地方行政委員会 第6号
- 発言数
- 341 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1992/05/19
会議録
○委員長(山口哲夫君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 地方行政の改革に関する調査を議題といたします。 平成四年度の地方財政計画について政府から説明を聴取いたします。塩川自治大臣。
○国務大臣(塩川正十郎君) 平成四年度の地方財政計画の概要について御説明申し上げます。 平成四年度の地方財政につきましては、最近における経済情勢の推移と地方財政の現状にかんがみ、おおむね国と同一の基調により、歳入面においては、地方債の抑制に努めるとともに、地方一般財源の所要額の確保を図り、歳出面においては、それぞれの地域の特色を生かした自主的・主体的な活力ある地域づくり、住民生活の質の向上のための社会資本の整備及び地域住民の福祉の充実などを積極的に推進するため必要な事業費の確保に配意する等限られた財源の重点的配分と経費支出の効率化に徹し、地方財政の健全化にも配意しつつ、節度ある行財政運営を行うことを基本としております。 以下、平成四年度の地方財政計画の策定方針について御説明申し上げます。 第一に、地方税については、最近における社会経済情勢等にかんがみ早急に実施すべき措置を講じることとしております。 第二に、地方交付税については、地方財政の円滑な運営に支障が生じないよう、その総額を確保するとともに、八千五百億円を減額する特例措置等を講じることとしております。 第三に、国庫補助負担率の暫定措置に伴う影響額等については、地方債等により所要の補てん措置を講じ、地方団体の財政運営に支障が生じることのないよう措置しております。 また、義務教育費国庫負担金等のうち共済費追加費用、国民健康保険に係る事務費負担金等の一般財源化に伴い所要の地方財源措置を講じることとしております。 第四に、地域経済の振興や雇用の安定を図りつつ、自主的・主体的な活力ある地域づくり、住民生活に直結した社会資本の整備、地域住民の福祉の充実、快適な環境づくり、住民生活の安全の確保等を図るため、地方単独事業費の確保等所要の措置を講じることとしております。 第五に、地方行財政運営の合理化と財政秩序の確立を図るため、定員管理の合理化及び一般行政経費等の抑制を行うとともに、国庫補助負担金について補助負担基準の改善を進めることといたしております。 以上の方針のもとに、平成四年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は七十四兆三千六百五十一億円となり、前年度に比し三兆四千八百三億円、四・九%の増加となっております。 以上が、平成四年度の地方財政計画の概要であります。 何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
○委員長(山口哲夫君) 次に、補足説明を聴取いたします。湯浅財政局長。
○政府委員(湯浅利夫君) 平成四年度の地方財政計画につきましては、ただいま自治大臣から御説明いたしましたとおりでございますが、なお、若干の点につきまして補足して御説明いたします。 地方財政計画の規模は、七十四兆三千六百五十一億円で、前年度に比較いたしまして三兆四千八百三億円、四・九%の増加となっております。 まず、歳入について御説明いたします。 地方税の収入見込額は、道府県税十五兆五千百九十四億円、市町村税十八兆五千四十六億円、合わせて三十四兆二百四十億円であります。 前年度に対し道府県税は二千四百五十億円、一・六%増加し、市町村税は一兆一千十億円、六・三%増加しております。 なお、平成四年度の税制改正としては、最近における社会経済情勢等にかんがみ、地方税負担の適正合理化を図るため、個人住民税所得割の非課税限度額の引き上げ、住宅及び住宅用土地に係る不動産取得税の税率等の特例措置の適用期限の延長等を行うこととし、四十一億円の増収を見込んでおります。 また、地方譲与税の収入見込額は、総額一兆八千八百三十八億円で、前年度に対し一千九十二億円、六・二%の増加となっております。 次に、地方交付税につきましては、平成四年度の所得税、法人税、酒税、消費税及びたばこ税のそれぞれ一定割合の額の合計額十六兆六千二百十六億円に二百十億円及び返還金を加算した額から、地方交付税法附則第三条の規定に基づく特例措置額八千五百億円、昭和六十年度分の地方交付税の総額の特例に係る返済額二百八億円、交付税特別会計借入金の元利償還額九百二十八億円を控除した額十五兆六千七百九十二億円を計上いたしました結果、前年度に対し八千三百八十八億円、五・七%の増加となっております。 国庫支出金は、総額十一兆九千九百三十億円で、前年度に対し一兆三千百億円、一二・三%の増加となっております。 次に、地方債につきましては、普通会計分の地方債発行予定額は五兆一千四百億円で、前年度に対し四千七百七億円、八・四%の減少となっております。 なお、地方債計画全体の規模は八兆七千五百億円で、前年度に対し三千三百十五億円、三・七%の減少となっております。 また、使用料及び手数料並びに雑収入につきましては、最近における実績等を勘案した額を計上いたしております。 以上の結果、地方税、地方譲与税及び地方交付税を合わせた一般財源の合計額は、五十一兆五千八百七十億円となり歳入全体に占める割合は前年度に対し〇・一ポイント減の六九・四%となっております。 次に、歳出について御説明いたします。 まず、給与関係経費についてでありますが、総額は、二十兆九千四百六十五億円で、前年度に対し一兆三千十七億円、六・六%の増加となっております。職員数につきましては、国家公務員の定員削減の方針に準じ、定員合理化を行うとともに、業務量の増大や施設増に伴い、福祉関係、清掃関係等の職員について所要の増員を見込むことといたしております。 次に、一般行政経費につきましては、総額十四兆九千六百三十二億円、前年度に対し一兆一千二百四十三億円、八・一%め増加となっております。このうち国庫補助負担金等を伴うものは六兆五千三百九十三億円で前年度に対し四千四百八十四億円、七・四%の増加となっております。 国庫補助負担金を伴わないものは、八兆七百四十億円で、前年度に対し五千三百五十九億円、七・一%の増加となっております。この中では、社会福祉関係経費を充実するとともに、環境保全対策に要する経費、国民健康保険関係経費を新たに計上いたしておりますほか、高等学校以下の私立学校に対する助成経費、地域づくり推進事業に要する経費、災害等年度途中における追加財政需要に対する財源等を計上いたしております。 また、高齢者保健福祉施策を充実するため、地域福祉基金三千五百億円を計上いたしております。 公債費は、総額六兆六百九十八億円で、前年度に対し二千二百七十七億円、三・九%の増加となっております。 次に、地方財政の健全化に資するため、臨時財政特例債償還基金一兆一千八百八十二億円を計上いたしております。 維持補修費につきましては、前年度に対し三百三十三億円、四・二%の増、八千百七十九億円を計上いたしております。 投資的経費は、総額二十四兆四千六百五十五億円で、前年度に対し一兆七千三百五億円、七・六%の増加となっております。このうち、直轄・補助事業につきましては、九兆六千六百八十三億円で、前年度に対し二千三十五億円、二・二%の増加となっております。 地方単独事業につきましては、地域の経済の振興を図りつつ、それぞれの地域の特性を生かした自主的・主体的な地域づくり、住民生活の質の向上のための社会資本の整備等の積極的な推進を図ることができるよう所要の事業費を確保することとし、前年度に対し一兆五千二百七十億円、一一・五%増の十四兆七千九百七十二億円を計上いたしております。 公営企業繰出金につきましては、上下水道、地下鉄、病院等の生活関連社会資本の整備の推進等に配意し総額二兆二千六百三十九億円を計上いたしております。 また、計画的な公有地の取得等を推進するため、土地開発基金五千億円を計上いたしております。 最後に、地方交付税の不交付団体における平均水準を超える必要経費については、税収入の状況等を勘案して所要額を計上いたしております。 以上をもちまして、地方財政計画の補足説明を終わらせていただきます。
○委員長(山口哲夫君) 以上で説明の聴取は終わりました。
○委員長(山口哲夫君) 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。塩川自治大臣。
○国務大臣(塩川正十郎君) ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。 地方財政の状況等にいんがみ、平成四年度分の地方交付税の総額について特例措置を講ずるとともに、各種の制度改正等に伴って必要となる行政経費の財源を措置するため、地方交付税の単位費用を改正する等の必要があります。 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 まず、平成四年度分の地方交付税の総額につきましては、地方交付税法第六条第二項の額に二百十億円を加算した額から、特例措置額八千五百億円、昭和六十年度分の地方交付税の総額の特例に係る返済額二百七億六千万円、交付税特別会計借入金元利償還額九百二十八億円を控除した額とすることとしております。 また、このうち特例措置額八千五百億円に相当する額については、平成六年度から平成十三年度までの地方交付税の総額に加算するほか、五千九百七十二億円を平成九年度から平成十三年度までの地方交付税の総額に加算することとしております。 次に、平成四年度分の普通交付税の算定につきましては、自主的・主体的な地域づくりの推進等地域振興に要する経費の財源を充実することとし、新たに企画振興費を設けることとしております。また、高齢者の保健福祉の増進、生活保護基準の引き上げ等福祉施策に要する経費、国民健康保険財政について、その安定化のための措置等に必要となる経費、自然環境の保全、廃棄物の減量化等快適な環境づくりに要する経費、道路、街路、公園、社会福祉施設、清掃施設等住民の生活に直結する公共施設の整備及び維持管理に要する経費、義務教育施設の整備、学習用教材の拡充、私学助成の充実、生涯学習の推進等教育施策に要する経費、消防救急業務の充実等に要する経費並びに地域社会における国際化及び情報化への対応に要する経費の財源等を措置することとしております。 さらに、平成四年度に限り、土地対策の推進に資するため土地開発基金費を、高齢化社会に対応し地域福祉の向上を図るため地域福祉基金費を、地方財政の健全化を図るため臨時財政特例債償還基金費を設けることとしております。 以上が、地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(山口哲夫君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○岩本久人君 おはようございます。 ただいまから提案をされました議案について質問をさせていただきたいと思います。二百分の時間がありますので、前半は中央対地方といったいわゆる地方自治とはどうあるべきか、あるいは地方財政計画といったような全体の総論的なことをお伺いしたいと思います。それから、後半は各論について具体的にお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 まず最初に、自治大臣にお伺いをいたします。 つい先日の四月二十九日のみどりの日には自治大臣、わざわざ私の地元の出雲までおいでいただきまして、出雲ドームの竣工式にお出かけをいただき、みんながびっくりするようなすばらしいあいさつをいただきましてありがとうございました。飛行機で一緒だったんですが、竹下元総理大臣、櫻内衆議院議長は地元ですから出席されるのも当然だと思っておりましたが、現職の自治大臣がかなり離れた地方の一自治体がつくった施設の竣工式にわざわざ行かれるということを思いまして、やはりあの出雲ドームというのはそれなりの大きな意味を持つすばらしい事業であったのかと今さらながら見直しているところであります。 ところで、オープンをいたしましてからきょうで二十日経過するわけでありますが、どのような反響があっているかと報告したいと思います。 まず、私が一番驚きましたのは、この出雲ドームを完成するまでの建設中に出雲ドームの建設現場に来られた方が三万人を超えだということです。三万人です、三千人じゃありません。やはり日本で一番大きな木造建築というようなこと、その他アメリカからも仕入れられたいろんな技術的なこと等多大な関心を呼びまして、そういうような大きな事柄に地元の市民も大変びっくりしたという状況です。 それから、竣工式の日は、ごらんになったと思いますが、オープニングセレモニーでラグビーの早慶戦がありまして、早稲田大学の応援団長として竹下登元総理大臣が始球式をする、それから慶応大学の応援団長として櫻内衆議院議長が、それぞれ出身の方が始球式をするといったような、さすが岩國市長ならではの趣向も凝らしてやったと私もびっくりしたんですけれども、そういうこともありまして五千人の者がわずかの時間に詰めかけました。 それから、五月二日からのゴールデンウイークに恐竜博というのをやったんですが、十二万三千人という大変な人が、そこにわざわざ見学に来たというような、今のところ大変大きな成果を上げていると思うんです。 しかし、一方では莫大な事業費がかかったわけでありますから、毎年今後一億円以上の返済が強いられるといったような問題等もこれあり、手放しで喜ばれることだけではないんではないかと思うんです。その辺を含めて、これは自治省の事業ですから、まず自治大臣の当日の竣工式の感想と、それからこの施設がもたらすさまざまな問題について自治省からお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私が出席させていただきましたのは、直接市長が来られまして、自治大臣が来るということはまさに地方における単独事業というか、地方のふるさとづくり、地域づくりというものを現地へ激励に来る意味が大きいからぜひ出席しろというお誘いを受けまして参上いたしました。 私は、確かに立派な施設であり、まず第一に非常に緻密な発想のもとに行われておると思いまして、ただ単に思いつきであのドームを建てられたんではない、それにはいろんな複合的な条件を考慮してお建てになったということ、これに対しまして認識を新たにいたしました。同時に、こういう施設がやはり雪を迎える季節を持っておる地域にとりましては必要なんではないかと思うたのであります。そして、同じ施設をつくるにいたしましても、一年を通じて有効に利用できる施設として非常に大きい効果を発揮するのではないかと思っております。 もちろん、あれだけの大きい建物でございますし、そしてまた周辺整備も十分に行われたものでございますから、費用は御承知のように七十億近くかかっております。それだけにこれの償還なりあるいは維持管理費は大変なものがあろうと思いました。市長に私もその点心配しておる旨をお話しいたしましたら、市長としても、この償還については実は私も非常に気を使っておる、だからできるだけこの施設を使う事業を積極的に考えていきたい、この施設を使うことがまた地域おこしにもつながってくるし、地域振興にもなると思って、これは私に永久の宿題を与えてくれておるんだ、こう思っておりますと、その気持ちを私たちは大事にしていきたいと思っております。そうでございますから、この地域において思い切った施設をおつくりになったことに対し、私は全面的な賛意を表し、これが成功されるように我々も全力を挙げて応援していきたい、そういう気持ちでいっぱいでございます。 同時に、これがひとつのきっかけといいましょうか、刺激になりまして、全国的に、何もドームだけじゃございませんが、これと同じように新しい地域に思い切った発想を起こしていただいて、地域振興の手だてをつくるようにしていただければと思っておりまして、これが全国に大きい刺激になったということを私は大きく評価しております。
○政府委員(紀内隆宏君) 財政面からの御質問がございましたので、若干補足をさせていただきたいと思います。 仰せのとおり、この施設の運営に当たりましては、維持管理費に年間約一億円ぐらい要るというふうにもくろまれております。それからまた、これに伴って入場者から上がります収入、これにつきましてはおおむねその六割程度をカバーするにとどまるであろうということで、一億円の四割ぐらいは毎年持ち出しになるであろうということが考えられます。また一方、施設をつくるに当たりまして起債をしておりまして、その償還費が平成七年度ぐらいからピークを迎えまして、これもかなりの重さにはなるわけでございます。 ただ、出雲市におかれましては、このような負担をあえてしても意義のある施設だという御判断になったわけでございますし、私どもも客観的に指標から見ますと、出雲市は財政構造が非常によろしゅうございまして、起債制限比率なども低うございますし、また経常収支比率なども低いという状況でございますので、客観的に見てもその負担にはたえ得るんではないか、このように考えております。
○岩本久人君 今のことを聞いて少し安心いたしました。 次の問題に移りますが、これも自治大臣にお伺いいたします。 去る七日に、本院の元議員であって前熊本県知事の細川護煕さんが、いわゆる細川新党という、名前はまだ正式に決まっていないんですが、正式な発表をされました。マスコミでいろいろなコメントがついておりますが、大まかに言って環境とか政治改革を目指すというようなこともありますが、やはり一番の主張しておられることというのは、中央対地方の現在のあり方、その現状に強い不満と不信と疑問を持っておるということだろうと思うんです。また、それを根本的に支えている日本の政治というのが官僚の主導になっている、これではいけない、やはり国会、立法府といいますか、それを優先にした政治、行政の運営に改めなければならないというのがこの原点になっております。 これもマスコミの報道によるということでしかわかりませんが、直接会って話ししておりませんので、この考え方に、理念といいますか、それに共鳴しておられるのが、前の島根県知事であり現在独協大学の学長である恒松制治さんとか、あるいは先ほど話が出ました岩國哲人出雲市長、ともに私の出身のところであります。特に恒松知事は、プラスすると十六年間ですか、私も地方議会にずっと一緒におりまして、あの先生がなぜこれに共鳴をされたかということについてそれなりに理解できるものですから、このことについてそのような経験をお持ちの、そのようなというのは新党結成ということではなくて、地方自治体で苦労なさったことがあるという意味ですが、塩川自治大臣のこの問題に対する基本的な見解はどのようなものをお持ちか、まずお伺いしてみたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 細川さんの主張しておられます新党宣言の中で、私も拝読いたしまして感じますのは、二つの大きい思想がそこに述べられておると思います。 一つは、根本問題として一九五五年体制ではこれからの新しい世界新秩序に対応できないのではないか。要するに、あの当時は冷戦がひょっとしたら熱い戦争になるかもわからぬ、とにかくベルリンの攻防をめぐりまして東西間に激しいいわば緊張があったときにできましたのが五五年体制、それが今日まで来ておる。ここに与野党ともに対する不満というものをぶつけておりまして、この五五年体制から新しい体制づくりに向かう政党のあり方を模索すべきではないかということ、これが第一点のあの主張であったと思っております。 第二点の主張は、そのためには一つは、本当に民主的な政治を導入しなければならぬ、その民主的な政治の導入のために中央と地方との関係を考え直すべきであるということを言っておられまして、そのもととなっておりますのは、旧藩閥体制のときには地方には自治があった、けれども今日では中央集権政治が余りにも強烈であって、それがために地方の自治というものは損なわれてしまって、自治の本旨はうたわれておるけれども実際に地方行政はない、こういうことを主張しておられます。恒松さんもそこは同じ考えでなかろうかと思っておるのであります。 この考えにつきましての第一点につきまして、つまり五五年体制にかわる新しい体制づくりについての御意見については、私は私なりにも考え方ございますし、全面的にというわけではございませんが、確かに時代は変わってきておるという認識につきましては同調できると思っておりますし、地方の改革、地方と中央との関係につきましては、細川さんのおっしゃっておるのと私は全く同じ考え方であります。 ただ、細川さんのおっしゃっておるのと違いますことは、やり方が違うと私は思うのでございますが、確かに中央集権的な体制の中にあって憲法にうたわれておる、九十二条でございましょうか、地方自治の本旨、これが実際に生かされておるかといったら私はそうはなっておらないように思います。これはどこが根本の原因か。せっかくその当時の占領軍が民主的な憲法の中に地方自治の本旨というものを憲法の中にうたえと強く要請し、それが出ておると思うのでございますけれども、それは結局は内務省をつぶすためにやかましく言ったのであって、本当の自治の体制をとるために中央集権のいわば国家行政組織法の底にメスを入れなかったという、これが今日までずっと自治を地方の自治体が実際は実現しにくくなってきた根本だろう。 要するに、憲法に地方自治はうたったもののいわば国家のシステムというものはやっぱり中央集権的システム、明治以来の中央集権のシステムはそのまま残してしまっておった、そこに制度と憲法の理念との間の大きい誤差が出てまいりまして、今回のようないわば地方自治の本旨はうたってはおるけれども、しかし実態は依然として地方の事務の大部分というものはいわば機関委任事務に依存しておるといいましょうか、そこに押しつけられてきておるという実態であって、地方自治そのものの度合いというものは非常に薄れてきておるということを思います。 それをどうして改善するかということにつきましては、この際地方自治の意識の転換から始めなければ、国民全体がその意識に戻ってくれなければ、中央から物をいただくんだという考え方、陳情合戦のようなあのもらい方、これがある間は、つまりお上意識が地方団体にある以上はなかなかこの改善は難しいんではないか。だから、私は意識の改革から進めるべきだということを主張しておるところでございまして、細川さんもその点においては同じ考えではなかろうかと思っております。
○岩本久人君 細川護煕氏、現在は行革審の豊かなくらし部会の部会長として、例えばパイロット自治体の問題やなんかもこの方の責任でいろいろ提言をされておるという問題等もありますが、いずれにしても、我が国には真の意味での地方自治は存在しないというのが今回私が、私というのは細川さんですが、今回私が新党を旗上げしようとした原点であるということを言っておられるわけですから、あえてこの問題を自治大臣に見解を聞いたわけであります。基本的な理念の問題等では大いに共鳴できるということでありますので、また後からよろしくお願いをしたいと思います。 ところで、中央対地方という、この地方税・財政制度を真っ向うから切っておられる論文が一つ見つかりました。実は昨日皆さん方のところにも事前にお渡ししておると思うんです。題して「都市は地方に搾取されている」、これはマッキンゼー日本支社長の大前研一さんの論文であります。大前さんに言わすと、自分の論文の中でもかなりハイレベルな満足のいく論文だということであります。また、これの副題としてこうなっているんです、「たとえば島根県民への交付金は神奈川の14倍」、こういうことで全国的にかなり読まれておる論文でございます。国際的なアナリストでもあるし、大変ファンも多くて、この方の書かれた論文についてはいろんなところで大変な意味を持ちますものですから、あえてこれを取り上げさせていただきたいと思うんです。 ここに書いてあること、何が書いてあるか、かなり長論文ですから私なりにまとめてみました。いわく、五つにまとめられると思うんです。氏の主張をかいつまんで要約すれば次のようになる片思うんです。 一つは、今の日本が抱えている二つの大きな問題は、東京一極集中とその裏返しとしての地方の過疎化であるが、特に地方は破産とも言うべき経済状態になっている。二つ目、日本のGNPを押し上げている属すなわち都市、それとそれに便乗している属すなわち地方と二極化しているのが今の日本である。三つ目、地方は国庫補助金とか地方交付税とかいう形で都市の稼ぎを搾取しており、しかも国という親からおまえは稼ぎが少ないからとたくさんの小遣いをもらっている子ほど金遣いが荒くなっており、稼ぎがよくて家に金を入れている子ほどぴいぴいしている、これが現実だ。そして、稼ぎのない子が親からもらう小遣いというのも、もとをただせば稼ぎのある子が、都会の者が家に入れた金である。四つ目、地方は中央からの金を浪費しており、その例がだれも来手のいない工業団地や中海・宍道湖干拓淡水化計画である。中央から金が来るとわかっているときに自助努力する気にはならず、他人の金だから自力更生の意欲も仕掛けもない自律神経失調症にかかっている。五つ目、自助努力こそが地方自治の始まりである。都市から得られる税金は都市で使えるようにし、中央政府で都市から集めた金を地方にばらまくのをやめにすることが大切である。 以上がこの大前さんの論文の要約だと思います。 そこで、私は、大前氏が今の基本的な考え方を展開するにつけて提示しておられるさまざまな資料を調査してみたんです。 一つは、各県別の国から地方へ出しているお金の合計。たまたま、氏はそれを地方譲与税、地方交付税、国庫支出金の合計額、これを全国各県ごとに人口で割って、一人当たりの金額を、どこが一番多くてどこが一番少ないかということで表にしてあるんです。これを見ますと、島根県は、彼が指摘したように一人当たり金額が三十三万七千円です。一方、十四分の一だと言われた神奈川は二万四千円だ、だから十四倍だ、こういうことを言っているわけです。しかし、私にしてみれば、地方交付税の性格というものは、法律で決まっている地方固有の財源であるということ、地方譲与税にしてもしかりであるということ、そしてその前提となる各県の県税を全く入れない、除外しての議論でありますから、これはとてつもない暴論であって、とてもそんなもの聞く耳持たないというのが私の立場でございます。まさに、これを称してためにする議論だと私は思っております。 資料は十ぐらいあるんですが、一々言っておっても時間ありませんので、あえてためにする議論だと私思いますもので、では反対に面積当たり行政投資が多い順という資料をとってみました。これでいくと、我が島根県は、一平方キロ当たりの行政投資総額、五千二百万円です。これに対して、当たり前のことではありますが、東京都は十七億七千九百万円、実に三十五倍から四十倍だと。なぜ私がこういうことを言うかといいますと、車ほどさように計数のとり方次第ではどのような議論にでもなろうということを特に言いたかったわけであります。 そこで、搾取されておる代表として指摘をされておるわけでありますから、そこに生活の本拠を持つ私としては、島根県民として一つほど今何が一番言いたいかということを言ってみたいと思うんです。一々話しておっても仕方ないからおきますが、一つは全地球規模的な環境という問題に、どちらがどのように貢献をしているか。都市の周辺におけるベッドタウンの問題とか、あるいは水源涵養の問題とか、その他ありますが、一番ここで私が申し上げたいのは、せっかくお金の話が出ておるわけですから、私はなぜ過疎になったか、過疎になった原因は何かということをちょっと主張してみたいと思うんです。 ここに一つのデータがございます。これは去年一年間の統計ですが、島根県の中で、島根県には普通大学は一つしかありませんので、広島、岡山、京都、東京、こういった大都市圏の大学に通っている者の親の調査をして統計をとってみましたら、大学に通っている家庭の平均の支出額の中から、授業料というのはどこでも同じように払わなきゃなりませんので、授業料を引いた生活費だけ、それの平均が百九十四万六千六百円と出たんです。これは島根県だけではないと思います。同じような規模の県では同じことだと思うんです。私は、その搾取している側だと言われたところだけ宣言ったんです。つまり、都会の大学に出すために大学のないところの親はどれだけの負担がかかるかといいますと、もう一度言いますと、百九十四万六千六百円です。一年に約二百万円かかっているというわけです。 そして、これも去年の島根県のデータですが、大学を卒業して県内に就職した者が卒業生二千五百四十一人のうち八百人、三一・五%です。つまり、約千八百人は都会に就職して、そのままそこの都会での貴重な人材になっている、こういうことを私言いたいんです。これは大学だけですが、ほかに短大も同じような数字でいきますと、県内就職率が四九・八ですからこれが五百五十人。それからちょっとレベルは違いますが、高校を卒業した生徒で就職したうち県内にとどまる者が四九・四です。ちなみに、全国都道府県の高校を卒業して県内に就職を求める者の全国平均は七三・九ですが、私のところの島根は四九・四、約五割。高校を卒業して就職する者が四千人おるわけですから、そのうちの半分の二千人。 そうすると、単純に計算しても、この二千人、千八百人、五百五十人で約四千五百人の者が、島根県に生まれて親が苦労して苦労して育てて、そして大学まで出して、大変なお金、力、エネルギーを使った者が県外に出ていく。主として一極集中と言われるこの東京都、こういう大都会の中で今や貴重な人的資源としてそこの地域の都会の発展のために精いっぱい頑張っている、こういうことなんです。そのことについていささかの反省もない。 そういうようなことについて、私は今後地方交付税、地方財政計画、そういったものを考えるときに、もちろんそういったことから考えると、これは税金の基準財政需要額に足らないところを埋めておるということがあるかもわかりませんが、それを超えるものがここにあるということを私言いたいために言ったんですが、そういったことを十分勘案をして今後の地方財政計画とかいろいろなものをつくってほしい、こう思うわけであります。まず私は、その問題についての大臣の基本的見解をお願いしたいと思います。ちなみに、今の私の試算だけでいつでも、大体一年間に島根県民が払うお金は高校、大学だけで三百億円ぐらいになっている、こういうことであります。それを含めてひとつよろしくお願いしたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、大前さんのエッセーというんですか論文というんですか、これは初めて拝見したのでございますが、大前さんのおっしゃっているのは、こういう実情を強く意識づけるためにこういう表現をとっておられるのであって、決して全面的に搾取だと、そんなつもりで言っておられるのじゃないと思うんですけれども、私はこういう考え方をされる背景というのは、一つは経済中心主義に考えられるとこういうことになるのかなと思うたりもいたします。 けれども、人間が一つの家に住むのに、座敷もあれば台所もあり便所もあり仕事場もありというので初めて一軒を成すのであって、また我々の生活の中で背広ばかりではやっぱり味気ないことでございますし、何年に一遍しか着ることのない紋付の着物も必要でございますし、あるいはぼろくずになってきたぞうきんに使うようなきれもあって、そこにやっぱり生活の一つのバランスがとれておると思うんです。 でございますから、日本国全体を見ました場合に、あちらにもこちらにもそれぞれの特色のあるところがあって、それらが全部集まって日本を構成しておるんですから、特定の地域が特定の地域から搾取してそこに投資しているという、そんな考えを私たちは全く持っておりません。そうではなくして、むしろそういうバランスをどうしてとっていくかということに苦労するのが実情ではないかと思っておりますのでございますから、都市は地方に搾取されているという、そういう考え方は持っておりません。 しかし、言えることは、その投資が効率的に使われているかどうかということの問題は確かにあるだろうと思いますけれども、決してそれをもって搾取だという考えはとらないものであります。 もう一つ、地方から人材の供給をしておるというお話がございましたが、それは確かにそういうことで過去の日本の高度経済成長を支えてまいりました。しかし、その状態をずっと続けるということは、これは日本の将来を見た場合にいわば望ましい姿ではない、むしろ今東京に集中してきたものをこれからいかに地方に分散させていくかということ、これがテーマでございますので、今おっしゃいました人材供給のソースとしての地方ということから、むしろ人材を地方に散らしていく政策をこの隊とっていくことを国として、あるいはまた地方自治体としての方針にすべきではないか、こう思っております。
