商工委員会 第9号
- 発言数
- 220 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1992/05/12
会議録
○委員長(岩本政光君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨十一日、市川正一君が委員を辞任され、その補欠として近藤忠孝君が選任されました。 —————————————
○委員長(岩本政光君) 金属鉱業等鉱害対策特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○吉田達男君 質問責いたしますが、日本経済にとりまして、この資源エネルギーの問題というのは最も重要なポイントの課題でございますが、きょう金属鉱山の経営上の非常に大きいウイークポイントとも言うべき坑廃水の処理について法律を改正して措置しよう、こういうことでございます。 現在、日本の資源の特に重要な素材でありますメタルの需要と供給の関係、大きい流れでは国内生産量が減って輸入がふえている、こういうように伺っておりますが、そこの状況を御説明いただきたい。
○国務大臣(渡部恒三君) 国内金属鉱山は、我が国の鉱物資源の安定供給確保上最もすぐれた供給源などとして、御指摘のように極めて重要な役割を果たしてまいりましたが、残念ながら円高による国内市況の低迷、鉱量の枯渇などにより数多くの鉱山が閉山を余儀なくされ、昭和五十年には百を超える鉱山があったものが、現在では二十六に減少し、お尋ねの自給率もこの期間に銅の場合で一〇・五%から○・四%へと残念ながら低下してまいりました。 こうした中で、通商産業省としては、金属鉱業事業団による国内資源調査、企業探鉱に対する補助金及び低利融資制度、減耗控除制度などの国内探鉱の支援促進策を推進するとともに、国内鉱山の経営安定化のための超低利融資制度である金属鉱業経営安定化融資制度の適切な運用を通じ、何とか国内鉱山の存続、発展を図ってまいりたいと存じております。
○吉田達男君 概況を御説明の上、主たる対策としての遂行状況を政策的に御説明いただきましたが、こういうことになぜなったか、こういう原因についてでございます。 日本の例えば銅は、幕末から明治にかけては産銅量において世界で一位になったこともあるぐらいの鉱業でありますのに、今伺えば国内の生産高が全供給量というのが○・四%、全く見る影もない。こういうことになったのはなぜか。これは、資源が枯渇したのか、外国との競争において品位の差がそのようになったのか、ほかの条件でなったのか、この辺について原因を分析的に御説明いただきたい。
○政府委員(黒田直樹君) ただいま大臣から申し上げましたように、国内の非鉄金属の自給率というのが各種の非鉄金属におきまして低下してきているわけでございますが、基本的には、ただいま先生がお話しございましたように、経済性という観点から国内の資源が相対的に不利になってきたというところに大きな原因があるものと認識いたしております。
○吉田達男君 経済性ということは、例えば採掘をする、製錬をする、製品にして仕上げていく過程で外国に比べてコストが高くなってしまう、その競争力において経済的に劣悪になってきた、こういうことでございますね。 それでは、日本の鉱山の技術、方そのものはそういう状態に放置していいかというと、独立国の日本としてそういうことは許されないと思うんです。特に決定的な埋蔵量がなくなった、こういうことでなくて、品位の差等々がコストに大きい影響を与えているということになれば、ここを生産技術なり製錬技術なり等々の開発によって日本のすぐれた生産力をもってこれに対応しなければならぬと思うんです。通産省は、工業技術院を初め幾つものこのような機関を持って技術開発等を促進し実用化されようとしておりますが、これについてはどういう取り組みをなさっておりますか。
○政府委員(黒田直樹君) ただいま先生御指摘ございましたように、鉱山の場合には、鉱床という減耗性の資産を経営の基盤といたしているわけでございまして、そういう観点から新しい鉱床を見つけていくという企業探鉱、これが非常にまず重要でございますし、また今先生御指摘ございましたように、我が国の鉱山技術は世界的にも高い水準にあるわけでございますが、特に複雑な条件のもとでの鉱山技術というのは非常にすぐれたものがあるということでございますが、なお一層の探査技術の向上のために努力をしていくことが必要である、こういうふうに考えているところでございます。 前段で申し上げました企業探鉱の促進という観点につきましては、通産省といたしましても、金属鉱業事業団を通じましていろいろな資源の開発調査あるいは企業探鉱の促進のための支援制度、こういうものを通じまして企業探鉱を促進いたしているところでございます。 他方、探査技術の向上という点につきましても、金属鉱業事業団を通じまして新しい探査技術の開発といったものに力を入れると同時に、こうした国内鉱山での技術というものを広く承継していくためにいろいろなビデオを作成する等の普及事業も実施をいたしているところでございます。 こうした施策に今後とも私ども全力を挙げて取り組んでまいりたい、かように考えております。
○吉田達男君 主に探鉱という点について、鉱床を発見されるという方法を努力しておられる面の説明がありました。大臣が御答弁ありましたように、百社あったものが二十六社に減ってきておると。 この鉱床のもとは、どちらかというと露頭を発見して鉱床を探す、こういうような原始的なことから始まったようなものがずっとかつては会社経営をしておったんですが、最近ではそういうすぐれた探査技術でされると思います。しかし、これが経営的に成り立つかどうかについては諸施設あるいは人的な配置等の体制がなければなりません。そういうことになると、新しい探査方法ももちろん開発してやるべしでありますが、現在ある鉱山の鉱脈周辺、こういうものを重点的に探査をすれば生産体制がその周辺にあるわけでありますから人的にもそういうことに進みやすいという条件があるわけでありまして、そういう辺を重点的にやられるべきではないかと思います。 衰微する話ばかりでは景気が出ませんので、最近ヒットになったような鉱脈大発見、こういうようなことがちらっと出たようにも思いますので、その辺も御説明いただきたいと思います。
○政府委員(黒田直樹君) おっしゃるように、探鉱活動を重点的に実施する必要があると私どもも考えております。この点につきましては、昭和六十三年の鉱業審議会の答申をいただきまして、先ほど申し上げました金属鉱業事業団による資源開発調査というものも重点的に現在実施いたしているところでございます。 先生御案内のように、これまでにもこの金属鉱業事業団の調査を通じまして、例えば黒鉱の秋田県での深沢餌釣鉱床あるいは世界的に有数の金鉱山でございます鹿児島県の菱刈鉱床なともこうした金属鉱業事業団の調査を通じまして発見され、またそれが生産に移行したものでございます。ごく最近におきましては、先ほども鉱業審議会の答申に基づきまして重点的と申し上げたわけでございますが、特に金銀鉱床あるいは金銀を含みます参金属鉱床を重点的に探査の実施を行っているところでございまして、九州の中部地域あるいは北海道から青森におきます渡島、下北地域、あるいは北海道の定山渓などにおきまして金銀などの有望な鉱兆を捕捉いたしているところでございます。 ただ、これ数年にわたって調査を実施しているところでございまして、平成四年度におきましてもさらに一層、ただいま先生御指摘のございました稼行鉱山の鉱量の増加あるいは新規優良鉱山の発見のために重点的に調査を継続してまいりたい、このように考えているところでございます。
○吉田達男君 日本も条件としては地形として必ずしも悪いことはないのでありますから、努力してそういう成果を上げておられれば、全体が沈んではかりいないで積極的に願いたいと思う。 山には栄枯盛衰があって、昔で言えば山師が発見をしてそれが一人前の鉱山になるまでに人の手を何回も渡りながら完成されて、壮年期になり、また衰微してくる。この間の鉱山経営のリスクというものは、探鉱をしてそれが経営ベースに乗るまでが問題で、果たしてそれが成功するかしないかわからぬのにそれをやらなければならぬ。また、もう衰退期に入って埋蔵量その他品質も悪くなってきたときに坑内水を初め鉱害の処理をしなければならぬ。これをしなければ鉱山の一代は責任を全うできないのでありますから、この前と後ろの大きいリスクをどのようにカバーするか。景気のいいところは自力でやらなければならぬしやれますが、そこのやれないところをしのがなければ日本の国として必要なメタル資源が確保できない、こういうことであります。 そこについては、今そういうテーマのもとに法律を出されたのでありますから、この特にリスクをカバーするということについての意欲というか、通産行政としての考えをもう一度お伺いいたしたいと思います。
○政府委員(黒田直樹君) 先ほど大臣が御答弁申し上げましたように、いろいろ栄枯盛衰の中でやはり国内の鉱山というものをできるだけ維持存続、発展を図っていくという観点から、まず国内の非鉄金属資源探鉱の促進、これをまず重点的に考えているわけでございます。 このような観点から、先ほど来申し上げておりますように、金属鉱業事業団を通ずる調査あるいは支援、それから税制に基づきましてこのリスクのカバーを行う、それから一時的な価格の変動あるいは景況等によりまして国内の鉱山が経営の基盤を失われることがないように低利の融資制度を通じまして経営安定化を図る、あるいは先ほど来申し上げておりますように技術の開発を促進する等々の措置を講じているところでございます。 私ども引き続き、先生今御指摘のございましたような目的に沿いまして全力を挙げて取り組んでまいりたい、このように考えているところでございます。
○吉田達男君 現在ある制度については伺いましたが、実際にはそれを実らせるために予算も適切に獲得して、またそれを執行されなければならぬので、その辺の重要度の認識というものがもとになって、活動のエネルギーでありますから、そこのところを期待いたしますので、これは頑張っていただきたいと思います。 技術開発については、探鉱について特に説明がありました。製錬については答弁がない。これは、日本の通産省における技術の粋を集めて外国に対して生産コストを下げ、またそこで働く人たちが三Kだと言われるようなことにならないような近代的なものを求めてまたやらなければならぬ。そういうようなことはどうもおくれているんじゃないか。この点についてはどうか。 また、水処理については、特に硫黄化合物初め重金属が出るのでありますが、概して言うと、ああいうアルカリの石灰を投入して落として、その石灰投入の後の殿物をどこかに置く、こういうようなオリジナルなやり方の繰り返しのように思われる。しかし、これも日本の技術からすればこの水処理の新しい技術開発もやられなけれはならぬと思うのでありますが、この辺のもろもろの技術的な突っ込みについてはどうなっているか、重ねて御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(鈴木英夫君) 先生御指摘の金属鉱業等におきます鉱害防止技術、特に水処理技術でございますけれども、これにつきましては、鉱害防止技術全般につきまして昭和五十年度から金属鉱業事業団がさまざまな研究調査を行っておりまして、現在までに例えば中和殿物の坑内への還元技術でありますとか、あるいは殿物を造粒いたしまして量を少なくする技術、あるいは坑廃水の生物処理技術、これは特に従来の中和という概念を超えて生物処理をしていこうというような調査研究が進められてまいりました。その成果は既に多くの休廃止鉱山の坑廃水処理に活用されておるところでございまして、今後ともこのような調査研究を進めてまいりたいというふうに考えております。 ただ、先生御承知のように、休廃止鉱山におきます坑廃水処理につきましては、処理コストが毎年多額に上る、あるいは処理によりまして発生する中和殿物の廃棄場所の確保が必要になるというような特殊性がございまして、そういう点につきましてなお現在技術的に解決すべき課題を有しておるというふうに認識しておりますので、今後とも、私ども金属鉱業事業団を中心といたしましてこの種の技術開発を鋭意推進してまいりたいと考えておる次第でございます。
○吉田達男君 金属鉱業事業団が努力していることは伺いました。これは、実際の運営をするために実用化できる、つまりコストその他を考えて理論的に追求するというよりも、実践を通して具体的な事業でやろうという対応の中で努力しておられる。しかし、坑内水等にいたしましても半永久に出てくる、こういうようなものの処理については、絶望的に長い間鉱山の栄枯盛衰にかかわらず責任を持とうということになって、これをやると抜本的なことを考えなければならぬ。抜本的なことを考えるというのでは、金属鉱業事業団にのみ頼ってもいかぬので、通産省としての先ほどから言うような総力挙げての試験研究機関でやるべきだ、こう言うんだけれども、どうしてもそういう態度表明がないので重ねて聞くんですが、どうなんですか。
