予算委員会 第5号
- 発言数
- 312 件
- 登壇者
- 41 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1992/03/19
会議録
○委員長(中村太郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成四年度総予算三案の審査のため、本日の委員会に税制調査会会長加藤寛君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中村太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(中村太郎君) 平成四年度一般会計予算、平成四年度特別会計予算、平成四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 昨日に引き続き、総括質疑を行います。村沢牧君。
○村沢牧君 最初に、土地税制について伺います。 大蔵省、税制調査会から土地税制のあり方についての基本答申で、土地保有税(仮称)の税収と所得税減税等についてはどのような答申を受けていますか。
○国務大臣(羽田孜君) 政府税調からの答申といたしまして平成二年に受けたものといたしましては、 増収を目的とするものではない。そうした観点から、土地保有税を創設する際には、所得課税の減税を合わせて検討することが適当である。なお、新税の税収について、その一部は所得課税の減税と合わせ、土地対策等に資するという観点から、歳出を通じ国民生活に還元することが適当ではないか と思われるという答申がございました。 また、平成三年の十二月でございますけれども、土地税制につきましては、所得課税の減税を検討すべきとの意見もあったが、極めて深刻な状況に陥っている財政事情等を考慮すれば、土地対策等に資するという観点から歳出を通じ国民生活に還元することが現実的には適当であると考える。 というように答申をちょうだいいたしております。
○村沢牧君 平成三年度の税制改正に関する答申で、土地税制の見直しについてはどのような指摘を受けていますか。
○政府委員(濱本英輔君) お答えいたします。 平成三年度の税制改正に関する答申の中で、土地税制に関しまして次のような御答申をいただいております。 土地税制の見直しは増収を目的とするものではない。土地保有税(仮称)による純増収分の使途については、基本答申に示した考え方に沿って、平成四年度の税制改正・予算編成時までに検討すべきである。 というものでございます。
○村沢牧君 税制調査会長に伺います。 今答弁がありましたように、平成三年度の税制改正に関する答申で、 土地保有税(仮称)による純増収分の使途については、基本答申に示した考え方に沿って、平成四年度の税制改正・予算編成時までに検討すべきである。 このように指摘をしています。ということは、基本答申で示した土地保有税、その後地価税になったわけでありますが、地価税の収入は減税、そして土地対策に使用せよ、させていくんだと読めますが、いかがですが。
○参考人(加藤寛君) お答えいたします。 基本答申で指摘されておりますように、この土地保有税、その当時の言葉でございますが、現在は地価税になっています。その地価税の増収につきましては、その税の収入につきましてはそれを国民生活に資する、こういう考え方を基本に置きまして、そしてその地価税の方針に従って、その趣旨に従っての使い方を考えるということを平成四年度のときの答申の宿題といたしました。
○村沢牧君 私がお伺いしたのは、平成三年度の答申の中で、「平成四年度の税制改正・予算編成時までに検討」しろということは、基本答申に沿って減税あるいは土地対策に貸せよと、そういう意図でこういう言葉を書いたんじゃないですか。
○参考人(加藤寛君) 平成三年度のときにおきましては、まだ全体としてどのような地価税が、つまりそのときは土地保有税でありますが、土地保有税が決定されるかということについては、まだ私どもとしても明確なものを持っておりませんでした。したがって、いろいろと論議を踏まえながら、国民生活に資するということから土地対策ということも考えなきゃならないし、それからまた所得減税などのこともあわせて考える必要がある、こういう考え方でまとめたものでございます。 以上です。
○村沢牧君 税制調査会の答申を受けて、政府は地価税法案として国会審議に付した。平成三年四月二十四日、本院大蔵委員会で我が党の久保亘理事の、地価税による収入は増税を目的とするものではない、さしあたって平成四年度、地価税の収入見込みに対応しつつ所得税減税の一部の財源に充てられるべきであるという質問に対して、当時の海部総理はどのように答弁していますか。
○政府委員(濱本英輔君) 海部総理の御答弁を読み上げてみます。 御指摘のように、地価税の税収は増収を目的とするものではございません。その点はそのとおりでございます。 それから、「その一部は所得課税の減税と合わせ、土地対策等に資するという観点から、歳出を通じ国民生活に還元することが適当ではないかとの意見もあった。」、こう提言されております。したがいまして、平成三年度の税制改正に関する答申において「土地税制の見直しは増収を目的とするものではない。土地保有税」、これは仮称ですから地価税のことでありますが、「による純増収分の使途については、基本答申に示した考え方に沿って、平成四年度の税制改正・予算編成時までに検討すべきである。」、こうきちっと提言されておりますので、この提言の趣旨を最大限に尊重して検討をしてまいるところであります。 このように答えられました。 それに対しまして久保先生から重ねまして、 当然それだけということではなくて、この地価税による増収分が所得税減税に振り向けられるんだということについては、政府の方の明確な御意思だと受けとめてよろしいですね。 と、重ねて御質問がございました。それに対しまして海部総理は、いずれにしても、調査会の答申に明記されておる趣旨を十分踏まえて検討をいたします。 と、答弁されております。
○村沢牧君 大蔵委員会と土地特別委員会の連合審査で、地価の鎮静化に名をかりて地価税を新たな税収財源にしてはならない、地価税の創設の経緯から見て減税及び土地対策の費用に充てるべきだという私の質問に対して、橋本大蔵大臣はどのように答弁していますか。
○政府委員(濱本英輔君) お答えいたします。 橋本当時の大蔵大臣は、 地価税の税収の使途につきましては、税制調査会が土地税制のあり方についての基本答申を私どもに下さいました段階で、土地税制の見直しは増収を目的とするものではない。土地保有税(仮称)を創設する際には、所得課税の減税をあわせて検討することが適当である。なお、新税の税収について、その一部は、所得課税の減税とあわせ土地対策等に資するという観点から、歳出を通じ国民生活に還元することが適当ではないかという意見もあったという御提言をいただきました。また、平成三年度の税制改正に関する答申におきましては、「土地税制の見直しは増収を目的とするものではない。土地保有税による純増収分の使途については、基本答申に示した考え方に沿って、平成四年度の税制改正・予算編成時までに検討すべきである。」と提言されております。私どもはこの答申を踏まえて今後作業していくわけでありますが、今委員が御指摘になりましたような視点も私は一つの視点であろうと思います。 同時に、衆参の今日までの地価税の御審議の中におきましては、さまざまな御意見を私どもはちょうだいいたしてまいりました。こうしたいろいろな御論議をいただきますことは、我々が今後この目的を考えていく上で非常に有効である、有益な御指摘であると考えております。同時に、政府の税制調査会に対しましても、本 院における御論議を含め国会における御提言というものはそのまま私どもは正確にお届けをし、税制調査全の審議の上にも活用していただく方針をとっておりまして、今委員からの御指摘も含め、私は税制調査会に御報告をしたいと考えております。 いずれにいたしましても、私どもとしては税制調査会の答申を踏まえ、国会での御議論というものを参考にしながら適切に対応していきたいと考えております。 と答弁しておられます。
○村沢牧君 大蔵大臣、地価税の増収分の使途については、本院大蔵委員会の附帯決議を御存じですか。また、この附帯決議をどのように受けとめていますか。
○国務大臣(羽田孜君) 私ども、土地問題の解決に向けて努力を続ける観点から、土地基本法の理念のもと、地価税を初めとする土地税制改革の円滑な実施を図るとともに、地価税の創設に伴う増収分の使途については、地価税創設時の論議その他の諸事情を踏まえ、引き続きその具体的内容を検討することというふうに伺っております。
○村沢牧君 そんな質問しているんじゃないですよ。それの中身をもっとわかりやすく言い直してよ。
○国務大臣(羽田孜君) 三年の四月二十四日の参議院大蔵委員会の決議でございますけれども、「地価税の創設に伴う増収分の使途については、所得課税の減税、土地対策等に配慮しつつ、平成四年度税制改正・予算編成時においてその具体的内容について検討すること」というふうに伺っております。
○村沢牧君 税制調査会長、平成四年度の税制改正について論議をする際に、国会の論議や政府の答弁あるいは附帯決議があることを承知をして検討して答申を出したんですか。
○参考人(加藤寛君) お答えいたします。 国会の御論議それから附帯決議、それを十分検討いたしまして、そして我々としては平成四年度の答申を作成いたしました。
○村沢牧君 調査会長に重ねてお伺いいたします。 その地価税の使途についてどのような検討をして、またどういう答申をしたのか、もう一回答弁してください。
○参考人(加藤寛君) お答えいたします。 私どもといたしましては、国民生活にその税収分を還元するということを大目的としております。国民生活に還元するためには減税という方向もあり得ますし、それからまた土地対策等を行うということもあり得ます。そうしたことを踏まえて、どれが一番現在のその税収を考えた上で妥当であるかということを議論いたしました。その議論の中には、もちろん減税でやるべきであるということを考える委員もおられました。またさらには、そういうことよりも土地対策等に資する方がよろしいという考え方もありました。 そういう議論を踏まえて私どもとして判断いたしますと、やはりこの税収であれば一番効果があるのは、それは国民生活に還元するという意味で私どもとしてはこういう答申をするということで、答申文は先ほどの言葉にございますけれども、ここでもう一度読ませていただきますと、「基本答申で述べたとおり、所得課税の減税を検討すべきとの意見もあったが、極めて深刻な状況に陥っている財政事情等を考慮すれば、土地対策等に資するという観点から歳出を通じ国民生活に還元することが現実的には適当であると考える」という答申になりました。
○村沢牧君 基本答申で指摘をしていることは、土地保有税を創設するには所得税の減税をあわせて検討することが適当である、このことが一番基本になっているようです。そのほかにもいろいろな意見があったということは述べていますけれども、まず減税のことを検討すべきではなかったんですか。
○参考人(加藤寛君) 私どもといたしましては、もちろん減税のことを検討いたしました。減税ということからまいりますと、その入ってくる収入額を考え、それを最も効果的に使わなければ国民生活に還元することができません。そういう点を考えまして、今回の場合はこれは減税という問題よりはむしろ土地対策等であろうというような考え方の意見が多かったということでございます。
○村沢牧君 国民生活に使えということは、一般財源化して何に使ってもいいということなんですか。
○参考人(加藤寛君) 国民生活に還元するという意味は、一般的な意味では広く使われます。しかし、答申というのは地価税というものを創設するときの答申でございますから、したがってその地価税の収入というものをめぐって、これを国民生活に還元するとなれば何にでも使っていいことではなくて、それはむしろ土地対策等に資する、あるいは国民生活が土地問題で非常に大きな問題を抱えているとすれば、そちらの方にやはり重点を置いた意見がここに出てくるということは当然だと私は思っております。
○村沢牧君 地価税が土地対策に使われているかどうかということについては後ほど指摘をしてまいりましょう。 そこで、税調会長、政府からはどのような諮問を受けたんですか。
○参考人(加藤寛君) お答えいたします。 政府からは特に諮問がございません。これは御承知と思いますけれども、税制調査会の場合には平成四年度の税制をどうするかというそういう諮問でございますから、それに従って私どもとしては既に平成三年度において平成四年度までに考えようと、こういうことになってみずからの宿題としております。 したがって、政府の諮問としてそのことが議論されたということではなくて、私たちの一つの意見であります。しかし、同時にまた国会の御議論とかあるいは附帯決議がございましたから、そういう点を踏まえて私どもは結論を出したつもりでございます。
○村沢牧君 先ほど、私の質問に対しての橋本大蔵大臣の答弁にありましたように、当時の大蔵大臣は、国会における提言や論議を率直に税制調査会に伝えてそれを活用してまいりたいという答弁をしていますが、大蔵省は何ら伝えていなかったんですか。
○政府委員(濱本英輔君) お答え申し上げます。 平成三年の六月四日であったと記憶いたしますけれども、国会でいただきましたさまざまな御論議を税制調査会に報告いたしております。
○村沢牧君 税制調査会長に重ねてお伺いいたします。 税制調査会は、先ほど申しましたように、基本答申で減税に使いなさいということを明確に答申しているんですね。しかし、一年たった平成四年の答申では、基本答申を覆すような答申を出した。政府税調というのは自民党の税調じゃないんだ。そんな権威のない税調でいいんですか。
○参考人(加藤寛君) お答えいたします。 今私が承った限りで、税制調査会というものが考えますときは、それはみずからの意見、そしてまた委員の方々の率直な御意見を踏まえて結論を出すことになっております。したがって、情報としては、国会でこういう論議があり、そしてまた附帯決議としてはこういう意見があったということは十分に私どもはそれを考え、尊重し、そしてそれに従ってどうすべきかを議論いたしますから、その意味で、そういう今おっしゃいました大蔵省あるいは政府の意見でもって答申を出してしまうのかというようなことに対しては、私どもとしては全くそういうことはあり得ない、それは公正な議論を私どもはしているつもりでございます。 そして、さらに申し上げておかなきゃいけませんのは、先ほどから申し上げておりますように、国民生活に還元するということが重要でございますから、したがってそれは減税という方法もあるし、それからまた土地対策等ということもあり得るわけです。 そこで、私ども、御承知のとおり、この最初の基本答申にありましたように、所得課税の減税もあわせて土地対策等に資するような考え方をしなきゃならぬ、こういう立場で議論しておりますので、私どもとしてはそれは適正な結論であった、こういうふうに考えております。
○村沢牧君 失礼ですが、税制調査会長、もう一回この基本答申についてよく目を通してください。どのように書いてあるんですか。
○参考人(加藤寛君) この基本答申にはこういうふうに書いてあります。「土地保有税を創設する際には、所得課税の減税を合わせて検討することが適当である。なお、新税の税収について、その一部は所得課税の減税と合わせ、土地対策等に資するという観点から、歳出を通じ国民生活に還元することが適当ではないかとの意見もあった」、こういうふうに書いてあります。 この考え方あるいはこの基本的な点は、今私が申し上げましたように、歳出を通じ国民生活に還元することが一つの大きな目的であります。そのための方法として土地対策等というやり方もあるし、また所得課税の減税ということもあわせて検討しなきゃならない、こういうことでございます。こういうふうに私どもは理解しております。
○村沢牧君 土地対策に使ったとするならば、お伺いしますが、国土庁そうして建設省、平成四年の土地対策、それに関係する予算について説明してください。
○政府委員(鎭西迪雄君) お答えいたします。 土地対策の推進は現下の重要な施策の一つでございまして、従来から国土庁及び関係省庁におきまして予算面の充実を図ってきたところでございますが、平成四年度の国土庁におきます土地対策関係予算は前年に比べまして一五%の伸びで百八十億余となっておりまして、厳しい財政事情の中ではございますが、相当大幅な増加が図られているというように理解しております。 その中でも新規施策といたしまして、土地基本調査の実施あるいは短期の地価動向調査の実施を初めといたしまして、地価公示地点の大幅な増設あるいは地籍調査の一層の推進等、土地情報の総合的整備に要する経費につきまして特に充実強化を図っておるところでございます。
○政府委員(伴襄君) お答え申し上げます。 この地価税の導入を契機といたしまして、平成四年度の建設省の関係予算につきましても、建設省関係の土地対策、地価対策の種々の強化充実が図られていると思っております。 特に、宅地供給面、公共用地取得の面が私どもの担当分野になっておりまして、その観点から申し上げますと、一つは、住宅宅地の供給を促進するために道路とかあるいは下水道等の住宅宅地関連の公共施設の整備というのがございます。その公共施設の整備促進事業の事業費の大幅な増額が図られております。それから、住宅金融公庫が融資いたします民間宅地開発事業の優秀なものにつきまして、財投金利を下回る利率で融資を行う緊急宅地供給促進事業融資制度というのを設けましてその対応を図っておるわけでございます。 さらに公共用地の関係でございますが、これは公共用地の先行取得をするということで、特に大規模な公共用地の先行取得あるいは代替地の先行取得をするために地方の公社に低利の融資をしようというようなことで、特定公共用地等先行取得資金融資制度というのの創設を図っております。 等々、土地住宅対策につきましてのいろんな施策の大幅な拡充を図ったところでございまして、今後ともこういったことを通じて土地住宅対策の一層の充実を図っていきたいというように考えておるところでございます。
○村沢牧君 予算、金目でどうなんだ。
○政府委員(伴襄君) 金目で申し上げますと、関連公共施設の関係では前年度を一〇%上回ります千四百億円近くの国費を計上させていただいております。それから先ほどの公共用地の先行取得の関係でございますが、これにつきましては、事業費で七十五億、国費で十億というようなことで計上させていただいております。
○村沢牧君 国土庁も建設省も前年に比べて大幅に伸びたと言いますけれども、国土庁、前年に比べて土地対策費は幾ら伸びたんですか。金額で言ってください。建設省も同じです。
○政府委員(鎭西迪雄君) 先ほども御答弁いたしましたように、土地対策経費といたしまして国土庁及び関係省庁いろいろあるわけでございますが、私どもが所管しております予算につきましては、純増分が前年度比で二十三億一千八百万円、伸び率は一五%、こういうことでございます。
○政府委員(伴襄君) 純増分で申し上げますと、住宅宅地供給促進関係では、先ほどの住宅宅地関連公共施設の関係で約百三十億、ですから合わせて五百億。それから公共施設の用地の関係は十億。純増でございます。新規についておりますのが十億でございます。
○村沢牧君 大蔵省、平成四年度地価税収入の見込み額は幾らですか。
○政府委員(濱本英輔君) 平成四年度の地価税収といたしましては四千億強のものを見込ませていただいておりますが、そのうち法人税等の経費として落ちます部分を差し引きました純増分といたしまして約二千億と見ております。
○村沢牧君 今答弁があったように、地価税収入は、この予算見積もりで四千二百億もふえる。しかし、大蔵大臣、土地対策に使ったといっても、国土庁の伸び率は二十三億、建設省が五百億余ですね。こんなことは地価税がなくたって毎年伸ばしていることじゃありませんか。なぜ地価税をつくって土地対策に使ったと言えるんですか。
○国務大臣(羽田孜君) 一義的にこれを特定するというのは非常に難しいわけであります。今お話がございましたように、平成三年度、これに対する伸びというのは一〇・九%ということでございまして、差し引きいたしますと六百三十四億ということになるわけでありますけれども、しかし、これはあくまでも平成三年度の五千八百三十八億というものがそのまま引き続いたらということでありましょうけれども、私どもといたしまして、各省庁のそれぞれのいろんな歳出につきまして縮減をやって見せていただいたということでございます。 そういうことをいろいろと考えますと、私どもといたしましては、今主税局長の方からお答えを申し上げました二千億円、これは純増分ですね、二千億円ということでありますけれども、土地対策等を含めますと、およそ全体を合計いたしますと六千億円ぐらいになるということでございまして、確かにその二千億そのまま全部使っていないじゃないかというあれは、あくまでも平成三年度、先ほど申し上げたとおり、そのままであったならばということが実は土台になるのであろうというふうに思っております。 私どもとしては、限られた中でやり得る措置というものをしたということについてぜひ御理解をいただきたいと思います。
○村沢牧君 今、二千億という話があったんですが、平成四年度の租税収入等を見ると地価税は四千二百億ということになっておりますが、二千億というのはどういうことなんですか。
○政府委員(濱本英輔君) 地価税収といたしまして新しく国の財布に入ってきますものは確かに四千二百億でございますけれども、同時に、例えば企業が地価税の支払いをいたしますと、その分は企業の所得計算におきまして損金に算入される部分がございます。その分はネットの増収ということになりません。したがいまして、ネットの増収ということで考えますと、それを差し引きしました残りといたしまして二千億と、このように申し上げたつもりでございます。
○村沢牧君 それは違うと思いますね。四千二百億入るんですよ。企業はそういう計算をして、税法に基づいていろいろそれを損金として認めるものはあるでしょう。四千二百億入る。ところが、土地対策に使うといったって、これしか使っていないじゃありませんか。 そこで、総理にお伺いいたします。 国会における政府の答弁やあるいは政府提出の法案に対する国会の附帯決議、その重さをどういうふうに考えますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま村沢委員の御質問並びにそれに対する各方面の答弁を伺っておりましたのですが、要するに、思いますのに、政府税調で平成二年に基本答申をされたその段階において、所得課税の減税をあわせて検討することが適当であると、そういうことを言っておられるわけでございますけれども、平成四年度の税制改正に関する答申では、基本答申で述べたとおり、所得課税の減税を検討すべきとの意見もあったが、極めて深刻な状況に陥っている財政事情等を考慮すれば、土地対策等に資するという観点から国民生活に還元すると、こういうふうに言っておられるわけでございます。 それで、この間の事情は、国会の御決議、先ほどの本院における大蔵委員会の平成三年四月の御決議も存じておりますけれども、端的に申しまして、そのことが最も望ましいことであるのであるけれども、財政が非常に深刻な状況になってきたという現実も考えなければならない、こういうふうに税調もお考えになって平成四年度の答申をされたというふうに存じますし、また、大蔵大臣としてもそういう措置はやむを得ないものと、こうお考えになったのだと私は判断しております。 村沢委員が、当初に考えたことと違うではないかとおっしゃいますれば、それはネットでも二千億円余りの税収を見込むわけでございますので、その部分が土地対策に使われている割合も十分ではないという御指摘も、それは私は、当初のことからいろいろ考えてまいりますと、ごもっともな御指摘だとは伺っております。伺っておりますが、やはり税調が言われましたように、深刻な状況に陥っている財政事情というものが背景にあったのではないか。その点は、残念なことでございますけれども、御理解をいただきたいと思います。
○村沢牧君 地価税を創設して、いろいろ政府は公約しておった。ところが、自分たちの政策が失敗して歳入が薄くなった、そこで減税をやめると。国民生活に資するといっても、土地対策に使ったのはわずかである。これは全く国民に対する背信行為だ、国会軽視だと思いますが、どうですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) そのような経済の状況になり財政の状況になったということにつきましては、もとよりそれは施策を行っております政府に責任がなしとは申しません。そういう意味では、当初税調が考えられ、あるいは。国会の本院の大蔵委員会が要望せられておった事態の背景が異なってしまったということにつきましては、これはやはりまことに遺憾なことであると申し上げなければならないと思います。
○村沢牧君 地価税創設の当初から、地価税収入を減税に充てるというような気持ちはなかったんじゃないですか。
○国務大臣(羽田孜君) いや、私どもは国会の中でもずっと御議論をいただいたことでございますから、そういった物の考え方というのは私たちは大切にしていかなければならない。これは決して何もないがしろにしたということではございませんで、ただいま総理からもお話がございましたように、ともかく相当大きく伸びておったものが急にこの条件が剥落してしまったという中で、減収が相当大きくやっぱり立つという見込みの中で、こういう措置をとらざるを得なかったということについてぜひ御理解をいただきたいと思います。
○村沢牧君 総理も遺憾だという今答弁があったんですが、私が今指摘したように、この地価税創設の経緯等から見て、政府のとった措置は間違っている。したがって、地価税創設の趣旨に沿った使途を講ずべきである、平成五年からすべきである。そのことを約束していただけますか。
○国務大臣(羽田孜君) 私たちは、今度またこうやって国会で御議論をいただいております。そういったことをやっぱり大切にしながら適切な対応をするようにこれから努めていきたいというふうに思っております。
○村沢牧君 大蔵大臣、あなたの財政演説にも、ここの予算説明にも、一言もこういうことについて申しわけなかったという答弁がないですね。ですから、今指摘をしたように、政府のとった措置というのは、税調の答申から見て、国会の論議から見て、国会決議から見て誤っている。したがって、平成五年には適切な措置をとると言ったんですけれども、必ずこの趣旨に沿った予算にしてもらいたい、税制にしてもらいたい。よろしいですか。
○国務大臣(羽田孜君) 御趣旨を私どもは大切にしていきたいというふうに思っております。
○村沢牧君 総理、よろしいですね。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまの大蔵大臣の答弁、おっしゃられたとおりでございます。
○村沢牧君 次の問題に移ります。 農業問題ですが、総理、日本の農業、林業は今大変荒廃に陥っているんですが、我が国経済社会の中において農林業、農山村はどのように総理は位置づけをしていますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 農山村が営んでおります農業、林業等々が我が国食糧等の安定供給に非常に貢献をしておるということはもう申すまでもないことでございますけれども、それを除きましてもやはり国全体の地域社会というものが落ちついて維持されている、あるいは自然環境もこれによって保全されているということは、これも申し上げるまでもなく広く人の認めるところでございます。 殊に、我が国の場合、農山村は国土の大きな部分を占めておりますが、これは古い社会でございますから、それだけの文化と伝統を持っております。これは都会にないものを当然のことでありますが古い社会として持っておりますし、また国民の豊かないわば心の故郷であるというようなこと、これらは軽視してはならない大事な要素であるというふうに考えております。
○村沢牧君 そこで、ガット・ウルグアイ・ラウンドについてお伺いいたしますが、農林水産大臣、去る三月四日、国別表を提出いたしました。その内容について説明してください。
○国務大臣(田名部匡省君) 今回提出いたしました内容でありますけれども、米あるいは乳製品、でん粉等は数字を書き込んでいない。それから、あとは修正を求めるもの、十一条二項(c)等では明確になっていない部分がありますので、こういうものを求めたものということで提出いたしました。 特に、考え方の中には、輸出補助金は削減でありますけれども国境措置については撤廃という、ここがバランスを欠いているわけでありますから、この問題について修正が必要であるということで、今私どもが提出した内容であります。 あとは、最後まで私どもは修正の考え方を示しながら輸入国としての立場を踏まえて提出いたしました。
○村沢牧君 国内支持。
○国務大臣(田名部匡省君) 国内支持につきましては、主要な農産物に関してAMSによる支持、保護の削減を提示いたしました。 以上であります。
○村沢牧君 関税の引き下げ。
○国務大臣(田名部匡省君) 関税の引き下げは個々に違いますので、事務当局から御説明させます。
○村沢牧君 総理、どういう判断を持って今説明してもらった国別表を提出したんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今日までのウルグアイ・ラウンドにおける交渉を見ておりまして、農業のこの部分に関して申しますならば、いわゆる国境措置というものと輸出補助金、輸出補助金というものがこの農産物の正常な輸出入には一番の問題になるものでございますけれども、国境措置あるいは輸出補助金等々についての扱い方が十分バランスがとれていないというふうに、我が国は主として農業の輸入国でございますけれども考えられます。 したがいまして、そういう状況の中で、いわゆる一般的な関税化ということを前提にしてこのたびの国別のリストを出すということは適当でない、このように判断をいたしたのでございます。
