労働委員会 第3号
- 発言数
- 233 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1992/03/27
会議録
○委員長(向山一人君) ただいまから労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る三月二十五日、西野康雄君が委員を辞任され、その補欠として角田義一君が選任されました。 また、昨日、岩崎純三君及び川原新次郎君が委員を辞任され、その補欠として成瀬守重君及び久世公堯君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(向山一人君) まず、労働保険の保険料の徴収等に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。近藤労働大臣。
○国務大臣(近藤鉄雄君) ただいま議題となりました労働保険の保険料の徴収等に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 近年の雇用保険の失業給付に係る収支状況は、平成二年度末決算において積立金規模が徴収保険料額の二倍を上回るに至るなど黒字基調で推移しており、保険料率を現行のまま維持すれば、単年度収支の大幅黒字が続くことが予想され、これに伴い積立金もさらに上積みされる情勢にあります。 一方、雇用保険制度につきましては、雇用情勢等の諸事情の変化を踏まえ、高齢者問題への対応その他検討すべき諸課題があり、今後、十分かつ慎重に検討を行うことが必要となっております。 政府といたしましては、このような状況を踏まえ、当面の対応といたしまして、暫定的な措置として失業給付費の負担者である労・使・国庫の負担をそれぞれ軽減することとするほか、失業給付に関して速やかに対応すべき事項について所要の措置を講ずるため、この法律案を作成し、関係審議会にお諮りした上、提出した次第であります。 次に、その内容の概要を御説明申し上げます。 第一は、労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部改正であります。 平成五年度以後当分の間について、雇用保険率を千分の三引き下げることとしております。 第二は、雇用保険法の一部改正であります。 その一は、失業給付の改善を図ることであります。 定年後における継続雇用の促進に資するため、定年時の賃金と比べて継続雇用終了時の賃金が低い場合には、労働大臣が定める方法により定年時の賃金をもとに基本手当日額を算定することができるよう賃金日額の計算の特例について規定の整備を行うこととしております。 また、現在賃金水準が二〇%を超えて変動した場合に基本手当日額表を改定することとされておりますが、最近における賃金水準の変動に十分対応することができるようにするため、賃金水準が一〇%を超えて変動すれば基本手当日額表を改定することとしております。 このほか、基本手当の減額に係る内職収入控除額について、前回の改正後の賃金水準の変動を考慮して引き上げる等の措置を講ずるとともに、高年齢者等所定給付日数の多い受給資格者の再就職の一層の促進を図るため、再就職手当の支給要件の改善を行うこととしております。 その二は、国庫負担に関する暫定措置を設けることであります。 求職者給付に要する費用に係る国庫の負担額について、平成四年度につきましては、現在国庫が負担することとされている額の十分の九、平成五年度以後当分の間につきましては、現在国庫が負担することとされている額の十分の八に相当する額とすることとしております。 以上、この法律案の提案理由及び内容の概要につきまして御説明申し上げました。 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(向山一人君) この際、本案の衆議院における修正部分について、衆議院労働委員長川崎寛治君から説明を聴取いたします。川崎君。
○衆議院議員(川崎寛治君) 労働保険の保険料の徴収等に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案に対する衆議院の修正部分について、その内容を御説明申し上げます。 修正の要旨は、政府は、この法律の施行後、今後の雇用動向等を勘案しつつ、雇用保険事業における諸給付のあり方、費用負担のあり方等について総合的に検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすることであります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(向山一人君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分についての説明聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○細谷昭雄君 庄司委員が最初に質問でございましたけれども、きょうの交通事情の関係でおくれてまいりますので、順序を変更いたしまして私の方から質問をしたいと思います。 まず最初に、大臣に御礼かたがたその後の問題について若干の御要望を申し上げて質問したいと思いますが、昨年の十一月二十一日に私どもが大変要望しておりました出稼労働者対策要綱と私たち言っておりますけれども、この対策要綱が二十年ぶりで労働省の関係各位の御努力によりまして改定していただきました。これは私たちの長い要望、例えば出稼ぎ労働者の居住環境とか労働条件とか労働福祉、こういったものを二十年前にはなかったものを新たに組み入れて、そして働きやすい環境の中で出稼ぎ労働者が安心して働けるというふうな指導要綱でございますが、大変関係各位の御努力に対しまして敬意を表しつつ、さらにさらなる行政指導の強化をお願いしたい、こんなふうに思っておるところでございます。 この御礼を含めまして今後の対策要綱の定着、これについて労働省並びに労働大臣の御所見をお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 細谷先生から大変御丁寧なお話がございましたが、先生は秋田県でいらっしゃる、私は山形県でございますので、出稼ぎ県の一つでございますが、御案内のように、出稼ぎ労働者は昭和四十七年当時は五十五万人、これがピークでございまして、年々減少して現在はもう三分の一強になっているわけでございます。 言うまでもないことでございますけれども、出稼ぎはふるさとや家族と遠く離れて働くわけでありますので、健康の問題もございますれば、また留守家族との関係、いろいろ問題もございまして、出稼ぎが減って地元での就労がふえるということは望ましいことでございます。ただ、そうはいっても依然として山村などで十分な雇用機会がない、したがって出稼ぎを余儀なくされる、また都市と地方の賃金格差がございますので都市へ行って働く方がいい、こういうこともございますので、依然として出稼ぎを生む状況といいますか、環境も残っておりますので、これに対して十分な対策をしてまいらなければならない、かように考えております。 特に、最近は出稼ぎ労働者のいわば高年齢化ですね、だんだんお年をお召しになっていらっしゃる、こういうことでございます。そういった面もございますし、また最近のいろんな経済情勢のもとで意識の面でも変わってきております。そんなことで、高齢化の問題に伴った健康問題、また労働、就業状況といいますか、時間の問題とか、どこでその間生活されるか、その他問題がございますので、こういった問題の一層の向上を図る必要を私どもは実感しております。そうした状況にかんがみまして、基本的には地元就労の促進を図る、これを基本といたしますが、出稼ぎされる方々の場合には安定的な雇用関係、就労状況というものを進め、また一方では安全の問題、衛生の問題、そういった労働条件の確保を図ることを目的にして昨年十一月に出稼労働者対策要綱を改定したところでございます。今後は、この要綱の改定を機に出稼ぎ労働者の福祉と労働条件の確保、向上に一層努めてまいる考えでございます。
○細谷昭雄君 ぜひ労働省自身としましても今まで以上の行政指導の強化をお願いしたいと思います。 関連しまして、このたびの雇用保険法改正案の一般の被保険者以外の求職者給付の改善について質問に入っていきたいというふうに思っております。 まず最初に、短期雇用特例求職者給付、つまりこれは出稼ぎ者のことなんですが、これについて、第一に季節労働者の給付の変遷、いきさつですね、これを最初にお伺いしたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) 短期雇用特例被保険者制度につきましては、昭和五十年に失業保険法を廃止いたしまして雇用保険法を制定した際に新たに創設されたものでございます。 御承知のとおり、五十年以前は季節労働者につきましても通常労働者と同様の内容の保険給付を行っておったわけでございますが、これが失業保険制度上のいろいろ問題点を有しておったわけでございます。その問題点と申しますものは、季節的な労働というものから生じます離職と申しますものは、偶発性を持った保険事故としての離職というものではございませんで、いわば言いかえれば予定された失業ということでございまして、これを保険でカバーしていくということについての性格上の問題点もございまして、失業保険制度に果たしてなじむという性格のものだろうか、こういったような御議論が多くあったわけでございます。 一方、生活実態というものを見ますと、ただいま先生御指摘ございましたように、出稼ぎ労働の実態というのがございまして、例えば農業に従事しておられる方が一方では出稼ぎ労働にも従事されるというような実態がございまして、こういったような事情等を考慮に入れて現在の制度が導入されたということでございます。
○細谷昭雄君 事情はわかりましたが、当時、昭和四十九年十二月の改正の際にいろいろな議論がございまして、財政事情の好転の折には給付を見直すというふうに当時の長谷川労働大臣が議論の中でお答えしておるというふうに我々は聞いておるわけでありますが、そういうふうなことはなかったんでしょうか。さらに、現行の一時金制度というふうなものが現在どういうふうな定着度を示しておるのかということについてもあわせてお答え願いたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) 御承知のとおり、特例一時金を基本手当日額の五十日といたしておりますのは、昭和五十年当時の季節的受給者の平均的な受給実績に見合った日数を一時金で一律に支給しようというためにこのような制度をつくったものでございまして、現行の給付日数はそういった意味で私ども妥当なものと考えておる次第でございます。 ただいま先生、当時の財政事情がよくなかったのでよくなったならばこれについてまた見直しをというようなお話がございましたが、私ども理解しております限りにおきましては、当時の雇用保険をめぐる財政事情というものは全体として黒字基調であったというふうに私どもは理解をいたしておるわけでございます。したがいまして、そういった点で財政事情というものでこの日数について何か検討を加えるというようなことは、私どもの記憶、理解ではなかったのではなかったかというふうに考えておる次第でございます。 いずれにいたしましても、先ほど大臣からお答えがございましたけれども、依然として二十万の出稼ぎの方々がおられるわけでございまして、今日のこの特例一時金制度というものはそういった中で根づいているというふうに理解をいたしておるところでございます。
○細谷昭雄君 出稼ぎ労働者の対策要綱ももう立派につくっておるという、しかも二十年ぶりに改定をした、中身も大変よくなっているということからしましても、これは政府としてもこの存在ということを十分認めておるし、しかも高齢化はしておりますが需要がすごく多いわけですね。現在この種の求人倍率は八・何%とかというふうに言われておるわけです。大阪なんかに私が行きますと、何とか何人よこしてくれないかなというふうに頼まれることが多いんですよ。それほど特に三Kと言われる現場では大変貴重な労働力として現在も評価されておる。 したがって、いろんなことがありますが、改定の際に対馬委員もそれに参画しておられるわけで、我々もしょっちゅう聞いているんです。もう一つの要素としてやっぱり財政的な好転、九十日から三十日になっていたんですよ、あのときは九十日が三十日に、給付が。それを対馬委員を初め私どものいろんな努力によりまして五十日に修正をしたといういきさつがあるんです。九十日から五十日にはぎられた、結果的には。財政事情が好転した際にはこれはもう復活すべきだという要求というのは今でもあるんです。したがって、私は高齢化しておる、しかも人数も少なくなっておる、しかもその社会的な需要は非常に多い、こういう観点からしますと給付の日数の改善、これはぜひ検討すべきだ。 それからもう一つは、もう出稼ぎの皆さん方が存在する限りはこれはいじくってはならない。やめる、しょっちゅう言うんですね。財政事情が悪いといえばまたやめる、そんなことをやらない。この二つを確認をしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(若林之矩君) ただいまお話がございましたように、九十日が五十日に変わったわけでございますけれども、その九十日と申しますものは一般の保険と同様に失業の認定をいたしまして、そして失業状態を確認いたしましてお支払いをする、その最長が九十日ということでございましたけれども、それを支給実績の平均的なところの五十日ということで五十日にいたしたわけでございます。今回は一時金になったわけでございますものですから、一時金を支給されました後はそういう失業の認定なしでいろいろと仕事がおできになる、こういったような点もございまして、それはやはり大変現在この制度が定着しているゆえんでもあろうというふうに思うのでございます。 ただいま先生はこの制度の存続ということをお話しになりましたが、やはりこの季節労働者につきましては、ただいま先生お話しのように二十万の方々が現場で産業を支えておられるわけでございます。こういった季節労働者の方々につきましては、地域対策でございますとかあるいは季節対策等の各般の対策を講ずることによりまして雇用の安定と福祉の増進が図られるようにこれまでも努めてまいりましたけれども、今後とも努めてまいりたいと思います。この特例一時金の制度につきましても、こういった就業実態にかんがみて設けられておる措置でございますので、そういったことを前提として雇用保険制度の中でこれまで運用されてまいったわけでございます。今後、これにつきましていろいろ検討すべき点はあろうかと承知をいたしているところでございます。御指摘の点につきましては、季節労働者の就労実態とか各種の対策の進展の動向を十分にまず見守っていきたいというふうに考えているところでございます。
○細谷昭雄君 ちょっとお願いしますが、私の時間はそんなにたくさんありませんので、答弁はイエスかノーかにちょっとつけ加えた程度でお願いしたいと思います、まだたくさんありますので。ぜひ検討はこういうふうにお願いしたいということと、制度をしょっちゅういじくる、やめるなんということは言わないように、これだけはひとつ確認をしておきたいと思います。 次は、冬期雇用安定奨励金制度の問題でございますが、対馬委員の大面な努力によりましてこれは当局の理解と共同作業で今回三年間の延長が実現をしておるわけであります。この点を私たちは非常に評価をしたいというふうに思っております。 問題は、既に発足してかなりになるんですが、三年三年という常に不安定な転がしをしておるわけです。これはもう地域にとっては冬季のしかも積雪寒冷地の北海道にとっては定着しておる事業なんですね。しかもこれが地域に及ぼす大きな経済効果、そして人心の安定、これははかり知れないものがございます。 したがって、大臣にお聞きしたい。今までのような三年間の転がしじゃなくて、もう既に定着しておるのですから、この際きちっと恒久化をするつもりはございませんか。
○政府委員(若林之矩君) この制度につきましては、各地域からの御要望がございまして、平成四年度以降につきましても通年雇用奨励金制度を改善いたしまして、平成三年度までの暫定措置でございました冬期雇用安定奨励金制度と冬期技能講習助成給付金制度につきまして一部の制度改善を加えました上で三年間の延長を行ったところでございます。 この制度につきましては、最近地域の雇用は大変改善されておりますけれども、なお積雪寒冷地につきましては大変厳しい雇用情勢がある、こういう認識のもとに延長を行ったわけでございます。やはり全体として地域の雇用情勢が改善されているということがございますものですから、この制度の延長につきましてはいろいろな議論がございました。そういった意味で今後の制度のあり方につきましてはなおこの制度の延長の活用状況、効果を見極めた上で対応をしていきたいというふうに考えております。
○細谷昭雄君 大臣もしかと実情をひとつあれして、さらにこれは恒久化に努力していただきたい、こういうことを要望申し上げたいと思います。 次に、高齢者の求職者給付についてお尋ねしたいと思います。 その第一は、高齢者継続被保険者数はどのように推移しておるのかということと、この人たちの給付金の支給が減少しておる理由、これを簡単に説明願いたいと思います。
○説明員(日比徹君) 高年齢継続被保険者の数でございますが、昭和五十九年度平均で四十四万三千人、それが昭和六十二年度まで年々減少いたしまして六十二年度平均では四十万七千人、その後また増加に転じまして平成二年度平均では四十六万八千人ほどでございます。 一方、受給者の方の問題でございますが、支給額につきましては単価の動きもございますので伸びたり引っ込んだりというのがございますが、受給者数で見ますと、いわば制度発足の五十九年度におきましては約二万九千人、その後六十年度から六十二年度までこれが高い水準でございまして、年度間で七万人ないし七万九千、八万人というふうな数字でございます。それから六十三年度以後減少いたしまして、平成二年度におきましては五万四千人ということでございます。若干単価の増減の問題がございますので、支給額につきましては先ほど申し上げたように動きがございますが、六十一年度ですと三百七十二億、ここら辺がピークでございまして、平成二年度二百八十一億ということで確かに減少いたしております。 金額の減少の理由は当然ながら受給者の減ということでございますが、私ども被保険者の数と受給者の数の動きを見てまいりますと、実は被保険者の数がふえている時期が受給者の数が減っている時期でございまして、現在受給者数が減りつつございますこの三年ほどは被保険者の数は逆にふえております。したがいまして、これは具体的な統計、調査等やっておりませんのであくまでも推測でございますが、被保険者がふえておる、つまり六十五歳を超えても勤めている期間が長くなれば当然受給の局面が遅くなりますので、恐らくは六十年から六十二年と異なりまして最近は比較的高齢者の方も、相対的な問題でございますけれども、受給、その前提としての離職の時期が若干おくれておられるのではなかろうか。これは具体的な調査でございませんので大変恐縮でございますけれども、数字から見ますとそういう推測が成り立つように思っております。
○細谷昭雄君 十分分析をしながら、この制度がもっとよく機能できるようにお願いしたい、こんなふうに思っております。 六十五歳定年などの退職者は三百日分が支給になるわけです。ところが、もう一年延びて六十五歳になりますと百五十日、半分になりますね。こういう格差をつけるというのは何か根拠がありますか。
○説明員(日比徹君) ただいまのお尋ねは、基本手当の支給日数であれば勤続年数が通常どおり、通常といいますか平均的な形で考えれば、高齢者の方で三百日、それが一時金ということであれば百五十日ということの御指摘だと思いますが、高年齢者の一時金制度をつくりました趣旨自体は、実は高齢者の方々の労働力としての性格をどういうふうに考えるかということが大きな理由であったと思います。 すなわち、定年延長の施策等とも絡んでまいりますが、一定の時期になられますとやはり労働市場からは引退される、必ずその時期が来られるわけでございまして、労働市場から引退される際に給付金が何もなしというよりは、やはりそれまでの御労苦もございますし、また引退といわれましても完全な御引退というわけでないことも当然あるわけでございますので、失業給付の中ではございますが、一時金という形でお出しする。それに対しまして、六十五歳未満あるいは六十五歳で定年を迎えられてという方については、基本手当ということで長ければ三百日お払いしておりますが、この方々は労働市場からいまだ引退されておられるわけではない。特に六十五歳未満の方ですと、私どもも六十五歳代前半層の対策ということもございましていろいろやらせていただいておりますので、これは基本手当の当然対象でしょう。 そこで、境目になりますのは六十五歳で定年を迎えられてそのときにやめられた方、本来ですと一時金ではないかという御指摘もあるわけでございますが、我が国の定年制度の状況というものを見ますと、通常、定年即そのまま御引退というケースは比較的少のうございまして、定年を迎えられますともう一度は求職活動をされる、あるいは幸いにしてそのまま御就職ということもあろうかと思いますけれども、もう一つはおやりになるというのが実態であろうかと思いますので、六十五歳の定年を迎えられたと同時に離職をされましたとしたら、それは六十五歳を超えておられるからといって基本手当の支給というものが一度も迎えられないというのは疑問であろうということで、そういういわば特例を設けておるところでございます。 したがいまして、そういう趣旨で両制度を分けさせていただいておるところでございますので、御理解賜りたいと思っております。
○細谷昭雄君 その定義づけはわかりました。いわゆる基本手当と一時金の違いなんだ、しかも六十五歳というのが労働市場にお別れする時期なんだというふうに言うんですが、これからどんどん社会情勢、つまり労働事情がどういうふうに変遷するかということがありまして、高年齢になっていくと思うんです。既に厚生年金ももう六十五歳だということになっていきますので、そういう点では一つの暫定的なこれは決め方だと思うんですけれども、十二分に高齢者に、やっぱりたった一歳で半分になるということはちょっと私たち考えましても、理屈としてはわかりますが、お気の毒だというふうな気もしますので、見直しをする場合にその是正方をひとつ要望しておきたい、こんなふうに思っております。 それから次に、日雇い労働者の求職者給付についてお尋ねしたいと思います。 要するに、日雇い労働者という皆さん方が大変不満に思っておりますのは、等級別の賃金日額や給付日額表の改定が昭和五十九年九月以来七年間据え置かれておるということに対してでございます。 この理由は大変難しい理由があるようでありますが、それはお聞きしますと長くなるので、わかりました。聞かなくてもわかりました。 問題は、財政上の整合性ということのようです。しかし、財政上の整合性は十分考慮しなければならないとは思いますが、日雇い労働者という一つの特殊な条件にある方々、その方々はそういう財政上云々ということは全然わからないわけです。そうして、この方々が、なぜ我々だけが据え置かれておるのかという不満が非常に強いわけです。これは社会不安を醸成するということにもなりかねないというふうに思いますので、この点はやっぱり人並みに何とか上げるようなそういう見直しをすべきだというふうに思うんです。この引き上げに努力してもらいたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(若林之矩君) この日雇いの給付金制度の問題につきましては大変難しい問題がある、財政的なバランスの問題等々があるということは先生も重々御承知のことでございます。 何と申しましても、やはり一般の給付とこれとのバランスという問題もあるわけでございまして、いろいろ私どもも議論を重ねておりますけれども、大変難しい問題であるというふうに考えております。この点は御理解賜りたいと存じます。
○細谷昭雄君 難しいことはわかるんですよ。難しいことはわかるんですが、財政上の理由ということはわかりまするる聞きました。しかし、それだけを言っておったんではこれはだめだ、こう思うんです。したがって、努力をしてもらいたいということになるんです。努力する気はありませんか。
○政府委員(若林之矩君) 失対就労者の数の減少等あるいは日雇い労働者の構成も大きく変化をいたしております。そういったことで日雇い給付金の等級数その他日雇い給付金制度そのものの検討を行う時期ではあろうと存じます。しかし、今言ったような基本的な問題があるわけでございますので、その検討を行うといたしましても、それじゃ給付金額その他についてプラスに転ずるかどうかということになりますといろいろ問題があるように存じております。少なくとも検討すべき時期であるという認識ではおります。
○細谷昭雄君 いろいろあると思うんですが、そういう下積みの皆さん方にやっぱり光を当てるということも極めて政治の上でも大事なことなんですし、行政の方でもその点意を用いていただきたいということを要望したいと思います。 順序がかわりまして、ひとつこれは大臣にぜひ話しておきたいというふうに思うんです。先ほど衆議院で修正が送付されました、附則の修正でございますが、極めて大事な部分を含んでおりますので、大臣に確認をしておきたい、こんなふうに思っております。 まず、雇用保険制度に関する基本的な問題でございますので、現在中央職業安定審議会で進められておるというふうに伺っておりますが、中職審の場では育児休業それから介護休業など休業中の所得保障を雇用保険制度として組み入れられるよう積極的な検討がなされるべきだと考えますけれども、この点で大臣の御所見、御見解を伺いたいというふうに思います。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 今回の労働保険の保険料の徴収法と雇用保険法の一部改正は、お話を申し上げましたように当面の雇用状況のもとで雇用保険料の徴収額と積立額が二倍以上になったということでこの三者、労働者側、使用者側そして国によってその料率を変更させていただきたい、当分の間、こう言っているわけでございますが、そういうことが一つ。それから同時に、雇用保険に関していろんな御要望がございますからそれについて一部いわば取り入れさせていただいた、こういうことでございます。先生御指摘の育児休業そして介護休業という問題についてその間の所得保障を何とかできないだろうかという、こういう御要望は、私も山形に参りますと、女性の就労割合が全国で最高の部類だそうでございますので、そういう意見、御要望も実は個人的に私は承っております。 ただ、これはいろんな角度から議論させていただかなければならない問題でございますので、先ほど申しました、先生からお話があったわけでありますけれども、今中央職業安定審議会の雇用保険部会でいろんな方々お集まりいただいて多面的な御議論をお願いしておるわけでございますし、また特に育児休業の場合には婦人少年問題審議会ですか、ここにおいていろんな角度からそれぞれ御議論をお願いをする、こういうことでございます。労働省といたしましてはそういった審議会における御熱心な多面的な御議論を十分にまず聞かせていただいて、これからいろんな点で検討をさせていただきたい、こういうことでございます。
○細谷昭雄君 特に局長にお願いしたいんですがね、これは中職審の検討に当たりましては従来の失業給付とかないしは継続雇用、こういった生活の保障という観点だけでなくて、育児休業や介護休業というのはすぐれて家族生活を維持できるかどうかという問題なんですね。人間関係の一番底の問題、いわゆる家族生活を維持できるかどうかという、そういう観点をぜひひとつきちっと踏まえた、そういう御議論をしていただきたい、こんなふうに思っておるわけです。これは要望です。 それから大臣にお聞きしたいんですが、中職審や婦人少年審、これは現在作業中だというように伝えられておりますけれども、所得保障について何らかの措置をそういうところから建議された場合、やっぱり速やかに政府としましてもこれを踏まえた措置というのを具体化するということについての大臣の御見解をお願いしたいと思うんです。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 職業安定審議会も婦人少年問題審議会もこの問題についての我が国の最高の方々を、しかもいわゆる政府関係じゃなしに労使、学識経験者の方々にお諮りをしているわけでございますので、こういった審議会の御答申、御報告は我々も全面的といいますか、非常に真剣に尊重してそうした御答申の線に沿っていろいろと施策を進めてまいる、これは当然のことでございますので、そういう思いでございます。
○細谷昭雄君 さらに昭和五十九年度の制度改正とのかかわり、いろいろありますね。これを含めまして給付体系のあり方それから給付水準の改善の方向、こういったものを検討すべきだと思うんですが、この点について御見解を伺いたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) 昨年十二月に出されました中央職業安定審議会の雇用保険部会の報告におきましても、ただいま先生御指摘ございました昭和五十九年の制度改正とのかかわり等も含めて給付体系のあり方や給付水準の検討を行うべきである、こういう指摘がなされておるわけでございますので、これはもとより審議会でテーマをお決めくださることでございますけれども、私どもこういう部会報告が出ております以上、この審議会の御議論の対象になっているというふうに思っております。
○細谷昭雄君 次には三事業の問題でございますが、三事業のあり方につきましてもいろいろ議論があるところでございます。恐らく中職審でも研究されると思うんです。 我々の考え方としましては助成金や奨励金、かなりたくさんの額があるわけですが、問題はこれが失業の予防とかそれから雇用の安定ということにきちっと使われるのかどうか、この点でさらに検証を要するのではないか、こんなふうに思っておるわけです。これらの改善についても十分な抜本的な改善を加えていただきたいということと、あわせまして三事業につきましての出資者、出資者といいますか、これは全く事業主だけなんですね。労働界でも介護手当の問題だとか育児休業の問題とか出てきましたので、我々も若干負担してもこれは労使の関与が必要じゃないのかという議論がございます。その点も十分踏まえてひとつ検討をいただきたいということの要望。 それから年金制度の問題、これも重要な問題だと思うんですね。年金制度にも厚生年金と雇用保険の併給の問題、それから船員保険と雇用保険との通算の問題、こういう問題点がございます。幾つかのこういう問題点もございますので、検討される場合にはこういう抜本的な今までのいろんな問題点も含めて十二分に検討していただきますように私の方からもぜひ要望したいと思うんですが、これについてはいかがでしょうか。簡単で結構です。