○政府委員(鈴木英夫君) 先生御指摘のように、現在坑廃水処理技術につきましては、金属鉱業事業団ではむしろ実用化研究といいますか、現場に適用できる応用研究あるいは実用化研究という段階での研究をやっておるわけでございます。ただ、将来先生がおっしゃる抜本的な新技術というようなものを開発していきますためには、どうしても基礎的な研究あるいは要素的な研究というようなものも必要になってまいるわけでございまして、こういう研究につきましては、通産省傘下の国立の研究所、こういうものの成果に期待すべき点も多いわけでございます。 例えば、現在通産省の工業技術院に、従来公害資源研究所と言っておりましたけれども、これは今般資源環境技術総合研究所ということで改組をいたしまして、今後環境技術の開発に一層積極的に取り組むことにしております。さらに、微生物工業技術研究所というのがございますけれども、そういうところが行っております微生物関連の研究の成果も将来環境問題の解決のために活用されることが期待されておるわけでございます。さらに、金属鉱業事業団の行っております技術開発につきましても、鉱害防止技術開発委員会の委員として工業技術院の研究官が参加をするというようなことで連携を図ってきているところでございます。 通産省といたしましては、今後とも、傘下の国立研究所の環境関連技術開発を推進するということと同時に、金属鉱業事業団の実用化研究、これとの有機的結合を図って、今後の新しい技術開発に取り組んでいきたいというふうに考えておるわけでございます。
○吉田達男君 せっかく努力を願って、予算もどって体制も整えて、御答弁いただいたのでやがてはあらわれると思いますので、なるべく可及的速やかに願いたいものだと思います。 そこで、坑内廃水が河川へ放流されて自然の中に水が動いていくわけであります。ここの排出基準についてお尋ねをいたします。 水質汚濁防止法があって三条に基準があるんですが、例外規定が二十三条にあって、鉱山保安法やあるいは放射性物質や電気事業法等々の例外があるわけです。これは、通産省の方にゆだねている形で排出基準を示しております。この辺の基準が実際に守られているかどうか。あるいは地域においてそのような水質基準について、法律によれば都道府県知事は上乗せの規定をもって規制をすることができる、こういうふうになっておるが、全国の状況の中でそのような例はどうなっているのか。その辺の状況、基準等々について御説明いただきたいと思います。
○政府委員(鈴木英夫君) 金属鉱山等におきます坑廃水の排出基準に関する御質問でございますが、これは、鉱山保安法に基づく鉱山における鉱害の防止のための規制基準を定める省令がございまして、この四条におきまして、原則といたしまして水質汚濁防止法の規定によって定められた値と定められております。つまり、平たく言いますと、水質汚濁防止法の基準値よりも緩やかにならないということで定められておるわけでございます。ただし、さらにこの省令におきまして、鉱山保安監督局部長が必要と認め、この値より厳しい値を定めた場合には、その厳しい方の値というふうになっておるわけでございます。排出基準を満たしましても十分に鉱害防止が図られないと考えられます場合には、今申し上げましたように鉱山保安監督局部長が水質汚濁防止法よりもさらに厳しい上乗せ基準といいますか、そういうものを設定することができることとされておりまして、現に兵庫県の中瀬鉱山のほか十二の鉱山において上乗せ規制を行って鉱害問題が生ずることがないよう対応しておるところてございます、
○吉田達男君 農林省の方の水稲用水基準というものが農林省の公害研究所の方から公表されておりまして、これによると、水質汚濁防止法あるいはそれに準じての鉱山保安法、それよりも強い基準が示されておる。例えば画にしても、画が五・八から八・六、七を中心に相当幅があるんだけれども、農林省の方のを見ると六から七・五となっている。中のCODにしたって、あるいは砒素、亜鉛、銅等々についても相当厳しいものが示されております。こういうものについて、原因者たる鉱山はそのような関係省との水質基準についてのすり合わせ、これはどういうふうになされておるのかお伺いいたします。
○政府委員(鈴木英夫君) 基本的に、農業利水等について問題があるというような場合につきましては、先ほど申し上げましたように監督局部長は上乗せ規制ができることになっておるわけでございますけれども、当然その地域、地域の実情に応じて鉱業権者は地域の環境とのすり合わせを行いつつ対応しておるものというふうに認識をしております。
○吉田達男君 この法律を提案されて、理由の中に地域住民の健康保護、地域環境の保全、公共の利益を保護する、こういうような一定の理念を示して上程なさって説明があるわけでございます。これを素直に読むと、排出される水はまさに自然水になることを全体的に理想としながら、こういう表現になっていると思うんです。 この水が山元から出て一定のところまで改善されて、川に入ると川がこれを運んで下流の方で用水を使うとすれば、その用水の基準に従った用途に充足しなければならぬ、こういう流れであります。常識的に言えばさっき言った基準はそれぞれすり合わせして守られている、こういうことだけれども、あちこち見ると、魚のすまないような川がある、原因は鉱山から流れておる水だという場合もある。こういうことになると、さっき言った提案理由の中の環境の保全、公共の利益とこれを保護するということからいえば、魚のすむ川というものが自然としてのバロメーターになるんじゃないかと思うのでありますが、この辺についての見解はどう通産省の方ではお持ちでありますか。
○政府委員(鈴木英夫君) 私ども、先ほど申し上げましたように、鉱山保安法において水質汚濁防止法の規定により定められました値またはそれよりも厳しい値を基準にして排出基準を遵守しているということでございまして、このような排出基準によります坑廃水処理で基本的には河川に魚がすめるような状態になっているものというふうに認識をしております。特に、休廃止鉱山において酸性度の高い坑廃水あるいは有害重金属を含んだ坑廃水の処理を継続実施することによりまして、現段階におきまして下流において公共用水域の水質が改善されて、例えば上水道とか工業用水に利用されるようになったとか、あるいはサケが遡上してきたとかあるいはイワナとかヤマメとかアユ等の生息が見られるようになった、あるいはホタテガイの養殖の安定化など沿岸漁業にも貢献しているという例が見られておりまして、私ども、この基準を遵守してまいることによって環境の保全に十分資し得るものというふうに考えておる次第でございます。
○吉田達男君 今の報告は、こういうような改善の結果が見られる、こういう報告でありますから、改善されるまではやはりそういう状況もあったということを認めておられると思うのでございます。 せっかく努力願いたいが、河川の方でおいでいただいておるので、この辺の見解についていかがでございますか。河川に魚がすんでいないところというのは全国的にはどのくらいあるのか、それについての河川当局としての、水質維持についての方策、見解、この辺をお伺いいたしたいと思います。
○説明員(市原四郎君) 河川といたしましては、魚が十分すんでおるような川というのが非常に望ましいということで、我々も努力しているわけでございます。突然の御質問で、魚のすんでいない川が全国でどれぐらいあるかというのは、ちょっと詳細な資料を持ち合わせていないわけでございますが、全国の河川で、環境庁も含めまして大体四千の箇所で水質をはかっておるわけでございますけれども、そのうち建設省は千カ所程度だったと記憶しておりますが、健康項目につきましてはその四千カ所のほとんどの箇所で満足しておりまして、ほんの数例しかそれを逸脱しているということはないという状況であると認識しております。
○吉田達男君 現実にはそういうところがあって、魚になったことがないのでわかりませんが、想定するところ、原水が三・三ぐらいのpHで物すごい酸性のが出てくる。改善して放流するのに、七が中性だけれども、そこまでやると、さっき言った金属鉱業事業団だって経費を考えますから、水質基準に合致すればそこまでということで、コストも考えるわけであります。そこでやや酸性のものも流れる。物によっては、生野のように、pH九までアルカリに戻しておいてそれで全部重金属を落とした上で塩酸を入れて七にして放流する、こういうふうにすればいいだろうと思うけれども、魚にとってみればそういう無機の処理をした水はおいしくないんだろうと思うのであります。魚がどのくらいの嗜好について文化性があるかどうかわかりませんが、すまないのであります。そういうようなことについては、努力は認めるけれども、やはりもっとそれぞれについて留意を願って対策を講じていただきたいと思います。それを要望しておきます。 河川当局につきましては、特に鉱山から汚染された水が出てきた昔の経過の中で、河川の中に沈殿をしておる。だから、山元をせっかくきれいにしても、その河川に行くとまた水が汚れてしまう。それがかんがい水に行くものですから、田んぼの方も汚れてしまう。こういうことが続いていたんで、田んぼの方は公害防除特別土地改良事業で改善をする、山元の方は通産省の方が責任を持って、言っておられるように厳しいかどうかわかりませんが、すれすれのところをクリアしようとしておられる、河川の方では河川浄化事業をなさって努力も願っておる。要するに、農林省と建設省と通産省と事業のピッチが合わなければ、ここの地域の環境が復元して保全をしたことにならないのであります。その点については、努力をいただいておる河川の方も、各前後の事業等とどのように連携をとられながら予算もまた努力しておられるか、実情をお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(市原四郎君) 河川に流入する、排出されるところでの規制、それから河川に入った水質をさらによくしようというような努力ということを連携をとってやっていくべきでありますけれども、我々、河川といたしましては、先生御指摘のように環境整備事業によりまして特に河川に沈殿しておる物質につきましてのしゅんせつということに主眼を置いてやっておるわけでありまして、またそれと並行いたしまして、場合によっては浄化用水を導入したり、それから礫間接触酸化法といったやり方による水質改善というようなこともやっておりますが、主に汚泥のしゅんせつという形でやっておるところでございます。その河川浄化事業につきましても、平成三年度につきましては約百二億円の事業費でございましたけれども、平成四年度には百六十五億円というように事業費も増加して努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
○吉田達男君 今質問いたしましたように、河川は頑張ってもらうけれども、前後どの関係があって、全体的には事業効果を上げるためにそれぞれのいわばピッチが合わなければ結果があらわれにくいと、こういう状況にあるわけですね。何%予算額をふやしていくというのは全体的にはそれでいいのでありますが、箇所によりましてこれはしてしまえば浄化されるわけですから、あとは要らないのであります。 そういうところは、重点的に前後とあわせて工事を、浄化事業を進めてもらうとか、あるいはそういういわば長い間にわたって鉱毒が流れた地域の人たちは、水田もあるし、川もあるし、点もすまぬし、山で働くのはありがたいけれども、それなりのリスクも負ってきたということで、若干の心理的な要望もあちこちで膨れようとするところであります。その辺については現実的な対応を願いたいと思いますし、現に鳥取でありますが、そういう箇所も手がけていただいておる。これについての基本的な扱いについてお考えを聞かせてもらいたい、私の提言に対してどうなのか。
○説明員(市原四郎君) 当然、そういった浄化事業につきましては、他の事業と連携をとって効果が最大限に発揮されるようにするべきでありますし、今後もそのようにしてまいりたいと考えております。 例えばの例で申し上げますと、土地改良事業でやっておりまして、そこの土壌の汚染に対する対策をしようとしているときには、その取水口の前のところを重点的に河川の方もやっていく。場合によっては、調整費でもって両事業のすき間を埋めていく、こういった努力もしておるわけでございますし、重点的にやってまいりたいと考えておるところでございます。
○吉田達男君 努力いただいておるところを報告を受けましたのでこれ以上肢言いませんが、せっかくそういう地域における具体的な取り組みの中での成功のためにきめ細かい配慮をもって遂行していただきたい、要望いたします。 この法律の改正点の重要なところは、金属鉱業事業団に鉱害を処理しておる会社の方から基金を拠出して、その運用益でもって鉱害処理をしかるべき法人を設立してその法人に事業をさせる、こういう仕組みでございます。 そこで、具体的にお尋ねいたしますが、拠出金についてであります。この拠出金の根拠は、図式で言うと、年間の処理費から、年間、公団の処理についての自然、他者分といいますか補助金をもらって工事をやっておる、それを引いたものに正味会社の方が負担をした金額ということになりましょうが、二十年間を掛けたということで拠出金を出すことになっております。 この現在の年間処理費のつかまえ方であります。これはどういうふうにやるのか。今、ランニングしておるという状況そのものを金額にするのか、さきの坑内水の処理について事業団がやっておられるところを見ると、そういうランニングをした後、スラッジ、鉱澤を産業廃棄物としてどこかに蓄積して、最終処分地に置いておりますね。そういう最終処分地があれば年間は一般的なランニングで済むんだけれども、何年かすると、最終処分地の方がいっぱいになってしまって、また堰堤をつくってダムをやると、これがまた何億、何十億かかる場合もある。そういうようなものは、この処理費のカウントの中に組み込まれているのか、組み込まれないのか、その辺をお伺いいたします。