○村沢牧君 三月四日は宮城県の参議院補欠選挙の終盤であった。米あるいは乳製品等の関税化を空欄にして出したということは米どころ宮城を意識したんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) このたびの交渉はかなり長きにわたっておりますから、その推移を私どもはよく存じておりました。また、国会の御決議も十分知っておりますし、衆議院並びに本院における御議論もよく存じておりました。それらの状況にかんがみまして、ただいまのような判断をいたしたわけでございます。
○村沢牧君 参議院の補選を意識しなかったということはうそになると思います。私も選挙中に宮城へ行って農村地域を回り、あるいは農民や消費者の参加した集会で農業と食糧の将来ビジョンを語り、自由化反対を訴えて多くの県民の支持を得た。田名部農相も現地へ行ったようでありますが、社会党のシャドーキャビネット、影の内閣の農水大臣の方がよっぽど農民や農家には人気があったんですよ。このことは、政府・自民党のビジョンのない農政、あるいはウルグアイ・ラウンドヘの対応で渡辺外務大臣や自民党の有志の発言、それを評価するような宮澤総理、こうして農政不信が高まった。かくして自民党は負けたんです。 政府・自民党が本当に農民の信頼を得ようとするならば、今回提出した国別表、関税化は絶対に認めない、この方針を今後とも貫き通さなければいけない、どうですか。
○国務大臣(田名部匡省君) 選挙を意識したわけでないということは御理解いただけると思うんです。選挙はずっと続きますので、宮城県だけを意識して、今度は群馬県もあり茨城がありますし、ですからそういうことで出したのではないということはまず御理解をいただきたい。 それから、修正のこの考え方、今申し上げたように、食糧輸入国としての我が国の立場を踏まえて提出をいたしたものであります。したがいまして、もう何回も申し上げておりますが、基本的なこの我が国の方針のもとに我が国の立場が交渉結果に反映されるよう最大限の今努力をしておるわけでありまして、よく最後まで断固というお話がありますので、私もそういう覚悟でやっているわけでありますが、ただ交渉事でありますから話にも応じないというわけにはまいりません、これは戦争をやっているわけではありませんので。お話は十分、私たちの主張というものをわかっていただく、あるいはそれを取り入れていただく、この努力はやっぱりしていかなきゃならぬ、そう思って頑張っております。
○村沢牧君 話し合いをすることは当然ですよ。しかし総理、今国別表を出した、その方針に基づいて政府としてそれを通していくんだ、そういう決意を私は総理に聞きたいんです。
○国務大臣(宮澤喜一君) 日本政府の意思として、いわばこの段階におきまして答案を出したわけでございます。その後の問題につきましては、ただいま農林大臣が申し上げたとおりでございます。
○村沢牧君 それは政府としての統一見解ですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 政府を代表いたしまして私がお答えを申し上げております。
○村沢牧君 政府はそういうことでありますが、自民党の総裁として総理にお伺いしたいんですが、自民党としても今述べられたような基本方針のもとに統一した行動をとっていこうとするんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) そのようにお考えいただきまして結構でございます。
○村沢牧君 平成三年の自民党の運動方針を見ると、次のように記されている。米の市場開放問題は、米の国内自給方針を堅持するという国会決議に沿って粘り強い外交努力を続けていく。我が党は米の自由化に対しては断固応じないという方針を引き続き堅持していくとなっています。まことに結構な方針でありますけれども、平成四年にはどうなっていますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 平成四年度の文章を私今暗記いたしておりませんけれども、表現が多少仮に違いましても、基本的な姿勢は変わっておらないと思っております。
○村沢牧君 私は他党のことを言う必要はありませんけれども、失礼ですが、平成四年度の自民党の運動方針も見させてもらいました。そこには、「農業分野における交渉は、わが国にとって極めて厳しいものとなっている。わが党は、国民の食料の安定供給をはかる農業が今後とも発展しうるよう最大限の努力を」していくということであって、平成三年に言ったような元気を出して訴えぬですね。全くこの内容、言うことが下がってしまった。どういうふうに感じますが。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは、二つの方針が矛盾しているというふうにお考えいただくべきものではなくて、やはり平成三年ということの継続、延長の上に平成四年があるんでございますから、基本的な態度が変わったというふうに私どもは考えておりません。
○村沢牧君 他党のことはどっちでもいいんですが、しかし自民党の方針が変わったと農民は言っておるんですよ。去年までは強いこと言ったけれども、ことしは言っていないじゃないか、だから勝手なことを言う人が出てくるというふうな。本当に平成三年に言われたような方針で断固貫くんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほども重ねてお答えを申し上げました。政府といたしましても、自由民主党といたしましても、それに変わりはございません。
○村沢牧君 田名部農相が、選挙はいつでもあると言っていましたが、ありますよ。だから、選挙でこういうことを私どもはまた皆さんに披瀝をしていきましょう。 さてそこで、外務大臣、あなたが農林水産大臣、昭和五十四年、随分古いんですが、私も随分農業問題について議論をしました。その際、外務大臣は、外国から持ってきて日本で安く売れるというものもありますと、しかし土地の条件が違いますから、生産をできるだけ国内でやるように工夫しなければならない、国家の安全保障というものを考えあるいは農家所得の維持というものを考えると、外国のものをできるだけ抑えなければならない、こういう答弁をいたしております。こうした見解に今も変わりはないんですが。それとも、十三年も前の答弁ですから、変わってきたんですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) そのとおり、それはできるだけ国内で生産をさせていかなけりゃならないということは、全くもう十何年来同じでございます。
○村沢牧君 そういう考えと信念を持っておるとするならば、あるいはこれで包括関税化を容認するようなことを簡単に口に出さない方がいいと思います。忠告しておきましょう。 そこで、外務省は関税化を初めウルグアイ・ラウンド問題について具体的な検討作業を進めているということが報道されていますが、事実ですか。
○政府委員(小倉和夫君) 何遍か国会におきましても外務大臣から申し上げましたとおり、いわゆる十二月に提出されましたダンケル・ぺーパーと称されるものがございます。これは農業のみならず、幅広く今までのウルグアイ・ラウンドの交渉の一つの最大公約数と申しますか最小公倍数と申しますか、そういうものを基礎にしてこれからの交渉の一つの事務局長の指針を示したものでございますので、この中には先生御承知のとおりに包括関税化という考え方が入っております。 そういったウルグアイ・ラウンドの重要な一つのステップであるところのダンケル・ペーパーを十分また分析しなくちゃいけない。そういう意味におきまして勉強はしておりますが、いかなる意味におきましても政府の政策としましてあるいは外務省といたしまして、そういう包括関税化を考えているとか、そういうことではございません。そういうあくまでペーパーの分析、勉強をしてまいったと、こういうことでございます。
○村沢牧君 勉強するのは私も勉強していますが、関税化を受け入れることができないという政府の統一見解がありながら、外務省が極秘、秘密にそのようなことを検討しておる、こんなことがマスコミで報道される。これは例外なき関税化は反対だという方針を出すならいいんですよ。そんなことやっていること自体がおかしいんじゃないですか。
○政府委員(小倉和夫君) 先生のおっしゃいましたのは、あるいは私どものペーパーの勉強ということよりも、もう少し違った意味での新聞報道が一時ございましたので、あるいはそのことをお指しになったのかとも思いますが、確かにある新聞報道で外務省が何か私的な懇談会をつくって勉強しておると、そこでいろんな議論が行われているというような報道がございました。 あるいは先生のおっしゃっているのはそのことかと思いますが、これは実は最近そういう勉強会を始めたということではございませんで、外務省がやはり日本農業の実態あるいは世界の農業事情ということを十分勉強しておく必要があるということから、たしか私の記憶では三年か四年前だったと思いますが、学者の先生方あるいは農政の専門家と申しますか、農業の専門家の方に来ていただきまして、幅広く勉強しておったと、その勉強の懇談会のことがあるいは誤解されて報じられたのではないかと、こういうふうに思っております。
○村沢牧君 誤解がどうか知りませんが、この懇談会に参加した人の意見がいろいろあったけれども、米の関税化はやむを得ないという外務省の見解に賛成する意見が多かったと、こういうふうに報道されていますね。一体どんなことを検討し、その取りまとめをどのようにしたのか、もう一回答弁してください。
○政府委員(小倉和夫君) 先生のお尋ねでございますので、率直に申し上げますと、これはプライバシーの問題その他もございますし、それから私的な、政府の正式な審議会ということでもございませんので、だれだれがメンバーになっておるということを一々ここで申し上げる立場にはございませんけれども、この懇談会の先生方の中には米の関税化には絶対反対であるということを世上公表されておられる方もございます。そういう意味におきまして、いかなる意味におきましても、こういった勉強会を通じまして外務省が特定の結論なり特定の政策を打ち出そうとしているということではないわけでございます。 どういうことをやってきたかということでございますが、これは三年に及びますので、私も全貌を知っているわけではございませんけれども、最近はそのウルグアイ・ラウンドを通じましての世界の農業事情とか日本の農業事情、ウルグアイ・ラウンドがどういう影響を及ぼすかということについての専門家の御意見のほかに、今申し上げましたようなダンケル・ペーパーについての議論、例えばダンケル・ペーパーにつきましても一応評価できる点も若干はあるわけでございますので、どういう点が評価できるか、どういう点が日本として問題かというようなことについての意見の交換をしたという事実がございます。
○村沢牧君 外務大臣、日本の国益を守るために、政府の統一見解を貫くために交渉に当たっている諸君は大変苦労もし、努力もしているんですね。ところが、自民党の方針もさっきも申しましたようにトーンダウンした、政府の一部からあるいは与党の実力者から関税化容認論が出たり、外務省がこんな研究をしていることが新聞で報道される、これがマスコミを通じて全世界に報道されるのですね。交渉に汗を流している人たちにとってはたまったものじゃない。後ろから鉄砲で撃たれるようなものだ。どういうようにお考えですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 我々は、国全体の利益、国益というものを考えて政治をしていかなければなりません。したがいまして、常に我々はそういう意味で間違ったことはやっておるつもりはありません。
○村沢牧君 外務大臣が包括関税化容認、例外なき関税化も受け入れなければならない、何百%の関税にすれば、これは日本に影響がないというようなことをたびたび発言されたり、そういうことが交渉に当たっている人に対してどういう影響を与えるのか、御存じですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは質問がいろいろありまして、関税化というのはどういうことですか、部分輸入というのはどういうことですか、自由化ということはどういうことですかというお尋ねがありましたから、それはこういうことですという解説を申し上げたわけであります。
○村沢牧君 解説をしただけであって、例外なき関税化は反対であると。 もう一回お伺いします。そういう気持ちであるかどうかお答え願いたい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 政府の、総理の言われた方針に従って今我々は交渉に最後まで努力しておるということでございます。
○村沢牧君 そこで、先ほど農林水産大臣から修正を求めていると。この修正は農水省だけの修正ではないと思うんですね。関係省庁が一致していると思う。 そこで、外務省にお伺いいたしますが、この修正に対して各国にどのように働きかけをしてきたのか、またその現状、見通しはどうなのか。修正案というのはいつどこでどういう日程で審議をされるんでしょうか。
○政府委員(小倉和夫君) 修正という言葉がございましたので、ちょっと前段で一言だけ、先生の御了解を得まして、委員長の御了解を得まして申し上げたいと思うんですが、ダンケル案といいますのは農業だけじゃございません。いわゆるウルグアイ・ラウンドのすべて、知的所有権、サービス、その他セーフガードの問題もございます。幅広い全部を含んだものでございますので、結局そのダンケル・ペーパーを修正する云々という問題そのものは、農業だけのことを考えて日本としては行動するわけにはまいらないわけでございます。 さはさりながら、確かに日本にとって非常に大きな問題が含まれている点がどこであるかということになりますと、その一つは確かに農業分野であろうかということでございますので、したがいまして、その分野につきましてはいろんな意味で各国の理解を求める努力を、ダンケル・ペーパーが出たということを踏まえまして早急にやる必要がある、こういうことでございまして、その点では先生のおっしゃる御趣旨に沿ってやってきたと思います。 具体的に申し上げますと、農水省の方が中心になりまして、外務省も全面的に御協力させていただきまして、アメリカ、EC諸国及び、たしか私の記憶ではオーストラリアとかラ米諸国も一部行かれたと思いますが、日本と考えを同じくする国、あるいは違った国も含めまして日本の立場を過去数週間の間に何遍か話し合い、日本の立場を理解してもらうように努め、それからジュネーブにおきましては、担当の大使の方からダンケル事務局長を初めガット事務局の幹部にも相当強く日本側の主張を言っております。したがいまして、こういう努力を我が方の主張を理解せしめる交渉の一環としてやっている、こういうふうに私どもは考えております。
○村沢牧君 答弁漏れですよ。まだ答弁してない、完全に。私が質問したのは、修正案はいつどこの段階でどういうふうに審議されるのか質問したんです。
○政府委員(小倉和夫君) ダンケル案の具体的な修正ということは、先生も御承知のとおり、実は今交渉が四つのトラックということで行われているわけでございますが、その四つのトラックのうちの第四トラックと言われるもの、第四の路線と言われるもので行われるということになっておるわけでございます。したがいまして、この第四の路線につきましてはいかなる国も今まで交渉を始めておりません。またダンケル事務局長も第四の路線、いわゆるダンケル・ペーパーの修正ということ自体については正式な交渉は一切開かないと事務局長が、行司役がそう言って頑として動きませんので、私どもとしてはそういう意味におきまして交渉できないわけでございます。 ただ、今私の申し上げましたのは、そういう中におきまして日本の主張を、ダンケル・ペーパーのどこが悪いか、また日本としてはそれに対してどう考えるかということを各国に、これを交渉と申し上げてもいいと思います、こういう点は直さなくちゃいけないんだということを強く交渉していると。そういう意味でございますので、今申し上げましたような交渉のやり方というものが、すなわち今先生のおっしゃる意味での交渉になっているというふうに私どもは考えているわけであります。
○村沢牧君 修正案を出したけれども、その修正案を検討する会議は絶対開かない、全然開かない、そんなこともおかしな話ですね。 そこで、ダンケル事務局長が開かないと言うならば、いろいろ日本政府としても要求すべきだというふうに思います。そこで、そういうことも踏まえて三月一日までに国別表を提出せよということでありますが、このガット交渉、十五の分野にわたっていますが、外務省、今日まで何カ国が国別表を出しているんですか。
○政府委員(小倉和夫君) 数え方にもいろいろございますので、最も権威あると申しますか、最も客観的なお答えを申し上げるのがいいと思います。三月十二日にガットの市場アクセス、今、私が申し上げました第一トラックの交渉に関する全体会議がございまして、その会議の議長がそれまでに提出した国を確認しておりますので、その彼が言いました数で申し上げますと、農業及び非農業に関する国別表の両方またはいずれか一万を提出した国は十八カ国に上っております。この十八カ国というのは香港及びECも含めてでございます。
○村沢牧君 外務大臣、御承知のとおりガット加盟国は百八カ国ある。そのうち十八カ国しか約束表を出してない。こういう現状ではウルグアイ・ラウンドの決着は本当に不透明だというふうに思いますね。外務大臣としてはウルグアイ・ラウンドの見通しはどういうふうに考えていますか、お伺いしたい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 確定的な見通しがはっきり出ていないということは事実でございます。しかしながら、各国ともウルグアイ・ラウンドは成功させなければならないということも、これもみんな口をそろえて言っておることですから、ウルグアイ・ラフウンドを失敗させましょうという国はないんですね。それだけにこれの成否というものは今後の世界経済に大きな影響を及ぼすということはみんな知っているんですよ。だけどもいろいろ国内事情がありますから、それはそう簡単に国内へ向けてどうこうということを言うと抵抗が強い、これも事実であります。我々としては、今不景気風が吹いている中でさらに大変な世界じゅうの不景気になるような引き金は引きたくない。そのそしりも受けたくない。何とかまとめていきたい。やはり農家にしても、それはもう九割の農家は兼業農家であって、そして農外収入の方が多い。これは不景気になってきたら兼業農家が一番直撃を受けるわけですよ。それから自由化問題にしても、今は三倍、五倍の米を買って食べておっても、生活費の中に占める米の割合が非常に小さいからそれは文句が出ないんですが、生活が苦しくなってくれば逆に国内から、労働者も含めてもっと安い米を食べさせろというような騒ぎが起きてくる危険性がある、私はそう思っております。したがって、日本の経済を持続させ、農家の生活をよりよくするためにはどうするかというような大所高所論からもこの問題は論じていかなきゃならぬと考えております。
○村沢牧君 外務大臣、私はそんな演説を今お聞きしたんじゃなくて、大臣として、ガット・ウルグアイ・ラフウンドは本当に四月半ばまでに決着するだろうかと、その見通しをお聞きしているんです。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それはもう冒頭でお話ししたように、そうすべく今一生懸命努力をしておりますが、交渉は相手国のある話でもございますので、多少ずれ込むかもしらぬし、それはわかりませんが、どこの国でもなるべくひとつまとめようという努力をしていることは事実です。
○村沢牧君 総理にお伺いいたします。 私もウルグアイ・ラウンドは成功しなければならないと思う。私はそういう立場に立って一昨年にはベルギーのブラッセルの閣僚会議にもガット要請団の団長として行きました。去年はスイスヘ行ってダンケルさんにも会って、フランスやドイツにも行って要請してまいりました。その中で感じたことは、農業問題はやっぱり貿易交渉だけで画一的に決めみことは困難だ、それぞれに特殊な事情を持っているわけですね。そこでまた同時に、何とかして解決しようということで各国の首脳が先頭に立っていろいろ交渉しているんです。日本の首脳がそういうことをやったことは私は目に映りませんが、総理もいろいろ相手の出方を見てただ受けていくということじゃなくて、日本の主張を通すために首脳みずからが、いろいろ会合等ありますから主張し、その先頭に立つべきだと思いますがどうですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほども政府委員が申し上げましたように、今度のウルグアイ・ラウンドは十幾つの広い分野にわたっての交渉をしておるわけでございますから、その全体の総合点で申しますれば、我が国の対応は成績はいい方である、よその国に比べまして、このラウンドの決着について日本は決して少なからない貢献をしておる、かなり高い評価を与えられる国であるというふうに私は考えておりますものですから、かたがた国会中でもありましてそういう機会に恵まれませんが、しかし私は、ウルグアイ・ラウンド全体に対する日本の態度というものは決しておくれをとるようなものではないというふうに考えております。むしろこの段階でございますのは、ECとアメリカとのいろいろな問題、農業に限りませんけれども、の間のところでなかなか両方の話し合いというものがまとまっていかないということになっておるのではないかと見ておりますけれども、我が国の貢献というものは決して少なくないものだと私は総合的には判断しております。
○村沢牧君 総理、我が国が三月一日までを守って国別表を出した、それは我が国が孤立しているのではない、よくわかります。同時に、私が言ったことは、我が国の主張を通すために、貫き通すために、各国に理解を求めてもらうために総理がもっと先頭に立って、そういう時期が来たら積極的に取り組むべきだ、各国の首脳がやっていますよね、そのことを要請したんです。
○国務大臣(宮澤喜一君) これも先ほど政府委員がお答えをいたしましたが、実は関係省庁の責任者がたくさんの国を過去数週間訪問しておりまして、我が国の立場を詳細に説明いたしております。私は、それで我が国の立場というのは各国に理解をされておると思いますので、理解と申します意味は、誤解を与えずに理解をされておるという意味でございますけれども、私自身あるいは外務大臣なり所管大臣が今出ていかれなければならない、そういう状況に我が国は総合的に考えて、ないというふうに判断しております。
○村沢牧君 この国別表、日本の政府の約束したことを貫き通すように重ねて要求して、次に関税化と食管法について伺いたいんですけれども、総理は昨年十二月、日本社会党の申し入れに対して、関税化を受け入れるためには食管法の改正が必要であるが、参議院の与野党逆転の政治勢力から見て食管法の改正は困難であり、国内法を改正することができないものは受け入れるわけにはいかないと言明していますが、今でもそのお考えに変わりはありませんか。 〔委員長退席、理事井上吉夫君着席〕
○国務大臣(宮澤喜一君) そういう趣旨のことを申し上げたことを記憶いたしております。 それで、いわゆる米の関税化、これがどういうものであるかということは、実ははっきり定義されておりませんから正確には申し上げかねますが、お互いに了解しております程度の関税化というものと、それから食糧管理法とがどういう関係に立つか、私は法律の専門家でございませんので正確にお答え申し上げることができませんけれども、今の食糧管理法というものの今日までの沿革、あるいはその法律が立っております背景というようなものを考えますと、これと今言われておるいわゆる関税化というものとはちょっとなじみにくいものがあるのではないかという感じを私は長いこと持っておりますので、そういう意味のことを申し上げたつもりでございます。
○村沢牧君 法制局長官、衆議院でもこの種の質問があったんですが、今言われている関税化と食管法との関係について改めて伺いたい。
○政府委員(工藤敦夫君) お答えいたします。 今、委員御指摘のように、衆議院の予算委員会におきまして二月の二十日、それから二十四日にお答えしているところでございますけれども、そのときのことも含めまして申し上げますと、今総理からもお話ございましたように、ウルグアイ・ラウンドの交渉それ自身が継続中でありますし、いわゆる関税化構想という内容も不明確なものでございます。そういうときにおきまして、仮にいわゆる関税化を我が国が実施する、こうした場合に関税関係の法令もございます。そういうものも含めましてどのような法的手当てが必要であろうか、こういうことにつきましてはいわば断定的に現段階で申し上げるのは困難であろう、この点は御理解いただけることだろうと思います。 ただ、今総理からもお話ございましたように、現行の食管法、これは「国民食糧ノ確保及国民経済ノ安定ヲ図ル為食糧ヲ管理シ其ノ需給及価格ノ調整並二流通ノ規制ヲ行フコト」、こういうことが第一条の目的にございますし、また米につきましては、第二条ノ二でいわゆる基本計画、それから八条におきまして供給計画、こういうふうなことで計画に基づきます数量管理のシステム、こういうことになっていると存じます。したがいまして、米の輸入問題につきましてもそういうシステムの一環、そういう連関の上に成り立っているということは念頭に置く必要があろうと思っておりますし、また、そういう意味で現行の食糧管理法と今のいわゆる関税化、これは必ずしも明確なものではございませんけれども、なじみにくいところがあるだろう、こういうふうにお答え申し上げたところでございますし、また現在もそう思っております。
○村沢牧君 農水省の食糧庁長官は、米の関税化と食管法は両立しがたいと、これははっきり言っておりますし、私も質問主意書にこの種のものを出しまして政府の答弁も求めているところであります。 そこで、長官、農水省が関税化反対だ、そういう見解があるからできない、もしこの見解が変わる、あるいは政府の方針で変えさせる、そういう場合があるとすると、食管法を改正しなくてもこの関税化あるいは輸入自由化はできるんだ、こういうことを言われる人もありますが、長官はどういうふうに考えますか。
○政府委員(工藤敦夫君) ただいま申し上げたところでございますし、言ってみれば、法律のシステムのところで私ども考えております。農林水産省の見解が変わって、それに従って私ども内閣法制局の見解が変わるというふうなものではないと存じております。
○村沢牧君 今の答弁で結構だと思います。 外務省の研究会の座長をやっており、それから法制局の参与、参与があるかどうか私は知りませんが、そういう立場にある人が、農水省の方針が変わって政府の方針が変われば、食管法を改正しなくてもこれはもう関税化、自由化はできるんだと言っていますから私はあえて聞いたんです。今の法制局長官の答弁で了解をいたしております。 さて、時間がありませんので、次は、ダンケル提案は検疫・衛生についても触れておりますが、厚生大臣、こうした背景にあるものは、食料品の衛生基準を国際的に統一して、自由貿易の阻害にならないようにするという考え方があるというふうに思いますが、どういうふうに考えますか。
○政府委員(玉木武君) お答え申し上げます。 ガット・ウルグアイ・ラウンドの検疫・衛生分野の最終合意案におきましては、検疫・衛生措置が貿易に与える悪影響を最小にするという観点から、国際基準をもとに各国の食品衛生基準等を調和させることを原則といたしております。 しかしながら、各国により食品の摂取量や食習慣が異なっていることから、国際基準より厳しい措置が必要な場合もあると認識しておりまして、最終合意案においても科学的正当性がある場合等は国際基準より厳しい措置を採用し得ることが盛り込まれております。したがって、我が国が食品の安全性確保を図っていく上で支障はないものと考えております。
○村沢牧君 国際基準に衛生基準を平準化しようということは、それだけ外国の食品の輸入の増大につながってくるんですよ。 それで、これらを受けて厚生省では残留農薬基準をどういうふうに見直しをしているんですか。
○政府委員(玉木武君) お答え申し上げます。 残留農薬対策は、食品の安全性確保の上では極めて重要な課題と認識いたしております。食品中に残留する農薬については、現在二十六農薬に残留基準を設定しておりますが、さらに残留基準の整備を進めることといたしております。具体的には現在六十一農薬につきましてその食品中の残留基準を定めるべく食品衛生調査会に諮問をしているところでございまして、今後とも農薬の残留基準の設定を進めてまいりたい、このように考えております。
○村沢牧君 そこで、我が国は農薬取締法あるいは食品衛生法に基づく基準がある。それから国際基準もあるわけですね。国内の基準と国際基準と比べてどの程度この国内基準が緩和されているのか、具体的に述べてください。
○政府委員(玉木武君) 現在、残留農薬の基準、先ほど申し上げましたように二十六が決められておるわけです。それから現在食品衛生調査会に六十一の農薬を出しておるわけでございます。その中身につきまして、一部調査会の部会の方から基準値案が出されております。 その出されておりますものを整理してみますと、例えばまず三十四の農薬、二千七百六十一農産物の残留農薬の基準案が出されております。FAO、WHOのいわゆるコーデックス国際基準と同一のものは三十農薬、七百九十四農産物、こういうことになっております。
○村沢牧君 時間がありませんからまた改めて追及しますけれども、例えばこの中の農薬では日本の基準の何十倍、何百倍も強いんですね、緩和していくと、そういうことが具体的にもう示されているわけですね。国民の健康を守るために私はこれでは絶対いけないと思うんです。 それで、輸入食品について伺いたいんですが、我が国で輸入食品はカロリーベースでどのぐらいあって、どのくらいの件数があって、どのくらいの国から輸入されているんですか。
