外務委員会 第1号
- 発言数
- 120 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1992/11/27
会議録
○麻生委員長 これより会議を開きます。 理事辞任の件についてお諮りをいたします。 理事新井将敬君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○麻生委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りをいたします。 ただいまの理事辞任に伴う補欠選任を行いたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○麻生委員長 御異議なしと認めます。 それでは、理事に長勢甚遠君を指名いたします。 ————◇—————
○麻生委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りをいたします。 国際情勢に関する事項について研究調査し、我が国外交政策の樹立に資するため、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中国政調査を行うため、議長に対し、承認を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○麻生委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
○麻生委員長 次に、第百二十三回国会から継続になっております有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約の締結について承認を求めるの件を議題といたします。 政府より提案理由の説明を聴取いたします。渡辺外務大臣。 有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の 規制に関するバーゼル条約の締結について承 認を求めるの件 〔本号末尾に掲載〕
○渡辺(美)国務大臣 ただいま議題となりました有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 この条約は、平成元年三月二十二日にスイスのバーゼルにおいて作成されたものであり、有害廃棄物及び他の廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制について国際的な枠組みを定め、これらの廃棄物によってもたらされる危険から人の健康及び環境を保護することを目的としております。 我が国がこの条約を締結することは、これらの廃棄物の輸出入の適切な規制、廃棄物の適正な処理等についての国際協力を一層推進する見地から有意義であると認められます。 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御承認あらんことをお願いいたします。
○麻生委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 本件に関する質疑は後日に譲ることといたします。 ————◇—————
○麻生委員長 国際情勢に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。土井たか子君。
○土井委員 久しぶりの当外務委員会でございますが、戦後随分長い間ございました東西の対立、この対立の図式が崩れまして、リーダーシップが交代するということになって、それまで両ブロックに分かれて築かれてきておりましたシステムがコントロールを失って、あるいは顕在的にあるいは潜在的にいろいろな点で内部にあったものが動き始めているという形だろうと思います。 一番思わしくないのは武力の衝突の危険が多発するという問題なのですが、この国際情勢が混沌としたありさまの中で、先ごろアメリカでは四十六歳という若い、戦後生まれの、世に言う団塊の世代だと言われている中に属しますクリントン氏が冷戦後唯一の超大国アメリカの大統領に選任されるということになりました。 国際情勢は連日、日々刻々と大きく動いていっているのです。動いていっているにもかかわらず、先ほど申し上げるとおり当外務委員会は久しぶりなんです。考えてみますと、実に八月十日以後開かれていないのです。きょうまで百八日間開かれなかったというのが実態でございます。まことにこれは思わしくない話であります。それだけ日本の国際情勢に対しての国会審議の場面というのがなかった。これはどうしようもない話なんでありますが、その最大の原因は何か、佐川疑獄事件であるというふうに思うのです。 外務大臣御承知のとおりで、この真相究明は徹底的になされなければなりません。これはもう国民の要請でもあることは言うまでもないのでございますが、国民にとっても私どもにとっても何とも恥ずかしい佐川疑獄事件、これを世界がどういう目で見ているか、わけても、特にG6、アジアはどう見ているか、外務大臣からひとつその点についての御認識をお聞かせいただきたいと思うわけであります。
○英政府委員 事実関係でございますので、私からまず。 今回の事件に関しましては、これまで海外でいろいろマスコミで報道が行われていることは事実でございます。その報道の内容でございますけれども、いろいろな新聞、雑誌などによって視点、論調も多種多様でございます。それから時期によっても変化があります。国別に類型化することはなかなか困難でございます。ただ概括的に申し上げますれば、事実関係を中心に報道するというものが多うございます。 その中で若干の論調について例示的に申し上げますれば、政治的な混迷が日本で続くことによって日本の景気対策とか世界経済に及ぼす経済的な影響というような側面から論ずるもの、さらには、日本が世界の中で果たしていかなければいけない指導的役割に及ぼす影響というようなものへの言及がございます。それからまた日本の政治改革に対する期待というものも見られる次第でございます。
○渡辺(美)国務大臣 国のそれぞれの新聞社等によって見方は今言ったようにいろいろ異なりますが、そう継続的に大々的にというところは少ないと思いますね。結局、自分の国にどういう関係があるかということなんですよ。自分の国に関係のあるような事件であればそれはもっと大きいんでしょうが、直接的に関係が出てくるというようには思っていないところもあるようでありまして、我々個人的にいろいろおつき合いをしたり、あるいは一緒に夕飯を食ったり、雑談のときなども、その割合には出てきておりません。だからといって我々は恥ずかしいことでございまして、こういうようなことが起こらないように大いに気をつけていかなきゃならぬし、どうしてそうなったのかということについてもただすことは私は必要である、さように考えております。
○土井委員 どうももう一つはっきりした御答弁とは受けとめられないトーンだと私は思うのですが、こればかりをやっているわけにはいかないのですけれども、しかし、政治の基本的な問題だと私は実は思って最初にお尋ねしたのです。 汚職問題、これも大変なことです。それと同時に、しかし今回は暴力団と結びつきがあった。特に日本一国を代表する内閣総理大臣誕生にそれが結びついた問題だったというのはまことに衝撃的でありまして、外国の人たちというのは、恐らく外務大臣とお会いになる節は遠慮もあるでしょう、公式の場所での発言には。けれども、やはりこれは信頼を受けることには断じてならないのですよね。いろいろ外交交渉とか外交の場面での会談なんかでは、実に外務大臣やりにくいなというお気持ちになられているということであろうと私は賢察します。もう徹底的にこういう問題に対しては究明をやることは言うまでもない。日本の政治に対し、政治浄化、古くて新しい問題ですけれども、ひとつしっかりこれは取り組んでいかなければ取り返しのつかないことになるというふうに思っております。 さて、渡辺外務大臣は、御病気の後の回復期に大変御無理をされて、そうしてまた、異常な決意でもってと申し上げたらいいと思いますが、ロシアに赴かれました。その節、エリツィン大統領の対応というのは、外交的に見てもどうも非常識、常識外というふうに見られるのではないかというふうに聞き及んでおります。しかし外務大臣は、お帰りになってからもそういうことに対して一切公式的に明らかにはされていないことに対して、私は、随分我慢をされておられる、偉いなと思うのです。これは敬意を表したいと思います。 私も、実は社会党の委員長時代に大統領になる前のエリツィンさんに日本で会いました。したがって、外務大臣のお気持ちというのがわからぬではないのです。わかる気がするような思いもあるわけであります。多くの人に聞いてみたのですが、エリツィン氏にとっての苦手というのはイポーニヤと言われることとゴルバチョフさんの名前を言われることだというふうに言われているのですね。例の大韓航空機の撃墜事件の資料の渡し方、それからまた突然の韓国の訪問、日本に対して援助は何にも受けていないというふうな公式の場での発言、こういうところを考えていきますと、どうも日本嫌いのようだというふうに思われますねと言われる方が多いのです。 ロシアが日本に対してただいまのような対応というのはどこに原因があるか、日ロ関係というのがただいまぎくしゃくしているというのはどこに原因があるのか、どのように外務大臣はお考えになりますか。
○渡辺(美)国務大臣 どこに原因があるかと言われましても、いつからぎくしゃくが始まったかということでございますが、これは長い長い歴史があることなんです。特に戦後、御承知のとおり一方的に中立条約を破って日本に攻め込んできて、それで満州、今の東北から六十万人もの日本人を拉致して強制労働につかせる、それでごめんなさいの一言もないというようなところからぎくしゃくが始まっておることは間違いないわけでございます。 また、エリツィンさんの問題につきましては個人的にはいろいろ、個人の話でございますから好き嫌いもありますし、いろいろございますが、しかし、我々はエリツィン個人を相手にしているんじゃなくして、ロシア大統領を相手にして話をするわけですから、余り感情問題にこだわるわけにもいきません。やはりロシア国民の代表ということに敬意を表していろいろお話を今までしてきたわけでありますし、今後もそうしたいと思っております。
○土井委員 本気にロシアが対アジア外交を考えるというふうなことで進めていくということならば、あの突然の韓国に対しての訪問に対して、どういうふうなことだったかというのも外務大臣としては認識をお持ちだろうと思うのです。韓国側からの連絡がございましたか、どうですか。そしてまた、それに対して突然の韓国訪問というのはどういうわけというふうに御理解なすっていらっしゃいますか。
○渡辺(美)国務大臣 もともと日本に来て、そして韓国に参りますということがあらかじめ設定されておったわけです。したがって来るときだけ、日取りはもう決まっておるわけですから、その日取りに韓国に行くのかなと最初は思ったのですが、そういうことはしませんということはロシアの方から宮澤総理に電話がありました。それから韓国の方からは、ロシアの方から大統領が来られるということについてのあらかじめの連絡はもちろんありました。
○土井委員 アジア外交に、エリツィン大統領の訪韓、さらには今度は中国訪問というのが予定されているようですが、訪中で変化があるとお思いになるかどうか、その点はいかがですか。
○渡辺(美)国務大臣 変化があるかないか、これはやってみなければわからぬことでございますが、いずれにせよ、ロシアという大国がそれで軍事予算をできるだけ減らして民事に転換をして、平和の要望により目を向けて、近隣諸国とも友好関係を増進をして、お互いに共存共栄というか助け合ってやっていこうという姿勢を示されること自体は私は歓迎します。結果は、どの程度よくなるかは、私は今断定的に物は申し上げられませんが、よくなることをこれも期待をします。
○土井委員 今外務大臣が非常に期待されていることからいたしますと、お聞きしていて私は非常に最近気になることがあるのです。 これはエリツィン大統領の訪韓の節もそうだったのですが、盧泰愚大統領に武器の販売を持ちかけられたということが公になっております。これは韓国のみならず、最近ロシアの側は経済の立て直しのため緊急措置計画が必要だということで、特に最近いろんな文書によるとこの点は名指しで述べられているのですが、アジアでは国の名前、例えばインド、パキスタン、マレーシア、フィリピン、韓国、中国、中東ではイラン、アラブ首長国連邦等々の名前が出てきているのですけれども、御存じのとおりにあのロンドンの国際戦略研究所のミリタリー・バランスでも、ロシアについて輸出用の新鋭戦闘機などの生産に力を入れているという報告が出ておりますね。 この韓国に対する武器売却交渉というのが、その後具体的に韓国側はどういうふうな対応のされ方をされているかお耳に入っておるでしょうか。情報が何か入っておるでしょうか、いかがでございますか。