○政府委員(鈴木英夫君) 私ども、この基金への拠出金の算定の基礎となります坑廃水の処理費用につきましては、大きく分けまして三つほど考えておりまして、一つは、人件費、薬剤費あるいは電力費等の先生おっしゃるランニングコストといいますか坑廃水処理費用でございます。二番目は、施設の補修、改修等の維持管理費用を考えております。それから三番目は、施設の更新費用、これは将来また更新しなければいけないということが考えられますので、そういう更新費用。この三つのジャンルに考えておりまして、塾御指摘。の中和殿物の最終処理費用につきましても、この基金拠出の算定に組み込んで考えるべきであろうというふうに考えております。 その際、実際に処理地にかかわる費用をどのぐらい見込むかにつきましては、殿物造粒技術の適用等によります殿物堆積場の延命効果でありますとか、あるいは殿物の坑内還元の可能性等の技術開発、あるいは個々の鉱山の事情というようなものを勘案して、ケース・バイ・ケースで適切に算定していくということであろうかと思います。
○吉田達男君 私が指摘しましたものはカウントされる、こういうことでわかりまして、突然大きい落とし穴が出てきても、将来困るということがあってもならぬと思って聞いたわけであります。個々の事情もそれぞれ精査しながら参入する業者に対して納得のいくところで詰める、こういう態度と承ってよろしいかと思います。 そこで、想像されるところでありますが、そういう費用の負担も大変だけれども、理想的に言えば、廃水の処理を改善して、その費用を低減するように減衰効果を求めて工事をやる、こういうことが起こり得るんじゃないか。そういうような努力をするということは、このかける費用負担の中にどういうふうに評価されるのかされないのか、この点についてはどうですか。
○政府委員(鈴木英夫君) 現在、この基金の拠出をします主なる目的はやはり坑廃水処理を恒久的にやっていこうということでありまして、その前提となります基本的な発生源対策の工事あるいは中和殿物の堆積場を準備するといったようなことにつきましては、これはこの拠出以前の問題といたしまして採掘権者等が十分な堆積場を準備するというのが基本的には原則であるというふうに考えております。特に、基金への拠出が完了した後で中和殿物の処理をする堆積場の建設を行うというようなことになりますと、これは堆積場の建設に一時的に非常に多くの費用を基金の果実から支払う必要が生じまして、円滑な基金運営に支障が生じるということでございますので、あらかじめ鉱業権者に発生源対策あるいは堆積場対策については十分やってもらった上で、その後の坑廃水処理について基本的に拠出金制度で賄っていくということが原則になろうかと考えております。
○吉田達男君 殿物処理については基本的な考えはわかりました。ただ、半永久に続くということになると、半永久にもう何十年先のダムもあり得るわけですから、それはカウントを、計算上一定のところ以上はやりにくいんだろうと思う。考え方として入っておるということですから、ケース。バイ・ケースで応じるということですから、それは必ずしも業者を泣かせるのが自慢じゃないんですから、公共的にも審議会の方も配慮するような文言になっていますから、その辺も願いたい。 後、とりました鉱山業者が生きておるものですから、鉱害を減衰させるために工事をする、そうすれば後々の費用負担も本当は少なくなるんだろう、そういう努力をやるんです。やるというと今までかかった金額よりも低くなってランニングできるだろうと思われるんだけれども、そういう場合はどうなのか。また、拠出金を例えば六年間にわたって分割して払ってもいい、こういうことになっているが、鉱害を減衰させるための事業をやる、これがきょうかかってあすということになりませんから、何年か続く。そういう間に、六年間の中でまた拠出金を払わなければいかぬということで今までの計算で払うというとこれはどうなるか。 結果としては、そういうような会社の努力、良心的な処理対策が将来にわたっては生きてくるんだけれども、拠出金は昔の計算でもらえますということになる、あるいは拠出金はもう払ってしまった、効果があらわれたのは新しい施設ですから、これはもうもらい切りで、食い逃げというと悪いけれども、助かった、こういうようなことになってしまうのはちょっと理屈においてどうかと思うのでありますが、理想的なことを求めてやるものについては十分な配慮ある対応がなされるべきじゃないかと私は思うので、重ねてお尋ねいたします。
○政府委員(鈴木英夫君) 先生御指摘のように、発生源対策を十分にやるということが将来の坑廃水処理コストの低減に非常につながる話でございますので、この発生源対策につきましては拠出前に十分なことをやっていただきたいというふうに考えております。これにつきましては、特に先ほどの金属鉱業事業団の技術開発の成果でありますとかいろんなものを適用しながら、かつ金属鉱業事業団が融資をする制度もございますので、そういうもので発生源対策をしていただく。 拠出後の拠出金の取り扱いでございますけれども、これはやはり一度基金に拠出されたものにつきましては、それをもしコストが安くなって返済するということになりますと、これは非常に算定方式も難しゅうございますし、かつ法の安定性という点から見ましても、この立法体系からいって一度拠出されたものをお返しするというのはなかなか法的にも難しいと私ども考えておりまして、むしろそういうことで基金に余裕ができました場合には、将来の不測の事態に備えるというようなことで基金を運用してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○吉田達男君 減衰効果をあらかじめ評価をして拠出金に反映させるということは困難だという、結論的に言えばそういう答弁でありましたが、私は、評価をして具体的に出たならばカウントする、こういうことで適正をというか公平を期してもらいたいということを、これは主張でございます。答弁によるとちょっと合わないようでありますが、考え方でありますから、私はそうだと思います。 その減衰工事をするということについては、悪いことだということは全然言われません。いいことだという評価はあります。それについては、助成もしよう、融資もしようということで、制度も金属鉱業事業団の枠の中で考えておられるということで、それは考え方としてはありがたいとは思うのであります。考えてみると、この制度をつくったのは、半永久に続く坑内水の処理が会社の運営がおかしくなってできなくなってしまうということでは困るから、二十年間の分をもう拠出して運用益でもってランニングさせるという基本的な考え方です。 そういうことになると、そういうような会社であれば借金をして処理をして、処理施設を改善して借金をまた何年も返すということになると、何年も返していくのは会社が紛れもなく生きて返す力があってやるというわけですから、そういうものについては理論的には拠出金をもって一時金で後の処理を託すということと理屈では合わないことになるんです、答弁しておられますけれども。だから、考えとしての配慮はわかりますが、実際の現実ではなかなか厳しいものがあるんだろうと私はその場面を想定しますと思います。これはさっきも言いましたように見解ですから、またそれなりの御判断を受けとめてやっていただきたいと思います、 今すぐ急に君子は豹変しないようでありますから、次の質問をいたしますが、この十二条には、災害とかインフレによって費用の増加があった場合にこれをさらに追加徴収を、拠出を求めるということがあるように書いてあります。実際に要れば、これは仕方がないと思います。さきのカウントについての評価によって拠出金を異動させるということについては消極的な答弁で、運営の安定性を欠くようなことを言っておられましたが、場合によっては取るけれども、よくなっても返さぬ、こういうことはどうかと思うんです。 私は若干の経験で言いますと、坑内水が一定のところは分に三トンくらい出ておりましたが、急に十トンぐらい出るような状況になってしまった。そうすると、石灰の投入量が莫大にふえちゃうんです。だからランニングが大変高くなって、原因を調査したら谷の河川の底が抜けて、たまたま坑道が下を走っていたものですからその中に河川水が流れ込んで流量がふえたんです。これは大変だということでまた手当てをしたら、そっちからかねて流入しておりましたものがとまったものですから、今度は分に一トンぐらいの水量になった。そうしたら、もとの三トンからすると大変に経費も低減されるということであります。つまり、災害によって大変ふえることもあるけれども、その手当てによって大変に減るということもある。 この条文を見ると、災害のときには追加徴収をするけれども、減っても返すとも言わぬし、減るような努力をして施設改善をしてランニング費用が減ってもこれはカウントしないと言うし、これは法律としては公平を欠くのじゃないかと思うわけです。これについての見解をお伺いいたします。
○政府委員(鈴木英夫君) 先生御指摘のように、坑廃水処理業務を永続的かつ確実に実施します上で、例えば災害でありますとか、あるいは人為的な制度の変更、つまり環境規制が強化されたといったようなこと、あるいは予想し得ないような経済変動、ハイパーインフレ等が起こりました場合には、基金の運営に支障が生じることになりますので、原則として、これはPPPの原則ということで採掘権者等に対して追加拠出を求めることにならざるを得ないというふうに考えております。 ただ、片一方で実施中に技術開発が進みまして、かなり坑廃水処理のコストが低減されるというような場合には、これは基金の拠出を返還するということは、先ほど申し上げましたように法的に言いましてかなり難しい問題ではございます。片方で、先生からも御指摘がございましたように、自然汚染分、他者汚染分というのは国の補助金等で手当てをすることになっておりまして、現在の算定方式でいきますと、この自然汚染分というものを一定の値で決めることになっておりますので、いろんな努力の結果自己汚染分が減ってまいりますとそれだけ権者の費用負担が少なくなるというような間接的な効果も組み込まれておりまして、そういうものが両々相まって基金の運用に支障を来さない、片方で実施者の努力が認められるというような形でこれを運営してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○吉田達男君 間接的には対応として是正されるべきものが方法としてある旨の御答弁で、本質論では意見はありますが、それなりの対応についても期待をいたしておきます。 この拠出金は、要った費用でありますが、さきに答弁のあった他者汚染あるいは自然汚染分、これは国でもって、また地方公共団体でもって補助としてやる、こういう部分についてでありますが、鉱業審議会が鉱業権者にとって過重な負担とならないように留意すべしと、こういう答申を出しておられますから、その辺も酌んでのことと思います。 しかし、これをもうちょっと具体的に詰めていくと、それじゃその自然汚染分の処理費について対象処理費目といいますか、こういうものをどういうふうに見直して拡大をするのか。あるいはそういうような、さきのような場合があったり、休廃止でいよいよ倒れてしまった、不存在になった、こういうような場合もありますし、補助制度の早期の適用、かなりそういうものが念を入れたりしておるうちに、処理はしなければならぬし、毎日しなければならぬし、休廃止の処理としての措置はおくれるし、こういうことになれば、その手続を制度の適用を早めるような扱い方に改善されるのか。あるいは労賃その他の費目の算定基準をやっぱり見直す。こういう形で、答申にある国及び地方公共団体の予算の充実等に努めるべきと、こういうような趣旨を酌んだ改善努力が具体的にどう検討されているのか。この辺をお答えいただきたいと思います。
○政府委員(鈴木英夫君) 自然汚染あるいは他者汚染分の考え方でございますけれども、この金属鉱山の坑廃水の問題におきまして自己汚染分、自分の責任で出てくるものとそれから自然、他者汚染が混然一体となって流出してくる、こういう問題は、採掘跡からの坑水のみに見られる非常に特殊な問題ではないかと私ども考えております。 これは、基本的には先生よく御承知のように、採掘しますと地下水位が下がってくる。それによって採掘跡のいろんな金属類等が空気にさらされて酸化をして、そこに雨水等が入りますと、それが溶出しやすくなる、溶け出して出てくるという問題なんですけれども、一体それは採掘のために生じたのか、もともと自然に出てくるものなのか、あるいはほかの人が掘ったために出てくるのかということで、これはかなり難しい問題であります。ただ、今までの経験によりましてそういう問題につきまして坑内の状況をシミュレーションすることによって、現在は非常に複雑な計算をしながら、自然汚染分、他者汚染分、それと自己汚染分というのを分けておるわけでございます。 これらにつきましては、例えば先ほど先生がちょっと御指摘ありましたように、拠出の途中で休廃止してしまうというようなことについては、国庫補助あるいは地方自治体の補助金で対応していかざるを得ないというふうに考えておりますし、この自然汚染、他者汚染の考え方につきましては、これは計算によりまして一定の値が出てまいりますけれども、それに対します予算確保ということにつきましては、私ども引き続き万全の努力を行って将来の運営に支障がないように努めていくべきであろうというふうに考えている次第でございます。