○岩本久人君 それは自治大臣が大前さんと同じ考え方だとは毛頭思っておりませんが、この論文の評価について今大臣が、いや大前さんもそのような考えではないんではないかと言われますが、そうでなくて、明確に書いてあるわけです、何回も何回もくどいほど書いてある。それで、これと同じようなことをいろんなテレビ対談等でもやっておられるということなものだからあえて申し上げたということです。 それで、同じ質問を財政局長にもしたいと思います。急ですから若干その前に話しますが、私がなぜこれは議論するにはとてもいい素材を提供してもらったと思ったかというと、例えば全国の都道府県知事の会議、あるいは総務庁とか各行政単位の会議のとき、あるいは市町村長が集まったときの会議、あるいはその後の具体的に事業を進めていく過程における中央省庁の態度が、ああやっぱりそうかと思われることが多々あるから私は取り上げたんです、多々あるから。そこに非常に大きな問題があるために、時として地方の者はやっぱりひがみ等も若干出てきている、私はここを憂えるから言ったわけであります。先ほどから私が言っていること、あるいは今私がここで言ったこと等を含めて、財政局長の見解を伺いたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 大前論文を拝見させていただいたわけでございますが、基本的には先ほど大臣が御答弁申し上げましたとおり、我が国の国土というものは都市と地方というものがある、そしてそれがそれぞれ特色を持って発展をしていくということがやはり望ましい姿ではないか。すべての地域がすべて都市化されていくということはあり得ないわけでございますから、一方に都市があれば他方に田園地域あるいは森林を持つ環境のいい地域があるということで、均衡のある我が国の発展というものが望まれるんだというふうに考えるわけでございまして、そういう意味から考えまして、どちらがどちらを搾取するというような考え方というのは私はとり得ないんじゃないかと思うわけです。 むしろ財政面から考えますと、我が国の場合にはいろいろな行政サービスというものがどの地域でも同じような行政サービスを受けられるような、そういう国にしなければいけないというのが基本的な考え方ではないかと思うわけでございます。そういう観点からいきますと、都市でも地方でも教育は同じような教育を受けなきゃいかぬ、あるいは福祉も同じようなレベルの福祉を受けなきゃいけないということで、まずその地域における必要な経費というものがどの程度必要なのかというものがまず前提になってこなきゃいけないんじゃないか。 しかし、それに対して、そこから得られる収入というものは当然地域の財政力が違うわけでございますから入ってくる割合が違う。そこの違いを均等にならすために、先ほどもちょっと御指摘のように、地方の固有財源でございます地方交付税というものが機能いたしまして、そしてどの地域におきましても同じような行政サービスを提供し得るような、そういう財政措置というものが行われているのではないかというふうに考えるわけでございます。 そういう趣旨からいって、人口一人当たりでその地域地域を比較するということは、これは財政需要という面を全く無視した考え方ではないかということで、この論文については私は非常に大きな疑問を感じているところでございまして、都市から得られた税が地方に行くということではなしに、もっと大きな高い視野から税源の再配分というものが行われているというふうに理解をしているわけでございます。
○岩本久人君 今自治大臣や財政局長が答弁されたその基本的な理念と姿勢でひとつ末端の職員までしっかり頑張ってほしいと要望しておきたいと思うんです。 そこで次の問題に移りますが、地方制度調査会の問題です。 今回の、現在ある調査会は第二十三次、このように言われておるんですが、現在までにたくさんの答申が出されております。その都度マスコミ等でも報道されておりまして、とてもすばらしい内容のものも多々あるのでありますが、残念なことにこれが大事なところはほとんどと言っていいほど実行に移されていない。とても悲しい思いでいっぱいであります。その中で、三十も四十もありますから一々言っておったのでは時間がありませんので、一、二抜き出して、なぜそれが実行に移されていないのかということを責任ある方から答弁をお願いしたいと思います。 まず一つは権限の移譲。権限移譲行政、事務の再配分、許認可事務の整理合理化等に関する事項、これが何回も討議されておりますが、いまだかつて基本的な問題に触れられていない。 それから地方自治の日。地方自治の日を設定すること、住民投票制度を拡張すること、直接請求制度の改善など自治意識向上のための方策、これも全くと言っていいほど議論もされていないんではないか、こう思うんです。 まず、なぜかという前に自治大臣に、この種の答申というものは答申を受ければそれで終わりなんでしょうか、やはり実行する責任というのはあるんではないか、こう思うんですが、基本的な受けとめ方についてお伺いします。
○国務大臣(塩川正十郎君) 地方制度調査会の答申というのは御承知のように総理大臣が委嘱しました調査会でございまして、その答申は国として尊重しなきゃならぬのは当然でございますけれども、だからといってすぐにその答申のとおりあしたから即時実行できるという性質のものではございませんので、その方向に向かって法制的整備を進めていくというのが実態でございます。その改善していくスピードがもどかしいというか、おくれておるということはこれは私は感じておりまして、そこに反省の要ることはございますけれども、しかし地方制度調査会の言っております地方自治の諸制度につきましては絶対後退はしておらない、日々やっぱり前進はしてきておると思っておりますので、その意味においてやはり地方制度調査会等から出てくるところの答申というものを絶えず私たちが一つの目標としてその実現に努力していくということ等あわせて考えて取り組んでいくべきだと思っております。
○岩本久人君 今自治大臣が言われましたけれども、きょう答申が出たからあしたすぐできる、そのようなことは全然私は言っておりません、言葉じりをとらえるつもりはないんですが。ここに私は一覧表を持っていますが、昭和三十二年、昭和三十五年ごろのもあるんです。きょうのあしたということを言っておるわけじゃないんです。十年ごとのスパンで考えてみても何ら手をつけていないということを言っているわけであって、その点について大臣はいいですから、さっき言った個別の問題で当局にお聞きいたします。
○政府委員(紀内隆宏君) 御指摘ございましたように、かなり前の時代に答申されてなお実現に至っていないものもございます。もちろん実現に至ったものも数多くございます。実現に至らなかった理由につきまして、それぞれの答申の事項ごとに違うわけでございますけれども、私どもとしては今後とも、政府全体の問題でございますので、関係省庁へも働きかけながら実現に向けて努力をしてまいりたいと思っております。 具体的にお挙げになりました事項についてそれぞれ若干申し上げますと、権限の移譲については数次にわたって御答申をいただいておりまして、私どもはこれまでも数次にわたる一括整理法、あるいは各年度における法律の制定、改廃の都度、いろいろと各省庁の理解を得られるよう努力し、若干でも進歩を遂げているというふうに考えておりますけれども、調査会全体の答申あるいは地方団体の要望から見ればまだ十分な状況には至っておりません。今後とも努力をしてまいりたいというふうに考えております。 それから、地方自治の日についてお話がございました。地方自治の日につきましては、自治意識の高揚のためにそういう日を設定してはどうかという答申でございますけれども、その中には、この日に統一地方選挙を実施してはどうかとか、あるいはこれを祝日にしてはどうかとかいうふうな提言をも含んでおりまして、非常に幅広い角度から検討を要するものでございますので、なお現在検討中という状況でございます。 また、住民投票制度についてお話がございました。住民投票制度につきましても、第十六次の地方制度調査会におきまして、その拡張について検討の必要があるという旨の援言をいただいておりますが、同時にその提言の中で、住民投票制度は現行の代表民主制に対する補完的な制度として議会や長の本来の機能と責任を損なうことのないように配慮する必要があるとも言われているところでございます。 したがって、住民投票制度の導入につきましては、現在の地方自治制度が代表民主制を基本としておりますので、そこのところとの関係、具体的にはどのようなものを住民投票の対象として考えるか、あるいは住民投票の結果というものを法制上の位置づけとしてどのような効力を持つものとして組み立てていくのかというように、検討すべき事項が非常に多うございますので、なお今後慎重に研究していくべき事項である、このように考えております。
○岩本久人君 この問題のいわゆる関係当局の責任部署というのはどこなんですか。
○政府委員(紀内隆宏君) 地方制度調査会自体は総理の諮問機関として位置づけられております。したがって、答申された中身につきましては、政府全体の問題ではございますが、具体的にはその答申の中に盛り込まれた事項事項につき所管する者の責任と、このように考えております。
○岩本久人君 さっきあなたがお答えになったのは少なくとも自治省の所管ですね。それをちょっとお聞きいたしたい。
○政府委員(紀内隆宏君) 権限の移譲につきましては、それぞれの権限を持っているところと私どもの相談事項ということになると思います。それから、地方自治の日そのものにつきましては私どもの問題でございますし、また住民投票制度につきましては、恐らくはそれは地方自治法の中の問題になりましょうから私どもの問題でございます。
○岩本久人君 それでは、今私どものところだと言われた部分のほどをちょっと引き抜いてみますが、それを検討するための会議をいつごろどの程度やられたのか、それをお聞きいたしたいと思います。
○政府委員(紀内隆宏君) 具体的にそれを実現するための会議と申しましょうか、そういうものを設定しておりませんけれども、日常の業務の中でやはりこれを勉強しておりまして、例えば地方自治の日でございますと、先ほどちょっと申し上げましたけれども、これは自治意識の高揚の日という抽象的な目的はあるわけでございますけれども、それを意義づけるためには、例えばこの日を地方統一選挙の日とするというふうなこともあわせてやらないと印象深い日にならないというふうな御提言になっているわけでございます。 そうしますと、統一地方選挙自体が現在かなり、四年ごとに行われるものの、全体に占める割合というのはずっと減ってきております。仮にこれを例えば秋のある日なら秋のある日にまとめてやったとしますと、その後、長であれば長の離職があってみたり、あるいは議会の解散があってみたりするとそれがどうしてもずれ込んでいくわけでございます。 したがって、その辺の技術的な問題をどうして効果ある日としてまとめることができるのか。非常にずれていった場合にまとめることが不可能だとすれば、果たしてそこに十分な効果というものを認めることができるかどうか、そういう技術的な問題をも含めて議論を盛んにやっているところでございます。
○岩本久人君 いや、さっきからあなたが言っておられることは、できるだけ実行に移さないため、移したくないための理由を並べておられるとしか私には響かないんですね。だから、あなたたちにしてみたらやはりそう思ったと、ちょうど今たまたまその担当なものでひどい目に遭ったというような気分ではないかと思うんですが、それは違いますか。少なくともあなたの前任者から引き継ぎがありましたか、こういうことについて。
○政府委員(紀内隆宏君) 既往の地方行政調査会の答申がどのようなもので、その中で処理されていないものがどういうものであるかということは当然引き継ぎを受けておりますし、先ほど申し上げたことが消極的に聞こえたかもしれませんけれども、決してやらないための口実を数並べているわけではございません。実際にやっていくとそういう難しい問題点があるので、幅広い検討を要するということを申し上げているわけでございます。
○岩本久人君 いずれにしてもその程度です、これは。だから、十年前なら十年前のものもそのままずるずるずるずる来ているんです。何のための審議会かわからない。 私が今ここでくどくど言っているのは、この後行革審の問題を言おうと思うから言っておるわけです。まず、結果を押さえてみて、この種の答申というものがその後の行政にどの程度生かされるかということの確信を持ってから次に移りたいと思うから、自治省の管轄だから、地方制度調査会の答申がどうなっているかということをあえて今聞いているわけでございます。 私が言っていることについて、自治大臣、理解できますか。
○国務大臣(塩川正十郎君) おっしゃることは決して無理なことはおっしゃっていないんです。しかし、調査会でいろいろ議論が出ますが、これはやっぱり一つの理想といいましょうか、目標を示されておるんで、現実にいろいろな制度がかみ合わせられて、いろんな制度の中の地方行政というのをやっておるのでございます。 地方制度調査会のおっしゃったことだけを国の政策として生かし得る場合と、他のいろんな政策の調整といいましょうか、整合性をとってやっていかなければならぬということ等いろいろございますので、一概にこれは、地方制度調査会が言ったものは絶対にやらなきゃいけないんだというだけのことではない、やっぱりそれを実現するためにいろんな環境整備をしていかなきゃならぬこともございますので、先ほど言っておりますようなことで御理解いただきたいと思います。
○岩本久人君 私は、今大臣が言われたように、一概にとか絶対的なものとかということを言っているわけではありません。少なくとも日本の中で考えればこの分野における最高の知恵を集めて一つの結論を出したわけだから、まず諮問をしたからには答申を受ける、答申を受けたからには何はおいてもどこかの部署では全力でもって実行に移すという努力が常に払われていなければならない、こう言っておるわけです。ところが、一生懸命されてはみたけれども、それが払われていると見られないから私は言っておるんです。 そこで、仮に一生懸命頑張っておられると認められたと、頑張ったけれども、さっき行政局長が言われたように、現在の法律に照らしてどうかとか、あるいは地方の実情に照らしてどうかとか、その他各界の意見を聞かなければいかぬとか、さまざまな意見をしんしゃくして総合判断をしても、なおかつ無理がある、これは難しいですということになれば、答申をされた地方制度調査会にもう一回戻すというような努力をされてはいかがなものであろうか。一生懸命考えた末答申した者は、これでは浮かばれませんよ。諮問を受けた、何回か議論して、それから答申を出した。結果はほとんど無視された。これでは何のためにかわからぬ、こういうことになるんで、今私が言ったようなことに、今度再諮問するというようなことについてはどのようにお考えか、お伺いいたします。
○国務大臣(塩川正十郎君) この種の調査会、委員会、審議会等でいろいろ御決定がございますけれども、この実施方については実際はそこの調査会、委員会の主体的な結論というものを再度待たなければならぬと思うんであります。 したがいまして、岩本さんから貴重なこういう御質問があって、私たちもその点についてはやはり絶えず過去におきますところのいろんな答申の検討をするということは必要ではないかという意見の具申は、私たちから地方制度調査会に対しまして申し入れをしたいと思います。
○岩本久人君 この辺でこの問題はおきたいと思いますが、いずれにしても私が何を言いたいかということは十分おわかりいただけたと思いますので、今後ひとつよろしくお願いをしておきます。 それでは、大蔵省に質問をさせていただきますが、いろいろあるんです。衆議院の地行でも時間をかけていろいろ議論をされたことも承りました。それからきのうの参議院本会議における自治大臣の答弁とか、あるいは福田総理のあれもそれなりに理解しているつもりでありますが、あえて、ここは参議院の地方行政委員会でありますから、二つの問題について具体的にお伺いをしたいと思います。 その一つは、いわゆる地方交付税は固有の財源だという問題です。またかということかもわかりませんが、私にとっては本日この時間現在までのところの答弁が極めて不満だから、もう一度とういうことになっているか、まず聞きたいと思うんです。
○政府委員(田波耕治君) 地方交付税の性格の問題でございますけれども、これにつきましては昭和四十四年に福田大蔵大臣の御答弁がございました。それ以来、地方行政委員会を中心にいろいろ御議論がございまして、歴代の大蔵大臣が御答弁申し上げておるところでございますけれども、地方交付税は、特定の国税の税収の一定割合が国から地方に交付されることが決まっていることから、地方の権利のある金であり、そういう意味において固有の財源と言っても差し支えがないものと考えておるところでございます。
○岩本久人君 今の答弁は、きのう大蔵大臣から聞いたんですが、その前に自治大臣にお伺いしたいんですが、地方交付税法の三条の問題、それから四条に「自治大臣の権限と責任」と書いてあるんです。その二つの条文からいって、今の答弁で事足りるのですか、それをまず聞きたいんです。
○国務大臣(塩川正十郎君) 福田大臣の表明されましたこと並びに歴代大蔵大臣がおっしゃっていますように、地方の固有財源として考えて差し支えないというか、要するに地方の権利のある金だということを明確に言っておりますので、私たちとしてはこれは地方の固有の財源である、しかも地方団体共通の財源である、こういうぐあいに見ております。
○岩本久人君 これは、憲法に基づいて地方自治というものが存在をする、それから地方自治の固有の財源として地方交付税というものが地方交付税法という法律のもとで明確にこれは位置づけられておるというのが私の判断なんです。私の理解なんです。にもかかわらず、かつてだれかがどこかでこう言ったから、あるいは過去十年、二十年こういう形で来たからそれは地方から見ていわば権利のある金だ、そういったようなあいまいなものでは僕はないと思うんです、これはちゃんと法律で決まっているわけだから。だから、今あなたが言われたそういう意味において固有の財源と言っても差し支えない、このようなあいまいな表現であってはならないと、私は厳格にそのことを申し上げたいと思うんですが、再度その点についての答弁を求めたいと思います。
○政府委員(田波耕治君) もとより地方交付税法は地方財政の運営の根幹をなす法律でございまして、私どももその法律の趣旨にのっとっていろんなことを考えていきたいというふうに考えております。 今、委員御指摘の、地方から見てという御答弁を申し上げたことが実はございますけれども、これは今明確に申し上げましたように、地方の権利のある金でございまして、再度の繰り返しになりますけれども、特定の国税の税収の一定割合が国から地方に交付されることが決まっていることから、そういう意味において地方の権利のある金だというふうに申し上げて差し支えないというふうに申し上げておるところでございます。
○岩本久人君 ということは、さっき言われた地方から見ていわば権利のある金でありというのでなくて、地方の権利のある金だ、このように言いかえる、こういうことですか、もう一回聞きたい。
○政府委員(田波耕治君) 先ほども地方から見てと申し上げておりませんで、何度も繰り返して恐縮でございますけれども、地方交付税というものは、特定の国税の税収の一定割合が国から地方に交付されることが決まっていることから、地方の権利のある金であり、そういう意味において固有の財源と言って差し支えないというふうに先ほど御答弁申し上げたところでございます。そのとおりで結構でございます。
○岩本久人君 それじゃ、衆議院の議事録をここにもらっていますが、それとは違うわけですね。地方の権利のある金だからと、こういうふうに言われたということですね。 それならそれでもうちょっとわかりやすく言いなさいよ。いかにもくれてやるという思想ですよ、この物の言い方は。私は、ここがとても気に入らないから、きのう大臣の御答弁があったけれども、あえてここで取り上げたんです。やっぱり今後もうちょっと、これは地方にとって地方交付税というものはお上から施してもらうお金ではないんだ、当然一〇〇%地方に帰属するお金であるというふうにあなた方も言い切ってもらわないといけないし、地方にもそう思わせるための努力をしてもらう、そのことの必要は十分あると思いますから、その点についてはよろしくお願いしたいと思います。 それじゃ、もう一つの問題です。いわゆる公経済バランス論というものです。これもまた衆議院の議事録がここにあります。ここで、衆議院ではその辺の折り合いがついたということですが、私はとても我慢ができないのでもう一回取り上げます。 いわゆる地方財政の剰余論の問題で、「平成四年度予算及び財政投融資計画の説明」というのが大蔵省主計局、理財局から出ております。これの三十一ページにはこう書いてありますね。「四年度の地方財政については、臨時行政改革推進審議会の答申の趣旨に従いこ云々で、途中を省きます。「地方税及び地方譲与税が相当増加すると見込まれるため、元年度(二兆三千四百六十五億円)、二年度(三兆四千八百五十九億円)、三年度(三兆六千九百二億円)に引き続き、大幅な財源余剰(二兆三千六百二十五億円)となりこ、したがってこれこれを減額する、こう書いてあるんです。これについて衆議院の地方行政委員会では、これがもし違っていたらいけませんので、どのような答弁をされましたか聞きたいと思います。
○政府委員(田波耕治君) 国会に提出いたしました「予算の説明」にそのような記述があることは事実でございます。その趣旨について御説明を申し上げました。 その要旨は、多少長くなって恐縮でございますけれども、毎年度、これも委員御承知のように、地方財政対策を講じますときに、まずその前提となる地方財政収支見通しを策定いたしまして、その結果生ずる財源過不足に応じまして必要な措置を講ずることとなっておるところでございます。 その際、政府の部内において歳入面におきましては、地方税収を的確に見積もりまして、あるいは国庫支出金を積み上げる、そういう計算をするなど、地方の歳入を適正に見積もります。一方で歳出面におきましては、社会資本整備や福祉など、地方の所要の歳出を見込むわけでございます。その結果、財源過不足が生じた場合に所要の措置をとる、これをいわゆる地方財政対策と呼んでおるところでございますけれども、それを講じまして、最終的には収支バランスのとれた地方財政計画の形に自治省、大蔵省その他いろいろ御相談いたしましてつくり上げるということになっておるわけでございます。 こうした地方財政対策を講じる前の収支見通し、今るる申し上げましたけれども、その歳入、歳出の収支差を出してみますと、平成四年度においては歳入が歳出を上回ることが見込まれることとなったところでございます。今回の特例措置は、こういう地方財政の状況を前提といたしまして所要の交付税の総額を確保した上で、国の厳しい財政事情ひいては公経済のバランスを勘案しながら講じた措置である、そのような御答弁を申し上げたところでございます。
○岩本久人君 いろいろ言われましたが、要するにこの資料は古いと言いたいわけですか。これはなかったことにせよというわけですか。
○政府委員(田波耕治君) この資料につきましては今申し上げたような趣旨で書かれているものであるという御説明を申し上げましたけれども、衆議院におきましてその説明ぶりについてもう少し考えた方がいいんではないかという御指摘を受けました。そこで、来年度の「予算の説明」における説明ぶりにつきましては、衆議院の地方行政委員会での御審議も念頭に置きながら研究したいと考えておりますというふうに申し上げたところでございまして、その考えは今も変わっていないところでございます。
○岩本久人君 私が今ここで一番何を言いたいかといいますと、今あなたが言われたことが、それがいわゆる官僚主導主義ということにつながるということを私は言いたいんです。私の言うことがわかりますか。 衆議院の委員会で問題になって、確かにこれは問題だ、では来年からは変えなきゃいかぬと、そういう表現は結局適当でなかったと認めたから。何ですか、「今回の当委員会での御審議を念頭に置きつつ研究したいと考えております。」、どうしてこういうようないいかげんな答弁になるんでしょう。そうではないでしょう。せっかく委員会で議論した結果、やはりそれは必ずしも適当とは言えないという判断がそこに出たのなら、その場で大臣とも御相談して、大変申しわけない、極めて遺憾でありました、この表現は今後このようなことがないようにしていきたいと思いますのでよろしくと、なぜそう言わぬのですか。その点についての答弁を求めます。
○政府委員(田波耕治君) この答弁ぶりにつきましては、当然のことながら大臣とよく相談をさせていただきまして、先ほど申しましたように来年度の「予算の説明」における説明ぶりについては研究をしたいというふうに申し上げたところでございます。
○岩本久人君 そこには全然反省がないんだよ、反省が。私の言うことがわからないんじゃないですか。あなた、反省がないでしょう、それ。何ですか、私がせっかく一生懸命に言っておるのに、また同じようなことを言うんですか。当委員会での御審議を念頭に、完全にこれはばかにした物の言い方ですよ。まあまあしょうがない、余りやかましく言うものだから、それじゃどこかの片隅の念頭に置いて来年度のときに少し目先をごまかす程度に研究したい、これしか見えぬじゃないですか、どう思いますか。念頭に置きつつ研究したいと考えます、そんななめた答弁がありますか。もう一回聞きたいと思います。
○政府委員(田波耕治君) 衆議院におきましてそのような御答弁を大臣と御相談の上したところでございますが、真剣に検討したいというふうに考えております。
○岩本久人君 念頭に置きつつが真剣になりました。その辺の違いはわかりませんが、いずれにしても何十年も続いてきたんです、こういう体制が。その中でのことだから一挙にということにならぬかわかりませんが、やっぱりもうちょっと、我々は命をかけてここまではい上がってきて一生懸命物を言っておるわけですから、だからひとつ国会軽視ということにならないようにしっかりやってください。くれぐれもお願いをしておきたいと思います。 大蔵省にもう二問ございます。 大蔵の前に自治大臣にお伺いしたいと思うんです。特例減額の返済の問題です。 先ほどからのようなスタンスだからなかなかえらいと思いますが、大蔵省のスタンスというのは、その本音というのは、地方交付税の税率を引き下げたい、こう思っているんではないかと私は思っているんです。しかし、現在の政治状況とかいろんな中でなかなかそうは簡単にいかないということで、附則三条に基づいて特例減額措置をしてきたし今後もしていく、こういう考えのように私は思うんです。 しかも、この特例減額というのは一たん貸すという建前はとっておりますが、例えば本年度も附則四条四項による一般会計から交付税特会に繰り入れられる予定になっていた三千二百四十五億円についても、そのうちのわずか二百十億円を繰り入れただけで三千三十五億円が繰り延べられている。また、過去の大蔵、自治両大臣の覚書に基づく利差臨特等の本年度加算額も実に二千九百三十八億円もそのままになっている。なぜこのような大幅な繰り延べを認めたのか、これは自治大臣に聞きたい。というのは、今回のこの八千五百億円も若干センスが違うといいながらまた同様の運命をたどるんではないか、こういう危惧があるからこの際きっちり押さえておきたい、こういうことなんです。よろしくお願いいたします。
○政府委員(湯浅利夫君) 御指摘のとおり、平成四年度で本来であれば加算されるべき額が法律で決められているわけでございますが、そのうちの三千三十五億円を翌年度以降に繰り延べて加算するということを今回の法律に規定させていただいております。またさらに、特例的に加算をするということを国から約束いただいている分につきましても、御指摘の二千九百三十八億円、これも後年度以降に繰り延べるということにしているわけでございますが、いずれもこの二つの額は今回の改正法律案の中に平成十三年度までの間に分割して返済していただく、加算していただくということを明記しているところでございます。御指摘の点は、こういうものを今年度中に加算すべきではなかったかということだと思うわけでございますが、これからの交付税、地方財政の状況などを考えてみますと、これからの十年間、例えば社会資本の充実のため、あるいは高齢化社会の到来のために四百二十兆円の公共投資あるいはゴールドプランというような非常に多額の財政需要を予定していることが約束されますものですから、交付税を安定的に確保するためには、この際この加算額をこの十年以内に分割して加算する方が交付税の総額の安定的な確保のために必要なのではないか、こういう観点からやらせていただいたものでございます。 この国と地方との間の貸し借り関係というのは、こういう形で返済の予定を変更することはございましたけれども、返済を免除したというようなことはございませんで、法律の定めるところによって確実に国から将来にわたって返済をしていただく、こういうことで法律にも明記させていただいているものでございますので、御理解いただきたいと思います。