○渡辺(美)国務大臣 ロシアが韓国に武器輸出のことについて具体的な話をしているということは私は承知しておりません。また、ロシアが確かに国際競争力のあるのは武器ぐらいしかないのかも、かもですよ、それはわかりません。ロシアが軍拡をやめて余った武器を処分したいという気持ちは、私は気持ちとしてはわからないわけではありませんが、しかしながら武器を、しかもかなり、例えば飛行機にしても足の長いようなもの、そういうようなものを金になればいいというようなことでめった売られるようなことは、これはちょっと物騒な話でございまして、我々としては望まざるところであります。
○土井委員 その望まざるところと今外務大臣おっしゃることに対して、これはロシアの武器売却問題というのは種々いろいろ文書によっても出ておりますし、ニュースでもそのことが公になっているわけなんですが、近代兵器の拡散という新たな危険な事態に直面するということにもなるわけでありまして、それじゃどういうふうに対応されますか。
○渡辺(美)国務大臣 これはもうその国の主権の問題でございますから、日本がああしろこうしろと言う立場にはありません。超大国あるいは大国の中でも武器を輸出しておる先進国は何カ国かございます。しかし我々としては必要最小限度、通常兵器の武器であっても移転をする場合は国連に登録してくださいということを提唱し、それは賛成をしてもらっておるわけですから、だからロシアにだけ武器を売るなということになると、一方の国だけで片っ方の国と不平等といいますか、そういうことにもなって、日本としてはなかなか言いづらい立場にあるのは事実です。しかしながら、国際競争力があるからといって、それじゃ兵器工場を復活して増強して武器を世界じゅうに売るんだというようなことではこれは困るわけですから、それは国際社会においてもよく相談をして、そういうようなことのないようにひとつ仕向けるような外交努力をしていかなければならないと考えております。
○土井委員 その外交努力の具体的なことについてさらにお尋ねする中でひとつお考えを聞かしていただくということにしたいと思います。ODAについていよいよ一兆円を超過するというふうな、額の上では世界で有数というよりも、もうもはや世界で一番だということになると思うのですが、八八年からことしまでで五年間の第四次中期目標を達成したことに相なるかと思いますが、第五次のODA目標というのは考えられているのですか、どうですか。そして、それに対してのあり方というのをどのようなものにしたいというふうなお考えがおありになるかどうか。その辺がまずちょっと聞かしていただきたい問題点です。
○川上政府委員 お答え申し上げます。 現在、先生御案内のとおり、ことしは第四次中期目標の最終年ということでございまして、政府といたしましては全力を挙げてこれを達成すべく最大限努力をしているという最終段階でございます。御指摘の第五次目標の点も含めまして、今後我が国の援助がどうあるべきか、冷戦が終わりまして援助の世界も非常に大きな曲がり角に立っているということが言われておりまして、国際場裏、特にOECDのDACなんかでもそのような方向で今議論が行われつつあるところでございますけれども、そういう点につきましてはそういう議論の動向なんかも踏まえまして政府部内で今後鋭意検討してまいりたい、かように思っておるわけでございます。
○土井委員 まだ鋭意検討中なんですね。これはひとつ具体的な目標というのを早い機会に立てていただいて、それも公にしていただく必要があると思います。 さて、量の問題、額の問題はさることながら、中身が実はいつも問題なんじゃないでしょうか。今までに小規模無償協力費というのがある。海外での声を聞きますとこれは随分歓迎されています。特にNGO、草の根の人たちに対しての援助という意味で大変大きな成果をおさめているという部分が動いてきていますね。これは在外大使の所管ということにかかわる問題でありますが、例えばスクールバスを贈るとか、いろいろ現地で緊急を要する、しかもそのことが民生にとって非常に有用であって不可欠の問題だ。かゆいところに手が届くという表現がよくありますけれども、そういう点からするとこの小規模無償協力費というのが大変に歓迎されている中身になる。三億ですね。ところが昨年もことしもこれは同じ三億なんです。これをふやしていくということを考えたらどうだろうかというのが切実な、率直な気持ちなんです。 御承知のとおり、日本の国内のNGOに対しての補助金というのがありますが、やっとのことでNGOに対しても認識を持ってやらなければいけないというお考えをお持ちになったのでしょう、去年一億一千万がことしは二億二千万となっています。先ほど申し上げた小規模無償協力費については、渡辺外務大臣時代に大臣のお考えでもってこれを倍増ぐらいにしていくくらいお考えになったらどうだろうと思いますが、いかがですか。
○川上政府委員 ちょっと事実の問題がございますので、まず答弁をお許しいただきたいと思いますけれども、小規模無償、御指摘のとおり草の根援助ということで、幸い非常に評判がいいという状況で推移してまいっております。平成元年に三億円で始まりまして、二年度三億円、二年間三億円が続いたのでございますが、昨年の三年度では五億円、それから今年の平成四年度では七億円ということでやらせていただいております。今度の予算要求ではそれをさらに積み増しするということを考えさせていただいております。 それから、小規模無償と並びましてNGO等との関係でよく出てまいりますNGOの事業補助金でございますが、これも着実にふえてきておりまして、実は今年度、平成四年度におきましては数字といたしまして三・四億円までふえてまいっております。
○土井委員 三・四億円までと言われておりますけれども、これは意欲を持って臨んでいただく一つのあり方だと思います。外務大臣、よろしゅうございますか。
○渡辺(美)国務大臣 多々ますます弁ずということですな。 ですから、小規模無償というのは足が速いのですよ。速戦即決みたいなところがあって、調査だ何だ三年も四年もかかるというのじゃなくて、その場で目に見える、ちっちゃなことだけれども目に見えることを、困っていることをやって差し上げる、これは非常にいいことなので、できるだけこれも予算をふやすように財政当局にひとつ頼んでいるのです。 NGOの問題も、政府が手の届かないようなところをやってくれている団体があるのは事実で、大変役立っておりますから、これらにつきましても財政の許す限りできるだけふやしてもらうように今後とも努力をしてまいりたいと考えております。
○土井委員 NGOの問題について今外務大臣お触れになったのですが、情報がよく伝わっていないのです、ODAの中身について。NGOの人たちも参加をして、大いにこういう問題に対してわかるような状況というのをお考えいただくことは、私は不可欠だと思います。 情報公開法があれば、それはいろいろ情報についても知らせなければならない、また知っていただけるという保証がその限りであるわけですが、日本では幾ら私どもが情報公開法の提案をしても、どういうわけだか、この法案についてそれを成立を期して努力していただけるという姿勢が与党並びに政府の方に薄いようでありまして、このODAの問題も常に情報が伝達されにくい条件も片やあるわけですから、NGO等々の人たちが参加をしてよくわかるという状況をつくっていただく努力が私は大事だと思うのです。 聞くところによると新宿に情報センターというのを今度設けたいというふうなお考えがあるやに伺っているのですが、事実でありますか、どうですか。
○川上政府委員 御質問の点でございますが、御指摘のとおり、一般論として申し上げれば、ODAの場合、事業が外で行われるということで、一般の国民にとって身近にその成果を感ずるということが非常に困難な面があるという点がございます。 我々としても、御指摘のとおり今後とも大変な努力を要するのではないかというふうに考えておりますが、特に海外に存在しますODAプロジェクトの写真だとかビデオだとかいった映像も含めまして、その現状を知らせる情報公開というものが御指摘のとおり不可欠だという観点から、来年度の予算要求におきまして、実はODA相談窓口情報センター、これは仮称でございますけれども、こういったものを開設するための予算一・九億円を要求中でございます。 先生御指摘の、まさにNGOとの対話といったような側面につきましても、このセンターにおきまして情報の提供ということに加えまして広義の援助活動、例えば青年海外協力隊でございますとかNGOのボランティア活動、それから地方自治体の援助活動、国内における市民講座といったような点がみんな入ってくると思いますけれども、こういういわゆる最近よく言われております国民参加のための一般的な相談というものを行うほかに、援助についてのNGO等からの貴重な御意見が寄せられればそれを参考にするといったようなことで、政府からの一方的な方向ではない、両方向、双方向的な対話を行うような場をつくりたいということで、今現在努力しているところでございます。 これは都心につくるということで、必ずしも新宿ということではございませんけれども、アイデアとしては外務省の中ではなくて都心につくってまいりたい、こういうふうに考えております。
○土井委員 それはいつごろ完成するというふうに考えていますか。
○川上政府委員 今申し上げましたセンターは、これは今年度予算で大蔵省に対して今要求中でございます。まず予算を認めていただいてからということになろうかと思います。
○土井委員 予算次第というわけですね。予算がうまくいってからどうなるかという見通しが初めてできるということなんですね。まあよっぽど外務省としたら、それは予算の獲得、下手くそですから、この問題については予算の獲得ができるような方向での御努力というのを、今までどおりでやっておられたんじゃちょっとおぼつかないですよ。かなりそれは力を込めてやっていただかないとそうはならない。その辺は結構なことですから、私たちもそれは援助をやぶさかではありません。それは協力をしてやっていかなきゃいけない問題だというふうに思っています。 さて、このODAの中身について、政府の開発援助大綱というのがあるのですが、これに触れる以前に、ちょっと先ほど日ロ問題で外務大臣がお答えになったことと関係をするところを押さえておいて、その中身についてお尋ねを進めたいと思います。 最近の新聞情報によりますと、日本は既に武器移転の国連報告制度の創設決議案提案者として努力をされていることにかてて加えて、先進七カ国の武器輸出規制に関して専門家会合、ワーキンググループで具体策を検討中、それは武器輸出禁止条約に向けての規制案をつくっていきたいという構想であるというのが知らされたのですが、これは事実そのとおりの御努力が進んでいるのですか。
○澁谷政府委員 まず、G7の場におきましてそのような武器禁止条約に関する協議が行われているということはございません。 我が国といたしましては、武器の登録問題につきましては各国の主権の問題等いろいろな問題がございますので、これは一度に実現するということは難しいと思います。各国の支持が得られる見通しもございません。そこで、とりあえず我が方といたしましては、武器移転の透明性の実現、その確保を目指して努力する、その上でその後どうしていくかということを検討してまいりたいと思っております。
○土井委員 そうすると新聞情報というのは誤報なんですか。政府筋が明かすとちゃんとありますよ。そして、しかも中身はまことに具体的に書いてあるのですよ。