○政府委員(若林之矩君) ただいまお話しございました三事業のあり方の検討の問題、また今後の高齢化社会へいかに対応していくかという問題、また船員保険と雇用保険の通算などの問題、こういった基本的な問題、御指摘ございましたけれども、これらにつきましても、これまで中央職業安定審議会雇用保険部会でも重要なテーマとして議論をすべきであるということを言っておられますので、今後この雇用保険部会での基本問題の議論が始まりますと、ただいま先生御指摘のような問題についての審議が進められるんではないかというふうに考えております。
○細谷昭雄君 次の問題。一般被保険者の失業給付の改善が今回なされました。この問題について今度移っていきたいと思います。 第一に、まず定年後の継続雇用に関してでございますが、離職した人の賃金日額の算定の特例について伺いたいと思います。まず最初、六十歳定年制の普及の状況について御説明願いたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) 六十歳定年の普及の状況について申し上げますが、平成三年一月現在で六十歳以上の定年の企業の割合は七〇・八%でございます。これを規模別に見てみますと、大企業に比べまして中小企業において定年延長がおくれておる状況でございまして、三十人から九十九人のところでは六七・三%となっております。産業別で見ますと、不動産業、建設業、サービス業が高こうございますけれども、他方運輸・通信業、鉱業等が低い、こういう状況になっております。
○細谷昭雄君 今回の特例の法改正の趣旨は一体何でしょうか。
○説明員(日比徹君) 今回、法律改正をお願いしておりますのは賃金日額の計算の特例のいわば弾力化でございます。法律上は定年後の継続雇用の促進に資するという点は直接にはお書きしておらないところでございます。 なお、その弾力化を図って何をやりたいかということになりますと、定年後の継続雇用の促進を図りたい。具体的内容といたしましては、定年に引き続きまして継続雇用ということになりますと、一般的に見られるかなりのケースでございますが、定年時の賃金よりもかなり賃金が下がった形で二年なり三年なりさらに引き続きお勤めになる。その場合に、実際におやめになったときの賃金は低うございますので、定年のときにやめて失業給付を受けた場合とその後離職して失業給付を受けた場合とで基本手当の日額に相当の差が出てくる。これは保険の制度上はいわば当然のことかもしれないのでございますが、やはり定年後の継続雇用というものを促進しようと思いますと、定年のときにやめておいた方が基本手当の額が多いというような事態を避けまして、継続雇用後おやめになった際でも安心して従前の額が受け取れるようにというふうに改めた方がよいと考えたところでございます。
○細谷昭雄君 わかりましたが、我々、どうも弁護士さんじゃないのでこの十七条を幾ら読んでも今課長が言ったような趣旨はわからないんですね、まあまあこれは本当に法律というのはわからないよう書いているものだというふうに思うんです。弁護士さんがいる、だからこういうふうに難しく書いているのかわかりませんが、我々素人では、今、日比課長が言ったようなことはこの十七条をどう見てもちょっと理解できないということなんですね。問題は、そういう趣旨によりまして一応話を進めていきたいと思うんですけれども、この特例の適用を受ける人というのは一体どの程度見込んでおるんでしょうか。
○説明員(日比徹君) 私ども、先ほど申し上げたような措置をやろうとしておりますが、そのような措置を実施した場合に人数的にどの程度の方々が適用を受けることになるのか把握いたしておりません。 その事情の一つといたしましては、先ほど申し上げました定年に引き続く継続雇用の場合ということを申し上げましたが、私どもがこの立案過程におきましても中央職業安定審議会でも御議論があったところでございますが、何歳程度の定年ということを念頭に置くのか、これも全体の施策とのかかわりがあるであろうと思いますし、また定年と継続雇用と申し上げておりますけれども、同一企業で引き続くことを念頭に置くべきだという御議論もございますれば別のお立場の御議論もございまして、そこら辺につきましては、仮に法律ができました場合には中央職業安定審議会で再度御議論したいというお声がございましたので、そういう点で細目が決まりましたならばはっきりすることもございます。いずれにいたしましても、現在人数的な意味では把握いたしておりません。
○細谷昭雄君 わかりました。継続雇用の雇用の形態といいますか、さまざまあると思いますね。どんな形態を予想していますか。
○説明員(日比徹君) 私ども、今回この予定しております措置で促進いたしたいと思っておりますのは、いわば定年というものを迎えた後、当該企業で例えば勤務時間は短いけれども何か引き続く、あるいは勤務延長とか企業内でいろんな仕組みがあろうかと思いますけれども、定年の延長という形ではなくて実態として雇用が継続される、そして当然この措置が適用される前提は被保険者であることということがございますので、全く被保険者にならないような形の雇用が継続された場合というのは念頭に置いておりません。したがいまして、定年延長ではないけれども雇用が延長されているような状態ということが現実に世の中にございますので、そういう点を念頭に置かせていただいております。 ただ、先ほど申し上げましたように、同一企業でと私申し上げましたけれども、その点については審議会でもいろいろの御意見がございましたので、今後の問題という点が残っております。
○細谷昭雄君 ちょっと確認しておきたいと思いますが、全言ったように、一応定年後同じ会社にいた場合はもちろんこれは再雇用、これは説明がはっきりしている。問題は子会社に行く場合ですね。子会社に行く場合も再雇用と、いわゆる継続雇用と認めるかどうか。それから全く別の会社に定年後行ってそのまま引き続きやった場合、この場合どうか。その点、イエスかノーかだけで結構ですから。
○説明員(日比徹君) イエスとノーの中間でございます。
○細谷昭雄君 こういう問題が出てきますので、これはもう緊急に検討して決定する課題だというふうに思いますので、施行までにはきちっとしたいわゆる前向きで救える、フォローできるように検討してもらいたい、こういうふうに思います。要望しておきます。 それから、定年時と継続雇用で退職するときの賃金の格差がありますね。定年時でやめるときの賃金と継続雇用でやめられるときの賃金の格差、この格差はどのくらいになっているというふうに労働省としては把握しておりますか。つまり、高くなっているのか安くなっているのか、安くなっているとすればどのくらいか。
○説明員(日比徹君) 私ども現在資料としてしかと持っておるものとしましては雇用管理調査というものがございますが、平成三年で見ますと、これは具体的な金額が幾ら上がる下がるという調査ではございませんので大変恐縮でございますが、企業の多くにおいては定年後下がるというところが比較的多いわけでございます。 ただ、私どもの雇用管理調査では、勤務延長制度というものと一応再雇用という形で分けております。勤務延長の場合には、これも企業規模によって若干でこぼこがございますが、ほぼ半数の企業で変わらない、横ばいといいますか、そういうようなことでございます。再雇用ですと下がるとする企業の方が約六割程度というようなことでございます。ただ、これには回答がない企業もございますので、各企業別に見た一つの調査ということで御理解賜りたいと思いますが、雇用管理調査、平成三年のものにおきましてはそういう状況でございます。
○細谷昭雄君 その場合、逆転している場合が当然考えられますね。逆転している場合は、この法令によりますと、労働大臣の定めるところによって基本手当の日額を決めるとなっている。問題はこの大臣告示の中身が全然わからない。定めるといったって法律には何も書いてありませんからね。具体的にはどういうふうに告示の内容を考えていますか。
○説明員(日比徹君) 御指摘の点でございますが、現行法におきましても、累次の賃金日額計算の特例ということをやらせていただいておりますが、今般その範囲が広がることになるわけでございます。最終的には審議会にもお諮りいたしますが、私どもが現在考えておりますのは、定年時の賃金と継続雇用後に離職した場合の賃金と比べまして、いずれか高い方の賃金を基礎として基本手当の額を決めることにいたしたいということで考えさせていただいております。
○細谷昭雄君 確認をしておきたいと思いますのは、対象となる継続雇用の定年といった場合、これは五十五歳前でもいいのでしょうか。
○説明員(日比徹君) 非常に難しい課題であろうと思っております。これまた今後の詰めの問題はございますが、私どもといたしましてはいろいろな個別の実態を見ますと、御指摘のような年齢以下の場合でもやるということも考えられなくはないのでございますけれども、やはり定年に引き続く継続雇用の促進という場合に、まずもって定年のしかるべき水準への延長といいますか、しかるべき水準というものがあろうかと思いますので、余り低い定年というものにつきましてもこのような措置をすべきかどうかというのは政策的には疑義のあるところであろうと思います。 ただ一方に、何しろ個々の受給者の利益ということも絡みますので、そこのところは雇用保険制度における受給者の保護という観点も全く捨て去ることもできないのではなかろうかというふうなことで、今後やはり単に私ども行政当局だけで決めるというよりは審議会の御意見も賜ってまいりたいと考えておるところでございます。
○細谷昭雄君 先ほどの御説明でも六十歳までいっているのが六七・三%、零細企業の場合。私は秋田ですが、秋田の民間なんかでは女性は五十歳なんというところもまだあるんですよ。男性でも五十五歳というのはいい方で、五十三歳ぐらいになると定年だというところがあるんですね。したがって、実情からしますとそういうところがありますので、ぜひひとつ定年の出発がどこだということは実情に十二分に留意して決めていただきたい、こんなふうに思うわけです。要望です。 それから次に、第十八条の基本手当の日額の自動変更についてお伺いしたいと思います。 第一に、基本手当の日額表の改定のいきさつ、理由、これがあろうかと思いますので、簡単で結構ですので、お答え願いたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) 現在、平均給与額二〇%を超えて変動しました場合に、その変動の比率に応じまして基本手当日額表を改定することといたしておるわけでございますが、過去のトレンドでございますと、二〇%ということになりますと八年ぐらいかかるわけでございます。こういったことを考えまして、また他の社会保障制度の状況、事務処理上の便宜等も考えまして、今回は賃金水準が一〇%を超えて変動した場合に基本手当日額表を改定するということを提案申し上げた次第でございます。
○細谷昭雄君 今のお話しでもわかりますように、割合にいいかげんなんですね。二〇%でも一〇%でもまあいいや、財政上で二〇%になったり一〇%になるというふうに聞こえるわけですよ。 そこで、根拠の問題なんですが、一〇%の変動要件というのを今回は改定したわけですね。この根拠というのは何かあるんですか、一〇%というのは。
○説明員(日比徹君) 基本手当日額表の改定につきましては、私どもは基本的には定時改定といいましょうか、いわば〇%基準、毎年のように変えていくということが望ましいであろうと思っております。 ただ現在、これは極めて技術的な制約でございますが、私ども基本手当日額表というものをつくらせていただいていまして、賃金日額の刻みに合わせてある程度何百円とかという刻みを設けまして、その賃金日額については基本手当日額を幾ら幾らにするというやり方をやらせていただいております。したがいまして、日額表の賃金日額の区分の方に幅がございますものですから、例えば一%でも引き上げるということにしますと、技術的な制約で恐縮でございますが、現在の日額表のつくり方では逆転現象といいますか、一、二%引き上げたことによって逆に下がる方も出てくるというようなことが起こってしまいます。したがいまして、私どもとしては日額表方式というものを前提とする限りは一〇%が限度、ぎりぎりのことを申し上げますと、現在の表自体で見ますと六%基準程度であれば辛うじて逆転現象をなくせるのではなかろうか。ただ、これも一、二度自動変更した後本当にそうかという問題がございますので、安全を見込ませていただきまして、一〇%とさせていただいております。 先ほど冒頭に申し上げましたように、技術的な制約を解消するために、そもそもの見直しをして表方式をとらないと仮定いたしますと、本来あるべき毎年定時改定というようなことが十分検討し得ることになろうかと思っております。
○細谷昭雄君 一〇%の根拠はわかりました。 問題は、そういう改定の基準の場合に、いつ上げるのか下げるのかという場合に、人事院勧告が一応の私たち常識的に頭にあるわけです。人事院勧告には御承知のとおり物価スライドで五%というふうになっているんですね。五%という根拠は割合に定着しちゃっているんですね、改定基準としては。これがありますので、一〇%でなくて五%でもいいんじゃないのかというふうに思ったんですが、今言った説明で最大限、最小限六%というふうなお話で一〇%ということですからわかりますけれども、問題はこれは毎年の改定でもいいんじゃないのか。二〇%を八年も続けると、これは一〇%を十年ぐらい続けるんじゃないかと思うんですが、これはむしろ毎年でもいいんじゃないかというふうに思うんですけれども、その点はどんなものでしょうか。
○政府委員(若林之矩君) ちょっと御説明が私不十分だったと存じますけれども、二〇%を改定するということになりますと、過去のトレンドが、最近の変動幅ということになりますと八年ぐらいかかると申し上げましたが、したがいまして一〇%ということになりますとこれは半分に短くなるということでございます。そして、この一〇%の趣旨というのはただいま雇用保険課長が御説明申し上げましたようなことでございまして、こういったことでこれまでのスライド制ということから考えますと大きな改善になるんではないかと私どもは考えておる次第でございます。
○細谷昭雄君 五十六条の二の再就職手当についてお伺いしたいと思います。 まず最初に、支給の残日数が二分の一未満、そして百日以上の場合の再就職手当の支給額は大体どれくらいになるんでしょうか。
○説明員(日比徹君) 直ちに計算してお答え申し上げたいと思います。
○細谷昭雄君 今度の改正で再就職者は増加が見込まれるのか、それとも高年齢者の利用というのは非常に現在は少ないわけですね。現在は少ないわけですが、一体この法改正で今後そういう高齢者がうんと受給がふえるのかどうか。この点の見込ふはどうでしょうか。
○説明員(日比徹君) 今般、再就職手当の要件を改めますが、基本的には再就職手当の要件を緩めるわけでございますので、就職意欲といいますか、そういう点を刺激する面もあろうかと思いますので、再就職手当自体は支給増要因、その分いわば受給期間というものが結果としては短くなってまいると思っておりますが、具体的にこれは推計はいたしておりません。
○細谷昭雄君 庄司委員がおいでになりましたので、私最後に移りたいと思います。 大臣にひとつ御所見を伺いたいと思うんですが、再就職を促進するこういう政策、これは大変結構だと思うんです。今までは往々にして財政事情でこの再就職政策が中断されたり、それからないしは労働市場の状況で左右されたりということで一貫しておらなかったという嫌いがあるんです、法律的な条件、いきさつを見ましても。これは、社会的に今後高齢化社会に向かう非常に大事なやっぱり労働政策の一つだと思うんです。したがって、今回の法令改正にありますように今後ちゃんと腰を据えた、ますます再雇用が保障されるような政策を堅持していくべきじゃないのかと、こんなふうに思うんですが、大臣の御所見をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 先生から大変貴重な御指摘があったわけでございますが、今我が国は労働力不足経済に入っておりまして、最近は景気のことをいろいろ言われます、だけれども基調としては依然として労働力不足であって、これにどう対応するかということでございます。 私は、人手が足りないからお年寄りも出ていただいて働いていただくとか、御婦人が遊んでいるのを、まあ遊んでいないけれども家庭から来ていただくとか、そういうことだけではないのであって、むしろ御年配の方々、まだまだお元気で積極的な社会参加をおやりになるお力のある方にむしろこの際ですからまた職場を継続してやっていただくということでなきゃならない、こういうことであります。 そんなことで、そういうふうな御年配の方々、経験のある方々の継続雇用をどういうふうに確保していくかという、そういう中で雇用保険制度の果たすべき役割というものを早急に考えていく、こういうことで、今お話がございましたが、といっても六十過ぎて退職後定年が過ぎた形で給与が下がっていくと問題があるから、それはそのピークのところでいろんな保険の計算なんかを考える、こういうようなことも今度の法案改正のポイントでございますので、いろんなこれから私ども知恵を出しまして、また審議会等の御意見も賜って、御年配の方々が意欲を持って引き続いて生産の第一線で御活躍をしていただく。それは単に労働力不足という問題を超えてもっともっと大きな社会的な意義もある政策である、かように考えておりますので、先生の御指摘を外しながらこれからも真剣に努力してまいりたいと考えております。
○細谷昭雄君 終わります。
○庄司中君 どうもおくれまして申しわけありません。では、早速質問に入らせていただきます。 最初の問題はかなり基本的な問題でございまして、今度の改正が、財政事情が非常に好転をした、だから保険料率と国庫負担を当面の措置として減らすということでありますけれども、実際に保険料率につきましては自動変更規定がありまして、千分の二上下については法律改正を要しないで改正することができる。ところが、今回は法律改正をして千分の三保険料率からいきますと引き下げるということであります。そうしますと、千分の二の範囲で自動変更規定でやるのか、あるいは千分の三まで広げて法制改正をやるのか、財政事情からいっても二つの選択があったと思うんです。ところが、なぜ法律改正してまで千分の三まで引き下げようとしたのか、その考え方をまずお聞きしたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) ただいま先生御指摘のように、法律に自動変更の規定がございまして、千分の二までの幅におきまして労働大臣の権限で上げ下げができるということになっているわけでございます。私ども、今日までこの雇用保険の財政事情をずっと検討してまいったわけでございますけれども、平成二年度の決算におきましてこれが保険料徴収と積立金の比率が二倍を超える二・〇八倍になるということが明らかになってまいったわけでございます。 そしてこの原因をいろいろと分析してみますと、昭和六十年から平成二年までの剰余の平均について見ますと、これを料率換算いたしますと、千分の三・六九ぐらいになるわけでございます。こういったような大幅な黒字基調でございまして、このまま推移いたしますと、二・〇八という積立金がさらに大幅に積み増しされてくるということになってまいるわけでございまして、こういったことを考慮いたしますと、やはりこの際は自動変更規定ではなくて、千分の三まで法律によって料率を改正させていただくことが適当である、またそのようにしても今後におきます雇用保険の財政というものは健全に維持される、こういう判断で今回御提案を申し上げた次第でございます。
○庄司中君 雇用保険の収支の改善をずっと追ってみますと、大ざっぱに言って三つの収支の改善の要因があるというふうに思います。 一つは、例えば計算の条件を見てみますと、景気の上昇が八七年からずっとありまして、そしてこの景気というのはもう後半ではバブル現象、過熱現象になっていったわけであります。そうしますと、景気の上昇がありますと適用事業所がふえていく、あるいは被保険者がふえていく、そして賃金が上昇するという収入の面のプラス要因というのが大きかったというふうに思います。例えば、収支をずっと見てみますと、八八年から九〇年を見ますと、大体毎年一千億円ぐらいふえてきてますね。これ継続的にふえてきておる。 それから二番目に、同じ要件で今度は失業者が減るという条件があるわけであります。この支出の方を見てみますと、八八年以降は特に顕著でありまして、それまでと比べますと千五百億円ないし二千億円支出が減っているということがあるわけであります。 三番目の条件としては、恐らく大きな改正を行いました例の昭和五十九年の改正、つまり支出を抑制する方向にこれが動いていったということがあるだろうというふうに思います。 その問題は後で触れるといたしまして、まず御質問いたしたいのは、先ほどもお話がありましたように、今度保険料率の切り下げの根拠、つまり昭和六十年から平成二年度六年間の平均をとっておりますね。つまり平均剰余額の計算ということで表示をされておりますけれども、それを基準にしまして例えばこれからの運営を図っていく、つまりこれからの運営を図る一つの基準になるというふうに思いますので、その基準のとり方自身が、つまり六年間の平均をとってみますと、前半にはプラザ合意、円高不況が八五年と八六年まで響いていたと思いますけれども、八七年以降は急速に上昇をしていったわけです。六年間のうち四年間はいわば過熱ぎみの景気を含んだ平均であるということになるわけです。 例えば、そういう点からいきますと、これからの運営の基準になるとすれば好況をかなり含んでいるから甘いというふうになるんじゃないだろうか。例えば法律改正をしまして千分の三まで国庫負担を下げるわけでありますけれども、基準から見ますとこれからの運営について少し甘いんじゃないだろうか、そんな感じを持ちますけれども、その辺の認識はどんなふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(近藤鉄雄君) これは局長が答えた方がいいと思いますけれども、私はかって経済企画庁長官をいたしましたので多少経済的な見通しについて一家言持っているわけでございますが、先生御承知のとおり、過去の五、六年間好況が続いたんで、こういった好況が続くかどうかとの御指摘は確かに大事な御指摘だと思います。 ただ私は、当面、いろんな専門家の将来の見通しを見ても、これから基本的に日本は労働力不足だということはこれは間違いのないことでございますし、それは私は日本経済のダイナミズムのあらわれだと思うんであります。そこで、そう言ったって今こういう景気調整どうなんだという御議論があると思いますが、これも先生御案内のように、確かに今は景気調整でございますけれども、依然として雇用はふえております。そして失業率は二%である。有効求人倍率についても今の一・三とか一・二八というのがどこまで続くんだという議論がございます。 しかし私は、今の日本の企業は基本的には労働力不足というものを踏まえて、例えば残業だとか今度は有給休暇だとかいろんな形で労働時間は調整しても頭数の調整はむしろしない、こういうことだと思うんです。そうしますと、頭数の調整がなければ率直に言っていわゆる失業者はふえないわけでございますから、その間の雇用保険収入というのはある程度の率で今後ともふえていくということは予想していいし、片方で失業者の数がふえなければ、これに伴って出るいわゆる失業保険的な性格の支出というものはそう多くはないのではないか。したがって、保険勘定全体として長期的には私はこれまでと同じような形で進むのかなと。したがって、そのためのある程度の黒字に対する調整を今度は、今回は料率の改正、それは労働者側、使用者側そして国庫、保険会計を支えている三つのコンポーネントのそれぞれに料率の調整をお願いする、こういうことであると思っております。
○庄司中君 大臣、そう言いますけれども、昭和六十年度から平成二年度というのはかなり異常な年月であるというふうに考えられます。ですから、長期展望では大臣がおっしゃるように、恐らく労働力の需給関係というのは中長期には引き締まり基調で進む、というのは今週の月曜日に発表されました長期の労働力の需給見通しなんか見てもわかります。しかし、保険財政というのは二、三年を単位にして考えていかなきゃいけない、幾ら長くてもやっぱり五年ぐらいのタームで考えていかなきゃならないということになりますと、基準にとりました六年間の中、例えばこれはもう大臣十分に御存じのはずですから申し上げますけれども、八七年から九〇年までというのは成長率は実に五%です。もうこれは潜在成長率をかなり超えています。ですから、ああいう人手不足の問題、バブルの問題が出てきたわけです。 それから大臣は、継続的に労働者がふえている、雇用者がふえていると言いますけれども、八八年以降のふえ方というのは非常に大きいんです。それまでも雇用者はふえてきたわけなんです。しかし、そのふえ方というのは年間五十万人程度であったわけです。ところが、八八年以降になりますとこれが百万から百五十万の単位になってくることになります。そうしますと、長期あるいは中期で見ますと、大臣がおっしゃるように労働力というのは引き締まり基調で推移していくということになりますけれども、例えば二年、三年あるいは五年を含めた場合に、こういった過去の異常とも言える状態を一つの基準にとってこれからの運営を図るというのが果たしていいのかどうかという問題は依然として残ると思いますけれども、さらに踏み込んでその辺の認識を。
○政府委員(若林之矩君) ただいまお答え申し上げましたように、今日までにおきます雇用者数の増加というものは大変大きいものがございます。今後を見ますと、ただいま先生御引用になりました雇用政策研究会の報告などを見ましても、中期的にもとより伸びてまいりますけれども、労働力人口は一%をちょっと切るぐらいの形で今後五年ぐらい推移するだろうということでございます。しかしながら、いずれにいたしましても今日の雇用者の数というものがベースになって伸びてまいるわけでございまして、そういった意味で、雇用保険財政を支えております。そういった雇用というものは大変に強い支えを持っているというふうに考えるわけでございまして、問題は今後の雇用失業情勢、特に失業情勢の問題であろうかと存じます。 これにつきましても、今回の研究会におきましては、失業率で申しますと二%ぐらいのもので推移するだろう。基調としてやはり人手不足基調で推移するということでございます。もちろん、単年度におきまして若干の上がり下がりというのは避けられないわけでございますけれども、中期的にはそういった観点でこの雇用保険財政というものを健全に維持する、そういった基盤があるというふうに考えて判断をした次第でございます。
○庄司中君 中期あるいは長期については全くそうだと思います。例えばこれは世界的にそうですけれども、技術革新が基調にありますから、やはり経済は上方、上の方に向かっていくというのが長期的には全くそうだというふうに思います。 ただ、短期にとりますとやはりいろいろ問題があるんじゃないでしょうか。私たちは保険財政を長期だけでは切れないわけですね。やっぱり中期でもう一つ見なきゃいけない。特に収支の問題は一年一年がもろに影響を持ってまいりますから、二、三年の短期のことも考えていかなきゃいけない。といいますのは、見通しが甘いと保険料率を下げまして、国庫負担を下げまして、財政が赤字になりました、だから上げてくださいというわけにはなかなかいかない。制度の安定性から見てもそこは慎重にやっていく必要があるだろうというふうに思います。 例えば、経済情勢を短期に見てみますと、先週経済企画庁が発表しましたように、しばらくぶりに実質成長率が年率で〇・二%マイナスということになっております。それから、これは企画庁もそうでありますけれども、大体今度の景気の調整過程というのは非常に短い、浅いというふうな考え方をとっていたわけでありますけれども、最近は必ずしもそうじゃないんじゃないだろうかという、エコノミストあるいは調査機関が言い出しています用意外にやっぱり問題がある。 去年の十月から十二月までの〇・二%のマイナスが出てきますと、ことしの成長率の目標である三・七%というのはもう無理とはっきり言っていますね、というふうなことになるだろうと思います。さっきも言いましたように、最近のエコノミスト、調査機関の観測によりますと恐らく景気が上に上っていくのは年末以降だろうという観測が大体中心になってきますと、当然平成四年度の成長率の三・五%というのは怪しい、こういうふうになってくるわけです。意外にバブルの崩壊の影響とそれから経済の循環の波がぶつかったので割合深刻じゃないだろうか、こういう観測なり見通しなりが最近特に出てきています。一時期とはまるでさま変わりと言ってもいいような時期でありますけれども、こういうふうないわば短期の問題についてどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 実は、けさも月例経済報告関係閣僚会議という会議をやってきたわけでございます。 私は、さっきもちょっと申しました。五年前に円高不況のときに経企庁長官をやったわけでございますが、五年前と今が基本的に違うのは、五年前は円高によって輸出が抑えられた、いわば外政的な経済の調整だったわけでありますが、今はむしろ内政的ですね。内政と申しますのは先生、まさにバブルとおっしゃったけれども、ああいう時期にどんどん我が国経済は設備投資をして、そして物をつくってまた設備投資だと。お金はバブルで非常に安い金が提供された。その結果、天井を打ったわけですね。だから自動車もコンピューターもいろんなものが頭を打ってしまった。国内的な要因の経済調整でございますから、そこを考えれば、私は従来よりも少し長い調整期間が続くと考えていいと思うんですね。 だから、そういう状況の中でどういうふうに今度経済が成長するかというと、これは釈迦に説法ですが、経済が成長するのは輸出、これはだめだと、摩擦がありますからね。そうなると民間設備投資ですが、これはもう既に投資してしまっているからそう伸びないですよ。ただ、民間の消費は、これはさっきもちょっと申しましたけれども、経済調整といいながら、全体として賃金支払いがふえておりますし、雇用もむしろ二%ぐらいふえておりますので、これは私は安定的な増大を期待していい。高級品は確かに売れなくなりました、ダイヤモンドだとか絵だとかそういったものは。だけれども、手がたい消費は続いている。あとは設備投資については、これはいろいろ話すと長くなってしまいますけれども、私どもはこれからは時間短縮が進みますから、時間短縮を何でカバーするかといったら、まさに省力化、合理化、ロボット化投資しかないのであって、こういう時間短縮関連の投資が私はこれからどんどんふえてくる。それをまた財政金融的にサポートする。 来週の三十一日に政府で総合経済対策を発表しますけれども、経企庁長官に私言っておりますのが、この時間短縮、ロボット化投資を財政金融で大いにバックアップして、これで投資需要をふやしていけ、こういうことを言ったわけであります。いろいろ考えていきますと、今の現状では三・五%がどうこうありますけれども、私はこれが政策よろしきを得れば政府目標を達成することは可能である、こう思います。 問題は、保険料収入にかかっています。これは先ほど言いましたけれども、まさに掛ける人の頭数の問題でございます。これがむしろふえているわけでございますね。そして賃金も今度の春闘でも平均して大体五%前後ということになるようでありますが、そうするとこれもふえていく。頭数もふえて支払いがふえていくということは、自動的に保険料収入は、全体GNPが波を打ってもベースの勤労者所得が上昇している限り保険料収入はある程度の成長率が確保できる、こういうふうに考えておりますので、今回提案させていただいておるようなことで十分必要な負担はたえ得る保険料収入構造ではないか、こういうふうに私は考えているわけでございますが、どうでしょうか。
