農林水産委員会 第2号
- 発言数
- 195 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1992/03/12
会議録
○委員長(永田良雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 農林水産政策に関する調査のため、本日、参考人として日本中央競馬会理事長渡邊五郎君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(永田良雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(永田良雄君) 農林水産政策に関する調査のうち、平成四年度の農林水産行政の基本施策に関する件を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○一井淳治君 まず、ウルグアイ・ラウンド農業交渉に関係して質問をさせていただきたいと思います。 第四ラウンドに至らず、第一ラウンドから積極的に米の自給を守るためにいろいろと交渉をなさっていることに対しては感謝を申し上げたいと存じますけれども、いずれにせよ米の自給を守るためにはドンケルの最終合意案というものは修正してもらわなくちゃならない。修正ない限りは米の市場開放に向かってしまうということでありますから、あくまで最終合意案の修正という御努力をお願いせざるを得ませんし、また修正がなければ受けられないという基本的な態度で御努力をお願いせざるを得ないわけでございます。 この最終合意案につきましては、性格は仲裁案ではなくて修正が可能であるということが重ねて国会においても確認されているところでございますし、またことしの二月一日付の読売新聞などを見ますと、ドンケル事務局長自体がある程度の修正は必要であるということを表明しておられるということでございますが、申し上げましたように、修正をめぐってどういうふうな御決意でどういう御意向で交渉に当たっていただけるかという点について、まず質問をいたしたいと存じます。
○政府委員(川合淳二君) 今お話しございましたように、我が国は三月四日にガット事務局に農業に関する国別約束表を提出いたしました。この提出の前提といたしまして、今お話もございましたけれども、我が国といたしましては、ダンケル合意案について種々の問題がある、したがって修正が必要であるというふうな前提に立ってこの国別約束表を提出いたしております。 我が国の国別約束表は、既に御承知の点でございますけれども、包括的関税化は受け入れられないという基本方針を踏まえまして作成しておりまして、まず一点といたしましては、国内支持につきましては、主要な農産物に関しましていゆるAMSによる支持保護の削減を提示する。二番目といたしまして、国境措置につきましては、基礎的食糧でございます米及び十一条二項同品目の関税化に関する欄は記載しない。王といたしまして、十一条二項同品目について現行アクセスの維持に努める旨記載する。また、一般関税については、ある程度の削減を提示するという内容でございます。 農業交渉につきましては、各国の国別約束表が出そろった段階で本格的な交渉が進行するものと予想されますが、これからの段取りあるいはスゲ ジュールというものにつきましては今のところ不透明であり、私どもはいろいろな形で我が国の立場を説明するとともに、情報収集に努めておりますけれども、これからどういうふうな段取りになるかということは今のところ定かに申し上げる段階にないと思っております。いずれにいたしましても、今のような基本方針で私どもは国別表を出したわけでございますので、この線に沿って今後の交渉に臨んでいくということを考えております。
○一井淳治君 交渉に当たられる中では、とりわけ農林水産大臣はお米の問題の専門でございますし、また他の大臣の中では最も米を守ろうという熱意を私どもは感じているわけでございます。そういったことで米の自給を守るためにどんなことがあってもドンケルの最終合意案は修正させる、修正できない場合にはこれは受けないというふうな決意をぜひとも披瀝していただきたい。それがなければ安心できないわけでございますので、どうか大臣からも御発言をいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(田名部匡省君) もう何回も申し上げていることで変わっておりませんが、いずれにしても今までの経過を見ておりますと、交渉を可能にするということであれば最低限の私たちの利益というものを損なわないということが大事であって、そのことを一貫して主張してまいりました。 今のダンケルの案でも輸出補助金に比べて国境措置の取り扱いのバランスが欠けておる、特に包括的関税化の考え方が示されている等いろいろ問題がありまして、公平なルールのもとで競争するのでなければこれは認めがたい。米について、あるいは十一条二項同については反対という表明をいたしておりますし、他の分野でも今局長がお答えしたとおりでありますが、いずれにしても国会決議を十分体して従来の基本的方針のもとに食糧輸入国の立場というものが確保される、その努力を今後とも一生懸命やってまいります。
○一井淳治君 相手方が多いことでございますし、また各国の利害が大変ふくそうしているわけでございますから、交渉担当者の方の御苦労については本当に感謝したいと存じますけれども、しかし、国内におる者として見ておりますと、国別表の提出の時期などは少し早過ぎるんじゃないかというふうなことで、ガット農業交渉がやや弱腰ではないんだろうかという心配を持つわけでございます。 例えば新聞報道などを見ますと、アメリカがガットの交渉の旗振り役でございますけれども、アメリカもそしてECのような主要国も極めて不完全な内容しか提出していない。三月五日段階でジュネーブの会合で確かめたところ、国別表を提出しているのは九カ国にすぎないというふうなことも新聞報道されているところでございまして、どうして強く反対している日本がそんなに早く率先して出さなくちゃならぬのだろうか、いい子をしてみても国際社会ではそんなことは通用しないんじゃなかろうか、日本が反対してくることはわかっているんだから、もっと率直に遅く出すということで意思表示を強めた方がいいんじゃなかろうかというふうなことを国内におる者とすれば感ずるわけでございます。 それからまた、新聞報道によりますと日本の遠藤さんという国際経済担当大使が、これは新聞記事でございますけれども、各国に対して早急に完全なものを出しなさいという演説をしたということが書いてあるんですけれども、どうもこういう演説をされると日本があくまで反対しているんだという意思がぼやけてしまうような気がするわけでございます。その記事だけ見ると、一体日本はどうなっておるんだなという気持ちも持たざるを得ないわけでございまして、ガットの農業交渉をもっと強腰で、人から見てもはっきりわかるような形でおやりいただいた方がいいんじゃなかろうかという強い感想を持つものですから質問するわけでございまして、御所見を承りたいというふうに思います。
○国務大臣(田名部匡省君) 新聞のことについては、私どもどういうことか定かでありませんが、提出をいたしたのは、今まで一番の関心事項であります米をどういう扱いにするかというのがはっきりとどういう形で出すかというところを確認して、これが決着したものですから、あとの部分についてはおおむねわかるわけでありますが、余り周りをきょろきょろ見回して出したという印象よりも、きちっと私の方の姿勢というものは決まったわけでありますから、余り予定をずらさないで毅然として出した方がすっきりしてよかろうという判断のもとで提出をいたした、こういうことであります。
○一井淳治君 それで、これは参考までにお尋ねをしたいんですが、現在、国別表、正式に言います七農業保護削減計画表ですか、これを提出しているのは何カ国、世界の何%になるのかということと、もう一つは、ECは極めて不完全な内容しか提出していないということですけれども、どのような内容のものを提出しているのかということについてお尋ねをしたいと存じます。
○政府委員(川合淳二君) 私ども承知しております三月九日の時点でございますが、農業に関して国別約束表を提出した国は、先ほど先生おっしゃられましたように、九カ国というふうに承知しております。主要国、米国、EC、豪州カナダなどが含まれております。 その中身につきましては、これはお互いに秘扱いということになっておりまして、詳細を私ども明らかにすることは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、当該国からの説明によりますと、ECは基礎的資料を提示するにとどまっております。これはECがダンケルの合意案の分野別の削減率の数字に同意していないためというふうに言われております。そういうことで、各国とも自国の主張に基づきまして出しているというふうな印象を私どもは持っております。
○一井淳治君 この国別表すら、米国やECの提出が不完全なものですから、各国ともその内容を見ながら出そうということで、非常に緩慢なような状況でありますけれども、非常に御苦労いただいていることはよくわかるんですけれども、日本の農業を守るために最後まで真剣な、そして成果のある外交交渉をどうかよろしくお願いしたいというふうに思います。 次に、国内の問題でございますけれども、米の自給を求めるという声は非常に切実でありまして、市町村議会の九五%が米の開放には反対ということをしっかりと決議しておりますし、また国会議員の署名も九割に達しているところでございます。最近、宮城の補欠選挙が行われましたけれども、農民の声がいかに強いものであるかということを私どもは実感したわけでございます。 新聞記事を見ますと、ササニシキのふるさとの古川市周辺でも自民党の候補が大敗したということが書かれておりますけれども、本当に現在の政治状況というものはお米の問題を一つの中心として動いていると言っても過言ではないと思いますし、またこの政治状況をしっかりつかんで国内の米の問題についての世論を一本化していくということの好機ではなかろうかというふうに思うわけです。 確かに野党の側とすれば、自民党の方のいいかげんな放言がある方が野党の票は伸びるんですけれども、もうそんなことは言っておれない。とにかく農業を守らなくちゃいけないわけでございますから、新聞記事によりますと自民党内も小沢さんとか三塚さんというふうな有力者の方のいろんな御発言が載りますし、また閣内でも宮澤首相はかなり御認識いただいたように思いますけれども、まだ渡辺外相の発言については心配があるわけでございますけれども、農政の最高責任者としてどうか閣内と自民党とをまとめていただきまして、一丸となって外交交渉に当たっていただき払い、大臣に強力なリードを発揮していただきたいというふうに思うわけでございますけれども、その点のお考えはいかがでございましょうか。
○国務大臣(田名部匡省君) まあ、国内にも党内にもいろんな考え方を持っている人がおるわけでして、お互い認識が違うとそういう国民の声にしてもそうなるんだなということを私は感じます。 率直に申し上げて、いろんな対談をしたりいろんな会合に出ますけれども、消費者の人たちの意見を聞きますと、少しぐらいなら安い氷ならいいじゃないかと単純にそういう考えなんですね。それで、少しいろいろな背景を理解してくると、例えば環境を保護しているということで大事なんですねとか、あるいはいや意外に食糧は輸入しているんですねと言う人はまた別なお答えをいただくということで、ですからやっぱり国民に共通の理解を持っていただくということはいかに大事がなという気がいたします。 農民の方に聞いても、牛肉も自由化になったから米も防ぎ切れないのではないですかと言う人が結構多いんですね。ですからむしろ、この前の選挙のときも私、テレビを見ておりましたが、農政に先が見えないのはけしからぬと言う人が意外に多かったんでびっくりしましたが、人それぞれに考えがあることは確かなんです。 しかし、いやしくも国会では満場一致でこれ決議されておるんですから、決議された国会議員はそろってその決議を尊重するというまず姿勢がなきゃいかぬと思いますね。そういう意味で私は何回もお話し申し上げましたが、とにかく決議に参加して満場一致で採択したわけでありますから、その趣旨に沿って発言をしていただきたい、こういうお願いを今日までいたしてまいりました。
○一井淳治君 七見の参議院選挙を控えまして、だんだんと自民党あるいは内閣の関係者の方の発言も米を守ろうという方向に固まっているというふうに思うんですけれども、他面、例えば外務省で米の開放に関係するように懇談会が行われていることがすっぱ抜かれたり、いろんなことが出てまいります。しかし、この七月の参議院選挙前のこの時期は非常にお米の問題について政治の関係者が一本にまとまっていくまたとない機会でありますから、そういう機会に乗じながら米の自給を守るように最大限の努力をしていただきたいということを重ねて要望いたしておきたいというふうに思います。 次に、ガットの今後の交渉の進め方でございますけれども、新聞の報道等を見ますと、アメリカ国内でも非常に反対の動きも顕著にあらわれているということでございますし、EC内部においてもなかなかまとまっていかない状況があるようでございます。また、アメリカとEC間もどうもこの協調がとてもとても裏でも表でもつきそうにないというふうな状況があるようで、とてもドンケル事務局長が目指しておった四月中旬までにまとめるということは不可能なような状況になっているというふうに思います。 それで、私の考え方とすれば、まあ言葉を選ばなくちゃならないんですけれども、はっきりと言いまして急ぐ方が日本にとってはマイナスになる、はっきりと言いまして引き延ばしを図った方が、そして情勢変化を待った方が非常に有利であるということは明らかであるというふうに思うわけでございます。そういうことで、大臣みずからが引き延ばしをやるとは言えないことはそれはわかりますけれども、しかし、今後どういうふうなことを考えながら、どういう方向でウルグアイ・ラウンド農業交渉を進めておいきになるかということについて御所見を承りたいというふうに思います。
○国務大臣(田名部匡省君) なかなかお答えしにくいことでありますが、いずれにしても従来私どもが先生方のいろんな意見を伺ったところで今後粘り強く交渉をしていきたい。 先ほどちょっと言い忘れましたが、国会の先生方はいろんな意見を言われて、新聞の記事に載って、私がお会いしてその真意をただしますが、どなたも農民のことを本当に思って言っている意見というのが非常に多いんですね。どうなってもいいという人は一人もおりません。こうした方が農家のために一番いい方法、こういうことが一番いいのではないかという、そういう考えを持っているということは、これはもう与野党問わずみんな農民のためを考えてくれている。私は本当にそういうことではありがたいことだなと、こう思います。その考え方がいろいろ出てくるものですからかえって混乱しているということで、そこだけはでも理解してあげたいと私は思います。率直に言って日本の農民のことを思わない政治家というのは本当にいないんだなということだけは感じました。 しかし、それでも、言うと枝葉がついて誤解されることが多いものですから、よくよく発言には注意していただきたい。あとはひとつ私ども先頭に立って、各国のいろんな状況もあります、外交交渉ですから、刻々と変わるその変化に適切に対応しながら、しかし基本的なところは何としても努力をして頑張りたい、こう思っております。
○一井淳治君 一回これはしくじったら取り返しのつかないことになるわけでございますから、国益を守るために遠慮なく外交交渉を展開していただきまして、新聞報道などによりますとアメリカの大統領選が終わるまではどうにもならないんじゃなかろうかというふうなことも書かれておるようでございますけれども、そういったことも念頭に置かれながら御努力賜るよう要望いたしておきたいと思います。 次に、一月二十四日の朝日新聞の記事でございますけれども、農林水産省が米関税化容認を受け入れる見通しになったということを報道しているわけでございます。それに附帯して食管法の見直しの検討をしているということも載っておるようでございますけれども、このような事実があるのかどうか、まずお尋ねしたいと存じます。
○政府委員(馬場久萬男君) 一月二十四日のただいまお触れになりました記事に関しては、このような事実はございません。
○一井淳治君 それに対して、新聞社に対してはどのような対応をなさっておられるでしょうか。
○政府委員(馬場久萬男君) まず、この報道がなされた二十四日のこれは朝刊でございました。金曜日で閣議がございましたので、閣議後の記者会見におきまして田名部農林大臣から、余り予見を持った報道をされないよう気をつけていただきたい、間違いのない報道をしていただきたいという旨を、これは記者クラブの記者全員にお願いをいたしました。 その後、翌週月曜日に私がこの新聞社の本社を訪れまして、担当部長に直接お会いして、この記事については農林水産省における事実と違うから、こういう記事は訂正してほしいという旨を申し述べました。
○一井淳治君 それで、どうでしょうかね、この問題は私一度質問したんですが、またも同じようなことが起こったんですが、どういうお考えですか。
○政府委員(馬場久萬男君) 新聞社の私の方に対する言い方というのは、この記事に関して言いますと、これはあくまでも見通し記事である、文中にも「見通しになった。」と書いてある、これは書いた記者の観測に基づく見通し記事だと言って、要するに事実を報道したものではない、よく読んでいただけばわかるはずだと、こういう言い方でございました。いわば水かけ論になるわけでございます。
○一井淳治君 新たな二つの問題があると思います。その記事の問題と今のあなたの態度なんですよ。 前にもあなたに御注意をしておった、この委員会で御注意をした。そのときあなたは、僕の意見を率直に聞いて努力しますとは言わなかったんですよ。今までどおりに対応しますと言ったんですよ。で、今までどおりに対応してこういうことになったんですね。それであなたの意見を聞きたいんです。 率直に言って、我々は国民の代表、農民の代表なんですよ。だから、あなたが失敗したんだから、まことに申しわけありませんでしたと謝罪がなく ちゃいけない、謝罪が出ないでしょう。あなたがいいかげんでいるから新聞はつけ上がってくるんですよ。人間として、あなたはまあエリートでしょうから、自分の立場は命を張ってでも守ると。それがないと外交交渉をやっている人は大変なんですよ。国内にいるあなたがぬくぬくとして、ここへ来て、私が失敗して申しわけないということを言うぐらいに真剣でなければ、外交交渉をやっている人たちはもうばかばかしくてできませんよ。 もう一遍あなたの考えを聞きます。
○政府委員(馬場久萬男君) 私どもとして報道関係者に対しては一生懸命事実を報道していただきたいということを、先ほども申しましたように大臣からも言っていただきましたし、私どもも言っているわけでございまして、決していいかげんにやっているわけではございませんが、先生御指摘のように、必ずしも報道機関の方にそこが理解されていないという意味では努力が不十分だという御指摘は謙虚に受けとめたいと思います。 今後ともそういう面で正しい報道がなされるようにマスコミ関係の方ともよく意思を疎通して頑張ってまいりたいと思います。