○岩本久人君 財政局長さん、今の問題でこの種のお金は免除するとかということの性格ではないので、確実に後年度考えてもらうということを言われましたね。その確実に後年度というのがまたあいまいな言葉なんだ。後年度とはどういう定義なんですか。大体何年、あなたらの世界で言えば、常識的には一年以内か二年以内かという、そこのところをちょっと聞きたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 今回の改正法律案では、平成十三年度までの間で毎年度毎年度幾らずつ加算をするかということを法律で規定させていただいておりますので、その規定のとおりに加算をお願いしていくということが前提になると思うわけでございます。
○岩本久人君 そうすると、平成十三年度を越えることは絶対ないということですね。
○政府委員(湯浅利夫君) 現段階では平成十三年度までにこの加算すべき額をすべて加算していただくことで法律案にそれを明記しているわけでございますが、これを遵守していただくことを当然のことだというふうに私ども考えております。
○岩本久人君 そうすると、現在のところ法律で明記してあるということでございますということになれば、何年かたってまた法律で、十三年たったら十五年だとか十八年だということはあり得ない話ですか、あり得る話ですか。
○政府委員(湯浅利夫君) これは法律改正を毎年度お願いしているわけでございますから、そのときどきの事情によりましてそういう改正というものも理論的には考えられるわけでございますけれども、私どもとしては、先ほど申しましたように四百三十兆円の問題でございますとか、あるいはゴールドプランというものが十年という単位で決められている、ここに着目して平成十三年度までに加算していただきたいということを大蔵当局にもお願いしているわけでございますから、そういうことを踏まえて今後の運営を考えていくべきだというふうに考えております。
○岩本久人君 いずれにしても、絶対遵守してもらうようにしっかり引き継ぎをしておいてもらわないと困りますので、きょう帰って日記に書いておいてください。 次の質問にいきたいと思います。 そこで、自治大臣にお伺いする前に大蔵省にお聞きしたいんですが、今のような問題も含めて、私の試算では今年度だけでも国に対して一兆四千四百七十三億円の貸しがある、地方から見れば、というふうに思うんですが、そういうことを考えた場合、あるいはまた、さっきの財政局長さんとのいろんなやりとりの中でかいま見えるその不安等を考えてみた場合、やはりこの地方交付税というものは、交付税の特別会計に直入するという方式を検討すべきだ、このように思っております。きのうの自治大臣の答弁ではそれを望んでいますということでございましたが、望まれない方がおられる、それは大蔵省ではないかという予想のもとに、この点についてなぜ望まれないのか、なぜ反対するのか、時間がもう余りありませんので簡明に、よろしくお願いいたします。
○政府委員(田波耕治君) 地方交付税を一般会計から交付税特別会計に繰り入れるという現行の制度は、二十九年度の地方交付税制度創設以来とられている制度でございまして、また、昭和十五年に創設された配付税制度のもとにおいても同様の取り扱いがなされているものでございます。これを変更することについては、端的に言えば国の予算制度あるいは会計制度にも大きな影響を及ぼすものでございまして、私どもといたしましては極めて問題が多いと考えております。 時間ございませんので、さらに細かい点、御説明する機会を与えていただければいたしますが、とりあえずそれが基本的な考え方でございます。
○岩本久人君 今の最後の半分をもう一回大きな声で言ってもらいたい。
○政府委員(田波耕治君) これを変更することは、国の予算制度あるいは会計制度にも大きな影響を及ぼすものでございまして、私どもといたしましては極めて問題が大きいものと考えておるということでございます。
○岩本久人君 国の予算制度、会計制度のどこに憲法を超えるほどのことをやらなきゃならないか、その理由をお聞きしたいと思います。
○政府委員(田波耕治君) 国の予算上大きな影響があるというふうに申し上げましたのは、委員御承知のように、地方交付税は、所得税、法人税等国の税収の大宗を占めるものでございまして、それをそのまま国民にとって税負担が一目でわかるように一般会計に計上しておいた方が税制全体を考える場合に望ましいということ、また歳出面におきましても、地方交付税は一般会計歳出の二〇%を超える非常に大きな費目でございますので、国と地方の財源配分について考える場合に、やはり一般会計に計上しておいた方が望ましい、そういうことを勘案し過去数十年にわたりまして一般会計から交付税特別会計に繰り入れることとされておるところでございまして、これを今変更することについては、繰り返しになりますが、極めて問題が大きいというふうに考えているところでございます。
○岩本久人君 それが古いというんですよ。過去数十年やってきたからそれが絶対だということにはならぬわけです。今、地方自治がまさに大きく問われているときに、地方自治制度をどのようによりよいものに持っていくか、そのための財政的な基盤をどうつくっていくか、こういう憲法論議をしているときですから、この方がよりよいということを言われましたけれども、もっとよいかもわからないので、やっぱりそれこそ真剣にこの問題についてもきょうあったことを忘れないように検討しておいてもらいたいんですが、もう一度自治大臣にこの点についての、きのうの本会議と同じような歯切れのいい答弁をお願いいたします。
○国務大臣(塩川正十郎君) これは、地方団体といたしましては長年の要望でございますので、そのように直入をされることが望ましい、私はそれを希望しておるところでございます。
○岩本久人君 それでは次に警察庁にお伺いしたいと思います。 最近の新聞に、現在、運転免許証の有効期間が三年になっておりますが、これを五年に変えるという動きがあるように書かれております。これは行革審でもいろいろ議論をされているようでありますが、行革審ではどういう中身になっていたものを警察庁としてはどういう方向で今後検討されていくのが望ましいのか、具体的にお答えをお願いしたいと思います。
○政府委員(関根謙一君) お答え申し上げます。 現在、臨時行政改革推進審議会におきましてこの問題は取り上げられているところでございますが、行革審におきましては、国民負担の軽減と行政事務の簡素合理化という観点から、現在道路交通法九十二条の二の規定により三年とされております運転免許の有効期間をさらに延伸してはどうかという御意見があったところでございます。私どもも、その行政改革推進審議会の担当の部会に御案内をいただきまして二回にわたりヒアリングを受け、そこで私どもの考え方を御説明申し上げました。私どもの考え方は、運転免許制度というものは交通事故防止のための根幹をなす制度でありますので、この制度を一律に何年間延伸するということについては交通事故防止上問題があるように考えますということを申し上げました。 そこで、私どもといたしましては、国民負担軽減という観点から、運転免許の有効期間を延伸することが同時に交通事故防止にも資するというようなシステムであればこれは大変望ましいことであるから、そういうシステムを考案できればそれに従いたいということを申し上げまして、そこで運転免許についてメリット制を導入するということを申し上げているところでございます。
○岩本久人君 運転免許証の有効期間を延長することがいろんな意味で道路交通安全に資することに通ずればいいのではないかと、それが今のいうところのメリット制で、優良な運転者については三年を五年にすると、こういうことなんですね。
○政府委員(関根謙一君) 御指摘のとおりでございます。
○岩本久人君 そこで問題になるのが優良運転者の範囲をどうするかということです。それから今全国的にも問題になっております高齢者あるいは若年者、こういったことが問題になるんではないかと思うんですが、その点はいかがですか、議論がありますか。
○政府委員(関根謙一君) 私ども、現在メリット制を導入することを検討している旨申し上げておりますが、この内容につきましては広く国民の方々のコンセンサスを得る必要がございます。一般ドライバーの方々を初めといたしまして専門家の方々、学識経験のある方々等広く国民各層の方々から、どのような範囲の方についてどのような程度にまで運転免許証の期間を延伸することが交通事故防止に最もよく資する制度になるかということについて意見をお伺いしたいと考えております。現在、そのような手続を進めているところでございます。
○岩本久人君 私は、基本的に考えて、よいことではないか、こう思うんです、だれにも相談しておりませんけれども。それで、ぜひ進めてもらいたいという気持ちからですが、大体警察庁としてはいつごろを目途にという希望か何かあるんですか。
○政府委員(関根謙一君) 現下の厳しい交通事情にかんがみまして、この制度が事故防止に資すると私どもは信じておりますので、できるだけ早くその制度を実現したいと考えております。 しかしながら、ただいま申し上げましたように広く国民各層の方々の間のコンセンサスを得る必要があることと、それからさらに二種類の運転免許証を作成するにつきまして必要となります器材、人員、予算、コンピューターシステム等につきまして検討し、それがシステムとして十分に成り立つという見込みを持った上で、これは道路交通法の根幹にかかわる部分でございますので、法律改正をお願いする必要がございます。そのような改正を国会にお願いしたいと考えておりますのできれば次の通常国会にも御提案申し上げることができれば最も私どもとして望ましいところであると考えているところでございます。
○岩本久人君 それでは、午前中の最後にいたします。 新聞報道では、来年の通常国会にかけて道路交通法を改正し、一九九四年春に実施したいということを書いてあるんですが、これが一応のめどですね。
○政府委員(関根謙一君) それは私ども希望でございまして……
○岩本久人君 希望ではそうですね。
○政府委員(関根謙一君) できればそのようにしていただけるとありがたいというところでございます。
○委員長(山口哲夫君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十七分休憩 —————・————— 午後一時開会
○委員長(山口哲夫君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○岩本久人君 それでは、よろしくお願いいたします。 この前、三月二十七日の地方行政委員会で、私にしてみれば積み残した部分だというふうに思っておるんですが、例の通達、内商行政のことについて、あのときの議論を引き継いだ形でお願いしたいと思います。 まず、財政局長さん、税務局長さんに、去年一年間の通達あるいは内簡というものが何件ぐらい出ているのか、お伺いいたします。
○政府委員(湯浅利夫君) 平成三年度中の財政局長通知といたしましては、内簡二本を含めまして七本を施行いたしております。また、財政課長通知としては、内簡三本を含めまして四本を施行しているという状況でございます。
○政府委員(杉原正純君) 税務局関係といたしましては、通達といたしまして、税務局長名、これは単なる会議の案内を除きまして、通知の分も含めてでございますが、二十三件でございます。そのほか、課長内簡という形で七本、また課長レベルの通知なり通達が十二本、こういう本数でございます。
○岩本久人君 局長通達というものの法的な根拠はどういうことになるんですか、お伺いいたします。
○政府委員(杉原正純君) 一般的に地方団体に対しまして通達というのを出してございますが、機関委任事務に関しますいわば上級行政庁が下級行政庁に対します示達といったもの、これは権力的な要素があると思いますが、それを除きますと、通常自治省、特に税務局ではそうでございますが、出しておりますのは広く所管行政につきまして技術的な助言を内容として出しているわけでございます。 地方自治法におきましては、その第二百四十五条第一項におきまして「自治大臣又は都道府県知事は、普通地方公共団体の組織及び運営の合理化に資するため、普通地方公共団体に対し、適切と認める技術的な助言又は勧告をすることができる。」、こういう規定がございまして、これが通達を発する際の根拠かと考えられるところでございます。
○岩本久人君 前回私が問題にいたしましたのは、通達じゃなくて内節というものでございまして、言うまでもなく憲法八十四条によって租税法定主義というものが決められておる、にもかかわらず何らの法律的な裏づけがないのに課長内簡といったような形で各県の総務部長あてに極めて重大な内容を盛り込んだものが送られておる。それで、それを受けた各都道府県は、法的拘束力のない私信であるにもかかわらず一〇〇%法的拘束力があるような形で受け入れて、内容も一〇〇%そのままを原案にして税率を条例化しておる、これが実態だ、こういうことで申し上げたわけであります。 したがいまして、この問題についてはあのときにも、税務局長は全くの私信であり、法的拘束力はないんだと言われたわけでありますが、そのことに変わりありませんね。
○政府委員(杉原正純君) 結論的に申し上げまして、法的拘束力はないものと思っております。国といたしまして、こうしてほしいといった、国なりに適切と考える措置につきましてあらかじめお示しいたしまして、ガイドラインという場合もございますが、できればそうしていただきたいという、いわば要請でございますけれども、あくまでも、申し上げておりますように法的な拘束力という意味ではございません。
○岩本久人君 国としてはできたらこうしてほしいという願いを込めて出しておるということなんですが、受ける側はその思いが全然違うんです、現実は。 それで、府県税課長内簡を各都道府県に出して、その内容より違う形で税率が条例化されたことが過去の実績でありますか、過去何十年さかのぼってもらってもいいですが、お聞きいたします。
○政府委員(杉原正純君) ちょっと手元に資料がございませんものですから、あるないということを明確にお答えできないことをお許しいただきたいと思います。
○岩本久人君 ということは、ないということだろうと思うんです、恐らく。 そうであるならば、出す方もやっぱりじくじたるものがあるんだろうと思うんですが、内節といったようなものはこの際やめられてほかの形にされるべきだと思いますが、その点についてどなたがいいですか、税務局だけの問題じゃないと思うんだが、一応税務局の方かも。
○政府委員(杉原正純君) 委員御指摘ございましたように、特に地方税は国民のいわば権利義務に大変関係ございます、一種の権力行政でもございます。したがいまして、租税法律主義あるいは租税条例主義といいますか、国会あるいは地方議会の承認をいただきました形で実施するという形になるべきであろうと思っております。したがいまして、そういった建前からいたしますと、地方税の内容につきましてはもう可能な限り法令に規定すべきであろうと考えております。 ただ、特に税の分野でございますと、大変その対象範囲が広うございます。いわば世の中のあらゆる事象を対象として取り上げるようなケースが非常に多いものでございますから、そういった事象のすべてにつきまして細部まで法令で規定するということは、どうしてもそこにおのずと限界があると思っております。もちろん法律全体の趣旨を逸脱するようなことが毛頭あってはなりませんが、どうしても法令自身ですべて規定するということにつきましてはおのずと限界があろうかと思っております。 また、大変複雑多岐な行政実務に対応するための、いわば法令の解釈でございますとか運用方針等につきましてできるだけ統一的な、いわばガイドラインといったものを示したり、あるいは法律等に規定することがどうしても困難な、非常に技術的な場合、そういった助言にかかわる事項につきまして地方団体の周知を図りましたり、先ほど申し上げましたように要請をするということも円滑な事務の執行のために万やむを得ないケースもあううかと思っておりまして、通達あるいは内簡といったものをすべて否定してしまうということはどうしてもできかねるという点につきましてはぜひ御理解いただきたいと思っております。 もちろん、こういった通達、内簡の運用に当たりましては、最初に申し上げましたように、いやしくも租税法律主義あるいは租税条例主義の建前を逸脱することが毛頭あってはいけないわけでございますので、そういったことのないように、また、乱にわならないように今後ともさらに慎重な対応をしてまいりたい、かように考えております。
○岩本久人君 三月二十七日にここであらかたの議論をさせてもらったという経過から考えると、今の答弁は極めて僕は残念でならない。その後、そのことについて検討を加えるとか、今後どうしたらいいかといったようなことについては全然考えておられないわけですか。
○政府委員(杉原正純君) 私は、先ほどの御答弁でいわば抽象的、精神的なことを申し上げましたけれども、その後部内、局内でも当然大変な議論をいたしておりまして、今後何を通達としてどうしてもやむを得ずすべきか、内簡にすべきか、いやいやこれはやはり法律あるいは政令といったもので書くべきかということを真剣に検討いたしておりますし、またそういった精神で今後も十分対応をしてまいる、そういった覚悟ております。
○岩本久人君 それじゃ具体的に聞きますが、この次、あの分野における自動車税の税率を変更する、標準税率が変わったというときには、また同じことをやられるんですか。ほかの方法をとられますか、あるいは各自治体に完全に任せられますか、お伺いします。
○政府委員(杉原正純君) いろんな対応の仕方があろうかと思いますが、先ほども申し上げましたような精神で十分検討させていただきたいと思っております。今どちらということを申し上げる段階までまだ私ども内部的にも結論を得ておりませんものですから、精神は租税法律主義あるいは租税条例主義にいささかも抵触することのないような範囲で十分対応を考えてまいりたいと思っております。
○岩本久人君 できるだけ早くより適切な方法を模索していただいて、各自治体にもわかりやすく指導してほしいと要望しておきます。 ところで、今の通達とか内簡とかという同じ範囲の中に入るんではないかと思うんですが、毎年三月末に特別交付税の決定通知というのが出されますね。あれはどういう行政行為になるんですか。
○政府委員(湯浅利夫君) 特別交付税につきましては毎年度二回に分けて決定するということになっておりまして、第一回目は十二月中、第二回目は三月中に行わなければならないということでございまして、この額について自治大臣が決定したときにはこれを地方団体に通知しなければならないという規定が地方交付税法の第十五条第三項の規定にございます。それに基づいて通知をいたしております。
○岩本久人君 それはわかりましたが、ところで二、三年前にも私ここで言ったんですが、特別交付税の決定がある前にいわゆる内示を出されますね。あれはどういうことでやられるわけですか。
○政府委員(湯浅利夫君) 基本的には先ほど申し上げましたように自治省で年二回にわたって特別交付税を決めるわけでございますが、実は具体的に決定してから正式の通知までの間にいろいろな手続がございます。あるいは、現金交付の関係もございまして、若干タイムラグが出てまいりますので、そこで日ごろ自治省のいろいろお世話になっている方々に内々ということで御連絡をさせていただいているということでございます。
○岩本久人君 その正式な決定通知書が出る時間と内示の時間との間にはどの程度の時間差があるのですか。
○政府委員(湯浅利夫君) ちょっと具体的に何日というのは言いかねるわけでございますけれども……
○岩本久人君 この間の三月のときでいいですよ。
○政府委員(湯浅利夫君) まあ数日間は現金交付の関係で大蔵省にお願いをするとかいろいろな問題がございますので、ちょっと具体的に何日というのは私記憶にないんでございますけれども、二、三日のタイムラグがあるんじゃないかと思います。
○岩本久人君 それは違う。私の経験では、恐らく前の晩程度ではないかと思うんですが、違いますか。だれでもいいですよ。
○政府委員(湯浅利夫君) 先ほど申し上げましたとおり、現金交付の手続等がございますので数日のタイムラグはございます。その間で数字が動かなくなるという時点がいつかということはなかなか、それぞれの年で必ずしもはっきりしたことは言えないわけでございますけれども、おおむね数日間のタイムラグがあるんじゃないかと思っております。
○岩本久人君 内示額と決定額は過去に異同したことがあるんですか。
○政府委員(湯浅利夫君) 過去の事例について必ずしも明確ではございませんけれども、各種の手続をするということを前提にいたしますと、それが違うということはまずないんじゃないかと思います。
○岩本久人君 二、三年前にも私は言ったんですが、その内示するという行為を一斉にやめてもらいたいというのが私のお願いなんです。皆さん体験があると思うんですが、そのためにどれだけのエネルギーが要るか、受けた方は。言う方も大変でしょう。大体意味はわかるでしょう。 どこかの大臣がちょっと早く入学のだれかを教えたら金が入るというようなこともあったのですが、金は入らぬにしても、そういったようなことで場所によっては、地域によっては、あるいはどこかの世界によっては勤務評定になったりして、本当にみんな困っておるんです、これは。受ける側は、大体が市の段階をまずやるわけですが、市長が夜構えておって、だれから一番先に来たかなどと皆聞きに行ってその時間を聞いて、それから後から勤務評定をする、やっぱりあれはすごい、早かった、というようなことになっているわけですよ、現実は。 もうそのような古典的な手法をのさばらす時期では僕はないと思うんです。だから、ひとつ内示というものは一切やめてもらいたいということをこの際特にお願いしたいと思いますが、自治大臣どう思われますか、その点については。
○国務大臣(塩川正十郎君) できるだけそういうことのないようにいたしたい。しかし、やっぱり人間は情が多少あるものですから、ついぽろっとこぼしてしまったりするんですね。しかし、それは私は行政の公平ということから、また行政の格差をなくすという意味からいいましても、そういうようなことは極力ないようにしていきたいと思っております。
○岩本久人君 まあそれはそういうことですわ。意味わかりますか。とにかく、今の大臣のあれもありますけれども、それなら君のところだけ言うのはやめたわと言われても困るわけですけれどもね。 それで、いずれにしてもそういうことで私たちも大変なエネルギーを使うということで苦労しているものだから、ひとつ近代的な行政手続、連絡方法を考えてもらいたい、これは心からお願いしておきたいと思います。 それでは、次の問題に入ります。 そろそろ各論に入りたいんですが、まず自治大臣にお伺いしたいんですが、現在の経済の状況及び平成四年度の経済見通し、どのように考えておられるでしょうか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は全く素人でございますけれども、感覚的に見ましてことしは、平成四年度の経済は、政府が言っております実質経済成長三・五%の線は何とか努力で維持できるのではないかと思いまして、そんなに厳しく、悲観的には考えておりません。しかし、現在経済は落ち込んでおることは事実でございまして、特に在庫調整が十分に予定どおり進んでいないということも事実でございますけれども、ファンダメンタルズそのものは依然として堅調ではないか、こう思っております。 先ほどもニュースを見ておりましたら、OECD閣僚会議におきまして、日本を目当てにいたしましての議論でございますけれども、経済に余裕のある国は内需拡大に努めるべきだということを受けまして、加藤官房長官が新しい経済政策は考えておらない、こう言っておりますが、私らもそのように現在思っておりまして、とりあえず内需拡大の基本線を実施するためには、地方なり国が一刻も早く公共事業を中心といたします官公庁需要というものを早急に実現いたしていくことだ、こう思っております。私は、経済全体についての先行きはそれほど深刻な不安ではない、しかし油断をすると停滞ぎみになっていくという、その程度に心がけております。
○岩本久人君 日本経済全体が落ち込んでおる、なかなか返らないということもあって、公共事業の前倒しということを現実に各自治体で取り上げて、議会で対応いたしております。私どもの島根でも、全国平均七五でなくて八一%ということで頑張っておるんですが、そういった目標を全国的には達成できておるのでしょうか。裏打ちの問題もありますね。 それから、前倒しをするということ自体は、私はよいことだと思うんですが、しかしそこで働く者にとってみれば仕事が一挙にふえるということになってくるんで、その執行体制についての事務処理能力は大丈夫かどうか。それからさらに、上半期の対策のための地方単独事業を六月の定例議会でそれぞれ上積みをするべきだ、こういう考え方もあるんですが、その辺を含めてお考えをお願いいたします。
○政府委員(湯浅利夫君) 公共事業の前倒しにつきましては、去る三月三十一日の経済関係閣僚会議で緊急経済対策が決定されまして、それを受けまして四月十四日に閣議決定で、上半期の契約目標率を七五%を超える契約率にしていこう、こういうことが決定されまして、これを受けまして自治事務次官通知で各地方団体に対しまして、地方団体にもこれと同一の基調でひとつ協力をしていただきたいということ音お願いしたところでございます。これを受けまして具体的に各県で対応していただいたところでございますが、すべての都道府県におきまして国と同一またはそれを上回る契約目標率を定めるということで、それぞれの都道府県で決定をしていただいているところでございます。 この目標率の達成の状況につきましては、私どもとしては今後毎月各都道府県から、どの程度、どういう形で契約の執行率が推移しているかを御報告いただきたいということもあわせてこの自治事務次官通知の中で申し上げているところでございまして、これに従って各都道府県は事務の執行をお願いできるのではないかというふうに考えております。 今御指摘の事務処理体制の問題につきましても、こういうことがあらかじめ想定もされましたので、三月十三日、まだ緊急経済対策閣僚会議で緊急経済対策が決まる前に、地方単独事業の弾力的、機動的な執行についてあらかじめ配慮していただきたいということの御通知を差し上げております。こういうものを受けまして、先ほどのように各都道府県におきましては、割合敏速にこの私どものお願いに対応していただいたものだというふうに考えております。 事務処理能力等につきましては、それを含めまして各都道府県においてはこの執行率を決めていただいたというふうに考えておりますので、この執行率は達成できるものだと思いますけれども、過去におきましても昭和六十一年度、六十二年度にやはり大幅な施行促進をお願いしたときがございましたけれども、このときにも上半期では八〇%近い達成を見たという実績もございますので、今回もそういう形になるのではないかというふうに思っているところでございます。 なお、自治省といたしましては、この事業の円滑な促進のために地方債の配分を例年よりも早めまして四月中にかなりの部分の地方債の配分も行ったところでございまして、こういうことも相まって私どもの期待どおりの執行にいくのではないかというふうに期待しているわけでございます。 なお、六月定例議会でさらに上積みをという問題がございますけれども、私どもとしては当面、この緊急経済対策に基づいて各都道府県が上半期の事業の前倒しをやっていただくということで相当の効果が期待できるのではないかということも考えられますので、緊急経済対策の効果を十分見きわめた上でこの問題については対応すべきではないか、特に現段階では地方財政計画を含めまして現在交付税法の御審議をいただいているところでございますので、この交付税法の御審議をまずしていただいた上でこういう問題については検討するべきではないかというふうに考えているところでございます。
○岩本久人君 平成四年度の補助公共事業と地方が単独で行う公共事業、その割合と金額はどのようになっているか、また最近の推移はどのようになっておるのでしょうか。また、地方単独事業というのがいろいう言われておりますが、地域経済に果たす役割をどのように評価をしておられるのか、この際聞いておきたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 平成四年度の地方財政計画におきまして投資的経費のうちの補助事業分は八兆六千六百十六億円、それから地方単独事業は十四兆七千九百七十二億円でございまして、その割合はおおむね四対六で地方単独事業が多くなっているわけでございますが、大体そういう四対六ぐらいの比率になっております。 最近の地方財政計画ベースで申し上げますと、補助事業については、平成元年度が八兆二千九百二十一億円、平成二年度が八兆二千五百九十一億円、平成三年度が八兆四千八百八億円、大体二千億弱、一千億から二千億ぐらいの伸びでございますが、これに対して地方単独事業は、平成元年度十一兆二千七百五十七億円、平成二年度が十二兆六百三十八億円、平成三年度が十三兆二千七百二億円ということで、かなり地方単独事業の方が伸び率が大きいということがここでわかるのではないかと思うわけでございます。 それから、地方単独事業につきましては地域経済にどのような役割を果たすかという点でございますが、我が国の公共投資のうちの例えば平成二年度の例をとってみますと、国民経済計算上の公的固定資本形成は、公共投資のうちの七六・七%が地方団体が施行している、公的固定資本形成のうちの大体四分の三は地方団体がやっているというふうに考えられます。しかも、生活開運の社会資本整備というものはほとんど地方団体が行うということを考えますとかなりのウエートがあるわけでございまして、このうち、先ほど申しましたように、地方単独事業は地方団体が実施するうちの約六割を占めているわけでございますから、やはり地域経済に及ぼす影響というものは非常に大きなものがあるのではないかと思います。 また、地方単独事業は全地方団体が実施するわけでございますから、地域的にも都市に集中するということではなしに全地域において行われるということにおいても、それぞれの地域においての経済に及ぼす影響というものは非常に大きなものがあるのではないか、こういうふうに私どもは考えているわけでございます。
○岩本久人君 一般論的にはそうだと思うんですが、地方単独事業ということになるとかなりの負担も、歳出も必要なわけで、四年度の地財計画では一一・五%という大きな伸びがあるんですが、各地方団体にお付る予算措置状況はどのようになっておるのでしょうか。また、この事業について決算と計画との乖離はあるのかないのか、最近どのようになっているのか、お伺いいたします。