○庄司中君 つまり、頭数の問題にどんな影響を持ってくるかというものがこの委員会の問題だろうというふうに思います。 そこで、大臣そう言いますけれども、やっぱり幾つかの心配事は僕はあるだろうと思います。一番大きいのは当面の景気調整過程で出てきておりますのは、今まではちょっとそういうことはあり得ないというふうに言われておりました、大臣がおっしゃいましたように。自動車はかなり成熟しておりますけれども、情報関係、つまりコンピューターとかそういうのが頭を打ったという現実は大きな問題じゃないでしょうか。 そして、今度の局面で一つの注目点といいますのは、自動車をひっくるめて家電をひっくるめて、コンピューターもひっくるめまして、加工組み立ての分野の在庫がある意味では異常に予測しがたいくらいふえてきたというのが問題だろうというふうに思います。 自動車を典型にとりますと、非常にすそ野の広い産業でありますから、大臣が言われる頭数が最も多いわけです。そういう点からいきますと、加工組み立て分野に少し問題が出てきている。在庫調整も少し長引くだろうというお話もありましたけれども、今度の調整局面で雇用に影響する分野として、製造業でいきますとその辺にあるんではないだろうか。加工組み立て分野が調整をしますと、当然素材の方の調整は不可避になってまいります。それから、消費者の構造自身もやっぱり変わってくる。流通分野にも影響を持ってくる。つまり上流と下流の方に影響を持つというのがこの分野の特色であるし、製造業一般が抱えている分野でありますから。 それから、それをまた別な面から考えていきますと、これはもう大臣がよく御存じでございますけれども、今までの考え方ですと、頭が天井を打って調整があっても省力化投資は衰えないだろう、情報化投資は衰えないだろう、だからなだらかにいくという、そういう点がありました。それがかなり大きい今までの見方になっていたと思います。 それからもう一つは、在庫管理技術が非常に高度化している。例えばPOSシステムになったからそんなに在庫調整という局面はないだろう、あっても非常に軽くて済むだろう。そんなことを考えてみますと、今まで調整過程、現在の局面を予測してなかったわけですね、絶対情報化投資は衰えないと。それから、在庫管理はちゃんとしているから今までみたいな不況の原因にはならない。 こういう二つの見方があったわけでありますけれども、実はここに来まして余り両方の見方も当たっていないというふうになってきますとちょっと心配な面があるんじゃないだろうかと、そんなふうに思われますけれども、その辺はどういうふうにお感じになりますか。
○国務大臣(近藤鉄雄君) いろいろな意見がございますが、余り景気論争に時間をとるのもあれかと思うんです。 簡単に申し上げますと、今労働力不足で片方で時短を進めますね。それが非常に私はプラスに効果を持っていると思いますのは、例えば失業の問題をとってみても、この間ある某自動車会社の工場に行きました、そしてもう真っ先に千八百時間を達成すると、こういうことなものですから、組合と幹部の両方の方に聞いてみたんです。結論だけ言いますと、結局労働時間を一人当たり短縮することは、頭数をふやしているんです。だから労働時間を減らすためにはむしろ数をふやしていると、こういう状況ですから、これが私は日本の雇用を支えている要因になっていると思うんです。 第二点として、ロボット化投資、ロボット化施設というのはコンピューター、まさに情報化なんですね。結局、コンピューター操作をするからロボット化するわけであります。したがって、自動車とかVTRとかパソコンなんかにはいかなくても、そういうロボット化、合理化、省力化、私はくくって時間短縮促進関連投資と言っておりますが、時間短縮促進関連投資をわっとやれば、まさに情報産業が息をつくというふうに考えているんです。 そこで問題は、最近まさにバブルで非常に安い金利で金を借りる。エクイティーファイナンスなんかでただみたいな金を集めたのが大企業ですから、多少今金利が安くなったって過剰生産をしている状況ですから、金を借りてくれといったって借りたくないんです。ただ、まさに下請け中小企業はそういうロボット化だとか合理化がおくれていますから、そしてバブルの時代みたいに非常に安い金でエクイティーファイナンスで金を集める経験がない人たちですから、だからこういった人たちに、既に現在中小企業労働力確保法という法律がございまして、五・五%、六%ぐらいの非常に安い金利で省力化投資に金を貸すという制度がございますから、これを大いにPRすることによってまさに中小企業の中小工場の合理化、ロボット化投資を思い切って政策的に推進していく。と同時に、大企業についても例えば開銀融資というものがございますから、こういったもので多少政策金融を考えるということを進めていけば、変な言い方だけれども、むしろ人手不足、労働力不足だからこそ雇用を確保して、しかもそのために積極的な設備投資を誘発することが可能だ、こういうふうに考えておりますので、先生のお言葉でございますが、私は強気に、ただ政策のよろしきを得ればという前提がございますが、強気にこれからの経済の推移を考えているわけでございます。
○庄司中君 大臣は強気で大丈夫だというお話で、一面では安心をいたしますけれども。ただ、僕は幾つかの心配が残るというのは、不透明の部分が広がってきたという感じがどうもやっぱりぬぐえないわけです。 それから、今度の調整局面のもう一つの特徴は、雇用情勢が例えば有効求人倍率にしても高いと、一を超えているという議論がよくされますけれども、これは今まで削減し過ぎたんですね。例えば石油危機の二度の、それから八五年のプラザ合意の円高不況のときもむしろ切り過ぎたわけです、減量化し過ぎたわけです。そしてバブルで人手不足が正面に出てきました。やっぱりみんな後悔しているわけです。今度は人が集まらない。だから、恐らく雇用情勢だけをとりますと、企業はぎりぎりまで頭数をそろえていく。解雇みたいなことは恐らくやらないだろう。しかし、さっきも心配事と言いましたのは、不景気が長期化してそして企業業績にかかってきますと我慢できなくなるという点があるんじゃないだろうか。それは私も労働組合の方々に聞いてみましても、とにかく人を確保してこの局面を頑張るというのが一つの方向なようでございますから、そういう点では雇用指標というのがどちらかといえば遅行指標である。経済の方が先に進みまして、そしてある局面に行ったら雇用にはね返ってくるというふうに見た方がいいんではないだろうか。その点からいきますと、もとに戻って、例えば六年間の平均をしましてそれを今度の運営の基準にしていくということになりますと、やっぱり僕はちょっと甘いという感じをせざるを得ないわけです。 例えば、非常に単純な計算でありますけれども、昭和六十年から平成二年度までの有効求人倍率を計算しますと〇・九八になるわけです。ほぼ一に等しい。それまでは〇・六とかその辺をさまよっていたのが一を超えました。この〇・九八の一番近いところといいますのは八八年、昭和六十三年なんです。これが一・〇八ですから、ほぼ一を超えたというそういうところです。 それからもう一つの指標で、失業率の計算と同じ指標で基本受給率の計算をおととしはやっております。被保険者の数とそれから基本手当の受給者としまして上の方に失業保険をもらっている人たち。これを計算してみますとこの六年間で二・〇%になるんです。二・〇%の数字は六十三年度の一・九に近いわけです。非常に単純平均でありますけれども、一つの見方としてこれからの雇用保険の運営を八八年、昭和六十三年レベルで考えていくというのはちょっと甘いという感じがするわけであります。そういう点ではくどくは申しませんけれども、非常に慎重な運営が望ましいということを要望しておきたいと思います。何か御意見がありましたら、それにつきましてお伺いいたします。
○政府委員(若林之矩君) 私ども、現時点におきます雇用の状況というものを大変注意深く見守っております。やはりこういう調整局面におきまして、ただいま先生御指摘ございましたような急速な雇用状況の悪化というようなことが起こりますことは大変大きな問題でございまして、そこは注視をいたしております。 現時点の状況について申し上げますと、やはり新規求人倍率、これは今後の労働の需給をいわば先取りしていくものであるわけでございますけれども、新規の求人倍率というのは依然として高い水準にもございます。そういった観点から見まして、今一・二八でございますけれども、今徐々に下がってきておるわけでございますけれども、しかしこの有効求人倍率というものは依然として高い水準で推移するであろうというふうに私どもは予測はいたしております。 しかしながら、ただいま先生御指摘ございましたように、雇用の情勢というのは大変変化をいたしますものでございますから、私どもはたびたび現場の職業安定所の所長等の意見も聴取いたして状況の把握に努めているわけでございまして、そういった面で単に物事を楽観的に考えていくということは戒めていかなければならないというふうに考えております。
○庄司中君 それでは、保険料率と国庫負担率の問題に移りたいというふうに思います。 雇用保険の財政収支の推移をずっと見てみますと、例えば平成四年度は保険料率を引き下げ、国庫負担を引き下げた数字で計算をしておりますから、保険料収入はたから当然減ります。そして失業給付が少しふえます。そして、この雇用保険財政収支の推移の中の収支を見ますと、六百六十三億の黒字というふうになるわけです。平成四年度です。そうしますと、引き下げる条件というのはまだ平成五年度で残っているわけです、平成五年度でさらに保険料率と国庫負担を引き下げるわけでありますから。そうしますと、平成四年度で六百六十三億しか収支のプラスがないのに、例えば保険料率を千分の一切り下げますと、平成三年度のベースで計算をしますと千三百七十五億円だというふうになります。四年度は六百六十三億のプラスしかないわけでありますから、それから国庫負担をさらに十分の一引き下げるわけですから、果たしてこれでこれを単純に延長しますと平成五年度はどうなっていくんだろうというふうな感じを受けますけれども、平成五年度のある程度の予測、今の施策が実現をされた場合にどうなるかという予測はどんなふうに持っていらっしゃいますか。
○説明員(日比徹君) 御指摘のように、平成四年度予算収支差では六百六十三億というような予定を立てさせていただいております。この前提としてお話し申し上げておかないといかぬ点がございますが、失業給付にかかる予算部分でございますが、私ども、収入見積もりと歳出見積もりと両方それぞれ一定のやり方でやらしていただいておりまして、いわば歳入歳出の見積もり差が六百六十三億ということでございます。 ところで、歳出見積もりの方でございますが、これは失業給付の歳出権限の問題もございまして、私ども、予備費も含めて歳出項目にさせていただいておりまして、六百六十三億という当初予算におきます収支差というものが結果としてどの程度の収支差になるかというのはまた別ではなかろうかというふうに考えております。 平成五年度以降法律改正をさせていただきますと、さらに千分の一確かに収入が落ちます。この額は、年度のベースの問題はございますが、大づかみに申し上げれば一千五百億ほど落ちます。したがいまして、平成四年度と同じような状況あるいは積算というようなことになりますと、平成五年度当初予算の姿としては、単純に考えますと三角八百数十億という収支差、逆収支差で予算を調整申し上げるということが一つ考えられます。ただ、仮にそういう姿になったといたしましても、決算ベースにおきましては私ども予備費が完全に出ていくというような、そういう事態がないとは申しませんけれども、完全に出ていくものとして予備費を組んでいるというよりは、そういう危ない事態に備えて歳出権限という意味で予備費を組ませていただいておりますので、決算レベルでは大丈夫であろうというふうに考えておるところでございます。 いずれにいたしましても、平成四年度なりあるいは五年度以降につきまして、先ほど先生からも御指摘ございましたように、昭和六十年度から平成二年度までのいわば平均的な剰余というものをベースにして考えた場合、仮にその平均的な姿で今後動く限りは大丈夫であろうと存じておる次第でございまして、これが平成四年度、五年度というレベルで考えれば恐らくはそういう姿でいける、つまり最終的な現金の出入りという意味から申し上げれば大丈夫であろうと私どもは考えております。
○委員長(向山一人君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十七分休憩 ―――――・――――― 午後一時四分開会
○委員長(向山一人君) ただいまから労働委員会を再開いたします。 この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、角田義一君が委員を辞任され、その補欠として西野康雄君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(向山一人君) 午前に引き続き、労働保険の保険料の徴収に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○庄司中君 保険料率の問題につきましては、また議論をする時間があればしたいと思いますけれども、国庫負担率の引き下げの問題についてお伺いをいたしたいというふうに思います。 この案によりますと、平成四年度には今まで四分の一の負担率を十分の九にする。そして、平成五年度には四分の一を十分の八にすると、こういうふうになっているわけです。ただ、制度的に見てみますと、国庫負担といいますのは保険料率には関係がないわけであります。つまり、求職者給付に要する費用に対して国庫負担を行うというふうに制度的にはなっているわけです。国庫負担の率をずっと見ていますと、昭和三十四年に当時三分の一であったのを四分の一に切り下げました。昭和三十四年といいますのは一九五九年でありますから、それ以降三十年以上四分の一の国庫負担できたわけでありますけれども、四分の一掛ける十分の八といいますのは、いわば五分の一ということになるわけです。ですから、国庫負担の歴史的な流れから見ていますと、三十年間四分の一できたけれども、ここで五分の一にする、こういうふうに理解せざるを得ないわけであります。それから保険料率との関係で問題を提起しておりますけれども、その関係をどう考えていらっしゃるのか、その辺をお伺いしたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) 先ほど御説明申し上げましたように、雇用保険の周知状況を見てみますと、平成二年度で保険料の徴収額に対します積立金の比率が二・〇八ということになってまいったわけでございまして、今後このままの状況でございますと大幅黒字基調が推移いたしまして、積立金に相当の積み増しが出てくる、こういうような事実認識でございます。 そういった観点から、先ほど来申し上げておりますように、平均の余剰の率というものを計算いたしますと、率でいきますと千分の三・六九になるということでございまして、労働大臣の権限としては千分の二まではできるわけでありますけれども、千分の三の率を当分の間引き下げるという考え方に立ったわけでございます。 千分の二とかあるいは千分の三という雇用保険率の料率の引き下げというのは、大幅な引き下げでございます。これはもとより労使の負担についての引き下げということになるわけでございますが、ただいま先生お話がございましたように、雇用保険制度につきましては、その給付費につきまして国庫の負担があるわけでございます。これはもとより租税負担者としての国民の負担でございます。私どもは、この千分の二ないし千分の三という大幅な保険料率の引き下げというものを、労使がその引き下げを受けるということでございますので、やはりこれにつきましては、租税の負担というものにつきまして、国庫の負担につきましても応分に引き下げることが適当であるというふうに考えたわけでございますが、この保険料率につきましては、ただいま申し上げましたように当分の間暫定措置として引き下げるということでございまして、この国庫の負担率の引き下げというものも、これもまた当分の間の措置として引き下げを行っていく、こういう考え方でございます。
○庄司中君 保険料率との関係で国庫負担を引き下げる、それとの対応関係で引き下げるというふうに受け取りますけれども、つまり国庫負担がある何か存在意義といいますか、それ自身の必要性といいますのは、雇用失業情勢に対する国の責任の表示だというふうに思います。ですから、失業給付に対する、費用に対する国庫負担、これはもう保険料率との関係はないわけでありますから、雇用失業問題に対する国の責任という観点が、いわば国庫負担のそもそも存在意義であるし、建前であると思います。そういう点で保険料率を引き下げるから国庫負担も引き下げるという論理はそこではちょっと成立しがたい、しないんじゃないかというふうに思いますけれども、その辺の関係はどういうふうにお考えでしょうか。
○政府委員(若林之矩君) 国庫が失業給付に対しましてその一部を負担していくということにつきましてはただいま先生御指摘のとおりでございまして、やはり雇用の安定ということが国の経済政策のいわば基本であるわけでございますので、そういった雇用の安定ということに対して国としての責任を負っていくということがその基本的な考え方だろうというふうに存ずる次第でございます。その国庫の負担のあり方、国の雇用情勢、雇用失業というものに対する負担のあり方、これはいろいろと御議論のあるところだろうと存じます。 そういったような負担のあり方というものにつきましては、今後中央職業安定審議会におきまして雇用保険制度についてのいろいろな基本的な問題を御議論いただくわけでございますけれども、そこにおきまして負担のあり方というものもその議論の一つであるということが示されているわけでございまして、そこの御議論になろうかと存じます。 私どもは、今回このように御提案を申し上げておりますことは、ただいま申し上げましたように、保険料率の引き下げが千分の二ないし千分の三という大変大幅なものでございますので、これは労使に均てんすることでございますが、これに応分のものとして、暫定措置として、当分の間の措置として国庫の負担も引き下げるということでございまして、負担のあり方の基本問題とはまず切り離した問題というふうに考えておるところでございます。
○庄司中君 負担のあり方の基本問題とは一応切り離して暫定的にというお話でありますけれども、政府が切り下げの暫定的な措置を決めたということはつまり下げたいという一種の意思表示であろう、あるいは基本問題に対する一つの政府の示唆であろう、そういうふうに受け取られることだろうというふうに思います。 例えば社会保障制度審議会の答申を見ていますと、「負担の在り方も含めて、今後早急に」、つまり「基本的な検討」というふうになっておりますから、非常に制度審としてはこの問題を重視しているというふうに思います。つまり政府がとにかく案を出したということは一つの方向を示唆したというふうに受け取るのが常識だろうというふうに思います。今局長の答弁ですと基本問題についてすべてかかるというふうなお話でしたけれども、私たちはやっぱり切り下げの示唆を与えているというふうに受け取らざるを得ませんけれども、その辺の関係はどういうふうにお考えでしょうか。
○政府委員(若林之矩君) これはただいまのお答えの繰り返しになるようで恐縮でございますけれども、今御引用になりました社会保障制度審議会の答申におきましても、「雇用保険制度については、女性の社会活動や高齢者問題への対応など制度・給付の在り方をめぐって検討すべき課題も多い。」、また「負担の在り方も含めて、今後早急に基本的な検討を行う」べきであるということでございますし、また中央職業安定審議会の雇用保険部会におきましてもそういった負担のあり方というものは一つのテーマになっておるわけでございます。まさにこれは基本的な問題であろうというふうに思うのでございます。 私ども、あくまでも今回この大幅な保険料率の引き下げとの関係で、これに対応するような形での国庫の負担の引き下げというものを御提案申し上げておるわけでございまして、これは当分の間の暫定措置でございます。あくまでも私どもは、この負担のあり方という問題につきましては今後のこういった中央職業安定審議会を中心といたしました御議論というものにまつべきものであるというふうに考えております。
○庄司中君 局長の答弁ですと、国が雇用失業問題について責任を持つと。例えば産業政策であるとかそういうものが雇用情勢に影響を持つから、それに対する責任を持つという考え方はそのとおりだというふうに思います。今後の経済的あるいは社会的な情勢を考えてみますと、確かに量的には人手不足がもう定着をしまして、趨勢的には長期的にはそうだろうということは、これは合意できるわけでありますけれども、例えば産業とかそれから経済とかあるいは社会の条件を見ていますと、今までの量的な拡大の面とは違う面がこれからの経済なり産業なりあるいは社会なり、やっぱり出てきているだろうと思います。 よく言われておりますように、これからの経済あるいは産業というのは、情報化、サービス化あるいは国際化というふうに言われておりますし、新しい課題としては環境問題が出てまいりまして、例えば環境問題をしっかりやりますと成長にはマイナスに響くというのがアメリカが盛んに言っていることでありますけれども、それから南北問題ということもあると思います。そういう意味では、経済なり産業の質的な面が実はこれから問題になってくるだろうということが言えるだろうというふうに思います。 ですから、量から見ますと、雇用失業情勢というのは大きな問題点は抱えていないけれども、しかし一たびくぐってみますと、質の構造の問題に今度はなってくると思う。そこで、雇用失業情勢がどんな影響を受けるかというのは、かなり大きい問題だろうと思います。 それから、もう一つは社会的な変化があります。よく言われておりますように高齢化の問題、これはもう日本にとっては恐らく社会的にも最大の課題だろうというふうに思います。例えば貯蓄率がずっと下がってきていますし、これからも恐らく下がってくるでしょう。そうすると、投資が制約をされるということでございます。 それからもう一つは、女性の職場進出なり社会参加という問題になりますと、今度は家庭と就業をどう両立させていくかという問題になっていきます。そういうふうになりますと、労働面で制度が変わってくるというふうなことにもなるわけでありまして、私は決して量的な拡大で人手不足が続くから雇用失業情勢に対する政府の責任というものは軽くなったというふうにはとても思えません。例えば高齢化一つをとってみますと、やっぱりミスマッチの問題が非常に大きくなってくるだろうと思います。供給と需要のずれというやつがこれから大変な問題になってくる。 こういうふうに考えてみますと、私はむしろ政府の責任というのは難しい局面を迎えているから、むしろ前に出て、より責任を負う形でこれから考えていかなきゃならぬ、こんなふうに思いますけれども、これは大臣、どんなふうにお考えですか。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 先生の御指摘の点、よく私もわかります。 もう御案内のことでありますけれども、もともと雇用保険制度というのは失業保険としてスタートいたしまして、そして失業されてもある程度の所得の保障がある、こういうことからスタートして、しかしまさに先生が御指摘になったようにいろんな問題を、今後失業保険じゃなく雇用保険としてもっと総括的にどう取り組むかということが課題だろうと思うのであります。今回の料率改定は、たまたまそうはいっても今積立金の総額とそれから保険収入の割合が二を超えたということで、ある程度の料率調整をしよう。その場合に三つの柱があるわけでありますが、雇用者、いわゆる勤労者とそして資金的にサポートしている国庫、したがって勤労者とそれからマネジメントとそして国庫、それぞれの料率調整をしてある程度収支調整改善をする、こういうことで当分の間軽減しよう、こういうことでございます。 今まさに中央職業安定審議会、いろんな研究会、部会もございまして、そこで雇用保険制度、さらにはいろんな雇用問題、職業安定問題についての専門の方々の御審議を煩わせているわけでございますから、そういう中で一つの結論が出る。例えば、お話しございましたように育児休業中の所得保障をどうするかとか、それから高年齢者の雇用問題については、今回の改正でも取り組んでいるわけでございますが、その他いろんなことについての御提言がございましたら、それを受けた上で、しからばこれをやるためにどのような形の資金負担をするかということは次の議論として私たち真剣に議論いたしまして、また場合によっては料率だとか国庫負担率だとか、そういったことについての話をすることも場合によってはあり得るかな。ただ、今はさしあたって収支調整をしておいて、そしていろんな御議論をまつ、こういうことではないかな、こう思っているわけでございます。
○庄司中君 そういう点からいきまして、雇用保険制度が新しい時代の中で中身を変えていく条件が今できてきている。例えば育児休業の問題もそうですし、介護休業の問題もそうだろうというふうに思いますので、そういう点では政府の責任というのはむしろ大きい、一回り大きな転換に差しかかっている。そういう点では、私は国庫負担を減らすということは絶対に賛成できない。あくまでも維持していくべきだろうというふうに考えております。 そして、積立金の問題が再々出てまいりますから一言申し上げますと、現行ですと積立金の上限というのは保険料収入の二倍というやつがございますね、超えたら自動変更なり法律改正で変更しなきゃいけないわけでありますけれども。ただ、雇用安定資金の方はその上限が一・五倍になっていますね。三事業の方は一・五倍で、それから失業給付の方は二倍だというのは一体どういうことなのか、その趣旨みたいなものをもう一度ここで説明をしていただきたいと思います。
○説明員(日比徹君) 御指摘のように、失業給付に係る積立金につきましては、いわば一年分の保険料額の二倍、それに対しまして雇用安定資金につきましては現在一・五倍となっております。 ところで、雇用安定資金の方でございますが、こちらの一・五倍というのは、これは平成元年の改正で従前の一倍を一・五倍にさせていただいたわけでございますが、一倍の時代あるいは現在の一・五倍という現行法制のもとにおきましても積立金の場合といささか違った点がございまして、これはいわば上限値でございまして、現行法ですと一・五倍を超しますと自動的にこれは何ら判断をすることなく三事業に係る保険料率を〇・五下げるということとの関連がございます。したがいまして、その規模につきましても若干相違がございますが、雇用安定資金の場合には今申し上げたように必ず自動的に保険料を引き下げるという措置につながる。 それに対しまして、失業給付の積立金につきましては、そのときどきの失業情勢等もございますので、実は二倍という上限だけではなくて最下限の方の一倍ということも兼ね合わせまして、一倍を下回りあるいは二倍を上回った場合にはそのときどきの雇用失業情勢も十分勘案しながら保険料の変更、この変更につきましても大きな範囲はありますが、具体的に幾つ下げるということまで規定しておらない形で変更し得る。そして、裁量の問題がございますので、過去におきましては一倍を下回っていた時代がかなりございますが、これは保険料率を引き上げるのではなく何とか対処、しのいできたという年も何度がございました。 一方、安定資金の方は、先ほども申し上げましたように上限はございますが、もちろん下限はございません。これは、もともと雇用安定資金というもので賄おうとしておりますものが経済情勢等に非常に影響を受ける諸給付金、諸事業というものが雇用安定事業というようなことで、その他若干ございますが、そういう事業ということで位置づけられておりますので、景気変動に非常に敏感に動く給付金の支出を賄うための資金ということで、これについては、上限設定の場合にも実は給付の内容との関係が意識されておると思うのであります。つまり、景気変動対応の給付金の場合にはいわば法定給付ではございませんので、場合によっては財源的な制約がありますれば給付の出方というものも調整し得る。つまり、景気変動対応の諸給付金のいわば規模を抑えるということも全くないわけではない。そういう意味で、事業主の負担する保険料の規模なり負担感というものとのにらみ合わせにおきまして事業の内容も変動し得るというようなことがございますので、おのずから上限は一定しておこう。すなわち、保険料負担として最大でもどれぐらいの保険料を負担するのか、それとの見合いで事業を決めると、それが御趣旨であろうと思うわけでございます。 したがいまして、積立金と安定資金とではおのずから趣旨が異なりますので、これの比較はいかがであろうかと私どもは考えておるところでございます。
○庄司中君 もう一つ、また別な面から、何といいますか、積立金の適正規模という問題について触れますけれども、確かに剰余金の平均の計算のところで、保険料収入の二倍というものがありますが、今度は支出の方をとってみますと、失業給付額の方をとってみますと積立金はもう三倍になっているわけです。恐らく経済情勢とか雇用失業情勢というのは両方に、収入の方にはプラスに、失業給付の方にはもう少しマイナスにというふうに同時並行的に影響を持つだろうというふうに思います。同時並行的に影響を持つとすれば、むしろその保険料収入と失業給付積立金との関係を二つの面から規定すべきではないだろうかというふうに思いますね、適正規模を考える場合。今片方の保険料収入の方から二倍という規定がございますけれども、支出の方からの規定もこれこれ、あるいはこれこれの場合はというふうに規定すべきじゃないだろうかというふうに思いますけれども、そこの認識といいますか、考え方はございませんか。
