予算委員会 第9号
- 発言数
- 190 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1992/03/25
会議録
○委員長(中村太郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 まず、平成四年度総予算三案の審査の委嘱についてお諮りいたします。 本件につきましては、理事会において次のとおり決定いたしました。 審査を委嘱する委員会及び各委員会の所管は、お手元に配付のとおりとします。審査を委嘱する期間は、特別委員会については来る四月六日とし、常任委員会については同月七日とする。 以上でございます。 ただいま御報告いたしました理事会決定のとおり、審査を委嘱することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中村太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(中村太郎君) 次に、平成四年度総予算三案の一般質疑に関する理事会決定事項について御報告いたします。 一般質疑は五日間分とすること、質疑割り当て時間の総計は四百五十五分とし、各会派への割り当て時間は、日本社会党・護憲共同二百四十六分、公明党・国民会議七十六分、日本共産党、連合参議院及び民社党・スポーツ・国民連合それぞれ三十八分、参院クラブ十九分とすること、質疑順位についてはお手元に配付いたしておりますとおりとすること、以上でございます。 ただいま御報告いたしました理事会決定のとおり取り運ぶことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中村太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(中村太郎君) 平成四年度一般会計予算、平成四年度特別会計予算、平成四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 これより一般質疑に入ります。吉田達男君。
○吉田達男君 初めに、景気対策について大蔵大臣に質問をいたします。 先般、いわゆる五項目を出されて、予算の早期成立を期しておられるわけでありますが、もちろん私どもも努力して、その意味で国民の期待にこたえるべく予算を審議しておりますが、果たして政府は政府の立場で全力を挙げておられるかどうか、二、三点について質問をいたします。 この五項目の中に、「六千億円のゼロ国債の完全消化を図る。」と、大きい柱となって出ております。この六千億というのは、ゼロ国債の去年十二月の補正予算において、私、賛成討論をいたした記憶がございます。 あと年度といえば一週間しかない、こういう年度切りにおいて、補正予算をした六千億になお残があるというようなことで、今景気対策を言われるときに果たして執行が適切になされておるかどうか疑わしいので、残高がどのくらいあるか、状況をお伺いいたしたい。
○国務大臣(羽田孜君) 予算につきまして、大変精力的に土曜日まで使って御審議いただいておりますことに対してまずお礼を申し上げたいと思います。 今、御指摘のございました補正予算のときに手当でいたしました六千億円のゼロ国債でございますけれども、これは年度内に契約が行われるように各省庁に対しまして完全消化に向けて努力してほしいと要請を行ってまいったところでございますけれども、私どもはほぼこれは達成できるんじゃなかろうかというふうに思っておるところであります。
○吉田達男君 各省庁の状況はもちろん、補正予算を通した、提案したその関係において完全消化なさるべきであります。しかし、事の本質からいえば、景気対策という名前を打って十二月に既に出されておるんです。その意味からいえば、予算を通した議会の意思を素直に執行していないと言わざるを得ない。各省庁ごとの残高をお知らせいただきたい。
○政府委員(斎藤次郎君) 実は、まだ年度が終わっておりませんので各省庁とも統計資料が手元にないまだ統計資料が存在しておりません。 ただ、過去の実績等で申し上げますと、ゼロ国債というのは大変地元にも喜ばれている制度でございまして、過去数カ年にわたってほぼすべて完全消化されております。したがいまして、今年度につきましては、補正の時期が十二月と比較的早かったこともあり、完全消化されるものと確信しております。統計資料は、年度が終わっていない関係もありまして存在しておりません。
○吉田達男君 これは、早く執行すべしという考えではお互い同じであって、速やかなことをやられたいということをあえてこの時期に五項目の中に出されるということ自身が、議会においては不審だ、おかしい、こういう印象でありまして、せっかく各省に督励をしてやられるように注文をつけておきます。 二つ目には、財政投融資について一昨日質問をいたしましたが、時間の問題もあって明快になっておりませんでしたので改めてもう一度お伺いいたします。 この財政投融資は、国会の承認を受けずに一定の範囲内で増額をできるという弾力条項があります。そのことをもってして景気対策は柔軟な運営がなされて効果を上げられるように、あえて政府にその権限を国会の方はゆだねているんです。政府の経済運営において気がつかぬぐらい慌ただしく景気の鈍化について対策も言われる今日でありますから、これは財政投融資も機動的になさるべきだと思うんです。この状況についてどのように対応なさっているかお答えいただきたい。
○国務大臣(羽田孜君) ゼロ国債につきましては、まさに今度の五項目も、ちょうど吉田委員から今御指摘がございましたそんな思いを持ちまして、当時のことでございますからああいうことを一つの中に盛り込んでおるということを申し上げておきたいと思います。 なお、財投につきましてでございますけれども、追加額を含めた財投の執行につきましては、去る一月二十九日に財投金利が、二月三日に長期プライムレートがそれぞれ大幅に引き下げられたことに伴いまして、政府関係金融機関の貸付金利が低い水準にあることもございまして、例えば国民金融公庫でございますとかあるいは中小企業金融公庫でございますけれども、この貸し付けは十−十二月期にそれぞれ前年同期比で二八・二%、あるいは中小企業金融公庫の場合には二五・〇%の伸びをしておるということなどから、着実に執行がされておるということでございまして、私どもは財投の追加額は順調に消化されておるというふうに見込んでおります。
○吉田達男君 この五項目の趣旨は、一等初めに書いてある「予算の早期成立を期しこということにいわばインパクトとしては尽きるんです、我々からいえば。精いっぱい審議をして効果ある執行を願っておるけれども、衆議院からの流れで我々の審議の限度が来ておるんです。しかし、政府の方にゆだねている権限は一定の枠の中、つま旦二十六兆、去年の財政投融資の枠があって、目の予算で言えば五〇%はふやしてもいいと大蔵大臣に任せているんだ。予算執行の中で言うと、本予算では貸付金とか融資事業というのはたくさんある。早く通して早く執行して経済界を回すという機能からいえば財政投融資の枠の中で回すという方法は随分にあるはずなんですよ、こんなにせっつかなくても、五項目書いてやらなくても。その点についてなお私は機動的な運用がなされるべきだと思うんです。 これは、予算が通ったというインパクトで経済界が活性化するという一つのものも期待をしている。しかし、大蔵大臣が、これは財政投融資の枠を拡大して、それによっていよいよ景気対策に着手するんだ、こういう雰囲気がぱっと出て、それでまた景気対策のインパクトもあるんですよ。だから私が聞いているんであって、もう一度お答えをいただきたい。
○国務大臣(羽田孜君) 景気の減速感というものにつきましては、例の収納状況なんかもなかなか厳しいという中で、実は、例えば今お話がございました財投につきましても、各政府関係金融機関にどの程度消化できるか、まだ追加の必要があるかということを一つずつ聞いた上でこういった追加をさせていただいたわけでございまして、今お話のございました趣旨というものを私どもも外しながら、極力こういったものはきちんとした方向で消化されていくように、そしてそういったものはやっぱり景気に対してインパクトを与えるような方向で執行を進めていきたいというふうに考えております。
○吉田達男君 自民党の責任ある人は、景気対策をやれ、金利の引き下げをやらぬといかぬ、日銀の総裁の首をすげかえてもそれをやれと言っておるのに、財政出動の方がおくれがちだといってまた議会に対してせっついている。その状況の中で、ゆだねた政府に対する権限の行使の中で精いっぱい政府がやる、このことがまず大事なんでありまして、そのことを指摘するんです。それは重ねて問うまでもないと思いますが、次の質問のときにお答えいただきたい。 それは、公共事業について予算成立後の適切な執行をなし得るように鋭意努力するということになっています。これはおおむね毎年そうは言うんです。そうは言うんですが、執行がおくれる。なぜか。それは、箇所づけもおくれる、設計もおくれる、発注をするまでに随分と時間がかかって結局前半が遊ぼうとする傾向が強い。 その点については留意をしておられますが、果たしてそれが全政府の態勢となっているのか、あるいは地方自治体にそれだけの準備が進められているのか。本当に、予算の成立が十日ほどおくれるかおくれぬかで毎日これだけプレッシャーをかけているんですから、我々もこたえようとしているんですから、政府もまた執行する側としてこれに対応するだけの努力をされなければならぬと思って、現在どのようになっているか、お伺いいたしたい。
○国務大臣(羽田孜君) この執行につきましては、もちろんこれは予算が成立してということでございますけれども、この委員会等での各党の皆様方からの御指摘もございました。そういう中にありまして私どもも関係省庁ともよく協議をいたしまして、実際の執行というものが予算が通過したならば直ちに動けるように適切にやっぱり進めていかなければいけないということで今日まで各省と協議をしてまいっておりますので、今の御趣旨というものを外しながら私どもとしても円滑な執行ができ得るように対応していきたいということを申し上げたいと思います。
○吉田達男君 それでは、次の質問に移りまして、産業廃棄物について厚生大臣にお尋ねいたします。 毎日、報道機関によってごみの問題が国民の大きい関心事になっております。先般の質問の延長で言えば、過疎地域においては人口は減るわ所得は減るわだのに、ごみだけはよそから町の方から持ってくる、こういうようなことで字が躍るわけであります。 現在、この報道されるようなごみ問題のうち、不法投棄の状況はどのようになっておるか、実情をお知らせいただきたい。
○政府委員(小林康彦君) お答えいたします。 警察庁の調べによりますと、産業廃棄物の不法投棄にかかわります検挙状況は、平成三年において五百件となっております。不法処分されました産業廃棄物の量について言いますと、同じく平成三年において約二百九万八千トンとなっております。
○吉田達男君 不法投棄の場所、また不法投棄の品目というか廃棄物の種類、これはどういう状況ですか。
○政府委員(小林康彦君) 不法処分をされました産業廃棄物の場所でございますが、山林、原野で八〇・五%、水田、畑で一五・三%、廃棄物の種類で申し上げますと、建設廃材が六三・〇%、廃プラスチック類が一七・五%。いずれも平成三年の内訳でございますが、以上の状況でございます。
○吉田達男君 これを伺いながら分析すると、やはり過疎地域に、山林にごみは捨てられると。それが目を盗んで不法投棄になっておる、こういうケース。また、建築廃材、プラスチックが八〇%ということになると、これは安定型ですね、安定型の方に不法投棄の事実が多い、こういうことであります。 そうすると、これに対して住民はどういうふうな感情を持って受けとめるかというと、ごみ戦争という言葉がありますが、本質的にはよそのごみはよそで始末して、自分の方によそのごみを持ってきてほしくない、こういう気持ちがあって、それがトラブルの大きい背景になっておるわけですね。この考え方でいって、地域内処理の原則についてはどういう見解をお持ちですか。
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物は、排出をされました場所あるいはその周辺で処理、処分をされるのが望ましいことでございますが、日本の土地利用の状況、産業活動、あるいは国民の人口の分布等を考えますと、なかなかそうもいかずに広域的に移動する状況もございますし、広域的に対応すべき廃棄物もございますので、廃棄物の広域移動は状況として認めざるを得ない状況と考えております。
○吉田達男君 昨年十月、廃掃法が改正されて、このような不法投機を初め、処分のあり方、処理の仕方、リサイクルの問題等々を含めて抜本的なところを我々は審議したのであります。 そのときに、附則の中でこの施行については政令にゆだねておるわけです。一日も早くということで、平成三年度の予算の中に、昨年の廃掃法が通るならば執行するという内容の予算もあるんです。まだ執行されずにいて、このような不法投棄が続いているんでしょう。まことにけしからぬと思う。これは速やかに廃掃法を施行すべきだと思うんですが、大臣はいかがお考えですか。
○国務大臣(山下徳夫君) これは、昨年の十月五日に公布されておりまして、それから九カ月以内に政令でもって日にちを定める、その日から施行するということになっておりますが、何せ関係方面というのが多岐にわたっておりまして、目下鋭意調整中でございまして、九カ月といいますと七月五日になりますが、私どもはこれはぎりぎりということでなくて一日も早くという気持ちで今一生懸命やっております。
○吉田達男君 結局はいつ施行なさいますか。
○国務大臣(山下徳夫君) 今申し上げたとおりでございまして、今関係各方面といろいろと交渉いたしておりまして、何月何日からということは、今の段階ではちょっと申し上げにくいのでございます。予測がつかないということでございます。
○吉田達男君 関係法令との調整、準備ということでありますが、どういう準備をなさっているのか、また、その準備の中で、私どもが十一項目にわたって附帯決議をつけましたが、それは読まなくてもわかっていらっしゃると思いますから言いませんが、どういうふうに織り込まれているか、詳細に伺いたい。
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物処理法の改正は多岐にわたっておりまして、政省令にゆだねられ亡いることも多いわけでございます。 ごみの減量化、リサイクルの推進、特別管理廃棄物の規制のあり方などが中心でございますが、専門的な見地から広く意見を求める必要があるということから、生活環境審議会の中に専門委員会を設置していただいて現在検討しておるところでございます。今後、この専門委員会の御意見も踏まえまして、関係方面との調整を図りながら政省令の具体的な案を固めていきたいと思っております。国会で御審議のありましたこと、附帯決議がございますこと、これは十分尊重しながら政省令の内容を検討しておるところでございます。
○吉田達男君 大臣にお伺いいたしたいんですが、さっきの地域内処理の原則について、担当の部長は答弁がありましたが、大臣に見解を聞きたい。 それは、廃掃法の中に、例えば産業廃棄物は県がやって、第三セクターでもって一県に一つその施設をやるとか、あるいは一般廃棄物は市町村が処理計画を立てるとか、あるいは産業廃棄物については県が処理計画をするというようなことをやり、各自治体で、二十その都道府県がよそからの産業廃棄物の流入を規制すべしという条例を初め、取り扱いを決めておる。 この事態に大臣はどう対応されるお考えなのか、その地域内処理の原則についてどうお考えか、見解をお伺いいたします。
○国務大臣(山下徳夫君) ただいまの御質問は、産業廃棄物についてということでございますね。 そこで、特に有害な産業廃棄物につきましては、その移動について管理体制を強化したり、あるいは廃棄物処理センターによる広域的な施設の整備等をやるわけでございますけれども、これはやはり広域的にやらざるを得ない場面も出てくるわけでございまして、本当は今おっしゃったとおり、その地域で処理するのが一番いいのでございますけれども、なかなかそうはいかない面がございます。したがいまして、そういうセンターによる施設の整備等を促進しながらやっていかなきゃならぬと思っております。 私の地元においても、私は佐賀県ですけれども、千葉県から五千トン持ってくるというようなことでいろいろと問題を起こしておりますが、現状においてはこれを拒否することもできないし、今申し上げましたように、特に有害なもの等についてはありますけれども、遠くから持ってきてはいけないとかどうとかということはなかなか規制しにくい現状にあるということであります。
○吉田達男君 そういう趣旨であっても、日本の法体系の中から自由経済というものの行き方ももちろん存在するわけであります。それに対して、地方自治体は条例をもって対応しております。長野県等が環境保全条例をつくる、あるいは津市なんかのように水源を保護するという条例をつくる、そういう条例を各自治体でやって、結局はよそからのものは御免願いたいうちの環境はうちが責任を持ってやります、もちろん自分のうちで自己処理いたしますと、こういうことをやって条例をやっておることについては尊重すべきだと思うが、どうか。 また、要綱や指針でもって地方自治体がこの扱いをやっていることに対して、指導機関としての厚生省はこれをどういうふうに見られるか。自治体がそういう扱いをすることに対して業者の方が、受け付けないという不作為の違法をしているんだといって逆訴訟をするケースもあるんですから、その点の見解を聞かせてもらいたい。
○国務大臣(山下徳夫君) 確かにおっしゃるとおりでございまして、できれば自分の地域内と申しますか行政区域内でやることが一番いいのでございますが、さっき申し上げましたように、なかなかそれが処理できない現状でございます。要するに、法律の趣旨は野放しにしないということが趣旨でございますからきちんとやろうということでございまして、それにつきましては、やはりごみの処理ということはもちろん必要でございますので、地元の市町村と十分話し合いをしながらこの問題は進めていく以外にはないと思っております。
○吉田達男君 それでは具体的にお尋ねいたしますが、監視体制を強化しなければならぬ、これは先ほどからの経過を聞かれればわかり切っていると思います。 この監視するための産業廃棄物の衛生指導員等々について人員の確保はどうなのか。また、環境庁なんかの職員あるいは食品衛生監視員というようなことでその監視をする者に司法警察職員の身分を付与して速やかな対応と権威を持って指導するという体制があるものもあるが、この産業廃棄物の指導員にはない。そういうものを付与するということはどうなのか。それでも手が足りないということになれば、住民の監視体制、啓蒙体制等々についてはどうなのか。具体的にお答えいただきたい。
○政府委員(小林康彦君) まず、環境衛生指導員の状況でございますが、産業廃棄物に係ります環境衛生指導員は平成二年四月一日現在二千四百五十一人で、前年に比べまして五十九人の増員になっております。 それから司法警察の権限を与えるべきではないか、こういう御指摘でございます。 環境衛生指導員は、廃棄物処理法に基づきまして立入検査や指導を行うという任務を負っております。この職員に対しまして、裁判所の許可を得て行います差し押さえでございますとか捜査等の強制調査権あるいは逮捕権等の司法警察権を付与することにつきましては、廃棄物の処分行為自体が当然に暴力行為を伴うというものではございませんで、帳簿あるいは処理法の指導を初め幅広い指導業務でありますこと、それから限られた司法警察権を与えるということになりますとその捜査の効率性の点からいっていかがかという問題がありますこと、そうした捜査権、逮捕権等を与えることによりまして暴力行為等に巻き込まれるというふうなことで職員の安全性確保の点で問題が生ずるおそれがあること、それから特別公務員から任命をいたしますと新たな人員の増を招くことがあること等から、私どもとしては困難、それぞれの司法権限を持っておるところと協力をしながら執行していくのが適切というふうに考えております。 それから不法投棄のモニターのようなお話がございましたが、現在でも都道府県におきまして不法投棄監視のために市町村との連携をとり、あるいはモニターという形で委嘱をして連携を密にしておるケースがございますので、そうした事例、有効性も参考にしながら不法投棄監視のための広い体制づくりに指導を強めてまいりたいと思っております。
○吉田達男君 司法警察職員等については、検討はいただいたが現段階ではということであります。 なお私は、考え方として私の主張は必ずしも間違っていると思いませんが、当面して警察庁の方でこの不法投棄に対してどういう連携と対応をされる予定か、考えをお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(関口祐弘君) お答えをいたします。 産業廃棄物の不法投棄の問題という点につきまして、私ども警察庁といたしましても国民の健康の保護なりあるいは生活環境の保全というものにかかわる極めて重要な問題であろうというふうな認識をしているところでございます。そうした立場で各種の不法投棄事案というものの取り締まりに当たっているということでございまして、その取り締まりに当たりましては、私ども警察の力のみならず、関係行政機関の皆さん方あるいは民間の方々の御協力も賜りながら適切な処理をしてまいりたい、かように考えているところでございます。
○吉田達男君 一般的にはそうでありましょうが、いわば非常時に近いところでありますから機敏な対応を願いたい。 特に、民間の住民が産業廃棄物を輸送してきた業者に、これはおかしいじゃないか、こういうことを言うと、すごまれたりしてびっくりしたというようなケースはあちこちで聞くんです。手に負えないとも聞くんです。暴力団が関係をする業者がありはしないか、こういうことも言われたりする。そういう点については警察庁は実情をどういうふうに把握しておられますか。