○政府委員(湯浅利夫君) 平成四年度の地方財政計画を策定するに当たりましては、今御指摘のように地方単独事業を大幅に伸ばすということで一一・五%の伸びを確保したわけでございますけれども、この地方財政計画を決定いたしましてから、各地方団体に対しましてはこの一一・五%というものを基礎に積極的に地方単独事業を実施していただきたいということを各都道府県の総務部長会議だとかあるいは財政課長会議、地方課長会議を通じましてお願いしたところでございます。 〔委員長退席、理事野別隆俊君着席〕 その結果、平成四年度の各都道府県の普通会計等当初予算を取りまとめた結果では、地方単独事業費が前年度に比較いたしまして一五・五%という伸び率が確保できたわけでございまして、地方財政計画で確保しました一一・五%をかなり上回った段階で各都道府県が予算を計上していただいたというふうになっているわけでございます。 市町村につきましては詳細の調査はいたしておりませんが、おおむね同じような基調でやっていただいているのではないかというふうに推測をしているところでございます。 それから、地方単独事業について地方財政計画と各年度の決算との間にはどういう開きが出ているのだろうかという問題でございますが、昭和六十三年度までは地方財政計画に計上した地方単独事業費の方が決算額を上回っていたわけでございますが、平成元年度を境にいたしまして、ちょうどこの年は地方団体が積極的に自主的、主体的な地域づくりをしていこうということでふるさと創生事業が始まった年でございますが、そういうことも契機になりまして、平成元年度からは地方財政計画を決算額の方が上回ってまいっております。ちなみに平成二年度におきましては、地方財政計画の計上額を決算額の方が一兆二千億円上回っておりまして、こういう傾向はこれからいよいよ続くんではないかというふうに私どもも期待をしているところでございます。
○岩本久人君 今の地財計画以上に仕事をするということになると、その財源措置というものが問題になってくるわけですね。それから、奨励しておるということからいけば、それに乗ってきてもらうということだからいいことだと思うんですが、いずれにしても計画段階からもう少し基本的に充実をさせていくという施策が今この時期に求められていると思うんですが、その点はどのようにお考えですか。
○政府委員(湯浅利夫君) 地方の財政需要について、これまでも少し過小過ぎたんではないかというような御意見もございました。 〔理事野別隆俊君退席、委員長着席〕 これからの地方財政計画をつくるに当たりましては、積極的に地方の財政需要というものを掘り起こしまして、そしてこれを地方財政計画に積極的に計上していく、こういう姿勢が必要であるということはかねがね大臣からも私どもは督励を受けているところでございまして、今御指摘のような問題につきまして、これからの地方財政計画をつくるに当たりましては、そういう地方単独事業を現実に地方が積極的に行っているということを踏まえまして、地域のいろいろな生活基盤の整備のために地方単独事業の積極的な計上というものをこれからもやっていかなければならないというふうに考えているところでございます。
○岩本久人君 この問題の最後ですが、事業量をふやすということはそれでいいと思うんですが、各地方団体においてはふやせばふやすほど負担がふえる、こういう関係にあります。そのことからいえば、自治省として消化しやすいような施策を考えてもらいたいと思っておりますが、その点についてお伺いいたします。
○政府委員(湯浅利夫君) 仰せのように、地方の単独事業を各自治体でやっていただくためには、単に地方財政計画に計上をしたということだけでは、なかなかそれぞれの自治体が事業量をふやすということは難しい問題がございます。それは、財源面の問題もそうでございますが、その仕組みなどにつきましても、例えば道路の単独事業をやろうという場合におきましても、補助事業との関係でなかなかうまく進まないというような問題もございますし、あるいは今回制度化と申しますか一つのシステムをつくった例といたしましては、例えば電線類の地中化などというものを考えますと、これはやはり電力会社を所管している官庁あるいは通信会社を所管している官庁などが一緒になって地方団体がやりやすいようなシステムをつくらないと、実際問題として動かない。こういうような問題もございますので、システムをどうつくっていくかということが地方単独事業をやりやすくするための一つの非常に大事なポイントではないかと思っております。 今申しましたような電線類の地中化あるいは駐車場とか駐輪場をつくっていく場合にどういうことが問題として考えられるか、こういうものを踏まえて都市生活の環境整備の特別対策事業というものを今回はつくりました。あるいは、建設省と御相談して、補助事業と単独事業を効果的に組み合わせるということで事業を進めるというための地方の特定道路あるいは特定河川等の環境整備事業というようなものも今回制度化をしてみたわけでございます。こういうことによりまして地方団体が事業が執行しやすいような環境づくりをしなければならないと思っておりますし、また財源面におきましても、地方債と地方交付税をうまく組み合わせることによりまして、地方債の元利償還に対する後年度以降の負担につきましても十分配慮するような措置を講ずることによって地方単独事業の事業量をふやしていく、こういうことをこれからも積極的にやってまいりたいと思っております。
○岩本久人君 ありがとうございました。 次に厚生省に。 高齢者福祉の問題でありますが、言うまでもなく、いわゆる高齢化社会というものが持つさまざまな難題、一つ一つの具体的なケースを追ってみると、私たちがかつて予想したスピードを超えたところでいろいろな問題が出てきておる、こういうことがわかります。 それで、まずトータルとしてそのための基本的な施策はどのようになっているか、それからゴールドプランの平成四年度予算と地方負担額、さらにその財源措置はどうなっているか、まずお伺いいたします。
○政府委員(岡光序治君) お年寄りの問題については、御指摘がありましたように、二十一世紀には四人に一人が六十五歳以上になるんじゃないかというふうなことで社会万般に大きな影響を及ぼすであろうというふうに思っているわけでございますが、いずれにしましても、すべての国民が安心して老後を送ることができるように、そういう社会経済の仕組みをつくり上げていかなければならないというふうに基本的には認識しているわけでございます。具体的には、健康を維持するということ、それから老後の経済生活が安定して送られるようにという経済面での対応、それから生きがいを持って活力ある生活を送れるようにする生きがい対策、そんなふうなことを柱に考えているわけでございます。 いずれにしましても、かなり身体機能が低下をして日常生活を自分の力で送るのが難しい、そういう状態に立ち至るようなお年寄りが六十五歳以上で大体五%から一〇%の程度になるんじゃないだろうか。そうした人々に対しまして、できるだけ自分のうちで生活が送り得るようにいわゆる在宅対策を整えていこうではないかということを一つの柱にしているわけでございます。 それからもう一つは、在宅で生活をするといってもそこには限界が出てくる、そういう人もありますので、しかるべきそれぞれの機能を整えた施設であるとか病院の体制を整えていこう、いわゆる施設整備を行っていこう、こういうふうな受け皿の対応もしていこう、こう考えているわけでございます。 そのような体制を今世紀中に整備しようということで、平成二年度を初年度とします、今御指摘ありました高齢者保健福祉推進十カ年戦略というものをつくっておるわけでございまして、この計画を今強力に推進をしているところでございます。繰り返しになりますが、在宅対策としてホームヘルパーの大幅な増員であるとか、あるいは受け皿の特別養護老人ホームなどの積極的な整備、こういったものを進めているわけでございます。 それで、数字の関係でございますが、十年間の総事業費が六兆円余り、こういうことになっておりますが、平成四年度で申し上げますと、総事業費は五千七百億、そのうち国費が二千億いそれから地方分が一千八百億、こういうふうな内訳になっております。
○岩本久人君 老人福祉施設、こう考えてみると、一番すっと出るのが特別養護老人ホームです。これも、一方にはその入所される方の価値観が変わってきたということ、もちろんそれは行政のサービスがよくなったということもあると思うんですが、そのこともあって、一生懸命整備すれど追いつかない。こういう状況のためにまだまだ全国的にはかなりな待機者がいるというふうに私は思っておりますが、その充足率は現在ではどうなっているか。 また、今後の問題として、その措置権が市町村におりるということで、実は私たちも現場で若干の問題があるんですが、この施設のない市町村はどうすればよいのか、あるいは極端に少ないところはどうすればいいんだろうか、こういった問題について基本的にどう考えておられるか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(岡光序治君) 前段の特別養護老人ホームの待機者の状況、充足状況でございますが、私ども各県から御報告を願ったものを集計してみますと、平成二年の十月現在で約二万九千人の待機者がいるというふうに把握をしております。現在の整備状況が、平成二年度現在で十七万五千床でございます。ゴールドプランではこれを二十四万床にしようとしているわけでございますが、現在のところ十七万五千床でございまして、チェックをしましたら約三万人近い待機者がいる。 これについては、まず待機者を早急に解消しようということで、このゴールドプランの初めの年度の方に集中をして特別養護老人ホームを整備をしていこうということを考えておるわけでございますのと、それからデイサービス、毎日子供の幼稚園のような格好でお年寄りが通って、食事をしたりちょっとしたリハビリテーションをしたりするデイサービスであるとか、あるいは一週間とか二週間、短期間その施設に入るという、ショートステイと称しておりますけれども、こういったような事業もあわせて普及をいたしまして、できるだけそういった待機者の解消をしていこうということを今急いで進めているところでございます。 それから、措置権の関係での御質問でございますが、御指摘がありましたように、人口の少ない市町村では特別養護老人ホームを持っていないとか、あるいは現に不足をしているというところもあるわけでございます。そもそも論といたしましては、特別養護老人ホームというのは、常時日常生活の介護を要するようなレベルにいる寝たきり老人を初めとしたそういったお年寄りに入所してもらう施設でございますので、基本的にはある程度の広がりのある広域的な地域をカバーすればいいんじゃないだろうか、こういうふうに考えておりますから、必ずしも全国三千三百の市町村がすべて特養を持つという必要はないんじゃないだろうか。現に、一部事務組合でやっていらっしゃるところもございますし、それから社会福祉法人を共同で設立しておいでの市町村もあるわけでございます。 私どもは、その地域の必要性、大体先ほども御指摘いたしましたが、六十五歳以上の人で五%程度の人が寝たきりであるとか痴呆になる可能性を持っておりますので、そういったものを計算いたしましてその地域の需要を考えていくべきではないだろうか。そして、人口が少なければ、複数の市町村がただいま申し上げましたような手法をして共同で対応していくということが必要であろう、こう思っております。 措置権としましては、御指摘がありましたように、現在措置権を都道府県が持っておりますが、それを町村に移譲するわけでございますので、その各市町村に市町村の老人保健福祉計画というのをつくってもらう、そしてその管内のお年寄りをめぐるいろいろなニーズを把握して、それに対して行政サービスが十分かどうかというのをチェックしてもらおうではないか、そして足らないところがあればそこを計画的に整備してもらうというのがこの老人保健福祉計画でございます。そのようなチェックの中で、特別養護老人ホームの需要はどの程度あるのか、そして自分のところでやるのか複数の市町村で共同でやるのか、こういうことをこの計画の中で明らかにしてもらう。また、広域的な調整を、都道府県でも老人保健福祉計画をつくってもらうことにしておりますので、都道府県の計画の中でも調整をしてもらおうではないかというのが私どもの考え方でございます。
○岩本久人君 さっき出ましたホームヘルパー十万人という目標についてでありますが、現在達成率が何%で、それに近づけるためにはどうしても待遇の改善ということが欠かせないと思うんですが、その点は本年度はどういうことになっておりますか、お伺いいたします。
○政府委員(岡光序治君) 御指摘がありましたように、十万人にしようとしておりますが、平成二年度の実績を申し上げますと三万八千九百四十五人でございまして、十万人に対しましての達成率というんでしょうか、割合は三八・九%でございます。これを何としても私どもも整備をしたいということで、年次計画でホームヘルパーを確保するということをしておるわけでございますが、御指摘がありましたように、ヘルパーの増員のためには処遇改善が必要だ、こういうふうに考えております。平成四年度予算におきましては、ヘルパーの手当をまず引き上げるということを考えております。 これは、従来勤務形態に応じまして家事援助型と介護型というふうに単価を分けておったのでありますが、実際にお年寄りのところへ行ってホームヘルプの仕事をする際にはそういった区分けは現実には非常にごちゃまぜの仕事になりますので、単価を一本にいたしまして、それで百万円を上積みしまして年額三百十八万二千五百二十八円、こういうものを常勤職員については確保する。三年度の単価が介護中心型で二百五十二万でございましたので、かなり充実をしたと思っております。これは平均単価でございますので、勤務年数に応じてそれを傾斜的に配分できるということでございますので、かなりの改善になるのではないだろうかと思っております。 また、活動費を年間六万円出しておりますが、これを六万六千円に引き上げる。あるいは退職手当が、実は民間のヘルパーにはこれが支給されていなかったわけでございますので、退職手当も支給できるようにということで、これは今国会で、退職手当共済法という法律がございますが、それを改正して、民間の常勤のヘルパーも退職手当共済の対象にお願いをしたいということで法律の審議を合いただいているところでございます。 こういったことを行いますと同時に、ヘルパーの確保策が必要だということで、まず働きやすい環境をつくろう。一人で仕事をするのは非常に不安でございますので、リーダーになるヘルパーとパートのヘルパーさんとがチームを組みまして、十分経験を有するリーダーヘルパーに大いに活躍してリードしていってもらう。それで、リーダーのヘルパーの手当額の加算をしておりますが、この改善を図る。あるいは家庭の主婦で余力があるような人についてはパートで働いてもらうように働きやすい環境をつくるということで研修システムを導入しますとか、あるいは市町村でこういったマンパワーの掘り起こしをするために在宅福祉サービス推進事業というふうなものを推進する、あるいは人材確保のための人材バンク事業を推進する、こんなふうなことを万般やっておるところでございます。
○岩本久人君 この問題につき自治省にお伺いいたしますが、いわゆるマンパワー養成のために看護大学を整備するための財源措置を考えておられるということのようですが、その内容はどういうものですか。
○政府委員(滝実君) 財源措置につきましては、基本的には看護学科あるいは看護学部、四年制大学ですね、あるいは短期大学の看護学部あるいは看護学科でございますけれども、その施設の整備費につきまして地域総合整備事業債の特別分枠を配分する、こういうことで当面の財源措置をいたしておるわけでございます。それから、さらにつけ加えまして、当年度分として事業費補正を当年度分の交付税で措置する、こういうようなことで、いわば総合整備事業債と、当年度分については一五%の事業費補正で当年度分の財源措置をする。それから、後年度の元利償還金、これにつきましては、その償還の年限に従いまして交付税措置を講ずる、こういうような財政措置になっているわけでございます。
○岩本久人君 言うまでもなく、ゴールドプランは国の補助事業でありますが、地域においては独自の福祉施策を展開しておるところがたくさんあるし、今後とも必要だと思うんですね。そういったものに対して、自治省としてどのような配慮をなされておるか、お伺いいたします。
○政府委員(湯浅利夫君) ゴールドプランにつきましては先ほど厚生省からも御説明ありましたが、この分は補助事業でございますが、この補助事業の分の地方負担については地方債と地方交付税でこれを措置するということで、補助事業については完全に措置をしたわけでございますが、今御指摘のように、それ以外に地方団体がその地域の特性に応じて自主的にいろいろと実施している施策、これをどうするかという問題があるわけでございます。平成四年度の地方財政計画におきましては、まずこの社会福祉系統のソフト関係の単独経費、これを前年度に比べまして一〇%の伸びを確保いたしまして、金額にしてたしか二千四百億ぐらいになろうかと思います。 それから二つ目は、地域福祉基金を平成三年度に引き続きまして今年度も三千五百億円計上いたしております。さらに、ハード面におきます単独事業といたしまして地域福祉推進特別対策事業という事業をやっておりますが、これの拡充を図る、こういうことで、地方財政計画で計上いたしまして、これを地方債なりあるいは交付税の基準財政需要額に算入をするということで、地方団体が単独施策に対応しやすいような、そういう財源措置を行ったところでございます。
○岩本久人君 今言われた地域福祉基金、今度二年目ですが、地方団体からの評判はどうですか。それから、積み立ての実績はどのようになっているか。また、これを利用といいますか、活用しての具体的な事業は例えばどういうものがあるのか、お伺いをしたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 地域福祉基金につきましては、平成三年度に二千百億円を計上いたしたわけでございますが、この基金につきましては地方団体からも非常に高い評価をいただいておりますし、また当委員会におきましてもいろいろと評価をいただいているというふうに考えております。 平成三年度の積み立て状況でございますが、都道府県では四十六団体で七百十五億円、それから政令指定都市では十団体で二百六十億円、それからその他の市町村三千百五十一団体で千四百九十七億円を積み立てておりまして、全体で三千二百七団体、二千四百七十二億円が積み立てられております。昨年度の財政措置が二千百億円でございますから、二千百億円を三百七十二億円上回る、こういう実績で、かなり地方団体の方にも積極的に対応していただいたというふうに理解をしているところでございます。この基金につきましては、この基金の運用益を使いまして、この運用益を主として民間のいろいろな地域福祉の活動を支援するための経費に使うというところが多いようでございまして、在宅介護者に対するいろいろな支援措置とか、あるいは高齢者の方々の健康増進のための健康マニュアルをつくったりというような、高齢者の方々の健康や生きがいづくりというような面でこの基金の運用益が活用されているんではないか、こういうことを聞いているわけでございます。
○岩本久人君 時間がなくなりましたので、ちょっと端折ることをお許しいただきたいと思いますが、次に国保の問題をお願いしたいと思います。 最近の国保財政の状況はどのようになっておるでしょうか。特に一般会計からの財政支援は幾らになっておりますか、お伺いをいたします。
○政府委員(湯浅利夫君) 平成二年度の決算につきまして自治省で調査いたしました結果によりますと、いわゆる財源補てん的な一般会計からの繰り出し金というものを調整いたしました差し引き収支で見ますと、全体で五百八十五億円の赤字になっております。赤字団体は五百二十二団体、赤字団体におきます赤字額が二千四百六十二億円ということになっております。この赤字額は前年度に比べますと二百五十八億円縮小いたしておりますし、赤字団体も百団体減っております。けれども、国保財政は引き続きやはり厳しい状況になっているのではないかと思っております。その例として、今御指摘のこの国保会計に対する財源補てん的な一般会計からの繰り出し金が三千二百三十九億円、前年度に比べまして二百三十億円の増加という形になっているわけでございます。
○岩本久人君 今回の一般財源化、財政安定化措置についてお願いします。
○政府委員(湯浅利夫君) 平成四年度の地方財政計画を策定するに当たりまして、国保につきまして幾つかの改正を行ったところでございます。 まず第一点は、ただいま御指摘の一般財源化の問題でございますが、国保の事務費の負担金のうちの人件費に相当する部分、この部分につきましては、既に市町村の事務として同化定着しているということもございますし、かねてから行革審答申あるいは地方制度調査会の答申などから人件費については一般財源化を進めるべきではないか、こういう御指摘もございまして、今回国保の事務費のうちの人件費につきまして一般財源化いたしました。この経費が七百八十億円ということで、これを全額地方財政計画に計上いたしまして地方交付税措置をしているところでございます。 それから、一般財源化のもう一つは助産費補助金でございますが、全市町村で助産費を支給しているわけでございますが、この支給基準が国保の場合には他の保険に比べまして低かったものですから、前の国保の場合には十三万円でございましたが、他の医療保険は大体二十四万円ぐらいになっておりますので、この支給基準額をまず引き上げる。それから、国保の会計で負担する部分を、従来は三分の二でございましたが、それを三分の一に引き下げるということにいたしまして、これを国庫補助金を一般財源化するということとあわせまして、今回措置をいたしたところでございます。この所要額が約三百二十億円ということに相なっております。 さらに、地方財政計画の単独の施策といたしまして国保の財政安定化支援事業というものを今回つくったわけでございますが、これは従来から、先ほどもちょっと申し上げましたような国保に対する一般会計からの繰り出しというものが非常に多額に上っている、このことが市町村の財政を非常に圧迫しているという問題がございますし、また市町村間の保険料の負担が非常に格差がある、こういう問題もございます。この点について、基本的には国保というものは国費と保険料で賄うということが基本でございますけれども、これだけではなかなか立ち行かない面に着目いたしまして、今回支援措置を講じたところでございます。 それは保険者でございます市町村が努力してもどうにもならない分野、例えば、その地域、その市町村では低所得者層が非常に多いということで保険料が十分入ってこないという団体、あるいはその地域で病床数が非常に多いということで他の地域に比べて医療給付費が非常に高くなる、こういうようなところについて一定の基準によって地方財政からも措置をしたらどうか、こういう考え方で今回一千億円の地方財政からの支援措置を決めたところでございます。
○岩本久人君 今回のこの一千億の支援事業でどの程度の赤字解消につながるのか。それからまた、その結果、その効果というものが全国的なものになるのかあるいはある地域に限られるのか。それから、先ほども話が出ておりましたが、国保というのは本来国民皆保険のため保険料と国費で賄うものが原則、国の責任においてもっと財政運営をされてしかるべきだと思いますが、この点についても見解をお伺いいたします。
○政府委員(湯浅利夫君) 今回の国保の地方財政からの支援措置一千億円が国保の赤字解消にどのような効果があるかという点でございますけれども、ただいまも申しましたとおり、市町村の一般会計から財源補てん的な形で三千億を超える資金が繰り入れられているわけでございまして、そのうちの一定部分がこの支援事業によって財政援助ができるということになったわけでございますから、そういう意味から赤字の解消には一定の効果が出てくるんじゃないかという感じもするわけでございますけれども、しかしこの措置によって構造的に国保会計の赤字が解消される、こういうようなことにはなかなかならないんじゃないか。今回の支援措置というものは、ある意味では対症療法と申しますか、やむを得ず今回こういう措置を講じたわけでございますが、これが抜本的なものとして構造的に赤字の解消につながるということがなかなか難しい。やはり構造的な問題ということになりますと、国保の制度全体の問題として検討を加えなければこの問題を解決するということはなかなか難しいんじゃないかという感じがしているわけでございます。 しかし、この支援事業については、先ほども申しましたように、被保険者が非常に低所得者層の多いところあるいは病床数が多いところに重点的に支援措置を講じようということでございますが、この結果全団体の約八割ぐらいはこの措置が効くのではないか、この一千億の措置を交付税の基準財政需要額に算入することによりまして約八割の団体がこの恩恵をこうむるのではないかという感じがしているところでございます。 いずれにいたしましても、国民健康保険というのは基本的には国費と被保険者の保険料で賄う、これがやはり基本原則でございますから、これに限定的な補完的な意味で一部支援をしたといたしましても、なかなかこれによって国保制度というものが解決をするという問題ではございません。特に国保は、医療保険全体との関係で他の医療保険との関係をどうするか、この医療の給付そのものも他の保険とは格差がございますし、また保険料も非常に格差があるという問題もございまして、国保の財政問題を含めて医療費の適正化の問題、あるいは他の医療保険との負担の均衡と申しますか、こういうような問題が基本的にあるわけでございますので、こういう点については国において積極的な対応策を講ずるということが国保の健全化にはどうしても必要になってくるというふうに理解しているところでございます。
○岩本久人君 私が承知しておる範囲では、今まで自治省は一般会計からの繰り入れはいけない、こう言っておられたと思うんですが、そのことについての基本的な方針が変更されて今後も大いに期待できるということなんですか、その点について確認をしておきたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 仰せのとおり、従来は国保会計に対して一般会計から繰り出すということはこれはやはりすべきではない、こういうことで私ども考えておりました。それは先ほど来申し上げましたとおり、この国民健康保険というものは基本的には国費と保険料で賄うべきものだ、これが基本原則だと考えているわけでございます。ただ、現実の各市町村で行っております国保の財政運営を見ますと相当のやはり繰り出しかあることも事実でございまして、この繰り出しに対しましてどういう判断をするかということで、基本的にいけないんだいけないんだということだけで片のつく話ではないんで、いろいろ中でも議論もいたしました。 そういうことで、先ほども申し上げましたとおり、保険者である市町村の責任あるいは努力ではいかんともしがたい部分、これがやっぱりどうしてもあるんじゃないか、こういう点に着目しで、一定の地方財政からの支援というものを例外的に考えるべきじゃないか、こういうことで、今回一千億円の支援事業を設けたわけでございまして、これを拡大して地方財政からの支援というものが一般化するものだというふうなことは、今の段階ではそこまではなかなか踏み切れないわけでございます。
○岩本久人君 いずれにしても国保の問題というのは、ほとんどの自治体がま多言葉は悪いんですけれども大変困っている問題です、私もその組合員なんですが。私は、これは国保だけでなくて我が国の健康保険政策全体から大幅に見直していく時期に来ていると思うんですが、その点についてどのようにお考えか、まずそれを聞いてみたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 国民健康保険の問題は、先ほど来申し上げましたとおり、なかなか難しい問題でございます。他の医療保険との関係を見ましても、給付の内容も劣っておりますし、また保険料は逆に他の保険に比べて高いというような問題もございまして、この国保をめぐる問題については過去においてもいろいろと是正措置が講じられたわけでございます。例えば、老人保健法の改正の問題でございますとか、あるいは雇用者保険との間の保険料の負担の調整と申しますか、加入者按分率を一〇〇%にするというような問題とか、いろいろな措置を講じてきたわけでございますが、しかし、相変わらず国保をめぐる問題というものはなかなか十分な改善が見られていないというのが私どもの認識でございます。 そういうことも受けて、今後の国保の問題につきましては、他の医療保険ともあわせて国の医療保険全体の中でどう位置づけるかということをやはりこれからも真剣に考えていくべきではないか。幸い、厚生省におきましても、今回健康保険法の改正で社会保険審議会を医療保険審議会に改組いたしまして、今度は国保、健康保険というようなものを含めた医療保険全体の問題をこの医療保険審議会で御審議していただくということになったということを伺っているわけでございまして、こういう場をおかりして、ぜひとも地域保険である国民健康保険の位置づけというもの、これをきちっとしたものにしていただくように私どもも期待したいと思っております。
○岩本久人君 今の点について、厚生省の意見がありますか。
○政府委員(横尾和子君) 国保の安定ということでこれまで老人保健制度を創設する、退職者医療制度を創設する、国保の制度の範囲内でも基盤の安定化措置、さまざまな措置を講じてきたわけでございます。そういうことを背景といたしまして、かつて国保が直面しておりました状況に比べれば今はかなり安定的なところにきたというふうに思っておりますが、これからの日本の高齢化ということを考えますと、決してこのまま安心をしていられる状況ではないわけでございまして、こうした保険制度としての国保をどうやって今後とも安定化していくかということは大変大きな問題なわけでございます。 それを大きな医療保険全体の中で考えるということは非常に重要なわけでございますが、実は、先ほど来先生御質疑がございましたように、これからの医療ということを考えますときに、医療だけではなくて福祉との連携ということが非常に大きくなるわけでございます。高齢者の方々が、在宅か特別養護老人ホームのような施設か老人病院のような医療機関を利用されるかという意味で福祉と医療の連携があると同時に、在宅を支えるためには、医療機関が在宅の患者さんに往診をする訪問看護事業を展開する、こういった医療機関サイドから在宅福祉を支えるための手段ということも重要になってきたわけでございます。 さきの老人保健法の改正で訪問看護事業というのが創設されましたのも、福祉と医療との連携をしなければならないということについての一つの対応であったというふうに思います。そういう意味でこれから国民の医療なり福祉なりということについてさらなる検討が必要になるわけでございます。 これまで国保について国の審議会というのが設けられておりませんでしたので、新たに設けられる医療保険審議会では、国保も他の健康保険、船員保険も含め、ただいま申し上げましたような幅広な視点から御検討をお願いする心づもりをしているところでございます。
