地方行政委員会 第3号
- 発言数
- 203 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1992/04/07
会議録
○委員長(山口哲夫君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 去る三月二十五日、予算委員会から、四月七日の一日間、平成四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち警察庁、自治省所管及び公営企業金融公庫について審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 本件に関する説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○上野雄文君 それでは質問をさせていただきます。 大臣に御質問を申し上げるのは私は初めてだと思うので、虚心坦懐にお話しいただければありがたいなと思っています。特に大臣は議員になられる前、東大阪市の合併の問題や何かでも現場で大変御苦労された経験豊富な方だというふうに伺っておりますので、そういった体験などももとにしていろいろ私にお教えをいただければ大変ありがたい、こんなふうに思っているわけであります。 最初に最近の情勢でありますが、行革審あるいは地方制度調査会そして財界などでも、地方の分権の問題について今日ほど大きく取り上げられている時期はないのではないかというふうに私は思っております。 私自身も終戦後、県の職員になりまして、ずっと自治問題にかかわってきた一人でありますけれども、騒がれている割には実が上がらないというのが現状ではないかというふうに思っていたんですけれども、中身に突っ込んで事態が進んでいくというようなことにはなっていないにしても、外側からの分権問題に対する大変な問題提起というのは今ほど盛り上がっているときはないというふうに思います。したがって、この時期にやるべきことをやるべきではないか。特に、国の権限を地方に移すというようなことなどについては勇を奮って、自治省が中心に物事を進めるぐらいの気持ちでやっていただきたい、そう思っているわけでありまして、私は最初に分権の必要性という面からお尋ねをしていきたいというふうに思っております。 あれはたしか暮れのときでしたでしょうか、星川さんからふるさと創生の問題について質問がありました。押しなべて一億円ずつお金を配る、一見ばかみたいなやり方だなというふうに思える節もありましたけれども、あれが各自治体に与えたインパクトというのは大変大きなものがあったろう。どうやっていいかわからぬというような戸惑いもあったでしょうし、また、それに刺激をされて知恵も出していこうじゃないかというようなこと、そういう面では評価できるんではないかというふうに私も思っているわけであります。 東京の一極集中を解消しよう、こういうことが言われて久しいわけでありますが、三%の国土に三〇%近い人たちが住んでいるというのは、これはもう間違いだ、こういうふうに思うことはだれしも同じだというふうに思うわけであります。ただ、ここへきまして、ついこの間衆議院で地方拠点都市地域整備法案なるものが出されてまいりました。この間は行革審の方でパイロット自治体の構想も出たり、あるいはまた地方制度調査会の方でいうところの連合制度のあり方なんという問題が出てきたというようなときに、建設省が中心で六省庁共管であの法律が出てきたというのを見ますと、何かどうもいろんなところでいろんな声が出てきているけれども、出てきたものを見てみると、何か一貫性がないんじゃないのかなというふうな感じで私は受けとめているわけでありまして、こういうようなことについて大臣はどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、率直なところをお聞かせいただきたい、こういうふうに思っているんです。
○国務大臣(塩川正十郎君) 最初にちょっとえらい原則的なことを申して恐縮でございますが、私は、日本自治体というものは自治の途中であって、まだ自治体になり切ってないと思っております。それは、西欧諸国の自治と日本の自治との発足が違っておるからだと思うのであります。特に日本の自治体は、明治、大正、昭和二十年までの間は確かに国の機関の出先でございまして、自治にふさわしいものはごくわずかなものしかなかったように思っておりますが、戦後になって初めて自治体ということで正式に自治行政が進められるようになってまいりました。その間四十数年たちますけれども、自治体という意識というものがまだまだ中途半端な状態であるような感じがいたします。 最近私が非常に憂慮しておりますことは、自治体でありながら国の機関委任事務がどんどんとふえていくということであります。これで、地方の自治体は自治自治と言うけれど実際の自治の権限というものはどういう方向に行くんだろうということは、私もみずからの拡大の方向には行っていると思いますけれども、国と地方との関係を見ました場合に決して自治権が拡大されておるように思えないという、そこらに私は非常な心配も実はしておるところであります。したがって、これからの自治行政のあり方の一番根本は、住民もそれから行政に関係しておる人も、本当の自治認識というものをもっとしっかりと確立すべきものではなかろうか、こう実は私は思っております。 そんな前提のもとに立ちまして、現在提案されております地方拠点都市構想を見てまいりますと、私はこれは自分らの努力でできるものをいわば何か国がインセンティブを与えてそこへ誘導するような、そういうシステムになってきておるように思いまして、私はこれも法案の効果は確かにあると思っております。各省庁が協力して地方自治体の活性化といいましょうか、振興を図るという意味において私は非常に意義のある法案だと思っております。同時に、自治省としましては、かねてから広域行政圏という構想を既に二十年前に打ち出しまして、これの実現のために鋭意その方向で努力しておるのでございますから、この広域行政圏の努力を中心にして進めていく。そしてそれにあわせまして地方拠点都市という新しい、広域行政圏とは違った理念がそこにあるものでございますから、それと並行したものとして地方拠点都市構想に基づくところの都市構築というものを考えていけばいいんではないか、こう思っております。 でございますから、私は、地方拠点都市構想というものはいわば地方自治体そのものの行政レベルを引き上げていくというよりも、むしろ地方の振興にこそ重点を置くべきである、しかもその振興は県内におきますところの一極集中を排除して、県内におきます多極化を図っていくための一つの有力な手法として活用していくべきものだと思っておりますし、一方治省の提案しております三百三十六圏域ございます広域行政圏というものはシビルミニマムそのものを引き上げていく、そういうための手法である、こう私自身割り切りまして役所の関係の者とその推進に努力しておるというところでございます。
○上野雄文君 地方拠点の法律について、意義ある法律だ、そういうお話で、とらえ方によってはあるいはそう言えるのかもしれません。でも、意義があり効果が上がったという点では、これまたいずれ法案審議のときに議論されることだと思いますが、たしか拠点都市は知事が指定するということになっているはずです。ところが、かつての新産都市あるいはテクノポリス、あの法案ができたとき、その指定を受けるために猛烈な運動が行われました。今度この法案が出て、知事のところへ行ってということではなくてもうストレートに建設省やなんかに自治体側の運動が起こってしまっているという点では、ある意味で意義のあることという評価をすることができるのかな、こう思ったりしていますが、とんでもない効果が上がっているような気がするんです。 そうでなくて、やはり自主的にやっていくというのであると、パイロット自治体構想との関係などについて、どうもやっぱりもう一つすれ違いがある。建設省が指導してやろうということには、何といってもハードの面のものが事業としてセットされ、補助金がくっつかってきて、うちの方の言うことを聞かなければ思うようにいきませんよと、少し変わったのは他の五省庁が加わってきたということぐらいではないのか。拠点都市ができてくると、そこにどうしても金が流れていくということになればそこに人間が集まってくる、一極集中を進めやしないかというようなことを思うわけです。 東京が一極集中の模範的なものとして指摘されますけれども、じゃ私の県の栃木県をとらえてみてどうだろうというと、やはり県庁所在地の一極集中、百九十五万しかいない人口のうち、宇都宮市に四十五万から六万も集まってきちゃっているという姿を見ると、これは東京だけの問題ではなくて、県単位にとらえてみても大変なことなのではないか。この間岡山へ行ってまいりましたが、岡山では岡山市と倉敷市を合わせると、くっつかっていてあそこに百万、百九十万のうちあの地域に百万集まっているという姿は地方における一極集中というのが端的にあらわれているのではないのかというふうに思うんです。こういうものをどうやっていったらいいのかということを考えることが非常に重要だろうというふうに思っています。 問題は、この間、前の細川熊本県知事にもおいでをいただいて、行革審の中での取り組みの状況やら細川さん自身のお考えになっていることなどもいろいろ聞かせていただいたのでありますが、パイロット自治体構想というものについては、この評価というのはまだぴしっとしていない面もあるとは思いますけれども、私はこれも一つの分権へのテスト、パイロット事業としてやろうという発想ですから、権限も移して基礎的な自治体として発展をさせる、そこに住民の意思を結集するという、大臣が日本に今まで自治がなかったと言われるものを改めて、ひとつぴしっと自治能力が発揮できるものをやっていこうという意欲が盛り込まれているんではないのかなというふうに思います。 そこで、この間自治日報という新聞を見ましたところ、その中で、厚生省と文部省が参考意見を述べるというので呼ばれたようです。ところが、いずれも地方に権限を移すのは時期尚早、なかなか地方にお任せするというようなことにはならないんだという趣旨を述べたようでありますが、その考え方を文部省の方から述べていただければ、こう思うんです。
○説明員(岡村豊君) お答え申し上げます。 去る三月十八日、行革審の地方分権特例制度等検討小委員会に呼ばれまして、パイロット制度を中心に文部省の考えを聞かれたところでございます。 パイロット自治体制度、いわゆる地方分権特例制度につきましては、その当時まだ果たしてこれは恒久的な制度なのか、あるいは暫定的な制度なのか試行的制度なのかといった制度の期間に関すること、あるいはどんな自治体が指定され、どれぐらい指定されるかといった実際的なこと等不明な点が多いということで、当面そういう不明な中で文部省としてはこういう懸念を持っていますといったようなことについて率直に考えを述べたところでございます。 すなわち、教育、文化行政におきましては、義務教育や文化財保護といった継続性を必要とし、かつやり直しのきかない分野が多いので、実験や試行的措置ということでパイロット制度を適用するということについては慎重な取り扱いが必要でありますということを御説明し、また教育行政については、特に義務教育について典型的なことでございますが、全国的に一定の教育水準が確保される行政上の仕組みがどうしても必要でございますということなどを申し上げたところでございます。 なお、文部省におきましては、地域の活性化あるいは自立化を促進するために、国、地方間の事務分担を見直しまして、可能なものについては地方への権限の移管あるいは財政の自主性の拡大を進めるということは大変重要な課題であるというふうに考えておりまして、臨調以来数次にわたり行革審等から答申が出されているわけですが、文部省では答申の考え方に沿って権限の移管、それから補助金の一般財源化等について進めてきているところでございます。なお、平成四年度におきましても、義務教育費国庫負担金につきまして共済費の追加費用を三年がかりで一般財源化する、あるいは校舎の大規模改造事業費の一部を一般財源化するといったようなことを行っておるところでございます。 なお、地方分権特例制度につきましては、その基本的枠組み等については現在行革審の小委員会で検討を進められている段階でございまして、文部省としては、今後御審議の進展に応じましていろいろ御指摘もあろうかと思いますので、その都度都度誠実に適切に対応していきたい、こういうふうに考えております。
○上野雄文君 今お話にあった一般財源化したいろんなものがありますけれども、もう前々から大蔵あたりからぎゅっぎゅっ締め上げられてきて、そこへ逃げ込まざるを得ないものだけ手放していこうと、意地悪な見方かもしれませんよ。そんなことだけで、基本的なものはどうなんだろう。都道府県、市町村に教育委員会があるのだから、その自主的な活動をやらせるようにしむけていくというのが本来の姿だろうと私は思っているんですけれどもね。 今答弁があったことについて、文部省は総じて一見全国的な、統一的な水準の確保というような面からお話をされていますが、直接的に金の面で関係というか、手放した方がうちの方は面倒くさくなくていいというようなものだけをよこすような考えではなくて、もう少し前向きに、教育の中身の問題なんかについても地方に任せるという方向を大胆に出していくべきだろうというふうに私は考えております。これらのことについては、またいずれ場所を変えて、私も地方制度調査会の委員の一人でありますので、やはりいろんな提起をしていくべきだろうというふうに思っていますので、そのことをつけ加えて、わざわざおいでいただきまして恐縮でした。これからもちょいちょいお出ましをいただくように私も心がけたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。 それでは、厚生省の方は来た時点で話をすることにいたしましょう。 大臣、これは大臣でなくても結構ですが、広域行政、連合、そういったいろんなものとの絡みの中で、全国の自治体を三百程度にしてしまおうという考えがあるようです。私は、一時、小選挙区制の問題と絡めでこのことを自分自身でも考えたものですから、とんでもないことをしてかすものだなというふうに思ったりしたわけです。基礎的自治体を集めて全国三百ぐらいにして、今度は廃藩置県じゃなくて廃県置藩というんですか、そんな文言も出てくるような昨今でありますけれども、このことについてはどんなふうにお考えになっていますか。
○国務大臣(塩川正十郎君) それは全く考えておりません。 現在の地方自治体、市町村の発生しました歴史的、地域的また文化的な因縁、由緒がずっとございますので、そういうふうなものを否定して無理やりに一つの地域に拡大し、それをもって広域圏行政をしていこう、そんな考えは全くございません。したがいまして、そういう意味における合併、糾合というのは考えておりません。 ただ、広域行政圏構想を打ち出しましたのは、全国三千幾らの自治体を見ました場合に、財政の能力あるいは行政処理能力に格段の差がございますから、そういうものが相集まってお互いに協力し合っていくならばより以上の質の高い行政サービスができるんではないか、ここが発想の原点でございます。決して、効率化のみで合併をして成果を上げよう、そんな意味で考えておるものではございませんで、あくまでも地方の実情を尊重した上での地方自治であるということは、これは間違いございません。
○上野雄文君 お話はわかりました。 それで、行革審の方でパイロット自治体という問題が提起をされ、そして地方制度調査会の方では連合の問題が出されてきておりまして、私は実は山口委員長がこっちの委員長になった後地方制度調査会の委員になったもので、まだ最近一回しか出ていないものですから、その前議論されたのを見てみますと、岡山の長野さんが連合というか、合併というか、そういうようなことについて随分批判的な意見を述べられたようです。そのときの調査会では、当時委員であった山口委員長が大賛成だという演説をふっている速記録を見させていただきました。この辺の問題について、地方制度調査会の事務局は自治省、それでこの二つの動きについてどういうふうに整理したらいいのかなと私もいろんなことを考えるわけですけれども、事務局として、客観的に見てこうなのかなということで結構ですから、お述べをいただければと思います。
○政府委員(紀内隆宏君) 先ほど来お話がございますように、地方制度の改革につきましては現在いろんな議論が行われております。舞台としては、行革審あるいは地方制度調査会でございます。 お話にございましたけれども、例えばパイロット自治体制度は、地方への権限移譲の推進の手法というところに重点を置いております。また、地方制度調査会で現在やっておりますいわゆる地域中核都市制度につきましては、規模、能力等のある市に対しまして、より大幅な機能を認めていこう、こういう議論でございます。また、同じく地方制度調査会において、社会経済の推移に応じた広域行政体制のあり方、いわゆる連合制度について議論がされております。そのように、内容的にそれぞれ関連する三つのテーマが二つの舞台において議論されているというのが現状であろうかと思います。 これらの関連につきましては、内容的にいわばオーバーラップする部分、あるいは他をおもんぱかって一つの制度を固めていくような部分というのがそれぞれございます。それぞれの相互に関連し合うということについての意識も両審議会、調査会におきまして意識されているところでございまして、その間の調整を図っていくべきであるということについても論議をされている状況でございます。したがって、そういう点を十分に踏まえた答申が行われるものというふうに考えておりますし、また答申が出た段階で制度化をするような場合にはさらに必要な調整を加えていきたい、このように考えております。
○上野雄文君 厚生省、あらかじめお知らせしてありますから、この間パイロット自治体の小委員会であなた方が述べられた考え方をお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(大西孝夫君) 私ども、先般の行革審小委員会のヒアリングにおきまして基本的な考え方を幾つか述べさせていただいておりますが、その一つは、私どもが従来から持っております国、都道府県、市町村の間の事務分担の基本的な考え方でございます。これは、厚生行政そのものが国民の生活に大変密接な関係を持っておりますので、住民に身近な事務、事業の執行というのは市町村、それから市町村の枠を超えた広域的な観点が必要なものは都道府県、基本的な制度の企画立案というのは国という考え方で事務配分を行っておりますし、そういう事務の内容とこれを実施する自治体の行財政能力等を勘案しながら市町村への権限移譲等を逐次行ってきておりますし、そういう考え方で今後も進めていくべきであるという考え方をまず申し述べております。 それから、パイロット自治体につきましても、現在行革審の小委員会でいろいろ検討中でございますし、例えば基礎的自治体とか中核都市構想とか、それから従来あります政令指定都市というようなものとの関係がどうなるんだろうといった点を中心にいろいろ全体的に慎重に考えなきゃならぬ点がありますという点を申し述べております。 それから、権限移譲の一環として財源の一般化という問題がございますが、この箇所につきまして従来から、いわゆる行革審のこれまでの考え方を踏まえまして地方公共団体の事務として定着していると認められるものについては一般財源措置に移行するという考え方で逐次一般財源化を図ってきておるつもりでございます。 そこで、施設整備費補助金についてこの一般財源化についてはどうかということにつきましては、私どもの立場では、現在特に老人を中心としまして二十一世紀の高齢化社会を迎えまして非常にたくさんの社会資本整備をこれから行わなきゃなりません。今、言うならば発展途上過程にございますが、そのために一方でまた地域間に非常にアンバランスがあるという実態がございまして、そういうアンバランスという実態を是正し各地域バランスのとれた形で必要な社会資本を整備していくという観点で、補助金制度の持つ一方では調整的な機能、あるいはもう一つは促進奨励的な機能というものをまだまだ有効に活用してまいりたいという観点で一般財源化は好ましくないという考え方を申し述べさせていただいております。 大体それが主なポイントでございます。
○上野雄文君 総じてこういう権限移譲の問題や何かについては、あなたの方は消極的だというふうに私どもは受けとめていいんですね。
○政府委員(大西孝夫君) 極めて正直に申し上げますと、権限移譲という問題の場合に、私どもにとりましても、それは権限が縮小し、組織、定員や予算へ影響しますので極めて慎重な検討の上に関係者、職員の十分納得のいく形で従来からやらせていただいているつもりでございまして、ただ、基本的には厚生行政というものは住民の身近なところで行われる行政が多いわけでございますし、そういう受け皿としての市町村の事務執行能力が十分整っている分野について私どもが否定的な立場をとるということではありませんので、むしろ方向としてはそういう権限移譲を進める方向だろうと私は思っております。 ただ、個々の権限移譲の内容一つ一つにつきましては、それぞれの時点でのいろんな要素を考慮しながら慎重に判断をして立場を決めておりますので、例えばパイロットにつきましても現時点で直ちに賛成申し上げるにはまだ判断する材料が少ないわけでございまして、言うならば慎重に検討させていただいているということでございます。
○上野雄文君 抽象論でやっていてもしようがありませんからいずれ具体論で後でまたいろいろ意見交換をしたり、私どもの考えをぶつけていきたい、こういうふうに思っています。わざわざ出てきていただいて恐縮でした。 それから、どうも時間が足りないのですが、これはやはり行政局の関係になるのですか、今までめ幾つかの調査会の答申の中で、答申が出されながら取り上げられてこなかったという問題があるわけです、直接請求制度の改善の問題であるとか、あるいは住民投票制度の問題であるとか、それから地方の意見具申の問題。具申なんというのは随分古い言葉でありますけれども、まあ、それと同じことなのかと思ったのは、私は国会に来て県会と違うと思ったのは、国会の召集は召し集めるんです、地方議会は招き集めると、てへんがついているんです。やっぱりこれは随分遣うんだな、明治憲法のあれが残っているのかなと思ったりしましたが、意見具申なんという文言も変な文言だろうというふうに思います。これはどうして今まで手をつけられていなかったのかというようなことについての見解を示していただきたいと思います。
○政府委員(紀内隆宏君) 国と地方を通じます行政が円滑に推進されていくということのためには、地域を代表して、また実際に行政事務を多く分担している地方公共団体の立場というものが国政の場に適切に反映されていく必要があろうというふうにかねてから考えておりますし、私どももこれまでも機会あるごとに地方公共団体の意見をとるように努めてきているところでございます。地方公共団体の立場を総体的に代弁するようなものといたしまして地方公共団体の長との連合組織がございます。こういう連合組織、例えば市長会とか町村会とか知事会とかあるいは議長の会合もございますが、こういうようなものの意見具申等について第二次行革審答申においてもお触れになっておりまして、私どもも地方自治の充実強化を図っていく上では地方からの意見徴取の機会の拡充ということを考えていかなきゃいけないとかねてから思っております。今後とも検討を重ねてまいりたいと思っております。
○上野雄文君 それだけ。最初に自治法ができたときは、たしか後ろの方に町村会とか市長会とかというのは法文上入っていましたね。それがすぐなくなってしまったわけですけれども、確かにいろいろ議論してみると、住民投票なんという問題については、議会があるんだから代議制度でそこで議論をすればいいんであって、住民投票なんという制度は認めるべきではないというような意見などもあることはありますね。 しかし、高知の窪川町の原発をめぐる投票制度、それから逗子かな、あそこでも、これは決まるに至りませんでしたけれども、そういう仕組みを考え出そう、いろいろ自治体の中にあってそれはやっぱり取り入れるべきだという考えが示されたのであるならば、私はやっぱり勇を鼓してこの問題を出していくべきではないか。私自身も、これは直接請求制度に絡むわけですが、高等学校の増設であるとかゼロ歳児の医療の無料化の問題であるとか、条例制定要求などもやってみたり、解職請求が行われるところへ行ってその運動に参加をしたりという体験をしてきました。 住民投票制度の問題で不満を訴えるという場合に、解職請求以外に直接投票を求めるというのはないということになってくると、私は、たった一つのことでその職をめぐっての住民の意思反映といったら解職請求しかないんだということになってくれば、これはそうでない道をも開く意味からいっても非常にいい制度ではないかというふうに思うんですね。ですから、もうこれ随分長い間放置されているというか、答申そのものが放置をされているというふうに受けとめているんですけれども、これからどういうふうにされようとしているのか、その辺もお聞かせを願いたいと思っています。
○政府委員(紀内隆宏君) 現在の我が国の地方自治制度の基本的な仕組みというのは代表民主制という形をとっておりまして、直接請求制度につきましては一定のものに限って制度化をしている、こういう仕組みになっております。 住民投票制度につきましては、お話にもございましたけれども、第十六次の地方制度調査会の答申におきまして、その拡張について検討する必要があると提言されております。しかし、その提言の際に、あわせまして、住民投票制度は現行の代表民主制に対する補完的な制度であるということで、議会や長の本来の機能と責任を損なうことのないよう配慮をする必要があるとも述べられているところでございます。住民が直接に団体の意思を決定していこうという意味での住民投票制度の導入につきましては、現行の代表民主制度を基本とした地方自治制度の中でこれを補完するものという位置づけのもとに、一体どこまでこれが可能だろうかということとか、あるいは住民投票の対象とすべき事項をどのようにとらえるか、あるいは住民投票の結果の効力をどのように考えていくかというふうに検討すべき事項が非常に多うございまして、今後慎重に研究していく必要があろうというふうに考えております。
○上野雄文君 何かわかったようなわからないような御答弁で、やる気がないときはいろんな別の問題を出してきて話をはぐらかすことになりかねないのではないかというふうに私は思っていますけれども、いずれまた場を変えて議論してみたいと思います。 さてそこで、地方への権限移譲という問題、非常に重大な問題で、地方の側にとってはできるだけ早くそうしてもらいたいという気持ちでいっぱいなんだろうと思うのでありますけれども、財政問題と無関係でないわけですね。ことしも交付税八千五百億を削られた、法律の改正、つまり本文の規定を直さずに実質的に削り取っていく。去年が五千億、ことしも八千五百億、地方にとっては大変大きく期待を裏切られた問題だろうというふうに思っているわけです。 去年の十二月十三日、岩本委員から大臣にお尋ねをしています。そしてそのときの答弁、それは地方が足りないときは国が面倒見る、国が足りないときは地方が面倒見る、これはお互いさまじゃないか、こういう趣旨のようでありましたけれども、ただ、今になってバブルがはじけて経済政策でも公定歩合引き下げなんということが起こってきて、今年度もそうですし、来年度以降も一体これでこんなことが起こらないという保証はあるのかな、こう思うと大変心配になってまいります。どうしてこうなったのかという議論のやりとりはありましたけれども、ただ私はそれならそれでやり方もいろいろあるんではないかと思うんですが、前年踏襲のようなやり方になってしまったというそういう点についてどうお考えなのか、この場でひとつ明らかにしてもらいたいと思うんです。
○政府委員(湯浅利夫君) 明年度の予算編成に当たりまして、国と地方の財政の関係をどういう形で調整するかという点につきましては、昨年の夏ごろからいろんな形で御議論があったことは御案内のとおりでございます。そういう中で、やはり国の場合には税収不足が既に平成三年度から出てきている、地方の方はややおくれているというようなこともございまして、国の予算編成が極めて厳しい状況であったということから、国庫当局から強い協力要請があったわけでございます。 この協力要請に対しまして、地方財政の立場からは、まず地方団体が当面する財政需要に的確に対応できるかどうか、この問題を抜きにしては考えられないわけでございますが、この当面する財政需要についていろいろと検討いたしました結果、例えば地方単独事業の充実問題でございますとか、あるいはソフト面におきます福祉施策の充実というような問題、そういうような問題もいろいろと検討いたしました結果、当面する財政需要には何とか対応できるということもございまして、国の強い協力要請におこたえするということでこの八千五百億を地方交付税から減額いたしまして国の財政に貸すということにしたわけでございます。 そういう意味から、やはり国と地方というものが公経済を両方で受け持つという立場から、地方の財源だけが確保されればそれでいいということではなしにい国の財政と地方の財政というものは密接にいろんな形で関連をしてきているものでございますので、国の財政が十分立ち行かなくなるということは、これは地方の財政にとりましてもいろいろな面で支障が生じてくるということもございまして、今回そういう協力をさせていただいたものでございます。 この減額した分につきましては、今後にわたりましてそれをきちっと返していただくということも今御審議いただいております地方交付税法の中に明確にしておりまして、そういうことで今回の国と地方との協力関係をさせていただいたところでございます。
