありますけれども、国の制度におきまして、九千万人有権者ということもあってなかなか今の段階ではできていない。 しかし私は、民主主義をさらに発展をさせるためには議会制度の補完的な、あるいは国民の主権在民のことを事実上なおかつ補完をしていくという面から言いますれば、国民投票制というのは、私のところでいろいろ今具体的なことを考え始めているわけであります。そういうことから考えますと、自治省が始めようとするこの研究会というのは、私は、将来において他のものに転用されるなら、それとコストとの見合いで、今開票事務費用が約三十億円なりなんなりというところと、それだけのコンピューター化をしたときにどのぐらいのお金がかかるものかというのと、もちろんそういう研究をしていかなければいけませんけれども、そういうことから考えますと、やはり白書主義というものにこだわらなくていいという前提に立つならば、やり方は随分これはあるのではないかというふうに思っております。 研究会につきまして私も大変興味を持っておりますので、そのことを申し上げ、せっかくの自民党さんの九増十減案でございますけれども、私たちとしましては、最低限二名区というものを合区をしてくれる、六名区を分区をしてくれる、過去のものも含めてということならば、いろいろ三百代言に近いのではないかと思うような御答弁もありましたけれども、それはそれとして、現実に二名区を合区する、六名区を分区をするということを皆さんの方でお認めになるならば、私たちとしてもこの法案に大いに前向きに臨みたいと思いますけれども、どうもそういう顔を残念ながらしていないので、あとの方々の答弁を十分お伺いをして対応を決めていきたいということを最後に申し上げさしていただきまして、私の質問を終わらしていただきたいと思います。 御苦労さまでございました。
○松永委員長 次に、井上義久君。
○井上(義)委員 現在、衆議院における一票の重みの最大格差は三・三八倍ということで、一票等価の原則という民主主義の大原則から大きく外れているのが現状でございまして、早急にこれを是正しなければいけない、それが立法府としての責務である、このように私も思っておるわけでございます。 それで、要するに一人が二票を持ってはいけないというのがもう大原則だと思うのですね。ということは格差を二倍未満にする。六十一年の国会決議でも、抜本是正ということでこれは当然格差二倍未満を想定しているわけでございますし、それから、中選挙区制を維持するということであれば定数が三から五、こういうことを六十一年の国会決議では目指していたわけでございます。 ところが、今回出てきたこの九増十減案、漸時是正をしていくということで、今回実現化のぎりぎりの是正案だ、こういうことで出してこられたわけでございますけれども、要するに、なぜこの抜本是正がこの機会に、前回からもう既に六年たっておるわけですから、抜本是正ができないのか、抜本是正の案が出てこないのか。そこからちょっとお伺いしたいと思います。
○梶山議員 先ほども御答弁をいたしましたけれども、昨年、政治改革三法案を政府・自民党としては提出をいたしまして、これで抜本的な定数是正を図ろう、そういう実は心づもりであったわけでありますが、御案内のとおり廃案になったわけであります。何年か温めながらこの構想をつくり上げて、残念ながら与野党協議の場もなく出したわけでございますが、結果として廃案になった。そういうところから見ますと、早急にこの一年足らずの間で抜本改正の案ができるかどうか。それなりのその部署の方々は非常に研究をしながら努力をされたわけでありますが、残念ながらそういうものをつくり上げることができなかったわけであります。 さりとて、違憲状態という指摘を受けている今の定数がこのままでいいのかどうか。こういうものを考えますと、前進というよりも、緊急避難的に定数をとにもかくにもその三倍以内におさめる、そのことが何よりも大切だということと、各党が国民の意向を見て、それは四増四減では相まかりならぬ、こういうことがあったわけでございますから、幾つかの矛盾点をはらみながらも今回の提案にこぎつけた次第でございますので、御了解のほどを願いたいと思います。
○井上(義)委員 昨年三法案をお出しになって、小選挙区並立制という案をお出しになったわけでございます。私どもはもちろん小選挙区比例代表並立制、これについては反対でございますけれども、ただ、現行中選挙区制が制度疲労を起こしておる、選挙制度の抜本的な改革を図るべきだ、こういう考えを私どもも持っておるわけでございまして、私どもはいわゆる民意が最も正確に反映する比例代表を中心とした制度、しかも個人も選べるということで併用制という案を御提起申し上げているわけでございます。 ただ、今回この緊急是正案を出されたということは、この選挙制度について、まあ直近にといいますか、極めて近い将来に各党の合意が得られて抜本的な選挙制度の改革ができない、そのためにはかなり時間がかかる、国民的なコンセンサスを得るためにも時間がかかる、したがって、現行中選挙区制で、これは違憲状態でありますし、定数の是正をしなければいけない、こういうことなのだろうと思うのですね。近い将来に選挙制度の抜本改革ができないから定数是正をとりあえずやりましょうということなのですけれども、そのとりあえずやりましょうというのが緊急是正でいいのだという理由にはならないわけでございまして、やはり現行中選挙区制のもとで、これは本来であれば抜本的な定数是正をするということは、国民の当然の権利である一票等価、一人が二票以上持っちゃいけないというこの国民の当然の権利を実現をする、それが本来国会に課せられた責務である、こういうように思うのですね。 ですから、安易に、緊急だから、違憲状態を解消するんだからということで緊急是正で対応してしまうということは、私は国民の期待とは相当かけ離れているのではないかというふうに思っておるわけでございますが、いかがでございましょうか。
○梶山議員 井上議員御承知のように、戦後幾たびかこの定数是正の機会があったわけでございますが、先ほどの府県間の逆転区あるいは私の一つの経済社会の推移論、そういうものから見ましても、なかなか一挙にこの定数是正の問題を一対二に近づけるということは、結果として不可能であったわけであります。そして、いわゆる違憲状態の解消ということにのみ今まで力が払われてきたという現実は、これは覆すことができません。 そういうのをめぐりまして、ようやく今日、このままでいいのかという議論が高まりまして、前回の緊急是正の際に、将来展望すべき抜本改正においてはこういうことに配意をしろ、そういうことが出されたわけであります。もちろんそのことを我々は今現実に踏まえながら、なおかつ昨年三法案を出した、政府・自民党案、これは制度改革をひっくるめての問題でございます。必ずしもこれは固定して考えるものではございませんが、中選挙区以外は一切いけないというものでもないし、それから、各党各会派がそれぞれのこれからの制度論をひっ提げてお互いに議論の煮詰まるところ、おおよその方向を見ながら、この定数是正は当然避けて通ることのできない問題でございますから、その問題に進んでまいりたいと思います。 しかし、一対二にするということは、選挙民の、選挙権の公平、平等という観点から見まして、これは一時政策ではなくて避けて通ることのできない緊急的な問題でありますから、緊急課題という緊急性があるからといってこれで逃げてはいけないという反論もあるかもしれませんが、これこそ国民の権利を奪うものでございますから、最小限度違憲状態の解消を、そして各党が言われている、違憲状態の解消だけでは足りない、国民の期待にこたえ得るもの、何とか二けたに手の届く程度のもの、こういうものが各党が要求をされたわけでございますから、それぞれの矛盾点はありますが、国民の権利として、一票の格差の大きいことは望ましくない、その大前提に立てば、多少の矛盾も何とかこの際我慢をしてでもやった方がよりベターではないかということが今回の提案の趣旨でございます。
○井上(義)委員 私も緊急是正の必要性は十分認めているわけでありますけれども、四増四減では足りないから九増十減、この程度だといいんじゃないか、こういう議論もちょっと理解しがたいところがあるわけでございますけれども、では、何が一番この定数是正を阻んでいるか。大変御苦労されて九増十減をまとめ上げられたということはよく承知しておるわけでございますけれども、本来国民の権利を守るのが国会議員の責務でもあるにもかかわらず、その国会議員が集まった国会がなぜ定数是正がなかなかできないのか。なぜできないのかということをやはりきちっと明確にしておかないといけない。 といいますのは、これまで三回定数の是正があったわけですけれども、六十一年に八増七減やりました。そのときに抜本是正が国会決議でうたわれました。ところが六年間たってもまた緊急是正だということで、結局、抜本是正抜本是正と言いながら緊急是正が続いてくる。もし今またこの九増十減というものを認めてしまうと結局国会は抜本是正の努力をしなくなってしまう。こういうことから国民の間に、九増十減は必要だけれどもこれを認めてしまうと抜本是正を国会がやらなくなってしまうじゃないか、これを認めたらまた大変なことになるぞという意味での反対というのもあるのです。ですから、この九増十減をやるに当たって、我々国会を構成する国会議員の一つの決意として、やはり抜本是正というのはやるんだ、今までなぜできなかったのか、だから、ここをこうして、こういうふうにやるんだということをはっきりさせておかないと、九増十減、今回どうしても緊急で申しわけありませんという、国民に対する理解を求めるということは非常に難しいのではないか、こういうふうに私は思うわけですが。
○梶山議員 井上議員御指摘のとおり、戦後の改革、それぞれ矛盾というか、違憲状態の解消ということのみであったわけでありまして、前回の改正以外は全部定数増という形で賄ってまいったわけであります。前回初めて七減というものを立てたわけであります。七減というものは、一人一人の議員にとっては、あるいは許容することができるあるいは減少というものもやむを得ないという理解もあるかもしれませんけれども、それぞれの長い歴史を持ったその地域地域の選挙区において、なぜ私の地域の議席数が奪われなければならないかという素朴な疑問を持つはずであります。そして、今まで持っていた権利がなぜ奪われるかというと、人口が移動したからだと。果たして人口移動が善なのか、人口が移動しないような政策がなかったのかどうなのか、それぞれの問題がございますから、それぞれ出身の減少区の議員の方々は、その選挙区の事情を踏まえ、その人たちの権利代弁をしなければなりませんから、減区というものが非常に今難しい。その現実はそれぞれ御理解ができると思うわけであります。 そして、今回も、これからは議席数をふやしていかないという前回のあれがあります、そういうことを考えますと、どうしても減少は立てなきゃならない。その中でやれるものはどうかということになりますと、今回出したものがぎりぎりの選択である。確かに、欲を言えば切りがない。理論的に言えば、一対三を超える分野、四増四減でいいという議論と、一対二以下にするという議論、これ以外に理論的な根拠はありません。ですから、現状やれる範囲内で今違憲状態をどう解消するかというと、最大政党である自民党、過半数を衆議院で持っておりますけれども、この中の許容の最大限というか、一番限界が九増十減。これでも相当の抵抗があったということも御理解をいただきまして、この違憲状態の解消と、それぞれの政党その他、国民の要求、こういうものをあわせ考えて今回の提案といたしたわけであります。
○細田議員 お尋ねの中身が自由民主党の中の議論とも関係いたしますので、毎週毎週六時間ずつこの選挙制度の議論をしておりまして、党内挙げて、百人ぐらいの国会議員が出席して議論しておりますので、誤解のないように一言申し上げたいと思います。 その抜本案につきましては二つの大きな流れが党内に厳然としてあるわけでございまして、それは、第一には、中選挙区制度を維持しながら不均衡を是正していく。これを二倍程度まであるいは二倍未満まで是正すべきだという意見も一つ強いわけでございます。私自身はそういう観点から党内でもそういう提案をして、抜本的に変えなければいけないのではないかという提案もしておるわけでございます。ところが、もう一つの抜本是正案というのは、小選挙区制度を採用せよということでございます。新聞その他で御存じのように、最近党内では、小選挙区制度を採用すべきだ、それこそが抜本策であるということが非常に強くなってまいりまして、アンケートなども内々とっておりますが、小選挙区制を採用すべきだという人の方が多くなっております。したがいまして、中選挙区のもとで二倍以下にするという抜本案を出すというわけにまいりません。むしろ小選挙区も含めた制度の選択をして、それから出そうじゃないか。それで、小選挙区の中にも幾つか案があって、完全小選挙区とか並立とか併用とか、これまたいろいろな案が出されておるわけでございますが、それを選ぼうということになっておりますから、非常に時間のかかる、根の深い問題になってしまっているわけでございます。 したがって、何ら検討せずに、とりあえず現状を糊塗するような九増十減を出しているというんじゃなくて、むしろ議論はどちらかを選ぶべきだというところまでは来ておりまして、現状どおりでいいという人は議論の中では余り多数を占めてはおりませんで、抜本的な案が固まるまでに、とりあえずの暫定措置として九増十減が出ているということを御理解いただきたいと思います。
○井上(義)委員 私が申し上げているのは、選挙の歴史というのは、要するに選挙権、いわゆる普通選挙権獲得の歴史であったわけでございまして、制限選挙に始まって、婦人の参政権を認めて、普通選挙が成立してきた。この普通選挙というのは、いわゆる人格の価値は平等である、この前提によって今の民主主義が成り立っているわけでございまして、要するにそこの人格の価値は平等であるということは、具体的に言うと、やはり議員定数の均等配分があって初めていわゆる平等選挙というものが成り立っている。これを守るということが我々の仕事なんだという、この原則をきちっとしておきませんと、中選挙区制だろうが小選挙区制だろうが比例代表だろうが、これは同じなわけでございまして、何か、過疎・過密だとか議員の政治生命にかかわるだとか、いろいろな議論が新聞なんかを見ていますと表に出てきていますけれども、やはりこの原則というものをきちっと踏まえておかなければ、例えば、今回緊急是正です、緊急是正ですけれども、やはり本来そういうものなんだということをきちっと踏まえた上で、今回緊急是正ですというふうにこれは言わなければいけないわけでありまして、その辺をやはり明確にしておくことは必要だと思うのです。 例えば、過疎・過密というお話、さっきから出ていますけれども、私は東京の選挙区で、与謝野先生なんか一区でございますから、要するに昼間人口が非常に多い。今回八区が定数が三から二に減りました。一区なんかも、将来ちょっとどうなるかわかりませんけれども、非常に昼間人口が大きくて、行政需要は非常に大きい。そこに住んでいる人たちの権利はどうなるんだと逆にそういう議論もあるわけでございまして、そういうことをずっと見ていきますと、やはり人格の価値は平等なんだから、議員定数というのは人口で均等配分されるのが譲れない原則なんだということを、これはもうはっきりさせておかなければいけない、こういうふうに思うわけですが。
○与謝野議員 国民の側から見た政治改革というもの、いろいろございますでしょうが、選挙をやる政治家から見ますと、選挙制度の問題に重点を置いて物を考えがちでございますけれども、有権者にとりましては、やはり自分の持っている一票、その価値が他の方の持っている一票となるべく近い一票の価値があるということが大事であると思います。今回の九増十減案も、緊急是正とは申しておりますけれども、やはりその中には、選挙権の平等性を確保する、そのために一歩でも前進をするという考え方が流れているわけでございます。 最高裁判所は、歴史あるいは人口の動態等々考えまして、一応三倍以内ということを判決の中で申しておりますけれども、やはり将来の方向としては、自由民主党としては、何回かの改正、あるいはどういう選挙制度を採用するかは別といたしまして、国民の持っている選挙権の平等性を確保する、それが、できれば一対二の範囲内におさまるということが望ましいというのは、いかなる選挙制度であろうとも我々の基本的な方向でありまた考え方の流れであるというふうに申し上げたいと思います。
○井上(義)委員 そこで、今回九増十減を認めてしまうと、再び抜本是正をやらないんではないか、こういう、国民の中に疑念があるわけでございます。これは、先ほど申し上げましたけれども、八増七減のときに、次の国勢調査、六十年の国勢調査の結果が出れば抜本是正やるんだ、こういうふうに国会決議をしておきながら、結局今回も緊急是正だったという疑念があることは先ほど申し上げたとおりであります。 そういう意味で、その疑念に答えるためにも、この提案理由の説明によりますと、いわゆる漸進的な是正の第一歩、こういうふうにおっしゃっているわけでございまして、では将来この抜本是正に向けてどういう道筋を考えているのか、この辺を明確にしておく必要があるんじゃないか、こう思いますが。
○梶山議員 社会党の佐藤委員にもお答えをいたしましたとおり、現在の時点で将来を確たる予測をして今回のいわゆる緊急是正をいたすわけではございません。少なくとも、前回、六十一年の国会決議を踏まえ、なおかつ、昨年三法案を出してこれが廃案になったという現実、これにはそういう制度改正をひっくるめてという意向がこの議会の中にあるということ、それから、国民の世論の中にも大変そういう大きなうねりを感じているということ、その両にらみというか、そういう状態の中でなおかつ違憲状態にあるものを解決するためにはどの程度のものができるか、そういう判断に立って今回の九増十減がなされたわけでございますので、これは必ずしも六十一年の国会決議を無視するわけじゃない、さりとてこれからの新しい制度改革の議論を拘束するわけではない、そういう観点で今回の定数の緊急是正を提案をいたしているわけでございますので、この後、これが終われば後々やらないであろうという問題ではなくて、もうやらなければならない土壇場に来ているという感じがいたします。 いずれにしても、それぞれの選挙区において、増加をする地域はそれほどでもないかもしれませんが、減少する選挙区の選挙民の方々、国民の皆さん方は、やはり権益が縮小されるという一つの懸念を持っております。特にそれは、選挙といういわば国民の平等の権利、選挙権の権利行使を主張する方々もありますけれども、特に過疎に悩む地域の方々は、いや、選挙権によって証明をされるように、我々の手が奪われることは、議席が奪われることは、我々の行政水準、そういうものすら奪われかねないという大変な危機感を持っているわけでございますから、一朝にしてガラポンではんとやるのかどうなのか、今の制度のままでやれることが果たして国民的な合意に成り立つかどうか、こういうものも考え合わせますと、六十一年の議決が、大変難しい、過密・過疎に配意しつつというような表現になっているわけでありますが、そういうものをあれこれ踏まえてみても、これからは定数をふやさないという一つの前提と、それから、この格差是正を行うということ、これと制度改正その他をこれから勘案をしながら、国民のいわば理解をちょうだいできることを緊急にみんなで全力で取り組んでいかなければならないという観点のもとでの今回の提案であることを、ひとつ御理解をちょうだいしたいと思います。