○国務大臣(田名部匡省君) 弁解するわけではありませんが、官房長、いろんな記事を見ては、きょうマスコミに行ってきましたという報告は私もいただいております。 ただ、私も常にここ何カ月か腹が立って、夜も宿舎に来ますが、けしからぬ、競馬や競輪の予想と違ってこの種の報道は真実を伝えるのがマスコミではないか、あるいは皆さんも日本の国民であるのなら、国家国益を踏まえた報道というものはできませんかと、随分うらまれる、憎まれることも言いました。しかし、本当に言葉というのは、一々細かいところまで見ませんから、皆さんは。何となく書いてあることがばあっと見出しか大きいと、あっという感じを持たれて、選挙でも投票が終わってないのに、こっちが強いとかこっちが落選するとかいうぐらいですから、本当に報道の自由というものはどこまで許されていいのか私もわかりませんが、ほとほと、書いてあるとおりに運んでいなかったことも事実でありますから、そういうことをよく見きわめて、先日も取材を十分してやっていただきたいと。農政の記者クラブの皆さんは割合良識があるんですが、どうも別な方の記者クラブの方々が書いておられるようでありまして、何とも遺憾に思っております。
○一井淳治君 それからもう一つ、新聞記事の問題ですけれども、先ほど官房長が見通し記事なんだというふうに言われていましたけれども、この記事自体が見通し記事なんだということで引き下がるようじゃ話にならぬと思うんです。これは「農水省、コメ関税化容認へ」というふうに大きな字で書いてあるわけですから、これは見通し記事じゃなくて、農水省は変わりましたよということを言っているわけですから、そんなことで、国会で見通し記事だと言われましたというふうなことをおっしゃるようじゃ困るわけですよ、本当に。そんなことはあなたの力ではね返してもらわないと。あなたの意気込みで、人間の力ではね返すように、ひとつ今度は、もうこれ以上朝日新聞になめられないように御努力をお願いしたいというふうに思います。 次に、農業の問題ですけれども、後継者が集まらなくなって非常に農業振興という観点からすれば厳しい状況がありまして、外交交渉の問題も大事なんですけれども、内部崩壊といいますか、農業が内部から崩れ去ろうとしているという状況があるわけでございます。それで、農水省もこれまで非常に御努力を賜っておったということはわかるんですけれども、しかし、現実に農業がもう風前のともしびになりつつある、内部からそういうふうになりつつあるという現実もあるわけでございまして、これまでの農水省の農政にどこか大きな間違いがあったんじゃなかろうかという観点から、反省の上に立った新しい農政をつくるということも大事ではなかろうかというふうに思うわけでございます。 そういった意味で、農水省として、まあ根本的といいますか、基本的に今後こういう農政をしていこうというふうなことをお聞きしたいという希望があるわけでございますけれども、そのあたりの御所見はいかがでございましょうか。
○国務大臣(田名部匡省君) 今のお話のように、新政策本部において、何といっても農政は国民の理解を得ることが大事でありまして、そのもとに我が国の経済社会の基盤として農業、農村の位置づけを明確にしたい。中長期的展望に立って、食料・農業・農村政策に関する基本課題について、論点を整理あるいは方向づけを行いたいということで一生懸命今やっております。検討中でありますが、何といっても時代の変化、人手不足、出生率の低下、これに対応していかなきゃならぬ農政というのは一体何だろうかということを考えてみますと、何といっても生産性の向上が立ちおくれておることと担い手の不足に陥っていることであります。 特に稲作等の土地利用型農業について考えてみますと、やっぱり農業は他産業に比べてもうからない、苦労が多いということが一つのブレーキになっておるんだろう、こう理解しておりまして、しかしそのためには、みずから農民自身も努力をしてもらわぬといかぬ部分があります。それは、経営管理能力にすぐれた人あるいは企業的経営のできる担い手を育成していかないと、今のように何をやっているのか、もうかったのか損をしたのかということがはっきりしないで事業をするという会社はないわけでありますから、企業的感覚と申し上げておるのは、そういう上に立ってやるそういう教育をしていかなきゃならぬということが一番の問題であろうと思うんです。 そこで、それぞれの地域の実態というものがありますから、それに即したやり方をしてあげませんと、全国画一的にやりましても、雪の降るところもあるし、寒いところもあれば暖かいところもある、あるいは山に囲まれたところもあれば平地もあるということで、そういうことを考えて政策を考えよう。あるいはいろんな経営体、というのは、規模が小さいものですから、今までも努力してまいりましたが、三十ヘクタールぐらいの農家の人たちに最大の努力をしてみて相当の投資をしてみても、これはおのずから限界があります。 そこで、その一人一人の規模は小さいけれどもひとつ集約して、適正な規模と私は言っているんですが、余り大きくても効率が悪いようでありますから、その適正な規模をみんな寄せ合って経営体というものをつくるということにいたしませんと生産性が上がっていかない。したがって、機械の効率も非常に今ば悪いですね。二戸二戸の農家が全部一そろい自分で持つものですから、その負担というものが非常に大きくなっているということを考えると、そういうふうに改める必要がある。生産の方はそういうことで考えております。 したがって、投資についても、まんべんなくやることがいいのか、あるいはそういう体制を整えたところに思い切った投資をしてあげる方がいいのかということが一つあると思います。 ですから、特にこれは卑近な例で、私の八戸市の近郊の農家、特に国道や県道に沿ったところは、いつか必ず何かにしようという考え方があるものですから意欲が出てこないんですね。そして、自動車の中古販売店に貸したり、いろんなことに転用してまいります。ですから、投資したこともむだになっていく。そういうところと分けまして、本当に優良、超優良の農地というものをきちっと決めてあげて、そこに投資をしていったらどうかという考え方が検討の中での一つであります。 一方では嫁不足とかいろんなものがあります。ですから、何といっても生活環境、集落の排水でありますとか下水もしてあげなきゃいかぬ。嫁さんが来い来いと言っても、環境が悪いともうそれだけで嫌われるという面もあります。あるいは道路にしてもいろんな、都市と遜色のないような形を整えてあげる。あるいはもっと村というものをきれいな村にしてあげたい。行ってみたい、住ん でみたいというような環境に整備していく、これが一つ。 最後には、何といっても多様な就業の機会を確保してあげたい。それには、今集約をしますと、たくさんの人で耕作したんではこれの採算合いませんから、適正な人数で耕作をすると余剰の労働力が出てくる。それは都会に出るんではなくて、そこで収穫した農産物で加工をする人あるいは機械を集約して、リースなのか受委託なのか、それを第三セクターがいいのか会社がいいのか、いろんな形でそういうところにもみんなが就職ができる。そうして一体となって、それが農村だということで、農業経営だというようなそんなふうなイメージで議論をしておるわけでありますが、いずれにしても、農業は嫌だということのない、そんなことにして若い人たちに頑張ってもらいたいということ。 今度もお願いしておりますが、農家に生まれたから、長男だから農業の後を継ぐというんではなくて、意欲のある人にやっていただきたいということで今般もお願いしておりますが、いずれにしても抜本的に、もうこのままでは日本の農業はどうにもならぬということで対策を立てたい、こういうふうに考えておりますので、また考えがまとまりましたら先生方にお示しをして御意見を伺いたい、こう思っております。
○一井淳治君 大臣も言われるとおり、意欲のある人をますます伸ばしていく、地域のリーダーを育てていくというところが大切であるというふうに思います。 一つ私が質問いたしたいのは、いわゆる平均三〇%の減反の問題でございますけれども、例えば大規模志向で若い人が一生懸命頑張っている、そういった人には減反を割り当てないで一〇〇%耕作していただくということをされたら、そうすると大規模志向の若い者が一生懸命やるんじゃなかろうかというふうに思いますけれども、最近十三万ヘクタールの割り当ての問題が進んでおりますし、平成五年度以降の問題もありますので、御所見を伺いたいと思います。簡単にお願いいたします、時間がありませんので。
○政府委員(上野博史君) 委員御指摘のとおり、あるいは大臣が今御説明をいたしましたように、これからの農業の繁栄を図っていくという観点に立ちますと、今お話しございましたような担い手の意欲のある方々あるいはそういう地域、こういうものに稲作を集中的にやっていただくということが大事なことだというふうに我々も考えているわけでございます。 この生産調整、どうしても現在のところ生産力と需要との間にギャップがございますので、これは何とか実施していかなければならないわけでございますけれども、それをやるに当たりましても、今のようなことを考えまして転作の目標数量の配分ということにも反映をさせながらやってまいっているわけでございます。それぞれの地域におきましても、これは特に稲作の主体となる地域というようなところだろうと思うのでございますが、地域内のコンセンサスを得ながら今委員がおっしゃられたような意欲のある大きな農家あるいは後継者のある農家というところには転作の配分率を少なくするというようなことでやっているところも全国にあるわけでございます。 そういうようなことで、御趣旨に沿うような形のあれに今努力をしているわけでございますが、米の生産調整をやるとなりますと、全稲作農家の協力というものが要ることもまた一方で事実でございまして、余り不公平感が生じてくるということになりますと、転作、生産調整の意味合い、全体としての需給のギャップをカバーしていくということにつながらない面が出てくるという問題があるわけでございまして、その辺いろいろと考え合わせながら進めていかなければならないというふうに考えております。 来年以降の生産調整のあり方はポスト後期の問題になるわけでございますけれども、ことしの生産調整の緩和の実施状況やなんかを見ながら枠組みなりあるいは数量なりを考えてまいりたい、その際に今おっしゃったようなことも考慮に入れてまいりたい、かように考えております。
○一井淳治君 農業は大変な状況でございますから、熱心な者に積極的に広い面積を耕作してもらうということぐらいは思い切ってやらないともうどうにもならない状況になっているんじゃないかと思いますので、十分な御検討をお願いしたいというふうに思います。 次に、酪農の関係でございますけれども、牛肉自由化によって大変な影響を受けていることは言うまでもないところでございます。最近では収入が低下してもうやめようという農家がふえているわけでございますけれども、牛肉の関税が今年度は七〇%が六〇%に、来年度は六〇%が五〇%に下がる。これは大変な影響を及ぼすんじゃなかろうかと思いますけれども、その辺の御所見と対策について簡単にお答えを願いたいと存じます。簡単で結構です。
○政府委員(赤保谷明正君) 牛肉の輸入数量制限の撤廃は昨年の四月に行われて、今先生お話がありましたように、関税はさらにことし、来年と下がっていく。そういうことに対しまして、私どもはまだ自由化が定着したとは思っておりませんので、その様子を注意深く見守って、必要に応じて所要の対策をとる。今そういうことを見通して対策はとっておるわけですが、今までもそれぞれの時点において必要な対策をとってきておりますので、注意深くその状況を見てまいりたいと考えております。
○一井淳治君 恐らく一〇%関税を下げるということはまた大きな影響が、牛肉に限らずお乳を搾っている農家に対しても影響が出てくると思いますので、十分な対策と観察をお願いしたいというふうに思います。 それから、飲用乳価の決定でございますけれども、本来から言えば四月の年度が始まる前に金額等を決定して、文書で契約書をつくって、それから供給をしていくというのが建前であるというふうに思いますけれども、残念ながら一年おくれで昨年度分が最近ようやくまとまったというふうな状況でございます。 これはまあいろんな原因があると思いますけれども、一つには対等当事者間の交渉であるということをまだメーカーが十分に認識していないということがあるというふうに思います。それからまた、農水省の指導をスーパーなどの小売店にも及ぼしていくというふうな広範な指導が必要ではなかろうかというふうに思うわけでございますけれども、飲用乳価の決定についての今後の農水省の御所見をお尋ねしたいと存じます。
○政府委員(赤保谷明正君) 御承知のとおり、生乳取引につきましては、指定団体と乳業メーカーとの間で自由で対等な交渉によって行われるということが基本でございまして、市乳の需給実勢等を背景に両当事者間で適切な交渉が行われる、そういうことを期待いたしておるわけです。しかしながら、両者それぞれ言い分がありましてなかなか折り合いがつかない。去年そういうような状況がありまして、そういう模様を見ながら、私どもといたしましても、できるだけ早く交渉が妥結するよう今後とも必要に応じて所要の指導をしてまいりたいと考えております。
○一井淳治君 あと時間がありませんので、要望だけにさせていただきますけれども、一つは、乳価決定に当たって生産費というものが非常に重要な意味を持ちますけれども、生産費調査の結果が乳価決定の段階でしか公表されない。したがって、農民とすれば生産費調査について意見を言うこともできないという状況でございます。そういうことで、生産費調査をできるだけ早く公表するということを今後御努力いただきたいというふうに思います。 また、加工原料乳の決定の時期になりますけれども、ぬれ予価格が低下するなど非常に農民は動揺いたしておりますので、農民団体からいろんな要望が出ていると思いますけれども、その要望を十分に検討いただきまして、生産者団体からは具体的な金額を挙げて要求が出ておりますけれど も、今年度は必ず加工原料乳価格が上がるように御指導賜りたいというふうにお願いを申し上げまして質問を終わらせていただきたいと存じます。
○菅野久光君 私、短い時間でございますので、外国産馬に対する出走制限の緩和問題について御質問を申し上げたいと思います。 中央競馬会が軽種馬生産者に対して、外国産馬の出走制限緩和五カ年計画案、これを示したことから、軽種馬生産の九〇%を占めております。その主産地である北海道の日高、胆振の生産者は大変な危機感を抱いております。この計画どおりに進捗するとすれば、日本の軽種馬産業はもう壊滅的な打撃を受けることになるということで、去る二月二十五日、日高の静内町において約八百名の生産者が集まって計画案の白紙撤回を求める決議が採択されましたことは御承知だというふうに思います。私も実はこの大会に出席いたしまして生産者の声を直接聞いてまいりました。 中央競馬会が推進しようとしているこの五カ年計画について、これは生産者のやはり理解なしには進めることができないというふうに思うんですが、その点について、五カ年計画を策定した考え方、そして今日、北海道において生産者が大会を開いてこのような意思決定をしたということに対してどのように考えておられるのか、その辺あわせてお答えをいただきたい、このように思います。
○参考人(渡邊五郎君) お答えいたします。 先般私どもは、昨年の秋でございますが、これからの中央競馬の国際化に向けての五カ年の計画を提示しまして、生産者団体の皆様方とお話し合いを進めてまいったところでございます。 これには経過がございまして、平成の年度に入りましてから毎年、外国産の未出走馬につきましてのレース数のうち、五%ずつこのレース数をふやしまして、平成四年度は三五%ということになりましたが、毎年五%というようなことではなく、やはり計画的に見通しを持ったものを中央競馬会が示すべきだというような御意見もございまして、当然のことだと思います。 そういう立場に立ちまして、私ども、最近におきます国際化の動向、海外からの出走参加要請の強まってまいっている状況からかんがみまして、ただいま申しました、これは日本特有のもので国際的にはないのでございますが、外国産の未出走馬につきましては五年後に六五%のレースを開放する。それから外国で既に出走して経験している馬につきましては、現在二レース程度になっておりますのを十七レース程度まで開放してはいかがかという案を持ちまして生産者の方々にお話を申し上げているところでございます。 私ども、この考え方につきましては、中央競馬のこれからの計画としましては、あくまで内国産馬を中心にした競馬を施行していくという原則と、かつ生産者の皆様方への影響も十分配慮して、これは決して無理に急激にやるのではなく、段階的にこれを実施していく。そしてそういう中で、先ほども申しましたが、外国ではほとんど今先進国では開放されております。特に外国産の未出走馬というような分類での制限をやっているところはどこもございません。地方競馬もこれは開放しておるわけでございます。といって、これも無制限に広げるわけにいかないということで、五年後に六五%ということを中心に、さらに経験馬についてはかなり制限的に、私どもで限定的に十七レース程度開放すべきだろう、こういう考え方でいたしました。 生産者の方からいろいろ御意見があることは十分承知しておりますし、この計画自体が非常に生産の面で大きな打撃を受けるようなときには計画の見直しをすることについてもやぶさかでない、こういう考え方に立ってお話し合いを進めているところでございますが、ただいま先生からお話がございましたように、生産者の方々はこれについてまだ話し合いの十分な糸口も得られないまま今日に至りまして、ただいまのような御意見が出ましたことについては非常に恐縮に存じます。これからも生産者団体と十分話し合いをして立派な案をつくりたい、このように私どもは考えております。
○菅野久光君 ただいまお答えがございましたけれども、国内生産者への大きな打撃が、仮に懸念されるようなことが起きるというような事態に立ち至ったときには、仮にこの五カ年計画を進めるという前提に立った場合においても、計画の見直しなり検討、そういうことは考えなければならないという立場に立っているというふうに私は聞いたんですが、そのとおり間違いないと思いますが、いかがでしょうか。
○参考人(渡邊五郎君) その点は私ども、この計画自体が現実に生産界に非常に大きな打撃を与えるようなことになりますれば、計画の見直しについて当然再検討すべきものと考えておりますし、そういう立場で進めてまいるつもりでございます。
○菅野久光君 中央競馬会としての基本的な考え方についてはわかりましたが、今もちょっとお話がありましたように、生産者の方は白紙撤回と言っている、そして中央競馬会の方では今までのいろんなお話し合いの中からこういう案を提示したということで、ちょっとその糸口が見えないような感じがするんですが、指導監督官庁としての農林水産省として、こういったような事態に対してどのようにお考えか承りたいと思います。
○政府委員(赤保谷明正君) 外国産馬の出走制限の緩和についての考え方、今競馬会の理事長からお話があったとおりでございますけれども、私どもといたしましては、競馬の国際化のために段階的にどう対処していくべきかということについて、関係者との間で十分に協議をして速やかに成案を得ることが必要であると考えておりますが、必要に応じまして関係者の協議が円滑に進むよう私どもとしましても指導してまいりたいというふうに考えております。
○菅野久光君 競馬というのは、もう私が言うまでもなく、生産者と中央競馬会、地方競馬会、そしてファン、ここのところがやっぱり一体になる中で競馬の振興ということが私はなされていくものだというふうに思うんです。そういう意味では、先ほどから言っているように、今ちょっと残念な事態といいますか、そういう事態になっている。したがって、農林水産省としても何とか話し合いができるようなそういう状況をぜひつくっていきたい、指導監督官庁としての立場としてですね。そういうことですが、何事もやっぱり民主主義の世の中ですから、話し合いをしてその理解の上に立って計画を進めていくということが非常に大事だというふうに思うんですが、そういう点について大臣はどのようにお考えか、ちょっと承りたいと思います。
