文教委員会 第5号
- 発言数
- 215 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1992/04/23
会議録
○委員長(大木浩君) ただいまから文教委員会を開会いたします。 まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大木浩君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に小林正君を指名いたします。 ―――――――――――――
○委員長(大木浩君) 国立学校設置法及び国立学校特別会計法の一部を改正する法律案について、政府がら説明を聴取いたします。鳩山文部大臣。
○国務大臣(鳩山邦夫君) このたび、政府から提出いたしました国立学校設置法及び国立学校特別会計法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。 この法律案は、国立学校設置法において国立の大学の学部の設置、短期大学部の廃止及び国立学校財務センターの新設を行うほか、あわせて国立学校特別会計法を改正して、特別施設整備資金の設置等について規定するものであります。 まず、国立学校設置法の改正について御説明申し上げます。第一は、国立大学の学部の設置についてであります。 これは、各大学における大学改革と教育研究体制整備の一環として、お茶の水女子大学の家政学部を改組して生活科学部を、京都大学の教養部を改組して総合人間学部を、神戸大学の教養部及び教育学部を改組して国際文化学部及び発達科学部をそれぞれ設置しようとするものであります。 なお、これらの学部は本年十月一日に設置し、平成五年四月から学生を受け入れることといたしております。 第二は、短期大学部の廃止についてであります。 これは、埼玉大学及び和歌山大学に併設されている経済短期大学部を廃止し、それぞれ当該大学の経済学部に統合しようとするものであります。 なお、これらの短期大学部は、平成五年度から学生募集を停止し、平成六年度限りで廃止することとしております。 第三は、国立学校財務センターの新設についてであります。 これは、国立学校における教育研究環境の整備充実を図る観点から、国立学校財産の有効活用に関する諸業務など、国立学校の財務の改善に資する業務を行う機関として、国立学校財務センターを本年七月一日に設置しようとするものであります。 次に、国立学校特別会計法の改正について御説明申し上げます。 第一は、特別施設整備資金の設置についてであります。 これは、緊急に対処すべき課題となっている国立学校の老朽化等施設を解消するための特別施設整備事業を円滑に実施するため、国立学校特別会計に特別施設整備資金を設置するものであります。この資金は、国立学校の移転後の跡地処分収入等、特定学校財産の有効活用による多額の収入を資金として保有し、これを財源に老朽化等の著しい国立学校施設の整備を特別施設整備事業として計画的に行うものであります。 第二は、借入金制度の改正についてであります。 これは、国立学校の特別施設整備事業に要する施設費を支弁するための借入金制度を創設するとともに、人口の過度集中対策に資する国立学校の移転整備のための借入金について、借入対象事業を用地の取得費から施設費に拡大しようとするものであります。 その他、この法律におきましては、以上のことと関連して、所要の規定の整備を図ることといたしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださるようお願い申し上げます。 ありがとうございました。
○委員長(大木浩君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○森暢子君 まず、四月二十日の、私が見ましたのは産経新聞でありますけれども、これによりますと、宮澤総理がある会で、「文部省の予算は(例年)シージングのために気の毒な状況にある」と指摘され、「来年度の予算編成では文教関係予算の充実に配慮したい意向を強調するとともに、党としても具体的検討に入るよう指示した。」、こういう新聞記事が載っておりましたのですが、これについて大臣は御存じでしょうか、そして何か御感想がございましたらお願いしたいと思います。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 実は、この件に関しては私も新聞報道を読んだだけでございまして、この新聞の見出しは「文教予算の充実を指示」というような形になっておりましたから、大いに気をよくし喜んでおるところでございます。何回か参議院の予算委員会等でも宮澤首相が、シーリングの弊害、弊害という言葉であったかどうかは正確には議事録を読んでみなければわかりませんが、シーリングということは国家財政の再建のために大変大きな意義を有して働きをしてきたけれども、文教予算等、文部大臣がいつも答弁をしておるように、シーリングのために非常に厳しい状況になっておるということを御答弁されたことを記憶いたしておりますが、恐らく同趣旨のことを森政調会長と話し合われた中でおっしゃったのではないかと私なりに考えております。 これは、日ごろから当委員会でもいろいろと先生方から御意見を賜り、また私として希望を申し述べてきたところと一致をする点でございますので、平成五年度の予算編成というのも当然シーリングという、非常に、何というんでしょうか、技術的、画一的な手法は当然とられるであろう、もちろんシーリングのない予算編成というのはあり得ないと思いますが、そういう中で文教予算の充実を図るためには、今までと全く同じことの繰り返しては実際上の予算は減るばかりであるというふうに考えております。 平成四年度予算におきまして、一般歳出の伸びが四・五%であったところ、文教予算は五・二%増であったということとか、あるいは、今まさにこの法案で御審議をいただく、国立学校特別会計内に財務センターを設けて、初年度の二百億は財投からの借入金なのですが、特別施設整備事業も始めようということ、これらを大蔵省が認めてくれたのも、ある意味では総理の言う配慮を加えたということにもなろうかと思います。 これだけではまだまだ文教予算の問題というのは解決いたしませんから、平成五年度予算に向けてまた一層の工夫とか配慮とか、できれば当たり前のシーリングという対象の枠外に置いてもらいたいというような希望を強く持っている段階で、こういう新聞報道に接したことは一つうれしいニュースではあったわけで、これから私も努力をしていかなければならないことだと思います。
○森暢子君 文教関係の予算の拡充については、私たちが長年みんなで主張してきたことでありますし、本委員会の重要な課題でもあるというふうに思います。特に、今大臣がおっしゃいましたように、本日の議題である国立学校設置法にも大いに絡むものでありますし、せっかく宮澤総理がそういうお気持ちになっていらっしゃるところでございますので、ぜひ今後の文部省の熱意と努力を期待いたしますし、私どももぜひそういう面ではいろんな面で協力もしていかなければならないというふうに思っております。 さて、本題に移りますが、国立大学の研究施設の老朽、そしてその狭いということの問題を取り上げて、いろいろな問題が今出てきております。こういう研究施設の老朽、狭隘化に関して文部省はどのような現状認識をなさっておられますか。それから、昨年の阪大のあの事故がありましたが、その教訓を生かして安全対策も課題であろうと思いますが、それにどのような対応策を考えていらっしゃいますか、明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(鳩山邦夫君) これは高等教育局長からお答えを申し上げますが、従来から、今の事故のお話とかこの委員会でも承ってまいりました。実際、なかなか国会の日程等もございまして都合がつきませんでしたが、先般、四月十四日に東大を視察してまいりました。その後、おととい、トリスタンがある筑波へ参りましてトリスタンのトンネルの中を歩いたり、その後、筑波大学へ寄って江崎学長と昼食をともにして帰ってまいりました。 ああいう新しいキャンバスとか、あるいは高エネルギー物理学研究所のような新進気鋭の先端的な研究をやっているところへ行っていろいろ説明を受けると、やっぱり文部大臣としてもうれしい気持ちになるわけですが、東京大学を視察した数時間というのは、ちょっと表現は悪いかもしれませんが、いわば不満と愚痴を聞くための視察でもあったわけでございます。理学部、工学部等のこの部屋は一体何をやっているんだろうと。そのやっていることは大変ハイレベルのことなんですが、書類を読んでいる者がいたり、これは実験の机なのかそれとも普通のデスクなのかわからない狭いところで数人の人間が、今、私の目の前で速記をやっておられますが、これくらいのスペースがあればまず十人ぐらいの人が書き物をするというようなスペースの状況でございます。これで事故が起きないのが不思議だなと、正直言って、いろんな酸素ボンベ等の液体の入った危険なものが、本来外へ出さなければいけないのに家の中に入っておったり、私なんか決してやせている方ではないんで、何かひっくり返しそうで、どこかで高圧電流に触れるんではないかというような危険な状況を見てまいりまして、私なりにも認識はしておるということを先に申し上げた次第です。
○政府委員(前畑安宏君) 国立大学の施設の老朽化、狭陸化の現状につきまして申し上げます。 現在国立学校が保有いたしております建物面積、これは平成二年の五月一日現在でございますが、千九百二十三万平方メートルございます。このうち通常改修が必要とされております経年二十年以上の建物が八百二十六万平米でございまして、全体の四三%を占めておるということで、総体的に施設の老朽化が進んでおります。 老朽化の原因につきましては、一つには、十八歳人口の急増期におきまして学生を増募したり、あるいは御案内のとおり無医大県解消計画ということで、一つの年度に多いときには四つの医学部、医科大学をつくったりしてまいりましたが、そういうふうな新しい政策対応というものが既存の施設の整備に優先的に行われたために既存施設の老朽化に対応できなかったということがあろうと思っております。 また狭隘化につきましては、これもただいま大臣から御答弁がございましたが、近年の科学技術の進展に伴いまして各種の新しい研究設備の増加、また大型化ということがございます。研究室におきましても、図書資料の増加、さらにはパソコンの導入、コンピューターの導入等でスペースが増加をいたしております。また、大学院の充実ということ、さらには学生の増募、さらに申し上げますと留学生の増加というようなこともあろうかと思っております。 そこで、御指摘の先般の大阪大学基礎工学部の事故に際しましても、私どもは、まず施設の老朽あるいは狭隘化ということが原因ではなかろうかというふうに憂慮をいたしたわけでありますが、大学側の報告によりますと、直接には老朽化、狭隘化が原因ではないという説明でございまして、ある意味ではほっとしておるような状況でございます。この阪大の事故につきましては、現在なお警察が調査中ではありますが、人事院の方で大阪大学の安全管理状況を調査いたしまして、幾つかの指摘をされております。危険物につきまして、危害防止主任者を指名していなかった、あるいは安全管理者を文書をもって指名していなかった、あるいは設備につきまして定期検査を行うべき化学設備等について定期検査を行っていなかった等々の指摘がございましたので、これを踏まえまして、大阪大学はもとより各国立大学につきまして安全管理体制の再点検と安全教育の徹底、設備等の検査の徹底につきまして留意方を要請いたしたところでございます。
○森暢子君 本題に入りますが、今回の改正案は、資金を設けて特別会計の預金通帳のような役割を果たすんではないかというふうに思うんですが、現行の特別会計制度でも国立大学の遊休地の売却は行われていたと思うんですね。その売却益がどのように今まで流れていたか。 それから、今回資金をつくるということなんですが、もう御存じのようにこの文教委員会でもいろいろと討論されまして決まりました芸術文化振興基金とか、それからスポーツ振興基金とか、続いて国立学校振興のための基金をつくる、そういう基金をつくるということが新聞では報道されていたんですけれども、それが改正案では資金になっている。どうして基金が資金となったか、またその違いはどういうところにあるのか。 こういう点について御説明をお願いします。
○政府委員(泊龍雄君) 現行の国立学校の財産につきましては、御案内のとおり各国立学校におきましてそれぞれ管理し処分をするという仕組みになっておりまして、これによって得られました処分収入につきましては、国立学校の施設整備等の充実等につきまして国立学校特別会計の全般的な財源となっているということでございます。 今回御提案申し上げておりますいわゆる特定学校財産処分収入との関係についてでございますが、今回の特定学校財産処分収入につきましては、御案内のとおり特別施設整備資金の財源として、これをもって国立学校の老朽化あるいは狭隘化を緊急に解消を図りたいということで、特別整備事業に充てるということになっているわけでございます。そういった意味で、現行とどう違うかと申し上げますれば、基本的には現行でも学校財産処分収入については国立学校特別会計の全般的な財源に充てる、そのことにおいては基本的に施設整備等に充てるという意味合いにおいては同様でございますが、ただ、巨額の国立学校の学校財産処分収入が予定されておりますので、これらを安定的に活用をして、緊急に国立学校施設等の整備を図りたいということで御提案を申し上げている次第でございます。 それから第二点の、いわゆる芸術文化振興基金等との相違点ほどうかというお尋ねでございます。ただいま申し上げましたように、この特別整備資金は、国立学校が資産の有効活用を図るということで、一時的に多額の処分収入が生じる場合が考えられます。そこで、これを単年度で費消するということでなくて、予算で定めるところによりまして、この国立学校の特別施設整備資金に繰り入れて安定的な財源を確保して、これによりまして現在課題となっております施設の緊急かつ計画的な整備を行う仕組みとして特別会計内に特別施設整備資金ということを設置したいということでお願いしているところのものでございます。 これに対しまして、お尋ねのございました芸術文化振興基金あるいはスポーツ振興基金というものにつきましては、御案内の特殊法人に置かれた基金でございます。一般会計からの出資金それから民間からの出捐金を財産的な基盤、基礎といたしまして事業に必要な経費の財源をその運用によって得ようとするものでございまして、御提案申し上げている特別施設整備資金とはその性格を異にしているということでございます。
○森暢子君 基金と資金の違いが今御説明があったわけですが、この資金の主たる財源というのが、もう皆さん御存じのように、国立学校の移転の跡地を売却してそれを充てるということなんですが、その中の特に特定学校財産の指定を受けたものについてやるということなんです。その指定の基準が大変値段が高額なものと聞いておりますが、その指定の基準について現段階ではどのようなものを想定していらっしゃるか。それから、資金の財源をどうして指定されたものに限るのか、それから指定の基準に達しない財産の処分収入はどのように扱われるのか、そのあたりをお聞きしたいと思います。
○政府委員(前畑安宏君) 御提案申し上げております改正案におきましては、ただいま御指摘のように、特定学校財産というものを政令で定めるところによりまして文部大臣が指定をするということになっておりまして、そしてその特定学校財産の処分収入を財源としていわゆる特別施設整備事業を行う、このようにいたしております。 どういうものを指定するかということでございますが、これは後ほど大蔵大臣と協議をして定めることになりますが、一定の額を超える巨額な処分収入が生じることが見込まれる学校財産ということを考えております。 と申しますのは、先ほど会計課長から御答弁を申し上げましたが、現在国立学校特別会計に学校財産処分収入として入っております額は、決算額で申し上げますと、平成二年度で四百三十三億九千万円という数字でございます。したがって、これが一つの目安というふうに考えますと数百億、四百億あるいは五百億というのが平常ベースで国立学校特別会計に処分収入として入る財産処分でございますので、それをかなり上回る、例えば一千億あるいは百億の後半といったような、数百億といったようなものが入りますと、通常ベースで国立学校特別会計に計上しております学校財産処分収入ということが通常よりも大きく入りますと、それを単年度で費消するということを避けるためにこういった仕組みをお願いいたしておるところでございます。したがって、申し上げましたように、四百億、五百億といった通常ベースで入る処分収入をはるかに上回るような額というものを目安に置いて大蔵大臣と協議の上で定めたい、このように考えておるところでございます。 そして、片やその特定学校財産を処分した収入でもって事業を行う、これをリンクをいたしておるわけでございます。それで、その財源を直接に特別施設整備事業に充てたい、その充てるのも数百億あるいは一千億というお金でございますので、単年度でなかなか一挙に事業を行うわけにまいりませんから、それを資金にある一定期間プールをしておきまして、毎年度計画的に繰り出していこうということでございます。 先ほど会計課長からお答えいたしましたが、通常の四百億といったような学校財産処分収入は、これは国立学校特別会計の歳入の中に溶け込んでしまいまして、どこへ使われたかという色分けができません。今回お願いいたしておりますのは、特定学校財産処分収入につきましてはそれをきちっと色分けをして、これは財源として特別施設整備事業を行おうと、国立学校の財産を処分した収入でありますので、それは国立学校の財産をふやす、あるいは価値を高める、そういうものに使っていこう、こういうふうな考え方でございます。
○森暢子君 それでは、現在処分する予定であると聞いている大阪大学の医学部の跡地、これにつきまして、売却の時期であるとか収支の予定、それ以外に処分の候補が挙がっていればそれをお聞きしたいと思います。
○政府委員(泊龍雄君) 阪大医学部のお話が出ましたが、特別施設整備資金の財産となる処分予定の財産としては、当面御指摘のございました大阪大学の医学部跡地、大阪市北区中之島地区でございますが、を予定いたしております。これにつきましては、処分の予定時期としては平成五年度以降ということが見込まれているところでございます。 この処分収入見込み額等につきましては、正規の手続をとって適正な評価をしてみなければ確定的なことは申し上げられませんが、周辺の地価公示価格等を参考にして考えますと一千億を超えるものと見込んでおるところでございます。 それから、このほかにどういう予定が考えられるかというお尋ねでございました。これにつきましては、現在移転統合の事業を進めております大阪大学医学部の附属病院跡地、あるいはまた同様な意味合いで、金沢大学あるいは広島大学の跡地といったようなものが現在見込まれているところでございます。
○森暢子君 こういうふうな跡地を売却して、それを資金として今の国立大学の施設設備に充てていこう、こういう状況なんですけれども、考えようによりましたら大変わびしい感じがいたします。本当は一般会計からぐっと教育予算に繰り入れていただいてやるのが普通でありますが、自分の内輪を売りながら、そしてそれを予算に繰り入れていくというようなことであります。そういうことをやる役割として財務センターの設立ということが今度うたわれておりますが、この財務センターはどういう仕事をするのか、その役割について説明してください。
○政府委員(前畑安宏君) 国立学校財務センターにつきましては、御提案申し上げております法律案の第九条の五に規定をいたしておりますが、基本的には国立学校の財務の改善に資するというのがねらいでございます。そして、そのねらいのもとに基本的には五つの業務を掲げております。 まず第一番目に掲げておりますのが、国立学校特別会計に所属いたします国有財産、この適切かつ有効な活用につきまして国立大学等に対して協力をし、あるいは専門的、技術的な助言を行うということ。さらにそのうち、先ほどもお尋ねがございましたが、政令で定めるところによりまして文部大臣が指定をいたしますかなり高額な特定学校財産につきまして、それを、例えば先ほどお話がありました大阪大学医学部の跡地といたしますと、大阪大学医学部からこの財務センターに所属替えをいたしましてこれを管理し、そして処分をするに当たりましてはこの財務センターが所轄の大蔵省の財務局の方に相談をして処分をお願いするというのが一つの仕事でございます。 二つ目が、「国立学校における教育研究環境の整備充実を図るため、総合的かつ計画的に実施することが特に必要な整備事業」と、こういたしておりますが、個々の国立大学がいろんな施設の整備についての案件を抱えております。しかし、それはそれとして、いわば国として国立学校について基本的にこれの整備を行いますときに、総合的かつ計画的に考えでどのような方針といいますか、観点で整備を進めるということが特に必要であるかということにつきまして必要な調査を行うということがございます。これが極めて大事な事業であると考えております。 また、三番目には、現在国立学校に民間から寄附金を受け入れるという仕組みがございます。これは国に対する寄附でございますから全額損金算入という扱いになっておりますが、具体には各大学の学部というよりはさらに下って学科、現実には個々の教室の先生方がいろんな企業を回って寄附を集められるというケースが多いわけであります。また、各大学が何十周年記念の事業として集めるということがございます。しかし、これもあるいは御案内かと思いますが、財界等では、各大学が寄附を集めに来る、あるいは各大学の各学部が来る、各教室が来るということではどうも対応が難しいので、どこか一本になって国立学校のための寄附を集めるということが考えられないかという御提案といいますか、問題提起もございます。それにこたえるというのもこの財務センターの一つの仕事であるということで、第三号に特定の国立学校に係るもの以外の寄附の受け入れを行う、そして受け入れたものの配分につきましてもこの財務センターが主体的に関与するということにいたしております。 それから、四番目には研究業務でございますが、これは二つ掲げております。一つは高等教育に係る財政でございます。たびたび国会で御質問をいただきますが、例えば国立大学の学生納付金という問題を取り上げましても、これを一体どういうふうな水準に定めることが適当であるか、また財政審議会等でも御指摘がありますが、学部別に国立大学の授業料を決めたらどうかというふうな御提案もあります。そういった問題につきまして、私どもは私どもなりにいろいろと勉強もし、研究もいたしておりますが、この財務センターにおいてそういった国立学校、高等教育に係る財政についてひとつ専門的に研究をしてもらおうということをこの第四号に掲げておりますし、さらには具体の、個々の財務の事務につきましても、近年国立学校からいろんな指摘を受けております。国立学校の財務会計事務も国の一般の財務会計の事務と同じような規制に服しておりまして、具体に研究あるいは教育という観点からしますと必ずしもマッチしない面もあるということも言われております。そういう点についてどのような改善が考えられるかということについての研究をやっていただこうというのが四番目でございます。 さらには、第五号で掲げておりますのは、そういったふうなことで研究をした成果等によります財務に関する事務の改善に関しまして、広く関係の大学に対しまして情報を提供したり、連絡調整をしたり、そういうふうな業務を行うというのが本則九条の五に掲げております。務でございます。 さらに、附則に第五項として「当分の間」の業務として御提案を申し上げておりますのが、いわゆる特別施設整備事業に関します実施計画の策定に参考となる資料の作成ということでございます。特別施設整備事業をどのように具体に進めるかということにつきましては、これは各国立大学の要望を受けまして、文部省において設置者として責任を持って対処いたしますが、特別施設整備事業というのが各大学に対するかなり重要な影響を持つ仕事でありますので、文部省だけで考えてやるということではやはり問題があろうかということで、国立学校設置法の機関としての財務センターに、先ほど申し上げましたように、研究環境の整備充実を図るために総合的かつ計画的に実施することが特に必要な整備事業につきましての一つの調査をやっていただく、そしてその調査に基づきまして、例えば平成四年度二百億ということでお願いいたしておりますが、この二百億を使って特別施設整備事業を進めるに当たって、文部省が具体の計画をつくるに当たって、どういうふうな観点で考えた方がベターであるかということについての資料の作成をお願いしようというのが附則で「当分の間」としてお願いいたしておるものでございます。 この「当分の間」といたしました趣旨につきましては、これは特別施設整備事業なるものが、先ほど来御指摘ございますように、特定国有財産を処分した収入を充てる事業でございますので、特定国有財産を処分した収入がなくなりますと、この特別施設整備事業という考え方も同時になくなります。また、逆に申し上げますと、施設の老朽化あるいは狭いために教育研究を行うのに著しく不適当である状態の解消というのが目的でございますので、仮にそういうふうな状態が解消されますと、この特別施設整備事業ということを行う必要もなくなりますので、そこで附則の事業につきまして「当分の間」ということで御提案を申し上げているところでございます。
○森暢子君 大変詳しい説明をしていただきまして、私もその「当分の間」とはどのくらいかというのを聞こうと思っておりましたら、今御説明がございました。 財務センターのあり方についていろいろと御説明いただいたんですけれども、考え方によりますと、財務センターは、どこの国立学校の遊休地がある、じゃそれをどこに処分して、その収入をどのように使うかということについて大変強力な権力、権力と言っては失礼ですけれども、影響力を持つことになるんではないかと思うわけですね。そうしますと、その財務センターに働いている人たちの考え方とか運営の仕方がやはり公正で慎重でなければいけないし、そういうことはないと思いますけれども、心配をするわけです。その財務センターの組織とか構成、そういうことはどのようになっているんでしょうか。
○政府委員(前畑安宏君) ただいま先生から問題点の御指摘がございましたが、まさにそのとおりでございまして、こういった国立学校特別会計に財産を処分した収入で資金を、そしてそれを財源にして特別施設整備事業を実施する、あるいは財産の所属替えをしてそれを処分するということになりますと、それを行う立場というものがかなり大きな影響力を持つわけでございます。したがって、事務的に考えますと、こうして法律案として財務センターの設置をお願いするということよりも、事務的には文部省でやった方がいいのではないかというのが考え方としてございました。 しかしながら、ただいま先生御指摘のように、非常に大きな影響力を持つ仕事というものを文部省が直接にやるというのは好ましいことではないということで、国立学校設置法に規定していただこう、そして国立学校設置法に規定いたしまして、これは例えば大学入試センターであるとか、昨年成立させていただきました学位授与機構であるとか、そういうのと同じように国立学校設置法の中の国立学校として位置づけて、そしてその運営につきましても運営委員会というのを設けることを予定しております。これは関係の国立大学の教授の方たちにお願いをいたしまして運営委員会をつくりまして、財務センターの事業の実施計画であったり、あるいは教員の採用についての審議であったり等を行うわけであります。 申しおくれましたが、これは附則で教育公務員特例法の改正もお願いいたしておりまして、この財務センターの教員の大事につきましては、教育公務員特例法の準用機関ということにいたしておりまして、大学に準じたいわゆる教員人事の自治というものが保障されておるわけでございます。さらに評議員会というものを設けまして、これは関係の国立大学の学長さん方にも入っていただきまして、いろんな面からの重要事項について所長に助言をする、こういうふうな仕組みを考えておるわけでございます。 具体の事務組織につきましては、平成四年度には初年度といたしまして五名を予算でお願いいたしました。所長、それから教授、その二人が教員でございまして、残り三人が事務職員ということでございます。長期的には、私どもとしてはおおむね三十人ぐらいの総人員を予定したいな、こう考えておりますが、これは毎年度の予算でお願いをしてまいることでございますので、確定的には申し上げることはできません。
○森暢子君 この財務センターはどこへ置かれるんですか。
○政府委員(前畑安宏君) 財務センターの位置につきましては、今私どもが考えておりますのは千葉県でございまして、千葉県の幕張でございますが、今放送教育開発センターというやはり国立学校設置法に基づきます機関がございます。そこに間借りをしよう、こう考えております。 その理由は二つございまして、一つは、首都圏といいますか、東京二十三区内に国の機関を設置するのは好ましくないという基本的な方針に従いまして東京都は避けだということが一つでございます。もう一つは、国立学校の財産を処分してその収入でもって国立学校の施設の整備を行うということを一つの役割にする機関が、みずからが立派な建物を建てて入るというのはいかがなものかということで間借りでいこう、こういうふうに考えておるところでございます。
○森暢子君 大分形が浮かび上がってきたような感じがいたしますが、特定学校財産というのは、何回も今お話しがありましたように、国立学校の運営上不要となった土地を処分するということでございますけれども、これは言いかえれば国有財産であるわけです。そして、もっと言いかえれば、国民みんなの貴重な財産であるわけです。それを高く売ればいいということで余り高い値段をつけても、やはり今土地の高騰の時期でありますし、安く売ったのではこれは意味もないしということで、大変その業務は難しいと思うわけであります。 私どもが心配するのはその処分後の跡地、それをどのように使うかということなんです。大学の跡地だから、そこにどういうものができるかということはもう皆さん方は頭に描いていらっしゃるかもわかりませんが、やはり文化的な薫りの高いものであるとか、または公共の目的を持ったものであるとか、そのためにはやはりそこの地元の人たち、住民の人たちと十分話し合いもなされなければいけませんし、私どもはそういう文化的な薫りの高い公共的な建物とか、そういう方向に使われるのが一番いいんではないか、こういうふうに思うんですが、大臣、その点について跡地の利用はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○政府委員(前畑安宏君) 大臣から御答弁がございます前に、処分の手順について事務的にお答えをさせていただきます。 御案内のとおり、国有財産の処分につきましては、従来から私どもは所管の財務局に事務を委任して処分していただいております。そして、財務局はそれぞれの所管の国有財産地方審議会に諮問をして、こういうふうな用途で処分をして適当かどうかというお諮りをするということになります。したがって、その段階で、例えばこの土地はこういうふうな公園にするとか、あるいは文化会館を建てるとか、あるいは学校用地にするとか、そういうふうな用途も明らかにして審議会にかける、こういう仕組みになっておりますので、従来から国の方針に従って適切な用途に供されてきた、このように考えておるところでございます。
