農林水産委員会 第5号
- 発言数
- 295 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1992/04/07
会議録
○委員長(永田良雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨六日、猪熊重二君、一井淳治君、大渕絹子君及び谷本巍君が委員を辞任され、その補欠として及川順郎君、浜本万三君、喜岡淳君及び会田長栄君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(永田良雄君) 去る三月二十五日、予算委員会から、四月七日の一日間、平成四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管及び農林漁業金融公庫について審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 まず、田名部農林水産大臣から説明を求めます。田名部農林水産大臣。
○国務大臣(田名部匡省君) 平成四年度農林水産予算の概要を御説明申し上げます。 平成四年度一般会計予算における農林水産予算の総額は、関係省庁所管分を含めて、三兆三千百十八億円となっております。その内訳は、公共事業費が一兆七千五百二十五億円、非公共事業のうちの一般事業費が一兆二千百七十二億円、食糧管理費が三千四百二十一億円であります。 予算の編成に当たっては、財政及び行政の改革の推進方向に即し、予算の重点的かつ効率的な配分により各種施策の充実を図り、農林水産行政を着実かつ的確に展開できるよう努めたところであります。 以下、予算の重点事項について御説明します。 第一は、二十一世紀に向けて先進的農業を育成することであります。 このため、高品質・高生産性農業の育成を目指す総合的な生産対策として、先進的農業生産総合対策と畜産活性化総合対策を発足させます。また、畑作農業振興対策の充実を図るとともに、環境保全型農業を推進します。さらに、水田農業確立後期対策を着実に推進します。 第二は、農業生産の体質強化を目指した構造政策を積極的に推進することであります。 このため、農外からの新規参入青年を含む青年農業者の育成確保等を図るための農業改良資金の拡充、農業構造改善事業の推進を図るとともに、連担的な作業条件の形成と担い手への農地の利用集積を図ります。また、農業生産基盤の整備については、生産性の向上、農業生産の再編成等に重点を置いて事業を推進します。 第三は、農山漁村の生活の質的向上と活性化を図ることであります。 このため、景観形成、環境保全等に配慮した農山漁村の整備を行う美しいむらづくりを推進しま す。 また、集落排水施設、農道等都市に比べて立ちおくれている生活関連の社会資本の整備を推進します。 さらに、山村・過疎地域等における定住条件の総合的整備を推進するため、新たな山村振興・定住事業を発足させます。 第四に、技術の開発、普及と情報化の推進であります。 農林水産業や食品産業の生産性の向上等に資するため、イネゲノム解析研究、生態系調和促進型農業生産技術の研究開発を初めとする研究開発を実施するとともに、先進的技術の実用化とその普及を推進します。 また、農林水産業・農村地域等における情報化を推進するとともに、農林水産行政の推進に資するため、各種統計情報の整備を図ります。 第五に、国民に健康で豊かな食生活を保障する観点から、消費者への情報提供業務の充実、規格・表示の適正化等消費者対策を推進するとともに、食糧管理制度の適切な運用等により、農産物の需給と価格の安定に努めます。 第六に、食品関連産業の振興と輸出促進対策について申し上げます。 まず、消費者ニーズの多様化、高度化、流通コストの上昇等に対処するため、食品流通の総合的な構造改善対策を推進するとともに、ふるさと食品の開発販売対策の強化等を通じた食品産業の振興、食品関係廃棄物のリサイクルによる環境対策を推進します。 また、アンテナショップの設置等により、品質的にすぐれた国産農林水産物の輸出促進を図ります。 第七に、地球環境保全対策と国際協力の推進であります。 熱帯林の減少、砂漠化の進行等の問題に対処するため、地球環境保全対策を拡充するとともに、多様化、高度化するニーズに対応した農林水産分野の国際協力を推進します。 第八に、森林・林業施策に関する予算について申し上げます。 多様な森林の整備と国産材時代の実現に向けた条件整備を図るため、森林整備事業計画及び第八次治山事業五カ年計画を策定し、造林・林道事業及び治山事業を計画的に推進するとともに、松くい虫防除等の松林保全総合対策を実施することとしております。 また、林業・山村の活性化と担い手の育成確保、国産材の流通体制の整備と木材産業の体質強化に資するよう、各般の施策を実施してまいります。 さらに、国有林野事業については、新たな経営改善計画に基づき、その経営改善を推進します。 第九に、水産業施策に関する予算について申し上げます。 二百海里体制の定着、公海漁業に対する規制の強化等に即応し、漁業生産基盤の整備と漁村の生活環境の改善を図るため、漁港及び沿岸漁場の計画的な整備を推進します。 また、我が国周辺水域の漁業の振興を図るため、資源管理型漁業及びつくり育てる漁業を推進するとともに、これらに資するよう、マグロの養殖技術等の水産新技術の開発を進めます。 さらに、水産資源保護・環境保全対策、漁協・水産業の経営改善、水産物の流通消費、加工対策等の各般の施策を推進します。 以上申し上げましたほか、農林漁業金融の充実、農林漁業協同組合の体制整備を図るとともに、農業信用保証保険制度、農業者年金制度、農業災害補償制度等の適切な運営に努めてまいることとしております。 次に、特別会計予算について御説明いたします。 食糧管理特別会計においては、管理経費の節減等に努めつつ、一般会計から調整勘定へ所要額の繰り入れを行うとともに、その他の各特別会計についてもそれぞれ所要の予算を計上しております。 最後に、財政投融資計画については、農林漁業金融公庫による資金運用部資金等の借り入れ、生物系特定産業技術研究推進機構への産業投資特別会計からの出融資等総額八千六百六十七億円を予定しております。 これをもちまして、平成四年度農林水産予算の概要の説明を終わります。
○委員長(永田良雄君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○喜岡淳君 おはようございます。社会党の喜岡淳であります。 きょうは大臣初め局長の皆さん、よろしくお願いをいたします。また、警察の方にも来ていただいておりますが、よろしくお願いいたします。 まず最初に、農水省の平成四年度の予算の中には中央競馬会に関係する国庫納付金の問題等々が含まれておるわけであります。最初に、農水大臣にお尋ねをいたしますが、農水省は、日本中央競馬会、いわゆるJRAに対する監督指導官庁であると思います。そういう意味では手抜かりなく指導監督の業務をやっておられるのかどうか、このことについてまず最初に大臣のお答えをいただきたいと思います。間違いございませんか。
○国務大臣(田名部匡省君) 十分慎重に監督をいたしております。
○喜岡淳君 では、畜産局長に具体的なお尋ねをいたします。 ことしの一月二十八日に私は中央競馬会を訪れました。その際、昭和六十一年六月十一日の件についてお尋ねをしております。 当時、日本中央競馬会の佐藤雄三理事、野村場外調査室長、山口進同次長が高松の場外馬券売り場の予定地の地元有力者二名と会った際に、予定地周辺の四つの自治会、中川原、桜ケ丘、田村北、松並、この四つの自治会の過半数の同意が得られれば設置に進む予定であると発言したことが事実なのかどうか、これを一点聞きました。もう一点聞いたのは、抜き打ち的な起工式はしないという約束をしたのは本当か違うのか、この二点についてお伺いをいたしました。 そして、この二点については、当時のことだから調べてみなければ答えはできないと、北原調査室長のお答えでございました。調べて後からきちんと報告をいたしますと言って別れたのが一月二十八日です。きょうは四月の七日でございますが、今なお何の返答もございません。 そこで、私は農林水産省の競馬監督課の方に直接このことを抗議いたしました。あなたはちゃんと監督業務やってないじゃないか、監督業務をきちっとやっておるというのならすぐ私のところへ返事するように言えと。監督課の方は、わかりました、私が責任持って返答させますと言って帰って、きょうが四月七日。まだ何も返事ないじゃないですか。これで監督官庁の仕事をやっておるという今の大臣の答弁はどう理解するんですか。ここに座っているでしょう、約束した人が、農水省の。監督官庁として責任持ってやると私に言った人がこの中に座っているじゃないですか。
○政府委員(赤保谷明正君) 今、先生から場外馬券場設置の承認手続の過程におきまして地元の四つの自治会の承認をとるように、あるいは抜き打ち的な……
○喜岡淳君 経過はいいですよ。
○政府委員(赤保谷明正君) はい。 先生今お話がありましたことにつきましては私どもの方から……
○喜岡淳君 監督業務をやっているかいないかだけ言ってください。
○政府委員(赤保谷明正君) 競馬会の担当理事によく先生のお話を伝えております。
○喜岡淳君 いつ返事いただけますか。それを答えてください。監督指導というのはちゃんといつまでに答えを出しますと、それを言ってください。子供の使いですよ、そんなものは。
○政府委員(赤保谷明正君) 御返事をしていないとすれば遺憾なことでございまして、可及的速や かに返事を差し上げるように指導いたしたいと存じます。
○喜岡淳君 ちょっと時間を延ばすような答弁はやめて、いつまでにしていただけるかと聞いたんですから、いつまでにやると言ってください。いつしていただけるか。もう三カ月以上たっていますよ。
○政府委員(赤保谷明正君) 向こうというか競馬会の方の事情もあろうと思いますが、できるだけ早く調整をいたしまして御返事をするようにいたしたいと存じます。
○喜岡淳君 そういうお答えは去年もいただいております。去年も私はすっぽかされたままなんですよ。だから、何日と言って答えてください。信用せいと言ったって信用する方がばかじゃないですか。去年もだまされて、ことしもだまされて。日にちを答えてください。
○政府委員(赤保谷明正君) まことに申しわけございませんけれども、できるだけ早い時期に御返事をするようにいたしたいと存じます。
○喜岡淳君 できるだけ早くというのは、一番早いのはこの後すぐだろうと思いますので、ぜひ今度は約束を必ず守っていただきたいと思います。 次に、農水大臣にお尋ねをいたします。 場外馬券売り場が昭和二十年代にスタートして、今日では全国で二十二カ所にまで広がってきております。どんどんどんどん設置してきておる、建設しておる理由、どういう理由で次々こういうふうに建ててきておられるのか、それについて農水省の見解を確認させていただきたいと思います。
○政府委員(赤保谷明正君) 場外馬券場の設置につきましては、私どもとしましては、中央競馬会の方から申請がありましたときに、その申請の内容を審査して、それで決めていくということでございます。
○喜岡淳君 これまでの国会答弁の会議録を繰ってみますと、場外馬券売り場は、全国各地方に存在するファンに対して、特定の地域へのファンサービスに偏ってはならないから、ファンの公平なサービスのために設置をするというのが典型的な御答弁の一つだと思います。もう一つは、場外馬券売り場を設置することによってのみ行為の防止に役に立つんだと、こういう答弁も頻繁に行われております。私は主にこの二つが農水省の御見解だろうというふうに承っておるわけであります。 さて、農水大臣にお尋ねいたしますが、場外馬券売り場はのみ行為の防止に有効なのかどうなのか、国会でたびたび答弁されておりますが、改めて御確認したいと思います。
○政府委員(赤保谷明正君) のみ行為につきましては、そもそも違法行為でありますために本来秘密裏に行われるものでありまして、その実態を把握することはなかなか難しいと考えるわけですが、そのことをもって場外馬券売り場の設置とのみ行為防止に因果関係がないと結論づけることもできないのではないかと考えておるところでございます。 場外馬券場が設置されるということは、その地域周辺の競馬のファンにとりましては合法的で身近に馬券を購入することができるということになりますし、もし仮にその地域にのみ行為があったとすれば、場外馬券場ができればそういうのみ行為が消滅するとかあるいは限定的なものになるとかいうことが考えられまして、のみ行為の防止に効果があると考えるのが常識的ではなかろうかというふうに考えております。 さらに、そういうような観点から、昭和五十四年のいわゆる吉国答申におきましても、場外売り場の設置についてはのみ行為の防止にも効果があると思われ云々ということが明記されておる、そういうように考えております。
○喜岡淳君 検察庁の方にお伺いをいたします。 最近十年間の競馬におけるのみ行為検挙事件数、また検挙された人数、こういったものの実績はどういうふうに推移してきておりますか、お伺いしたいと思います。
○説明員(坂東自朗君) 昨年中の公営競技に関する法令違反のうち、競馬に関するいわゆるのみ行為の検挙は、検挙件数で四百二件、検挙人員で二千二百三十七人となっております。 過去十年間の推移を見てみますと、十年前の昭和五十七年は件数で八百二十二件、人員で三千三百九十七人となっておりまして、その後昭和六十一年までは検挙件数で七百件前後、検挙人員で三千人前後で推移しておりましたけれども、昭和六十二年には四百三十四件、千九百三十九人と減少しております。その後検挙件数はやや減少傾向にあるものの、検挙人員につきましては再び増加傾向にあるというところでございます。
○喜岡淳君 よく推移がわかりました。 ところで、警察庁の方にお伺いをいたしますが、場外馬券売り場がのみ行為防止に有効であるという考え方について警察庁はどういうふうに判断されておりますか。のみ行為の防止に場外馬券売り場が有効だというふうにお考えになっておるのかどうか、お尋ねいたします。
○説明員(坂東自朗君) 場外馬券場の増減とそれからのみ行為違反の増減の関係につきましては、警察といたしましては、そういった関連を示す資料がございませんので、何とも申し上げられないということを御理解いただきたいと思います。
○喜岡淳君 摘発する最前線で御苦労いただいております。いわばプロの警察の方としても、そういった因果関係は立証できない、立証する資料すらない、こういう見解でございましで、農水省の見解は私はにわかに信じがたい、こういうふうなことがこの委員会で今明らかになったと考えております。 しかも、この場外馬券売り場の実態を考えたときに、依然として暴力団の有力な資金源であると、これは警察庁保安課の昨年の衆議院農水委員会での公式な御答弁でございます。 平成二年の公営ギャンブルがのみ行為六百五十一件ございましたが、うち暴力団の競馬によるのみ行為は三百三十八件、五二%。つまり公営ギャンブルにかかわるのみ行為の中の過半数は暴力団が競馬でしかもやっておるというのが調査の結果でありますが、これはまたまた氷山の一角と、こういう事実について指摘をしておきたいと思います。 さて、そこでお尋ねをいたしますが、こういった場外馬券売り場のもたらすさまざまな諸問題、こういうことがあるがゆえに、公営ギャンブルといえども、私は当然の制限、限界というものがあるだろうと思います。きのうの夕刊、けさの朝刊で御存じのように、元巨人軍の柴田選手、あれは単純賭博罪で逮捕されておりますから、いわゆる刑法で言うと百八十五条の適用だろうと思います。刑法百八十五条、百八十六条では賭博について禁止をいたしております。禁止なんです。 我が国は法治国家ですから、法律の精神に基づいてすべてが運営されなければなりません。しかし、公営ギャンブルについては、さまざまな法律をつくって、公営ギャンブルだと言ってそこだけ枠を外してきておる。しかし、公営ギャンブルだろうが何だろうが、公営がつこうがつくまいが、あくまでも賭博罪という法律がある以上、おのずと公営ギャンブルといえども制限があってしかるべきだ。もし制限がなければ、無制限に公営ギャンブルをやるならば、賭博罪そのものがもう意味がなくなってしまうわけですね。私はそういうふうに考えておりますが、農水大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
○政府委員(赤保谷明正君) 一般的に禁止をされております賭博を特別に解除するわけですから、おのずと制限を課しておるわけでございまして、競馬につきましても、開催場所あるいは開催回数、そういうものについては省令で制限をしているところでございます。
○喜岡淳君 やはり一定の制限が必要だというのが今のお答えだったと受けとめております。 ここで、農水大臣にこれはお答えをいただきたいんですが、去年の農水委員会で、これは衆参の農水委員会でありますが、当時の近藤大臣が、場 外馬券場の設置については現状のままでいきます、いろいろ基準とか手続のルールとかそういったものが不明確なところがあるとすれば、これはやっぱりきちんとした基準について検討しなければならないだろうと明確な御答弁をされております。衆議院で二回、事務当局に指示を出すつもりでございます、基準なりを検討させていただきたいと。三回目は参議院のこの席上で私に対して、手続上の問題の基準について検討したい、例えば住民同意などと具体的なお約束をしていただいております。 そこで、あのお約束からもう一年たちました。検討状況がどう進んでおるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(田名部匡省君) ことしに入りましてからも二回開催をいたしておるようでありますが、お話のことは近藤前大臣がそのようにお話をされたということを聞いております。これまでもこの設置承認の際、それなりの基準はあったろうと思います。どうも私は競馬のことはもう全くわからぬものですから、申しわけないんですが、ただ、去年の経緯等も踏まえながら、このことはどういう基準にすればいいのかということは検討してもらっております。
○喜岡淳君 局長に具体的にお尋ねをいたしますが、検討を二回ほどされたというお答えでありますね、今。ことしに入って二回。去年はしてないんですか。
○政府委員(赤保谷明正君) 承認の基準につきましての検討状況でございますけれども、昨年来国会でいろいろ御議論ございまして、今、有識者からいろんな意見を聴取したり、過去の事例の整理をしたり、資料の収集等を行っているところでございます。また、中央競馬会におきましても、独自に場外発売所のあり方に関する検討会をいたしておりまして、私どもの方でもオブザーバーというような形でそこにも出席をいたしております。 いずれにしても、場外馬券売り場の設置につきましては、現実の問題としていろいろ御議論がありますので、そういう議論を踏まえまして慎重に対応していく考えでございます。
○喜岡淳君 附帯決議も衆参行われておりますし、大臣も三度にわたって委員会の場所で約束をされておる問題でございますから、早急に農水省としての基準についてのまとめをしていただきたいというふうに思います。 その際にぜひ検討にのせていただきたい、少なくともこれは検討しなければならないだろうという重要な要素が私は二つあると思います。 一つは、場外馬券売り場をつくる場所、いわゆるどこでもいいのかどうかという設置基準ですね。それからもう一つは、これが全国各地の賛成、反対の最大の温床となっております、不透明の温床になっておる自治会長の同意をもってオーケーとするこのやり方ですね。手続の問題です、設置の手続。この二つが少なくとも私は早急に検討のテーブルにのるべき課題だというふうに思いますが、お手元に公営ギャンブルの比較の抜粋というものをつくりましたので配付をさせていただきました。これをもとにして今からお願いを幾つかしてみたいと思います。 まず、場外馬券売り場の設置基準です。 競輪、オートレース、モーターボート、これらの公営ギャンブルはいずれも設置基準が明文化されております。規則あるいは告示という形ではっきりしたものがございます。すべて共通するのは、「学校その他の文教施設及び病院その他の医療施設からの相当の距離を有し、文教上又は保健衛生上著しい支障をきたすおそれがないこと等」、極めて明快です。競馬監督課はいつも、病院があっても学校があっても関係ないと言うんです、そんなものは。明文化されてない、風俗営業と違うと言うんですよ。何が関係ないんですか。どうして競馬の場外馬券売り場だけがこういった基準がないんですか、設置基準が。そこについてお答えください。
○政府委員(赤保谷明正君) 私ども、今の承認に当たっての基準、御存じのとおり、地元の同意、町村の場合は町村長、市の場合は関係町内会、それから警察とのいろんな協議、建築確認は当然でございますが、そういうものを見て審査をいたしておるわけでございます。 その際、病院あるいは学校についての同意は必要とは今いたしておりませんが、その学校なり病院の場所だとか、あるいは場外売り場の規模、そういう関係から病院、文教施設、そういうものについても審査に当たって考えていると。関係ないとは申し上げてなかったと思いますが、前局長の国会の答弁でも、それは審査の過程で判断をしていくというお答えをしていると思います。
○喜岡淳君 はっきり言ってくださいね。ここに座っておる人の中に、私、それで大げんかした人おるじゃないですか、関係ないと言ったから。思い出してくださいよ、知らぬ顔せぬと。関係ないと言ったじゃないですか、あなたは。違いますか。聞いていませんか、あなた。ほら、あなた動かなくていいよ。何で動いておるんだよ、あなたは。あなたが言ったんじゃないか。
○政府委員(赤保谷明正君) 地元との調整につきましては、今申し上げましたように、地元の町内会、影響の大きい町内会の同意を得るという形で調整をいたしておるわけでございますが、国会でもお答えを申し上げているように、文教施設、病院等につきまして無視するとかいうことではございませんで、場外施設の設置の場所、規模、それと病院なり学校との関係、そういうものも審査の対象にしておるということでございます。
○喜岡淳君 皆さん方はそう言って答弁のときはうまく言うけれども、役所へ行って、地元の人が陳情に行ったり、我々が役所に行ったら、関係ない、そんなものは何も書いてない、土地利用計画の中で勘案しておるからという答えですよ。関係ないと言う、いつも。 私はそうは思いません。申請が上がってきた時点で検討しておると。そんなものはオートレースだろうが競艇だろうが一緒じゃないですか。地方自治体がやっている地方公営ギャンブル、これだって申請が上がってきたら地元に病院があるのかないのか当然検討しておるのに、明らかにこうやって規則とかその上に告示とかでさらに明文化しておるんですよ。 これは設置基準を明確にすることによって、公営ギャンブルといえども、ギャンブルであるが、そこはそのかわりきちっとやりますよと、地元の同意を得て。その公共性の担保じゃないんですか、これは。どうして中央競馬会、地方競馬会、馬の場外馬券発売所だけがこのことを明記しないんですか。他の公営ギャンブル、書いているじゃないですか。納得いく答えください。よそは決めているじゃないですか、はっきり。
○政府委員(赤保谷明正君) 私の方の地元との調整につきましては、先ほどお答えを申し上げたとおりでございますが……
○喜岡淳君 いやいや、設置基準を聞いておるんですよ。
○政府委員(赤保谷明正君) それで、設置基準につきましては、今、先生からお話がありました各種公営競技についての基準がございます。それで、今、基準についてお話し申し上げましたように検討しているところでございまして、当然、今のような各種公営競技の設置基準についての基準ですね、そういうものも参考にさせていただきながら検討してまいりたいというふうに考えております。
○喜岡淳君 ぜひそのお約束は守っていただきたいというふうに思います。といいますのは、この場外馬券売り場の設置基準、どこでもここでも設置していいのかどうか、この問題でございますが、これは一々法律とか何を言わなくても、農水省がやる気になれば他の省庁並みに規則とか告示ということですぐできる問題ですよね。そんな大げさな問題じゃないじゃないですか。 そういう意味で、私はすぐこれはやっていただきたい。すぐやろうと思ったらできることですよ。やらないから何か他意があるのかというふうに思うわけです。すぐにこれは検討のテーブルに のせていただきたい。そのことをお願いしておきたいと思います。 それから、二つ目の検討をお願いしたい問題は、地元の住民の意思をどういうふうに反映さすのか、この設置手続の問題であります。 農水省の指導では、場外馬券売り場をつくる際に、地元の同意について、町や村につくるときは町長さん、村長さんの同意、市につくるときは市長さんじゃなくて自治会長さん、町内会長さんになっていますよね。こんなのは不合理甚だしいんじゃないですか。どう思われますか。
○政府委員(赤保谷明正君) 場外馬券場の設置に当たって、やはり地元に受け入れてもらうということが重要でございますので、地元の調整をしているわけですが、その際、今お話がありましたように、町村につきましては、その地域、その区域が一般的に、その広がりから町村を一体としてとらえまして、町村長の同意をもって調整を下したという取り扱いをいたしておりますし、それで市の場合には、一般的にその区域が町村に比べて広いというようなこともありまして、ある地点に場外馬券売り場を設置しても、ほとんど影響のないような地域もその市の区域の中にあるということで、地元の町内会の同意をもって地元の調整ということにいたしているわけでございます。
○喜岡淳君 まあ、同じ答えをいつもされておりますが、私が言いたかったことは何かといいますと、首長と自治会長、町内会長も全く違うということでしょう。全然関係ない人じゃないですか。町長さん、村長さんは公選されております。町内会長さんはたまたまそこにおった人が順番になる、あるいはくじ引き。 権限について言っても、町長さん、村長さんは地方自治法など法律上認められた行政権限を行使できるわけです。だから、場外馬券売り場が来ることによって、雑踏が起きたり、交通渋滞が起きたり、ごみが出たり、子供の通学に影響が出たりしたときも、行政権限を行使してこの問題を解決できるからこそ、設置について同意する権限を与えられるんでしょう。自治会長さん、町内会長さんは何もできないじゃないですか。責任持て、おまえが判こ押したんだから責任持てと言われたときどうするんですか。もうやめる限りしかないですよ。行政長ではないから行政責任が負えないでしょう、町内会長さんは。 したがって、高松市のこれは「自治会長の手引き」というのがあります。皆さん方は高松の予定地で自治会長の判こをもらったから同意を得たと言っておる。地元の住民の合意を得たと言っておる。これ読んだらはっきり書いているじゃないですか。 「自治会長の手引き」、「自治会は、戦後の民主社会の中で生まれた住民による自主的な任意団体であり、行政とは全く別の団体です。」と。この自治会長の判こをとって地元の合意を得たと言っておるんです、あなた方は。 ですから、そういう意味では、検討していただきたい二つ目の問題は、全く権限の違う町長さん、村長さんと自治会長さん、町内会長さん。そうではなくて、市においても、せめて横並びで市長さんの同意を市の同意とする、市民の同意とすると。そういうことであれば私は理解ができるわけですが、ぜひこの点についても検討のテーブルにのせていただきたい。手続の問題です。どうでしょうか。
○政府委員(赤保谷明正君) 市にありましては、ただいま申し上げましたように、町内会長の同意書を基本としているところでございますけれども、例えば……
○喜岡淳君 のせられるかのせられないかだけ言ってください、テーブルにのるか。
○政府委員(赤保谷明正君) 平成二年の五月に中央競馬会が設置を断念いたしました岡山市の場合、そういうようなときには該当する市長さんあるいは市議会において明確に反対の意思表明があったわけです。そういう場合には、これを十分尊重した対応を行うよう競馬会を指導しているところでございます。
○喜岡淳君 はい、わかりました。 それじゃ、最後に大臣にお願いをしたいと思います。短いお答えをいただきたいと思います。 今、局長のお話の中では、設置基準については他の公営ギャンブルも参考にして検討してみたいというお答えがございました。それで、この地元の手続の問題として、市についてもせめて町長さん、村長さん並みの、横並びの合理的な、賛成派だけをねらい撃ちしたなどと言われないような客観的な基準をつくっていただきたいと思いますが、お答えをお願いします。
○国務大臣(田名部匡省君) 基本的には今議論なされたことを十分踏まえながら決めていただきたいと思いますし、地域によっては、私たちの方でも間々あるんですが、市といっても農村地帯で、国道沿いで、全く影響のないようなところもあるんですね。ですから、場所場所によって賛成、反対は起きるんだろうと思います。その辺も踏まえて、どういうことがいいのか慎重に決めてもらうように私の方からもお願いしておきます。
○喜岡淳君 ありがとうございました。 終わります。
○会田長栄君 日本社会党に所属している会田でございます。 私は、農水省が重要な施策として長期にわたって取り組まれておりますところの国営総合農地開発事業問題について、簡潔に質問をいたしますし、当然私の時間は限られておりますから、簡潔明瞭にお答え願いたいとお願いしておきます。 その一つは、この国営総合農地開発事業の目的というものは何であったんですか、改めて聞かせてください。
○政府委員(海野研一君) 国営総合農地開発事業と申しますものは、未墾地から集団的な優良農用地の造成を行います農地開発事業、それから既耕地の区画整理事業、農業用用排水事業の受益地が錯綜、隣接している場合に、これらの事業を一体的に行って、経営規模の拡大等による中核農家の育成と、これを通じての生産性の向上などに資することを目的とした事業でございます。
○会田長栄君 これは、農地開発事業の問題あるいは農業用用排水事業の問題、それから今申し上げられたような大目的があったわけでありますね。 これは目的どおり進んでおりますか。
○政府委員(海野研一君) かつて食糧増産時代にいろいろなことで外延的拡大ということでいろいろやっておりましたけれども、ここ二十年ぐらいはそのような形での規模拡大、中核農家育成というような観点から事業がなされておると承知しております。
○会田長栄君 この目的のもとに始められて、平成三年度までに完了した指定地区というのが三十五ありますね。北海道、沖縄除きましてありますね。これはおたくが発表していることでありますからそのとおりだと思います。まあ内地と、こう言った方がいいでしょう、北海道と沖縄を除けば。 この問題について、工期の期間、この目的に沿って工事をやって、最も長かった期間と最も短かった期間というのはどことどこだか、ちょっと聞かせてください。
○政府委員(海野研一君) 一番短かったものについてちょっと資料がないのでございますけれども、一番長かったものは秋田県の能代地区で、昭和四十二年に始まりまして平成元年まで続いた事業がございます。
○会田長栄君 大変長いんですね。 そこで、お尋ねしたいのは、大体この三十五地区は平成三年度までに完了しているわけですね。そこで、いわゆるこの事業によって開かれた土地というのは広大な面積になっているわけであります。七百八十八ヘクタールというものが達せられている。その三十五地区の平均の総事業費というのは一地区当たりどのぐらいになっていますか。それは正確でなくてもいいですから、約で。
