大蔵委員会 第7号
- 発言数
- 290 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1992/05/26
会議録
○委員長(竹山裕君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 証券取引等の公正を確保するための証券取引法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。羽田大蔵大臣。
○国務大臣(羽田孜君) ただいま議題となりました証券取引等の公正を確保するための証券取引法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 昨年の証券及び金融をめぐる一連の問題につきましては、政府といたしましても極めて深刻に受けとめ、その際、国会及び臨時行政改革推進審議会よりいただいた御指摘を最大限尊重し、これらの問題の再発防止及び我が国の金融資本市場に対する内外の信頼回復を図るため、法制上、行政上の総合的な対策に取り組んでいくこととしたところでございます。 本法律案は、我が国の証券市場等の実情にかんがみ、取引の公正の確保を図り、市場に対する投資者の信頼を保持するため、証券取引等監視委員会を設置するとともに、証券業協会等自主規制機関について所要の整備を行い、取引の公正の確保に係る法令等の遵守の状況を監視する機能の強化及び充実を図るなど、所要の措置を講ずるものであります。 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、大蔵省に行政部門から独立した証券取引等監視委員会を設置し、証券取引に係る違法行為であって、市場の公正を害するものについての強制調査及び証券取引に係る諸規制の遵守状況についての証券業者への検査等を所掌させるとともに、その調査及び検査の結果に基づき、犯則事件の告発及び大蔵大臣に対する行政処分の勧告等を行うことができることとするほか、大蔵大臣が行う金融検査等について意見具申を行うなどの改正を行うことといたしております。 第二に、証券業協会等自主規制機関の機能、権限の拡充強化を図り、また、適正な規則の策定及び執行が確保されるようにする観点から、証券業協会を証券取引法上の法人とする等所要の措置を講ずることといたしております。 第三に、証券取引に係るルールの明確化を図る観点から、顧客の知識、経験及び財産の状況に照らして不適当な勧誘を証券会社が行った場合を是正命令の対象とする等通達の法律化を行うことといたしております。 第四に、法人の業務活動の一環として行われる犯罪で、相場操縦的行為、損失補てんなど、当該犯罪の社会的影響が重大であること等の要件を満たすものについて、これらにより処罰される法人の罰金刑の上限を現行の三百万円、百万円からそれぞれ三億円、一億円に引き上げることといたしております。 第五に、店頭売買有価証券に係る不公正取引を防止する観点から、相場操縦的行為の禁止、内部者取引規制等の不公正取引規制について所要の規定の整備を行うことといたしております。 その他、行き過ぎた大量推奨販売を禁止行為の対象とする等証券取引等の公正の確保のため所要の措置を講ずることといたしております。 以上が、証券取引等の公正を確保するための証券取引法等の一部を改正する法律案の提案の理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。 以上であります。
○委員長(竹山裕君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○赤桐操君 今御提案をいただいたわけでありますが、今回の提案に際して、提案に当たってのミスが大変繰り返されたようでございまして、この点については、自今ひとつこういうことのないように措置をしていただくようにお願いしておきたい。大臣のしかとした御答弁を願っておきたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) ただいま御提案申し上げました法案を作成し、そして皆様のお手元に配る段階におきまして多くのミスがありましたこと、これはもう重々申しわけなく思っておるところでございまして、今後このようなミスのないように私どもも十分注意してまいりますことを申し上げてお許しをいただきたいと思います。
○赤桐操君 今回の法案は、昨年の証券会社による損失補てん等の一連の証券不祥事の際に指摘された問題についての防止ということ、再発防止を中心とした法案であると、このように私どもは受けとめております。 そこで、通達中心の大蔵行政のあり方であるとか、あるいは証券業者保護中心の証券行政であるとかいろいろ批判があっておりまするけれども、一番大きな問題としては、大蔵省の証券取引のルール違反を的確に把握するいわば監視体制が十分に機能していなかったということであろうと思うのであります。 こういう関係からいたしまして、国会の内外から早期にいわゆる体制の設置を求める声が高まってきておるわけであります。大変この事件の経過の中で感ずることは、大蔵省の証券行政に対する不信感、これが非常に大きく高まったように思うのでありますが、この点は大蔵大臣はどのようにお受けとめになっておられますか。
○国務大臣(羽田孜君) 確かにそういう御指摘をいただいたことを申しわけなく存じております。 昨年の一連の証券不祥事に関連いたしまして、証券会社あるいは証券市場をめぐりますところの問題点はおおむね五項目、いわゆるルールの明確化、ルール違反者に対する処罰、検査・監視体制、自己責任原則、業界行政のあり方、そういったものに集約されようと思っております。 大蔵省といたしましては、これらの問題点を謙虚に受けとめ、国会及び行革審からいただきました御指摘を最大限尊重いたしまして、不祥事の再発防止をするとともに、我が国の証券市場に対する内外の信頼を回復するため法制上、行政上の総合的な対策に取り組んでまいっておるところでございます。 また今般、より公正で透明な証券市場等の実現に向けまして、新しい検査・監視体制の創設を含む所要の措置を講ずるとともに、証券市場における有効かつ適正な競争を促進することを目的として二つの法律案を提出させていただいたところでございます。両法案は相まって我が国金融資本市場の健全な発展に資するものでございまして、ぜひ御審議をいただきながら速やかに御賛同いただきますことをよろしくお願いしたいと存じます。
○赤桐操君 いろいろ諸問題発生、大蔵省の処置、こういった経過の中で、私ども社会党といたしましてはもちろんでありますが、学者あるいはその他各界から、少なくとも行政部門から切り離した完全独立した監視機関をつくることが公正、透明な証券取引制度の確立になるのではないか、こういうことが非常に強く主張されてきております。私ども社会党もこの考え方に立っております。 これに対して、昨年政府から行革審に要請され、そこから出された内容は、いわばこの中間ぐらいだと思いますが、監視委員会を行政部門から完全に独立させるということではなくて大蔵省内に国家行政組織法第八条に基づく行政部門から独立した監視委員会を設置する、証券市場監視のための強制調査等を行わせるということが提言されているわけであります。これはちょっと私どもの立場とは違うのでありますが、今回の法案はいわばこれを受けた。ものであろうと思います。 それで、まずお伺いしたいと思うのでありますが、大蔵省内に新設される証券取引等監視委員会、これは従来の証券行政部門のみで行われてきた検査あるいはまた監視からするならば一歩前進したものであるということは言えると思いますが、果たして昨年の損失補てん等の証券不祥事がもたらした国民の証券市場への不信感を払拭し、国民の信頼にこたえるようなものになるのであろうかどうか、この点をまず伺っておきたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) 大蔵省の検査・監視体制につきまして種々議論が行われまして、その見直しについて昨年の九月十三日に行革審から答申が提出された背景には、証券行政が市場参加者の重要な一員である証券業者を監督する一方で、市場ルールの遵守の有無の判定を行う立場にあるのでは市場の公正が保たれないのではないかということで、行政部局と検査部局が一体であることによって検査あるいはその結果の行政面における処理の厳正さが保たれにくくなるのではないかという問題意識があったものというふうに私どもは受けとめております。 このような御指摘を踏まえつつ、このたびの検査・監視体制の見直しに当たりましては、検査・監視機能と行政部局との間に距離を設けまして、検査・監視機能につきましては行政部門からの独立性の高い公正中立な委員会に所掌させ、これに大蔵大臣に対する行政処分の勧告等の機能を付与することといたしております。これによって業界、行政に左右されない毅然とした検査とそれに基づく行政措置の徹底が図られるものであるというふうに考えておることを申し上げたいと存じます。
○赤桐操君 不祥事が発生した当初から国会の内外で大きく盛り上がってきた考え方としては、今回の株価暴落を米国における一九二九年の暴落時におけるところの場合と比較をいたしまして、アメリカでは投資家保護のために証券取引法が制定をされております。このいわば法律の番人としてのSECが創設されたと同じように、我が国においても証券取引法の改正等日本版SECの創設が必要ではないか、こういうことが大分大きく叫ばれたところでございます。 これに対して、大蔵省側としては、あるいは当時の大蔵大臣といたしましても、米国のSECのような組織を設置されても、日本版SECは我が国の状況にはなじまないということを主張されたと思うんです。私どもの立場から見るならば、アメリカのSECというのは長い歴史を持つものでありまして、六十年の歳月を経ているものであります。そういう歴史を経て大変大きくなってきた組織でありまして、もちろんこれを日本の場合に適用するということはできないでありましょう。内容から見ましても、弁護士や公認会計士が皆入っておるし、数からいっても二千五百人を超えるという状況のようでございますから、これを日本に持ち込むということは、それは事実上できないことでしょう。 しかし少なくとも、規模は小さくてもやはり一定のぴしっとした方向づけをした、そういう切り離したものが必要ではないかというように我々は考えるのでありまして、問題はこのなじまないという考え方は、大蔵省の権限を縮小させるということになる、それでなじまないとなるのか、あるいはまた急激にそういう監視機構を導入することについてはなじまないということになるのか。このなじまないという物の言い方についてもいろいろと受けとめ方があるのでありますが、これはどんなふうに考えておられますか。
○政府委員(小川是君) アメリカのSECと今回の御提案をしております委員会とを比較いたすのはなかなか難しいところがございます。 そのゆえんは、一つは、我が国と米国におきましては行政システムであるとかあるいは司法制度といったようなものに相当の違いがございますから、そういう意味で困難な点がございます。しかしながら、アメリカは特にそういった行政委員会制度を持っておりまして、財務省であるとかあるいは国務省と同じような形で委員会制度として設けられている行政制度。これに対して議院内閣制で我が国はやっておりますものですから、委員会といったような合議機関を設けるというところにつきまして相当の差異があろうかと存じます。 そうした行政的、司法的あるいは社会的背景、先ほど委員おっしゃったように、例えば訴訟社会で弁護士も非常にたくさんいるといったような社会的背景の違いもございます。こうしたもろもろの差異からいたしますと、直接に並べることはできないわけでございますが、御提案しております委員会とSECとは機能面で比較をいたしますと、かなり類似をしているところがございます。 と申しますのは、例えば今度は強制調査権を委員会に付与するようにお願いをいたしております。アメリカのSECの場合には、直接犯罪調査のための強制調査権を持っているわけではございませんが、あの国の司法制度のもとにおける証人の召喚であるとか、あるいは資料の提出を命ずる召喚状の発出を通じて同じような効果を上げているようでございます。 それから、行政権限の方で申し上げますと、SECの場合には、今回も我が国では証券局に残るようないわゆる証券行政、証券会社に対する監督のような機能も持っております。我が国の場合には調査、検査機能にいわば特化した形の委員会でございますから、証券局と新しい委員会と合わせたようなものがSECでございます。そういうところにSECと新しい委員会の若干の違いがございます。 しかし、問題になりました証券市場あるいは証券取引における公正の確保あるいはルール違反を監視するという機能から申し上げますと、SECと委員会はおおむね似たようなものであろうかと思います。また、人事面で申し上げますと、新しい委員会の委員長及び委員につきましては、大蔵大臣の任命ではございますが、国会に同意を求めるという手続を踏むようにいたしております。こういった点も実質的な独立性という意味において類似するところがある、そのように考えております。
○赤桐操君 これは大変重要な問題でありますので、基本的な問題として少しお尋ねしておきたいと思います。 この監視委員会を独立した組織とする意見の根拠は、委員会と大蔵省の行政部門の間ではいわば利害衝突が発生する場合が、これから将来可能性があるのではないかということを想定しているわけです。 まず第一に、証券会社に対して免許を出す大蔵省の立場と、証券市場の公正さを維持し投資家を保護しようとする監視委員会との立場の相違、この間には大変大きな問題があるのではないかと思います。証券会社が不正を起こし、それを監視委員会が摘発した場合に、その証券会社に免許を出した証券行政当局の責任が問われることになります。今回の損失補てんのように大手証券から中小まで業界全体で行われたような不正に対して、監視委員会が摘発すればするほど監視委員会みずからが属する大蔵省の責任を追及する形になるでしょう。 監視委員会のもとに置かれる事務局が実質的な監視を行うことにはなりまするけれども、ここに属する人、また大蔵省の人であります。果たして公正な摘発が可能であるかどうか。小さな悪に対しては有効であるかもしれぬが、今回のような大きな巨悪に対しては手も足も出ない、不可能な状態になるのではないか。言うならば、巨悪に対しては無力のおそれがありはしないかということが実はいろいろ危惧されているんです。そこに考え方の相違がありはしないか、基本的な問題が将来出はしないか、こういった質問になってくるんですが、この点ひとつ明快に御答弁願いたいと思います。
○政府委員(小川是君) 大蔵省証券局におきましては、証券業者に対する監督行政の責任を負っている、その立場から各種の法令等を作成しているわけでございますし、また証券会社に対する監督を行っているわけでございます。したがいまして、お尋ねのように、証券会社が委員会の検査によってルール違反を指摘され、かつ行政処分を要するとして委員会から大蔵大臣に勧告が行われるということは、同時に大蔵大臣の監督が不十分であるということの指摘になるので、そこに背反が生ずるのではないかというお尋ねであると理解をいたします。 大蔵省証券局の証券業者に対する監督責任と申しますのは、ルール違反については当然予防的な行政を行う上での責任であると存じます。できる限り、犯則事件はもとよりのこと、それ以外の取引の公正を守るべき立場にある証券会社に対してそのような業務運営を行うようにという監督を行う責任でございますが、仮に起こった場合には、これまた厳正な処分をもって対応するというのが監督責任を果たすゆえんであると存じます。そういう意味におきましては、委員会が検査を行い、そして万が一行政処分等の勧告を行った場合には、これを尊重して大蔵大臣としては適切に対処するというのがまさに監督責任であるというふうに考えるわけでございます。
○赤桐操君 大蔵省は国債の発行もすることになっていますし、またNTT株の場合でもそうでありましたけれども、いわゆる政府保有の株式を売り出す側にもありますね。これはNTTだけじゃなくて、これからもそういう立場になると思います。いろいろ想定されるものがあります。そういう場合において、有価証券の価格に関心を持たなければならない当事者にあるわけでしょう、大蔵省は。ところが、他方で証券市場の監視を公正に行わなければならない、こういうことになるわけです。 そうなると、大蔵省の機能、立場というものはそういう立場にあるんですね。NTT株の放出の際においてもこれはいろいろあったと思うんです。この内容については別でありますが、要するに私はプレーヤーとアンパイアを同じ組織の人間がやることになると思うんです。これは中立性、公正性という点から考えるならば大変大きな問題を含んでいるのではないかと思いますが、どうですか。
○政府委員(松野允彦君) 証券局が行います証券行政でございますが、これは証券取引法の目的にもございますように、有価証券の発行、流通などの取引を円滑にするとともに、その公正を確保するということにあるわけでございます。それで、この証券取引法の目的になっております取引の公正を確保するということの観点からいろいろなルールをつくり、市場参加者、これは証券会社だけではございませんが、資金運用者あるいは資金調達者すべてが市場関係者でございますが、そういう人たちにルールを守って公正な取引を行うようにという行政を行っているわけでございます。 そういった観点から申しますと、今御指摘にありました例えば国債の発行者であります政府、あるいは保有株式の売却当事者であります政府、これも市場参加者という意味では同じわけでございまして、証券行政の立場から申し上げますと、市場参加者が政府であれあるいはそれ以外の企業等であれ、それはその間に差別はない、ひとしく証券取引法を適用するということが必要だし、またそういうふうに行ってまいっているわけでございます。 なお、ちなみに申し上げますと、国債の発行の場合には御存じのように入札制度がしかれております。これは競争で価格を決めるということでございまして、そういう競争に基づく価格形成ということで公正な価格形成が行われているわけでございます。政府保有株式の売却に当たりましては、これは証券市場において形成されます価格で売却をされる場合もございますし、あるいはそれ以外の形で行われる、一般の国有財産の売却の一つでございますのでいろいろな形で売却のそのときどきに合った適切な方法が採用されているわけでございます。 いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、証券行政の立場からいいますと、政府であっても全く同じように証券取引の公正を確保するルールに従って証券市場に入っていただくということが必要でありますし、またそういうふうに行政をこれからも運用していく必要があるというふうに考えておるわけでございます。
○赤桐操君 今御説明をいただいたのでありますが、どうもすっきりしないんですね。 ただ、大蔵省というものの立場ということについては、一定の今までの経過があるわけです。そこへこういうものを組み込むということになりますから、これはどう考えても一人で二つの人格を行使するのと同じことになるように感ずるんです。国民の皆さんから見た感じもそうだと思いますが、大臣、いかがですか、これは。
○国務大臣(羽田孜君) ただいまお二人の方からもお答え申し上げましたように、そういう御指摘があることは実は私どもも承知いたしております。 ただ問題は、行政の中から得られる資料ですとか、そういったものは十分活用していくということであろうというふうに思っておりまして、私どもといたしましては、大蔵省の中にこういう委員会をつくるということになりましても、今申し上げたような委員というものが両院で御議決をいただかなければこの人たちが委員になることはあり得ないということがございますし、またその人たちが行いますところの任務につきましても、これはみずからが責任を持ってやるということになっております。また身分もきちんと保障されておるということから、独立したものであろうかというふうに考えておるところであります。 アメリカのSECとはちょっとそこが違うところでありますけれども、しかしアメリカのSECの場合には、逆にいろいろな証券にかかわるところの行政も実はSECはやっておるということから比較いたしますと、私どもはこれはこれとしてきちんと機能するものであろうかというふうに確信をいたしております。
○赤桐操君 それでは先へ進みたいと思います。 第三番目に伺いたいと思うのは、監視委員会の人事面についてのお考えをただしておきたいと思います。 委員会の委員は大蔵省の出身者を排除する、これはもう当然であろうと思いますね、三名の方々は。これが一つ。 それから、実働部隊である事務局の人材についてもこれは申立てなきゃならぬ、こう思います。事務局を指揮する事務局庁、これは当然外部から証券取引に詳しい人を配置しなけりゃならぬでしょう。大体常識的に考えてみても、こういうことになると思います。同時にまた、監視委員会へのいろいろの異動がその際なされてくるわけでありますが、これは内部行政部門とは一切関係ない形でもって行われなきゃならぬだろう。これはまず考えられることだと思うんです。そういう形で私たちは考える。 それは人事の面におけるところの中立性をどのようにして担保するかということからくる問題なんであって、私は今回のこの法案の中で具体化されていく人事面というのは、非常にそういう意味合いからして大きな問題を持っていると思いますが、その最終の段階までの中立性をどう担保していくのかということについての考え方をひとつ伺っておきたいと思います。
○政府委員(小川是君) 委員会の委員及び事務局を含めまして、人事面で公正性、独立性をどのようにつくり上げているかというところでございます。 まず委員長及び委員につきましては、先ほど大臣からも申し上げましたように、国会の同意人事ということでお願いをいたすことにしております。 委員の方をどういう形でどういう方を選んでいくかと申しますと、やはり強制的な調査まで行う大変重要な任務を担っておられますし、また同時に私企業の秘密にわたる、情報という面でも大変大きなものをつかむ立場に立たれるわけでありますから、法律的、経済的な専門的な知識に加えて、公正性、中立性というものが強く要請されるというふうに考えるわけでございます。 一方、事務局の大事につきましては、委員長及び委員が特別職の公務員であるのに対しまして、事務局長以下職員は一般職の公務員でございます。したがいまして、一般職の公務員として大蔵大臣の人事権のもとに服するわけでございますが、さしあたり、ただいまもお話がございましたように、事務局長あるいは次長といったようなところを含めまして、大蔵省の証券局が中心にはなりますが、さらに広く他の省庁からも人材を求めてスタートさせるように考えてまいりたいというふうに思っているわけでございます。 委員会の仕事が何と申しましても証券が中心でございますので、現に証券局で仕事をしている人間が中心になるわけでございますが、強制調査といったような大蔵省にとっては新しい仕事でございます。そういうところにつきましては、国税庁であるとかあるいは検察庁といったようなところにも人事面での交流といったようなことをお願いしていかなければならない、そんなふうに考えているわけでございます。
○赤桐操君 もう一歩突っ込んで説明をいただきたいと思うんです。今お考えになっている範囲は、具体的に言うとどういうような範囲なのか、説明願えますか。
○政府委員(小川是君) まず、委員長、委員につきましては、現段階で具体的な方を念頭に置いているわけではございませんが、この組織のあり方として、例えば法曹界であるとかあるいは官界であるとかそのほか法律または経済に関する専門的な知識を有する中立的な立場にある方、こういった方から選任をしていく必要があろうかというふうに考えているわけでございます。 それから、お話にございました例えば大蔵省OBの問題につきましては、少なくとも当面は今回の経緯に顧み、関係者を委員に充てることは見合わせるべきではないかというのが現段階の考え方でございます。 それから、委員会の事務局の方につきましては、仕事の中身につきまして、証券取引に関する相当に専門的な知識を必要とすること、それと先ほど申し上げましたような新しい強制調査といった手法を用いることになりますので、そちらの方の知識も必要とするということでございます。そこで、事務局長または次長、少なくともどちらか一方は大蔵省以外の方にお願いができないかということを考えております。 それからその他の職員、委員会事務局の定員は全体として八十四人でございますが、中心は大蔵省の職員が異動することになりますが、繰り返しになりますが、国税庁あるいは検察庁また警察庁といったようなところからも職員の交流をお願いしたい、かように考えている次第でございます。
○赤桐操君 監視委員会の人員でありますが、今お伺いすると、担当者八十四名で出発されるのでありますが、この人数で実効のある監視が可能であるのかどうなのかというように思うんです。八十人ぐらいの人でできるんですかね。これは大変な仕事だと思うんです。いろいろ聞けば聞くほどこれは相当専門的にわたるし仕事も広いと、こう判断するんですが、八十人程度のところで足りるのかどうなのか、あるいは将来はもっと増員することを考えているのか、とりあえずこれでスタートするのかどうなのか。要するに万全を期するための対策はどのくらいが必要かということですね。
○政府委員(小川是君) 委員会の機能から考えまして、これらのスタッフが十分であるかどうかという点につきましては、二つのポイントがあろうかと存じます。 一つは、昨年の行革審答申でも強く指摘されているところでございますが、証券業協会とかあるいは取引所といった自主規制機関の機能の強化、充実というのが一つでございます。やはり証券市場における取引の公正が損なわれていないかどうかというのは、その市場を見ている取引所あるいは協会というところが最も近いところにあるわけでございますから、ここでの監視というものに一つは大きな期待がかかるわけでございます。また、これだけ証券問題が大きな国民的関心の対象になったわけでございますから、一つはそうした国民的な関心というのが証券犯罪というものを予防する上でさしあたりの期待も持たれるところでございます。 他方におきまして、さはさりながら、やはりそうした犯則事件が現にあるというところからいたしますと、どうやって人員を確保するかということでございまして、今回事務局の設置に際しましては、大蔵省内行政部局の合理化などを図った上で可能な限り定員の振りかえ等で対処することにいたしました。しかしながら、厳しい定員事情のもとで、主として強制調査という新しい仕事に対応するために二十五人の増員を図ることにいたしました。委員会の任務を考えますと、その発足に当たり十分な人員を確保できたのではないかというふうに現段階で考えている次第でございます。
○赤桐操君 そこで、ひとつ伺いたいと思うんですが、証券関係の協会あるいは取引所、こういったところの協力がなければ確かにこれは実効が上がらない。そこで、この法案では一応これらの機関の機能強化を行うと、こういうふうになっているわけでありますが、機能強化というのは具体的にどういうことになりますか。
○政府委員(松野允彦君) いわゆる自主規制機関であります証券業協会、証券取引所につきまして、今回の法律で手当てを幾つかしております。 特に証券業協会につきましては、新たに証券取引法上の法人として位置づけをいたしました。これは証券取引所の方はもう既にそういう位置づけが現行法でもなされているわけでございますが、証券取引法上の法人として位置づけをし、かつ自主規制機関という機能を強化するという意味で、現在大蔵省が管理しております外務員登録事務を協会に委任するということを可能にしております。これを通じて証券会社の営業姿勢に関するチェックというものを協会自身が直接行っていけるということを期待するわけでございます。 また、協会、取引所の両方につきまして、今回の法律案におきまして、協会あるいは取引所がつくりました規則、自主ルールでございますが、こういう自主規制機関のルールを仮に協会員あるいは取引所の会員が破った場合に、それを協会、取引所が万が一放置する、適当な措置をとらないというようなことになりますと、これは自主規制機関としては非常に望ましくないわけでございまして、そういった場合には大蔵大臣が協会あるいは取引所に対して必要な措置をとるように命ずることができるというような規定を入れております。これはいわば自主規制機関としての機能の最終的な、行政の最後のよりどころといいますか、最後のバックアップでございますけれども、そういったようなことを通じまして協会あるいは取引所の自主規制機能が十分発揮できるようにしたいというのが今回の法令の内容でございます。
○赤桐操君 もう一つ伺いますが、違反した場合には免許の取り消しをするということですか。
○政府委員(松野允彦君) 証券業協会の協会員に対する処分の中には、協会員としての資格を停止する、あるいは協会から除名するというようなことは、これは含まれております。ただ、免許につきましては、免許を実際に与えますのは大蔵省、行政当局でございまして、協会が免許を剥奪するというようなところは、これは協会の自主規制機関としての性格上そこには限界がある。取引所の方も同じように取引所の会員を除名するというところまでの処罰の規定は持っております。
○赤桐操君 次に、銀行取引の問題に少しく入りたいと思います。 今回、銀行などの金融機関の取引については、市場取引である金融先物取引を除いて監視委員会の対象とはなっておりません。銀行の取引が相対取引であり監視はできないという考え方もわかりますが、ここで考えなきゃならぬのは金融の証券化の問題であります。 銀行などの金融機関が今後証券化された金融商品を扱う可能性は極めて大きくなってくるのではないか。これらの商品が証券取引法によって有価証券と認知されれば、当然監視委員会の対象となるでしょう。そうなると、投資家あるいは証券会社だけではなくて、数多くの銀行などの金融機関及びその取引者も対象としなければならなくなる。こういう事情が証券化関連商品の開発を阻害したり、あるいはまた流通を無理にとめたりする金融商品となってしまうことになってはこれはならぬわけでありまして、いわゆる金融の自由化が損なわれてくるようになるのではないか。こういうことについては懸念はないんですか。
○政府委員(松野允彦君) 確かに御指摘のように、金融の証券化という現象が進行してまいりますといろいろな証券化商品が登場してまいります。それに対しまして、別途お願いをしております金融制度改革法におきましては、証券取引法の有価証券の定義を拡大いたしまして、そういう新商品にも証券取引法が適用できるような措置を講じたいと考えているわけでございます。したがいまして、そういうことになりますと、その証券取引は、証券化関連商品の取引についても証券取引法が適用になりますので、その公正な取引を確保するための規定については監視委員会の監視の対象にもなるわけでございます。 私どもが証券化商品について証取法を適用するということとしたいと思っておりますのは、御存じのように、証券取引法は、証券市場ができますような商品につきまして投資家が十分な投資判断ができるような情報提供をするということを義務づけております。これがいわゆるディスクロージャー制度、情報開示制度、こう言っておりますが、そういう情報を提供することによって、投資家が適正な自己責任のもとで適正な自己投資判断をするということとあわせまして不公正な取引が行われることを規制するという、大きく二本の梓で投資家保護を図っているわけでございます。 そういったような投資家保護の枠組みを新商品に適用するということにしないと、なかなか一艘の投資家が今申し上げたような新しい金融商品、証券化商品に接触、アクセスをして市場が拡大するということができないといいますか、証取法を適用しないままで市場ができてしまいますと、これは非常に問題があるわけでございます。これからの健全な証券化の発展というものを考えますと、証取法を適用し、今申し上げたような投資家保護の枠組みを証券化商品に適用することによりまして、むしろ証券化が進む、一般の投資家が自由に入ってこれるような証券化商品の市場が整備されるということになるというふうに考えているわけでございます。
○赤桐操君 これは実際にやってみるといろいろ出てくると思うんですね。やってみなくちゃわからないと思いますから、それはわかりますが、こうやって論議してみると、やはり私は大蔵省の中に監視機関をつくるということについてはどうも問題があるのではないか。全く独立した機関をつくれということにもいろいろ大蔵省側の見解はあるようでありますから、それはわかりますが、公正取引委員会の中あたりの一部門として発足させるという手もあるのではないか、こういうふうに思うんですが、こういう考え方はうまくないんですか、どうしても大蔵省の中におさめなくてはうまくないというように考えるんですか。これはどうですか。
○政府委員(小川是君) 証券取引の公正を確保する、そのための仕事、とりわけチェック機能をどういうところで持つのが最も行政として公正であり、効率的であるかということであると存じます。 その場合に、昨年の行革審答申でも述べられておりますように、また先ほど大臣からも申し上げましたように、行政におけるさまざまな情報というものを検査、監視の方で十分に生かすということが大事でございますし、また検査、監視の結果、必要があれば行政処分を含めまして行政サイドでその検査結果を生かすということが全体として重要なことであると存じます。そういう意味におきまして、やはり証券行政、監督行政と検査行政というのが一体の省の中にあって、しかし公正あるいは透明感というところから一定の距離を持った組織とすることが大事であると存じます。 その意味におきまして、今回の大蔵省のもとに置く委員会制度というのが現状で考えられる最もよい案ではないかというふうに考えて御提案しているわけでございますが、例えばお話のありました公正取引委員会というようなことになりますと、これはおよそすべての経済取引についてその公正をどのようにして見ていくかという問題、あるいはそういう機能を担った組織であると存じます。そういう意味で、やはり市場の公正、取引の公正というもののルールの遵守状況を見ていくのは今回のこうした大蔵大臣のもとにある、しかし独立性、中立性の高い委員会というのが最適ではないかと考える次第でございます。
○赤桐操君 監視委員会の設置について、いろいろ問題点について私も指摘してまいりましたが、大蔵省の一つの機関として設置されることになった背景にはいろいろあることはわかります。 根本的な問題は、まず大蔵省が証券会社に対する免許制を依然として堅持していくということ、監視委員会の形は証券市場を仲介する証券会社を免許制にするのか登録制にするのかということでもって大分違ってくると思うんですね。こういう考え方に私たちは立って見るわけでありますが、この免許制と登録制というのはそれぞれ一長一短があるようであります。証券業の育成度や市場環境によっても効果が変わってくる。免許制については、特に我が国の証券業の成長過程では、外国からの業界への進出から国内証券会社を守ろうということで、いわゆる護送船団行政ということがよく言われておりましたが、そういった護送船団の武器として効果的に使われてきたように思うのであります。しかし同時に、その反面で市場への自由な進出が妨げられてきた。行政の肥大化と業界の癒着、こういうものが出てくる。証券業を取り巻く環境が非常に変化している。 今日、国際化、銀行・証券の垣根の撤廃など自由化が進展する過程においては、免許制そのものの見直しが検討さるべき時期に来ているんではないか。我々が知らないうちにロンドンあたりの市場では別な取引が行われている、こういうような時代になってきているわけですね。そういうことを考えるというと、この免許制についても再検討の必要があるのではないか、こう思いますが、いかがですか。