○上野雄文君 いずれまた交付税法の改正の審議でその点の議論はされることになりますからその方に譲るにいたしましても、ただ我々心配するのは、来年もそういうことがあってはなるまいというふうに思っているんですけれども、法律できちっと明定してあると、おっしゃるとおりですね。しかし、今年度までは先行き少なくなるようにこういうふうに傾斜して、年度がどんどん過ぎていけば返済額も少なくするようになってるんですね。今度は平らに全部直した。これはどういう理由なんですか。大体三千億クラスでずっと頭並べたんですね。その理由はどういうことですか。
○政府委員(湯浅利夫君) ただいま申しましたようなこの八千五百億円を国にお貸しすることに伴いまして、今後それを返済してもらうという問題とあわせまして、従来から特例加算などで国から返していただく、加算していただくというような数字もいろいろあったわけでございまして、こういう交付税の後年度加算についてどういう形で返していただくのが適切かということでいろいろ検討いたしました。 御指摘のように、できるだけ近い年次にたくさんの額を返していただいてだんだん減らしていくという方式もございましょう。当初はそういう形でやったものもございますけれども、最近の地方財政の状況などを考えてみますと、この返済額というものを将来におきますいろいろな社会資本の整備の充実、これを十年間で四百三十兆という形で伸ばしていかなきゃならないというような事情もございましょう。また、ゴールドプランというようなことで高齢化社会の進展に対応するための各種の施策というものを考えますと、大体十年単位でいろいろな施策の展望をしているわけでございます。こういう展望を踏まえまして交付税の安定的な確保をするという観点から見まして、この加算額というものを平準化していった方がいいのではないか、毎年度毎年度の加算額というものをほぼ同じ額程度にしていった方がいいのではないか、こういう判断で、今回の八千五百億につきましては明年度からすぐ返していただくということではなしに、六年度から十三年度までの間に返していただく、それによって全体が平準化してくる、こういう形にさせていただいたものでございます。
○上野雄文君 四年度で八千五百億削って、それじゃ四年度の前年の返済分はどうなんだということになってくると、二百十億と二百八億の差っ引きなんかしてというようなことが行われてくると、将来の問題等についてやはり同じようなやり方をすればひとつもおかげはないじゃないかということになりはしないかという懸念を持つのですね。 私は、きのう政府委員室から来られた方に一覧表を持ってきてくれと言ったのですが、私のところへ持ってきてくれませんでしたからよくわからない面があるんですけれども、そういうやりくりをやられてしまうということになると、どうも何かもう一つ信用できなくなるんではないか。法律の本則も直さないで実質的に減額するというやり方をやるのは、貸し借り先行き棒引きというような心配というのが完全になくなるということにはならないわけです。 だから、今局長が答弁のように、家と地方は車の両輪なんだからお互いに協力し合ってと、そういう話は話としてわかりますけれども、本来我が方のものとして決められていたものが、お互いに困ったときは助け合いなんだというにしては、去年五千億、ことし八千五百億、しかもことしは最初のころ大蔵は、一兆二千億ぐらいの協力をもらわなきゃだめだ、それが八千五百億になったんだから随分軽くなったじゃないかというような印象を与えるようなやり方なんというのは正解でないというふうに私は思っています。 その辺のことについてひとつ自治省の考え方、これはこれからは大蔵を呼んでやるべきことだろうというふうに思っていますが、少なくとも自治体側の立場に立って物事を考えるというのが自治省の立場なんだろうと思うんで、そういう面から局長のお考えをお示しいただきたいというふうに思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 国と地方との間の貸し借り関係を決めるに当たりましては、私どもの立場は、地方財政がその年度において円滑に推進できるかどうかということがまず前提になるわけでございまして、これが十分に機能しないということで国にお貸しをするということは、これは私どもが厳に慎まなければならない問題だと思っております。 そういうことで、平成四年度におきましても各種の検討をいたしました結果、当面の地方財政需要というものに対応し得るのではないか、こういうことから今回の貸し借りを決めさせていただいたものでございまして、その考え方というものはこれからも貫いていかなければならないと思っております。 国にお貸ししたものが将来返済されないのではないか、あるいは返済を予定されていたものがまた変わってしまうんじゃないかというような御指摘、これはまことにごもっともでございますが、私どもとしては法律で返済していただく額というものをきちっと担保しているわけでございまして、各年度で幾らずつ返してもらうということも法律で書いているわけでございますので、この返済をしていただくという金額を将来にわたって免除するということは、これは過去にもそういう例はございません。そういうことをすることではなしに、国に対して法律で定められたことは確実に返済をしていただくべきものだというふうに考えているわけでございまして、実は昨年お貸しいたしました五千億のうちの四千五百億の減額措置分については、今年度、平成四年度の加算額で四年度に加算する分はきちんと加算されております。 ただ、今後の法定加算につきまして、将来の中期的な地方財政の健全性の維持という観点から一部繰り延べるというような措置を講じている例は確かにございます。これにつきましても、繰り延べた場合にはこれをはっきり法律でまた明記をいたしまして確実に将来加算していただくようにするということで、この点についても私ども担保しているつもりでございますので、御理解を賜りたいと思うわけでございます。
○上野雄文君 これは「地方行政」、時事通信でしたか、一月十三日号、「付則第三条による地方交付税の削減は今後も踏襲されそうだが、財源余剰が続けば、国から地方への返済は実質的に棚上げされることになる。地方にしてみれば、国へ貸した分(削減額)が戻ってこないわけで、主計局の幹部も「結果的にカットのしっ放しとなる公算が大きい」と話す。」というようなのが載っているんです。だから我々関係者にしてみると、これは決して安心できないという気分になるのは当たり前でしょう。それで前段、事務の地方移譲ということを、非常にアバウトですけれども、そのことをお尋ねしたつもりであります。 それから、今度の地方財政計画の中でもかなり一般財源化して大変な努力をされたということも私なりに承知をしています。しかし、八千五百億貸すということが行われるのであるならば、これはどうも先行きも簡単に国の財政がよくなるという保証もなさそうだというときであれば、やっぱりいろいろ取り組んで積み重ねたと同じように、八千五百億相当分の仕事を地方に回せということをやっていいんではないかというふうに思うんですよ。一遍にといったってなかなか大変なことはわかります。わかりますが、そのことが行われない限り、これは相手が弱みを持ったときにそこにつけ込んで攻め落とすというのは当たり前のことなんだろうと私は思うんです。 きのう政府委員室から来られた青年に、大臣に読んでおくようにというので喜連川温泉のプリントをお渡ししましたが、やっぱり自前で温泉を掘って、あれは全国に温泉掘削のブームが沸く前、あの町長自身の発想でやったわけです。それが国保財政に大変なプラスになるという面も起こってきているというような具体的な例が本県にあるわけです。みんなで創意工夫を出し合ってやろう、身近なところの仕事はどんどん住民に、自治体にできるだけ移しますと言いながら、その実、放そうとしない。北海道から沖縄まで施設などは全く同じものをつくる。 あれは自治大臣が言われたんでしょうか、都内での特別養護老人ホームの問題なんかについて、補助対象が五十人だけれども、都内では土地もとても高いし、三十人規模に下げるとか、そういうようなことだって考えられてしかるべきなのではないのかと。柔軟性がないとかいうような問題について、やっぱり八千五百億ものお金を有効に自治体側に機能させるような取り組みというものを、非常に時間がありませんのでアバウトな話だけで恐縮なんですけれども、これからは少し突っ込んでやってみたいなという願いを持っています。 私がぺいぺいだったころ、ちょうどシャウプさんが来られて地方への事務配分という問題について、県庁内の各課の委任事務から固有事務から全部調べ上げて、こんなに厚いプリントをつくって国にも出しましたし、あれがシャウプ勧告になってあらわれてくるというような、その現場で働いていたことなどもありまして、機関委任、団体委任を問わず、やはり委任事務をできるだけ縮小するという方向にこれから努められなければなるまい、こういうふうに思っているのでありまして、最後に大臣の決意をお伺いして、終わりにしたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 「温泉わいたら医療費浮いた」というレポートを読ませていただきました。やっぱりこういう効果はあると思いますし、それは地方の実情というものがこういうことで浮き上がってきておもしろい記事だった、結構な記事だったと思っております。 要するに、地方分権の問題等がいろいろ議論になっておりますけれども、根本的な問題を言いますと、日本の中央官庁というのは政策官庁であると同時に事業官庁でもあるわけですから、どうしてもやっぱり権限にしがみついてしまうことがございまして、現に最近におきましては、各省のいわば所管事項というものも膨大に膨れ上がってきています。行政改革どころじゃないんじゃないかと思っておるぐらい膨れ上がってきている。これはなぜかといいますと、実施官庁の面と政策官庁の面と二つ持っていますので、そこらがやっぱり行革の問題点で一番問題なのではないかな、そしてそのことが地方の分権問題とも非常に密接に関係があるんじゃないか、こう思っております。 したがいまして、地方の自治というものは、先ほども申しましたように、私はまだ勉強中のことでございますが、これから日本国民全体が自治とは一体何なのかということを、いろんな面に遭遇し、いろんなことを体験し、考えていくということ、これが大事なことであって、まだまだ私は本当に自治の体制ができておるとはなかなか考えられないと思っております。しかしながら、一億円で、ささいなことでございましたけれども、ふるさと創生事業で、みずから考え、みずから実行してみると、これが自治の原点だということが示されましたので、先ほどの御質問の中に御示唆があったように、これが一つのインパクトになって自治が芽生えていってくれるということ、これが本当に望ましいことだと思っておりまして、私はこれからの努力の方がむしろ大きい課題なのではないか、こう思っております。
○野別隆俊君 きょうは、日本の森林、林業をめぐる問題、それから消防問題をやることにしておりましたが、時間の関係で消防庁の方は恐らくそこまで行けないと思いますから、林業問題を中心にこれから自治省、労働省、さらに文部省、こういう関係の方々と論議をしたいと思います。 今、日本の山は非常な危機状態に来ております。国有林にいたしましても民有林にいたしましても今大変厳しい状況に置かれている。こういう立場から、きょうは特に自治大臣に、これから日本の山を守るために自治省の御努力を期待しながら質問をしてまいりたいと思います。 最初に、私は、この日本の山が戦時、戦後を通じましてどういうことをしてきたのかということの一端だけ、私が知っているのは一部分でございますから、ここで考えてみたいと思うのです。 日本の山は、戦時中は大変な戦争協力をさせられてまいりました。松の木の大木がたくさんございましたが、油が不足をいたしておりましたから、あれは全部傷をつけまして松根油をとったものでございます。幹をずっと切りまして、出てくる油をとったのであります。そして、そういう大きい松は枯れてしまう、こういう状態が起こってきました。そしてまた、山にたくさんの人を国策によって入らせまして木炭生産を始めたのであります。日本の燃料を木炭で賄おうということでありました。同時に、戦時、戦後の初めにかけましては、日本はエネルギー資源がないのでございますから、バスなどは木炭で走ったのであります。ガソリン車じゃなかった。木炭で賄ってきたのであります。こういうように山は国民と非常に密接な関連を持ちながら今日に至っているわけであります。 戦後、そういうことで山が荒廃をしておりますから、いわゆる森林造成、こういう運動が起こりまして、国はもちろんでありますが、各県でも大変な努力をして人工林をつくってきたのであります。そして、これに投資をしまして、今そのはしりがようやく出つつあるのでありますが、間伐材などは金にならない。日本の木材は戦時中にそれだけ切りましたから非常に枯渇をしてきておりまして、仕方がないのでもう木材については自由化をしていこうと、自由化の波に最初に木材はさらされてきたのであります。そして、この自由化に対応するための、森林を守るための対策費というものは、私は十分な対応がされていないと思うのです。 今日、米はまだなっておりませんが、牛肉、オレンジの自由化が行われました。これに対してはやっぱり相当の買い支えをしている、最低価格の保証をしている。しかし、この森林、森業の場合は、木材として戦後の復興に、住宅生産に非常に大きな貢献をしてまいりました。そして、今日ではその外材に押されて日本材は、まだこれから伐期に入るわけでありますが、そういった自由化の波にさらされて、既にもう七二%が外材に支配をされている。日本材は二七、八%の状態にまで需要を狭められてきているのであります。そういう実態であります。そのために木材生産をしている林業地帯の方々は、木材がこの二、三年間非常に安くなった、そういう状況の中に置かれておりまして、後継者が非常に不足をしてきているのです。 森林は、御案内のとおり、木材生産をして家庭の収入をふやすだけではない、多くのいわゆる公益的な貢献というものは、木材生産の十倍以上に国民に貢献をしているのであります。この前も私は質問をいたしましたが、昭和六十年で三十一兆数千億円というものが国民貢献をしているわけであります。生産額というのは一兆二千億程度でありますから約三十倍程度の貢献を国民にしている、こういう実態でありますが、国の支えが足らないためにもうどうにもならない、後継者が居つけないという状態が今日の森林、林業の実態ではないか、生産地の実態ではないか、このように私は考えているところでございます。 そういう立場からこれからいろいろ質問をしてまいりますが、まず最初に、地球と人類を森林が守っていると言われておりまして、事実そうでございますが、ところがその森林が、いわゆる地球の温暖化現象によって、また森林を無計画に切り倒すために、酸性雨の問題が大きな問題になっています。これは人類の未来にとって大変な状況を引き起こすのではないか、こういうふうに見られているわけでありまして、このまま進みますと西暦二〇七〇年、これから八十年先になりますか、これは学者の先生の提言でございますけれども、このまま進めば熱帯雨林は地球上から姿を消すだろう、こういうショッキングな報告が、これはアメリカの環境保護局が提出をしている資料に書かれているのであります。その最大の理由は何と言っても今申し上げました酸性雨の問題、これで毎年一千七百万ヘクタールから一千八百万ヘクタールという大面積が、これは日本でいいますと北海道を除く全土の山が現に一年にやられている、こういう数字になるのであります。そういう熱帯雨林の乱開発が行われている、これは我が国も乱開発の仲間に入っていると言わざるを得ないのであります。そういう状況でありまして、今度この問題は国際的にも大変大きな問題になっていくであろう。 人間の生きるための酸素の供給量は年々低下をします、そういう森林の減少によりまして。同時に一方では、人口は大変な増加を見るのであります。西暦二〇七五年には、今五十億人がおりますが、これは六十三億人に達するであろう。そういうことになればこの地球の温暖化現象は一段と高まってまいりまして人類の生存に重大な影響が出てくるのではないか、こういうふうに言われているのであります。 ことし地球環境会議が行われるわけでありますが、これに臨む環境庁、農林省のこの会議に臨むに当たっての決意の一端をお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(濱中裕徳君) お答え申し上げます。 地球サミットは、先生御指摘のとおり、人類の生存の基盤でございます地球環境の保全とそれから持続可能な開発の実現のために具体的方策を各国で討議して打ち出そうというものでございまして、それを目的とする極めて重要な国際会議でございます。 地球サミットは、御案内のとおり六月に開催を予定しておりまして、その開催まであと残すところわずか二カ月足らずという現状でございますが、つい先週の四月三日まで五週間にわたりましてニューヨークにおきまして第四回目の準備会合が開催されたところでございます。また、地球温暖化の防止のための気候変動枠組み条約でございますとか、あるいは動植物の種の減少を防止するための生物多様性条約の制定に向けまして地球サミットまでの間に最終の交渉会議もこれから予定されております。このようなことで地球サミットの準備のためのさまざまな国際会議が開かれているところでございまして、環境庁はもちろんでございますが、政府関係省庁と一体となりましてこれらの会議に具体的提案を持って積極的に参加をしているところでございます。 この中で地球温暖化対策につきましては、一昨年十月政府といたしまして地球温暖化防止行動計画を策定いたしましたが、昨年二月から地球温暖化問題に対応いたします気候変動枠組み条約交渉が行われておりまして、この中におきましては、主要な温室効果ガスでございます二酸化炭素についての先進国共通の排出量の安定化の目標の設定でございますとか二酸化炭素を吸収してくれます森林の保護、増加等適切な措置が盛り込まれ、地球サミットまでに実効ある条約について合意が形成されますよう私どもとして最大限の努力を払っているところでございます。 また、酸性雨につきましても、我が国において昭和五十八年度以降、計画的に調査研究を進めてきておりますが、先月末に第二次の五カ年計画の中間取りまとめを行ったところでございます。この結果、我が国におきましても欧米並みの酸性雨が全国的に継続して観測されておりまして、このまま推移した場合、将来影響が顕在化していくことも懸念される状況でございます。このため、今後とも調査研究の推進でございますとか継続的なモニタリングを実施いたしまして被害の未然防止を図っていきたいと考えているところでございます。 さらに、熱帯林の保全につきましても、その保全と持続可能な管理に向けまして地球サミットにおける森林保全のための国際的な合意づくりというものが現在各国間で協議が行われているところでございまして、我が国としてもこれに積極的に貢献いたしますとともに、引き続き二国間あるいは多国間の協力が推進されるように努力する所存でございます。 さきに述べました地球温暖化防止行動計画におきましても、我が国といたしまして持続可能な熱帯林の経営を目指しております国際熱帯木材機関の活動に積極的に貢献することによりまして、熱帯木材貿易の適正化を図りまして、木材製品の耐久化でございますとか再生紙の利用の促進などに努めることとしておりまして、木材資源利用の適正化が図られるよう関係省庁と連絡しながら熱帯林の保全対策の推進に努める所存でございます。 このようなことを通じまして環境庁といたしましては、地球サミットの成功に向けまして我が国がその国際的地位にふさわしい積極的な役割を果たしていけるよう全力を尽くす所存でございます。
○説明員(高木賢君) 林野庁としての考え方をお答え申し上げます。 ただいま環境庁の方から御答弁もありましたが、私どもとしても持続可能な熱帯林の経営の確立ということを最大の目標にいたしております。 ただ問題は、熱帯林問題に関しましては、地球環境保全上重要だというふうに考える先進国側と自国の経済的資源として国際的規制がかけられることに反発する開発途上国側の意見が対立しておりまして、まず何よりも持続的な熱帯林経営の考え方に立った国際的な合意づくりが重要と考えております。そのために、私どもといたしましては、国連環境開発会議の準備会合におきまして、合意形成の第一歩といたしまして、法的に拘束されない形での森林に関する原則声明というものでまず合意しようじゃないかということを提唱するとともに、これまでも我が国が主催をいたしまして、昨年七月ですけれども、横浜で世界四十一カ国の林業の専門家の参加を得ましてシニアフォレスター会議というものを開催いたしましたが、熱帯林保全にかかわる林業技術者の声として横浜森林・林業宣言をつくったわけでございます。また、昨年九月はパリで世界林業大会、第十回でございますが、これが開催されまして、農林水産大臣みずから出席をいたしまして、熱帯林の持続可能な森林経営の確立につきまして各国へアピールしたわけでございます。 林野庁といたしましては、こういう流れの上に立ちまして、またこれまで国際協力、森林協力を各国で進めておりますが、こういう協力の実績あるいは蓄積された技術、知見を生かしまして、今後とも熱帯林の保全と造成等、持続可能な森林経営の確立に向けまして国際的な林業協力の一層の推進、それから六月の国連環境開発会議に向けて森林保全のための国際的な合意づくりに積極的に取り組んでまいる考えでございます。
○野別隆俊君 六月に開かれますブラジルでの国際会議を成功させなきゃならないと私どもも思うのでありますが、特にこの会議で一番大きな問題は、地球憲章という極めて重要な議題が採択されるかどうかということになるのであります。これは莫大な金がこれから要る、この憲章を採択すれば。今の予算でいっても、私はこれは本で読んだのでございますけれども、二十数兆ぐらいの金が要るのではないか。こういうことになると国際的にも大変でございますから、しかし、やらなきゃならぬ問題でもございましょうから、ぜひひとつ地球憲章を成功させるという意味で日本政府としてもこれから取り組みをしていただきたいと思うのであります。 と同時に、国際会議でこの憲章を採択していくことのみではなくて、我が国の森林が危険な状態でありますから、まず我が国の山を守る体制をつくりながら国際的にも物を言うということでなければ、内を治めず外ができるということにはならないのですから、この辺についてもう一回農林省としての決意をお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(高木賢君) 御指摘のように、我が国の森林も地球の森林の二部をなしております。したがいまして、外国の森林の造成保全に対する協力と同時に、我が国自身の森林の整備水準の向上ということを目指して取り組んでまいりたいと思います。
○野別隆俊君 次に、私は、これから山がどうあらなければならぬかということについてはこの前もちょっとお聞きをしたのでありますが、もう一回、まず森林の公益的機能と役割、これについてひとつはっきりしてもらいたいと思います。それは、森林は木材の生産ということで、国民の皆さんは木材の生産をするのが山だというふうにしか考えていないのじゃないか、こういう人がかなり多いんじゃないか。そうじゃなくて、木材生産は言うなればほんの副たるものである。一番大きいのは何といっても三十数兆という国民に対する貢献度の問題、国土保全であるとか水源の涵養であるとか土砂の流出防止であるとか土砂崩壊防止、健康休養機能とか野生の鳥獣類を守っている機能であるとか我々が生きるための酸素を供給しているというような機能、しかもまだ暴風林、それから海岸地帯は防潮林、豪雪地帯は防雪林、さらに教育関係、学術関係と山はたくさんの機能を果たしているのですから、これをもう一回林野庁がお調べになりました数字を機能別にちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(高木賢君) 御指摘のように、森林は木材供給ということにとどまらない広範な公益的役割を持っております。国土の保全、水源涵養、自然環境の保全等々でございまして、逐一は省略させていただきますが、その公益的機能を何とか計量化できないかということで、昭和四十七年にチャレンジいたしまして一つの試算を出しました。そのときは年間約十二兆八千億ということでございましたが、昭和六十年時点に換算をいたしますと、全体で三十一兆六千億円という試算でございます。 この中身を申し上げますと、水資源の涵養で三兆六千八百億円、土砂流出防止機能につきまして六兆八千八百億円、土砂の崩壊防止で千五百億円、レクリエーションなどの保健休養機能で四兆六千八百億円、野生鳥獣の保護で七千三百億円、それから酸素の供給、大気浄化で十五兆四千七百億円、計三十一兆六千億円でございます。
○野別隆俊君 そういう機能を果たしてきているんですが、その機能が今日年々低下をしていっている。経済ベースで、経済が発展すればそれに伴って物が上がっていきますから金額的には上がっていこうと思いますけれども、実際は山というのはその機能が果たせなくなるという状態が今来ているのではないかという気がするのです。それはどういう原因がと申し上げますと、やっぱり労働力の問題、山に人がいない、こういう状態でありますから、この機能が維持できるのかどうか、この点についてもう一回お聞かせ願いたいと思います。
○説明員(高木賢君) お答え申し上げほす。 御指摘のように、森林はそのままの状態では機能は低下をしていかざるを得ないというふうに考えております。やはり必要な手入れを行うということが必要不可欠であると思います。したがいまして、その手入れに必要な労働力あるいは機械あるいは道路というような条件整備を進めまして何とか森林整備、森林の管理の水準の維持を図っていきたいと考えているところでございます。
○野別隆俊君 森林の機能維持なり管理をしていく、こういう答弁でございますが、まず私は現状で後継者がなかなか居つけない状態にあると思うのです。これは数字的にも出ておりますが、昭和三十五年には日本の山の担い手は四十四万人いました。林業家は二百数十万あるわけでありますが、林業労働者という山林でそれを専門的に働いている人たち、これが大体四十四万人おられたのでありますが、四十年には三十七万人に減る。五十年には二十二万人に減る。六十年には十五万人に減る。そして平成二年には十一万人と、わずか三十年間に四分の一に山の労働者はなっているのです。しかも、平成十二年になりますか、ちょうど西暦二〇〇〇年には六万人になるだろう、こういう推計が出ているのであります。 こういう実態を林野庁は、これは自治省でも一緒でありますが、政府全体が考えなきゃならぬことではないか。山が守れないんです。そのために今山はどんどん荒廃をいたしまして、約百四十万ヘクタール未整備林が出てきているんです、整備できない状態が今起こっているじゃありませんか。勧告しなきゃいかぬくらいの山が百四十万ヘクタールある、こういうふうに言われているのでありまして、ここが一つの問題であります。 それだけではありません。減っていく数字というのは、昭和三十五年前後の労働力というのは五十歳以上は二〇%しかいないのに、それがどんどん上がりまして、昭和五十年では三六%になり、平成二年では七六%になっているのです、五十歳以上の人たちがです。ですから、山に新しい人はほとんど入らず、そのまま高齢者が残っていくという現状であります。平均年齢は五十八歳ぐらいになっている。五十歳以上が七十数%もあって平均年齢がそこまで上がっている。一般産業では定年者じゃありませんか、もう五十八から五十九歳になれば一仕事終わって定年になる。山林では四十年働いても五十年働いてもまだ働かなきゃならぬような状態に今追い込まれているのです。 この実態を真剣に考えていただかなければ山は守れない。そのために、山は間伐がいかない、除伐がいかない、山崩壊。今度の大分の一部分は、林野庁は行って見ておられると思いますが、間伐が完全にいっていないためにひょろひょろ伸びている。あれは前は足場の木をとるために間伐を余りしないところがあるわけであります、その材をとるために。長いひょろひょろの木。しかし、今はそれが売れなくなっているんですから、これは間伐、除伐をやっておれば途中からぶち切れるようなことも少ないんです。しかし、それは風の状態で今度のは大きいものが相当やられておりますけれども、こういった手入れが完全にいっていないということが致命的な今日の山荒廃の原因だ、私はこう思うのです。 この点について、平成元年から二年、三年、年度別に後継者がどのようになっているのか、ここで答弁をしていただきたいと思います。