○政府委員(海野研一君) 平均いたしますと一地区当たり約百億円でございます。
○会田長栄君 莫大な金が投資されているわけでありまして、それは三十五地区というのは完了しているわけでありますから、この目的のように、農業に意欲が持たれて、今日、大変生産性向上も進んでいて、農業の後継者も出てまいりまして、大変な地域活性化につながっているものだと私は見ていたんですが、しかし実際は違うんですね。なかなかやっぱり問題を多く残しているという現状にあります。 そういう意味で、私がこの問題を聞いたのは、実は私どもの県に関連をするところの国営総合農地開発事業の問題で、実は福島県というのは四カ所指定をされて今日事業を続けているわけですね。その四カ所というのはどことどこですか、ちょっと言ってください。
○政府委員(海野研一君) 福島県の四カ所の総合農地開発事業は、母畑地区、雄国山ろく地区、矢吹地区、郡山東部地区の四カ所でございます。
○会田長栄君 この四地区に昭和四十二年以来投入されている総資金額というのはどのぐらいですか。
○政府委員(海野研一君) 現在の計画によりますと、一番大きな郡山東部地区が六百八十四億円、一番小さな雄国山ろく地区が二百二十一億円ということになっております。
○会田長栄君 莫大な事業費が投資されてもなかなかうまくいかないという状況に今日来ていますですね。だから、工事着工以来、昭和四十二年でありますから、もう二十四年になる。この事業がこれから引きずられる問題というのは約三十五年かかると、こう言いますね。これは一世代ではこの事業は終了しない、二世代でも危ない、こういう問題が今日出ているものですから、幾つがこの点についての問題について簡潔にお尋ねいたします。 とりわけ、四地区ありますけれども、母畑地区の問題についてお伺いいたします。 一つは、この事業は関係二市四町村で行われているわけでありますから、当然この事業を行う場合には同意書をとって今日までやってきたことだけは事実であります。そういう意味におきまして、この地域における開発というのはどのぐらいの進捗率でございますか、今。
○政府委員(海野研一君) 平成三年度までで七七%の進捗になっております。
○会田長栄君 この事業の目的というものを先ほど私は聞きました。しかし、七七%、平成七年度までかかって事業が完了するという、そういう先を見通したにもかかわらず、現実はこの地域なかなか難しゅうございますね。本来であれば、目的どおりいけば今ごろ、千五沢ダムというまことに大きいダムがあるわけでありますから、今ごろ広大な地域にわたって大変満々として水がたたえられて、バラ色の夢が描かれていたはずなんですね。しかし現実は違う。 そこで、最大の問題になっているのは、余りにも長期間なために、それは政府も県も市町村も多額の投資をしていることは間違いないけれども、結局は一軒一軒の農家の皆さんの負担というものが目に見えて大きくなってきたということも事実でありますね。この点についてどう考えていますか。
○政府委員(海野研一君) まず、この地区は当初、何といいますか、地元でこの開発事業を起こそうというころにはまだ米の生産調整が始まる前でございまして、開田をしようということで構想された事業でございます。これが実際にこの事業に着手するころから米の過剰ということで開田はいけないということになったので、開畑に変わってきたというようなことがございました。その間の関係でいろいろ地元調整を図りながら計画の見直しをやったわけですが、その後において、一たん開畑ということで踏み切った方でもやっぱりこれは開畑ならやめたわというような方も出てまいります。そういう中でいろいろ調整をしながらやってきたということが特にこの地区が難しい原因の一つになっております。 ただ、この地区は、私どもの整理で言いますと一般型と申しまして、工事中に利息のつかない地区でございますので、特に長引いたから経費がかかる、もちろんスタート当初に比べますと物価が上がっておりますので、計画当初より上がっている部分についてはそういう要因も入っておりますけれども、必ずしも長引いて利息がかさんだということで事業費が上がったわけではございません。いろいろ工事をやっていく過程で、例えば地元から傾斜をもう少し緩くしてくれとかいうようないろんな御要望がございまして、工事費が高くなってきているというようなことがあるわけでございます。
○会田長栄君 そうすると、この目的どおり進んでいればもっと発展した地域になっていたのに、この長期間の中にわたって受益農家の皆さんや地元の市町村の皆さんの要望にこたえたために、この計画というのは当初四十七億円でスタートしたものが今や六百億円台になっているという、この多額の金額になったのはこういう人たちの要請にこたえてしまったのでかかってしまったと、こういう説明ですか。
○政府委員(海野研一君) これは経費が上がっていくのにはいろいろございます。さっき申しましたように、そもそも計画をした時点に比べますと物価が上がっているというような点もございます。それから、工事の内容が今おっしゃいましたような観点からよくなってきているというような点もございます。それから、現実に工事をやっていく中で、例えば地質の関係とか、あとその最中に災害が来たとかいうようなこともあってふえた面もございます。
○会田長栄君 私は、実はこの計画というのを目的どおり農水省の重点施策としてきちっとやるべきだという基本的立場に立っているんです。ところが、農水省の重点施策の一つとしてのこの農地開発事業というものに、例えばオイルショックがあったり、その他を含めて物価上昇したので金がかかる、高くなる。したがって、事業を縮小していって最後に農家の皆さんがあきらめるような見直しにさせていってはならないと思っている一人なんですよ。そういうことで関連をして聞いているんですよ。 だから、その意味じゃ何というかな、オイルショック、その後の行革、こういうものと関連をいたしまして大分事業というものについて長期間にわたってしまった。それで金額もかさんでしまった。だから、金額がかさむことは、いわゆる農水省が出す補助として五八%、県が二一%というように、どこまでもこの比率だけで進めていけば農家の負担というものはふえて、この事業に対する目的から一歩一歩遠ざかるような消極的態度になってしまうことは間違いないですよ。だから、農水省が重点施策として掲げてきたのなら、この補助事業というものを見直して、もっとやっぱり重点施策らしい投入をして、地域づくり、農家づくりに本腰を入れたらいいんじゃないですかという意味なんです。そこは一つ御認識しておいてください。その上でお聞きしますから。 そこで、平成三年度まで完了した三十五地区のいわゆる十アール当たりの農家負担というのは幾らになっていますか、平均で。
○政府委員(海野研一君) 三十五地区の完了地区につきましての農家負担の年償還額は十アール当たり約二万一千円ということになっております。
○会田長栄君 では、最も負担が小さくて済んだ指定地区、最も高い地区でどのくらいの違いがありますか。最高、最低、教えてください。
○政府委員(海野研一君) 申しわけございませんが、ちょっとその最高地区、最低地区の資料がございませんけれども、地域によってかなりばらつきはあるだろうというふうに考えております。
○会田長栄君 これはぜひ後ほどで結構でありますから資料を下さい。これはお願いしておきます。 そこで、お尋ねするのは、母畑地区の問題でありますが、昭和四十二年に同意書をとってこの事業を開始するに当たって、この受益者にどういう約束をされていますか、それをひとつ教えてくだ さい。
○政府委員(海野研一君) 四十二年時点での農家負担の年償還の見込みは、十アール当たり約五千円ということでございました。
○会田長栄君 実は、一つは、広大な水田をつくってあげます、これは間違いないんですよ。しかし、途中でこれは畑地に転換されてしまった。当初、地域農家の皆さんには千五沢ダムという水没した農家があるわけでありますから、この水没した農家の皆さんには水田をつくってあげますという約束をした。しかし、その約束は七七%の事業が完了するまでの間ではまだ果たされていない。この約束は知っているんですかというのが一つですね。 それから、十アール当たりの事業費の農家の皆さんの負担というのは米一俵ですよと。約という言葉を使っていますね、約。というから、そういう約束というものについて、今も農水省はきちっとその点は確認をして事業を進めていらっしゃるんですかということを聞きたいわけです。
○政府委員(海野研一君) 特に水没者の水田造成についての話は承知しております。 したがいまして、現在、水没者との話し合いが行われているところでございまして、これまでの経緯や水没者の実情等を踏まえまして、早期に関係者の合意が得られるように努力をしていきたいと考えております。 また、農家負担につきまして、現在、事業費が上がってきたこと、さらには田から畑に変わったこと、それから受益面積が落ちてくるというようなことをいろいろ含めまして、農家負担の年償還額が相当に高くなっているというようなことがございますので、これにつきましては、いろいろ計画償還制度でございますとか、平準化事業でございますとか、そういうものを用いましてできるだけ無理なく償還できるような形の措置をとりたいと考えております。
○会田長栄君 これは第二次変更計画、いわゆる見直しというものを同時に今地元に発表していますね。この見直し発表に基づいて今受益農家に同意を取りつけつつあるように聞いておりますが、実はここで一つは、水田の問題については今お答えいただいたとおりであります。 それからもう一つは、どうしても広大な面積を約半分ぐらいに縮小してこの事業を完工させる。しかし、依然として今申されました農家の負担金というのは、じゃ事業が半分になるんだから半分になるかといったらとんでもない、半分ところか倍々になっていって、最終的に容易でないというような状況に来ているということでございますが、今、受益農家の皆さんにお答えしているのは、十アール当たり二万一千円、三十五年償還ということで相談しているんですか。
○政府委員(海野研一君) おっしゃるとおりでございます。
○会田長栄君 それでは、あの千五沢ダムの問題についてお尋ねしますよ。 当初は千百六十万立方メートルの貯水量、それがなければ農水省の当初の計画に水を満たすわけにはいかないと言ってやったでしょう。計画が半分になったんです。水は要らなくなってきたんですね、実際は。この際はダムの広域的な利益などという問題は外しますよ。そうすれば当然水が余ってきているわけでありますから、これは農水省責任のもとのダムでありますから、事業が約半分になったために、この水というものの利用というものを活用すれば当然にして事業費の負担というのも減ってくるという、こういう点について検討されていますか。
○政府委員(海野研一君) おっしゃるとおり、当初開田ということで計画をされました。それが開畑に変わったということもございますが、その開畑面積がさらに縮小していくということもございます。 そういう意味で用水量は減るということはおっしゃるとおりでございまして、これをうまく活用すればおっしゃるとおり、いわば何といいますか、ほかの事業と共同ということにすればこの事業そのものの事業費は軽減できますし、農家負担の軽減ができるということになりますので、現在それでは一体この事業に現時点で必要な用水量は幾らであるかということの見直しをやっております。それが確定すれば、その不要部分といいますか、それにつきましての有効利用というものを検討する必要があるというふうに考えております。
○会田長栄君 その計算をはじいた上でデータが出たら、いわゆる関係当局、建設省なり厚生省なりと調整をして、この水というものを結果的に売るという言葉になるでしょう。売って経費削減のために活用するということについては検討される内容だという答弁なんですな、わかりやすく言えば。
○政府委員(海野研一君) 私ども、このようなケースは売ると言わないで共同事業と申しておりますけれども……
○会田長栄君 いや、それは私がそう言うんだよ。
○政府委員(海野研一君) まさに方向としてはおっしゃるような方向を検討したいと思っております。
○会田長栄君 そこで問題になっているのは、今十アール当たりの農家の負担金の問題をどうしても当初の約束どおり下げていただけないか、いわゆる二万一千円からもっと米一俵分に近づけてもらえないかという問題。 それからもう一つは、指導どおり畑をつくりましたが、なかなかそこの作付面積、作物、こういったものから考えてみて、目的どおり生産性は上がるところではない。こういう問題について営農指導というものを今後どのように展開していくかというのは非常に重要になってきている。 三つ目、これは金がなければ返せないんですな。生産性が上がらなければ金返せないわけですよ。ここで問題になっているのは、農業振興地域というものに指定されて、全く手放すことのできないという、こういうことが関連してきているわけですね。 そこで具体的に一番最後の問題についてお尋ねします。 この地域で消防屯所、いわゆる消防車、消防団員が集まる屯所、これをこの農業振興地域の中の開畑の畑を実は譲ってつくりたいと言ったけれども、これもだめという返事が出てきた。それからもう一つ、果樹園、大変果樹が生産されてきて選果場をつくりたい、それでその開畑された一角に選果場をつくりたい、これもだめと言われた。本当にだめと言ったんですか。
○政府委員(海野研一君) まず、最初は地元負担の話でございますが、二万一千円が米一俵より高いか安いかという問題は、どういう米をつくるかで変わってまいりますし、また何といいますか、この地域は開畑でございますので、そういう意味で米一俵という問題をどう考えるかというのはございますけれども、いずれにしましても今の余剰水がうまく使えれば農家負担をある程度下げられるのではないかというふうに期待しております。 それから、地域の営農指導でございますけれども、確かに新しい開畑でございますので、そこで栽培技術、経営組織育成等の各般にわたる営農指導が必要でございます。そういう意味でこれまでに国として県と連携いたしまして、畑地かんがい技術の普及定着のための展示圃の設置でございますとか、新規導入作物の選定、土づくり対策、生産組織の育成等の指導を行ってまいりました。 また、地元におきまして、営農対策のために、普及所、市町村、土地改良区、農協、国営の事業所等が連携して地区の営農推進組織を設置して、これらを通じまして生産技術、経営、土地利用調整等の指導を行ってきたところでございます。 さらに、この地域における営農の定着の促進を図るために、平成二年度から新たに土地利用の効率化方策の検討でございますとか、栽培技術の確立というようなことのための調査、さらに効果的な地元指導のための支援等を実施しているところでございまして、今後ともこれらの成果を踏まえつつ、福島県等の関係機関と協力の上、きめの細 かい営農指導が進められるよう、地元に対する支援、指導に努めてまいりたいと考えております。 それから、今の転用でございますけれども、まずこの農業振興地域ということの前に、まさにこの農地開発事業で畑をつくったと。これをいわば畑にしないで、何といいますか、まあ選果場といえども宅地でございます。というふうにするというのは、原則的に認められないものでございますけれども、しかし、あくまでもこれは地域全体の営農ないしは、今の消防というお話でございますと、そこに人が定住するために何が一番いいかということでございますので、いずれにしましてもこの市町村が何といいますか、農業振興地域の計画を考えるのにいろんなものを総合して検討されるように、また現在、農村活性化土地利用構想というものを通じて農業振興地域制度の運用を図っております。それらの構想の中で、全体の検討をしていただくという中で、本当に地元にとって何が一番いいかということを私どもも考えてまいりたいというふうに思っております。
○会田長栄君 時間が来てしまいました。 したがって、二つだけ頼んでおきますから。いわゆる消防屯所をつくりたい、開畑の中だからそれは農業振興地域でだめだ。農家の人たちが、皆さんが生産性上げるために選果場をつくりたい、これもだめだ。非常に頭がかたいんですよ。地域の生産性を上げるためにそういう事業を行っているわけです。ましてや工業団地に売りたいというなら許可する、よし認めると。あるいはこういう集落団地をつくりたいなら一部は認めるぐらいの農水省の頭になっても私はいいのではないかと、こう思う。 終わります。 ―――――――――――――
○委員長(永田良雄君) 委員の異動について御報告いたします。 ただいま喜岡淳君が委員を辞任され、その補欠として大渕絹子君が選任されました。 ―――――――――――――
○村沢牧君 ウルグアイ・ラウンドは不透明と言われる中で、最近、米、ECが歩み寄りをして、農業で妥協案が浮上したような報道がされておりますけれども、その情勢と見通しについて伺いたい。
○政府委員(川合淳二君) 今、御指摘がございましたように、ここ一週間ないし一週間半ぐらいの間、米、ECの接近説が外国の新聞などを中心に出ております。私ども、その真相と申しますかをいろいろな形で探っております。 御承知のように、三月末には東国際部長をOECDの会議の際に派遣いたしまして、ECあるいはアメリカと接触しておりますし、今週も塩飽審議官が欧州に行っております。私ども、どうもそうした接触の間では、そのような接近について確たる事実関係と申しますかをつかんでおりません。国際部長が接触した範囲ではそういうような接近があるというふうに把握しておりません。 ただ、御承知のように、四月二十二日と言われておりますが、米、ECの首脳の会議がございまして、それを目指しまして何もかの形の高級事務レベルの会議もあるというふうなことも言われておりますので、私どももその辺を十分注意を払っていかなければいけないというふうに感じているところでございます。
○村沢牧君 大臣、ウルグアイ・ラウンドの先行きはなかなか不透明である。しかし、米、ECの首脳会談の結果どうなるかもわからない。しかし、いかなることがあっても、私たちが本会議や予算委員会、当委員会で指摘をしたように、日本政府としては毅然たる態度をとって日本の主張を守り通すべきだ。 改めて大臣の決意を聞きたい。
○国務大臣(田名部匡省君) 従来から申し上げているとおりでありまして、輸入国の立場というものを主張しながら、国会決議を体して、米は自給で賄うというこの気持ちで現在も対応いたしております。
○村沢牧君 本委員会は、予算委員会から委嘱をされた委員会でございますので、若干予算の問題について伺っていきたいというふうに思います。 九二年度予算案は、一般会計七十二兆二千百八十億円で、前年対比二・七%の増の中で、農林水産予算は一・四%の増にとどまっている。その金額は三兆三千百十八億円であります。 我が国の農業、農村の置かれている厳しい状況に対応するには極めて迫力に欠ける予算である。 大臣の見解を伺いたい。
○国務大臣(田名部匡省君) 予算でありますが、非常に厳しい財政事情のもとで私ども最大限の努力をいたしておるつもりであります。 予算全体で見ますと確かにおっしゃるとおり減っておる。まあことしは伸びたのでありますが、従来から食糧管理費が減っておりまして、他の公共事業でありますとか一般事業費、これは伸びておりまして、そのときの政策といいますか、その課題にこたえるように予算をとっておる。残念ながら食管費は大幅に減った分がやっぱりマイナスという形で出ていることは事実であります。
○村沢牧君 そういう言いわけならまた聞いてまいりましょう。 一般会計に占める農林水産予算の割合は、一九七五年には一〇・二%であった。これが八〇年には八・四%になり、そして九二年度は四・六%。まさに過去最低の予算になってしまったんです。予算総額で見ても、八〇年は三兆五千八百四十億円ありましたけれども、九二年は三兆三千百十八億円。八〇年度予算とそれから九二年度を一般会計で比較してみると、この間一般会計は六九%伸びているんですね。しかし、八〇年あるいは八一年から九二年の農林予算は一〇%減っているんです。一般会計が六九%も伸びておるのに農林予算は一〇%も減ってしまった。まことに残念じゃありませんか。残念というよりも私は情けないと思うんですよ。 大臣、この現実をどう見ますか。
○国務大臣(田名部匡省君) 予算全体ではそういうことになっておりますが、ODAでありますとか社会保障でありますとか国債、そうした方が相当の伸びを示したということだろう、こう思っております。
○村沢牧君 だから、農林水産行政に責任を持っ大臣がそんな弁解ばかりしていてはだめなんですよ。 それじゃ、重ねてお伺いしますが、過去十年間における農産物価格支持政策の推移について述べてください。
○政府委員(馬場久萬男君) 農産物の価格についてでございますが、先生御案内のとおり、行政価格で農産物の価格を支持しているものにつきまして、過去におきまして、生産性の向上あるいは内外価格差の縮小という国民的な要請等を踏まえまして、価格をここ数年引き下げてきたことは事実であります。そういう意味で、予算の面におきましても、いわゆる価格支持のための予算額というものは、私どもむしろ近年減らしてきたわけでございます。例えば一九八〇年……
○村沢牧君 理屈はいいですよ。数字だから数字でいいんですよ。時間ありませんわな。八〇年と九〇年とを比較してください。
○政府委員(馬場久萬男君) はい。いわゆる価格・所得支持費ということで、我が国としては、予算は一九八〇年においては七千七百三十二億円、一九九一年におきまして三千二百四十二億円という経緯でございます。
○村沢牧君 どのくらい減っているんですか、パーセントで。
○政府委員(馬場久萬男君) 数字で言いますと、一九八〇年を一〇〇%といたしますと、九一年で四二%でございます。
○村沢牧君 同じような関係でアメリカ、ECはどうなっていますか。
○政府委員(川合淳二君) アメリカにつきまして八〇年と比較いたしますと、八〇年が二十八億ドル、これに対しまして九一年が百六億ドル、三・八倍。ECにつきましては、八〇年が百十三億旧CU、これを一〇〇といたしますと、九一年は三 百二十五億ECU、二・九倍というような数字になっております。
○村沢牧君 大臣、いろいろ大臣は弁解しておりましたが、お聞きのとおりですね。アメリカ、ECは、例えば価格にしても支持政策にしても財政支出に占める割合は、アメリカは三・八倍、ECは二・九倍伸びておるんですよ。日本は四二%も減っているんです。農林水産予算は一〇%も減っているんですね。 こういうことでありますから、農林水産業を軽視した結果で、こうした態度によって現在農林水産省は大変厳しい状況に追い込まれている。大臣の反省を聞きたいんですよ。
○国務大臣(田名部匡省君) 詳しい事情はよくわかりませんが、今もガットで問題になっております、EC、アメリカが行っております輸出補助金にまつわる問題だろうと思うんです。これが余りにも財政を圧迫したということで、それぞれ削減したいということで我が国に包括関税化を求めてきておる、私はそういうふうに認識しております。 いずれにしても、日本に比べて直接農家に手渡しておる補助金というものは五兆とも六兆ともECでは言われているわけでありまして、日本の場合は逆に生産性を上げて年々減らしてきて、まあ大体三千億程度かなとこう思っておりますが、そういうところがむしろアメリカやECの場合は多かったのではないかな、こう思っております。
○村沢牧君 大臣、アメリカやECのそんな理屈を聞いておるわけじゃありませんよ。素直に答えてください。 一般会計がこの十年間に六九%も伸びたけれども、農林水産予算は一〇%減っているんですよ。アメリカ、ECは価格だとか支持政策をふやしたけれども、日本は四二%も減っているんですよ。このことについて素直に反省してください。そんな言いわけを聞いているわけじゃない。――大臣ですよ。あなた、官房長がこんなところで答える資格あるか。
○国務大臣(田名部匡省君) 従来から、まあ過去のことは私はわかりませんが、とにかく去年就任以来いろいろ努力をいたしまして頑張ったつもりでおりますが、御不満であると思いますが、最大の努力はいたしたつもりであります。
○村沢牧君 私は、農水省の事務当局が努力したことは知っていますよ。しかしこんなことで、私も長い間ここで論議をしていますが、その一年一年を見てまいりました。経過を振り返ってみるとこういうことなんですよ。 こんなことだからやっぱり農業の将来像が見出せない、農政不信だ、担い手がなくなっていくんですよ。若い官僚の諸君もおるけれども、大臣以下幹部がこんな情けない姿勢でもって本当に期待を持って農林水産の行政に携わることができますか。私は初めてなった、最近なったなんて、大臣というのはそんなものじゃないですよ、農林水産省はずっと連綿として続いているんですから。どうですか。
○国務大臣(田名部匡省君) 連綿として続いておりまして、これ以上下げたんでは大変だということで努力をさせていただいたということでございます。
○村沢牧君 そこで、ウルグアイ・ラウンドで政府は国別支持価格表を提出いたしました。この中で国内支持政策についても国際的に削減をするという約束したんですから、これは外圧においても、あるいは財政当局の内圧においてもこれからますます農林水産予算は減っていくんじゃないかと私は心配するんですね。 そこで、大臣も言ったように、アメリカは農業予算を増額した結果、財政が大変に窮屈になった。そこで、自分のところも少し農林予算を減らさなきゃならないから、アメリカも減らすから他国も減らしてくださいと言うんですね。日本はこんなに減らしてきたんですよ。アメリカの言うとおり国内支持価格をますます減らせば、まさにアメリカの巻き添えを食って、今後とも農林予算を減らすことになるんじゃありませんか、どうですか。
○政府委員(川合淳二君) ウルグアイ・ラウンドにつきまして、国内支持の削減という問題があるわけでございますが、御承知のように、ダンケル合意案が出されまして、この案の中では、八六年以降実施した、例えば行政価格の引き下げや財政支出の削減、これがAMSに反映されるわけでございますが、そうしたいわゆるクレジットと言っております実績は勘案するということになっております。 ただ、これがどのように勘案されるかにつきましてなお不明確なところがあるわけでございますが、私どもといたしましては、今お話しのように、八六年以降相当の努力をしてきているわけでございますから、こうしたものがこの国際的な合意に十分反映されるように今後とも努力していかなければいけないというふうに考えているところでございます。
○村沢牧君 官房長、先ほどから答弁したいような顔しているから官房長に聞きましょう。 ほかの省庁で一般会計がこんなに伸びておるのにこんなに減った省庁がありますか。農林水産予算は歴代の官房長は努力してきましたよ。しかし、ここまで来たんですよ。あなたも官房長になる前も努力したでしょう。だから、農政に対して不信が起きてくるんです。農政の将来ビジョンができないんですよ。後継者もなくなるんです。一体どういうふうに思いますか。来年度予算の概算要求にも関係しますよ。
○政府委員(馬場久萬男君) おっしゃるように、各省の予算という意味で見ますと、農林水産省の予算は確かに他の省に比べて長い、例えば十年、十五年という目で見ますと減り方が大きいというふうに思いますが、これは政府全体の厳しい財政事情の中で、いわゆるシーリングという方式を当てはめて予算要求をするという全体の予算要求の中で比較的我が省の場合、いわゆる予算補助であるとか、先ほどお話に出ました価格支持の経費という削減対象費が多いということに起因するところがございます。 で、先生のお言葉でございますが、私ども農林水産省としては、農林水産業のために必要な予算についてはいろいろ毎年工夫をして努力して確保してきているというふうに思っております。先ほど大臣からも申し上げましたように、政府の予算規模が大きくなってくる中で新しい財政需要というものも出てきているわけでありますから、一定の比率を農林予算が必ず維持するということを頑張るということだけが意味があるわけじゃなくて、むしろ中身がどういうものであるかという点で考えていかなくちゃいかぬと我々は思っているわけであります。必要な予算については、過去のシェアとかいうことと関係なく執拗に要求してとっていくということが必要だろうと思っております。
○村沢牧君 シーリングは別に農水省だけじゃなかったわけですね。必要な予算に計上したと言うけれども、私はもっと必要な予算をこれからどんどん指摘をいたしましょう。 これで必要なものは、あとは余り必要ないと言うんですか、あなたたちは。これだけ計上したんだからあとのことはもうどっちでもいいと言うんですか。そんな考え方だから僕はだめだと言うんですよ。もっと新しい政策も出したらどうでしょうか。農村の実態をどう見るのか。 そこで、大臣に伺います。 ことしはこういうことになって戦後最低の農林予算になった。やがて九三年度の概算要求も始まるでしょう、大臣の責任においてですよ。なるほど政府全体の問題だと、政府全体が農林水産に対して理解を示してないからこういうことになるんだ。あなたの責任で、今のそこに並んでいる幹部の責任においてこれ以上絶対減らしてはいけない、そのことを強く要請して、答弁を求めたいと思います。
○国務大臣(田名部匡省君) 来年度の概算要求、それぞれ今の新たな農業の展開、まあ林業も漁業もそうでありますが、内部で検討していることも ありますので、それら新しい展開というものが必要であろうと思うんです。いつも同じことを同じ予算をとってやるというのではもうそれに即さなくなってきておるということもありますので、重点的に担い手の問題、規模の拡大の問題、そうした問題を含めて新しい予算というものをきちっとさせて確保していきたい、こう思っております。
○村沢牧君 先ほど大臣から平成四年、九二年度予算の説明がありました。さきには所信表明もありました。そこで、農水省は幾つかの新規事業を計上しておるわけですね。その一、二について伺っていきたい。 まず、先進的農業生産総合推進対策事業といって二十一世紀に向けた先進的な農業を展開すると言っていますが、先進的農業というからには、農水省が政策や補助対象や補助金の尺度を決めて、それに該当するものに助成をするということではなくて、地域の創意や工夫、自主性のもとに展開をする地域農業振興計画を尊重して国は必要な助言や調整、財政、税制等の措置を講ずるべきだと思う。 全国には地域の特性を生かして農林業の振興、環境の維持、村づくり、定住社会づくりに総合的に真剣に取り組んで実績を上げておるところがたくさんあります。先進的総合対策事業というのは、こうした先進地に学んで農水省がそれなりに誘導すべきだ。今までのような中央から押しつける、これは官僚の諸君から見ればこれが一番いいんだと思うけれども、そうじゃないんですよ。私どもはこれを霞が関農政と言うんですね。こうした農政が続いてきた結果、農林業と農山村が今日のような崩壊の危機にあえいできたんですよ。これからの政策というのは、こうした全国画一的な霞が関農政を改めて、地域の創意に基づいて、地域の農民やあるいは関係団体や行政が決めた計画を尊重して国が積極的に対応すること、これが先進的農業じゃありませんか。
