予算委員会 第14号
- 発言数
- 427 件
- 登壇者
- 58 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1992/04/09
会議録
○委員長(中村太郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 この際、御報告いたします。 本委員会は、平成四年度総予算三案につきまして、内閣委員会外十五委員会にその審査を委嘱いたしておりましたが、各委員長からそれぞれ審査概要について報告書が提出されました。 つきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中村太郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 なお、これらの報告書は既に印刷して皆様のお手元に配付いたしております。 ―――――――――――――
○委員長(中村太郎君) 次に、平成四年度総予算三案の締めくくり総括質疑に関する理事会決定事項について御報告いたします。 締めくくり総括質疑は、本日一日間とすること、質疑割り当て時間の総計は百四分とし、各会派への割り当て時間は、日本社会党・護憲共同五十六分、公明党・国民会議十七分、日本共産党、連合参議院及び民社党・スポーツ・国民連合それぞれ九分、参院クラブ四分とすること、質疑順位についてはお手元に配付いたしておりますとおりとすること、以上でございます。 ただいま御報告いたしました理事会決定のとおり取り運ぶことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中村太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(中村太郎君) 平成四年度一般会計予算、平成四年度特別会計予算、平成四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 これより締めくくり総括質疑に入ります。梶原敬義君。
○梶原敬義君 最初に、ペルーのフジモリ大統領が突如憲法停止、国会を解散して非常人権を握ったと伝えられております。背景はよくわかりません、我々も。しかし、大統領による軍事クーデターとも伝えられておるところでございますが、一方では、政治的な行き詰まりを打開する非常措置だということも伝えられております。いずれにいたしましても、ペルーの民主主義の芽を摘むものではないか、こういう心配もあります。政府はどのような状況把握等されておるのか、大統領のとった行為についてどのように考えておられるのか、経済援助についてはどうするのか、お尋ねいたします。
○国務大臣(渡辺美智雄君) フジモリ大統領が、非常に国民の絶対的な支持を受けて大統領に選出され、それ以来大変涙ぐましい努力を、改革をやってまいりました。そのことは我々は高く評価をし、昨年も多額の援助を支出したわけであります。日本にもおいでになった。その成功を願っておったわけですが、突如、今おっしゃったような問題に発展したことはまことに遺憾であると言わざるを得ません。我々としては、動機がどうあろうとも、クーデターと思われるような憲法を無視するようなやり方について賛成をするというわけにはまいりません。 ただ一つ、我々が愁眉を多少開きかけているというのは、彼がどういうふうにしたらば今後のペルーの本当の再建ができるのかという青写真を示して、つまり民主主義回復のための計画というものを発表された。その点が他の軍事政権クーデターとは違うと。憲法改正のための準備をする、それから六-九カ月以内に憲法草案をつくった段階で第二回の国民投票を行う。その国民投票の結果、可能な限り早い時期に新議会結成のための選挙を行うというような、民主主義に訴えて、もう一遍民主主義の立て直しをやるんだということを言っておるし、二、三週間のうちに軟禁状態の議員等の政治家についてはこれを解除するというようなことを言っておりますので、政府といたしましては、もう少しペルーのフジモリ大統領のやり方について大きな関心を持ちながら見守っていきたいと考えております。
○政府委員(寺田輝介君) ペルーにおきます現状について若干事実関係をまず御説明させていただきたいと存じます。 これは大使館から入りました情報でございますが、現在のペルーの状況といいますのは、大統領府、国会、最高裁判所等主要政府機関が軍により包囲、警備されている、しかし市民生活は通常と変わらず平穏である。また、商店は通常どおり営業しておる。そのほかは、バス等の公共交通機関もほぼ正常に機能している。学校の方ですが、これは六日は休校でございましたが七日の朝より全国で予定どおり開校されている、こういうことでございます。 他方、ペルー市民の反応ぶりでございますが、直ちに行われました世論調査を見てみますと、八〇%の支持があるということでございます。御案内のところと思いますが、フジモリさんが大統領に選ばれたときの投票率が六十数%でございましたが、現在は、この措置をとった後が八〇%と、そういう一般庶民、一般国民の支持が見られるわけでございます。 以上が事実関係でございます。
○梶原敬義君 外務大臣、この前国会でフジモリ。さんの演説を私どもも聞いたばかりでびっくりしましたが、援助もやっておるということで、直接電話を入れて、フジモリさんびっくりしたと、どうしているのか、余りむちゃするなよというぐらいの話はされたんじゃないかと思うんですが、どうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) クーデターの中身がわかりませんからね、まだ入れておりません。
○梶原敬義君 次に移りますが、きょうの新聞で報道されておりますように、米軍機が神奈川県の大和市と横浜市の上空で八日、約一時間半にわたりましてアクロバットの飛行訓練を繰り返して、住民は恐怖におののき、小学校も一時間にわたって授業を中断したと、こういう報道がされておりますが、防衛庁、この点について報告をお願いします。
○政府委員(竹下昭君) お答えします。 六日の午後九時四十五分ごろ、米軍機かどうかはっきりしませんけれども、御殿場地域でいわゆる衝撃波によるところの事故が起きているということでございます。これにつきまして、施設庁はすぐ調査を開始しまして、今米軍の方から調査中という回答をもらっております。 七日の日に横浜局の担当部長が厚木の方に参りまして、その事実確認と遺憾の意を表明すると同時に、またきょうは本庁から横田の方に担当の調停官が参りまして、事実確認等を今行っているところでございます。事故は六日の午後九時四十五分ごろということでございます。 以上でございます。
○梶原敬義君 これはきょうの新聞です。これは八日です。(資料を示す)
○政府委員(竹下昭君) 八日の件につきましては、ちょっと私どもまだ確認しておりませんが、直ちに確認してみたいと思います。 八日の件につきましては、今確認しておりませんので確認し、それが非常に危険な飛行等でございましたら、私どもは米軍の方にその是正方等について申し入れることとしております。(「国会で聞かれなければ、それじゃ調べないんですか。冗。談じゃない。」と呼ぶ者あり)私どもは常日ごろから、こういう情報等がございましたら直ちに調べております。 ただ、きょうのこの記事につきましては、私どもまだその情報をつかんでおりませんので、きょう直ちにそれらについても確認していきたいと思っております。
○梶原敬義君 防衛庁というのはまさに国民の安全保障、今のような状況ですとちょっと困るんですがね。 今後、状況を報告していただくということと、もっと厳しい対応、小林議員もこの前からたびたびこの問題を取り上げて、それに対する答弁も本当に聞いておりまして豆腐のようなふわふわした話でしたが、こういうことを繰り返しておるんですが、防衛庁長官、しっかりしたお答えをお願いします。
○国務大臣(宮下創平君) 今、施設庁の総務部長が答弁申し上げましたとおり、この八日の件は、私も先ほどちょっと新聞等で、先生の御質問があるということで至急調査するように指示をいたしました。 もしもこの新聞に報道されておりますように、この基地め開放日のデモンストレーションの訓練飛行等で、しかも住民が極めて危険を感ずる、あるいは非常に驚きとか、あるいは子供が非常におびえたとか、いろいろの電話がかかったという記述がございますけれども、そういうような事態でございますれば、私どもの方としてこれについてよく問い合わせ、事実確認をした上で、住民にいたずらなる不安感を与えることはこれは好ましいことではございません。また、日米安保条約の建前で、私ども米軍のプレゼンスが必要だ、そして演習も必要だと認めておりまずけれども、これが国民的な理解が得られないということになりますと重要なことになってまいりますから、私といたしましても事実関係を明確にした上で対処いたしたい、こう思います。
○梶原敬義君 米軍がやれば、日本は米軍に対しては非常にこれまでずっと弱腰ですね、だれが考えても。しっかりそこは言うべきことはやっぱり言ってもらわなきゃ、果たして日本は独立国か、こういうことさえ国民は思います。いいですか。
○国務大臣(宮下創平君) まさに相互信頼がなければ有効な我が国の抑止力たり得ないわけでございますから、そういう点に重々配慮して、今後運用の適正を期してまいりたいと思います。
○梶原敬義君 次に移りますが、宮澤総理、大変お気の毒ですが、支持率がきのうの新聞調査で二二%まで落ちておりまして、不支持は四九%に達したと言われています。各社ともそういう傾向が出ておりますが、一体原因は何だと思われますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私自身にいろいろ行き届かない点が多々あることはよく反省をいたしております。 やはり、正月以来政治に暗い話が続いておりまして、それに対する国民の不信、これに対しては政治改革をもってこたえなければならないわけでございますが、そしてまた、その問題につきましては自民党もそうでございますが各党ともまた柏協議を願っておる段階でございますけれども、そういう問題。あるいはいわゆる経済でバブルと言われるものがはじけて、そしてお互い知っておりますような経済状態が続いているということについての国民の反応等々というものも底流にあるであろうと。 きちんと対応してまいらなければならないと考えております。
○梶原敬義君 新聞では、総理の指導力とか政治改革、政治倫理、そういう問題に対する評価がマイナスだというのが伝えられておりますが、私も宮澤総理待望をしておりました一人といたしまして、非常に期待が裏切られた感が強いんです。 予算委員会でずっと接しておりまして、私が感じた総理の一番問題というのは、例えば宮澤総理の派閥の前事務総長の阿部文男代議士あるいは塩崎さんや鈴木元総理、要するに派閥の一番近いところから出ているそういう問題に対して、総理がみずから反省しみずから問題を明らかにするという姿勢がどうしても感じられないんです。他人ごとのような言われ方を何度かする。それに対してどうしても、にやっと笑われた総理、朝見まして、もうなかなかこんなことも言いづらいなと思ったんですが、本当に思っていることを言わしてもらうと、そこなんですね。何か大事なことを他人ごとのように扱われておる。我々も一対一の勝負をずっとしているし、たくさんの人と会いますから、頭がいい悪いは別で、人と人が会ったときにその人の人間性とか腹とか、人を見抜く力というのはある程度あると思う。その点が感じられないんですね。その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今言われましたことは、すべて私にとりましては実は痛切に感じておる問題でございます。それは、申し上げるまでもないことでございますが、この公の場におきましてそういうお話を申し上げるときに、どうしてもやはり申し上げ方が慎重になっておるということは、あるいは私の表現力、表現の仕方に問題があるのかもしれません。 気持ちといたしましては、それらの問題は実は自分で非常に痛切に心配をしております問題でございます。
○梶原敬義君 私は、表現力とか言葉ではないと思います。もう心だと思います。一言でいい、済まない、おれは努力をすると、それでいい。それが伝わらないので、これからぜひ思い切ってそのことを、国民の前に体をさらしていただきたいと思うんです。 総理大臣とは一体何か、こう考えたら、やっぱり一国の最高の政治責任者だと私は考えます。そういう責任を負っていると思うんですね。したがって、そういう細々したことより、そこをどうするかという政治姿勢を私は求めたいんです。くどくどと申し上げますが、もう一度決意を聞かせてください。
○国務大臣(宮澤喜一君) 梶原委員とはきのうきょうのおつき合いでありませんので、いろいろおっしゃってくださることは、私、素直に受け取ることができます。自分といたしまして、いろんな場合にもう少しあけっ放しで気持ちを申し上げた方がいいということについての御指摘は素直に承ります。
○梶原敬義君 次に、総理の今度の施政方針演説の目玉は生活大国への前進、こういうことだろうと私は考えますが、以下お尋ねをします。 内政の最重要課題といたしまして、生活大国への前進を掲げられました。その実現に向けて、社会資本の整備、労働時間の短縮あるいは国土の均衡ある発展など六項目を挙げておられましたが、いろいろ読み、お聞きしても、どうしても具体的なイメージがわいてきません。国民生活がどのような状態になったときのことを生活大国と、こう言うのか。あるいはまた、どこかよその国のそういうようなモデルを想定されているのか、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 生活大国というものの具体的なあり方につきましては、過般、施政方針の演説でも六点にわたりまして申し上げたところでございます。 つまりそれは、ただいわゆるインフラストラクチャーの整備というようなことではありませんで、それも大事なことでございますけれども、その間における労働時間であるとか、あるいは高齢者等々の方の生きがいの問題であるとか、女性の社会的な活動の問題であるとか、あるいは国土の一極集中を排除するといったような問題の中から、国民一人一人が自分で責任を持って自分の価値観を持ち、そうして自分の生活設計をしていけるような、いわばそういう複数の価値観が許される、またそのことが望ましい社会を我が国は築ける。それは世界のどこの国でもそういうことができるとは私は思いませんけれども、我が国はここまで参りましたらそういうことに努めるべきだし、またそれができる国になったという、そういう気持ちでございます。 そこで、これからこれを今年からの長期経済計画に具体化をしていただくということで経済審議会が今検討しておられるわけでございますが、これを展開していくためには、確かにある程度の成長を必要といたします。そのフレームは今経済審議会で検討しておられますが、同時にまた、これは一つは国民総生産の広い意味での分配と申しますか、分け方の問題であろうというふうに考えております。 端的な例は、輸出偏重というようなことを改めなければいけない。これは、内需を強めてということは国民的なもう合意がございますけれども、そういったような各方面におけるGNPの配分の問題でもあると考えておりますので、したがいまして、一つはこれに必要な成長、一つはその成長をどのように配分するか、この二つの問題について経済審議会に御検討を願っておるところでございます。
○梶原敬義君 総理の生活大国論は、ある程度高成長といいますか、多量生産多量消費型の経済のパターンというものを一つには前提に置かれている。もう一つは、今言われますようにGNPの分配をどうするかという問題、これは今お聞きをいたしました。 ただ、もう少し先のことを考えると、二十一世紀中ごろ、例えば一つは人口の問題を申し上げますと、一九九一年の人口統計では世界は五十四億人、それから二〇〇一年では六十四億人、二〇五〇年では百億人、こういうように非常に世界人口がふえるような推計がなされております。その生活大国の前提となる世界の食糧供給、そういう食糧供給の中で日本は一体どうするのか。よそからあくまでたくさん買って、そして消費をするというのか。そういう前提となるものが一つは食糧、もう一つはエネルギーですね。 通産省お見えだと思いますが、後からお聞きしたいんですが、一体石油エネルギーはいつまで続くのか。出していただいた資料では、大体四十五年ぐらいするともう枯渇するんじゃないかというデータもいただいております。倍になっても九十年。まあ四、五十年から九十年たつと石油はほぼ枯渇するだろう、こう言われている。一体どうするのか。 この二つの前提を一体どうお考えでしょうか。
○国務大臣(田名部匡省君) 総理の前にちょっとお答えを申し上げたいと思いますが、食糧に関する限りは、狭い国土に一億二千万の人口を擁しておりますので、その一億二千万の国民が年々豊かになってまいりまして、食糧に対する消費の多様化というものが非常にここ数年で伸びました。そのために、これからの自給を確保していくということは相当の努力が要ると思います。 そこで、平成二年に閣議で御決定いただきました、二〇〇〇年を目途にカロリーベースで今の四七を五〇%に自給率を上げるということが決められております。そこで、わずか三%でありますが、この三%を上げるということは先ほど申し上げましたように大変な努力が要りますので、特に米、小麦、大豆、大家畜、こうしたものを中心に生産を拡大する、コストの低減を図るということに最大の努力をしていかなきゃならぬことと、優秀な担い手を確保いたしまして、さらにバイオテクノロジー、こういう技術を駆使してこの目標に向けて最大の努力をしていかなきゃならぬ、こう考えております。
○国務大臣(野田毅君) 今、梶原委員御指摘ございました人口の問題、食糧の問題、エネルギーの問題、それぞれ限られたこの地球社会における資源をどういうふうに世界全体の経済の発展と結びつけていくかということは非常に大事な課題であります。農業の分野につきましては、今農水大臣からおおむねお答えのあったとおりでございます。 基本的に、生活大国を目指していく上で、食糧を国民に安定供給を図るということは非常に大事な大前提であると思っております。しかし同時に、国内の農業生産あるいは農業基盤の強化という側面のみならず、少なくとも途上国における食糧問題、人口問題ということが地球レベルで考えると非常に大きな問題であります。焼き畑農業などいろんな環境との関連もございます。そういった点で、少なくとも我が国自身がみずからの国における農業生産基盤をいかに強化していくかということと同時に、そういった途上国に対する農業支援といいますか、自給体制を図られるような、環境と調和した農業生産が行われるような援助といいますか支援のあり方ということも非常に大事なテーマであると認識をいたしております。 同時に、エネルギーの問題につきましては、今御指摘のありました、いわゆる供給制約という側面ももちろんありますけれども、他方ではいわゆる地球の温暖化など、地球環境との調和というものが非常に大事な時代に入ってきております。 そういった意味で、経済審議会で今いろいろ濃密な御議論をいただいておりますけれども、地球社会と共存する生活大国というものを目指してこれをどうバランスをとっていくか、今鋭意御検討いただいている最中でございまして、委員の今御指摘のありましたそういった問題意識を十分踏まえた上で御検討いただいておるという状況にございます。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま両大臣からお答えがあったとおりでございますが、エネルギーと、それからそれとの関連で地球環境の問題が我が国の経済成長に影響を与える要因にどの程度なるかということにつきまして、たしか経済企画庁の私的な研究であったかと思いますが、二〇一〇年問題の研究というのがございまして、それによりますと、非常に注意をしながらであればある程度の成長というものは可能であるということであったかと思います。今度経済審議会が正式にこの問題を取り上げられる際に、いわば背景としてそれらの問題を十分に検討していただきまして、そうしてそのような地球の問題と両立し得る成長、両立し得る政策、生活大国はいかにあるべきかということについて検討していただくことになっておりますので、まさに梶原委員の言われましたようなことは大切な問題意識になりつつあると思います。 ただいままでの検討では、それはやりようによって可能であるというふうな方向に進んでおるとは伺っておりますけれども、なお十分そこらは経済審議会において答申の出ますまでの間に検討をし尽くしていただきたいと思っておる問題でございます。
○梶原敬義君 通産省にお尋ねしますが、石油の可採年数についてちょっと資料があれば御説明願いたいし、やはり石油に代替するエネルギーというもの、これ原子力以外、自動車とかなんか陸上を走るそういうもの、いずれにしても大事ですから、そういうものに対する予算措置とかあるいは対応は今のような状況でいいのかどうなのか。
○国務大臣(渡部恒三君) エネルギー問題、これは二つあると思いますが、一つは、資源は有限である、いずれ化石燃料は、これはいつということはなかなか難しい問題で、私が学生のころある有名な評論家に、あと三十年たつと石油はなくなると教えられて、それから二十年たって通産省の政務次官になってその評論家の講演を受けたら、またあと三十年たつと石油はなくなるという話もありましたが、しかし、いずれにしてもこれは有限なものでありますから枯渇していくことは間違いないので、今四十五年とか四十六年とかいろんな数字が出ておりますけれども、これは大事に人類のために使っていかなければなりません。 一万もう一つは、今日地球的な規模での環境問題ということで、今委員が御指摘のようにこれから人口がどんどんふえていく、そして開発途上国の皆さん方の経済生活が進歩すればそれだけエネルギーの消費がふえていくわけで、これが化石燃料に大きく依存することになれば地球規模での環境問題が大きな心配になってまいります。こういうことから、政府としては、石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律に基づいて石油代替エネルギーの開発導入に積極的に努めております。 こうした政策対応と民間の努力が相まって、我が国の石油依存度は一九七九年度の七一・五%から一九九〇年度には五八・三%に低下してまいりました。さらに、九〇年十月に代エネ法に基づき閣議決定された石油代替エネルギーの供給目標においては、官民を挙げての最大限の努力を前提に、我が国の石油依存度を二〇一〇年には四五・三%にまで低下させることとしており、今後とも本目標を達成するために原子力、新エネルギーなどを初めとする石油代替エネルギーの開発導入に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
○梶原敬義君 通産省の方で、今大分出ましたから、権威ある数字を発表してください。
○政府委員(川田洋輝君) 石油の可採年数につきましての詳細な数字を御説明させていただきたいと存じます。 石油の現在確認されております可採埋蔵量、九一年一月末の数字でございますが、九千九百九十一億バレルと相なっております。九〇年度の年生産は二百二十一億バレルでございますので、RPと申しまして確認可採埋蔵量と年生産量の比率でございますが、これは四十五年ということに相なっております。
○梶原敬義君 いずれ、今生まれた子が五、六十歳になったら、まだまだあるとしても底が相当見えできますから、やっぱり石油にかわる代替エネルギー等の研究というのは日本だけの問題じゃない、世界のためにももっと真剣に考える必要があるのではないか、そのことを申したいのであります。 次に具体的に、総理の施政方針演説の生活大国の第一項に、「住宅や生活関連を中心とする社会資本の整備により、環境保全も図られ、快適で安。全な質の高い生活環境をはぐくむ社会であります。」、こう言っておられます。住宅で国民は大変苦労しておりますが、一体どのくらいの住宅費で、あるいは質はどういうものであれば生活大国と、こういうことが言えるのかどうなのか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは詳しくは所管大臣あるいは政府委員からお答えを願いたいと思っておりますけれども、今私が経済審議会にお願いをいたしておりますのは、どうでしょうか、年所得にすれば五年分ぐらいで自分の住宅が持てると、それもそれで満足とは申しませんが、今の目標としてそのぐらいなところまでは考えられないだろうかということを実はお願いをしているところでございまして、うまく整合してそういう数字が出るかどうかということを各省庁とも検討してもらっておるところでございます。それは自分の家を持つということについてでございますけれども、それに従いましてその内容、質の問題、環境の問題も一緒に考えていかなければならないと思っております。
○政府委員(立石真君) まず、住宅の質についてでございますが、第六期の住宅建設五カ年計画におきましては、二〇〇〇年、あと十年後の平均的な住宅の規模につきまして、現在は九十平米程度でございますが、それを平均百平方メートルぐらいのところまで平均値を高めたいということで、規模の拡大を含めまして良質な住宅ストックと良好な住環境の整備を行う必要があろうかと考えております。 ただ、この場合に地域によっていろいろ差があるということでございますが、大都市地域では最近の地価高騰によりまして、中堅勤労者が新たに住宅を取得することはかなり難しい状況になっているわけでございます。その面では、今総理の御答弁ございましたけれども、例えばどの程度の住宅が取得できればいいだろうかということも考えているところでございます。 これにつきましては、勤労者世帯の住居費負担についての住宅宅地審議会の答申があるところでございますが、家族の構成とかあるいは住宅の水準等によりまして一概には言えないんですけれども、標準的な世帯の住宅ローンの支払いの限度額は、世帯収入のおおむね二五%程度に抑えたいということを答申いただいております。そこで、この限度いっぱいまで住宅金融公庫の融資や民間の住宅ローンを借りるということにいたしますと、中堅勤労者が住宅取得に当たって資金調達可能額を試算するわけでございますが、現在の金利水準等を前提といたしますと大体計算の結果では年収の五・五倍、およそ五倍程度になるところが一つの限度かというのが現在の状況でございます。
○梶原敬義君 景気の調整弁に住宅が今までずっとなっているんです、結果的にはこれはよくないと私もかねがね言っておるんですが、それが一つと、それから社会主義の国に行きますと、前の社会主義の国は給料の一割が住宅費でしたね、大体ずっと。だから二五%というのは大変ではないでしょうか。 次に移りますが、生活環境の中で一番大事な下水道。下水道の現状、普及状況、それから将来一体どうなるのか、その点についてお尋ねします。
○政府委員(市川一朗君) まず、下水道の普及状況でございますが、平成二年度現在で全国平均四四%でございます。これは市や大都市があるところその他いろいろ事情が違いますので、都道府県によって普及状況はいろいろ違うわけでございますが、全国平均は四四%でございます。ちなみに、梶原先生の地元の大分県の場合は二〇%でございまして、全国第三十三位でございます。 私どもといたしましては重点的に取り組んでおるところでございますが、長期的な目標値といたしまして、西暦二〇〇〇年の公共投資基本計画におきまして、おおむね普及率は七割程度にしたいということを目標に掲げてございます。この七割の持つ意味でございますが、全国の市街化区域の人口は六四%ぐらいでございまして、おおむね七割といいますと、市街化区域の下水道整備は概成し、市街化区域以外でもかなりの整備が進むというふうに見ておるわけでございます。 これを諸外国と比較してみますと、いわゆる欧。米先進国は大体六五%から九〇%台の中に入るわけでございますが、現在ではフランスが六四%でございます。アメリカが七三%。したがいまして、現在のフランスの水準には十分追いつくレベルかなと思っておりますが、高いところでは西ドイツが九一%、イギリスが九五%でございますので、私どもただいま持っております十年後の目標といたしましてはまだまだ及ばない部分もあるわけでございます。こういった目標を持って頑張っておるところでございます。
○梶原敬義君 私の地元のことも言われましたが、現在四四%と言いますが、いただきました資料によりますと、平成二年度で和歌山は四%、徳島九、三重県が九、島根県が一〇、高知一〇、佐賀二、秋田一四、岩手一七、そういうように非常に低いところがある。高いところでは東京の八八。だから、これが全体を引き上げているんですね。ですから、七〇%といっても高いところが全体を引き上げる。今言ったようなところがごろごろ下に並んじゃこれはまずいうまくいきますか、そういう点は。
○政府委員(市川一朗君) ただいま御指摘のとおりの部分があるわけでございまして、大体政令指定都市におきます現在の普及率は、高いところで一〇〇%に近いところを初めといたしまして、おおむね八〇%から九〇%台になっておるわけでございまして、私どもただいま申し上げました全国平均の数字の中で最も肝要なものは、人口規模の小さな市町村の下水道の普及率が肝要であると思っております。 特に、人口五万人未満の市町村の中で約千九百の市町村がまだ下水道未着手でございますので、この下水道着手につきまして私どもがいろんな面で御支援申し上げ、御協力を申し上げることによりまして、これらの市町村、なかんずく町村におきます下水道整備が現実に事業に着手され、それから着々と整備が上がってくるということが極めて肝要であると考えております。 現在進めております第七次五カ年計画、それから先ほど申し上げました十年間の公共投資基本計画の最大のテーマといたしまして、こういった中小市町村における下水道の着手及び整備の推進ということに全力を傾けておるところでございまして、こういったことによりまして先生の方から御指摘ございました地方の方はうまくいくのかといった問題につきましても、何とかひとつ実効性のあるものにしてまいりたい、またできると思っておる次第でございます。
○梶原敬義君 とにかく頑張ってください。 次に、生活環境の中で特に交通体系の整備、四全総で打ち出されております一日交通圏構想、これはいつ完成をするのか、これが第一点。第二点といたしましては、国民の負担が非常に高い。航空運賃にしてもJRの運賃にしても、あるいは高速道路を通りましたら必ず通行料を何カ所も払う。この点について、生活大国の交通体系のあり方というのは一体どういうことなのか。
○政府委員(田中章介君) まず最初の方の一日交通圏がいつ実現するかという点についてお答え申し上げます。 四全総では、多極分散型国土形成のために特に高速交通体系を整備し、そしてその中で一日交通圏、これは片道三時間で可能なそういう地域を拡大するという点で推進しているわけでございます。 具体的には、特に高速交通道路ということで高規格幹線道路網の整備が一番重要でありまして、全体計画では一万四千キロということで、これは二〇〇〇年を超えて整備しなければいけないわけですが、現在既に五千五百三十キロメートルが供用されております。また、高速鉄道につきましては、御承知のように、整備五新幹線のうち平成三年におきまして東北あるいは九州、北陸、これは既に着工が進められておりますし、また空港に関しましても、特に第六次空港整備五カ年計画に基づきまして東京国際空港の沖合展開等、こういうことで実現に向けて鋭意進めているところでございます。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今、政府委員から説明を申し上げましたような、これは四全総の考え方でございますけれども、今度の経済企画庁の経済審議会でお願いをしておりますのも四全総をベースにいたしまして、一日交通圏というものをできるだけひとつ広げ整備していこうということで、今鋭意その関係の方々にその話を詰めていただいておるところでございます。
○梶原敬義君 次に、財源の問題に入りたいと思うんですが、生活大国という言葉が踊りまして姿がなかなか見えない。しかし、やるとすれば社会資本の整備、この四百三十兆円の公約はやらなきゃならぬ。一体公共投資の財源については、大蔵大臣、どういうめどをつけておられるのか、お伺いします。
○国務大臣(羽田孜君) 公共事業、これを推進していくに当たりましては、国がやるものあるいは公共機関がやるもの、また地方で担当するもの、そういったものがそれぞれあるわけでございますけれども、私どもといたしましては、この財源は、やっぱりそのときどきの経済の動きがありますので、税収が大変高く伸びるときもありますし、あるいはそれが厳しいときには国債等を発行しながらこれに対して対応してきております。また、あるときには、これはどうしてもやむを得ぬ場合には税収をふやすために御理解をいただく場合もあろうと思っておりますけれども、いずれにいたしましても、そのときどきの経済情勢、そういったものに応じながら対応していかなければいけないと思っております。 しかし、いずれにいたしましても、公共事業について生活関連を中心にしながらこれから進めていこう、例の四百三十兆の一つの目標もあるわけでございますから、そういったものを着実に進めてまいりたい、かように考えております。
