内閣委員会 第2号
- 発言数
- 216 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1992/03/12
会議録
○委員長(梶原清君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る二月二十七日、会田長栄君が委員を辞任され、その補欠として喜岡淳君が選任されました。 また、去る二月二十八日、星川保松君が委員を辞任され、その補欠として磯村修君が選任されました。 —————————————
○委員長(梶原清君) 恩給法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。岩崎総務庁長官。
○国務大臣(岩崎純三君) ただいま議題となりました恩給法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 この法律案は、最近の経済情勢等にかんがみ、恩給年額及び各種加算額を増額すること等により、恩給受給者に対する処遇の適正な改善を図ろうとするものであります。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 この法律案による措置の第一点は、恩給年額の増額であります。 これは、平成三年における公務員給与の改定、消費者物価の上昇その他の諸事情を総合勘案し、恩給年額を、平成四年四月分から、三・八四%引き上げようとするものであります。 その第二点は、寡婦加算及び遺族加算の年額の増額であります。 これは、普通扶助料を受ける妻に係る寡婦加算の額を、平成四年四月分から、他の公的年金における寡婦加算の額との均衡を考慮して引き上げるとともに、遺族加算の額につきましても、戦没者遺族等に対する処遇の改善を図るため、同年四月分から、公務関係扶助料受給者に係るものにありましては十一万九千四百円に、傷病者遺族特別年金受給者に係るものにありましては七万二千八百五十円に、それぞれ引き上げようとするものであります。 このほか、傷病恩給等に係る扶養加給の増額等所要の改正を行うことといたしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要でございます。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださるようお願いを申し上げます。
○委員長(梶原清君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小川仁一君 趣旨説明朗質問というのは余りございませんから、委員長、今後お考え置きを願いたいと思います。聞いただけですぐうまい質問ができるかどうかわかりませんからよろしく。 この前は大きな声を出して失礼をいたしました。おわびを申し上げます。 そういうわけでございますから、今までの附帯決議等を含めた幾つかの問題について御質問を申し上げます。 ことし、旧日赤救護看護婦と旧陸海軍看護婦に対する慰労給付金を増額するということですが、どのような改善になっているかお知らせ願いたいと思います。
○政府委員(石倉寛治君) お答えいたします。 平成四年度におきまして、八・五%、消費者物価指数の上昇率でございますけれども、この八・五%の上昇率を勘案いたしまして、慰労給付金の引き上げを図ったところでございます。
○小川仁一君 もう少し大きい声でこれからお願いします。 それで、軍人恩給には最低保障額というのがありますね。今見ますと、年に四十七万円。一方、看護婦さんたちの最低の方は十三万円。こうなってまいりますと、ただ増額したというだけでは私は十分な処遇にはならないと思います。そもそもこれは恩給に準ずるという形でお出しになっているとすれば、なぜ慰労給付金に対して最低保障額というのがないんでしょうか、お伺いします。
○政府委員(石倉寛治君) 看護婦さんに対する慰労給付金と、それから恩給等の公的年金制度とは制度の設定の趣旨を異にしております。 どういう内容かといいますと、恩給につきましては所得を保障するということを基本に考えてつくられたものでありますけれども、私がおあずかりしております慰労給付金につきましては、女性の身でありながら大変な御苦労を戦地でなさった皆さん方に対する慰労をいたしますという、その御苦労に対するお金でございますために、制度の立て方が違うわけでございます。その点から、最低保障額というような所得の保障という考え方をとっていないわけでございます。
○小川仁一君 ここでちょっと厚生省さんにお願いします。 慰労給付金の対象としているのはそれぞれ千人程度でございますが、戦地に行かれて具体的に仕事に従事された方の数、これを日赤救護看護婦と陸海軍看護婦別に正確にお知らせ願いたいと思います。
○説明員(村瀬松雄君) 御説明いたします。旧日本赤十字社救護看護婦につきましては、昭和五十四年五月、同赤十字社作成の資料集によりますれば、二万四千七百二十四人が救護看護婦として派遣されております。このうち一万一千三百六十八人が戦地勤務に服しております。また、旧陸海軍看護婦につきましては、昭和五十五年に厚生省が実施いたしました旧陸海軍看護婦実態調査によりますれば一万一千五百三十八人でございまして、このうち五千九百六十二人が戦地の勤務に服しております。
○小川仁一君 厚生省、ありがとうございました。 それに対して総理府が慰労給付金として出しているのはどちらも千人ぐらいです。一割になりませんね。いろいろあるでしょうが、さっきの御説明を聞いていますと矛盾を感ずるんです。恩給制度に準ずるという形で物を一方で考えながら、性格が違うと、こういう言い方をするんです。性格の違うものをなぜ準じているんですか。準じられないじゃないですか、性格が違うなら。そういうその場逃れの答弁はおやめ願いたい。 それから、こういった圧倒的多数の方が慰労給付金をいただいていないという実態をお考えになるとすれば、この問題はやっぱり御苦労なさった看護婦さん、特に女性の方々でございまして、帰ってからも結婚もできなかったとかなんか大変困っている方々が多いようでございますが、官房長官、政策としてこの方々に対する何らかの慰労あるいは処遇の方法をお考えになったことが政府としてありますか。また、これからお考えになる可能性はございましょうか。
○政府委員(石倉寛治君) 制度論の前段としてちょっと答弁させていただきたいと思います。
○小川仁一君 官房長官ではない、あなたは。あなたは官房長官じゃない。
○政府委員(石倉寛治君) 基本的な説明だけさせていただけませんでしょうか。
○小川仁一君 いや、だめだ。わざわざ来ていただいている。何にも答弁しないであなたが答えたら、来た意味がないじゃないか。
○委員長(梶原清君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(梶原清君) 速記を起こしてください。 まず、石倉管理室長から答弁をさせます。
○政府委員(石倉寛治君) それでは、前段を説明させていただきます。 先ほども申し上げましたように、従軍看護婦の皆さん方というのは、いわゆる兵役のない身でありながら極めて危険な地域に派遣をされまして、そういった特殊事情等長期的な御苦労に報いるという一種の人道的な立場での予算措置で対応してまいりましたために、できるだけ恩給制度を、技術的な側面を受け入れるという形で制度を仕組んでございますけれども、そういった点で所得保障でないという点をひとつ御勘案いただいて、この点を御理解いただければと思うわけでございます。
○国務大臣(加藤紘一君) 小川先生御指摘のように、旧日赤救護看護婦及び旧陸海軍の従軍看護婦さんの問題につきましてはいろんな御議論があることを承知いたしております。 かつて、昭和五十三年にこの問題につきまして六党合意があった経緯もありまして、それに基づいて今対処いたしているところでございますけれども、いわゆる長期間の労苦に報いるために特別に講ずる処置ということでありまして、この期間の切り方というものはいろんな議論があろうかと存じます。しかし、いろいろ議論の経緯があってこの十二年ということで切らせていただいているわけでございまして、その経緯につきましてはぜひ御理解いただきたいと思っております。
○小川仁一君 今後、政府の方ではこの問題について何もお考えになるという状況は今のところないわけですか。
○国務大臣(加藤紘一君) 政府といたしましては、今のところこの問題につきましては、十二年未満の方については、いろんな御議論もあろうかと存じますし、またいわゆる軍人恩給の恩欠という問題の議論もありましたので、そういう議論がいろいろあることは承知いたしておりますけれども、今のところ十二年未満のことにつきまして、特にこの方針を変更する準備はございません。
○小川仁一君 この給付金は、今おっしゃった五十三年の与野党六党合意に基づいてできたもの。現在も支給されていますが、この予算は法律に基づかない補助金であると理解していますが、それでよろしゅうございましょうか。
○政府委員(石倉寛治君) 予算措置でやっておる制度でございます。
○小川仁一君 大蔵省にお伺いしますが、補助金は法律に基づいて支出される、これが通常の形態でございます。ところが、私がちょっと調べた限りでも、旧日赤の看護婦さんや従軍看護婦さんの慰労金と同じように予算措置で、そのときの政府の政策あるいは考え方によって出されている補助金が幾つもございますね。これは財政法にも違反しませんか。
○説明員(佐藤隆文君) 今、委員御指摘のように、補助金の中には法律に直接基づかないいわゆる予算補助というものも現実にたくさんございます。これは、実態的に補助の対象となる事務事業に着目いたしまして、各年度の予算編成において補助事業として認めておるというものでございまして、財政法にもたがうところのないものでございます。
○小川仁一君 今言われたように、行政の裁量の範囲内で政府の政策によって出される予算補助金があります。単年度限りのものもあるなどいろいろの方式はあると思いますが、このような補助金というのがどんなふうに出ているか、概略、特に日赤の看護婦さんのように継続的に出ているような例があったら二、三お示し願いたいと思います。
○説明員(佐藤隆文君) 現実に、法律に基づかない補助金でありましても、補助の対象となる事務事業が継続的に行われているというものにつきましては、結果として複数の年度にわたって連続的に予算が計上されておるという例は必ずしも珍しくないということでございます。数あるそういった補助金の中で、特別の補助金を突出して例示することはいかがかと思いますけれども、例えば公立学校あるいは私立学校の施設整備のための補助金であるとか、あるいは児童保護のための補助金であるとかといったものの中には、そういった形で、法律には基づかないけれども比較的長い間にわたって各年度続けて予算計上されておるというものがございます。
○小川仁一君 大蔵省、ありがとうございました。 ところで、同じ戦後補償という意味で台湾の元日本兵に対する弔慰金の支給が行われています。これはどのような法律で支給されているのでしょうか。
○政府委員(石倉寛治君) 弔慰金等業務室長も兼ねておりますので、私から答弁させていただきます。 元台湾出身の日本兵の皆さん方の中に、戦死をされた方、それから戦傷病で重い傷を負われたり病気をなさった方、こういう方に対しまして人道的見地から二百万円の弔慰金を差し上げるということで遺族の方にお支払いをすると。議員立法によりまして制定されたものでございます。
○小川仁一君 特定弔慰金等の支給の実施に関する法律というふうにお答えいただければよかったんです、どういう法律で出ていますかとお聞きしたのですから。わかりました。 それで、台湾の日本兵に対する弔慰金は、一方で特別の法律をつくって支給する、これは議員立法です。それから、日赤の看護婦さんや陸海軍の従軍看護婦さんは、六党合意だけれどもこれは法律をつくらないで予算補助金で出している。今こういう形になっているわけです。台湾の方々の方ば請求期限は、当時の決定によると昭和六十八年、国債の償還期限が昭和七十年三月末となっていますが、これは七年間の限定的なものですよね。限定的なものに対しては法律をつくる。日赤の看護婦さんや従軍看護婦さんの方は法律をつくらないでずっと支給し、しかも三年か四年置きには増額をしている。何か法律のつくり方がちょっとおかしいじゃないかなと素人考えがするわけでございます。 うがった考え方をすると、財政事情が悪くなったら看護婦さんたちのこの給与を打ち切っても構わない、法律がないからですよ。こういう疑問を感ずるわけですから、ぜひこれは立法化した方がいいのではないか、こういうことを考えました。あるいは立法化しなかったら、対象者が生存している限りは支給する、こういう明言がいただけますか。
○政府委員(石倉寛治君) この措置は先ほど官房長官がお話ししましたとおりでございますが、昭和五十三年の六党合意でできたということでございまして、しかも実際に給付が始まりましたのが日赤のグループが五十四年、それから陸海軍の方が五十六年、こういうことでございます。したがいまして、既にもう実績として十二年余りにもなってございますので、一つの行政実例として定着したものと、こう考えておりまして、現在のところ法制化を考えているところではございません。
○小川仁一君 もう一つの答えは。
○政府委員(石倉寛治君) これはやはり単年度予算で措置をしているという建前がございますので、毎年毎年お支払いをするということではございますが、既にもう高齢になられた方がぽつぽつ亡くなっておられるということは、最後まで面倒を見させていただいている、最後まで支給させていただいているという実態を積み重ねているわけでございます。
○小川仁一君 その最後のあたりが、積み重ねているという実態でございますと言ったって、来年の方は積み重ねるか重ねないか、はっきりしないわけですよね。 ですから、私は、まだかなりの年数がございますから、立法化するなり、そうじゃなかったら、これは政府の政策として戦後補償の一環でございますから、亡くなられるまでは支給する。これは方針で結構でございます、政策で結構でございますが、官房長官、その辺お話しいただけないでしょうか。
○国務大臣(加藤紘一君) 今、担当者から御説明申しましたように、十二年間続いておる制度でございますので、確かにそれは法制化されていない予算措置ではございますけれども、他の制度との横並びや種々の経過等から続けているものでございますので、これが近々の将来にやめられるということは行政的に考えられないと思っております。 したがって、法制化してはいませんけれども、よっぽどの事情、ちょっと考えられない事情でもない限りこの制度は続けられる、この措置は続けられると思っていただいて、常識的にいいのだろうと思っております。
○小川仁一君 予算補助金については時によって打ち切られることもあるんです、今までの例でいうと、単年度単年度の予算ですから。したがって、この方々が不安を感じて、ことし増額になるということがわかっていながらも、また陳情においでになる。こうなったら、これは多い数じゃありませんよ、千人ずつですから。それから、毎年減っておられます。こういうことを考えたら、絶対心配は要らぬという明言をするか、あるいは立法化するかということを今後考えなきゃならない問題だという形で問題を提起しておきたいと思います。 同時に、恩給欠格者の問題に入りますが、この前の当委員会でも恩給欠格者と、それからこの日赤の従軍看護婦の皆さんの慰労、弔慰金とのかかわりで、何とか恩給欠格者を考えられないかと、こういうことだけ問題を提起しておきました。その後御検討いただいていると思いますし、附帯決議でも恩給欠格者の処遇について検討するように満場の皆さんの御賛成で出ている。これはどのような検討をしておられるか、お願いします。
○政府委員(高岡完治君) 先生ただいま御指摘のように、平成元年度から附帯決議をいただいております。「恩給欠格者等の処遇について検討の上、適切な措置を講ずるよう努めること。」という当委員会からの附帯決議をいただいておるところでございますが、私どもといたしましては、この附帯決議を踏まえ、また、関係者の方々の御要望等も十分踏まえまして、平和祈念事業特別基金に設けられております運営委員会の御意見等も徴しながら、関係者の御労苦を慰藉するという趣旨から、平成元年度におきましては、内閣総理大臣の名前の書状それから銀杯の贈呈事業を始めさせていただきましたし、また、その翌年の平成二年度からは、新規慰藉事業といたしまして、懐中時計でございますとか旅行券でございますとか、全員に直しまして三万円相当のそういった品の贈呈事業を行わせていただいておるところでございます。 これにつきましては、実は銀杯につきましては、御請求をいただきましてもまだ数年お待ちいただかなければいかぬというような今状況でございますし、それから新規慰藉事業の方につきましては、かなり高齢の方でないとお渡しすることができないという、まことに御叱正をいただいておるところでございますけれども、そういう事業の進捗状況なものでございますから、私どもといたしましては、当委員会の附帯決議を十分体しながら、とりあえず当面のところは、これらの高齢者の方々を対象とする事業の速やかな進捗を図ってまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○小川仁一君 平和祈念事業が出た後も恩欠者の処遇について検討せよという附帯決議でございます。 それから、私が申し上げたのは去年ですから、やっぱり平和祈念事業が出た後です。その後にもまた恩欠者の皆さんが大勢各党にお話になられておられます。だから、あなたの言っているのは私の質問に対する正確な答弁ではないんです。私はそれを置いて聞いているんです。はっきり言ったでしょう、去年この日赤慰労給付金の問題と比較しながら検討を頼みますと言っておきましたよと。だから、検討したかしないかだけを言ってください、私が申し上げたことを。そっちの祈念事業費の方は要りません。