○説明員(日比徹君) 積立金というものをどう理解するかでございますが、やはり思いがけないといいますか、なかなか予想できない失業給付費の増大に対応するために、かつそのときにいきなり保険料を大幅に引き上げてお金を集めたのではまた別の意味の問題がございますので、安定的に運用するためというふうなことで積立金を持っているものと思っております。したがいまして、極めて論理的にのみ考えますと、支出面でどの程度変動があり得るのか、支出面の変動要因というものを先に考えるべきで、それから歳入面、要するに保険料の面はまたどの程度保険料を確保していけるのかという両面から考えるのが本来であろうと思っております。 ただ、一つここで問題がございますのは、給付費の急増に対応するというときにどの程度積立金を持っておけばいいのかというときの積立金の規模を何らかの数字であらわさないとまずいでしょうと。その要請がございますものですから、給付費の例えば一年分、二年分といったときに、もとの給付費自体が単に一年分というのをどういうふうに押さえるのかという問題があろうかと存じます。 それから、保険料につきましても、極めて理屈だけで考えますと、年々動く、特に景気変動等で仮に被保険者数が大きく増減いたしますと一年分の保険料といいましてもこれまた動くわけでございます。そこで、現在は徴収保険料額のいわば二年分ということでやっておるわけですが、これに至る経過といたしまして、失業保険時代、これもその途中まででございますが、給付費対応で積立金の規模を決めていた時代がございます。そのころは今後の予測給付費というものをベースにしまして、向こう六カ月間の給付費を賄える程度の積立金を常に持っておくようにという発想でいた時代がございます。それを現在のような仕組みに変えて二十有余年たちますが、予測給付費という観点に立ちますと、先ほど申し上げましたように給付額といいますか、給付費の変動要因をどう織り込むかによってさまざまな計算数字が成り立ち得るところでございまして、予測の仕方によりますと、持つべき積立金の規模がかなり何といいますか、見方によっていろんな数字が出てまいる、そういうようなものを保険料とリンクさせていいのだろうかという点がございますし、そういうようなもろもろの問題点があるということで現在の仕組みに至っているところでございます。 そして、現在のような仕組みの方がいいのではないかと考えておりますのは、少なくともここ二十年なり三十年なりの我が国における雇用情勢なりを見てまいりますと、景気の変動は確かにございますが、被保険者数が大幅に減るというような景気後退、あるいは苦しい雇用情勢というものはさすがに迎えたことがございませんで、保険料の一年分というのは比較的動きにくい目安となる単位数字といいますか、そういうものでございますので、これの何倍という倍率の方は予測の仕方で大幅に変わるというようなおそれはございませんし、また実績値を使う限りはその点の御安心もいただける。そして、少なくともこの二十年なり三十年の経験によりますと、一年分というものの額が大幅に狂うということはない。そして、これをベースにしまして給付費の方が仮に大幅に変動したときどの程度を持っておけば耐え得るかという点を逆算しまして、二年分程度あれば少々のことがあっても大丈夫といいますか、逆に言いますと二倍を超して持っておくほどの必要はないだろう、つまり二倍を超えて持っておいてもむだになる、そういう意味で上限を決めたというようなことでございますので、確かに歳入面だけじゃなくて、歳出面も織り込んで考えるのが本来の筋とは存じますが、ここ二、三十年の経験によりまして現在のやり方がやはり少なくとも今時点では御安心いただける仕組みではなかろうかというふうに考えております。
○庄司中君 わかりました。なお検討の余地がありそうでございますので、まだこれからの議論の中でそれをしていきたいというふうに思います。 それから、局長がさつさ言われましたように、今度の措置が暫定的で当分の間、あるいは当面の対応というふうに言われましたけれども、もうちょっとはっきりしていただくためにあえて質問をさせていただきますけれども、法案提出の趣旨の中には「暫定的な措置」というふうに書いてございます。 これを性格面から見ますと、広辞苑をとってみますと、暫定的とはどういうことだろうというふうに調べてみますと、これはもう世間一般の常識でございますからそれを調べてみますと、「しばらくの間、仮りに定めるさま。」とあるんです。仮に定めるわけです。中立的なんですね。下げるか上げるか現状維持がはここには入っていないわけです、実際は。暫定的ですから、しばらくといったらわかりますけれども、性格的には中立なんです。どっちへ転ぶかわからない。こういうふうな、いわば世間一般には暫定的というのはそういうふうに理解をされています。ですから、暫定的の性格、意味といいますのは、例えば保険料率の問題にもかかるし、あるいは国庫負担の問題にもかかるし、それから給付も幾つか出されておりますけれども、それにもかかってくる。すべてにかかるんだというふうに理解できますか、理解してよろしいですか。
○政府委員(若林之矩君) まず、暫定的措置と申しますか、当分の間の措置として提案させていただいております背景は、先ほど来いろいろ御議論ございますように、雇用保険制度というものにつきましてはいろいろな基本的な問題を抱えているということでございまして、この問題を解決しなきゃならないということがございます。一方では、これまた先ほど来申し上げておりますように、保険財政につきまして、このまま推移いたしますと大幅な黒字基調で積立金が積み増しされていく、こういう状況でございます。こういった両方を踏まえまして、当分の間の措置としてさせていただくということがこの「暫定的な措置」という意味とおとりいただきたいわけでございます。 なお、今回給付の改善をさせていただくことになっておるわけでございますけれども、この給付の改善につきましては本則の方で改正をさせていただいているわけでございまして、これは暫定的措置というものではないわけでございまして、今回暫定的措置としてお願いを申し上げておりますものは保険料率の引き下げと国庫負担率の引き下げ、この点でございます。
○庄司中君 性格の問題は、いわば決して下げるのを既定路線としているわけじゃないと、国庫負担についても。検討によっていろいろ変わり得るという話だろうというふうに思います。 それからもう一つは、当分の間あるいは当面の対応といいますのはある時期の想定があると思いますね、さっきは暫定的というのは性格の問題だとか中身の問題だとか。今度は時期の問題があると思いますね、当分の間あるいは当面の対応というのは。 やっぱり暫定的じゃなくて、当分の間じゃなくて、当面の対応じゃなくて、いつまでに決まるのか。既に職業安定審議会で保険部会を中心に検討を開始されていると思いますけれども、今度の措置が平成四年度と五年度の二年間にかかりますから、常識的にいきますと、片方の検討の過程とその暫定の期間がとにかく終わると、平成五年度で終わると、そうすると六年度から始まるのかなというのが推測されますけれども、その辺についてはどんなふうにお考えでございますか。
○政府委員(若林之矩君) この問題につきましては、もとより中央職業安定審議会でもいろいろな御議論があったところでございますが、当分の間というものにつきましては、今後雇用保険の失業給付にかかります収支状況から見直しが必要になる時期、これが一つございます。 私どもは今後、これを御提案申し上げるにつきましては安定的に推移するという前提で提案申し上げているわけでございますけれども、もとより経済の情勢でございますから、非常にプラスに転じてくるとかあるいはマイナスに転じてくるということは全く考えられないわけではございませんで、そういった状況になりますと、これは一つ収支状況から見ても見直しの時期になろうかと思います。こういうことがございませんでも、雇用保険事業のあり方、今後の諸情勢に対応した制度の体系や給付体系のあり方及びその費用負担のあり方についての見直しに伴いまして必要が生じた場合、このときが当分の間の一つの消える時期と申しましょうか、そういうことでございまして、この二つのいずれかの見直しというものが必要になりましたときが当分の間の切れるときと言いましょうか、こういうことでございます。 ただいま、今後これの基本的な議論、どんなふうに進むのかというお話でございますが、中央職業安定審議会におきましては、実は二月二十六日からその作業を始めているわけでございますけれども、この作業を始めるに当たりまして中央職業安定審議会といたしましては、平成四年度中にこの雇用保険部会での基本問題の議論についての結論を得るようにしたい、こういう目標を定めておるわけでございます。もとより公労使の委員の方々がいろいろな点についての御議論をなさるわけでございまして、それがどういう結論を得ていくかということは、私ども今の時点で何とも申し上げることはできません。 そういった意味で、この当分の間というものは具体的にではいつごろのことかということは申し上げるのは大変難しいことでございますけれども、基本的にはただいま申しました二つのファクターのいずれかということでございます。
○庄司中君 大臣、局長から今答弁をいただきましたけれども、やっぱり今度の問題というのはかなり大きい問題を実は含んでいます。 例えば、国庫負担がずっと四分の一であったのが五分の一というふうに、三十年以上ぶりに問題提起があったということ、それから制度の改正が基本的に検討に入るということですね。例えば、育児休業の問題なんかも問題提起されておりますし、介護休業の問題も提起をされておりますように、今までの性格と少し違う新しい展開のいわば境目に来ているような感じがあります。そういう点では、雇用保険制度が一つの転換点なり何かにかかってきているんじゃないかというふうに私は認識しております。そのためであればこそ積極的に検討して早目に暫定期間を、当分の間を過ぎまして、当面の対応じゃなくてきちんとした制度にして、それをちゃんと明示をしていく必要があるだろうというふうに思います。 そういう点では、大臣、今の問題につきまして基本的な見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 先ほど申しましたけれども、失業保険制度としてスタートした現制度が雇用保険という形でいろんな対象を拡大してきていることは事実だと思うわけでございますが、しかし当面、現段階では、いろんな最近の雇用情勢それから見通しも含めてこの収支はいわば多少余裕がある、こういうことでございますので、ここは雇用保険のいわば負担者、労使そして国の料率を変更させていただいて、一応今の需要に対応できる形ですっきりさせていただこう。やっぱり負担は負担でございますから、会社もまた勤労者も、また国の負担も最終的には国民の費用負担することでありますから、一応すっきりさせておいていただいて、そしてこちらでは審議会においていろんな御議論を賜る、そういう形で今度はこういうことをもっとやろうというお話になって、それで収支との関係でもう少し資金的枠が広がった方がやりやすい、必要になるということであればそこで必要な経費を生み出せるような料率体系というものをまた御相談して御了解を得る、こういうことでございます。こっちの方はいずれ要るようだから、多少余裕を持っておこうやということよりも、一回ここはすっきりさせていただいて、そして必要なことは議論して、それならひとつみんなで負担してやろう、こういうお話になれば、そのときはそのときでやろう、これが私どもの言う当分の間とかそういう形で御説明申し上げる趣旨であるというふうに御理解いただければありがたいところでございます。
○庄司中君 基本的ないろんな問題を抱えておりますけれども、例えば経済自身も日本の役割自身も大きな転換点に今あるわけでありますから、それに伴って雇用なり失業問題に新しい条件が出てくる可能性も僕はあると思いますので、特にこの問題につきましてはこれからの大きい国の政策の一つだというふうに思いますので、慎重な配慮とそれから積極的な対応をお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○仲川幸男君 政府委員にまずお尋ねをいたしたいと思います。これは政府委員という立場でお尋ねをし、この問題は後で大臣にお尋ねをいたしたいと思います。 千分の三ということの軽減ができたということだが、これは千分の五にしてもいいということにはならないか。千分の三が四になる、五になっても、今入りが出の倍になっておるからという形、ごく簡単塗言葉で申し上げますから、その余剰金から計算すると千分の三軽減したとこういうんだが、それは私があなたにお尋ねするのは、千分の五にすることにはどういう抵抗と何が起こってくるのか、何で千分の三という数字がそこへあらわれたか、こういうことを一つお尋ねをしたい。 ついでにもう一つ。先ほど庄司先生からもお尋ねがありましたが、継続雇用の場合の手取り金の問題が、六十歳でやめるかな、五年継続をして月給が下がってもやらしてもらうかなというときの労働者の頭の中にあるのだが、仮に例としてここに挙げると、何ぼにしましょうか、六十歳でやめるときちょっと安いが四十万もらっておった、そしてその後の五年間は三十万で定年後だからやってくれよと、こういうことになる。その次に、もう三年やるのには今度はもう二十万でどうだということで、八年やらせてもらう。そして八年の最後のときに給付金の問題の額が、これからいくと定年時の額だというのだから、物価は八年もたてば、五年もたてば大きく違ってくるが、スライドというものはどう考えておるか。事務的な問題としてこの二つをお尋ねいたします。
○政府委員(若林之矩君) まず、私から千分の三保険料率を引き下げるということについての根拠について申し上げたいと存じますが、昭和六十年から平成二年度までの間の余剰の状況というものを見てみますと、平均の余剰額が約四千億でございます。この四千億、この期間の平均の徴収率、徴収の千分の一に相当する額というのは約一千億でございます。 そうしますと、これを率にいたしますと、先ほど申し上げました千分の三・六九というのは、大体この平均余剰枠の料率に換算したものでございます。したがいまして、千分の三の料率を引き下げをいたしましても若干の余剰が出るというところで、収支がバランスしていくということでございますけれども、これを千分の四ということにいたしますと、そこでバランスが崩れてくるということでございます。したがいまして、もとより千分の五にいたしますと、さらにマイナスが多くなってくるというところでございまして、千分の三・六九というところで、過去の昭和六十年から平成二年まではバランスをしておったと、こういうことを前提にして千分の三という改正をお願いしているわけでございます。 なお、継続雇用の関係につきましては雇用保険課長からお答え申し上げます。
○説明員(日比徹君) ただいま御提示ありましたケースは、六十歳の際四十万円で、その後五年さらに三年というケースでございました。それで、今般お諮りしております内容でございます継続雇用の促進のための賃金日額計算の特例でございますが、現在各企業、事業主の方に義務づけております書類保存、この年限の問題がございまして、余り長期ということはいかがかと思っておるところでございます。したがいまして、例えば六十歳四十万円でやめられた方、その後何年内にやめた方を対象にすべきかという点につきましては、ちょっと実務上の問題がございますので八年というのはちょっととりがたいと思っております。 なお、それはそれといたしまして、お尋ねの御趣旨は何年か経過してその間物価の上昇もあるのでスライドということはどうなっておるのかというお尋ねであろうかと存じますが、現在雇用保険におきましては給付期間が比較的短いという発想をとっておりまして、本来的といいますか原則的には離職後一年間の受給期間というものを念頭に置き、その間所要の日数を出すということでございますので、基本手当日額につきましては表のスライド、全体としてのスライド規定はございますが、個々人が受け取られる額についてはスライド規定を持っておりません。また、離職に至る以前の賃金についても、原則としての話といたしましては離職直前の生活水準を保障しようという発想がございますので現在スライド規定を持っていないところでございます。なお、御提示の六十歳四十万円の方が、例えば三十万円に下がって一年なり二年あるいは三年たって継続雇用の後やめられた場合四十万が三十万に下がるわけでございまして、ほっておきますとそれぞれおおむねこれの大掛けの額ということでございますので、六十歳でやめた場合には二十四万円程度もらえたものが継続雇用したがために十八万円程度になる、それをカバーしてやろうという趣旨で私ども考えております。
○仲川幸男君 私はごく簡単にお尋ねをしたんだけれども、お答えが難しいのでなかなかわかりにくいんですが、まあそれはそれとしてまたお尋ねをするときがあるでしょう。 やはりやめる人の気持ちというのは、これから五年会社がやってくれよ、現在まで四十万円だったから、これから退職の年齢やから三十万円でやってくれよといったときにその人の頭によぎるものは今の話がよぎるので、課長の御説明のように期間が短いから、短いからと言ったのは給付期間が一年だから短いというのを言ったんだろうから、短いことないんだ、五年もたっているその向こうの金の話だから短いのではないから、そこらあたりもひとつ。 それで大臣、政府がやることで物を安うしたというのは実は余り聞かないですね。いろいろ一年じゅうやってみても値上げというのがあったりいろいろあるけれども、結果的に見てみるとお金が余分に要ることになっているので、今度の場合は労働者も使用者側も全部千分の三であれ、私が何で千分の五ということを言うたか。どうせやるなら、先ほどお話があったようにどこかでもう一遍整理をするんでしょう、こういうことですから、それでやりながら物を見ておいて整理をするんでしょうということですから、そのときに、今千分の五やっておいて、私の頭の中の勘定ではそれほど困ることは起こらぬのじゃないかと思う、これは勘ですからわかりませんがね。これから大臣が物を申すときに千分の五だったら大変よろしいアピールになると思うんですよ。政府が一度も下げたことのないようなものを下げて、そして労働者が喜んで、使用者が喜んでやるはずなんですけれども、この法案がそれだけ徹底しておらぬでしょう。そのあたりに労働省の謙虚さもあるんでしょうが、これほど何年越しにないような値下げの話を、これは自民党とか野党の皆さんとかいうことじゃないことですから、政策として政府が出し国会が認めるという、これほどの厳粛なものの中ですから、もうちょっとそれぞれの場所ヘアピールをすべきでないか。これは大いにそれぞれ一人一人に影響のあることでございますから、私はそう思う。そう思うためには千分の五ならいいなと思う。大臣の御感想をひとつ聞きたい。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 大変ごもっともな御指摘を伸川先生からいただいたわけでございます。私も大臣になってまだそう日がたっていないわけでございますけれども、まさにおっしゃるように政府のやっていることは、料率をお願いして上げるということはいたしましても、下げる話はなかなかないわけでありますから、これは皆さんに非常に喜んでいただいてしかるべきだと思うわけであります。 端的に言って、いろいろ御説明申し上げておりますけれども、現段階の雇用保険の現在の率で勤労者の方、そして会社、さらに国庫から御負担いただいているのでいくと黒字基調になって、したがって積立金が現在の収入の倍を超えるほどたまっている、こういうことでございます。 ただ、先生から御指摘ございましたいろんな新しい仕事があるじゃないか。例えば今もお話が出ましたけれども、いわば定年後の高齢者の方々の雇用を継続するためのいろんな措置もあれば、これもお話が出ましたけれども、介護休業だとか育児休業だとか、その間の所得保障をどうするんだという御議論もございます。また、日本は一応完全雇用に近い二%失業率でございますけれども、これは率直に言って必ずしも十分な収入を得ていない雇用もございますし、十分能力を完全に発揮していない就業形態もある。したがって、余り自分の能力を発揮できないような就業の場から、高位雇用といっていいんでしょうか、より自分の能力を発揮できるような場所に、今度は上向志向、新しく変わってくる、移転してくる、こういうことも確かに必要がないけれども雇用の内容を高めるようなこともこれからの雇用政策といいますか職業安定政策、こう思っておるわけであります。そういういろんなことを、結局これはお金のかかることでございますから、そういうものも今度は雇用保険の中で見なきゃならない場合も出てくるかもしれない。 ただ、これはすべていろんな議論があることでございますので、この議論は中央職業安定審議会その他の審議会で十分議論はしていただいて、そして結論が出たらそれはぜひやらせていただこう。ただ、この結論は多少時間がかかりますので、この結論が出る前に少し現状の料率でお金をためておこうかなという考え方もあるかもしれませんが、その結論が出て料率をまた変えなきゃならないときはまたお願いするとして、今は一応すっきりして収支バランスのとれる形の料率変更をさせていただいた方がこれは筋ではないかな、こういうように私どもは考えてお願いしている次第でございます。
○仲川幸男君 値下げというのは、大臣、千載一遇のチャンスでございますから、どうぞひとつ大いにアピールをしてというか、趣旨を徹底させてと言う方が言葉としてよろしいでしょうが、それぞれの関係へ趣旨を徹底させて、こういうことも時々やるのだよということをひとつ示してやっていただいたらいいと思うわけであります。 ちょっとそれるかもしれないけれども、関係がございますので、今後の問題として。 国会議員の秘書というのは、御承知のように、問題をこのごろ大分起こしておりますが、いずれにしても使い捨てにしてしまっておる、身分が安定をしていない、全党としての議運委員会でもいろいろこのあたりの話が御承知のように山よりまず。また、各党もそれぞれの研究をいたしておりますが、やっぱり専門屋の労働省がこうすればこうなると、一つのものをこうするべきだということでなくても、こうすることが抵触しないんだというような指針を、指針といったらまたなかなか労働省も出さないでしょうが、大臣の見解ぐらいなところをひとつ出していただきますと、これはそのこと自体でなしに労働行政の私は最たるものだと思うんですよ。国会議員を支えておる秘書の身分というのは最たるものだ、労働者の最たるものの身分がまことに不安定な、この保険ばかりではありません。健康保険の問題にも大変苦労をみんなして、している中から知恵が出て、その知恵が悪い知恵であった、こう言っているのが今のことでございますから、そのようなことも労働省としてひとつお考えをいただきたいと思います。余り大臣が出し過ぎてもいろいろ問題はありましょうけれども、労働省が労働行政の中でこういうスタイル、こういうケースの中ではどうあったらできるんじゃなかろうかと、これぐらいなことはできないものかなと、こう思います。これは局長からでも大臣からでもひとつお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) 国会議員の秘書の方々の就労の実態と申しましょうか身分と申しましょうか、随分いろんな形態があるというふうに伺っております。したがいまして、一概に雇用保険の被保険者として扱うということはなかなか難しい問題が、これまでも随分いろいろ御議論があったところでございまして、その都度なかなか難しいというような結論になって、私どもの技術的な議論で難しいというようなことがその都度結論づけられておるわけでございます。何よりも雇用関係がきちっと認められるかどうかというところにあるわけでございます。いろいろな契約関係があるというふうに伺っております。 いずれにいたしましても、雇用関係があるかどうかの点と申しますのは、この雇用保険の適用の有無だけではございませんで、他の労働関係法規の適用の有無にも直接かかわってくることでございます。個々の事例に応じて判断していくということが適当であると考えますけれども、ただいま先生のような御指摘でございますので、この点につきましてはもう一度よく私ども研究をさせていただきたいというふうに思います。少し時間をちょうだいいたしたいと思いますが、研究をすることにいたします。
○仲川幸男君 なかなか難しい問題ですけれども、実際はもう少し何とかしなきゃならぬ、これはみんなの願望でございますから、ひとつお願いをいたしておきたいと思います。 最後に大臣に。この保険もさようでありますが、先ほど庄司先生からお話のあった、せんじ詰めると国庫負担をもうちょっと出して、労働者、使用者が安くなるように考えたらいいがというのがお話の最後の詰めのような、私ここで承っておると。出し方が少ないじゃないかというところから始まったと思うんですが、それも大蔵省も労働政策の一つとして大いに労働省からの働きかけがあって、その問題も長い間の伝統がありますけれども、やっぱりここらあたりで一発労働省の力を見せていただくときではないかなと、こう思っておるわけであります。 もう一つは、中小企業と大企業との保険料率の問題まで及ぶわけでもありませんが、せっかくの機会でございますので、大臣、労働政策というのはある意味で言いますと、大企業はそれぞれに十分な資材と設備と人員、ノウハウを持って労働者を入れる。中小企業はそうではありませんので、今の保険も転々とする場合等々、いろいろ問題はたくさんございますので、そのあたりのことを十分ひとつ労働行政の中で、中小企業と大企業とは異質とまでは私は申し上げませんけれども、それに似たものがありますということでございます。 学校五日制の問題と一緒に時短の問題、今それを言わないと新しいものでないような形になっておりますが、ここにも中小企業と大企業との問題がございますし、お天気さんを当てにしながらしている仕事もあるということも十分御承知を願わないと、何かもう全世界の流れのような話になっておりますけれども、これあたりもその方へ懸命の努力をせられることもそれはそれなりにいいところもありましょう。また、歯どめをかけなきゃいかぬところもあると思うんです。いささか当案件と関係はないとは言いませんけれども、少し離れた問題かもしれませんけれども、この際労働大臣のお考えをお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 私たち国会議員の秘書の扱いを初めとして、仲川先生から大変大事な問題について率直な御質問やお考えがあったわけでございます。 まず、基本的に日本は労働力不足経済に入っておる。これは大変だ大変だという話を聞きます。特に、私の選挙区は山形でございますが、帰りますと、中小企業の方々が集まられると、労働大臣、これは大変だ、今こんな人手不足で時間短縮なんかとんでもない、人は足りないんだからむしろもう残業残業、土日まで働かなきゃだめじゃないかと、こういうような御意見すら一部ではあるわけでございます。私は、まずこの人手不足経済というものをむしろ積極的にとらえて、もう一回私たちの労務管理といいますか、雇用関係というものをひとつ根本的に考え直してみる時期ではないかと思うわけであります。 中小企業に人が来ない、したがって限られた人数で仕事をするのだから時短なんかとんでもないというかわりに、まさに人が集まらない、それで若い人は土曜日曜ちゃんと休ませてくれなければ来ないということを前提にして、どうしたら土曜日曜働かないで、しかも夜は残業残業しないで会社の経営がやっていけるかということについて考えていただきましょう。考えていただいて、それができるために例えばロボット化投資をする、省力化投資をする、こういうことが必要だとすれば、これに対してはひとつ思い切って国が積極的な協力をする、援助をする。今国会でも先生方に御審議を煩わすわけでございますけれども、労働時間短縮促進法という法律を御審議賜りますけれども、私はそういう御審議の中でもこの問題を積極的にお話をさせていただいて、先生方の御協力、御理解をいただく、こう思っておるわけであります。 そういう形で今までは経済がそれほど進んでいなかったから相当無理をして働くことが必要であったし、それが美徳であったと思うわけでありますけれども、ここまで参りますと、何が何でもがむしゃらに働いて、そしてそれを国外に輸出していくということだとすると、まさにアメリカだけじゃなしに世界じゅうから日本の経営者が恨まれてくる、ジャパンバッシングの大きな原因になるわけでございますので、そういう意味で、まず雇用関係というものをきちっと立て直して、そういう雇用関係、雇用条件でできるものをつくる、そしてペイしないものは海外からの輸入に仰ぐ、そういう労働力不足というものをてこにした新しい産業構造のあり方というものをこれから私たちは考えていくべきじゃないか。そういうために必要な財政金融の措置はひとつ思い切ってとるべきじゃないか、こう思っておるわけであります。 ちょうど五年前に、私中曽根内閣の円高不況のときの経企庁長官をいたしておりました。そのときはまだ円高に伴う構造調整政策をやったわけでございますけれども、今必要なのは、円高じゃありませんが、今度は労働力高ですね、労働力高に基づく新しい産業構造政策というものをひとつ官民挙げてとっていくことではないかな、そういうふうに考えております。そういう意味で、基礎的な生産の単位が労働者であり労働条件でありますから、これを最初にきちっと打ち立てて、その積み上げでこれからの経営、これからの産業構造を変えるような、そういうことではないかな、こういうふうに私は考えるわけであります。 そういうような新しい産業構造転換の中で、労働者がAという企業からBという企業にシフトしていく、また御年配の方々にも積極的に働いていただく、またお仕事と家庭の調和を考えていく、こういうのが言ってみればこれからの新しい雇用保険制度の課題がなと思っているわけでありますが、これは先ほど申しましたようにいろんな問題がございますので、審議会で十分議論していただいて、その御答申が出たらそれを積極的に取り入れていく。しかしそれまでは、今度の雇用保険会計は料率調整をして一応すっきり収支のバランスをまずここでとらせていただいて、次はまた新たな体制を考えさせていただく、御協力をいただく、こういうことではないか、こう思うわけでございますので、ひとつよろしくまた御指導のほどをお願い申し上げたいということでございます。
○仲川幸男君 ありがとうございました。
