沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号
- 発言数
- 102 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1992/12/08
会議録
○井上委員長 これより会議を開きます。 沖縄及び北方問題に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴木宗男君。
○鈴木(宗)委員 渡辺大臣にお伺いします。 国会が二日間延びまして十日までの延長となったわけですが、国会終了後直ちに内閣改造、さらには党役員の改選等も行われるという報道でありますし、今のマスコミの報道を見ておりますと、渡辺外務大臣は留任、副総理もそのまま兼任であるという専らの報道でありますけれども、現在におかれまして渡辺大臣は、外務大臣として日本国外交の職責を全うするんだ、これからもやっていくんだというような気持ちがおありかどうか。これは大臣が受けると言ったならばそのまま私は留任になると思っておりますので、その決意のほどをお伺いしたい。
○渡辺(美)国務大臣 実は予算が上がるまでは人事の話は一切しないということになっておりますので、そういう話もありませんし、私からもしておりません。新聞が御自由にお書きになっているというように思っていただきたいと存じます。
○鈴木(宗)委員 私が聞きたいのは、大臣に再度要請があればそれを受けるつもりがあるかないかということをお聞きしたいのでありまして、新聞報道云々はそれは別問題でありまして、大臣がもし宮澤総理から再度重責を担っていただきたいという話があった場合は、それを受けて堂々たる日本外交を展開していくのかどうか、その点をお聞きしたいのであります。
○渡辺(美)国務大臣 これはいい悪いは別としまして、自民党は派閥連合政府みたいなものでございますので、やはり皆さんの一致した融和というものが図られなければならない。そういうようなことで、組み合わせというものもございますから、今ここで私だけのこと一つを取り上げて受けるか受けないかとおっしゃられても、はい受けるとか、はい受けませんとか言うことはできない。それはあなたが一番御承知のとおりであります。
○鈴木(宗)委員 渡辺大臣も外務大臣になられますと相当慎重になられまして、私は非常にスタイリストにもなったなと思いますし、言葉遣いも丁寧で、逆にこっちが恐縮しているのでありますけれども、ただ、私が言わんとしていることは、渡辺大臣におかれましては日本のために頑張ってもらいたいという思いで、期待を込めての質問でありますから、その点よろしく受けとめていただきたい、こう思います。 続いて、日ロ関係についてお尋ねいたしますけれども、九月のエリツィン大統領の訪日が中止になりました。その後の日ロ関係は何となく冷めた、冷えた関係ではないかという状態だと私は思うのでありますけれども、もう三カ月たちましたから、今冷静に考えてみるときに、なぜエリツィンが来なかったのか、渡辺大臣としてどんな結論に達しておるか、その点をお伺いしたいと思います。
○渡辺(美)国務大臣 これは憶測の域を出ないことを申し上げても仕方がない。ただ、私は、エリツィン大統領から直接宮澤総理に電話があって、その席にもちろん私も同席をしておって通訳も聞いておったわけでございますが、やはりそのときのお話以外には証拠にすることはできないのだろう。 そのときの話は、要はいろいろな内部の事情によって、まだその時期でない、なかなか行きづらいという状況になったという話であって、それは決して日本に対する不満や日本に対するクレームとかそういうことではありません、これは中止ではなくて延期であります、したがって、引き続き外務大臣の間で行けるようにおぜん立てば、まあおぜん立てという言葉は使いませんが準備ですね、準備は引き続き続けてもらいたいし、なおサハリン開発、ガス開発等についても、これは途絶させないでほしいという話があったわけですから、私はそれは額面どおりに受け取っているのです。 いろいろな国内向けとか選挙向けとかという発言は、政治家は往々にしていろいろございますが、元首から総理にあった話はこれは一番信用していいのじゃないかという考えで来ておりますので、大体そういう方向になって、ニューヨークでの外務大臣会議においても、国連総会のとき、つい最近あったわけですが、やはりこれは日ロ間のものは継続してやろう。それからエリツィン親書に対する総理親書もこの間出しまして、きのうか、発表しましたが、ついでに、来る十六日から外務省の事務レベル会議をやろうと、これは取り決めになっているわけです。したがって、こちらからは斉藤審議官、ロシア側はクナーゼ次官、事務レベルで進めていくということですから、冷えてしまったということではないのではないか。一時的に中断をしたということは事実でございます。
○鈴木(宗)委員 今大臣は、額面どおり受けとめたいという話でありますけれども、ただ、私は気になりますのは、大臣が八月の末にモスクワに行 かれましたときにエリツィン大統領にお会いしました。そのとき、エリツィン大統領はたしか大臣に、日本は北方領土で圧力をかけている、こういう表現があったと思うのですね。私は、やはりそういった伏線の中で一つの決定がなされたのではないかと思っているのですけれども、額面どおり受けとめるというのはちょっと短絡過ぎるのではないかと思いますけれども、その点、どうでしょうか。
○渡辺(美)国務大臣 外務大臣となりますと、やはり言っていいことと悪いところがございますから、我々といたしましては、やはりエリツィン大統領がおっしゃったことが正しいことである、間違ったことをおっしゃっていないというようにとることが一番当たりさわりがないのではなかろうかと思って言っておるのです。
○鈴木(宗)委員 私は、直前になっての中止というのは外交上は極めて非礼である、今まで例のなかったことでないかな、こう思っております。日本も独立国家でありますから、この手の認識はきちっと持って、私は、何も相手に何かしら弱い態度は見せるべきでない、こんなふうに思っているのですけれども、どう考えてみてもエリツィンが来られることに旧島民なんかは相当期待をしておりました。何か新しい提案があるのではないだろうか、何か前進があるのではないかと。来ないということで大変なショックを受けたこともこれまた事実であります。 同時に、今大臣は冷めた関係ではないと言いますけれども、日本国の世論としては、ごれでいいのかなという感じを大方の人は持っていると私は思います、日ロ関係においては。やはり私は改善、修復なりはすべきでないか、こう思っているのですけれども、大臣は従来どおりの、これはゴルバチョフからエリツィンにかわってもそのままの継続で、日ロ関係は今順調にいっているという認識でおられるのかどうか、この点を確かめたいと思います。
○渡辺(美)国務大臣 私は、順調にいっているというような楽観的には見ておりません。これはなかなか厳しい交渉であることは最初からそう思っておって、エリツィンさんが日本に来られたからといって急転直下解決する話ではないと最初からそれは思っておるわけです。やはり粘り強く一歩一歩前進していく以外にはないのではないか。したがいまして、ゴルバチョフさんが日本に来られましたが、彼はついに五六年の共同宣言すらも確認はできなかったということですから、それにとどまってはいけないのであって、やはりエリツィン大統領訪日ということになれば、ゴルバチョフ大統領訪日よりも少なくとも一歩前進、前に出るというところから始まる必要がある。しかし、急転直下というわけにはいくまい。したがって、そこらのことは十分含んだ上でいろいろ交渉をやってきたのです。 まあエリツィン大統領にしてみれば、国内で反対論は多いし、近く最高会議が開かれる、いろいろなことがあって、反対派もかなりおって、訪日反対という声がでかく出てきたことも事実。そういうような国内の大きな動きというものも勘案をした結果、申しわけないが少し延ばさせてくれ、こうなったものと私は思っておりまして、それに対して、これは確かに外交上は余り例のない失礼な話でありますが、それを失礼だと私はもちろん言っておりますし、抗議もしておるのでありますけれども、それでは直ちにそれに反応して報復措置をこちらが講じるということになれば、それはもう何といいますか、しっぺ返しとお互いになるわけですから、ますますこじれることになるので、そこはじっとこらえて、CIS支援会議も予定どおり十月の末には開くということをやったわけです。そしてこのことは世界的にも、よく日本も我慢をしてくれたという評価を受けておることは事実でございます。 したがって、決してロシアに対して追従するわけでも何でもありません。やはり是は是、非は非、しかし言うべきは言う、譲らなければならないところはできるだけ譲ることも考える、その線で進んでいきたいと思っております。
○鈴木(宗)委員 世界の流れが冷戦から協調という枠組みになりました。私は、この過程に至る最大の功績は、米ソ首脳会談が最低年に二回もしくは三回、間断なく行われておったということ、これが大きな要因ではなかったかと思うのです。しからば、この領土問題でも、私はやはり最高首脳の会議あるいは外務大臣レベルの会議は頻繁に持つべきだと思っているのですね。そういった意味では、来れなかったことは残念であるし、逆に来なかったからといって黙っているのでなくて、私は積極的にアプローチをすべきではないか、こんな考えも持っているのです。 そこで、先ほど大臣からこの十六日からモスクワで事務レベル協議が再開されるという話がありますけれども、この事務レベル会議で何か新しい提案等があるのかどうか、お尋ねしたいと思います。
○渡辺(美)国務大臣 やってみないことにはもちろんわかりませんが、特別、何といいますか、急転回するようなことは期待をしておりません。
○鈴木(宗)委員 斉藤審議官が行かれてクナーゼさんとお会いするわけでありますけれども、私は、この九月二十四日にクナーゼ外務次官とモスクワでも会ってきたわけですけれども、クナーゼさんは日本を非常に理解している一人でないかと私は思っているのです。こういった理解をしてくれている人と頻繁に会合を持つことは極めていいことだ、こう思いますので、今後とも外務省の努力というものをお願いしたいし、期待もしたい、こう思っております。 そこで、来年の東京サミットの日程も決まりました。七月七日、八日、九日と東京で開かれるわけでありますけれども、ロンドン・サミットでも、またことしのミュンヘン・サミットでも、いわゆるG7プラスワンという会議を開いております。大臣、来年のこの東京サミットではエリツィンさんをお呼びになる考えがあるかどうか、これをお聞きしたいと思います。