○政府委員(関口祐弘君) 昨年一年間で全国の警察で産廃の不法投棄事案での検挙状況五百件ほどでございますが、そのうち暴力団が絡んだものというのは三十四件に及んでいるところでございます。 具体的な例で申し上げますと、千葉におきまして暴力団組長らが廃プラスチック類等約一万五千立米を無許可で休耕田に埋め立て処分をしていた等々の事案があるわけでございます。 先生今御指摘の点でございますが、私ども警察といたしましては、善良な市民の正義というものはいかにしても守る、片や暴力団の悪に対しては対決をするというふうな基本的な姿勢のもとに、この産業廃棄物問題につきましても暴力団による悪質な事案というものに対しましては強力な取り締まりをしてまいるという考えでございます。
○吉田達男君 なお願いたいが時間もありませんから、具体的にもう一つ厚生省に聞きますが、現在、さきの話によって不法投棄されておるものを見ると原野が多い。安定型が多い。これの行政上の扱いを見ると、現行法では安定型は三千平米を届け出のリミットにしておる。それから管理型の方では千平米をそのリミットにしておる。 私は、これは早いこと新法をつくって適切な対応をされたい。特に、先ほどからの話を聞くと、結局安定型が八割を占めておるんだから、これは許可制にして、面積も三千平米じゃなくて千にすべきだと、強いて言えば。こういうふうに思うが、どういう対応されますか。
○政府委員(小林康彦君) 一定規模以上の施設につきましては、最終処分場ということにいたしまして、届け出制から許可制に切りかえるということにしております。それから、施設としての届け出が必要なものにつきましては、現在埋立地の規模を問わずに廃棄物を処分する行為全般についての処分基準という基準がございますし、それに合わせて施設の届け出があるわけでございますが、施設の種類、規模のいかんを問わず許可を受けて処理業をするという業の許可もございますので、それらの規制内容なども含めて総合的に検討しておるところでございまして、適切な制度にしていきたいというように考えております。
○吉田達男君 これは、面積はもう最小限にすべきだと思う。強く主張しておきます。 私のところでたまたまトラブっておる例があるんで、具体的に聞きたい。二千四百平米、これは安定型としてきておる。これが山の中の土地転がしに遭って、二千四百平米の最終処分地をめぐって、周囲もありますが、結局三億五千万円の値がついておる。神戸の業者に行き、ダミーが行き、地元のダミーができて、架空であって、大阪の業者が土地転がしをして三億五千万円という値がついておる。これを二千四百平米で割り算をすると、一平米一万四千五百幾らになる。そのような安定型の処分をするという料金なのかどうか、ちょっと聞きたい。
○政府委員(小林康彦君) 処分の料金はそれぞればらばらのところがございますが、平均的な姿を申し上げますと、安定型産業廃棄物の最終処分埋め立ての料金というのは一トン当たり三千円から六千円程度の状況というふうに承知をしております。
○吉田達男君 ということを見ると、安定型の料金ではとてもペイできない、こういうことが計算上できるんで、これは管理型や遮断型が持ち込まれるんじゃないかというおそれがあって、さきに言った自由経済の、大臣の、法律の限度の中から、結局買い戻しをしよう、こういうことになると、三億五千万円、七千人の自治体でいくと一人が五万円の負担金を払って買い戻しをしなければ水源の確保ができない、こういうような状況なんです。こういうような状況になるような、法施行をおくらせておるんだ、許可にしないんだ、あなたのところが届け出にしておるからこんなことになるんだ。 これは私のところだけじゃなくて全国的にこんな問題が起こっているんだ。だから、早くやれ、面積も縮めろ、こう言っているんだ。厚生大臣、実情はこのとおりだから、厚生大臣の決意をお伺いいたしたい。
○国務大臣(山下徳夫君) おっしゃるとおりのことがあるわけでございますから、許可制に改め、そういうことのないようにひとつ早く法を改正するなりして実行に移していきたいと思っております。
○吉田達男君 後々の指導も願っておきますが、次に通産大臣にお尋ねをいたしたいと思います。 日本の経済を発展させるということについて鋭意努力なさっていらっしゃるんですが、地域格差がこんなになっているんで、地方経済の振興ということについてどういう方策をお持ちか、御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(渡部恒三君) まさに一極集中を排除して地方分散、これは内政の最大課題だと思います。 私は前に自治大臣のときに、竹下総理の御指導でふるさと創生事業をやったんですけれども、しかし、やはり地域の人たちは働いて収入を得て食べていかなければなりません。また、若者たちがその地域に定着するには、学校を出て、未来に夢と希望を持って生きていけるような職場環境、経済環境がなければなりません。 そういう意味で、今回経済政策でのふるさと創生版と言うべきようなものをお願いしておるわけでありますけれども、この基本的な考えは、過去を振り返ってみますと、二十年前農村に工業を導入する法律というものができて、中央に集中しておる工業の地方分散という政策が始まったわけでありますが、その後、新産業都市とかあるいはテクノポリスですとか、かなり工場の地方分散は進んできておるわけであります。ところが一方、業務機能、これはますます東京に集中してしまって、国際化する中で大変なオフィス不足に東京がなって、このままの状態でいるとあと十年の間に毎年雪ケ関ビル、これ二十本つくらなければオフィス需要に東京では応じられないというような情勢であります。 ですから、今度は工業の地方分散とともに企業のいわゆる業務機能、これを思い切って地方に分散をしていかなければ、これは本当の均衡ある国土はできないという考えで、それぞれの地域にすばらしい特性があり、あるいは地場産業があり伝統工芸や伝統文化があるわけですから、そこにこれから、前提としては高速交通網の整備とかいろんな問題ありますけれども、通産省としては税制、金融その他の施策を活用しながら、東京に集中しつつある業務機能を思い切って地方に分散する、あるいは地方の伝統産業や地場産業や中小企業の集積、これらの活性化を図ってまいろうと考えておるところでございます。
○吉田達男君 考え方はわかりました。その収れんするところは、今回の国会では先般井上議員から御質問があって、地方拠点都市の構想というものの中身をおっしゃったように思います。期待をしておるところであります。 具体的にひとつお尋ねいたしますが、かつて通産省が紹介をして工場を導入した倉吉市というところで、この拠点都市に地元としては候補として願いたいということで、改めてそれぞれ協力を願ったんですが、その工場が六十一年に引き揚げてしまった。九百大使っていた職員の首を切って引き揚げてしまった。土地を提供した地元は三万坪、これがあいてしまったんです。これがトラブルのもとになっている。こういうような農村工業導入、工場誘致というものについて、私は、会社、企業の社会性というものもあろうし、それを指導、紹介なさった通産省の責任という連係もありましょうし、自後これについて指導を願いたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○政府委員(堤富男君) お答え申し上げます。 具体的な御質問でございますので、具体的なお話として申し上げさせていただきますが、確かに興和紡績という会社が二十七年、三万坪を倉吉市からいただいて十万錘の紡績設備をつくるというお約束をいたしました。その後、この興和紡績は毎年二万錘ずつぐらいふやしまして、最高時では七万錘ぐらいまでの設備を投資しておりますが、おっしゃるとおり、六十一年におきましてこれを撤退せざるを得なかったわけでございます。同会社は全体で、一番多いときには二十四万錘ぐらい全日本で持っておりましたが、現在ではその四分の一に当たります六万四千錘しか持っていないということで、繊維産業、特に紡績業の二十七年時代のことから見ますと、大きな経済の消長、紡績業の消長というのをあらわした中ではやむを得ない事態ではなかったかと思っております。 無償提供の経緯でございますが、これにつきましては、先ほど申し上げましたように、十万錘の目標に達しないために、昭和三十五年に市に対しまして三千三百万円お支払いをして、これは寄附金という名義でございますが、両者の約束、協約は解消をされたわけでございますし、四十七年、市が無償提供し、その後寄附金等の名前でお支払いした部分につきまして、さらに道路の拡築がありまして無償提供を行っておるというようなことで、その際に倉吉市が以後この土地につきましては新しい要求はいたしませんという形での両者間の覚書が取り交わされているような経緯がございます。 そういう経緯の中で、今回この土地をスーパーマーケットとして使うという話が持ち上がりまして、これは過去の経緯も十分考えまして、話が持ち上がる前に、興和紡績といたしましては、倉吉市にここをスーパーマーケットにお貸しすることについてどうか、もし市の方で御計画をお持ちであれば優先してそちらの売却に応じたいということを申し上げましたところ、市の方は、それは差し支えない、特に具体案がないのでそういうズーパーマーケットの出店はやむを得ないというようなことを申し上げておったようでございます。 これはいずれもお話を聞いた結果でございますが、現在本件につきましては、大店法の問題に立ち入る前の事態といたしまして、その事態について十分話し合いも行われた中での話でございますので、我々としては事態の推移を見守ってまいりたいというふうに考えております。
○吉田達男君 まあ語ると長いし、涙物語もある。地元としては、引き揚げるということはまさかしないだろうということで、気持ちの中で恐る恐るということも経過の中にあって今日になっておる。 通産省に指導を願いたいが、昨年、大店法の法律を通して二月一日から施行されたのでありますが、今言われたように、その土地にスーパーをやろうとしておる。地域のスーパーの大店の占有率は五八%、六〇%になっているから限度に来ておるとは思うけれども、それはそれで、通産省はやるかわからぬ。しかし、もう一つ前に通産省は、商業集積法に基づいて、あめの法律に基づいて調査費を全国十五カ所のうちの一カ所に与えて倉吉で調査をした。その調査によって集積計画が基本計画として着々と成り立ってきておる。そういう指導を通産省もしてき、関連して建設省もやり、自治省ももちろん自治体として取り組んできておる。 そういうものの回答がそう遠くないうちに出るということで会議所等もやっておるところ、その集積に参入する者が新しい進出スーパー計画の中で引き抜きに遭っておる。したがって、通産省の方が調査費を持って、集積法の方の参入をしておる者が動揺をし始めておる。大店法の指導も通産省がする。集積法の方の指導も既に調査費を出して通産省がやっておる。工場誘致も通産省がやっておる。逃がしたのをとめられなかったのはそれぞれの責任がある。これは一体、通産省の、地方経済を活性化させる、地方拠点都市をもって対応するというその地域に対してどのような理念でやるべきか、こういうことであります。具体的な面はどうかわかりませんが、結論を言えば、地域の経済を活性化させるということは、つまり最終需要をいかにつくりだすか、こういうことであります。 商店が来たら最終需要がふえるんじゃない。その建設をするときだけに最終需要があるけれども、工場として生産をするという最終需要を継続して産業連関して発展させるというロジックから言えば、応じゃなくて工場でなきゃならぬと私は思う。その辺の指導を通産省にしっかりしてもらいたいと思うんだが、まあ実力大臣の、今具体的にどうということにはならぬかわかりませんが、重ねての指導を要請したいと思います。
○国務大臣(渡部恒三君) 今お話をお聞きしまして、興和紡績という会社、残念ながら今経済構造が変化して、紡績というのはかってまさに地域産業で華やかなりし時代がありましたけれども、繊維産業の中でも一番厳しい状態で、その地域における、まあ私のところなんかも、今先生の話を聞いてふと思い立ったんですけれども、かつて日東紡績という会社が地域の経済の牽引力をなしておった。ところが、今は残念ながら紡績の不況でこれは職種転換をしておるところでありますから、その企業が新しい経済の変化、時代のニーズに合わせて上手に新しい業種に転換してくれれば一番よかったんでしょうけれども、今おっしゃるように、それが全部引き揚げてしまったということは大変残念なことで、私どももその当時もっといい指導をしておけばよかったのかななどと今考えております。 いずれこれからのことということは、今の商業集積の話と大店舗法の改正によっての進出企業の問題が地域の皆さん方にいろいろ御心配をおかけしておるということでありますから、先生の今の御指摘等を踏まえて、何とか地域産業の発展のための整合性のあるお役に立つ方法はないか、勉強をさせてみたいと思います。
○吉田達男君 時間がなくなって恐縮なんですが、農水大臣にお尋ねしたいんですが、農業過保護という言葉があるんですね。これについて大臣はどういうふうな御見解をお持ちですか。
○国務大臣(田名部匡省君) 過保護というのはどの範囲のことを言うかわかりませんが、政策として例えば減税をしている、制度上優遇措置をしておる、こういう観点から見ればもう国民全部何らかの形で保護を受けているということになるだろうと思うのでありますが、何といっても安定供給をしなきゃならぬ、あるいは生産調整をしなきゃならぬ、量的な管理もするということから見れば、気象条件に左右されやすい、保存のきかない農産物というものは非常に難しいと思います。生産から流通、販売、こうしたところもそれぞれ保護を受けていろんな施策を講じておるわけでありますから、農業の特殊性というものを配慮して保護は行われているのかなと、こう思います。 ただ、ちなみに申し上げますと、価格、所得支持にかかる費用として直接農家に渡っているお金というものはどれほどかというと、アメリカでは一九九一年度は一兆三千六百八十八億円、これは十一年前の一九八〇年度は六千二百四十億円だったんですね。それから、ECは三兆五千六百億円、それが今は五兆三千三百八十三億円。日本は七千七百三十二億円から今は三千二百四十二億円。こういうことから見ると全く優等生と言ってもいい。あとのものは道路をつくるとか集落排水をやるとか基盤整備をやるとかいろんなことに使われておるものが多いわけでありますから。いずれにしても、私どもは生産性をうんと上げる、安い安全な食糧を国民に供給していかなきゃならぬということがありますので、生産性のよくないということはわかりますから、これはもう全力を挙げて今後取り組んでいく、こう考えております。
○吉田達男君 過保護という名前の農業いじめをやっておる面も言葉としては私は現存すると思うんです。減反をやって、三割やっている。そういうような生産調整をしたり、基幹産業と基幹食糧をやっているものはガットの十一条二項の(1)によって輸入についてアウトしてもいい、制限をしてもいいと、こういう条項がありますね。これについてはどういう見解をお持ちですか。
○国務大臣(田名部匡省君) どこの国でも生産調整をやっている国というのはそれぞれ非常に厳しい考え方を持っておりまして、そのためにガットでも交渉が難航しておるということであります。ですから、やっぱり過剰生産をしてそれぞれ輸出補助金をつけて外国に売るということをしないということで私どもは生産調整を農家の皆さんにお願いしておる。まことに申しわけないと思うんですが、そういう方法をとっておりますので、ウルグアイ・ラウンドでもその立場を理解してもらうように今交渉をいたしております。
○吉田達男君 米の輸入自由化をしないで日本は主食を自給する、こういう趣旨のことを両三回国会で決議しております。これを今貫くかどうかについて、大きい流れの中で呻吟をしている状況は知っておりますが、今のガットの交渉についてもおっしゃいましたけれども、もう一度米の輸入自由化についての基本的な決意をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(田名部匡省君) ガットは、農業分野だけでなくて非常に難航いたしておると聞いております。私どもは、国会決議もございますしいろんな問題も抱えておりますので、米に関する限りは自由化はできないという従来の基本方針にのっとって今鋭意交渉をいたしております。
○吉田達男君 土地改良を私はやっておるんですが、一町やっておると三反減反をして七反つくる。水張り面積と登記面積とは違いますね。これはどのくらいの比率になりますか。
○政府委員(海野研一君) お答え申し上げます。 水張り面積の割合というのは地形条件によって違いまして、特に傾斜の大きいところでは水張り面積が小さいわけでございますけれども、私ども本地率と言っておりますいわば道路なんかを含めないいわゆる圃場として登記されている面積に対する割合で申しますと、三、四%水張り面積の方が小さいというふうに承知しております。
○吉田達男君 以前は畦畔抜きと、畦畔掛けてという分け方をしておって、それは二、三%じゃありません、あぜ、土手。中山間地になったらこれは一五%ぐらい違いますよ。どうですか、実情は。常識的に見てもわかる。
○政府委員(海野研一君) いろいろな地域がございます。私どもたまたま平成二年度に中四国管内、比較的中山間地の多いところでございますが、そこで新規に採択をした十二地区を見ますと、一番高いところでは二二%程度の畦畔率のあるところがございます。ただし、この場合には、工事の施行後には一〇%程度に抑えるという、そういう工事がされる予定になっております。
○吉田達男君 水張り面積を、例えばさきの七反で引き算をしてやると六反ぐらいになっちゃうわけですね。一町つくっておるけれども、減反三反とって水張り面積ということで作付できないところを引くと、残ったところは六反ぐらいしかつくれないんですよ。一町つくっておっても現状では六反ぐらいしかつくっていない。そういうようなのは生産調整としてガット十一条の二項に十分主張できると思うんですが、どうなんですか。
○国務大臣(田名部匡省君) それらを含めて、環境の保全に資するとか、あるいは今お話しのようなことを含めて交渉をいたしております。 自由化はだめというものと、この十一条二項の(1)のようにはっきりしていないものを明確化しなさい、あるいはできるものと、こう分ける中で、そういうものもそういうものに織り込んでやるべきだということで交渉いたしております。
○吉田達男君 中途半端で申しわけないんですが、農水大臣にはまた常任委員会の方でもお尋ねいたします。 最後に文部大臣にお伺いいたしますが、私どもは一昨年十二月にスポーツ振興基金という制度をつくて、これによって選手強化もし、スポーツの振興もし、国民の体位向上も図ってきたのであります。この実施の状況はいかがですか。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 詳しくは政府委員から御答弁申し上げますが、スポーツ振興基金については、政府から二百五十億円でございまして、民間からできるだけ寄附を募るうということでやっておりまして、現時点では五十三社から四十二億円ということでございますから、合わせて二百九十二億円ということになっておりますけれども、さらに鋭意募金活動を進めてまいりまして、民間からもトータルで百億ぐらいはいただけるようにしたいと思っております。
○吉田達男君 おととしの予定どおりに進行していないということですね。
○政府委員(逸見博昌君) お答えいたします。 当初目標百億、寄附金の目標でございますが、立てたところでございますが、大変厳しい状況で、バブル経済がはじけまして、私もそれこそ体育局長就任直後は毎日ロ参したような状況でございますが、大変難しい。今のところ五十三社から四十二億ばかり集まっておりますが、目標といたしましては百億は集めたいということで、今も全力を挙げているところでございます。
○吉田達男君 歳出というか支出の方の、果実によって事業をやるという方の計画はどういうふうにカバーされていますか。
○政府委員(逸見博昌君) お答えいたします。 これは、平成二年度につきましては時期が十二月以降でございましたので短うございます。合計で百五十五件二億円ばかり助成を行ったところでございます。 ところで、平成三年度から平年度化いたしまして、これにつきましては例えばスポーツ団体の選手強化活動に対する助成、選手指導者のスポーツ活動に対する助成、スポーツ団体の大会開催に対する助成、国際的卓越スポーツ活動に対する助成、この四本の柱を立てまして合計六百件約十五億ばかり助成をしたところでございます。
○吉田達男君 努力を願いたい。そして、その予定よりも足らざるところは政府の努力をさらに願いたいと思う。 現在、トトカルチョの方法が提起されて、せっかく出されたものですからこれは検討しなければならぬと思っておりますが、きょうあした役に立つものじゃ、すぐ入るものじゃない。 一昨年、せっかく制度をつくってあれだけのものでやろうとした以上、それを貫くということがまず基本姿勢でなければならぬ。その上に立ってどうかと、こういうことであって、今挫折しておる状況で安易にほかの方に飛びつくというのはいかがかと私は思う。その点について文部大臣の見解をお聞きしたい。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 先生がおっしゃることは基本的に正しいと思います。 例えば、JOCと体協を分離して予算を、補助金をお渡しするとか、あるいはスポーツ振興基金、順調と言えるかどうかは難しいところでありましょうが、それなりの果実を利用させていただくとか、あるいは予算に関して、大蔵大臣もお見えでございますが、政府あるいは国会全体でスポーツ振興ということが相当唱えられるようになって、予算上の配慮が見られるようになったというようなことがやっぱりアルベールビル・オリンピックの七つのメダルにつながったというふうに評価できると思っています。 そして、そういうオリンピックの七個のメダルを見て、少年少女、青年男女、そして大人もみんなそろって生涯スポーツ社会に生きていこうと考えていってスポーツ大国ができ上がるわけですから、お金があればスポーツ大国ができるというわけではないけれども、お金がないとスポーツ大国ができないというのは体育設備の面でも妥当すると思っておりまして、そういう意味ではまず政府が懸命に努力することが大事であることは間違いありません。