○政府委員(上野博史君) 先進的農業生産総合推進対策事業でございますけれども、これは、今、委員御指摘のとおり、最近の農業をめぐります諸情勢に対応いたしまして、生産性の高い農業の実現であるとか、あるいは高品質な農産物の生産であるとか、あるいは環境保全に配慮した農業の展開という、そういう点に留意をいたしまして、組みかえて新規の施策として要求をいたしているわけでございます。 事業の内容につきましては、今まで以上にメニュー性を高めまして、各事業主体がそれぞれの地域の実態に即して事業計画を組めるように配慮いたしておるつもりでございます。ただ、どうしても一定の参加者の数であるとか、あるいは面積であるとか、そういう補助対象とすべきかどうかという最低限の要件というものはこれはどうしても避けられない、かように考えております。 ―――――――――――――
○委員長(永田良雄君) 委員の異動について御報告いたします。 ただいま浜本万三君及び会田長栄君が委員を辞任され、その補欠として一井淳治君及び谷本巍君が選任されました。 ―――――――――――――
○村沢牧君 農蚕園芸局長、そのような答弁があったんですが、皆さん方もやっぱり先進的農業といっても、こういうことをやれば補助金は導入しますと、それに当てはまらなきゃ補助金にならないんですね。そうではなくて、私が言うことは、地域ではいいことをやっているところがたくさんあるんですよ。そのことを尊重して国もそれに対して補助金を出していく、指導していく、あるいは税制の措置も講じていく、そういうふうに発想の転換ができないかどうか、そのことを聞いているんです。
○政府委員(上野博史君) 今申し上げましたとおり、補助事業ということに伴いまして、最小限の要件というようなものがないわけにはいかないというふうに考えておりますけれども、具体的にどういうような事業をそれぞれの地域に取り込んでいくかということについては、最大限地元の意思を尊重したいというふうに考えておりますし、その選択の幅については、私ども一般的に考えられる範囲のものはカバーをしておるというふうに考えているつもりでございます。
○村沢牧君 こうした問題については、いずれ機会を改めて論議いたしましょう。 いずれにしても、官僚の皆さんは優秀だけれども、あなたたちが霞が関で、農水省の中で考えた政策では、必ずしも日本農業の将来を展望して発展をさせていく、後継者がふえてくるという形になっておらない。そういう時期なんですよ。ですから、また論議いたしましょう。 そこで、構造改善局長、構造政策の新たな展開として、農地の連担化による大規模な面積集積を促進しようとしていますが、この新規事業のかわりに従来の農地流動化助成金を廃止された。そこで、今まで農地流動化助成金として一体どのくらいの資金を投入していたのか、そしてそのことによって規模拡大にどのような効果があったのか、数字でもって示してください。
○政府委員(海野研一君) 農地流動化助成金は、名前がいろいろ変わってきておりますけれども、昭和五十四年度から実施しておりましたものを合計いたしますと約五百億円、交付件数約六十七万件に対して助成をしてきたわけでございまして、この助成を受けて賃借権の設定に踏み切って、これは現在利用権が設定されて残っている面積ずばりの面積がないんですが、現在も、要するに更新時にも交付対象になって残っている面積が全体で十九万ヘクタールございます。 これは、農用地利用増進事業による利用権設定面積全体の約七〇%はこの助成金によって、何と申しますか、なかなか貸さない農家に賃借権の設定に踏み切らせたということでできております。そういう意味で、この農用地利用増進事業による規模拡大というものには寄与してきたというふうに考えております。
○村沢牧君 全体の面積はそうでしょうけれども、一戸当たり面積で、その農地流動化資金制度が始まったその当時は一戸平均日本の農家はどのぐらいの経営面積であって、今日どのようになったかわかっていますか。
○政府委員(海野研一君) これは五十四年に始まったわけでございますけれども、一応センサスのございます五十五年と平成二年を比べてみますと、現在この奨励金の交付の要件となっております五ヘクタール以上の農家というものが、五十五年には一万三千戸でありましたのが平成二年には二万六千戸と都府県でなっております。
○村沢牧君 面積の大きいところだけ言ったけれども、そうじゃないでしょう。五ヘクタール以上だけじゃなく、もっと以下のものがどういうことになったのか。
○政府委員(海野研一君) これは五十五年までは二・五ヘクタールから三ヘクタールという層もふえておりましたけれども、現在では増加しているのは三ヘクタール以上ということでございます。ただ、近年は五ヘクタール以上の農家に集積する場合に助成金を出すということにしておりますので、先ほど五ヘクタール以上の数字を申し上げたわけでございます。
○村沢牧君 五百億円の資金を投入してもそれほど当初期待をしたような規模拡大もできなかった。五ヘクタール以上のところの今報告あったんですが、私は農家平均全体を見ても、その数字はつかんでおりますけれども、それほど効果が上がることはなかった。 新しい政策と予算を講ずることによってどのような効果を期待するんですか。そのことによって一戸当たりのこの規模をどの程度にしようとするんですか。あるいはそのことによって担い手はどの程度ふえるというふうに思うんですか。その目標がなくてはこの新しい政策なんていうものは出てこないと思いますが、率直に答弁してください。
○政府委員(海野研一君) この新しい担い手規模拡大円滑化助成金につきましては、これは特にこれまでの五ヘクタール以上の規模というのに加え まして、やはり散在していたんでは十分な効果が上がらないということで、二ヘクタール以上の連担地を形成するということを要件にいたしまして、そういう形でおおむね五ヘクタール以上の規模になる農業者に集積をするということで平成四年度から始めようとするものでございます。 当然この事業だけではなくて、農用地利用増進対策事業、農地保有合理化促進事業等有機的に組み合わせて農地流動化の施策を進めて、これで規模拡大を進めていこうということでございますが、具体的にどれだけの土地が動くかということは、ある意味では、特に高齢農家がどれだけ引退するかということに絡んでまいりますので、なかなか政府がこれだけやるんだと言うわけにまいりませんけれども、現在、予算で考えております平成四年度の単年度で申しますと、これによって三万三千ヘクタールのものを動かして、これを二万三千団地にくっっけようというようなことでございます。 この二万三千団地は先ほど申しましたような、既に五ヘクタール以上になっている二万六千戸の中になるものもございますし、新たにそれによって五ヘクタール以上になる農家も出てまいりますので、具体的にどれだけのものがふえるかということは直ちに申せませんけれども、一応そういうような形での二ヘクタール以上の団地、二万三千団地というような形で何といいますか、現実に土地が動く需要があればこれだけのものがやれるような予算を組んでございます。
○村沢牧君 局長の答弁も何とかわかったようでわからない答弁ですけれども。 そこで、日本とアメリカあたりの耕地面積を比べてみても、御承知のとおり日本はアメリカの百五十分の一だ、ECと比べてみると日本は十五分の一だと言われているんですね。ここで国際競争力をつけるとかあるいは内外価格差を是正すると言っても、このような格差の中では容易なことではないと思うんですね。 農水省は、先ほど局長の答弁を聞いておっても五ヘクタール以上にしようということでありますが、そこから以下の農家は一体どうしようとするんですか。五ヘクタールにしてアメリカやECに負けないような国際競争力をつける、内外価格差を是正する。どういう農業を展開しょうとしているんですか。
○政府委員(馬場久萬男君) 将来の日本の農業のあり方につきましては、たびたび申し上げますように、現在いろいろな角度から検討しているわけでございますが、土地利用型農業についてはやはり規模の大きさというのが生産性向上に欠かせないわけでありまして、今、先生御指摘のように、現在、世界的に見れば我が国の面積は非常に低いわけでございますが、その中である程度まとまった連担した規模の農家を育成しようということを目指すということは間違いないところでございます。 で、そうでない農家というのをどうするかという議論は、これは農家としてとどまるのか、あるいは他産業に従事するのか、あるいは兼業農家のように他産業の収入に多くを得て、一部自給的な、自分の家で必要なものを供給するという意味での農業をするのかといういろんな選択の道があろうかと思いますが、土地利用型農業について生産性の向上を図りコストダウンを図っていく上では、まさに意欲のある農家が規模拡大をするというのを支援していくということが必要であると思っております。
○村沢牧君 非常に抽象的な答弁で、まあそこらは難しいところですがね。 そこで、率直にお伺いいたしますが、我が国の経営耕地面積はどのくらいですか。
○政府委員(馬場久萬男君) 耕地面積のとらえ方でございますが、私ども一般にいわゆる耕地及び作付面積統計というものでとらえておりますが、この耕地は平成三年度で五百二十万四千ヘクタールでございます。
○村沢牧君 なるほど耕地として面積は皆さんが調査をしてみればそういうことになる。しかし、経営面積はそんなぐあいになっておらないでしょう。そこで、耕作放棄地がある。その他もう山になってしまったところがある。実際の経営面積はどのくらいと踏んでいるんですか。
○政府委員(馬場久萬男君) 農水省としては、今申し上げたように、毎年耕地及び作付面積統計というものを出しておりまして、そこで、これは畦畔を含んでおりますが、五百二十万ヘクタールぐらいあるわけでございますが、今お尋ねの耕作放棄地というものは、これは平成二年度までの統計しかございませんが、その中で農家所有の耕作放棄地十五万一千ヘクタール、それから非農家の所有している耕作放棄地六万六千ヘクタールというふうになっております。
○村沢牧君 それで、農業センサスというのはどこでやっておるんですか。平成二年の農業センサスによると耕地及び作付面積は四百三十六万一千ヘクタールと出ているんですね。これはまたセンサスではいろいろ取り方は違うけれども、おおよそはこの程度になっているんではないですか。
○政府委員(馬場久萬男君) 先生御指摘の農業センサスの数字はおっしゃるとおりでございますが、これは各農家の申告に基づいて私どもの統計情報部が全国の統計情報事務所を通じまして調査したものでありまして、いわゆる客観的に見て耕地面積がどのくらいあるかということになりますと、先ほど申し上げたような数字になるわけでございます。
○村沢牧君 農家の申告に基づいて統計情報部が調査したその資料の方が正しいんじゃないですか。皆さんの、耕作放棄地になって山になっても農地だ農地だ。なるほど土地台帳は農地でしょう。五百二十万ヘクタールが農地だ、ですから大丈夫だなんてそんなこと言っている時期ですか。 そこで、伺いますけれども、五百万ヘクタールを日本の農地が割った、既に割っているんですよ。そうすると、農水省が平成十二年を見通して農産物の需要と供給の長期見通しを立てている。この長期見通しは達成することができませんよ。穀物自給率においてしかり、あるいはまたカロリー計算においてしかり、五百万ヘクタールを割ったらできない。私は断言しますが、どうですか。
○政府委員(馬場久萬男君) おっしゃるとおり長期見通しにおきまして、それぞれの作物の需給動向と今後の生産の動向から、まあ参考付表ということではございますが、作目別に将来の作付面積の見通しを出しておりまして、これは表作面積でとらえていけば大体五百万から五百二十万ヘクタールぐらい、もちろんその間に生産性とかいろいろございますから幅で示しておりますけれども、五百万から五百二十万ヘクタールぐらいになるだろうということを見通しを出しているわけであります。 で、過去の農地の壊廃等の趨勢から見ますと、平成元年以降はやや経済の急速な膨張に伴いまして壊廃面積は多うございますが、その前は大体年一万八千から二万ヘクタールぐらいということでございまして、先ほど申しました数字でいくと、まあぎりぎりでも四百万ヘクタールぐらいになるかなという感じでおるわけであります。その辺はこれからの経済事情、今申しましたように農地の壊廃面積そのものも景気の動向等によって変動しますので、いろいろな要素を考えてみなければいかぬと思っております。
○村沢牧君 ですから、五百万ヘクタールを割ったらなかなかこの長期見通しも達成できない。もう既にセンサスが示しておるように、四百三十六万ヘクタールというんですね。これはなぜこんなことになったのか。それは、耕地を守るという農水省が農地を次から次へと他に転用するような施策を打ち出した。耕作放棄地もふえている。こんなことで、食糧安全保障と言えるんですか。国内生産力を維持していく、自給力を向上すると言っても、食糧安全保障と言っても、大臣、国際的に支持されないじゃありませんか。どうですか、大臣。
○国務大臣(田名部匡省君) いろいろと社会情勢 の変化等によって、例えば地方でも都市が一極集中が起きて農地がつぶれたというのもあります。そういうことでありますが、何としても生産基盤の整備等を通じて、優良農地、これをやっぱり確保していかないと生産性が上がらぬし、なかなか担い手もそういうところでは育っていかない。しかし、担い手は育たぬけれども、今の状況でいきますと第二種兼業がどんどんどんどんふえて、まあそれもだめとは申しませんが、そっちの方は農外収入がもう圧倒的に多い。農業収入と合わすとサラリーマンより多いわけでありますが、しかし、そういうことではなくて、すぐれた担い手を育成していこう。農地が限られた農地であります。お話しのようにアメリカやECと比べても耕地面積も少ないということは、これはもう変えようがない。そのために、バイオテクノロジーでありますとか先端技術を開発あるいは普及、いろんなことをやりながら、生産性の上がる、消費者が安全で望むようなもの、そうした手だてをしながら、外国の農産物と闘っていかなきゃならぬということで、これからもなお努力をしていきたい、こう思っております。
○村沢牧君 時間の関係で次の問題に移りましょう。 そこで、これからの政策として、私は中山間地の対策が非常に重要だと思いますね。我が国の置かれておる実態、環境を守る、あるいは集落が破壊をされていくのを守っていく。農水省も一定の予算は講じておりますけれども、私は極めて不満足だ。 そこで、提案いたしますが、中山間地で農業を継続している農業者、あるいは無農薬・低農薬農業等を営む農業者に対しては、国土保全だとか自然環境あるいは集落の維持、安全食糧の提供者として一定の所得補給金を交付すべきだ。あるいはまた、中山間地で行ういろいろな事業に対して、農水省の枠内だけにとどまらず、広範な総合的な助成策を講ずべきだ。 これはもう御承知のとおり、ECのデカップリング事業なんかも私は参考にしているところですけれども、ここまでもう割り切るべきだと思いますが、簡単でいいですから考え方について示してください。
○政府委員(馬場久萬男君) 中山間地域の農業が非常に過疎化が進む、高齢化が進むというようなことで大変であるということは我々も十分認識しているところであります。その地域の活性化を図っていくというためにどうしたらいいかということは、我々も政策課題として大きく受けとめているわけであります。 私どもの考え方としては、やはりそういう地域の条件を克服し、あるいはその中で、例えば昼夜の温度差があるというような有利な条件も生かしながら積極的な農業を展開していただきたいというふうに考えておりまして、そのためにいろいろと補助事業等も組んでいるところでございます。 今、先生御提案の、そういうところにいる農家に何らかの所得補償といいますか補給といいますか、というようなことを考えられないか、あるいは農水省の枠を超えた広い意味での総合的な政策ができないかと、こういう御提案でございますが、確かにEC等におきましては、一定の条件不利な地域を決めまして、そこで農業を継続して営む人に対して直接所得を補償する、交付金を出すという制度があることは我々もよく承知しておりますし、また、その仕組み等についても一定の勉強をしているわけでございますが、むしろそこに人を張りつけるために金を出すというようなやり方が、我が国の農業政策、今までどちらかというと集団、組織を通じて積極的な農業振興をしていたということでやってきたものとなじむのかどうかというような、いわば補助体系の違いといいますか、そういう問題がございます。 また、農家自身がそういうことを本当に喜ぶのかどうかということもございます。また、そういう直接個人的な補償を一定の職業についている人間に与えるということは、これは国民的なコンセンサスを得るのはなかなか大変じゃないかというようなこともありまして、なおこれについては研究をしてまいりたいと思っております。 それから、そういう地域に対して、広域的にといいますか、農水省に限らず広くということでございますが、これは先生も御案内のように、山村振興地域であるとか過疎地域に対しては、これは特別立法もありまして、各省連携をしていろいろな助成を行う、対策を講ずるということは、政府としてもやっているところでございます。
○村沢牧君 私は、政府の施策を見ても各省庁みんな縦割りだ、あるいは農水省を見ても各局縦割りですね。もうこれではいけないと思うんですよ。ですから、先ほど指摘をした地域農業をどうするのか、中山間地は果たしてどうするのか。我が党もこの国会に法案を提出しますから十分論議いたしましょう。今、官房長が答弁いたしましたが、そんな考え方ではいつまでもおれないということをこの際は指摘をしておきましょう。 そこで、幾つか指摘をいたしましたが、ことしの予算は、新しい政策をつくるということもあってか、極めて中途半端な予算だ。 そこで、新しい政策というのはいつ出すんですか。そして、出したものは九三年度予算や法制にどういうふうに反映するんですか。簡潔に答弁してください。
○政府委員(馬場久萬男君) 新しい政策につきましては、従来から申し上げますように、今鋭意検討中でございまして、そこでの論点整理なり方向性を示すということについては、この春ということで四月なり五月なりにも出したいということで、今最後の詰めを行っている段階でございます。確定期日としていつまでということは申し上げられませんが、なるべく今申し上げたような間に出したいということで努力をしているところでございます。 なお、そこで方向が示されたものを今後の九三年度予算あるいは法制度についてどう関係させるかということですが、これは今申しましたように検討した結果の方向が出たところで、すぐにできるもの、あるいは時間をかけてさらに検討するもの、いろいろ制度面なり予算面の問題というのが出てくると思います。それらは当然そういうものを踏まえて、早く行えるものはなるべく早い時期に、またさらに時間をかけて検討する必要があるものは検討を加えるということでございまして、まあ出たものはすぐ全部やるということでもないんですが、なるべく早くやりたいというふうに考えております。
○村沢牧君 農業基本法が制定されてから三十一年、それから「二十一世紀へ向けての農政の基本方向」が出されてからもう六年も七年にもなっていますね。ですから、新しい政策なんていうものはもう何年も前にやっておかなきゃいけなかったことなんですよ。ですから、それをやらずして行き当たりばったりのことをやっているから今日の日本農業はこういうことになった。だから、今まで進めてきた農業基本法に基づく農基法農政について十分反省をして、そして新しい政策を出さなきゃいけない。この政策も桜の咲くころは何とかしますと言ったけれども、東京はもう桜は散ったですね。まあ青森あたりに行きゃまだ桜は咲くかもしれませんけれども、一体いつまでやっているんですか、そんなことを。出したなら政策に反映しなきゃだめですよ。また出したときにこの問題論議いたしましょう。 時間がありませんから、次の問題に入ります。 林業問題でありますが、国有林改善特別措置法の改正によって、国有林の造林・林道に対する民有林並みの助成をすることになった。九一年度、民有林と国有林の差額は九十四億円。これに対して九二年度予算では二十一億円導入されているにすぎない。また累積債務は、二兆二千五百億のうち、一兆二千五百億程度は林野庁が自助努力によって何とかする、残りの一兆円は一般会計から導入することになっていますが、九二年度には百二十九億四千万円しか導入されてないんですね。こんなことで国有林の再建できますか。簡潔に答弁願いたい。
○政府委員(小澤普照君) 国有林の立て直しにつきましては、昨年法律の御審議もいただき、その後昨年の七月に新しい改善計画も立てまして、その経営の健全化に努めているところでございますが、この際、自主的な改善努力とともに、一般会計からの繰り入れ等、所要の財源措置を講じていくということでございます。 平成四年度予算の案でございますけれども、繰り入れにつきましては、全体では三百三億円ということで約二一%増でございます。
○村沢牧君 私の質問に時間がありませんから答弁だけしてください、簡単に。
○政府委員(小澤普照君) はい。 そこで、造林・林道と民有林助成との均衡ということでございますが、これにつきましては二十四億円増で百六十三億円、一一七%。それから累積債務につきましては一二九%ということでございます。 この点につきまして、一遍で解決は確かに図れないわけでございますけれども、今後も努力を続けまして国有林の経営の健全化に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
○村沢牧君 大臣、近藤前大臣は、民有林と国有林の差額は平成四年度で片づけますと答弁しているんですね。お聞きのとおりで、そんなぐあいにはいかぬ。こんな調子では五年もかかるんですね。一兆円これから累積債務を一般会計で持ってもらおう。まだ利息合わせて加算いたしますよ。それに一年間に百二十億や百三十倍入れたって、改善期間の平成十二年、あと八年しかないんですよ。解決できると思いますか。 したがって、これは九三年度予算編成においては何としても大臣に頑張ってもらわなきゃいけない。これは国会決議もあります。また、自社の協定もあります。大臣の責任においてぜひ頑張ってもらいたい。決意を聞きたい。
○国務大臣(田名部匡省君) 昨年の予算決定時期にも随分大蔵省と話し合いをいたしまして、まあわずかではありますが三〇%累積債務対策として上積みを図りました。もともとのこの金額が大きくないわけでありますから、しかしこれからまたさらに努力をしていかなきゃならぬ、こう思っております。 しかし、いずれにしても、何でもかんでも国、国というわけにもまいりませんので……
○村沢牧君 いや、その方向は出ているんですよ。
○国務大臣(田名部匡省君) 林野、土地の売り払い等、みずからも努力をしながら国の助成も仰いでいく、両面で努力をしていかなきゃいかぬ、こう思っております。
○村沢牧君 大臣、国有林のことでそういうお話がありましたが、その方向は出ているんです、国会で、法律上。ですから、大臣、計画には従いますけれども、こういう実態ですからあなた頑張ってくださいよ。私どもはあなたたちを追及するばっかりじゃない、農水省頑張れと応援もしているんですよ。ですから、法律も出しますし、予算の問題だって応援しますからやってください。 それで、最後の問題について厚生省に伺いますが、厚生省は昨年食品衛生調査会の審議会で臭素についてどのような許容基準を設定したんですか。
○説明員(牧野利孝君) 平成三年十二月九日に食品衛生調査会の残留農薬部会、毒性部会の合同部会より報告されました基準値案では、穀類は五〇ppm、かんきつ類及びイチゴは三〇ppm、アボガドは七五ppm、果実は二〇ppmでございます。
○村沢牧君 厚生省は、これから残留農薬の基準についてどんどん設定しよう、あるいはポストハーベストについても取り組もうということで作業を進めておるんですね。そのような厚生省が案を決めたことは、国民の安全性を確保するためにはこの程度の基準がどうしても必要である、こういう考え方でもって基準を決めたと思う。また、その基準については厚生省は自信があるものだと思いますが、どうですか。
○説明員(牧野利孝君) 残留農薬基準の設定につきましては、実際に安全性等の資料、通常はADIと申します一日摂取許容量でございますけれども、それとか農産物摂取量、こういったものをもとに基準値を決めているわけでございますけれども、仮に農産物に設定いたしました基準値の上限ぎりぎりまでその農薬が残留したといたしましても、先ほど御紹介いたしました一日摂取許容量、ADI以下になるように残留基準値を設定しているところでございます。
○村沢牧君 厚生省はそのような考え方について残留農薬基準を設定した、臭素についてですね。十二月にこの基準値を発表した。ところが、本年三月になって農水省は、厚生省の基準値は現実的でないとデータを示して厚生省に変更を求めた。農水省はなぜそんなことをしたんですか。
○政府委員(上野博史君) この臭素の残留農薬基準に関係をいたします薬剤といたしまして臭化メチルというものがあるわけでございます。これは輸入植物の検査において害虫が発見された場合の消毒方法として一般的に用いられている薬剤でございますけれども、この薬剤を用いまして薫蒸いたしました場合に、私どものデータでこの基準値を超えるという事例があるということを把握いたしましたので、そのことを厚生省に御説明を申し上げたという事情でございます。
○村沢牧君 農水省が指摘をしたような農産物には虫が多く出る。それから輸出国は輸送途中の虫を防ぐために臭化メチルをポストハーベストとして散布をする。しかし、その厚生省の決めた基準では外国農産物は入ってこない、そこで基準を弱めてくださいという言い方ですね。 厚生省の決めた基準が厳し過ぎる、その基準を緩和せよという考え方は、国民に必要な食糧をできるだけ国内生産を高めていこうとする農水省のとるべき態度じゃないじゃないか。農水省は、基準を超えるような食品、農産物、植物防疫に関係するものがあれば陸揚げさせちゃならない、それが農水省の態度じゃないですか。
○政府委員(上野博史君) この臭化メチルを用いるということは、今、委員お話しございましたように、外国からの農産物の中に害虫が存在をするというときにこの薬剤を用いて防除をいたすわけでございまして、日本の農薬に害のある害虫の侵入あるいは病害虫の侵入を防止する、あるいは、ひいては環境の保全に役立てるという意味合いを持っているものでございます。 私どもの立場からいたしますれば、国民の健康保護を第一に考えるということは当然のことだというふうに理解をいたしているわけでございますけれども、その許容される範囲内におきまして植物検疫についてもできるだけの配慮が払われることが望ましいんじゃないかというふうに考えまして厚生省と話し合いに入ったということでございます。
○村沢牧君 農水省としても、国民の安全性、国民の健康を考えるのは当然のことだ。そういうふうに緩和してくださいと、臭素に対してですね、そのときにこれで緩和しても国民の安全性は保たれる、そういう自信でもってあなたは厚生省にそういうデータを示したんですか。
○政府委員(上野博史君) 私どもとすれば、私どもの業務あるいは行政目的を達成する上でこの薬剤の使用というものが非常に大事であるということがございまして、それが国民の健康保護という観点で許されるものであるならばと、当然そういう条件になるわけでございますが、余裕が許容基準との間にあるのかないのか、その辺は私どもとして定かに申し上げられる立場にはないわけでございますけれども、もし許容基準が許容範囲内にあるということであるならば、この薬剤の使用ができるようにお取り計らいを願えないであろうかという考え方で御相談をさせていただいた、こういうことでございます。
○村沢牧君 厚生省は、残留農薬基準についてこれからどんどん幾つも決めていくわけですね、今までなかったけれども。しかし、その中身は従来の農薬取締法や食品衛生法の規定よりもはるかに 緩和しようとしているんですね。ポストハーベストもどんどん規定をしていこう。農水省は、今臭素の問題を私は取り上げたが、そんな姿勢だと思うんですね。厚生省は基準を決めたけれども、農水省がその基準ではちょっと厳し過ぎると。一体、農水省というのは何ですか。外国の食糧を輸入する省なんですか。そんな姿勢は絶対許せないと思う。大臣、答弁してください。
○政府委員(上野博史君) 私どもも、国民の健康保護が大事であるという点は、これはもう全くそのとおりだというふうに考えているわけでございます。そういう前提のもとで、この植物防疫という、これもまた大事な仕事だというふうに我々としては考えているわけでございまして、その的確を期すことを考えてできるだけのことができないであろうかという、こういう観点で我々とすれば御相談をさせていただいた、こういうことでございます。
○村沢牧君 農水省は、国民の健康は厚生省の考えることだ、おれの方は植物防疫だ。厚生省が決めた厳しい基準でやれば植物防疫のために役に立つんじゃありませんか。 そこで、厚生省は農水省からこういうデータをもらってこの基準を緩和した。どのように緩和したんですか。
○説明員(牧野利孝君) 先ほど御紹介いたしました十二月の食品衛生調査会の残留農薬部会・毒性部会の報告以後、農水省の方からのデータの提出がございました。それを改めて食品衛生調査会の残留農薬部会・毒性部会に提出いたしまして御審議をいただいたところでございます。 その結果、合同部会におきましては、臭素の理論最大摂取量を安全レベル以下に抑える、そういう前提のもとに原案の見直しが行われまして、ことしの三月でございますけれども、トウモロコシは五〇ppmから八〇ppm、ソバは五〇ppmから一八〇ppm、キウイフルーツは二〇ppmから三〇ppm、その他の果実、具体的にはザクロでございましたけれども、それにつきましては二〇ppmから六〇ppmに改めた案が改めてまとめられたわけでございます。
○村沢牧君 そんなことがありますか。厚生省、あなたが自信を持って基準を示した、先ほど言ったように自信を持つものだと。これは国民の健康上このくらいの基準は必要だということで厚生省はこの研究会に出して発表したんですよ。それに農水省から横やりが入って基準を変えたということ。一体最初の基準は、厚生省、何だったんですか、自信のないものだったんですか、科学的な根拠がなかったものですか。
○説明員(牧野利孝君) 昨年の十二月の合同部会の結果報告されました数値でございますけれども、当然ながらこういった原案につきましても、農薬の理論最大摂取量がその農薬のADI、一日摂取許容量を超えない範囲で、食品の摂取量を踏まえまして、その農薬の使用実態であるとか、今回の場合でございますとFAO、WHOのこういった国際基準を参考といたしまして設定されたものでございます。 ただ、残念ながら発表時点では、輸入農産物におきます臭素の残留実態に関する十分な資料は存在していなかったところでございます。
○村沢牧君 厚生省に申し上げておきますが、日本の国には農薬取締法や食品衛生法によって基準はある。その他のものにはない。だから、ダンケルが言っておるように国際基準にみんな合わせていくんだ。そういうことでしょう。だから、基準のない、根拠のないものをあなたは示した。そんなことで本当に農薬の残留基準ができますか。これを指摘しておきましょう。いいです、答弁は。だめですよ、これからどんどん決めていくんですから。 農水省に行きましょう。 ポストハーベストがどんどん出てくるんですよ。ポストハーベストは日本で認められたのは薫蒸しかないんですよ。どんどん幾つも認められてくる。それを厚生省が示した。農水省が横やりを入れて、それでは困るというわけだ。そんな行政があるのか。大臣、この問題については時間がありませんからきょうはここでとめておきますけれども、大臣考えてください。農水省が、厚生省の決めた基準では厳し過ぎるから、これでは外国のソバが入ってこないからもっと基準を弱めてくださいと。日本の植物に対して影響がある。農水省もこれぐらい下がってしまってはだめですよ、これは。最後に、大臣の見解を聞きましょう。
