法務委員会 第1号
- 発言数
- 13 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1992/02/27
会議録
○委員長(鶴岡洋君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 議長に先立ち、一言申し上げます。 皆様既に御承知のことと存じますが、本委員会の委員であられた栗村和夫君は、去る一月二十五日、逝去されました。まことに哀悼痛惜にたえません。 ここに、皆様とともに謹んで黙祷をささげ、哀悼の意を表して御冥福をお祈り申し上げたいと存じます。 どうぞ御起立を願います。黙祷。 〔総員起立、黙祷〕
○委員長(鶴岡洋君) 黙祷を終わります。御着席を願います。 —————————————
○委員長(鶴岡洋君) この際、千種最高裁判所事務総長から発言を求められておりますので、これを許します。千種最高裁判所事務総長。
○最高裁判所長官代理者(千種秀夫君) 一言ごあいさつを申し上げさせていただきます。 去る二月十三日、最高裁判所の事務総長を命ぜられました千種でございます。前任の山嵜事務総長が大阪高等裁判所長官に転出した後を受けまして司法行政の任に当たることになりましたので、何とぞよろしくお願い申し上げます。 改めて申し上げるまでもないことと存じますが、裁判所は具体的な事件の裁判を通して国民の人権を擁護し一社会の法秩序を維持するという重要な責務を負っております。この責務を全うするために、司法行政の面におきまして微力を尽くしてまいりたいと考えております。 幸いにして、当委員会の委員長並びに委員の皆様方の深い御理解と力強い御支援によりまして、裁判所の運営も逐次充実してまいっております。何とぞ今後とも引き続きまして一層の御支援を賜りますようお願い申し上げます。 これをもちまして私の就任のあいさつとさせていただきます。 ありがとうございました。 —————————————
○委員長(鶴岡洋君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、検察及び裁判の運営等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鶴岡洋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(鶴岡洋君) 検察及び裁判の運営等に関する調査を議題といたします。 まず、法務行政の基本方針について、田原法務大臣から所信を聴取いたします。田原法務大臣。
○国務大臣(田原隆君) 委員長を初め委員の皆様には、常日ごろ法務行政の運営につきまして、格別の御尽力をいただき、厚く御礼申し上げます。 当面する法務行政の重要施策につきまして所信の一端を申し述べ、委員各位の御理解と御協力を賜りたいと存じます。 第一は、治安の確保及び法秩序の維持についてであります。 最近における犯罪情勢を概観いたしますと、全般的にはおおむね平穏に推移していると認められますが、いわゆるバブル経済の破綻に伴い、大規模な脱税事犯や株式相場操縦事犯、公務員による涜職事犯が相次いで発覚しており、これらの内容もますます複雑多様化、広域化、悪質巧妙化しております。また、経済活動の国際化等に伴い、国の内外から取引ルールの一層の遵守を求める声が高まり、公正取引委員会から十七年ぶりにいわゆる独占禁止法違反事件の告発がなされるなど、経済取引の公正を図るため刑事罰の活用が求められ ております。 私は、このような情勢のもとで、各種犯罪事象に的確に対処するため、検察態勢の一層の整備充実を図り、さらに、具体的事件を通じて刑事司法に関する国際協力を促進していくことにより、時代の要請に応じた良好な治安の確保と法秩序の維持に努めていき次いと考えております。 第二は、出入国管理行政の充実強化についてであります。 近年、諸外国との人的交流がますます活発化しているほか、新東京国際空港の二期施設及び関西国際空港の完成を間近に控え、業務量の大幅な増加が見込まれることから、引き続き要員及び施設の確保に努め、業務体制の整備を図ることとしております。 また、不法就労を企図して我が国に入国する外国人も増加の傾向にありますが、こうした外国人については、その定着を防止しつつ減少を図るとの基本方針のもと、厳正な入国審査による上陸の防止、悪質事犯に重点を置いた摘発の実施及び警察等関係機関との協力体制の確保に努めてまいります。 さらに、我が国に入国、在留する外国人に関する諸問題については、内外の情勢や世論を踏まえながら幅広い角度から検討を加え、これらに的確に対処することができるよう全力を尽くしていきたいと考えております。 第三は、一般民事関係事務の効率化と訟務事件の処理についてであります。 一般民事関係事務は、登記事務を初めとして量的に逐年増大するとともに、取引等の国際化、社会経済生活の多様化、複雑化を反映して年々複雑困難な事件がふえてきております。逐年大幅な増加を続けてきた登記事件は、不動産取引の鎮静化に伴い、その伸びに若干の低下が見られますが、やや長い期間をとってみますと、経済規模の拡大、公共事業の活発化等に伴い、登記事件の増加の傾向は引き続き継続するものと考えられます。