○吉田達男君 もう時間がないので、もう一度だけいいですか。 アルベールビルでいい成績を上げられた、なかなか結構なことでありました。選手強化もその意味では生きていたと思う。ことしは七月の二十五日から八月の九日、バルセロナ・オリンピックがいよいよ始まるんです。先般大写しになって、日本の代表的なスポーツ選手が来て明るい雰囲気でありましたが、担当大臣として、それじゃオリンピックでそれぞれの努力、今までの積み上げたものを含めてメダル何ぼとってやろう、こういう意気込みなのかお聞きしたいと思います。
○国務大臣(鳩山邦夫君) メダルの数の問題ではないと思うし、クーベルタン男爵の言葉もあるわけですが、ただ、アルベールビルの壮行会のときに、日本のメダルは幾つだろうというので関係者がひそひそしゃべっているのを聞いたら、単数は困るな、複数がいいな、何とか複数をという話をしておったところが、今までのメダル獲得総数の七個と同じ七個を一どきにとった。こういうふうに見ますと、過去オリンピックで二十九、二十五、二十九、二十五、三十二、十四ときておりますから、ソウルの十四は幾ら何でも少ないわけで、今までの最高が三十二であれば、記録更新になればありがたいと思っております。
○委員長(中村太郎君) 以上で吉田君の質疑は終了いたしました。(拍手) 午後一時十五分まで休憩いたします。 午後零時十二分休憩 —————・————— 午後一時十六分開会
○委員長(中村太郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 平成四年度一般会計予算、平成四年度特別会計予算、平成四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。小林正君。
○小林正君 初めに、大蔵大臣にお伺いしたいと思うんですが、先日私の友人と話をしておりまして、彼は娘さんをアメリカに留学させているんです。高等学校へ行っているわけですが、高等学校ただなんですね。それで、外国人ですよね、日本人だから。無償である、大変助かるという話をしておりました。それから大学については、いわゆるスカラシップ制度が大変行き届いていて、約八割ぐらいの学生がその恩恵に浴しているということで、教育費が非常に安いということですね。 そういうような話をしておりまして考えたんですけれども、日本の人口が、夫婦が子供を産む割合が一・五二という数字が出て大変衝撃的な数であったわけです。人口が減少する理由というのはいろいろあると思いますけれども、これを夫婦で一・五二というふうに見る場合には余り深刻に受けとめない面もありますけれども、女性の出産率という点で考えますと大体〇・七幾つという数字が出てまいります。これを一つのサイクルで考えますと、その子供が成人して出産する割合、これは前のが分母になりますから今度〇・四幾つという数字が出てくる。こういう数字があるわけですけれども、日本の将来にとって人口問題というのは極めて深刻な様相を呈していると言ってもいいと思うんですね。その一つの要因として、冒頭申し上げました教育費の問題、これが大変大きいというふうに思うんです。 今、家庭で子育ての段階というのは胸突き八丁というようなことも言われて大変家計の圧迫要因になっていて、教育に多くの費用をかけるために、結果としてほかの消費に振り向けることができないという問題が大変深刻であるわけです。したがって、内需拡大ということも今言われていますけれども、教育面において国が投資をするということが、結果として消費動向の面で経済にも大変いい循環をもたらすのではないか、こういうことも言われているわけなんです。そういう面でも、やはりこの間の教育予算の問題というのはいろんな面でもう一回抜本的に考え直さなきゃいけないんじゃないかということを痛切に今感じているわけです。 十二月の十二日に予算委員会で御質問をして、鳩山文部大臣からも文教予算の問題について御指摘がございましたし、総理大臣からは、概算要求基準というものが教育にとってどうなのかということも言われているわけです。この中で、「シーリングも立派な役割を果たしてまいりましたけれども、片方でそれなりのまたデメリットもある。これはみんなが承知のことでございますから、ぼつぼつそういうことを考えていかないといけないのではないか」と思っているというお話があって、それを受けた形で鳩山文部大臣が、人事院勧告等の関係も含めて、「文部省の場合一%で四百三十億円ぐらいの支出増になります。ところが、そこにシーリングがかかっておりますから、その分、タコが自分の足をひもじい思いで食べていくようなそんなことが十年続いてきた間に、一兆六千億ぐらいあった物件費が一兆円に、約六千億円減ってしまった」、こういうことを言っておられます。そして大蔵大臣は、「今総理からもお話がありましたので、我々としてもいろいろと対応を考えなきゃいけないと思っておるんです。また、人づくりというものはないがしろにしちゃいけない、何よりも大事であろうと思っております。」と、こういう御答弁でありました。 平成四年度教育予算については、こうした御答弁を背景に大変前年までとは違ったさまざまな工夫をしていただいたというふうには思っておるんですけれども、やはりこの答弁を生かしていくということになりますと、平成五年度の概算要求へ向けてこれからもうすぐスタートをしていく段階に今入っているわけです。したがって、教育におけるシーリングをかけていくということについてはぜひ英断をもって見直していただきたい。それが経済の面でもプラスになりますし、それから人口問題、あらゆる面でいいサイクルが生まれてくるんじゃないか、こういうふうに思いますので、ぜひお願いをしたいと思うわけです。 まず、その点について大蔵大臣のお考えをお伺いできればと思います。
○国務大臣(羽田孜君) 今るるお話がありましたように、やっぱり教育という問題について私どももいろんな観点から考えてみなきゃならないときであろうと思っております。 初め、アメリカの高等学校でというお話がありました。これは州によって多少違うということと、それからアメリカは私立学校の果たしている役割というのは相当大きいということ、いろんなことを考えてみなきゃいけませんけれども、いずれにしてもこれはちょっと別なあれでございますけれども、やっぱり外国人というものを受け入れる、そういう素地というのがあるんですね。それで、言葉のできない人たちでも先生たちが物すごい苦労をしながらその子をみんなで助けてやる、そんな気風というものもあるということを考えたときに、私どもそういった面も含めましてこれから広く考えていかなきゃならぬと思っております。 そして、確かに御指摘がありましたように、物件費が一兆六千億から一兆円に減ってしまったというお話であったわけでありますけれども、今文教予算の中で占めている人権費というのは非常に高いものになってきてしまっておるという中で、やっぱり問題が起こってきておる。しかも、その中で初中の先生たちなんかが占める割合というのは非常に大きいというようなことがあろうと思っております。ただ、そういう中で、文教予算全体が新しい時代の要請といいますか、そういうものにこたえる、そういうことになかなか行き届かないんじゃないかというのが一番小林委員の中にあるんじゃなかろうかと思っております。 そういう意味で私たちも、教育予算というものについては、一般論からいきますと、もう一度本気でここで考えなきゃいけないんじゃないのか。あるいは初中教育というのはある程度あれしてきた、それから子供たちもだんだん減ってきて、この分が少し縮小されてくる面がある。こんなものをとらまえながら、平成四年度の中では少しでも高等教育あるいは基礎科学ですとかそういった点に重点を置かなければいけない、高等教育に重点を置かなきゃいけないということで、相当そっちの方には目を向けたわけでありますけれども、それだけじゃおまえとても将来のためにだめだぞという、まだおしかりであろうと思っております。 ただ、シーリングを外すということになりますと、なかなか難しいなと思うのは、この前ここで皆さんの御議論の中にホームヘルパーの問題ですとか看護婦さんが不足するよという問題、これもやっぱりシーリングを外して本格的にやらなかったら、とても高齢化社会に対応できないんじゃないかというようなお話もありました。ですから、そういった問題全般に今度の予算、平成五年度でどうこうということはなかなかできないと思いますけれども、そういうものを全体でみんなでもう少し議論をして、本当に国の行く末というものを考えたときに今何を重点的にやるのかという方向を出していく必要があろうかと思っているんですけれども、私は今シーリングを外すということはなかなか難しいんじゃないのかなと、率直にこういう作業をやってみて思っておるということを申し上げさせていただきたいと思います。しかし、御意見があったことは私たちもよく頭に置きながら、大蔵省全体としてもやっぱり考えていきたいというふうに思っております。
○小林正君 人件費が八割を占めるというのは他の省庁ではない現象です。教育における人件費は事業費そのものだという言い方もありますけれども、やはりシーリングを見直すことは他との関係で困難だというお話ですけれども、じゃ一体どんな方法があるのか、どういう形で文教施設費等の充実強化が図られるのか。ことしも人事院勧告があればまたいろんな問題が出てくるわけですから、そういうことを考えたときに、全部想定した上でどれだけの積み上げなり方式が考えられるか、ぜひ御検討をいただきたいというふうに思います。 この問題について、文部大臣としての御見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 先ほど先生が読み上げられた国会での質疑応答というか、宮澤総理の答弁、羽田大蔵大臣の答弁、私自身も相当粗削りな答弁はいたしておりますが、読み返してみて恥ずかしい思いもいたしますが、しかしその気持ちは何ら変わるところがないわけであります。 過去のことを言ってはおかしいかもしれませんが、私がよく昭和五十六年から十年間にと、こう申し上げるのは、特に昭和五十六年から六十年ぐらいにかけていわば全く特別の配慮というものをしてもらえなかったときに文部省予算に対する人件費の割合が年に三%ずつぐらい上がってしまって、今日のような高い水準に一気に移行をしてしまったわけです。ですから私も、シーリングというものが財政再建という至上命題の中で果たした役割については十二分に評価をするわけですが、その際に特別の配慮が全くなかったがゆえに物件費が十年間で物価上昇率を考えれば半減以下と。したがって、学校の建てかえ等のいわゆる公立文教の費用も惨たんたる三分の一、四分の一というオーダーになってしまったということでございます。 例えば平成四年度予算では、先生方のそういう鋭い御質問もあって、総理も大蔵大臣もあのような答弁をしていただいたおかげで幾つか特別の御配慮というのをいただいた。例えば、公立文教が二百億ぐらいふえたとか、あるいは高等教育に関しては高度化推進特別経費五十億をお認めいただいたり、あるいは特別施設整備資金の創設を認めていただく、あるいは私学助成も補助率は上がることはないと思いますが、少なくとも額としてはふやしていただいた。こういう特別の配慮というのをしていただくと文部省予算に占める人件費率というのは余り上がらなくなるんです。この二年間の特別の配慮というものはもう明らかに数字にあらわれてくるわけでございます。 今後どうするかということに関しては、もちろん総理、大蔵大臣初め皆様方にまた御相談やらお願いをしなければいけませんが、本年大蔵大臣に特別の御配慮をいただいたとするならば、こういうある程度の、例えば一般歳出の伸びが四・五%、それに対して五・二一%の増加率というのは、これがある意味での配慮だと思うならば、こうしたものは最低限続けていただかないと文部省予算はちょっと組みにくくなるということかと思います。
○小林正君 重ねては申しませんけれども、平成五年度概算要求が従来の方針とは変わって画期的な教育予算編成ができるような条件づくりをぜひお願いしたいというふうに思います。 次に、外務大臣にお伺いしたいと思いますが、日本時間できのうになりますけれども、二十四日からヘルシンキでCSCEの会議が、七月の首脳会議へ向けて三カ月間ですか開かれていくということで、旧ソ連邦内の共和国も加盟をして全体で五十一カ国という国が参加をして、ウラジオストクからバンクーバーまでといわれる広い範囲での安全保障の枠組みというものが生まれようとしているという段階であります。 こうした動きに対して、先日宮澤首相に東京宣言についてもお尋ねをして、その中で特に希望が語られていないのではないかという指摘をしたわけですが、実はその意味というのは、CSCEのようなヨーロッパ共通の家というような構想が、同時にアジアにおいてもアジア共通の家という、CSCAかあるいはCSCAPか、太平洋地域を含んでやるような、そういう大きな平和の枠組みというものをつくるきっかけにあれがなったかというと、東京宣言の中では述べられていないわけですね。 したがって、総理の評価というものをお聞きしましたけれども、外務大臣として、CSCEとの関連の中でアジア・太平洋地域における平和の枠組みを本当に二十一世紀に向けて希望の持てるものにするために日本としても相当なイニシアチブを発揮する必要があるだろうというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 御承知のように、ソ連が崩壊をして、全く考えられなかったような共和国が生まれる。それは、民主主義、自由経済をこれからやろうというような中で、今の段階では私は、同じ価値観を持った国の集まりということですから、それはそれなりに意義があると思っております。 アジアにおいてもそういうものをやったらどうかという話がございます。ございますが、しかし欧州と比べまして安全保障の環境というのはアジアの場合は必ずしも同じじゃない。 御承知のとおり、北朝鮮の一党独裁の共産主義をそのままやろうという国もある。中国においては、やはりマルクス・レーニン主義、それから共産主義、毛沢東思想、そういうようなものの旗をおろしていないわけで、一党独裁、旗は今までどおりなんですね。経済の方は、なるべく民主化、自由化、開放、そういうものをやっていこう。中国の問題もある。ベトナム、これも経済は自由化しようというんですが、中国と同じように一党独裁、プロレタリアート、共産主義の旗はおろしていないということになってまいりますと、しかし、それじゃ北朝鮮とか中国とか除いちゃってそういうものをこしらえて本当に意味があるのか。 それから極東の問題がありますが、ソ連の方は、そうは言っておるものの、現実にはヨーロッパにおったようなバックファイアが極東にどんどん運ばれて、今のところ余り飛んじゃいないが並べられているということは事実で、軍の内部でもいろいろまだどうしようかという、中の混乱があるということでございますから、時期が来れば、私はそういう構想は考えられていいんじゃないか。しかし、今の段階でそう先走ってやってみたからといって、それだけの効果があるかどうか問題。むしろ私どもは、欧州安保の方にはオブザーバーとして日本も入れてくれぬかというようなことは、それは言ってはおるんです。だけど、まだ時期尚早だと考えます。
○小林正君 一九七五年のヘルシンキでの会議のときには三十五カ国だったのですね。そして、今外務大臣がおっしゃったような同じ価値観を持った国同士の集まりとしてスタートをして、それからゴルバチョフ大統領が出現をしてウラルからヨーロッパ共通の家と、こういうふうに拡大をしていっているわけですね。 ですから、そういう面で考えますと、今確かに、東西冷戦の終えんという事態の中で考えて、アジア地域というのがヨーロッパと比べると時差あるいは地域差といいますか、そういうものがあることも事実だと思うんです。しかし、共通の価値観を持っている国同士のそうした結びつきをまず枠組みとしてつくって、それに新たにいろいろな国家等の関係が、中国も開放を進めているわけですし、市場経済の導入ということをやっているわけですから、それからロシア共和国の極東部分、そうしたものを含んだ形で枠組みをつくっていく、そして後でまたいろいろ加入してくるというような関係の基盤をつくっておくということは重要じやないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 先ほど申し上げましたとおり、一つの考え方ではありますが、その前に我が国としては北方四島問題を解決してロシアとの平和条約の締結がまず必要ですし、それから北朝鮮との間でも国交の回復が必要ですしいたしますから、それは考え方としてはわかりますが、今まだそのために動き出すというときではなかろうと。ASEAN外相会議というのがありますが、その中では安全保障の問題等もASEANで話し合われておって、さらに拡大外相会議、日本なんかも入れました会議も持たれておりますので、さしずめそういうようなところで折々話をしていくということが現実的だろうと思います。
○小林正君 今度のCSCEで出ております課題としては、欧州のいわゆる通常戦力削減条約、CFEですけれども、これが九〇年の十一月に調印されてこの七月に発効するその問題が一点と、それから欧州における信頼安全醸成措置、いわゆるウィーン文書92、これの承認と、それからオープンスカイズ条約の正式調印というようなことが中心になって、あとは地域の平和維持活動あるいは地域民族紛争解決、防止と人権の確立というようなことがテーマになっていて、アジア地域でもこうした課題について具体的に、今ASEANの拡大外相会議のお話もございましたけれども、ぜひそうしたアジアの首脳を集めて積極的に進めていくイニシアチブをとるということが、やはり日本の過去の歴史の問題も含めまして平和のイニシアチブをとることが、過去の歴史に対するアジア諸国への日本の大変大きな国際貢献ではないかなという気もしておりますので、ぜひ今御答弁いただいた内容の拡大強化を図っていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 それで、そういう立場からこの東京宣言を考えてみますと、先ほど言いましたように、どうも希望が語られているというよりは、冷戦の終えん以降の平和への期待ということではなくて、むしろ湾岸戦争後という印象が大変強い。地域紛争の多発ということへの対応という、ある面では重要な要素ではあろうかと思いますけれども、そういうものに余りにもウエートが置かれ過ぎているんではないかなという気がしてならないわけです。そういう点で、これはアメリカでもそうですけれども、冷戦の終えん以降、経済的な軍事面での対応が圧迫要因になってきて大変財政的に厳しい立場に立たされる、こういうようなことが超大国では見られたわけですが、今後の問題としてやはり平和の配当という形の中でそれを国際貢献に振り向けていく課題として進める必要が出てきているんじゃないかなという気がしているわけでございます。 この問題も含めまして、私としては、アメリカのいわゆるニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストが冷戦後の日米関係の中長期的方向づけにもっと重点を置くべきだったという批判もしているわけなんですけれども、それとあわせまして、やはりどうも湾岸戦争後という認識が前提にあって東京宣言が策定されたんじゃないかなと残念に思っているわけでございます。 その関連で、今度は防衛庁の方にお尋ねしたいと思うんですけれども、中期防の問題が新聞をにぎわせまして、首相は中期防の見直しということを念頭に置き、そして防衛庁としてはこの段階においての削減というか縮減はできないという立場でいろいろ議論を呼んでいるというのが報道されていたわけなんですけれども、一九七六年に、いわゆるデタントの時代ですね、あのときに米ソ間でSALTIの条約が結ばれて、加えてベトナムの戦争集結、そしてニクソンの訪中、中米国交回復というようなことがあって、今後の国際社会は限定戦争の時代になるんじゃないかという認識の中で、それまでの防衛予算等について何か先付で物を買う計画表のような形の、いわゆる所要防衛力整備計画といいますか、そういうような状態が続いたと思うんですね。 これに対して、防衛のための哲学、理念をどう持つのかという課題として、坂田防衛庁長官時代に基盤的防衛力整備という平和時における防衛力構想というものが打ち出されたということで、これは一定の評価をされている内容なんですけれども、そこを根拠にして今日、防衛庁として例えば中期防の問題、そして大綱、別表、それらについてはそこに依拠した形でいろいろおっしゃっているわけなんですけれども、今この時代の中で、当時のデタントの時代と比べると飛躍的に平和の拡大が進んでいるわけですから、そういう立場に立ったときにやはり新たな哲学、理念を持つべきではないかというふうに思うわけです。 私は、坂田長官時代のそうした基盤的防衛力という構想が、言ってみれば平和時のものとして非常に当時としてはすぐれた内容だったというふうに思いますけれども、当然今その立場にあるべき防衛庁長官としてどうお考えなのか、ぜひお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 委員の御指摘のように、我が国の防衛力の整備は第二次世界大戦後ゼロベースからスタートしてきたわけでございます。