○梶原敬義君 もう少しわかりにくいんですが、ODAとか高齢化社会への対応とかで資金需要はどんどんさらに要る、バブルははじけて税収は落ちる、NTTの株はもう売れない、こういう状況ですね。したがって、これは増税でやるのかあるいは建設国債が、そういう国債で賄うのか、それしかないんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) 今御指摘がありましたように、単に公共事業ということだけではなくて、これからの要請というものは国際社会に対する貢献、役割の分担ということが非常に強く望まれるときであろうと思っております。そして、私どもはこういったものに対応するために今までもいろんな苦労をしてまいりました。まずは制度の見直しですとかあるいは歳出の削減、こういったものをあれしながらこれから望まれる生活大国にするためのいろんな投資ですとかあるいは国際貢献に資するものということをやってまいりますけれども、これにもやっぱりおのずと限界があろうと思っております。 そういう中で、今度は特例公債だけは発行してはならぬということを基本に置きながら、建設国債を相当大きく発行させていただきましてこれに対応してきたところでございます。しかし、税というお話も今あったわけでありますけれども、これは一体どういうサービスを国民が要求するか、それに対して国民は一体どういう負担をしていくかという選択の問題であろうと思っております。 しかし、まず第一義的に私たちが考えなきゃならぬことは、やっぱり歳出というものについて常々見直していくことが一番基本にあろうというふうに考えております。
○梶原敬義君 平成七年度を目途に国債依存度を五%以下に引き下げるという再建目標がありますね、財政の。そして、そうする場合に建設国債発行額を毎年度一兆一千五百億円ずつ減額していくという方針がある。これはもう明らかに破綻をしたということですね。
○国務大臣(羽田孜君) 御指摘がございましたように、平成七年度を目途にいたしまして達成を五%にするということでありますけれども、この財。政の中期展望におきましては、平成七年度において公債依存度が五%を下回る水準を仮置きいたしまして公債金収入を機械的に減額していくということでございまして、私どもは今後とも中期的財政運営の新努力目標に沿いまして公債発行額をできる限りやっぱり圧縮するために、先ほど来申し上げておりますように、制度の見直し、施策の見直し、こういったものを進めていこうということでございます。 経済というものは、私どものつい最近を振り返りましても、大変大きく経済が伸びできますと税収というものも非常に大きく伸びてくるということがございます。そういうそのときどきの動きを見ながら対応していくということでありますから、今もう破綻したんだなというその御指摘はあそうでございますということではなくて、私どもはきちんとした税収というものを確保するために努力すると同時に、やっぱり歳出等の削減というものを図りながらこの中期展望というものを何とかひとつ達成するようにこれからも努力を続けていきたいということを申し上げたいと思います。
○梶原敬義君 そこはそうだと思いますが、私ども仮に建設国債で四百三十兆円の公共事業を賄っていく、こういうことで試算をしてみましたら、平成九年度には今の百七十四兆円の赤字公債が二百兆円、そして十二年度には二百二十兆円から二百三十兆円ぐらいの規模に膨らむ。政府は、赤字財政からの脱却、こう言いながら、しかし姿はそういう形になるんではないかと危惧するんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) 数字をただこうやって追いかけていきますと、そういう言い方といいますか考え方というものもできると思っておりますけれども、しかし我々といたしましては、こういったものに対応するためには当然いわゆる税収による歳入というものが基本になりましょう。そして、不足するものにつきましては国債を発行していくというような対応を今までもしておるわけでありますけれども、それと同時に財投計画なんというものも立てながらこの公共事業の四百三十兆というものは達成しましょうという、中にはそういうものも実はあるということでございます。 私どもといたしまして、やはり厳しい状況でありますけれども、この目標というもの、両方の目標を達成するためにいろんな努力をしていかなければいけないであろうというふうに考えます。
○梶原敬義君 ここはそうは言ってもなかなか国民はだませないと思うんですね。 総理の生活大国づくりをやると言われているその方針を掲げて進む以上は、やっぱり総理は総理なりに頭に財源対策というのがあるんだろう、したがって六項目掲げたんだと思うんですが、総理のお考え、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今、税収の削減補正などをしておる、こういう経済情勢でございますので、梶原委員がそういうことを心配してくださることは私はよく理解ができるところでございますけれども、先ほど羽田大蔵大臣が言われましたように、戦後四十年と申しませんまでも、やはり経済というのはかなり運営によっていろいろ違ってくるものでございますのでございますから、私は日本の先行きの経済運営というものを決しで悲観しておりませんで、今こういうところにおりますからなかなか明るい話というのはそうかなと思っていただきにくいとしても、しかし数年前にはそういうことがあったし、またこれだけの力のある経済でございますから私はやっていけるんだというふうに基本的には考えております。 また、四百三十兆もそういう想定のもとにつくられておりますし、この平成四年度というのは御承知のように非常に財政的には苦しい年でございますけれども、四百三十兆の割りがけられました年率だけはちゃんと達成ができるような予算になっております。こういう苦しいときでもそうなっておりますので、私は日本経済の将来を考えますとそれはそんなに難しいことを言う話ではないと考えておりますが、これはいずれにしても長期計画のフレームで出てくるところでございます。 恐らく梶原委員の御心配なことは、それは私も問題だと思うのでございますけれども、いわゆる国民負担というものを将来どの辺のところに置くかということであろうと思います。これは大蔵大臣の言われましたように高負担高福祉、あるいはそんなに高い負担はできないとなれば、中負担中福祉とでも申すんでしょうか、公的な立場のものは。かつて何度も行革等々で議論されましたように、やっぱり私は五〇%を超えるということにはいろいろ問題があるんではないかと考えております。 西欧の国々にはそれを随分超えておる国もございます。ございますが、さあ国民負担が税と社会保障と合わせて五〇%を超えるということに我が国の国民がそれを受け入れる気持ちであるのか。やはりそれを超えるということになれば市場経済としてはいろいろ問題があると考えていくようになるのかというのは、私は五〇%がその分かれ道であろうかなと。できるならばそこへ行かないところでとめておくことが私はいいのではないかと思っておるわけでございますけれども、その辺のこともこの五カ年計画を経済審議会が議論されるときにやっぱりフレームとして、御指摘のように、一番大事な問題になるんではないかと思います。
○梶原敬義君 総理はかねがね経済見通しで楽観主義者だ、こう言われておりました。大体高い成長にある程度自信を持っておられるようですが、前提に私はエネルギーや食糧の問題も、言いましたように、あると思います。いずれにしても、国民に負担を強いる場合にはやっぱり政治に信頼がないと、あるいは利権に結びつく、あるいはだれかがいいことをする、そういうような今の政治のあり方で国民は負担するわけないですから、その点はしかと受けとめていただきたいと思います。 次に、労働時間の問題が第二項に掲げられておりますが、随分時間をとりましたので、労働時間の問題や通勤時間の問題については後で久保委員の方から質問があると思いますので、割愛をいたします。いずれにしても、竹下内閣のときに労働時間を千八百時間に短縮すると言いながらそれはできなかった。今度、時短促進法をつくってやる、こう言っておるが、なかなかそううまくいくのか。特に中小の零細企業の場合というのは非常に経営環境も厳しいから簡単にはいかない。そういうものを指導するときに、ただ政府があくまで脇役だと行司みたいな話ではこれはいかない。だからそこのところは、労働時間を短縮するにしても、第三者じゃなくて三者のうちの一人としてしっかり腰を入れて取り組んでいただきたいと思うんですが、その点はどうでしょうか。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 先生御指摘のとおり、千八百時間の目標は今年度中には達成が難しい状況でございますが、しかし現実に六十二年に労働基準法の改正がございまして以来、労働時間は短縮をしております。ただ、依然として完全週休二日制を中小企業においてやられていないとか、それから年次有給休暇もされていないとか、さらにはいわゆる残業、所定外労働時間が減っていない。ただ、この所定外労働時間は最近の経済情勢の中で現実に減りつつあるわけでありますので、こういった方向をさらに強力に推進してまいりたい。 そこで、先生御指摘ございましたように、時短促進法を今国会に提出させていただいて、御審議をいただいて成立させていただきたいと思っているわけでございますが、この中で特に大事なのがおっしゃるように中小企業でございますから、中小企業の方々が具体的に時短ができるように、一つは地域的な横並びの問題がございますれば業種的な問題もございますから、そういったことに対して政府は強力に御指導申し上げる、また御援助申し上げる。 そして、時短を推進するために必要な設備投資を行う場合には、今度の緊急経済対策の中でも取り上げてございますけれども、積極的な低利融資を推し進めさせていただいて、具体的に時短が進められるようなそういう経営体制、産業構造の実現を図る、そういった条件整備を私ども積極的にやらせていただきたいと思っているわけでございます。
○梶原敬義君 ぜひ頑張ってください。 それでは次に、短時間雇用者いわゆるパートタイマーについてお伺いしますが、我が党も、公明党・国民会議、民社党及び進歩民主連合の皆さんと一緒に、短時間労働者の通常の労働者との均等待遇及び適正な就業条件の確保に関する法律案、いわゆるパート労働法を衆議院に提出いたしましたのは御存じのとおりでございます。 そこでお伺いしますが、一つは短時間雇用者の数、全雇用者に占める割合をお伺いいたします。
○政府委員(松原亘子君) お答え申し上げます。 パートタイム労働者は、総務庁の労働力調査で、週間就業時間が三十五時間未満の非農林の短時間労働者でございますが、それを見ますと平成三年で八百二万人というふうになっておりまして、雇用者総数の一六・三%を占めているところでございます。
○梶原敬義君 この間の要するに雇用者全体の増加率、この間というか昭和五十年、私の数字では三百五十三万人、平成二年が七百二十二万人、非常にふえておりますが、増加率は普通の労働者の場合三三・五%、短時間雇用者は一〇四・五%、非常にふえております。 そこで、パート労働者の男女別、年齢別の雇用者の状況をお知らせください。
○政府委員(松原亘子君) お答えいたします。 ただいま申し上げました八百二万人のうち、男子が二百五十二万で三一・四%、女子が五百五十万で六八・六%というふうになっております。 年齢別構成は、実はこの八百二万人についてはちょっと出ませんので別の調査から見てまいりますと、平成二年についての調査でございますけれども、例えば四十歳から四十四歳が一六・三%、四十五から四十九歳が二二・八%、三十五から三十九歳が一一・八%というように、こういった中年層といいますか、こういう方の占める割合が高いわけでございますけれども、それ以外でも例えば二十四歳以下の若年層が一五・五%、六十歳以上の高年齢層が一〇・九%ということで、各年齢に幅広く分布しているという実態でございます。
○梶原敬義君 しかも、このパートタイム労働者というのは、事業所の中では基幹的な恒常的な労働者と化しているという面が一方では出ております。一方では、労働条件が非常に劣悪である。そういう面につきまして政府としてはどのように認識をされておられるのでしょうか。
○国務大臣(近藤鉄雄君) パート労働というのは、ただいま局長から御説明いたしましたように、婦人の方々、家庭の主婦を中心として家計補助的な労働、所得の収入源として最近増加しておりますが、同時にこれはそういうパート労働者、労働供給の側だけじゃなしに、やっぱり需要の側でも最近の人手不足に対応しながら、また同時に雇用主としては比較的短時間でしかも必要な時間にそういったパート労働を確保できる、こういった労働者の供給の側とそれから利用の側と両方のニーズがマッチして、お話がございましたように、伸び率はむしろ最近高いわけでございます。 そういったパート労働というものがこれから重要な役割を持ってくるという、そういった社会的な環境の中でパート労働者がいわゆる通常の労働者と同じようなというか、それに準ずる所得水準また雇用条件、そういったものを確保してもらえるように、労働省といたしましても例えばパート労働指針といったものを策定いたしまして、これを各県の婦人少年室を通じて関係者に広くPRするし、また必要な指導もやっているわけでございます。 ただ先生、たまたま家計の補助的な労働として始まったパートでございますけれども、最近例えば高年齢者の方々がむしろフルタイムじゃなしに、御年配でございますから、ある程度限られた時間で積極的にお仕事をしていただくという形の新しい形態でもあれば、また学生もある意味ではパート労働者ですね、こういった形の若年労働力の供給というのが今後私は社会的にもっともっと大きくなってくる。そういたしますと、単に家計補助的な女子労働ということじゃなしに、もっと全体的な新しい雇用形態として積極的に取り組んでいく必要がある。 こういうことでございますので、労働省としても、ただいま答弁いたしました松原婦人局長を中心にパート労働研究会を早々に発足させ。でこれに総合的に取り組んでまいる所存でございます。
○梶原敬義君 婦人少年室を通じて各県で指導をされるということで、今高齢者の問題や大学生の問題が出ましたが、その点はいかがでしょうか。 それからもう一つ、パートタイム労働者の労働条件改善に向けての国際的な動向はどのようになっておるのか。 なお、高齢者の問題につきましては、後ほど時間があれば少し触れていきたいと思います。
○国務大臣(近藤鉄雄君) パート労働というのは、先ほど申しましたように、いろんな形で出てまいりますから、したがってこれは婦人局の問題じゃなしに、例えば能力開発は能開局であり、職業紹介は職業安定局であり、そして労働条件は基準局と、こういうことでございますが、さしあたって女性のパート労働という形でそのことが始まってございますので、一応婦人局を中心にしてというか局長を中心として、そして関係局のそれぞれのしかるべき責任者に集まってもらってこれに対して総合的な取り組みをしていく、こういうことでございます。 ILOの問題につきましては私よくわかりませんので、婦人局長に答弁をさせていただきます。
○政府委員(松原亘子君) お答え申し上げます。 パートタイム労働をめぐる国際的な動向でございますけれども、日本のみならず各国でも非常にパートタイム労働者がふえており、かつ社会の中の中核的な労働力としてだんだん育っているというような面もあるわけでございます。そういったことから、一つは、ILOにおきまして来年の議題にこのパートタイム労働者の問題を取り上げるというふうに決まったということが一つございます。 それから、既に過去にできたものでございますけれども、ILOの百六十五号勧告というのがございまして、これは家族的責任を持つ労働者についての就業条件の整備等についての勧告でございます。条約に付随した勧告でございますが、その中でパートタイム労働者について若干触れておりまして、一つは、パートタイム労働者の保護をするためにこういった形態の就業が行われる条件を適切に規制し監督すべきであるといったようなことですとか、雇用条件は可能な限りフルタイム労働者と同等であるべきであるといったようなことが中に盛り込まれております。 なお、ECにおきましても、ECの理事会指令ということでパートタイムについて何か出したいということで、一九九〇年にとりあえずの案が委員会から理事会に提出されたというふうに聞いておりますけれども、これにつきましてはその後そんなに審議が進んでおらず、まだ決定されていないといったようなことを把握しているところでございます。
○梶原敬義君 労働大臣と総理大臣にお尋ねし要請をしたいんですが、日本のパートタイム労働者、パートタイマーというのは景気調節弁、あるいは企業の情勢によって絶えず整理の対象に最初になるわけですね。いわば日本の暗い部分だと思うんです。 この点もう少し、今もう私も時間ありませんから非常に飛び飛びになりましたが、局長からもお話ありました世界の動向もあるし、何とか普通の労働者との均衡のとれた労働条件を維持できるようなそういう法律を、今野党でも出しておりますが、これに対して賛成をするか、できなきゃ労働省でやるというのか、この点の決意を聞いて、総理には、こういう暗い部分、悪い部分は見ないでいいところばかり見るというんじゃなくて、そういうところをしっかりやるというような決意をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 先ほどから申し上げておりますように、これからの我が国の労働力の供給の中でパート労働力というのが大変大きな役割を示してまいりますし、また同時に御年配の方々が生きがいを求めてお仕事をずっと続けていただくためにも、これは新しい形態であれば、また着手労働力は学生アルバイトという形で提供する場合にもこれも大事なことである。ですから、このパート労働については、先ほど申しましたように、我々として本格的に研究をしてまいって、またいろんな関係の審議会、調査会等でも御議論いただきたいと、こう思っているわけでございます。 野党の先生方のパート労働法につきましても私ども勉強させていただいておりますし、いろいろ示唆に富む御指摘がございますのでこれも参考にさせていただきますが、ただ同時に、いわゆる常用労働とそれから時間を限っての労働というのはそれなりに扱い方についても違いがあってもしかるべきという面もあるわけでございますので、そういう具体的な労働の形態のそれぞれの遣いに応じての対応はまたそれぞれ考えていく。ただ、賃金だとか有給休暇だとかそれから雇用保険だとか、そういったことについてはまたできるだけ右へ倣えを考えながら、しかし雇用形態の異なるものについてはそれなりの配慮はさせなきゃならない、こう思っているわけでございます。
○国務大臣(宮澤喜一君) パートタイムで働くチャンスが生まれているということ自身は決して悪いことではないのですけれども、梶原委員の言われますように、それが常用と比べて暗い、こう言っておられるのだと思います。 ですからそういうことは、今労働大臣の言われましたように、おのずから差はあるであろうけれども、しかしパートタイムであるから労働条件がよくなくていいと、そういうふうに考えてはならないものであると思います。暗いとおっしゃいます意味がいろいろ改善の余地がある、こういうふうにおっしゃるものとして、私どもはそれもそう思います。 各党で共同提案になっておられます法案につきましては、労働大臣もよく勉強をしたいと言っておられまして、政府としてもそう考えております。
○梶原敬義君 もう先に行きますが、私の方から、法制化については宮澤総理、労働大臣とよく相談されて、そういう国際的な環境に来ていると思うので、ぜひやっていただくようによろしくお願いします。 〔委員長退席、理事井上吉夫君着席〕 関連しまして、私はこの前、地元に帰っておりましてあるバスの労働者何人かとお話しておりまして、年金生活に入ったと。今度どこか就職しようと思って行ったら、年金二十万ぐらいもらうんだそうですが、カットされるんですね。これは在職老齢年金制度でカットされるのですが、ばからしいのでパートでやる。これから労働力が非常に不足する中でもったいない話なんですね。 在職老齢年金制度について、厚生省の方でまず説明をしてください。
○政府委員(加藤栄一君) 在職老齢年金は厚生年金保険の中の給付の一形態でございます。厚生年金保険は長期の被用者の方のための保険でございますので常用の方を対象とするわけでございますけれども、六十歳から六十四歳までの方でございまして、第二の就職口等に就職されまして賃金が比較的少ない方におかれましては、本来は厚生年金は完全に退職された方に差し上げるわけでございますけれども、在職中でありましても、六十から六十四歳までの方で賃金物一定以下の方には退職すれば得られる年金額の一定割合のものを上積みとして支給する、こういう考え方をとっております。 したがいまして、御本人の報酬月額に応じまして現在では七段階に分けまして、本人が完全に退職された後の年金額の八割から二割の額を差し上げる、こういうことにしております。もちろん、この間御本人の方は厚生年金の被保険者として継続されておりますので、完全に退職されますとその間の計算で完全退職後の年金額はより高い年金額が期待できる、こういう利点もございます。 以上でございます。
○梶原敬義君 九万円で働いても十五万円で働いても二十二万円で働いても、二十万円の年金生活者は、月の話ですが、年金と働いた報酬、対価とは合計するとそう変わらないんです。 では、その三つに分けて具体的に説明してください。
○政府委員(加藤栄一君) 具体的な事例につきまして、例えば完全に退職されますと月額二十万もらわれる方につきまして、 〔理事井上吉夫君退席、委員長着席〕 賃金が月額例えば九万円の方でございますと、二十万の年金額の八割を差し上げるということになりますので十六万の年金。九万円の賃金に対して十六万の年金で二十五万円。それから十五万円もしお働きになるといたしますと、五割の年金ということになりますので十万円の年金ということでございますので、これは二十五万円。また、二十二万円もし働いて報酬を得られるということになりますと、これは最高のランクでございますので、年金の方は二割差し上げるということになりまして四万円差し上げる。こうしますと、働いて得たお金と年金額との合計がこれは二十六万円、こういう計算になります。
○梶原敬義君 これは労働委員会でも議論されていると思うんですが、こんなばかなことはないんです。九万円仕事した人も十五万円した人も二十二万円した人も、在職老齢年金のもとではもう所得一緒ですね。それはそれなりに年金を守るという哲学があるのかもしれないけれども、普通の人はどうしても納得できないんです。これをパートでやるような形、もったいないです。この点、いかがですか。
○国務大臣(山下徳夫君) 政府委員から御説明申し上げましたとおり、老齢厚生年金というのは老齢で退職した方に差し上げるのがこれ原則でございまして……
○梶原敬義君 掛金を掛けているんだ、みんなずっと。
○国務大臣(山下徳夫君) それはそうでございますが、所得保障を行うのを基本としておりますから、在職中の方にも賃金が一定以下の方にこれを差し上げる、一定以下の方に幾らか差し上げようという趣旨でございます。したがいまして、賃金額に応じて年金額の一定割合を支給することになっております。この制度、今の制度が完全無欠であるかというと、私どもいろいろまだ考えていかなきゃならぬ点はあるかもしれません。したがって、改善の余地がないとは申しませんが、趣旨だけはそういうことであるということをまず御理解いただきたいと思います。
○梶原敬義君 大臣、今言ったように、九万で働いても十五万で働いても二十二万で働いても手取りは一緒なんです、結局。そう言っているんです、皆さんは。そういう人があなたのその話を聞いて、今のような答弁でみんな納得するか。どうですか。何も貴重な時間そういう議論をするつもりないです。
○国務大臣(山下徳夫君) 年金の性格について申し上げたとおりであり、そして今申し上げたように、この仕組みが完全であるかどうかということについては私ども検討の余地があるということで、今後検討してまいりたいということを重ねて申し上げておきます。
○梶原敬義君 総理、ちょっと感想を聞かせてください。
○国務大臣(宮澤喜一君) その面だけ見ましたら梶原委員のおっしゃるようになりますけれども、もししかしそれを削減しないで全部支給するということになりましたら年金経済の計算は違ってまいります。それはほかの受給者の負担において行われるということになるわけでございますね。 ですから、その面だけ見ればいかにもそうでございますけれども、それを全部削減なしにそのまま差し上げるとすれば年金経済そのものもやっぱり変えなきゃならぬということではないかと思います。
○梶原敬義君 だから、いい方法を、合算して税金をかけたりあるいは社会保険料をとったり何かそういう方法をして、そういう矛盾が現にあるんですから、解決をするようにしていただきたいんです、いい方法をね。
○国務大臣(宮澤喜一君) それだけ保険料が高くなる、だれかの負担において行われるということは、これはもうお互い理解の上のこととしまして何か考えられるということ、それは厚生大臣も考えてみると言っておられますので研究の余地はあろうかと思いますが、それはその面だけでは問題が片づかないということも御理解いただきたいと思います。
○梶原敬義君 それはもう重々承知の上で、しかし先ほど言いましたように、九万働いても十五万働いても二十二万働いてもその人にとって手取りは一緒だというのは、これはどうしても矛盾だと思うんですよ、大変な。そこを言っているわけですから、よろしくお願いします。 次に、総理が五番目に掲げております国土の均衡ある発展云々というところで、もう随分時間がなくなりましたが、一つは過疎過密の状況ですが、国土庁、過疎の調査、三月三十日で過疎の指定市町村、ちょっとふえましたが、その状況をお知らせください。
○政府委員(小島重喜君) お答え申し上げます。 この四月一日付をもちまして新たに三十四の市町村を過疎団体に指定いたしました。その理由は、新しい過疎法に基づきまして指定の要件として老齢人口比率あるいは十五歳から三十歳までの人の比率が一定の基準を超えるあるいは以下という場合にはこれを過疎団体とすると、そういうことで、今回主としてそういう理由で三十四の市町村が新たに追加指定されたわけでございます。
○梶原敬義君 ワーストテンを述べてください。
○政府委員(小島重喜君) ワーストテンという言い方かどうかは別でございますが、全国の各都道府県の中の全市町村のうちでの過疎団体が占めます割合上位十県を申し上げたいと思います。 先生の地元の大分県でございますが、七七・六%の市町村がそうなっております。それから鹿児島県が七五%、北海道が六九・三%、島根が六四・四%、高知が六二・三%、愛媛が六一・四%、広島が六〇・五%、徳島が五八%、それから熊本五七・四%、長崎五四・四%ということで、申四国、九州という方に大変多いというのが特徴でございます。
○梶原敬義君 私のところも知事が一村一品とか一生懸命頑張っておりますが、どうしようもならぬのですね。 大分県の場合、高齢化率二〇%以上の市町村が五十八市町村のうちに三十三あるんですね。それから要するに六十五歳以上が二五%を超えるのが五十八のうち七、一番高い大田村というところは三〇・二、要するに十人のうち三人は六十五歳を超えているということ、そういうところがあるんです。もうどうしようもない。どうしてかというと、これは後継者がそこに育たない。なぜ育たないかというと、そこでは食えないから育たないわけです。もうこういう状態はこれは大分県だけじゃない、今ざっと出ましたが、どんどん進行している。一方では東京、首都圏に人がどんどん集まっている。 総理大臣、一極集中を排除して均衡ある国土をつくるというのは、あなたどういうことをなさろうとしているのか、総理の見解を。
○国務大臣(宮澤喜一君) それはやはり基本的に申しますならば、特定地域へのいろいろな偏りが起こらないということ、そして地域の多様性と個性が生かされる状況がある、その中で国土全体がバランスがとれているということでございますが、こうお答えすることはそれは易しゅうございますけれども、実際にその中で過疎というものが起こっていて、そして今のように老齢化が進行していく、あるいは交通等々の事情が非常に悪いということがございますから、そういう過疎の問題はやはり過疎の問題として特別措置法等で救済をしていく、対応していくということにしなければならないのではないかと思います。
○梶原敬義君 東京を一体どうするかという問題は後に譲るといたしまして、地方の問題は確かに私ども大分市とかあるいは拠点の市がブロックにあるんです。そういうところには仕事があるんですけれども、例えば普通なら三、四十分で来るところを、市部に入ったと同時にもう通勤ラッシュで一時間もかかるんですね。帰るときも逆なんです。そういう状況ですから、本当に豊かな田園のあるところに家はあるんだけれども通えないんですね。 だから、私は提案をしたいというか考えていただきたいのは、川の流れのように、上流があって支流があって川が下へ行くと広うなるように、その人口集中地あるいは仕事のあるところを海みたいに例えると、川の流れるように思い切ってやっぱり広くせぬと、二車線なら二車線でずっといっている状況ではもう最後は詰まるんです。地域の拠点都市の市部に入る道路の町部に入った段階、郡部から町部に入ったところからふえるわけですから、そこから思い切って道路を広くするか高架にするか、もっとはけ口をつくれば、そうしますと私どもの県の中にも車で通い出して後継者がずっと育って子供もできているというところがあるんですね、そういうモデルが。 だから、そこに思い切ってこれから生活大国を目指して投資をできないかどうか。何か思い切っ でそこを考えてもらいたい。これは知事も出しているし、法務大臣もよく状況は知っておりますからね。 法務大臣、何か感想があれば。
○国務大臣(田原隆君) 私の所管を越える話でございますけれども、社会党で最も先鋭な梶原先生の御質問ですからお答えしなかったら大変なことになると思いますけれども。 全くおっしゃるとおりでございまして、私は、東京一極集中ということも問題ですが、東京はもう一極集中も相当行き詰まりに来ているんであって、むしろ多極分散のところに工夫しなければいかぬ問題があるんではないかと。県庁所在地一極集中というのは非常に大きな問題を起こしている。先ほど広島という総理のところのことも出ましたけれども、これも広島市が巨大になり過ぎているんではないかなと私は想定するわけであります。 ですから、先生おっしゃるように、やはり働く場所をあちこちにつくるということだけれども、それが県庁の所在地だけであってはならない。一つの県の人口が一定であって県庁の所在地に人が集中すれば、他は過疎になるのは決まっているんですから、その辺はこれからの行政のあり方のすべてに通用する問題ではないかと思うんです。何を指定するにしても、インセンティブを与えるにしても、県庁所在地と人口二十万以上とかそういう決め方は私は絶対反対で、むしろ人口五万とか十万とかいうところを指定するというふうな行き方にこれから変えていかなきゃいかぬのじゃないかなと思います。一般論で申しわけありません。
○梶原敬義君 それから、今手元にあります第二国土軸です。 これは東北にもあるし山陰にもあるし、おまえのところこれが通ると悪いよと、こう言われておりますが、この資料の右端にある団体の皆さんが、和歌山を通りまして徳島に抜けて伊予から大分に行くという、もう時間がありませんから簡単に申し上げますと、要するに本州と北海道は陸つながりになりまして、本州と四国は橋でつながったんですね。それで九州と本州の間は関門でつながりまして、もうあと沖縄を除いて国土がつながっていないのは大分と伊予の闇の十四キロなんですね、海底の。これは鉄建公団で調査をした結果、トンネル掘るのは可能だという結論が出ているようですが、まさに生活大国、ここをすれば、ぐるっと回って関西圏に行くのに、これで真っすぐ行けば五時間ぐらい時間が短縮される。 総理、ひとつ最後に、この構想に対して関心を寄せていただいて思い切って取り組みを開始していただきたい。いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) この構想のことは存じております。承知しておりますところでは、最近、伊勢湾口の道路につきましてかなり具体的な話が進んでまいりましたので、この構想全体が一つの具体性を帯びつつあるというふうに承知しておりまして、注目をいたしております。