○国務大臣(田名部匡省君) 高度な知識を必要とするものですから、私が的確にお答えできるかどうかわかりませんが、いずれにしても国民の健康ということは大事でありますから、専門家の皆さんが本当にこれならば大丈夫だと、これを信じる以外に国民の皆さんわからぬわけでありますから、そのことを踏まえて、本当にどういうことなのかということを決めていただく、慎重にやってほしい、こう思っております。
○委員長(永田良雄君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時十分まで休憩いたします。 午後零時十五分休憩 ―――――・――――― 午後一時十三分開会
○委員長(永田良雄君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管及び農林漁業金融公庫を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○三上隆雄君 それでは、私は四点の通告を申し上げておりましたけれども、先ほど来いろいろ同僚先輩議員からの質問がありましたので、若干順序を狂わせての質問になろうかと思いますけれども、続けてまいりたい、こう思います。 まず、大臣にお伺いいたしますけれども、食糧の自給率向上と価格政策についてということでございますが、我が国の食糧の自給率は先進諸国で最低である、そしてその産業のバロメーターと言われる農業後継者、いわゆる就労者が極めて少なくなっている。したがって、その地域が高齢化し、そして地域の崩壊が見られる状況になっているわけであります。その観点から、私は食糧のやはり増産、生産拡大の政策でない限り、その産業の振興発展はないという立場から、大臣の食糧自給率の向上と価格政策についてお伺いをいたします。
○国務大臣(田名部匡省君) 御案内のように、この狭い国土に一億二千万の人たちがおって、生活はだんだん豊かになってまいります。豊かになってまいりますと、いろんな食糧の商品も多様化してくるわけであります。そういうものを見通して食糧の自給卒を維持向上させるということはなかなか難しいことだとは思っておりますが、何といっても二〇〇〇年を目標にして閣議で決定されたカロリーベースの五〇%、これを見込んでいるわけでありまして、それに向かって今努力をしておるわけであります。 特に、何といってもすぐれた担い手を育成すること、あるいは生産基盤を整備する、そして普通、欧米のような農業をやっておってはなかなか、今申し上げたような狭い国土でありますから、何といってもバイオテクノロジー等の先端技術を開発普及して、他の国とは違う方法で取り組んでいかなければならぬ。それには安全でなきゃならぬというものもあります。 そういうことでありますから、行政価格については、需給の動向がどうなるのか、あるいは生産費の水準等を勘案してこれは決めていかなきゃならぬ、また構造政策等を適切に実施をしていかなきゃならぬ。特に、生産性の向上によって生産コストを下げる、ここのところはいろいろ議論のあるところです。しかし、一方では内外価格差を縮めると、こういう声も非常に大きいものですから、国民の理解をいっぱい得られる、そういう価格水準での農産物の安定的供給を図るということが大事なことであります。 私たちも農民の声を聞くと、やっと努力して生 産性の向上があると行政価格の引き下げをすると言って随分不満があります。あることは承知いたしておりますが、一方では勤労者の多くの皆さん方の税負担という形でいろいろと御負担をいただいておるものですから、この人たちには安全でいささか価格の安い農産物を供給するということも、これまた義務としてあると思うんです。その辺のとり方が非常に問題があって、まあ不満も出るときもあるということだろうと思いますが、いずれにしても安定的に供給を図ってもらうということから、行政価格についても適正な価格というものを出して御協力いただいておる、こういう状態であります。
○三上隆雄君 ただいま大臣から現在四七%台のカロリー自給率を五〇%に向けて、すぐれた担い手を育成するというお答えがありましたけれども、少なくともそれに向けて諸政策を展開していただきたいと、こう思うわけであります。 それでは、具体的に価格の問題に入りたいと思います。 さきの乳価決定の際に、生産農家あるいは農業団体からキロ五円の加工乳の上げ要求をしながら、今回もまた据え置きという事態に相なったわけであります。私ども今の乳価ということを考えてみて、果たして消費者価格が高いという認識で生産者価格を考えでいいのかどうか。私は生産者の立場からいっても消費者の立場からいっても、安全な飲用乳をあるいは加工乳を消費者に提供するという立場からいきますと、やはり若干なりとも上げていかなきゃならないという前提で質問を進めたいと思います。 さきの加工原料乳価格は、保証価格で七十六円七十五銭、基準取引価格で六十五円四十銭、限度数量も同じく二百四十万トンということに決定いたしましたけれども、今現在の飲用乳の販売価格がキロ百八十円台で、百八十八円、二百円以下で売られているわけであります。これを二百ccの牛乳瓶で換算しますと四十円足らずでございますけれども、実勢価格は牛乳瓶で言いますといわゆる六十五、六円台で消費者価格が決まっているわけであります。これから生産者価格を五円上げた場合に牛乳一本の価格が一円上がるという計算になるわけであります。 それをその飲用乳の決定のルートを見ると、生乳指定団体が乳業大手三社に販売する、そこで価格の交渉があるわけですけれども、それに対して、さきの乳価の審議会の時点で、大臣、局長が不在のときの質問では、政府はそれに介入することができないというお答えがあったわけでありますけれども、この五円を上げるという手だては考えることができませんか、現状の規定、制度の中でですね。そのことについてお尋ねをしたいと思います。
○政府委員(赤保谷明正君) 飲用牛乳の価格決定の仕方、今、先生がおっしゃいましたように、指定団体と乳業メーカーとの間で自由で対等な立場で交渉して決められるというのが基本でございます。 私ども国としては、飲用牛乳については、そのときどきの市乳の需給実勢等を背景にいたしまして両当事者間の適切な交渉により決定されることを期待しているところでありますが、今後とも両当事者が今申し上げましたような十分な議論を尽くして、双方にとって納得の得られるような価格で決まればいいわけですが、ことしも、去年もそうでございましたけれども、なかなか双方立場がございまして話がつかない。ことしも、四月から新年度に入るわけでございますけれども、早期に妥結するよう期待をいたしておりますが、必要に応じまして関係者を指導してまいりたいというふうに考えております。
○三上隆雄君 価格形成の現場では、生産者が五円要求をするとその乳業加工メーカーは二十円をアップしなきゃならぬという、そういう言い方をしているようでありますけれども、それはなぜなのですか。生産者が上げなければその乳業メーカーは二十円上げなくても今やっているわけでしょう。 それからもう一つ、こういう現象がある。牛乳、卵というのはスーパーの、大手販売業者のいわゆる客を呼ぶためのおとりの価格だという、そういう意味合いがあるらしいんであります。自分の商業上ダンピングして販売するんであれば、それは自分の利益の中を減らして生産者には適正な価格を付与するのが当然のことだと思いますけれども、消費者価格を自分たちの利益のために上げないで、その自分の利益は堅持しながら生産者価格だけを抑えていくというその姿勢を私は、指導監督する行政庁、農水省としてどういう考え方ているのか、それについての御見解をいただきたい。
○政府委員(赤保谷明正君) 量販店等における安売りの例を指摘されながら……
○三上隆雄君 もっと声を高くお願いします。
○政府委員(赤保谷明正君) 量販店等における牛乳の安売り等の例をお示ししながら御質問になられましたけれども、飲用牛乳の市場は、御承知のとおり、牛乳の消費がお天気、季節、そういうことによって変動しやすい。その上に生産者団体による市乳化、市乳の方に回す市乳化率向上の要請が強い。あるいは乳業者間の飲用牛乳の市場でのシェア争いというような問題もございますし、さらに量販店での目玉商品としての利用、そういった要因がありまして、ともすれば価格面で混乱が生じやすい、そういう性格を有しているものでございます。 このために飲用牛乳市場の正常化を推進する必要がありまして、私ども農水省でも飲用牛乳の流通取扱指針というようなものを定めまして、この中で量販店の秩序ある販売について指導してきたところでございます。 さらに、飲用流通に関する生産者、乳業者、販売業者あるいは量販店、そういう関係者の意思疎通の場として全国レベルの飲用牛乳流通問題協議会、そういうものを発足させて、さらにブロック段階、県段階、そういうレベルでの協議会が設立されておりまして、これらの協議会の活動を通じて、飲用牛乳の廉売、乱売、そういったものの是正をする、それで生・処・販それぞれ採算の合うようなものにしていかなければいけないと思っているわけでございます。 それで、今後におきましても、飲用牛乳市場の正常化を図るために、飲用牛乳の流通取扱指針の適切な運用、それから今申し上げました協議会、そういうものを通じまして、引き続き廉・乱売をしている量販店、そういうところの指導をしてまいりたいと考えております。
○三上隆雄君 今、一般の労働者は、労働時間を二千百六十時間を二千時間に、そして千八百時間に短縮しなきゃならないといういわゆる宮澤総理の豊かさを求める政治を日本が歩もうとしているわけでありますけれども、酪農農家は平均二千五百時間一人で働いているんだそうです。それでいながらこういう経済の実態であります。さきの委員会でも申し上げましたけれども、北海道と青森の例を若干申し上げてみたいと思います。 北海道のA農家は、元年の青色申告の最終的な所得が一千四百五十万のものが三年には九百九十八万まで減った、六八・八%まで下がった。B農家は八百五十六万から百九十五万まで下がって、二二・八%まで下がった。G農家は千三十二万から三百四十四万、三三・三%まで下がった。M農家は八百三十万から六百四十七万で七八%まで。これは北海道ですが、青森県の農家も、内地では比較的経営規模拡大して生産性の高い農家でありますけれども、この新聞にも、東奥日報という青森の地方紙の有名紙ですけれども、これにも出ていますように、収入ががた減り、子牛の価格が急落、二戸三百万平均の減収になっているという実態があるわけであります。そういう状況の中で立派な担い手を育てると言っても、価格をこの状態にしておきながら私は農家はそこに育つはずがないと思うんです。 先ほど来、村沢委員も言ったように、日本の保護率が必ずしも外国に比べて高いわけでもないんですよ。先ほどのお答えで、八〇年のものを一〇 〇%とすると九〇年には四二%に日本の保護率が下がっている。アメリカ、ECは三・八倍あるいは二・九倍に保護率が高まっている。そういう状況の中で、日本の農家だけをそれほど抑えて農業を育成するということ自体私は現場から見て無理だと思う。その点についての考え方を、実情認識をどう受けとめているか、お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(赤保谷明正君) 今回の加工原料乳の価格につきましては据え置きということにいたしたわけでございますが、酪農につきましてはこれまで比較的順調に推移をしてきたんですが、牛肉の自由化の影響等がありまして、先生がおっしゃいましたように、経営がかなり苦しくなっているということも事実であろうと思います。 そこで、私ども、今度その価格の決定と関連をいたしまして、価格関連対策として、平成三年四月からの牛肉の輸入自由化によりぬれ子等の個体価格が急落する、こういう厳しい状況の中にあって、生産性の向上なり生乳の高品質化を図る、そういうために、平成四年度限りでございますが、臨時異例の措置として総額四十八億円の酪農経営安定等緊急特別対策を実施することといたしたほか、さらに、かねてから進めておるわけでございますが、乳肉複合経営、せっかく酪農家が持っている資源、それに付加価値をつける。今までもやっておりますけれども、そういう乳肉複合経営に対する助成の拡充等を内容とするいろんな対策を講じ、酪農家の方々にひとつ頑張っていただこうということにいたしておるわけでございます。
○三上隆雄君 少なくとも、これから生産者と乳業メーカーとの交渉で決められるその価格交渉に当たっては、従来の姿勢でなく、必ず農家の要求、何も無理な要求じゃないですから、それを実現するような指導方をお願いしたい、こう思うわけであります。 それから、次に米価の問題に触れたいと思います。 日本の米価は、食管法の中で一応米は守られてきたと言われていますけれども、その点から御議論をしてみたいと思うわけであります。 現在の政府米の一等から三等米の平均価格は、一俵当たり――私は農家ですから一俵当たりの単位、六十キロ当たりでいきます――一万六千五百三十円だと思います。この価格は、一番最盛期には一万九千円台にいった十五年前の価格に下がっている。そして、日本の賃金は約一・五倍に上がっているわけであります。そういう状況の中で米価は毎年引き下げの状況にあるわけであります。 私は、日本の食管制度というものは、世界で一番、今の時代に最も合った、生産者と消費者をともに守った、極めて有効に機能している最もいい制度だと思う立場から、質問を続けていきたいと思います。 自主流通米の実態を見ますと、この価格の決め方というものは、前半のあるいはその年度内の七%前後の幅で認められているわけであります。三年産については不作で若干上昇ぎみでありましたけれども、これまた集荷業者がある程度ストックを持ち過ぎたということで、今現在下がっている状況だときのうの説明員から聞きました。私は、この制度についても、自主流通米、いいものをつくった、うまい安全なものをつくったというのは、マル政、政府米価よりも一万円以上高いということは極めてこの食管法がいい制度である、こう思うわけであります。 そして、今実際、米の流通を消費の段階まで考えてみたいと思います。 食管の中で、生産者米価はさっき言ったように一万六千何がしですね。それが消費者価格は、一俵に換算しますと大体一・二倍の二万円以下で売られているわけであります。消費者米価は一万九千幾らですね。自主流通米、これまた食管の中で流通していますから、政府米より一万円ぐらい高いけれども、これまた生産者価格から消費者価格の格差というものは、一・二、三倍の二万五千円から三万五千円ぐらいで流通されているわけであります。 その意味から、そして今食管外の部分で、結局消費者価格で、食管の中で消費者に販売された、あるいは営業業者に販売された、その中からの高騰ぶりというものが極めて大きい。大人一食分、私はいつも言うけれども、大人一食分の値段が流通米、銘柄米で二十円から四十円なんです、一食分ね。これが百五十円から二百円、四十円の量にすると二百五十円になっているか三百円になっているかわかりません。そういう状況ですね。食管から外れた部分で高くなっているんです。 そのことを逆に見ると、食管が生産者よりも消費者を守っているということを皆さん御認識いただきたいんです。一般の農産物は、果物については、大体生産者価格から消費者価格の格差というのが三倍になっている。野菜は四倍になっている。普通、市場流通したときですよ、農家から消費者へ売るというそういうケースでなく、産直とかそんなものではなく。全体的に見ると、そういう統計になっているという実態から見ると、食管があることによって生産者も一定の、安いけれども一定の価格が保証されている。消費者もせいぜい一・二、三倍よりならない値段で買えるという、これほど有効な私は制度はないと思う。 それを今、いわゆるオピニオンリーダーと言われる、あるいは米を一部輸入してもいいという側の立場からいくと、食管があるから日本の消費者が高い米を買わされているという言い方をしている人があるけれども、私は実態からいってそう思わない。それに対しての政府の御見解はいかがなものでしょうか。
○政府委員(京谷昭夫君) 米の生産、流通、消費の各面にわたりまして食糧管理制度がいろいろな機能を果たしておるということ、先生御指摘のあった点、私どもも同じような考え方を持っておるわけであります。 ただ、品目別に、農産物の種類ごとに流通コストの負担の仕方ということについて、長い歴史的な経過なりあるいは商品の特性に応じてある程度の差があるということは事実でございますが、先生御指摘のとおり、現在の食糧管理制度のもとでは、米の生産から末端の消費に至るある段階のものについて国が管理を行う、あるいはまた、その管理の過程で買い入れに伴う金利負担でありますとか、あるいは保管料といいますか、そういうものについて一定の財政負担をしていることも事実でございます。あるいはまた、それに対する、そのような民間段階における流通についてそういった機能を持った助成を行っておることも事実でございます。 そういった意味で、食糧管理制度が全体としての流通販売に一定の役割を果たしておるという機能は事実でございますが、この問題につきましても、財政負担あるいはまた消費者負担のあり方等をめぐりましていろいろ議論があるところでございますけれども、いずれにしても、現在保持されておりますこの食糧管理制度の機能、生産者に対する意味、あるいは消費者に対する意味というものを、私どもとしても状況の推移に応じて適正に運営をしていく必要があるというふうに考えておる次第でございます。
○三上隆雄君 食管があるから農業が過保護だという言い方、これはいろんな場所で聞かれますけれども、私はそうではないと思う意味からもう一度若干申し上げてみたいと思います。 食管予算が三千四百二十億円。これが多いか少ないかは別にしてことしは減反面積の緩和によって少なくなった。そして食管会計の中で米に対してどのくらいの価格作用をしているかということを私なりに試算してみました。これは食糧庁の職員の経費もいろんな総合的な農業政策の面でも食管からも出る部分があるだろう。少なくとも三分の一、一千百億円を主食用の六百三十万トンで割ってみた場合に、一俵当たりどのぐらいの保護率になっているがということを試算してみますと、一トン当たり一万七千五百円、大体一俵六十キロ当たり千百円なんですね。それからいきますと、私は食管があることによって消費者が受ける 恩恵から言うと極めて少ない額で消費者の食費の安定というものに寄与する部分というのは極めて大きい、こう思うわけであります。ですから、これからの時代にこそ日本の食管制度というものは世界に私は誇っていい制度だと思うんです。 ただ、これを逆に見ると、例えば生産者米価が一万円になったときに、普通の自由流通の価格でいくならば恐らく二万五千円から三万円になるだろうと言われます。そうすると、消費者はその分高いものを食わされるわけでありますから、結局潤うのは中間の業者、これは確かにいい袋に入れたり、テレビで宣伝されたり、いろんな宣伝費がかかるだろう、あるいは若干の見ごたえのある料理はされるだろうけれども、結果的には消費者が高いものを食わされるという実態が目に見えているわけであります、別な産物あるいは物品からいくと当然そう高くなっているわけでありますから。このことを考えたときに食管はこれからも守っていただきたい。 そしてもう一つ、生産者の側にも食管があるから我々は高く売れないという側もあるわけであります。それは、特別栽培米という形で売り手と買い手の直接の相対売りで無制限に売れる実態があるわけでありますから、この点を若干改善して、生産者が自分たちの地域で生産した米をその地域で販売できるような、そういう仕組みにすれば流通経費も合理化されるし、目に見える場所で、目に見える人たちが、目にみえるつくり方でつくっているわけでありますから、安心して食べられる、若干高くてもいいという、そういう現象が出てくるし、期待できるわけでありますから、その辺の改善方もお願いしたい、こう思うわけであります。 余り時間もないようですので、そこで備蓄米の関係で減反緩和、八十三万ヘクタールから七十万ヘクタールに緩和されたその各農家の配分の実態はどうなっておりますか。さきの段階ではまだはっきりしないということでしたけれども。
○政府委員(上野博史君) 基本的には状況は、今、委員のおっしゃいました段階、幅の話と変わっておりません。農家への配分というのは大体終わりまして、これから地域間調整が始まるというような段階だというふうに思っておりますが、まだ確たる数字をまとめる段階には至っておりません。 状況から言いますと、関係者の皆様方の御努力によりまして稲の作付面積が相当程度増加するという状況にあるというふうに考えております。しかしながら、野菜等の転作の定着しているところ、あるいは中山間地域など担い手の体制が脆弱なところというようなところについては復元が困難というようなところもございまして、これからさらに一層の努力をしなければならないというふうに考えております。基本的にはなお周知徹底を図りながら地域間調整の努力を大いに進めてまいりたい、かように考えているところでございます。
○三上隆雄君 転作の継続年数はまだ一牛きりだということの方針で進めているんですか。
○政府委員(上野博史君) 基本的にこれは単年度限りの措置ということでございまして、いわゆるポスト後期の問題につきましてはことしの稲作の状況等諸般の事情を検討いたしました上で考えてまいりたい、かように考えているところでございます。
○三上隆雄君 そのことに対する生産現場からの声は一年でいいという声ですか。少なくとも四、五年はやってもらいたいという要望がございませんか。 それに加えて、私は政府の備蓄米の考え方、百万トンはやっぱり百五十万トン。百万トンというのは一カ月ちょっとですよ。一たん緩急あったときに、少なくとも一カ月半か二カ月じゃ、少なくとも二年というのが昔は常識でしたけれども、一カ月や一カ月半じゃどうにもならぬじゃないですか。そういう最善を期待してつくった制度でしたら、仮に幸い豊作で余っても百五十万トンは備蓄するんだという考え方に変えることはできませんか。そうしたら三年、五年は継続耕作できるでしょう。
○政府委員(京谷昭夫君) ことしの転作緩和措置と持ち越し在庫水準の問題でございますが、実は今回特例的に行いました転作の緩和措置というのは、先生御承知のとおり平成二年から平成四年度の三カ年にわたって行っております水田農業確立後期対策のたまたま最終年である平成四年度について特例措置を講じたという形になっておりまして、いずれ平成四年度が終わりまして平成五年度以降の後期対策が終わった後の対策をどういうスパンで考えていくか、あるいはどういう内容で考えていくかという論議をことしの秋までには具体化していかなければいけないというふうに考えておるわけでございまして、今回の緩和措置を今後どう取り扱っていくかということは、現場からのいろんな御議論も私どもも聞いておりますけれども、ことしの状況を踏まえながら来年以降のいわゆるポスト後期対策の設計の中で具体的に詰めていく必要があるというふうに私ども考えております。 また、その際に、百万トンという備蓄水準につきましては、実はこれはただいま申し上げました、現在進めておりますいわゆる水田農業確立後期対策を通じての備蓄目標として百万トンというレベルを設定しておりまして、今回の緩和措置におきましても年度が若干ずれ込んでいくわけでございますけれども、平成四年産米が平年作に推移した場合に確保する在庫水準というものをもう少し、百万トン程度にしようということで設計をしておるものでございます。 この百万トンのレベルそのものについては、最近におきます米に対する需要が大変高品質のものを、あるいは新米志向が大変高まっておるということも踏まえて、安定的な作柄の変動に対応した備えと同時に、持ち越したものが円滑に販売をされていくという見通しを持てるものというレベルとして百万トンということを実は設定しておるわけでございます。 御承知のとおり、これを過大に設定した場合に過去二回にわたりまして相当程度の過剰米を抱え込むことに伴って、財政資金、この二回を通じまして約三兆円にわたる過剰在庫の処理負担をしたという経緯があるわけでございます。そういった事態を避けながら、作況変動に備えると同時に、過剰を発生させないようなレベルとして適正な水準がいかがなものであるかということで、百万トンというレベルを設定しておりますが、ポスト後期対策の具体化に当たりましても、平成五年度以降その辺をどう考えていくかという議論をあわせて検討して適正な水準の設定に当たりたいというふうに考えておる次第でございます。
○三上隆雄君 少なくとも、早い機会に農家に安心させてつくらせるような、そして消費者にはどんな不作の年があっても不安を与えないような、そういう食糧政策を断行していただきたい、こう思います。 最後になりますけれども、これは一括で質問してお答えをいただきたいわけでありますが、オレンジ果汁の自由化によって日本果実に与える影響ということで通告しましたけれども、一昨年のリンゴの果汁自由化によってリンゴの産地に与える影響はないという認識をこの委員会でされたわけでありますけれども、その認識は私は誤っているということを指摘しながら、オレンジの自由化になった場合に、そのオレンジなり日本の果実全体に対する援護措置というものを考えていただきたい、それに対する見通しをお聞かせいただいて、私の質問を終わります。
○政府委員(上野博史君) リンゴ果汁の自由化の問題の考え方につきましては、見方はいろいろあろうと思いますけれども、そのことにつきましては先般お答えを申し上げたとおりだというふうに私どもは考えております。 それから、オレンジ果汁の自由化の影響の問題でございますけれども、国内のミカンの生産量が減少いたしまして、ミカンの関係で言えば、オレンジジュースの輸入というのはふえる傾向にある というふうに考えております。ただ、なかなか今後の見通しを申し上げるのは難しいのでございますけれども、オレンジ果汁の大生産国でございます、また同時に消費国でもございますアメリカ・フロリダが不作であるということから、輸入果汁の値段が通常時に比べましてやや高い水準にある。それから、かんきつ果汁全体の消費が平成二年、三年と停滞ぎみで参っておりますので、こういうことを考え合わせますと当面急激な輸入増はないんじゃないかというふうに考えております。 まず、ミカンへの影響でございますけれども、生果実の生産が中心でございまして、園地再編対策によります園地生産調整の効果によって需給の安定が図られておりますので、平成二年以降生果の値段というのは堅調に推移をいたしておりまして、この傾向は続いてまいるのではないかというふうに考えております。 それから、ほかの果実なり果汁への影響でございますが、これはなかなか的確に予測するのは難しいわけでございますけれども、最近果実や果汁への需要というものが多様化をいたしておりまして、また供給もその需要の動向に応じて弾力的に行われているという事情にございます。このために、オレンジ果汁の自由化が行われましても、他の果実、果汁に及ぼす影響というのは大して大きくないんじゃないかというふうに考えておりますけれども、何分明確に申し上げられないということをお許しいただきたいと思います。
○菅野久光君 だんだん時間がずっと押されてきまして、短い私の持ち時間しかございませんので、簡潔に要領よく御答弁いただきたいと思います。 最初に、国有林野事業の関係について質問をいたします。 国有林野事業は、三年度より新たな改善計画がスタートいたしました。今日まで経営改善に向けて労使が大変な努力をしてきていることを私はよく承知しております。平成三年度からは経常事業と累積債務を経理区分し、そのための財政措置も行われておりまして、財政当局や関係者の努力に敬意を表する次第でございます。 しかし、経常事業を見ると、収入の大宗を占める木材の販売収入については、伐採量の減少と質的低下、加えて材価の低迷、不安定という中で収支均衡を目指すのは大変厳しいものがあります。 そこで、経常事業部門の財政健全化についてでありますが、まず一般会計からの繰入措置について、民有林に対するもろもろの助成措置があるわけですが、それとの均衡を早期に実現すべきであるということをこの改善の法案が出されたときに私は申し上げたわけですけれども、この点についての考え方をまずお聞きしたいと思います。
○政府委員(小澤普照君) 国有林野事業につきましては、昨年法律の改正もさせていただきまして、その後経営の健全化に努めているところでございますが、この際に累積債務というものが経常事業に支障を及ぼさないようにということで区分をさせていただいたわけであります。 経常事業につきましては、今、先生がおっしゃいますように、いろいろ状況厳しいものは確かにございます。しかしながら、昨年七月に策定いたしました新たな国有林野事業の改善に関する計画に則しまして自主的な改善努力を尽くしますとともに、また、一般会計からの繰り入れ等所要の財源措置も講じながら経営の改善を推進していくわけでございます。 で、繰り入れにつきましては、平成四年度予算案におきまして総額三百三億円ということで、前年度に比べまして二一%の増加でございます。なお、このうち民有林助成との均衡を考慮ということになりますと、造林・林道等の事業施設費に対する繰り入れということになるわけでございますが、これは百六十三億円ということで、前年度比一一七%ということでございます。 今後も民有林助成との均衡にも留意いたしまして、私ども造林・林道等の事業施設費につきましては一般会計からの繰り入れの確保に努力をしてまいりたいというように考えております。
○菅野久光君 経常事業は、当面借入金を含めて事業運営をしなければならないわけですね。これに対する利子などが経常事業を圧迫することになるわけです。したがって、借入金に対する財政支援措置がなければ経常事業の運営が困難になるのは、これは当然なことですね。 今回、経理を区分した目的は、累積債務が経常事業運営に影響を及ぼさないためにとった措置ということなわけです。こうした工夫が、せっかくいろんな工夫をしたわけですから、この工夫が機能するように、すなわち借入金によって経常事業が圧迫されることのないように、国有林野の持つ重要な役割から財政対策をしなければならないというふうに思うんです。 林野の問題は、政治にかかわる者ひとしく真剣にこれは考えなければならない問題だというふうに思うんですが、ここは行政官庁の責任者ということだけではなくて、政治家としての大臣のお考えを承りたい、このように思います。
○委員長(永田良雄君) 答弁は簡潔にお願いします。
○政府委員(小澤普照君) 大臣の前に若干答えさせていただきたいのでございます。 これは、経常事業につきましても、当面新たな借入金を要するということは確かにございますけれども、これはあくまで事業経営の立場から施設投資型のものとして借り入れるということでございます。しかし同時に、先ほども申し上げましたように、一般会計からの繰り入れも造林・林道等につきましては行うということでございます。 なお、したがいまして、新たな借入金に対する利子補給というものは、現在、予算には計上されていないわけでございまして、あくまで過去債務についてやっていると。しかしながら、その中でも退職手当につきましての借入金の利子につきましては一般会計繰り入れを行っているところでございますので、今後ともさらに経営の改善に努めてまいりたいということでございます。