○吉田達男君 それでは、そういうことを背景にしながら、指定機関として資源環境センターという法人を設定して仕事を、事業を執行させるわけですね。このものの概要についてお尋ねいたしたい。出資金はどうなのか、あるいは人員はどうなのか、仕事をするとすれば設備も相当要るんだろうがどうなのか、ターミナルたる事務所等々はどうなのか。構想といいますか、概要をお尋ねいたします。
○政府委員(中田哲雄君) 指定鉱害防止機関として具体的に予定されております財団法人につきましては、現在日本鉱業協会の中に設立準備委員会を設けまして検討をしているところでございまして、まだ組織、体制等については固まっていない段階ということでございます。
○吉田達男君 固まっていなければ答えようがないかわかりませんが、考え方として、国の出資はどのくらい考えていますか。
○政府委員(中田哲雄君) 国の出資は当面予定をしていないところでございます。主として、日本鉱業協会加盟の鉱山各社からの出捐によりまして財団を形成するという運びになっているところでございます。
○吉田達男君 これは金属鉱業事業団の運用益でもってやるということで、金属鉱業事業団はまた通産省が所管をしておる、国の機関にかわるようなものです。つまり、そのものが資源環境センターを運営というか動かすわけでありますから、これは国の出資があってしかるべきだと私は思います。 これは、実際に工事をするとなれば相当の施設も必要でありますから、出資金も相当にならざるを得ない。こういうことになれば、話が固まっていないけれども金を出資しないということだけ固まっていると、こういうことじゃ答弁としていただけませんから、これは国は出資を願いたいと思います。 大臣、ちょっと質問を続けておるのでありますが、この点についてはお聞きいただいておりますので、私の意見でもありまた要望でもあるものについて御答弁をいただきたい。
○政府委員(鈴木英夫君) まず、事務的にお答え申し上げたいと思いますけれども、ただいま申し上げましたように、この団体の出資といいますか出捐につきましては、民間サイドでやっていただくということにしております。 その基本的な理由は、やはりあくまでもこの坑廃水の処理というのは、基本的にはPPPの原則によって責任者が全うしていく問題であるということがございますし、かつこのセンターといいますか指定法人をつくります理由の一つに、現在各社がばらばらで多数の人員をかけながらやっております坑廃水処理をこの財団法人に吸収することによりまして、人員的にも、あるいは仕事の内容としても効率的に行い得るということも一つの目的に入っておりまして、そういう意味では鉱業権者のメリットもあるということでありますので、民間の出捐によってやっていただくということであります。 特にこの出捐のお金につきましては、基本的には一般管理費等に適用されるお金でございまして、実際の工事費については、先ほど来のお話の拠出の果実、あるいは国のいろんな補助金、他者汚染分、自然汚染分の補助金等で賄われていくわけでございますので、出捐金で賄うべき部分というのは、相対的に極めて小さい部分であるというふうに私ども考えております。国としては、むしろ先ほど申し上げましたような基金に対します拠出の税制上の措置でありますとか、あるいは自然、他者汚染分に対します補助金、そういった面で努力をすることによってこのセンターを守り立てていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○吉田達男君 原因者負担という原理を前に立てて、それを崩そうという気は全く私にもありません。これはもう大原理でありまして、そのルールを壊したういけません。しかし、国として相当の支援はやはり願いたいと、こう言っておるわけであります。 そこで、次の質問でありますが、当面水処理をするということを事業目的に想定して進めておられますが、これは限定されるものなのか。そういうような今水処理をしておられる数社が、近隣で協力関係になって統合されたりすればさらなる効果があるという意味合いで言うと、それはまた水処理以外の事業にもその事業分野が拡大されるということが含まれるのか、含まれないのか。あるいは都道府県がその休廃止鉱山としての公的な処理をしておりますが、そういうものと隣接したような地形のところも、私の頭の中ではちょっとあの辺もあの辺もという感じがあるんですが、そういうようなものとの業務提携のようなものはあり得るのか。この辺について、業務の内容をもう少し、余りかたくなにならずに御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(中田哲雄君) 委員御指摘の資源環境センター、仮称でございますけれども、これにつきましては、今御審議いただいております新法に基づく坑廃水処理事業を本務とするわけでございますが、先般、私ども鉱業審議会の建議をいただきまして、その中でも財団に集積されております、今後集積されます人材あるいは専門能力を坑廃水処理以外にも有効に活用すべきである、これがこの財団自体の職員の活性化にもなるんだろうというような御審議あるいは御建議をいただいておるわけでございます。 このような点を踏まえまして、今後、財団の財政基盤あるいは組織の基礎、こういったものの固まりぐあいも見ながら、望ましい事業があれば、坑廃水処理事業とあわせまして積極的に進めていくように私どもといたしましても応援をしていきたいというふうに考えているところでございます。 また、業務提携というお話がございましたけれども、当面は法律で定められております事業をやることに全力を尽くしていただくわけでございますけれども、さらに余力が出ました場合には、将来の課題としてそのような点についても検討してみてはどうかというふうに思っている次第でございます。
○吉田達男君 時間も大分来ましたので、それじゃそういう計算をして金属鉱業事業団に預けて、運用益でもってセンターを回転させて成果を上げると、こういうことでありますが、この運用益の見込みであります。全体的にはどのくらい資金を集めて何カ所をやると、こういうこと。運用益については、かねて金属鉱業事業団が融資をやっておられたり経過がありますが、このたびの提案の中における運用益というのは何%ぐらい約束されておるのか。場合によって、ちょっと例がよくないんだけれども、証券事件のように運用に無理をして損失補てんを求めなければつじつまが合わなくなったというようなことたなるような運用はしないだろうと思うけれども、この辺の規制はどうなのか。しかし、運用益といって出す限りにおいては、一定の何%というところはやっぱり約束されなければ、法案に基づく予算執行でありますから、この辺を御説明いただきたいと思います。
○政府委員(鈴木英夫君) この基金のまず規模でございますけれども、現在のところ、このまま推移いたしますと、四十九鉱山ほど拠出の対象になる予想をしております。この四十九鉱山から、現段階では概算でございますけれども、六年間にわたりまして約三百億円、これを拠出してもらおうということでありまして、したがって、運用益は約十五億円程度を見込んでおるということでございます。金利水準にいたしますと、年率五%程度の、いろんな経費を差し引きまして五%程度の運用を現段階では考えておるということでございます。 ただ、もちろんこの法施行に当たりましては、対象となります施設ごとに坑廃水の処理費用を精査をいたしまして、通常予想されない大きな経済変動以外の要素を十分勘案の上、適切に設定をしていく予定でございまして、その結果この数字が若干変わることはあると思いますけれども、大筋の規模といたしましてはその程度のことを考えておるわけでございます。 特に、この金属鉱業事業団では、過去におきましても昭和四十八年から鉱害防止積立金の運用をしてきた実績がございまして、今回の鉱害防止事業基金につきましても、過去の鉱害防止積立金と同様、定期預金等の適切な運用が行われるものというふうに考えておりまして、金属鉱業事業団法におきましても余裕金の運用その他積立金の運用等管理規定を設けておりますので、それを遵守しながら適切な運用をさせてまいりたいというふうに考えております。
○吉田達男君 最後に、大臣にお尋ねいたします。 日本の鉱山は、先ほど大臣に答弁いただきましたように、歴史あるものですけれども、現在は外国の鉱山に生産コストが競争に比較の問題でおくれをとっているにしても、しかし、日本としても必要だと思いますのは、外国にメタルを資源として輸入して仰ぐにしても、実際には業者は開発輸入ということで、日本の技術があって外国の鉱山を開発して輸入をすると、こういうことでやっぱり一定の力が日本の鉱山業界にあり、それが今日でも生きていると、こういう側面もある。 しかし、そのもとになる日本の鉱山の技術が、大臣が言われたように百社あったものが二十六社へと倒れていくと、こういうことになるとどうなのかという心配であります。加えて、今は三Kというものを嫌うという世の風潮があって、たくましい山男よりも町の優男の方に関心がともすればいこうという様子でありますが、この際、日本のそういうすぐれた鉱山の技術が今生きて、外国においても開発輸入としてばかにされずに日本はこうやっておるなどということがあるので、やっぱり輸入が九十何%になっても日本のペースを主張できてきておりますから、そのもとの鉱山を何としても育てなければならぬ。しかし、鉱山は民間でありますから公的な金で育てるわけにいかない。しかし、そういう日本の技術者を養成する、机上ばかりでなくて実践をさせる、そしてそこではまた将来の鉱山にあるような近代的な理想的な作業環境の中で鉱山が開発される、そういうモデルを一つつくってこれでまた徹底してコストも低減を追求する。そういうような核がなければ、日本の今までのものでようやくここまできたけれども、趨勢でいくと本当に危機になってきたと思う。 それに対して、大臣も、伺うと鉱山についてはなかなかの経験というか識見をお持ちのようでありまして私どもが言うことはないんですが、そういう意味でひとつ日本の鉱山に幾つか、一つでもいいし、そういう理想的な鉱山のモデルを設定しながらそれを育てて、それによってまた日本の鉱山技術を維持し発展させる、こういう観点で制度を創設されるお考えはいかがか、お尋ねいたします。
○国務大臣(渡部恒三君) ただいま吉田先生からお話がありました。私も長い間鉱山とのおつき合いをしてまいりましたけれども、非常に熱心に、しかもすぐれた技術を持ち、また戦後の日本の経済に大きな役割を果たしてきた鉱山が、残念ながら国際化という大きな時代の流れの中に、また狭い国土という限界の中で資源が枯渇したり、あるいはコストが合わなくなったりして衰退をしてきておることを何か自分の身を切られるように胸を痛めて今日までまいりました。また、今先生がおっしゃったように、我が国の鉱山のすぐれた技術が海外に、先般私はカナダに行ってまいりましたけれども、海外の資源開発に大きな役割を我が国の鉱山技術が果たしてきておることも大きな国際貢献になってきております。 それは今先生おっしゃったとおり、この国に鉱山がなくなってしまったんでは、もともなくなってくるおそれがあるわけですから、先ほどエネ庁次長からお話がありましたように秋田県あるいは福井県、北海道、青森県、山形県等に非常に期待される有望な鉱山があるわけですから、やはり国内の鉱山も頑張って、残れるものはできる限り残って頑張っていただかなければならない、それがやはり海外から供給を受けるにしても基本になるわけでありますから、趣旨は全く先生と同感でございます。
○梶原敬義君 私は、この改正案を読んでみまして、まさに提案理由で述べられておりますように、時を得ているし改正案の内容についてもこういうものだろう、このように思います。 賛成の立場でこれから若干お尋ねをいたしますが、その前に、けさ起きて新聞を見ておりましたら毎日新聞で渡部通産大臣が、「政界再編のカギは社会党の変身」、こう書いておりまして、中を読んでみますと「社会党が二十一世紀を生きていくためには勇気を出して社会主義を捨てた政党になれるかどうか」、こういうようにどこかで講演をされているんです。私は党のシャドーキャビネットの官房副長官でありまして、我が党の現状というのは御承知だろうと思いますが、基本的にはいろいろな御意見がありますが、今まとまっておるのは、憲法を中心にいたしまして公平で公正な社会を実現していく、こういう方向でずっと進んでおりますから、これから今度またそういう講演があるときはその辺をひとつ認識していただいてお話をしていただきたいものだ、このように考え、また注文申し上げたいと思います。 さてそこで、改正される法案の第一といたしましては、鉱害防止事業に関する基本方針の策定の内容の拡充、それから鉱害防止事業計画の届け出対象の拡大にあると思いますが、その改正趣旨について、最初に基本的なことですがお伺いをいたします。
○国務大臣(渡部恒三君) 今回の法改正は、金属鉱業等において閉山後もカドミウム、砒素などの有害物質を含む坑廃水が半永久的に流出するという特殊な問題に将来とも対応するために、汚染者負担の原則を徹底し、確実かつ永続的な坑廃水処理が実施されるはう、処理資金の確保、体制の整備などを行うことにより、坑廃水の鉱害防止について万全の対策を図ることにいたしたものでございます。
○梶原敬義君 さらに事務方にお尋ねしますが、内容の拡充あるいは届け出対象の拡大、このことについて。 〔委員長退席、理事松尾官平君着席〕