○梶原敬義君 終わります。
○委員長(中村太郎君) 以上で梶原君の質疑は終了いたしました。(拍手)
○委員長(中村太郎君) 次に、久保亘君の質疑を行います。久保君。
○久保亘君 法務大臣、共和事件については衆議院において実質的に捜査の終結宣言的な報告をなさっておりますが、共和事件は今日ではもう捜査の対象となっておりませんか。
○国務大臣(田原隆君) お答えします。 おっしゃるとおり、衆議院では院の御要望によりまして中間報告を出させていただきまして一応の決着的な御報告を申し上げたわけでありますが、その後のことは、一〇〇%完璧かどうかについては私はっきりしませんが、政府委員に答弁させます。
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。 いわゆる共和事件につきましては、もう委員御案内のとおり、東京地方検察庁が株式会社共和元副社長森口五郎らに対する一連のいわゆる商社金融を仮装した詐欺事件等についての捜査処理を遂げた後、阿部元北海道開発庁長官を受託収賄罪により、森口を贈賄罪により、去る二月一日及び十七日の二回にわたりまして東京地方裁判所に公判請求いたしました。一連の捜査を終了いたしまして、その結果につきましては既に国会に御報告申し上げたとおりでございます。 もっとも、一般論として申し上げさせていただきたいと思うわけでございますが、検察官は刑事訴訟法によりまして公訴提起の前後を問わずいつでも必要かつ相当な捜査を行うことができることとされているわけでございます。例えば、検察官が起訴した事件につきまして公訴を維持する職員があるという関係から、公訴維持上相当と認められる場合にはいわゆる補充捜査を行うことはあり得るものと理解しているわけでございます。
○久保亘君 専門的な言葉なのかもしれませんけれども、検察に対する直接告発、あなた方の世界では直告と呼ぶんだそうでありますが、直接告発ということがございますか。
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。 委員お尋ねの御趣旨は、このいわゆる共和事件に関連することとして……
○久保亘君 いいえ、一般的に直告ということがありますかと。
○政府委員(濱邦久君) もちろん検察官が直接告訴、告発を受理することをいわゆる直告というふうに申しているわけでございます。
○久保亘君 その直接告発を受理するというのは、どういう場合でありますか。
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。 告訴告発人が直接検察庁に参りまして、通常検察庁に出頭いたしまして、検察官に対し告訴状、告発状を提出して検察官がこれを受理するという場合でございます。
○久保亘君 いや、私がお聞きしているのは、受理するということについて、直接告発が行われたら何でも受理するということではないと思うんです。検察官がどういう場合に受理しますかということをお聞きしているんです。
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。 例えば告発について申し上げますと、被害者以外の第三者が犯人の処罰を求める意思を表示して犯罪事実を申告することでございます。したがいまして、今申しましたように、犯罪事実を申告して犯人の処罰を求める意思が明確であるかどうかという告発についての要件が整っている場合には告発を受理するということになるわけでございます。
○久保亘君 それではお尋ねいたしますが、国会に対して共和事件の事実上の捜査終了を報告された後、衆議院議員阿部文男君について東京地検に対して直接告発が行われた事実がありますか。
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。 委員お尋ねの告発は、東京地検において三月十九日に受理しておる事実がございます。
○久保亘君 その告発の受理は一億円の横領容疑に関して行われておりますか。
○政府委員(濱邦久君) そのように承知いたしております。
○久保亘君 わかりました。 そして、この阿部文男君に対する直接告発は、鈴木善幸氏の国会における参考人としての事情説明が行われた後に出されたものと思いますが、刑事局長としてはそのように了解されておりますか。
○政府委員(濱邦久君) 先ほどお答えいたしましたように、三月十九日に受理いたしております。
○久保亘君 わかりました。 そうすれば、昨日佐藤委員からお尋ねをいたしました鈴木善幸氏のいわゆる上申書は、この告発と関係がございますか。
○政府委員(濱邦久君) 今、お尋ねの点につきましては、法務当局からはお答えをちょっといたしかねるわけでございます。
○久保亘君 上申が行われたことについては報道を否定しない、こういう立場を御説明になっておりますが、この上申書は阿部文男君の一億円横領に関する告発、つまり一億円というのは鈴木元首相のところに届けたと言われるその一億円をめぐる問題でありますが、そのことに関する上申書が提出されたものと私は理解をいたしております。 したがって、この共和事件にかかわる捜査は、今日においてもこの告発等をめぐって東京地検特捜部においては、なお継続中のものと理解をいたしておきます。これ以上はお答えにならないと思いますから、また機会を見てお尋ねいたします。 次に、宮澤総理にお聞きいたしますが、昨日佐藤委員から、阿部文男君の立法調査費交付に係る院内会派の問題について質問がございました。総理は御存じでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 立法調査費交付のことは実は存じませんでした。
○久保亘君 あなたとは特別の関係をお持ちの御友人でありますから私は御承知かと思ったのでありますが、阿部文男氏は立法調査費の交付を受けるために会派を結成されたわけです、一人会派を。この会派の名称は御存じありませんか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 申しわけありません。聞いておりません。
○久保亘君 私が聞いておりますところでは、新世紀研究会という会派だそうでございます。まだまだこれから二十一世紀まで大いに研究なさるということだと思っておりますが、このようなことについてどういう御感想をお持ちでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 阿部氏が議員としての身分を当然のことながら持っておられますので、御本人はその身分、与えられた職員を遂行しようという意思を持っておられるのではないかという想像をいたします。直接に事実は存じません。
○久保亘君 議員としての身分を持ってその職員を遂行しようということであるならば、そういうふうに阿部さんの今のお立場を御理解なさるのでしたならば、ぜひ共和事件についてその真相を国会で御証言なさるように友人として首相からもお勧めいただきたいと思いますが、いかがでありますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは、私のただいまの公な立場もございまして、阿部氏とはその後一切の連絡をいたしておりません。また、それはそうあるべきことであろうと自分で思っておりますので、もし私の友人等々でそういうことを考える人がございましたら、私も友人の意見は徴してみたいと思います。
○久保亘君 法務大臣、次に、いわゆる佐川事件に関する今日までの捜査の中間報告をこの機会にお願い申し上げたい。
○国務大臣(田原隆君) お答えします。 いわゆる佐川急便事件につきましては、国会から中間報告を行うようにとの御要請があれば、その時点において御協力できる範囲や内容について検討をいたしますが、本件につきましてはいまだ捜査を続けていると聞いており、現時点では御報告できることは極めて限られるのではないかと考えておる次第であります。
○久保亘君 限られた内容でも結構です。昨日通告も申し上げております。ぜひ中間報告をいただきたい。
○政府委員(濱邦久君) 委員のお尋ねは、佐川急便事件の捜査状況についてのお尋ねだと思うわけでございます。 この件につきましては、東京地方検察庁が、三月六日に東京佐川急便株式会社の元代表取締役らを、また三月三十一日には同じく東京佐川急便株式会社の元役員らを、それぞれ特別背任罪によりまして東京地方裁判所に公判請求いたしました。で、現在引き続き東京地方検察庁におきまして捜査を続けているところでございます。
○久保亘君 この佐川事件に関しても、衆議院に御報告されましたように、法務当局として節目節目には御報告をいただけるものと理解をしておいてよろしゅうございますか。
○政府委員(濱邦久君) その点につきましては、先ほど大臣からもお答えを申し上げたとおりでございまして、国会から御要請がありますれば、その時点において御協力できる範囲あるいは内容について検討させていただきたいと思っております。
○久保亘君 最後に、この問題に関しては、今日に至るまで当予算委員会としてこの事件の根幹にかかわる方々について証人として御証言をいただく機会を持ち得ないことを大変残念に思っております。それらの機会ができるだけ速やかに得られるようこれからも委員長の御努力をお願いを申し上げておきます。 次に、防衛庁、最近の報道にもございますが、私どもも大変関心を持っていることがございます。 最近、航空自衛隊だと思いますが、百里基地を出発したRF4型機が訓練中。福島県に墜落をいたしております。また、つい先日はP3Cが硫黄島において着陸に失敗をいたしておりますが、これらの事故の調査結果を御報告いただきたい。
○国務大臣(宮下創平君) 委員の御指摘の最近の事故でございますけれども、昨年一年間に発生し、た大きな航空事故が六件ございまして、六機破壊、六人死亡ということでございます。また、ことしに入ってからも、発生した大きな航空事件はただいま御指摘の硫黄島の事件を含めまして三件、これは三機破壊いたしまして四人死亡ということでございます。 これらのうち、ことしに入ってから発生した三件につきましてはいずれも近時のことでございまして、現在調査中でありますが、昨年発生いたしました六件のうち三件については事故調査を終了いたしまして、その結果は公表いたしております。 また、さらに残り一件についても近いうちに調査結果を発表できる見通してございますが、あとの二件についてはもう少し調査の時間がかかると存じますが、なお詳細な個々の事件についての事故原因等、今判明できるものであれば事務当局から答弁をさせていただきます。
○久保亘君 責任の所在とあわせて、政府委員のお答えを。
○政府委員(小池清彦君) 具体的にお答え申し上げます。 まず、昨年二月二十八日に岩国飛行場で起こりました海上自衛隊のU36A型機の事故でございますがこれは機長の判断不適切ということで、降雨及び追い風という環境条件のもとで連続離着陸訓練を行いまして、着陸断念をする必要がない警報灯が点灯しましたのをちょっと早合点いたしまして離着陸を断念いたしまして、たまたま滑走路が雨でぬれておりましていわゆるハイドロプレーニング現象と申します、ずっと滑りがとまらない現象が起きましてオーバーランしたものでございます。 次に、昨年の三月十二日に起きました浜松沖でのT4型練習機の墜落事故でございますが、これは事故機が何らかの理由によりまして低高度まで降下を続けまして、右へ旋回中に海面と接触をいたしまして海面に接触衝突して破壊したものでございますが、事故の原因を特定することはできませんでした。 次に、調査結果が出ておりますのは、昨年の十月二十二日に起きましたF15型機によります標的曳航索による航空事故でございます。これは千歳基地で起きたものでございますけれども、原因といたしましては、曳航索の投棄をするためにカッターがございますが、このカッターを、ボタンを押したんですけれどもその回路が通じませんでカッターが作動をしなかった。それで曳航索を引っ張ったままのところを僚機が、射撃の編隊長が確認をしたんですが、見落としてしまいまして、その結果、曳航索を引っ張ったまま着陸したということでございます。 この三件が調査結果が出ておるものでございます。 それから、昨年の七月に起きましたT2型機、ブルーインパルスの事故でございますが、これは七月四日でございますが、その事故原因の調査は間もなく終了する予定でございまして、今最後の詰めを行っておるところでございます。したがいまして、ただいま大臣からお話がございました昨年起きました六件のうち四件までは間もなく終わります。 あと残っておりますものの一つが、昨年の七月一日にT4型機、これは三沢の第三航空団に所属するものでございますが、この飛行機が北海道の襟裳岬沖で墜落をいたしました。これが大変難題でございまして、海底約八百メーターのところに沈んでしまったわけでございますが、これを去年の十月から十一月にかけまして、現在回収技術が進んでおる関係で、これをできるだけ回収いたしました。その結果、事故調査が回収に手間取ったこともありまして大変おくれておりますが、現在、鋭意事故調査中でございます。 昨年の事故で残っておりますのは、昨年の十二月十三日に起きましたF15型機、これは千歳の第二航空団に所属しておるものでございますが、この飛行機が小松沖に墜落をいたしました。これも海の中へ落ちたものですから回収にかかったのでございますが、ちょうど冬場にかかっておりまして、割合浅い海面なのでございますけれども回収ができないということで、最近二月二十九日から三月十三日にかけまして回収作業を実施いたしまして、現在その回収したものも含めまして事故調査中でございますが、この件につきましてはパイロットに責任はないと思っております。機体等に何らかのトラブルがあったというふうに考えておりまして、現在事故調査中でございます。 以上が昨年起きました大きな事故六件についての概要でございます。 なお、ことし起きました三件につきましては、ただいまも大臣から御答弁がございましたように、いずれもことしの三月に起きております。これはただいま先生がおっしゃいました偵察航空隊のPF4Eの事故、それから海上自衛隊のP3C航空機が硫黄島で胴体着陸をした事故、それからことしの三月十日に起きました陸上自衛隊のバートル107型航空機が木更津沖で墜落した事故でございますが、これはまだ三月に起きたばかりでございまして、現在鋭意調査中でございます。 以上でございます。
○久保亘君 福島県に墜落したRF4E、これは三月ですか。
○政府委員(小池清彦君) この事故は、本年三月二日に起こっております。
○久保亘君 まだその調査が行われていないということですが、この百里基地から飛び立った飛行機は何のために飛び立って、そしてどういう経緯で落ちたんですか。
○政府委員(小池清彦君) やっておりました訓練は、偵察訓練を行いながら航法訓練を行っておったということでございます。 幾つかの地点をあらかじめセットいたしまして、その地点を通りながら途中で偵察訓練を行いながら航法訓練を行う、こういう訓練を行っていたわけでございます。
○久保亘君 いろいろ報道等を通じて言われているような事実はないのですね。
○政府委員(小池清彦君) お尋ねの趣旨の事実にもいろいろあろうかと思いますが、報道によりましても、私がただいま申し上げましたようなことが報道されておるというふうに承知いたしております。
○久保亘君 既定のコースを正確に飛んで、落ちたのですか。
○政府委員(小池清彦君) この訓練は、幾つかのポイントを設定いたしまして、そのポイントを通過していく、そのポイントの通過中においていろいろ偵察訓練を行うということでございまして、そういう意味におきまして既定の計画から外れるようなことはいたしておらないというふうに考えております。
○久保亘君 これは、報道を通じて見た国民の人たちは、訓練で決められたコースを飛ばずに、特別な飛び方をして、高度も変えて、そして落ちた、こうなっておるんです。それは間違いですね。
○政府委員(小池清彦君) この訓練は、訓練自体といたしましては決して危険な訓練ではございませんで、特に曲技飛行等の飛行を実施する訓練でもございませんし、また高度な千フィート以上を守って飛ぶようにというふうにきつく指導しておりますし、人家密集地上空も避けるようにというふうにきつく指導しておるところでございます。それはきちっと守って飛行しておったというふうに私どもは考えております。
○久保亘君 それはあなたが考えたってだめなんだよ。実際にどうだったのかを調べなければいけないでしょう。それは飛行機そのものの事故調査は長くかかるかもしれないけれども、そういう面の調査はすぐできるはずです。
○政府委員(小池清彦君) 航空機が、レーダーでずっと見ておったわけですけれども、墜落をするちょっと前にレーダーの画面から消えております。そのレーダーの画面から消えるまでの間はきちっと飛んでおります。飛んでからどうなったかということは、これはパイロットも亡くなっておりますのでわからないわけでございます。機材にいろいろな故障が生じて連絡もできなくなったということも考えられますし、現在その辺のところを鋭意事故調査中であるということでございます。 レーダーの画面から消えるということは別に不思議なことはないわけでございまして、最後は地上に墜落したわけでございますから、地上に墜落一をする過程においてはレーダーから機影が消えるという現象は起きるわけでございます。
○久保亘君 余り何も知らないからと思って、あなたそういうことを言ったらだめだよ。函館空港に入ってきたミグ25が来るときだって飛行中にレーダーから消えるんです、高度を下げるから。だから、そんな言い方で何でもそういう問題があなた方の立場を守るために通用するんだと思ったら大きな間違いですよ。 あのときのことも私は全部知っていますよ、ミグ25がやってきたときに、シベリアから。どういうところでレーダーから消えて、そしてまたそれがレーダーにどこで入ってくるか。そんな言い方ではだめです。当たり前じゃないですか、落ちたら消えるというのは。
○政府委員(小池清彦君) 墜落いたしましてレーダーの画面から消えた場所と申しますのは、大滝根のレーダーサイトに随分近い場所でございます。レーダーに近くなりますといろいろ地上から反射波がございまして非常に見えなくなるということが一般論としてあるわけでございます。そういうことも影響しておったと思います。いずれにいたしましても、そこでレーダーの画面から消えたということでございまして……
○久保亘君 どうして肉眼で見ていた人たちに聞かないのですか。
○政府委員(小池清彦君) 肉眼で見ていた人たちには聞きまして、いろいろ目撃者の証言をとっておるところでございます。
○久保亘君 それを言いなさい。
○政府委員(小池清彦君) それは平田村というところに墜落したわけでございますけれども、その平田村へ飛んでまいりまして、平田村上空に来たときには随分低空になっておりまして、そして墜落したということでございました。その証言から見ますと、地上のカシの木々をすれすれに飛んだとかいろいろ証言がございますが、そういう飛行自体は、もしそれを正常な状態でやったとすればこれはもう明らかに自殺行為以外の何ものでもない、そういう飛び方をしておるわけでございます。 しかし、そういう自殺行為的なことをやったとは思えませんので、そこにいろいろな原因があったであろうというふうに考えられますわけで、今私たちも、どういうことがあったのかいろいろ考えながら調査を進めているところでございます。
○久保亘君 私は、訓練中に亡くなった自衛隊のパイロットの人たちは大変気の毒だと思います。だから、その人たちをどうこうと言うつもりはないんです。しかし、訓練計画とか訓練のやり方とかそういうものについて指揮官やそういう人たちは責任の所在を明確にしなきゃいかぬですよ。 そして、ことしになっての三件のものについてはまだ調査も満足に行われていないという状況の ようでありますけれども、例えば一つの例をとりましょう。P3Cが硫黄島で事故を起こしてだめになる。その場合、安全保障会議にかけて閣議も決定をしているP3Cの保有百四機というこの百四機と、使えなくなった、壊れてしまった一機との関係はどうなりますか。
○政府委員(畠山蕃君) まず、一般論から申し上げますが、当然起きてはいけない事故でございますけれども、不幸にして事故が起こった場合、そのままにいたしますと我が国の防衛力にとって大変な問題を惹起することになるわけでございますので、そこのところは防衛庁として過去の航空機の事故実績等を勘案いたしまして、あらかじめ将来におきます事故に備えまして、航空機の減耗に配慮して毎年度の予算において計画的に航空機の事故減耗に見合う分として計上しているということでございます。 したがいまして、ただいま御指摘のP3Cにおきましても、これは事故減耗機相当というのを計上いたしておりますので、その計上した減耗機数を上回ることになれば欠落が生ずることになりますから、それは次年度以降の予算において対応する。それからまた、計上した事故減耗機ほど事故が生じないということになりましても、これは逆の方向で次年度以降の予算において調整を図る。こういう形であらかじめ計上した予算と実績との関係を次年度以降の予算で調整する、こういう形で対応しているところでございます。
○久保亘君 平成四年度で、今あなたが言ったような予算が幾ら組んであるんですか。
○政府委員(畠山蕃君) 減耗機分だけを取り出して幾らという形の計上しゃございませんで、航空機購入費の形で各機種ごとに計上する中でその中に減耗機分が含まれるという形でございますので、減耗機分だけでトータルして幾らかというのはちょっと計算してみないとわかりませんが、平成四年度で陸上自衛隊のヘリでAH1Sというのを減耗一機計上いたしておりまして、それからUH1Jが一機計上、合計二機計上いたしております。それから、海上自衛隊でP3C一機を含めまして四機計上いたしております。航空自衛隊でT4で二機計上している。これをその単価、いわゆる単価というのは必ずしも実際の調達の単価ではございませんけれども、予算の大要でお示ししております総予算を機数で割った単純な一機当たりの金額で計算いたしますと、陸上自衛隊のヘリで三十六億程度、それから海上自衛隊の航空機で二百七十一億程度、それから航空自衛隊で二機分でございますから四十八億程度ということになるわけでございます。
○久保亘君 それは、今までもそういうことはちゃんと説明されておったのですか。私どもに説明するときには航空機の購入費として説明されて、その全体の費用を機数で割って平均単価ということでやられてきたんですよ。それからの減耗、今度のように硫黄島でP3Cが事故を起こしてだめになったら、その分はちゃんと予算には入っておるんですよと。そういうことを今まで説明されたことありますか。
○政府委員(畠山蕃君) 当然のことながら、事故がいつどういう形で起きるかというのをあらかじめ具体的な形で予測することは困難でございますから、過去の事故発生率を勘案しまして、その予備機として計上しておるということでございまして、これはその事故減耗あるいは減耗のリプレースというような形で御説明申し上げているところでございます。
○久保亘君 そうすると、P3Cを一機失った場合には、この一機はどこで計上されてくるんですか、その百四機にするために。
○政府委員(畠山蕃君) 御質問の御趣旨、必ずしも私正確に御理解申し上げたかどうかわかりませんけれども、P3Cなら航空機購入費のところに例えば平成四年度予算では一機お願いしてございますけれども、一般論として申し上げますと、例えばF15なら七機というところにもし減耗機があれば、その中に含まじめで計上するという形になるわけで、特別にこれが事故相当分ですという形で別建てで計上しているわけじゃございませんで、航空機購入費なら航空機購入費の中に一括して計上してあるということでございます。
○久保亘君 中期防でP3Cは八機買うことになっている。そうすると実際には今度の分を足すと九機になるということですか。
○政府委員(畠山蕃君) 結論から申しますとそうではございませんで、その八機という中に、過去の実績を見て減耗見合い分、たしか二機だったと思いますけれども、二機を含めて八機ということで計上させていただいている。つまり完成時勢力で実力百機になるようにというのがP3Cの考え方でございますから、その八機が調達所要額という中に、その期間中に減耗するであろうと、事故減耗するであろうという部分をあらかじめ見込んだ上で八機という計上をさせていただいていると、こういうことでございます。
○久保亘君 それでは、この硫黄島の事故が起きなかった場合には中期防の八機は七機でよいということですか。
○政府委員(畠山蕃君) 基本的にはおっしゃるとおりでいいわけでございます。ただ、完成時勢力百機ということを考えておりますから、その事故が発生するのがいつかということにもよるわけでございまして、今の中期防が終わりますのが平成七年度でございますけれども、そして仮に次期防をつくるといたしますと、この作業というのはその前の年の秋というようなことになりますと例えば平成七年の夏ごろにその作業が確定しなきゃいけない。こうなりますと、平成七年後に、その夏以降に事故が起こったといたしますと、これはその次期防において調整するということができない。物理的なタイミングとしてできないものですから、細かい話になって恐縮でございますけれども、平成七年夏以前に事故が起きない、そこまで起きていない、それ以後について起きないことを確定することはできないものですから、そこで、その分については見込みで調整しちゃう場合ももちろんないわけじゃございませんけれども、平成七年夏以降に起こる可能性があるとすれば、そこを当然に期間中に事故なしと前提して次期防に反映させるわけにはいきませんので、そこで単年度予算においてそこは調整していくと。したがって、七機で今期間、結果として七機になるというようなことは十分あるわけでございます。
○久保亘君 そうすれば、それをすべての装備についてそういうことがしてあると思うね。すべての装備についてしてないとおかしいんだ、今の理屈からいくと。そうすると、すべての装備でそうしてあるというならば、その減耗分として組まれたのは一体二十二兆七千五百億のうちの幾らに相当するのか。その分は、もし自衛隊が事故を起こさなければ、減耗が起こらなければ要らないということになる。そうでしょう。
○政府委員(畠山蕃君) すべての装備について計上しであるかという点でございますけれども、これは必ずしもそうではございませんで、例えば陸上自衛隊の戦車とかその他もろもろの装備について、これはもう事故の発生率もある意味じゃ極めて無視し得るような、事故で減耗するという形のものはほとんどネグリジブルだということもあるんだろうと思いますが、いずれにしてもそういう砲であるとか戦車といったものについてあらかじめ事故を想定して計上するということはいたしておりません。 それから、海上自衛隊の艦船につきましてもいわゆる事故減耗という形での計上はいたしておりませんで、それよりも寿命が来るというようなことで、危険度を考えてこれは除籍させるべきであるという意味の計上はいたしておりますけれども、事故が発生することを想定しての計上というのはいたしておりません。 したがって、総体として申し上げれば、航空機についてのみ陸海空を問わずそういう形の計上をしておる、こういうことでございます。それらの二十二兆七千五百億の中におきます総トータル額というのはちょっと現段階で計算をしておりません。そういうことが御指示がございますれば、後ほど資料として申し上げたいと思います。
○久保亘君 あなたの言っていることは大変矛盾がある。事故減耗の分はそういうことで計上していない、事故でやった場合の分は計上してない、いわゆる耐用年・数で来るやつは計上しているんだという言い方です。それじゃ硫黄島のP3Cの分はそれを計上してないんだから、この予算の中から出てくるはずがないじゃないですか。
○政府委員(畠山蕃君) ちょっと言葉は足りなかったかもしれませんが、私が申し上げたのは、航空機以外のものについては事故を想定したあらかじめの計上はいたしておりませんと。航空機については陸海空を問わず過去の実績等を勘案しながら事故に伴う減耗分として計上をしておると。そのほかに各機種について、航空機のみならず艦船、戦車等を含めて寿命が来たらそれを除籍するという意味で、それに備える計上はこれはオーバーオールに計上をしておりますと、こういうことでございまして、事故に伴っての計上というのは航空機についてはP3Cも含めてあらかじめ計上しておる、こういうことを申し上げているわけでございます。
○久保亘君 寿命が来て兵器を更新していくというのは、これは自衛隊が存在する以上、私もそんなことわからぬわけじゃない。しかし、事故による減耗をあらかじめ過去の実績に照らして、こんなの実績と言うのかどうか知らぬけれども、それに照らしてちゃんと用意しておくという。それなら予算書もそれから中期防の財政計画も、そういうものをきちっと区分けして出してもらわぬと困る。
○政府委員(畠山蕃君) ぜひ御理解を賜りたいと思うんですが、要するに、事故が起こるということに対して補充をしないということになりますと、これは所要の防衛力に穴があくということでございますから、当然それについて、間違いなく例えば五年間の計画を立てれば、あってはならないけれども、実際問題として起こり得る事故に備えておかないと所要の防衛力は確保できないということでございまして、そのための計上というのは、何も余分な計上ということではございませんで、落ちることに対する、減耗したことに対する回復でございますから、通常の防衛所要として計上してあるそのラインを決して逸脱しているわけでも何でもなくて、その補てんをするだけのことでございますから、所要の防衛力をそこでお認めいただくとすれば、それを逸脱するものではないと、こういうことでございます。 なお、先ほども御質問ございました、今もその種のお話でございましたが、この中期防期間中におきます航空機事故減耗に係る所要経費でございますけれども、この間に仮に全然一機も事故がなかったとしたならば、平成二年度価格で約一千億円の節約が可能と。つまり逆に言えば一千億円相当分が中期防期間中に今申しました事故見合いの航空機減耗として計上されている分、これは平成二年度価格で言えばそういうことでございます。
○久保亘君 きょうは時間がないから。私は今のことに納得しませんよ。あなた方の説明では航空機の経費の計上についてはそんな説明は今までないんだ。ちゃんと一機幾らという説明までしている。だから、中期防においてP3Cは八機のうち二機はこれは事故でつぶれた場合の補充用だと言うなら、そういうふうにちゃんと説明しておいてもらわないと。それは本来自衛隊がしっかりしていれば要らない金だ。そういうことをちゃんと区分けして資料として提出してください。
○政府委員(畠山蕃君) 極力納得いただけるような資料を提出するよう努力してみたいと思います。
○久保亘君 時間が大変短いので。次は、首相が生活大国ということをおっしゃっている。私は心情的にはそういうお考えに対して賛成する面も多いのでありますが、生活大国というのはやはり予算を通じてその姿があらわれていなければいけないと思うので、きょうは年金の問題に絞ってその生活大国にふさわしいかどうかということをお尋ねしたいのであります。 最初に、国民年金をこの平成四年度の価格で四十年掛けた場合に、受給権者になるときに本人が掛けた分は元利合計幾らになっておりますか。
○政府委員(加藤栄一君) 現在の保険料を四十年納めた、こういう仮定で五・五%、こういう形の想定になるかと思います。そういたしますと保険料の元利合計が、二十歳の方といたしまして、これでまいりまして三千九百七十万円、こういうことになります。
○久保亘君 この三千九百七十万というのは四十年掛け終わったときですか、六十五歳の受給権者に達したときですか。
○政府委員(加藤栄一君) 三千九百七十万円は、これは六十五歳で受給権者に達したときでございます。
○久保亘君 そして、それから平均寿今までの間に受け取る年金の額は幾らになりますか。
○政府委員(加藤栄一君) こちらは、私どもの財政再計算におきまして従来どおりの給付のスライド等を行うという前提にいたしますと、六千三百二十万円という名目額になります。
○久保亘君 平均寿命でそれは何年間やったつもりかね。
○政府委員(加藤栄一君) これは平均余命といいますか、六十歳の方で被保険者になっておられる方の平均余命加入期間、それを計算いたしまして算定するということにしてやっております。要するに、平均受給期間を平均余命をもとにいたしまして計算しております。ですから、基本的には六十五歳の方の平均余命を基本にして計算している、こういう考え方でございます。
○久保亘君 何歳ですか。
○政府委員(加藤栄一君) 基本になります平均余命は十八年間でございます。
○久保亘君 それじゃ、八十三歳までということですね。