○国務大臣(田名部匡省君) 林野事業については特に厳しい環境にあると思うんですね。そういうことで一般会計の方からの繰り入れ等も行いました。今後もこれからの推移というものをよく見ていかなきゃなりませんが、いずれにしても、お願いをする立場としては、やっぱりみずからの努力というものが、一生懸命やった、やったけれどもこれこれの困難があるということでないと、国民の大切な税金をお願いするわけでありますから、(「努力はしているんだ」と呼ぶ者あり)努力はしていると思います。だから、その努力がみんなに認められれば、私はこの先もその実態を踏まえて努力はしていける、こう思いますが、いずれにしても、そういうことは、国民が見て林野事業はよくやっておるなと、このことが大事だ、こう思っております。
○菅野久光君 先ほど私は最初に言いましたけれども、労使が本当に真剣に論議をしながらこれを進めてきているという、そういう状況下でありますし、先ほどの大臣の予算の説明の中でも、「国有林野事業については、新たな経営改善計画に基づき、その経営改善を推進します。」というふうに説明されておりますので、この説明に従って、今度は失敗は許されない、そういうことでひとつ頑張っていただきたい、このことを申し上げておきます。 次は水産問題であります。 まず、後継者の問題は、農業だけじゃなくて、水産の方でも大変な問題になっております。現在、農業においては高齢化の進行と後継者の不足が本当に大きな問題になっていることはもう今さら申し上げるまでもありません。政府も担い手問題を新農業政策の重要な検討課題として取り上げておりますが、漁業では農業ほど残念ながら問題にされておりません。 確かに、農業就業者は、平成二年において男子の場合、六十歳以上が六〇・六%に達しているが、漁業では二八・二%であり、農業ほどではない。しかし、自営漁業就業者のうち沿岸漁業者は、四年前の昭和六十三年に行われた漁業センサ スで三一・六%となっておりまして、現在ではかなりこれを上回る割合になっているのではないかというふうに思われます。このように沿岸漁業の場合、農業に比べれば低い割合であるとはいえ、三分の一が六十歳以上であるわけだから、かなりの高率であるわけです。しかも、急速に高齢化が進行している一方では、浜を回っていると後継者不足だという声をよく聞きます。嫁不足という訴えも聞きます。したがって、漁業、特に沿岸漁業において後継者確保のための対策を充実することが必要ではないかというふうに思うんです。 ところで、今年度予算には漁業就業構造改善対策費の一部として漁業就業者就労改善対策事業費が計上されております。これは後継者を確保するための対策のようであります。 本当はその概略を説明してもらいたいというふうに思っておりましたが、時間の関係もございますので、こういう費目で後継者確保のための対策をやろうとしているという、そのことについては一応わかりましたので、そこのところは質問を省いておきたいというふうに思います。 そこで、二百海里内はおろか公海でさえ漁業規制が厳しくなった現状のもとでは沿岸漁業を大切にしていくしかないわけです。したがって、沿岸漁業に就業を希望する人たちに対する対策を飛躍的に拡充していく必要があるというふうに思います。ところが、この予算が逆に、沿岸漁業対象の漁業就業者就労改善対策費が、平成二年度は三千三百六十六万四千円、三年度は三千二十九万八千円、平成四年度の予算は二千七百二十六万八千円と逆にこの予算が減らされているのは一体どうしたわけか、拡充するのが当然ではないかと思いますが、水産庁長官のお考えを承りたいと思います。
○政府委員(鶴岡俊彦君) ソフト経費のうちの漁業就業者就労改善対策費を今取り上げられました。事実御指摘のように減っているわけでございますけれども、この経費につきましては、ソフト経費で就労者の漁業についての理解を深めたり、それから漁業の実態、沿岸漁業の実態等につきまして、就労者あるいは就労予定者の中学生とか高校生あるいは就職担当教師の方々にいろいろPRする経費でございます。これは、この経費だけでなくて、ほかの経費もあるわけでございまして、そういうのをあわせまして、事実この経費は減っていますけれども、ほかの経費を微増でございますけれども若干ふやしまして、全体としてそういうPRでありますとかあるいは指導者の養成等につきまして何とかやっていきたいというような予算を計上しておるわけでございます。 それから、もう御案内のとおりでございまして、我々はやっぱり定着化のためには漁業自身を振興していくということが肝要であろうかと。それで、そういう観点から、二百海里内の漁場の整備でありますとか、あるいは環境基盤、生活基盤の充実、あるいは新しい村づくりといいますか、そういうものについての経費を増大させながら、あわせてこういう就業者・後継者対策、後継者の定着化に努めていきたいというように考えております。
○菅野久光君 何とかやっていくということで対応できるような今の状況では私はないと思うんですね。こういうことでは漁業関係における後継者対策もこれはまともにいかぬのではないかというふうに思うんですが、漁民の人たちのこうしてほしい、ああしてほしい、こうあるべきだというような声を聞いているのでしょうか。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 水産庁全体としまして、私自身がなかなか出向いていくわけにもまいりませんけれども、いろんな機会に上京していらした折をとらえましていろいろ漁業問題についてのお話を伺っていますし、また、それぞれ担当の者がそれなりのお話をいろいろ伺って、そういうのをあわせまして予算要求いたしておるわけでございます。 先生のきょうの御質問も御激励と受けとめまして、予算の確保に努めていきたいと思っております。
○菅野久光君 漁業団体から聞くことも必要だけれども、浜に行って、本当に沿岸で一生懸命頑張っているそういう人たちの意見などを聞くことも私は大変必要なことだというふうに思うんです。 残念ながらもう時間がないな。まだ水産問題、資源管理型漁業の問題などいろいろありますが、後継者を確保するためには、やっぱり漁村の生活環境の整備だとか漁業者年金制度の拡充など、生活全般を総合的に改善をしていくことが必要だと思います。少しでも漁業と漁村を魅力あるものにしていく、そういった意味では必要があるわけで、そこにこそ後継者がつくられていくということになろうと思います。 漁業集落環境整備や漁港の環境整備の予算がふえているのは大変喜ばしいことだと、ここのところは私も評価をいたします。今後も強力にこのような施策を続けていく必要があるというふうに思いますので、こうした漁村の生活環境や漁業者の社会福祉の充実についてぜひ頑張ってもらいたいということで、本当に時間がございませんが、大臣から一言だけひとつ決意を伺いたいというふうに思います。
○国務大臣(田名部匡省君) おっしゃるとおりでございまして、農業と同じように漁村も整備が立ちおくれておる。そういう環境のもとでは担い手がやっぱり育ってこないということで、この面については特段の力を入れてまいりたい、こう考えております。
○菅野久光君 終わります。
○鎌田要人君 私は、ちょうど今同僚の菅野委員の方から漁業後継者の問題についてお触れになりましたが、時間の関係で農業後継者問題、これに関連しましてのこれからの農政の基本的な方向づけについて、若干お尋ね申し上げたいと存じます。 改めて申し上げるまでもないことでございますが、今日我が国の農業が抱えておりますそれこそ問題山積という状況の中で、一番の大きな問題がつ農業にあらわれております諸問題が集約的に出ております問題が、やはりこの農業後継者がなかなか得られない、育たない、そういうことがまた地域社会におきましても過疎問題を激化させておる。こういうことで、これはひとり農業の問題だけじゃなくて、地域の存続の問題、また国土保全、環境の保全、こういった広い視野を持つ問題であると思うわけでございます。 そのような意味から、この農業後継者の問題につきまして、農林水産省におかれましても、つとに平成二年三月十五日に全国農業会議所に大臣名で、今後の農業の担い手増、及びこれらの担い手を育成するための具体的方策等について諮問がなされました。これにこたえまして、同会議所は二年の歳月をかけまして、地方の農業会議等を通じて現場の意見も集約をされ、昨年の三月十五日に中間答申、またことしの三月十二日には本答申が出されたところであります。 この答申を拝見いたしておりまして、いろいろと教えられるところが大きい、その意味での会議所の答申作成に至るまでの御労苦に心から敬意を表するにやぶぎかでないところでございます。 また、農水省におかれましても、この中間答申等を受けられまして、先ほど御説明がございました新年度の予算案、あるいは法律面におきましても、例えば本院の先議案件になっております農業改良資金助成法の一部改正案、こういったもの等にも取り組まれているところでございます。その御努力に敬意を表しながら、以下、数点についてお尋ねを申し上げます。 まず第一に、この答申を拝見いたしますと、若者にとって魅力のある農業の再構築とそのための新たな農政の展開の必要ということをうたっております。若者が農業に魅力を感ずるものは何であるか。一つは、何と申しましても、これは人はパンなくして生きられるわけじゃございませんので、農業の生産性が上がり、他産業の従事者並みの賃金というものが得られる、そういった所得の確保、あるいは生活条件の改善、こういったもの がそれに伴って得られるという経済的、物質的な安定ということが基本であるわけでございます。 ここで私は特に強調したいと思いますのは、私ども農村を回っておりまして、そこで踏みとどまってくれております青年たちを見ておりますと、非常に精神的にしっかりしておる。かつては戦争中でございますので、いろいろ連想を持たれる向きもあるかと思いますが、農士道という言葉が使われたことがございます。あるいはまた、この答申の中でも農業者魂という言葉を珍しく使っておられる。 私ども地方自治体におりまして、農業生産のために、農村振興のために役立ってくれる青年たちを青年農業士と農業の士という名前をつけまして青年たちに踏ん張ってもらう、こういった意味での精神的な充足感といいますか、農業というものを男子一生の仕事として、これに誇りと自信とあるいは希望を持って踏ん張っていける、そういった精神的な充足感あるいは支え、こういった面をもっと強調すべきではないか。また、これは国民全体の責任でもある。農業生産者のいわば社会的なステータスというものをそれによって高めていく、こういうことがないと、やはり今日の風潮のもとでは農業後継者は育たない。 そういった農業者の魂の面の振興、作興ということについて、大臣いかがお考えでございましょうか。まず、基本的にお伺いを申し上げたいと存じます。
○国務大臣(田名部匡省君) 今お話しになりましたように、私どもも何とか魅力のある農業、それといま一つは先生お話しのように、やっぱり農家後継者魂といいますか、一億二千万の食糧を供給しているんだという誇りというものを持ってほしいと思うんですね。まあ、他人の畑がよく見えるということはよくありますが、自分がやってきたこの道というのはいろいろやってみてもそれが一番いいんですね。そこのところが何となく、気持ちの持ちようだと思うんですが、粘り強い、最後まで頑張り抜くというこの気持ちがなければどんな制度を取り入れてもよその方がよく見える。しかし、行ってみると案外期待したとおりでなかった。現に、私の身近な者たちも東京に出てきておりましたが、三、四年たってみると、やっぱり家がよかった、こう言って戻っているのが多いんです。 そういうところでありますから、しかし、それにしても経営的に安定しませんと、精神論だけではこれはどうにもなりません。したがいまして、今、検討本部でもいろいろと本当にこれからの農政の進むべき道というものを明確にしながら、若い人たちは今のはやりで言うと、格好よくなきゃだめですから、格好よさも取り入れて、本当に労働条件も緩和しながら、休日も他産業並みにとりながらというようなことで何とかやりたいということで、今一生懸命取り組んでおりますので、近々にお示しをいたしてまた御批判をいただけるかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
○鎌田要人君 たまたま次にお伺い申し上げようと思っておりました、農水省で昨年来、全省挙げて取り組んでおられます新しい食糧・農業・農村に関するいわば長期ビジョン、こういったものの策定作業も進んでいるようでございます。私は、今日の農業、農村をめぐる、特に最近の米の自由化報道等、マスコミの報道を見ておりましても、あるいは評論家と称される方々のテレビあるいは各マスコミにおきまする表現等を見ておりましても、これで農業の青年たちに頑張れと言うのほかわいそうだなという感じを禁じ得ないのであります。 いかにも守りの農業ということで守勢一方といいますか、人間というのはやはり攻撃をしないと生きがいを感じないところがあるわけであります。私は、新しいビジョンをつくられますときに、これはある意味においては言い古されたことでございますが、やはり攻めの農業というものをどう展開していくか、これについてひとつ知恵を凝らしていただきたい。 農産物の輸出、こういった面でも農業において、例えば鹿児島県、宮崎県、群馬県、この三県が一昨年から、アンテナショップという形でございますが、和牛をアメリカに売っておる。あるいは鹿児島の漁連が中心になりまして、鹿児島の魚をニューヨークに日航便で直送いたしまして、ニューヨークですしを食べられますと、鹿児島弁をしゃべる魚を食べていただいておる。こういうことでございまして、これはささやかな例でありますけれども、そういった輸出の振興という面も含め、農業生産の面においてもっと明るい積極的な展望を開いていかなければいけないと思うわけでございますので、そういった面についてのひとつ元気の出るビジョンというものを持って、しかもこれをわかりやすく、余り難しい表現じゃだめです、やはり農村の青年たちがううんと腹にこたえるような元気の出る展望というものをひとつお示しをいただきたい。これは要望であります。 それに関連をいたしまして、この答申を見ておりまして、一番力を置いておられますのが「産業としての農業を担う「農業経営体」の確立」、それと後継者につきましてはその中におけるまた個の確立、個人の確立、こういうことを非常に力説しておられます。これも一つのかなり古い時代から、アグリカルチャーからアグリビジネスヘ、何か言葉の遊びみたいでございますが、そういうことを私どもも地方におりまして偉い先生たちから訓示を垂れられたことがあります。しかし、これが大きな方向であり、正しい方向であると思うわけでありますが、例えば個人の農業の場合におきまして家計と農業というものを分離をする、いわゆる企業者マインドを持った云々と、こういうことを書いてありますが、あるいは法人、集団的な組織体としての農業という場合にも、いわゆる損益というものを明確にするとか、そういったいわゆる総合的な経営としてのマインドと、またそれに伴う経営管理というものをやっていくべきだ、こういうことを言っておられるわけでありますが、これを見ておりまして、はたと感じたことが二つございます。 一つは、先ほどもお話がございました農業基本法ができて三十一年でございます。お恥ずかしい話でありますが、改めて農業基本法の前文から一条、二条と読み進んでまいりますと、まさに今日において必要なことが書かれてある。一体この農業基本法三十一年という経過の中で、これは法律自身が書いておりますように、農業基本法に則して、その第一条の目的に従い第二条の具体的な施策が八項目書いてありますが、それに基づいて農水省の各年度の予算が組まれて、それについて我々は、国会の責任でもあると思うんですが、国会に報告をいただいておる。そういうことが三十一年積み重なって、そのとおりにできてきておって、なおかつこの法律で定めております農工間の所得格差の解消もできないところかだんだん拡大をしておる。 生産性の向上についても今またこういったことで、経営体というものでひとつ経営マインドを持って生産性を上げていくんですと、こういうことを言わなければならない事態になっておることの原因というのは一体どこにあるのか。行政が悪いのか、あるいは対象が悪いのか、国会が悪いのか、だれが悪いということを言っても今済む問題じゃございませんが、その意味での農業基本法三十一年のこの歩みというものを振り返って、どのような感想を持っておられるのか。 ある人によりますと、農業基本法農政ということが言われながら、この三十一年間の現実の農政は基本法を軽視する方向で行政は展開されておると、ある有力な方もおっしゃっておられるわけでございますが、それであればこれはやはり反省をして、新しい農業ビジョンに生かしていかなければならない大きなこれは契機であろうと思うわけであります。 第二は、この農業経営体の考え方というものは、何も法律を改正しなくても、あるいは今ある法律を廃止しなくても、現実の農業生産者あるいは組織体の努力によって今でもできること、ある いは行政がそういうふうに誘導をすればできることだと思うのでありますが、そういうことが今日まで問題意識として、産業として樹立てき、国際競争力のある農業を育てましょうと言い続けてきて、しかもそのための大きな要素としての農業経営体、こういうものの必要が充分認識をされながら今日までそれが実現を余りしておらない。今ここで改めて大きく言われなければならないその理由は何であろうか。この二点についてお教えをいただきたいと存じます。
○政府委員(馬場久萬男君) 農業基本法が掲げた目標、今、委員もお触れになりましたように、一つは農業の生産性の向上を図る、もう一つは農業の所得を拡大して他産業従事者と均衡のある所得を確保するということが大きな目標になっていると思います。 その目標のもとで、法律にも掲げました幾つかの施策の方向で我々努力したわけでございますが、実際には非常に問題があるではないかと、こういうことでございます。 これはやはり農業の世界の周りにおきまして幾つかの基本的な原因があったんだろうと思っております。高度成長を続ける日本経済の中にありまして、一つは、非農業での就業機会が増大して、農業労働力が他の部門へ流出していく、同時に農家の兼業化が進行したということでございます。 また一つは、国民の食生活が多様化いたしまして、食糧需要が変化して、国産で供給できない農産物の輸入が増大したということでございます。 それから三つ目は、土地の需要の増大でございまして、都市化に伴いまして非農業部門での土地の需要が増大をする。それによって農地の非農業部門への転換が促された。また、農地も含めまして地価の高騰をもたらした。それが農業の、特に土地利用型の農業について規模拡大を困難にしたということでございます。 その結果というような結果でございますが、他産業の生産性が農業を上回る大幅な上昇をしたことによって所得の均衡が困難になったというように我々認識しておりまして、これらはいずれも農業内というよりはむしろ我が国経済全体、農業を取り巻く経済全体の変化の中で農政自身としてはなかなか対応が困難であったということだと思っております。 二番目の経営体の問題でございます。先生おっしゃるように、農業基本法においても、自立経営の育成と協業の助長、農業の経営については家族経営的な個別経営とそれから協業体というものとを言っているわけでございまして、それに基づきまして農協法、農地法等の改正も行いました。農事組合法人等の育成策も講じてきたわけでございます。 ただ、何分にも現時点まで一定の分野でそういうものが出てきてはおりますけれども、農業の生産の中では依然として家族の個別農経営、しかも非常に大幅な兼業化が進んでいるという状態になってきているわけでございます。これは、先生御指摘のように、法律に書いてある、ないということではなくて、実態としてそういう経営体が必ずしも十分発達していないということだと思っております。 現在、では、なぜこの経営体の問題が今回の新しい施策の議論の中でも取り上げられているかということになりますれば、一つにはやはり農業に従事する人が減ってきている。よく言われるような非常な減少によりますと、一つの集落で新しく農業につく人が一人いるかいないかだというようなことになってまいりますと、今後の農業の担い手というものをどう考えたらいいかという問題が改めて提起されるわけでありまして、考え方としての多様な経営体というものは従来からも考えられておったわけでありますが、現実にこれから五年、十年先のそれぞれの地域の、特に土地利用型の農業を担う主体として個別の家族経営だけでいいのかというと、そうではなくて、もっともっといろんな形で対応することが必要ではないかということが現実の問題として論じられているわけであります。 したがいまして、今回まだ内部で検討しておりまして、どういう経営体を特にこれからの農業の担い手として重視するかということについては結論が出ておるわけではございませんが、改めて現時点でこれからの農業を担う経営体の議論は十分したいというふうに考えております。
○鎌田要人君 手前みそを並べるようでありますが、かつて私が地方自治体の責任をお預かりしておりましたときに農村振興運動というのを展開したことがありました。それは十数年の歳月をもって今まだ私の県では残っておるわけでありますが、その当時、やはり今日と同じような問題がありました。 とにかく鹿児島県というのは九十六市町村がありまして、そのうちの七十五の市町村が過疎市町村、ほとんどすべてが農山漁村ということでありました。特に、農村では赤ん坊の泣き声が聞こえない、こういうところがもうざらであったわけであります。そういう中で、結局その地域で主たる産業ということになりますと、農業であり林業であり漁業であるわけでありまして、特に農業、農村の振興というのをどう図っていくかという問題で、今日問題になっておりますような、例えば耕作放棄地が多い、そういったもので規模の拡大ができないかと。なかなかできないわけですね。 あるいはまた、災害が非常に多い。特に桜島の降灰というのが台風常襲地帯に加えてあるものですから、結局もうそれで参ってしまって出ていく、こういったこと等もありまして、やはり遠隔地でありますから、遠いところへ運んでいくうちに鮮度が落ちて市場価値も落ちる。こういったようなこともあって、八方ふさがりの中で基本になりましたのは、それでもおれたちは先祖代々のこの土地に残って先祖代々の農業を守っていくぞと、その人たちを中核にして、あぜ道で車座になってひとつ知恵を出し合ってもらって、それぞれの地域に適したものをどうつくっていくか、流通、加工まで含めてみんなが知恵を出し合っていくということで、下から盛り上がる運動として、これを車座農政と車座という言葉でやったわけでありますが、それを見ておりまして感じますことは、やはりその農村でだれか柱になる者が必要だと。これを推進員、協力員という形で動いてもらうわけですが、それと同時に、経営規模の拡大をしようとしても、話し合いというものが十分にできないと、頭ごなしにやるわけにはいかない。そういう意味で、この答申にも述べられておりますが、地域ぐるみあるいは県ぐるみでもっと農業・食糧問題、今はまさに飽食の時代でありまして、私どものように配給の時代あるいは芋のつるまで食った時代、こういうものを知らない人たちがもういっぱいいるわけです。ここにおいての記者さんたちもそういうあれでありますから、米の自由化についても非常に気楽な気持ちでお書きになっておられる。 食糧というのが二十一世紀になって人類が直面する問題で最大の問題だろうと思うわけでありますが、そういう意味でこの新しい農業のビジョンの展開ということについて、私どもは非常に大きな期待を持っておる次第でございまして、それを一日も早く私どもの目に触れさせていただきまして、また、書いたものはもうたくさんでございますので、それをどのように実行に移していくかということについて心から御期待を申し上げる次第でございます。 そのような観点から、ひとつ大臣の、これから大臣は歴史に残る田名部農政というものを残していただくつもりで、力強い御所信を伺いまして、私の質問を終わります。
○国務大臣(田名部匡省君) お話を伺って、まあ私は直接農業の経験ありませんが、監督をしていた時代のことをよく思い出しました。 何といってもやっぱり指導者なんですね。指導者がきちっとした人がおらぬとなかなかこれから伸びていこうという人はうまくならない。で、一方ではやる意欲のある選手を集めませんと上手になりません。それからいま一つは、何といっても、これは例でやったんですけれども、理論と実 銭を教育したチームとただ練習だけやったものはどっちが強くなったかというと、理論と実践をやったものが非常に強くなった。それから、一つは目標を常に与える。で、それに向かって努力をする。努力をした結果というものを評価して、一体どうだったか。それで新たな目標を設定して、また努力をする。私もソ連とカナダのコーチから直接受けた唯一の監督だったんですが、考えろ、考えろということをよく言われました。今お話を伺って、やっぱり農家自身がよく考えて、知恵を出して、どうやったらいいかというものを指導者がおって指導してもらって、そして新しく、耕しく次々と移っていきませんと、一遍やったものをそのままずっと何十年もやっていると、これまた取り残される。 一番私は残念に思うのは、農家の両親たちが余りにも農業に対して不平と不満を持ちますと、子供はもうやる前から農業というのはだめなものだという意識で取り組んでいるというところに――私はいつも講演頼まれるんですが、やる気ということを講演して歩きます。本当にもう自分自身の心、気持ちとの闘いだ、人に言われてどうこうできるものでもないし、やろうと思うのも自分だし、やめようと思うのも自分だ、自分の心との闘いにかてと、こう言って指導してきたそのことを、今、先生のお話を伺って、農業でも何でも相通ずるものがあるなという感じを持ちました。そういう考え方で、これからの若い人たちにまず気持ちをしっかりと持っていただいて、そして喜びを与えるような政策というものを私たちがそこに示していくということでなければなかなかうまくいかない、そんな感じがいたしました。 一生懸命頑張りますので、また今後ともよろしく御指導賜りますようにお願いを申し上げる次第であります。
○鎌田要人君 終わります。
○及川順郎君 大臣御苦労さまでございます。 気持ちよく決意を述べた延長線で私の方から、本委員会所管の予算関連、農業政策関連の質問に入る前に、二つの点を申し上げておきたいと思います。 ガット・ウルグアイ・ラウンドの農業交渉、非常に大詰めを迎えながらなかなか難しい状況に今進展しているという状況でございます。この時点で、改めまして私たちとしては農産物の関税化による市場開放問題につきまして、米、基幹的乳製品、でん粉、雑豆等の関税化には反対することを明確に申し上げまして、政府として今の日本国内における農業をしっかり守り、そして今後発展的に継続できるような方向でぜひ取り組んでいただきたい。この交渉の成功にかける大臣の決意をまず一点伺いたいと思います。 それからもう一点は、私ども東北、北海道、大変農村地域の状況、現場の実情にかんがみまして実態を全党的に調査を進めておるわけでございますが、先日北海道の調査結果を踏まえまして、現在の「稲作・酪農・畑作政策に関する緊急提言」を四日の日に北海道において石田委員長がいたしました。この提言内容は、一つの政党としての提言ではございますが、現在の農業の現場の抱えている深刻な問題、これを一つ一つ具体的に指摘いたす中で今後の改善策を提案したものでございます。この内容をしっかり踏まえて今後の農政、農水省の政策展開にぜひ生かしていただきたい。この点の所信を承りたいと思います。
○国務大臣(田名部匡省君) 最初にウルグアイ・ラウンドでありますが、私どももうかねがね申し上げておりますのは、輸出補助金に比べまして国境措置等包括的な関税化というのはルールで言うと公平でないということで、これはもう絶対のめないということで、ガットの場でもあるいは塩飽審議官も一昨日もう一遍行ってもらいましてダンケルと話し合いをしてもらっておるということでありますので、いずれにしても衡平を欠く案ではのむことはできないということを明確にしております。いずれにしても、従来の方針どおりこれからも対処してまいりたいということでございます。 それから、先生の方のいろんな提言がございまして、これにつきましても、基本的に私どもはいつの時代にもそれぞれ農業をめぐる状況というものは厳しいときが何回かありました。しかし、どんなにつらくても苦しくても先生方のお力添えもいただきまして、今までは農家に直接壊滅的な打撃を与えて農業を放棄するなどという政策はただの一遍もとったことが先生方もなかったはずであります。私どもも、確かに牛肉の自由化、オレンジの自由化はございました。それぞれにできる限りの対策を講じて、今般もまたそういう措置を講じた。まあ不十分であるかもしれませんが、しかし、自由化が始まったばかりでありますから、これらをまた十分見ながら新たな対策が必要であればとっていくということで、基本的には私はもう農家を泣かせるようなことをしてはいかぬという気持ちで対応をしてまいりましたし、これからもそのつもりでやります。 しかし、それだけのことはいたしますが、実際に行っている農家の皆さんもこの際しっかりとまた心を新たにして努力をしていただく、これがないと私の方ばかり何か一方的にやりましてもなかなかうまくいかないわけです。先ほど鎌田先生にもお答えしたとおり、両々相まってうまくいくわけでありますから、今後ともいろんな課題がございます。提言もございます。それの一つ一つはお答え申し上げ切れませんが、基本的にはそういう考え方でこれからも農政に取り組んでまいりたい、こう思っておりますので、御了承いただきたいと思います。