○森暢子君 私、この文教委員会で質問するに当たりまして、私の地元であります岡山大学へちょっとお話を聞きに行ってまいりました。前も文教委員会で視察に行っていただいたんですけれども、もう一度いろいろな詳しいお話をと思って行ってまいりましたけれども、大体どこの国立大学も同じ要望ではないかと思います。 その中で、国立大学協会というのがございまして、その国立大学財政基盤調査研究委員会というのが出しました「国立大学財政の現状」というパンフレットをいただいたわけです。その中に大学の財政の現状が書いてありまして、読んでいくうちに本当に何か寂しくなるんです。 そういう中で、特にやっぱり財産が、資金がないものですから、生徒たちの授業料が値上げされていくわけですね。年々それが値上げされていって、今では、国立大学は授業料は安いんだという社会的な常識なんですけれども、その中でも余り変わらなくなるような、生徒たちにそういう負担がかかっているという現状も報告されておりました。授業料、入学金を合わせた学生の初年度納入金は、一九七〇年は一万六千円、一九八〇年には二十六万円、さらに一九九〇年には五十四万円を超えるに至っているということです。 今言いましたように、「かつては低額といわれた国立大学授業料は、既に一部の私立大学とあまり変わらなくなっている。」ということで、子供たちに負担がかかっているという現状も報告されておりました。そして、「わが国は国際社会において経済的に大きな地位を占めるに至った反面、人類の学問文化に対する貢献が小さく、諸外国の学術研究成果に「ただ乗り」してきたという非難を」国際的に浴びていると。しかし、「客観的にみれば、わが国における基礎的な研究の成果は順調に増加して」いるんですけれども、やはり外国と比べて教育に占める予算が大変少ないという実情が出ておりますので、その中でそういう誤解を招くんではないかということも報告されているわけです。そして、最後のところで、こういう現状の中で、「国立大学が」「わが国の社会にこれまで果たしてきた役割を、完全に維持することはすでに困難」となっていると、今の財政の現状では。そういうことが報告されております。 しかし、「国立大学が担うべき役割」も大変大きい、これは私どももそのように思っております。「例えば先端技術の開発に民間企業あるいは研究所などの役割が大きくなるとしても、その基盤となる」基礎的な「知的活力を形成維持していくためには」国立大学というのは大変重要であるというふうに言っております。そして、「国際社会において、文化的貢献の欠如」、それから閉鎖的であると。日本の大学は、そういうふうな「そしりを受けないためには、知的創造と交流の拠点として、大学がこれまで以上に積極的な役割を果たしていかねばならない」というふうな結論で結んであるわけです。 私もこれを読みまして大変胸を詰まらされる思いがいたしましたが、その中で特に今、国際的に日本の大学に期待しているものがたくさんありますが、なかなか日本の大学は窓口を開いてくれないというふうなことがございます。岡山大学でも、聞きましたら、留学生が大変たくさんいると。そして、窓口をあけているんだけれども、ほとんど半分ぐらいが中国の留学生らしいんですけれども、その受け入れるための宿舎、留学生会館が手狭になってみんなを受け入れられないで大変困っている。やはり財政の問題であるわけです。文部省としましても、この点につきまして、留学生の受け入れ、そういうことについてどのような方策を立てていらっしゃるか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(長谷川善一君) 留学生の受け入れ、ただいま先生御指摘のとおり、我が国の国際的な立場から考えましても、また、発展途上国の若者が我が国で勉強して自分の国に帰って、自分たちの国の発展のために尽くしたいという、そういう意欲を持った学生を受け入れて日本で十分な教育研究の機会を与えるということは極めて重要なことだというぐあいに認識いたしております。文部省といたしましても、留学生の受け入れにつきましては、御案内のとおり十万人受け入れ計画というようなものを一応策定いたしておりまして、そのラインに沿っていろいろな施策も展開いたしておるわけでございます。 留学生会館といいますか、留学生の宿舎の状況でございますけれども、国立大学におきます留学生宿舎の整備の状況は、現在四十五の大学に五十二の施設を持っております。三千二百五十一人分の宿舎でございます。それから一般の学生寮、日本人の学生が通常入っております学生寮にも外国人の留学生をできるだけ受け入れるようにいろいろな機会を通じてお願いいたしておりまして、現在入っておりますのは八百九十一人の留学生は一般の学生寮の中へ入っております。平成四年度の予算におきましても大変厳しい状況ではございますけれども、留学生宿舎の建設のための予算といたしましては、対前年度で五億五千四百万ふやしておりまして、総計二十四億三千二百万、この二十四億三千二百万で四百十五の部屋を確保できるわけでございます。 ただ、現在留学生の問題で、御指摘のとおり宿舎の問題というのは極めて大きい問題でございます。そういった大学の寮、あるいは公益法人がつくっております寮に入っております学生は四万五千おります留学生のうち九千七百ということでございまして、二一・六%でございます。そのほかの七八・四%の学生は民間の下宿あるいはアパート等に入っておるわけでございまして、宿舎の問題といいますのは、特に大都市におきまして今後留学生政策を進める上で非常に大きい問題であると認識いたしております。そういった意味で、こういった国立大学の宿舎だけではなく、公益法人がつくる宿舎に対します援助、あるいは地方公共団体が建設いたします。そういった会館に対する援助、そのほか留学生が下宿、アパートを見つけるための各種の援助等々をさらに進めていかなければならないというぐあいに考えております。
○森暢子君 いろいろな問題を考えていきますとやっぱり最初に戻りますが、教育予算に戻ってくるわけであります。 それで、今回、特定学校財産の処分収入が入るということで一般会計からの繰入金の減額、それからこれまでの施設整備費を減額しようということはありませんね。つまり、別枠でこれが上積みされるということを確認したいと思うんです。
○国務大臣(鳩山邦夫君) これは衆議院の文教委員会のときにも同様の議論がございまして、多少具体的な数字についての御議論もあって、いろいろと御説明を政府委員からもさせていただきました。 要するに、私としての認識は、これは私の持論というわけでもありません、あるいは私のむしろ夢ということであろうかと思いますが、大学のようなものは本来できるだけ自然環境の豊かなところにあってしかるべきではないだろうかというふうに思っておりまして、大学の移転というのは当然大都会や都心から離れる方向に行くわけですね。大都市に近づくような方向への移転というのは余り考えたくないし、想定できないと思っておるわけでございます。当然外へ行く。本来学園都市のようなものがもっと全国にいっぱいできていいのではないかというのが私の基本的な考え方なんですが、それはすぐに実行できることではありません。 先ほどから議論になっているように、幾つかこういうふうに外へ出ていくとするならば、地価の高いところから安いところへ移るということが一般的であろうというふうに考えた場合に、特定の学校財産を処分して、先ほどから政府委員がお答えしているような莫大なお金がそこにできる。今までと同じような仕組みですと、特別会計の中にそれだけのお金ができたならば、これは一般会計からの繰り入れを減らしましょうというふうになってしまうわけです、従来のやり方であると。それをそうさせない、これは別ですよと、これは国立大学の老朽化、狭隘化等で特別施設整備というのを国家的にやるんですよということを決めたんだから、財産を処分したことと、特別会計への一般会計からの繰り入れというのは全く別でございますということをはっきりさせるための法律案であると私は認識しておるわけです。
○森暢子君 その線でぜひ頑張っていっていただきたいと思います。 しかし、御存じのように人件費が八割も占めているというこの文教予算を考えますと、冒頭に申し上げましたように、宮澤総理もちらっとそういうお気持ちになっているときを、機を外さず、どっと皆さんで力を合わせて、こういう予算の拡充について大臣の大仕事といたしまして頑張っていただきたいというふうに思いますが、決意はもうよろしいですか。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 長くなりますので……。
○森暢子君 それでは、次に移ります。 もう一つの課題であります学部の改組、それと教養部をいろいろと変えていく。例えば京都大学の教養部を総合人間学部に改組する、並びに神戸大学の教養部を教育学部の改組とあわせて国際文化学部とか発達科学部に改組するということが出ておりますね。そういうことについて、教養部を改めていろいろと改組するというその画的、どうしてこういう状況になったかというあたりの経過を説明していただきたいと思います。
○政府委員(前畑安宏君) 先生御案内のとおり、戦後の学制改革でいわゆる新制大学というものが発足いたしましたときに、これは占領軍の方の示唆もあったわけでございますが、リベラルアーツというものを新しい大学では重視をすべきであるということであったわけでございます。 それをどういうふうに大学で取り組むかというときに、やはり新制大学発足時のいろんな経緯もございまして、本来的にはいろんなやり方があったんだと思いますが、一般教育だけを担当する組織をつくるという方向へ全体として動いていく。大学設置基準におきましても、昨年改正をいたします前は卒業の要件として三十六単位の一般教育科目をやらなければ卒業させてはならない、こういたしておりましたこともあって、その三十六単位の一般教育、四単位の保健体育、そして八単位の外国語科目、これをいかに効率的にやるかというふうに大学の側でいろんな財政上の問題もあって動いていった。そこで、それだけを一年次あるいは二年次、あるいは一年次と二年次の前半ということで集中的にやる組織として教養部が国立大学としては設置をされてきた、こういうふうな経緯があるわけでございます。 ところが、そこでやられておりました一般教育につきまして、各方面から従来からいろんな議論がありました。ありましたが、やはり新制大学の基本的な理念は一般教育重視だということでなかなか制度を動かすというところまでまいりませんでしたが、御案内のとおり、大学審議会における答申もいただきまして、昨年の七月に大学設置基準の改正を行いまして、いわばどういうふうに各大学で一般教育をやるかということは、これは各大学のそれぞれの責任であるというふうに制度を変えたわけであります。 そういうことを受けまして、それまで各国立大学でいろんな教養部改革の検討をしてまいりましたが、やはり大学設置基準の枠がありましたのでなかなか現実には難しかったということが、大学設置基準の大綱化によって一挙に具体に改革を行うに至ったというのが今度の京都大学であり神戸大学であるわけでございます。そういうところを踏まえまして、ただいま御提案を申し上げているところでございます。
○森暢子君 お茶の水女子大学のことについてお聞きしますが、家政学部を生活科学部というふうになっているわけです。神戸大学の教育学部をメインに発達科学部というふうなことになっているんですが、このことについてどうしてこのように変えるようになったか、その設置目的、そういうことについてもう一度詳しくお話しをお願いしたいと思います。
○政府委員(前畑安宏君) まず、お茶の水女子大学の生活科学部でございますが、現在お茶の水女子大学は家政学部でもって児童学科、食物学科、被服学科、家庭経営学科、この四学科と家庭科教員養成課程の一課程を持っております。いわばこれは伝統的な学科構成、いわゆる縦割りの構成でございます。 これにつきまして、近年、家政学というもののあり方について各方面でいろんな検討がされておりまして、私立のところではかなり早い機会に家政学部をこういうふうな生活科学部といったようなところに転換をしたところも出てまいりましたが、そういう動きも受けまして、いわば縦割りの専門分化による学科構成から、家庭生活、人間生活全体を視野に入れた横割りの構成に変えようということで、生活環境学科、人間生活学科という横断的な学科編成ということでお願いをいたしておるところでございます。 また、神戸大学につきましても、教育学部を改組いたしまして発達科学部ということにお願いを申し上げておりますが、基本的には発達科学部の人間発達学科、人間環境学科、人間行動・表現学科、こういう三学科構成にしようというものであります。これも近年における生涯学習社会のあり方であるとか、あるいは人間と環境のかかわりとかそういったものを考えながら、人間の幼児から老齢に至るまでの発達段階というものを踏まえてそれぞれの段階と環境との関連といったようなものにつきましての教育研究を行おう、こういうことで教育学部を主体的に発達科学部に改組をしようということでございます。
○森暢子君 専門的なものに早く入ってきわめていこうという動きもあるかもわかりませんが、私は一般教育といいますかリベラルアーツ・エデュケーション、これは大変大切だと思うんです。特に、大学へ入るまでは子供たちはもう受験競争の中で詰め込みの教育をしている。学校で勉強し、帰って塾へ行き、そして眠り、朝学というのをやっておりましたが、朝、授業前にまた勉強もしということで、そして高校生活を送り、大学に入る。そこでまた一般教育ではなくてすぐ専門的なものに入っていくという中で、このリベラルアーツ・エデュケーションというものがどういうことになっていくのかというのを不安に感ずるわけですが、このあり方について大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 私、ただいまの森先生の御指摘とほとんど同じことを考えておりまして、いわゆる言葉の遊びになってしまうといけないんですが、言葉で言うと一般教育とかあるいは一般教養とか、リベラルアーツと言うのか、どういう表現をしたらいいのか実は私もよくわからないんですけれども、あえて同じ言葉を使わせていただきますと、人間が成長をしていく段階でリベラルアーツというものの持つ意味は極めて大きい。今回の大学設置基準の大綱化によって、いわゆるその意味では専門教育と一般教育の線引きをなくしたわけです。各大学が自由にやってくださいということは、それぞれの大学の自主的な判断にゆだねて、それぞれの大学が個性的なカリキュラムを組んでやってくださいという意味では責任を各大学に任せたというような形であって、決してこれがリベラルアーツと言われるものの軽視につながることがあってはならないというのは私のかたい信念でございます。 その理由は二つございまして、ただいま森先生がおっしゃいましたように、受験時代に点数をとるための勉強をやる。例えば歴史を、日本史だとか世界史というものを懸命に丸暗記をして試験に臨む、そして大学受験に成功をして気が楽になったときに、授業科目の中に例えば西洋史だとかあるいは日本の近現代でもいいし、あるいは古代でもいいですが、そういうような一般教養科目があると、これを本当に自分の楽しみのある勉強として深めていくことができますので、本当の教養として身につくということが一つあります。 それからもう一つは、私のこれはまた持論でもありますが、人間というのは幅の広さが大事で、間口が広くないと深いところまで研究を掘り下げることができないというふうな考え方を持っておりますから、例えば偉大な物理学者の趣味が文学であったとか、あるいは偉大な文学者の趣味が実は数学の問題を解くことであったなどというような話を欧米では相当数多く耳にするようでございます。そういう意味では人間は、例えば数学の公式なんかを見るとこんなものは将来役に立たない、使わないから必要ないという議論がよくありますが、そうじゃなくて、できるだけ広くいろんなことを知っていることがそれこそわからないところで役に立っているということを考えると、一般教養というものはとても大切である。その大切さを各大学がそれぞれに受けとめて自由にそれぞれのカリキュラムの中で生かしてもらおうということでございまして、一般教養というんでしょうか、リベラルアーツが軽視されるようなことが決しであってはならないと私は思います。
○森暢子君 大臣のお気持ちはそうなんですけれども、文部省としてどこまでできるかということですね。つまり、大学の自主性に任せるんですから、自分のところの大学はこういう考えでこういうふうにやっているといったら、それを文部省が強く指導しているとこれまたおかしいことになるということで、状況をつかんで、そしてどの程度どのように指導、助言するかということがこれから問題になると思うんですが、その辺は何かお考えがございますか。
○政府委員(前畑安宏君) 大臣から御答弁がございましたように、今の一般教育の一番大きな問題は、一般教育が一般教育として行われているところにあるというふうに言われておるわけであります。京都大学、神戸大学で改組をいたしましたが、これは一般教育を大学としては専門教育として実施をしようという基本的な考え方であります。それを受ける学生の立場によってそれを専門の科目として受講するか、あるいは一般教育として受講をするかという立場の違いはありましても、大学が行うのはあくまでも学部の専門教育として行おう、これが非常に大きな点だと思っております。よく言われましたが、もう長くなりますから省略をいたしますが、大学の中の授業科目における区分が同時に教員の区分につながっているというのが問題として指摘されておりまして、それを解消するというねらいがございます。 それから、今のお尋ねに直接お答え申し上げますと、私どもの大学設置基準の改正で教育過程の編成方針というものを定めることにいたしました。これは従来の授業科目の区分にかえたものでございまして、「教育過程の編成に当たっては、大学は、学部等の専攻に係る専門の学芸を教授するとともに、幅広く深い教養及び総合的な判断力を培い、豊かな人間性を涵養するよう適切に配慮しなければならない。」という規定を設けております。 大学設置に係る審議会で各大学のカリキュラムの審査をしていただくわけでございますが、今先生御指摘のように、どこまで審議会なりあるいは文部省がカリキュラムにコミットするかというのは難しい問題がありまして、基本的には各大学の自由なお考えでやっていただくというのが基本にあろうかと思いますが、一般教育といいますか、リベラルアーツということを考えますと、こういうふうな設置基準を大学審議会の答申を踏まえて制定をいたしたわけであります。この設置基準に掲げております教育課程の編成方針に適合しているかどうかというところを最低限審査をし、私どもとしても最低限そこを考えながら対処をしていく、それから先は各大学の自由な発想にお任せをするということを基本にして対処してまいりたい、このように考えております。
○森暢子君 大学審議会の方も、今大臣がおっしゃったように一般教育を軽視する大学の出現を大変心配しているというふうなことなんですが、今もお話がありましたように、その歯どめについては大学人の見識を信ずるしかないということなんですね。 それで、私どもが一般社会で考えますのに、こういうふうなことになると大変カリキュラムが自由化して、自由になったんだということで実用的なカリキュラムを組む大学がふえるんではないかという心配があるわけです。例えば、司法試験対策のためにそういう予備校のようなカリキュラムを組んでいくんではないかとか、それから私どもがよくかかる医者ですね。私どもは、お年寄りもそうですが、病院へ行って医者と対面して優しい言葉をかけてもらい、脈拍を握ってもらうことによって何か病気がよくなって、ちょっとでも優しい言葉をかけてもらうとそれだけで信じて、そういう人間関係の中でいくということがあるわけです。そういう人間性とか一般社会人の教養的なものが失われていきますと、患者の気持ちも聞かずにぱっぱっと黙って処置してしまうという医者も出てくるのではないかとか、そういういろんなことについて人間関係や常識に欠ける人間をつくっていくような大学になってはいけないということを心配するわけであります。 それで、そういう心配について、やはり対応策が文部省に必要だと思うんですね。そういうことについて、大臣、もう一度お考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 本当のことを申しましょう、私はうそを言うの嫌いですから。 私は、大学設置基準を大綱化していくという臨教審の答申があって、その辺を大学審議会の先生方が審議されておられることは全部承知しておりました。ただ、そういう中で、カリキュラムをできるだけ自由にするということには私は異論はなかったんですが、いわゆるリベラルアーツというものの区分をなくしてしまうということが話題になっておりましたころ、私はどういう仕事をしておったか今記憶にありませんが、一代議士としてこれは反対でした。やっぱりリベラルアーツというものをきちんと守られるように最低限しておかないといかぬのじゃないかなと、私は新聞報道等を見ていつもそう思っておりましたし、当時からおつき合いのあった文部省の方にもお話ししましたけれども、力の持っておらない私などだれも無視されたのかもしれませんが、これは一つ流れとしてはわかるんです。わかるんですが、私が、一般教養というか、リベラルアーツというものを仮になくしてしまってもというか、非常に度合いを薄めてしまっても、要するにそれをチェックできないような仕組みになっては困るというふうにずっと思い続けてきた気持ちというのが実はあるものですから、今の先生の御心配の趣旨がやっぱりよくわかるわけです。 お医者さんの例を出されましたけれども、今後の新しい二十一世紀における医師像というものは、単に機械が使いこなせるとか技術的にということではなくて、むしろいろんな人間教育をより積んだ人、宗教から何からいろいろ詳しい人の方がよりよい医者と判断すべきではないかというような話をこの間ある方々とし合ったこともありました。そういった意味で、世の中が複雑化して多様化して、むしろいろんな専門領域ができていく時代だけに、逆に私はリベラルアーツがとても重要だと思っておりますから、その辺がやはりきちんと担保できていないといけないと思いますので、また局長等と話し合ってきちんとできるように、できるだけきちんと事柄が行われるように見ていきたいと思います。
○森暢子君 今の大臣のお話を聞きまして心強く思っております。 この一般教育のことについて、新聞にも大変たくさん記事が載っておりまして、いろんな方がいろいろなことを報じておられますが、やはり根底に流れているのは、大学の一般教育の充実それから再生というのがテーマに流れていると思います。日本は、応用技術は優秀だが、原理とか基礎、そういうものの弱さを世界に指摘されている。そして、その基礎の基礎になる一般教育は大変大きな意義を持っているというのが皆さんの意見であるわけですね。そして、教育課程における一般教育の縮小が当然のようになっている現代、あえて一般教育の充実というものを訴えたい、こういう新聞論調が多いわけであります。 そういうことで、大臣もそのようなお考えでございますのでよろしいと思いますけれども、皆さんも大学へいらっしゃいまして一般教養の中で何をしたか。体育もありましたよ、ダンスもいたしました。体育や音楽もありましたし、そういうものが全部なくなってしまうということ。大学になったらスポーツをやらない人は全然やらないで数学ばっかりをやるというのは本当にいびつな人間ができるのでありまして、やはり体育もあり歌も歌い、そして人間関係を結んでいきながら社会人として成長していき、専門性を高めていく、これが理想的であると思いますので、ぜひその辺を留意してくださいまして、この法案の発展、充実のために努めていただきたいというふうに思います。 以上で終わります。
○会田長栄君 会田であります。よろしくお願いします。 まず私は、文教予算をめぐりましては、長いことこの文教委員会でも、予算委員会でも大きな議論になってまいりました。とりわけシーリングの問題が出てまいりましてから、この文教予算というのは政府の一般会計予算の中に占める割合というのは年々低下をしてきている。どこで一体歯どめをかけていくのか、こういう心配をしていた一人でありますが、平成四年度予算案では歯どめがかかって少し前進をした。とりわけ参議院における予算委員会でも、このシーリングの見直し問題について同僚の小林議員から宮澤総理に対する質問の中で一歩前進のような回答を引き出して今日を迎えているということは、これはお互いに承知しています。 そこで、ようやく歯どめがかかってきたわけでありますが、けさほど森委員から御質問があって、文部大臣が答えられて大変力強い決意を聞いて安心いたしましたが、これは文部大臣と文部省に決意を聞いただけで、我々としてこのままいていいのかという気持ちも大きくなってきています。 四月二十日に、宮澤総理が自分の自民党の婦人部の活動者会議の中で森政調会長に、この教育予算をめぐるシーリングの問題について具体的に党内に持ち帰って検討しろという指示をしたということが新聞で報道されております。 こういう時期でありますから、まず第一に、私は委員長にお願いしておきたいんです。文部大臣が決意をする、総理が具体的な検討指示に入って、我々文教委員会もこのままいていいんだろうか、こう思うから、本院において、国づくりは人づくり、人づくりは国づくりという大命題に向かって具体的な一歩を踏み出さなきゃいかぬと私は思っているんですよ。そういう意味で、まず冒頭、委員長にお願いしておきたいんです。こういう環境、あるいはこういう各界の、大臣を初め決意、我々の気持ちというのが一致するときはないんですね。したがって、この文教委員会でその先頭を切って文部大臣の側面援助というものをやって、この機会に突破口を切り開くということをぜひ理事の先生方で協議していただいて、本院で決議を上げて、我々も決意のほどを示していくということをやったらいかがなものですかということです。これは冒頭で失礼でありますが、理事協議をして、何とか具体的に実を結ぶようにしていただきたいということなんですが、委員長、お願いできますか。
○委員長(大木浩君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(大木浩君) 速記を起こしてください。 ただいまの会田君の御要望につきましては、理事会等で後刻検討いたします。
○会田長栄君 この機会を逃がすと、恐らくまた同じ道を歩むんではないか。というのは、日米構造協議の中でも公共投資という形で四百三十兆円をこれから投入するということを確認しても、なおかつ最大の公共投資は私は教育投資ではないか、こう思っているぐらいであります。そこに具体的に目が向いてこない、こういうこともあって、心配している一人でありますから、今委員長が御答弁いただいているように、理事協議で具体的に前進するようにひとつどうぞよろしく再度お願いしておきます。 それではまず、国立学校設置法の改正について、各大学における大学改革と教育研究体制整備の一環として学部学科の変更、入学定員は変わらずでありますが、経済短期大学部を経済学部への統合ということについては基本的に私は賛成であります。 そこで、この問題と関連いたしまして、まず四全総あるいは地方拠点都市構想というものを打ち出している国土庁に前段に質問したい、こう思っているわけであります。もちろん、文部大臣が我が国の教育をめぐりまして力強い所信表明をしているわけでありますから、どうしても国土庁にみずからの四全総、拠点都市構想というものを打ち出している方針のもとにやっぱり国土庁としても大いにみずからの任務と文部省への応援という形でやってほしいという気持ちがあるものですから、関連して質問したいわけでございます。 そこで、まず、国土庁の計画・調整局、大都市圏整備局、地方振興局が中心になりまして、「地域における地域活性化に資する人材確保に関する調査」をまとめて平成三年三月に発表しました。大変興味深い内容であります。そこで、これに関連をしてお伺いしたい、こう思います。 一つは、「大学等と地域活性化」、すなわち「地学連携の推進」についてまとめて発表していますが、この場で簡潔に要点を聞かせてほしい。
○説明員(小坂裕男君) 国土庁計画・調整局計画官の小坂でございます。 御説明申し上げます。 「地域における地域活性化に資する人材確保に関する調査」でございますが、これは活力ある地域づくりを図っていく上で、地域づくりを担う人材の育成、確保、あるいは地域の文化レベルの向上等が不可欠であり、高等教育機関、大学等でございますが、これの果たす役割というものが今後ますます重要になってくる、こういうふうに考えられますので、これを調査の目的といたしまして調査いたしましたものでございます。 調査の方法は、アンケート調査の実施、それから学識経験者による委員会の設置ということを踏まえて、それをまとめたものでございます。 まず、地学連携ということでございますが、これは地域と大学等との連携でございます。今日、東京一極集中が進みまして、地方における過疎化の進行ということが問題になっておりますが、昭和五十年代を通じまして、地域におきましてみずからの力で地域づくりを進めよう、そういう機運が盛り上がっております。そういう中におきまして、近年国土全体を通じまして、産業構造の転換、技術革新、情報化、国際化、高齢化、価値観の多様化といった多様な変化が進んでおります。もちろん、大学といえどもその中に置かれておるわけでございます。 このような中で、さまざまな人材ニーズが地方に生まれてまいります。こうした人材を育成するために、大学等の教育研究機能に新しい役割を地域にとって見つけられるのではないかということでございます。すなわち、これまでの人材養成機能、教育機会提供機能などの一層の充実とともに、新たな社会的サービス機能、教育研究の価値形成機能の発揮が求められる。これらは、社会人再教育や生涯学習として、あるいは産学連携等として受け入れられてございますが、これをぜひ地域に結びつけまして地域の活力の種の一つにならないか、こういう精神でございます。
○会田長栄君 二つ目の問題は、「地域活性化に資する大学等の在り方-二十一世紀に向けて」といって、国の提言をまとめていますね。その要点を聞かせてください。