○政府委員(松野允彦君) 免許制と登録制の問題につきましては、御指摘のようにいろいろ一長一短あるわけでございます。 御存じのように、日本の場合には戦後一時期登録制が導入をされました。登録制の時代におきましては非常にたくさんの証券会社が設立され、中には非常に経営基盤の弱体なものが参入をいたしまして、それが結果的に倒産するというようなことで、あるいは廃業するというようなことで投資家保護の問題が起こったわけでございます。そういったようなこと、あるいはいわゆる証券不況、昭和四十年前後の証券不況というような時期をすぎまして、やはり免許制の方が証券市場の安定的かつ健全な発展の上で望ましいということで、昭和四十三年から免許制に移行したわけでございます。それが現在まで参っているわけでございます。 したがいまして、当初免許制に移行いたしましたときは、そういう証券不況というようなこともございまして、行政が業界の保護育成的な行政になったということは否定できない事実でございます。その後もう二十数年たつわけでございますが、確かに御指摘のように免許制のもとで、外国の証券業者の参入はかなりございましたが、国内の参入というものが見られなかったということも事実でございます。その間証券市場におきますいろいろな問題あるいは証券市場自身が非常に規模が拡大をしてまいったわけでございまして、そういったことを考えますと、やはり免許制のもとにおきましても免許制の運用として新規参入を促進するということが可能だし、また必要であるというふうに考えるわけでございます。 登録制がいいか免許制がいいかという点につきましてはいろいろと御議論のあることろでございますが、私ども、行革審あるいは証取審の議論の中で、特に証取審では、やはり免許制のもとでも、今申し上げたような運用としてまず新規参入、参入を促進し市場に競争を導入するということでやっていくことが適当ではないかというような御意見をいただいておりまして、御提出しております制度改革法の中ではそういう新規参入者について証券市場に弊害をもたらさないような、いわゆる弊害防止措置というものを規定しております。 そういったものを踏まえて、免許制のもとでも新規の参入が行われるような方法を考えていき、それによって証券市場の競争を促進し、保護育成行政ではないかと言われた点についての是正を行う必要があるというふうに考えているわけでございます。
○赤桐操君 次に、今回のいわゆる大口補てんの問題に端を発して発生した不祥事でありますが、このことは将来に大きな問題を残したと思うんですね。 いろいろとテレビの報道や新聞等でも出されておりますが、株が上昇し続けた八九年以前の何年間かの間は、株は買えば上がるんだと、またその後におきましては土地は買えば上がるんだ、こんな安全なものはないんだ、こういう形で一時代を過ごしたと思います。そのうちの株については、特にいろんな魅力ある商品が出されまして、各証券会社もいろいろと活動したわけであります。少なくともこの中で言えることは、買ってはみた、そして最後には損をした。その場合において、元本が保証される品物ではないということについては語られていなかったわけですね。したがって今大変な問題が発生しているわけです。 一方においては損失の補てんがなされる、一方においては損失の補てんがなされないまま済んでいる。したがってそこに不公平であるという問題が発生してきている。要するに一番基本的な問題は、保証されたかされないかは相当大きな問題でありますが、ここで注意しなきゃならぬことは、不公平な扱い、不公平論についてはいずれにしても投資家の自己責任という証券取引の大原則が欠落をしておったということだと思うんです。この自己責任の原則について今もう一遍きちんと確立する必要があると思うのでありますが、これについてのお考えはいかがですか。
○政府委員(松野允彦君) 御指摘のように、証券投資はもともと自己責任で行うということに当然なっているわけでございます。そういうこともありまして、先ほど申し上げたように、投資家に十分な情報を提供する、それによって投資判断が誤らないようにするというような証取法の投資家保護の枠組みがつくり上げられているわけでございます。 この自己責任原則につきましては、従来から徹底をするようにいろいろといろんな面で指導をしてきているわけでございます。ただ、この一連の不祥事の背景には、特に企業が財テクを行った場合に、その際に自己責任原則というものが十分認識されていなかったというような点が補てんにつながったというふうに考えられるケースは多いわけでございまして、この不祥事を受けまして証券業協会におきましても、いろいろないわば倫理綱領のようなものをつくり、証券会社に対して投資家に自己責任原則の徹底を求めるように努めるというようなことを規定しております。 また、私どもとしましても、法律上の手当てとして、昨年証取法を改正していただきまして、本年一月一日から施行されました改正証取法におきましては、投資家が投資判断を証券会社に一任いたしますいわゆる取引一任取引というものを原則として禁止するというようなことにしておりますし、また損失補てんも刑罰が適用になるような禁止行為ということにしていただいたわけでございます。こういったようなことを通じて証券投資、特に株式投資についての自己責任原則を徹底していきたいし、また投資家に対するPRというものを絶えず行っていく必要があろうかと思います。 なお、御指摘にございましたのは、株式そのものに加えまして、多分いわゆる投資信託の問題があろうかと思います。投資信託につきましても、これは株式に投資をする信託でございますので、当然元本保証がされていない商品でございます。そういったような点について十分投資家に説明をし、納得を得た上で投資信託を購入してもらったかどうかという点についていろいろと問題があるケースがございます。そういったことも考えまして、この投資信託につきましても、特に元本保証がないということをはっきりと明示するようないろいろな投資家に対する説明の手だてなどを考えているわけでございまして、投資家の自己責任原則というものをいろいろな方策をとりながらPRし、周知徹底していくということが必要であろうかというふうに思っております。
○赤桐操君 証券会社の営業姿勢に問題があるということはわかりますが、やはりこれを放置していた証券行政そのものにも大きな責任があると私は思うんです。そういうような指導は当然されるべきものだと思うんですよ。証券業者がそういうまずい点があるというならば、不十分な姿勢でやっているというならば、少なくとも行政面でそれに対してコントロールするということが当然の責務ではないんですか、これが今問われているんじゃないんですか。この点はどうお考えになっていますか。
○政府委員(松野允彦君) 今申し上げましたように、従来から行政としても通達を出したりして証券会社を指導してきたわけでございますけれども、なかなかその指導の実が上がらなかったという点があることは事実でございます。 もちろん私どもも法律の手当であるいは証券業協会の倫理綱領などですべて足りるというふうに考えているわけではございません。営業姿勢の適正化という点については繰り返し指導をしておりますし、またそれを受けて、証券業協会を中心にして業界でも営業マンのいわばハンドブックのようなものをつくり、適正な投資勧誘はどういうものかという点についてかなり詳細な資料をつくっております。そういったようなことを通じて、やはり営業の一線における適正な投資勧誘ということが一番大切でございまして、そういった点、私どもも証券業協会とも協力し、行政として必要な場合には直接証券会社に対して適正な営業姿勢を確立するような指導を引き続き続けてまいりたいというふうに思っております。
○赤桐操君 わかりました。 次に、株式の売買委託手数料の自由化の問題で伺っておきたいと思います。 今の不公平論の延長として出てくるのが株式におけるところの委託手数料の問題であります。現在の手数料は、大口になるにつれて逓減はされるようでありますが、固定化されているものでありますね。この手数料の問題については、昨年の損失補てんの議論の際に、大蔵省側としては自由化する方向で検討するという発言を行っております。これはそういう方向で検討されていくんですか。
○政府委員(松野允彦君) 株式の売買手数料につきましては、現在証券取引所がその規則で定めておりまして、固定制になっているわけでございます。 昨年の一連の不祥事の中で、この固定手数料が損失補てんの財源になったのではないかとか、あるいはこれが大口と小口の不公平というようなものを呼んだ、あるいはこれによって競争が行われるのを妨げたというようないろんな指摘がございました。 私どもも、それを受けまして証券取引審議会で議論をしていただきまして、ことしの一月にとりあえず比較的問題は少ないと思われる大口手数料の自由化を図る、それが市場に与える影響を見ながらその次の段階を考えていくというような報告をいただいたわけでございます。 株式の売買手数料の自由化の市場等への影響につきましてはいろいろな議論がございます。自由化されております諸外国において、それが市場にどういう影響を与えたか、あるいは個人の小口の投資家の手数料が上がったのではないかというような指摘もあるわけでございまして、いろいろな市場あるいは投資家に与える影響、さらには証券会社に与える影響等々を考えながら、基本的には、今申し上げたように、とりあえず大口から自由化をしていくというような方向が出されたわけでございます。 それを受けまして、現在、具体的にどういうふうな段階、どういうところから自由化をするかという点について作業部会を設けて引き続き証券取引審議会で検討をしております。この検討は、我々としてはできるだけ早く、当面は一年程度をめどにということで、諸外国の実情などを検討し、それによって市場に与える影響、あるいは大口というのは一体どの程度からかというような点も含めまして検討を進めているところでございます。
○赤桐操君 そこで、株式の市場活性化の問題が大変いろいろ今論議されておりますが、株式市場の低迷でさまざまな方面にいろんな影響が出てきております。BIS規制による銀行の貸し出し抑制、企業の資金調達が困難となる、景気回復にも大変悪影響が心配される、こういうことでありまするけれども、ここで明らかにしてもらいたいと思うのは、この市場活性化ということについては、端的に株が上がればよいということではないと思うんですね。政府は一体どんなふうにこれを考えておられるのか、まずその点ひとつ伺っておきたいと思います。
○政府委員(松野允彦君) 株式市場は現在低迷の状態にあるわけでございまして、この活性化ということが一つの大きな課題になっております。 現在低迷をしております原因、これは幾つかあるわけでございますが、やはり私どもは、まず何といいましても不祥事を通じて証券業界あるいは証券市場に対する信頼感が失われている、特に個人投資家の信頼感が失われているということが個人投資家の株式市場への参入を妨げている非常に大きな原因になっているというふうに思います。また、昭和六十二年度から平成元年度まで非常に大量の資金調達が行われまして、それが株式の需給関係をかなり悪化させているというような問題もございますし、株式のいわゆる配当利回り、株式を持っている場合の保有利回りが非常に低くなってしまって配当が非常に少ないというようなことも株式を持つ魅力を非常に失わせているということになろうかと思います。さらに加えまして、最近はやはり企業業績の悪化などが表面化しておるわけでございます。 こういった低迷の原因に対しまして、私ども、やはりまず何といいましても信頼の回復を図る、特に個人投資家の信頼の回復を図り、個人投資家の資金が株式市場に流入してくるということがどうしても株式市場の活性化のための一番大きな課題であろうかというふうに思うわけでございます。そのためには、先ほど申し上げました営業姿勢の適正化ということもございますし、あるいは今御議論いただいております監視委員会の設立を通じて取引の公正、透明性を確保する、つまり公正な市場であるということをはっきりと確立するということが必要だろうと思うわけでございます。 なお、株式保有魅力の向上の点につきましては、配当の増加、引き上げというようなことが必要になってくるわけでございまして、この点につきましては、業界、証券業協会を中心にいたしまして、株式市場で資金調達をする企業は、上げた利益のうち株主に対して配分する額について十分配慮をして株式投資魅力を高めるように努力をしてもらいたいというような趣旨での具体的な利益配分ルールというようなものもつくったわけでございます。 エクイティーファイナンスは、先ほど申し上げましたように需給がかなり崩れておりますので、現在のところそういう新たな株式の供給ができない状況でございます。これが企業の資金調達に非常に影響を与えているということが言えるわけでございます。しかし、これにつきましては、実は株式以外の形、つまり社債、債券という形でかなり大量の資金調達が行われておりまして、量的には一応そういう企業の資金調達ニーズを充足しているということが言えると思います。 いずれにいたしましても、私どもは株式市場の活性化ということは、やはり何といいましても個人投資家が株式市場に参入し、個人投資家の資産運用の場として健全な市場になるということだというふうに考えているわけでございまして、そういう観点から申し上げますと、御議論いただいております改正法案というのがこの株式市場の信頼回復のためには非常に大きな効果があるというふうに考えているわけでございます。
○赤桐操君 個人投資家の育成ということで、これは一つの課題になっておりますが、証券不祥事の発生したときもそうでありましたけれども、市場が低迷し、困ったときに必ず出てくるのが個人投資家の問題であります。どうもそんなふうに思うんです。 それで、いわゆる個人投資家の育成論でありますが、活性化対策として個人投資家が使われるわけでありますが、これはやっぱり基本的に考え直さなきゃならぬのじゃないか。現在では個人株主の保有シェアというのは大体二〇%と見ております。売買高に占めるシェアについても三〇%ぐらいになっておる。三十年代前半ではこれが五〇%を占めておった、超えておったということでありまして、非常に下がってきている。これが今回の問題で一層離れてきておる、こういう状況であると思うんですね。ですから、今のように個人投資家を安易に呼び込もうとしても、なかなかこれは口車に乗ってこないというのが今置かれている状況じゃないかと思うんです。 と言う理由は、例えば損失補てんについても、NTTの問題なんかではもう懲り懲りしていると思いますね。これは相当の金を出した人たちがマイナスを来しておりますので、ここでも大変な勉強をさせられております。こういう状況でありますので、大蔵省としても証券業界や証券市場に個人投資家を呼び戻すということを考えているならば、困ったときに個人投資家ではなくて、本当に個人投資家を育成するという誠意のこもった施策が必要ではないのか、こう私は思うんですが、これは具体的に一体どう考えますか。
○国務大臣(羽田孜君) もう御指摘のとおりでございまして、株価が低迷するから個人投資家を呼び戻すというのは、これはまさに邪道といいますかあれでございまして、本来自由主義、市場経済、こういった中にあって株式市場、証券市場というのは非常に重要なものであるということであります。 これはどうも我々の感覚、今先生から御指摘の中では、昭和何十年代はというお話があったわけでありますけれども、市場というものに対する見方はいわゆる資金を調達する場、それに割合とどうも重きが置かれてしまっておるということと、最近では少々投機というところに、キャピタルゲインをもうけるといいますか、そういったものの方向に走っていってしまっておるというところに私は問題があるんじゃないのかなというふうに思っております。 これはちょっとした記事を私もこの間見ておりましたのですけれども、アメリカですと今でも個人投資家の場合には五六%、日本が二三%という持ち株比率ということ、あるいは個人の金融資産に占める株式投資比率というのが米国ですと一八%、日本ですと八%ということになっておりまして、今度の私どもが提案しております法律の内容の中でも、個人の方々の資産運用なんかにもいろんな選択ができるんですよということを実は申し上げておるわけであります。 しかし、この間のNTTの株式が暴落したということもありますし、あるいは大きな株が割合と暴落してしまったということなんかもありますし、また、損失補てんなんというのは大口の皆さん方に対応があって小口の人にはなかったよというようなことで、どうも証券市場に対する信頼というものをさらに失わせてしまったのかなというようなこともあります。 それから、各企業による持ち合いというのは、これは日本の中で一つのいい慣行みたいだったんですけれども、そういったことによって企業が割合と持つような形になってきてしまっておるということで、ちょっといじると大変乱高下するというようなことにもなっておるというようなことで、こういったものですとなかなか信頼できないなということがあるでしょう。 それからもう一つは、個人の方が、先ほど自己責任というお話もあったわけでございますけれども、要するに本当にこの株はどうなのかということを判断する情報というようなものも、どちらかというともうお任せしちゃうという、いわゆる一任勘定みたいなもの、機関投資家の中にもあったんですが、個人の場合も証券会社にお任せしちゃいますよ、勧誘員にお任せしますよということだったんですけれども、そうじゃなくて、やっぱり個人の方でも、さあほかのものと自分の資産を運用するのはどちらがいいのかなということが判断できるような材料というものも証券市場が提供していくというようなことが望まれる。 そういう中で、本格的に資金運用のために個人の方が参加できるという環境というものを整えていくことが重要であろうというふうに考えておりまして、その中の大きなものとして、まず市場に対する信頼を取り戻すということが何といっても大事である。それと同時に、個人の方々が判断できるような材料を提供していくというようなこと、こういったことが私ども健全な市場を伸ばすし、またそのことがひいては日本の市場経済、自由経済というものをよりよく発展させていくことにもつながっていくんじゃないのかなというふうに考えます。 私は今度の証券の問題につきましては、単に取引がどうだこうだ、不明朗である何であるということよりは、もうちょっと大きな視点から見詰めながら、これらをよりよく発展させていくことが重要であろうというふうに考えておるところであります。
○赤桐操君 先般の政府の緊急経済対策において、市場活性化対策として自社株の保有について検討する旨の内容がございました。これは過剰な株を吸収して需給関係を改善させるねらいがあるということについてはわかるのでありますが、いささか拙速ではないのか。過去に過剰な増資を行って需給関係を崩しておいて、それに困るというと自社の株を保有してもよいというふうになる。そこには需給関係を崩した責任は何も問われていない。したがって、市場から離れた個人投資家などを呼び寄せるということについては、こんなことをやってはとてもできないだろう。市場の信頼回復に果たして寄与できるんだろうかどうなんだろうか、こういうように思うんですね。 それで、自社株の保有が株価の操作やあるいはインサイダー取引の温床となりがちであるということはいろいろ指摘されるとおりであります。最も重要なことは、資本充実の原則に反する可能性が高いということではないのか。米国において認められているから直ちに導入してよいというものではない。証券取引の観点からするならば、あるいはまた証券取引の観点だけではなくて商法の見地からもじっくりこれは検討する必要があるのではないか。こういうことでありまして、この自社株保有のいろいろ今回の措置については極めて拙速な感じがする、こういうように思うのでありますが、いかがですか。
○国務大臣(羽田孜君) この点につきましては、御指摘の点、懸念されること、これはもう大いにあり得ることであろうというふうに、我々も心配しなきゃならぬことであろうと思っております。その意味で、今御指摘がございましたように、「商法との関係も含め幅広い観点から検討する。」というふうに緊急対策の中でも実はされておるところでございます。 なお、従来から自社株保有に伴います問題といたしまして、株式に対する出資の払い戻しと同様の結果となり、資本充実あるいは維持の原則に反するといった商法上の問題のほかに、市場における問題といたしましては、今お話がありましたように、インサイダー取引ですとかあるいは会社によりますところの株価操作につながるおそれがあるといった点も指摘されております。 この点につきましては、証券取引法におけるインサイダー取引規制等の厳格な運用等によりまして対応することができると考えるほかに、規制の緩和がもし行われる場合には、先ほどちょっと御指摘ありましたけれども、米国のSECが行っているような自社株の取得に伴います株価操作防止のための規制、こういったものも幅広く検討していくことが必要であろうというふうに考えておるところであります。 ただ、本当に私たちも安易に低迷する株価を上昇させる、あるいは活性化をさせるという視点だけでこの問題を取り扱うということは非常に危険なことであろうということはよく認識しながら対応しなければいけないというふうに思っております。
○赤桐操君 先ほど来大臣もおっしゃっておられますが、投資家を呼び戻す基本的なものは、やはり信頼と安心だと思うんですね。信頼感があり安心感がなくては少なくとも個人投資家も寄ってきません。だれしも自分の財産を提供しながらやるわけでありますから、これは当然のことだと思うんです。だから、その本質においてひとつきちっと確立されるような対策を考えていただきたいと思うんです。 その次に、続いてお伺いしたいと思うのはBIS規制の問題であります。 このBIS規制のもとでは、国際業務を行う銀行は大体自己資本の比率が八%以上を要求されるということになっております。その際、株式の含み益の約四五%を自己資本として計算してよいことになっておりますが、これでまいりまするというと、銀行は株価上昇期には貸し出しを拡大できますけれども、反面、下落期においては圧縮しなければならなくなってくる、こういう問題があるわけであります。景気変動の振幅を拡大するシステムを構成していることになっておりますので、現状では、景気については悪化してさらに株価が下がる、こういう悪循環を招かざるを得なくなる。 こういうBIS規制に入ることになったいきさつについて、一体どこの国がこれを一番最初に主張したのか、そういうことをまずちょっと伺っておきたいと思います。
○政府委員(土田正顕君) いわゆるBIS規制導入のいきさつについて御説明を申し上げます。 このBIS規制というものは、銀行業務の自由化、金融市場の国際化が進展します中で、一つには国際的な銀行システムの安定性の向上を図り、また二つには国際的に活動しておる銀行間の競争条件を平等なものとするために、銀行に対する自己資本比率規制の国際的統一を図ることが必要であるという認識が高まりまして、昭和六十三年、一九八八年六月にスイスのバーゼルで開催されました銀行規制監督委員会、これをバーゼル委員会とも通称いたしますが、そこにおきまして自己資本比率規制の国際的統一を図るための基本的枠組みが合意されたものでございます。 なお、補足いたしますが、そこに至るまでの、どこの国が最初にこういうことを言い出したかというところまで立ち入って申し上げますと、これは主要国の中ではアメリカ及びイギリス、この両国であったかと思います。 アメリカにおきましては、一九七〇年代以降、金融の自由化、預金金利の自由化が進展する中で、銀行倒産が急増するなどのことがあり、自己資本の充実問題がクローズアップされてきたということがございました。そこで自己資本比率規制の導入ということが試みられたわけでございます。 また、イギリスにおきましては、これは一九七一年の預金金利自由化の完了後、やはり一九七三年から七五年ごろに中小銀行の破綻発生というようなことがございまして、ここで、イギリスの場合はイングランド銀行でございますが、自己資本の充実に着眼しましてその方面の指導基準を開拓してきたというような歴史がございます。
○赤桐操君 日本もかなり強くこれを主張したんじゃないですか。
○政府委員(土田正顕君) 我が国におきましても、従前からこれは金融機関の健全経営諸比率の中で自己資本の増強、充実というものが一つのメルクマールであるということで、そのような指導基準をつくっておったわけでございますが、やはり自己資本比率というものは健全経営基準の中の一つの重要な柱でございます。そのような銀行の健全経営、さらには全体としての銀行システムの安定性の向上から、このような事柄自体につきましては前向きにこれを支持すべきものだというふうに考えておるわけでございます。
○赤桐操君 このBIS規制の中に株式の含み益を組み入れるという現行のシステムでは、銀行の行動は今後常に株価の動向によって左右されることになる。一時の株高の現象をルールに入れるということについては、これは大変大きな問題を残したのではないか、こういうように批判が出ておるわけであります。 日本の銀行がそういう立場に立って大変苦しくなってくるというと、結果的に海外資産の整理に入る、当然の結果であろうと思います。そうなると、連鎖的に金利の上昇や通貨価値の下落などが発生してくることも懸念されることに相なります。他国の金融市場を撹乱することにもなるでしょう。こういうことになってまいりまするというと、何のためのBIS規制なのかということが問われることになるわけであります。 そこで、基準を達成しない場合に、我が国の金融機関にどのような影響が出てくることになるのか。政府としては、規制見直しをBISに対して今後どのように主張していくつもりなのか、この点について伺っておきたいと思います。
○政府委員(土田正顕君) 御高承のように、いわゆるBIS規制は、銀行経営の健全性などを維持するための国際的な合意といたしまして、現在主要な各国においてその実施に向けてさまざまな努力が行われておるところでございます。 私どもの日本におきましても、今後金融の自由化がさらに進展する環境のもとで、金融機関の健全経営を確保し、利用者からの信頼の醸成、さらには金融システムの安定性の確保を図るためには、やはり自己資本比率の充実が重要であると考えられます。 また、国際金融市場という観点から申しますと、現在日本の銀行は、国際金融市場の資産総額の三割超を占めるに至っておるわけでございまして、いわばそれだけの大きな存在になっておるわけでございますから、国際的に活動しております金融機関の平等な競争条件を確保するべく取り組んでまいるということは、これは我が国の責務であると考えられます。そのようなことから、BIS規制そのものは必要なものであると考えておりますし、現段階で、まだ経過期間中でもありますことから、BIS規制の見直しを論ずることはいかがかと思われます。 一般論といたしましては、議員御指摘のように、株価の変動がいわゆるBISの方式によりまして算出するところの自己資本比率にややイレギュラーな変動をもたらしまして、その振幅を激しくするというようなことはあろうかと思いますが、やはりそれはそれなりに、自己資本比率が低下するというようなことがあれば、まさにそのときこそより一層健全経営に留意せねばいかぬというような状況でもあるわけでございまして、日本の銀行に都合が悪いからといってそのルールの見直しを日本だけの事情から提案するということは余り適当とは考えられません。 幸いにも、この三月末でございますが、最終基準である八%を達成しておるものがほとんどであり、達成しておらないものはほんの数えるほどしかございません。今後、もちろんいろいろな銀行の自己努力、それから市場の動向によるところも多いわけでございますが、各銀行の努力と相まって、私どもも自己資本比率向上策の一層の多様化につきまして、できる限りいろいろ支援していきたいと考えておる次第でございます。
○赤桐操君 重ねて局長に伺いますが、これからの状態を見通して、今は八%に達してないのは幾つもないと言われておるが、果たして今後はどういうようになりましょうか。
○政府委員(土田正顕君) これは分子、分母両方の動きによる総合的な結果として比率が出てまいるわけでございます。したがいまして、一つは銀行の経営努力という問題もありましょうし、もう一つは確かにいろいろ御指摘になっておりますような外的与件、経済環境の変化、そのようなものもございます。それからさらには、これは銀行の自己努力のうちではございますが、自己資本充実策として、さらに現在行われておりますものに加えて何らかの工夫があり得るかというような問題も関係してまいるわけでございまして、これからの状態というものをいわば数量的に予測することは困難であろうと考えております。
○赤桐操君 このBIS規制に対する日本の国際舞台における態度表明、それからまた国内的には証券市場のあり方、このいろいろ混乱している状況、こうしたものを考えてみるというと、要するにその場その場の場当たり的なやり方でやってきたとは言いませんけれども、かなりやっぱり本質的な突っ込んだ腹の据わった対策がなかったからこういう結果になってきているんじゃないかと思うんですね。こういうことについての、証券行政そのものの進むべき今後の道についての考え方について大臣のひとつ所見を伺っておきたいと思います。
○政府委員(松野允彦君) 少し私の方から初めに申し上げたいと思います。 証券行政、先ほど申し上げましたように、基本的には公正な証券市場を確立するということにあるわけでございまして、証券業者というものを免許制にし、それの監督を通じて公正な証券市場を実現するというようなことに主眼が置かれております。一方では、もちろん今御議論いただいております検査監視体制を強化いたしまして、不正な取引が行われる場合にはそれに対して適切に対応するということになるわけでございます。 そういう証券市場、この中には株式市場あるいは債券市場、さらには新しい証券化関連商品の市場という、いろいろな市場がございます。基本的に証券市場というのは、一般の投資家あるいは資金調達者が自由に入ってきて自由に調達し、あるいは運用をするという場でなければならないわけでございます。そのために公正な取引を確保しなきゃいけない、あるいは十分な情報提供が行われなければならないというようなことになっているわけでございます。 現在、非常に問題になっておるのは特に株式市場でございまして、これにつきましては、繰り返しになりますが、一連の不祥事によって生じた信用の失墜というものが回復してない。さらには、過去に行われた大量の資金調達が需給バランスを崩したままになっている。それは、個人投資家が、健全な資産形成の場として個人の金融資産が株式市場に入ってくれば、これは需給バランスの改善も考えられるわけでございますが、そういう状況にないということでございまして、やはり行政の立場としては、まず何といいましても株式市場について、特に個人の健全な投資の場になるようにしなければいけない。 これは投機というものも当然株式市場にはつきまどうものでございますから、投機を一切認めないというつもりはございません。しかし、やはり何といいましても、大部分の個人投資家は投資として入ってくるわけでございまして、短期的な回転売買でキャピタルゲインをとるとか、そういうようなことではなくて、中長期的に投資を行って、買っております株の発行企業が成長していけばそれなりにキャピタルゲインも中長期的にも入ってくるわけでございます。そういった意味で、株式市場につきましては、特に個人のそういう中長期的な資産形成の場としての機能が果たせないかというのが私どもの非常に大きな行政の重点になっているわけでございます。 市場関係者、その資金調達者であります発行会社もいるわけでございまして、発行会社に対しては、そういうふうな個人投資家が株式市場に入ってくるようにやはり何といっても配当をふやすとかいろいろな方策を考えなければいけない。証券会社につきましては、過去のいわゆる過当な回転的な売買、キャピタルゲインねらいの過当勧誘のような投資勧誘態度というものをやはり変えなきゃいけない。いろいろな問題がございます。そういったような点について私どもできるだけのことをやっていっているわけでございまして、あわせてこの監視機能を高めて、何か変なことが行われればそれが是正されるということがやはり必要ではないか。 株式市場以外の市場、特に債券市場につきましては、先ほど申し上げましたように、最近非常に債券がふえておりますし、個人投資家もかなり債券には投資が行われてきております。したがいまして、そういうものを通じて株式市場の性格といいますか、従来のような投機にやや偏り過ぎた株式市場を、投機も潤滑油としては必要かもしれませんが、やはり投資を中心にして、そういった場に変えていくということが必要ではないかというふうに思うわけでございます。
○赤桐操君 次に、飛ばしについて伺っておきたいと思います。 いわゆる飛ばし行為を会社ぐるみで行っていたとして、四月の二十八日に山種証券に対して営業停止の行政処分が行われた。しかし、実際その後の状況を見ると、山種以外にも大和、コスモ、丸万、こういった各証券会社においても飛ばしの行為が行われているということが明らかになっております。 現在まで大蔵省が把握されている証券会社の飛ばしの行為の実態について、取引額あるいはまた訴訟件数、こういったものについておわかりでありましたら、ひとつ明確にしてもらいたいと思います。
○政府委員(松野允彦君) このいわゆる飛ばし取引と申しますのは、一般的に申し上げますと、含み損がある有価証券を保有しております企業が、決算期に際しまして、その含み損が表面化するのを回避するために決算期前に別の企業に直取引で含み損のある有価証券を簿価などで売却する取引ということが言えると思います。そういう企業間の直取引に証券会社の営業マンが仲介をして介入をしているわけでございまして、そういったような観点から証券会社の使用者責任が問われたわけでございます。 山種証券のケースにつきましては、私ども事実関係を調べまして、証券会社自身がこの行為に関与していた部分がある。この関与につきましては、その関与の形態等、行為の内容を調べますと、これは証券取引法が昨年に改正されました前の行為でございますけれども、その当時の証券取引法に照らしてみましても、いわゆる特別の利益を提供することを約して勧誘する行為であるというふうな判断ができた、そういうふうに認めたわけでございます。 したがいまして、証券取引法第五十条違反であるということを認定いたしまして、山種証券につきましては、証取法五十条違反ということで証取法上の行政処分、具体的には法人営業の二週間の業務停止ということを行いますとともに、それに直接関与しておりました営業マンにつきましては、これも証取法上の行政処分でございます外務員登録の取り消し処分というのを行いました。これは一回取り消されますと五年間外務員として従事することができないということになっております。 あとのケースにつきましては、現在一部訴訟中のものもございます。あるいは既に裁判所の和解、民事調停が成立したものもございまして、その事実関係を現在究明中でございます。 何分、これは営業マンが会社に無断で、しかも会社の帳簿を一切通さない形で仲介行為が行われておりまして、なかなか事実関係を把握するのに時間がかかっているわけでございます。現在までのところの調査では、それ以外の証券会社の場合には、証券会社自身がそういう行為を行ったということが認定できるのは非常に難しいような状況でございます。 なお、お尋ねの件数でございますが、私どもが把握しておりますものは、訴訟が提起されたものあるいは訴訟で既に和解が成立したもの、それから民事調停が行われ、その調停が成立したものというものでございますが、こういうもの全体といたしまして現在まで把握しておりますのは、顧客数にして十五件ございまして、現在まで決着がついておりますものだけでございますけれども、証券会社の支払い額は千七百五十五億円ということになっております。
○赤桐操君 わかりました。 山種を処分した理由については法第五十条に基づくと言われておるわけであります。山種の場合、これは当然営業マンのみならず会社ぐるみで利回り保証的な取引が行われたということを重視しているわけでありますけれども、山種以外の証券会社においてもこれは会社ぐるみで行われたんではないかと思うんですが、この点はどういうように解釈をされるんでしょうか。一営業マンが億単位の取引を会社の上司に相談もしないで現実に行うということはあり得ないと思うんですが、この点についてひとつ伺っておきたいと思います。
○政府委員(松野允彦君) 先ほど申し上げましたように、現在まだ事実関係を調査中でございます。 確かに、かなり巨額の取引が営業マンの仲介で行われているわけでございます。ただ、そもそも最初の段階では、やはり営業マンが企業の要請によりまして別の企業にあっせんをするというような行為をしているわけでございまして、それは全く証券会社を通らない、帳簿上には一切痕跡が残らない形で、全く個人的な仲介行為というような形で行われております。山種証券の場合には、途中からそれを発見した証券会社がさらに証券会社としてそういうものに仲介をしたという事実関係があったわけでございますが、現在調べております残りの証券会社につきましては、現在までの調査のところではそういう事実関係が認められないわけでございます。 一営業マンが非常に巨額の取引の仲介をしたということには確かに非常に問題があるわけでございまして、それを会社がどうしてチェックできなかったのかという点については私どもも証券会社にいろいろといろんな点で聞いておりますし、また証券会社そのものも、こういうような巨額の損害補償をしなきゃいけないということになりますとこれは経営にかかわってくる問題でございまして、やはり何らかの形でチェック体制というものをつくらなきゃいけない、あるいはどこにチェック体制の漏れがあったのかという点についても各社で事実関係の究明と並行して行っているわけでございますが、現在までの私どもが把握したところでは、営業マンの個人的な仲介行為であるというふうな事実しか把握されていないというのが現在の状況でございます。