○政府委員(鈴木英夫君) 今般御提案申し上げておりますのは、現行の金属鉱業等鉱害対策特別措置法、これを改正させていただきたいということでございますけれども、まずこの現行法についで申し上げますと、坑廃水処理に当たりまして坑道の閉塞をしますとか、あるいは堆積場の覆土をいたしますとか、植栽をする、水路工事等を行うというようなことで、主にこの水が出てまいります発生源対策を着実に実行することによってこの坑廃水問題が解決できる、あるいはそれに期待をして解決していきたいという観点から立法をされたというふうに私ども了解をしておるわけでございます。 したがいまして、先生御指摘の国の基本方針でありますとか、採掘権者等の鉱害防止事業計画の対象も現行法施行前に使用を終了しております特定施設に限定をして、現行法の施行後に使用を終了する施設については積立金制度あるいは鉱山保安法の義務履行によって鉱害防止が担保し得るというふうに考えられておったわけでございます。 しかしながら、現実にはこの発生源対策をやりました後でも坑廃水が半永久的に出てくるという問題がございまして、かつこの現行法施行後の非鉄金属鉱業を取り巻く環境条件が非常に変化をしてまいっておるということもございまして、したがって、この現行法だけでは、採掘権者自身による坑廃水処理の継続的実施が困難となった場合には、十分に対応ができないというふうに考えられるに至ったわけでございます。 したがいまして、半永久的に続く坑廃水処理への対応といたしまして、鉱害防止事業についての国の基本的な考え方を示します基本方針、さらには採掘権者等の届け出ます鉱害防止事業計画につきましては、その対象範囲を、現行法で言います現行法の施行前に使用を終了している、こういう特定施設だけではなくて、今後使用を終了するという施設も含めましてすべてに拡大をして、坑廃水の恒久的な処理体制を確立しようと、そういう趣旨から、特に基本方針、鉱害防止事業計画の対象の範囲についても改正をお願いしたいというふうに考えておる次第でございます。
○梶原敬義君 第二番目に基金制度のことについてお尋ねしますが、先ほど吉田委員も質問がありまして少し重複するかと思いますが、この三百億円の根拠というのは、年間金利五%で、三、五、十五で十五億円、そういうことで逆算をして出た数字だろう、このように説明を受けたんですが、その根拠についてもう一度お尋ねをいたします。
○政府委員(鈴木英夫君) この基金の規模の三百億円は、現段階での概算として御提示申し上げている数字でございます。すなわち、現在、この基金拠出制度の対象となる可能性のある鉱山数、これが四十九鉱山ございますけれども、この四十九鉱山が行っております坑廃水処理費用が平成三年度で例をとりますと、大体年間約二十三億円ということでございまして、この数字は過去数年間ほぼ安定した数字でございます。この二十三億円のうち、自然汚染分あるいは他者汚染分の国から出します補助金等を差し引きまして、実質的な鉱業権者の負担分が年間約十五億円ということになっておりまして、この十五億円を基金の運用益として確保する必要があるということでございます。仮に、基金の運用利率を五%と想定して算定をいたしますと、先生御指摘のように約三百億円の基金が必要になるということでございます。 なお、重ねて申し上げますと、この基金の最終的な拠出規模につきましては、今後、鉱山保安監督局部長が鉱業権者の届け出ます鉱害防止事業計画の内容を精査して決めることになっておりまして、その段階で確定をすることになろうかと思いますけれども、おおよその規模として三百億円の基金があれば、今後この四十九鉱山におきます坑廃水処理が円滑に実施できるのではないかというふうに私どもは想定をしている次第でございます。
○梶原敬義君 重ねてそこら辺のことをお尋ねしますけれども、その各社、四十九鉱山ですか、義務者存在分の皆さんに拠出をしていただく場合の、あなたのところは何ぼというように積み上げていくんだろうと思いますが、その根拠みたいなもの、算定方式ですか、そういうものはどのようにお考えなんですか。
○政府委員(鈴木英夫君) この算定方式でございますけれども、まず、この法律の体系におきましては、基本的な流れといたしまして、坑廃水処理を確実かつ永続的に実施する必要があるものを通産大臣が指定特定施設として指定をいたします。その場合に、この指定特定施設が今後坑廃水処理にどのくらいの費用を要するかというようなことも含めまして、鉱業権者が鉱害防止事業計画というようなものをつくりまして将来の坑廃水処理計画を策定するわけでございますけれども、その策定内容を鉱山保安監督局部長が十分に精査をいたしまして、将来のこの事業に支障がないと判断される水準で費用の額を算定して鉱業権者に通知をする、こういう仕組みを考えておるわけでございます。
○梶原敬義君 次に、事前の説明の折には、負担する能力は今のところ各社ともあると、そのように承りました。そして、その助成措置といたしましては税制上の措置に重点を置かれているようでございますが、損金参入、もうかっている場合は確かにそういうことで効果的だろうと思いますが、なかなか水面下で損益とんとんの企業の場合というのはなかなか落とせない、こういう場合に、むしろ金融の非常に有利な措置の方が有効的な感じがいたしますが、その辺はいかがお考えでございましょうか。
○政府委員(鈴木英夫君) 採掘権者等が拠出をいたします拠出金につきましては、ただいま先生も御指摘のように、平成四年度の税制改正で租税特別措置法を改正していただきまして、新たに損金参入の特例制度を設けていただいたわけでございます。そういった点で税制上の恩典があるということでございます。 さらにこの上に、この拠出金に対する融資制度でございますけれども、これは現在そういう制度はございませんけれども、実は拠出金額の低減につながります発生源対策のための工事、こういうものにつきましては金属鉱業事業団の鉱害防止資金融資というものの対象になることになっておりまして、これを積極的に適用しますととによってまず発生源対策を十分やってもらう、それによって坑廃水処理のコストを下げる、これが拠出金額の低減につながっていくというような考え方でやらせていただくことになっておりまして、さらに坑廃水処理については、先ほど来申し上げましたような自然汚染、他者汚染分につきましては補助金の制度等も適用されるということで、そういうものが相まちましてこの制度の運用に万全を期してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 なお、今後、それではこのままでずっといけるのかということでございますけれども、鉱業権者等になるべく負担をかけませんように、拠出につきましても六年間の分割拠出を認めるということで負担の軽減を図っておりますが、さらに今後経済事情の変化等によりまして何らかの措置が必要になるということもあり得るということでございます。そういう場合には、金属鉱業事業団によります鉱害防止貸付制度をこの坑廃水処理にも適用すべきかどうかということも含めて、そういう経済事情の大幅な変更があった場合には政策的、行政的な判断をし、必要な措置を検討させていただきたいというふうに考えている次第でございます。
○梶原敬義君 さらに、改正されるこの法案の三つ目の大きな柱といたしましては、指定鉱害防止事業機関制度を創設するということでございまして、先ほども質問がありました資源環境センター云々、この内容を若干もう少し基本的に補足説明をしていただきたいし、副次的な事業として予定をしているようなことがあるのかどうなのか。私も大分県でございまして、鯛生金山というのがあって、その廃鉱跡を観光施設にして、お客さんがかつての金山の中をずっと、私も歩いたことがあるんですが、懐中電灯を持ってこの坑道を歩く、そこに観光客がどんどん来て過疎の村が栄える、そういうのも見ておりますが、そこら辺もどのようにお考えになっておるのか、あわせて御説明をお願いします。
○政府委員(中田哲雄君) 指定機関の業務につきましては、現在団体設立に合わせまして検討しているところでございますけれども、御指摘の坑廃水処理事業以外の附帯的な事業につきましては、私ども本年二月に鉱業審議会からいただきました建議がございますけれども、ここに触れられておりますように、最近ニーズが高まっております発展途上国等の資源環境に係る技術協力にも積極的にお取り組みいただいてはどうかと。また、委員御指摘のような休廃止鉱山地域の振興、特に鉱山跡地の利用等に資する事業を行うことも考えられるんではないかというふうに思っておるところでございまして、この機関に集積されます人材あるいは専門能力を活用いたしまして、またこの機関自体が魅力ある地域の職場になるということを考えまして、地域社会に根差した事業を展開していただきたいものだというふうに考えておるところでございます。
○梶原敬義君 ぜひ、これはそういう意味からしても幅広く頑張っていただきたい。最初が大事ですから、気合いを入れてやっていただきたいと思います。 それから、指定機関の人的構成はどのように考えておられるのか。また、職員の身分保障等を十分考えていただきたいと思いますが、優秀な職員の確保を一体どうするのか、こういう問題。私企業からそこに人を移そうとするのかどうなのか、そういう場合にはいろいろとまた問題が出ると思いますが、心配があると思いますが、労働条件の問題とか、そういう問題もひっくるめましてお考えを承っておきたいと思います。
○政府委員(中田哲雄君) 指定機関の職員組織につきましても現在検討中でございますけれども、一般論として申し上げますと、坑廃水処理事業自体はそれぞれの鉱山ごとにいろいろ異なった事情があるわけでございまして、円滑な事業の実施のためにはその地域の状況を熟知した熟練が求められるわけでございます。このため、基本的には、現在各鉱山において坑廃水処理事業に従事している人が新しい組織の指定機関の職員に移る場合が多いんではないだろうかというふうに思っております。ちなみに、現在担当職員が全国四十九鉱山合わせますと二百余名おられるわけでございますけれども、このうちの相当の部分の方が新しい機関の方に移っていただけるのかなというふうに思っております。 また、職員が永続性を持ちまして確実な事業を実施してまいりますためには、委員御指摘の身分保障あるいは優秀な若い職員も採用していくということが重要でございますので、これらの点につきましても十分私ども考えながら指導していきたいというふうに思っておるところでございます。
○梶原敬義君 そこは人にかかわる問題ですから、十分な配慮をぜひ移行過程においてはしていただきたいと思います。 次に、少しホットな金の話に移らせていただきたいんですが、私は今「日経サイエンス」一九九二年一月号を持っておりますが、そこで「菱刈と九州の鉱床」ということで九州大学の井澤英二という教授がまとめた資料と、それから同じく「「黄金の国」ジパング 形成過程にある金鉱床」という資料を持っておりまして、私も読みました。少し金に対しまして知識が出たんですが、驚いたのは、九州の別府から島原に向けての火山地帯の周辺に非常に有望な金鉱脈があるのではないか、こういうことでございます。特に、鹿児島はもちろんでございますが、大分県でも、大分県玖珠郡の九重町の国道二百十号線からすぐもう何メーターも行かないところに引治というところがあるんですが、ここの鉱脈が非常に有望ではないかということで、第一次探査、それから第二次のときに少しして、これから、ことし平成四年度、また本格的な探査をしていただけるように役場の方は期待をしているんです。過疎の町でありまして、その町長さんも、金が出ると非常に活気づくんだがなということで期待をしております。 そういうことで、これは全体といたしまして、余り時間ありませんが、国内の探鉱助成制度、平成四年度の予算は一体どのように全国的に見てなっておるのか、それを最初にお伺いをしたいと思います。
○政府委員(黒田直樹君) 国内の探鉱につきましては、先ほどから御答弁申し上げておりますように、金属鉱業事業団の資源開発調査、これが中心になるわけでございますが、およそ二十億円の予算を計上いたしております。
○梶原敬義君 広域地質構造調査で平成四年度七億四千三百万、それから精密地質構造調査で四年度予算額二億九千万、前年より少しずつ減っておりますが、これはいただいた資料で間違いないですか。
○政府委員(黒田直樹君) ただいまの数字に間違いございません。 なお、私申し上げましたのは、このほかに中小鉱山の探鉱等を促進するための補助金がございまして、それを合わせて二十億円ということでございます。
○梶原敬義君 時間がほとんどなくなりましたが、そういうように全国的に金属鉱業事業団を通じて通産省の方も今頑張っておられますが、こういう時期ですから、ひとつ渡部大臣、力を入れてもう少し積極的に前にゴーというような形で旗を振ってもらいたいな、このように思いますし、論文を読んでみまして、九大の教授もこれから非常に期待が持てるようなこともいろいろと書いておりまして、まだ未知の分野が相当残されているように承っておりますが、大臣のひとつ旗振りの決意みたいなものをお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(渡部恒三君) 国内鉱山の将来について大変温かい御心配をちょうだいして、まずお礼を申し上げます。 我が国の金属鉱山は、残念ながら今や資源供給に占める割合が大変少なくなったとは言いながら、我が国の鉱物資源の安定供給確保上最もすぐれた供給源として、また今後海外における鉱物資源開発を推進していく上での技術の涵養、人材育成の場として極めて重要な地位を占めておるということについては、先生も私も全く同じ考え方であります。 このため通商産業省としては、金属鉱業事業団による国内資源調査、企業探鉱に対する補助金及び低利融資制度、減耗控除制度などの国内探鉱の支援促進策を推進するとともに、国内鉱山の経営安定化のための超低利融資制度である金属鉱業経営安定化融資制度の適切な運用を図り、国内鉱山の存続、発展を図ってまいる所存でございます。 〔理事松尾官平君退席、委員長着席〕
