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123回国会参議院1992/02/28

農林水産委員会 第1号

発言数
88
登壇者
11
会派数
5
開催日
1992/02/28

会議録

永田良雄自由民主党

○委員長(永田良雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  議事に先立ち、一言申し上げます。  本委員会委員熊谷太三郎君は、去る一月十五日、逝去されました。まことに哀悼痛惜にたえません。  ここに、皆様とともに謹んで黙祷をささげ、哀悼の意を表しまして、御冥福をお祈り申し上げたいと存じます。  どうぞ御起立をお願いいたします。黙祷。    〔総員起立、黙祷〕

永田良雄自由民主党

○委員長(永田良雄君) 黙祷を終わります。御着席願います。     —————————————

永田良雄自由民主党

○委員長(永田良雄君) まず、委員の異動について御報告いたします。  本委員会は、熊谷太三郎君の逝去に伴い一名の欠員となっておりましたが、去る一月二十一日、鈴木省吾君が委員に選任されました。  また、本日、一井淳治君が委員を辞任され、その補欠として三重野栄子君が選任されました。     —————————————

永田良雄自由民主党

○委員長(永田良雄君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。  本委員会は、今期国会におきましても、農林水産政策に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

永田良雄自由民主党

○委員長(永田良雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。

永田良雄自由民主党

○委員長(永田良雄君) 農林水産政策に関する調査を議題といたします。  平成四年度の農林水産行政の基本施策について農林水産大臣から所信を聴取いたします。田名部農林水産大臣。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田名部匡省君) 農林水産委員会の開催に当たりまして、私の所信の一端を申し上げます。  農林水産業及び食品産業などの関連産業は、食糧等の安定供給という豊かで安定的な社会の基本をなす重要な使命のほか、地域経済、地域社会の維持、国土・自然環境の保全などの多様な役割を担っております。また、国土の九割以上を占め、国民共通のふるさとと位置づけられる農山漁村は、自然に恵まれた健康的な環境の中で、伝統に 裏づけられた個性に富む地域文化をはぐくみ、国民に緑と潤いに満ちた生活・余暇空間を提供するなどの機能を有しております。  したがって、我が国経済社会の調和ある発展を期するためには、農林水産業や関連産業の健全な発展と活力ある農山漁村づくりを進めるこが不可欠であります。  近年、我が国農林水産業、農山漁村は、内外の諸情勢の変化の中にあって、著しい変貌を遂げております。  特に、今後、我が国社会全体として労働力不足が深刻化すると見込まれる中で、農業については、担い手不足、高齢化がさらに進行すると考えられることから、経営管理能力にすぐれた企業的経営のできる担い手の育成を初め、しっかりした生産体制づくりを進めることが急務であります。  このため、昨年五月に省内に設置しました新しい食糧・農業・農村政策検討本部において、我が国経済社会の基盤としての農業、農村の位置づけを明確にしつつ、中長期的展望に立って、多様な担い手の育成、土地利用型農作物等の新たな生産体制の確立、新しい地域政策の展開等の基本課題について鋭意検討を進めているところであります。これらの課題について、本年春を目途に論点整理と方向づけを行い、これに基づいて二十一世紀という新しい時代にふさわしい食料、農業、農村政策を構築してまいる所存であります。  平成四年度におきましては、農林水産分野全般について、以下のような施策を講ずることにより、より一層の生産性向上を進め、国内での基本的な食糧供給力の確保を図りつつ、良質かつ安全な食糧の安定供給に努めるとともに、農山漁村の活性化と生活の質的向上を図ることを基本として、各般の施策を推進してまいります。  まず、農業の振興について申し上げます。  第一は、担い手の確保と構造政策の推進であります。  将来に展望の持てる足腰の強い農業、活力ある農村を確立する観点から、農家子弟のみならず農外からの新規参入青年を含め、意欲ある青年農業者の育成確保を図るため、農業改良資金の充実等に努めてまいります。  また、農業構造改善事業の推進を図るとともに、土地利用型農業の経営規模の拡大と生産性の向上を図るため、連担的な作業条件の形成と担い手への農地の利用集積の促進を図ります。農業の体質強化の基礎となる生産基盤の整備については、生産性の向上、農業生産の再編成等に重点を置いて事業を推進します。  第二は、二十一世紀に向け、新たなニーズに対応した農業生産を展開することであります。  我が国の農業をめぐる環境の大きな変化の中で、各地域における農業生産を維持発展させることができるよう、高品質・高生産性農業を育成するための総合的な生産対策を実施するとともに、畑作物の生産性及び品質の向上や環境保全型農業の推進等を図ってまいります。  また、米につきましては、円滑な需給操作に資するため転作等目標面積を軽減したところであり、これに応じた米の生産を図りつつ、水田農業の体質強化を引き続き推進してまいります。  畜産につきましては、生産性の向上等経営体質の強化、畜産主産地の活性化等に重点を置いた対策等を総合的に推進してまいります。  第三は、農山漁村の活性化であります。  過疎化、高齢化等が進展している中にあって、農山漁村の活力を維持していくため、地域の特性を生かした農林水産業の振興を図るとともに、集落排水施設、道路などの生活関連の社会資本の整備を推進します。また、景観形成、環境保全等に配慮した美しいむらづくりを推進するほか、豊かな地域資源を活用した農山漁村の環境整備や都市と農山漁村の交流を推進してまいります。  第四は、技術の開発、普及の推進であります。  農林水産業や食品産業における生産性の飛躍的向上と農林水産物や食品の高付加価値化等を推進するため、イネゲノム解析研究を初めとしたバイオテクノロジーなど基礎的・先導的研究や、より生態系に調和した農業生産を進めるための技術等の開発、普及を推進します。  第五は、健康で豊かな食生活の保障と食品産業などの振興についてであります。  高品質で安全な食品に対する志向の高まりなど、多様化、高度化する消費者ニーズに対応できるよう、日本型食生活の定着に努めるなど、消費者対策の推進を図ってまいります。  また、食品産業などの関連産業につきましては、その体質強化を図るため、経営基盤の充実、技術開発の推進等を総合的に進めます。さらに、食品流通の総合的な構造改善対策を推進してまいります。  食糧管理制度につきましては、国民の主食である米を政府が責任を持って管理することにより、その需給及び価格の安定を図るという制度の基本は維持しつつ、平成元年六月の農政審議会報告の方向に沿って、需要に対応した生産の誘導、流通の活性化、消費者のより適切な選択等を実現することが必要であります。このため、自主流通米価格形成の場の定着、発展を図ることを通じて市場原理がより生かされる仕組みとする等の施策を講じてまいります。  このほか、各種制度資金につきましては、以上申し上げた各般の施策に即して融資内容の充実を図るとともに、農業災害補償制度につきましては、より一層きめ細かな加入促進を行う等適切な運営を図ってまいります。  また、農業協同組合につきましては、農業、農村を取り巻く諸情勢の変化等に対応し、地域の農業振興や活性化に資するための事業内容や金融機能の充実、経営管理体制の整備、合併の促進等の措置を講じてまいります。  次に、林業の振興についてであります。  林業につきましては、森林や緑に対する国民の要請にこたえ、緑と水の源泉である多様な森林の整備と、国産材時代の実現に向けての条件整備を図ることが必要となっております。  このため、森林整備事業計画及び第八次治山事業五カ年計画を策定し、造林、林道事業及び治山事業を計画的に推進するとともに、民有林、国有林を通じた森林の流域管理システムの確立を図ることを基本として、林道等の生産基盤の整備、森林組合、林業従事者等の担い手の育成確保、森林の保全、国産材の安定供給体制の整備等、各般の施策を総合的に実施してまいります。  また、国有林野事業につきましては、国有林野事業の改善に関する計画に即して、全力を挙げて経営改善に取り組んでまいります。  次に、水産業の振興についてであります。  我が国水産業の健全な発展と国民のニーズに対応した水産物の安定的供給を図るため、漁業生産基盤の整備、資源管理型漁業やづくり育てる漁業の推進などにより、我が国周辺水域の漁業振興に努めてまいります。また、水産資源保護、漁場環境保全を推進するとともに、沿岸漁業の振興の中核となる漁業協同組合の経営基盤の強化と、水産物の需給の安定に努めてまいります。  さらに、海外漁業協力の積極的な推進等により海外漁場の確保に努めてまいります。  このほか、国産農林水産物の販路を拡大し、農山漁村の活性化にも資するため、輸出の促進を図ります。  また、熱帯林の減少、砂漠化の進行など、農林水産業と密接な関連のある地球環境問題に対処するため、調査研究の充実、国際協力の強化等を図るとともに、開発途上国等への農林水産業協力を多角的に推進し、積極的に国際貢献を図ってまいります。  以上のような農林水産施策を展開するため、平成四年度の農林水産予算の編成に際しましては、今後の農林水産政策の基礎を築くものとして意を尽くしたところであります。  また、施策の展開に伴って必要となる法制の整備につきましては、今後、当委員会の場におきましてよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。  なお、ガット・ウルグアイ・ラウンドにおける 農業交渉につきましては、昨年十二月にダンケル・ガット事務局長より合意文書案が提示されたところでありますが、その農業部分については、食糧安全保障や生産調整への配慮が十分なされず、すべての非関税措置を関税に置きかえるとの考え方が提示されていることなど、多くの問題を含むものであります。  我が国としては、このような問題点につき今後の交渉において所要の修正を求めていくとともに、従来からの基本方針を踏まえ、世界最大の農産物純輸入国としての我が国の立場が交渉結果に適切に反映されるように努め、我が国農業の健全な発展を図る上で遺憾なきよう最大限の努力を傾注してまいります。  特に、米につきましては、我が国における米及び水田稲作の格別の重要性にかんがみ、また国会における御決議等の趣旨を体し、国内産で自給するとの基本的方針で対処してまいります。  最後になりましたが、昨年は相次ぐ台風の襲来、冷害等数多くの災害が発生し、農作物、森林等の被害は近来まれに見るものとなりました。被災された農林漁業者の方々が経営を一日も早く再建できるよう、今後とも復旧対策に万全を期してまいる所存であります。  以上、所信の一端を申し述べてまいりましたが、農林水産業、農山漁村の重要性を十分に踏まえ、またその変貌著しい現状に対応して、次代を担う若い方々が魅力と誇りを持って従事できる農林水産業、活力に満ち、快適な生活を享受できる農山漁村の確立を目指して、農林水産政策の総合的な展開に全力を尽くしてまいります。  今後とも、農林漁業者を初め広く関係各方面の声を真摯に受けとめながら政策を推進してまいりたいと考えておりますので、委員各位の一層の御支援、御協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