○赤桐操君 山種だけが会社ぐるみで、その他は会社ぐるみでないということになりますね、そういうことで落着すれば。これは一罰百戒というかそういうこともありますから、そういう点もないことはないでしょうけれども、問題は、それによって一体個人投資家、国民がどんなふうに見るかということです。国民の証券会社に対する不信感がますます広がる。この飛ばしの実態が明らかにされない限り、個人投資家の市場への回帰といいますか信頼の回復というものはないということになってくるというと、これは大変な問題になるんじゃないか。やはり実態を明確にして、そのほかのいろいろの会社に対しても、きちっとした処置をとりました、自今もうこういうことはあり得ないという保証が行政の側からも確信を持って報告されなきゃまずいのではないかと思います。 そういう時期は何としてもつくり出す、その時期を明記したいというように意欲的にお考えが一体あるのかどうなのか、あるいはこのままずるずるっといってしまうのか、けじめをつける考えがあるのかどうなのか、この点ひとつ伺っておきたいと思います。
○政府委員(松野允彦君) 山種証券の件につきましては、行政処分を会社とそれから営業マンに対して行いまして、その際に私どもが把握した事実関係につきましてはできるだけ詳細に行政処分についての発表の中で織り込んだわけでございます。 それ以外の証券会社につきまして現在事実関係を調査しておりますが、いずれにいたしましても、営業マンが今申し上げたような山種証券の場合と同じように特別の利益提供を約した勧誘行為であるというようなものに該当するというような可能性は非常に高いわけでございまして、そういった観点から申し上げますと、やはり何らかの形の営業マンに対する証取法上の処分というものが行われることが十分予想されるわけでございます。 いずれにいたしましても、私どもは事実関係をはっきり確定した上で、それに対して証取法の適用を行い、それで行政処分ということになれば、当然外務員に対する行政処分の場合でありましても、できるだけ事実関係を明らかにしていきたいというふうに考えております。現在、鋭意事実関係を究明しておりまして、そんなに時間がかかるというふうには考えておりません。
○赤桐操君 わかりました。それはひとつ明確にやっていただきたいと思います。 次に、貸し株についてのお尋ねをしておきたいと思います。 最近の銀行株の下落について、海外の機関投資家が貸し株市場で借りた株を売る、いわゆる空売りが主たる原因だと言われておりますね。貸し株市場というのは機関投資家の需要によって欧米で発達した市場である、このように私は聞いております。事実そのようであります。この市場から投資家は品借り料を支払って借りた株式を市場で売卸し、値下がりしたところで買い戻して利益を確保していくのがねらいだということであります。 この市場に対して我が国の生命保険会社などの機関投資家が株式を出していることによって銀行株の下落に拍車がかかっている、そういうことが言われております。この生保等の行動を大蔵省はどこまで把握しておられるか、また大蔵省はこれらの生保等に対して行政指導を行い、株を貸し出すことについても自粛するよう要請をしておるように聞いておりますが、これは事実かどうか、この点伺っておきたいと思います。
○政府委員(松野允彦君) 貸し株市場、株の貸し借りの市場でございますが、これは御指摘のように確かに海外で非常に発達をしております。特にアメリカで発達をしている市場でございます。そういったこともございまして、日本の株についても海外でそういう貸し株、株の貸借の市場ができているというふうに聞いております。ただ、これは株の貸借、貸し借りにつきましてはあくまでも機関投資家、生保あるいは信託等が参加していると聞いておりますが、そういうところの業務の一環として行われているわけでございまして、私どもとして全体の規模、市場規模などを把握するということは非常に難しいわけでございます。 御指摘のような点もございまして、私どもも国内の主な機関投資家について貸し株の実態を、特にこの株価急落の局面、銀行株の値下がりが目立った局面でヒアリングを行ったわけでございますけれども、少なくとも私どもが把握している事実の限りでは、この貸し株による株を借りた海外投資家が日本市場で売却をするという、貸し株を利用した売りが株価の急落の直接の原因になっているというふうには市場規模あるいは貸し株の規模からしてどうも言えないのではないかという感じを持っております。この株価の急落につきましては、特に銀行株の場合にはやはり株価下落が銀行に与える影響等に懸念した売却、金融株の下落というのもございますし、あるいは先ほど来申し上げておりますいろいろな株式市場低迷の要因というものが重なっているわけでございます。 日本の国内機関投資家の貸し株そのものにつきましては、先ほど申し上げましたように、これは業務の一環として行われておりますので、それを私どもとしてどうこうということは言えないわけでございます。 ただ、聞くところによりますと、こういうものはやはりボリュームとしては少ないわけでございますけれども、市場に心理的影響を与えるというようなこと、これはマスコミなどでも非常にそういうふうなことが取り上げられたわけでございまして、生保あるいは信託各社は貸し株については非常に慎重に対応しているというふうに聞いております。
○赤桐操君 そうすると、大蔵省当局としてはそういう指導はしてない、自粛するような要請はしておらぬということですか。
○政府委員(松野允彦君) ヒアリングを行って実情の把握はいたしましたが、あくまでも業務の一環として行われるものでございますので、直接私どもから貸し株を抑制するように要請したことはございません。
○赤桐操君 しかし、生保の立場にしてみれば、そういう場を通じて要請されたというように感じますよ、それは。だから結果的には自粛要請をされたんだと、こういう解釈に立ってこれが海外市場に取りざたされていくことになるんじゃないですか。 例えば貸し株については、海外においては生保のほかに年金基金のような機関投資家も貸し付けているというわけなんですね。こういうような行政指導あるいは指導まがいのことが出てくるということに対しては、証券取引の国際化に逆行するんじゃないか、こういう批判まで出てきて、これがマスコミによって報道されてきている、こういう状態になっていると思うんです。大蔵省としてはこれをどういうふうにお受けとめになりますか。
○政府委員(松野允彦君) この貸し株市場につきましては、先ほど申し上げましたように、海外で大いに発達をしている市場でございまして、国内ではまだそういう市場が整備をされておりません。私どもの一つの検討課題としてこの貸し株市場の問題がございます。 日本の場合には、御存じのように株式取引については信用取引制度というものがございます。信用取引制度というのはいわば株を持ってない人が信用で売る、あるいは信用で株を買うというようなことができるわけでございまして、従来はそういう信用取引を利用することによって事実上貸し株市場というようなものと同じような機能が発揮されてきたわけでございます。 しかし、御指摘のように証券取引の国際化が随分進んでおります。海外からも日本に貸し株市場を整備すべきではないかというような指摘もございます。私どももそれは今申し上げたように検討課題であるというふうに考えているわけでございまして、貸し株市場というものが整備されますと、その市場管理という問題が当然出てまいるわけでございます。しかし、個々の貸し株を行います機関投資家の行為というものを、それが正当な業務行為である限りにおいては、我々としてそれに対して何らかの指導をするということはできないというふうに考えているわけでございます。
○赤桐操君 私は、いわゆる証券取引についても急速に国際化が進んでくるだろうと思うんです、自由化ということで垣根を全部低くしながら今総体的にやっているわけですから。そうなると、今のように証券取引の国際化現象というものに対して抑えるだけではもう通らないんですね。これはもうとてもじゃないが、研修会とか研究会とかということで、看板はそういうことで下げている。いろいろやるが、こそくなことをやったって、これはとてもじゃないがおさまるものじゃなくなってくる。したがって、もっと積極的に、規制をするということを優先するんではなくて、本格的にこういうものに対する対応策について大蔵大臣としてもお考えをいただかなきゃならぬ時期が来ているんじゃないかと思いますが、最後にこのことを伺って終わりにいたしたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) 今、御指摘がございましたように、市場というのはただ規制とかそういったことだけではなくて、ルールというものを守りながら自由な競争ということをしていくことが最も重要であろうというふうに考えておるところでございます。 その意味で、今度は証券の取引等につきましての監視委員会というものをつくることにしたわけでございますけれども、しかしそれに合わせまして、証券取引所ですとかあるいは証券業協会、これを証取法上のきちんとした機関として認めるということで、まずみずからが律していくということが大事なことであろうというふうに思っております。そういう中で自由な取引が整々と行われる、そういう環境を整備することが私どもといたしまして、行政としても念頭に置きながらこれから運営していくことが重要であろうというふうに考えております。
○委員長(竹山裕君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十六分休憩 ―――――・――――― 午後一時開会
○委員長(竹山裕君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。 証券取引等の公正を確保するための証券取引法等の一部を改正する法律案を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○鈴木和美君 私は、午前の赤桐委員の質問に続きまして証券の問題を質問するわけでございますが、その前に、先般同僚の委員も質問されたと思うんですが、全銀協の不良債権の情報開示問題について先に質問させていただきたいと思うんです。 五月二十日の朝日新聞ですが、「全国銀行協会連合会が論議していた不良債権の情報開示問題で、開示内容を決定する直前に大蔵省が「事実上の圧力」をかけ、論議が中断されていた」と報じられているんですが、圧力をかけたんですか。
○政府委員(土田正顕君) マスコミに報道されておりますような当局が圧力をかけたという事実はございません。
○鈴木和美君 先ほどの松野証券局長の答弁も、問いでおってどうも大蔵省というのは、頭がいいのか言葉の使い方が上手なのか持っている体質があうんの呼吸なのか以心伝心なのかよくわからないんですが、新聞は圧力をかけたと書いてあるし、今の局長の答弁は圧力をかけていないと。 どういう話をされたのか、事実関係を明らかにしてください。
○政府委員(土田正顕君) まず、ディスクロージャーについてでございますが、これは私どもの姿勢は、ちょうど本年一月に取りまとめられました金融制度調査会の報告書にもありますように、今後の方向として、各金融機関はより広範なディスクロージャーを推進していく必要があるという立場に立っているものでございます。 そこで、このディスクロージャーで具体的に問題になりました論点を御説明いたしたいわけでございますが、実は銀行法その他各金融機関の業法に、「説明書類の縦覧」という制度がございます。これは一般企業にはない金融業に独特の規定でございますが、ディスクロージャーの建前は、各金融機関がその企業内容を積極的かつ自発的に開示する、そういうものを促すという訓示規定でございまして、特別何を開示しなければいけないというような必要的記載事項が法令に定められているものではございません。ただ、長年この制度を運用しておりますうちに、銀行界でいわば最低水準の必要記載事項というようなものを申し合わせるというふうに現実にはなっております。 それで、それにつきまして今回いろいろ見ておりますと、この不良債権情報開示などが一つの例でございますが、大銀行から小さな銀行までの間に、代表的な都市銀行と地方銀行までの間にいろいろ実務的または理論的にも問題があり、議論がそろわなかったというようなことはございました。そこで、結局この不良債権の情報開示について今回は結論を得なかったということでございます。 ただし、私どもとしてはディスクロージャーは金融機関の経営の健全性に関する自己努力を促進するための一つの方策としてこれを活用していくべきであると考えておりまして、実務的、理論的になお検討を要する点も少なくございませんので、今後金融制度調査会にディスクロージャーに関する作業部会を設けて専門的な立場から検討を進め、なるべく早期にその結論を得たい、そのような方向でこの問題についても開示内容の一層の充実を図ってまいりたい、そのような考え方を持っております。
○鈴木和美君 圧力をかけないという話と今の答弁とをミックスさせて考えますと、いみじくも金融制度調査会、この結論が出るまで待てやと、お前らそう急ぐなということをお話しされたんじゃないんですか。そうじゃないんですか。
○政府委員(土田正顕君) 金融制度調査会で専門的な立場から検討を進めるということは既にことしの一月の金融制度調査会の報告書において述べられておったことでございまして、私どもも知っておりますし、業界も周知の事実でございます。 それで、ただいま申しましたことをもう一度繰り返しますが……
○鈴木和美君 いや、いいです、長くなるから。
○政府委員(土田正顕君) 要するに、義務的な記載事項としての意見がそろわなかったので見送られたということでございます。
○鈴木和美君 私は、いろんな新聞その他業界からも話を聞いてきましたが、今局長がお話しをしたような事実とは違ったような認識をしています。議論は後からまた続けます。 さて、もう一つ聞いておきたいんですが、この前、四月二十三日に発表した都市銀行と長期信用銀行、信託銀行二十一行、九一年の三月末で貸出総額三百五十兆、そのうち六カ月以上利払いが停止している債権は七兆から八兆円あり、うち担保を処分しても回収不能な債権が二兆から三兆円である。したがって銀行資産に占める不良債権の割合は小さいので許容範囲であるというように大蔵省は述べたと報道されていますね。 この時期にこういう発表をなさったのはどういう理由でございますか。今まで例がないんじゃないですか。
○政府委員(土田正顕君) この点は、確かに御指摘のように今まで必ずしもそのようなことはやっておりませんでしたが、三月期の業績をめぐりましては、もちろんこれは個別銀行の決算でございますから個別の各行が自主的に行うべきものでございますけれども、この四月前後の動向を見ますと、内外のいろいろな報道などで株価の下落や不良債権の増加などが我が国の金融機関経営に与える影響について種々報道され議論を呼んでおりますような情勢が認められましたので、私どもとしては、金融機関の経営の実態について内外の理解を深めていただくために懇談と申しますか、非公式な説明を行ったものでございます。
○鈴木和美君 これもまた新聞ですが、私もそうじゃないかなと思っているんですが、今局長が述べられたのは、私の言う三つの理由の中の第一の理由なんですわ。銀行株の大幅安に対する不安解消が目的だった。こういうのが一つでしょう。二つ目は、バブル崩壊が銀行経営に与える打撃を悲観的に見過ぎて金融システム全体に悪影響を及ぼすことのないように配慮した、そういう目的を持っておった。もう一つは、「羽田大蔵大臣ら」と書いてあります。大蔵省幹部はこれまで銀行の収益力や内部留保の状況から見て経営の心配は全くないと答えていたものを、非常に問題があるから数字的に発表する、裏打ちがぴしっと合うような意味で異例のこういう発表をしたというのが大体新聞報道の集約された私は中身じゃないかと思うんです。 これはある意味では配慮の面としてはわかるんですけれども、先ほどの証券問題に対するいわゆるディスクローズの問題から、それから自主規制問題から、話があったときに、本来であれば業界がすかっといろんな問題を発表することの方が一番いいわけなんですよね、自己責任なんですから。それが、大蔵省があえてこういうことをやったということは、どうも意図するところが私は釈然としないんですよ。ちょっとやり過ぎじゃないのかなと思っているんです。 もう一つ心配なことは、ある証券会社のレポートをここに持っていますけれども、こういう指摘があります。今や、都銀、長銀、信銀の三業態で不良債権は二十兆円を下らない、もっと綿密に調べると三十兆じゃないか、そのうち担保割れは五兆円だと、こういうふうに試算しているんです。先ほど述べたように、七兆から八兆だと、そしてもう少し調べてみると二兆か三兆だと言っている数字と、今こういう専門家が調べている不良債権の数字と一致しなかったということになったらどういうことになりますか。あえて大蔵省がさきに例のない発表をされたということの数字と実際に出てきた数字が違ったといったら、大蔵省の発表とか指導というのが本当に権威があるのか、こういうことの問題に問われるんじゃないですか。 同時に、自主規制という問題と、それからディスクローズという問題に対して、指導と逆なことをやっているというようなことがあってはならないと思うのでございますが、見解はいかがでございますか。
○政府委員(土田正顕君) まず第一点でございますが、それはもちろん決算の分析その他は追って業界、具体的には協会でございますが、各銀行の計数を取りまとめまして発表をし、また分析資料を刊行いたします。ただし、あのような三月三十一日の期末の時点の直後でございますと、結局個別の銀行の数字を、これもやや速報値でございますが、とりあえず持っているものとしましては行政当局以外にはございません。まだ協会はそのような数字は持っておりません。そのような段階でございましたので、私どもが、しかも個別銀行の内訳を示すことなくトータルで実態に即した説明を行うという判断をしたわけでございます。 それから第二の問題でございますが、私どもは三月末の決算見込みの速報値を取り上げ、それに基づきましてある程度具体的な根拠を持って、先ほどから話題に出ておりますところの貸出金利息が六カ月以上未収となっている貸出金について、都市銀行、長期信用銀行、信託銀行の三業態の額はおおむね七、八兆円であると申し、また担保保証でカバーされているものを除いた貸出金、これはしょせんは見込みにならざるを得ないわけでございますが、その貸出金は二兆円から三兆円と思われると申したわけでございます。これは今年三月末の決算の実態に即した数字であると私どもは考えております。 これにつきまして専門家がいろいろと御批評になるのは御自由でございますが、しかし、不良債権とおっしゃるときのその定義は何でございますか、それについて具体的にこういう定義で拾うと幾らになるというような、そこまでの突っ込んだ御説明の例は余り拝見しておりません。しょせん見込み数字であるということであろう、あるいは三月末というよりももう少し先行きの時点を想像したものではあるまいかと思っております。 さらに、一、二の資料を見ますと、銀行自体の不良債権なるものに加えて、銀行が関係を持っておりますところのノンバンクの不良債権までも合算したと思われるような数字のつくり方をしているものがございます。そのようなものは、分析はそれぞれなさることでございましょうが、私どもの方で銀行から取り寄せました速報値に基づきまして実態を踏まえた数字というものが間違っておるということにはならないというふうに私どもは考えておるわけでございます。
○鈴木和美君 今局長が述べられたように、不良債権とは一体どういうものを言うのかということについては、必ずしも試算をしている人たちが統一的な定義を持ってやっているとは思いません、確かに。しかし、日本の不良債権に関する考え方とアメリカの不良債権に対する考え方と大分開きがございますね。どっちかというとうちの方が甘いんじゃないですか。甘いということは、これも証券と関係するんですが、どっちかというと預金者保護とか投資者保護というよりは業界保護の方の立場の方が比較的鮮明になっておって、偏ってそういう運営がずっと持続されてきているわけです。 そこで、これはちょっと言い過ぎじゃないかと言われるかもしれませんが、この前私は大口投信の問題について質問しました。これからもやります。つまり、どうも省の方は業界を保護するというような立場が強いせいか、その決算報告でディスクローズの報告についても一年ぐらい先延ばしてもいいよと。金融制度調査会の答申を待ったらいいじゃないかということを悪意に解釈すると、一年待ってやるから不良債権をもう少し上手に整理しておけと、例えば系列のノンバンクに入れておけや、担保もそっちに回しておけや、帳簿上はきれいにしておけやというようなことが思いやりとしてあるのか。自民党全体が経済緊急対策の中で証券の問題でああいう大口投信が出るような状況にかんがみ、すべて景気刺激をしなきゃならぬというような考え方、背景があってこういうことがなされたんじゃないのかというようにうがって私は見たいのでございますが、間違いでございますか。
○政府委員(土田正顕君) 私どもはもう少しテクニカルに物を見ておるつもりでございます。日本とアメリカで開きがあるのではないかというのは、それは御指摘の面はあるかと思います。そのいわば取り上げ方が一致しておらない面があると思います。しかし、例えば担保があるという場合の担保の効力、実際上それは日本と例えばアメリカとの担保物件法や運用の違いもございます。日本の場合にはかなり一般的な融資について物的担保を徴しておりますが、それは債権の保全に有効であるというふうに実際に機能しておるということで、アメリカに比べますと日本の銀行は担保というものに依存をしておるようなところはあろうかと思います。 それから、例えば不良債権が、行き詰まるところは償却するわけでございますが、この償却するしないについては税制上認められる基準というものがありまして、それがやはり各国の法制の運用によって違いが出てくるというようなことはございます。したがいまして、国際的に統一がとれていないということはありますかもしれませんが、それは各国の法制の違いもございますのでやむを得ないことであろうかと思います。 それからもう一つ、ディスクローズを先に延ばすということでございますが、そこは実は、先ほどの説明が多少言葉が足りませんでしたが、私が申しておりますのは、義務的な記載事項についての意見がそろわなかったのでこれは見送られたということでございます。この説明書類の縦覧の規定は、先ほど申しましたように自発的なディスクローズを促す訓示規定でございますので、各銀行が自分の判断に基づいて独自の資料を公開することはそれは経営上の判断でできることでございます。そこまでをとめておるつもりはございません。 それからまた、もっと上手に整理しておくというような時間的余裕を与えたという見方もそれはあるかもしれませんが、むしろ私どもは逆に、いろいろ実務的に十分研究しないで断片的に一つ、二つの数字を切り口としてとらえますと、そのような数字を少なくするという操作は意図的にある程度できるわけでございます。そのような弊害みたいなものも考えながら、どのような技術的なアプローチが最も的確であるか、これを考えるには時間が不十分であり、なお専門家の御研究にまつところもあると思いまして、作業部会の作業をお願いしでおるわけでございます。
○鈴木和美君 この問題ばかりやっているわけにいきませんので、この問題の締めくくりの意見を述べておきますが、いずれにしても自己責任に基づく経営という問題と経営内容の積極的な公開、この原則だけはやっぱり業界に持たせてやらなきゃいかぬと思うんですね。これがいわゆる預金者保護の大きな私は柱だと思うんです。臭い物にふたをしろというようなことの姿勢があってはいかぬと思うんです。また、そういうように思われるような動きをすることもどうかと私は思うんです。そういう意味で、ぜひそういう点に留意しながら行政に当たっていただきたい、お願いを申し上げます。 それでは、証券問題に移らせていただきます。先ほどの赤桐委員からの質問でダブるところはカットしながら御質問申し上げていきたいと思います。 私は、この監視委員会なるものが設置できたことによって、ああいう不祥事というものが本当に解消するのかということをお尋ねをしたかったのでありますが、これは赤桐委員に先ほどお答えがありましたから省略をいたします。 さて、この監視委員会ができ上がったということは、証券行政の私は大きな転換じゃないのかというように受けとめているんです。それに間違いがあるかどうかお答えいただきたい。つまり、監視委員会ができ上がったということは、従来の行政当局でなく監視委員会が行うわけですから、そういう意味では形態と性格というものは業者の保護育成型から市場監視型に行政が転換したんだ、こういうふうに受けとめて間違いございますか、いかがですか。
○国務大臣(羽田孜君) 我が国におきまして、昭和四十三年以降、証券業が経済的にも社会的にも公共性の高い事業であるという国民的な認識のもとに免許制というものをとり、免許段階で不適格業者を排除するとともに、業者に対する予防監督的な指導監督行政、これを実施してきておるところでございます。 しかしながら、国際的な金融自由化の中で、行政が業界の保護育成に重点を置き過ぎたのではないかという批判があること、これは私、先ほどからのお話もお聞きしながら認識しているところでございます。こうした認識に立ちまして、金融制度改革の推進ですとかあるいは株式の委託手数料の自由化等を通じまして、適正な競争原理、これの活用を図っていくということが重要であろうと思っております。 今般、より公正で透明な証券市場の実現に向けまして、新しい検査・監視体制の創設を含む所要の措置を講ずるとともに、証券市場における有効かつ適正な競争を促進することなどを目的とした二つの法案を提出しているところでございまして、両法案はこれはお互いが助け合うといいますか、相まって我が国金融資本市場の健全な発展に資する、そのように私ども考えておるということを率直に申し上げたいと存じます。
○鈴木和美君 私の答えになっていません。私が聞いているのは、監視委員会をつくったということは、後ほど三条委員会か八条委員会かということは議論しますよ、議論をするんだけれども、国民の多くが願っていることは、大蔵省とは別機関で独立して中立性みたいなそういう機関を設けてくれというのが大方の意見なんですよ、これは。その意見を素直にとれば三条委員会なんですよ。 けれども、なかなかそこまで一挙に行くことには問題があるから、今回のように八条委員会というのができ上がったことなんでしょう。けれども、その本質、哲学というのは、今までの業界の保護というか、株屋から銀行並みに背を伸ばしたいよと言って育ててきたわけよ。そういう育ててきた形から、今度はつまり個人投資家保護、そういうものから見て監視委員会を強めるということは、証券行政というのが市場監視の形に転換したんじゃないのか、そういうふうに見て間違いないかと私は聞いているんです。
○国務大臣(羽田孜君) その点は一番のあれであろうと思っております。ただ御案内のとおり、先ほどから御議論がありましたように、市場というのは、基本的にはルールというものを持ちながらも自由濶達な市場であるということが一番健全であろうというふうに思っております。 その意味で、証券業界もあるいは証券取引所も証取法上の組織としてこれを位置づけるということによって、まず自主的なものが大事であると。しかし、そういった中でルールを犯す者があるから、これを監視委員会をつくるということで、今御指摘がありましたように、いわゆる保護育成ということよりは、業界の濶達なことを望みながらも、消費者といいますか投資家、こういった人たちがきちんと安心してこういったものに臨めるように環境を整備していこうというふうに受けとめていただければありがたいなと思っております。
○鈴木和美君 後ほど議論する登録制か免許制がというところの分野に入ってくるんですが、私がつまり市場監視型に転換するんでしょうなと、そういうふうに受けとめていいかと言う裏は、審議会でもこの制度について当面免許制で仕方ないんじゃないかと言いながらも、もう少し先に登録制に移行するみたいな、そういうものを研究しろということを言っているんですよね。 そうすると、そういうずっと長期の展望を見たときに、日本の証券業界というものは、国際的に見てもやっぱり登録型というか、一挙にアメリカ型みたいな登録になるかどうかは別にしても、従来のような免許制で、免許というのは指導するのが当たり前なんですよね、大蔵省がこれでよしとして免許を許すんですから。その責任は大蔵省が持つというのは当たり前でしょう。だから、免許制をとっている限りにおいては、これは八条委員会であろうと、大蔵省が責任を持って今までのような証券と行政をちゃんと区分けしながらやればいいんですよ、免許制度であるならね。 けれども、それだけではちょっと問題がありはせぬかという多くの声を中心にしながら今回八条委員会のところまで来たんだから、先の、将来の展望を見ると、証券業界のこれからの戦略、哲学というのは市場監視型に移行するんであるよということを述べられても私は間違いないんじゃないかと思うんですが、どうもそこのところがすかっという答えがないですね。いかがですか。
○国務大臣(羽田孜君) これは長いこと議論した末でありますけれども、しかしこの二年間ぐらいですか、証券不祥事というものを起こしてしまったというようなこと、そういう中から、これは一般投資家の方もそうでありますし、また機関投資家の人たちも市場に対する信頼というものを失っておるというような現状というものがあるということでございますから、今御指摘がありましたように、市場というものをきちんと監視するという形だろうと思っております。 ただ、御案内のとおり、昭和二十三年から登録制というものを採用してきたわけですけれども、その後、証券不況という中でいろんな問題を起こしてしまったということで、改めて実は免許制というふうに変わったわけであります。そういう過程を踏まえながら、今新たにもう一度何といいますか、きちんと市場というものをやっぱり監督する必要があろうということであろうというふうに考えております。
○鈴木和美君 よくわかります、そこまでの段階の話はよくわかります。私はその先を聞いているんですよ。その先、これから証券業界はどういうふうになるんですかということを聞いているんですよ。
○国務大臣(羽田孜君) 一番初めのときに申し上げたんですけれども、やはり市場というのは、ルールはちゃんとあるけれども、そのルールをみずからが守りながらそこで相撲をとるというのが本来だろうと思うんですね。ですから、将来といいますか、そういう形に持っていくために、しかしルールを犯したらいけないよということでこの委員会をつくっていくんだということでございまして、私たちは基本的にはこの自主的なルールというものを守る機関、これを中心にしながら健全な育成を図っていくということが一番重要じゃないかというふに思っております。
○鈴木和美君 まだよくわからないんですがね。免許制という制度をずっと踏襲する限りにおいては、もっと大蔵省は胸を張ってやってくださいよ。何もほかの人たちから力をかりて監視委員会なんかつくらなくたっていいじゃないですか。今まで大蔵省というのは検査は検査でちゃんとやっているんですよ。それが行政にぴしっと生かされてきたかというと、生かされてないんですよ。そういうところに問題があるんですよ。それがあんな損失補てんなんかというのが出ちゃったからわあわあこれは騒いでいるんであって、免許制というのであれば、私はそこを大いに胸を張ってやってもらいたいと思う。 ところが、そうは言っても国民の声があそこまで来たんだから、つまり接点として外国の例も見ながらこういう委員会をつくるんだと。委員会をつくるということと制度問題というもの、それは間接的に関係があるんですよ。監視委員会という性格が、アメリカのようにSECにするんだというのであれば、登録制で自由にやらせてくださいよ。それで悪いものはやめさせればいいんですよ。免許はそうじゃないでしょう。 だから、どっちの方向をきちっと踏襲するんだということを明らかにしないと、だれもが大蔵省の外に持っていくことが正しいんだというような理解になっていることに対して説得力がないんですよ。何だか及び腰で、まあ中間をとりましたというようでは、国民から見れば何だろうと思うわけでしょう。日本弁護士会だってそのことを言っているわけでしょう。 だから、そういう各界の知識ある層に対して、八条委員会になるのが正しいんだということを胸を張って物を言えるような、そういう姿勢を私はとってもらいたいと思うんです。だから、先の証券の業態というか形態はどうなるんですかということをしつこく聞いているんですよ。
○政府委員(松野允彦君) 大臣からもお答え申し上げましたように、我が国では登録制から免許制に転換をしたわけでございます。それにはそれなりの理由があったわけでございますし、行革審では中長期的には免許制、登録制についても考えるという御提言をいただいたわけでございますが、その後、証取審などでは、やはり日本の現状あるいはこれからのことを考えても、証券市場を健全にかつ安定的に発展させていくには免許制が適当であるという結論を一応いただいているわけでございます。 その免許制の中でいかに公正な市場をつくり上げていくかということの一つとして、この監視委員会、つまり御指摘がございましたように、確かに検査を十分してもそれが行政に的確に反映されなかった、つまり行政がそれをきちんと受けとめなかったのではないかというような御批判があります。そういったことも勘案いたしまして、やはり検査は検査で行い、その検査の結果を行政に適正に反映させるというような仕組みとして監視委員会というものを設け、行政と検査との間に一定の距離を置く。しかし、やはり免許制でございますから、それは行政がその検査の結果をちゃんと受けとめて、それなりに適切に対応して証券会社を指導するというような仕組みを用意したわけでございます。 将来、未来永劫のことを申し上げるわけにはまいりませんけれども、我々としてはこういう形で免許制のもとで、かてて加えて新規参入というようなことも考えております。そういうようなこと、あるいはこの監視委員会の監視機能、行政と検査との一定の距離というようなものを置くことによりまして公正な証券市場を発展させていけるというふうに考えているわけでございます。
○鈴木和美君 局長、私もそこまではわかっているんですよ。この審議会の一番最後のところにこう書いてありましょう。昨年九月の行革審答申においては、免許基準の具体化、明確化と審査の透明性向上を通じ、競争促進に資する新規参入の実現を図る必要があると。これは、つまり免許制であっても今まで余り新規参入は認めていないから認めなさい、認めるに当たってはどういうものを認めるかという基準をはっきりしなさいよと言っているんでしょう、これ。べらぼうに無鉄砲にやるわけにはいかないんだから、基準はこれからやっぱり検討しなければならない、きちっと。 その次が言いたいんです。「なお、中長期的には、免許制の是非についても検討を行う必要がある」ことが指摘されたと、こう書いてあるでしょう。それに対して大蔵省はどういうふうに受けとめているのかということなんですよ。私はどうせ証券局長をやめるから先のことは言えないというのであればそれで結構なんですよ。
○政府委員(松野允彦君) 中長期的には免許制の是非についても検討すべきであるということは、これは行革審の意見でも出ましたし、証取審の審議でもいろいろそういう意見も出たわけでございます。 ただ、その前に、私どもはまず免許制のもとでいかに公正かつ競争的な市場がつくれるかというところを今取り組んでいるわけでございまして、そういうことで一定の参入基準をつくって新規免許を与えるというような作業を、免許基準の具体化ということをこの法律の審議とあわせて並行してやっております。そういったようなことで、免許制のもとでも証券市場が公正でかつ活力のある市場になるということが、まず我々としては一つの方向であろうというふうに思っております。 ただ、「中長期的には、登録制、免許制の是非についても検討する必要がある。」という意見については、常に念頭に置いているわけでございまして、ただ当面のやり方として、我々はまず免許制のもとで参入をふやし、あるいは免許制のもとで適正な行政が執行できるような仕組みというものを用意したいというのが今回の案でございます。