○井上(義)委員 私どもの選挙区、過密であるがゆえにいろいろ行政上問題を生じているわけでございまして、過密にぜひ配慮していただきたいというのは逆にもう率直な気持ちなんですね。ですから、必ずしも、過密・過疎という問題で議員定数が何か変化するようだとそういう議論が出てくるわけでございまして、私はやはり、前回国会決議で過密・過疎ということになったようですけれども、私は、あくまでも一票等価、これをどこまでも貫いていくことが選挙制度の原則というふうに思っている次第でございます。将来の抜本是正の第一段階としての緊急是正であるという理解をしたいというふうに思っております。 けさ、ちょっと気になったんですけれども、新聞をちょっと見ていましたら、森政調会長が、この「「九増十減」案について「当面は国会の努力の成果として、世論の批判をかわしておかなければならない」と発言した。」というふうに報道されております。この、「世論の批判をかわしておかなければならない」、まことに国民をばかにした話でございまして、私はそこにいたわけじゃありませんから、実際の御発言を聞いていませんけれども、もしこういうことが、これが事実であるとすれば、今回の九増十減をこういうお気持ちで出したとすれば、これは到底国民の理解は得られないというふうに私は思うわけでございますし、我々としてもそんな気持ちでこの九増十減を出されたのじゃこれはかなわぬなというのが率直な気持ちなんですが、これはいかがなものでしょう。
○森(喜)議員 きのう宮崎県で自民党の政経文化パーティーがございまして、限られた時間でございましたから、その前後がございまして、今我が党ではいわゆる政治改革の抜本的な論議を闘わせております。御承知のように宮崎は二区が減区になるところでございまして、わかりやすい表現で言えば非常に皆さんが悲憤慷慨をしておられるわけですね。それで、今、過密・過疎の話もございましたけれども、我々党内でこうした議論を進めていくときには、基本的には選挙区の定数というのは有権者のもの、国民のものであるということ、これは基本だろうと思います。しかし、えてしてこうした議論を進めてまいりますと、やはり今の議員はこの選挙区は私のものだという、既得権みたいな権利を主張した議論にどうしてもなるわけですね。そこのところは、党内でもいろいろな議論で説得しても、なかなか難しい面がたくさんございます。 例えば減区の議員の皆さんは、承知をしておられても、やむを得ないのだなと承知をしておられても、党内の論議の中で、結構でございますとは言いにくい。それはなぜかというと、すぐその直後に選挙が来て、あなたはそれでいいと言ったじゃないかということになってしまう。これが自分の選挙に影響してくるわけですから、やはり最後まで抵抗しておこう、そういうお気持ちも皆さんあると思うのです。そういういろいろな複雑なものを踏まえて、現状の政治を進めながら選挙制度というものを改正していくところに実は難しさがある。 ちょっと外れるかもしれませんが、先ほどの井上さんと梶山さんの論議を聞いておりましても、やはり私どもの党には、中選挙区制で複数の候補者を出しておるというところのまた難しさもあるのですね。大変御無礼でございますが、公明党さんのように大体お一人ずつでやれば、定数についてはそうは激しい論議は、大変失礼ですけれども、ないと私は思うのですね。各選挙区出せばいいじゃないかということになりますが、我が党の場合、どうしても二名、三名、四名と複数出しているところに、こうした問題の論議が非常に、個人個人の気持ちを十分にしんしゃくしてあげなければいけないという、そこにこうした作業が進みにくい面がございます。 話が脱線しましたけれども、昨日、我が党の中ではこういう論議がいろいろございます、あたかも抜本的なものは小選挙区単純制のようなものが流れておりますが、そういうことを決めたわけでもございません、中選挙区制でいいじゃないかという意見もある、あるいは中選挙区制の中に例えば仕組みを少し変えてみたらどうかという意見もある、あるいは小選挙区制の中にも比例代表を取り入れる、それも並立の意見もあれば併用の意見もある、そういういろいろな意見を今自由民主党の中で、毎日のように苦労しながら論議をいたしております、こういうお話を実は御紹介を申し上げて、そして、しかしこの抜本改革は、いろいろこの選挙区においても苦痛な点もあるかもしれませんが、国会の機能として、これは自分たちがみずからこのことだけはやった、違憲状態というものの中にあって国会がこれだけの努力をしたのだということをやっておくことが、私どもが世論に対する、期待にこたえることではないだろうか、このような趣旨のことを実は申し上げておるわけでありますが、前後かなり詳しく申し上げておりますので、そこのところだけ取り上げてつまむと、井上さんのおしかりにひっかかるような言葉になったのかもしれませんが、趣旨は、そのような前提と、そして前後にそういうようなことを説明しながらお話を申し上げたわけでございます。
○井上(義)委員 選挙制度の抜本改革について、今御議論なさっているようでございます。 それで、前回の政治改革三法案が出たときもそうだったわけでございますけれども、定数の抜本是正ということと選挙制度の抜本改革ということと、この関連ですね。要するに、選挙制度の抜本改革案をお出しになって、その中で定数の不均衡をなくしていくというお考えなんだと思うのですね。ということになりますと、要するにまたこの選挙制度について、当然これは議論のあるところでございますし、国民的なコンセンサスを得るということが選挙制度については非常に重要でございますから、そういたしますと、その間また定数の是正がなされないまま過ぎていく。それでまた、これは期間がどの程度かわかりませんけれども、緊急是正ということになりかねないわけでございます。私は、選挙制度の抜本改革をやることについては、その選挙制度の中身の是非は別として賛成でございますけれども、あわせてやはり抜本是正の道筋というものも現行中選挙区制の中で明確にしておく必要もあるのではないか、このように理解しておるのですが、この辺は提案者はどのようにお考えでございましょうか。
○梶山議員 先ほども申し上げましたとおり、選挙制度このもの自体を我々は今固定化をして申し上げるべきところではない。それぞれの各党各会派が研究をされることは当然でありますし、さりとて今の中選挙区のままで将来ともいいのかどうなのかというのは別問題でございます。 しかし、どういう制度になろうともこの定数是正の問題、一対二に近づけることは、これはもう国民の権利でございますから、ありとあらゆる方法を講じて私どもはこれから研究をしていかなければなりませんし、この次の段階、例えば今の中選挙区のままで一対二に近づけるためにはどういうことをしなければならないか、これはもちろん合区も分区もいろいろな問題を抱えてくる問題でありまして、果たしてそういうものは可能なのかどうなのか、その失うべきものは多く得るものは少ないということになればどういう方式をとらなければならないか、いろいろなことがあろうかと思います。私は、それができなければ今の緊急避難ができないということではない。少なくとも今の違憲状態の解消をするし、それがやがて一里塚になって多少でも将来の展望につながる方式、これが今回の九増十減だということで位置づけを願いたいと思います。
○井上(義)委員 先ほど佐藤委員からも御指摘がありましたけれども、今回の九増十減によって矛盾が拡大する。すなわち、従来衆議院の選挙区制度についてはまず県に定数配分をして県の中で区割りをする、こういう方式で来たわけでございます。ところが、県に対する再配分というものを制度ができてから一度もやっていない。そのためにいわゆる県間の逆転区が生じてきているわけでございまして、調べますと、現在十五だったものが九増十減によってさらに十八に県間の格差が拡大をしてしまう。そうすると国民の側から見ますと、確かに選挙区というのは一つの区割りなんですけれども、やはり日常生活というのは、経済圏、行政圏、そういう意味では県になるわけでございまして、行政の権限というものは何か縮小されるのじゃないかというお話が先ほどございましたけれども、選挙区で見ますとそうですが、今やはり具体的な行政単位というのは県になっている。その下が市町村、こうなっているわけでございます。選挙区というのは選挙のときにある区割りなわけでございまして、そうすると、県間の逆転現象が今まで十五だったものがそれこそ十八にふえてしまう、国民の側から見ると、九増十減したのはいいけれども、先ほど梶山さんがおっしゃったような観点から言うと、これはますますおかしいじゃないかということになりますし、それから二人区・六人区も、二人区が今まで四だったものが八になる、六人区が一つだったものが二つになってしまうということで、矛盾を拡大してしまうことになるわけでございます。そういたしますと、この状態をでは新しい選挙制度ができるまで放置していていいのかということになると、これはちょっと違うのではないか。やはり選挙制度は選挙制度の議論として、この定数の抜本是正は抜本是正としてきちっと両建てで考えていかなければいけないのじゃないかな、こう思うのですが、いかがなものでしょう。
○梶山議員 私の説明が舌足らずであったかもしれませんけれども、もちろん私は制度改革をやらなければ定数是正ができないとは申しておりません。定数是正は定数是正でこれは国民の権利でございますから、一対二にあとう限り早く到達をするようにしなければなりません。 それから、確かに明治以来府県間の均衡を得るということが大体選挙制度の出発点でございますし、それは今でも追認をされてしかるべきものでございます。しかし、今私たちが緊急的に対応すべきものは最高裁の判決、これはそれぞれの選挙区を中心にして物が言われておりますし、一般国民の方々も選挙区を中心にして物事の発想をいたしがちであります。長い目で大きく見れば、行政単位という大変大きな問題でありますが、国民自身はむしろ、今までのように都道府県にこだわるかどうかといいますと、経済活動や社会活動が過去よりは都道府県というものに拘束されない形の方が強いので、国民の認識としてはいわば選挙区の格差の方がはるかに大きく取り上げられているという現実も直視をしなければなりませんし、今私たちが言う違憲状態というのは、最高裁によって指摘をされた選挙区制度のもとでの格差でございますので、勢いその方向に行かざるを得ない、その点も御承知おきを願いたいし、あとう限り早く、全般の、今のままでも一対二に近づける作業を進めて、その間に、矛盾が大変多いかもしらない、矛盾というより矛盾を消すための苦労が多いかもしれませんけれども、それはそれとしての作業を進めていかなければならないというふうに考えております。
○井上(義)委員 せっかくの機会で、余りもう時間もなくなってきましたので、政治改革全般について、こういう機会がなかなかございませんのでお伺いしておきたい、こう思います。 今回、証人喚問の問題をめぐって、私は率直に感じたことなんですけれども、やはり日本の国会というのは自浄能力が非常に欠如しているなということを痛感しました。例えば証人喚問、金丸、竹下両氏を証人喚問して疑惑解明すべしというのが大方の国民世論だったと思うのですね。その結果それが実現したわけですけれども、実現するまでに二週間もかかってしまった。その間国会が動かない。これは証人喚問をやるということを最初からきちっと御党が受け入れれば二週間前に既にもう始まっていたわけでございまして、政治倫理綱領で、国会議員が疑惑を持たれたらみずから進んで解明しなさい、こういうふうに言っているわけですから、これは喚問を求められたら積極的に喚問に応ずるという基本姿勢をまず国会として確立した方がいいんじゃないか。それからもう一つは、二時間しかない。二時間で果たして本当に事実がわかるかということなんですね。これは、例えばイラン・コントラの事件なんかでも、ノース中佐、六日間、三十三時間にわたって議会が聴聞会を開いて、そして事実を解明している。議会が明確にその責任を果たしているんですね。そういう意味で、国会の自浄能力というものをやはりもっと高めなければいけないんじゃないか。 それで、予算委員会でやるのはいかがなものかという議論が御党からあることは承知しているわけで、そういうことで、政治倫理審査会というものを開きやすいようにしましょうということになったわけです。ところが、私たちが繰り返し主張しましたように、政治倫理審査会というのは証人喚問はできない仕組みになっている。証人喚問をできるようにすれば政治倫理審査会でできるんだからということで繰り返し申し上げたんですけれども、政治倫理審査会なり、別に予算委員会でやらなければならないということじゃないわけでございまして、やる機関があればそこで徹底してやるという、やはりもっと国会が自浄能力というものを持たなければ、私は、与党とか野党とかという問題じゃなくて、国民の、問題が起きたときに国会は何をもたもたしているんだ、何も解明できないのかという、解明する努力というのは与野党に課せられているわけでございまして、そういう意味での仕組みというものをつくるべきじゃないか、こういうふうに思うのですが、この点いかがでございましょうか。
○与謝野議員 先生御承知のように、憲法六十二条には、国会に国政調査権というものを与えているわけでございます。国政調査権を最終的に担保するものとして議院証言法というものもございますし、また、国政調査権を担保するものとして求められた場合には、国務大臣等は国会でお答えをしなければならない、こういうシステムになっているわけでございます。議院証言法というもの、すなわち国政調査権というのは、疑惑を解明するためにあるわけではございません。これは真実を発見するために整備されたものでございまして、証人すなわち疑懲の対象者であるというふうに、憲法六十二条でございますが、疑惑の対象になった議員を呼んで証人喚問をするという考え方自体が、私はいささか理解できないわけでございます。 そこで、議院証言法でございますけれども、議院証言法というのは昭和二十年代に大変乱用をされまして、証人喚問が乱発をされました。その反省の上に立って、昭和三十一年以降はこの法律が非常に抑制的に使われてきております。国会では、証人喚問をするときには理事会で全党一致でやろうとか、そういう積み重ねの慣例の中で議院証言法というものが運用されてきたわけでございます。また、先般の議院証言法の改正では、それまで民事訴訟法の証言拒否規定を活用していたものを刑事訴訟法の規定に書き直すという作業もやったわけでございまして、国会に出頭される証人の方々の人権を守るという立場も取り入れたわけでございます。 それで、議院証言法というものを何か裁きの道具に使おうということは間違った考え方であって、議院証言法というのはあくまでも真実を発見する一つの手段にしかすぎない、こういう面から運用されるべきだと私は考えております。アメリカの国会などは、日本の証人の数よりもはるかに多い証人の方々が宣誓した上で供述をされている。これは、アメリカではそれだけの積み重ねがあり、何も宣誓して供述した人間が何か悪いことをしたから、疑惑があったからということで国会にお呼びをしているわけではなくて、あくまでも一つの真実の追求の手段として、また国政調査権を担保するものとして存在する。議院証言法は、また、不出頭罪、証言拒否罪あるいは偽証罪という強行法規でございますから、そういう意味では、やはり使う場合には抑制的に使い、なおかつ証人の人権等を守るという国会議員としての本来持つべき考え方を持った上で運用していくべきものと私は考えております。
○井上(義)委員 もちろん疑惑の解明というのは、別に何かあなた悪いことしたんじゃないか、だからつるし上げるんだ、こういうことを言っているわけじゃないわけで、これはあくまでも真実を発見するためにやるわけですから、国政調査権というものを担保する最も有力な手段の一つなんだと思うのですよ。ですから、別に悪い人が疑惑を持たれるから出てくるわけじゃなくて、本当に真実を解明するためにどんどんやればいいと私は思うのですね。議院証言法が必要な場合もあるし、参考人でいい場合もあるし、やはり徹底してやるということが国民の信頼にこたえることになると思うのですね。そういう場を国会としてきちっとつくるべきだ。 何か予算委員会で予算を人質にしてと、逆に言うと予算を人質にして証人喚問を拒んでいらっしゃったのは御党だと私なんか思うのですけれども、そういう意味からいいますと、せっかく今回政治倫理審査会を改革しようということで議論があって、それが非常に中途半端なものに終わってしまったということは私としては非常に残念に思っているわけでございまして、これは今国会ではもちろん間に合いませんけれども、次の国会で、ぜひそういう倫理審査会というものがきちっと完結した機能を持って、独自に国会の自浄能力をそこで発揮できるような仕組みに変えるべきだ、こういうふうに考えているわけでございますが、そういう方向について。
○与謝野議員 政治倫理審査会というものと国政調査権というものがどう関係しているかということでございますが、政治倫理審査会が審査の対象としておりますのは、ある議員が我々の行為規範に著しく背いているかどうかということを審査するわけではございませんで、これは、直接国政調査権ではありません。むしろ衆議院、議院が院として持っている自律権、すなわち、みずから律するということに基づいた審査であると思っておりまして、これは国政調査権の担保している議院証言法の対象としてはなじまない、私どもはこういうふうに考えております。
○井上(義)委員 ということは、やはり予算委員会でやるしかないということになっちゃうわけでございますから、その辺は、これはもうここで議論していてもしようがないんで、ぜひ予算委員会は予算をきちっと審議するということができるような仕組みにやはり国会自体を変えていかなければいけないというふうに申し上げておきたいと思います。 その次に、企業・団体献金の問題ですけれども、先ほどからも議論出ていますけれども、私どもは企業・団体献金、これが憲法違反であるとかというようなことを申し上げておるわけじゃないわけでございまして、今までリクルートやロッキード、あるいは今回の共和、佐川、やはり企業献金を媒介とした企業と政治家の癒着ということが大きな問題になっているわけでございます。 私は、企業献金というものは、企業というものは利益を求めることが基本的な行動としてあるわけですから、やはりその企業献金の持つわいろ性というものを完全に払拭するということはなかなか難しい。そういう意味からいいますと、やはり企業献金に頼らない政治の仕組みをつくるということの方が私はこういう問題を引き起こさない一つの根本的な解決方法じゃないか。必要なお金は個人献金なりあるいは公的助成なり、そういうものできちっと賄う。先ほども何か、企業献金、例えばアメリカなんかも、実際は直接企業献金を受けるということはない、PACという別な仕組みはありますけれども、企業献金を直接受けるというようなことは禁止しているわけでございまして、今の政治資金規正法もそういう方向を目指しているわけです。 私は、これが直ちにできないということであれば、少なくとも、いわゆる主体のはっきりした政党もしくは政治資金団体、ここに一本化するということだけでもとりあえず、これは選挙制度と関係なくきっちとやるべきじゃないか、こういうふうに考えるわけでございますが、その辺、いかがでしょうか。