○政府委員(高岡完治君) 今残されております関係団体の方からの御要望といたしましては、恩欠者の方々につきましては要件緩和の問題が一番大きな問題としてあるだろうと思っております。これは、私ども総理府において検討していくことはもちろんでございますけれども、まずは直接的には平和祈念事業基金で検討していただくということで、両方で検討をさせていただいております。 具体的には、基金の中では御承知のような運営委員会というものがあるものでございますから、関係団体の方たちの御意見、それから当委員会の附帯決議、こういったものは私ども、それから基金の運営委員会等で十分検討をさせていただいておるところでございます。 形としてお示しできるような結果になっておらないことはまことに申しわけない限りではございますけれども、状況といたしましては、検討を引き続きさせていただいておるというところでございます。
○小川仁一君 形として結果のことを今お聞きしているんじゃないんです。検討していただいておりますかということをお聞きしているのでありますから。 ただ、検討する場所が祈念事業の運営委員会じゃないんです。あれは祈念事業をやるだけの運営委員会でございますから、こういう処遇問題を検討する場所でありません。その辺混乱しておられるようですから、ぜひ混乱しないようにお願いしておきます。 委員長にお願いします。 この恩欠者の問題、去年から申し上げておきましたが、軍人恩給欠格者が非常に大勢おられます。請願も毎年来ております。私と同年代の者が多いために非常に涙の出る思いで聞いております。その中には、長崎でしたか、損害賠償の裁判などを起こしたようなグループもございました。いろいろございますので、ぜひここでお考え願いたいことがあるんです。 この方々に何らかの形で報いるようなことを検討してみたい、考えてみたい。そのために、私たちこの内閣委員会に各党一ないし二名による検討委員会、こういうものを設置して、軍恩の問題、この前板垣先生がお話しになった山西省の残留軍人の補償の問題、あるいはその他含めて等々を検討する小委員会を設けていただけないでしょうか。政府の方に聞きますというと、平和祈念事業の運営委員会に任せていると。これは公益事業団体の運営委員会でありまして、こういうものを討議する性格とは違います。 ただいまここで委員長に御返事をいただくつもりはございません。どうぞひとつ理事会で御検討をお願い申し上げたい。そして、今まで何遍も積み重なってきた附帯決議の生かし方を内閣委員会の皆で考えてみようじゃないか。というのは、日赤の問題も六党協議ででき上がったという例もあります。私は、それぐらいのことを今の状況の中で考えてみることが非常に大事ではないかと思って、これは委員長にお願いをしておる次第でございます。御返事はまた後でいただきます。諮ってはいただけるでしょうな。
○委員長(梶原清君) 小川先生の御提案に対しましては、理事会に諮ります。
○小川仁一君 その次に、せっかく平和祈念事業に関する事項のことで御答弁がございましたから、続いて質問いたします。 昨年の私への答弁にあるように、銀杯や書状などは法律の第二十七条に基づいたものですが、そこには何も具体的には書いてないですね、書状とも銀杯とも。第二十七条の一項五号では、「第三条の目的を達成するために必要な業務」としか書いてない。「必要な業務」の中に銀杯、書状等が出てきたんですが、どこでどうやって銀杯が出てきたんですか。
○政府委員(高岡完治君) 銀杯だとか書状をお渡ししております法律的な根拠としては、ただいま先生御指摘のとおりでございます。 ただ、私どもこの平和祈念事業基金の発足経緯、それから国会で御審議をいただきました平和祈念事業基金法等の御審議等を通じまして、具体的にどういう慰藉事業を行うのか、これについてはとにかく各界各層の方々の御意見をお聞きすべし、こういうところであったろうと思いますし、政府としてもそのように考えて対応してきたところでございます。 その理由は、申し上げるまでもなく、今次の大戦が老若男女の別を問わず広く一般国民が戦争の惨禍を受けたということ、それからもう一つは、国民の負担においてこれらの慰藉事業が行われる、この二点を踏まえまして、とにかく国民の各界各層の方々の御意見、納得のいく結論を得るようにというのが趣旨ではなかったかと理解しておるところでございます。 そういった趣旨を受けまして、私どもといたしましては、具体的な慰藉事業としてどういうものをやればいいか。法律には、二十七条におきまして一号から四号まで、御労苦についての資料の収集でございますとか、その他もろもろのことが書かれてございます。書かれておらないのが五号のいわゆる目的達成事業と一般的に言われている事業でございますが、これはいわばげたを預けられたような形になっておるものでございますから、そこでこの基金法の中には、基金の重要事項を審議する場として運営委員会というものを設けるという規定がございます。そこで、私どもといたしましては、この運営委員会の先生方においていろいろと御議論をいただいたということでございます。 運営委員会の委員構成につきましては、これまたいろんな御意見がございましたが、結局十人ということで、いわゆる恩給欠格者としての御経験もお持ちの方、あるいはこういった問題について御見識をお持ちの方、こういった方にもお入りをいただきまして、そしてこの五号についての一般慰藉事業というのを行わせていただいたわけでございます。 それで、例えば慰労品でございますとか書状というのがこの五号の規定によって読めないかという議論ではございますが、これにつきましても、運営委員会の中には元法制局長官にもお入りをいただきまして法制的な面からも御議論を賜ったところでございますが、決して違法と言えるような状態ではなくて、むしろこれを根拠としてできるという御見解をいただいたものでございますから、私どもとしては現在のような慰藉事業を実施させていただいておるところでございます。
○小川仁一君 違法だなんて申し上げていません。違法ではなくて、この法律に基づいてだれがお決めになって、どういう経緯かということを知りたかったんです。そちらで出しておられるこういうのも私、拝見をさせていただいております。運営委員の方々のお名前もわかっております。すばらしい方々だろうと思います。 そこで、ちょっとお聞きしたいんですが、銀杯をもらえるのは兵役三年以上の人ですね。そんなことはこの法律にはどこにも書いてない。運営委員会で討議をして決められたとは思いますけれども、なぜ三年というのが出てくるんですか。三年しか行かないやつは役に立たなかったということですか。そういうふうに聞こえる場合もあり得るわけです。ですから、どういう判断でこの三年というのをお決めになったか、運営委員会の御討議の様子をお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(高岡完治君) これにつきましては、戦後処理問題懇談会でいろいろと議論をしていただいたという経緯もございます。 それで、具体的にはどういうふうにするかということで、結果としては外地勤務の経験があること、それから加算年を含めて三年以上の在職年を有する人というこの二つの縛りをかけたわけでございます。そのかけたゆえんといいましょうか、運営委員会における御議論は、先ほどもちょっと御説明申し上げましたけれども、戦争の惨禍と損害というものが一般国民に広く及んだということ、それからこの慰藉事業そのものが国民の負担において行われるものであるというこの二点を念頭に置きまして議論をされました結果、いろいろの御意見、御要望等もあったことは運営委員会において紹介をされております。 そういった今の基本的な二点を踏まえますと、具体的には現行のようなこの二要件をかけることが戦争損害の公平化といいましょうか、そういった面から国民の納得の得られるところではないだろうか。戦後処理問題懇談会の御報告におきましても「公正かつ国民の納得のいく結論を得ることを望む」という一くだりが入っておりまして、こういった観点から現行の二要件が運営委員会において決められた。決められたといいましょうか、それでよかろうというお墨つきをいただいた。 形といたしましては、基金の業務方法書という、これも基金法に根拠のあるものでございますけれども、これによって定められているところでございます。
○小川仁一君 お墨つきというのはだれからもらったんですか。
○政府委員(高岡完治君) 運営委員会の方から基金の理事長に対していただいたところでございます。それで私ども、当然総理府としては御相談を受けまして、これについて内閣総理大臣の認可がおりた、こういうことでございます。
○小川仁一君 運営委員会でいろいろお決めになっているようでございます。私たちは、運営委員会に対して、どういう話し合いでどうなったかということを、もらわない人たちは知る権利があると思うんです。 したがって、その御討議の議事録を御提出願って、それが正しいかどうか、あるいは三年以下の人たちが納得するか、こういう問題を検討してみたいと思いますから、御提出をお願いしたい。
○政府委員(高岡完治君) この運営委員会の議事につきましては、運営委員会みずからが非公開とするという申し合わせをいたしておりまして、議事録という形で御提出することはお許しをいただきたいと思います。 なお、なぜ非公開としているかというところでございますけれども、これにつきましては、いろんな関係者の方がたくさんいらっしゃる、そしてまたその方たちがお受けになりました被害の態様でございますとか程度でございますとか、そういったことがさまざまである、極めて多様な損害の実情になっておるということがございまして、恐らくいろんな御意見が出てくるであろうということが考えられるわけでございます。 そこで、私どもといたしましては、やはりいろんな立場から自由濶達な御議論をいただかないことには、この戦後処理問題懇談会の報告でも言っておりますように、公正かつ納得のいく結論というのは得にくいのではないかというふうにも考えておりましたし、運営委員会もそのあたりを考慮してみずから非公開とするという申し合わせをされたというふうに承っております。
○小川仁一君 自由闊達な論議をなされる方々を運営委員に選んでおられると思うんです。したがって、自由闊達な論議をしたやつを出されると困るというような人を選んではいないと思うんです、運営委員会に。これはいつも議事録の話が出るとそういうお話が出ますけれども、今後いろんなものをお選びになるときは、自分の意見を言ってそれを世の中に出しても恥ずかしくないというような人をお選び願わないというと秘密主義に陥る。 それから、もう一つ申し上げておきますが、そういう方々は実は問い詰められたり聞かれたりしますとどんどん話をしていますよ、運営委員会の中身を。私はその話を知らないで聞いているんじゃないんです。委員の方々お話しなさっていますよ、知っている人の場所で。そうすると、そこに誤解が出てきてはまずいと思うから議事録をお出し願いたい。もう一度運営委員の方々にお諮りを願いたい、運営委員会が秘密というふうにお決めになっているとしたら。いろんな話が伝わっていますよ。誤解を招きますからむしろお話をちゃんと出した方がよろしい、こういうふうにお諮りを願いたい。よろしゅうございますか。
○政府委員(高岡完治君) ただいま先生の御意見は、私ども基金の運営委員会の方に十分お伝えさせていただきます。 ただ、一言言わせていただきたいのでございますけれども、国民の方々の知る権利とそれから審議会が本来負っておるこういう問題についての答申といいましょうか、そういったものを出すという、その結果としての意見の公正さというものの兼ね合いで考えてみますと、例えばほかの審議会もいろいろ議事は非公開としている審議会も多々ございます。 それは、そういったほかの例も踏まえて、私ども現行のような制度になっているとは思いますが、ただ、こういう国会におきます御議論でございますとか、あるいは関係者の方々が基金なり私どもの方にお越しになりましたときには、話せる限りの範囲内のことをお話を申し上げ、誤解のないように努力をしてまいりたいと思いますし、そのような努力の必要性は基金の方にも十分伝えてまいりたいと存じます。
○小川仁一君 公正、納得というお話をなさいました。これはあなたが公正、納得だと理解することが公正、納得じゃないんだ。公正、納得というのは、例えば三年以下、なぜおれはもらえないんだ、なるほどそういう理屈かと、この人たちが納得するのが公正、納得というものですよ。言葉を適当に使い分けて自分が納得すれば公正、納得だと思っているような今の審議会のあり方というものに対しては非常な疑問を呈します。 なお、審議会審議会と言いますけれども、政府機関の非常に重要な機構のもとでもきちんと報告書を出しますよ審議会は、議事録は出さなくても。それから、かなり重要な大臣の私的機関みたいなものは出さないけれども、あとのものはみんな出していますよ。公開していますよ。何かのぼせ上がらないでくださいと理事長に言っておいてください。 それで、言っておきますが、これはあなた方が出したもの。銀杯がある。これが従軍者ですね。単杯ですね、恩欠者に。こっちはシベリアの方へくれる。何でシベリアの方が三つ重ねで恩欠者の方が。一つなんですか。そういう質問をされて困るから、私は議事録を下さいと言っている。あなたできますか、この答弁。何で恩欠者が一つの杯で、シベリアの人が三つ重ねなんだ。質問されて困っちゃったから、議事録を見て御答弁しましょうと私は申し上げたからさっきのようなことを言っているんです。したがって、やっぱり議事録を出してもらわなければ、公正、納得なる答弁ができない。
○政府委員(高岡完治君) 三つ重ねの問題につきましては、これは戦後強制抑留者すべてに出ているわけではございません。そのことは先生御案内のとおりでございます。ただ、三つ重ねがいいのか、あるいは三つ重ねがなぜ恩給欠格者の方々に出ないのか、これはいろんな御議論があるだろうと思います。ですから、これはやはりどこか皆様方の納得のしていただく線で引かざるを得ませんし、そしてその線についても今先生のお話しのような、これはおかしいじゃないかという御議論も当然あるだろうと思うんです。 私どもといたしましては、そういった御議論も十分踏まえながら、とにかく運営委員会なり基金なり、私どもの総理府の担当室におきましてやはり考えていきたいというふうには思っております。
○小川仁一君 聞かれて困るから私は聞いているんだよ、あなたへ。こんなものを出さなきゃいいんだよ。麗々しく出すから、見た人が、おれの方は杯一つだ、あっちの人は三つ重ねだと。不思議を立てるでしょうよ、同じように苦労してきたといったら。シベリアの分一つ足したっていいんだけれども、あと一つは何だなという話になっていくわけだ。 だから、まじめに審議しておられる。あなたは公正納得、公正納得でごまかしているけれども、そんなごまかしはだめですよ。議事録を出してください。運営委員会の議事録が国家の秘密事項でもあるまいし、杯二つや一つの話で秘密にしなきゃならないという話はない。これは官房長官の御意見と総務庁長官の御意見を、こういう問題のことについて、三つ重ねの問題じゃありませんよ。議事録の公開が本当にだめなものかどうか、政府関係者からのお考えがありましたらお聞きしたいと思います。
○国務大臣(加藤紘一君) 御議論をいろいろ今お伺いいたしましたけれども、この問題はいろんな運動の経緯がございます。戦後未処理の問題につきまして、シベリア抑留、在外財産、それからいわゆる恩欠、この間でいろんな運動があり、いろんな経緯があった中で、いろんなことが決まっていくわけでございますけれども、そういう中で、今後の運営をどういうふうにしたら、それぞれの人々の心情をある程度まで納得してもらえるかということを含めて運営委員会で議論されているのだろうと思います。 それで、運営委員会の人選につきましても、かなり長い経緯があった中で決まっていったことも存じておりますけれども、そこの運営委員会の中で本当に率直にどうしたらみんな、限られた予算措置、限られた財源の中で基金の気持ち、国の気持ち、また広く国民の気持ちが伝わるかを率直に議論し合っていることだろうと思います。 ですから、議事録を公開した方がより綿密な国民の納得がいけるような方向になるのか、それともある程度公開はしないという中で率直に話し合った方がコンセンサスというものがとりやすくなるのか、それはなかなか難しい議論ではないかなと思います。今審議官申しましたように、小川先生の意向を運営委員会の方に伝えるということでここは御納得いただけないか、また、運営委員会の中でその公開問題については議論してもらうということでいかがかと存じております。
○小川仁一君 いろいろ私も、ずっとシベリア問題にも在外引揚者の問題にもかかわってきましたから経過は知っているつもりであります。それぞれの御配慮がそれぞれの方にいっていることもわかっております。 ただ、問題は、恩欠者で言えば三年未満の人です。もちろん恩給法でもはねられております。銀杯や書状でもはねられております。これは二重の差別です。やっぱりこの人たちはかなりの人数いるんです。なぜおれたちには来ないんですかと。そして、これを見せられては、一つ重ねの杯かというふうなことも考えながら。納得というのは不満を持つ人の納得ですよ、十人ばかり集まった運営委員の納得じゃありませんよ。その納得の仕方の場所を変えてくださいよ。今、年齢的に言いますと、もう何年もない人たちですよ、こんなことを言うと大変失礼ですけれども、私の同年を含めて、何十年なんて生きる人はいないんです。その人たちが不満を持って死んでいくということを考えてみたら、せめて今からでも運営委員会で三年未満の方々にも銀杯を出すとか、あるいはそれがだめだったらぜひ議事録を見せていただいて、こういう討論でだめだったんだということを理解させてやるということが非常に大事じゃないでしょうか。 自民党さんでも、例えば私と同じ県の小沢一郎さんが幹事長をしているころは、はっきりと意見書を出しておりますよね。当時の総務会長やその他の皆さんとともに、平和祈念事業特別基金に対する出資枠を現行の二百億から四百億に拡大する、こういったような意見を出している。書状・銀杯事業に加え、基金果実に対する新規の恩欠者慰藉事業を開始する。事業の内容は、基金の運営委員会で検討するものとし、政府はその結果を尊重する。こういって自民党の方も言っていらっしゃる。ここまでみんなが配慮しているんだったら隠す必要はないと思います。 この問題は、出す出さないは時間がありませんからこれ以上言いませんけれども、こういう問題も含めてやっぱり検討委員会として、先ほどお願いした検討委員会をぜひおやり願いたいということを委員長に重ねてお願いを申し上げておきます。 次に、時間も迫ってまいりましたから週休二日制問題に入らせていただきます。 この実施については、何か明日閣議決定がされるというふうにうわさされておりますが、法律案はいつごろ国会に出されるでしょうか。