○鈴木和美君 つまり、今までの議論を通じて言えることは、制度の問題というものは先の問題だから並行的に検討していきましょうと。当面、言われているような免許制であっても、新規参入というものを考えれば基準の問題だけは積極的に並行的にやっていきます、将来の問題は答申が示すようなことをちゃんと受けながらこれから検討してまいりますと、こういうふうに受けとめてよろしゅうございますか。
○政府委員(松野允彦君) 基本的にはおっしゃるとおりでございます。 ただ、私どもの気持ちとしては、免許制のもとで証券市場をいかに公正でかつ活力のあるものとして発展させるかというところをまず取り組みたいということでございまして、そこから先、じゃいつになったらどうするかということまで申し上げる用意はございませんが、とりあえず我々としては、まずそれでやっていきたいということでございます。
○鈴木和美君 もう一つ。 この監視委員会というものをつくったことについて、私は当然だと思っているんですが、業界はどんなふうに受けとめておられますか。
○政府委員(松野允彦君) 証券業界の意見でございますが、これは我々と同じように、やはり昨年起きました一連の不祥事について反省をし、業界としてもいろいろな手を打ってまいっております。例えば投資勧誘、営業姿勢の適正化などについてかなり具体的なルールをつくったりして努力をしております。 そういった中で、やはり証券市場、特に株式市場の信頼を回復し、個人投資家が安心して株式市場に入ってくるようにしてもらうためには、一方で、こういう免許制のもとではありますけれども、適正なルール監視が行われるということでないとなかなか個人投資家に信頼が戻らないというふうなことは証券業界も痛感をしているわけでございまして、基本的にはこの監視委員会の設立を含みます今回の法改正案については、これによって株式市場が活性化し、あるいは健全に発展していくという観点から、これがなるべく早く実現することを期待しているというふうに理解しております。
○鈴木和美君 そこで、そういう認識が私はあるんだろうと思うんですが、自民党政務調査会財政部会長の大原さんがある雑誌のインタビューにこういうことを答えているんですが、これはどういう意味でございましょうか。 「かりに、二法案」と言うんですから、制度問題の方と今度の監視委員会の問題だと思うんですが、「かりに、二法案を切り離し証券監視機構だけを通したらなお悪い。これはムチの部分である。ムチだけ先行させて新たな収益源になる可能性があるアメを後回しにすると厳しさだけが前面に出る。」、こういう表現が使われているんですが、この監視委員会というのはむちなんですか。
○政府委員(松野允彦君) 私どもの考え方は、二つの法案、監視委員会を設立する等の内容の法案ともう一つの基本的な制度見直し法案、いずれも全体として証券市場に対する信頼回復を図り、かつ市場の機能を活性化する、これは競争促進ということもございます。そういうようなための総合的な対応策であるというふうに位置づけているわけでございまして、そういう意味では二つの法案は非常に密接な関係があるという認識でございます。 あめかむちかというような言葉は必ずしも私どものとらえる見方ではございません。いずれも証券市場が健全かつ公正な市場として発展していくための必要不可欠な内容を含んでいるものがこの二つの法案であるというふうに認識をしております。
○鈴木和美君 今の点は大蔵大臣にも同じ質問をします。この法案の監視委員会というのはむちなんですか。
○国務大臣(羽田孜君) 今局長の方から御答弁を申し上げましたように、むちということではない、やっぱりルールをきちんとあれしていただきたいということで進めていくものでございまして、むちという言い方というのはちょっとあれかもしれません。
○鈴木和美君 どうぞ、自由民主党選出の大蔵大臣でございますから、自民党の政調の部会でこういうことが議論される、表に出るということはよくないことでございますので、厳重に注意をしていただきたいと思います。 それでは次に、三条委員会と八条委員会のどういうところがどういうふうに違うのかということについて御説明をしてください。
○政府委員(小川是君) いわゆる三条委員会と言っておりますのは、国家行政組織法の第三条の規定に基づいて置かれるものでございまして、第三条第二項には「行政組織のため置かれる国の行政機関は、府、省、委員会及び序とし、その設置及び廃止は、別に法律の定めるところによる。」というふうに規定されているわけでございます。片や、第八条の委員会と申します趣旨は、第八条の第一項に「第三条の各行政機関には、法律の定める所掌事務の範囲内でこ途中省略いたしますが、「合議制の機関を置くことができる。」という規定でございます。 この両者は、第三条は国の行政機関はということで、その一つの形態として委員会を規定しております。第八条の場合には、国の行政機関には所掌事務の範囲内でこうした合議機関を置くことができるとなっておるわけでございます。したがいまして、その行政機関の、何と申しましょうか法律上の書き方において若干の差異があると存じます。 一般的にはこの二つの委員会の差異は、専ら三条委員会の方はみずから国家意思を決定、表示する機能を有しており、八条委員会とはそこが性格を異にするというふうに解説されているわけでございます。
○鈴木和美君 先ほども申したように、多くの国民が関心を持っているのは、外か内かというようなことが大変興味を持って見ていると思うんです。だから、社会党は案に賛成でございますけれども、であるとするならば、なおさら国民のそういう疑問とか疑心暗鬼にこたえなきゃならぬと思うんです。 それで、私の理解が間違っていれば指摘していただきたいんですが、三条委員会と八条委員会というものを並べっこしてみてどう違うんだろうということをずっと見てみると、いろんなことはあるけれども、集約してみれば共通点というのは一つはとにかく合議体ということでしょう。それから委員の身分保障が行われている。これはどっちも同じなんですな。 違うところは何だろうということになると、行政処分権のあるかないかというところが大きな違いですね。処分権が三条委員会の方にはあるけれども八条委員会にはないということだとすると、何だと、監視して検査して何も言うことができないのか、おかしいじゃないかという疑問が出てくるわけでしょう。 そこで、法案は処分について建議をすることができたり大蔵大臣に勧告することができるとなっているから、そして大蔵大臣は尊重するということになっているから、八条委員会と三条委員会は実質的には同じなんじゃないだろうか、同じと言ってもいいですよということをこの法案は言わんとしているんじゃないですか、どうですか。
○政府委員(小川是君) ただいま機能の面、委員会の果たす機能の面から御質問がございました。その意味では、先ほど申し上げましたように、行政組織法の三条と八条というのはこういう意味で行政処分権を持たないというところが異なると通常言われている。 しかるに、実質的に八条委員会でも独立性を有するものとしてどう位置づけたらいいかという点が、今お話がありましたように、今回の監視委員会は証券取引の公正性が守られているかどうかというところを監視するという、いわば実務といいますかその業務に専念をいたしますが、しかし、その結果、仮に検査の結果何らかの行政処分を要するとするときには、その処分権を有する大蔵大臣が適切に処分権を行使するということを担保するために、勧告であるとかあるいは勧告を受けたときにはこれを尊重しなければならないとか、それからこの勧告を受けた後の処分等について委員会に報告をしなければならないというような規定を置くことによって、今お話のありましたように、実質的にはそうした機能を果たすようにという規定を置いているわけでございます。
○鈴木和美君 一般国民から見ると、勧告されたものを大蔵大臣は尊重するということを書いてあるから同じじゃないかという理解になるんですわな。ところが、国会議員がそれを見ると納得できないんですわ。尊重するというのがしょっちゅう尊重されていないんですよ。国会のいろんなところで尊重する、尊重すると言われているんだけれども、尊重して実施したことないんですよ。だから、尊重するとは実施する場合もあるし実施しない場合もあるんじゃないですか、大蔵大臣の尊重とは。これは大蔵大臣の見解を聞いておきたいんです。 尊重という言葉の中で、私は第一の問題で質問をした、つまり育成型から市場監視型に転換したのじゃないかと。幾ら詰めてもどうもそこのところがはっきりしない。はっきりしないということは、やっぱり行界保護の体質がまだ残っていると見ざるを得ない。そう考えてくると、監視委員会は勧告する、大蔵大臣はそれを尊重すると言うけれども、尊重し実施するとなぜ言わないのですか。
○国務大臣(羽田孜君) まさに心は実施するということでございます。ただ問題は、行政処分に先立ちまして当事者に弁明の機会を与える審問手続、これが義務づけられておるということでございまして、この審問の結果、その検査結果に誤りがあったとかあるいは当事者の主張が正当であると、こういう判断がされる場合もこれはないとは言えないということでございまして、私どもとしましては、尊重するということになっておりますけれども、普通言われるところの尊重という意味とは違うというふうに受け取っていただければありがたいと思います。
○鈴木和美君 非常に大切なところですから議事録上、大臣はっきり残しておいてほしいんですよ。私は、依然として多くの国民はこの八条委員会に対して疑問を持っているんですよ。独立させたものを設けろと言っておきながら、大蔵省内に置きますよと。後ほど議論するけれども、委員は違うけれども、出ていくのはみんな大蔵省でやっているんじゃないか、証券局が出ていくんじゃないか、財務局がやっているんじゃないかと。同じムジナがやっているんじゃないか、こういう見方が依然としてあるんですよね。 そういうときに、処分という問題に対しても、きちっと尊重するということは尊重し実施することの意味でございますということを私はやっぱり大臣としてはっきりお答えをいただきたいと思うんです。
○国務大臣(羽田孜君) ただいま申し上げましたように、審問の結果、検査結果に誤りがあったりあるいは当事者の主張が正当であると判断される場合もないとは言えないということでございまして、あるいは業務停止等の行政処分によりまして証券会社が危うくなって、いわゆるそれよって多数の顧客が無用の混乱ですとか不測の損害をこうむる事態が発生するような社会的に広範かつ重大な影響が生じる、あるいは資本市場の安定が損なわれるおそれが極めて大きいと判断されるような場合も実はあり得ないわけではございませんけれども、私どもといたしましては、基本的にいわゆる委員会が行ったこと、これによって結果を勧告されたことに対しまして、私たちは尊重し、そして手続をとりながらもこれを実施していくということを申し上げたいと存じます。
○鈴木和美君 それじゃちょっと違う問題に移りますが、先ほどこの監視委員会設置について業界はどう思っておりますかという質問に対して、局長はまあ大体こんなことかなというような感触であるというようにお答えになったようですが、私はちょっと違うんですわ。 なぜ違うかというと、こういう監視委員会が設置されたために、それでなくとも証券業界は今萎縮の状態にある。それに追い打ちがかかっちゃって、証券の活性化というような観点から見るとどうも好ましくないなというような気持ちのあることも私は事実だと思うんです。 それから、やっぱり業界は行政に対して依然として不信感を持っています。なぜかならば、これは過ぎ去ったことかもしれませんが、田渕野村会長ではございませんが、大蔵省の指導の中で損失補てんの処理を行ってきたのに、昨年明るみに出た際、一転して行政サイドからは補てんは大蔵省の通達を無視するあるまじき行為であるということで一方的に突っ放されたんです。冗談言うなよと、みんな気持ちの中では少し持っておりますよ。そして、そういうことを言った人は依然としてそこに座っているんですよ。松野さんが座っているということに対して非常にみんな不満を持っているんだよ、本当に。 二つ目は、今証券業界は非常に神経を使いながら市場の活性化に向けてとにかく努力をしていることは事実なんですよ。そういうときに、業界そのものも不審に思う自社株の問題と関連するような大口ファンドをやって活性化を与えるというように行政が指導したことに対して、またこういうことをやらせるのか、そういう不信感もあるんです。 三つ目は、日本弁護士連合会の問題の指摘ですが、損失補てんと損害賠償の問題がごっちゃまぜになって取り扱われているということがやっぱり大きな問題だと私は思うんです。 つまり、損失補てんの問題をめぐってまたああいう問題が起きて、一般投資家が不利益な、不公平な措置を受けて、もう裁判もやりたいというぐらいに思っているところを整理してみると、日本弁護士連合会は四つに絞っておりますね。その一つには「断定的判断の提供を伴う詐欺的勧誘、執拗且つ強引な勧誘が行われている。」、二つ目には「証券の内容やその危険性などの説明がないまま勧誘が行われている。」、第三に「高齢者や主婦などにつき、適格者原則・適合性原則に反する取引例も多い。」、第四に「一任売買や回転売買などによる手数料稼ぎを目的とする背任的な行為が多い。」、こういう問題から事件が起きている。したがって、過度なそういう勧誘という問題に対して本来損害賠償を請求したいところであるが、損失補てんはまかりならぬということの中に全部包含されちゃってにっちもさっちもいかなくなっている。 こういうことは、午前の議論じゃないけれども、個人投資家が慎重に事を構えている、幾ら個人投資家にあの手この手いろんな方法を述べてもなかなか寄りつかないというのは、こういう問題の不信感というのが依然として残っているということが私は問題になっていると思うんです。これに対して証券局長の見解を聞かせてください。
○政府委員(松野允彦君) まず、今回の改正法による監視委員会の設置が、そうでなくても低迷をきわめております株式市場に悪い影響を与えるんではないか、つまり追い打ちになるんではないかというような意見があることは、これはいろんなところに出ておりますから私も承知しております。 しかし、私どもは基本的には、今の株式市場が低迷している原因の最大のものは、やはり公正な市場ではなかったんではないかという投資家の不信感があるわけでございまして、そういう不信感を払拭することが株式市場の活性化の、決して近道とは申しませんけれども、一番正当な道ではないかというふうに考えているわけです。 したがって、即効性がすぐ上がるかどうかということから言いますと、それはなかなかすぐ即効性が上がるというふうに申し上げるつもりはございませんが、やはり本来の健全な株式市場に戻し、かつそれを発展させていこうとすれば、どうしてもこういう監視機能を強化し、あるいは自主ルールの強化、自主規制機能の強化もあるわけでございますけれども、そういったことによってまず公正な市場だということをつくり上げていかなければいけないというふうに考えるわけでございます。 そこをおろそかにして、ただ市場の活性化を図るためにはある程度公正さに目をつぶるというようなことであれば、これは全然本末転倒でございまして、その点について我々は、一時的にそれが市場の低迷を仮に長引かすとかいうようなことがあったとしても、個人投資家は大量の金融資産を持っているわけでございますから、個人投資家の株式市場に対する信頼感を回復することによって、それの中に株式が組み込まれていくということは中長期的には公正な市場であれば十分考えられることであるというふうに考えるわけでございます。大部分の証券界の人たちはそういう考え方をとっているということを先ほど申し上げたわけでございまして、それは中には御指摘のような意見の方もあろうかと思います。 それから、いろいろと御指摘、御批判がございました。確かに行政の対応の問題というものは、今回の一連の不祥事の中で行政が責任がなかったと申し上げるつもりは決してございません。ただ、そもそも損失補てんという問題は、もちろん通達を出して指導をしたわけではございますけれども、本来は自己責任原則という証券投資の基本的な原則というのがやはりあるわけでございまして、それがいろいろな事情、財テクとかいろんな事情で、あるいは過当な営業姿勢、投資勧誘、あるいは一任的な行為というようないろいろな原因でそれが守られなかったということは非常に残念なことでございますけれども、そういった損失補てんという問題についての考え方というものは、行政としてこれを認めるというような立場にあったというふうには私は受け取っていないし、承知していないわけでございます。 業界と行政との関係というのは、監督行政を通じていろいろな面で接点がございます。しかし、やはり基本的にそういうような自己責任原則にもとるような行為、いわば証券市場の基本的なルールというものにやや甘かったというような点があったことは事実だろうと思うわけでございます。 また、大口ファンドについても御言及がございました。この問題はやや誤解があるわけでございまして、もともと大口投資家向けの株式投資信託というのは、大手証券会社がっくり上げて私どもに持ってきた商品でございまして、何も私どもがつくり上げた商品ではございません。これは大手証券会社が、現在の株式市場を考えた場合にこういう商品が売れるのではないかということで投資信託委託会社と相談をし、商品設計をしたわけでございまして、我々としてはそれに対して、商法で禁止されている脱法的な行為にならないようにしなきゃいけないという指導をしたわけでございます。その指導は今も基本的には変わっていないわけでございまして、基本的に大口投資家向けのこういう株式投資信託というものの商品のニーズがあるかどうかというのは、これは証券会社なり投資信託会社が判断をする問題でございまして、その判断に立ってこういうものが持ち込まれてきたということが事実でございます。 それに対して、我々は今申し上げたような対応をし、しかし一方でそういうニーズがもしあるのであれば、そういうニーズに対応するためにこういう商品をつくるということも意味がある、市場の活性化に意味があるということで対応してきているわけでございます。 それから、損失補てんと損害賠償の関係でございますが、これは証取法を改正いたしまして損失補てんを罰則が適用となるような行為として禁止行為にしたわけでございます。その中で、しかしやはり証券の営業マンが違法な行為、不当な行為をする、非常に行き過ぎた勧誘をするというようなことを通じて投資家とトラブルが起こるということは、これは避けがたいことでございます。そのトラブルに対してまで損失補てんであるということで法律で一切補てんができないということになるのは、これは営業マンのそういう違法、不当な行為というものを前提に考えますと、投資家保護にかえって欠けるというようなことにもなるということで、一定の場合には損失補てんにならないということで私どもが法律の中で除外例を設けたわけでございます。 その除外例は、あくまでもいわゆる証券事故、つまり営業マンの連法、不当な行為によって投資家に損害が出た場合で一定の手続を踏んだ場合にそれに該当する、こういうふうな位置づけをしているわけでございます。したがいまして、御指摘のように、例えば仮に営業マンが非常に行き過ぎた勧誘をして、しかもそれが営業マンの勧誘行為として不適当な行為である。これは証券業協会にも営業マンの守るべきルールという規則がございます。そういったものに反するような勧誘行為が行われ、それによって投資家との肝でトラブルが起こるということになりますと、これはケース・バイ・ケースではございますが、そういう場合には証券事故として一定の手続を踏んで投資家の損害が補てんされるということにはなっているわけでございます。 これはいろいろなケースがございますから一概には申し上げられないわけでございますけれども、今御指摘のような御懸念は、大部分はそういうところで解消するんではないかというふうに考えているわけでございます。
○鈴木和美君 御説明ありがとうございます。 でも、言葉じりじゃないですが、あの不祥事が起きたときに橋本大臣以下皆さんが処分を受けたのは、あれは何で処分を受けたんですか。あの処分は早過ぎたと言う人もおるし、見せしめにやらにゃならぬとか、みんなに見てもらいたいためにやったとか、いろいろな論評はあるんだけれども、私流に言うんであれば、補てんを認めるなんということは省が指導したわけじゃないけれども、結果としてずっと流れてきている。時系列的に見ると、結果としてそのことを許してしまったような監督責任があるという意味でみずからを処したんじゃないですか、こう私は理解しているんです。 それからもう一つは、大口投信の問題は、業界が持ってきたと言うけれども、政府の緊急経済対策の中の一つの項目に入れたんでしょう。あれは業界が持ってきたから入れたというんですか。それとも政府・自民党がこういうことも活性化のために必要だといって入れたんですか、どっちですか。持ってきたからおれはやったんだという答弁ですけれども、そうじゃないんじゃないですかということを私は言いたいんです。
○政府委員(松野允彦君) 最初の方は、私お答えしにくい問題でございます。我々の考え方といたしましては、いろいろなことがありましたにしましても一応、一応といいますか、ともかく通達を出して指導をしたにもかかわらず、その指導が守られなかったという点についての私どもの姿勢ということになろうかと思うわけでございます。いずれにいたしましても、行政指導が不十分だったということは認めざるを得ないところでございます。 それから二番目の大口ファンドのところは、ちょっと私の答弁があれだったのかもしれませんが、確かにニーズをはかるのは証券会社なり投資信託会社でございますが、そういうものの商品性を我々も判断し、それが低迷しております株式市場の活性化に資するということを判断したことは事実でございます、行政として。そういったことを踏まえまして、緊急経済対策の中にこういうニーズに応ずるような大口の株式投資信託というようなものが出るし、それが市場の活性化に寄与するということを判断して、あそこに入れたというふうに御理解いただきたいと思います。
○鈴木和美君 その活性化に寄与する面のところはこの前この委員会で議論しましたからこれ以上議論しませんが、私は、依然としてどうも証取法上問題がありという見解を持っています。 それじゃ、次にこれに関連した質問を一つ行いたいと思うんです。 損失補てんが行われた事例の中に、系列の投資顧問会社を経由した特金においても補てんが行われていたわけです。したがって、このような例を見ますと、投資顧問会社が親証券会社の支配下にあるため、別動隊としての意味が強く、親証券会社の営業行為に強い影響を持っていることが証明されたと思うんです。このような親証券会社の影響力が強く出ているのは、投資信託委託会社の投資信託における株式の売買取引についても同様なことが言えるのではなかいと思うんです。 したがいまして、投資顧問会社及び投資信託委託会社の独立性を図ることが重要だと思いますし、取引の透明性を実現することからも重要だと思うんですが、その見解を賜りたいと思います。
○政府委員(松野允彦君) 確かに御指摘のように、損失補てんの中には投資顧問会社が契約を結んでおります営業特金に対して行われたケースがございました。これはやはり親証券会社とその子会社であります投資顧問会社との関係が非常に密着しており、投資顧問会社の独立性が十分確保されていなかったということは認めざるを得ないわけでございます。 そういった点を踏まえまして、私どもこの件についていろいろと検討をいたしました。投資顧問会社につきましては、従来から、例えば人間の問題あるいはいろいろな独立性を確保するためのいろいろな手当てをしていたわけでございますが、それにもかかわらずこういう問題が起こったということで、やはり親証券会社に対する注文を出すということについて一定の規制を行うことといたしました。 具体的には、投資顧問でございますから顧客がいるわけでございますけれども、その投資顧問の顧客の事前の同意がない限りは親証券会社に注文を発注してはいけないというようなことにし、かつ親証券会社に仮に出したような場合には、その発注割合をディスクローズする、情報を開示するというような措置をとったわけでございます。 こういったようなことによりまして、親証券会社と子会社であります投資顧問会社との間の関係が従来よりはよりドライといいますか、本当の取引上の関係になっていくのではないかということを期待しておりますし、実際にこういう措置を、これは省令を改正してそういう禁止をしたわけでございますが、その後はやはり親証券会社に対する発注割合は非常に減っておりまして、一割あるいは二割程度のものになっております。 それからもう一つ、投資信託委託会社の独立性の問題、これもやはり御指摘のとおりでございます。特に投資信託委託会社の場合には多数の投資家から集めましたお金をまとめて運用するわけでございますので、そういった意味では投資信託委託会社の責任というのは非常に重いわけでございます。そういったことから、従来から親証券会社との関係につきましては、いろいろと法律上も例えば役員の禁止をしているとか、あるいは運用上もいろいろな規制が行われております。例えばある特定の投資信託の利益のために他の投資信託の損になるような取引をしてはいけないとかいうようないろいろな規制がございます。 いずれにいたしましても、そういう規制に加えまして、今回投資信託業への新規参入の基準というものを見直しました。これは二年ほど前に外国業者を導入するために基準をつくったわけでございますけれども、それについても外国業者から厳し過ぎるというような批判もあり、それを緩和いたしますとともに、国内業者につきましても必ずしも証券会社の子会社でない投資信託委託会社の参入を認めるというような道を開いたわけでございます。 具体的には、これは投資一任業務を行います投資顧問会社が子会社の形で参入をできるというようにしたわけでございまして、投資顧問業者には証券会社のみならず、銀行、保険その他各業態から投資顧問会社に参入が行われておりますので、そういうものを通じて投資信託業務への参入も認めるというようなことで、証券会社の子会社でない投資信託会社というものが今後参入をする。それによっていろいろな投資信託の商品ができ、それを証券会社がどの投資信託も自由に売れるというような方向に持っていければいいというふうに期待をしているわけでございます。
○鈴木和美君 それでは次に、八条委員会の職員の問題、人員構成問題について御質問申し上げます。 午前中、赤桐委員からも御質問がありましたように、当面八十四名で発足するわけでございましょうが、せっかく強制調査権を持って監視、検査を行うというのでございますが、非常に専門的な知識を有するというような面や養成、訓練等の期間というようなものを入れるとこの人数で大丈夫なんですか。 大丈夫なんですかというのは、この人数でとりあえず発足してやってみます、もう最後までこれでやっていきますと。つまり、この範囲でしかやれませんというのか、逐次これは実態を見て増員していくというような姿勢にあるのか、総体的な数の問題についての見解を聞かせてください。
○政府委員(小川是君) 委員会事務局は八十四人という定員をいただいてスタートするわけでございますが、この員数で十分であるかどうかというのは、一つは仕事の量をどういうふうにこなしていくかという点でございます。 繰り返しになりますが、自主規制機関である証券業協会あるいは取引所の機能強化ということがうたわれているわけでございますが、あちらもまた人間をそうした業務のために補強し訓練をしていっていただくわけで、そういうことを期待するわけでございます。そちらの機能強化も一方で期待しながら、他方こちらの事務局といたしましては、犯則、証券犯罪の問題については、少なくともこれだけの証券に対する関心が国民的に広がっているわけですから、当面そうした犯罪の発生というものが抑えらないかなという期待が一万ございます。しかし、期待だけしていられないので、恐らくそういったような犯則事件が起こってくるのに対しましては、やはり八十四名の人員できちっとした対応をしていかなければならない。 しかしながら、従来、強制調査という調査権限は大蔵省にもございませんでした。捜査機関に任されていたわけでございますから、新しくつけていただいた強制調査権限をまず何よりもこの委員会事務局で十分に活用できるように研修を行い、こなしていかなければならないというのが第一段階であると思っております。 そうした観点から、省内でもきちっとした研修を行い、また人事の面では、そうした強制調査に慣れている国税庁あるいは検察あるいは警察にも人事の交流をお願いして研さんを積んでいきたいというふうに考えているわけでございます。
○鈴木和美君 これは小川審議官に聞いても八十四名でやっていきますとしか答えられないんですわ。もっとふやしますなんと言ったら、何で最初からふやしておかないんだとなりますから。これはそういう意味では、大蔵大臣、大臣の見解のことだと思うんです。 私は、今御答弁があったように、当面、いろんな複雑困難な中で、専門的な知識を得るためいろいろとあると思うんですよ。けれども、やっぱり総対的に見て人数が少ないなという感じがするんです。それで、これから人数が少ないという面を別な角度から質問するから、大臣、聞いておられて最後に大臣の見解を聞かせてください。 そこで、今いみじくもおっしゃった、この委員会に大蔵省の証券局から出かけていくというようにお話になったんですが、初めて提案されて中身がまだはっきりしていませんのでお伺いしますが、委員会に属する職員は大蔵省の各局の異動と別の人事として今後考えられるんですか。つまり、監視委員会に行く人は異動ではなく出向となるのですか。そして、証券監視の専門家として育てられるのか。 米国のSECと比較した場合、我が国には弁護士あるいは公認会計士のような人材を集めることができにくい。そのため持っていきますということになるんだろうが、私は大蔵省の証券局の人はみんな優秀だと思っていますよ、優秀だと思っていますが、専門的に扱うとすればある程度のつまり養成の期間というのがあると思うんですね。それから、監視の能力に対してちょっと疑問があるぞという人もいるんですよ。だから、そういう面から見ると、もうそっちに移ったら専門的にそれをやってくれというような意見もあるんです。 ところが反面、職員の方の側からすると、監視委員会に行くために就職したわけじゃないんですよ。大蔵省に就職したんです。だから、大蔵省で働いて、将来、まあ大過なくじゃないですけれどもしっかりやって退官したいというのが全部生活設計の中に職員はあると思うんですね、展望が。そのときにそっちに移されて、後帰ってこれないんですかというような問題もあるし、どうやってだれを選ぶんですかというのもあるんですな。 そういう問題について答えてください。
○政府委員(小川是君) 委員会事務局の職員はいずれも一般職の公務員でございまして、大蔵大臣のもとに置かれる委員会でございますから、その人事権は大蔵大臣に属するわけでございます。そうした意味合いにおきましては、この委員会事務局の職員の人事も、通常で考えますと大蔵省の人事異動の一環として考えられることになると思います。 それではそこへ行く、委員会事務局に移る人々はどういう人かと申しますと、今回の委員会の事務の相当部分は現に大蔵省証券局で行っている事務でございますから、事務局職員の多くは証券局を中心とする大蔵省の職員を充てることを考えているわけでございます。 御指摘がございましたように、我が国の場合には米国などと違う公務員制度を持っておりますし、社会的雇用環境もございますから、弁護士あるいは公認会計士を充てるということはいろいろな制約もございまして、現在のところそういった予定をいたしておりません。むしろ、大蔵大臣が他の省庁の人材をも交流という形で委員会事務局へ出向していただくということを含めながら一元的に職員を任用し、そして研修等も行っていくという人事の体制を考えているわけでございます。 出向と申しますのは通常法律的な用語で使われていないようでございまして、私ども別の省庁に、例えば大蔵省から外務省に行く、通産省に動くというときには出向という辞令をもらって移りますが、また外務省や通産省から大蔵省に戻るといいますか、意識のうちでは戻るときにも、やはり向こうから出向という形で辞令が出ているわけでございます。そういう意味では、人事の交流というのが出向というような形で公務員の中で円滑に進められていくことになろうかと思います。 しかしながら、ただいま申し上げました出向というのは、一時的な何か腰かけ、そういう意味では全くございませんで、申し上げましたように、人事権者がかわるときにそういう用語が一般的に使われているという意味でございます。 繰り返しになりますが、委員会事務局はあくまでも大蔵大臣のもとでの人事権の行使として行われるわけでございます。したがいまして、事務局の職員は専門の事務局だけの職員として育てるということは考えておりませんで、むしろ仕事の内容からいたしまして、行政部局における経験、知識というものがまた検査、監視というところで生かされるわけでございますし、また検査、監視というところで仕事をすることが行政部局でも生かされるわけでございます。 ただ、自然のことといたしまして、長い年月の中には当然検査、監視についての深い知識、経験を持っている者というものがその中から育ってくるようになるであろうというふうに思っているわけでございます。
○鈴木和美君 非常に言葉難しいんですけれども、私の底辺にあるのは、やっぱり国民が見たときにどう見るんだろうかというところに底辺があるんです。 それで、例えば通産省に大蔵省から行くというときには出向だというんでしょう。通産省から大蔵省に戻るときにはまた出向といって戻ってくるんでしょう。この監視委員会の場合には大蔵省内だから、出向という言葉を使わないで、早い話が配属がえか、ということですな。そうすると、配属がえだというと、国民の側から見ると同じ穴のムジナじゃないかと見られるんですよ。そこのところに悩みがあるんです。 もう一つ、実態が何年ぐらいそこにおるのか。例えば大蔵省の証券局からそこの監視委員会に行ったら、何年おるんですか。やめるまでおって、やめる寸前に戻ってこいと言うのか、ローテーションのそれこそ三年でいいんだよというようなことを言うのか。これによっては、将来のいろんな意見はあるかもしらぬけれども、国民から見たときに変に誤解されないような、そして実質同じような、そういう形態を私はとるべきだと思うんです。そこのところをはっきりしておかないとおかしいんじゃないんですか。 今ここで、国会で、何年置いておくのかといって答弁して、それで答弁が基礎になっちゃって、これから団体交渉をやるときに困るようなことがあってはいかぬから余りはっきり答えてもらわなくてもいいんだけれども、気分だけはやっぱり整えておかないといかぬように思いますね、いかがですか。
○政府委員(小川是君) ただいま御指摘いただいている点は、まさに委員会の独立性というものを実質的にどう確保するかという要請と、そこで働く職員について、その心情に十分思いやるようにという両面からの御指摘であるというふうに承知いたします。 まず、人事異動につきまして何年であるかというようなのは、まさに人事の問題でございますから、職員の本人の希望やあるいは適性を踏まえながら、公務の要請も踏まえてそのときどきにおいて適材適所で人事配置を行っているという、一般的な公務員の人事政策の中の一環としてお受けとめいただきたいというふうに思うわけでございます。 配属がえというのは、それでは大蔵省内だけのもので独立性に乏しい印象を与えるのではないかという御指摘でございますが、まず一つは、委員会、委員長、委員が独立してその職務を行うという形で、職務の実施について大蔵大臣から独立してだということが法律上うたわれております。そして、その下におります職員は、これは委員会の指揮のもとに、命令のもとに職務を行うわけでございまして、それ以外の者の命あるいは指示というものによって動くわけではないわけでございますから、一たん委員会事務局に移りました以上は、委員長、委員の命を受けて検査・調査事務に従事するということでございます。
○鈴木和美君 それでは、ちょっと今度は地方の方を聞きます。財務局の方の問題です。 これは、地方のつまり検査、監視は財務局に委任されるわけなんですが、現在の財務局の組織と、これが実施される場合の組織の違い点というのはどういうことになるか御説明ください。