○津島議員 井上委員の御指摘のように、政治資金の問題、特に企業献金の問題が政治不信の発端になったことは否定できないと思うわけであります。なぜそういうふうになったかと申しますと、企業献金一般が悪くて個人献金はいいんだということではなくて、今の企業献金の仕組みというものが、政治をゆがめずに行われるものと、それから、そういうおそれがあるものとの仕分けがはっきりしていない。そして、企業献金の仕組みとしては、日本は規制は非常に多いんでございますけれども、その規制の実施が必ずしも担保されてない、こういう御指摘があったわけであります。 そこで、今一番大切なことは二つあると思います。民主政治を支えるためのコストをどのように負担をしていくかということについて徹底して議論をする。その中から、党派は別として有権者と選良との間のしっかりとしたコミュニケーション、つまり政策や政見を有権者に伝えていくという作用について国民の理解を得て公的な御支持をしていただくということで、非常に政治に対する資金の負担が軽減をされる面はあるであろう。今、井上議員はアメリカの例をお挙げになりましたが、アメリカのPACの制度の実際の運用を見ておりますと、PACを幾つつくってもこれは自由でございまして、実質的には日本の政治資金制度と余り違いのないように機能しているように認められるわけであります。 問題は、例えばアメリカの国会議員は、それぞれの国会においてそれぞれの法案についてどのような投票行動に出たかを有権者に広く通知をするということを非常に重視をしております。そのための中央からの、ワシントンからの通信は全部国庫が負担をしております。つまり、これが有権者と選良との間の言ってみればきずなである、こういう考え方に立っておるのでありますが、私は与野党問わず政治家の方々に真剣に考えていただきたいのは、今、日本でそのようなコストについて一体だれがどのように負担するというルールができているんでしょうか。これができていないために与野党問わず非常に苦労しておられるのが実情ではないでしょうか。そうであるとすれば、そのような国民も理解をしていただけるようなコストについてはきちっとしたルールをつくって公的に負担をさせていただくということがまず一歩ではないだろうか。これにさらに加えまして、国民が選択をされるのが、政党の政見を見ながら投票行動をされるわけでありますから、政党の政策についての広報宣伝活動について円滑にいくように配慮をしていただいたらどうであろうか。そしてまた、それを支えるための政治資金の動きをきちっと確保をするようにしていただいたらどうであろうか。 現実に、この面につきましては、今政党の受ける政治資金につきましては一万円以上は全部公開でございますから、これはもうほとんど完璧な透明性ができ上がっているわけであります。今、井上議員が御指摘になりました、とかく問題になる企業献金というのは、私が今申し上げたような仕組みの外側で起こるわけでありまして、その外側でそういう問題が起こってくる原因は一体何であろうかということを考えながら、そのような政治資金の無理な確保を必要としない政治状況もつくっていかなければならない。それは、やはり私どもの立場からいうと、今の日本の選挙制度のあり方とどうも表裏一体である。殊に私ども自由民主党の場合には、それぞれの選挙区に過半数以上の候補を立てなければならない。そういたしますと、どうしても投票行動に結びつくような広報活動というものが個人ベースの広報活動になっていく。有権者との接触もそういうふうになっていく。そういうことから、政治資金についても無理な需要が起こってきがちである。だから、そこについても徹底的に議論をして、日本の政治の近代化に向かってもう一歩進めなければならない。こういうようなことで、私ども自民党の中では真剣な議論が行われているところでございます。 したがいまして、今委員が御指摘のようないろいろな問題点については、本当に議論をしますと、私どもの中にかなりの部分共通の認識があると思います。その認識を大事にしながら、日本の政治の近代化のために改革を進めていくという努力を私どもも進めてまいりますので、どうか政治改革協議会その他を通じて真剣な御討議、そしてまた、今までもそうでございましたが、井上委員からも数々の有益な助言をいただいておりますが、積極的なアドバイスをいただければありがたいと思う次第であります。
○井上(義)委員 ですから、今津島さんおっしゃったように、要するに政党の収支というのは非常に透明なわけです。要するに主体がはっきりしているわけです。したがって、とかくあいまいになりがちな企業・団体献金の個人への、あるいは個人の政治団体への献金はやめにして、とりあえず政党に一本化したらどうですか。そうすれば、ここは透明なんです。我々もよくわかっているんです。ですから、まず、そこの主体のはっきりした政党あるいは政党の政治資金団体に一本化したらいかがですか、そうすれば随分変わりますよということを申し上げているのですけれども、その辺はいかがでございましょう。
○梶山議員 津島さんの専門的な意見よりも、素人の私からひとつ皆さん方にもお聞きをお願いいたし、御勘考を願いたいこともあるわけであります。 確かに、政党一本というのは形もすばらしいし、あからさまだし、いいんですが、本来、民主政治というのはどういうものなのかという、これはやはり個々、個々があって集団があるという発想がなければいけません。ですから、政治献金をする側も、個人、法人を問わず、個人議員に対する献金その他の権益も認めないと、民主政治というものは根幹から崩れてしまう。よく私、田舎で、こんな例えば成り立つはずがないんですが、全部一本化してお伊勢様におさい銭を上げれば、末社、氏神様は要らないということはいけませんよ、梶山静六という個人の政治家があって、私は自民党というものの一つの構成員に入っている。それは自民党の構成員だから梶山静六ではないのであります。これだけは御認識をいただけませんと、大変な間違い。いっか集団でやられたようなことというのは、個々をなくしてしまうことは、戦争中の亡霊が出てくるような感じすらするわけでありますから、理論上、個人を否定するというのは大変怖いことだという、戦争体験者としての私は反省がありますので、個をつぶさないこと、個がつぶれたときには集団というのは意味をなさなくなってしまう、民主政治の根幹はそこにあると思いますので、あえて素人の議論をお聞き願いたいと思います。
○井上(義)委員 それは別に個人の政治活動を否定しているわけじゃないんですね。政策本位、政党本位、そういうふうにおっしゃって、改革の方向もそういう方向だというふうにおっしゃっているんで、じゃ、そこに一本化したらいかがですかというふうに申し上げているわけで、決して個人の政治活動を否定しているわけでも何でもない。個人の活動に必要な部分というのはそれぞれ政党に一本化されたところから負担をすればいい、あるいは国会議員の日常的な活動というのは、歳費、文書・通信費その他公的助成によって行う、あるいは個人の献金によって行われるということであれば、それは結構なわけですから、私は自民党の改革案に沿って申し上げているつもりでございますけれども。 ちょっと時間がないんで、一つだけ最後にお伺いしておきますけれども、もう一つは、やはり入りを規制するだけではだめなわけでございまして、出を規制しなければいけない。今、出で一番大きな問題は、選挙にお金がかかる、おっしゃるとおりだと思うのですね。 私は、ある御党の議員から伺ったことがあるのですけれども、不在者投票を大いに拡大すべきだ、投票権の行使、これをできるだけ幅広くできるように不在者投票を大いにやりやすくすべきだというのは我々の基本的な考え方なんですが、それに対して、いや、ともかく井上さん、不在者投票はもうやめてくれ、不在者投票が一番お金がかかるんだというふうにおっしゃるんですね。なぜかと聞きましたら、要するに不在者投票というのは事前に投票所に連れていきますから、一人一票が一万とか二万とか、ともかく不在者投票に一番お金がかかるんだ、だから不在者投票をやめてもらいたい、こういうふうにおっしゃった方がいらっしゃって、私はもう本当にびっくりしたことがあるんですね。それが現実にそういう形でお金がかかっているとすれば、やはり事実上これは買収ですから、そういうことは厳しくやるということは、これは選挙制度に関係ないわけですから、これは小選挙区になろうが、もしそういうことが放置されていけば、それは幾ら選挙制度が変わったって、お金がかかることには変わりない。これは端的な例なんですけれども、そういう意味で、現行選挙制度の中で、選挙の腐敗防止、特に買収選挙に対して、本人はもちろんですが、連座制というものをきちっと拡大して、買収で罪に問われたらば政治生命を失うというぐらいの厳しい制度にしないと、この現実はなかなか変わらない。時間がありませんので、お答えだけいただいてと思っています。
○与謝野議員 今、先生の御指摘にあった不在者投票を組織的に行うという例は、四国のどこかの県にありました。これは現行の公職選挙法でも罰則規定、例えば投票買収等に当たるわけでございまして、これは現行の法制度のもとでも取り締まれる話でございます。 それから、連座制の拡大をしろという御意見は、いつも出てくる議論でございますが、連座制の法理は時間がございませんので詳しくは申し上げませんが、候補者みずからが責任のないことを、当選無効ということで、当選した議員が責任をとらなければならないという制度でございます。したがいまして、行われた選挙違反と当選した議員との間に相当の因果関係がありませんと、その責任を当選した議員が負うということは実は不公平なことでございます。そういう意味で、現在の連座制というのは、同居の親族あるいは地域の総括主宰者等ぎりぎりの範囲内で連座制というものを書いているわけでございまして、これを拡大するということは、実はみずからに責任のないことにみずからが責任をとる、本来の憲法上の考え方に反することになりまして、連座制を御検討いただくことは結構でございますが、十分そういう点も御検討の上お考えをいただきたい、そういうふうに考えております。
○井上(義)委員 では、以上で終わります。
○松永委員長 次に、東中光雄君。
○東中委員 今度の公選法改正案は、総定数の削減とそれから九増十減の定数是正、この二項目だと思うのですが、まず総定数について、なぜ減員をしたのか、減員数がなぜ一名なのか、提案者の御趣旨をお伺いします。
○与謝野議員 前回の定数是正の際には、五百十一名であったわけでございますが、最終の調整段階で一名をふやしまして、ようやく各党合意にこぎつけたという経緯があります。その一名につきましては、いわば合理性のない一名だとも言えるわけでございまして、その一名は当然今回縮減されるべきものと考えて、一名削減したわけでございます。
○東中委員 前回は合理性のないことをやったということをお認めになるわけですね。ところが、この総定数の削減については、前回の政治改革大綱以後、五百人にしろとか四百六十六人にしろとか四百七十一人にしろとか、いろいろ自民党は議論してきたでしょう。なぜ減らすことばかり言うのか、これは一つの重要な問題点だと思っています。 それで、この機会に一言申し上げておきますが、日本は現在総定数五百十二人、これは各国下院の場合について言うわけですが、一議員当たり人口は二十四万一千人であります。ことしの八月二十五日現在の調べということであります。日本よりも総定数の多いイギリスは、六百五十人の定数ですが、一議員当たりの人口は八万八千人です。ということは、日本の三分の一の数だということになります。フランスの場合は五百七十七、日本より多いのです。そして、一議員当たりの人口は九万八千、日本の半分弱です。ドイツは六百五十六議員、一人当たりの人口は十二万一千、ドイツは非常に多い方ですが、これで日本の半分なのです。イタリアは六百三十人の総定数で、一人当たり九万二千人であります。日本より総定数が多いところが、ヨーロッパの先進国ではほとんど三分の一あるいは二分の一程度になっておる。それを総定数を削減するなんていうのはどこも言ってやせぬのです。そのほかの小さい国では、総定数は少ないけれども、しかし一議員当たりの人口数は、例えばカナダは九万、スペインは十一万一千、オーストリアは四万二千、スイスに至っては三万四千人というふうになっているわけです。 だから、定数を減らすというふうな発想に立つのが何も民主主義でも何でもないです。むしろ複雑な社会ですから、それが公平に議会に反映されるようにということを考えなければいけないのだ。ただ漫然と、前は合理性のないことをやったから今度は五百十一まで一人だけ減らすのだ、これも漫然と減らすわけですね。なぜ五百十一にしなければならないか、余り理由がないと思います。これはまさに場当たり的なやり方であって、私たちは、できればもっと下げよう、小選挙区制にして下げて、そして自民党が圧倒的多数をとれるようにしようというふうな方向性がこういう形で出てきたと考えざるを得ない、こう申し上げておきたいと思います。 そこで、定数是正についてでありますが、八六年の国会決議について、日本共産党はあのとき反対をしました。先ほど社会党の方から指摘がありましたので申し上げておきますが、八増七減のあのやり方、二人区・六人区をつくるやり方、これは許されないということで、私たちはあのとき一対二にせよという主張をしたのです。定数協という形で、共産党が排除された形で八増七減案がやられた、私たちはそれは許されないことだといって断固として反対したのです。その反対したことが暫定措置として可決されて、そしてこれは暫定措置だからこうするのだといったようなことだから反対したので、趣旨はあそこに書かれておる一対二、抜本改正をあのときにやるべきだ、二人区・六人区なんというものはつくるべきではないという主張をそのときからしておったわけですから、私たちは、この決議は私たちの趣旨に反するものじゃないけれども、一体としてやられたから反対をしたわけであって、趣旨は当然のことだというように考えています。 そして、自民党も社会党も、皆さんが可決をされたのですから国会決議になった。その国会決議に対して、国会決議は「昭和六十年国勢調査の確定人口の公表をまって、速やかにその抜本改正の検討を行うものとする。」ということになっておることはもう御承知のとおりでありますが、これについて一九八八年四月十五日のこの衆議院公選特委員会におきまして、当時の自治大臣、今は提案者の一人であります梶山静六さんが「衆議院の定数是正、これはまさに焦眉の急、一番重要な課題でもございます。そして、衆議院の本会議の決議、六十一年五月二十一日に決議をされたその中身に忠実でありたい、これがまず第一の原則であろうかと思います。」このときの会議録をずっと読んでみますと、第三者に任してというようなことを言ったってだめなんだ、決議の趣旨を体して国会で方向を決めて、そしてやらなければいけないんだ、忠実にやらなければいけないんだ、こういうふうに答弁されておるわけであります。さすが梶山さんだと私は感心したものです、後から会議録を見ましたら。 ところで、今出されておるこの案は、この国会決議に忠実であるという原則に沿っておるのですか、抜本改正をやることが第一の原則であります、こう言われておったのですが、今の提案は忠実な案ということになるんでしょうか、お伺いしたいのです。
○梶山議員 お答えを申し上げます。 私が自治大臣時代に答弁をしたその会議録は、私も持参をしてよく読ませていただいております。ですから、ハウスの議長の言ったことはハウスにおいては最優先さるべきこと、行政府がとかく言うべき問題ではありませんけれども、尊重すべきことということは理の当然であります。そして、これを忠実に履行することもまた当然のことであります。 そういうさなかで、立法府の名において、立法府の自由民主党の名において今回は提案をいたしているわけであります。まさにこの問題は、冒頭私が佐藤委員にも申し上げましたとおり、これは政府やその他の責任ではない、全く一〇〇%ハウスの責任において定数是正は行われるべきものだ、こう申し上げているわけでありますから、私は、昨年の国会において政府・自民党が出したいわゆる抜本改正についての道筋、これが廃案になったわけでありますから、今回違憲状態にあるものを解消しよう、このことは理の当然の結論でございまして、ぜひ御賛同のほどをお願い申し上げたいと思います。
○東中委員 この間出されたのは、この提案理由によりますと、「選挙区間の人口格差をおおむね二倍以下とするものでありましたが、成立には至りませんでした。」と書いてありますね。あのとき出されたのは、中選挙区における二分の一程度の定数是正じゃないじゃないですか。五百の小選挙区のその割合が大体二対一程度になっているのです。国会決議とはまるっきり違うものをこの間出したのですよ。選挙制度を変えて出したんでしょう。この中選挙区制における定数是正という国会決議にまるっきり違うものを持ってさておいて、それが成立しなかったから、こういうことを言われても、これは筋が通りません。このことをはっきり申し上げておきたいと思います。 ところで、この国会決議に、昭和六十年国勢調査の確定人口の公表の日というふうになっているのですが、昭和六十年国勢調査の確定人口の公表されたのはいつですか、お伺いしたいのです。
○与謝野議員 国勢調査は速報値と確定値とございますが、多分確定値が出ましたのは翌年の六月か七月ごろではないかと思っております。正確を期すために、後ほど改めて答弁をさせていただきます。 〔委員長退席、北川(正)委員長代理着席〕
○東中委員 それはわかっております。昭和六十一年の十一月十日です。 だから、そのときから検討に入れということなんですね。そのときに是正せいということには国会決議はなっていないのです。それから検討に入って相当の期間が要るだろうということで、三年以内には当然やるべきだ。それをやらなかったから憲法違反だという判決が、今度の九〇年総選挙に対する大阪高裁の九一年五月二十七日の定数憲法違反の判決なんです。だから、それからまたさらに過ぎているのですよ。こういうことになっておりますので、これは定数是正という点からいえば、国会決議という点からいえば、まるっきり違った方向に行っておるというふうに言わざるを得ないわけであります。 そこで、今出されております案によりますと、格差は一体幾らになるのか。大阪高裁の九〇年総選挙における選挙区間の議員一人当たりの選挙人数の較差は、最大一対三・一八であった。いわゆる逆転現象が全選挙区間において千七十八通り存在し、そのうち定数二人の差のある顕著な逆転現象が二百四通りもあった。判決にそう書いてあります。こういう状態は、本件選挙当時、九〇年総選挙の当時、憲法十四条一項に違反して無効であったと言うべきである、そう判示しております。現在の案でいくと、その較差、逆転現象、どういうふうになるのですか。お伺いしたい。
○与謝野議員 最高裁の判決は一対三という格差が合憲ということで判断をされておりますけれども、地裁、高裁の判決の傾向を見ますと、格差は縮小されて解釈される傾向にあると私どもは考えております。特に地方選挙につきましては、格差についてはもう少し厳しく判断をされている例が多いようでございます。 先生がおっしゃった大阪高裁の判決文というのは、平成三年五月二十七日のことをおっしゃっているのでしょうか。これも実は事情判決がなされていまして、選挙自体は有効だというふうに判断をされております。私どもがよって立つところは、やはり最高裁がどういうふうに最終的に物事を判断したかということによって、国会と申しますか、自由民主党は判断をしているわけでございまして、係争中の高裁の判断というものが最終的な判断でない以上、それによって立って物事を判断するというわけにはまいらない。やはり最高裁の判決を尊重して物事を判断していく方が正しいのであろうと考えております。 〔北川(正)委員長代理退席、委員長着席〕
○東中委員 私の質問をよく聞いて答えてくださいよ。 といいますのは、この判決時は九〇年時で、そして現在の定数配分の現状からいけば、格差は最大一対三・一八になっておると書いてあるんです。そして、逆転現象は全選挙区間において千七十八通りある、そのうち定数二人の差のある顕著な逆転現象が二百四通りあると書いてあるんです。これは九〇年時におけるあなた方の九増十減前の状態を言っているのです。九増十減で変えるという案を今出しているわけですから、それをやれば逆転現象はどうなるんですか。そして格差は一対二・七七になるんだと趣旨説明で言っているじゃありませんか。二・七七はわかりました。だから逆転現象はどうなるんですかと聞いているのです。選挙区間の逆転現象。
○細田議員 お答え申し上げます。 確かに選挙区間格差は、数え方によって百三十の選挙区でございますから、まず一番重いところから数えて幾つある、その次のところから数えて幾つある、また次のところから数えて幾つあるというふうに、百三十についてその下を見て数え上げていくわけですから、非常に数が多く見えるわけでございます。 今回の九増十減は、百三十の選挙区のうちのごくわずか十九の選挙区をいじることによってとにかく三・三八倍の違憲の格差を二・七七倍まで持ってぐるということだけを目標にしたものでございますから、その大半においては修正をされないわけでございます。 ちなみに、数もいろいろございますから、これは自治省の方で数を数えてくれたんでございますけれども、後でもし必要であれば、その逆転の数が幾つになるか、数え方はいろいろありますけれども、また御説明をいただきたいと思っております。
○佐野(徹)政府委員 逆転の数の数え方というのはいろいろな数え方があるんではなかろうかと思いますが、逆転というものを、他の都道府県より人口が多いにもかかわらず配分された議員が少ないことをいう、こういうように定義をいたしました場合には、逆転の数は、現行の場合には都道府県間の逆転数が十五、九増十減後の都道府県間の逆転の数は十八b選挙区におきましては、現行は五十四、九増十減後は四十二でございます。