○説明員(小坂裕男君) 御説明申し上げます。 提言でございますが、国の役割といたしましては、地学連携の活動をあらゆる意味で、多様な意味で支援するべきだということでございます。それから、地方公共団体への期待といたしましては、地域の側としても、近年地域活性化の核となるのはむしろ人材を中心とするソフトであるということの認識が始まっておりますが、今後公共団体は人材の養成、定着を図り、地域づくりを効果的に推進するために高等教育により一層主体的、積極的に取り組んでほしいということでございます。 それから、対民間につきましては、従来のような大学等からの人材や情報、技術を得るといった一方的依存ではなくて、大学に対しても連携、協力をしてほしいということでございます。 それから、大学等への希望といたしましては、地域サービス機能の強化でございますとか、大学等の連携あるいは活力化でございます。それから、システムといたしましては、放送大学等の全国的展開等ニューメディアの活用といったようなことを提言してございます。
○会田長栄君 もう一つは、地域と大学等との連携の現状、課題といった問題について簡潔にまとめているはずでありますから、それを聞かせてください。
○説明員(小坂裕男君) 現状につきましては先ほど御説明した中に一部含まれてございますが、そのようなことを踏まえまして大事なこと、課題に入りますが、大学等の存在や活動は地域住民への進学機会の提供であり、地域への人材供給といった伝統的な教育機能による直接的効果のみならず、消費支出の増加や雇用創出といった経済的波及効果、産学連携の生涯学習面、さらには地域の文化教育水準の向上、それから地域イメージのアップあるいはシンボルといったような社会的、文化的機能がございます。こういった事柄に関しましては大変地方の期待が高こうございますので、こういった課題を総合的にこなしていくというのが課題そのものだろうと思っております。
○会田長栄君 それでは次に、国土庁として高等教育機関の適正配置についてどのように一体分析していますか。
○説明員(高津定弘君) 大学の立地の長期的な推移につきまして、学生数に着目しましてその全国構成比で見ますれば、大都市圏域につきまして、これ一部二府八県ございますが、昭和五十年度が約七四%、昭和六十年度が約七〇%、それから平成三年度が約六七%となって、次第に低下しております。一方、それ以外の地方圏、これ三十六道県ございますが、これにつきましては昭和五十年度が二六%、昭和六十年度が約三〇%、平成三年度が約三三%と推移してきておりまして、これを人口比から比較いたしますと、学生数の構成比が大都市圏域におきまして相対的に高い状況となっております。 こうした状況から大学等の立地を見ますと、基調といたしましては地方圏での集積が高まってきておりますが、依然として大都市圏への集中傾向が続いているというふうに考えられます。
○会田長栄君 今のお答えと関連をして、要するに四全総の中で、あるいは今度国会に法案として出されている地方の拠点都市づくりと関連をして、もう少しわかりやすくお尋ねいたします。 というのは、御承知のとおり、均衡ある国土発展を目指すという方針を出して十五年計画のものが四年目に入ってまいりました。もちろん、東京の一極集中是正ということを大眼目にしての方針でありますから、これにもろもろの具体的な取り組み内容というのが明らかになって、実は東京一極集中、いわゆる巨大都市の方から地方に対する工場の移転あるいは機関の移転、いわゆる産業構造の転換に伴っての地方への転換、こういうのが大きく伸びてきているわけですね。そういった考え方からいってまさしく今地方の大学といえどもいわゆる自然科学とか人文科学とか社会科学、そういうものに関係するところの役割を果たすようにしていかなきゃならないというところに実は来ているんですね。 そこで、ちょっと国土庁に具体的にお尋ねします。一九四八年、教育刷新委員会というのが設置されて建議をした、日本の大学制度というのはここから出発していったわけですね。このときから今日に至るまで、文部省が相当努力をして今日の発展を遂げている。しかし、依然として一九四八年、この教育刷新委員会が設置されて建議をしたときと同様な措置で今日まである手法というのが存在するわけですね。この点について分析してみたことありますか。
○説明員(小坂裕男君) 御質問いただきました点でございますが、その点につきましては、四全総におきましては多極分散型国土を形成するため、交流ネットワークというものを重視しております。その中で地方都市の整備というものは重要な課題になってございます。その中で最近、産業構造あるいは出生率の低下等のさまざまな変化が起こっておりまして、これらの変化に対応いたしまして地域に合った大学の地方分散ということは大事であるという分析はいたしております。
○会田長栄君 それでは、ちょっと国土庁に私の勉強したつたないものを申し上げておきますから、どうぞこれを参考にして今後検討してほしい、こう思います。 先ほど私が申し上げたとおり、一九四八年七月の教育刷新委員会の建議があります。この一つに、大学の国土計画的配置について述べられております。この建議によれば、大都市の国立総合大学にはなるべくすべての部門を網羅して、そのブロック、地区の文教の中心たらしめる、これが一つ建議されているんです。もう一つは、各都道府県に必ず教員養成学部を置くと。こうした国立大学内部における形態と機能の分化で、実は拠点都市と地方とのかかわりというのは、中央にはそれぞれ総合、地方には教員の養成学部プラスもう一つの学部と、こういう考え方が日本の大学制度の出発点なんですよ。その後、実際は昭和三十年代、四十年代、五十年代と、今日までの間に相当努力されてきているわけですね。 これは具体的に、ではどういうことになっていますかということを示しますと、実は神戸大学というのは地方大学だったんですね、出発当時は。しかし、今や九学部、総合大学。そして、六学部以上の大学というのが、この過ぎた四十五年の間に十一校に拡大してきたんです。今度は残っているのは全く少ないんです。残っているのは少なくなってきたんです。当然これと相まって、金沢、富山、神戸、岡山、広島、山口、熊本、鹿児島というように、大体地方の教員養成学部プラスもう一つの学部という出発点における考え方というのが、それぞれの地域の要望と文部省の政策実現によって減ってきたんです。ふえてきたと言いましょう、総合大学化されつつ今日を迎えているというのが実情でしょう。 ところが、残っているのは、前回の文教委員会でも私はさわりましたけれども、和歌山というところはそのまま残っているんです。途中で県立医科大学を国立に移管させたという滋賀県もある。あるいは香川県もある。農学部を移管させたというところもある。あと残されているところというのは私の住んでいる福島県と、こういうことになるわけです。これだけしか残っていないんです。だから、国土庁は、四全総、地方拠点都市づくりという構想を発表しても、こういう地方大学の成立、発展過程というものもひとつ研究の対象にいたしまして、均衡あるように私は提言しなければならないんじゃないかと思って、これは国土庁にとっても大切な、重要な仕事でありますので先ほどからお聞きしているわけでございます。その点はどうぞよろしくお願いいたしておきます。 あそこは特別ですよなんといって、取り除いていいなどという理由はないんです。そういう歴史的な発展過程の中でなぜか結局は私は取り残されちゃったと、こう見ているんです。だから、そういうものについては私もよく研究していないからわからない。なぜこういうことになっているのかという背景と理由、これは後ほど文部省にお聞きしますから、国土庁はそういう視点に立ってぜひ検討していってほしい。今や教育は何も国立だけではありません。国立、公立、私立を含めて日本の人づくりというのは大いになされているということも事実でありますし、今や大学に至っては私立がもう既に全体の八〇%を占める、こういう状況でありますから、全体を含めまして、そういう視点もひとつ分析するときに加味してほしいということを申し上げておきます。 国土庁の皆さん、ありがとうございました。ひとつよろしくお願いしておきます。 それから、もう一つ、最後でありますが、国土庁にお伺いしておくのは、国土庁の「人と国土」という一九九一年一月号に「高等教育の地方への展開」という巻頭言が出ているんです。もちろん、この一月号というのは、「高等教育の地域展開」となって、高等教育を特集された一月号なんです。 そこで、一つだけ聞いておきますが、この巻頭言の「高等教育の地方への展開」として、東京理科大学の理事長であります先生が述べられておりますが、この点について最後に国土庁に、この論文の感想をひとつ聞かせてください。
○説明員(高津定弘君) 雑誌「人と国土」の平成三年一月号の巻頭言で提言されております「高等教育の地方への展開」という考え方につきましてですが、これは国土の均衡ある発展を図るという観点から見まして、高等教育機関の適正配置を推進していく上で基本的には重要なことの一つであるというふうに私どもも考えております。 今後とも関係行政機関とも十分連携をとりながら、引き続きまして大学等の適正配置を推進してまいりたいというふうに考えております。
○会田長栄君 国土庁の方、ありがとうございました。 それでは本題に戻りまして、国立学校設置法及び国立学校特別会計法の一部を改正する法案を審議するに当たりまして、関連をして文部大臣初め関係局長にお尋ねしていきます。 大学審議会は、臨時教育審議会の第二次答申の提言を受けて「大学に関する基本的事項を調査審議する審議会として昭和六十二年九月に文部省に設置されて、十月に文部大臣から諮問されて以来、十一件の答申が出ている。そこで、きょうお伺いしたいのは、平成三年五月に出された答申と関連をいたしまして質問いたします。 一つは、今国土庁の方にお伺いしたんですけれども、四全総、地方拠点都市構想の方針というのが今日示されているわけでありますが、高等教育等との関連を文部省としてはどのように受けとめられておるのか、お聞かせください。
○政府委員(前畑安宏君) 高等教育につきまして、これが各地域に均衡をもって所在するようになるということは、当該地域の発展ひいては国全体の発展からして極めて有益なことでありますので、私どもは、大学設置認可行政を行うに当たりましては、その点に十分配慮しながら対処してまいったつもりでございます。
○会田長栄君 それでは、もう一つお伺いします。 この答申の中で、これは当然文部省、大臣初め御承知のとおり、高等教育の規模等として、十八歳人口の減少など、今後の見通しの上に立って、いずれのケースも現状の規模を下回るので、新増設については原則抑制の方針を打ち出していますね。同時に、あわせて地域配置の問題についても触れていますね。この二つに関連をしてお伺いします。 この四全総とか地方拠点都市構想とかの関係で、均衡ある国土発展を目指していく大学の役割というものを重視した場合に、今日までの経過や今日時点の現状の分析の上に立って、地域社会のニーズというものが強い場合に、この原則、いわゆる学部の新増設は抑制するという原則、これというのをあくまでも文部省としてはかたくお守りになるんですか。それとも地方の適正配置ということも同時にうたわれているから、それぞれの分析と考察の上に立って、原則はあるけれども、均衡ある国土発展ということの視点から考慮することもあり得るのかということをひとつ簡潔にお尋ねいたします。
○政府委員(前畑安宏君) 御指摘のとおり、私どもは今後における十八歳人口ということを考えますときには、言葉は悪うございますが、みだりに大学が設置をされますとそこに大きな混乱が起こる可能性があるというので、原則的には抑制的に対処をするというふうにいたしております。しかしながら、私どもの設置認可の法的な仕組みからして、基準に適合し私どもの基本的な考え方に合致している場合にはこれを認可してまいっております。平成四年度にも東北芸術工科大学であるとかそのほか五大学認可をいたしておりますし、平成三年度におきましても六大学が開設をされておるところでございます。 今先生御指摘の地域におきましても、それが時代の要請に適合する構想のものであり、そしてまた財政基盤が確立されて、そして先ほど森先生からのお話もありましたが、大学設置基準においてきちんと一般教育というものを踏まえたカリキュラムが組まれておるというものであれば、認可をすることについては大学設置審議会に諮って対処してまいりたい、このように考えております。
○会田長栄君 大臣、最後にこれに関連をしてお伺いしますが、所見を聞かせてほしい。要するに、四十五年前の教育刷新委員会の建議そのままの状況に地方の実態がなっているという、こういうことも今日わかりました。今局長から答弁があって、原則は原則だかと弾力のある答えもいただきました。そこで、何としても産業界なりあるいは工業界、農業界、そういったものを含めまして地域の要望として今まさに文部省が力を入れて進めているところの産学官の研究体制、条件整備というものを進めているときに、どうしてもそういうことに欠けるということが分析されて見通された場合に、文部省として地域社会の要請にこたえるように努力できるのかどうかということを最後に大臣からお聞かせ願いたい、こう思います。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 先生が先ほどからいろいろ国土庁とやりとりをされておられたり、あるいはただいまの前畑高等教育局長とのやりとりも聞かせていただいて、なかなかこれは難しい問題がいっぱいあると思います。端的に申し上げて、十八歳人口の急増急減でこれからは急減にかかってまいりますから、大学は量的な拡大から質的な拡充ということになってまいりますし、原則抑制というのもそういう急減期へかかっていくから当然のことであろうと思います。 他面、大学審議会を中心として、もちろん我々も考えなければいけないのですが、大学とは一体何であるかと、大学と大学院の関係等についても本格的に議論を進めていかなければならないと思います。そのことは、大学と大学院の関係を考えるということは、先ほどの森先生の御質問にあったリベラルアーツと専門教育、すなわち大学というところがよりスケールの大きな人間性豊かな人格形成を図るという面と専門的な学問、学術あるいは科学技術等を深めていくという面と両面をあわせ持っているということの絡みだろうと思うわけであります。そういう大学についての議論がこれからも必要でしょうが、高等教育機関というものが全国的にどういう配置、配分になっておればいいのかというのは実は非常に難しい問題だと思うのでございます。 例えば、会田先生の地元の福島県というのを、まあ私は福島の事情は詳しいわけではありませんが、福島県には海がないわけですね、猪苗代湖はあっても海はない。――福島県はあるわけか、太平洋側にはね。失礼しました。その福島県は少なくとも日本海側には通じていない。太平洋と日本海と両方に接していなければ本当はいけないのではないかということをかつて田中角榮先生が私が秘書をやっておった時代によくおっしゃっておられた。これがいわゆる道州制という考え方なんですね。福島県の場合は、先ほどちょっと勘違いして申しわけありませんでしたが、いわゆる浜通りと言うんでしょうか、太平洋に面した側はある。それが日本列島を輪切りにして、北海道は当然両方持っているわけですが、どの地域も日本海側と太平洋側と両方持っているというふうに輪切りにした道州制というものを考えたらどうだということ、これは非常に合理性はあるんだろうと、将来の自治体というのはそういう姿であるべきなのかなと今でも思うことがあるわけです。 ただ、日本の都道府県というのは当然戦国大名あるいはその前の守護大名のころからの地盤割りというものがいまだにいろいろな形で残っておりますから、そういう歴史と伝統の問題というのがあろうと思います。ただ、それでも都道府県によっては自然環境条件も違いますし、面積の条件も人口の条件も著しく異なるわけで、そういう中で大学の進学率はなるべく平均化していた方がいいんでしょうが、地域収容率を考えてみて、全部同じでなければいけないのかどうかということについては私もいろいろ考えてみたいと思っております。ただ、福島県の地域収容率、すなわち分母は十八歳人口、分子はその年に例えば福島にある大学や短大へ新たに入学をした人ということでございますから、地域収容率の全国平均は大学進学率と等しくなっておりますが、福島県の場合は昭和五十一年度で一〇・四%ですからこれは大変低いですね。五十八年度で一二・五%になり平成三年度は一七・五%ですから、昭和五十一年度から平成三年度の間に七・一ポイントの上昇は見せているということでありましょう。 先生が先ほど福島大学を例に挙げられまして、教育学部のほかには確かに二学部しかないんですね。そうなりますと、工学部はありませんから、理工系ありませんから地域のそういうニーズ、いわゆる技術的な問題等についてのニーズにこたえていない福島大学だということも確かでございますね。ですから、その点はその地域ニーズの問題をどう吸い上げるかという問題もありますし、正 直に言ってその地域収容率も決して高くはありませんから、もうちょっと高くなっていただくように福島に大学ができるような配慮というものは当然あっていいと私は思っております。 ですが、あえて理屈を申し上げるならば、二つのことが申し上げられるんで、一つは、今申し上げたように、自治体によって条件が著しく違いますから、本来大変な大改革をやって日本全国を七つか八つか十ぐらいに分けるような道州制というすごい自治体を、地方分権の制度を非常に広げて、地方分権を拡充してそういうような制度を本当はつくるべきではないかと思っているということ。 もう一つは、先ほども申し上げましたように、本来大学とかあるいは研究機関というようなものはできるだけ風光明媚なところにあるべきだ、自然環境のいいところにあるべきだというのが私の考え方で、二十四歳で亡くなってしまった立原道造というあの東大の建築を出た偉大な天才と言われる詩人が卒業論文のときに、すべての芸術家を浅間山ろくのコロニーという形で集めてみたら日本の芸術文化は大変な進展を遂げるのではないかということを、これは昭和の初めのころに言ってすぐ亡くなってしまったわけです。ただ、その論文を私は読んだことはありませんが、今でも大変価値のあるものと評価されているようでございます。 それとは多少質が違いますが、ただ、筑波学園都市へ参りますとやはり一つのアカデミックな空気というものは非常に強く感ずるわけでございます。それこそ、筑波あたりですと茨城で東京からまだ近過ぎるということであれば、福島ぐらい離れたところにすばらしい学園都市があって、福島の自然は大変豊かでございますから、こういう季節だったらキャンパスをちょっと出ればコゴミも摘んでゆでて食えると、こういうようなことであれば情操教育にもいいだろうと考えまして、私はそういう意味で言えば、自治体にどういうふうに配置されるかということだけでなくて、大学の環境がもっといいところにあってもいいんじゃないかと。ただ、若者はむしろ新宿や渋谷が近いようなところを望むという傾向があるので、そこは非常に難しいわけですが、でもこれからは大学都市というのか大学村というのか、そういうものを大いにつくるような形で考えていければ今回の法律の財務センターも大いに生きていくなというふうに考えております。
○会田長栄君 四八年以降のいわゆる大学の発展的経過というものについてもう少しやっぱり押さえてもらいたいと思いますよ。私は別に、福島県はこうだと、こう言うのは一例であって、なぜそういう過程をとっているのかということなんです。進学率が低いというような話になれば、それはそれでいいんです。問題は教育の機会なんです。教育の機会を保障したいがために今日までこういう政策をとってきたんですよ。だから、教育の機会を保障する、今やそこから地域の発展を保障する、その役割は大学に求められているというところへ来ているから、もう一度その点をじっくり見詰めてほしいということで申し上げているんです。 これはあくまでも私も研究していって今後とも粘っていきます。これは変な話なんです、私から言わせれば、なぜそうなっているのかという背景と理由を聞きたいけれども、きょうは法律に関係する質問もありますからやめておきます。これは必ずあるんですよ。そういう意味では不均衡だ、こういうことを私は言いたいんです。その点は教育費の父母負担とかかわっているんです、うちの県は大半は東京ですから。東京によこせばお金がかかるというのはわかっているんです。それはわかっていてもやむを得ないんです。それでは金がかかってもいいかと、所得水準が高いかといったらその割合に高くないんですよ。全国平均にしたら平均ぐらいです。だから、そういうことを考えれば決してこの問題は等閑視できないというところから質問しているんです。 次に、国立学校特別会計の法案に関連をいたしまして簡潔に質問いたします。 平成元年度、二年度の決算状況というのはどうなっていますか。とりわけ総額、施設整備資金、増減という三点で簡潔にお答えください。
○政府委員(泊龍雄君) お答えいたします。 元年度における歳入決算額は一兆九千六百六十七億円、歳出決算額は一兆八千九百五十八億円、そのうち施設整備費が千三百六十九億円という状況でございます。また、二年度における歳入決算額は二兆七百六十六億円、歳出決算額は二兆二十四億円、うち施設整備費千四百四十四億円でございます。 両年度比較いたしますと、平成二年度において歳入決算額で千九十九億円、歳出決算額で千六十六億円、内訳の施設整備費で七十五億円がそれぞれ増という状況でございます。
○会田長栄君 これと関連をして平成四年度の方を若干聞きますが、平成四年度施設整備費、これは予算は幾らで、前年度幾らで、平成三年と平成四年の比較増減でマイナスかプラスか教えてください。
○政府委員(泊龍雄君) 項施設整備費につきまして申し上げますと、平成四年度の予算額が千六百九十四億六千万でございます。平成三年度の当初予算額が千五百二十八億七千百万、差し引き増減、今年度百六十五億八千九百万の増となっております。
○会田長栄君 それは間違いないですな。私の資料を見てみますと、平成四年度予定額として施設整備に必要な経費、平成四年度予定額一四九二〇七五六八、前年度予算額一五二二三〇五〇四、比較増、減額三〇二二九三六、こういう数字なんですが、私の持っている数字は違うんですか。
○政府委員(泊龍雄君) 平成四年度の予算額、それから平成三年度の当初予算額につきまして、項施設整備費の額につきましては私が先ほど申し上げた額でございます。
○会田長栄君 ちょっと今聞いてくる。この資料とは別なんですねと言っている。(資料を示す)
○政府委員(泊龍雄君) 今先生からのお尋ねは、御案内のとおりこれらが各項にまたがっているような点がございますので、先生、項国立学校の分野のところをお取り上げいただいたものと思っております。全体として項施設整備費として申し上げたのは先ほど私が申し上げたとおりでございます。
○会田長栄君 この文部省所管国立学校特別会計として歳出の分の〇四施設整備費、施設整備に必要な経費、平成四年度予定額、前年度予算額、比較増減額とありまして、平成四年度は三角印の三十億の減、こう出ているんです。減になっているということを聞いているんです。
○政府委員(泊龍雄君) 私が先ほど申し上げましたが、前年度予算額を当初予算額ということで申し上げましたが、今先生御指摘になった前年度予算額は、補正後の数字であろうかと思います。
○会田長栄君 それでは、次にお伺いします。国立学校特別会計法の改正についてなんですが、これは四点にわたってお聞きいたします。 平成四年度以降、第一次五カ年計画というのがあって、その実施内容というのは明らかにできますか、これからですか。
○政府委員(前畑安宏君) 事業に投じます金額という面からは、一応私どもとしては平成四年度を初年度として二百億、残りの四年度で各年度二百億ずつ、合計一千億という心づもりをいたしておりますが、具体に一千億の事業費でどこの大学のどの施設を改修しあるいは改築するかということについては、これは財務センターが設置をされまして、そこで調査を行い、資料の作成をした後、文部省において具体に各大学の要望をも徴しながら対処するわけでございますので、具体の箇所づけについては今は明らかになってはおりません。
○会田長栄君 それでは、第一次五カ年計画を実施するためにということで、これとかかわって借入金制度というものを改正するということになっています。平成四年度は二百億、五カ年計画といいますから二百億掛ける五年、これが最終的の総計になるんですか。
○政府委員(前畑安宏君) 事業費としてはそのように私どもは心づもりをいたしておりますが、これはそれぞれの年度の予算編成で決まり、国会にお願いをすることになります。
○会田長栄君 要するに、五カ年計画で二百億で出発いたしますが、二年次、いわゆる平成五年のときに同じく二百億大蔵省が保証してくれるかどうかというのはこれからの問題だ、五、六、七、八と。今のお答えはそういう意味ですか。
○政府委員(前畑安宏君) 突き詰めて申し上げればそのようなことになります。それぞれの年度で国立学校特別会計の予算で特別施設整備事業に要する経費としてどれだけのものが計上されるかということになるわけでございます。
○国務大臣(鳩山邦夫君) こういう法律を今お願いしておりますが、本来ならば二百億というお金が特別施設整備資金として借り入れでなくてあって、それで始めることができれば理想的なスタートになったわけですが、今回は制度をお認めいただいてもまだお金が空っぽなわけです、財産処分というのがありませんから。したがって、二百億は財投から借り入れてスタートせざるを得ないというふうに御解釈いただけませんでしょうか。
○会田長栄君 五カ年計画の初年度の二百億だけは自信があるけれども、来年から四カ年分の二百億というのはこれからの仕事ですというのでは、この法律そのものの出発というのはまことにあやふやです、私から言わせたら。二百億で出発をして五カ年計画で一千億を原資とするんです、こう言ってもらわなきゃ困ります。
○政府委員(前畑安宏君) 予算は単年度単年度に組まれるものでございますので、私どもの心づもりとしては、大阪大学の医学部移転跡地を一千億を超える処分収入を見込んでおりますので、それを当て込んで毎年度二百億という心づもりはいたしておりますが、予算の仕組みからいたしますと単年度であり、単年度で予算編成をし、単年度ごとに国会の議決を得る、こういうことでございますので、あくまでも心づもりということで御理解をいただきたいと思います。
○会田長栄君 だめですね。それはだめですよ。予算は単年度予算ですから、二年次から以降の五年目まではこれからの仕事ですと言われたんでは、この事業そのものが毎年毎年心配の種になります。私はそうでないと思う。文部省としては、今財政当局と相談をいたしまして、この事業を出発させるに当たっては五カ年間だけは保証するというようなことがあってこの事業が成り立つんじゃないですか。
○政府委員(前畑安宏君) 保証をするというようなことは、これは国会の予算の御審議もあるわけですから、制度的にはないわけであります。ただ、この制度をこうして国会にお願いしております趣旨は、通常でございますれば不動産を処分した収入は単年度で国立学校特別会計の歳入に組まれて費消されてしまう、それをそういうことではなくて、これは衆議院でも御指摘がありましたが、国立学校特別会計の一般の財布とは別に財布をいわばつくって、その中に処分収入を入れてそれを計画的に支出していこう、そういうふうな仕組みとしてお願いをしているわけでございます。したがいまして、私どもとしては、私どもの心づもりはかなり確度の高い心づもりである、このように考えております。
○会田長栄君 それなら、この特別会計などというのを新設しなくてもいいんです。ことしの二百億しか確実に保証できないというんであれば、何で改正して特別会計をつくるんです。それはもう五カ年間という計画があって、それを政府自身が財政当局も含めて一定の約束をしたから成り立つんでしょう。だから法改正するんでしょう。違うんですか。単年度主義なら何も法改正することはないです。
○政府委員(前畑安宏君) ぜひ御理解をいただきたいのは、この法改正をお願いいたしまして国立学校特別会計に特別施設整備資金という一つの別の財布を持ちませんと、仮に平成五年度に大阪大学の医学部跡地が一千億で処分ができましても、それは平成五年度で消えていくお金、こういうことになりまして、六年度以降のいわば私どもの心づもりもできない、こういうことでございます。一千億というお金を財布に入れておきますと、財政当局との折衝に当たってもここにお金があるということで私どもの心づもりが先ほど申し上げましたようにかなり確度の高い心づもりとなる、このように理解をいたしておりますので、どうぞ御理解を賜りますようお願いを申し上げます。
○会田長栄君 私は、それでなるほど確度の高いなどという言葉で全面的にわかりましたと言うわけにはまいりません。国立学校特別会計は単年度決算だったんでしょう、単年度決算だから五年計画でやるようないわゆるこれほどの大事業というものには特別施設整備資金の設置というものを特別に法改正してやらなければならないというところに考え方が固まったから出てきたんでしょうと言うんですよ。来年のことは確立は高いが、なかなかその後はと。私流に言わせれば本当なのかな、途中で化け物になっちゃうのかな、いや局長が言うんだから本物だろう、そういうことだけで私はよしとせられないんです。 今まであった単年度主義では国立大学のいわゆる老朽化とか狭隘化とか、教育研究条件の悪化への対応というものはどうしても今日の文教予算の中ではできないというから、ここで法改正をしてもう一方の整備資金を導入したんでしょう。それは五カ年計画でしょうと言うんです。一年目は二百億ですというから、来年は八百億来れば二年で終わるけれども、大体一千億ということを頭に描いて計画をして、この計画が出発するんじゃないんですかということなんです。そうじゃなくて、二百億で出発して、国立大学の跡地とかあるいは遊休地とか、これを処分して二百億に足してやっていくんだということではないんでしょうというんです。そこを聞かせてくださいよ。
○政府委員(前畑安宏君) 御提案を申し上げておりますこの法律で九条の五の第二号でございますが、「総合的かつ計画的に実施することが特に必要な整備事業」という事業、「総合的かつ計画的に」ということでございますので、私どもとしては心づもりとしての計画は持ちますが、予算の単年度主義というのは、それはやはり国会の予算審議もあるわけでございますので、確定的なものとして申し上げるわけにはまいりません。 ただ、この附則の五項の方で特別施設整備事業というのを御提案申し上げております規定で申し上げますと、「特定学校財産の処分収入を財源として緊急に実施される国立学校の施設の整備」、括弧書きは飛ばしますが、「整備に係る事業であって、文部省令で定めるもの」ということで、どういう事業をやるのかということについては文部省令で定める、こういうことになっております。これを定めることによりましてある程度計画というものは具体的なものになりますが、資金はあくまでも単年度予算でございますので、そこは御理解をいただきたいと思います。
○会田長栄君 それでは、借入するわけですから、利子はどのぐらいになるんですか。