○梶原敬義君 ありがとうございました。 時間がもう少しありますから具体的にちょっとお尋ねをしますが、先ほど言いました大分県の中西部、特に引治を中心とする金鉱脈の問題は何度も地元の新聞に出ておりましたが、平成四年度、再度精密地質構造調査というんですか、何かそういう調査をやられるように承っておるんです。現地の役場の方も何本かボーリングしてくれるんじゃないかという。もし具体的に今計画があれば、平成四年度の、なければひとつ早急に対応していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(黒田直樹君) 先生今御指摘のように、大分県につきましては、金鉱床探査の重点地域の一つとして、平成元年度から九州中部地域の探査の一環といたしまして物理探査あるいは地質探査あるいはボーリング等を実施いたしておるところでございます。 御指摘のように、平成二年度のボーリング調査におきまして、引治地区におきまして、鉱脈の幅は約三十五センチと狭いわけでございますが、最高で金がトン当たり百七十一グラム、それから銀がトン当たり八百十一グラムと極めて高品位の鉱脈の捕捉があったわけでございます。引き続きまして、平成三年度にもその直下の追跡ボーリングを行ったわけでございますが、こちらの方は余りまた優勢な鉱兆が出ていないということでございまして、引き続き平成四年度におきましても重点地域の一つといたしましてこの金鉱床の発見に努力をしていきたい、こういうふうに考えているところでございます。ただ、具体的にどこをボーリングするかというようなことにつきましては、現在まだ検討中の段階でございます。
○梶原敬義君 よろしくお願いします。終わります。
○三木忠雄君 この法案についてはいろいろ議論されてきましたので、なるべく重複を避けて何点か伺いたいと思います。 金属鉱業事業団というのはいろいろありますね。今回の法律の中で基金の拠出、それから財団法人の資源センターをつくる、こういう問題がこの法律の一部改正の焦点だと思います。金属鉱業事業団が鉱害防止事業を今までやってきた、これにさらに財団法人、私は趣旨は賛成なんです。しかし、屋上屋を重ねるような組織、システムにならないだろうかという点が、趣旨はいろいろ違うでしょうけれども、行政改革の立場からしてスクラップ、アンド・ビルドという立場で私たち国会でずっといろいろ議論をしてきました。そういう点から考えると、規模のしっかりした金属鉱業事業団でこれもやった方がいいんじゃないかというふうな感じも私はしないわけではないんですけれども、この点はどういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(鈴木英夫君) 金属鉱業事業団は、委員御高承のとおり、国のいろいろ資源政策の実施的機関として位置づけられておるわけでございますけれども、基本的には、特に坑廃水処理等につきましては技術開発の分野、それから坑廃水対策に資します融資制度、こういう技術あるいは金融面での支援機関ということでやってまいっておるわけでございます。 特に、今回の坑廃水処理につきましては、実際には現場でこの坑廃水処理をいろいろやっていかなければいけないというようなこともございまして、それをやる人々、従業員の方々はそれなりにやはり技術的な知識、実践的な技術的知識が必要でありますし、かつ、この鉱業権者が主体的に今後坑廃水処理対策をやっていきます上で、やはりPPPの原則に基づきまして鉱業権者が出捐をします機関で、かつ鉱業権者のもとにおります従業員、専門的知識を有します専門員を糾合して、この坑廃水処理を実践的に対応した方が効率的であろうと、こういう判断もいたしまして、特に今回は指定機関ということで分けたわけでございます。むしろ、金属鉱業事業団はそれに対しますいろんな支援の面で力を尽くしていくということになるのが理想的ではないかと考えている次第でございます。
○三木忠雄君 趣旨はいいんですよ。いいという前提のもとに私は、財団法人がいろいろありますね。だけれども、実際に本当に調査だとか研究程度の財団法人になるのが非常に多いわけですよ。そうすると、この資源センターというのは相当に力が要る。例えば、先ほどの議論からいきますと、二百余名の技術者を糾合すると、こういう形になってきますと、相当な規模になってくるんじゃないかと思うんですよ、この財団法人というのは。相当な出資金も必要であろうと、あるいは実際の処理は十五億円でしょうけれども、管理費だとかいろんな問題から考えていきますと、やはり出資金というのは相当な出資金がなければこれは維持できないんじゃないだろうかというような感じをするんです。 先ほど来の質疑を聞いておりまして、出資規模はどの程度になっていくのか、民間でやるとおっしゃいますけれども、やはりある程度の目鼻がついているんじゃないか、これざっくばらんに。やっぱり私たちそういう点が見えないと安心した財団法人になっていくのかと、資源センターになっていくのかという点の危惧を、先ほどの質問を聞いておってそう思うんですけれども、その点についてはいかがですか。
○政府委員(中田哲雄君) 財団法人につきましては、業務、組織あるいは基金の規模等につきまして検討中でございますが、今いろいろな試案で検討をしておりますけれども、基金につきましては、管理費等から逆算いたしまして数億ないし十億程度を前提にいろいろ議論をしておるという状況でございます。
○三木忠雄君 財団法人設立の趣旨からいって、出資金は当然出さなきゃならない問題でしょうけれども、先ほどの答弁の中でも、やはり業務を拡大していきたいという意向もあるんでしょう。私は、やる以上しっかりしたものをつくった方がいいと思うんですよ、中途半端なものじゃなしに、後でいろいろ提言したいと思っていますけれども。やっぱり海外の廃水の問題とかいろんな問題が出てくるだろうし、あるいは鉱業技術の開発の問題等も含めて、いろいろ財団法人でこの金属鉱業事業団ができないものを分離するか何か強固なものにしていくとかいう方向を定めた方がいいような、いろいろ勉強しておりまして感ずるのです。これは、私のこれからの議論の中で何点か申し上げたいと思っております。 やはり出資金が十億ぐらいで二百余名の財団法人の従業員を抱えるとか、そういう形になってくると、今までの民間で働いておった技術者と財団法人に移る人たちの待遇とか身分保障とか、そういう問題についてもう少し具体的な説明を願いたいと思うんです。
○政府委員(中田哲雄君) 職員数につきましても、先ほど申し上げました二百余名と申しますのは、現在四十九鉱山で坑廃水処理に当たっている方々のおおよその数でございます。この方々がそれぞれの鉱山についての坑廃水処理につきまして熟知しているわけでございますので、相当部分が新組織に移ってくるだろうということを申し上げたわけでございます。 委員御指摘の待遇あるいは身分保障につきましては、事業の永続性を確保するためにも、また職員の活性化のためにも大変に重要なことでございますので、これから財団設立とともに検討していくべきものではございますけれども、私どもといたしましても、十分な措置がとられるように配慮してもらいたいということで指導をしていきたいというふうに思っております。
○三木忠雄君 これは、資源労連等の資料を見ますと、やっぱり今各社で働いている技術者というのは高齢者が非常に多いわけですね。この人たちが財団法人等に入ってきますと、やはり新しい人たちの採用をしていかなければならない、こういうサイクルになってくると思うんです。高齢者はなるべく卒業するか、そして新しい若手が入ってくると、ここらの人材確保の問題というのが私は坑廃水処理をやるといっても非常に難しい問題だろうと思うんですけれども、こういう人材確保の問題についてはどういうふうな観点に立っていますか。
○政府委員(中田哲雄君) 委員御指摘のとおり、人材確保は今後の事業がうまくいくかどうかのかぎでございます。現時点でどこでどの程度の人材を採用するのかという見通しは立っていないわけでございますけれども、現在それぞれの山で働いていらっしゃいます主として高齢の方が多いわけでございますが、こういう方の技術が十分に伝承される、若い方が意欲を持って働ける、こういう状況をつくることが大事でございますので、そのようなことで財団の方にもお願いをしていきたいというふうに思っております。
○三木忠雄君 そういう若い人たちが入るという立場を考えても、私は、しつこいようですけれども、金属鉱業事業団みたいなしっかりした、財団法人もしっかりするんでしょうけれども、やっぱりそういう機構の方が、かえって部の一部門にした方がよかったんじゃないかなというふうな感じがしないわけじゃないんです。これは私の意見として申し上げておきたいと思います。 それで、先ほど来いろいろ議論が交わされておりますが、三百億の拠出の問題ですけれども、これは大企業と中小企業、四十九機関とおっしゃっていますが、この立て分けはどういうふうなぐあいになってまいりますか、鉱山の。
○政府委員(中田哲雄君) 四十九鉱山のそれぞれの坑廃水処理の実績に応じまして拠出をお願いするということになろうかと思っております。この実績をどのように見るかという点につきましては、それぞれの鉱山から事業計画の届け出がございますので、これを精査した上で決めさせていただこうというふうに考えております。
○三木忠雄君 そうじゃなしに、四十九鉱山を持っている企業、一応一部上場とか二部上場ありますね。あるいは中小企業との関係は、どういうぐあいに見ていますか。
○政府委員(中田哲雄君) 企業規模と申しますよりも、四十九鉱山は三十企業でございますが、それぞれの企業の坑廃水処理の実績に応じた拠出、実績割と申しましょうか、そういう考え方でおるわけでございます。
○三木忠雄君 いや、そうじゃないんだ。まあ三十でもいいですよ。三十の中で、一部上場とか大企業の方と、中小でやっぱり鉱山には零細もあるわけでし−よう。そこらの数はどういう割合になっているかということです。
○政府委員(中田哲雄君) 大企業が十社でございます。十社二十鉱山でございます。それ以外が二十社二十九鉱山、こういうことになっております。
○三木忠雄君 そうしますと、十社の方はある程度企業としていろいろな点でやれる。経済事情がいろいろ変動しても、六年間安定的に拠出をするわけでしょう。この間に経済事情がいろいろ変わってくる。これは大分今円高で市況が非常に下がっているわけですね、需要等の問題があって。この問題が、どういうふうな経済状態が六年間続くかわからない。こうなったときに、やはり中小企業あるいは零細企業の休鉱山を持っている人たちが、その六年間経済情勢が今のままで続けばいいと思う、今皆さん方が予想しているとおりいけばいいですけれども、経済事情が非常に悪くなった場合に拠出ができない、税制上だって、やはり損金算入といっても利益が出なきゃ出せないわけです。そういう点の問題になったときの対応はどう考えているんですか。
○政府委員(中田哲雄君) 現時点で、私ども三十社からヒアリングをした状況では、各社ともそれぞれ拠出が可能であるというふうに承っているわけでございますけれども、今後大変に大きな経済変動というものが起こりました場合には、その時点でどこがどのように影響を受けるのか見定めた上で、例えば金融措置について検討をするというようなことになろうかと思っております。
○三木忠雄君 これは意見だけですけれども、中小零細企業の方は大変だろうと思う、鉱害処理の問題だとか採掘に費用をかけているとか。経済事情が変わったときに、やはりこれに対応できるような体制だけは要望として私は申し上げておきたい。しっかり金融の面だとかあるいはいろんな面の援助をしてあげないと、せっかく一生懸命やろうとしても、拠出を恐らぐ業界では納得していると思うんですよ。だから、こういう財団法人資源環境センターをつくるんでしょうけれども、やはり経済情勢の変動があったときに、それに縛られておつき合いしなきゃいけない、出さなきゃならないとなったときに経営基盤がおかしくなってしまうんじゃないかと、こういう点を私は危倶いたすわけでございますので、その点はよく対応をしていただきたい。 それから、一応三百億、坑廃水処理費として約十五億、これで行うわけでありますけれども、やはりこの坑廃水処理の費用の低減化を図っていく。今、例えば全体で十五億、十四億何ぼですかかかっているわけでありますけれども、やはり技術開発等によって坑廃水処理の費用が低減できるんじゃないか。これは想像されないのかどうか、この点はどうですか。
○政府委員(中田哲雄君) 技術開発の状況いかんによりましては、相当程度の低減も可能ではないかというふうに思っております。ただ、私ども、技術の動向も見ておりますけれども、拠出期間と考えております六年間程度、五、六年程度のタームで考えますと、現在の中和処理を中心といたしました技術から大幅に変わることはなかなか難しいんではないだううかと。したがいまして、現実に行われている技術、現実に行われている事業を前提に拠出の額をやはり考えざるを得ない、かように考えているわけでございます。