そこでこのような現状に対処し、あわせて窓口サービスの抜本的改善を図るため、現在、登記事務のコンピューター化を鋭意推進しておりますが、全国の登記所をコンピューター化するには相当期間を要するため、その間も要員の確保に努めるなどして増加する登記事件の適正迅速な事務処理体制の確保を図っていきたいと考えております。 次に、訟務事件の処理についてでありますが、最近の訟務事件は、最先端の知識、技術に関連し、あるいは諸外国の法制度との対比が問題とされるなど、複雑困難なものが増加する傾向にあります。また、これらの訴訟は、集団化、大型化し、全国各地の裁判所に提起される傾向にあり、訴訟の結果いかんが国の政治、行政、国民生活等に重大な影響を及ぼすものが少なくありませんので、訟務事務処理体制の一層の充実と強化を図り、適正、円滑な事件処理に努めてまいりたいと考えております。 第四は、人権擁護行政についてであります。 人権の擁護は、憲法の重要な柱の一つであり、民主政治の基本でもあります。国民のすべてが人権について正しい認識を持ち、お互いの人権を尊重し合いながら幸福を追求するという態度が必要であると考えます。 人権擁護行政におきましては、各種の広報活動によって国民の間に広く人権尊重の思想が普及高揚するように努めるとともに、具体的な人権に関する相談や人権侵犯事件の調査、処理を通じて関係者に人権尊重を啓発し、被害者の救済にも努めておりますが、中でも、我が国社会の国際化に伴う人権問題、部落差別を初めとするいろいろな差別問題、子供をめぐるいじめ、体罰問題につきまして、関係省庁と緊密な連絡をとりながら、一層啓発活動を充実強化していきたいと考えております。 第五は、犯罪者に対する矯正処遇と更正保護についてであります。 犯罪者の矯正処遇、社会復帰及び再犯防止につきましては、対象者に暴力団関係者、覚せい刑事犯者のほか、施設への入出所を繰り返している累入者等改善困難な者の占める割合が増加しているのに加え、高齢化傾向が顕著であるなど処遇の複雑困難化が著しくなっております。これらの者の年齢、心情及び行動の変化に応じた新たな処遇方策の開発を図るとともに、犯罪のない明るい社会の実現のために多大な貢献をしている民間篤志家、団体との連携を強化し、一層適切な対策を講ずるよう努めていきたいと考えております。 第六は、法曹養成制度についてであります。 法曹養成制度につきましては、平成二年十月の最高裁判所、日本弁護士連合会と法務省の法曹三者の基本的な合意に基づいて法曹養成制度等改革協議会が設けられ、この協議会において司法試験制度と法曹養成制度の国民的見地に立った抜本的改革、改正司法試験法を実施するための検証に必要な事項等について調査、研究、検討を行うこととされております。 この協議会は、平成三年六月に発足し、以後協議が重ねられておりますが、その成果が得られますよう、今後、一層の努力をしていきたいと考えております。 最後に、これら法務行政の適正円滑な推進の確保のため本国会に提出し御審議をお願いすることを予定しております法務省関係の法律案は、既に提出しました外国人登録法の一部を改正する法律案等を含めて七件であります。このほか、前国会から引き続き御審議をお願いしております刑事施設法案外一件があります。今後、提出法律案の内容について逐次御説明することになりますが、何とぞ十分な御審議をいただき、速やかに成立に至るようよろしくお願い申し上げます。 以上、法務行政の重要施策につきまして所信の一端を申し述べましたが、委員長を始め委員各位の一層の御協力、御支援を得まして重責を果たしたいと考えておりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
○委員長(鶴岡洋君) 次に、平成四年度法務省及び裁判所関係予算について説明を聴取いたします。 まず、永井法務大臣官房会計課長。
○政府委員(永井紀昭君) それでは、平成四年度法務省所管の予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、法務省所管の一般会計予算額は五千九十七億三千七百万円であり、登記特別会計予算額は一千四百二十五億七千二百万円でありまして、その純計額は五千八百二十八億三千九百万円となっております。この純計額を平成三年度補正後予算額五千五百億一千三百万円と比較いたしますと三百三十八億二千六百万円の増額となっております。 次に、重点事項別に予算の内容について、御説明申し上げます。 まず、定員の関係でありますが、前年度定員に比較いたしますと純増百四十五人となっております。 平成四年度の増員は、新規四百八十人と部門間配置転換による振りかえ増員五十人とを合わせ、合計五百三十人となっております。 その内容を申し上げますと、一、検察庁における特殊事件、財政経済事件、公安労働事件等に対処するとともに、公判審理の迅速化を図るため九十七人。二、法務局における登記事件、訟務事件及び人権擁護関係の事件に対処するため、登記特別会計の百六十八人を含め百七十三人。三、刑務所における保安体制、分類体制及び医療体制の充実を図るため百六人。四、少年院及び少年鑑別所における処遇体制の充実を図るため三十八人。五、保護観察活動等の充実を図るため十五人。六、出入国審査及び在留資格審査等の業務の充実を図るため九十七人。七、公安調査活動の充実強化を図るため四人となっております。 他方、減員は、平成三年七月の閣議決定に基づく「定員削減計画(第八次)の実施について」による平成四年度定員削減分として三百八十五人を削減することとなっております。 