○渡辺(美)国務大臣 結論からいえば、まだ白紙でございます。これは、幾ら日本が議長国だからといって、日本だけの考えで呼ぶとか呼ばないとかいうことは、やはり越権でもないけれども行き過ぎでしょうな。やはり参加国の意見を体して議長が大勢に従っていくというやり方が議長としては当たり前のことではないか。したがって、今後参加国の意向も聞きながらどうするかを決めてまいりたい。これは我々としてはもちろん肯定的な考えを持っております。
○鈴木(宗)委員 もちろんサミット構成国の同意を得て決定することは事実でありますけれども、しかし、呼ぶか呼ばぬかはホスト国が最大の権限を持っていると私は思うのです、過去の例から言っても。日本のイニシアチブというものは大きいと思うのです。 そこで、私がお伺いしたいのは、大臣、今後の日ロ関係を考えた場合、あるいは今の国際趨勢の中でソ連支援という空気がある中で、この東京サミットに呼んだ方がいいのかどうか、その点をお聞きしたいのであります。
○渡辺(美)国務大臣 これは、日本が来てください、お願いしますお願いしますという、頼んで来てもらうという話ではないのですね、もともとが。御招待して来ることになって断ったわけですから、だから向こう側から今度は折があったら行きたいという話があって、それが外交上の礼儀なんですよ。したがって、まずそういうようなことが行われた後でそれからサミットになる、こういうことでしょう。日本は、先ほど言ったように我々は肯定的に考えていますから、日本にも来てもらうようなことについてはむしろ歓迎しますという態度でいいのではないか、何が何でもお願いしますお願いしますというのもいかがなものかと思いますがね。
○鈴木(宗)委員 例えば、エリツィン大統領の場合、さっき大臣が言ったように訪日は一応延期になっているわけですから、もしサミットに来たいなりあるいは日本が呼ぶにしても、前もって来る のが私はやはり一つの礼儀でないかと思うのです。 そこで、大臣にお伺いしたいのですけれども、外交というのは積極的にいろいろな角度から動かさなければならないと思うのであります。エリツィンの訪日は延期になっている、日ロ間の大きな、抜本的な関係の改善のためにはまたアクションを起こさなければいけないと思っているのですが、外務省としてそれに向けて何か見通しを持つなり新たな動きをしよう、あるいは何か提案をしよう、こういう考えがあるかどうか、お尋ねしたいと思います。
○渡辺(美)国務大臣 これは長い歴史のあることですから、ここでスタンドプレーのようなことをやったからといって急転回するわけでもないし、それによって国益を増進させるわけでもないし、下手にまごついたら傷つくことが多いかもしらぬ。ですから、それは慎重にやらなければなりません。エリツィン大統領にしてもゴルバチョフ大統領にしても、自分の政権の保身というものはだれだってあるのであって、世論に逆らってまでどこまでできるかということになると、口では簡単に言えても実際には自分の政権そのものをおかしくしてしまうということもありますから、その立場はある程度理解をしなければならないと私は思っています。 そこで、エリツィン大統領も今人民代議員大会を開いておって、憲法の修正案その他いろいろ突きつけられてやられておるわけですね。内閣の閣僚の任免権等は辛うじて自分たちが守り切ったということですよ。しかしながら、過半数以上の人は反対しているということも事実ですから、決して安泰な基盤の上に立っているとは思わないが、エリツィンさんの法と正義、また敗者と勝者なしというような今まで言ってきたことが代議員大会でも認められて、世界に通用する論理の展開ができるようになることを我々は強く期待をしておるわけであります。したがって、日本側から特別にこういう譲歩をするから来てくれとか、こうするとかという話は考えておりません。我々は譲るべきことはちゃんと言ってあるのですから。
○鈴木(宗)委員 私も、今の人民代議員大会の様子を見ていますと、ちょっと不安定かな、ちょっと足元がぐらついているのかなという気もするのです。しかし、今大臣がおっしゃったとおり、法と正義だとか敗者も勝者もないというこのスタンスは大事にしなければいけないし、逆に支えてやることが日ロ関係のためになると私は思っているのですね。 そこで大臣、例えばエリツィン政権を支えるということは、ある意味では西側の共通の認識でないかと思っているのです。日本としてエリツィン政権を支えていくにはどうしたらいいか、この点、大臣はどんなお考えを持っているかお聞きしたい。
○渡辺(美)国務大臣 我々は、実際は国民もロシアに対しては好感情を持っていないことは事実でありますし、ドイツと比べて、ドイツはこんなに応援しているのに日本は何だ、さっぱりしないじゃないかという議論があります。しかし、これは立場が全く別でして、ドイツはソ連に攻め込んで何百万の人を殺して、そういうふうな戦争をやった国ですから、その国が領土は返してもらう、国土の三分の一にも相当する東ドイツも合併できるというような立場に立った。日本はそうじゃなくて、中立条約を結んでおって一方的に破られて、こちらが白旗を上げてから攻め込まれて六十万人も拉致されて、そして五万人もシベリアで死んでいった、こういう歴史があることは事実、ごめんなさいは一言もない、それでも結構ですという立場と立場が全く違うのですよ。 だけれども、我々はそういうことがあってもそれを敵対視しないということで、まして今回は、スターリンのやったことあるいは共産主義時代、社会主義政権時代にやったことであるから、それは間違いだったのだと彼は言っているわけですから、これから法と正義でやるのだ、スターリンは行き過ぎなんだ、間違いはいっぱいあるのだと言ってヨーロッパなどでは謝っているわけですから、それと同じように極東においても、スターリンの拡張ややり過ぎや人道無視のやり方は間違いだったということを認めてくれれば、それだけで大前進になるのですよ。だから、ヨーロッパで言ったことと同じ法と正義を極東においても同じく適用してもらいたいですねということを言っておるわけです。 ですから、今後我々はロシアに対しては、そういうような状態にありながら、例えばチェルノブイリの発電所の事故に対するアフターケアとかいろいろな見舞いというか救済、そのノウハウは世界で日本が一番持っているわけですよ。全面協力しているわけでしょう。それからソ連の科学者が逃げ出す基金を、科学何とかセンターをつくろうというあれだって、それは十一カ国も集まって二千五百万ドルだ、日本は一カ国だけで二千万ドルだ。これは出し過ぎですよ。しかし、それぐらいまでも出して協力をしているわけですから、世界的な一般的な協力は決して人後に劣ってないということだけは知っていただきたいと存じます。
○鈴木(宗)委員 大臣のおっしゃるとおり、チェルノブイリだけでも二十六億円も出しまして相当な効果もあるし、また喜ばれたこともあると思っているし、その後も、例えば赤十字を通じて二億円分の医薬品だとか五億円分の食糧を極東に送ったとか、日本はやるべきことはやっておりますから、これで向こう側ももう少し理解はしてもらいたいな、こう私は思っております。 そこで、向こう側に理解をしてもらう一環として、ことしからビザなし渡航が行われました。私はこれは大変効果があったと思っております。なぜかというと、向こうから来た人たちは、日本に来て、北海道に来て驚いております。我々が知っておったことと随分違うと。特に色丹島の島民の七割は、日本に返してもいいんではないかというアンケート調査も出ております。私はこういった例を見るときに、サハリン州、特にいわゆる四島の住民の考え方を変えていくことも大事でないか、そのためにはビザなし渡航はますます拡大していった方が日本のためになると思うのであります。この二十一日には来年度の予算も内示されるわけですが、来年もこのビザなし渡航は拡大していくのか、さらに外務省は何か新しい計画を持っておるのか、その点をお尋ねしたいと思います。
○兵藤政府委員 先生仰せのとおり、四島交流は本年度は極めて円滑に進められました結果、お互いの相互理解というのは相当に増進したというふうに私どもも認識しております。したがいまして、来年度もさらにこれを拡充強化してまいりたいということで、平成五年度の予算におきましても、外務省予算それから総理府予算両方におきまして、昨年と比べて格段の拡充ということで予算要求をお願いしておるわけでございます。
○鈴木(宗)委員 大臣、今人民代議員大会も行われておりますけれども、そこでクリール開発計画というのがありまして、何か外国に対しては四島の土地を貸すとか、しかも一番長いのは九十九年だとか、さらには四島で外貨を獲得した場合は税金をまけるだとかいう話も出ておりますけれども、この事実関係をお尋ねしたいと思います。
○兵藤政府委員 先生仰せのとおり、ただいまエリツィン政府部内で最高会議と協議をいたしまして、おっしゃるような大統領令の内部検討が進んでいるというふうに了解しております。ただ、これはまだ向こうの政府部内の検討段階でございまして、私どもも、モスクワの大使館を通じましてその内容については逐一情報は入手いたしておりますが、内容は今先生が仰せのとおり、かつて七月二十八日に最高会議で非公開の公聴会が開かれました折にも、北方四島に対する中央政府からのいろいろな経済的な援助その他が極めて不十分であるという批判が強かったことにもかんがみ、地域対策ということがいろいろな角度から検討されている、その一環としてほぼ今おっしゃったような内容の大統領令が検討されておるというふうに承知しております。
○鈴木(宗)委員 中央政府の支援がいわゆる四島 に対して少ないだとか極めて脆弱だと言うならば、日本の支援も極東だとか特にサハリン州、ひいてはこの四島に限定して医薬品でも食料品でも送るべきだし、これから有償協力をしますけれども、その事業なんかも、例えば四島の道路整備だとかあるいは生活関連にしか使わせませんよという何がしかの限定しての協力がよりわかりやすいのではないか、また四島の住民の理解も得られるのではないかと私は思いますけれども、この点どうでしょうか。