○国務大臣(田名部匡省君) 私は、競馬のことは全くわからぬで困っておりましたが、最近いろんな会合に出まして、地元でもこの陳情を受けました。私のところも、北海道ほどではないんですが、馬産地なものですから。あるいは北海道、私は苫小牧に七年おったんですが、静内とか白老からこの間ある会合に見えていまして、この話を聞きました。非常に難しいなと思うことは、陳情を受けたときもそう思ったんですが、農産物の自由化というときに馬の自由化は防げるかなというのは、最初に率直にそう思ったんです。いや面倒だなと思いまして、そのことを申し上げました、北海道の陳情の人たちに。 さりながら、困っているという状態もわかるし、ファンの方も、私は、アラブというのはどういうもので、サラブレッドも何だかわからない。この間、井上先生から、ちょうど会合で一緒になって聞きましたら、詳しいんですね。絵を見て、アラブは遅いよと言うんです。スピードがないと言うんです。スピードが全然違うと言うんですよ。見ておったら、やっぱりなるほどスピードがない。そうすると、ファンの立場に立つと、やっぱりあの陸上競技でもスピードのあるのというのは迫力があるんですね。もたもた走っているのは余り見ていてもおもしろくないということか らすれば、ファンはやっぱりそういうものを望んでいるのかなと。 何か聞いていますと、零細な人が多いというし、そういう人が集約してもっと力をつけてやる方法は何かないのかなといろいろ私も迷っております。まあ、精力的に私も独自に意見をみんな聞いてみて、何かいい方向があればその方向で考えてみたい、こう今思っています。 基本的には渡邊理事長と生産者の方と話をしていただくというのは大事なことですけれども、なかなか進まぬようでもありますから、いろいろもう少し勉強させてください。何とかいいようにまとめたい、こう思っております。
○菅野久光君 時間が過ぎましたので、とにかくできるだけ早くそういう状況ができるように畜産局長の方でもひとつ努力をしてもらいたいと思いますし、中央競馬会も、先ほどのお話ですと、余りかたくなにこれが絶対計画どおりにというふうにも何か考えていないようにも思うんですが、生産者の人たちとの間でしっかり意思疎通をしながらこのことの解決のために努力をしてもらいたい。そういう要望を申し上げまして、ちょっと私の持ち時間過ぎまして、大渕さん済みません。ひとつよろしくどうぞお願いいたします。 終わります。
○大渕絹子君 先ほども一井委員から質問もあったわけですけれども、私からももう一度、参議院の宮城補欠選挙の結果について。 共和、佐川スキャンダルに絡む政治倫理など争点は大変明確でしたが、最終的に勝負を決したのは農民票だと言われています。米の輸入自由化問題や政府の農業政策への大きな不信感のあらわれだと思います。この選挙の結果をどう受けとめ、今後の農業政策にどう反映させていかれるのか、大臣にお尋ねをいたします。
○国務大臣(田名部匡省君) だれがどう入れたかというのがわからないのが選挙でありまして、想像で入れてくれたんじゃないかなとは思いますが、そこのところはわからない。したがって、いずれにしても、テレビでインタビューを受ける農民の皆さんの話を伺って、ウルグアイ・ラウンドよりも農政の先が見えないのがけしからぬという意見が結構ございまして、新しい、今検討している新農政、これを早くまとめて、農民の皆さんにこういう方向ならばいかがでしょうかというものをお示しをするということが大事だなとそう感じました。
○大渕絹子君 率直に国民の意見に耳を傾けて、基幹産業である農業を守るという立場に立って頑張っていただきたいと思います。 ガットの農業交渉のその後についてお尋ねをいたします。 農水省では、ダンケル合意案に基づく国別約束表を提出するに当たり、日本から各国へ向けて使節を派遣したと聞いておりますけれども、我が国の修正要求の中身について、使節を派遣して説明をされたというふうにお聞きをしますけれども、どういう国に行かれたんでしょうか。
○政府委員(川合淳二君) 私ども、国別表を提出するに際しまして、先ほども申し上げましたように、日本の立場、特に基本的方針に基づいて国別表を出したわけでございますが、そうした日本の基本的立場について再度各国の理解を求めるということで五チームを派遣いたしました。 一つはアメリカ。それからもう一つは南米、特にブラジル、アルゼンチン。いわゆるケアンズ・グループと言われているところでございます。それからASEANなどのアジアの諸国。そしてEC。特にECの中ではスイス、オーストリーは日本と立場が近いところがございます。そうしたところなど五チームを派遣したところでございます。
○大渕絹子君 その派遣した先の国の感触ですね、日本の主張に対する感触はどんなでしたでしょうか。
○政府委員(川合淳二君) 我が国と意見の近い国、例えばカナダ、これは御承知のように十一条二項同について我が国と同一歩調をとっておりますが、こういう国ではその主張について当然理解されるとともに、その国との今後の同調を向こうから求められるというようなことでございます。 一方、いわゆるケアンズ・グループと言われております発展途上国ないしは輸出国につきましては、日本の考え方について、特に包括的関税化などにつきまして厳しい意見がございます。一方、我が国のもう一つの主張であります輸出補助金の削減につきましては、そうした国はむしろ賛成をするというような状況でございます。 したがいまして、もちろん、我が国の考え方につきまして全面的に理解を得られたということではございませんが、私どもの考え方そのものについては、どういうことであるかということについて各国に知っていただいているということだと思っております。
○大渕絹子君 百八カ国の中で国別約束表を提出したのがわずかまだ九カ国というふうにお聞きをしているわけですけれども、こんな状態で今後の農業ラウンドの方向をどういうふうにとらえていらっしゃいますか。
○政府委員(川合淳二君) この国別表の求めております内容は、ある意味ではかなり高度なものも含まれております。と申しますのは、統計的資料がかなり完備されてないと提出できないというような要素もございますので、百数カ国の加盟がある中で発展途上国では非常に難しい面があるということが一つあると思っております。 したがいまして、現在出しておる九カ国というのは、ほとんどが先進国と申しますか、でございますけれども、農業に関しましては、主要国、特にウルグアイ・ラウンドで交渉の事項につきまして非常に強い関心を持っている主要国につきましてはある程度出されたというふうに考えております。 しかしながら、先ほども申しましたように、各国ともにそれぞれの主張に基づいて出しておりますので、これをめぐりまして今後どのような展開がなされるかということは非常に私どももつかみかねておりまして、各国の情報なども集めながら臨みたいと思いますが、正直申しまして今のところ不透明という状況でございます。
○大渕絹子君 大変不透明な感じでこれからも交渉が進むんだろうと思いますけれども、交渉の展開によっては田名部大臣みずからが出かけていくというような御予定、計画はおありでしょうか。
○国務大臣(田名部匡省君) 当面はそのスケジュールが不透明なことによってありませんが、いずれ閣僚級の交渉が必要になることがあれば私も出向いて、今日まで先生方にお答えしてきたとおりきちっと主張したい、こう思っております。
○大渕絹子君 ぜひ頑張っていただきたいと思います。 それでは、続きまして、平成四年度に実施をされることになりました単年度限りの減反緩和についてお尋ねをしていきたいと思っています。 台風や長雨などの被害で平成三年産米の作柄が悪化し収穫量が大幅に減少したため、適正在庫は百万トン前後と言われる中で、ことし十月末には三十から四十万トンになるのではないかという心配が出てきた。そこで、緊急措置として平成四年度の転作目標面積を八十三万ヘクタールから七十万ヘクタールへ、全国で十三万ヘクタール軽減することが決められました。 しかし、この十三万ヘクタールは、既に麦や大豆、野菜その他の転作、さらに保全管理の名目で事実上はもう荒れ地になっている休耕田などの農地と言われています。一年限りの措置では復元費用を回収できないためにこれに応じたくないという農民の声も多いわけですけれども、その点とういうふうにお考えでしょうか。
○政府委員(上野博史君) この十三万ヘクタールの転作等目標面積の緩和の作業は、現在、末端の農家、それぞれの地域での転作等目標面積の配分の調整という形で作業が続けられているわけでございまして、全体としてどういうようなことになっているのかということをまだまとめ上げる段階に達していないというふうに思っております。 ただ、その中で、今委員御指摘のように、転作が確立をしているような地域、あるいは耕作放棄になっているような中山間地帯、その担い手が脆弱だというようなそういう地域におきまして、思うように稲作への復帰というのができにくいという状況があるということは把握をいたしております。 私どもといたしましては、そういう転作田の水稲作への復帰のために必要な準備をするというような予算も講じておりますし、あるいはお米をつくりたいという地域も一方ではございますものですから、引受手のないところと引受希望のところとの間の地域間の調整をやるというようなことによってこの十三万ヘクタールの達成をしたいというふうに考えております。 面積的に言いますと、先ほどお話のございましたような青刈りなり保全管理作物というような形での面積が十四万ヘクタール余りぐらいございまして、そういうところに極力入れていければ達成が可能だというふうに思っているわけでございまして、好ましい転作の形態を維持しながら何とかこれを達成してまいりたい、かように考えている次第でございます。
○大渕絹子君 ただいまも水稲作付のための緊急条件整備事業の予算づけということをおっしゃられたわけですけれども、平成四年度で幾らの要求をなされておりますか。
○政府委員(上野博史君) 約四億六千万程度の予算額を来年度予算に計上いたして今御審議をいただいているところでございます。
○大渕絹子君 この四億六千万円の金額は水田農業確立対策費の千三百五十一億の中に含まれておりますか。
○政府委員(上野博史君) そのとおりでございます。
○大渕絹子君 この一年限りの減反の緩和のために四億六千万ものお金が使われるわけですけれども、水路などをせっかくつくって田んぼにしたところを来年また転作しなきゃならない場合が出てきますね。そのときに、私などの考えでは、ずっと今まで補助をして転作をさせてきて、お金を費やして転作をさせてきたのに、また今度新たにお金をつぎ込んで水田に戻して、またその次にお金をかけて減反させるというような、そういう政策が続けられることに非常に不信感があるわけなんですね。非常に予算的にもお金ももったいないという思いもありますけれども。 この助成するお金ですね、既に作付されているところのお金は農協などに対して払われるというふうに聞いていますけれども、農民に直接に払われるものじゃないんですか。
○政府委員(上野博史君) この補助事業全体の原則というのがございまして、個人への補助というのは、直接的な補助というのを今は行っておりません。どこからが協同部な事業になるのか、どこまでが個人的な事業になるのかなかなか仕分けが難しいところはございますけれども、非常に軽度な畦畔の何といいますか修復というようなこと、あるいはそこに若干生えておる雑草みたいなものを掘り起こして取るというようなものというのは、例示でございますけれども、これは個々の農家がやっていただいておる営農行為というふうに考えられる面もあるわけでございまして、私どもとすれば一応その地域がある程度まとまって一定の仕事をする必要があるというようなことについて助成をしてまいるというふうに考えているわけでございます。 ただ、それは逆に今度は圃場整備事業のように立派な工事をしなきゃならぬというほどのことでもないだろう、従来の転作田の維持というようなことの延長線上でできるような話なのではないか、かように考えているわけでございます。
○大渕絹子君 ちょっと重ねて今のところを、済みません。 麦の作付がもう既に済んでいて、そしてそこを今度水田にするためにその麦をだめにするわけですね。そういうものに対しての補助というか、直接農家の方に払われるということはないわけですね、そうすると。
○政府委員(上野博史君) まず、御質問の前段の部分の麦を植えている部分にお米を入れるという、それが大前提であるわけではございませんで、私どもの考えで言えば望ましい形での麦の集団的な転作やなんかが行われているものについては極力そういうような形で続けていただきたいというのがまず第一でございます。 それから、稲作への復帰を図る際に、圃場の整備のためにある程度ここに、私の資料によりますれば、用水路の整備など簡易な排水対策というようなものを一定の広がりで、一ヘクタール以上ぐらいの面積の土地について協同でやるというような必要がある場合にやるということでございまして、単に水田を起こして例えば水稲の作付の準備をするというような範疇に入るようなことについて助成をするというのは、簡単に言うと、まあ言葉が適当でないかもしれませんが、難しい面があるというふうに考えております。
○大渕絹子君 転作分がどの程度消化されるのか調査をなさったそうですけれども、その結果について教えていただきたい。
○政府委員(上野博史君) 先ほど申し上げましたように、地域によって進みぐあいが非常に違うわけでございまして、植えつけの時期の早く来る北の方、北海道あたりにつきましては大体地域の配分も終わって目的どおりのことが行われるんではないかというふうに聞いておりますけれども、南に下がるに従いまして、まだとても集計という段階に至りません。現在それぞれの地域で調整中でございます。その過程で実施ができるところ、できないところが出てまいるわけでございまして、その間の地域間の調整、これは市町村間、県間とだんだん広い地域での調整に移ってまいるわけでございますけれども、そういうことをやった上で最終的にどういうような対応になるかが明らかになる、かように考えておるところでございます、
○大渕絹子君 おおむねどのぐらい達成できるとお考えですか。
○政府委員(上野博史君) 今の段階では、大変恐縮でございますけれども、十三万ヘクタールの予定どおりの実現を図りたい、こういうことで、私どもの出先あるいは食糧事務所あるいは都道府県、市町村、こういうところが一生懸命令事に当たっているということでございます。
○大渕絹子君 稲はもみの用意からずっと準備をしてからやらなければならない作物ですよね。それだったら、もう既に種もみの準備をしておるから、どれだけ稲作をしようかというのを各農家は全部わかっているはずですよね。それで、もう計画も出ていると思うんですけれども、それでもまだわからない、つかみ切っていない、この春から行われる作付のことが今まだわからないというのは、私は少しおかしいのではないかというふうに思うわけですけれども、まあわからないのならそれでいいです。 それでは、他用途利用米を今の主食用に転用をしようという申し入れ、あるいは他用途米を去年までつくっていたけれどもことしはそれを少しやめたいというような、そういう希望はありますか。
○政府委員(京谷昭夫君) 先ほど来話題になっておりますいわゆる生産調整の緩和措置に伴いまして、従来転作の一環として位置づけて行ってまいりました他用途利用米について一定の影響が予測されるというお話でございますが、私どもも多少その影響はあろうかと考えておりますけれども、御承知のとおり、他用途利用米の見込みというものは、私どもは今全国レベルで約五十万トン程度の予定を持ちまして、実は他用途利用米のオペレーションというのは、御承知のとおり生産者と実需者とのいわば包括的な流通契約、これを集荷の筆頭にあります全農等の指定団体がいわば仲介役としてオペレーションをしていく、こういう仕組みになっておりますので、その仕組みの中で取りまとめをしてまとめていくものでございます。 例年の作業でございますと、この契約が完了する時期というのが大体六月ということになってお りますので、最終的な結果というものはもう少し時間を得たにゃいかぬと思いますが、全体として転作緩和措置に伴う調整が入りますとこの予定量に若干の影響が出てくるであろう。ただ、具体的にそれがどの程度のものであるかということについては、今の段階では確たることは大変申し上げにくい状況でございます。 ただ、他用途利用米が使われておりますマーケット、先生御承知のとおり、酒造用あるいはあられ、せんべい等の加工用、それからみそ、しょうゆの原料、その他のいわば加工品ですね、加工原料の世界でございまして、このマーケットは他用途利用米のほかに、御承知のとおり自主流通米、それから特定米穀を含んだいわば混合マーケットになっておるわけでございます。その混合マーケットにおける需給がどうなっていくかということについては、当面、平成四米穀年度については、まだ確定的な状況ではございませんけれども、大体需給バランスの確保ができるであろうという見通しを持っておりますが、平成四年産の他用途米の状況いかんによって、五米穀年度ですね、ことしの十一月から来年の十月にかけての米穀年度についての需給見通しを確たるものにしていかなければいけないという課題が残ることになるのではないかというふうに考えております。
○大渕絹子君 今御説明あったように、私の、新潟県の南魚沼郡の大和町という、いわゆる魚沼コシヒカリの産地なんですけれども、ここでは、他用途米の限度数量ですね、割ヶ当て分を今までは三千八十三俵計上していたんです。ところが、この減反の緩和によって、その割り当てられた数量を他用途米でそれでは出していこうということで変換をいたしまして、他用途米の割り当て分を全部返上するというようなことで申し出たそうです。そうしたらその後、全然やらないわけにはいかないだろうということの中で、三百八十俵分だけはそれじゃ他用途米をつくりましょうということで約束をしたわけですけれども、他用途米は転作としてカウントをされているんですよね。で、この大和町の農民のほとんどは、まあ普通でしたら他用途米だったらもっと収穫量の上がるものをつくればいいんですけれども、そうすると植えつけとか稲刈りとか時期がずれてしまうものですから、そのことを省くために少し収穫は落ちてもコシヒカリを他用途。米としてつくっているんですね。そして、普通魚沼コシヒカリは正規流通でいきますと二万五千円、不正規流通だと三万円以上しています。それを、他用途米で一万円前後、一万円弱にしかならないんですけれども、農民たちは今まで泣く泣くそのコシヒカリを出荷していたわけなんですね。今回こういう措置をとったことで他用途米でなく正規のものとして出せるようになったわけですから、ここでは大変喜んでいるわけですけれども、先ほど長官おっしゃったように、こういう現象の中で他用途米の五十万トンの確保というのは非常に難しい状況だろうと私は思うんです。 ところが、食糧庁の今年度の予算書を見せていただきますと、需給調整特別事業という事業の中で、政府持ち越し米と他用途利用米の円滑な交換を行うということで、その中で他用途米を二十五万トン政府米と入れかえるという、こういう事業計画があるんですね。そしてもう一つ、その下のところに、他用途利用米等加工用米穀需要開発緊急推進事業という中で、需要開発緊急対策用米の無償交付ということで、他用途米を四千トン、これを無償で交付しようという、こういうことでわざわざ予算が盛られているんですね。ここのところをちょっと説明をいただけますでしょうか。