○説明員(高木賢君) 文部省の学校基本調査によりますと、高校卒業の新規学卒者の林業への就職者数でございますが、平成元年が百九十二人、平成二年二百二十九人、平成三年は百八十三人ということでございます。
○野別隆俊君 これは林家が約二百二十万戸ぐらいあるわけでありますが、一割ですと二十万人です。一%で二万人です。〇・〇がつくような状態の人しか入ってこないのに、山を守る状態のために残れないんです、残したいけれども。しかも、農業ならば五ヘクタールといったら大きいですけれども、林業の五ヘクタールなんというのはもうわずかなものですよ。五ヘクタール以上が九十何%もあるわけでしょう。だから残れない。百町以下では後継者はなかなかつかないんですから、採算が合わないんだから。まあ五十町でも十町でもやっている人もいます、下にシイタケなどをうんとつくって副業でやっているところもありますけれども。こういう状態ですから、山になかなか人が張りつくことができない。 今言われたように、このままで山が守れると思いますか、林野庁、自治省。自治大臣も今聞かれたと思いますが、このままの状態で山を守れるのかどうか、ちょっとお聞かせ願いたい。
○説明員(高木賢君) 今御指摘のように、間伐などの手入れが不足しているものがかなりあるということは事実であると思います。そこで、そのままではもちろんいけませんので、いろんな手だてを講じているわけでございますが、まさに道路をつければもっと少ない人数で間伐ができるとか、機械が入ればまたもっと少ない人数でできるとかいろいろ、いわゆる一人の人間がたくさんのことができるように条件整備を進めております。ただ、同時に人を確保しなければならないということも全く御指摘のとおりでございまして、その場合に必要な処遇条件の改善、林業に魅力を感じていただけるような処遇条件の改善ということで現在いろんな対策で取り組んでいるところでございます。それからあと機械化の促進ということに今非常に重点を置いておりますが、当面そういう施策に全力を挙げていきたいと考えております。
○野別隆俊君 余りわかるような答弁になっていないんですが、そういう考え程度ですから、民有林もですけれども、やっぱり国有林がああいう大赤字を出しているのです。やっぱり真剣に山をどうすればいいのか、これを考えなきゃならぬ時期に来ていると思うんです。 私は林野庁のことしの予算を見ましたが、担い生育成費というものを出しておりますけれども、二億二千九百万円ですね。林野庁予算が厳しいことは私はわかりますけれども、二億やそこらで担い手の育成ができるものですか。とてもじゃない、このような状態ですから。育成費の中身を見てみると、人があればその育成費は何らかに貢献していきますけれども、人がいつかない状態になっているんですから、教育をしようとしてもその研修に行くような人も少ない、また、今行っている暇がなくなったんです、それが現実の姿なんです。ですから、予算を組まれても、これが利用できなかったと、あとに残ったりするようなことになるような予算では困るのですよ、今これだけ深刻な山の状態を見るときに。 そこで、私は次に進みますが、担い手がそういう状態であれば、これは希望を持たせて担い手を育成しなければ山を守ることはできないと思うんです。本当に深刻に考えて各自治体では研究されております。今私が知る中では、九州と四国の四つの町村でこの担い手対策をやっているのであります。これは自治大臣にお尋ねをしたいと思いますが、林野庁では、今さっき申し上げましたように二億円で担い生育成、これは国全体の林業の担い手を育成する費用、育成だけじゃありません、いろいろな仕事に使う金が二億二千九百万円なんです。こういう状態ですから、私はここで何としても、立派な担い手をつくろうじゃないかとこの前も提案をしておるのでありますが、今のままで担い手というのはまず起こらないと思います、もう二百名も三百も。今の数字は〇・何ぼですから、これ以上に担い手がふえるような状態は出てこない。しかも、これから伐期に入るわけでしょう。伐期に入りますと木を切るわけです。この労働力が要る。切れば植えなきゃならぬのですから、その労働力も要るわけです。だれがするんですか。 あの大分の災害に自衛隊の人が行きましたけれども、自衛隊みずからができませんと断りましたが、また皆さんが行っても、事故こそあれ、できないんです。雲仙岳のああいう火山災害等については機能が発揮できますけれども、山は長年やった山の経験者しか山を守れないんです、今、危険ですから。それでなくても一番働いているときの死亡率、事故率の高いのは山じゃないですか、交通事故は別といたしまして。本当に産業で働いているのは消防と出なんですよ。私は数字的に申し上げてもいいんですが、そういう状態なんです。そういうところで働く人たちに何の保障もないんですよ。かっては山がもうけて、国有林も、これは後で国有林の問題はやりますけれども、当時かなりよかったものですから、独立採算制でやりますよ、こういうことをやったんですよ。 ところが、ことしあたりはああいうふうにもう二兆五千億円にもなるわけですが、赤字を抱えなきゃならぬ。人が多いからです。二万人にしましたけれども、これ以上減らしてどうなるんですか。山を守ることはできないんですから、これからふやすことしかもうできないでしょう。それでなきゃ守れない。 そこで、機械化の問題をこの前から私は頼んだ。大臣も合理化をやり、機械化をやりたいと。ブラジルやらアメリカやらヨーロッパあたりのような機械は日本の山には使えないんです。北海道ではある程度使えますが、この急傾斜地に要る機械はやっぱり日本で開発しなきゃならぬ。五町歩以下の人は機械が使えますか。農業と一緒ですよ。一町歩の百姓が機械を買うた。機械の借金を払うために働いている。借金はどんどん膨れている。できないんです。 だから、後継者対策というのは、これから民間の後継者をどうするか、これを真剣に考えなきゃならぬ時期に来ているんです。だから、今四つの町村、宮崎県の諸塚村、熊本県の小国町、愛媛県の久万町、高知県の嶺北町、こういうところの町村長はもう必死になって研究していろいろやってみたが、山をこれから合理的に、経済的に守る方法は何かといえば、もうこれしかないというので、諸塚あたりは第三セクター方式というのを出したんです。山で飯を食っているわけですから、もうこれしかない、これが一番いい、こういうことで山にそういう後継者対策をやったんです。 どういうふうにしたかというと、この前も申し上げましたが、諸塚の場合は役場職員並み、役場と同じような待遇をしてやろう。役場か農協が地方では一つのベースになるんですから、やっぱりこういうものを一つのベースにしてそういう第三セクター的なものをぴしゃっと規約から規則からつくって、後継者が居つける体制をつくってやるのが国や市町村、自治体の責任ではないかと私は思うんです。それをやらない限り、山を守る戦士をこれからつくることはできないと思うんです。ちょっと居ついても、仮に今二百名の人が山に一回入ります。しかし、ほとんどがまた出ていくのですよ。高齢者だけが残っているからこういうふうに減っていっているんです。 これについて、そういう方法を考えていく以外にはもうないんじゃないかと私は思います。ほかの方法、いろいろ我々も県議会時代から研究をしてきましたが、まあ今は見本になるのが四つぐらい日本にできていますから、こういうものを一つの見本にして積極的に国、県が音頭をとって自治体で推進をしていくべきではないか。こういう方法ならやれますよ。しかし、それには国が一定の裏づけをしていかなければ市町村財政ではやれないのです。わずか一〇%台の自主財源の中でこの方式をやっているんです。一年に五名ずつ入れて五十名にしますよと。今、諸塚の場合は二年、今度は十五名になるんです。これを五十名入れる。大変なことであります。国からは何らの支えもないのです。さっき申し上げましたが、牛肉の自由化した後を支えるのに何千億という金が出ているじゃありませんか。牛乳でも。これはいいことですから、山に何かそういうものを出してやれませんか。交付税だって、県には出してあるかもしれませんが、市町村には一銭たりとも出していないじゃないですか。 これは林野庁に言っても、今の林野予算だけでは、私は後でやりますが、とてもじゃないが再建するのにもうどうにもならぬ状態に来ているんです。林野庁は恐らく今自分のところの再建計画のことでもう目いっぱい。これはやっぱり自治省が真剣に考えて、ふるさと創生を見てくださいよ、さっきも出ましたが。三千三百町村に三千三百億円出ている。二百人のところも一億円出ているんですよ。百万人のところも一億円。しかし、これは町村でいろいろ勉強して、アイデアを生かしていろいろ工夫して創生じよう、ふるさとを何とかしようという事業で、ある面では成功しました。しかし、中には事業で金塊を買うておいたというようなところもあるわけでありまして、今後はこれをずっと続けるかということについても検討はしなきゃならぬと思うんです。私はやめよとは言いませんが、一定度これも調整は必要ではないかと。これは、今後一律を余り続けますと、市町村から問題が出てくることになります。五百人の市町村でも百万人のところでも同じなのか、これはおかしいんじゃないかという声が出てくるようになるかもしれません。 そういうことを考えると、そういう事業でつくった何とか会館、まあ福祉関係はいいですよ、必要ですから、利用もありますから。しかし、農山村では、つくってありますが利用が余りないというのが相当ふえている。なぜか。後継者がいないからです。昔は、青年が集まって公民館でしょっちゅう話し合いをしたり村おこしをする話をしてきました。今はそれをする人がいなくなったんです。だから、がらんどうになっている。 今大事なことは、ふるさと創生と言うならば、人を居つかせてそこに活気を取り戻す、産業を興す、産業を成り立たせる、そのためには自治省もてこ入れをしてやる、これがなけりゃならぬのです。いいかげんな計画のところに私は出せとは申し上げません。これならいいな、これなら必ずここに後継者が定着するな、こういう信頼性があるものを、それはある程度枠をつくって、こういう範囲でなければ出しませんよということで後継者づくりを責任を持って自治体と国が一体になってやるべきではないか、こういう気がいたすわけであります。ぜひひとつ、この交付税等で救済する考えはないか、この点について自治大臣にひとつお願いをしたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 野別さんの林野に対します非常な熱意をお伺いいたしまして、私たちも懸命に努力しなきゃならぬと思います。 結論を申しますと、交付税でもう措置をいたしておりますし、今後もより積極的にいたしたいと思っております。 その一つといたしまして、国有林も大変荒れておりますから、国有林の中で、それぞれの市町村等自治体におきまして、環境保全上絶対必要な地域、あるいはそれによってよりいい景観が保てるところ、あるいはまた防災上必要なところというようなところがございましたら、地方自治体が国から譲り受けてでも管理をするという制度を導入しようということで、自治省ではもう既にその案を明示しておるところであります。そういうことで、自治体がこれに積極的に呼応してくれることを望んでおるわけであります。 それからもう一つ。林野につきまして非常に熱意がございましたが、同時に、ただ守るだけじゃなくて、結局は経済ベースに乗せるような努力もしていかなきゃなりませんので、そのためには、木材を有効にどう利用するかということをやはりこの際一般の経済問題としてでも考えていかなきゃならないんではないか。最近になりましてやっと小規模の体育館でも木造で建ててもいいということになりましたし、公民館も木造でも構わないということになりましたが、こういうものはどんどんと規制されてしまう。そして第一、街路樹の支え木がパイプになってしまう。あれは間伐材として非常に懐かしんでこられたものをなぜあんなことまでしてパイプを使わなきゃならないのか。ここらはやっぱり自治体としても考えていかなきゃならぬ問題があるんではないか、こう思います。要するに、木材の利用というものを、もっとありがたく、本当に有効に使うという気持ちでなければ、木材が何だ、これよりもこっちの方が効率的で簡単でいいよというような基準で木材を排斥して便利なものに偏っていった、そのツケが今日出てきておるのでありますから、山ばかりの責任でもないと思います。だから、これは全体として考えていくべき問題だ。 幸いにいたしまして最近木材利用というものに対する刮目した利用対策が講じられてきておりますので、そういう意味からいいましても、この際に山を守ると同時に山を活用するということをあわせて我々としても努力していきたい。したがって、交付税で措置できますこと、そしてそのことが国民的に納得されることでございましたら、どんどんと提案していただいて、第三セクターてやるということの話もございましたが、それに対しましても自治省の方は、起債も認め、あらゆる措置を講じてきております。ですから、やる気を出して具体的に提案を持ってきていただくということが、これが今一番大事な段階に来ておる。みずから考えみずから実行する、そういうことで山に取り組んでいただければ我々必ずそれに相対応していく努力をいたします。
○野別隆俊君 自治大臣は非常に積極的な対応を考えておられるわけでありますが、日本の山は人工で植えて、今切るのはほとんど人工林が大部分です、自然林も一部ありますけれども。そうすると、外国の木は、今のは原生林みたいにもう何百年か前の人たちが植えたようなもので、もとなんてほとんどただなんです。日本のものはこれは金が要っているわけです。還流してきているわけですから相当な経費がついている。ですから、外材と勝負ができないんです。 少なくとも農産物は我々は反対して守っていますが、木材についてはもう三〇%も守っていないんですから、野方図に入ってくる。どんどんもうかる商売をやる人たちが外国から木材を買ってきて、これを日本市場にどんどん入れる。そのために日本の木材が今二割も下がっている。どうにもならぬ。切ろうとしても、今塩川大臣が言われたように、私どもも生産をどんどんふやしていくことは大事だと思うけれども、売っても手取りがないという状態に今来ている、杉などは。一番多い杉などは、出しがちょっと愚かったら五十年生でも手に残らない。私は県木連に行って調べてみましたら、今一ヘクタール切ったら百五十万から損するんです、五十年生の木を切っても。そういう数字が出てくるんです。ですから、どうでしょうか、国で生産をこれだけ努力をしているものは、何ぼ自由化しても七割以上も外国から入れる必要はないじゃないか。ここら辺の歯どめを一つは考えるべきではないか。 それから、流通対策としては、今言われるように学校とか諸施設、住宅建設もできれば木造、私は木造屋におりますから、あの中に入りますと香りまで違う、寿命が長くなるような気になります。鉄やコンクリートの中に入っているだけじゃなくて、こういう政策がやっぱり伴っていないのじゃないのか、こういう気がしてならないのです。 日本の林家は、努力をしてできるだけ安定価格で供給しようとしても安定価格どころじゃない。今年は特に災害木が、被害木が相当出ておりますので、そういうものをちょいちょいつかまされると大変なことになるので安くなっている部分もあるかと思いますが、そういう面でこれから大臣、今やっている四つの町村は本当に苦しんでやっていますので、これには何らかの対応をしてください。そうせぬとこれがもう財政的にとんざしたらとてもやれなくなる。今さっき私が申し上げました四つのやつはどこから見ても公的にこれは認められるものだと私は思います。そういうものに対してはやっぱり手当てをしてやる。私は全部やれと言わぬが三割ぐらいは国が見てやる、七割はそれは地元で貯え、こういうことで、ひとつ当面の対応は当面の対応として、どうお考えになりますか。ぜひひとつ御理解をしていただいて、調査をしていただきたい。国としてこういうものを進めることによって日本の林業を守ることができる、そして安定的に木材を供給することができると私は信じてやまないものでありますが、この点についてどうでしょうか、お伺いをいたしたいのであります。
○国務大臣(塩川正十郎君) 今おっしゃいました四つの町村、私は頭が悪いのでもう忘れてしまいましたけれども、ぜひひとつ具体的に教えていただきましたら、その市町村を、県を通じまして実態を一回調べさせていただいて、できるだけ私たちは応援いたします。それはやろうと思ったら幾らでも方法はあるんでございますから、また現に、あるいはやっているのかもわからぬと思うんです。それはふるさと創生事業でずっと継続していますから、地域推進事業としてもずっと継続していますから、それに乗っかってやっているのかもわからぬと思います。それならばそれで、それを一つのモデルとして、こういう町村がこういうことで苦労しているから一回それ見習ってみたらどうだということも我々は行政指導として誘導していくこともできると思いますから、私ちょっと忘れてしまいましたが、町村名を教えていただきましたらいたします。
○野別隆俊君 次に移らせていただきます。 自治大臣は地方行政を十分熟知をしていただいておりますから大変前向きの御答弁をいただいておりますが、本当に私もこれは私心を捨てて、何とか今日本の山が国民の手で守れる守り方があるのではないか、今やらなければこれは後では取り返しがつかないんです。これはぜひひとつ御理解をいただきたい。 このままいけば、何の保障もない職員はおりません、今もう臨時ではほとんど来ないですから、来ても今度は一万円とか一万二千円とか日当を倍ぐらい出さなきゃならない。公務員並みなら大体五、六千円で来ます、田舎の町村では。それで入れられるわけであります。ぜひひとつそういう経済的効率を。 それから大事なことは、これから個々の後継者ではやっぱり親の指導はなかなか徹底しませんから、立派な技術者が育ちません。そして、集団でやるわけじゃありませんが、十人で山を頼まれれば、十人が十カ所に分かれることは普通ないでしょう、三人とか五人とか一緒に行くでしょう。そういったことでやることが、専門の技術者を養成していくわけですから一番効率的だ。 しかも機械の効率、これから機械化をやる、この前から自治大臣は言っておられるわけでありますが、個々の林家が機械を入れると、最初は補助金をもらうから買うのもありましょう。そうしますと、さっきの農家と一緒です、三年、五年使った後は、買いかえするときに大変な借金をするのでございます。しかも、それが農家の機械と同じように林家の機械も、まあ林家の機械の場合はある程度の期間使えると思います、十日や二十日は。ところが、私が申し上げますようなこういう組織化でやれば二百日働けば二百日この機械が使えるんです。有効に使えます。山は時期は言いません。田植えなどは時期がありますけれども、山の場合は道路をつくる機械は一年じゅう使える、枝打ちとか造林は一定の期間、何カ月かという期間はありますけれども。そういう面からいっても機械の効率的利用、こういう面からいけば、減価償却しても十分これでやれるという体制をつくるためにはこういった組織的なものを活用していくことしかないのじゃないか、私はこういうふうに考えておりますので、ぜひひとつ、先ほど申されましたように、愛媛、高知、熊本、宮崎の今やっているところを御調査いただいて、これがいいということであれば積極的な対応をしていただきますように、これを心から期待をするものでございます。 次は、外材の輸入について先ほどちょっと申し上げましたが、今、日本の木材の自給率が二七%ですか、ここら辺がよくわからないんですが、たしか七十二・何%は外材に支配されている、そういうことになっているようであります。林野庁としてこれは政府やら国の機関に働きかけて、一定度、三割以上も食い込まれてくるということになるとこれから日本の木材を安定的に計画的に進めることができなくなる、こういう心配があるのですが、その辺はどういうふうになるのか。その他のものは大変な規制をして日本は努力をしているんですけれども、一番大事な環境まで守っている山の林材については余りにも外材一辺倒と言わざるを得ないわけですが、どうですか。
○説明員(高木賢君) お答え申し上げます。 まず基本的な木材の需給状況でございますが、やはり今のところは先生も先ほど来御指摘になっておりますように、まだ山で切る木が、いわゆる伐期の到来しているものが非常に少ないというのが実態でございます。大部分はまだ三十年前後の手入れを要する年代の森林でございます。したがいまして、今全部切っちゃいますと逆に山の機能がなくなっちゃう、こういうことにもなりますので、やはり伐期がある程度到来するまでは絶対量としての供給量は日本国内には余りないと言わざるを得ないのが今の実情であろうかと思います。 ただ、そうは申しましても、外材がどんどん食い込んできて流通ルートを席巻するとかいうことになりますと、我々は国産材時代の到来ということを言っているわけでございますが、いざ十五年なり先に国産材が伐期に来たときにどうか、こういう問題が生ずるわけでございます。 したがいましてそのときに備えまして、道路づくりでありますとか、先ほど御指摘ありました機械化の促進、これは特に一言申し上げさせていただきますと、日本に合った地形の機械の開発に現在取り組んでおります。現在試作品もできまして、大分県の日田地方で現に機械が稼働して災害復旧に当たっているという状況にまでなっております。ただ、急傾斜地につきましては問題がございますので、北欧型の機械の開発に今年度から取り組むということで対応させていただいているところでございます。 そういうことで、当面は資源状況からいたしましてこの二十数%を上げるというのはなかなか難しいことではございますけれども、外材に伍していけるように品質のいいものを出していく、それから量をまとまって出す、さらにはコストの引き下げ、この三位一体でもって国産材の供給体制をつくろうということで取り組んでいるところでございます。
○野別隆俊君 それから、流域システム方式、国有林の再建を含めまして国も民間も一体になってやろうということでこういう計画がつくられておるわけでありますが、これは全国で当面三十一カ所ですか、それをつくられる。これは後で数字を出していただきたいと思いますが、これに対して国はどういうことをするのか。市町村が今後かなり今度の流域システムについては対応度が高くなっていく。今までほとんど国有林と市町村は余り関係なかったのでありますが、この辺について市町村の役割がかなり大きくなってきた、このように思うのですが、この辺についてひとつ。
○説明員(高木賢君) 御指摘のありました流域管理システムにつきましては、全国を百五十八のブロックに、流域に割りまして、その流域単位に森林の整備であるとか林業政策をまとめてやっていこう、こういう考え方でございます。 その基本にありますのは、先生御指摘ありましたように、機械を稼働するに際しましてもいわゆる機械化貧乏になっちゃいかぬ、ある程度まとまって仕事の量を確保しないといけないということが根底にございまして、流域単位に森林の仕事の量をまとめていこうという考え方でございます。そのために、その流域単位に流域林業活性化協議会というのをつくっていただきまして、関係者が寄り寄り集まってこの流域の林業はどうするんだという方向を出していただくということを考えています。これにつきまして国も補助をしているわけでございますが、これは平成三年から始めまして、平成三年度が三十一地域、四年度で六十二地域ということで逐次ふやしていく予定でございます。 したがいまして、その中で地元に最も密着した行政機関であります市町村の役割が大変大きいわけでございます。そこで、県との連携も当然ございますけれども、市町村なり森林組合なり地元で森林、林業を担っていただく方々の協議を進める。その中におきます市町村なり都道府県のリーダーシップというものが大変重要であると考えておりまして、この点につきましては、いろいろな場を通じてリーダーシップの発揮につきまして御協力をお願いしたいということを申し上げているわけでございます。
○野別隆俊君 特に、今度の国の政策的な面で流域システムという方式がとられたことは、日本のこれからの林業振興のために大変大きな力になっていく、このように私は期待をしているわけであります。そういうことから、山を国だけで管理するのは、これは後で国有林に入りますけれども、とても大変な状態ですから、もう少し市町村に、自治体に共同管理とか、または委託とか、またはそこの地域は払い下げをしようとか、これは今まで非常にかたくなになっておりまして簡単にできなかったわけですが、国有林も手はない。地方では手は、やっぱり市町村が一緒にやるということになると、相当労働力確保というか、いろいろな方法、方式をとりまして管理ができる、このように考えるわけであります。 こういったことで、昔の殿様が、国に忠誠を誓うようなところの殿様は山を全部国有林に持ち込んだんです。ところが、殿様次第で、分けたものもある。ずっと自分の配下に分けてしまって、明治憲法になったときに個人がとってしまう。これは私の県でも、地域によって国有林ばっかりのところがある。それから、個人の持っている山ばっかりのところもあるのであります。この前ある市長さんから言われたのでありますが、私どもも少し山の景観のいいものがあったらいいんだがなと。国有林なんかなかなか簡単にしてくれないんだが、昔の殿様が悪かったために、私のところは周辺の山が全部国有林なんですよと。これは、少し林業活性化も図りたいし、同時に観光資源としてもうまく利用できないか、こういうこともあるのだが、国有林というのはなかなか難しいですねということを言っておられました。 今度のこの計画、方針の中では幾らか弾力性を持つような状態にあるようでもありますが、その辺はどうなんですか、お聞かせ願いたい。
○説明員(弘中義夫君) 国有林野の地方自治体等地元に対する御協力でございますが、これまでも地元産業の振興、住民の福祉の向上等、地域振興の観点から国有林野の活用を積極的に行ってまいっております。特に農林業構造の改善の活用につきましては、三十八年から平成二年度までに約八万ヘクタールの活用を図ってきたところでございます。 御指摘のございました今後の幅広い森林の総合利用というような観点からの御協力でございますが、現在も国民のニーズにこたえ、かつ地元振興という立場から、ヒューマン・グリーン・プランあるいはふれあいの郷整備事業等を初めとしまして森林の総合利用を図る事業を総合的に展開してきてございます。また、国土の有効利用の観点から、地方公共団体等の公的機関を中心に林野、土地の売り払いを行ってきたところでございます。 これからも国有林野の活用に関する法律等の趣旨を踏まえまして、国有林野の所在する地域の農林業等の産業の振興あるいは住民の福祉の向上に資するため、国有林野事業との調整を図りつつ適正な活用が図られるよう努めてまいる所存でございます。
○委員長(山口哲夫君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十分まで休憩いたします。 午後零時十二分休憩 —————・————— 午後一時十分開会
○委員長(山口哲夫君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち警察庁、自治省所管及び公営企業金融公庫を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○野別隆俊君 文部省にお伺いをいたします。 森林の持つ機能の中で、学校教育と森林の問題でありますが、子供たちが森林問題について、昔は教科書にも山のことが随分ございました。子供が山を目で見たら、目測で大体どのくらいの広さだというようなことがわかるような教育までされてきたこともあるのですが、最近は教科書にも余り山のことが書いてない。世界一、これだけきれいな山、きれいな水を持っている国が、そういったことが全く今までなされて……(「文部省来ておるのか」と呼ぶ者あり) それでは、労働省にお伺いいたします。 我が国の森林資源の適切な管理と国産材時代に十分対応するためには、まず何といっても、さっき申し上げておりますように、やはり担い手の確保が最重要であります。その担い手が非常に雇用条件が悪うございまして、職場としては三K職場のような状態に置かれているわけです。危険な状態、嫌な仕事もやらなきゃならぬ、こういう雇用条件が全く整備されていない状態でありまして、雇用の安定、賃金の適正化、社会保障制度の完全適用、安全対策など他産業に比べますと非常におくれているわけであります。これは林政審の答申の中でも指摘をされているわけでありますし、行革審でも指摘を受けておるわけでありますが、これらの問題について労働省と、これは林野庁も含めてでありますが、具体的な対策があれば伺いたいと思います。