○山中郁子君 具体的な法律案の問題に入る前に一点お伺いいたします。 それは、現在の雇用労働者数と失業保険の被保険者数との違いについてでありますけれども、政府統計資料によりますと、雇用労働者は平成二年度の数字を見ますと四千八百三十五万人になっておりますが、一般被保険者、これは三千五十九万人程度という数字が出ております。この差の約千八百万人はどこへ行ったのかということになるわけですけれども、当然雇用保険法第六条に言うところの適用除外の部分がありますが、これがそんな膨大な数に該当するものでないことは明らかですので、ぜひひとつ労働省が把握されていらっしゃる適用除外のそれぞれの項目の数それからその差がどうなっているか、どのように把握されているかをお示しいただきたい。
○説明員(日比徹君) ただいま御指摘のように、これは他にも調査がございまして、いろいろございますが、千数百万の乖離があるというのは事実でございます。それで、今六条各号の適用除外ごとにというお話でございましたが、適用除外の項目にそれぞれ該当する数、正確なところはわかっておりません。 それで、若干大まかな話になりますが、一つ適用除外で最も大きいものがいわゆる公務員でございます。それで、公務員の数もいろいろございますけれども、私どもの労働力調査、平成二年のものでございますが、公務員関係約五百八万人ということでございまして、この数がまず抜け落ちます。それから、あとちょっと細かくなるんですが、船員保険の関係、これは人数は極めて少ないわけでございまして、船員保険も被保険者の種別が幾つかございますが、雇用保険に入るべき被保険者ということになると十万前後じゃないかと思っております。 それから、その他、本来抜け落ちそうな部分ということで日雇いの関係も、先ほど申し上げました平成二年の労働力調査によりますと百二十一万人いるということになっておりますが、私どもの雇用保険ベースで日雇いの被保険者数を見ますと、現在ちょっと変動が大分ございますので、手帳発給数ベース的に見ますと七、八万、月によって大分変動しますので、ここも労働力調査ベースの百二十一万人ということになりますと、かなりの乖離がございます。それから、あと臨時的な雇われ方をしている方がやはり平成二年の労働力調査年報で三百八十九万という数字が出ておりますが、これが一年未満の雇用ということなものですから必ずしも適用除外に該当するわけでもない。 そうしまして、千数百万の乖離分のうち十分御説明できる数字としてはっきり申し上げられるのは、公務員関係の五百万人ほどの公務員、これははっきり何といいますか適用除外ということで御説明できるわけでございますが、いずれにいたしましても、一千万人ほどの漏れの部分からはじいていく部分を相当引きましても差が残るのは事実でございます。それから、今十分厳密な意味で差し引きが困難と申し上げておりますのは、例えば雇用者といいましても役員まがいの雇用者というようなものも統計数字に入っている場合もございますので、そこら辺がいろいろ問題でございます。 いずれにしましても、その差分、残る分につきましては、非常に恐縮でございますが、いわば法律上は強制適用でございますので観念的には適用されているけれども手続がとられていない部分というものが現実に残っているものと思っております。
○山中郁子君 第七条によれば、これは届け出を義務づけ、しなかった場合は罰則が適用されるということになっておりますから、当然強制加入の保険であります。今細かい数字については繰り返し確かめる時間がありませんので、後ほどまた資料としてちょうだいできればありがたいんですが、いずれにしてもかなりな数の違いがある、把握し得ていない部分ですね。加入するべき人が加入されていない数がある程度というか、相当程度あるということは労働省はお認めになるわけで、それはやはり把握しなければならないことと同時に、それは加入してもらわなければならない、加入させなければいけない、事業者をしてですね、ある意味では。そういうことは労働行政の上の重要な柱であると思いますが、その辺についての労働省の見解というよりは努力ですね。その辺をお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) 労働保険、保険料は労働保険としていただいておるわけでございますけれども、労働保険の加入促進ということは常に各方面から御指摘を受けておるところでございまして、私どもも徴収関係職員が中心になりまして非常な努力を続けておるところでございます。そしてまた、その成果があらわれまして年々加入はふえてきておるわけでございますけれども、なおただいま御指摘のような未加入の点があるわけでございまして、この点につきましては、今後とも一層の努力を払いまして加入の促進を図ってまいりたいというふうに考えております。
○山中郁子君 では、今回の本法律案でございますけれども、私どもはこの法案に衆議院でも修正案を提出いたしまして否決された上で反対をしたわけでございますが、問題は、やはり何といっても雇用保険の国庫負担の削減の問題です。先ほど仲川委員から政府にしては珍しく引き下げる法律であるというお話がありまして、私どももそのことについて異議を唱えるものじゃないんですけれども、むしろその中身、そういう状態があるにもかかわらず、何で国庫負担の削減をこのときにしなきゃいけないのか。私はこれは何の根拠もないというふうに思うんですね。それで、労働大臣の提案理由の説明をもう一度よく読み直してみても、全然理由になっていないのよね。ただそうするよというだけの話であって、なぜそうするのかということは何にも理由は言われていないというのが実際です。 それで、保険財政が大幅に黒字だからといって、それは法定されている、法律で決められている国庫負担が財政状況に連動するものでないということはもう明らかなことだと思うんです。給付額について国の責任を法が認めているというのが、この法律の国の負担額を決めている根拠であり、むしろ理念と言っていいと思います。減る分だけ結局事業主負担とそれから労働者負担の割合がふえることになるわけでしょう、国の負担が減ることは。これはやはり国の責任回避につながるものであります。だからこそ中央職業安定審議会でも必ずしもこの点についてはそう簡単にいいよというふうにはおっしゃっていないというのが実情で、私がここで御紹介するまでもないと思いますが、このように述べられています。 国庫負担率の引下げについては、労働側委員 は、福祉の水準の確保の観点から十分慎重に対 処すべきであるとの見解であった。使用者側委 員は、将来における福祉の水準の低下を招かな いよう国として一層の努力をすべきものである との見解であった。したがって、この点に関し て労働省の十分な配慮を求めたい。ということで求めておられるわけです。 国庫負担の削減を安易に受け入れてはならないと思うのですが、いろんな背景があるでしょう。いろいろ取りざたされているように、税収不足を補うためにいろんなところに目をつけて、大蔵省からお金を出してくれと、こういうふうにして召し上げられていく中にこういうものが入ってきているのかどうかというようなこともいろいろ取りざたされているけれども、私はこの法で定めている国の責任ということに照らして雇用保険法についての今回の国の負担分の引き下げ、削減ですね、この問題は安易にそのように受け入れるべきものではないという立場に立っておりますが、そこのところはぜひ労働大臣の御見解をお伺いしたい。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 先生たびたび申し上げておりますように、この雇用保険というものはもともとは失業保険ということでスタートしたわけでございます。 失業が起こった場合の保険は、やはり直接の当事者である会社、経営側と、それから労働側でお金を積み立てて、そして失業という事態が起こった場合にはそれで保障してもらう、これは建前でありますけれども、それに対して、そうはいっても国の政策の責任もあれば、そういった失業対策というものもこれは失業中の所得保障というのも国がしかるべき責任をとるべきだ、こういうことで国庫負担というのが出て、要するに労使それに国と三者でこの失業保険制度、そして現在の雇用保険制度を資金的にサポートしてきたわけでございます。 そこで、たびたび申し上げておりますように、収支のバランスにおいて積立金と保険料収入から考えて、現在のところは黒字基調であります、収支が。したがって、さしあたってこれをある程度バランスを維持しよう。そのときには会社、そして労働者双方の料率も減ずるけれども、国の方は従来どおりよということでもないのかなと。だから、三者でサポートしてきたわけですから、三者それなりの負担率を軽減させていただいて、そしてすっきりした形の雇用保険会計というものをこれから維持していこう、これが今度料率改正をお願いするゆえんでございます。 しかし、いろいろお話をしてございますが、これから雇用保険というものが果たすべき役割というのがもっとあるじゃないか。こういうこともやらなきゃいかぬ、こういうことも考えろということをまさに中央職業安定審議会その他で御議論していただいて、それに対して関係者の皆さん、国民の皆さんの御同意が得られれば、その場合に必要な経費はしからばどういう形で調達するか。また、まさに労使、国ということで三者によってこの新しい仕事に必要な経費の分担はまたそこでお願いする、こういう形じゃないか。ですから、まだこれから仕事がありそうだから、多少余裕があるけれども今積み上げておけということよりも、一回ここですっきりして、そして新たな仕事はまた新たな御了解を得てサポートしていただくということではないかと私どもは考えて今お願いしている次第でございます。
○山中郁子君 言葉多く御答弁いただいたんですけれども、本当にさっき私ちょっと申し上げたけれども、提案理由の説明を大臣がおっしゃったのでも、その二はこの部分ですね。「国庫負担に関する暫定措置を設けることであります。」となって、そして理由が何にも書いていないんですよ。要するに、こういうふうにするからそういうふうにいたしますというだけの話で、理由が何にもないんです。黒字基調の中でとおっしゃったけれども、結局国の負担だけ削減するということは、それは企業者、勤労者にかかるわけでしょう、その分は。削減の比率が変わってくるわけですね。だから、それは黒字基調だからお互いにというのとまた違ってくるわけですね。何で国だけ負担率を削減するのかということの理由は結局何にもないということです。 それで、黒字基調だからとおっしゃったけれども、まだ記憶に新しい昭和五十九年の改正、まあ改悪だったわけですけれども、これはいろんなあれがありますが、主として自己都合退職者の支給制限だとか、加入年数による支給期間の削減だとか、そういうものが柱になって大幅改悪がありました。これは当時保険財政が赤字だからということで、今の大臣のお言葉をかりるならば、赤字基調だからどうにかしなきゃならぬ、こういうことでこうした改悪が行われたというのは記憶に新しいところです。 それで、明らかにもうそこから、その時点から転換して黒字に変わってきたんですね。それで、平成三年度の予算で見ましても三兆四千億ですか、積み立て累積ですね、事実上三兆円以上の積立金になっています。ですから、赤字だからといってこういうふうにして改悪したんですよ、条件を。今度は黒字基調だとおっしゃるならば、だったらもとへ戻すべきじゃないですか。私はそれが普通の筋だと思うんですよ、ごくごく単純な、シンプルな論理からいっても。そこのところはそれじゃそれをオーバーするというか、それをクリアできる論理があるのかといえば、さっきから申し上げているように、別に理由が何にもないのよね、この国庫負担率の削減については。だから、私はこういう点については当然のことながらもとに戻すべきであるというように考えておりますし、それが論理的にもそういうことだし、それなのに本当に微々たる、せめて千分の五にしたらどうかというふうに仲川委員も指摘されましたけれども、微々たる改善でもって国庫負担率の引き下げをするということはもってのほかと言わざるを得ないし、法の趣旨に反するものであると考えておりますけれども、そういうようにするのが本旨じゃないでしょうか。大臣、ひとつできるだけ時間は簡潔に、中身は正確に。
○政府委員(若林之矩君) 五十九年改正の背景と申しますものは、当時受給者実人員が大変ふえてきたということでございまして、その背景は何かという分析を当時いたしました結果、やっぱり高齢化社会、高齢化の進展、それから女性の方々の社会進出、若い方々を中心とした職業意識と申しますか、こういったものが背景にあるということでございまして五十九年の改正がなされたわけでございます。 したがいまして、その五十九年改正の考え方というものは現在におきましても当然妥当する問題でございます。そしてまた、それが機能しておるというふうに私どもは考えておるわけでございまして、結局その五十九年改正というものはそういった各般の構造的変化に的確に対応しよう、そして雇用保険制度というものをより効率的に運営しようということでああいった改正がなされたわけでございます。 したがいまして、今財政状況がよくなったということで、じゃもとへ戻すかというと、やはり私どもはそういった五十九年改正の基本的な考え方というものは今日においてもやはり維持すべきものであるというふうに考えておるところでございまして、今先生のような御提言というものについては、やはり慎重にならざるを得ないというふうに考えておるところでございます。 なお、千分の三ということでございますけれども、これはやはり千分の二で三千億、千分の三で四千五百億に上るものでございます、御参考までに。
○山中郁子君 それはちょっと勝手な論理というものであって、高齢者と女性の進出が悪いみたいなことをおっしゃっては困るので、そういうことだったら将来ともにもとへ戻すということはあり得ないということですか、そういうふうになってしまうわね。それは雇用情勢の趨勢がそうなんだと、だからとりあえず当面これを一年間九割にする、それからその後は当面には八割にするということは未来永劫そうするんだと。つまりそれをもとへ戻すという展望は、あなたの今の御答弁の中からは政治的には生まれてこないですね。その点はどうなんですか。
○政府委員(若林之矩君) 今回の保険料率の引き下げ及び国庫負担率の引き下げというものは、当分の間の措置として提案申し上げているところでございます。したがいまして、この問題につきましては、今後の雇用保険の財政収支の状況に応じて見直しが必要になった場合、あるいは雇用保険制度につきましていろいろ給付のあり方でございますとか、負担のあり方でございますとか、こういった問題につきましての見直しが必要とされるということになりました時点までの当分の間の措置ということでございます。 なお、ただいまお話ございました五十九年の問題でございますけれども、現在中央職業安定審議会の雇用保険部会におきまして基本的な問題についての議論が始められておりますけれども、そこの中におきましては五十九年制度改正とのかかわり等を含めての給付体系のあり方とか、あるいは給付水準についても検討の対象とされておるわけでございまして、基本問題の一つとしてテーマになっている、こういうことでございます。
○山中郁子君 やはりちょっと論理としては矛盾があります。しかし、時間が限られていますので。 一九八四年つまり昭和五十九年の改悪の時点の数字が如実に示しているんです。大臣、よくこの点は御認識いただきたいんですが、五十九年収支がマイナス八百四十億円だったのが、先ほど私が申し上げました改悪がされてから、六十年二千四百八億、六十一年二千二百六十六億、六十二年二千七百八十五億というふうに、もう見る見る黒字になっているんですね。それで先ほど申し上げました九一年、平成三年度の予算の時点で三兆四千二百五十五億の積立金累計という、こういう事態になっているんですよ。ここに何で国庫負担率の削減をしなければならない理由があるのかということを、私は先ほどから申し上げました。こういう改悪をした結果こういう黒字が出たんだから、だったら赤字だからといって改悪したんだから、黒字になったんだつたらもとへ戻すべきでしょうと。それが論というものではないでしょうか。また、政治の姿勢ではないでしょうか。私どもはそのことを確信しておりますので、そのように改めて認識いただかなければならない点を申し上げておきます。 それから、先ほどの適用除外の問題に関連して、これはたしか一九八八年の改正だったと思うんですが、一週二十二時間以上のパート労働者もこの保険の対象となる改定が行われたはずであります。当時は、該当労働者数は約七十万人と見ていたと私は調査いたしましたが、保険に入っている方は現在二十七万人ではないでしょうか。現在の有資格者は何人と労働省は見ておられるのか、その結果加入している割合はどのくらいとなるのか、それからこの差はどういうところから生まれてくるのか。雇用者は有資格者について安定所に届け出る義務が課せられているはずでありますけれども、この点についてここまでの乖離が、開きが出てくるということについては、やはりかなり問題点があるということは労働省として把握されていると思いますが、加入促進にどういう具体的な積極的な施策をお持ちか、取り組んでおられるか、お答えいただきたい。
○説明員(日比徹君) 御指摘のように、いわゆる平成元年のパートヘの拡大という法改正時点、当時推計しておりました被保険者となり得る労働者数というのは、先生御指摘のように七十万ぐらいということで申し上げておったところでございます。 その七十万の根拠自体は、実際に私どもの基準に合うパート労働者の数というのは推計するよりほかございませんでしたので、当時の諸統計から推計したものでございます。そして、同じ推計を現時点でやりますと八十万人近い数がいわゆる雇用保険の短時間労働被保険者の対象労働者数であろうと推測しております。それに対しまして、本年一月末で約二十八万人が被保険者になっておりますので、端的に申し上げますと五十万人ほどが、言葉は悪うございますが、適用漏れと、手続が行われてないという状況でございます。 ただ、私ども、適用促進といいますか、加入促進についてはいろいろ努めておりまして、本年一月末の数字のちょうど一年前、昨年一月末では実は十九万ほどでございまして、この一年間で率にしますと五〇%ほど伸びておるということで、今後とも引き続き格段の努力を重ねたいと思いますが、これは周知徹底を図る等の地道な活動ということになりますので、今後ともこういう伸び率ていくように格段の努力をいたしたいと思っておるところでございます。
○山中郁子君 伸び率、加入の促進率が、今お示しいただいたものはそれとして承りますが、やっぱり全体の数字から見ると微々たるものというふうに言わざるを得ませんので、やはりそこは加入促進、全加入ということについて、労働省が積極的な施策を強められることは当然そういう姿勢持っておられると思いますが、引き続き強めていただかなければならないということを申し上げておきます。把握できない理由というのはやっぱりないわけで、把握するのが行政の仕事だと思います。 それで、最後の問題になりますが、育児休業関係の問題です。雇用保険法施行規則の第百十六条で言うところの育児休業奨励金と、百十七条で言うところの特定職種育児休業利用助成給付金というこの項目なんです。 まず、育児休業奨励金は、昭和六十二年から平成二年までの数字を見せていただきますと、予算と実績の差が非常に大きいんですね。それで、例えば十六億の予算に対して実績は二億六千万とかというふうにして、予算の一六%ないし三七%まで、件数で見ると一割から三割程度なんです。特定職種で見ますと二%からせいぜい二八%どまりです。これは数字の上からだけ見ると予算は組んであるのに実績がまだまだ少ないということは、労働省はどういうふうに見ておられるのか。 それから、特に私が今申し上げたいのは、制度的に育児休業が保障されている先生、教員、それから看護婦さん、保母さん、そうしたところについても今のような状況ですから、今回の育児休業法の施行によってこの施行規則がなくなると、民間の労働者には支給されなくなるという事態が生まれてくるわけですね、奨励金の。それで、これを今私が何で申し上げるかといえば、そうであればなおさら今私がお示しした数字、労働省で把握していらっしゃる数字というのはますます少なくなってくるということが一般的には考えられて、休業の奨励どころかもっとそれはカットされてしまうことになって、実効ある法律にするにはどうしてもそういう事態ではなくて、一定の有給保障が必要であるということが多く指摘もされているし、この数字から見ても当然だというように考えているんです。ですから、この点についてはぜひ育児休業法の精神に沿って、特定職種に限らず、全職種対象にして、しかも企業規模について残している部分についても承知をしておりますのであえてそう申し上げているんですが、企業規模にかかわらずほとんどの希望者に十分沿えるような助成が行われるべきであるし、またそれはお金の上からも可能になる。 例えば、具体的に言うならば雇用者の保険料率の千分の一カット分をカットせずにおくだけでそれはほぼ六百億を超える金額、お金が出てくる、財源が出てくるわけですから、そういうお金から計算してみても、今申し上げた私の趣旨による全職種対象にした助成が可能だというふうに考えておりますので、ぜひそこは積極的に育児休業を奨励し定着させるという立場からそうした対策、取り組みを進めていただきたいと考えておりますけれども、この点についていかがお考えか。そして、方策について私の提起した問題についてどのように受けとめていただけるか、積極的な取り組みを推進していただけるかどうか、その辺をあわせてお答えをいただきたいと思います。 時間がちょっと限られていますので少しまとめていろんなことを申し上げましたけれども、御答弁をお願いいたします。
○政府委員(松原亘子君) いろいろな御質問が入っておりましたので、全部お答えできるかどうかちょっと自信がないところでございますが、まず先生御指摘になりましたように、育児休業の導入を奨励するための育児休業奨励金及び特定職種育児休業利用助成給付金は今年度末をもちまして廃止をするということにいたしたというのはそのとおりでございます。それは、これら二つの制度はいずれも育児休業を企業が導入するという、これを促進するための助成金ということで実施をいたしておったものでございますけれども、育児休業法が四月一日から施行になるということで、規模によって若干三年間適用を猶予されているところもございますけれども、すべての企業にこの育児休業が導入されるということになったことから使命を終えたということで廃止をいたすものでございます。 ただ、三十人未満の事業所につきましては三年間適用が猶予されている、三年たったらそれらの企業も導入しなければいけないわけでございますけれども、三年待つというよりはなるべく早く私ども導入していただいた方がいいというのは確かでございますので、そういう三十人未満の企業に対しましてはまた新たに制度導入のための奨励金というのを一つ設けております。 それから全職種を対象にしたということにつきましては、この育児休業法は、目的にも書いてございますように、子供を養育する労働者の雇用継続を図るということが大きな目的になっております。そういうことから、育児休業をとった方がスムーズに職場に復帰していただくということが非常に重要な点になってまいりますので、そういう点に着目いたしました新たな奨励制度というのを来年度予算案に盛り込ませていただいているわけでございます。それは育児休業者職場復帰プログラム実施奨励金というものでございまして、育児休業で休んでおられる間に、例えば企業の情報を提供していただくとか、それから職場復帰がスムーズに行われるように必要な能力開発の措置をとるといったようなことを奨励するための措置で、これは規模を問わずすべての企業に実施をされるということでございます。このようなことで、各種施策でこの育児休業法が正しく適切に定着されるよう私どもとしても努力をいたしたいというふうに思っているところでございます。
○山中郁子君 一言。今の新たな施策などについてもまたしかるべき時期に詰めた点についてただしたいと思います。 いずれにしても、基本的に積極的な定着と促進のスタンスでもって労働省が中身のある対策を強められることを重ねて強く希望いたしまして、私の質問を終わります。
○笹野貞子君 理想の社会を実現するためのファクターというのはいろいろあると思いますけれども、健全な労働政策を労働行政の中できちっとやり遂げるということは、これはそのファクターの中でも非常に大きな一つの要因だというふうに思います。そういう意味で、先般の委員会の議論の中でも労働大臣には非常に積極的な労働行政に対する意欲を感じまして、働く者の連合という組織を持っている私といたしましても大変心強く、その意気でこれからも大臣ますます頑張っていただきたい、そういう思いを込めまして二、三質問をさせていただきます。 このたびの雇用保険法の改正をちょっと見てみますと、五十九年のときの改正は赤字であったということで非常に慌ただしくその改正がされたように思われます。そのためには、中央職業安定審議会の答申を見ましても、これは昭和五十九年二月十日に出されたものですけれども、その中に、「今回の改正に際してはこ、今回というのは五十九年の改正ですが、「検討のための時間が必ずしも十分でなかったという意見」がきちっと記されております。そして、今度の改正は黒字だから改正するという、どちらかというと余り時間も十分なしに五十九年のときと同じように改正がされるという結果になっております。こういう結果を見ますと、雇用保険事業というのは一兆円にも上る非常に大きな事業で、労働省というのは国営保険会社のような大変大きな役割を担うわけですから、黒字になったから、赤字になったからということで何か慌ただしく変えるというのはちょっといかがなものかというような感じがいたします。 そういう感じを踏まえながら、これからのこういう保険制度というのは十分な話し合いが必要であって、釈迦に説法かもしれませんけれども、真理は単純なところにあるという言葉がありますように、やっぱりこういう私たち働く者に関係のある制度というのはいろんな方面で話し合いをしなければいけません。先ほど大臣は、今回はすっきりして次の段階ではまた十分話し合ってと、こういうふうにおっしゃいましたけれども、そこでこれからのこういう問題というのは労使の参加体制の強化というふうに私は呼びたいわけで、労使としっかりこういう問題を話し合う必要が労働省としてはあるんじゃないかというふうに思います。 そこで、御質問としまして、具体的に、労使、特に私たち組合ですけれども、大臣は、どういう感覚で、どういう趣旨で、そしてどういう場所で、どういうふうに話し合われたことがあるのか、それをちょっとまずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 今回の改正案を御提案するに当たりましては、いろんな方の御意見を承ってきているわけでありますが、特に中央職業安定審議会の中の雇用保険部会というのがございまして、そこにはまさに労使の代表の方々、さらに学識経験者の方々がそれぞれ代表で来ておられまして、大変御熱心な議論をしていただいた上での答申を出していただく、それに基づいて今回の改正案をまとめ、法案化して、きょうこうして御審議をいただいているということでございます。
○笹野貞子君 審議会で答申をいただくというのは、これはこれなりで私は大変意義のあることだというふうに思います。先ほど大臣は、審議会というのは最高権威者が集まって話をするとおっしゃいましたけれども、それはそれで大いに意義があるんですけれども、このごろは現場主義とでも申すのでしょうか、直接働いている者、直接経営に携わっている者と数多く話をしなければいけないというふうに思います。そういう意味で、私のお願いというか、そういう社会づくりをしていただきたいという提案も込めまして、参加型社会というんでしょうか、常に働く者、経営する者の意見を多く取り入れていただきたいというふうに思っております。 それから、今審議会のお話が出ましたけれども、こういうふうに一つの制度を変えるときに、大臣はどうでしょうか、これから私の提案を受け入れていただけるような方向性はあるものでしょうか。それともやっぱりもう審議会でやっちゃえというふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 審議会はそれぞれいろんなお立場、お考えの方々、いわば私どもベストの方々を特にお願いして御議論いただいているわけでありますから大変権威のある答申と考えておりますし、出していただく答申にできるだけ沿ってまいりたいと思っているわけでありますが、ただそれ以外は全く聞く耳を持たないなどという、そういう失礼なことは全くないわけでございまして、私どもいろんな機会にいろんな方の御意見を承っております。 また、まさにこういう国会の場でそれぞれ各政党を代表された方々、またいろんな立場の先生方の御意見を率直に承って、そして議論を尽くして私の考えを御理解いただく。また、いろいろ御指導も賜るということはやっておりますので、その点は、審議会は一つベースはございますが、しかし私たちは非常にオープンにいろんな御意見を承って御指導を受けたい、こう思っている次第でございます。
○笹野貞子君 今後ともそういう方向で、ひとつ大臣よろしくお願いいたします。 続きまして御質問をさせていただきますけれども、雇用保険というもののちょっと歴史を振り返りますと、昭和二十二年の失業保険法という失業給付という問題に始まりまして、そして今回の雇用保険制度へと移っていったわけですけれども、今回の雇用保険制度が導入されるというきっかけは、つまり三事業という新たな保険制度というものを雇用制度として膨らましていったという、そういう経過があります。そして、労働者の安定、そして労働の改善、それから労働者の福祉というふうに範囲を広めていったのは、これはこれなりに大いにいいことだというふうに思います。しかし私たち働く者の方も、社会が進むと同時に、意識とか価値観とかあるいはライフスタイルというものもどんどん変わっていっているわけですから、雇用保険制度というのができ上がって、事業主にしか給付対象がないという現実は、これからの社会の発展にだんだん合わなくなってくるというふうに私は思っております。ですから、これからの積極的な、あるいは健全な労働政策というのは次にもう一歩進んでいかなければいけない。次にもう一歩進むということは、労働者の個人にも何らかの政策が反映していかなきゃいけない。 私は、歴史の発展性に基づきまして、雇用保険制度というものは次には休業給付という問題に発展せざるを得ない状況にもう来ているんではないかというふうに思っております。育児休業法のときにこの議論はあったと思いますけれども、しかしそれはそれで一つの歴史的な問題であって、今これから私たち労働委員会として審議しなければならない歴史の発展性というのは、まさに休業給付制度という問題に入っていかなければいけないというふうに思っています。 そこで大臣にお尋ねいたしますけれども、これからの歴史の流れの中で休業給付制度というものをどのようにお考えになりますか。そして、この休業給付制度というものを創設する御意欲があるかどうかをお尋ねいたします。
