大蔵委員会 第1号
- 発言数
- 11 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1992/02/13
会議録
○委員長(竹山裕君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨十二日、近藤忠孝君及び三治重信君が委員を辞任され、その補欠として林紀子君及び寺崎昭久君がそれぞれ選任されました。 —————————————
○委員長(竹山裕君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、租税及び金融等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹山裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(竹山裕君) 次に、租税及び金融等に関する調査を議題とし、財政及び金融等の基本施策について、羽田大蔵大臣から所信を聴取いたします。羽田大蔵大臣。
○国務大臣(羽田孜君) 今後における財政金融政策の基本的な考え方につきましては、先般の財政演説において所信を申し述べたところでありますが、本委員会におきまして重ねて所信の一端を申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。 まず、最近の内外経済情勢について申し述べます。 我が国経済は、個人消費や設備投資に依然底がたさが見られるものの、住宅建設の減少などに見られるように、このところ拡大テンポが減速しつつあります。しかしながら、雇用情勢については、有効求人倍率が高い水準にあるなど、依然引き締まり基調で推移しております。また、物価の動向を見ますと、国内卸売物価は引き続き落ちついており、消費者物価についても、その騰勢は鈍化しつつあります。このような状況から判断すれば、我が国経済は、いわば完全雇用を維持しながらインフレなき持続可能な成長に移行する調整過程にあるものと考えられます。 国際経済情勢を見ますと、先進国は全体として景気の減速局面からの回復の過程にあり、本年は昨年よりも高い成長が見込まれております。しかしながら、依然米国経済の景気回復の足取りが重いことなどから、全体の回復のテンポも緩やかなものとなると見込まれております。他方、今後の世界的な資金需要の高まりへの対処は引き続き重要な課題であり、このためには世界的な貯蓄増大が重要であると指摘されております。また、累積債務問題につきましては、引き続き解決に向けての努力を必要といたしております。旧ソ連につきましては、経済、金融などの面で深刻な問題に直面しており、国際金融機関の協力を得て適切な調整・改革政策を実施していくことが重要であると認識しております。 このように激動を続ける国際情勢のもとで、世界経済の安定的発展を確保していくためには、各国が協調して対応していくことが極めて重要であります。先日開催されました七カ国蔵相・中央銀行総裁会議におきましても、改めて経済政策協調の枠組みを堅持することが確認されたところであります。 私は、今後の財政金融政策の運営に当たり、このような最近の内外経済情勢を踏まえ、以下に申し述べる諸課題に全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。 第一の課題は、内需を中心としたインフレなき持続可能な成長への円滑な移行を図ることであります。このような観点から、景気に十分配慮した施策を実施することといたしております。 平成四年度予算編成に当たりましては、こうした見地から、極めて厳しい財政事情のもとではありますが、時代の要請に的確に対応した財源の重点的効率的な配分を図り、特に公共投資については、国、地方を通じ最大限の努力を払っております。すなわち、まず一般歳出における公共事業関係費について、五・三%の伸びを確保するとともに、財政投融資計画においても公共事業実施機関について、一〇・八%の伸びといたしております。さらに、地方単独事業についても、一一・五%と高い伸びを見込んでおります。 一方、金融面では、昨年七月、十一月、さらに十二月末と三度にわたって公定歩合の引き下げが行われたところであります。この間、市場金利は低下を続け、これを受けて金融機関の貸出金利も低下してきております。 また、今後とも、主要国との政策協調及び為替市場における協力を通じ、為替相場の安定を期してまいりたいと存じます。 第二の課題は、財政改革を引き続き強力に推進することであります。 平成四年度予算においては、財政改革を推進する等の観点から、まず既存の制度、施策について見直しを行うなど歳出の徹底した節減合理化に努め、一般歳出についてはその増加額を前年度同額以下とするなど、可能な限りの努力を払ったところでありますが、当面の厳しい税収動向、財政事情に対応するため、建設公債の発行額を増加させることといたしました。 