○政府委員(加藤栄一君) 六十五足す十八ですから、八十三ということになります。
○久保亘君 その約四千万、六十五歳のときに本人が掛けた元利合計が、八十二歳まで持っていきますね、だんだん減っていきますが、そうすると八十三歳のときに元利合計は本人分としては幾らあるんですか。最初の年なんか四千万近くまた本人の分があるんだよ。それに金利がぼんと来るんだからね。いや、それはもういい、私そのことは説明を求めるようにしてあったんだけれども、計算していないようだから。 実際には、六十五歳のときに四千万あったら、五・五ということは二百二十万は本人の金利ですよ。それで、十八年間にわたって六千何百万払うということは、せいぜい三百五十万程度のことです。だから百何十万を元金が償却していくことになるんです。そうなると、これは実際には収益バランスということから考えると年金と言えるのかどうか。 それからもう一つ、これは宮澤さんにぜひ聞きたいんだが、六十四歳のときに四千万の掛金をしている人が死んだ場合、国民年金は幾ら払うと思いますか。
○政府委員(加藤栄一君) 全然それまで受給をされておられない方に対しまして、加入年数にもよりますけれども、加入年数によりまして十万円から二十万円をお払いいたすということになります。
○久保亘君 四千万の元利合計の掛金をしている人が受給権が発生する直前に死んだら十万とか二十万の一時金で終わり、こういうのは生活大国と言えるんですか。
○政府委員(加藤栄一君) 御説明が足りませんので今の一時金の考え方につきまして申し上げますと、公的年金の国民年金ないしは基礎年金は、個人個人の掛金を完全に積み立てましてそれでお支払いするということではございませんで、世代間の助け合いを基本にいたします修正積立方式と申しますか、一定の積立金は保持いたしますけれども、基本といたしましてはそのときそのときの現役の方の保険料をもってそのときそのときの受給者の方の給付に充てる、こういうことでございますので、その給付に達しないときにお亡くなりになりますとか、あるいは給付を受けられてからも平均余命に達しないでお亡くなりになられたというようなときでありましても、その方の過去のお払いになりました保険料の残額をお返しするというような考え方がこの中に仕組まれておりません。 ただ、そういう現役の方のそのときそのときの稼得水準に応じまして保険料をいただくことによりまして、受給者の方々に必要な物価の上昇に対応した給付でありますとかあるいは国民生活の水準の向上を反映した改善というものも可能になってまいりますので、そういう仕組みのもとに考えておりまして、またこれをもって国民の老後の生活の基本的な部分を確保いたします。またその上で、企業年金でありますとか私的年金でありますとか、こちらは完全積立方式で運営されておりますので、これと組み合わせて老後生活の設計を立てていただく、こういう考え方をとっておるところでございます。
○久保亘君 それを制度としてやむを得ないんだといって割り切るなら、私はこの制度が強制をされているという前提に立ては納得できることではない。 もう一つ、被保険者が六十歳を超えて受給権が発生する前に亡くなった場合に、遺族に対する年金の支給はどうなりますか。
○政府委員(加藤栄一君) 遺族に対しましては、まず第一に十八歳未満の扶養すべき子供を抱えられます配偶者の方、あるいは十八歳未満の子供さんで扶養される方がいないということになりますとその子供さん御自身に遺族基礎年金を支給するということになっております。 また、老齢基礎年金を受給する資格ができたけれどもまだ年金受給に至らない夫が亡くなった、こういうことになりますと、その妻の方には六十から六十五歳に達するまでの間寡婦年金を支給する、こういうことになっております。六十五以上は、その寡婦の方の御自分の老齢基礎年金が受けられることになりますので、これはここでおしまい、こういうことになっております。
○久保亘君 奥さんの場合に、十八歳未満の子供がいればその年金が出るようになっているんですね。しかし、六十五歳で十八歳未満の子供がいるというのはよほど元気な人だな。それは、だから余り例がないんじゃないですか。
○政府委員(加藤栄一君) まことに申しわけありません。寡婦年金の、十八歳未満の子供を抱えられる妻の方は必ずしも六十五以上でなくてもよろしいのでございます。そういうことになります。
○久保亘君 十八歳未満の子供がその六十五の人にいるかというんです。男の方を言っているんだ。
○政府委員(加藤栄一君) 御主人ですか。それはちょっと私も一概には言えないのでございますが……。
○久保亘君 次に、障害年金。 国民年金に加入した人が直後に不幸にして障害を受けた場合には障害年金が受けられる。ところが、六十五歳になって年金の受給権が発生した後に障害になった場合にはこの人は障害年金の対象とならない。これは不合理ではありませんか。
○政府委員(加藤栄一君) 老齢基礎年金でございますので、六十五歳にそういう年金を受けられる状況が高齢ということで、老齢ということでいわば保険事故が発生するわけでございます。そういう保険事故が発生しました後、被保険者を脱しまして受給者になられました後に個々のそういう事故が起きた、あるいは人生上の起伏が起きた、こういうときには保険制度としての年金制度では現在の趣旨からして対応は困難である。そういうことでございまして、現在のシステムとしては先生のおっしゃるようなことになっております。
○久保亘君 首相、これはいろいろ制度として私はやむを得ないこともあると思いますよ、しかし、余り生活大国と言えないような制度上の問題点というものはやっぱり改善しなければいけないのではないでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私は専門家でございませんので詳しく申し上げられませんけれども、今政府委員が、最後のお尋ねにはやはり老齢に達したのは一つの保険事故と考えるというような御答弁をしたと思います。したがって、一つの保険事故が次の保険事故を吸収するとでもいうふうに申し上げたのかと思いますけれども、そういうことであろうかなと。 そういうことで全体の経済ができ上がっているということであるのかもしれませんが、前の方の久保委員のお尋ねについては、私はそれはそれなりに随分理由があることだろうと思っておりましたが、最後のことはちょっと私も十分わかり切れずに今政府委員のお答えを聞いておりましたので、私もよく勉強させていただきます。
○久保亘君 また少し詳しくお尋ねする機会があろうと思いますが、この際同じく年金の問題に関して、沖縄の厚生年金の格差の是正が大変地元からも強く要望されております。 これは全然そういう年金を受ける人には責任のないことです。戦後がそういう格差を生んでいるわけです。年額七十万というような格差もあります。こういう是正について、厚生大臣はどういうお考えか。
○国務大臣(山下徳夫君) 御案内のとおり、沖縄は戦後いろんな事情がございまして、内地で年金制度があったときなかったというようなことでございまして、したがいまして本土復帰のとき、これを是正するために一応の措置をいたしました。さらに平成二年度にも特別の措置を講じたわけでございます。 ですから、これらの措置によって、年金の性格からするともうできるだけのことは私どもはやってきたというふうに理解をいたしておるわけでございますが、現時点において、国内で掛けた人たちとのバランス等を考えますと、これ以上これを増すということは現時点では困難ではないかと思っております。しかし、この問題につきましてはいろいろと問題もあることでございますから、地元の県の方々とさらに意見を交換してまいりたいと思っております。
○久保亘君 これは、与党の幹事長も政調会長もこのことに対しては積極的に努力しましょうという約束を地元の方になさったはずです。それで、必要なそのための協議機関もつくろう、こういうお話もあったと思うんですが、政府としてもそのことに対して積極的に協力する、そういう協議を行う機関を設置するということなどについては、そのことに対しては受けとめていただけるでしょうね。
○国務大臣(山下徳夫君) 残念ながら、与党の幹部がどのようにお話しになったか私は存じておりませんが、もしもそのとおりにおっしゃっておったとすれば、やはり政党内閣でございますから与党の最高幹部の御意見を十分尊重しなければならぬと思っております。 私が政府の責任者として申し上げることができることは、今まで二回にわたっていろんな措置をやって、もうこれ以上できませんというところまでやっておりますから、しかも第二回目の改正したのが現在まだ実施中でございまして、それが終わっていないんです。ですから、現時点におきましては、今後、県や地元の方々と意見の交換は常にやってまいりたいという程度しか申し上げにくいのでございます。
○久保亘君 沖縄担当大臣、何か発言がありますか。
○国務大臣(伊江朝雄君) せっかくのお尋ねでございますのでお答えを申し上げたいと思います。 これはそもそも御高承のとおり、沖縄の年金制度の発足が本土の、当時本土と言っておりました、本土の発足よりおくれておりますために発生した問題で、確かに沖縄県の県知事初め経営者団体の皆さんからの格差是正についての御要望は十分に私も承っております。 ただ、今、厚生大臣から所管しておられる年金問題についてのお答えがございましたように、大変難しい問題だと思うんです。しかし今後とも沖縄県の皆さん方と意見を交換したいという御答弁もございましたので、私どももその意味では御期待申し上げたいし、これから老齢化社会を迎える日本でございますので、全体的な社会保障制度の中での今後の取り組みの問題の一つであろう、こういうふうに考えて期待をさせていただいております。
○久保亘君 もう一つ厚生省に、平成四年度の予算要求に当たって、昨年この国会で私が当時の厚生大臣にもお願い申し上げました年金福祉事業団の還元融資制度について、予算要求が行われたにもかかわらず財政当局からは却下されたと思うのでありますが、どういう理由でこれは要求が通らなかったものか、御説明いただきたい。
○政府委員(加藤栄一君) 昨年、厚生大臣から前向きに対処してまいりたいという趣旨の御答弁をいたしました。その後、秋に介護資金、教育資金の融資制度の創設を要求してまいったわけでございますが、その後財政当局と折衝をいたしまして、還元融資の対象範囲としてなじむものかどうかというような問題、あるいはまたもう一つは、こういう教育・介護資金の貸し付けの対象範囲といいますか、需要の範囲と申しますか、そういうものをどういうふうに設定するか、あるいはどのくらい需要の見込みがあるのかどうか、そういうようなことを主といたしまして、そのほか意見の合わない点もいろいろございました。それで私どもとしてはかなりいろいろと折衝いたしましたのでございますが、結果としては両省として意見が一致するに至らず成立をしなかった、こういう状況でございます。
○委員長(中村太郎君) 久保君の残余の質疑は午後に譲ることとし、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十四分休憩 午後一時五分開会 ―――――・―――――
○委員長(中村太郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 平成四年度一般会計予算、平成四年度特別会計予算、平成四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き久保亘君の質疑を行います。久保君。
○久保亘君 文部大臣にお尋ねいたしますが、授業料や入学金に関して教育ローンを利用した者の実態を近い年度のもので教えてください。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 申しわけありませんが、政府委員から。
○政府委員(前畑安宏君) 御質問のございました教育ローンにつきましては、私ども育英奨学という観点から関心を持っておりまして、その点で承知いたしておりますところを申し上げますと、公的なローンとしては一番大きいものとして国民金融公庫によります教育ローンというのがございます。これは、平成二年度の貸付状況につきましては融資件数が約十万八千件というふうに承知をいたしております。なお、ほかにも幾つかございますし、また民間では都市銀行、地方銀行等もございますが、これについては具体の状況は把握をいたしておりませんで、お許しをいただきたいと思います。
○久保亘君 推定される金額はどれぐらいになりますか。
○政府委員(前畑安宏君) 私どもで、国民金融公庫によります教育ローン、先ほど十万八千件と平成二年度について申し上げましたが、融資金額は約九百七十一億円と承知いたしております。
○久保亘君 私の方はもう一年次新しいのを承知いたしておりまして、国民金融公庫で平成三年入学金だけで十五万一千件、千五百四十億。 それで、大変教育ローンが必要となってきている中で、八十兆円以上を掛金として蓄積しているのに、年金福祉事業団が還元融資を教育、家族の病気介護について制度化しようとしたものが認められなかった。これはやっぱり必要性があると、私は厚生省の主張するとおりだと思うんですが、大蔵大臣どうですか。
○国務大臣(羽田孜君) 確かに二十一世紀を展望いたしましたときに、今後の高齢化社会を考えますと教育ですとか介護の問題、これはますます重要なものになってこようという認識を私ども持っております。このために平成三年度におきましては国民金融公庫の教育ローンの拡充在図ったところでございますけれども、また平成元年度に二年度を初年度とする高齢者保健福祉推進十カ年戦略、これを策定いたしまして、ホームヘルパーの飛躍的充実を初めといたしまして介護の充実につきましても十二分の対応を図ってきたところでございます。したがって、教育、介護の問題につきましては既定の施策の着実な推進、これに努めることが何よりやっぱり肝要であろうと思っております。 なお、年金福祉事業団の教育・介護資金貸付制度の創設の要求につきましては、教育・介護資金が年金資金の還元融資の対象として果たしてなじむのかということ、こういう基本的な問題と、貸付事業としての需要の見込みが一体どのくらいあるか、先ほど文部省からもお答えがありました。また貸付資金の償還の確実性の確保、こういう方法が一体どういうふうに担保できるのか、こういった慎重に論議すべき問題があるため私どもとしてこれをお認めすることができないという対応をしたところでございます。
○久保亘君 これはやっぱり一つの官民の差別になるんです。他の年金等に関係いたします共済組合とかこういうところでは、教育とか介護に限定せず生活資金の融資をやっておるわけです。だから、やっぱり私は国民年金、厚生年金の被保険者に対してもこの融資制度の道を開くべきだ。しかし、そのことを教育と介護に限定せざるを得なかったことはこれは出発段階としてやむを得なかったんだと私は思っているのでありまして、もっと一般的に融資制度をつくるべきだと思っているんです。そうお考えになりませんか。
○政府委員(寺村信行君) ただいま大蔵大臣から御答弁を申し上げましたように、この制度の創設につきましては、従来、被保険者の還元融資でございますから、住宅資金のように資産形成に資し得るものはともかくとして、かなり消費的な資金でございますので、そもそも還元融資としてなじむかどうかという問題と、それから実は将来の大。切な年金支払いの財源になるものでございますから償還確実性をどうやって担保するかという問題がございます、特に介護資金の問題につきまして。そういったものでどういう担保があるかというと、かなり問題があるということで、今回このような予算上の決着をしたものでございます。 なお、お話しのように教育資金の拡充とかその他の制度につきましては、国民金融公庫とか、先ほど大蔵大臣が御答弁を申し上げましたけれども、そういった施策の充実で対応すべき問題ではないかと考えているところでございます。
○国務大臣(山下徳夫君) この制度は非常にいい制度だと思っております。したがって、一回アウトになったからといって決して私どもあきるめているわけじゃございません。今後も財政当局と熱心にひとつ交渉をしてまいりたいと思っております。
○久保亘君 なじむかなじまぬかという問題を言うなら、あなた方は公務員になると同時に共済組合から生活資金の融資を受ける権利を持っているはずです。なぜ民間の事業所に働く者にはそういうものがなじまないということになるんですか。
○政府委員(寺村信行君) 公務員共済の場合は、いわゆる民間でいいます厚生年金基金的な要素もございまして、そのほかに雇用者としての国の立場がございまして、民間企業でもやはり同じような制度がそれぞれ企業によってございますから、そういった色彩の要素がございます。したがいまして、一般的な制度として厚生年金部分について還元融資として位置づけるのがどうかという問題でございまして、もちろんそういった財政投融資の資金を用いまして国民金融公庫とか、ほかの制度でそういった部分を対応していくというような仕組みになっているわけでございます。
○久保亘君 次は、大蔵大臣、景気対策としての金融緩和に当たって、公定歩合を引き下げるときには特に年金生活者などへの影響について配慮しなければならぬということをこの委員会でもおっしゃった。今度の〇・七五の公定歩合の引き下げについてどのような配慮がなされたんでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) 今御指摘のあった問題の問題意識は私も持っております。ただ、我が国の預貯金金利につきましては、もう御案内のとおり自由化の過渡期にあります。そういうことで自由金利と規制金利、これが併存している状況にあろうと思っております。 まず、現在自由化されております三百万円以上の定期預貯金につきましては、現実に規制定期預貯金よりも高目の金利が設定されているところでございまして、これに関連いたしまして若干補足申し上げますと、大蔵省では小口預貯金金利自由化に前向きに取り組んでいるところでございますけれども、この結果、これまでの自由化のメリットを受けることが比較的少なかった小口の個人預金者層にも公平に自由化のメリットを享受できるような点で大きな意義を有するものと思っております。 一方、規制預貯金金利につきましては、今回の公定歩合の引き下げの趣旨にかんがみましてあわせて預貯金金利の引き下げを行うことはこれは適当であろうというふうに考えまして、この旨を日銀政策委員会に対して発議したところでございますけれども、この預貯金金利の引き下げ幅につきましては、金利水準の低下が経済活動の活発化を通じ国民の所得増加に資するものであるという経済政策上の配慮また預金者の事情を総合的に考慮いたしまして、今後金利調整審議会の審議を踏まえまして日銀政策委員会におきまして適正な水準に決定されるものであろうというふうに期待をいたしておるところでございます。
○久保亘君 具体的に金利引き下げによって年金生活者などが生活の資金として計画的に考えている部分が下がってくることに対しての救済策というのはないんですか。
○国務大臣(羽田孜君) 預貯金金利の引き下げは預金者にとりましては利息収入の減少につながるという側面もございますけれども、適切な経済運営と両方相まちまして物価の安定を基盤とした持続的な成長の実現に寄与するということを通じて、むしろ長い目で見たときには国民生活ひいては預金者の利益にも資するものであろうというふうに私どもとして申し上げたいわけであります。
○久保亘君 それがあなたがこの委員会で答弁されておった年金生活者への配慮ですか。
○国務大臣(羽田孜君) 私が申し上げておりましたのは、そういった年金の生活者ですとか、そういった人たちの立場というものも考えなきゃならないので、ただ金利だけを景気の問題というだけでやるということはなかなか難しいねと。だから、そういう総合的な判断をしながら対応しなければいけないというふうな考え方を持っておったわけでありますけれども、しかし経済がこれ以上冷え込んでいってしまうということになりますと全体にやっぱり影響してくる。例えば、年金なんかもこれから充実していかなきゃならぬということに対しても逆にマイナスになっていってしまうということであってはならぬということでございまして、総合的にそういうものを判断されて、日銀当局がこういった対応をしてくれたものであるというふうに思っております。
○久保亘君 それではもう一つ、金利のたび重なる引き下げによって生保や損保の掛金にどのような影響が出てきましょうか。
○政府委員(土田正顕君) やや一般論的な御説明になりますが、生命保険の掛金につきましては、これはどちらかといいますと長期金利の世界に属する問題でございます。それからまた損害保険の保険料は、これは金利の変動の要素もないではございませんが主として掛金収入とそれから保険事故の発生との相関関係において計算されるものでございます。したがいまして、例えば公定歩合の引き下げそれからさらには通常の預貯金金利の引き下げがねらっておりますような短期金利の引き下げ効果というものと、長期的な運用及び給付をめぐる生命保険の保険料とは直接の結びつきはないものではないかと考えております。
○久保亘君 会社側の資金運用益というものがどうなるか、そのことが掛金に影響してこないかと聞いているんです。
○政府委員(土田正顕君) 全般的な金利水準が低下いたしますならば、それは生命保険の運用のファンド、責任準備金の運用の利回りが低下するということも、それはあり得るわけでございます。ただし、先ほどから申し上げておりますように、生命保険のような非常に長期間にわたって設計をし、その結果を給付に反映させるというようなものであります場合には、その都度の引き上げ引き下げというよりも、何年間という長期間を通じました全般的な運用ということがより重要な課題になるものと考えております。
○久保亘君 景気対策の場合には景気動向をどういうふうに判断していくかというのは非常に重要な問題なんですが、やっぱり政府の景気動向の判断というのは一歩ずつずれて、おくれてきたんじゃないですかね、結果的には。それでそれが金融政策その他にもいろいろ影響が出ているというふうに思うんですが、それはどうですか。
○国務大臣(野田毅君) 政府の景気の認識が甘かった、遅かったという御批判をいただいたり御指摘をいただいておるんですが、率直に申し上げて、私ども昨年の九月ごろから月例経済報告の中で減速という言葉を用い始めました。十一月に就任しましてからも、景気の方向性については既に山に例えれば下りの局面にあるということは申し上げもしたんですが、多少私ども反省すべき点もあるという感じもいたしておりますのは、そういう中で、拡大という言葉も別途使っておったものですから、よくわからぬという御指摘をいただいたことも事実でございます。 ただ、昨年の十一月から十二月にかけて少なくとも私どもの判断は、この調整といいますか、そういう減速がかなり強まってきておる。それでこれがこれ以上強まってさらにマインドが下振れするということになって実体経済に悪影響が出ちゃいかぬというような判断から、昨年の暮れには、いわゆる平成三年度の補正予算を組む際にそういうことを念頭に置き、かつてない規模の財投の追加を行い、あるいはまた平成四年度予算編成に当たっても景気に十分配慮した中身の予算を組んだということでございますし、そういった基本的な認識のもとに日銀におかれましても昨年の十一月に続いて十二月の末には第三次の公定歩合の引き下げを行われた、こういう実情であります。 ただしかし、年明けてさらに一段とこの生産調整が、いわゆる在庫調整の本格化に伴って生産の方にも大きな影響が出てまいりましたし、マインドにおいてなお一層の冷え込みが見られたことでございます。そういった状況がさらに一段と減速が広がってきた、こういうことを十分認識いたしまして、先般の景気対策の決定並びに日銀におかれましても軌を一にして公定歩合の引き下げを行われたというふうに考えておるわけでございます。
○久保亘君 景気を下降局面としてとらえるということになるならば、経済企画庁がおやりになるのか、景気基準日付検討委員会は開かれたのか、どこをその日付として判断したのか、それはどうですか。
○国務大臣(野田毅君) 景気の山と谷、この景気の日付について、これは短期的な指標のみならず、かなり従来から専門的な姿でいろんな統計指標をもとにして、今御指摘ありましたような景気日付の委員会を開いて、そして民間のいろんな専門家の方々の御意見も聞きながら、かなり事後的に決定をするわけでございます。そういった点で、まだ今のところ、本年度についても、十-十二月については速報値が一応は出ておりますけれども、もちろん確報値ではありません。そういったことをも含めて、これからいずれそういった日付について委員会を開かなければならぬと思っております。 ただ、巷間、一昨年の秋ごろがピークであったのではないかとかいろんな話が実はあるわけですね。いや昨年の夏ごろだとか、指標のとり方によってはいろいろ異なってくるわけであります。したがって、これを後で十分なそれだけの景気の動向を把握できるだけの指標が出そろったところで、かなり事後的になりますけれども判断せざるを得ないというのが実情であります。
○久保亘君 私は、景気対策として今やっぱり消費に力を与えるということで所得税減税が必要だということを考えております。それはきょうは論議をする時間がございませんが。 もう一つ、国際経済摩擦の原因ともなっている労働時間の問題、このことも景気対策と関係の深いものだと思うんですが、政府として労働時間短縮推進計画の中の千八百時間労働や週四十時間を労働基準法を改定してきちっと定める、そしてその達成時期を決める、こういうような御計画を持ってやっておられるんでしょうか。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 労働時間の短縮の問題は、国内問題であると同時に国際的な問題にもなっているわけでございまして、宮澤内閣としては総理以下我々は必死になってこの労働時間の短縮を進めている。現に今度の国会でも労働時間短縮促進法を御審議いただいて、速やかに通過させ、成立させていただきたいと思っているわけでございます。
○久保亘君 いや、私が言っているのは、だからもともと平成四年度をもって千八百時間という目標を持っておられた、しかしそれは今のところ実現できない。それじゃ千八百時間をどの時点で達成させようとしているのか、それから週四十時間を法定化するのを、いっそれをきちんとしようとしているのかと聞いているんですよ。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 現在の経済五カ年計画の中では、千八百時間を今年度中に達成したい、こういう目標を定めておったわけでございますが、現段階においてはそれが不可能でございますので、これを可及的速やかに達成いたしたい。現在、経済審議会で御審議いただいている新経済計画の中でも、また雇用審議会の中においてもこの問題を積極的に取り上げて、ある程度の方向を示させていただきたいと思っているわけでございます。 具体的に、週四十時間につきましては、現在の六十二年改正、六十三年実施の改正労働基準法の中で、一応本則では四十時間を決めてございますが、附則の中で、これは大臣告示では四十時間に至るまでの経過的な措置を産業別それから企業規模別で決めているわけでございます。 そこで、労働時間千八百時間を達成するためには、具体的に言いまして週休二日制の完全実施、それから有給休暇制度、さらに長期休暇の実行、そしていわゆる所定外労働時間を短縮する、こういうことでございますが、こういった問題を先ほど申しまし。たような時短促進法の中で国が決めて、そしてまた企業ごとに労使で話し合って進めていただく体制をつくっていただく。また同業種間の数社が、二社以上の事業者が集まって計画をおつくりになったときにはバックアップするような体制をつくる。そういうことで、現実に即しながら週四十時間、千八百時間に近づこう、こういう努力をしております。 一方で、この労働基準法の本体自体は現在中央労働基準審議会で御審議をいただいておりますので、今年度中に御答申を得られれば、それに基づいて改正法案を出して御審議いただきたい。ただ、そういう法律をもって、基準法で多少ぎりぎりやる前に、実態的にそれができるようなそういう状況づくり、条件づくりをこの時短促進法でお願いしたい、こういうことでございます。 あと、景気については、あえて申し上げますが、労働時間短縮はこれはもう単純に言って消費増大になりますし、同時に、時短を進めることで特に中小企業の場合にはいろいろな条件の整備が必要でございます。その中でやはりロボット化、合理化、省力化投資をしなければできないということでございますので、今度の緊急経済対策の中でも、時短関連の融資については、現行の中小企業の融資制度がございますが、これを積極的に活用する。多少まだPR不足の面もございますので、これを積極的に活用していただく。また、開銀は開銀でそういった形の融資制度を考えていただくということを、これは関係各省が一致してこういう政策を進めるということで、片方で時短を促進して消費の拡大を図る、さらには時短が可能になるような積極的な設備投資についても国がバックアップする、そういう形で私は今度の景気回復の一つの大きなポイントは時短促進だ、こういう認識もしているわけでございます。
○久保亘君 実際は、この計画の中に達成年次を明定すべきだということも私は言っておるわけですが、これを進めていくためにやっぱり労働組合側の意見が十分反映できるような措置を考えていかなければならぬと思いますが、その点はどういうお考えでしょうか。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 労働時間短縮というのは経営にとっては大きな問題でございまして、例えば今自動車産業が二千二百時間、それを千八百時間まで短縮ということは四百時間です。四百時間というのは具体的に二割労働時間が減らなきゃできないわけです。ですから、そういう労働時間短縮が経営にどういうようなインパクトを持つかということ、片方、労働側にとってその分が例えば賃金にどう影響をするかといういろいろな問題がございます。幸い我が国の現状においては、時間短縮というのはまさに社会的なコンセンサスになっておりまして、今回の春闘でもいろんな議論がございましたけれども、時間短縮についてはもう具体的なプログラムを持って合意された企業もあれば、産業別にもそういう話がございます。 そこで、今度の時短促進の中にも、先ほど申しましたように労使で時間短縮が促進できるような時間短縮促進委員会というものをつくっていただいて、そこで労使でいろいろ話し合いをするようになってございますので、そういうものを積み上げることに計画が進められるわけでありますから、私は働く側のお考え方、お立場も十分時間短縮のプランの中には取り入れられるというふうに考えております。
○久保亘君 時間がそろそろ終わりでございますから、大蔵大臣にもう一つNTT株の現状について、これは株式市場に対する国、政府の責任という立場でいろいろな御議論がございますが、どういうお考えをお持ちですか。
○国務大臣(羽田孜君) NTTの株につきましてでございますけれども、過去三回の売り出し、これのときの価格からかなり下回った状況でございまして、現在は六十方寸前後で推移しておるという状況だと思っております。 これまでの政府によります売却の際に購入された方の中には、既に売却されて損失を出された方もあったり、あるいは保有しておる資産が目減りしたりして心配されておられる方、また釈然としない思いをされている方もあるんじゃないか。このことを私も十分承知いたしておるところでございます。 本来株価というものは、需給関係その他の要因によりまして上昇することもあれば、また下落することもあるわけでございまして、株式は価格変動リスクを伴う商品である以上、株式取引に伴う損失につきましては、事後的に売買当事者の一方がこれを補てんすることとか、あるいは自己責任の原則から見まして、こういったやり方というのは問題があろうと思っております。 また、他の上場銘柄につきましても大幅に株価がやっぱり下落しておるという状況でございまして、政府として国民全体の負担においてNTT株主に対していわゆる株価の下落による損失をどうこうするということは投資家間の不公平を助長するであろうというふうに考えております。 いずれにいたしましても、これの一番主体の企業でありますNTT自体が魅力のある企業あるいはまた株式に対する配当率ですとか性向ですとか、そういった面でやっぱり我々としても対応していくべきものであろうというふうに考えております。
○久保亘君 今の問題で、渡辺副総理に御意見を伺いたい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 所管外でございますから、国会の場で申し上げることはいかがかと存じます。
○久保亘君 テレビでは随分おっしゃっておりましたのでお聞きしているんですが。