○政府委員(若林之矩君) 雇用保険制度の今後の方向という点での先生の御提言だと思います。育児休業でございますとかあるいは介護休業その他の休業というものに対しまして、労働者に対しての経済的な援助というものを考えるべきではないか、こういう御議論はいろいろあることは私どもも十分認識をいたしておるところでございます。 先生の御提言は、現在の三事業、これは事業主だけに給付しておるものでございますけれども、こういったものをそういう休業のようなところで労働者に直接給付するということができないかというようなお考えもおありじゃないかと思うんでございます。この三事業というものは、御承知のとおり事業主の拠出によってこの制度はできているわけでございまして、これはただいま先生おっしゃいましたように失業の予防でございますとか能力開発でございますとかあるいは福祉の向上、こういったものに使われておるわけでございます。したがいまして、この制度、現在の三事業という制度で直接労働者に対して所得保障的なものを行うということは、これは困難であろうというふうに思うのでございます。 いずれにいたしましても、こういった育児休業に対する経済的な援助といったようなものをどう考えるべきかということにつきましては、私どもの雇用保険部会でいろいろ御議論がございましたときに、昨年こういった問題についてさらに議論をすべきであるということが提言されております。「育児休業や介護休業などに係る休業給付制度の導入の検討」ということがテーマに入っているわけでございまして、いろいろな面でそういった今後御議論があろうかと存じます。ただ、この育児休業の問題につきましては、これはもちろん雇用保険部会でも議論いたしますけれども、先生御承知のとおり婦人少年問題審議会でも議論されているところでございますので、こういったようないろんな議論の中でこの問題が議論をされていくことであろうというふうに考えております。
○笹野貞子君 別に私はこれは大きな問題としてこれから言うわけじゃないんですけれども、今局長は、三事業は事業主なんで個人には支給されないというふうにおっしゃいましたけれども、しかし支給されているのもあるんですね。例えば中高年齢労働者受講奨励金というのは、これは労働者個人に支給されているわけですから、やろうと思えばやれるわけです。 私が今お聞きをいたしましたのは、この三事業というのをもっと発展的に、労働者も直接こういう支給をされるようなそういう仕組みに変えていったらいかがですかということで、また私の考え方としては、やっぱりこれは変えていく方が時代の流れに合っているんじゃないかということの御指摘ですので、その点はひとつこれからの問題点としてお願いをしたいというふうに思います。 時間がありませんので、続いて次に参りますけれども、いよいよ女性の問題に入りたいと思います。 女性のことを言うと私は意気盛んになる傾向がありまして、特にこれからはまさに女性の時代というんでしょうか、私は余計なことを言ってすぐ舌禍事件を起こすんですけれども、これからは女性の時代であり連合の時代であるということで、大いにこの政策を重視していただきたいんですけれども、これからの雇用における男女の平等というんでしょうか、雇用における男女の平等な待遇というのはまさにこれからの日本の国の最も大きな問題点の一つだと思います。 そこでお尋ねをしたいのは、雇用保険三事業で現在給付をしているわけですが、この給付をしている対象者、いろんな方法で給付をしていると思うんですが、給付に値する対象者のうちの男女別推計というのはとっておるでしょうか。もしとっていたとするならお教えいただきたいと思います。
○説明員(日比徹君) 三事業に係る給付金につきましては、男女別の把握をしておりません。
○笹野貞子君 本当はこれは私が一番聞きたかった数字でして、これからの男性と女性に対するいろんな意味の平等観というのはこういうところにも私はしっかりとさせていただかなければいけないんじゃないかというふうに思います。ですから、せっかくこういう事業があるわけですから、どういうふうに女性にきちっとこの事業の目的が達成されているかというような調査というのはぜひともしていただきたいと思います。 私の当てずっぽうで言うのは大変申しわけないんですけれども、私がお話ししたいのは、これは断然女性が少ないというふうに思います。ですから、そういう意味ではやっぱり女性がこの事業の恩恵を非常にしっかりとこうむっているという、そういう事業にしていただきたいというふうに思います。きょうは残念ながらその数字はいただけませんけれども、しかし調べることはどうでしょうか。推計をとることは可能なんでしょうか。
○説明員(日比徹君) 先ほどお話しございましたように、直接勤労者に給付されている給付金というのもないことはございませんけれども、他はいろんな制度助成であったりあるいは福祉事業ですと物的な施設の建設でありたりということでございますので、もともとその三事業全体としましては対象者という概念がなかなか難しゅうございます。 それで、給付金ということにしましても、企業に例えば雇用調整助成金というような形で出たりということでございますので、そのまたさらに給付原因を間接的にといいますか、直接的な場合もございますけれども、さらにそのまた奥の対象者まで把握してこれを男女別にとるというのは、現在三事業として行っております事業の範囲内で考えますとなかなか大変なことであろうと思っております。一つには事務的な問題もございますし、三事業遂行上の観点で、例えば給付金でも、雇用調整をやるときに雇用調整対象の男女別労働者数を全部把握し直さないといかぬとか、いろいろございますので、なかなか難しい問題があろうかと存じます。
○笹野貞子君 ちょっと議論がかみ合っていないんですけれども、確かにこれは個人に出すものじゃないことはよく存じております。しかし、事業をするわけですからその事業の対象が必ずあるわけです。そういう意味で、その事業の対象になる個人別というのでしょうか、何も給付をするという意味ではなくて、事業の対象になる男女別というのをとっていただきたい。これは後ほどで構いませんので、私も大変興味のあるところですので、ひとつもしそういう推計ができましたらおとりいただきたいというふうに思います。 さて、続きまして、この三事業の中で雇用の安定事業としていろいろ女性労働者を対象とした給付があります。例えば四月一日からなくなるというふうに先ほどおっしゃいましたけれども、今までの例を見ますと育児休業奨励金あるいは特定職種育児休業利用助成給付金、女子再雇用促進給付金などというものがあります。ところが、この給付金を見ますと、どうも利用状況が余りはかばかしくないように私は数字から思えてならないんです。例えば女子再雇用促進給付金を見ますと、これを見ますと、予算として計上しているのが九千五百五十万円あるのですが、実際に使われて、実績を見るとたった八十万円なんです。これは非常に少ないんですけれども、これはどうしてこういうふうに、余りに数字の乖離があるのはどういう原因だったのか、まずお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(松原亘子君) その予算額と実績額との乖離というのは、なぜそういうふうに生じてきたかというのはなかなか難しいところがございまして、これがその理由だというのはなかなか申し上げられないわけでございますけれども、昨年の二月現在で私どもが調査いたしましたところによりますと、育児休業を実施しておる事業所の割合は二割強というような状況でございます。このいずれも奨励金は育児休業制度を導入しかつ実際に育児休業をとるという人が出て、そして支払われるというものでございますので、まず制度を導入していただいて、それから実際にその制度をとって休んだ方が出た場合に払われるというような二段階の要件というのがあるということがございます。 それで、育児休業法が成立はさせていただきましたけれども、昨年二月現在で二二%弱ということになりますと、まずその普及率自体がこれまで出ております実績と予算との乖離を対象とした時点はその時点ぐらいまでの数字しかないわけでございますけれども、まだ育児休業が多くの企業に普及しているというような実態でもなかったということが一つはあろうかと思います。それから私どもは、やはりこういう特に特定職種ですとか、主として女性が多いような企業にはなるべく導入していただきたいということで、予算も潤沢に用意をさせていただいたということもあろうかと思いますが、いずれにいたしましても、まだ私どものPRが足りなかったというような点もいずれにしてもあろうかと思います。 先ほど申し上げましたように、いずれもこの奨励金制度は今年度限りということでございまして、今度は装いを新たに二つの奨励金が導入されるということになっておりますけれども、今後育児休業法の正しい定着ということとあわせまして、これら二種類の新しく創設されることとなっております奨励金につきましてはそのPR等に努めていきたいというふうに思っております。
○笹野貞子君 ちょっとくどいようですけれども、これはせっかくの制度ですから、これから努めてまいりますというのは非常にそのとおりですけれども、周知徹底させるための何か具体策はありますか。
○政府委員(松原亘子君) もうこれはPR以外にないのではないかというふうに思います。私どもは新聞記者の方ですとか、いわゆるマスコミの方の御協力もいただき、なるべくそういう皆さんの目に触れるようなところにこういう制度もあわせて育児休業法とともに広く知れ渡るようにという努力をするとともに、それのみならず、あとは例えば個別企業の方にお勧めするとか、また都道府県の婦人少年室を通じましていろんな集団説明会等もやりますから、そういうときにあわせてこういう奨励金等もPRする、PR第一ということになろうかと思いますけれども、ぜひ労働組合の御協力もいただきたいというふうに思っている次第でございます。
○笹野貞子君 そういう協力はいつでもいたしますのでどんどん私の方に持ってきていただきたいというふうに思います。 女性の方はとにかく八十万でも使っているんですが、これからやっぱり高齢者の雇用というのは大変重大なんですが、高齢者の助成のところで定年退職予定者等再就職援助促進助成金制度というのがあるんですが、これは予算が六億六千百二十四万二千円という大変多額な予算がついているにもかかわらず、実績はゼロということなんですが、ゼロというのは私はちょっとびっくりいたしました。これはどういうことなのか、この内容をお聞かせください。
○政府委員(若林之矩君) この三事業の事業、私どもそのときどきのニーズというものを考えましていろいろな制度を制度化いたしてまいっておるわけでございますけれども、やはりその利用状況等をいつも見ておりまして、利用状況の悪いものについては廃止するということは当然のことでございます。 ただいま先生御指摘の高齢者の関係の制度につきましては、大変利用状況がないということでございます。それは率直にそのとおりでございます。今回、私どもその制度をそういう現実でございますので廃止をさせていただくということにいたしました。そして、あわせて高齢者の関係の対策といたしましては、高齢者が定年が終わりまして継続雇用をいたします場合にわずかの、そう長い間ではございませんけれども、例えば三カ月なら三カ月、次の継続雇用に入っていく前にいろいろな意味でのリフレッシュをしたい、いろんな勉強もなさりたい、健康的にもリフレッシュをしたいというような御要望が大変強いのでございます。そういったようなことを考えまして継続雇用移行準備奨励金という制度を新たに予算でお願いをいたしているところでございます。これは、定年が終わりまして継続雇用に入ります前に、その継続雇用の一環として高齢者の方が自己啓発と申しますか、そういったものをなさりたいという期間を設けまして、それについて事業主が賃金を払うという場合につきましては事業主に対する助成を行う、こういったような新しい制度の導入を今度予算でお願いをいたしておるところでございまして、私どもそういうことで制度の運用状況というものをその折々に点検いたしまして改善を図っていくということでございますので御理解を賜りたいと存じます。
○笹野貞子君 せっかくいい制度をつくっても、それが機能しないということはとても私は残念なことだというふうに思います。 何か自分のことばっかり言って申しわけないんですけれども、やっぱり現場主義という、現実に働いている、現場を知っている者の意見をどうぞこれから聞いていただきまして、特に連合傘下の組合の皆さん方の意見を聞いていただきまして、こういういい制度は周知徹底させていただきたいというふうに思います。 時間がなくなりましたので、本当はパート労働法、パート労働者の雇用保険のことに入りたいのですが、ちょっとだけ触れておきますと、一般に言うところのAパート、Bパートという言葉がありますね。Aパートというのは三十三から二十二という、二十二時間までのパート。Bパートというのは普通の人と全く一緒という、こういうパート労働者の雇用保険の加入率が物すごく悪いことはもう先ほどの御議論でわかったと思います。しかし、パートといえば女性が非常に多いわけですから、これからこの法の改善もよろしく御努力いただきたいと思います。 続きまして、外国人労働者の雇用保険の問題に入らせていただきたいと思います。 今、つとに外国人労働者というのはいろんな意味で問題になっているというふうに思いますけれども、まずこの外国人労働者の雇用保険の実態をお聞かせください。
○説明員(日比徹君) 雇用保険におきましては、被保険者になるならないに関しましては国籍のいかんを問わないことになっております。したがいまして、外国人であっても雇用保険の被保険者になることになっております。 ただ、私ども雇用保険を強制的に適用するかどうかという場面で考えますと、非常に極端な例を申し上げて恐縮でございますが、例えば外国政府公務員、各大使館の職員がおりますが、法律を真っ当に読みますと、当然被保険者にしなければいかぬということでございますが、それぞれ各国のもともとの雇用保障といいますか、失業保障体系に置かれておりますので、これは例えば強制適用はしないというような扱いをしたりということで、強制適用をするとしないとに関しましては、外国人に関しましては必ずしもすべて強制適用するという運用をやっていない点がございます。
○笹野貞子君 この外国人労働者の問題はまさにこれからの問題だと私は認識しております。 そして、この就労目的、この職業の方は、例えば芸術家なら芸術家という目的があった方が失業して他の職種に移るということはこれは雇用保険上許されていないことになります。ということになりますと、基本的人権の職業選択の自由という問題どこの雇用保険法の問題との論理的整合性というのもこれからの問題じゃないかというふうに思います。 それで、外国人労働の問題について総務庁が労働省に対して勧告をされているのを御存じでしょうか。これは平成四年一月ですけれども、総務庁行政監察局が労働省に対して勧告を行っております。これは、これから日本の将来展望を考えて国際化という問題でも大変重要な問題だというふうに思います。その勧告は、「外国人労働者に対する雇用保険制度の情報提供の充実を図るとともに適切な適用を図るよう」指導しなさい、また雇用保険制度については日本語のそういうPRしかやっていなくて、外国語のPRが全くない、これも改善しなければいけないという勧告がありますが、その点についてこれからの問題としてどのように労働省はお考えがお聞きします。
○政府委員(若林之矩君) 本年の一月に総務庁が関係各行政機関に対しまして外国人労働問題についての勧告を行ったわけでございます。労働省に対しましても、実態の把握でございますとか、あるいは新たな研修制度の検討でございますとか、あるいはただいま先生おっしゃいました労災・雇用保険制度を含む労働関係法令の情報提供の問題、それから違法な派遣業者の積極的な指導、取り締まり等、こういった問題についての行政監察局の勧告をいただいたわけでございます。 私どもとしての考えはいろいろございますけれども、基本的にやはりこの勧告の趣旨、内容を十分踏まえまして、今後ますます外国人労働問題についての行政対策強化というのは重要であるわけでございまして、基本的にこの趣旨を踏まえながら進めてまいりたいというふうに考えております。
○笹野貞子君 終わります。
○橋本孝一郎君 他の委員との重複をできるだけ避けたいんですけれども、重要な幾つかの点について再度確認していきたいと思います。 まず、今回の法案については既に衆議院において修正が行われました。今後、雇用保険制度のあり方に関する基本問題について政府において検討を行うということが法案上明記されることになったわけですが、その検討内容については、雇用保険制度のあり方に関する基本問題について幅広く検討されることになると理解していますけれども、労働省の認識はどうなんですか。
○政府委員(若林之矩君) この雇用保険制度の基本問題につきましては、中央職業安定審議会雇用保険部会におきまして昨年御報告をいただいたわけでございますけれども、その際その報告の中にも、基本的な問題について検討を行うべきであるという指摘がなされておるわけでございます。その後の中央職業安定審議会の議論におきましても、雇用保険制度の給付体系のあり方ですとか、あるいは給付水準の検討、三事業のあり方についての検討、また高齢化していく者に対する対応でございますとか、五十九年の制度改正とのかかわり等を含めた給付体系のあり方や給付水準の検討、育児休業や介護休業などに係る休業給付制度の導入の検討、こういったようなことがその報告の中に盛り込まれておるわけでございまして、それから負担のあり方についての検討、船員保険と雇用保険との関係について、こういったことが指摘されております。 私どもといたしましては、もとよりこれは職業安定審議会の公労使の委員の方々がどういうテーマについて議論をするかということの御検討でございますから、私どもの側からいろいろ申し上げる立場ではないわけでございますけれども、私どもといたしましてはできるだけ基本問題につきまして広く深く御検討を賜りたいというふうに考えている次第でございます。
○橋本孝一郎君 それでは、重複を避ける意味で、検討事項となっております船員保険と雇用保険の通算問題に問題を移したいと思います。 船員の勤務実態を見てみますと、近年、海運あるいは水産業は長期にわたる不況等にあるために陸上への出向、派遣ということが常にもう恒常化しております。しかも、それが情勢の変化によって二年ないし五年というサイクルで海上勤務と陸上勤務を繰り返すという者が多いわけであります。 このような場合、船員としての海上勤務の間は船員保険、陸上勤務になれば雇用保険というふうに二つの異なる制度が交互に適用されることになるわけですが、両制度間において被保険者期間の通算制度がないために失業した場合の給付面で通常の労働者に比べて著しく不利が生じるということがございます。いろいろの例がございますけれども、このような点について労働省はどのように認識しているか、まずお伺いしたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) 雇用保険と船員保険につきましてはただいま先生御指摘のとおりでございまして、いろいろ問題が指摘をされているわけでございます。現在、制度といたしましては被保険者期間についての通算の規定はないわけでございます。御指摘のように、仮に最初からずっと雇用保険が適用されていたならば得られたであろう給付よりも低い給付になってしまうという場合があるわけでございまして、そういった問題が提起されてまいっておりますことは十分承知をいたしておるわけでございます。 ただ、現状と申しますと、ただいま申しましたように通算の規定はないわけでございまして、雇用保険制度と船員保険の失業保険部分は、いずれも労働者の失業時の生活保障をその目的といたしておりますけれども、保険料の負担でございますとか給付水準、こういったものが制度的に異なっておるわけでございまして、単純に通算するということは現在のところは困難であると考えておるわけでございます。 なお、ただいま申し上げましたように、中央職業安定審議会の雇用保険部会の報告におきましては、いろいろな今後の検討すべき課題というものが挙げられておるわけでございますけれども、この問題につきましても言及をしているわけでございますので、私どもといたしましてはその検討の推移を見守ってまいりたい、これが基本的な考え方でございます。
○橋本孝一郎君 確かに、保険料負担あるいは給付水準の相違の点から通算は事務処理上困難だということが一応わかるわけでありますけれども、ちょっと極端な例ですけれども、ずっと海上勤務してきた、たまたま最後の一年間陸上勤務をして離職した場合、雇用保険の給付に関しては陸上勤務の一年間だけしか被保険者期間として考慮されないことになってしまう、ずっとやってきて一年陸に上がっただけですね。このような場合について何らかの救済措置があるのか、講じられているのかどうか、まずお尋ねしたいと思います。
○説明員(日比徹君) ただいま御指摘のケースにつきましてでございますが、現在雇用保険法におきましては、過去に船員保険の被保険者であったという離職者につきましては、一定の要件ということを満たすことを条件といたしておりますが、個別延長給付を行うということにしておりまして、その個別延長給付を行った結果の給付日数で見ますと、船員保険で十年以上被保険者期間があった場合と比べまして、ほぼ同程度の給付内容を行うという仕組みにしております。
○橋本孝一郎君 いわゆる個別延長給付の必要な条件というのはどういうものですか、ちょっと細かいですけれども。
○説明員(日比徹君) 要件でございますが、一つは、まず船からおかへでございますので、それぞれおかで離職するときの問題でございますが、そのときにまず事業主都合による離職であることというのが一点ございます。それから、おかに上がる前に船の方で一年以上船員保険の被保険者であったことを条件としております。それからさらに、個別延長給付ということでございますので、就職が困難であるという事情にあること。なお、就職が困難であるという事情につきましては、これはもう一般的なことでございますが、特に再就職の援助の必要がある、あるいは職種転換の必要がある、それから一定の扶養親族がある、そのいずれをも満たすような状態というようなことで現在運用させていただいております。
○橋本孝一郎君 運用は、それは結構ありがたいんでありますけれども、結局現行制度は個々の労働者の個別事情を勘案した延長制度であって、被保険者期間の通算とはかなり性格が異なると思います。 現在の個別延長給付では十分に対応できるとは思わないのでありますが、ところで、雇用保険の被保険者期間を通算することに関しては現行制度ではどのような要件が必要なんですか。
○説明員(日比徹君) 雇用保険におきましては、被保険者であった期間を通算いたしまして、これが給付日数に反映するという仕組みになっておりますが、その被保険者であった期間の通算要件は二つございまして、後の被保険者であった期間とそれに先行する被保険者であった期間、その空白期間が一年未満であることというのが一つございます。それから、前に被保険者であった期間のその後にその期間を基礎としまして給付を受けていないことというのが一つございます。その二点でございます。
○橋本孝一郎君 一年以内及びその間の失業給付の受給がないことということですが、同じ事業主に雇用されていながら陸上勤務と海上勤務を繰り返し、両保険が交互に適用されている者については雇用保険の被保険者期間の通算はどのようになるのか、教えていただきたいと思います。
○説明員(日比徹君) 同一事業主のもとで陸上勤務、海上勤務を繰り返すという場合でございますが、両制度が現行法のもとでは別々の制度ということになっておりますので、陸上勤務部分の期間のみを雇用保険では拾うことにしておりまして、したがって雇用保険の被保険者であった期間だけを拾い出しまして、先ほどの二つの要件、同一事業主のもとにいますので受給していないことという要件は事実上関係ございませんが、陸上勤務と陸上勤務の間が一年未満であることを条件といたしまして被保険者であった期間の通算を行うこととしております。
○橋本孝一郎君 ちょっと済みません、細かいことに入りまして。 いろいろと実例がございまして、適用についてそれぞれ御配慮を願っておると思いますけれども、いろいろな例を挙げてみましたが、船員の場合に、海上勤務と陸上勤務を繰り返すという勤務形態が事実上現実に行われているわけであります。したがいまして、いろいなな個別の指摘は時間がありませんからいたしませんけれども、問題が生じてくることはやはり制度上の不合理としてひとつ真剣に受けとめて、改善策というものについても検討していただきたいということを要望申し上げたいと思います。この点についても、中央職業安定審議会における労使の検討ばかりでなく、労働省としても積極的にひとつ検討をお願い申し上げたいと思います。 それから、船員関係は以上で終わりまして、次に雇用保険の問題に入りたいと思います。 先ほどいろいろと議論されておりますけれども、国庫負担率の引き下げが法案に盛り込まれておる点については、国の経済政策なり、あるいは雇用政策に失業という問題は非常に関連をするわけでありまして、それに対するそういった意味での国の責任をあいまいにするというものであって、私どもとしてもやはり問題ではないかと思います。 そこで、国庫負担の引き下げの点について、何点か伺いたいと思います。 まず、今回の国庫負担率を現在の二五%から最終的には二〇%まで引き下げるということですけれども、これは失業給付に対する労使保険料による負担割合が七五%から八〇%に上昇することを意味することになります。このことが直ちに労使の保険料負担を増加させることにつながるとは思いませんけれども、失業に対する国の責任をある意味においては部分的に放棄するということにもなるわけでありまして、公的福祉の水準の低下につながるのではないかと思いますが、これについてどう考えておるのか、お尋ねしたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) 雇用保険制度の財政収支の最近の状況を見てみますと、平成二年度の決算におきましては、保険料の徴収額に対します積立金の額の比率が二・〇八倍という状況になってまいりました。今日までの黒字基調が反映されてのことでございますけれども、こういった状況が続きますと、引き続き積立金の積み増しか続いていくということになるわけでございます。そして、これまでの、昭和六十年から平成二年までの平均の余剰の状況を見ますと、それは率に換算いたしまして千分の三・六九相当になるわけでございます。 したがいまして、私どもは今回保険料率につきまして千分の二ないし千分の三、平成四年度につきましては千分の二、平成五年度以降につきましては当分の間の措置として千分の三引き下げをさせていただきたいということを提案をさせていただいておるわけでございますけれども、その際これは労使の負担の軽減ということでございますけれども、千分の二ないし千分の三という大幅な保険料率の引き下げでございますので、労使の負担の軽減ということではございませんだけではなくて、国民の負担、国庫の負担というものをあわせて引き下げさせていただくということで、ただいま申しましたように国庫の負担につきまして平成四年度につきましては一〇%、平成五年度以降につきましては当分の間二〇%引き下げるということを提案申し上げておるわけでございます。 一方、この給付の内容、給付水準につきましては今回は変更を加えていないわけでございます。そういった意味で、福祉の水準の低下ということには私どもはつながらないというふうに思っておるわけでございます。 いずれにいたしましても、今後の中長期的な雇用保険制度のあり方、それは負担のあり方も含めましてこれは中央職業安定審議会で今後御議論、側検討をいただくということになっておるわけでございます。
○橋本孝一郎君 そこで、暫定措置ということで伺いますけれども、当分の間というのは具体的にはいつまでの間を言うのですか。
○政府委員(若林之矩君) 今回の措置につきましては、平成五年度以降当分の間の措置ということに、暫定措置ということになっておるわけでございますけれども、この当分の間ということにつきましては、一つは今後の雇用保険の失業給付に関します収支状況から見直しが必要になった場合あるいは雇用保険事業のあり方、今後の諸情勢に対応した制度体系や給付体系のあり方及びその費用負担のあり方につきましての見直しに伴いまして必要が生じる場合、今回の措置について見直しの検討を行いたいと考えておりまして、この二つの場合が当分の間というもののいわば意味というふうに御説明させていただきたいと思います。
○橋本孝一郎君 そこで、保険料の引き下げについても当分の間引き下げる寺としているが、ここで言う当分の間は国庫負担にかかる当分の間と同じ期間と解釈してよいか、すなわち今後の失業給付の収支状況から保険料率ももとに戻すべく必要が生じた場合には国庫負担についてももとに戻るものと理解してよろしいのか、その点をお尋ねします。
○政府委員(若林之矩君) ただいま申し上げましたように、保険料率及び国庫負担率を当分の間引き下げるということにいたしているわけでございますけれども、今後雇用保険の失業給付にかかわります収支状況からの見直しが必要になるとただいま申し上げました。それから雇用保険事業のあり方やその費用負担のあり方についての検討に伴いまして見直しが必要になった場合に、この当分の間が切れるということでございます。 したがいまして、この費用負担の問題ということにつきましても、いわば基本問題の一環としていろいろな議論がなされてくるだろうというふうに私どもは考えておりまして、そういった全体の御議論がどういう方向になっていくかということによるんだろうというふうに思っております。