永田良雄自由民主党

○委員長(永田良雄君) 以上で所信の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 今最大の問題はガット・ウルグアイ・ラウンドの問題でございます。  大臣は終始一貫してこの委員会でも答弁されておりましたように、米の自由化、包括的な関税化は受け入れられないということを終始発言をされてきました。その点では、委員会で発言したことがいつまでも変わらずにおられるということで本当に、大臣の中でもいろんなことを言う方がいらっしゃるものですから、そういう中で農林水産大臣として従来からの発言をしっかり守っているということについて、ひとつ御苦労さま、頑張ってくださいという声援をまず送りたいというふうに思います。  このガットの問題で特に最大の問題は米の問題であり、そして乳製品やでん粉の問題であるわけでありますが、この問題については、人間は、自動車や電気がなくても生きていけるけれども、食べ物がなかったら生きていけないのだ、だから自国の食べ物はできるだけ自国で自給をしていくということがやっぱり原則でなければならないというふうに私どもは思っておりまして、そのことを毎回委員会のたびに言ってまいりました。  我が国は、先ほど大臣の所信の中でも言われましたが、世界最大の食糧純輸入国だと、自給率も穀物自給率で三〇%、カロリーベースで四八%、先進国中最低だということもたびたびこの委員会でも言われております。こうした中で、米の自由化などを行えば我が国の食糧安全保障の確保は極めて困難になる。またこのことによって農村や農業が壊滅的な打撃を受ける。そして国土や環境が破壊される。そういう影響を考えたらとても関税化を受け入れて自由化の方向に行くということは何としてもこれは避けねばならぬということは、だれが考えてみても当然のことだと思うんですが、なかなかそのような形に必ずしもなっていない部分があるということで私どもも非常に心配をして、この委員会もできるだけすき間を見て開こうではないかということで、これは与野党一致をして本日の委員会になったわけでございます。  大臣の今日までの発言されてきたことについてはよく承知をしておりますが、この段階でございますので、再度、国会決議のその趣旨を体して米の自由化を阻止しなければならないというふうに私どもは思っておるんですが、大臣のこの段階でのひとつ決意をお伺いいたしたい、このように思います。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田名部匡省君) もう改めて申し上げるまでもないことでありますが、終始日本の置かれている立場というものは主張してまいりました。まあいろんな意味で閣内不統一ではないかとかいろいろの御指摘もありました。決して基本的なところにはぶれはないのでありますけれども、往々にして政治家の発言は、例えばと、こう言って言うところから、大分いろんなことを言うものですから、本論でとめておいてくれれば誤解も何にもないのでありますが、気をつけなけりゃならぬのは、例えばと、こう言って申し上げることが、マスコミ等を通じて大きくその部分だけが取り上げられる。自由化はだめだ、何をやっても百点満点というのはないんだからと、こう言っている部分は余り取り上げられずに報道されて誤解を招いた分が多いかと思うのでありますが、一昨日の夜、私ども、総理と外務大臣と私で、このことについての数字は書き込まない、関税化は反対であると明確にしたところでありますから、いろんな経緯はあっても一番は最後がぴしゃっとしているかどうかということが肝心なことでありますから、そういうことで私ども政府も一致してこのことに取り組むということでありますから、どうぞよろしくまた今後御支援をいただきたい、こう思います。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 総理と外務大臣と田名部大臣と三者で確認をされたということでありますが、宮城が近づくにつれて大体余り変な発言がなくなってきたように私は思いますが、宮城が終わった。後、この確認が崩れないようにひとつ担当大臣としてぜひこの三者の合意というものを守らせるように頑張ってもらいたい、このように思います。  それで、私は実は全国乳価共闘会議の議長をしておりまして、「米の自由化反対、米の自由化反対」ということが、米は象徴的なものですから言われているんですが、私はそのときも必ず「米などの」と、こう言わせて、米だけではなくて乳製品、でん粉、これの自由化も米の自由化と同じほど、特に私は北海道出身でありますから、北海道では大きな打撃を受けるわけでございます。この点についてもガッド十一条二項(c)の存続明確化をしていきたいというようなことなども聞いておりますが、ぜひ米だけではなくて乳製品、でん粉の輸入制限措置を堅持していくことについても大臣の、ひとつ決意をお伺いいたしたいと思います。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田名部匡省君) どれを大事にしてどれを粗末にしているというつもりは全くありませんが、マスコミの取り上げ方も国民の主張も米、米と言うものですから、何となくほかの方がだんだん影が薄れているようでありますが、この規定についても基礎的史糧である米と同様に十一条二項(c)品目について、従来からの基本方針に基づいて対応していくと、こういうことでありますから、よろしく、お願いを申し上げたいと思います。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 大臣がいつもそういう御認識でひとつこれからも頑張ってもらいたいというふうに思います。  そこで、いよいよ三月一日、国別表を出すということで一応約束がなされているようでありますけれども、農業保護の削減計画書に各国はどう対応するかが今大きな焦点になってまいりました。国別表の提出について一体各国の動向はどんなことになっているのか。  ECも包括合意文書案の修正をめぐってフランスとドイツの意見調整が難航している。したがって期限どおりの提出ができないのではないかというふうに見られておりますし、一たん期限どおりの提出を表明したアメリカも環境団体等が包括合意文書案に反対する声を強めていることから、提 出に非常に慎重になっているというようなことなども報じられております。  また、記載内容についても、カナダが乳製品などについては記載しないということを表明したというふうに報じられておりますし、我が国も米や乳製品、でん粉などなど幾つかの品目については記入しないということが報じられておりますが、どうもこの問題についての新聞報道は信用するわけにいかない。信用できるのは農業新聞ぐらいじゃないかなというふうに思うものですから、いろいろ商業新聞等で報じられていることが事実なのかどうか、その辺についてひとつお伺いをいたしたいというふうに思います。  そして、国別表に対する各国の動向をどのように見ておられて、そのことがウルグアイ・ラウンドの進展に及ぼす影響をどのように考えておられるかということについてもあわせてお伺いいたします。

川合淳二農林水産省経済局長

○政府委員(川合淳二君) 国別約束表につきましては、各国とも現在検討作業を進めていると承知しておりますけれども、私ども、御承知のように、我が国のダンケルペーパーに対します意見と申しますか、修正意見をもちまして各国に改めて我が国の立場を説明したわけでございます。同時に、国別表についての今後の各国の対応につきましても情報収集に努めたわけでございますが、率直に申しましてまだ各国が正確にどういう態度に出てくるかということにつきましては十分な情報は持っておりません。  ただ、ECは、御承知のように、今もお触れになりましたように、ダンケル案につきます農業部門につきまして明らかに修正を要すると言っております。カナダは十一条二項(c)の取り扱いについて反対ということを明確にしております。したがいまして、各国ともそうした主張を何らかの形で踏まえたそういう国別表を提出してくるのではないかというふうに現在のところ私ども見ているわけでございます。  なお、来週といいますか、日曜日が三月一日でございますので、さらに各国の情報を収集すべく今努力をしているところでございます。  それから、今後の展開でございますが、これは今のような状況でございますので、まず三月の第一週に出してくるものかどうか、若干それについての、ややおくれるのではないかというような一部の情報も入ってきておりますので、この辺も含めまして私ども情報収集に努めなければいけないと思っておりますけれども、これがある意味では各国のそれぞれの主張に基づいた国別表ということになりますと、そこからがまた交渉のスタートということにも実質的になるわけでございますので、率直に申しまして交渉の今後の成り行きは非常に不透明な状況ではないかというふうに思っております。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 不透明な状況ではないかということなどを踏まえて、一日というとあさってでございますので、国別表の提出時期なんですが、政府としては期限どおりに出すつもりなのか、それとも各国の動向などを見て、必ずしも期限にこだわらないということで各国の状況を見ながら出す時期を考えていくのか、その辺はどのように考えておられるのでしょうか。

川合淳二農林水産省経済局長

○政府委員(川合淳二君) 国別表の提出につきましては、当然のことながら各国の状況をよく把握したいと思っておりますが、今大臣からもお話し申し上げましたように、私どもの国別表を提出する対応といたしましては、基本的な方針を踏まえまして国別表を出すということでございますので、各国の状況は見るつもりではおりますけれども、我が国としては、できるだけ早く取りまとめ、三月一日の週には提出してはどうかというふうなことで今作業を急いでいるところでございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 前にもオファトを期限の前に出して、非常に日本はまじめだという評価をガットの場で受けたのかどうか、しかしほかの国は二カ月とか三カ月もおくれたというようなことなどもあって、果たしてまともに出すのがいいのかどうかということはいろいろ論議をされていることだというふうに思うんですけれども、その辺はひとつ慎重に対応してもらいたい。まあ、書く内容が決まっているんだからいつ出してもいいじゃないかということがあるのかもしれませんが、その辺はいかがでしょうか。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田名部匡省君) 非常に戦略上といいますか、出す時期というのは十分見きわめなきゃいかぬと思っているんです。慌てて早く出して、よそが全然おかしなものであったというのもおかしいし、この辺の情報はとらなきゃなりません。それから、十一条二項(c)で今までスクラムを組んでおった国、これとは十分意思の疎通を図らなきゃならぬ、それから、決めたわけでありますから、余り人の顔色を見て一番最後というのもどうも主体性がない。そう思いますので、その辺はもう行っている人たちの状況判断、大体私が今申し上げたようなことを胸にとどめていろんな情報をとって、まあ大体こんなことだという判断ができたらもうぱんと出すということの方が大体の考え方じゃないかなと、こう思っております。  なお、まだ何日間がありますので、各国の状況をしかと踏まえるようにこれからもなおまた派遣して最後の情報の把握に努めて最終の決断はしだい、こう思っております。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 日本と同じような立場といいますか、そういう国が、カナダとかあるいは韓国だとか幾つかの国があるわけですけれども、そういう立場をある程度同じにするような国などとの横の連携なり、あるいは記載の内容までいくのかどうかはわかりませんが、その辺の連携だけは、十分にお考えになっているというふうには思いますけれども、私ども素人なりにいろいろ心配するところもあるものですから、その点はひとつ十分連携をとりながらやってもらいたいということを私の立場で要望しておきたいと思います。  先ほど大臣から総理や外務大臣やなんかと三者で話し合ったということがありますが、いよいよこれは大事な正念場といいますか、国別表を出して本格的ないよいよ交渉に入る、そういう段階でございますので、その段階で足並みの乱れるようにとられるような、総理も非常に答弁の表現がいいものですから、本質的には何も変わってないようなことを言われますが、しかし一般的には聞くと相当違うわけですよね。だから、少なくともそういう誤解を受けるような発言だけは、特に外務大臣にこれは気をつけてもらわなにゃならぬ、私は多くの国民の人たちがそう思っていると思うんですよ。そういう点はぜひ担当の大臣としてひとつきちっとやっていただきたいというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田名部匡省君) 閣僚の中でも、外務大臣もかつては農林族の一人でありましたが、何分にももう大分離れておりまして、私と同じような認識でおるかどうかというのは、まあこれは比較のしようがありませんが、やっぱりいささか違うと思うんですね。ですから、気持ちの上ではみんな一緒だと言いつつも、それぞれ個々に伺いますと、同じ反対でもこういうことで反対だという反対の意味が理解の程度によっては大分遣うんですね。ですから、ウルグアイ・ラウンドは成功させなきゃならぬと思い詰めていながらも、農業はだめだと思って、そのだめな理由は、私はいつもこうこうこれでだめですと、こう申し上げますが、その半分程度の認識でありますとやっぱり変わってくるんだなという感じがしますが、いずれにしても、情報を十分入れながら、こういうことでもうこれは不可能でありますよということを、やっぱり共通の認識をみんなが同じ程度に閣僚も持っていただければ、そのことは余り心配ないのではないだろうか、こう思っております。  なおまた、私の方から十分理解をしていただくように説明もして、足並みが乱れないようにしてまいりたい、こう思っております。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 米の市場開放の問題で、アメリカは、もうウルグアイ・ラウンドの場ではなくて、何とか二国間交渉で解決しようという動きを強めてくるのではないかというふうに思われるわけで す。しかし、決してこの問題については二国間交渉に応じてはならないというふうに思います。それは、一たん二国間交渉に応じたら、かつての牛肉・オレンジの例のようにアメリカの市場開放圧力に屈して、大幅な譲歩を迫られる可能性が非常に強いからであります。  そこで、米の市場開放問題は、今までも幾度か答弁されておりますように、ウルグアイ・ラウンドの中で協議をして二国間交渉には応じないと、そういう政府の方針というのを改めて確認したいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田名部匡省君) もうこれは前々から、ブッシュ大統領が訪日の際にも、二国間での交渉はしないという確認のもとに、私もその場には出席要請もなかったわけでありまして、このことはもういろいろ言われてきましたが、それぞれの国からお話がありますが、カナダからもアメリカからもそれぞれ農業大臣、経済大臣お見えになりますが、その都度木材でも何でも我が国に対する要請というものはあります。ありますけれども、それはウルグアイ・ラウンドの場で決めることでありますからと、こう申し上げて今日まで御理解をいただいてまいりました。これからもそのように、二国間ではやらないという基本方針で対処していきたい、こう思っております。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 合意文書案に対する修正案の問題ですけれども、二月十七日に主要修正項目を農林水産省は明らかにいたしました。  そこで、昨年の十二月の最終合意案に対する見解が出されましたが、それをいま一度明らかにしていただきたいというふうに思います。