○政府委員(京谷昭夫君) ただいま先生御指摘のありました、予算に計上しております、需給調整特別対策の中に計上しております二つの事業でございますが、最初に御指摘のございました需給調整特別事業、政府持ち越し米と他用途利用米の円滑な交換というアイテムでございますが、これは、他用途利用米の場合には比較的品質に対する特別の選好がそう強くないわけでございますけれども、政府米の方につきましては新米志向が最近大変強くなってきております。したがいまして、年度末に持ち越すであろう米を年度内に加工原料用、いわば他用途利用米の世界にあらかじめ使って、他用途利用米として収穫された新米は翌年に入りましてから、その米穀年度を越えて政府が取得して使用していく。それで、そのことを通じて実は他用途利用米のいわば端境期における需給調整の役を一部果たすことも期待をされるわけでございます。 そういう意味でこういう事業を昭和六十二年度から仕組んで実行をしておるわけでございますけれども、本年度一応こういう計上をしておりますけれども、ことしの端境期に向けてどうい状況が起こるかによってこの制度を的確に運用していくことを検討したいというふうに思っております。 それから、第二番目の仕事でございます。第二番目の仕事は他用途利用米等加工用米穀需要開発事業、大変紛らわしい名称で恐縮なんでございますが、実はこれは米の需要拡大を図るために、政府保有の米を新しい製品開発のための調査に使う場合に無償で交付しているので、これ他用途利用米という名称を現在使っておりますけれども、現実には政府米を無償で交付する仕事でございます。 例えば、去年の例でございますと、米の需要拡大という意味で新しい製品ということで、ソーセージの中に玄米を入れて、これが新製品として販売できるかどうかというふうな試験をやっていただいたわけでございますが、この用に供するのは大変リスクも大きいものでございますから、政府米を無償で交付して行ったというふうな例もございます。そういう新製品の開発のためのものに政府米を無償で提供するための経費ということで計上をしておるものでございます。
○大渕絹子君 済みません、時間ないのでもう少し簡潔にお願いしたいんですけれどもね。 先ほど申し上げましたように、本年度の十月に十万ほどしか残らない政府米を、どうして新しい他用途米二十五万トンにどうしてもかえていく、そのための予算づけをしなきゃならないのかということと、政府米の方が一万六千円ですから、他用途米よりも高く入っているわけですよね。他用途米は九千円ちょっとでしょう。そういうことなのに、無償で提供するんであれば安い方の他用途利用米を使う方が私は妥当だと思うんですね。そのためにここの予算の項目のところが他用途利用米等加工米というふうになっていると思うんですね。それをわざわざ政府米にしたということは何かあるんでしょうか。
○委員長(永田良雄君) 答弁は簡潔に、そしてわかりやすくお願いいたします。
○政府委員(京谷昭夫君) 大変恐縮でございます。 交換の問題につきましては、いろんな状況いかんでございますが、一応私ども、今四米穀年度末の政府在庫を、多少変動要素はございますが、三十万トンないし四十万トンという見込みを立てておりまして、その範囲内で対応可能な限度として二十五万トンという積算で一応計上しておる。このとおりいくかどうかということは別問題でございます。 それから、無償交付の対象としまして、他用途米の方がいいではないかということでございますが、実は他用途利用米というのは民間のものでございます。先ほど申し上げましたように、あくまでも指定団体、指定法人が仲介をして民間流通として行われておるものでございまして、これを無償で出す云々ということを私どもとしては言いかねるものですから、政府在庫で操作をしていく、こういう仕組みをとっておるわけでございます。
○大渕絹子君 民間のものである他用途米を、じゃどうして利用して政府米と入れかえるんですか。全農にその差額分を払うんですか。
○政府委員(京谷昭夫君) もちろんこれは他用途米のオペレーションをしております民間団体の要請があればということでの操作でございますし、また年産格差があるわけでございますが、その差金を払うための予算を実は計上しておるわけでご ざいます。そういう準備をした予算でございます。
○大渕絹子君 いずれにしても、先ほどの減反緩和の部分から他用途米の恐らく生産高が大幅に減るというふうに私は思うわけでございます。その減った他用途米にかわるものとして、政府では、もう既に加工用の米は外国から随分と入ってきているわけですけれども、ことしの秋、さらに加工された米が入ってくるという予測は立ちますでしょうか。
○政府委員(京谷昭夫君) 米の加工品の輸入状況でございますが、年によって若干の変動はありますが、玄米換算で約四万トン前後であろうかと、今ちょっと手元に資料ございませんが、その程度のものであろうと考えております。これは自由化をされおりますものについて入ってきているものでございまして、輸入規制の対象になっておるものは現在のところ割り当てをしておりません。したがいまして、その自由化されたもので代替をされる部分というのは大変限定をされておりますので、加工品という形で激増するという事態はないのではないか。 確かに、他用途利用米の調達がどういうふうに進むかということは、多少変動要素はございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、この他用途利用米が使われるマーケットというのは、他用途米のほかに自主流通米あるいは特定米穀というものでもカバーされるマーケットでございますので、それらの状況いかんによって全体としての需給状況というものが決まってくるであろうというふうに考えておるところでございます。
○大渕絹子君 外食用の御飯として入ってくる部分の加工米なんですけれども、平成元年度で千五百五十四トンありました。ところが、これは他用途米が普及をすることによって八百四十九トンに平成二年度では減ったんですね。そして、三年度では千三百十五トン輸入されているという現状で、さらにこの他用途米に頼っていたそこの産業の部分が、他用途米が手に入らないということになれば、恐らく外国産のものに頼っていくという現象というのは起きてくると思うんですけれども、こういうことから米の輸入自由化というようなことにどんどんと広げていくというようなことにならないように特段の配慮をしていただき、さらにその他用途米の作付等々についても、これからでも間に合うんでしたら、どうぞ農家の方たちにも昨年並みのものが出せるような状況をつくっていけるように長官にお願いをしたいと思いますけれども。 現行の転作制度について、これ以上は減反はできないという限界感が農民に強くあるわけですけれども、反面に、今回のように緩和されても一年限りではネコの目農政そのものであるという、そして農家の人たちは二、三年先の営農計画さえ立てられない状況であるという、それは先ほど大臣も先の見えない農政ということでお答えになったわけですけれども、一律減反制を見直し、減反した農家には政府が責任を持って集荷、販売をし、他方減反しなかった人には自分の責任で処理をするというような選択減反制を唱える学者も多いんですけれども、こういう考えについてどういうふうにお考えになっているのか、あるいはそれを導入する時代に来ているとの判断をしているのかどうか、そういうところをちょっとお聞かせいただけますか。
○政府委員(上野博史君) 今の最後の御質問の点から先に申し上げますと、自主的な選択で生産調整に応じていくという、それは一つ大きな考えとして確かにあるわけでございますが、現在のいろいろな状況を考えますと、そういうことを仮にやるとすれば恐らく生産が大幅に需要をオーバーするという事態が出てまいりまして、お米の需給のコントロールに支障が生ずるのではないかというふうに考えるわけでございます。先行き、次第に生産調整のような対策から転作を定着させて脱却をしなければならないという方向に向かわなきゃならないという方向自身はそのとおりだと思うわけでございますけれども、今の段階では大きな需給ギャップがございまして、そういうような方向をとった場合には、恐らく相当の生産過剰になるだろうと。そういうことで、検討はいたしてまいりたいと思いますけれども、大きな問題点があるんじゃないか、かように考えております。 それからもう一つ、十三万ヘクタールが一年限りであって、来年になったらそれがそっくりもうなくなるんだというような感じで私はお聞きしたわけでございますけれども、ポスト後期に入ります来年度以降の問題は、枠組みなり数量というものをこれから検討してまいるつもりでございまして、特にどの程度の規模を生産調整するかというようなことにつきましては、ことしの稲作の状況が非常に大きな要素になってまいります。それからまた、生産の能力、つまり転作の定着の度合いであるとかあるいは需要の先行きの見方であるとか、そういうことを見た上で決めてまいらなければならないということでございまして、できるだけ農家の中期的な営農計画に支障を来さないということにも思いをいたしながら検討してまいりたい、かように考えております。
○大渕絹子君 それでは、次に農地法のことについてちょっとお尋ねをしたいと思います。 これは全国農業新聞の三月六日付の報道なんですけれども、二月二十五日、農水省では市町村公社を設けることを決定した、そしてそのために農地法の政令を改正しなければならないというような報道が出ているわけですけれども、この中身について御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(海野研一君) 現在、農地保有合理化促進事業というものは県の公社を中心にして行っておりまして、そのほか一都市町村なり農協なりが行えるというようなことにしているわけでございます。 ただ、県の公社ではなかなか小回りがきかないというような問題がございます。特に、この平成四年度から農業委員会の行います新農地銀行事業、ああいうような農地の利用調整から需給、出し手、受け手の情報などを流していく事業、こういうものを行っていく中で、やはり農地保有合理化法人が一時農地をプールしてやっていくというようなこととタイアップしていく必要がある。ということになりますと、なかなか県公社だけではいかないということでございまして、そういう意味で市町村段階の農地保有合理化事業を強化していこうと。それで、もちろん市町村、農協という手もありますけれども、地域によってはむしろ県公社みたいなものを市町村段階につくっていった方がいいだろうというようなこともあるということで、これはこれまで存在しなかったわけでございますが、市町村の公社についても認めていきたいと考えております。
○大渕絹子君 今まで農地の売買は農業公社でだけ行っていたわけですけれども、この市町村公社には土地の売買についてはどうするおつもりですか。
○政府委員(海野研一君) 私ども、売買ということになりますと相当の資金力も要りますし、そういう意味では売買は原則として県公社が適当ではないかということで、市町村公社ないしその他市町村段階の場合には貸借を中心に事業を進めていくことになろうと考えておりますが、特に売買を禁止するというつもりではございません。
○大渕絹子君 耕作放棄地というのが年々多くなってきている。平成二年度のセンサスでは大体十五万ヘクタールというような数字が出ているわけですけれども、ことしなどはきっともっとふえているだろうというふうに認識をするわけです。 市町村公社がもしできるのであれば、よりその地元の地域と密着をした形で、より現状を把握しながら適正な価格での、まあ取引と言ってはあれですけれども、売買が可能ではないかと思うわけですね。県の農業公社という大きな団体よりもよりきめ細かな取り扱いができるという意味では、私は市町村公社が扱うことの方がより効果的ではないかと思う者の一人なんです。 こうして放棄される土地というのは、御存じでしょうけれども、大変不便なところが多いですよ ね。山合いの田んぼであったり基盤整備がされていないところであったり、そういう田んぼを管理して次の担い手に貸していくというようなそういう発想でこれがつくられると思うんですけれども、その放棄地の取り扱いというのは非常に難しいと思います。だから私は、自治体できちんと買い取って管理をしていく、公用地として扱うということの方向づけをもうしなきゃならない時期に来ているんではないかというふうに思うわけです。ここに民間の手が入ることは私は非常に疑問に思うわけですからそれを言うんですけれども、そこらはどうでしょうか。
○政府委員(海野研一君) 耕作放棄地の問題につきましては、耕作放棄地自体、今おっしゃいましたようないろんな条件といいますか、いろんな理由で耕作放棄になっております。私どもがアンケート調査をやったところでは、年をとって労働力が足りないからというのが一番多いわけでございますけれども、しかし、圃場条件が未整備であるからとかいうようないろんな事情がございます。そういういろんな事情に応じて耕作放棄地の取り扱いもいろいろ違っていくだろうと思います。 特に、圃場条件が未整備のところで、かつ整備すればできるところは整備していくということが必要でございますし、そのほか、集落の話し合いによります農用地利用増進事業その他で直接他の農業者に耕作をゆだねていくというような格好のこともございますし、まさに今御指摘になりましたような市町村なり市町村の公社なりというものが間に入りまして、それで今後それを活用していける農家にさらに貸していくというようなことも考えられるかと思います。 そういう意味で、平成四年度には、その場合に、特に条件が悪くて直ちには次の農家が借り手がいないという土地につきまして、農地保有合理化法人が一回それを借りて、そこに手を加えて耕作できるような状態にして、それから他の農家に貸していくというような予算も準備しているところでございます。 今おっしゃった民間の手が入るのは危険だというお話でございますが、これは、市町村公社につきましては、私ども、市町村公社自身を民法法人に限定しておりますし、現在、県公社は県が二分の一以上出資ということでございまして、市町村の場合に、市町村と農協とを含めてということになろうかと思いますけれども、少なくとも半分以上は市町村や農協が実際の運営を握っていくという格好でやっていこうというふうに考えております。
○大渕絹子君 まあ、第三セクター方式でやるということなんでしょうけれども、その社団法人や財団法人に参加できる資格というようなものについて細かく規制をするつもりですか。
○政府委員(海野研一君) こういう人は入っていけないということを特に政令で禁止することは今考えておりませんけれども、現実に県の公社の場合、これまでつくられているものにつきましては企業が参加をしたものは一つもございません。
○大渕絹子君 これは新潟県の例であれなんですけれども、新潟県の担当者では、土地改良などに携わった土建会社やあるいは建設業の方たちに入ってもらうのはいいんじゃないかというような話も出ているんですけれども、農水省としてはそういう考え方はないですね。
○政府委員(海野研一君) この法人はあくまでも農地保有合理化ということで、この公益法人自体は利益を生まないといいますか、むしろ特に最近のような情勢のもとで、地価も小作料も下がってくるというような状況の中では赤字の危険が非常に大きな事業でございます。まさに市町村や農協が赤字覚悟で出ていくというようなものでございまして、もちろん、企業でございましても篤志家が本当に自分の営業とは別に寄附でもするという話であればこれは拒むところではないと思いますが、特に何かの事業をやっている者を加えたらうまくいくというふうなことではないだろうと思っております。
○委員長(永田良雄君) 大渕君、時間がもう来ておりますから。
○大渕絹子君 わかりました。時間が来ましたのでやめますけれども、五十一分までとおっしゃっていますから、あと一分ありますね。済みません。 大臣に、最後に、所信表明を読ませていただきまして、大変農業に対する熱意を感じるわけですけれども、この所信表明の中に、今現在六割の担い手として位置づけられている女性に対する文面というのが一つも読み取れません。女性や高齢者に対する、農業の担い手としての位置づけがちっとも見えてこない。このことを私きょうは質問したいと思って用意したんですけれども、とても時間がなくて残念でした。この次の機会にさせていただきますけれども、この農業の担い手である女性や高齢者に対して大臣のメッセージを一言。
○国務大臣(田名部匡省君) 私いつも申し上げますが、私の親戚は父方も母方も農家なんです。したがって、選挙のときはもうほとんど婦人は農家の御婦人の皆さんで、一生懸命やっている姿を見まして、本当にこれからの農業はもう婦人を重視していかないと、だんなさんはみんないろんなところに勤めていますから、そういうことでは私は農村の御婦人の対策というものはしっかりやりたい、こう思っております。 以上です。
○委員長(永田良雄君) 午前の質疑はこの程度とし、午後零時五十分まで休憩いたします。 午前十一時五十一分休憩 —————・————— 午後零時五十二分開会
○委員長(永田良雄君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、農林水産政策に関する調査のうち、平成四年度の農林水産行政の基本施策に関する件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○星野朋市君 このたびのガット・ウルグアイ・ラウンドの問題につきましては、農業についての国別約束表、これの関税相当量の数値を空欄でお出しになったということはまことに適切なものでございまして、御当局の努力に我々敬意を表するものであります。特に、提出日が絶妙だったと思うんですね。三月四日というのは早過ぎもせず遅過ぎもせず、非常にいいタイミングで、これは大臣の指示だったと思うんですが、と私は思っております。 ガット・ウルグアイ・ラウンドの問題につきましては、同僚議員から再三の御質疑がございましたので、その点は私は特に触れませんけれども、実は一昨年、自主流通米価格形成機構というのができまして、それ相当の成果を上げておると思いますが、昨年、引き続きまして食品流通機構というのが設けられました。これは、実際に発足しましたのは昨年の十月でございまして、まだ五カ月ほどしかたっていないと思うんですが、今まで農業政策それから農業問題につきましては、比較的生産者の問題というのが多く取り上げられておって、流通問題というのがそれに比較すれば余り問題にされなかった。 しかし、食品関係の流通における経費というものは非常に大きなものがございます。いつも生産者は安い、消費者は高いと言う。この間の流通経費の問題というのは非常に大きな問題でありまして、大体私の見ているところでは二年ほど前からこれに農水省も真剣に取り組んだと思うんですけれども、食品流通機構というものが発足して、どういう問題をどういうふうにこれから検索していくのであるか。実は、食品流通機構そのものの予算というのは大したことございませんけれども、これに関連する市場改善資金であるとかそういうものが非常に莫大な金額になるわけでございますね。ここら辺で、食品流通機構について、今取り組んでいる問題、今後の課題について御説明願いたいと思います。
○政府委員(武智敏夫君) ただいま先生からお話しございました食品流通構造改善機構の関係でございますけれども、昨年、国会で制定していただいたわけでございます。これは、消費者ニーズが最近いろいろ変わってきておりますので、そういった消費者ニーズの多様化なり変化に対応するというようなことが一つと、それから農産物の輸入もふえておるといったような生産状況の変化ですとか、あるいは流通上は人手不足なり配送コストが上昇するといったような問題等もございますので、そういった食品流通を取り巻く変化に対応いたしまして、卸なり小売なり、そういった食品部門につきまして構造改善を促進しようということで制定いたしてもらったわけでございます。 その後、先ほどお話しございましたとおり、去年の十月一日に財団法人の食品流通構造改善促進機構というのができまして、これは法律に基づきまして大臣が指定するということで指定法人という取り扱いをいたしておるわけでございます。したがいまして、民間サイドから食品の卸なり小売の構造改善を積極的に推進するといったような役割を担うことにいたしてもらったわけでございます。 この機構につきましては、お話しございますとおり、四つぐらい大きな事業があるわけでございますが、例えば生産者との取引関係を安定的にするといったような意味での食品生産販売提携事業といったようなものがあるわけでございますが、こういった四つの構造改善事業につきましての普及、それからまた、金融につきましては低利長期の融資をすることにいたしておりますが、そういった金融ですとか、あるいは税制措置等につきまして周知徹底を図りますために、ことしの一月から三月にかけまして、北海道から沖縄まで全国十ブロックに分かれまして現在説明会をいたしておる。そういうことによりまして、これからの小売なり卸の方々の構造改善を進めていこうというふうにいたしておるところでございます。