そして、今委員が仰せられたとおり、一次防、二次防、三次防、四次防ということで、そこに現在のような大綱に基づく基盤的防衛力構想というようなものも明確には意識しないままその整備が図られてまいりました。例えば四次防でいきますと、規模が四兆六千三百億円でございます。しかし、三次防は二兆三千四百億円だと。倍々ゲームでどうかという議論が当時両院においてかなり深刻に行われたわけです。 そして、今、委員の御指摘のように、ベトナム戦争も終わり、ちょうど三木内閣の昭和五十一年度、これは大変な、米ソの基本的な対立構造はありましたものの、緊張緩和が実質進み、デタントと言われる時代でございました。そしてまた、各国の安全保障の多様化等もございましたが、総じて言えば非常に平和な方向へ向かっておった。こういうときに倍々ゲームでいいのかという反省と、それから新しい理念を確立しようというのがあのときの大綱であったと私は思います。 そういう意味で、今後の我が国の防衛政策の基本的な理念である基盤的防衛力構想をつくろうということであの議論が始められ、防衛計画の大綱がつくられたのは御指摘のとおりでございます。防衛計画の大綱は、構成要素としては、もちろんこの大綱の目的、趣意等のほかに国際情勢の分析をしております。そして同時に防衛戦略あるいは防衛態勢、そしてまた三自衛隊の機能、体制等に及び、別表に及んでおる、こういうものでございます。 それで、我が国のその後の防衛力の整備は、その後世界情勢は一九七九年のアフガンヘの進駐とかございまして緊張も一時高まりを見せたりいろいろいたしましたが、基本的にはこの防衛計画の大綱に基づきましてずっとやってまいりました。しかし、中期防で倍々ゲームではいけないということで一%枠を設定いたしまして、そして防衛庁限りのこの年次計画でやってきたのは御案内のとおりです。 しかし同時に、昭和六十一年からやはり総額明示方式で中期防をつくって、政府レベルの計画としてやった方がよかろうということに相なって前期中期防衛力計画が定められましたですね。その後、今の、現在の防衛力整備計画は、ちょうど一昨年の暮れでございますけれども、当時世界は激動を開始しておりまして、東西ドイツも統一がされました、そしてソビエトの状況もある程度方向性が出された。そういう中である程度抑制的なものとして中期防衛力整備計画をつくったわけでございまして、私は、そういう世界の今おっしゃられるような大勢というものを背景に置きながら、それらを我が国の防衛力構想の中にも、防衛力の整備の中にも生かしていこうという趣意は十分あったと思います。つまり、現在の中期防というのは非常に抑制的なものになっております。一々数字は申し上げませんけれども、その二年目として平成四年度予算が位置づけられておる。 それで、私はもうこれからいろいろ申し上げるつもりはございませんが、一例をもってすれば、この伸び率が伸びていること自体がけしからぬという御議論もございますけれども、とにかく昭和三十五年以来の低い三%台の伸び率に抑制されたということはこれはもう事実でありまして、我々はこうした世界の大勢を見ながら、しかし我が国の基盤的防衛力構想というものだけはきちっと堅持して、そして専守防衛の我が国の防衛の基本政策を堅持して、国の独立を守っていくということは今後とも必要だと存じております。 そういう意味で、この情勢の変化というものは十分私どもは考えていかなければなりませんが、ここで申し上げたい点は二点あります。 一つは、基盤的防衛力構想というもので整備されて、量的な水準としては四次防以上にはなっておりません。質的には近代軍事技術の変化等もございますから、それに相応したものになります。これは当然のことであります。 そして同時に、今後の整備につきましても、この国際情勢の変化というものは必ずしもそのときどきの情勢に直ちに即応して防衛力の整備のあり方を決められるような性質のものではないんです。傾向としてはきちっとしておりますけれども、しかしある程度の定着化を見ませんと、今外務大臣がおっしゃられましたように、ソビエトが消えたからといって、ロシア共和国の中で、CISの中でどう軍備管理をやっていこうかという問題すら大変な大きな問題になっておりますね。アジアにおいてもしかりでございますから、そういう中期的な視点で国際情勢の安定化を見きわめつつ、これを防衛計画にも反映していくべきものと、こういった二点だけ、特に申し上げるまでもございませんけれども、私の所懐を申し上げた次第であります。
○小林正君 七六年の基盤的防衛力整備ということで、当時のデタントの状況を平和時の防衛力構想として提起をし、八〇年代に入ると、私どもは中曽根軍拡路線と言っているんですけれども、前の姿勢に戻ってしまうんですね。いわゆる所要防衛力路線とも言うべきものに戻っちゃって、そして再び年次計画、物買い計画にそれがなっていくということがあったと思うんです。 今、長官もおっしゃいましたが、自衛隊がここまで肥大化してきた過程というのは、やはりなし崩し的に、ゼロからスタートしたとおっしゃいましたけれども拡大してきた。それからもう一つは、そのときどきの機会便乗といいますか、に応じた対応で肥大化してきたというこの面があったわけですね。 ですから、戦争の危機が高まるという背景の中でどんどん肥大化したということもまた事実なんですが、同時に、じゃ今後の課題としてどうなのか。私がさっき質問したのは、実は坂田元防衛庁長官自身がやはり今日の時点で中期防なり別表等については新たな安全保障の視点から見直すべきだということを指摘されているんですね。ですから申し上げているんで、もう一度御答弁いただけますか。
○国務大臣(宮下創平君) 防衛計画の大綱がつくられましてから中曽根内閣、五十七、八年ごろから脅威対抗論になったというような感じの御指摘でございますが、私どもはやはり五十一年の防衛計画の大綱の水準の維持と。そして、量的にふえておるのは隊員のベースアップ、さっきもベースアップの文部省の話がございましたが、あるいは装備も近代化して、それに即応したものでなければなりませんから、どうしても金額的にはある程度増加していくことはこれは私はやむを得ないと思いますが、必ずしも脅威対抗論に転換をしてもとのベースに戻ったというものではございません、私どもの認識は。 それから、過大なものであるかどうかという点につきましては、これは兵力量の各国の比較等もございますけれども、一々申し上げませんが、決して我が国の自衛力が過大なものであるということは考えておりません。坂田さん時代につくられた、三木内閣のときにつくられた防衛大綱におきましても、これは必要最小限度の基盤的防衛力構想ということで別表が掲げられておりまして、その範囲内で現在も維持されております。特に陸上自衛隊は十八万人と書いておりますが、十五万人くらいで今運用しておりますし、護衛艦の数もこの中期防の完成時にはあの数よりも若干少なくなるとか、航空機もたしか四百三十機と書いてございます、主力戦闘機。これは四百三十機になっておりません。 そういうことでございますから、量的な問題としては決してあれを凌駕しておるものでは私はないと思いますが、ただ、ここで申し上げておかなければならないのは、専守防衛でございますから、言葉は悪いですが、幾ら明治の大砲を並べておいてもこれは抑止力になりません。したがって、最近の軍事技術に即応した、そして専守防衛の立場をあくまで貫いたそういう高度な装備体系というものはやはり持っておりませんと、我が国を専守防衛の立場で守っていくという機能は果たされない、こう思っておるところでございます。 今後の課題でございますけれども、私は基本的には坂田さん時代につくられた、あの議論された平和時の限界、防衛大綱の基本的な考え方、つまり我が国が自衛力がなければ、力の真空状況になれば外部から非常に不安定要因が増してくるというようなこと。それからまた同時に、我が国の持つべき自衛力が平時においては警戒態勢を十分持ち得る、あるいは小規模限定的な侵略に対しては独力で排除する、それでもとても及ばない場合には日米安保条約によって補完してもらう、核は持ちません、そういった防衛の基本的な考え方といいますか、哲学と先生はおっしゃられましたが、私はそれも一つの哲学だと思いますけれども、そういった枠組みの問題はこれは基本的に維持していかなければならないと思います。 現在いろいろ議論されておる中期防の見直し問題でございますけれども、中期防も先ほど申しましたように、一昨年の暮れにつくられて世界のそういう情勢をある程度反映した抑制的なものになっておりますが、なおその後、ソ連邦の解体等々劇的な変化もございます。そういうものも含めまして、必要に応じてこれを修正、見直しをいたしますということをはっきり申し上げ、特にさきの湾岸の危機のときに五年間で一千億削減いたしますというようなこともはっきり私も申し上げて、そしていわば下方修正的な方向で考えていく。しかし、質的には必ずしもそういうわけにまいりませんので、抑止力としての質の高いものだけはきちっと保持していきたい、こう考えているのが基本的な考え方でございます。
○小林正君 一月二十八日付で出ているのは、総理が別表の見直し、そして陸上自衛隊の一個師団程度を削減できないかということを言われたというのが報道されていますけれども、この問題について今後の課題としてどうお取り組みになりますか。
○国務大臣(宮下創平君) 総理も御答弁の中でこの防衛計画の問題について触られました。 第一点は先ほど申しました中期防の修正、見直しであり、第二点は今中期防期間中における人員の充足等防衛力の基幹となるべき要員の確保の問題等もございますから、そうした面からこの自衛隊のあり方について検討を加えましょうということを申し上げておるわけで、今、後者の点だと思いますが、例えば自衛隊が十八万人、こう書いてございまして、実際の充足率は低くなっておりますけれども、よしんばこれをある程度削減するというようなことになりますと、組織、編成、装備その他大変影響がございます。 そういう点で、単に別表の改定にとどまるかどうか、あるいは三自衛隊のあり方、体制のあり方等にも及ぶものではないかという認識を総理もお持ちでございまして、このことについて抽象的にお触れになったものでございまして、一個師団減らすとかどうとか具体的な問題にお触れになったと私は全然理解しておりませんし、そんなことはなかったと思いますが、今後、これは今中期防期間中に十分検討をして、そして時代にふさわしい自衛隊のあり方を模索していきたい、こう思っておるところです。
○小林正君 これは日米関係の問題とも絡んで、政府・自民党の中には、日本の防衛政策はペンタゴンのシフトに深くかかわっている、したがって勝手にレベルダウンはできないんだ、こういう考え方があるようなんですけれども、これについてはいかがでしょうか。
○国務大臣(宮下創平君) 基本的には主権国家としての我が国の防衛の問題でございますから、私ども、我が国が自主的に判断すべきものと、これはもう当然な前提でございますけれども、先ほども申しましたように、もう御承知のように、必要最小限度の自衛力を持ちながらしかしこれでは独力で対応できない場合もあるでしょう。その場合は日米安保条約によって補完的に来援を頼む、また非核三原則によって核の抑止力、これも米軍に期待する。しかも、具体的に申しますと、まだ極東におけるあるいは日本における米軍の前方展開、駐留ですね、これは我が国の安全のためと同時に、我が国を含むアジアの安全のために非常に有効な機能を果たしておるという私どもは認識でございまして、今後といえどもやはり私はこれは必要だと思うんですね。 そういう意味で米軍との関係は、これはもう当時防衛計画大綱をつくった後で、ガイドライン、これは坂田さんが有名なガイドラインをつくられたわけですけれども、それに基づく日米のこの緊密な連携等々、これを現在推進してきてまいっておりまして、連携をとらないとこれは日米安保体制の信頼性の醸成ということはできません。そういう意味で、もちろんよく連絡をとっていかなければなりませんが、決してペンタゴンの指示によって我が国の防衛力が云々される、こういう性質のものではないことははっきり申し上げておきます。
○小林正君 安全保障条約等の関連の中で、いろいろ相互の関係、特にアメリカの前方展開を支援する日本の云々というのは、それは今までの経過からしてそういうものだというふうに認識していますけれども、今問題になっておりますのはフィリピンのクラーク、スビック両基地が閉鎖、そしてそれに伴って日本が一部分担をする形で進められているんじゃないかという指摘もありますし、現に沖縄でも横須賀でもそういう事態が進行しているわけです。例えば艦船修理のための浮きドックが横須賀に回航されてきているというようなことが一つありますね。 それからもう一つ、冷戦終えんという事態の中で、現在横須賀に十隻の艦船が母港化しているわけですけれども、さらに夏にオブライエンというのが来ると十一隻になるという状況もあるわけですね。どうも国民の立場からあるいは横須賀の市民の立場からしますと、こういう世界の趨勢に逆行するような形で基地の機能強化そして恒久化が住宅問題も含んでやられているということに大変大きな不安感を持っているわけですね。そして、限りなくクロに近いといわれている核疑惑の問題もあるわけですね。 ですから、そういうような問題を含んで国民が本当に平和の配当を、安心という平和の配当が享受できるような状況をどうつくれるのか、それらの点についてお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 今のオブライエンとフィリピンの問題は関係ないと思います。 フィリピンはスビックとそれからクラーク空軍基地でございますが、クラーク空軍基地は火山灰によって使用不可能になりました。スビックの方も十二月までにはフィリピン撤退、撤収といいますか、そこからなくなる、この影響は一部、それは先生のおっしゃるとおり、沖縄等に一時的に寄港する面もございますが、基本的にそんなに、また沖縄から移動する部隊もございまして、暫定的には今フィリピンから回ってきているものもございますけれども、これらがどう展開していくかはこれからの問題で、グアムあるいはシンガポールその他にかなり展開を求めてもおるようでございます。 今、オブライエンの話がございましたが、これは確かに一月ごろ話がございまして、駆逐艦でございますが、これが横須賀に配備を予定しておるという通告がございました。秋ぐらいにこちらに参ると思います。 委員の御指摘のように、今十隻ございまして、十一隻になるということでございますが、これは全体で我々は見なければなりませんし、アメリカの前方展開能力自体について、いろいろ要因について我々が突っ込んだ見方をする、見方というか分析をできる立場にもございませんけれども、これは私は、平和の配当がいろいろ言われますが、しかしアジアにおいてはさっき外務大臣がおっしゃられたように、ヨーロッパのCSCEみたいなああいう大変グローバルな体制がつくられる状況とちょっと違っておりますし、私どもはアメリカ軍が日本にある程度あるいは極東に前方展開能力を維持することが日本のため、アジアの安全保障のために必要であると同時に、逆に言えばアジアの国々もアメリカがあればこそ安心しておられるという面がございます。これはアメリカが全部撤収してしまいまして日本が独力で日本の国を守らなければならないとなると、今の程度の防衛費ではとても賄い切れるものではありませんし、また不安感を一層醸成することになると存じます。 そういう意味で、前方展開能力の必要性というものを私は感じておりまして、その一翼であるというようにオブライエンの問題も理解しておるところでございます。
○小林正君 やっぱり冷戦の終えんという事態の中で、先日御指摘申し上げましたけれども、どうも地域紛争の多発という、そういう負の部分、湾岸戦争後的な情勢認識の中で引き続き日米同盟関係とそれから日本の防衛計画というものが基本にあるように思えて仕方がないわけで、これはやっぱり新たな展開を日本としてすべき段階だろうということは申し上げておきたいと思います。 先日御質問した中で、厚木基地のNLPの問題について、硫黄島に代替訓練施設をつくって、平成四年度中に百六十七億という巨費を投じてこれは完成をするわけで、ことしはそういう意味で大変大事な年だなと思うんですが、危険の問題はもう既に言いましたから繰り返しませんが、全面移転を硫黄島にできない理由は何なのか。この間の御答弁では半分ぐらいという話がありましたけれども、それについてお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 施設庁長官が技術的な問題を説明する前に、私から基本的な考え方を申し上げておきますと、NLPは、この間も先生の御質問の中で議論がございましたように、これはやっぱり空母の艦載機のパイロットにとっては瞬時をゆるがせにできない必要な訓練でございます。したがって練度を維持するためにはどうしてもそういうことが必要であるということの前提、これはもう御理解いただかなくちゃなりませんが、それが厚木のああいうところで行われておるという事態、これはもう随分前からそういう問題がございまして、これを三宅島に移そうということで、三宅島に調査費等を投入して理解を求めてまいりましたけれどもなかなかはっきりとした見通しがつきません。 しかし、いつまでもそうやっておくわけに良いりませんので、硫黄島は千二百キロくらい本土から離れておりますが、我が国の自衛隊のみが駐留しておりましたけれども、ここに千二百キロではあるけれども空港が現在あるわけですからNLP用に投資改造をすればいかがかという話を米軍とやりまして、米軍もある程度の理解を示してくれました。しかし、これを全面的に移すということになりますと距離、時間あるいはその管理の問題、いろいろ問題がございまして、直ちに一〇〇%あそこへ移動する、完成したから一〇〇%行けるという状況でないことも、これはもうこの間申し上げたとおりで、最大限私ども努力するということを先生にも申し上げたわけでありますけれども、完成時に五割くらいは最大限努力しましょうということを申し上げたわけでございます。 したがいまして、厚木の周辺の方々にはまた引き続きそういった我が国の防衛所要について御理解をいただくと同時に、防音工事その他もきちっとやって、なるべく市民の皆さんに夜間の訓練でございますから迷惑をかからぬような最大限の努力はしてまいりますが、現在のところはそのような状況で進まざるを得ないというように申し上げざるを得ないと存じます。 あと施設庁長官の方からまた細部はお答え申し上げます。
○政府委員(藤井一夫君) ただいまの大臣の御答弁に尽きておるわけでございますけれども、米側は当初は厚木から百八十キロ以内ぐらいのところに代替基地をつくってもらいたいということで、私ども三宅島という候補地を挙げていろいろやったわけでございますが、種々の事情からそれは実現できなかったわけでございます。 それで、硫黄島はただいま大臣も申し上げましたように千二百キロも離れておりますので、米側といたしましては米軍自身の即応態勢だとか往復の時間あるいは燃料、それから家族と一緒にいるという面からの士気、いろいろな面から、これはあくまでも暫定的なものであるという認識のもとに了解を得たものでございますので、全部をこの硫黄島に持っていくということは非常に難しい問題であろうかと思っております。
○小林正君 米軍の司令官もよきゲストとしてということをよく言うわけですね。しかし、こういう人権にかかわるような、それぞれの関係市が快適な町づくりを目指して一生懸命頑張っている。それが一気に爆音問題で吹き飛んでしまう、そういう状況なんですね。ですから、それは米軍の事情もあるかもしれないけれども、本当の日米関係のためには、やはり平和の配当として静かな夜をというのは当然の願いですし、冷戦が続いていればまた一定の考え方もあるかもしれませんが、こういう平和な時代が到来して、じゃ、いつまで一体我慢すればいいのかと。関係市の皆さんはそれぞれ苦情の電話がかかれば、硫黄島ができるまで勘弁してくださいと言ってきたんだけれども、今度できることになったらば全面移転は無理よと。これは回数が減ればそれだけのことはあるかもしれないけれども、やはり基本的には全く不適切な場所でそうした危険な訓練が行われているんだという認識に立って、よきゲストとしての関係をどうつくるかといえば、あそこはやめてもらうしかないんです、もう。ですから、その方向で今後の対応もぜひお願いをしたいということを申し上げておきたいと思います。 それから最後に、これは環境の問題なんですけれども、最近かなりショッキングなニュースが幾つか出されておりますけれども、オゾン層の破壊に伴って、特に南半球というのは近日点等の関係でオゾン層の破壊による紫外線量が非常に多く影響を与えるということから、十二月のニューズウィークにも出ておりましたけれども、チリの南部でそのことによるさまざまな問題が出てきておる。先日、NHKの報道等でも、オーストラリアでかなり問題が発生しているということが報道されておりました。 私は、センセーショナルにこれを受けとめて、大変だと言って大騒ぎすることは目的じゃありませんけれども、すぐ考えたのは南極観測隊の皆さん方がそうした問題に対応してどういうことが起きているのかなということで心配だったものですから、文部省からこの問題についてまず御報告をいただきたいと思います。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 南極観測隊員の健康管理の問題でございまして、出発する前ともちろん帰国後と厳しく健康診断をいたしまして、また観測隊員の中に二名の医師が同行しておるということ。それから寒いところですから観測隊員は通常防寒服等を身にまとっておりまして、露出しているのは顔だけということで、その顔にいわゆる有害な紫外線を防止するためのクリームを塗る、あるいは眼鏡をかけるというような配慮でやらせていただいているということでございます。 御答弁としてはそういうことですが、小林先生から御指導いただいて私もニューズウィークの記事を読ませていただいて、羊が何十頭と失明したとか、ウサギも目が見えなくなって手でウサギを手づかみできるとか、相当恐ろしい怖い話がプンタアレナスの事件として載っておりました。こういうことを見聞きすればするほど、これから地球環境の問題について日本も大いに研究をして国際貢献をしなければならないなとつくづく思うと同時に、観測隊員の健康管理についてもこれからもっと厳しく考えていかなければならないのではないかと、先生からの御指摘を受けてそのように感じました。 なお、自慢をするわけではありませんけれども、そもそもオゾン層の破壊という、あるいはオゾンホールというものができてきているのではないかと最初に気がついたのは我が国の南極観測隊で、一九六一年のことであったということですから、きっかけを見つけた、つかんだのも日本であるならば、これからさらに研究をしていかなければならないと思っております。