○説明員(出村能延君) 先生御指摘のとおり、林業を就労の場として魅力あるものにしていかなければならない、そういう観点から労働省といたしましても、林野庁と連携協力を図りながら、労働災害の防止あるいは林業退職金共済制度への加入促進、さらには通年雇用奨励金制度等の活用によりまして、林業労働者の雇用管理の改善及び雇用の安定化に努めておるところでございます。 今後とも、労働条件の改善等を一層進めることによりまして、林業労働者の確保に努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○野別隆俊君 さらに、指摘の中でもございますが、労働基準法の完全適用についてであります。労働基準法の完全適用、この実現を図るためにはいろいろな具体策があるわけでありまして、この問題は一つの合意点もおるようであります。目標年次を掲げておられるようでありますけれども、この目標年次に対する到達状態、これはどういうふうになっているのか、その点をお伺いしたいと思います。
○説明員(大関親君) 林業における労働災害は大変大きな問題でございまして、これの防止につきましては、労働災害防止五カ年計画を策定いたしまして現在推進中でございます。 林業におきます死亡災害、平成二年は前年に比較いたしまして三・五%増加の八十九人でございました。平成三年におきましては、三月十日現在の速報値でございますが、死亡者数が八十名でございます。また、度数率で見ましても全産業平均の五・七倍という大変高い率でございまして、これらにつきまして、作業の安全その他の確保のために監督指導を重視するとか、あるいは労働災害防止協会を通じまして安全パトロールを実施するとか、そういうことで計画的に災害防止のために最大の努力をしているところでございます。
○野別隆俊君 五カ年計画が進められているわけでありまして、これはもう私も後の問題もございますから追及はいたしませんが、五カ年計画では完全にこれが達成できるように全力を尽くして頑張っていただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。 次は、文部省に伺いますが、学校教育で、昔は教科書にたくさんなページを割いて森林の持ついろいろな問題が出ておりました。最近は自然に親しまなきゃならぬ子供たちにそういった社会学的なものは余り取り入れられてないようでありますが、教科書の中にもそういうものを大いに取り入れていただきたいということが一つでありますが、このことについて。 さらに私は、小さいときから日本の山を十分知っていただくために、山のいろいろな問題、山の公益的な機能を、さっきも話がございましたが、空気を初め水、たくさんなことをやっている、こういったことを子供たちが山に行って、これは営林署の職員の人でもいいでしょうし、先生が知っていれば先生からもそういう機能なりを勉強するとか、木の名前を覚えるとか、山と水の問題、水がこういうふうに流れているのは山のおかげであるとか、植物の観察、ハイキングとかスポーツ。それから昔は、私は田舎に育っておりますから山で木登りをやっておりました。二十メートルぐらいずっと上がっていつもいろいろな実をとったりしておりましたが、そういった木登りをやってみるとか、それから小学校の高学年、中学校の生徒には日本の山に木ぐらい植えてもらおうじゃないか、そういう時間を割いて植林の重要性というものも子供たちに勉強させる機会をつくるべきではないか、こういうふうなことを考えるわけであります。 そういう面では森林体験学習みたいな形で私はやっぱり、これは今林野庁としてはかなりそういう施設とか遊具なども整備しておりますが、今後もこういった問題も含めまして考えなきゃならぬ部分があると思いますけれども、年間のそういう教育時間の中に組み入れることはできないのかどうか、この辺をまずお尋ねをいたします。
○説明員(福島忠彦君) まず、教科書のお話でございますが、最近では環境問題というのが非常に取り上げられまして、私どもが十年ぶりに改訂しました学習指導要領に基づく新しい教科書では、先生御指摘のように、森林問題、林業の問題あるいは緑の地球、そういう地球環境問題というのをかなり理科とか社会で取り上げつつあります。まさに先生の御指摘のとおりだと思います。 それから、学校の活動としましては、今申しましたように教科で、理科とか社会ではやりますが、さらに教科外活動としまして、これも御承知のように学校林というのがございまして、これは全国小中高で五千校以上学校林を持っておりまして、教科外活動、具体的には勤労生産的活動ということで、そういうところに行って林業あるいは自然体験というものをやっております。さらに私ども一番力を入れておりますのが自然教室というものでございまして、こういうふうに非常に都市化している中で子供が勉強勉強、学校と塾というような状況でございますので、自然体験を私どものつくっております少年自然の家とか、あるいは環境庁だとか林野庁だとかいろんな施設をつくっていただいておりますので、そういうところで三泊四日から五泊六日ということで、これは私ども年間予算七億近い予算をとって自然教室ということで全国的にやっているわけでございます。 以上のいろんな活動を通じまして子供たちが、人間が自然の中で生きている、生かされているという、そういうことを自分たちで感じる教育というのを今まさにやりつつあるところでございます。
○野別隆俊君 時間がありませんので、最後にもう一つ聞いておきたいと思います。 社会教育と親子の触れ合いを兼ねた森林学校といいますか、森林浴勉強会的なものを推進していくべきではないか、社会教育の面からも。特に私が強調したいのは、週休二日制で土曜が休みになれば親も一緒に月に一回ぐらいは山へ行く。山の木から発散する酸素の中に含まれているフィトンチッドという非常に人間の体に薬効があるものがあるわけでありますが、空気中からも薬がつくれるそうです。それから葉っぱからせんじて薬をつくるというようなものもございますから、こういった健康管理を含めて、そして親子の触れ合いづくり、これにはやっぱり山にそれなりのいろいろな施設整備も必要であろうと思います。 これは林野庁と文部省に聞きますが、そういった健康管理等も含めた問題を積極的に取り組むべきではないのか。そして、健康になる、田舎の人は二日酔いの人が非常に少ないんです。山に行ったら二日酔いはぱっとさめる、特に都会の人など頭を使う人たちは月に一回ぐらい森林浴に行くと健康になるわけでありますし、また登山やハイキングをやったりすることも大事でありましょう。そういったことを通じて山の重要性というものを国民全体に広げることも大事であります。この二つのことを兼ね備えているわけでありますから、この辺についての御見解を聞いて、あとたくさんございましたが、大臣の所信表明の質問が次にあるようでありますから、そのときに回したいと思います。
○説明員(福島忠彦君) まさに先生おっしゃるとおりでございまして、いよいよ九月からとりあえず月一回でございますが土曜が休みになるということで、従来どうしても学校教育に偏りがちだった教育というものを社会教育というものも充実させていくちょうどいい機会じゃないかと私どもは思っております。学校が二日間休みになって塾や非行がふえるというのでは困りますので、いろんな社会教育活動、これは特に欧米では随分盛んですが、こういう機会に日本もこれから盛んにしたいと思いまして、私ども社会教育を担当している者たちも今一生懸命やっているところでございます。おっしゃるように、例えばチャレンジ教室というようなもの、森林等で親子でいろんな体験をするようなもの、これは学校教育というアプローチだけじゃなくて、社会教育面からもそういうものをどんどん普及していこうというところで今一生懸命やっている最中でございます。
○篠崎年子君 初めに、文教関係のことでお尋ねをしたいと思います。 公立義務教育諸学校等の新増築事業についてということでまずお尋ねをしたいと思いますけれども、その前に私、国全体の予算を見ました場合に、これは地方自治体でも都道府県でもそうだと思いますけれども、一つの枠が決められているとその枠がずっと続いていく。例えば、文部省の予算が大体八%から九%だとすると、それが何年たってもそれからふえもしないし、減ることはあってもそうふえることは余りない、その割合でいく、あるいは建設省が大体六%から七%ぐらいだとそれがずっとその割合でいっているというように固定をしてしまって変わらないというところに非常に疑問を感じているところなんですけれども、それは私が一人申してもどうすることもできないことでしょうが、やはりときによってはそこが大きく変わるということがあってもいいのではないだろうかと思ったりするわけであります。 その中にありまして、文部省の予算ですけれども、これが国のシーリングで他の省庁と同じようにずっと削られてまいりまして、昭和五十五年当時国の一般会計に占める割合が約一〇%でありましたのが、その後ずっと減ってまいりました。また最近ちょっと上がってまいりましたけれども、平成四年度が七・四%で一般歳出に占める割合が一三・八%というふうになっているようですが、文部省予算の場合に、私は特にこの中に占める人件費の割合というものが非常に大きな場を占めているんではないかと思うわけです。 このことは、教育というものが、文部省の予算というのは教育だけではありませんで文化関係等もございますけれども、いずれをとりましてもやはり人と人の触れ合いということ、特に教育の場では教師の働きというもの、基本的に人が教育をするんだということから考えますと、人件費の割合が高いということは当然のことだと思うわけでございます。これは大いに上げていただかなければならないと思うんですけれども、一方、先ほども申しましたように、一つの枠が決まっていますと、人件費の割合が高くなってまいりますと一方の方にやはりしわ寄せがいくのではないだろうかと思うわけです。例えば、昭和五十七年度に人件費の割合が六六・一%、六十年度では七二・八%、六十三年度では七六・五%、平成三年度で七八・五%というふうになっておりまして、平成四年度におきましては七八・〇%とやや減少はしてまいりましたけれども、しかしやはり人件費の割合が非常に多いわけでございます。 そこで、平成四年度の予算編成において大蔵、文部、自治、三大臣が公立義務教育諸学校等の事業について平成三年の十二月二十日に覚書を交わしていらっしゃいます。その覚書の内容について御説明いただきたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 御指摘の十二月二十日に大蔵、文部、自治、三大臣が覚書を結びましたが、これは文部省関係の予算を編成するに当たりまして、地方の財政と国の財政との調整をどのように図るかということにつきまして三大臣で御協議をしていただきました結果、義務教育施設の整備の関係、それから義務教育関係の教職員の給与費の関係につきまして一定の合意に達しましたので、その合意に達しましたものを覚書として結んだものでございます。これに基づきまして関係法令を国会で御審議していただいているところでございます。
○篠崎年子君 まず、覚書の一の(2)、ここで「現行の標準設計制定後の著しい社会・経済の変化、豊かさを求める国民のニーズに対応するため、平成四年度から二年間かけて標準設計の見直しを行う。」、こういうふうに書いてございますけれども、この標準設計の見直しというのはどういうことを指しているのでしょうか。
○説明員(大澤幸夫君) 側説明申し上げます。 今、先生お話がございましたように、文部省としましても、学校施設をめぐります今日の社会経済情勢の変化などに的確に対応していくために、国の補助単価の算定の基礎となってございます標準設計の見直しを行うことが必要と考えておるところでございまして、具体的に申し上げますと、平成四年度から二年間かけまして、学識経験者等の御協力も賜りながら、今日における学校施設の適切なありようといいますか、水準について調査研究をし、それに基づいて新しい標準設計を作成してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○篠崎年子君 今のその新しいありようの見直しということの中にはどういうふうなことが入っているんですか。例えば、コンピューターの教室をふやすとか、あるいはそのほかの設備とか、そういうことも含まれているんでしょうか。
○説明員(大澤幸夫君) お話がございましたように、時代の変化に伴いまして、特に近年でございますと先生がおっしゃったようにコンピューター教室、いわゆる情報化に対応する施設の確保等ももちろん問題になってくるわけでございますが、基本的には学校施設の構造なりあるいは仕上げなり、あるいは備えるべき施設の種類、そういった点について調査研究を深めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○篠崎年子君 この中で今ほとんどの学校が鉄筋コンクリートづくりが多いかと思うんですけれども、先ほどちょっと野別議員の方からもお話あっておりましたが、今大変木が見直されていると。子供たちが木に触れる機会をふやすということからいって、あるいは先ほどの御説明の中にも学校林を五千校ぐらい持っているというようなことで、その中にはもう伐期が来ている学校もあるんじゃないだろうかと思うんです。そういったようなことを考えておりましたところ、けさちょっとニュースを見ておりましたら、鉄筋コンクリートの学校と木造の学校、これは数が非常に違いますので簡単に比べることはできないと思いますけれども、子供たちの風邪を引く率が非常に違っている、あるいはけがをする率が少ないとか、そういったようなことがちょっと出ておりました。 今後、木造校舎ということについて、何か検討していらっしゃいませんでしょうか。
○説明員(大澤幸夫君) 先生も十分御承知と思いますけれども、学校施設の整備に当たりまして、とりわけ戦後の大ざっぱな流れを申し上げますと、やはり防火といいますか防災といいますか、そういった安全面の関係、あるいはまた建築基準法とかそういった法令の関係、あるいはまた将来にわたってできるだけ融通性のある空間構成をした方がいいというようなことから、どちらかというと戦後の流れは鉄筋コンクリートを中心とした学校施設、こういう流れだと思うわけでございます。ただ反面、特に近年、今先生からお話があったとおりでございますが、できるだけ子供たちに潤いのある、温かみのある教育環境を整備していく必要があるんじゃないか、木の持つぬくもりだとか、あるいは木の持っておる肌ざわりとか、そういった木のよさというものが見直されるようになってきてございます。 そういうことで私ども文部省といたしましても、従来の戦後の流れの鉄筋コンクリートを中心とした学校施設づくりというものをもう一度この際見直して、できるだけ木材の持っておる、おっしゃられるような意味合いのものも十分勘案した施設づくりに今後は取り組んでいく必要があるというのが基本的な認識でございます。
○篠崎年子君 災害、特に火災等の問題とかそういうこともいろいろあるし、また校舎の高さということもあると思いますけれども、実は私はずっと小学校に勤めておりまして、卒業しましたのが一九三七年でした。先般、参議院に出るときにそこの学校に参りましたら、私がそのとき勤めておりました学校の校舎がそのまま残っておりまして、床板も傷んでいないし、それから教室ももとのままで使われているわけです。年数で言いますと六十年以上たっているんじゃないかと思うのです。 そうすると、鉄筋コンクリートは耐用年数が長いかと思いますけれども、あれは一遍どこか水が漏れ出しますとどこから水が漏っているかわからないというので探すのに大変だとか、あるいは今はもう結露が出るようなものはつくっていないと思うんですけれども、一時は結露があって廊下が水浸しになるとか、そういったようなこともありました。 だから、これから先、木造校舎を見直すということを考えました場合に、今度はその単価がどうなっていくかというと、どっちかというと木造校舎の方の単価が高くなるんじゃないかなという気がするんですけれども、この点ではいかがでしょうか。
○説明員(大澤幸夫君) 木造校舎の単価についてのお尋ねでございますけれども、数年前に木造についての単価の大変大幅な改定を行ったというふうな経緯もございます。また、その後も逐次私どもとしては改善に取り組んでおるという流れでございますけれども、ただ、これは先生、一概にはなかなか申し上げかねるわけでございまして、私どもの方で大ざっぱに今お尋ねの絡みで調べてまいりましても、地域によってかなり差があるのでございます。どちらかというと木造校舎というのは林産地の周辺の市町村が多うございますから、そういうような地域で工夫をされるケースが多い。反面、御案内のとおり、近年特に労務費といいますか労賃といいますか、そういう建設事業にかかります労賃が大変上がっている地域もございますから、そんなことで必ずしも一概にどちらが云々というのは言いかねるような事情もございます。 ただ、私どもは実際の配分に当たっては、今先生おっしゃったように、できるだけ木のよさというものの意味を込めて学校施設づくりを進めてまいりたいというような認識を持ってございますから、木造の校舎にかかわりました実際の国庫の補助単価の配分に当たってはできる限りの配慮もしてまいる、こんな気持ちを持っておるわけでございます。
○篠崎年子君 こういったようなことを要請する場合に、国からの補助というようなこともあるかと思いますし、各地方自治体にとりましていろいろな問題点があるかと思いますけれども、一律にこういうふうなことだということで切り捨てをしないで、十分自治体の様子とか要望とかを聞き入れてっくっていただきたいと思うわけでございます。 そこで、今の続きですけれども、(2)の見直しにより新標準設計ができるまでの間の措置として補助基準単価の調査検討を行うというふうにその次に書いてあるわけですね。そうすみと、この補助基準単価の調査検討を行うというのは、それができるまでの間ということでは、大変短い期間の調査検討を行うということなのか、それともやや長期にわたっての調査検討を行うということなのか、その辺はいかがでございますか。
○説明員(大澤幸夫君) お尋ねの件でございますけれども、私どもとしては現段階では平成四年度から二年間かけて調査検討を図ってまいりたい、こういうような段取りで考えでございます。
○篠崎年子君 今のように二年間だけということですけれども、そうすると、その間、先ほどもちょっと申しましたけれども、地方公共団体の個性ある教育環境整備のための単独事業に対しまして所要の地方財政措置を講じると。そういうことを申し入れた場合に、もう一遍、くどくなりますけれども、例えば超過負担が出てくる、そういったようなことがあるかと思うわけです。これにつきまして文部省としてはどういうふうに対応されますか。
○説明員(大澤幸夫君) お尋ねの趣旨とあるいはフィットしないかもしれませんけれども、先生がおっしゃられているのは、覚書の中の「平成四年度以降の暫定措置」というところについてお尋ねということでございますか。 御指摘ございましたように、平成四年度以降の暫定措置ということで、これは地方公共団体が個性に満ちた教育環境を整備する、そういう事業に対しまして、新たに自治省さんの御理解も賜りまして、地方財政措置を通じてそういったものに対してのバックアップをしてまいる、こういう趣旨でございまして、具体的に申しますと、義務教育施設の新増築事業あるいはまた改築事業に際しまして補助基本額の二割以内ということでございますが、そうした事業を実施する場合に、いわゆる義務教育事業債の発行が認められるということになりますと同時に、その元利償還額の五〇%につきまして基準財政需要額に算入される、こういうような地方財政措置が、申し上げましたような自治省さんの御理解のもとで新たに講ぜられることになった、こういう趣旨でございます。
○篠崎年子君 次に、大規模改造事業の問題ですけれども、これは建築経過年数二十年以上とか、あるいは校舎全体をかえるとか、そういったようなことの関係だと思いますけれども、そういった場合には補助対象の重点化を図るとともに、単独事業で実施するものについては所要の地方財政措置を講ずるとしているということで、今のことと重なってくると思いますけれども、この点につきまして特に大規模の事業の場合にはまたある程度の措置を講ぜられるようになっているのかどうか、その点をお尋ねしたいと思います。
○説明員(大澤幸夫君) お話がございました大規模改造事業でございますが、私どもとしては学校施設の整備につきましては、できるだけ地方自治体の主体的な取り組みを尊重してまいりたい、そういうような理念のもとにこのたび大規模改造事業につきまして補助対象の重点化を図るということにさせていただく考えなわけでございます。具体的には先生おっしゃられたとおりでございまして、建築経過年数二十年以上の、改築に準ずるようないわゆる全面的な改造につきましては従来どおり国庫補助を行うことにするわけでございますが、それ以外の御指摘のあった部分的改造等につきましては、単独事業としまして地方債等によります財源措置を講ずるということが考えられているわけでございます。 具体の地方財政措置の中身、これまた自治省さんの方の分野になるわけでございますけれども、先ほど申し上げたものと仕組みは基本的に同じでございます。義務教育施設整備事業債の発行が認められまして、その元利償還額の五〇%については基準財政需要額に算入される、こういう仕組みでございますので、基本的な仕組みは先ほど申し上げたものと大体共通、こういうふうに御理解いただければ結構かと存じます。
○篠崎年子君 次に、共済費追加費用等についてお尋ねしようと思ったんですけれども、先ほどの上野委員の質問の中にありましたので、文部省関係はこれで終わりにいたします。どうも御苦労さまでした。 次に、警察の関係でお尋ねしたいと思います。 初めに、DNA鑑定が最近の事件で大変効力を発揮したということが新聞に出ておりましたけれども、DNA鑑定というものについて御説明いただきたいと思います。
○政府委員(國松孝次君) DNA型鑑定と申しますものは、人の細胞に存在するDNA、つまりデオキシリボ核酸というものを構成する塩基と言われる物質の配列に個人差があるということを利用いたしまして、その型を判定いたしまして個人識別を行おうというものであります。 このDNA型鑑定の利点を若干敷衍して申しますと、DNA型鑑定を行うことによりまして極めて精度の高い個人識別を行うことができるようになるということでございます。これまで血液であるとか、あるいは精液といった検査資料から個人識別を行う方法といたしましては、御承知のとおり血液型鑑定というものが行われていたところでございますが、この血液型鑑定という方法によりますと通常はA型、B型、O型、AB型という四種類の型に分類ができるにとどまっていたところでございます。しかし、このDNA型鑑定というものにおきましては、鑑定資料が十分にありますれば一つの検査方法でおおむね三百通りにも分類することができるようになるわけでありまして、幾つかの種類の鑑定方法を組み合わせて駆使することによりまして、状況によっては数千万分の一という確率で個人識別ができるようになるのであります。 先般、二月二十七日に水戸地方裁判所におきまして、ある強姦致傷事件につきまして有罪判決が出たのでありますが、そこで証拠採用され、有罪判決の決め手となりましたDNA型鑑定書におきましては、本件の被告人の個人識別を七千万人に一人という確立で判定いたしたところでございます。このようにDNA型鑑定と申しますものは、犯罪捜査の分野におきまして、個人識別の精度を飛躍的に高め、適正で確実な捜査を可能とするものとしてこれからその活用を大いに期待されているものでございます。
○篠崎年子君 大変科学が進んで七千万人に一人の割合のものが識別できるということではこれからも大いにその効力を発揮していただきたいと思うんですけれども、今度の予算では何台、そしてどこに配置しようとしていらっしゃるのか。
○政府委員(國松孝次君) 平成四年度予算、これを私どもの要求どおりにお認めいただけたらという前提がもちろんつくわけでございますけれども、五台、五都府県といいますか、警視庁、大阪府警、宮城県警、広島県警及び福岡県警の五都府県に配備する予定でございまして、このための予算といたしまして約一億一千六百万円を計上いたしておるところでございます。このDNA型のワンセットの費用と申しますものは、DNAを精製、増幅し、あるいはそれを解析する装置などのほか消耗品費なども含まれておりますが、ワンセット約二千三百万円というものでございます。これを五都府県ということで考えておるところでございます。
○篠崎年子君 そうすると、その器械が今おっしゃった五つの都府県の県警本部に配置されるわけですね。私も素人でわかりませんけれども、器械を使うのはやっぱり人間だということになりますと、その器械を操作する人の養成ということも必要になってくるんではないかと思いますが、あるいは委託をされるのか、そこのところはどんなふうでしょうか。
○政府委員(國松孝次君) もちろんこのDNA型鑑定と申しますものは、だれにでもできる鑑定であるというわけではございません。私どもとしてはこれは警察部内の者におきましてこの鑑定を行っていこうということでございまして、ほかの機関等を煩わすことなく私どもでやってまいりたいと考えておるところでございます。 そして、科学警察研究所というのが私どもにあるわけでございますが、ここで所要の約六カ月程度の研修を実施いたしまして今申しました五都府県、それからできましたらさらに来年度予算ではもう少し配付できる府県の幅を広げていただきたいと考えておるところでございますが、そういった新しく資器材の配付された府県につきましても、それぞれ鑑定のできる人間を養成していこうと考えているところでございます。
○篠崎年子君 今の御説明で大体DNA鑑定がどういうものかということと、それからその効力といったようなこともわかったんですけれども、先日、新聞を見ておりましたら、「DNA鑑定に疑問符」、「論議呼ぶ米二学者の論文」と、こういうのが出ておりまして、さっきは七千万人に一人とかで見つかったということですけれども、それだけに頼っていてひょっと間違いがあったらいけないというような気もするので、これを見直してみたんですけれども、警察庁の方ではどういうふうにこれをごらんになっていらっしゃるでしょうか。
○政府委員(國松孝次君) もちろん先ほど申しました七千万分の一というのは一つの実際の例として大変精度の高い個人識別が出たわけでございますが、犯罪の現場からとられます資料と申しますものは常に私どもの満足のいくようなものではございませんで、非常に量が少ない場合であるとか、その資料の状況が大変悪いということになれば、当然これは今申しました確率頻度というのは下がってくるわけでございます。 したがいまして、私どもは、DNA型鑑定というのは少なくとも血液型鑑定よりも飛躍的に個人識別ができるようになるものとは思っておりますけれども、状況によっては、例えば数百分の一ということもありましょうし、あるいは数千分の一という確率である場合もあろうと思います。したがいまして、それだけに頼ってやるというわけにはまいりません。指紋と違います。指紋の場合は、指紋が一致したといったらもうたった一人の人間を指摘することができるわけでありますが、DNA型鑑定の場合はあくまでどこまでいっても確率の問題でございます。常にそうでない確率というのはあるわけでありますので、DNA型鑑定の結果だけを頼りにして捜査をするというようなことではいけないわけでありまして、そのほかの捜査資料も十分に集めまして、その中でこのDNA型鑑定も大いに活用していくということでなければならぬというように思っておりまして、御指摘のようなやや頻度のあいまいな部分が残る鑑定方法であるということは十分に考えながらやってまいりたいと思います。 ただ、それにいたしましても、これまでの血液型鑑定でございますと、ABO型では四種類にしか区別できなかったのが少なくとも三百種類とか何百種類というように分類ができるわけでございますから、個人識別の精度は大変上がる、そういう意味で大変有効な捜査の方法として我々もこれから大いに活用していかなければならない方法であるということだけは間違いないと思います。
○篠崎年子君 個人識別方法としてこれから有効に使われると思いますけれども、あくまでも捜査の段階でこれは一つのサポート的な、これが中心になるときもあるかもしれませんけれども、他の捜査にも十分気を配りながら、これだけに頼ることなく捜査を十分に厳正にやっていただきたいと思うわけでございます。 次に、麻薬関係のことについてお尋ねをしたいと思います。 平成四年度の警察庁予算における重点項目として麻薬、覚せい剤等薬物対策の強化ということが挙げられておりまして、さきの国会において麻薬及び向精神薬取締法等の一部を改正する法律案と国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律案というのができまして、これはこういったようなことを国際的にも取り締まっていくという法律だと思うんですけれども、このことについては厚生省と警察庁と両方が関係されていると思いますが、その精神的なものとそれから特に注意しなければならない点について御説明いただきたいと思います。