○政府委員(泊龍雄君) 平成四年度におきましては、五カ年計画の初年度ということで財投資金二百億円を導入するという形になってございます。そして、具体的に借り入れる時期等を考慮いたしまして、現在のこれらの利率で計算をいたしますと、今年度で、丸い数字で三億八千万ぐらいの状況でございます。 それから、今後どうなるかという点でございますが、先生御案内のとおり、この特別整備事業は、御提案申し上げております特別施設整備資金の仕組みを活用するということでございますので、具体に処分予定を最初に見込んでおりますのが平成五年度以降ということでございますので、仮に平成五年度末等で売却処分等が行われたということになりますと、その時点でこれらの借入金等は返済をしていくといったような形に相なっていくわけでございます。そこで、仮定の話でございますけれども、平成五年度末に処分収入が入ったと仮定をいたしますと、平成四年度は先ほど申し上げましたが、平成五年度で十八億ぐらいの利子を払わなければならない、こういう状況に相なります。
○会田長栄君 利子はわかりました。利子はこの原資から払うんですか。特別に別の方から利子を持ってくるんですか。
○政府委員(泊龍雄君) この利子につきましては、資金の完成した暁には、平たく申し上げますと、新しくできる特別施設整備資金の果実等から賄われるわけでございますけれども、御案内のとおり出発当初はございませんので、法律の附則において規定してございますように百億円を現行の積立金から組み入れるという形をとっております。したがいまして、その組み入れられた整備資金の中から運用として出てまいりますので、それらをもってこの利子等に対応するということになっております。
○会田長栄君 それからへその次に聞きたいのは、この整備事業をやる場合に特定大学の財産の処分、跡地の処分、こういうものがあるんですけれども、財産を処分するというのは非常に難しいなと私は感想を持っているんです。そういう場合に、例えば跡地あるいは遊休地を含めて財務センターが基礎調査をして、その上に立って、客観的な条件を整えておいて、だれにも指を指されないようにするために基準というものをつくるんですか、あるんですか。
○政府委員(前畑安宏君) 従来から国立学校財産の処分につきましては所管の財務局に処分依頼をして行ってきております。所管の財務局は、国有財産地方審議会に諮った上で、その了承を得て処分する、こういう仕組みになっております。 そして、どういうふうな用途にこれが充てられるかということがそこで具体に問題になるわけでございますが、地方公共団体等の公共の用途に優先的に充てるという国の方針に従いまして、従来からそのように対処をしてまいってきております。
○会田長栄君 今お答えをいただきましたが、この処分に当たっては公共用地、これを最優先する、最とは言わなかったのか、優先するというお答えをいただきました。これはなぜかというと、財産処分、売り買いというのは非常に厳しいんです。我の考えだけで進まないですから、周りはなかなか賢い人がいっぱいいるわけでありますからね。ましてや文部省でありますから、おかたいことでは模範でありますからね。 ところが、この売り買いなどということになりますと、それでは社会がそういうおかたいのを簡単に認めているのかどうかということになると、声は大きく言えませんけれども、これは甚だ微妙なんですよということがあるものですから、この客観的な基準というものをぜひつくってほしいということもあるし、整備事業の優先順位、これなどについても私は全体的に五カ年計画の中で明らかにしつつやっていかなければいけないな、こう思っているわけでありますが、その点についての所見をひとつ聞かせてください。
○政府委員(前畑安宏君) この特別施設整備資金の財源としてやりまする特別施設整備事業につきましては、御提案申し上げております国立学校設置法の附則の五項で「国立学校の施設の整備に係る事業であって、文部省令で定めるもの」、このように規定をさせていただいております。したがって、どういうものがこの処分財産を財源として行われるかということはこの文部省令で明らかになるということでございます。
○会田長栄君 財務センターというところの役割というのは私は大変な仕事だな、重要だなと受け取っています。ところが、先ほど聞くと、五人で出発する、こう言っています。五年後は三十人にするんだ、こう言っているんですが、この仕事というのは私は初年度、二年度ぐらいが最も大事なところへ来るんではないか、こう見ているんです。これだけの仕事をやるのに本当に五人で出発して間に合うんですか。
○政府委員(前畑安宏君) 現在、予算の成立を受けまして、準備室ということで既に五人の定員につきましては文部大臣から発令をしていただきまして準備作業に鋭意取り組んでいるところでございます。 御指摘のような御心配もあろうかと思いますが、私どもとしては側面から支援をしながらこのセンターの初年度の仕事が円滑に動くことを確信いたしておるところでございます。
○会田長栄君 大学の老朽化、狭隘化、教育研究条件の整備というのは緊急の課題なんです。文部省は恐らくもうわかっているんです。どこが狭くて、どこが古くて、どこが研究室だか倉庫だかわからないようなところで一生懸命やっているというのはもうわかっていると思うんだ。だから、そういう意味からいうと財務センターというものは基礎調査をする、当然整備事業の中身も決める、そして提言もする、こういうふうになっていくんだろうと思うから、ちょっと私から言うのはあれだけれども、五人でこういう大仕事を出発して本当に間に合うんだろうかという心配がありますということだけつけ加えておきます。 それはなぜかといったら、これが完璧に機能が働けば、今度は、大学当局が東京へ来て何とかかんとかなんてやらなくたっていいんでしょう。これは大事なところですから、最後に聞かせてください。今度は、財務センターがそういう調査をして、客観的な基準を設けて、優先順位を出して文部大臣に決定していただくと、こういうことでありますから、大学当局が東京に来てこれやらなくても済むということなんですな。
○政府委員(前畑安宏君) 各大学がそれぞれの考え方に従って施設の整備について計画を持って、それを文部省に提示して、そして文部省の方でその説明を聞きながら文部省の考え方で優先順位を判断し、そしてそれを取りまとめて概算要求をするというのが従来の仕組みであったわけであります。ところが、この財務センターを設置させていただき、そして特別施設整備資金というものを設けさせていただきまして、特別施設整備事業を行うにつきましては、いわば文部省がどういう事業を取り上げるかということについての基本的な物差しといったような感じのものをこの財務センターで考えていただく、こういうことになろうかと思っております。
○会田長栄君 頼んでおきますから、財務センターをつくって整備事業を特別に設置して金をかけてやっていくわけでありますから、今度は一々大学の整備をするために陳情しなければ学部の増設もできない、変更もできないなどということのないようにぜひひとつ文部大臣に最後に頼んでおきますから、これは非常に重要な事業でありますから、お願いしておきます。 終わります。
○委員長(大木浩君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時三十四分休憩 ―――――・――――― 午後一時三十分開会
○委員長(大木浩君) ただいまから文教委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、国立学校設置法及び国立学校特別会計法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○木宮和彦君 大臣にちょっとお伺いいたしますが、大変大きな問題でお答えにくいだろうとは思いますけれども、ぜひその一端だけで結構でございますから、お伺いをいたしたいと思います。 日本の教育の歴史は、御存じのように、ことしはさる年でございますが、ちょうど同じさる年、百二十年前、壬申、みずのえのさるといいますが、明治五年でございますが、そのときに、大分古い話で、まだ内閣がないんですから、太政官しかないんで太政官布告というのを発布いたしました。その太政官布告には、「邑に不学の戸なく家に不学の人なからしめん」、こう書いてあるんです。言ってみれば、当時の国是は富国強兵でございます。富国強兵を実現するためには何をすべきか。当時の政治家は大変偉かったと思うんです。今の政治家よりも偉かったと私は思うんです。 当時の日本は、御存じのように、全然お金はございませんし、やるべきことは、軍隊もつくらにゃいかぬし、橋もつくらにゃいかぬ、江戸時代は東海道に橋をつくらせませんでしたから。道もつくらにゃならないし、また鉄道も敷かにゃならないし、病院もつくらにゃならないし、時には役場もつくらにゃならぬ、郵便局もつくらなきゃならぬ。要るお金の方は本当にたくさんあったわけで、あるのは借金だけでございまして、全く財政的にはゆとりのない政府だったと思うんです。 にもかかわらず、ともかく義務教育をやろうといって太政官布告を出したわけです。これは大したものだと、先見の明が私はあると思うんです。その先見の明があるがゆえに、今日百二十年たって優秀な労働力がたくさん輩出することができて、今や富国強兵の富国の方ですね、これがともかく経済大国として、世界のGNPの一五%、人口はわずかに世界の二%です、五十三億のうちの一億二千万ですから。二%の人口が一五%のGNPを稼ぐということは、平均の七・五倍日本は稼いでいるわけです。生活大国としての実感がないと皆さんおっしゃるけれども、私はそんなことはないと思うんで、やっぱり他の国に比べれば現在の日本の生活は大変豊かなものだと思います。これは、もとを正せば、やはり明治五年のこの義務教育をやろうと決意した政治家の私は結果が今日の日本の繁栄をもたらしていると思います。 ただ、御存じのように、お金がないですから、何を考えたか。当時の政治家の恐らく考えたことは、安上がりの教育、能率のいい教育、これをやらなければ国民あまねく教育を普及することはできません。ですから考えたことは、例えば普通教室でございますが、これは全国、北海道から沖縄まで全部四間五間の二十坪の、これを普通教室といいますが、そこへ五十人を入れよう、それから北側に廊下をつくろうとか、あるいは教科書も国定教科書一種類だけで余分なものはつくらない。それだけではなくて、先生も、師範学校で、中等学校五年間行ってあと一年間だけ行けば免許証をくれたわけですね。しかも、授業料はただにして、優秀な先生を集めようと。兵役も免除して六カ月の短期、減役といいますが、普通の人は二年間やるんですが、六カ月でよろしいと、こういうことを決めたり、要するになるべく財政的な負担をかけないで、しかも能率のいい教育で上げようと、こういうことを考えたわけです。 授業もカリキュラムも恐らく全国一緒だと思うんです。小学校、当時は四年しかございませんが、読み方が一週間に何時間、算術が何時間、理科が何時間、音楽が何時間、体操が何時間と、こういうぐあいにどこへ行っても同じ。言ってみれば、もうマニュアルが決まっておりまして、それでもってやってきたからこそ今日の日本の繁栄があったわけです。 今までは非常に私はそれは成功したと思いますよ。こんなに成功した例はないと思いますから、今やシンガポールにしても、あるいは韓国にしても、NISEの国々が日本の教育を学べということで一生懸命やっていると思います。ただしかし、気がついてみたら、もう日本が世界一の経済大国になったことは事実でございまして、もうまねるものはないわけです。今までは、ともかく欧米に追いつき追い越せで一生懸命やってきたわけで、それが成功したわけです。 ただその結果、何ができたかというと、よく言われるように、画一教育で、よく金太郎あめといいますが、どこを切っても同じような人間、これが日本の教育の欠点だと私は思います。外国へ旅行していますと、日本人はみんな足が短くて、短いのはしょうがないですけれども、ちょこまからょこまか、しかもみんな眼鏡をかけたりカメラを持って、旗をだれか持っているその後をぞろぞろ行く。それで、何かブランドの店があると、そこへみんなわっと行って買物をするというのが日本人の一つの嗜好でございまして、形といい、考え方といい、見たところといい、すべて均一化しちゃっています。これはやはり、一つは教育の悪い意味の方の私は欠点ではないかなとそんな気がいたします。 ですから、人の考えたことをまねたり、それを改良していいものをつくることは大変勤勉だし、頭がいいですから非常に上手なんです。それによって私は恐らく今日の日本経済ができ上がったと思うんですけれども、しかし、もうここまで来ちゃうと、まねるものがなくなっちゃったんですね。言ってみれば、先ほどもどなたかの先生がおっしゃいましたけれども、原理原則を考えて創造のできる人間、そしてまた、人のことが考えられる人間、感受性の強い人間、特に芸術、音楽や美術のわかるような人間、そういう人間をこれから発想の転換をしてつくっていかないと、これから後百二十年、百年でもいいですけれども、日本が今日繁栄しているそれ以上に日本が世界から尊敬されるような国民になり得ないと私は思います。 それには今までのことを、これは非常に立派であったけれども、これからの教育は今までの延長じゃない。もう発想を転換していかないと日本の繁栄はなくなっていくだろうから、私に言わせれば、大変暴言かもしれませんが、私は暴言だと思わないですが、教育基本法あるいは学校教育法、これらも含めて抜本的に日本の将来のために今教育を変えていく必要があるような気がしてならない私は一人なんです。 私も参議院に議席を置いて何を心配しているかというと、目には見えないけれども、将来のこと、教育の問題、環境の問題、あるいはPKOの問題、いわゆる世界との政治、外交の問題、こういうことを、票にはならなくても、金にならなくても、やっぱり真剣に考えていく今大事なときだと私は思うんです。鳩山文部大臣は大変お若いし、非常な抱負を持っていらっしゃいますし、私よりもはるかに若いんですから、まだまだこれからの将来を担う立派な大臣になり得るはずでございます。また、お父さんもおじいさんもそうなんですから、ぜひひとつきょうは本音で、先ほども本音でお話しありましたが、私が責任持つと言いたいんですが、そうもいきませんけれども、将来百年後の日本を考えながらどういう所信をお持ちでございますか、ひとつお伺いを申し上げたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 長年私学の経営者あるいは理事長として御活躍をいただいているいわば教育の専門家で、私よりもはるかに文部大臣として適任である木宮先生の御卓見を交えたお話を承っておって、答弁をさせていただくというより、むしろきょうは聞き役の方がいいのかなと、先生のお話をじっくりと承っておったわけであります。 先生の基本的な日本の教育界の、教育の歴史についてのお考えというものがよくわかりましたし、異論はございません。私も第百十四代文部大臣でありますけれども、それは、内閣制度始まって、森有礼さんを第一代と数えた場合のことであります。その前に、先生から百二十年の教育制度というお話がありましたが、そのころはいわゆる文部卿というような方々がおられたように承知をいたしておるわけですから、明治維新というものは、もちろんそれ以前から教育はありましたが、御一新とともに教育によって国づくりをやろうということが始まったわけで、福沢諭吉先生が大変偉くて一万円札になっているというのも、いわば維新の傍観者たる福沢諭吉先生が戊辰戦争に参加した人たちからしてみれば何ともしゃくにさわる存在なのでありましょうが、戊辰戦争の大砲の音が鳴り響いているその同じ時間帯に、将来を考えて諸君は勉強しなくちゃならぬというので英語の授業をしていたというところに、それこそ百年後、百五十年後を見通そうとする偉大な力があって、それが一万円札になっている最大の理由ではないかと私は思うわけであります。 私たちも今から百年後あるいは二百年後というものを見通していかなければいけない。二十一世紀はもう目の前でございまして、二十一世紀の教育を語ることはだれでもいたすわけですが、先生の御質問のように、二十二世紀を視野に入れてこれからの教育というものを考えなければならないというふうに思っております。それはとどのつまり先見性の問題だろうと思うことがありまして、どれだけ先見性を持って先を見ながら教育政策を立案できるかということに尽きるのではないか、そんなふうに考えます。 そして、過去を反省することも重要でございまして、先生御指摘のようないわばホモジーニアスな国民をつくるという意味では、勤勉で頭がよくて、そして悪いことをしなくて、そしてホモジーニアスであるという、そういう国民をつくるために今までの教育が果たしてきた役割というのは大きいわけでありましょう。そうした中で太平洋戦争もあったわけです。もちろん、これだけの経済大国をつくり上げたのもそういう教育の成果でありまして、今教育改革をやらなければいけない、教育改革をやって二十一世紀に通用するような青少年をつくろうと懸命に仕事をいたしてはおりますけれども、それは決して過去の我々のとってきた教育政策を否定することではないだろう。日本の今日までの教育政策の非常にすぐれていた点と、そしてこれからの新しい時代には今までと違った別のやり方をしなければいけないという点と両方あるわけでありまして、その点を臨教審の先生方は不易と流行というような言葉で表現をされました。そうした意味では、不易である部分については十二分の誇りを持ってこれからも大切なものは守り続けていかなければなりません。 しかし反面、新しい時代にはふさわしくないというさまざまな問題点については、これを大胆に発想を転換していく勇気を持たなければいけないと存じます。そのことについてあえて短い言葉で申し上げようとするならば、やはりこれからは個性尊重というのでありましょうか、それぞれ一人一人の人間の個性を思い切って伸ばすような教育をやっていくべきである。 義務教育の画一性ということはよく批判を受けますが、基礎、基本については画一的にきちんと教える必要がありましょうが、そういう教育の中でも、子供の権利条約の議論でときどきお話を承るように、一人一人の子供さんをしっかりと見詰めていく教育というのが条約の趣旨にかなっているのではないかと私は申し上げております。その意味は、それぞれのお子さんの個性を伸ばせるように努力をしてくださいということでありますし、あるいは四十人学級という教職員の定数改善計画をやってまいりましたのも、五十人より四十五人、四十五人よりは四十人の児童生徒数の方が目が行き届く、目が行き届くということはそれだけ子供の個性を見詰めることができるであろうという点。あるいは教育改革の一環として初任者研修制度を行いましたのも、初任者研修によって教育力をより大きく持った先生ならば子供の一人一人の違いを、その個性というものを見出してくれるだろうという期待からのことでありまして、すべてがそういうような方向に向かっているときに高校の中退とか不登校のような問題がございますと、これもいわば今までとってきた教育政策が一つの新しい時代に合わなくなったがゆえに噴き出してきた、そういう諸現象のようにも解釈できると存じます。 ですから、木宮先生の御質問にうまく答える道はありませんが、思い切って個性を伸ばすような教育をやっていきたい、それが百年後を見詰めた教育ではないだろうか。それは一人一人の個性ではなくて一つ一つの学校の個性、一つ一つの私学の個性、大学の個性でもあっていいのではないか。一つの物差しで何でもはかってみたいというのがホモジーニアスな体質を持った国民のさがなのかもしれない。それが偏差値偏重、学歴偏重という社会を生んでいるかもしれません。 先般、数日前に美容芸術短期大学というところの開学式に参りました。雰囲気も一風変わっておりますが、しかし美容芸術短大ですから、偏差値でほかと比較することは可能かもしれませんが、でもこれは美容芸術の大学ですから、それは先ほどからお話が出ている教育学部だとか経済学部だとかあるいは理工学部というものと同じ物差してはよしあしを比較できない。これは今後の我が国の高等教育の一つのとるべき方向の例示のようにも私は感じました。すべての者が個性豊かに生き生きと伸びていくのが私たちの百年後を見詰めた場合の目標でございます。
○木宮和彦君 なかなか難しい問題ですから一言でも言えませんし、私も言えませんので、それを人に言わせようなんというのはおこがましいと思いますけれども、ただしかし文部大臣ですから、日本の文教政策の一番の責任者で、私はこう思うというのがあってもいいのではないかなと、しかし一人でそれが決まるわけじゃございません。 ただ、今まで臨教審もありましたし、あるいは大学審議会もございました。大変立派な方々が大勢委員になっていらっしゃって、しかも長い年月をかけていろんな答申が出されましたけれども、やはりそれを幾ら読んでみても、ところどころいいところはあるんですが、どうも全体としての流れからして決してこれは百年後の教育の大計をつくるには遠いなという気がいたします。それだけではなくて、その中でどうも文部省の都合のいいことだけつまみ食いしているんじゃないかと、それはちょっと意地の悪い話で、私が考えたことで、決して皆さんがそう思っているわけじゃないと思いますけれども、ややそういう嫌いがなきにしもあらず。やはり将来の日本の教育を考えていく場合に根本的な問題を少し提起すべき時代が来ているのじゃないか。 私も、カナダの大学でいつか、州立大学ですが、うちの学生を大勢夏休みに留学させて、語学研修をさせてくれと、えらい熱心にそこの先生までが日本までわざわざセールスに参りました。何でこんなに丁寧に来るのかなと思いましたところが、カナダの州立大学といえどもこれはやはり国が予算の全体を、その学校の生徒数その他で、はい、おまえのところは年額これだけでやりなさい、あとはみんな、理事会がございまして、地元の有力者、それから大学の関係者、それらがそれを予算化して一年間をやるわけです。ところが、国家財政が悪ければ一割カットになっちゃうと、一割の人間を首にするか、さもなければ一割をどこかからか稼いでくるか、それを決めるのはやはり大学自身の学長。学長さんも選挙じゃなくて、いろんな人が四十人も五十人も立候補して、その中から理事会が一々面接して、そしてそれから決める、こういうシステムだということを私は聞いてまいりました。これが州立大学の姿なんで、私もすばらしいことだとは思いながらも、これは日本の私立大学と同じだなと思ったんですが、やはり国立大学の現在も、もう少し自主性を持たせると同時に責任を持たせる。自主性だけ持たせて責任持たせなかったら、これは意味ないんです。 そういう意味合いから、今回の国立学校設置法の一部改正にしても、あるいは国立学校の財務センターにしても、私は大賛成だ。むしろ遅きに失したといいますか、もっと早くやるべきではなかったかな、こう思います。特に、理科系の大学では非常に財政的にも設備が最近悪くなってきて、それは先ほど来お話しかあったように、シーリングという問題が絡んできて、どうしても財政的に行き渡らなかったわけでございます。そういうことを考えていきますと、予算の使い方も今までの発想を変えて、何とかもう少し重点的に、効率じゃなくて実際の実を結ぶような方法というものをいま一度ここで選択して考えるべきではないかなということを私は今感じておる。 きのう私がNHKのテレビを見ておりましたら、江戸川区の何かそういう福祉の予算の使い方でございますが、公でやる場合には必ず高齢者の養護施設をつくって、そしてそこへ収容してやる。それは一人頭のあれにしますと税金を使うのは年間三百万くらい使うそうですけれども、そうじゃなくて、その三百万を在宅ケアのために、そこの家が老人が住みやすいようにいろんな改良ができる、おふろも入れるようにする、それを個人にやっちゃう。しかし、施設では三百万は毎年かかるんですから、一回きりくらいのものを、それは予算に応じて、その改良する金額に応じてそれを出してやる。そうすると、本人も家におって非常に安心しておられるし、うちの人も、おじいちゃん、おばあちゃんをお世話するのに非常に楽になったということで、これは新しい方向だということをNHKが報告しておりました。 これは福祉の問題でございますが、やはり工夫の次第によっては、私は文部の財政についてもまだまだ仕組みを変えることができるような気がいたします。何とかその意味で大学審議会とか、あるいは新しい臨教審をつくるなりして、ここでひとつもう一度、日本のあるべき将来の大きなテーマではございますが、なかなかこれは難しいかもしれませんが、ぜひひとつアクションを起こしていただくような、そういうことが考えられませんでしょうか。これはもう一回、しつこいようでございますけれども、文部大臣、なければなくてもいいし、あればあってもいいし、私は返答についてどうこう申しません。ぜひひとつお考えを承りたいと思います。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 先ほども申し上げましたように、そう言っては随分じゃべりますけれども、本当はきょうは聞き役の方がいいような気がしましてね。 実際、お金というものが教育にはかかるわけで、午前中の質疑の中にも四百三十兆円の公共投資の話が出ておりましたけれども、教育というものが最大の投資である。人づくりに成功すれば、それがどれだけ大きな果実を生むかということをもっともっと皆さんにわかっていただぎたい、国民の皆さんに理解してもらいたいというのが率直な気持ちで、今、木宮先生がお話をされたその新しい福祉のあり方、江戸川区の例というのも、そこで一たん何百万という投資をすることによって当分すばらしいものが保障されるという、そういう例でおっしゃったのかなというような気もしないでもないんです。本当にこれからの教育に、あるいは人づくりというものにどういう投資の方法があるかということを真剣に考えてみたい。 今は、投資するにもお金がないという悲しい状況があるわけですけれども、これから諸先生方の御努力もいただいて、この法案で一つの新しい仕組みもできていくとするならば、先ほどから老朽化、狭隘化対策として、例えば二百億円掛ける五カ年計画イコール一千億でどの程度できますかなんというようなお話は、もちろんまず当面の目標として真剣に考えなければいけないわけでございます。実際、それでは一千億で事足りるというような状況ではないんで、老朽化、狭隘化を解消していく、これは非常に緊急性が高いということでありましょうが、と同時に、そのときにこれだけの投資をすれば当分いいことができるでしょう、当分長もちできる立派なものができるでしょうという発想もあわせ持たなければいけないと存じます。 先般、東京大学を視察いたしましたときに、きょうも高等局長が何か数字を言っておりましたが、あれは建築後二十年以上たったものという数字をおっしゃったんですか、と思いますが、ことしか昭和換算しますと六十七年ですか、平成四年は。ですから、昭和四十六、七年ごろに建ったものが築二十年を超えているわけですね。非常にそういう建物の老朽化が著しいわけでございます。ところが、戦前に建ったものはまだまだ堅固で十分に使えるというのが旧帝大の例ではないだろうか。そう思いますと、戦前は相当な投資をしたんですね、一つ一つの建物に。ところが、経済成長の始まったというか、日本が経済大国への道を歩めるかどうかというオリンピックが終わってから数年たったような時期には、非常に量的拡大ということに頭を使い過ぎて、極めて老朽化の早い校舎を建ててしまったわけです。ですから、築二十年でもうぼろぼろであるということであります。 このことは、私は勉強はよくしておりませんが、公立文教についてもやや当てはまる部分があるんではないかなというふうに思いまして、これからは、それこそ二十年たって建てかえなくちゃいかぬようなものは建てるべきでないんじゃないか、もっともっと将来にわたって長もちできるような立派なものをということで投資をすべきじゃないかというふうなことを考えます。当然、研究設備等は時代とともに日進月歩でございましょうからそうはいかないにしても、理工系等で校舎を建築する場合には、将来三十年後、四十年後にどんな研究条件が要求されるかということをある程度予想して、余分なスペースというか、余裕のあるような形で建物を建てていくとか、いろいろ考えなくてはならないことが多いと思います。 何かお答えにはなっていないかと思いますが、これからの投資というのは真剣に考えてまいります。
○木宮和彦君 どうも大変質問者がへたくそでございますので、大臣の責任ではございませんので、どうぞ。 局長さんにお伺いしますけれども、今度は大学の設置基準が変わりましたですね。設置基準というのは、これは省令なんですね。いかがですか。――そうですね。それから、新増設の大学は、平成何年だったか、四年から原則禁止という、そういうこれは通達ですか、省令ですか。
○政府委員(前畑安宏君) 大学審議会からちょうだいをいたしました答申でございます。
○木宮和彦君 ですから、答申ということになると、答申を省令にするなり何か通達で出すんじゃないんですか。ただ答申というだけの、答申をいただいたから自発的に文部省がそれを受けて実行しようと、こういう考えなんですか。
○政府委員(前畑安宏君) 大臣がそういう答申をちょうだいされましたので、その答申の趣旨を大学設置、学校法人分科会にお諮りをいたしまして、その趣旨に沿って設置認可の審査をやっていただこう、こういうことでございます。