○及川順郎君 大臣、農家を泣かせるようなことはしない、非常にこの一言は千鈞の重みがあると私は受けとめました。 さて、まず大臣に御質問申し上げたいのは、先ほど来、午前中からも出ておりますけれども、農業生産者にとって農業の魅力というのは何なのか。今まで当省から出ている考え方やあるいは大臣の所信等も読ませていただきました。いま一つ胸に響くものを私は期待したいと思っているわけですね。現実に現場へ入っていろいろと承ってみますと、例えば労働時間、今千八百時間を目指す時代に、酪農者の方々の意見とすると我々は三千時間だ、こういう話が出ております。そして、泥にまみれて一生懸命になってつくったその産物が消費地へ行って売られていく。そのところへ、町場に出てみると、例えば農家のところで出る三十円のゴボウが、そんなに遠くない町場へ出ると百五十円になっている。港で二円か三円のサンマが、これが東京の消費地へ来ると一匹二百円ぐらいになっている。私も麹町の、隣のスーパーへよく行きますけれども、私が港で見たサンマよりも小さいものが三百九十四円ですよ。果たしてそういう状況を農家の方々が見たときに、流通に金をかけ過ぎないか、苦労している我々にもっともっと何とかできないものかという気持ちは、私は自然の姿じゃないか、こういう感じがいたしますね。 それから、まあ二世代住宅なんということが今はやっておりますけれども、やはり若い世代になると、おしゅうとさんと一緒よりも近くに若世帯の家をつくりたい、農家の方々もそういう思いがある。しかし、大農家になればなるほど全部大世帯で生活をする、そういう状況の中で非常にお嫁さんに来ていただくのにもまだまだ改善しなきゃならぬ要素がある。もっと端的に言いますと、水洗便所を直すところから始めてくれ、これが農家の現実です。 ですから、私はそういう現実を踏まえた上で、昔から緑の文化、憲法二十五条には、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」ということが明確にされております。そういう明文化されたものと現実の乖離というのは余りにもあり過ぎるんではないか。こういう現実を踏まえた中で、本当に二十一世紀を担う食糧の生産活動に励む人たちが、農業の魅力というものを、うん、そういうことを望んでいるなちば私たちも努力をしてみようと大臣おっしゃいました。大臣も頑張るけれども、農家の皆さんにも頑張ってもらう。それは両 方に言えることだと私は思うんですね。 ですから、そういう視点に立った農業者の魅力というか、日本農業の魅力というものの定義づけを私は承りたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(田名部匡省君) まあ、定義づけるほどのものはありませんが、見ておりまして、農家といえどもいろいろの条件のところに住んでおりまして、平均というのはなかなかとりにくい。例えば、相当中山間地の方に住んでいる方々と私の地元の八戸の周辺に住んでおる農家とはもう雲泥の差なんですね。ですから、それぞれに違いはあると思います。 ただ、一つ、私はヨーロッパへ行ったりアメリカへ行ったりしていますが、自分で家を建てておる。これは立派な家を建てるんですね、二年も三年もかかって。これは立派なものだなと思って感心してまいりましたが、私は決して農家が魅力がないと思わないんで、むしろ東京へ出てきて三畳間に住んで、一時間半もかかって会社に通って、大した社長にもなれるものでもない者がおって頑張っている姿を見ると、もう早く帰った方がいいのになと思うときがときどきあります。ありますが、いずれにしても総体的に申し上げると、さっき申し上げたように、目標を持って経営管理がぴしゃっとできる、企業的な感覚で取り組んでいくと自分の実績というものは目に見えできますから、そうすると意欲というのはわいてくると思うんですね。もうかっているのか損しているのかわからない経営では、やっぱりやっていても何年がやると嫌になってくる、惰性になってくる。そう小うところに新しい発想も出てこない、そういう面が私はあるんではないか。 これは選手をやってみてそうですね。やっぱり上腕とか胸囲とかというのはトレーニングして二カ月ぐらいたつとだんだん太くなってくるんですよ。そうすると選手は物すごくやるようになる。それと同じように、自分のやっていることが目に見えませんとやっぱりつまらない、こう思うんだろうと思うんですね。そういう意味では、規模を拡大したり生産性を上げたり、あるいは付加価値の高い農産物の生産をする、この辺はもう知恵の出し方だと私は思います。じゃ、ただ単に所得だけ高ければいいかというと、一方では生活環境の整備を図って、今住んでいるところがどうも都会に比べて相当見劣りがする、まあ東京のようにいかぬでももうちょっといろんな施設があって便利な面があれば、おっしゃるように集落排水の施設も、あるいは道路あるいは生活関連の社会資本の充実、村を美しくしていくとかいうところにやっぱり魅力というものは出てくる。 それといま一つは、なるたけ就労の場というものをいろんな意味で確保してあげなきゃいかぬ。私はさっきも官房長と話をして、何とか生産したものを流通する団体、そして販売するような方向までいかぬかなと、こう言って話をしておったところなんですが、私もいろいろ市場へ行ったり商店も行ってみました。何せ地価が高いところに店を構えているものですから、買ってきたときは安くても、だんだん人の手を経ると高く売らないと商売にならないという面がある。一方では売ってもらわぬと困るという面がある。このことを一遍申し上げまして、どうも生産者は不満が多いし消費者も不満が多い、一体どこがいいんですかと。結局流通にいろいろ問題あります。 しかし、流通も、この混雑した中をわずかずつ運んでいるコスト、あるいは賃金も高い、地代も高い。そういうことで、最終的にはどうもどこを削るとよくなるというものはなかなか見出せない状況にあります。何とか直販とかそういううまくやる方法が、一つでも二つでも間を抜いてやる方法がないものかなと思って、この間からいろいろない頭を絞ってそういう方向を示すことはできぬか、そう思って今考えております。 いずれにしても、魅力とは、まあ定義とまではいきませんが、私の感じておるそんなことで、こういう方向を目指すことが一番大事なことかな、こう思っております。
○及川順郎君 今承りましたけれども、まだ思考中ということで承っておきたいと思いますが、今のお話の中にも出ましたように、もうかっているんだかもうかってないんだかわからない、将来の見通しが立たないというのは重要問題だと思うんですね。私は、この問題はまたおいおいいたしますけれども、やはり住宅問題や上下水道や文化娯楽施設の充実とかさまざまな角度で、若い人たちが農村で生産活動に従事して生活してみたいという、そういう状況の中で未来性をつくっていきませんと大変な事態になると思うんですね。ですから、ぜひそういう事態に来ない間に手を打っていただきたい、こんなぐあいに思っております。 それで、当省として、実は新規就農者、それから後継者対策問題で調べてみますと、新規学卒者ですね、その就農者が千八百人、北海道は四百人、他産業からのUターン青年、これは三十四歳以下ですけれども千九百人、それで北海道は百人、農外からの新規参入者、これが全体で七十四人、そして北海道は二十七人、調査の結果こういう状況が出てまいりましたし、そういう数字を私たち目に触れておるわけでございます。 この新規学卒者の就農者が少ないということがどうもひとり歩きしている部分というのがあるんじゃないかな。私はむしろ農外からの新規就農者を含めた対策が非常に大事だ。そして、新しく農業に従事する人というのは未経験ですし、大体自分の得手不得手を心得て、就職するのと状況が違うわけですから、ですからそういう意味で農業の生産活動のノウハウがきっちり体につくまで、それまでしっかりと国策としてサポートしてあげる施策が大事ではないか。この点に対する農水省としての具体的な取り組みをまず承りたいと思います。
○政府委員(上野博史君) 今、委員御指摘のとおり、農業後継者といいますか農業就業者の確保という点につきまして、農外からの新規参入者の確保を図っていくということが非常に重要だというお話はそのとおりだというふうに思っております。 基本的な対応につきましては、先ほど来、大臣を初め官房長の方から御答弁申し上げておりますように、私どもの省内で検討いたしております新しい政策にまつところが非常に大きいわけでございますけれども、平成四年度におきましても私どもできるだけのことをやりたいという、こういう観点で数点の新しい施策を考えているところでございます。 まず、第一点は、農業改良資金助成法の一部改正ということで御審議をお願いすることにいたしておることに関係いたすわけでございますが、従来、無利子の農業改良資金について農業後継者育成資金というものがあったわけでございますけれども、これを組みかえ拡充をいたしまして、従来の農業後継者の概念をさらに広げて農外からの新規参入者に対しても貸し付けができるようにいたしたい。 しかも、あわせて貸付限度額につきましても七百五十万円から千二百万円に拡充をいたします。それから、それの償還期間につきましても七年から十年にそれぞれ延長する、据置期間につきましても一年から三年に延長するというような制度の拡充を図りたい、かように考えているところでございます。 それから、今お話しございましたように、農外からの新規参入者にとりましては、いかんせん農業というものが初めての体験になるわけでございますので、参入を希望する青年等のための教育というものが非常に大事になろうかというふうに考えておりまして、各県の農業者大学校等におきます短期研修をこれらの方々に対して実施したいということと、それからこういう農外からの新規参入希望者の方々を市町村にあるいは農協に取り次ぎまして、受け入れ側との連絡体制がとれるようなことも考えてまいりたいという、これらの諸措置を行いたいというふうに考えているところでございます。いろいろと努力をいたしまして充実を図ってまいりたい、かように考えております。
○及川順郎君 今の農業改良資金助成法の中での七百五十万から千二百万というのは、これは大臣、まあ国策ですから画一的に法改正あるいは法律で措置していくという状況はわかりますけれども、例えば北海道のように非常に規模の大きいところがあるわけですね。で、内地のように北海道から比べれば規模の小さいところがある。 そういう状況の中で、この貸付限度額の千二百万、これはやはり北海道のような経営規模の大きいところは特例措置等をぜひ考えるような、こういう対応をぜひしてもらいたい。これは現場の声として非常に強いわけですけれども、画一的な政策の起案から地域の実情に即した柔軟な対応、これは今後の政策の対応としてぜひ心していかなければならぬと思いますけれども、大臣はこういう問題に対して、今結論出さなくても結構ですけれども、その辺の施行という点について大臣はどのようにお考えになっておられますか。
○国務大臣(田名部匡省君) 一応何といいますか、法律をお願いするというときには、余りいろいろとその現場現場に合わせたやり方というのはできません。ただ、今おっしゃるように農地についても安いところもあれば高いところもあるわけですね。ですから、一応その手当てはいたしますが、あと、意欲を持ってこの先もずっとやっていくということになれば、とりあえず借りてやるとかいろいろ手だてというものはあると思います。事実上これから始めるわけでありますから、いろいろ見ながら成功していけるということになれば、また何か新しい方法でも考えながらこの人たちを育成していくということは基本的には大事なことだ、こう思っております。
○及川順郎君 今後の取り組みに期待をいたしたいと思います。 それからもう一つ、若干現場の声を私はストレートで申し上げますので、多少耳の痛いことがあると思いますけれども、それは御勘弁いただきたいと思います。 今年、平成四年度の単年度一年限りの休耕田を復円させて、昨年の――昨年というよりも、気象状況によって非常にお米が心配だということで、減反緩和策をやることにしました。これは非常に評判よくないですね。現場の人たちからは、大体休耕田を一年間だけ復円させるなんというようなことを本気で考えているのか、農業の経営を知らない人がペーパープランでやってもらったんじや困るんだ、こういう非常に痛烈な批判があるわけです。だから猫の目農政なんということで批判されるんだという、こういう声も現場で私たちは耳にいたしました。 そういう状況の中で、しかし、現実的に安定的なお米の供給ということを考えると対応しなければならない。こういう状況によって生まれてきたことだと思いますので、私はこの点について二つの点からお話をしたいと思うんですけれども、一つはこの水田復旧に必要な経費、水路の補修等の費用は若干出しているというような状況は承知しておりますけれども、今回の復円に必要な経費については、これは事態の現状にかんがみてきちっと助成をする、このことを明確にすべきではないか、このように思うわけです。 それからもう一つは、水田農業確立対策、平成四年が一つの区切りになるわけでございますが、その後どういう形態になるか、減反そのものに対する賛否両論はございますけれども、少なくともその中において、今回復円した田んぼについては、これは優先して今後二、三年は継続できるような、こういう指導を国としてはすべきではないか、このように思いますが、いかがですか。
○政府委員(上野博史君) まず、今回の転作緩和を実施いたしますために、稲作へ復旧が困難な水田につきまして、私どもとすれば、必要な水田への復旧のための軽微な条件整備というものにつきまして助成をしてまいるということで、所要の予算を本年度の予算に計上させていただいているということでございます。これの実行につきましては、既に各都道府県などと十分に実行方についても事前の準備を、打ち合わせを進めているところでございまして、遅滞なくやれるように努力をしてまいりたい、かように考えております。 それから、具体的に今回復円をしました水田について、今後、ポスト後期を考える際にこれを優先的に考えていくべきであるというお話でございましたが、個々の水田をどうするかという問題も確かにある話だというふうに思いますが、要は、全体としての転作の規模がどのようなものになるのか、そのときの潜在的な生産力なりあるいは需要なり、あるいはことしの米のできなり、そういうものを考えてトータルとして規模なりその具体的な枠組みなどを考えてまいらなければならないわけでございます。 あと個別具体的に今回転作から水稲作に返ったものをどうするかというようなことについても考える必要があるいは出てくることもあろうかと思いますけれども、要は、全体としての規模がどうなるか、どの程度の生産調整が必要になるのか、ことしの稲作との関係は、それがどうなるのかというようなことで考えるということになるんじゃないか、かように考えているところでございます。
○及川順郎君 ちょっと確認ですけれども、重要です。所要の措置は講じますね。今、講ずるとおっしゃった。いいですね。それは確認しておきます。 それから、稲作農業のコスト削減に関する問題について私は次に申し上げたいと思うんですが、農水省の資料に基づきますと、平成二年度の実績で、政府買い入れ米、これは六十キロで一万六千五百円。間違いないですね。それから、そのときの、同年度の生産費を見てみますと、第二次生産費一万九千七百六円です。米価より生産費の方が六十キロで三千二百六円高いわけですね。普通は、生産費にどのぐらいかかって、必要経費にどのぐらいかかって、自分たちの利潤がどのぐらいかかって、最終的にこれならば採算に合うということで活動するというのが普通なわけですけれども、これはまあ逆転現象といいますかね、こういう状況が出ているわけです。 で、生産者米価に対する考えと生産費の関連のこの位置づけというものを農水省としてはどんなぐあいに考えておられますか。
○政府委員(京谷昭夫君) ただいま先生から御指摘のございました数値、御指摘のとおりでございます。ただ、御承知のとおり、生産費調査で掌握をしております数値は、米価算定とは異なった考え方のもとで、米の販売農家全体についての平均値を集計、公表しているものでございますが、政府買い入れ価格につきましては、この調査結果を踏まえながらも、食糧管理法の定めるところに従いまして、米の需給事情でありますとか、あるいはコスト低減の方向等を考慮しながら、生産コストを構成する諸要素についてのいろんな評価をして算定したものでございまして、これ自体私どもは適正なものであるというふうに考えております。 いずれにしましても、生産費調査の動向を踏まえながら、ただいま申し上げました食管法に基づく政府買い入れ価格の算定を行っていくわけでございますが、平成四年産米につきましても、これまでの方式を踏まえながら適切に決定をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○及川順郎君 適切な措置であるという考え方は、要するに、さっきも話が出ていましたけれども、霞が関的考え方と言われるゆえんなんですよ。私はむしろ、霞が関というよりもかすみ農政じゃないか。見通しっかない。本当にそうですよ。だって、普通は生産費を差し引いて残らなければつくるばかはいないと私は思うんですね。そこに見通しが立たないから、農家の人たちは先が見通せないということになるわけですよ。少なくとも米価よりも生産費の方が高くつくなんというようなことがまかり通っていること自体、これは農業政策の欠陥です。これはもう絶対に改めないと、農家の人たちも納得しないし周りも納得できませんよ、普通常識から考えますと。 私は、もう一つ別な角度から申し上げたいんですけれども、農業機械化一貫体系というものを目標にしているという、これは非常にいいことなんですね。これで農水省からいただきました資料をずっと私も見てみました。非常におもしろいデータが出ておりまして、今、生産費をどう下げるかというこういう状況の中で、じゃ、どこにメスを入れるかということを考えてみるわけですね。そうしますと、一番大きいのは農機具減価償却費これがアメリカと比較いたしますと、いただきました資料で見ても二十八・八倍なんですね。北海道で私も現場の人たちから聞きましたけれども、何とか安い農機具を入れたいと思って直接購入をしたら、農協からにらまれて非常に嫌な思いをした、こういう話も聞きました。 それから、あわせてそこのところで出ていたのは、この機械化一貫体系の普及という状況の中で農機具の流通販売のあり方、これをぜひ国として改善してもらいたい、こういう強い声が非常にあったわけですね。アメリカと比較して、これは規模等その置かれている状況は違うことは私も十分承知していますけれども、これだけの違いがある。 それからもう一つは、機械そのものも農機具のモデルチェンジが早過ぎて部品もなくなるし、もう大変だと言うんですね。だから、そういうことが全部機械化貧乏の原因になっている。こういう問題がある。(「車検もあるぞ」と呼ぶ者あり)今、車検があると出ましたので私は言いますけれども、大型トラクターなどの農耕機の車検制度、これは諸外国はほとんどないんですね。諸外国でもそういう状況があるわけですから、ぜひこれは廃止をしてもらいたい。(「運輸省が悪いんだ」と呼ぶ者あり)これは運輸省を呼んで、来ていただいておりますけれども、運輸省、どうぞ席に着いてくださいよ。 私は、農水省の方に伺いたいのは、農機具の流通販売のあり方、この改善について具体的などういう考え方を持っているか、これを聞きたいと思う。 それから運輸省の方には、大型トラクターなど農耕機の車検制度は廃止する、それからトラックなんかの車検ですね、これは期間を何年とかそういうものを区切らずに、走行距離で行うような改善というのは必要じゃないだろうか。最低ですよ、これは。本当は廃止してもらいたいんだけれども、道路の上を走るときにはそういうわけにいかぬという、こういう取り決めがあるそうでございますから、ぜひこの点についての見解を承っておきたい。六月の行革審の答申の前に方向を出してくださいよ。お願いいたします。
○政府委員(上野博史君) それじゃ、まず私の方から機械の経費の関係についてお答えを申し上げたいと思います。 機械自身につきましては、外国の機械、特にアメリカあたりで使われております機械と我が国の農業に使われております機械とでは非常に違っておりまして、これの価格関係を直接に比較するというのは実際上不可能な状況でございます。 利用の実態から申し上げますと、アメリカも庭園用やなんかに小さな農機具を用いているんですが、こういう小さなものになればむしろ日本からの輸出品である。日本で非常に大型のトラクター等の農機具を用いる場合には逆にアメリカ等からの輸入品が充てられているということでございまして、それぞれ大きなもの、小さなもの、生産国と輸出先の相手国との間の価格というものについてはさほど大きな開きはないというのが私どもの把握をしている状況でございます。 それから、機械の流通関係につきましては、それぞれ所管省にもお願いをしたりしながら努力はいたしているわけでございますが、これはいわば自由競争のもとに置かれているわけでございまして、私どもとすれば、むしろ農業機械の効率的な利用を図るということでその機械経費の削減の方に努力をしてまいりたい。例えば農業機械銀行であるとか、あるいはさらにはもう少し違った形の農業の利用、つまり非常に限られた期間で日本の場合には農機具を使うということがございますので、これを地域的に非常に広い地域を対象にして順次使っていくというようなことにすれば、機械の償却の面で非常に有利になるというようなことがあるわけでございまして、そういう効率的な使い方を進めていくというようなことで努力をしてまいりたいというふうに考えております。 それから、日米の農業生産費に占めます機械費の違いというものにつきましては、これは計算の仕方がまず違うというのもあるわけでございますが、アメリカの水田農業なんかの場合ですと飛行機を使った耕作というようなことになるわけでございまして、言うなれば、これは単位当たりの生産費ということになれば非常に安いものになる。それに対して、私どもの方はなかなかそういうわけにはまいらないというような本質的な違いもあるという点も御理解をいただきたいというふうに思うわけでございます。
○説明員(樋口忠夫君) お答え申し上げます。 ただいま大変厳しい御指摘をいただいたところでございますが、まず一般論といたしまして、車検制度につきましてちょっと御説明申し上げたいと思います。 車検制度と申しますのは、自動車の安全性の確保と公害の防止を図るという観点から構造、装置についての技術上の基準を定めておりまして、定期的に検査を行っているということでございます。 ただいま先生からお話のございました農耕用トラクターのうち、小型トラクターにつきましては車検は行っていないわけでございますけれども、大型トラクターにつきましては、公道を運行する場合に限りまして道路交通の安全を確保するために車検が現在行われてございます。(「安全上何でもないと警察庁は言っているぞ」と呼ぶ者あり) なお、交通事故の実態につきましてちょっと御報告申し上げますと、平成三年におきましては、農耕作業用のトラクターといいますのが二百二十八件ございます。元年から言いますと、元年が百六十三件、二年が二百十五件ということで年々ふえてきてございますが、この中で注目すべき点は、事故の割には死者数が非常に多いということでございまして、元年が三十人、二年が二十九人、昨年が三十一人というようなことで、大体十件のうち一件ぐらいが死者という大きな事故になっているという点が指摘されてございます。 ただいま交通事故が増加しているという状況のもとで直ちに検査対象外とすることにつきましては、安全上の問題もございますので、御指摘の点を踏まえまして使用実態の把握に努めてまいりたいと思っております。(「トラクターが原因で事故になったなんという比率はわずかなんだよ。冗談じゃないぞ。警察庁でちゃんと調べたんだぞ、私は」「運行する条件が違うんだ」と呼ぶ者あり)
○及川順郎君 非常に今の応援団の方が多いということは、本質をついているんですよ。だから、いろいろ言いわけをするよりも、大事なことは、現場の要望をしっかり踏まえて、そしてそれにどう対応するかということを考えないと、生産者から国は信用されませんよ。言いわけが先に立つという対応の仕方というのは改めてください。このことだけはぜひ要望しておきます。 それで、次に、金融全般にわたって、これは時間の関係がありますのでまとめて申し上げますが、生産費の問題につきましては、肥料価格の改定、これも問題がある。それから農業についてもこれは問題がある。機械についてはアメリカと日本は違うと言ったって、肥料や農薬は違いがそんなにあるはずはない。だけれども、価格において違いがある。これも改めてもらいたいという現場の声が強いわけですよ。大臣、これぜひお願いしますよ。 それからもう一つは、国の制度資金のあり方でございますけれども、この間こういうお話が出ました。根室地域の広域農業開発事業、これは昭和二十九年の根釧パイロットファームから始まりまして、昭和五十八年国営承継分、これは九百三十五億円をもって完了したということになっており ますけれども、現場にずっしりと残っているのは、国に対する制度資金の償還金が残っている。しかも、当初のスタートのときはよかったんですが、その後規模をどうしても拡大しなければ生産が成り立たないということで、規模拡大で借り入れが多くなってきて、一戸について五千万から六千万ぐらいの借り入れを持っているわけですね。ですから、そういう状況がこれあり、さらにまた全道的な状況から考えましても、この償還金で苦しんでいるという農家の悩みは全般的に言えることなんですね。 そこで、ぜひお願いしたいのは、今の規模の拡大とか集約化、こういうものの政府の政策誘導によって借入金を抱えてどうにもならなくなっている、こういう状況を救うためには、やはり借りかえ特例等を踏まえた超長期超低利の融資制度を、しかも少なくとも親子二世代、四十年、五十年と、こういうものを考えていかないと手の打ちようがない。 それからもう一つは、今三・五%というのが、制度資金の一番最低限というのがなされているわけですね。この三・五%の根拠は何なのかということを盛んに議論してみました。だけれども、やはりそれなりの経緯はありますけれども、今日的な状況ではこれは説得力に欠けます。ですから、土地購入等についてのこの制度融資については、この三・五%にこだわらずに、金利二%ぐらいの超低利のものをつくるべきだ、こういう意見があるわけです。 それから、二十一世紀型水田農業モデル圃場整備促進事業、これが今始まっておりますけれども、計画、手を挙げるんですね。これは、言うなれば国の政策誘導ですよ。ところが、減反はほかと一律にばさっと切られる。規模拡大とか大区画をやろうとして政策誘導している、そこに手を挙げる、その地域というのは限られた地域です。ですから、この地域については減反は対象としない、こういう措置が必要だと思いますけれども、この点についてはいかがですか。この点をあわせて答弁をお願いしたい。
○政府委員(海野研一君) まず、それでは根釧の広域農業開発事業からお答え申し上げます。
○及川順郎君 説明はいいよ。金融対策のところの部分だけで結構です。状況は全部わかっていますから。
○政府委員(海野研一君) よく御承知のとおりに、畜産というのはほかのものに比べればどうしても投資額が大きいわけでございます。所得率が低いということは、それだけリスクが大きいわけでございまして、どうしても借金は大きくなりがちでございます。もちろん、その中でうまくいく農家があるわけでございますが、うまくいかない農家が出てきた場合の借金の大きさというのは非常に大きいわけでございます。 特に、私ども、公団事業の関連では、一つは飼養管理技術や経営管理能力の向上というために、特別指導班を組みまして営農指導を強化しているのと同時に、畜産振興事業団の方から大家畜経営体質強化資金というようなもので、もちろん今おっしゃったような四十年、五十年ということではございませんけれども、一般の畜産関係、投資は大きいですが比較的回転の速い、畜産関係にしては比較的長い、一般的に十五年、特認では二十年以内というような格好で低利で借りかえるというような措置をとっておりまして、そういうようなものを通じまして、負担を軽減しながら一日も早く経営が軌道に乗るようにしてまいりたいというふうに考えております。
○政府委員(川合淳二君) 公的な金融制度の一般的な金利でございますが、これは先生御承知のとおりでございますけれども、農地等の取得資金などにつきましては、金利三・五、償還期間二十五年以内というふうになっているわけでございます。これはいろいろな制度金融の中でも長期低利でございまして、これ以上の金利の引き下げというのは、他の制度金融とのバランスもありまして、非常に困難であるということは言わざるを得ないと思っております。 ただ、こうした制度の円滑な融通ということを図るために、今年度予算におきましても、農地の取得資金につきまして新規就農者向けの貸付要件の緩和を実施するというような形で円滑な融通に努めているところでございます。
○及川順郎君 今、困難でないと聞こえたんだけれども、返済が困難でないということはないですよ。それだけはもう明確に現場の意見として申し上げておきます。 次に、酪農の関連で草地の畜産基盤総合整備事業というのをやっておりますね。この事業につきましては、公共性が非常に強いわけでございますが、公共育成牧場の整備事業や草地開発整備事業ですね、この点について、あわせて現在の補助率を一〇%の引き上げをぜひしてもらいたい。 それから、畜産環境総合整備事業というのもやっているんですけれども、これも畜舎、看視舎、サイロを含む飼料貯蔵施設、乾燥施設、家畜排せつ処理施設等の建設にかかわる資材ですね、こういうものに対する助成費ですが、現行四五%、北海道は五〇%、これに一〇%、公共的に関連してやる事業が多いわけですから、これはぜひ、(「一〇〇%」と呼ぶ者あり)一〇〇%という声があったので、これは一〇〇%であればこの上ないことなんですよ。地元の人は非常に良心的に見ても一〇%はこれは最低限がさ上げをお願いしたい。これに対応していただけますでしょうか、イエスかノーかだけ答えてください。
○政府委員(赤保谷明正君) 畜産公共事業でいろいろ先生おっしゃいましたような事業をやっておるわけですが、この公共事業の補助卒、これは全体の補助事業の体系の中で、バランスというのか整合性をとりつつ設定されているものでありまして、これを変更するということは困難であると考えております。
○及川順郎君 困難であるというのは現状ですね。将来とも困難であるということじゃございませんね。 これは政治的判断がありますから、大臣、将来ぜひ取り組んでいただきたい。これは非常に重要な問題ですよ。ぜひ大臣お願いしたいと思います。
○国務大臣(田名部匡省君) なかなか他の方もありまして、これだけを下げてというと、またこっちの方はどういうわけで下がらぬかとかいろいろ出てまいりまして、下げるときは一斉にやる、やらないときはもう一斉にやらないという方向しか私はないんだと思うんですが、そういう感じがします。
○及川順郎君 やるんだったら一斉にだから、一斉に一〇%上げてくれればいいんですよ。その姿勢が大事だ、そう思うんですね。というのは、大臣、さっき生乳の価格の問題が出ておりました。現実に調べてみましたら、農水省からいただいた資料を見ますと、酪農就労者の一日当たりの家族労働報酬は前年度に比べまして一八・九%の減収ですよ。一般サラリーマンで二〇%近く前年度から給料が下がったといったらどういうことになりますか、これは。その辺の認識のなさというのが、これが私は現在の酪農経営者に対する国の冷たい感じとして映っている。これを改善しなきゃいけませんね。これが改善されなければ将来に酪農経営の見通しは立たぬじゃないてすか。 私は、これはもう決まったということですから、今言ってもこの値段を改革することはできないという答弁しか返ってこないのはわかってますからこれ以上やりとりはしませんが、将来に向けてこういう事態は絶対につくらない、そのことを約束していただきたいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(赤保谷明正君) 近年、酪農の経営状況というのはよかったんですけれども、牛肉の輸入の自由化の影響がありまして経営状況は悪くなっていることは事実でございます。 そこで、ぬれ子その他の個体価格が下がっている。それで、先ほども申し上げましたけれども、酪農家がせっかく持っている資源に付加価値をつける。搾乳部門だけではなくて、肉牛部門合わせ て農家全体の所得の拡大を図っていく。そういう意味で乳肉複合経営を進めているわけですが、今回もその内容を拡充して実施していく、そういうようなことで対応してまいりたいと考えております。