○説明員(齋藤勲君) 麻薬二法は、ともに麻薬及び向精神薬の不正取引の防止に議する国際連合条約、いわゆる麻薬新条約と言っておりますが、この条約の内容を担保しまして薬物乱用防止のための国際協力の一層の推進に資するとともに、我が国においても薬物乱用の防止に資するためのものでございます。具体的には、改正法におきましては、麻薬や向精神薬のみならずその原料となる物質についても届け出等の規制を設けることとしておりまして、また国外で行われました薬物犯罪についても国内で処罰できることとしております。 特例法におきましては、密輸された薬物を当局が知りつつ通関させ追跡し逮捕する捜査手法、いわゆるコントロールド・デリバリーを導入するとともに、薬物犯罪から得られた不法な収益を隠匿したり、その取得や処分に当たって事実を偽装したりする行為、いわゆるマネーロンダリングでございますが、これを処罰することとしております。そのほか、不法収益を没収する制度、没収についての国際共助のための手続についての規定を設けております。
○篠崎年子君 今御説明ありましたが、マネーロンダリングについて少しお尋ねしたいと思います。 さっきいただきましたこの中に、特にマネーロンダリングの防止についてということで書いてございました。これは結局、不正な取引によって取得したお金を一遍銀行に預けてだれが預けたかわからないようにして次の方へ回していく、そういったようなことだと思うわけです。その場合に、これは不正な方法で入手をした人というか、あるいは暴力団というか、そういう人がそこに預けだということが特定されなければマネーロンダリングになったということにならないと思うんですけれども、この点についてプライバシーとの関係ではどんなふうにお考えになっていらっしゃいますか。
○政府委員(関口祐弘君) マネーロンダリングの処罰の規定等の今後の捜査の問題でございますが、先生御指摘のように、私ども、いかようなる捜査をいたすにいたしましても、プライバシーの保護なり人権の保障というふうなことを最大限に尊重し、また留意しているところでございます。 これからマネーロンダリングの捜査をいたすわけでございまして、具体的な場面でいろいろと配慮をしていかなければいかぬと思いますけれども、私どもとしては、この法律の成立段階におきましても、附帯決議で法律の運用に当たりましては「不当に人権を侵害することのないよう努めること。」というふうなことが書かれているわけでございまして、いやしくもプライバシーの侵害にわたるということの絶対的にないように、第一線の捜査員等に対しまして指導、教養の徹底を図ってまいりたい、かように考えておるところでございます。
○篠崎年子君 その中で特に、当局に対する疑わしい取引の報告、あるいは金融機関等に疑わしい取引を報告させる場合の民事的責任の免除規定の整備といったようなことを挙げられておりますね。これはそのほかに幾つもあるわけですけれども、このことについては、特に法の中でまた規制をされるのか、それとも何かほかの附則でもってやられるんでしょうか。
○説明員(齋藤勲君) 疑わしい取引につきましてはそれぞれの主務大臣に届け出をすることになっておりますが、これは政令で定めることとなっておりまして、現在その政令の制定の準備作業をしている段階でございます。
○篠崎年子君 コントロールド・デリバリーにつきましても、これは国際関係の問題もいろいろあると思いますけれども、十分に監視を強めると同時に、今もお話がありましたように、人権侵害にならないように御努力いただきたいと思うわけでございます。 次に、最近、こういったような麻薬あるいは向精神薬、そういったような関係で南米では、主な輸出先であったと思われるヨーロッパ、アメリカ、こういうところの規制が大変厳しくなったことから、ターゲットを日本の方へ絞ってきているといったようなことが報道されておりましたけれども、最近の状況はどんなふうでしょうか。特に、これは覚せい剤の方だと思いますけれども、最近これを使う年齢が非常に低年齢化してきているということで、私たちは、これ以上広がってはいけないけれども、特に低年齢の方に広がることを何とかして阻止していかなければならないと思うわけで、このことについて御説明いただきたいと思います。
○政府委員(関口祐弘君) まず最初に、最近の薬物情勢というお尋ねかと存じますけれども、一口に申し上げまして、大変厳しいと申しますか、憂慮すべき状況であろうということかと存じます。薬物でもいろいろな種類がございますけれども、一つ覚せい剤というものをとってみますと、昨年一年間でも一万六千人ほどの者を検挙してございまして、七年ぶりに検挙人員が増加したというふうなことでございます。しかも、そこで注目されるのは、検挙人員の四三%ほどが暴力団関係者でございまして、こうした暴力団の密売というのが暴力団の大きな資金源になっているということは明らかなところでございます。 それからまた、先生おっしゃられる海外からの問題ということでのお尋ねでございますが、コカインというふうなもの、これが御案内のとおり、コロンビア、ボリビアというふうな南米の諸国からそうしたところにある犯罪組織を通じまして我が国に入ってきているというふうな状況がうかがわれるところでございまして、昨年一年間で数でこそ少のうございますけれども百十人ほど検挙をしてございます。これはコカインの検挙人員としては初めて百人の大台に乗ったというふうなことでございます。そのほかいろいろ、ヘロインにしても大麻にしても、検挙人員なりあるいは押収の数量というものからしましても大変な問題になっているということが言えるかと思います。 それから、最後に先生お尋ねがございました覚せい剤の関係での少年の問題でございますけれども、平成三年中の数字で申しますと、少年、二十歳未満の者で検挙された者は九百四十三名ということでございますが、この数字を一昨年の数字と比較いたしますと二三%ほど増加している、しかも男女別に見ると女性の方が多いというふうな状況でございます。こうした少年たちというのは、好奇心等から安易に始めたケースが多いわけでございますけれども、特に若年者の乱用というのは将来の社会に与える影響というものも極めて大きいことから、緊急にこれを防止するということが必要かというふうに思います。 覚せい剤というものをとりましても、その使用ということになりますと二十歳未満の少年少女であっても犯罪者ということになるわけでございますが、ただ私ども考えてみますと、最初に申し上げましたように、こうした密売によって犯罪組織なりあるいは暴力団が多額の収益を得ているということでございまして、そうした意味では少年というものが犠牲者というか被害者というふうな面もあろうかというふうな感じがいたしてならないわけでございます。 そうした意味で、私どもとしてはこうした覚せい剤を使用する少年少女というものの補導活動というものを行うとともに、あわせてこうした少年を薬物問題等から守るというふうな立場におきまして、警察なりあるいは学校なり、地域の皆さん方とともども、そうした啓蒙活動ということをやっていきたい。現に私どもとしては、中学生なり高校生に向けた易しく薬物の恐ろしさというものを説いたテキストのようなものをつくりまして活動を展開しているところでございます。
○篠崎年子君 今最後の方でおっしゃいましたように、少年につきましてもまた女性につきましてもそうだと思いますけれども、みずから進んでという人もいるかもしれませんけれども、大半は暴力団関係の人たちにだまされたり、あるいはいいかげんなことを言われたりというような形でもって始めて、そしてそれがやめられなくなったということが多いんではないだろうかと思うわけです。そこで、そういうことについて特に警察の方では力を入れて、暴対法もできておりますけれども、その辺で大いに努力をしていただきたいと思うわけでございます。 警察の方、ありがとうございました。 次に、最後に雲仙のことでちょっと自治省にお尋ねをしたいわけです。私は立ちますたびに雲仙・普賢岳災害のことを申しまして、またかと思われるかもしれませんけれども、地元に帰ってまいりますとなかなかやみそうになくて、ますますもって火砕流もそれから土石流もひどく起こっているということで、大変みんな心配をしているわけでございます。 先般宮澤総理が現地に参られました折に、二百七十億円の基金の上積みをするということで、県民もありがたいと思っていると思うんですけれども、しかし上積みをされた二百七十億円、前のものも含めまして、これは国が全額出すのではなくて起債で賄うということだと思いますけれども、そのとおりでしょうか。
○政府委員(湯浅利夫君) ただいま御指摘のとおり、三月の半ばに宮澤総理が現地を視察されましたときに、雲仙岳災害対策基金の増額の要望がございまして、これを受けましてそれまで三百三十億円の基金を二百七十億円増額いたしまして六百億円にすることにいたしました。 この二百七十億円の増額につきましては、地元の県で十億円は一般財源で出しましょう、残りの二百六十億円につきましては地方債で措置をするということで、この資金を国からお借りいたしまして、それでそれを基金に充当したわけでございます。それにつきまして、まず利子が必要になってきます、借りた以上は。その利息につきましては、普通交付税でその利息分をすべて基準財政需要額に算入するということにいたしております。 この基金は当面五年間ということでございますので、五年たちましたらその基金は解消するわけでございます。その元金はもとの国にお返しをしていただくということになるわけでございますので、実質的に県の負担は起債した分につきましては一つもない、こういうふうに御理解いただきたいと思うわけでございます。これは当初の場合も同じような措置を講じたわけでございますけれども、追加の分につきましても今申し上げましたような措置を講じたわけでございます。
○篠崎年子君 わかりました。 それで、もう一つ雲仙のことについてお尋ねしたいんです。 今梅雨期を前にしまして、特に火砕流はもう当面ないけれども、土石流だけは何とかしてもらえないだろうかという皆さんの気持ちが非常に強いわけでございます。この土石流の対策について今国がとろうとしていますのは、上の方にはスーパーダムをっくらなくちゃいけないけれども、これはいつかかれるかわからないということで、導流堤あるいは遊砂地をつくろうとしていると思いますが、この点につきまして今の計画はどんなふうになっているんでしょうか。
○説明員(高橋哲雄君) 御説明を申し上げます。 先生がおっしゃいました砂防ダム、導流堤の施設のことでございますけれども、警戒区域内につきましては立ち入りができませんので、ダムあるいは導流堤の一部も着手するわけにまいりません。そこで、警戒区域外の国道五十七号から下流の部分につきましては、まず遊砂地を二基つくるように現在進めております。これは一基は既に着工いたしておりまして、現在その工事を進めております。もう一基は、四月の九日に契約をいたしまして、これも工事にかかる予定にいたしております。 それから、導流堤の方でございますが、これは新しい年度になりましたので、できるだけ早い時期に調査、設計その他に入って、地元の皆様方の御理解と御協力を得て着手してまいりたい、こう考えております。 以上でございます。
○篠崎年子君 できるだけ早く設計施工にかかっていただきたいと思うんですけれども、特に導流堤の場合、これはどこからつくり始められるわけですか。
○説明員(高橋哲雄君) 今申し上げましたように、警戒区域外は国道の五十七号から下流でございますので、この五十七号から下流につきましてできれば調査をさせていただいて着手したいと思っております。
○篠崎年子君 その場所は大体わかるんですけれども、導流堤の場合、何基もずっとつくっていくわけでしょう。遊砂地は二カ所と決定しておりますね。導流堤はそこへ行くまでの間の、そこからまた下流へ導くためのものだと思いますけれども、上の方からつくっていくのか、それとも一番下流のところからつくっていくのか、その辺はどんなふうな計画なんでしょうか。
○説明員(高橋哲雄君) 導流堤と申しますのは全部で長さが約千七百メーターございます。それも今考えておりますのは、ハの字を逆さにしたような構造を順次下流に向けてするようにいたします。これは霞堤という方式でございます。それで、私どもは、どこから着手するかということにつきましては、まだ具体的に承知いたしておりませんが、とにかく地元の皆様方の御協力が得られ次第、その得られたところから早く用地の取得に着手してまいりたいと思っております。
○篠崎年子君 梅雨季を迎えておりますので、できるだけ早くそういうのは着手、実行にかかっていただきたいと要望いたしまして、終わりにいたします。
○常松克安君 きょうは、ひとつ消防庁長官の胸をかりて論議を進めさせていただきたいと思いますので、お手やわらかにお願いいたします。 今、最先端からいろんな救急隊員の報告を受けております。例えば、一一九番がかかってきた。娘が危篤だ。行った。待ち合わせ場所には女性が一人でいた。娘らしいのはいない。ところがよぐよく見ると猫を抱いておる。今様のマイペット時代です。猫も我が娘になっておるわけです。これが心臓がとまりそうだ、呼吸困難だ、運んでくれ、これいかにでございます。 あるいはまた、一一九番がかかってきた。走っていった、億ション。しかし、このキーが困るんです、ディジタルキー。管理人も絶対わからない、毎日のように電算で変わってしまう。中にいる本人は心臓と思われるような疾患で倒れておるけれども、救いようがない。果たしてこれを壁を破ってでも救うべきか否かというふうなことです。 あるいはまた、医療機関におしかりを受けるんです。こんな遅く何でわしのところばかり運ぶか、運び方が悪い。明くる日には必ず消防庁本庁に電話があって、救急隊員は配置転換をさせられる、こういうこともこれありです。 あるいは、非常に少のうはございますけれども、消防車あるいは救急車の無線妨害。行って帰ってしまった。これは数は少ないですけれども、今の専門書は、警察庁からありとあらゆる公共のやつは全部売っている本に書いてあるんですから、合わせたらいいんです。こういうふうな無線妨害これあり。これは救急救命士どころじゃない大変ないろんな問題を汗水垂らして第一線で頑張っていただいておる。質問じゃございません、どうぞ御安心ください。こうなっておるわけです。 そこで問題でありますけれども、過日予算委員会でもいろいろな角度から伺ったが、救急救命士の資格を有する隊員ができ上がるのが目前に控えております。しかし、そういう方々の応急処置トラブルの免責について、これはやはり消防庁としては的確なものの打ち出しがあるべきじゃなかろうか、かように考えております。お願いします。
○政府委員(浅野大三郎君) まず、救急救命士がいろんな処置をいたします場合に間違いがあってはいけませんから、そういうことが起こらないようにしっかりやるということが基本であることは申し上げるまでもございませんが、万一何らかの事故が生じたような場合の責任をどう考えるかということでございます。私どもといたしましては、これはあくまでも市町村の機関として仕事をやっておるのでありますから、事故の責任はその市町村が負うといいますか、市町村に帰属する、こういうふうに考えていくべきだと思っております。 現に国家賠償法という法律がございまして、大体はこの適用になると思いますけれども、これは国家賠償法におきましても市町村が対外的に責任を負うということでございますので、私どもはそういうふうに考えております。
○常松克安君 それは一応法の建前としての筋道論でおっしゃること、これは一部理解できます。 市町村でそういうふうなことが、顧問弁護士からなりそういう医療相談なりぽっとあったときに、果たしていいんだろうか、できるんだろうか。よって、東京消防庁の懇話会の答申の中には、医師に対して、電話で受ける指導医がこういうふうにせよと言う、万が一間違いがあったときそのドクターの免責は東消庁がとるようにと、東消庁は、はいわかりました、こうなっているわけです。これは、救急救命士の話じゃなくて医師です。 そうしますと、東京消防庁のようにどでかい予算のある、陣容のあるところなら対応は事故係なりいろいろあって見事にできますが、各市町村におけるそういうふうなことにおいて、本庁である消防庁は、それは市町村でございます、裁判が大変だろうがどうぞそちらでやってください、これじゃこういう人たちの汗水垂らしての救急救命という仕事が非常に不安に思われる。これは、救急救命士という問題が世上に法律が成るぞと言ったら、今国の救急隊員の心配はそこにあったわけです。私たちは何も医者になろうと思っていない。あるいはまた、そういうようなことは医者がやってくれればいいんだ、運ぶだけだと思っていた。ところが、その中の世論というものは、少しでも助かるはずの命をそこで助けてくれ、ドクターカーがやってくれればいいじゃないか、医者がいない、消防署、こうなって受けている。四十、五十がらみで国家試験の難しいものを勉強して、試験地獄を乗り越えて受けて、そしてやったら死んだ。何かにつけてそこに持ってこられるということはどうなんだろうか。こういうことなんでございます。 でありますから、今おっしゃることは法律上の建前ですし、自治体の消防ということですから、それはそうでありましょう。しかし、ここにおいて全国三千三百を擁する消防庁長官として、この問題がたとえそこであったとしても、受ける窓口を我々もバックアップして、一切救急隊員にはそういうふうな気苦労はかけませんぞというふうな見解というものがあってしかるべきだ、私はこういうように思っているんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(浅野大三郎君) まず、私どもとしてぜひやらなければいけないと思いますのは、救急救命士が実際に活動をする場合の活動基準というようなものを持ってそれに則してやるということがいろんな意味でも大事だと思います。そういう活動基準をつくることにつきまして私どももお手伝いをさせていただきたいと思っております。 それから、そういうことでともかく事故が起こらないように医療機関との連携も十分やりながらやっていくわけでございますが、万一事故があった場合の対応といたしましては、これは救急隊員個人が負うということよりは、あくまでもこれは市町村の機関としてやるわけでございますから、市町村の機関として対外的にどういうふうな責任を果たしていくのか、市町村自体がどう果たしていくのかという形になろうかと思います。もちろんいろんな事故のケース等々ございましょうから、私どももどういうふうに適切に措置をしたらいいかということにつきましては十分なる関心を持っていろいろとアドバイスできることはアドバイスもしてまいりたいというふうに考えております。
○常松克安君 くどいようでございますが、救急隊員にはその責務を負わさない、こういうことでございますか。
○政府委員(浅野大三郎君) まず、対外的に考えますと、市町村の機関がやっておりますから、事故が仮にあったとしましたら市町村が事故を起こしたということになりますから、行為をやった本人というよりも、市町村と事故に遭われた方の関係ということで事が処理されるということになります。 あとは内部の関係におきまして、内部的にそれでは実際に行為を起こした人に対してどういう形で責任を追及することがあるのかないのかということになると思いますけれども、これはもう故意または重大な過失がない限り、それに対して追及をするということは法律的にもないことになっておるところでございますし、そこは市町村の当局としては隊員が一生懸命やっているわけでございますから、法律のそういう規定もございますし、さらに隊員の実際の活動状況を十分しんしゃくしてやってくれるだろうというふうに思っております。
○常松克安君 明確にしていただきましてありがとうございました。 では、第二問といたしましては、東京消防庁懇話会の答申では、一番、医師の指示と責任、二番、救急救命士としての特定行為、三番、それに対しての行政主体はどうあるべきか、四番、救急活動のプロトコール、手引書の必要性を明確にしております。先ほど少し答弁立ち入られました、長官は。そういうことを起こさない、起こるはずがない、あってはならないとしての防止策を、いろんな形で四段に分けてこのように東消としては答申を受けておるわけです。東消に聞きますと、消防庁の方にも多大なる御指導をいただいた、さすが消防庁であると。しかしながら、東京の方はいずれにしても救急隊員の救急救命士ができるのが多いものですから、即戦に乗っていきますから、百八十名になんなんとして受験している、何名採るかは別で。そうでありますから、しっかりせにゃいかぬ。それを消防庁の指導を受けてこうしてつくりましたと。まことに的確なものであります。 ところが、東京消防庁のみならず、横浜とか名古屋とか大阪市とか、こういうところも鋭意地方団体として一生懸命救急救命士の養成をしてまいりました。でき上がってきます。またもう一つは、三千三百の中から代表一、二名、中央研修所で今研修をされている。四月十九日に試験を受けられます。そういう人たちのためにも、今度は東京消防庁は明確につくったけれども、ほかのところは漏れているということじゃよくない。当然これは、長官手持ちの諮問機関である研究会が招集され開催され、これらについて同じように検討、あるいはそういう見解を見事に全国に発令されると思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(浅野大三郎君) 先ほど御引用になられました東京消防庁の答申が出るに至りましては私どもの担当の課長も参加はさせていただいておるわけでございますが、それはそれといたしまして、全国的にどうやるかという問題でございます。御指摘がありましたように、これは医療機関との連携はもちろん十分しなければいけないわけでございますが、具体的に現場で救急救命士がどういうふうに活動したらいいのかといういわば活動要領といったようなものをあらかじめきちっとつくっておくということが極めて大事だと思います。 それで、私どもといたしましても、厚生省等関係方面の御協力もいただきながら、基本的な活動要領というようなものをつくって各市町村の方にもお示しをしてみたい、こういうふうに考えております。
○常松克安君 いつ出されますか。
○政府委員(浅野大三郎君) まことに恐縮でございますが、実は四月十九日に第一回の試験があるわけでございます。その時点におきまして何月ごろというところまでここで申し上げられないのは非常に恐縮でございますが、できるだけ早急に策定いたしましてお示しするようにしたいと思っております。
○常松克安君 それはおかしいと思うんです。なぜでしょうか。十九日に試験、合格、乗る乗らぬは別にして、目前、十九日に国家試験があるということはわかっておる。東京消防庁はここに見事にペーパーとして、医師が集合して、どういうふうにコンタクトすればいいか、医師の指示のベースとそれを無線で受ける救急隊員のベースというものは共通のものであると、ちゃんと防止策をここまで考えてある。全国統括消防庁としては、私としては願わくは東消より先に消防庁としてこれだけのものができ上がって、これに準じてちゃんと各方面別に細かく検討しろよと、これが行政のあり方じゃないですか。東京消防庁でさえやっているのに、それを受けて国がやります、いつになるかわかりません。国家試験が受かった、何名か、じゃ早く乗せてくれ、一日も早くそういう人が乗ってくれることを国民は期待している。期待しているけれども、その手引書、そういうものもいつになったら示されるかわかりませんでは、長官、これは少し行政官としていかがなものでしょうか。
○政府委員(浅野大三郎君) その点につきましては、御指摘に対しまして私としてお答えする言葉もないわけでございますが、ただ現時点でいつまでにというところまで具体的に持っておりませんから、まことに申しわけないお答えになって非常に私自身恐縮なのでございます。とにかく早急につくりまして、実際は試験の発表が五月二十二日ごろになると思いますが、それからもう少し後、卒後のいろんな研修もやって動くようになると思いますけれども、できるだけ早くお示しするようにするというお答えをすることをもって一応御理解いただきたいと思います。
○常松克安君 長官のお立場は、よくわかれといったら無理してでも理解します、私は。しかし、それを統括される大臣、こういう状況の中でいいのでありましょうか。 失礼でございますけれども、これなんです、この一冊。大学の医学部長に見せても、よくこんな難しいものをやっておるなと。しかし考えてみれば、消防庁は今まで火消し役だと言われた、その者がいかに勉強しても医者に近づこうというのは無理やが、人の命を救うために、この難しさの峠を乗り越えて頑張っておるのか、大したものやとお褒めいただくほどこれを研さんして、彼らはその使命感に燃えて、そして試験を受けて、すぐ乗る乗らぬはそれは行政の立場の判断でありましょう。しかし、そういう人たちが、おれたちが苦労したものを東消はこう示しておるにもかかわらず、今しばしの御猶予だけで、これでよろしいのでございましょうか。大臣、通告はしておりませんけれども、非常に重要なポイントでございますので、ここで大臣の英断の御所見を賜りたいと存じます。
○国務大臣(塩川正十郎君) 消防庁長官が言っておりますように、何も故意におくらそうとか、そんな気はさらさらないのでございますから、できるだけ早くやらすようにこちらの方も督励いたします。
○常松克安君 では長官、大臣からのそういうお言葉をいただきました、長官と同じ趣旨をちょうだいしました。できる限り早く、私ごねごね言いたくないですけれども、少なくとも六月をめどにして検討を急いでいただくことも必要の相迫っている重大問題だと存じます。その辺のところをよろしくお願いいたします。 それでは次に、その中の防止策の中で厚生省に前々から私申し上げておるんですけれども、東京消防庁の方はセンターの中に指導医というのがいらっしゃる。東京都内の三十二校ある大学の医学部の中で十七校を選ばれて、そして大体助教授より以上の専門家が二十四時間体制でそこへ張りつくわけであります。そして指示するわけです。その指示というものに対して救急救命隊が動くわけであります。 しかし、これは東京消防庁はよしとして、六千万もかけて高規格の救急車を購入した、救急救命士が我が県で一名通った、すぐ乗ろう、県民に知らせよう。それでなくとも一億数千万円、毎年毎年救急振興財団へ送り込んでおるんですから、県は。一億何千万も送ってたった一名かよと言われながらもその成果を、しかしその成果も、相手は人の命ですからむちゃくちゃやったら大変なことになる。たった一つの事故でさえ、それ見ろということになる。厚生省は一番その辺のところを気を使っていただいておるわけなんですが、それよりもっと心配いたしますのは、一体それを指示するドクターがどこにおるんだ、ドクターベースをはっきりしてくれ、そうせぬと救急隊は困る、こういうふうに申し上げておきました。それが、あっちの病院、こっちの県の医師会とか、ばらばらに聞かされるものですから、これは大変なことです。この点いかがでしょうか。
○説明員(今田寛睦君) 救急救命士が活動いたします前提として医師の指示が必要であるということからいたしますと、医師との適切な連携関係をどう確保するかということが大変重要な課題であるという御指摘ごもっともでございます。 これまで私どもは、救急医療施設に勤務いたします医師に対しての一般救急の研修、さらには脳神経外科あるいは麻酔科あるいは小児科など専門的な研修、さらには実務研修などを実施しているわけでございますが、そのような研修を通して、まずは医師一般におきましてこの程度の理解をいただきたいということでの事業を実施する予定といたしております。 さらに、救命救急センターを中心といたしまして、救急医療施設が救急救命士に指示を与える医師の拠点となるよう協力を求めていかなければならないと考えておりますけれども、救急救命士が的確な処置を行うためには消防機関と救急医療施設とが日ごろから信頼関係というものを十分に培っておいてこそ初めて有効な処置が提供できるのではないかという意味から、このような信頼関係に基づく連携体制というものの構築についても協力をお願いしていきたいと考えております。
○常松克安君 非常に言いにくいことをずばずばとおっしゃいました。全くそのとおりだと私も思います。 ただし、厚生省も反省すべきところはしていただきたい。救急救命士が一生懸命やったのに、人を見下すような、侮べつするような、そういうようなことがドクターにもし一面ありとするならば、私は徹底的にそれを追及いたします。生懸命なんですから。 ここで長官にもう一つお教え願いたいのは、救急救命士ができました。ところが、中にはわけのわからぬ医者がおりまして、救急救命士に入学試験があったかや、中間試験があるのかや、卒業試験があるのかや、それで国家試験、当たり前や国家試験は、こういうふうなその素質といいますか、質というものに対する誤解というものが事実あるんです、郡部へ行きますと。都会にはありません。ですから、救急隊員がこれをやろうとしても、地域のドクターの方々の無理解で衝突する場合が多々あるんです。これは無理からぬことだと思います、全然ベースが違うわけでありますから。 しかし、救急救命士に対して、例えばアメリカのパラメディックは二年に一遍試験をやり直すのです。落ちた場合はその身分は剥奪です。もとへ戻してしまうんです。でありますが、そのかわりどなたでも、その試験に合格して、実習、研修を重ねて、まじめな人は通していくんですよ。 というふうに、やはり東消の中でもこの懇話会の指している一面は、その救急救命士が国家試験に一たん通ったら一生のものということがあり得ることでは困るよ、どうかひとつそれ以後のフォローアップというものをしていただきたい、そのことによって本当に救命率が上がって、皆さん最初の苦労は多いだろうけれども効果が出てくるんですよ、こういうふうに厳しくも温かく慈愛のこもったむちのような言葉なんです。これに対して長官のお考えはいかがでしょうか。