○三木忠雄君 私は技術の専門家じゃないから技術の論議をしようと思いませんけれども、何か海外でバクテリアの方法をいろいろ導入したとか、坑廃水の処理に対する費用の低減を図るために、アメリカとかあるいはフランスとかカナダとか、いろいろ資料ももらっていますけれども、いろんな努力をしているわけですね。こういう努力に比べると、こういう技術を導入するということについて大分抵抗があるというふうな話を聞いているわけですけれども、その点はやっぱり地形的に違うんですか、それともアメリカやフランスあるいはカナダのようなそういういい技術があれば、やはり導入した方が私はいいような感じを素人なりに感じているんですが、この点についていかがですか。
○政府委員(中田哲雄君) 坑廃水処理技術につきましては、坑廃水の水質でございますとか、あるいは自然条件、地質、環境の違いなどもございますので、外国の技術が直ちに適用できるかどうかという点については検討が必要であるわけでございます。また、他方で微量金属を含む坑廃水の処理あるいは酸性水の処理につきましては、日本の技術もこれまた世界の第一級の水準にあるというふうに私ども自負をしているわけでございます。ただ、このような状況がございますけれども、海外のいい技術を取り入れるということは日本の鉱山、鉱業のために非常に大事なことでございますから、私ども、できるだけアンテナを高くしてそういう技術を吸収しながら、可能なものについて国内の鉱山に普及をしていきたいというふうに考えます。
○三木忠雄君 もう一つ、老婆心ながら、運用益で処理し切れないといういろんな状態が起こってくるとした場合に、例えば今は十四、五億で処理ができていますけれども、これが運用益で坑廃水処理ができないというような場合には、どういう財政措置か何か考えていくおつもりなんですか、その点について。
○政府委員(中田哲雄君) 幾つかの考え方があるわけでございますけれども、一つは例えば堆積場のように大型の工事を必要とするもの、こういうものにつきましては、拠出が完了して実際にこの果実をもって対策を行う以前にこういうものをつくっておく、今のうちに、各企業が体力のあるうちにこういうものを用意していただくというのが第一でございます。 それから第二に、委員御指摘のように、技術開発等によりましてコストの低減を図っていく、これまでも人件費、原材料費等のコストアップを事業の合理化なり技術開発で吸収してきたという歴史があるわけでございますので、将来のコストアップに備えて極力技術開発等を進めて余力を持たせるということが大事だろうかと思います。 それから第三に、こういうようなことをいたしましても、さらにこれだけでは対応できないような大きな問題が起こる、あるいは大きな工事が必要となるという状況になりましたときには、それぞれの状況を見ながら、自治体等とも御相談をしながら対応策を検討していくと、かようなことになろうかと思います。
○三木忠雄君 人材の確保の問題、あるいはその運用益でいろいろ坑廃水処理の技術開発をするにしましても、この資源センターが成功してもらわなきゃならない。鉱業事業団でいろいろ坑廃水の今までやってきた技術もあるわけです、助成をしいろいろ育ててきた、あるいはまた、今入ろうとしている二百何名のこの坑廃水処理に対する技術者、こういう人たちを含めて。 それから昨日ですか、余り確かな話は聞いていないんですけれども、通産大臣が開発と環境という問題でいろいろ講演をされたという話を一部の新聞で見ました。私は非常に大事な問題だと思うんです。やはり開発と環境という問題をどうするかということで、海外の鉱山等の問題について、アマゾン川の水銀の問題が話題になったり、いろんな地域で開発に伴う鉱害というような問題が、日本が開発協力するという問題についても、この坑廃水の海外における技術協力とか援助とか、そういう形をやっていかなきゃならない問題が早晩来るんじゃないかという私は考えなわけです。 こういう問題等も含めて、やはりせっかくつくる資源センターですから、こういう海外に向ける坑廃水処理の技術協力だとか開発だとか、あるいはまたこれからやろうとしている坑廃水の処理であるとか、あるいは今までの公害防止事業団、鉱害事業団、金属鉱業事業団でやっているそういう部門も統合した方がむしろやるんであればいいんじゃないか、こういうような感じもするわけです。むしろ金属鉱業事業団というのは、新しい方向、採掘するとか調査するとか、そういう方向に力が入って、比較的鉱害というのは一部門で今まであったわけですけれども、せっかくこういう坑廃水の処理機関をつくるわけですから、そういうものを統合して、さらにそういう問題に対するしっかりしたセンターをつくっておくべきではないかと、こういうふうに考えるんですが、これは大臣に方向性だけ聞いておけばいいと思います。
○政府委員(中田哲雄君) 委員御指摘のとおり、技術の問題というのは、これからの鉱山の問題として非常に重要だというように私どもも認識しております。指定機関の業務につきましては、まだ検討中でございますけれども、ぜひこのような技術面についても取り組みができるような体制になっていただくとありがたいなと、特に海外の鉱山との技術協力の問題等についても、ここが一つの日本の核になりまして協力ができるような体制ができればいいなというふうに思っております。 それから、研究開発の問題につきましては、これはいろいろな段階があるわけでございまして、基礎研究もありますれば、実際の鉱山に応用する応用的なものもあるわけでございます。基礎研究の部分につきましては、どうしても民間企業だけでは難しい点もあるわけでございまして、金属鉱業事業団にもこれからもやっていただかなければならない面が多々あるわけでございますし、また工業技術院傘下の研究所でも研究をしていかなければならない問題もあるわけでございます。 今度の指定機関につきましては、これらの国の研究所あるいは金属鉱業事業団、またそれぞれ出資、出捐元であります鉱山各社とも十分に連携をとりまして、技術の情報交流の一つのコアになっていただくとありがたいと、かように考えているわけでございまして、これから財団をつくります過程で私たちもそのような意見を申し上げていきたいというふうに思っております。
○国務大臣(渡部恒三君) 今、三木先生からのお尋ねに政府委員から事務的な答弁をいたしましたけれども、私は過去の経験の中からやはり経済と環境を両立させていくこと、相反するかに思われるこの二つの命題に取り組んで、これを両立させていくことが政治であり、新しい時代を豊かに繁栄させていく我々の責任でなければならない。それは技術である。過去二十年、我が国は技術によってこれを克服してきた経験があります。今後の我々の当面する問題、これもまさにこの環境と経済、あるいは成長と申し上げていいかもしれませんが、これを両立させて人間の豊かな幸せをさらに進めていくことだと、それは技術だと、そういう考え方から今回の指定機関についてもこれを育ててまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○三木忠雄君 それじゃ、もう余り時間がないから、レアメタルの問題で一、二、伺っておきたいと思うんです。 海外の市況状況ですか、あるいは円高等、あるいは国内の需要の問題等でレアメタルが非常に下がっているわけですね。こういう問題と、レアメタルの備蓄の問題等について基本的にどういうふうに考えているか、その点についてまず伺っておきたいと思います。
○政府委員(黒田直樹君) レアメタルは、鉄鋼業とか電子工業を初めといたしまして産業活動にとって必須の重要な資源でございますけれども、一方で供給構造を見てみますと、我が国の場合にはほとんど全量輸入に依存している。しかも、その輸入をいたしている国がかなりの鉱種において生産が偏在している。したがって、輸入先がかなり偏在している。あるいはその生産開発面が、一部の国際資本によって生産開発が行われているといったような、ある意味で非常に供給構造の脆弱性があるというふうに私ども認識いたしております。 そういうことから、我が国といたしましては、昭和五十八年度から経済安全保障の観点を踏まえまして官民の協力によってレアメタルの備蓄を実施してきている、これが現状でございます。現在、鉱業審議会の答申を受けまして、コバルトとかクロム、ニッケル等七つの鉱種につきまして、平成七年度末までに官民合わせて国内消費の六十日分を目標に備蓄を推進してきているところでございます。現在時点は、平成三年度末におきまして国家備蓄が三十一・八日分、それから民間備蓄が十三・六日分ということで、合計四十五・四日分の備蓄を達成しているというのが現状でございます。 私ども、ただいま申し上げました平成七年度末に六十日分を達成するという目標に沿いまして、今後とも着実に備蓄の推進をしていきたいと、このように考えているところでございます。
○三木忠雄君 将来の問題として、超電導等が実用化されてきますと、相当なレアメタルの必要ということが考えられるわけです。そういう新しい産業の展開によって需要が相当喚起されるというような問題が予想されるんですが、そこはどうですか。
○政府委員(黒田直樹君) おっしゃるように、いろいろな発展も予想されることでございますし、また需給動向あるいは供給構造というものもそのときどきまたいろいろな状況によって変わってくるものと思っております。したがって、私ども、現在のところ平成七年度末、先ほど申し上げましたような備蓄の推進を行っているわけでございますけれども、つとに鉱業審議会におきましても、その鉱種であるとか、あるいは量であるとかいったものはその状況の変化に応じて見直していくべきことも指摘されているわけでございまして、状況の変化に対応できるように今後とも目配りをしながら備蓄の実施を推進していきたい、このように考えております。
○三木忠雄君 これは、備蓄の費用は大体どのくらいかけているんですか。本年度三・三日分増加するわけですね。それを国とそれから金属鉱業事業団でやっているわけですけれども、それと民間の備蓄に対する財政援助、この問題について具体的な数字があれば教えてください。
○政府委員(黒田直樹君) 備蓄の予算につきましては、一般会計で金属鉱業事業団が備蓄のために必要な資金を借り入れるものの全額利子補給をいたしております。その予算額が、平成四年度におきましては十八億七千七百万円でございます。なお、備蓄のための借入金でございますけれども、従来は金属鉱業事業団が市中金融機関から調達いたしておりましたけれども、平成四年度から財政投融資資金を充当するということで、金利負担の軽減に努力いたしているところであります。
○三木忠雄君 ことしから財政投融資に変えだというのは、長期にわたって備蓄をしなきゃならないということで低利の融資を受けた、あるいは受けたいという考えのもとに財投に変えたんですか。
○政府委員(黒田直樹君) 通常の場合、市中の金融機関からの金利の方が財政投融資資金よりも高いわけでございまして、したがってある規模の備蓄をいたそうといたしますと、市中から借りた場合には財政投融資の場合よりも、一定の量を行うものに対する利子補給額を一定といたしますと、どうしても少ない量の備蓄を実現することしかできないということになるわけでございます。したがって、金利負担をできるだけ軽くし、逆に言うと、先ほど申し上げました十八億円の予算でできるだけ多く備蓄を実施できるように、こういうことでこういう財政投融資資金の導入を財政当局と御相談して決めましたものでございます。
○三木忠雄君 これは相場のことだから資源エネルギー庁に聞いてもわからないけれども、どうなんですか、今これ大体底と見ているんですか。備蓄をずっとやってきて、平均的な予想された金額よりももっと低いと見ているんですか。大体想定された相場で備蓄をしてきた、こういうような考え方ですか。もし安ければ、七年にやるやつを前倒しで、財政投融資等を来年なら来年の予算で早くして、備蓄をしっかりやっておいた方がいいんじゃないか。平和ですから、社会主義国もこんなに混乱しなければそう大きな問題にならないという想定もあるかもしれませんけれども、そこらの備蓄体制の問題で、長期低利のやはりあれを組んで、経済を安定させるという安全保障の立場から考えても、レアメタルに対する対応というのはしっかり考えた方がいいんじゃないかという考え方を私は持っているんですが、その点についてはいかがですか。
○政府委員(黒田直樹君) 確かに、市況というのが必ずしも予算の年度と連動して動いているわけではございませんので、結果論として見ますと、後であのときの方が得だったというようなこともあるかもしれませんけれども、ただ、現在いろいろな他の施策も含めまして、予算をそう年度年度によって変えるわけにもまいりませんし、安定的にやはりそういった備蓄の実施も行っていく必要があると考えております。 ただ、先生おっしゃいましたように、もちろんこの年度におきまして、かつ、先ほど申し上げましたようにいろいろな鉱種の備蓄を実施しているわけでございまして、できるだけ効率的な使用が図られるよう運用面では最大限の努力をいたしているところでございます。