○政府委員(玉木武君) 平成二年度の農林水産省の食料需給表の統計によりますと、概算値としてカロリーベースで五三%を輸入食品に占められておる、こういう報告が出ております。 それから、我が国への輸入食品の生産地域とか年間の輸入件数の件でございますが、平成二年の統計によりますと、アジア三十八カ国、南北アメリカ四十六カ国、ヨーロッパ三十四カ国など、全世界で百八十五の国から合計六十七万九千件の食品が輸入されております。
○村沢牧君 百八十五の国から六十七万九千件の食品が輸入されている。その検査状況はどうなんですか。検査率あるいはその検査は書類検査になるんですか、現物検査になるんですか。
○政府委員(玉木武君) 平成二年度の輸入総件数は、先ほど申し上げた六十七万九千件余りでございますが、その中で十五万七千九百八十九件、大体十五万八千件が、これは全体で二三・三%でございますが、これだけのものがいわゆる輸入時の検査を行っておるということになっております。
○村沢牧君 書類検査か、現物検査かと聞いておるんですけれども。
○政府委員(玉木武君) まず、入ってまいりました場合には書類検査を全部行っております。全部のものに書類検査を行っておりまして、その中で、行政検査それから指定検査機関で検査させるもの、外国の公的検査機関の検査状況を受け入れるもの、そういうようなものを含めまして、先ほど申し上げましたように二三・三%のものが検査されておるということでございます。
○村沢牧君 外国の食料がどんどんこれまたウルグアイ・ラウンドの結果に応じてうんと入ってくる。しかし、検査はそのうちの二三%ぐらいしか検査しておらない。それから、輸入食品を入港する空港だとかあるいは港は一体日本には何カ所あり、それを検査する監視員は何人おるんですか。
○政府委員(玉木武君) 輸入食品を荷揚げをしておりますところでございますが、現在二十六カ所の海・空港の検疫所において検査を実施いたしております。それから、輸入食品の検査に当たる職員でございますが、現在百四十三名の食品衛生監視員が輸入食品の検査を実施いたしております。
○村沢牧君 厚生大臣、大臣が一番御承知ですけれども、これだけの件数が世界百八十五の国から輸入される、しかも日本で二十六の港なり空港へおろされる、検査員は百四十三人だと、一体どういう検査ができるんでしょうかね。
○国務大臣(山下徳夫君) 今、担当の局長が申し上げましたとおり、何と申しましても輸入食品の安全性というのは国民の健康に極めて重大な影響を及ぼす問題でありますから、厚生省の行政の中でもこれにはかなり大きな力を注いでおりまして、特に、先ほど百四十三人と申しましたが、今年度はこれを百六十五人にする。それからもう一つ大きな問題は、高度な検査を集中的に行うための検疫センターというものを今度新たに神戸と横浜につくる。ここで高度な検査を行うということで、さらに検査体制を強化してまいりたいと思っております。
○村沢牧君 厚生省に重ねてお伺いいたしますが、そういう検査の結果、不合格だと認定されるようなものはどのぐらいのパーセントでありますか。
○政府委員(玉木武君) お答え申し上げます。 平成二年の輸入総件数は、先ほど申し上げましたように六十七万八千九百件余りでありますが、その中で実際に検査をしましたものが二三・三%と申し上げましたが、その中で違反がありましたものは九百九十三件、割合としましては〇・六%ということになっております。
○村沢牧君 農林水産省、九一年度の農林水産物の貿易状況について伺いたい。
○政府委員(川合淳二君) 九一年の我が国の農林水産物の輸入額は、前年に比べて円高になったということもございますが、ドル建てでいきますと五百二十七億ドルでございまして、対前年比丘%増。それから輸出額は、二十六億ドル、前年比七%増という状況でございます。
○村沢牧君 そのうちの農産物については。
○理事(井上吉夫君) 漏れのないようにやってください。
○政府委員(川合淳二君) 農産物につきましては、輸入額が三百億ドル、前年比四%増でございます。輸出額十二億ドル、対前年比一一・二%増でございます。
○村沢牧君 日米貿易摩擦が言われますけれども、日本の貿易黒字はこの年度でどのぐらいになっているでしょうか。これはどの省でも結構です、監督省の。全体ですよ、日米の。
○国務大臣(宮澤喜一君) 平成三暦年の貿易収支は、これは暫定数値でございますが、千三十二億ドルでございます。
○理事(井上吉夫君) 村沢君、時間が参りました。
○村沢牧君 黒字ですね、貿易黒字。
○国務大臣(宮澤喜一君) はい、貿易黒字。
○村沢牧君 だから、農林水産物が五百億ドルも輸入になっているんですね。だから、農産物、これを市場開放して、ますます外国の農産物がどんどん入ってくるようになる。 総理に最後にお伺いいたしますが、今農水省から報告がありましたように、これから外国農産物の輸入もふえてまいります。そこで、厚生省から話があったように、検査基準は極めておくれているんですよ。国民の健康のためにぜひ食品の安全衛生検査基準体制、このことを充実すべきだということを総理に最後に求めて、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほどたしか二十六海空、海と空においてということでございました。それに配置いたします人員等々につきましても十分配慮いたします。
○理事(井上吉夫君) 以上で村沢君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○理事(井上吉夫君) 次に、西田吉宏君の質疑を行います。西田君。
○西田吉宏君 初めに、総理に施政方針についてお伺いをいたしたいと思います。 宮澤内閣は、ゆとりと豊かさが実感できる社会、いわゆる生活大国を政策目標の基本に挙げられ、昨年秋スタートいたしたところでございます。 日本は今、世界のGNPの一五%を占め、アメリカに次いで第二位という大変豊かな国になりましたが、しかしこの経済力と国民の生活実感との間にはかなりの開きがあるように思われます。とりわけ我が国が豊かになった中に生まれてきた世代は、戦後の荒廃の中で育った我々の世代と異なり、今日の日本の状況を本当に豊かなものかどうか疑問に感じているのではないかと思うのであります。 最近はだれでも海外に行けるようになりましたが、それだけに諸外国と比較をして我が国の住宅、道路、下水道、公園といった生活環境がいかにおくれているかを実感するわけであります。特に衣食住のうち住については、数量的には充足されているかもしれませんが、質的には、先進国からよく言われますが、ウサギ小屋と言われるほどの格段の差があります。幾ら一生懸命働いても自分の家が持てない、よい住宅に住むことができないのでは生活大国が泣くというものであります。これからの国民生活の中で、この住の問題は大変重要な課題であろうと考えるのであります。 しかし、残念ながら今日までの宮澤総理からは、国民は本当に生活大国が実現できるのかという疑問といら立ちがあり、総理が何をお考えになり、どういう進路をとられるのか、総理の顔が見えないという声が強くなってまいりました。 かつて岸総理は、日米安保の大きなうねりの中で、政権をなげうっても日米安保改定を断行しました。今日の日米両国の安定、平和と繁栄の基礎を築かれたのであります。また、総理の師匠でもあられました池田総理は、所得倍増論を打ち出してこれを実行し、当時、国民には大きな希望を与え、経済大国への道を開いてこられたのであります。さらに佐藤総理は、戦後の国民の悲願と言われました沖縄返還を実現したのであります。このように総理というものは自分の信念に基づいてリーダーシップを発揮し、勇気を持って実行していかなければならないと思うのであります。 今、我が国は政治改革、経済対策、PKO問題、さらには北方領土問題などなど、重要な課題が山積いたしております。総理は、スローガンである生活大国を二十一世紀に向けて実現するために今後具体的にどのように施策を展開されるのか、そのプロセスを国民にわかりやすくお示しを願いたい、このように思うわけであります。
○国務大臣(宮澤喜一君) 過般、施政演説で申し上げましたように、生活大国をつくるということはこれから我々が二十一世紀に向かいましてぜひともやっていきたい問題であると思っております。 私が国民に申し上げましたのは、そういう物の考え方をまずお互いに持とうではないかという呼びかけでございますが、つまり、生産者中心の行政というものから、生産も大事なんでございますが、消費者あるいは生活する人々へもう少し政治、行政の重点を移さなきゃならない、また、効率も大事であるけれども、公正というものも考えなければならない、そういうことが考えられる日本になったということをまずお互いにひとつ考えのもとに置こうではありませんかと。 そういうことの中から、労働時間を短縮するとか、通勤時間を合理化するとか、あるいは今仰せになりました生活や生活関連を中心とする空間あるいは社会資本を豊かにする、それからまた、女性の社会における働きがしやすいような環境をつくる、あるいは高齢者、障害者にただ安全ばかりではなく生きがいを持っていただきたい、こういったようなことを申し上げたのでございますが、これらは今まで時々一つ一つの問題としては議論されてまいりましたけれども、国の施策としてこれを一定の期間の中で国民が目標に置いて実現しようではないかということを実は私は提案いたしておるわけでございます。 その具体的な手法といたしましては、既にこのおのおのの問題について、いわば道路であるとか住宅であるとかあるいは港湾であるとか長期計画というものはございますけれども、それは一つ一つ存在しているものでございますので、このたび経済審議会にお願いをいたしまして、ちょうど新しい経済計画、これは五年になると思いますが、それが本年初年度で発足になりますので、生活大国というものをこの新しい経済計画の一つの中心に据えていただけないかと。 これは各省庁をいわばすべてカバーするものでございますので、そういう五年の計画の中で生活大国というものをひとつつくってまいりたい。五年で完成するかどうかという問題がございます。しかし、少なくともそっちへ向かって五年間に大きな進歩がございますれば、これは後はもう時間の問題であると思いますので、そういう手法でお願いしたいと思いまして、今経済審議会で鋭意部会を設けて検討していただいておりますが、夏前あるいは夏ごろにはかなり具体的な構図を描いていただけるものと。その後に正式に決定をしていただきまして国の施策としてそれをやってまいりたい、こう考えております。
○西田吉宏君 生活大国の実現ですが、これは外交や防衛と異なりまして国政のみの手で実現できるものではありません。むしろ、住民の現実の生活そのものをよくし、行政に何が求められているかを肌で感じることのできる地方自治体の役目が大変重大であろう、このように思うのであります。生活大国を目指す宮澤内閣におかれましては特に地方の役割を重視すべきだと私は考えますが、総理のお考えをもう一度お聞きいたしたいと思うのであります。
○国務大臣(宮澤喜一君) それはまことに適切な御指摘であると思います。この考えのもとは、例えばふるさと創生というようなすぐれた発想、これも既にかなりの実績を上げつつございまして、地方に自分のふるさとをつくる、自分のところらしいプロジェクトを進めていくという意識を強く持ってもらうことができました。国からの援助もあり、また単独事業もありまして、まさに地方が大きな推進力になってもらわなければなりません。
○西田吉宏君 今、総理からお答えをいただきましたが、そういう地方重視の考え方を具体化していくためには地方の権限と財源を充実強化していくことが必要であろうか、このように思うわけであります。 しかしながら、平成四年度の予算の編成過程において、地方交付税率を引き下げるべきだという議論が一部の人から出されました。確かに国の財政事情は依然として厳しいものがありますが、このような議論の背景には、国よりも地方の方が財政にゆとりがあるという認識があったように思われるのであります。しかし、過疎地域の町村は、山奥に取り残されたひとり暮らしの老人対策、農業や林業の後継者対策等に追われております。他方、大都市圏や地方の中核都市の実態は、一時に比べれば地価が落ちついているとはいえ、用地の買収に公共事業費の多くを取られ、計画的な町づくりは思うに任せない状況にあります。また、高齢化の問題はすべての地方自治体に等しく覆いかぶさってきているのが現状でございます。 このように地方自治体は、いずれの地域においてもさまざまな課題を抱え、そのための財源の捻出に追われております。私は、生活大国実現のために地方を重視するという総理の基本方針に立ては、地方財政には最大限の配慮が払われるべきだと考えるのであります。とりわけ、地方交付税は地方にとって欠くことのできない財源であり、地方交付税率の引き下げ論は到底これを認めるわけにはいきません。 自治省として、地方交付税の性格をどう受けとめ、今後どのように対処していくのかお答えを願いたいと思うのであります。 また、かねてから地方から要望の強い補助金の一般財源化についての考え方と平成四年度の実施状況について、あわせて概要を御説明願いたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 今お尋ねの地方交付税と地方財政との関係についてでございますが、確かに空気として見られておりますことは、地方に余裕があるから今回平成四年度予算で交付税から八千五百億円を国に返したのではないか、こういう認識がございますが、私たちが大蔵省と交渉をいたしました中におきましては、財源に余裕があるからということではなくして、それぞれ国と地方との両方の公経済が円滑にいくためには国の方で苦しい部分の肩がわりをしてほしい、こういうことから算定いたしました結果として八千五百億円というのが出てまいりました。そのほかに、また若干千数百億円の大蔵から行っております事業につきましての肩がわり、要するにこれを一般財源化したものがございますけれども、いずれにしても地方財政に余裕があったからということではございません。 といいますことは、八千五百億円に対しまして地方自治体として予定しておりました例えば財政特例債の償還、これが非常に重荷になっておりますので、この六千数百億円を償還することをあきらめて、八千五百億円の中に入れておるということ等もございますしいたしますが、決してそういうことの関係ではなかったと思っております。 西田さんに先ほど来地方と国との関係がうまくいくように、そのためには地方行政を円滑にする財源の確保ということをおっしゃっていただきまして、これは私たちも非常に感銘をしてお聞きしておるところでございます。 そこで、これからの見通しといたしまして、私は地方行政の中で行政の質が変わってきたように思っておりますので、従来のような財政需要の構造ではなくして、新しい財政需要が構築されていかなきゃならぬと思っております。その新しい財政需要の中の一つの大きい変化を見ます場合に、基準財政需要額に見込まれておりますところの機関委任事務の負担を適正に一度見直していくということが大事だろうと思っております。 それからもう一つは、新しく地方自治体が責任を持って推進しなきゃならぬ環境整備であるとか福祉対策事業であるとか、そういうもののいわば地方における財政需要というものが幾ばくになるかということであろうと思うのでございまして、その根幹となりますのは公共投資計画でございますが、いわゆる四百三十兆円、これの早期の見通しを立てていただくということ、それの受け皿としての地方の役割は相当大きいものがございますので、まずこの役割をひとつ見定めていきたいということ。 それからもう一つは、福祉ゴールドプランの十カ年戦略でございますが、あの分の実現につきましては、やはり地方団体が最終的な責任者とならざるを得ないように思うのでございまして、実施の面におきましてでございますが、そこには厚生省との間に十分な協力体制をとっていかなきゃならぬ。しかし、いずれにいたしてもこれが地方行政の財政にはね返ってくることは事実でございますので、こういうもののいわばプログラムづくりといいましょうか、メニューづくりというものをしっかりとやっていって、地方が国政とともどもに生活大国の実現の責任を負っていきたい、こう思っておるところであります。
○西田吉宏君 それでは、先ほど地方自治体はそれぞれの課題の解決に追われていると私は申し上げました。今、大臣からややもすると質問をしようというのを先に引き出してもらっているような気がいたしますけれども、町づくり一つとりましても、地方都市の現状を見ると、例えば細い道路に車があふれている、整備が十分とは言えない駅前広場にはたくさんの自転車が乱雑に放置されている、電柱の地中化は諸外国に比べて著しくおくれておる、緑の少ない日本の都市の現状は決して経済大国にふさわしい状況とは言えない、こういう状況であります。 今回、都市計画法と建築基準法の改正が提案されており、これによれば市町村の都市計画上の役割が強化されて、用途地域区分の細分化など、よりきめ細かな都市計画が行われることが予定されております。この点は大いに評価できますが、生活大国にふさわしい良好な町づくりを進めていくためには、規制と誘導だけでは不十分であります。地方自治体、特に市町村に対し、町づくりのための財源を十分に確保していくことが重要であろうと思うのであります。 また、今後は、町づくりは従来のような事業をただ漫然と執行するだけでは不十分であります。例えば、道路整備について言えば、車道と歩道の分離、電柱の地中化、また河川改修に当たっては自然環境、すなわち水に親しむような空間整備でございます。質の高い、そしてきめ細かな配慮が求められております。これらの事業を地道に推進していくことが、いわゆる生活大国を国民にとって目に見える姿にしていく道であると私は考えるのであります。 このような意味で、地方自治体がみずからの創意工夫を凝らして実施することができる地方単独事業の役割は、従来以上に大きいものがあります。住民に身近な社会資本を整備していくため、地方単独事業を従来以上に積極的に展開していく必要があると考えるのであります。地方自治体による地方単独事業に対する対応、方針及び地方負担のための財源の確保をどう考えておられるのか、自治省のお考えをお示し願いたいと思うのであります。 それともう一点です。 また、これと関連しまして、当面の景気対策をどうするかが議論となっているが、自民党としては当面の景気対策の一つとして地方単独事業の早期執行を求めているが、自治省としてこれをどう受けとめ、どう対応していくのか、現時点の方針をお示し願いたい、このように思うわけであります。
○国務大臣(塩川正十郎君) 長年、地方行政で苦労されました西田さんでございますので、なかなか地方の実情をよくお察しいただいて的確なことを御質問でございまして、敬意を表しております。 まず最初に、単独事業の問題についてでございますが、御承知のように、今まで市町村が自分でみずから考え、みずから執行していくということ、その習慣がなかなかついていなかった。自治というものはそういうものが本然の姿であるにかかわらず、それぞれの補助対象事業に頼り過ぎておって自分で開発していくということが割合に少なかったのでございますけれども、数年前にふるさと創生事業という先ほど総理のお話がございました新しい事業を展開いたしましたことによって、自治体はこれで意識の転換が始まったと思っております。 やっぱりおれたちみずからの責任で地方自治というものを進めていくべきだということ、そういう意識の転換が起こりましたことに、それを財政的にどう裏づけていくかということが単独事業になってくるわけでございまして、その意味におきまして単独事業をここ数年間飛躍的に伸ばしていったのでございます。現に、平成四年度予算をごらんになっていただいてもおわかりのように、対前年度一一・四%増、額にいたしまして十四兆七千億円という多額な額を計上することができました。私は、これは各省の協力のおがげだったと思っております。 ついては、ただ金額が膨れたというだけではなくして、これの用途についての質の大きい転換も同時に図られております。ということは、非常に対象を拡大したということでございまして、従来はハードの事業、これに集中しておったんでございますけれども、最近はソフトの事業にもこれをどんどんと適用していこう、こういうふうな展開をしております。したがって、これからの地方自治体の独自性を出すという事業といたしまして、私たちはこの単独事業を中心にしてこれからの地方行政の積極的な展開を進めたいと思っております。 それから、当面の景気対策としてでございますが、これは地方行政として景気対策に携わる面はごく一部の一部であろうと思いますけれども、しかし地方の財政支出というものは、いわばそれぞれの地域にまんべんなく、全国にまんべんなく行き渡るということにおいて非常に景気対策として大きいのではないか、都会集中の事業じゃないということでございます。しかも、中小業者を対象にしたいわば事業が多いものでございますから、私はその意味におきまして地方公共団体の景気対策に対する支出というものは相当大きい効果を持ってくると思っておりまして、そのためには、一つは平成四年度予算を通していただいたら直ちに実施できるように単独事業の前倒しを今から強く要請しておるのでございまして、でき得れば一応第一・四半期、六月末現在において平成四年度の単独事業の進行状態を厳しく一回チェックしてみて、そしてさらに単独事業の一層の推進を図れる方法を考えてみたい、こう思っておりまして、積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
○理事(井上吉夫君) 西田君の残余の質疑は午後に譲ることとし、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十七分休憩 —————・————— 午後一時一分開会
○委員長(中村太郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 平成四年度一般会計予算、平成四年度特別会計予算、平成四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き、西田吉宏君の質疑を行います。西田君。
○西田吉宏君 午前中に引き続きまして、もう少し自治大臣並びに厚生大臣にお伺いをいたしたいと思います。各論について一、二質問したいと思うのであります。 まず第一は、福祉問題であります。 平成元年度に老人福祉法を初めとする社会福祉関係いわゆる八法が改正をされ、平成四年度からは施設への入所措置の権限が都道府県から市町村に移管されることになったわけであります。これは福祉の分野において市町村の役割が大きくなったことを意味するものであろうと私は考えるのであります。 このような中にあって、地域ではさまざまな問題が出てきております。例えば、最近は都市部における地価の高騰などから、特別養護老人ホームや老人専門病院などが都市部では立地しにくくなり、周辺の町村に設置される例が多くなっております。特別養護老人ホームが建設されると、建設費に対する市町村の負担、入所者の措置費の負担など、市町村にはさまざまな財政負担がかかってまいります。また、老人専門の病院などに入院している老人の医療費の増加は市町村の国民健康保険会計を圧迫いたしております。もちろん市町村はこれらの問題に真正面から取り組んでいく責務があるわけでありますが、これからの財政負担に対し国としても十分な手当てをしていく必要があると考えるのであります。 平成元年度に策定されたゴールドプランの着実な推進を図る見地からも、国としての財政負担を強化するとともに、市町村の福祉財源の大幅な拡充を図る必要があると考えますが、厚生省及び自治省の方針をお聞かせ願いたいと思うのであります。 なお、平成四年度からホームヘルパーへの手当の改善が図られたところであり、厚生省の今日までの努力に対しては高く評価をいたすものでありますが、ホームヘルパーの確保を図る上でこれで十分なのか、処遇の改善にどう取り組んでいくのか、あわせて方針をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) お話のとおり、この福祉八法につきましては、平成二年六月に改正をいたしまして、平成五年四月からこの措置費がこれは町村に移管されることになっておりまして、そのとおりでございます。これにつきましては、地方交付税において十分賄うということで自治省との間できちんと話がついておりますから、御心配は要らないと思います。 それから、ホームヘルパーの問題でございますけれども、在宅福祉サービスの中核でございますホームヘルパーの確保につきましては、十カ年戦略の推進に当たっての最重要課題として私どもその改善を取り上げておるわけでございます。 そこで、四年度においてなすべきことは、勤務実態に応じた手当額の大幅な改善、それから民間の常勤ホームヘルパーを退職手当共済制度の対象とする、それから活動の充実を図るための活動費の引き上げを行う、大体こういう重立った点は平成四年度において推進していくつもりでございます。
○国務大臣(塩川正十郎君) 先ほど厚生大臣も仰せになりましたその線に沿いまして、地方財政計画で盛り込んでいきたいと思っております。 同時に、もう一つ、従来からございます福祉関係の交付税におきますところの単価並びに種地等につきましても、この際に十分な検討を加えて、実情に合うようにいたしたいと思っております。
○西田吉宏君 両大臣から、裏づけはきちっとできておる、こういうことでありますが、さらに質問をしようと思っておったんですけれども、そう言われると、これについてはさらなる地方の願いとして両大臣に再度お願いをしながら、この質問はこれで終わりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 建設省、厚生省、さらには農水省にお伺いをしたいと思います。 地方から切実な声として上がっているもう一つのテーマが、下水道など下水処理施設の整備であります。快適な生活環境の確保や、河川や海など水質保全のみならず、若者の定住といった地域づくり、町づくりの観点からも、下水処理施設の整備の必要性はますます高まってまいっております。各省においても、公共下水道のほか、特定環境保全下水道、農業集落排水施設、小型合併処理浄化槽などの制度を用意され、努力されているところでありますが、問題は、これらの事業が各省ばらばらに行われ、各省庁間のいわゆる縦割り行政の弊害が見られるところであります。 例えば、補助率一つとってみても、公共下水道が原則は管渠は十分の六、処理場が三分の二に対して、農業集落排水処理施設はともに二分の一と低いのであります。さらに、コミュニティープラント、合併処理浄化槽については三分の一とさらに低くなっております。これらの下水道施設の目的はすべて皆同じであり、補助率が異なるのは本来おかしいのではないか、私はそういう懸念を持つものであります。また、下水道が膨大な事業費がかかるのに比べ他の事業は比較的安上がりにできることから、効率的な整備を推進する上で、それぞれの地域に合った事業を選択することが重要であります。 建設省、農水省、厚生省はどのように互いに連絡調整をとって事業を進めておられるのか。補助率や補助内容はそろえるべきであると私は考えるのでありますが、各省庁の御見解を賜りたいと思うのであります。
○政府委員(市川一朗君) ただいま御指摘ございましたように、下水道整備に対します地域での要請は非常に強いものがございまして、建設省のみならず、関係省庁におきましても、ただいま先生から御指摘がありましたようなさまざまな形で事業が行われているわけでございます。 私どもといたしましては、かねてからそういった問題につきましては、事業としての長期的な観点からの整合性をとった上で進めることが極めて重要であるという考え方を持っておりまして、平成四年度の予算におきましても、そういった関係で、各都道府県単位でそれぞれ長期的に、どういった地域でどういった形で下水道関係の整備をしていくかということを計画を立てて調整をとっていくような、都道府県単位の計画推進を指導してまいりたいというところから、そのマニュアルの作成のための予算も計上しておるところでございます。 また、御指摘ございましたように、公共下水道、農業集落排水あるいは合併処理浄化槽、それぞれ補助率等も異なっている面がございますが、建設省が行っております下水道事業について申し上げますと、生活環境の改善のみならず、公共用水域の水質保全、さらには雨水による浸水被害の解消といった幅広い役割在事業目的としておるわけでございまして、このような公共的役割にかんがみまして道路事業とかあるいは河川事業等、他の公共事業との関係も考慮した上で補助率は決定されていると考えているわけでございます。
○政府委員(海野研一君) 農業集落排水事業でございますが、これは農業振興地域におきまして農業用の用排水の水質保全、農業用用排水施設の機能維持、または農村生活環境の改善を図り、あわせて公共用水域の水質保全に寄与するということでやられている事業でございまして、公共下水道事業、合併処理浄化槽と補助卒の違いがあることは御指摘のとおりでございますけれども、先ほど申しましたようなそういう目的の問題、それからやはり事業の規模といいますか範囲といいますか、そういうことで施設の違い等、それぞれの事業の性格を踏まえて補助率はできているものだろうと考えております。 少なくとも現時点におきまして、農業集落排水事業につきましてはその円滑な推進が図られるような補助体系になっていると考えておりますけれども、ただいずれにしましても、さっき申しましたように、農業集落排水事業、これは農村の生活環境の整備という面から極めて重要でございますので、今後とも一層の推進に努力してまいりたいと考えております。