○小倉政府委員 正直のところ私もびつくりしたわけでございますが、経済局の方で輸出規制の問題を担当しておりますので、事実関係について若干心当たるところがございますので申し上げたいと思うわけであります。 先生も御案内のとおり冷戦構造が変化いたしまして、その中で地域紛争をどのように抑止していくかということが大きな問題として浮上してきているわけでございますけれども、そういたしますと、そういう地域紛争の抑止という問題の一環としまして、率直に申し上げまして、国際的な議論の中ででございますが、一部の開発途上国における武器の製造の問題、もちろん輸入輸出の問題もございますけれども、武器製造の問題といったような問題が地域紛争抑止の問題との関連で国際的に大きく問題とされてきております。 そうした中で、G7の国々がそのような地域紛争の防止といったような観点から通常兵器のために使われまする汎用品の輸出規制の問題につきましてお互いに話し合おうというような機運が出てきておりまして、非公式な会合が私の記憶ではことしの春ごろから何遍か行われてきておりまして、そのようなことから恐らくこのような推測記事が出てきたのではないか。これは私の推測でございますが、そういう兵器そのものではなく、兵器関連の汎用品の輸出規制についての話し合いが国際的に行われてきている、こういうことは事実でございます。
○土井委員 汎用分と、またえらい遠慮しながらおっしゃるのですが、日本としては、武器輸出禁止というのを国是にしている国じゃないですか。武器輸出を禁止しようということに対して、世界に率先してそのための条約づくりに努力して当たり前だと実は私は思っているのです。 そういう努力のほどに対して、先ほどから聞いていると、外務省の答弁というのはまことに心もとない。これは今の登録制で事足れりというふうに思われているのかどうかわかりませんが、地域紛争ということに対して心配されるということであるならば、余計にそういうことに対してもっと力こぶを入れて、今の通常兵器に対しての輸出を禁止する条約に向けての努力があってしかるべきじゃなかろうかと思うのですよ。首を縦に振っていらっしゃいますから、恐らく同意しながら聞いてくだすっているのであると思いますがね。そういう点からしますと、私は、この辺の努力というのは日本としたらもっともっとあってしかるべきだ。外務省は、国連で国際貢献ということを言われるのだから、そういうことに対して指導性を発揮するということこそ、まさしく国際貢献の道じゃないですか。 さて、そういうふうな前置きをいたしまして、ただいまもう一度ことしの六月三十日に出されました政府開発援助大綱というのを見ますと、四原則がここにありますが、四原則の中で、「軍事的用途と及び国際紛争助長への使用を回避する。」とあります。ここにある「使用を回避する。」というのは、具体的にはどういうふうなことを指して「使用を回避する。」と認識されているのですか。
○川上政府委員 御指摘の点は、政府開発援助大綱の「原則」の(2)の点に関するものでございますが、これは、従来から、国会、衆議院、参議院、いずれもあったと思いますけれども、国会の決議をいただいている、その表現をとらせていただいているわけでございますが、基本的には、援助が供与された場合に、もちろん軍事的な用途に対する援助というものはやらないということは当然のことながら、さらに、その援助によって供与された物資等が軍事的なものに転用されるといったようなことを先方政府との関係で極力行わしめないように我々として努力する、そういうふうな点でございます。
○土井委員 大綱の原則の一つに、「開発途上国の軍事支出、大量破壊兵器・ミサイルの開発・製造、武器の輸出入等の動向に十分注意を払う。」とございますが、「十分」というのはどういう程度ですか。そして、「注意を払う。」というのは単に注意を払っているというだけの話なんですか。これに対しての対応というのは具体的にどういう対応を考えておられますか。
○川上政府委員 先生御案内のとおり、四原則に出てまいります四つの点、つまり、軍事支出、武器輸出入、大量破壊兵器の製造等、それから人権、民主化といったようなことは、いずれもそれぞれの国の安全保障あるいは内政上の問題に非常に深くかかわっていることでございまして、かつ、目標としても大変大きな目標ですので、我々としては、こういう大きな目標を外交活動全体を通じて、先ほども御指摘のように、いろいろな場も通じまして粘り強く追求していくことが大事だというふうにまず考えているわけでございますが、これを具体的に運用していくに当たりましては、特にこれらの事項は、その国の置かれております安全保障の環境でございますとか経済的、社会的なそれぞれの国の背景といったような具体的な状況が開発途上国非常にさまざまでございますので、そういう点に十分留意しながら運用していく必要があるというふうに考えているわけでございます。 したがいまして、例えば軍事支出の点、武器の輸出入の点につきましては、その動向というものに注意する、ある一定の時点だけを見るのではなくて全体の動向というものを見ていくということが我々としては現実的なんじゃないだろうかというふうに考えているわけでございます。例えば民主化の点をとりましても、これは、今申しましたようなそれぞれの国の事情の違いといったようなことがございますので、それぞれの国の努力を趨勢としてみていくというような行き方が妥当なんではないだろうかというふうに考えているわけでございます。 したがって、そういう点に十分注意しながら、かつ、援助は必ずしもこれらの点だけが基準で決まっているわけでは当然のことながらございません。二国間の全体的な外交関係、それぞれの国の経済社会ニーズといったようなものを踏まえながら供与していくわけでございますから、そういう全体の大枠の中で、今の四つの原則を十分注意しながら運用していく。したがって、これについて絶対的な基準を設けるのは困難ではないだろうかというふうに考えているわけでございます。
○土井委員 大事なことは、冷戦構造が崩壊後どのような国際社会を形成していくかということを念頭から離してはいけないと思うのです。武器をどんどん強めて、そして予算の上でも軍事費ということに多大の予算を費やしている国に経済協力をするということは慎むべきだと思うのです。また、武器を輸出して、武器を売却することによってその国の経済が初めて成り立つと言わんばかりに武器の輸出をどんどんやっている国に対して経済協力をすることも慎むべきだと思うのです。 今の御発言を承っておりますと、動向を粘り強く観測し続けることが大事だというふうなトーンに聞こえてきたのですが、見ているばかりが能じゃない。やはりこっちは、日本の側が経済開発援助をやる主体になっているのですから、日本としてその辺はどういう認識を持ってどういう政府の開発援助をやるかということこそ、まさしく一つの外交姿勢がそこに出るのですよ。 そこで外務大臣、これはにわかに言うと難しい問題であるかもしれませんが、この大綱の中にある今の開発途上国の中でも、わけても軍事予算に対してパーセンテージ三割も四割も、場合によっては五割も使っている国に対してはこの援助を日本としてはしませんとか、また、武器輸出をどんどんやっている国に対してこの援助はしませんとかいうふうなことをきちっと具体的に大綱の中の原則の中に置いて考えるべきだと私は思うのです。私どもも近々にこれを案として出したいと思っていますよ。どういう援助のやり方が大切であるか、むしろ原則の中にそういう問題をきちっと織り込んで考えるべきではないか。時代はもうそう来ていますよ。日本の姿勢が見えないと言われるのを、ここらあたりで見せようじゃないですか。 外務大臣どうですか、外務大臣だったらきっと意のあるところを聞かせてくださると私は思っているのです。渡辺外務大臣の御所信のほどをお聞かせいただきたいと思います。
○渡辺(美)国務大臣 気持ちは同じなんですよ、腰が重いだけでね。 本当に気持ちとしては私もやりたい。やりたいが、一挙にそこまで、日本が具体的に動き出すというところまではなかなかいかない。それは、買う方と売る方とあるわけですから。欲しい人は自己の防衛のために欲しいというのはある程度仕方がないのですね、ある程度は。日本だって買っているのだから。そうでしょう。(土井委員「そう思わない」と呼ぶ一いやいや、日本だってあなた、戦闘機とか何かはやはり外国から買っているでしょう。これは国内でできない、仕方がない、必要なものだというものは買っているわけですから。それは額にもよりますよ。それから、途上国でも何でも自分の国を防衛するという権利はどこの国にもあるわけですから。国内でできない、外国から買いたい、売る国がなければ買えないというので。だからそれは、もうある程度必要最小限度のものは仕方がないのですね。 問題は、それをオーバーしているかどうか。何のためにそんなに買い込んでいるのだ、だれが見たっておかしいじゃないか、何のためにそんなにどんどん売るんだというところになってきますと、これは社会通念というのがあるように、国際社会にも通念があるのですね。だからそこで、やはりその透明性を増してくれば社会的制裁というものが加わってくるのです、これはどうしたって。だから、まずその段階をいこうじゃないか。 気持ちとしては私も本当にあるのですよ。そんなに外国に売るほどお金があるのなら応援なんか何もしなくたっていいんじゃないか、武器を売るんだったら。しかし、もうそうやってしまうと困る問題が出てくることもあって、そこのところが、じゃこれとこれは例外だとはっきり打ち出すというのも、それは一つの手かもしらない。手かもしらないが、もう少し勉強させてもらわぬと引っ込みがっかなくなるので、だから腰が重いと言ったのはそれを、今俗っぽい言葉で申し上げてまことに失礼でございましたが、それを言おうとしたわけであります。 以上です。
○土井委員 日本の開発援助についての問題なんですからね。したがって、どういう問題を日本は援助しているんだということに対して、もう少し外務大臣、それはお気持ちのほどを今披瀝されましたから、そのお気持ちを具体的にひとつここらあたりで発揮していただく、これはしどころだと私は思うのです。 だから外務大臣とされては、ひとつもう一歩先に踏み出していただいて、私どもは案をつくりますから、近々に出したいと思っております、これは。だから、ODAのこの原則について、大綱をその点ではつくりかえるくらいのつもりで、これは精神としてはいいのですよ。だけれども、あいまいだわ、これは。だから、具体的に言えばこうなるのですよというところを示そうじゃないですか。首を縦に振っていらっしゃるから、ぜひそれは外務大臣の方もそういう意欲満々ということをひとつ受けとめさせていただいて、足踏みの状況を続けているウルグアイ・ラウンド、補助金つき農産物の輸出削減問題で、アメリカとECとの間の合意があったということを受けて動き出したというのが昨今のニュースであって、何だか風雲急を告げるようなニュースになっております。 そこで、国際政治という場から見て、新ラウンドというのは年内決着と言われていることに真実味があると思ってよいのですか、どうなんですか。外務大臣、いかがなんですか。
○渡辺(美)国務大臣 ウルグアイ・ラウンドは一日も早く成功裏に終わることを期待する。だれもそう言っている、だれでも。恐らく日本国内各政党の中でウルグアイ・ラウンドが失敗することを期待するという政党を、私は声明を出したのを聞いたことないですよ。みんな成功を期待する。我が党も同じですから。しかしながら、総論はそうなんだけれども、各論になりますといろいろございまして、アメリカとECの話し合いなどもいいところに来ているのだけれども話がつかなかった、これも事実であります。 何度か私はアメリカにも言っているのですが、農産物の問題というのはいろいろな各国の事情があるのですから、これはヒルズさん、あなたはもう優等生で百点満点しかとったことがないそうだが、百点満点ばかりとっているから少し潔癖過ぎるのじゃないですか。私らは六十点でやっこらさいつも合格してきたものですから、もう多少アバウト。だからそのアバウトなところが多少あって、ここは少しお互いに譲歩して、それで百点ではないがウルグアイ・ラウンドは大きくまとまったんだから、農産物関係ではこれくらいもしようがないなというところで、世間もまあまあ仕方ないというようなところでやろうじゃありませんかということを言ってきておるのです。 ですから、そういうような空気に早急になれればうまくいくんだがな、ぜひそういうふうになってもらいたい。日本としては、したがって今度はもう多国間との交渉の間で日本の今までの主張をぶつけて、それで話し合いをしながら少し揺り動かしてほごしていくということの努力をしなければならぬと思っております。
○土井委員 早期決着ということを外務大臣としては意欲を持っておっしゃるのだけれども、今までは日本は観測者であって、みずからそのことに対してどうしていくかということを打ち出すことについてはまことに消極的であったということがあちこちでささやかれてきているのが昨今の姿ではないかと思うのです。 しかし私は、多国間の問題ですから、それぞれがどういうふうな思いで、みんな国益を持って臨んでいるのですから、動きがあるかということに対して知っておかなければならぬと思うのですが、先日来はフランスの問題がこれは随分取りざたされております。 フランスは、ワシントンで成立した合意は効力がないとか、欧州議会で拒否権を行使するということまで息巻いているということが報じられておりますね。フランスは新ラウンド不成功という状況に終わらせても頑張り通す考えがあるのかどうかですね。フランスの態度というのを外務省としてはどのように分析されているのですか。