○小林正君 文部省として観測隊員の方々が先進的に努力をされてそうした業績も上げられているということも伺いまして、高く評価をしたいというふうに思いますが、その記事の中にも出ているんですけれども、一体それが、紫外線量の増加に伴う因果関係がどうなのかとか、それらの問題についてまだ調査が組織的に行われていないというような問題があって、モントリオール議定書では五年前倒しですか、というようなこともされましたが、今後の対応について環境庁としてのお取り組みを伺いたいと思います。
○国務大臣(中村正三郎君) 委員御指摘のように、オゾン層の破壊が進んでいるというのは各国からいろいろな知見が発表されております。環境は、今までは痛みを感ずる、目に見えるものに対する対策だったんですが、今からは目に見えないもののCO2だとかフロンガスの対策になってきた。そういう場合に、この知見をどう評価してどう認めてどういう対策をするかということが大切だと思うんです。オゾン層が減っているということはもうこれは紛れもない事実でありまして、まさにそれにどう対策をするかと、いうことだと思います。 我が国でもこの調査に取り組んでおりまして、明日があさってか発表されるようになると思いますが、環境庁でもずっとこのオゾン層の破壊状況ということについて調べてまいりました。でありますから、もう人ごとでなく、札幌の上空のオゾン層ももうかなり減ってきて大変なことが起こってきている。それによって何が起こるかということですが、皮膚がんが起こったり白内障の増加、そして植物の生育が阻害される、それから我々の免疫が阻害される、いろんなことが言われているわけでありますが、そんなことを言ったってそんなことは起こるかわからないだろうといって対策をしないわけにはいかない問題だと思うわけであります。 そして、モントリオール議定書、もう委員よく御存じだと思うので省きますが、そのモントリオール議定書によって二〇〇〇年までには悪いCFCは全廃しようということになっておりますが、昨今、条件つきでありますけれども、ブッシュ大統領が九五年までに消火器とか吸入器に使う分を残してやめようということを言い出した。それからECでも早く削減しようということを言い出した。なぜかといいますと、白人社会の人の方が皮膚がんになる可能性が強いので非常に熱心に取り組まれる。 それで、日本でも今通産省と相談しまして、これをやっぱり国際情勢に合わせて早くやめようということで検討を進めているところでございます。ちょうど先週もECの今の環境の議長国であるポルトガルの環境大臣が来まして、ECとしては確実に一九九五年までに全廃しようということで決めたとこう言っておりましたので、それに合わせる方向で検討を進めて、そしてこのオゾン層を減らすCFCの排出を防止していこうというふうに考えております。
○小林正君 実は、私の家の近くに南極観測隊員の方がおられましていろいろお話も伺ったこともございますが、二十一世紀の子供たちにノアの箱舟を用意しなくてもいいようなできるだけ早い対応を強くお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(中村太郎君) 以上で小林君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(中村太郎君) 次に、國弘正雄君の質疑を行います。國弘君。
○國弘正雄君 韓国の選挙の結果が入りました。与党の大変な敗北であります。それから、地方選挙でありますけれども、この間フランスでやはり与党、これは社会党ですが、大敗北を喫しました。そのときに外務大臣に、一体なぜフランスではこんなに負けてしまったんだと思いますかと、こうお尋ねしましたら、飽きがきたからだろうと、こう仰せになりました。じゃ、なぜ自民党だけがいつまでも御安泰で飽きがこないのかというふうに畳み込みましたら、それはまああなた方に問題があるんじゃないかと、こういう趣旨の仰せでありました。大変耳が痛いお言葉でありましたが、ただしかし、どうも世界の選挙情勢を見ておりますと、反現職あるいは反政権党・与党という風が本当に吹き始めたと思うのであります。 ところが、その風がさっぱり日本には吹かない。非力を恥ずるばかりでありますけれども、フランスあるいは韓国のそういう選挙の情勢についてどのように評価というか、感想をお持ちか。そんなことは他国のことだから答えられないなどということをおっしゃらずに、ぜひ率直な御感想を承りたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはやっぱり公式の席ですから、外務大臣として余り評論家のようなことを言うわけにはまいりません。個人とお話しするときなら幾らでも先ほどのようなお話をいたしますが、いろいろやはり与党の中のまとまりぐあいだとかその他の問題もあるし、何といいますかね、やはり長くやっておるとそれに対する反動というのがあって、日本でもこの前の参議院選挙なんというのはやっぱりその一例じゃないですかね、現職が落ちて皆様方がたくさん当選をしたということですから。その風がいつまで続くかわかりませんが。これはやってみないことにはわかりません。
○國弘正雄君 確かに我々の非力を恥ずるべきでありまして、そのとがを政府・与党に押しつけようなどという気は毛頭ございません。ただ、いずれにしても、しかし政府・与党がお行儀が悪過ぎるという感じは否みがたいわけであります。次々のスキャンダルなんかも、アメリカだのほかの国のそれと比べても金額だって問題にならないし、それから関係しておられると伝えられる方々の数も非常に多い。日本は何かほころびが切れ始めたのではないかという気持ちすら私はするわけです。 ただ、きょうはそれをつくのが目的でございませんで、もう一つイギリスの総選挙、それからアメリカの大統領選挙に関して御意見を承ることはいたしません。どうせお答えいただけないし、自分の選挙の帰趨だってわからないのにどうして人の国の選挙がわかるかなどと仰せいただいたぐらいですから、そんなことを申し上げるつもりはありませんが、これは私の全く個人的な感想というかあるいは読みでございますけれども、イギリスにおいては、二大政党政治のいわば本家本元であるあの国においても、労働党も勝たない、そうかといって保守党も勝たないという、その結果、一種の政党政治の機能不全みたいなものが起きてくるような結果になるだろうと私は読んでおります。それから、さっき申し上げた反現職あるいは新しい風を吹かせたいという動きは、恐らくアメリカ合衆国の大統領選挙においても起きるだろうと私は見ております。 果たして私の勘が当たるかどうか、お代は見てのお帰りということで、十一月になるといずれにしても結果は出るわけですけれども、どちら様も大変にお取り込み中だという気がいたします。しかし、それにしても日本はひど過ぎるというのが私の偽らない思いであります。 農水省にお尋ねをいたします。 土の問題にこの間私大変こだわったんですが、きょうも少しこだわらせていただきたい。 この間、自民党の井上吉夫議員が土の問題にもお触れになり、水田の環境保全機能というようなものについて非常に精緻な御見解をお述べになって、私大変勉強させていただいたんですが、そんなことを受けて農水省に伺いたい。 今も九十歳でかくしゃくとして活躍しておられる作家の住井すゑさんが、「土、ものの今ここに創まる」ということをおっしゃっておいでになる、この間申し上げました。また、ニューディールの名とともに知られるフランクリン・デラノ・ローズベルト大統領が当時のアメリカのひどい荒土現象というものに関連して、土の滅びは国の滅びだという言い方をいたしました。そして土壌保全に立ち上がったわけでありますが、そういう住井さんやローズベルトさんの発言について同意なさいますか、大臣。
○国務大臣(田名部匡省君) 難しい質問でございますが、土壌というのは大変大切だ、こうは思っております。特に、わけても農業における土壌というものは、おっしゃるように非常に大事だ、こう思っております。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ちょっと一言だけ答弁させてもらいたいんですが、なぜ日本は変わらないんだ、このことにつきまして。これは大事なことですから。 それは変わるんですよ。それは三年前の参議院選挙、一名区二十六選挙区がありまして二十三負けたんですから、自民党は。壊滅的な打撃を受けたんです。なぜならば、これは小選挙区制ですから。だから、もし小選挙区制を社会党がのんでおれば三回ぐらいは今までに天下をとるチャンスがあった、これだけはひとつ忘れないようにしていただきたいと思います。
○國弘正雄君 それには私は猛烈な反論がありますけれども、しかし土の話にもう移ってしまいましたから、土を追っかけさせていただきます。(「立つかず」と呼ぶ者あり)そういうことでございます。 それでは農水省、日本の土の現況は合いかがでございましょうか。土の滅びということが言われるわけですが、日本の土はどうか。それから特にもう一つ、アメリカ、なかんずくカリフォルニアの土地の状況はどうか。特に、水不足あるいは地下水のくみ上げによる毛管現象で塩害が物すごく起きているというような状況を私見てまいりましたし、カリフォルニアの土というのが非常に危ういところにあると思うんですが、日本とアメリカ、なかんずくカリフォルニアの土の状況についてお知らせください。
○政府委員(上野博史君) アメリカと日本では大分自然環境の条件あるいは営農の態様等違いまして、土の問題に対する配慮の仕方というのが大分違っている面があろうと思います。 まず、アメリカについて申し上げますと、先日の議論にもございましたように、アメリカの畑作が単作化をしておる。したがいまして、一年一作というようなことで、あいている期間が長くなってきている。この裸地期間中に降雨があったり、あるいは風によって土壌流亡が発生するというようなことで、土壌の悪化の問題が発生をいたしておりますし、それからまた、乾燥地帯におきましては、先ほど委員御指摘のように、毛管現象というようなことによりまして塩類の集積が起こっているという、大要二つの形による土壌問題というのがあるんだろうというふうには理解をいたしております。 この流亡の方につきましては、中東部のコーンベルト、北部平原、南部平原というところを中心にしまして、全土の耕地面積の約四分の一程度に被害が発生している。この被害の程度もいろいろあるわけでございますけれども、そういうふうな状況にあるというふうに聞いております。 それから、アメリカの中西部の北部平原あるいは山岳部を初めといたしまして、アメリカ全土の農地面積の約一割程度で塩類集積による土壌悪化が生じているというのもまた一方であるわけでございます。カリフォルニアについて申し上げますと、土壌流亡によります被害の危険度の大きな土地の面積というのは耕地面積の一割ということで、全米平均よりは少ないわけでございますが、塩類集積によります土壌悪化の面では農地面積の約三割が被害を受けているということで、全米平均よりも高い被害の状況にあるというふうに聞いております。 この今私が申し上げました資料というのは一九八二年の資料でございまして、これが一九七七年資源保全法といいましたか、に基づいて八九年に出されております報告書に引用されているデータでございまして、恐らく現時点で使える一番新しい資料じゃないかと思って申し上げているわけなんでございます。その資料によるのが先ほどの話でございまして、その後の事情の変化で、このところ五年続きの干ばつというのがカリフォルニアで起こっていることもございまして、地下水の過剰取水によります塩類集積の問題というのはさらに厳しい状態にあるのではないかというふうに思っております。 これに対しまして、私どもの日本の場合につきましては、大半の農地面積が水田であるということで、土壌の流亡の問題というのは現実問題として余り大きな問題になっておりません。二万カ所ぐらいの定点観測地点を持って観測をいたしておりますけれども、そういう観測の結果からも余り大きな問題はない。 畑の方におきましても比較的集約的な栽培が行われておりまして、一年間に幾つかの作物がつくられるというような状況でございますものですから、アメリカとは事情が違います。それから、等高線に沿った畑地の造成とか栽培が行われるというようなことを指導しているというようなこともございまして、余り大きな問題はないというふうに考えております。 それから、塩類集積の問題も、ビニールハウス等の集約的な栽培をやっているところについて若干の例がないわけではございませんが、一般的な問題としては、我々は余りさほどの心配をすることはないのではないかというふうに考えております。ただ、自然環境保全あるいは化学物質投入の少ない農業を進めるというような観点で、有機質の肥料等によります土壌の保全というようなことについては大いにPRないし指導をしてまいりたい、現在もやっているところでございます。
○國弘正雄君 日本の農地の現状について、かなり楽観的なことをアメリカとの対比においておっしゃったと思うんですが、私が伺っている限り、例えば山下惣一さんとか、あるいは福岡正信さんというような専門家に伺うと、日本の土も今や急速に衰えつつある、特にアメリカのように若い農業じゃございませんから、長いこと我々を支えてきてくれた土だけに、疲労こんぱいが目立っておるというようなことをおっしゃる。今の御判断は少し甘いんじゃないかなと思うんですが、いずれにしても、しかしアメリカが非常に深刻なそういう問題を抱えているわけですけれども、そのアメリカ農業に日本が命綱を預けるというようなことは、私は非常にまずいことだというふうに思うんです。そのあたりをひとつ農水省の御意見を伺いたい。 また、関連して、今のようなままで水田の減反を続けてまいりますと、大体百年ぐらいで日本から水田稲作がなくなってしまう。縄文中期から営々として続けてきたこの水田稲作という営みが日本から姿を消すことになるという一つの試算がございますが、そういうようなものについてどうお考えか、危機感をお覚えにならないかどうか伺いたい。
○国務大臣(田名部匡省君) 日本の場合は、欧米に比べてそんなひどい状態ではないんですが、農業に余り頼っていますと、確かに土はやせてまいります。そういうことで、堆肥をやっぱり十分やりながら、既に一生懸命やっている地域もありますけれども、どちらかというと量を多くとりたいということが先になりまして、そういう傾向にあったことにやや今歯どめをかけて、そういうことを改めて土を大事にしようという傾向で、私どもも今進めております。 したがいまして、世界と比べるとそういうことでありますけれども、大ざっぱに申し上げると日本の場合は、まだ雨量が多いとか、急傾斜地が多い、水田が多いということで大丈夫だとこう申し上げているわけでして、一方においては、この先減反等を進めてまいりますとだんだん水田がなくなるのではないかということですが、今、新しい食糧、農業、農村ということで、検討本部でいろいろと研究しておりますが、何としても将来にわたって本当にいい農地というものは、堆肥をやって、絶対他に転用しないというものと、あるいは都市の近郊で将来開発が進んでいくだろうと思われるところとはっきりして、そして相当規模の拡大をしながらこれに農業の予算というものを投入していく。 そうでないところとある程度区別して大事にしてあげるということになりますと、もうかるといいますか、農業として、業として成り立っていく。そういう方向に誘導していきませんと、先ほど先生お話しのように、小さいぱらぱらした農業をやっておったんでは、先々に非常に不安を農民の方々も感じておるということで、そういう方向を目指して今検討をいたしております。
○國弘正雄君 私は、日本の水田稲作技術というのは、日本が国際的に貢献できる非常に重要な分野の一つだというふうに思っています。現実に、世界的に見て、例えば人口が一年間に必ず一億ずつふえていくとか、もう耕地の拡大は望めないとか、水の限界もあるとか、あるいはハイテクもハイテクも、やっぱり植物としての光合成作用上の限界というものがあるわけですから、そう無限大に大きくなっていかない。 そういったようなことを考えますと、穀物の需給状況というものが世界的に見てだんだん逼迫してくるだろうと。その際に、私は日本の水田稲作技術というのは世界に誇るべき、そして恐らく国際的な貢献ということにおいては一番確実で、しかも平和的な分野だろうと思うんですね。そういうことを考えると、何かせっかくのそういう宝物を我と我が手でないがしろにしているという印象を否めないんですけれども、農水大臣、いかがですか。
○国務大臣(田名部匡省君) 確かに、世界的に食糧問題というのは不足を来すのかどうかという問題になりますと、非常に食糧自給率の低い開発途上国に出生率が非常に高いということでありまして、今でも五億人からの人が食糧難にあえいでいるわけでありますから、そういうことを考えると、お話しのように大体年間一億、十年ですと、今五十三億が六十三億になるということを考えますと、確かに不安な状況にあると思います。 そこで、ウルグアイ・ラウンドでも、私は時々FAOで、世界全体の食糧というものは安全なのか、どの程度各国は備蓄をして援助しなきゃならぬかということから見直しをする必要があるだろうということを申し上げたのでありますが、いずれにしても我が国の農業というものは、国土が狭いためにいろいろ研究開発というものが行われてきたと思うんですね。アメリカやヨーロッパのように真っ平らなところでつくる農業とは違って、創意と工夫の中で、狭い国土の中でやられてきたということで、この技術というものは物すごく進んだと思う。 この技術を世界的に役立てていくということ、バイオの面でもこれは大事なことであって、今もODAでありますとかそういうものを通じて、農業分野でもいろいろとこうした国々に援助をしておる。これからも開発途上国なんか自分の国で自分の食糧を賄うようになっていかぬ限りは、もう未来永劫にわたって援助を受けるというわけにはまいりませんから、この面では外務大臣にもお願い申し上げ、大蔵大臣もそうでありますが、こうした国々が何とか自給できる体制というもの、その音頭を日本がとっていかなきゃならぬ、こう思っております。
○國弘正雄君 とかくきな臭さを伴いがちなんですね。他の国際貢献の手だてと違って、こればかりは極めて平和的でだれからも喜ばれることが間違いない国際貢献の道だと思います。それをみずから閉ざすことにならないようにひとつ御留意を賜りたいというふうに思います。 最後にもう一つ、ウルグアイ・ラウンドに今、大臣お触れになりました。アメリカは最近、低投入持続型農業、我々はLISAなどと言っておりますけれども、低投入持続型農業というものをアメリカ農政の柱に据えたわけであります。 ところが、一方においてはウルグアイ・ラウンドなどで、農産物の市場開放でややもすればごり押しと見られるような姿勢を示している。つまり、アメリカは矛盾していると私は思うんですね。片方でブレーキを引きながら片方で何かアクセルを踏んでいるという感じをこれまた否むことができない。そのあたりを一つの本質的な考え方の問題としてアメリカ側に、何といいましょうか、理を説くというか、あるいは説得するというか、言って聞かせることが必要だと思いますが、農水大臣、いかがですか。
○政府委員(川合淳二君) LISAについてのお尋ねでございますので、私から若干答えさせていただきます。 今お触れがございますように、アメリカの九〇年農業法には、この考え方がかなり取り入れられております。 その背景につきまして私どもなりに考えておりますのは、御承知のように七〇年代に食糧危機というようなことがございまして、アメリカ自身の農業をかなりアクセルを踏みまして輸出急増とか生産拡大、この結果、先ほどお触れいただきました限界値の問題などが出てきているわけでございます。これに対する反省が一つ。 それからもう一つ、農業の多投というようなこと、これも生産のアクセルというところでございますが、農民の健康問題とか食品の安全性というようなこと。それから、地球的な規模の環境に対する問題。そうした背景の中でもう一つありますのは、八〇年代以降需給が緩和いたしまして、この中からアメリカの農業自体、単収の向上を図るというよりもコストを下げる、インプットを少なくするという、そういう方向に向いてきているということが一つあろうかと思います。 したがいまして、矛盾しているかどうかということについては、矛盾しているともいう面もありますし、いない面もあるんではないかと思います。 私ども、ウルグアイ・ラウンドの初めから、一番最初から主張しておりますのは、農業の持つ非貿易的関心事項と申しますか、多角的な役割というものを強調してきておりまして、アメリカに対してもこうしたことを主張してきているわけでございます。アメリカは八五年の農業法に比べると九〇年農業法はLISAというような考え方が色濃く出てきているということは、一つの私どもにとっては攻め口ではないかということは御指摘のとおりでございますが、一方では、アメリカはLISAの一つの考え方として、保護とかそういうものを行わないことによって、かえってそういう多投、インプットをふやすということがなくなるというような主張もしておりまして、これも一つの考え方ではあろうかと思います。 ただ、この背景には、先ほどちょっとお触れいただきました水田と畑作農業の違う点があると思います。私どもの水田におきましては、一定の保護というものあるいは補助というようなものがやはり環境保全につながっていくということがございますので、本日開かれておりますOECDの会議におきましても、そういう点について私ども強く主張しているところでございます。