○橋本孝一郎君 国庫負担の問題については、雇用保険における費用負担のあり方の問題としてこれは重要なポイントであります。したがって、今後この国庫負担のあり方の点についても当然雇用保険制度のあり方に関する基本問題として検討の対象となると思います。 次に、今後の検討の中で雇用保険事業の諸給付のあり方についての検討を行うということは当然ございますが、今後の検討が現在の各種給付の枠内での微修正にとどまるというようなことになれば、今後の高齢化の進展なりあるいは女性の社会進出などの雇用情勢の変化に十分な対応ができないことはもう当然であります。また、雇用保険制度は、現在においても労働者の失業時の生活保障のみならず、失業の予防その他積極的な機能を有する保険制度として性格を有しているものでありまして、今後さらに雇用情勢の変化に対応した、充実した機能を備えていくことが重要ではないかと考えます。 特に、私どもは今般の法制化されました、来月四月一日から施行されることになりました育児休業制度、あるいは育児休業に対する保障なり、あるいは介護休業においての休業期間中の保障、所得保障などなどいろいろと問題点を持っておるわけでありますけれども、これらをやっぱり実効あるものにしていくためには、そういう休業期間、介護休業あるいは育児休業期間というものにある程度の所得保障を行うことが重要な要素でありまして、そういう給付事業というものの拡大といろことも当然考えられるわけであります。こうした問題については、当然これは今後中央職業安定審議会の場で検討事項として取り上げられるということではありましょうけれども、単に労使の検討に任せておくというだけではなくて、政府なり労働省としてみずからこの問題に積極的に対応していただくということで、ぜひとも休業保障に対する考え方を前向きに早期に実現をしていただきたいと思うんですけれども、この点についてのお考えをお尋ねしたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) 育児休業でございますとか、あるいは介護休業を取得する労働者に対します経済的な援助でございますとか、あるいは所得保障の問題につきまして、いろいろ御議論、御意見があることは私どもも十分認識をいたしておるところでございます。 雇用保険制度をめぐりまして雇用情勢等の諸事情の変化を踏まえまして、いろいろな基本問題を中央職業安定審議会の雇用保険部会においても検討を始められるわけでございます。昨年十一月の雇用保険部会の報告におきましても、こういった「育児休業や介護休業などに係る休業給付制度の導入の検討こということが言われておるわけでございまして、したがいまして、この中央職業安定審議会の検討の中で御議論がなされるものと私どもは思っておるわけでございます。 あわせて、この育児休業の問題につきましては、この育児休業を取得する労働者に対する経済的な援助というものにつきましては、婦人少年問題審議会でもこれは御議論をいただくことになっておるわけでございます。したがいまして、私どもはまずこの審議会の御議論の推移というものを見守って対応していくべきものというふうに思っております。
○橋本孝一郎君 最後に。今回の法案で給付についても若干の改正を行おうとしておりますけれども、そのうち継続雇用時における定年時賃金の保障を新たに可能とする部分についてですが、この点について具体的な運用基準についてどのようなものを考えていられますのかお伺いしたいと思います。
○説明員(日比徹君) 今御指摘の定年に引き続く継続雇用、その促進のためのいわば賃金日額の計算の特例でございますが、私ども今時点で考えておりますのは、定年に引き続きまして継続雇用を行った、その結果定年時の賃金と継続雇用終了時の賃金と二ついわば賃金日額が出てくるわけでございますが、いずれか高い方の額を使うというやり方を特例として導入いたしたいと考えております。 どういう定年あるいは継続雇用、さらにある程度その他の要件というようなこともあわせ考えなければならないところでございますが、その詳細につきましては、この法案を作成する過程におきまして中央職業安定審議会におきまして今後審議会とよく相談するようにというお話がございましたので、仮にこの法律を成立させていただきまして実施する段になりますれば、審議会との御相談も踏まえつつ細部を固めさせていただきたいと考えております。
○橋本孝一郎君 中央職業安定審議会において議論いただくということでありますけれども、定年時賃金を保障するということでありますけれども、定年といってもいろいろケースがございます。現在、労働省が進めている六十歳定年制の定着というものにひとつウエートを置いて、さらに六十五歳までの継続雇用の促進という政策も現実的な問題としてとられてきておるわけでありますから、この扱いの対象を前進させるという意味においてのいわゆる定年の意味といいましょうか、とるところを六十歳以上の定年に限るべきではないかと考えますけれども、その点はどうでしょうか。
○政府委員(若林之矩君) 私ども、六十歳以上の定年ということで行政指導を進めておるわけでございますし、これは高年齢者の雇用促進法にその努力義務が定められておるわけでございます。それに沿って行政指導を進めておるわけでございますので、そういう点から申しますと先生の御指摘のとおりであろうかとも存ずる次第でございますけれども、なおまたいろいろな御意見もあるわけでございまして、審議会でもそういった御議論が出ております。したがいまして、今後さらに検討していろいろな御議論を踏まえてこの問題に対応してまいりたいというふうに思っております。
○橋本孝一郎君 終わります。 ―――――――――――――
○委員長(向山一人君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、中西珠子君が委員を辞任され、その補欠として木庭健太郎君が選任されました。 ―――――――――――――
○西川潔君 今や我が国は保険時代と言っても言い過ぎではないと思うのですが、公的な保険、私的な保険、たくさんございます。最近では、お年寄りの介護費用を保障する介護保険やゴルフのホールインワン保険と、時代を反映しているものもございますが、公的な保険では医療と年金保険、労災保険、そして本日議題となっております雇用保険がございます。長い人生ですから毎日の生活の中で自分自身や家族にいつどんなことが起こるかわかりません。といって、そのときのために一人一人が高額な貯蓄をするというのは大変難しいものだと思うんですけれども、みんなで支え合うという保険制度によって得る安心感というのは大変なものです。 大臣はこの保険制度についてどのようにお感じになっているか、まずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 先生御指摘のとおり、我が国においては大変保険の普及が進んでいるわけでございますが、その中で公的保険、特に今御審議をお願いしております雇用保険というのは雇用安定のために大変積極的な役割を果たしてきている、かように考えているわけでございますので、こうした公的保険制度の今後の改善について我々もさらに努力してまいりたいと思っております。 ただ、同時にいろんな私的な保険がございます、生命保険それから損害保険だとか。そういったものも同じ民間の保険でも生命保険と損害保険というのがお互い相互乗り入れみたいなこともやっておりまして、そして例えば高年齢者のいろんなケアなんかについても保険に取り込んでいこう、こういうようなこともございますので、私はやはり公的な保険とそれから私的な保険がいわば相互に相補完し合いながらやはり生活の安定、老後の保障、そういったものに効果的な役割を分担しながら、ないしは協力しながら果たすべきではないか、かように考えております。
○西川潔君 ありがとうございました。 雇用保険制度は、昭和二十二年に失業保険制度として戦争直後の社会経済の混乱期に生じた多数の失業者を救済するために創設された制度ということでございます。昭和五十年にそれまでの失業保険給付に再就職の促進、失業の予防等新たに加えまして今の雇用保険制度になったということでございますが、創設されましたのが昭和二十二年当時、当時といいますと僕はまだ一歳でございますが、雇用保険制度に改めた昭和五十年、そして今日の雇用情勢はどのように変化をしてきたのか、またそれぞれの時代に果たしてきたこの制度の役割はどうであったのかというのをお伺いしたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) ただいま先生御指摘くださいましたように、この失業保険法ができましたとき、そしてその後はまさにこの失業保険制度が失業者の生活の保障ということで機能したわけでございます。しかし、五十年当時になりまして、今度は失業の予防でございますとかあるいは能力開発、こういった面で失業保険法が雇用保険法に改正されまして三事業という事業が新たに設けられたわけでございます。 〔委員長退席、理事仲川幸男君着席〕 これでいろんな経済の変動の中で失業の予防というものにつきまして大変大きな役割を果たしてきたというふうに思うのでございます。 今日は、先ほど来いろいろ御議論ございますように、いよいよ労働力の供給の制約時代というものに入ってまいったわけでございまして、これからはまたこの雇用保険制度というものもこれからの新しい雇用対策というものの中で雇用保険制度というものがどういうような役割を担っていくかということが現在課題となっている、そういう時期になっているのではないかというふうに思っております。
○西川潔君 当たり前の質問で申しわけないんですが、私はサラリーマンの経験がないものですから改めてお話をお伺いして、それでもってまたいろいろと質問を進めてまいりたいと思います。 最近第二新卒という言葉がよく言われるわけですが、これは大臣どのようにお感じになられますか。
○国務大臣(近藤鉄雄君) いわゆる第二新卒というのは、大学や高校を卒業してそして会社へ入ってしばらくしてやめてまた新しい会社を探す、就職する、こういうことを第二新卒と言うようでございます。実は、日本の経済を発展させてきて日本の会社が世界に冠たる立派なものになったのも、一つの原因はいわゆる終身雇用制であって、入った以上はそこで一生まじめにやるんだ、こういうことが日本の会社を立派にしてきたという面があったと思うわけでございます。 ただ、最近のように非常に機会が開かれてまいって、いろんな機会があって、社会が変動し、大学を出て一つの仕事をやられる、官庁もそうですが、選んだらもうそこからずっと考えるなということがどうかなという感じもいたしまして、いわゆる学卒のときの気持ちと数年たって気持ちが変わっていく場合に、また新しい就職を求めることも私は必ずしも悪いことではないんではないかという気がいたします。ですから、一つの職場で安定してずっとやるというメリットと、それから職場をかえて自分の能力をさらに発揮するというメリットと相互に相補っていいのかなと思いますので、私はこれは率直に申し上げていわゆる第二新卒と言われる人たちの割合がふえてくるということは案外それ自体悪いことではない、もっと自分の趣味なり性格に合った、希望に合った仕事を求めるという点ではむしろメリットと考えていい面もあるのではないか、かように考えております。
○西川潔君 そこで、石の上にも三年ということわざがございますが、就職いたしまして三年もたたないうちに本当にやめてしまうわけです。 〔理事仲川幸男君退席、委員長着席〕 新しい仕事を探す若者がふえているということですけれども、労働省の調査では新規学卒者の中で就職後三年間の離職率は、中学卒が六四・五、高卒が四六・二、大卒が二八・四パーと高くなっておりますが、大阪の「ワークプラザうめだ」というところがございますが、こうした第二新卒者の若者を対象にいたしまして専用窓口を昨年十一月に全国で初めて設置されたというわけです。一部には転職奨励になりかねないかという指摘もあるんですが、一方的に最近の若者に対して辛抱が足らないからだというようなことだけではないと僕は思います。まずは、初めて職業を選択する段階で企業、学校、そして行政が一体となった協力が必要であり、結果的に早い時期に離職したとしてもその原因を踏んまえた新たな協力が必要であると思います。そういう意味でのハローワーク梅田での取り組みは時代のあるいは世代のニーズにいち早くこたえていただいたものと僕たちは評価したいと思います。 言うまでもなく、高齢者にとっても雇用情勢は一段と厳しくなっているわけですから、それぞれの時代、そしてそれぞれの世代のニーズにこたえる取り組みがこの制度においても重要であると思います。若者そして高齢者、また最近ふえつつありますUターン就職を希望する世代のそれぞれのニーズに対応した取り組みを具体的にどのように行っていかれるのか。お年寄りの現場を回りますと、年をとってまいりますと、都会もいいけれども、やっぱり死ぬときは西川さん田舎へ帰って、元気で働けるうちに働いて、そして夫婦ともども子供と離れてもいいからふるさとで一生を終えたいという方もいらっしゃいますし、そういう若者もいらっしゃいますが、いかがでしょうか。
○政府委員(若林之矩君) ただいま先生御指摘ございました第二新卒でございますけれども、やはり事業主の方々でございますとか大学の就職の御担当の方からいわゆる第二新卒というものを考えた一つの労働市場というか、需給調整方法というものを考えてもらえないかということが言われてまいっております。何と申しましても、若いときから選職といいますか、仕事を選ぶということについて十分考えていただいて、そして就職をされて安定した職業生活をお進めになるということが何よりであるというふうに私どもは思っておりますし、そこにまず力を注ぐべきだと思います。しかし、やはりこういったようにふえております第二新卒の方々について需給調整システムと申しますか、そういったものを整備していくべきであろうと、そういうことを進めるべきであろうということを考えておりまして、梅田でそういったような窓口を設置いたしまして大変に好評でございます。 それから、若い方の問題でございますけれども、高卒ではやはり中退者が多うございます。年間十二万ぐらいの高校生の方が中退いたしておりますが、こういった方々は学校生活よりもむしろ職場生活を目指しているという方が随分おられるわけでございまして、こういった方々につきましてはやはり一部の安定所におきまして、東京では新宿でございますけれども、専門の窓口を設けまして、学校と連携をとりましてこういった中退者の方の御相談に乗っているというようなことも今進めておるところでございまして、こういった点が若い方々についての対策でございます。 それから、高齢者につきましては、これもずっと長く取り組んでおりまして、これは各安定所の窓口に専門窓口を設けまして専門の職員を置いて対応してまいっておりますけれども、これはこれからますます強化しなきゃならない分野だろうというふうに考えております。 それから、Uターンでございますが、これも大きな課題でございまして、東京都内に人材Uターンセンターを置きまして、ここを全国のキーステーションにいたしましてUターンのサービスをいたしておるわけでございますけれども、さらに平成四年度からは地方の市町村にUターン相談窓口を置いていらっしゃるところを選びまして、そこに安定所から職業相談に出向いていく巡回相談員を配置いたしまして、そういう地域の安定所と市町村とそれから東京のUターンセンター、こういうところをネットワークを組んでUターンしたい方々の御相談に乗っていこうということを予算でもお願いいたしております。あわせまして、本年の一月以降は雇用情報に加えましてそれぞれの地域のふるさとの住宅とか教育の情報を求人情報とあわせて提供すると、こういったサービスも始めるようにいたしております。今後もやはりこのUターンの方々に対するお手伝いというものは一極集中の是正といったことも絡めまして強化しなきゃならないことだろうというふうに思っておるところでございます。
○西川潔君 お年寄りが本当に働きやすい、また若い人たちが希望を持って頑張っていただくためにも、私も地元大阪ですが、年間十二万というお話をお伺いいたしまして、何とか社会に出る前に学校でひとつ希望を持っていただくために芸能高校というものを公立てつくっていただけないか。単なるタレント養成所ということではなしに、やっぱり歌舞伎だとか能だとか文楽だとか、そしてまた照明だとかミキシングだとか、そしてまた美術だとか演出家だとかというようなことでもってたくさん希望を持って若い人たちに頑張っていただくようなことをお願いしているんですけれども、各世代のニーズ、今の時代のニーズに応じた対策を雇用保険制度内で、あるいは労働行政としてどのように考えておられるのか、もう少し具体的にお伺いしたいんですけれども、この雇用保険制度における三事業について改めてお伺いしたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) 雇用保険の三事業におきましては、労働者の福祉の増進というものを目的といたしまして、まず第一は失業の予防、雇用状態の是正、雇用機会の増大、こういった関係の雇用安定事業というものをいたしております。それから、働く方々の能力の開発向上という観点から能力開発事業というものを進めております。また、働く方々の職業生活上の環境の整備、改善、就職の援助、そういった福祉の増進を図るという観点から雇用福祉事業というものを実施いたしておりまして、雇用安定事業、能力開発事業、雇用福祉事業、この三つの事業で事業を進めているわけでございます。 いろいろ細かい事業も御説明すべきと存じますけれども、御質問がございましたらまたお答えするようにいたします。
○西川潔君 ありがとうございました。 そこで、能力開発事業についてお伺いしたいんですけれども、せんだってお伺いいたしました大臣の所信表明の中でも「高齢化社会の進展等に伴い必要となる看護・介護労働力の確保については、厚生省とも連携しつつ総合的な対策を講ずることが必要でありことお述べになったわけですけれども、国民一人一人の問題として受けとめ、家庭を乗り越えて、皆さん方本当にいろいろ回らせていただいても地域で支え合っておられます。また、国は省庁間を超えて一つ一つの問題に取り組んでいただきたいと思います。高齢化社会がみんなで喜べる明るい長寿社会になるのではないかと思うんですけれども、その点について大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(近藤鉄雄君) まさに高齢化社会にいかに適応するかということは、大きな政治的また社会的な課題でございますが、労働省、厚生省それぞれ関係をしておりますので力を合わせてまいりたい。 ただ、あえて申しますが、厚生省と労働省はどこが違うかと。これは建設省と労働省も同じようなことがあるわけであります。どっちかというと、いわゆる建設でも厚生でも運輸でもそれぞれ建設労働者、運輸労働者、福祉労働者がいるわけでありますけれども、あえて言えばマネジメントの観点から物を見ているんであって、我々労働省は働く人の立場で物を見ているわけですね。だから、介護労働者、また看護労働者というものは、これは大事な仕事なんです。しかし、来い来いと言ったって、その方々の働く労働条件だとか、それから訓練だとか福祉の面だとかそういった面を十分配慮しないで、大事だからいらっしゃいいらっしゃいと言ったって集まりませんよね。ですから、私たちは、今度は介護労働力の雇用管理の改善という法律を出しまして、そういう介護労働者の方々の雇用管理をどうするかとか、それから福祉センターをどうするか、生活保障をどうするか、そういう観点から、そういうものを整備することで大事な介護労働者をふやしていただくと、こういうことで実は今国会にこういうような法案を出したわけでございますし、また厚生省と協力で看護婦等の人材確保の促進に関する法律案というものを考えながら、また我々はむしろボトムアップでやる。ほかの役所はあえて言えばマネジメントのサイドで物を考えている、こっちは働く人の立場で考える、こういうことで相まって大事な介護労働力の確保をしてまいりたい、こういうことでございます。
○西川潔君 間隔を置いて我々勉強させていただき見せていただいているんですけれども、本当に仲よくしていただければこれほど我々は幸せなことはないと思います。 そこで、能力開発事業では公共職業訓練施設及び職業訓練大学校の設置及び運営等を行っているところですが、昨年三月の本委員会におきまして私はお尋ねしたんですが、兵庫県立女子高等技術専門学院に新設をされた介護福祉科について御説明をいただきました。大臣が所信でおっしゃっておられましたように、看護・介護労働力確保につきまして高齢化社会の重要な問題になっているということは言うまでもございませんが、そうした中で、この兵庫県のケースは厚生省、労働省の連携のもとに新しく取り組まれたということで大変いいことだと思います。ぜひとも全国的に普及するよう労働省としても積極的に取り組んでいただきたいと思います。 兵庫県立女子高等技術専門学院の二期生についての定員、応募者数をお伺いいたし、また労働省といたしましてこの兵庫県の取り組みについてどのように評価をされておられるのかお伺いしたいと思います。
○政府委員(松本邦宏君) 兵庫県立の女子高等技術専門学院の介護サービス科でございますが、ことしの四月入校の二期生につきましては、定員は三十名でございましたが、応募者数は五十三名ございまして、応募率が一・八倍と大変好調でございます。 これにつきましては、今後高齢化が進展していく中で、介護関係業務に従事する労働者の養成というのは非常に重要な課題でございますので、公共職業訓練分野において介護労働者の養成に先進的に取り組んでおられるというこの兵庫県につきましては大変高く評価をしているところでございます。
○西川潔君 随分僕もラジオやテレビでこれをPRさせていただいたんですけれども、三十名が五十三名、一・八倍というのは大変うれしいことだと思います。来年度また新設する予定などございませんのでしょうか、今後どういうふうに行政指導をされていかれるのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(松本邦宏君) 今申し上げましたように、介護労働者の需要は大変高まっておりまして、養成は重要な問題だと考えておりますので、平成四年度につきましても一科増設をする予定をいたしておりますし、平成五年度からは二科新しく募集をする予定で、そのための施設整備費を計上しているところでございます。 また、今後につきましては、介護関係の訓練科の拡充にさらに努めてまいりたい、かように考えております。
○西川潔君 ありがとうございました。 次に、六十歳の定年後再就職をする高齢者に対するハローワークの取り組みについてお伺いいたします。 つい先日も六十歳定年を間近に控えた方々にお会いしたんですけれども、定年後の生活についてやっぱり皆さん不安を持っておられます。皆さん方六十歳といいましても、本当にお元気な方が多いわけですけれども、できるだけ仕事を続けたいという気持ちは皆さん強く持っておられます。強くありながらどうしても二の足を踏んでしまうということなんですけれども、その理由の一つに年金の問題が大きい、こうおっしゃっておられます。 サラリーマンで厚生年金被保険者であった方が六十歳になりますと特別支給の老齢厚生年金が支給されるわけです。しかし、再就職をいたしまして引き続き厚生年金被保険者になると収入額に応じて年金がカットされます。例えば月収が九万五千円未満、九万四千九百九十九円ということですが、年金が二割カットされるわけです。それに、二十五万円以上ですと年金が全額支給停止となるわけですから、せっかく働いても年金が削られるのでは遊んでお金をもらった方が楽でいいというお年寄りの御意見もたくさんございます。 こうした高齢者のニーズにこたえるために、所定労働時間を一般の四分の三以内におさめ、年金のカットを受けず、自分の体力に見合った無理のない短時間労働ができるように二人一組で仕事を行うシルバーヘア就職を導入する企業がふえつつあるわけですが、一部のハローワークでは積極的に取り組んでいるということをお伺いいたしております。全国のハローワークで企業に対する理解を求めるなど積極的に取り組んでいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○政府委員(若林之矩君) 高齢者の方々の就業ニーズ、六十歳、特に六十歳代前半層以降になってまいりますと随分ニーズが多様化してまいるわけでございまして、短時間就労を希望なさる方も随分多くあるわけでございますが、こういった方々のために、ただいま先生御指摘ございましたが、全国の幾つかのハローワークで、まだ試行的な段階でございますけれども、シルバーヘア紹介というのをいたしております。午前と午後に分けましたり、あるいは月水金、火木土で分けたり、いろいろな形で二人の高齢者の方をペアにして企業に御紹介するというようなことを進めておりまして、大変好評でございまして、一部のハローワークではそういった方々を一堂に集めまして、ある意味でお世話をしているというようなこともございます。大変好評でございます。 今後こういったケースをよく調査いたしまして、高齢者の方々のニーズなりあるいは問題点というものを十分に把握いたしまして、その上で全国的な展開を図っていったらいいんじゃないかというふうに考えておりますが、現在はいろいろなところでそれぞれの創意工夫で、今いわば何と申しますか、試行的に仕事を進めている段階だということでございます。
○西川潔君 ペア就職、またワークシェアリングなどは大変お年寄りの方々が喜んでおられますので、よろしくお願いいたしたいと思います。 次に、今回の改正案の失業給付の改善についてお伺いいたします。 賃金日額の算定の特例を設けられるそうですが、その内容は、具体的には定年退職したときの給料と比べ、再雇用され、その後退職したときの給料が低い場合には、労働大臣が定めるところにより、定年時の給料を基礎として基本手当の日額を決めていただけるそうです。一般的には、定年の後、勤務延長や再雇用されても、給料は定年したときよりも下回るケースが多いわけですから、今回の改正は少しは前進と思います。 そこでお伺いしたいんですけれども、具体的な要件はこれからお決めになるということですが、基本的な考え、また方針をお伺いしたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) ただいま先生御指摘ございましたけれども、高年齢層におきます賃金水準の状況にかんがみまして定年到達者の継続雇用の推進を進めていく、推進を図るということで、継続雇用終了後離職した場合におきまして継続雇用終了時の賃金日額が定年時の賃金日額よりも低い場合につきましては定年時の賃金日額によることができますように整備をしようというものでございますが、この具体的な内容というものにつきましてはさらにいろいろと職業安定審議会等で議論を深めていただきまして、その議論を踏まえながら具体的な内容を定めてまいりたいというふうに思っておるところでございます。いろいろな御意見を承って固めてまいりたいというふうに考えております。
○西川潔君 そこでお伺いしたいんですけれども、定年で退職した方が、退職する前の会社の紹介によりまして引き続き他の会社に雇用された場合にもこの特例の対象としていただけるのでしょうか。
○説明員(日比徹君) 別の会社ということであればいささか疑問であろうと思っております。 ただ、いずれにいたしましても今後検討するわけでございますので、種々の形態はあろうと思いますので、その点も今後検討させていただきますが、やはり別の会社というのはなかなか問題が多いのではないかと思っております。
○西川潔君 現在、五十五歳定年制度を実施している企業の割合が、平成三年一月現在でまだ一五%あるわけですけれども、五十五歳で定年退職される方が継続雇用され、今度は六十歳で会社をやめたような場合でもこの特例が適用されるべきだと僕は思うんですけれども、これはいかがでございましょうか。
○説明員(日比徹君) 定年の年齢ということに絡むわけでございますが、私ども六十歳定年ということを推進しておる立場からいきますとなかなか難しい問題がございますが、一方に、現実に五十五歳で定年を迎えられた方がいるという点にも、何といいますか定年の延長の施策とは、それはそれといたしましても、個々の受給者の保護といいますか、その立場もございますので、あながちだめというわけにもまいらぬ。ただ、この点につきましては当委員会におかれましても既に何度か御質疑いただきました中でもいろんな御意見をちょうだいしたところでございます。いずれにいたしましても、今後十分検討させていただきたいと存じます。
○西川潔君 最後の質問になると思いますが、長年勤めてまいりまして六十歳で定年になりまして継続雇用になります。六十五歳で退職した場合と、今度は六十六歳で退職した場合を比較してみますと、失業給付の内容につきましては、六十五歳で退職した場合は三百日の失業給付がもらえるわけですが、六十六歳で退職された方は百五十日分、半分ですね、百五十日分の失業給付しかもらえないわけです。同じように働きまして雇用保険に加入いたしまして一定の負担をしてきたわけですが、一歳違うだけで半分の失業給付しかもらえないのはどうも割り切れない感じがいたすわけです。昭和五十九年の法改正のときにも議論されたという、私も会議録を読ませていただきましたのですけれども、働く意欲と意思があるわけですから、継続雇用された場合には六十五歳とか六十六歳とかの年齢に関係なく三百日の失業給付を一時金として支給するような仕組みにしていただいて、求職活動を御本人さんの自由な形で伸び伸びとさせてあげたらいかがかなと思うんですが、いかがでしょうか。
○説明員(日比徹君) 三百日の一時金ということでございますが、非常に難しい問題があろうかと思います。雇用保険、これも先生冒頭の御指摘にございましたように、保険でございますので多くの方々から保険料を納めていただきまして、保険事故の発生率ということと絡みまして、その保険料によって支えることのできる給付を行うということになりますので、一時金を一律に三百日ということにいたしますと、やはり保険の仕組み上基本的な見直しを行わなければならない、そしてそのときに何といいますか、全員がもらえるということになりますと保険事故ということになりませんので、みんなで積み立てるということになるおそれもあるわけでございまして、何分にもそういう保険の仕組みの中ではなかなか構想しがたいのではなかろうかと思っております。
○西川潔君 ありがとうございました。 本当に日々の生活の中で努力や辛抱はいたしますので、お願いすることばかりですけれども、やっぱり毎日安心して生活ができるような行政をよろしくお願いします。 これで終わります。
○委員長(向山一人君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、佐々木浦君及び平井卓志君が委員を辞任され、その補欠として鈴木貞敏君及び星野朋市君が選任されました。