○国務大臣(岩崎純三君) 国家公務員の完全週休二日制につきましては、昨年の八月、人事院勧告を受けました。これを踏まえまして検討をいたしました結果、昨年十二月、平成四年度のできるだけ早い機会に実施をすることという閣議の決定をいたしたところでございます。この方針に沿いまして完全週休二日制を速やかに実施できますよう法案を作成いたし、早く国会に御提出を申し上げていきたい、こう考えておるところでございます。 ただ、実施時期につきましては、国会における法案審議、また広報の準備、さらには国民に対する周知期間等々がございまして、こうした一連の段階を経なければなりません。したがって、現在の段階におきましてはいつから実施するのか確定的なことを申し上げる残念ながら状況にはない、こういったことでございます。 総務庁といたしましては、閣議決定に基づきまして平成四年度のできるだけ早い時期に実施できまするよう最善の努力をいたしてまいりたい、かように考えております。
○小川仁一君 何か、実施時期を政令で決められるというようなお話も承っておりますが、それで各省庁ごとに実施時期が変わるような状況はございませんでしょうな。
○政府委員(山田馨司君) ただいまのお話に出ました昨年十二月二十七日の閣議決定におきましては、原則としてすべての職種を一体として完全週休二日制を実施することが適当であるという判断に基づいて閣議決定がされておりまして、現在この趣旨に沿って法案の準備をしておるところでございまして、職種によって実施時期に差をつけるというようなことは今のところ考えておりません。
○小川仁一君 省庁ごとに差がないということを聞いて安心をいたしました。 この週休二日制の法律、これも人事院勧告を含めた基本的原則は公務員が対象になっておりまして、土曜休日、週四十時間勤務、これが原則ですね。
○政府委員(山田馨司君) そのとおりでございます。
○小川仁一君 土曜日出勤させて後からまとめどりをするというふうな方式は考えておられませんね。土曜日に出勤させて後からまとめて三日分とか四日分とるというような方式は考えていませんね。
○政府委員(山田馨司君) 代休制度というのがございまして、日曜日などに出勤した場合に、別の日に休むという制度はございますけれども、完全週休二日制の関係で、土曜日に休まないかわりにまとめどりするということにつきましては、現在文部省におきましては学校の先生、そういった場合についてあるようでございますけれども、一般のいわゆる官報勤務と言っておりますけれども、普通の何といいますか、交代制勤務でないようなそういう職場についてはそういうことは考えておりません。
○小川仁一君 学校の先生というのは公務員じゃありませんか。
○政府委員(山田馨司君) 学校の先生につきましては現在……
○小川仁一君 いや、公務員であるかどうかを聞いているだけです。
○政府委員(山田馨司君) もちろん公務員でございます。
○小川仁一君 公務員だね。
○政府委員(山田馨司君) 公立学校の先生は公務員でございます、国立と公立はですね。
○小川仁一君 すると、先ほど申し上げた原則は適用になりますね。
○政府委員(山田馨司君) 学校の教員につきましては、学校週五日制の検討との関係で、土曜日に学校を休むことについてまだ議論がされている段階でございまして、これがはっきり決まりましてから教員の勤務時間をどうするかということが決まってくるというふうに考えております。
○小川仁一君 省庁別に差がないとさっきおっしゃいましたのは、うそでございますね。
○政府委員(山田馨司君) 原則として、月曜日から金曜日までの間に勤務時間を割り振るということと、そうでない場合についても、一週間の勤務時間を都合四十時間にするということについて例外がないということでございます。 厳密に申し上げますと、船員等について若干の例外もあるわけですけれども、そういう特別な場合を除けば、一般的に言えば原則として月曜から金曜までの勤務、そうでない場合、交代制等の職員についても週四十時間勤務制になる、こういうことでございます。
○小川仁一君 そういう変則勤務の場合の代償措置とか、あるいは何かの方式を別途考えるんですか。
○政府委員(山田馨司君) それは特に考えておりません。 今の週四十時間も、職種によって一番長い期間でいえば、一年間を平均すれば一般の公務員と同じように週四十時間勤務になっているということで、公務員の間の公平が保たれるというふうに考えております。
○小川仁一君 では、いろいろ面倒なようですから、法律が出てからじっくりやりましょう。人事院の勧告、原則、公務員対象、そういうことをきっちりお考えになってやらないと、例えば学校では、事務系の職員は土曜日休み、もしかしてあなたがさっきおっしゃっているような形だと、教員だけが出てくるとかいろいろ矛盾が出ますから、その辺はきっちり配慮して実行するようにお願いをしておきます。 以上で終わります。
○委員長(梶原清君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、小川仁一君が委員を辞任され、その補欠として篠崎年子君が選任されました。
○翫正敏君 法案の内容に入ります前に、国政調査に関します私の資料要求について外務省の方に確かめておきたい点が二点ございます。 まず一点目は、三月三日に外務省の情報調査局情報課発行になる国際関係情報、二月四日から三月三日分のリストの一覧表の資料提出を要求しましたが、今日まで回答がありませんので、ここで御回答願います。
○説明員(吉原修君) お答えいたします。 国際関係情報は、国際情勢に関する外務省の情報を取りまとめた資料の一部を、外部の方々の御参考に供するため試験的に提供してきたものでございます。今回は、昨年八月のソ連情勢の急変をきっかけといたしまして提供を始めましたけれども、現在情勢が一段落したこともございまして、今後どのような形で実施していくかについて検討中でございます。したがって、これまでの情報提供はあくまで試行ということで行ってきたものでございまして、御要望の資料提出については、恐縮でございますが、差し控えさせていただきたいと思っております。
○翫正敏君 リストの一覧表を提出していただいて、それを見て読みたい資料を再度資料要求すると、そういうことでお願いしてきたはずなんですが、題名を書いたリストの一覧表提出もできないということですか。それとも、この国際関係情報という資料は今後出さないかもしれないということですか。
○説明員(吉原修君) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、今回、昨年の八月から始めました情報提供につきましては、ソ連情勢の急変というのがきっかけでございました。こり情勢については一段落しつつあるということもあって、今後どのような形で実施していくかについて検討を進めているところでございます。
○翫正敏君 もう一点資料要求して回答が得られないのがありますが、ことしになりましてから、アメリカの国防総省が湾岸戦争の戦費の内訳というものを発表したということであります。これは外務省が当然重要な資料ですから入手をしているはずなので、その提出方を一カ月以上求めてきているところでありますが、今日まで回答がありませんので、ここで御回答願います。
○説明員(田中信明君) 先生ただいま御指摘の資料は、一九九一年ペルシャ湾岸紛争補正格限等法に基づいて、米国の行政府が議会に対して提出した報告書のことと思われます。もちろん外務省としては同報告書を入手しておりますが、この報告書の性格でございますが、米国の行政府が議会に対して提出した、こういう性格のものでございますので、これまで外務省から資料として提出することを差し控えさせていただいたものでございます。
○翫正敏君 湾岸戦争に関しましては、日本からも増税をして費用の支出がなされているところであります。私どもは反対をいたしましたけれども、通って支出をされました。そういう意味で、国民もこれはどのように使われたのか関心があるし、知る権利があると思います。 国会議員としては、その資料を読んで、今後の国政調査に、そして質疑にそれを生かさなければならない重要な資料でありますので、ぜひ提出をしていただきたいんですけれども、再度お願いをしますが、いかがですか。
○説明員(田中信明君) 私ども湾岸の平和回復活動にかかわる経費につきましては、GCC基金、湾岸平和基金というのがございますが、ここからしかるべき段階で報告が来るような形になっております。その報告を踏まえまして、国会の方に対してきちっとした形で御報告申し上げる、こういう仕組みになっておりまして、その旨ずっと御説明してきているところでございます。
○翫正敏君 では、その機会が参りましたら提出をしていただきたいと思います。 恩給法について質問をいたします。 まず、一九二三年、大正十二年に行われました恩給法が一九四六年、昭和二十一年に一たん停止をされたわけでありますが、この停止をされるまでの恩給法におきましては、当然支給対象者に朝鮮半島など当時の植民地の人たちが含まれていたと考えられるのですが、そうでしょうか。
○政府委員(新野博君) 日本の公務員として勤務しておりました日本国籍を持つ方々につきましては、当然のことながら、そのおっしゃいます大正十二年の法律が適用されておった時期というのは平和条約の発効までの間ということでございます。
○翫正敏君 一九四五年にGHQの覚書が出されて恩給は一時停止をされたわけでありますけれども、この覚書の内容をちょっとかいつまんで見てみますと、「現在の惨惰たる窮境をもたらした最大の責任者たる軍国主義者が、他の犠牲において極めて特権的な取り扱いを受けるがごとき制度は廃止されなければならない」などと書いてありまして、また、「誤解のないように力説するが、私は、老人、寡婦、孤児から生活の資を奪うといっているのではない。ただ、軍人であったから、あるいは軍人の遺族であるがために、一般国民中困窮している人たちと比べて差別的に優遇される制度を排除するだけのことである」、このような指摘が覚書の内容の中心的部分だと思われますけれども、私も家族が戦死しておりますので、以前家庭として恩給をもらっておりましたけれども、このGHQの覚書の内容を受けて、恩給が一時停止になったということについて、当時のことを振り返られて、総務庁長官は今どのようなお考えをお持ちでしょうか、お聞かせください、
○国務大臣(岩崎純三君) 終戦直後の我が国のあの当時の現況、それからまさにGHQの施政権下にあった、こうした状況の中で、今、先生からお話のございましたGHQの覚書に基づきまして、旧軍人にかかわる恩給を原則として停止せざるを得なかった。そうした状況は当時の為政者にとりましてはやむを得なかった措置ではなかろうか。GHQオンリーという我が国の状況をかんがみれば、まさにやむを得ない選択ではなかったか、このように考えております。
○翫正敏君 それで、また恩給法が復活をするわけでありますけれども、その復活のとき、一九五二年、昭和二十七年のサンフランシスコ条約によって、朝鮮半島など旧植民地出身者の人たちはこの条約によって日本国籍を失いまして、そして在日の外国人として日本に住み続ける人たちが大勢出られたわけでありますが、この人たちが恩給法の支給対象者から除外されることになったと、こういう事実認識でよろしいでしょうか。
○政府委員(新野博君) 恩給法の第九条にいわゆる国籍要件というのがございますが、これは、実は大正十二年の恩給法の制定以来今日に至るまで、恩給制度の基本的な約束事の一つとなっているところでございます。このように、日本国籍の保持を恩給受給権の付与及び存続の要件としておりますのは、公務員と国との特殊な関係に立脚した公務員年金制度であるという恩給の沿革ないし性格に由来するものであるということでございます。 先ほど先生お尋ねの、日本軍人として勤務した朝鮮あるいは台湾の出身者の恩給法上の取り扱いでございますけれども、日本国籍を有していた限りにおいては一般の日本人と同じ扱いをしておったわけでございますが、昭和二十七年のサンフランシスコ平和条約の発効によりまして、朝鮮及び台湾が日本の領土から分離をされた次第でございまして、これに伴いましてこれらの方々は日本の国籍を喪失したということでございます。それで、先ほど御説明しました恩給を受ける権利、いわゆる国籍条項によりまして、国籍を失いたるときは恩給の権利が消滅をするということで、その措置をとったわけでございまして、これは先ほども御説明しましたように、恩給制度の基本的性格からきておるものでございまして、やむを得ないものと考えておる次第でございます。
○翫正敏君 国際人権規約B規約の二十六条について外務省に見解をお尋ねしたいのですが、ちょっと読みますが、 すべての者は、法律の前に平等であり、いかな る差別もなしに法律による平等の保護を受ける 権利を有する。このため、法律は、あらゆる差 別を禁止し及び人種、皮膚の色、性、言語、宗 教、政治的意見その他の意見、国民的若しくは 社会的出身、財産、出生又は他の地位等のいか なる理由による差別に対しても平等のかつ効果 的な保護をすべての者に保障する。国際人権規約B規約、市民的及び政治的権利に関する国際規約第二十六条でありますが、この規約の精神に立って考えてみますと、私は在日の外国人の人たちに対しても恩給は支給されるべきである、このような認識を持っているものであります。 まず一点聞きますけれども、一九八九年の四月の三日に国連の規約人権委員会は、イブラヒム・ゲイエほか七百四十二名のフランス陸軍のセネガル人退役軍人が、この規約二十六条違反であるとしてフランスを訴えた件について見解を採択しました。フランスにおいて、フランス人であれセネガル人であれ、フランス陸軍の退役軍人は、かつては年金が平等に支給されており、一九六〇年のセネガル独立後も変更はなかったのに、一九七四年十二月の立法でセネガル人を別異に扱うことが決められてしまった。二十六条において、国籍は「他の地位」に該当するものであるが、規約人権委員会は次のような見解を出している。「年金は国籍の故に支給されるのではなく過去においてなされた軍務の故にセネガル人の退役軍人に支給されるものであるという点である」、「フランス人と同じ条件でフランス陸軍での軍務に服してきた」、したがって、「セネガルの独立後はフランス国籍でなくセネガル国籍となったが、その後も十四年間は年金に関しフランス人と同様に扱われてきた。国籍の変更はそれ自体異別の取扱いを正当化する根拠とはなり得ない。何故ならば年金支給の根拠は軍務を提供したことにあるのであり、セネガル人フランス人も提供した軍務は同じであるからである」、このような内容の国連の規約人権委員会のものが出ているわけですが、これについて外務省の方から見解をお述べ願います。
○説明員(吉澤裕君) ただいま御質問ございました国連のB規約人権委員会がフランスのセネガル人の年金問題について示した判断でございますけれども、これは国連文書、具体的には市民的及び政治的権利に関する国際規約、B規約と言っておりますけれども、第四十五条に基づきまして国連総会に提出されましたB規約人権委員会の八九年の年次報告書によりますと、概要は今先生から御指摘がありましたような内容でございまして、フランス政府は一九七四年の法律により一九七五年以降セネガル人に対する年金の水準を凍結いたしました。一九八五年十月十二日に、セネガル独立前にフランス軍に従軍した七百四十三名のセネガル国籍の退役兵士が、フランス政府がフランス人と異なる扱いをしたのはB規約第二十六条に対する差別であるといたしまして、B規約人権委員会に通報の手続きをとったものでございます。 それで、八九年の四月三日にB規約人権委員会が、フランスはB規約の第二条に基づきまして、救済のための効果的措置をとる義務を負うという判断を示したわけでございまして、B規約人権委員会は、その際にセネガルの独立によって兵士の国籍がフランスからセネガルに変わったこと、アフリカ諸国にいる退役兵士やその家族をフランス当局が確認するのは困難であるということ、それからフランスと旧植民地とでは経済的、財政的、社会的状況が異なると、こういったようなフランス政府の主張を検討した上で、本件のケースでは、これらを理由として扱いに差異を設けることは、合理的かつ客観的な基準に基づくものとは言えないといたしまして、B規約第二十六条に禁止する差別を構成するという判断を下したものというふうに承知いたしております。
○翫正敏君 この件について、総務庁はどのようにお考えになられますか。
○政府委員(新野博君) B規約の二十六条の、法律の前に平等であるということにつきましては、合理的かつ客観的な差を設けるということを必ずしも排除するものではないというのが国際社会の解釈であると聞いております。 ところで、恩給制度におきまして、日本国籍の保持を恩給権の付与及び存続の要件にしておりますのは、先ほども申し上げましたように、公務員と国との特殊な関係に立脚した公務員年金制度であるという恩給の沿革ないし性格に由来するものでありまして、それ自体合理性を持つものであると考えているところであります。
○翫正敏君 アメリカ、イギリス、フランス、イタリア、ドイツの欧米各国の軍人に対する年金支給の実情でありますが、この各国においては、自国民に対する取り扱いとの差異、フランス及び西ドイツが外国人元兵士等に対し支給している年金等の金額、種類は、自国民に対して支給しているものよりも少なく、取り扱い上差異はある。また、米国が第二次大戦中のフィリピン連邦政府軍構成員及びフィリピン偵察部隊に対して支給している年金等の金額、種類も自国民に対し支給しているものよりも少ない。つまり、フランスのこの問題につきましては、金額の差異があるということで訴えが起こされているわけでございますけれども、しかし、欧米の今言いましたアメリカ、イギリス、フランス、イタリア、ドイツなどにおきましては、すべて国籍の有無を問わず兵役に服した軍人に対して年金または一時金が支給されているところであります。この事実関係は外務省として確認できますでしょうか。
○説明員(吉澤裕君) 突然のお尋ねでございますので、今の点につきましては外務省として今お答えできませんけれども、また、追って必要があれば確認してお答えするようにいたしたいと思います。