○国務大臣(渡辺美智雄君) よく相談をしますが、大蔵大臣にお任せします。
○久保亘君 それでは最後に文部大臣、競馬法二十八条を御存じですか。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 申しわけありませんが、読んだことがありません。
○久保亘君 トトカルチョの胴元になられると聞いております文部省は、競馬法などは十分御検討にならにゃいかぬのじゃないですか。
○国務大臣(鳩山邦夫君) いわゆるサッカーくじ、スポーツ振興くじの問題については、これは体協とかJOCが各方面に依頼、陳情に回ったわけでありましょう。もしそれが実現するということになれば、スポーツを所管するのは文部省でありますから事務方には勉強するように言っておりますが、まだ自民党の中でもいろいろ議論が始まったばかりと承っておりますし、社会党の皆様方もいろいろ議論を開始されて昨日何か短い文書を発表されたのも読ませていただいております。こうしたことは国民の間で大いに議論が進んで、そして国民がみんなでやろうじゃないかという機運が高まって、そして議員立法としてまとまっていくものであろうと思っておりますので、私自身はまだそういう競馬法まで見るような勉強をしておりませんで、申しわけなく思います。
○久保亘君 馬券は、二十歳を超えても学生である者には認められておりません、その購入は。そのこともよく念頭に置いて、サッカーくじ等が文部省によって子供の世界に入ることがないように申し上げておきます。 最後に、人事院お見えでしたら、総理が提唱されております東大偏重是正の問題について、このような問題を具体的に人事院が採用に当たってどういう方法でやれば可能なのか、それを教えていただきたい。
○政府委員(弥富啓之助君) お答えを申し上げます。 人事院は従来から、昨今の行政の高度化あるいは複雑化、国際化、このような状況のもとで適切な行政運営が図られるためには公務に多様な人材を確保することが重要ではないかということで臨んできております。このたび、閣議において官房長官から御発言があったと聞いております特定大学に偏らない多様な大学等からの採用という方針、これは今申し上げたところの人事院といたしましても従来から各省庁の任命権者に対してもそのような趣旨で、方針でお採り願いたいというようなことをお願いしているもので、我々としては望ましい方向ではないかなというふうに考えさせていただいております。 ただ、各省庁におきましてできるだけ多様な大学等の出身者を採用するように努められるということにこれからなると思うわけでございますが、人事院としては各省庁における採用の多様化が、まずこれは採用する場合には公務員試験合格者から採用するわけでございますので、これが一層推進されるように採用試験の内容の改善あるいは多様な大学等に対して募集活動の対象を広げる、そういういろんなことの方策を考えてまいって努力して、そのような多様な人材を確保するという道が開けるよう考えてまいりたいと思っております。
○久保亘君 この是正は具体的な方法をもってやらなければ、単なるパフォーマンスではだめなのであります。私もそのことに反対ではありません。しかし、具体的に五年後にそれをやろうとされるなら、五年後にどういう方法でやるということまで総理はお考えになっておっしゃっているんでしょうか。
○国務大臣(加藤紘一君) 一つは、今人事院総裁が申しましたように、公務員試験制度そのものをもうちょっと柔軟な形でいろんな層の、またいろんな各種の大学からの合格者が生まれ得るようにするというのが一つであろうと思います。 それからもう一つ、現在、公務員試験で合格している者の特定大学といいますか東大の比率は五割なんですけれども、採用で見ますと平均六割になっておる。したがって、やはり採用と合格、その辺のバランスを各役所でもよく見てほしいと思っております。 それから、全体的に申しますと、やはり特定大学、これは東大に限らないんですけれども、一つの組織一つの会社の中で特定大学の人が五割、六割、七割になったら、それはもうほかの大学の人は、しょせんあそこは、あの役所とか会社はあの大学でなきゃ出世できないんだというようなあきらめみたいなものも生じてしまいますので、そういうところを徐々に是正していく。つまり、五年後に同一大学の比率は五割まで落とすということをしながら、各大学の人たちがあえて公務員試験を受けてみようという雰囲気をつくっていく、そういうことをやっていかなげればならないと思っております。 特に、余り報道されておりませんでしたけれども、公務員試験制度そのものが多様な人材を採り得るような試験の問題の出し方等を考えていかなければならないことだと思っております。
○久保亘君 どうもありがとうございました。
○委員長(中村太郎君) 以上で久保君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(中村太郎君) 次に、太田淳夫君の質疑を行います。太田君。
○太田淳夫君 それでは、最初に外交問題について、予算委員会最後でございますので、何回も御質問あったと思いますが締めくくりとしてお聞きしておきたいと思います。 今般の江沢民総書記の訪日によりまして、これは日中国交正常化二十周年という節目の年に天安門事件以後の日中関係が一区切りがついたものと理解しているわけですが、宮澤総理は江沢民総書記との会談をどのように評価され、今後の日中関係と中国の進路についてどのような展望を持っていらっしゃるか、最初にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 御指摘のように、日中国交正常化二十年ということになったわけでありまして、このときに総書記においでを願いまして、二十年を回顧しながら将来の展望について語り合いました。何か特に解決をしなければならない急な懸案があるということでなく、むしろそういう広い視野に立ちまして、全般の両国間の関係なり世界情勢について話し合ったという点で非常に有益であったと思います。 今後の両国関係につきましては、双方とも大局を重んじて積極的に関係の処理に当たると、そのためには今後とも指導者間の接触を一層強化していくことで意見が一致いたしました。 また同時に、これからの日中というのは、二国間の問題はもとよりでございますけれども、協力して世界にどのように貢献していくか、そういうこともお互いに考えていくべき関係であるという点でも基本の考え方が一致いたしまして、日中関係の将来にとりまして好ましい会談であったと評価をいたしております。
○太田淳夫君 我が国の立場からしましても、アジア諸国、特に中国との関係をさらに友好的に深めていくことは、これは世界の安全保障にも大きな問題ではないかと、私そのように理解しております。 そこで、天皇陛下の訪中実現に対しまして、中国側としては日中関係の一つの節目として大きな期待を持っていらしたようでございますが、我が国の方の引き続き真剣に検討するという対応、これによりまして多少期待感をそがれたような感じもしていると伝えられております。この国交正常化二十周年ということしのうちの訪中実現には、五月に万里全人代常務委員会委員長の訪日が伝えられておりますけれども、準備期間からしてもこのときが判断の最後の機会ではないかとこう思います。その点、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 中国側といたしましては、この二十周年記念というものを大々的に行って、過去でなくて未来に向かって一層両国民の親善関係を強化してまいりたいと、中国の方が再三日本を招待をされておる。したがって、中国といたしましても、この二十周年を記念して、天皇陛下にぜひともおいでいただきたいということは、かねて数回にわたり要請があったことは事実でございます。それにつきまして、内閣といたしましては検討をしますということを言ってまいったわけでありますが、私が一月に参りましたときに真剣に検討をさせていただきたいということを申し上げました。二十周年ということになればことしということでございますが、今なかなか答えを出す段階にありませんので、いましばらく、いずれにするかを含めまして、真剣に検討をさせていただきたいというお答えにしてあるわけであります。
○太田淳夫君 次に、カンボジアの復興の支援の問題でございますけれども、カンボジアでは明石代表のもとでUNTACによる難民の帰還、あるいは地雷の除去、治安の維持、あるいは総選挙に向けた行政の整備など困難な活動が始まっているわけです。我が国はUNTACの難民の帰還支援につきましては相当の経費負担を行っているわけですけれども、明石代表は先日訪日の際に、UNTACの経費の三分の一程度の負担を我が国に求めているわけです。政府は、この明石代表の要望に積極的に応ずる心づもりはございませんか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 我々はできるだけの協力はさせていただきたいと考えております。
○太田淳夫君 この五月、カンボジア復興支援についての東京会議が開催が予定されているわけです。カンボジアの復興支援については、国際社会から我が国の積極的な対応が求められておりますし、我が国としましては復興支援の青写真を国際社会に提起すべき立場にあると思うんですが、この東京会議に臨む姿勢はどのようなものかをお聞きしたいと思います。
○政府委員(谷野作太郎君) お答え申し上げます。 ただいま五月という仰せでございましたけれども、六月末に予定いたしておりますが、いずれにいたしましても、カンボジアの復旧あるいは復興に関しましては、もちろん我が国は大変な熱意を持って臨んでおりますけれども、広くその他の志を同じくする関係国あるいは国際機関からの支援の確保ということが大変大切でございまして、そのような観点から、今のところ六月の二十二、二十三の両日、東京におきましてカンボジア復興、閣僚レベルでございますが、会議を開催させていただきたいと思っております。 先般、東京で準備会議を行いましたが、そこで何点か合意されました。 すなわち、当面はまずは先ほどお話しのUNTACの活動を全面的に支援していかなければいけない、そのための支援策を積極的に考えようということでございます。それから、復旧に対しまして日本も含めて関係国、関係機関の積極的な支援を行っていこう。この辺の具体的な各国の対応が六月に明らかにされることを期待しておるわけでございますが、そういう文脈の中で国際的な支援の調整のメカニズムといいますか仕組みを考えなければいけないということで、恐らく六月に閣僚会議でカンボジア復興国際委員会というそういう仕組みをつくるということが合意できるのではないかと思っております。 やるべきことは多々ありますけれども、農業、インフラ、エネルギー等、先方の希望は多々ございまして、積極的にそういった分野での取り組みをいたしてまいりたいと思っております。
○太田淳夫君 せんだって柿澤政務次官もいらしたようでございますが、カンボジアには世界有数の文明であるクメール文明のアンコールワットの遺跡もございます。このアンコールワットの遺跡の復興に対しても、日本でも上智大学の方々を中心としてこの遺跡の復興に対していろいろと力を尽くされてきております。これに対して外務省としてはどういうような支援体制にありますか。
○政府委員(谷野作太郎君) 経済復興も大事でございますけれども、やはりただいまお話しの文化遺跡の保存というのももう一つ私どもは積極的に支援すべき分野だと思います。そういうことで、人類の遺産とも言われますアンコールワットの遺跡の保存に対しまして日本は積極的に取り組んでまいっております。 国連にこの種の文化遺跡の保存をいたしますための基金といたしまして信託基金がございますけれども、既に三十七万ドルを支出済みでございます。先般、お話がございました柿澤政務次官がプノンペンを訪れましたときに、平成四年度におきましてはさらにこれに加えて百万ドル程度の支援をさせていただくということを約束してまいりました。
○太田淳夫君 次に、六月にいよいよ地球サミットが開催されます。これは我が国が発展途上国と先進諸国とのよき橋渡し役として地球環境問題に誠実に取り組んでいる姿勢を示す絶好の機会ではないかと思うんです。 宮澤総理は、みずからこの地球サミットに出席をされて、我が国が環境問題の分野で国際社会に対する貢献を果たしていく決意を世界に明らかにすべきであると思いますけれども、総理としての基本的な対応方針を示していただきたいと思うんです。
○国務大臣(宮澤喜一君) この会議につきましては、我が国は今日までの段階におきましても既に会議の準備のために非常に主導的な役割を果たしてまいりましたし、またいわゆる賢人会議等におきましても、竹下元首相を初めたくさんの方々に、世界の人々にお集まりを願って協議をするような段取りにいたしております。 極めて積極的にこの会議の成功のために努力をいたしてまいりましたが、私自身この会議のいわゆる大臣会議と申しますか、総会に出席するかどうか、実は国会の御開会中でもございまして、そういう日程がどうなりますかということがいまだはっきりいたしませんので最終的に考えを決定しておりませんけれども、できるならば出席をしたい。また、それが我が国のこの会議に対する積極的な態度を示す結果になるだろうと考えておりますけれども、ただいまのところ、まだいずれとも決定をすることができずにおります。
○太田淳夫君 特に先般の準備会議で合意に達しなかった資金協力の問題は、我が国の対応がこの問題を大きく左右すると言われているわけでございますが、政府は地球サミットまでにどのようにこれに対処いたしますか。
○国務大臣(中村正三郎君) 委員御指摘のとおり、ちょうどこの間終わりました準備会合で、日本も積極的にそこに参加しておったわけではございますが、合意がまだ得られておりません。 地球環境を守るために、発展途上国では技術も資金も必要としておりましょう。そして、地球規模でこうした問題に対して対処する場合に、いかに資金が調達でき、しかもそれが送られていくかということは極めて重要な問題だと思っております。 そこで、今総理からもお答えありましたように、ちょうど十五日からでございますが、これは主催は地球サミットの事務局でありますが、ホスト役を竹下元総理、海部前総理、それから経団連会長が引き受けられまして賢人会議が開かれます。ここでサミットヘ向けての一つのこういった資金メカニズムの提言をつくっていくようになると思いますが、あらゆるこうした手段を講じまして資金調達のメカニズム、そうした枠組みをつくるために、環境庁といたしましても、特にこの間も総理から強い御指示がございまして、積極的に参加し、この会議の成功に向けて努力をしてまいりたいと思っております。
○太田淳夫君 次に、旧ソ連の支援の問題についてお尋ねいたしますが、我が国とロシア連邦との間には北方領土問題を解決して平和条約を締結するという歴史的な課題があるわけでございます。我が国の支援には限界があるということも、やはりロシア、旧ソ連諸国はもとより、欧米を初めとして世界にもこれは認識をしてもらわなきゃならないんじゃないかと思うんです。 今月のうちに開かれる予定と聞いておりますIMFの暫定委員会あるいは七月のミュンヘン・サミットに向けて、このCIS支援に対する支援の枠組みが具体的に煮詰まってくると思うんですけれども、エリツィン・ロシア大統領の九月の訪日も射程に入っている状況の中で、この北方領土問題の解決というのを踏まえて旧ソ連支援の基本方針を明確に打ち出して、CIS諸国はもとより欧米を初め全世界に、先ほど申し上げましたように我が国の立場を理解してもらえるように努力すべきじゃないかと思いますが、その点どうでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 結論からいえば、大体側趣旨のようなことで動いているわけであります。 御承知のとおり、我が党としては、ソ連との間で未解決な北方四島をめぐる境界線の画定問題、これがあるわけでございまして、それをそのままにしながら平和条約を結ぶことはできません。したがって、平和条約と同時にそれらに対するはっきりした考え方が示されなければなりません。 それはそれとして、現在の旧ソ連の混乱で結局せっかくの民主主義あるいは自由経済という国内体制ががたがたになってしまって、保守派が台頭するというようなことになってしまったのでは困る、何とか現在の体制を苦労があっても持ちこたえられるようにしてやろうではないかという国際的な考え方があるのも事実。我々はそれを拒否するものではありません。 したがって、国際間においてそのようなことをやることについてはできるだけそれは協力はいたします。しかしながら、その規模その他について、よくドイツがやったんだから日本もというようなことをおっしゃる方がありますが、ドイツと日本では全く置かれた立場が違うのであって、ドイツはソ連に攻め込んだ方でありますし、我々は攻め込まれた方でありますし、ドイツは攻め込んで多数の人的物的被害を何百万か知りませんが与えてきたわけですから、(「何千万だ」と呼ぶ者あり)何千万かもしらぬ。我々の方は一方的に中立条約が破られて、しかも北方四島が不法に占拠され、なおかつ、ゆえなく我々の同胞が六十万人もシベリアに拉致されて強制労働を強いられて、六万近い人が飢えと寒さの中で亡くなったという現実があるわけですから、そういうようなことを考えると、同じように見られることは心外であります。 我々は、どこまでも法と正義に従って条約は守られるものであるということが確認されないと、新しい条約を結んでもまだ破られるということではだめでありますから、条約は守られるものである、そのためにはその証拠がある程度示されなければいけないということは私自身がロシアに対して言っていることですから、別に国会で言ってもおかしい話じゃありません。 そういうようなことで、ともかく時間は多少かかることもあるでしょう。しかし、基本的な原則は曲げるわけにはいかない。たまたま相手方も法と正義に従って解決をしようということですから、魚心あれば水心という言葉は悪いというんですが、日本人には一番わかりやすいんだが、外国には拡大均衡とか言っておるんですけれども、お互いに歩み寄っていこうということで、そういう方向で今進んでいるということであります。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今、外務大臣が大変にわかりやすく言われましたとおりでございます。大体そういう考えで我が国の態度をとっております。
○太田淳夫君 次に、それでは総理に、先ほど同僚委員からも御質問がございましたが、沖縄の年金の問題について御質問だけしておきますが、ああとおっしゃらずにお聞きください。 それは、衆議院の沖特の委員会でも総理は、沖縄の問題は高い政治レベルである、こういう認識を示されているわけでございますし、先ほどからのお話にありますように、復帰二十周年を迎えてこれは沖縄の県民の皆さん方の強い要望となっているわけでございます。これにこたえるためにも高度な政治解決を図るべきだろうと思います。 先ほども、自民党の三役の方々がこれに理解を示されたということもおっしゃっておみえになりました。私もそのように聞いておりますけれども、やはり与野党の超党派による協議の場を設置して取り組むべき課題であろうとも私ども考えております。沖縄の年金格差問題の取り組みについて、総理の見解をお尋ねしておきたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) 沖縄の年金問題は、たびたび御答弁申し上げておりますが、沖縄が復帰してからの年金制度ですから、内地の場合とかなり時間的に格差があるわけでございます。したがいまして、そこに差がつくのはやむを得ないことでございますが、それでも我々としては何とか少しでも救いようがあればと思って過去二回、復帰時とあるいは平成二年度に精いっぱいのこれに対する改正をいたしてきたわけでございます。 したがいまして、現状としてはぎりぎりいっぱいのところまでやっておりますので、しかも第二回目の改革の線で今実施中でございますので、それがたしか平成七年までだったと思いますが。ですから、現時点においてさらにということはなかなか困難でございますし、超党派でおやりになるということは、これはもう私どもがいろいろ言及すべきことじゃございませんが、政府としましても、今後地元の県あたりともいろいろと意見の交換は重ねていきたいと思っております。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま厚生大臣がお答えになられたように、沖縄が復帰いたしましたときに特例によりまして中高年齢者に対して老齢年金の定額部分については本土並みにいたしたわけでございます。それから平成二年度からは報酬比例部分についても特例措置を行った、これはかなり思い切った措置であったわけでございますが。 そこで、残りました問題というのは、要するに沖縄が厚生年金保険を施行したのが昭和四十五年であるということ、それから我が国の現行法は昭和二十九年でございますから、いわば若い人が現役のときに保険料を納付して老後に年金を受けるというこれがこの仕組みの基本でございますので、これだけスタートが違う、つまり加入していなかった期間が非常に長いわけでございますから、それをあたかも加入していたごとくにして年金を受けるということは、そもそもこの制度からはどうしても私は、この年金という制度の中で考える限りはなかなか答えが出ないんじゃないかということ。 また、従来厚生省も、それは沖縄のことでございますものですからほかのことと違うという気持ちは十分持っておりまして、一生懸命考えてこられましたけれども、どうもこの制度で物を考える限りは答えは出てこない。 私も、殊に沖縄特別委員会では常にこの問題が議題になりますし、この問題とマラリアの問題というのが今残されたいわば二つの問題になっていて、ことしはこういう記念の年でもございますし何かならないかなという気持ちは持っておりますけれども、どうも現行のつまり厚生年金というもので考える限りは、昭和四十五年スタートと昭和二十九年スタートの問題というのは解決のしょうがない。 しかし、沖縄の方のためであるから何かほかのことが考えられないかと私自身も実はとつおいつ思ったりしているんですけれども、どうもきちっと法制で考える限りはうまい答えは出てこないということでございまして、そういうことから、今厚生大臣の言われましたように、地元の県との意見交換は続けてやってみてももらいたいというふうに実は考えておるところでございます。
○太田淳夫君 今、総理のお話の中に、何かならないかなというお考えを持っておみえになるということもおっしゃっておりましたし、これは県民の皆さんと今後も話し合いを続ける中で何かしらの特別措置ということでそういう解決ができればいいなと、こういうお考えなんですね。
○国務大臣(宮澤喜一君) 財政的にどのぐらいのものになるだろうかということも実は考えてみなければなりませんし、先ほど申し上げたようなことでございます。
○太田淳夫君 じゃ、よく受けとめてまいりたいと思います。 次に、看護婦さんの問題について、待遇改善の問題について質問したいと思います。 最初に、国際公約でもある完全週休二日制の実施と二・八体制はいつ達成されると考えられますか、政府の取り組みをお聞きしたいと思います。
○政府委員(古市圭治君) 週四十時間制、それから夜勤が月に八回以内、また二人体制ということで看護婦の勤務条件の改善に向かって努力をしているわけでございます。 しかし、現実の職場で看護婦の数が足りないというのは事実でございまして、御承知のとおり、昨年の末に十年間を見通した需給見通しというものをつくらせていただきました。その前提として、週四十時間につきましては、平成四年度じゅうに実現するためにはどのぐらいの数が要るのか、また十年たったときには万八回というのも実現するようにするにはどうすればいいか等やったわけでございます。 現在、夜勤回数は平均で八・二回ということでございますし、週休二日制というものにつきましても約半分ということでございます。まず全体の数をふやすという努力の中で、一日も早く勤務条件を改善したいと思って努力しているところでございます。
○太田淳夫君 看護婦さんたちは非常に忙しいわけですけれども、その皆さん方にとっての悩みの種というのは、忙しいというだけではなくて、仕事に追われる中で勉強ができない、時間がない、なかなか専門性を高めることができない、こういう悩みの声を聞くわけでございます。 私は、そういった声にこたえるためにも、例えば三年、五年、十年というあるいは節目節目のリフレッシュ休暇というか研修休暇というか、そういうものを推進していくことが必要ではないかと思いますが、その点はどうですか。
○政府委員(古市圭治君) 御指摘のとおりでございまして、そのような事業も拡大していきたいということで、厚生省におきましても、平成三年度から就業三年日程度の若手の看護婦さんを対象といたしましてリフレッシュと自己啓発のための研修、二泊三日程度の研修会でございますが、これに対して全国の都道府県に対しましてモデル事業等を実施するように予算化をしているところでございます。
○太田淳夫君 労働条件の改善はもとよりのことでございますが、働きやすい職場づくりの一環として、子供さんを生み育てる環境をつくることが大切である。このため、四月から施行された育児休業制度を整備するよう行政サイドからも指導を強化するとともに、保育施設の整備を図ることが重要であると考えているわけです。 特に、院内保育所というのは育児の問題を抱える看護婦さんの就業継続に大きな効果があると考えているんですが、その充実にはどのように取り組んでいく所存ですか。
○政府委員(古市圭治君) 看護職員を確保いたしますためには、養成数だけでなくて職場から離れるということをいかに少なくして定着率を高めるかということが重要な問題でございます。そのために、離職の大きな原因となっております結婚と育児でございますが、その対策として院内保育所の充実というのが非常に重要な課題でございます。 私どもは、平成四年度の予算におきまして、補助対象数を拡大すると同時に、夜間の延長保育というものを延ばしました。そういうことで、予算的にも二年間で七割増の十三億八千万円ということでお願いしているわけでございます。また、院内保育施設を整備するために、いわゆる社会福祉・医療事業団の融資というものも特別に限度額の加算制度を設けて援助をしているということでございます。
○太田淳夫君 次に、今回公明党の主張も取り入れまして、看護婦等の人材確保の促進に関する法律案が提出されたことは一定の評価をするわけですけれども、厚生大臣は、この法律において定める基本指針の処遇の改善に関する事項においてはどういう事項を具体的に明記されようとしておりますか、この点をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) 基本的には、看護婦さんが働きやすいようなそういう環境をつくって、そして処遇を改善して人材を確保するということでございますが、今御指摘の点につきましては、まず処遇の改善についてどのようなことをやるかということでございまして、まず第一番に労働時間の短縮、それから夜勤の負担の軽減、深夜交代というのが果たしていいのかというようなことを基本的に考えて、今の三交代制をどうするかという問題もございます。あるいは看護業務の改善、本来の看護婦の仕事以外の雑役に服していないかということも検討していかなきゃならぬ。あるいは今お話がございましたように、院内保育施設等そういう厚生福利施設を充実していくといった問題について速やかに改善を図っていかなきゃならぬと思っております。
○太田淳夫君 次に、労働大臣にお尋ねしますけれども、依然としてILOの看護職員条約、勧告を批准していないんですけれども、これは看護職員の労働条件の改善のためにも必要最小限の項目ではないかと思うんです。 この条約が採択されました一九七七年当時は、この条約に盛り込まれていましたところの週休二日制の導入などは余りに高過ぎる基準と思われていたわけでございますけれども、今日この実現というのは緊急の課題になっているわけです。このように時代も変わってきているわけでございますし、看護職員の地位向上と労働条件の改善のためには、まずこの条約の批准を行って、さらに政府が定める人材確保の基本指針においてもこの勧告に盛り込まれている事項はできるだけ含めていくべきではないかと、こう思いますが、その点どうでしょうか。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 政府におきましては、ILOの条約を批准する場合には、それが国内法的な体制が整備されて着実に実行できるという条件をつくって批准していくわけでございます。 先生御指摘の看護職員の雇用、労働条件及び生活状態に関する条約の勧告でございますけれども、実はこの条約の中で、看護婦については他の労働者と同等またはそれ以上の条件を享受するとされておりますが、現行の基準法においては、例えば女子の深夜業は一般に禁止されておりますけれども、保健業種すなわち看護婦等に従事する女子については深夜業が認められているわけでございますので、こういう我が国の現在の労働基準法の深夜作業の問題と、ILOにおいては一般の労働者と同等もしくはそれ以上の処遇をすること、こういうことについて調整の問題が残っておりますので、このあたりいろいろ関係審議会その他で御審議をいただかなければならない。 ただ、この勧告、条約の中でいろいろな点の御指摘がございますので、御指摘ございました看護婦等の確保を促進するための措置に関する基本指針、現在いろいろ検討中でございますが、労働省、厚生省、文部省の三省において関係審議会の審議を経た上で採用できるものは積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○太田淳夫君 では、厚生省にお聞きしますが、今回の診療報酬の改定でどういうような待遇改善になりますか。
○政府委員(黒木武弘君) 今回の診療報酬改定におきましては、特に看護関連経費というところに配意してきたつもりでございます。例えば看護料の約二〇%アップという大幅な引き上げを行っておりますほか、夜勤体制等、例えば二・八体制をとるとか週休二日制を実施しているというような場合には加算の点数を新設するというようなことでいろいろ診療報酬上工夫をしまして、看護婦の処遇改善にあるいは勤務条件の改善につながるように工夫してまいっているところでございます。
○太田淳夫君 それで、看護婦さんの処遇改善にも努力されていると言われましたけれども、看護婦さんの賃金アップに必ずこの処置がついているんでしょうか、どうでしょうか。
○政府委員(黒木武弘君) 御案内のように、診療報酬というのは病院経営の原資と申しますか、そういうものを付与するというような形になっておるわけでございます。 そして、お尋ねの賃金につきましては、これはまさしく労使の問題だと承知をいたしておりますけれども、私どもは今回の改定の中で処遇改善につながるような工夫をして点数配分をしたということが一つ。 それから改定に当たりまして、山下厚生大臣から医師会長ほかに対しまして、今回の改定の趣旨は看護婦の処遇改善、これを非常に重く考えた改正であるから、そういうことを踏まえて会員に対する指導方をお願いするという要請を行っていただきまして、それを受けまして私どもは、通知の形で医師会等に対しまして、会員に対しまして、今回の改正の趣旨が看護婦さんの方々に対する勤務条件の改善にありということでよろしく御指導方をという通知を出しているところでございます。 これらの措置によりまして、お尋ねのような賃金等を含めまして看護婦さんの勤務条件なり処遇改善に私どもはつながっていくものと、かように考えておる次第でございます。
○太田淳夫君 日本の医療の体系を見ますと、やはり医師を頂点として治療を施すという感覚が非常に強いわけですね。ですから、日本の皆保険制度を支えてきました診療報酬の組み立てを見ましても、医師がしたことに対しての報酬が主となっているんですね。医師が診断して、医師が治療して、医師が投薬して、検査をして、医師の仕事にしかお金が支払われないシステムになってきたわけです。それに対して、直接に看護婦さんの仕事に支払われるお金はわずかしかない仕組みになってきた。 その中で、今回はこのような診療報酬五%引き上げる中で二・六%は看護関係に充当するようにという趣旨はわかりますけれども、こういったせっかくの診療報酬の引き上げの配慮が病院経営の経費に回されないようにするシステムをやはりきちんとつくっておくべきではないかと思うんです。その点がやはり看護婦さんたちのいろんな心配する点であります。 先ほど労使関係等々ありましたけれども、これは労使関係の問題として一般論で処理すべき問題でない、こう思いますが、その点どうでしょうか。