○政府委員(浅野大三郎君) まず、フォローアップが必要であるということにつきましては御指摘のとおりと考えております。 さしあたりは、国家試験に受かりまして資格が取れました後のことでございますが、資格は取りましても、現場に出ていく前に、やっぱり医療機関等とも十分連携をとりながら、さらにまたここで現場に出ていくについて必要な勉強もやる場合はやっていただかなければいかぬだろうと思っております。 さらに今度は、何年か仕事をやっておりますと、その間にいろいろ医療の進歩というようなことも当然あるわけでございます。したがいまして、今後実際に救急隊員である救急救命士が活動するようになりましてから、その状況、それからいろんな医学、医療技術の進歩というようなものも十分踏まえまして、当然これは厚生省その他関係方面のお力をいただかなければいけないところもありますから、そういうものをいただいた上で、具体的にどういうフォローアップ体制をつくるかという、この点はもうちょっと時間をかしていただきたいと思います。 基本的にそういうことでやっていきたいと思っております。
○常松克安君 長官、今厚生省の立場で一つ重大な指摘をされているわけなんです。これから東京では半年で六十、一年なら百二十、それから平成七年には関西に学校が建つ、こっちは来年建って一挙に四百名になるわけです。これはどんどんふえてくるわけでございます。ところが、問題は、一番大事なことは、大臣に直接私予算委員会で訴えたことを聞いていただいたと思いますが、せっかく中央の試験を受けて合格してそして地元へ帰っても、地元のお医者さんの方々とのコミュニケーションがないと、これがことごとく全部だめになってしまうおそれが十二分にあるんです。その辺のところを厚生省の立場として、申しわけないけれども、地域において常日ごろからよく医療団とのコミュニケーションをとってもらいたい、そのことでまたスムーズにいく。上からお互いに消防庁、厚生省、二つ縦割りで言ってみても、下ではなかなかうまくいかない、その行政のはざまに救急隊員が苦しむ、こういう結果になると思うんです。 ですから、フォローアップについては、せっかく現地へ帰って勤務したら、また研修で来いやと、こんなに中央へ呼び出されておったらかなわぬです、数が少なくて皆、回してやっているんですから。ですから、大臣がちゃんと答弁をされました。各都道府県には消防学校あり、きちんと国立大学もあり、そして各都道府県においてそういうふうなものを考えていく必要を認めましょう、こういうような答弁をいただいておるんです、後で議事録を読みますと。そういうふうな平素からの体制というものを——今の体制は東京ベースの体制です、これはあくまでも。中央的なベースの考えです。これで軒並み、みんな出てこい、この指とまれというようなことを言われておったら、地域は大変なおくれを生じてしまいます。消防庁長官といたしましては、メジャーな部分とマイナーな部分と両面ございます。やれるときはどんどんやらしていっても、後でそれがために北海道の果てが、鹿児島の端がこのことの行政の恩恵に少しでもおくれをとるということに対して物すごい気を使っていらっしゃる、こう思うんです。なぜそれができなかったかといいますと、端々があるから。きれいに作文を中央で書いてもなかなかその手引書というふうなものがうまくいかないから少し待ってくれというそのお気持ちはよくわかるんです。そんなことは別にしまして、救急隊員のこれからフォローアップの教育については、どうかそういうふうな地方におけるところの体制づくりというものについて考えを深くしていただきたいものだ、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。あわせて厚生省にもお尋ねいたします。
○政府委員(浅野大三郎君) 予算委員会で私も同席しておりまして聞かせていただきました。 まさに地方においてできるだけそういう体制をつくっていくことが重要であると、大臣のお考えに則しまして私どもも対応してまいりたいと考えております。 それから、フォローアップにつきましてのただいまの御指摘も十分受けとめまして、今後検討する場合にそういうことをしっかりと踏まえて検討させていただきたいと思っております。
○説明員(今田寛睦君) 御指摘のように、それぞれの地域で、現場の消防機関と工夫をしながらこれまでもやっていただいておるわけであります。 今回の救急救命士の実質的な運用、あるいはこれからのフォローアップも含めまして一層の協力体制がとれるように、医療機関にも十分な理解をいただけるようそれぞれの地域でやっていただけるようにまた御協力をお願いしていきたいと考えております。
○常松克安君 あとは、これは財政局長のところへ求めねばいかぬ話なんでしょうか。局長、こういうふうな現実になっているということをちょっとお聞き願えませんでしょうか。 今この救急救命士の今後を想定して考えていきまして一番大きな山は何かといいますと、大臣も見事に指摘されたんです、これは。専門家、医者です。教える、あるいはそれを研修する病院とか、こういうところ、今回のこの波がこんなに大きくなるというのは予想を超しておるものですから、お医者さんを集めて、訓練をしてもらう、教えてもらう人が非常に確保しがたい。それをよくよく考えたら、どこに原因があるんだろうかと。私たちは、大学において研修生を一生懸命教える、それから大学病院の経営に参画する、私は私なりに患者を持つ、もうこれでカリキュラムは精いっぱいになる。その中から、ボランティアの英雄精神になってと言われてでも救急救命士の人材養成のために行っております。ところが、それをあっちもこっちもということになってくると、だんだんと拡大をしてきて、担当の病院が抜けてしまわなきゃならない。そこで結局、患者あるいは研修のローテーションを皆ぐるぐる変えてしまって病院に財政負担を強いてしまう。これじゃ本気になって、闘いといいますか、教授を弁護しに行きにくいと言うんです。こういうところでは既にそれはそれなりのように体制づくりはしていただいております。 しかし、一つの例を挙げますと、ある市においてドクターがランデブー、一緒に乗る。医者の出動に対しては礼金一万円。ところが、その礼金一万円を出す項目がないんです、どこからも。ですから、市長交際費から今出しております。現場へ行きますとそういうことなんです。一方では、海の上で事故が起こる。海上保安庁のヘリに乗っていく。医者とナースを合わせて一日二十二万円、医者十九万、看護婦三万。二日にわたったら医師が十万プラス、看護婦五万プラス。そしてプラス、ドクターに対しては二億円の事があったときの保険が掛けられる。片一方ではそういうことになる。 それと比較すると、余りここで金額出せないぐらい低いんです、今の状況は。これでは、マンパワーといいますか、これは少し無理を生じておる。どうかそういう面で特段の財政的なものを、お聞きの上でひとつ手厚くそれが育つようにしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(湯浅利夫君) この問題は非常に重要な問題でもございますので、消防庁ともよく御相談をしながら対処してまいりたいと思いますので、よろしく御指導いただきたいと思います。
○常松克安君 それとあわせまして、私は、救急隊員のことばかりで消防士をどうしてくれるんだと、いつも消防署へ行くと怒られるんです。もうちょっと消防庁のことも全体をバランスをとって考えろとおしかりを受けているんです、逆に。しかし、今これは一つの時代の要請で大きくなったものでありますから、国家的な法律のものですから、救急救命士の人がそれほど苦難をし、やったとして、身分保障的なものをやっぱりある程度明確にこれからしていかなきゃいけないんじゃないか。 当然平成四年度からは、一般の救急隊の運転する人が三百八十円、それから救急隊が二百四十円、ところが救急救命士の試験の通った人は一回出動について五百十円、交付税で措置します。的確なことですが、これがなかなか、こう決めておりましても、各地方へ行きますと、一般財源で市町村は皆ほかへ使われるおそれがある、まあこれは別な論議ですけれども。この五百十円という措置はされておりますけれども、もう少しこういう人たちのマンパワーというものを明確にしてあげるためにも昇任昇格、こういうふうな別建ての身分制度のものを相つくる。我々は、我々の党として地方議員に一斉に、市町村条例をもって、これを受ける金額を明確にして支出びしっと、こういう運動を起こしているんです。自治省が出されても現場に行ったら全然ゼロなんですから。中には善意で、田舎へ行きたすと、救急隊員も消防士も皆ローテーションでかわるので、定額月千円です。一回の出動手当というのはないんです。それもそれなりの知恵はあります。 しかし、そうじゃなくて、今回は国家試験というものの峠を乗り越えていく、こういうような方々の身分保障をはっきりとやっぱりしてあげることが、その人たちにわずかなことであってもやる気を十二分に起こし、使命感を感じてまた頑張っていただけるんではなかろうか、こう思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(浅野大三郎君) まず、平成四年度におきまして手当という形で措置したことにつきましては、実は私どももいろんな検討をいたしました。それから、市町村の消防機関の方の意見もいろいろ聞いてみました。その結果、給料表で処遇するというよりはやっぱり手当で措置するのがいいのではないかという結論に達しましたものですからこのようにさせていただいたわけでございますが、今後救急救命士の方、数もふえてまいると思います。それから、実際に救急隊の中、消防署でどういうふうな位置づけになって活動されるかということも出てまいると思います。そういうようなものを見ながら今後ひとつ研究をさせていただきたいと思っております。
○常松克安君 あと残余の質問については次回に譲ります。以上で終わります。
○神谷信之助君 きょうはホームヘルパー問題に絞ってお伺いしたいと思います。 最初に大蔵省にお伺いをいたしますが、消費税導入後の各年度の消費税収入とその累計額、それを報告してください。
○説明員(窪野鎮治君) 御説明いたします。 消費税の各年度の税収額のお尋ねでございますが、まず平成元年度四兆八百七十四億円、平成二年度五兆七千七百八十四億円、三年度、これは補正後予算ベースでございますが六兆一千八百億円、それから平成四年度の予算ベースでございますが六兆二千百億円、以上でございます。
○神谷信之助君 今おっしゃったものが累計では二十二兆二千五百五十八億円、こうなります。 次に、厚生省に伺いますが、高齢者保健福祉推進十カ年戦略、いわゆるゴールドプラン、平成二年度以降になりますが、これの予算額、そしてその累計額、これを答えてください。
○説明員(中村秀一君) お尋ねの高齢者保健福祉推進十カ年戦略でございますが、平成二年度から実施いたしております。国費ベースで申し上げますと、平成二年度約九百億円、三年度約一千四百億円、平成四年度約二千億円でございまして、平成四年度までの累計をいたしますと約四千三百億円に相なります。
○神谷信之助君 消費税を導入するときに、これは高齢化社会に対応するためと宣伝をされました。これは平成元年十二月の消費税見直しに関する自民党の基本方針の中にも、この財源によって今後十カ年の間に五兆円を上回る規模の財源を確保して推進をするんだということも言われています。それから、厚生省の十カ年戦略、このパンフにも、消費税導入の趣旨を踏まえて在宅福祉や施設福祉等の事業について今世紀中に実現を図るべき十カ年の目標を掲げて強力に推進するんだというように、消費税の導入がこういうように高齢化社会に対応して、そしてそのための必要財源としてこれをやるんだということを宣言をされていたんです。 今お聞きのように、消費税収入は二十二兆円余り、片一方それに対して十カ年戦略の方は四千三百億円、消費税収入に対して約二・三%にしかすぎないですね。だから、消費税導入のときに高齢化社会への対応するための財源だというのはまさにペテンであったということを私はまず指摘をしておきたいと思う。この点について自治大臣はどのようにお考えですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 福祉事業というのは幅広うございますから、国、地方を通じまして神谷さんおっしゃっている数字がすなわち福祉の全部の合計の比率になるかどうかということ、お話を聞いておったらもっともなように聞こえるんですけれども、またほかに福祉の関係の予算で使っているのは相当あるんじゃないかなと思うたりいたしますが、その点の精査を私もしたことございませんのでいかんとも申し上げられませんけれども、仰せのような数字を聞くとなるほど少ないかなという感じはいたします。
○神谷信之助君 大臣も少ないと、余りにも少ないということは最初から出ておると思いますけれどもね。 そこで、そういうことを前提にして具体的な問題に入っていきたいと思うんですが、老人福祉法の第二十六条「国の負担及び補助」第一項で、老人福祉施設の措置費、設備費については国は、「その二分の一を負担するものとする。」、こうなっています。それから、ホームヘルパー派遣事業等老人居宅支援事業の費用については、同条第二項で、国は、「その二分の一以内を補助することができる。」とあります。一方は負担金で片一方の方は奨励補助金、この両者に違いがあるのは一体なぜですか。厚生省にまずお聞きしたい。
○説明員(中村秀一君) 老人福祉法につきましては、平成二年六月に福祉関係八法律とともに改正をさせていただきまして、先生御指摘の在宅福祉サービスなどにつきまして、施設福祉サービスと並びまして法律上明確に規定をいたしたところでございますが、在宅福祉サービスにつきましてはまだ着手されてから日が浅いというような状況もございまして、施設福祉に比べまして、地方公共団体の事務として、義務的な事務ではなく任意の事務として位置づけられたわけでございます。 そのような観点から、ただいま先生御引用の老人福祉法第二十六条第一項の規定、これは施設の整備及び運営費の負担についての規定でございますが、これは地方公共団体の負担というふうにされております関係上、国におきましても負担金として位置づけてあるというところでございます。 これに対しまして、ただいま申し上げましたように、在宅福祉サービスにつきましては任意の事務として位置づけられたということで、市町村につきましては積極的な実施に努める旨の努力義務は課したわけでございますが、補助規定としては負担金ではなく補助金とされた関係上、二十六条の二項で補助可能なものというふうに定めたところでございます。
○神谷信之助君 自治省はいかがですか。
○政府委員(湯浅利夫君) 従来からございます負担金の対象になっておりますものは、施設関係の措置が中心になっているわけでございまして、国が一定の基準に基づいて責任を持つといういわばナショナルミニマム的なもの、これを対象にして国庫負担の対象にしているというものではなかったかという気がするわけでございます。 反面、今御指摘のように、ホームヘルパーなどの在宅福祉につきましては、これは従来の措置費の対象になっているものとは違いまして、これからいよいよ充実しなければならない分野ではございますけれども、この事務というものがどちらかというとやはり地方の実情に応じて各自治体が自主的、主体的にやった方が効果の上がる可能性のあるものではないかという感じも実はするわけでございます。そういうようなことが法令上の違いとして出てきているのではないかなという感じがしているわけでございまして、この辺は今後ともよく検討していかなければならない問題であろうかと思っているわけでございます。
○神谷信之助君 これはやっぱり負担金とそれから補助金とでは性質が違いますね。 今、官房副長官になった石原さんの地方財政法の逐条解説で、負担金とは恩恵的ないわばくれてやる金ではなくて、国と地方公共団体とに密接な関連を持つ事務について、共同責任という観点から国が義務的に支出すべきいわゆる割り勘的な経費。それに対して補助金は、国が地方公共団体に対しいわば恩恵的ないし援助的に交付するものであると言える、こういうように説明をされています。 そこで、今始まったばかりで、これからある程度制度化していけばそれなりの検討をしたいというように自治省の方はおっしゃっていますけれども、やはりこれは任意の事務で市町村はやらぬでいいということではないんでしょう。高齢化社会に向けてやらにゃいかぬ、どんどんこれを制度化し、確立していかにゃいかぬ事業というようにはお考えなんでしょうか。厚生省、自治省、それぞれ聞かせてください。
○説明員(中村秀一君) 今、先生から御指摘ございましたように、今後の高齢者対策を進めてまいります上では、在宅福祉の充実というのは重要な柱だというふうに考えております。このため、先般の法改正、平成二年六月にさせていただきました法改正でも、ホームヘルパー事業あるいはデイサービス事業、ショートステイ事業などといいました在宅の三つの事業につきましては、従来はホームヘルパーを除きまして施設の附帯的な業務というふうなことで位置づけられておりましたものを、明確に正面から施設の福祉とともに重要な福祉の柱として位置づけたところでございます。 こういう意味では、基本的には在宅福祉サービスにつきましても、すべての市町村において住民の方に提供できる体制をとる重要な事務だとは考えておりますが、直ちに市町村に義務づけるというような状況にはない。例えばデイサービスなどは体制が整わないということで法改正のときにも不安を持ついろいろな自治体関係の方もございましたので、法律の規定ぶりといたしましては義務づけはしなかった、こういう経過がございます。
○政府委員(湯浅利夫君) 在宅福祉の重要性につきましては、ただいま厚生省からもお話しのとおり、これからさらに充実していかなければならない分野であるということは、これはもう間違いがないと思うわけでございます。 ただ、このやり方につきまして、施設福祉の場合のような一定の基準に基づいて措置をする、それに対して経費を国と地方で負担し合うというような形でやる方がいいのか、地方の実情に応じて各自治体が自主的、主体的に実施していく方が実際の効果が上がるかどうかというようなところが多少施設福祉の場合と違うんじゃないかなということを私は感じたわけでございます。 そういう意味からいきまして、これから充実しなければいけませんけれども、これを国として義務づけ、そして国が応分の負担をするというようなやり方をとるのがいいのか、地方みずからがもっと主体的にやっていく、それに地方財源を一般財源として措置していくという方がいいのか、ここらあたりは十分検討する余地があるんじゃないか、こういうことでございます。
○神谷信之助君 現実に高齢者の分布状況を見ますと、過疎市町村とか山村僻地とかいうところの高齢化率はうんと高くなっています。そういうところの自治体の財政力というのは非常に弱い。だから、それぞれの地域の実情に応じておったら実際この事業は進まない。現実には確かに農村地域では、私も調査しましたけれども、やっぱり近所の手前があるから介護を必要とする高齢者がおってもなかなか、にっちもさっちもいかぬと言われればそれは仕方がないけれども、申し出ない。そういう状況が、京都市のような大都会と農村部では違いが出ています。これはまだ制度が熟していないあらわれだろうと思います。 しかし、これを、高齢化社会に向けてゴールドプランの目玉の一つとしてホームヘルパー制度をずっと拡充強化しようというのに対して、私はこれは国庫負担金として財政力の弱いところでもちゃんとやれるように、そういう実情に応じてやる。それで、実際進めていく事業の進め方それ自身は、その地域の実情を考えてやればいいんだ。ただ、その事業そのものは財政力の弱い自治体であればあるほど援助しなかったらこれは進まない、そういう状況がもう既にあらわれているように思うんです。だから、老人福祉法の第十条の三の第三項で、市町村はこれらの「措置その他地域の実情に応じたきめ細かな措置の積極的な実施に努めるものとする。」と、努力せよと努力することを義務づけてやっておられるけれども、なかなかこれが実態は大変な状況だという点を指摘しておきたいと思います。 この辺がはっきりしないと、奨励的な補助金制度ですと、これは後で触れますけれども、超過負担が一体どれだけあるのかというのがはっきりしない。だから今、来年度予算で手当てをされている厚生省の措置で実際十分なのかどうか、実態に合っているのかどうか。これは自治省に説明を求めていろいろ聞いてみましたけれども、自治省自身もよくわからぬ、厚生省との意見の一致は見ていない、そういう実態ですね。この辺はひとつ厚生省も自治省の方も、これを本当にゴールドプランの目玉の一つとして、重要な柱として推進しようとするならば、その辺の意思統一といいますか、これをもっと十分にやってもらわなきゃいかぬということをいろいろレクを受けながら痛感したわけです。この点は自治省と厚生省、いかがですか。
○政府委員(湯浅利夫君) ゴールドプランを有効に実施していくためには、国の補助負担制度に加えまして、このゴールドプランの十カ年戦略をつくりました過程におぎましても、国としても、「地方公共団体が地域の特性に応じて自主的に実施する高齢者保健福祉施策を支援する。」、こういう文言も入っているわけでございます。そういう意味からいってできるだけ地域の実情に応じた福祉施策というものを地方の単独施策として実施できるような地方財源措置というものを私どもも心がけているわけでございまして、ことしの地方財政計画では相当規模の単独施策の経費を財政計画の中に計上いたしまして、これを基準財政需要額に算入することにいたしているところでございます。 そういうことと、今御指摘のホームヘルパーの手当の問題につきましては、これはある意味では裏腹の問題もあるかもしれませんが、一度補助対象として手当てを国がした以上は、それは必要かつ十分な補助単価で補助をするということがやはり必要ではないかと思います。 そういう意味から、地方団体からもこの補助基準の改善につきましての御指摘もございまして、これを受けて国におかれましても平成四年度の予算編成に当たって、単価なども相当改善を行ったということでございますので、こういう事態を今後十分見きわめながら私どもとしても適切な対応をしていかなければならないというふうに考えているところでございます。
○説明員(中村秀一君) 地域に応じまして、例えば大都市から過疎地域まで地域の実情はいろいろございますので、それに応じた高齢者対策を推進するということにつきましては私どもも努力しているところでございます。 また、財源の問題といたしまして、国の補助金の制度で補助いたすべきものについては補助いたしておるところでございますし、また地域の財政力に応じまして国が基本的には二分の一、都道府県が四分の一、それから市町村が四分の一というのが在宅福祉の補助の負担割合というふうになっておりますが、市町村の四分の一につきましては、いわゆる裏負担分につきまして地方交付税の方で手当てをいただいている、こういうふうに考えているところでございます。
○神谷信之助君 市町村の裏負担分については交付税で措置をするというのは、今の地方財政制度の仕組みからいって当然のことなんだけれども、問題は厚生省が決めている補助単価が低かったら裏負担をやっても超過負担が出るわけです。問題は、そこが実態に即して解決されなかったら、結局市町村の持ち出しが出てくる。だから厚生省はその辺はしっかりつかんでもらわぬといかぬと思う、これから続けていきますけれども。 そこで、厚生省に聞きますが、先ほどからおっしゃっている老人福祉法等の八法の改正案の準備過程で社会保障制度審議会が九〇年の四月十九日に答申を出して、その中に「特に国は、社会福祉を推進するためのマンパワーの確保に努めるとともに、財政的裏付けについて適切な措置を講ずることが必要である。」、こう述べています。また、全国町村会の方も意見書で、「在宅福祉三事業に関する事務の義務化は、施設の充実強化等の条件整備及び国庫補助金の負担金化が前提である」、こういうふうに述べています。 報道によりますと、厚生省は法案の作成の過程では当初在宅福祉サービスを市町村の必須事務にして国庫補助金を国庫負担金に変える意向を持っていた。しかし、法案作成作業の中で大蔵省からの在宅福祉の義務化に伴う負担金化は負担金の種類をふやし歳出硬直化の要因となる、そういう強い反対意見があってこれに屈服をしてホームヘルパーなどの市町村義務づけをあきらめるとともに、国庫支出金に関しては補助できるという規定に後退をした、そういう報道がある。厚生省、これは事実ですか。
○説明員(中村秀一君) 老人福祉法の改正作業の過程でいろいろな案が準備され、また政府部内において、どういう福祉立法が地方公共団体も含めその推進にとって最もよいかということにつきましては議論がされたわけでございます。その過程で、今先生から御指摘のありました全国町村会などの御意見もいただいておりますし、私ども、全国町村会に限らず、いわゆる地方六団体と言われる知事会、市長会等からも意見を伺い、また全国の都道府県などからも意見を徴収いたしまして法案作成をいたしたところでございます。 私ども、基本的な法改正の理念といたしましては、これからの高齢者対策を推進するためには、先ほども申し述べましたとおり、施設福祉と在宅福祉とを総合的に推進しなければならない、こういう観点に立って作業を進めたところでございまして、その過程で厚生省案といたしまして、施設福祉につきまして市町村に義務化してはどうかというような案も検討されたことは事実でございます。 しかし、いずれにいたしましても政府として法案を提出する場合に、各省の協議を調え政府として最善の案を提出するということでございまして、最終的には国会に、先ほど申し上げましたように、在宅福祉につきましてはそういう措置をとることができるという法案にいたしまして、また補助金の規定を明確にして提出し、全会一致で可決していただいた、こういう経過になっております。
○神谷信之助君 それじゃ大蔵省に聞きますが、先ほども申し上げましたように、在宅福祉の義務化に伴う負担金化は負担金の種類をふやし歳出硬直化の要因となるというような理由で強く反対されて、政府部内ではまとまらぬと、先ほど厚生省が言ったような案が政府案になったという経過、これは事実ですか。それで、なぜそういう負担金化をしたらいかぬのか。高齢化社会へ向けてのゴールドプランの目玉の一つでしょう。それを担当の、所管の厚生省が言っても、大蔵省は金の点で抑えてしまうというのは一体どういうことなのか、その理由をはっきり説明してください。
○説明員(渡辺裕泰君) 突然のお尋ねでございまして、私もちょうどその法案のときにおりませんでしたものですから詳細は存じませんが、私が前任者から引き継いでおりますお話を申し上げますと、この十カ年戦略を実施するに当たりまして、在宅福祉サービスを住民に提供できる体制の整備を図るということは必要でございますが、直ちに市町村に在宅三本柱等の実施を義務づけるということにつきましては、デイサービスなどにつきまして体制整備が整わないという不安を持っておられる町村の関係者の方が少なくなかった、そういうことから法の規定ぶりとして漸進的方法をとったというふうに私は聞いております。
○神谷信之助君 大臣、この負担金化か補助金でいいのかという点は、実際に事業を進めている市町村にとっては財政問題として非常に大きな問題であることは御承知のとおりです。 それで、今、大蔵省の話も、出発でまだ体制整備ができていないんだ、だから補助金ということになったというような趣旨の答弁をされています。それから、自治省の財政局長も、まだ整っていない状況なので当面補助金だというお話ですが、これは近い将来、可及的速やかに負担金化して、そして弱小の財政力の弱い市町村でも、しかもそこは高齢者が多いわけですから、こういった在宅福祉の事業が積極的にやれるような財政環境というものをつくる、そういう努力をしていただきたいと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 神谷さんのせっかくの提案でございますが、その検討も確かに一つあるだろうと思いますし、もちろん検討もいたしますけれども、しかしそれよりも、私は、この福祉ゴールドプランが実施されて、実際に自治体と厚生省がどんなふうに話を煮詰めてやっておるのかということを、ちょっと時々これはと思うときがあるんです。 といいますのは、私の周辺でございますけれども、各自治体の議員それから首長、助役、こういうところを対象にして自分自身でアンケートをとったんです。そうしたら、在宅福祉という希望は一〇%ございません。九〇%は施設福祉を希望するということでした。その施設福祉を希望するというのは、やはりある程度地域によって違うだろうと私は思います。田舎の方へ行ったらそれは個人の在宅福祉かもしれませんけれども、それでも田舎の方の、地方の人でございましたけれども、やっぱり施設福祉を希望すると、こういうことがございました。 ですから、その間でさらに私自身のアンケートで進めたんですけれども、その施設福祉でどこが難しいところになるかといったら、老人保健法、ああいうふうな法ができて、それ以降、自分らの市町村で施設をつくっても国民健康保険の赤字が拡大するばかりでそういう施設を受け入れられないということを言ってきておるんですね。 したがって、私は、この福祉対策というもの、これは本当にしっかりと地方自治体と話し合ってやらないと、何か上で絵にかいたもちをこれ食えこれ食えと言っているような感じがしてどうにもならぬ。私自身が実は政府側におってこんなことを言うのはおかしいのですが、自分がアンケートをとってみてそれを感じたんですから、私はやっぱりここで地方自治体と一体どうするのがいいのかということは真剣に相談していただかないと、机上のプランだけではいかぬのじゃないかなという感じがしています。だから、あなたのおっしゃるのも検討の一つに加えておきたいとは思いますけれども、そんなことよりももっと根本問題が大事なんじゃないかと思います。