○木宮和彦君 それはいいですけれども、ただ問題は、これは大学だけじゃなくて、高等学校、幼稚園――幼稚園なんてどんどん減っていきますから、新しくつくろうというような設置者の方はいらっしゃらないと思いますが、しかし、教育というのは、やはりこれは営業じゃございませんし営利を目的とするものじゃございませんので、私はこういう教育をしたいという、そういう立派な人が今後も出ると思うし、また出なくちゃ日本の将来はないと思うんです。 私立学校と国公立はどこが違うかというと、これは私流の考えたから一般的な考えではないかもしれませんが、やはり私立学校というのは立派な指導者がおって、先ほどお話に出ましたけれども、慶応の福沢諭吉先生のような方、その人の徳を慕って集まってきて、そしてだんだん大きくなったのが現在の慶応だと思うんです。言ってみれば人が先なんですね。だから建学の精神がある。国公立の学校というのは、無論そういう場合もたまにはあるかもしれませんが、団地ができたからどうしてもここへ学校をつくらなければいかぬからというので予算をつけて建物をつくって、それから人が集まってくるんですから、物が先なんですね、どちらかというと必要に応じて。 ですから、そういう意味で、新規参入が今後全くできないというようなことになると、高等学校でもそうですけれども、今までの高等学校じゃ飽き足らない、もっと違う人材をこういう目的でつくりたいという人がいた場合に、今はどうしてもそれはつくってはいかぬのだと。それはなぜかというと、十何歳の人口が減ってきたから過当競争になって、しかもつぶれたりするとえらい社会問題になるからだめだよというだけでいいのか。これが今の教育の最も他の問題と違うところだと私は思うんです。 日米構造協議においても日本の大型店舗ですらやはり外国が問題にしましたが、少なくとも七〇年代は物の自由化の時代、国際化の時代、八〇年代はお金の自由化、これはもう既に達成してしまいました。今や九〇年代は人の自由化と言うとちょっとおかしいですけれども、言ってみれば人間が生き生きできるような時代になりつつあることは、これはもう十数年前から言われてまいりました。現に、静岡県でも日本語のわからない子供が小学校へ入ってくる。それをほっておくわけにはいかないですね。 だから、そういう意味で、ただつくらせないということは、言ってみれば堕落に通ずるので、それは既にできた学校にとっては非常にありがたい話かもしれませんが、やっぱり日本の将来の教育のためによくない。むしろこの際、奇抜かもしれないけれども、多少秩序を乱すかもしれないけれども、いいものは、だれがいいか悪いか決めるかということは問題なんですけれども、そういうふうなものは引っ張ってやるというか、押し上げてやるというか、そういう精神がやっぱり文部省自体にないと、だめだだめだということで、文部省に行くと何でもだめだと。私も随分たたかれてきましたから恨みは持っていますけれども、今さら言ってもしょうがないからいいですけれども、それはいいとして、ともかく私なんかの経験から踏んで、学校をつくることは即、悪のような考えで行政。に臨んではまずい。 どうしたら日本の将来のためにいいかなということを本当に最近、私もこのごろ欲がなくなりました、六十五歳になりましたから、日本の百年後のことだけが今気になっているんです。ばかに偉そうなことを言いますけれども、ぜひひとつ行政の枠といいますか、特に教育の問題というのは金もうけの問題をやるわけではないんですから、そこら辺をどういうふうに調和、バランスをとっていくかということが私は非常に大事なことだと思うんですが、その点について、質問になったかならないか知りませんが、新規参入についてのお考えを伺いたいと思います。
○政府委員(前畑安宏君) 大臣の御答弁の前に事実関係だけを申し上げさせていただきます。 平成二年度に認可によりまして開設されました私立大学は八校ございます。三年度も六校あります。四年度も六校ございます。こういうことで決してすべてをとめているわけではございませんで、適切なものについては認可をし、開設をされている状況がございます。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 先ほども申し上げましたけれども、大学進学率というものが、私の小学校、中学校、高校ぐらい、もちろん大学時代もそうですが、非常に話題になっていましたですね。それは、大学進学率が高い国は先進国で低いというのは後進国みたいな、そういう見方があったから、大学の量的拡大というものを非常に一生懸命やってきた。その段階でやや粗製乱造的なような面が全くなかったとは言えないかもしれません。でも、この量的拡大を図ることにも意味があったわけですが、そしていわゆる私自身が団塊の世代ですが、子団塊の世代がピークを迎えたのがこの春ぐらいだったわけで、これから急減期にかかっていけば当然質的な内容の充実ということに方向が変わっていくと思います。 もっとも、大学進学率は七割ぐらいがいいと言う人もおり、今がいいと言う人もおり、いや、そんなものは一割五分ぐらいの方がいいんだと言う人もあり、それは大学とか大学院というものについてのいろんな考え方もみんなでまとめていかなければならないと思っておりますが、現実論で言えば、やはりいいものにどんどんなっていってもらいたいという気持ちがありますから、いい私学には、それだけのものを持っているならばぜひとも開学をしていただこうということは変わりないと思うわけです。 特に、個性化ということで大学にも大いに個性を持ってもらって、一つの共通の物差しては比較できないような大学がいっぱいあれば、それだけ個性化が進んで多様な教育ができるわけですから、それは明らかにベターな道だろうと思っております。私学でないとなかなかこの個性豊かな教育というのはやりにくい。地方の国立大学等に個性豊かにやってもらおうというので、いわばしりをたたいてきておるわけでもありますし、国立大学にもそれぞれの歴史と伝統もありますから、個性を大いに発揮してもらいたいとは思いますけれども、木宮先生のような私学の御経営者から見れば、まだまだ国公立というものは個性に乏しい存在だろうと思うわけであります。 現に、私のひいおばあさんが共立女子学園というものをつくって、祖母が長く学園長をいたしておりました。私どもは政教分離で政治と教育は分離しておりますので、私は一切共立女子学園にはノータッチでございますけれども、例えば共立の場合、女性の使命はこれこれであるとか、良妻賢母などということを建学の精神の一部ではっきりうたっておるわけで、乾先生だったら怒られそうなテーマを平気で掲げておる。でも、それも一つの個性だと。国公立てそういう建学の精神を掲げたら、多分この参議院の文教委員会でやられてつぶれちゃうだろう。そこにまた私学の特徴もあろうかというふうに思うものですから、それはちょっと例としては不適当かと思いますが、いいものはこれからもやっていただきたいというふうに思います。
○木宮和彦君 大変御理解のある、私もそう思うんですね。ところが、やはり今学校をつくる場合には莫大な金もかかりますから、財政的なことオンリーとは言いませんが、ややそれの方に重点がどうしても置かれてしまうから、ここまで世の中が進んでくるとしょうがないのかもしれませんが、やはり個性のある教育というものは非常にしにくくなった。 先ほどもちょっとどなたか先生のお話がありましたが、新しい一般教育の問題についてもやっぱりこれは注視していかなければいかぬけれども、しかし、授業をたくさんやれば、あるいは単位をたくさん課すれば、それで一般教養が充実するというものではないと思うんですね。今の現状からいきますと、大学では一般教養の授業でも二百人も三百人も、時には五百人も千人も大勢講堂へ集めて、そこでもって講義をして終わってしまうというような一般教養の仕方もなきにしもあらずだと思うんです。 先ほど、福沢諭吉先生のお話も出ましたけれども、同じお札で新渡戸稲造さんという方、これは二局の校長をやられた方で、私のおやじもちょうどそのころ一高に在学しておったんですが、本郷の近くのお寺の本堂を一週間に一遍借りて、それで校長が来て、そうすると、別に来いとも何とも言わなくても一高の生徒がみんな集まってきて、焼き芋を買ってきて新聞紙の焼き芋を持って、校長を中心にそこは立錐の余地もないほど大勢その本堂に生徒が集まって、そしてそこでもっていろんな対談が行われたという話をよくしていました。まさにそれが一般教養であって、一般教養というものは、授業も結構だけれども、授業でなくやっぱり魅力のある先生がされるところに初めて私は非常に意義があると思うんです。 そういう意味で、やはり教員の資質向上といいますか、大学の先生になりたがるというような一つの社会的な要請というかムードをつくらなきゃいけない。戦前は、末は大臣か博士かと言われていたので、大臣は今もそうかもしれませんけれども、博士の方はなくなっちゃったんです。最近、子供たちに何になりたいと言ったときに、私は博士になりたいなんて言う子供がいたらちょっと教えていただきたいと思うんですが、ありますか。ないんですね、はっきり言って。だから、そこら辺に今の文部行政の、悪口じゃありませんが、文部省が悪いんじゃないですよ、初めから言っておきますけれども、いじましさが何となく出ているような、もっと夢のある教育をしていかなくちゃならないんじゃないかなと私は思うんです。これは別に質問じゃありませんが、これから本当に大事なことはそういうことではないかなと思います。 今度は質問に入りますが、国立学校設置法が今度改正になりますが、恐らく新規参入もこれからあるでしょうが、それ以上に、ある意味においては学部のそれぞれの改組、転換ということを文部省も奨励されるだろうし、また大学審議会においてもそういう意味合いのことを答申があったと思います。しかし、それにはやっぱり痛みがどうしても出てくると思うんです。改組、転換すれば不要な人間も出てくるし、また新しい施設もつくらにゃならぬというような事態が起こるわけです。物は金さえ、予算さえつければある程度、逆なこと言いますと、何とか格好つくと思いますが、不要な人間を置いておくことはないので、大学の先生を文部省が首を切るわけにもいかないでしょう、私は切った方がいいと思うけれども、そうもいきませんので、将来ますます改組、転換を広める場合に、そういう問題についてどういうふうなお考えなのか。自主性に任せちゃうのかあるいは一つの指針をつくるのか、あるいは必要なところへ、足りなくなったここはそういう先生が欲しいんだからそっちの方へ行ってもらうような方向に変えていくなり、一つの大学だけでいかなければ、日本全国を横断しながら大学の先生の人間の配置ということについてのお考えがもしありましたらお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(前畑安宏君) 今、先生御指摘のように、大学の改革と申しますか、改組と申しますか、そういう事柄はあくまでも大学が主体的に判断をして対処するということでございます。そのときに現在いる教員、スタッフですべて対応できるのかあるいはさらに増員をしなければならないのか、場合によっては今先生も御指摘ありましたように、何人かの方には交代をお願いしなければいけないのか、そういうことも含めて全体として大学でお考えいただくことであるというふうに考えております。 今回御提案させていただいておりますお茶の水、神戸、京都につきましても、それぞれ学内で教員人事も含めて十分検討した結果、私どもの方に要望として出てまいり、そして予算措置を経てこうしてお願いをいたしておるところでございます。
○木宮和彦君 すぐにどうのこうのという話じゃございませんから、ひとつまたいろいろ御研究あってぜひとも改組、転換ということは大胆に、しかも慎重に実行していただくように、そうかといって文部省の方からやれやれというわけにもいかないでしょうけれども。しかし、大学、それぞれの現場ではそういう雰囲気といいますか、そういうものを非常に最近強く感じます。 一つには、やはり私立大学に地方の大学が少し突き上げられたといいますか、名前は挙げちゃいけませんが、A国立大学へ入ってB私立大学へ行ったところが、両方入ったけれども、国立を捨てて私立へ行ったという例は最近いろんな例がたくさんございます。その辺で一つの危機感といいますか、だからそういう意味では私立大学と国立大学が競い合うというか、ちょうど車の両輪みたいなもので、両方がお互いに競い合うと真っすぐ一直線に前へ進んでいくのですが、今までのように国立大学がよ過ぎて私立大学が悪過ぎると、これは小さな輪が大きな輪にやられちゃいますから、くるくる前へ行きやせぬ。そういう傾向がなきにしもあらずだったのです。そういう意味では、国立大学も私立大学もいい意味でお互いに競い合うということが私は大事だと思います。 ただ問題は、小学校、中学校あたりはやはり何といったって公立小学校、中学校が主力になっている。これは授業料はただですから、片方は授業料を取りますから、そこで土俵が違うのですから、競争したくてもなかなか競争にならぬところに大きな影響があると思います。それにあぐらかいているとは言いませんが、一部ではやっぱり公立小学校、中学校がやや、これは一概に私は決めつけるわけでは決してありませんが、ただそういう例があるから申し上げるのです。東京都でもある小学校の六年生のあるクラスです。たった一つの例かもしれませんが、公立中学へ進学する生徒がそのクラスから一人もいなかったのですね。全部私立中学へ行っちゃったという例があるんですが、これには東京都の教育長も大変嘆いておりました。授業料が高くてもそっちに行っちゃうというのにはそれだけそっちが魅力があるというのか、逆にまたそこの公立中学校が非常に荒廃があるいは魅力がなかったかというようなことも言えるのじゃないかと思います。 それは決して施設じゃないと思います。やっぱり先生の姿勢がそういう結果をもたらした、言ってみればソフトですね。ですから、先生の資質向上ということはこれからも大事だ。かつて、これは田中内閣のときだと思いますが、人確法ということで、いい先生をたくさん集めようというので給料を一般公務員よりも大分上げました。その後だんだん追いつかれちゃって今どうなっているか知りませんが、ちょぼちょぼあるいは事によると上の方にいけばちょっと減っているんじゃないかという気がしないでもないわけです。給料を上げるだけが決していいわけじゃないと思いますが、しかし、先生にいい人材を集めるにはやはり給料も少しは上げる方がいいと思うんですね。余りたくさん上げちゃいけませんけれども――笑っちゃいかぬ、本当の話なんだ、私の経験で。余り上げちゃうとろくなことはない、堕落しちゃいます。うそじゃありません。ですけれども、何とか世間並みには給料は上げていかなきゃいかぬだろうと私は思います。 ただ、今もそうですが、先生というのは、これはいいところでもあり悪いところでもありますが、先生の集団、集団という言葉は嫌いなんですが、教師集団とよく言いますが、その先生の仲間が輪を持つ。お互いに助け合うことは結構なんですが、さんざん怠けているやつもうんとやっているやつも全く給料の面では一緒になっちゃうのですね。制度としては勤務評定もあるし、あるいはそれによって特別昇給というものも予算化して一五%とってあるんですが、現実にはそれは何にも機能していないのですね。ですから、みんな一律に三カ月短縮とか六カ月短縮とか、あるいは定点昇給だとかいろんなことを考える、組合との相談なんでしょうが。しかし、そんなことをやっているとかつての国鉄、かつてのソ連じゃないですけれども、先生は余り競争させちゃいかぬけれども、しかし目に見えて休んではかりいる先生とか登校拒否をする先生、生徒じゃないですよ、現実にそういう先生もいるんですから、だからそういう者と一生懸命その穴埋めをしている先生と全く平等でいいのか。これは父兄もそう言っていますが、非常に素朴な意見として今言われております。 大変なことで、相手がいることですからなかなかそう簡単にはいかないと思う。しかし、やはりこの辺で少し組合さんにも大いに目を開いていただいて、今度は日教組はストはやらないという何か綱領にしたそうですから、大変私もありがたいと思っているし、またそうでなくちゃいかぬと思うんです。そういう意味で、やはり給与の面についても上げると同時に、その効果があらわれるような方策というものを、これは文部省の直接の仕事じゃないですから、地方のそれぞれの教育委員会の仕事だと思いますが、文部省の方である程度指針を持ってやるべきだなと私は思うんですが、いかがなものでございましょうか。
○政府委員(遠山敦子君) 教員の資質向上の面では、単に給与だけではなくて養成段階あるいは採用のこと、研修段階、さまざまな手当てが必要であろうかと思いますけれども、確かに給与の問題も大変大きな役割を果たしているわけでございます。先生御指摘ございましたように、昭和四十九年にいわゆる人材確保法というのができまして、義務教育諸学校の教育職員の給与について特別の措置を定めることによってすぐれた人材を確保したいということで給与上の優遇措置が講じられまして、昭和四十九年から五十四年までの間に、一般の公務員に比べまして約二五%の給与の引き上げが行われたところでございます。ただ、優遇措置の一つであります義務教育等教員の特別手当といいますものは定額でありますこと等が重なりまして、教員の給与水準は一般の公務員の給与水準と比較いたしまして相対的に低下していることは確かでございます。 教員の給与につきましては、法制上の仕組みから人事院の勧告にのっとって措置されるわけでございますので、文部省としましては適切な給与上の措置が講じられることの重要性から、毎年度初任給の引き上げでありますとかその手当の改善等を人事院に対して要望してきたところでございまして、今後とも努力してまいりたいと思います。 後半の先生御指摘の点で、教員の場合には、よくやってくれる人、そうでない人、皆同じように手当てしているではないか、そこがもう少し差がつけられないかという御指摘かと思います。この件に関しましては、従来から教員の給与につきましても、同じ級の中でも、勤務成績を給与上評価いたしまして、すぐれている場合には定期昇給のほかに一号俸上位に特別昇給する成績特昇制度などをつくっておりまして、それを有効に活用するように指導しているわけでございます。現在でも全国で三十九の都道府県におきましては、このような制度を活用して適切な給与上の措置をとっていただいていると思っているところでございます。 いずれにいたしましても、給与の問題も非常に重要なことと考えておりまして、今後とも文部省としても力を入れてまいりたいと考えております。
○木宮和彦君 ありがとうございます。大変難しい問題ですから、そう一遍にあしたからというわけには無論いかないし、長い歴史があるんですから長い歴史をかけて、しかしだんだん正常に、日本の教育を思い、子供のことを思い、日本の将来の発展を思えば、やっぱり今我々教育者あるいは政治家が一生懸命やらにゃいかぬのじゃないかなということを痛切に感じておりますので、またぜひひとつ研究をされんことを心からお祈り申し上げます。 その俗まだたくさんございますけれども、時間の経過もございますので、きょうの場合これで終わりたいと思います。
○針生雄吉君 先日、厚生委員会にお邪魔しましたときに、文部省関係の質問を二つ時間の関係で省略してしまいましたので、申しわけありませんので、その質問を最初にやらせていただきたいと思います。今回の改正案に関した質問にはその後で移りたいと思います。 最初に、医学教育と看護教育に関して二つの項目を確認させていただきたいと思います。 一つは、我が国の大学の医学部において近年東洋医学の講義を実施している大学が次第にふえている。平成二年には二十九大学で行われているとの報告が井上大臣のときにありましたけれども、我が国の医学部において行われている東洋医学の授業、講義の内容はどうなっているか、詳しければ詳しいほど結構なんでございますけれども、お伺いをいたします。
○政府委員(前畑安宏君) 平成三年度におきましては、先ほど先生御指摘の二年度二十九大学が三十三大学ということで四大学増加をいたしております。 幾つか私どもが承知しているところを御紹介させていただきますと、例えば治療の中での東洋医学の考え方と処方というのを授業で教え名とか、あるいははりの沈痛効果について授業をやるとか、これはもう先生も御案内と思いますが、富山医科薬科大学は伝統的に東洋医学に力を入れておりますが、伝統的な中国医学の病理観、生理観、診断学、治療理念あるいは和漢の診療学、疼痛治療に関連してのはり治療、漢方薬の講義、実習といったようなことを取り上げております。そのほかは、おおむねペインタリニックとしての取り扱いが大方であろうかと思っております。
○針生雄吉君 今御報告ありましたように、医学部における東洋医学講義の内容を見てみますと、現状といたしましては、基本的には西洋医学の立場に立って、西洋医学の理論にのっとって東洋医学的治療の手段、漢方薬にしても銭灸の技術にしても、東洋医学を補助的に用いるという立場が圧倒的に多いわけです。ペインタリニックにしても、あるいは漢方薬を、例えば西洋医学の理論から名づけられた病名に基づいて糖尿病には何々、肝炎には何々、糖尿病には白虎加人参湯、それから肝炎には小柴朝湯というようなぐあいに、適応症に合わせて漢方薬を用いるといったたぐい、あるいはペインタリニック、陣痛の痛みにはどこにはりを刺す、あるいは歯の痛みはどこだ、それから骨折のときの痛みはどこだというような、そういう適応症に応じた治療の方法あるいは投薬の方法ということを西洋医学の理論にのっとってやっているというところが圧倒的に多いわけであります。 富山医科薬科大学のような、伝統医学の理論にのっとっての病理観とか治療観とかということを徹底してやっている大学の講義というものは少ないわけでございます。その点は注目をしなければならないと思うのであります。やはりそういう中西合作的な方向とは別に、純然たる東洋医学の理論体系を見直していくという行き方も今後の東洋医学の再評価、東洋医学の蘇生という立場からは大切なことであろうと思います。恐らく富山医科薬科大学あたりでは、中国の二千年前からも存在しておりますいろいろな理論体系というものを勉強しておられるんだと思いますけれども、陰陽五行説とか、あるいは易の理論体系なんかも出てくるわけです。それから気の理論体系など、そういった東洋医学、東洋哲学的な理論で貫かれているわけであります。 知ったかぶりをするわけではございませんけれども、ちょっとちんぷんかんぷんなことであるという意味で名前を挙げますけれども、黄帝内経とか難経とか金匱要略とかさらには傷寒論、そういった講義は、日本の今御報告いただいた三十三大学の中ではそういう講義をやっていることは非常にまれだと思うんです。先ほども申し上げましたように、東洋医学の再評価、東洋医学の蘇生という立場から見た場合には、東洋医学に関係した授業であれば何でもいい、そういう行き方ではなくて、内容の面でも質の面からもより根源的な東洋医学の構築というものにも力が注がれるべきであると主張をしておきたいと思います。 私も、大臣ほど若くはありませんけれども、まだ六十前でございますので、再びチャンスがあれば二十年後ぐらいにまたこういうことをお話しする機会があるかもわかりませんけれども、当分は実際の診療に従事してこの東洋医学の威力というものをさらに実証していきたいと思っております。赤ひげになりたいと思いますけれども、青ひげになるかもわかりませんので、その辺は注意してやりたいと思います。 もう一つ、我が国の看護婦さんの養成制度に関した問題でございます。我が国の看護教育の現状といたしましては、看護教育の方向性としては高卒四年の看護大学へと質の向上が目指されているわけでございます。その方向は決まったと思いますけれども、現実的には准看護婦さんという方の存在を見逃すわけにはいかないわけでございます。 准看護婦さんの養成は、制度的には中学卒業二年の課程で准看護婦さんの受験資格が取得可能なわけでございます。そういう制度が厳然として存在しておるわけであります。現実的には、准看護婦養成学校受験者のもう九五%程度が高校卒業でありますので、二つの流れというものがあるわけでございます。つまり、中卒二年で准看護婦さんの免許を取る人と、高卒二年で准看護婦試験に合格するという方がいるわけでございますけれども、中学校卒業後高校に進学して、そして准看護婦養成学校に入学した方の場合は、中学卒業後五年で准看護婦の免許を取るという計算になります。 一方、高等学校の衛生看護学科というのがございますけれども、そこでございますと准看護婦試験の受験資格がそこを卒業すれば得られるわけでございますけれども、高等学校の衛生看護学科を卒業した方は、順調にいけば中学校卒業後三年で准看護婦の免許が取れる。しかも、高校卒業であるというので、希望すればストレートで正看の養成課程、いわゆる進学コースにも、あるいは高等看護学院、レギュラーコースと言われておりますけれども、その両方にも進学できるということになっているわけであります。つまり、制度的に高等学校の衛生看護学科の卒業生の方は、准看護婦や正看護婦になるのに准看護婦養成校よりも年齢的にはより有利であるというふうになるわけでございます。 ところが、こういう現実に対しまして、主として医師会立などの准看養成校の生徒さんなどと比較すると、どうしても高校の衛生看護学科の卒業生の准看護婦さんは、患者さんに接する時間が少ない、実習の時間が少ないという批判があるわけでございます。現実にどうなっているかをお伺いしたいと思うのであります。果たして、高校の衛生看護学科での実習時間あるいは臨地の時間が准看養成校と比較して少ないかどうか、少なければ多くすべきではないか、そういう視点でお伺いをいたします。
○政府委員(坂元弘直君) 従来、高校の衛生看護学科につきましては、臨床実習十単位、一単位が三十五時間でございますので三百五十時間、それと校内実習が十三単位。校内学習というのは専ら人体モデルあるいは友達同士を患者に見立てて校内実習をするわけでございますが、両方行われておったわけでございます。そこで、臨床実習十単位であるけれども、校内実習が十三単位であるので、臨床実習の若干少ないのがある程度補てんされるのではないかという考え方でございましたが、平成二年四月に、保健婦助産婦看護婦学校養成所指定規則が改正されまして、臨床実習としては十七単位、五百九十五時間が必要となったわけでございまして、校内実習はこれにかえるわけにはいかない、校内実習は講義として扱うというふうに規則が改正されたわけでございます。 ただ、実際に高校の衛生看護科につきましては、臨床病院を確保するのが大変難しいということで、直ちにこの規則どおり適用するのは大変実態に合わないのではないかということで、経過措置を設けまして、平成七年度までの入学者につきましては、臨床実習の時間は十二単位、そして残る五単位につきましては校内実習で振りかえることができるという経過措置が設けられまして、平成八年度入学者からは臨床実習はすべて十七単位、五百九十五時間を必要とするというふうに改正されたわけでございます。 この改正規則を踏まえまして、私どもも平成元年に告示されました、平成五年度から実施されます新学習指導要領におきまして、臨床実習の教育内容を充実させるとともに、この経過措置に沿って平成八年度入学者から十七単位の臨床実習を行えるよう各設置者は準備をするようにという指導をしてきているところでございまして、今後ともそういう方向で指導してまいりたいというふうに考えております。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 私、答弁を求められていないのですが、ちょっと感動しましたので、あえて立ち上がりましたが、東洋医学の件です。 実は、私も子供のころからいろんなアレルギーがありまして、風邪薬を飲んで、要するに口がかゆくなったりとかいろんなことが随分ありました。そんなことの影響かとは思いますが、母が――高名な東洋医学の先生、もちろん医師ではありません。免許としてはあはき法上の免許しか持っておられませんが、その方は東大法学部の卒業生で、在学中に弁護士目指して勉強しておったら、山から落ちて、北アルプスで遭難をして、背骨が陥没して歩けないままに数年過ごしておったところ、ある高名な東洋医学の治療で治ったというので、弁護士となるよりも自分はこの道で人助けができないかというので免許を取った。あとは東洋医学の、今先生からお話しかあったようなことを懸命に勉強されて、治療中に陰陽五行説とか肝経だとか胃経とか、何とか経とか、そういうふうな理論で、例えば私の最近の状況などを言って、指なんか、ここだねといってちょっとつままれるともう跳び上がるほど痛いという、この方は大変著名ですから、いろんな方がそこに見えておられます。 私はもうこの数年実は全く行ってはいないんですが、東洋医学というものが全く別の体系にあって、東洋医学と西洋医学の接点を求めようという考え方はよくある。しかし、そうではなくて、やっぱり東洋医学というもののすごさというもの、全く西洋医学と物の見方が、見ている場所が違うというか、視点が全然違うわけですね。ですから、東洋医学というものがせっかくありながらこれを専門的にやる人が少ないということは宝の持ちぐされ以外の何物でもないと思っておりまして、この間の先生の菜根譚だか何か難しい御質問は私はよく答弁できませんでしたが、これから東洋医学という意味では先生の協力者になりたいと思います。
○針生雄吉君 大変ありがとうございました。もう厚生大臣以上の御答弁でした。これはやはり政治的決断というのが必要なわけでございますので、ぜひ総理になっていただかないと、余り先輩の悪い面は学ばないでひとつ清潔な総理になっていただきたいと思いますけれども。 冗談はさておきまして、次に今回の改正案に関した質問に移りたいと思います。 地域によって国立大学が都会の中心部にあって、その国有地の有効活用が地域の都市計画策定上話題になる場合があるわけでございます。そのような場合に、今回の財務センターが協力及び専門的、技術的助言をするという財務センターの役割からいっても、いわゆる大学の自治あるいは大学の自主性を主張する国立大学とその地域、具体的には都市計画に関する審議会とか懇談会というようなものがあるわけでございますけれども、国立大学とその地域との間に立って積極的に有効活用の道を探るいわば仲立ちの役をしてもらいたいと私なりに、素人なりに思うのでございますけれども、財務センターの役割としてはそういう仲立ちの役をしてもらうわけにはいかないのかどうか、その点についてお尋ねをいたします。
○政府委員(前畑安宏君) 御提案申し上げております法律案の九条の五の第一号で、今先生御指摘の国立学校財産の適切かつ有効な活用について他の国立学校に対する協力及び専門的、技術的助言を行うということを業務として掲げていることは確かでございます。ただ、大学のキャンパスの問題というのはいわば大学の自治とも密接に関連をする問題でございまして、第一義的には大学の方でどうするかという判断をしてもらうということで従来から対処をしてきてまいっております。 しかし、現実課題といたしましては、今先生御指摘のような問題では、私どもの方に直接にいろんな方から地元の御要望といいますか、希望といいますか、寄せられて、それを大学の方に取り次いで検討方を依頼するというようなことは現実課題としてはあっております。ただ、そういうことをこの財務センターがどこまで機能できるかということになりますとなかなか難しい問題がありまして、これは衆議院でも、またけさほども御議論がございましたように、財務センターの持つ国立学校施設の整備に対する役割というのが非常に大きいだけに、そこがそういう問題にまで積極的に介入をするというのは非常に大きな問題があるわけでございます。 ただ、そういう問題が起きたときに、大学の側からキャンパスプランについての検討に当たっての協力なりあるいは技術的な助言というのを求められた場合にはこれに対して適切な協力、助言というのを行っていくということは考えられるところであります。
○針生雄吉君 大変難しい問題であろうかとは思いますけれども、私の住んでおります町にも国立大学がありまして、二十三年ぶりに入学式をやったという国立大学でございます。そういうところもございますので、なかなか難しいんだろうと思いますけれども、一市民、一住民としてはそういった役割も期待をしたいという気持ちはあるわけでございます。 次に、国立大学の教育研究施設の改善もさることながら、設備の改善、そのための財源基盤の確保も緊急の課題であると思います。今回計画されている資金は、国立大学の教育研究施設にかかわる事業を緊急かつ計画的に推進するためにとありますが、設備はこの資金の対象には全く入らないのかどうか。例えばコンピューター施設であるとか、コンピューターそのものであるとか、大型の実験設備などはこの資金の目的、対象にはならないのかどうか、確認をさせていただきたいと思います。