川合淳二農林水産省経済局長

○政府委員(川合淳二君) 御承知のようにダンケル案の農業部門はかなり大部でございますので、詳細にわたります私どもの修正意見というものはあるわけでございますが、主要な修正項目につきまして御答弁申し上げますと、一つは、何と申しましても包括的関税化ということについての問題でございます。基礎的食糧及びガット十一条二項(c)につきましては関税化に応じられないという立場から、これが一番大きな問題だという点がまずあります。  それから、基準年及び削減率につきまして、市場アクセスと輸出競争との間でバランスを欠いているという点がもう一つございます。  それからさらに、国内支持の政策の中で青の政策の点でございます。この点につきましては、これまでの技術会合その他の交渉の中でかなり私どもの意見も入って広がってきておりますけれども、若干所得政策あるいは構造政策等の要件が厳しい点がございまして、なおこの点について修正を求めていく必要があると思っております。  それから、これは直接的な問題ではありませんが、全体的なバランスとして輸出補助金の問題につきまして、新品目あるいは新市場に対する輸出補助金の供与の制限が規定されておりますが、これは既得権を認めるということで非常に問題が大きいということで、私どもこの点は指摘しているところでございます。  なお、詳細な点はございますが、主要な点はそんなところではないかと思っております。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 修正案の具体的な内容も聞きたいわけですが、きょうは時間が非常に短いので、主な点についてだけ質問申し上げたいと思います。  最終合意案の修正のためには、これはもう日本一国だけではどうにもならないということは当然でございます。したがって、関係諸国と力を合わせて取り組むべきでありますが、先ほどもお話がありましたし、またいろいろ報道もされておりますが、ECの修正案は日本の修正案と共通する点が少なくないというふうに私は思います。  それから、カナダはケアンズ・グループという農産物輸出国グループに属しながらも関税化には反対だというようなことなどがあります。特に、ガットの十一条二項(c)の問題については、以前カナダだとかECも同一歩調をとろうとしていたことがありました。こういった主要国と協議を進めて、いわばガット十一条二項(c)についての包囲網をつくるべきではないかというふうに思うんです。まあ、いわば共同戦線ですね、これらの国々との共同戦線を張るべきだというふうに思いますが、その点についてどのようにお考えか、また政府はどの程度協議などを進めておられるのか、その状況についてお伺いをいたしたいと思います。

川合淳二農林水産省経済局長

○政府委員(川合淳二君) この点につきましては、先ほど大臣からも触れましたけれども、カナダは、今御指摘のように、十一条二項(c)につきまして非常にその見直し、明確化を提案しておりますので、この包括関税化につきまして強い反対の姿勢を示しております。  先ほどお話し申し上げましたように、私どもも各国に対しまして日本の立場を改めて理解を求めるべく担当官を派遣したわけでございますが、そのときにも特にこの包括関税化につきまして反対する関係各国との連絡を緊密にしてきたところでございます。これからもこうした国々との連携をさらに強めるべくジュネーブあるいはそれぞれの国の日本の大使館を通じましてそうした働きかけを強めてまいりたいと思っております。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 それでは、ガット問題についての最後でございますが、ブッシュ大統領は、去る一月二十九日に議会に送った一九九三年会計年度の予算教書の中で、農業予算のうち輸出奨励計画、EEPですね、農産物輸出補助金予算として十二億ドルを提案いたしました。去る十二月に各国に提示された最終合意案では輸出補助金は財政支出額と数量の両者による削減を約束するとしていますが、アメリカ政府は九一年度から輸出奨励計画の支出を急増させ、飽くなき輸出補助金攻勢を鮮明にしております。これはみずから主張してきたウルグアイ・ラウンドの農業交渉と全く方向違いで、二律背反の行動であると言わざるを得ません。例外なき関税化で米の市場開放を迫ってくるのに、自分の国は勝手な行動をとっているのは不合理であり、このようなアメリカの態度は看過することはできないというふうに思います。  政府はこのようなアメリカの実情をどのように考えておられるのか、率直にお伺いをいたしたいと思います。そして、ガット交渉の場でこの点をはっきり言及しているのか、また今後とも言及していくつもりなのか、お伺いいたしたいと思います。

川合淳二農林水産省経済局長

○政府委員(川合淳二君) 今お話しございましたように、本年の一月に公表されましたアメリカの予算教書によりますと、いわゆるEEP、農産物の輸出奨励計画の九三年予算につきまして十二億ドルという数字が計上されております。もちろんこれは、説明によりますと全く仮定の数字、天候とか経済情勢それから計画及び政策の変更に支配されるというふうな説明がついているようでございますが、いずれにいたしましてもアメリカのガットにおける主張と矛盾する態度だと思っております。  アメリカから言わせれば、ECの輸出補助金に対する対抗として計上せざるを得ないという説明もあろうかと思いますが、ガットの交渉の中で最も問題点はこの輸出補助金であり、かつ貿易に対する歪曲効果が最も著しいのもこれだということでございますので、私どもは従来からこの問題の解決がない限り農業交渉の解決はないというふうに主張してきておりますし、昨年来アメリカのこのEEP予算は実際問題として、例えば九一年の四億ドルに比べまして九一年の補正予算では結果的に九億ドルになっておりますし、九二年の予算では見込みとして十二億ドルというような姿になっておりますので、非常に問題の多いところだということで主張をし、かつウルグアイ・ラウンドの提案と矛盾している点を突いてきているわけでございます。今後ともこの点につきましては強く私どもの主張を繰り広げていきたいと思っております。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 次に、緊急な問題なものですから、水産問題についてちょっと質問をいたしたいと思います。  日韓漁業自主規制措置交渉についてでありますが、昨年末で期限切れになっていました日韓漁業自主規制措置をめぐる交渉がこの十四日に妥結を いたしました。その妥結の内容でありますが、交渉で御苦労された方々には大変失礼な言い方かもしれませんが、まさに惨たんたる結果としか言いようがないというふうに私は思います。新たな枠組みの構築どころか単なる一部手直しにすぎない結果となりましだ。特に、これで大きな犠牲を強いられている北海道においては、本当に何と言っていいかわからない、言葉にならない怒りといいますか、そういうものを禁じ得ないわけでございます。地元の北海道でも韓国漁船がオッタートロール外に出たとはいえまだ十四隻が操業しております。資源を守り、地元の漁船の経営を維持していくためには、全面的に撤退させるしかないことは、これはもう明白であったわけです。それにもかかわらず韓国に対する我が国政府の要求は日本漁船と同じ条件、すなわち夏場の操業を禁止すること、トン数の上限を五百トン未満とすることなど、つつましいものであったように報道されてはおります。ところが、今回の交渉ではそれすら実現しなかった。結局一カ月間の自主禁漁という極めて実効性の疑わしい措置をとることで押し切られてしまいました。  ところで、前回の規制措置が実施されていた最近四年間の我が国の漁業界はどうであったか。北洋サケ・マス漁業が禁止されたばかりではなくて、イカ流し網漁業や大目流し網漁業が国連決議によってことし限りで禁止されることになりました。ベーリング公海ではスケトウ漁が大幅な規制を受け入れるなど、今や外国二百海里漁場どころか公海漁場すら総崩れに近い状態に追い込まれてしまったのであります。したがって、我が国の漁業にとって自国の周辺漁場が唯一の漁場になりつつあることは政府も認めざるを得ないというふうに思います。  では、そのかけがえのない我が国周辺漁場はこの四年間どんな状態だったのか。漁業者が資源管理型漁業の実現のために操業規制、減船など大きな犠牲を払いながら努力している一方で、韓国漁船は悪質な不法操業によって北海道から西日本に至る海域で資源を荒らし続けてきました。このように北太平洋や南太平洋、さらにはベーリング公海などの広大な水域から次々と追い出されるばかりか、自国周辺の漁場すら満足に守れない漁業外交とは一体何なのか。もちろん政府もそれなりの努力をしてきたことを認めるにやぶさかではありません。だが、それにしても漁業者の立場に立てはこれほど腹立たしい結果はないと思うんです。  そこで、お尋ねをいたします。  まず、政府は今回の日韓交渉がこのような結果になったことの責任についてどう考えておられるのか、そのことをまずお伺いいたします。