○國弘正雄君 農業とそれから環境との共存といいますか、あるいは調整ということが今のOECDの農相会議その他で問題になっていることは私も知っております。そのことについて実は伺いたいことが二点ぼどあるんですが、時間の関係で、次にUNCED、つまりリオデジャネイロで開かれる予定の世界環境会議について質問を移したいと思います。 まず第一に、この世界環境を保全していくという大きな努力の中で、今回のUNCED、つまりリオ会議がどういう位置づけをされるべきであると思うか、このあたりを環境庁長官に伺いたい。あわせて、今度のリオ会議というのは南北問題もあるし、それから南南問題もあるし、北北問題もあるしということで必ずしも大きな成果が期待できないのではないかという不安が特に第三世界の人々から声高に聞こえてまいりますけれども、果たしてこの会議が成功するかしないか、あるいはどうしても成功させなければならない、何とならば、これこれこういうことだからというようなお話を長官にお願いしたいと思います。
○国務大臣(中村正三郎君) このUNCEDでありますけれども、一九七二年に国連人間環境会議というのが開かれました。そこで、かけがえのない地球ということをテーマに初めて大きな会議が国連で開かれ、その議論を受けましていろいろな発展を見せまして、一九八七年にブルントラント委員会が環境と開発に関する世界委員会というのを開きまして、そこで持続可能な開発という理念が提唱されて、その国連人間環境会議が開かれてから今まさに二十年、そこで一九八九年の国連決議に基づいて地球サミットが開かれようと、そして国連として世界のこの環境保全のために国際的な具体的な合意をつくっていこうという会議が開かれるわけであります。 この地球が四十六億年過ごしてきて、その間に営々として植物が固定してきた炭素、そういったものを今一気に数百年の間に地球上に放出しようとしている。我々の住んでいるこの空気が産業革命前に比べて、もうすぐCO2の濃度が倍になる。毎年毎年〇・五%ずつ濃度がふえていく。先ほどから話題になっておりましたオゾン層は破壊されて、どんどん紫外線が入ってくる。そして、さっきから委員が御質問になっておられます農業の点でありますけれども、焼き畑農業によってどんどん森林が燃されて、そこで土壌が流出されて砂漠化していく、その面積が年に千七百万ヘクタール、日本の面積の半分である。このまま続けていったら、これで地球がこのままやっていけると思う方がおかしいわけで、それに対する対策を立てようということであります。 まさにそういうことで具体的な国際的な合意を得ようということですから、その中には気候変動枠組み条約ということでCO2の問題をやり、フロンガスの問題をやり、そして森林憲章というようなことで砂漠化の防止とかいろいろなことが出てまいります。 そういうことをやって対策をしていくのにこの持続可能な開発という理念が大切なことは、やっぱり発展途上国は、今まで先進国は発展してきたからいいけれども、これから発展途上国は発展しなければいけないというわけでありますから、そこで持続可能な開発ということを考えていかなければいけない。しかし、それをなし遂げるには発展途上国においては技術も足りないしお金も足りないであろう。であるから、そのお金を先進国でどうして集めて、どのようにして技術並びにお金を発展途上国に渡していくか、そういった枠組みもつくろうという会議であります。 ですから、大変な会議でありますけれども、今から私やはりここで環境庁にも、きのうも実はインドの環境庁長官が来ておられました。その前にはマレーシアの環境庁長官が来られました。その前にはブラジルの環境庁長官が来られました。いろんな議論をしておりますけれども、今から成功しなかったらということを考えるのではなくて、ぜひこれを成功させて、将来に向かって我々が安心して住める地球を我々の子孫にも渡していかなきゃいけない、そういう意気込みでこれはぜひ成功させなければいけない会議ということを位置づけまして、政府一体となってそれに取り組んでまいりたい、そういう会議だと思っております。
○國弘正雄君 非常に重要な会議であるということを仰せになりました。全くそのとおりであろうと思いますし、これを失敗に終わらせることはできない。 ただ、その際に、私は若干懸念いたしますのは、アメリカが何か腰が引けているというか、腰ための姿勢であるということが言えると思うんですね。この間の京都の会議なんか見ておりましても、アメリカ代表というのは、本当にこの環境問題について熱心なんだろうかというふうにいぶかしくなるような姿勢をしばしば示しました。 また、アメリカ国内においても、かつて環境の大統領として知られたいなどとおっしゃったにもかかわらず、ブッシュさん、とんと熱意がないし、国会も一部の民主党の人たちを除いて余り関心がない。マスコミも最近は何といいましょうか、環境問題について余り熱心でない。かつて九〇年代は地球環境の時代の十年であるなどということを特集したりした雑誌その他も、このところちょっと湿りぎみであります。わずかに気を吐いているのはNGO、それも一部のNGOでありまして、アメリカ全体としては何か腰が引けているという感じがする。 アメリカが本気にならない国際機関とかあるいは国際会議なんというのは、それこそ何とかの入らないコーヒーみたいなもので、余り期待ができない。長官どのようにおぼしめしますか。
○国務大臣(中村正三郎君) 必ずしもすべての点についてそのようなことがあるとは思わないわけでありますが、ついちょうど三月の初めに行われました準備会議においても、アメリカは初めてGEFという発展途上国を援助するコアファンドというところに五千万ドルの出資を決めました。そういう貢献もしていますし、また先ほど議論になっておりましたオゾン層の破壊を防ぐCFCというフロン関係ガスの防止、これについてはモントリオール議定書よりか早くやろうということをブッシュさんが発言される。 私は、御指摘のところはCO2の問題が一番あるんじゃないかと思うんです。そこで、私のひがみかもしれませんが、こう見てまいりますと、やはり大きな国土を持った国の方はなかなかCO2に熱心になりにくいのかなというようなことを考えちゃうんですね。我々島国、そして海岸に多く住んでいる国民を有しておる国においてはCO2の削減ということに非常に熱心であります。 しかし、委員御指摘のように、今世界のCO2の発生量の二四・数%はアメリカが出しているわけであります。日本はこれだけの工業生産をやりながら四・七%しか出していない。ということでありますから、例えばの話で私見でありますが、アメリカがいない協定をつくっても意味がないし、アメリカが入っていいかげんな条約になっても意味がないということでありますから、今ECと一緒になりまして、またいろいろな国と、インドの環境庁長官にも申しました、いろいろなことをやるからあなたもアメリカを説得してくださいよと。いろいろな場面でアメリカを説得しているわけであります。まあ政治情勢だとか選挙だとか経済情勢とかいろんなこともあると思いますけれども、それを続けて、アメリカに我々と共同の歩調をとってもらうような努力を続けている、こういうところでございます。
○國弘正雄君 私は、最近のアメリカがやはり何といっても急速に孤立主義の方向に向かいつつあるような気がしてならないんです。これは外務大臣、もし御意見ちょうだいできれば伺いたいんですが、あるいは外務省の関係者の方でも結構ですけれども、つい三月十一日でありましたか、ニクソン元大統領があるところで講演をいたしまして、要するに今度の大統領選挙ぐらい国際問題、外交問題が論議の対象にならなかった大統領選挙はなかった、すなわち、アメリカが今孤立主義への方向に向かいつつあることのあらわれであって、これは非常に懸念すべきことだということを共和党の長老の一人として後輩ともに説諭したということがございます。 アメリカというのは、私は国際主義に立ちにくい国だと思うんですね。何といっても大きゅうございますし、力があります。だから、自分の国の大統領がつくろうと言った国際連盟、ウィルソン大統領がつくろうと言ったのに最後までアメリカは入らなかったとか、それからこの間の湾岸戦争でアメリカは国連をもう実に見事に何といいますか、利用いたしましたけれども、相も変わらず国連の分担金はまだ非常に大きな金額を滞納しているとか、そういうようなことがある。だから、私は、ただ単に国が大きいからCO2に不熱心だというだけではなくて、ある種の国際社会からできたら身を引きたいというような感じがあるのではないか。 そして、環境問題にしても極めてセレクティブでございます。つまり、つまみ食いというかあるいはいいとこ取りというか、自分に関係のあるところは一生懸命やるけれども、それ以外のことには全く我関せずえんというようなことになる。そういう今のアメリカなんですね。 そこで伺いたいのは、環境賢人会議と呼ばれるものが東京でやがて開かれます。それをどのように位置づけておられるか、まず最初に外務大臣、もしお答えいただければお答えいただいて、その次に長官にお願いをしたい。
○政府委員(丹波實君) 北米局長がおられませんけれども、今のアメリカの孤立主義の問題につきまして、もしお許しいただけるんでしたら私の感想を述べたいと思います。 アメリカの歴史を振り返ってみた場合に、アメリカが前方展開戦略というもので軍隊を外国に駐留させ始めたのは、ソ連というものがやっぱりアメリカを世界に引っ張り出したということだったと思うんです。しかし、戦後四十何年間たって、ソ連が崩壊して東西の冷戦がなくなった、他方、アメリカの経済があのような状況にあるということで国内に目が向いているという意味では先生のおっしゃるとおりだと思います。 しかし、アメリカがそういう方向に流れていけば、これはやはり世界にとって必ずしもよくないということで、アメリカを孤立的にさせるかさせないかは私たちの態度にもよるわけで、やはり環境の問題も含めてアメリカを抱きかかえて走るということが非常に必要で、そういう意味では私たち、この環境の問題でもアメリカというものを説得しながらあるべき姿に持っていく必要があるんじゃないかというふうに考えます。 ただいまの賢人会議の問題につきましては、確かにこの会議自体は国連のUNCED事務局が主催するものでございまして、参加者は賢人という資格を持って参加されるという意味で、政府を直接代表される方々の会議ではございません。しかし、世界が注目しておりますし、参加される方々がまさに各地域の大変立派な方々でございますので、そこの中の議論が、私も先般この委員会で申し上げましたけれども、このUNCEDの資金問題に大きな方向を投げかけるであろうという観点から注目をいたしております。政府といたしましても、できるだけこの会議の成功のために陰ながら協力いたしたいというふうに考えております。
○国務大臣(中村正三郎君) 先ほども御答弁させていただきましたように、地球の環境を守るため持続可能な開発ということをやるためには発展途上国で資金を要するということは、これは事実でございましょう。そこで、その資金をレイズできるかどうかということは非常に大きな問題になるわけですが、今もニューヨークでその会議が開かれております。しかし、公式会議で国を代表していろいろな議論をしますと、それなりに、非常に平易も言葉で言いますと、かたくなるといいますか、なかなか議論百出する場合もございましょう。そういう意味で、UNCEDの事務局長のストロングさんがインフォーマルな形で竹下元総理に名誉議長をお願いして東京で賢人会議ということで、まさに賢人に集まってもらって議論をして一つの方向性、提案を示されるんじゃないかと想像いたしますけれども、そういうことをやる。 私は、これはこういった国際会議をサポートする意味で非常に意義のあることだと思うわけでありまして、その結果に私は注目もいたしますし、期待もしているところでございます。
○國弘正雄君 この賢人会議ですね、竹下さんが議長になられるのか名誉議長になられるのか、それとも主宰者あるいはホストというふうに若干トーンダウンされるのか、いろいろ説が行われておりますけれども、とにかく環境こそは今や政治の本流だとおっしゃっておられる竹下さんが主宰をされるわけです。にもかかわらず、どうもこの東京の賢人会議について外国の人々の間に若干の不安があるということを私はぜひ御指摘申し上げたい。 それはなぜかといいますと、日本の政府の関係者、在外公館の有力な方々の中に、言ってみれば竹下さんは頼まれ仲人みたいなものなんだというような趣旨の、そういう言葉を使われたかどうかわかりませんが、発言をされた、日本政府としては直接関係はないんだと。今、丹波局長も、政府としてのあれではないということを仰せになりました。そこで、何か日本が本気でないのではないか、少なくとも政府は。そして政府は政府、賢人会議は賢人会議ということで、大変言葉は不穏当かもしれませんけれども、ある種の二元環境外交みたいなものになっていくのではないか。果たして日本が本当に熱心にこの問題やってくれるのかどうか。そして、お金の問題が絡んでくるわけでありますから、お金を拠出してくれるのかどうか。もしこの賢人会議がうまくいかないということになると、即リオの本会議そのものにマイナスの影響が出てくるということで、そういう趣旨の不安というか懸念を漏らす人が関係者の中のいわゆる偉い人、固有名詞はあえて申しませんけれども、二人ほどの私が最近会ったUNEPとかというようなところの人たちの中にあるわけです。そのあたりいかがでございましょうか。私はちょっとそのことが気にかかります。
○国務大臣(中村正三郎君) ストロングさんからいろいろ依頼を受けて竹下元総理が名誉議長を引き受けられたと伺っておりますが、あくまでも主催はサミットのストロング事務局長さんということで、ストロングさんの働きかけによって集まる会議であります。そして私は、こういう会議でありますから、仄聞はいろいろしておりますけれども内容について申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思いますが、先生のおっしゃられたような御懸念は、今までのいろいろやっているのを見ておりまして、二元外交になるとかいろいろなことは私はないと存じております。
○國弘正雄君 そのことについてももう少し具体的に伺いたいんですが、もうあれいたしましょう。 そこで最後に、果たしてブッシュさんがリオに出るかどうかということがいろいろ取りざたされています。私は最終的には出ると信ずべき幾つかの根拠を持っております。私は宮澤さんにもこれはぜひ出ていただく必要があると思うし、ブッシュさんをひとつ、下手な駄じゃれで申しわけないですけれども、プッシュしていただきたいということを非常に強く思うわけです。外務大臣からもひとつブッシュさんあるいは宮澤さんを通じて、アメリカがもう少しこの問題に真剣になるように慫慂をしていただきたい、こう思うんです。 それにはさまざまな理由がありますけれども、一つの大きな理由は、こういう認識があるんですね。アメリカ文明というものの赴くところ、自然環境破壊とそれから共同体の崩壊をずっともたらしてきた。アメリカ文明というのはそういう何というか、性格というか、たちを持っているんだと、量的拡大というふうなものの追求というようなことの結果。そういうアメリカ文明の赴くところ、自然環境破壊と共同体の崩壊がもたらされるという認識が第三世界、特に中南米に非常に強いわけです。そして、そのことが中南米のいわゆる反米主義の温床になっている。これは東京大学の長尾教授の御説でありますけれども、私も何かそんなような気がする。したがってアメリカ自身のためにも、ぜひこのリオの会議は大事にしてほしいということのひとつ説得方をお願いしたい。総理ないしは副総理にぜひそういうことを申し上げたいと思います。いかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、御趣旨に賛同いたします。何らかの形でやはりアメリカにも出てもらうように、日本の方も国会の事情が許すならば総理大臣には出てもらいたいと思っております。
○國弘正雄君 テーマを最後の地震の問題に移らせていただきます。 私、実は一昨年の五月三十日のこの予算委員会で約四十分ぐらいにわたって地震問題について御質問をしたのですけれども、つい先日、自民党の鹿熊議員がこのことについて非常に的確にお触れになりました。そこに勇気を得てさらにこの問題を伺わせていただきたい。特に最近、トルコでああいう地震もありましたし、どうも週刊誌なんかを見ておりますと、そろそろ日本も時期に入ったと、六十九年周期説などというものもございますから、そこでそのあたりを伺いたいと思うんです。 これは科学技術庁長官に伺いたいと思うのですが、例の寺田寅彦が有名な論文を書いております。あの人は、天災は忘れられたころ来ると、こう言ったのですけれども、私は忘れ去らなくても天災の方ではやってくるといったちのものだと思いますから、我々としては警戒を怠ることができないんです。 昭和九年の十一月に寺田寅彦当時東京帝国大学教授、もちろん漱石門下の随筆家としても著名な彼が「天災と国防」という論文を書いております。その「天災と国防」という論文について、長官、もしお差し支えなければお読みくださった御感想と、それから大体内容はこういうことだということを御披露いただければと思います。
○国務大臣(谷川寛三君) 寺田寅彦先生は私ども高知県の尊敬する大先輩でございまして、先生の論文は私ども学生時代の愛読書の一つでございました。この論文も読みました。私は全く同じ考えを持っております。文明が進めば進むほど天災の暴威はひどくなる。それから、今お話がありましたように、天災は忘れたころにやってくる、めったに起こらぬからどうも関心が薄いようだということも書いておられます。それはそのとおりでございます。 それから、戦争などは、これはちょうど昭和九年でございますからそういう時期でございます、戦争などは避けようと思えば人間の力で避けられなくはないんであろうが、天災だけは科学の力でもってしてもどうしようもない。しかし、国防があるように、敵国よりも強い強国である天災に対して国民が一致協力して適当な科学的な措置を講ずるのもまた当たり前ではないかと強い警告をされておりまして、私も今そういう仕事をやらせていただいておりますから、本当に身にしみて感じておるところでございます。
○國弘正雄君 その論文の中で以下のようなくだりがございます。 国家の安全を脅かす敵国に対する国防策は現 に政府当局の間で熱心に研究されてゐるであら うが、殆ど同じやうに一国の運命に影響する可 能性の豊富な大天災に対する国防策は政府の何 処で誰が研究し如何なる施設を準備してみるか 甚だ心許ない有様である。こう言っております。 私自身も本当に心もとなく思うので伺いたいんですが、例えば予知作業、特に直下型の地震の予知作業というのは大変に難しいということを私は専門家から伺っておりますけれども、どのような状況で行われているか、それについて一体お金はどれぐらいついているのか、そういったようなことをお聞かせいただけないでしょうか。
○政府委員(井田勝久君) お答えいたします。 地震でございますが、まず全体を申し上げますと、東海地方におきまして発生が懸念されておりますマグニチュード八クラスの海溝型地震につきましては観測を集中することによりましてその予知が可能な段階にある、このように今言われているわけでございます。首都圏でございますが、首都圏で今発生が懸念されておりますのはマグニチュード七クラスの直下型の地震でございまして、これになりますと、エネルギー量がマグニチュード八クラスに比べまして三十分の一ぐらいと非常に小さいわけでございます。 それで、首都圏でございますが、これまた大変堆積層が厚い、それから都市活動のノイズが大きい、こういうことで微小な地震を観測するのが大変難しいという状況にあるわけでございます。したがいまして、これをどうするかと申しますと、やはり深い穴を掘らなければならない、三千メートルぐらいの穴を掘らなきゃいかぬということで、これまで私どもの防災科学技術研究所におきまして三カ所で首都圏で穴を掘ってやってきたわけでございますが、このままではまだ予知が十分でないということで、さらに強化しなきゃいかぬ、こういう状況にあるわけでございます。そういうわけで、東京湾北部の江東地域のデルタ地帯、埋立地でございますが、三千メートルの観測井を昨年から着手いたしまして掘っているところでございまして、今年度計上している予算でぜひ掘りたいと思っております。 さらに首都圏で言いますと、東京湾の千葉県にかけてのところ、そういったところの情報がまだ不足しておりますし、さらに東京湾を回ったところに、それは堆積層がやや浅いものですから二千メートルぐらいでいいわけでございますが、そういった観測井を掘りましてそういった微小地震をきちっととらえる体制をまずとらなきゃいかぬということでやっているわけでございます。 お尋ねの予算でございますが、地震予知関係の予算、平成二年度においては六十二億円でございました。平成三年度にこれを六十七億円とふやしまして、平成四年度のただいまの政府原案では七十一億円を計上しております。私どもとすれば、一般会計の伸びを上回った伸び率で一生懸命増強に努めている、こういうところでございます。
○國弘正雄君 今三本あるのを今世紀中に十六本にして首都圏に張りめぐらす、こういう御計画だと私は理解しているんですが、今世紀末までにまだ随分時間がかかるんですけれども、間に合うでしょうか。これは間に合わなくちゃ困るんですけれども、間に合うでしょうかということ。 それから、六十二億が七十一億にふえたということを歩といたしますけれども、しかしそういう三千メートルの深い穴を一本掘るのにどれぐらいお金がかかるんですか。