○渡辺(美)国務大臣 我々は旧ソ連邦支援ということを言っておりまして、極東だけでなくて、NISの独立国家等も新しく政治の改革、経済の開放をやるということで、我々と同じ価値観に基づいて独立しようというので世界的にそういう国をみんなでやろうというのですから、そういうところは見ないんだ、日本と利害関係が直接ある四島だけしか応援しない、こういうわけにもこれはいかないのですね。実際は余り自己主義で見え見えてという話になりますから。しかし、現実はやはり極東を重点ということにならざるを得ないのであります。今までも大体実績がそうでしたから、今後もそうなるだろうと思っていいのじゃなかろうかと存じます。
○鈴木(宗)委員 これは、せっかく日本人が一生懸命働いて稼いだ税金で協力するわけでありますから、向こうの国も十分生かして使っていただきたい。そのために、例えば流通機構がなっていないモスクワに送っても効果がない。しかし、やはりサハリン州、特に四島あたりに送ると目に見えた効果があると思いますので、今大臣からも極東ひいてはサハリン重点という話もありましたけれども、この点、今後ともきちっと対応していただきたい、こう思います。 時間でありますから質問を終えますけれども、最後に大臣、ウルグアイ・ラウンドがいろいろ大事な時期を迎えてきている。きょう、特に田名部農林大臣はアメリカへ向けて出発しましたし、また自民党からも、保利耕輔衆議院議員や大河原太一郎参議院議員が同行しているわけであります。 このウルグアイ・ラウンドで、新聞等ですけれども、大臣は条件的な闘争をしなくてはいけないのではないかというような報道が、十一月二十七日ですか一部新聞にもあったのですけれども、これは大臣のことを考えた場合誤解されては困ると思いますので、その真意のほどを明確にしていただきたい、こう思います。
○渡辺(美)国務大臣 交渉というのは、一方的に自分の意見だけを言って相手の意見は一切聞かないというのでは交渉じゃないのです。通告なんですね。交渉というからにはお互いに交わらなければならぬわけですから、相手の意見も聞く、自分の意見も言う、そこでどこで交われるかということを見出して初めて交渉が成立する。お互いに通告のし合いっこでは意味がないだろう。 だけれども、それじゃどういうような交わり方をするのか。日本は日本の言い分を言っておるわけですが、日本の言い分のここのところをちょっと手直ししてくれればのめるよとか言うかもわからない。しかし、日本の言い分は手直しはさわらせてもいけないんだと言えば、通告ですから全然だめかもしらない。したがって、そういうようなうんと広い意味で、条件という言葉が適当でないかもしれないけれども、やはり全く聞く耳持たないという態度ではだめだということを私は言っただけのことであります。
○鈴木(宗)委員 私も大臣の話のとおりだと思います。外交は相手がありますから、この相手のことも考えながらやっていかなければ進むものではないということ、同時に、国益を守ることがまた外交の最大の仕事でありますから、このウルグアイラウンドも、日本農業を守る上からも国益の観点からも最善の配慮をしての交渉をしていただきたい、こう思います。 最後に大臣、予算の時期でありますが、私は外務省を見ておって、日本の役所の中で外務省の職員は一番一生懸命体を張って、愛国心に燃えて頑張っておられる、こう思っております。ついては予算が極めて少ない。これは本当に悲しむべきことであります。特に人が足りないということ。今度の予算でも百五十三人の定員増を要求しておりますけれども、それでもまだ四千六百七十八人でありまして、先進諸国の中ではどこよりも低い数字であります。ですから、満度に取って当たり前でありますから、ぜひとも大臣にはこの予算は頑張っていただきたい。同時に、在外公館の機能強化だとか情報機能の強化につきましても、万全の策を講じていただきたい。一生懸命働ける体制をとるためにも、やる気を持たせるためにも、そういった環境整備、処遇の改善は大事でありますから、この点だけ強く大臣にお願いして、質問を終わらせていただきます。
○渡辺(美)国務大臣 日ごろから大変温かい御支援を鈴木委員にはちょうだいいたしておりますが、全く御高説のとおりでありまして、そういう趣旨に沿って我々も頑張ってまいりますので、予算編成期等を迎えて一層の御協力をこの席からお願いを申し上げます。ありがとうございました。
○鈴木(宗)委員 終わります。
○井上委員長 上原康助君。
○上原委員 せっかく外務大臣が御出席いただいているわけですから、ちょっと外交問題にも関連をいたしますが、今鈴木先生からロシア、旧ソ連の話があったからアメリカの話をするわけじゃないのですが一日米間の問題と基地問題に絞って少しお尋ねをさしていただきたいと思います。 そこで、まず運輸省にお尋ねいたしますが、運輸省来てますね。せんだって、航空管制官の皆さんが中心になって組織をしている全運輸労組が、航空白書というか航空黒書というのか、そういうのを発表しているわけであります。例年あるいは隔年置きにやっていらっしゃいますが、これを見ると日本の空域は、自衛隊の訓練空域あるいは特に米軍の訓練空域というものが依然として濃密で、全体的にはニアミス傾向は減少しつつあるようですが、札幌、福岡、那覇の三管制部では前年に比べて二ポイントもふえつつある、こういう状況のようであります。 そこで、最近この訓練空域は日米間で見直しをした面があるのか、あるいは自衛隊の訓練空域も含めて実態はどうなのか、その点からまずお答えをいただきたいと思います。
○小田原説明員 お答えいたします。 航空路上におきます航空機の安全を確保するという目的から、航空路と訓練空域との間には九キロメートルの緩衝空域を設けておりまして、当該航空路と訓練空域との間には完全な分離がなされているということでございます。その結果、航空路上の民間航空機の安全確保という面から、これらの訓練空域は米軍が使用していないときは民間機がそこを使用できるということになっております。それで、管制上特段にそういうことでの支障はなく毎日運用しているわけでございます。しかしながら、運輸省といたしましては、空域の有効利用という面から、今後とも施設の状況とか要素を十分勘案いたしまして、防衛庁、米側との折衝を含めて、必要なものにつきましては適切に対処してまいりたいと考えております。
○上原委員 必ずしも私がお尋ねしていることに直接というか、答えていない面もあるわけですが、具体的なことも触れながら質問をしなければいけないと思うのですが、時間の制約もありますので。 そこで、さっき私が指摘をしたニアミス傾向というのは、札幌、福岡、沖縄の場合はふえている傾向にあるのかどうかということについて運輸省はどういう認識なのかということも答えていただきたい。 もう一つは、沖縄の米軍から引き継いだ訓練空域、防衛庁の資料では十四カ所となっているが、たしか十六カ所だと思うのですね、運輸省の実際の訓練空域というのは。そういうのには変更があるのかないのか、この復帰二十年の間に。この二点をお答えください。
○小田原説明員 ニアミスの件数でございますけれども、同職員組合が調査しました期間におきま しては、ニアミスがあったという報告は一件もございません。 それから、訓練空域の有効利用という観点からは、米側の空域の一部削減ということをことし横田空域にいたしております。
○上原委員 報告はないと言うが、実際そういう傾向があるというふうに指摘をしているんじゃないですか。しかも、管制官の五人に一人あるいは四人に一人はニアミスの危険性をいつも感じているという、実際に業務を担当している管制官からそういう指摘があるということは、もう少し素直というか厳しく受けとめなければいけないのじゃないですか。確かにことしの六月でしたか、私はこの問題を何回か取り上げていますが、横田の空域で羽田と成田でしたかの離発着の緩和の面で緩和された面はあるわけですが、先ほど私が指摘をした、米軍支配下にあって十六の訓練空域が指定されて、俗にウオーニングエリアというのには具体的には実際には変化がないということですね、現在まで。その点ははっきりさせてください、あるのかないのか。
○小田原説明員 お答えいたします。 沖縄周辺におきます米軍関係の訓練空域等につきましては、その後変化はございません。
○上原委員 もう一つ、臨時的な制限空域、いわゆるアルトラブというのは今どういうふうに運用されているの。
○小田原説明員 アルトラブとはアルチチュードブロックのことで、空域の一時的な留保ということでございまして、特定の航空機のための特定の飛行空域を定めまして、一定時間、その経路とか高度を他の航空機を排除する、隔離するという、日米合同委員会に基づいて管制運用上決めました措置でございます。
○上原委員 いや、ですから、そういうのがブロックされている、設置をされているから聞いているんです。現在もそれは頻繁に運用されているのかどうかをお尋ねしているのです。それは後で答えてくださいね。 そこで、今実際に変化がない、変化というか、復帰時点から陸だけでなくして海も空もということになるわけで、具体的にお尋ねしますが、これは四、五年くらい前になるかと思うのですが、調べればわかることですが、ウオーニングエリアの178、178のA、いわゆる伊江島上空の制限空域については那覇の離発着をする民間航空に非常な支障を来している。そういう意味でこれは米側に返還をしてもらうべきであるということを何回か指摘をして、運輸省もそういう気持ちがあるということで、これは外務省も答えてもらいたいんですが、一時そこは通行可能になったはずなんだよね。五、六年前か七、八年前の記憶があるのですが、現在はこの178、178のAはどういうふうに利用されているのか。ここはやはり民間航空にとっては非常にネックになっている。これはボトルネックなんだよ。その点をお答えください。
○小田原説明員 お答えいたします。 先ほどのアルチチュードブロックの使用頻度でございますけれども、数年前よりは回数が少ないというふうに聞いております。 それから、伊江島周辺におきますウオーニングエリア178Aを含む空域の使用でございますけれども、当該空域が訓練に使用されていないときには、協定によりまして民間航空機が当該空域を通行することができるようになっております。訓練に使用されていない場合はもちろんここを使用することができるということでありまして、ただ、使用されている場合は、安全を確保するということから訓練空域を迂回しまして飛行させる必要がございます。したがいまして、訓練空域等の設定がされています以上やむを得ない措置であると考えております。なお今後とも、民間航空の安全かつ効率的な措置を深めるということから、積極的に米側とも調整をいたしてまいりたいというふうに考えております。