鶴岡俊彦水産庁長官

○政府委員(鶴岡俊彦君) 日韓の漁業関係、もう先生御案内のとおりでございます。四十年の協定に基づきましてやっているわけでございます。二百海里体制の施行以来韓国側の漁船が西日本水域以外に来るということで、数度の自主規制措置を両国で合意しながら、それに則してやってきたわけでございます。  今回の自主規制措置の期限切れに対応しましても、主として取り締まり問題、それから資源問題等を中心に論議をたび重ねてまいったわけでございます。資源問題それから違反操業問題につきましても、韓国側におきましても政府当局あるいは議会当局等には相当の問題意識ができておるわけでございます。ただ、その問題の接近の仕方が、取り締まり問題あるいは資源の管理問題につきまして、日韓双方で大幅に接近の仕方が違っているということで、残念ながら十二月の期限切れまでにまとまらずに年を越す結果になったわけでございます。ただ、日韓の間につきましては、いつまでもそのままの状態に置いておくわけにはいかないというようなことで、いつまでもその間の主張を繰り返しても妥結に至らないというようなことになり、現実的な対応をとらざるを得ないというようなことで、今回の妥結を見たわけでございます。  取り締まり問題につきましては、旗国主義、沿岸国主義、その問題についての解決はできなかったわけでございますけれども、韓国側につきましても、北海道周辺水域に日本の監視船に取締官を乗せるとか、あるいは取締船の配置期間を長くする、あるいは西日本水域につきましても取り締まりについての実態を強化するというようなことを申し入れました。  また、資源問題につきましても、今回解決はできなかったわけでございますけれども、お互いに今後定期的にこの自主規制措置の期間が切れるという直前になってでなくて、前広にやっていこうというようなことで話し合いができておりますので、政府といたしましては、当面韓国側の自主規制措置によって決められました取り締まりの実行を強く促しますとともに、資源問題につきましては、今後もう少し技術関係の研究者等々を入れまして、資源の実態に即した論議をし、その維持拡大ということに努めていきたいと思っておるところでございます。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 その取り締まりの問題も今まで私ども何回もこの委員会で言いました。そしてまた、政府もそういうことで韓国側とかなりその点についてのやりとりをしてきたはずです。しかし、何ぼやってもだめなんですね。できないんですよ。できないまま今日を迎えてきている。  そうした中で、先ほど申し上げましたように、もう公海での漁業あるいは外国へ行っての遠洋漁業がだめになってしまう、我が国の周辺の海域しか漁場がない。そして、一生懸命資源管理型漁業ということで国もお金をつぎ込んで漁場の整備をやっているわけですね。やっているんだけれども、大きなトロール船が、二千トンだとか三千トンだとかいうトロール船が来て根こそぎばあっととっていってしまえば、まるでどぶに金を捨てているようなものじゃないでしょうか。私はそう思わざるを得ないんです。そして、今日この問題がこういう形でまだ解決を見ないし、鶴岡長官もかなり頑張って、鶴岡長官がやってくれるんじゃないかなという期待は漁民にあったんですが、まあ時間もなかったということもあったんだろうけれども、今後に期待するところは大きいというふうに思いますが、根本はやっぱり二百海里水域をやる以外にないんですよ。  これは私も何回もここで言いました。二百海里水域を韓国に対して適用しないところにこれだけ多くの犠牲を漁民の人たちが強いられているし、そしてまた、漁場というのは一たん荒らされると、それを回復するためには長い時間がかかるわけですね。その間一体漁民の人たちはどうするんですか、魚がとれないからといって生活費を国が見てくれるんですか、そんなことには私はなっていかないと思うんですね。また、生活費を見てくれとも言いたくない。やっぱり前浜でしっかり漁業ができるようなそういう状況をつくり上げていくためには、もう二百海里法を韓国にも適用するということが私はなければならないというふうに思うんです。  そして、北方領土への韓国漁船の入漁についても、言えば我が国が韓国に二百海里法を適用していないがゆえにああいうような状況が、日本に何らの前ぶれもなく、そして日韓漁業交渉をやっているときにはそのことについて一切触れていないわけですね。それが終わった途端じゃないですか。私は、こんな失礼な話、これほど我が国の政府が韓国から、まあなめられているという言葉は適切じゃないかもしれませんが、お互いの国の信義上の問題というのが私はあると思うんですが、それができないというのは、やっぱり二百海里法を適用しでないところに今日の原因があるというふうに思わざるを得ません。したがって、早急に韓国に対しても二百海里法を適用する、その方向で政府としては進むべきだということを私は強く申し上げるんですが、その点について大臣いかがでしょうか。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田名部匡省君) お気持ちは十分わかりますし、言うはやすくというやつで、領土問題ですよ、何といったって。竹島がどっちのものか、尖閣列島は中国のものだとか、いや日本のものだとかですね。これを避けてきたところに漁業 が難しい面がある。これをやっていますと、今度は漁業の方が前へ進まない。  お話しのように、四年前に私が日韓漁業交渉にも携わったときに、我々の先輩も何十年もこれ解決できなかった。なぜできなかったか。先生の方の北海道のオッターから出すということになると、西も韓国から出される。そして国内問題で、もうだれも間に入れなかったんです、これ。で、私が部会長のときに初めてそれぞれの団体を呼んで、一任してくれ、交渉できないということで、まあ嫌だったかもしれませんが、初めて応じてくれた。そのためには、西側にも大きな影響を与えない、北海道もそんなに影響出ない、一両みんな損でおさめる以外にないと、こういうことでこれをやって、まあまあ曲がりなりにも初めて西と北の問題は争いではなくて交渉できたわけです。  できたわけでありますけれども、いずれにしてもこんな程度で、私も交渉しておってそう思います。思いますが、これは自主規制も日本側だけの問題で、外国には通用しない。それを何とか一緒にテーブルにのってくれということでお願いして、毎年わずかずつ進んでおるということでありまして、その辺からいってもこの領土問題をどうするかによっては二百海里がぴしっといくかもしれませんけれども、これを除いて二百海里にしますと、どっちもおれのものだという主張ではなかなか難しい。  それが北方四島も同じだ。しかし、これはけしからぬことには、今、北方四島を返そうかという交渉が始まるというときに、我々にすればこれは日本のものだと主張しているわけですね。その周辺を日本を除いてほかの国同士で勝手に交渉するというのは、これはいささかやっぱりどう言ってもおかしいと私は思っております。それまでは韓国も日本の言う北方領土はそうだと、こう言って賛成している国まで日本を越えてロシアと協定を結んだというのは、これは外務省を通じて申し入れもしておるようでありますが、私どもも具体的にもう少し詳細に情報をとって、やっぱり外交交渉を通じてこれには抗議をしなきゃならぬ、そう感じております。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 領土問題を含めて難しい問題はありますけれども、今日のこういったような状況を踏まえて、漁業者はかつては北と南の方でいろんな問題がありましたが、今はみんな二百海里をというそういう要望でありますので、それらを踏まえて、困難をひとつ乗り越えて何とか早期に解決できるように特段の要望をいたしまして、私の質問を終わります。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 それでは、私も実は三点の質問通告をしたわけでありますけれども、一番のガット・ウルグアイ・ラウンドの交渉については、菅野委員から大分具体的な質問と、それぞれのお答えがございました。私は、食管制度のあり方と日本農政の抜本的な見直しということで三本の通告をしましたけれども、一番のガット・ウルグアイ・ラウンドの交渉について、若干確認をしながら質問を進めてまいりたいと、こう思います。  特に田名部農水大臣、閣内で指導的な立場で、いろんな状況が展開される中で、一昨日、主要大臣が包括的な関税化は受け入れないという断固たる姿勢を貫いたことに対して心から敬意を申し上げるわけであります。しかしながら客観的な、特に新聞報道を今例にとりながらそれについての御見解をただしたいと思います。  これはけさの朝日新聞の社説でございます。見出しは「コメの後退と政治の責任」という見出しで始まってございます。「コメの関税化に応じるよう、政府の再考を強く促したい。」ということから発して、その一つには、  米国と欧州共同体が同ラウンドで、農業保護の  削減をめぐって妥協点が見いだせない状態が続  いていることだ。こうした情勢が続く限り、日  本がコメ市場の開放に応じなくても、非難を浴  びることはあるまいと判断したのだろう。交渉  全体が失敗に終わっても、米、ECの対立が解  けぬ以上、日本が犯人扱いされることはない という読みがあっての判断だろう、ということでございますけれども、これについての御認識と御見解をいただきたいと思います。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田名部匡省君) アメリカとECがまとまらないから、悪者にされないからということでやったのではありません。そんなことはほかに褒められようが悪く言われようが、我が国の立場というものを従来から主張してきたところなんですね。各国はそれぞれ困難な問題というのを抱えているわけでありまして、自分たちもウェーバーや輸出補助金という、そういう都合のいいものは残して、それでそういう扱っていないところはみんな関税化にしなさいと、これも一方的な話であって、それじゃ日本も輸出補助金をこれからどんどんやって競争しようかというと、新しいところはだめ、今までやったのは認めるかと。  こういうことで、どこの国も交渉事というのはそんなに神様やキリスト様みたいに自分の国が損してほかに有利なようにしようという国は一カ国もないんです、世界に。全部まず自分のところをどう有利に展開するかと、こういうことであって、日本だけなぜお人よしにそんなに何でもかんでも譲らなきゃいかぬか。譲れないものは譲れない。その理由がなしに頑張っているのなら、これは横暴だとかなん七か言われても仕方ない。ちゃんと我々には理由がきちっとあって、それをもう長年主張して、そのとおり実施、実行しておるわけでありますから、決して相手の顔色をうかがってどうこうということではないのでありますから、このことはひとつ御理解をいただきたい、こう思います。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 大変力強い御発言をいただきまして、最後までそのことを確信し、期待を申し上げたいと思います。  それから、もう一つ確認したいことは、「二つの要素がある」というもう一つの要素は、一方、国内では三月初めに参議院宮城選挙区補欠選挙がありますから、それまでは一応持ちこたえなけりゃならないから、その一つの策であろうという表現がございましたけれども、選挙が終わってもその方針には全く変わりがないということをもう一度確認したいと思います。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田名部匡省君) 新聞を種にして農政の専門家である三上先生がそういう質問をされるというのは、私はまことに残念だと思うのでありますが、いずれにしても、ウルグアイ・ラウンドがあろうがなかろうが、日本の今の農政はだれもこれでいいと思っている人はないし、もっとさらによくしようと。それは、今はいいと思われない案かもしれぬが、しかし後継者が、担い手が、あるいは出生率が低下している中で、一体日本の農業がどうあるべきかということを今私どもは検討しているわけですね。  ですから、選挙があるからこれをやるとかなんとかというのでない。農民のために私はやっていると思ってないんです。日本全体における農業というものはどうなければならぬのか、どうやって国民に安定的に供給をしていくかという観点からいろいろと政策というものを考えているわけでして、何か新聞を見ると、参議院の選挙、参議院の選挙と。選挙があろうとなかろうと、これは宮城県が終われば今度は群馬県ですね。群馬県もあれば今度茨城県でしょう。そして皆さん方の本番と、選挙は何回も続くんであって、そういうことを考えておったんでは一言も言えない。  ただ、言えることは、それを種にして、与野党を問わず、これは満場一致で一生懸命やっている問題を、いかにも選挙を応援しないとかなんとかというおどかされたような気分でやるのは私はいささかどうかと思う。ですから、みんな一生懸命になってこの問題は、今申し上げたように、選挙を考えてやっているわけでもないし、農家だけを考え——結果的には農家のためになっていることかもしれぬけれども、しかし今申し上げたような日本の農政というものを本当にみんなで真剣に確立していきましょうということでやっている問題を、一部そういうものにとらえられるということは、どうも私は残念だと。それがあろうがなかろうが一生懸命はやりますけれども、その一生懸命 な姿というものを、国会の先生方にそういうものを正しく認識していただきたい、そう思っております。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 大臣の考え方が我々の意と全く一致するわけでありますから、そのことを最後まで貫いていただきたいことを特に要望したいと思います。  ただ、日本のいろんなこういう交渉を見てみまして、私はやはり日本は日本としての立場を主導権を持って日本とリーズする国々と一体となって交渉するのがもっと交渉の実が上がるんじゃないかと、こう思うわけでありまして、今回の交渉についても、政府と私ども野党もそれぞれの国々を訪問して、そして説得に当たって、ある程度の世界的な輸入国の立場も理解できるようになった、それが一つの効果だと思います。これからもやっぱり積極的に日本の立場で世界をリードしていくというそういう姿勢を貫いていっていただきたいということを要望申し上げたいと思います。  それから、食管制度のあり方についてお尋ねをしたいと思いますけれども、ガット絡みのまず質問をしたいと思います。  関税化も一部輸入も絶対しないという前提の議論の中では、その場合のガット絡みで法的な云々ということが議論にならないというのが国会の討論のやりとりでございますけれども、例えば一部輸入した場合に、あるいは関税化された場合に、食管法がどのようなとりでになるのか、あるいはまた弊害になるのか、その点についての御見解をいただきたいと思います。