○政府委員(小林康彦君) お答えいたします。 厚生省では一生活排水の適正処理の推進という観点から合併処理浄化槽、コミュニティープラントの整備促進を図っておるところでございます。下水道や農業集落排水施設と比べまして事業目的に差がございますし、補助制度の経緯も異なるというところから現在補助率に差があるわけでございますが、地方財政措置を含めて考えますと実質的な市町村の負担にそれほどの差はないというふうには考えております。 合併処理浄化槽事業につきましては、現在の補助制度のもとでも実施市町村が昨年度約八百でございましたが、本年度は千百余というように急激に拡大をしておる状況でございまして、まず現行制度のもとで地域住民あるいは市町村のこのような要望にこたえることが当面の課題というふうに考えております。 生活排水の処理計画の策定に当たりましては、下水道あるいは農業集落排水施設の整備計画も勘案しながらその地域として適切な計画を立てるようにと、都道府県を通じまして市町村を指定して指導しておるところでございますが、今後ともこれらの厚生省所管事業の整備の促進に努めてまいりたいと考えております。
○西田吉宏君 各省庁からその内容については御親切に答弁をいただいておるのでありますけれども、大枠私が申し上げるのは、財政規模の大変脆弱なところほどその負担率が大きい、こういうことの問題を特に指摘しておきながら、各省庁間でこの問題は、特に地方の時代だと言われる中で、ひとつよろしく縦割り行政の解消ということを図ってもらいたいということを要望しておきたいと思うのであります。 同種の問題でありますけれども、建設省と自治大臣にお伺いしたいと思います。 流域下水道事業では、人口で、計画処理人口を十万人以上をいわゆる第一種流域下水道、計画処理人口を三万人以上のものをいわゆる第二種事業と分かれておりますけれども、処理場に対する国庫補助率、建設費についての府県と市町村の負担割合、地方交付税措置の内容などを見ますと、第二種事業の小さい方が市町村の負担が大きくなっています。財政力の規模の小さい、弱い市町村の負担が重くなっているわけでありまして、先ほど言うとおりであります。町村会を初め関係市町村からも強くこれは改善を求められる声が上がっているのは、御高承のとおりであります。どう対処していくのか、建設省並びに自治省の御所見をお伺いいたしたいと思うのであります。
○政府委員(市川一朗君) 流域下水道につきまして先生ただいま御指摘ございましたように、第一種と第二種があるわけでございます。二つ以上の地方公共団体を対象といたしまして、計画人口が十万人以上のものにつきましては第一種流域下水道、それから計画人口が三万人から十万人未満につきましては第二種流域下水道ということで行っておりますが、これにつきましては、計画人口が多いということは水質保全効果が広い地域に及ぶというところでその広域性に着目いたしまして、ただいま先生からも御指摘がございましたように、国庫補助率に差が設けられているところでございます。 しかし、第二種といいましても流域下水道を行っておりますところは、やはり事業の広域性とかあるいは水質保全効果の重要性等から、これを都道府県事業として行う必要があるというところから行われているものでございまして、その結果、都道府県が費用の一部を負担する形になっておりまして、一般の公共下水道事業は市町村が施行することとなっておりますから、第一種に比べますと劣る点はございますが、一般の公共下水道と比べますと第二種流域下水道は市町村の負担という点ではかなり軽減されているという認識を私ども持っておる次第でございます。 しかしながら、建設省といたしましては、これから特に中小市町村における下水道の整備に重点を置いてまいりたいと考えておりまして、第二種流域下水道の推進は極めて重要であると認識しております。ただいま先生の御指摘も踏まえまして、財政措置を総合的に検討する一環として、今後とも特に市町村の負担の軽減について取り組んでまいりたいと考えておる次第でございます。
○政府委員(湯浅利夫君) 流域下水道につきましては、ただいま建設省から御答弁のあったとおりでございまして、二種の方がいろいろな点で一種に比べまして取り扱いが異なっているわけでございまして、今後この下水道の普及率を一層向上するというためには、やはりこれから中小市町村の方に重点を移していかなきゃならない。こういうことを考えてまいりますと、これらの中小市町村の財政負担というものを総合的に軽減していく必要があるんじゃないかというふうに私どもも考えておりまして、今後関係省庁ともよく御相談しながら、総合的な見地から検討してまいりたいというふうに考えております。
○西田吉宏君 次に、東京一極集中の是正と地方の振興についてお伺いをいたしたいと思います。 東京一極集中が問題となり、その弊害が指摘をされるようになって久しいのでありますが、これまでさまざまな対策がとられてまいりました。若者を中心とした人口の東京への流入は今も続いております。東京は、国際的な金融都市として膨張を続けているように思われます。昭和三十年代さらには四十年代にも過密過疎問題が深刻になりましたが、近年起こっている人口や産業の動向はあの当時と異なりまして、東京圏がひとり肥大化し、大阪圏や名古屋圏が人口やさまざまな機能の面で相対的な地位を低下させているのが特徴のように思うのであります。 東京一極集中の是正については、これまでさまざまな議論が行われてきたところでありますが、しかし今日の状況を見ると、東京の一極集中の是正と国土の均衡ある発展は、今や議論の段階ではなく実行の段階であると考えるのであります。 政府は、今国会に地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律案を提案されました。この法律案の内容を見ると、地方における都市とその周辺地域の整備、東京から地方への事務所機能の移転の両面にわたりこれまでにない豊富な支援策が盛り込まれており、関係省庁がそれぞれの政策手段を持ち寄って東京一極集中の是正に取り組もうどしていることは評価するところであります。 そこで、国土庁に伺いますが、これまで多極分散型国土形成促進法などさまざまな地域振興立法が行われてきましたが、今回のこの法案とこれまでの地域振興立法との相違点ほどこにどのような点があるのか。また、この法律により指定しようとしている地方拠点都市地域とは、どのような地域をどれくらいの期間に何カ所くらいを考えておられるのか、現時点でのお考えをあわせてお答え願いたいと思います。
○政府委員(小島重喜君) お答え申し上げます。 今御指摘ございましたように、私ども国土庁を初め関係省庁、地方の振興につきましての法律はたくさんあるわけでございます。それらを大きく分けますと、一つは、いわゆるハンディキャップ地域と申しますか、過疎だとかあるいは離島だとかそういうところを中心といたしました地域振興法と、もう一つはそれ以外の、言うならば平場と申しますか、新産業都市建設促進法でありますとか、あるいはテクノ法あるいは頭脳立地法その他各般にあるわけでございますが、特に後段に申し上げましたこれらの法律は、どちらかといいますと総合的な地域整備と申しますよりも、言うならば特定の機能をそのところに集積をすることによってそして地域の振興を図ろう、こういうようなことに中心が置かれていたかと思います。 これに対しまして、今回六省庁で提案をいたしておりますこの拠点地域整備法につきましては、これはどちらかと申しますと、今までのそういう地域立法の反省の上に立ちまして、お話がございましたような最近におぎます東京への一極集中あるいは地方での活力の低下、こういうようなことを踏まえまして、私どもといたしましては、特に今回は都市機能の増進あるいは居住環境の整備、こういうものを促進するということが中心になっておりまして、従来の地域振興立法とはどちらかといいますと切り口が違います。それと同時に、法案にも書いてございますけれども、地方の自立的成長を牽引する、そして地方定住の核となる都市にしようということでございます。 そしてまた、スキームにおきましても従来このような市町村の区域を越えるものにつきましては、県が計画をつくる、そして県がつくったものを国が承認をする、こういう仕掛けが従来の手法、大部分でございますけれども、今回は地方のあるいは地域の自主性を尊重しよう、こういうことでございまして、そういう面で地方の言うならば開発ポテンシャルといいますか、あるいは成長ポテンシャルのあるそういう地方の都市を中心といたしました周辺の地域を一体的に整備するということで、広域にわたるわけでございますけれども、こういう地域の選定並びにそこにおきます計画につきましても、地方の独自性あるいは地方の創意工夫というようなことから地域の選定につきましては、これは私ども関係省庁との協議はいただく、こういうことにはなっておりますけれども、計画の承認等々につきましてはこれは知事限りで済ましていただくというようなことで、従来の地域立法と比べますと大変地方の、あるいは地域の独自性なり創造性、独創性、こういうものに配意をした法律案になっているわけでございます。 そしてまた、これに対する支援策につきましても各般にわたっておるということでございます。そして、そういう都市が全国に……(「結論だけ言えよ」と呼ぶ者あり)はい、現時点ではこういう関係省庁と協議をいたしておりますけれども、今大体各県に、この前もちょっとお話がありましたと思いますが、二カ所ないしその程度の数になってくるんではないかと思います。
○西田吉宏君 東京一極集中の是正に関連して、近畿圏の果たす役割についてお伺いをいたしたいと思います。 改めて申し上げるまでもありませんが、近畿はこれまでわが国の行政、経済、文化におけるもう一方の中心として大きな役割を果たしてまいったところであります。歴史的に見ましても近畿圏においてはさまざまな文化遺産が蓄積され、未来を展望しますと、京阪奈丘陵におけるナショナルプロジェクトであります関西文化学術研究都市の建設、大阪湾ベイエリア構想の進展など大規模プロジェクト構想がメジロ押しであります。関西国際空港の開港、明石海峡大橋建設などを契機として近畿の役割はますます大きくなるものと考えるのであります。 近年進展している東京一極集中の中で、数字の上での近畿圏の地位は人口や産業機能の面で相対的に低下してきておりますが、国土の均衡ある発展方向を長期的に考えれば近畿圏は今以上に国土政策において重要な地位を与えるべきであると考えます。首都機能の移転の受け皿として地位も含めた位置づけがなされるべきであります。これらを含め政府として近畿圏の発展方向をどのように考え、どう具体的な事業展開を図っていくのか、国土庁の見解を伺いたいのでございます。
○政府委員(西谷剛君) 御指摘のとおりかと存じます。 近畿圏の整備は国際的な文化、学術の発信基地として発展させていかなければならない、また、その整備手法としましては、多角連携型方式、いわゆる「すばるプラン」と呼んでおりますけれども、複数の核を整備してその間を交通網でつないでいく、こういう方式をとって整備を進めているところでございます。幸い、御指摘がございましたように、明石大橋なり国際空港なり関西学園都市なりという大プロジェクトが続々着手に至っております。こういう事業を通じてインパクトを強めてそれを圏域全体に効果を広げていく、こういうことが必要で、国土庁としても関係省庁と連絡をとりながらその推進に努めてまいりたいと考えております。
○西田吉宏君 それでは、具体的な問題を二点お尋ねいたしたいと思います。 まず、大阪湾ベイエリア構想についてでありますが、この構想は先ほど申しますように、関西国際空港が我が国初の二十四時間運用の空港として開港されるに伴いまして、大阪湾ベイエリアを世界都市関西形成のフロンティアとして開発整備しようという雄大な構想であります。この構想は東京一極集中を是正する上でも意義ある構想であることから、我が党においては政務調査会の中に特別委員会を設置し、その積極的な推進を図ることとしております。政府としてどう対応されるのか、方針をひとつお聞かせいただきたい。これは長官からできましたらお聞かせいただきたいと思います。 もう一つは、和風迎賓館構想についてであります。 先般、アメリカのブッシュ大統領が来日をされました。大統領は直接関西に入られ、京都ではけまりを楽しまれた。その姿が広く報道されておるのは御高承のとおりであります。また、旧ソ連邦のゴルバチョフ大統領も、来日の折、京都を訪ねられるなど、これまでも数多くの人々、国賓、賓客が日本の文化に触れたいと京都を訪れられるのであります。関西国際空港の開発に伴い、海外からの賓客が関西に来られる機会も飛躍的にふえるものと私は想像をするものであります。 このような状況を踏まえ、京都に第二の迎賓館が必要などの声が各界から上がっております。現在の赤坂の迎賓館がベルサイユ宮殿を模しであることから、京都には日本文化を象徴する和風の迎賓館がふさわしいのではないかという意見が出ております。政府においては既に調査費を計上し、関係省庁間で委員会を設置し検討を進めているところと仄聞をいたしておるのでありますが、その取り組みと今後のスケジュールについて、総理を初め各省庁の御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(西谷剛君) 二点お尋ねがございました。 大阪湾岸地域、いわゆるベイエリア、これにつきましては、四全総あるいは近畿圏整備計画の中に一体的な開発整備を図るということで明確に位置づけられております。そのことが近畿圏の活性化、さらには多極分散型国土の形成を促進する上で大変重要なことだと私どもも認識しております。そのため、現在国土庁では関係省庁と共同いたしまして当該地域の開発整備方針を検討しているところでございます。他方、御指摘のように、地元でも大変その開発整備について機運が盛り上がってまいりました。今後は地元とよく連携をとりまして、当地域の開発整備の推進について支援協力をとっていきたい、このように考えております。 また、京都に和風迎賓館をというお話がございまして、この件については、関西圏における国際交流機能がどうあるべきかということを踏まえながら、多角的な検討が必要だろうと考えております。現在、総理府の方に学識経験者と各省庁が参加しました委員会が置かれておりまして、国土庁もその中に参加をしております。この調査が一層推進されますよう我々も努力をしていきたいと考えております。
○西田吉宏君 総理、事務的にはおっしゃっていただきましたけれども、総理からひとつ御決意を関西復権のために御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 京都に和風迎賓館を設置すべきであるということにつきましては、各方面から、しかも非常に有力な御要望、御意見が寄せられていることをよく承知いたしております。 確かに、非常にメリットのあることであるというふうに考えておりますが、先ほど政府委員が申し上げましたようないろんな角度からの検討も必要でございますので、平成四年度におきましてもこの調査研究を進めていくことにいたしております。
○西田吉宏君 どうぞよろしくこれはお願いを申し上げます。 もう時間が大変迫ってまいりましたので少し早口になりますけれども、ふるさと創生についてお伺いをしたいと思うのであります。午前中、総理も自治大臣もおっしゃいましたけれども、この推進についてであります。 国土の均衡ある発展を図っていくためには、特定の地域の開発振興を推進するだけではなく、すべての市町村の地域づくりを支援し、その活性化を推進していくことが重要であります。このふるさと創生一億円事業が実施をされて三年が経過しました。その成果がその後の地域づくりにどのように結びついているのか、いわゆる起爆剤となった具体的な事例に即して御説明を願いたい。 また、ふるさと創生一億円事業を発展させるために創設された地域づくり推進事業は、これまでの補助金のように対象を限定することなく、地方自治体の創意工夫に基づく事業を支援する上で大きな役割を果たしておりますが、その制度は平成四年度で終了すると聞き及んでおります。これで終わりというのではなく、さらにこの地域づくり推進事業を拡充し、住民の皆さんの積極的な参加を求めながら新しいふるさとづくりのため手段を考えるべきではないかと考えるのでありますが、自治省の御方針をお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(滝実君) ふるさと創生事業のうち、事例につきましてお尋ねがございましたので、これを中心にして御説明をさせていただきたいと存じます。 御案内のとおり、ふるさと創生事業というのは、地域がみずから考えみずから行う、こういうような自主性を重んじた事業であることがその特徴の一つでございますけれども、もう一つは、ソフト事業とハードの事業とが連絡し合いながら行われている、こういうことに特徴があるわけでございます。したがって、今お尋ねのような事例から申しますと、このソフトの部分とハードの部分を連絡したような事業を中心にして一つ二つ御紹介を申し上げたいと存じます。 一つは、これは一つの例として申し上げるのでございますけれども、例えば美術館をハード事業の地域づくり推進事業で整備する、それだけでは美術館として建物だけでございますから機能しない、そこで例の一億円事業のソフト事業と組み合わせいたしまして、こちらの方で美術館の収蔵品の絵画を収集する、こういうようなことで総合的に美術館としてめ機能を全面的に備えた整備をする。これによりまして、例えば入り込みの観光客を増加させた地域がございますし、この美術館への観光客の増加によりまして、この地域ではもともと旧国鉄から引き継ぎました第三セクターの鉄道事業を行っている地域でございますけれども、美術館が完成したことによってこの鉄道収入が非常に増加した、こういうようなことで、美術館一つによって地域が活性化した例が関東の近辺にあるわけでございます。 それからもう一つは、これは過疎の村の単独の例でございますけれども、ふるさと創生関連施策によりましてスキー場の整備を行う、あるいは地域間交流センター、全国の地域との交流センターを建設する、こういうことで総合的に村内の雇用を増加させるような施設整備を行ってまいりまして、現在過疎地域からの脱出を図っている。これは北陸の方でございますけれども、こういう例がある。 こういうようなことで、一つ一つの事業は大変細かい事業でございますけれども、全体として地域の進展につながっているというのが最近における地域づくり事業の一つの特徴でございます。 それから、お尋ねの第二点にございました今後の問題でございますけれども、これにつきましては自治大臣の方から御答弁していただいた方がよろしいかと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) ふるさと創生事業が地域づくり推進事業に継承され、そしてそれが平成四年度で一応計画は終わるということ、現在の時点ではそうなっておりますけれども、我々といたしましては、それを平成五年、六年とずっと以降に引き続きまして事業の推進をして、これをむしろ拡大していきたい、こう思っておりますので御了承いただきたいと存じます。
○西田吉宏君 文部省にお伺いをいたしますが、時間がございませんので少し早口になりますことをお許しください。 最後に、学校の週五日制についてでございますが、学校の週五日制は日本人の学校に対する見方の転換を求める画期的なことでございます。すなわち、日本の教育はこれまで学校に余りにも多くを依存してきたのであり、これを機会に教育のあり方をいま一度見直すよい機会であると考えるのでありますが、とりわけ学校週五日制において家庭及び地域社会の役割を重視することは、子育てのあるべき姿、原点に立ち返ることを意味し、日本の社会全体が子供の教育に責任を持ち合う体制をつくるという大きな意義を有するものであると思います。 しかしながら、親たちからは週五日の実施に伴い子供の学力が低下することはないか、かえって塾や予備校通いを通じた受験競争を激化させることはないか、共働きなどで子供の面倒を見切れない家庭はどうすればよいのかといった不安が出てきているのも事実であります。 そこで、文部省にお尋ねしますが、学校の週五日制の実施により今の教育水準が維持できると考えておられるのか、またそれはどのような方法により確保されるのか、お答えをいただきたいと思うのであります。 またう学校、家庭、地域社会の間の望ましい協力関係をつくり出すために具体的にどのような方策を考えておられるのか。日常的に子供が地域社会において活動できる基盤の整備を進めていくことが要請されていると私は考えます。都道府県、市町村に対してもどのような財政措置及び指導を考えておられるのか、お伺いをしたいと思うのであります。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 文部省としては、二月二十六日に省議を開いて、この九月から第二土曜日を休業とすることを決定いたしました。来週の月曜日、三月二十三日に学校教育法施行規則を改正いたしまして、同日、都道府県の教育委員会に通達を発しまして、その後教育委員会の教育長や主管課長を集めて学校五日制の意義等について周知徹底をいたしていこうと思っております。 先生からお話がありましたように、学校週五日という言い方はいわば地域・家庭二日制ということで、二日間を家庭や地域が責任を持ってお子さんと接する、あるいは子育てをやる、こういうことでありましょう。したがいまして、地域や家庭の責任もまことに重くなるわけでありまして、そういう意味では文部省としては各方面にお願いに回らなければいけない。例えば青少年婦人団体とか、あるいは美術館とか博物館とか、あるいはPTAとか、あるいは塾には過度の通塾にならないように、過度の学習塾通いが弊害を与えるというようなことを説得したりお願いして行脚をしなければならないというふうに考えております。 なお、月一遍これを第二土曜日にやってみて、その反応を見ながら、その段階で出てきた問題をまたクリアしながら次の段階へ進んでいくという方法をとりましたのも、まだやってみないとどういう問題点が出てくるかわからないという部分があるからでございまして、学力についても、月一遍の実施であるならばいろいろな工夫によってこれはクリアできるであろうと思いますが、それよりさらにということになりますと、例えば月三遍などということになりますと、現在の学習指導要領や現在の教科書全部を消化することは難しいというような、そういう段階にもなろうかと思っております。 また、子供の面倒を見ることができない、例えば幼稚園や小学校低学年で共働きであるとか、あるいは養護学校へ行かれているような方々、そうしたところからのいろいろな心配がございますので、当面は休業日とする土曜日に学校をあけておいて、そこで面倒を見るようにしたい。そういう指導員等に対するいわば謝金というんでしょうか、お礼のようなものについては、これは塩川自治大臣にお願いをして、いわゆる地方交付税で手当てしていただけるようになっております。 質問が多過ぎて全部答えていないと思いますが、漏れがありましたら政府委員からお答えいたします。
○西田吉宏君 時間が参りましたので終わりますが、質問は以上のとおりでございます。私は、象徴的な理屈でなく地方の生の声に基づきまして具体的にお尋ねし、それぞれ前向きのお答えをいただき、さらにまた大きな期待を持っているところであります。 どうか総理におかれましては、冒頭申し上げましたように、総理が掲げておられます生活大国を目に見えるものとして推進するため、総理みずからがリーダーシップを発揮されまして二十一世紀に向けてその具体化を図られますようお願いを申し上げながら、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(中村太郎君) 以上で西田君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(中村太郎君) 次に、種田誠君の質疑を行います。種田君。
○種田誠君 私は、佐川急便問題、さらにはカンボジア復興支援の問題、そして時間があれば新しい資源循環型の都市づくり、こういう問題に関して質疑をさせていただきたいと思います。 最初に、佐川急便事件関係でありますが、衆議院、参議院の予算委員会を通じまして与野党の議員から佐川問題に関しましてはさまざまな角度での質疑がなされてまいりました。私も、佐川急便という会社が昭和三十年以降極めて急激に大変な成長を遂げてきた、こういうことに関しまして、どうしてこういうことを地域免許しか持っていない運輸会社ができたんだろう、こういう疑問を深めているところでもあります。 そういう意味で、総理は、予算委員会の初めから今日までずっとこの問題をまさに見聞をしてきたと思われますので、どういうことで佐川急便という地域免許の運輸会社が全国ネットワークの運輸会社にまで短い期間になったのか、どういう御感想、どういう御認識を持っておられるか、冒頭伺いたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) この問題につきましては、関係当局による事実関係の究明が行われていると承知をいたしておりますが、それがまた完結をしていないというふうに、私はそういう印象を持っております。したがいまして、この全貌につきまして私が今判断を申し上げるだけの知識を十分持っておりません。 せんだってからいろいろ御質問があり、関係大臣から行政についてのいろいろなお答えがあって、非常に急速に事業の内容が拡大された企業であるということは質疑応答の中から私にも推測ができるのでございますけれども、その間の詳しい事情等々、私は十分お答え申し上げるだけの事実関係を存じておりません。
○種田誠君 私は、総理は御聡明でございますから、もう既にいわゆる路線のあり方とか労働条件の問題とかについてある程度の認識を、分析を持たれておるんではないだろうかなと思うわけでありますが、さらにその辺の問題をはっきりと総理に御認識いただくためにも、きょうは具体的な例を取り上げまして質問を続行したいと思います。 過般、同僚議員の佐藤三吾さんの方からも私の郷里の水戸市の佐川急便のトラックターミナルの件が取り上げられました。あのときは運輸省の担当の方でまだ調査ができていないということで、それで終わってしまったわけでありますが、期間もたっていることでありますがら、この問題に関しては十分な中身のある答弁がいただけるんではないだろうかと思います。 水戸の千波という場所に佐川急便有限会社というのがございました。この会社が同じく水戸の見川町の丹下というところに新しくトラックターミナルをつくったわけであります。このトラックターミナルをつくったのは実は佐川急便ではなかったわけであります。 私の手元の資料によりますと、実はこの敷地の所有者は東日本運輸株式会社、平成二年の二月九日に取得をしております。取得と同時に、何と二十億円の根抵当権が北関東佐川株式会社によって設定されております。そして、建築確認の申請はなされたわけでありますが、現在なお建物は未登記であります。だれが所有者がわかりません。しかし、現実にこの建物で営業しておるのは、商業登記簿謄本によりますと、先ほどの千波にあった茨城佐川急便有限会社、これが名称を変えて茨城佐川急便株式会社として営業をしているわけであります。 私たち一般人から考えますと、極めて厳格な形で運輸行政はなされている、特に区域免許、路線免許などに関しては厳格な形で運用されているというにもかかわらずこのような状況が発生しているのは、どういういきさつから今日のような状況が発生したのか、その辺について御見解をいただきたいと思うと同時に、総理にもこの流れをじっくり聞いていてもらいたいと思うんです。
○政府委員(水田嘉憲君) お答えいたします。 水戸のターミナルの件でございますが、平成三年の八月十九日付で北関東佐川急便の水戸ターミナルというものについて、実は私ども、水戸市から特別積み合わせ貨物運送の用に供する施設であるかどうか、すなわち従来の道路運送法の路線トラック用の施設であるかどうかということについての確認書の交付が求められたわけでございますが、この水戸ターミナルにかかわります同社の事業計画変更の申請というものが実はその前に出ておったわけでございます。 そこで、中身を審査いたしましたところ、この水戸ターミナルは、先生今おっしゃった北関東佐川急便がいわゆる路線トラック用に、旧法の路線トラックでございますが、路線トラック用に使用するだけではなくて、その一部を先ほど先生がおっしゃった茨城佐川急便、こちらの方にも貸す。それで茨城佐川急便が、旧法で言う区域トラックでございますが、区域トラック用にも使用するという計画になっておったわけでございます。 私どもは、この問題について都市計画法上問題があるのではなかろうかということで、これらを一括して路線トラック用の施設として都市計画法上の開発許可が不要であるということが言えるのかどうか建設省に照会をいたしたわけでございますが、建設省側から否定的な見解をいただいたわけでございます。そこで、私どもはこの確認書の交付には至らなかったわけでございます。それでその後、北関東佐川急便の水戸ターミナルにかかわりますこの事業計画変更の認可申請につきまして、北関東佐川急便から取り下げがなされたわけでございます。そして、実は去年の十二月十六日付で再申請がなされておるわけでございます。 再申請におきましては、北関東佐川急便の水戸ターミナルのすべてを従来の路線用に使うというふうな形になっておったわけでございます。そこで、関東運輸局といたしましては、十二月二十六日付で水戸市にこの路線であるという旨の確認書の交付を行ったと、そういう経緯になっております。
○種田誠君 今の局長さんの説明を伺って、区域免許しか持っていない運輸会社がまさに路線免許を持っているのと同じような営業活動ができるような形をとることになったわけでありますが、総理は、その流れというのを説明を聞いて、なるほどこれは心配ないと、そういうふうにお思いですか。いかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私はちょっと法律のことはよくわからないものでございますから、十分判断できずに聞いておりました。