○政府委員(黒木武弘君) 診療報酬上の工夫とそれから病院団体等に対する指導で私どもはこの大きな社会問題への改善の足がかりになり、つながっていくと思っておりますけれども、個々の病院の看護婦さんの賃金あるいは賃金水準、そういうものに対しまして、私ども政府としてあるいは厚生省として、やはり具体的な介入はできないんではないかと。 しかしながら、現下の看護問題、大きな問題でございますから、点数上の工夫とそれから団体等を通じました指導によりまして必ず看護婦さん方への処遇改善、勤務条件の改善に私どもはつながっていくものと、こういうふうに確信をしている次第でございます。
○太田淳夫君 それはあなたの、厚生省の確信だけで終わらないようにぜひともしていただきたいと思いますが、看護婦さんの労働条件、決して楽なものでない。看護婦さんは看護婦さんの仕事を選ぶにしても、その重要性を認識し、それだけの覚悟を持っておやりになっている方が多いわけでございます。現場の看護婦さんたちのいろんな意見を聞きますと、看護婦さんの仕事が三Kとか八Kとか宣伝されることに対して逆に戸惑いを感じている人も中には見えました。 私は、看護婦という仕事に対しては国民の皆さんに正しい知識と理解を持ってもらうことが必要であろうと考えるんですが、国としてはその点についてどのような努力をして看護婦さんの社会的。評価の向上に努めようとされていますか。
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほどから御答弁申し上げておりますように、処遇という面から見ますとやはり給与その他が大事だと思いますが、ただし今回の二・六%につきましては、そっくりそのまま給与にそれをつけろという意味じゃなくて、あらゆる面で看護婦にそれが渡るようにしなきゃならぬと。だから、看護婦に対する処遇というのは給与だけじゃございませんので、その点をまず第一にやっていかなければなりません。 それから、社会的にもっと評価されると申しますか、国民みんなが看護婦さんというのは立派な仕事である、大変大事なことであると。大体看護婦さんと患者との間には、人と人との関係というのは物だけじゃなくてやっぱり温かい心でなきゃならぬ。そういう意味においては、入院している患者にとってはお医者さん以上に看護婦の方が親しみやすい。別に男子の入院患者だけじゃなくて親しみやすいのでございます、私も経験ありますけれども。 そういう意味におきましては、本当にありがとうさんという気持ちを、看護婦に対しては感謝の気持ちを持つ、そういう意味において昨年から国において看護の日というのを定めたのであります。ちょっと日にちを忘れましたが、ナイチンゲールの生まれた日を看護の日として定めて、そして国民挙げて看護婦に対して感謝をするというように、気持ちの上でもひとつやっていこうということでございます。 さらに、看護婦等の人材確保の促進に関する法律案も今回の国会で皆様方に御審議をいただくのでございまして、いろいろととにかくできるだけのことをみんなで工夫し、みんなで考えてやっていこうじゃないかということで、ただ単に二・六%だけじゃなくて物心両面でやっていこう、そういう気持ちをいっぱい我々は今後持ってひとつ対処していきたいと思っております。
○太田淳夫君 今いろいろと厚生大臣のお話がありましたが、それを聞くとますます心細くなりますね。 先ほど私申し上げましたように、日本の医療の体制というのは、患者が入院して退院するまでの全体の過程として医療というものを考えたときに、やはり治療行為だけが評価されてきているんでしょう、それはいろんな歴史的な経過があったからやむを得ませんけれども。それを幅広く看護婦さんの立場にももっと広げていくように私は先ほどからお話をしているつもりでございます。 それに対していろいろとおっしゃいましたけれども、第一に、一番看護婦さんたちが心配してみえるのは、確かに診療報酬で上がったとしても、それは全部が全部給料でないにしましても、タクシー業界の値上げのように何も看護婦さんの待遇改善に回ってこないじゃないかという事態を皆さん方は心配しているから、法律をつくったときにきちんと歯どめをしなければならないじゃないかということですね。 先ほどもテレビを拝見していましたら、チーム医療であるとかインフォームド・コンセント等いろんなことをおっしゃいました。いろんなものが欧米から入ってきて日本の医療の中に取り入れられたとしましても、日本の医療界にありますような医師と看護婦さんの関係ではだめですぞということですよね。これは正しい人間関係になっていかなければならないんじゃないでしょうか。何となく医師と看護婦さんとは従属的な関係にある。医師と看護婦さんの給料を見たってはるかに違うじゃないですか。そういったことをだんだん直していかなければならないんですよというのが今回のこの法律の趣旨でなければならない、私はそう思って申し上げているわけです。 いずれにしましても、総理、この問題につきましては、看護婦さんが不足すればやはり犠牲になるのは看護職員の方々であるし、また医療を受けられる国民の皆さん方になろうと思います。その点を考えますと、看護婦さんの対策というのは小手先の対策ではできないと思います。四十年間いろいろと据え置かれてまいりました医療法における配置基準の見直しであるとか、あるいは准看護婦さんの問題の見直しであるとか、あるいは診療報酬体系の抜本的な見直し、今いろんな問題の抜本的な解決が迫られているわけでございますから、最後に総理の御見解をお聞きして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) この問題につきましては、先般も人材確保の促進に関する法律案の御審議を衆議院でお願いをし始めたところでございますけれども、この法案を見ておりますと、基本方針あるいは国等の関係者の看護婦確保に関する責務、あるいは看護婦確保のための具体的な措置、ナースセンターの指定等々、大変にいろいろと考えられておりますけれども、これから我が国が社会としては高齢化し始める、他方で人手不足は進行するということになりますと、こういう苦しい仕事に本当に十分な人材が確保できるかということは私は簡単ではないと思うんです。 先ほど太田委員が言われましたようなよほどの心遣い、待遇等々してまいりませんと、紙の上だけではなかなか私はできないんじゃないかということを心配しておりますから、できることはあらゆることをやっぱりやって初めて確保できるというぐらいな気持ちで行政をやってまいらないといけないのではないか、そういうふうに思っております。
○太田淳夫君 先ほど申し上げました看護問題は終わりということでございますから、次は海上保安庁にお聞きします。 廃棄物の処理、特に不法投棄が社会問題になっておりますけれども、海洋への不法投棄の実態について、それから廃棄物海洋投棄事犯で送致された件数はどのぐらいになりましょうか。
○政府委員(小和田統君) お答えいたします。 廃棄物の違法投棄に関しましては関係する法律が三つございますけれども、平成三年に海上保安庁が検挙し検察庁に送検した件数で申し上げますと、合計では三百三十四件となっております。 内訳としましては、船から物を捨てた、例えば生産物の加工のかすを捨てたといったようなケースが九十四件、それから建設廃材等一般的な廃棄物を捨てたケースが二百二十四件、それから港等でごみを捨てたというものが十六件となっております。
○太田淳夫君 総理は播磨灘というのは御存じですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) はい。
○太田淳夫君 その兵庫県の播磨灘で地元周辺の漁業組合が約二百隻からの漁船を繰り出して海底清掃を行ったんですが、半日だけで百トンからの廃材を引き揚げるという、そういうひどい状態があったわけです。 これは家島漁協の皆さん方、あの近くでございますけれども、底びき漁では建設廃材が大量にかかりまして船の転覆まで起こりかねないということで、組合は今後の犯人捜査のため一千万円の懸賞金つきで日夜情報を集めていらっしゃるわけですね。こういうことが地元では報道されておりました。 水産庁としては、この地域の漁業を守るために今後どう対応したいと考えてみえますか。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 御指摘のように、兵庫県の家島沖の漁場にコンクリート廃材などの産業廃棄物が不法に投棄されまして、それが最近大規模化しているということで、漁網の損傷でありますとかあるいは操業の危険性の懸念、影響が生じているということで、市町村とか漁協の指導のもとに漁民がごみの持ち帰り運動を自主的にやるとか、あるいは今御指摘のように百トンを上回るような投棄物の掃海作業を実施するというようなことを聞き、私どもとしましても憤りを禁じ得ないような感じを持っているわけでございます。 ただ、私どもこの産業廃棄物につきましては、御案内のとおり、現在だれが投棄したか判明しておりませんけれども特定の人の不法投棄したものでございまして、水産行政の助成制度にのせていくというには限界があろうかと思います。 ただ、私どもとしましても、漁場環境を保全するとかあるいは操業の安全確保というのが水産振興の基本であるということでございますので、現在、兵庫県当局あるいは海上保安庁当局がいろいろ調査とかをしておるわけでございまして、その様子も見守りながら、また各省と連携をとりながら、漁民の立場に立って対応していきたいというふうに考えております。
○太田淳夫君 確かにこれは瀬戸内海、内海でございますので非常に豊かな漁場でございます。そこがこういった廃棄物の海洋投棄によって良好な漁場が今荒らされているということで、漁民の皆さん方が非常に苦慮されているわけでございます。 海上保安庁は、この報告を受けて今後どう対応されようとしておりますか。
○政府委員(小和田統君) ただいま先生の御指摘のとおり、播磨灘、大阪湾等含めまして瀬戸内海地域でこの種の違法投棄が多いというのは事実でございます。また、それによって漁業関係の方々が大変迷惑をしているということも承知しております。 特に昨年の秋以来この種事件が目についてきているという状況でございまして、海上保安庁といたしましては、関係の県の水産当局あるいは地元の漁業協同組合等の関係の方々とも連絡をとり合い、私どもの持っております巡視船艇あるいは航空機を集中的に動員して取り締まりを強化するということにしております。
○太田淳夫君 あと株の問題もありましたが、今後に譲りたいと思います 自動車の問題だけ通産大臣にお聞きしておきましょう。 政府は対米輸出自主規制の強化を図っておりますが、現地生産分の増加は輸出削減分を上回る見通しになっていますね。このような状況の中で米国側がさらに日本軍に対する規制の強化を要求してくることが予想されるんですが、その点はどうでしょうか。
○国務大臣(渡部恒三君) 我が国の自動車メーカーは、米国で現地生産しているのは米国企業としてやっており、米国の雇用にまた経済に財政に寄与しておるのでありますから、これに対して私どもがどうこう言う性質のものではありませんが、今委員御指摘のようなことがいろいろ新聞等で報ぜられておりますけれども、私はそのようなことはないものと、こう信じたいと思っております。
○太田淳夫君 今回の規制がアメリカのビッグスリーの業績を改善するのに役立つのかどうか、このビッグスリーの業績低迷の根本原因はどこにあるとお考えですか。
○国務大臣(渡部恒三君) これは大変難しい御質問ですけれども、たびたびこの委員会でも申し上げておりますように、私どもは今回とった措置によってアメリカの自動車産業と我が国の自動車産業がともに大事な大事なパートナーとして共存共栄していくということを願っておりますから、したがってこれはビッグスリーが活力を戻してくれることを願っておりますし、また今アメリカの市場の動向等を見ますと、ビッグスリーは必ず活力を取り戻して、我が国の自動車業界とよきパートナーとして競い合っていけるように頑張ってくれることを期待いたしております。
○太田淳夫君 ことしは一九九二年、EC統合の年でございますが、日米間での規制がさらに強化された場合、欧州からも日本車に対する厳しい規制要求が出ることも考えられますが、その点はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(渡部恒三君) 自動車については、日米の自主規制を私がとったことでこれがECとど ういうことという御心配をよくいただいておるんですけれども、これはアメリカの場合とECの場合は全く事情が違っておりまして、アメリカは今までいろんなことを私どもへ言ってきておりますけれども、我が国の自動車が今日の発展を来たしている極めて開かれた自由なマーケットでありましたし、今日も大変な大きなマーケットであるのに対して、ECの場合は主要な幾つかの国で厳しい我が国に対する数量規制等を今日までしておりました。しかも、今度は我々の輸入ということになりますと、これはアメリカ車の輸入と比較して非常に大きな輸入を私どももしておりますし、部品調達等も現地生産でかなりうまくやっております。 しかし、先生御心配のように、やはりいろいろの報道の中から今私どもに対して、アメリカにしたような措置をECにもどうだというような話がないわけではございませんけれども、今通産省の者がECに行って、誤解のあるところはしっかりとはっきりと物を言って誤解を解く、また今後EC市場の大きな開放に向かっての我が国とECの間の目標もございますから、これらのことを説明しながら、今EC側とうまくいくように通産省の諸君が一生懸命努力をしておるところでございます。
○太田淳夫君 終わります。
○委員長(中村太郎君) 以上で太田君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(中村太郎君) 次に、吉岡吉典君の質疑を行います。吉岡君。
○吉岡吉典君 総理、広島県を選挙区とする総理として、核兵器廃絶、核兵器をなくすということについての総理の所見をまずお伺いします。
○国務大臣(宮澤喜一君) 我が国は申すまでもなくいわゆる非核三原則を国の方針といたしまして今日に及んでおりますし、私ももとよりこれを堅持してまいる考えでございます。 〔委員長退席、理事井上吉夫君着席〕 したがいまして、世界全体がいわゆる冷戦後の時代に入りまして、この核兵器によるデタントというようなものから願わくば新しい平和の構築の時代に入ってほしいとこいねがっておるものであります。
○吉岡吉典君 核兵器を廃絶することについての意見をお伺いしたいと言ったんです、なくすことについてのお考え。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま申し上げたつもりでございますが、核兵器がデタントとしての役割を果たす、そういう時代が新しいもっと積極的な平和の時代になりますれば核兵器の役割というものも自然にそういうことで減少していく、やがてはなくなっていくという、そういう時代になっていくことが望ましい、こう申し上げておるのでございます。
○吉岡吉典君 私は非常にあいまいな答弁だと思います。なぜ核兵器のない世界を望むということをはっきり言えないのか。 私はその点で、去る一月に開かれました国連安保理の首脳会議で、インドの首相、オーストリア、中国の首相が、それぞれ核兵器を世界から一掃する、あるいは核兵器のない世界、こういうことを明確に言っているのに、宮澤総理の発言には核兵器をなくすということが一言もないわけですね。これは非常に遺憾だと思うんですが、どういうわけで核兵器廃絶ということをはっきりと言えないんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今お挙げになりました幾つかの国は、自分で核兵器を持っておる、あるいは核拡散防止条約に入っていない、そういう国が今の三つの中に二つございます。ですから、口で言うのは易しいが、自分で実践することが大事である。
○吉岡吉典君 またえらい力んだものですね。 核兵器がある国が二十世紀中に核兵器をなくそうと言っていることにむしろ意味があるんじゃないですか。オーストリアだって核兵器のない世界をと言っている。核兵器をなくそうという呼びかけさえやれないのでは、私は被爆国の総理として遺憾だと思います。そういう態度を今後とも貫くんですか、廃絶ということは言わない態度を。
○国務大臣(宮澤喜一君) 本当になくそうと思うのなら、自分が持っているのをまずやめることが大事である。NPTに入ることが大事である。
○吉岡吉典君 総理の考えはわかりました。そういう考えたということを私は広島の県民がどういうふうに受け取るかということは選挙民の判断に任せることにしましょう。 次に、昨年の国連総会決議の中には私は幾つかの積極的な意味を持つ決議があると思います。その一つ、インド洋平和地帯宣言を実行する決議が採択されております。このインド洋平和地帯宣言、七一年に採択されたものですが、この中には、核兵器や軍事同盟、軍事基地問題などについてどういうふうに述べられているか、その内容、特に第二項について説明してください。
○政府委員(丹波實君) 先生がおっしゃっておられる決議は、一九七一年十二月十六日に国連総会で採択されたインド洋平和地帯宣言のことをおっしゃっておられると理解いたします。 これには幾つかのことが決められております。要旨でございますけれども、 次に掲げる目的のため、インド洋の沿岸国と 直ちに協議に入るよう大国に要請する。 (a) インド洋におけるその軍事的プレゼンスの 一層のエスカレーションと拡張を停止するこ と、及び (b) 大国の対立の脈絡の中で、インド洋におけ るすべての基地、軍事施設、兵たん供給、設 備、核兵器及び大量破壊兵器の配置並びに大 国の軍事的プレゼンスの誇示をインド洋から 除去すること。 軍事同盟のない普遍的集団安全保障体制を確 立し、かつ地域的及び他の協力を通じて国際安 全保障を強化する目的で、この宣言の履行及び 次の事項を確保するのに必要な行動のため協議 を行う 云々云々ということが恐らく先生の御質問の核心のところであろうかと存じます。 ちなみに、この決議案は賛成六十一、反対ゼロ、棄権五十五ということで採択されておりまして、日本は賛成はいたしておりますが、部分的に問題のあったところにつきましてこの総会で分割投票に付そうじゃないかということになりまして、特に基地の撤去等の項につきまして分割投票に付された際、日本はその部分につきましては棄権いたしております。
○吉岡吉典君 私は、今言われました外国の軍事基地をなくそう、あるいは核兵器などをなくそう、軍事ブロックの対抗をなくそうというようなことは当時賛成したという今説明もありましたが、重要な積極的な内容を持っていると思います。そうだとすると、私は、昨年もこれを実行するという決議に賛成するのが内容からいってもふさわしいと思います。これに賛成しないで反対するというのは、こういう今読み上げられたことに日本政府は異論があるということですか。
○政府委員(丹波實君) 先ほどの答弁申し上げました中で、最後のところで日本は棄権したということを申し上げたわけですが、先生おっしゃっておられる昨年の決議案と申しますのは、先ほど御説明申し上げたインド洋平和地帯宣言というものを履行しようじゃないかという決議案でございます。それに対して日本はアメリカ、フランス、イギリスとともに反対した。先生の御質問の内容はなぜ反対したか、こういうことであろうかと思います。 理由は、先ほど申し上げた外国基地の撤去その他の項目がありましたが、例えば外国の基地とは何かという問題を一つとりましても、かつての旧ソ連がよく言っていたことですが、自分たちは外国に基地を持ちながら実は外国に基地はないんだということを一貫して言っておられたことは御承知のとおりだと思うんです。したがいまして、その外国の基地は何かという定義から始まってこれを詰めなければならないといったような問題、それから基地そのものは状況によりまして軍事的な抑止力に資するわけですから、基地が外国にあること自体が悪であるという考え方が果たしていいかどうかという問題もあろうかと思います。 そういう問題が詰められないままにこの履行をしようしようというだけでは問題は進まないじゃないかという観点から私たちはこれに反対しておると。先ほど申し上げましたとおり、日本だけが反対しておるものではございませんので、あわせて申し上げたいと思います。
○吉岡吉典君 反対したのはアメリカ、イギリス、フランス、日本の四カ国ですが、今言われたような理由で日本は反対したということです。 外務省の文書を見ますと、かつてこれに反対する理由として、米ソの核兵器の対抗が続いているもとで一部の平和地域ができることはむしろマイナスだというふうに書いた文書もございます。今、米ソの核による対抗というのが終わった、こういう事態で反対する理由はもう全くなくなったと思うんですが、どうですか。
○政府委員(丹波實君) ただいまの先生の御質問は、やはり昨年の国連総会に出されました例えば核軍備凍結決議案を恐らく一つ念頭に置いておられると思います。 これにつきましては、確かに日本はアメリカ、フランス、ドイツ、イギリス、イタリア、カナダその他の国とともに反対いたしましたが、その理由は、核の軍備を凍結するという考え方は、一万の他方に対する核の優位を固定し、核及び通常兵器の総和から成っている、その抑止力により維持されている国際的な安全保障のバランスというものを崩すおそれがあるんではないかということが一つと、それからもう一つの理由は、まあ先生はこれはお認めになられると思いますけれども、昨今米ソがSTART交渉で決めたこと以上に急激に核の削減ということを話し合っている中で、核の凍結というのは一歩むしろ現実の方が進んでいるのではあるまいか、そういう二つの基本的な考え方から反対いたしたものでございます。
○吉岡吉典君 私がさっき聞いたのは、今の核決議ではなくて、インド洋平和地帯決議に反対する理由として、外務省でそういう文書があったけれども、その時代は終わったんじゃないかということです。 話が次に入りましたから、昨年の国連総会では核兵器使用禁止協定、二国間核軍備縮小協定、核軍備の凍結決議という三つの決議が採択された。日本はこのうち一つに反対し、二つに棄権したということです。その理由を先に述べられましたけれども、私は、今の答弁というのは、これまた非常に問題があると思います。 一つの理由は、要するに、核抑止力を生かしておかなくちゃいかぬ、核抑止力を弱めてはならないということですね。日本政府の立場が、今米ソの対抗、冷戦が終結したと言われる状態でなお核抑止力論に立っている、核兵器に依存する、そういう態度だということが非常に鮮明になりました。 もう一つの問題は、この国連の決議というのは、核凍結がむしろおくれているという話でありますけれども、この決議の内容は、題名それからいろいろ論評に値する点も私はあると思いますが、しかしそれを貫くものは何かと言えば、最終的に核兵器をなくそう、そこへ向かっためにどういう措置をとるかということを内容とするものです。今言われました核兵器の凍結という時代おくれのようにおっしゃった決議でも、内容は現実的に重要なものを出しているわけですよね。 第一項二の(a)ところに四つの問題が述べられておりますけれども、それをちょっと読んでみてください、それが時代おくれかどうか。
○政府委員(丹波實君) 先ほどの御説明の中で私は時代おくれという言葉を使ったつもりはございませんけれども、いずれにいたしましても、その核の凍結ということ自体は、やはり現在の世界の安全保障というものが核と通常兵器の総和から抑止力というものができているということに目をつぶるわけにはいかない。私は、核兵器の究極的な廃絶ということに反対する者は一人もいないだろうと思うのでございます。ただ、問題はそのプロセスでございまして、そこが議論になっておるということでございます。 それから二つ目は、私は時代おくれという言葉は使いませんでしたけれども、今米ソが急激な核の削減ということを行おうとしていることも現実でございますので、そういう観点からこの決議案には反対いたしたということでございます。
○吉岡吉典君 私が説明を求めたのは、核凍結決議の第一項の二の同、そこに書いてあることは意味がないのかどうなのかということで、この書いてあるのを読んでみてください。
○政府委員(丹波實君) 核軍備凍結の決議案、一、二、三項とございまして、二の中でございますね。
○吉岡吉典君 一の二の(a)
○政府委員(丹波實君) 全ての核兵器国に対し、共同声明を通じ、包 括的な核軍備凍結に合意するよう要請する。 (一) 核兵器及びその運搬手段の全面的実験禁止 (二) 核兵器及びその運搬手段の全面的な生産停 止 (三) 核兵器及びその運搬手段のさらなる配備の 禁止 (四) 兵器用核分裂性物質の生産の完全停止 究極的な目標としては、私たちは異論はないわけでございます。しかし、ここに至るプロセス、その段階、そういったものが問題になるのでございますということを先ほどから御説明申し上げているつもりでございます。
○吉岡吉典君 外務省の見解はわかりました。 総理も最初に述べられましたけれども、やはり日本政府は冷戦終結の段階でなお核兵器に依存しようとしているということです。この核兵器の核凍結決議というのも、言葉は凍結となっていますけれども、今読み上げられたようなことから始めて核兵器をなくそうというものです。その核兵器をなくそうということにいろいろな理屈をつけて賛成しない、反対するというのが国連総会で日本がとっている態度だということです。 核兵器の廃絶というのは、これは一九四六年の国連総会第一号決議が提起している戦後の世界の最も重要な課題です。それが論議される国連で核兵器をなくそうということを積極的に打ち出した方向にいろいろな理屈をつけて賛成しないということは、日本の態度が私は世界から疑われると思います。そういう答弁が行われるわけですから、私はその根底にこういう考えが今もあるんじゃないかと疑わざるを得ない。 外務省がかつてまとめた「わが国の外交政策大綱」という文書があります。これは、この文書が。存在することは以前国会の論議でも認められております。私が重要だと思うところを読んでみます。 当面核兵器は保有しない政策をとるが、核兵 器製造の経済的・技術的ポテンシャルは常に保 持するとともにこれに対する製材をうけないよ う配慮する。又核兵器一般についての政策は国 際政治・経済的な利害得失の計算に基づくもの であるとの趣旨を国民に啓発することとし、将 来万一の場合における戦術核持ち込みに際し無 用の国内的混乱を避けるように配慮する。 こういう文書があるんですね。核保有に備える、戦術核の配備ということが混乱が起こらないようにする必要があるということが外務省の文書でまとめられている。こういう文書がまとめられている考え方、これが根底にあるから国連でもきちっとした態度がとれないのじゃないかという私は疑問を呈せざるを得ない。 世界は、プルトニウムの再処理などをめぐって唯一の被爆国である日本に対してやはり核武装を目指しているのではないかという疑惑を持っているんです、現に。そういうときに日本が、そうでなくて核をなくすんだということをはっきりしようとするなら、国連総会で核兵器をなくそうという方向を提起したものにあれこれ論評するのではなくて、積極的に賛成するのが日本政府のとるべき当然の態度だと私は思います。 総理、最後に総理の締めくくり的な意見をお伺いします。
○国務大臣(宮澤喜一君) 締めくくりの言葉は一番最初に申し上げたつもりであるのですが、先ほどお読みになりました文書というものは日本政府の文書ではございません。私の考えではございません。 それから、本当に核兵器というものがなくなって、核兵器の恐怖による、ディターレントによる平和というような危ない平和から本当の平和になるということは最も望ましいことでございますけれども、そういう日がもうきょう来たというのではございませんから、我々は非核三原則を持っている国としてやはりそういう危険に対しては常に自分を守ってまいらなければなりませんので、そういう時代が今来たかのごとく行動すれば我が国をすぐ危険に陥れるということは、これは御理解いただけることであろうと思います。
○吉岡吉典君 今、政府の文書じゃないとおっしゃいましたから、一言。 政府の文書でないのではなく、外務省の文書だと私は言いましたし、これは昭和四十四年五月から九月まで行われた検討をまとめたものであり、百三ページから成るこういうものだということだけを申し上げておきます。
○理事(井上吉夫君) 以上で吉岡君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○理事(井上吉夫君) 次に、高井和伸君の質疑を行います。高井君。
○高井和伸君 連合参議院の高井和伸でございます。 本日の締めくくり総括の質問では、生活大国について質問いたします。 まず、宮澤総理は、施政方針演説の中で生活大国への前進ということを提唱されました。非常に結構な提案だと受けとめております。総理には最後に御質問いたしたいと思います。 この生活大国という言葉、総理の定義によれば、「国民一人一人が豊かさとゆとりを日々の生活の中で実感でき、多様な価値観を実現できる、努力すれば報われる公正な社会ことされておられます。私ども連合参議院に対して支持協力関係にあります連合の政策のキャッチフレーズであるゆとり、豊かさ、社会的公正、この三つがそのままキーワードとして採用された、大変結構な生活大国の概念だと考えております。しかしながら、他方、野田経済企画庁長官の経済演説の中では、これらの点について我が国経済の発展の「成果が国民生活の豊かさに結びついているとは必ずしも言えません。」と、そういう反省もしておられます。 そこで、まず総括的に野田長官にお尋ねいたしますけれども、第一の質問として、豊かさを実感できる国民生活の実現のために、過去に日本国政府はどんな施策を実施し前進させてきて、どんな成果を上げてきたのか。第二に、先ほどのような反省がある以上、どのような施策が不十分であると認識されておられるのか。この二点について質問いたします。
○国務大臣(野田毅君) 今御指摘ございましたように、例えば飛躍的な経済発展の結果、一人当たりの所得の水準で見ますと世界の中でもトップレベルに達しておる、あるいは暮らしの中における安全度という側面で見ても大変すばらしい姿になっておる、あるいは失業率の低さ、あるいは平均寿命といいますかそういうような側面、多くの面ですばらしい成果が得られておるわけでございます。 社会資本の整備につきましても、今日まで毎年毎年世界の中でもハイレベルのペースで蓄積が進んできておるわけでございます。しかし、今日なお社会資本の整備の水準ということで言えばまだまだ満足できる状況にない。そしてまた、居住水準におきましてもまだまだ満足できる状況にない。あるいはまた労働時間の問題、特に自由時間をどう確保してそれをどう有効にそれぞれが活用していけるかという問題、あるいは内外価格差の問題もあります。 そういうさまざまな面で、なおこれからさらなる努力をしていかなければならない。そういうようなことがまだほかにも幾つかございますけれども、例えばとして申し上げたわけでございます。
○高井和伸君 今の長官の答弁の中にもございましたけれども、国民はいろんな面で生活に不安を持っております。長い労働時間あるいは貧しい自由時間、家族との触れ合いの不足、そして内外価格差の是正が進まず国際的に割高な生活必需品を使っている、土地の値段は高値でとまったまま、まじめに働いても買えないマイホーム、そして老後の生活の不安、環境に対する不安、こういったものが大変国民の生活の中に不安感として存在しております。 そこで、政府はこれらの不安に対して実効を上げできていない要因をどう考えられるのか、それぞれ担当の大臣にお尋ねしますが、まず第一に長い労働時間、なぜこういったことが実効を上げずに現状のまま国民の不安の中にあるのか、お尋ねいたします。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 我が国の労働時間は、先生御指摘のとおり、生活大国を実現するためにも大変重要な要素でございます。また、これは国際的な経済関係の中でも注目を浴びているわけでございます。 そこで、我が政府といたしましては、今年度末までに千八百時間を目標に労働時間の短縮を進めてまいったわけでございますが、現実に最近は、平成三年で二千十六時間になっているわけでございますけれども、目標からはまだ若干距離がある、こういうことでございますので、これを具体的に進めるために、実は今国会で労働時間短縮促進法の御審議をいただいて、ぜひ成立をいたしたい。そして、この新しい法律のもとで国が労働時間短縮計画をつくります。そして、その計画に基づいて具体的にどういうふうにするのか、いろんな指針を示させていただきたいと思っておりますし、同時に、労働時間短縮というのは国が一方的に決めてもできるものではございませんので、各事業の内部で労使が話し合いをしながら時間短縮を進めるような体制の整備を図っていただきたい。 そして、日本の場合に横並びとか下請、元請関係ございますので、そういう関係で同一業種にいわゆる事業主が共同で時間短縮を進めることができるような時間短縮実施計画をつくっていただいて、この計画について国が、労働省さらに関係省庁が全面的に御協力をする、こういう形でぜひひとつ速やかに時間短縮を実現してまいりたい、かように考えております。