○木庭健太郎君 大体論議はほぼし終わったような感じもございます。ただ、我が党としてもぜひ確認したいこともございますし、いつも西川委員が一緒の委員会のときは私が最後でございますとおっしゃっておりましたけれども、今回私が最後でございますので、ぜひおまとめのつもりで答弁をしていただければありがたいと思っております。 我が党は同じ名前の法律案を出したことがございます。やはり積立金がこれだけ大きくなってきているし、サラリーマンの負担を少しでも軽減したいということで、労働保険の保険料の徴収等に関する法律の改正案を出したことがございます。労働省は非常に厳しい言い方をしまして、その時期ではないといって軽くけられた記憶がございますので、ようやく出してきたかという思いも正直いたします。 ただ、ちょっと改正案を見たときに、私どもの案の中には国庫負担の問題なんかまさか考えもつかなかったんですけれども、そういうところまで踏み込まれているという、いろいろな問題点もあるような気もいたしております。 さて、最初にお聞きしたいのは、積立金の規模が保険料の徴収額の二倍を超えて、現行保険料率を維持すれば三年度予算においてはこれが二・二三倍、四年度の予定では二・五六倍に達すると考える状況の中で、今回雇用保険制度の趣旨にのっとって失業給付の負担者である労使の負担額を軽減する必要があるところから、今回保険料率、国庫負担率の引き下げを行うことになったというふうに伺っておるわけですけれども、これだけのことならば本当に当面の暫定的な措置とかいう必要もないんですけれども、あえて暫定的措置ということをとられた背景、理由をお伺いしたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) 雇用保険の財政をめぐる事情につきましては、ただいま先生が御指摘のとおりでございます。 雇用保険制度につきましては、いろいろな基本的な問題が指摘されてまいっておるわけでございます。こういった基本的な問題について慎重な検討がなされなきゃならないということでございます。一方におきまして、雇用保険の財政というものを見てまいりますと、ただいま先生御指摘のように、最近の経済情勢等も反映いたしまして黒字基調、大幅な黒字基調に推移をしてまいっておりまして、このままの状況でまいりますと積立金が相当大幅に積み増しされてくるというような状況でございます。 一方では、基本的な問題について慎重な検討幸加えなきゃならないという状況でありますが、一方では財政事情というものにつきまして速やかに対応していかなきゃならないという問題がございます。こういったことを踏まえまして、当分の間、暫定措置として保険料率の引き下げとそれ赤ら国庫負担率の引き下げというものを行わせていただこうというのが今回の考え方の基本でございます。
○木庭健太郎君 それでは、この継続期間がどの程度継続し、いつ基本的な検討が行われるのか。当分の間、当分の間とおっしゃっていますけれども、当分の間というのは大体十年ぐらいの話なのか二十年ぐらいの話なのかよくわからない。当分の間というのは大体どれくらいを目標にされておられるのかお伺いしたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) 当分の町ということにつきましては二つございまして、一つは雇用保険の失業給付に係ります収支状況の見直しが必要となるときということでございまして、これにつきましては私どもこういった案を提案させていただいておるわけでございますので、今後も安定して推移するというふうに考えておりますけれども、経済情勢その他でプラスに転じる場合もありましょうし、マイナスに転じる場合もないとは申せませんので、そういった関係での収支状況から見ての見直しが必要になった場合というのが一つでございます。 それから、そういう状況ではございませんでも、雇用保険事業のあり方あるいはその費用負担のあり方、こういったものにつきまして検討を行いまして、それに伴いまして見直しが必要になったときと、この二つがこの当分の間の考え方でございます。 では、具体的にそれじゃ何年かということになりますと、これはちょっと私どもも具体的にそれじゃ何年だということを申し上げることは難しいわけでございまして、やはりこの当分の間というのは基本的にその二つのケースが現実になった場合、それぞれ別々でございますけれども、現実になった場合ということを申し上げさせていただきたいと存じます。
○木庭健太郎君 そうすると、二つ目の制度体系の見直しというのはやられていくわけですね。そういう結論というのはいつごろまでに出してやろうと思っていらっしゃるんですか。
○政府委員(若林之矩君) この制度の見直しということにつきましては、具体的には中央職業安定審議会の雇用保険部会におきましてこの二月二十六日から審議が始められておるわけでございます。そして、この審議を始めるに当たりましては、中央職業安定審議会としては雇用保険部会の議論は平成四年度末までに結論を得るようにと、こういう目標を定めておるわけでございまして、今後雇用保険部会はそういった一つのタイムスケジュールを持って審議を進めていくものというふうに考えております。
○木庭健太郎君 中央職業安定審議会専門調査委員雇用保険部会の報告、今回の論議の中ですけれども、労働側委員からいろんな意見が出ておりました。「育児休業や介護休業などに係る休業給付制度の導入」そのほかさまざまな点が指摘をされておりました。こういう意見というのをもちろん基本論議の対象にしていくんだろうと私は思いますし、当然労働省としてもこういうことは基本論議の対象としてやってくださいということをおっしゃると思いますけれども、この点、大臣からきちんとこういう問題について検討課題としてやっていくんだということを聞いておきたいと思います。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 雇用保険制度の根本的な問題につきまして、せっかくの中央職業安定審議会雇用保険部会でございますので、各界を代表される方々にいろいろ真剣に御討議をいただいて答申を出していただきたいと思ったわけでございますが、今の雇用保険制度、失業保険で始まった制度が今度は三事業をふやし、またいろんなことをこれから考える。その中で高齢者雇用の問題もあれば、今最も大きな問題の一つが家庭生活と職場との調和、調整の問題、その中で介護休業だとか育児休業等も出ているわけでございますので、その間の所得保障をどうするかという議論は賛否両論いろんな議論がございまして、なかなか簡単に結論が出ないような問題ではございますが、その他今先生御指摘ございました労働側委員からの意見を含めて網羅的、総合的に根本の問題に突っ込んで、時間は平成四年度末と一応限ってございますけれども、議論を尽くして答申を得たいと、かように考えておるわけでございます。
○木庭健太郎君 国庫負担率の引き下げの問題について何点がお聞きします。 今回の改正においては、国庫負担額を平成五年度には現在の負担額の十分の八に相当する額に引き下げることにしているわけでございます。この点については先ほどの部会報告を見ましても、労働側委員からは、福祉の水準の確保の観点から十分慎重に対処すべきという意見が出されておりましたし、雇用主側の委員からも、将来における福祉の水準の低下を招かないよう国として一層の努力をすべきであるという意見が表明されておりました。これまでを見ましても、雇用保険料率というのがたびたび変更されても国庫負担というのは変えられることはなかったし、そもそも国庫負担が保険料収入と連動して運用される性格のものではないと思うのであります。しかも、平成三年、四年と失業給付は増加する見通したというふうにおうかがいもしています。その中で国庫負担を削減する合理性というのは何なのか、私は余り見られないような気もするんですけれども、そこをお聞きしたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) 先ほどもお答え申し上げましたように、現在の状況が推移いたしますと雇用保険の積立金の積み増しか大幅に増額するということが考えられるわけでございまして、平成四年度につきましては保険料率を千分の二引き下げる、それから五年度からは当分の間の措置として千分の三引き下げるということでございます。これは労使の負担の軽減ということでございます。千分の二ないし千分の三の引き下げというものは相当大幅な引き下げと、これまでの雇用保険料率の変動という中におきましては大幅な変動というものに属するものであると私どもは考えておるわけでございまして、こういった保険料率を労使の方々について千分の二なり千分の三大幅に引き下げるということ等でございますので、これと同時に失業給付費の負担者である国庫、租税負担者と申しますか、これにつきましてもやはり保険料率の引き下げ幅と見合った形で軽減を図るべきであると考えまして、国庫負担率の引き下げを御提案申し上げた次第でございます。
○木庭健太郎君 原則で言えば、この雇用保険制度というのはやっぱり給付費のうち四分の一の国の負担ということは、ある意味では雇用保険制度に対する国の財政的責任分担のあり方を明確に示したものだと私は思うんです。給付費が増加する見通しのもとで国庫負担を削減することは、この制度に対する責任のあり方そのものを何か変更するような気もするわけでございます。 やはりきょう厚生委員会の方では政管健保の改正をやっているんですけれども、ここでも保険料率の引き下げとともに国庫負担率の引き下げがある。労働省はこれで国庫負担率を下げる。一体だれが知恵を絞ってこんなことを考えたのかなと。メリットもありデメリットもあり、何かやりにくいような案を出してくる。何か一斉にやっているような気もしてしまう。財政が、国家自体が厳しくなってくるといろんなものに、一遍に各省庁に投げられているんじゃないかなというような見方をせざるを得ない面も出てくるわけでございます。私自身は国の責任、そういう今まで一定程度きちっと決めたものという責任から回避するというのはいけないんじゃないかなという気もするんですけれども、どうですかね。
○政府委員(若林之矩君) この国庫負担率の引き下げの問題につきましては、雇用保険部会でも随分いろいろな御議論があったわけでございます。 今回は私ども、先ほど申しましたように千分の二ないし千分の三という大幅な保険料率の引き下げと合わせまして、負担者である国庫、租税負担者と申しますか、こういった点についても軽減を図るべきであるということで国庫負担率の引き下げを提案申し上げておるところでございますけれども、雇用保険における負担のあり方を今後どういうふうにしていくのかということはやはり基本的な問題でございます。これは中央職業安定審議会でもそういう御議論であるわけでございまして、やはり今後の負担のあり方をどうしていくかということはこれは今後の基本問題の一つとして中央職業安定審議会で御議論をいただくことになろうというふうに考えておるわけでございまして、私どもはその方向に沿ってこの問題について対応していくべきだというふうに考えておるところでございます。
○木庭健太郎君 そうすると、今後審議会でこの削減の問題、これが本当に福祉水準の引き下げになるのかどうかというような問題も含めてやはり重要な議題の一つだと思うし、私は本当にこの法案が出てきたときに、ああいろいろ考えてある意味ではうまいことやったなとも思ったんですけれども、でもある意味では非常にサラリーマンにとってみれば何か納得のいかないような部分というのはあるんですよ。そういう意味で確認しておきますけれども、もう既にそういう福祉水準の切り下げにつながる懸念という意見も出されているわけですから、こういう問題について審議会の中で十二分にもう一度根本から検討していただくというふうにとらえておいていいわけですね。
○政府委員(若林之矩君) この問題につきましては、私ども当委員会の御議論というものはもとより中央職業安定審議会雇用保険部会に御報告を申し上げるつもりでございます。
○木庭健太郎君 労働省予算というのを拝見させていただきますと、平成四年度は総予算規模は五兆四千億円というすごい数字でございますけれども、一般会計予算を見たときは約四千九百億円でございまして、全体の一割にも満たないというのが今の労働省予算の現実でもございます。特に厳しいシーリングをしかれると、本当にある意味では画期的な政策予算というのを計上する余地というのがほとんどないような状況にも今なっているんじゃないかと思うわけでございます。 この雇用保険制度における国庫負担額の削減については問題とも思うんですけれども、現実に削減される額六百二十五億円程度ですかね、そういう使い方についてはぜひ、本来一般会計で行うべき事業を無理して特別会計の運用で賄っている現在の労働省予算というのはある意味ではゆがんだ構造ですし、そういう意味ではゆがんだ構造をぜひ是正していただいて、雇用政策の促進を図るための経費に充当するというようなことを考えていただきたいとも思うんですけれども、この点についての御見解を伺いたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) 今回の措置によります国庫負担の削減分の労働省予算との関係でのお尋ねかと存じますけれども、私ども平成四年度の予算編成に当たりまして、まず雇用保険の一般会計でございますけれども、受給者実人員が増加をいたしてまいりますことや、賃金の上昇によりますところの受給月額の増等もございまして、失業給付費が伸びるわけでございまして、そういった観点での増がございます。 したがいまして、結論と申しますと、雇用保険の一般会計への受け入れは、全体としてこういったものを含めまして、そしてまた負担の引き下げに伴う削減分を相互にいたしまして、最終的には三角七十四億ということでございます。そして、労働省全体といたしましては、介護労働者の確保のための基金の創設等の予算を計上いたしておるわけでございますので、労働省予算の全体といたしましては前年度と比較いたしまして一億余の増、大体前年同額というような形で労働省の一般会計予算ができているわけでございます。
○木庭健太郎君 次に、積立金の問題で伺っておきたいと思います。 現行制度によりますと、積立金の累積額が保険料収入の二倍を超えた場合には保険料率の見直しを行うということにされているわけであります。先ほどから御説明になっているように、今回の改正も平成二年度決算において積立金の保険料収入比率が二・〇八倍となったところから実施されているわけでございます。ただ、約三兆五千億円という積立金の額は、平成四年度の予算で考えられている失業給付費約一兆五千億の二年分に相当するわけでございます。これは、仮に国庫も何も入れてくれない、保険料収入も全くないという状況でも二年間は失業給付を継続できるというような数字になるわけです。 私たちがかつて法案を出したときの問題も、この問題の指摘でございました。本当に二倍までのものが必要なんだろうかという疑問を感じざるを得ないんです。安全のためには最低これだけは必要だというような答弁をそのときはいただいたような記憶があるんですけれども、一体どこが安全かというのはもうちょっと真剣に考えなければ、かえってそのことが労使に対する保険料の負担になってくるわけですから、やはりその点も真剣に考えていただきたい。 私たちはあのときいろいろ計算をやらさせていただきました。失業給付費相当額、甘く見ても一・五倍があれば十分できるし、一・五倍というのがそういう料率を見直すときの要件ではないかということを述べさせていただいたんですけれども、こういう問題についても基本論議の中できちんと検討していただきたいと思うんですけれども、いかがでありましょうか。
○政府委員(若林之矩君) この積立金は二倍ということが一つの限度になっておるわけでございまして、今回初めてこの二倍というものを超すという状況になったわけでございます。そういった状況の中で、この積立金制度というのはどういうように推移していくかということがまず第一のことでございまして、この制度の状況というものを見守るべきというふうに存じますけれども、いずれにいたしましても、今回の職業安定審議会におきます議論、こういうような雇用保険財政も含めまして広く深く御議論をいただくということでございますので、これまでなされましたいろんな御提言というものを参考にさせていただいて議論が進められるものだというふうに私どもは理解をいたしております。 それがどういうような結論になっていくか、もとよりそれは審議会の御議論でございますけれども、私どもといたしましては、そういった御議論の中にできるだけいろいろな、何と申しますか、材料と申しますか、資料といいますか、こういうものを提供していきたいというふうに考えております。
○木庭健太郎君 いろんな意見を参考にしていただけるということであれば、もう一つぜひこれも論議の対象にしていただきたいという問題があります。それは、高齢者の雇用の問題に絡めて、これも私ども提案しましたけれども、現行制度においては六十四歳以上の高年齢者にかかる雇用保険料というのは免除の形になっている、これをある意味では高齢者雇用促進という意味でいけば六十歳以上というふうに改めるべきではないかというのが私どもの提案でございました。 これに対して労働省の方からは、いやその問題は雇用三事業で一生懸命取り組んでいるから、この問題とはまた別なのでぜひ御勘弁をいただきたいというような答弁を当時いただいた記憶があるんですけれども、雇用三事業だけでもなかなか高齢者雇用の問題というのができ得ていないという現実があるならば、私としてはやはりあらゆる手だてを使ってみて本当に高齢者が雇用できるような状況、土台というのをつくる必要があると思うんですけれども、この点についての御論議をいただけるかどうかというのを聞いておきたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) この問題につきましては、ただいま先生御指摘のとおりでございまして、私どもの考えといたしましては二つございます。一つは、三事業におきまして高齢者対策というものを大幅に拡充してきたということが一つございますのと、だんだん高齢化が進んでまいりますと高齢の労働者の方の数が相対的に多くなってくるわけでございますけれども、ただいまの先生の御提言はどうしても高齢の方とその他の世代との間のいわば負担の問題での不均衡が拡大するという問題があるわけでございまして、私どもはかねてからそういう二点でこの問題は大変難しいということを申し上げてまいりました。 現在もそういう考えでおるわけでございますけれども、もとよりこういった御提言につきましても、私ども中央職業安定審議会にこういった御論議もあるということは御報告させていただきたいと存じます。
○木庭健太郎君 最後に大臣にお聞きをしておきたいと思います。 雇用保険部会の報告で、先ほども言いましたけれども、労働側委員から、特に育児休業や介護休業などに係る休業給付制度導入について雇用保険制度の中で検討する必要があるという旨の指摘が強く出されたと思います。積立金が今こうやって大きくなっているわけですから、やはりこの活用の仕方というのは考えていかなくちゃいけない。少なくとももうすぐ育児休業法が施行されるという段階で、いろんな知恵を絞らなくてはいけないと思うんですけれども、例えばこの積立金から一兆円程度支出していただいて基金をつくっていただきますと、その運用益だけで少なくとも計算すると当面育児休業をとっている労働者の社会保険料負担額というのは大体出てくる数字になるんですよね。そういう制度の創設あたりも真剣に検討をしていただきたいと思います。 それより何より、とにかく四月から私たち一生懸命やってまいりました育児休業法が本当に施行される形になるわけですから、この育児休業をとる方たちの経済的援助というものについては最大限の配慮を払いながらぜひやっていただいて、実のあるものにしていただきたいということを思っているんですけれども、この点についての大臣の見解をお伺いいたしまして、少し早目ですけれども、終わらせていただきます。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 先生、私の選挙区は山形でございますが、山形は全国で最も女性の方々の雇用率の高いところでございます。ですから、私も大臣をしておりますが、選挙区へ帰っていろんな婦人会の方とお話をいたしますと、育児休業法は大変ありがたいと。ありがたいけれども、率直に言って山形県は、今度は賃金水準が残念ながら全国で下の方でございますので、共稼ぎなんですよね。ですから、それが生活の大変大きな所得になっておりますから、育児休業法はありがたいけれども、その間収入がないのは困っちゃうので何とかできないかと、率直に私のところにもいろんな御意見があることも事実でございますし、また御指摘ございましたように労働側の皆さんの御意見もある。また、こういう場でいろんな方々から何とかならないかという御意見もございます。 ただ、これはいろんな議論がございますので、私たち労働省といたしましては、まず何といってもこの育児休業制度、いよいよ法律ができて来週から始まるわけでございますので、これまでもいろんな形でセミナー、シンポジウムその他啓蒙活動をやってまいりまして普及に努めてまいりました。いよいよ実施に当たるわけでございますので、その実効を見てまずこれを定着させたい、こう考えたわけでございますが、その間の手当て、保障、そのサポートというようなことにつきましては、いろんな角度から慎重に議論をしていかなきゃならないと思っているわけであります。 先生御指摘の一兆円のファンドをつくっちゃってその上で動かしたらどうだというのも大変示唆に富む話でございますけれども、今の段階で一兆円をわきに外して固定しちゃうと、また経済がどうなるのかわかりませんし、やっぱり積立金とそれから保険料収入二対一の割合を維持しながら運営を図っていくということが現実的なことかな、こういうことであります。 いずれにいたしましても、たびたびこの場で申し上げておりますけれども、雇用保険制度というのは失業保険からスタートしていろんな発展をしてきているわけでありますので、これからの新しい雇用条件、雇用のニーズ、社会的なニーズ、経済的なニーズにどういうふうにこれを展開するかということは最大の問題でございまして、料率の改定、国庫負担金の改定ということで一応保険のやりくり、資金の運営についてはきちっとすることになりますけれども、これからのそういったいろんな問題について、審議会、雇用保険部会の答申、それからまたこういう委員会の場なりいろんな場でのいろんな御意見を踏まえながら我々としては慎重に検討して、皆さんのコンセンサスが得られればその方向に踏み出すことももちろん十分方向としては考えられるわけでございます。 ただいま申し上げることは、せっかく審議会にも問題をお願いしているわけでございますので、そういった審議会の御議論を我々も慎重に見守っているというのが現在の私たちの立場でございますから、御理解を賜ってひとつぜひまずこの法案を通していただきたい、こういうことでございますのでよろしくお願いいたします。
○委員長(向山一人君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(向山一人君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○山中郁子君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました労働保険の保険料の徴収等に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案に対して、反対の討論を行います。 本法案が労働者の保険料率を引き下げていること及び若干の給付改善を行っている点に反対するものではありませんが、我が党が本法案に反対する理由は、休職者給付に対する国庫負担を一九九二年一割、さらに当分の間としながら一九九三年以降は二割を、それぞれ削減する点にあります。 現行法は雇用保険支給額の四分の一を国庫負相としていますが、これは一九六〇年から続いてきたものです。本法案によって国庫負担を五分の一に削減するとすれば、実に三十二年ぶりの改悪であり、制度面から見れば、今回の法改正の真意が雇用保険財政に対する国庫負担を削減することにあるのは余りにも明らかであります。 国庫負担は国の社会保障に対する責任の度合いを示すものであり、その削減が国の責任を後退させるものであることを強く指摘し、若干の改善はあってもこのような制度の原則的な改悪を伴う法案には賛成し得ないことを申し上げて、反対討論といたします。
○委員長(向山一人君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 労働保険の保険料の徴収等に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(向山一人君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、細谷昭雄君から発言を求められておりますので、これを許します。細谷君。
○細谷昭雄君 私は、ただいま可決されました労働保険の保険料の徴収等に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合、参院クラブ、各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 労働保険の保険料の徴収等に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について適切な措置を講ずべきである。 一、本格的な高齢化社会の到来を迎え、高年齢者の雇用の安定及び就業機会の確保を図るため、六十歳以上への定年延長及び六十五歳までの継続雇用を強力に推進する等雇用就業対策の一層の充実強化に努めること。 二、女子労働者の就業機会を確保するとともに、その失業を予防するため、女子の再就職援助対策の拡充、パートタイム労働者対策の充実、育児休業法の円滑な施行及び介護休業制度の普及促進に努めること。 三、今後の雇用失業情勢の変化に的確に対応し得るよう、公共職業安定所における職業紹介機能及び体制の充実強化を図るとともに、就職情報誌紙等をめぐる諸問題に対応するため必要な規制を行うこと。 四、給付制限制度については、経済社会の変化及び職業選択の自由に十分配慮しつつ、雇用保険法の趣旨を踏まえ、その適切な運用に努めること。 五、小零細企業労働者及びパートタイム労働者の雇用保険への加入促進に努めること。 六、雇用保険三事業として実施している各種給付金制度については、中小零細企業における活用を促進するため、関係者に対する周知徹底及び支給手続の簡素化等に努めるとともに、職業安定機関等における指導援助を拡充強化すること。 七、雇用保険制度の見直し検討を行うに当たっては、経済社会の大きな変化に対応して、本制度が雇用に関する総合的な機能を有する制度として一層その役割を果たすことができるよう、労使の意見を十分尊重しつつ、制度全般について多角的な検討が行われるように努めること。 八、雇用保険制度の適正な運営を確保するため、国庫負担については、その必要な額の確保に努めること。 右決議する。 以上であります。
○委員長(向山一人君) ただいま細谷君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(向山一人君) 全会一致と認めます。よって、細谷君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、近藤労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。近藤労働大臣。
○国務大臣(近藤鉄雄君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、努力してまいる所存でございます。
○委員長(向山一人君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(向山一人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
○委員長(向山一人君) 次に、障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。近藤労働大臣。
○国務大臣(近藤鉄雄君) ただいま議題となりました障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 障害者の雇用対策につきましては、障害者の雇用の促進等に関する法律を中心といたしまして、鋭意その推進に努めてまいったところであります。また、本年は国連・障害者の十年の最終年に当たり、国の内外において障害者問題に関する意識の高まりがかつてないほど見られるところであります。 しかしながら、障害者の社会参加の指標とも言うべき実雇用率は、一・三二%と法定雇用率一・六%から大きく隔たっており、重度障害者を中心として雇用の立ちおくれが見られ、障害の重度化に伴う対策の強化が求められているところであります。また、昭和六十二年の改正により、障害者の雇用の促進等に関する法律は、その対象を身体障害者のみならず精神薄弱者、精神障害者等すべての障害者に拡大したところでありますが、これら精神薄弱者や精神障害者に関する施策のさらなる前進も望まれているところであります。このような状況に対する施策を含め、障害者の雇用対策は今後さらに総合的かつ計画的、段階的に進められていくことが重要であります。 これらの問題につきまして、障害者雇用審議会におきまして御議論いただきましたところ、昨年十二月に障害者雇用対策の今後の方向についての全会一致の意見書が提出されたところであります。このような状況にかんがみ、政府といたしましては同意見書に基づきこの法律案を作成し、同審議会にお諮りした上、ここに提出した次第であります。 次に、その内容の概要を御説明申し上げます。 第一に、労働大臣が障害者雇用対策基本方針を策定し、今後の障害者雇用対策の総合的かつ計画的、段階的な展開のあり方について定めるとともに、障害の種類及び程度に応じたきめ細かな対策を講じることとしております。 第二は、重度障害者の雇用対策の推進のための施策の充実であります。 すなわち、重度障害者の中には精神的・肉体的問題、通勤・通院問題等により、いわゆるフルタイムによる雇用が困難な者が多いことから、重度障害者については、短時間雇用の形態によるものであっても身体障害者雇用率制度等の対象とすることとしております。また、重度障害者の雇用の安定が図られるためには、職場において作業補助等を行う介助者の配置等障害者の障害の種類及び程度に応じた職場環境の整備が望ましいことから、身体障害者雇用納付金制度に基づく助成金の支給目的を雇用の継続にまで広げて、これらの措置に対しても支給できることとしております。 第三は、精神薄弱者、精神障害回復者等の雇用対策の充実であります。 重度精神薄弱者は、その雇用に伴う事業主の負担が相当に大きい状況にあることから、身体障害者雇用率制度等の適用に当たっては、このような負担が適正に評価され、調整されるよう、重度身体障害者と同様に取り扱うこととしております。また、精神障害回復者等の雇用についても、身体障害者雇用納付金制度に基づく助成金の支給の対象とすることとしております。 なお、この法律は、平成四年七月一日から施行することとしておりますが、身体障害者雇用率制度等に係る部分は、平成五年四月一日から施行することとしております。 以上、この法律案の提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げました。 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(向山一人君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ります。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十五分散会