京谷昭夫食糧庁長官

○政府委員(京谷昭夫君) お尋ねの点でございますが、御承知のとおり、米をめぐるウルグアイ・ラウンド交渉における我々の立場は、かねてからちょうだいをしております国会決議の趣旨を体して、国内産で自給するという基本方針のもとで交渉しておるわけでございます。  したがいまして、ただいまお尋ねの食糧管理法との関連について、私ども子細に検討しておるわけでございませんけれども、仮定の問題として関税化という概念が御承知のとおりダンケルペーパーで示されておるわけでございますが、こういう考え方と現行の食管法がどういうことになるかという問題につきましては、先般も本委員会で御答弁を申し上げたわけでございますけれども、細かい点いろいろ検討していく部分というのはまだ残っていようかと思いますが、基本的な認識として申し上げますと、現行食管法と関税化の概念というのは両立しがたいというのが私どもの基本的な認識でございます。  それから、この関税化と対比する意味で部分自由化というふうなことがよく言われるわけでございますが、実はこの部分自由化という概念、いかなるものであるかということは、もちろんダンケルペーパーでも一切触れられておりませんし、具体的な概念というのが極めて不明瞭でございます。そういうものについて、現行食管法とどうであろうかということを軽々に私ども判断しかねるというのが率直な私どもの考え方でございます。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 基本的には関税化の場合は現行食管法では両立しないという答弁、そして一部輸入については、その具体的概念がはっきりしない段階では判断しかねるということでございますけれども、具体例を示すとそれにはお答えをいただけるわけですね。まずそのことだけ。

京谷昭夫食糧庁長官

○政府委員(京谷昭夫君) この問題、御承知のとおり現在の食糧管理法第十一条で一定の制約づきで許可を受けて輸入する道が決められておるわけでございます。現実にこの規定を使って輸入している事例もあるわけでございまして、先生のおっしゃる一部輸入あるいは部分自由化というふうな概念が具体的にどういうものであるかという概念規定が示されれば、それに沿って検討することはやぶさかではございません。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 それでは、別な角度から質問を進めたいと思います。  実は、きのう、大臣も出席されましたように、消費拡大の超党派の協議会があって私も出させていただいて、最後まであの催しに参加させていただきましたけれども、最後の段階で日本酒造組合中央会の会長さんのあいさつにこのような言葉があったわけであります。日本の酒造会社がアメリカヘ行って、いわゆるカリフォルニア米で酒をつくって、それを輸入することができる、それと競争するには日本の他用途米を、もっとふんだんに日本の国内の酒造会社に米を提供するならば、それなりの品質のものは我々は競争できるという発言がございましたけれども、他用途米の実態が今どうなっていますか。

京谷昭夫食糧庁長官

○政府委員(京谷昭夫君) 他用途米の本来の性格というのは、現在、御承知のとおり、米のいわば需給調整のために行っております水田農業確立対策における本来の米穀の生産とは別に、いわばこの対策の中の転作部門として事実上米の生産が許容された部分があるわけでございます。それで、そのいわば転作作物の一つとして生産された米穀については、ただいま先生御指摘のございました酒造用米それからみそ、しょうゆ、せんべい、あられ等々のいわば加工用原料として、生産者団体と実需者間で流通が行われるようにしているという部分がございまして、そういう流通パイプの中で価格形成なり物流が行われておると、こういう実態の商品でございます。したがいまして、そういったものについて、現在、相当量のものが酒造部門において利用されておるという部分があることは御指摘のとおりでございます。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 きのう、その会長さんの話で、その流通が、全農がもっと酒造組合の方に量的な供給をしてもらえればという発言がありましたけれども、他用途米が全農の考え方いかんによってその量の調整ができるという仕組みになっていますか。他用途米は食管法の中の一部分でしょう。

京谷昭夫食糧庁長官

○政府委員(京谷昭夫君) 私ども、通常の米穀と並行した形で米穀生産農家の便宜を考えまして、先ほど申し上げました他用途利用米の生産、流通という仕組みを保持しておりますけれども、これもあくまで御指摘のような全農を頂点にしました生産者団体と実需者団体との取引でございますけれども、私どもが許容した一定の範囲でそういうものが運用をされておるということは事実でございます。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 政府は他用途米の量的な把握はされておるわけでしょうか。

京谷昭夫食糧庁長官

○政府委員(京谷昭夫君) 掌握をいたしております。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 これはやぶ蛇になるのかどうかわかりませんけれども、農協が一手集荷という形になっているのですかな。

京谷昭夫食糧庁長官

○政府委員(京谷昭夫君) 基本的にはそうでございます。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 そうですか。  それでは、時間が極めて少ないわけですから、その分の覚悟で質問してまいりましたけれども、食管制度の中で転作の緩和を八十三万ヘクタールから七十万ヘクタールに削減したわけでありますけれども、実態はどうなっているのか。実は生産現場では一年きりの転作復元では大変だよと、相当荒れているし、また機械の増量もしなきゃならないという実態がある。それはどうなっていますか。

京谷昭夫食糧庁長官

○政府委員(京谷昭夫君) 実はただいま御指摘の転作緩和問題、食管の運営問題とも大変密接な関係もあるわけでございますが、直接の所管は農蚕園芸局でございます。若干権限逸脱でありますけれども、担当の局長がおりませんので私からお答えさせていただきますが、御承知のとおり、現在、米の需給調整を行うための水田農業確立対策の規模、つまり転作の規模につきましては、昭和六十二年から平成四年の期間につきまして、この確立対策を前期と後期に分けておりますが、一定の需給を想定して運用してきたわけでございます。その中で共通した目標、特に後期の場合には八十三万ヘクタールという目標を掲げておったわけでございますが、御承知のとおり、昨年大変作況不良の状況に見舞われまして、平成五米穀年度の需給にやや不安があるということで、四年産の、いわば水田農業確立対策の最終年度である平 成四年の米生産については転作面積を緩和する必要があるということで、御指摘のとおり十三万ヘクタールという緩和を行ったわけでございます。  私ども、この平成四年度で終了する水田農業確立対策以後の問題、平成五年以降どうするかという問題については、ことしの秋にかけていわゆるポスト後期対策の構築という形で検討を進めるつもりでございます。その中で、御指摘のような問題も含めて、五年以降、どれくらいの期間を置くかは別といたしまして、いろいろな来年以降の作付についてどういう対処をしていくかということを検討するつもりでございまして、現場の方からことし復元をした稲作について来年以降どうするかというふうないろいろな御不安があることをよく承知しております。そういう問題をよく踏まえて、平成五年以降に設計をするいわゆるポスト後期対策の中で明確な取り扱いを決めていくということになろうかと考えております。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 最後に、その転作の問題についてはポスト後期対策で対応を決めるということでございますけれども、実際生産現場ではもはや種もみの準備に入っているし、いろんな計画があるわけですから、やはり三年ないし五年ぐらいは稲作を継続できるというようなそういう状況を早期に示さないとなかなか復元できないと、こう思うわけでありますから、そのことを特に要望しておきたいと思います。もしその場合、三年、五年継続して米余りの状況が、私は出てこないと思うけれども、出た場合には、今までの備蓄米の考え方というものを百万トンから百五十万トンにするというぐらいの腹で、やはり安心して稲作ができるようなそういう状況をつくっていただきたい、このことを要望して、終わりたいと思います。ありがとうございました。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 私は、一番最初に日韓漁業交渉のことについてお伺いをいたします。  先ほど同僚の菅野委員の方からほとんど言い尽くされておりますので、確認をさせていただくというような状況になるかと思いますが、先ほどの大臣の所信の中でも、沿岸漁業の振興、あるいは海外漁業協力の積極的な推進というようなことを大臣は述べられておりますので、水産業に対しても大きなウエートを持ってやはり励んでいただかなければならないというふうにまず要望申し上げるところでございます。  今回の日韓漁業交渉、実務者レベルの交渉の中身を見まして、三年間延長の中身は、先ほどの同僚委員の評価どおり、私どもとるところなしというような感じで、現場からもいろいろな声が寄せられました。しかし、当交渉に当たった皆様方はそれなりに御努力なさったというふうに思います。  それで、実は、このことについてどう評価なさるかということを聞きたいわけですけれども、時間がないので最初に、この交渉の妥結が終わって、十四日に外務省で実務者協議が開かれて、そこでおよそのことが決まったというこの時期ですね、この時期に、実は私、調べてみると、韓国とロシアは十日から十四日の間にウラジオストクで漁業協定に基づく実務者協議を行っていると、こういうことになっている。そうすると、韓国は同時並行でこの実務者交渉というのを一方はロシア、一方は日本、こういうことを相手にやっていたというふうに考えるべきなのでしょうかどうなんでしょうか。