○星野朋市君 発足したばかりでございますのでその程度かと思うんですけれども、要するに食品流通関係という問題は、流通経路の問題だけではなくて、包装品であるとかそういうような金額の問題を加算しますとかなり大きな問題があると思います。少なくともこの流通経費、それから経路、これをできるだけ短縮して、要するに生産者価格というものをどれだけ引き上げられるか、消費者価格をどれだけ引き下げられるか、ここら辺の重要な課題にぜひともお願いしたいと思っております。 それから次は、農水大臣の所信表明にもございますけれども、先ほども問題になりましたいわゆる新しい食料・農業・農村政策検討本部の問題でございますけれども、大体この問題が浮上いたしましたのは、昨年、農業基本法三十周年ということで、現在の新しい農業問題をどうするか、農業基本法の古くなった部分をどう改善するかという理念に立ってこの検討本部が置かれたと思うんです。それで、今までの資料を見てみますと、もう十回ぐらいの会合が重ねられておると思うんですけれども、大体これはいつごろまとめられて、そして発表なさるのか。ということは、先ほどからの質疑応答の中にもいわゆる農業従事者の先が見えないという指摘があるわけでございまして、できるだけ早くこれは発表していただきたいと思っておるわけですけれども、いかがでございますか。
○政府委員(馬場久萬男君) 御質問の新しい食料・農業・農村政策の検討でございますが、現在、学識経験者による懇談会、それから私どもの省内に置きます本部におきまして種々検討を行っているところでございますので、従来から本年春をめどに論点の整理と方向づけを行うということを申し上げておりまして、まあ何月何日ということは申し上げられる段階にまだ来ておりませんけれども、実は本日も午前中この懇談会を開催していただきまして、論点の整理に入りつつあるわけでありまして、できるだけ早くまとめたいというふうに考えております。
○星野朋市君 今の御答弁にありましたのを信頼いたしまして、できるだけ早くこれは発表していただきたいと思っております。 実は、その中の一部についてちょっとお尋ねしたいのでありますが、総合的な問題は別にいたしまして、その中で環境保全に資する農業の確立というのがございます。昨年も私は一回質問したわけですけれども、論点がちょっと違いますので、改めてお尋ねしたいんです。 農水省が三菱総研に委託をいたしまして、特に日本の農業が環境保全にどのくらいの効果があるかということで、十一兆九千億円ですか、約十二兆円の効果があるというような試算が出ておると思うんですけれども、そのときに私がお尋ねしたのは、これをガット・ウルグアイ・ラウンドの場で主張したらどうかというお尋ねをしまして、実はガット・ウルグアイ・ラウンドは経済交渉であるので、こういう面は主張はしているけれども、余りその点では効果がないというようなお話がございました。 農林水産省においてもその点では独自にいろんな試算をしているというお話もございましたんですが、これが意外に我が国の外よりも内で知られていないと思うんですね。こういうことは大いにPRすべきだと思うんですが、いかがでございますか。
○政府委員(馬場久萬男君) おっしゃるように、特にこれは水田の持ちます公益的機能について、先生御指摘のように、外部の機関に委託をしまして、評価方法、ヘドニック法という方法によります水田の価値の計算をしていただいた。それが一九八五年のデータをもとにしますと十一兆九千億ということをはじいてもらったわけであります。また、そのほかに従来手法によりますいわゆる代替法という、今ある水田が持っている機能を経済効果で計算するというので計算しました。これは試算可能なものだけですから額的にはやや少ないんです。こういったものがございまして、私どもも先ほど触れました懇談会等におきましてもそういう試算があることを折りに触れて申しておるわけでございますが、確かに一般の国民の皆さんに理解されるというような場でのTRについては必ずしも十分でないと思います。 農水省のいろいろなPR文書、刊行物等においてもこれらの試算、あくまでも試算でございますからいろんな前提があるわけでございますが、試算については触れてまいりたいと思っております。
○星野朋市君 ここに私どもの得られた資料ですね、この中に代替法だと、洪水防止効果、これが約一兆二千三百十億円、それから水資源涵養、これが五千九百五十三億円、土壌侵食防止三百七十億円、都市住民の憩いの場の提供二兆八千億円、代替法による外部経済効果というのが四兆七千億円に相当すると、こういう一つの試算が出ておるわけですね。 それから、先ほども申し上げましたように、ヘドニック法で言うと約十一兆九千億円。こういう農業生産物、特に米の生産額三兆円というようなことからすると相当巨額な評価額がある。こういうことは、特に米の問題、それから日本の水田農業のほかり知れない大きな効果、こういうことをあわせてやはりそこら辺も大いにPRしていただきたい、こういうふうに思いますが、重ねてお尋ねいたします。
○政府委員(馬場久萬男君) おっしゃるように、先ほど申し上げました代替法の中は、先生今触れられたような要素をそれぞれ一年当たりで、例えば洪水防止効果というのは、ダムをつくったとすれば、そのダムの造成費、建設費を耐用年数で割って一年当たり幾らというような計算をしておるわけであります。そういうような考え方も含めて、国民に水田の持っている経済効果あるいは資産的価値というものについての御理解を求めていくべきと思います。 なお、今の代替法は四兆七千億というのは、先ほど言いましたヘドニック法よりかなり少のうご ざいますが、これはなかなか評価の難しい、今言ったような代替効果ということでは評価の難しい、例えば大気の保全であるとか景観の保持であるとか、そういうような要素が計算されていませんので、ヘドニック法に比べますと少ない額になっているわけでございますが、そういう見方によっていろいろありますけれども、いずれにしても、単年度に計算しても米の生産額を上回る効果を持ったものであるということは理解を求めていきたいと思っております。
○星野朋市君 次に、農業後継者の問題についてお尋ねをいたしたいわけです。 担い手の不足の問題ということで、従来取り上げられている主なデータは、新規に高校を出て農業を継ぐということで、平成二年度は一千八百人という。一千八百人という数字は、全国的な割合で言うと二農協に一人ということですか、そんな程度のものなんですね。非常に深刻であるということはそれだけ見るとわかるんですが、さらに注目しなくてはならないのは、いわゆる離職就農者、Uターン現象によって都会から農村に帰ってくるというこの人口がデータ的に言いますと相当激減しておる。平成二年度は平成元年度に比べまして約半減している。これは経済的な面で申しますと、バブル景気で非常に、工業その他サービス業、これがよかったから帰る人間が少なかったという一時的な問題もございますでしょうけれども、統計的に見ると急減しているわけですね。ここの面が今まで比較的論ぜられなかった部分だと思うんです。これは大塚先生がお書きになった論文がございますけれども、そこでもこの問題について大きく触れられております。恐らくこの委員会の後で触れられる農業改良資金助成法、これにも絡むと思うんですけれども、この面について、農業改良資金助成法は今までもあったわけですから、こういうことが新しい農村に就職する人たちに今までどういう効果を与えておって、果たしてこれからそれがどういうふうにさらに効果を発揮するか、ここら辺についていかがお考えですか。
○政府委員(上野博史君) 農業就業者数の著しい減少、これは大変我々としても憂慮いたしているわけでございまして、従来からいろいろやってまいりました延長線上の施策についても充実をしてまいらなければならないというふうに考えておりますが、何よりもこういう現象の背景には、若い人たちにとって農業が余り魅力がない、自分の一生を託すだけのものとして映っていないというようなことがあるのではないかと思うわけでございまして、そういう意味で現在進められております新しい政策の検討というところにまつところが非常に大きいんじゃないかというふうにまず考えているわけでございます。 ただ、従来の農業改良資金の制度の後継者育成資金というものは、これは親が農業をやっている場合に、その子弟が従来の親の経営部門と違う別の部門を創設する際に融資をするというようなことでやってまいったわけでございまして、もう少しこれを、親が農業をやっているかやっていないかということにかかわらず、農業をやりたい希望の人に貸し付けをするというようなことに広げてみたいとか、あるいは現在でもまだ農村のしかるべきところにどういう土地があるのかというようなことについての十分な情報が若い人たちに行き渡っていないということもあろうかというふうにも思うわけでございまして、そういう面での情報の流通をよくしたいというようなことも拡充してまいりたい。 それから、研修的な意味でも、先ほど申し上げましたように、親が農業についていない、そういう方々は多分全く新規に農業を始めるということになるわけでございましょうから、そういう点についての研修や何かについても充実をしてまいりたいというようなことで、とりあえずできることについての充実を図りたいということで法律の改正なり予算の充実を図ってまいろう、こういうふうに考えているわけでございます。
○星野朋市君 今のお答えの中に実はちょっと驚くべき言葉があったんです。というのは、農業が魅力のない産業であるというようなことではないかというような、これでは、農林水産当局としてはそんなことでいいのだろうかということですね。 いかにこれが魅力ある産業であるかということを植えつけなくちゃいけないのでありまして、そこから言えばまさしく、「新しい食料・農業・農村政策検討本部において、我が国経済社会の基盤としての農業、農村の位置づけを明確にしつつ、中長期的展望に立って、多様な担い手の育成、土地利用型農作物等の新たな生産体制の確立、新しい地域政策の展開等の基本課題について鋭意検討を進めている一という、これは農林大臣の所感でありますから、これに沿ってやっていただかなければ魅力ある産業としての農業というのが成り立たないと思うのであります。 その観点から申し上げますと、先ほどからも議論になりまして、これは衆議院でも随分問題になったと思うんですが、例の減反緩和策の問題でございます。これは昨年の九月、たしか食糧庁長官が減反緩和策の問題について初めて触れられて、それから実際に平成三年の産米について決定された後でどのくらいの緩和策を考えたらいいかという数字が出たと思うんですが、私は当初考えておったときは十三万ヘクタールというような大きな数字ではなかったと思うんですね。 そうすると、盛んに日本政府は食糧安保論というのを説いているわけでございまして、私は昨年の九月も、いわゆる在庫米百万トンでいいのか、食糧安保論を言うならば少なくとも百二十万から百五十万トンぐらいのものがあってもいいんではないかというお尋ねをしたわけですけれども、今残念ながら十三万ヘクタールの減反緩和策ができたとしても、非常に難しい問題です。エルニーニョ現象は今もございます。気象条件は必ずしもよくありません。そうすると、平年作であって今の在庫の積み増しか約百万トンぐらいになるだろうということだろうと思うんですけれども、これが一年間ということで論ぜられるといろいろ問題が起こる。 確かに役所のあれは単年度会計でございますからやむを得ないと思うんですが、食糧安保論という問題と絡めると、こういう問題は中期的に三年サイクルぐらいで物を考えないと現実に農業者も不安だろうし、実はそれで非常にどちらかというと豊作になる現象よりも不作になる現象の方が今多いわけですから、そのときにまたどうするかという、こういう考えでおるのは私はまずいと思っているんですけれども、その考えに対してどういうふうに対処なさいますか。
○政府委員(上野博史君) 十三万ヘクタールの軽減措置を決めたにつきましては、今、委員お話しございましたように、当面の在庫を百万トン程度少なくとも持ちたいというところから始まりまして、それをことしの稲作で達成しようということでやっているわけでございまして、では来年度以降の稲作をどういうふうにするかということについては、たまたまちょうど後期水田農業確立対策がことしで終わるということもございまして、その枠組みを改めて考え直しをしなければならない段階に参っているわけでございます。 そういうこともございまして、制度の枠組み自体から始めまして、どの程度の規模のものをやるのかということについても改めて抜本的に考え直しをしなきゃならないというふうにも思っているわけでございます。その際に、農民の方々の安定的にやりたいという希望は我々としても十分わかっているわけでございまして、できるだけそういう趣旨に沿うようにやりたいという気持ちは十分持っております。 ただ、お米のことでございますので、ことしの出来秋がどういうことになるのか、その辺の数字がはっきりしてこないと、いかんせん来年度の稲の生産というものをどういうふうに考えていくかということの答えが出せないという意味でもう小し時間をかけて検討してまいりたい、こういうふうに申し上げている次第でございます。
○星野朋市君 時間が迫っておりますので最後に、今総合的に私が申し上げましたようなことを踏まえて、大臣の中長的な展望に立ってのビジョン、その辺をお聞かせ願えればありがたいと思います。
○国務大臣(田名部匡省君) お話の趣旨は十分承りました。 米についても減反緩和のことも非常に難しい問題です。そのままやらせてほしいという意見が非常に多いんですが、もしそれがずっといって相当過剰が生じたというときはまた減反をする。また戻さなきゃならぬ。戻すために金がかかる。その辺が非常に難しい問題ですけれども、いずれにしてもポスト後期でまたいろいろと先生方の議論をちょうだいしながら、どこが適正かということもやっていかなきゃならぬ。 それから一方では、今検討しております問題でありますが、何といってもやっぱり生産性が上がらない、生活が豊かにならぬというところに問題がある。それをひとつ直したい。直すとなると、本当に協力してそういう規模のすばらしい水田を確保したところに投資をしたいと私は思うんですが、さりとて、小さいところはでは全然やらぬかとなると、減反をお願いするとかいうときは全部にお願いしているわけですから、それも切っていくというわけにもいきませんが、いずれにしても、協力したところとそうでないところに何らかのやっぱり差がないと、みんなまた一生懸命やろうという気がないのかなと。そのあたりがいろいろ気になるところですが、いずれにしてもそういう土地利用型の農業を当面しっかりさせないことには、日本の農業はもうこのままでは行き詰まってしまいます。 それといま一つは、何といってもやる人の意欲、本気でやる気のある人を育てていかなきゃならぬ。先ほど御婦人の六割にも及ぶというお話も出ましたが、こういう面でもやっぱり御婦人にも農業技術あるいは経営感覚というものを持っていただくということも大事でありまして、いずれにしても企業的な感覚で農業経営をやるんだと、この辺からスタートしていきませんとうまくいかない。 それから一方では、むらづくりといいますか、その辺の生活環境をよくしてやらぬといかぬということを考えていまして、新規でありますが、今回お願いしておるシンポジウムをやったり、普及推進のための費用としてお願いしてあります。また、むらづくりのモデル事業をやろうということで、八十六億ぐらいでしょうか、お願いしてありますけれども、それは石積みの水路、せせらぎの水路、あるいは並木でありますとか、木造の橋をかけてやってもらうとか、蛍のブロックを入れたらどうかとか、歴史的な古いものはちゃんと残して町の人たちに見ていただくとか、緑地の広場あるいは交流促進の施設、いろいろそうしたものをつくってみたい。 こう思ってやっておりますほかに、道路でありますとか、あるいは集落排水を整備して、都会から来い来いと言ってもトイレも水洗でないということになりますとおいでいただけないという面もありまして、いずれにしても田舎はいいなあという環境をつくってあげませんとだめだと。そういうふうに考えながら、いずれにしても本当に二十一世紀という新しい時代にふさわしい農業、農村というものを何とかつくり上げたい、こう思って努力いたしております。またいろいろ困難を伴うと思います。この案をお示ししたときに、今は反対という人もおると思うのでありますが、それをあえて克服していきませんと二十一世紀の若い人たちに魅力のある農業というものを示すことはできないということになりますので、この辺のところはまた国会の場でも御議論いただきたい、こうお願いしているわけであります。
○星野朋市君 終わります。
○猪熊重二君 私は、米の輸入自由化の問題に関連して、食管法について二点ほどお伺いしたいと思います。 最初の問題は、食管法が果たして現在でも法律として世の中を規律していくだけの妥当性を持っているんだろうかどうだろうか。こういう観点が一つ。 それから、その次に、米の輸入自由化ということになった場合の食管法の存続、廃止、存廃の問題についてであります。 まず、最初の問題として、食管法は現在でも食糧管理法として法制定の当時のような法規範としての効力を持っているだろうかということに関してお伺いします。 農水省は、食管法を本当に法律として守って、きちんとその実施を考えているんだろうかというと大変疑わしいと思うんです。その疑わしいというのを、抽象的でなくて、具体的な事案からお伺いします。 まず、新聞報道等で言われているいわゆるにせコシヒカリ事件というものについてお伺いします。 去年の九月十九日、長野県上田市に所在する有限会社飯塚米穀というところの代表取締役飯塚和公さんという方が、新潟県魚沼産のコシヒカリでない米を魚沼産コシヒカリと称して販売したということで警察に逮捕された事件がありました。食糧庁として、まずこの事件をいつ、どのように知ったかお答えください。
○政府委員(京谷昭夫君) この問題、昨年も本委員会でいろいろ御説明を申し上げたと思いますが、私どもがこの問題についての情報を得たのは、昨年の八月八日、関係者の一人であります新潟経済連から、状況のわからない案件があるので、ひとつ事情を調べてくれという依頼がございまして、私どもの出先機関を含めて調査を行ったわけでございますが、なかなか不明瞭な面があるけれども、通常私どもが米の包装に使っている紙袋と違うものが流通をしているという私どもなりの確認を八月末にいたしまして、なお私どもの力では事実関係を解明できない部分があるということで、有印公文書偽造・同行使の疑いで被疑者不明のままに、私どもの出先であります新潟県食糧事務所から新潟県警察本部に告訴をしたわけでございます。 その告訴を受けて、捜査当局による捜査が開始されたという経過であったということでございます。
○猪熊重二君 警察庁にお伺いします。 今、食糧庁長官がお話しになりましたように、新潟県警に対して新潟食糧事務所の方からこの件に関しての告発というか、あったということで、この辺の捜査の端緒について簡単に説明してください。