○岩本久人君 ありがとうございました。 次の質問に移ります。総務庁は来ておられますか。 行革審の中の豊かなくらし部会におきまして、パイロット自治体制度というものが目玉商品のような大きな位置づけで浮上してまいりました。けさもテレビを見ていたら、鈴木会長が二十二日には宮澤総理に会って、いろんな省庁内の抵抗も予想されるけれども、ぜひともやってもらいたいということを依頼する、申し入れる、こういうふうなことも報道していたのですが、この中身はどのようなもので、また今後どのような見通しになるか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(田中一昭君) お答え申し上げます。 実は、地方分権特例制度、今先生のおっしゃっているのはパイロット自治体と俗に言われておりますが、地方分権特例制度の検討の出発点といいますのが昨年十二月の第二次答申でございます。そこで、過去に権限移譲をやってきたわけですけれども、現状はなかなか打開が難しいというようなことで、意欲と能力のある地方公共団体、この自主性を一層高めるために、三千三百の市町村に一挙にというわけになかなかまいりませんので、先ほど申し上げたように意欲と能力のある市町村に手を挙げていただいて、そこに自主性を極力発揮していただくような仕組みがつくれないかということを昨年の十二月の第二次答申で出したわけでございます。 現在やっておりますのは、その答申のときに細かな点まで詰められませんでしたし、なかなか難しい点もございましたので、答申自体において地方分権特例制度の具体化の検討をするために小委員会を設けて、引き続き検討していただくという経緯がございます。そこで、ことしの一月、内田健三先生に委員長になっていただいておるわけでございますが、十人のメンバーでこの問題に鋭意取り組んでいただいて、権限の問題、財源の問題等々、いろんな面からどういうふうにしたら自主性を発揮してもらえるかということを検討しておるわけであります。 今のところ、最終的な詰めに来ておりますけれども、この考え方の基本は従来、地方の活性化、東京一極集中を何とか排除する裏の問題といたしましては各地方が活性化することでありますから、それは上から与えられるものではなくて、みずからが自分の足で、いろいろ自分の頭で考えていただくということに基本があるわけでありまして、国のサイドからいろいろあれをやってやるこれをやってやるということではなくて、地方で考えていただいてそれを極力実現できるように、早い時間でできるようにするにはどうしたらいいかというのがポイントになっております。 それを法制化すべきか、あるいは運用でやるかということが議論になっておるわけでございますが、この議論されておる制度が非常に暫定的なといいますか、先導的思考という言葉を使っておりますけれども、実験性を持つわけであります。ここで幾つかの市町村にやっていただいてみて、その結果を検証して同等以上の行政能力を持つ市町村にそれを実行していただくという意味で先導的思考と申し上げておるわけでありますが、それを素早く実行に移すにはどういうやり方がいいかということを議論しておるわけでございます。 見通しとしましては、来月の上旬に小委員会から報告をしていただきまして、それが親審議会で議論されるわけでございますけれども、六月下旬の答申に向けて現在小委員会で議論されている、こういう次第でございます。
○岩本久人君 いずれにしても、いわゆる細川私案よりか徐々に後退しておるということが連日マスコミで報道されておるわけです。それも、小委員会なり部会のところで大変な抵抗を受けておるということでございますので、委員の名簿をもよっととってみたんです。この間も星川委員も言われたことなんですが、見ると、二十数名の委員のうちの十二人が元本庁の事務次官等で占められていた。こういうことではやはり、けさほど来から私がいろんなことを言っていますが、結果として、審議会とか委員会というものは委員の名前が出たときに大体もう結論が見えるんです。そういったことを思うと、こういう人選の仕方には大変問題があると私は思っております。どういう基準でこの委員を選任されたのか、また任期はどうなっているのか、またこれに対する手当等を含む予算はどうなっておるのか、お伺いいたします。時間がないので簡単にお願いします。
○政府委員(田中一昭君) 今の各省OBの数でございますが、くらし部会全体としましては三十一人中十一人がOB、三分の一強でございます。それから今、小委員の方は十人のうち三人でございまして、三分の一弱ということになっております。 役人のOBが入っておられることのために審議が非常に足を引っ張られるとかどうとかいうことは、私もこういう仕事を長いことやっておりますけれども、今回は特にそういうことはございません。こういう委員の方はむしろ専門の立場からおっしゃっておるわけでありまして、中身が充実することはございましても、ただ余り抽象的なことをいろいろ申し上げても仕方がないということで、そういう意味からの御議論はいろいろございますけれども、おっしゃるようには私ども認識しておりません。
○岩本久人君 時間がないので簡潔にお願いします。へ理屈はいい。
○政府委員(田中一昭君) それから委員の任期でございますが、これは政令上は、依頼された事項が終わるまでということになっております。したがってこのことは、部会が終わるとイコール終わりということではございませんで、まだ行革審自体は来年の十月末までございますので、新たな課題でその委員がどういうことになるのかということで決まることになります。政令上は特に何月何日までということにはなっておりません。いずれにしましても、行革審が終わる来年十月三十一日には終わるということになっております。 それから手当でございますが、一般職の公務員、非常勤の公務員でございまして、非常勤でございますから大体一万七千円ぐらいが専門委員には払われておるということでございます。
○岩本久人君 いずれにしても、人選もできるだけ幅広く厳正にやってもらいたいということと……
○政府委員(田中一昭君) ちょっと待ってください、お答えが落ちましたので。
○岩本久人君 まあいい。 もっときっちりした位置づけをして、もっと高い報酬を出して責任を持たす、このことが私は必要だと思うんですよ。非常に重要な問題を提起するわけだから、何十年続いてきた法律を改正するというような重要な問題をやっているわけだから、その点は責任も重たくとってもらいたいけれども、それだけの位置づけもする、こういう体制でやってほしいと、これは要望しておきます。
○政府委員(田中一昭君) 委員長、一言。 今、専門の事項を調査審議させるために、学識経験のある者から会長の推薦によって内閣総理大臣が任命する、こういうシステムになっております。人選の基準を明らかにしろという先生のお尋ねでございますが、事柄の性質上非常に明確な基準を示すことは困難であります。いずれにしましても、専門の事項を調査審議するにふさわしい知識と経験を持っておられる方々にお願いしているということで御理解を賜りたいと存じます。
○岩本久人君 ほかの問題に変わります。結構でございます。 第三セクターの問題ですが、今各自治体ともここに非常に大きな問題があります。安易に第三セクターをつくっていろんな問題が出ています。全国、一つ一つ言いませんが、社会面にぽんぽんと出るような大きな問題がたくさん出ております。 この第三セクターの現状と問題点、それから私はそういう問題を起こさないためにも第三セクター法という法律をつくるべきだ、こう思っておりますが、以上まとめて一問にしてもらってひとつ簡潔に答弁をお願いします。
○政府委員(滝実君) 第三セクターにつきましては、仰せのとおりいろんな問題があることも事実でございます。現状からいたしますと、大体六割ぐらいが、地方団体が一〇〇%出資する法人というのが一番多いのでございますけれども、それは自治体によってさまざまでございます。 そこで、安易に設立されているという御指摘でございますけれども、その中身といたしましては、第三セクターですから当然経営上の問題があるのでございますけれども、採算の見通しを持たないまま、要するに趣旨だけが先行して設立された、こういうようなものが若干目につく、こういうことはございます。 それから、問題点がいろいろあるという御指摘でございますけれども、それは設立の問題というよりも、この第三セクターが運営されていく中で、例えば汚職の問題があったり、あるいは人事の派遣の問題で必ずしもいろんな団体がバランスがとれておらずにさまざまな派遣形態をとっているとか、そういうような運営面での問題は若干また目につく点があろうかと思うのでございます。 いずれにいたしましても、この第三セクターにつきましては、実は平成元年に行革審におきましても、当然この第三セクターをむしろ活用する立場から何らかの運用指針をまとめるべきだ、こういうような御指摘をいただいておりまして、その後の閣議決定におきましても、とにかく指針をつくれ、こういうようなことでやってまいりまして、平成元年から私どもも研究会を設けまして、何らかの指針をまとめる、こういう立場から現在やっております。 基本的には平成四年度で第三セクターの方針と申しますか、ガイドラインと申しますか、そういうものを最終的にまとめる研究会を設けるということで予算的な措置もいただいておりまして、現在これにつきましてこの年度の早い時期にひとつ指針をまとめる、こういうような段階に至っております。 私どもといたしましては、この第三セクターがいろんな批判がございますし、いろんな問題点も内在いたしておるわけでございますけれども、当初のできるだけ効果的に住民福祉の向上に貢献し得る、こういうような立場から、この問題をひとつ運用指針として、ガイドラインとしてふさわしいものをつくるように現在考えておる最中でございます。 以上でございます。
○岩本久人君 次に、今各地方自治体が大変注目しております固定資産税の評価がえの問題をひとつお願いしたいと思います。 平成六年度の評価がえに当たって地価公示価格の七割、こういうのが今取りざたされております。なぜ七割なのか、また現在の作業状況と今後の手順はどうなっているか、簡単にお願いします。
○政府委員(杉原正純君) 平成六年度の固定資産税の、土地、特に宅地でございますが、評価がえに当たりまして、今御指摘のありましたように、地価公示価格の七割程度を目途に評価の均衡化、適正化を図る、こういう方針で現在臨んでおりますし、また市町村においてもそれに対して諸準備をしていただいております。 とにかく固定資産税の評価が余りにも今までばらばらである、市町村間また市町村内でもばらばらである、かつ水準が極めて低いということ自身がいわば公的評価の一つてあります固定資産税の評価に対する大変な不信感、それが固定資産税という大変大事な市町村税の根幹税制であります固定資産税に対する信頼を損なうということになる、こういうこともございまして、土地基本法でありますとか総合土地政策推進要綱の趣旨を踏まえまして評価をそろえよう、こういうことになったわけでございます。 そこで、今御指摘の七割でございますが、固定資産税の本来持っております性格と、それから物差しといたします地価公示制度の趣旨との間に差がございます。この差異に着目したことと、それから昭和五十年代の中ごろ、比較的地価が安定しておりました時代、固定資産税の評価につきまして、当時の地価公示価格に対してやはり大体七割近いという実績もありましたものですから、これを当面の目標といたしたい、こういうことで臨んでいるわけでございます。 それから準備状況ということでございますが、六年度の評価といいましても、一億六千万筆からの土地を全部、すべて評価しなくてはいけない関係もございまして、もう既にことしの七月一日、一年半前でございますが、ことしの七月一日を基準日といたしまして評価がえの作業に入っていただくということで、関係の市町村においても御理解を賜っておるわけでございます。 具体的に各地方団体におきましては、まず都道府県レベルでいろいろ評価のバランスをとる、あるいはその作業日程などの調整をとるということで土地評価協議会の設置を進めていただいておりますし、また各市町村におきましては、その基準日現在におきます鑑定評価の価額を把握するための準備、例えばでございますが、地元不動産鑑定士との間に協議をする、さらに委託契約を結ぶといった準備が既に進められております。 今後は、こういった不動産鑑定士との委託契約の締結、あるいは先ほど申しました協議会におきます鑑定評価の価額の調整といったものを具体的に進めて、順次基準地価格、標準地価格といったものの調整を進めていただける、こういう手順で考えております。
○岩本久人君 それでは、最後の質問に入りたいと思いますが、過疎対策についてでありますが、自治大臣と担当局長さん両方に答弁いただきたいと思います。 いわゆる過疎問題というのは、現代社会におけるとても重大でかつ深刻な課題でありまして、実はどういう状況かというような話をしよう思っていたんですが、時間ありませんのでやめますけれども、過疎対策としてどういう方法がよいのか。 けさもちょっと出しましたが、元島根県知事の独協大学学長の恒松制治さんが、四月二十四日号で、自治日報にこういう形で出しております。私は全くこれに共感するんです。一言で言えば、今回自治省が出した若者定住促進等緊急プロジェクトは、現行の法体制そのままにおいてやっても意味ないよ、こういうことを言っておるわけですね。その他、読んでもらうように言っておきましたから一々言いませんが、大変重要な指摘がございます。これについて、できるだけ明確に具体的に答弁をいただいて、終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は恒松さんの論文は詳しく読んでおらぬのですけれども……
○岩本久人君 けさ読んでもらうように頼んでおいたのに。
○国務大臣(塩川正十郎君) 閣議に出席しておったり新聞記者会見があったりして、時間がございませんでしたのでまだですが、答弁書の中には書いてあるんです。ですから、よく読んでおきます。 いずれにしても、恒松さんが体験されたことを、それをもとにして書いてある。要するに、過疎地帯に若者の定着するようなことをしろ、こういうことだと思うんですけれども、その定着しろということについて、恒松さんは過疎問題を決してセンチメンタルには考えていないと思うんです。私はそこが今大事なところなんじゃないかと。要するに、先祖伝来のところに住みたいと言うおじいちゃん、おばあさん、こういう方の過疎の問題と、そうではなくして、これから十年、二十年先に起こってくるであろう過疎の問題、これに対しては、地域保全とかあるいは産業の職住一体の生活の場とかいうことを考えてやれということだろうと私は思うんです。そういうところに新しい定住の場を、若者が定住するような過疎対策をしろということだと思うのでございまして、十分に拝読いたしまして参考にいたしたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) この恒松先生の論文を拝見したわけでございますが、恒松先生も現実に地方の知事をおやりになって過疎問題に直接取り組まれたわけでございますけれども、この過疎問題も問題が起こってから随分年月はたっんだけれどもさっぱりよくなっていない、これはいろいろな点で施策は国としてもやっているんだけれどもその効果が上がらない、こういうあせりというようなものがこの論文の中には強く出ているような気がするわけでございます。 しかし、過疎問題も、それぞれの地域において若い人たちをいかに定着させるかというのがやはり基本だという認識から今回こういうプロジェクトをつくってみたわけでございますけれども、これで万全だというものでないことはもう間違いありません。しかも、地域政策とか国土政策というものと過疎問題というものは非常に密接につながっている問題でもございますから、地方だけが一生懸命やったってこれはどうにもならない。やはり、国の施策と地方の意欲というものがうまく結びついたときに初めて過疎問題というものが今よりも進展していく、こういうふうに理解しているわけでございまして、私どもとしても、現行の制度そのままでただ指をくわえて見ているということじゃなしに、何か新しい施策で若い人たちへの魅力を引き出したい、こういうつもりでこれをやづたわけでございます。その意のあるところを酌んでいただいて、それぞれの地域においても積極的にこの振興策について努力をしていただきたいというふうに考えているわけでございます。
○常松克安君 大変長らくお世話になりました。三年有半にわたりまして自治省の関係者の皆さんにはいろいろお教え願ったり、御指導いただきましたことを感謝申し上げます。三年間を振り返りまして、ちょうど曲がり角、あと残り三年になりましたので、私ももう少し慎重に、謙虚に猛勉強して、もう一度皆さんの胸をかりて地方自治に対しての貢献をいたしたいと思います。 中でも、二つほど今日まで教えられました。一つは、すべての政策判断、政治決断がどれをとっても一〇〇%すべからく正しいものではないのではなかろうか。第二番目には、百年間にわたって行政というものが培われてきた流れを今日まで皆々様がそれを必死になって守り、新しい時代への対応に変革されていこうとする英知に敬意をまず表しておきたい、こういうふうに思う次第でございます。 ところで、過日大臣は、これより地方自治のかなめとしてやはり三本の柱が大事であると。まず一つは高齢者保健福祉十カ年戦略、第二には需要額算定基準の抜本的な見直し、三番目には四百三十兆円に及ぶ公共投資に関する地方財政あるいは地方自治における問題、こういうふうにお述べになりました。私も同感であります。 中でも特に需要額算定基準の抜本的な見直しというものについて、いろいろな角度からいろいろな地方情勢の時代の変革に対応するためにもう少し考え直す、あるいはもう少しその基準を、自治省の中の一握りの専門家が握ってしまって全然それが公開になっていないような、どこでどういうふうな施策、決断の中に入れられているのかさっぱりわからぬようなことではいけないということを今日まで私は意見具申をいたしてまいりました。本日は、その必要性と内容をどのように見直し、改革に努めていらっしゃるのか、お伺いいたします。
○政府委員(湯浅利夫君) 地方財政計画の策定に当たりまして、かねてから大臣からも私ども御指摘いただいておりますが、新しい財政需要あるいは今まで捕捉できなかった地方の財政需要というものをきちっと捕捉して、それを的確にこの財政計画に盛り込むと同時に、これを基準財政需要額に算定すべきである、こういうことで私どももいろいろな観点からの調査も今行っているところでございます。今御指摘の高齢者の福祉対策あるいは社会資本を充実させるための四百三十兆円の投資の問題、そういうものも含めまして、地方団体がこれから取り組んでいかなければならない行政というものを積極的に組み込んでいかなければならないと思っているところでございます。 今年度の地方財政計画におきましても、そういう中で、従来から行われておりますふるさと創生事業を拡充するとか、それから地方の単独事業を樹極的に計上していくとか、あるいは高齢者福祉対策の面で地方の単独の福祉施策ができるようなそういう財政需要をもっと積んでいくとか、いろいろなことをやってきたわけでございますが、これで十分というわけではございません。これからも地方団体からもよく意見を聞きながら積極的に各種の財政需要を捕捉してまいりたいというふうに考えております。
○常松克安君 平成三年度におきまして、超過負担あるいは基金の取り崩しはどういう現状でしょうか。
○政府委員(湯浅利夫君) 平成三年度におきます超過負担そのものの額というものは私どもは捕捉いたしておりません。幾つかの調査をした事業についての捕捉はいたしておりますが、超過負担全体で幾らあるかという点については私ども捕捉しておりませんので御勘弁願いたいと思います。 基金につきましては、基金を積み立てること自身が目的である基金以外に、いわゆる財政調整基金でございますとかあるいは特定目的のために積み立てた基金を取り崩す、こういうようなことは昨年もやったようでございます。各自治体におかれましては、特に昨年は大都市を中心といたします地方団体におきましては法人関係の税収が非常に落ち込んだということを受けまして、基金の取り崩しか行われたというふうに伺っているところでございますが、具体的な数値については今ちょっと手元にございません。
○常松克安君 超過負担ということはある。しかし全部はトータルしていない。認識をしていらっしゃる。あるいはまた私の数値に間違いがあれば後ほどおしかりください。基金の取り崩しについては四千百七十三億円、こういうふうなものの数値が指摘されておる。 私がこれをなぜ申し上げるか。需要額算定というものは、大臣も御指摘のように、今まではどっちかというとトンカチで建てるものとか施設だとか、そういうものに傾注された。これからはソフト面が大事なんだ、マンパワーの確保なんだということになってくるとこれがもっと必要と。超過負担あり、あるいはまた基金の取り崩しかもう現在始まっておる。にもかかわらず、需要額算定の抜本的な見直しかされないという一面の現象じゃなかろうか、こう思うわけなんです。今のお答え、もう少し聞かせていただきたい。抜本的な見直しというものを具体的に今作業中、大臣から命令を受けたというんですから。何をどれぐらい、何%ぐらい上げるような作業の取り組みをしていらっしゃるのかを聞かせていただきたい、こう申し上げているんです。
○政府委員(湯浅利夫君) 具体的な計数はこれからの検討になるわけでございますけれども、地方団体が抱えている各種の財政需要というものをこれから年末までにかけて積極的に勉強していこうということで局内で検討の場をつくることにいたしております。 そういう中では、今御指摘のソフト面では、地域の福祉問題もそうでございます。あるいは、地域の環境問題を地域がどういうふうに、地方団体がどういうふうに取り組んでいるのか、こういうものを踏まえて財政需要をどういうふうに組んでいくのかという問題もございます。それから、これからの問題としては、環境の保全とあわせまして山村の振興とかあるいは農村振興とかという問題をどう考えていくかという問題、こういうものもこれから考えていきたい。 それからハード面におきましては、ただいまの交通問題というものに地方というものがこれからどういうふうに関与していくべきか。これまではどちらかというと道路というようなものを中心にしてやっておりましたが、例えば鉄道の問題をどうするかという問題、あるいは鉄道に付随するいろいろな関連施設というものをどう考えていくかというような問題、そういうようなハード面、ソフト面において地方団体がこれからやっていかなきゃならない問題、これをテーマを幾つか絞って少し勉強していきたい、こう考えているわけでございます。
○常松克安君 今局長述べられましたことは、既に五年、十年前からぼつぼつその兆候が出ておるんです。その対応がおくれておるということを指摘しておるんです。私の論点は違うんです。大蔵省も悪いが自治省も悪いと言いたいんです。平成元年二兆円、その次三兆、三兆の剰余金と指摘されるほど地方は裕福じゃないんです。それ全部持っておるのになぜ超過負担が出るか、なぜ基金の取り崩しせにゃいかぬか。需要額の算定基準がもうぎちぎちして時代の対応というものがなされていないからこういうふうな現象になっている。 今るるおっしゃったことは、既に二年、三年前からその兆候に対応しなきゃならなかった。余った金は借金を返したり、いろいろなことで穴埋めしたけれども、しかし来年はまた余るぞ、再来年も余るぞ、こういうふうなけしからぬような見方を一面しておる。それに対抗していくためには需要額というものを抜本的に見直しして、これだけ必要なんだ、何が余っておるんだ、こういうふうなことで本当に三千三百の団体を守ってやる、これが大臣の政治決断の政治戦争じゃなかろうか、こう僕は思っておるんですよ。余ったから八千五百億円云々、そうじゃなくて、そういうふうなことを考えて大臣としてはこれはもう来年度から同じ論議を、同じことをやらしてはならぬから、私は三本の柱の中に大臣が需要額算定の抜本的な見直しをせよと事務当局に命じましたとおっしゃる、それはもう大賛成だ、それを問うておるわけなんですよ。大臣、このような考え方は私は間違っておるでしょうかいかがでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) おっしゃるとおりであります。
○常松克安君 じゃ、もう一度局長にお伺いします。 この抜本的な見直しの作業というのはいつごろ大体めどがつくんでしょうか。
○政府委員(湯浅利夫君) これはかなり各般にわたった勉強でございますから、一挙にいつまでという形で出るかどうかは、これは正直言って確信は持てません。しかし、来年度の地方財政対策をつくるまでには、幾つかのテーマでやはり基準財政需要額の抜本的な見直しか行われたというようなことをぜひやりたいというふうに私ども考えているわけでございます。
○常松克安君 改めて二十八日に大蔵大臣にこれははっきり申し上げますけれども、大蔵省の方々は、我々があすの日本を背負っておるんだ、こういうふうな特権意識といいますか、そういうふうな立場というもの、それは財布を握っておるんですから、自治省であろう七どこであろうと各省庁からわんわんわんさと陳情を受けたものを皆決裁したら日本の国はどうなる、こういうふうなことをお考えになりましょう。自治省といえどもそういうふうな話し合いというものを積み重ねてはいらっしゃるけれども、何か一歩引き下がったような、私は車の両輪とは思えません、大蔵省が親で自治省が子供か。それでなくても皆さんはもう少しこの辺のところを怒りを持った体制であってもらわなきゃ困る。交付税引き下げなんて、私は三二%を四〇%にせよとここで言いますよ。冗談じゃない。この辺の取り組みの感覚というものが少し弱過ぎやしませんか。 大蔵省に余りきついことを言ったら、後でしっぺ返しかもう三日のうちに来るで、ずたずたになるとあかん、辛抱するところはじっと辛抱して、大臣も辛抱してはるのや、我々それ以上のことを言うたらあかん、こんな姿勢の弱いことでは、この問題幾ら対決したってだめ。向こうはまた古臭い四十佃年、どなたがおっしゃったか知らぬ、それを憲法みたいにして、なっておるからなっておるからと言う。時代の対応というもの、しかし自分だけは好きずっぽなときには八千五百億円、一律に年間調整ですから、はい、これ、こんなもので国民を納得さすことができるのだろうか。こういう問題で、私はこの算定基準というものに時間をとり過ぎましたけれども、これを申し上げておきたいと思います。 では、次に移りまして、厚生省にお伺いいたします。 まず、ゴールドプランへ入るまで何ゆえ在宅ケアなのか。先ほども言いましたように、政策決断はいい面と悪い面があります。なぜ今在宅ケアなのか。それで、どれだけ多くの人が悩み、苦しむか、なぜそれを打ち立てられたのか、お伺いします。
○説明員(伊藤雅治君) 厚生省がなぜ在宅ケアを強調しているかということでございます。 基本的な考え方は、お年寄りができるだけ住みなれた地域で家族や隣人とともに暮らすことができるようにということが基本的な考え方でございまして、そのためにはそういうお年寄りを抱える家庭に対する保健サービス、医療サービス、福祉サービスを連携をとりながら提供していくということが基本的な考え方でございます。
○常松克安君 次にお伺いいたします。 老人が病院に入院いたします。言葉は少し間違っていたらごめんなさい。維持管理費としていろいろ医療報酬が支払われます。一週間、一カ月、三カ月、六カ月、どうなっていますか。
○説明員(伊藤雅治君) 入院時の医学管理料に関する御質問だと思いますが、一般病院と老人病院はそれぞれ診療報酬が決められておりまして、一般病院について申し上げますと、入院の二週間以内につきましては五百十六点、一カ月越二カ月以内が二百三十点、三カ月超六カ月以内が百四十六点、六カ月超一年以内が百八点という形になっております。 一方、老人病院につきましては、入院から一カ月以内が二百五十一点、一カ月から二カ月以内が二百二点、三カ月超六カ月以内が百四十点となっております。六カ月越につきましては百二十点でございます。 基本的な考え方につきましては、一般病院につきましては入院時の医学的な管理の密度が高いことから高い点数を設定しておりますが、だんだんと入院期間が長くなりますと、定型的な医療内容になっていきますので、低減率を多くしております。一方、老人病院につきましては、入院期間が平均的に長いことから低減率を低く抑えまして、定型的な医療というものに対する老人病院の性格を考慮した入院時医学管理料の設定を行っているところでございます。
○常松克安君 済みません、言ったことだけ答えていただければ結構でございますので、余分な説明は抜いていただきたい。 結論として、今老人は病院に入院するときには自分で五カ所なり六カ所を確保する。現実、法が変わるとこんなものなんです、庶民は。なぜ。医者の方も一週間、一カ月、三カ月、五百十六点から六カ月以上が百八点、だあっと下がってしまう、収入がなくなるのです。受ける方の病院は、早いとこ出そうとして、もう診るところはありませんよ、お帰りなさいよ、もう来てもらったって、治ったってこっちはもうかりませんねんと。経営と考えればいたし方ないでしょう、ある意味で言えば。これだから在宅ケアが必要と口で言っても、病院は老人ばかりであかんと批判を買うし、じゃ経済で締め上げろと、点数サイドでいえばもう出していく以外にないじゃないですか。そんな診療が途中では、先生まだ肩痛い、足痛いと言っているのに、もう次、次と。だから自分の健康を守るためには、庶民の知恵として五カ所、六カ所考えておく、最初から。そのグループでたらい回しです、あんたええ病院知らんと。そういうふうなことにも一つの政策の財政的な措置がこんなに影響が出るわけですよ。御答弁願わぬで結構です。 あるいはまた、老人収容のベット数制限という問題があります。百床あってその何%以上になったら給付を落としますぞと。なるたけ何だかんだ言って、そういう方々の治療というものをある面ではカットしてしまう。それほどまで在宅ケアという考えが立派なのか。家でカテーテルにちょっと注意しなさいと言われても、家族はカテーテルの名前も知らないんです。空っぽになって、はらはらして電話しても話し中で、空気が入ったら死ぬ、これが在宅ケアの家族の負担なんです。今度は、そういう声があるからゴールドプラン戦略としては、それを事もあろうに市町村に全責任を持たせる。 質問いたします。平成二年六月法改正により、特別養護老人ホーム等への入所措置権限の移譲、在宅サービス等の実施目標を定める市町村老人保健福祉計画の作成義務が定められ、来年、平成五年四月から確定実施のため計画策定を行うこととされている。今後具体的に国、都道府県、市町村でその手続をどういうふうにしていかれるのか、簡潔にまとめて説明抜きでお願いしたい。