○種田誠君 この運輸行政は従前来より明確な、厳格な法の手続のもとになされておるし、しかもこれは多くの事業体の方がかかわるものですから、こういう手続は、私たち委員はもとより、総理においてもまた運輸大臣においても、一般の国民の方にもわかるような形で手続が進められなきゃならないはずだと思うんですね。その総理が今わからないと言われるような説明ではやはり説明として間違っているんじゃないかなと思うんです。 それでは、問題は、この土地の取得が東日本運輸によってなされました。その後、二十億の債権を取得し抵当権を取得した北関東佐川が、なぜ初めから土地を取得して建築確認の申請をしなかったんでしょうか。
○国務大臣(奥田敬和君) 今、答弁までの間に少し時間がかかるようでありますから、前段の水戸のトラックターミナルに関する案件の中で、実は区域免許しか持っていない形が路線業者を金の力で譲り受けというか買い取ったというか、そういう形の中で、この佐川が今日これだけ全国ネットで大きく展開してきた背景には、地域の路線業者を、路線業者は路線業者なりの特定な権利が与えられておりますから、それを結局力づくで買収するとか、いろいろな形の中で路線業者の買収によって大きく力をつけていったんだと。その一例が、この水戸のトラックターミナルのケースにおいても、東日本云々の会社を結局北関東の佐川が経済的に力で譲り受けて、そしてその中での開発行為というものについて御指摘されるような点があったんだなと、私はそういう認識で先ほどから聞いておったわけであります。 局長の答弁を聞いていても私もわからぬくらいですから、恐らく一般の皆さんにとっては、とてもじゃないけれども、路線業者と区域業者がどこが違って、そして都市開発行為に当たってはどういう恩典、どういう特権があるのかという形もわかりにくいんじゃなかろうかと思います。説明させます。
○政府委員(水田嘉憲君) 先ほど御説明いたしましたのは、東日本運輸興業という路線業者から北関東佐川急便という路線業者が譲り受けをするという話でございまして、そのときの土地の売買につきましては、私ども実は運輸行政の中で幾らで買ったらいいとかどうだというようなことはチェックしておりませんので、その数字は申しわけございませんがわかりかねるわけでございます。 そこで、その北関東佐川急便が路線業者として全部使えば、それはそれで都市計画行政との平仄は合うと思いますが、先生おっしゃっておられるのは北関東佐川急便、まだ実は、先ほどちょっと経緯を説明しましたが、この会社は営業所、荷扱い所の新設について完全にまだ許可を受けた段階まで入っておりません。今手続をしておるところでございますが、その北関東佐川急便が路線業者としてすべて施設をつくって運営すれば、これは建設省の都市計画行政との平仄は合っているんだろうと思いますが、その北関東佐川急便から区域業者である先生先ほどおっしゃいました茨城佐川急便、こちらが借りて営業している実態があるんではなかろうかということとの関連だろうと思います。 その辺の問題につきましては、先ほど申し上げましたとおり、法律上はそうあってならないということで指導して、北関東佐川急便については申請書の出し直しといいますかやり直しをしていただいているわけでございますが、現実に使われているようなことがあるんではなかろうかということでございまして、私どもとしてはその辺の問題についてさらに調査を進めてまいりたいというふうに考えております。
○種田誠君 聞けば聞くほどわからなくなってくるんですけれども、今の答弁の中で一つだけ事実が違っているんじゃないかと思うんですけれども、一たん取り下げましたか。取り下げて再申請しておりますか。それは間違いないんですね。 実は私が調べてきたところ、先ほど来の東日本運輸が平成二年の九月上旬に建築確認の申請を水戸市に出しております。そして、その申請が九月の十七日に確認されたわけであります。建物建築が始まりました。八月の二十七日になりまして水戸市の方へ北関東佐川への名義変更の記載変更求めというのが出されましたけれども、水戸市が運輸省に問い合わせたところ、運輸省の方では申請を取り下げるように指導しているということでありました。しかしながら、水戸市が申請代理人の設計事務所を呼んで話をしたところ、そんなはずはないと、免許がおりるのは時間の問題だから取り下げられないということで、水戸市は困惑をしていたわけであります。 そういう中で、突然昨年の十二月の二十六日に水戸市の方に運輸省の関東運輸局自動車第二部長荒井欽也さんの名義で特別積み合わせ貨物施設に該当し問題はないと、こういうふうな形で、平成三年の一月七日にこの受理がなされたわけであります。そうしますと今の局長の説明とは違うんですけれども、どうなんでしょう。
○政府委員(水田嘉憲君) 済みません。説明が下手で、十分納得できるようなお話にならなくて申しわけございません。 北関東佐川急便からの取り下げ願いでございますが、平成三年の十一月二十日付で出ております。それで一たん取り下げがなされたわけです。その後、十二月の十六日に修正した形で再申請が出てきているわけです。 それで、その前の申請と新しい申請の中身の違いは冒頭に説明したつもりでございますが、要するに最初の申請では、北関東佐川急便と茨城佐川急便と両方がこの施設を使うという申請であったわけでございます。それを今回の申請では路線業者であります北関東佐川急便が全部使うという形で出し直しかなされたということでございます。
○種田誠君 もう一点、事実だけ確認しますけれども、実は私はこれは不思議だなと思ったんですが、北関東佐川に関する特別積み合わせ貨物施設の許可というのがその年の八月の十二日に出ているんじゃないですか、もう既に。
○政府委員(水田嘉憲君) お答えいたします。 北関東佐川急便からは八月十二日付で事業計画の変更の申請が出てきております。その中身は、一つは今申し上げました水戸荷扱い所を新設したいということ、それからもう一つはそれにかかわる路線の系統を取得したいということでございます。
○種田誠君 その辺のところをもう少し、北関東佐川に特別積み合わせの免許がいつおりたかということに関しては、後でこれは調べていただきたいと思うんですけれども、私の手元の資料とは違うわけであります。 今までの説明の中では、こういう形で、先ほど運輸大臣は地元業者を買収して成長していくということを述べられましたけれども、本件の場合はもともと東日本運輸というのは佐川の下請会社、ダミー会社だと言われているわけであります。ダミー会社に建物の建築確認申請をさせていく、そして建物だけはつくっていく、そして途中から本命のものが路線免許を確保しつつやってくる。 ところが、先ほど茨城佐川急便KKというのが間借りをしているんじゃないかという局長の説明でしたけれども、現地へ行って見てもらいたいと思うんです。現地を見ないで今ここでこう言っているからそういうことが言えるのであって、現実に営業しているのは茨城佐川急便KKなんですよ。ですから、そういう書面づらだけの説明で事を済まそうと思うのは、私はそれでは運輸行政の的確な指導ができないと思うんですね。こういう形で実はなされてきたのが旧法下における佐川の手続の一つだったわけですね。 このことは旧法下において、旧法の道路運送法において路線免許、地域免許、厳格な区別があると思いますが、そしてこれは厳格な区別のもとに適正になされてきたと思うんですが、どういう違いがあってその差というのは、今回佐川急便がやってきたような方法で許されることなのかどうか、それを聞きたいと思います。
○政府委員(水田嘉憲君) お答えいたします。 路線と区域の免許の違いでございます。路線免許といいますのは、定期、走路線で一定の地域間を結ぶトラック事業でございます。区域事業というのは、バスでいえば貸し切りのような形で、一社全体をまとめて荷物を載せて運ぶというような事業でございます。それぞれ別の規制をいたしておるわけでございますので、私どもはそれぞれ厳格に区別して運用してきたつもりでございます。
○種田誠君 まさに公共目的を達成していくというような視点からも、この免許の違いというのは厳正がつ公明に運用されていかなければならないし、佐川急便が行ってきたことというのは、これは法の趣旨をむしろ潜脱する行為、そういうふうなものとしてこれは位置づけなきゃならないんじゃないかなと思うわけでありますが、このことは私だけが言うんではなくて、同業のヤマト運輸の相談役の方も雑誌の対談ではっきりと述べている。そういうことをしっかりと運輸行政は指導することができなかった、そこに今回のような問題があるんじゃないかなと思うわけです。 と同時に、もう一つ建設省にも伺いますが、東日本運輸が建築確認の許可をとった、そして本件のような形で事が流れていく、現在未登記である、こういう形での許可のとり方というのは許されるものなんでしょうか。
○政府委員(立石真君) お答えいたします。 建築確認は、建築主が建築物を建設しようとするときに、その建築計画について法令に適合するかどうかということを建築主事の確認を得ることになっているわけでございます。本件につきましては、先生御指摘のとおり、平成二年七月二十四日に東日本運輸興業株式会社より水戸市の建築主事に対しまして建築確認申請書が出され、同年九月十七日に建築確認通知書を交付したところでございます。 この建築確認を行うに当たりましては、一般的には申請物件が都市計画法上の開発許可に適合しているか否か等の証明書を申請書に添付することを求めております。本件につきましては、この申請物件が荷扱い場の用途に供するターミナルであり、開発許可が不要であるということを確認した上で建築確認をおろしたものと聞いております。 しかしながら、その後、平成三年八月十二日に建築主を東日本運輸興業株式会社がら北関東佐川急便株式会社に変更する旨の申請書がやはり水戸市の建築主事あて提出されております。これを受けまして、建築主が北関東佐川急便株式会社になったとしても、当該物件が同じく開発許可不要とされている特別積み合わせ貨物運送の用に供されることが確実であるかどうかということにつきまして、平成三年八月十九日に関東運輸局に対して照会し、同年十二月二十六日に運輸局の方から確実であるということの回答を受けまして、これに基づいて平成四年一月七日付で当該建築主の変更を承認したものであると聞いているところでございます。 このような経過でございまして、本件に関する建築確認及び建築主の名義の変更の承認手続については適切に行われたものと考えております。
○種田誠君 運輸大臣、佐川急便がこれまでとってきた事業拡大の手法、極めて法に触れるおそれのある行為を重ねてきたと思われるわけであります。これまでの委員会の中でも、労働条件などについてもさまざまな問題提起もなされてきております。そういう意味で、運輸行政をこれから指導していく上で、健全な事業者がやはり納得できるような、そういうような形をこの佐川急便に指導していく、こういうお考えはございますか。
○国務大臣(奥田敬和君) 物流事業と申しますか、国民生活を豊かにするという一つの大きな使命を持った業者として、しかも全国で日本通運に次ぐ第二位のいわゆる実績と事業量を上げておるという、はたから見ているとなかなかよくやっているなという印象を持っておったわけでありますけれども、現実に運輸行政を預かる立場になって、この佐川の実態というものを勉強してまいりますと、確かに今御指摘のような労働条件が非常に厳しく、しかし高給であるという形の中で、若い人たちの勤労条件という形がもう大変他社に比べて何というか、過酷であるかということの実態もわかりました。と同時に、経営実態においても、なぜこれだけ急激に全国展開できたかという形の中で、今御指摘されたように、ダミーをつくり、そのダミーの資格をまたさらにそれを区域業者が大きくし、そういった形でのネットを形成していったという過程も勉強させていただきました。 したがって、今は東京佐川がいろいろな暴力団絡みなり多額の債務保証等々の実態で司直の追及も受けておる段階でございますけれども、佐川全体がこれだけ大きくなって、これだけ物流の業務の中で大きくなってきたという原点もよくこの際勉強させていただき、今ただいま、話は飛躍しますけれども、合併申請等々も出ておるわけでありますが、こういった点をよく検討した上で今後の運輸行政に当たっていかにゃならぬなと。 今の認可一つの例を引かれてのことではありますけれども、あるいは水戸のターミナルのような例が全国各地で行われておったのかな、そういう形で運輸行政の基礎が揺らいでおるという御指摘を受け谷ということになれば大変でございますので、担当の局長以下各陸運担当の部局に至るまで、今後やっぱり路線業者そして区域業者、そういったあるべき姿を正しく認可業務の権限を持っておる官庁として運営をしてまいりたいと、大きな反省資料として先ほどからの先生の御指摘を承っておりました。
○種田誠君 今、大臣おっしゃられたような視点でぜひお願いをしたいと思うんですが、先ほど合併の話が大臣から出ました。その点について一点だけお伺いしたいんですが、二月十九日の衆議院の予算委員会で我が党の和田静夫委員の質問に関して、大臣の方で今月末をめどに合併を考えていきたいというようなことを議事録によりますと述べておられます。しかしながら問題は、今大臣述べられたように、佐川急便は克服しなきゃならないもの、改善しなきゃならないもの、そしてまた真相を明らかにしなきゃならないもの、そういうものが大分あると思うんですね。そういうものをやっぱり一つ一つしっかりとチェックをして、そして社会のニーズにこたえるということに万全であるというふうな体制がとれたときに初めてこの辺の英断を振るってもらいたい。安易に、先ほどの議事録によると割と早い時期に決意をするというようなことを言っておりますけれども、そうじゃないと伺っておきたいんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(奥田敬和君) 厳正に対応してまいりたいということがまず第一点でございます。 と同時に、決してそんな佐川側からの希望月日に認可を与えられるような状態ではありません。まだまだそういった運行条件、そして経営体質も含めまして、そしてまた暴力団との絡みのような形も司直追及の結果はっきりさせるという実態も踏まえて認可条件が熟してくるわけでございますから、今の段階ではとてもそのような認可をするような状態ではない、もう早々に今月末めどというような状態にはありません。したがって、時間をかけて先生からの御指摘の点も踏まえ、慎重に厳正に対応してまいりたいと思っております。
○種田誠君 運輸大臣、恐縮ですが、重ねてこの佐川問題に関して今議論したように、水戸の問題でもまだまだ実は不透明な部分がたくさんあるわけであります。この種のものは全国にたくさんあるやに私も聞いております。私の手元にも幾つかのケースが挙がっております。したがいまして、今のように健全な佐川急便の運営を今後させていくんだというならば、その辺について担当者にしっかりと調査をさせる、とりわけ水戸の点についてももう一度しっかり調査をさせる、指導をさせるという、こういうことはよろしいでしょうか。
○国務大臣(奥田敬和君) 御指摘の点の指導を徹底するように関係当局にきつく指示いたします。
○種田誠君 それでは、次の問題にいきたいと思います。 カンボジア関係の問題で質問をさせていただきます。 三月の十日、総理大臣は国連カンボジア暫定統治機構、UNTACの代表の明石康さんに会われまして、そしてそこでいろいろお話をされたということが三月十一日の新聞に報道されております。そこで総理が述べたこととして、総理は基本的に協力を約束しつつ、要員派遣はPKO協力法案が成立しなくてはなかなかうまくできないと述べられたと言われております。果たしてPKO法案がなければUNTACに対する支援はうまくいかないと総理は思っておるんでしょうか。いかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 明石さんとお話をいたしましたときに私が申しましたのは、これからUNTACの活動が展開されるところでございますから、カンボジアの今まで戦争をしておりました各派が本当に文字どおり撃ち方やめという状況に入るのか、そこらもその時点で少なくともまだ不明確でございましたししますから、これからどういうふうに明石さんのお仕事が段階を追って展開していくのか必ずしも明確でない。しかし、大変なお仕事であることははっきりしておるし、最初の部分は少なくともPKFといえばPKFに類するようなお仕事から始めなければならない、つまり、場合によっては兵力の引き離しであるとかあるいは武装解除、それから武器の収容、そこらぐらいまでは少なくともかなりPKFの色彩の強いところでございますし、それから難民を三十七万人連れ帰りますためには地雷の除去もしなければならないというようなところまで、やはりそういう要素の濃い私は活動の部分であろうと思います。 そういうことを抽象的に二人で話し合いながら、それから後の部分はだんだんに行政でありますとか最後には選挙でありますとか、これはPKOといわれる部分に入っていくでありましょうけれども、私が明石さんに申し上げましたのは、政府といたしまして国会に法案を提出いたしております、この法案が成立いたしますと今のような活動にお求めがあれば応じられる部分が多いと考えますが、たまたま法案が国会で可決されないままの状態であるということは、国会にお願いいたしましたこと全部がいわばペンディングになっているという状況でございますから、全く何も法案というようなことがありませんで、我々が現行法だけでこれはできるこれはできないという判断をする場合に比べますと、すっかりいろんなことを法案でお許しをいただきますといって申し上げて、そのお許しか出ないペンディングの状態はかえって非常に政府としてはやりにくい状態になっております、こういう意味のことを申し上げたのでございます。 もっと事を分けてさらに申しましたら、そうはいっても現行法でできる部分が幾らかあるじゃないかということになっていくのかもしれませんけれども、今の状況はPKFの部分もPKOの部分もいろいろ合わせまして国会の御審議を願っている、この状況の中でございますので、これでよろしいというお許しかありませんと、やはり全体についてどの部分ができるかという選択は政府としてもよほど慎重にしなければならない、こういう意味のことを申したのであります。
○種田誠君 私は、今政府が提案しているPKO法案このものの成立には反対でありますけれども、問題は、この法案がなくても、明石さんはぜひとも日本からの人的かつ物的な協力を早急にお願いしたい、こういうふうなことを言明されておることも事実だと思うんです。 そこで、まずこのUNTACというのがどういう機構でどのような役割を持っておるか、ちょっと説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(丹波實君) お答え申し上げます。 UNTAC設立の過程で、国連事務総長が報告書を出しておることは先生御承知のとおりでございます。それによりますと、七部門に分かれておるわけですが、大きく分けて、一つは軍事的な部門でございますね。動員の解除あるいは武器の管理、そういったたぐいの、今総理のお言葉の中にあるPKF的な活動。それからもう一つは文民的な活動、これは行政の監視であるとか一番重要な選挙の管理、そういったもの、それから警察業務ということが二つ目。三つ目は、復興の分野におけるUNTACの活動。それから四つ目は、難民の帰還援助の分野における活動。大きく分ければそういうぐあいな分け方ができるんではあるまいかというふうに考えます。
○種田誠君 もう一つ、UNTACの現在想定している今後の活動、これについてちょっと説明してくれませんか。
○政府委員(丹波實君) UNTACにつきましては、二月二十八日の安保理決議で成立いたしておりますが、その中で、UNTACはとりあえず十八カ月間にわたって存続するという予定になっております。 十八カ月間の活動の中身の概要というのが御質問と思いますが、ごく手短に申し上げますと、まず、先般十五日に明石代表が赴任いたしましたけれども、これによりまして名実ともに発足した。今後三月下旬にかけまして地雷の一部地域の除去等を通じまして難民、避難民の帰還が始まる。先ほどの三十七万人と言われております難民が帰ってこなければ、結局その選挙ができないわけですから、この難民が帰るということが非常に重要なことでございます。本年十月から選挙人の登録が始まるということでございます。 十月のことを先に申してしまいましたけれども、五月から夏ぐらいにかけまして軍事部門の全面展開が完了するということになっております。大体十二カ国から一個大隊ずつ、十二個大隊が集まるのが一番大きな規模が集結したときだというふうに聞いております。それから、六月には先ほど申し上げた武装の解除あるいは動員の解除ということが開始される。それから十月から十二月にかけまして選挙人の登録が行われる。そういうプロセスを経まして、遅くとも来年の五月までには選挙が行われるべしと、そういう安保理決議になっておりまして、明石代表もぜひこの想定のもとに活動をいたしたいということを日本で言っておられた次第でございます。
○種田誠君 私も、明石康さんが三月十五日に現地に赴任する前に日本カンボジア復興友好議員連盟の一員としてお会いをし、お話などを伺ったわけでありますが、問題は、今の局長の話にもありましたように、UNTACの任務は極めて幅の広い任務であって、しかも軍事部門以外の部門が大きなウエートを占めていることも間違いないと思うんですね。そして、お話にありましたように、もう今月末から難民の帰還作業が始まるわけであります。 こうなった場合に、率直に言いまして、PKO法案を成立させるとかというようなことを待つこともなく、もう既に今日的に活動を開始していかなきゃならない、こういう状況にあるとすれば、日本もむしろ今でももう既にカンボジアのUNTACに対する協力活動ができるのならば私は行うべきだろうと思うんですが、その辺のところについて、今日的にUNTACに対する協力活動は資金以外にはできないんでしょうか。
○政府委員(丹波實君) 先ほど総理のお言葉の中にもあったと思いますが、現在、政府といたしましてはPKO法案をお願いしておる次第でございますので、もしそういうものができなかった場合のことという点につきまして、現在研究し尽くしているという状況ではないわけでございます。せっかくの御質問でございますので、そういうことを前提に若干御説明させていただきますと、大きく分けて軍事部門的な側面における活動、これはやはり法案の成立なしにはできない。それからもう一つ、例えば警察業務でございますね。これはやはり警察関連の国内法の根拠法令を見ても、あるいは外務省貝に採用して送り出しても、警察業務を行うということは外務省の設置法上非常に難しいことは先生もこれは御理解いただけると思うんです。それでは、例えば行政機関の監視、典型的には選挙監視ですね、これはかってナミビアのときとかニカラグアのときにもやったじゃないか、その程度はできるじゃないかという点の問題はあろうかと思います。 しかし、一つ非常に重要なことは、ナミビアと違いますのはインフラですね、それが非常に劣悪だと。例えば、私の手元に今国連の事務局がニューヨークできのう説明した電報が来ておりますけれども、カンボジアのインフラの状況は極めて劣悪である。こういうことを言っているんです。それで、各国に軍事要員をお願いするときには、インフラが余りにも劣悪なために自分で六十日間の自給、食べ物その他の用意をしてきてくれなければ困るということを言っておるわけです。ですから、ナミビアのときのように自治省にお願いして地方公務員を出してほしいといっても、果たしてそういうことが現実の問題としてカンボジアで可能になるのかどうか、ちょっとやはりその辺のところはどうかなという感じを非常に強く持っておることを率直に御説明させていただきたいと思います。それから治安の問題もあります。 そういうことを考えますと、全く不可能であるということをこの場で申し上げるつもりはありませんけれども、今後とも勉強させていただきますけれども、難しいなという感じを持っておることも事実であるわけでございます。
○種田誠君 私も、実は昨年参議院の福田宏一先生を団長としてバングラデシュ三の選挙監視、そして昨年の四月には奥田運輸大臣を団長としてネパールの選挙監視活動をしてまいりました。軍隊に囲まれて極めて厳しい状況ですけれども、しかしながら、そこで私たちだってできたわけであります。そういう意味で、それと同時に、カンボジアの問題に関しましても、もう既にNGOの方々が真剣に働いているわけであります。 したがいまして、まず法案がなければできないんじゃなくて、できることからやっていこうということが、その姿勢が大事だと思うんですね。そうしないと、PKO法案そのものは憲法九条とのかかわりで疑義があるということでこれはできないわけですから、そうはいっても、できることから私はやるべきだろうと思うわけであります。 そういう意味で、それは国際的に任務分担をすれば可能なことでありますので、日本の場合、明石代表も言っておられるように、PKO参加問題が解決されなくてもある程度は日本はこのロジの部分、その点について、ロジスティックの部分について住宅を供給する、事務所を供給する、医療部隊を供給する、そういうことができるならばできるところから私はやるべきだろうと思うんですが、いかがなものでしょうか。
○政府委員(丹波實君) ロジ面の分野における協力につきましても、その必要な装備をどう保有するかといった問題一つとっても解決しなければならないなかなか難しい問題が多々あろうかと思います。それから、物資協力につきましては、PKO法案が成立しますと、まさに第二十五条でそういうことが可能になるような条文がございますけれども、そういう法律なしにその物資を出していくというのは、仏その分野は素人でございますけれども、財政法上いろんな問題があるというふうに承知いたしておりますので、勉強はいたしますけれども、なかなかこれも簡単なことではないなということでございます。
○種田誠君 ぜひ、PKO法案と関係なく、UNTACの明石さんを支援するような前向きの形での活動を積み重ねていただきたいと思います。 さらに、日本の今回のカンボジアに対する支援に関して、私はこの前の海部内閣のときとはちょっと違うなと思ったことがございます、今回、非常に早い時期に金銭的な支援活動を始めた。八百万ドル、そして今日二千五百万ドルを用意され、しかも今柿澤政務次官がプノンペンを訪れてその話を詰めているという。この件に関して私は、金銭的な資金的な協力をする場合にタイミングが極めて重要であるというその場合、今日的にとっておられる態度は極めて時宜に合っている態度ではないだろうかと思うわけであります。しかしながら、大事なことは、まだまだ求められている額が大きいものですから、その辺に関しまして今後の一つの方向をしっかりつくってさらなる支援体制をつくっていただきたいと思うわけでありますが、この金銭的な意味での支援体制について、今後どのように考えておられるか、その辺のところを述べていただきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはルールが一つございまして、やはり国連分担金のようなものはそのルールに従って二一・四五%を負担すればいいと。そのルールを破って日本が何でもたくさんやるということは国民の負担につながるわけですから、ストレートに全部これはルールどおりやらせてもらう。しかしながら、アジアの問題でもございますし、今言ったように、ほかの国が、小さな国までみんな軍隊を出したり、非常な暑い中、危険な中、いろんなことをみんなでやろうということでやっているわけで、我々がまだ法案が通るか通らないか、出さない方がいいとかということを言っているうちにもう各地、各国は全部協力しているんですからね。だから、そういうことを考えれば、それは別な財政的な面ではできるだけのことをやってやりたい、そう思っております。 二十八億ドルぐらい全部でかかるんじゃないかと言われておりますが、そのうち八億ドルか九億ドルぐらいは復興資金その他でございますので、そこらのところをどういうふうに持つかは、よく国際社会の中で重立った国と相談をしながら、できるだけひとつ協力をさせてもらいたい、こう思っております。
○種田誠君 UNTACに対する支援のほかにも、国連難民高等弁務官事務所の関係で、いよいよこれも今月の末から難民の帰還が始まるということになりますと、この辺の手当ての方は日本からの支援はどういうふうになっておるんでしょうか、ちょっと聞かせていただきたいと思います。
○政府委員(丹波實君) 難民の帰還の問題につきましては、昨年とことし、二度にわたりまして国連から世界に向けまして、まず財政支援のアピールが出ております。総計で一億一千六百万ドルに上るということでございます。このうち、日本は既に昨年八百万ドル拠出しておりまして、それに加えて、今週の火曜日の閣議におきまして二千七百万ドル追加するという発表をいたしまして、それを国連に通報いたしております。国連の側としては、これだけのものを出してきた日本というのは、そういう大規模なものを出してきた最初の国ですけれども、大変に高く評価するという発言でございまして、これはUNHCRもそういう発言をいたしております。