○翫正敏君 これは、外務省がつくった資料を私が読んだので間違いないのであります。外務省の方で一九八二年、昭和五十七年に作成をされました資料にそのように書いてございます。 総務庁の方にお聞きをしますが、このような実情なのでありますけれども、我が国は違うということなんですが、いかがなものでしょうか。
○政府委員(新野博君) これは、繰り返しの御説明になって恐縮でございますけれども、恩給というのは、公務員が相当年限忠実に勤務して退職した場合、また公務による傷病のために退職した場合、または公務のために死亡した場合におきまして、国が公務員との特殊な関係に基づきまして、使用者として、公務員またはその遺族に給付するものでございまして、国家補償的性格を有する年金制度であると意義づけておるところでございます。 そういうような意味合いにおきまして、この特殊な関係に基づいて、日本国籍というものが大正十二年の法制定以来基本的な約束ごととして定められておるものでございまして、そうした形の運用というものについては合理的な理由があるものであるという理解をいたしております。
○翫正敏君 岩崎総務庁長官に、大臣として、今ほど私が幾つか挙げました例に基づいて、どのようにお考えか、率直にお述べをいただきたいと思います。
○国務大臣(岩崎純三君) ただいま局長から答弁のございましたとおり、我が国の法律としてはそのように規定されております。 国籍を失ったときには恩給を受給するその権利を失権する、それが法の根底にあるわけでございますので、ただいま翫先生、アメリカ、フランス、イギリス等々の例を引かれまして、日本とは大分遣うんじゃなかろうか。外務省からその詳細について答弁をいただいておりませんから詳しく承知することはできませんけれども、ただ、我が国の法律としては、恩給の原点がそこにある、国籍の有無いかんにあると、こういうことでございますので、国籍を失ったときには恩給の受給権が失効する。残念ながらそうした状況にあると申し上げざるを得ないところでございます。
○翫正敏君 法律がそうなっているので、残念だけど仕方がないのだというようなことをお聞きしたかったのではなくて、国連の規約、また欧米諸外国の実情、実例、こういうものに照らして考えてみた場合に、我が国だけが国際社会の中で恥ずかしい処置であってはいけないと、こういうようなことで、この法律の内容、支給の実情がよくないのではないか、こういうことについて御見解を承っているわけであります。 法律のとおりに支給されているのは当然のことであって、その法律がよくないのではないか、それをどう思うかというふうにお聞きをしているところです。もう一度お答えください、大臣。
○国務大臣(岩崎純三君) まず事務局から。
○政府委員(新野博君) 外国の法制につきましては、外務省の方から詳しく私たちも勉強せねばいけないわけですけれども、例えばこれらの外国では、いわば外交交渉の形の条約などの中で、そういう措置をとることを取り決めるものもあると聞いておりますし、また日本の恩給法に当たるものと、その他特殊な法律等でいろいろ手当てをしていることもあるようでございます。 いずれにいたしましても、我が国の場合、恩給法というのは、まさに一定の身分を有する公務員について、厳しい資格のもとに大正十二年の法制以来動かしてきておるものでございまして、いわばそうした公務員と国との特殊な関係というものに基づいた法律、制度として一貫性を持ったものとしてきておるわけでございますので、重ねてのお尋ねで恐縮でございますけれども、やはり現在の姿が合理性を持つものであるという考えをいたしておるところでございます。
○国務大臣(岩崎純三君) 私の浅い知識でございますけれども、外国における例をただいま先生引かれました先進国は、民主主義の分野においても、人権の面においても、もろもろの分野でその基本的人権の尊重というものは、歴史的な過程から考えましても、日本と比べまして一歩前進しておった国々である。戦後、日本は戦いに敗れはしたものの民主主義をかち取ることができた。そして、人権に対する尊重の高揚も高まってきた。そういった中で考えますると、先生から御指摘のあった問題等について考えてみなければならない課題である、そのように思うところでございますが、さらに厳しく申し上げますると、法治国家における我が国では、最終的にはその法に従わざるを得ない、こう申し上げるところでございます。
○翫正敏君 国連の条約を我が国が批准、一般論ですけれども、批准した場合には、その内容に従って国内法を改正する、そういうふうにしなければならないのではありませんか。
○説明員(吉澤裕君) 我が国におきましては、条約に加入いたします場合には、その義務が履行できますように必要があれば国内法の改正等、あるいは立法等の手当てをするということをしてきておりまして、一般論といたしましては先生御指摘のとおりでございます。 人権規約の第二十六条につきましては、先ほど総務庁の方からもお答えがございましたとおり、この条項は不合理な差異を設けることまでを禁ずるものではなくて、合理的な差異を設けることを排除しているのではないというように私ども考えております。
○翫正敏君 総務庁の出しております社会保障年報によりますと、恩給とか戦争犠牲者の援護立法などは広い意味では社会保障の枠の中に分類されていると思いますが、そう理解してよろしいでしょうか。
○政府委員(新野博君) 恩給の意義、性格の問題でございますけれども、恩給の意義、性格につきましては、先ほども御説明申し上げましたように、公務員が相当年限忠実に勤務して退職いたしました場合、また公務による傷病のために退職いたしました場合、または公務のために死亡した場合におきまして、国が公務員との特殊な関係に基づきまして、使用者として公務員またはその遺族に給付するものでございまして、公務員の退職または死亡後における生活の支えとなるものでありまして、すなわち、国家補償的性格を有する年金制度であると理解しておるところでございます。
○翫正敏君 別の例を挙げて、さらに国籍条項の不当性をただしたいと思うんですけれども、実は、日本弁護士連合会からの勧告というものが平成三年五月八日に出されております。内閣総理大臣あてでございますが、具体的には陳情処理の係の方で対応されたとは思いますが、この日弁連から内閣総理大臣あての勧告を見ますと、「平和祈念事業特別基金等に関する法律第四十三条及び第四十四条の規定する戦後強制抑留者」、シベリア抑留者のことでありますが、「又はその遺族に対する慰労品の贈呈及び慰労金の支給について、日本国籍をかつて保有し、かつ引き続き日本に在住する旧植民地出身者に対しても、その適用がなされるよう運用を行い、必要な立法措置もこうじられたい。」、このような勧告がなされておりますが、これをどのように総務庁として受けとめられたかお答えください。
○政府委員(高岡完治君) 先生ただいま御指摘の、日本弁護士連合会の会長から内閣総理大臣あての勧告書を確かに私ども受け取っております。この勧告を受けまして、私ども特にこの平和祈念事業基金の関係で検討をさせていただいておるわけでございますけれども、この四十四条の戦後強制抑留者の関係につきまして国籍条項を設けておりますのは、これは平和祈念事業を行うに至るまでのいろいろな経緯、戦後処理問題懇談会から始まりますいろいろの経緯、それからそれに先立ちます援護法等もろもろの戦後処理制度、こういったものの歩みといいましょうか、そういうものを念頭に置きながら考えて岩だわけでございます。 御承知のように、私どものこの平和祈念事業基金というのは、いわば一番最後に走り始めた制度でございます。先輩のいろんな先行いたします制度とのバランスといったものを考えたわけでございまして、その考えたゆえんは、これも先ほど来からたびたび御答弁申し上げておりますように、国民がひとしく戦争の惨禍というものは受けたところであるということ。それから第二点は、それがまた国民の負担において行われるものである。そのためにはやはり国民の皆様方の御納得をいただけるような内容にしなければならぬ。 そういった二点を踏まえて考えてみますと、やはりその他の制度でいろいろ設けておられます制度の内容と余りバランスのとれないことをするというわけにもいかないだろう。私どもの制度は発足いたしました時点におきましては、援護法、恩給法等それなりにいろいろと国籍条項を決めておられますそれなりの事情といいましょうか、理由というのはあるわけでございますけれども、一般の国民の方々にそういった制度が相当なじんできておる。戦後数十年にわたってそういう制度がなじんできているという、その事実の重みというものも考えてみると、一番最後に走り出す私ども平和祈念事業基金においては、その制度を一つの手がかりとして対象を決めさせていただくというのがいいのではないかということで、四十四条に御案内のような国籍条項が入っておるような次第でございます。
○翫正敏君 一番古い法律である恩給法において国籍条項でもらえないようになっているのに、後発の一番最後の平和祈念事業特別基金の方がそれを飛び越えて出すと、こういうわけにはいかないと、大体このような趣旨のお答えだったと思うんですけれども、しかし後からであろうと古いものであろうと、いずれにせよ、同じように日本の旧軍人として仕事をされた人たちに対するさまざまな慰労や慰藉、こういうものをあらわすときにはそのような国籍によって差別をするということがあってはいけないのではないか。これは欧米諸外国においては、先ほど申しましたように差異がつけられている国もある。全く同一の国もございます。その差異がつけられている国について裁判などが行われたりして、何とかしなければならないのではないか、いやこの差異は合理的であるというような、そういう議論のレベルになっているわけであります。 ところが、我が国においては差異ではなくてゼロと、全く切り捨てられているわけでありまして、これは先ほど恩給局長の方から再三、差別ではなくて合理的な、これは何と言われましたか、範囲であると、許されている合理的な範囲であると、こういうお答えを繰り返しいただいておるわけですけれども、私は在日外国人に対する重大な差別なのではないか、こう思うのですが、もう一度、国際社会の中で名誉ある地位を占めなければならない我が国にあって、このようなことでいいのかという視点に立って、もう一度恩給支給の責任者である総務庁長官、大臣の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(岩崎純三君) 局長から再三にわたって、我が国恩給制度の仕組み等々についてお話を申し上げたところでございますが、他の諸外国の例を引かれ、我が国として現行恩給制度について見直すべきではなかろうかという先生の御提言ではございますけれども、基本的に国籍を失った者は恩給の受給権が失格するという法が根底にあるわけでございまして、現在のところその仕組みを直す考え方には至っておりませんし、また、もしそのようなことになりますると、波及するもろもろの問題、そしてまた外国にもバランスのとれているところもある、アンバランスなところもあるということでございますが、線引きの難しさ等々もこざいまして大変な問題であろうと考えており、現行におきましては国籍を失いたる者、この者につきましては恩給の受給権が失効するという答弁を超えるわけにはまいりませんので、御理解をいただきたい、かように思います。
○翫正敏君 他のもろもろの法との整合性云々というようなことにつきまして、これから幾つか具体例を挙げて、この国籍条項の不当性を指摘したいと思いますが、まず、日本国憲法十四条には、「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」、こう書かれております。憲法十四条は在日外国人に対する法のもとの平等について、日本国民と同様、平等な権利を保障しているものと考えるものですが、そう理解してよろしいでしょうか、
○政府委員(新野博君) 憲法の解釈そのものを私がするわけにはまいりませんけれども、すべての国民は法のもとに平等という場合につきまして、これも絶対的な平等を保障したものではございませんで、合理的な理由のない差別を禁止したものというふうな理解ができるところでございまして、この場合にも事柄の性質に応じまして、合理的と認められる差別的な取り扱いということをこの憲法の条項が禁ずるものではないというふうに理解をいたしておるところでございます。
○翫正敏君 この憲法十四条と恩給法九条一項三号の国籍条項とは真っ向から衝突するものであると私は考えるものであります。したがって、憲法に従って恩給法の国籍条項は削除すべきである、このように考えているということをまず一点申し上げておきたいと思います。 次に、一九八二年、昭和五十七年に国連難民条約を我が国は批准をしました。そして、その後国民年金につきましては在日外国人にも支給されることになりました。 これは、事実関係などについて厚生省の方にまず確かめたいのでお願いをいたしますが、日本が一九八二年に難民条約を批准したことに伴い、同条約の求める社会保障についての内国民待遇ということによって国民年金その他の社会保障が在日外国人にも適用されることになってきた、この間の経緯を御説明願いたいんですが、まず第一には、なぜ国籍条項というものがあったのか、そして、なぜこの条項を削除することになったのか、この二点について説明してください。
○説明員(澤村宏君) ただいま難民条約の批准に際して国民年金法等、社会保障関係の国籍条項につきまして、それがもともとなぜ存在したのか、またなぜ廃止したのかというお尋ねでございますが、国民年金法等につきましては、ある程度長期的な所得保障を担う社会保障制度として創設されたこと等にかんがみまして、日本国民のみが適用の対象とされていたところでございます。難民条約の加入に際しまして、必要な国内法上の手当てについて外務省を中心として検討が行われました結果、留保なく加入するためには同条約第二十四条に定める社会保障に関する内国民待遇を実現する必要がありまして、また、他の外国人とのバランスも考慮する必要があったことから国民年金法等の国籍要件を撤廃した、そういう経緯になっております。
○翫正敏君 国民年金等においては在日外国人にも支給されるように国連の条約を批准をしたという、そのことによってこのように行われるようになった、そういうふうに簡単に理解してよろしいのですね。
○説明員(澤村宏君) そのようでございます。
○翫正敏君 であるならば、現在の恩給法の規定に国籍条項があるということを絶対視し、これが今まで戦前から、途中中断をしながらずっと続いてきた法律であり、国民にもなじんでいるなどというような理由によって、この条項をこのまま墨守し続ければよいというものでは決してない、私はこのように確信をするものであります。 それで、今この例を一点挙げまして、次の例を挙げた後に総務庁長官にもう一度御所見を承りますので、よく考えておいていただきたいと思います。 外務省にお尋ねいたしますが、一九九一年十二月に国連へ報告書を提出しております。「市民的及び政治的権利に関す局国際規約第四十条一(b)に基づく第三回報告」、こういう題の報告がなされております。この報告の中の算用数字の3と書いてございます「外国人の地位、権利」、それから4と、こうありまして、全部読みますと長いので、ちょっと重要な部分だけ抜き読みをしますが、「近年、我が国において外国人の人権との関係で問題とされる主要な事案は以下のとおりである。」、こういうことで、(a)としまして「在日韓国・朝鮮人」の例、こういうふうに書いてございまして、その(1)として「指紋押なつ、外国人登録証携帯義務、永住許可、再入国許可、退去強制」、こういう例が挙げられております。そして、これが数ページにわたって報告されておりまして、次に「公務員への採用」という項目がありまして、ここでもまたかなりの行数指摘をされております。三番目に、「公立学校教員への採用、公私立学校への就学、育英奨学金、韓国・朝鮮人学校の取扱い、課外における韓国・朝鮮語、韓国・朝鮮文化等の学習」、こういう項目で二ページぐらいまた述べられて、問題点が指摘されておりまして、四番目に「労働条件、就職差別に関する対策」、こういうことが四つの問題点として分けて報告をされているところでございます。 しかし、この国連報告の中には、在日外国人への恩給などが支給されていない問題で、現に日本国内で裁判にもなっている、私はこれは重要な差別である、人権問題であると考えておりますが、ともかくこういう裁判にまでなっているような問題が、この国連の報告書の中に一切載せられていない理由は何なのか御説明ください。
○説明員(吉澤裕君) 御指摘の報告書は、人権規約B規約の第四十条の1の(b)という規定に基づきまして、この規定は「この規約において認められる権利の実現のためにとった措置及びこれらの権利の享受についてもたらされた進歩に関する報告」を国連の方に提出するという規定でございますけれども、この規定に基づきまして、先生御指摘のように昨年の十二月十六日に国連に提出したものでございまして、これは、このような報告書では三回目に当たるものでございます。大体五年置きにこういう報告書を提出することになっておりまして、今回が三回目の提出でございます。 前回提出いたしました第二回の報告書におきましては、B規約の規定に関連する我が国の法制度に関する説明が中心となっておりまして、この第二回の報告書につきましては、B規約人権委員会の審査におきまして、法制度の説明のみでなく、法令の実際の運用でございますとか、本件規約において認められる権利の実現につきましてとった措置等につきまして多くの質問がなされたところでございます。 こうしたことを踏まえまして、今度、第三回目の報告書を作成いたします際には、前回の報告書の審査におきまして、審査の際に委員の方から質問があった点を中心といたしまして、なるべく現実の問題点、あるいは実態といったことも報告書に載せるように努めたものでございまして、在日韓国・朝鮮人の問題につきましても前回の報告書には全く記述はなかったわけですけれども、今回の報告書におきましては、前回の報告書の審査において質問のあった点を中心に記述することとしたものでございまして、そうしたことで、先生の御指摘の問題は載せていないということでございまして、在日韓国人の問題につきましては、今御指摘のありましたとおり、指紋押捺、外国人登録証携帯義務の問題、永住許可、再入国許可、退去強制の問題、公務員への採用の問題、公立学校への就学の問題、韓国・朝鮮人学校の取り扱い等の問題、労働条件、就職差別に関する対策の問題を記述させていただいたところでございます。