○政府委員(井田勝久君) 間に合うか間に合わないかという問題は大変難しい問題であるかと思います。 六十三年六月の中央防災会議の地震防災対策強化地域指定専門委員会の中間報告によりますと、マグニチュード七クラスの地震、これにつきましてはある程度の切迫性、ある程度ということで、そこによっては学者の方に若干振れがあるわけでございまして、ある程度の切迫性があるということになっているわけでございます。 それで、私どもとしますれば、十六本、これ全体を掘るのは時間がかかりますが、とりあえず情報として非常に必要なのは東京湾北部の江東デルタの三千メートル、さらに千葉県の方の三本ぐらいを予定しておりますが、そういった地域、それから神奈川県の東部でございますとか茨城県の一番南部とかそういったところがありますので、それを早急に掘りたいと思っているわけでございます。 それで、予算でございますが、三千メートル級につきましてはこれは深いので二十三億円ぐらいかかるのでございますが、その他二千メートルになりますとずっと安くて、これは一本五億円から七億円ぐらい、このように推定されておりますので、そういったことで鋭意それを掘ってまいりたい、このように思っているわけでございます。
○國弘正雄君 済みません、もう一度金額をおっしゃってください。
○政府委員(井田勝久君) 三千メートルの穴でございますが、それは約二十三億円程度かかると予定されております。それから、二千メートルのクラスでございますが、これは五億円から七億円くらい、このように今推定しているところでございます。
○國弘正雄君 そうすると、七十一億円の予算、その中には大学における地震研究とか、あるいは気象庁その他その他、防災研究所その他その他のいろいろなものを含むわけでございましょうけれども、一本掘るのに二十三億かかってしまうとすると、その七十一億を全部それに投入したとしてもわずか四本しか振れないじゃありませんか。四本足らずしか振れないじゃありませんか。こんな貧しい予算でいいんだろうか。 日本は明らかに天災大国だと思うんですね。寺田さんがそのことを繰り返し繰り返し言っている。こんな天災大国で、しかもこの地震とか天変地異というのは必ずやってくる。私は、ソビエトが日本に攻めてくる可能性というのはもう今やないと思いますし、初めから私は非常に少なかったと思うんですが、この天災だけは必ずやってくる。 こういう物の言い方はちょっと奇矯の嫌いがあるかもしれませんけれども、例えば、防衛費に年間、在日米軍への経費を含めて四兆七千億ぐらい使っている。ところが、必ず日本を襲うであろう、そしてさっき長官もお引きになりました国家を脅かす敵としてこれほど恐ろしい敵はいないはずだという、これは寺田さんの言葉をお引きになったわけですが、そういうものに対してたったの七十一億円。しかも、一本三千メートルを掘るうとすれば二十三億かかる。ちょっとこれおかしいなと、私にとっては極めて理解しがたい面妖なことだというふうに思うんですが、そうお考えになりませんか。
○国務大臣(谷川寛三君) 実は、昭和二十一年に高知県の西部を中心にしまして南海大地震というのが起こりました。その地震で私は二人のめいを失っておりまして、地震の恐ろしさは本当に身にしみております。お話しのように、ついこの間はトルコでも大きな地震がありました。 私どもは、予知は最大の防災、こういう認識を持ちまして、地震の観測、予知につきましては政府の関係研究機関それから国立大学等とも連絡を密にしまして本当に一生懸命取り組んでおるところでございます。今、この予算で満足かと聞かれますと、なかなかそのときどきの財政事情もございますから理想的にはまいりませんけれども、総理も生活大国と言っておられますが、国民の皆さんが安心して眠れる郷土を、国土をつくる、これは一日も早くやることがそのゆえんでもあろうと思うんであります。なかなか難しいところでございますが、地震予知観測の予算の獲得につきましては今後とも格段の努力をする、こういう覚悟のほどを申し上げましてお答えといたします。
○國弘正雄君 国民の生命、財産を守るというのは政府のあるいは政治の要請だと、今さら申し上げるまでもありません。外敵によって日本の国土がどうこうされるということだって、それは可能性としてむげには退けられませんけれども、しかし日本の場合、特に現在の国際情勢の場合にもっと恐ろしい敵は、これは寺田さんの言うとおりに天変地異であると。したがって、予算が非常に少ないということに対して私は心もとないものを覚えざるを得ない。幸いここには実力者の副総理がいらっしゃるわけですし、大蔵大臣経験者でもあられるわけですから、このあたりを篤と頭におとめいただいて、やっぱり国民の生命、財産を守るという大乗的な見地に立って、こういう分野の予算措置というふうなものについては格段の御配慮をお願いしたい。 これは何も我々野党の人間とかあるいは庶民とかという話だけじゃないんで、こればかりは時と場所にかかわらずだれを襲うかもわからないわけでありますね。例えば関東大震災のときには、当時ですから大変なことですけれども、皇族が二人地震によって命を失っておる、圧死しているというふうな状況もあるわけです。しかも関東大震災のときには、当時の一府三県にありました自動車の数、これは円タクから軍のトラックからありとあらゆるすべての車という車をひっくるめて、当時東京府とあと残りの三県、一府三県で三千台でありました。今は、私この間調べてみたんですが、概算でございますから間違っておるかもしれませんが、この同じ地域、一都三県に少なくとも二千五百万台の自動車が現実に存在をする、こういう状況であります。私は事は急を要すると思いますので、副総理の格別の御配慮をお願いしたい。 最後ですが、この問題はむしろ日本国内よりも海外で非常に懸念と心配の種になっております。例えば去年七月の、イギリスの有名な科学雑誌の「ネーチャー」というのがございますけれども、「ネーチャー」誌の中で、日本の地震予知の問題のあり方の当否について大変な議論が交わされた、甲論乙駁がなされたのであります。「ネーチャー」という雑誌の権威を考えますと、これは大変なことであります。あるいは今イギリスでベストセラー化しつつある本の一つが「大きなつけ」と題したものでありまして、アメリカ人とイギリス人の経済専門家及びこういう問題の専門家の共著でございまして、彼らは、日本の大地震が引き金になって日本経済が壊滅的な大打撃を受け、それがひいては世界経済のパニックにつながるだろう、こういうことを言っております。 同じ趣旨の論文は、一昨年のこれまた七月でありましたけれども、アメリカの有力雑誌の「マンハッタン・インク」という雑誌が、東京大地震によってウォール街が崩壊をするというシナリオを極めて生々しく、しかも科学的に書いております。そして、今私たまたま持ってまいりましたが、「東京は六十秒で崩壊する!」などというおどろおどろしい名前の本もあります。これはイギリスの大変立派な地質学者の書いたものでありまして、決していいかげんなSF的なものではないということをあえてつけ加えさせていただきます。 ほかにもいろいろ伺いたいことがあるんですが、どうやらもう時間をオーバーいたしましたので、きょうはこれで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○国務大臣(渡辺美智雄君) まことにこれも御趣旨には賛成でございますから、努力をいたします。
○委員長(中村太郎君) 以上で國弘君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(中村太郎君) 次に、常松克安君の質疑を行います。常松君。
○常松克安君 まず最初に、大蔵大臣に銀行関係の睡眠預金についてお尋ね申し上げます。 一昨日、まずは郵政大臣に向かいましていろいろな角度から申し上げました。基本的には、預金者の権利と保護という立場で五十億円から成る睡眠預金の計算を入り口、出口を明確にしていただきたい。第二番目には、その目的というもの、込み込み収入じゃなくて、確たる目的を持った活用といいましょうか、運用を図っていただきたい、こう提言申し上げましたところ、早速研究会の昨日の記者会見の発表となり、来年度当初からそういうふうな数字的なものがきちっと示していかれ、国民の皆さんの御理解をいただくようになろうかと信じておるわけでございます。 さて、その質問の中におきまして、大蔵大臣がいろいろそういう話をお聞きになりまして、最後の答弁は非常に十歩も百歩も前進していただきましたお答えをちょうだいいたしました。これは、利益金の中に入れてしまうということより、やはりきちんと一つの方向、こういうふうな御答弁を、最後だから気を許しておっしゃったかもしれませんが、改めてこの問題を軸にして展開をさせていただきたい、かように思いますのでお願いいたします。
○国務大臣(羽田孜君) 先日も申し上げましたように、銀行の方ではおよそ百二十億円ぐらいの睡眠預金と言われるものがあるという、それでよろしいですね。
○常松克安君 知りません。
○国務大臣(羽田孜君) 百二十億円ほどの睡眠預金があるということが実は言われておるわけであります。ただ、確かに銀行の場合には、要するに十年たちまして一万円以下、このものについてもう一度通知をするということはいたしておらないというのが実は現状でございます。これはコストの問題等があるということでそういうことをやっております。 ただ、私どもといたしましては、睡眠預金というのがいわゆる別勘定といいますか、割合とはっきりしない形であらわされるというのはよくないんじゃないか。そうかといって、別勘定というのはあるいは難しいのかもしれません。そういうことの中で、しかしこれだけのものが出ますよというものを何らか別建てにしてやることができないのか。そんなことについても、先日実は御質問のございました問題について、各銀行協会の方を通じてでも、こういう御質問がありましたよということを銀行協会の方にも通告しながら研究してみたらどうだろうというような話を実は合いたしておるところでございます。
○常松克安君 もう一度お尋ねいたします。じゃ、実態はどのようになっているのかを申し上げます。 今大臣みずから申されました百二十億円、大きな金額でございます。百二十億というふうな経理上はっきりしたものなんでしょうか、お尋ねいたします。
○政府委員(土田正顕君) 計数の把握の問題でございますが、お尋ねは、金融機関において利益金として処理された睡眠預金の金額を把握しておるかということであろうかと思います。 これは私どもの方でサンプル調査をいたしました結果の、これは銀行だけではなく、いわゆる都市銀行、地方銀行、その地方銀行の中には第二地方銀行協会加盟行を含むわけでございますが、それからさらには信用金庫の利益金処理された額から全体を推計いたしますと、これらの金融機関全体において平成二年度決算で利益金処理をされました額は約百二十億円程度ではないかと推量しておる次第でございます。
○常松克安君 そこで大蔵大臣、私、はたと行き詰まったわけであります。預金者のお金を推量、サンプル、何ぼだということが明確でない。銀行さんは一円でも食い違えば残業で合わせられる、そんなに精巧。あるいはまた、それの業務報告を大蔵大臣に。それから、銀行法施行規則十九条の一項、損益計算書、これをもってされている中で、この推量とは一体どういうことかなと。こうして郵政から始めた原因は、実はそこにあるわけでございます。 ところが、昭和五十九年三月十日の予算委員会では、こういうふうに宮本政府委員はおっしゃっています。「一定期間動きのないものにつきましては、銀行の行内的には別口で管理するという内規をもって処理いたしているわけでございますが、この別口管理になりました口座にある預金を一般に睡眠口座」、ちゃんと入っておると。銀行は特別口座を持ってきちっと管理しておる。そうすると、横並びにそれ、ぴゅうんと合わしたら、推量じゃなくて何ばだ、これ出てこなきゃならぬ、こう思ったわけでございます。いかがでしょうか。
○政府委員(土田正顕君) 私どもは金融機関の経理内容につきまして報告をとりますのは、一定の様式を定めておるわけでございます。それはただいま委員の方から御指摘もございましたが、まさにその銀行法の施行規則でその項目を定めております。現在、その項目の中の睡眠預金の処理は、受け入れの方の経常収益の中のその他経常収益の中のその他の経常収益、いわばその他のその他という項目で処理することにしております。そこにはいろいろな性質の金額がございますので、それが通算されまして当局に報告されるわけでございます。 その中で、従来、個別の銀行ごとにあるいは把握しておるものがあり得ましても、例えば先ほどサンプル調査で推計いたしましたときの都銀の例で見ましても、その経常利益に対する割合は〇・二二%という極めて微少の額でございまして、これは一般的な企業会計原則の考え方からしましても、この重要性の乏しいものについては、本来の厳密な会計処理によらないで他の簡便な方法によることも正規の簿記の原則に従った処理として認められるという考え方ございますので、従来、特別にこれを掲げるという必要性を見出していなかったわけでございます。
○常松克安君 結構でございます。 私は最初から申し上げております。少額であろうと、経理上どうこうあろうと、預金者はお金を預ける、郵便局でも銀行でも、預ける立場にとっては一円は一円なんです。それが十年間たったならば収益です。収益に入れば、国税が法人税にかかって六五%いかれる。残ったものでまたまた、これ残しておかぬことには十年、二十年、三十年、時効が通っておりませんので払わないけませんので、一体これが何が文句あるんですかと、こういうふうに聞こえちゃう。預金者の立場に立ってお考えをということを論議いたしております。 じゃ、そちらが推量とおっしゃったので非常に気が楽になりました。こちらも推量でいきます。 大体、銀行と郵貯の金の動かし、これは八対二であります、現実は。言うなら四倍です。郵貯が五十億というなら一般銀行が二百億と、こう言ってもいいんです。あるいはまた、失礼でございますけれども、昭和二十六年から今日までどれだけ決済したんですかと。六百三十九億円決済しましたと郵貯はおっしゃいます。じゃ、今方式で四掛けます。二千五百六十億円でございます。これは素人の計算で、この神聖なる国会論議にふさわしくないと一笑に付していただいて結構であります。だがしかし、一円たりとも預金者という立場のその考え方、銀行法上、経理上、事務手続上そうなっておりませんよ。あるいはA銀行一千九百億円の利益、その中で六億五千万の睡眠預金です、サンプル調査、こうです。だからそんなものを些少。些少とは何事ですか。一般の預金者の立場を、くどいようでございますが申し上げておるのでございます。 大臣、これは私は、なぜこういうようなことを申し上げますのか、ここをお聞き願いたいんです。私は、そこに不正があるとか、そんなこと論外に申し上げているんじゃ全然ないんです。一度明確なはっきりしたものをつかんで、国民の皆さんよ、一円を笑う者は一円に泣きますよと、自分の預金は自分で管理しなさいと、こういうふうな示唆に富んだそのデータの基準を知らすべきだ、こう思っておるんですよ、私は。こういう考えで申し上げているんです。 大臣、ここで非常に唐突で申しわけございません。大臣の羽田御一家で銀行口座通帳あるいはいろんなもの、口座幾つぐらいございましょうか。
○国務大臣(羽田孜君) 大変申しわけありません。よく承知しておりません。
○常松克安君 失礼なこと申しました。 じゃ、銀行局長の方にお伺いします。 十年前と今日、その口座の動向はどういうふうになっておりましょうか。それを普通預金と全部含めた二段階でお教えください。
○政府委員(土田正顕君) 十年前、すなわち具体的には昭和五十七年三月末と、直近と申しますことで平成三年三月末、この両者を比較いたしまして預金口座数を御説明申し上げます。 十年前の都市銀行、地方銀行、信用金庫の個人の総預金口数は約四億六千万口であり、うち普通預金その他の要求払い預金の口座数は約一億九千万口でございました。平成三年三月末におきましては、総預金口数は約八億三千百万口であり、そのうち要求払い預金は約三億二百万口となっておるものと理解しております。
○常松克安君 大臣、ここで私はもう一つ。この質問のことは、今の百二十億と推定されたものが拡大してくるということを考えたのです。この百二十億の推定は十年前の決済が百二十億、そのときの口座数はこれです。その後になって、国民の生活、経済活動が多般にわたっておるものですから、物すごく、全部含めますと少なくとも八億三千万口座。そちらが特によく指摘されますところの普通預金ですら三億。二億から一億ふえているわけでございます。ところが、おもしろいことには、郵政の方は十年前は六千六百万口、十年たって今日七千七百万口座と。この差は余り大きなものはないわけですね。銀行の方は一億口座がふえているわけです。 これはもう当然いろんな場面が想定されます。子供さんのPTA会費も学習費も口座、アルバイト人生も口座。ほとんど口座。ところが、キャッシュ人生になっておりますが、端数をおろそうと思っても千円以下はおりません。千円以下でも振り込みはちゃんと吸い込むんです、あの機械は。ところが、払い出しは千円以下はあかんと、こうおっしゃる。こういうふうな形態、いろいろ細かいことではございますけれども、いろいろ態様というものが現実にあるわけでございます。 よって、結論としてこういうことになるんじゃないだろうか。局長、お教えください。この睡眠預金の中にも、一昨日申し上げましたけれども、睡眠じゃなくて永眠があるんじゃないかと。郵政は、あると、こうおっしゃいました。あったらお弔いをどうするんだ、こういう言い方をしました。どうですか。
○政府委員(土田正顕君) 郵政の場合につきましてはしかるべき方面から御説明があると思いますので、民間の方の考え方のみについて御説明を申し上げます。 確かに睡眠預金という名前で言っておるわけでございますが、これを利益金に処理いたします考え方は、税務会計その他経理上の理由によって利益金処理をすべきであるとされているために行っているものでございまして、実務上は、預金契約上は時効を援用せず、利益金として処理した後もその払い出しの請求に応じておるわけでございます。したがいまして、この利益金の処理というのはいわば銀行内部の経理上の問題でございまして、預金者の権利を一方的に消滅させるものではない、いわば預金者にとっては関係がないといいますか、特に預金者の不利益になることはないというふうに私どもは考えておるわけでございます。 そのようなところから、現実に睡眠預金として処理をし、最終的には利益金処理をしましたものでありましても、その口座の所属いたします店舗におきまして関係の書類その他を長期間保存しておるというのが実情でございます。また片一方で、一たん睡眠預金として処理されたものの中でも、後日、預金者の方から請求があり、その内容がしかるべきものであれば、払い出しに応じております。このときには、いわば、言い方は悪いんですが、雑損処理として払い出しをしております。この雑益の方と雑損の方との対応関係を網羅的に調べた統計は所持しておりません。ただ、業界筋の物の見方によりますと、したがって具体的なデータに裏づけられたものではございませんが、感じとしましては利益金処理金額の約半分の金額は利益金処理後に払い出しか行われておるというような意見も聞いておるところでございます。
○常松克安君 全然質問に答えていただいてないんです。 睡眠の中に永眠という概念のものがあるかと、こう聞いておる。それだけ聞いておるんです。
○政府委員(土田正顕君) 預金者の請求によりまして払い出しに応じる体制をいわば半永久的にとっておるというような状況にございます。それを睡眠と言うか永眠と言うかという問題でございますが、あえて申せば、いつでも目が覚め得る状況になっておるということは申せるかと思います。
○常松克安君 ここで睡眠とか永眠とか言って何も法だがえする話をしておるんじゃないんです。 大臣、最後に、局長は今までどおりの枠から一歩も外れるわけにまいりません。これは政治家としての判断を総まとめでもう一度総括としてお尋ねいたします。 やはり預金者の立場を考えて入り口、出口を明確にする、そしてそれが少なくとも国民の方から目に見える使い方をしていく、こういうふうなあり方をして、これからふえていこうとするものの対策をひとつとるべきじゃないだろうか。あるいはまた、これから、銀行も非常に競争が徴しゅうございますが、銀行によっては、私の方は皆さんから預かりましたこういうものの処理はこうしております、こういうふうに活用しております、こういうことであれば愛される銀行として、また庶民から賛同を受けぬことにはこの仕事もつかさどっていけないわけでございますから、こういう方向で考えるべきときがきているんではないだろうか。 銀行でいろいろ込み込みの収入で、はい美術館を建てました、こうしました、ああしましたじゃなくて、これに限ってのこういうふうな方向というものを、民間でありますからここでは決断はできませんが、よく銀行協会の方々とも、国民のそういう支持を受ける方向が時代の要請だということの御理解をいただけるように、大臣の決意としてのお話をしていただけませんでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) 今も局長の方からお答え申し上げましたように、この問題については、いわゆる睡眠預金ということで永眠させてしまって、それがただ会社に帰属してしまうものじゃない、御要求があったときにはこういったものについては相当時間がたっても、いわゆる五年間の時効で消滅させるというものでないということでありますから、これはもし必要があったときには雑損という形ででもお支払いをしなければいけないというものですから、これを例えば社会還元してしまうということが果たしてできるのかなという問題は残ろうかと思っております。 しかし、いずれにいたしましても、私どもといたしまして、今御指摘がございましたことでございますから、全銀協等を通じましてさらに睡眠預金に対して周知徹底をしていきたいというふうに考えております。