○政府委員(小川是君) 現在、証券金融関係の行政につきましては、検査を含めまして通常は財務局の理財部で行っているわけでございます。そこで、新しい委員会ができました場合には、財務局長のもとに委員会が所掌する事務、つまり証券会社等に対する一定の立入検査及び強制調査に関する事務につきまして、専担する組織を設置することを予定しております。そこで、財務局長が委員会からの委任あるいは指揮監督を受けて行うことにしているわけでございます。 具体的には、各財務局に証券取引等の監視業務の責任者として新たに証券取引等監視官という者を置きまして、その下に証券取引検査官を置くほか、関東、近畿、東海という三主要局におきましては、強制調査を担当する証券取引特別調査官などを配置することにいたしております。 人員につきましては、財務局の現在あります定員の中から八十九人を振りかえるとともに、新しい強制調査要員等といたしまして、予算の中で二十九人を増員することとしておりまして、合計百十八名というのがこの証券取引等監視官、つまり委員会のもとにある地方の人間ということになるわけでございます。 これに関連いたしまして、先ほど申し上げました現在の理財部を再編いたしまして、検査部門を統合することにより、本省と同様に検査の効率化等を図ることにいたしております。
○鈴木和美君 大臣、お願い申し上げたいんですが、私、この前の委員会でも質問したように、大蔵省というのはきょうのうちに帰りましょうとのがい言葉だと、そのくらい超勤ばかりやっている。それでなくとも大変仕事量というのがきつくて人員が少ない。何とか考慮せにゃいかぬよ、幾ら査定官庁であろうとも限度が来てますよということを申し上げたと思うんです。 それで、今度は証券局の方からそっちに出ていくわけでしょう。そして金融三部門、新しい検査部を官房のところに置くわけなんでしょうけれども、それでなくとも本省の仕事の方の問題というのは非常にまたせっぱ詰まっできますね。片や財務局の方は、先般の定員増でふやしてもらってほっとした。ほっとしたらこの問題が出てきて二十九名そっちに引っ張られちゃう。そうすると、イタチごっこやっているみたいな感じなんですわ。 だから、私は大臣にお願い申し上げたいことは、まず一つは、この委員会全体としての人員は業務の実態を見ながら必要により増員もちゃんと考えますよということを答えていただきたいんです。これは審議官じゃとても答えられないですよ。 それから二番目は、職員のそういう出向とか配置がえ、一般的には異動という言葉を使いましょう。職員の異動に当たっては本人の、つまり自分の意見なり希望なり、これを尊重してもらいたい。そして、これは集団でだれかを選ばにゃいかぬのですから、対応である労働組合と十分話し合って、職員が円満に納得するような方向をぜひとっていただきたいと思うんです。これは大蔵本省においては大蔵本省の職員組合があるんだし、それから財務においては財務の労働組合があるわけですから、それぞれの対応の労働組合としっかり議論をして、本人が不利益にならないようにぜひしていただきたいと思いますが、見解はいかがでしょう。
○国務大臣(羽田孜君) やはりこれから新しくできる委員会、しかもいろんな問題があってでき上がる、そういう経緯があってでき上がる委員会であるということでございますから、ここに働いていただく皆様方に一つの誇りを持って任務に当たっていただきたいということが私どもは前提としてあろうと思っております。 その意味で、第一番目の増員等につきましては、今お話がございました今後の業務運営といいますか事務運営、あるいは社会情勢、こういったものの推移というものを見きわめつつ判断していく問題であろうというふうに考えております。 なお、増員が必要という場合には、厳しい定員事情、こういう中で一つの枠をはめられておるわけでございますけれども、私どもとしては努力をしていきたいということを考えております。 なお、今お話がありました配置、大蔵省の中でやることでありますから異動というものは当然出てくるわけでありますけれども、これは今日まで大蔵省が各部局へ人を異動するとき、あるいは国税庁等に異動することもあったと思いますけれども、そういった今までの前例、一つの慣習、慣行といいますか、そういったものの中で適切に対応していくことが必要であろうというふうに考えます。
○鈴木和美君 それでは次に、時間もだんだん迫ってまいりましたが、そういう定員の中でも、先ほど審議官が答えられた業界、つまり自主規制の強化というんでしょうか、これがやっぱり総体的に伸びていかにゃいかぬのですね。だから早い話が、摘発する方よりも摘発されないような体制をみんなでつくり上げることが一番これ肝心だと思うんです。それにはやっぱり自主規制団体の強化というか機関の強化というか、これは避けて通れないと思うんです。 午前中、赤桐委員からも質問がございましたのでくどくは申しませんが、私、神奈川大学の教授の鈴木芳徳さんとおっしゃるんですかな、この人の「市場改革のあり方」というのをずっと読んでおりまして、自主規制のメリット、デメリットというのを整理されてこういうふうに書かれている。なるほどなと思ったんですわ。 これをやっていると時間が非常にかかりますから、こういう文献とか学者さんの御意見、提言などもあるのでございますが、こういうものを含めましてこの自主規制機関の強化というものに対してもう一度御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(松野允彦君) 証券取引、証券市場におきます自主規制機関としては、証券業協会と証券取引所というのが考えられるわけでございます。 証券取引所につきましては、現行の証取法におきましてもかなりはっきりと位置づけておりまして、これはそこで取引が集団的に行われるということで、公正な取引、価格形成を維持するということが非常に重要でございますので、証券取引所についてはかなりはっきりした位置づけがなされております。問題は証券業協会の方でございます。こちらにつきましては、今回の法律案におきまして証券業協会を証券取引法上の団体に位置づけをいたします。あわせまして、自主規制機関であるということを明示いたしますとともに、その機能の強化のために外務員登録事務というものを証券業協会に事務委任をするということを考えております。これを通じまして証券会社の営業員、外務員の行動、営業姿勢というようなものについて第一次的に自主規制機関がコントロールをする、監督をし、そこに問題があった場合には協会自身が自主規制をするというようなことが期待できるわけでございます。 それから、最後の担保になるわけでございますが、もし協会なり取引所が会員の自主ルール違反の行為を見逃しているというような場合には、これは大蔵大臣として協会あるいは取引所に対して必要な措置をとることができるというようなことで、必要な措置を命じて自主規制機能が発揮できるような最後のよりどころというものを設けた規定を今度入れたわけでございます。 そういったようなことを通じまして、自主規制機関でございますから、基本的には自主的にルールをつくり自主的にそれを守らせるということ、あるいは守らない会員に対しては自主的にそれに対応するということが一番望ましいわけでございますけれども、そういうようなことを行政として最後にバックアップするために今のような規定を入れたわけでございまして、こういったことによりまして自主規制機関の協会あるいは取引所の機能というのが十分発揮されるということを期待しているわけでございます。
○鈴木和美君 あと三つばかり質問して終わりますが、処分の問題です。処分の権限と罰則についてでありますが、先ほど尊重するということは尊重する意味だということで御答弁をいただきましたので、罰則を百倍とするという、三億円あるいは一億円にすることが考えられるとありますが、これアメリカなどの取引の場合を見てみると、個人の場合は十年以下の懲役または百万ドル以下で、法人の場合は二百五十万ドルの罰金となっている。こういう実態とあわせ、同時に経済法の違反というのは三億であろうと一億であろうと罰金を納めようと思えば幾らでも操作して納められるというような意見があるぐらいで、ちょっと低いんじゃないのかというような意見があるんでございますが、これに対してどういう見解をお持ちでございますか。
○政府委員(松野允彦君) 今回御提案しております証取法上の罰則の中に、特に法人に対する罰金刑の引き上げというものを織り込んでおります。 これは昨年の一連の不祥事の中で、やはり証取法に規定されております罰金が余りにも安いではないか、これは法人に対していわゆる抑止力が十分働かないという御指摘があったわけでございます。そういった御指摘を受け、かつ法務省の法制審議会におきましても従来から法人の罰金刑と個人の罰金刑との切り離しといいますか、扱いを異にすることがどうかという議論が行われていたわけでございますけれども、それが昨年の十二月に法制審の刑事法部会で報告書が出まして、基本的に個人と法人との資力の格差などを考え、あるいは違反行為の性格等も考えて、罰金に差をつけても構わないというような結論が出たわけでございます。それを受けまして私どもも証取法の特に悪質な行為につきまして、法人についての罰金の引き上げということを検討したわけでございます。 この引き上げにつきましては、やはり法制審で指摘されましたように、法人と個人の資力の差、あるいはアメリカにおきます罰金の額、これはアメリカの場合には、今個人の例を御指摘いただきましたが、法人の場合には二百五十万ドル以下の罰金ということになっておりまして、二百五十万ドルというのは日本円に換算いたしますと大体三億円ちょっとぐらいの数字になります。そういったいろいろのことを考えまして、今回法人の罰金刑については個人の百倍にするということで三億円、一億円というような改定をお願いしているわけでございます。 罰金の額がこれで十分かという問題はあるわけでございますが、少なくともまず個人と法人とで罰金の額を分け、かつ法人に対して相当多額の罰金をかけられるようになったということは、法人に対する罰金という抑止力にあわせて、やはり社会的な批判の問題もこれでかなり大きくなるということも期待される、そういう牽制効果もあると思うわけでございまして、そういった観点から法人の罰金刑の引き上げをお願いしているわけでございます。
○鈴木和美君 どうも私としてはこれで十分かなという疑問を持っておりますので、見解だけ表明しておきます。 それから、その次は捜査機関との連携についてお尋ねしますが、悪質高度な抜けわざが考えられるようなときに、監視委員会だけでは調査が不十分と考えられる面もあると私は思っています。捜査機関と連携して検査をするというような考えはございませんか。 二つ目は、暴力団などが証券市場に入ってくることが考えられるんですが、今回の監視委員会はそれはそれで結構なんですが、暴力団との関係というのが、別途の法案で出るのかしれませんけれども、何ら配慮がされていない。そういうことを考えると捜査機関との連携が必要じゃないのかなということを感ずるのでございますが、いかがでございますか。
○政府委員(小川是君) 今回の委員会には強制調査権が付与されているわけでございますから、委員会としては基本的には与えられた権限の中で真相の解明に向けて最大限努力をいたしまして、犯則事件の容疑を十分に固めた上で訴追機関に告発することになると考えております。 しかしながら、仮に委員会による犯則調査だけでは十分ではないという場合には、必要に応じ関係捜査当局と連携をとりながら真相の究明に努めてまいるわけでございまして、こうした場合には、捜査当局としては検察、警察両方考えられることであると思っております。
○鈴木和美君 つまり、警察当局とか、マル査は当然でしょうが、そういうものと十分連携しながらやる場合もあるというお答えですか。もう一回ちょっと済みません。
○政府委員(小川是君) そのとおりでございます。基本的にはみずから犯則事件の事実を固あて訴追機関に持っていくということでございますが、それがみずからの力で十分でないときには、必要に応じ関係捜査当局と連携をとることがあり得るということでございます。
○鈴木和美君 最後の質問でございますが、検査・監視権の政令問題についてお尋ねをしておきます。 法案では、監視委員会に証券会社に対する検査・監視権のうち政令で定めるものを委任するとあります。その内容、項目が実は明らかにされていないんです。衆議院では配られたみたいなようでございますが、ぜひこの委員会に私は政令の問題を配ってもらいたいと思うんです。 なぜそういうことをお聞きいたしますかというと、政令で規定されることは、監視委員会の権限が政府の意向、つまりそのときどきの人とか予算とか政治情勢で骨抜きにされる危険性が私はあるように思うんですよ。そういう意味からすると、委員会の行動が国民の前に明らかにされなきゃならぬのですから、第一番目は政令の問題をはっきりしてください、明確にしてください。それから二番目の問題は、その監視委員会の行動なるものの公表、これを的確にしてもらわないと、せっかくつくったけれども何のためにつくったのかというようなことのそしりを免れませんので、この二つの問題について見解を明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(小川是君) 法律案で委任されております政省令事項につきましては、先週衆議院で御審議をいただきましたときにその概要を委員会理事会を通じて配付をいたしましたので、その後当然私ども当院にも配付をすべきものであり、そのような手続をとっておったつもりでございますが、あるいはちょっと漏れておったかもしれません、お届けをさせていただきたいと思います。 この政令委任されております事項につきましては、それぞれ専門的、技術的な事項でございますし、また、とりわけ立入調査権あるいは強制調査権の対象とすべき事項につきましては、これまでも御説明してまいりましたような事項を、かなり広範な各種の条文に入っておりますものを整理したものでございます。そういう意味におきまして、政令をごらんいただきますと全体として何を調査対象にしているかおわかりいただけます。それが次心意的に定められるものではない、むしろ技術的、専門的なものであるということも御理解いただけるかと存じます。 それから、委員会全体としまして活動状況の公表の点につきましては、これは設置法の二十二条で「毎年、その事務の処理状況を公表しなければならない。」というふうに規定されておりまして、したがいまして、委員会がみずから行います証券会社等に対する立入検査の状況、それから犯則事件に関する強制調査といったものをどういった件数行い、どういった状況が見られたか、あるいはどのような告発をしたか、あるいは勧告をしたか、それに対して大蔵大臣はどういう処分をしたかといったようなことを事務処理状況として明らかにしていくことを予定しております。 また、いま一つは、大蔵大臣官房の金融検査部で行います検査につきましても、これは四半期ごとに委員会の方にその状況を報告するようになっておりますから、そこで聞き取った概要もまた公表していくということになろうかと存じます。 その際に、御指摘のとおり各種の秘密に属すること、あるいはプライバシーに属するようなことは別にいたしまして、この委員会の活動状況ができるだけ国民にわかりやすいように工夫がされると存じます。その点は、いずれ委員会が発足して具体的内容を検討していくことになると存じます。
○鈴木和美君 以上で質問は終わりますが、店頭市場の問題とか、有価証券の定義の問題とか、通達の法令化とか、個人投資家問題だとか、たくさんございますが、ぜひ大臣、最後にお願い申し上げたいんですが、ずっと論議してきたように、株がこれだけ冷え込んでいるわけです。私はこの証券というものは、先ほどから自己責任、自己責任という言葉が出てくるんですが、自己責任とは一体何かと言ったら、もうけるときも損するときもあるよ、覚悟してかかれということなんでしょう。それはそうかもしらぬけれども、今日の証券市場というものは私は日本経済を代表する経済の指標があそこに出ていると思うんです。それだけに自己責任というだけの単なる株屋の論争だけで終わってはいかぬと思うんです。つまり、あの証券市場が冷え切っている状況は、なぜ冷え切っているのかということを土台に置きながらやっぱりこういう問題を考えなきゃいかぬと思うんです。 そういう意味からすれば、公正性、透明性ということを確保して、預金者保護であり、個人投資家保護だということであれば、この監視委員会は大きな私は期待を寄せてもいいんじゃないかと、自分でも実は思っています。そういう意味で、これからはやっぱり景気刺激に対して、一番最初税収から聞こうと思ったんですが、本当に大変冷え切っている状況の中でございますので、お互いにこういう問題に目を注いでいってもらいたいと思うんです。 それからもう一つは、先ほど申し上げましたように、何としても大転換なんですから、職員の大転換も行われるんですから、働いている人たちの、本当に自分が社会的に使命感を持って働けるような職場づくりにぜひ御協力いただきたいし、人員確保についてもぜひ御協力いただきたい。見解をお聞きして質問を終わります。
○国務大臣(羽田孜君) 御指摘のございました点、私どもも今後この法律を通していただき、これが運営していかれることになりましたときには、私どもといたしましても御意見がございましたことを十分念頭に置きながら適正にこれを運用し、そしてこの法の目的でありますところの市場に対する信頼というものを取り戻すように、またそこで働く人たちも本当に使命感を持って働けるような職場、そういうものをつくり上げていくことがひいてはまた市場を活性化させていくことになろうというふうに考えておりまして、そういった点十分注意しながら運営してまいりますことを申し上げたいと存じます。
○鈴木和美君 終わります。
○白浜一良君 まず、本論に入る前に大蔵大臣にお伺いしたいと思いますが、昨日、本院の本会議におきまして、本年下半期の追加的な景気対策ということで補正予算の話が出ましたですね。それで総理が、将来不十分な場合は適切な措置を考えなきゃならない、たしかこのように答弁をされたわけでございます。また昨日、自民党の金丸副総裁が、今秋の臨時国会で補正予算を提出すべきだ、このようにコメントされているわけでございますが、財政担当の大蔵大臣としては、本年の補正予算に関しましてどのようなお考えか、まず冒頭にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) ただいまお話がありましたように、例の緊急経済対策を措置すること、あるいは国会で予算を上げていただいたこと、また四月一日に公定歩合の引き下げを行ったこと、そしてまた緊急対策といたしまして、私どもといたしましてはいわゆる上半期七五・二%という公共事業の前倒し、こういう措置をいたしましたり、あるいは民間の電力あるいはガス等を中心にしながら本年度の設備投資等について前倒しをお願いする、こういう実は措置をとってきたところでございまして、今の景気というものがどんなふうに発揚、発現していくかということを見詰めていくという段階であろうというふうに思っております。 最近は、御案内のとおり、物によってはある程度在庫が一巡されてきておるというようなものもありますし、また住宅につきましても、一時期は百二十七万戸ぐらいまで落ち込んだものが今百三十八、九万あるいは百四十万近くまできておるということがありますし、また今度の春闘の結果も四・五を上回るようなものであり、しかも物価は二%をちょっと超えたぐらいであるということでございますから、実質的な所得というものもふえておるということから、これからの消費というものについてもそんなに落ち込んでいくことはないであろうというふうに思っております。ですから、今申し上げたようなことが一体これからどんなふうに出てくるのか、このあたりをよく見きわめなければいけないなというふうに思っております。 なお、きょうは証券の方のあれがございますから申し上げておきますと、やっぱり個人投資家というのは大分離れたということがあったわけでございます。それで今御審議をいただいておるわけでありますけれども、こういった点につきましても、最近少し個人投資家の方たちの動きも見えてきておるというようなことでございますし、為替もある程度のところまで上昇してきておるということなんかもございます。 そういった面で一応すべてのものが全部そろったという今日の段階でありまして、私どもはこういったものがこれからどんなふうに動いていくのか十分見きわめながら対応していくことが重要であろうというふうに考えておりまして、今追加的な措置を云々するときではなかろうというふうに考えております。
○白浜一良君 きょうはこれを論じる日ではございませんのでこれでやめますが、いずれにいたしましても、私今大阪に住んでおりますが、企業の実態というのは今大臣がおっしゃるようななかなかそういう生易しい状態ではございません。それで、私ども党で主張していることでございますが、消費傾向拡大という観点からも含めまして、所得税減税初め、適切な補正を組まれることを要望だけしておきたいと思います。 次に、ただいま審議中のこの証券監視委員会の設置の法律に関しまして、これは御存じのように昨年の一連の証券。金融不祥事件の一つの総括として法案化されたものでございます。引きずっている問題がたくさんあるわけで、法律案に入る前にそういう点を何点がずっと伺っていきたいと思うわけでございます。 まず初めに伺いたいのは、地元大阪で大問題になりました東洋信金の尾上縫事件でございます。 絶妙の、何といいますか大蔵省が指導されたんでしょうけれども、分割されまして事件処理が図られたわけでございますが、この事件そのものは現在裁判中でございます。さまざまな金融上の問題を露呈しているわけでございますが、当局といたしましてどのような事実認識をまずこの事件に関しましてされておりますか。
○政府委員(土田正顕君) 御質問は東洋信用金庫についての事実関係その他であろうかと思います。 東洋信用金庫につきましては、委員御承知のように、昨年の八月でございますが事件が明かるみに出たわけでございます。東洋信用金庫の事件の要点は既に御高承のとおりでございますが、ここの元支店長が尾上縫という取引先の依頼によりまして架空預金証書及び偽造質権設定書を作成いたしまして、取引先によるノンバンク等からの借り入れのために当該偽造預金証書及び質権設定承諾書を尾上縫が当該ノンバンク等へ担保として差し入れ、多額の融資を引き出したというものでございました。その後、八月以来、主として大阪地検によりまして捜査が進められ、その後、起訴が行われまして、現在公訴が係属中でございます。 他方、東洋信用金庫につきましては、これは昨年八月以来通常の業務を支障なく続けてまいったのでございますが、その後、関係者の間の話し合いも済みまして、ことしの四月二十八日でございますか、東洋信用金庫から当局に出されました報告によりますと、偽造預金証書問題についてノンバンク等と基本的な和解の合意に達し、和解金支払いのために東洋信用金庫の事業の大部分を大阪府下信用金庫に譲渡するとともに、全国信用金庫連合会及び日本興業銀行の支援を得て三和銀行と合併する方針を決定した趣でございます。 私どもは、そのような関係者の決断を高く評価するものでございまして、今後関係法令の趣旨にのっとりながら支援構想の内容を聴取し、さらには合併その他の手続が円滑に実施に移されることを期待しております。
○白浜一良君 私はそういうことを聞いているんじゃないんです。この事件は、尾上縫個人の犯行というよりも、裁判の過程の中で非常に不可解な銀行当局のいわゆるかかわり合いというものが明らかになってきているんで、その事実に関して銀行局としてどのように認識されているかということを伺いたかったわけでございます。 まず一つは、過振りという問題です。実は住友銀行に第一勧業銀行の小切手を持っていって、普通はそういう小切手というのはそれだけの預金があるかどうか確かめて振り落とされるわけでございますが、しかし、その日即に住友銀行の保証小切手が渡されたという。これ通常のいわゆる商いというか取引としては考えられないことでございますが、実際こういう事実があったと。これは認識されていますね。
○政府委員(土田正顕君) そのような事実をめぐる報道は承知しております。 ただ、具体的な公判廷における事実関係の説明はまだ行われていないように聞いております。
○白浜一良君 これは一月二十七日の公判で明らかにされた事実なんですよ。新聞報道はそれをもとにして書かれているわけでございます。こういう報道をされて、銀行局としては調査されないんですか。
○政府委員(土田正顕君) 公判廷で明らかにされたかどうかにつきまして、私どもなお承知しておらないのでございます。報道されておりますいわば手口なりなんなりは、それは私どもそれぞれ報道をされた限りにおいては事実は認識をしております。
○白浜一良君 検察側がこの事実を証拠として提出したんですよ。別に新聞が勝手に書いたのと違いますよ、これ。そういう事実があることに関しては何も銀行局としては調査されないんですか。
○政府委員(土田正顕君) 公判の詳細につきまして、ただいまお話しのような証拠が提出されたかどうかを含めて私どもちょっと事情をつまびらかにしておりません。
○白浜一良君 そんな答弁ありますか、銀行局長。あなた最高責任者じゃないですか。そうでしょう。まして、これは本当に日本国じゅうに知れ渡るような大事件だったんですよ。だから、これは単に個人の問題じゃないということを私は認識してもらいたいから言っているわけです。一月二十七日の公判ですよ。どうしますか、これ、銀行局長、調査しますか。
○政府委員(土田正顕君) 一月二十七日の公判ということでございますので、早速その公判の状況をフォローし、それからよく分析してみたいと思っております。
○白浜一良君 調査されるということで、これは検察が証拠として提出して採用された、こういうふうに言われております。これが事実だとしたら、局長、こういう六十四億円の小切手を、他行の小切手をその日に自行の保証小切手で払っちゃう、こういう行為はどう思われますか。
○政府委員(土田正顕君) 正常な営業行為という点から見ますと問題があると思っております。
○白浜一良君 それは当然そうでしょう。だから、そういう点を、これは裁判になっているわけでございますが、銀行のいわゆる融資体制というか、そういう問題もあるということを認識してほしいから私言っているわけで、十分しかるべき対応をしてもらいたい。よろしいですね。
○政府委員(土田正顕君) 事実関係を把握いたしまして、よく研究したいと思っております。
○白浜一良君 次に、二点目に指摘したいのは、木津信用組合というところで多額のMMCの預金証書を偽造しているわけでございますが、これは一部報道されているんですが、このMMCの制度ができて二カ月後だという話です。しかも、尾上縫が取引した支店にはそういう証書がなかった。木津信用組合の本店しかなかった。それをわざわざ取り寄せていわゆる偽造証書に使っていた。こういう事実、御存じですか。
○政府委員(土田正顕君) 尾上縫に係る木津信用組合の元支店長による不正預金証書事件の概略は承知しておりますが、ただいまの用紙がなかったのでわざわざ取り寄せたということは存じませんでした。
○白浜一良君 信用組合は銀行局の管理下じゃないかどうかわかりませんが、そういう事実もしっかり調査をしてしかるべき対応をしていただきたい。 三点目に指摘したいのは、公判の過程で、興銀リースが平成二年三月時点で千五百億円尾上縫に融資しているわけでございますが、これが同リース大阪支店の融資残高の九〇%を超えている、こういう実態があったということですね。興銀リースの大阪支店の九〇%以上が一個人に融資されていたという事実、これ御存じかどうか、どのように思われるか、御答弁願いたいと思います。
○政府委員(土田正顕君) 興銀リースの報道につきましては、全体の偽造預金証書事件にも登場しできます名前ですので、それなりの関心を持っております。ただいまの九割ということは存じませんでした。非常に特定のお客に傾斜しておったということは申せるかと思います。 その融資に当たりまして担保をどのようにとっておったか、その他どのような認識のもとに融資活動を継続しておったか、それについてもいろいろ関心があるのでございますが、私どもとして興銀リースから直接そのような事情を聞くわけにはまいりませんので、しかるべき注意を持って情勢をフォローしていきたいと思っております。
○白浜一良君 私が申し上げたいことは、少なくとも尾上縫個人、失礼な話ですけれどもおばさんですよ、これだけの手口を個人でできっこない。いわゆる銀行であれ信用組合であれ東洋信金であれ、明らかに何かアドバイスしたり入れ知恵をしたり、そういうバックが絶対あるわけです。私は、今回金融検査部が銀行局から外れて官房のもとに置かれました。まあ強化されたんでしょう。だけれども、果たしてこういう実態をきちっと調査して、公平な取引を実施できるような体制になるのかどうかということを疑義を私感じるわけでございまして、その点、この事件を通しまして、局長の答弁を求めたいと思います。
○政府委員(土田正顕君) 尾上縫の資金調達の実態を把握するということと私どもの仕事との関係につきまして、若干率直に申し上げますと、まず資金調達その他の事件の内容につきましては、これは刑事裁判において審理中であり、おいおいその内容が国民の前に明らかになるかと思います。 ただ、私どもの方の観点から申しますと、東洋信用金庫の偽造預金証書そのものとは無関係の借り入れを尾上縫がやっておったというようなことも部分的にはございますし、それから尾上縫の資金調達なり運用なりの行動の全貌について私どもが必ずしも第一義的に把握すべき責務を持つ、そのような立場にあるとは思っておりません。私どもが実態を解明し、そして金融機関を指導するというのは、金融機関のシステムとしての健全経営を維持できるような体制がとられているかどうかということであり、しかも対象は、現時点におきましては御高承のとおり金融機関に限られておるのでありまして、ノンバンクに対しましては私どもはそのような調査権限を持っておらないわけでございます。 私どもは、このような事件は非常に大きな事件であり、これにつきましていろいろ今後多々教訓を得るべき点はあると思いますが、そのポイントは、金融機関の健全経営を脅かすような問題点を発見し、それぞれの金融機関に再発の防止に十分な体制をとってもらい、かつ全般的な今後の金融機関指導の参考とする材料を得るということでございます。もちろんその際に、その事実の詳細についてできる限りの情報収集活動はいたしますが、そのこと自体が私どもの仕事の直接の目的ではないというふうに考えております。
○白浜一良君 うまいこと言い返されましたが、何か責任はないんやという話に聞こえますけれども、そういうことでは困るわけで、私ノンバンクだけを言っているんじゃないんです。この住友と第一の小切手、この裁判で言っていますけれども、非常にお金を膨らませて融資をさせる方法で三十三日間続けていた。これ明らかに銀行ですよ。それも都市銀行の大手の銀行ですよ。 こういう巨額のお金でこういう行為がされているという事実、厳密に認めていただきたいから私言っているわけで、興銀リースとか木津信用組合のことだけを私言っているわけじゃないわけです。何となく責任ないんだと言われたら心外ですね。
○政府委員(土田正顕君) 私どもが金融行政上で心がけておりますものは、金融機関の健全経営のために十分なスシテムが組まれているかどうか、また、金融機関の資産内容がその健全経営を脅かすようなものになっているかどうかということを全体として観察するということでございます。 もちろんその際に、顕著な一、二の個別事件がございますならば、それはやはり健全経営の内容に問題を投げかけるものであるということで、それを取り上げて話題とはいたしますが、私どもの仕事のポイントは、個別の金融機関の経営内容が全体として健全であるかどうか、その事件なら事件というものの発生を防止するために必要な体制がとられているかどうか、そこに着眼点があるということを申し上げて御理解をいただきたいと思っておるわけでございます。
○白浜一良君 そういう全体的な位置づけは結構でございます。実際こういう事件が起こったということに関して、反省するべきは反省する、しかるべき対応をするところは対応すると、それを先におっしゃいなさいよ。そんな基本的な位置づけなんかを聞いたってしょうがないことです、そんなことは。 それで、角度を変えましてもう一つお伺いしたいと思いますが、三和銀行を初め先ほどお述べになりましたいわゆる大阪府下の信用金庫に分割して譲渡されることになりまして、預金保険機構から三和銀行に二百億円の援助が決められたわけでございます。 当然、この東洋信金のケースは非常に特殊な例だと、今後こういう多額の負債を負った金融機関の救済の見本じゃないと、こういうふうに私伺っておりますが、それはそれでいいわけですか。
○政府委員(土田正顕君) 金融機関の経営が悪化した場合の対応は、実はいろいろあるわけでございます。その際に、何をおいても共通して基本となるべきものは、その金融機関の一層の自助努力であると考えます。そのほかにさまざまな方法として、同じ業態による相互援助とか、さらには合併とか、さらには御指摘のような預金保険というような方法もございます。なお、預金保険機構による支援の決定は、実は手続的にはまだ決められておりません。 それで、いずれにいたしましてもそのような方法があり、それぞれのケースに応じた適切な方策がとられていくべきものと考えます。したがいまして、今回はやや複雑な仕組みになりましたのでそれだけ世間の注目を引いたわけでございますが、このような方式が今後の金融機関の救済の例えば見本とかモデルケースであるというふうには私どもは考えておりません。
○白浜一良君 この問題もいろいろお伺いしたいんですが、一点だけにしておきます。 前例にならないということをおっしゃいました。これからますます金融が自由化されていくわけで、経営不振に陥るような金融機関もできるわけです。そういたしますと、預金保険機構というのはもっと重要性を帯びてくるわけでございますが、現在いわゆる保険料は一律になっている、このように伺っておりますが、これルールからしておかしいんじゃないか。経営の非常にいい金融機関と悪い金融機関が同じ率で保険料を掛けている。これはルールとしてもこういう保険料の一律化というのはおかしい。今後重要性を帯びるであろうこの預金保険機構に対する考え方をお伺いしたいと思います。
○政府委員(土田正顕君) 預金保険機構のいわゆる保険料率でございますが、これは実は画一的に設定されるから直ちにおかしいということでもございませんと思いますのは、アメリカにおいてもやはり導入めときには預金保険料率が画一的に設定されてきたというようなことが事実としてございました。 これを個別の金融機関のリスクに応じて設定をするということになりますと、それはそれなりに一種の保険数理の考え方に合うということもございましょうし、金融機関に経営を改善させるインセンティブが働くということも確かに意見としてはあり得るんではないかと考えます。しかしながら、他面、リスクというのをどういうふうに評価するかという問題は技術的に必ずしも容易ではございません。また、金融機関の経営内容の判定が公にされますので、それが信用秩序に無用の混乱を与えるおそれがないかどうか、それも考えなければいけないと思います。 そこで、実はリスクに応じて保険料率を区分するというやり方は、アメリカの連邦預金保険公社が発表している案などにも見られるところでございまして、それはそれなりに今後の問題として一般論的には研究する余地はございます。 ただ、例えば日本とアメリカを比較して申し上げますと、日本では保険料率は現在これは引き上げられた後でございます、当初よりは引き上げられましたが、〇・〇一二%でございます。これに対してアメリカでは、現行は一律〇・二三%であり、今後引き上げが考えられておりまして、その場合には、これは報道によりますと、最優遇レートでありましても〇・二五%であるということでございますので、この保険料率は日本の保険料率の約二十倍見当になるわけでございます。 そのように保険料率が高くなれば、それはそれなりにいろいろ工夫をしなければいかぬという事情もあるのかなと思って見ておりますが、日本の現在のレートであればまだ当面、現状では区分されたレートを導入する必要まではないんではないかというふうに考えております。
○白浜一良君 アメリカの場合は、御存じのように倒産する金融機関が多いわけで、当然それで保険料も高いんでしょうけれども。 アメリカではいわゆるBIS規制の達成率によって、何かそういう基準を設けてそれによって保険料を変えようという、保険料が高いからそういう差をつけていけと。日本は安いからそういう必要ないという御答弁でございますが、しかし、今後やっぱりこういう保険機構というものも大事な役割をするわけです。全然つぶれる心配もないような経営状態のいい銀行と危険性の高い銀行とが同じ保険料払っているというのは、率にしてですね、私は考えられないと思うわけでございまして、今後の問題としてしっかり考えていただきたい、このことを申しておきたいと思います。よろしゅうございますか、局長。