○東中委員 この大阪高裁の判決が言っておる、全選挙区間において千七十八通り存在する、うち定数二人の差のある顕著な逆転現象が二百四通りもあると言っている、その部分についてどういうふうに変わるのかと聞いているのです。
○佐野(徹)政府委員 恐らく、先ほど私御説明いたしました逆転の定義とは異なった考え方の定義ではなかろうかと思いますけれども、ちょっと今、東中先生が申されましたような逆転の数というのは計算はしておらないということでございますので、御了解いただければと思います。
○東中委員 憲法違反の判決が高裁に出ているのです。その憲法違反だという結論を出したその不合理な定数配分の状況を最高一対三・一八倍、中身はこんなにたくさんの逆転現象があるのですよということをわざわざ判示してあるわけですよ。選挙民から言うたら、うちは何で少ないんやと。要するに、合理性がないのですよ。そういうことについて、なるべく少のうしょう少のうしようということじゃなくて、ざっくばらんにやはり一対二未満にする。選挙権の平等というのは民主主義の一番の基本でしょう。だから、どうしたって一対二未満にしなければいかぬというのが私たちの主張です。この中選挙区制ができた昭和二十二年のときは、一対一・五一でしょう。そういうふうにするべきじゃありませんか。そういうふうに配分を変えれば、これは一票の価値の平等という民主主義の一番基本を確保することになるので、一対二以上になりますと、あるところの人は、二以上のところは二票持ったことになるわけではありませんか。それはもう明白に一対二を超すと、これは厳格に言えば憲法違反なのですよ。もともと一対一であるべきなのだけれども、それは行政区画、いろいろあるから、これは一対一・五にするといって出発したのですよ、昭和二十二年ですか。そういうふうにすべきではないか、このことを強く私たちは求めるのです。 それが国会決議で言っておる抜本改正、そして中選挙区制を確保するために、二人区及び六人区をなくしていく。三人区—五人区であってこそ中選挙区制なので、二人区があって、五人区があれば、五人区を二人区と三人区に分けるという論理になるわけですから、これも制度としてはおかしいので、明白に国会決議は二人区・六人区を削る、なくする、解消するというふうに書いてあるわけですから。ところが、今回は解消どころか、二人区は倍にふやすわけでしょう。これは国会決議の方向に十分沿っていないだけではなくて、逆行しているのです。こういうのは国会決議に反すると言うのですよ。私はそう思うのですが、二人区・六人区についてはどうなのでしょう。
○与謝野議員 選挙制度をどういうふうな言葉で表現するか、小選挙区制、中選挙区制、大選挙区制というふうに呼ぶ場合もありますし、いや、中選挙区制という学説上の言葉はなくて、一人の場合を小選挙区と言い、一人以上、二人からは大選挙区と言うのである、二人以上、二人選ばれる場合、それ以上の場合は大選挙区と言うのだというふうに森清議員が答弁しております。 それで、二人区・六人区はもう再々にわたりまして答弁をしておりまして、要するにこれは、あの国会決議を読んでいただければ、抜本改正に際しては、二人区・六人区を解消すると書いてございます。残念ながら、今回は抜本改正ではないということで、二人区・六人区はそのまま置いておく、こういう趣旨でございます。
○東中委員 あなた方の言うことでいっても、抜本改正に向かう、一対二程度にするという方向に向かって漸時改定していくのだと言っているのでしょう。緊急の第一次なのだ、次は、第二次、そしていくのだ、こういうふうに趣旨説明では説明しているではありませんか。 ところが、漸時そっちに向かっていくのではなしに、後ろを向いているということを言っているのですよ。だから、少しでも前の方を向いておるのだったら、それなりにそっちの方を向いておるなということがわかるわけです、国会決議にのっとらなくても。しかし、今は国会決議と逆の方へ行っておるではないか、解消するのではなしに、倍増しているではないか。これは本当にごまかしだ。おまけに一対二程度にすると言っておるけれども、十二月になったら、改革で今度は小選挙区制、要するに中選挙区制を変えてしまうという基本方向を出そうというのですから、この定数是正は漸時やるというけれども、そうではないということでひとつ指摘をしておきます。 それで、なぜこういう定数是正をそんなに抵抗されるのか。これは朝日のことしの三月二十六日付のあの試算を見ますと、「民意ゆがめる定数不均衡」「是正すれば自民過半数割れ」という大きな見出しで、朝日が報道しました。一九二五年と一九四七年の中選挙区制を採用したときと同じ手法で、最大剰余法で定数を配分してみたら、国勢調査ごとに、議員一人当たり人口で各都道府県人口を割って各県への配分を決める、そういう方法で選挙区定数を決めた。そして、選挙のときの得票を議席に当てはめていきますと、九〇年二月総選挙で自民党は二百七十五議席、二百七十五人が当選したということになっております。得票率は四六%で、議席率は五四%。しかし、ちゃんと比例配分をしておけば、是正しておれば、自民党の議席二百七十五当選は二百四十二になる、過半数をずっと割るということになる。これは九〇年二月ですね。八六年七月総選挙を計算すると、あのときは自民党は三百議席をとっていますが、ちゃんと定数是正をやれば二百六十九議席、これでも過半数を割っているんじゃありませんか。その前の八三年のときは二百五十議席とりましたが、実際は、ちゃんと是正をやれば二百二十六議席だ、こういう試算が出ています。こういう形になるのですよ。だから、定数是正をあなた方がなんとかかんとか言って認めないというのはそこに原因があるんじゃないか、私たちはそう考えるのですが、いかがでございましょう。
○細田議員 過去の選挙におきまして、党全体の得票率が議席に対する反映をどのぐらいしているかということについて、我が中選挙区制度のもとで差があることは事実でございます。自由民主党は四七、八%をとって議席の五五%をとったということもありますし、それよりちょっと下がりますと、過半数割れをして一種の連立政権をやったこともございます。ただ、先生がおっしゃることで一つだけ実態と異なることは、一つ例を申し上げます。 全部の選挙区が四人区になったといたします。それで共産党以外の政党が全部二〇・一%をとったとします、四つの政党が。そして共産党が一九%とりますと、全部の選挙区で落ちてしまうわけでございます。つまり中選挙区制というのは、どうしても五党、六党が争ったときには得票率と議席においては格差が生ずるのでございます。したがいまして、中選挙区をとってすべての格差を是正すれば完全に議席に反映されるという前提自体は正しくないということでございます。
○東中委員 時間ですから終わりますが、今私の言っていることと違うことをあなたは言っているということだけ指摘しておきますよ。きょうは三十分にもうなっていますか、あした若干時間をもらえるようでありますから、やります。本日はこれで終わります。
○松永委員長 次に、川端達夫君。
○川端委員 大変御苦労さまです。よろしくお願いいたします。 自由民主党提案の公職選挙法の一部改正案、いわゆる九増十減についてお尋ねを申し上げたいと思います。 何度もで恐縮でございますが、議論の前提でございますので、一番初めに六十一年五月のいわゆる衆議院議員の定数是正に関する決議、これを私たち尊重しなければならないと考えているわけですが、確認の意味でありますが、この国会決議、重く受けとめて臨んでおられるというふうに考えておりますが、そのように理解してよろしいでしょうか。
○梶山議員 結構でございます。
○川端委員 これもかねてからの議論で何度もありましたけれども、先ほどの御答弁の中にも含まれておりましたけれども、この決議というのは、表題が「衆議院議員の定数是正に関する決議」ということであり、これの決議に至るまでの各党間の調整あるいは当時の坂田議長の見解表明あるいはこの決議の案文を見ましても、当然この決議は中選挙区制を前提とした定数是正に関する決議であるということはお認めになりますか。
○梶山議員 そのとおりであります。
○川端委員 ありがとうございます。 さてそれで、きょうの提案の案でございますが、この決議が最高裁の違憲判決を受けて暫定的な八増七減を成立させた後に、この決議にもありますように「選挙権の平等の確保は議会制民主政治の基本であり、選挙区別議員定数の適正な配分については、憲法の精神に則り常に配慮されなければならない。」との決意のもとに、速やかに抜本是正の検討を行うものとするとしたものであります。私たちも各党もそうだと思いますが、定数是正に対しては、それ以降真摯な討議をおのおの党内でやってきたと思いますし、この公選特においても何度も議論いたしました。小委員会を持って議論もいたした経過は御案内のとおりだと思います。そういう中で、私たち民社党も抜本定数是正案、総定数五百一、格差二倍未満というものも提示をいたしております。 そういう中で、私が非常に、今日に至るまで残念だったという部分を一点だけ指摘をしておきたいのですが、例えば国会決議から二年たった昭和六十三年、当然ながら国勢調査も確定をしております。その五月の公選特で定数是正小委員会を開きました。各党が定数是正に対する具体的な提言をする中で、自民党の委員からは、二年後、昭和六十三年ですから二年たったという時期でありましたけれども、「抜本改正をいかに図るか、二人区・六人区の解消、総定数及び選挙区画の見直し、過疎・過密等地域の実情等への配慮を全国百三十の選挙区を通じてどのように実現していくかということは、極めて複雑多様な検討を必要とする問題であります。」それからちょっと中略いたしまして、「現段階で我が党といたしましてのまとまった考え方を申し上げることはできない」このように当時の鹿野委員がお述べになっております。 確かに大変大きな政党でもございますし、各選挙区に全部議員さんがおられるという中では相当難しい議論であるということは重々理解をいたしております。しかし、それ以降五年経過し、結果的には七年近くの期間を経る中で、国会決議を守るという、先ほどお述べになりましたそういう姿勢の中で、明らかに中選挙区制を前提とする国会決議がやられた、そして、そのもとでの抜本改革はどうすべきかということに対しては、御議論をされたのはよく承知しておりますが、一度も具体案としてはお出しにならなかった。そして、政府案という形で小選挙区比例代表並立制というものが提示をされたということがあっただけということは、非常に遺憾であるということだけ申し上げておきたいと思います。 そして、そういう中で今回のこの改正案でございますが、先ほど来るるありますけれども、抜本是正に際しては、二人区・六人区の解消及び議員総定数及び選挙区の見直しを行うということが書いてあります。 〔委員長退席、石川委員長代理着席〕 そういう中で、方向としてやはりそういうことを目指していくべきだということを決議としては言っている。そういう中で、結果としては四つの二人区、一つの六人区を誕生させる、あるいは総定数は一つ減りましたけれども、選挙区画も奄美群島区を鹿児島一区に編入させるということで新たな選挙区間格差、例えば鹿児島一区に奄美群島区を編入するだけで、これは先ほどからどういう勘定の仕方をするのかということもいろいろな見方がございますが、並べてみますとやはり逆転区という意味では、編入することだけで私たちの勘定の仕方では十一ふえます。という意味では、今回の九増十減は、方向としては残念ながら国会決議の、将来抜本的にはこうしようというものから見ると、むしろ向きは逆であるということになっていることは事実だと思います。 しかし、私たちの理解は、最終的にそういうものを目指していくときに、今日の時点で違憲状態であることを解消するということは喫緊の解決しなければならない課題であるという中で、決議の方向に沿わない部分もあるけれども、前段の国民の投票権の平等を目指していくということから見て、今できる範囲ですぐやるということでいえば九増十減を取り組まなければいけないというのが正味、自民党の提案の背景ではないかと理解をいたしておるのですが、いかがでしょうか。
○梶山議員 御指摘のとおり、今回のもろもろの議論を経まして、最終的に出たものはやはり政治的な判断であり、最終的には政治的な決断、それ以外にいろいろな理屈をつけてみましても、残念ながら上に何かがついてしまう理屈にしかなりません。しかし、違憲状態の解消という一番大きな旗に向かって私たちは、多少の矛盾点が増幅されようともそれを乗り越えなければならないという決断のもとに今回の提案をしたわけであります。
○川端委員 そういう意味ではまさに提案の趣旨にもありますように、今緊急にやらなければいけないということでは私たちも理解はいたします。 ただ、先ほども御指摘申し上げましたように、本来、今日までの中でその方向に関して議論が、選挙制度を変えるということを国会決議は言っているわけではないわけですから、その部分での、同じ土俵での議論というものがやられなかった、テーブルの上にメニューが出てこなかったというのは非常に残念であったということは再度申し上げておきたいと思います。 そういう意味では、今の時点でいろいろな政治的な配慮を含めて中身的に目指すところ、国会決議とは本当にぴったりという方向ではないけれども、今すぐやらなければいけないんだというのを理解する中で、しかしそれはあくまでも緊急のものである、そういう意味では当然抜本的な改革というのをやらなければいけない、国会決議を尊重する、そして、それは中選挙区制度のもとであるというのを冒頭、確認をさせていただきましたが、そういう部分で自由民主党とされましては、定数是正は引き続き国会決議の趣旨に沿ってやらなければいけないと考えておられると思いますが、いかがでしょう。
○与謝野議員 これも、国会決議というものはいかに各党間で取り扱われるべきかという問題になると思いますが、我が党としては、そこに書かれております国会決議は、我が党が責任を持って参加した決議でございますから、これを尊重し、その範囲の中で抜本改正をやるべきものだと思っております。 ただ、冒頭に申し上げましたように、ここは立法府でございますから、各党が話し合いをし、各党で順調な制度改正に関して合意を見られる、あるいは部分的にでも合意が見られるということであれば、やはりその立法府の新たな意思というものは尊重されるべきものだと考えております。
○川端委員 今の御答弁の「ただ」の前のと二つに区切らせていただきたいと思うのですけれども、総理も五月の各党の党首会談でも、目標はあくまで二倍未満である、段階的にそれを近づける、二人区・六人区の解消は抜本是正で行う、このように明言をされている。そして、今の与謝野提案者の御答弁でも、国会決議を踏まえてそういう抜本是正を行っていくという姿勢が基本であるというふうにおっしゃったと理解をいたしました。そういう部分で私たちも目指していくべきだというふうに考えております。 そこで、「ただ」というふうにおっしゃいました部分、今政治改革の議論が非常に盛んであります。当然ながら選挙制度の議論も非常にされております。そういう中で私は、昨年ですか、政府の提案、三法がありました。そのときにも当時の海部総理に委員会で申し上げたのでございますが、国会決議というのは、定数の抜本是正をしようということで始まったものである、まあ一票の格差。選挙制度というのは、いわゆる政治のあり方の根幹にかかわる、最近でいえば政治改革という範疇の議論であって、私は、少し範囲が違うのではないか。そして先ほど確認いたしましたように、今回の定数是正は、国会決議の目指す定数是正とは少しなじまないというか、方向が少し後戻りすることもあるけれども、憲法違反というもの、国会決議の前段に書いてあることをクリアするためにやむを得ず緊急でやろうというときに、前回ああいう形で抜本的に選挙制度も変えるというときに、政府の、きょうは政府ではございませんからあれですが、政府の総理の御答弁というのは、あの案も国会決議の趣旨を踏まえているものだということがあったわけですね。私はそうではないというふうに思いますし、そういう部分で、これから選挙制度がどうあるべきか、政治のあり方がどうあるべきか、国会のあり方がどうあるべきか、本当に各党で十分に議論をしていかなければいけないことだと思っております。 そういう中では、選挙制度が大幅に変わる、変えようという議論のときに、必ず私は国会決議というのが議論としては問題になってくると思うのですね。そういうときに、間違っても、これも趣旨からいえば定数の抜本是正をするんだから国会決議の範囲内だというふうな、ある部分でいえばごまかした議論は、私はむしろすべきではないんではないか。前回のときにも、明らかに中選挙区制のもとでの国会決議と小選挙区の比例代表並立制というものは趣旨からいえば違う、しかし、総理が行政府の立場としてお出しになるのであれば、先ほどの梶山先生の御議論にもありましたけれども、国会決議が金科玉条ではない、政治状況も変わる、そういう中で、状況が変わってきたという中で、総理はあのときは総理の責任として、国会決議の目指していたところは中選挙区制だけれども、今の政治状況の中で私は小選挙区制でやるべきだと思うという、要するに国会決議とは違うけれどもという姿勢をはっきり出さないと、いつでもこの議論で私は混乱を招くだけではないか。私たちは、今小選挙区にするというのには基本的には反対です。今政治の状況を見るときに、腐敗を断つという部分と選挙制度はリンクをしていることもたくさんある。しかし、まずは選挙制度と切り離してやらなければいけないということもある。そして、必ず今言われる腐敗を断つためにあるいは金のかからない政治をするために、小選挙区制がベストであるのかどうかは、日本の政治構造に重大なリンクをしていて、政治構造が変わらない中で、今のような状況の中で、小選挙区制をするということは、腐敗はなくならないし、残念ながら自民党多数の政権が続くことになる。そして、言われるような、小選挙区制が本当に機能するような状況にしようと思えば、これは私見ですけれども、二度の衆議院選挙を経る、八年ぐらいはかかるのではないかというふうに私は思ってます。 そういうふうないろいろな議論をしていかなければいかぬ。そのときに、この国会決議というもの、例えば今回でも、先ほど私はざっくばらんに言っていただいてありがたかったのですが、この国会決議の趣旨は明確に中選挙区制であり、抜本是正もそうしてやっていかなければいけないということと、一方、政治のあり方をどうするかというのは、私は分けて議論をしていただくべきだというふうに思っております。この前、当時の海部総理が、あれは国会決議の趣旨に沿って、国会決議には抵触しないんだというふうにおっしゃったことは、私は違うと思いますし、政治家のとるべき姿勢としては、説得としては、環境も違う、物の考え方も違う、政治状況も違う中で、国会決議はあるけれども、こういうものの方がいいと思ってやるというふうな態度こそ国民に対する政治として私は正直だ。いろいろなことは決めている、それは守っているんですよ守っているんですよと言いながら、なし崩し的に物事を解釈して変えていくということ自体が私は政治不信の根幹にかかわってくる問題だという意見を持っておるわけですが、どなたか御所見があればお聞かせをいただきたい。
○梶山議員 先ほどから申し上げているとおり、国会決議は大変重要な重みを持つものとして私は認識をいたしております。それから、昨年の海部前総理のもとで出された政治改革三法案。それぞれの思惑があったと思いますが、いわゆる制度論も、あるいは定数是正も、その他の問題も一挙に解決するのにはこれが一番いいという判断を彼はして、あの当時出されたと思います。結果としてこの三法案が廃案になったことも現実でございます。ですから、国会決議を踏まえ、なおかつ前の三法案が出されたという経緯と、それから出されたけれども廃案になったという経緯、私はどちらを重くとるかといえば、もちろん国会決議をとらなければならないと思います。 しかし、現実に三法案が提案をされて皆さん方の審議の俎上にのったということは、そういうものを、認知したという言葉がいいかどうかはわかりませんが、少なくともそういうものが現実に自民党の中にあるという姿は、これは全くないと言えばうそになるので、うそのものは出せませんし、そういうことがあれば、少なくとも最大与党の自民党がそういうものを党議決定を行い、やったという現実、これは率直にお認めを願わないと、廃案になったという現実はございますが、この事実があるという、それを踏まえて、なおかつ議論がこれから並行的に行われるべきもの、そういうふうにぜひひとつ御理解のほどを願いたいと思います。