○小倉政府委員 御案内のとおり、フランスの態度というのは非常に微妙なものがあるというのは事実だと思います。 ただ二十六日、現地時間二十五日でございますけれども、フランスの国民議会におきまして、この問題につきまして信任投票が行われております。信任投票の内容でございますが、この交渉についてフランスとしてはグローバルという言葉を使っているそうでございますが、グローバルかつ均衡のとれた合意、これが大事だ、こういうことを強調しております。この立場が賛成三百一票、反対二百五十一票、棄権六票でこの考え方が議会で承認されたというふうに聞いておりますが、結局のところ、フランスが今後の交渉におきまして全体として均衡のとれたものかどうか。 均衡がとれたというのは二つ意味があると思いますが、一つは恐らく農業、工業、サービス、そういったいろいろな分野、それぞれにおいて均衡がとれたという意味もあると思いますし、あるいは全体、そのほかにフランスなりいろいろな国々の均衡ということもあるかと思いますが、フランスが、今後出てくる交渉のパッケージと申しますか、中身がそういった均衡のとれたものであるかどうかということをどういうふうに判断するか、このような状況に現在ある、こういうふうに私どもは認識しております。
○土井委員 フランスの事情についても、日本としたら十分に注目をしていくという必要があろうかと思いますが、一方肝心の我が国も米に関する限り譲れないという問題を抱えていることはこれは事実なんです。 そこで伺いたいのですが、私たち国会議員というのは、新ラウンドの交渉の場所に参加しておりませんから、したがって交渉の雰囲気とか交渉のやりとりというのはリアルに伝わってこないのですね。それぞれ国益を考えながら激しいやりとりがなされていると思うのですが、私たちは報道と、わかりにくい官僚文書でそれを知る以外に知りようがないのです。 一昨日は予算委員会の場所で我が党の水田議員が質問いたしまして、農林水産大臣が、年来の主張が交渉結果に反映するよう最大限の努力をするという御答弁でありました。最大限の努力、これは当然だと思うのですが、しかし交渉の最前線におられるのは外務省なんです。交渉の場というか雰囲気として、実りのある努力がこれからも続けられるか、それともある種の選択を迫られるのか。私も議員の一人としては外交交渉というか、そういった雰囲気というものをこの外務委員会におりまして心得ておかなければいけないというふうに思っている一人なのですが、その現場の雰囲気というのをひとつ率直に述べてもらって、現状はこういうことだということを、言える限りのことをひとつここで聞かしておいてもらいたいと思うのです。どうですか。
○小倉政府委員 それでは、まず事実関係につきまして率直のところを、事実について率直に申し上げるというのも変でございますが、新しいホットなところを申し上げますと、昨日ジュネーブでいわゆるガットのTNC、貿易交渉委員会というものが数カ月ぶりに開かれたわけでございますが、しばらくアメリカとECの交渉の様子を見ておりましたので、その妥結にほぼ至ったということで開かれたわけでございますが、その中で実は、ダンケル事務局長が議長をしておりましたが提案が行われまして、それが大体了承されたわけでございます。 その中身を申し上げますと、年末までにウルグアイ・ラウンドの政治的妥結を目指してジュネーブにおいて交渉を直ちに再開するという点が一つでございます。もう一つは、交渉のやり方でございますが、ことしの一月に合意された四つの分野と申しますか、トラックという言葉を使っておりますが、分野によって交渉を進める。この四つと申しますのは、農業を含む市場アクセス、関税、非関税障害の撤廃が第一分野、第二分野がサービス、第三分野が条文の整備と申しますか法律的な問題、第四分野が全体の調整ということでございますが、この四つの分野で交渉を進める。この二つが合意されたわけでございます。 さらに、ダンケル事務局長の方から要望という点がございまして、これは事務局長の要望ということでございますが、もう時間もそれほど残ってないから、各国ともまたパンドラのボックスをあけるようなことをせずに、合意が早くまとまるようにひとつ努力してもらいたい、ただ細かな点、具体的に何%下げるかとかそういった点については、時間も多少かかるだろうけれども、そういう点もできるだけ速やかに交渉してもらいたい、こういう要望が表明されたということでございます。 その間、もちろん日本の方も日本の立場というものを述べたわけでございますけれども、以上申し上げましたようなところで、各国ともが大体そういった方向で今後積極的に交渉を再開しよう、多数国間の交渉を再開しよう、こういうことになったわけでございます。
○土井委員 私は、一番いけないことは、国民に正直な情報を流さずに、そして今やどこに行ったって日本だけで通用することじゃない、日本語の外圧というのは世界語になっているのです。外圧で押し切られたといって国民に負担を押しつけることなのです。これは一番いけないことだと思うのですね。これはもう外務大臣も同じお気持ちだろうと思うのですが、多国間交渉ですから、ある種の選択をしなければならないこともあるかもしれません。しかしその場合、我が国の米作農業の将来的な安定のビジョンを示さずに、交渉の場所で一方的にある種の選択をするようなことがあったら大変な事態になると私は思っているのです。 外務大臣は外務大臣でおありであるということと同時に副総理としてただいまいらっしゃるわけですから、むしろこの場所では副総理としての渡辺副総理に私はその点の御答弁を求めたい気持ちでおりますが、今私が申し上げたことはいかがですか。どういうふうに心づもりを持っていらっしゃいますか。
○渡辺(美)国務大臣 ウルグアイ・ラウンドがつぶれたらどうなんだ、それははかり知れない損害を与える、どのくらいの損害だ、それははかり知れないほど大きい、数字はわかりませんが。ウルグアイ・ラウンドがうまくいかなければもう不況になるだろうということは大体常識なのですね。ヨーロッパあたりでも何とかこの不況を、せっかくよくなってき始めたのだから、この景気をよくするために弾み車にしたい、それだからウルグアイ・ラウンドを成功させよう、こう言っておるわけですね。 世界じゅう大体そうなのですよ。だから、日本も現在の不況をどう見るかということでして、現在の日本の不況というのは大変な不況で、来年ももっとひどくなるのじゃないか、私はそう思っているのです、そういうふうな認識のない人もいっぱいいますが。だから、我々には、そうならないようにするためにいろいろな手段があるわけですよ、いろいろな手段が。だから、ウルグアイ・ラウンドを不成功に終わらせてみんなが貿易の報復措置をやるというようなことは日本の輸出産業、要するに貿易国家としてのダメージを受けることぐらい常識なのです、こんなことは。だから何とか成功させたい。 しかしながら、一方においてそれは農村の問題がある、米作農家の問題がある。だから、米作農家が困らないようにすることが必要であって、何もあしたから全部自由化だ、米はどんどん入ってくる、そんなことはだれも考えていないし、だれも要求もしていませんから。世界じゅうだれも要求していませんから。ごく微々たる話から大体話をしていこうじゃないかというのがウルグアイ・ラウンドですから。そのやり方についてどうするかということについてはやはり安心をしてもらわなければならぬのですよ、安心を。そういう点はよく話し合いをしながらどうするかという選択をしていかなければならない。 だから我々は、今まで二国間で言ってきたことを多国間で、日本はきのうから始まるのですから、これは。そういうことをやるのでしようとダンケルさんも言っているのですから、まだ始まっていないのだから。多国間相手に日本はまた始まるのですから、少し交渉をやらしてみてください。そういう過程において情報を全部流します。
○土井委員 時間が来てしまったのですが、今のお話を承っておりますと、かなり意欲を持って交渉の場所に臨まれるということのように受けとめますから、お米の問題についてはここの場所で言うこと自身が不適当だというふうにお思いになるかもしれませんけれども、包括的な関税化の例外にするという主張くらいはなさるのでしょうね。いかがですか。
○渡辺(美)国務大臣 それは、今までの方針で政府としては多国間の交渉をこれからやりますと総理が言っているのですから、そのとおりやりますよ。
○土井委員 最後にもう一つだけ聞いておきたいのは、世界的に深刻になっている問題にエイズがあるのです。実は私、大変気にかかっていることの一つに、外交官は世界各地で御努力なすっているのですが、不幸にしてけがをされるなんというふうな場合、輸血を受けなければならない場面もあるでしょう。それから、外交官の中には若い方も含めて赴任なさるという事態もあるわけですから、外務省としては職員の健康という面から、エイズ対策について何か対応なり勉強会なりなすっているかどうかという点を一点聞いて、私は終わります。
○林(貞)政府委員 エイズ問題の深刻さについては私どもも十分認識しているつもりでございます。これは何よりも正しい知識の普及それから啓発というものが大事だと認識しております。 そのような観点から、赴任前の研修等においてもいろいろ指導しておりますし、今後ともそういう研修の強化それからパンフレットの配付等を通ずる啓発努力に努めていきたいと考えております。
○麻生委員長 上原康助君。
○上原委員 大変限られた時間ですので端的にお伺いをさせていただきたいわけですが、先ほども土井委員の方からいろいろございましたが、日本の外交案件というのはポスト冷戦のこともあって大変山積をしていると思います。 日中関係は国交回復二十周年という節目もあって比較的安定、発展方向に向かっていると思うのですが、先ほどの御指摘もありましたように、日ロ関係というのはもう八方ふさがり、これはいろいろな経緯があることはわかります。 アジア・太平洋関係にしてもいろいろ問題がある。朝鮮半島情勢も依然として不安定要素がある。一方、対米追随外交とさえいろいろ御批判のある中で、日米基軸の外交はポスト冷戦も変わらぬということですが、米国では新しい民主党政権がじき誕生する。 そこで、こういう非常な変化の時代に、外務省としては何をこれから重点的に日本外交の課題としてやっていかれようとするのか。日本も変化が出てくるのか、出ないのか。まずその基本から外務大臣に所見を伺いたいと思います。
○渡辺(美)国務大臣 何を重点的にと言われましても、やはり時代の変遷に応じてそれは考えていかなきゃならない。 まあ日米関係の問題というものは、大統領がかわっても最重点事項であることは間違いありません。しかしながら、クリントンさんの言ったこととブッシュさんの言ったことに多少違いはありますよ。ありますけれども、外交の継続性は守るということもクリントン政権は言っているわけですから、きちっとそれはすり合わせをしていかなきゃならぬ。ソ連の北方四島の問題にしても、これもソ連がいろいろな国内事情、変化がございますが、しかしながら我々と同じような市場原理、民主主義、言論の自由、結社の自由、人権尊重、法と正義に従った外交の展開、こう言っている以上は、言葉だけはちゃんと我々は大賛成ですから、だから言葉だけではなくて、やはり実際に実施してもらうということを前提として取り組んでいかなきゃならぬし、またアジアでは、中国を初め我々がかつて戦争もしたが今は非常に仲よくお互いが助け合って世界で例の少ない成長の地域となっているわけですから、これはやはり守っていくようにやっていかなきゃならぬ。それから環境の問題にしても、あるいはいろいろな地域紛争の問題にしても、我々がやらなければならない問題はたくさんございます。 そういうようなそれぞれのもろもろの問題を考えながらひとつやってまいりたい、さように思っております。