○上原委員 アメリカが使わないときは使わしてもらうというそんなのんきな話じゃいかないのだよ、これは。だから空域の制限というものをどう取っ払うか、少なくしていくかということを私たちは強く指摘をしているわけでしょう。これは協定上というか、合同委員会ではたしか常時米側の訓練空域としてブロックされているはずなんだよ。それを話し合いによって恐る恐る使うというようなことじゃいかない。だからこの間のニアミスも起きるのです。それも後で言います。 そこで、北米局長もいらっしゃるし、大臣ちょっとお立ちになったのだが、今お聞きになったと思うのだが、これはいわく因縁がありまして、嘉手納RAPCONを米軍が今握っている。しかし、これは暫定的な措置なんですよ。一九七二年の五月十五日、いわゆる日米合同委員会における合意の中で、「単一施設によって進入管制を行う必要があるので、日本国政府がこれら飛行場のレーダー進入管制業務を行うまで暫定的に米国政府が那覇空港の進入管制業務を実施するものとする」、あくまで暫定的なんですよ、外務大臣。 これは八四年の内閣委員会でも、私が尋ねたことに山本航空局長は、進入管制業務は日本政府に引き継ぐというのが基本的な合意だと言っている。私たちとしては、この合意というものがあり、日本の管制でもって将来は日本の空を一元的にカバーしていきたい、こうおっしゃっているのです。さらに八七年の八月二十七日、参議院の運輸委員会で当時の橋本運輸大臣、これは龍太郎さんでしょうね。「運輸省の航空管制の能力からいたしまして、返還をしてもらっても十分我々はそれをこなし得る、そういう自信のもとに実務レベルにおける交渉を開始しておる」と言っている。だが、外務省は日米安保とかその合同委員会の取り決めというのを優先して、いまだに復帰時点で定めた十六の制限空域というのはそのまま、アルトラブもある。特に那覇空港から離発着するあの伊江島の上空の178とAというものは、これは大動脈なんです。この点については、いつまでもアメリカの言いなりに空も陸もやられるという日本の主体性のない外交なり安保体制というものは、私はいかがなものかと思うのです。ここで外務大臣なり外務省の御見解を聞かしてください。
○佐藤(行)政府委員 この問題の経緯については先生よく御存じの点でございますので私の方から繰り返しませんが、気持ちの問題として一元的に日本のもとで管理をするということが将来の方向である、これまでもそういう気持ちがあったことは事実であります。ただ、御承知のように那覇空港、嘉手納空港、あれだけ近接しておりますし、嘉手納が引き続きアメリカにとって重要な基地であるということ、そしてまた我々も日米安保体制で、確かに冷戦は終わりましたけれども、まだ軍事的な態勢を完全に緩めていいという状況ではないというところで日米安保体制のもとでアメリカ側に基地を提供しているという状況でございますので、沖縄の県民の皆様のお気持ちとは若干逆行することかとは思いますけれども、やはり安保の目的との調整ということを考えてこの問題に対処せざるを得ないというのが実態でございます。
○上原委員 そんないつまでも同じことを言ってはいけませんよ、佐藤さん。だったらあなた方、その合意文書が暫定的というのはいつまで暫定ですか。これは心情論の問題とかそういうのじゃない。民事を優先するのか、県民なり国民の安全というものを優先するのか、米軍の軍事を優先するのかという選択の問題なんだよ。国の政策選択、それが問われているのですよ。暫定的に米国政府が那覇空港の進入管制業務を実施する、しかも日本側のその管制業務が、復帰時点においてはいろいろ施設とかテクニシャンの問題、技術の問題等もあったでしょう、それができるまではアメリカがやるということであって、主権国家なら当然に陸も領海、領空も、航空管制業務というのは日本がやらなきゃいかない問題じゃないですか。そういうのをアメリカに任すからこのニアミスなんてしょっちゅう起きるのです。 そこで外務大臣、さっきの鈴木先生の御質問とも若干関連するのだが、この間外務委員会でもほかの委員の御質問にお答えがあったのですが、月二十日、クリントン次期大統領が御就任なさる 前にでも多分外務大臣が訪米をなさるんじゃないか。恐らくあなたが行かれることになると私も推測できる。また、そうあった方がいいかもしらぬ。日米間にはいろいろ重要案件があり、とても具体的ケースは話し合えるようなことでないかもしらないけれども、しかし、私に言わせれば物事は最初、スタートが肝心なんですよね。ただ行って、ああ、あなたが大統領になりますか、まあよろしくというわけにはいかぬと思うのです。その他ウルグアイの問題とかいろいろあるでしょう。 だが、私は、今の航空管制業務の問題、後から聞く基地問題にしても、これだけ冷戦構造が、皆さんの認識と我々の認識は違うかもしらないけれども、しかし国民はもう対ソ脅威論を幾らやってみたって、安保体制というのは、共産主義国家を封じ込め、ソ連脅威論に対処をするための一つのアメリカを主軸とする西側陣営の軍事体制ですよ。それが大きく後退をしたという段階においては、やはり新しい角度から在日米軍基地の問題とか今のことをやらなければいかぬ。ですから、具体的にはそういうことは突っ込めないかもしれませんが、少なくとも在日米軍基地のあり方、なかんずく専用米軍基地が七五%も狭い小さい沖縄にあるという段階においては、沖縄の基地問題においてもこの際本当に真剣に考えてみよう、そのことを事務当局なり関係レベルに新しい視点から、角度から検討さしてみようというくらいは外務大臣としては、日本国としては投げかけるべきだ、私はこう思うのです。恐らくやっていただけると思うのですが、いかがですか。
○佐藤(行)政府委員 本件については、大臣からの御指示がございましたものですから、その点だけをもう一度明らかにさせていただきたいと思います。 先生御記憶のとおり、この五月十五日、沖縄二十周年でございまして、そのときに大臣の御指示のもとで、復帰を記念して少しの基地を動かそうということで若干の変更を達成したわけでありますが、実はそのときに外務大臣のコメントというのがさらに出ておりまして、今後とも沖縄県民の要望と安保条約の目的達成のために、必要性の調和を図りながら整理統合問題の解決促進のためにさらにやっていきたいという指示が表向きに出してあります。我々はそのもとでやっておりまして、そして、まさに日米間の合意におきましても、先生からも御指摘のございました那覇港湾の施設も含めてこれまでの分をもう一回総ざらいをして、この委員会で整理統合という言葉を使ってはいかぬ、整理縮小と言われましたけれども、そういう方向で努力をしようということを日米間で合意いたしております。そして大臣の指示のもとで、私はアメリカ側とも話をいたしましたし、東京だけではなくて、国防省、国務省とも話をいたしております。その間に、今政権移行期になっておりますものですから話し合いが少し停滞はいたしておりますけれども、今御指摘のとおりクリントン政権の問題は改めてというまでもなく、この五月以来の大臣の御指示のもとでこれからも話し合いをしていきたい、そのように思っております。
○上原委員 ですから、それは今までのこと。これからよりスピードアップをして前向にやっていくためには、大臣として行かれる場合には今の空域問題を含めて全体的に——もう戦後やがて五十年ですよ。今までの冷戦構造下におけるような発想では与党も野党もいかぬというのですよ、失礼ですが。その意味で、大臣の御所見というのか決意をぜひ御披露いただきたいと私は思うのです。
○渡辺(美)国務大臣 私も大体似たような感じを持っているものですから、事務当局に、ひとつ二十周年を記念するに当たって、世界の情勢の変化もこれあり、どれぐらい整理つけるものか、これは多少時間はかかるのですが、そう急に言ってわかりませんが、ひとつ内々調べてごらんなさいということは言ってあるのですよ。だから、そういう中で、調べた後でまた合理的なものを考えて、整理縮小については今後ともなるべく努力をしていきたいと思っております。
○上原委員 ぜひひとつ、もう少しやれる面が多いのじゃないかと私は思っておる一人ですし、期待もしておりますので、一層の御努力をお願いしておきたいと思います。 そこで、この空域問題もぜひ含めて御検討いただきたいのだが、外務省と運輸省は縄張り争いせぬで、運輸省は防衛庁や外務省に負けちゃいかぬよ。もう少ししっかりせい。 そこで、この間の南西航空機と米軍機のニアミスの件ですけれども、この間資料請求をしたらちょっとしたのを持ってきたのですが、調査に入ったところである、いろいろ調査中である、在日米軍に照会中である。もうかなり日にちも経過していますね。米軍機であったことを米軍は認めたの。何を調査して、どういう結果になっているのですか。
○林説明員 お答え申し上げます。 ただいま米軍の方に問い合わせておる最中でございますが、けさ入ってきました情報によりますと、米軍のF15の編隊、これは当日四日の朝方出発したものであると推定されると、したがって、そういうものに基づいてさらに詳しく米軍の方で検討、調査を始めたというふうに聞いております。
○上原委員 米軍からはF15であるということがけさあった。これが起きたのは四日ですからやがて一週間近くなる。皆さんおわかりのように航空事故というのは、僕もいつも飛行機に乗っているから余りこういうことを言うのも本当に気が引けるぐらい那覇空港というのは離着陸の場合は安全に関して緊張感を要するのですが、起きてからはもうどうにもならないんだ。人命尊重上、絶対にあってはいけないことなんだ。ですから、あなた方はニアミスは少ないとか米軍とのそういう取り決めがあるからやむを得ないということかもしれないのだが、しかし、パイロットとか管制官とか実際の航空業務に関係している皆さんの神経というのは大変だと私は思うのです。運輸省としては、この南西航空の四日のニアミスというものはニアミスとして認定できるの、これからどういう対策をするのですか。
○林説明員 先生の御質問につきまして現在調査に入った段階でございますので、いろいろとこれから南西航空機のパイロット、それから米軍の方では米軍サイドの戦闘機のパイロット等の細かい調査をしませんと、この段階でにわかに断定することは非常に難しい段階でございます。
○上原委員 そんな恐る恐る答弁したら余計おかしくなるよ。もっと自信を持って。 そうしますと、当然、フライトスケジュールとかそういうものは米軍から取り寄せられますね。それじゃ、いつごろまでにこの事実関係をはっきりさせるのかということと、今後この種のニアミスをなくしていくためにどういう日米間の対策をおとりになるのか。もう少し具体的な方策を打ち出してもらわぬと、さっき申し上げたように関係者や利用者は不安でたまらない。その点をお答えください。