○川端委員 選挙の法案に関してはこれぐらいにいたしまして、当時でいえば私の先輩たちでございますが、そういう中選挙区制でもって国民の一票の格差を尊重して抜本的に改正していこうという中で定数是正をきっちりやろうと決議をされた。このことに関してその第一段階として、これは多少の時間がかかるという意味で、現在の国会で緊急的にこのことをやるということに関しては、私たちは理解をいたすものでございます。ただ、このこと自体が将来選挙制度を含めた議論という中に国会決議との整理という意味では、私は、選挙制度も各党がテーブルにのせて、本当によりよい選挙制度をどうしていこうかというテーブルをつくるところから始めないといけないのではないかという感想を持っております。 これでそのことは終わりにいたしまして、先ほど少し触れましたけれども、本案には直接的には関係がございませんが、政治改革協議会あるいは実務者会議、私もその一人としていろいろ勉強させていただきました。そういう中で今までの議論を含めて、いわゆる選挙制度にかかわらない、今日の政治状況の中で国民が期待しているものという部分で、選挙制度にダイレクトにつなげていけばみんなお金がかかるということかもしれませんが、最近のいろいろな議論を聞きますと、お金がかかるのは選挙制度だ、だから、お金がかかるという状況を置いておいて罰則だけきつくされるとたまらぬなということがよく言われます。それと、自民党の場合は同じ選挙区で複数の候補者が争うケースが多いから、サービス合戦になるんだ、政党よりもということがございます。しかし、これもいろいろな意見がありまして、果たしてサービス競争や利益誘導やお金を使うということをやめるのは選挙制度だけで済むことなのか、あるいは選挙制度とは違うんではないかというふうなこともいろいろ議論をしていきたいものだと思います。 ただ、そこまでの話ではなくて、今日の政治状況、東京佐川急便事件を引き起こし、明るみに出、そしていろいろな問題を起こしているという、この国民の政治不信、それから、何とか国会もみずからやれないのかという中で最終的な改革、まだまだペンディング事項がたくさんあります。この部分に対していろいろ積み残しの部分がありまして、選挙制度にかかわらない部分を含めて、今自民党としては国民のこういう政治不信を解消するのに、抜本案ということではなくて、どのようにこれから取り組もうとしておられるのかという姿勢をお聞きをしておきたいと思います。 〔石川委員長代理退席、委員長着席〕
○森(喜)議員 ここにいらっしゃる我が党の政治改革本部の皆さんは、もうこの議論が党内で、正式なものも含めましてかなり、数年前から携わっておられまして、特に政治改革三法を出しました当時の、その時期ごろから、まさに三年近くこの論議を進めております。 今、川端さんおっしゃいましたように、サービス合戦というもの、これが政治活動とどうかなという、果たしてそのことが正しい政治活動なのかなという問題提起もございました。私は生意気なことを言うようでありますが、選挙制度の、あるいは政治のあり方、あるいは選挙が行われるという行為、これはやはり経済状況とか社会の状況の変化によってかなり大きく変わっていくと思うのです。私の子供のころのことを思い出しますと、選挙になると何か集まりがあって、余りこういうことは記録にとどめおくことはよくないかもしれませんが、二合瓶に何か折り詰めなどがあるというのは政治の集会の普通の形でございました。私が当選をいたしましたときなどでも、まだ選挙の演説会などでボールペンなどを配っているような例も、これは名前は申し上げませんけれどもございました。恐らく今の国民は、二合瓶でお酒を飲ましてもらったり、おりまみをもらうことに、そんなに喜ぶ人はもういなくなってしまった。とすると、逆に言えば、政治活動を国民の皆さんに知ってもらうのに一体どういう方法があるだろうか。 例えば、ダイレクトの手紙を出す、あるいは国会でこういうふうにやりとりをしたことを自分なりの後援会の新聞をつくって後援者にお配りをする。これは大変御無礼ですが、今の選挙区で一人を出しておられる政党の皆さんだと党で全部やれるわけですね。党の広報活動で全部それはカバーできます。ところが私どもの自由民主党は、仮に、自由新報という新聞がございまして、津島さんがさつきからいろいろな議論、答弁をする、これを全部自由新報が書いて青森県の一区に配りますね。そうすると大島さんの後援者はこれを配らないですよ。わかりますね、その理屈は。(「党の新聞も配れないの」と呼ぶ者あり)配れないのですよ、それは配れませんよ、やはりそんなものですよ。そうしますと、大島さんと津島さんと同時に出て、同じ行数で同じようなテーマで出したら、これはどちらも投票をいただけるための、支持を取りつけるための行為とすると、何もやらなくても同じことになってしまうわけですね。 そこで、それぞれ個人がいろいろな議論、いろいろな運動、活動をしようということで、例えばポスターを張ろうとする。これは井上先生、お名前を出して恐縮でございますが、実務者会議のときも、ポスターが、あの参議院の選挙の前に余りにも金がかかる。ポスターを印刷し、それを張るという行為は大変なことだから、ポスターの制限をしようじゃないかと、たしか石井さんでしたか、随分論議をされました。ところが皆さん、どの政党だとは言いませんが、たしかあのとき井上さん、反対をなさったと私は記憶しております。このポスターも、今印刷して張るためには、仮に東京都で、あるいは大阪府で、全部にむらなく張ると一体一回幾らぐらいの金がかかるかということを考えますと、政治活動はもはや、サービス合戦という、昔で言うお酒を飲ましたり物を配ったりということではなくて、政治家としての広報活動、有権者との関係をできるだけ構築をさせていく、そういうことに大変大きな金がかかる。それを実は私どもは政党でできなくなってきている。 ですから、やはりどうしても小選挙区制がいいのかな、党の上に乗っかる小選挙区制がいいのかなということになりますが、この小選挙区制についても我が党にはいろいろな議論があります。それから、仮にこのことを国会にお出しすれば、各党の皆さんからまた相当な反発が来るだろうということも考えなければなりません。そういう意味で、えらく長くなりましたが、私も答弁の機会がなかったものですから、一回しかなかったものですから、二回ございましたか、少し長くなりましたが、ですから、ひとつこういうことは、我が党としても、そういうことも全部踏まえつつ、また、国会に出した場合に野党の皆さんがどういう対応をしてくださるだろうか、そういうことも含めて、各般のいろいろな意見をとりながら抜本改革というものに今取り組んでおります。おおむね、資金の問題、倫理の問題、透明度の問題、いろいろございます。国会改革もそうでしょう。しかし、やはり帰着するところは結果的には選挙制度だろう。選挙の制度をきちっとしなければいかぬだろうというのが、今我が党のおおむね成熟した意見です。 ただし、今ここですぐ何か考え方を示せ、十一月の末までには全体像を示そうと考えましたけれども、やはりこれは衆議院選挙だけじゃないだろう。衆議院選挙と、参議院のことは後でというわけにも当然いかないだろうし、あるいは小選挙区制を自由民主党が仮に考えましても、東京の方を考えると、区会議員や都会議員の選挙よりも実は衆議院の選挙は小さくなるというケースも出てくる。これで一体問題はないのだろうかということも考えなければならぬ。地方の選挙制度についてもやはり少しは検討を加えていかなければならぬのではないか。そういうこと全体を踏まえて自民党案を決定をしようということで、今まだ、成熟はしてきておりますが、結論を出すまでには至っていないというのが我が党の政治改革の議論の大体の進捗状況でございますことを、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
○川端委員 今国民が金まみれのスキャンダルに非常に怒りを持つという中で、もういろいろな、国会報告会や、自前の機関紙やはがきや手紙はいっぱいいただいているから、それは金がかかっても仕方がないなというぐらいの、そういうことの話は余りないのですね。 現実に私も自分で新聞を二ケ月に一回つくって、送るほどのお金はありませんから可能な限り手で配って、二ケ月に一回必ず出すということでやっておりますけれども、その費用は確かにかかります。しかし、そういう部分で物すごくお金がかかるということであれば、私は、これだけの大きな怒りにならなかったのではないか。国民はその分で、そしておっしゃるように飲み食いとかという分で、バス旅行だの何だのというのをやっておられる方もおられますけれども、そういうものに物すごくかかるということの実感も余りないのではないか。だから国民のサイドから見ると、政治家がそんなになぜお金かかるのというのが率直なところではないかな。私はそこの部分が、よく、新聞出したら、はがきを一枚出したら、封筒出したらこんなにかかりますよということをおっしゃるけれども、現にそういう収支報告なんかを見ましても、いわゆる宣伝費であるとか活動費、正味のそういう機関紙をつくるとかいう純粋な政策活動ということではなくて、何かよくわからぬけれどもお金が随分かかっている。かかっている、かかっていると言うけれども、何にかかっているのかな。いやいやかかるんだと言って、何かややこしい金が表に出てくるから余計わからないという話だと私は感じています。 それと、小選挙区制になれば何かバラ色の仕組みであるかのごとき話がよくあるのですけれども、本当にそうなのかな。選挙区の区割りが、一人区が小選挙区、二名以上が中ないし大選挙区という分類の仕方というのを先ほどおっしゃいましたけれども、この前の参議院の選挙で二十幾つは定数一名の選挙区選挙が行われました。そこで、政党本位で自民党は、社会党は、公明党はというか、一人区ですと大体のパターンは、自、社、共でお出になるか、自、連合、共というのが多かったと思いますが、そこで政策本位の選択も確かにあったでしょう。しかしそうではない、やはり同じような、自民党がいいからということではなくて個人本位の選挙をおやりになった方もたくさんおられると感じております。そういう意味では、後援会をきめ細かくつくり日常からという、膨大なお金を使ってやるという選挙もやはりあることはあるのですね。 ですから、そういう部分では、すべて万能ではもちろんないし、選挙制度に非常にリンクしている部分もたくさんあるけれども、そうでない部分という、比較的少ない部分に関してはもう少し冷静な議論というものをぜひともに私たちもさせていただきたいし、そのテーブルにはついていただきたいとお願いを申し上げて、時間が来ましたので終わります。 —————————————
○松永委員長 この際、公職選挙法の一部を改正する法律案起草の件及び政治資金規正法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。 両件につきましては、先般来の政治改革協議会における合意に基づき、理事会におきまして御協議をいただいたところでありますが、お手元に配付いたしましたとおり起草案を委員長から御提案いたしたいと存じます。 両起草案の趣旨及び内容につきまして、御説明申し上げます。 まず、公職選挙法の一部を改正する法律案について申し上げます。 本案は、最近における選挙運動等の実情にかんがみ、適正な選挙制度の実現を図るため、公職にある間に収賄罪を犯し刑に処せられた者に係る公民権の停止、選挙運動期間の短縮、供託金の額の引き上げ、選挙公営の拡大、政治活動のために使用される文書図画の掲示に関する規制、報酬支給の対象となる選挙運動従事者の増員、当選人等に係る刑事裁判の迅速化等所要の改正を行おうとするものであります。 次に、その内容について御説明申し上げます。 第一は、収賄罪を犯し刑に処せられた者に係る公民権の停止であります。 公職にある間に犯した収賄罪により刑に処せられその刑の執行猶予中の者は、選挙権及び被選挙権を有しないことといたしております。 第二は、選挙運動期間の短縮であります。 各選挙の選挙運動期間につきましては、衆議院議員の選挙については十五日間を十四日間に、参議院議員の選挙については十八日間を十七日間に、都道府県知事の選挙については二十日間を十七日間に、指定都市の長の選挙については十五日間を十四日間にそれぞれ短縮することといたしております。 第三は、供託金の額の引き上げであります。 各選挙の供託金の額につきましては、実態に合わせてそれぞれ引き上げることといたしております。 第四は、選挙公営の拡大であります。 まず、国政選挙につきましては、衆議院議員及び参議院選挙区選出議員の選挙において、公職の候補者は、その者に係る供託物が国庫に帰属することとならない場合に限り、一定の額の範囲内で、選挙運動用通常はがき、選挙事務所表示用立て札・看板等を無料で作成することができることといたしております。 また、地方選挙につきましても、都道府県の議会の議員並びに市町村の議会の議員及び長の選挙においては、選挙運動用通常はがきは無料とすることとし、都道府県及び市の議会の議員及び長の選挙においては、当該地方公共団体は、当該公職の候補者の選挙運動用自動車の使用及び選挙運動用ポスター等の作成について、その者に係る供託物が当該地方公共団体に帰属することとならない場合に限り、国政選挙の場合に準じて、条例で定めるところにより、これを無料とすることができることといたしております。 第五は、政治活動のために使用される文書図画の掲示に関する規制であります。 公職の候補者等の政治活動のために使用される当該公職の候補者等の氏名または氏名が類推されるような事項を表示するポスター及び後援団体の政治活動のために使用される当該後援団体の名称を表示するポスターについては、その表面に掲示責任者及び印刷者の氏名及び住所を記載しなければ、これを掲示することができないことといたしております。 第六は、報酬支給の対象となる選挙運動従事者の増員であります。 報酬支給の対象となる選挙運動のために使用する事務員及び車上運動員の数の上限を五十人とすることといたしております。 第七は、当選人等に係る刑事裁判の迅速化であります。 いわゆる百日裁判の対象となる刑事訴訟については、裁判長は、第一回の公判期日前に、審理に必要と見込まれる公判期日を一括して定めることといたしております。 なお、この法律は、公布の日から施行することとし、政治活動のために使用される文書図画の掲示に関する改正規定は、平成五年三月一日から施行することといたしております。 次に、政治資金規正法の一部を改正する法律案について申し上げます。 本案は、政党その他の政治団体及び公職の候補者の政治活動の公明と公正を確保するため、政治資金パーティーについての規制、政治資金の運用の規制、政治団体が有する資産等の公開、政治活動に関する寄附等への公務員の関与等の制限、寄附の量的制限違反に対する罰則の強化、違法な寄附の没収等所要の改正を行おうとするものであります。 次に、その内容について御説明申し上げます。 第一は、政治資金パーティーについての規制であります。 政治資金パーティーの開催は政治団体によることを原則とし、政治資金パーティーごとの収入金額等の会計帳簿への記載や一定規模以上の政治資金パーティーごとの収入金額等の報告を義務づけることにより収支の明確化を図るとともに、政治団体以外の者が一定規模以上の政治資金パーティーを開催する場合には、その者を政治団体とみなして、事前の届け出、その収支の報告等を義務づけることといたしております。また、政治資金パーティーの対価の支払いに関する制限及び政治資金パーティーの対価の一定額を超える支払いをした者の氏名の公開をすることといたしております。 第二は、政治資金の運用の規制であります。 政治団体が有する金銭等あるいは公職の候補者が有する政治資金に係る金銭等の運用は、預貯金、国債の取得等の確実な方法に限定することといたしております。 第三は、政治団体が有する資産等の公開であります。 政治団体の資産等の状況を明らかにするため、政治団体が有する土地、建物等の不動産、取得価額が一定金額以上の動産その他有価証券等の資産等を公開しなければならないことといたしております。 第四は、匿名寄附の禁止の特例であります。 匿名寄附につきましては、政治資金の公正さや透明性を確保する見地から禁止していますが、その特例として、街頭または一般に公開される演説会もしくは集会の会場において政党または政治資金団体に対してする寄附でその金額が千円以下のものに限り、これを適用しないことといたしております。 第五は、政治活動に関する寄附等への公務員の関与等の制限であります。 国及び地方公共団体の一般職に属する公務員等は、その地位を利用して、政治活動に関する寄附または政治資金パーティーの対価の支払いに関与してはならないこととするとともに、何人も、公務員に対し、これらの行為をすることを求めてはならないことといたしております。 第六は、寄附の量的制限違反に対する罰則の強化であります。 寄附の量的制限違反に対する罰則について、その法定刑に禁錮刑を加え、一年以下の禁錮または二十万円以下の罰金とすることといたしております。 第七は、違法な寄附の没収であります。 寄附に関する制限等の規定に違反して受けた寄附に係る財産上の利益は、これを没収し、またはその価額を追徴することとするとともに、あわせてその実効性を確保するため、政治団体に対する処罰規定等所要の規定の整備を行うことといたしております。 なお、この法律は、平成五年一月一日から施行することといたしております。ただし、政治資金パーティーに関する改正規定は、同年四月一日から施行することといたしております。 以上が両起草案の趣旨及び内容であります。 —————————————公職選挙法の一部を改正する法律案政治資金規正法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○松永委員長 これより宮澤内閣総理大臣に対する質疑を行います。三野優美君。