○説明員(松原洋君) お答えいたします。 新潟県警察におきましては、平成三年の九月三日の日に新潟県食糧事務所長から米袋の検査証明欄等が偽造されている、こういう疑いがあるということで、有印公文書偽造・同行使の事案として告発を受理しているところでございます。 その後、新潟県警察におきましては、関係者からの事情聴取ですとか、あるいは関係先の捜索を実施するなどいたしまして、九月十九日に至りまして有限会社飯塚米穀代表取締役外三名を逮捕した、こういう経緯でございます。
○猪熊重二君 捜査の結果として、要するに、偽造した数量だとか販売先だとか、その辺は、簡単で結構ですが、どういうふうに判明しましたか。
○説明員(松原洋君) 事件捜査の結果でございますけれども、被疑者といたしましては、先ほど申し上げました飯塚米穀代表取締役ら七名を逮捕いたしております。 判明した状況でございますけれども、被疑者らは一部二府六県にわたる十一ルートにつきまして偽造した米袋約四千四百袋を流通させたということでございまして、これについて十四事件を立件送致した、こういう経過でございます。
○猪熊重二君 数量は。
○説明員(松原洋君) 立件送致した米袋でございますけれども、約四千三百袋でございます。
○猪熊重二君 今のお話だと食糧事務所からの告発の罪名は有印公文書偽造・同行使というふうな ことだそうですが、食糧管理法違反そのものとしての告発なり、食糧管理法違反に関する事実としての食糧事務所からの相談とかそういう点はありましたか。
○説明員(松原洋君) 食糧管理法違反についての告発は受けてございません。
○猪熊重二君 新潟県警としては、そうすると告発を受けた罪名が今申し上げたような罪名だったのでそれについての捜査をした。それで、食糧管理法違反そのものについては、告発も受けていないし、捜査もしていないし、捜査の必要性も認めていないということでしょうか。
○説明員(松原洋君) 米穀の流通をめぐる問題につきましては、その性格上、まず第一次的には行政機関の適切な措置、施策によってこれが維持されるべき性格のものというふうに考えているところでございまして、警察としては、そういった施策の措置内容等をよく見きわめた上で、関係行政機関とも連絡を密にしながら対処をしていく、こういう考え方ております。 新潟県警察におきましても、そのような観点から食糧管理法に係る問題につきましては、まず関係行政機関の措置にゆだねることとしたとの報告を受けております。
○猪熊重二君 捜査した結果は検察庁に送致されたわけでしょうけれども、送致された前あるいは後を通じて、食糧事務所の方からこの事件に関するいろんな問い合わせだとか、こういう点を教えてほしいとか、そういうふうなことはどの程度ありましたか、ありませんでしたか。
○説明員(但木敬一君) お尋ねのような照会があったとは聞いておりません。
○猪熊重二君 警察庁の方も同じでしょうか。
○説明員(松原洋君) 同様でございます。
○猪熊重二君 捜査の前後あるいは公訴提起した前後を通じて、もし食糧事務所の方からいろいろ内容についての問い合わせ等があれば、警察もしくは検察庁としておおよそどんな対応をする予定というか、したであろうというふうにお考えになりますか。
○説明員(松原洋君) 先ほど私、同様でございますということで、食糧事務所等からの問い合わせがなかったという形での御返事を差し上げましたけれども、これは私ちょっと勘違いをいたしておりまして、告発がなかったという意味でございます。 それから、現地の新潟県警察におきましては、捜査上支障のない範囲におきまして食糧事務所等と緊密な情報交換を図っているというふうに報告を受けております。
○猪熊重二君 食糧庁にお伺いします。 今、警察に告発した内容については有印公文書偽造・同行使ということで告発されたということですが、食糧管理法違反としては告発をなぜしないのか、そのしない理由についてお伺いします。
○政府委員(京谷昭夫君) この案件につきましては、昨年も御報告したと思いますが、有印公文書偽造行使という刑事案件としての性格と、それから食糧管理法に違反して米の販売等を行ったといういわば食管法違反という二つの性格を持っておるということを私どもも当初から認識しておったわけでございます。 一般的に食管法の違反案件については、私どもとしては、私どもに与えられております行政上の権限、行政指導でありますとかあるいは行政処分によってその是正を図っていくということがまず第一義でございまして、それによる是正を図ってもなおかつ実効性が確保されない場合に刑罰を伴う処分を求めていくという考え方で一般論としては対処をしておるわけでございます。 本件につきましては、先ほど申し上げました警察当局への告発時点において、一つには食管法違反、つまり不正規流通の事実関係について私ども十分な事情把握をまだ終わっておらない段階で、公文書偽造行使という刑事案件を含んでまずこれをただしていくことが第一である、証拠隠滅等の問題もあるので、ということで、我々がその疑いが極めて濃厚だという判断をした時点で刑事案件としての告発のみをとりあえず行ったわけでございます。 実は、告発後刑事捜査の方がスタートすることに対応いたしまして、捜査の邪魔をしてはいけないということで不正規流通問題についての調査を中断いたしておりまして、刑事案件としての捜査が完了しましたのは昨年の十二月二十五日と承知をしております。年が明けましてから捜査当局と連絡をとりながら私どもの調査を再開しておるわけでございますけれども、その後この刑事案件で告発をされた長野県の業者は、刑事捜査が始まった九月初旬から既に事実上営業停止、その後破産状態になっておるという実態でございますし、また許可を受けております長野県に対して二月初頭に廃業届を提出し受理をされたという報告を聞いております。 処分権を持っております長野県としては、そういう状況であるから行政処分あるいはまた罰則による告発というふうなことをとるまでもなく、そういう必要性はなくなったのではないかという意見具申もございまして、さような状態に今なっておるということでございます。
○猪熊重二君 そうすると、去年の捜査終了後食糧庁としてもいろんな調査をしたということで、その調査の結果とすると、どのくらいのやみ米が、どのくらいの期間に、どの程度に流通したのかということについては、全部事実関係を把握されたんでしょうか。
○政府委員(京谷昭夫君) ただいま申し上げましたとおり、本件についての不正規流通問題に関する調査、実は一月末から調査を再開しておりますが、まだ調査は完了しておりません。先ほど申し上げましたように、刑事事件の捜査の終結後捜査当局とも連絡をとりながら、私どもとしては、刑事案件として起訴されている、先ほど警察庁の方から十一ルートというお話がございましたけれども、証拠等の関係で立件をされなかったものを含めて約三十ルート程度のルートを私どもとしては現在特定しておるつもりでございます。 それにつきまして現在一つ一つの案件ごとに私どもの出先あるいは関係都府県の関係者の間で事実確認を進めつつあるということで、その全容についてはまだ完全には整理され尽くしていないことをひとつ御了解いただきたいと思います。
○猪熊重二君 それで、今、長官は、飯塚米穀は倒産したような状況だから食管法違反をあえて今からやるほどの必要性もないというふうなことをおっしゃいました。この飯塚米穀からにせのコシヒカリだということを知って買い受けた買い売け先の方については、今のようなことだけでは済まない問題があると思うんです。要するに、今おっしゃったように三十ルートある。ルートを業者と考えれば三十業者ある。これに対する食管法上の行政上の処分及び食管法違反事件についてはどう考えているんですか。
○政府委員(京谷昭夫君) まだ私どもの調査は継続中でございますが、まあ大変比喩的な言い方になろうかと思いますが、私どもが今特定をしております三十ルートについての現在までの調査の進行状況を比喩的に申しますと、大体三分の二程度の行程であろうかなというふうな認識を持っております。 その中で知る限りにおいては、これをにせ米であるという認識で流通をさせているという事実は今までのところ確認されておりません、買い入れ側が。それから、不正規であるという認識を持っていた者か多数ございます。取引の重なりあるいは回数なり、またそれの販売先については個々のケースごとに多種多様の程度の差がございますけれども、その程度に応じまして、処分権限を持っております、多くの場合には都道府県知事でございますが、一部農水大臣の権限のものもございますが、そういった具体的な個々のケースごとによく状況を把握をして、行政上の処分は、私どもの持っておりますのは許可の取り消しあるいは業務停止処分、それから業務改善命令、あるいは厳重注意といったような段階の差がございます が、それらの措置を順次講じて是正を図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。 予定としましては、今いわば調査結果の個々のケースについての処理を私どもの出先機関、食糧事務所と各関係する都府県の関係者で急いでおりまして、今月末ないしは来月前半ぐらいにはそれらの処分が一応完了するように進めたいものだということで作業をしておるところでございます。
○猪熊重二君 それじゃ、もう少しお待ちしてまた結果をお伺いしたいと思います。 私がなぜこういうことを質問するかというと、長官も御存じのとおり、あるいは雑誌や新聞読んでないから御存じでないかどうか知りませんが、要するにこういう問題が起きても食糧庁はきちんとした対応をしない。きちんとした対応をしないのは、要するに食管法に基づく告発等によって刑事処分をすることができないからだと、こういうふうに世間で言われているわけです。 去年の九月に発生して今日までほとんど事態についての公の発表もないし、今でもまだあと一カ月かかるか一カ月半かかるかわからぬけれども処分すると言っておられるけれども、どんな処分をするのか。特に、処分の中で私が伺いたいのは、食管法でわざわざ刑事罰まで規定して、全量管理ということを法律は規定しているんです。ところが、世の中にこれだけ食管法違反がありながら、食管法違反で告発された、あるいは起訴された、有罪判決を受けた人は一人もいないんです。天下のざる法なんですという批判がいっぱいある。それに対して食糧庁としてどういうふうに対応するかということなんです。ですから、処分の問題は、行政処分をも含めて刑事処分の問題もどういうことになるのか。今の長官のお話じゃどうも刑事処分なんというのははるか遠い話みたいな感じですけれども、その刑事処分の方も含めてまた結果をお話しいただきたいと思います。 ほとんどこれと同じようなこと、同じようなというのは食管法違反という意味では同じような類型の問題ですが、宮山のやみ米商人事件と言われるものがあります。これは宮山県の川崎さんという方が無許可で米を販売して、おれは無許可で米を販売しているよということをわざわざ食糧庁に、農水省に言ってきた。言ってきたのは去年十一月十二日、やみ米を売っているという証拠書類の仕入れ伝票だとか売り上げ帳だとか銀行口座など十九の書類を食糧庁にわざわざ持ってきて、私をやみ米で告発してくれ、処罰してくれと、こういうふうに言ってきたということが報道されている。 食糧庁は、新聞報道にあるこういう事実に基づいて証拠書類等をこの川崎さんから受け取ったことはお認めになるんですか。
○政府委員(京谷昭夫君) ただいま先生から御指摘のあったいわゆる川崎事件という問題、ただいま先生から御指摘のございましたような事実関係でございますが、私ども、当人から提出をされた書類は受領いたしております。
○猪熊重二君 で、その書類を見て、いろいろ調べていろんなことがわかったろうと思うんです。 まず、この川崎さん自身に対する食管法違反については現在どういうことをお考えなんですか。
○政府委員(京谷昭夫君) 現時点では、御本人に対しては違法行為の中止指導を継続しておるところでございます。 さらにまた、提出された資料をもとにいたしまして、個々に対する販売行為、これはまさに不正規流通に該当するわけでございますけれども、提出資料をもとにしまして私どもが判断しておりますところでは、いわば御本人の仕入れルートになっているのが二十数ルートあるということをほぼ特定しております。さらに、そのいわば仕入れ元といいますか納入元といいますか、そこの洗い出しの結果、いわば間接的に不正規流通に関与しておるというものを加えますと四十五、六業者が関連をしているのではないかという判断を現在私ども持っております。 この不正規流通の実態については、現在、先ほどもにせコシヒカリ事件で申し上げましたとおり、私どもの各出先機関と関係する都府県の関係看で個々のケースごとに事実関係をほぼ掌握しつつありまして、その結果に基づきまして、順次先ほど申し上げましたような処分を進めつつございます。まだ手続が終わっておるケースは少のうございますが、業務停止処分が一件、業務改善命令が十四件、厳重注意が十件ということで進行中でございます。まだ相当数のものがこれから手続を踏んで処分をすべく、それぞれの関係する部署で手続に着手ないしは着手する準備をしておる、こういう仕事がまだ残っておるわけでございます。
○猪熊重二君 私が今質問したのは、川崎氏に対する処置をどのように考えているかということを申し上げて、その川崎氏に対して売った方あるいは買った方、それはそれの問題でまた後で伺いますけれども、川崎さん自身に対しては、自分で私は食管法に違反したと言ってきているんですから、この人に対してそういうことをするなと、要するに言っているのはいいですよ。しかし、これは行政上の処分も何もできやしません、この人に対して、何もないんだから。 だから、今、長官がおっしゃったのは、例えば人の物を盗んだ人に盗まないように指導しているんですと言うことと同じことだけで、何らの行政上の処分もなければ何もない。そういうことでいいんですか。この人に対しての食管法上の行政処分はないんですから、刑事処分をどう考えてどう対応するつもりですかと伺っているんです。
○政府委員(京谷昭夫君) 御本人に対する対応につきましては、先ほど申し上げましたように、とりあえず違法行為の中止指導を継続しております。 確かに、先生お話しのとおり、無許可でありますから行政措置の対象にはなり得ないということでございます。刑事手続、告発という手続をとるかどうかという課題になろうかと思いますが、実は、まず私どもとしては、先ほど御報告を申し上げました、関与している業者に対する行政処分を完了させ、その前提になった事実関係というものを持った上で、関係する当局と協議をした上で対処してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○猪熊重二君 この人に売った人あるいはこの人から買った人をいろいろ調べるのは、それはそれで結構ですよ。それは行政上の問題として行政処分の対象になるかならぬかということでやっていることは結構なことで、それがまずいとか、それは要らないとか言っているんじゃないんです。そのことと、何ら行政上の許可も受けずに私は無断でやみ米を売っています、食管法八条ノ三第一項に違反して、食管法三十一条に違反しています、だから私を処罰してくださいとわざわざ言ってこられたのに、それに対して何で直ちに対応しないんですか。この人に売った業者だとか、この人から買った業者だとか、めぐりをやっている必要はないんです。まさに張本人がこの人なんです。なぜやらないんですか。
○政府委員(京谷昭夫君) 先ほども警察庁当局から御答弁があったわけでございますが、やはり刑事処分をするについては、それなりの事情把握なり、あるいはまた、それに関係をする行政上の行動というものを踏まえて、当局の判断があろうかと考えておるわけでございます。 私どもとしては、確かに直接的に行政処分の対象にならない違法行為でありますけれども、極力これを自主的にやめていただくということがまず望ましい方法であるということで、その努力を継続しておるわけでございますが、刑事手続を進めるに当たりましては、そういった捜査サイドの基本的な考え方を踏まえて、行政サイドとしてできる最大限の努力を行い、そしてまた、仮に告発をすることになるにしても、その基礎になっている事実関係というものをしっかり確認した上で、その事情を十分説明できる状況にした上で当局と相談に入ることが筋であろう、そういう判断のもとに、まずは私どもの権限が及ぶ範囲内の本件についての措置を十分に講じた上で相談をしてまいり たいという判断で、先ほど来申し上げておるような取り扱いをしておる次第でございます。
○猪熊重二君 長官も今聞いていたからわかるでしょう。警察庁としては、行政刑法、特別刑法の問題だから、その所管行政庁の意向等も踏まえた上で捜査なり訴追なりをしますと、こう言っているわけなんです。要するに、警察、検察庁としては、こういう農水省の所管しているような食糧管理法の違反事件というのを食糧庁と無関係に独自にやるということよりは、所管庁の方の行政上の要請等に基づいて捜査しますと言って、警察庁からは食糧庁に球を投げている。あなたは今度は逆に、捜査当局の方の意向によっていろいろ当局と検討してということで、また球を投げ返している。 要するに、食糧管理法違反という明確な事実があるにもかかわらず、捜査当局はもちろんのこと、一番これを取り締まって食管法の全量管理というものをやらなければならぬ食糧庁が、結局やらないのかやれないのか知らぬけれども、やるということについての姿勢が全然ない。こんな周辺事実を洗う必要は何もないんです、本人が自分で言ってきているんだから、どこのどういう業者から、いつ、幾ら、どういうものを仕入れて、そしてどこに売ったなんということよりも、自分自身でやっているんだから、ほかの周辺を調べるよりはまさに本人を直ちに告発すべきだと思うんです。全然それをしないんです。 それをしないことは、結局、昭和五十九年三月、秋田県の大潟村の農民が千七百八トンを無許可で販売した事件を食管法違反として秋田食糧事務所が秋田県警に告発した。しかし、捜査の結果、六十三年一月、秋田地検は嫌疑不十分で不起訴にした。要するに、食管法違反として成り立たないんです。この事件があるから、それ以後食管法違反に対して食糧庁は全然告発もできないし、しないしという状況にあるんじゃありませんか。 そういうことが今新聞や雑誌で全部言われていて、こんなに一つの法律というものが世の中で通用もせずに、それを所管する食糧庁が全然その法を遵守してやっていこうということもしないということの法治主義の哀れな姿なんです、これは。なぜやらないんですか、もう一度。
○政府委員(京谷昭夫君) 先生もいろいろ事例を引用なさってお話があったわけでございますが、八郎潟の案件につきましては、告発をしたわけでございますが、御承知のとおり、証拠不十分ということで不起訴処分になっておるわけでございます。 私どもは、そういった事態を招かぬように、やはり今回の事件の、先生は周辺部分とおっしゃいますが、まさに不正規流通の重要な構成要件をなしております納入側の状況というものを行政サイドとしても十分確認し、それに対する措置を十分に行った上で、刑事手続が必要なものと判断すれば、その担当部局とも相談をして手続を進めていくということが的確な法の運用上妥当であろう、こういう判断のもとに、まず周辺事情の行政サイドとしての確認、それに対する是正措置を整理をした上で、その事実を積み上げて、御当人に対する刑事訴追が可能であるかどうかということについて十分担当部局と相談をして処理していきたいということで、先ほど来申し上げておるような努力を行っておるわけでございます。 私どもは決して食糧管理法が空洞化しているとは思っておりません。ぜひまたこれは的確に運用されていく必要があるということで一連の努力をしていることをひとつぜひ御了解をいただきたいと思います。