○高井和伸君 続いて、貧しい自由時間、家族との触れ合いの不足、そして内外価格差が進まない、この点についてはいかがですか。
○国務大臣(野田毅君) 家族との触れ合いの問題については、一つは労働時間の問題もありましょうし、特に大都市圏においては通勤時間の問題もかかわっておることだと思います。もちろん、せっかくの土曜日、日曜日という休みをどういうふうに有効に過ごすかということについて、これはそれぞれ個人のレベルにおける時間の使い方の問題もあろうと思いますが、客観的な制約要因としては今申し上げたようなことが入っておるのではないかというふうにも思います。 それから、内外価格差の問題につきましては、御案内のとおり、政府・与党内外価格差問題についての本部をつくりまして、今日まで多少改善の兆しは出てきておるわけでありますけれども、まだまだ十分な姿にあるとは言い切れません。そこで、特に流通に関する規制緩和あるいは独禁法の厳正な運用、あるいは公共料金の適正化、あるいは適正な地価の実現などの六項目にわたる柱を立てて政府・与党内外価格差問題の会議で推進をしてきておるわけでありまして、これからもさらに強力にこれを推進していかなければならぬと思っております。
○高井和伸君 続いて、地価の高値どまりについては。
○国務大臣(東家嘉幸君) お答え申し上げます。 土地対策としては今日まで需給両面にわたって各般にわたり取り組んでまいりましたところ、御案内のような下落が顕著に示している今日でございます。それとて、地方圏においても鎮静化はしておりますものの、決して今日の水準が適正なものとは私どもは思っておりません。いつもお聞きしておりますように、中堅サラリーマンの皆さん方がやはり適正な購入ができるような地価水準にどう私たちは今後とも構造的に総合土地対策を進めていくかということに中心を置いて取り組んでいきたいと思っております。
○高井和伸君 まじめに働いても買えないマイホームについては。
○国務大臣(山崎拓君) 近年、一極集中がかなり進行いたしましたこと、そして近年の地価の高騰と相まちまして、特に大都市地域におきまして勤労者世帯の住宅の確保が難しくなっているという現実でございます。 政府におきましては、大都市法に基づきまして十年間七百四万戸の住宅を供給する施策を根幹といたしまして、これから住宅の確保に努めてまいりたいと考えているとこうでございます。
○高井和伸君 老後の生活に対する不安。
○国務大臣(山下徳夫君) 老後の安定した暮らし、老後の喜び、私はせんじ詰めれば三つだと思うんです。それは医療と健康問題。それから生活費、これは年金であります。もう一つはやっぱり生きていてよかったという生きがい対策と申しましょうか、せんじ詰めれば三つじゃないかと思います。これらそれぞれにつきましては、年金、医療、世界的にも非常に水準の高いところまでいっておりますし、今後とも二十一世紀までこれを持続してこの制度というものをずっとやらなきゃならぬというのが一つの大きな問題であろうかと思います。そして、この基盤となるのは社会保障制度でございますけれども、さらに今申し上げましたいろんな問題を含めて、高齢者保健福祉推進十カ年戦略というものを二十一世紀に向けてこれからさらにしっかりとやって完璧なものにしてお年寄りにいい二十一世紀を迎えていただく、こういう方針でやってまいりたい。
○高井和伸君 あとは、環境に対する不安がいかなる施策の不足によって生じたのかを質問します。
○国務大臣(中村正三郎君) 環境問題は、今、目に見える環境害が減ってまいりました。目に見えないものになってきた。フロンガス、オゾンレア、そして紫外線の増加、そしてCO2の増加、そして海面の上昇、それからディーゼル排気ガスによるN〇X、そして酸性雨、いずれもこれは目に見えないものであります。すぐ痛みを感じない、それだけにいろいろなことが起こってまいります。 そして、今の知見からいたしますと、こういうようなことをとめようという技術はどういうことをすればいいかということはわかるわけでございますが、その対策を実施しようとすると必ずそこに、いやそんなことを言うけれどもまだ大丈夫だよとか、そんなことを言うけれどももうちょっと考えようやという意見が出てきて対策がおくれる、そういうことがやはり御不安を与えていく一つの原因じゃないかと思う。だから解決策としては、私どもがやろうとする対策をやらせていただけることだ、そういうふうに存じます。
○高井和伸君 最後に、総理に。今までいろんな生活大国への国民の不安を各省大臣からお尋ねしました。要するに縦割り行政だけではなかなか対処できない、これを今の総括的な私のまとめにしたいと思っております。 そこで、総理としてはこういった総合的な大政策を実現するためには、内閣直属のもとに政策を総合的に起案し推進する仕組み、システムが必要じゃないか。例えば国民生活ゆとり豊かさ推進本部というようなものを設置して推進すべきじゃないか、私はこう考えるわけです。総理のそういった方向への御決意を聞きたいというのが第一点。 そして今度はその各論として、ゆとり豊かさ推進本部をつくって、次に国民に対して重立った生活指標、今度の施政方針でも出ておりましたけれども、もっと具体的にいつ幾日までにどんなことをやるか、行動計画をしっかりしてそれの具体化を図る、その図るときには今度は地方の力を大いに使う、そして国民各層の各代表に大いに参加していただく、そういったことで国民生活の総合的な大国への志向、これを目指すべきだと私はこう考えるのでございますが、総理のお考えはいかがでございましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま各部門について各省大臣にお尋ねがありお答えがありましたように、いわゆる生活大国の問題は各省庁に幅広くわたっております。同時にまた、政府として既に閣僚会議を持っておるものもございますし、例えば土地などはそうでございます、あるいは推進本部を持っておるものもございますし、また、公共事業の中にはいわゆる五カ年計画ということで閣議決定を受けておるものもございまして、高井委員のおっしゃるようなある意味での各省庁の統合というものは実は図られておるのでございます。 それに加えまして今回は、ちょうどこれから五カ年計画が出発をする年でございますので、私が施政方針で申し上げました後、経済審議会において新しい五カ年計画でこの生活大国を正式に取り上げてもらいました。この計画は、各省庁ばかりでなく民間の有識者を集めまして審議を合しておりまして、夏前後には答申が出て、やがて閣議決定をいたしますと、これは各省庁に対するいわば五カ年間の指針となるわけでございます。 そういう形で、私は各省庁お互いの緊密な連携のもとにこの計画を進めていけるものと考えておりまして、お言葉ではございますが、特にそのための推進本部と申しますよりはそういう五カ年計画で各省庁の意思統一を図って、そして先ほど申しましたような、既に部門的には幾つかの閣僚会議もございますし推進本部もございますし、そういう形で推進していけば、確かに縦割りの弊というものはおっしゃるように非常に行政にございますので十分それは注意いたしますが、そのような形でやってまいれるのではないかと思っております。
○高井和伸君 さらなる推進を期待いたしまして、次の質問に入ります。 やはり同じ生活大国への道の中に、消費者、一般投資家保護の行政の確立ということで行政手続法制の整備に取り組むという決意を述べられております。そこで、私も百二十二臨時国会の予算委員会の総括質問でいたしましたが、その後の行政手続法制へ向けての作業の経過、手順、そして法案完成のめど、そこにおける問題点などどうなっておるでしょうか。
○国務大臣(岩崎純三君) 行政手続法の整備につきましては、先生も御案内のとおり、平成四年度行革大綱におきまして早期に法律案の提出を図る、そういった決定をいたしておるところでございます。この閣議決定を踏まえまして、総務庁といたしましては行政手続法制定準備室、これを昨年の暮れに設置いたしました。そして、直ちに法案作成作業に取り組もうじゃないかということで十名の職員を配置いたしまして、今日鋭意検討を進めておるところでございます。これが経過でございます。 次に、作業の手順でございますけれども、行政手続法は、今回、行政手続それから行政の運営、これを一般法とする、そのために新しい基本法制を導入しようという考え方に立っておるわけでございます。ですから、この法律を法文化する場合におきましても、例えば学問上から、あるいはまた実務の面からも、今まで用いておった概念に対しまして厳密にこれらの問題に取り組み詰めていかなきゃならない、こういう問題が一方でございます。また、吟味し検討しなきゃならない事項も。数多くございまするし、さらに関連する法律が百二十二国会でも御答弁申し上げましたとおり五百を超えておる、こういった内容をさらに検討していかなきゃならないわけでございます。 そういう手順で今懸命に取り組んでおるわけでございますが、取り扱うべき法律、整備すべき中身等々極めて膨大でございまして、鋭意努力はいたしておりますけれども、その成案を得る時期についてはいつになるのか、努力はいたしておりますけれども残念ながら今明確にお答えをする時期にはございませんので、ひとつ御理解のほどをいただきたいと存じます。
○高井和伸君 外務大臣にお尋ねしますけれども、この行政手続法のきっかけは、通産省の行政指導があいまいだし、そういったものについてなかなか外国が参入するときの障壁になっているということで、これはアメリカからも非難がされているというような日経新聞の記事も三月三十日付でございました。こういったような方向で、日米関係の側面からもこの行政手続法の制定というのは望まれているんだろうと考えますが、外務省としてはどのように認識されておるでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはSIIの中でも出てきていることでございますから、なるべく早く各省庁一致をして法案の提出ができるようにしていただきたいと存じます。
○高井和伸君 具体的な問題としまして、行政手続法の一環で、運輸省の今取り扱っておられます東京佐川急便に関する、佐川急便に合併する認可手続について具体的にお尋ねしますが、現在この認可手続はどのようになっているんでしょうか。
○政府委員(水田嘉憲君) 佐川関連会社の合併の認可の手続でございますが、昨年の十一月二十五日に佐川急便から近畿運輸局の京都陸運支局の方に申請書が出されまして、現在、運輸本省におきまして貨物自動車運送事業法の第六条の基準に合致しているかどうか審査しているという状況でございます。
○高井和伸君 十一月二十五日という日にちが非常に重要だと思っているんですが、その後、いわゆる佐川事件におきまして特別背任罪ということで東京佐川関係で七百九十五億円の焦げつきがあるというような認定がなされました。これは検察庁の認定でございます。さらに三月三十日の京都の佐川の記者会見によれば、焦げつき債権の総額はかなりの数字でございまして、かなりの数字というのは三千六百九億円という数字になっています。 こういった債務保証の焦げつきの部分、これは現在の合併の認可に当たってはどのような要素として運輸省はお取り扱いでございますか。
○政府委員(水田嘉憲君) お答えいたします。 合併の審査につきましては事業許可の審査基準が準用されているわけでございますが、この準用について貨物流通局長の通達が平成二年八月二十三日という日付で出ておるわけでございます。その中で幾つかのポイントを列挙しているわけでございますが、事業収支あるいは資金計画、要するに資金面、財務面の問題につきましても一つのポイントとして問題にしているわけでございます。そういう意味で、会社自体が健全な形じゃなくて先行き問題があるということであれば、これはやはり、これで結構だというわけにはいかないわけでございまして、そういった観点からチェックをさせていただいているということでございます。
○高井和伸君 運輸大臣にお尋ねします。 今のような状況のもとで、早目に認可するならする、しないならしない、これをつけないと行政手続面では非常にまずいというふうに考えます。今後の大臣の心構えはどのようになっているんでしょうか。
○国務大臣(奥田敬和君) 昨年十一月二十五日から合併の申請をいただいて、その間本省においては本当に担当の連中には連日厳しい形で精査させておる段階でございます。 確かに、ただいたずらに時間を稼ぐだけでは問題は解決しないので、かといって正確な債務内容、そして再建に必要な施設、財務面両方にわたって、そしてまた、たびたび本委員会でも御指摘いただいているような労務管理の改善の体制、新経営陣の人事等々、やはり責任を持った形でのデータが出そろった上で私たちは認可か否かというものをしなきゃならぬ。 その時期についてでございますけれども、彼らの希望する形の日にはとても間に合いませんでしたけれども、じんぜんただ日を延ばしておるという状況ではありません。責任を持った形で認可か否かを決断しなきゃならぬと思っております。
○高井和伸君 私も法律家としての直観を申し上げますと、もうこれは東京佐川事件は会社更生の問題だろう。今まで合併の契約がそれぞれなされて、東京佐川は京都の佐川急便の本社の株に対して一千八百分の一というような合併比率、これはもう到底合併じゃないだろうと思うんです。そういう直観を持っております。しかしながら、いろいろ慎重にやられるということですから、早めの結論を期待します。 次に、通産省がこの不利益処分に関する法律を一番たくさんお持ちであるという側面から、行政手続法の制定へ向かっての省内の作業手順について、どのようになっているのかお尋ねいたします。
○政府委員(渡辺修君) お答え申し上げます。 行政手続法の制定に関する必要性及び現在の作業状況は、先ほど来総務庁長官から詳しく御説明があったところでございます。 我が省関係も関連する法案が九十数本ございまして、ただいま総務庁で行われております行政手続法案の検討作業、これに引き続き御協力申し上げますとともに、同法案の草案ができ、さらに、その総論的な考え方と個別法案とをどういうふうに調整していくかといったような基本的な今作業が進められておるわけでございまして、そういった基本的な調整方法についての作業をよく踏まえながら、それらができ上がった暁には速やかに我々としても個々の法案の検討に入っていきたい、かように考えておるところでございます。
○高井和伸君 大臣の御決意はいかがでございますか。通産大臣。
○国務大臣(渡部恒三君) 先ほども話がありましたように、これは諸外国からも高い関心を持たれておる問題でございますので、公平性、透明性、簡素化、いろいろ目標がございますけれども、今政府委員が説明をしたような経過の中で、九十七本という膨大なものがあるそうですが、総務庁に協力して努力をしてまいりたいと思います。
○高井和伸君 厚生省、農水省、大蔵省、労働省、建設省というのがたくさんあるところでございますが、時間の関係上、代表で、証券問題で行政指導が問題になりました大蔵省の現状はいかがでございますか。
○説明員(佐藤謙君) お答えいたします。 〔理事井上吉夫君退席、委員長着席〕 先ほど総務庁長官からお話がございましたように、行政手続法制につきましては、現在、総務庁におきまして行政手続法案の立案作業とそれから整理法の方針の作成作業というものに取り組んでおられるところでございます。 私ども大蔵省といたしましては、行政手続法制の整備は公正で透明な行政運営を確保する上で重要な課題であろうと認識しておりまして、閣議決定の趣旨を踏まえ、早期に法律案の提出ができますよう総務庁の立案作業に協力してまいりたいと考えております。
○高井和伸君 大臣の御決意を。
○国務大臣(羽田孜君) 今お答え申し上げたとおりでありまして、私どもも総務庁に協力しながらこの法案ができるように努力してまいりたいと思います。
○高井和伸君 最後に、総括的な質問になりますが、官房長官に。ある意味じゃ政治的な組織論では総務庁が大変重要な役割だろうと思いますが、各省庁の官房が中心になって取りまとめておられるはずでございます、こういった法案は。そこで官房長官としましても、こういった、大変膨大なというような言葉も何度も出てきましたけれども、全省庁にわたる大変大きなテーマである以上は官房長官としてもひとつ努力していただきたい、このように思うわけで、官房長官からの御決意、そして宮澤総理も前回、大変難しい法律だけれども取り組むという決意の言葉をいただきました。現実的には、閣議決定が行われた現状において、今までの各大臣の答弁を踏んまえた最後の答弁をいただいて、私の質問を終わりにします。
○国務大臣(加藤紘一君) 行政手続法という名前を見ますと非常にかたい感じで何のことがわからないという国民の方々も多いのかと思いますが、もしこれが本当にしっかりとした形でできますと、国民と役所との関係につきまして大変大きな変化をもたらす重要な法案の検討作業でないかなと思っております。だからこそ、各省庁との調整は技術的な点につきましてもまた従来の経過等から見ましても大変難しい問題を含んでおると思いますけれども、官房といたしましても各省庁に対して、総務庁に協力して一刻も早くこの法案の調整作業が進むように要請していきたいと思っております。
○国務大臣(宮澤喜一君) 行革審の答申事項でもございますので、暮れに閣議決定をいたしまして、「早期に法律案の提出を図る。」という決定でございますが、先般も申し上げましたとおり、督励をいたしましてできるだけ早く法律案に仕上げたいと思っております。
○高井和伸君 終わります。
○委員長(中村太郎君) 以上で高井君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(中村太郎君) 次に、井上計君の質疑を行います。井上君。
○井上計君 いよいよ平成四年度予算三案の審議も大詰めであります。衆参両院の予算委員会で長いことお座りの総理や閣僚の皆さん方の御苦労ということも十二分に拝察できますし、同時にまた、皆さん方がその席にお座りになっておられて胸中去来したものは随分いろんなものがあったであろうと、こう考えますし、またひとしお感慨深かったものと、かように考えるわけであります。 私も予算審議のときになりますといつも感じることがあります。あるいは予算編成の時期もそうでありますけれども、予算編成の時期になりますと多くの陳情客が見えます、全国から。会館ではもうエレベーターに乗れないぐらいの大勢の人で毎日ごった返すわけであります。 そうして、予算審議になりますと、私ども野党でありますから、もう最初から予算に反対という態度で予算審議に臨んでおるわけであります。ところがお互いに迎合的な、国民に対するいいことばかり言っておって論議を尽くしておる。実際には、むだだと言うと怒られますけれども、時にはむだなような論議を繰り返しておるわけでありますが、果たしてこんなことでいいのであろうか、こんなふうな実は気持ちを私自身多分に持っておるわけであります。 確かに、国民には将来に希望あるいは夢を持ってもらわなくちゃなりませんが、同時に真実を、現実を国民に知ってもらわなければ、ある日突然、こんなことではなかったはずだといって国民に怒られる事態が起きるかもしれません。大東亜戦争がいい例です。勝った勝ったと言っておりました。ところが実際には負けておったではないか、なぜ知らせなかったという批判が後で出たわけであります。同じようなことを繰り返しているんではなかろうかという不安を実は私は持っておるわけであります。 そこで、きょうは時間もありませんから、詰めた論議はできません。余り詰めた論議をすると逆にまたかえってこれが国民に不安を与えてもいけませんから、いえばさわりだけ問題提起という形で総理や関係大臣にお伺いをして、これからそろそろ本音の議論をしようではないか、する必要があるんではないかということをひとつお互いが認識し合うことが必要ではなかろうか、こんな気持ちで幾つかお伺いをいたしたい、かように思いますので、よろしくひとつお願いを申し上げる次第であります。 そこで、最初に総理にお伺いいたしますけれども、総理はもう財政の専門家として自他ともに任じておられます。とすると、現在の我が国の状況からして十年あるいは二十年先の我が国の財政というのはどのようなことになるのであろうか、どういう展開になるのか、その辺のところをお考えがありましたらお差し支えない範囲でと、こう申し上げまして、総理が余り端的に申されてショッキングなことを言われるとまたこれで問題が起きますから、お差し支えない範囲と申し上げておきますが、ひとつ御見解を伺います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 十年あるいは二十年先の財政というものを考えますときに、やはりその前に世界情勢を前提にしていかなければなりませんが、今のような冷戦後のと言われる時代に新しい平和秩序の構築が始まる、平和の配当というものが考えられるということを本会議で申し上げました。私は基本的にそういう前提に立ちまして考えさせていただきますと、その中で我が国の経済はやはり発展し続けるでございましょうから、世界における我が国の経済的な地位というものは上がることはあっても下がることはあるまい、国際的にいろいろな新しい務めを負うということはありそうに思われます。 他方で、我が国の人口がちょうど、十年ではせだ大丈夫でございますが、二十年となりますと二〇一〇年になりますが、かなり高齢化が進んでまいりまして二〇二〇年にピークになると思われます。この時代は国民の四分の一が六十五歳以上になる時代でございますから、したがって若い人は大変に大きなものを背負っていかなければならない、そういう時代にならざるを得ません。財政もしたがってそういう影響を受けざるを得ないと思います。それに至りますまでの間に生活大国を初め財政再建等々をいたしておきたいというのが私どもの気持ちでございますが、そういうことがまあまあ計画どおりいくといたしましたら、そのような老齢化のピークをまず乗り越えていけるだけの体制は整えられるであろうと思っております。 そういう時代に向かって、これは人おのおの考え方が違うと思いますが、私は、我が国はもう赤字公債というものは二度と出さないように心がけるべきであろうということを一つ思っております。それから国民負担すなわち社会保障負担と税金の負担でございますが、これが五〇%を超えるということはないようにいたしたい。しかし、老齢化ということを考えてまいりますとこの後者はよほど努力をいたさないとなりませんが、しかし私はやっぱり五〇%を超えていくということは国民全体の市場経済としてのエネルギーをなくすことになると思うものでございますので、そういうことを心がけてまいりたいと思いますが、そういう状況の中で私は我が国はこれから十年、二十年、今からきちんとやってまいりますればまずそんなに心配のない国政の運営がやっていけると財政の面で考えております。
○井上計君 総理の御見解については、素人の私ですがよくわかります。恐らく国民にもわかってもらえるだろうと思いますけれども、しかし現実の問題として国民負担率の五〇%というのが日本の現在の人たちがたえられる数字がどうかということについては問題がある、こう思います。 今、赤字国債のお話が出ました。そこで大蔵大臣にお伺いするんですが、きょう成立する予算でまいりますと来年の三月末の公債残高は約百七十五兆円になりますね。ところが、この平成四年度の国債は赤字国債ではありませんが、しかし事実上は形としては同じ借金の国債を七兆幾ら発行するわけですが、このままで国債を償還に転ずる年がいつ来るのか、いつから償還をしようとされるのか、そういうことについてのお考えがありましたらひとつお伺いをいたしたい。 それから、ついでにもう一つ、公債の発行残高はGNPのどれぐらいが適正というと表現ちょっとおかしいんですが、許容値であるのかどうか。あるいは毎年の建設国債の発行額の歳入に対する依存度はどの程度が許容値であるのか。そんなお考えがあればお聞かせをいただきたい、こう思います。
○国務大臣(羽田孜君) まず、公債発行しなくて済むときというようなお話があったわけでありますけれども、この点につきましては私どもも公債の依存度というものをできるだけ減らすように努力していくということで、まず今総理からもお話がございましたように、現在は赤字公債を発行しなくて済むようになったわけでありますけれども、これをやっぱりきちんと守っていくということが大事であろうというふうに考えております。そして私どもは、この公債は現在百七十四兆に実はなるわけでございますけれども、でき得る限りやっぱりこれを、赤字公債の方からでありますけれどもだんだん減らしていくということの努力をいたしていかなければいけないというふうに考えております。 それから、GNPの中に占めるあれがどうかという実はお話があるわけでございますけれども、GNPそのものが振れるものであるということがございますから、GNP比で何%ということを申し上げるということは非常に難しいんじゃなかろうか。しかし、一つのやっぱり目安にしていくように私たちは常に見詰めていかなければいけないということを申し上げることができると思います。 それから一番最後の歳入に対する公債依存度というのは、私どもはこれを五%までにしていきましょうという一つの中期目標というものを持っておるわけでございまして、これは先ほども実は御議論があったわけでありますけれども、歳入と歳出という中にありまして目標を立てながらも、残念ですけれども今度は一〇・一%というようなことに、一〇%を超えてしまったというのが現状でありますけれども、やはり歳出というものをきちんとよく見きわめながらこれを減らしていく、あるいは何というか倹約していくということ、それとやっぱり歳入というものを着実に確保するという努力というものもしていかなければいけないのかなというふうに思っております。
○井上計君 私の勘からいうと未来永劫、日本は国債残高はなくなりませんよね。ふえることは確実である、百年河清を待っても実は国債は減らないんだということが、現在の数字からいくとそう出てまいりますね。これは大変なことだと。だから、どこかで何かを勇断を持ってということが必要な時期が来るんではなかろうかな、こんな感じがします。また別の機会にひとつ論議をいたします。 次に厚生大臣に伺います。 一九七〇年度と一九九〇年度、二十年間を比較しますと、厚生年金の積立金は約二十倍、七十一兆六千億円あります。それに対して保険給付は七十倍ふえて十兆八千五百億円、保険料収入は十七・三倍しかなっていません。しかし十二兆九千億円あります。受給者の数は七・二倍、加入者数は一・四倍という数字が出ているんです。これから十年先を考えたら果たしてどうなるのであろうか。保険料率を上げるということは簡単です。しかし、保険料率を上げないでやはりこれから十年、二十年、三十年先の、特に今若い人たちが安心して老後を迎えられるような施策を今から考えることが絶対必要だと考えますが、厚生大臣、どうお考えでしょうか。
○政府委員(加藤栄一君) 国民の老後生活の主柱をなします公的年金制度につきまして、種々政府といたしましても長期的安定のための努力を続けてきたわけでございます。 厚生年金につきまして申し上げますと、五年ごとに財政再計算を行いまして財政の長期的な見通しを立てながら運営しているところでございます。保険料を全く上げないで給付の方は上げるということは論理の上で成り立ちませんので、保険料をそのときそのときの被保険者の方が負担し得る程度にとどめながら、収支のバランスをとりつつ、必要な物価スライドでありますとかあるいは国民生活の上昇に対応する給付を確保するということをしていかなければならないわけでございます。 ただ、そのためには保険料をできるだけ抑えるために、前回の財政再計算が平成元年に行われたわけでございますが、その結果、現在のままの支給開始年齢等を前提といたしまして収支のバランスをとるということにいたしますと平成十六年度以降急激に保険料率を引き上げなければならない状態が参りますし、最終的には平成三十二年度には保険料率がどうしても一二・五%に達するというふうに見込まれたものでございます。 そこで、前回の年金改正におきまして政府といたしましては支給開始年齢を六十五歳に引き上げる、これによって保険料率を負担し得る程度に抑えるということを前提といたしまして段階的な保険料率の引き上げを提案したところでございますが、結果といたしまして、支給開始年齢は次期財政再計算において年金の財政の将来見通しあるいは高齢者に対する就業の機会の確保等の措置の状況などを総合的に勘案して見直すこととされたところでございます。 次の平成六年に予定されております財政再計算に向けまして、後代の負担を適正なものにとどめながら厚生年金の財政を安定的に運営をしてまいりますように、関係審議会の御検討もいただきながら検討を進めてまいりたい、かように考えております。
○井上計君 時間があればもっと詰めるんですが、今の御答弁の中でも既に平成十六年度ですか、三十何%になるという試算が出ているわけですね。実際、後世の人たち、これから二十年、三十年後に老後を迎える人たちにはこれは大変なツケを回すことになりますから、もっと早く適切なそのような試算を出して、やはり国民に訴えをし協力を求めるいろいろなことを考えるべきだ、こう思います。六十五歳の受給年齢も、当然そのことはいろいろな方の理解を求めて六十五歳を早く実施すべきだ、私は個人的にはそのように考えます。 次に郵政大臣に伺います。 平成四年度の財政投融資が約四十兆円、きょう決まります。この財政投融資の原資の大半は今の厚生年金の積立金、それから郵便貯金、簡易保険であろうと思いますが、来年あるいは再来年あたりの郵便貯金と簡易保険の伸び率はどのように予測をしておられますか、お伺いをします。
○国務大臣(渡辺秀央君) お答え申し上げます。 平成四年度の伸び率はと思いましたが、平成五年度ということでの財投の郵便貯金と簡易保険、どれくらいの金額を見込んでいるかということにしていただきたいと思うんです。 平成五年度の郵便貯金の増加見込み額につきましては、五年度予算要求時、要するに今年の八月の概算要求時までに検討いたしてまいりたいと思っておりますが、郵便貯金につきましては、現時点での見込みとして平成四年度増加見込み額を若干上回る、すなわち平成四年度は九兆九千億でございますから、それよりも若干上回るものと考えており、財投原資確保の観点からも努力してまいりたいと思っております。 保険の方は、財投運用額につきましては平成四年度は四兆六千五百五十億円でありますが、平成五年度も財投機関の資金運用、景気対策などを勘案いたした上で決定いたしてまいりたい。非常に景気対策その他大事な時期ですから、期待にこたえるように努力をいたしてまいりたいと思っております。
○井上計君 厚生年金の積立金はもうほとんどが財投で使われているというわけです、実態は。したがって、このままでいくと平成五年度の財投がことしと同じように四十兆円程度のものができるのかどうか、大変不安を感じますが、なお御努力を願います。 いま一つ郵政大臣に伺います。 大変次元が低い問題ですけれども、昭和四十一年に郵便法が改正されました。書き損じはがき等が一定の料金で交換されるようになりました。最近、実はあるいろんなボランティア活動をやっている方がそのはがきを集めて、そしてそれを五円で交換して、新しいはがきを売って海外へいろんなボランティア活動をやっているということが新聞報道にもあります。郵政省ただ一つとは言いませんが、大変善政をしいておられるわけであります。もっとPRをすべきだと思いますが、実態はどうなっておりますか。
○国務大臣(渡辺秀央君) お答え申し上げます。 この書損はがきの問題はかねがね先生から御指摘をいただいて、御指導をいただいてきているところでございますけれども、現在、郵便サービスを活用いたしましてボランティアの活動が行われているということは非常に有意義なことであると思っております。直近の平成二年度における書損はがき交換枚数は三億四千万枚、その額面金額百三十九億円にも上っております。 いわゆるPRがどうなっておるかということでございますが、書損はがきなどの交換制度につきましては各家庭に配布いたしております郵便番号簿、そういうものあるいはまた各種印刷物によって周知をいたしておりますが、郵便局のお客様ロビーにその内容を掲示いたしましてPRに努めておるところでございます。 これ、念のためにちょっと調査をいたしてみましたところが、この制度を、そういうことがあるということを知ってやっている人は三五%、知っているけれども実際にはやらなかったという人がいわゆる五四%で、九〇%以上がほとんど知っているということでございます。 各種郵便サービスの内容を十二分に周知していくことは極めて大切なことでございますので、今後も大いにPRに努めてまいりたい。御指導よろしくお願いを申し上げたいと思います。