○三野委員 私は、ただいまから宮澤総理に、今日の政治の現状及び政治改革について見解を聞きたいと思います。予算委員会に続いて大変御苦労ですが、ぜひおつき合いをいただきたいと思います。 さて、質問に入る前に総理にお願いしておきたいのですが、あなたの国会答弁をしばしば聞いておりますと、政治改革の主要な部分については、今自民党内部で検討しているだとか、そのことは与野党協議でいろいろとやってもらいたいとか、そういう答えが非常に多いのでありますが、私はきょうはそういうことを聞くつもりは全くありません。あなたが総理・総裁として、しかも政治家として今日の政治的な現状をどう見るのか、これにどう対応しようとしているのかを国民の前に明らかにしてもらう、このことが今から私が質問をする趣旨でございますので、そういう立場でお答えをいただきたいと思います。 さて、去る二十六日、七日に竹下元総理そして金丸副総裁の証人喚問が行われました。戦後、かつて総理大臣経験者が国会に政治的な疑惑で証人として呼ばれたのは、幣原内閣、芦田、そして東久邇、吉田、中曽根内閣と続いたわけであります。鈴木元総理は参考人でありますが、これもやはり疑惑絡みで国会に出てこられました。今回の竹下、金丸両氏の国会召喚というのは、我が国の最高の政治指導者が政治疑惑をもって国会で証人喚問を受ける、とりわけ暴力団が政界中枢に関与し、このことが諸外国では、日本の政界は前近代的なことが行われているというように報道されてきたわけであります。 さて、私も県議会で五回ほどお世話になり、国会に今来ているわけです。政治に参加させていただくことに誇りを持ってやってまいりました。しかし、今や政治家であることが実は恥ずかしい思い、駅や空港で人に会うことがつらい思いをせざるを得ないというような、極めて我々政治家の品位というものが問われ、我々、自尊心そのものも傷つけられているわけであります。 さて、今度の竹下、金丸両氏の問題というのは、宮澤政権生みの親でもあろうと思います。したがって、今日のこの二人の疑惑に対し、国民の怒りはその頂点に達しておると思うのでありますが、宮澤総理、あなたは今日のこの国民の怒りというものをどう受けとめ、あなたの生みの親である竹下、金丸両氏の国会喚問という問題について今どういうように考えておられるのか、素直にひとつ答えてもらいたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 ただいま御指摘がございましたように、今日の国民の政治に対する不信というものは、本会議でも申し上げましたが、かつて例を見ない厳しさを持っておるというふうに感じております。私自身も、かなり長い間この世界にお世話になっておりますけれども、幾たびかスキャンダルというようなものがございましたが、このたびのような異常な国民の不信というものを初めて今回感じる。それは一つには、やはりここのところ何年か、次々不祥事件がございました。その間、政治改革ということが言われながら、いろいろな事情のために十分にその成果が上がっていない、そこへ今回の出来事というようなことでございましたから、国民の怒りというものはそれだけやはり厳しかった、現に厳しい状況であるというふうに考えます。 このたびの一連の事件、ある者は現在検察当局の捜査を続けておりますし、またある者については既に調査、捜査を完了しておる、あるいは公判継続中であるという者もございます。また国会におかれて、国政調査の立場から証人等を喚問せられての真相究明も行われている。もとより世論の批判は極めて厳しいものがございますし、また、政府以外のいわゆる非政府の団体においても、これについてのいろいろな運動も起こっておるというような状況でございます。私自身といたしましても、私どもの党内、しかも党内の有力な指導者の何人かの方がこのたびの事件で既に刑を受け、あるいは疑いを現に受けているというような状況でございますから、私どもの党にとりましても、これは容易ならぬ事態でございます。 政治改革につきまして、実はいわゆる緊急改革につきましては前国会において必要な法律の成立をお願いいたしたいと考えておりましたが、いろいろな事情でそれがおくれましたので、その後党首会談等を通じまして、この国会においてはぜひ早い機会に、できるならば冒頭に処理をお願いいたしたいということをお願い申し上げておりました。幸いにして、各党協議あるいは実務者会談等を経まして、十八項目のほかに二つと申しますか、三つと申しますか、合わせまして国会において御審議をいただくことになりました。また、いわゆる選挙制度の問題につきましても、これも実務者会議等を経まして、とりあえずの緊急措置というものについて御審議をいただくことになりました。これはまことに感謝にたえないところでございますが、これらはいわば緊急改革に属することでございまして、本来この緊急改革は、抜本改革を背景にしての緊急という性格を持っておるものと私は理解しておりますので、私どもの党内におきまして抜本改革をいかにすべきかということについて今日までかなり詰めて議論が行われておりまして、間もなく総裁であります私に政治改革本部としての答案を示してくれることになっております。 それらは、多くのものは再び立法をお願いしなければならない性格を持っておりますが、一部は私ども自身の党改革、すなわち立法を要せずに我々自身によって党の改革を行うという部分もございまして、私といたしましては緊急改革を今国会で成立をさせていただき、引き続き抜本改革について御審議を仰ぎたい、こう思っているところでございます。
○三野委員 要点だけ答えてください、時間がありませんから。 それで、さて総理、このような政治状況にあって、あなたが政府を代表する総理として、自民党の総裁として、今何をなすべきかということをお考えなんでしょうか。金丸さんは御承知のとおり、世論の厳しい怒りのもとでついに議員辞職をされました。竹下さんも政治家として身の処し方があるだろうと思うのであります。本人は証人喚問の際かなり無理な発言をしておられます。もし議員辞職をすれば暴力団との関係を認めることになるのではないかということで辞職を否定をし、強弁されているわけですが、恐らく人間としての良心からして世論のこの厳しい声の前に今思い悩んでいるだろうと私は思うのであります。 かつて私の同僚であった上野建一君が去る三月十一日、真里谷にかかわる問題で議員を辞職いたしました。その際私は、ちょうど私は本会議の横の議席でございますから常日ごろ長い友人としてのつき合いをしているわけです。彼のこの事件の際に、私はみずからも政治家として、いわば彼に友人として何をすべきなのかということを考えました。恐らく戸惑っているだろうと思って、居場所を調べながら電話で私は彼に辞任を求めたわけであります。そのときに彼は、もし辞職したらば不法なことをやっていたのではないかと思われるから辞職はできない、こう言いました。しかし、私はその際に、法律的に不法なことがあるかないかは別として、あの真里谷という問題の事業主とおつき合いをし、便宜供与があったことは事実であろうと思う。したがって、世間は厳しい目で見ているよ。今政治に当たる者がこの世間の厳しい目にさらされながらどう対処するかということは、人間上野建一として政治家として最低やるべきことなんだ。したがって、私は非常に厳しくつらかったけれども、彼に直ちに辞任しなさい、こう言いました。そうしたら、彼はそのやりとりの中で最後に、わかった、直ちにそういう措置をとろうと言ったのであります。 さて、あなたが最もお世話になった竹下さんに対して、友人であり同僚であり、あなたの生みの親なんです、それに対してあなたが友人として自民党総裁として、今の政治的道義的責任において竹下さんに進言することがあるでしょう。今のこの世論の激しい怒りの前で居座ることが人間竹下さんが生きることなのか、それとも政治家として議員を辞するということも含めて対処するのか。あなたが竹下さんに何か言いたいことはあるでしょう。そのことはやられませんか。聞いておきたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 せんだって竹下元総理が予算委員会におきまして証人として述べられましたこの問題についての御心境は、私も承って承知をいたしております。そのようにただいまお考えであろうかと思いますが、他方で、議員辞職ということについてどのように考えているかということがただいまのお尋ねの要点でございました。 これは、私はいろいろな考え方があると思いますし、大変に難しい問題だと思いますけれども、最終的にはやはり議員一人一人の自分の判断ということに帰するであろう。と申しますのは、やはりお互いこの世界でいわば御奉公しておりまして、我々自身が有権者からの信頼を失うに至った、あるいは有権者から負託された仕事を十分に行い得ない状況になると判断した場合には、自分として自分の資格をおのずから失わしめるという、そういう決断をとるということは十分に理解ができることでございます。職責を十分に果たし得ないということになりました場合のことでございますが、そのごとく我々のお互いに議員である立場というものは、有権者の信頼と負託の上にのみ、それによってのみ可能である職責でございますから、ある意味でそれは極めて神聖な職責であると考えなければなりません。 そういう意味で、自分自身が事を決する場合に、今二つの要素を自分で考えてみて、そして自分としての決心をするというのが民主主義の基本である、我々がよって立っている自分の職責を全うするゆえんではないか、私は原則論としてはそのように考えております。
○三野委員 まさに自分が議員としてその職責を全うできるかどうかということを自分で判断するのは当然だろうと思います。あなたの言われるとおり、政治家として自分で決めることだろうと思う。しかし、今のこの激しい世論の怒りのもとで、率直に言って竹下さんがこれ以上議員の任務を果たせる状況にあるとは世間は思っていないと思います。ですから、竹下さん、あなたおやめなさいというコールが全国で巻き起こっているわけです。地方議会でさえその責任を問う決議がされているという現状なんです。 そういう状況の中で、あなたは友人として、そして総理・総裁として竹下さんに、今そういう社会的な状況というものをにらみながら、友人としてつらいだろうけれども、議員辞職を進言することは、あなた以外ないと思いますよ。それが本当の友情だろうと私は思うのです。あなたの認識からいえば今の世間の竹下やめろのコールが間違いであって、あなたは総理・総裁として彼に何の進言もする用意はないということですか。
○宮澤内閣総理大臣 ただいま客観的な判断という意味で仰せられたと思いますが、世間からしてということも仰せがありました。しかし、先ほど私が申し上げましたことをもう少し厳しく考えてまいりますと、結局それは自分と自分を選んでくれた有権者との関係、やはりそういうふうに考えなければなりません。それによって我々は我々の職責を与えられているのである、その負託によって我々は責任を遂行しておるのでありますから、やはり最終的には私はそう考えるべきものであろうというふうに自分としては思っております。私は自由民主党の総裁でございますから、たとえつらいことでも何でもしなければならないことは私は必ずするつもりでございますが、考え方は、私はただいま申し上げましたように考えます。
○三野委員 総理、あなたがすべてにそういう態度をとるから、国民から宮澤総理の顔は見えないというわけなんです。今の世論調査もそういう結果をあらわしているじゃありませんか。そのことが逆に言えば政治全体の信頼をなくしていることをあなたは知らなければならぬと思う。やはり政治全体に対して総理・総裁として責任を持つという態度がなければ私はこれからの政治改革はできていくと思わないし、国民は納得しないだろうということを申し上げておきます。これ以上の押し問答はやめておきますが、どうぞひとつ、私も上野君に言うことは厳しかったです。しかし、友情として言わざるを得なかった。私はそれが同志として最もとるべき態度だと思ったから言ったわけです。あなたもぜひ御検討された方がいいだろうということを申し上げておきたいと思います。 さて、先ほどから今日の認識について聞いたらば、当面する九増十減あるいは当面の二十一項目の問題についてあなたは触れておりましたが、今国民が求めているのは抜本改革なんです。党で議論しているから間もなく抜本改革が出てくるだろう、出てきたら言うべきことは言います、こう言っているのです。そうではなしに、あなたが総理・総裁としてこういう方向で抜本改革をやってもらいたい、この政治腐敗、不信をなくするためにはこれしかないのだということを示さないわけであります。ですから、国民はやはりまたやれないのじゃないかということになっているわけです。この点についてひとつぜひお答えをいただきたいと思います。 時間の関係で、続いて政治と金の問題についてお聞きいたします。 自民党の皆さんから私もよく聞くのでありますが、政治には金がかかる。若い人でも一年間に選挙のない年でも一億二千万から一億五千万の金がかかる、こう言うのです。そのために、日常的に金集めに大変苦労されて努力されているようであります。パーティーもその一つでありましょう。選挙に当たっては、その事前活動も含めて数億もの金がかかると言うのです。 総理、あなたも長年政治生活をなされ、宮澤派の会長として多くの議員の指導と援助をしてまいりました。政治にはそれほど金がかかるのですか。何に必要なんでしょうか。何のために億の金が要るのか、政治家は一体どんな生活をしているのか、どんな選挙運動をしているのかということは、国民にはさっぱりわからないわけであります。国民の皆さんはそこが知りたいわけです。あなたの見た議員生活と金の問題について、あなたの見解を聞いておきたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 ただいま、若い議員さんが年に一億二千万というお話がありまして、私も実はこの問題については非常に関心を持ってまいりましたので、これはいわば何人かの有志が文字どおり包み隠しなく現実にかかった費用を一年間集計をしてみた結果、最低で月に一千万円ということであったわけでございます。それを検討いたしますと、一番かかっております部分はいわば、当時、二年ぐらい前でございますが、冠婚葬祭を漏れなく対応するために、そのための費用と申しますよりは、そのために雇っていなければならない秘書、アルバイトの人たちの人件費、この方が実は大きい。つまり、漏れなくということは選挙区全部ということでございますので、全部にそういう人たちを配置をして漏れなくする、そのための人件費というのが月にやはり数百万円になっておる、これが一番大きいということがわかっております。 そこで、この点は幸いにして、冠婚葬祭について一定の制限が置かれましたので、その後かなりはよくなっていると思いますけれども、やはり大きいのは人件費である。それで、おまえはそういう状況をどう思うかというお尋ねでしたが、若い有為な代議士さんに月に千万円ずつ金をつくらしてはならぬと思います。できても、私はそういうことをさせてはいかぬ。それならば先輩がそれを全部助けてやれるかと言えば、一生懸命やってみてもなかなか数になりますからできることではない。ですから、いずれにしても今のこのような情勢は長くは続けられない。こういう状況ではいい人はなかなか、若い代議士は出てこれない、それは日本の民主主義にとって非常に心配なことであるというふうに判断をしております。
○三野委員 実はここで月に一千万以上の金が要るとあなたは言われました。自民党の人もそんなことを言っているわけです。じゃ、一千万以上もの金の要る生活を、どんな生活をしているのだろうか、どんな議員活動をしているのだろうか。冠婚葬祭と言われていましたけれども、冠婚葬祭に年に幾ら出ているのだろうか、幾ら包んで行っているのだろうか。秘書の人件費が要るとあなたは言うけれども、国会は二人しか認めていません。ところが、実際には少ない人でも十人、十五人、多い人は二十五人という人がいました。それほど秘書が要るのですか。本当に要るのであれば、それはあなたの方で、国の方で手当てすべきじゃありませんか。 私は実はきょうは、国民にみんな知ってもらうために私の給料表、そして私の生活費を全部実は書いてきているのですが、時間がありませんのでそのことには触れられません。実は理事の人には一時間半も欲しいと言ったのですけれども、四十分ですからできません。 そこで、私は実は、今あなたも言われましたけれども、一部の学者や評論家の方々までもが、政治には金がかかる、したがって、広く薄く集めてその出と入りが透明であればいいではないかという意見があるのです。もし政治に多額の金がかかるのが当然なんだということを認めたならば、政界に出るのは特別な資産を持っているか、大企業に顔がきき、金づるのある人か、または官僚など大組織出身者の人でなければ選挙に立候補さえできなくなるのです。そうなれば、私のような山の百姓や一般のサラリーマンや中小商店主や家庭の主婦、庶民はもうその段階でもって政界から排除されるわけであります。そのことが、いわば今新人が参加できない、そういうことになって、二代目、三代目の人が自民党の中にも圧倒的に多いのでしょう。いわば政治に金がかかるのではなしに、政治家が政治に金をかけ過ぎているんじゃありませんか。 次の機会には私は、私も裸になります。総理、あなたにも裸になってもらって、国民に政治家の生活実態や選挙の活動の実態を見てもらいましょうや。そうでなければ、金がかかるかかると言ってみても、私は国民は納得しないだろうと思います。いわば、そのことが金権政治をつくり出し、政治が金によって堕落をさせてきたのであります。総理、政治に金をかけないためにどのような政治改革をあなたはお考えなんですか。
○宮澤内閣総理大臣 そこで、先ほども申し上げましたように、まずその出の方をどれだけ節約できるかということが問題になってきたわけであります、今でも問題でございますけれども。冠婚葬祭に漏れなくあいさつをする、電報を打つというようなことは、ほとんど意味のないことであります。お互いに人がやるから自分もやらなきゃならないということでずっとやってまいりましたけれども、まあ多少人情に反しましても、このことはもう一切やめようではないかというふうに実際事態は動きつつございまして、そのためにかなり、秘書と言わないまでも、アルバイトを雇うそういう数などはかなり減らすことができた。アルバイト一人でもやはり月に二十万円はかかりますから、そうしますと、数十人ということになれば数百万円になるわけで、そこから一つまずこれはかなり改善ができてまいったように思います。そのようにして出る方をどれだけ減らせるかということをまずもう少し私は徹底しなければならないと思いますが、それができますと今度は入る方をどれだけ透明にするかということになるかと思います。 なお、実はよって来るところは選挙制度にも問題があるんだということ、これはいろいろ御議論のあるところでございます。あるいはそうであるかもしれない。それからまた、このような政治活動はどっちみち、お互い代議士が自分がぜいたくをして金がかかるということはほとんどございませんから、やはり広い意味での政治活動に要する費用でございましょう。そうすれば、そのうちのあるものは公費によって負担をしてもらうことができるであろうか、それがいいであろうかといったような、そういう問題もまた入ってくるだろうと思いますので、つまり出る方をまずできるだけ制限をいたしまして、そうして入る方をいわば透明化する。そういうことになっていかなければならないと思います。
○三野委員 戦後、国会議員をめぐる汚職事件は、もう言うまでもありませんが、共和の阿部文男さんでもって十六件、四十三人です。これはそのすべてが全部企業献金ばかりなんです。個人の陣中見舞いや政治献金で汚職は一件もありません。ここに企業献金と個人献金の性格の違いをあらわしていると思うのです。個人には趣味や好き嫌いがあるでしょう。会社、企業が趣味や好き嫌いでもって経営している人がおるでしょうか。ここでどんな職種でどんな経営をすればもうかるかということでやっているのでしょう。利潤追求の目的である企業が政界に金を流したときには、必ずその見返りを求めるわけなんです。これが汚職を生み、そして汚職を生むのみならず、実は不公平な政治をつくり出しているわけです。 この間も国会討論を聞いてみました。いわば経済界代表の人が出ていた。あなた方が言われるように、企業も社会的存在だから政治献金をやってもいいではないか。しかし、その経済界代表の人も、我々も自分たちの政策を貫徹するために政界に金を出すのは当然だ、こう言うのです。いいですか、いわば見返りを求めているわけなんです。そこで企業献金が行われるわけでしょう。そうしますと、金の出せる経済界の人はいいでしょう。しかし、金の出せない一般の未組織の庶民、これは政治から排除されるわけです。ここに日本の政治の不公平さ、企業中心の政治が行われているわけなんです。したがって、政治の公平を確保するためにも、企業・団体献金は禁止すべきである、このことを我が党は主張し続けているわけであります。これについて、あなたはどう思います。政治資金規正法違反に対する公民権停止を含めた強い罰則を強化する気持ちはありませんか。
○宮澤内閣総理大臣 それにつきましても、御議論があることは存じております。私どもはよく、企業も社会的存在でございますから、企業から献金を一切受けてならぬというふうには思わない、しかし、それにはおのずから節度がなければならないということを申し上げてまいっております。企業の側からして、極端におっしゃいます方は、これは見返りを期待するのである、汚い言葉で言えば、これは一種の買収に近いものだというふうにおっしゃいますが、そうばかりではない。企業人として、国の政策、あるいはもっと基本的には体制というようなことについて非常に危機感を持っている人たちは少なからずおりますから、自分たちの国の体制というものが大事である。昨今でこそ共産主義というものはソ連からはなくなりましたけれども、やはり体制というものは企業にとって大事なことであって、それは私利私欲と申しましても、かなり大きな意味での政治に対する関与であり、関心でございますから、それが間違いだとは言えないだろう。しかし、それにしても企業からの献金には限度があってしかるべきだということは、節度があってしかるべきだということは、私もそのように思います。 もう一つ、一つ一つの企業が自分の貢献をいいことにして大きな発言権を持つということは好ましいことではございませんので、それで、もうここ三十年近くなりますが、それを国民協会、今は何でしたか、そういう団体においてまとめまして、そして一つ一つの企業の発言力が露骨にあらわれないようなことは、制度としてもここまで発達をしてきたわけでございます。