○上原委員 極めて漠然としていますが、そこでどうも日本の戦後の外交、特に冷戦構造下においては日米主軸、それをだめだとは私は言いません。それも大事ですね。だが、やはり日本の地政的位置というのはアジアなのですから、もっとアジアを中心にするシフトに外交の姿勢というものを変えるべきだ、特に経済にしても安全保障の面にしても。ぜひその点はこれから留意をしていただきたいということを、短時間で議論を深めるわけにはいきませんが、注文をつけておきたいと思うのです。 なぜそういうことを言うかといいますと、きょうは短い時間ですから、冒頭申し上げましたように基本的な問題だけ指摘をして、これはいずれ十分な議論を深めなければいかない重要な点だと思いますので、まずカンボジアに派遣をしたPKO活動についてお聞きをしたいわけです。 私は、パリ協定の基本というか、この決定というものは既に履行されなくなりつつあるという認識をしておる一人なのですね。現在のカンボジアの状況というものを外務省というか日本政府は一体どういう認識をお持ちなのか。 また、PKO法案の審議過程で議論をしたいわゆる派遣五原則というものは、非常に私たちも注文をつけましたし、いろいろな議論が展開されたことはまだ記憶に新しいところなのです。そのことが、合意、同意、特に中立性という面からしてもこれは守られていないと見た方が常識であろうと思うのですね。 こういう問題等を含めて、現状と、派遣した活動のあり方とPKO派遣五原則との関係づけというものをどのように理解をし、今後の見通し等を含めて簡潔にお答え願いたい。
○渡辺(美)国務大臣 それでは概括的なことを私がお話をして、委細について御希望があれば国連局長から説明をさせます。 御承知のとおり、長い時間かかりまして四派がSNCというものをこしらえて、国連が仲介をしてUNTACができて現在に至った。ところが、いよいよ武装解除という段階になったところが、それについてポル・ポト派がいろいろ不満を述べてそれに応じないという現実がある。確かですね。 しかしながら、ではパリ協定というものをポル・ポト派は破棄するとか守らないとか破るとか言うのかねといったら、そんなことはありません、それは守っていくんですと。ただ武装解除の問題についていろいろ文句を言っておることも事実です。そういう点について我々としても、国際社会において忍耐強く積極的に説得をしていこうというのが現在の段階である、こう見て結構でございます。今後も続けてやります。
○上原委員 ポル・ポト派がパリ協定を否定はしていない、だからパリ協定の方向で進んでいるのだという御認識のようですが、実態は違うのじゃないですか。 UNTACにしても、中立性を守っていないという指摘があるわけですね。PKO法案の審議の過程で、成立過程で一番問題になったのは、合意、同意、中立でしょう。もう一つは、それが侵された場合、不履行になった場合は我が方は自発的な撤退、撤収ができるというのが重要なポイントだったと思うのですね。まだ二カ月ちょっとしかならない、二カ月くらいですが、いろいろな不安定な状況が起きているのじゃないですか。しかも、武力衝突も現に起きているのじゃないですか。このことに対して政府はむしろ一方的にポル・ポト派を排除するかのような形で、今UNTACあるいはPKO活動がカンボジアで展開をされているということが問題だと思うのですね。 話はちょっと前後するんですが、我が方のPKOをカンボジアに派遣をするに当たって、口上書で皆さんは国連との取り決めをやっていらっしゃいますよね。法案審議の過程においては、モデル協定もあるから、ちゃんと文書で国連との包括的な協定をやるというのが答弁だったはずなんだよね。しかも、私は資料提供を要求したのに、きょうようやく出してきた、口上書の内容は。その中には、基本原則というのはあるけれども、我が国の五原則ということについては、日本文も英文も全く触れていない。これは私は極めて問題だと思うのですよ。ごまかしですよ。なぜ包括協定ができずに、そういう口上書だけで派遣というものを了解したのか。その点明確にしておいていただきたい。
○澁谷政府委員 我が方といたしましては、国連との間で一般的な包括協定を、昨年五月、国連側が報告書として示しましだモデル協定に従って結ぶということで、国連に締結の申し入れをいたしました。 国連側の我が方への説明は、国連としても、一般論としてはこのモデル派遣協定に沿った包括的な協定を結ぶことが望ましいというぐあいに考えているけれども、各国からの要員の派遣に当たりましては、これまで例外なく口上書の交換により派遣の枠組みを設定しているので、また国連としても包括的な協定を交渉し締結するための事務的な体制がまだでき上がっていないということでございますので、我が国に限ってこの時点で例外的な取り扱いをすることはできないという説明がありました。したがって、各国の例に倣って口上書の交換によって派遣の決定をした次第でございます。
○渡辺(美)国務大臣 口上書の中で五原則に触れていないじゃないかというお話がありましたが、これは読んでもらえばわかるように、一番最後のところに、要するに「日本政府常駐代表は、また、上記の日本国の要員のUNTACの活動への参加は、日本国の関係法令、」PKO法案ももちろんその中心になるわけですからね、これは憲法もそうだし。「特に、国際連合平和維持活動への日本国の参加を規律する基本的な原則につきなかんずく規定する国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律に従って行われることになることを申し述べる光栄を有する。」と。 これは文章のところには、もう外交なんだから、条約の常套語だから仕方ないのですね、こういう「光栄を有する。」なんてわかりづらいけれども。ちゃんと書いてあるのですよ。そのことだけは明らかにいたしますから。ちゃんと書いてある。特に、PKOに関する法律に従って行われる、その中に五原則、ちゃんと書いてあるわけですから。ずらずら書かなかっただけだけれども、ちゃんと書いてあるということだけは知っていただきたいと存じます。
○上原委員 外務大臣、失礼ですが、そういうのは言いわけというか詭弁と言わざるを得ないですね。私もそれは持っている。確かにそう書いて、何で五原則、書かないか。さっきの澁谷局長が言うのがむしろ本音だよ。一事が万事そうなんですよ。 だから、指揮権の問題にしても、SOPの問題にしても、国連は国連中心なんだよ。関係法令、国連の基本原則に基づいてやるということなんだ、恐らく。あなたが、大臣がおっしゃるようであれば、何でこれにちゃんと五原則というのを明記しないのですか、幾ら外交口上書であろうと。 それから、もっと大事な点は、包括的な協定を結ぶということを国会でもしばしば丹波さんなんかもしょっちゅう答弁しておったでしょう、モデル協定があるんだと。いまだモデル協定はない。国連は平和維持活動が始まってから何十年になるのですか。だから、それは国連の前例だから日本も例外扱いはしないというのが今回の包括協定ができなかった本音じゃないのか。その点もう一度明確にしておいていただきたいということと、それともう一つは、きょうはもう基本的な点だけ、今の問題は、これはさっきの国連局長の答弁とあわせて私たちは重要視をしておきたいと思います。 もう一つは、最近いろいろなマスコミ報道を見ますと、実施計画が想定していなかった業務がだんだん第三国あたりからも要請されている。実施計画を変更するということが考えられておるようですが、その点は一体なぜ変える必要があるのかということと、実施計画は、これも我々は国会承認義務と言ったのが今ごろ問題になってくる、国会承認がどれだけ重要かということが。しかも、第七条では実施計画の変更であっても直に国会に報告をしなければいかないことになっているのですよ、第七条で義務規定がありますよ。それは、理由はなぜなのか、また、現在どういう検討がなされているのか、どこどこから何を今の法律あるいは実施計画以外にやらなければいかないという義務がふえてきたのかという点を明らかにしておいていただきたい。その点に対する資料も提出をしてもらいたい。 同時に、これは極めて問題なんだが、何でも外交秘密にするというのが外務省や防衛庁の常套態度なんだが、実施要領をどうして出さないのですか、皆さん。これは実施計画と実施要領というのは表裏一体のものなんですよ、実施計画と実施要領というのは。なぜこれを国会に出せないのか、実施要領というものを。出してください。これを出さなければ、この今のカンボジアにおける活動とか今後のPKO活動について、どういう実施計画に基づいてどういう実施要領で活動していくかということが不明確なんです、実施要領を出さなければ。これは重要な点です。大臣の方からお答えください。
○丹波政府委員 前段の点につきましては、私の先般の国会におきます国会答弁との絡みもございますので、簡単に私の方から御説明させていただきたいと思いますけれども、確かにこの国連との包括的な取り決めについての御議論、たくさんございましたけれども、私たちはあの当時、幾つかの点を念頭に置きながら今後国連との取り決めを検討していきたいということを申し上げたつもりでございます。 まず第一点は、国連自身が出しております。そのモデル派遣協定というものをひな形にして国連との取り決めを考えていきたいという点が一つ。 それからもう一つは、現実に国連がこの平和維持活動を要請する場合に、現実に今日どのような取り決めをやっているのかという点。 それから三つ目として、私たちは現実には実は口上書という場合が非常に多いということもあわせて御説明申し上げたつもりでございまして、先ほど国連局長が申し上げましたとおり、私たちとしては包括的な協定をやりたいということを国連に要請したわけですが、国連としては現実には、将来の問題としてはこのモデル協定に沿った協定を考えていくけれども、今日の時点ではほかの国と例外なく口上書だけでやっておるので、今日の時点では口上書ということにしてもらいたいという強い要請があったものですから、その日上書ということでとりあえず落ちつけたという経緯でございます。
○萩政府委員 後段の部分についてお答えいたします。 まず現在の実施計画以外のことについて、どのような要請があって、現在どういう状態になっているかという点でございます。 まず、フィリピンの外務省から我が方の大使館に対しまして、C130の定期便が毎週マニラで給油をして、それから物資を週に一回運んでおるのですが、その際、余席があれば、現地で不足しておるので交換用のタイヤを運んでもらえないかというのが一件ございます。 それからもう一つは、カンボジアにおきますUNTACの方から、その定期便がプノンペンのポチェントン空港で荷物をおろすわけですが、その後空便としてタイのウタパオ空港に飛んでいきます。その際、空であるのであれば場合によってはポチェントン空港からウタパオへ帰国する者あるいは休暇で行く者について乗せてもらえないだろうかといったような要請が最近出てきております。 それで、この件について現在の法律で可能かどうか、可能であるとすれば実施計画をどう変更したらいいか、あるいは現在の実施計画でできるのかどうか、修正するとすればどういう修正をしたらいいかということを現在政府部内で検討をしているところであります。それで、もし修正するということになりますれば、先生御指摘がありましたように実施計画の修正になるわけでございますので、閣議決定を経て国会に御報告して修正をする、こういう手続になろうかと思います。 それから、最後の実施要領でございますが、実施要領は基本的に実施計画に基づきまして部隊の行動についての部内の訓令ということでございますので公表は差し控えさせていただきたいというのが私ども政府の立場でございますが、国会の議論に資するためにその概要について御説明ないし資料を提出することは差し支えがないと考えております。
○上原委員 これは輸送の中身についても相当議論されたんですよ、法案審議のときに。だから、今あなたが言うようなことはできないはずだ、厳格に法律を解釈すると。実施計画でもそれは該当していない。その点指摘しておきます。 それと、実施要領については、私は、全文提出しなさい、部隊の行動規範というか行動、訓練、いろいろなものを決めているからより大事なんですよ、それは。概要だけではだめなんですよ。それは注文つけておきます。 それで、仮に変更するとする。今作業も進めているんだが、いつごろ結論を出すんですか。
○萩政府委員 現在関係省庁と詰めております。意見がまとまり次第、早急に結論を出したいと思っております。