○政府委員(泊龍雄君) 特別施設整備事業の対象として大型設備が対象になり得るかどうかというお尋ねであろうかと思います。 ただいま御提案を申し上げ、かつ、今年度予算においてもこの整備事業として初年度分として二百億円を計上いたしておりますが、これらの施設の整備、一般的には建物及びそれに附帯する施設等ということで考えているところでございますけれども、その具体の内容等につきましては、ただいま法案を御提案申し上げておりますので、財務センターの準備、発足と相まって、また関係当局とも協議をしながら今後詰めてまいりたいというふうに考えております。 なお、平成四年度予算におきましても、先生御指摘のございました大型の設備の整備につきまして一般の整備事業として所要の予算を計上いたしているところでございます。
○針生雄吉君 次に、先ほど木宮先生の御質問の中にもありましたけれども、施設の整備、設備の改善、それに加えてやはり教官の処遇の改善も極めて重要な問題であろうと思います。昭和四十九年当時の人確法のことについては局長さんの方から御回答がありましたので、そのことは触れないことにいたしまして、教官の処遇の中で、特に高等教育の将来を担う若手研究者に対する特別研究員制度の現状についてお伺いをしたいと思います。 一九八五年にスタートしたこの制度は、若手研究者の自由な研究の芽を育てるという意味では日本の研究界にとっては大変な力になっていると思います。その特別研究員制度の受給対象者、資格者の総数は一体何名いるのか。つまり、三十四歳未満の博士課程修了者及び大学院博士後期課程在学者、その数は何人いるのかということと、平成三年度は採用者は千百名ということでございますけれども、その両方を確認の意味でお伺いをいたします。
○政府委員(長谷川善一君) 若手研究者の育成のために特別研究員制度というのを昭和六十年に創設いたしておりまして、逐年その充実に努めてまいっておるわけでございます。 ただいま先生の御質問の対象者でございますけれども、その対象者というのは博士課程の在学者と、それから既に博士号を取得してなお研究上の必要性から大学に残って、あるいはA大学からB大学に移る、あるいは研究所をかわるというようなことも含めてでございますけれども、そういった既に博士課程を終えておる者、両方でございます。平成三年度は、博士課程でこれを受給した者が六百人、博士課程修了者では五百人の合計千百人でございます。平成四年度には、博士課程の方を二百人増員いたしまして八百人とするなどの改正を図っております。 対象者が一体何人かということでございますが、大学院の博士課程の在学者の数は平成三年度で二万九千九百十一人、約三万人でございます。三万人の中から六百人ということでございまして、二%でございます。博士課程の修了者の方でございますけれども、これにつきましては正確な統計というものを持っておりません。ただ、博士課程修了者、ポストドクトラルの課程での応募者の数は、昨年度で約四倍の応募がございました。したがいまして、五百人の採用者に対しまして二千人の応募者があったということから考えまして、大体二千人、さらにそれ以上の者が残っているというぐあいに推計いたしております。
○針生雄吉君 その二%なりあるいは千百人なりをどの程度伸ばすかというような計画、数字はありますでしょうか。
○政府委員(長谷川善一君) 将来の計画でございますが、これは昭和六十年にこの制度を創設いたしましたときに、とにかく優秀な若手の研究者が、最近の理工系の学生が博士課程の段階に来ますと、もう既に企業にどんどん引っ張られていって大学になかなか残らないというようなことがございまして、まず当初の目標を一千名ということで、五年間で一千名まで上げようということで昭和六十年に発足いたしました。それが現在の段階ではその一千名ではとても足らないという大学の方からの非常に強い御要望がございました。なお、学術審議会におきましても、この問題が真剣に討議されまして、平成二年の七月、約二年前でございますけれども、これに関しましてさらに充実を図るべきであるということでございます。 ただ、これにつきましては、現在のところ正確な目標値というのを置いておりません。大学院の充実全体をにらみながら、いずれにしましても大学院の博士課程の充実が図られるわけでございますので、さらに学生の数はふえていく予定でございます。そういったことを考えますと、平成四年度は合計で千三百名でございますけれども、数倍の人間が特別研究員として採用されるというようなことを、一応現在の段階ではさらにかなり飛躍的に伸ばそうというような決意を我々持っておるということでございまして、正確な目標値というのは置いておりません。
○針生雄吉君 ありがとうございました。時間もありませんので、あとの質問は別の機会にさせていただきたいと思います。
○高崎裕子君 国立大学の教育研究条件の荒廃が深刻であるという中で、私ども昨年五月以来全国十六大学の調査をして、国会でも繰り返し取り上げてもまいりました。井上前文部大臣が十国立大学を視察され、そして鳩山文部大臣も視察をされるという文部省の御努力の中で、財政当局が厳しい対応を続けている中で、老朽建物解消という形で一歩を踏み出されたという点では、その御努力に対して本当にそれを多とするものではございますが、この法案について子細に検討いたしますと、さまざまな問題があるわけです。 そこで、具体的に幾つか質問をしたいと思うんですけれども、まず特別施設整備事業についてでございます。 この事業の対象となる施設というのは、文部省の説明では教育研究に直接関係するということのようです。そうすると図書室とか標本室などが対象とならない、あるいは学生食事学生寮なども対象とならないわけです。しかし、例えば、私どもが昨年調査をしてきた中で、図書室とか標本室の、問題にもしてきましたが、惨たんたる状況を見て、これらの施設の整備は緊急な課題だということが浮き彫りになったわけです。学生の福利厚生施設も同様で、学生寮でいいますと、国立大学の学生寮は二百一あるんですが、建築後三十年以上たった老朽寮というのが二十四寮も残っています。私も寮生から直接お話を聞く機会がありましたが、天井からコンクリートが落ちてきたとか、外壁のタイルが落ちてきたとか、窓がさびついて動かせない、トイレの配管が詰まって汚水が何度もあふれてくる、雨漏りがひどくて使えない部屋があるということなど、もう勉学どころかそれ以前の落ちついて生活ができないという状態であるということを改めて聞いて本当に驚いたわけですが、これはもう寮生の基本的生活にかかわる問題だと思うんです。 そこで、まずお尋ねしますが、図書室とか標本室あるいは学生食堂、学生寮などこうした老朽施設の解消も放置できない問題なわけで、この点について文部省も同様の認識だと思うんですけれども、解消のめどはあるのでしょうか。
○政府委員(前畑安宏君) 御指摘のように、国立大学の施設につきましては、学生の増募の問題であったりあるいは無医大県解消計画の問題であったり、緊急の課題に対処をする必要があったために、既設の大学については全般的に手をつけるのがおくれておりまして老朽化が進んでいることは御指摘のとおりでございます。 今回御提案させていただいておりますのは、これもただいま御指摘がありましたように、特定学校財産を処分してその収入でもって何をやるかということで、その場合にはやはり教育研究環境の整備充実、しかも総合的、計画的に実施することが特に必要な整備事業ということで財源と事業とをリンクさせて御提案をさせていただいております。御指摘の一般的な教室であるとかあるいは福利厚生施設ということにつきましては、この特別施設整備事業、つまり処分収入を財源とする事業とは別に、従来どおり一般の施設整備の事業として対処をしてまいりたい、このように考えています。
○高崎裕子君 従来の国立学校施設整備費の枠内で対応していくという御答弁ですけれども、国立学校施設整備費というのは七九年のピーク時の一千五百四十六億円から年々削減されてきております。今年度はこの特別施設整備事業の二百億円がついたために若干回復している。それでも一千二十七億円で、この二百億円を除くと従来の施設整備費というのは昨年の八百九十八億円から八百二十七億円とマイナスになっているわけです。 これまで文部省も努力をされてきたということを私どもも否定するわけではないんですけれども、この間の経過を事実として見ますと、努力すると幾らおっしゃってもその保証がないのではないかと思うわけですね。それどころか、昨年来、むしろ教科書を有償化せよとか私学助成を削減するなど、財政当局の姿勢がかなり厳しくなっていることを考えますと、教育研究に直接関係ないということで結局後回しにされてしまうのではないかという危惧があるわけです。こうならないと本当に言い切れるでしょうか。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 今、先生御指摘の数字は残念なんですよね。これは、この制度をつくる、生み出すためにいささかいろんな苦労があったということでございまして、この制度を軌道に乗せて、小さく生んで大きく育てようというのではちょっと表現がおかしいかもしれませんが、ぐんぐん大きくなっていくわけで、それできちんと老朽化、狭隘化対策をやっていこうということで、出たしか財投からの借り入れであったり、あるいは今先生おっしゃったように、いずれ決算ベースというか、事業費ベースでいくと少なくとも二百億以上がふえなくちゃいけないものが百何十億しかふえないんですね。その差額の点を御指摘であったと思いますが、そこら辺はちょっと残念な気はいたしますが、これがこの制度を大きく育てていただくということで、衆議院では残念ながら共産党の皆様方が賛成していただけませんでしたが、きょうは先生に賛成をしていただければまことにありがたいというふうに、きょうの論議を通じて賛成に変わっていただければありがたいというふうに考えるところでございます。 なお、先ほどの御質問の中で、私はよくはわかりませんが、多分標本室は対象になるのではないかと思います。というのは、標本室というのはやっぱり特殊な、ただの建物でいいというわけではありません。私は長くならないようにしますが、私のチョウで言いますと、こういういすみたいな色の標本が、暖かいところに置いておきますと二年ぐらいで高崎先生の前のテーブルのような色になりまして、また二年ぐらいたつとこうなりまして、将来はこんな色になってしまう。これは暖かいところに置いておきますと、何の設備もいたしませんで、温度管理、湿度管理何にもいたしませんと、標本というのは物すごく傷むものでございます。今、太郎と次郎という、私の子供も太郎と次郎ですが、樺太犬の太郎と次郎を一緒にするとかいうような随分陳情を受けておりますが、ああいう日本の英雄犬の標本といっていいのか、剥製というのかわかりませんが、こうしたものも思ったよりはるかに傷みが激しいわけですから、当然標本室というようなものは対象になると存じます。
○高崎裕子君 標本室が対象になるということは大変心強いことで、承っておきたいと思いますが、大きく生んでということの生み方が問題だということで、ずっと議論をこれからしていきたいと思うんです。 国立学校の築三十年以上の老朽建物というのは、八九年の百五十七万平方メートルが九十一年では百八十四万平方メートルと、この三年間だけでも二十七万平方メートル増加しているわけです。これはもう早急に抜本的な対策を立てないと老朽施設というのは年々ふえていくということになるわけですから、このままでは財政当局から、老朽施設を解消したいなら国立学校の財産処分収入をもっとふやせということになりかねないわけです。 今回の特別施設整備事業を国立大学の老朽、狭隘施設全体を対象とした事業とする、そしてそのため財源も国立学校の財産処分収入に限定するのではなくて、一般会計からの繰り入れも使って行う、こういう事業になぜできないのだろうかということが大変私は疑問なわけですけれども、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(前畑安宏君) 平成四年度の予算についての数字を申し上げさせていただきますと、三年度予算額、これは施設の整備でございますが、八百九十七億八千八百万、約八百九十八億でございました。これに対しまして要求をいたしましたのは百二十四億増の一千二十二億でございます。それで、大蔵と十分協議をして四年度予算案として提出をし、先般議決をいただきました四年度予算額は、平成三年度に比較いたしまして百二十八億七千八百万の増でございまして、要求額よりも四億六千二百万増の施設費と、こういう姿になっておるということをまず御紹介をさせていただきたいと思います。そして、この一千二十六億六千六百万という施設費の予算で国立学校全体の施設の整備に当たるわけでございます。 特別施設整備事業という特別のカテゴリーを立てておりますのは、それは特別施設整備資金といいますか、要するに財産を処分したものを財源として充てる、それを財源との見合いでもってどの程度の枠取りをするかということでございまして、それはとりもなおさず、整備を必要とする国立学校の施設の中の一部であるわけでございますから、前年度予算に比して要求よりも増額査定になっております一千二十六億六千六百万ということで、全体として先ほど御指摘がありました寄宿舎、寮の問題も含めて対処をしてまいる、こういうことでございます。
○高崎裕子君 文部省が大変厳しい中でいろいろ御努力されているということは、私どもも十分わかっているわけですが、それの努力ではやっぱり部分的な改善になっても事態の抜本的な解決にはならないんだということを私ども繰り返し指摘もしていたわけです。午前中からの議論の中でも出てきましたけれども、シーリング枠に縛られたこれまでのやり方を変えていかなければ老朽化等の解消ということはできないということで、文部省もこの枠を取っ払うということで努力もしていただきたいし、私どももそれをぜひ応援していくということでやっていきたいと思いますので、この点は特に強調したいと思います。 次に、国立学校特別会計に関してお尋ねしますけれども、国立学校特別会計への一般会計からの繰入率ですね、これは発足当初の八二・一%から六二・二%、つまり八割から六割に減少しているわけです。その一方、独自財源というのは発足当初の二割から四割と逆にふえているわけです。この点に関して、昨年十一月に発表された国大協の国立大学財政基盤調査研究委員会、この第二中間報告で、「国立学校特別会計の構造が実質的には独立採算の方向に向かい、国立学校特別会計の性格自体が変質していることは否定し難い。」と、こう明快に指摘をしているわけです。 そこで、今回の国立学校財務センターでございますけれども、この財務センターは、「国立学校の財務の改善に資するため」のものとされているわけです。自己収入の確保など、財務改善について各大学に自助努力を促す性格をこれは持っているわけです。そうすると、危惧されるのは、国立学校特別会計の独立採算の方向がさらにこのセンターの制度によって強まるのではないかということなんですが、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(前畑安宏君) この会計は独立採算ではございませんで、基本的に自己歳入が歳出を貯えないという構造になっているわけであります。したがって、一般会計繰り入れを当然の前提としてこの会計ができておりますので、独立採算というようなことは、これは到底国立学校特別会計としては考えられないところであります。 この「財務の改善に資する」というところで今御指摘ございますのは、やはり国民の財産である国有財産、国立学校が所有している国有財産をそれは有効かつ適切に活用しなければならない。これも先ほど針生先生の御質疑でもございましたが、大学の中でいろんな考え方があって、なかなかその活用の方法なりにまとまらないところがある。そういう場合に、基本的には要請を受けて対処することにいたしております。要請を受けて必要な協力をし、あるいは専門的、技術的な助言を行うということでございまして、各大学に財産の処分を勧奨して回る、そういうことは考えておりません。
○高崎裕子君 このセンターが独立採算を目指したものではないというお話なので、重ねてお尋ねしますけれども、国立学校特別会計の歳入に占める授業料等の学生納付金の割合なんですけれども、制度発足当初と現在ではどうなっているでしょうか。
○政府委員(泊龍雄君) 制度発足当初め昭和三十九年度の特別会計予算額、総額一千三百九十五億円でございます。その時点での授業料と学生納付金の予算額が三十二億円ということで、三十九年度の特会全体に占める学生納付金の割合が二・三%ということでございます。同じく平成四年度の特別会計予算額が、御案内のとおり、二兆二千百七十三億円でございます。学生納付金が二千三百四億円ということでございますので、その割合は一〇・四%という状況でございます。
○高崎裕子君 今の御答弁のとおり学生納付金の歳入に占める割合というのは二・三%から一〇・四%と大幅に上昇しているわけで、明らかに独立採算の方向が数字として強化されているということははっきりしているわけです。この独立採算制への懸念については国立学校特別会計制度の発足時にもやっぱり大きな問題となったわけです。 これは文部省の関係者がまとめた「国立学校特別会計制度のあゆみ」という冊子を見ますと、この点の経緯が詳しく述べられているわけです。特別会計になると自己収入の確保のために授業料の値上げにつながらざるを得ないという、こういう懸念がかなり強く出されていたことに対して、この「あゆみ」の中では「今回の特別会計は、いわば、区分会計整理特別会計であり、独立採算制を目的とするものではなく」「一般会計からの繰入金を減少させるなどということは、わが国の経済事情によほどの変動がない限り、全く考え得ざるところであって、特別会計に移行することによって一般会計の繰入金が減少するというようなことは生じ得るものではない」とまではっきり述べられています。 そして、この点をさらにはっきりさせるために、確認をするということで、当時の文部事務次官と大蔵省主計局長との間で覚書が交換されています。この覚書、出してほしいということでお願いしているんですけれども、覚書があることは文部省としてもお認めになっていらっしゃいますが、それは今探していらっしゃるということで、本当にこれは大切な文書なのでないわけないんでして、これ必ず出していただきたいと思うんです。この覚書は第一項で、この特別会計は国立学校の内容の充実を図り、かつ今後における整備を促進する趣旨のものであるとし、第二項で、この特別会計は国立学校の独立採算を目的としたものではない、したがって特別会計にしたことを理由として授業料等の値上げを意図することはないということが明確にされているわけです。 しかし、この間の推移を見ると、国大協も指摘しているとおり、明らかに独立採算の方向が強められて制度そのものが変質していると言わざるを得ないと思うんです。現に文部省は、昨年の十一月二十一日の私の質問に対する答弁で、授業料値上げの理由に、国立学校特別会計の財政上の問題があり、歳入を確保しなければならないとおっしゃっているわけで、当時の覚書で明確に独立採算ではないと、こう否定されていながら、その後は実際的には行われているわけで、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(前畑安宏君) 御指摘の特別会計にしたことを理由に授業料を値上げをするということではないと思っております。国立大学の授業料についてはいろんな考え方もあります。この財務センターが設立をされましたら、ここでも高等教育にかかわる財政の問題として学生納付金についてのあり方についても研究をしていただきたいと思っておりますが、基本的にはやはり私立大学における授業料、あるいは私立大学と国立大学への進学の状況、そういった社会的な状況を踏まえながら総合的に勘案をして対処してまいっております。 ただ、一言申し上げさせていただければ、これが特別会計ではなくて一般会計でございますれば、国立学校の授業料を上げましても国の一般歳入として溶け込んでしまいますので、直接にこれが国立学校のために還元されるという保証はない。しかしながら、特別会計であればそれは特別会計の歳入として入りますので、直接に国立学校の歳入として有効に作用するということはあろうかと思います。
○高崎裕子君 本来、一般会計から繰り入れて文部省の予算、文教予算をふやしていくというのが基本的な考え方で、これはもう繰り返しになりますけれども、シーリングの枠を撤廃していかなければならないというところにやっぱり突き当たるわけで、この点についてぜひ努力していただきたいということを重ねて申し添えて、次に具体的な問題について幾つかお尋ねしたいと思うんです。 昨年の概算要求のときに教育研究環境特別重点整備事業という形で、施設の老朽化、狭隘化が特に著しい理科系の学部、研究所で教育研究においてすぐれた実績を上げているものの改築、改修及び狭隘解消整備を重点的かつ計画的に進めるとされていたのが、今回、特別施設整備事業では、国立学校における教育研究環境の改善充実を図るために五カ年計画で国立学校の施設のうち老朽化、狭隘化が特に著しい国立大学の校舎等について緊急かつ計画的に施設の特別の整備、改築、改修などを実施するとなっているわけです。ということは、特別施設整備事業は理科系の学部、研究所だけではなくてすべての学部が対象となるんだと、そして、いわゆる旧七帝大を重点ということではなくて地方の国立大学も含めてすべての国立大学を対象とした事業であるというふうに理解してよろしいでしょうか。 そして、さらにこれに関連してお尋ねしますけれども、昨年十二月の臨時行政改革推進審議会の第二次答申で、地方の国立大学について地方自治体への移譲等について所要の条件整備を含めてその可能性を検討することや、組織、運営のあり方について法人化など設置形態の見直しを含め検討するということが打ち出されたわけです。これは高等教育に対する国の責任を放棄して国立大学の維持責任とか経費負担を地方自治体に押しつける、あるいはいわゆる民活任せにするというもので、文部省としてはこういう方向は考えておられないと思うんですけれども、地方の国立大学だけでなくて大学全体のあり方にかかわる重大な問題だけに、この後半の部分については特に大臣の見解を伺いたいと思います。
○政府委員(前畑安宏君) 概算要求をいたしました教育研究環境特別重点整備事業につきましては、ただいま先生御指摘がございましたようなことを考えておりました。しかし、予算編成の過程で、財政当局とも協議をしながら、それに限定しないでもっと幅広く考える必要があるんではないかということで、教育研究環境特別重点整備事業は百五十億という枠取りをいたしましたが、御案内のとおり、特別施設整備事業はそれを増額いたしまして二百億という枠取りをしているところでございます。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 行革審答申の中で、いわば長期的な課題として地方の国立大学が例えば地域の特性に対応して学部学科を再編成するとか、地域社会や地域の産業と共同研究や共同活動をやるとか、あるいは大学と地方自治体等との協議機関を設けるとか、あるいは地域住民に対する開かれた大学として生涯学習機能を発揮するというような点についてはこれは実にすばらしい提言であると思っておりますから、これを重く受けとめていきたいと思っておりますけれども、少なくとも地方国立大学を地方へ移譲するとかあるいは法人化するというようなことについては私はそれを受け入れる気持ちは全くありません。 その理由は、いつも申し上げておりますように、いわば国立大学背骨論みたいなものを私は考えておりまして、これは公立の初等中等教育についても私は同じようなことを考えているわけです。それは、初等中等教育は後期中等教育を除いてほとんどが公立だということですが、例えば臨教審の審議の過程ではすべての公立の小中学校まで学校法人のような形にしたらどうだという意見ですね。教育の自由化の極端な例としてそういうものも出されてきましたけれども、私はそういう考え方に基本的に反対であります。 特に、地方の国立大学にはこれから特色ある発展を遂げてもらいたいと、きょう会田先生からも御質問がありましたけれども、そういうことでいろいろとやっていこうと思っているときに、これをいわば文部省の手を離れるような形にいたしますと、これは大学の自治というのはありますけれども、しかしやっぱり国立大学というのは文部省のいわば、何というんですか、直接の、言い方が難しいんですが、直轄領なんて言うとちょっと大学関係者に怒られるかもしれませんが、広い、広義の文部省の中の一機関でございますから、こうしたところにいろんな基礎研究をやってもらう。私学の場合はそれぞれが建学の精神にのっとって個性的にやってもらう。背骨のような国立大学と私立大学とのたえなるバランス、そのバランスのよさというものにこれからの日本の教育は乗っかっていくべきであると考えておりますから、私は、地方の国立大学には、地方の特色を生かして、あるいは地域の特性とか地域のニーズというのに合わせてこれからどんどん発展をしてもらおうと考えているやさきでございますので、そのような法人化、地方移譲は全く念頭にありません。
○高崎裕子君 地方移譲を考えていないなど、大変心強いお話です。文部省の責任でぜひ頑張っていただきたいと思うんです。私どもの大学調査でも、高知とか島根とか北海道の室蘭工大など、地方の国立大学の実態を伺ってきたんですけれども、そこでは旅費の問題とか地方大学特有のさまざまな御苦労があるんですね。ですから、地方大学へも国の予算をもっと回してほしいという声もありますし、この点を踏まえてぜひ積極的に対応していただきたいと思います。 次に、特別施設整備事業では、狭隘化の解消もあわせて行うということで、この点に関連してですが、研究室の狭隘化の大きな要因は、文部省の研究室施設の基準面積が一九六〇年当時から、若干の見直しは行われてきていますけれども、基本的には変わっていないということがあるわけです。教官からは、諸外国のようにこの二、三倍のスペースはほしいんだという声がどこへ行っても聞かれました。狭隘化解消を言うのであれば、この基準面積を改善する必要が早急にあるのではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(前畑安宏君) 現在の私どもが持っております建物基準というものは、教育研究環境の一定の水準を確保するためにということで昭和三十五年に設定されたものであります。その後、いろんな新しい機器が入ったりあるいは教育研究内容の進展等もありまして、学生の増募もあり、また大学院生もふえたり、留学生もふえたりしていろんな状況がございましたので、その都度、先生も御指摘のように若干の所要の見直しを行って現在に至っております。 私どもとしては、今後は関係者の意見をも聴取しながら、またこれは、基準を改めますといわゆる各大学の資格面積というものの増につながって、各大学から一斉に施設の要望も出てまいるということにもなりますので、財政状況にも十分配慮をする必要があると思います。財政状況にも配慮しながら、必要に応じて基準面積の見直しということも含めて対応してまいりたい、このように考えております。
○高崎裕子君 そこで関連して、留学生の問題なんですけれども、例えば留学生は十年前と比較して六・三倍にもふえて四万一千人以上になっているわけです。しかし、留学生は定員外ということで、教官や建物がふえるようにはなっていないんですね。このため教官からは、留学生がもうこれ以上ふえたらスペースもない、それ相当の手当てがないとこれ以上の引き受けは難しいんだという声も出されています。これは北大の例なんですけれども、留学生が急増して人がふえるが机を置くところがない、廊下を使ったり一つの机を朝型の人と夜型の人で分けて使っているというような状況も生まれていて、現行の基準面積には留学生の数が算定されていないわけですけれども、重ねて留学生の数も含めるよう改善していただきたいと思いますけれども、この点いかがでしょうか。
○政府委員(前畑安宏君) 留学生の数を定員の外で受け入れてきたということにつきましては、いろんな経緯もあり、また留学生に対する予算措置のあり方ということもありまして、これまでは余り問題視されてまいりませんでした。しかし、今先生御指摘のように、留学生が大勢集まる大学、特に大学院におきましてかなりそのことが狭隘化ということと関連をして問題になってまいりました。そこで、私どもの方でも、大学側でそういったどちらを選ぶかということもやはり考えながら対処をするということも必要であろうと考えております。 平成四年度におきましては、そうした大学側の要望も踏まえまして、新設をいたしました大学院の十三の研究科につきましては留学生は定員内で受け入れるということにいたしておりますし、また、特に留学生の集中が激しいと言われております東京工業大学の理工学研究科につきましても、これは新設ではございませんが、留学生を定員の中で受け入れるという措置を講じたところでございます。これによりまして、いわゆる資格面積の増ということにもなろうかと思っておりまして、施設の増改築等の際の対応ができるようになったと考えております。 今後とも、財政状況もございますし、また各学部、大学院の考え方もございますが、それらを踏まえながら対処をしてまいりたい、このように考えております。
○高崎裕子君 時間ですので終わりますが、大変御苦労はおありと思いますけれども、留学生の方が、こんな日本にはもう二度と来たくないというような言葉を残して帰っていくということは本当に残念なことですし、国際貢献ということがいろいろ言われますけれども、こういう足元から国際貢献ということをしていかなければ本当にだめなのではないかという点でも、引き続きぜひ御努力をしていただきたいということをお願いいたしまして、質問を終わります。