○説明員(中村秀一君) まず、老人保健福祉計画の策定についてお答え申し上げます。 これは、平成五年四月からでございます。平成二年度において国の方の仕事といたしましては、この計画策定がスムーズにいくためのマニュアルとかガイドラインをつくるということを第一の仕事にしております。二年度に基本的な考え方という研究レポートを出して全国の都道府県にお配りをしてまず見ていただいております。三年度に技術的な問題点、四つほど難しい問題がございます。例えば、寝たきりの定義とか痴呆性老人のニーズの調査とか市町村レベルでの人口推計の問題、それからそもそもそういう人がいて、どれだけ今度は在宅福祉、施設福祉のサービスを提供するかというガイドライン、この四つの技術的な事項をつけたレポートを平成三年度中に全部出しました。今、それらのレポートを市町村の方々にも読んでいただき、都道府県の方々にも読んでいただいて御意見をいただいておりまして、そのガイドラインとマニュアルをできるだけ今年度の早い時期につくるべく作業中でございます。調査手法についてまとまりましたので近くお出しすることになっているということです。そういうふうなことをやっております。
○常松克安君 じゃ、ちょっと具体的に入ります。 養護老人ホーム等への入所措置権限、この権限というのは幾つあるんですか。
○説明員(中村秀一君) 特別養護老人ホームの入所措置ということは、現在、市の福祉事務所と、郡部につきましては都道府県の福祉事務所がおやりになっています。私ども、先生からお話がありましたように、平成二年六月の福祉関係八法律の改正でできるだけ身近な行政主体に福祉の決定権をおろしたいということで、今町村部の特別養護老人ホームの入所措置権を県の福祉事務所から町村の方に移譲するということでございます。権限と申しますか、そういう福祉の施設の措置の事務を移譲する、それを町村の方に移そうということを考えておりまして、この点につきましても五年四月の実施を目指して作業中でございます。
○常松克安君 この人を入れるか入れないかを認定する会議が開かれます。大変なんです。その中に利用しようとする人の代表がなぜ入らないか。保健所長あるいは医師、役所がいろいろなことを提議されます。百人中一人が受け付けてもらえるかどうか、決定が。逆に、この権限移譲の認定を受けた市町村は、どの人を省くかということで今の作業でも大変なんです。これからそのニーズ、どれだけ入れてほしい、どれだけどうという文書が行きますと、市町村は今の要員の十倍を要求されます。 具体的に聞きます。入所するときに何通の申請書が要るんですか。
○説明員(中村秀一君) 先生、最初に言われました入所判定委員会のこと等いろいろございますけれども、基本的には入所を希望される方がまず今の状況でございますと福祉事務所に行かれる。これを今後はすべて市町村の窓口に申請書をお出しいただく、基本的にはその入所申請ということで足りると思います。
○常松克安君 何通の申請書が要るかと聞いている。
○説明員(中村秀一君) 申し上げましたとおり、基本的には入所申請で結構でございますので、一通の入所申請書をいただければそれでスタートすると思います。
○常松克安君 間違いありませんか。そんな簡単なものなんですか。たった一通でいいんですか、本当に。我が機関紙を通してこれは全国版で出しますぞ。いいですか、一通で。 どんな苦労してこれを出していらっしゃるか、申し上げます。戸籍謄本二通、住民票二通、課税確認書、診断書、入所希望書。その中に私がどうしてもわからぬのが一つあるんです、同意書。「老人福祉法による措置の決定又は実施のために必要があるときは、私及び私の世帯員の資産及び収入の状況につき、貴福祉事務所が官公署に調査を嘱託し、又は銀行、信託会社、私若しくは私の世帯員の雇主、その他の関係人に報告を求めることに同意します。」、これは第何条第何項の条文によってこういうふうな個人資産まで立入調査という権限を持つとされているんでしょうか、教えてください。
○説明員(中村秀一君) 特別養護老人ホーム等老人福祉施設の入所された方につきます。その費用につきましては、運営費につきまして国が二分の一、都道府県が……
○常松克安君 済みませんが、このことの出典だけ教えてください。
○説明員(中村秀一君) 施設に入所されている方につきましては、老人福祉法の第二十八条に基づきまして、本人または扶養義務者からその費用について徴収を行わなければならない、こういう規定がございます。これは、そういう費用を支弁いたしました都道府県または市町村の長に対してそういう義務づけがなされておりますので、その費用徴収のためにそのような同意書をとるということになっております。
○常松克安君 それは課税証明書でいいんじゃないですか。
○説明員(中村秀一君) 費用徴収義務につきましては、本人の費用徴収につきましては、実際にその方にどういう収入が入っているかという収入そのものを認定しなければならないということになっておりますので、その収入認定のためにそのようなことが必要になる、こういうふうに認識いたしております。
○常松克安君 じゃ、論点を変えて申し上げます。今直ちに、かようなことを急に出して、それは十分な答弁求める方が無理というものであります。 しかし、私の申したいのは、車ほどさようにここで論議をされる政策決定の一つの方向変更というものが現場の第一線へ行きますと大変なことになるわけであります。認定の場所でもそうであります。こういうふうなものを国は都道府県に、市町村にガイドラインを示す、こういうふうなことを今おっしゃいましたけれども、その中にはいろいろ、現実のしゃばの生きざまは、活字にないことで、その一行のためにはね飛ばされる人もたくさんいらっしゃるんです。そういうことのなきように御配慮をしていただかないと、この一つの同意書というものが皆さんのお考えとは違った受けとめ方をされて、何とも国というのは厳しい、冷たい、どぎついことをするんだな、長生きするもんじゃないな、私はこの措置に遭うて八十や九十までよう生きとらぬ、もう六十五ぐらいで向こうへ行けんかいの、こういうふうな気持ちにならしめるようなことがあってはせっかくの立案されたことが死んでしまう、このおそれを私は老婆心をもって提言申し上げたわけです。その措置というものを誤りのないようにしていただきたいと思います。 じゃ、改めて質問いたしますけれども、確かにこれから高齢者対策に果たす市町村の責任大であるということはよくわかりました。認識していらっしゃいました。特にホームヘルパー等のマンパワーの確保がかぎとなる。これまでの実績、今後の計画はどうなっているか。前もって通告しておりませんからわからなぬけりゃわからないと言ってくださいね、構いませんから。当然です。 ここで一番僕が気になりますのは、ホームヘルパーの人たちの感染症対策の年間の費用が出されているんだろうかと。看護婦や医者は年間で二万五千円、きちっと国は面倒を見ているんです。ところが、こういう方々は、一番やはりC型、B型肝炎、あるいは時にはエイズだ、いろいろなことを御心配なさっていて、その現場というものにせっかくボランティアであっても変なうわさでもう立ち寄らなくなってしまう。言うなら、感染症費用というものをアルバイトで働いて出さないかぬというふうにまだ現実は放置されているんだろうか、あるいは国できちっと二万五千円、看護婦さんやお医者さん等医療関係者以外のホームヘルパーさんにもちゃんと面倒を見ていただいておりましょうか。
○説明員(中村秀一君) 前段の方のお答えをまず申し上げます。 ホームヘルパーにつきましては、高齢者保健福祉推進十カ年戦略に従いまして平成十一年度までに十万人達成、こういう目標を掲げてやっているところでございまして、平成二年度の実績は今出ておりますけれども、予定三万五千九百五人に対して三万八千九百四十五というようなことでございます。確保策につきましては、何といいましても処遇の改善が大事でございますので、平成四年度におきましても約五〇%の手当増を図ってその確保に努めているところでございます。 後段の方の御質問でございますが、感染症対策経費等そういうものは入っているかということでございますが、答えはイエスでありノーでございます。イエスであるという部分につきましては、例えばホームヘルパーさんにつきましては一人当たり年間六万六千円の活動費というものが入っておりまして、活動費の使途につきましては健康管理とかそういったものについての使途が認められておりますので、その部分でやっていただくものについては認められていると言えると思います。ただし、先生おっしゃいますように、各種感染症対策に対しまして、例えば予防接種の費用とかそういった意味で明示はされておりませんので、そういった意味では入ってないというふうにも言えると思います。そういうことでございます。
○常松克安君 これはまことに唐突な提言でございますけれども、やはり人のため世のためと言いながら我が身が一番大事ですから、こういう危惧を現場の人は差別という意識で受けとめていらっしゃる。医療関係、病院の方はいろんな手当てとかがあるけれども、こういうところの身に及ぶ——あれ食べたい、こうしてくれと余分なことを言っているんじゃない、一生懸命やりますけれども、ちゃんと同じ医療関係者がやっていらっしゃるのなら私たちにもあってしかるべきだ、欲しいと言っているんじゃないと。それほどまで医療医療で、もうぼけ老人というようなものに対する医者の立場に気に食わぬことも私はたくさんあるんです。人と医療というような関係の学説が本当にあるんだ。ところが、そういう人たちはそういう人たちで、一生懸命やるけれども、こういうことですら差を受けなきゃならないんだろうかというその気持ちがせっかくのボランティアの新しい気持ちをそいでしまうようなことであっては、マンパワーの確保は少し遠のいてしまう。これは提言でありますから、これより真剣にひとつ討議していただきたい、かように存じます。 次は、自治省に行きます。 二つ申し上げます。 一つは、そういう意味でたびたびと、社会福祉費というものをそういう措置にお使い願うとして、本年度は昨年一昨年の二倍というもので手当でいたしました、こうおっしゃいました。ところが、その運用の中で一つひっかかりますのは、最初社会福祉費の提言をされたときに、市町村が民間団体にそういうふうなところで益金というもので手当てしていきなさい、こういうふうな感じの趣旨説明を読みました。 ところが、御案内のとおり、大都会とかそういうところについてはいろんな諸団体がもう皆一生懸命していただきますけれども、悲しいかな葬式さえ出すことはかなわぬというような過疎地域へ行きますと、民間ボランティアというのは探してもありゃしませんねん。そういう場合は、市町村がデイサービスを選んでした場合はそれにも流用して使えるようにしてもいいよと。聞きますと、いや、そんなものは民間だけと言っておりません、幅広う対応せよ、こう言っていますと。ところが現場へ行きますと、使えませんねん、先生あきませんねん、こういうふうなレクは我々は受けてまいりました。不明確なところもあるもので、もう少しこれを生かすために通達というもので結構でありますから明確にして、大いに使っていただいて結構、こういうふうに指導願えませんか。
○政府委員(湯浅利夫君) 地域福祉基金の運用益につきましては、当初、積み立てるときには、今御指摘のように民間の事業というものに助成をする、こういうようなものを頭に描いてやったことは事実でございますけれども、これはあくまでも交付税の基準財政需要額ですから、この使途は自主的に地方団体が決めるべき問題でございます。したがいまして、そういうつもりでやりましたけれども、そういう実体のないところにはみずからが使うこともこれも一向差し支えないわけでございますから、必要がございましたら私どもからそういう通知を出すことは一向差し支えございません。
○常松克安君 この計画策定について、各地域の福祉ニーズをいかに的確に把握し、それに対応して、より機械的システムを採用するのかがかぎ、在宅ケア、特にゴールドプランでは。それは言葉では簡単ですけれども、これは大変な作業です。これから市町村がやるということに対しては、本当に市町村もある面では、とうとうおれたちにも権限を与えられる、おれたちの知恵も出し切れる、だからこの問題では大いにやるぞ、こういう一面を生かされる、こういう方向で育てていただければ結構かなというふうに思います。しかし、実際やるとなると、そのガイドラインだとかいろんな策定の内容を読ませていただくと高尚なことがずらっと並んでおるだけに、非常に大変な一面もこれはございます。 よって、まず一つは、市町村により独自の需要調査をやる、そのための要員確保というものが必要になってくる、相当数。第二番目には、医療福祉関係の専門家の意見徴取のためのいろいろな会議、特にこれはもう医療関係のバックアップなくしてはでき得ないという一面も実はございます。あの世界はあの世界で物すごい権威を持たれますので、ちょっと一つ間違うとうまく乗らぬという気の毒な苦労という面もございます。そうしますと、これらをこれから非常に大きく育てていこうとすると恒常的な必要経費になってくるんじゃなかろうか。そういたしますと、今後交付税の算定基準の中に新しいものをきちっと明確にする、こういうふうな問題、十カ年戦略でありますから、このスタートに遺漏なきようにしていただきたい。この交付税算定基準というものの明確化、これを求めたいわけです。いかがでしょうか。
○政府委員(湯浅利夫君) ゴールドプランを推進するために県や市町村において平成五年度に老人保健福祉計画をつくることになっておりますが、そのための策定準備の経費については、今年度の地方交付税法で基準財政需要額の中にその所要経費を算入いたしております。これを含めまして、今後の問題として福祉施策の実施に必要となる調査に要する経費あるいは会議費というようなものにつきましては、社会福祉の基準財政需要額を充実することによってそういうことがやりやすいように財源措置をこれからも充実してまいりたいと思っております。
○常松克安君 じゃ立ち返って、今度は厚生省にお伺いいたします。 先ほども少し申し上げましたけれども、認定がなぜあんなに複雑なのか。これは、受け皿がどれもこれもと言うことを全部聞いておったら、マンパワーもない、施設もない、医療関係も整わない、その苦しいお立場はよく理解できます。しかし、そのことによってあの人が入ってこの人が入らぬというようなこともあります。その中においては、これからの施設というものに対しては、やはり市場原理というものを導入して入る人が選択できるように厚生省も考えていくべきじゃないだろうか。そこへ補助金がつくものですから、一つの部屋でこうやとかああやとか、こうなります。大体今老人中間施設病院というのは五十床、これを百床であろうと二百床であろうとやる能力、やる気のあるところに対しては市場原理というのを導入し、そして入ってこられる人があっちの病院より私はこっちの方がいい、こうしてこそ、今在宅ケアという一面をまた払拭して要求に入れられていく、こういうふうな考えもしないわけでもないわけです。 あるいは、そういう面で一つ言いますと、施設へ入ると施設カット、女性にとっては髪の毛は命です、ところが皆さん切りにしてしまう。あれは施設カットだという批判が非常にきついんですが、これは厚生省の指導なんですか。あわせてお伺いします。
○説明員(中村秀一君) 先ほどの先生の御指摘も踏まえましてお答えをさせていただきます。 先生の最初の御指摘は、非常に住民に使いにくいサービスになっているんではないか、申請も含めて、こういうことでありまして、我々思っておりますことは公的福祉、これは安定性があって、しかもいろいろサービス、利用決定は市町村がやるという公平な点がある、ここはいいんですが、何としても使いやすいサービスが必要だということで努力しております。例えば、書類申請が大変難しいというので、いわば代行をやるような機関、在宅介護支援センターをたくさんつくって申請の代行までできるようなサービスをするとか、サービス利用券は総合利用券を一度つくればどのサービスでも受けられるようにするとか、みんな工夫しております。そういうことで使いやすくしたいというのが第一でございます。 第二は、そういうことの背景に、施設の問題でもなかなかニーズに追いつくだけの整備が追いついていないという問題もありますし、先生が市場原理と言われましたが、中間層のニーズにこたえられるような供給体制の整備をしていきたい。これは、平成四年度に特別養護老人ホームやケアハウスなどについてモデル事業ということで市町村、都道府県の協力を得て、また施設の協力を得て取り組みますので、そういう点で改善を図っていきたい。先生の思いと私どもの思いと一致をいたしていると思います。 それから、施設カットと言われる問題でございますが、これは今つくられております施設とかそういうところでできるだけ、暮らしの場ですからアメニティーといいますか、そういうものに配慮していきたいということで、できる施設では中で、女性が多いですから美容院の施設とかそういう施設を設置しているところもあります。あるいは地域のボランティアの方、理容師さん、美容師さんでやっているところもございます。そういうことで努力をさせていただいております。
○常松克安君 以上で、残余の質問は二十八日に回します。
○諫山博君 昨年の台風十九号で九州では深刻な森林被害が発生し、風倒木処理のために現在自衛隊員が九州四県に入っています。出動した自衛隊員の数は九州四県で約五千六百名。ところが、自衛隊の費用の一部を自治体が負担しなければならないというので大問題になっています。自治省としては、自衛隊の費用をどのくらい自治体が負担することになっているのか、金額を把握しておられましょうか。
○政府委員(浅野大三郎君) 私どもとしましては、金額としては把握いたしておりません。どういう項目についてどういう考え方でお互いに分担をしているかということは承知をいたしております。
○諫山博君 それはわかっております。 森林被害を抱えている自治体というのは、大体山村地域で財政力の弱いところです。自衛隊の費用を一部自治体が負担する、私は、これは合理的ではないし、当該自治体にはたえがたい負担になると思います。何らかの形で国がこれを補てんすべきだと考えていますけれども、自治省ではこの問題は検討してありましょうか。
○政府委員(浅野大三郎君) 自治省としての財政措置の話は別途財政局長の方からお話があるかと思いますが、費用負担の考え方について申し上げさせていただきたいと思います。 もともと災害応急対策等として当該地方公共団体がいろいろやらなきゃいかぬ仕事があるわけでございます。その地方公共団体だけの手になかなか余る場合に、いわば応援のために自衛隊に来てもらう、こういう形になるわけでございますから、もちろんその人件費でありますとか部隊が動く費用そのものは当然自衛隊の経費で来るわけでございますが、もともと地方団体として自衛隊が来ない場合自分たちでやらなきゃいかぬ部分というものについて、それは地方団体が負担をするということは格別おかしいことでも何でもありません。その辺のところをできるだけ合理的にするために、地域防災計画というものをつくりまして、これは都道府県、市町村あるいは国の関係機関、そういうところが集まりまして総合的な防災対策をやるためにつくるわけでございますが、その地域防災計画の中等でこの経費負担というものをお互いによく協議して決めておる、こういうことでございます。
○諫山博君 私は、きょうは自治大臣に要望するにとどめます。というのは、自衛隊を要請したのは確かに自治体です。山林の多くの所有者は個人です。ただ、現在のあの風倒木というのは個人の力には余るというところに問題があるわけです。放置をしていたら二次災害が発生するだろうということをみんな憂慮しております。 そこで、今自衛隊にいろいろ活動してもらっているわけですけれども、自治体が負担するのは自衛隊の費用だけではありません。さまざまな二次災害を予防するための費用が予定されているわけです。こういう状況ですから、財政力の弱い地方自治体に負担にならないような対策を自治大臣として検討していただきたいということです。 新聞報道によれば、これは自民党の国会議員の中でも議論されているということを聞いております。どういう方法が適当かというのはいろいろ知恵を出す必要があると思いますけれども、いずれにしても二次災害を予防するための自治体の負担、これは何らかの形で国で処理していただきたいということを大臣にお願いいたします。どうでしょう。
○国務大臣(塩川正十郎君) これは非常に前向きな御提案でございますし、十分に財政状況を当該自治体からお聞きして、それに合理的な、世間に説明のつくような範囲内におきましては十分にその費用負担をしていきたい、こう思っております。
○諫山博君 地方自治体の負担にならないことを期待しながら、次は警察問題を質問します。 警察庁採用の職員定数は、昭和三十年から平成三年までほぼ七千五百人から七千七百人程度、大きな増減はないようです。地方警務官の定員は、昭和三十年に二百六十人、その後漸次ふえまして平成三年に五百六十六人、つまり昭和三十年から現在まで二倍程度ふえています。この数字は間違いありませんか。
○政府委員(安藤忠夫君) 警察庁職員の定数、概数としては先生御指摘のとおりで、昭和三十年度の定数が七千六百二十二人、平成三年度の定数が七千六百二十六人でございます。そして、地方警務官は、御指摘のように昭和三十年二百六十人、平成三年五百六十六人でございます。
○諫山博君 これから次々に数字を質問しますから、私が挙げた数字はもう繰り返さないでください。 都道府県警察の職員定数は、昭和三十年に十三万人、四十年に十六万人、五十年に二十二万人、六十年に二十四万人、六十一年から現在まで逐次ふえまして二十五万人、平成三年は二十五万三千百六十六人、つまり昭和三十年と比べるとほぼ二倍に定数がふえた。この数字は間違いありませんか。
○政府委員(安藤忠夫君) そのとおりでございます。
○諫山博君 自治省に質問します。昭和三十年から現在までの地方公務員の定員はどのくらいふえましたか。
○政府委員(秋本敏文君) 地方公務員の数でございますが、お尋ねの御趣旨は、一般行政の職員についてお答えする方がよろしゅうございますか、それとも総数、教育、警察を含む総数がよろしゅうございますか。
○諫山博君 警察は除いてでいいです。
○政府委員(秋本敏文君) 一般行政関係についてお答えいたします。昭和五十年以降のような定員調査というのを昭和三十年ころはやっておりませんのでとり方で多少違いございますが、大勢には違いないということでお答えさせていただきます。 昭和三十年におきましては六十四万人、四十年におきましては七十八万人、昭和五十年におきましては百九万人、六十年百十四万人、それから以後百十三万人でずっと推移をしておりまして、平成三年におきましては百十四万人、こういう数字になっております。
○諫山博君 警察予算です。 警察庁の予算は昭和三十年度に百十二億円、平成三年度に二千三十二億円、約十八倍の増加です。間違いありませんか。
○政府委員(井上幸彦君) おっしゃるとおりの数字でございます。
○諫山博君 警察法第三十七条一項七号では、都道府県警察に要する経費のうち、警衛及び警備に関する費用は国庫が支弁する、こういう規定になっています。昭和三十年度、四十年度、五十年度、六十年度、六十一年度、六十二年度、六十三年度、平成元年度、平成二年度、平成三年度、それぞれ国庫から幾らの経費が支弁されましたか。
○政府委員(井上幸彦君) 今お話にありました三十七条一項、おっしゃるとおり地方警察に要する経費のうち国庫が負担する分についての根拠規定でございますしかるにこの警察活動と申しますのは、刑事、保安、交通、警備、各部門が一体となって総合的な運用をいたしておる状況にございます。したがいまして、その活動経費であるとかあるいは装備資機材等も総合的にこれを運用しておりますものですから、これをこの経費は警備警察にかかった経費、あるいは警衛にかかった経費というような区分けをいたしておりませんので、事実上それを摘出するのは不可能であるという実情にあることを御理解いただきたいと思います。
○諫山博君 今私が聞いたのは、警察法三十七条一項七号で支弁した金額は幾らかということです。
○政府委員(井上幸彦君) ただいま申し上げましたとおり、部門別の仕分けをしておりませんので、その辺のところを抽出してどの部門が幾らということは言えない、こういうことでございます。
○諫山博君 部門別に仕分けをしようとしまいと、三十七条一項七号で警衛及び警備に関する経費は国庫が負担するとなっているでしょう。毎年金を出しているわけでしょう。毎年総計幾ら出してきたのかということです。
○政府委員(井上幸彦君) おっしゃるとお力国庫が負担をいたしておるわけでありますが、毎年決算は、使った額というものはそれぞれの都道府県の本部長が支出官として責任を持って支出をいたします。そして、それを本庁に報告してくるわけでありまして、これらについてはそれぞれ書面にしたためまして大蔵大臣を通じまして会計検査院の方に報告されるというシステムになっておるわけであります。
○諫山博君 私が聞いているのは極めて簡単なことですよ。 法律で国庫が支弁するとなっている。内訳を今聞いているのではないです。毎年幾ら支弁したかということを聞いているわけです。しかし、これは会計検査院などではわかるけれども、この場では説明しないという趣旨ですか。
○政府委員(井上幸彦君) ただいまも何度も申し上げておりますとおり、この数字というものは、それぞれ県本部で使用したものが報告に上がってきてわかるわけでありますけれども、今先生おっしゃるように、警衛に幾らであるとか警備に幾らであるというような仕分けをしておりませんので、その辺のところはお答えいたしかねる、こういうことでございます。
○諫山博君 国家公安委員長に質問します。 わかったでしょう、今の趣旨は。法律では警衛、警備に関する経費は国庫が負担するとなっているんですよ。警衛というのは、これは天皇家を守るのが中心のようですからそう大きな金額ではないはずです。 問題は、警備に要する金です。法律で、警察法三十七条一項七号で国庫をして支弁するとなっている。一年間にどのくらいな金を支弁しているんですかという質問に対して、答えられないとかわからないということがありましょうか。法律で規定されている金を毎年幾ら出しているかという質問です。
○国務大臣(塩川正十郎君) 先ほど官房長が答えております程度で、私の方も、国家公安委員会というのは会計のことまで実はつかんでおりませんので、官房長が答えた数字でもって答弁にいたしたいと思います。
○諫山博君 私は、国家公安委員長はもっと警察の詳細を掌握していると思って質問したんですけれども。これはどうも私の誤解だったようです。 いずれにしましても、警備警察のために国がどれだけの金を支出しているのかということは今大問題になっているわけです。法律では国庫が支弁するとなっておりますけれども、結局今の説明では警備に対して幾らの金を国庫が出したかということは説明しませんという態度のようですから、このことに強く抗議しながら、次の問題に移ります。 上級公務員試験の合格者は何年して警視になりますか。もう一つ、上級職でない一般の警察官が警視になるためにはどのくらいの期間を要しますか。この二つについて答えてください。
○政府委員(安藤忠夫君) いわゆる上級職国家公務員採用I種試験合格者は、警部補で採用いたしまして警察庁に入った後おおむね三年六カ月で警視になっております。 なお、一般警察官から上がった人は、本年度実例的に調べてみましたところ、大卒で一番早い人で警視になったのが十八年六カ月、高卒で二十一年六カ月という数字がございます。
○諫山博君 わかりました。 上級職でない一般の警察官の中で警視まで昇進する人は何%ぐらいありますか。
○政府委員(安藤忠夫君) 警視まで昇任する率と申しますと、警察官の総定数の中で警視比率は二・三%という枠をいただいております。順次これを伸ばして、拡大はしてまいりますが、ただ、今の御質問のお話ですと、例えば五十五歳前後の人をとってみますと、その年次の人で警視に昇任している人が二〇%から二二%ぐらいいるという数字がございます。
○諫山博君 私が警察庁からいただいた資料では、この十年間に一般の警察職員で警視以上の職についた者が千三百三十三人ということです。警視に何名なったのか、警視長に何名なったのか、警視監に何名なったのか、数字だけ教えてください。
○政府委員(安藤忠夫君) お尋ねの数字は、警視正になった人は千二百六十九名でございます。
○諫山博君 警視長。
○政府委員(安藤忠夫君) なお、警視長、警視監についてはございません。
○諫山博君 一般職の警察官で警視長になった人は一人もいないんですか。六十四人いるんじゃないですか。
○政府委員(安藤忠夫君) 六十四人ございます。
○諫山博君 もう私が一々数字を挙げて聞きます。 この六十四人の中で大学卒は十六人、高校卒は四十八人、間違いありませんか。
○政府委員(安藤忠夫君) 間違いございません。
○諫山博君 つまり、十年間を平均しますと、高校卒で警視長までなったというのは四十八人、一年間に四・八人。 そこで、私は菅生事件で重大な役割を果たした戸高公徳のことを質問します。 戸高公徳というのは、いわゆる菅生事件で日本共産党に現職警察官でありながらスパイとして潜り込んだ男です。福岡高等裁判所で爆発物不法所持の事実を認定され、上司に自首をしたということで刑の免除になりました。これはもちろん有罪の判決です。この戸高公徳は一時警察を退職しました。そしてこの間定年でやめたようですけれども、これがやめるときには警視長になったというのでマスコミで大問題になりました。スパイに対する論功行賞ではないのか、いやスパイの口ふさぎではないのか、これは当時の新聞の批判です。 そこで、具体的に質問しますけれども、戸高公徳は、昭和二十一年に採用されて、昭和二十七年に事件を起こして退職、昭和三十四年に再就職、昭和六十年に退職、在職期間中七年間警察から離れております。そして、爆発物取締罰則違反で有罪判決を受けた男です。この戸高は七年間警察を離れていたということになっていましょうか。ひそかに警察に職を置いていたのではないかという説もあります。さらに、爆発物取締罰則違反という前科は彼が警視長になる場合に障害にならなかったのか、説明してください。
○政府委員(安藤忠夫君) 退職して復職するまでの七年間とおっしゃいましたが、その間に昭和二十八年から三十一年までの間東京都本部、当時国家地方警察でございましたが、東京都本部に二年八カ月復職している事実がございます。
○諫山博君 前科はどうですか。
○政府委員(安藤忠夫君) その前科という意味がわかりませんが、戸高氏が警察庁採用につきましては、判決が確定して同人は刑の免除を受けたことでございますので、いわゆる国家公務員法上の欠格事由に該当しませんので、適法に採用いたしていたわけでございます。