○上原委員 私は、それは非常に問題があると見ていますが、仮に出すにしても、これは報告事項だからといって、いつかも問題になったのだが、外務委員のボックスとか内閣委員会のボックスに入れれば国会に通報した、報告したというようなことを言っておるのです。こういう重要なものを国会終了間際になってやったらいかないということもここで念を押しておきたいと思います。時間がなくなったんで、今からがおもしろくなるのだけれども困っちゃった。 そこでもう一点は、さっき冒頭に聞きましたが、私は、日米だけのことじゃないとは思うのですが、クリントン次期米大統領の選挙中のいろいろな発言等を聞いてみますと、やはり経済重視、相当軍縮をやってくると思うんですね。同時に日本へのシェアリングというものを強く求めてくる可能性も大きいと思うんですね。 そこで、今後の在日米軍基地のあり方、アジア・太平洋地域の米軍の動向というものをどう見ておられるのか。既にサミュエル・バーガー元国務省政策企画次長がクリントン次期大統領に外交、防衛に関する政策提言をやったという報道もなされております。その内容は入手なさって検討しておられるのかどうかということですね。私は、この間の太平洋地域におけるその削減計画よりももっとスピードアップする可能性十分ありと見ているんですね。その御認識はどうなのかということ。これは在日米軍全体について大幅に——安保体制そのものが冷戦構造下における遺物である、あんなものは。新しい視点に立ってやはり日米関係も律していくべき時期だと私は思うので、そういうことについて。 同時に、在沖米軍基地の点ですよ。いまだに日本全国の七五%も米軍専用基地を小さい狭い沖縄に押しつけてやるなんというのは、これは日本の恥だよ。何が経済大国ですか。平和の配当をやるならまず沖縄基地の返還、縮小から考えるべきだ。特にこれは外務大臣、ぜひ聞いておいてください。あなた、次に総理になられるのか、また外務大臣を続けるかわかりませんが、できればあなたの在任中に片づけてもらいたい。那覇軍港の返還、読谷飛行場のパラシュート訓練をやめさせてこれの返還、普天間飛行場あるいは嘉手納マリーナ、特に県道一〇四号を挟んでの実弾射撃はやめてもらいたい。今ごろああいうことをやる必要はないですよ、これは何といったって。 こういうことについて新しい米政権ができる段階で日本政府はもう少し毅然たる態度で、この際在日米軍基地のあり方、さっき大臣が言ったあのへんちくりんな口上書じゃなくて、なかんずく沖縄の米軍基地についての返還、縮小計画というものを早急にやってもらいたい。 そういうための、外務大臣がアメリカに行かれるとか、あるいは何かアクションを起こすお気持ちがあるのかどうか。今お尋ねした内容に対しても含めてお答えを願いたいと思う。
○渡辺(美)国務大臣 委細は北米局長から答弁いたしますが、基本的な考え方として、クリントン政権も外交の継続性を言っております。しかし一方に、財政赤字が非常に多いのでこれも縮小しなきゃならぬということも言っております。そういうようなものが海外の米軍の基地施設等に今後どういうように影響してくるか、よく話を聞いてみなければわかりませんが、長い目で見れば縮小の方向に行くことは間違いないだろう、私はそう思っております。 我々も沖縄県に全体の七五%も基地が集中しているということについてはよくわかっておりますし、なるべく縮小の方向で今後も交渉をしなきゃならぬ、そのように思っておりまして、従来より努力を払ってきておりますが、今後引き続き米側とはその調整について話し合いを進めて、政権がかわりましても継続していきたい、そう考えております。
○佐藤(行)政府委員 沖縄の在日米軍の問題及び沖縄の基地の問題は、ただいま大臣からお答えになられたとおりでございまして、我々はその趣旨を体して努力したいと思います。 一点だけ、先ほど触れられましたサミユエル・バーガーの報告書なるものでありますが、これは恐らく、私が承知しているものではワシントン・ポストにおととい出ました記事がございまして、今回の事務引き継ぎの結果をいずれ大統領に対して報告を出してほしいという趣旨のものだと思います。 実は、きょうの新聞にも出ておりますが、今度の政権移行を九つのチームに分けて準備をするということになっておりまして、その中の一つの安全保障の分野を御指摘のサミュエル・バーガーという人が担当することになっております。 その報告書のまとめ方でございますけれども、七つの分野について八つの章から成る報告書を出せということになっているようであります。これは新聞報道にそう伝えられているところであります。これは、いずれそういう形でクリントンさんに出すのだろうと思いますが、あくまで御想像のとおり事務引き継ぎのための政府部内の文書でありますので、新聞にリークでもしない限りは出てこないものだろうと思います。どういう分野であるかとかいうことは大体我々は承知しておりますけれども、安全保障に関する分野を各省別に区切っていって七つになりますが、それぞれについて報告を出すということのようでございます。
○上原委員 もう終わりますが、一方では、クリントン次期大統領は国連のPKO活動強化のための緊急展開部隊をより充実していくというやの新聞報道というのがあります。緊急展開部隊とか、そういう米側の戦略というか、アジア・太平洋をにらんでの活動強化ということになると、またもや日本側が、思いやり予算を大変充実させている手前もあって、場合によっては沖縄の米軍基地や在日米軍基地というものが強化されかねない点もあると思う。 もしそういうような事態になったら事は本当に問題ですよ、外務大臣。今ごろ新たな米軍基地であるとか自衛隊にしたって、縮小再編するというなら話はわかるけれども、もっと強化するということは、どんなことがあっても今後のアメリカの新政権とはやるべきではない。それこそ大臣、主体的外交なんですよ。よもやそういうことはないとは思うのだが、今私が指摘をしたことについては、どういう御感想を持っているのか。これは大臣から、もう時間がないですからお答えください。
○渡辺(美)国務大臣 私は、そういう問題は心配ないと思っておりますが、全体的に見れば、中長期的には基地は縮小する方向で外交を進めてまいります。
○上原委員 終わります。
○麻生委員長 遠藤乙彦君。
○遠藤(乙)委員 時間も限られておりますので、絞って何点かお聞きしたいと思います。 まず、去る九月の末から十月十日にかけまして、我が党の石田委員長を団長としまして初の本格的な欧州訪問団を派遣をいたしまして、ドイツ、フランスを中心にベルギー、欧州共同体も訪問しました。政界要人を中心に幅広い問題につきまして意見交換をしてまいりまして、非常に有意義だったわけでございます。特に、訪問に当たりまして外務本省並びに在外公館からいただきました御協力に、この機会をかりましてお礼を申し上げたいと思っております。 欧州では大変議論が沸騰しておりまして、ちょうどマーストリヒト条約の国民投票直後であったこともありまして、また両独の統一、それからユーゴの問題あるいは対ロ支援の問題、いろいろな問題で沸騰しておりまして、ちょうどいい時期に行くことができ、またいろいろ認識を新たにしてまいったわけです。 いろいろ所感がございますけれども、一つだけ申し上げたい点なのですけれども、冷戦が終わって核戦争の脅威は大幅に去ったとはいえ、他方地域紛争が非常に新しい脅威として出てきている。特にユーラシア大陸では、ユーゴを初めあるいは旧ソ連、この紛争の多発化が非常に懸念されております。 そういった中で、この欧州統合、非常に強い統合された安定した欧州が発展するということは、世界の平和にとってもまた日本にとっても非常に大事なことであるという認識を持ったわけでございます。 そういった中で一つ非常に気になることは、日欧関係の今後でございます。日米欧の協力が今後ますます重要なことは言うまでもないわけですけれども、欧州もそういう問題意識を当然持っておりますけれども、ただ欧州が統合問題を初めとする域内の問題で大変忙殺されておりまして、実際問題、グローバルな問題あるいは日本との対話等にエネルギーや時間を割く物理的な余裕がないという非常に強い印象を持ったわけでございまして、このまま放置をしておきますと、今までも弱いと言われていた日欧の関係はさらに弱くなるのじゃないかということが懸念されるわけでございます。 現地の大使あるいは欧州側もこのことは非常に懸念を表明しておったわけで、そのために今後とも特に日本側から強いイニシアチブを発揮して欧州に働きかけて、大規模な文化交流、人物交流あるいは知的対話、先般もNATOとの対話が行われまして非常に質の高い対話だったと思いますけれども、ぜひ大規模な幅広い関係を進める必要があるということでは双方意見は一致したわけでございます。 それを進める具体的な一つの手段として財政的なサポートが非常に重要だと思いまして、これは現地のいろいろな意見も徴しまして、日欧基金、特にロシアも対象とした文化交流、人的交流、知的交流をサポートするための日欧基金をぜひ設置すべきだという強い意見に我々はなったわけでございます。日米関係につきましては、いわゆる安倍基金という形で五百億規模のものが既に設立をされております。なぜこれが日欧関係にないのかということが不思議でございまして、これはぜひとも早期に設置をするべきであるという意見になったわけでございます。 十月十三日に、戻りまして委員長が宮澤総理をお訪ねしまして訪欧報告をいたしましたが、そのときにもこのことを強く申し上げました。総理からも、それは大変いい考えであるし、ぜひとも実現をすべきであろう、現下の財政状況では直ちにというわけにはいかないけれども、まず予算措置を充実し、さらにこの基金につきましても実現に向けて努力したいと、大変前向きの御答弁をいただきました。外交当局の最高責任者である大臣にもこの問題につきまして強い御支援、御支持をぜひお願いしたいと思っております。 そこで、ロシアも含めた日欧基金の実現につきまして、大臣の御見解なり御決意を伺いたいと思います。
○渡辺(美)国務大臣 御趣旨のとおりでございまして、大変な御理解と御協力を感謝いたします。御趣旨の線に沿って財政当局とも今後とも引き続き交渉を進めてまいります。
○遠藤(乙)委員 その力強い御決意に沿って御尽力をぜひお願いしたいと思っております。 そこで、次にロシア情勢につきましてお伺いをしたいのですが、エリツィン大統領の訪日延期ということがあって、我々も非常に驚いたわけです。十一月上旬になりまして、ロシア外務省が、ソ連邦崩壊後のロシア対外戦略の指針となります「ロシア外交政策の理念」という文書を発表したわけでございます。 まず、外務省としまして、この文書は入手をされておりますか。
○兵藤政府委員 この幾つかの検討段階の文書がございます。それはしかるべき方法で私どもも逐一入手はいたしております。
○遠藤(乙)委員 この文書、私も実物を見たわけではないのですが、新聞報道等でこれを見ますと、この新方針のもとで一つ感ずることは、いわゆる選別外交ということが強く出ているのではないか。要するに、ロシアにとってよい国、悪い国、普通の国という選別をして、特に同文書で「経済改革実現の助けになる国々との関係促進」ということを言っておりまして、他方それは別面では、我が国のように領土問題の障害を持つ国を迂回して外交を進める可能性を示唆しているのではないかと思うわけでございます。 そこで、政府としてこの文書をどのように評価をされておられるのか、また、ロシアがこの選別外交を展開してきた場合に我が国としてどのように対応するつもりなのか、そこら辺につきまして御説明をお願いしたいと思います。
○兵藤政府委員 ロシア連邦の外交政策の理念についての文書につきましてこういう場で論評を加えるということは差し控えるべきだと存じますけれども、一点、おっしゃった選別外交という先生の御指摘、ロシア連邦政府はかねてより法と正義に基く外交ということを言っているわけでございますが、その基本方針は当然アメリカ、ヨーロッパのみならず他の地域にも適用されてしかるべきものと私どもは考えているわけでございますけれども、万々が一にもいわゆる二重の基準あるいは国によってそれが異なるというようなことがあれば、特に我が国との関係でそういうことであれば、これは我が国としては認めるわけにはいかないということであろうと思います。 従来より、法と正義に基づいた外交というものは、アジア、わけても日ロ関係においても適用されることを期待するということは、繰り返し我々日本政府から述べられているところでございます。
○遠藤(乙)委員 そこで今度は、エリツィン大統領の東京サミット招待問題につきましてお伺いしたいと思います。 先般のミュンヘン・サミットと同様、来年の東京サミットヘェリツィン大統領を招待するかどうか、いろいろ議論が分かれるところだと思いますけれども、エリツィン大統領を招待するか否かの決定に至るプロセス、これはどういうふうになって決まるのか、そこにつきましてまず御説明をいただきたいと思います。