○三野委員 これまた、また機会があったら続けて議論しましょう。公選法と連座制の強化についてお尋ねします。 去る三十九回の総選挙で、投票日から五十日間で検挙されたものが三千三百件余り、逮捕者は八百四十五人、その九〇%までが買収事犯ばかりであります。現金の買収は増加してきています。一件当たりの買収金額は平均五十二万円、前回の二倍以上であります。とりわけ激しかったと言われる奈良、奄美群島では、特に奄美群島は一人区でありますが、ここでは一票の値段が最高五十万円だと報じられたのであります。このような選挙が国政や地方の政治に横行しているわけであります。昭和二十九年十二月の公選法改正以来、国会議員が連座制を適用されたのは、失格になったのは三十年二月の福島一区の選挙区だけ、まさにざる法そのものであります。ここにも政治不信がある。連座制の強化、拡大によって政治の信頼を取り戻すという決意があるかどうかを聞いておきます。 最後にもう一つ聞きます。選挙制度について聞きましょう。 選挙は民意の正確なる反映、これが民主主義のもとにおける政治の原則でしょう。総理、あなたは民意の正確なる反映、そのための選挙制度というものに最もふさわしいのはどんな制度だとお考えですか。
○宮澤内閣総理大臣 ただいま買収についてのお話がございまして、これはもう言語道断でございます。幸いにして、買収という習慣は私は我が国ではかなり減ってきている。目覚ましく……(三野委員「ふえているじゃないか」と呼ぶ)今から数十年前をお考えになりますとおわかりになりますが、かなり減ってきております。それは国民がそれだけ意識が向上してきたということで、これは喜ばしいことでございます。それから一般論として連座制、これは、買収については言語道断でございますから問題がございませんけれども、連座制であるとか公民権についての規定、これは事犯によりまして人権の問題も考えていく必要があると思いますが、買収は言語道断と思います。 それから、どのような選挙制度が一番選挙をきれいにし、民意を正確に反映するかということは、これはいろいろに議論のあるところでございますから、それで国会でもこれについての御議論が長いこと続いておるのだと思います。今私どもの政治改革本部においてもそこのところが一番難しい問題でございまして、どういう制度であれば我が国の現状において民意を一番よく反映し、選挙がきれいになるか、それにつきまして、近いうちに私どもの党内での結論を得て、また国会にお諮りも申し上げたいと考えておるところでございます。
○三野委員 総理、選挙違反が減った、買収が減ったというのは間違いなんだ。買収事件はふえているのです。金額も多額に上っている。だから私は問題にしているわけなんです。先ほど例も挙げたでしょう。買収事犯そのものは最も悪くなりつつあるわけです。ですからこれに対して、例えば秘書や家族や後援会の少なくとも幹部が事件を起こしたときには連座制を強化して失格する、そして立候補制限をする、これがなければ国民は納得しませんよ。これだけ毎回毎回多くの逮捕者を出して、本人は公民権停止を受けておきながら、政治家は涼しい顔をしているわけでしょう。時間の関係で例を挙げませんが、私の県にも、この間の統一選挙でも地方議会は八割まで逮捕された。それでも県会議員はそのまま居座っているわけです。四回した県会議員で、奥さんは二回逮捕されている。自分の娘婿は一回逮捕された。それでも本人は傷がつかないわけです。これではだれも政治を信用しないわけです。だから、そこの連座制の強化についてあなたはどう考えているのか。やはり我々は自分にも厳しくなければならぬと思うのです。その点についてもう一遍答えてもらいたいと思う。 それから、選挙で民意の正確な反映、いろいろとあるなんて、いろいろとないでしょう。民意の正確な反映ということになると完全比例制しかないのでしょう。これがいいか悪いか、採用するかどうかは別ですよ。私は、民意の正確な反映が選挙なんだ、民意の正確な反映の手法としては何ですかと聞いているのです。小選挙区であったり何かではないのでしょう。完全比例制でしょう。そのことをあなたに聞いているのです。どうですか。
○宮澤内閣総理大臣 買収を重く罰するべきだということは、私は御意見と同じです。その場合、買収というのは金をもって票を買うという、一番原始的な姿はそういう姿でございますから、そういうことはもう許すことができない。ですから、そこはきちんとしました上で連座制なり何なりを厳しくするということは大事なことだと私は思います。 それから、どのような制度が一番民意を反映し、選挙がきれいにいくかということにつきましては、私どもの党内でもまだまだいろいろな議論がございますので、ただいまにわかにそれを申し上げる用意がございません。
○三野委員 これで終わりますが、そんなはぐらかしたようなことばかり言っているから国民は総理の顔が見えぬ、今の政治に対する不信がますます強まっているということを申し上げて、またの機会にいたします。ありがとうございました。
○松永委員長 次に、井上義久君。
○井上(義)委員 総理は、今国会の所信表明演説の中で、この政治改革の問題につきまして「国民の政治に対する信頼は、議会制民主主義の基本であります。今ここで国民の疑念が解消され、政治への信頼が回復されなければ、我が国の将来に大きな禍根を残すことになりかねません。」このような認識を表明されました。私も全く同感でございます。そういう意味で、今国会に、我々に課せられた課題は非常に重いというように私も受けとめているわけでございます。 それでは、総理御自身、今国会既に半ばを過ぎているわけでございますけれども、どの程度国民の疑念が解消され、そしてまた政治への信頼が回復されたのか、どのように認識をされているのか。証人喚問、竹下、金丸あるいは渡邉元社長、ようやく野党の要求で実現をいたしました。わずか二時間という証人喚問の時間、疑惑を解明するには余りにも制約が多い、そういう条件の中でありますけれども、疑惑はますます深まった。竹下氏の暴力団関与に関する結果責任というものも明確になった。そういうことを考えますと、さらにこの解明のために竹下氏の再喚問あるいは生原、佐川清氏というような関係者の証人喚問を引き続きやって、さらに徹底した解明をすべきだと思いますし、さらにまた、再発防止という観点からいたしましても、政治改革協議会で十八項目プラス三項目の合意がなされました。しかしながら、追加八項目についてそれぞれ議論したわけでございますけれども、自民党の皆さんの反対で結局国民の期待とはほど遠い内容になってしまった。合意というよりは自民党の皆さんの反対によってこの程度でしかできなかったというのが現状でございます。 そういうのが私自身の認識でございますけれども、総理御自身はどの程度この疑念が解消され、政治への信頼が回復されたのか、どのように認識されているのかということを初めにお伺いをしたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 どの程度というのは大変お答えにくい問題でございますけれども、当然のことながら検察、警察、いわゆる司直がこのたびの事件についてその職務を行い、そしてまた公判廷に付されておるものもございますが、国会におかれまして、国政調査の立場から証人を呼んで事態の解明を図っておられるということも、これも国民に対してはやはり一つの政治の自浄作用であるというふうに映じておるに違いないと思っております。 それと並行いたしまして、政治改革の問題でございますが、ともかくこうして十八項目プラス三項目について御審議をお願いし、そして成立をさせていただくことができ、また、いわゆる一票の価値の問題につきましても、国会としての御考慮を払っていただけるということがございますならば、これはただし緊急改革でございますから、それにさらに抜本改革がすぐに続いて行われるということになって、そして国民としては、しかしすぐに、これでもう問題が済んだとはなかなか思われないであろうと思います。やはり、そこはその後の政治の動きというものをかなり見ていなければ、急に安心するわけにはいかないという時間は、私はこれは事の性質上必ずどうもあることであろうと思いますが、そういうことの中から、徐々に政治の信頼を回復していく、こういうふうに考えるべきではないかと思っています。
○井上(義)委員 今国民は、国会の自浄能力、国会議員の自浄能力ということを非常に大きな問題にしていると思うのですね。 今回の東京佐川急便の問題というのは、第一義的には自民党内の問題なわけです。そういう意味で、やはり国会の自浄能力と同時に、各党がそれなりの自浄能力を持つということが非常に大事だろう、そう私は思うわけです。そういう意味で、自民党総裁としての総理は、自民党自身のこの問題の疑惑解明、自浄能力発揮のためにどの程度のイニシアチブを発揮されたのか、あるいはまた、この政治改革の議論、私も実務者会議のメンバーの一人として参加をしたわけでございますけれども、要するに収拾策を小出しにして野党の要求を値切る、こういう手法で今回追加八項目については三項目、実質的には二項目の合意しかできなかったわけでございます。そういう意味では、自民党自身のこの問題に対する対応に私は大きな問題があった。そういう面での総理のイニシアチブというものは、私は外から見ていてほとんど全くと言っていいくらい感ぜられなかったわけです。そういうことに、やはり国民も非常に強い不満を持っておると思いますし、それが支持率の低下になって大きく私はあらわれていると思うのですね。 そういう意味で、総理御自身は、この疑惑解明あるいはこの政治改革の具体的な問題についてどの程度イニシアチブを発揮されたのか、この辺を明確にしていただきたい、こう私は思います。
○宮澤内閣総理大臣 それは政治改革につきまして、十八項目プラス二あるいは三というような、いろいろ実務者会議でも御議論がございました。それはしかし、各党各会派におかれましておのおの御見解というものが必ずしも一緒でないわけでございますから、自民党が非常に消極的であって他の何々党は全部積極的である、そう簡単なことではなかろう、やはりおのおのの主張というものがあって、しかし、その上で二十一項目というものをまとめていただいたということは、私はやはりこれは政治改革にとっては一つの大きな進歩である。 他方で、今の現実に起こっております事件については、私どもの党としても、もちろんこれは大きな関心を持っております。ただ、現実には捜査が行われ、あるいは公判が進行中である、あるいは国会においてこのような、先週から今週にかけましての御審議が行われているような状況の中で、それと並行して党内で何ということは事実上難しゅうございますから、党内でもある段階において、党員として不適切なあるいは党紀を乱すようなことがあったということにつきましては、必要があれば解明をしてそれに対する対処をいたさなければならないというふうに思っております。
○井上(義)委員 国会で解明をしている段階で、党が並行してやることは難しい、ある段階で党としてもこの問題について対応したい、こういうふうにおっしゃったように受けとめたのですけれども、それでは具体的に自民党として、党の自浄作用として、しかるべき機関なり委員会なりをつくって、あるいは責任者を決めてこの問題に対するきちっとした見解をお示しになる、こういうふうに受けとめてよろしいのでしょうか。
○宮澤内閣総理大臣 別に委員会は必要でないと思います。党には執行部以下、人事はそろっておりますので、必要に応じて事態の解明をいたしていくということに考えております。
○井上(義)委員 国民に対して一定の結論を出す、このように受けとめてよろしいですか。
○宮澤内閣総理大臣 結論云々と申しますよりは、実際に党紀違反があるというようなことになれば、それはそれとして処置をしなければならない問題でございますから、事態の解明をやはりしていくということがまず行われなければならぬと思います。
○井上(義)委員 どうも抽象的な答えでよくわからないのですけれども、では事態の解明、疑惑の解明は党としてきちっとなさるということですね。
○宮澤内閣総理大臣 現在司直の手によって、あるいは国会の御解明によってなお残された部分があれば、これは党としては当然関心を持たなければいけないと思っています。
○井上(義)委員 それから、再発防止の問題について、何か自民党が消極的でほかの野党が積極的で、そういうことじゃない、それぞれの党の考え方でというお話があったのですけれども、はっきり申し上げて、追加八項目、一つ一つ議論をいたしました。ほぼ野党の主張というのは出そろっているわけでございまして、八項目全部今の段階で緊急改革として実施すべしというのが主張でございます。それに対して、はっきり申し上げて自民党は消極的であった、こういうふうに断言せざるを得ないわけでございまして、ちょっと認識が違うのじゃないか、こう思いますが。
○宮澤内閣総理大臣 しかし、少なくとも十八項目については、前国会以来こういう合意ができてきているわけでございますから、それはおのおのの党によっておのおのの主張がございましても、自民党が不熱心だと一概におっしゃることは事実ではないであろうと思います。
○井上(義)委員 いや、十八項目について申し上げているのじゃないのです。今回、この金丸事件を契機といたしまして、追加八項目ということで政治改革協議会で協議をしようということで、その八項目が実務者会議におりてきたわけです。したがって、この八項目について、これはここで明確に申し上げておきたいと思いますけれども、八項目全部実施すべしというのは野党の主張です。それに対して、事実上大半の重要な部分が先送りされたというのが現状でございまして、これは自民党の消極的な姿勢によると私は断言せざるを得ない、こう思いますが。
○宮澤内閣総理大臣 いや、私の申し上げておりますのは、前国会から少なくとも十八項目については合意ができておる、それが全部、あとのものが一緒に、合意ができなければ自民党というのは不熱心である、私はそういうふうには思っていない。やはりおのおのの党の考え方がございますでしょう。いずれにしても、しかしここで二十一項目の合意ができたということは私は大変に進歩であるというふうに思います。
○井上(義)委員 それでは、総理、この十八項目プラス三項目、事実上法制化等されるのは十六項目プラス二項目、十八項目ということになるわけでございますけれども、これによって何がどう具体的に、今いろいろ国民が問題にしていることに対して政治改革が前進をするのか、どういう認識をお持ちなのかということをお伺いします。
○宮澤内閣総理大臣 それは、御案内のように一から十八まで、行為規範、政治倫理規程、あるいは公選法関係は六つでございますか、それから政治資金規正法関係は七つでございましょう。一つ一つおのおのにつきましてこれは非常な改善があるというふうに私は思います。
○井上(義)委員 総理、よく所信表明演説の中でも述べられておりますけれども、政治資金は透明にしなければいけない、このようなことをいつも総理おっしゃっています。 では、今回の二十一項目で、透明化という観点に関して何か前進ありますか。
○宮澤内閣総理大臣 まず、規正法につきまして、パーティー関連のことは一つやはり適正化ができると思います。それから、資産公開についても言えると思います。それから、違法な寄附につきましての没収等々のことも言えると思いますし、また匿名寄附の取り扱いであるとか一般的な収支報告の改善であるとか、それは私はかなりこの中で透明化に資するものがあるというふうに考えます。
○井上(義)委員 申しわけありませんけれども、総理の認識、全く間違っております。今おっしゃったことは政治資金の透明化とは何の関係もない項目ばかりでございます。政治資金の透明化というのは、今通常言われておるように、政治資金の透明度は三%程度だ、この問題をどう解決するかということが政治資金を透明化するということなのですね。それは追加八項目の中で、指定団体の数の制限とかあるいは公開基準の引き下げ、これが最大の問題点だったわけです。ところが、今回の合意では、この二つの問題については、自民党の方から抜本改革にあわせてやるのだということで、現行選挙制度のもとでは透明化はできないということをはっきりおっしゃっているのですね。この点について、総理、どうお考えですか。
○宮澤内閣総理大臣 それは御主張のようになれば、それだけひとつ透明度が高くなるということは、それはそのとおりでございますけれども、先ほども申しましたようにどういうふうにすることがいわば現実的にやっていける限度であるかといったようなことも、現実の問題もこれは考えてまいらなければなりませんから、そういう意味で漸進的にやはり透明化を図っていく。一足飛びに最も理想的な厳しい案にすぐにいけないからといって、それはふまじめである、消極的であるというふうに私は一概に考えておりません。
○井上(義)委員 透明度が高まるということは、現状三%程度だ、これが例えば五%とか一〇%に高まるということを透明度が高まるということだろうと思うのですね。それはやはり公開基準を引き下げるとか指定団体の数を制限するとかということを具体的にやらない限り、例えばだれから、どの企業からもらったかなんということは全然わからないわけです。そういう意味では、この二つの問題というのは、透明度を高めるという意味では非常に重要な問題だったわけですけれども、これは先送りされてしまったというのが現状だということをぜひ認識をしていただきたい、こう思います。 今回、そういう意味では、この企業・団体献金の取り扱いの問題でありますとか、あるいはこの透明度を高めるとか、あるいは選挙腐敗防止、これらの問題が全部先送りされてしまったということは非常に残念でならないわけでございまして、そういう意味で引き続きこの問題について積極的に取り組んでいただきたい、こう思います。 時間がありませんので、選挙制度についてお伺いしたいと思います。 私どもも、現行中選挙区制は制度疲労を起こしているという認識を持っております。そういう意味で、今の選挙制度を抜本的に解決すべきである。その際は、やはり民意を正確に反映する比例代表制度というものを軸にして、しかも個人も選べる併用制ということを私どもは主張しているわけでございます。この比例代表、それからやはり選挙制度には、御党で今検討されておるように伺っておりますけれども小選挙区制、基本的にはこの二つの選挙制度というものがあって、その間にいろいろな折衷案、バリエーションというものが考えられているわけでございますけれども、総理御自身は、この日本の民主政治の発展にとって、現行中選挙区制についてまずどういうふうに認識をお持ちなのか。あるいは、もしそれを抜本的に変えなければいけないとしたらどういう方向性が望ましいのか、総理御自身の考えをぜひこの際伺っておきたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 その点を実は私どもの党内で今激しく議論をしているところでございまして、私はもう少し、私どもの党としての考え方をまとめるのにもうちょっとしばらく、大して時間はかからないと思いますが、かけたいと思いますし、またいわんや、各党におかれましてどのようにお考えかということは、これはまた同じでは必ずしもないであろうということは私も考えております。 そこで、中選挙区制についてどう考えているかということを私の自分の体験と申しますか、自分の党の立場と申します意味は、私どもの党では選挙区に二人以上の候補者を立てる場合が非常に多いものでございますから、そういう立場から考えますと、やはり選挙区において同じ党の者が選挙を争うということになってまいりますから、選挙そのものが政策本位で戦われるという、そういう本来望ましい姿とやや違った個人的な戦いに、争いになりやすいといったようなこと、それからまた、その結果としまして、党全体といたしましてもいろいろ世の中に言われているような弊害を起こしやすいといったような幾つかの弊害を、私どもの党の立場から考えますと感じております。ただ逆に、今度は中選挙区制であるがゆえに有権者に選択の幅をある意味で広くすると申しますか、そういう要素がないわけでもございません。ですから、どの制度でもそうでございましょうけれども、デメリットだけだというふうに考えることは間違いでございましょう。メリットもおのずからあるということで、まあ中選挙区制について私どもの党からいえば今のような問題があるということを申し上げることはできると思います。ただ、それは各党が同じような評価をしていらっしゃるとは限らないと思います。