○諫山博君 私は、警察の人事のあり方として戸高の処遇に対して、遅まきではありますけれども厳重に抗議します。 彼は、爆発物を所持していたということで有罪判決を受けて刑を免除された男なんですよ。日本共産党に現職警察官として潜入したスパイなんですよ。そして、長い経歴の中で七年間は警察を離れていた。こういう男が、一年間に五人足らずしか警視長にならない警察の世界において警視長までなった。しかも、これは退職した後で、警察の関連企業である、たいよう共済の幹部に天下りしました。こういう不公正な人事はやるべきではないということを抗議しまして、次の問題に移ります。 私たち日本共産党は、警察人事を公平にし、公正な試験制度によりだれでも能力に応じて高級幹部に昇進できるようにする、こういう警察政策を発表しております。エリートの人は三年六カ月で警視になる、一般の警察官は大学を卒業していても十八年六カ月、高校卒の者は二十一年六カ月かかる、これでは余りにも差がひど過ぎるではないかという批判が出ております。例えば、平成三年七月二十八日の産経は、「曲がり角に立つ警察」、こういう表題で、警察は階級社会だ、各刑事でも警視になれなければ署長になれない、こういう批判がされております。 私は、一般の警察官であっても、エリートコースの者でなくても、能力があり実力がある人は適正な試験を通じてやはりどんどん昇進できる、そういう人事政策をとるべきだ、戸高のようなああいう私たちから見れば到底許せないような人事は行うべきではないということを要望しますけれども、警察庁長官はどうですか。
○政府委員(鈴木良一君) 警察官の昇任の制度につきましては、実務能力があってやる気があるという者をできる限り昇任させていくという基本方針は私どもも堅持しておるところでございまして、このたび階級構成の是正ということがなされたのを契機に、できる限り汗をかいている者を昇任させていくという制度に改めつつあるところであります。今お話のありましたように、試験でなくても実際に努力をしている者に対しては昇任をさせるという形を開いておるわけでございます。 戸高氏の話が出ましたけれども、戸高氏は戸高氏で大変優秀な男でございます。私も一緒に勤務をしておりますのでよくわかります、彼は人格、識見、能力というものは十分あるわけでございますから。それはそれといたしまして、いずれにいたしましても警察の中では、今申しましたように、額に汗をかいて努力しておる者をよく見ていくということを今後とも続けてまいりたい、かように思います。
○諫山博君 人事政策が改善されることを期待しまして、次の問題に入ります。 警察の中心的な任務は、法律でもありますように、犯罪の予防、鎮圧、被疑者の逮捕です。ところが、今刑事事件の検挙率が非常に低下してきました。統計では全刑法犯という統計のとり方があります。これは、全刑法犯の中から交通事故による業務上過失致死傷事件を除くということになっているようですけれども、全刑法犯の認知件数は昭和三十年に百四十三万件、その後だんだんふえて平成三年に百七十万件。一方同じ期間に警察官の数はほぼ倍増しました。問題は検挙率です。昭和三十年に六七・五%の検挙があったのに平成三年は三八・三%に激減しました。 要約すると、この三十年の間に刑事事件の数は若干ふえました。警察官の数もほぼ二倍になりました。ところが検挙率だけが著しく低下した。この数字には間違いありませんか。
○政府委員(國松孝次君) 数字の意味はともかくといたしまして、数字そのものは御指摘のとおりでございます。
○諫山博君 検挙率の低下がどういうふうな動きをしてきたのか、具体的に質問します。 検挙率が急激に低下し始めたのは昭和六十三年からです。全刑法犯の検挙率は昭和六十三年に五九・八%、平成三年に三八・三%、つまり三年間に全刑法犯の検挙率が二一・五%低下しています。 もう一つひどいのは窃盗事件です。窃盗事件にはいろいろ類型があるようですけれども、すべての窃盗事件を調べますと、昭和六十三年の検挙率は五二・〇%、平成三年の検挙率は二七・二%、つまり三年間に窃盗の検挙率は二四・八%減少しました。間違いありませんか。
○政府委員(國松孝次君) 全窃盗犯の検挙率は、昭和六十三年は五五・七%、平成三年は三二・八%でございます。
○諫山博君 私が挙げている数字はほとんどすべて警察白書からの抜き書きですから間違いないはずです。 それでは、昭和六十二年はどうだったか。全刑法犯は前年に比べて一・五%プラス、窃盗犯は前年に比べて一・五%プラス、若干たりとも昭和六十二年は検挙率が上がりました。昭和六十三年になると、全刑法犯が前年比でマイナス四%、窃盗事件がマイナス四・五%、間違いありませんか。
○政府委員(國松孝次君) おおむねそのとおりでございます。
○諫山博君 昭和六十三年という年に私は注目しているわけですけれども、昭和六十三年を起点として全窃盗犯の検挙率がどのように低下していったかを調べ上げました。昭和六十三年の検挙率が五五・七%で前年に比べてマイナス四・五%、平成元年の検挙率が四一・七%で前年比マイナス一四%、平成二年の検挙率が三七・二%で前年比マイナス四・五%、平成三年の検挙率が三二・八%で前年比マイナス四・四%、つまり三年間で窃盗の検挙率が二二・九%下がりました。数字は間違いありませんか。
○政府委員(國松孝次君) 間違いございません。
○諫山博君 窃盗事件だけ挙げたら偏ったと言われるかもしれませんから、今度は恐喝事件を挙げます。 昭和六十二年の検挙率は八三・九%、六十三年の検挙率は八一・四で前年比マイナス二・五%、平成元年の恐喝の検挙率は七五・八%で前年比マイナス五・六%、平成二年は七二・六%で前年比マイナス三・二%、平成三年は七〇%で前年比マイナス二・六%、驚くべき検挙率の低下です。この数年間の話です。 わいせつ事件はどうだろうか調べてみました。 昭和六十二年は八六・八%、昭和六十三年は八五・三%で前年比マイナス一・五%、平成元年は八二・三%で前年比マイナス三・〇%、平成二年は八一・三%で前年比マイナス一・〇%、平成三年は七九・七%で前年比マイナス一・六%、間違いありませんか。
○政府委員(國松孝次君) そのとおりでございます。
○諫山博君 今度は、贈収賄事件がどのくらい検挙されているかを質問します。検挙率ではなかなか把握しにくいようですから、検挙件数を聞きます。 昭和六十一年の贈収賄の検挙件数は三百四十二件、六十二年が三百三十一件、六十三年が三百十二件、平成元年が百九十五件、平成二年が百九十四件、平成三年は何件になりますか。
○政府委員(國松孝次君) 六十三件でございます。
○諫山博君 法務省に質問します。 法務省からいただいた資料の中で、件数ではなくて起訴人員の数字があらわれております。昭和五十七年から平成三年まで収賄事件の起訴人員はどのように減少してきましたか、数字だけ挙げてください。面倒だから私が挙げましょうか。 昭和五十七年起訴人員四百八十三、五十八年三百六十九、五十九年三百三十二、六十年二百七十七、六十一年二百三十六、六十二年二百二十一、六十三年二百三十七、平成元年百二十六、平成二年百三十、平成三年百十四、これが全国における収賄事件の起訴人員。間違いありませんか。
○説明員(但木敬一君) 間違いございません。
○諫山博君 今度は贈賄側です。 贈賄側には、公判請求と略式請求と二通りあるようですけれども、これを合計すると五十七年に六百三十六人、五十八年に四百二十八人、五十九年に四百五十五人、六十年に三百七十八人、六十一年に二百五十七人、六十二年に二百九十六人、六十三年に三百十一人、平成元年百七十三人、平成二年百八十一人、平成三年百三十八人、驚くべき起訴人員の低下ですけれども、間違いありませんか。
○説明員(但木敬一君) 間違いございません。
○諫山博君 マスコミはこの傾向をどう言っているかという紹介をします。日経、「汚職の摘発減る一方」、これはことしの警察白書が発行された直後です。産経、昭和五十六年に百十二件検挙、平成元年も二年も七十一件検挙。こうして贈収賄事件の検挙率の低下がマスコミでも大問題になっておりますけれども、警察庁長官、この十年間に汚職が減ったと思いますか。世間の人はだれもそう思っていないですよ。汚職は減っていないけれども検挙人員が減った、起訴人員も驚くべき減少だ。なぜこういうことになっていると思いますか。
○政府委員(鈴木良一君) 実態がどうかということは必ずしもなかなかわかりにくいことでございますけれども、御指摘のようにいろいろな捜査の環境が難しくなる、あるいは我々の捜査も人という問題においていろいろ一つの団塊の世代を迎えるなどの問題点があることは御指摘のとおりであります。そういうことがありまして、私どもも事件に強い警察というスローガンを掲げまして、自分の中で人の問題あるいは物問題、その他環境の問題、どういうふうに取り組むかということに対して懸命に改善を加えておるという現状にございます。
○諫山博君 かつて警察庁長官をしていた新井さんがある著書の中で、犯罪の検挙率は捜査活動が健全であるかどうかのバロメーターだ、検挙率の低下は捜査活動が健全でなくなったことを示すものではないか、これはあなたの先輩ですけれども、そういう書き方をしております。 そこで、どうしてこれほど犯罪の検挙率が低下してきたのか。新井元長官によれば、これは捜査活動が健全でなくなった証拠だ、こういうことになるわけですし、かつて警視監までしたことのある鈴木達也という人が「山口組壊滅せず」という著書の中で、人も金も組織も治安警察に偏重してきたため、これが迷宮入り事件がふえた原因だというふうに書いております。私はこれは正しいと思います。日本共産党もそういう分析をしております。 しかし、昭和六十三年から急激に検挙率が減ったのはなぜだったのか、ほかの原因があったのではなかったのかということでいろいろ私は調査いたしました。そこで今考えているのは、あの天皇の死去と天皇の即位あるいは大嘗祭、まさに天皇騒ぎの中で莫大な警察官が動員されました、私はこれと無関係ではないと思います。 そこで、あの天皇問題での警察官の動員はいつごろから始まったのか、ピーク時にはどういう状況だったのかということを説明してください。
○政府委員(吉野準君) お答えいたします。 そもそも昭和六十四年の一月七日に昭和天皇が崩御されまして、その結果極左暴力集団の中に妄動する動きがございましたので、それ以後警備を強化いたしております。いろいろ行事がございましたけれども、御希望があればっまびらかに申し上げますけれども、最後は平成二年の十二月末まで警備を強化したということでございます。
○諫山博君 一番多いときには天皇問題のために何名ぐらいの警察が動員されましたか。
○政府委員(吉野準君) これは警視庁の例でございますが、即位の礼、大嘗祭というのがございましたが、この際に瞬間的ではございましたけれども、最大時に三万七千人を動員いたしております。
○諫山博君 東京以外の地域からも動員されたと思いますけれども、どういう地域からどのくらいの警察官が動員されましたか。
○政府委員(吉野準君) 合申し上げた三万七千というのは応援の数を含んでいるわけでございまして、これはたくさんの県から応援派遣されておりますが、最大時で数を申し上げますと、三万七千のうちの一万一千人が応援でございます。
○諫山博君 全国的に動員したわけでしょうけれども、余っている警察官はいないと思いますよ。どういうポストからどういう人を引き抜いてきたのか、空白になった穴埋めは警察はどうしたのか、それを説明してください。
○政府委員(吉野準君) まず、第一次的には各都道府県の機動隊というのがございます。それから管区機動隊というのがございます。こういうものを動員いたしました。しかし、それでは到底足りませんのでその他の警察官を動員したわけでございまして、これはどういう種別になるのか私ども統計をとっておりませんが、県の方と相談した上で、どういう職種から出してくるかは本部長のサイドに任せたわけでございますが、抜けた分、それは当然出した方の県は苦しいと思います。やはり当番制で三当番のところを二当番にするとかいろいろ工夫して穴埋めをしたものだろうと思います。
○諫山博君 警察の特別な警備体制と犯罪の検挙率の低下は因果関係があるようだというふうに私は思いましたから、もう一つの大動員である三池争議のときのことを私は調べました。 三池争議の経過を振り返りますと、昭和三十五年一月、三池労組無期限スト突入、会社は全面ロックアウト。その年の三月、三池労組員久保清が暴力団員から殺された。同年七月、三川鉱ホッパーで十万人集会。同年十月、三池争議が妥結。私も終始三池争議に参加した者の一人ですけれども、大体警察官が一万五千人ぐらい長期にわたって大牟田に結集しました。当時新聞は書きましたよ、今腕ききのすりはどんどん福岡に流れ込んできている、今がまさに福岡は稼ぎどきだ、警察はすりどころじゃない状況になったと。これは当時の新聞記事です。 私は、福岡県警の資料で三池争議のころ検挙率がどうなかったかを窃盗事件について調べてみました。福岡県の昭和三十三年の窃盗の検挙率は四九%、三十四年は四五%、三十五年が三八%、三十六年が四四%、三十七年が五一%と、つまり三池争議のときというのは安保闘争のときでもありましたけれども、前年に比べて窃盗の検挙率はマイナス七%、前々年に比べてマイナス一一%、争議が終わった翌年と比べると争議の年はマイナス六%、翌々年に比べるとマイナス一三%、この数字は間違いないはずですけれども、どうですか。
○政府委員(國松孝次君) 数字はそのとおりでございます。
○諫山博君 私は、数字は大変正直だと思います。三池争議の前においても後においても、大体泥棒の検挙率は四五%から五〇%だった。三池争議の年に限って三八%になった。これは三池争議に対する異常な警察の動員との関係以外に考えられないじゃないですか。 私は、昭和六十三年から全国的に顕著に検挙率が下がったというのは、やはり天皇問題と結びつける以外に考えようがありません。もっとも、天皇問題の騒ぎがおさまった平成三年においても検挙率はもとに戻っていません。どうしてだろうかと私も考えました。しかし、要するに検挙率が低下したという警察の体質が惰性的に今日まで続いているのではなかろうかというふうにしか考えられません。 全体の犯罪の検挙率が長期的に低下している、これはもう争えない事実でありますけれども、一応それはおいたとしても、昭和六十三年から今日に至るまでなぜこれほど検挙率が下がったのか、なぜ日本の警察が犯人を捕まえなくなったのか、これについて警察庁長官はどう考えていますか。事件に強い警察ということを本当に具体化するためなら犯人を捕まえなきゃだめですよ。私は、長官の答弁を求めます。
○政府委員(鈴木良一君) いろいろな事態がありましたときに、警察が全力を挙げてそれに対処しなきゃならぬことは当然であります。事態の内容によりまして多少影響があるということもそれもありますでしょう。これはやむを得なことだと思います。 ただ、お話のとおりに、事件の関係について、いろいろな要素はございます。なかなか捜査も難しくなってきておるわけでございまして、そういう意味で、我々の方もそういう状況に合わせて捜査の体制をとらなきゃならぬということも間違いないことでございます。 そういうことで、事件に強い警察を確立すべく、今申しましたように、あらゆる手を打ってやっていこうということで基盤づくり、もちろん御指摘のとおり、捕まえなければしょうがないわけでございまして、捕まえるためにそういう体制を今懸命に努力しておるというところでございます。
○諫山博君 前長官も現長官のあなたも、事件に強い警察ということを盛んに強調されていることは私もよく知っております。これは結構ですよ。ただ、具体的にこれがあらわれてこないんです。我々が警察官に期待するのは、やはり犯罪が起きたら警察が捕まえてくれる、こういうことだと思います。検挙率の低下を本当に深刻に受けとめていただきたいということです。 次に、極左暴力集団の問題に入ります。 警察白書によると、平成二年一月から十二月までの極左暴力集団、私たちは、にせ左翼暴力集団と呼んでいますけれども、極左による皇室闘争関連のテロ・ゲリラ事件は百二十七件となっています。組織ごとに、何件事件を起こしたのか、何件検挙したのか、検挙率はどうなっているのかということを説明してください。
○政府委員(吉野準君) 皇室闘争関連極左暴力集団の闘争でありますが、件数は御指摘の百二十七件でございます。 組織別では、中核派が百十一件、それから革労協狭間派というのがございますが、これが十四件、もう一つ戦旗・荒沢というのがございますが、これが二件でございます。 これらの事件の検挙でありますが、三件七名ということでございます。
○諫山博君 天皇問題で大変な警備体制をとったということは今説明がありました。ところが、平成二年の一月から十二月までに百二十七件テロ・リンチ事件が起きているわけです。三件しか検挙されていないということですけれども、中核派、革労協、戦旗・荒沢、これはそれぞれどのくらいの人員を擁しているのか、そしてこういうグループが事件を起こしたということがどうしてわかったんですか。
○政府委員(吉野準君) 勢力人員でございますが、中核派の場合は約五千人、それから革労協、これは今狭間派と申しましたが、もう一つの派閥があるわけでありまして、それを合わせますと全体で約二千五百人、それから戦旗・荒沢、これは約七百人の勢力を擁しております。 どうしてわかったかというお話でございますが、これは一つには犯行声明というのを出します。それから、それだけではなくて、累積的な今までの事件の積み重ねがございますので、いろいろな手口がございます。こういうものも私どもは分析しておりますので、そういうものを総合いたしましてそれぞれの犯行というふうに決めたわけでございます。 〔委員長退席、理事野別隆俊君着席〕
○諫山博君 法務省に質問します。 法務省からいただいた資料によりますと、極左暴力集団によるテロ・内ゲバ事件の発生件数と起訴件数は次のようになっています。 読み上げます。 昭和五十八年二十件発生、起訴ゼロ。昭和五十九年五十九件発生、起訴一件、起訴率は一・七%。昭和六十年九十九件発生、起訴四件、起訴率は四%。昭和六十一年九十八件発生、起訴五件、起訴率は五・一%。昭和六十二年四十一件発生、起訴二件、起訴率は四・九%。昭和六十三年四十二件発生、起訴二件、起訴率は四・八%。平成元年二十八件発生、起訴ゼロ。平成二年百五十二件発生、起訴二件、起訴率は一・三%。平成三年三十件発生、起訴一件、起訴率は三・三%。合計すると、五百六十九件発生して起訴したのは十七件、起訴率は三%。間違いありませんか。
○説明員(馬場義宣君) お説のとおりでございます。
○諫山博君 もう少し警察白書のことを聞きます。 警察白書を読みますと、極左暴力集団による即位の礼当日のテロ、ゲリラ発生は、六都県で四十件とされています。どういう罪名で事件を起こしたのか、検挙件数は何件あったのか、説明してください。
○政府委員(吉野準君) 罪名でございますが、迫撃弾を発射したものが九件でございまして、これはいろいろございますが、爆発物取締罰則違反ということでございました。 〔理事野別隆俊君退席、委員長着席〕 それから金属弾を発射したものがあります。これは器物損壊等に当たると思います。それから放火、これが三十件ほどございます。 全部で四十件でございまして、検挙につきましては現在なお捜査継続中でございまして、現在時点では検挙はございません。
○諫山博君 即位の礼の当日起きた事件を今なお捜査中といっても、これはなかなか捕まらぬのじゃないかと思いますけれどもね。 もう一つ、大嘗祭当日の極左暴力集団によるテロ、ゲリラは、七府県十一件とされています。主な罪名は爆発物取締罰則違反と放火、そして検挙なしじゃないですか。
○政府委員(吉野準君) 数字は御指摘のとおりでありまして、事件につきましてはなお捜査継続中ということでございます。
○諫山博君 法務省に質問します。 法務省からいろいろ資料をいただきましたけれども、この十年間に極左暴力集団のテロ・内ゲバ事件で何名死者が発生したのか、その中で起訴されたのが何名いるのか、説明してください。
○説明員(馬場義宣君) テロ・ゲリラ事犯で死者が出た件数でございますが、昭和五十八年から申し上げます。五十八年は一件。五十九年、六十年と死者が発生した事件はございません。六十一年になりまして二件。六十二年はございませんで、六十三年に一件、平成元年に三件、平成二年に三件、平成三年に一件、合計で死者が発生した事件数は十一件でございます。 そして、起訴の関係でございますが、死亡した事件で起訴した事件はございません。
○諫山博君 成田空港に関する極左暴力集団のあの妄動、あれで何人ぐらい死者が発生し、何人起訴されましたか、法務省。
○説明員(馬場義宣君) 検察において昭和五十八年から平成三年までの間に起訴した事件のうち、成田の関連のゲリラ事犯と認められるものは昭和五十九年の一件、昭和六十年の一件、昭和六十一年の二件、昭和六十二年の一件、昭和六十三年の一件であり、被害者が死亡した事例はその中にはございません。 なお、成田関連の内ゲバ事犯というものの起訴事例はございません。
○諫山博君 あの成田事件では、数え切れないぐらい刑事事件が発生しています。死者も非常に多いと思います。ところが、起訴された事件はほんのわずか、死者が出た事件はだれ一人起訴されていないという現状のようですけれども、警察の検挙はどうなっていますか。
○政府委員(吉野準君) 私どもは、昭和四十六年以降で申し上げたいと思うのでありますけれども、死者の出た事件は六件発生しておりまして、人員でいきますと十人の方が亡くなっております。このうち検挙した者でございますが、昭和四十六年の九月十六日に発生いたしました成田第二次代執行阻止闘争事件というのがございますが、これでは百二十三人を検挙いたしております。その他の事件については、継続捜査中でございます。
○諫山博君 法務省にお聞きしますけれども、一般的に殺人事件の検挙率は九五%を上回っているんじゃないですか。これは警察に答弁を求めましょうか。
○政府委員(國松孝次君) そのとおりでございます。
○諫山博君 極左暴力集団に本気で警察は対処しているのか、泳がせているのではないかという批判が非常に強いですよ。それは当然です。彼らの犯行によって、何人も何人も死者が出ております。殺人事件の検挙率は例年九五%を超しております。ところが、これほどの事件が検挙もされない、起訴もされないというのは、本気でやってないとか泳がせていると言われてもしょうがないじゃないかと私は思います。 彼らの事件で一番多い罪名は、爆発物取締罰則違反、もう一つは放火事件、もう一つは殺人事件。これは、刑事事件としては非常に犯人を捕まえやすい事件なんですよ。たくさんの証拠が残るのが放火事件だし爆発物事件だし殺人事件でしょう。しかも、爆発物取締罰則違反というのは、爆発物を使用しただけではなくて、持っていてもひっかかる、情報を知っていてそれを届けなくてもひっかかる、がんじがらめに処罰できるような規定ができている、これが爆発物取締罰則違反です。ところが、この殺人事件の中には本当に気の毒な一般家庭の主婦とか、全くの巻き添えというような事件が何件もあります。そして、犯行声明までされている。警備局長、なぜこれが捕まりませんか。
○政府委員(吉野準君) 今、泳がせているんではないかという御指摘がございましたが、これはぜひともはっきりお答えいたしておかなければいけないと思いますが、さようなことは断じてございません。 そこで、なぜ捕まらないかということでございますが、確かに私ども努力不足の面もあろうかと思いますけれども、あえて申し上げますと、殺人、爆発、放火、一般の例と並べて比較されましたけれども、手口が全く違うわけです。爆弾を仕掛けるにしましても放火をするにしても、時限式発火物というものを使います。さらにまた、その装置が燃えまして、全部証拠が隠滅するようになっております。さらに申し上げますと、事前に大変綿密な調査部隊の調査がございまして、そういうことでなかなか、私ども前足、後足と言っておりますけれども、そういうものがとりにくいということで、捜査が非常に難しいという面があるのを御理解いただきたいと思います。
○諫山博君 私、事前にいろいろ警察の関係者と話し合いました。極左との知恵比べですよというような言い方をしているんですね。知恵比べだったら二十五万もいる警察が負けているじゃないですか。彼らはやりほうだいのことをやっている。私は、毅然とした態度であの極左暴力分子に鉄槌を加えていただきたいと思いますけれども、国家公安委員長の決意はどうですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、就任以来、暴力団対策と右翼、そしてさらには極左、こういう社会不安をつくっていく、暴力に訴える団体に対して断固たる処置をしてほしいということを言っておりますし、現に、先ほども警察庁長官が言っておりますように、あらゆる能力を結集してその方向に投入しておるわけでございます。 今後も一層の努力をして、少しでもそういう不安を持たないように、国民がそういう不安から解放されるように、一層の強い指導に努めていきたいと思っております。
○諫山博君 今度は右翼の問題を質問します、警察庁長官あるいは国家公安委員長は、右翼にも非常に意欲を示されているようですから。 警察庁は、右翼による犯罪をテロ・ゲリラ事件と刑事事件というふうに分けているようです。統計を見ると、最近のテロ・ゲリラ事件は、昭和五十九年に七件、六十年に四件、六十一年に六件、六十二年に十二件、六十三年に十一件、平成元年に十八件、二年に九件、三年に十七件、こうなっていますけれども、この数字は間違いありませんか。
○政府委員(吉野準君) 御指摘のとおりでございます。
○諫山博君 この中で、凶器を使用した事件がどのくらいあるのか、御説明ください。
○政府委員(吉野準君) 五十九年から平成三年まで八十四件でございますが、そのうちで凶器を使用した事件は、けん銃が十九件、刀剣類が十二件、爆弾、火炎瓶等十件、それからその他が四十三件で、八十四件ということでございます。
○諫山博君 これ以前、我が党の吉井議員が衆議院で質問したときに、押収件数が減っているじゃないかということが指摘されていましたけれども、どうですか。
○政府委員(吉野準君) ちょっと突然のお尋ねなので、手元に資料がございませんので、御容赦願います。
○諫山博君 右翼は近ごろけん銃を使ったり、いろんな凶器を使うわけですよ。ところが、どうも凶器の押収率が減っているということを私たちは問題にしているわけです。 そこで、右翼の日本共産党に対する襲撃の問題で質問します。 過去十年間の共産党及び共産党系団体主催の集会に対する襲撃事件というのが出てきます。共産党系団体というのは、私たちの納得できない表現ですけれども、警察白書にはそういう言葉で出ています。これが昭和五十七年から平成三年までに十四件だったと書かれております。そのほかにも、日本共産党党員あるいは党の事務所、党の宣伝カーなどに対する襲撃事件がたくさんあったと思いますけれども、どのくらいありましたか。
○政府委員(吉野準君) 共産党及び共産党系団体の集会に対する事件は、御指摘のとおり十四件でございますが、そのほかの共産党員が被害者になった事件の件数はどうかというお尋ねでありますけれども、これは被害者個人を政党別に分類するということをやっておりませんので、したがって統計もございません。 それから、共産党の党中央本部や県の本部、これに押しかけた事件で検挙した事件は昭和五十七年以降十六件でございます。
○諫山博君 その中の検挙件数はどうなっていますか。
○政府委員(吉野準君) ただいま申し上げた数字が発生即検挙の数でございます。
○諫山博君 次に、別な問題です。 弁護人の接見禁止を妨害するというのが今大問題になっております。警察官による弁護人の接見禁止が違法とされ、国家賠償法に基づいて損害賠償命令の判決を受けた件数は何件ですか。
○政府委員(國松孝次君) 過去十年間の数字でございますが、判決を受けたものにつきましては三件でございますが、うち二件につきましては、現在第一審で賠償責任があるとされておりますけれども警察で上訴中のものでございます。
○諫山博君 法務省に質問します。 検察官による弁護人の接見禁止が違法とされて裁判所から国家賠償を命ずる判決が出たのは何件ですか。
○説明員(但木敬一君) 昭和五十七年以降で申しますと九件でございます。
○諫山博君 国や自治体が次々に裁判で負けてある程度不感症になっているかもしれませんけれども、これは考えてみれば重大な事件です。警察官や検察官が憲法で保障された弁護人の接見の権利を違法に妨害する、裁判所がこれは違法だと認定したわけです。ここで侵害されているのは、憲法で保障された弁護権、憲法で保障された被告人の防御権、こういう判決が警察でも出されているし、検察官相手ではもっとたくさん出されている。 私は検察庁だけに聞きますけれども、九件も裁判所で違法とされている検察官のやり方をどのように改めようとしているのか。私の見るところ、この問題を本気で改善しようとするのではなくて、むしろこれに逆行するような拘禁二法の制定にばかり血道を上げているのではないかというふうに思われますから、この判決を真摯に受けとめて改善の努力をしているのかどうか、説明してください。
○説明員(但木敬一君) 刑訴法の三十九条三項によります接見指定につきまして問題が多々存しましたことから、その適切な運用を図るため、法務省におきましては、事件事務規程の一部を昭和六。十三年に改正いたしました。いわゆる一般的指定を廃止することとしたものでございます。その後も各種会合や研修等の機会をとらえまして、接見指定の要否の判断や指定内容、方法の選択が適切になされるようこれまでも指導してまいったところでありますが、今後ともそれを継続していく考えでございます。 なお、具体的な改善点というようなお話もございましたので一、二申しますと、先ほど申しましたように一般的指定書というのを廃止いたしまして、これがいわゆる一般、的に接見を禁止しているような印象を与えていたものですから、こういうものを廃止いたしまして、その点についての誤解を払拭するようにしたということが一点。 それから、接見指定の要件でございます捜査の必要について、より正確な解釈、運用というものを全国的に徹底いたしました。 それから、これは実務的な問題でありますが、それまで現実に文書のやりとりでしか接見の指定をしないということが行われておりましたが、現在ではファクシミリを利用する方法、あるいは電話等で行う方法等も適宜取り入れているところでございます。