○兵藤政府委員 この問題につきましては、来年の一月から日本がG7、サミットの議長国になるわけでございますが、その段階になりましてからしかるべき時期にG7参加国と協議をしながら決められるべき問題と考えております。現在のところは全くまだ検討を開始した段階でもございませんし、したがって態度については全く白紙であるということでございます。
○遠藤(乙)委員 新聞報道によりますと、外務省幹部の発言としまして、「大統領を招待した場合、北方領土交渉が最大の関心事になり、我が国としては交渉の進展が期待できなければ、参加六カ国が招待すべきだと言っても、招待しない方がいいと判断することもある。」こういう発言が報じられております。 外務省の空気あるいは考え方としてはこういうことなんでしょうか、それとも何か別の考え方があるのか、御説明をいただければと思います。
○渡辺(美)国務大臣 我々はエリツィン大統領を招待しておったわけですから、向こうの事情で来れなくなったという中で、その問題をどうするかということがサミット前に片づけなきゃならない問題なんです。その延長線上でどうするかをまず決めた上で、後サミットに招待するかどうかについては、日本は議長国ではありますが他の国々とも相談をしながらどうするかを決める、したがって、今のところサミット招待というのは白紙である、こうお考えになって結構です。
○遠藤(乙)委員 続いて、NIS支援会議につきましてお聞きしたいと思います。 去る十月末に開かれました支援東京会議で政府は、食料品、医薬品を中心としました一億ドルの緊急援助の方針を表明しております。また、これ以前にも我が国として総額二十六・五億ドルのコミットメントをしているわけですけれども一他方エリツィン大統領が九月二日の大臣との会談で、日本の対ロ支援額につきましてはG7諸国の中で最下位ではないかと批判をしたと伝えられております。 そこで、この問題に関連をして伺いたいのですが、経済援助の金額のとらえ方としてはいろいろコミットした額と、他方実際に払った額と二種類あるわけですけれども、今日現在の時点でそれぞれの額についてどうなっておるのか、事実関係を御説明いただきたいと思います。
○兵藤政府委員 九月現在でディスバース、つまりどのくらい実施したかというのは大変捕捉が難しい点でございますので、コミットベース九月現在ということで御容赦いただきたいと思いますけれども、私どもが承知をいたしておりますのは、これは有償、無償、融資、技術協力、全部を含めた数字でございますが、それを丸くした数字ということで御了承いただきたいと思います。 ドイツが約六百マルク、米ドルでは当時の為替レートで申しますと四百二十五億ドル。なお、この中にはドイツ統一に関連いたしますいろいろな支出といいますか、そういうものも含まれていると了解いたしておりますけれども、四百二十五億ドル。米国約八十億ドル。イタリーが七兆リラ、七十億ドル。実は四番目が日本でございまして、先ほど先生から御案内がありましたような二十七億ドル弱になるわけでございます、技術支援を含めますと。それから五番目がフランスで百億フラン、二十二億ドル。カナダが約十九億ドル。英国が四億ポンド、約八億ドル。 国別に申しますと以上のとおりと承知いたしております。
○遠藤(乙)委員 続いて中国のことをお聞きしたいと思います。 先般天皇陛下の訪中が実現をいたしまして、天皇陛下がお言葉を述べられ、中国側もこの真意を大変理解してくれたものと期待をしたいところなのでございますが、まず、訪中の評価についてお聞きしたいと思います。
○渡辺(美)国務大臣 私は、結論から言いますれば大成功であった、本当に数千万の日本の人が行って中国人との間で心の通う交流をやったに匹敵、あるいはそれ以上の成果をおさめたのではないかというのが結論です。 最初は大変表情がかたかったのですが、だんだん日を追うにつれて民衆の表情が明るくなり、それで上海に行って爆発的な人気が出てきた。これも、自分たちの今まで絵で見たり教わったり聞いたりした天皇のイメージと実際に自分の眼で見た天皇陛下のイメージ、それからテレビやなんかで見た両陛下の諸動作、それから中国国民に対する温かいお言葉、そういうようなものが総合評価されて非常な親しみと尊敬の念がわいたのではないだろうかと私は想像をいたしております。
○遠藤(乙)委員 そこで、この陛下の訪中に関しまして日本政府は関係国に事前事後の説明を行ったと承知をしております。その中で、今回台湾に対しても事前事後の説明を行ったと聞いております。 従来、日本政府の立場は、日中国交正常化の声明以来、北京政府を唯一の合法政府と認めてきたことから、台湾との政府間接触に極力神経を使ってきたと理解をしておりますけれども、今回の台湾への事前事後の説明の事実関係、その趣旨、対台湾政策のスタンスの変更の兆しなのか、あるいはまた中国側がそれに対してどういう反応をしたかにつきまして御説明を得たいと思います。
○池田政府委員 お答えいたします。 台湾に対しましては、天皇御訪中の決定が行われました直前に、事前に通報いたしました。それから事後も通報いたしました。これは交流協会が台湾側に対して通報を行ったわけでございます。 事前に行いましたときには、天皇御訪中が決定されることとなるという趣旨の説明があったというように聞いておりますし、事後に行いましたときには、天皇御訪中が大変大きな友好親善の成果を上げられたということを説明したというように聞いております。 これに対しまして台湾側は、事前に対しても事後に対しても日本側の説明を理解するという態度でございました。このことは日本と中国との関係あるいは日本と台湾との関係、これまで続けてきました基本的な政策を何ら変更するものではございません。
○遠藤(乙)委員 この件に関連をしまして、陛下の訪韓問題につきましてお聞きしたいのですが、先般来日した韓国の李外相それから盧泰愚大統領との首脳会談でも陛下の訪韓問題が取り上げられ、先方から強い要望が出たと承知をしております。そこで、この陛下の訪韓問題の見通し、特にどういう環境が整えば陛下の訪韓が実現すると考えておるのか、政府の見解をお聞きしたいと思います。
○渡辺(美)国務大臣 先ほど中国御訪問についての大成功があったということの裏には、やはり日中両国民から歓迎される形でお出かけになったということ、中国政府も国民に天皇様を温かく迎えてもらうような雰囲気づくりのために大変な御苦労をいただいたということも事実でございます。 したがいまして、この訪韓の問題につきましては、ことしは何にせよ大統領選挙で政争の真っ最中でありますから、こういう中に陛下が訪韓することは不可能なことだと私は思います。したがって、来年以降の問題になろうかと思いますが、しかし両国民が歓迎する雰囲気の中でということでございまして、そういう日が一日も早く来ることを我々は希望いたしておる次第であります。
○遠藤(乙)委員 続いて米国の件につきましてお聞きしたいと思います。 クリントン次期大統領がこれから就任するわけですけれども、ただ、クリントンさんはずっと内政問題を中心に選挙キャンペーンをやってきまして、対外政策の全体像を示すような材料はまだ十分でないという段階かもしれません。また、人事もまだ十分明確でない段階でどうなるか予見することは難しいと思いますけれども、外務省として、クリントン政権の対外政策の特色それから対日関係にどういう影響がまた出てくるか、これにつきましてどのように分析をされているかをお伺いしたいと思います。
○渡辺(美)国務大臣 細かいことは申しませんが、クリントン政権になったとしても外交の継続性というのは基本的に維持されるというようにまず考えておることです。したがって、日米関係には基本的に大きな変化はないだろうと私は確信をいたしております。 これまでの外交政策でクリントン次期大統領は、国内経済の再建、民主主義の推進、冷戦後の時代にふさわしい国防体制の実現の三点を重視するという方針を明らかにいたしておりますし、当選の翌日は外交政策の継続性というものを強調しておる。こういうような点から見て大きな変化は考えられないし、この間、宮澤総理と直接電話でのやりとりをしておりますが、これに対して、要するに世界のために日米という世界経済の四〇%もの経済力を持つ国が今までのように相協力して、お互いによく話し合いながらやっていきましょうという結論を得ておるわけですから、その点についても私は心配ないと考えております。
○遠藤(乙)委員 共和党政権が長く続いたこともありまして、民主党とのいわば対話のチャネルというのは相対的に薄いと言わざるを得ないと思います。これは政府も野党もマスコミも含めてそうだと思いますけれども、やはり早期にクリントン政権との接触、対話をハイレベルでやるべきだと私は考えるわけでございます。大臣も早期訪米の意向をおっしゃっておりますし、総理もそのような御意向があると伺っておりますが、具体的に今どの辺をターゲットに検討されておられるのか、大臣からひとつお答えをいただきたいと思います。
○渡辺(美)国務大臣 訪米するにいたしましても、次期大統領とだけ会って帰ってきたというのではちょっともったいないですから、やはり次期大統領とともに政権を担っていく重立った人たちが大体決まるという段階でないと、私はせっかく行くのですからその方がいいと思っておるのです。しかし、それは私が行くかどうかは別として、やはり日本国を代表する外務省の大臣、外務大臣はいずれにせよ就任以前の方がいいのじゃないかという感じであります。
○遠藤(乙)委員 米国の対外政策の関係で私ちょっと懸念を有している点、いろいろあるわけですけれども一つだけ申し上げますと、対中政策それから対ロ政策で日米間の政策スタンスがちょっと違ってくるのじゃないかという感じを持っております。 日本の対中関係は、陛下の訪中、今大臣がおっしゃるように大成功だったそうで、非常に良好な関係が進む。他方アメリカの場合には、特に民主党は人権問題を重視しますから、米中関係が非常にサワーなものといいますか、ぎくしゃくする可能性が非常に強い。他方対ロ関係については、アメリカとしてはやはり民主化、市場経済化というのは大歓迎でしょうし、対ロは非常に積極的な姿勢が見られる。他方日本の方は、エリツィン大統領訪日延期とか北方領土問題もありますし、どうも非常に停滞した関係が予見されるということで、対ロ、対中について日米間の政策スタンスがかなり際立って違ってくるのではないかという気がいたします。 やはり日米間で余り大きな差が出てくると好ましくないし、相互理解を深め、政策スタンスについてある程度すり合わせが必要ではないかと思います。こういった点につきましてどのようにお考えになっているか、御意見をお聞きしたいと思います。
○渡辺(美)国務大臣 日本はアジアの主要国です。日本はアジアにおいては戦争の被害その他、たくさん迷惑をかけたという現実もあるわけですから、アメリカと必ずしも完全に同じような立場をとれないこともあります。それはやむを得ないことであります。 しかし、基本的にはやはりアジアの安定という点について日米は意見の一致を見ていかなければならない。たまたま天安門事件を契機として米中関係の間に人権問題等をめぐってすき間風が吹いているということも事実。特に議会が中国に対して強く当たり、両院が最恵国待遇をやめろという決議をしてきたことも事実。これに対してブッシュ大統領が議会の意向を無視して拒否権を発動した。そして三分の一の上院のなにをとってやっておるのですが、さて今度は民主党が議会に過半数を持っておって、ブッシュさんにかわってクリントンさんが来年の五月かに拒否権発動をやるのかやらないのか、これは大問題があるところですね。 したがいまして、これらについては、香港の問題等もございますことですし、時間もございますから、我々はやはり中国の立場も説明するが、中国に対しましてもアメリカの立場を理解してもらう助言を今後とも我々はしていかなければならぬ。いずれにせよ米中関係が非常にまずくなるということは、我々は中国ともよし、アメリカともよしという関係で実際板挟みになってしまう。だから、そうならないようにしていかなければならぬ。 また、米ロ、日ロ関係の問題についてはあなたがおっしゃったような点もございます。したがって、これらについてアメリカがある程度のイニシアチブをとって日ロの潤滑油になってもらえることは私は歓迎するところであります。 長くなりますから、この程度にいたします。