鶴岡俊彦水産庁長官

○政府委員(鶴岡俊彦君) 私ども、日韓自主規制措置の協議は、昨年四月以来、部長間で七回、私も二回ほど会ってやっておりましたところでございます。それから、韓ロの関係は、昨年九月に政府間で話し合いをやって大枠を決めまして、それに基づいて、主として民間の方が中心になりまして具体的な詰めを今、先生がおっしゃったような間にやったわけですので、時期はたまたま同じですけれども、そのやり方の質というのはちょっと違うので、何かお答えになるかどうかわかりませんけれども、そういうのが実態でございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 先ほど同僚委員の方から私が御通告したことのほとんどを確認していただいているので、ちょっと質問の趣旨が変わっていくかもしれませんけれども、もしそうだとすると、今回のは、昨年、本当はもう期限切れになった中身が継続していくために、交渉が成立するはずのものが本年にずれ込んでいるわけですよね。その交渉がここででき上がったと、こういうことなんだろうというふうに思うんですけれども、その席上で、いわゆる日韓漁業実務者協議の席上で北方領土は我が国の固有の領土である、そしてそのいわゆる周辺水域の問題については考えてもらいたいとか慎重にしてもらいたいとかということは話に出ましたか出ませんか。

鶴岡俊彦水産庁長官

○政府委員(鶴岡俊彦君) 北方領土が固有の領土であるというのは、これはもう前々から日本政府が韓国側に申し入れておるところでございまして、向こうは十分認識しておるし、先ほど大臣からも申し上げましたように、むしろ支援しておるというような立場であろうかと思います。  今回の協議の際に、韓国とロシアの関係が直接の話ではございませんでしたけれども、私どもとしましては、韓ロの協定による入漁水域については極めて関心があるということは申し上げていたわけでございますけれども、具体的な話は向こうからはなかったことは事実でございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 だから、やっぱり何か、何というのかな、ばかにされているとか無視されているとかいうふうに、漁業関係者から随分声が出たんですけれども、何の交渉をやってくれたのかというようなことまで、一生懸命やっていただいたのにもかかわらずこういうことまで出てくる。これはもちろん北海道のメンバーでございますけれども、やっぱりそういう声が出てくるわけですね。したがって、この辺のところをなぜ日韓交渉の中できちっと押さえられなかったのかどうなのかということが大変悔やまれるところであります。  外務省は、きょう欧亜局長が大使館に申し入れをしたようでありますけれども、このソ連大使館への申し入れというのは、結局これは領土問題に対する認識の問題で申し入れしているわけですよね。で、水産庁としては、韓国に対してこのことを何らかの形でもう一度何か抗議をするという予定はありますかありませんか。

鶴岡俊彦水産庁長官

○政府委員(鶴岡俊彦君) 外務省では、在京大使館だけでなくて在ロシア大使館及び在韓国大使館を通じまして事実関係を照会したところでございます。その結果、韓国とロシアの間で、韓国がロシアの許可を得て北方四島に接続する水域において漁業活動を行うことが合意された模様であると、詳細はまだ明確でございませんけれどもあるということで、それにつきまして本日、御指摘のように在京大使館を通じて申し入れるとともに、韓国、ロシア双方に対して、韓国、ロシアの大使館を通じましてそれぞれの国に申し入れを行っておるわけでございます。  それは領土問題が前提ではございますけれども、北方領土の返還が問題になっておる時期にああいうことをやるのは問題である。それから、そういうこととともに、そういう許可をおろしたことにつきましても、善後措置といいますか、そういうものをきちんととってもらいたいということをあわせて申し入れをしております。  私の方でも、一昨日、東京の大使館の水産官を通じまして韓国側に具体的な対応の仕方等についての申し入れをやっておるところでございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 やはり問題の性格上、これは事と次第によってはかなり政治的な問題へと発展していくものを私は持っているのではないかというふうに思いますので、水産庁といたしましても、事を荒立てろということではございませんけれども、今後かなり重大な関心を持ってこれに向けて対処していっていただきたいことを要望いたしまして、いろいろこの問題についても御通告してございましたが、この辺で切りますのでよろしくお願いいたします。  大臣、先ほど同僚委員の方からお話しありましたように、北方水域というのは日本の漁業にとりまして非常に重要な位置にある漁場でございます。先ほど少しずつ少しずつ狭められていると、 こういう話ございましたけれども本当にそうなんですね。だから一ここを国のレベルできちっと守っていかなければ、日本のそれこそ北方漁業というものは操業する場所がなくなっちゃう、こういうことがあろうかと思います。ぜひ北海道を中心とした漁民のためにこの漁場を何とか確保していくんだということでいろいろ御配慮いただけるよう御決意をお願いします。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田名部匡省君) 今回、韓国がロシアの許可を得て北方四島で漁業活動を行うと。前々から水産庁長が何か向こうと話をしておると。どこをやるかというのがわからぬものですから、その時点で一々文句をつけるわけでもないしと思っておりましたが、日本もいろんな水域がありまして、大体日本と同じような水域、北方四島だけじゃないところもあるものですから、そういうことで私どもは伺っておったんですが、特に北方四島の周辺へ入ったということで極めて遺憾なことだと、政府として韓国、ロシアに対してその旨を本日中に申し入れるということにしておりますが、なおロシア側には外務省より午前中にロシア大使館公使に対して申し入れを行ったところであります。  水産庁も何か行動を起こせばいいと言ってみても、外交交渉は外務省にお願いしなきゃならぬ。私ども、けしからぬと、こう言ってみても、じゃ日韓漁業交渉を少し何がやるかと言っても、日本が損することばかりであって、何が得するのは一つもないものですから、交渉事に使える手だてというようなものもないものですから、いずれにしても外務省を通じて厳重に抗議をしてもらうと、こういうことです。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 大臣、さっきこの問題にも実務的にかかわられた時代があるというふうにおっしゃっていたんですけれども、二百海里水域というのは領土問題等も絡んでなかなか難しいということで、本当にこの委員会でもこういう問題はかねがねたくさん出てきているわけですよ。それで、北海道の現場の人たちからは、二百海里とは言わぬ、四十海里、五十海里、いわゆる資源保全水域というような考え方は水産庁はないんですかという、こういう話は具体的に常にあるでしょう。これはどうですか。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田名部匡省君) 先ほどもそのことの難しさを申し上げたんですが、日本では西の方が韓国の沿岸へ行っているわけですね。韓国は北海道の方に来ている。ですから、北海道から出ていけと言うと、西の方の日本の船がみんな韓国から出ていけと言われるというんで、話し合いを何回やっても国内でわあわあわあわあなって前へ一向に進まないんです。ですから、同じところを行ったり来たりしていろんならどこかで分けようという話になるんですが、利害が全然違う方へ、例えばフグ漁とかいろんなものは、下関やあっちの方の人は韓国ぎりぎりの方へ行ってとっているわけですね。北海道の人はあっちの方へ行っている人はいないんです。ところが、北海道の方には韓国が入ってくるから、今度は北海道がけしからぬと、こういって怒るわけですね。だから、北海道から出せというんで、あれはオッタートロールラインから三年後は出すということにした。船積も大きいですからね、向こうは。そういうことでやったんですけれども、そっちをびりびりやると、じゃ西の方のまき網とかなんとか全部出ていってくれよと。こうなると、今度はまき綱やフグの業界がけしからぬと、こうなるものですから、だれもこれに手をつけられずに何十年もきたと、こういう経緯がある。私が水産部会長のときに初めてテーブルにのっけてもらって、まあ細々ながら言ったから、お互いに少し下がる、北海道の方も少し押してやるということで今こうなっているわけでして、その辺はよくわかっていただいて、勝手に線を引けばいいというものでないところに私たちが苦慮しているところがございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 これちょっとした新聞を読みますと、韓国の水産庁はトロール三十三隻を何か投入するみたいな話がもう既に出ていますよね。韓国の水産庁はトロールを三十三隻北海道周辺にもう投入するんだというようなことを何か水産新聞に書いてある。そうすると、日本のはえ縄なんか私は全滅だと思いますよ。だから、こういう問題はやっぱりかなり真剣に考えないとだめだなと私はすごく思いますので、時間があればもうちょっと大きな声でいろいろ言いたいことがたくさんあるのでございますけれども、時間がないものですからこの辺にしておきます。  次に、先ほどこれも三上委員の方から恐らく出た話だと思いますが、減反面積の緩和という話について、少し意見及び質問してみたいというふうに思います。  十三万ヘクタールの話でございますが、昨年の台風とか長雨とかの被害で九一年産米の作柄が大変悪化して収穫量が大幅に減少しましたと、こういうことが前提になりまして、作付面積を少しふやしてほしいと十三万ヘクタールの問題が浮上してきているわけですけれども、報道によりますと、なかなかこの十三万ヘクタールが面的に寄せられない、集まらないというような話も私は読んでいるわけです。それでいろいろな手だてをこれからするというようなことを聞いておりますけれども、十三万ヘクタールの面積が達成可能という見通しがどうなのかが一つ。  それからもう一つは、先ほども出たと思いますけれども、これは一年こっきりだということだからなかなか手を挙げる人がいないとか現場で難しさがあるというようなこともあるようでございますけれども、この辺は先ほどポスト後期対策の話がちょっと出ていたけれども、その絡みも含めてこれはどういうお考えであるのか。  実は、減反面積をふやす、それからまた、過剰ぎみになったからさらに厳しく減反を進めるというこのアクションですけれども、これは実はとてもこれから大きな意味を持つんじゃないか。このクッションが本当に現場できくのかきかないのかということが、例えば国会決議で行われているところの国内産自給で賄いますというこういう問題、こういう問題も全部このクッションが本当に現場できくのかきかないのかで全部がかわっちゃうと思う。それはなるんでしょうかならないんでしょうがという、こういう問題が一つあると思います。  それからもう一つの課題は、いわゆる単年度需給均衡方式による需給操作、これがいいのでしょうか悪いのでしょうが。あるいはまた、百万トンというこの在庫が適切なのかどうなのがというような課題。いっぱい言いたいことあるんだけれども、例えばそのぐらいの課題を抱えてこの十三万ヘクタールをクリアするかしないかの論議は、ただ単にそれが目先でできるかできないかという課題にとどまらず、さっき言ったポスト後期対策ですか、にまで全部がかわってくる問題だと思うのです。  そとで、どんな御覚悟と方針でこういうものをなさろうとしているのか。課題が多過ぎるので、これだけの時間では余りにも過酷でありますけれども、わかるように説明していただきたいと思います。