○及川順郎君 じゃ、乳肉複合経営、それは大丈夫ですね。 それじゃ、私はその観点からお話をしたいと思うんですが、これは北海道の専業酪農農家の実績を全部、一戸当たり四十頭の経産牛を飼育している酪農の実態です。大体一九八九年から九〇年までは農業の総収入が三千六十五万円、牛肉が自由化になって昨年の総収入が二千六百七十九万円と、これは三百八十六万円の減収なんです。 中身を見てみますと、生乳代は九〇年と九一年で一円下がりましたけれども、実際の搾乳量がふえましたために大体総体的な値段は変わらなかった。どこが変わっているかというと、個体価格の暴落が物すごく影響しているんですね。雄の子牛代、初任牛代、廃牛代、合計が九〇年のときには八百五十万、それが九一年のときには四百六十二万円、五割以上減収しているわけですよ。やはりこの個体販売価格の暴落、これが酪農経営の大きな足を引っ張っている要因だということは明白です。 そこで、さっきのぬれ子対策のお話がございましたけれども、いろんな意見がありまして、肉用子牛等対策の中にぬれ子対策を入れるべし、こういう意見もあるし、あるいはまた、ぬれ予価格安定制度を新たに創設すべしという、こういう意見もある。私は、今回の救済策として、ぬれ子という生後一週間、四カ月飼育しますと肉用牛対策の中に入ってくるわけですね。その間の三カ月間、そのかかる育成費用、これをきっちり今回の対策として国が保証する。この回答を出すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(赤保谷明正君) ただいま申し上げましたとおり、比較的順調に推移してまいりました酪農経営の経営状況、いわゆる個体価格が下がったということによって影響を受けております。 そこで、今、先生がおっしゃいましたぬれ子対策、四カ月育成をすれば不足払いの対象につながっていくという、そういう効果もねらいまして四カ月保育に対する奨励費を出しておるわけですが、三年度は単価八千円でございますが、それを一万二千円程度に引き上げるというようなことにいたしたいというふうに考えているところでございます。
○及川順郎君 一万二千円程度に引き上げる、これは明確ですね。ただし、それが飼育料を全部保証するという状況になるかならないかは別として、今回は第一弾でそこまでやるというぐあいに理解をしておきたいと思います。 時間が参りました。いずれにしても日本短角牛の子牛の値段も比較してみました。これは保証基準価格や合理化目標価格を大幅に下回っているんですよ。ですから、そういう状況も考えると自由化の影響というのは相当深刻だということをぜひ踏まえていただきまして、少なくとも先ほどの大臣の答弁のように、酪農家を泣かせるようなことはしない、これでひとつ対応をお願いしたい、このように思っております。 それから、最後に二点、私の方から承りたいと思います。 一つは、畑作農家の経営の中で、北海道の女満別地区の国営かんがい排水事業、これが工期がおくれて地元の自治体も負担が大変だということが出ておりまして、ぜひこの維持管理制度の拡充をして国の管理に当該地がなるように配慮いただきたいという要望がございました。この地域は、バレイショ、てん菜、タマネギ、麦等のそういう主要作物でございますけれども、これらを合わせまして、全道的には米にかわる転作作物という性格で畑作が充実してきておりますので、輪作奨励金制度の創設もあわせてぜひお願いをしたい。こういう状況がございます。 それから二点目に、バレイショのそうか病、それから小麦の眼紋病、これが大変な被害の危機が指摘されておるわけでございますが、この点に対する国の抵抗品種の改良や抵抗細菌の検索、接種など生物防除法の開発に向けて国を挙げての研究機能の総合的な対応をお願いしたい。この二つがございます。 最後に、大臣、私は公海流し網漁業の問題で予算委員会で質問をいたしましたが、今後この代替漁法の検討をして、その結論を見ながら、もし漁業に対する救済措置、一〇〇%の減船補償をお願いしたいという地元の要望があるんですが、少なくともこれも漁業現場の人が泣かないように万全の救済措置を講ずる、こういうぐあいに理解してよろしいでしょうか。この点を最後に大臣の締めくくりで御回答いただきまして、私の質問を終わります。
○政府委員(海野研一君) まず、女満別地区の問題からお答え申し上げます。 土地改良事業というものは、投資についてだけ国は金を出して、あとの維持管理は地元というのが原則でございます。ごく例外なのがございますが、例えば北海道で申せば大夕張地区の大夕張ダムと川端ダムとか、篠津の泥炭地開発における石狩川頭首工と篠津運河、そういうようなもの、ごく例外なものに限ってだけ直轄管理をしているわけでございまして、到底女満別地区のものを国が直接管理するというわけにはまいらないわけでございますが、先ほどおっしゃった事業費がかさんでという問題につきましては、平成二年度から地方財政措置を講じまして、自治体の負担、ついでながら申しておきますと、ここは受益者負担はございませんけれども、自治体の負担につきまして地方交付税でカバーをするという地方財政措置の拡充を行ったところでございます。 さらに今後も、そのような格好での自治体の負担というものについて、自治省とも協議しながらいろいろな措置を講じてまいりたいというふうに考えております。
○政府委員(貝沼圭二君) 先ほど御指摘ありました小麦の眼紋病及びバレイショのそうか病でございますけれども、ここ数年非常に大きな面積の被害を受けております。それで、研究機関あるいは技術会議の指導といたしまして私どもは、この病気は両方とも土壌病害でありまして、完全防除というのを短期間に行うことは非常に難しゅうございます。そのようなことから、一つはまず連作をしないことというような連作の回避、それから眼紋病につきましては排水の対策、さらにそうか病につきましては無病の種芋を使う、このような現状の問題で予防をしているわけでございます。 長期間の対策といたしましては、この病気に対しまして非常に抵抗性のある種苗のスクリーニング、あるいは先ほどお話しありました生物防除としましては、拮抗作用を持ちます微生物の分離等をプロジェクト研究で進めておりますが、これは私どもの国立の北海道農業試験場及び道立の試験場とも十分連携をとりながらこれからも進めていきたいというふうに考えております。 以上でございます。
○国務大臣(田名部匡省君) 御指摘のとおり、アカイカをとっちゃいかぬというのではないんですね。要するに、混獲がいかぬ、こういうことでありますから、釣りあるいは別な漁法でやれるかどうかというのを今予算を二億八千万つけましてやっていただくということですが、御案内のように、あの地域のアカイカは大体二キロとか三キロぐらいで大きいんですね。御承知のとおり、イカは水をたっぷり吐いたり吸ったりするわけですから、吸ったときにはこの倍の重さの四、五キロになる。結局、その重いところを釣りで引っかけると足と身がとれて足だけついてくるわけですね。それが問題でございますので、針をもうちょっと工夫して身も一緒に引っかけられるようになるかどうか、そんな研究とか、フランスでは船の両側に網を引っ張りてやる漁法というのもあるんだそうです。いろいろありますので、今これを研究してみましてやりますが、何しろ北太平洋に薄く広くといいますかイカが分布しておりますので、通常の集魚灯、これが効かない。 そういうこともあって、漁民からいろいろ聞きますと、商業ベースに乗らぬ、釣ったんではだめだ、こういろいろ言っておりますが、しかし、いろいろな方法で研究してみて、まあこれならやってもいいという人もおればやっていただくということで、今取り組みます。急いで取り組んで、ことしじゅうであれは終わりになりますから、早い時期に、どうするかという漁民の皆さんの心構えもあるでしょうから、いずれにしても今この研究に全力を挙げて、そしてできれば残って漁業をやっていただきたい、こう念願しておるところであります。
○林紀子君 私は、まずアメリカ産米の展示問題についてお伺いしたいと思います。 食糧庁は四月一日、この十四日から十六日に東京品川のホテルで開催されますグレート・アメリカン・フード・ショーに、幾つかの条件をつけてではありますけれども、アメリカ産米の展示を許可しましたね。しかし、このアメリカ大使館主催のグレート・アメリカン・フード・ショーはどこから見ても商業目的だとしか言いようがない、こういう展示会ではないかと思うんです。 百四十の食にかかわるアメリカのメーカーや日本代理店、農業団体がここに出展をする。出展する食品、農産物は二千種以上である。そして、この展示会はトレードショーで、その場で日本人バイヤーと商談して契約することもある。主催者のアメリカ大使館自身が食品展はビジネスに的を絞っている、こういうふうに商業目的であることを認めているわけですね。 こういう中で、幾ら今回の展示はあくまでもアメリカにおける米の生産、流通の状況を紹介するものであることと、こういう条件をつけましても、米だけが聖域である、米だけが例外である、こういうことが本当にできるのかどうか、それをぜひお聞きしたいと思います。
○政府委員(京谷昭夫君) 来る十四日から三日間開かれます御指摘のフードショーにアメリカ産の米を展示することにつきまして、実は三月初旬にアメリカ側から事前協議の申し出がございまして、我が方との間で種々協議をしてまいりまして、その結果を受けて御指摘のとおり四月一日に、ごく少量でございますけれども百二十キロ、約二俵でございますが、この数量についての展示のための許可を出したわけでございます。 ただいま先生からいろんな御指摘がございますが、あくまでもこの展示というものはアメリカにおける米の生産、流通の状況を紹介するものであって、対日輸出の意思表示や宣伝を行うことはしないということを先方から明確にされておりまするし、それからまた、昨年もいろいろ論議があったわけでございますが、そういった教育目的のためにこの百二十キロを日本国内に持ち込むことについて食管法上の輸入許可を受けるという先方の意思が明確になりましたので、所要の手続をとって許可申請を受け、許可をしたわけでございます。 このショーの性格についてただいま先生からお話しございましたけれども、もちろん大変多くの食品と一緒に展示をするということでございますが、少なくとも米につきましては、先ほど申し上げましたように、あくまでも情報提供という意味で展示をされ、商談あるいは商業的活動の対象にするものではないということを先方から確認しておりますので、そういった条件を付して許可をしていることでひとつ御了解をいただきたいと思うわけでございます。
○林紀子君 そして、この食品展でアメリカ産米を扱うUSAライスカウンシル、この団体ですけれども、これはこのUSAライスカウンシルという団体自身が発行した、これも日本で広く利用されているんでしょうか、「アメリカのコメは、世界の貧卓へ。」というパンフレットがあるわけですが、ここで自己紹介をしているわけですが、このUSAライスカウンシルというのは、稲作農家、精米業者、そのほかの米の産業従事者から成る非営利組織である、ですから販売、配送、契約は行いませんということは書いてあるわけなんですね。 しかし、この団体の目的というのは、アメリカ産の米の消費を拡大するための活動を行う、国際的な販売活動におけるこの団体の役割は市場開拓である、そして米取引に関し、トレードに対しサービスを行い、購入担当者がアメリカの精米業者との取引関係を築く際の手助けをする、こういう団体だということを自己紹介をしているわけですね。やはりこれは商業目的ということが言えるんじゃないでしょうか。しかも、このUSAライスカウンシルというのは昨年あの幕張メッセで米を展示したその張本人である、こういうことなんですね。この団体の性格についても、どういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(京谷昭夫君) 今回の催し全体につきましては、アメリカ大使館のいわば附属機関でございます農産物貿易事務所が主催をするものでございます。その展示の場に御指摘のライスカウンシルがブースを借りて展示をするわけでございますが、このライスカウンシルは、あくまでも先生御指摘のとおり非営利組織でございまして、かつまた、まあ間接的な意味でアメリカの米の情報提供を行うことになっておりますけれども、これ自体商業活動を行う能力を持っておらないという理解でございますし、また現実にこの展示の場で、先ほど申し上げましたように、対日輸出の意思表示なり、あるいはまた、それに関連をした宣伝活動を行わないという条件を付しての許可でございますので、御懸念のような活動があるとは私ども考えておらないわけでございます。
○林紀子君 そして、この食品展に参加できる人ということなんですけれども、昨年の幕張メッセでしたら一般人が自由に参加できた。ところが、今回はこのようにホテルで行われるもので、招待状のない人は参加ができない。招待状というのはどういう人に送られているかというと、外食産業、ホテル業など、日本人のバイヤーを中心に一万人以上に送られている。長官のもとにもこの招待状が来ているというお話も聞いておりますけれども、こういうことでは、ますます商業目的で限られた人にこの招待状が行っている、こういうことになるんじゃないでしょうか。 しかも、御丁寧にこの招待状には、すぐ商業活動ができるように、自分の名刺を張りつけてそれを渡さなくちゃいけないんだということも聞いておりますけれども、ここでもこれが商業目的であるということを明らかにしていることではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(京谷昭夫君) 私のところへ招待状が来ているかどうか、実は確認をまだしておりません。恐らくこの招待状は、全体のショーについての招待ということで、先生が今御指摘のような内容が一部あるかと思いますけれども、あくまで米につきましては、私どもと了解をしておりますのは、商業目的のためのものではないということでございます。 しかも、また単にトレーダーということではなくて、報道関係者あるいは各国の大使館関係者、消費者団体等も招待しているというふうな情報も得ておりますので、あくまでも先ほど申し上げましたように米国産米の生産なり流通の実情についての情報提供にとどまった活動であるというふうに私どもは理解をしておるわけでございます。
○林紀子君 私はこのグレート・アメリカン・フード・ショーという展示会そのものが、どこから見ても商談の場である、商業目的であるというふうに申し上げているわけですが、昨年の幕張メッセのときには、当時の甕事務次官が、この幕張メッセで行われていた国際食品・飲料展は、販売促進を目的に開かれているので、そこに展示する米を輸入することは、販売目的の一環であり、食管法上禁じられていると、こういうふうに表明をなさいましたね。 また、これは昭和六十三年の四月二十八日に、食糧庁の業務部輸入課長という方が、食糧庁の見解として発表している文書を手元に持っておりますが、「一般の米については、外国の輸出業者、本邦の輸入業者等が商業活動を行うということ自 体が認められていないのであり、そのための「見本」というものも輸入することは認められない。」と、こういうふうに書かれております。 ですから、今回のグレート・アメリカン・フード・ショーに、こういうふうにいろいろ条件はつけたにしても、輸入を許可した、このことは昨年と比べて百八十度の転換だ、こういうふうにマスコミにも書かれているわけですけれども、これはこうとるのが当たり前なんじゃないかと思うんですね。そういうことでは、私は大臣に伺いたいと思うわけですけれども、こういう条件が守られなかったら撤去を求めるのか。そしてまた、私はこういうことを考えてまいりましたら、この許可、一たんはしましたけれども、取り消すというのが順当ではないか、妥当ではないかと思うわけです。その辺のお気持ちをぜひ伺いたいと思います。
○政府委員(京谷昭夫君) 大臣からお答えする前に、今回の許可に付しております一連の条件は当然守っていただかなければいけないというふうに考えております。条件が守られない場合には、許可の取り消しを行うことも私どもとして念頭にあることを申し上げておきたいと思います。
○国務大臣(田名部匡省君) 今回の展示は、先ほど長官から話がありましたように、まあ二俵だと。別に売るわけでもないし、これは生産状況を、あるいは教育的な目的でと。最初私も、前回のこともあったので、いろいろと推移を見守っておりました。しかし、前回と違って今回は正式に許可を得てまいりましたので、まあ二俵のことで余りごたごた言うこともなかろうと。それは、向こうは嫌でも食管法というのが私どもはあります。その法律を守るということが前提でなければお断りをする。法律を守る、こういうことでありまして、私もそのときは、我々も自分の意に沿わぬ法律がアメリカにあっても、アメリカへ行ったときはその法律を守って旅行でも何でもするんで、アメリカがそうしたことを日本でやるというからには、日本の食管法をきちっと守るということでなきゃだめ、こういうことでありましたが、アメリカ側も、今回は正式に許可を得て、きちっと守りますということでありますから、御心配のようなことはないというふうに考えておるわけであります。
○林紀子君 食管法を守るということですが、そもそも持ち込むこと自身が食管法に違反をしている。これは昨年甕事務次官が表明したとおりじゃないかと思うわけです。そして、今回のこの「展示について」という許可申請のただし書きに、「今回展示を認めることは、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業交渉における我が国の立場を何ら害するものでないことを確認している。」ということを書かれましたよね。逆に、これは今ガット・ウルグアイ・ラウンド、午前中もECとアメリカの間で話し合いが進み始めたんじゃないか。大変重要な時期を迎えていると思うわけですね。そういうときに日本の国内でアメリカのこういう米を展示するというような、こういう問題を持ち込んで、それをのんでしまったということは、やはり政府の弱腰だ、こう受け取られても仕方がないんじゃないかと思うんです。 四月の三日には、国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会、農民の方たちと労働者の方たちが一緒に米の輸入自由化は許さないということで運動を進めている連絡会ですけれども、ここが、「農水省の態度は、アメリカの圧力に屈して法の解釈を曲げたといわざるをえないものです。また、こういう屈辱的な態度をとれば、アメリカがかさにかかつてコメ輸入自由化圧力を強めることは必至です。」、こういうふうに要請書に書いているわけですけれども、これはこの全国連絡会の皆さんの気持ちだけじゃなくて、全国民の、全農民の思いじゃないかと思うんですね。ぜひこれは許可を取り消すという態度で対処をしていただきたいということを重ねてお願いしたいと思いますが。
○国務大臣(田名部匡省君) これまでの運用の範囲内の措置だということで、別にアメリカに譲歩をしたと私は思っておりません。本当に商業用でやろうというんであれば許可はしませんし、これも持ち帰るか大使館で処理をするということの条件でやったものであって、したがって、これが二俵入ったからウルグアイ・ラウンドの交渉における日本の立場が悪くなるとかそういうことはもう全く考えておりません。 ただ、問題は先ほど来申し上げたように、我が国の法律さえきちっと守るということであればそう大げさに考えることはなかろうと自分で判断をいたしましてこの許可をした。こういうことでありますから、一たん許可したものを撤回するという、そういうことは日米の友好関係からいっても妥当なものかどうかということの判断からそういうことはいたすつもりはありません。
○林紀子君 昨年はあの米を輸入促進しろというような論調に立っている朝日新聞のフジ三太郎という漫画にも取り上げられまして、昨年の農水省、食糧庁のやり方に対して国民は拍手喝采をした、それをあらわしていたわけですね。ですから、ことしは百八十度変わったその立場を国民がどう見るのが、そのことについてぜひ思いをいたしていただきたいということを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。 青森県のむつ市で今起こっている問題ですが、昭和二十五年につくられた自作農創設特別措置法によって大湊興業株式会社という会社から当時の農林省が土地を買収しまして、それを分割しておよそ二百人の農家に売り渡しを行いました。その際、農道分と水路は当然共有地として関係農家に売却すべきであったのに、それをしなかったために農林省所管のまま四十年間もそのままここは放置されていて、そしてそれが今生活道路として使われている。その土地の広さは、道路ですけれども、およそ一万坪、三万三千平方メートルにも及んでいるということですね。 そして、この自作農創設特別措置法というのを引き継いだ農地法では、農地として使用しなかった土地については旧地主に買い戻し請求権、永久権として認めているということで、今この旧地主が買い戻しの請求をしているということですね。そのためにむつ市はおよそ五億円から七億円の補償金を支払わなければならなくなった。こういう状況に立ち至っているということですけれども、これをずっとたどって考えてみますと、やはり最初のときに当然共有地として農家に売らなければならなかったところを農林省がそのまま持っていた。ここにそもそも今回の問題が発生した大もとがあると思うわけですね。この国の責任というのをどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
○政府委員(海野研一君) 自作農創設特別措置法では小作人から申し込みがなければ売れないわけでございました。もう半世紀近く前のことでございますので、はっきりした資料はないわけでございますけれども、口伝によれば、再三買い受けをしたけれども、相手方の小作人というか新設された自作農は資金的余裕が乏しかったこと等から買い受けの申し込みをついにしなかったということでございました。その場合には国はこれはずっと持っていなければいけないということでございました。今やここが市街化されてまさに不用地ということになったために、買い戻し請求ということになってきたわけでございます。これは、制度上普通の話だというふうに考えております。
○林紀子君 普通の話だというふうにおっしゃいますけれども、何カ所かはあるのかもしれませんが、じゃ、全国にこういうように農林省がずっと持っていたために、今になって何億というようなお金を旧地権者に払わなければいけないというような状況が生まれているかというと、決してそうではないわけですね。だから、そういうことを考えましたら、その当時この自作農創設特別措置法という法律に従って全部農民に共有地という部分も売り渡されたんだと思うんですね、そういう意味ではやはりこれは国の処理のミスであったと言わざるを得ないと思うわけです。 ですから、そういうことではこの五億から七億、まあ国では幾らかということはよく把握をし ていないということなんですけれども、これだけの重いツケというのをむつ市に回すべきではないと思うんですね。ですから、そういうことでは旧地権者にお金を払わなければいけない、補償しなければいけないということであるならば、国の方がそれ相当の財政的な措置も考えるべきだと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(海野研一君) お答え申し上げます。 ほかのところにこういう例が多いかというお話でございますけれども、通常の場合ですと、これは耕地の部分だけを買収して小作人に売り渡す、道路はそのままということで、旧地主がそのまま道路を所有しているというのが通常でございます。この場合、たまたまこの土地の場合は相当大きな地主が大きな面積をまとめて持っていた、地番なども十分整理がされてなかったということで道路部分等を買収したという比較的例外的なケースでございます。 したがって、その場合に旧所有者がそれごと買ってしまうということが、このような買収をした場合には自作農創設特別措置法が予定していたことだろうというふうに思いますが、旧所有者が買わなかったということになりますれば、国としてはほかに手段はなかったと言えると思います。
○林紀子君 新聞の報道によりますと、市の幹部も非常にすっきりしない話だけれども仕方がないというふうに言っているわけですね。で、市長さんも、農地法に落とし穴があったんじゃないか、もう四十年も前の亡霊で何億というお金を払わなくちゃいけないということで大変な問題だということを言っていらっしゃるわけですね。ここは青森県、大臣の地元でありますので、大臣はそういうことについてどういうふうにお考えになっているのかということをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(田名部匡省君) 選挙区のむつ市の御心配いただいてありがとうございます。 この扱いにつきましては、法律上旧所有者に買い戻す権利があるという仕組みに実はなっている一方で、現に道路等として利用されている実態にあることなんかを踏まえてみますと、現在地元関係者間で調整が行われていると聞いておりますので、その結果を見守って、制度にのっとって適切に処理してまいりたい、こう考えております。
○林紀子君 ぜひ適切に処理をしていただきたい。このツケをむつ市に回さないようにという配慮をぜひお願いしたいと思います。 次に、私は瀬戸内に住んでおりますので、瀬戸内海のサメの問題をお聞きしたいと思います。 愛媛県の松山市沖でタイラギ漁をしていた潜水作業員がサメに襲われて行方不明になってからきょうでちょうど一カ月目ということになるわけですが、瀬戸内海の各漁協はアワビやタイラギ貝などの潜水漁を打ち切り、それに従事をしていた漁業者は大変今困っているという状況もあるわけです。愛媛県ではこの捕獲作戦、県が二分の一を補助し、被害の多い潜水漁法の漁民がこの捕獲に当たっているという形で、少しでもサメを捕獲するということと、それから漁民の生活を助けるということで配慮しているわけですけれども、国には有害水産動植物駆除事業という事業があるそうですが、こういうものも使いながら、県、自治体に対して何とか援助をするということができないものかどうか、まず伺いたいと思います。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 今、御指摘の有害水産動植物駆除事業につきましては、漁業被害の防止という点から有害水産動植物の駆除をする場合に助成をしているわけです。 サメにつきましても、漁獲被害の多い高知、鹿児島、沖縄等ではその対象にいたしているわけでございます。瀬戸内におきましては、これまでサメの漁業被害はなかったし、人身事故等はサメについては日本では十年前ぐらいにそういう事例を聞いていますけれども、それ以後なかったというようなこともございます。瀬戸内等ではなかったようなこともございますので、今回事件の発生して以来、愛媛県だけでなくて数県でいろいろな方法でサメ退治をやっているわけでございます。 私どもとしましても、瀬戸内調整事務所でも各県に集まっていただきましての会議をやっているわけでございます。専門家の意見等を参考にしながら、こういう事業を活用する方向で検討してみたいというふうに考えております。
○林紀子君 それから、タイラギ貝やミルクイ貝などの潜水漁は漁期を一カ月も残して三月十九日には操業中止に追い込まれた。また、岡山県では潜水漁の漁獲高は昨年に比べますと半分にも満たない。昨年は一億九千万円の漁獲高があったのに、その半分にも満たない、こういう状況になっているということですね。 それで、サメも自然の一部でありますから、災害救助法、天災融資法、こういうようなものを何とかしてほしいという声も上がっているそうですけれども、漁業者に対する融資などの対策、こういうこともぜひ考えていただきたいと思いますが、その辺はいかがでしょうか。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 御指摘のように、サメによる漁業への影響を受けておるのは潜水漁業が中心でございます。ただ、瀬戸内の漁民の方々はそういう潜水漁業とまたほかの漁業も兼務しているような実態にあるわけです。そういうことを考えまして、どういう影響が出ているのか、これを県等からいろいろ聴取するのでございますけれども、とりあえず操業自粛を余儀なくされました漁業者の方々につきまして、漁業近代化資金でありますとかあるいは公庫資金の借入金の償還が困難になっている方々につきましては、実情に応じて償還猶予の措置をとるように既に関係機関から連絡しているわけでございます。 それから、例の農業と同じような漁業経営維持安定資金というのがあるわけでございますけれども、その対象になるかどうか、そういうケースにつきまして、この対象になるような実態がございますればその活用という点も考えていきたいと思っております。
○林紀子君 それから、これはどうしても国としてやってもらわなければ、各自治体、県などでは到底できないということは科学的な研究の部門ですね。お話がありましたように、今まで瀬戸内海にはサメというのは出没して被害を与えたことはなかったのに、どうして瀬戸内海にサメが入り込んだのか、これをぜひ科学的にも研究をして解明をしていただきたい。 それから、サメがいても安全操業できるように、サメと共存して漁業を続けることができるように、沖縄やオーストラリアの技術や経験に学んで、こういうマニュアルづくりというのもきちんとして漁民にも知らせてほしいという声も大変大きいので、ここにもぜひ力を入れていただきたいと思います。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 瀬戸内に、私も瀬戸内海生まれですけれども、瀬戸内に昔から小型のサメはおったようです。今回、まあこれははっきりしませんけれども、いろんな経験、知見から想定しますとホオジロザメじゃないかと言われているわけですけれども、ホオジロザメというのは、太平洋、大西洋とかインド洋の外洋に面した大陸棚を回遊するのが通常のようでございます。瀬戸内海等の内海に定着することは考えられないというふうに聞いているわけでございます。 今回サメが侵入した原因につきましては、よく解明はされていませんけれども、何らかの環境変動によるものではないかというような意見を言っている専門家もあるわけでございます。 いずれにしましても、サメ類は世界に三百五十種程度、日本近海に約百種類ほどいるというような報告もあるわけでございます。一般的に今まで余り人的被害というのはなかったというようなこともございまして、残念ながら、その生態、行動等につきまして、我が国におきます専門家は少ないわけでございますけれども、そういう専門家の方々あるいは関係者等の知見を含めまして総合的にいろんな資料を収集し、研究をいろいろしてみたいと。 ただ、潜水漁法についてサメの被害と調和できるようなマニュアルができるのかどうかは、ちょっと私は専門家でないのでわかりませんけれ ども、できるだけ情報を集めて、どういう対応が可能なのか勉強したいと思います。