次に。主要事項の経費について御説明申し上 ます。 第一に、法秩序の確保につきましては、二千九百二億五百万円を計上し、前年度補正後予算額と比較しますと百十九億八千八百万円の増額となっております。 その内容について申し上げますと、まず、検察庁関係では、検察活動の充実を図る経費として九百一億六千七百万円を計上しております。 矯正施設関係では、刑務所等矯正機能の充実を図るため一千六百七十億六千五百万円を計上しており、この経費の中には、被収容者の処遇の確保のための生活備品、日用品の改善及び食糧費の単価改定等に要する経費を含んでおります。 更生保護関係では、保護観察の充実を図る経費として百五十億七千八百万円を計上しております。 訟務関係では、国の利害に関係のある争訟事件の処理経費として十二億九千三百万円を計上しております。 公安調査庁関係では、公安調査活動の充実を図る経費として百六十六億二百万円を計上しております。 第二に、外国人登録制度及び出入国管理業務の充実につきましては、二百七億三千九百万円を計上し、前年度補正後予算額と比較しますと四十三億六千九百万円の増額となっております。 その内容について申し上げますと、外国人登録制度改革等経費として六十二億九千六百万円、出入国及び在留管理業務の充実として十八億六千三百万円等を計上しております。 第三に、国民の権利保全の強化につきましては、一般会計で八百四十七億四千二百万円を計上し、前年度補正後予算額と比較しますと三十六億八千七百万円の増額となっております。 その内容について申し上げますと、まず、登記関係では、登記事務費として六百八十四億七千万円を計上しております。この登記事務費は、登記事務を円滑、適正に処理するために設けられている登記特別会計の財源の一部として繰り入れるための経費であります。 法務局のうち登記を除く関係では、国籍、戸籍等の事務処理の充実を図る経費として百五十二億五千百万円を計上しております。また、人権擁護関係では、地域改善対策としての啓発等人権擁護活動の充実を図るため十億二千百万円を計上しております。 第四に、施設の整備につきましては、老朽、狭陸化が著しい基幹の大行刑施設、拘置支所の継続整備及び入国管理局関係施設を含めた法務省の庁舎、施設を整備するための経費として百五十七億六千七百万円を計上し、前年度補正後予算額と比較いたしますと六億百万円の増額となっております。 第五に、登記特別会計につきましては、総額一千四百三十六億一千百万円の歳入、一千四百二十五億七千二百万円の歳出となっております。 歳出の主な内容といたしましては、登記所等管理経費八百七十七億二千七百万円、登記事務のコンピューター化計画の推進及び登記簿謄抄本交付事務の適正、迅速化を図る経費四十七億百万円、登記申請事件の審査等経費三十三億四百万円、法務局の支局出張所等を整備する施設整備費として八十四億八千八百万円等をそれぞれ計上しております。 以上、平成四年度法務省所管の予算の概要を御説明申し上げました。
○委員長(鶴岡洋君) 次に、仁田最高裁判所事務総局経理局長。
○最高裁判所長官代理者(仁田陸郎君) 平成四年度裁判所所管歳出予算要求額について御説明申し上げます。 平成四年度裁判所所管歳出予算要求額の総額は二千七百七十六億七千二百五十八万円でありまして、これを前年度補正後予算額二千七百二十四億五千百十万円に比較いたしますと、差し引き五十二億二千百四十八万円の増加となっております。 これは、人件費において三十六億六千三百七十六万三千円、裁判費において六千二百九十八万一千円、施設費において五億四千二百二十七万一千円、司法行政事務を行うために必要な庁費等において九億五千二百四十六万五千円が増加した結果であります。 次に、平成四年度歳出予算要求額のうち、主な事項について御説明申し上げます。 まず、人的機構の充実、すなわち増員であります。 民事訴訟事件、民事執行法に基づく執行事件の適正迅速な処理及び司法修習体制の充実を図るため、判事補七人、裁判所書記官二十三人、裁判所事務官三十三人、合計六十三人の増員をすることとしております。 他方、定員削減計画に基づく平成四年度削減分として裁判所事務官等三十三人が減員されることになりますので、差し引き三十人の定員増となるわけであります。 次は、司法の体制の強化に必要な経費であります。 裁判運営の効率化及び近代化のため、庁用図書等裁判資料の整備に要する経費として七億百二十三万二千円、複写機、計算機等裁判事務能率化器具の整備に要する経費として八億六千九百十四万円、調停委員に支給する手当として五十六億二千百六十八万五千円、裁判費の充実を図るため、国選弁護人報酬に要する経費として二十四億四千四百七十万八千円、証人、司法委員、参与員等旅費として七億二千二百六十一万一千円を計上しております。 また、裁判所施設の整備を図るため、裁判所庁舎の新営、増築等に必要な経費として百十六億五千百五十九万一千円を計上しております。 以上が平成四年度裁判所所管歳出予算要求額の大要であります。 よろしく御審議のほどをお願いいたします。
○委員長(鶴岡洋君) 以上で所信並びに予算の説明聴取は終了いたしました。 本件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時二十一分散会 —————・—————