○井上計君 次に、外務大臣にお伺いいたします。 私、昨年の十一月十三日、本院本会議の代表質問でODAの国際協力について言及をいたしました。積極的にやるべきではあるけれども、しかし軍事大国、核兵器を保有しあるいは開発をしている国、武器を輸出している国等々に対するODAの援助は即時中止すべきである、このように実は提案をいたしました。 先日、新聞報道によりますと、ロンドンでのOECDでも基本的にこれは合意をなされた、こう聞いておりますが、外務省としてその後の方針はどうお立てになっておりますか、お伺いします。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 我が国は昨年の四月、各国に先立って軍事支出、大量破壊兵器の開発、製造など、接助にかかわるODA四指針を発表し、その考えを明らかにいたしました。したがいましてODA指針に盛られた事項は我が国外交全体で取り組むべき課題だ、そのように考えます。またODAの実施に当たりましては、今後ともそのような方針を極力実現させていくように努力してまいりたいと存じます。
○井上計君 該当する国を発表したらどうですか、大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは外務大臣がここで発表するのはいかがなものかと思いますので、ちょっと控えておきましょう。
○井上計君 じゃ、政府委員、何か。
○政府委員(川上隆朗君) ただいま外務大臣から基本的な取り組みについて申し上げたわけでございますが、本指針の適用に当たりましては、これは援助とそれぞれの項目、御指摘の軍事費等との関係でございますけれども、やはり二国間関係、それからその国の置かれました安全保障関係も含めました国際情勢といったようなものを勘案しながら、一つ一つのケースについて慎重に対応していくという基本姿勢でございます。その辺は総合的に勘案してまいりたいと存じております。
○井上計君 もう一問、お許しください。 総理、今秋から始まる例のプルトニウムの日欧間の輸送でありますが、きのう海上保安庁の護衛船ですか、「しきしま」が進水したということが新聞に載っております。しかし、アメリカあたりから、核ジャックから輸送船を守るためには海上保安庁の「しきしま」一隻では不十分だ、日本側に新しい護衛計画の抜本的な見直しを求めるということが新聞報道でワシントン筋から伝えられていますが、これはどうでありますか、お伺いいたします。 それから、いま一つついでに、これは防衛庁長官、雲仙・普賢岳の災害復旧に自衛隊員が大変な苦労を今でも続けておられます。聞くところによると自衛隊の隊員に対する一日の手当てが約六百円。ところが他府県からずっと派遣されている警察官の手当が、いろいろな計算方法の違いがあるでありましょうが、一日六千円。地元では大変な問題になっておって、自衛隊員は気の毒だ、こういう声が高まっておるようでありますが、何か政府が予備費からでも支出して自衛隊員にもっと報いるような方法を防衛庁長官、責任を持ってお考えになるべきだと、こう思いますが、これも要望いたします。 以上、二点です。
○国務大臣(谷川寛三君) プルトニウムの輸送につきましては、関係閣僚の協議によりまして巡視船をもってこれに充てることにしました。今のお話のように、きのう艤装が完了して政府に引き渡されました。巡視船で護送しますほかに、日米原子力協定の附属書に書かれました核物質の防護措置を厳重に施しまして、それから広範な通信体制も確立をしておりまして、私はこの護送で万全を期することができる、こう思っております。 今のワシントン電につきましては、六日に国務省のバウチャー副報道官が、アメリカのいかなる機関も日本の輸送計画に異議は申しておりません、この案で満足しております。不安を感じません、こう言いまして報道をはっきり否定いたしました。 なお、けさほどアメリカの原子力規制委員会のセリン委員長が私のところへ参りましていろいろ会談をしましたが、その中でもこの問題が出まして、バウチャーさんと同じことを言っておりました。全く不安を感じておりません、今の計画でどうぞお進めくださいと、こう言って帰りましたので申し添えておきます。
○井上計君 はい、わかりました。
○国務大臣(宮下創平君) 先生御指摘の点でございますが、これは地方の公務員である警察官についての給付と国の自衛官に対する給付、これは体系をいろいろ異にいたしておりまして、例えば警察官には超過勤務手当が支給されますけれども、自衛官は超過勤務手当は原則として俸給表の中に入っているとか、あるいは食事代等は警察官は出動旅費として現金で支給されておりますが、自衛官の場合はこれが現物支給等となっております。 これは一例でございますが、もう時間がございませんので詳しくは制度の比較をいたしませんけれども、そういったもろもろの給与体系を異にした面で表向きの現金支給だけを見ますとかなり差があるようにも思われますが、こうした全体的な中で考えますと、おおむね大体均衡がとれて大差がないものと、このように思っております。
○井上計君 はい、わかりました。 終わります。ありがとうございました。
○委員長(中村太郎君) 以上で井上君の質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(中村太郎君) 次に、今泉隆雄君の質疑を行います。今泉君。
○今泉隆雄君 私は、芸術家の一人として非常にやわらかいことを幾つかお聞きしたいと思います。 やわらかいことというのは文化の問題なんですけれども、総理は施政演説の中で、生活大国の第六番目に「創造性、国際性を重んじる教育が普及し、国民が芸術、スポーツに親しみ、豊かな個性や薫り高い文化が花開く社会であります。」というふうにおっしゃっています。 それで、三月三十一日の読売新聞の全国版に政府広報が載りました。その政府広報は、生活大国というのはどういうものであるか、それを目指してということなんです。私が見たところでも約二千万ぐらいの予算で出ている広告だと思いますが、総理が考えられている生活大国と芸術文化についてはどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私は、政治というものが人の心を支配したりすることはできないし、してはならないと思っているわけでございますけれども、それは当然なことですが、しかし人が幸せになり得るような環境をやはり政治はつくる、それが仕事であると思っております。 そういう意味で生活大国という発想をいたしましたが、所信表明でも施政の演説でも申し上げましたように、結局ここまで我が国は参りましたから、もちろん一生懸命働き生産をしなきゃなりませんが、しかし、やはり消費者としてあるいは生活をする者として自分を確立する、自分の生活設計を持つということは大事なことだし、国民が単数でなく複数の価値観を自分なりに持っていくということも大事なことである。そういう一人一人の生活をどういうふうに政治がいわば環境づくりをしていくかということだと思っておりまして、そういう中からそういう自由を得た人が一人一人自分なりの生活設計、それは仕事であるかもしれません、趣味であるかもしれません、そういうことの中でいわば自分なりの価値を創造してそういう生活をしてほしいというふうに考えておりまして、芸術というのはその中で最も大切なものだというふうに考えております。
○今泉隆雄君 それにしては現在の文化庁予算というのが四百九十六億円、国の一般会計の〇・〇六五%。フランス、イタリー、ドイツなどでは大体一・六%から一・九%ぐらいですね。もう二けたも違うわけです。 これに対して、鳩山文部大臣にお尋ねしたいんですが、この間から二回にわたった文教委員会の中で、非常に文化予算が足りない足りない、何とか頑張らなくちゃというふうにおっしゃっていますが、文部大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 先生から何度も文教委員会で御指摘をいただいて、やはり総理からも御答弁がございましたように、生活大国、幸せを実感するという意味で大変大きな要素が文化であると。あるいはまた、私は、生活大国である日本が文化大国あるいはスポーツ大国あるいは教育大国、世界からそう評価されるときに総理のおっしゃる本当の品格ある国家ができ上がるというふうに考えますと、日本の文化予算は大変額が少のうございまして、先生御指摘のように国の一般会計に占める割合が〇・〇七%を切って〇・〇六台であるということ、一般歳出に占めるシェアも〇・二二%ということで、これを少しでもふやしていただけるように毎回お願いをいたしておるわけです。 ただ、国と地方の予算の支出の分担ということを考えますと、我が国の文化関係は大幅に地方に依存をしている形にもなっておりますけれども、基幹的な意味で文化庁の予算をもっとふやすこと、そして芸術文化振興基金の果実の有効利用を図っていきたいと考えております。
○今泉隆雄君 四百九十六億円といいますと、ドイツでは一地方都市の文化予算と同じぐらいという低さなんですが、大蔵大臣にお尋ねしたいと思います。その現状というのがどうかということと、大蔵大臣は生活大国に文化予算は全然関係ないんじゃないかともしかしたらお考えになっているんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) 私どもは厳しい財政の中にありましても、やはり芸術文化というものは大変重要なものである。しかし、率直に申し上げまして、今までどちらかというと文化というものに対する理解というよりは、生活を高くしていきたい、あるいは少しでも豊かな生活をしたいということの中にまだ文化というものが入っておらなかったと思うんです。 ところが、最近、やっぱり国民の中にもそういう要諸というのが非常に強く出てくるということになってまいりまして、私どもも厳しい厳しいと言いながらも、今四百九十五億でよその国に比べると低いよという実は御指摘だったんですけれども、しかし厳しい中にありまして前年対比七。九%という予算というものを計上しておりますし、また平成二年度から発足させました芸術文化振興基金、これは政府の出資が五百億円、民間拠出が百億円ということで、計六百億円という基金というものをつくることになりまして、予算の中でも文化というものに対する理解というものは深まってきているんじゃないのかなということを私ども改めて思います。 私どももそういったことを念頭に置きながら、本当の大国というのは文化というものをやっぱり大事にすること、そういったものが生活にゆとりとかいろんなものを思わせるものでおろう、そんなことを認識しながら対応していきたいというふうに思っております。
○今泉隆雄君 芸術文化振興基金はよく知っておりますが、あれは一年にたった三十億しか使えないということで、三十億を幾つかの団体が分けたらどうにもならないというのが現状でございます。これはもう少し何かふやしていただきたいと思います。 最後に、宮澤総理にお尋ねしたいと思います。 きのうの新聞に出ていましたが、光進の小谷被告、また詐欺で起訴されている尾上縫被告は四千百億、小谷被告は二千五百億なんという金を使っていて、文化予算よりかはるかに高い詐欺をやったり金を使っているわけなので非常に矛盾しているわけなんですけれども、私の考えでは、文化予算、芸術予算をふやしていただくには、やっぱりもう少し防衛費を削っていただきたい、まずそう思います。 それからもう一つは、やはり飛行機が、きょう聞いたところで九機墜落して、これも新聞に出ていましたけれども三百二十五億の損失だそうです。こういうような損失があるんでしたらば、世界的な意味で日本が発展するためにはもうちょっと文化に予算をいただきたいと思いますが、総理の最後にお考えをお聞かせください。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ず最初におっしゃいました四千億とか二千億とかいう金は、これは常識を外れております。こんなことがいつまでもあっていいはずはありません。これは全く常識を外れた話で、あんなものが物差しになってはいかぬと思います。 次におっしゃいました芸術、確かに大蔵大臣も言われましたように、我々まだまだ国民のためにしなければならないことがたくさんあるということはよく存じております。ただ、それは何も防衛費云々とおっしゃいませんでも、それにはそれでいろいろ工夫の仕方もあることでございますので、一生懸命いたしたいと思います。
○今泉隆雄君 お願いします。 終わります。
○委員長(中村太郎君) 以上で今泉君の質疑は終了いたしました。(拍手) ――――――――――――― これにて締めくくり総括質疑は終了いたしました。 以上をもちまして、平成四年度総予算三案に対す質疑は終局したものと認めます。
○委員長(中村太郎君) それでは、これより討論に入ります。 討論の通告がございますので、順次これを許します。なお、発言者は賛否を明らかにしてお述べ願います。梶原敬義君。
○梶原敬義君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました平成四年度総予算三案に対し、反対の討論を行うものであります。 海部内閣を引き継ぎ、決断と実行を掲げてきた宮澤内閣は、発足当初の待望論や本格政権論が完全に吹っ飛び、発足間際にあった五〇%台の支持率は今やわずか二二%台に急落し、日本列島は宮澤内閣への失望感に包まれております。総理みずからが関与したリクルート事件の解明も終わらぬうちに、これほどまでに政治家と金の関係が国民の政治不信を招いたことはありません。 共和事件では、宮澤派元事務総長阿部文男代議士が収賄容疑で逮捕されたのに続き、塩崎元総務庁長官・鈴木元総理の事件への関与が、衆議院予算委員会での証人喚問、参考人招致によって明白となり、宮澤派ぐるみの構造汚職の疑惑がますます深まったのであります。さらに、佐川急便事件の疑惑解明はほとんど手つかずの状態で、これら疑惑の解明には、参議院においても阿部文男代議士初め証人の喚問が不可欠であることは論をまちません。 しかるに、政府・自民党の論拠薄弱な反対によって、証人喚問要求の動議すら採決できなかったことは、国民の政治への不信をますます深めるもので、憤激にたえません。失われた政治への信頼回復には、これら疑惑解明が緊急の課題であることを強く申し上げ、以下、順次反対の理由を申し上げます。 反対理由の第一は、我々の要求している所得税減税が盛り込まれていないことであります。 平成四年度の税の直間比率は、直接税が実に七四%を超え、過去最高だった元年度とほぼ同水準に達しております。景気後退の中で、法人税収が急激に落ち込んでいるにもかかわらず、直接税の比率が上昇していることは、所得税にいかに重い負担がかかっているかを示しており、パート減税が不可欠になっていることを物語っております。さらに、六十三年の所得税減税以来、消費者物価が九%近くも上昇しているにもかかわらず、この間全く所得税減税が行われなかったために、物価上昇分が確実に実質増税となっております。しかし、政府は所得が伸びていることを理由にこの間の実質増税を認めようとしないことは、宮澤内閣がいかに国民生活を軽視し、犠牲にしているかを示すもので、到底容認できません。 反対理由の第二は、東西冷戦構造が終えんし、新しい平和と秩序が模索されているにもかかわらず、相変わらず軍備拡張が行われていることであります。 冷戦構造の終結とともに、世界主要各国が軍事費削減に動いているのに対し、我が国の防衛関係予算は、その伸びを抑制したとはいえ依然三・八%増、千六百億円余も拡大しております。特に、地雷処理車両の新規計上は、PKOによるカンボジアヘの自衛隊の海外派兵を先取りしたものとの疑問も否定し得ず、国民感情からも決して許すことができないのであります。防衛費拡大の根拠となっている中期防衛力整備計画は、昨年末の与野党党首会談においてその見直しを渋々認めましたが、なお抜本的見直しか不可避であり、冷戦構造を前提とした防衛計画の大綱そのものも根本的に再検討すべきは当然であり、その即時見直しを政府に強く要求するものであります。 反対理由の第三は、生活大国化を目指しながら、そのための予算が不十分であることであります。 宮澤総理は、施政方針演説で、生活大国化を明言し、その実現のために社会資本の整備を初め六項目の手法を述べました。しかし、社会資本の整備では公共事業の項目別、省庁別の配分比率は依然産業優先の構造そのままとなっております。三年度から設けられた生活関連重点化枠も二千億円のまま据え置かれ、住宅、下水道施設など生活関連社会資本の割合を目に見えて変えるには至らず、到底生活重視の予算とは言えません。 反対理由の第四は、景気対策としての予算が極めて不十分であることです。 景気は、昨年半ば以降急速に鈍化傾向を強め、特に年末以降は悪化の一途をたどっております。しかし、政府の景気判断は、つい今年の一月までは、拡大を続けているとの誤った判断のもとに何一つ景気対策をとってこなかったのであります。年末の予算編成では、一般会計公共事業費総額の伸びは四・五%増と、昨年の五・一%を大きく下回っており、到底景気配慮型の予算とは言えません。その一方で、地方単独事業費は、三年度及び四年度と一〇%を上回る伸びとなっており、景気対策も地方に押しつけて、政府予算は明らかに景気への配慮を欠いており、到底認めることができません。 最後に、失われた政治への信頼を回復するには国会がみずから疑惑の解明を白日のもとに正々堂々と行うことでありますが、今回の我々の証人喚問要求が政府・自民党の反対によって本予算審議中に実現しなかったことは遺憾であります。国政調査権の手を縛ることは議会の自殺行為であり、二度と、再びあってはなりません。今後も我々は証人の喚問を要求し続けていくことを申し上げ、反対討論を終わります。(拍手)
○委員長(中村太郎君) 次に、吉川芳男君。
○吉川芳男君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました平成四年度予算三案に対し、賛成の討論を行うものであります。 昨年暮れのソ連邦の崩壊以降、世界が新たな平和秩序を模索する今日、我が国には国際社会の一員として積極的な国際貢献が求められております。 一方、国内では、長期にわたる好景気が後退局面に転換し、目下は政府が先月末に打ち出した緊急経済対策の執行が待たれています。また、宮澤内閣の掲げる生活大国づくりは多くの国民の支持を得ましたが、今後はその実現に向け、労働時間短縮、社会資本の整備等の具体的推進が必要となっております。 本予算案は、大変厳しい財政事情の中、これら内外の要請にこたえた極めて適切な内容となっており、高く評価できます。 以下、本予算案に賛成する主な理由を申し上げます。 まず、第一の理由は、社会資本の整備に十分配慮されている点であります。本予算案の公共事業関係費は、住宅、下水道など国民生活と密接な分野に重点的に配分されており、これらの充実が大いに期待されます。 第二に、高齢化社会に備えて適切な対応がなされている点であります。いわゆる、エールドプランの推進は、二十一世紀を控えた我が国の最重要課題であります。本予算案ではホームヘルパーの大幅増員を初め、特別養護老人ホームの整備等、格段の配慮がなされており、高く評価できます。 第三に、国際貢献の要請に的確にこたえている点であります。本予算案では政府開発援助予算が前年度比七・八%増と高い伸びとなっており、これにより国際公約のODA第四次中期目標が達成される見込みとなり、まことに好ましいことであります。 第四に、防衛費が適切に計上されている点であります。冷戦後の今日も今後の国際情勢を見据え、均衡のとれた防衛力を維持することは不可欠であり、本予算案の前年度比三・八%増の防衛関係費はまことに適切な内容となっております。 第五に、積極的な景気対策が盛り込まれている点であります。本予算案の公共事業関係費は、一般歳出を上回る伸びを確保し、また財政投融資計画の公共事業分や地方単独事業もそれぞれ高い伸びを確保しております。これらは緊急経済対策とも相まって、その効果が大いに期待されるところであります。 第六に、財政再建への努力が継続されている点であります。景気の後退に伴い税収が低迷する中、本予算案は赤字国債の発行に陥ることなく、歳出の徹底した節減合理化とともに、建設国債の発行で対処されております。また、限られた財源は時代の要請に応じ重点的、効率的に配分され、このような政府の努力は、もって多とすべきものであります。 以上、平成四年度予算案に賛成する主な理由を申し述べましたが、政府におきましては、本予算の成立の後は、緊急経済対策の実施に万全を期し、当面の実態以上に悲観視されている景況感に歯どめをかけ、そして二十一世紀に備えて盤石な経済基盤を築くよう強く要望いたします。 以上をもって私の賛成討論を終わります。(拍手)
○委員長(中村太郎君) 次に、太田淳夫君。
○太田淳夫君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました平成四年度総予算三案に対し、反対の討論を行うものであります。 今や政治改革は待ったなしの状態です。最も残念なことは、政治不信の中心にあって一番真相解明を行い得る宮澤総理に、積極的な取り組みが見られないことです。速やかな政治改革の実現のため、総理の党利党略を超えたリーダーシップの発揮を強く要求します。 さて、激動する内外の情勢の中、我が国はさまざまな課題を抱えていますしかるに本四年度予 算は、いずれの面においても対応が全く不十分で、反対せざるを得ません。 以下、順次反対の理由を申し述べます。 第一は、景気対策が不十分なことです。 いざなぎ超えに固執した政府の景気判断は、民間のシンクタンクなどと比べて突出して楽観的で、企業の本格的な在庫調整への着手をおくらせ、現下の景気後退を極めて深刻なものにさせています。政府の緊急経済対策の中心は公共事業の前倒しですが、本予算自体が楽観的過ぎる経済見通しを前提として編成されていることなどから、その効果にも限界があり、既に大型の補正予算の必要性が説かれている状況です。少なくとも野党四党が要求しているパート減税や家賃控除制度の導入などにより、景気回復に資するべきであります。速やかな実施を求めます。 第二は、福祉優先、生活者優先の予算となっていないことです。 高齢者保健福祉推進十カ年戦略の推進は生活大国づくりに不可欠ですが、計画の達成にはかなりの推進の加速が必要な状況です。また、介護手当の創設、高齢者再雇用の促進、保育控除、子育て減税の実施、障害者権利擁護機関の設置等の今日的に重要な課題については、ほんの申しわけ程度の不十分な措置しかなされておりません。社会保障関係費の伸びが一般歳国会計の伸びをも下回るありさまです。このような予算は認められません。 第三は、社会資本整備が依然として生活者重視でないことです。 今年も生活関連枠二千億円が設定され、さらに公共投資充実臨時特別枠二千億円が創設されましたが、全体としての配分比率は事業別に固定化されたままであり、生活大国づくりの総理の方針に反し、生活環境関連重視の財源配分に転換してはおりません。経済成長第一の時代の配分方式から脱却できないことはまことに遺憾です。 第四は、防衛費についてです。 予算案審議の中で政府は、中期防の見直し等を通じての防衛費の下方修正を明らかにしましたが、予算編成時に軍縮の世界的な潮流を的確に受けとめ、我が国の防衛のあり方を厳格に検討していれば、防衛費はさらに圧縮できたはずです。当面、中期防の見直しの中で、わかりやすい形で正面装備をさらに二千億円以上圧縮すべきことを強く申し上げます。 以上のように、平成四年度総予算三案は、全くもって従来型の思考によるもので、激動する内外の情勢に的確にこたえたものとは到底言いがたく、反対せざるを得ないことを申し述べて、私の討論を終わります。(拍手)
○委員長(中村太郎君) 次に、諫山博君。
○諫山博君 私は、日本共産党を代表して、一九九二年度予算三案に対する反対討論を行います。 反対する理由の第一は、本予算が世界的な軍縮の大きな流れに背を向け、引き続き軍拡を進めるものだからであります。これまで政府が軍拡の論拠としてきたソ連の脅威論が崩壊し、平和と軍縮を求める世論が世界の潮流となっています。大軍拡計画である中期防にあくまで固執するのは、まさに時代錯誤であります。世界の憲兵というアメリカの戦略に呼応し、日米安保体制の一層の強化のために正面装備を増強し、在日米軍への思いやり予算を大幅に増額するようなことは、到底認めることはできません。 また、PKO事務局の経費を計上したことは、憲法違反の自衛隊の海外派兵を行うためのものであって、断じて容認できません。侵略戦争の責任を明らかにし、朝鮮人従軍慰安婦問題の補償、シベリア抑留者の補償、被爆者援護法の制定などこそ直ちに行うべきことであります。 第二に、ODAや輸入促進対策などを突出させ、大型プロジェクト中心の公共投資の拡大を図るなど、対米貢献、大企業奉仕の予算だからであります。大幅にふやされたODA予算がアメリカの世界戦略に沿ったものであることは言うまでもありません。公共投資の大幅拡大も対米公約である総額四百三十兆円の公共事業費の実現を目指すものであります。これは同時に、景気てこ入れの名によってバブル経済崩壊後の大企業を支援しようとするもので、到底賛成できません。 第三に、生活大国どころか、歳入不足などを口実にした暮らしと福祉、教育切り捨ての臨調行革推進予算だということであります。 生活保護費の三年連続の引き下げ、政府管掌保険の国庫補助率のカットヘ老人医療差別の継続など相変わらずの社会保障、福祉水準の切り下げであります。看護婦、ホームヘルパーなどマンパワー確保も極めて不十分です。 教育予算について言えば、国立大学授業料、初年度納入金等は値上げする一方、研究費不足や施設設備の老朽化も危機的事態を打開するものではありません。農水省関係予算も、食糧管理費の十一年連続の削減を初め、農業切り捨て政策のもと、農民の生産意欲と展望を奪う深刻なものであります。 十三年連続の中小企業対策費の削減も同意できません。 私は、本委員会で我が党が指摘したような超過密労働、サービス残業をなくし、完全週休二日、週四十時間労働制、残業規制などの労働基準法の抜本的改正を求めます。 また、大企業に対する特権的減免税に大胆なメスを入れ、消費税を廃止することこそ、さらに住宅減税、パート減税や個人事業者の自家労賃を認めるとともに、納税者憲章を制定するなど、税制と税務行政の抜本的な民主化を強く要求するものであります。 最後に、本予算委員会で問題になったリクルート、共和、佐川急便など金権腐敗の疑惑が自民党の証人喚問拒否によって真相解明に至っていないことに強く抗議します。国民の期待を裏切った責任が、ひとえに宮澤総理並びに自民党にあることを指摘するとともに、証人喚問の早期実現を強く要求して、私の反対討論を終わります。(拍手)
○委員長(中村太郎君) 次に、乾晴美君。
○乾晴美君 私は、連合参議院を代表して、ただいま議題となりました平成四年度総予算三案に対し、反対の討論を行いたいと存じます。 反対の第一の理由は、生活大国実現への取り組みが全く不十分なことであります。 国民が豊かさを実感できる生活大国を実現していくためには、生活関連社会資本の整備や高齢化対策など福祉施策の充実が必要なことは言うまでもありません。 しかるに、本予算案の一般公共事業費の事業別構成比を前年度と比較してみますと、住宅は一一・五%、下水道は一一・三%で変わらず、環境衛生にしても三・〇%から三・一%へとわずか〇・一%上昇したにすぎません。従来の固定した配分比率にほとんど変化が見られず、とても生活関連事業を重視したとは言えない状態であります。 社会保障関係費にいたしましても、その伸び率は前年度化四・三%増と平成元年度以降最低の伸びとなり、看護婦、ホームヘルパーの増員など高齢化社会へ向けた緊急の課題への対応も不十分な内容に終わっております。 こうした点を見ただけでも、総理の言われる生産者中心の視点から生活者を重視した社会への転換がかけ声倒れに終わっていることは明らかであり、国民の期待は裏切られたと言わざるを得ません。 反対の第二の理由は、景気への配慮が足りないことであります。 景気は、昨年の後半以降急速に落ち込み、今年に入ってからは産業界にさらに生産調整の波が拡大するなど、一段と悪化してきております。四年度の設備投資計画も前年度比マイナスを見込む調査結果が相次いで出され、既に景気後退が長引くとの見方も数多く見られるのであります。 しかるに、本予算案は、一般公共事業費の伸びが前年度化四・五%増と前年度の五・一%増を大きく下回るなど、景気刺激型とはなっていないのであります。 先日決定された緊急経済対策にいたしましても、予算執行の前倒しにすぎず、追加の財政出動を伴うものではなく、景気浮揚には力不足であります。 反対の第三の理由は、防衛費の抑制が不十分なことであります。 東西冷戦の終結、ソ連邦の崩壊という劇的な国際情勢の変化の中で、世界的な軍縮の流れは飛躍的に進展し、既に欧米先進諸国の間では防衛費削減の動きすら見られるのであります。 しかるに、本予算案における防衛関係費は四兆五千五百十八億円、対前年度比三・八%増、額にして一千六百五十八億円の増加と、政府が国際貢献の目玉として最重要視する経済協力費の増加額五百九十二億円を三倍近く上回る大きな増加費目の一つなのであります。 政府は、現下の国際情勢にかんがみ、東西冷戦構造を前提とした防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画の見直しを早急に行うとともに、防衛費削減計画の作成に取り組むべきであります。 そのほか、消費税の飲食料品非課税化などの是正措置が盛り込まれていないこと、第二段階の財政再建が大幅に後退していること、地方交付税の特例減額が行われていることなど、本予算案に反対する理由には枚挙にいとまがございません。 最後に、景気の浮揚を計るとともに、勤労者の負担軽減のため減税を行うこと、PKOについては、自衛隊とは別組織で、PKF抜き、国会の事前承認を行うことを強く政府に求め、私の反対討論を終わります。(拍手)
○委員長(中村太郎君) 次に、井上計君。
○井上計君 私は、民社党・スポーツ・国民連合を代表して、ただいま議題となっている平成四年度予算三案について反対討論を行います。 反対の第一の理由は、省庁の縄張り、与党の権益優先の予算となっており、宮澤内閣の生活大国の公約にも違反する内容となっていることであります。 公共投資の固定的、硬直的配分を根本的に改めることなく、生活関連枠の継承、新たな別枠の設置という小手先の施策にとどまり、公共住宅、下水道、都市公園、高齢者にやさしい町づくりなどの社会資本整備が軽視されていることは納得できません。特に、勤労者からの要望が強いパート・内職者減税、家賃控除などの政策減税が見送られたことは残念であります。 反対の第二の理由は、行財政改革の断行なくして安易な増税措置が盛り込まれていることであります。 歳入欠陥を理由とした法人特別税、普通・小型乗用車の消費税の割り増し税率などの増税は容認できません。かかる措置は平成三年度限りで撤廃する措置を事実上延長したものであり、公約違反を犯すものであります。 反対の第三の理由は、景気対策が不十分なものとなっていることであります。 政府が、甘い経済分析を続け、景気対策を後手後手に回し、経済を著しく悪化させた責任は極めて重いと言わざるを得ません。緊急経済対策のみでは不十分であり、大型補正予算編成などさらなる対策が必要と考えます。 反対の第四の理由は、地球環境や経済支援など国際協力の面でも不満足な内容となっていることであります。 ODAについては、旧ソ連などに対する人道的支援を拡充するとともに、内容を厳しく吟味すべきだと考えます。また、地球環境保全のため、日本はさらなる努力をすべきです。 予算案には反対ではありますが、我々の提言により、本院が良識を発揮し、国民経済に与える影響に配慮し、粛々と審議を行い、予算の早期成立の道筋をつくることができたことは一歩前進であることを申し述べて、私の討論を終わります。(拍手)
○委員長(中村太郎君) 以上で討論通告者の発言はすべて終了いたしました。討論は終局したものと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 平成四年度一般会計予算、平成四年度特別会計予算、平成四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して採決いたします。 三案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(中村太郎君) 少数と認めます。よって、平成四年度総予算三案は賛成少数により否決すべきものと決定いたしました。(拍手) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中村太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十八分散会