○種田誠君 UNTACに劣らず難民の帰還作業も極めて大変な作業でもあると同時に、大変なお金も要するということでありますので、万全な支援体制をお願いしたいと思います。 そしてもう一つ、実はカンボジアでカンボジア国民が日本にぜひ早急にお願いをしたいと言っておられるのがトンレサップ川にかかるジュルーイ・チョンバー橋、日本橋と言われるこの橋の復旧をぜひとも早いうちに、これはもうプノンペンから地方都市に出ていく重要な橋であって、これはしかも一九五四年に日本が第二次大戦に伴う国家賠償請求権の放棄のかわりに建設したという経過もあるわけでありますし、そういうことで、ぜひこの日本橋の早期の復旧をお願いしたいと思うんですが、外務大臣、この橋に関する考えは具体的にお持ちでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはもう本当に、目抜き通りというんじゃありませんが、町の中にあるわけですから、行ってみればすぐわかるように、大部分が使えて、この一部が爆破されて落ちている、えらい目立つわけであります。日本がかけた橋だと。ですから、これはもう幾らかかるかまだ見積もりその他とっておりませんが、今調べておりますけれども、なるべく早いうちに、予算でも通れば何か早くかける方法はないかということを考えたいと思います。 これにしても、かなりの機械は持ち込まなきゃ、人は持ち込まなきゃならぬ、どこの国が請け負うんだという問題はもちろんございますから、国際入札でやるというようなことになれば、早くといったってそれは時間がかかる。しかし、たくさんの技術者がまとまって行ってもホテルがあるわけじゃありませんし、泊まれるうちがあるわけじゃないから、それはテントでも張って自活をしながらやってもらうということになるんでしょう、恐らくは。 いずれにいたしましても、治安の確保がはっきりしないで、そしてどんどん民間に行きなさい行きなさい、外国の人は危ないところをやれ、日本はみんな静かになっていいところだけやりますといっても、それは通用しないんですよ。ですから、私は世間並みのことはやらせていただくということをまず考えて、それと同時並行的にこの問題はなるべく早く処理したいと思っております。
○種田誠君 奥田運輸大臣にこの点、運輸大臣は外務省担当じゃないんですけれども、日本カンボジア復興友好議員連盟の会長としてもこの日本橋の問題に関しては前々からお考えを持っているようなんで、この際ちょっと運輸大臣の日本橋に関する今後の考え方を述べていただきたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 今、外務大臣からお話があったように、積極的に協力してまいりたいと思っております。外務大臣にもよくこのことはお願いしてございます。
○種田誠君 カンボジアの問題に関しては、先ほど申し上げましたように、もう既にUNTACの活動が始まっております。一日も早く日本からの支援体制がつくられませんと明石さんの活動もなかなか進まないということでありますので、直ちに私は、PKO法案そのものとかかわりなく体制づくりをぜひお願いしたいと思うんですが、再度総理の決意のほどをその点に関してお願いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) よく御趣旨はわかりました、最後のところだけちょっと惜しいと思いますが。
○種田誠君 それでは、時間がありませんので次の質問に参ります。 平成二年の十月に地球温暖化防止行動計画というのが作成をされました。これに基づいて関係省庁において地球温暖化防止のために積極的な施策を展開していると思いますが、このことに関してこの内容を、またそして現在行っていることを説明していただきたいと思います。
○国務大臣(中村正三郎君) 委員御指摘のように、平成二年の十月に地球温暖化防止行動計画を策定いたしまして、これは政府一体となって行うわけでありますが、昨年の六月に関係閣僚会議を開きまして、平成三年度に関係各省が実施する予定にしていることの施策についても取りまとめまして、また毎年そのフォローアップを行っていこうということになっておりますが、細かい点については事務当局から御答弁をさせていただきたいと思います。
○政府委員(八木橋惇夫君) 地球温暖化防止行動計画の内容でございますが、これは行動計画の目標を立てまして、炭酸ガスの排出量を一人当たりで二〇〇〇年以降おおむね一九九〇年レベルにするという一つの目標と、もう一つは、さらに太陽光、水素等の新エネルギー、二酸化炭素の固定化等の革新的技術開発等が現在予想される以上に進展することによって、二酸化炭素排他総量が二〇〇〇年以降おおむね一九九〇年レベルで安定するよう努めるという二酸化炭素ガスの排出抑制につきまして目標を定めたほか、その他の温室効果ガスについても極力その排出抑制に努めるという目標を立てまして、そのために行動計画期間を一九九一年から二〇一〇年まで、中間目標年次を二〇〇〇年に置いて、そこから今度は、講ずべき対策といたしまして二酸化炭素排出抑制対策、それからメタンその他の温室効果ガス排出抑制対策、二酸化炭素の吸収源対策等々、各般にわたる施策を取りまとめたものでございます。
○種田誠君 ただいま述べられたような行動計画に従って、現在各省庁において施策を展開しているところだと思うわけでありますが、とりわけ私は、新しい町をつくっていく中で都市に発生するエネルギー、こういうものを循環させることにより、また再利用することによって環境に優しい町をこれからつくっていく、こういう施策を十二分に展開させていってほしい、こういうふうな思いがありましてきよう質問内容に取り上げたわけでございますが、残念ながら時間が来ておりますので、後日、この関係については一般質問の機会がありましたらば、そのような際に質問をさせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(中村太郎君) 以上で種田君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(中村太郎君) 次に、須藤良太郎君の質疑を行います。須藤君。
○須藤良太郎君 皆さん御苦労さまでございます。 宮澤内閣は、外に国際貢献、内に生活大国の実現を打ち出しておるわけでありまして、これは新しい時代への一歩として高く評価できるものと思われます。 そこで、まず総理に外交と内政、それぞれ一問ずつ簡単に御見解をいただきたいと思います。 まず、外交でございますけれども、ポスト冷戦、旧ソ連邦、また東ヨーロッパの社会主義体制が崩壊いたしまして、今後の世界の潮流は自由化、民主化、また市場経済化、そして平和の方向に進むと見られるわけでございます。しかもまだ、一度芽生えました自由の木は、その成長は極めて速い、こういう言い方もあるわけでございますけれども、現実には民族間の紛争が激化しておる、地域間、宗教等の紛争も激しいわけでございます。そういう意味で、この大きな潮流が好ましい方向にうまく行くのかどうか、その前途は非常に心配される面もございます。しかも、国際情勢の動きは非常に激しいわけでございまして、総理として、この大きい流れがうまく進むのかどうか、そういう問題につきまして簡単にお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) いわゆる冷戦後の流れが大きな目で見まして全く逆転をするということは恐らくないであろうというふうに考えますが、須藤委員が今言われましたように、しかし、それはそれで各地に別の意味での紛争が起こるということも既にもう現実に起こっておりますし、また、いわゆる旧ソ連あるいは東欧の国々が文字どおり民主主義に向かい、市場経済にみんな向かって現実に行くであろうかどうであろうかということも、事は簡単でございませんので、必ずしも楽観を許すわけにはいかない。 そこで、私どもとしては、そういう流れをできるだけもとに戻らないように、国際的な貢献によってその流れを促進していきたいと考えておるわけでございます。そして、その結果として、いわゆる軍備のために使われておりました莫大な資金と資源が南北問題等々に使われることによって、文字どおり平和の配当が地球全体に生まれていく、そういう流れを我が国としては先頭に立って促進をしてまいりたいと思っております。
○須藤良太郎君 もう一つ、国内の生活大国の実現の問題でありますけれども、ここで特に配慮しなければならない問題は、やはりこれまでの一経済成長、経済効率一辺倒の経済社会システムヘの反省だろうと思います。従来の効率優先のあり方から、真に国民が豊かさとゆとりを実現できる社会を築き上げることが極めて重要であると思います。その意味から、自然の中で農業生産を行い、また緑豊かな生活・余暇空間を多くの国民に提供して、都市に比べてゆったりとした農村は大きく評価されるべきではないか、こういうふうに思うわけでございます。農村は民族の苗代、活力の根源と言われるわけでございます。 そこで、生活大国の実現という政策を打ち出したわけでありますけれども、当然ここには農業、農村の問題が含まれておると思いますが、この生活大国の実現という問題に対しまして農山漁村の多くの方々が期待もし、熱望しておるわけでございます。 そういうことで、生活大国の実現と農業、農村との関係、この辺の打ち出し方がちょっとわからない。農相と総理にお考えをお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 施政演説で申しました際に、生活大国の一つの問題として「豊かな個性」というようなことを申し上げたわけでございますけれども、この個性というものは、やはり都会、大都会にはなかなか育たない、どうしても一様になりやすい。それに対して、農村というのはやはり長い歴史を持っておりますから、そこに歴史もあり文化もあるということ、私はそれは疑いのないことであろうと思います。もちろん、食糧その他の主要な供給者でありますし、緑もございますし、空間もあるということでございますが、やはり各地域の個性のある文化というものが私は非常に農村の持っておる大きな特色であろうと思います。 それがふるさと創生というようなまた仕事になっていくわけですが、願わくは、しかしその農村が、そうでありながらなおやはり同時に都会を志向したいという気持ちを持っておりますから、都会との間の交通なり通信なりというものが不便でなく、時によってはそういう選択もできるような、全国のいわばバランスのとれた発展というものが生活大国にとって大変望ましいことだと思います。
○国務大臣(田名部匡省君) 今、総理からいろいろとお話しになりましたが、何といっても環境保全でありますとか、自由時間あるいは余暇の時間の十分な活用、ゆとりある生活空間、豊かな個性や薫り高い文化、こういうものを本当に実現していこうとすると農山漁村の果たす役割というのは非常に大きいと思うんですね。ところが、その農山漁村が今どうも都市と比べるといろんな面で劣っておるということはもう御指摘のとおりであります。やっぱり米の二千年にわたる文化というものは、その地方でいろいろ大きな違いがあるんですね。本当に各県、各町村によっても全然違う。やっぱり年貢米として米で税金を払ったというこの歴史というものはいろいろなことをはぐくんできたんだなという感じを受けまして、そういう意味でも、今申し上げたようなことが本当に大事なことだと思うし、国土の均衡ある発展とか、質の高い生活環境、そういうことを考え、また過疎化、高齢化、そういうことが今農村で起きている現象でありますから、都市に比べて立ちおくれておる生活環境の整備、農村の活性化ということが、総理の言われた生活大国の姿、それに一番近づけることではないか、こう思います。
○須藤良太郎君 次に、副総理・外務大臣にお尋ねいたしたいと思います。 我が国にとりまして、中国との関係は地理的にも歴史的にも、また中国の非常に大きな巨大性からも大変重要であると思うわけでございます。中国は今政治面でもまた経済面でもいろいろ動きが見られるわけでございます。どういう方向で行くのかよくわかりませんけれども、しかしいずれにいたしましても、我が国と中国との友好関係を保つということは、これからの国際平和あるいはアジアの発展のために極めて重要なことである、こう考えておるわけでございます。 そういうことで、今経済面あるいは政治面、いろいろ言われておりますけれども、中国の現状あるいは今後について、副総理・外務大臣はどう見られておるか、簡単で結構でございますけれども、お願いいたします。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 簡単に申し上げたいと存じます。 何せ中国は長い歴史と広大な国土、十一億余に及ぶ人口、多民族、そういうような中で非常に現在の国民所得は低い。こういう中で、どうして団結と統一を守りながら平穏裏に国の文化水準や生活水準を上げるかということに非常に気を使い、努力をしておるわけであります。 したがいまして、表面はマルクス・レーニン主義とか、いわゆる毛沢東主義とか、社会主義とか、プロレタリア独裁とか、そういうようなかっての看板は、看板といってはなんですが、思潮、そういうものは守っていくということを言いながら、その一方では経済の改革・開放を進め、そして株券までも発行して、証券市場までも場所によってはこしらえるというようなことをやっておるので、非常にこれは矛盾したような政策ではないかということを我々は質問したこともあるんです。ところが、中国は人類が経験したことのない新しい社会主義をつくるんだと言うんですけれども、よくわからないんです。いずれにしても、その路線を守っていこうという、今までのなにでいこうといういわゆる保守主義と、改革・開放を進めて自由化と民主化を進めようという中での確執があることは間違いない。それを表面化させないでまとめていくためにはやむを得ない策ではないのかな。いずれにせよ、近代化を図っていくためには諸外国、特に西側のいろいろな知恵ややり方やそういうものをまねをするというか取り入れて、そして生活水準を上げるというところに努力をしておるところであります。 日本などはすぐ近くにおりますから、大いに日本及び西欧の方々の御協力を得たいと。我が国に対しましては特に長い歴史がありますし、かつては戦争等があったわけでございますが、国交正常化をして二十年になって日中関係は非常にいい状態にある。したがって、今後とも新しい世代に向かいまして一層日中の友好関係を進めていきたいという希望は非常に強いというように我々は認識をしております。
○須藤良太郎君 次に、カンボジアとPKOの問題でありますけれども、これにつきましては我が党は既に井上議員が質問をしておるわけでございますが、あえて私一言要望しておきたいと思うわけでございます。 何か束ねるような話になって恐縮でありますけれども、最近の議論を見ましても、特にきのうの民社党の勝木委員のお話を聞きましても、PKO法案に対する考え方は基本的にはそう大きい差はない。しかも、今種田委員の話を聞きましても、とにかく協力はしたいんだと、こういうことでございます。 そういうことでありますから、先般のPKO国会でも思ったわけでありますけれども、あの継続審議は本当に残念だった、こう思っておるわけでございます。みんな何とか協力したいと思っているわけでありまして、国民の多くも同じ気持ちだろうと、こう思うわけでございます。 そこで、ぜひひとつ小異を捨てて大同につく、大同団結と、こういうことで、総理と外務大臣の強いリーダーシップのもとでぜひ早期成立を図っていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。 先ほど種田委員から明石さんの話が出ましたけれども、参議院の自民党でも直接お話を聞いたわけでございます。明石氏は強調しておりましたけれども、PKOは本当に平和のための仕事だと、しかも極めて人道的な仕事であるとおっしゃっておられますように、世間の多くの国が何の問題もなくたくさんの協力をしている、そういう中で日本のとにかく人の協力がないのが極めて寂しいと、こういうことを漏らしておったわけでございます。 そういうことで、日本人が最高指揮をとるわけでありますし、しかもアジアのカンボジアでございます。ぜびひとつPKOの協力を実現すべく、総理と外相の特段のリーダーシップをお願いいたしたいと思いますが、御決意をお願いいたします。
○国務大臣(渡辺美智雄君) もうるる申し上げてありますからくどいことは申しませんが、もともと海部内閣のときにカンボジア和平を実現させようということで、国連は国連でいろんなことをやっておった、インドネシアはインドネシアでやっておったが、一昨年の六月、東京にカンボジアで内戦をしておった各派四派の代表を呼んで、それで何とかしようというところまでやったわけですから、日本はそういうことでいろいろ言うことは言うんだけれども、いざとなったらやらないではそれは済まないわけであります。 もちろん、財政的な支援をすることもやぶさかではございませんが、しかしながらお金をどんどんどんどん出しても、それは別にカンボジアの国民のところに配付されるものに日本のお金のマークが入ったものが行くわけでもありませんし、それは有識者の中では知っている人はありましょうが、やはり日本が来て手伝ってくれていると。何十カ国の人が来て、国連の旗と自分の国の旗をかけて、あっちこっちで汗を流してやってくれている。ところが、どこを見ても日本の旗だけはないというのではちょっと情けないですよ、本当の話が。 ですから我々は、何が何でも東南アジアの諸国がみんな協力するぐらいのことは、少なくともひとつ一緒になって、自分で一番先にリーダーシップをとって和平を提唱したんだから、それに相応するぐらいのことはやらせていただきたい。そのためには、この法案を通過させてもらって、非常に機能的に目に見える形で、お金も出すが人も出す、その両方でぜひやらせていただくように、これはもう我々としてはリーダーシップを言ってもお願いする以外にないわけでございますから、それは参議院のできるだけたくさんの方々に御理解をいただいて、それでなるべく早いうちに、もう予算が終わったらすぐに始まって、それでひとつ御審議をいただいて何とか採決をさせていただきたい、そのように念願する次第でございます。
○須藤良太郎君 よろしくお願いいたします。 次に、外務省にお尋ねいたしたいと思いますけれども、このPKOと並びまして国際貢献の最大の柱がODA、政府開発援助でございます。 我が国のODAは、今世界最大の規模となっておるわけでございます。来年度予算原案を見ましても、一般会計で九千五百二十二億、対前年比七・八%増、これは恐らく国家予算の中で最大の伸びではないかというふうに思いますし、財投、出資国債等を含みます総支出額は一兆七千億近い対前年比一一・一%と非常に大きい伸びでございます。しかも、現在援助している対象国が百四十四カ国にも上り、日本の援助が最大の国が三十カ国もある。大変なことでございます。とりわけ、我が国ODAの中心となっておりますのがアジア諸国でありまして、多くの援助国が相当大きな経済成長を達成しておるわけでございます。対マレーシア、そしてインドネシア等が代表格であると思います。これらの成果はもちろん各国の自助努力、勤勉努力によるわけでありますけれども、日本の手助けの効果もやはり歴然としているんではないかと、私も各国を回って実感するわけでございます。 そういうことで、私は、このODAの途上国への大きな寄与、これは高く評価されるべきものであると思います。ぜひそれは国民の理解を一層深める努力が必要と思いますし、とにかくこのPKO法案に関しまして、PKOよりもODAをもっとやれと、こういう話も出るわけでありますけれども、ODAもこれだけ世界一しっかりやっていると、そういうことをやはり国民によくわかってもらって、このPKO法案の成立にも結びつけるべきではないか、こういうふうに考えるわけでございます。 外務省のこの評価、それから国民への一層の理解を深めるための努力についてお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(川上隆朗君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、我が国のODA事業は、一般的に申し上げますと、アジアを中心に大変大きな成果を上げているということで、現地の評価も高いというふうに我々判断いたしております。例えばASEAN、南西アジア及び中南米の各地域におきまして、三、四年前に世論調査を行った経緯もございますけれども、我が国の援助が十分役立っている、ある程度役立っているという回答が八〇%から九〇%に達しているという状況でございます。しかしながら他方、既に規模の上で最大規模の援助国となったわけでございまして、まさに今御指摘のとおり、国内での国民の御支持、御理解というものをさらに一層いただくように努力する必要があるというふうな認識でございます。 したがって、我々といたしましては、ODAに関する広報というものを進めることが大変重要であると認識いたしておりまして、既に毎年いわゆるODA白書、評価報告書といったようなものを公表いたしておりますし、援助の実態を国民に知っていただくためのいろいろな各種のパンフレットの作成等々、いろいろなことをやって努力しているところでございます。また同時に、いわゆる開発教育といったことで、途上国の直面する諸問題と援助の必要性というものに対する理解を国民にいただくということが大事であるというふうに認識いたしております。 この点につきましても、国際協力の日というようなものを政府は十月六日でございますが、設けまして、各種のシンポジウム等をやりまして努力を行っている次第でございます。また、国際フェスティバルといったようなものもことし企画いたしておりまして、ODA広報予算を幸い政府原案におきましては相当ふやしていただいたわけでございますが、こういうものをベースといたしまして、広報というものに今後とも積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○須藤良太郎君 次に、具体的な問題について一、二お伺いいたしたいと思います。 一つは、中国に対する経済協力の問題でありますけれども、中国は昨年の十一月の党の全体会議におきまして、農業と農村建設強化を決定しております。中国はしばらく政策の主眼を都市部に置いてきたわけでありますけれども、十二億人の人口の七割を占める農村を最重視するという姿勢を表明したわけでございます。 その内容は、水利建設の強化、農業投資の増大、基盤組織の建設強化等でありまして、農業の発展と農村の安定が中国国家の基礎であるという強い認識であります。私は、中国の農業問題は、中国だけでなくて、今後の世界の食糧問題に大きな影響を与えるんではないかと、こういうふうに考えておるわけでございます。たまたま私は、食糧生産基地として非常に有望であります黒竜江省三江平原地域の巨大なプロジェクトに十年ほど前からかかわっておるわけでありますけれども、昨年も夏に現地に行きまして、農業開発への非常に大きい協力への期待を受けてきたわけでございます。 いずれにいたしましても、今中国へは相当な経済協力を各分野で行っておるわけでありますけれども、中国の農業重視の中で、農業協力、農業開発への要請につきましてぜひ特段の御配慮をいただきたい。お願いするわけでございます。
○政府委員(川上隆朗君) 対中経済協力、特に農業分野についてのお尋ねでございますが、先生御案内のとおり、改革・開放政策に基づく中国の近代化というものを我々は基本的にできる限り支援していくという姿勢でございますが、農業分野につきましても経済協力、いろんな手法がございますが、有償、無償、技術協力といったようなものを組み合わせまして、従来から積極的に対応してきた次第でございます。 特に第三次の円借款、今九〇年から始まっておるわけでございますけれども、この円借款の中でも、まあこれ間接的でございますが、化学肥料の工場の建設、これは六件入ってございますし、それから御案内と存じますけれども、かんがい開発計画というものも二件入ってございます。それから、無償資金協力におきましても、肥料、農業、農業機器等の供与ということで、食糧増産援助といったようなこともやっておりますし、さらに農業水利整備計画といったようなものの協力も行っております。 それから、今御指摘のございました三江平原につきましては、総合試験場というものに対するプロジェクト方式の技術協力といったものを前からやって、今もうフォローアップの時期に入ってございますけれども、そういう状況でございます。 今後とも、こういうことで農業分野を重視してまいりたいというふうに考えております。
○須藤良太郎君 もう一点は、これは地球環境の問題にも関係あるわけでありますけれども、砂漠化防止の問題でございます。 緑は我が地球の生命のシンボルという有名な言葉があるわけでありますが、砂漠で緑が失われるということは、食糧を生産する土地が失われるということを意味するわけでございます。今、地球上で毎年六百万ヘクタールの農地が砂漠化によってその生産が不可能になっておる。また、毎年二千万ヘクタールが砂漠化の影響によって生産力が低下している。また、乾燥地域の放牧地と耕地、合わせて四十五億ヘクタールあるわけでありますけれども、そのうち七五%に当たる三十五億ヘクタールが砂漠化の影響を受けている、こういうことでございます。こういう急速に進む砂漠化が難民の発生あるいは飢餓の大きな原因でもある、こういうことでございます。このために砂漠化防止対策は、地球環境問題としてこれから世界的な問題となると思いますけれども、世界へ貢献する我が国としてはぜひ最重点課題として頑張っていただきたい、こういうふうに思います。 今アフリカの砂漠化は非常に深刻でありまして、詳細は申し上げませんけれども、現在いろいろな取り組みが行われておるところでございます。しかし、いずれにいたしましても、砂漠でございますからこの問題は技術も金も年月も相当かかる、しかし中途半端な形でやられては困る、しかもそれを早くやらなければならない、こういうふうに思います。 そういうことで、日本政府といたしましては、今度の国連環境サミット、こういうところではぜひ積極的に発言していただきまして、世界的な取り組みで砂漠化防止に日本が指導的な役割を果たせるよう頑張っていただきたい、お願いいたしたいと思います。
○政府委員(八木橋惇夫君) 先生御指摘のように、砂漠化の問題には原因として二つ、自然的要因とそれからもう一つは人為的な要因が考えられるわけでございますが、いずれにしましても、この問題は今後の地球環境問題を考える上で非常に大きな課題になっておるわけでございます。 先生御指摘の地球サミットにおきましても、アジェンダ21というこれからの行動計画を議論する中での一つの大きいテーマになっております。私どもはそこにおける議論を踏まえまして、その枠組みの中でこれから二国間協力、また国際的な協力という面で積極的に対応していくべきであるというぐあいに考えております。