○神谷信之助君 これ、対策は施設福祉で十分だというわけにもいかぬし、在宅福祉を必要とする部分もあるし、だからそういう意味で双方相まって高齢化社会対策として厚生省の考えを出してきたんだろうと私は思っているんです。施設福祉も満員ですから、なかなか順番が回ってこないんです、簡単に。だから、そういう意味では、在宅福祉を充実していかないと高齢者の増加に対応できない、そういう現実があるということを考えていただきたいと思います。 そこで、私、京都府下の幾つかの自治体でこの問題で調査をやってきました。四市一町を見てきたんですけれども、その中で舞鶴市と城陽市と宇治市、これは市の直営です。それから福知山市と峰山町が社会福祉協議会の委託、こうなっています。 この在宅福祉の三本柱の筆頭に挙げられているホームヘルパー派遣事業、これは厚生省にお聞きしたいんですけれども、原則的には市町村の直営なのか、あるいは民間委託が原則なのか、この辺は一体どういうようにお考えですか。
○説明員(中村秀一君) ホームヘルパー制度につきましては、昭和三十八年に老人福祉法が制定されました当時から法律に盛り込まれておる制度でございまして、在宅福祉のメニューの中では一番古く、かつ当時といたしましては唯一法定化されておりました制度でございます。 その際の老人福祉法の規定ぶりでございますが、ホームヘルパーといたしまして十二条というところで規定されておるわけですが、「老人家庭奉仕員による世話」ということで規定されておりまして、「市町村は、社会福祉法人その他の団体に対して、」「家庭奉仕員を派遣してその日常生活上の世話を行わせることを委託することができる。」、こういう規定が入っております。実は家庭奉仕員の根拠条文としてはこの条文だけでございまして、しかもその書き方は、「委託することができる。」、こういうふうにされていたところでございます。 先生お尋ねのどちらが原則がという、原則という意味もちょっと私ども理解の至らない点がございますが、当時の法律上の整理からいたしますと、家庭奉仕員として法律上位置づけられておりましたが、その規定ぶりとしては、市町村が法人などに委託することができるんだというような書き方がされておりまして、もちろん市町村の事業として規定されておるわけでございますので市町村が行う事業でありますが、委託することができるという、委託についてもかなり大きなウエートが立法者にはかけられて規定されてきたのではないか、こういうふうに考えております。
○神谷信之助君 そこで、今おっしゃったように、だから八九年に老人ホームヘルパー派遣事業運営要綱の改正があった。それまでの運営要綱では、今おっしゃったように、「事業の実施主体は、市町村」、「ただし、やむをえない理由がある場合には、市町村は」「当該市町村社会福祉協議会等に委託することができるものとする。」、こうなっているんです。八九年の改正後の運営要綱では、この「やむをえない理由がある場合には」という言葉がなくなって、市町村が民間団体に委託することに特別の理由を必要としないということですね。同時に、委託先も改正前は「市町村社会福祉協議会等」、それだけが例示されていたのが、改正後は「特別養護老人ホーム等を経営する社会福祉法人」、「「在宅介護サービスガイドライン」の内容を満たす民間事業者」、これらが加えられて拡大をされてきています。そうすると、原則的には委託が変更になっているのか、こういう疑問を持つんですが、この点はどうですか。
○説明員(中村秀一君) 先生御指摘のように、平成元年度に老人家庭奉仕員派遣事業運営要綱を改正し、委託できる人の範囲も拡大をいたしております。 その背景といたしましては、御指摘のとおり、平成元年以前、やむを得ない場合に市町村は他に委託できるという規定が要綱上あったわけでございますが、既に昭和六十三年の時点において、社会福祉法人、社会福祉協議会などに運営委託しております市町村の数が全国の市町村数の過半になった、五〇%を超えだというような状況、これは市町村側の方でも委託をしたいというような意向があるということ。それからホームヘルパーにつきましては、先ほど申し上げましたように、法律においてもそもそも委託できることが明記されておったということ。それからこの時点からかなり在宅で寝たきりなどの介護を要するお年寄りのお世話というものが注目されるようになりまして、いわゆる介護型のヘルパーさんが求められる、そういった場合にやはり介護を専門としております特別養護老人ホームなどからホームヘルパーさんを派遣してもらった方が介護型というような需要に対応できるというようなこと。それから、今後急速な人口の高齢化を控えましていろいろな社会資源をそのホームヘルプ事業でも活用すべきではないか、適切な資源があれば、また質のいいものがあればそれは使うべきではないか、こういう判断がございまして、こういうような状況で、従来からもホームヘルパーにつきましては法律において委託できるということが明記されていたわけでございますが、元年におきまして要綱を改正いたしまして委託先につきましても拡大を図って今日に至っている、こういう状況でございます。
○神谷信之助君 だから、現在は委託をふやす方向で指導しているわけですか。
○説明員(中村秀一君) 私どもは、ホームヘルプ事業は市町村が行う事業というふうに考えておりまして、市町村がその地域の実情に応じまして最も適切と思われるホームヘルパーの供給体制をとっていただこう、こういうふうに考えております。私どもといたしましては、市町村みずから雇用されるものがいいとか委託がいいとか、そういうことではなくて、ただし御希望がありますのでいろいろな選択の幅は広げ、地域の実情に応じてその形態を選んでいただく。また、複数の形態、例えば一部公務員のヘルパーさんをお使いになり、一部につきましては社会福祉協議会に委託し、あるいは介護型については特別養護老人ホームに委託し、あるいはさらに希望がある場合には福祉公社などについても委託するというような形態など、地域の実情に応じてそれぞれ考えるべきではないかと考えております。
○神谷信之助君 それじゃ直営と委託、これを昭和五十五年度、六十年度、平成二年度、それぞれどういう状態になっているのか、厚生省、報告してもらえますか。
○説明員(中村秀一君) 昭和五十五年度におきますホールヘルパーの設置市町村の委託の状況でございますが、五十五年度におきましては四〇%、千二百五十一の市町村が委託を実施いたしておりました。それから、昭和六十年度でございますが、このときにおきましては四七%、千五百十その市町村がホームヘルパーの事業を委託しているということでございます。また、平成二年度におきましては三千二百四十八市町村中六三%、二千二十九の市町村がホームヘルパーの事業を運営委託いたしております。
○神谷信之助君 これは現実には委託がずっとふえてきています。八〇年度が三九・一%ですか、八五年度が四六・八%、九〇年度は六二・五%、今おっしゃるように、そういうようにふえてきています。 そこで、お伺いしたいんですが、この実施主体が市町村の直営か民間団体かによってそこで働くホームヘルパーさんの身分も変わってくるわけです。私が調べた先ほど言いました京都の四市一町で見ますと、市町村の直営のところでは非常勤嘱託職員、それから民間委託の場合は社協等の職員になっている場合が多い。そこで、来年度の措置で問題になってくるのが、来年度からは民間の社協などのホームヘルパーの方は退職手当共済制度へ加入することによって退職手当が支給されることになります。それでは直営の方は一体どうなるんだ。これをそれぞれの直営のところを聞いてみますと、舞鶴、城陽、宇治、これははっきりしておらぬのです、退職金が出るのかどないなるのか。ですから、現場のヘルパーさんあるいは担当の職員の方もおっしゃっておるんですが、こんな片手落ちの制度では本当に困る、だから民間の保険会社などと契約してでも独自の退職手当制度をつくらなければいかぬということで検討しているんだ、そういう話も出てぎています。そういう状況なんです。 まず厚生省、この辺については直営のホームヘルパーさんについての退職手当の問題というのは念頭にあるのかないのか、あったとしたらどう考えているのか、この辺いかがですか。
○説明員(中村秀一君) まず、先の方の論点でございますいろいろな雇用形態といいますか、委託の形態を認めると身分がばらばらになってしまうんではないかというような先生の御指摘でございますが、身分と申しますか、私どもがお願いしておりますのは、ホームヘルパーという業務についてそういう地域にそういう業務を行う方というものを置いていただいて、そういう方に高齢者の介護をしていただく、こういう考え方で事業を進めているところでございまして、ちょっと先生からお話がある身分というのがよく判然としないところがあるんです。 例えがよろしいかどうかあれですが、医師を例にとりましても、国立病院に勤務をしている場合には国立病院の医師、それから公立病院に勤務している場合には公立病院の医師、民間病院に勤務している場合には民間病院の医師ということで、それぞれ医師としての処遇なり給与というのは雇用者によって変わるということでございますので、その辺についてはホームヘルパーがそういう雇用者によって変化があるということが問題なのかどうか、ちょっと私どもわからない点がございます。 退職手当共済制度につきましては、社会福祉事業におきましては従来退職手当共済制度がございましたが、これは民間の方を対象として退職手当共済制度ができております。これは社会福祉施設職員退職手当共済法に基づく手当でございまして、民間の施設職員は公務員の施設職員に比べまして退職手当などについてなかなか恵まれない面もあるということで民間の社会福祉施設の職員の方々が退職手当をもらえるように共済制度をつくり雇い主が入る、こういうようなものでございます。 これにつきまして、ホールヘルパーさんにつきましては社会福祉施設職員ということではないので従来対象になっておりませんでしたが、ホームヘルプ事業の推進を図りよい人材を確保するという観点から社会福祉施設職員というところを社会福祉施設職員等ということで在宅福祉に従事しているホームヘルパーさんにつきましてもこの制度の対象となるよう人材確保法案の一環といたしまして今国会に審議をお願いしているところでございます。こういうことで、いわば退職手当制度につきまして、民間の方につきまして共済制度の対象とするということでこれまで範囲に入っておりませんでしたホームヘルパーさんを施設職員と並べるという意味で改正をされるわけでございます。 地方公共団体の職員でありますホームヘルパーさんの問題につきましては、地方公務員の処遇あるいは地方公務員制度全体の中で対処していただくものではないかというふうに私ども理解いたしておるところでございます。
○神谷信之助君 そうすると、自治省は、直営のホームヘルパーについて公務員法上どういうように位置づけ、そして今厚生省は、それはいったら自治省の方で考えてもらうことだと言わんばかりの話ですが、どういうようにお考えになっているのか。
○政府委員(秋本敏文君) 地方公共団体でホームヘルパー派遣事業を直営でやる場合、公務員の任用の形態として考えられますのは、正規職員ということもあり得るでしょうけれども、今御指摘ございましたように非常勤職員ということがございます。市町村直営でやります場合に非常勤職員ということがございますけれども、非常勤職員につきましては地方自治法の二百三によりまして報酬及び費用弁償を支給するということになっておりまして、退職手当等の手当は支給できないということになると思います。
○神谷信之助君 そうすると、民間の方は退職手当ができるわけ、今度。直営の方は、これは二百三条で報酬しか出せぬ、退職手当なんかは出すことはできないと。こうなったら同じ仕事をしていて直営か委託かで差ができるわけでしょう。そうすると、ホームヘルパーさんの労働条件を少しでもよくしようとしたら、民間委託に直営も全部切りかえなきゃあかんということになるのか、この辺は自治省どうですか。
○政府委員(秋本敏文君) 民間委託に切りかえるかどうかはそれぞれの市町村で御判断になることだと思いますけれども、非常勤職員に対してはただいま申し上げましたように、報酬及び費用弁償を支給するということになっておりまして退職手当は支給できない。ではこれをどうするかということの議論として受けとめました場合に、非常勤職員というものの基本的な問題になってこようかと思います。 もともと非常勤職員というのは、原則として一年を超えないまさに全くの非常勤ということでございますので、この任用期間というのが単年度ということになりますと、退職手当ということとどういう関係を持ってくるのかということが基本の問題になりますし、またこれまでもたびたび御論議ございましたような委託との関係、あるいは非常勤職員と申しました場合には、ほかにいろんな職種の職員の皆さんがいらっしゃるわけでございまして、そういった方々との均衡、取り扱い、これをどうするかといったようなことがございますので、その辺も十分考えながら、慎重に検討しなきゃいかぬのじゃないかというふうに思います。
○神谷信之助君 これは厚生省も自治省も考えてもらいたいと思うんですけれども、契約は一年更新で契約するんです、確かに。厚生省の方の「老人家庭奉仕員派遣事業運営の改正点及び実施手続等の留意事項について」、五十七年九月に出ている通知、これでもそういう趣旨が出ています。 ところが、地公法上は今も公務員部長が言ったように一年ごとであって、一年を超えたらいかぬと、便宜的に間に二、三日間あけてごまかしたりしていることがようけあるんだけれども、実質上は仕事自身は恒久的な仕事としてあるわけです。その仕事をやる非常勤嘱託といわれている市の職員は、準公務員というのか、そういう地公法上のなにをごまかして継続する、やっている仕事は専門的な経験を必要とするそういう人である。だから一年ごとに新しい新人にかえるというわけにもいかぬ。実際問題としてまたそんなに新しい人がどんどん入ってくるような仕事でもない。そういう状況ですから、これはこの身分保障がはっきりしていないところに問題がある。 社協で委託している場合でもそうです。契約は一年更新だけれども、利用者と社協との間の。だけれども、そのホームヘルパーさんは社協の職員として終身雇用の契約をするわけでしょう。一年ごとの契約職員、一年たったら一遍首を切ってそしてまた新しく雇うというわけではない、実態として。これは非常に不明確なんです。 厚生省及び自治省、ちょっと研究してもらって、こういう状況をなくしてもらわなければいかぬというように思うんです。 それで、一年を超えて更新することはできない臨時職員あるいは嘱託という名目でやる。それで現在は、非常勤職員のヘルパーさんと登録のヘルパーさんとあるわけだ。非常勤職員の方のヘルパーさんは月曜から金曜まで大体六時間ないし七時間の勤務、そうなっている。今度週休二日制になりました。そうすると、一般職員も月曜から金曜まで働いている、これは同じになるわけです。今までは土曜は働かぬでもいいから嘱託や、週五日やから嘱託やというようなことで、市の当局の方はそういう言い方をしてまいった。しかし、今度は週休二日制になったらその点は変えねばいかぬ、こういう状況になってきます。これらについては、厚生省及び自治省はどういうようにその身分保障といいますか、労働条件についてお考えになっているんですか。
○説明員(中村秀一君) ヘルパーさんの常勤、非常勤というようなことをめぐります問題でございますが、一つはまず先ほど申し上げました退職手当共済制度の対象者についてでございますが、社会福祉施設職員退職手当共済制度の加入対象になられる方はいわゆる常時従事することを要する職員、いわゆる常勤職員とされておりまして、その場合の定義といたしましては、一週間の所定労働時間の三分の二以上というような、いわば労働時間で私どもの方は常勤、非常勤と、こういうような定義をさせていただいております。 また、平成四年度予算、今審議していただいております四年度予算でホームヘルパーの手当の大幅改善を回らせていただいておりますが、その際大幅改善を図りましたのは常勤のホームヘルパーというふうに定義いたしておりますが、その常勤につきましてはおおむね通常の正規の職員の方の四分の三以上の勤務をしている方、つまり一日の勤務時間が六時間以上で、一週間の勤務日数が五日以上、かつ一月の勤務日数がおおむね勤務日数の四分の三以上、こういうような定義で私どもとしてはやらせていただいております。 雇用形態として一年契約かどうかというようなことは、雇用されている方の方の状況でいろいろあるようでございますが、私ども国の事業費補助といたしましてはそういうことではなくて、どういう勤務状況であるかということで常勤、非常勤の区分をさせていただいている、こういう状況になっております。
○政府委員(秋本敏文君) 厚生省の方の国庫補助制度の中で常勤職員というものをどう取り扱うかといったことはそれぞれの補助制度の中で定められているわけでございますが、地方公務員制度としてはどうかということになりますと、それぞれの制度としての決め方があるということになってまいります。地方公務員につきましては、国家公務員において常勤の職員の一週間当たりの勤務時間の四分の三を超えないといったようなことで非常勤職員についての勤務時間を定めるということをしておられますので、そういったことを踏まえながら地方公共団体においても定めているということは承知いたしております。 そういう中で、それぞれの制度に従いました、先ほど来御議論にもございましたような報酬の問題等について定めがございまして、その中で措置をされているということだと承知しております。
○神谷信之助君 厚生省の考え方でいきますと、いわゆる直営の方の非常勤職員という方々は常勤職員ということになり、自治省の公務員法上で言うとこれは非常勤という範疇に、それでも一日六時間以上で週五日は勤務していますから、拘束時間はそうなっているわけですから。だから、その辺今度は週休二日制になってくるともう常勤職員、一般職員と変わらぬ勤務条件になってきます。 かつて保育所の保母さんがまだ今日のように公務員として認知をされるまでの間は、非常にアンバランスがあったり、それから雇用契約も極めてあいまいであったり、そういう状況がありました。それが現在ではもう地方公務員法上のいわゆる公務員労働者ということになっている。あるいは、給食調理人もそうです。当初はPTA採用だとか、いろんな雇用形態だったけれども、これもちゃんと今制度化されている。ホームヘルパーさんもこれからどんどんふえていくわけですよね。現実には自治体の大小によって違いますけれども、大体数名から数十名、京都市なんかは百名近いいわゆる嘱託職員なるものがあって、そのほかに登録ヘルパーさんがあって、それから早朝とか夜間とか休日なんかは登録ヘルパーさんが奉仕活動、サービスをやる、こういう形態で回っています。だから、そういう点を考えますと、今度この辺の身分というのをはっきりさせていかなきゃいかぬと思うんですね。 そこで、厚生省に聞きますけれども、このゴールドプランでヘルパー十万人計画というのが出ていますが、これで常勤ヘルパーそれから非常勤ヘルパー、それぞれどれぐらいをお考えになっているのか。あるいは来年度予算では常勤ヘルパー、非常勤ヘルパー、どういう割合を考えておられるか、これはいかがですか。
○説明員(中村秀一君) 先生ただいま御指摘のありましたゴールドプランによる十万人という目標でございますが、これは平成元年十二月に厚生大臣、大蔵大臣、自治大臣、三大臣合意でゴールドプランの目標を設定させていただきましたが、その際実はホームヘルパーの手当が常勤、非常勤というようなカテゴリーがなく一本一律の手当であったこともございまして、特に常勤、非常勤ということを目標設定時に意識したことはございませんでした。ただ、設定時のホールヘルパー数は三万一千四百五人でございまして、それが元年の実態であったわけですが、当時といたしましても実態を見ますと六〇%程度が非常勤であったということでございまして、そういう実態で三万一千人というベースを設定し、それがその際特段意識はしておりませんでしたけれども、三万人を十万人にというふうに計画は設計されておるわけでございます。 平成四年度予算におきましては、先ほど申し上げましたように、常勤、非常勤という勤務の実態に応じまして手当額の改善を図るということで予算を積算させていただいておりまして、そのときは最近のホームヘルパーの常勤、非常勤の実態に照らしまして三割を常勤、七割を非常勤、こういうことで予算上は積算をさせていただいております。
○神谷信之助君 次に聞きますが、今おっしゃったように常勤は三割、非常勤は七割ということで来年度予算は算定をしたとおっしゃるんですが、これは将来常勤をふやす計画なんですか、それとも常勤はこの程度でよかろうというラインをお持ちなんですか。
○説明員(中村秀一君) 先生から先ほどもお話がございましたように、全国各地それぞれ状況が違います。例えば、指定都市のように人口百万を超えるような大都市から人口数百の過疎地域までございます。 〔委員長退席、理事野別隆俊君着席〕 それぞれのところで、例えば横浜市などは先生からお話が出ております登録ヘルパーさんを大いに活用して、今のところ日本三位のホームヘルパー派遣状況を誇っておりますが、そういう横浜であれば登録ヘルパーが非常に使える。それだけの住民の層があるということでございますが、それが人口数百の村ではそういう登録ヘルパー制度というのはあり得ないんだと思います。 これからホームヘルパーを目標に向かってふやしていく中で、また各地の状況もございますので、それぞれ計画策定も平成五年度から市町村にやっていただくということになっております。その辺も踏まえながら、常勤、非常勤の問題とか、そういったことについても年々の整備状況を見ながら、それぞれまた予算の際に大蔵省の方とも御相談して計上をしていただくようにお願いをしてまいりたい、こういうふうに思っているところでございます。
○神谷信之助君 次に、ホームヘルパー関係の来年度予算についてお伺いしますが、先ほど来年度予算では手当の改善をされたということを盛んにおっしゃっているんですけれども、九二年度のホームヘルパー関係の予算措置について簡単に報告してください。
○説明員(中村秀一君) 平成四年度予算に計上させていただいておりますホームヘルパー関係予算についてでございますが、一つは、十カ年戦略の計画に従いましてホームヘルパー数の増員を図るということで、対前年度五千五百人増の四万六千四百五人にするという、まず一つ増員を図るという計画がございます。 二番目に、従来からホームヘルパーの国の手当基準が一律で定額であるということで、例えば勤務年限に応じて昇給がないとか、あるいはいわゆるボーナスあるいは社会保険料の事業主負担とか、そういったものについて地方公共団体が見ていこうとする場合にさまざま問題がある、こういう御指摘もいただいておりましたので、一律でございましたホームヘルパーの手当の改善を図るということで、実はホームヘルパーの手当も、従来家事型と介護型、百六十八万円と二百五十三万円という二本立てでございましたのを一本化いたしまして、平均二百十万を人勧アップ分プラス百万円ということで三百十八万円というふうに引き上げ、引き上げ幅として対前年度五一・四%増を計上させていただいております。 〔理事野別隆俊君退席、委員長着席〕 この三百十八万といいますのは、家事型、介護型一本化されておりますが、従来の家事型と比較しますと、家事型で言えば二百七十五万ベース、介護型で言えば三百六十二万ベースというふうになりますので、介護型で言えば従来の方で三百六十二万円程度の水準のヘルパーさんが誕生した、こういうふうに考えております。これもいろいろ地域の実態あるいは勤務の実情に応じまして三百十八万という基準も弾力的に執行させていただくということで大蔵省の御了解をいただいております。 また、先生からお話がありましたように、早朝、夜間などいろいろな時間帯、あるいは休日までもホームヘルパーさんに来てほしいというような需要もございますので、一人ではなかなか対応できないということでチーム方式を組んで対応する、このチーム数も五百カ所ふやしまして千チームにする。そのチームにはチームのチーフのヘルパーさんを置くということで、チーフのヘルパーさんに六十三万円の加算をするということになりますので、先ほどの介護型のヘルパーさんに六十三万の加算をいたしますと四百二十五万円クラスのホームヘルパーさんが給与としては出てくるというような状況になっております。 そのほか、活動費を一〇%アップで年間六万六千円というような改善などを図る。それから、先ほどから御紹介させていただいております退職手当共済制度に、民間のヘルパーさんについては社会福祉施設職員退職手当共済法の対象にするというような改善を盛り込ませていただいているところでございます。
○神谷信之助君 そこでお聞きしますが、この手当が大幅に改善されたというようにおっしゃっているんですけれども、この手当の中には社会保険料の事業主負担分とか、それから夏、年末のボーナスとか、それから時間外手当、超過勤務手当あるいは退職手当の掛金あるいは活動費など、これらは含まれているのか含まれていないのか、含まれているとしたらそれはどのぐらいの割合になるのか、いかがですか。
○説明員(中村秀一君) 平成四年度のホームヘルパーの手当につきまして、従来と違いまして、従来一律であったものを常勤グループと非常勤グループに分けでこのような手当額を設定させていただいたという背景には、やはり勤務の実態に応じた手当をお払いしたいという発想があったからでございまして、そのために常勤的に勤務されておられる方には、世の中普通に社会保険料の事業主の負担とかボーナスとか、そういったものがあるわけでございますので、これはまさに雇用主の方の御判断にはなるわけでございますが、私どもそういった場合に、支出する場合について当然ただいま申し上げました基準に従いまして社会保険料の事業主負担、ボーナス等についても補助対象とするということを考えてこういう額を設定させていただいた次第でございます。
○神谷信之助君 ちょっと委員長にお願いしたいんですが、ホームヘルパーさんの実際のもらっている手当の資料を配付させてもらいたいのですが、いいですか。
○委員長(山口哲夫君) どうぞ。 〔資料配付〕