○政府委員(土田正顕君) 保険料率の水準そのものとの関連で他日考える機会があるいは出てくるかもしれないと思っております。今後の預金保険制度の運用のときの一つの問題として考えてまいりたいと思います。
○白浜一良君 次に、ディスクロージャーの問題で、これも先ほどいろいろ質疑されておりました。 それで、大蔵省が圧力をかけていないという、それはもうそう答弁されるのはわかっていますが、そういう話がございました。ただ、この報道、新聞の記事によりますと、銀行課長さんが、「大蔵省が直接口をはさんだのは、誤解を招いたかも知れないがこ、こういうコメントをされているわけです。これは部分的に言葉抜かれたんだと言われればそれまででございますが、これは局長とういうふうに理解されておりますか。
○政府委員(土田正顕君) 多少御説明を繰り返すことになりますが、銀行法に定められておりますところのいわばディスクロージャーの規定というのは、本来それぞれの銀行が自発的に自己の経営内容を開示することを促すといういわば訓示規定でございまして、それの内容につきまして特にその定めはないのでございます。ところが、多年運用しておりますうちに、やはりお互いが相談をいたしまして必要的ないしは義務的な最低限度の記載事項を申し合わせるというような慣行が生まれ、その開示項目は年々拡大されております。 ただ、今回問題になりましたようないわゆる不良債権なり不良資産というものについて、これを義務的な記載事項に追加すべきかどうかにつきましては、端的に申しまして銀行の中にいろいろと意見の差があり、一致を見るに至らなかったので、これは全銀協の意思決定として継続検討課題となったわけでございますが、その間において銀行間に現実にかなりの意見の開きがあるぞという事実は私どもの担当官も認識しておりましたので、そういう話題を出したということはあり得たかと思います。 ただし、これが圧力をかけたということに当たらないと存じますのは、これも先ほど多少申し上げましたが、これは各銀行に共通する最低限度の横並びをとった記載事項にするかどうかという点についての議論でありまして、そもそもの規定の趣旨は、再三申し上げておりますように、統一開示基準というものにかかわらず自発的により充実した開示を行うという銀行があれば、それは経営上の判断でできるわけでございます。そのようなことも考えて全体として見ますならば、各銀行間に大きな意見の差があるままでこれを義務的記載事項に取り上げるというのはやや強引であるというような感じの場合には、そのようなやりとりを多少業界との間でやったこともあるいはあったかと思います。 ただし、これがディスクロージャーを抑える、妨げるというようなことを意図したものでないことはもちろんであり、また、事実問題としてただいま申し上げましたようなことで、各銀行がディスクローズをすることは何ら妨げられておりません。
○白浜一良君 これも新聞報道なんですが、ちょっと内容的な確認を、局長どのようにお考ええになっているかだけ伺いたいんです。 これは報道ですよ。都銀と地銀、第二地銀の代表で話を進めたということで、不良債権の内容として、一つは「六カ月以上金利払いのストップしている債権」、二つ目が「倒産など経営が破たんした企業向け債権について、元本総額から担保総額を差し引いた金額」、こういう二つの点が書かれています。もう一つは、時期として「一九九三年三月期から公表する」、そういう話、案であったというふうに報道されているわけでございますが、この内容に関しては当局としてどのようにお考えになっておりますか。
○政府委員(土田正顕君) この問題につきましては、私どもの意見というものよりも全銀協としての現在の位置づけを申し上げた方がより適切かと思うのでございますが、ただいまお話がありましたような案について、詳細は承知いたしませんけれども、全銀協の経理専門委員会という下部機関でございますが、そこで当時の会長銀行の担当者から提案のあったようなたたき台というものはあったかと思います。 ただ、それにつきまして各銀行、各メンバーの意見がまとまりませんでしたので、不良債権の定義や担保評価の方法など実務的な面の詰めを行うと同時に、今後の金融制度調査会でのディスクロージャーに関する作業部会の検討結果も踏まえて決定したいというように全銀協の協会長も記者会見などで発言をしておられます。全銀協での作業はそのようになっていくと思うのでございます。 私どもとしましては、当面、今後早急に開かれます作業部会の理論的、実務的な検討結果にまちたいというふうに考えております。
○白浜一良君 次に、ノンバンクがどれだけ不良債権を抱えているか、こういうことを大蔵省にお伺いしたわけでございますが、直接管轄していないのでわからぬということでございました。借り手保護に関する行為規制、それから土地の貸し付けに対する実態、これは管轄しているけれども、いわゆる経営の健全性とか融資の実態、こういうものは当局としては法の枠の外だと、このように私担当の方から伺ったんですが、このとおりですか。
○政府委員(土田正顕君) いわゆる実定法上の権限を持っていないというところは御指摘のとおりでございます。
○白浜一良君 大臣、突然大臣に申しわけございませんが、ノンバンクは八十五兆とも九十兆とも言われている多額な、金融市場としては大きな金融市場になってきているわけですね。そこの実態も明らかにならない。それは大蔵省の管轄外の問題もあるかもわかりませんが、全くわからないという、どのくらい不良債権抱えているか、週刊誌にはいろいろなことが言われています。こういう事実、これ大臣、健全だと思われますか。
○国務大臣(羽田孜君) 今局長の方から申し上げましたように、法律の上からいわゆる今のノンバンクの経営状況、内容、こういったものについて私どもが、何というんですか、踏み込んで知るということができないというのが現状であります。 ただ、問題は、今お話がありましたように、ノンバンクの社会的な存在といいますか、そういったものは非常に大きくなってきておるということの中で、これがこのまま、一体どこがそれに対して責任を持つのかということ、こういった問題についてはやっぱり考えていかなきゃならないだろうというふうに思っております。 この問題につきましては、昨年五月でございましたか、国会におきまして例の貸金業法、これをおつくりいただいたということでございますけれども、まだその点で不十分じゃないのかと。これは実は衆議院での御審議の過程でもあったことでございまして、私どもこういった委員会における御審議をちょうだいしながら対応していくべきであろうと思っております。 それともう一つは、やっぱりここまで大きな社会的な存在になったノンバンクというものを、ある程度やっぱり一つのルールといいますか、そういった中でこれから運営されていくことがよりノンバンクに対する信頼というものも高めるんじゃないのかなというようなことも実は御審議を通じて私どもも感じておるということを率直に申し上げます。
○白浜一良君 大蔵省からいただいた資料によりますと、上位三百社の実態調査というか、アンケート調査をされたそうなんです。 上位三百社の貸付債権のうち延滞債権、これは一カ月以上延滞しているという債権でございますが、二〇%以上というのが三二・四%、一〇%から二〇%というのが二七・九%、六〇・三%がいわゆる一〇%以上だと、こういう大きな実態になっているわけです。また、延滞状況を過去一年間と比べて五倍以上になっているというのが四六・九%、三倍から五倍というのが一五・一%、ですから三倍以上が六二%、異常な実態にある。これは大蔵省が調べたやつです。 そういう意味からも、大臣、権限の範囲の難しいところあると思いますが、非常に大きないわゆる金融市場になっているわけです。不正の温床になってもいけないわけですし、前向きの、政府全体としての問題でございます、しっかりお願いしたい、このように思うわけでございます。 もう言いただけますかね、何か。
○政府委員(土田正顕君) ただいま大臣から御説明申し上げましたようなことであり、それからまたノンバンク業界の現在の大きさというものにつきましては委員の御指摘のとおりでございます。 いずれにいたしましても、私どもは、まず業界と申しますか、ノンバンクもそれなりに幾つかにまとまっているわけでございますが、そういう業界において自主的にいろいろな融資業務の健全性を確保するという努力があってもいいのではないかということに若干期待もしております。それからまたもう一面は、金融機関が要するにノンバンクの主たる資金源を提供しているわけでございますので、金融機関と個別のノンバンクとの間の融資の関係、これについても、実態把握はなかなか難しいのでございますが、今後一層の適正化を期待したいと思います。 それと同時に、やはりこのような位置づけになりました以上は、ノンバンクの融資業務についての何らかの方法による実態把握というものをさらに充実する必要があるのではないか、これを一つの研究課題として考えてまいりたいと思っております。
○白浜一良君 次に、BIS規制の話に移りたいと思います。 これも質疑されましたので重複はすべてカットいたしますが、自己資本を算定する方式としてリスクアセット方式というようなことを言っていらっしゃる。私、伺いたいのは、いわゆる国債と地方債の問題です。 地方債の場合はリスクは一〇%となっているわけでございます。当然これは欧米社会におきましては地方債の起債というのが地方にゆだねられている場合があって、地方の行政だって破産するケースがある。そういう面で国際的ルールとして見れば当然地方債の方がリスクが高いというのはこれは私よくわかるんです。ただ、日本の場合は、地方債の起債もすべて中央でいわゆる許可されているわけで、政府お墨つきで地方債を出している。日本はそういう意味では非常に厳格にやっていらっしゃるとも言えますし、ちょっと違う例であると思うわけでございます。 ところが、国際ルールで一〇%のいわゆるリスクになっている、こういう事実がある。ですから、私ども日本の感覚からいったら同じぐらいの保証があるというように思うんですが、実際はそういう一〇%のリスク計算になっているから金利的に地方債の方が高い、そういう現状があるわけです。いろんな問題あると思いますが、この事実に関しましてどのように御認識されておりますか。
○政府委員(土田正顕君) いわゆるBIS規制のルールを定めますときに、各国間の議論になったところでございます。 我が国では、ただいま御指摘のように、地方公共団体のいわばリスクウエートは一〇%に設定をいたしました。これはアメリカ、イギリスなどの主要国が自国の地方公共団体のリスクウエートを二〇%以上に設定をしておるという事実があり、各国で銀行の競争条件の平等化を図る必要があるという一種の国際的要請がございますのと、それから、御指摘のように我が国はかなり厳格に地方債の起債が管理されておるというようなそういう地方公共団体の立場を最大限に配慮するという要請との間で、いわばぎりぎりの選択を行った結果によるものでございます。したがいまして、我が国の地方公共団体のリスクウエートは米、英等地の主要国と比べても低い水準に設定されておるところでございます。 いろいろと御議論があることは聞こえておりますが、今直ちにこれを変更することはなかなか困難ではないかというふうに考えております。
○白浜一良君 地方の財源としましても地方債起債というのは非常に大事な問題でございますし、今局長おっしゃった背景というのは当然私どももわかるわけでございますが、これもまあ大蔵当局だけの問題じゃございませんが、今後問題としてお考えをいただきたい、このように思うわけでございます。 それから、これも既に議論されておりましたが、個人投資家の育成ということでございます。 これ、何か証券問題が起こると、個人投資家を保護して育成せにゃいかぬという話が常に出てくるわけでございます。必ずそうおっしゃるわけでございます。確かにそれは市場の公平性という面で一番大事であるわけでございますが、なかなか日本の市場というのはそうなっていない。何となくそういう声で総括したらいいという意見になりがちだということを一つ指摘しておきたいと思うんです。 その具体的な例としてちょっと私伺いたいんですが、これ朝日新聞に載った、「声」の欄です。 ある方が投書をされているわけでございます。ワラント債ですね、これ御存じのようにもう紙くず同然だと言われております。この方が、紙くず同然だったら、何年かまだ期間があれば、紙くずのうちに買っといたら何年かたって株が上がってもうかるかもわからぬとこの方が考えられた。それで証券会社へ行って、買いたいと、こういうふうに言うたら、預り資産が一千万以上要りますよと、こうおっしゃったと。 確かに取引を開始する基準というのはそれぞれ設けられていると思うんですが、何かこういう新商品というのは大口とか機関の投資家がもうかるような商品というのはできるけれども、個人のということをおっしゃいながら、そういう方がちょっとでももうけようと思ってもなかなかそういう商品にならない。この方もアイデアを出されて安いうちにと思われたんでしょうけれども、そういう基準があるから買えない、こういうことらしいんです。 こういう事実、まあこれは事実だと思いますが、どうなんですかね、これ。そういう個人の投資家を育成せにゃいかぬという問題と、こういう商品の実態という問題、ひとつ関係性をちょっとお述べいただきたいと思います。
○政府委員(松野允彦君) 個人投資家の育成といいますか個人株主の増強というのは、これは株式市場の基盤を拡大するという意味では必要不可欠な問題でございます。 ただ、そうはいいましても、個人投資家がやはりその資産を健全に運用できるような市場でなければいけないわけでございまして、御指摘にありましたように、従来ともすればやや投機的に走りがちな市場だった、あるいは法人中心の市場だったというようなことが言われております。法人中心というのは、これは機関化現象が進んでくればある程度やむを得ないわけでございますが、しかし、いずれにいたしましても、株式市場の基盤を拡大しようとすれば、健全な個人投資家の資金が株式市場に安心して入ってくるようにしなければいけないわけでございます。そういった観点から、いろいろと公正な取引あるいは個人投資家に適した勧誘態度というようなことを業界と一緒になって努力をしているわけでございます。 御指摘のワラントでございますが、ワラントは御存じのように非常にリスキーな商品でございます。株価のいかんによっては全く無価値になってしまうものでございまして、そういったようなことで協会でルールをつくっておりまして、具体的な取引開始基準は各証券会社にゆだねられておりますけれども、そういう非常にリスクのある商品だということで一定の取引開始基準のようなものを定めているわけでございます。 これと個人投資家との関係ということでございますが、やはりこういうリスクの多い商品の場合にどこまで個人投資家にリスクを認識させられるかという問題があるわけでございます。営業の一線では多数の営業マンが多数の投資家に接触をしているわけでございまして、なかなか一つ一つのケースについて完璧を期すというわけにはいかないわけでございます。リスクを十分説明せずにワラントを売りつけられたというようなトラブルもかなりあるわけでございまして、どうしてもやや画一的な営業の基準というようなものを各社が持つ、特にリスクの高い商品についてはそういうふうなものを持つということはある程度やむを得ないんではないか。 新商品というお言葉がございました。ワラントも確かに一つの商品ではございますが、よりリスクの少ない新商品というものがいろいろとこれから証券化に伴って出てまいるわけでして、そういったものについては十分な情報提供が行われれば、一般の投資家がそれの売買に参加するということはこれは当然考えなければいけないし、またそういうことが必要だということで法律改正を考えているわけでございます。 ワラントの場合には、今申し上げたようにちょっとリスクが大きいということで、従来トラブルもあったということもございまして、こういう開始基準を設けているということでございまして、これが個人投資家あるいは個人株主の増加というものと直ちに矛盾するようなものであるというふうには考えにくいんではないか。やはり適正な投資勧誘を行うための一つの方策であるというふうに位置づけることが必要ではないかと思うわけでございます。
○白浜一良君 おっしゃるとおりだと思うんですが、これ「声」のテーマが「「大貧民」気分」という見出しになっています。こういう声が載るくらい、いわゆる一般国民から申し上げましたら、もうかるときだけ特定の人がもうかって、自分らが一生懸命考えてもいかぬという、そういう気分になっちゃうということですよ。確かにリスキーなワラント債そのものにいろいろ問題があるというのは私もわかりますけれども。ですから、個人投資家の育成ということをおっしゃるのでしたら、その辺の国民の気分というか思いというか、そういうものも配慮してもらわなければ困るということを私は言っているわけでございます。 それからもう一点、先物の問題です。 これは大阪の浮揚ということで先物市場が非常に拡大して、私どもは喜んでいるわけでございますが、しかしこれが現物を抑えているという話もございます。それでこの手数料をちょっと上げたりしたら、シンガポールで同じ日経二二五というのがあるわけで、そっちへ資本が流れちゃうという、こういう実態にもなるわけです。大蔵省としてはこの先物をどのように認識されているのかお伺いしたいと思います。
○政府委員(松野允彦君) 先物、特に株価指数先物でございますが、これはもともとは株価変動に対する市場全体のリスクをヘッジするという機能を営むわけでございまして、そういった観点から外国でも導入をされ、日本でもそのニーズがあるということで昭和六十三年に導入されたわけでございます。その後非常にこの市場が拡大をしてまいっております。 その過程で、平成二年以降、特に現物の株式市場の規模が非常に縮小いたしまして、先物の市場の規模と現物の株式の市場の規模とが一時は一対十ぐらいの規模にバランスが崩れたわけでございます。そういった中で、現物市場に先物市場が非常に大きな影響を与える。これは実際にも与えますし、心理的にも与えるというようなことで、このバランスを何とか回復する必要があるという考えになったわけでございます。しかし、残念ながら現物の株式市場の規模を拡大するという方策がなかなかないわけでございまして、そういった観点からやむを得ず先物市場の規模をある程度抑えるというような措置をとったわけでございます。 具体的には、例えば証拠金率を引き上げる、あるいは手数料を引き上げるということをやったわけでございまして、こういった措置はあくまでも今申し上げたようなバランスが崩れている中で、しかも現物市場がなかなか回復をしないという状況の中でとられた措置でございまして、もともと株価指数先物取引そのものの効用というのは私どもも否定するつもりはございません。これはやはり市場全体のリスクをヘッジするという機能があるわけでございますし、また外国でもそれで大いに行われているわけでございます。 こういうような状況で、いわば緊急一時的にやったというようなことでございますし、あわせて現在、大変盛んに取引がされておりますいわゆる日経平均指数の性格というものの問題点も指摘をされております。こういった点については今大阪証券取引所を中心にして検討が始められたわけでございます。 いずれにしましても、御指摘の、例えば大阪で取引が減る分だけシンガポールに流出しているのではないかということもあります。確かにシンガポールの取引量もふえてまいっております。したがいまして、証券市場の国際化というのが進んでまいりますと、なかなか一国だけで市場の管理をするということができない状態になっておりまして、国際的な場で先物市場と現物市場との関係、両市場の管理という問題について今議論をしている最中でございます。 我々としては、やはり基本的には先物市場の機能あるいは効用というのは認めるわけでございますけれども、今のような状況ではこういう措置をとらざるを得なかったし、またあわせて大阪証券取引所におきます先物市場全体のあり方の検討というのが進むことを期待をしているわけでございます。
○白浜一良君 私申し上げたいのは、これも先日新聞に載っておりましたが、富士総研のレポートで、株式の先物が現物の下落要因にはなっていない、そういうレポートも発表されているわけでございますし、市場の育成という観点から、何か小手先の対応というか、バランスが崩れているからちょっと戻すため手を打ったんだと言われたら、そうかもわかりませんが、あくまでも市場の育成という観点から対応してもらわないと、シンガポールに流れるというのは一つの例でございますが、結局閉塞的な状況になってしまうわけで、そういった面からの対応をお願いしたい、このように思うわけでございますが、一言。
○政府委員(松野允彦君) 今ちょっと言い足りなかった部分がございますが、先物市場をどうして抑えたか、あるいは小手先の手段を弄して抑えようとしてもシンガポールに行くじゃないかという御指摘があるわけでございます。ただ、現物市場というものがやはり基本にあるわけでございまして、個人の投資家というのは主として現物市場で株式の売買をする、現物市場に参加をするわけでございます。 さっきも申し上げたように、先物市場と現物市場のバランスが非常に崩れてまいりますと、先物市場と現物市場を利用したいわゆる裁定取引というものが行われますと、現物市場に非常に大きな影響を与えたわけでございます。それは現物市場にだけ参加する個人投資家などから見ますと、個々の株式の値動きというものが必ずしも個々の株式の事情によっては説明ができないというような状況になってきていたわけでございまして、そういったことで、むしろ現物市場に個人投資家が参加して市場規模が大きくなるということが望ましいわけでございます。そうすれば先物市場も拡大をしていくわけでございまして、やはり現物市場、先物市場一体として拡大をしていくということを考える必要があるわけでございます。先物市場だけ育成するというわけにはなかなかいかない。やはり現物市場というものが企業の資金調達の場あるいは個人の投資家の資産運用の場としてはむしろ現物市場の方が中心になるべき市場でございますので、もちろんヘッジ機能というのは先物市場にあることは認めるわけでございますが、少なくとも現物市場に悪影響を及ぼさないような形で両市場が発展していくような市場管理というのが必要であるというふうに考えるわけでございます。 小手先という御指摘でございますが、中長期的にはそういうねらいを持って両方がバランスをとりながら発展していくための一つの方策であるというふうに私どもは位置づけているわけでございます。
○白浜一良君 当然現物がベースであるというのは私どももよく理解しているわけでございます。大阪は非常に熱を入れてやっておりますので、健全な発展をしていただきたい、こういうことでございます。 あと投資信託の問題で、これ現在どのくらいの実態になっているのか、ちょっと御報告いただけますか。
○政府委員(松野允彦君) 投資信託には株式投資信託と公社債を主に運用する投資信託とございますが、全体としての資産総額は本年の四月末で約三十八兆円でございます。そのうち株式投資信託が約二十五兆円、それから公社債投資信託が十四兆円ということになっております。
○白浜一良君 それで、個人投資家は個別的な投資が難しいという観点から言うとこの投資信託に間接投資としてなるわけでございます。三十八兆円というお話伺いましたが、当然いろんな問題を含んでいるわけでございますが、一つだけ伺います。 証券会社が手数料でもうけるために、本当はもっともうかるのにどんどんどんどん回転を優先させてやっているという話があるんです。これいただいたデータですが、平成元年で言うたら投信の売買回転率が一四〇・六、株式市場の平均が八一・四、こうなっているわけでございます。こういう実態、いろいろ指摘されているわけでございますが、これはどうですか。
○政府委員(松野允彦君) 投資信託の株式の運用につきましては、これは当然投資信託委託会社という別の会社が運用しているわけでございますけれども、確かに従来から親会社であります証券会社との間の独立性というような問題、あるいは親会社である証券会社に手数料を稼がせるために回転をさせているんじゃないかというような指摘もなされているわけでございます。 私どももこの点については問題意識を持っておりまして、運用の方針そのものに我々が介在するというつもりはございません、これはやはり投資信託委託会社がファンドマネジャーを擁し、そのファンドマネジャーが各投資信託の運用を行っているわけでございます。ただ、ファンドマネジャーというものが本当に親の証券会社から独立して運用しているかどうかという点が問題になるわけでございまして、ファンドマネジャーの独立性の向上といいますか、これは非常に大きな問題として考えております。ただ、日本の場合には残念ながらまだファンドマネジャーというのが十分育ってないというような面が指摘せざるを得ないと思います。 いずれにいたしましても、投資信託の場合にいろいろと投資信託法で運用の規制がありまして、そういういたずらに手数料稼ぎのために回転をするというようなことはできない仕組みになっているわけでございます。受託を受けた一般投資家のために最善の運用をするということになっているわけでございますが、現実問題としては御指摘のようなきらいもあるわけでございまして、我々もこの点については検査の過程あるいは一般的な報告をとりながら、できるだけそういう手数料稼ぎのために回転をさせるような運用をしないように、今までも指導してきているわけでございますし、今後もそういうこと、特に今申し上げた基本的にファンドマネジャーの独立性を高めていくというような方策を考えていく必要があろうかと思います。
○白浜一良君 その問題で、私もこれは本で読んだ話でございますが、例えばイギリスなんかでは親証券会社との取引を一〇%以内に抑える、そういう規制もされているというふうに聞いたんです。そういった面でのいろいろ対応も必要じゃないかと私ども思うわけでございますが、この点に関してはどうですか。
○政府委員(松野允彦君) 確かに親証券会社に注文を出すということについても問題視しておりまして、現在、投資信託は必ずしも一つの投資信託が一つの証券会社で販売されているわけではございません。いろいろな証券会社で販売が行われております。そういったこともありまして、やはりできるだけ分散発注をする、株式に運用する場合でも株の注文はできるだけいろいろな証券会社に出すというような分散発注の指導をしております。 そういったようなこともございますし、あるいは、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、新たに今後投資信託会社の参入というものを認めることによってできるだけ証券会社と投信会社との間の関係を希薄にしていくというようなことも必要ではないか。やはり投資信託というものを、売るのは証券会社ではございますけれども、投資信託をつくって運用する会社とそれを販売する会社との間にはおのずからやはり一つの垣根といいますか、お互いに独立を確保するということが必要になるわけでこざいまして、販売に依存していれば発注もそれに出さざるを得ないというような関係が従来認められたわけでございますが、販売の多様化、ルートの多様化、あわせて分散発注ということもこれから推進していく必要があるというふうに思っております。
○白浜一良君 まだいろいろお伺いしたいことがあるんですが、時間がございませんのでちょっとポイントだけ。 この証券問題で残された問題というのは、暴力団の問題と相場操縦の疑義の問題があるわけでございます。暴力団絡みの問題で、これは衆議院の審議で答弁されたと伺ったんですが、証券関係はいわゆる仮名、借名取引、これに対しても何らかの対応を考えるというふうに伺ったんですが、これはそう理解していいですか。
○政府委員(松野允彦君) 暴力団との不明朗な取引の中に仮名あるいは借名取引が認められたわけでございます。私どもも今回それに対してどう対応するかということで検討を進めてきているわけでございますが、現在、仮名取引につきましては通達で禁止をし、証券業協会のルールでは各営業マンのルールといいますか、営業のルールとして各営業マンにそういう仮名取引を受託しないようにというようなことを求めているわけでございます。 今回、検討しておりますのは、それをもう一つ格上げをするという形で、証券業協会のルールの中で証券会社そのものに対して仮名取引を受託するのを禁止するというようなルールを考えております。これによりまして証券会社そのものが証券業協会のルール違反ということになりますので、そうなりますと証券会社自身が自主的な自主規制機関の処分を受けるということになるわけでございます。そういったようなことを通じましてできるだけ仮名取引、通達の見直しの一環ではございますけれども、仮名取引について基本的に自主規制機関がきちんと対応するというような方向をつくり上げていきたいというふうに思っております。
○白浜一良君 銀行の関係はどうですか、この問題。
○政府委員(土田正顕君) いわゆる仮名取引と申しますか、具体的には仮名預金がよく問題になるわけでございます。それで、金融機関におけるそのような仮名取引の取り扱いの厳正化につきましては、従来から再三にわたりまして通達を発出して注意を喚起し、また日々の行政や検査を通じて指導の浸透に努めております。 このような情勢に加えまして、このたび、麻薬等の不正取引の問題ではございますが、いわゆるマネーロンダリングを防止するために通達を発出いたしまして、口座開設時などに本人確認を実施するということによりまして仮名取引の取り扱いについても厳正化を図っておるところでございます。さらに今後ともこの点については厳正に指導してまいりたいと思いますが、このマネーロンダリングに関連いたしましては、実は昨年十月に麻薬特例法が公布されたわけでございますけれども、この法律に関係いたしますところのいわゆる疑わしい取引の届け出制度が、これは七月一日を予定しておると思いますが、近々に施行される予定でございますので、それに合わせまして本人確認のより一層の厳格化、具体的には努力規定から義務規定への格上げを図りますとともに、さらに仮名預金の厳格化についてより一層徹底する方向で検討を進めでおるところでございます。
○白浜一良君 銀行も局長の通達が出されてはおります。しかし、昨年十一月に判明しましたように、山口組系の団体に地銀を初め融資していたという、こういうニュースが流れましたね。そのときにいわゆる警察庁の課長さんの話で、融資に関しては事前にしっかり審査を行うべきだと。銀行といわゆる取り締まる警察の連携が非常に悪いというか、抽象的な意味では善処されているでしょうけれでも、そういうことがありますので、より厳密に、こういう抽象的な通達では実際機能していない。通達が出されてからこういう事件が発覚しているわけですから、しっかりと銀行当局にもお願いをしたい。一言だけお願いします。
○政府委員(土田正顕君) 暴力団に関係する話につきましては、もちろんいろいろと警察庁と連携をとり、私どもも金融機関に対する指導に努めておるところでございます。また、全国銀行協会連合会などにおきましても、いろいろと暴力団介入排除のための諸施策の検討その他を行っているところでございます。このようなことは、いわば御指摘に言うところの一般論であるかもしれませんが、具体的にはそれぞれ現場におきまして慎重な審査を行うように努めておるということは間違いないと思います。ただ、現場的な問題といたしましては、膨大な取引先の中でどのような企業がいわゆる暴力団であるのか、ないしは個人につきまして暴力団の構成員となればそれはある程度今後の新法の施行とともにはっきりしてまいると思うのでございますが、何と申しますか、準構成員ないし企業舎弟というような暴力団の構成員そのものではないような者との取引態度をどうするかということは、若干個別判断にまたざるを得ないところがございまして、そのような見きわめが極めて難しいというような問題がございます。 しかし私どもは、いずれにいたしましても暴力団対策法を所管する省庁などを含め政府部内でよく相談をいたしまして、いかなる対応が可能か鋭意検討してまいりたいと考えております。
○白浜一良君 よろしくお願いしたいと思います。 最後に、もう時間がなくなりまして残念でございますが、一点だけお伺いしたいと思います。 今回、監視委員会ができるわけでございますが、るる審議されておりますように、独立性、中立性、公正性というのが非常に大事であるわけで、その点から幾つもの本当は質問があるわけでございますが、最後に一点だけお伺いしたいんです。 要するに、公正な市場を確保するという面では、業者に対する、業界に対する指導を含めまして監視委員会ができたと。それはそれでいいんですが、そういうことを許した大蔵行政に対する問題もこれはあるわけでございます。そういった面で私一つだけ指摘しておきたいのは、「ニューファイナンス」という雑誌に、監査を行う立場の方が、「当該銀行のもっている特色ないし欠点、あるいは困難な問題に対応する戦略という意味では、これからも他行の事例を知っている検査官が経営コンサルタント的な役割をもっと果たしてもよいように思います。」と。検査をする方が銀行の経営コンサルタント的な役割をしていいという、これ本人の弁です。こういう感覚で、果たして私はこういう委員会をつくっても、独立性、公正性があるのか、決して悪意でおっしゃっていることじゃないというのは私もわかりますが、そういうふうに思うわけでございます。今回不明瞭ないわゆる通達行政を廃止するという、そういう意味も含めまして、そういう通達、また口頭指導はどれぐらいの整理状況にあるのかということと、こういう独立性を保つために、今の検査部長の話じゃございませんが、厳密な大蔵大臣の姿勢を示していただいて、質問を終わりたいと思います。
○政府委員(土田正顕君) まずその前に、検査部の者が関係した記事のことにつきまして一言だけ申しますと、これは主として現在金融検査について行っておりまするところの感じを述べたものだろうと思います。 実は、銀行法の中の検査の目的も、銀行の業務の健全かつ適切な運営を期する、そういう意味で経営とか資産の状況を点検し、さらには経営方法その他について全般について改善指導を行う、そういうことでございますので、もちろんその仕事の中には例えばルール違反があるかないかということについての判定というような作業も含まれることは間違いないのでございますが、経営全体につきましての助言を与える、ないしは他の一般の金融機関の平均的な傾向、それを説明し、個別の経営判断の参考に資するというようなことは、これはやはり業務の健全性を図るという観点から行っておりますもので、いわゆる金融行政の活動の一つの指導的な部分のあらわれであろうかと思うのでございます。そのような活動は、これは今後もやはり銀行に対する検査、信用金庫に対する検査という観点から言えば大事な機能ではないかと私どもは考えております。
○政府委員(松野允彦君) 通達の見直しのお尋ねでございます。簡単にお答え申し上げますと、現在、まず口頭指導というのはこれは廃止をする。それから明確化するためにできるだけ法令化しないものは自主規制機関のルールに移行する。解釈通達で若干残るようなものはございますが、できるだけ整理統合いたしまして、現在約四百五十本ある通達を五十本程度に整理統合したいと考えております。鋭意作業をしておりまして、来月中ぐらいには作業を終えたいというふうに考えております。
○近藤忠孝君 まず、この法案は、昨年発覚いたしまして国民の怒りを呼んだ証券不正、金融不正に対する反省と、これに的確に対応しようという立場から提案されたものと思います。しかし、これから設置される委員会が対象とするのは証券会社だけで、銀行がこの監視対象から外されております。これは、私は昨年の九月十三日の行革審の「証券・金融の不公正取引の基本的是正策に関する答申」の中で指摘されていることに真っ向から反すると思うんです。 ここでは明確に「検査・監視機構は証券・金融・為替市場を視野に置くことが適当である。」、こうはっきりと指摘をされています。ということは、やっぱり両方の分野がもう絡み合っているからと、こういった認識でありました。その点は橋本大蔵大臣も同じ認識でありまして、これは昨年八月の衆議院の証券特別委員会でこう答弁しています。 「行政機能と検査機能の両機能の間には一定の節度ある距離というものが保たれることが必要である。」と同時に、「金融・証券の両市場というものが相互関連を強めております今日、さらに今後予想される金融制度改革による相互参入といった問題を考えますと、やはり金融・証券両市場というものを視野に置いた検査機構というものが望ましい」と明確に答弁しています。 ということは、去年の我々の議論の到達点も、そして行革審の結論も、そして同時に責任者であった橋本さんの見解も全く同じなんですね。ところが、今度なぜ証券だけで金融が外れているんですか。