上野博史農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(上野博史君) 大臣がお答えを申し上げる前に、最近の十三万ヘクタールの作業の状況等につきまして、まず御説明をさせていただきたいと思います。  十三万ヘクタールの転作緩和の作業は、市町村の段階まで完全に作業が終わっておりまして、さらに農家の段階に転作等目標面積の配分という形で作業を今続けているところでございます。それぞれの地域の稲作の開始の時期、これは北海道から南まで相当開きがございまして、農家の話し合いもそういう稲作作付開始の時期との関係もございまして区々でございます。北海道の方はかなりいいところまでおりておりまして、大体予定の面積はこなせるんじゃないかなという感じが出ているわけでございますけれども、西の方について見ればまだほんの作業は序の口というようなところでございまして、全国トータルでその辺の十三万ヘクタールというのがどれぐらい達成できるのかなということについて、数字的に今申し上げられ るような状況ではないということをまずお断り申し上げたいと思います。  ただ、そういう農家の段階まで踏み込んで調整作業をしておりますものですから、リアクションというのは断片的ながらわかってまいっておるわけでございまして、そういう情報をもとに概括的に申し上げますと、従来の転作の態様といたしまして保全管理でやってきたとか、あるいは地力増進作物を植えてきたとか、青刈り稲で対応してきたとか、こういうようなところについてはかなり話が進んでいるという事情にあるということでございますけれども、他方で野菜等の転作が団地的にしっかりと行われているというようなところについては、それをどうやって転作緩和をこなしていくのかというのが農家の間でもかなり難しい問題としての議論をされている。あるいは中山間地域のように担い手がどうも脆弱でなかなか営農の体制がはっきりとれないというようなところにおいては問題があるというようなことが概括的に申し上げた状況でございます。  現在、そういういろいろな事情のもとにおきまして、地方公共団体、農業団体あるいは食糧庁の出先の食糧事務所が一緒になって、鋭意転作の緩和の実現に向けて、趣旨の周知徹底であるとか調整であるとかいうことをやっている段階でございます。  今後の段取りといたしましては、農家の段階まで一応いって、もっと稲作をつくりたいというところも一方でございましょうし、それから一方では予定どおりの面積がこなせないというような事情のところも出てまいるだろうと。そういう過不足を市町村の中で、あるいは市町村を越えて県内で、あるいは県の段階のプラスマイナスを県間の調整で解決していくというようなことを通じまして、十三万ヘクタールをこなすように努力をしてまいりたい。  その一つの政策的な手だてといたしまして、地域間調整によって転作を引き受けるところに対しては、県間の調整によるものであるのであれば十アール当たり五千円、市町村間の調整であれば三千円というような奨励金の加算というのも考えておりますし、それから条件整備、今まで転作が定着をしているためになかなか稲作が入りにくいというような事情があるところについては条件整備の予算も考えて、予算審議の中でお願いをしているという事態でございますので、そういうことを使って努力してまいりたいというのが現在の状況でございます。  あと先ほどの話でちょっと申し上げておきたいと思いますのは、この十三万ヘクタールは、先ほど委員の御指摘にもございましたように、米については国内産で自給するというふうな大方針を守っていくために、やはり安定的な在庫が確保されることが必要だと、これは百万トン程度が要るんだというふうに、我々としては最低そのぐらいのものは要るんだという考えでございまして、これを来年の秋の時点、ことしの十月の時点というのは去年の米のあれでございますので三、四十万トンに減った状態になるだろうと思っているわけでございますが、来年の十月の時点ではことしめ稲作を緩和することによって達成をして、安定的な供給に遺憾なからしめるようにやりたい、それが第一義だということでやっているものだということでございます。

永田良雄自由民主党

○委員長(永田良雄君) 田名部大臣、簡潔にお願いします。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田名部匡省君) 基本的にはこの十三万ヘクタールの水田にした場合にはそのままやらせてくれという意見が非常に強いんです。強いんですけれども、私どもも極力この変動がないようにしたいと基本的には思っています。しかし、思っていますが、今後どういう状態になっていくのか。輸入してはけしからぬと言う。余って、今度は備蓄がどんどんふえて、古々米がふえる。労働者の皆さんや皆さんの御負担になって、今度は何兆円もかけてこれを処理するということになると、これもまたけしからぬと言う。まあなかなか難しいところを歩いているわけです。  したがって、潜在的に全部つくらせると相当需給のギャップがあるだけの田んぼがあるわけですから、そういう中で、今、局長お話しのように、比較的田んぼにしてもいいし、そういうのはあるわけですね。そういうものがどのぐらいあるのか、今調査を実はいたしておる。足りなくならないようにいたしたいと思っておりますが、もっとお金を出せと言う人もいる、きのう衆議院の方でやりまして。しかし、もうかるものをつくるわけですから、何でもかんでもそれは出せばいいということになると、みんなまた田んぼをやりたいと言い出すと、十三万でいいというのを二十万も集まったのではこれもまた大変になるし、いろいろと知恵を出しながら各県に分担しておりますけれども、県内でどうしても足りない、しかし青森県はやる人はちょっと少ないが北海道の方がもっとやりたいという場合は、五千円をお上げしてそっちの方に多くやってもらうとかという調整をしながら、今もう少し一生懸命やってみますので、時間をかしていただいて目的は達成するようにしたい、こう思っております。

林紀子日本共産党

○林紀子君 ドンケル最終案に基づく国内保護削減率と国別表ですが、先ほどもこれは提出する時期はよく見きわめなければならないとか、来週中には提出をするというお話もありましたが、この内容についてお聞きしたいと思います。  ドンケル最終案では、国内支持の削減は、AMSによって、いわゆる青の政策を除いて一九九三年から九九年までに二〇%削減するように求められているわけですね。どのような品目をリストに入れるのかということでは、一昨年のオファーで示した十品目に野菜、果実を加えて十二品目にするということは、これは新聞でも報道されておりますが、これでよろしいわけですね。

川合淳二農林水産省経済局長

○政府委員(川合淳二君) 基本的にはそのつもりで今作業を進めております。

林紀子日本共産党

○林紀子君 そして、このそれぞれの品目について、削減率一律二〇%ということで削減をしていくわけですか。

川合淳二農林水産省経済局長

○政府委員(川合淳二君) ダンケル案につきまして、私ども、先ほどもお話をいたしましたけれども、国内支持につきましても修正を要すべき点というものがございます。こうした点を当然のことながら我が国の主張を踏まえてやっていくことになると思っておりますが、基本的なスタートのラインは二〇%ということで考えております。

林紀子日本共産党

○林紀子君 これについては通告をしてなかったんですけれども、私もけさの新聞で見たわけですが、読売新聞のきょうの一面に、この保護削減率、米の場合は一五%に圧縮をする、そして削減額は最終年度の一九九九年で三千二百七十一億円に上る、こういう試算を農水省がまとめたということが報道されておりますが、こういう試算をして、こういうことでやっていくということなんでしょうか。

川合淳二農林水産省経済局長

○政府委員(川合淳二君) 私ちょっとその新聞、詳細に見ておりませんけれども、まだ私ども数字まで固めておりませんので、そこで言っていることは正しくないと思っております。  また、実はこの数字そのものも、取り扱いはこれからの交渉にゆだねることになっておりますので、国際的に秘扱いということになっていますものですから、詳細につきましては控えさせていただきたいと思いますが、私ども一つ考えておりますのは、これは前回もそういう立場でやりましたが、日本の生産調整をやっているというような状況、そういうふうなことも十分勘案すべきだということが一つありますことと、それからクレジットと言っております実績を認めるという主張がありますので、その辺も勘案していかなきゃいけないということは私どもも考えております。

林紀子日本共産党

○林紀子君 それから、ドンケル最終案の国内支持の項目には最小限条項というのがあるということですけれども、これはどういう内容が、簡単に説明をしていただきたいと思います。

川合淳二農林水産省経済局長

○政府委員(川合淳二君) 総産出額の五%未満の場合、いわゆるAMSの総額がですね、この場合は削減する必要がないという条項がございまし て、そのことでございます。

林紀子日本共産党

○林紀子君 我が国の農業予算というのはこの十年間におよそ二割も削減されました。これに対しまして、アメリカは一・三倍に、EGは二・四倍にも膨れ上がっております。先ほどお話がありましたが、アメリカ政府は一九九三会計年度予算教書の中で、農産物輸出補助金、EEP予算として十二億ドルを提案している、EEPの支出を急増させているわけです。こうしたアメリカやECの輸出補助金こそ貿易歪曲効果が最も著しいものだというのは先ほどの局長の御答弁にもありました。この読売新聞の報道によりますとこういうことではないということですけれども、交渉がまとまれば、九三年から順次生産者米価引き下げや、自主流通米に対する助成など稲作農家への保護政策カットを実施する、実際補助を削減していくということになりましたらこういうことになるわけだと思います。  農業というのは、食糧安全保障上も、また国土、環境の保全など多様な役割を果たしているわけですから、米の関税化は受け入れないということだけではなくて、これ以上の農業予算の削減には応ずるべきではないというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

川合淳二農林水産省経済局長

○政府委員(川合淳二君) 二つの点を申し上げたいと思います。  一つは、私どももダンケル案について問題点として修正を要すべき問題として意識していることに、一つは国内支持と輸出補助金につきましての基準年のとり方などの問題があります。これは問題意識として私ども持っております。  それからもう一つは、AMSという方式は削減の方式としてどこを削減していくかということに関してかなり自由度のある方式だろうと思っております。今具体的に挙げられましたようなところで削減していくかどうかということについてかなり自由度がある問題でございまして、私どもは国内政策をなるべく自由度を持たせて運営できるような方式であることを主張してきておりますので、そうした観点でこのAMSに基づきまして今回の国別約束表を出したいというふうに思っているところでございます。