○須藤良太郎君 次に、関連して自治省にお伺いいたしたいと思いますけれども、今地方自治体におきましては、外国の自治体都市との姉妹提携、文化経済交流を通じまして国際化が非常に活発になっておるわけでございます。これは大変好ましいことと思います。また、日本の世界ヘの貢献が問題になる中で、先ほど申しましたように、技術協力も相当大きい比重を持ってきておるわけでございます。この技術協力の内容を見ますと、海外へ派遣される専門家、これは国家公務員が非常に多く出ておるわけでありまして、地方公務員が比較的少ない、そういう感じを持つわけでございます。これからを考えますと、途上国からは効果発現の早い小規模な事業あるいは環境保全技術というような地方公共団体が技術を持っている分野の要請が非常にふえてくるんではないか、こういうふうに思っておりますし、現在も多くの分野で派遣専門家の確保に頭を痛めているところでございます。 そういうことで、ぜひとも地方自治体、特に都道府県の専門家を積極的に参加させていただきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。昭和六十二年に地方公務員派遣法が出まして、国家公務員と同じように相当派遣しやすい形にはなったというふうに思っておりますけれども、まだ非常にその数が国家公務員と比べて少ない。いろいろな事情があるようでありますが、これから幅広い分野で地方自治体の職員の方が海外派遣等を通じまして国際協力の促進を行うことが非常に重要と思うわけでございます。このための課題なりあるいは問題点の解決等につきまして、自治省の御見解をお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(滝実君) 地方公務員の国際協力につきましては、ただいま仰せのような問題があろうかと思うのでございますけれども、もともとこういった技術協力あるいはその他の国際協力は地方公務員としてもその職員の視野を広げるということで人材の育成につながる問題でもございますし、また地域レベルの国際交流を通じて地域振興を図る、こういう意味もございますので、仰せのとおり可能な限り技術協力あるいはその他の国際協力を積極的に進める、こういうような考え方が現在の地方公共団体の中でかなり活発に出てきていると私どもは考えております。 ただいま仰せのように、そういうふうな観点から私ども自治省といたしましては、とりあえず平成四年度から、新年度でございますが、普通交付税、現在御審議をいただいているわけでございますけれども、その中に盛り込むべき新しい事業費といたしまして、特に姉妹都市提携と申しますか、そういうような交流事業を通じた技術協力、こういうような観点からの事業費を新しく盛り込もう、こういうことで内々検討をさせていただいているという状況でございます。 その他の問題につきましては、ただいま申しましたような観点から、私ども、今のような仰せを基本に据えまして地方団体についても働きかけをしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○須藤良太郎君 最後にもう一つ、外務省にお願いいたしたいと思いますけれども、それはODAに携わります派遣専門家の安全確保の問題でございます。 今月三月三日、ドミニカにおきまして、国際協力事業団派遣の農業技術専門家大堂志郎さんが自宅で強盗に遭って死去されております。心から哀悼の意をささげるわけでありますし、御夫人も重傷とのことでございますので、一日も早い御回復を願うわけでございます。また、昨年の七月にはペルーで、同じく国際協力事業団の日本人専門家、これも農業技術者だと思いますけれども、三名が惨殺される痛ましい事件が発生しております。一昨日ですか、ペルーのフジモリ大統領も遺憾の意を表明しておりましたけれども、今後我が国の国際的、特に技術協力が増大している中で、ぜひひとつ技術協力者の、専門家の安全確保につきまして万全が上にも万全を期していただきたい。 そういうことで、今どういう安全対策を講じつつあるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(川上隆朗君) お答え申し上げます。 御指摘のように、昨年ペルーそれから最近ではドミニカにおきまして、不幸な、無念きわまりない大変残念な事件が起きたわけでございますけれども、政府といたしましてはJICA専門家等の要員の安全の問題につきましては、これはまさに活動の基本である、治安に不安を感ずることなく活動に専念していただくことがぜひとも必要であるという基本的な考え方から、従来ともども各国の治安状況というものをよく調べまして、これに応じまして安全対策に係る情報の提供や助言を行ったり、住居への警備員の配置、さらには防犯器材の据えつけといったようなことを行いますとともに、任国における安全対策会議の開催、それから治安安全巡回指導チームの派遣といったようなことを講じてきているところでございます。 さらに、先ほどのような特にペルーの事件を踏まえまして、平成四年度の予算の政府原案におきましては安全対策というものを重点項目の一つといたしまして、従来の措置に加えましてプロジェク上の安全対策費、これはプロジェクトサイトにおきますいろいろな塀をつくったり警報を備えつけたりといったようなこと、それから安全対策専門現地獄貝、これはクラークと我々呼んでおりますけれども、専門の者を雇って配置するといった費用というものを新規に計上させていただいておりまして、二億九千万円、昨年に比べまして四五%増を安全対策費として今回の予算でお願いしているところでございます。 今後ともJICAのこの専門家、それから協力隊を初めとする援助関係者の安全対策拡充、改善というものをぜひ図ってまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○須藤良太郎君 次に、地方対策について一、二お伺いいたしたいと思います。 再び深刻になった過疎化問題でございますけれども、一九九〇年の国土庁の過疎白書、これによりますと、過疎地域の人口減少が一九七〇年代、一時鎮静化しておったわけでありますけれども、最近五カ年間、再び人口の減少傾向が強まっている。平成二年の国勢調査によりますと、十八道府県が人口減少となっております。それから一九八八年、これはちょっと資料が古いわけでありますけれども、経企庁の県民経済計算、これによりますと一人当たり県民所得の格差、これが一段と拡大しているということであります。それからもう一つは、国土庁の平成二年度の首都圏整備に関する年次報告でありますけれども、やはりここでも東京圏への一極再集中が依然進行、こういうことになっておるわけでございます。 政府におきましては、ふるさと創生なり四全総なりあるいは四百三十兆の公共投資基本計画、こういうことで地方振興に相当意欲的に取り組んでおります。また、各省庁も地域振興のために積極的な政策を展開しているところでもございます。 この間、この委員会でも宮崎、鹿児島県の現状を見てまいりましたが、各市町村、やはり相当発想をめぐらし、いわば涙ぐましい努力を続けておるわけでございます。しかし、こういう政府、地方の努力にもかかわらず、現状としては依然東京とその周辺の経済成長率が高く、東京圏への一極集中が進行しているわけでございます。非常に強い求心力があると思うわけでございます。 これは古くて新しい問題のような感じもいたしますけれども、端的に今何が一番過疎化対策に求められているのか。前にも話がありましたけれども、私はやはり地方公共団体の役割がこの面で非常に大きくなっておるんではないか、ますます大きくなっておるんではないか、こういうふうに考えるわけでございます。そういうことで、自治大臣、そして国土庁長官から御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 都市と、特に東京と地方との格差の問題で、いろんな要件はあろうと思いますけれども、私が見ておりますのは、教育の水準と福祉の、特に医療の保障であろう、こう思っております。 つきましては、医療の件につきまして、いろいろと公営病院がございます、公立病院がございますので、協議をしながら、なお厚生省とも連絡をとりながら、まず何はともあれ医療制度からの整備を図っていきたいと思っております。それともう一つは、教育の施設であろうと思います。特に教育の内容の水準だろうと思っております。
○国務大臣(東家嘉幸君) お答え申し上げます。 一極集中が依然として続いております。今、御質問の中にもございましたように、減少県は十八にもふえている現状を我々は重大に受けとめていかねばならない。そのためには地方の総合的振興、活性化に取り組む必要を私たちは内政の重要な課題と受けとめております。総理の私どもに示される生活大国、この方針は今度の地方拠点整備事業等についても都市整備事業等についても私は非常に柱とならねばならないというふうに考えております。 今いろんな法律があることも、先ほどの委員の先生先生今もお尋ねのようにございますが、今回の場合は各省庁がお互いに投資効率を高めながら、そしてより活性化に向けて取り組む必要があるということでこれから協議し、そしてまた運営について、事業推進については、やはり私は本当に総合力を生かしていただくような法案にしていただきたいと心から思っているわけでございます。 もう一言つけ加えさせていただきますならば、やはり都会へどうしても行かざるを得ない農村の今日の現状というものは、私は非常に緊迫していると思っております。そういうことで、私もかつて農業改良普及事業に参加し、そしてまた今日の農村状況もよく踏まえております。そういう観点からも、この拠点都市地域の整備が、私はそうした問題も含めて、大きな活性化に向けてひとつ実現ができるように、私どもはその調整官庁としての取り組みを今後とも進めさせていただきたいと思います。
○須藤良太郎君 次に、沖縄開発庁長官にお伺いいたしたいと思います。 ことしは来る五月十五日で沖縄の本土復帰二十周年を迎えるわけでございます。県民の皆さんには極めて厳しい試練の二十年であったと思うわけでありまして、心から敬意を表する次第であります。 そこで、沖縄県出身でもございます、そして長く御苦労いただきました伊江沖縄開発庁長官に、この沖縄の振興開発についてお尋ねしたいと思うわけでございます。 政府は、復帰以来、二次にわたります沖縄振興開発計画を策定して特別の施策を展開してきたわけでございますが、沖縄の経済社会は依然として厳しい状況にあるだろう、こういうふうに思うわけでございます。 そういうことで長官の現時点での二次の振興開発計画の総括的な評価といいますか、それについてお伺いし、また来る三次振計におきましてもどういう政策を基本的に展開するのか、簡単で結構でございますけれども、お伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(伊江朝雄君) ただいま先生が仰せのとおり、昭和四十七年に沖縄が復帰いたしましてからちょうど九二十年に相なる節目の年でございますが、その間、沖縄振興開発特別措置法あるいは復帰に伴う特別措置法という二法を背景にいたしまして、最初の一期十年間を第一次振興計画、その次の十年間を第二次振興計画ということで、今日その最終の年度となるわけでございまして、来年度から今御審議いただく予定になっておりますこの二法をもとにいたしまして第三期が始まる、こういう計画になっておるわけでございます。 今日までの成果を振り返ってどうかという御質問の御趣旨でございますが、率直に言いまして、政府からこの間にこの二法を背景にいたしまして大変な大きな財政支出をいただきました。トータルいたしますと三兆四千億だそうでありまして、あの小さい細長い沖縄の島に、それこそ戦後の復興のために投ぜられた金が三兆四千億というのは相当膨大なもので、おかげをもちまして道路、空港、港湾あるいは学校、住宅、そういった公共施設の整備は、十分に行き渡ったとまでは申せませんけれども、相当にこれは戦前に比べますと大変な復興ぶりでございます。 しかしながら、まだ若干取り残しされている面がございまして、先生御専門の農業構造改善事業、これはまだ少し足りない。同時にまた、水の問題、これの確保についはやはりまだ少し手が足りないのではないかということを初め、生活産業基盤についてまだまだ本土との格差がございます。 したがいまして、これからの展望はどうするかというふうな御質問の内容でもございましたので申し上げますと、早くこの法律を通していただきまして、これに基づいての振興計画を十分に踏まえてやってまいりたいと思いますが、とにかくああいう南の島でございますために、その立地的な特色と申しますのは東南アジアに近いということ、それからまた亜熱帯性の気候であるということ、その立地の特色を十分に生かすような施策をつくっていきたいと思っております。 また、第三次の振興開発計画を今策定中でございますので、それなどを見ながら沖縄の新しい富をこの第三次の計画において生み出していきたい。いろいろなものがございますけれども、これは長くなりますので。そういう方向で考えたいと思います。 よろしくお願いいたします。
○須藤良太郎君 次に、農政関係について二、三お伺いいたしたいと思います。 総理は、施政方針演説の中で、農業、農村は大きな節目を迎えたと言っておるわけでございます。確かに今、農業、農村の立て直しは緊急の課題となっておるわけでございますが、ぜひここで総理に再確認しておいていただきたいのは、もう何十回もお聞きになりまたお答えにもなられたわけでありますけれども、農業、農村の役割は、一つには食糧の安定供給、二つには地域社会の維持形成、そして三つが国土、環境、文化の保全管理、こういうことでございます。しかし、今日の他産業あるいは他分野の圧倒的有利な展開の中で、ともしますとこれらの農業、農村の持つ役割、機能が見失われがちでございます。私は、むしろこの役割は今後ますます重要になるのではないか、そういうふうに考えておるわけでございます。 その意味でも、政府はこの節目の時期に農業、農村を最も重視する姿勢をぜひ強く打ち出してほしい、こういうふうに考えておるわけでございまして、今後の農業、農村の役割も含めまして総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 施政の方針で申し上げました中で、生活大国ということを御説明いたしまして、それの中にいわゆる国としての環境保全あるいは自由時間、ゆとりのある生活の空間、豊かな個性というふうなことを申し上げました。 これは農村を頭に置いて申し上げたことでございますが、もとより食糧等々の供給基地であるという大事な役割は当然といたしまして、これからの国土、ここに住む我々というものを考えてまいりますと、やはり農村には今申し上げたような特色がある。そして、古い社会でありますからそれなりの伝統も文化もある。これは都会にないたくさんのものを農村が持っております。そういう農村を国全体のバランスのとれた発展の中で大事にしていかなければいけないということであることに間違いはないのですが、しかしそのためにはやはり主として農業をやっておられる人々は、つまり基盤整備であるとかバイオテクノロジーであるとか、それからやはりそこに住む人はそれなりに近代的な生活を若い人は当然にしなければなりません。 そういう意味でのインフラの整備、それから都会との間の交通、通信によるネットワークによるつながり、そういったようなものをつくって差し上げませんと、都会の人は農村が大変にいいと思いますけれども、農村の人は自分の住んでいるところをそう思わない、都会の灯が恋しいということになるわけでございますから、そういう整備をやはりしていくということが大事なことだと思っております。
○須藤良太郎君 次に、農水大臣にお尋ねいたしたいと思いますが、強い農業の確立についてでございます。 私は、日本農業は諸外国に比べまして地形なりあるいは土地所有の状況からしますと不利な点ももちろんあるわけでありますけれども、一方では、一つの国内に一億二千四百万以上の極めて膨大なしかも旺盛な消費人口を持っておるわけでございます。そして二つには、稲作を初めとする高い営農技術、三つには水田中心の高い持続性を持つ優秀な農地、水利施設を持つわけでありまして、これは諸外国に比べまして極めて有利な条件ではないかと思っておるわけでございます。 アメリカのワールドウォッチの所長のブラウンさんが、日本の水田が、戦後だけで約五十年近いわけでありますけれども、この間一貫して生産性向上が続いだということは世界の奇跡だと言っておるわけでございます。 今、多くの外国ではいわゆる表土流亡、塩化あるいは水不足、そういうことで非常に将来が危ぶまれている、こういう状況にあるわけでございます。そういうことでありますから、私は、国内の生産性向上を条件といたしまして、今残念ながら日本農業生産はだんだん縮小をしておりますけれどもぜひ生産を拡大する、そして農家の期待できる強い農業、また農水大臣の言うもうかる農業に向けて頑張っていくべきじゃないか、こういうふうに思うわけでございます。 今、新しい農政を検討しておるようでございますけれども、この強い農業あるいは魅力ある農業をつくり上げるためにどんなお考えを大臣として持っておられるか、簡単にお願いいたします。
○国務大臣(田名部匡省君) もうかねがね申し上げてまいりましたが、何といっても若い人たちに意欲があるかどうか、これが最大の決め手なんですね。いろいろと補助やいろんなことをやってみますけれども、だんだん差がついてくる。農業はだめだだめだという話を聞きますが、全部だめではないんです。いい人はすこぶる成功をしてやっておる。だめなところもある。やっぱり人です。企業は人なりとよく言うんですが、それだけの努力、頭を使って汗を流してというところは大体うまくいっていますね。 そういう意味からすると、何といっても今一番問題なのは土地利用型の農業、これが問題なんです。あとはお花でも一億も収入があったとかいろいろ聞きますので、そういうものでなくて土地利用型のところが問題です。ただ、残念ながら規模が非常に小さい人たちが多い。したがって、農外収入でほとんど生活をしているという人たちが非常に多いということ。逆にサラリーマンの方から見ると、自分たちと同じように勤めて農業を片手間にやって、アルバイトが農業みたいな人がおるというそんな状況でありますので、何としても農業としてもうかるようにならぬかと。それにはやはり一定の規模がなきゃだめですね。 そこで、一年間サラリーマンと同じように働きながら何とか農業として生計が立つようなことを考えると、そこにはやっぱり経営管理とか企業的感覚で取り組んでいくということが一番大事だ、こう思っていまして、これに一生懸命努力をしてどんなことができるかということを今勉強いたしておりますから、いずれこの五月ぐらいまでには何とか方向づけができる、こう思っております。 また一方もう一つは、先ほど先生お話しのように、何といっても農村というのは暗いイメージ、どうも道路でも渋滞、交通量が多いところは整備するけれどもということでやられますと、農村というのはいつまでたっても整備できない。一番の立ちおくれが下水道であります。都会から行きたいと思っても、あるいは私も経験があるんですが、カナダやアメリカの小学生アイスホッケーの選手を二年おきぐらいに呼ぶんですけれども、一番の問題はトイレが水洗でない。民宿でありますから、受けられない子供たちの家庭というのがあるんですね。これが、一番そこのところが問題です。 今後はやっぱり道路やそういうものに力を入れる、そして美しい村づくりというものを進めて両面で、ああ農村はいいな、こんなところに住んでみたいな、こう思うようになると、都会の定年になった方々に、いろんな施設をつくってそこにおいでいただくということも考えられてくるのではないだろうかということで、今一生懸命検討いたしております。
○須藤良太郎君 私の申し上げたいことを大体言っていただいたようでありますけれども、私からも申し上げたいと思います。 やはり強い農業の展開のためには、殊に日本農業のウイークな米等の土地利用型部門、この生産性を画期的なものにする必要があると思います。それはやはり、月並みでありますけれども、将来において担い手となる農家等に農地を集めて経営規模の拡大を図るということに尽きるんではないか、こういうふうに考えるわけでございます。農地を集めるためには、これはできるだけ広い地域を対象に土地利用の調整をやることが必要であります。 最近、私、新潟県の北の方にあります神林村というところを見てきたわけでありますけれども、これは村全体で大区画圃場整備を実施しておりまして、それとあわせて大規模な農業経営体をつくる、そして公共用地の創設も行う、こういうことで活力ある地域社会を今つくりつつあります。これはまさしく地域全体の合意形成ができて土地利用調整がうまくいった事例でありますけれども、今後こういう村ぐるみの事例が相当ふえてこなきゃならぬ、こういうふうに思っておるわけでございます。 そういうことは、これから担い手がますます減少しているわけでありまして、どうしても農業、農村のあり方をよく見定めて望ましい土地利用調整を行うということが必要だと思います。何よりまず非農家が多くなっておるわけでありますから、そういう中で協力を得る、合意を得るということが恐らく地域リーダーにとりましては一番苦労の多い問題ではないかと思います。そういうことからいたしますと、今大臣からお話がありましたように、いわゆるけた違いにおくれております下水道を初め農村の生活環境整備を徹底的に進める、そしてそこに本当に住んでみたくなる、都会からも行きたくなる、そういうことをやることが一番重要ではないかと思っておるわけでございます。 そういう意味でこの構造政策には、生産基盤の整備はもちろんでありますけれども、やはり農村の生活環境整備がそれ以上に重要になっておる段階と、こういうふうに考えるわけでございまして、一番問題は予算面でありますから、若干生活関連枠おくれ色とっている面もあると思いますので、特にこの生活環境整備にぜひ特別な配慮をしていただきたい。農水大臣の決意をお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(田名部匡省君) 一極集中排除と我々も演説だけはよくやるんですが、具体的にどうするかというその受け皿をきちっとしませんと演説ばかりで終わってしまうわけでありますから、どうしても一極集中排除の裏腹で、先ほど国土庁長官がらもお話がありました地方の拠点整備、中核都市をつくる、こういったことも農家の例えば多様な就労の場ということ等もそこで受けとめていただくということ等もあって、大変私どももこれは期待しておるわけであります。 いずれにしても、今申し上げたように、農村の活性化をどう図っていくか、おくれていく生活関連、お話しのように、予算は大事なことでありますから私どもももう一生懸命これは取り組んでいきます。この整備が進んでいきませんと、いつも嫁をどうするかというんで私に質問が多いんですが、嫁はこれは個人的なことでありますけれども、しかしそういう環境をよくしてやらぬと、自分の娘はどこかに嫁がせたい、自分の息子には農業をやる嫁をもらいたい、こういうことになってしまうんですね。ですから、自分の娘も農家にやる、自分の長男にも農家からもらってくるという、そういうのは一体どうやってつくるんだろうかということですから、何といってもやっぱり生活環境、この点がよくなりませんと農家の後継者がなかなか育っていかないという面がありますので、頑張ります。
○須藤良太郎君 次に、農業農村整備事業に関する地元負担の問題でありますけれども、この件につきましてはこの数年政府の大変なお骨折りによりまして大分改善されておると思います。 今問題になっておりますのは、混住化が進む中で、やはり公共的、公益的な役割が事業としては相当大きくなっている。そういうことで、地方公共団体がこの負担を余儀なくされておるわけでございます。そうしますと、この負担に対する財政措置をぜひ頼むと、こういう格好になってきておるわけでございます。こういうことで、平成二年また三年におきまして、国営事業、都道府県事業等に対しまして地方財政措置の拡充を図っていただいたわけでございまして、これは地方公共団体もちろんでありますけれども、地元関係者は大変大きく評価をしているところだと思います。 まだ残された問題といたしまして、維持管理事業の拡大の問題なりあるいは団体事業に対します地方財政措置、その一層の充実が図られることが望まれるわけでありまして、これにつきましての対応を自治省の方にお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 最近におきますところの農業農村整備事業に係る地方財政の負担、急激に伸ばしてまいりましたし、今後もこの方面における需要に対しましては適切に対処したいと思っておりますが、念のため申し上げますと、平成元年度と平成四年度を比べてまいりますとその間農家負担が二三%から一〇%に下がってまいりまして、これを単年度でとりまして例えば平成四年度だけとりましたならば、大体四百七十二億円の農家負担が減額になった、助かったということでございまして、これは非常に農家も喜んでいただいております。 つきましては、これと並行いたしまして、先ほど農林水産大臣の説明の中にもございましたように、これからは農村の基盤整備よりも農村環境整備の方、この辺につきましても自治省としては地方財政計画の中に的確に盛り込んでいきたい、こう思っております。
○須藤良太郎君 これは御回答要りませんけれども、農業環境問題でございます。 私は、この環境問題、地球環境問題は突き詰めると農業の問題に帰するんではないか、こういうふうに考えているわけでございます。農業は本来、その持つリサイクル、再生機能を通じまして持続的な生産を行う産業でありまして、これはいわば人間活動の原点でもあるわけでございます。また、水田それ自体非常に多面的な機能を持つわけでありまして、治水あるいは水質浄化、地下水供給あるいは土壌保全、環境、国土の保全に役立っておるわけでございます。 したがいまして、従来からの経済性なりあるいは生産性のみの観点だけでなくて、これからはやはり地域社会や環境保全、資源問題、こういうものも十分考慮して、言うなれば環境と調和する農業の確立を図っていく大切な時代になっておるんではないか。最近、環境保全農業という言葉も聞きますけれども、そういう方向でもひとつ十分な御検討をお願いいたしたいと思います。 次に、地球環境問題でありますけれども、この問題はいろいろ既に出ております。ただ、私ちょっとお聞きしておきたいのは、今度のサミットでいろいろ行動計画なり地球憲章なりあるいは地球温暖化防止条約等々あるわけでありますし、また国連に新しい機関をつくって継続的に取り組むのだ、こういう意向も出ておるわけでございます。そこで特に重視される問題は、やはり二酸化炭素の規制に対する問題。途上国はもちろんでありますけれども、アメリカもいろいろ問題があるようでございます。この問題と、いろいろ新聞に出ております事務局案としての環境保全に対する財源、年間に一千億から千二百五十億かかるんだと、こういう問題でございます。四月には地球サミットの事務局の要請で、竹下元総理のホストで資金面での賢人会議が予定されている、こういう話も聞くわけでございます。 そういうことで、一つは、地球サミットに対する我が国の取り組みは結構なんでありますけれども、このCOの規制問題はどうなっているかという問題を環境庁に、そして環境保全に対するこれからの財源問題について基本的な姿勢を外務省にお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(中村正三郎君) CO2のお話でございますけれども、委員のおっしゃられましたとおり、気候変動枠組み条約というのを地球サミットで締結しようということで準備が進められております。現在まで五回交渉が行われました。そして、その中で大体のECの国々、そして日本、これは先ほども論議されておりましたように、我が国では地球温暖化防止行動計画というのを関係閣僚会議で決めまして取り組んでいるわけでありまして、EC、日本等は二〇〇〇年までに一九九〇年の排出レベルでCO2の排出を安定させようということでほぼ考えがまとまっております。 そういうことで交渉に臨んでいるのでございますが、アメリカがこれに対して違う立場をとっております。そこで、いろいろ詰めてまいっておるわけでありますが、この点だけがまだ詰まっておらないで論議が続けられておりまして、この間の準備会議でもまとまらずに、もう一遍やろうということでやっているわけでございます。具体的に申しますと、アメリカはこのCO2のスタビライズをアズ・スーン・アズ・フィージブルという言葉で入れようということでございまして、その点が日本ですとかECが言っているきちっとした年次を区切ってレベルを区切って入れようというのと意見が違っているわけであります。 しかしながら、世界の中でCO2の排出量の四分の一をアメリカが占めるわけでありますから、アメリカがこれに参加してくれませんと条約が非常に内容の甘いものになるのではないかということが考えられるわけでありまして、我が国としては、アメリカに同じような立場をとっていただくように、外務省にもお願いいたしまして今一生懸命交渉をしているところでございます。
○政府委員(丹波實君) 地球環境保全のための資金協力の問題でございますけれども、この地球環境問題の解決のためには、今お話にございました地球温暖化防止等につきまして先進国が率先してその環境保全に取り組む姿勢を示すとともに、全地球的取り組みに向けまして途上国に対する支援を推進することが必要であるという認識については一致を見ておるわけでございます。 それではどういうメカニズムと申しますか方法でその支援をしていくのかという点につきまして、先生も御承知と思いますけれども、先進国側と開発途上国側との間で意見の違いがあるわけでございます。先進国側は、昨年世銀のイニシアチブで設立されましたいわゆる地球環境基金と申しますか、これを改善しながらメカニズムにしていったらどうかということでございますが、途上国側は別途新しい例えばグリーンファンドと呼ばれる基金をつくってほしいというようなことをめぐって調整が行われておるということでございます。 賢人会議の問題につきましては、世界の賢人が集まって東京でこういう問題を政府の立場を離れて議論をして、一つの世界的な方向づけをしようじゃないかという会議でございますので、私たち政府といたしましても大変に注目しておるという状況でございます。
○須藤良太郎君 時間が参りましたので締めくくらせていただきますが、年明け早々から総理、副総理初め閣僚の皆さんにはまことに多忙な日程続きで、本当に御苦労さまでございます。特に外交日程が極めてハードの感じがするわけでありまして、これも世界の中の日本の立場を物語っているんではないか、こういうふうに思うわけでございます。特に、戦後的世界を支えてきた枠組みが崩れて、我が国がいわゆる自前で新たな方向を提示すべきときが来ている、こういうふうに思うわけでございます。国際社会でぜひ大国としての責任を果たして、名誉ある地位を占めるように御健闘を心からお願いいたしまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(中村太郎君) 以上で須藤君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(中村太郎君) 次に、小林正君の質疑を行います。小林君。
○小林正君 初めに、一昨日ペルーのフジモリ大統領が日本語で演説をされまして、感銘深くお聞きをしたわけでございます。私も先年ペルーを訪れまして各地を視察してまいりましたが、本当に忘れがたい国の一つでございます。 〔委員長退席、理事井上吉夫君着席〕 大統領の演説の中に日本に対する援助の要請の言葉もございましたけれども、特に教育の問題につきまして、日本が既に四百万ドルの支援を行って教育施設の充実のために取り組んでいること、そしてその成果として多くの子供たちが修学の機会を与えられたということを述べておられるわけですが、私の訪問しました折に、実は日本でも二部授業というのがかつてございましたけれども、ペルーでは四部授業というのをやっておりました。朝から晩まで入れかわり立ちかわり子供たちがやってくるというような大変厳しい教育環境でございました。 それらを考えますと、教育について日本が援助をしていくということは、教育出身の大統領ということもありまして、国づくりの基本としての教育へ日本が積極的な支援をするというのが今後の大変重要なテーマであろうと思いますので、このことについての積極的な対応をぜひお願いしたいと思うんです。この問題について総理の御見解を承りたいと存じます。
○国務大臣(宮澤喜一君) フジモリ大統領は、私もお目にかかりましたが、正直と勤勉とテクノロジーをもって国を立てたい、そして自分としては日本の戦後に歩んだ道を非常に参考にしたいと考えている、その基本はやはり教育であると。従来からも学校をつくることに非常に御熱心であったし、我々も支援をいたしましたが、今度私どもがペルーに援助をいたしますいわゆるノンプロジェクトの三十五億円というものは、恐らく大統領がそれを積み立てられまして、また学校建設をするというようにお使いになるように伺っておりまして、まさに委員の言われますように、私どもとしてもそういう道でできるだけお役に立ちたいと思っております。