○政府委員(小川是君) 昨年の九月の行革審答申は、「3 検査・監視体制の在り方」のその「(1)基本的な考え方」において、今言われたように検査・監視機構は三市場を視野に置くことが適当であるとした上で、具体的な検査・監視体制を(2)で述べておりまして、その中で「新たな機関の任務及び権限」というところにおきまして、市場監視のための調査、物件の領置、市場情報の収集等、それから②といたしまして違法性の強い取引行為等に対する強制調査ということを述べておりまして、この答申全体を通じ、またここの具体的な「新たな機関の任務及び権限」を読み合わせてみますと、一貫して問題にしておりますのは、市場メカニズムが適正に働いているかどうか、ルールが守られているかどうかというところについて監督行政と検査行政のところにある距離を置く必要があるという問題意識でございます。 そこで、金融取引のような相対取引、ルールについて、特段の定めがあるものではない相対取引と証券取引のように各種のルールによって取引が成立するものの監視というものはおのずから違ってくるわけでございまして、また答申自身がそのように予定をしているものでございます。 それでは、どうやって金融市場、為替市場を視野に入れるかという点でございますが、この点につきましては、昨年の答申でこうした証券、銀行、国金局の検査部門を統合再編するという答申を受けまして、官房の金融検査部に統合すると同時に、新しい委員会がこうした金融検査部の仕事についてその状況を聞く、あるいは主要な事項について意見を述べるという形で答申を具体化したものでございます。
○近藤忠孝君 そんなのはどこにも書いてないですよ。この3の「検査・監視体制の在り方」、ここでは明確に証券、金融両市場の相互連携の強まりを勘案し、両市場を対象とした検査・監視機構とか、結果というのはどこにも両市場を対象としたものにはなってないじゃないですか。 私は、これからなぜ金融市場に対しても独立の権限の強い検査・監視機構が必要か、それを具体的に明らかにしますが、その前にちょっと銀行局にお伺いします。 証券業として認可を受けた場合には金融機関に対してもこの委員会の監視対象になる、これは当然ですね。だからその限りでは銀行もこの委員会の監視対象になる、これはいいんです。問題は、官房検査部が行う通常の銀行検査であります。これほどのスキャンダルが起こったことに対する反省として、これはもういろいろ各分野で議論されておりますように、当然銀行の業務に対しても従来よりも強化されてしかるべきだと思います。これは大蔵大臣の再発防止五項目においても銀行に対する検査体制の充実が挙げられております。 そこで、銀行検査について、これは従来よりも検査は強化されてしかるべきだと思いますが、この点、その衝に当たる銀行局の検査部長、どのように対応するのか、その対応策も含め、具体的な決意をお伺いしたい。――いや、検査部長。
○政府委員(土田正顕君) 私は銀行局で検査部の仕事も統括しております政府委員でございますので、便宜私から御説明をさせていただきたいと存じます。 金融機関関係の不祥事を踏まえていかなる検査体制の充実強化を考えるべきか、これはもちろん非常に大きな問題でございます。なかなか実際問題として難しいと思いますのは、これは再三申しておりますが、金融機関に対する検査というのは金融機関の経営の健全性を確保するために行っておるものでございます。 端的に申しますと、銀行検査の目的や性格からいきまして、本来、銀行がみずから不祥事件が起きないような責任体制をつくっているかどうか、それを見届ける、そしてそういう銀行内の事務管理システムなどがきちんと運用されているかどうかをチェックしていく、これが銀行検査の本筋でございまして、個々の職員の不祥事の発見を主眼とするということはなかなか人員の制約もありまして不可能でございます。この点につきましては、基本的には各金融機関の自発的な内部事務管理体制の総点検とか経営姿勢の見直しなどにまつべきものでございますが、私どもといたしましても、そのような内部事務管理体制の状況についての点検、改善指導などを行っていくことによりまして不祥事の再発防止に努めてまいりたいと存じます。 さらに、検査本来の諸目的を達成し、確保いたしますために、検査組織といたしましては限られた人員のもとではございますが、一つは、内部事務管理体制を含めた金融機関の業務についてのやはり重点的かつ機動的な検査を実施してまいりたい。また、そのために必要な検査手法の充実を図ってまいりたい。それから、その他検査体制の充実強化、これは機械化、機械の導入などいろいろございますが、全般的な検査体制の充実強化に努めてまいりたいと存じております。 なお、今回のただいま御審議中の法案が成立いたしました暁には、銀行局検査部の組織も改編されまして、それの中の金融検査関係の者は官房の方の組織になると思うのでございますが、そこでは銀行局、国際金融局、証券局、三局の関係の検査関係者も集まるわけでございまして、そのような組織の統合により、行く行くは検査の効率化も期待できるのではないかと考えております。
○近藤忠孝君 検査の効率化じゃなくて、要するに強化が大事なんです。 それで、今局長は、自発的な内部体制に期待するとか、そういった点を指導すると言いました。それは結構ですよ。ただ、あれだけの不正事件が起きたということは、内部的な体制に期待しておっても無理なんでね。しかも、大蔵省の検査、監督が不十分だったからでしょう。大分長くしゃべったけれども、大事な点は、そういう反省があるんだから、今までやってきたよりももっと強めた検査を行うのかどうか、今の答弁では必ずしもはっきりしないわけです。
○政府委員(土田正顕君) 私どもとしては、検査体制の充実強化、それをもちろん主たる目的として追求すべきであり、殊に不祥事が起きたということについての教訓をどのように生かすべきか、今後鋭意研究する必要があると思っておるわけでございます。限られた人員、組織体制の中ではございますが、具体的な手法それからいろいろな機能の充実、それらに鋭意努めてまいりたいと考えております。
○近藤忠孝君 機構を充実し、そして強化をするというぐあいにお聞きをしました。 そこで、その衝に当たる検査部長の竹内さん。あなたは昨年十二月、全銀協で講演をいたしましたね。その中でこう言っています。「行革審の答申が出たあたりから、金融界から数多くの問い合わせを受けました。」銀行検査についても従来より厳しいものになるのではないかなどといった心配が寄せられました。「これらに対しまして、私共といたしましては、そのような心配は不要であり、検査の実態、目的や仕組みといったものは現在とあまり変わらないよう考えていきたいと申し上げておきました。」と。 局長の答弁と違うんじゃないの。これは大変ですよ。検査の衝に当たる部長がですよ、監督下の銀行を前にして心配ないよと言うんだね。今までどおりだ、安心しなさいと。これで去年のあの不正事件、それに対する国会の議論、これがどうして反映できるんですか。直接答弁してください。まず、こういったことをしゃべったかどうか。――違うの。検査部長じゃないの。
○説明員(石附弘君) 私は警察庁の暴力団対策一課長でございます。
○近藤忠孝君 ああ、そうですか。じゃ検査部長来てないの、検査部長。――失礼。ちょっと初めてだから間違えた。あなたに言うつもりじゃなかったんだ。私は検査部長に、こういう発言をしたんだからじかに来てほしいと言ったんだ。そうしたら、後で局長が答弁しますからと言うから、それは答弁もらうけれども、しかし検査部長に聞きたいんだと。こういう発言したんだから、どうしてこういう発言をしたのか。 これは去年からの国会の議論を、第一線の部長がもう全く無視したことを平気で銀行の前で言っているんだから。許せますか。――部下をかばっちゃいかぬよ。かばうに決まっているんだから。どうですか。
○政府委員(土田正顕君) 部下云々という話ではなくて、多少組織論というか、違った話を申し上げたいと思うのでございますが、いわゆる昨年からの不祥事の反省といたしまして、どのような点に重点を置くかということは非常に難しい問題でございます。 例えば、現場的な個々の職員の不正行為を発見しないしはそれを未然に防止するということを網羅的に仮にやろうといたしますと、それは金融機関の個々の取引を網羅的に調べるとか、それからあらゆる金融機関の店舗についていわば臨席調査を行うというようなことがあるいは必要になるということかもしれませんが、そのようなことは、まず第一に人員の制約という問題もございますし、第二に、むしろその前に申し上げたいのは金融検査、銀行法なら銀行法に規定されております金融検査というのは、銀行の全体としての業務の健全かつ適切な運営を確保するために行われておるということでございまして、具体的には自己資本の充実度とか資産の健全性とか経営管理、収益状況、それから流動性、そういうようなものを全体として……
○近藤忠孝君 質問にまともに答えてください、質問にまともに。
○政府委員(土田正顕君) 調べていくわけでございます。そのようなことで、そのような点での検査の行い方は今と余り変わらないというような意見を申したものと思いますし、私もさように考えております。 それで、むしろそのような犯罪の防止、犯罪の未然防止の体制をつくるということは、主としてやはり金融機関自身の自発的な努力にまつべきものである。その努力を支えるものは金融機関の内部事務管理体制の充実である、そのような事務管理体制の充実が現にできておるかどうか、それについては従来よりも一層注意深く検査を行ってその評価をしてまいりたい。そういうことは私どもの考えておるところでございます。
○近藤忠孝君 今の局長の答弁を聞いていますと、やはり銀行局には任せられない。つまり、やはり銀行についての独立した、しかも八条じゃなくて三条委員会をつくってやらなきゃいかぬ。 なぜあんな竹内部長の発言が出てくるのか。これ全部細かいところも出ていますよ。こう言っています。「大蔵省検査部の竹内でございます。皆様とは同業者仲間です」と、ここから始まるんだから。同業仲間だから、そんな監督も監視も何もできませんよ、あんた。だから私は、銀行局に任じちゃだめなんで、特別の委員会が必要だということがここで証明されたと思います。 さらに、具体的に私が証明します。 そのことが端的に示されたのは佐川急便事件だと思うんです。文字どおり証券不正と金融不正事件が一体のものであることをあからさまな形で、しかも巨大な資金の流れとして示したわけであります。これは去年の証券不正事件の大きな問題となった。これは焦点でしたね。稲川会による東急電鉄株買い占めと証券会社の株価つり上げ、さらにそこに証券関連会社から大量の資金が供給された。大変驚きました。 ところが佐川急便は、単に証券関係会社だけじゃなくて、銀行からもそういった資金が大量に、都市銀行だけではない、都市銀行初め主要な金融機関が深くかかわっておった。その金額がけた違いの大きさであるということ、そしてその資金が土地投機、ゴルフ場、そしてここで問題になる株の投機に向けられ、あの異常なバブルをつくったということがはっきりいたしました。ですから、そこを解消する必要がある。 そこで、具体的に指摘をします。 佐川急便から流れた資金残高は、昨年六月現在で、五十九企業二十五個人に対して総額五千二百七十八億円であります。その内訳は、債務保証約三千四百四十五億円、借入金の転貸し九百五十億円、直接融資七百四億円、その他百七十八億円でありまして、そのうち東京佐川急便の保証債務約四千九百億円のうち、債務者による返済困難な不良債務が、暴力団関係が約一千億円、その他が一千五百億円、総額で二千五百億円と私たちはつかんでおります。 その後いろんな動きがありましたから、これは運輸省の出した数字によりますと、「佐川急便グループ中核六社の合併認可について」というこの資料です。これによりますと、保証債務の帳簿残高二千二百四十四億円、貸付金等二千九百六十五億円、合計債務が五千二百九億円。このうち回収不能見込み額は三千六百九億円とされておりますが、この事態について銀行局はどうつかんでおりますか。
○政府委員(土田正顕君) まず最初に御説明申し上げたいと存じますのは、東京佐川急便から流れた資金というお話でございましたが、私どもの関与できますものは、金融機関から東京佐川急便にどのような融資を行ったかというようなものはこれは個別にはトレースすることは可能であろうかと思いますが、いわゆるノンバンクの活動については詳細に把握することはできません。それからまた東京佐川急便からさらにその先に流れた資金というものがどのようなものであるか、それは私どもは実は把握することができない状況にあるわけでございます。 報道によりますように、佐川急便の借り入れ先は多数の金融機関やノンバンクに及びますし、かつその取引内容も複雑であるとされております。私どもの方の調査は、金融機関が東京佐川急便から説明を受けた範囲内において間接的に行うものでありまして、おのずから限界があるわけでございます。 ただいまの金額について、個別には実は私どもは承知しておりません。私どもがさしあたり所持しておりますものは、主要取引銀行を通じて得た資料でございますが、東京佐川急便がことしの三月に発表をいたしました資料でございまして、それによりますと、保証債務などの額は三千九百五十八億円。これは本年の一月二十日現在というようなことを連絡を受けておりますが、ただいま御指摘になりましたような具体的な金額については承知しておりません。
○近藤忠孝君 それにしても三千九百五十八億円という巨額な額ですね。 問題は、それがどこにどう流れたかという問題です。これは、大臣や局長のお手元には事前に私の方でつくった資料を差し上げておきました。「東京佐川急便等の保証債務等の内訳」という表です。大ざっぱですが、平和堂グループ五百八十一億、市原観光ルート八百五十七億、暴力団、これは稲川会ルート千百三十八億、そのほか地上げ、不動産関係で七百七十億、ゴルフ場開発五百八十二億等々で、私どもの計算によりますと四千九百三十四億円に達するわけであります。私は、実際暴力団に流れたのはもっと大きいんだ、こう思うんです。 この中身をさらに我々は追及しようというのでその出所を整理したのが、やはり事前に資料として差し上げた「東京佐川急便の債務保証等で融資した都銀・地銀・信託・長信銀・政府系・生損保系金融機関の融資額」という表であります。これによりますと、住友、三和、富士、東京、東海銀行など、これはもう有力都市銀行が名を並べておって、都市銀行だけで六百八十四億円、系列のノンバンクを含めますと一千八十五億円。地銀系も五行で二百二十三億円、系列を含めると三百二十九億円。信託その他もうたくさんあるんですね。 この事実は大蔵省、検査でこれ確認できるんじゃないでしょうか。各銀行ごと、佐川急便関係でこのように債務保証などをしたか、それはどうですか。
○政府委員(土田正顕君) 東京佐川急便の保証先企業に対する貸し付けの実態について、私どもは必ずしもその全貌を承知しているわけではございません。具体的に問題となり、ないしは報道されましたものがありますと必要に応じて金融機関から聞いておるようなこともございますが、実際問題といたしましては、この債務保証で融資したものの大半はノンバンクが行っているようでございます。もちろんこの中には、私ども個別に点検しておりませんけれども、銀行本体から融資をされたものもあったかと存じます。
○近藤忠孝君 これは私は銀行局がその気になって検査すればわかると思うんですね。この点については前に入った検査ではまだこれが発覚していなかったので気がつかなかったとおっしゃるんです。ところが、富士銀行に対する検査は昨年の十月二日以降です。それから東海銀行の場合も昨年十一月六日以降、さくら銀行、旧太陽神戸三井銀行、これはことしの四月七日以降ですから、私が今指摘したようなこと、しかも資料で差し上げたようなこと、資料としては最後のページに「東京佐川急便の主な金融機関からの借入金」ということで、これは合計二千五百億円の融資。それからその左側に「東京佐川急便の債務保証に関連して融資した金融機関別内訳」で具体的に指摘をしてあります。 こういったものはその気になって、特に富士銀行、東海銀行、さくら銀行、これはその気になって調べればわかるんじゃないですか。同業者仲間じゃなくて、さっき言ったように本当に昨年の審議の到達点に基づいて検査をすればわかるんじゃないか。私は、そこで初めて銀行局の検査の実効性が証明されるし、そうでない限り実効性はないと言わざるを得ませんね。
○政府委員(土田正顕君) それぞれの多数の金融機関が東京佐川急便に融資の仕事で取り組んでおったことは否定できないと思われますが、ただ問題の発生前には、やはりそれぞれの金融機関から見ますならば佐川急便は世間にも言われておるようなそれなりの内容を持った企業であるというような評価をしておったろうと思います。 私どもの方の検査なり調査の主目的は、佐川急便がというような会社の中身ではなくて、例えばここに出てまいりますようなそれぞれの名前の銀行がそのような融資を抱えることによって内容が不健全である、問題を生ずるおそれがあるかないかということをシステム的に点検するのにあるわけでございまして、個別の融資ごとにその審査が適正に行われておったか、ないしはその担保なりなんなりのとり方に遺憾な点はなかったかというようなことは見てまいる、それは検査のときにかなり網羅的に調べているわけでございますが、融資した銀行側において特に手続その他について遺漏がなければそれは往々にして個別には取り上げない、そのままに済んでしまうということもあり得ることと存じます。 ただ、事件の発生以来、金融機関の融資の管理体制が一段と強化され、それからさらには伝えられますような、この資料にも若干出てまいりますが、暴力団系統に使われたのではないかと疑われるような問題が生ずるというような場合には即刻実情を調査し、回収に取り組み、それで正常化を期するというような努力をしておるというようなことは二、三の銀行から事情聴取をすることによって動向を把握しておるつもりであります。
○近藤忠孝君 それはぜひやってほしいし、やればできるんですね。 我々の調査によっても、全体で共通する面があります。これは都銀系の融資も含めまして、まず第一に担保がないもの、あっても担保割れになっちゃっているものが相当あります。それから第二に、債務保証の際に東京佐川から金融機関に出しておった取締役会議事録の大半が偽造されておった。これは偽造にどうして気がつかなかったのかと思われるくらい偽造されていましたね。それから第三に、これらの債務保証の中には北東開発、ユートピア修善寺、匠栄など八社に流れたお金、総額六百四十二億円のようにこれは簿外処理されておる。 先ほど示した最後のページの左側のように、東京銀行の場合「すべて簿外処理」、東海銀行、「「匠栄」分は簿外処理」、三井信託銀行、「全部「匠栄」簿外処理」。簿外処理されておったということはとんでもないことですよ。そのもの自身が不正であることがもう一目瞭然わかるからね。要するに、そんな融資をしちゃいかぬ金であることが明らかだと思うんです。 私は、この辺は今やっておる検査の中で当然このような常軌を逸した乱脈融資であったことがつかめるんじゃないかということ。だから、私が今指摘したようなことは今後わかるんだろうということが一つ。 それから、特に稲川会関係ルートに流れたお金は、特に一番多い北東開発についてはその資金が北洋産業や東広ファイナンスなど稲川会関係会社に流れる仕組みであったこと。これは金融機関は承知の上だったという証言があります。北洋産業の庄司社長が逮捕される前に語ったところによると、北東開発と北祥産業は石井会長の会社であることなどみんな知っていた、今じゃどこも知らなかったと言っているがということを言っておるわけですね。そうすると、金融機関が暴力団関係の会社と承知で融資したことが明らかだ。これは検査だって十分わかりますよ、一定の資料があれば当然わかるわけだからね。暴力団に銀行から金が流れるということは絶対あっちゃいかぬことです。大分前に銀行法の審議をしましたけれども、もう十二年前になりますが、銀行には公共性があるというんだから、公共性のある機関からこんなところに金が流れちゃいかぬ。 私が指摘したようなこと、まだずっとたくさんありますけれども、これは今の検査の中で、あるいは今後の検査の中で当然事実関係を把握して、また具体的に言うと北東開発、北洋産業などへ融資したお金はきちっと調査し、国会へ私は報告すべきだと思うんですが、どうですか。
○政府委員(土田正顕君) ただいまの御指摘の点もいろいろございますが、問題は、それぞれの金融機関がどの程度しっかりした取り組みをしておったかということは審査の段階の問題としてそれは申せると思います。ただその場合に、御指摘にもございますが、議事録が偽造されておったととか簿外処理であったとかというようなことは一見して外部の者にわかるものかどうか、その点は多少議論があろうかと思います。 それから、暴力団に関係したものであったかどうか、そこについて認識があったかどうかという点も一つの論点でございますが、その後、事件が公になりましてから、これが暴力団関係に縁があったのではないかということを発見しまして急遽回収にかかっておるというような金融機関もあるということは事実でございます。 それで、さらに今後の問題といたしましては、先ほども御披露いたしましたが、東京佐川急便及び佐川急便合同のことし三月末の発表によりますと、保証債務に関する件の全貌を把握し、かつ金融機関の支援を得ることにめどがついたというようなこともございますので、今後の問題としては、個別の融資ごとにその回収に懸念があるのかどうか、それが主として検査で点検すべきポイントであろう、そういうのが検査の着眼点になるであろうというふうに考えております。
○近藤忠孝君 それが検査のポイントであることはわかりますけれども、しかし、既に終わったこととはいえ、北東開発、北洋産業の場合、これはもう暴力団関係として有名なところですから、そういったところへ融資したということについては、反省も含め今後こういったことが絶対あってはならぬということも含めて、それを私は国会に報告してもらいたいと思うんです。これは強く要望します。 それから警察庁。私は皆さんが暴力団関係で一生懸命やっていることはよく認めます。共産党は警察を褒めることはめったにないんだけれども、これは本当です。しかも、資金源を断とうと五百万とか数百万単位のお金をシラミつぶしに身の危険も感じながら一生懸命やっておるんです。それで、今度の新暴対法の適用、私はそういったことを大いに応援しますよ。 問題は、あなた方の努力にもかかわらず、もう既につかんでいると思うけれども、けた違いのお金が、何百万じゃなくて何百億ですよ、それが白昼堂々と、しかも日本資本主義の一番中枢の部分からとうとうと流れてくるんだから。これについて当然一定の感慨があっていいと思うんですが、どんな感想をお持ちか。そして、このままではいかぬということは明らかですよね。こういう金融機関の姿勢に対していろんな言いたいことがあると思うんですが、今後どんな要請や対応をしていくおつもりですか。
○説明員(石附弘君) お答えいたします。 今お尋ねの佐川急便の関係の事件でございますけれども、事件につきましては現在捜査中でございまして、東京佐川急便から稲川会の関連企業に流れた金額等につきまして、その流出先であるとかあるいは流出額であるとかということにつきましては答弁を差し控えさせていただきたいと思います。 そこで、一般論でございますけれども、暴力団へのいわゆる資金援助の問題につきましては、国民全体に暴力団を市民社会から排除しようとする機運が高まる中で、暴力団に資金援助をするといった行為が仮にあったとすればこれは大変国民感情に著しく反するものであるということで、私どもとしては遺憾であるというふうに考えざるを得ないところでございます。 警察においては、暴力団の資金源犯罪を捜査する過程でこうした反社会的な行為についてもその視野に入れ、そこに刑罰法令、また三月一日から施行になっております暴力団対策法に触れるものがあれば適切に対処していくこととしておるわけでございます。 また、こうした反社会的な行為を一掃するためには、暴力団に協力したり、その存在を容認する土壌を徹底して浄化していくことも重要でございまして、こうした観点から、警察においては、企業を含む国民の暴力団排除活動が一層活発に展開されるよう諸対策を実施しているところでございます。 例えば、警察庁としては、いわゆる証券不祥事問題があった昨年六月でございますけれども、経団連、日商に対して、各企業からの暴力団排除について要請を行うとともに、八月には、証券また金融業界に対しまして、暴力団に対する融資などのいわゆる暴力団の活動を助長するようなそういう態様の取引の自粛、それから暴力団排除組織の結成、さらには警察の暴力団対策への協力など要請を行ったところでございまして、経団連におきましても企業行動憲章ということを発表していただき、また全国銀行協会連合会においては暴力団介入排除特別専門委員会を設置していただいて、社団法人日本証券業協会にあっても暴力団員及び暴力団関係者との取引の抑制に関する理事会決議というようなことでそれぞれ御努力をいただいておるというふうに承知をしておるわけでございます。 今後とも、警察としては企業に対して、暴力団との取引の結果として、企業活動が資金面から暴力団の反社会的な活動を助長することとならないように、各企業における責任体制の確立や事業者団体における暴力団の不当な行為による被害を防止するための仕組みつくり等を働きかけていく所存でございます。
○近藤忠孝君 最後に、時間も余りありませんので、三井信託銀行の関係でまとめて質問をいたします。 三井信託は、佐川関係では匠栄に貸した二百八十九億円。これは銀行の中ではダントツです。しかも、匠栄というのは本当にちっぽけでわけのわからない会社です。そこへこんな金を貸した融資が正常と言えるかどうか。これが第一点。 それから、港区虎ノ門五丁目の土地に対する抵当権設定状況を見てみますと、最初ここに抵当権を設定しておりましたが、ところが途中でこれを全部外して、その後また今度は二百四十二億円の根抵当権を設定した。なぜ一時外してまたやったのかというと、外した時期は地上げに対する住民の物すごい反対が集中して、そこに三井信託があったのではまずいなというので逃げたのだろうと。しかし貸しておったことは間違いないので、そして後、ほとぼりが冷めてから担保をとったというぐあいにしか考えられません。それをどう認識しているか。 それから、三井信託は、この金が簿外処理されておったことは途中で気がついたと。私は最初から気がついておった可能性があると思うんだけれども、それは別として、じゃ、なぜそこで引き揚げなかったのかということが大変不可解な、いわばこのような地上げに対して、不当な借り入れなことをわかっていて貸した、しかも一時姿を隠して批判を免れていたけれどもまた出ていった。まあ性懲りもなくやったというぐあいに考えます。 それから、今わかっているのは、この土地の地上げに使った金は八十億円です。ところが貸した金は二百四十二億円。百六十億円が行方不明です。一体どこへ行ったのか。これは大問題ですね。 これらについて認識しているところを、事前にかなり綿密な議論もしてきましたので簡潔にお答えいただきたいと思います。 それで、そのうち時間が来ちゃうだろうから、あえて私はまとめて質問しますと、こういう銀行の体制ではとてもだめなので、先ほど申し上げたとおり、やはり本当に独立の機関が必要だろうということを申し上げて、質問は終わります。
○政府委員(土田正顕君) 金融機関の個別の融資に関する御質問でありますので余り立ち入ったお答えを申し上げることは御遠慮すべきでございます。やや一般論的に簡潔に申し上げます。 融資先が非常に小さかったではないかという問題でございますが、実はそれはやはり東京佐川急便への取引を開始する過程の問題として認識しておったようでございます。 その次の問題としまして、根抵当権を設定し、それを一たん解除したということはあったと思いますが、それは、そのときには、対象となる物件を第三者に売却し、資金が返済されたという事実があるというような説明を受けております。その後また新しい融資が始まりましたので、新しい保全手続を進めておった、こういうような説明もございます。 それから、融資した額の中の用地費に使われたのはほんの一部分ではないかという御指摘については、いや、大体のところは用地費と融資額は見合っておるというような説明がございます。 それからさらに、簿外ということを途中で発見いたしました結果、強く是正を申し入れ、その後の決算処理では正当処理がなされておるというような説明も受けております。 個別の問題について余り詳しく申し上げることは遠慮させていただきました。 それから、結びの御発言でございますが、重ねて申し上げたいと存じますのは、金融検査の主たる目的は個別事件の摘発ではございませんで、やはりシステムとしてその銀行が健全な経営をするための体制を整えているかどうか、それからその銀行の内容、なかんずく最も注目するものは銀行の資産、具体的には貸し出し内容が一番大きいわけでございますが、その中に懸念を生ずるものがないかどうか、それを量的に判定し、最後にこれを経営姿勢の当否につなげていくという、そういう作業が金融検査の主眼でございます。もちろんその過程で、個別の事件について関心がありますときには、その事件の処理が適正であったかどうかということをこれは検査の過程でいろいろと追っかけてまいるわけでございますが、それがいわゆる銀行法上の金融検査の主眼ではないということについて、何とぞ御理解をいただきたいと存じます。
○池田治君 今回の証券取引法の改正は、証券取引監視委員会とか官房検査部の新設、自主規制機関の権限とか機能の強化拡充、罰則規定の強化、通達行政の法律化、こういった点が主要な点かと思われますが、既に主要な問題点につきましては質疑がありましたので、重複を避けてできるだけ簡単に御質問をしたいと思います。 まず、総務庁にお尋ねしますが、今回の法案の前提になった行革審の答申についてでございます。 行革審では、監視機関のあり方について九種の構想を比較検討したとされております。特に、総理府の外局である公取委員会型、大蔵省に附属する審査会で現行の運輸省の航空機事故調査委員会型、大蔵省の外局である国税庁型、大蔵省内の証券、銀行、国際金融各局の検査部門を統合する省内改革等について比較検討されたそうでございますが、行革審においてはこれらの構想の利点とか問題点、メリット・デメリット等についてどのように集約されて答申の八条委員会に落ちつかれたのか、簡単に御説明を願います。
○説明員(福井良次君) お答え申し上げます。 昨年の行革審答申におきましては、新たな委員会と行政部局の関係のあり方につきまして、委員会は「公正で権威の高い第三者がこれを統括し、行政部門からの独立性・中立性を確保する必要がある。」が、「この場合でも監督のための資料の収集という行政の機能を勘案すると、両部門間の連絡調整が維持される必要がある。」と述べているところでございます。 委員会のこのような性格にかんがみますと、委員会と行政部局との間に一定の距離を確保しつつも、大蔵大臣の管轄のもとに置くことが適当であるとの判断に立って、八条機関たる委員会の設置が提言されたものでございます。
○池田治君 もっと大きい声で言ってもらわぬと、もうこの時間になるとみんな眠くなってきますんで、ひとつしっかりと答えていただきたいと思います。 そこで、いろいろ検討なさった結果、八条委員会に落ちついたと思うんですが、ただ八条委員会が是か非か、功罪につきましては、各委員が独立性云々で議論なさいましたので私は省略いたします。 そこで、総務庁にもう一つお尋ねしますが、行革審では行政手続法の今立案作業に入っておると伺っております。これは一般行政手続で、税務行政については既存の国税犯則法等の手続法で賄うというこの前の委員会の回答でございました。今度は新たに監視委員会の検査、調査という手続も出てきたわけでございますが、これらについては一般行政手続法の中に盛り込んでいかれるのか、証取法だけでお任せされるのかお伺いいたします。
○説明員(関有一君) お答え申し上げます。 証券取引等監視委員会の有する権限につきましては、証券会社等に対する報告聴取権、検査権のほか、犯則事件を捜査するための質問、検査、領置等に関する権限、さらには裁判所の許可状により行うことができる臨検、捜索、差し押さえに関する権限が規定されておると承知しておるところでございます。 これらの権限につきましては、行革審答申の行政手続法要綱案では、犯則事件に関するものについては、これは租税ということでございましたが、刑事事件、刑事手続に準ずるものであるということ、また報告徴取や立入検査等のいわゆる行政調査権につきましては、行政手続法要綱案で取り上げております不利益処分等の規定になじまないということから、それぞれ適用除外とされているところでございます。 私どもは、現在この要綱案に沿いまして立案作業を進めておるところでございますけれども、このように監視委員会の保有する権限を見ていきますと、これらにつきましては手続法の対象となるものは現在の法案を見る限りはないのではないかというふうに考えておるところでございます。
○池田治君 現在のところはないものであるということは、将来そういう場合が出てくればまた考えるということでございますか。
○説明員(関有一君) 私どもが現在拝見しております規定を見ますと、犯則事件に関する権限でありますとか、あるいは一般的な報告徴取、検査権ということでございますので、現在の私どもの立案作業の視野に入っておる限りで見ていきますと、これらは適用除外になるということであろうと思います。
○池田治君 近藤議員も質問いたしましたが、行革審の答申では、監視委員会の対象範囲として「検査・監視機構は証券・金融・為替市場を視野に置くことが適当である。」としております。ところが、金融取引を監視委員会の対象としなかったことについては、行革審答申の趣旨を埋没してしまったというように私は理解しておりますが、これは大蔵省、総務庁双方にお答えを願いたいと思います。
○政府委員(小川是君) 証券取引につきましては、これが原則として市場において証券業者の仲介を得ながら市場ルールにのっとって不特定多数の資金の運用者、調達者が参加して行われ、市場メカニズムを通じて形成される価格のもとで成立するものでございます。そこで、こうしたルールが守られているかどうかという点については、従来の証券行政の中でも検査事項として担当してまいったわけでございますが、昨年の行革審答申にございますように、行政部門に対する検査部門の独立性をこれまでよりも高めるべしという要請にこたえまして、今回委員会にこの任務を担わせることにしているわけでございます。 他方、金融取引、銀行預金であるとかあるいは貸し出しといったような金融取引は、これが当事者間の相対取引であって、しかも金融市場、インターバンク市場でございまして、いわば金融機関のみが参加する市場でございます。そこで、とりたてて証券取引のような取引の仕様についてのルールというものをもって規制をしているのではないわけでございます。銀行局長が金融検査について御説明をしておりますように、金融検査の眼目は専ら金融機関の財務の健全性をチェックする、経営体をチェックするというものでございまして、取引の公正を確保する、ルール違反を見つけるという検査とは趣を異にしているわけでございます。 こうした証券取引と金融取引の差異を踏まえまして、証券取引等監視委員会では、証券会社に対する検査のうち特に取引に係るルールの遵守状況の検査を行うこととし、金融検査及び証券会社の財務内容の健全性に関する検査は官房の金融検査部に統合することとしたものでございまして、全体といたしまして行革審の答申に沿ったものであるというふうに考えております。
○池田治君 実態は審議官が御回答になったとおりかもしれませんけれども、経営体質とか財務内容については金融検査部、それから市場ルールがあるものについては監視委員会と、こういうのが、今回の改正法にもそうなっておりますし、また行革審の答申の趣旨にも反しないと言われますけれども、行革審答申ではこれは明確に金融取引を監視委員会の対象とする、「視野に置くことが適当である。」という明文があるわけなんですね。これについてはどうお考えになりますか。
○政府委員(小川是君) まさに「基本的考え方」の中の「対象範囲」にそうあるわけでございますが、実はこの「検査・監視体制の在り方」に入る一番最初のところで、答申は、「市場ルールの遵守を行政が検査・監視する体制と仕組みを確立することが必要」ということで、市場ルールの遵守の監視ということについてるる述べておられるわけでありまして、その中で、当然のことながら検査・監視機構はそれだけにとどまりませんので、三市場を視野に置くことが適当というふうに述べられているものだと存じます。 その視野の置き方といたしましては、今回の委員会は、官房の金融検査部で行います金融検査あるいは為替検査につきましても、その対象とする取引につきまして、先ほど申し上げましたようなルールにのっとった取引あるいはその違反を見出すというものではございませんけれども、いずれも金融取引にかかわるということで、委員会にいわば審議会機能としてこの金融検査等についても主要な問題について意見を述べることができるようにという形でこの答申の趣旨を生かしたつもりでございます。