○翫正敏君 ちょっと答弁になっていないように感ずるんですが、第二回に比べると第三回のときにはいろんな問題を載せるようになったということを今御説明になったわけでありますが、そのことはわかりましたけれども、その中で恩給法などの国籍条項の問題で裁判などにもなっているし、またいろんな運動が起こっている、そういう実情であります。そのことについての記述をなされなかったのはなぜかと質問しているわけですので、その点についてもっと率直にお答え願いたいと思います。 つまり、日本国内の人権の問題として、国連に報告するほどの大きな問題ではないというふうに、この報告書を書いた時点では思ったというようなことなのか、それとも何か別の意図があってわざと落としたのか、そのようなことを説明していただければよろしいので、第二回から見ると、第三回は大分よくなっておるというようなことを御説明いただきたかったわけではありません。
○説明員(吉澤裕君) ただいま御説明いたそうといたしましたことは、今回の報告書におきましては、第二回の報告書の審査におきまして各委員から出されました質問事項、指摘事項、こういうものを中心に記述しようとしたものでございまして、第二回の審査の際に、指紋押捺の問題でござい良すとか、外国人登録の問題でございますとか、学校の教員への採用の問題でございますとか、今度の報告書に載せましたような問題を中心として論じられましたので、それを記述したということでございまして、恩給法の問題につきましては、殊さら前回の審査の際には問題となっていなかったこともございまして、今回の報告書には載せていないということを御説明申し上げようとした次第でございます。
○翫正敏君 ぜひ載せていただきたかったと、こう思うわけであります。 それで、ことしの三月五日の衆議院予算委員会におきまして、この軍人恩給などの国籍条項の問題について質疑が行われました。渡辺外務大臣からは、国際社会の中で恥ずかしくないようにしたい。それから人道的立場から、片方は恩恵があり、片方は何もないというのはおかしいというのはもっともだと思わないこともない。事実関係を総ざらいして改めて検討したい、このような答弁が行われております。 さらに、山下厚生大臣からは、戦後半世紀たって、戦後処理のはざまに置かれた人があるならば遺憾なことだ、今後勉強して返事をしたい、こういう答弁があったわけですけれども、先ほどからるる指摘をしてまいりました。特に、私は今回のきょうの質問では、国際社会の中にあって、名誉ある地位を占めたいという我が国と我が国民の願いというものを、そういう立場から国連の規約や指摘というもの、こういうものを受けて、我が国の恩給法などの国籍条項の見直しというものが今必要になっているのではないか、こういう視点、観点から質問をしてきたわけでありますので、繰り返しお願いをして恐縮でありますが、もう一度御答弁を願いたいと思います。大臣の御所見をお願いいたします。
○政府委員(新野博君) まず、社会保障というお話が先ほどもございましたけれども、恩給というのは、国が公務員との特殊な関係に基づきまして、使用者として公務員またはその遺族に給付するという国家補償的性格を有する年金制度であるという御説明をしておるわけでございまして、したがいまして、相互扶助の精神に基づきまして一定の拠出を行いまして、保険数理の原則によって運営されております社会保険とか、あるいは資産その他あらゆるものを活用してもなお生活に困窮する者に対しまして最低生活を保障する公的扶助とは、その考え方について相違がある点は御理解をいただきたいと思います。 また、恩給制度は、御案内のように昭和三十四年に共済制度に公務員の関係は移行しておりまして、現在の制度そのものは新規の参入者はいないということである。言うなれば、従来のそれまでの古い文官の方とか軍人の方を処遇しておるものであるという点も御理解をいただいておきたいと思います。
○翫正敏君 大臣。
○国務大臣(岩崎純三君) 今、恩給の性格につきましては局長から答弁のあったところでございますが、さらに加えますると、対象者の大部分が旧軍人という特殊な職務に服した者やその遺族であって、極めて高齢であること、また対象者が原則として既裁定者であり、新規参入者がないこと等々もその中に含まれておるわけでございますけれども、渡辺外務大臣並びに山下厚生大臣が答弁されたそのときの対象は恩欠者の質問に対する渡辺外務大臣の答弁であり、厚生大臣の答弁であったと私はそのように記憶いたしております。恩給の問題についてのずばりという問題ではございませんでした。 繰り返すようでございますが、多年にわたって忠実に公務に従事をして退職した者、あるいは公務のために障害を負った者、さらには亡くなった方、そういった公務員と使用者である国家との特殊な関係、したがって、恩給は国家補償的な性格を有するものであるということでございます。今お話のありましたように、公的扶助等々とこの恩給とは基本的にその生い立ち、成り立ちが違う、そのために先生から世界的な視野に立った、あるいは外国人の方々の年金の問題、ボーナスの問題等々いろいろ例を引かれて私どもに恩給の見直しをすべきじゃないか、国籍問題をどうしようじゃないかという質疑、御質問があったわけでございます。恩給の持つ国家補償的な特殊性もこの機会に先生に御理解いただければありがたい、かように思っておるところでございます。
○翫正敏君 理解ができませんので、これはぜひ委員長、理事会でこの問題をどうしたらよいのかということを検討する、こういうふうにしていただきたいのですが、いかかでしょうか。
○委員長(梶原清君) 理事会で協議いたします。
○翫正敏君 ありがとうございました。 次に、一九九〇年、平成二年の十月十九日に衆議院の予算委員会で政府統一見解が出されました問題、いわゆるサウジアラビア駐留多国籍軍と国連決議との関係ということについての政府統一見解の内容にかなり納得のできない点があります。その点を残余の時間質問をさせていただきますので、外務省から答弁を願います。 一九九〇年、平成二年の十月十九日にサウジアラビア駐留多国籍軍と国連決議との関係についての政府統一見解が出されています。この中で政府は、多国籍軍、このほとんどは米軍でありますが、このサウジアラビア駐留は国連憲章第四十一条に基づく経済制裁、国連決議六百六十一号、このためであると同時に、サウジアラビア政府の要請に基づく行動である、このように述べてあります。ところで、この政府統一見解が発表される二日前の一九九〇年十月十七日、アメリカのベーカー国務長官は上院外交委員会で、八月六日に米軍がサウジアラビアに出動したのはサウジアラビア政府の要請によるものであると、このように証言をしております。 この点で、私は以前にも外務省に対しまして、この両者の矛盾について何度か質問もし、また文書での質問も提出をしてきたところでありますが、きょうはさらにその内容を少しばかり深めさせていただきたいと思うわけであります。 まず、国連憲章の第五十一条でありますが、この第五十一条には、「この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。」云々と、このように書かれております。 そこで、ここで述べられておりますこの「必要な措置」というものと、さらには国連による集団安全保障の措置という国際法の概念との違いについて、いや、違わなく全く同一なのか、こういうふうに違うということなのか、それをまず最初に御説明をいただきます。
○説明員(小松一郎君) 御説明申し上げます。 まず、冒頭に御指摘のございました平成二年十月十九日の予算委員会におきます当時の中山外務大臣答弁によります政府統一見解でございますけれども、この答弁が行われました背景につきまして確認的でございますけれども、御説明をさせていただきたいと思います。 これは、御案内のとおり、当時政府が国際連合平和協力法案、このPKO法案の前に国際連合平和協力法案という法案を国会に御審議をお願いしていたという経緯がございまして、その中で同法案の第一条におきまして、同法案に基づく協力の対象につきまして、「この法律は、国際の平和及び安全の維持のために国際連合が行う決議を受けて行われる国際連合平和維持活動その他の活動に対し適切かつ迅速な協力を行う」、こういうことが書かれておったわけでございます。 また、同じ法案の第三条でございますが、この法案におきまして想定されております「国際の平和及び安全の維持のための活動」という定義がございまして、これは「国際の平和及び安全の維持のために国際連合が行う決議に基づき、又は国連決議の実効性を確保するため、国際連合その他の国際機関又は国際連合加盟国その他の国が行う活動をいう。」、こういう定義になっていたわけでございます。 そこで、サウジアラビアを初めとしまして、その地域に展開をしておりましたいわゆる多国籍軍に対する補給等の協力を平和協力隊が行う、こういうことを想定した法律でございましたので、あの当時御質問を国会で受けましたのは、サウジに展開をしておる米軍を中心とする多国籍軍の活動というものは、国連決議に基づくものなのかどうか、そうであるのかどうかという御質問があったわけでございます。 そこで、それを御説明したのがこの政府統一見解でございまして、若干長くなって恐縮でございますけれども、ここで言っておりますことは、当時の国連平和協力法案で想定しておりました協力の活動には大きく分けて二つの範疇の活動がある。一つは、国連決議に基づく行動、こういうことでございます。これは、例えば典型的には国連の決議に基づいて行われます国連の平和維持活動、俗にPKOと呼ばれているようなものが典型的な活動である。これに加えまして、PKO法案とは異なりまして当時御審議をいただいておりました国連平和協力法案におきましては、国連決議そのものに基づいて行う活動ではないけれども、国連決議の実効性を確保するために国際連合やまたは各加盟国が行う活動、こういう活動についても協力の対象として想定をしておる、こういうことを御説明したわけでございます。 御指摘のございましたこの統一見解におきまして、サウジアラビアに駐留する多国籍軍が、いわゆる経済制裁決議と呼ばれておりますけれども、決議六百六十、これはイラクのいわゆる侵略行為を平和の破壊だということに認定いたしまして、即時撤退を求めた決議でございます。それから六百六十一号、これはいわゆる経済制裁決議でございます。こういう決議の実効性を確保するということに、そのサウジに展開している多国籍軍は実態としてそういう寄与を行っているということを、これは御説明したわけでございます。 そこで、ただいまの御質問で、国連憲章五十一条に基づきます自衛権の御質問があったわけでございますけれども、多国籍軍がサウジアラビアに展開する行為自体は、私どもこれは前にも何度か国会で御答弁を申し上げておりますけれども、自衛権によって説明しなければならないような行為ではない。これは、サウジアラビアの、そういうお国の同意に基づきましてその領土に多国籍軍が展開されている、そういうふうに御説明をしたわけでございまして、展開行為自体に自衛権との関係が出てくるわけではないということを申し上げている次第でございます。
○翫正敏君 一応こういう理解でよろしいですか。 国連憲章第五十一条にある「必要な措置」というのは、三十九条から始まります第七章を全体的に受けている、第四十一条の経済制裁及び第四十二条の国連軍による武力行使、この両者を含めてのものである、それに対して集団的安全保障の措置という、こういう国際法の概念の場合は、第七章、さらに第六章の紛争の平和的解決というようなことをも含めて、第六章プラス第七章というところで受けとめる、このように理解すればよろしいですか。
○説明員(小松一郎君) 御説明申し上げます。 国連憲章の基本的な構造でございますけれども、御指摘のとおり、まず紛争が生じた場合に平和的な手段で話し合い等により解決するという平和的解決に関する章が六章にございます。第七章は、そういう規定があることは事実でございますけれども、イラクによる侵略行為のようなことも現実の問題として国際社会にはございますので、そういうような行為がとられた場合に安全保障理事会が、この七章の構造に沿って申し上げますと、まず第三十九条において、平和に対する脅威、破壊または侵略行為の存在を認定いたしまして、例えば即時撤退すべきであるとか、そういうような勧告等を行う、これが三十九条でございまして、四十条は暫定的な措置としていろんなことが書いてあるわけでございます。 また、四十一条におきましては、いわゆる経済制裁等を加えるような非軍事的な手段による強制行動、それから四十二条、四十三条にまいりまして、最終的には国連、国際社会全体といたしまして武力を行使して平和を回復する、そういうことをも書いてあるわけでございまして、これら一連の七章、三十九条から始まって、今まで申し上げました最終的には武力をもって平和を回復する、こういうような一連の措置を法学上、学者の御議論として集団安全保障の措置というふうに呼ばれているわけでございます。 五十一条でございますけれども、これは同じ七章の中に位置づけられておりますけれども、これは国内社会においては国際社会よりもずっと法秩序というものがかっちりしておりまして、犯罪行為が行われた場合には警察でこれを取り締まるというようなことが非常にはっきりしているわけでございますけれども、その国内社会におきましても、急迫な場合には正当防衛であるとか、緊急避難というのが認められておるわけでございまして、それと基本的には発想が同じような観点から国際社会におきましてもそういう集団安全保障という仕組みはあるけれども、急迫な侵害があるというような場合に、必要な場合には個別的集団的自衛権を持ってみずからを守るということが認められるということでございます。
○翫正敏君 今、国内においてはわかりやすい例として、例ではないですね、例え話として国内における警察活動のことを挙げられたんだと思いますので、それに即してお尋ねしますが、国内でそういう急迫不正なる侵害行為が起こって、それでそれに対して対応している。そこへ隣から、隣からでなくてもよろしいですが、近所からその急を見て駆けつけてくるという人がいた、一緒になってやっていたと、そこへ警察が来た。警察の例を挙げられたので、適切なことかわかりませんが、それでちょっと言うのですけれども、警察が来たということになりますと、そこで警察はその両者をとめて、そして秩序の回復を図る、このようになるのだと、こう私は理解するわけであります。 それで、この湾岸のサウジアラビアに急展開されました多国籍軍、ほとんど米軍でありますので、米軍ですと言っておきますが、ここがサウジアラビア政府の要請によって急遠出動をしました。こう統一見解にも書いてございます。アメリカのベーカー国務長官もそのように議会で答弁をされております。そして、その後国連決議が行われて、そして経済制裁ということが決定をした、こういうことでございますが、その場合に、先ほどの外務省の答弁では、国連の活動を日本の国内における警察活動に例えとして言われたんだと思いますが、国連における必要な措置がとられた、第五十一条に基づく「必要な措置」がとられたというそのまず時点というものをひとつ明らかにしていただきたいと思います。それが一点。そして、その時点以後においてもサウジアラビアヘ応援に駆けつけたその応援部隊は、そのまま応援を続けることができるのかということのこの二点を説明していただきたいと思います。 そのことを私は、再三にわたって文書においても質問をしてきたんですが、政府の文書における答弁を言っておきますと、これはこういうふうになっております。私が、集団的安全保障と同時に行使できる個別的及び集団的自衛権の要件に関する質問というのを文書で提出いたしましたところ、国際連合憲章上、安全保障理事会がいわゆる集団安全保障の措置をとった場合において、それ以後国際連合加盟国が同憲章第五十一条の定める個別的または集団的自衛の権利を行使し得なくなるか否かについては、それぞれの場合の具体的状況によって決せられるものと考えられる。また、同憲章第五十一条による「必要な措置」がとられたか否かの判断は、個々具体的な場合において必要に応じ行われることになるものと考えられるので、あらかじめ判断の主体を特定することは困難である、このように書いてありますので、それぞれ具体的な、場合場合によって違う、場合場合によって決められるのだ、こう日本政府はこの国連憲章を理解している、こういう答弁なのでありますけれども、私が聞いているのは一般的な場合ではなくて、具体的な場合でありますので、湾岸危機、湾岸戦争、そしてサウジアラビアに急展開された米軍などの活動についてのことを聞いておりますので、その点についてお答えください。
○説明員(小松一郎君) 御説明申し上げます。 繰り返しになって恐縮でございますけれども、先生の御質問は、サウジアラビアに米軍等多国籍軍が展開されました、その展開されたという行為自体が憲章五十一条の自衛権の行使である、こういう前提の御質問がと思いますけれども、これは政府の方から繰り返し答弁しておりますように、その多国籍軍の展開行為自体、これはサウジアラビアの同意に基づきましてその領域内に軍隊を展開している、こういうことで一般国際法上認められている行為でございまして、自衛権で説明する必要がある問題ではない、こういうことでございます。
○委員長(梶原清君) この際、岩崎総務庁長官から発言を求められております。これを許します。岩崎総務庁長官。
○国務大臣(岩崎純三君) 先ほど翫先生から渡辺外務大臣、山下厚生大臣の衆議院予算委員会における答弁を引用されて御質問されました。その件についての私の答弁が、恩給ではなく恩欠者である、こう申し上げたのでございますが、実は恩欠者でもなくて、主として援護法にかかわる問題でございましたので、この機会に謹んで訂正をさせていただきます。
○翫正敏君 今の総務庁長官の答弁は、要するに、恩欠者のことを言ったのではなくて、援護法のことについて外務大臣や厚生大臣は答弁したのであるから、その点についてだけ訂正するということであって、全体の趣旨として、いわゆるこの軍人恩給などの国籍条項の見直しについて、これはやはり見直していかなければならない問題であるというように外務大臣や厚生大臣が言ったのではなく、さらにこの恩給問題の担当大臣である総務庁長官の立場からもそのような考えはないというのが先ほどの答弁だったかと思いますが、その点については変更のお考えはございませんか。
○国務大臣(岩崎純三君) おっしゃるとおりでございます。