○小林正君 次に、きょうの朝刊各紙が、きのうの予算委員会での高井委員と加藤官房長官のやりとりをそれぞれ取り上げて報道しておりました。私は、政策という問題にかかわってこうした議論がされるというのは政治改革にとって大変いいことだというふうに考えております。しかし、きのうの議論は必ずしもかみ合った議論になり得ていなかったというふうに思いますので、ぜひ政治改革の具体的な実践として、これから夏の参議院選挙もあるわけですけれども、この参議院選挙へ向けまして、それぞれ各党、政府・自民党もきちっとした政策を国民に提示する。 私は、きのうの官房長官の話をお聞きしながら、何か顧みて他を言うという言葉も大事ではないかなというような気もしていたものですから、ぜひそれはお願いしたいと思いますし、また野党各党もそれぞれ風民に対してもう一つの選択、オールタナティブをきちっと提示して、その中で国民に選択を求め、新たな政治情勢をつくる。そうしますと、国民も今白けムードが大変広まっているわけですけれども、そうしたことの中で政治参加への充実感といいますか、かかわりというものを強く持つことができるわけでありまして、ぜひこの点についてまず第一歩としてきのうの議論を無にしないために取り組む必要があると思いますので、この点についても総理の御見解を承りたいと思っています。
○国務大臣(宮澤喜一君) 官房長官が記者会見をいたしておるかと思います。きのう私も質疑応答を伺っておりまして、無論加藤官房長官は公党を誹謗するとか選挙であらわれました国民の意思というものを否定するとか、そういうつもりで申し上げたのでなかったのは私は明らかであると思いましたし、また高井委員との質疑応答の中でいろいろ政策問題についての御議論についても、高井委員の側におかれましてもそれは十分ひとつ議論をしたいと思うしと言っておられましたし、また加藤官房長官もそういうことは議会政治の本体であろう、そういう意味で政策についての御討議もこれからもお願いをしたいものだと、簡単に申しますとこういうやりとりであったと思います。 それは幾つかの、また現在お互いが問題意識に持っております問題が具体的な例に挙げられておりましたけれども、それらをめぐりまして国民の前でそのような政策論争が行われますことは、私は大変に好ましいことであるというふうに昨日の質疑応答を横で承りながら感じておりました。
○小林正君 八〇年代の後半、具体的には八九年の参議院選挙以降、国民の投票行動といいますか、形態といいますか、かなり変化をしてきたということが言われているわけであります。生活者あるいは市民感覚といいますか、そういう市民の常識というもので閉塞した政治状況をコントロールしていこう、こういう傾向が出てまいりまして、具体的に言えば、市民あるいは国民の選択というものがかなり私たちがここで議論しているよりはるかに先行しているんじゃないかなというような気さえするわけであります。 私は、素人の政治参加というネガティブな発想ではなくて、むしろ市民の健全な常識、それが閉塞した政治なりそういうものを市民の立場からコントロールしていく、常識としてそこに生かされていくような状況というものが非常に好ましいと思うわけです。そういう点で積極的に、素人とか、女性の政治参加について、ネガティブではない発想で政治を活性化する大変重要な要素として位置づけていくべきではないかというのが私の考えであるわけでございます。ぜひそういう方向で積極的に、この夏の参議院選挙は、やはり日本国民会員が参加をした形の中で、棄権も少なくて、新しい国づくりに向けての一歩になるような機会に持っていく必要があるんじゃないかなということを痛切に感じております。 次に、宮澤政権の問題なんですけれども、これはイギリスのサッチャー政権からメージャー政権に交代する経過も含めまして、日本もイギリスもともにいわゆる議院内閣制というのをとっておりまして、政権与党が政権内部で問題があったときには政権が交代をし、直接国民がその総理大臣を選択できないというような問題が議院内閣制にはございます。そういう意味で言うと、国民、有権者と政権が交代をした政権との間にギャップが生じてくると、直接選んだんではないんだという思いが働くということがどうしても出てくるだろうと思うんです。これをどう克服するかという手だて、努力というものがないと、議院内閣制に基づく議会制民主主義というものが国民から遊離してしまうという問題も出てまいります。 世界的には旧ソ連あるいは東欧、ヨーロッパ諸国の中でファシズムの台頭ということが言われておりますし、きのうのアルゼンチンで起きましたネオナチズムの行動等の問題もあって、必ずしも民主主義の方向へすべて行っているという状況ではありません。私たちとしては、常に民主主義が成功する方向へいろんな手だてを尽くして努力をしていかなきゃならないだろう、こういうふうに考えるところでございますけれども、宮澤内閣が海部内閣からバトンタッチを受けて何のための政権交代たつたのかなということを三あえて言わざるを得ないわけです。 課題は引き続いて政治改革と国際貢献、そして海部内閣のときも私たちは、これは両方ともボタンのかけ違えであるということを指摘してまいりましたけれども、その問題についても問題の克服がされておりませんし、一昨日でしたか、NHKの世論調査の結果も発表されましたけれども、その結果から言われますことは、海部内閣と同様にそのリーダーシップのことが指摘をされているわけであります。そういう点で、一体これは何で政権交代したのか、国民の目から極めて不可解と言わざるを得ないわけでございます。 この四月九日にイギリスで総選挙が行われることになっておりまして、この結果も注目されているわけですけれども、実はサッチャー政権が十一年間にわたって支配をし、そしてECの問題、ポールタックス等の問題で行き詰まって保守党内部の調整でメージャー政権が誕生した。その経過の中で、実は退任時にサッチャーさんが記者団に対して、自分は後部座席に座って運転手にあっちに行けこっちに行けと指図するのが上手だと、こういうことを記者団に言ったということが伝えられています。そして、これを聞いてメージャー首相は何と言ったかというと、アイ アム マイ オウン マンだ、こう言ったと言われております。 このエピソードが一つと、ロンドン・タイムズが当時ロンドン・サミットが行われたときの状況としてこういうことを言っております。 サミットに参加した海部首相が退陣したサッチャー前首相に会いたがってコンタクトをとろうとしたということについて、日本で首相は背後の大物に操られているという自分の経験から海部氏は彼女に会いたがっているのかもしれないと論評されておるわけですね。 こういうようなことで、総理自身、世論調査の結果やこのエピソードについてどういうふうにお考えか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) イギリスの政権交代について私が何か申すべきではないと思うのでございますけれども、議院内閣制において、私ども今多数党でございますから、総裁が任期終了とともに交代されるということは、これはしばしばあることでございます。また、先般もさようであったわけでございますけれども、一つの党でございますからそんなに志向する政策が変わっていくわけではない。ただ、総裁たるものの人によってのニュアンスはございますから、そういう意味で党の運営の仕方、あるいはひいては内閣の首班になりました場合の運び方というのは、その人によってニュアンスは違っていることはあるだろうと思います。 しかし、海部前首相の場合におきましても私の場合においても私はそうだと思っておりますけれども、我が国のように非常に進んだ、知的水準の高い、しかもこれだけ繁栄をしてまいりました社会におきましてのリーダーシップというのは、先頭に立って進め進めというようなそういう昔のイメージと違いまして、私はときどき大きなタンカーの船長のようなものではないだろうかと。急に曲がるわけにはいかない、かなり何キロという手前から曲がるなら曲がる準備をしなければなりませんし、そしてどの時点でどこへ着けるかというようなことがやはりキャプテンの仕事になる、そういう種類の、そういう要素を少なくともかなり持っておる。 あるいは亡くなられた大平さんの言葉をかりれば、それはオーケストラのコンダクターのようなものであるということを言われたこともございますが、そういう非常に大きなたくさんの異なった価値観を持っておられる国民のためにどういう選択が一番いいのであるか、それは同時に世界平和のための選択ということになるわけでございますけれども。そういうかなり長い準備とまた全体の協力、協調でございましょうか、そういうものを間違いなくやっていくというのがリーダーではないかというふうに、なかなかそういうことは口で申すほどやさしいことでございません、私にそんなことが簡単にできておると申しているのではございませんけれども、リーダーというもののイメージは私はそういうものとして考えております。
○小林正君 先ほど議院内閣制の問題を申し上げましたけれども、いわゆる政権の正統性という立場から考えてみましても、いわゆる権力の二重構造的な見方をされる政権ということが望ましい政権でないことはもうはっきりしているだろうというふうに思います。 メージャー首相が言ったように、私は私自身であるということを総理自身として明確におっしゃっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは、私はどの場合でもそうであると思います。
○小林正君 ということでお聞きしておきますので、今後の政治行動についてぜひそういうことでリーダーシップを発揮していただきたいな、このように思います。 次に、十二月にも御質問いたしまして、一月に日米首脳会談が開かれ、今後五十年間の日本とアメリカの将来について東京宣言という形で発するんだということが、事前の段階で相当大きな期待感を持って言われていたわけですけれども、現実的にはアメリカのビッグスリー等の社長を帯同してきて、経済的な懸案事項を中心として、大統領選挙というような日程の中で、相当意識的にそのことに配慮した訪日になったという状況からしますと、この東京宣言に盛られている内容というのが、当初宮澤首相としてお考えになっていたこととの関係でどのように評価をされておりますか、伺っておきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 一月にブッシュ大統領が訪日されましたときに、確かに当面の経済問題が非常に急を要しておりましたから、それについての両国間の協議等々がニュースのいわば大きな部分になった、これは一種の新しいホットなニュースでございますから、自然そうなりやすいことはこれはもうやむを得ないことだと思っておりました。しかし、少し長い目で考えていきますならば、やはり真珠湾後五十年を経まして、これから日米が世界に対してどのような、いわゆる当時の言葉を使えばグローバル・パートナーシップという言葉でございましたけれども、地球的な責任を共同で果たすかということは、当面の経済問題を超えてはるかにはるかに私は大切な課題であろうというふうに思っております。 したがいまして、あの当時余り取り上げられはいたしませんでしたけれども、これから長いこと将来にわたってこの東京宣言というものは何度も繰り返して読まれ、そうして、それに従って両国が東京宣言で約束し合ったことを果たしていく、そういういわば両国の間をこれから長いこと規定するような、律するような約束であったというふうに私は考えております。
○小林正君 総理のそういう受けとめ方に対して、日米のマスコミの評価というのはかなり厳しいものになっておりますし、私自身もあの東京宣言全文を読んでみまして、五十年先を展望した日米関係、それも冷戦の終えんという新たな情勢の中で希望に向かっての宣言という印象は大変薄いんですね。そして、やはり冷戦の終えんがもたらすむしろ負の要素、民族紛争とかさまざまなそういう問題についての配慮であろうかと思われるような負の部分に着目をした軍事面での対応というものについての表現が大変に多かった、こういうふうに思うわけであります。そういう点で非常に残念だったなという気がいたします。 冷戦の終えんで希望の時代がやってきた、したがって、これからアジア近隣諸国との関係を含めまして日米かどう対応するのかということについて、国民が読んで、ああそうかというようにはなかなかなっていなかったんじゃないかという気がするんですけれども、もう一度御答弁いただけますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) そこのところは、今小林委員が言われましたような、いわゆる冷戦というものが終わって、新しい平和秩序が構築され始めるという、そういう明るい希望を持たせる面と、しかしながら、両大国の対立がやまったためにそこから生じる局地的な、あるいは摩擦的な問題というものが、かえってむしろ煩わしい大変な問題ではないかという、湾岸戦争というような具体的な例もあったものでございますから、そういうことに重点を置く考え方と、両方があの中に入っております。 確かに明るい面だけも言っておるのではございませんで、そうは言いながらも、むしろ油断をするわけにはいかないと、そういう考え方も確かにあの中に入っておりまして、それはまた実際間違いではございませんので、両様の面を持っておるということ佳言われるとおりと思います。しかし、何といっても大きな流れとしては、そういう冷戦が終わったということ、これがやはり私は、将来に向かっての大きな流れである、また、そういうことをあの中に書いておるつもりでございます。
○小林正君 この文章の中に、「両国は、」「改組された日米安全保障協議委員会の枠組みを十分に活用する」という表現がございますが、これはどういうことを意味しているのか、お尋ねします。
○政府委員(佐藤行雄君) お答え申し上げます。 日米安保協議委員会と申しますのは、安保条約のもとでお互いに意見を調整していく一つの機関として設けられているものでございます。既に十八回会合を開いているものでございますが、これまでは構成が、日本側は外務大臣と防衛庁長官であるのに対して、アメリカ側が在日米大使と太平洋軍司令官という形になっていたわけであります。これだけの状況になりましたのを踏まえましてお互いに大臣クラスにしようということで、我が方は外務大臣と防衛庁長官でございますけれども、先方につきましては国務長官と国防長官にする、そういうことで合意が調いました。それを受けて「改組された」という表現になっているわけであります。
○小林正君 この改組された協議委員会は、平成二年末の交換公文でできているようですけれども、それ以来今日に至るまで何回開かれておりますか。
○政府委員(佐藤行雄君) その後まだ開かれておりません。お互いに何回か日程の調整をして、でき上がっては都合がつかなくなったという状況がございましてまだ開かれておりませんが、東京宣言にもありますように、我々としてはなるべく早くお互いの日程の調整を得て開きたいと思っております。
○小林正君 少なくとも、安全保障の問題が重要なテーマとしてこの中に位置しているわけですから、当然レベルアップをした中での協議委員会が開かれて有効な対応がされるということが望ましかったというふうに、感想だけ申し上げておきたいと思います。 次に、これとも深くかかわっているわけでありますけれども、日米安全保障条約、地位協定等の問題について、具体的なテーマで御質問をさせていただきたいと思います。 厚木基地の騒音対策協議会というのがございますが、それが昨年の八月、厚木基地における米軍艦載機の夜間連続離着陸訓練、いわゆるNLPと呼ばれているものでありますけれども、航空機騒音の解消についてという要請書を出しているわけです。これをどのように受けとめて対応されたか、お伺いをしたいと思うんですが、これは神奈川県知事、そして関係七市の市長さん、議会の議長さん、そして関係する国会議員超党派生員が顧問という形で参加をしている会ですけれども、それについてお答えをいただきたいと存じます。
○政府委員(藤井一夫君) その御要請は私どもちょうだいをいたしまして、真摯に検討させていただいております。 その御要請をいただくまでもなく、厚木基地におきます騒音の軽減につきましては、長年の問題といたしまして私ども検討をしてまいりました。それで、何分にもあのような人口過密の地域でNLPを行うということ自体に問題があるわけでございますので、何とか代替地を探すということで、当初三宅島を候補にしていろいろやったわけでございますが、なかなか解決ができないということで、現在暫定的に硫黄島でNLPを行うということで予算措置をしていただきまして、平成元年から平成四年までの計画で工事を行っておるところでございます。 それで、まだ完成はしておりませんが、完成がしていない段階でも硫黄島でNLPを行うように米軍と折衝をいたしまして、少しでも地元の騒音を軽減するように努力をしておるところでございます。
○小林正君 最も最近NLP等の訓練が行われたのはいつで、何日間でしたか。
○政府委員(藤井一夫君) 最近行われましたのは、本年二月の三日から、途中どころどころ抜けておりますけれども、最後は三月の五日までの間でございます。
○小林正君 実は、当該大和市というのがございますが、この期間にちょうどその市長さんがNLPの中止を求めまして、アメリカに参りまして関係筋との折衝を行っていたわけであります。その行っている間にこうした訓練が行われました。と同時に、またもう一つ問題があったわけでありまして、ちょうど時期が受験シーズンというような条件の中でそれが行われたんですけれども、最初二月の三日から十二日間ということで在日米軍から連絡があった、こういうことになっておりました。 ところが実際には、二月二十二日の新聞によりますと、NLPの追加通告、これは追加はしないというのが米軍との関係で口頭約束になっていたそうですけれども、通告があったということで関係自治体が大変に憤って抗議をしているわけです。そして、二十五日の新聞によりますと、防衛施設庁が、一カ月間の最初の予定では余りにも長過ぎるということで、米軍の通告には最初から入っていたんだけれども、この通告を二つに分けて施設庁の立場で行ったということが交渉の過程で明らかになってきて、この問題から地元が大変憤激をしているという事実があるわけですが、これについて施設庁どうお考えでしょうか。
○政府委員(藤井一夫君) ことし行われましたNLPにつきましては、先生御指摘のように、確かに当初米側からの通告は、ただいま申し上げました二月三日から、途中いろいろあいているところがございますが、三月五日にわたる約一カ月間の通告でございました。 ただ、当初通告を受けましたときに、その中に硫黄島の使用計画が入っておりませんでした。私どもは、硫黄島の使用計画が入っていないNLPの計画を地元に通告するということは非常に影響が大きいのではな三いかということを考えまして、これは米側と折衝をする必要があると考えまして、当初とりあえず一月三十一日に前半の二十二日までの分を地元に通告したわけでございます。 それで、その後でございますが、米側といろいろ折衝をいたしまして、米側の方も納得をいたしまして、十七日から二十二日の間硫黄島で行うということに合意をしてまいりましたので、その件につきまして二月十四日に通報をいたしました。それから後半につきましては、先ほど先生もお話がございましたように、二十五日にちょうど県立高校の入試がございますので、せめてその前はNLPはやめてもらいたいという調整をさしていただきました。それで、米側もそこをよく理解してくれまして、当初の通報から一部変更し、二十四日のNLPを中止するということを通報してまいりましたので、二十二日に後半の部分を地元に通告したということでございます。 そのような意味から、結果的にこれは確かに二回に分けて通告したということになったわけでございますが、私どもといたしましては、何とか地元の御負担を軽減したいという観点からやったものでございます。 しかし、いろいろな御批判を受けたことも事実でございますので、今後はこの御批判を教訓といたしまして適切に措置をしてまいりたい、かように考えております。
○小林正君 この分割通告をしたということについて、もう一度御答弁いただきたいと思います。
○政府委員(藤井一夫君) ただいまるる御説明いたしましたような経緯をもちまして、二回に分けて通告をしたわけでございますが、私どもはそれなりに意味があることと考えておりましたけれども、地元がち大変な御批判を受けたことも事実でございますので、今後は適切に措置をし、分割通告ということを行うことはやめたい、このように考えております。
○小林正君 施設庁は、米側から三月五日までの訓練については通告を受けていた、しかし一カ月間と長期にわたることやということで、長期にわたったことへの配慮から勝手に分割したというふうに県民は受けとめているわけであります。そのことについて硫黄島云々と言うのは言いわけでしかないわけで、何としても、そういう追加通告をするというのはそれだけでも大変なことで、ようやく終わるかと思っていたらさらにどんと延ばされる、この精神的なショックというのは非常に大きいわけです。そこのところを施設庁がやったというところが大変大きな問題なんですね。したがって、僕は謝罪すべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(藤井一夫君) 結果的に二度の分割通告になりましたことにつきまして御批判を受けました経緯はただいま申し上げたとおりでございますが、このような御批判を受けましたことに対しましては、施設庁といたしましても大変遺憾なことであるというふうに考えております。
○小林正君 まあ遺憾であるという言葉がようやく出てまいりましたから、問題はあると思いますけれども……。 皆さん方にまず、この厚木基地というのが東京から五十キロ圏という非常に至近な場所で、しかも通勤圏ですね。ここに住んでおられる皆さん方の人口は関係七市で百万を超える、横浜市の周辺部分まで含めますと百五十万ということも言われておりまして、日本の人口の一%が住んでいるわけで、その人たちが日常的にそういう迷惑をこうむっている、迷惑どころか生活が破壊をされるというような状況もありますし、これについて騒音地獄という言葉もあります。と同時に、音の暴力という言い方もされていて、日常生活が破壊をされているわけです。 今までの裁判の経過でいいますと、騒音対策が講じてあるとか防衛上の公益性の問題ですとかが言われているわけですけれども、私たちはやはりその人口の一%に影響を与えているようなこと、この間正式なNLP通告が五十八年にあって今日に至るまでそのことが措置されてこなかったということについては大変大きな人権上の問題でもあろう、このように考えるわけでございます。 そして、じゃ過去に危険はなかったのかといえば、実は神奈川県内では、沖縄に次ぐ基地県と言われているわけでありますけれども、昭和二十七年から平成二年までの間に過去百八十九件の事故がございました。そして、ジェット機はこのうちの百件、五三%に相当するわけでありまして、被害甚大の墜落事故六十二件のうちジェット機が三十七件を占めているわけであります。昭和五十二年には、私の住んでいるすぐ近くにファントム戦闘機が墜落をして九人の方が死傷したという状況で、家族崩壊というような状況まで起きているわけであります。 この厚木基地の周辺はどういう状況かといいますと、極めて人口稠密で、しかも新幹線がすぐ近くを通っている。そして東名高速道路があります。そして、国道二百四十六号線が通っているわけで、住民の安全と同様に、もう一つ言えば、そうした交通機関への対応ということも含めて考えれば、即時中止をして移転を考えていかなければならない場所にあるということなんであります。 〔理事井上吉夫君退席、委員長着席〕 そのことについてこういう訓練が、これは最も危険な訓練です、タッチ・アンド・ゴーといって、着陸をし、すぐエンジンを全開して再離陸していくということが繰り返されております。大体一分三十秒から二分三十秒に一回の割合でこれが繰り返されて、時間帯でいいますと、午後六時から十時までという最も一家団らんの時間帯にそのことが行われているわけです。八〇年代には、年間三万回を超えるそうした回数がございましたし、八九年、九〇年というところになりますと四万回にその騒音が達しているわけです。 一回の騒音については、七十ホン以上が五秒間続いたのを一回と計算するということで、百二十ホン近い騒音であります。ちょうどビル工事が行われている現場の騒音ということで、百三十ホンになりますと人間は聴覚障害になると言われている、そのぎりぎりのところなんですけれども、裁判所はこれについて受忍限度内と、こういう言い方をして極めて非人間的な判断をしているわけであります。こうした状況の中で今日に至るまで、事故が起これは大惨事になるかもしれない場所でこのことが今なお行われているという、このことについて総理の御見解を伺いたいと思います。(「防衛庁長官だよ」と呼ぶ者あり)
○政府委員(佐藤行雄君) その前に、日米安保条約との関係もございますので一言申し上げさせていただきたいと思います。 事故の危険性については我々も大変心配をいたしておりますし、騒音の問題で住民の方々が大変な御迷惑をこうむっておられるということは我々も十分承知しております。そういう意味も含めまして、単に防音対策だけではなく、先ほど施設庁長官からのお答えもありましたように、ほかへの代替、なるべく多くの訓練を硫黄島の方に移そうということで努力をしているところであります。 ただ、先ほど来の中止という点につきましては、実はこの訓練と申しますのはパイロットの練度の向上のためには不可欠でございますし、特に夜の場合には、これは聞いた話でございますので私自身の経験ではございませんが、夜中に暗やみの中に浮かぶ航空母艦、航空母艦の滑走路というのは三百メートル前後だそうでございまして、非常に短い。そこへ灯火だけを頼りにして着艦をするということは大変難しい問題だと聞いております。それだけに、この訓練をしておくことは、単にその技能向上ということ以上にパイロットの生命の安全にもかかわる問題であるということでございます。 そういう意味で、住民の方々にはまことに別の見地からの問題とお受けとめになられるかもしれませんが、日米安保条約を締結している我が国としてこの訓練を中止しろということは、そこまでは我々としては言えない。そこで、やはりその住民の方に対する、生活に対する影響を最小限にとどめるように、そして公共の安全を十分配慮するようにということで最善の努力を求めていくということにとどまざるを得ないというのが実態でございます。
○国務大臣(宮下創平君) 委員がるる申し述べられた点、大変私も理解はできます。 防衛庁といたしましても、厚木のNLP基地の移転問題、これは三宅島を当初考えておりまして、まだ私ども三宅島に望みをつないでおりますが、しかしなかなかいつまでもそういうわけにもまいりませんものですから、平成元年度から平成四年にかけまして、本年度完成いたしますけれども、硫黄島にNLPの訓練施設を設けた次第でございます。 したがいまして、私ども可及的にこの硫黄島でNLPの訓練をやっていただきたい、こう思うわけでございますが、何せ千二百キロ離れております。時間的な制約、いろいろ諸要因の制約がございますから、なかなか一〇〇%そこでやるというような今状況に残念ながらなっておりません。しかし、できる限り米軍にこのことを要請して、あとう限り都合をしていただいて、今、北米局長の言われましたように、NLPというのは空母の艦載航空機のパイロットの練度の向上という意味で、しかもその空母自体が我が国の安全保障と非常にかかわりのあることでございますから、大切なことでありますから、これの中止を求めるというようなことはできませんが、あとう限り厚木の地域住民の多くの方々の迷惑にならぬようにはしたい、このように考えておるところでございます。
○国務大臣(宮澤喜一君) 住民が御苦労なさっておられる、今お話しになられましたようなことは十分理解をいたします。それゆえに、今までもいろいろな対策を講じてまいりましたし、また代替施設も用意いたしました。今後は、できるだけその代替施設を使ってもらうようにという努力をさらに継続しなければならないと思っております。
○小林正君 先ほどお伺いしました東京宣言に盛られました安全保障協議委員会というレベルの高い会議もあるわけですから、ぜひ日本の人口の一%の人々がこれによって大変な辛酸をなめているということについても理解を求めて、せっかく百六十七億という巨費を投じて硫黄島に訓練施設をつくったわけですから、このことについて全面的にその方でやってもらうような対応を講ずべきだと思いますが、御決意を承りたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) お答え申し上げます。 そういう機会があれば申し上げることはもちろんでございますけれども、平素といえども米軍の関係等についてあとう限り努力をしていくということを申し上げたわけでございます。
○小林正君 百六十七億をかけて、結果としてアメリカ軍がどれだけ使ってくれるかということについての保証がありますか。
○政府委員(藤井一夫君) 平成四年に硫黄島のNLPの施設ができ上がったときにどれぐらいその施設を米軍が使うかということにつきましては、米軍の運用自体の問題でございますので、なかなか正確には今推測することはできませんけれども、私どもは、現在行われておりますNLPの約半分は硫黄島でやっていただけるのではないか、そういう見込みを立てております。
○小林正君 米軍が硫黄島でやるのを嫌う理由として、これもマスコミの報道ですけれども言われておりますのは、予算上の問題だということがございます。横須賀で、厚木でということになれば全然問題ないわけなんですね、予算上。そして家族、隊員との関係もいいというようなことで、そのために日本の人口の一%に当たる人たちが影響をこうむるということで、これはもう選択は明らかだと思うんですね。ですから、今の防衛庁長官のお言葉並びに総理大臣のお言葉を具体的な課題として、ぜひそうした大惨事が起こってからしまったという結果にならないように、事前の対応をよろしくお願いしたいということを申し上げまして、終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(中村太郎君) 以上で小林君の質疑は終了いたしました。(拍手)。 本日の審査はこの程度といたします。 次回は来る二十一日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十三分散会