○遠藤(乙)委員 大臣の見解を伺って、私も大変安心をいたしました。ぜひ日米間ですり合わせをし、あるいは協力できるところは協力し、助け合ったら、非常にこれは双方にとって利益じゃないかと思いますので、ぜひその方向で、またできるだけハイレベルでこういった話し合いをされることを希望したいと思います。 そこで、PKOの問題をお聞きしたいのですが、先ほど上原委員の御質問に対して萩次長から御説明がございましたが、フィリピンそれからUNTACから輸送を頼まれている件でございますね。さらに先ほどにつけ加えてお聞きしますが、新聞報道によりますと、この一週間以内にも閣議決定をするというふうに聞いておりますが、それは事実なのでしょうか。
○萩政府委員 お話がありましたように、フィリピンからUNTACに出ている部隊のタイヤを運んでほしい、それから、カンボジアのUNTACからあいた定期便に人、物を運んでもらいたいという要請がありまして、現在検討をしております。検討がまとまりましたら実施計画を変更する方向で処理をしたいということで、まとまり次第閣議決定をして国会に御報告をしたいと思っておりますが、まだ来週とか再来週とか確定した日にちは決まった段階に来ておりません。
○遠藤(乙)委員 この輸送の問題は随分国会、特別委員会でも議論いたしました経緯があるわけでございます。 PKO法案が審議されました百二十一国会、当時の丹波国連局長、現条約局長でございますが、この輸送の問題で我が党の山田委員の質疑に対して答弁をされております。その中で、この輸送につきましては、輸送の依頼があったときにどうするかということにつきまして丹波局長より、「参加国がみずから手だてを講じて処理しているのが普通である」「先生のような御質問が日本側に提起されるという現実は私たちとしては想定しがたい」とおっしゃっておられるわけですけれども、それと関連をしまして、今の実施計画の変更の問題、この整合性はどうなのかということ、若干矛盾があるように思うわけでございますが、この点につきまして御説明をいただきたいと思います。
○丹波政府委員 お答え申し上げます。 先生の御質問は平成三年の九月二十六日の衆議院におきます私の答弁でございますけれども、あのときの山田先生の御質問は、通常のPKOの外国の参加要員の輸送の問題、これにつきましては、私は通常参加国がみずから手だてをしておるのでございましょうということを申し上げたわけですが、その後の方で、実は山田先生が提起しておられましたのは、武器や弾薬というものの輸送を頼まれた場合はどうするかという御質問でしたので、その点につきまして、このPKOの本質からいきまして、外国に武器弾薬を大量に輸送を頼むような、そういう活動ではございませんので、そういう武器弾薬の輸送を日本に頼んでくるということは実際上想定しがたいというその点に絞って、念頭に置いて御答弁申し上げたということでございまして、ただいまの御説明、私たち申し上げましたのは、まさに武器弾薬だけを運ぶということではございませんので、私の御説明と矛盾したものではないというふうに考えております。
○遠藤(乙)委員 確かに山田委員は武器弾薬ということで質問しております。ただ、もう一つ加えて兵員や武器弾薬とありまして、兵員あるいは人員ということもあるわけですが、今回UNTACは人員の輸送を依頼しているわけですけれども、この点はいかがでしょうか。
○丹波政府委員 先生おっしゃるとおり「兵員」という言葉を山田先生は使っておられますが、私の答弁は武器弾薬だけに絞って、そういうことは想定しがたいという答弁で御説明申し上げたということでございます。
○遠藤(乙)委員 以上で終わります。
○麻生委員長 古堅実吉君。
○古堅委員 わずか十五分ですから、大急ぎでやりますので、簡潔にお答え願いたいと存じます。 最初はPKO問題です。 カンボジアではポル・ポト派の武力攻撃が頻発しております。停戦合意違反が明確になっていることは言うまでもありません。十月二十七日のロケット攻撃もその一つです。宮澤総理は、十一月五日の本会議で我が党不破委員長の質問に対して、UNTACが否認しているとし、停戦違反を認めませんでした。 しかし、このUNTACの調査報告に対してプノンペン政権の国防省が機関紙で、「こうした言辞は、民主カンボジア側とクメール・ルージュ軍のカンボジア政府に対する野蛮な協定違反の活動を鼓舞し、協定の完全な破壊をもたらすものだ」と批判しているのであります。十一月六日、七日にはポル・ポトだけの攻撃ばかりか、プノンペン軍からの攻撃もあったことをUNTACスポークスマンが明らかにしております。UNTACのヘリに対する銃撃も頻発しています。カンボジア全土での全面的戦闘ではないからといって停戦違反でないと言うことは間違いです。 大臣、ポル・ポト派の停戦違反行為が続いている事実を認めるべきではありませんか。
○渡辺(美)国務大臣 それは何万という軍隊がおるんですから、その中でごく一部の者がゲリラ的行為を行うということはあり得ると思います。しかしながら、全体的にパリ協定の枠組みを破っているんだということはどちらも言っておりません。プノンペン政府に対しましても、ぜひともこれは冷静、平静に対処して、それに一々挑発に乗るようなことはしない方がいいですよということは、我々は友人として助言をしております。今後とも平和が維持されるように積極的に協力してまいりたいと考えます。 〔委員長退席、福田委員長代理着席〕
○古堅委員 停戦違反行為があることは認めました。そのことが、自民党を初めとして国会における多数をもってあのように強引につくった法律にさえも違反するということも含めて明確にすべきです。そういうことに至っては、事をねじ曲げて認めようといたしません。許せないことであります。 一方、ガリ国連事務総長の「平和への課題」と題する報告がPKOの従来の概念を一変させる提言を行い、安保理が基本的にそれを認めているだけに、政府の対応が問われる事態があります。ガリ報告は、国連憲章に基づいて今こそ求められている紛争の平和的解決の道を徹底追求するのではなく、軍事力による秩序づくりを目指している点で重大です。いろいろありますけれども、ここでは二点にわたってお聞きしたいと思います。 まず、平和強制部隊の創設について政府は反対すべきではありませんか。お答えください。
○渡辺(美)国務大臣 話としてはありますが、現実に平和執行部隊といったって、まだアイデアの一つであって、今直ちに実施に移されようというわけではありません。私としては将来の、将来ですよ、国連の平和構築の構想のあり方として一つの興味深いアイデアであるなというように感じてはおりますが、すぐ賛成というわけでもありません。引き続き冷静に検討していく必要があると考えています。
○古堅委員 賛成ではないということですから、積極的に反対だということを表明すべきです。 これは、第一に、国連憲章四十三条の国連軍創設までのつなぎとなる可能性があること、第二に、したがってPKFよりも重装備となること、第三に、武力行使以前の予防展開として投入されるおそれがあることなどからして、日本国憲法に照らしても日本は参加、協力できないことが明確です。そういう面で、前もって賛成しているのではないということではなしに、反対表明されたらどうですか。
○渡辺(美)国務大臣 私は、将来の話ですし、いずれ世界の平和秩序を維持していくためには、今までのように共産主義とアメリカという二大国家群、そういうものによってやるという時代はだんだんなくなって、やはり国連中心主義の世界警察隊的な治安維持というものが望まれるのじゃないか、そう考えておりますので、この構想には今から反対だと言う必要はない、そう考えております。
○古堅委員 一方の当事国の同意だけでは紛争は抑えられません。国連の中立性という点からでも問題です。外務省は今のような態度で、場合によっては賛成することもあり得るという含みがあるのですか。
○渡辺(美)国務大臣 それは賛成することと参加することとはおのずから別の問題でありますよ。私は、実態を見なければわかりませんが、将来は中長期的に見れば何らかやはり国連の世界平和秩序への貢献というものは世界全体で考えていかなければならぬことだろう、そう思っておりますから、それは参加するとかしないとかということを今言わないし、今も賛成だともまだ言い切れませんが、検討していくということですね。
○古堅委員 今こそ国際連合がつくられた大精神に基づいて、国連憲章に基づき、このようなPKO、これまでの基本をも踏み外して、先ほど指摘した大きな問題へと発展する、そういう可能性を秘めた問題については、日本国憲法の精神に基づき国際連合の大精神に基づいて、我が国としては態度を明確にして、それが貫かれるように努力すべきです。 この問題は、アメリカのクリントン次期大統領が最強の軍隊の追求と国連緊急展開軍の創設構想を表明し、あるいは国防総省が米軍のPKO参加構想を打ち出すなど、国連の常任理事国はPKOに軍隊を出さないという従来の建前と違った動きが出ているだけに重大です。 それにはいろいろな問題がありますけれども、その一つにPKOを通じての日米共同行動が起こり得るという問題がございます。今回、政府はフィリピン政府が要請しているPKO物資輸送に自衛隊輸送機を使用しようとしている。先ほど来そういう態度が表明されておりますけれども、許されません。もしそれが強行されるとすれば、米軍がPKOに参加することになった場合、今回と同じような輸送などの便宜を供与するようなことになるおそれがありませんか。
○萩政府委員 フィリピンからの要請があることは事実でございますが、私どもはあくまでも国連UNTACから要請がある場合に限って輸送するということでございますので、フィリピン政府だけが日本に要請をしてきても、それを運ぶつもりはございません。したがって、あくまでも国連UNTACからの依頼ということでございます。
○古堅委員 UNTACの要請であっても許される問題ではないことを指摘しておきます。 最後に、今度は沖縄米軍基地に関する問題です。 一九九一年七月二十二日、ASEAN拡大外相会議で時の中山外務大臣が、在比米軍基地を引き続き存続させようとするアメリカのお先棒担ぎの演説を行いました。それがいかに恥ずべきものであったかは、今回の在比米軍基地の全面撤去で明らかになっています。フィリピンはこの十一月二十四日、米国の植民地下に置かれて以来九十一年ぶりに遂に米国の一切の基地を撤去させ、十六世紀にスペインによって占領されて以来実に四百二十一年ぶりに一切の外国基地の撤去をかち取ったのであります。 それに引きかえ日本はどうですか。冷戦構造が崩れ、これまで口実にされていた安保必要論の根拠さえなくなったというのに対米従属の立場で安保堅持をうたい続け、撤去される在比米軍の一部、約五百人をまたまた沖縄に持ってこようとしているではありませんか。それは沖縄米軍基地の強化にもつながり、到底許すことはできません。政府は直ちにやめるよう意思表示すべきではありませんか。それが一点です。 〔福田委員長代理退席、委員長着席〕 次は、米軍演習と事故の問題です。 沖縄米軍基地は火を噴いています。伊江島では十一月二十五日にも、パラシュート降下訓練の米兵が民家の屋根に落ちるという事故が発生しています。この二カ月足らずで伊江島で三回の米軍演習事故がありました。普天間飛行場ではヘリコプターの墜落事故が発生し、キャンプ・ハンセンでは県道一〇四号封鎖の実弾演習が繰り返され、ことしは回数、日数等を含め最悪の事態になろうとしています。演習による火事も、金武町、伊江村、国頭村などで相次いで発生しています。 このような米軍基地をさらに強化する方向が進もうとしている、こういう事態が許されますか。大臣は相次ぐ米軍演習事故に抗議し、十分な補償をさせることはもちろん、県民にわびるべきであります。何よりもこのような米軍演習をやめさせることが第一です。大臣の所信を承りたい。
○渡辺(美)国務大臣 米軍の演習をやめさせるというわけにはいきませんが、事故が起きないように厳重に今後とも申し入れをしてまいりたいと考えます。
○古堅委員 時間がなくなりました。終わりますけれども、冷戦構造がなくなり、安保もやめる方向、国際的な意味合いにおいても軍事ブロックはなくさなくちゃいかぬ、軍備は縮小だ、これが日本の世論、世界の世論です。そういう中で安保を後生大事にあくまでもアメリカの言いなりになる、そしてその犠牲、専用基地の七五%を沖縄に押しつけて、このような演習事故の問題について厳しく指摘されてもこんなようなそっけない態度というものはまことに許せません。日本の国民に向かっての外務省のとるべき態度ではない、厳しく指摘して、質問を終わります。
○麻生委員長 次回は、来る十二月四日金曜日午前九時四十五分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十九分散会 ————◇—————