○翫正敏君 残念でならないわけであります。 今、一生懸命国連のことを聞いておりましたら、突然委員長から総務庁長官の発言のお話が入りまして、また、自民党席からは時間だ時間だというような不当なる不規則発言が発せられまして、大変混乱しておるわけであります。 それで、今までの条約の日本政府の理解の問題についてもう一度聞きますが、サウジアラビアに展開したこの場合は、集団自衛権の行使というものに当たるのではないということを述べられたのだと思います。それは、例えて言うならば、通常日米安保条約において我が国に米軍が駐留をしている、これと同じことだ、こうおっしゃりたいのですか。
○説明員(小松一郎君) 御説明申し上げます。 法的に申しますと、私が申し上げましたことは、サウジアラビアの領域の中に外国の軍隊であるアメリカ軍等多国籍軍の部隊が展開をされた。これは、通常他国の領域に軍隊を送るということは一般国際法上許されない行為でございますので、当然のことながらその領域国の同意が必要なわけでございます。それで、サウジアラビアに軍隊が展開された行為それ自体、これはサウジアラビアの同意に基づくものであって、自衛権ということで説明をする必要はない。 それで、あと、それは我が国に米軍が駐留しておるということと同じかという御質問でございますけれども、これは法的な全く抽象的な観点から申し上げますと、確かにその領域国である日本が主権国家として同意を与えて、自国の領域に外国の軍隊である米軍の駐留を認めているという意味においては共通性はあると思われます。ただし、日本の場合には条約という形で、安保条約地位協定という形で同意を与えているという点はあろうかと存じます。
○翫正敏君 それで、古い話で恐縮ではありますが、しかし、これは冒頭に資料要求をしまして題名だけ外務省から教えていただきましたいわゆる日本などから提供されました資金の使途、戦費の使途というような問題にも関連してまいりますので、その前提となる重要な政府統一見解であると思いますのでお聞きをしているわけでありますが、サウジアラビア政府が要請をしたということと、そして国連決議に基づいて多国籍軍が出動したということ、これは両方同時並行的に行うことができるものであるということを答弁しておられるわけであります。 これは、個別、具体的にそれぞれ違うというわけでありますから、違う場合というのだけ説明をしていただいて、それで終わります。 つまり、違う場合というのは、自衛権というものが集団的自衛権、個別的自衛権に基づく行動であるということになった場合には、同時並行的には働かないというふうに理解しておられるのでしょうか。
○説明員(小松一郎君) 御説明申し上げます。 憲章五十一条に書いてございます「この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。」、この「必要な措置」というのは一体どういうものを言うのか、こういう御質問がと思うわけでございますけれども、これは一般論として抽象的に申し上げるのは非常に困難であろうかと思いますけれども、先ほど申し上げましたような国連憲章の第七章の基本的な構造、こういうことに照らして申しますと、やはりある侵害が行われまして、この侵害を自衛権をもって排除する、こういうことがもう認められない、そういうことが正当化されないというほど十分に国連、国際社会全体によって必要な措置がとられている、こういう意味であろうかと存じます。
○翫正敏君 自衛隊のことを質問する予定で防衛庁の方にも来ていただいて、まことに申しわけありませんでしたが、時間が来ましたので終わります。
○太田淳夫君 それでは、総務庁に最初伺います。 今回の恩給の改定に当たりまして、当局としましては、公務員給与の改定率あるいは消費者物価の上昇率、その他の諸事情を総合的に勘案したとしておりますけれども、この総合勘案方式が導入されて以来の恩給の改定率を見ますと、前年度の国家公務員の給与の改定率を八割、前年度の消費者物価上昇率を二割とする加重平均となっているわけですけれども、この総合勘案方式をとりますと、恩給の改定率がなぜこうした割合の加重平均になるのか、その点の説明を願いたいと思います。
○政府委員(新野博君) 昭和六十二年度以降導入されましたいわゆる総合勘案方式でございますけれども、これは公務員給与の改定であるとか物価の上昇等の諸事情を文字どおり総合的に勘案した上、恩給年額の改定率を導き出すという方式でございます。それで、昭和六十二年度に総合勘案方式を導入いたしまして以降今日までの恩給の改定率につきましては、先ほどの先生のお話のように、おおむね公務員給与改善率を八、それから物価上昇率二、こういった割合で計算した数字に近いものとなっておるわけでございますが、これはあらかじめ確立された計算方式がありましてそれに基づいてそれぞれ計算した。というのではございませんで、恩給の実質価値の維持を図り受給者の処遇改善に資する、こういうことで毎年毎年努力した結果であるということをぜひ御理解願いたいと思う次第でございます。
○太田淳夫君 総合勘案方式につきましては、評価はいろいろあると思うんですけれども、従来とられておりました公務員給与改善率に準拠した改善方式に比べますと、恩給受給者にとっては不利であることはこれは言うまでもないところだと思います。恩給は国家補償の性格を持つものであると考えますと、前年度の国家公務員給与の改定率を八割、前年度の消費者物価上昇率を二割とする加重平均としている現行の総合勘案方式からさらに後退するようなことはあってはならない、こう考えるわけです。また、恩給制度の安定性を維持する上からも、今後ともこの割合を堅持すべきであると考えますけれども、総務庁長官の決意はいかがでしょうか。
○国務大臣(岩崎純三君) 恩給年額の改定方式につきましては、そのときどきに大きな変化がございましては受給者の方々に不安を与えるし、また、生活も安定するものではございません。そうした立場から、恩給の改定ができるだけ安定したものであるように今までも努力をいたしてまいったところでございます。これからも恩給年額の改定に当たりましては、恩給が国家補償的性格を有するものである、こうした特殊性を考えながら、いわゆる総合勘案方式によりまして恩給の実質価値がこれからも維持できるよう、恩給受給者の処遇の改善については努力を続けてまいりたいと考えております。
○太田淳夫君 この総合勘案方式が導入された背景の一つに、公的年金制度のバランスということがあるわけでございますが、今回の恩給の改定に当たりまして、消費者物価上昇率は、昨年十二月の予算編成時の見込み率の三・四%という数値を使っていますけれども、確定値は三・三%であったわけです。一方、厚生年金等公的年金の物価スライド率においては、予算編成上は三・四%を用いたものの実際に用いる物価スライド率は確定値の三・三%、結局、恩給の方は〇・一%得をしているというのか、そういう計算になるわけで、昨年も同様な事情があったわけで、この二年間で〇・二%の上回りをしているということになるんです。この厚生年金などの公的年金というのは物価スライドが法定化されているのに対しまして、恩給の場合は総合勘案方式ということですから、消費者物価上昇率を厳密に恩給の改定に反映させる必要はないとも言えるかもしれませんけれども、しかしながら公的年金と恩給との均衡ということを考えた場合に、やはり恩給についても消費者物価上昇率の確定値を用いるとかあるいは翌年度の恩給改定の際に調整するとか、そういうことも考えられてくるんじゃないかと思うんです。 と申しますのは、公的年金制度のバランス上ということで今の総合勘案方式というのはつくられているわけですから、いつかまた恩給制度がちょっとバランスを欠いているんじゃないかという批判の対象になりかねない場合も考えられますので、その点についてのやはり調整というのはある程度考えておかれた方がどうかなということを思うんですが、総務庁長官としてはどうでしょうか。
○政府委員(新野博君) ちょっと見込み値等の数字の問題でございますので、恐縮でございますが、私の方から御答弁をさせていただきます。 恩給年額の改定方式の変更の際の理由といたしましては、確かに公的年金制度が六十一年に改革されまして、それとのバランスを考慮した結果の見直しであるということは事実でございます。ところで、恩給年額の改定につきましては、恩給法第二条ノニの規定にのっとりまして、諸般の事情を総合勘案するということで改定率を決定しているところでございますけれども、その際に、予算編成時にどの数字が使えるかといいますと、実は消費者物価上昇率の確定値がまだ求められませんで、結局はそこは見込み値をとっておるところでございまして、そうした形で予算で決着する、こういう方式をとっておりますので、恩給の改定率の調整ということは目下考えてないところでございます。
○太田淳夫君 決して、立場からいって恩給を減らすようなことを言っているわけじゃございませんので、その点はお酌み取りいただきたいと思うんです。 恩給の年額については、改定内容がいろいろと先ほどからお話をされているような方式で決定されてくるわけですけれども、各種加算の改定率に実にいろいろと千差万別と申しますか差があるわけでございまして、今回の法律案におきましても、恩給年額の改定率が三・八四%ですね。普通扶助料の寡婦加算は三・三四%及び三・三三%、公務関係扶助料の遺族加算は四・一〇%、また、傷病者遺族特別年金の遺族加算は六・六六%、このように同じ加算であるのに改定率にいろんな差があるわけでございますけれども、これはどのような理由によってこうなっているんでしょうか。
○政府委員(新野博君) 平成四年度の恩給改善におきましては、恩給年額につきましては総合勘案方式によるベースアップ率三・八四%の引き上げを行うことといたしまして、遺族加算、寡婦加算につきましてはこれと異なった観点から改善を行うこととしておるところでございます。その中で、寡婦加算につきましては、従来と同様他の公的年金におきます寡婦加算額との均衡を図りますために、公的年金に準じてその年額を四千五百円アップの十三万九千五百円に引き上げることとしたところでございます。また、遺族加算につきましては、戦没者遺族等に対する処遇の改善ということを念頭に置きまして、寡婦加算の改善額を参酌しながら、遺族加算には二種類ございますけれども、公務関係扶助料に係る遺族加算につきましては四千七百円アップの十一万九千四百円、また、傷病者遺族特別年金に係る遺族加算につきましては四千五百五十円アップの七万二千八百五十円に引き上げることとしたところでございます。 このように遺族加算につきましては、寡婦加算額を参酌しながら、特に戦没者及び傷病者の遺族に対する処遇に配慮したということで引き上げを行うこととしたところでございます。
○太田淳夫君 いずれにしましても、恩給の年額それから各種加算、そして扶養加給が毎年あるいは数年に一度は改定が行われているのに対しまして、唯一その改善が取り残されているのが傷病恩給の中で特に重障の特別項症者と第一及び第二項症者に支給されている特別加給ですね。特別加給は、見てみますと昭和三十三年に設けられまして、その後四十二年、四十八年、五十年、五十三年、五十四年、そして五十六年と改定が行われてきているわけですが、その後改定が行われず今日に至っているわけですね。確かに特別加給の支給対象者は相対的に高額の恩給受給者でありますけれども、特別加給が重障者厚遇の趣旨から設けられて、また介護手当的な性格を持つものであると考えますと、十年以上にわたってその改善が放置されていることは首肯することはできない、こう思うんですが、総務庁長官、その改善方についてどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(新野博君) ちょっと最初に事実問題を中心に御説明をさせていただきたいと思います。 第二項症以上の増加恩給受給者に給されております特別加給につきましては、昭和三十三年度に創設されたわけでございますけれども、それ以来、状況に応じて引き上げは図ってきておりまして、昭和五十六年度には特に特別項症に対する特別加給の年額の大幅な引き上げを行ってきたところでございます。それで、特別加給は重障者を厚遇するためにとられた措置でございまして、恩給のベースアップのたびごとにそれに準じて引き上げるという性格のものではないと私たち考えておるところでございますが、その改善につきましては今後慎重に検討してまいる課題ではあるだろう、こういうふうに考えております。 あと、大臣の方から御答弁申し上げます。
○国務大臣(岩崎純三君) ただいま恩給局長から答弁をいたしたとおりでございますけれども、特別加給の引き上げにつきましては、恩給全体の改善内容、他の制度とのバランス、これらを考慮しながら慎重に検討いたしてまいりたい、かように思っております。
○太田淳夫君 次に、先ほども同僚委員からいろいろとお話がありましたけれども、従軍看護婦さんの問題についてお尋ねいたします。 旧日赤救護看護婦及び旧陸海軍従軍看護婦に対する慰労給付金については、平成四年度に増額改定を行うことにしていますけれども、旧日赤救護看護婦につきましては昭和五十四年度、旧陸海軍従軍看護婦については昭和五十六年度に、それぞれ慰労給付金の制度が創設されて、これまで昭和六十年度、平成元年度の二回にわたって増額改定が行われてきており、今回三回目の改定となるわけですが、これまでの改定内容を見ますと、昭和六十年度は過去五年の消費者物価指数にかかわる上昇率一二・三%を勘案して改善したもの、平成元年度は過去五年の消費者物価指数にかかわる上昇率三・五%を勘案して改善したもの、今回は過去四年間の消費者物価指数にかかわる上昇率八・五%を勘案して改善したものということでありますが、改定の間隔及びその間の物価上昇率と旧日赤救護看護婦の慰労給付金の改定について、何らかの明確な基準があるとは読み取りにくいんですけれども、総理府は何を基準としてこの改定を行っているんでしょうか。
○政府委員(石倉寛治君) お答えをいたします。 先生おっしゃいましたように、三度の改定になりましたわけでございまして、基本的にこれらの増額といいますのは、慰労給付金の実質価値を維持するという大原則で処理をしてきたということでございまして、それ以上に細かく、詳細な基準を決めてやっているところではございません。
○太田淳夫君 先ほど同僚委員の方から、戦後補償の一環であるので立法化せよ等々のお話もいろいろありましたけれども、私たちも同じように考えておるわけであります。今後もまたいろんな検討をお願いしたいと思いますが、旧日赤救護看護婦及び旧陸海軍従軍看護婦に対する慰労給付金につきましては、やはり恩給における恩欠者と同様の者がいることに注意を払う必要があろうと思います。すなわち慰労給付金の支給というのは、加算年を含めて勤務期間が十二年以上の者が対象となりまして、その結果、慰労給付金の恩恵にあずかれない旧日赤救護看護婦等がたくさんいると、こう言われているわけでございまして、そういう方々からの請願もいろいろと出ているわけです。これらの方々が慰労給付金の支給対象とされることが望ましいことは言うまでもありませんけれども、これらの方々が切実に要望していることは、平和祈念事業特別基金が恩給欠格者に対して行っている慰藉事業及び新規慰藉事業と同様な措置を自分たちにも講じてほしいということですが、その程度の要望はぜひともかなえてほしいと思うんですが、総理府はどんなお考えですか。
○政府委員(高岡完治君) 陸海軍従軍看護婦の皆様方あるいは日赤救護看護婦の皆様方が大変苦労されたということは、総理府は五十年当初からいろいろとお話をお伺いしてまいりました。当時の大臣が政治的な決断として、六党合意等いろいろともとにしながらこの制度の推進に努めてこられたという経緯も、総理府としては十分承知しているところでございます。 ただ、平和祈念事業特別基金におきましては、これは先生御案内のように、戦後処理三問題、いわゆるシベリア抑留の方々、恩給欠格者の方々あるいは引揚者の方々、こういう三つのジャンルの問題を中心として進めてきたわけでございまして、こういう平和祈念事業特別基金が発足をいたしましたもろもろの事情、経緯といったものを考えてみますと、恩給欠格者の方々と同じように、例えば書状をお渡しするとかあるいは銀杯をお渡しするということは、この三つの問題についての事務処理が十分進捗していないという事情もまたございますし、もろもろの経緯を考えてみますと極めて難しい問題ではないかと思っておるわけです。 しかし、総理府が承知いたしておりますように、退却を続ける野戦病院において、後方にいたのがいつの間にか前線に取り残されてしまった陸海軍病院の状況等いろいろお話をお伺いしてみますと、その御労苦たるやまことに私ども涙するような場面のお話もお伺いをしてまいりました。そこで、私どもといたしましては、現在平和祈念事業特別基金において許されております、二十七条に基づきますこういった関係者の方々の御労苦に関する資料を収集し、記録し、そして書き物にして後の世に伝えていく。平和祈念事業の一つの大きな目的が、我々がこんなに苦労したのにその苦労が全然後の世代に伝えられていかない、ただ、今の若い世代はこの平和な繁栄した我が国の状況というものをもう所与のものとして、だれの犠牲によったものでもない、我々に最初から与えられたものだとして、諸先輩の御労苦というものが正当に評価されないというところに、いろいろ、と無念の思いと申しましょうか、やるせない思いがあるんだろうと思います。 そこで、一般慰藉事業の対象として、例えばいろんな展覧会でございますとか、ビデオでございますとか、出版物の刊行等を通じまして、こういった看護婦さん方の筆舌に尽くしがたい御労苦というものを後の世に伝えていくための努力をしてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○太田淳夫君 今、お話を聞きまして、確かに六党合意がされるときに、いろいろ協議されたときに、従軍看護婦の代表の方がこの内閣委員会に見えて、いろいろそのときのお話をされたことを私も思い起こしております、 ですから、この人たちが請願を何回も出されて、昨年からでしょう、恩給欠格者についても慰労されてきたのは。そこで、請願にありますように、十二年に満たない者については何らの恩典もないというそのお気持ち、いろいろと述べてみえるわけです。今、あなたは祈念事業としていろんなことを残されるというお話でしたけれども、この人たちのお気持ちというのはさらにもう一歩進んであるわけですから、書状ないし記念品というものをやはり何とかいただけないかという気持ちがあるわけですから、どうか六党合意に至りましたその過程から見ましても、また総理府として努力を、いろいろと検討を重ねて、ぜひとも実現をするようお願いしたい、このように考えます。 最後に、平和祈念事業特別基金としていろんな事業を行っているわけですが、その進捗率を見てみましても、必ずしも順調とは言いがたいようであります。特に問題だと思われますのは、推定対象者に対する請求者の率が低いということですね。戦後強制抑留者慰労品等贈呈事業について言いますと、その請求期間というのは平成五年三月三十一日、来年で終わってしまうということでございますが、せっかく創設された制度でもありますし、対象者のすべてが慰労品等の贈呈を受けられるように周知徹底について万全を期していただきたい、こう思いますが、今後の対処方針についてお述べ願いたいと思います。