○佐藤(行)政府委員 アメリカとの関係で問題でございますので、私の方からお答えさせていただきたいと思います。 運輸省ともけさからも、最初から連絡をしての上でございますが、事実関係についてはこの間から調査をし、向こうにも一応説明を求めておりまして、けさほどの回答があったわけであります。とりあえずの回答であります。アメリカ側はまだ今の段階では、F15であるとは言っていますが、南西航空の飛行機との距離の問題等において若干アメリカなりの見方もあるようでございますので、この点はまだこれから、運輸省等の専門の方の御意見も伺いながらやっていかなければいけないと思います。合同委員会という場もございますし、その下の分科委員会もございますので、問題の処理はしていかなければいけないと思っています。 ただ、このニアミスとみなすか否かの問題を問わず、先ほど来先生が御指摘の問題もございますし、この間来の御指摘もございましたので、きょ うの段階で私の方から外交チャネルを通じまして、その問題のこととは別に、とにかくこの機会に改めて安全確保の徹底ということをしてほしいということはとりあえず申し入れてございます。今後の問題については、アメリカ側の説明も聞きながら、また運輸省の方の御意見も聞きながら、しかるべき方法で対応してまいりたいと思っております。
○上原委員 ぜひこれは積極的に御努力いただきたい。 それと、外務省、運輸省に要望というか注文をしておきたいことは、要するに、嘉手納RAPCONの返還問題をもっと真剣に考えてみてくださいよ。アメリカだっていつまでも我が物顔に空を支配するのは、制空権云々という、まあそういう表現はよくないかな、空を牛耳られておって何が主権国家か、あなた。アメリカだって事故というのはあってはいかないことなんだよ。大臣、そうでしょう。だから、冷戦構造の冷戦下の発想というものはなくして、日本の主体というものをどう発揮するかというのが私は一番大事だと思うのだよ。その点はきょうここですぐ答えは出ないかもしれないが、ぜひ日米合同委員会でも、これまでの経緯もありますから積極的にアメリカ側と協議をしてもらいたい。これは大臣の方からお答えいただこうか。
○佐藤(行)政府委員 その前に一つ申し上げておきたい点は、運輸省のお立場は我々もよくわかっておりまして、むしろ御無理を願っているのは外務省の方でございます。と申しますのは、日米安保体制等の目的との調整ということでございますので、むしろ先生のお立場からすれば、アメリカに迎合しているのではないかと見られるような立場をとっているのは私たちの方でございます。ただ、我々といたしましては、その点は大事な点だと引き続き思っております。にもかかわらず、この問題、これまでの経緯もございますし、大事な問題であるということはよくわかっておりますので、どういう条項にどういうやり方をするかについては、先生今言ってくださいましたようにこの場でお答えすることはできませんが、これからの大きな課題の一つとして念頭に置きながら沖縄の基地問題の対応に当たってまいりたいと思っております。
○上原委員 ですから、陸に占める基地の量だけでなくして質的な面、それは空域までそういう状態だということをぜひ御認識をいただいて努力をしてもらいたいと思う。まあ、運輸省も恐らくそういう姿勢だと思うからお答えは求めません。 次に、時間が来ましたので、あと一つ。これも、今さら新しい基地をつくる、これは米軍であろうが自衛隊であろうが、新しい基地を沖縄につくるというのは私はどういう理由があっても認めるわけにはいかない。そういう時期じゃないと思う。 そこで、防衛施設庁か防衛庁来ていると思うのですが、本部町の豊原に皆さんが今設置をしようとするP3C送信所の問題です。これは御承知のように地元に住んでいる方々は一〇〇%、一二〇%反対、不在地主がいろいろ跡利用の問題等と関連をしてやむなく基地にでも提供するというような状況なんだ。だが、里道廃止問題というのもあって、防衛施設庁が予定をしておったような状況で作業が進んでいないことは御承知のとおり。つくらぬでいいという立場からすると、我々が今さらそういう基地を新たに設置をさせるというのは無理があるよと指摘をした状況にあると言っていいと思うんですね。現在のこのP3C送信所建設の状況がどうなっているのか、里道廃止の問題は防衛施設庁はどう認識しているのか、どのような手続を那覇防衛施設局あるいは本部町ないしは県とやってきたのか、経過と今後の皆さんの方針というものをまず明らかにしてもらいたい。
○相沢説明員 お答えさせていただきます。 本件は、海上自衛隊が那覇基地にP3Cを配備するということに伴いまして、これとASWOC基地との間を結ぶ通信所が必要ということで私ども整備を進めさせていただいているわけでございます。本件本部町につきましては、そのうち、送信施設をつくるということで進めさせていただいているわけであります。現在、本部町の送信所につきましては、計画用地のうちの九三%の用地取得、これは借り上げと買収を含めまして九三%の用地を取得しているということでございます。その中には、先ほど先生申されたようでございますが、本部町の中の土地の所有者という方も、二十二名ほどはもう応じていただいているということでございます。そういうことで用地の大部分を既に取得している。それから、本部町におきましては昨年六月に町議会でもこの送信所の建設ということが認められまして、それをまた町長さんも容認したということでございます。さらにことしの五月には、この施設を整備するためにはその建設予定地の中の町道というものを一部廃止しなければいけないということでございますけれども、それにつきましてことしの五月には、町の方からこの廃止というものは結構でございます、こういうようなお話があったわけでございます。 そこで、私どもはこれを受けましていろいろ手続を、例えば里道の廃止の手続だとか、あるいはその前に、私ども既に借り上げたり買収したりしている土地の境界というものもはっきりさせる必要があるということで、境界の測量工事というものを進めていきたいということで、今現在そういうことを進めていくということで鋭意やっているところでございます。 以上でございます。
○金丸説明員 里道廃止の今日までの経過についてのお尋ねでございますので、御説明させていただきます。 平成元年三月十七日、那覇防衛施設局長は、里道の用途廃止につきまして沖縄県知事あての申請書類を本部町長さんを経由しまして提出し、本部町長さんの意見を付して沖縄県知事に上申していただくよう求めたところでございます。平成三年十月十七日、本部町長は申請書類等を受理していただいたわけでございますが、その後同町及び沖縄県から、同意が得られない土地に通じる里道については用途廃止の対象から除くよう要請がございましたため、那覇局は面積を修正して申請したところでございます。 本年十月十九日、本部町長から、里道は用途廃止しても支障ない旨の御意見を付した意見書が提出されまして、あわせて、申請書類については那覇局から直接沖縄県知事に提出されたいとの連絡がございました。 当庁としましては、里道の用途廃止についての利害関係人と考えられる土地所有者の大部分の同意を既に得ておりますので、区長等の利害関係人の同意の取り扱いについて現在沖縄県と調整中でございます。 以上でございます。
○上原委員 これは非常に重要な問題を含んでおるので、きょうはこの程度にとめておきますが、さっき、あなたは本部町議会が云々と言いましたけれども、本部町議会は最初は反対決議をしたのだ。何でそのことを言わない。あなた方が宣撫工作でひっくり返したでしょう。しかも、僕は差しさわりがあっても困るので余り中身のことは言いませんが、こういうやり方は余りにも国家権力の乱用だよ、皆さん本当に。町長だけが里道廃止あるいは村道廃止というものを現に地元に住んでいる区町とかその地域住民の賛意をとらないで本当にできるのですか、民主主義社会において。これは非常な価値があるんだよ。その点、強く指摘しておきたいと思います。こういうことさえ明らかにしないんだよ、あなた。だから私はこれを取り上げるのです。本当ならこれは県議会あたりでもっと取り上げて議論すべき問題かもしらない、今のところは。だが、国の施策なんだからこっちで取り上げてもいい。 これだけはもう一つ明らかにしておいてください。あなたは、九三%もう土地買収してあると。買収したのはどれだけ、買い上げされたのはどれだけで、その比率はどうですか。後でそれは資料を提供してください。これは沖縄県が申請のそういうずさんといえばずさん、あるいは地元同意を 得ずに全く何が何でもそういう新しい自衛隊基地をつくろうということでやろうとすることには、注文をつけるのは当たり前のことなんです。ですから、これは防衛問題を含めてP3Cの百機体制なんというのはいかにむちゃかということは、だれが見たって今それはわかるのです。そういう状況で、単に賛成者がいるからというあれで新たな基地建設というものはもってのほか、そのことを強く指摘して、時間ですからきょうのところは置いておきたいと思いますが、開発庁、来ていただきましたが、軍用地転用の基地の跡利用問題をお尋ねするつもりでしたが、きょう話し合いもつきましたので、せっかく来ていただきましたが、その点はまた後日。ありがとうございました。
○井上委員長 玉城栄一君。
○玉城委員 私も、沖縄上空におけるニアミスの件について私の立場からお伺いをしたいわけでありますが、まず、外務省にお伺いしたいわけです。 これは今度が初めてじゃないわけです。初めてじゃないのですね、このニアミスという件は。沖縄県が復帰してことしでちょうど二十年になるわけですけれども、ニアミスということはたびたびあったわけです。先ほど佐藤さんの御答弁を聞いておりますと、日米合同委員会で話し合うとかという話ですけれども、そうでなくて、今回のこの四日のニアミスの件は、トータルして百三十九名の乗客が乗っているわけです。その南西航空機が離陸後おおよそ十分後にニアミス状況に入った。もし万一衝突でもしたらえらい惨事になるわけですから、そういうことを復帰二十年もして、今までたびたびそういうことがあったけれども、何でそういうことが起こるのか、一体原因はどうだったのか。ましてや、これはアメリカもF15であったであろうという答えもあるわけですから、日米間の取り決め、そういうものは既にもう過去においてなされていなければならないと思うのですね。 ですから、外務省はこのニアミスの防止策といいますか、再発防止、安全確保という立場からどういう日米間の取り決め、話し合い、その場はどういう場所であったのか、その辺をお伺いをいたします。