○池田治君 趣旨を生かしたつもりでお書きになったんでしょうが、明文には反していることはこれは明らかだと思います。次もありますので、この問題はこれまでにします。 次に、行革審の会長は雑誌のインタビューで、将来的には銀行局、証券局の行政部門そのものを統合して、金融庁の設立も十分考えられると述べておられますが、今回の法改正では到底これまでの進んだ形にはなっておりません。将来は金融庁創設というような構想も大蔵内部にあるのかどうか。これは大臣、お答えを願います。
○国務大臣(羽田孜君) 確かに昨年の九月十三日の行革審の審議会におきまして、今御指摘のあったようなことにつきましてお話があるところでございますけれども、現在、検査・監視体制の見直しにつきましては法案の御審議をお願いしておる段階でございまして、大蔵省としてはまずこれを実現させていただくことが先決あろうというふうに考えております。 御指摘の行政部局のあり方につきましては、答申等を踏まえながら金融制度改革の進展に応じまして今後検討していくべき課題であろうというふうに考えております。
○池田治君 次に、監視委員会の強制調査権についてお尋ねします。 監視委員会の職員は強制調査権を持って犯則事件の調査等を行うことになっておりますが、委員会のこの強制調査権というのは、国税で言う犯則事件のマル査的な権限と全く同一のものと考えられるのか、それとも少し違うのか、これを国税ないし審議官、お願いします。
○政府委員(小川是君) 新しい取引法の二百十一条で強制調査権を規定いたしておりますが、委員会職員に与えられます犯則調査の権限は、今委員が御指摘の国税犯則取締法による直接国税に係る犯則調査、査察の権限と同様のものでございます。すなわち、委員会の職員が犯則事件の解明のために行う質問、検査、領置といった任意調査と、裁判所の令状を得て行います臨検、捜索、差し押さえという強制調査は、国税犯則取締法によって行われるそれぞれの調査と同様のものでございます。また、強制調査について逮捕とか勾留といった身柄の拘束が認められていないという点でも査察の強制調査と同じものでございます。
○池田治君 強制調査権の対象となる犯則事件につきましては、有価証券の売買その他の取引等の公正を害するものとだけ規定されていて、具体的行為はすべて政令にゆだねられております。公正を害する取引とそうでない取引とを線引きする基準については、どのような理由を挙げて線引きをされたのか、その基準をお願いします。
○政府委員(小川是君) 同じく二百十条で書いてございますが、今言われました「公正を害するものとして政令で定めるもの」というところで想定をいたしておりますのは、例えば損失保証、損失補てん、あるいは相場操縦のように市場の価格形成機能をゆがめるような行為、あるいは有価証券報告書への虚偽記載のように投資者の投資判断に不可欠な商品の真実の価値を隠ぺいするような行為、さらにはインサイダー取引を含む不正な手段をなす行為を対象とすることを考えておりまして、これを先日の政省令事項として予定している項目にこうしたものを挙げているわけでございます。
○池田治君 政令、省令ということでございますが、これは今証券行政については幾つ、何本ぐらいあるものですか。質問通告しないで済みません。
○政府委員(松野允彦君) 政令、省令の数はちょっと今手元でよくわかりません。
○池田治君 政令の数だけでも結構です。
○政府委員(松野允彦君) 恐縮です、ちょっと今調べておりますけれども、二本か三本ぐらいでございます、政令は。
○池田治君 省令はどうですか。
○政府委員(松野允彦君) 政令は三本でございまして、省令は今数えておりますけれども、二十数本ございます。
○池田治君 政令、省令で現在もう使い物にならないようなものはございませんか。効力が現実に実効していないものといいましょうか、こういう政令や省令はございませんか。
○政府委員(松野允彦君) それはないと思います。
○池田治君 それでは、政令や省令をできるだけ法律化していこうということのようでございますが、これらの政令、省令は省略して法律に委任するということは可能なんでしょうか。
○政府委員(松野允彦君) 今私どもが作業しておりますのは、実はそのもう一つ下の通達でございまして、通達と申しますのは、これはいろいろな形態がございますけれども、証券局長の名前で例えば証券会社に対する指導のための通達を出したり、あるいは法令解釈通達、さらには行政部内で財務局と本省との間の権限の委任関係というようなものを決めたいろんな種類の通達がございます。この通達が実は従来不透明だということを言われておりまして、これを通達の中でどうしても基本的なものは法律、政省令に格上げをする、そうでないものは原則として証券業協会あるいは取引所のいわゆる自主ルールに移すというような作業を進めております。 通達は今申し上げたものを全部合わせますと大体四百五十本ぐらいございまして、それを現在整理統合あるいは自主ルールへの移行などの作業中でございまして、今のところでは大体五十本ぐらいに整理統合がされる。しかも、証券会社に対する指導通達というものは原則として自主ルールに移したいと思っておりまして、残りますのは事務委任通達あるいは法令解釈通達等でございます。 この作業は膨大な作業でございまして、まだ作業が終わっておりませんが、できるだけ急ぎまして、来月中ぐらいにはそういう検討を終了したいというふうに思っております。
○池田治君 四百本の通達ということになりますと、一日一本ずつ出しても三百六十五本でございます、かなり多くの通達だと思うので、整理されるのも大変だと思いますが、よくもこんなにたくさんの通達を出されたとも考えられます。 そこで、通達の内容をいきなり法律に持ち込むというのは、省令、政令というものを一足飛びに飛んだ形になるわけですが、そういう政令、省令との整合性も合わせなきゃいけないということになると、これまた大変な問題ですが、政令、省令もあわせて今検討なさっておるわけですか。
○政府委員(松野允彦君) 政省令につきましては、もちろん政省令の中でも見直すべきものがあればそれは見直す必要があるわけでございます。ただ、現在作業を鋭意進めておりますのは、膨大な通達の整理でございまして、この通達の中で特に極めて重要なものはいきなり法律に入れるというようなものもございます。例えば、証券会社に対する自己資本規制というようなものもございます。これはいわば証券会社の健全性をチェックするための非常に基礎的なルールでございまして、法律に規定をしたいということで御審議中の法律案の中に入れております。 それから、もう一つ法律に入れておりますのは、投資家に対する営業姿勢の適正性を確保するための適合性原則というのがございます。投資家に適合した勧誘を行うべしということでございまして、これは証券監督当局の国際機関で定められた証券業者の行為規範、ルールの中にあるものでございまして、これを法律上明定しようとしております。 あと、必要であれば政令あるいは省令の中に織り込んでいくという作業、あわせて省令の見直しということも必要であればやりたいというふうに思っております。
○池田治君 ぜひお願いをしたいと思います。 今回の監視委員会の強制調査における臨検、捜索、差し押さえ等については、これを拡大解釈して恣意的に行われますと国民の権利の侵害も引き起こさないとも限りません。特に、今回の法案改正については証券会社のみならず、一般投資家も対象とされたために、この点には十分留意する必要があると思います。特に、強制調査権の対象となる行為については政令、省令等の問題でなくてすべて法律で規定すべきだと私は考えるんですが、これは大臣はいかがお考えでしょうか。
○政府委員(小川是君) ただいまのお尋ねのうち、ちょっと技術的なところを御説明させていただきたいと思います。 強制調査の対象となる罪、犯則事件の罰の対象となる罪につきましては、これは法律で全部定められているわけでございます。どういう行為をすればそれが罰の対象になるかという点につきましては明確に証券取引法上規定されているわけでございます。 今回の証券取引法の二百十条で定めます政令というのは、そうした罪、犯則があるのではないかというときには当然捜査機関が捜査ができるわけでございますが、一定の証券取引に係る犯則事件についてはその技術性あるいは専門性というところから、この委員会もいわば強制調査ができる。そういう意味では強制調査を行うことができる対象となる罪を政令で選び出しているということでございまして、罪そのものが法律から政令におりているのではないかというところをひとつ明瞭にさせていただきたいと思います。 なお、そうした調査につきまして、強制調査であれ任意調査であれ、これが裁判所の令状を得て行うべきものを得ないで行うとか、あるいは任意の調査について強制調査に類したようなことを行うというようなことが許されないのは当然でございます。
○池田治君 ちょっとわかりにくかったのでございますが、罪そのものを定めたのは法律である、政令で定めたのは、罪ではないかと疑わしいもので罪となる可能性のあるものについては政令で定めると、こういうことでございますか。
○政府委員(小川是君) 大変説明がまずかったようでございますが、委員会が例えば裁判所の令状を得て強制的な調査を行うことができるという事案は何かという、その対象となる事案は政令に落ちているわけでございます。しかし、ある事件を調査していて、その事案が罪に当たるのではないかという構成要件の方はこれは法律できちっと定められている。したがいまして、投資家が自分がその犯則事件を犯したかどうかということを、一般の国民であれあるいは捜査当局であれ、それを当てはめようとする相手の条文は法律に定められているということでございます。
○池田治君 ちょっと頭が悪いものですからまだわからないんですが、罪そのものは法律で定める、これは罪刑法定主義上明確に定める必要がありますね。これはわかります。ところが、審議官の説明では強制捜査の対象となるものについては政令で定めると。強制捜査の対象が、罪となるべき行為の類型がその対象じゃございませんか。
○政府委員(小川是君) 昨年、証取法が改正されまして、損失補てんであるとか損失保証というものがどういうものであるかということにつきましては法律に定められておりますし、また、インサイダー取引というのがどういうものであるかというのは法律に定められているわけでございます。今回、委員会がそうした規定に違反した犯則事件ではないかということを調査できるという事案が政令で、例えばインサイダー取引を規定している条文の調査は、委員会が行いますと、その具体的な条文の部分が政令に落ちているということでございます。
○池田治君 まだはっきりわかったようなわからないような点もございますが、大体わかりましたので次に移ります。 監視委員会と金融検査部の関係についてお尋ねします。 監視委員会事務局の職員は八十四名ということでございますが、官房検査部は百七名、スタッフが非常に数が多うございます。これは行革審答申の「事務局の組織は委員会の機能を遂行する上で十分な体制となるよう努め、大蔵本省に残す検査組織は必要最小限のものとする。」という趣旨とは大分違っているように思います。また、橋本大蔵大臣の時代には、大臣は行革審答申を最大限尊重するといった発言もあったようでございますが、これはどうしてこういう人員の配置になったのかお尋ねいたします。
○政府委員(小川是君) 定員の配置、人員の配置を行いますときには、それぞれの部局の行う仕事の量に応じて人間を配置するわけでございます。 そこで、今回の新しい監視委員会は、先ほど申し上げましたように、主として証券取引につきましてルールの遵守状況を検査、監視するという仕事を行うことにする。そこで、その仕事量に見合った人間がどれだけ必要かということで人間を置くわけでございます。特に、今回の委員会につきましては、従来、大蔵省の証券局ではいわゆる強制調査というのを行っておりませんでした。そこで、新しい仕事として強制調査がふえましたものですから、従来の定員を大蔵省の中の証券局あるいは銀行局、国金局から移すことのほかに、二十五名の増員をお願いして、それを含めて合計八十四人となったわけでございます。 片方、官房の金融検査部につきましては、残りの銀行局、証券局、国金局が現在行っております仕事に見合って人数を動かす、その結果が百七人になったわけでございまして、それぞれ事務の合理化等を行いながら所要の人員を配置したところでございます。
○池田治君 一見すると八十七と百七名という、大分違うようですが、もっとも検査部はこれは金融検査、替為検査、証券検査の三局から成って百七名なんですね。そうすると人事のアンバランスは余りないようですが、前の委員の方から八十四名は大分少ないんじゃないかと、こういう質問もございましたので、この大事については私これ以上質問をいたしません。 次に、免許制をとっている以上、免許を与えた大蔵省内部に行政上必要な検査は残さざるを得ないという考えもございますが、金融検査で得られた違法性の強い不正な行為と思われる情報をキャッチされた場合、これが監視委員会に直通で行くか行かぬかという問題がございます。 うがった見方をすれば、大蔵省内部はお互い兄弟分だから、ツーツーでこれを上に、監視委員会のところへ言わないということも考えられるのでございますが、この点、情報の的確な通達ないし伝達されるような保証といいますか担保といいますか、そういうものはどうなっておるんでしょうか。
○政府委員(小川是君) 金融検査であれ証券検査であれ、検査はいずれも金融行政あるいは証券行政を営んでいく上での監督責任を全うするために行うものでございます。したがいまして、官房の金融検査部で行った検査結果はそれぞれの銀行局あるいは証券局、国際金融局の行政部門に伝達されるわけでありますし、委員会の結果も同じような姿になるわけでございます。 問題は、金融検査部で行った検査でたまたま犯則事件の端緒になるようなものが見つかったというような場合には、これは委員会に対してこのような犯則事件の端緒と思われるものがあるということが委員会の方へ連絡されて、そして委員会がしかるべくそれをこなしていくというような事態が考えられると存じます。
○池田治君 いや、それは十分考えられますが、金融検査部で不正を発見もしくは不正の端緒となるような事実が発覚した場合に、これを監視委員会へ通告、伝達することが考えられるということになっています。その考えられることを保証するものはあるかどうか、制度的な保証、こういうふうになっているのかどうかという質問でございます。
○政府委員(小川是君) お尋ねの点が、犯罪でありますと、これは刑事訴訟法上、公務員には公務の遂行上犯罪あると思料するときは告発をしなければならないということが一つございます。今のお尋ねの点は、そうした一般的な犯罪というよりは、例えばインサイダー取引であるとか相場操縦であるとかいったような事件が起こっているのではないかという問題の端緒らしいものをたまたま金融検査部の検査の過程でつかんだ場合に、それがしかるべく委員会の方に伝わるだろうかというところでございます。 それは犯則事件があるのではないかと思わせる特段の事情がある場合には、当然まず証券局に金融検査部から連絡が入りますし、また行政の方から委員会の方へ検査あるいは監視の対象としてこういう情報があるということは密な連携がとられるというふうに考えます。
○池田治君 確かにそのとおりだろうとは思うんですが、審議官、これをうがった見方をしますと、内部だから証券局へ報告するといっても、検査部が証券局へ犯罪の端緒となるものがございますよという報告をしました、証券局はこれを黙って握りつぶしてしまって監視委員会に報告しなかったと、こういうことも考えられますが、そういうことが考えられないような保証を何か制度的にもしくは内部的な規律で保証しているかどうか、こういう質問です。
○政府委員(小川是君) 委員会も証券局も同じ大蔵大臣のもとにある組織でございまして、いずれも今お尋ねの点は大蔵大臣の所掌事務、責任に係る事項でございます。したがいまして、対立するといいますか、独立した部局同士で情報を交換するための制度的な法律的な手だてを要するものではございませんで、大蔵省の中で例えば銀行局と証券局あるいはその他の部局が日常の業務を行う上での連絡、調整と同様のものでございます。 とりわけ、今回の委員会が証券市場の公正を維持すべき行政を担っている証券局とそれを実質的に検査の面で担保をする委員会という関係でございますから、両者が情報交換をし、連絡を密にとるというのは省内及び委員会の仕事の仕方として、法定というようなことではなしに当然の仕事の仕方でございます。
○池田治君 審議官は立派な公務員であって忠実な方ですから当然そういうことでございますで済みますけれども、もっとうがった人もおるわけですよ。人間広い中には警察官でも万引きする人おるし、裁判官でも出張旅費をごまかす人もおるし、そういう人もおるわけです。大蔵省だけが神様じゃございませんので、審議官のような考え方なら、検査部で犯罪の端緒をつかんで証券局へ言えば証券局は監視委員会に報告することが当然考えられるということで、それでいいんですが、うがった人がいた場合には、保証がなければ検査部でせっかく発覚した犯罪の端緒も監視委員会に届かぬまま終わってしまう私は危険性があるんじゃないかと、こう言っているんです。
○政府委員(小川是君) 一つは、金融検査部で行います証券会社の検査といいますのは、証券会社の財務内容が健全であるか、経営体が健全であるかという検査でございますし、委員会の方は証券会社の行っている営業取引がルール違反がないかどうかということを調べているわけでございます。 したがいまして、どちらかといいますと、犯則事件の端緒は委員会に直接入ってくることが多いと存じますが、今の、たまたま金融検査部がそうした端緒あるいは情報をつかんだという場合の委員会への伝達のルール、いわば部内的な仕事の仕方としてのルールにつきましては、委員会が発足した暁に、証券局と委員会、あるいは官房金融検査部と委員会、あるいは官房金融検査部と証券局といった間でどのように伝達をするかということをきちっと話し合いをして、連絡、調整が円滑にいくようにという形で進められることになると存じます。その意味では、単に個人的な意思で伝達をしたりしなかったりということではございません。
○池田治君 ぜひそのように、これ法案が通りました暁には、検査部と証券局ないし監視委員会との連絡を密にするような規定を置いて伝達が途中で消えないように配慮を願いたいと思います。 次に、五月二十日の衆議院の大蔵委員会におきましては……
○委員長(竹山裕君) 時間です。
○池田治君 時間だそうですから、終わります。
○三治重信君 この証券取引等監視委員会の問題については、同僚議員からたくさん質問があったんですが、答弁は求めませんが、民社党としての意見をちょっと言っておきます。 結局、なぜ証券取引だけの監視委員会にしたか、銀行も含めた方がやはり金融取引の放当の信用を得る道じゃないか。殊に、これだけ証券取引法が、がんじがらめと言っちゃ悪いけれども、大きな違反事件はみんな法改正で直しちゃっているから、さらにこれを超えてルール違反をやるような証券会社、または実際の投資家というのは余りないだろう。だから、したがって証券取引等監視委員会というのは、当初はいろいろ機構の整備や何かあるけれども、実際の事件としては、当分暇になるんじゃないかというぐらい予想されるんですね。 ただ、金融機関だけは、どうも僕はまだバブルの後の不正というようなものが銀行局長が言うように内部の監視・監査体制の指導だけで銀行が直るとは思わぬ。だから、どうしても、先ほど同僚議員が種々いろいろ指摘したように、銀行もこういう不正の行為が絶たれるような監視機構というものが、委員会がぜひ具体的に持たれるべきだ、こういう意見を持っています。いろいろへ理屈はあるんだろうけれども、なぜ監視委員会という半ば独立した監視が銀行が行われないのか、こういう不信を持つことを申し上げておきます。 それから、第二に、証券業協会、自主規制機関の権限を強化したというのは、これはもう私は非常に自由化に対していいことだと、こういうふうに思っておるんです。この証券業協会を取引法上の法人としたというのは、結局、今までの証券業協会というのが民法上の法人だから、これを取引法上の法人にしてということだと思うんですが、そのほかのメリットは何か、どんなメリットがあるのか。
○政府委員(松野允彦君) 今御指摘のとおり、現在の証券業協会は証券会社が任意でつくったものを証券取引法上登録するという制度になっておりまして、法人格そのものは一般の民法上の法人になっているわけでございます。 今回、証取法上の法人としたのは、やはり証券取引所と並ぶ自主規制機関でございまして証券取引所と並ぶ地位を証券取引法上明確に規定する、それによって自主規制機関としての地位を高める。あわせて、そうしたことにより、自主規制機関が十分自主規制機能を発揮できるような行政上の措置、例えば先ほど申し上げましたように、会員がルールを破っているときに放置するというようなことのないようにというようなことも規定をしたわけでございまして、あくまでも自主規制機関として証取法上の位置を明確に位置づけるというところがねらいでございます。
○三治重信君 これは非常にいいことだ、こう思っております。 それから、店頭市場の問題ですが、これについては今度の法改正でいろいろ取引のルールの規定を法律でつくっている、法律の中に入れた。こういうのも非常な改善でございますが、証券業協会に登録された登録銘柄というものが第二都市場の銘柄よりか取引がえらい多くなっているというようなことは、何かここに原因なり、第二都市場というものがどうも発展しないのはどういう理由が。 それから、登録銘柄と協会の指定した管理銘柄との間にどんな格差というんですか、どんな取り扱いの違いがあるのか。
○政府委員(松野允彦君) 店頭市場と申しますのは、まだ上場するに至らない企業の株式等が売買されている市場でございまして、いわば自然発生的にでき上がってくるような市場でございます。それに引きかえまして、証券取引所が管理しております市場は、第一部あるいは第二部にしましても、きちんとした上場審査基準というものがございまして、それをクリアして初めて上場され、そこで取引が行われるということでございます。そういうことから申し上げますと、どうしても事柄の性質上、取引所にあります市場の方がいろいろルールが厳しいということは否定できないところでございます。 ただ、店頭市場も、今御指摘がありましたように、非常に銘柄がふえてきております。現在、平成三年末で四百三十社が登録銘柄として登録されているわけでございまして、非常に取引もふえてきております。こういった銘柄の中から証券取引所の第二都市場等へ上場が行われる。いわば上場の予備軍というようなことで、取引所の取引の補完的な機能を果たしているというふうに考えているわけでございます。もちろん私どもも店頭市場が非常に拡大をしたという現実を踏まえまして、それに対して不公正取引規制、相場操縦の禁止などのいろいろな規制をかけて投資家保護を図る必要があるということで、今回の改正法に織り込んでいるわけでございます。 そういった関係で、店頭市場というものをやはり投資家保護の観点から規定の整備をしているわけでございますけれども、一方で、御指摘のように取引所市場というもの、特に二都市場というものも機能を発揮していかなければならないわけでございまして、そういった観点から、取引所におきましても上場審査基準の見直しということの作業を行っております。主要な取引は、東京、大阪、名古屋の取引所につきましては上場基準の見直しか既に行われておりまして、二都市場の活性化というようなことも検討されております。 私どもとしては、いずれにいたしましても店頭市場の規制といいますか、店頭市場について相場操縦的な規定を適用するということは、自然発生的に成立して拡大しております市場における投資者を保護するということで行っているわけでございまして、それと取引所市場との関係あるいは取引所市場がより発展するようにするということとは直接的には関係がないわけでございます。取引所市場については各取引所が当然中心になって考えなければいけないわけでございますけれども、我々としても、取引所市場の発展というものを発展する方向でいろんな見直しをしていく必要があるというふうに考えております。
○三治重信君 そうすると、その上場基準なり店頭銘柄の指定のやり方というような問題については、大蔵省当局としては相当介入するんですか、それとも取引所や証券業協会の自主性に任すのか。また、銘柄の入れかえなり拡張するかどうするかというようなことは、やはり相当、何と言ったらいいのかな、問題があるんじゃないかと思うんですが、それについては当局は相当介入しておるんですか、それとも自主性に任せておるんですか。
○政府委員(松野允彦君) 基本的には、店頭市場にいたしましてもあるいは取引所市場にいたしましても、これは市場の自由な活動に任せるというのが私どもの立場でございます。 ただ、そういう市場で取引をされます株式というものが、やはり投資家保護を図る観点で余り変な株式というわけにもまいりません。これはやはり店頭登録の基準、あるいは上場の基準というのがあるわけでございます。ただ、その基準の作成については、これは基本的には店頭市場については証券業協会、それから取引につきましては証券取引所が決めるということになっておりまして、我々としてはそういう決められた上場基準、審査基準というものについては極力尊重する。それで自由な市場が維持できるように、しかし一方で、投資家保護という問題がございます。 もちろん、投資家保護には審査基準だけではなくて、別に情報の提供、ディスクロージャーというような問題もありますし、あるいは不公正取引の規制というようなことも必要なわけでございますけれども、そういった観点からの判断というのも当然、協会あるいは取引所で行われているということを期待して、原則としては協会、取引所の自主的な基準の設定、あるいは審査に任せるということをしている、そういう態度でいるわけでございます。
○三治重信君 ところで、バブル時代に証券の発行市場が、日本で発行するよりか欧州で非常にたくさんやられた。その代表的なものがワラント債をつけた増資、それから転換社債。こういうものがどれぐらいヨーロッパの証券発行市場で発行されたのか。国内の発行との割合、非常に国内の発行よりか多いようなことを読んだ覚えがあるんです。 そうした事実がもしもあるとすれば、なぜ日本の証券の発行市場がヨーロッパの方に取られたのか。そこに、何か増資の基準がえらい日本の検査が厳しい、だからみんなヨーロッパの市場へ発行市場が行ったんだというようなこともちょっと見たことがあるんですが、その点はどういうふうに今から判断されるか、後始末はどうなるのかということです。
○政府委員(松野允彦君) 昭和六十二年度から平成元年度までの間が非常にいわゆる転換社債あるいはワラント債の発行が盛んだったわけでございます。この三年度間について見ますと、転換社債につきましては、日本国内の発行が八三%ぐらいに上っております。しかしワラント債の方は、御指摘がございましたように、海外での発行が九五%に上っているわけでございます。 このワラント債の発行が海外市場で行われた理由というものは幾つかございます。一つは、ワラント債が昭和五十六年の商法改正によって発行できるようになったわけでございますけれども、国内にワラント債市場というものがそれまでなかったというようなことで、海外で非常にワラント債市場が大きく拡大をしておりまして、消化面で海外市場の方が円滑に行われるというようなことが一つ挙げられます。 それから二番目には、ワラント債はドル建てのものが多いわけでございまして、ドル建てで発行いたしましていわゆる円とスワップをするというような仕組みがとられております。そうすることによりまして、日本の企業が発行するわけでございますから、最終的には円ベースでどれだけのコストがかかるかということが問題になるわけでございますが、このスワップを利用することによって円ベースのコストを非常に低くすることが可能だったというような問題。 それからもう一つは、海外のワラント債につきましては、平成二年の商法改正までは、いわゆる社債発行限度が緩かったという問題がございます。これは既に商法改正が行われまして、国内、海外を問わずワラント債の発行限度は拡大をされたわけでございますけれども、平成二年度までは海外のワラント債の発行限度だけが非常に緩和されていたというような事情がございます。 もちろんこれらに加えまして手数料の問題もあるわけでございますが、ただ転換社債につきましては、さっき申し上げましたように八三・五%が国内で発行されております。手数料という観点からいいますと、転換社債、ワラント債、例えば受託手数料をとりますとそう変わるわけではございません。 もう一つお尋ねのございました増資、いわゆる発行基準でございます。発行基準につきましても、既に現在ではもう国内と海外とはほとんど差がございません。ほとんど同じ状態になっているわけでございますが、当時はやはり海外の方が発行しやすかった。特に中小規模の企業にとっては海外の方が発行しやすかったという面はあったと思います。 いずれにいたしましても、そういうような事情で、特にワラント債の海外市場での発行、ドル建てでございますが、それが非常に多かったということが言えると思います。
○三治重信君 それで、企業がこの償還のために非常に金融が逼迫していて、したがって企業の証券市場への参入が、資金がショートしているというようなことを聞いているんですが、その点は相当あるんですか。
○政府委員(松野允彦君) 確かに大量に発行されました転換社債、ワラント債、特にワラント債でございますが、これがその後株価が低迷をしておりまして転換されない、あるいはワラント、新株引受権が行使されないというような形で残存をしております。これは転換とかあるいはワラント権の行使の状況によって代わってくるわけでございますけれども、本年三月末現在の状況で御説明申し上げますと、やはりかなりの額に上っておりまして、本年中に償還がくる額が五兆円程度、それから来年は十一兆というようなオーダーで償還が参ります。もちろんこれは今後転換が図られていく、あるいはワラントが行使されていきますとこの償還金額は減っていくわけでございますけれども、現在の三月末の状況ではこういう状況になっているわけでございます。 特に今年償還期を迎えます五兆円につきまして、私ども主な企業に聞き取り調査をしたわけでございますが、現在のところでは企業の手元流動性がかなり厚い、ひところに比べますとやや低下しておりますけれども依然としてかなりの高水準であるというようなこと。それからもう一つ、普通社債の発行というのが非常に盛んに行われるようになっております。そういうようなことで、現在、平成四年に償還期を迎える部分につきましての手当てというのには特段の問題はないというふうな感じで受け取っております。 最近普通社債の発行が非常にふえておりまして、例えば平成三年度では普通社債だけで七兆九千億ぐらいの発行が行われております。これに、わずかですが、エクイティーファイナンスも行われておりまして、これは特にワラント債が発行されているわけでございますけれども、こういうものを全部足しますと十四兆円に上っております。平成三年度で十四兆円でございまして、これは昭和六十二年度が十三兆六千七百億でございますので、量的にはかなりの資金調達が行われている。ただ、中身は普通社債が非常に大きなウエートを占めているというようなことが言えると思います。 いずれにいたしましても、今申し上げましたように、私どもがヒヤリングをしている限りでは特段今年について償還資金の調達に非常に困るというようなところは見られないというふうに感じているわけでございます。
○三治重信君 大臣、今お聞きのように、余りにもバブルで低利、低利ということだけで証券市場で金を集めた。後始末でそう破綻を来さないような状況のようですから、何とかバブルの結果が証券市場でえらいリアクションをすることはなさそうであるから、大変喜ばしいことだと思うんです。 したがって、政府の方も、証券市場のみずから出たさびだといえばさびだけれども、やはり経済活動の沈滞で、しかもそれが代表的なのが証券市場であるということから、何とか証券市場を活性化したい、これは政治目標としてある程度当然なことだと思うんです。しかし、ただ株価が低迷していて、非常に沈滞していて景気の回復がおくれるからという、非常な泥縄式の株価対策では私はいけないんじゃないかと思うんです。 それで、大臣に特にお願いしたいのは、基本的なことは、やはり投資家が株に対してキャピタルゲインだけでなくて、持っていることによる安心感というんですかね、資産として株が持てるようなこと、それはすなわち僕は配当だろうと思うんです。銀行預金、定期の預金までいかないにしても、一分とか二分じゃなくてある程度の利回りの配当というものが必要だろうと思う。そのためにはやはり、上場する企業に対して株への配当を高めることをこれはぜひ政治的な手段で積極的に働きかける、景気回復のために。株の自己売買、自分の会社の発行の株をだぶついておるからといって自分で買うというのも、これは手っ取り早い手かもしれないけれども、そんな自分の発行した株式を買うような金があるならば、その一部を、配当は当然利益の中だからそうめちゃくちゃなことはいけないが、それに対する指導的な、八〇%とかいうのは無理でしょうが、少なくとも五〇%以上株の配当に向けてもいいじゃないか、株式の信用性を高めるためには。そういう基本的な景気対策を僕はぜひやってもらいたいと思うんですが、いかがでございますか。
○国務大臣(羽田孜君) 今御指摘がございましたように、市場を活性化させる、そのためには小手先のことというより基本的なことであろうというふうに考えまして、その意味では、まさに今度の委員会をつくってきちんとルールが守られるようにする、あるいは自主規制の組織というものを証券取引所あるいは証券業協会、こういったところを証取法上の法人に位置づけるというようなこと、こういった中で整々とこれが行われることが最も大事なことであろうと思っております。 それに加えまして、今御指摘がありましたとおり、また先ほど局長の方からも御答弁申し上げておりましたとおり、証券の中には投資、あるいは今のお話のようにキャピタルゲインというものをねらっての投機というものがありましょう。しかし、本来投資というものこそが健全性のあるものであろうと思います。 この間も諸外国をずっと回りましていろんな人たちとお話し合いをしますと、一つの株を長いこと持つ、そしてその企業というのがよりよく発展していく、そういったものを株主は見詰めている。あるときには株主としてそういった企業に対して、あなたのところはこういうふうにやった方がいいですよという、企業に対するアドバイスまでするというようなこともあるんだそうですね。そのぐらいに株を持つ人たちが投資、そしてその投資したものが、今お話がありましたけれども、いわゆる預金あるいはそれ以上のものであっていいわけでございますから、そういったことを目的として資産運用をする、そういうものこそがやっぱり健全なものであろうというふうに思っております。 配当性向あるいは配当率というものをこうやってみてみますと、どうも諸外国に比べまして相当水準が低いというのが現状でございます。そういったことから、今までも証券取引所あるいは証券業協会の代表の皆様方にもそのことを実は私どもとしてもお願いをしてまいったわけでありますけれども、去る四月一日からですか、日本証券業協会におきまして、新たにエクイティーファイナンス、これを行う企業に対しまして、利益配分につきまして配当の実質的な増加、これを促すというようなことが行われ、いわゆる利益配分ルール、これが実施されておるということでございまして、これがやっぱり着実に実施されていくことが、そしてそれによって効果を上げていくことが大切なことであろうと思っております。 いずれにいたしましても、私どもといたしましても引き続き各種の機会を通じながらこのことを呼びかけていきたい、そして本当に安心ができ、しかも魅力のある市場というものをつくり上げるためにさらに努力をしていきたいと思っております。
○三治重信君 今の答弁で満足しますから、ぜひそれを政府の政策として広報してもらいたいと思います。よろしく。 終わります。
○委員長(竹山裕君) 本案に対する本日の質疑はこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時五十九分散会 ―――――・―――――