○井上哲夫君 きょうは私は、今サメの話が出ていましたが、日本の農業あるいは農家、農村における婦人の役割、女性の役割についてお尋ねをいたしたいと思います。 当委員会には先輩の女性も見えますので、私も勉強も兼ねて質問をいたしたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。 この「時の動き」という政府が出している雑誌、平成四年四月一日号をいただきましたら、「特集 男女共同参画型社会の形成」、こういう特集になっておりまして、いろいろ女性が参加をしなきゃいかぬということが書いてあるんですが、中でも農村、農家の婦人の社会参加ということ、あるいはその他の参加の問題が極めて示唆に富む形で書かれております。 そこで、ことしの、平成四年度の予算の方を見ましたところ、実は農水省は農業の担い手である婦人の能力開発対策事業というものを打ち出して、いろいろそれに伴う予算措置を講じてみえます。金額はさほど私どもから見て大きな金額ではないわけですが、こういうことから資料を私もいただきましたところ、今、実際に日本の農家で農業に就業しているいわば農業の、林業も含めてですが、農業の就業人口の中身を見ますと、三十代から五十九歳までですか、こういう年齢層を見ますと実に六七%が女性である。三十代ですと六八・五%、四十代ですと六六・一%、五十代ですと六七・五%と極めて高い数字が出ております。 実は大変驚いたわけでありますが、今こういう現状にあるということで、農業で生産活動に従事している女性にいろいろな施策をしなけりゃならない。これは当然のことでありますが、現実にはその担い手の確保という場合に、どうも私も男性だからかもしれませんが、議論が常に有能な青年、青年という場合にすぐ男性を連想する。 有能な農業の従事者を何としたら確保できるか。きょう大臣も、ホッケーの監督をしてみえ、あるいは選手の経験から、非常にまさに経験者しか語れない言葉で農業のこれからの再生のための位置づけを言われたわけですが、実は農作業というのが夫婦あるいは家族の共同作業、協業作業が多いという面から見ますと、担い手確保というのは実は農業に従事する女性を確保するというか、あるいは離農していくのを「待った」と声をかけるというか、そういうことが半分以上重大なことではないか。そういうことにはっと私自身気がついて、きょうあえて女性委員がたくさんみえるこの席で、今から私の与えられた時間すべてこの問題にぶつけようということでございます。 そこで、まず実際に農家、農村あるいは農業の生産面で極めて女性が、農作業だけでなくて、地域づくりあるいはそのほかも含めて大きな担い手になっている。そういう厳然たる事実を前にして、大臣、どのようにその問題を受けとめられるか、お尋ねをいたしたいと思います。
○国務大臣(田名部匡省君) 私の親戚もそうでありますが、男性はいろんな職場に勤めております。子供が少ないものですから、長男が市役所に勤めますとあとは女の子が一人とか二人、もうかつてのように大家族ではないんですね。農家の方もやっぱり一・五三人という平均であらわれるような数でございます。そういう中にあって、車の運転ができるとか機械の操作ができるとかというふうに、女性の方々も非常にもう多方面にわたって活躍をするようになった。もう専門的なんですね、むしろ御主人よりも、毎日が農作業でありますから。特に、今の若い人たちは教育も十分受けておりますので、むしろ経営感覚というのは女性の方に身につけてもらった方がいいのかなと、経営でも管理でも。私のいとこですが、お寺のお嬢さんで女子高校を出て嫁いだんですね、農家に。最初は農作業をやらなかったんですが、私もああいう格好してやりたいと言って母親と一緒にやるようになりましてから今やもう地域のリーダーなんです。すばらしい能力を発揮して、もう親もたじたじなんですね、こうだああだと嫁さんに言われて。 ですから、私はああいうことを見ておって、今、先生お話しのようにもう六割が女性が占めておる。私の後援会のメンバーもそうでありますが、結構集まって、町の人たち、市の人たちとの交流というものは非常に積極的ですし、私もうれしいと思っているんですね、ああいう光景を見て。ですから、いずれにしても健全な家庭生活の運営とか、消費者の交流あるいは地域社会活動において大きな役割を果たしている人が非常に多いんですね。本当によくやっている。農作業の傍らそういう会合に来て一生懸命に、地域のまた婦人部の会長なんかをしてやっているのを見ると、本当にすばらしいなと思っております。 ですから、今後の農業の発展、農村の活性化を図る上で婦人の役割というものは本当に大きいと思います。そういう意味で、私たちはこれからもそうした婦人のために努力をしていかなきゃならぬ。ただ、残念なのは、親がどうも自分の娘は農家に嫁がせたくないというのがありまして、役場の職員とか農協の職員に何とかという、ここのところがちょっと残念で、自分の子供の長男には農家から欲しい、こういう風潮がありまして、もう少し、鎌田先生の話じゃありませんが、親自身が農業に誇りを持って子供をきちっと育てていただきたいというのが一つ私の希望として持っているわけであります。
○井上哲夫君 そこで、いろいろ議論をしたいと思うんですが、結局女性といいますか婦人の農業就労は実に高いわけでございますが、実際に農業の生産活動に従事している女性が、今、大臣がおっしゃったように、その娘は農家にやらせたくない。これは何か。それはその理由を全部訪ね歩けばごまんとあると私は思います。ただ、今一般的に学者あるいはいろんな方の言われておるのは、女性に顔がない、あるいは農村社会においては顔を認められないという、一言で言えばそういうことを言われます。 例えば、農家で非常に農作業もやり、地域で活動もし、さらに三世代の家族をまとめている方でも、銀行や農協の貯金口座を持っているかというと、大半の人は持ってない。何か聞くところによると、田名部大臣のときかどうか知りませんが、農水大臣が全国のそういうばりばりの農家の活動家と懇談をした後、交通費、日当程度の謝礼をお払いするというときに、本人の口座がないということで役所も大変苦労というか大騒ぎをされたと。このことに出ておりますように、なかなか今農村社会において、個の確立と鎌田委員が先ほどもおっしゃいましたが、女性の個の確立というのはなかなかうまくいってない。これはうまくいかないのはしょうがないんだというふうじゃなくて、何とかそれを国のあるいは自治体の力ではね返すことができないか。 例えば、今、大臣おっしゃいましたが、農家の経営簿記記帳を女性がなさる方がどんどんふえている。国もその研修、講習をやっている。そうすると、それでもそういう簿記記帳あるいは農家の財布を全部わかっている女性でも通帳がない。これは、例えば農協は貯金と言います、銀行は預金と言いますが、どうしたらそういう通帳をつくることができるか。一つ素人的に考えれば、税務申告を青色なり白色で申告させているときに、何かいい工夫をして、農家の農作業に従事し、かつ記帳もやっている御婦人に還付金を出す。還付制度をつくれば必ず通帳をつくらざるを得なくなるんではないか。したがって、そういうふうなことをできないかどうか。これは思いつきでございますが、顔をつくってあげる。それは、実はそういうことをやることによって農家の娘さんが農家に嫁ぐ。もちろん、二十代で育児に忙しいときにはなかなか農作業に従事はできないかもしれません。しかし、今の数字を見ますと、三十代の農業就業人口のうち女性の割合が六八・五%だということを見れば、これはむしろいい数字であるというふうにわかるわけでございますので、その点についていかがでしょうか。
○政府委員(上野博史君) これからの農業という ものを考えてまいります場合に、今、委員が御指摘されましたように、農村婦人に期待するところ非常に大きいということも事実でございますし、あるいは農業というか農村社会といたしまして、活力ある社会を築いていくという意味におきましても非常に婦人の役割というのは大事だろうというふうに考えております。 先ほど大臣もお話しされましたように、現実には奥さんが経営面をしっかり見ているから農業経営がうまくいっている、あるいは御婦人方が力をそろえていろいろな活動をされていることによって、地域社会の活性化といいますか、あるいは連帯感というものが保たれているというような例はいっぱいあるわけでございまして、こういうような事例をもとにしながら大いに一般的に農村社会がそういう方向に向かうように努力をしなければならないというふうに考えております。 ただ、一般的に言いますと、残念ながら、これも今、委員御指摘のとおり、婦人についての固定的な役割分担の意識というのが農村社会にはまだまだ横溢をしているわけでございまして、婦人の役割というものを正しく評価していただくいろいろな形での活動をしていく必要があるというふうに考えているところでございます。 先般、ちょうど三月の十日でございましたけれども、「農山漁村婦人の日」というのが数年前から決められて一つのPRの場になっておるわけでございますけれども、こういうようなことを通じたりしながら婦人の役割を正しく認識する、あるいは婦人自身あるいは地域社会に対する継続的な意識啓発というものの重要性を訴えてまいりたい、かように考えているところでございます。 それからさらに、将来の話になりますけれども、これから先農山漁村婦人の地位のあるべき姿というものをはっきりさせるということで、現在省内で農山漁村の婦人に関する中長期ビジョンというものも検討いたしておりまして、今後の婦人の役割に関します政策の基礎づくりをいたしたい、かように考えているところでございます。
○井上哲夫君 私はなるべく具体的にお尋ねをしたいと思って、にわかにいろいろ資料を集めたり書物を読めば読むほど大きな問題で、なかなか具体的な質問に入れなくて困っておるわけですが、例えば固定的な従来の役割分担をぶち壊す、あるいは村意識といいますか、日本の横並びといいますか、出るくいは打たれるとか、そういうことで社会的な体制意識があるという、特に農村地帯にはそれが強いわけでありますが、そういう中で女性をどんどん任用、登用していく、これは一つの破る力になるわけですね。政府は当初から国が関与する審議会等において女性のそういう委員をどんどん登用していこう、当面一割が目標であるというようなことで、そのリストも公表され、あるいは年々の努力経過を公表されております。 農村社会においてそういうことを考えた場合には、一番大きなものは、例えば農協という組織の中において女性が理事にどれだけいるか、あるいは農業委員会において女性が委員としてどれだけ登用されているか、こういう資料を見ますと、とても一割とか一%ではなくて、コンマ以下の現状にあります。これはもちろん国が介入して女性の理事を登用しなさいということを強制することはできないわけでありますが、私がいろいろ見聞きした範囲で申しますと、岐阜県の恵那北農業協同組合の場合には、四町村の合併の際に女性の理事を一人ずつ入れようということで女性の理事が誕生したらしい、こういうケースがある。しかし、世間で農協の関係者に話を聞くと、大体女性が役員になっているといってもせいぜい監事とまりであるということがある。 さらに、ある組合では非常に活動している女性を理事に入れようということで周りが一生懸命になったが、とどのつまり農作業に従事してなかった御主人が監事になってすりかわりをさせられた。しかし、それも現状であるということであえて言うわけで、けしからぬことという趣旨で私は取り上げたくないわけですが、車ほどさように、一つの農協という農村、農業、農家の中核的な役割を果たしているその組織を見ても、現実には登用、任用が女性の場合に極めて少ない。七割近い現実の就業実態を見るならば、これはやはり国の方が何らかの形でそこを突破できるような措置を考えざるを得ないんではないか。例えば合併助成法を今やっております。そういう中で自発的にそういう形が生まれるように促していくのか、あるいは農協の合併の際の定款で、模範的な定款はこういうものですと、その中にそういう実際に組合員の活動を反映した人事をしなさいと、農協の場合には正組合員と言って、今までは戸主に当たるんですか、男性の人しか入ってなかったということですが、最近は女性もどんどん加入促進をしているようでありますが、そういうふうな具体的な策を講じるというような考えは今のところいかがでしょうか。
○政府委員(上野博史君) 婦人が農村社会において一人の個として認識をされていくということのためには、それぞれの御婦人方が農業面での技術や何かを身につけるというようなところから始めていく必要もある、あるいは農協での活動のベースになるだけの能力を身につけていかなければならないというようなこともあろうかと考えるわけでございますけれども、そういうことについての研修や何かをやりながら、今、委員御指摘ございましたように、農協と農村社会のいろいろな公的な場等でそれぞれの位置づけに見合った活躍をされるということは、これは極めて大事なことだというふうに考えておりまして、私どもも、やや画一的な嫌いはあるわけでございますが、できるだけ理事等の中に一定数の女性の就任をするようにというような考え方で指導、啓蒙活動等を行っているところでございます。 何よりも婦人自身がそういうことについての意識を高めるということが基本になるところがございまして、一番基礎のところから啓蒙活動をやってまいらなければならないというふうに考えているところでございます。
○政府委員(川合淳二君) 農協の問題でございますので、私からもちょっと触れさせていただきたいと思います。 今、先生まさにお触れになりましたが、私どもの考え方といたしましては、まず婦人の正組合員の加入を進めるということが非常に大事ではないかと思っています。先生御承知の数字でございますが、ここのところ婦人の正組合員の割合は、六十三年が一一・三%、それから平成元年一一・七%、平成二年は二一・五%、まあわずかではございますが伸びっっあるということが一つございます。 それからもう一つは、農協合併などを通じていろいろな部会、これは本来的にも部会がありますが、この中で青年部会あるいは婦人部会というものがございます。この婦人部会の活動の活性化というのもやはり農協の中の役割あるいは位置づけの重要度を高めるといいますか、そういうことの上でも大事だと思っておりまして、まずこの二つの面から進めるべきではないかというふうに具体的な方策として考えているところでございます。
○井上哲夫君 今、意識改革というような問題が出たわけでございますが、実際に意識改革というのは本当に気の長い話というか、難しい。あらゆる努力をしても、それが効果が出るというか、物になるというのはずっと後になってわずかな点なり線で出てくるにすぎない。私も考えたんですが、専業農家の場合には、割合何といいますか、事態はそんなに暗くないかもしれないけれども、兼業農家の場合にはかなり意識の壁の前で苦闘している。 たまたま私も見たわけでございますが、「婦人之友」という雑誌があるんですね。これは例の羽仁もと子という女性が大正デモクラシーの後、東北地方の女性の生活改善に入って、今で言うセツルメントの発展した形なのかもしれませんが、その雑誌の昨年の十一月号には、例の秋田県の大潟村の稲作農家の御婦人の米づくりについての懇談を載せております。それを読みますと、農家の経験がなかったけれども農作業に入ったという方が 非常に多くて、しかも現実に大潟村でのいろんな問題の多い中で稲作に苦闘しておって、その人たちが仲間をつくって、いわゆる助け合っていろんな知恵を出し合い、そういう形でやっているということが詳しく報告をされています。 そこで、今度は私も、実は三重県の長島町、例の河口ぜき建設をめぐって有名になりましたが、あそこは河口ぜき建設で有名じゃなくて、本当は都市近郊野菜農家といいますか、ナバナでかなり有名なところでありまして、農村におけるモデル的ないい地区だと言われております。そこへ行きまして、伊藤たね子さんという以前から知っておりました方にお話を伺ったわけです。 そこで出てきたのが、自分は農業をやっていて、農業をやっている若奥さんあるいはいわゆるしゅうとさんたちといろんなことで話をし、グループをつくりやっていきたいと思っているんだけれども、やはり農業をやってないところの家の若奥さんなりおしゅうとさんは入ってくれるけれども、農業をやっている人はなかなか入ってくれない。農協婦人部とか農業改良普及員の組織するそういうグループづくりだとはいれる。しかし、そういうことを離れて、あらゆることについて一緒に考え、悩み、そしてやっていこうというふうなグループ形成になると、隣近所の目というか、あるいはいろんなことで、いいことをやっているなということはわかってくれながら入ってくれない。 実はそういうところに農家の婦人が入ってくれると、消費者の運動をやっている人や、あるいはいろんなことで社会で飛び回っている人たちと接点ができるんだ。自分はそのつもりで入っているんだけれども、肝心かなめの人たちがやはり入ってきてくれないというふうなことで、非常に悩みは深いということを私も訪ねてお話を聞いたときに伺いました。 こういう意識の壁というのが実に大きくて厚いんだなということを私自身も初めてまざまざと見せつけられた思いであります。そういうことから見ますと、これから国、農水省としても、そういう「農山漁村婦人の日」をつくられて、それに基づいて七つの婦人団体に連携チームをネットワークされたけれども、やはりその意識の大きな壁をぶち破るためには、その七つの団体を超えてもっと広い、そういうある種のグループというか、そういう女性の集まりの中に、指導、監督、助成というより啓蒙啓発でしょうけれども、そういうものを伸ばしていけるような、そういう施策をとっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(上野博史君) 今の委員のお話、ある意味では農村社会の混住化によります一つの何といいましょうか、問題というのか、新しい事態だということもあろうかと思うわけでございますが、これからの農村社会の動向を考えますと、そういう非農家と農家の間の接触というのはますますふえていく傾向にもあるというふうに思うわけでございまして、その間の地方農村集落社会の和を保っていくという意味で、御婦人方の間のつながりができるということも、これは非常に大事なことだというふうに思っております。 今のお話ですと、普及事業等の農業側からいたします動きには応じるけれども、そうでない、そういう観点でない、そういう面からでない動きに対してなかなか呼応がないという話でございますと、私どもの農政という面から見れば非常に難しい話になるわけでございますが、農村婦人と農業に関係のない方々との連携ということにつきましても、これまでもいろいろ意を用いて努力をいたしてまいっておりますけれども、今後ますます情報の交流あるいは意見交換の場、そういうものをつくっていくということによりまして、一つの集落としてのまとまりのある社会ができるように努力をしてまいりたい、かように考える次第でございます。
○井上哲夫君 もう時間が過ぎておりますが、三十秒ほど、済みません。 私、実は議員になる前には、農協の法律相談担当をやっておりまして、一つだけ御披露させていただきたい話があるんです。 それは、農協に勤めている御婦人の方が、秋のレクリエーション大会に毎年一泊旅行でバスで温泉に行く。最近の農協に勤めている御婦人は、それはもう行きたくない。もちろん毎月積み立てをしているわけですが、もうそういうのは結構だ。それよりも、例えば三重県の志摩地方では有名な、食べるのに一食二万五千円もするフランス料理があるわけですが、毎月積み立てて三万円もあるなら、泊まりなしでそのフランス料理を食べに行きたいと。 それで、労働組合の方がびっくり仰天して早速バスをチャーターしたら、一台のバスで乗り切らずで三台までいって、日帰りでそういうものを食べてきた。その際には、洋服を買ったり装身具を買ったりでかなりお金を使ったんではないか。しかし、現状はそこにあるというふうなことを私自身も再認識させられたわけで、担い手を確保する際に、よほど大胆な認識の改革というか、現状認識をいかに正確にするかということは大変御苦労の多いことだと思いますが、今後も担い手確保のためだと思って、よろしくお願いを申し上げたいと思います。 終わります。
○喜屋武眞榮君 きょうは長時間質疑が交わされておりますが、日本の農業という底辺から幅広くへ奥深く質疑が交わされておることを傾聴いたしまして、大変勉強になりました。私、持ち時間で確認を新たにしたいとこう思って、お疲れでしょうが、お尋ねいたしたいと思います。 まず第一に、大臣にウルグアイ・ラウンドの動向についてお尋ねいたしたいんです。 四月二日付ニューヨーク・タイムズは、ウルグアイ・ラウンド農業交渉における米欧の対立は四月じゅうにも解決に向かう見通しが強まってきたと報じております。このように、米欧は再び歩み寄りを強めているとも見られているが、政府はウルグアイ・ラウンドの現状をどのように認識しておられるのか、まずそのことをお尋ねいたしたいと思います。
○国務大臣(田名部匡省君) アメリカ・EC間においてはウルグアイ・ラウンドについてのいろんなレベルでの協議が行われております。先般もブッシュ大統領とコール・ドイツ首相との間で会談が行われたわけでありますが、大きな進展というのはなかったわけであります。ただウルグアイ・ラウンドは成功させましょうということで終わったようでありますが、いずれにしても各国が困難な問題を抱えておりますので成り行きは不透明だ、こう思っております、ただ、安心だけはいかぬものですから、最悪の場合も私たちは考えながら行動をとっておるわけでありまして、そこで現在の情勢を把握するために塩飽審議官をヨーロッパに派遣しております。 いずれにしても、これまでのように輸入国としての立場が確保されるように最大の努力を傾注してまいるつもりであります。
○喜屋武眞榮君 もう一つお尋ねします。 本当の大臣の腹をひとつお聞かせ願いたいと思いますが、と申しますのは、米欧の歩み寄りが進む中で我が国に対する米の市場開放の圧力が一段と強まることも予想されております。もし米の市場開放を行えば我が国の農業、農村が壊滅的な打撃を受けることは明らかであります。政府は三たびにわたる国会決議の趣旨を体し米の市場開放を阻止していかなければならないと思うわけですが、いかがでしょうか、大臣。
○国務大臣(田名部匡省君) 交渉事でありますから、一方的に自分たちが固まったから押しつけて世界を一つにまとめるというものではなかろうと思いますし、カナダもお隣の韓国もスイスもというふうに多くの国がまだダンケル案には問題があるということを言っておるわけでありますから。ただ、大きな問題を抱えているEC、アメリカが、輸出補助金でありますが、それが最大の問題になっておりますので、この二国間が会っていろいろやっておるということはわかりますけれど も、いずれにしても何らか進展があるとすれば当然異論を唱えておる国にも話をして、どういうふうにこれを取り扱うとかという話等もあるんだろうと思っております。 したがいまして、私どもは前回ガット事務局に提出した案というもの、これで対応しております。おっしゃるように国会決議等の趣旨を体して国内産で自給する、こういう基本方針で対応しているわけでありまして、私の腹は一つしかありませんので、これで取り組んで頑張ってまいったい、こう思っております。
○喜屋武眞榮君 今の大臣のお言葉を聞きましてはっとしたわけですが、念を押すようでありますが、口がかたい、どんなに口を裂かれても開かない、こういう表現もあるわけですが、どうか最後までひとつ国民の意思を体して守り抜いていただきたいことを強く要望いたしておきます。 次は、局長にお尋ねしますが、パイナップルの生産振興についてお尋ねします。 平成二年度の食料需給表の速報結果によりますと、平成二年度の果実の自給率は前年を四ポイントも下回って六三%となっております。牛肉もこの間に三ポイント下がったが、それをしのぐ大幅な下落である。この原因について政府はどう考えていらっしゃるか、お聞きしたい。
○政府委員(上野博史君) 平成二年度の果実の自給率の低下につきましては、国内の生産量が減少いたしました一方で輸入量が増加をしたということでございます。 具体的に申し上げますと、国内の生産量は、温州ミカンがちょうど裏年であった、あるいは結果樹面積が、実をならす果樹園の面積が園地転換対策によって減少したというようなことがございまして、大幅に減少いたしました。一方で輸入量の方は、リンゴの果汁であるとかパイナップルの加工品の自由化であるとか、あるいはオレンジ果汁のIQ枠の拡大というようなことによりまして、それぞれ増加をいたしております。 こういうようなことによりまして、国内消費仕向け量というものが、温州ミカンの消費仕向け量の減少分を輸入果汁等の消費仕向け量の増加でほぼ相殺をするというような形になっておりまして、この結果が自給率四%の低下、六三%ということになったというふうに見ておるところでございます。
○喜屋武眞榮君 どの国にも基幹作目というものがあるわけですが、その国の基幹作目は国の責任においてその作目を育成すべきであるということもこれは常識だと言われておりますが、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(田名部匡省君) おっしゃるとおり、どこの国にもそういう作目がありまして、私どももそれは大事にしてまいりたい、こう思っております。
○喜屋武眞榮君 もう一つ、平成二年一月に閣議決定された「農産物の需要と生産の長期見通し」によりますと、果実の自給率は昭和六十二年度の七四%から下がってはいくものの、平成十二年度においてなお六五%を維持するものと見通していた。ところが、この長期見通しが決定されたその年に早くも目標年次の自給率を割ってしまったのである。政府は、この事実について責任を感じているのか、また果実の自給率を今後どのようにして引き上げていく方針であるのか、その対策をお聞きしたい。
○政府委員(上野博史君) 平成二年度の果実の生産につきましては、先ほど申し上げましたように、温州ミカンが裏年であった、あるいは一方で生産の増加を見込んでおりました確かんであるとかナシであるとかブドウであるとか、こういうようなものの生産量が、まだこういうものの果樹園が生産力化していないというようなことによりまして、国内生産の総量が平成十二年の見通しを下回ったという状態にあった、こういうふうに理解をいたしております。一方で輸入の方は、輸入自由化あるいは消費の多様化というようなことがございまして、平成十二年の見通しに近い水準までふえたというようなことが需要と供給の両面の動きのもとに自給率の低下ということになったというふうに理解をいたしているわけでございます。 果実の生産につきましては、需要の動向に即して行うということが、これが一番大事なことだというふうに考えているところでございまして、先ほど委員が引用されました、平成二年三月二十日に公表いたしました平成十二年度を目標年度とします基本方針に基づきまして、果実需給の安定、消費者ニーズに即した高品質な果実の生産、あるいは国際競争にも耐えます足腰の強い果樹産地の育成ということのために施策を実施してまいりたい、かように考えているところでございます。
○喜屋武眞榮君 次にお尋ねしたいことは、農産物、例の十二品目の輸入自由化の一環として平成二年四月から自由化されたわけなんですね。その自由化されたというのは、パイナップル調整品については関税割り当て制度がとられて、一次税率が〇%、二次税率で三〇%となっておる。ところで、三月四日に政府がウルグアイ・ラウンドのドンケル最終合意案に従って提出した国別農業保護削減リストにおいて、このパイナップル調製品の税率をどう扱ったのか明らかにしてもらいたい。
○政府委員(上野博史君) 国別約束表の内容につきましては、これは外交交渉上の文書の内容になるものですから、ちょっとお話を申し上げるのを控えさせていただきたいというふうに思いますが、考え方といたしますと、ウルグアイ・ラウンドの開始後に、一九八六年以降に自由化を決定した品目の一つだということでございまして、この自由化によります保護水準の引き下げというものについては、この交渉上十分に評価されるべきだというふうな考え方で取り扱っているところでございます。
○喜屋武眞榮君 次にお尋ねしたいことは、パイナップル生産は昭和五十七年以降収穫面積が急速に減少を続けております。政府は、一昨年四月から実施されたパイナップル調整品の輸入自由化に対処して、生食用パインをふやすためのハウス化、原料用果実の価格安定措置等の対策を行ってきました。しかし、こうしたてこ入れにもかかわらず、パインの収穫面積の減少はとまらず、耕作放棄が広がる傾向を示しております。 このような沖縄のパイナップルの生産や加工について、政府はしっかりと実態を把握しているのかどうか、対策事業が不十分だったとは考えないか、今後どのような将来計画のもとで、この衰微しつつあるパインの現状の振興を図っていこうとしているのか、お伺いいたします。
○政府委員(上野博史君) パイナップルの栽培面積がこのところ減少傾向にあるということにつきましては、理由はいろいろあるんだろうというふうに思いますが、他作物との競合であるとか、あるいは高齢化によります労働力の不足等々の理由があるんだろうというふうに思っておりますけれども、やはり一つは基盤整備事業がかなり行き渡ってきた結果、パイナップル以外の作物の生産ができるというようになった事情もあるんではないか。花卉であるとか畜産であるとか、そういうものへの取り組みが可能になった面もあるのではないかというふうに考えておりまして、地域の農家の営農上非常に有利な作物に取り組んでいただけるのが一番いいのではないか、それが基本ではないかというふうにまず考えているところでございます。 ただ、パイナップルの生産ということで言いますと、高品質な生食用のパイナップル生産というものにつきましては農家の意欲が非常に高うございまして、優良品種への改植ということが順調に進んでいるところでございます。 私どもといたしましては、沖縄のパイナップル産業の体質強化を図るべく、各種の対策をまた続けて実施してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○喜屋武眞榮君 最後に大臣に要望しておきたいんですが、国の予算というのは、申し上げるまでもなく、国民の税金でございます。国民の税金を効率的に運用し、そして時代の衰運とともに農業のあり方も機械化になっていくということもこれ は必然でございます。 ところで、先ほど来も質疑が交わされたわけですが、宝の持ちぐされていくようなことはまさに生産農民の声にマッチしないあり方であります。例えば、耕地面積が小規模である沖縄では、機械化は非常に要望しておりますが、それは大型ではなく小型の機械を数多く要求しているというのが沖縄の声であり現状であります。 こういうことを申し上げることは、結局時代の衰運といえども国民の税金によって賄う政治、行政は、むだのない、国民の声にマッチする、こういう表裏一体のあり方でなければいけないと思うんです。現に沖縄の農業を見ましても、つくづくそう感じられます。機械化を非常に求めております。それはしかし大型ではありません。できるだけ小型の機械を数多く活用したい、利用したいというのが生の声でございます。 こういうことも、結局はしょって申し上げますれば、国民の税金を効率的に行政に使用していただくということが最も大事なことであるということ。ただ機械的に宝の持ちぐされてさびらせるような大型機械化も無用である、税金のむだ遣いである。こういうことを感ずるわけなんですが、大臣の所見をお聞きしまして、私の質問を終わります。
○国務大臣(田名部匡省君) 私も何回かお邪魔をしておりますが、おっしゃるとおり大規模な農業あるいは大型の機械を導入するというわけには地形上まいりません。今おっしゃるように、大事な国民の血税でありますから、有効にこれを使っていくということは当然なことでありまして、その地方、地域、それに見合った方法で農業振興というものをやっていかなきゃならぬということは先生御指摘のとおりでありますので、十分そのことを体して今後努力してまいりたい、こう思います。
○委員長(永田良雄君) 以上をもって、平成四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管及び農林漁業金融公庫についての委嘱審査を終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(永田良雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時十分散会 ―――――・―――――