○佐藤(行)政府委員 若干ちょっとお言葉を返すようなことになるかもしれませんが、先ほど来運輸省の方もおっしゃっておられましたし、これから我々もアメリカの話も聞いて、また日本側の判断とも突き合わせて、今回のことの実態をもう少し調べてみなければいけないと思っております。ニアミスということがどういう状況であるのかということについて、余りそれ自体の定義はないと承知しておりますものですから、今回のことそのものについて、アメリカがこれまで説明しているところと我々が日本側から聞いておりますところと若干違っているところもございますので、だからこそお互いに突き合わせて調べてみなければならないと思っておりますので、今回のことがニアミスであったと、ニアミスであったということがどういうことかは別としまして、決めてかかるのはどうかなという感じを私は今この時点では持っております。にもかかわらず、不安があったことは事実でございますので、この機会をとらえて改めてその安全の徹底、安全確保の徹底ということを申し入れたわけであります。 ところで、これから先の防止策についてどうするかということでございますが、先生がおっしゃられます一つの取り決めというものもあるいは一つの方法なのかもしれません。ただ、私は、合同委員会という場、その下にある航空関係の分科委員会とかいろいろなものがございますので、そういう中で弾力的な対応をしていくことの方が安全確保の向上には役立つのではないかと思っております。そういう場で紙切れ、紙切れと私は申しませんが、取り決めをつくって済むという問題ではなくて、やはりこれはいろいろな常日ごろの心がけの問題もございます。合同委員会という場があればその都度問題の提起をすることもできるわけでありますので、そういうところを利用しながら安全確保を徹底していきたい、このように思っております。航空機事故のもたらす事の重大性については、我々もその点は十分認識しておりますので、その気持ちを持って対応してまいりたいと思っております。
○玉城委員 本土の基地はいろいろありますけれども、沖縄のように非常に過密な状況の中で、しかも民間機が頻繁に離発着するわけであります。ですから大臣、私は今回のニアミスのあれを運輸省からもらいまして、これは、南西航空機というのは那覇空港を離陸して十分後にそういうニアミス状況に入った。そして、これは岡山行きなんです、那覇発岡山行き。ですから決してコースを間違っていたとは思えないのです、南西航空機は。そこに十分後に四機のいわゆるF15、あるいは18かわかりませんけれどもばっと来て、そこで危険な状況に入ったわけですからね。これは瞬間、間違えば非常に大惨事になることはもう間違いないわけですね。ですから、そういうものを二度と繰り返さないために、行政的に日米間でやはりきちっとそういう取り決めなり話し合いなり協議なり当然あってしかるべきだと思うのですが、今はまだ全然されていないということ自体が問題だと思うのですね。 ですから、私がさっき申し上げたように、南西航空機は恐らくこのコースは間違いない。間違っているのは相手ではないか。四機の米軍の軍用機ですね。それを、なぜそうなったのかということをしつこく皆さんが問いたださないとこれはできないわけですね。その点、どうでしょうか。
○佐藤(行)政府委員 私のお答えの仕方が不十分だったのかもしれませんが、先ほども申し上げましたのは、まだこれから大いに事実関係を究明していきたいというその過程の問題で、アメリカ側のこれまで我々に言ってきた点と運輸省の方でお調べになっている点の事実関係について、事実関係とまで申し上げるのもあれですが、まだ若干違うところもあるようですから、その辺も専門家のお知恵も拝借しながらきちっと事実を明らかにしていきたい、そういうことを申し上げたわけであります。 そういう意味で、先生のお気持ちは痛いほどわかりますし、我々としても運輸省の当局の方も当然そうだと思いますし、正直言ってアメリカ側も事故を起こしたいと思っているはずはないわけでありますので、こういうことが二度と起きないようにするために、あるいはこういう不安を起こさないためにどうしたらいいか、そのための話し合いをしたい、そのためのまず第一歩として、今回のことの事実関係がどうだったのか、そこをもう少し調べてみたい、そのようなことを申し上げたわけであります。
○玉城委員 運輸省の方にお伺いします。 こういうニアミスというような状況はどのぐらいの距離からニアミスになるのか。定義はないというお話ですけれども、いずれにしてもそういう危険な接近状況ということだと思うのです。それで、こういうニアミスの原因については、パイロット自体のミスなのかあるいは管制官のミスなのか、その辺はどういうふうに考えられますか。
○林説明員 お答えします。 ただいまのお話のニアミスの定義ということでございますけれども、これは定義がないというようなことではなくて、一応航空法にも書いておりますし、また私どもも、ニアミスというのは飛行中の航空機相互間に空中衝突または空中接触のおそれがあるほど近寄った場合をニアミスと申し上げておりまして、何メートルとか、そういう物理的な距離でそれ以下になったらニアミスだというような判定の仕方はいたしておりません。 それからもう一点でございますが、ニアミスが起きます原因として、管制官が原因か、それともパイロットの問題か。これはいろいろございまして、昨年仙台で起きました全日空機と小型機の件は、小型機の方のパイロットが航空法九十六条の規定をよく守っていなかったというようなことが原因になっております。そのほか管制官のミスであるというふうにされた件もございますし、いろいろ原因がございます。
○玉城委員 今度の場合、悪意に解釈すれば、南西航空機が上昇する、そこに米軍機が進路妨害みたいに来たということも考えられるわけです。ですから、そこら辺をこれからいろいろ調査もされるのでしょうけれども、そういう点があるだけに、今後そういうことを二度とさせない、お互いにしないようにしようということが非常に大事だと思うのです。 それで、米軍側からはいわゆるパイロットプランですか、それを事前に皆さんとっていらっしゃるわけですね。そして日本側も向こうに渡しているわけです。それはどうでしょうか。
○林説明員 お答えいたします。 ただいまのお尋ねの件は、飛行計画、フライトプランのことかというふうに存じますが、米軍機といえども計器飛行方式で出発する場合、あるいは有視界飛行方式で出発する場合におきましても、いずれもフライトプランをあらかじめ出すということになっております。 今回の点につきましては、まだその辺、具体的にフライトのナンバーといいますか名称が特定できておりませんので、そういうことが特定できますれば、このフライトプランが出ていたあるいは出ていなかったということがわかるというような段階でございます。
○玉城委員 フライトプランが出ていたとか出ていなかったということがわかるということなのですが、もし出ていなかった場合はどういうふうになりますか、米側がそれを出していなかったという場合。
○林説明員 仮定のことでございますからお答えが大変難しいのでございますが、私ども米側との取り決めでは一応出していただくということになりますので、もし出ていなかったら、どういうぐあいで途中で漏れてしまったのか、あるいは最初から出ていなかったかというようなことを調べまして、今後そういうことのないようにお願いするということになろうかと存じます。
○玉城委員 とにかく、これは四日の午前中の時点です。きょうはもう八日ですね。四日間あるわけです。四日あってもそういうものを調べてまだわからないという状況なんですか。そうすると、もし万一あの時点で不幸にして事故でも起きた場合には全然わからないままに推移するということになりますね、わからないということは。何でわからないのですか。
○林説明員 けさまでの米軍との連絡の中でいろいろお話はしているのですが、当日幾つかのフライトがあって、そのフライトのどれがこの南西航空機と関係があったのかということについてまだなかなか特定できていないというようなことで、けさの段階では、どのフライトかというのは私どもに連絡がまだ来ておりません。連絡が来ればフライトプランの件はすぐ判明すると考えておりますが、向こうでもいろいろなパイロットにいろいろな質問をしてその特定を急いでいるというふうには聞いております。
○玉城委員 フライトプランですか、これは日米間で話し合う一つの大きな問題点だと思うのですね。だから、そういうフライトプランが事前に来ている。そうすると、このフライトプランによっては米側はこういうコースでこの時刻こういうというのがわかるわけですね。それで日本側は、この時間には例えば南西航空が通る、それが事前にわかるように当然なるわけですが、それが出しているのか出していないのかもわからないということになれば、そこら辺から問題があると思うのですね。その辺を外務省としては話し合いをする必要があるのじゃないですか、先ほどの日米合同委員会できちっと課題として話し合うという課題などというものじゃなくて。
○佐藤(行)政府委員 先ほど運輸省の方から御答弁をいたしましたように、本来飛行プランについては提示することになっているわけでありまして、そういう手続そのものについて日米間に既に合意があるわけでございます。そういう枠の中で今まで行われてきているわけでありますから、それが仮に守られていない場合には、そこの点はまたきちっとしなければいけないとは思いますけれども、今おっしゃられたような点については改めて仕組みをつくるとか手順をつくり直すという問題ではないと思います。守っていないかどうかまだわからない段階ですからあれですけれども、仮に守っていないとすれば、これはアメリカ側にきちっと守ってもらわなければいけないと思います。 そういうことをきちっと運用していくという問題でございますので、その運用についてアメリカ側の注意を喚起する、これは大事な問題ですから何度喚起してもいいわけでして、そういう点については、安全確保の徹底ということをアメリカ側に求めていきたいと思っております。そういう意味で今回も、事態の問題を問わず、この機会にアメリカ側に改めて申し入れたわけであります。