○諫山博君 今まで私は、何回かごの委員会で警察問題を取り上げていろいろ議論してきました。この際私は、日本共産党が警察に対してどういう考えを持っているかということを一言申し上げたいと思います。 私たちは一人一人の警察官を敵視するという態度は全く持ちません。例えば、デモとか集会などのときに警察官が姿を見せると、税金泥棒と言ってやじを飛ばす人がおります。ああいう態度というのは、日本共産党と全く無縁です。私たちは個々の警察官を敵視するような立場はとりません。 かつて日本共産党が、「警察官へのよびかけ」というパンフレットを出したことがあります。このはしがきにこう書いてあるんです、「わが党は警察の組織・制度と一人ひとりの警察官とは厳密に区別しています」と。これを前提にしながら、例えば、人事問題でも能力のある人はどんどん昇進できるような制度が必要だ、民主的な警察をつくり上げるためには団結権の保障がどうしても必要だ、日本のような発達した資本主義の国で警察官が労働組合を持たないというのは極めて例外的だ、こういうことを批判してきました。また、警察官に対する待遇改善も私たちは当然だと思います。近ごろ長時間労働が問題になっていますけれども、やはりそういうことは警察官についてもあってはならないという立場です。これを第一に申し上げておきます。 もう一つは、私が今までいろいろ議論してきたこと、さらにきょう取り上げたことは、警察法の厳正な履行を求める立場からだという点です。警察法第二条第一項は、警察の責務について、「個人の生命、身体及び財産の保護」ということを掲げております。「犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締」、こういうことを警察の中心的な責務として列挙しております。 また、警察法第二条の中に、「不偏不党」「公平中正」という言葉があることも言うまでもありません。私たちは、これは警察法の中の民主的な条項だと考えております。この警察法の中の民主的な条項が忠実に履行されておれば、今まで私が何回か取り上げたような問題、あるいはきょう苦言を呈したような問題も起きなかったはずです。ただ、どうも現在までの警察というのは、この警察の民主的な条項というのを踏みにじっているんじゃないのか。 例えば毎年警察白書が出ます。私は丹念に読みますけれども、あの警察白書を読んで、どうしても我慢できないのは、日本共産党のことが必ず出てくることです。極左暴力集団、右翼団体、これと並列的に日本共産党のことを得々と書いております。これはだれが考えても不偏不党の原則に反します。 私が議論しているのは、そういう立場からであって、よりよい日本の警察をつくり上げたいという願いからです。確かに、日本の犯罪の検挙率は、諸外国に比べると高いようです。これは私も評価いたします。ただ、日本の犯罪の検挙率が高いというのは、今や過去の問題になりつつあるんです。 私は最後に、本当に立派な警察を警察庁長官と国家公安委員長でつくり上げてもらいたいと思います。そうでなければ、警察に対する国民の信頼は失墜します。それぞれ御答弁ください。
○政府委員(鈴木良一君) 私どもは、警察が民主的に、しかも国民の信頼を得るように懸命に努力してきたつもりでございますし、これからもいろいろ問題点は是正しながら、さらによりよい警察を目指して頑張ってまいりたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 諫山さんは、かねてから警察問題は非常に勉強しておられまして、私もたびたびこの委員会でお聞きいたしました。きょうも、地方交付税の質問がなと思うたら、全部警察の質問でございました。それほど熱心におやりになっている。いわば今までの警察に対する集大成の意見を述べておられるのだろう、こう思っております。私たちの立場から見まして、ちょっと偏った御意見もあることは事実だと思いますし、また建設的なこともおっしゃっておられることを私は冷静に受けとめております。したがって、そのような熱意を持っておられますことは、やっぱり我々も生かすべきものは生かしていくべきだ、こう思っておりまして、先ほど申しましたように警察の任務は治安の維持ということで大変ないわば任務をしょっておる重要な段階に来ておりますので、この機会に警察は一致結束いたしまして治安の確保のために全力を挙げてより一層の努力をするということは、私からもお誓い申し上げたいと思います。
○諫山博君 警察庁長官にもう一つ聞きます。 犯罪の検挙率が長期的にずっと下がってきた、昭和六十三年から低下率が特に顕著だ、これは警察庁長官も否定できないと思います。昭和六十二年は幾らか検挙率が上がったんですよ。ところが、六十三年からぐっと下がって今日に至っている。この六十三年から急に下がったという点を警察内部ではどう分析しておりますか。 長官が説明してください。もう技術的な話はいいです。
○政府委員(鈴木良一君) いろいろな観点はございますけれども、いずれにいたしましても、先ほど申しましたように事件に強い警察というのを確立するために我々は懸命の努力を続けておるわけでございまして、そのためにはやはり時間をちょっとかしていただいて、そういう面であらゆる角度から見直してみて、そして正すべきものは正してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○諫山博君 ただ、時間をかしてと言われますけれども、私ここで紹介しませんでしたけれども、一番ひどいのは乗り物盗ですよ、自転車泥棒、バイク泥棒。これは昭和六十三年の検挙率は四一・二%、結構検挙されているんですよ。現在は一六・七%ですよ。三年前までは十件の犯罪のうち四件検挙していた。今は十件の犯罪のうち一・六件しか検挙しない。これはもうぐずぐずしておったらゼロになりますよ。だから、本当に犯罪の検挙率の低下というのは私は真剣に受けとめてもらいたいと思います。そうでないと警察は国民から見放されるということを申し上げて、質問を終わります。
○星川保松君 私は、地方交付税の減額の問題から質問をいたします。 今回の八千五百億円の地方交付税の減額というものの発端から考えてみますと、それは九二年度の予算の編成のときから出てきた問題のようでございます。これは当時の朝日新聞でありますが、大蔵省が予算の編成に当たって出口が見えないというようなことを報道しております。つまり、六兆円の不足額が出てくる、それを何によって埋めるかということが論議されたわけであります。それで、それを埋めるにはいろいろな方法があるわけですけれども、単純に言いますならば、歳出を抑制するか、あるいは国債を増発するか、あるいは増税をするかというこの三つの方法の全部をとるか、いずれかをとるかということになってきたわけであります。 そこで、そのときに財界の方では、財源不足の原因というのは歳入減ではなくて歳出増だということを主張しておるわけであります。その裏にはいわゆる景気の後退をこれ以上続けさせてはならないという配慮がある、こう思いますけれども、歳出増を抑えなければならないということで財界では歳出をカットしろと。そのカットの項目の中にいわゆる地方交付税の交付金がやり玉に上がっているというようなことが報道されております。また、自民党の税調の方では、大蔵省が六兆円足りませんということで増税で面倒を見てくださいと言われてもそれは困る、というのは、参議院選挙を控えて増税ということはどうもこれはぐあいが悪い、こういうことのようでございます。 そういうことから、結局この交付税に手をかけるほかない、地方交付税を減額するほかないということになっていって、いわゆるその出口を地方交付税の減額に求めたというようなことから進んできたように報道されておりますが、やはり自治省でもそのようにとらえておられるでしょうか。
○政府委員(湯浅利夫君) 昨年の秋以降、平成四年度の国の予算編成におきましては、税収の減がかなり大きかった関係もございまして、平成四年度の予算編成が非常に困難な厳しい状況にあるということは、これは大蔵当局が言うまでもなくかなり厳しいという状況があったことは事実だと思います。そういう中で秋以降、この地方財政対策をどういう格好でもっていくかということは、事務レベルでもいろいろな論議があったことは事実でございます。今お話しのように、交付税の減額という問題に直接事務折衝で最初から触れてきたというような問題ではございませんけれども、かなり大きな財源不足が出るというようなことを前提にいたしまして地財対策についてもいろいろと話があったというふうに記憶しておるところでございます。
○星川保松君 こういうことで予算編成に当たって不足額が生じて調整をしなければならないということで、いろいろ工夫した結果、地方交付税に手をつけるということは、どうもいろいろやって一番弱いところに向かってくるような気がして非常に私は残念に思うわけであります。弱いところ。に向かってくるということと、もう一つは大蔵省は盛んに地方財源には余剰が生じているということを言っているわけです、毎年余剰が出てきていると。地方財源に余剰が出て国が困っているということなれば都合しでくれてもいいんじゃないかというような論法のようですけれども、この大蔵省が言っている余剰財源というような考え方、これに対して自治省はどのように考えているのか、大蔵省と同じような考えに立っているのかどうか、その点をひとつお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 大蔵当局との折衝の中で、大蔵は国の予算の編成が非常に厳しいという中で、この財源不足をどう埋めるかという方法としては、歳出の抑制あるいは国債の増発、増税、こういうようなことを今先生御指摘になりましたけれども、この三つをやはり真剣に考えたところがございます。 結果的に見ますと、平成四年度におきましてまず建設国債はほとんど限度いっぱいまで出すということをいたしましたし、それから増税の面におきましては、いろいろと問題がございましたけれども、法人臨時特別税などの特別な税制、臨時税を決めるというようなこともございましたし、歳出の抑制面におきましては、単に地方交付税だけではなしに、一般歳出においてもカットできるところはできるだけカットしていく、こういう厳しい姿勢で予算編成が行われたわけでございます。 その中で、地方財政についても一定の協力をしてもらえないかという話が出てきたわけでございますけれども、けさほど米お話がございましたように、地方交付税というのは地方の固有の財源でございますから、しかも将来の地方の財政需要というものを考えますとたくさんの財政需要を抱えておる。それから現在の地方財政を考えましても、七十兆を超える借入金残高を抱えておりまして、公債費の負担比率も非常に高い団体が多い。こういうようなことを考えますと、地方財政にとって現段階で余裕があるとか、余剰があるということは決してないということを主張してきたわけでございまして、今御指摘のような財源余剰という考え方は私どもは一切とっていないところでございます。
○星川保松君 財源余剰というふうなことを大蔵省がいつも考えているとすれば、やはり財源余剰があるのではないかということでいつもここのところへ向かってくるということになると思うんです。ですから、うちは財源余剰だとは思っていないというようなことではなくて、これは財源余剰ではないというような自治省なりのしっかりした理論を打ち立てておかないとだめだと思うんです。うちの考えはこうだじゃなくて、大蔵省の考えは間違っている、こういうわけで間違っているんだということをしっかり理論づけて、そして大蔵省の財源余剰という考え方を消してもらわないことには、もうこれはいつでもここへかかってくるわけなんです。そのことが私は自治省としては大事なことじゃないかと思うんです。特にこの交付税を担当している皆さんはそこのところをひとつしっかりしていただきたい、こう思うわけです。 それで、こういうマスコミの報道があるんです。 国と地方の関係は、しばしば車の両輪に例えられる。両者の呼吸がうまく合わないと、行政全体が円滑に進まなくなるためだが、大蔵省OBは「(国と地方は)今や一心同体の時代に入った」と強調する。「お互いの財布を一緒にする必要があるから」で、主計局にはこんな話も流れている。 「共稼ぎの夫婦がいて、一方は国税、そしてもう一方は地方税という財布を持っている。生活はどうかといえば、住宅ローンを抱えていて大変だ。そんな中である日一方が倒れてしまったら、協力し合うのが当たり前でしょ。何しろ一心同体なんだから」 という極めてうまい理屈をつけて、困ったときだけ一心同体なのよなんて近寄ってきて、余剰があるなら貸してくれと。これでは、きちんとした財政運営ができないんじゃ、いつまでたっても地方交付税はいじめられるということになろうと思うんです。 ですから、ひとつそこのところをしっかり、大蔵省の考えは間違っているということを理論づけて大蔵省を説得するというふうにしてもらいたいと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
○政府委員(湯浅利夫君) 私の御答弁がちょっと舌足らずで申しわけございませんでしたけれども、私どもは財源余剰はないということを対外的にも主張をしております。その理由は、先ほども申し上げましたとおり、地方税の税収動向というのも、国が税収動向が悪いときにはこれは連動して地方も悪くなることは当然なわけでございますから、税収動向に予断を許さない状況があるという問題もございます。 それから、地方財政全体において、その財政規模に匹敵する七十一兆円を超える借入金残高を抱えておりますし、この借入金残高が三千三百の地方団体の公債費負担に大変影響をしているという事実もございますし、さらに地方財政の場合には国の場合と違いまして三千三百の地方団体の集合でございます。地方財政の集合でございますので、その集合している地方財政の中でほとんどの団体が財政力の弱い団体である、九五%の団体は地方交付税の交付を受けなければ財政運営ができないという団体でございますので、そういう観点から見ましても地方財政というものは決して楽観を許す状態じゃない。 さらに、今後のことを考えますと、公共投資基本計画の四百三十兆円の大きな部分を地方財政としてこれは担当していかなければならない問題がございますし、また高齢化社会に向けましたゴールドプランの推進、それからそれに関連する地域の独自の単独福祉施策というような問題、あるいは多極分散型国土形成のためのいろんな施策の推進、あるいは地域環境の整備、いろいろな問題が山積しているわけでございますので、こういう重要な課題に対応していくためにはとても地方財政は余裕のあるというような状態ではない、こういうことを私どもは強く主張したところでございまして、これは私どもはこれからも御理解をいただくように努力をしていかなければならない問題であるというふうに考えているところでございます。 そこで、今回の地方交付税の減額の問題につきましては、大蔵省の今のお話もあるかと思いますけれども、そういう主張をお互いにぶつけ合いながらも、最終的にはやはり公経済を担うのは国と地方公共団体という立場でございますので、そのそれぞれがやはりうまく円滑に回っていきませんと公経済のバランスというものは崩れてしまう。地方だけがよくて国が動かないということになりますと、国と地方との間の財政というものはいろんな形で密接に絡んでいるわけでございますから、一方が極端に悪くなるということになりますとこれはうまく動かなくなってしまう、こういうようなこともございまして、公経済全体としてバランスのとれた運営を図ることが必要だということで今回の地方交付税のこの特例措置を講じたわけでございまして、その点についての御理解を賜りたいと思うわけでございます。
○星川保松君 あなたはいろいろと御説明になりますけれども、それは結局大蔵とやり合った結果を我々に弁解しているように聞こえてならないんですけれども、我々に説明するのは結構ですから、その前にはやはり大蔵と堂々と論議をして、大蔵のとにかく余剰財源という考え方は間違っているんだということを説得する、そういう理論をしっかり打ち立ててもらいたいということです。 それで、大蔵省は最初は交付税率を何とか下げたいというようなことを言っておったということが報道されておりまして、それができないということならば税率を下げるかわりに一兆円以上の交付税の減額をしてほしいということを強硬に主張してきた。それで自治省と大蔵省の議論が平行線をたどって、塩川自治相と羽田蔵相の閣僚折衝に持ち込まれた。「一回目の折衝では一兆円の減税を求める蔵相に対し、「到底一兆円の減額は不可能」と塩川自治相が突っぱねて決裂。その直後、官邸で宮沢首相から国への協力を求められた自治相は、「協力はするが、事務的に任せてほしい」と回答し、二回目の閣僚折衝で減額幅を八千五百億円に圧縮。減額分は国に貸して後年度に返済される貸し借り方式とすることで合意した。」と報道されておりますが、このとおりでしょうか。
○政府委員(湯浅利夫君) 大蔵省との折衝におきまして、私どもに対しまして地方交付税率を引き下げるということは一切ございませんでした。また、交付税の地方財政に対する協力要請ということについてはいろいろございましたけれども、金額面におきまして一兆円というお話を受けたことは一切ございません。いろいろな折衝の過程で協力要請ということはございましたけれども、マスコミ等を通じて報道機関などで出ていた金額で一兆円というような数字は私どもも承知しておりますけれども、事務折衝の段階で一兆円という具体的な計数が出たことは一切ございません。 そういうようなことを踏まえて大蔵省当局といろいろと折衝して、最終段階で自治、大蔵両大臣の御判断で最終決着が迎えられた、こういう経過でございます。
○星川保松君 マスコミの報道によりますと、大蔵省としては一兆円減額の目標を達成できなかったけれども、一方で、国保事務費負担金のうち人件費とか、義務教育国庫負担金のうち共済追加費用とか、国保助産費補助金等、これを国の負担から地方の負担に切りかえるということが実現できた。これらの合計額が一千五百億円で、一兆円から差し引くと八千五百億円という数字が出てきたのだ、こう報道されていますけれども、それはどうなんですか。
○政府委員(湯浅利夫君) その点につきましても私どもは関知しないわけでございますけれども、国庫補助負担金の一般財源化の問題というものは、これはやはり地方の自主性、自律性を高めるという観点からふだんから検討し、各省庁に協力を要請している問題でございまして、今年度はそういうことも実って義務教育の国庫負担金のうちの一部、それから国保の事務費の一部等が一般財源化されたわけでございますが、この問題と地方交付税の特例措置の問題とは全く性質の違う問題でございますので、この二つをあわせて議論したということは大蔵省当局とも一切ございませんので、この点ははっきり申し上げておきたいと思います。
○星川保松君 あなたは関係がないとおっしゃいますけれども、ここの計算でいきますと千五百億円にこっちの方でなるんです。それを引きますと八千五百億円というのがぴたっと出てくるわけです。関係ないのに何でぴたっと合うのか、私たちはちょっと疑わしくなりますけれども。 それでは、なぜ八千五百億円という額が算出されてきたのでしょうか。
○政府委員(湯浅利夫君) この交付税の特例減額、特例措置を決めるに当たりましては、地方財政対策をいろいろと検討してきたわけでございまして、まず地方団体の財政運営に支障の生じないように各種の措置が十分とれるということが当然前提にならなければならないというふうに考えたわけでございます。そのための措置といたしまして、地方単独事業を一一・五%増額するとか、あるいは地域福祉基金を三千五百億にするとか、あるいは地方財政の健全化のために従来特例的に発行した地方債の繰り上げ償還のための経費を約一兆二千億計上するとか、そういうような議論をずっと詰めていった結果、最終的に総合的に出てきた数字が八千五百億ということでございます。各種の問題、そういう財政需要というものも片方でにらみながら総合的に判断した最終結果が八千五百億円という数字となって出たわけでございます。
○星川保松君 最初の一兆円から算出されたものではない、そのほかいろいろあってここにいったんだと、あなたがそう言うからそれはまあいいでしょう。そんなこと詰めても仕方がありませんから。 問題は、今回の地方交付税法附則第三条のいわゆる国と地方の貸し借りということの調整をやったということで減額が出てきたわけでありますけれども、ここで、「今後もこの方法は踏襲されていくものとみられるがこ、この次ですね、問題は。「財源余剰が続けば国から地方への返済は実質的に棚上げとなるため、主計局幹部は「結果的にはカットのしっ放しとなる公算が大きい」と話している。」というふうに報道されているんですよ。これは大変なことだと思うんですが、どういうことなんですか。
○政府委員(湯浅利夫君) 先ほど来申し上げましたとおり、地方財政にとって財源余剰はございません。この点については大蔵省当局にもこれからもきちんと主張していくつもりでございます。 こういうことを踏まえて、この特例措置を行ったものが将来返ってこないのではないかという点につきましては、今回の地方交付税法の改正の中で、平成十三年度までの間にこの八千五百億円はきちっと返していただくということを、個別、具体の年度において幾らずつ返していただくかということまでも金額を明記しているところでございまして、これを一方的に大蔵当局が破棄をするということはできないわけでございまして、その意味で今回の法律の中できちっと明記をしております。 過去におきましても、返済時期の変更は多少あった場合もございますけれども、返済がなかったということは一切ないわけでございまして、こういうことは私どもは全く予想していないところでございます。
○星川保松君 貸し倒れになることはないということをあなたが保証したわけでありますから、あなたを信用しておきましょう。 次に、時間がありませんので、別の問題に移ります。 私は、この前の質問の際に自治大臣と、いわゆる地方自治法の第一条の目的のところに掲げております地方自治の本旨というものについてちょっとだけ話し合いをしたわけでございます。その際に私は、決して地方自治の本旨というものは難しいものではなくて、いわゆる地域住民の幸せを達成することではないかということで、自治大臣も大体そんなところだろうというお話があったわけでございます。 きょうは少し、今地方自治の充実のために最も重要な、やらなければならないということはどういうことだとお考えでしょうか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 地方自治体と申しましても、大は東京都から、また小は人口千人の村、私は先日そこへ参りましたが、人口千人の村が岐阜県にございますが、そういうところもございますので一概に申し上げられませんが、さっき星川さんがおっしゃっているように、住民の生活を保障するということ、これがやっぱり一番大事だろうと思います。そう思いますと、やはり私は安心して住めるところ、そして生活がある程度保障されておる、そのシビルミニマムを着実に実行していくことだと思っております。特にその中でも、私は福祉がこれから地方自治体にとっては一番大きいいわば責務になってくるんではないか、そういう感じがしております。 しかし、東京等におきましては、やはり国際都市としての果たさなきゃならぬ問題もございましょうし、でございますから、一概には申し上げられぬと申しておるところでございますが、私は自治体全般に共通して言えることは、そういう生活の安全と安定を図るということに尽きると思っております。
○星川保松君 合いわゆる自治体をめぐっての国内で一番大きな課題といいますか、論議といいますか、出ておりますことは、私はいわゆる地方分権の問題ではないか、こういうふうに思います。いわゆる行革審の中の豊かなくらし部会の中で大きく取り上げられておるのが分権でございまして、どのように地方に権限を移譲するかという問題が盛んに論議されておるわけであります。 それで、私もこれが極めて今大きな問題である、こう思いますが、その豊かなくらし部会の部会長であります細川さんが新党結成の宣言をなさった。その宣言をなさった動機がいろいろ報じられておるのでありますけれども、これもマスコミによりますと、いわゆる地方分権を掲げて新党結成を表明したというようなことですね。中央省庁の抵抗で地方分権が進まない行革審の状況に細川氏は業を煮やしたというような表現も行われておるわけであります。この行革審の中で地方分権を実現しようと思って努力したけれどもそれができなかった、だからやっぱり外に出て、それで新党をつくってやるほかないというところまで思い詰めたのがこの新党結成の宣言の動機だということでありまして、細川さんがそのように思い詰めるほどこの地方分権の問題は大きな問題だというふうに考えておることに私も同感を覚えておるわけでございます。 それで、その分権については、地方自治法の中には、自治体の権限というものは仕事の面でずっと列挙していますね。あの列挙はいわゆる制限列挙ではなくて、例示列挙と申しますか、こういう仕事もこういう仕事も地方自治体はやるんだぞという、極めて啓蒙的な列挙ではないかと私は思うんですよ。ですから、むしろ逆の方からいきますと、どうしても国がやるべき仕事というものを制限列挙して、そしてそのほかは全部地方がやるんだというようなことの裏返しの表現ではないか、こういうふうに思うわけです。 そうすると、細川さんの分権についての考えの基本というのは、まさしく国の分をもう制限列挙してしまって、他は全部地方がやるというような考えに立って細川私案をつくって進めたわけですね。ところが、それに対して、あの中に潜り込んだと、私はこう言いたいのでありますけれども、いわゆる省庁のOB、事務次官を初めOBが十数名潜り込んで、そして恐らく自分のふるさとの省庁と連絡をとりながら猛烈な抵抗をして、それをつぶして細川私案がつぶされてしまった。それに腹を立てたと言っちゃなんですけれども、その希望を失った細川さんが外に出て新党という仕事に取りかかったんだ、こういうふうに思いますけれども、そのいわゆる地方分権について大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、この委員会等でしばしば申し上げておると思うんでございますが、地方分権というのも正確な意味において私は理解しておらぬかもわかりませんけれども、現在日本の自治体の中に完全な自治があるかといったら、私はないと思います。その点は細川さんとも本当に意気投合するところが実はございます。しかし、だからといって地方自治体に分権の手法でというか、あるいはパイロット自治体というような手法でできるかといいましたら、私はやっぱり現在の日本の諸制度の中から見ると難しい。だけれども、地方自治体にもっと権限を移譲していくべきだということはできると思っておりますのでございますから、分権よりも私はまず権限の移譲ということからやっていけるものはやっていったらいいではないか。 と申しますのは、憲法に、確かに九十二条に自治の本旨はうたってございますけれども、これを保障する国家行政組織法とかいろんな制度を見ましたら、これは全然そこに通じておりません。国の行政制度というものを見ました場合には、中央省庁の設置法によりまして全部それは書かれてありますのでございますから、今地方分権でこの権限とこの権限はこちらへ、地方へ移せといいましても、その権限は各省設置法によりまして明確にこれは何々省の所掌事務であるということと、それから条を変えまして何々省の権限ということは明確に書かれております。 そういたしますと、平易なことを言いますと、会社の営業品目を、おまえのところで売っている、製造しているその営業品目を、これをやめてこっちへ移せというのと同じでございますから、今まで設置法によりまして権限を持っておる役所というものは、これはなかなかそう簡単には応じていかない。これがやはり私は行革審等で角突き合わせて議論がまとまらなかった根本であろうと思うんです。 そこで、私が思いますのは、そういう役所の権限であろうけれども、しかしながら責任は地方自治体の方に移せと、所管事項はそうであろうけれども仕事はこっちでやるよと、だからそれに伴う財源もだんだんとこちらへ付与していけというやり方、それを私はやっぱり根気強くやっていくべきだ、こう思っております。そのためには何としても地方自治体は、最近見ましたら、自治省へ来るよりも先に所管の役所へ行ってお願いしてきて、あれ言ってあるからちゃんとしてくれよというのが自治省へと来るわけです。この自治体の姿勢を本当に自治をやるんだという、そういう精神にやっぱり意識を変えてくれるということが私は一番大事だと思うんです。 その意識の構造改善をやろうと思いまして、そういうところに芽生えられましたのが、例えば、言ってはえらい失礼でございますけれども、岩國市長さんだとか細川さんだとかいうのはそこに芽生えてきた。芽生えてそれを主張しておられるんだと私は思っておりまして、そういうふうなことの空気がずっと全国に蔓延してまいりますと、確かに地方自治というものは活気づいてきて、権限もやっぱり自治体の責任でやらしていこう、こういうことになってくると思いますし、そういたしますと自治体に人材も集まってくる、私はそういう関係にあるんではないかと思っております。 したがいまして、私たちはその趣旨はよくわきまえておりますので、仰せのように地方に権限が移譲されていくように極力努力してやっていきたい、こう思っております。
○星川保松君 もう時間がなくなりましたが、自治大臣がおっしゃるように、日本は明治憲法下で地方自治というのがもうほとんどなかったんです。それで、戦後自治法ができて地方自治ということで、ただ住民がそれに慣れていなかったわけでありますけれども、住民が本当に自分たちでっくり上げた地方自治でなくてほかからもらったような地方自治制度のために、私は今なお住民に定着しないうらみがあるんじゃないかと思います。 例えば、アメリカのように、州があって、それであのアメリカの旗の星を一つずつふやしていったということで、地方自治体が最初にできて、そして今度は国家というものに対してその州がどれだけの権限を移譲してそして国家をつくるかというふうに下の方から自治体ができて国ができたというのと、日本みたいに国が初めからできていて後で自治体というものが出てきた、自治の考えが出てきたというのでは、逆なために私はなかなか育ちにくいのではないか、こう思うわけです。 ただ、大臣が前にお話しになったときの、自治体が意識を変えてくれということ、それもわかります。しかし、それよりも私は国が、省庁がまず頭を切りかえてもらわないともうどうにもならぬと思うんですよ。それで、自治省に来ればいいのにほかの現場の省に先に行っちゃうというのは、やはり自治省が力がよそに比べて少ないというところから行っちゃうんじゃないかと思うんです。ですから、分権については自治省はこういうふうに考えて、各省にもこういうふうに強力に分権をやるようにということで積極的に言っていきますよという態度を今後ともひとつ頑張って示していただきたいということを要望して、質問を終わります。
○委員長(山口哲夫君) 本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。
○委員長(山口哲夫君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 地方交付税法等の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山口哲夫君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山口哲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十四分散会