○猪熊重二君 いずれにせよ、それじゃ、この富山の問題についてもどのような対応を最終的にするのか、それはまたそのときにお伺いすることにします。 しかし、何度も申し上げるけれども、食管法がもう法として機能していない。だから、それの違反に対しても処罰できないということであるならば、もう食管法というのは死んでいる法律になってしまう。もし生きている法律だったらもう少しきちんとやらなければみっともなくてしょうがない。 三大ざる法というのを世間で言っているのを御存じでしょうが、売春防止法と政治資金規正法と食糧管理法、この三つは法律であって法律でない。こんなところに並べられるような食管法というものはもう死に体なんです。もしそうでないとするんだったら、直ちに告発して法の力を示さなきゃならない。要するに、法治主義が壊滅しているんです。こういう無残な姿を食糧庁はさらけ出しているんです、世の中に。こういう状況をいつまでも続けるべきでないと思うんですが、大臣いかがですか。
○国務大臣(田名部匡省君) お話はよくわかりました。わかりましたが、まあだれでもかれでもやっているかというとそうでもないようで、不心得な行為によって食管法制度全般について確かにおっしゃるように不信を招いていることは事実だと思うんです。まことに遺憾であると思いますが、私どもは、多くの生産者、流通業者は大体食管法を守って、常日ごろから不正規流通防止のために私どもと一体となって努力している人もたくさんおるわけであります。一部の事例で食管法が、この制度そのものが役割を果たしていないというふうには受け取りたくないし、また何とかこういうことのないように周辺も一緒になってやっぱり防止してほしいという願いがあるわけです。 若干別の話になるかもしれませんが、どうも殺人だ強盗だといったぐいのものと違って、だからいいとは申しませんが、そのために余計みんなで守るんだという気持ちになってほしい。水産なんかでもアワビの密漁でよく言われます。とる方は海のものをとる、悪いという意識がないし、それを取り締まるわけでありますから、やっぱり周りの法をみんなが守るんだという意識がないとこういうものはうまくいかないというふうにも考えているわけでありまして、いずれにしても悪いところがあればこれを修正して、今日までもいろいろ言われまして改正をいたしてまいりました。また、時代の変遷に伴って変えなければならぬ部分はまた変えていかなきゃならぬことは当然のことでありまして、いずれにしても制度の円滑な運営に努めるように努力をしてまいりたいと思いますので、いま少し様子を見ていただきたいとお願い申し上げる次第であります。
○猪熊重二君 もう時間なんで、二つ目の問題としての米の輸入自由化が現在のようなドンケル提案によってなされたと仮定した場合に、国内法としての食管法の存廃はどういうことになるのか、一言で農水省の見解をお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(田名部匡省君) 関税化の概念にはまだ不明なものもあるし、あるいは内容も、今、交渉をやっているわけでして、わかりませんが、いずれにしても私どもは従来から数量の管理をしていかなきゃならぬ、この一環として輸出入の許可制度を定めているわけでありますから、この食管法との両立は難しいという考え方を持っておりますし、また受け入れた場合はどうなるかということについては、今、交渉いたしておりますので、この点はお許しをいただきたい、こう思います。
○猪熊重二君 終わります。
○林紀子君 私は、まずアメリカ産米の展示問題についてお伺いしたいと思います。 在日アメリカ大使館のパーカー農務担当公使は、九日の農水省内での記者会見で、来月、四月十四日から十六日に東京で開催されるグレート・アメリカン・フード・ショーにアメリカ産米を展示する意向だと発表したと伝えられております。アメリカ産米の展示をめぐりましては、昨年三月の千葉・幕張メッセに展示を強行したことから、食管法違反だとして撤去を求めた日本側との間で外交問題にまで大きく発展しました。そして、昨年の三月十三日には、農民運動全国連合会などが千葉県警に米国米協議会を食管法違反で告発しております。 警察庁にお伺いいたしますが、この告発に対する捜査状況はどうなっておりますでしょうか。
○説明員(松原洋君) 御質問の件につきましては、平成三年三月十三日に千葉県内の農民団体関係者の方から同県警察本部長に対しまして、アメリカの農業団体及びその代表者による食糧管理法違反についての告発がございました。千葉県警察におきましては、告発を受けまして、米の展示の現場の実況見分を行うとともに、関係者の方々から事情聴取をするなど所要の捜査を進めているところでございます。
○林紀子君 それで、まだ捜査中ということで告訴には至っていないということなんですね。
○説明員(松原洋君) 告発は受けてございますけれども、告発を受けて捜査中でございまして、送致には至っておらないということでございます。
○林紀子君 こういう問題があるにもかかわらず、ことしまたまた展示をするということですが、ことしのアメリカ産米の展示に当たって、全米精米業者協会のグレーブス会長は、展示の目的について、日本の米市場開放に向けて日本の消費者に選択の可能性を示すためだ、こういうことを言っております。もしこの発言どおりなら、商業用の展示であるということは明らかであり、食糧管理法違反であることもこれまた明らかだと思います。 農水省はこうした申し入れに対してどういう態度で臨むのでしょうか。
○政府委員(京谷昭夫君) 先生先ほど御指摘ありました三月九日の記者会見における発表ぶりは私どもも聞いております。その中でアメリカ側は、まだ最終的に決めているわけではないけれども、事前に農林水産省にも協議をしていきたいという意向を漏らしているというふうに聞いております。ただ、まだただいままでのところ具体的な話を私ども聞いておりません。
○林紀子君 グレーブス会長は重ねて、この計画は既に非公式に日本の当局に伝えてあり、前向きな反応を得ている、公式に申し入れれば認可されると思う、日本側は前回のことが教訓になっているはずだ、こういうふうに言っているそうですけれども、食糧管理法に基づいて輸入許可がアメリカ側から申し込まれたら大臣は許可をするのかどうか、そのことをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田名部匡省君) まだ正式に話し合いが来ておりませんので、どういうことを言われるのかということも定かでない状況の中で判断するのはどうか、こう思っております。
○林紀子君 大臣はその翌日の十日の記者会見で、ただどう見ても法に触れないようにすることが大事だと、こういうふうに述べられたということですが、事前の協議で食管法に反しない方法について両国間で調整がつけば展示を認める、こういうことだと報道は伝えているわけですけれども、そういうお気持ちなわけですか。
○国務大臣(田名部匡省君) 正式の記者会見だったかどうか、しょっちゅう記者の人たちと会いますので、ちょっと記憶は定かではありませんが、ただ法律は、嫌な法律でも気分悪くても日本の法律に従ってもらわなきゃいかぬ、私たちもアメリカに行ってアメリカの法律をきちっと守って行動しておるので、法律を守るということが前提でありますと、こう申し上げたような気がします。ただ、法律に触れない、本当に展示とかなんとかという、まあ余りぎくしゃくしてどうかなとも思っておりますが、いずれにしても前提は法律を守ると、こういうことでなきゃいかぬ、こう思っております。
○林紀子君 今ぎくしゃくという言葉が出たわけですけれども、この問題は、昨年同様に大きく取り上げて政治問題化することはかえってアメリカを刺激してまずいというような声も一部にはあるというふうに聞いておりますけれども、しかし事は主権にかかわる問題ですし、米輸入自由化の国民の世論に背くものだと思うわけですね。ガット・ウルグアイ・ラウンドの行方にもこれまた大きな影響があるものだと思います。毅然とした態度で断固として拒否するように強く要求いたします。
○国務大臣(田名部匡省君) まだ何を、どういうふうにやるかというのが定かではありませんので、本当に法律をきちっと守ることなのか、あるいは勝手なことをやろうと考えておるのか、その辺はわかりませんから、一応相談に来ると、こういう話のようでありますから、相談に来た段階でよくその辺を聞いてみたい、それから判断をぴしゃっといたします。
○林紀子君 売り込みにかかわる展示というのは食管法違反だというのは、去年からきちんとしているわけですから、そこは絶対に崩さないようにということを重ねてお願いして、次の問題に移りたいと思います。 農家への税務調査についてですが、昨年の十月に群馬県の沼田税務署が利根郡昭和村の農家に対して行った徴税、修正申告の実態は、通常の過少申告に基づく修正とは異なった極めて異常な事態と言わざるを得ません。私は先月現地に入りまして、追徴を受けた農民やまた農協、村役場の担当者から詳しく話を聞いてまいりました。しかし、残念ながら当該の沼田税務署だけは、署長も総務課長も多忙を理由に会おうとはいたしませんでした。大変遺憾であったということをまず申し上げたいと思います。 そして、この徴税攻勢、どういう実態であったかということをかいつまんで申し上げますと、この昭和村というのは千六十二戸が農家、コンニャクや野菜づくりをしている専業農家が六百二十三戸ある。ですから、全国でもここは非常に専業率が高い地域ではないかと思います。ところが、八百二十戸、八割近くの農家があいうえお順に呼び出しを受けて、五百戸以上が修正申告をさせられた。その額は、農民の方たちはクラウンかベンツかというような車の車種で表現をしておりましたけれども、四百万円から一千万円に上がるだろうと言われております。どうしてこれだけ大がかりな修正申告が行われたのか、農家の申告はどのような誤りがあったと思っていらっしゃるのかお答えいただきたいと思います。
○説明員(日高正信君) 御指摘の件につきましては、いわゆる業種別指導と私ども呼んでおるものと思われますが、個別の事案につきましては具体的に答弁することは差し控えさせていただきたいと思います。 一般論として申し上げますと、いわゆる業種別指導は、ある業種なり地域に属する納税者につきまして税務調査等を行った結果、その業種に属します納税者に共通する類型的な不正計算、あるいは申告誤りなど、例えば幾つかの例を申し上げますと、農協を通さないで集荷業者に直接出荷した収入を除外するケースとか、家族名義で出荷した収入を除外するケースとか、あるいは地域ぐるみで一律の割合で収入を除外するケースとか、さまざまな例がございますが、こういう誤りなどが把握された場合に実施しているものでございます。
○林紀子君 私も、国税庁が昨年の七月に発表した平成二年度における申告所得税事業所得の事後調査等状況というのを、農家の部分のところを見せていただきましたけれども、ここではエノキダケ栽培にかかわる農家、花卉栽培の農家、こういうところに指導に入ったということで、その修正申告が、エノキダケの場合は一件当たり六十四万円、花卉栽培の場合は一件当たり十九万円の修正申告だというふうに報告をされております。この昭和村の場合、個別のことについてはお答えしれいということでお答えいただきませんでしたけれども、三年さかのぼっておよそ五百戸の農家が税金を追徴されているわけですが、それが平均百万円にも上る、ほかのところと比べましても大変ひどい高額ではないかと思うわけです。 そして、これを追徴するに当たって、修正中生をさせるに当たって、そのやり方というのがま和大変ひどいということも実態を聞いてまいりました。昨年の十月七日から二十一日にかけて、この沼田税務署というのは農業にかかわる署員というのは一人しか通常いないのに、関東信越国税局全域からかき集めてきたのでしょうか、十人以上の 職員が大きな部屋に農民をまさにあいうえお順に呼び出して、ずらっと待たせて次々と修正申告をさせた。そして実際そこに出かけた農民は、おたくの売り上げはこれだけだと数字を見せられて、机をたたいてどなられた、こっちの言うことなど少しも聞いてくれない、こういう状況だったんですね。 それで、その数字というのはどういうところから手に入れたのか。六月ごろから銀行に税務署員が調査に入っているというのを村の人たちは見ているわけですね。いわゆる反面調査というものだと思うわけですが、しかしこの反面調査というのは、国税庁でつくられた税務運営方針によりましても、客観的に見てやむを得ないと認められる場合に限って行う。どういうときがやむを得ないかといいますと、御本人を十分調査した上でなお必要がある場合に行う、妨害があって調査が妨げられているときに行う、こういうものじゃないんですか。ですから、反面調査を十月に備えて六月からしたなんというのはとんでもないやり方じゃないでしょうか。
○説明員(日高正信君) 一般論として申し上げますと、私どもといたしましては、常に納税者の適正、公平な課税を実現するという観点から、あらゆる機会を通じまして有効な資料、情報の収集に努めておりまして、課税上問題がある場合には、先ほど申し上げました業種別指導や実地調査等を行うことによりまして適正な課税に努めているところでございます。業種別指導を実施するに当たりまして、各種資料、情報の収集を目的といたしまして、農業協同組合や取引先に対しまして取引内容の照会を行うことはございますが、これは私どもに課せられた一使命といたしまして適正、公平な課税の実現という観点から実施しているものでございまして、御協力をお願いしているところでございます。 なお、各納税者につきまして指導する場合には、十分各納税者の実情に応じて、御納得いただいて申告していただくというように私どもは現場を指導しているところでございます。
○林紀子君 今のお話ですと、反面調査というのは、本人を調査する以前にもやるということをおっしゃっているわけですか、反面調査ということを。
○説明員(日高正信君) 今申し上げましたように、私ども、適正、公平な課税の実現という観点から、一般的に資料、情報の収集に努めておるということでございます。
○林紀子君 ここに東京国税局長とお話し合いをした資料がございますけれども、そのときに東京国税局長は、ある税務署員が本人調査が先か反面調査が先かはテクニックの問題だと発言したということに対して、局長は、その発言は不適切である、そして妨害があって調査が妨げられたときには反面調査を行うということを言っているわけですけれども、そうしますと、この局長が答えたことは間違っているということなんですね。
○説明員(日高正信君) 東京局の局長の発言につきましてはちょっと私たち存じ上げないわけでございますが、いわゆる反面調査というものもいろいろあろうかと思いますが、特定の個別の納税者の実地調査を行うということに関連してそういう発言があったろうかと思いますが、今、業種別指導につきまして御質問がありましたので、私ども、一般的な資料、情報の収集ということで農協等の資料収集を行っているということを申し上げたわけでございます。
○林紀子君 農協等の収集といいますけれども、それはまさに反面調査ということなんですね。そういう意味では、あなたたちが決めたこの税務運営方針、これをきちんと守っていただきたいということを申し上げたいと思います。 そして、昭和村でのこうした村を挙げての修正申告、これは農家が故意に過少申告したものでないということは明らかだと思うんです。呼び出しを受けた農民は、これまで納税は村の相談会で職員に言われるとおりに出してきた、何でこんなことがされるのか、そしてまた役場でも、どうしてあんなうちまで修正申告をされるのかというようなところまで、まさに一網打尽という形で修正申告、三年さかのぼって取られたというんですね。 これは、今まで税務署が納税に対して指導を十分していたんでしょうか、そういうところに大きな原因があるんじゃないかと思いますけれども。そして、こうしたひどいやり方というのはどうしても納得できません。もう一度お答えいただきたいと思います。
○説明員(日高正信君) 業種別指導に当たりましては、先ほど申し上げましたが、納税者に共通します誤りの内容等につきまして説明し、納税者御自身がそれぞれの事情に即して自己の申告内容を見直していただき、申告に誤りがある場合には自主的に申告するようお願いしているところでございます。修正申告は納税者の自発的な意思に基づいて行われるものでございますから、当方としてもその点には十分配意しているところでございます。 なお、私どもとしましては、税務調査のほか、従来から各種の指導、相談あるいは広報等々、あらゆる機会をとらえまして納税者に適正な申告の指導、呼びかけを行っているところでございまして、適正、公平な課税を実現するという観点からなお一層適切な施策の実施に努めていきたいと考えております。
○林紀子君 私は昭和村に伺っていろいろお話を聞きまして、まさに農民が税金に対する知識がない、このことをいいことに取れるところからまさに搾り取る、こういうことなんじゃないかということを感じたわけです。 そして、農業という問題では大変重大だと思いましたのは、専業率が先ほど六割ほどと申し上げましたけれども、本当に今大変な農業の事情の中で野菜に活路を見出してこの方たちは一生懸命頑張っているわけですね。ところが、こういう人権を無視するような徴税攻勢のもとで、農家の方たちは、朝五時から深夜まで働きつめ、それだって生活は苦しい、ぜいたくして税金取られるならわかるけれども、これでは働く意欲もない、子供には農業を継がせたくない、こういうことを言っているわけですね。徴税攻勢というところで農業つぶしか行われている。こういうこともぜひ農水大臣にもお知りおきいただきたいということを申し上げたいと思うんです。 そして、先ほど農業の女性の重要性ということについては大変頼もしい御発言がありましたけれども、税制の面でも専従者控除、配偶者の場合は現行八十万円ですけれども、これをさらに引き上げる、そして農家も応援する、こういうお気持ちがないかどうかということもぜひ最後にお聞きして、終わりたいと思います。
○委員長(永田良雄君) 川合局長、答弁は簡潔にお願いします。
○政府委員(川合淳二君) 今お話しの専従者控除は、白色申告者の件でございます。農業経営、これは主として主婦労働が対象になるということでございますので、その実態をよく私どもは把握いたしまして、税制要望などに反映させていきたいと思っております。
○井上哲夫君 きょうは私は二つの問題について御質問をしたいと思っております。 まず一つは、最近といいますか過般、新聞に報道されました件について、環境庁にお尋ねをいたしたいと思います。 新聞の報道は正確でなかったかもしれませんが、水田用農業の審査を来年四月から強化するという題目で、農薬取締法に基づく販売、使用の農薬の許可に値する登録というんですか、その登録制度で、これまである意味では見過ごされていた側面について、新たに環境庁では長官が定める審査基準というものをつくって、この農水省がやってみえる農薬の登録の基準をつくってバックアップをしようと、こういう趣旨だと思うんですが、そういう記事が出ましたので、まず今回の環境庁が発表された趣旨を簡潔にお願い申し上げます。
○説明員(細田敏昭君) 御説明申し上げます。 農薬を製造、販売するためには、今お話のござ いました農薬取締法に基づきまして、農林水産大臣の登録が必要でございます。この登録検査の際に、農薬の残留によります環境影響を未然に防止するという観点で、環境庁長官が四つの農薬登録保留基準を設定しているものでございますので、この基準を満たさない場合は、農薬としての登録、すなわち製造、販売の許可でございますが、これが保留されるということになっているわけでございます。 それで、四つの項目がございますが、このうちの水質汚濁に係る農薬登録保留基準につきましては、現行の仕組みは河川や湖沼等の公共用水域の水質汚濁に係る環境基準が設定されている農薬についてのみ登録保留基準が設定されているというのが現状の仕組みになっているわけでございます。 三月九日付の官報で改正いたしましたものは、農薬による水質汚濁の、特に飲料水源り汚染を未然に防止するということを一層徹底するために、今の水質環境基準が定められていない場合でも、農薬の毒性に関する試験成績なり使用方法等に基づいて環境庁長官が定める基準を新たに設けまして、これを登録保留の要件とするという、そういう内容の改正でございます。