○玉城委員 アメリカ側に対しては厳重に注意喚起を促すとともに、本当に問題なのは日米間でそういう話し合いがされていないということ自体が、沖縄に限らないのですけれども、復帰二十年にもなりまして、これは本当に外務省の怠慢といいますか、百三十九名のうち幼児が三名ですけれども、これがもし衝突でもしたら大変では済まされないわけですから、そういうことが何回もこれまでたびたび沖縄上空にあったということが二十年の間に既にわかっているわけですから、そういうことを二度とさせないという取り決めをしておくのは非常に重要なことだと思うのですね。大臣、そう思いませんか。
○佐藤(行)政府委員 外務省の怠慢と言われましたものですから、大臣にお答えをしていただく前に私の方から申し上げたいと思います。 先ほどから繰り返して申し上げておりますが、仕組みはございますし、運用のための話し合いをする場もまたあるわけでございますので、我々としては、念には念を入れて何度でもアメリカ側と、安全確保のために徹底を図りながらこのような心配がないようにしていきたいと思っております。安全の問題というのは、これは先生に申し上げるまでもなく飛行機に乗っておられる一般の方が一番大事でありますが、これは航空の運用をやっておられる運輸省の方も我々も米軍もみんな大事に思っているわけでございますので、お互いに心を合わせてやれるように繰り返しこういうものは確認していくべきだろうと思います。にもかかわらず、まだ怠慢とおっしゃられる不安が残っているとすれば、我々もさらに一層の努力をしてまいりたいと思っております。
○玉城委員 大臣、今の航空機のニアミスの問題ですが、これは非常に重要な問題です。大臣はどういうふうにお考えになりますか。
○渡辺(美)国務大臣 今北米局長が申し上げたとおり、安全の問題は軍も民間も差別はありません。どちらにとっても重要なことでございますので、鋭意さらに創意工夫をして安全の確保に努めてまいりたいと存じます。
○玉城委員 終わります。
○井上委員長 古堅実吉君。
○古堅委員 大臣、先日の外務委員会で、最近の沖縄米軍基地における相次ぐ重大な事故やそれに伴う県民の被害について厳しく指摘して質問をいたしました。また、昨日七日午後二時過ぎでありますが、沖縄県石川市の国道三百二十九号沿いの歩道上で、六十二歳の主婦古我知秋子さんが、買い物帰りでありますけれども孫の手を引いて歩いているところ、米兵の無謀な運転による事故に遭い、歩道上でひかれて即死をするという極めて残忍なことが起きています。私は心からの哀悼の気持ちを表明するとともに、怒りを込めてこのような事故を相次いで発生させている米軍に抗議し、かつ、必要な対処において遺憾なことがないよう政府の努力を厳重に求めるものであります。そのことについて、最初に大臣から御所見を伺いたい。
○佐藤(行)政府委員 事故の痛ましい犠牲になられた方には我々も同じ気持ちでおります。こういうことについてはきちっとした対応をしてまいりたいと思っております。
○渡辺(美)国務大臣 交通事故によって人命が失われたということは、米軍であろうと日本人であろうと、いずれにしてもそれは本当に残念なことでございます。どういうような状況のもとでその事故が起きたのかも含めましてよく検討をさせていただき、再発防止に努めてまいりたいと存じます。
○古堅委員 ぜひ必要な調査もされて、誠意ある対処をしてほしいと思います。 十二月四日午前に起きました沖縄における米軍機によるニアミス、南西航空にかかわる問題について伺いたいと思います。 機長の報告によりますと最接近時は一・九キロないし三・七キロで、高度差はなかったと説明されています。音速以上の速度で飛行しているF15という飛行機であったことを思えば、事故が起きたかもしらぬと思われるこの時間帯というのはわずかに数秒以内であったろうと考えます。この南西航空機には百三十九人が乗っておられました。本当に冷やりとさせられるニアミスだと思います。事態の重大性については大臣も認識しておられますか。
○渡辺(美)国務大臣 よく認識しております。
○古堅委員 今回のようなニアミスが一九九〇年一月十日と十一日の二日続きで発生しています。このような米軍機によるニアミスは決して偶然な出来事ではございません。復帰二十年というのに、沖縄の空域はまだその多くが米軍の演習空域にとられています。そして那覇空港への進入管制業務もいまだに米軍の支配下に置かれて、すべてが米軍優先にあるということからもたらされる必然的な、起こるべくして起こる、こう言えるものがあります。今回のニアミスはまさにそれであります。外務大臣、このことの事の重大性についての認識を伺っておきたい。
○佐藤(行)政府委員 先ほど大臣から問題の重要性、事の重大性についての認識については既にお答えになられましたので、私の方からは別の点で一つだけ申し上げたいと思います。先ほどの先生の前の質疑で出ておりましたとおり、我々はまだこの問題について、どういう状況にあったのか、同じ高度であったかどうかについても調査中でございますので、この点はもう少し明らかになるのを待ってから判断をさせていただきたいと思います。
○古堅委員 我が党は、嘉手納RAPCON返還問題について国会で繰り返し取り上げてまいりました。その返還を要求してきたのであります。運輸省の答弁は、管制業務的には技術的な問題はなくいつでも移管できる、こういう国会における態度表明、答弁でありました。復帰時に、日本側で進入管制業務を行うまで暫定的に米国政府が実施するという日米間の覚書があり、あくまでも暫定的とされているのにかかわらずそれが返還実現されないのはどこにあるか、一に外務省の態度です。嘉手納基地が存在する限り無理である、こういう米軍優先、対米追従の態度をとる限りは、暫定的と言われたこの問題の解決が進むはずがありません。今回の事例に見られるように、米軍優先の管制業務が続く限り危険な事態が起こりやすいというふうなことは何人も否定できない極めて重大な問題であります。 そこでお伺いしますが、一体外務省はこの嘉手納RAPCON返還交渉をやるつもりがあるのか、やるつもりはないのか、そこを明確にしてください。
○佐藤(行)政府委員 先生御承知のとおりの経緯のある問題でございますので、ちょっと長い答弁になるかもしれませんが、(古堅委員「結論的なことをお伺いしたので、余り時間をとりますと私の質問時間がなくなります。」と呼ぶ)私は先ほど大臣の御指示のもとで申し上げましたものですからあれですが、繰り返しになりますけれども、この問題について経緯のあることも我々承知しておりますし、将来の課題として念頭に置きながら、沖縄の基地全体の問題についてこれからさらにアメリカ側との話し合いについて努力をしてまいりたいということを申し上げました。 沖縄の返還基地をめぐる問題はいろいろな問題がございます。そこで、既にことしの五月であれでよしとせず、さらに我々はいろいろな話し合いをしているわけでございますので、その全体の枠の中で、この問題については将来の課題だと私は観念しております。日米安保の目的というのは、先ほど申しましたように我々もそこに必要性を認めている問題でございますので、アメリカにだけ言われてやっているわけではございません。
○古堅委員 そうであれば事は一層重大だ。日本国憲法に照らして、どこから見ても説明のつく、許される問題ではありません。復帰二十周年がことしでございました。過ぎました。暫定的とした合意を進んで無制限に持って行くということになるではありませんか。言語道断の話です。許すわけにはいかないことを厳しく指摘しておきます。 次は、沖縄米軍基地の返還促進問題について若干お尋ねします。 沖縄の軍転協の代表が先日、米軍二十五施設の返還促進要望書を政府に提出されました。その中の普天間基地について政府の見解を伺っておきた いと思います。 去る十月二十三日、普天間基地で海兵隊のCH46ヘリの墜落事故が起きました。この事故は一歩間違えば重大な惨事になりかねない、そういう事故でありました。最近、在沖米海兵隊の再編成が進められて、普天間基地に中型ヘリ中隊を常駐させることが決められております。これは佐世保基地の強襲揚陸艦ベローウッドの母港化配備に伴って強化されたもので、今回の墜落事故はそういう基地機能の強化と訓練が激化する中で発生したものであります。現地宜野湾市民を初め沖縄側のこれまでも強かった普天間基地の返還要求は、この危険な墜落事故を契機にして返還しろという声がさらに強まっております。 そこでお伺いしたい。普天間基地の返還交渉について、政府としてなされるおつもりがありますか。沖縄県民の願いにこたえて検討されるおつもりがあるかどうか、そこを確かめておきたい。
○佐藤(行)政府委員 本当は結論から先に申し上げたいのですが、今先生がおっしゃられました物事の前提について我々若干違う認識を持っております。今のヘリコプターの問題でありますが、我々が理解しておりますのは、着陸後移動しているときに横転したというふうに聞いておりまして、これは墜落事故ではなかったというふうに我々は理解しております。確かに、今回新たに配備されたものであることは間違いがございませんが、墜落事故が起きたから危険であるということではないと私は認識しております。 他方、その普天間基地については県民の方々の要望が強いことは我々も十分承知しております。ただ、この問題については今アメリカ側とこの間来話し合っております。おくれにおくれているいろいろな基地の全体の中で考えていきたいと思いますので、将来の課題ではあっても直ちにこの問題だけ取り上げて、例えば那覇軍港のものとかほかの問題をさておいてこの問題について返還交渉をするという考えは今のところはございません。
○古堅委員 そんなことを言うのであえて言っておきますが、あの墜落事故は、私は調査に行きましたよ。アメリカの言いなり、それを受けてあのような言い方をするということは許せません。どう見ても、着陸のときに横転したなどというものが轟音を出してあのようなことになるなどということは考えられぬ話です。 沖縄県民の中には、世界の冷戦構造の一方が崩れたことで、復帰二十周年を機会に基地返還が大いに進められてほしいという強い希望がございました。しかし、なってみますというと、九二年も暮れようとしておりますが、でき上がったのは恩納村の都市型戦闘訓練施設の撤去だけでありました。大変残念なことです。 一九九〇年六月に合意した沖縄の米軍施設十七施設、二十三事案と、さらにことしの五月十五日、復帰二十周年記念ということで、五月十一日の合同委員会において合意したとして発表した施設について現在までどのような進捗があったか。返還 済みあるいは返還手続中、そういうことなどについての具体的な簡明な説明を求めます。