この結果、我が国財政は、公債残高が平成四年度末には約百七十四兆円にも達する見込みであり、また、国債費についても歳出予算の二割を超えて政策的経費を圧迫するなど構造的な厳しさが続いております。 財政改革の目的は、本格的な高齢化社会が到来する二十一世紀に向けて一日も早く財政が本来の対応力を回復することにより、今後の財政に対する内外の諸要請に適切に対応し、豊かで活力ある経済社会の建設を進めていくことにあります。 したがって、今後の財政運営に当たっても、後世代に多大の負担を残すことなく、二度と特例公債を発行しないことを基本として、公債依存度の引き下げ等により、公債残高が累増しないような財政体質をつくり上げていかなければなりません。このため、引き続き財政改革の推進に全力を傾けてまいる所存であります。 第三の課題は、調和ある対外経済関係の形成と世界経済発展への貢献に努めることであります。 保護主義的な動きを回避し、多角的自由貿易体制を維持強化することは、世界各国の経済発展と国民生活向上の基礎であります。このような観点から、ウルグアイ・ラウンドにつきましては、各国と協調しつつ、成功裏に終結するよう努力することが重要であると考えております。 関税制度につきましては、市場アクセスの一層の改善を図る等の見地から、保税地域制度の改善、石油関係の関税率の引き下げ等の措置を講ずることといたしております。 経済協力につきましては、開発途上国の自助努力を支援するため、政府開発援助の着実な拡充と資金還流措置の実施に努めているところであります。 累積債務問題につきましては、新債務戦略を積極的に支持し、所要の協力を行っていく考えであります。 旧ソ連地域に対する支援につきましては、新しい体制のもとで市場経済への移行を促進し、種々の改革を支援するため、他の先進主要国とも協調しつつ、適切な支援を進めていくことといたしております。 第四の課題は、金融・資本市場の自由化、国際化を着実に進展させるとともに、証券及び金融をめぐる諸問題に適切に対応することであります。 金融・資本市場の自由化、国際化につきましては、これまでも逐次各種の措置を講じてきており、特に、預金金利の自由化につきましては、遅くとも平成六年中に自由化を完了すべく努力いたしておるところであります。 また、我が国の金融制度及び証券取引制度につきましては、有効かつ適正な競争の促進を通じ、内外の利用者の利便性の向上をもたらすとともに、国際的にも通用する金融制度及び証券取引制度を構築することが極めて重要であり、このため、金融制度調査会答申、証券取引審議会報告等を踏まえ、金融・資本市場における各種の業務分野への参入等を含む金融制度改革を推進する必要があると考えます。 こうした中で昨年、証券及び金融をめぐる一連の不祥事が発生し、我が国の証券市場や金融機関に対する内外の信頼が大きく損なわれたことはまことに遺憾なことであり、極めて深刻に受けとめたところであります。 これまでも、一連の不祥事の実態解明、再発の防止策等について検討を行い、昨年の臨時国会においては、緊急に措置すべき事項として損失補てんの禁止等を内容とする証券取引法等の改正案を成立させていただくとともに、金融機関の内部管理体制の総点検を早急に行うことなどを内容とする対応策を講じたところでありますが、その際、これらの問題に関し、国会の特別委員会及び臨時行政改革推進審議会より、制度、行政の各般にわたる総合的な対応策を講ずるべきであるとの御指摘をいただいたところであります。 今後とも、これらの諸決議及び答申を最大限に尊重するとの基本的考え方のもと、このような不祥事の再発防止及び我が国の金融・資本市場に対する内外の信頼回復を図るため、法制上、行政上の総合的な対策に取り組んでまいる所存であります。 政府といたしましては、より公正で透明な証券市場等の実現に向け、新しい検査監視体制の創設を含む所要の措置を講ずるとともに、金融・資本市場における有効かつ適正な競争を促進すること等を目的とした金融制度改革を進めることとし、所要の法律案を今国会に提出し、御審議をお願いする考えであります。 次に、平成四年度予算の大要について御説明いたします。 平成四年度予算は、極めて厳しい財政事情のもとで、歳出の徹底した節減合理化や税外収入の確保に努めるほか、建設公債の発行額を増加させ、税制面においても所要の措置を講ずることといたしました。またその中にあって、社会資本整備の着実な推進や国際社会への貢献を初め、時代の要請に応じ、限られた財源を重点的効率的に配分するよう努めることとして編成いたしました。 歳出面につきましては、一般歳出の規模は三十八兆六千九百八十八億円となっており、これに地方交付税交付金、国債費等を加えた一般会計予算規模は七十二兆二千百八十億円となっております。 