○井上(義)委員 総理は、戦後政治を支えてきた方でございますし、長年政治家をやってこられた方でございますから、やはり最も重要な、民主主義の基本にかかわる選挙制度について、政治家としての一定の見解をお持ちだろうと私は思うのです。今この選挙制度の問題について国民的なコンセンサスを得るためには、大いに国民の間に選挙制度についての議論が沸騰しなければいけない。そういう意味で、総理みずから政治家としてこの選挙制度ということについてどういう信念をお持ちなのか、そういうことをやはり積極的に語るということが私は必要だと思いますし、ぜひ語ってもらいたいということを再度質問します。 と同時に、もう最後でございますので、抜本改革、十一月末までにお出しになる、こういうふうにお約束されておりました。どうもそれが延びているようでございますけれども、やはりこの緊急改革を今回やるということは抜本改革が当然あるということが前提になっているわけでございまして、この抜本改革をいつまでに国民に明らかにされるおつもりなのか、この辺をはっきりしていただきたい、こう思います。
○宮澤内閣総理大臣 どのような選挙制度が望ましいかということについて、私どもの党として、これは私の意見ももちろん交えましてですが、一つの結論を得たいと思っておりますけれども、しかしそれは、俗な言葉で言えば、お互い選挙をする立場の者にとってはいわば共通の土俵の問題でございますから、各党の皆さんが大体これでいいだろうとおっしゃるかどうかということは、これは土俵の問題でございますから、多数を持っている者だけが勝手に決められることではございませんし、いわんや我が国の今の政治情勢で申せば、そういうことが両院を通じてすぐに可能であるかといえばそうではございませんでしょう。そういう意味では、ある意味での最低のコンセンサスみたいなものが恐らく要るのであろう、そう思いますがゆえに、軽率にこれがいいということを私の立場で申し上げることはいかがかなというふうに今思っておるわけでございます。 それから、抜本改革のことは、実は党内の議論はかなり煮詰まっておりますので、遠からざる機会に政治改革本部としての私に対する答案は出てまいるというふうに考えております。
○松永委員長 次に、東中光雄君。
○東中委員 ロッキード、リクルート、共和、佐川と、要するに企業の金によって政治がいろいろ問題になるということが相次いでおります。こういう中での政治改革でありますから、何としても企業献金を禁止する、これが政治改革のための基本の問題で、最優先の課題でなきゃいかぬというふうに私たちは考えております。 それで、総理にお伺いしたいのですが、企業の献金というものをどういうふうに見られるか。いつも、企業も社会的存在であるから政治について献金をするということは認められてしかるべきだ、こうおっしゃるのですけれども、企業の献金について、財界の人たちがどのようなことを言っているかということを御紹介したいと思います。 竹下内閣のときの政治改革に関する有識者会議のメンバーでありました経済同友会の石原俊代表幹事が、これは日経新聞紙上で言ったことですが、「政治改革大綱で私が一番問題にするのは、企業の個々の議員への献金、あるいは派閥への献金をまだ認めているようなところだ。これは絶対にいけない。企業が議員に何のために金を出すのか。投資に対するリターン、株主に対する収益を確保するのが企業だから、企業が政治に金を出せば必ず見返りを期待する。」こういう見解を新聞紙上で公にしています。 今、民間政治臨調の代表者になって頑張っておられます経団連副会長だった亀井正夫さん、同じ有識者会議のメンバーでもあったわけですが、この人は「企業献金はそれ自体が利益誘導的な性格を持っている。企業が無制限にカネを出したら役員は背任罪になりますよ。世間のお付き合い程度という限界がある」という趣旨のことを東京新聞紙上で言われております。 同じころ、旭化成工業会長の宮崎輝氏は、消費税が問題になったときですが、毎日新聞紙上で「今度の税制改革で物品税が廃止された。そして大きく減税になった。そういう業界はおそらく普段から大きく政党をサポートしているんでしょ」「そういう業界は政治に強い。普段から応援し、出すべき資金を出しているから……。大きく得をするために、普段から必要な献金をし、また選挙を応援する。これがビジネスマンに大事なことです」毎日新聞にそういう見解を発表しているのです。個人の問題じゃないです。皆、なかなかの、財界の発言力の強い人です。 もう一つ申し上げますが、日経連政策委員だった諸井さん、「企業の立場で言えば、本来、企業にとってプラスにならないことに金を出すことは株主に対する背信行為であり、何かプラスのことをやろうとすると本質的に汚職ということになる。企業はいま背任と汚職のはざまにいるようなものだ」これは毎日でそういう発言をしています。これが財界の声ですよ。今、佐川は特別背任、そして献金でもめているでしょう。こういう実情なのです。企業が金を出すのは本質的に利益誘導的な性格を持っている、亀井正夫さんが言っているのですよ。 こういうことについて総理はどう思われますか。そんなことを言っているのは間違いだと言われますか。まずお伺いしたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 問題は、利益誘導的だということをどう考えるかということだと思います。 戦後、企業の政治に対する献金、企業からの拠出という、援助というものは、それは相当多いものでございますけれども、沿革的に考えますと、それによって自分の会社をもうけさせようなんというのは、これは下の下の話であります。そういうのは下の下の話であって、多くの企業人が、やはり日本というのは立派な国にならなければならない、民主主義の、そして国民生活が安定したいい国にしたい、共産主義の国にしたくないといったような、そういう一種の体制の問題としてやはり企業家が考える。それを利益誘導という言葉は私は十分には当たらないと思います。やはり体制としていい国にしたい、そういう企業側の考え方というもの、それは私は不純な動機であるというふうには実は考えません。 先ほど何人かの人の名前をお挙げになられまして、いわば節度を過ぎますとそういう批判を受けやすいわけでございますけれども、民主政治が進む、そして国民生活がよくなって国が平和で繁栄をしてくれるために自分たちの浄財を政治のために使ってくれと言われる動機そのものは、私は利益誘導というような狭い形でとらえることはないのではないか。 ただしかし、おっしゃいますように、そういう自分の企業との結びつき、いわば企業自身の損益という結びつきはなるべく断たなければならないということから、国民政治協会というような形で政治に対する資金援助が行われているというのが現在の姿だというふうに思います。
○東中委員 財界の人たちの言っていることを言っているのであって、私の意見じゃないのですよ。それを財界の人はそうは思ってはいないんだというようなことを言われても、それはちょっと通用しないのではありませんか。 それで、今総理が言われたようなことを最近になって財界の人が一、二言われたのは私も知っていますよ。しかし、私が申し上げたのは、大勢はそうですよ。 ついでに申し上げますが、環境基本法の問題がこの間問題になりましたね。総理も、やるようにということで動かれた。これ以上の環境破壊、自然破壊を食いとめ、国民の健康と自然を守るために環境基本法の導入が必要だということでこの作業に入りました。それに対して、経団連や財界、大企業は「規制が強化されると企業活動に影響が及びかねない」ということで猛反対をしましたね。その中でも、例えば建内石油連盟会長、石油は代表的な公害産業ですが、「新税(環境税)を課せられることには断固反対」だという表明をしていますね。鉄鋼業界は、「経済運営のあり方にもかかわり、国家百年の大計を定めるもの」と言って、日本鉄鋼連盟斎藤会長が消極的意見を述べておられます。自動車業界も「経済発展との調和」が必要だと言って環境基本法に消極的姿勢を示した。この石油連盟、自動車工業会、そして鉄鋼連盟、これは業界団体の、国民協会を通じての自民党への献金の三大業界ですね。九一年度を見ましても、石油連盟は九千百万円の献金をしています。日本鉄鋼連盟は九千万、日本自動車工業会は八千五百万、そのほか個別の企業もまた献金をしている、公然としておるわけですね。そして、結局環境基本法はずうっと延びてしまったじゃありませんか。こういうふうに個別的に影響してくるのですよ。 そして、もう一つ言いますと、製造物責任法がこの間出されました。この考え方というのは、アメリカだってEC諸国だってみんなやっていることでしょう。ところが、オートマチックの自動車の急発進でけがをした、テレビが火を噴いて事故を起こした、薬害で体がむしばまれた、製品の欠陥で被害を消費者が受けた場合は製造業者が責任を持たなければいけないという、そういうことに対して、これもまた財界が猛反対をしましたね。関係の製薬業界やあるいは鉄鋼やあるいは家電や、そういう業界は全部国民協会へ企業献金どっと出しているじゃありませんか。そして、アメリカでもECでも通用していることが日本では一年先送りになったでしょう。こういう格好で、企業献金というのは政治を変えていっている。 こういうことについて、総理はどう思われますか。財界から金をもらっているのだから財界の意見も聞かなければいかぬ、こういうことで政治がゆがめられたらいかぬ、私たちはそう考えるのですが、いかがでしょうか。
○宮澤内閣総理大臣 それは、環境基本法といいましても、どのような環境基準がいいのか、アセスメントはどうすればいいのかということにはいろいろな議論がございますし、製造物責任につきましても、あのアメリカのようになって、あそこまでいっていいんだろうかという議論もございますし、いろいろな議論がありまして、そのバランスをとって立法が行われていくということでありまして、何々業界が九千万円金を出しているから環境基本法はできないだろうとか、そんな簡単なものじゃないことは委員がよく御存じのとおりでございます。また、そういうことになりませんように、国民政治協会で全体をまとめているというのが実情でございまして、私はそういう弊害は随分防げておるのではないかというふうに思います。
○東中委員 時間ですから、終わります。
○松永委員長 次に、川端達夫君。
○川端委員 総理、よろしくお願いします。 限られた時間であります。 私も、この国会あるいは前々国会から、政治改革の実務者の一人として、今国民の政治不信を晴らす最大の課題である政治改革に参加をさせていただいた一人としていろいろやってまいる間に、総理がかねてから、あるいは所信表明演説でも、今日の政治不信はかつてない深刻なものであるという認識をお示しになり、政治改革を実現するために不退転の決意で取り組むとお述べになり、そして周辺の環境は東京佐川急便の一連の動きであり国民世論の動向という中で、日本のリーダーとしての総理御自身の政治改革に対する姿が見えないというふうに非常に残念に、あるいはいら立ちを持って過ごしたわけであります。その部分で若干の質問をさせていただきたいと思います。 前国会、前々国会ですか、いわゆる政治改革協議会で十八項目というのが合意をされました。これは、その当時まだ今日のこういう東京佐川急便のこれだけの進展というか明るみに出ていない中で、政治改革をやらなければいけないときに、各党で合意できるものをやっていこうというところから始まり、合意をしたものです。国会の終盤、いろいろなことがありまして、実現が今日になったのでありますが、今日の国会を迎えるに当たって、このような政治腐敗が明るみに出てきたという状況で、私たちは、前国会あるいは前々国会と随分政治状況が変わった、十八項目だけではとてもじゃないが国民の期待にこたえられる政治改革とは言えない、だから、この佐川事件を念頭に置きながら今すぐ相当の決意を持って追加項目を実施しようということで、八項目、各党の主張のもとに八項目を協議しようということに合意をいたしました。 総理は、このような状況で、十八項目は前々国会からの持ち越しでありましたが、今日の政治状況の中で、十八に追加して、この国会で一歩、二歩、三歩、政治改革をさらに進めて国民の期待に少しでもこたえなければいけないという御認識はお持ちだったでしょうか。
○宮澤内閣総理大臣 十八項目につきましては、事実上先国会で合意があり、これが成立しませんでしたのは、事情はともあれ、まことに残念なことであったわけでございますが、その後、いわゆる八項目というものがその後の状況の中から各党の御主張として出てきて、その中でどれだけこの際合意できるか、できるだけたくさんの項目について合意ができることを私も祈っておりましたが、事実問題として三項目についての合意というものが実務者会議で可能になった、それは私はやはりおかげさまで一つの進歩であると思っております。これで万全だとはもとより思っておりません。抜本改革もあることでございますから、この際、合意できる、そして一日も早く成立をさせていただいて実施をしたいという状況からいえば、それがベストでなくてもベターな解決であろうというふうに考えております。
○川端委員 結果的に、今総理お述べになりましたように、三項目だということでありますが、中身を見ますと、実際には一・五項目ぐらいかなと。私たちはいろいろな議論の中で、相当議論を積み重ね、例えば法案的に、技術的に難しいという部分を詰めなければいけない、あるいはもっと広範な議論をしなければいけないということも確かにありました。そういう中で、今回の五億円事件なんかを見ましたときに、やはり今の法体系ではいけない、すぐに直さなければいけないという部分で随分突っ込んだ議論をいたしました。 そういう中で、今総理、三項目とおっしゃいましたけれども、政治家個人に対する寄附の制限というのは、実際は自民党の申し出でいえば、各党みんな守ろうという申し合わせをしようという御提案でございました。実際に法律化できなかった。そして量的違反、五億円で罰金二十万円かという批判の中で、やはり罰則強化すべきだ。これは、国民のあれだけの世論の中で、議員を金丸さんは自主的に辞職をされましたが、やはりもっと厳しいものであるべきではないかという中で、私たちは、禁錮刑を付与すると同時に、その場合に執行猶予がついても公民権を停止する、あるいはもっと厳しく罰金刑であっても公民権は停止すべき、これは政治資金規正法に違反する場合ですから、会計責任者あるいは政治家本人にかかわることもあり得るということもおいてそれぐらい厳しくしなければいけないという主張をいたしました。 しかし、自民党の議論の中で、我々に提示された部分ははるかに及ばない部分でございます。実際の議論は相当デッドロックに乗り上げたというのが現実の姿であります。公務員のパーチィー関与の規制というのは、これは直接的に佐川にかかわる問題ではなく、前国会で最終合意にもう少しのところだったんですが、これは実現をしたということで、非常に実務者としても苦労したといいますか、我々の主張と自民党の主張に大きな隔たりがあり過ぎた。 そういう中で、報道で知った話ですからあれですが、報道でも、自民党の総務会でその部分が、罰則強化について随分議論が難航しているというふうなことがございまして、そういう中で総理は十一月十九日に綿貫幹事長、森政調会長を官邸にお呼びになって、追加三項目をぜひまとめてほしい、場合によっては自分が中に入ってでもまとめたい、反対する人には私が先頭に立って説得をすると発言をされました。私は、この報道を聞いて、自民党との交渉の中で実務者のレベルではデッドロックになっている部分で、総理がそこまで踏み込んで頑張っていただけるということで期待をいたしました。実際に、そういう強い意思を持って三項目ということをお持ちだということは伝わりましたが、具体的にここで報道されているような、場合によっては自分が中に入ってでもまとめたい、先頭に立ってでも説得するという姿は見えなかったわけですが、具体的にはどういうまとめるための努力を総理御自身おやりになったのか、ぜひともお聞かせをいただきたい。
○宮澤内閣総理大臣 それは、川端委員のお立場から実務者協議の場でごらんになれば、まだまだ十分でないという御感想をお持ちになられることはそうであろうなと思いますけれども、何分にも非常に大きな改正でございますから、私どもの党内にもいろいろ議論がございました。こういうときには、罰というものは重ければいいんだ、もうきっとおっしゃいませんでしょうが、そうばっかりまた言えないという議論が他方でございますから、その点についてのいろいろな議論がございまして、現実の問題としましては、政治資金規正法の罰則強化の中で寄附の量的制限違反について禁錮刑を導入すべきではないかということにつきまして、私どもの党内にいろいろ意見があったということでございます。 十八項目の方はまとまっておりましたが、その後八項目が登場いたしましたのは比較的短い時間の間でございましたので、私どもの党内で十分議論を詰めてコンセンサスを導入するだけの時間がなかった。そういう中で、しかしこのぐらいなことは決心をいたしませんと、実務者協議においても皆様の御同意を全体の問題について得られにくい、得られないのではないかということを思いましたものですから、私自身が党内の取りまとめをする必要を感じたという、それはただいま申しました禁錮刑の導入の問題についてであったわけでございます。それでも十分ではないよ、まだまだ執行猶予が付された場合あるいは罰金刑の場合等々、いろいろ御議論のあったことを承知しておりますけれども、この点だけはひとつ何とかお願いをしたい、こういうことで私が申しましたわけでございます。
○川端委員 今のをお伺いしますと、追加三項目をぜひともまとめてほしいというのは、禁錮刑を付与するという党内の議論を、とにかくその禁錮刑を付与するだけは譲ってほしいというふうなことであったということで、私たちの期待は全然違ったということがよくわかりました。実務者会議で津島政治資金部会長は、我々のエネルギーはこれが野党に近づける最大であり、もう刀折れ矢尽きた、こんな悲痛な言葉まで言っておられるのです。我々と議論したら、そうだな、しかし党内がそれではまとまらない、そこで総理の出番が来たということで今のことということでは、本当に政治改革をどう認識しておられるのか。この今日の政治状況をどう思っておられるのかということに関して非常に残念な思いをいたしました。 時間が来てしまいました。最後に、今、これからの対策ということで、政治改革のこういう法案を一歩一歩も含めてやっていかなければいけない。それと同時に、やはり今回起こったことの真相解明をしなければいけない、これは国会に与えられた責務だと思います。そういう中で、いろいろな曲折を経ながら三名の方の証人喚問というのが終わった今日の時点で総理として、今国民が真相を知りたいというのは、五億円がどういう形で、最終的に全容はどうであったのかということと、竹下総理誕生における暴力団の関与という実態はどうだったのだろうというのが率直なみんなの疑問だと思います。そのことに関しては、今日までの証人喚問を含めたいろいろな動きの中で、総理自身としては、相当解明が進んだ、あるいはもうこれで十分だというのか、まだまだだと思われるのか、こんなもので仕方がないと思われるのか。率直なところを御認識をお聞かせいただき、終わりにしたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 先ほども申し上げましたけれども、国会におきまして国政調査の立場から証人を喚問されて事態の解明を進めておられることは、我が国の民主主義の自浄作用として、恐らく国民はそのような見方をしておられることと思います。さらに、国会がどのようになされるべきか、今までなさりましたことをどう考えるかというようなことにつきましては、これは行政の立場におります私から申し上げることは控えさせていただきたいと存じます。
○川端委員 終わります。
○松永委員長 次回は明十二月一日火曜日午前十時二十分理事会、午前十時四十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時三十八分散会 ————◇—————