○政府委員(高岡完治君) 先生御指摘のとおり、来年度いっぱいで申請期間というのは切れるわけでございます。現在対象者が五十二万八千人いらっしゃいますが、ご請求をいただいております方は、その約半分強の二十八万七千人の方から御請求をいただいておりまして、実際に慰労の品を贈呈させていただいておりますのは、その約九五%に対して事務をさせていただいております。残りの五%につきましても鋭意努力を積み重ねていきたいと思っております。 なお、ことし、今国会において御審議をお願いしております来年度予算でございますけれども、先生御指摘のような事情もございますものですから、私どもPR活動を熱心にやらせてほしいということでお願いをいたしておりまして、来年度予算におきましては、今年度よりも六千万円増額をPR経費としてお認めをいただきまして、そしてできるだけきめ細かなPR活動をやっていきたい。特に郷土誌でございますとかあるいは地方紙、そういったものを通じて、市役所、町村役場、こういったところももちろんでございますけれども、きめ細かなPR活動を実施し、この慰藉の念がそれぞれの皆様方に行き渡りますようにさらに努力を重ねてまいりたいと思います。どうぞ御指導をよろしくお願いいたします。
○太田淳夫君 終わります。
○磯村修君 恩給の改定方式というのが総合勘案方式ということになりましてから今回で六度目ということでありますが、そこで、この方式が採用しておりますところの一律方式といいましょうか、この点につきまして幾つかお伺いしたいと思いますけれども、例えば公務員の給与改善、これは最近の例を見ましても人材の確保というふうな意味合いもありまして、例えば去年の場合、昨年度ですか、行政職(一)の上位職と下のクラスの格差というものが三・三%の差がございますですね。そういうふうな格差というものがある上に、それがまあ累積されていくというふうな実態の中で考えられることは、何といいましょうか、一律方式というものをぼつぼつ見直すべき時期に来ているんではなかろうかというふうな感じもするんですけれども、これにつきましては、平成二年五月のこの内閣委員会で、やはり平成二年度の恩給法の改正案の審議の際、恩給局長がこのように述べているわけですね。今後とも一律アップの方式を続けていくかどうかについては、社会情勢の推移とかあるいは公務員給与改善の傾向等を見ながら検討してまいりたいというふうな趣旨のことを述べているんですけれども、そういう面、その見解、それから現状から見て一律方式というものはぼつぼつどうかなというふうな考えですね、どう今考えられているのか、その辺の見解をちょっとお伺いしたいと思うんですけれども。
○政府委員(新野博君) 恩給のベースアップにつきましては、昭和六十二年度以降は先生の先ほどのおっしゃったとおりでございますけれども、実は昭和六十一年までは上に薄く下に厚いいわゆる上落下厚に配慮した改定を行ってきたところでございまして、それ以後は総合勘案方式のもとで一律アップ方式をとってきておるわけでございますけれども、昭和六十一年までの改定によります上下の格差の縮小、また、低額恩給の改善のために導入いたしました最低保障制度、これが受給者の相当部分に適用されております現状等から見ますと、現段階で直ちに一律アップ方式を見直すということはないんではないか。すなわち現段階における上下格差というのはかなり改善されたものになっておるという理解をいたしておるところでございます。 このような事情を背景にいたしまして、平成四年度の恩給年額の改定につきましては、公務員給与の改定、物価の変動等を総合勘案いたしまして一律三・八四%の引き上げを行うこととしておるところでございます。
○磯村修君 この総合勘案方式の中で行われます一律引き上げというのは、例えば、おととしあるいは昨年のように下位の等級で大幅な給与改定が行われたというふうな場合、従前の上落下厚と申しましょうか公務員給与スライド方式、これと比較した場合、現行水準にいわば置きかえるといいましょうか、仮定俸給年額といいますか、これのもとでは下の方がちょっと不利益をこうむるようなことになりはしないかというふうな考えも出るわけなんですけれども、その辺いかがなものか。 それからもう一つ。仮定俸給年額が下の者については最低保障額というものがございますですね。ですから、この最低保障額が設けられてはいるんですけれども、一律による不利益をこうむるようなことを抑制していくためには、最低保障額というものを、何といいましょうか、現職の公務員の下位の等級の方の給与の改定率に合わせまして引き上げるようなことも考えてみてはいかがなものかな、こういうふうな指摘もできると思うんですけれども、その辺ひとつ伺わせていただけますか。
○政府委員(新野博君) 平成四年度の恩給年額の改定に当たりましては、一律三・八四%の引き上げを行うこととしたわけでございますけれども、これは先ほども御説明させていただきましたように、六十一年度までのベースアップにおける上に薄く下に厚いいわゆる上落下厚に配慮した改定を行ってきたこととか、また、低額恩給の改善を図るための最低保障制度の導入等の措置によりまして上下格差が改善をされてきておる、こういう認識のもとに、現在ではこの方式をとることが妥当であるというふうに判断をしたところでございます。 それで、次の御質問であります最低保障額について、例えば給与の低い層のアップ率をそのまま用いることはどうかというお尋ねでございますけれど光、これにつきましては、平成三年度の公務員給与の改定について見ますと、初任給について平成二年度に大幅な改善が行われたわけでございますけれども、平成三年度にも民間企業では引き続き初任給の大幅な上昇が見られたということ等を理由といたしまして、人材確保の必要性等を考慮して相当程度の改善が行われてきたところでございます。したがいまして、平成三年度の一級から三級といったいわば下位等級の改定率が高くなっておりますのは、先ほど先生もおっしゃいましたように人材確保の必要性という特殊な事情を反映したものでございまして、これをそのまま最低保障額の引き上げに用いることが適当かどうかということを考えますと、それは、恩給というのは全体の実質価値の維持を図っていくということもございますので、やはり適当ではないんではないかというふうに考えている次第でございます。
○磯村修君 それから、一律方式により上位もすべて同率でもって改定されていくわけですね。そうした場合、最近の傾向というものは、公務員の場合、中、上位級の給与の改定率というのは大変低い率に抑えられているという傾向もありますですね。そういうことから見た場合、一万の恩給の場合は一律ですから、上も下も同率に改定されていく、こういうふうなことにもなるわけで、現職の公務員との均衡という問題についてちょっと不公平感があるのではなかろうかというような感じもするんですが、その辺いかがでしょうか。
○政府委員(新野博君) 確かに、そのようなことが従来の俸給表の改定に当たりまして顕著にあらわれた時期がございまして、そうしたことを反映して、上に薄く下に厚いというような改定方式を六十一年度までかなりやってきたということがございまして、全体の姿が相当改善をしてきたという認識でございます。 ただ、将来にわたってもずっと一律アップ方式を続けるのかということにつきましては、先ほど引用のございましたように、今後の社会経済情勢の推移なり公務員給与改定の傾向等を見ながらやはり引き続き検討していく課題ではあるという認識はいたしておるところでございます。
○磯村修君 それから、例えば恩給の支給というのは、今、年四回だったですね。これはどういう背景があるんですか、四回にしているというのは。
○政府委員(新野博君) 御案内のように、現在は恩給につきましては、一月、四月、七月、十月という年四回の払いになっておりまして、これは従来からの経緯ということでこういうことになっておると思います。もっと昔の歴史をさかのぼれば、あるいは回数をふやしてきたかどうかについてはちょっと御答弁を控えさせていただきたいと思いますけれども、現在のところ四回払い、こういう形になっておるところでございます。
○磯村修君 例えば公的年金は六回。だったですね。一方は四回で一方は六回という意味合いが私はちょっとよく理解できないんですけれども、なぜ恩給は四回なのかということ、そしてその背景はどうして四回になってきたのかということをお伺いしたいのですが。
○政府委員(新野博君) どうも恩給は従前から四回であるようでございます。公的年金につきましても、私の承知している限りでは昔は四回払いということでございましたが、最近新しく六回払いになっておるということのようでございます。
○磯村修君 生活者の立場から言えば、非常に高齢化社会で受給者の年齢がだんだん高くなってくるというふうな状況にあると思うんです。その場合、やはり回数を多く支給された方が受給者にとっては生活がしやすいというふうなことにもなろうと思うんですけれども、公的年金のように回数をふやしまして支給できないものかということなんですが、その辺いかがですか。
○政府委員(新野博君) 恩給の支給につきまして、現行の年四回から他の公的年金と同じ年六回の支給に改めてほしい、こういうことは恩給受給者の立場からは理解できるところでございます。しかしながら、恩給につきましては拠出制の他の公的年金と異なりまして、一応全額国庫負担という仕組みになっておりまして、国民の皆様方の税金によって賄われている。こういうことから受給者の方々等から、恩給の改善をいろいろするというときに、むしろこの時期の問題よりも内容改善というのを我々のところにはよくいただいております。 そんなこともありまして、限られた財源をもって真に効率的かつ効果的な恩給行政を進めていくのにはどうすればいいかということになりますと、新たな負担をできる限り少なくすることが必要であるということになるわけでございまして、年六回の支給の実現というのは、そういう意味では各種の経費を伴う関係もございまして、実際にはなかなか困難ではないか。また、他の年金等につきましても、いろいろ私の承知しておる限りでは拠出制の公的年金は六回でございますが、その他のものは恩給のような形で、全額国庫負担のものは少ないというのがどうも現状のようでございます。
○磯村修君 回数をふやすと、大体どの程度の経費というものが見込まれますか。
○政府委員(新野博君) 一応支払い回数が二回ふえるということでございますので、仮に恩給受給者約二百万、実際はもうちょっと少なくなっておりますが、それらの方々に支給期ごとにはがきで支給通知をする、また計算をやるというようなことが従来より五割ふえるわけでございます。そういうのが支給に要する費用でございます。 それと、現在は四月に一−三月分を払い、七月に四−六月分を払いというふうに前三カ月分を払うわけでございますけれども、新しく六回の制度を仕組みますと、どうしても最初の年は十三カ月分の予算をいただかないと回りません。恩給で一カ月分というのは約千四、五百億円に相当するものになると思いますけれども、要するに相当膨大な予算を一年度はいただかないと回らない、こういう事情もあろうかと思っております。
○磯村修君 大変な経費がかかるということはわかるんですが、もし、この内容はもちろんですけれども、受給者の側からそういう強い要望が出てきた場合、それにはどう対応していきますか。
○政府委員(新野博君) 受給者の方々の御判断はいつも予算の時期に伺わせていただいておりまして、当然そうした受給者の御意向には沿うべく努力はしていかなきゃいけないと思っておりますが、先ほども申しましたように、受給者の立場から当然それは望まれてしかるべき問題ではあると思いますけれども、今の強い御要望はむしろ内容の改善ということに声が集中しておるのが現実でございます。
○磯村修君 もう一点伺いますけれども、平成四年度の恩給局の予算案の中を見ておりますと恩給支給事務費という欄があるんですが、新年度からは自前でもって事務作業というものが進められていくというふうなことのようであります。 この金額を見てまいりますと、郵政事業の特会にこれまで組み入れられていた経費も大分減ってくるわけなんですけれども、そうした経費、それからそのほかの経費等を計算していきますと、大体ざっと二十億くらいの差額が出てくるわけなんです。これはどうなんでしょうか、これまでの予算の組み立てについて見積もりの誤りはなかったのかというふうな疑問も出てくるんですけれども、その辺まずお伺いしたいと思います。
○政府委員(新野博君) 郵政事業特会へ繰り入れております恩給取扱費につきましては、従来から、毎年度郵政省におきまして恩給取り扱いの業務をやっていただく業務量というのを計算しまして、その手数料に応じて算出した所要の経費を計上するという形でとってきておるところでございます。
○磯村修君 全体のこういう差額、格差というものを数字で見る場合、ざっと二十億というお金はちょっと多過ぎはしないかというふうな感じを受けますね。そういう意味から今回の予算の数字を見ますと、適正な見積もりと適正な繰り入れ、こういうことが実際に行われたのかどうかというふうな疑問がどうも払拭できないわけなんですね。ちょっと額も多過ぎはしないか、その辺はどうですか、どうしてこういう額が出てくるのか。
○政府委員(新野博君) 額の計算はそれぞれの業務量に応じた単価計算に延べ件数を掛けておるわけでございまして、それは非常に正確にやっておることで間違いないと思います。 それで、どうしてそんなに大きな額が必要なくなったかということがまず第一点あると思いますけれども、従来、恩給につきましては、その裁定業務というのは恩給局でやっておりましたが、支給に関する業務というのは郵政省でやっていただく、こういう体制を明治以来とっておったわけでございます。 しかし、近年、恩給事務の処理に当たりまして、受給権調査だ、やれ何だという形で電子計算機での機械処理を恩給局でもいろいろやってくる、こういう進展に伴いまして、恩給の裁定に関する情報や支給に関する情報というものがそれぞれ蓄積をされてきまして、我々のところにも蓄積され、また郵政省にも蓄積されるということで、同種の基礎的データの蓄積、利用などにおきましてかなり共通的な側面が見られることになったのが一つの大きな理由でございます。 そういうことであれば、この際、恩給局で蓄積されました基礎データに郵政省のデータを統合整理いたしまして、そして恩給の裁定から支給に至るまでの処理を一貫してやれば合理的になるんではないかということで、従来郵政省がやっておりました事務の中で非常に業務量の多い給与金の計算であるとか支払い通知書の発行であるとか、こういう業務を平成四年四月から我々恩給局でやるということにいたしまして、郵政省におきましては給与金の払い渡し業務、郵便局の窓口業務でございますが、それと例えば払い渡した場合の債券の管理業務、亡くなったのに行っていたという場合の取り戻しとか、そんなことを含めましたそうした業務をやっていただくということで、相当量の業務を恩給局でやることになったということでございます。その結果、単価を非常に減らしたということがこういう形になっておるわけでございます。 そうすると、その減った分だけ恩給局に必要なんじゃないかということがあるかもわかりませんが、恩給局ては従来からそういう準備をしておった関係もございまして、その減った分だけをいただかなくても恩給局ではできるということで、トータルとしては先ほどおっしゃいましたように約二十億円の合理化効果の出る事務システムの変更である、こういう理解をしておるところでございます。
○磯村修君 それでは、最後に総理府に要望だけしておきます。 先ほど、最後に同僚の議員からもお話がございましたけれども、かつての従軍看護婦さんの問題なんです。先ほど、正当な評価ができるように、評価されるようにということで努力していくというふうな御答弁がありました。こういう慰労給付金を受給されない、いただけない看護婦のためにぜひとも正当な評価、そしてまたその労苦に対する国の対応というものをぜひ積極的に推し進めてくださることを特にお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
○委員長(梶原清君) 暫時休憩いたします。 午後四時十三分休憩 —————・————— 午後四時二十二分開会
○委員長(梶原清君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○吉川春子君 従軍慰安婦の問題について質問いたします。 官房長官、政府は今まで従軍慰安婦の問題を、民間業者が軍とともに連れ歩いていたなどとして関与を否定しておりましたが、五十年近い歳月を経て、ことしになってようやく旧日本軍の関与、すなわち政府自身の関与を認める発言を行いました。一月十七日に宮澤総理の大韓民国訪問における政策演説の日韓関係で、我が国と貴国との関係で忘れてはならないことは、我が国が加害者で貴国がその被害者であったという事実であります。私は、この間、朝鮮半島の方々が我が国の行為によって耐えがたい苦しみと悲しみを体験されたことについて、心からの反省の意とおわびの気持ちを表明いたしますとし、いわゆる従軍慰安婦の問題について、実に心の痛むことであり、まことに申しわけなく思っていますとお話しされました。 それに先立つ一月十三日に、官房長官が記者会見で、従軍慰安婦として筆舌に尽くしがたい辛酸をなめられた方々に対し、衷心からおわびと反省の気持ちを申し上げたいと述べておられます。 質問です。これは日本の侵略戦争への反省と、強制連行されたりだまされたりして従軍慰安婦にさせられた人々に対するおわびであるというふうに受け取ってよろしいわけですね。