林紀子日本共産党

○林紀子君 次に、国内支持に関してドンケル最終案は、中央政府と地方政府の両方の支持を対象にすると明記されているわけですが、地方政府、我が国の場合には都道府県に当たると思いますが、これはどのように取り扱う方針でしょうか。

川合淳二農林水産省経済局長

○政府委員(川合淳二君) 私ども、都道府県で、AMSの中でいわゆる黄色、削減対象となる政策が、具体的に言いますと価格の支持などの問題でございますが、そういう形で政策として行われ、あるいは予算措置がとられているというものは余りないのではないかという認識を今のところ持っております。あるいはなされたとしても恒常的な制度ではないのではないかというふうに思っております。  それから、この問題はもう一つ、各国の地方政府の扱いがどうなるかということと大きくかかわっておりますので、その辺は今後十分交渉の過程で見きわめていかなければいけない、そういう問題だと思っております。

林紀子日本共産党

○林紀子君 確かに、今お答えがありましたように、各国によって随分地方政府という概念が違っていると思うわけですね。また、このドンケル案によりますと、国の政策だけではなくて地方の政策も削減の対象になる。こういうことになりますと、憲法の地方自治の原則というのにも触れるおそれがあると思いますし、地方の自主的な農業振興策も規制してしまう、こういうことになってしまうのではないかと思うわけです。そして、我が国は、地方政府といいましても国の政策を補完する役割、県がそういう形をとっていると思うわけですが、オーストラリアなどは州そのものが中心的な農業保護策をとっている、こういうふうにも聞いております。各国の実情が異なっているのに、こうした状況を無視して全部一律で国内支持の削減を求める、こういうドンケル最終案はどうしても受け入れられないということをきっぱり態度で示すべきだと思いますが、最後に農水大臣の決意を伺いたいと思います。

川合淳二農林水産省経済局長

○政府委員(川合淳二君) 一つその前にちょっと言わせていただきたいんですが、こうした政策につきまして、非常に俗な言葉で言って恐縮でございますが、余りやぶ蛇にならないようにしたいと私たちば思っておりますので、そんな態度でも公に臨んでいきたいと思っております。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田名部匡省君) お話しのとおり、各国、法律も違えば行政のやり方も違う、そういう中でこれ何とか一つにしようとしてもしょせん非常に困難なんですね。  いつも申し上げますが、米、米と言ってもヨーロッパは米を売ったり買ったりは日本とは全然しないわけでありますから、それを取り上げたってどうだって関係のないことですけれども、まあ一緒だというと一緒の協議をしなきゃならぬ。それぞれ失いたくないものは違うし、そういうことでやっております。  いずれにしても、この輸出補助金は削減して残す。私の方はもう輸出補助金というのはないんですから、国境措置とかいろんなものしかない。それは全部関税化でやりなさいと、こんな不公平なルールでは試合ができないわけですから、そのことを実は今日も主張して、ここのところを直しなさい。それから、脱脂粉乳とバターを混ぜるとこれはまたミルクになります、こんなものはどっちにとるんだと、こういうこともはっきりしていない。ですから、明確化をしなさいというのは一向にできないまま今日に来ておるものですから、これからもそういうことをきちっとしながら全力を挙げて私どもの主張を訴えてまいりたい、こう思っております。

井上哲夫連合参議院

○井上哲夫君 私は、お尋ねをしょうと思っていたことを三上、刈田両委員がことごとく聞かれたようでございますが、時間内でもう少しその問題をお尋ねしてみたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。    〔委員長退席、理事北修二君着席〕  減反緩和、今回緊急一時的なものが出された。それが米の備蓄調整のクッションに正確になるかどうかというふうなことなんでしょうけれども、なるかならないかやってみないとわからない、そういうことなんでしょう。ただ、実際に、今大臣もお答えいただいて、私も聞いておったんですが、十三万ヘクタールの減反緩和について現場の声は非常にいろんな形で混乱しているということは紛れもない事実のようなんですね。  それで、この間ちょっと新聞の記事に載ったと思うんですが、本当にクッションに減反緩和が、例えば十万ヘクタールすればこれだけ備蓄が上がるとか、あるいはこうすれば安定供給のための体制は確実に把握できるというようなことは、出生率云々あるいは後継者云々、担い手云々ということを考えると大変予測の難しいことである、これはもう私どもも十分わかることでございます。  では、そうなった場合に、自由化があるかもしれないという大変な不安というか猜疑心の中に置かれている米の生産農家にとりましては、ますますこういう一年ぼっきりの緊急一時的減反緩和策でやり場のない怒りというかあるいはあきらめが蔓延していくとすれば、それも余り芳しいことではないということから、減反をしてまで米をちゃんとつくる農家には政府がきちっとしかるべき価格で買い上げることを保障して、    〔理事北修二君退席、委員長着席〕 一万どんどんつくりたい農家には、もうそれこそ過剰米になるかもしれないがどんどんつくってください、しかし政府は責任はとりませんと、こういうふうな政策も検討の中にあるやに聞いておるんですが、こういう観点からいかがなものでございましょうか、御意見を伺いたいと思います。

上野博史農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(上野博史君) 二の十三万ヘクタールの転作緩和といいますのは、先ほど刈田委員へのお答えの際に申し上げましたように、当面の安定的な在庫を確保するということのためにやっているわけでございまして、今、井上委員のお尋ねの、将来に向かって生産調整のあり方としてどう いうようなものがいいのかということと直結する話ではないというふうに考えております。  私どもの省内で十年あるいはもうちょっとその先までにらんだ基本的な政策のあり方を現在検討いたしておりますけれども、そういう過程の中で、これからの担い手のあり方等々、いろいろな条件を考えながら検討をしてまいる幾つかの事項の一つに入っているということでございますが、まだ現在の段階で先行きの、この米の需給調整の問題をどうするのがいいのか、その点についての具体的な案というのは描き切っていないという状況にあるということでございます。

井上哲夫連合参議院

○井上哲夫君 大変クッション論というのは難しいということなんですが、難しいからといってそのシミュレーションを放棄するわけにはいかない。そういう場合に、もう次のポスト後期の減反政策を出さなければならないわけですが、こういう米の生産量の、在庫量も含めてそういうものの予測、シミュレーションというものを例えば民間の専門のところに委託するとか、そういうふうな考えはあるのでございましょうか。

京谷昭夫食糧庁長官

○政府委員(京谷昭夫君) ポスト後期対策のいろいろ検討をしていく際に、先生御指摘のとおり、より長期的な米の需給についての見通し、これは変動要素が多うございまして、なかなか単一の展望というのは難しい面がありますが、それなりのシミュレーションを我々としてもやっていかなければいけないというふうに思っております。必ずしも部外の専門機関に頼まなくても、私どものスタッフである程度のものはできるというふうに思っております。  ただ、その中で、おっしゃるように長期的にいろいろな変動要素がございますけれども、短期的にはやはりより実践的に、見通しの確度の高い時期についてはこうやっていこうという実践的な目標をつくって実行していかなければいけないと思いますので、それはポスト後期の具体的な設計の中に織り込んで具体化をしていくという作業になるのではないかというふうに思っております。  その前提として現在の状況を大変大ざっぱに申し上げますと、今回の十三万ヘクタールの減反緩和の前提になりました平成三年産米の作況不良の状況によって、平成四米穀年度末、つまりことしの十月末のいわば持ち越し在庫が三十万トン程度になる。そこで、平成四年産米の生産量をふやさなければいけないということで今回の措置をとったわけでございますが、平成四年産米の作況が平年作程度でありますれば、平成五年度末、来年の十月末の在庫は大体百万トン程度になる。実は、この百万トンという持ち越し在庫水準というのは、現在進めております水田農業確立対策後期対策で設計をいたしました適正持ち越し在庫水準百万トン、これと大体照合するということで、そういう目標を立てて今回のいわゆる減反緩和をした。もちろん、ことしの作況の状況、需要の動向を見て、これをいわばスタート点としてポスト後期の具体的な設計をしていく。こういう段取りになるのではないかというふうに考えておるところでございます。

井上哲夫連合参議院

○井上哲夫君 私がお尋ねをしたいのは、非常に難しいクッションを苦労してやるということで、一年ぽっきりの緩和策を出す、あるいは云々ということで、生産農家の、あるいはその周りを取り巻く人たちの不安を拡大していくだけだということになるとすれば、その苦労を全部しょって立って果たしてやっていけるのか。そういうことを考えますと、むしろ民間会社にシミュレーションを委託するというのは、実は農水省だけで苦悶しているよりも、ある程度トライ・アンド・エラーの情報をオープンにして、そしてかえって不安を拡大させないようにしていく。だから、どんどんどんどんいろんな政策について、もう少し密室内で論議をするよりもオープンにしていただいた方がいいんじゃないかという、これはまあ書生論かもしれませんが、そういう考えを持っておりますので、最後に大臣、その点で御意見があれば、これは御通告しておりませんので大変失礼ですが、お願いをいたしたいと思います。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田名部匡省君) 難しい問題だと思うんですね。私どもこれを計画したときにも、備蓄はどの程度が適正かとかいろいろなことを検討して、まあこのあたりならよかろうということで、残ったものは減反をお願いしてきた。それも通常の気象で計算をして、こんなにひどい冷害とは実は考えなかったものですから、特に、私の青森県の県南地方はもう本当にひどい状態です。全然実が入ってないものがありまして、作況指数は九〇とか八〇とかいろいろ言いますけれども、悪いところはゼロに近い状態なんですね。  それを基準には置くわけにいかぬ。その辺が私どもの非常に苦労している点で、一体本当にどこへ在庫を持つべきかというのは、どんな計算してみても大凶作になるとそれもまた足りないということになりますし、難しい問題ではありますが、これからにつていは、ほかにシミュレーションを委託してやってもらうという御提言でありますが、まあ責任の一端はそっちの方に、そっちがやってからと、最後は結果的には農林水産省がどこにどう計算させていただこうが、おしかりを受けたり褒められるときは私どもでありますので、何としても今回の場は緊急避難的な措置で、外国から米を入れないという方針でとにかく一生懸命取り組んで、何とか目的を達成するように最大の努力をしていきたい。  米は安定的でみんなつくりたいわけです。しかし、そうは言っても、野菜団地等をぴしゃっとやったところに水田をというのは、せっかく転作をしたわけでありますから、そういうところでないところで何とか十三万ヘクタールならぬかということで今お願いをして、その集計は間もなく出てくると思いますから、それに応じてさらに調整等をして、米に不安を与えないように、こんなことはしょっちゅうあっては困りますけれども、そういうことで今やっているところでありますから、もう少し時間をおかしいただきたいと、こう思います。

永田良雄自由民主党

○委員長(永田良雄君) 本件に対する本日の質疑はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時十六分散会      —————・—————

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