○常松克安君 ちょっと大蔵大臣、その辺のところ、非常に誤解があっての論議になってしまいました。私は何もそれをどうのこうの申し上げているんじゃない。 もう一度申し上げます。 そういうふうなものの扱いについて国民の方から見えるように、経理上だとか業務上しゃなくて、見えるようにするためにすっきりとしたものにしていく、それを求めるのであって、その扱いが永眠か睡眠がとかじゃなくて、十年で区切られたのですから、区切られた時点においてはきちっとした処断というものを国民の方から見えるようにしていただきたい。もう一度お願いします。
○国務大臣(羽田孜君) 御指摘はよくわかりました。私ども、銀行協会を通じましてこれについて注意喚起というものを一層徹底し、そしてどういう対応をするか、これを研究させたいと思っております。
○常松克安君 次に、総務庁にはしょってお尋ねいたします。 総務庁といたしましては、一番大きな問題は交通事故の問題を真剣に取り上げてきていただいておるわけであります。その人員も四十万人になんなんといたすわけであります。 しかし、御案内のとおり、交通事故になりましたならば、人間の普通の体内には五リットルの血液がある、そのうちけがで一リットル出ますとチアノーゼ、すなわち心肺停止の症状が始まってくるわけであります。そういうふうなところで、各省庁は第一発見のときに心肺蘇生という努力をしてくれ、そうすれば助かる命の効率は高くなる、この御指摘をいただいて、いろんな省庁に努力していただいているわけであります。しかし、ここで問題は、親子だとかそういう間柄ならばやれるんですけれども、他人さんが目の前ではたんと倒れて、さあ、さわらぬ神にたたりなしという気持ちが先に起きまして、後で複雑な問題に巻き込まれることがないだろうか、こういうことがあるわけでございます。 そのとき、たまさか何か総務庁といたしましては、アメリカのテネシー州におきましてはそういうふうな緊急の場合においては、民間の技術のある者がやって、たとえそれが大きな死に至ったとしても免責、過失を問わない、こういう法律ありやというものを深く研究していらっしゃるかに聞きましたので、その辺のところの御説明をお願いしたいと存じます。
○政府委員(賀来敏君) お答えいたします。 ただいま先生御指摘のアメリカ合衆国のある州、テネシー州等において、善意で救助した方、いわゆる重大な危険状態に陥っている被害者等に対しまして医療従事者であるとか救助隊員あるいは善意のボランティアの方々が応急処置を講じた場合、その際にその関係者に重大な過失がない限りにおいて、その結果の責任を問わないという規定があると聞いております。これはその国の一つの立派な蓄積であろうということで、我々も参考にさせていただいているところでございます。
○国務大臣(岩崎純三君) お答えいたします。 総務庁としては交通事故の件に限って対応しておるということでございまして、今先生から御指摘のございました、家庭において倒れたりあるいは急の病気になったりということについては、制度全体として今後対応していかなきゃならない問題であろうと考えておるわけでございますけれども、交通事故の際の人命救助等につきましては、交通安全基本計画に基づきましていろいろと対策を講じておるところでございます。 ただいま先生からサマリタン・ローでございますか、この件について本当に貴重な御提言をいただきました。グッド・サマリタン・ローについては、総務庁は、交通事故に関して総合調整をする主管省庁という立場から精いっぱいこれから勉強させていただいて、人命尊重という基本的な考え方に基づいて努力をしてみたい、このように考えておるところでございます。
○常松克安君 今、長官から申されましたグッド・サマリタン・ロー、言うなれば緊急の場合に医療関係者がいろいろな立場において助けるためにCPRを現実にやる、そのやった善意の行為というものは後で過失を問わない、こういうふうなことの御説明をちょうだいしたわけであります。総務庁というのは交通事故について各省庁の調整機関ということですが、こういうふうな問題はいろんな場面で、各省庁の講習を受けるんですけれども、受けた人が実際にやるのは一生に一度か二度、やろうとしたときにはよほどの勇気が要る。勇気を飛び越えてそれをやるには、先ほど申し上げました過失という問題がすぐ浮かびます。お医者さんですら新幹線の中の呼び出しは難しい場面も出るわけでありますから、そういうふうなことを考えて今後、この問題を大きな国民全体の問題として、民間人の皆さんが講習で学んだことをやり得る道が開けるということで、鋭意努力というよりも、立法に向けての検討をお願いしたいと思うんですが、もう一度お願いいたします。
○国務大臣(岩崎純三君) ただいま先生御指摘のように、例えば学校で修学旅行に出かける、あるいは夏休みに海水浴に行く、そんなとき事故が起きたら先生の責任になる、そういう問題等も今、教育の分野において大きな問題になっておるわけでございますが、ましてや人の命にかかわっている今ここに救急患者がいる。この場合、サマリタン・ローに基づいて重大な過失がなければ責任を免れる、この問題について法案に取り組む、その件について総務庁としてどう対応すべきなのか考え方を問うということでございましょう。 ただいま御答弁申し上げましたとおり、そういう法律、アメリカの州法でございますか、の存在についてわずかに知り得ておるという立場でもございますので、その法律の内容をさらに検討し、勉強し、その上で日本の国土というか人間性というか民族性というか、そういったものになじむかどうかあらゆる角度からこの問題を勉強させていただいて、その結果、検討するかどうかあわせて勉強させていただきたい、このように思うところでございます。
○常松克安君 次に、方向を変えまして、昨日、東京消防庁の中でいろいろ審議されました救急問題に対する答申が出されているわけでございますが、その中で、何か事があったときには消防庁が責任をとる、こういうような勧告を受けたというようなことでありますけれども、この内容についてちょっとお知らせください。
○政府委員(浅野大三郎君) 救急救命士が実際に活動をいたします場合には、医師の具体的な指示に基づいて行うことになるわけでございます。東京消防庁におきましては、そのやり方につきましてもいろいろ研究をしておられたようでございますが、あそこは指導医というのが四年ほど前から設置しであるように聞いておりますが、その指導医が救急救命士を具体的に指示するという形を想定しておるようでございます。 仮にその医師の指示に、そんなことがあってはいけないことでございますが、何かの誤りがあったような場合で補償というような問題が起こったような場合に、それは一体どう考えるのか。その答申では、医師個人の責任というよりは東京消防庁という機関の責任として考えるべきではないだろうか、そういうことを指摘しておるように承知しております。
○常松克安君 ちょっと意味不明なところがあるんですけれども、私がここで消防庁長官並びに自治大臣に強く要望いたしておきたいのは、現場の救急隊員が一生懸命になってやる、そのことで何か過失を問われるようなことというのは甚だ遺憾な話である、こう思うわけであります。 具体例を一例申し上げます。 三歳の女の子が幼稚園で遊んでいた。そしてタオルかけがひっくり返って目に刺さった。救急隊員というのは、すぐ一一九通報で走る。金具がついていますから、それを切って病院に運んだ。ここが大事です。一生に一遍、自分が体験した死に物狂いの闘いというもの、救急医学会というところへ三日間出て、そして専門医にそれを尋ねるわけです。 何を尋ねたか。刺さったその金物を目から抜いて運んでよかったんだろうか、入れたままでよかったんだろうか。必死の思いです。それに対してドクターは、腹に刺された刃物は抜いてしまうと何センチ入り込んだか、そのことによって打つ注射のミリグラムが変わる。中には、子供が針、はしをのどに突き刺して脳天に突き抜けるまで行った。そのときに、それを抜かれたら後の処置が倍かかる、よってあなたの処置は間違いだとか、何の医学のあれもないけれども、人の命を助けようと思ってやっていらっしゃる人に、何だらかんたら何だらかんたら、医師の指示たらどうたら言いながら、救急隊員にそういうふうなことがいくようなことは断じてあってもらいたくない。それが消防庁長官の使命である。 救急救命士ができた、行った、亡くなった。そら、冗談じゃございません。そういうことで回を重ねて必死で闘っているということを、四万七千名の救急隊員の長としてそういうことのないようにガードをきつく守ってあげていただきたい、このことを申し上げておきます。 第二番目に、今度は厚生大臣にお伺いいたします。 その東京消防庁の答申の中に、実はこれから救急救命士ができます。救急車に乗ります、走ります、そして救命率を上げたい、一生懸命になる。ここで問題は、先日、厚生大臣のお立場で告知されました。血管に血液のカテーテルを押す、症状によって薬使ってよし。アメリカのパラメディックは二十三種類積んでおります。しかし、厚生大臣はみずからそのお薬を一種類と限られました。これは当然いろいろな御配慮があります。初めて日本の国としてこういう制度ができたんですから慎重の上にも慎重にして、いろんな実例を回を重ねていかなきゃなりません。 ところが、今度は東京消防庁へ参りますと、救急医学会のドクターが、病院長さんのお集まりが残念と歯ぎしりして、こういうふうなところまで、それはわかるけれども、厚生省が言う乳酸加リンゲル、これ一種類、わかる。しかし、せめてこれよりはエピネフリン、塩酸リドカイン、こういう薬も第一番の先陣では必要なんだ、心臓停止するかしないときには必要なんだ、こういうふうなもう本当にこらえにこらえ扱いな言葉として、厚生大臣のおっしゃることは守りますと、まず第一弾。しかし、今後においては第一番の現場から言わせていただくならば、これが救急隊員で救急救命士の国家試験を受けた人がお使いになることによってどれだけ大きな効果が出るかな、こういうふうなお話をここに明記しておるわけであります。 御案内どおりに、このアドレナリンというのは気管支、のどが詰まっできます、これを拡張する薬でもあります。あるいはリドカイン、これは局部麻酔の薬でございます。こういうことに関して、厚生大臣、今後のお取り組みの基本的なものをお教えください。
○国務大臣(山下徳夫君) 救急救命士の制度ができまして、四月十九日に第一回目の試験という段取りにまでこぎつけております。これは私は、非常に緊急な医療といいますか、それに効果があると思うのでございますが、しかしやっぱり医者は医者で、救急救命士は救急救命士でございますから、多少の訓練、ある程度の訓練を受けたからといって何でもさせていいというようなものじゃないと思います。 したがいまして、なるたけ医学的に高度な知識、技術等も要求されますが、それに対してどこまでやれるかということはやはり今後の問題で、それに消極的じゃなくてなるたけ積極的に私は救急救命士は現場の治療をやるべきだと思います。しかし、医者と同じことをやっていいということではおのずからないことは当然のことでございますので、今後医療関係者の意向を聞きながら、どこまでやっていいかということは、さっき申し上げたように、私は少々無理があってもやるべきだという考え方ですが、しかしやっぱりそれは医師会との関係がいろいろございますから、私はそういう考え方で今後関係者と詰めてまいりたいと思っております。
○常松克安君 まことに大臣のおっしゃることは適切な言でございます。 ここで、そのおっしゃることにもう一つ乗っけさせていただくのは失礼かと存じますが、一種類の薬だけで営々として五年、十年、二十年このまま、また半世紀ぐらいたって検討しよう、こういうふうなことなのか、少なくともこれは今日慎重に計らってこうあるが、状況によってはこれはもうすぐにでも研究会議でもあるいは皆さんに、ドクターに御相談してでも、現場の要求もこうあるから再検討も必要、こういうふうに開いていく方なのか、もうがんじがらめできちっとこのままでいかれるのか、この辺のところの心配をお聞かせ願います。
○国務大臣(山下徳夫君) 医学も薬学もすべてこれはもう日進月歩でございます。今一番頭を悩ましておりますのは、御質問の趣旨からそれますけれども、エイズの問題でございます。これはもう当分はだめだと言いながら、あるときどこかの国、あるいは日本であってくれれば幸いですが、本当に即効性のあるものが発明される、あるいはそういうことがあるかもしれませんので、私はやっぱり日進月歩のこの医療行為あるいは薬というようなことは、そう長い間そのままでいいということは絶対思っておりません。やっぱり刻々それは改良していくべきだろう。救急救命士の許される範囲というものもそれによって私は変わってくると思います。
○常松克安君 じゃ、最後にお伺いいたします。 大臣がくしくもおっしゃいました四月十九日、第一回救急救命士の国家試験が行われるわけであります。 厚生省にお尋ねいたしますが、今こういう方々の願書、いろんな立場の方が試験を受けたいと、希望をされております。その辺のところ、概要、今の詰まったところでお教えください。
○政府委員(古市圭治君) 今回の受験予定者は、救急隊員、救命救急センター等の医療機関に所属する看護婦、それから自衛隊の衛生隊員等が中心になりまして、約四千五百名程度が受験する予定ということでございます。
○常松克安君 その内容を少し、分類できる範囲で結構でございますから、お教えください。
○政府委員(古市圭治君) 内訳といたしましては、看護婦さんが一番多いということで三千名以上になるんではなかろうか。それから救急隊員、防衛庁関係者ということになっております。
○常松克安君 数を教えてください。
○政府委員(古市圭治君) 正確な数はまだ最終的に締め切っておりませんが、看護婦さんが約三千四、五百名ということ、救急隊員が約四百、それから防衛関係も約同数、そういうぐあいに把握いたしております。
○常松克安君 今おっしゃった以外のその他はございませんでしょうか。
○政府委員(古市圭治君) 現在のところはその範囲内というぐあいに承知しております。
○常松克安君 消防の方がいろいろ各都市別に、あるいは中央研究所合わせて三百四十五名と聞き及んでおるんですが、この自衛隊の方々が、当初一千名から六百名になって、六百名から四百名に落ちたんでしょうか、お教えください。
○政府委員(金森仁作君) お答え申し上げます。 私どもが把握している限りでは、二月当初、約六百七十名ばかり受験希望者がございまして、先ほど厚生省の方からの御答弁ございましたように、現在まだ受け付け中で、私どもが把握している限り五百二十名ばかりが現在願書を提出しておるということを把握しております。恐らくまだこれから若干受験を希望する方がふえてくるのではないか、こう思っております。
○常松克安君 じゃ、この消防庁の方は意味はよくわかるんですが、自衛隊の方々、少なくともこの中には衛生隊、不思議に思うのは、衛生隊の方は准看護婦ですから、一千五百時間の勉強で試験を通っております、都道府県の。すると、この資格はたしか二千時間以上と規定されております。これに合ってこないかなと。 あるいはそれ以外に看護婦さんがいらっしゃる。看護婦さんがいらしても、自衛隊がこういう試験を受けられる業務目的はどういうふうにお考え願っているんだろうかなと。やっぱり有事を想定しているのかなと。そんな、有事を想定する大げさなことじゃないだろう。あるいはまた、一番驚きは、看護婦さんが三千五百名というように国家試験を取られるのは、ぺーパードライバーのように、試験を受けて合格して、一遍腕を試そう、取っておこう、こういうことなのか。そうじゃなくして、何か厚生省としてもこういう看護婦さんが三千五百名受けることに関する一つの政策判断、次はこういう方向に生かしていきたいというようなことがあるんだろうか。 それにしても、看護婦さんが足らぬ足らぬと言って厚生大臣が頭を悩ましているのに、こういうことでもなかろうな。いろんな疑問がわくわけでありますが、まとめてその辺のところ、まず自衛隊につきましてはどういうことなのか。特段お知らせ願いたいのは、北海道では何名受験の希望者なんでしょうか、お教えください。
○政府委員(金森仁作君) 北海道地区では、現在希望者は百六十名ばかりでございますが、先ほど申しました志願をしておる者は七十二名と私ども承知しております。
○常松克安君 次に、看護婦さんの点につきまして、三千五百名希望していらっしゃる、この辺の内容についてお知らせください。
○政府委員(古市圭治君) 看護婦の資格を既に持っている方は、これは受験資格がありということで、厚生大臣の認定のもとに今回の受験ができるという立場になりまして、その数がどの程度か私どもも最初のことでございますからちょっと推測が立たなかったんですが、結果的には三千数百名の方が受けられる。 それはどういうような分野で働くことが想定されるかということでございますが、救急事故現場だけで心肺蘇生術が要求されるわけじゃございませんで、病院間でそのような人を移送するという場合が想定されます。それからまた、救急車、消防隊だけでなくて、救急救命センターから要請を受けて、その患者さんの家なりに迎えに行くというときに専らドクターカーというのを今現在推奨しておるわけでございますが、お医者さんが必ずしも常時行けるわけではございません。そういうことから、救急医療機関等の看護職の方がそういう必要性に備えて資格を取られるということであろう、このように私どもは解釈をしておるわけでございます。
○常松克安君 その中で特に自衛隊の方々が北海道で七十二名。私、例えて言いますと、消防庁の方では旭川一名、札幌市一名、お二人、一〇〇%合格しても二名。二名の救急救命士、救急車に乗っても行政効果というものはどうか。そのときに、七十二名の方々が、常日ごろビッグレスキューまでおやりになった北海道の地域で救急という問題で出向ができないものだろうか、そしてその空白を埋めることができないものだろうか、こういう考えも、またいつの日か御検討の片隅に置いていただきたいと思います。 第二点目には看護婦さんの件でございますけれども、今民間救急という問題で、やはりたまさか出ましたところの病院間搬送、これは大体規則として病院間搬送に救急車は使ってはならぬ、こういうふうになっておるわけでありますが、医療機関としても非常にこれは少ないものですから、どうしてもそれは援助をしていくという場面もあります。しかし、最近それを補おうとして、民間救急というふうなもので約五百台ぐらい走行している。こういうところに救急救命士が同乗、そこに女性の方が乗るとしますと、ここで一点だけ確認しておきます。救急救命士に合格した看護婦さんがそこへ乗れば、三点セット含めての救急医療というものができるんでしょうか、できないんでしょうか、それだけお教えください。
○政府委員(古市圭治君) 今回の試験に合格されて、国家資格を得られましたら、その所属を問わずにそれは可能ということになるわけでございます。 ただ、先生御承知のように、あくまでも三つの行為については医師の具体的な指示のもとにということでございますから、きちっとしたそういう枠組みの中で行われるということでございますが、所属のいかんを問わずできるということでございます。
○常松克安君 最後に、自治大臣に少しお尋ねいたします。 考え方といたしましては、救急救命士という件につきまして、今約三交代でやっておりますので、一台に一名乗るには一万五千名の要員が必要でございます。一万五千名は、今ある内容でいきますと何十年計画ということになります。それを鋭意これから努力して多摩の方にそういう学校、ハード的なものを来年の秋まではつくりたい、あるいは平成七年までには関西にその学校を設けたい、こういうことで何とか早く慎重の上に慎重を期して、人の命に関する問題でありますから、それをやっていこう、こうしているわけであります。 ここで一つのネックになりますのは、私が心配しておりますのは、中央でどれほど五百名、一千名という者が勉強をして、座学と実習をして帰っても、帰った地域の医師会とのコミュニケーションがなければこれはうまくいかない問題がございます。 そういうことでありますから、その流れは流れといたしまして、これから全国にそういうふうな方向の問題を提起しながらも、平素から地元で医師会の先生方あるいは医療関係者の方々とコミュニケーションの上でこういうふうなものを消化をしていくという基本的な計画ということも考える必要があるのではなかろうかなと、こう考えておるんでありますけれども、いかがでございましょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) とりあえずの一万五千名の人員の養成につきましては、そう遠い将来じゃなくて見通しはつくと思っております。大体今の計画でいきまして、平成六年度ぐらいになりましたら毎年八百名ぐらいの要員が教育できることになりますし、それ以降におきましても、単年度におきますところの養成人員の数をもう少しふやしていけると思っております。 今御提案ございましたように、私は、ただ単に東京だけとかあるいは大阪で養成するのではなくして、全国的広い視野に立って、広い地域でこの養成をすべきであると、こう思っております。その際に、一つの教育機関の拠点となりますものは消防学校等、あるいは医科大学附属病院とか、そういうふうなものが一つの拠点になるのではないかと思っておりまして、活用すべきであろうと思います。 いずれにしても、急にこれを養成することの一つのネックは、指導者と申しましょうか、教員が不足しておるということが非常に残念なことでございますが、そういうものを乗り越えて、御提案がございましたように、これはもう急がなければならぬ措置であると思っておりますので、十分に対策を講じていきたいと思っております。
○常松克安君 どうもありがとうございました。 質問を終わります。
○委員長(中村太郎君) 以上で常松君の質疑は終了いたしました。(拍手) 本日の審査はこの程度といたします。 明日は午前十時に公聴会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時八分散会