次に、歳入面について申し述べます。 税制面では、まず、土地の相続税評価の適正化に伴う相続税の負担調整として課税最低限の引き上げや税率区分の幅の拡大等を行うことといたしております。 また、課税の適正公平の確保を推進する等の観点から、企業関係租税特別措置の一層の整理合理化、みなし法人課税制度の廃止、赤字法人の欠損金の繰り戻し還付制度の適用の停止、海外関係会社からの過大借り入れへの対応措置としての過少資本税制の導入等の措置を講じる所存であります。 さらに、当面の厳しい税収動向、財政事情に対応するため、国民生活、国民経済に配慮しつつ、新たに必要最小隈の措置として、法人特別税の創設及び普通乗用自動車に係る消費税の税率を四・五%とする特例措置をお願いすることといたして おります。なお、湾岸支援のための法人臨時特別税及び石油臨時特別税、並びに普通乗用自動車に係る消費税六%の経過措置は、平成三年度末に失効させることといたしております。 公債発行予定額は七兆二千八百億円としております。なお、借換債を含めた公債の総発行予定額は二十八兆七千七百八十億円となります。 財政投融資計画につきましては、現下の経済情勢も踏まえ、社会資本の整備、国際社会への貢献、地域の活性化等の政策的要請に積極的にこたえ、資金の重点的効率的な配分を図ったところであります。 この結果、財政投融資計画の規模は四十兆八千二十二億円、前年度当初計画に対し一〇・九%の増加となっており、また、資金運用事業を除いた一般財投の規模は三十二兆二千六百二十二億円、一〇・八%の増加となっております。 以上、財政金融政策に関する私の所信の一端を申し述べさせていただきました。 本国会に提出し御審議をお願いすることを予定しております大蔵省関係の法律案は、平成四年度予算に関連するもの七件、その他二件であります。今後、提出法律案の内容について、逐次御説明することとなりますが、何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。 以上であります。
○委員長(竹山裕君) 以上で所信の聴取は終わりました。
○委員長(竹山裕君) 次に、平成三年度の水田農業確立助成補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案を議題といたします。 まず、提出者衆議院大蔵委員長太田誠一君から趣旨説明を聴取いたします。太田誠一君。
○衆議院議員(太田誠一君) ただいま議題となりました平成三年度の水田農業確立助成補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案につきまして、提案の趣旨及びその概要を御説明申し上げます。 この法律案は、去る四日、衆議院大蔵委員会において全会一致をもって起草、提出したものであります。 御承知のように、望ましい水田利用形態に可能な限り誘導する見地から、政府等から稲作転換を行う者等に対し、水田農業確立助成補助金を交付することといたしておりますが、本案は、平成三年度の同補助金に係る所得税及び法人税について、その負担の軽減を図るため、おおむね次のような特例措置を講じようとするものであります。 すなわち、同補助金のうち個人が交付を受けるものについては、これを一時所得の収入金額とみなすとともに、転作に伴う特別支出費用等は一時所得の必要経費とみなし、また、農業生産法人が交付を受けるものについては、交付を受けた後二年以内に事業の用に供する固定資産の取得または改良に充てる場合には、圧縮記帳の特例を認めることといたしております。 なお、本案による国税の減収額は、平成三年度において約六億円と見込まれるのでありまして、衆議院大蔵委員会におきましては、本案の提出を決定するに際しまして、内閣の意見を求めましたところ、稲作転換の必要性に顧み、あえて反対しない旨の意見が開陳されました。 以上がこの法律案の提案の趣旨とその概要であります。 何とぞ速やかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(竹山裕君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 質疑、討論も別にないようですから、これより直ちに採決に入ります。 平成三年度の水田農業確立助成補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(竹山裕君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹山裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十九分散会 —————・—————