○井上哲夫君 現実に、今御説明のありました審査基準を新たにつくる、新聞では、新たに審査基準が今度つくられるわけですが、それが今ないために、有機燐系のものは一応そういう環境基準によって規制されているけれども、そういうものがないものについては、百種類ぐらいですか、水田に投与がされる農薬について基準がなかったというふうな記事の報道ですが、今回こういうものの基準ができることによって、例えば具体的に使用なり製造、販売の認可といいますか、それがより厳しい基準になる、こういうふうに受けとめていいわけでございましょうか。
○説明員(細田敏昭君) 今御指摘のとおりでございますけれども、現行の仕組みでは水質環境基準が定められている農薬といいますのは有機燐のみでございまして、その他の多種類の農薬、特に公共用水域に流れ出しやすい水田農薬については、現状の仕組みでは水質環境基準が定められておりませんので、一定の規制がかからなかったわけでございますけれども、今後、この枠組みの改正をいたしましたので、中央公害対策審議会の審議を経て、逐次水田用の農薬について基準値を定め、その結果に基づいて農林水産省におきます農薬登録検査が行われ、問題があれば改良の指示あるいは使用方法の改善が行われるという仕組みがこれから始まるわけでございます。
○井上哲夫君 それでは、農水省の方にお尋ねするんですが、この問題で例えばこれまで申請が出た、つまり登録申請が出たけれども保留のままでそのままお蔵入りになっている、あるいは申請が出て保留になり改良の指示を出したところ、その結果改良がされて例えば登録に至った。こういうふうな状況といいますかデータはあるんでございましょうか。
○政府委員(上野博史君) 一般論の御質問だろうと思うわけでございますけれども、登録を求められまして、私どもがその案件を検査をいたしました結果、基準に満たないということで保留をし、その結果申請者の方が内容を変えたという事例はあるというふうに聞いております。
○井上哲夫君 事例はほとんどないという趣旨ですかね、今の答弁はというのは、では質問を変えますが、最近行政手続法の法案を政府は出していこうというのが出ているわけでありますが、登録申請における保留とか登録申請における改良の指示というのは、まさに行政指示といいますか、非常に行政手続における見えにくい部分だと思うんですね。それが行政手続の透明性で見えやすくなることは結構なんですが、その前段階で仮に今の環境庁のお話ですと、いわゆる公共用水の方へ入ってくる水以外の水田の水の場合には審査の基準も余りなかった。そうすると、今回その基準をつくって枠組みを強めるということですが、そういう審査の基準もなかった場合には、いよいよもって行政指導という形の見えにくいところでなされているとすれば、これはいささか問題ではないか。そういう意味で、これまでそういう保留もしくは改良の指示ということで登録に至った、あるいはもうお蔵入りになった、そういうものがあるのかないのかをお尋ねをしたかったわけでございます。
○政府委員(上野博史君) 先ほど環境庁の方から御答弁ございましたように、水質汚濁の関係の登録保留基準というのは水質環境基準の決まっている部分を除いてはないわけでございまして、そういう意味で、私どもが農薬の登録申請を受けましでも具体的にそういう観点からチェックをする基準というものはなかったということでございます。
○井上哲夫君 非常に細かい御質問をしましたのでこれ以上答弁を求めませんが、環境庁がせっかく審査基準をつくろうというのであれば、農水省もこの基準をどしどしつくりやすいように協力をしていただいて、早期に逐次実施ができるようにお願いをしたいと思うんですが。
○政府委員(上野博史君) 基準は環境庁の方がおつくりになるわけでございまして、私どもはその基準に従いまして農薬の登録を審査いたしてまいる、こういう立場にございます。 こういう今、先生御指摘の点の問題については、かねがね私どももそういう基準の設定が必要なんじゃないかというふうに考えておりまして、環境庁とも十分これまで協議、協力をいたして今日のようなことに持ってまいっているわけでございまして、基準値がはっきり決まってまいりますれば、それに従って適切に対応してまいりたい、かように積極的に考えているところでございますので、よろしくお願いします。
○井上哲夫君 アメリカではこういう行政手続の資料の公開化が進んでおって、環境保護局では、審査をしたもので企業秘密に支障のない限りその部分を黒塗りにしてぼんぼんと公開をしているというふうに私は聞いておるわけですが、まあ今そこまで農水省に私もしてほしいというところまでは要求はできないと思っておりますけれども、できますれば農薬の取締法の登録について環境庁とより協力体制で、将来に禍根の残るようなことのないようにしていただきたいということをお願いいたします。 次に、もう一点お尋ねをしたいことがあります。これは、きょうこの後趣旨説明がある農業改良資金助成法の一部改正案等にも関連していくことではないかと思いますが、実は農業の改良普及員というんですか、そのことについてお尋ねをしたいと思います。 きょうも新しく農業につく若者が大変減っておる、それは後継者の問題が大変なことじゃないかという観点からの質問が次々に出たと思うんですが、実は私もちょっと農水省にお願いをして、改良普及員と俗称される農業改良助長法に基づく普及職員等の人数についてデータをいただきました。そのデータを見ますと、専門技術員とか改良普及員という数が昭和四十五年から徐々に減ってきておるが、平成二年度でも総数は一万一千二百二十九人の普及職員がいる。県職員という形でみえるということを聞いたわけですが、農家の指導なり農業の技術改良のための普及をなさる方が一万一千二百二十九人もおりながら千八百人しか新しく農業につく人が出ない。 これはまあ非常に荒っぽい議論になってくるかと思うんですが、そんなに農業につく人が少ないようなら、この改良普及職員の存在感も存在意義ももうなくなるんではないか。それは大変荒っぽい意見で、私もそういうことまでは言うつもりはございませんが、一体この改良普及員というのは今本当に農家の指導なり、あるいは農業の普及のために身を粉にして朝から晩まで、朝星から夜昼まで頑張っておるのかどうか。そうすると、実際にいろいろな方に聞いてみると、もう眠っているんではないか、あるいはどうしていいかわからぬ、新しい技術をどんどんどんどん導入している農家の技術におくれをとっていることがあるん じゃないだろうか。あるいは、やはりここにも実は高齢化の波が押し寄せていて、専門技術員が非常に高齢化し、かつ不足しているというような声も実は聞いております。 そこで、この農業改良普及員の今後のあり方について農水省がどのように考えてみえるかお尋ねをしたいと田出います。 と申しますのは、もう一点だけつけ加えさせていただきますと、私の地元である三重県では、最近、農業改良普及員の、まあ活性化ということはないんでしょうけれども、新しい手法として、県と市町村とそれから農協とその連絡協議会をつくって、営農指導員、それからこの改良普及員、それから市町村の農業担当職員、この三者が知恵を出し合い、力を出し合い、少しこの改良普及員について新しい側面を出そうというようなことで協議会をつくったらしいんです。それはこれからその効果を待たないといかぬわけですが、そこへ減反緩和の十三万ヘクタールが飛び込んできて、せっかくつくった協議会も十三万ヘクタールの減反緩和のはめ込みに今忙殺されて、またまたちょっと今とまってしまっているというようなことも聞いたわけでございます。 そこで、結論でございますが、この改良普及員について今後どのように考えていくのか、その点についてお尋ねをしたいと思います。
○政府委員(上野博史君) 改良普及員というのは、農家の営農上必要ないろいろな技術的な援助を与えたり、要するにそういうことが中心になって非常に地味な活動をしている方々でございます。 しかしながら、あえて比喩的に申し上げれば農政の一番根底の部分を担っていると言ってもいい方々でございまして、この普及員が十分に活躍をするということが今後の我が国の農業の発展のかぎを握っていると言っても言い過ぎではない面があるんだというふうに私は思っております。ところが、この普及員をめぐる環境、つまり農業の環境というのが随分変わってまいっておりまして、一方では、専業農家というのは非常に規模が拡大したり、あるいは非常に先進的な農業経営が進んでまいっておる。一方で、兼業化の度合いが非常に進みまして、零細な農家がたくさんおられる。まあこれは新規参入の数が少ないというのはございますけれども、まだ農家の数というのは相当大きいわけでございまして、そういう言うなれば多種多様な農家に対応して適切な技術指導をやっていくということについては、これは大変な苦労があるわけでございまして、昨年の春にこういう事態に対応いたしまして普及事業の推進についての基本方針というものを改めてつくり直したところでございます。 それによりますと、普及員の資質の向上、これは今、委員も御指摘ございましたように、技術的な能力の資質の向上を図ってまいるということが大変大事なわけでございますけれども、そのために必要な研修、海外あるいは国内への研修というようなことをやってまいりたい。あるいは平成四年度の予算におきましては、そういうようなことをする一つの手段、そのための一つの手助けになる仕事といたしまして、情報ネットワークというようなことも組み上げてまいりたい。それによって普及員が適切な情報を農家に流せるようにしてまいりたいというようなことを考えているところでございまして、今後とも状況の変化に合わせながら、普及員の活動が十分に行われるように努力をしてまいりたいと思っております。
○井上哲夫君 もう時間が来てしまったんですが、一つだけ大臣にお尋ねをして、時間超過をお許し願いたいと思いますが、きょう私があえて改良普及員の質問をしたのは、こういうところに一回大臣も目をつけていただいて、ツルの一声で、新しく農家をつくるためにも、一万一千二百二十九人もおるわけですから、ひとつこの辺にもメスを入れていただきたい。そういう思惑がございましてこういう問題を質問させていただきましたので、大臣のその点についての御見解を賜りたいと思います。
○国務大臣(田名部匡省君) かねがね私が新しい政策のことで申し上げておりますが、こうした若い人たちに何とかそういう自分たちで研究をしながらやる農業ができないだろうか。これは意欲の一つのあらわれだと思うんです。 それからいま一つは、この分野ももちろん大事でありますけれども、これからは何といってもやっぱり経営というものが非常に大事になってくるというんで、そういう面も新たに商工会等は経営指導員というのを置いて、経営診断をしながらやってくれる。農業はそういう診断をしてやる人がいないので、ですから、もう一遍何かいい知恵を出して、そういう面とこういう面、両方あわせてやってあげませんと、なかなかもうかる農業というのは難しい、そう思って、いずれにしても、先生のお話しのことも十分体しながら、幅広く一遍考えてみたい、こう思っております。
○井上哲夫君 ありがとうございました。
○委員長(永田良雄君) 本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
○委員長(永田良雄君) 次に、農業改良資金助成法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。田名部農林水産大臣。
○国務大臣(田名部匡省君) 農業改良資金助成法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 農業改良資金制度は、昭和三十一年に発足して以来、農業及び農村事情の変化に対応して制度及び運営の改善を図りつつ、農業改良普及組織等の指導と相まって、合理的な生産方式の導入、農業経営の規模の拡大、農家生活の改善及び農業後継者の育成のための無利子資金の貸し付けを通じて、農業経営の安定と農業生産力の増強に寄与してまいりました。 しかしながら、近年の農業をめぐる情勢の変化には著しいものがあり、農業就業者の高齢化が一層進行する中で、特に次代の農業を担うべき後継者が激減し、農業の担い手の脆弱化が危惧されており、すぐれた技術及び経営感覚を持った担い手を幅広く育成確保することが急務となっております。 また、稲作等の土地利用型農業については、近年、賃借権を中心とした農業経営の規模の拡大の着実な進展が見られますが、その動きはいまだ十分とは言えず、農業経営の規模の拡大の一層の促進が求められております。 さらに、国際化、消費者ニーズの多様化が進展しており、これに的確に対応していくため、農産物の高付加価値化を図ることが求められております。 加えて、農村社会の変化等に対応し、農業改良資金の保証制度につきまして、借り受け者の利便を図る観点から見直すことが求められております。 政府としましては、このような状況を踏まえ、次代を担う農業者の育成確保、農業経営の規模の一層の拡大、農産物の高付加価値化等を図る観点から本資金制度を改正することとし、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、意欲ある青年農業者等の育成確保を図るため、現行の農業後継者育成資金を再編拡充して青年農業者等育成確保資金を創設することであります。 青年農業者等育成確保資金においては、農業外からの新規参入青年等も含め幅広い層に対応し得るよう、貸付対象者の範囲を従来の農業後継者たる農村青少年から青年農業者その他の農業を担うべき者に広げるとともに、資金内容を拡充して、農業の技術、経営方法の実地の習得その他近代的な農業経営の基礎の形成に必要な資金とすることとしております。 第二に、農業経営の規模の拡大を一層推進するため、経営規模拡大資金について、農用地の利用権の取得による農業経営の規模の拡大に伴い必要 な資金を新たに貸し付けることとしております。 第三に、農産物の高付加価値化及び地域の特徴を生かした農業の展開に資するため、生産方式改善資金について、合理的な生産方式の導入とあわせ行う加工方式の導入のための資金を新たに貸し付けることとしております。 第四に、農業改良資金の保証制度について、借り受け者の利便を図るため、従来の保証人による保証のほか、物的担保の提供によることもできることとしております。 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようにお願い申し上げます。
○委員長(永田良雄君) 以上で本案の趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ります。
○委員長(永田良雄君) 次に、松くい虫被害対策特別措置法の一部を改正する法律案、森林組合合併助成法の一部を改正する法律案、以上両案を便宜一括して議題といたします。 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。田名部農林水産大臣。
○国務大臣(田名部匡省君) 松くい虫被害対策特別措置法の一部を改正する法律案及び森林組合合併助成法の一部を改正する法律案の二法案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 まず、松くい虫被害対策特別措置法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。 松くい虫被害対策特別措置法は、松くい虫による異常な被害の終息を図るため、昭和五十二年に五年間の限時法として制定されたものであります。 その後、昭和五十七年及び昭和六十二年にその有効期限を五年間ずつ延長し、今日に至っております。 この間、政府といたしましては、鋭意松くい虫の防除に努めてきたところであり、この結果、昭和五十四年度には二百四十三万立方メートルにまで達した被害量は、平成二年度には九十五万立方メートルにまで減少し、全体としては松くい虫の被害の鎮静化に相当の成果を上げてきたところであります。 しかしながら、被害量が依然として百万立方メートル近い水準にあるほか、地域によっては一部に激害地が存在し、また保全すべき松林及びその周囲に感染源が残存するなど、遺憾ながら異常な被害が終息する状況には至っておりません。 このため、本法が本年三月三十一日に失効するに当たり、被害の実態に即し、被害対策を推進する松林をより重点化しつつ、より徹底的かつ効果的に対策を実施するため、所要の改正を行うこととして、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、松くい虫被害対策特別措置法を平成九年三月三十一日まで五年間延長することとしております。 第二に、防除を必要性の高い地域において重点的に実施するため、都道府県知事等が積極的に被害対策を推進する松林の範囲を限定するとともに、特別防除、すなわち航空機による薬剤防除を直接実施することのできる松林群の範囲を限定することとしております。 また、その一環として、都道府県知事及び市町村が定める実施計画において、対象松林の区域を明確化することとしております。 第三に、保全すべき松林及びその周囲における松くい虫被害の感染源の除去をより徹底的かつ効果的に行うための措置の拡充であります。 現行の被害木の伐倒等の駆除命令とあわせて、被圧等による枯死木についても伐倒及び薬剤による防除を行う補完伐倒駆除の命令をすることができることとするほか、樹種転換を一層促進するため、都道府県知事が森林組合等に対し必要な助言等を行うことができることとしております。 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。 続きまして、森林組合合併助成法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。 近年の森林・林業の状況を見ると、林業の採算性の低下、林業従事者の減少・高齢化の進行、森林整備・林業生産の停滞等まことに厳しいものがあります。 このような状況のもとで、流域を基本的単位として森林整備、林業生産等を総合的に推進するためには、森林所有者の協同組織であり、地域の林業労働力を組織化している森林組合がその中核的役割を担う必要がありますが、組織・経営基盤が脆弱なものが依然として多い状況にあります。 政府といたしましては、このような状況を踏まえ、森林組合の合併を引き続き促進してその体質を強化し、森林所有者の協同組織の健全な発展に資するため、所要の改正を行うこととし、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、合併及び事業経営計画の都道府県知事への提出期限を五年間延長して、平成九年三月三十一日までとすることとしております。 第二に、合併及び事業経営計画の計画事項として森林施業の共同化等を内容とする森林施業の合理化に関する計画を追加するとともに、合併後の組合の事業経営に関する計画が地域森林計画及び市町村森林整備計画と調和したものであることを認定要件に追加することといたしております。 第三に、合併及び事業経営計画の提出期限の延長に伴い、都道府県知事の認定を受けた森林組合の合併について、税法上の特例措置を設けることとしております。 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。 何とぞ、これらの二つの法律案につきまして、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(永田良雄君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 両案に対する質疑は後日に譲ります。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時五十九分散会 —————・—————