○国務大臣(加藤紘一君) 一月十三日の私の発言は、いわゆる従軍慰安婦の問題につきまして先生御指摘のような内容を含んでおります。 どういう、何についての反省でありまた謝罪であるかということでございますが、そこに率直に書いてございますように、いわゆる朝鮮半島御出身の従軍慰安婦の方々が過去筆舌に尽くしがたい辛苦をなめられたこと、そして、その従軍慰安婦という問題につきまして、かつての軍というものが関与しておったというその事実につきまして我々の謝罪の言葉を申し上げたわけでございます。
○吉川春子君 それで、その中には日本の侵略戦争に対する反省ということが含まれるのか、強制連行の従軍慰安婦に対するおわびも含まれるのか、この二点を具体的に伺っているわけなんです。
○国務大臣(加藤紘一君) 私たちのかつての日本の行為によって、いわゆるアジア諸国の人々、この場合には朝鮮半島の人々に多くの苦しみを与えたということにつきましては、従来から政府としては反省の気持ちを申し上げておったわけですけれども、それを私の記者会見でも同様のことを申し上げました。 それから、いわゆる従軍慰安婦の方々の問題につきましては、筆舌に尽くしがたい辛酸をなめられた、辛苦を経験されたことについて申し上げたのでございまして、今、先生おっしゃいましたように、強制労働者とか、それから強制連行というような問題等を含むのかというようなことにつきましては、その事実関係についてはこれからまたいろいろ調査しなければならないことであろうと思います。そのいわゆる従・軍慰安婦の方々の経験されましたいろんな心の傷、なめられた辛酸というものについての反省を述べたものでございます。
○吉川春子君 そうしますと、その総理のおわびの言葉の中に、強制連行してきたことに対して済みませんということは具体的には入っていないということですね。
○国務大臣(加藤紘一君) いわゆる従軍慰安婦という方々についての反省を示したものであって、また謝罪を示したものであって、軍の関与、何らかの形で関与しているということは私たちは認めるものでございますけれども、どういった形でのいわゆる従軍慰安婦等、運営がされていたかというようなことにつきましては、今いろいろ調査中でございます。
○吉川春子君 そうすると、それは調査して強制連行ということが明らかな資料が出てきたときに改めてそういうことについては言及する、こういうことですね。
○国務大臣(加藤紘一君) 具体的な形、どういった過去の経緯であったかということを私たちは今調べております。ただ、その調べがそういう意味では完全に終わっておりませんけれども、しかし、何らかの形で軍が関与していたということはいろんな資料で明らかでございますので、まず、その点について謝罪をいたしたいということで述べたのが一月十三日の私の発言でございます。
○吉川春子君 そうしますと、軍の関与はお認めになった。警察とかその他強制連行に関与したお役所はたくさんあるというふうな証言もたくさんあるんですけれども、そういうことについてはまだ調べがついていない。だから、強制連行をしたということについては、これはまだおわびの中とか官房長官のコメントの中にはそこまで含んでいないんですか。 重ねて伺いますけれども、官房長官の会見の中に、募集という言葉がありますね。この募集というのは、強制連行とかだまして連れてきたこと等も指しているのかどうか、こういうことは含んでいないのかどうか。じゃ、その募集の意味です。それを伺いましょう。
○政府委員(有馬龍夫君) 調査の経過でございますので、私の方からお答えさせていただきます。 この募集と申しますのは、その具体的な態様について私どもが子細捕捉したということではございませんで、これを集めるに当たっての気構えと申しますか、そういうようなものが……
○吉川春子君 何ですか。
○政府委員(有馬龍夫君) 気構えといったようなものが資料に散見されているというところに言及したわけでございます。 それから、軍以外のところにつきましては、現在関係があり得るかなといった省庁に調査を依頼しておりますけれども、現在までのところ、今まで防衛庁で調べてくれましたことのほかに、特に新たに見つかっているというふうには承知いたしておりません。
○吉川春子君 従軍慰安婦の募集や慰安所の経営について何らかの形で関与してきたと、こういうふうに書いてあるんですね。今伺ったのはこの募集のことです。 募集は、これは「アジア太平洋戦争韓国人犠牲者補償請求事件 訴状」によりますと、募集とは名ばかりで募集人数を割り当てられた面事務所やその地を管轄する駐在所にとっては、面庁、面というのは村という意味らしいですけども、面庁・面事務所労務係、駐在所警察官が一体となって、労働者を強制的に駆り集め、厳重逃亡防止の措置を行い、実質的には募集の名をかりた政府機関による強制連行にほかならなかったと。これは、ここだけじゃなくていろいろなところにもこういうあれがあるんですけれども、こういう意味での募集についての反省がこの官房長官の談話の中身なのか、それとも文字どおり、日本語の意味の募集の意味なのか、そこ調べつきましたか。それとも調査中だからと否定されるんですか。
○政府委員(有馬龍夫君) 現在までに御指摘のようなことを示唆する資料はみつかっておりません。
○吉川春子君 そうしますと、韓国でおわびされたり、心痛む思いだといって官房長官がおっしゃっている中身は、要するに慰安所を経営したことに関与していたかもしれない、で、従軍慰安婦の存在は否定できない、そのことについての反省であって、強制連行までは含んでいない、調査がついていないということですね。 しかし、例えばこれもこの訴状で、原告Bという人は、十八歳のときに中年の朝鮮人男性が村に来て、上海に行けばいいところがあるから行かないかと誘い、上海に着いてからの仕事の内容については一切説明なく、Bも軍隊慰安婦であるということは夢想だにしなかった。上海駅の近くで日本人憲兵に引き渡され、軍用トラックに乗せられ、たどり着いたところは日本軍隊の駐屯地だった。軍人の相手をしないと一等兵に殴られ、最初の一、二年は逃亡しないよう警戒も厳しく、外には一切出られなかった。 こういうことも書かれていて、実際は募集で任意に応募して、そして従軍慰安婦になったというよりは、強制連行あるいはそれに準ずるような形で連れられてきたという証言がたくさんあるんですが、政府は今それを調査しているけれども、その資料がないとおっしゃいますが、なぜ資料がないんですか。そういうことを日本政府がやってなかったから資料がないんですか。それとも何かほかの理由があるんですか。
○政府委員(有馬龍夫君) そのような資料がみつかっておりません。他方、否定をしているということでもありませんけれども、そのような何らかの形で関与していたことは否定できないというのが、今まで私どもが調べた資料から申せることでありまして、まさにそのようなことを踏まえて、全体をもって、先ほど官房長官がおっしゃられましたように、我が国としてはいろいろな機会に朝鮮半島の出身の方々が、我が国の過去の行為によって耐えがたい苦しみと悲しみとを体験されたことに対し、深い反省と遺憾の意を表明してきていると、そういうふうに申しているわけでございます。
○吉川春子君 労働省お見えですか。 女子挺身隊の名目で多くの朝鮮人が従軍慰安婦として連れてこられたということの証言があるんですけれども、労働省は国会答弁でこの点を否定し続けていますね。それは今でもその答弁を変える意向はないのかということと、従軍慰安婦の強制連行ということを政府は否定しても、国家総動員法の第五条に基づく挺身勤労令、昭和十九年の八月に天皇が出した勅令ですけれども、多くの朝鮮人女子が工場など労働者として、二十万かそれ以上がわかりませんが、とにかく強制連行されたわけですが、その法的根拠にこの勅令がなったということは認めますね、そこまでは。
○説明員(戸苅利和君) 女子挺身隊でございますが、これにつきましては今お話ございましたように、国家総動員法の第五条に基づきます女子挺身勤労令、これによりまして結成されたものでありまして、工場でありますとかあるいは政府の作業所等におきまして挺身勤労に従事していたということでございまして、その動員につきましては、当時国民勤労動員所で行っていた、これは事実でございます。 ただ、朝鮮半島出身のいわゆる従軍慰安婦の関係につきましては、労働省関係には何も資料が残されておりませんで、その後内閣官房の方の御指示もございまして、さらなる調査を行っておるところでございますが、そういった関係の資料も出てまいりません。 それから、当時厚生省の勤労局でありますとかあるいは国民勤労動員所、そういったところに勤務していた者からも事情を聞いておりますけれども、そういったもとの職員、今申し上げた厚生省勤労局あるいは国民勤労動員所が朝鮮半島出身のいわゆる従軍慰安婦については全く関与していなかったということでございまして、この女子挺身隊と、それからいわゆる朝鮮人従軍慰安婦の方との関係についてははっきりしたことは申し上げられないということでございます。
○吉川春子君 韓国の報道によると、女子挺身隊というのはイコール従軍慰安婦ということでみんな認識されていて、その名前でやられたということはいろいろあるんですけれども、労働省が朝鮮人女子の、その当時は日本人だったかもしれませんが、女子の勤労動員、そういう強制的なことはこの勅令でやった。しかし、じゃ従軍慰安婦については絶対そういうことはやってないと言うんだったらその証拠が必要ですよね。はっきりわからないんだけれども、やってないんだということは否定できないし、むしろそういう形で行われたということは言われているわけですから、朝鮮人従軍慰安婦を挺身隊の名でもって引っ張らなかったという確たる証拠はないわけですね。
○説明員(戸苅利和君) 先ほど申し上げましたように、両者の関係ははっきりしたことは申し上げられません。ただ、私どもが当時の厚生省勤労局でありますとか、あるいは国民勤労動員所に勤務していた者から事情聴取した範囲では、関与していなかったというふうに当時の職員は申しているということでございまして、両者の関係について、全く関係なかったかあるいは関係があったかということについてはっきり申し上げるだけの資料はない。ただ、事情聴取した限りでは先ほど申し上げたとおりです。
○吉川春子君 官房長官、従軍慰安婦については強制連行とかまたいろんな形、日本人の従軍慰安婦の場合はそれ以外の形も捗ったようにも聞いていますけれども、いずれにしても、政府によるこれは最大の女性べっ視の政策だったと思うし、国家の犯罪だと私は思うんです。いかなる形態の旧日本軍の従軍慰安婦であっても、そういうことに陥れられたすべての人々に対してやっぱり日本政府は反省しなきゃならないし、心より誠実な態度をもって、この問題解決のために当たらなきゃならないというふうに思うんです。 まず、女性べっ視の政策であったという点についての御認識はいかがですか。
○国務大臣(加藤紘一君) 戦争というものが人々の常識に反したことを時にはまた往々にしてやるということがあるわけでございますけれども、いわゆる従軍慰安婦という問題は、それが朝鮮半島出身の方であったにしても、また内地出身の方であったにしても、今冷静なときに、平和なときになってみますと、大変心痛む話であろうと思います。女性としては、こういう経験を持つということは本当に筆舌に尽くしがたい気持ちであろうと思いますし、その人たちが自分の人生にいろんな思いを持ちながらなおかつ訴えられるというのは、かなり勇気のあったことなんだろうと思っております。 ですから、この問題に軍が関与しているということは、何らかの形で関与しているということは明らかなことのようでありますので、私たちとしては、本年になり反省の気持ちを申し上げたものでございます。そして、それがどういう形で募集されたかということにつきましてはいろんな議論があり、またいろんな報道があり、また今の先生の御指摘もあるわけでございますが、その事実につきましては、我々もこれから調べてまいりたいと思っております。 ですから、ここの場で私たちはそれが強制連行であったという資料はまだ持っておりませんけれども、今、有馬室長が言いましたように、じゃ強制連行でなかったのかということについてもはっきりまだそれも言えないし、またそれを否定はいたしておりません。ただ、一生懸命調べてみますので、ここでそれが強制連行であったかどうか余り議論しますと、お互いにやはり言葉の誤解も生じてきたりいたしますので、政府の方に少し静かに調べる時間をいただけないものかと思います。
○吉川春子君 この問題、引き続きやります。 官房長官、一月十七日の記者会見で、宮澤首相の訪韓に関して、韓国内での反日デモや集会の背景に、同国での反日教育の影響があるとの指摘があることについて、第二次世界大戦への我々の反省を後世に伝える必要がある、韓国側も未来志向的に後世に伝えてほしい、こういうふうに述べられています。 それに関連して、政府筋のコメントとして、ソウルでの激しい反日デモは、小さいときから日本憎しと教科書で教えている。日本人を憎み続ける教育はやめてもらわないと戦時中の鬼畜米英の教育と同じだと述べて、韓国の教育に問題があるとの見方を示したという報道があります。 この官房長官の記者会見のコメントと政府筋のコメントとは相通ずるものがあるんですか。同じ内容のものなんですか。それとも内容としては違うんですか。
○国務大臣(加藤紘一君) 政府筋のコメントというものが、具体的にどういう人がどういう形で述べたのか、またそれが正確であったのか、一部だけが報道されたのかということがよくわかりませんので、あえてコメントいたしません。 私がその日に申し上げたのは、韓国でのそういったいろんなデモだとか何かがあるけれども、それについてどう思うかということについて、我々も過去の反省をしなければならないし、そしてまた日韓ともども、できるならば未来志向の原則に立って考えられるようになっていかなきゃいかぬのじゃないかということを申したのであります。
○吉川春子君 文部省に一問だけお伺いしますが、お見えですか。 日本国の学習指導要領は、私ここに小中高と持ってきていますが、侵略戦争について教えようということにはなってないんですよね。日本の国力が増強したことを教えるとか、東郷平八郎を教えるとか、こういうことはありますけれども、あとは何か第三者的に戦争の経過を教えるとか、そういう内容になっているんですけれども、学習指導要領で日本の侵略戦争の事実、それに対する反省を教えるという方向に立つべきじゃないですか。
○説明員(矢野重典君) 先生御案内のように、今回新しく学習指導要領を改訂したわけでございますが、今回の学習指導要領の改訂におきましては、国際社会に生きる日本人を育成する、そういう観点を一層重視して歴史学習の改善を図ったところでございまして、その趣旨については文部省が作成した指導書において示しているわけでございます。 例えば、小学校につきましては、我が国にかかわる第二次世界大戦について指導するに当たりましては次のように触れているわけでございます。「これらの戦争において、中国をはじめとする諸国に我が国が大きな損害を与えたことについても触れる」、こういうふうに示しているところでございます。 こういう指導要領、またはその指導要領を解説いたしました指導書に基づきまして、今後、先生の御指摘のような趣旨の歴史教育をより一層充実していくのではないかと私どもは考えているところでございます。
○吉川春子君 この戦後処理の責任者である総務庁長官に最後にお伺いしたいと思うんです。 従軍慰安婦の問題というのは、本当は質問するのがつらいんですよね、本当に資料を読むのもつらい、そういう種類の問題なんです。しかし、日本が過去にこういうことをやったということ、そして韓国や朝鮮の方々の怒りというのは相当なものだし、当然のことだと思うんですね。こういうものをやっぱり日本政府は五十年間も認めてこなかった。そして関与してこなかった。今静かに資料を調査させてくれなんというのは、静かに調査する時期はもうとっくに過ぎているんですね。 私は、そういうことでまず戦後処理問題として朝鮮のこの従軍慰安婦の問題についてどういうふうに戦後処理として取り組んでいかれるのかということと、今、韓国の反日デモは教育が悪いからだというようなことを政府筋がコメントとして言うような認識ではだめだと思うんですね。やっぱり日本がきちっと子供たちに対してもこういう事実を教え、反省していくというそういう立場に立たないと、日朝の両国人民の友好関係というのは成り立たないと思うんですけれども、そういう観点を踏まえて、戦後処理の観点から最後にコメントをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(岩崎純三君) 総務庁は戦後処理を主管する役所ではございません。したがって、そうした立場でのコメントではなくして、一人の人間としての所見を述べさせていただきたいと思います。 というのは、私、学徒動員で陸軍の特別操縦見習い士官として練習機の操縦桿を握っておりました。胸を病みまして命を長らえることができたわけでございますが、多くの戦友は命を落としました。そうした戦友のためにも、一度はなくそうとした命を大切にして、お役に立ちたいと思って、人間として今生き続けておるわけでございます。そうした中で、戦争というのは、単に勝つとか負けるとかという問題だけではなしに、多くの方々が想像を絶するような、悲惨にして残酷な経験をするものであるということを理解いたしております。 従軍慰安婦の問題、軍に関係あるなしにかかわらず、このことはあってはいけない、やってはいけない、そのことが現実の問題として今論議をされておるわけでございます。 ただ、命をなくすような、命をほうり出すような大変苦しい思いを経験された方々を思うときに、まさに胸の痛む思いでございまして、一人の人間としても遺憾に思うし、この地球の上に二度とそういうことがあってはならない、そんな願いを込めておるということが私の心情でございます。
○吉川春子君 終わります。
○委員長(梶原清君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(梶原清君) 御異議ないと認めます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十九分散会 —————・—————