○乾晴美君 私は、法案の審議に入る前に、現在の硬直した文部省予算について文部大臣に基本的な見解を伺いたいと思います。 けさからずっとお聞きしておりましたけれども、シーリングのことが問題になっておると思いますけれども、私もやはり文部省予算というのがシーリングということに非常に大きくかかわってきておると思います。政策的経費が減少してきて、今の大学の危機を招いているのもこのシーリングがあるからだと言っても過言ではないというように思います。日本というのはやはり科学技術立国ということで生きていかなければいけないということなんですから、このような状態でこれからもずっと推移するならば、日本の将来は暗いと言わざるを得ないなというように思います。午前中もありましたけれども、教育は百年の大計とかと言われておりますし、また、大臣の方も、人づくりなくして国づくりなしとか、教育は最大の未宋への投資であると何度も私たちも聞かしていただきましたけれども、私もそのとおりだというように思います。しかし、現実の文教予算を見てみますと、必ずしもそのとおりになっていないのではないかというように思います。 本来、政策というのは優先順位をつけてやっていかないと、国の予算というのは決まっているんですから、どんな優先順位をつけるかということはやっぱり私たち政治家の責任でもあると思います。それをシーリングというような形にして全く政策に優先順位がつけられないというような、それを無視してしまったような予算編成を行ってくるということは非常にもう残念と言わざるを得ないわけです。文部大臣も、鳩山さんの前は井上大臣というように、ほとんど自民党の方が大臣もなさってきたと思いますけれども、もっと頑張っていただけなかったかなというように思います。 鳩山文部大臣の方は、衆議院の文教委員会で、政策にプライオリティーというのをつけるのが政治家の責務でないか、職務でないか、それをしないとするならばもう行政マンだけでいいことになるんだというように答弁さえなさったというように私は聞かせていただきまして、大臣の答弁は至極適切でうれしいなというように思ったわけなんですけれども、現実に文部省予算が増額されていなければ、そんなことをおっしゃっていただいたって絵そらごとになってしまうというように思ってしまうわけです。 文部省のシーリングを撤廃して、何としてももっともっと上げてほしいと、皆さんおっしゃっていることなんですけれども、私は、文部大臣が進退をかけて頑張るという、それぐらいの意気込みで今年度の補正予算並びに来年度の予算編成に当たって、もうぜひに頑張っていただきたいと思うんですけれども、御所見を伺わせていただきたいと思います。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 乾先生のただいまのお話はむしろ激励と受けとめるべきとは思いますが、一つの数字として、文部省の使える物件費がどんどん減ってしまっていることは前から御説明をいたしております。特に文部省予算に占める人件費の割合の高まりというものの一覧表を見てみますと、かつて昭和五十六年ごろに六三%ぐらいの水準、今、一時は七九%に迫る、八〇%に迫るという水準になるわけですが、したがって物件費が減っているのは理の当然ですが、この人件費が二、三%とかいうような水準でどんどん上がっていったのが五十年代末から六十年代の初めにかけてなんですね。 このころはまだまだ私たちの声が小さくて、いわゆるシーリング、財政再建のためには意味があるんですが、シーリングという非常に機械的、技術的なやり方にそのまま従わざるを得なかった。したがって、そのときに文部省予算分の人件費というものが年に二、三%の高まりを見せてしまったわけでございます。実に悔やまれるのはこの辺なんですね。そのころにある程度の配慮、少なくとも四月二十日の産経新聞の宮澤総理発言ですね、シーリングというもののマイナス点をおっしゃっている、あるいは委員会では、先ほど弊害と言いましたが、総理はデメリットという表現を使っておられますね、たしか小林委員の予算委員会での質問に対する答弁であったかと思います。そういう中で、今回も幾つかの配慮をしていただいて、一般歳出よりも文部省予算の伸びの方が若干でも高いとかいうような点、あるいは自治省とのこれは絡みがありましたけれども、この間法律を通していただいた共済の追加費用の問題とか、あるいは今回のこの二百億は財投借り入れでございますが、新しい制度とか、恐らく総理や大蔵大臣は、平成四年度予算編成に当たってはそういう一定限の配慮はしたよということだろうと思うんです。そういう配慮が毎年なされておりますと、恐らく人件費の高まりというのも余りなくてこれたわけですが、そういう配慮が全くなかった時期がずっと続いてきましたから、こんな悲惨な状況になっている。 しかし、それはまた文部省予算の特異な体質、すなわちベースアップが一%で四百数十億も出費がふえるという、これは二百億掛ける五年計画で一千億の、老朽化、狭隘化対策というのは一千億でございますが、他面一%のベースアップで四百三十億ぐらいの出費がふえるわけですから、いかに文部省が人件費に脅かされて予算編成をやらざるを得なかったかということのこれは一番いいあらわれだろうというふうに考えるわけであります。 そうであっても、そのような人件費の伸びを確保してもなお人確法の趣旨が、先ほど遠山局長から御答弁申し上げたように、趣旨が失われつつあるというぐらいですから、人件費の伸びはこれからも大いに予想されるわけでございまして、こうなりますと一定限の配慮をいただいてもだめなんで、何というか、抜本的な制度改革というのは言い過ぎかもしれませんが、本当の方法を変えるぐらいの配慮をいただけないと立ち行かなくなる事態が迫ってきているなというふうに感じまして、そういう中で今後諸先生方の御協力をいただいて、文教予算がきちんと確保できるような新しい工夫や新しい道というものを探していきたいと思うわけであります。 そこで、最後に一言だけ申し上げなければならないのは、例えば学術研究予算のことを今各党で、自民党の中でも相当な議論をしていただいて一つの動きになりつつあります。また、この法律案も、別にこの法案に水を差すわけではありませんけれども、日本の科学技術立国という道を確保するためにこの法律案はどうしても必要だといって提案をさせていただいております。しかし、そうなりますと、昨年末財政審が、私のちょっと言い方は悪いかもしれませんけれども、ラーメンの玉を二個ゆでて、どんぶりがあって、片方が初中教育というどんぶりで、片方が学術、高等教育というどんぶりで、ラーメンを二つ一どきにゆでたから、分けてこうやったときに、何か初中の方のめんはちょっと多いようだなと高等、学術どんぶりの方に移すというのが財政審の答申の仕方なんですね。それが一般的な空気になることは絶対に許してはならない。 つまり、私が申し上げたいのは、初中教育、義務教育を中心とした、先ほどの木宮先生のときに御答弁申し上げた、日本の教育はしっかりしていると、基礎、基本を押さえているという点については我々は大いに自慢をしなければならない。それを新しい時代に向けて新しいものを導入するというためにも、これは大変予算がかかるわけだし、よりよい先生を確保するためには人件費の増だって当然要るわけでございまして、その初等中等どんぶりの方からめんを抜き去るようなことはできないということですから、よくこういう議論をしますと、初中と高等と一緒にしちゃって、初中にめんが多過ぎるという議論にすぐなる、それは私は絶対認めたくない、こういうことです。
○乾晴美君 よくわかりました。そして、言い過ぎかもわからないけれどもとおっしゃりながら、政治改革といいましょうか、そういった大きな改革をする必要があるんだという意気込みをうれしく思います。お手伝いすることがあるんだったら何でもおっしゃっていただいて、大いに私たちも燃えたいというように思います。 大臣の見解を伺いましたので、具体的な質問に入りたいと思います。 文部省は、今度の国立学校特別会計法の改正で、現在の大学の危機的状況というのがこれで少しは改善されるんだなというように考えていらっしゃるんでしょうか。
○政府委員(前畑安宏君) 現在の国立学校の危機的状況というのは多面にわたるわけでございまして、単に、施設の問題だけではございません。研究費の問題もあったり、あるいは大学院の空洞化といったような問題もあったり、これは国立大学協会の方でもいろいろ御指摘をいただいておりますが、多面にわたる問題がございます。したがって、これでもってその全部が解決できるというものではございませんが、少なくとも総合的かつ計画的に実施することが特に必要な整備事業につきまして、これを計画的に実施する見通しが立ったというように考えております。 ちなみに申し上げますと、私どもが平成四年度を初年度として五年間でどれぐらいのことができるかということを処分財産を財源として考えますと、大体三十五万平米の施設の改築、それから五万平米の狭隘解消という事業量を予定いたしております。ちなみに申し上げますと、御案内の東京都庁が議会棟を入れて三十八万平米だというふうに言われておりますから、この五年間であれほどのものが整備できるということでございます。
○乾晴美君 先ほど大臣の方からラーメンのお話を伺いましたけれども、やはり私は、これはパイを小さくしたり大きくしたりして考えていくと間違うのではないか。 先ほどお隣の高崎議員もおっしゃいましたけれども、私も数字を見せていただいておかしいなと思います。大学の設備の老朽化とか狭隘化というのはもう緊急に直さなきゃいけないということはよくわかって、実際にその予算を見てみますと、施設の整備予算額というのが特別整備資金から借入金二百億円を入れるということで一千二十七億円には確かになっておりますけれども、これはやっぱり昨年度の施設整備予算額が、先ほど高崎議員がおっしゃいましたけれども、八百九十八億円であるから、わずか百二十九億円の増額にしかなってないわけなんで、文部省予算がことしの伸び率はほかより多かったということで五・二%ということだと思うんですけれども、本来なら、この計算でいきましたらこの施設設備予算は一千百四十四億円にならなければならないと思います。せっかくこういった特別施設整備資金というのを創設して二百億円の財源をつくり出しても、その元のパイが百十七億円も小さくなってしまうというのでは本当に喜びが半減してしまうというように思います。 先ほども申し上げましたけれども、本気でやる気があったり、政治家に優先順位がつけられるということを本当に心の底から思っていらっしゃるんでしたら、こんな数字のトリックに負けないように、元のパイが小さくなってしまうようなところで辛抱しなかったんではないかと思います。整備資金の二百億円をそのままそれにプラスということになったのだろうというように思うんですけれども、大臣は、ああ残念でした、そのことについては非常に遺憾でございますというようなお話なんですけれども、大学の危機的状況に対する考え方が少し甘かったのではないかというように思いますが、いかがですか。
○政府委員(前畑安宏君) その数字の見方についてはいろんなお考えがあろうかと思いますが、一つ御理解をいただきたいのは、平成三年度の予算額、これは施設の整備でございますが、八百九十七億八千八百万、約八百九十八億でございます。私どもが財政当局に概算要求をいたしました額は一千二十二億でございます。査定結果、お願いをいたしました予算額は一千二十六億六千六百万でございまして要求額を四億六千二百万上回っておる、こういうふうな姿も御理解をいただきたいと思います。
○乾晴美君 では、その一千二十七億円の中には二百億円は入っていないんでしょうか。
○政府委員(前畑安宏君) 二百億円も国立学校の施設の整備に充当される予算でございますので、それを含めて私どもは全体としての施設整備費というものを考えておるということでございます。
○乾晴美君 でしたら、やっぱり平成三年よりは減っているということを指摘せざるを得ないわけです。 それから、私は教育白書を読ませていただきましたら、大学の若手研究者が一年間に使える研究費は民間企業の三分の一以下で、研究スペースも狭く待遇が悪い、このため特に大学院修士課程の学生の半分近くが民間企業へ就職を希望していることが若手研究者アンケートでわかったというのを読ませていただきました。 私は、今回のこの改正案では大学人そしてまた経済界が望んでいる大学の改善は無理だと思います。どうしてかといいますと、今の大学の危機は、施設整備だとかそういったハード面と、もう一つは研究開発費というか、ソフト面の両方を改善しなければならないはずだと思うんです。しかし、この改正案はハード面だけの予算ではないかなというように思うわけです。狭い研究室だとか老朽化した実験設備だとか足りない研究費、これでは若手研究者の大学離れが起こっていくのも当たり前だなというように思います。どうしてこういう事実が改善されないか、そして日本が世界で科学技術立国として生き残れるとするならば、これではほど遠いなというように思うわけです。国の政策としても最も優先されるべき文部省予算の増額は本当にわずかであると言わざるを得ません。また、早急に対策を講じなければならない大学の改善のための特別施設整備資金もこの程度の額では私たちやまた大学人、経済界が望んでいた政策にはほど遠いものがあるのではないかと思います。 私は何度も申しますけれども、やはり政治家や私たちが今の予算全体を見渡して優先順位をつけるとするならば、私は一番にこの文教予算というか、教育だろうと思います。その次に環境、その次に福祉というように私自身は思うわけです。ですから、来年度の概算要求で、先ほど大臣にも伺いましたけれども、二千億円ぐらいの額をここで予算要求を行ってほしいと思うんです。これは今のこの一千二十七億円に対して、普通の上がる分ぐらいでしたら教育全体の予算から二千億円上げようとすれば三・七%ぐらいの額になるだろうと思いますので、上げてほしいと思います。 先ほど大臣もおっしゃいましたように、この間、十九日に静岡県の熱海市内で宮澤総理も、何とかしなきゃならない、シーリングのために気の毒な状況にあるということを指摘していますし、来年度の予算編成では文教関係予算の充実に配慮したい、そういう意向を非常に強調するとともに、党としても具体的検討に入るよう指示したというようなことを言っていますので、ぜひに頑張っていただきたいということで再度御決意のほどをお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(鳩山邦夫君) この法律案は、先ほどから数字の御指摘を受けて、制度発足、やや小さ目に生んで大きく育てるということを申し上げてはおるわけですが、この特別施設整備資金というものを老朽化、狭隘化対策の一つの大きな手段にしていこうというのは確かでございます。それだけでなくて、文部省予算全体の中で、それは科研費だとかあるいはフェローシップだとか、あるいはそれこそこうした制度を除いて一般会計から特別会計への繰り入れの問題とか、そうしたことをすべてきちんとやらせていただく中でこの日本の高等教育やあるいは開発研究予算全体の問題を考えていきたいと思っております。例えば科学技術会議が答申を出して、あすの閣議で科学技術政策大綱というんでしょうか、大綱を決めるのだと思いますが、その中に、年度は限っておりませんが、政府のいわゆる開発研究予算の倍増を図るべきだというような中身が入っております。あるいは、これはちょっと一党のことを言うのはおかしいかと思いますが、私は自民党出身の代議士でございますから、自民党の方でも中村喜四郎さんが中心となった特別委員会がございまして、相当な大激論をやって、大蔵省あるいは文部省ももちろんですが、各省庁と今いろいろなすり合わせをやっておりますが、そういう中でも同じように、いわゆる学術あるいは研究そして予算の倍増計画というものを具体的にやりたいものだ、できれば五カ年計画ぐらいでできないだろうかというような議論も出ておるわけでございます。 ですから、そういういろいろな議論の積み重ね、宮澤総理の熱海での御発言もできるだけ前向きのものであったことを期待するわけで、私は報道しか読んでおりませんが、そうしたものの積み重ねの中で問題全体の解決、科学技術立国というようなことを目指していこうというのが私の考えでございまして、今回のこの特別施設整備資金や国立学校財務センターというのは、その中の一つの有力な手段を実現するためであるというふうに解釈をいただければありがたいと思います。
○乾晴美君 私は、大学の老朽化、狭隘化はむしろ自民党の皆さんの責任であるというぐらいに思っていますので、ぜひに頑張っていただきたいというように思います。 次に大学の改組についてお伺いいたしますが、午前中も問題になっておりましたけれども、京都大学及び神戸大学の両教養部が改組されるわけなんですが、現在教養部及び教育学部を設置しているほかの国立大学についても同じような改組、そして統合を行う計画がおありなんでしょうか。
○政府委員(前畑安宏君) 教養部における一般教育について問題があるということはもうかねてから各方面で指摘されているところでもありますし、また大学自体もそのことについては認識をしていたところであります。そのことから、先般、大学設置基準の改正も行って卒業要件としての一般教育三十六単位というのも外した。しかしながら同時に、大学設置基準では「教育課程の編成に当たっては、大学はこ「幅広く深い教養及び総合的な判断力を培い、豊かな人間性を涵養するよう適切に配慮しなければならない。」という規定を設けたところでございます。 そこで、これを受けて各大学ではいろんな取り組みをいたしております。京都大学の取り組みあるいは神戸大学の取り組みがそのまま各大学のいわば範になるというようなものではないと考えております。私どもとしては、各大学の取り組みを十分聞きながら、そしてそれが我が国の高等教育の充実、水準の向上につながるものであるならば積極的に対応してまいりたい、このように考えておるところでございます。
○乾晴美君 一般教育と専門教育の科目区分を廃止して、各大学が個性的なカリキュラムを組むことができるようになっていろいろなされていくのだろうと思うんですけれども、ここでも、ちょっと午前中もお話しになっていましたけれども、教師と生徒の間に知的な会話がなくてはならないだろうと思うんですね。それには少人数教育の科目がある程度の数だけ確保されなければならないだろうと思います。多くの学生を一つの部屋に詰め込んでと先ほど自民党の先生もおっしゃっていましたけれども、教師が一方的に講義するような授業というのであれば、一般教育であろうと専門教育であろうと、学生の学習意欲を高めることはできないんだろう。制度をいじっただけで学生が本当に喜んで勉強ができるような環境になるのかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(前畑安宏君) 御指摘のとおりでございまして、この問題は大学審議会でも提起をされております。 そこで、一つには、これは議論もございますが、非常勤講師の活用ということを考えるべきではないか。専任教員をふやして少人数教育を推進するということになりますと国も学校法人もかなりな財政負担になりますので、非常勤講師の活用ということを考えたらどうかということで、従来の大学設置基準では非常勤教員の数は専任教員の数と同数を超えてはならないというふうに決めておりましたが、そういうことではなくて、大学として非常勤教員についても責任を持ってカリキュラムが組める、教育研究指導ができるというんであれば、そこはもっと弾力的にやって、それによって少人数教育を充実したらどうかということで、その基準も廃止をいたしました。 また、四年度の予算では、国立大学につきましては、大学院の博士課程の学生を、これは学部教育の充実という観点もございますが、先ほども御指摘がありました博士課程の学生の処遇という面も含めまして、ティーチングアシスタントとして博士課程の学生を活用する、それによって学部学生の少人数教育、これは例えば演習の補助者等として当たるわけでございますが、それの充実にも資するものではなかろうかということで対応させていただいているところでございます。
○乾晴美君 こういうことで個性的な大学を目指して個性的な大学がいろいろ出てくると思うんですが、例えば司法試験等の資格を取るための科目を重点的に履修させるということだったり、専門中心あるいは技術中心などの多様なタイプの大学が出てきたとする。そういうときに、国は専門学校と大学に対して期待しているのとはどう違うのでしょうか、専門学校と大学に対する期待の違いをお願いします。
○政府委員(前畑安宏君) 御指摘の問題は、つい先般も大学設置・学校法人審議会の大学設置分科会というところで議論になりました。そこでの議論としては、結論は、大学設置基準に決めている「教育課程の編成に当たってはこ「幅広く深い教養及び総合的な判断力を培い、豊かな人間性を涵養するよう適切に配慮しなければならない。」というこの規定をやはり大学設置に当たってはしっかりと踏まえていこうではないかということでございました。 御案内のとおり、学校教育法では、「大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする。」、こう決めておりますので、大学はやはりその範囲において教育研究が行われるということではなかろうかと思っております。
○乾晴美君 私は、今時代の転換期であろうというように思います。こういった転換点で、大学で何を目指すのかというのは非常に大事だと思います。先人は何を求めてきたか、そしてまた若者は何を求めてこれからいくんだろうか、こういうことです。 私たち日本人がもしこれから頑張って世界を先導していくということになりましたら、やはり創造力という、発見とか発明だとか構想を持っていかなきゃならない。そういうことをさせるのに、今の大学が真実やそれから疑問、そしていやなことや、社会、世界もそうですが、社会が困っていることに対する感受性が持てるような、そういう教育ができるだろうか。感受性があっただけではだめなんで、物事を切り開くためのロマン、そして情熱、努力への心を持っているだろうかということも大事になってくると思います。そしてまた、多様な挑戦を許容する自由な環境があるかどうか。それから、歴史的な蓄積、これは午前中大臣も、自分の命まで知り得た、いろんな身につけたものだとかおっしゃっていましたけれども、そういった蓄積したもの、歴史から学んだものでもいいし、自分個人が学んできたものでもいいんですが、そういった蓄積を創造への豊かな基盤として活用できるか、こういうようなことが大学生に望まれていると思います。 そういうことになってくると、余りにも早くから専門の勉強に入っていくというのは、先ほど森暢子議員もおっしゃっていましたけれども、一つでも多くの単語を、一つでも多くの公式をということで受験体制だけの中で頑張ってきた高校教育が、大学で、押しつけられた学問でなくて、本当に自分から学んで、心から自発的に学習できる、学問てこんなに楽しいんだな、おもしろいんだなということを学ばせられる、そういったことが非常に大事になってくるんじゃないか。私自身も、学問のおもしろさというのは大学の前半の二年で学ばせていただいたように思うんですけれども、そこら辺の心配はないでしょうか。今新しくしようとしているお茶の水、そして京都、それから神戸大学はこういった要件を満たしている大学とお思いでしょうか。
○政府委員(前畑安宏君) 私どもとしては、各大学でどのように教育研究を行うか、カリキュラムをどのように組むかということについて、これに介入することはやはり差し控えなければならないと思っております。しかしながら、今先生の御指摘もございましたが、先ほど読み上げました学校教育法における大学の目的、そして大学設置基準に定めております教育課程の編成方針というのはやはりきちっと踏まえていただかなければいけないということで、十分大学側の考え方を聞き、それに適合しているということで予算措置もお願いをし、国会へこうして御提案をさせていただいているところでございます。 ちなみに、ちょっと御紹介いたしますと、神戸大学の場合には、一般教育といいますか、教養教育といいますか、それを全学的に実施するわけでございますが、ある一つのジャンルを転換教育と称しております。これはどういう趣旨がといいますと、高校生が大学に入ってきた、そこで大学生であるという自覚を植えつけるための教育といいますか、専門的な一般教育をやって学生の意識を転換させる、こういうふうな意図を持って授業科目を構成しているという例もございます。
○乾晴美君 時間が参りましたので、ありがとうございました。
○小西博行君 午前中から各議員の質疑を伺っておりまして、本当にこれは大変なことだなということを感じさせていただきました。 〔委員長退席、理事田沢智治君着席〕 特に、地方大学の問題も大分出てまいりましたし、それからさっきの局長の非常勤講師という話もございました。私もたまたま広島でございますが、生まれは香川県であります。そういう意味で、私の同級生も大変勉強の好きな連中は東京の方にあるいは京都の方に進学いたしまして、現在、大学の医学部の主任教授だとか、大体そういうような年代でありますから、頑張っております。 同窓会をやりますと、二次会、三次会は、ほとんど金がありませんので、その連中はいつもおごってもらうばかりであります。どうしてそうなのかなといろいろ考えてみますと、やっぱりこれは、私学といってもたくさんございますから一概に言えませんが、比較的大手の私学の場合は、先生方の給料なんかでも国立に比べると相当高いというふうに私は思います。それから、出張費なんかでも相当高いものですから、一緒に泊まろうといいましても、大体逃げていきます。つまり、安いところで何とか泊まってということになっている。そういうことを何回か経験しております。 それから、先ほどからいろいろ議論がありましたように、今の大学の研究施設、非常に古いんじゃないかというような話が出ております。各大臣、そのどの大臣の時代に悪かったとも言えませんし、鳩山文部大臣は今なっておられるわけですから責任回避もできないと、大変気の毒だなという感じもしながら、頑張ってもらいたい。 こういう問題というのは何か土壇場になってきて急に設備が悪いというようなことで、国会の場でもがんがん議論をするわけですが、今悪くなったわけじゃなくて、もう十年前にも相当古いわけですから、そういう時代に徐々に改善していくような具体的な計画というのが文部省には当然あったんだろうと私は思うんですけれども、さっきの予算の問題とかあるいはシーリングとかいろんなことがあって、なかなかそれが進まない、こういうことかもわかりません。そういうことになりますと、これから先も多少色はついても大体同じような格好でいくのかな、そういうことを考えますと非常に残念であります。 先ほど局長さんの方から非常勤講師の数の問題がちょっと出ましたけれども、非常勤講師というのは大変賃金が安うございます。一こま幾らというようなことですから、月に二十万も給料を取ろうと思いますと相当な時間数持たないととても生活ができない、幾つかの大学を走る、こういうことになりますから、私学の方でちゃんと生活を確保している先生方というのは割合行きたがらないわけです。そういう問題も実はありまして、言葉で言いますと非常に格好がいいんですが、具体的な問題ということになりますとなかなか立派な先生は来てもらえないというこれは現実、田舎の方でも多いわけです。そういうようにちょっと考えましても、本当にこれから具体的に国立の研究機関、あるいは設備、そういう問題をどのように扱っていくのか。 きのうは実は隣の科技特の方でこれはまた研究者の交流という、今度は大分法案が改善されまして、そしてその法案が通過いたしました。あの法案はもともと六十一年に実はそういう国の研究機関を自由に使ってもらおうじゃないかというようなことでつくり上げたわけですが、現実にはほとんど民間の人が使っていない。なぜ使っていないのかといいますと、そこの国の研究機関の研究対象でなければ使わせない、大体同じような研究やるんだったらどうぞと、こういうような歯どめが実はあったようでありまして、今度はそれを全部取っ払うからどんどん使ってもらえるはずだという予測のもとに法案の改正がきのうなされたわけです。 それにしましても、これは文部省関係、特に大学もそうだと思うんですが、若手の優秀な研究者がなかなか来なくなってくる。これは国の研究者が入ってこない、優秀な人が入ってこない、トップクラスは大体民間へ行く、こういうことで今かねや太鼓で何とか国の研究機関に来てもらいたいということでやっております。多少の賃金の辺でも考えていこうという動きはあるんですけれども、現実問題は能力の割には非常に少ない賃金で頑張らざるを得ない。私はこういう状況が恐らく大学関係でもひょっとしたらあるのかなと思う。 それで、大学というのは非常に排他的な分野ももちろんありますから、教授だとかそういう人に気に入ってもらわなければ大変でございまして、数年前に広島大学で殺人事件がございましたが、あれも一つの実例だと思います。結構もう四十何歳、五十歳に近くてもまだ助手であるというようなことが実は大学の中にはあるわけでして、そういう問題を本当に抜本的に改善しないと、何となく設備を長期間で徐々によくしていこう、こういうことの議論をしてもなかなか前へ進まない、そういう感じがします。 〔理事田沢智治君退席、委員長着席〕 私は三十年から三十四年に大学にいた、田舎の大学なんですが。国立ですから、あの当時大体月に五百円ぐらいだったと思います、前の言葉で言ったら月謝ということになると思うんですが。学校の費用です、五百円。県立高校が九百円ぐらいだったと思います。当然国の方から相当援助しておったのだと思うんですが、大変安い。校舎は非常に悪い。昔の兵舎の跡とか、そういう状況の中でやったわけです。 ただ、あのときに言えるのは、先生の数、つまり教授から助手まで入れまして先生の数と学生の数がほぼ同じぐらい。十名の先生陣に対して生徒が十二名、これが一つの科として勉強していく。だから、昼休みは同じように卓球をやったりというようなことも当然ありました。そういうようなものがだんだんふえまして、今聞きますと四十人ぐらいの学生がその同じような条件の中でやっているという話も聞いております。 そういうようないろんな問題がありまして、この問題はむしろ文部省だけで解決できない非常に大きな問題だろうというふうに思います。総理も大蔵大臣も入れて、あるいは各省庁大臣全部集まって、日本の教育、これは高等教育だけじゃないと思います、先ほどの、いろいろ小学校時代の教育というのは非常に人間に与える影響が大きいわけですから、そういう教育という問題について抜本的に考え直さなきゃいけない。ちょっと遅きに失したという感じもいたしますけれども、私はそういうような感じを持って皆さんの御意見を聞かせていただいておりました。 大臣、何か御意見がございましたら、お願いを申し上げたいと思います。
○国務大臣(鳩山邦夫君) すべて先生のおっしゃるとおりでございまして、遅きに失したと言えば確かにそのとおりで、もっと早くからこうしたことをやっておけたならばなという思いがいたします。先ほど御答弁申し上げましたように、ちょうど昭和五十五、六年という財政再建路線を定着させていく、シーリングも厳しくかけていくという段階で、教育という最大の投資、人づくりという最も国の基本の政策にまで何の特別の配慮もなくシーリングをかけ続けた結果が今日のような、宮澤総理のおっしゃるデメリット、私は弊害と思いますが、このような予算というか一つの教育の姿をつくってしまった。 ただ、この間、視察に行ったとき東大の有馬学長が私におっしゃったのは、でも鳩山さん、とにかく日本人はまじめで勤勉だと、日本人は優秀な国民だと私は思いますよ、もちろん留学生の問題もやってどんどん開かれた東京大学にしたいとは思うけれども、この老朽化した設備あるいは施設に優秀な人材がちゃんと来てくれているんだ、だからかわいそうなんだ、彼らにもっといい条件を与えたらどこまで伸びるかわからない、そういう人間がいっぱいいる、日本の大学へ行けばどこの大学も国公私立を問わず同じじゃないかと思うけれども、優秀な学生がいっぱいいる、設備は悪い、彼らの能力を完全に花開かせることができないのが残念だ、こういうことを有馬学長はおっしゃりたかったように私は思いました。 だから、一生懸命やらなければなりませんし、のんびり構えてもいけないと思いまして、平成四年度は、皮切りにこのような法律案で新しい制度をつくらせていただきたいと思っております。