○神谷信之助君 五一・四%全体としては手当をアップしたんだとおっしゃって、それが月額二十六万五千円になるというような数字も聞きました。しかし、この二十六万五千円の中にはいろんな手当が含まれているというように思うんです。大体二十六万五千円自身が三百十八万円を単純に十二カ月で割った数字です。ですから、ボーナス分をこれに含んでいる。そうしますと、公務員並みに約五カ月分として十七カ月でこれを割りますと月額が十八万七千円、それは来年度からですね。 この月額をもとに健康保険料を計算しますと、それは事業主負担分も含め、本人の分も含めますと一万五千五百八十円。さらに厚生年金の保険料、これを計算しますと二万七千百七十円。さらに雇用保険がある。これが約二千円。それから退職手当の事業主負担分、これは個人負担はありませんから事業主負担、これが年額で一人当たり四万八百円、平成四年度。そうなります。そうすると、引かれるのが月額三千四百円。それで、今言いましたのを合計しますと四万八千円が引かれる。その上に所得税が約五千円。合計五万三千円が差し引かれる。だから、来年度改善したとしてもそういう状況であります。 今配付したのが現在もらっている、これは舞鶴市の直営ヘルパーで勤続十年の人の給料明細書であります。支給額は月額十四万三百円。しかし、それからいろいろ引かれまして、差し引き手取りは十一万七千三百十一円です。これが現在です。来年度は手当が増額されますから少しはこれよりふえると思うんですけれども、現在はそういう状況なんです。 この問題を根本的に解決するには、ホームヘルパーの身分をやっぱりはっきりさせなきゃならぬというように思うんです。公務員の給与か、あるいはそれに準じた格付というものをちゃんとする。今までは定期昇給もないし、もうとにかく、人勧アップじゃなしに、厚生省の単価を中心にその範囲内で手当を握りのような形でもらっていた。ホームヘルパーさんで勤続十六年とか二十年の人もおられましたけれども、そういう状態で今まで来ています。ですから、公務員の給与か、あるいはそれに準じた格付を行う。例えば、特養ホームの寮母さんはホームヘルパー業務をしばしばやっておられますが、この人たちの給与の場合は行政職(一)表の三−六に格付されて、高卒十二年、年齢二十九歳で、九一年の人勧アップ後十八万六千三百円、こういうようになっています。 だから、この辺のなにが非常に不明確で、自治体によって事業主負担分は市から持ち出しをしているんです。こうやって少しでもヘルパーさんに来てもらうようにする、そういういわゆる超過負担があっちこっちで起こっています。市段階では特にそういう状況がひどくなってきています。 だから、先ほど申し上げたような引かれるものを引いて計算しますと、社会保険料の事業主負担分は年額にすると二十五万六千五百円で、退職手当共済の掛金の事業主負担分、これが四万八百円です、合計二十九万七千円で、約三十万円、これが事業主負担分となります。そうすると、三百十八万円のうち約三十万円、これが事業主負担として減らされる。それを市町村が負担をするか、これで大きく違っできます。 こういう状況が出てきて非常に不明確なので、もう時間が来たようですから次回に譲りますけれども、これを解決するのにはやっぱり身分をはっきりさせなきゃいかぬ。そういう点で、今度は週休二日制にもなって一般職員と同じような勤務条件になってきます、一日の時間数が六時間と八時間という差がありますけれども。実際は、帰ってきて整理をして報告書を書いたりすると大体七時間ぐらいの勤務になっています。自治省の方も実態を見てやる必要があるだろう。自治省と厚生省と大蔵省の三省で実態調査をやってもらって、これは拡大をされるわけですから、ホームヘルパーはふえるんですから、これの改善の措置を研究してもらいたいと思うんですけれども、最後にこの点についての意見を自治省あるいは厚生省、それぞれからお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(中村秀一君) 今、先生の方から実際の給料の支給状況の資料が提出されましたが、こういう実態でございまして、従来から国の補助も十分でないというような御指摘、それから先ほど私が申し上げましたような問題点も指摘されているということから手当の改善に踏み切ったところでございます。 御指摘ございましたように、ホームヘルパーの確保というものは在宅福祉を推進していくためにも、高齢者福祉を推進していくためにも重要でございますので、私どもとしてもその人材の確保のためにできる限りの努力をしてまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
○政府委員(秋本敏文君) ホームヘルパーの身分等についてでございますけれども、先ほど非常勤職員について申し上げましたように、地方公務員制度全体の基本にかかわる問題、あるいは一般の他の多くの職種の非常勤職員との関係の問題、またあるいは地方公共団体が置かれております厳しい状況、そういったことを総合的に考えていかなければならないんではないか、そういう中で検討をする必要があるんではないかというふうに考えているところでございます。
○星川保松君 私は、地方自治の仕事を市長だの県会議員だの市会議員だのやりながら三十年取り組んで現場を走り回ってきた者でございまして、今、国会に来てまだ三年になりませんけれども、国の、特にこの霞が関のお役人の皆さんと波長がどうもさっぱり合わなくて困っておるわけであります。特に自治省の皆さんとは合わなくて困っておったんですが、きょう自治大臣が、自治省の仕事としては、とにかく全国の自治体のシビルミニマムのレベルアップを図ることだ、こういうことをおっしゃったので、ようやくその点は合ってきたな、こう思うのであります。 いわゆる日本の経済成長は目覚ましいものがあるということを言われておるわけでありますけれども、これはすべて平均なんです。平均であらわされても何とも仕方がないというのが私は地域の住民の立場だと思うんです。ですから、特に自治省というのは、やはり全国の自治体を眺めながら、どこが進んでいてどこがおくれているか、おくれているところはなぜおくれているんだ、そこのところはどうすれば皆さんに追いつくことができるかというような個々の自治体の実情を見ながらその発展のお手伝いをするというのがまさしく自治省の一番大事な仕事であるというふうに考えておるわけです。今、日本の経済は進んだけれども、国民としてはその実感がないということが大きく取り上げられておりますけれども、それだけでなくて、内部の問題としては地域のいわゆる不均衡な発展、これがまたもっと大きな問題として取り上げられなければならない、こう私は思っておるわけであります。 それで経済というものを自由主義経済に全部任せておきますと、強いものがどんどん伸びていきますから弱いものはどんどんおくれていくという現象が出るのは当然なわけでございまして、その結果、国土の中に非常に発展した地域とおくれた地域というのが出てきたと思うんですね。だから、その経済でもって格差が出てきたものをいかに是正していくかというのが政治の仕事だと私は思うわけです。 その格差はいろいろあります。例えば、産業間格差というような、農業と工業、商業の格差、あるいは過疎過密、そういう格差が出ておるわけでありますから、特に地域的な過疎過密の問題等はやはり自治省がしっかり見てくださって、地域間の格差を解消するための努力をしていってもらわなければならない、こういうふうに思っておるわけでございます。そのためには、自治省だけが頑張りましても各市町村がやはり自助努力をやってくれませんと伸びられないわけでありますから、その自助努力が出てくるような施策をやはりしていかなければならない、こう思うわけです。 そう考えた場合に、私はこの前もふるさと創生資金のことで、これはいわゆる自治体のそれぞれの企画能力を高めるために大変な刺激をしてくださって、それはいいことであった、こう申し上げたのでありますが、しかしこのまままた同じことを繰り返していくということも考えなければならないと思います。つまり、一億円をこのまま続けてあげるということになりますと、今度は一億円の金をよそ様からもらった、その金で何をすればいいかということしか発展していかないことになるわけです。よそ様から何ももらわなくてもやはり自分の力で、自助努力でとにかくやっていこうという意欲がわいてこなくなるわけです。 それで特に問題なのは、一億円ずつあげて、そしていろいろな創意工夫を生かしてやってもらった。そのやってもらったことに対する、すぐれたものと余りすぐれてないものとの評価というものをやはりきちんとしておかなくちゃいけないんじゃないかと思うんです。ですから私は、今後は今までみたいにただ三千三百の自治体に三千三百億円をやるというのではなくて、例えば人口順にランクをつけてもいいでしょう。そして、優秀なところにはそのよきお金をやるというような、努力していいもの、いい仕事、いい町づくり、いい村づくりやったところは褒賞をやって伸ばしてあげるという一つの競争状態、ほかのことについては余り競争状態はないわけでありますから、こういうふるさと創生というところで三千三百の市町村に対して競争状態に置いてあげて、それでこの企画が競って住民のためになる立派な町づくり、村づくりをしていくというようなことにしていったらどうかと思っているんですが、自治大臣はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 今お話の中にございましたように、確かに競争が私はやっぱり大事だと思っておりまして、今まで自分らがやってきたことがどんな効果があったかということ、その基準は先ほどお話の中にございましたように、あくまでも自分らのためにいかにためになったかということが基準であって、ただおもしろおかしゅうこういうような奇抜な事業をやったというだけでは意味ないと私は思いますが、住民が確かに喜んでくれたというものは、これは自治省としては将来においても伸ばしていく方法をとっていかなければならぬと思っております。つきましては、ふるさと創生のあの事業が地域推進事業として継続されてまいりましたし、これをさらに地域おこしといいましょうか、村おこしの基本の政策にして、以後も何らかの形でこの事業の継承を、発展をさせていきたいと思っております。 つきましては、この際、ふるさと創生から地域づくり事業へのずっと一運の事業の中で、それぞれの市町村、自治体に冷静に自己評価していただく、そういう機会を一回つくってみて、その上で新しいさらに第二段階のふるさと創生事業に入ってもらうようなそういう手はずも必要ではないかなと思って、実はこの前から自治省の幹部とも話ししておるところでございまして、そのためにも、やはり私は地域のお互いの共同、自分らだけで考え自分らだけでやってまいりましたけれども、今度は周辺の者と一緒に考えてやっていこう、こういうことも必要だろう。でなければ、確かにおっしゃるように、もらったものだけお金を使うということが習慣づいてしまったら実は困るので、みんなお互い協力し合って、何を将来やっていこうかということの相談の中に新しい事業を見出してもらって、そこに交付税なり起債なりというものを、あるいは単独事業債というものを積極的につけていくということ、こういうことも我々としても計画していきたいと思っております。
○星川保松君 それから、私も自治体の運営にも当たってみて、やはり中央依存という傾向が非常に強いと思っております。いわゆるぶら下がりの考えが非常に強くなってきておる。しかし、なぜ中央依存、ぶら下がりの気持ちが多くなってきたのかということを考えてみますと、これはいろいろな原因があると思うんです。その中の一つに、首長選挙が始まりますと必ず中央との太いパイプというのが出てくるんですよ。どこでもそうなんです、私は太いパイプを持っているから私に投票してくれみたいなことで。太いパイプというのは、いわゆるぶら下がりの中央依存なんですよ。ところが、みんな金がないものですから、だからその人がよかろうと。 実際、選挙のときに相手の方で何を言っているか、私の運動員が聞きに行ったんですよ。そうしましたら、東京の方から偉い先生が来て、この候補が市長に当選したら、すぐ大きなリュックサックを持たせて東京によこしてください、そうしたらお金をいっぱいしょわせてよこしますよ、こう言ったわけですね。そうしたら万雷の拍手が起こったというんです。そういうことを住民に言ってそそのかすようなことをやったら、これはどんどんやっぱり中央依存体質のぶら下がりの気持ちがふえてくるのは当然なわけなんです。だから、そういうことで関係者の皆さんは、自分で、自力で頑張っていかなければだめなんだ、頑張りなさいということをやっぱり指導していただかなければいけない、こういうふうに思っておるわけでございます。 そういうことから考えますと、先ほど野別先生の方から殿様の話が出たわけでありますけれども、私も、いわゆる藩時代の方が今よりは地方自治に活気があったんじゃないか、地方自治があったんじゃないかという気がしているわけですよ。というのは、例えば、私の方で上杉公という米沢のお殿様がありまして、これは会津では百万石と言われたのが、あの関ケ原の戦いの関係で米沢にみんな左遷されたわけなんですよ。それで、名門でありながらそれは領地が狭いものですから、非常な苦労をしたんです。それで、歴史などを見ますともう本当に四苦八苦して、一時は落籍を幕府に返そうかというところまでいっているんですね。しかし、上杉鷹山公という名君が出てきて本当に努力してそれを立て直したわけであります。 例えば養蚕を奨励する。それで、養蚕の糸をとった後の繭身ありますね、サナギ。それを池をつくってそこにコイを飼ってその他のコイにえさとして与える。そして、家の周りには必ず生け垣に、ウコギという木がありますね、とげのあるものですけれども、それをつくらせて、それを糧、御飯として食べたというように、本当にいろいろな苦労をしているわけです。そのやったことが米沢織として残ってきまして、そのために、山形大学に今なっていますけれども、工等高等学校があそこにできまして、それで今いろいろ苦しんでおりますけれども、いわゆる織物業として残ってきているわけですね。 私の住んでいるところは天領なんですよ。天領というところはいわゆる中央、今で言えば官庁の霞が関みたいなところから代官さんが行って、そしてその任期を果たした帰りのことを考えているわけですよ。だから、大過なくそこで過ごして、それで帰ってきてこっちでまた出世したいということを考えていますから、冒険も何もしないんですね。だから、うちのところは何にも産業はない。それで、隣のいわゆる小さな藩のところはいろんな工夫しています。山の土を生かして焼き物を焼くとか、いろんな苦労をしているんです。 それで天領にはないということで、今考えてみますと、そのときはいわゆる各藩というものは、交付税なんかはもちろんそのとき何もありませんから、逆に幕府の方からお手伝いとか上納金だとか参勤交代とかということでもう取られつ放しですから、そういう中で藩が生きるか死ぬかという藩の運命をかけてそれでその藩の経営をやったと思うんですよ。そういう競争状態にあったからあれだけの活気のある各藩の運営というものが生まれてきたと私は思うんですね。 今は、どうも自治体を見ますとみんな平均化してしまって、それは私は大事だと思います、昔と違うんですから。しかし、平均的にやったほかに何かやはり努力した者は報いられるという部門がなくちゃいけないと思うんです。それがさっき言ったように、自分の力で計画し実行して、いいことをした場合はそこに何億の金を上げますよというようなことでもすれば、もっと一生懸命みんな各自治体が競争して頑張ると思うんですが、それについてはいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) なかなかすばらしい案でございますが、役所は要するに公平ということが非常に難しいところでございます。おっしゃる趣旨はもう私らだって全くそのとおり生かしたいと思いますが、それじゃ何が非常にいい事業であるかというその基準が設定しにくい。そこが官僚の一番のいいところでもあり欠陥でもあるわけでして、そこに基準をつくっちゃうものですから、だからどうしても普遍的なものになってしまわざるを得ないところがあります。 しかし、先ほども申しておりますように、一度ふるさと創生事業、そして地域づくり推進事業等ずっと振り返ってみて、やはりこういうふうにして町の活性化を図ってきたというふうなところ、その事業をより一層推進さすようなことは、こちらの方で押し上げていくようなことはできると思っておりますので、そういう点においての誘導はいたしたい、こう考えております。
○星川保松君 いわゆる各自治体でやったことを評価するというのは、それは自治省自体では難しいと思いますので、第三者的な何か委員会みたいなものをつくっておやりになったら結構やれるんじゃないか、こういうふうに思います。 それから、いわゆる過疎と過密というのが大きく格差が開いてきているわけでございます。それで、なぜこう過疎と過密が大きく開いてきたかということを考えますと、いわゆる私どものような過疎地帯の農村部というのは、子供を養育し、教育をします。そうして、いよいよ今度働ける生産年齢になったときに都会に出すわけなんです。その人は恐らくそれから何億か稼げる人になるでしょう。そうなりますと、養育費、教育費はうちは全部持ち出しなわけですよ。早く言うと、養子に出すみたいなものですね。養子三代続くと蔵が建つと昔から言う。それは当然なことなんです、養育費、教育費はあっち持ちなんですから。そして、こっちは使うわけですから、働かせるわけですから。それと同じような現象が私は過疎地と過密地帯で起きているんじゃないかと思うんです。 例えば、ある村があります。そこから毎年何十人か出てくる。そうすると、五十人の中学なり高校なり出た人、そこまでの養育、教育は全部地元持ちなわけです。そうして、働けるようになって、例えばその人が一人二億円の生産性があるとすれば五十人で百億の生産力といいますか、生産可能性といいますか、それがすとんとこっちへ移るわけなんです。毎年そこから百億ずつぽんぽんこっちへ移っていくということになったら、この過疎地の方は貧乏がはかどるのは当然じゃないかと思うんですね。そういう現象が私は今の日本の過疎と過密の状態だと思うんです。 だから、そういうことを考えますと、今のいわゆる教育というのは、その村の村民も県民も国民も一人の人ですから、これは。一人の人のこれはただ呼び方なんですから。そうした場合に、これからその人がその村のために教育を受けているのか、国のために教育を受けているのかということを考えなくちゃならないと思うんです。そうした場合に、むしろ義務教育みたいなものはこれは国民の教育だということを考えれば、もっともっとかなりの部分まで国が出してあげないと、これはもう村に残らないんですから。全体のことを考えて、国といわゆる市町村とのそういう、これは教育に限らず、一人の人が国民、県民、市町村民を兼ねているわけですから、そのうちのどの部分についてこの施設が使われるのか、この制度が使われるのかということを考えて、もう一遍私は国と地方の負担というものをここでがらっと考え直さないと、いつまでもこうした状態が続いてこれがとどまるところがないということになるんじゃないかと思いますが、これについてはいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 教育のことに絞って申されましたが、私は、だからこそ義務教育は日本で非常に力を入れて明治以降やってまいった、こう思っております。 おっしゃるとおり、人材養成は地方の方が非常に熱心で、豊富に人材を都会へ提供してまいりました。だから、その点におきましては、確かに国と地方の負担を考える場合に、国はもっと地方のための負担をということでございますけれども、私はそれはそれなりにやっぱり国は努力してきたと思っております。しかし、今後まだ一層に、例えば施設の面等で必要なことがあろうと思いますが、部分的に見てまいりますと、今義務教育の教師、先生一人当たりの生徒の数が大体十七人になっております。したがって、地方の方へ行きますと、十人割っているところがたくさんございます。一方、都会におきましては、やっぱり四十人前後といいましょうか、四十人学級は大分解消されてまいりましたけれども、三十人台に一人の教師という、生産性ということは言いませんけれども、そういう点から見ましたら地方の方が非常に余裕を持った教育をしておるということは言える。しかしながら、一方、教育のいろんな面におきますところのアクセス、これは確かに都会に集中してしまって田舎の方は足らない、こう思いますが、そういうふうなものの刺激とアクセスをどうして地方に与えていくかということ、これはやっぱり教育の世界において必要だろうと思っております。 何も教育だけじゃなくて、産業の面におきましてもそういうことがございますから、私はまず地方と都市との関係を考えます場合に、何としても教育と福祉だけは高水準なものに持っていきたい。それをやることによって産業も安心して地方へ出てくれる。ただ、こういう地域をつくったから産業出てこい、工場出てこいと言うだけじゃ出てきませんで、人間の住む環境がようなったなということで初めて企業が出ていぐのでございますから、その第一要件はやっぱり生活の安全が保障されておる、それから次代の教育、子供の教育についても、ある程度都会と比べてみて、そんなに卑下したものではないという状況にまで高めていかなければ、なかなか企業は本気になって進出してきません。私たちは、そういう条件づくりのために一生懸命地方の力をつけていこう、こう思っております。 そういう趣旨に沿って、長い道ではあるかもわかりませんが、本当にそのことが実ってまいりまして、結局均衡ある国土ということになってくる。先に均衡ある国土をつくろうと思ってもなかなかできるものじゃない、その下地をつくっていかなければいかぬと思っております。 米沢の話、私も米沢がえらい好きでございますのでよく参りますが、確かにいい都市です。私は、今度の一県内の一極集中を排除するという意味においても、ああいう町等が非常に活性化してくれることを期待しておる。そういうことであれば、私らも非常にやりがいのあるお手伝いもできるんではないかと思って、期待もしておるところであります。
○星川保松君 まだまだ過疎過密等の国土の不均衡発展については、これから論を深めていきたいと思いますが、きょうはこのぐらいにしておきたいと思います。 もう一つ通告をしておったんですが、この不均衡発展と関連して、私は、日本の国土の五二%が豪雪地帯であって、その中に二〇%の人口が住んでいる、こういうふうに聞いておるわけであります。それで、雪が降った場合に日本の国土ががらっと変わるわけなんですね。 自治大臣のお部屋には私はまだ行ったことはありませんけれども、日本地図がかけてありますか。それを眺めながらやっていらっしゃいますか。
○国務大臣(塩川正十郎君) いやいや、そうじゃありません用
○星川保松君 日本地図はない。
○国務大臣(塩川正十郎君) ええ、ありません。
○星川保松君 日本地図は、やっぱり全国を常に眺めながらやるためにぜひかけておいていただきたいと思うんですが、その地図のほかに、私はもう一枚地図をかけてほしいと思うんですよ。それは何かといいますと、日本で我々が目にしている地図というのは日本の夏の地図なんです。冬の地図もなくちゃいけないんですよ。あの日本地図の中の五二%が、深々とした豪雪に見舞われるのが冬なんですから、その雪の下で日本の国民がどう暮らしているだろうということをやはり冬は眺めながら政治をやっていただぎたいと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 冬はよく意識してやっていきます。
○星川保松君 国土庁から来ていますね。これは通告してなかったんですが、冬の地図は国土庁にありますか。
○説明員(及川勝也君) 豪雪地帯の地図といいますか、色塗りしたものというのはびしっと用意して、私どもはいつでもだれにでもお見せできる状態で準備をいたしております。
○星川保松君 もし余分なのがあったら、ぜひ一枚欲しいと思うんですが、それは積雪等高線図ですか。
○説明員(及川勝也君) それももちろんございますし、単に地域指定されているものというものもございます。
○星川保松君 自治大臣にも一枚ぜひ上げてください。 それで、冬になると五二%の地域というのは一変するんですね。それでまず、いろいろな違いがありますけれども、道路がなくなる。それで、国道で冬通れない道路はどのくらいありますか。
○説明員(大石久和君) 御説明申し上げます。 冬季交通不能区間となります道路は、平成三年度におきまして、一般国道では七十区間、八百九十八・三キロメートルでございまして、雪寒地域内の道路延長に対する割合といたしましては約四%でございます。
○星川保松君 今お話がありましたように、国道でさえも四%は通れない。夏の地図ではこれは全然わかりません。 それで、そのほか県道はわかりますか。
○説明員(大石久和君) 同じく平成三年度におきまして、県道のうち主要地方道におきましては二百十二区間、一千五百五十六キロメートル、その他一般都道府県道では四百八十二区間、二千四百六十三キロメートルでございまして、それぞれ約七%でございます。
○星川保松君 市町村道はわからないでしょうね。
○説明員(大石久和君) はい。市町村道については統計が不備でございまして、このような実態は十分に把握いたしておりません。
○星川保松君 もう市町村道に至っては通れる方が、いいところで豪雪地帯は二〇%ぐらいあるでしょうか、そんなにないかもしれません。 私の市の市道は四百五十キロあります。うちのところは東京まで抜けていくほどあります。それで、その中で何キロあるでしょうか、それは分けて除雪をやっておるわけです。それほどもう冬になると、道路交通一つとりましても住民の生活の大変な変わりようなわけですね。そのことをやはり抜きにしたら、その五二%の国土を占める地域に住む人々の生活にかかわるよい政治は私はできないのじゃないか、こう思うわけです。 それで、いっぱいきょうは質問あるんですが、時間がなくなりましたので、除雪のことで一つだけお聞きしておきたいと思うんです。 それで、除雪をやります。昔は本当に一冬に一回早く除雪をしてやっただけで住民は大喜びだったんですよ、それまでは全然それができなかったものですから。ところが、今では人家連檐地域というのは毎日除雪をしてあげなきゃなりません。毎日除雪をしますと、そうすると、そこのところへ皆さんが車庫をつくるんですね。そうしてそこから通うわけなんですよ、工場なんかに。そうすると、八時から始まるとすると、七時までにきれいに除雪しないと、もう市長のところに電話じゃんじゃんですよ、どうしてくれるんだというわけで。だから、雪が降ったか降らないかは寝ていてわかるんです。 そういうことになって、それでどういう補助基準で除雪の費用を出してくれているのか私よく存じませんが、それは市道は市道ですけれども、雪のやり場は市の土地じゃないわけですよ。よそ様の土地にみんな投げてしまうわけです。そうすると、人家連檐地域はもう空き地がなくなるんです。そうすると、州とか苗代とかというところをお願いに行ってそこを借りまして、そこまで全部運ばなければなりません。そして、今度はその山ができましても、その山が春になって今度解けるわけです、余り大きく高く積んじゃって。あれ早いところ運んでくれと、こういうことになるんですね。 それから、ずっと除雪をやっていきますと、今はいわゆる吹っ飛ばすやつです、あのロータリー除雪というのでやっていきますと、両側に壁ができるわけですよ。そうすると、雪が降ったときは壁をつくって飛ばしていくわけです。そうして飛ばすところをあっち向けたりこっち向けたりしまして、それがまた大変なんです。だから、かなりの実情を知っている人でないと除雪はやれませんよ、オペレーターも。だから、もう長いことやっている人を探して、それで頼んでやっているわけですけれども。それでやって、雪の降らないときはその壁を崩さないと、次に降ったときに困るわけですよ。それで、天気のいい日というのはブルドーザーで今度は雪崩しです、だあっと。だから、雪降ったときも仕事、降らないときもやっぱり仕事があるんですね。 そして、特にその除雪というのは、国もやっていますけれども、国道というのは一番の幹線ですから、その幹線から太い枝のように出ているのが県道なわけですよ。その先の細いのが市道なんですね。ですから、今度市道の方も朝七時ころまでに全部払ってあげなくちゃなりませんから、とことこ遠くから出ていくわけにいかぬのです。全部その路線の近くに機材を張りつけておいて、オペレーターも張りつけておいて、そして朝三時ごろから一斉に、十五センチ以上降りますと除雪をするわけなんです。そういうことで、除雪は年々金がかかるようになっています。ことし雪が降らないから除雪費が浮いたでしょうと言う方ありますけれども、そういうわけにいきません。全部オペレーターとなにを張りつけてやりますから、基本料金を上げて、それで稼働した分のいわゆるかさ上げ分と油代ぐらい少し節約になるだけです。ほとんど変わりないという状況です。 そういう除雪の状況を、今の建設省なり自治省の、いわゆる除雪に対する交付税の算定の基準があるわけでしょう、それがそういうことを想定してやっているかどうか、ちょっとお伺いしたいんです。
○政府委員(湯浅利夫君) 積雪地域につきまして、特に除排雪関係の経費につきましての御質問でございますけれども、先生も御案内のとおり、地方交付税等普通交付税におきましては、市町村ごとに積雪度を測定いたしまして、それを級地区分で仕分けをいたします。そして積雪度で、積雪の多いところ少ないところ、それぞれ分けまして、それを平年積雪時においてどの程度の一般財源が必要かということ、これを道路あるいは公共施設などの除排雪経費を基準計算をいたしまして、これを基準財政需要額に算入しているわけでございます。 この交付税の寒冷補正のうちのこういう積雪関係の経費は、交付税制度が始まったときから、この地域の雪に対する障害というものを除去するためにこういうことを想定いたしまして、それで市町村ごとの積雪度というものを数年ごとに気象庁に見直してもらって、それで、先ほど地図のお話も出ましたけれども、それを全国の地図に落としましてそれぞれの市町村の級地を決めて、そして公平にこの積雪の除排雪経費を基準財政需要額に算入するということをやっているわけでございます。 特に平年を超える積雪があったというような場合でこの普通交付税の算入額では不足すると考えられた場合には、積雪の程度とか、あるいは団体の財政状況等を考慮いたしまして、特別交付税でも追加として措置をするというようなことで、かなりこういう積雪地帯に対する基準財政需要額は私どもといたしましては手厚く考えているというふうに思っているわけでございますけれども、その点についてまだいろいろ御批判がございましたら、私どもよく勉強をしたいと思っております。
○委員長(山口哲夫君) 以上をもちまして、平成四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち警察庁、自治省所管及び公営企業金融公庫についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山口哲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十六分散会