○佐藤(行)政府委員 いわゆる十七施設、二十三事案のものからの返還済みは七件であります。ただ、ことしの五月に日米間で話し合いまして、先ほどの大臣のコメントも含めてこれからやろうとしておりますのは、この前からずっとたまっている、おくれにおくれているものをもう一回見直して何とか進めようということであります。これについてはまだ結果は出ておりません。先ほど申し上げましたように、これは前の方の御質問のときに申し上げたわけでありますけれども、この問題に関係する関係省が非常に多うございますので、国防省、国務省、太平洋軍、在日米軍、大使館その他についてこの話をいたしまして、これからもう少し話を進めていこうというところに来ている段階であります。その過程で政権の移行ということもございましたものですから、特にワシントンにおける関係者の異動がこれから起きるものでございますので、若干事務が停滞せざるを得ないと思っております。 ただ、先ほど来の、我々アメリカの言いなりという御印象をお与えしているかもしれませんが、大臣が繰り返しいろいろな委員会の場でも言っておられますように、不要なものは返してもらう、そして沖縄の基地の整理統合は進めるということは我々の基本方針でございますので、新政権の体制ができるのを待って、さらにできるだけ早く、一つでも多く結論を出すように努力してまいりたいと思っております。
○古堅委員 時間が参りましたので、最後に。 大臣、お聞きのように、一九九〇年六月の日米合意ができてからでももう既に二年余が過ぎました。あの合意というのも、返還しますというふうな合意そのものではなかったのです。それに向けていろいろと交渉を始めようということについての合意でしがなかった。ですから、県民の願いにこたえてこの返還を求められているものについてどれだけ積極的に進めていくかということが、希望にこたえるような形で早く進められるかどうかがその決め手になる。私はあのときにもそのことを厳しく指摘いたしました。二年半過ぎてここまでしか来てないということを踏まえて、あえてそのことを指摘しながら申し上げたいのですが、これからの外務省の努力いかんがこの問題の進捗のいかんを問う、そういうことになります。大臣からぜひ御決意を伺って、終わりたい。
○渡辺(美)国務大臣 先ほどから上原議員にもお答えをしておったとおり、このような世界情勢の変化というものもありますので、時間のかかることではあるが、大局的見地に立って基地の問題についても不急不要なものは返還をしてもらう、こういうようなことで政治を進めるよう努力したいと思っております。しかし、これは時間がかかりますよ。半年、一年というわけにいきませんから。
○古堅委員 終わります。
○井上委員長 これにて本日の質疑は終了いたしました。 ————◇—————
○井上委員長 次に、第百二十回国会、上原康助君外七名提出、沖縄県における駐留軍用地等の返還及び駐留軍用地跡地等の利用の促進に関する特別措置法案を議題といたします。 これより趣旨の説明を聴取いたします。上原康助君。 —————————————沖縄県における駐留軍用地等の返還及び駐留軍用地跡地等の利用の促進に関する特別措置法案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○上原議員 私は、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議及び日本共産党を代表し、ただいま議題となりました沖縄県における駐留軍用地等の返還及び駐留軍用地跡地等の利用の促進に関する特別措置法案、略称、軍転特措法案について、提案理由とその概要を御説明いたします。 かつて「基地の中に沖縄がある」と形容された沖縄県の現状は、復帰二十周年を迎えた今日においてもその実態は基本的に変わりがなく、今なお広大な駐留軍用地等の存在によって沖縄の土地の有効利用と振興開発は阻害され、絶え間のない軍事演習で県民の生存権は侵害され、生命財産もはかり知れない犠牲を強いられるという実情にあります。 沖縄の復帰に先立つ一九七一年十一月、衆議院本会議において「沖縄の米軍基地の縮小に関する決議」、すなわち「政府は、沖縄米軍基地についてすみやかな将来の縮小整理の措置をとるべきである。」旨が採択されましたが、この間の政府の対応は、決議の趣旨がほとんど実行されないまま推移してきているのであります。 その証拠に、復帰時点の基地の総面積が二万八千七百ヘクタールで、復帰後二十年間に返還された基地面積はわずかに三千七百ヘクタールと一三%程度でしかなく、現在も全国の米軍専用基地の実に七五%が小さい狭い沖縄に集中している状況にあります。 このことは、政府の沖縄施策が産業経済の振興発展、県民生活の安定向上よりも、米軍基地の維持、安定使用に重きを置いてきた証左と言わざるを得ません。 加えて、返還軍用地の大半が有効利用されないまま長期間放置され、社会的、経済的に多大の損失を与えてきていることをより重要視する必要があります。 社団法人沖縄県軍用地等地主会連合会の資料でも明らかなとおり、五、六年間から二十年前後にわたって、跡利用がなされないまま遊休化している土地が多いのであります。この長期の間、地権者に対する損失補償が全くなされていないことはゆゆしき問題だと言わなければなりません。 現在の広大な基地は、米軍の沖縄占領後、銃剣とブルドーザーで先祖伝来の土地を強制的に収用したものであります。政府は、この米軍基地を、沖縄の復帰に際して沖縄公用地等の暫定使用法を強行立法するなど、継続使用の方途を講じて今日に及んでいるのであります。 しかるに政府は、米軍基地の整理縮小の推進を怠ってきたばかりでなく、時折返還される土地についても、地主や関係市町村等の意見を無視した部分的細切れ返還であることもさることながら、跡地利用が効果的にはかどらないことに県民は強い不満と不信を抱き続けてきているのであります。 したがって、政府は沖縄における広大な駐留軍用地等の存在を十分に踏まえ、その整理縮小に関する基本方針を策定し、返還される跡地利用を促進していくための特別措置を積極的に講ずるべきであります。 これが本法案を提案する主な理由でありますが、次に、法案の概要について御説明いたします。 第一に、国の責務及び地方公共団体の任務についてであります。国は、駐留軍用地等の整理縮小に関する基本方針を明確にするとともに、駐留軍用地等及びその跡地等の総合的かつ計画的な有効利用が促進されるよう必要な措置を講じなければならないこととし、地方公共団体は、この法律に基づく施策を適切かつ円滑に実施するものとすることとしております。なお、土地所有者等の協力義務についても定めることとしております。 第二に、基本方針についてであります。国は、駐留軍用地等の整理縮小に関する基本的な方針及びこれに関する目標について閣議の決定を経て定めることとしております。その策定に当たっては沖縄県及び関係市町村の意見を聞くとともに、これを公表することとしております。 第三に、返還実施計画についてであります。防衛施設庁長官は、駐留軍用地等について日米間で返還の合意がなされたとき、または自衛隊が使用しているものについてその用に供する必要がなくなったときは、速やかに土地所有者への返還の時期及び返還に当たっての措置等について、土地所 有者等の意見を聞いて返還実施計画を定めなければならないこととしております。 第四に、駐留軍用地等を土地所有者に返還する場合の措置についてであります。国は、駐留軍用地等を土地所有者に返還する場合は、所有者の同意を得て返還される当該土地が駐留軍用地等跡利用計画に則し、有効かつ合理的な土地利用が可能な状態となるよう必要な措置を講ずることとしております。 この場合、当該措置が賃貸借期間の満了の日までに完了しないときは、賃貸借期間満了の日の翌日から実際に返還される日までの間へ国が当該土地に支払っていた賃借料を基準とした返還遅延金を支払わなければならないこととしております。 さらに、駐留軍用地等が返還される場合において、その返還予定地で土地区画整理事業等が予定されているときは原状回復の措置を講じないで返還することができることとし、この場合には土地所有者等に対し損失補償を講じなければならないこととしております。 第五に、駐留軍用地等跡利用計画についてであります。この計画は基本計画及び市町村計画に区分することとし、土地所有者等の意見を聞いて、基本計画は沖縄県知事が、市町村計画は関係市町村の長が定めることとしております。 なお、この計画の内容としては、道路、公園、学校等の公共施設の整備、水道、下水道等の生活関連施設等の整備、農地開発等の産業振興に関する事項等について定めることとしております。 第六に、駐留軍用地等跡利用計画に基づく事業に要する経費については、国の負担または補助の割合について特例を設けることとし、その割合は、沖縄県で施行される同種の事業についての国の負担または補助の割合に百分の百二十を乗じた割合とすることとしております。 なお、負担または補助の割合のない事業については、予算の範囲内でその事業に要する経費について補助することができることとしております。また、この事業に要する地方公共団体の経費については地方債をもって充てることができることとし、この地方債の元利償還金については、地方交付税の基準財政需要額に算入する措置を予定しております。 第七に、その他の措置についてでありますが、この法律の目的が達成できるよう駐留軍用地等跡利用計画と他の計画との調整措置、国有財産の無償または減額譲渡についての措置、跡利用促進事業に要する資金の確保等の措置、所得税、固定資産税等の軽減措置等について定めることとしております。なお、附則で関係法律の整理等について定めることとしております。 以上が本法律案の提案理由及びその概要でございますが、基地の返還と跡地の有効利用は沖縄にとって最大の課題となっておるし、これを推進していく屋台骨となる「軍転特措法案」の早期立法化は、百二十三万県民の総意となりつつあります。 何とぞ、慎重な御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げ、趣旨の説明を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○井上委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時八分散会 ————◇—————