○小西博行君 研究の施設が非常に悪いとか言うのですが、具体的に言いまして、例えばこういう灰皿の素材を分析する場合も昔は大変でした。まず、溶剤で溶かしていろんな試薬でもって色決めをしたりということで、何十時間もかかって分析してこのデータを出すわけです。ところが、最近は皆さん御承知のように放射光という光速のああいうものでやればすぐその分子がわかってしまう。だから、実験の一つの装置、つまり現状は一体どういうものかと調べるだけでも全然違います。 私なんか科技特ですから、ときどき調査にも行かせてもらうし、特に地元では県の工業試験場だとかというところのコンサルタントも大分やりましたが、非常に古いんですよね、国とか県が持っているやつが。ですから、いろんな会社へ本当は指導に行ったのだけれども、そこにあるすばらしいやつに感動して、何とすばらしいものだと、みんなびっくりして帰る。大体それが今までの私の経験の範囲です。 各大学の中でこういうものが欲しいんだということを具体的に内部で必ず予算要求をやります。各部屋ごとに予算要求して、そしてカットされながら、順位で決まっていくのですけれども、恐らくそういう設備の中に私は全部は入っていないだろうと思います。それだけに差がある、出てきたデータそのものが精度が違う。そういうことになりますと、なかなかその大学の研究機関、東大でそうでありますから、恐らく地方の大学に行きますと随分それはおくれておるだろう、そういうふうに思いまして、特に頑張っていただきたいというふうに思います。 時間の都合で次に入りますけれども、そういう意味で高等教育というのは非常に私も感心を持っておりまして、これは何とかして早く充実しなきゃいけないというふうに思うんです。 最近の新聞報道によく出てまいります国家試験や大学入試の不正受験、この問題をどのように文部省はとらえているのか。もうたびたびそういう問題が出てまいります。文部省も、我々文教委員のメンバーもそうでありますが、恐らく教育に関係する人はみんな、いい教育をしたい、いい研究の施設を持って、そして発展させたい、こういう希望があるんですが、どうもその辺はくあいが悪いという感じがいたします。それに対する対策というんでしょうか、あるいは処分の仕方とか、そういうものを明確にする必要が私はあるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(前畑安宏君) 今、先生の御指摘になった件は、例えば歯科医師国家試験の問題であったり、あるいは今盛んに伝えられております某大学の入試問題の漏えいの事件であろうかと思います。今回の伝えられておりますこの二つの事件というのは、大変遺憾なことに入学者選抜あるいは問題作成に参画をする立場の人がこれにかかわった、そこで不公正な行為があったということが大変重大な問題であるというふうに深刻に受けとめております。 歯科医師国家試験の件につきましては、既に厚生省側の試験委員としての立場についての処分も終わりまして、当該大学の方でも直ちに大学としての処分を行ったところであります。また、入試問題の漏えいにつきましても、これは目下捜査に入ったところでありますが、私どもとしては大学側に対して、これは御案内のとおり、教員の処分という問題は大学の自治の一番基本でございますので介入をするわけにはまいりませんが、適切な対応を求めているところでございます。
○小西博行君 医師の国家試験についてお尋ねいたします。 文部省の方から、医師の国家試験の合格率が七割を切った大学に対しては、私立大学等経常費補助金の特別補助のうちで、大学院の充実、医学、歯学研究科のみ、の増額措置をしない制度がある。つまり七割を切ったらそういう増額措置をしないというようなことが文部省の方で決められていると。したがいまして、大学によりましたら国家試験を受ける場合に全員を受けさせない。例えば、一つ単位が足りなければその受験資格がないわけですから受けられない。実際我々が新聞発表で見ますと、どこそこ大学八〇%、どこそこ七五%、こう出てまいります。合格のパーセンテージ、余り数字は変わらないんです。三〇%とか四〇%というのはないわけです。大変不思議に思いまして、いろいろ調べてみますと、今申し上げたように、どうも受験に値しないという、表現は悪いと思うんですが、受けさせても合格が非常に難しい学生に対しては受験させない。させないというのは、単位が全部そろわないわけですから、一応終わった後で単位を認定して九月に卒業させる。こういうことはこれも非常に大きな問題だと思うので、そういうことはどの程度認識されて指導されているのかお伺いします。
○政府委員(前畑安宏君) 御案内のとおり、医師法及び歯科医師法によりますと、医師、歯科医師の国家試験の受験資格は学校教育法に基づく大学において医学、歯学の正規の課程を修めて卒業した者と、こういうことになっております。したがって、医学部、歯学部を卒業しなければ受験資格がないということになっておるわけでございます。 先生の御指摘のように、国家試験に通る見込みがないから卒業をさせないのか、あるいは卒業できないのだから国家試験を受けられないのかというところは大変微妙なところでありますが、私どもとしては、国家試験を受ける能力云々よりも、大学としてこの学生はいまだ正規の課程を修めていないという判断のもとに卒業させていないというふうに理解をいたしておりますが、仄聞いたしますと、ただいま先生御指摘のようなことがあるいはあるのではないかということは、承知をしておるということになれば言い過ぎでございますが、仄聞をいたしております。
○小西博行君 能力がないから受験できない、例えば単位が足りないから受験できない、これは話としては非常に良心的だと思います、だけれども、実際に受験をしようとする高校生から見ると、あの大学は国家試験の合格率が七五とか八〇%だ、東大に限りなく近いではないか、こういうようなある意味では錯覚を持って何となくそこを受験する。そういうことを考えますと、これ何か偽りの結果になっているんじゃないか、そういうように私は思いまして、これは大臣も多少その方はおわかりだと思うんです。 現実問題として、高校生が実際に医者になりたいということで受験が始まるわけですけれども、よくそれは皆さんわかっているわけです。受験する人はよくわかっています。文部省が全然知らないということじゃないと思うんです。そういう意味で、その辺のところはもうちょっときっちりされないと困るんじゃないか。今はパーセンテージの出しょうがないんですね。さっきの七割の問題があります。大臣、どういうように思いますか。
○国務大臣(鳩山邦夫君) いろいろなこの間の不祥事のようなことがあって、これは深刻に受けとめなければならないと思いますし、今先生御指摘の私学助成の中で合格率が七割を切ったら事実上減額ということ、そういうような仕組みもあれば、またそれぞれの私学としての対応を考えるというようなこともあろうと思います。これはこれから大いに勉強をして、先生の御意見も十分承っていく中で、どういう認識を持ってどういうことを対処できるか真剣に考えなければいけないと思っております。 今の医師過剰とか歯科医師過剰という時代でございますから、これも大分見通しが違ったことなんでしょうが、医師、歯科医師という問題についても日本の高等教育全般と同じで、量的拡大ということに相当頑張ってきた、そのひずみが幾つかあらわれているんじゃないかなと思う部分があります。だから、医師の世界でも、歯科医師の世界でも、量的な拡大はもう必要ないんですから、質的な拡充ということを真剣に考えるべきだ。 前にもこの委員会でお話をしたんですが、医師、歯科医師等は全く違う適性試験というのが必要ではないかと。先ほどどなたかの御質問でお医者さんと患者さんの心の通いのような話がありましたけれども、単に技術的ではない、人間性のようなものがむしろ将来の医師像としては強く求められるんではないか。あるいは問題解決能力、知識とか暗記力による問題解決でない、いわゆる応用問題の問題解決能力のようなものは今までのような医学教育で得られるかどうかは疑問だというような説も欧米には既に相当広くあるというようなことを考えますと、新しい医学教育のあり方というものを探っていく中で、新しい、正しい医師、歯科医師のいわば育成の制度でしょうか、国家試験を含めて考えていかなければいけないと存じます。
○小西博行君 だれでも国家試験を通してやれという意味じゃなくて、医者は生命を預かるわけですから、きっちりとそれをやってもらいたい、いい医者をつくってもらいたいというのが私の気持ちであります。 それからもう一点、大学が、生徒の数がだんだん減ってきたりということで、何としても優秀な学生を入れたいということで、あるいは名前を売りたいという気持ちもございまして、スポーツの関係で今大きな問題になっておりますけれども、大変いろんな問題があります。いろいろあれも調べてみますと、個人個人がそういう不正事件を起こしたという結果にはなっているんでしょうけれども、やっぱり大学としての構造的ないろんな問題ではないか、そういうことがありますので、恐らくこれからもこの問題はいろいろ出てまいると思います。 私学の場合ですからいろんな特徴ある教育というのは非常に私はいいことだとは思っておりますけれども、どうもそういう不正という関係になってまいりますと、入試を漏えいするとかそういうことになるとちょっと問題は別になってくると思いますので、この問題に対しても文部省はきちっとしてもらわにゃいかぬのじゃないかというふうに思います。特に、文部省予算が多少でも入りますと、これは国費ということですから、いいかげんなことでやられたのではかなわないという気がいたします。その点はどうでしょうか。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 学生スポーツが盛んになることは大いに結構でございます。実はこの次に長野オリンピックの法律案を御審議願うわけで、昨日衆議院で審議をいたしましたが、その際に、例えば高校野球でも、選抜の今回の出場校で、準々決勝と言うんでしょうか、ベストエイトに残った八チームが全部私学ではなかったかと。それらの選手を調べてみると、私学ですからそういう問題は起きないんですが、いわば越境というか他県入学をさせている。つまり、相当スカウト活動がないと勝てるようなチームができないというような話で、そういういわば一つのやり過ぎのようなものが今先生御指摘のようなこととの同じ土壌のもとにありはしないかという御質問を受けまして、私もちょっと答弁苦しかったわけです。 つまり、スポーツを盛んにする、強いチームをつくりたいという私学の願いをむげに否定するわけにはいかない、若干のスカウト活動があってもそれを全面的に悪と決めつけるわけにはいかない。ただ、やり過ぎが出てくると、こういうものが噴き出して変な刑法上の事件まで起きてしまうということですから、その辺の節度というものはやはり求めていかなければならないのでしょう。
○小西博行君 以上で質問を終わります。頑張っていただきたいと思います。
○今泉隆雄君 ことしの一月十五日の朝日新聞の「論壇」で、国立劇場芸能調査室長の杉本隆一さんという方がこういうことを書かれています。「演劇と教育は、その目的とするところは異なっていても、古来生活伝承の中に息づき、はぐくまれてきた」「しかも、演劇は世界に範となる芸術的崇高性と伝統的洗練性によってこ非常に高く評価されている。「国は国立演劇舞踊大学を創設し、文化伝統の研究に光を当て、芸能伝統の伝承に手を貸すべきところに来ている。」、こう書いてあるんです。 今度のいろいろ大学の中の改組の中にも、全くこれは時代に合っていないという気がするんですけれども、何で国立大学に演劇専科、舞踊専科、映画専科、そういうような科がないのでしょうか。私立大学では日大とか早稲田、明治、桐朋、ここには演劇科というのがありますけれども、当然これはアジアのいろいろな諸国でも国立大学には必ず演劇、舞踊というのは入っています。どうして今まで文部省でこういう話が出ないのか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(前畑安宏君) 既設の大学について申し上げますと、ある大学がどういうふうな学科を新設したいかあるいは学部を新設したいかということは、これは当該大学の教育研究の方針に深くかかわることでございますので、私どもは、こちらの方からあなたの大学はこういう学部をつくったらどうですか、つくりなさい、こういう学科をつくったらどうですか、つくりなさいというようなことは申し上げてまいっておりません。基本的に大学の方で考えて私どもに相談がある。したがって、既設の大学について申し上げますと、大学においてそういうふうな検討がなされず、要望が出てこなかったということであろうかと思います。 また、全く白地に大学をつくる場合、例えば無医大県解消ということで多くの国立の医科大学をつくってまいりました。これは非常に国民的な要請、例の国民皆保険ということに関連をいたしまして医師不足ということが言われて国民的な課題として各方面から要請があって、それに政府としても対応してきたわけでございますが、演劇関係については今までそういうふうな御要請というのがなかったということではなかろうかと思っております。
○今泉隆雄君 大学からの要請がなかったにしても、同じ朝日新聞の中で、山田洋次監督が、ぜひやはり――これは戦後間もないときに、片山内閣のときに演劇大学名つくろうという話があったそうですが、これは立ち消えになっちゃいまして、その山田監督は、国立映画大学、国立演劇大学を大至急つくるべきだ、それがないというのは非常に情けない文化国家であるということをここで書いております。各大学からそういう科をつくりたいという要請がなくても、文部省として、音楽大学と美術大学はあるわけですから、演劇大学、舞踊大学、映画大学などをつくるというおつもりはないんでしょうか。
○政府委員(前畑安宏君) けさも難しい御質問がございましたが、現下の状況からいたしますと、既設の大学について先ほど来御質疑がございましたように多くの問題を抱えております。私どもとしては、なかなかこの段階で演劇について新しい大学を設置するという構想に具体に着手するというのは、諸般の情勢から非常に難しいと考えております。
○今泉隆雄君 私の希望としてぜひつくっていただきたいと思います。 次に、文化庁にメセナ担当官が認められたということが新聞でも載っていました。正式名称は芸術文化支援活動専門官というそうで、大変これは結構なことだと思うんです。例えばアートマネジメント担当養成なんというのも僕は大学でやらなきゃいけないと思いますし、ある大学では芸術経営学、芸術管理学なんという新学科の設置を考えている大学もあるそうですが、メセナ担当官というのは結局具体的にどういう仕事をされるんでしょうか。
○政府委員(野崎弘君) 突然の御質問でちょっと文化庁の担当官が来ていませんが、今、民間といろいろな形で文化の振興を図ろうということがございます。文化庁といたしましてもそれに大変力を入れているわけでございまして、その辺の連絡調整を担当する者として今回そのような官を設置した次第でございます。
○今泉隆雄君 それはわかりました。 これはちょっと変な質問なんですけれども、お茶の水女子大学に今度生活科学部という形の学部ができる。生活科学部といえば女子だけじゃなくて男もやっぱり勉強しなきゃいけないと思うんですけれども、お茶の水女子大学の「女子」という名称をそろそろ外して、やはり共学にして男子にも勉強させるようにしていただきたいんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(前畑安宏君) 女子大学が存在している意味ということにつきましては、私どもはいまだに男子と女子の進学率に格差があるということに意味があろうかと思っております。平成三年度で申し上げますと、これは四年制大学でございますが、四年制大学に対する男子の進学率は三四・五%、これに対しまして、同じ平成三年度、女子の大学への進学率は一六・一%という状況でございます。こういう状況からすれば、国立てお茶の水と奈良女子大学と今二つございますが、これが女子大学として存立している意味というものはまだあるのではながろうか、このように考えております。
○今泉隆雄君 わかったようなわからないようなあれですが、次に、国立学校財務センターのことでちょっとお尋ねしたいんですけれども、現在、大阪大学の医学部の移転跡地の財産を処分するというお話で、一千億を見込んでいるということを聞いておりますが、その後の計画というのはございますんでしょうか。
○政府委員(泊龍雄君) 大阪大学医学部跡地のほかにどういうものが今後処分が見込まれるかというお尋ねでございますが、時期的に今は確定的なことは申し上げられませんが、ただいま移転統合事業を推進しているものが幾つかございます。例えば大阪大学の同じく医学部の附属病院が現在推進中でございます。同様なことで、金沢大学あるいは広島大学といったようなものが現在移転統合事業を推進いたしておりますので、これらの移転統合事業が完了いたしますと、その跡地が不要となってまいるということで、これらのものが将来見込まれるところでございます。
○今泉隆雄君 先ほどから皆さんの質問で、いろんな研究施設、大学の校舎の老朽化の問題というのが出ておりますが、建築してからもう二十年以上、三十年たっている、そういう施設の改修を始めて、その改修が終わるまでにどのくらいの期間がかかるのですか、どうでしょうか。それと、大体どのくらいの金が総額かかるんでしょうか。
○政府委員(前畑安宏君) 今、国立学校全体で改築等が必要な施設は、平成二年五月一日現在の数字でございますが、約百三十万平方メートルとなっております。これを解消するためにどれほどの経費がかかるかということにつきましては、それぞれの大学等が要望する事業の内容も異なりますので、それによって工事費も異なってまいります。一概には申し上げられません。平成三年度実施ベースでごく概算で申し上げますと、百三十万平方メートルの改築に要する経費は約四千億円というふうに、ごく概算でございますが、そのように考えております。 また、そういうふうな状況でございますので、それを解消するためにある程度の期間を要します。期間を要しますとまた老朽化も進行してまいるということもございますので、解決するまでにどれくらいの年数がということについてもなかなか申し上げにくい状況がありますことを御理解いただきたいと思います。
○国務大臣(鳩山邦夫君) せっかくの政府委員の正確な答弁をまぜ返すわけではありませんが、つい数日前に、ある大学の学部増設のお祝いの式典に私は出たんです。いろいろなところで学部とか学科とかふえていますから、切りがないので、原則そういうものには出席いたしませんけれども、私が極めてふだんから親しいところでございますので参上いたしまして、立派なところでごあいさつをいたしましたときに、学振の会長であり、元京都大学の学長の沢田先生と隣でございました。沢田先生は、そのお祝いに行った学校とも親しくしておられるし、御自身が京都大学の学長であられたから、非常にそういうことに詳しくて、私に耳打ちされたのは、今度の新しい学部の設備、建物は国立大学が平均的にかけているお金のちょうど二・五倍なんですよ、やっぱりこれだけ金をかけるといいものができますねと、こうおっしゃったわけです。 先ほど基準の話もありましたし、あるいは今回の特別施設整備資金の対象はどこまでかという大変難しい質問に会計課長がなかなか巧みに答えておったわけですが、そういう点を考えまして、つまりどこまで長もちする立派なものを求めるかということを常に考えながら、緊急性、つまり一日も早くとにかく建物を建てかえてやらなくちゃならぬということと、いわゆる留学生が来ようと何が来ようと、これは大したものだと感激するような立派なものをつくるべきというのと、その辺の接点はなかなか難しい。ケース・バイ・ケースで判断をしなければならないかと思うけれども、とにかくこれは、先ほどから申し上げておりますように、例えば五年掛ける二百億の一千億というだけの話じゃないんで、これからも特定学校財産の処分というものは十二分に考えていきたいと思っております。 他面、学術研究予算の倍増計画というようなものが、科学技術会議からもあるいは各政党からも出てきているという段階でございますので、こうした一つの機会をとらえて、とにかく日本の高等教育をどこまで立派にできるかということの全力投球というか、ありとあらゆるチャンスをとらえてやっていく大事業だというふうに考えたいと思います。
○今泉隆雄君 最後に、もう一つだけお尋ねしたいと思います。 国立学校財務センターというのはいろいろ指導なさったり研究をなさるという話も聞いておりますけれども、文部省があって、財務センターがあって、そして大学がある。そして、やはり文部省が一括してそれをまとめていくというようなことになりますと、大学の自主性が守られるのかということが非常に心配なんですが、その辺はどうお考えになっていらっしゃいますか。
○政府委員(前畑安宏君) 私どもがこの財務センターというものを御提案させていただいておりますのは、むしろ各大学の自主性というものを保ちながら施設の整備を進めていく、そのためには文部省と大学の直接の関係ではなくて、間に国立学校財務センターというものを介在させた方が適切ではないか、このように考えたからでございます。 この財務センターは、国立学校設置法の機関でございまして、そこの教員の大事につきましては、附則でも措置をいたしておりますように、教育公務員特例法の準用機関ということになりまして、所長の人事、教員の人事もほぼ大学に準じて当該センターの自治によって行われる、こういうふうな仕組みをもって御提案をさせていただいております。 この財務センターを介在させることによって、大学の自主的な判断をより尊重できるのではないか、このように考えております。
○今泉隆雄君 これはもう質問じゃなくて、最後にお願いですけれども、大学の跡地の処分は、変に不動産屋的にならないで、やはりその近くの社会と相談しながらできるだけ公共利用をしていただきたいというふうにお願いして質問を終わります。
○委員長(大木浩君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大木浩君) 御異議ないと認めます。 本案の修正について高崎君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。高崎君。
○高崎裕子君 私は、日本共産党を代表して、本案に対し修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりです。 これより、その趣旨について御説明申し上げます。 国立大学の教育研究環境の荒廃、とりわけ切実な問題の一つとなっている老朽・狭隘施設解消のために特別施設整備資金を設けることは必要な措置だと考えますが、問題は、その財源が特定学校財産の処分収入に限定されていることです。これでは、老朽・狭隘施設の解消を抜本的に進めるとなれば、それに応じて大規模に大学の財産処分を行わなければならないということになります。 また、国立学校財務センターが国立大学に財務改善の自助努力を迫り、財産処分を促す機関として設置されることは、大学の自治権の侵害や国立大学の土地の切り売りにつながるおそれがあります。 修正案は、こうした政府案の問題点の是正を図るものですが、その概要は次の二つの柱から成っています。 第一は、国立学校財務センター設置に関する条項を削除することとしています。 第二は、特別施設整備事業の財源として、特定学校財産の処分収入だけでなく、一般会計からの繰入金をも充てる仕組みとしたことです。そのために、国立学校特別会計を当分の間、一般勘定と特別施設整備事業勘定に区分し、特別施設整備資金を特別勘定に設置いたします。その財源として、財産処分収入や借入金などとともに一般会計からの繰入金を充てることとしております。 我が党としましては、築三十年以上の老朽施設を基本的に五カ年で解消すべきと考えます。それに必要な財源として、財投資金からの借入金二百億円のほかに一般会計から初年度千三百億円の繰り入れを見込んでいます。 なお、学部改組関連では、神戸大、京都大の改革で一般教育が軽視される懸念や学内民主主義を尽くす点で不十分さを残したことなど問題点は少なくありませんが、修正の対象としていないことを申し添えます。 以上が本修正案の提案理由です。 何とぞ、委員各位におかれましては御賛同のほどよろしくお願いいたします。
○委員長(大木浩君) ただいまの高崎君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。鳩山文部大臣。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 国立学校設置法及び国立学校特別会計法の一部を改正する法律案に対する修正案については、政府としては反対であります。
○委員長(大木浩君) それでは、ただいまの修正案に対し、質疑のある方は順次御発言を願います。――別に御発言もないようでございますので、これより原案及び修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○高崎裕子君 私は、日本共産党を代表しまして、国立学校設置法及び国立学校特別会計法の一部を改正する法律案に対する修正案に賛成し、原案に反対する旨の討論を行います。 大学の教育研究環境の荒廃が大学関係者のみならず各方面から深刻な問題として指摘されています。その打開策として共通して強調されていることは、教育研究、学術予算について臨調行革のシーリングの枠を外し、関連予算を抜本的に増額する、高等教育に対する公財政支出を対GNP比で他の先進国並みにすべきだということであります。ところが、本改正案は、こうした大学危機打開の本筋から離れ、国立大学に自助努力を迫るものとなっています。 老朽・狭隘施設の解消事業については、特別施設整備事業の財源を大学移転跡地などの財産処分収入に限定しています。今日の事態に対応するには、特定学校財産の財産処分収入だけでは不十分であり、一般会計からの思い切った繰り入れが必要です。にもかかわらず、特別施設整備事業の財源について、特定学校財産の処分収入に限定することを法律上明記することは、老朽・狭隘施設の整備は財産処分収入で賄うのが基本という法的根拠を財政当局などに与えることになりかねません。しかも、財務センターによる特定学校財産の処分に当たっては、「国立学校の財務の改善に資する」と法律に規定されており、処分収入をできるだけ大きくしようとして民間への払い下げや土地信託などが優先される懸念があります。このため、地価抑制や緑地、公共用地確保などの国民的要求が軽視され、国土政策、地価対策などの面で否定的影響を及ぼすおそれがあります。国立大学の土地切り売り促進機関となりかねない性格を持つ財務センターの設置には反対せざるを得ません。 また、センターが財務改善に関する自助努力を迫り、大学の財産処分を促すことは、大学の自治権侵害につながる危険性を持っています。 相次ぐ大幅な学費値上げで国立学校特別会計に占める学生納付金の比重が年々増大する一方、一般会計からの繰入率は制度発足当時の八割台から六割程度に落ち込んでいます。国立大学の財務の困難の根本要因はここにあります。そこにメスを入れず、国立学校の自助努力を促す仕組みをつくることは、独立採算制をとるものではないとした国立学校特別会計制度の基本的性格に背き、その変質を進めることになります。 学部改組問題もありますが、総じて国立学校財務センターの設置を含む改正案に賛成することはできません。 以上で討論を終わります。
○委員長(大木浩君) 他に御意見もなければ、原案及び修正案に対する討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大木浩君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより国立学校設置法及び国立学校特別会計法の一部を改正する法律案について採決に入ります。 まず、高崎君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大木浩君) 少数と認めます。よって、高崎君提出の修正案は否決されました。 それでは、次に原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大木浩君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 小林君から発言を求められておりますので、これを許します。小林君。
○小林正君 私は、ただいま可決されました法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合、参院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 国立学校設置法及び国立学校特別会計性 の一部を改正する法律案に対する附帯決 議(案) 政府及び関係者は、次の事項について特段に 配慮すべきである。 一 国立大学における教育・研究基盤の現状に かんがみ、国立学校特別会計への一般会計か らの繰入れの確保を含め文教予算の充実に努 めること。 二 国立学校財務センターが大学における教育 ・研究環境の整備充実を目的に設置されるも のであることにかんがみ、その業務の遂行に 当たっては、各大学の自主性を尊重するとと もに、公正・適切な運営に努めること。ま た、跡地等の処分に当たっては、地域社会と も協調しつつ、公共的利用を優先するよう十 分に配慮すること。 三 新たな時代の要請にこたえる大学院の研究 ・教育体制の質的向上を図るため、学位授与 の円滑化のための積極的施策を講ずるととも に、奨学金制度の改善充実及び特別研究員制 度の拡充に努めること。 四 特定大学偏重の社会的風潮を是正するため に、地域の国立大学の特色ある発展を目指し た教育・研究体制の整備に努めること。 五 大学入学者選抜の在り方については、受験 生の立場に配慮しつつ、一層の改善のために 最大の努力をすること。また、生涯学習の観 点から、社会人の大学、大学院への積極的 な受入れに必要な諸条件の整備に努めるこ と。 右決議する。 以上でございます。
○委員長(大木浩君) ただいま小林君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大木浩君) 全会一致と認めます。よって、小林君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、鳩山文部大臣から発言を求められておりますので、これを許します。鳩山文部大臣。
○国務大臣(鳩山邦夫君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと考えております。
○委員長(大木浩君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大木浩君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十分散会 ―――――・―――――