○三木忠雄君 最後に、通産大臣、貿易黒字が随分あるわけだから、こういうときに輸入を強化していくという意味においても、こういう問題はいろいろ差はあると思いますから、当たり外れというか、あるいは相場の問題ですからいろいろな点はあろうと思いますけれども、こういうときにまとめて備蓄の問題はやはり早く推進しておいた方がいいのじゃないか、こういうふうな考え方を私は持っているんですが、通産大臣のお考えを伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(渡部恒三君) 大変貴重な御意見でございます。私もそのように考えておりますので、今後も対処してまいりたいと思います。
○委員長(岩本政光君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時二十分まで休憩いたします。 午後零時二十六分休憩 —————・————— 午後二時二十分開会
○委員長(岩本政光君) ただいまから商工委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、金属鉱業等鉱害対策特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○近藤忠孝君 金属鉱業の鉱害対策の重要性は、これは広大な地域に莫大な農業被害、漁業被害を与えたこと、さらには、特に神通川ではイタイイタイ病まで発生してしまったということ、これをほっておきますと、人類の生存の基盤を揺るがす問題だということにあると思います。しかし、対策は大変おくれておったと思います。 これは、一九一〇年ごろからイタイイタイ病が発生しておったんですが、なかなか対策がされないまま裁判に立ち上がったのは一九六八年、七二年に裁判は決着をいたしました。その結果、イタイイタイ病に関する誓約書、さらに土壌汚染に関する誓約書、公害防止協定、この三つの協定が作成されました。それ以来、このカドミウム被害地域では二十年間にわたって毎年この協定に基づいて立入調査を行っています。 私自身は、イタイイタイ病裁判の弁護団におりまして、その後も二十年間、毎年じゃありませんけれども、ほとんど立入調査に参加してまいりました。この経験というのは、被害者の目で物を見るということ、それから専門家、科学者の知識を活用すること、それから企業の努力、この三つがそろいますと公害対策は十分できるし、また公害根絶は可能であるというのが私自身の確信であります。 実際、例えば二十年前の立入調査が始まったときには、廃水中のカドミウム濃度は九PPb、最近は一・四、だから九が一・四に下がっているということであります。自然河川のカドミウム量が〇・一PPbですから、今被害地域では、企業の努力も含めて自然界と同様にしよう、こういう努力がされております。最初のころは、大変我々と企業の側とは嫌悪な状況にありまして、しょっちゅう大げんか、大論争しました。しかし、そのうち我々が連れていった科学者の知恵を被害者の目で活用し、適用しますと、恐らく神岡鉱山は鉱害対策では日本一、ということは恐らく世界一の技術とノウハウを持ったと思うんですね。大変これはすばらしいことだと思うんです。 こういう被害地域の取り組みについて、大臣はどういう御認識をお持ちでしょうか、まずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(渡部恒三君) 戦後、日本の経済が発展をしてまいりました。その中で、最大の問題は公害問題、環境問題、人の命は地球より重いということでありますから、これは極めて重大な問題です。 しかし、それなら産業はつぶれてもいいのかということになれば、産業によってそこで働く人たちが職を得、また社会的な大きな役割を果たしておるわけでありますから、私は、今日我々に与えられている課題はこの環境と経済というものをいかに調和させ、両立させるかであろうと思います。それは技術であって、今先生から神岡鉱山について技術開発の努力についての評価がありましたけれども、これからもなお一層、今日地球に優しい産業というようなことが言われておりますが、人の命を尊重するという基本的な立場に立って、しかも産業を両立させるような技術開発の努力がさらに一層必要とされていくものと思います。
○近藤忠孝君 産業と環境との調和ということで、環境とその調和が強調されたために公害対策がむしろ無視されて公害が出てしまった、こういう歴史があるんです。ですから、まず環境を破壊しない産業ということがやっぱり大事だと思いますね。それなりに費用はかかります。今までの休廃止鉱山に対する費用もかかるし、またこの法案によってもそれはかかるんですが、私が指摘したい点は、発生した公害の結果あるいは復元の費用に比べて公害予防の費用はそれほど高くないんだということなんです。 まず指摘しますと、今まで三井金属が被害地域に払ったのは、賠償金がこれは三十三億円です。これは二十年前の一人一千万円で計算していますから低いので、実際もっと大変な甚大被害だったと思いますね。それから、介護手当が十三億、医療費が二十一億。復元費用が、三井が負担した分が百二十億、全体は三百二十八億円で、これは大変莫大な損害だと思うんですね。金に計算できない被害が大変あると思うんです。 それに対して、今まで三井にかかった費用は、委託研究費、学者に委託した費用が九千六百七十三万円です。それから立入調査費、これは専門家——私も行く場合には法律専門家でちゃんと向こうで費用を負担してくれるんですが、専門家の手当が五千三百九十一万円、二十年間です。だから、年間二、三百万の費用でこれは対策が立てられるわけですね。それで、実際それに基づいて投資した額は、これは廃水処理が六十億、排煙処理が二十四億、休廃鉱は五億円です。ですから、発生してしまった被害に比べて、このうち廃水処理、排煙処理は操業中のものですからそれほどの費用ではないので、私はやっぱり万全の体制をとるべきだというぐあいに思います。これは意見にとどめます。 そこで一つの質問は、もらった資料によりますと、鉱害防止などの工事費の補助金、これが大体毎年三十億ぐらいです。これは補助金ですから、そうすると、実際の総額というのはどれほど年間全国でかかっているんでしょうか。
○政府委員(中田哲雄君) 現在の休廃止鉱山におきます鉱害防止事業の年間の事業費総額は、義務者不存在鉱山で約三十三億円、義務者存在鉱山で約三十億円でございます。合計いたしますと、六十三億円程度ということでございます。
○近藤忠孝君 次に、今回の特色である鉱害防止事業基金についてお聞きします。 この基金に対する拠出め義務づけが各企業に義務づけられる最初の時期はいつか。そして、今度は指定機関による事業、これが始まる時期はいつからですか。まず、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(中田哲雄君) 法律に基づきます手続といたしましては、基金への拠出に先立ちまして、まず特定施設の指定というものが行われます。次に、鉱害防止事業計画の届け出、そしてこの届け出を精査いたしました上で鉱山保安監督局部長が算定した額を通知して拠出額が固まるわけでございます。その後、各企業が拠出するわけでございます。 具体的にこの時期がどうかということでございますけれども、仮に年末までに法律が施行されるということになりますと、平成五年度から拠出が開始されるわけでございます。拠出が六年以内ということで分割拠出を認めておりますので、この期間をフルに使いますと、それから六年後に拠出が完了して事業が開始される、かようなことになると思います。
○近藤忠孝君 そうしますと、休廃止しましても、その後の当面の対策費用は鉱業権者が支出をする。それで、ずっとやってきて一定期間やって、しかしまだ安定しない、要するに流出しておると、そういうときに初めて指定になるわけですね。指定になった後六年間かけて積み立てて、その間はこれはやはり鉱業権者の負担だと思うんですが、そして積み終わった後初めて指定機関が事業を開始すると、こう聞いていいですか。
○政府委員(中田哲雄君) 委員御指摘のとおりでございまして、指定機関が事業を開始いたしますのは基金への拠出が終了後でございます。その間は採掘権者等が鉱害防止事業を行っていくということになります。
○近藤忠孝君 通産の方から、坑廃水処理が必要な休廃止鉱山の位置図というので先ほど話があった四十九鉱山の地図をもらっております。先ほどの答弁では何かこれは全部対象になるかのような答弁でしたが、全部対象に直ちになるんですか。
○政府委員(中田哲雄君) 四十九鉱山は、あくまで新制度の対象となり得る鉱山でございます。つまり、四十九鉱山の中に事前の工事をいろいろやるところが仮にありますと、この工事期間が終わった後に届け出その他が行われるわけでございますので、そういう意味では全部四十九鉱山が一斉にということではないわけでございます。
○近藤忠孝君 そのような工事をして、結果的にまだ要するに流出が安定しないという場合に初めて指定になると、そういうぐあいに聞いてよろしいですね。
○政府委員(中田哲雄君) 発生源対策が実施中の鉱山については、先ほど申し上げましたように対象にならないわけでございます。これらの工事が終わりまして排出量その他が安定すると、その時点で初めて対象になるということでございます。
○近藤忠孝君 この法律の適用というのは、個々の休廃止鉱山個別に検討されるというぐあいに聞いております。となりますと、休廃止鉱山というのは、ここに指摘された四十九鉱山以外にも、まだ操業中の鉱山が持っている休廃止鉱山、例えば神岡にも相当数の休廃止鉱山がありますね。しかし、このようなものは、個々の特定施設ごとに検討するとなれば、休廃止鉱山なので、こういったものは今回この法案では対象になるんですか、ならないんですか。
○政府委員(中田哲雄君) 一部使用を終了しております区域がある場合があるわけでございますけれども、その鉱山全体が操業しているという状態にある場合には、一部の区域が操業しておりませんでも休廃止鉱山とみなすのは無理があるわけでございまして、この場合には新制度の対象にはしないというふうに考えております。
○近藤忠孝君 そうしますと、神岡鉱山の場合に、国内では比較的鉱床がいいようですが、技術も優秀なようですが、将来ずっと先はわからぬけれども、当面というか相当の長期にわたって神岡鉱山に今ある休廃止鉱山、それは今回の法案の指定対象にはならない、こう理解してよろしいでしょうか。
○政府委員(中田哲雄君) 御指摘のとおりでございます。
○近藤忠孝君 今地元で一番心配しておりますのは、先ほど申し上げたとおり、二十年前に九PPbだったものが一・四まで下げた。今後、さらにこれを下げて、○・一PPbまで目指そうと、企業もその姿勢を示しています。となりますと、先ほどの話だと、まず水質汚濁防止法による基準があって、それと鉱山保安法が上乗せをして、しかし、さらにこの地域では住民との協定あるいは住民の申し出を受け入れて、さらに高い基準が設定されていますね。問題は、しばらくの間はかなり長期にわたって神岡は指定にならないけれども、しかし未来永劫ならないわけはないんですね。将来、やっぱり鉱脈がなくなり採算が全く合わないとなると、全山が休廃止鉱山になる可能性があるんです。その場合、せっかく住民がイタイイタイ病発生、しかも裁判、しかも企業の努力、専門家の知恵、こういった経過を経て相当高い水準まで到達したこの水準が将来どうなるのか。私は、経過から見れば絶対この水準は下げちゃいかぬと思うんですよ。そういう保証はあるんですか。
○政府委員(中田哲雄君) 法令上の基準を超える、あるいは監督局部長の指示を超えるような水準のものを国が強制することはなかなか難しいわけでございますけれども、鉱害防止対策が後退するということは非常にぐあいが悪いわけでございます。採掘権者と地元との取り決めがある場合には、私ども、この取り決めの内容が鉱害防止事業計画に反映されることになるだろうというふうに見ておりまして、これに基づいて拠出なり事業なりが行われるべきものというふうに考えております。
○近藤忠孝君 そうすると、これは実際上通産省の指導だと思うんですけれども、事業計画が出た場合に、今までの到達点を十分反映した計画であるようにすると、そうでない場合にはそういうぐあいに指導する、そういったことはお約束いただけますか。
○政府委員(中田哲雄君) 鉱害防止事業計画の内容等を十分調査させていただきまして、また実態も見させていただきまして、必要な指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○近藤忠孝君 ちょっと不明確で、これ事前のレクではその事業計画の中でそれが十分反映するように指導しますという明快な回答があったんですが、今のだとその点がちょっとぼけて不安なんですよ。せっかくここまで到達したこのものが、しかもこれは自然界と同じでない、私に言わせれば鉱山保安法の基準であっても自然界は相当高いわけですから、これがそのままずっと流れ続けると再汚染のおそれさえあるんですよ。再汚染を防止しなければ、土壌復元で既に三百億円以上かかっているんだから、まだ全部終わっていませんからもっとかかるんですね。せっかく国の費用もかけ、また企業の費用もかけ、住民の努力もあって復元した土壌にまた再び、仮に量が前に比べて少ないとはいえ、イタイイタイ病の原因となったカドミウムが含まれた土壌になったらこれは大変な話でしょう。せっかく住民の意向が反映されて到達した水準は十分事業計画に反映すべきもの、これは当然じゃないですか。
○政府委員(中田哲雄君) その時点におきます鉱山の実態、それから住民の方々との協定のあり方、さらにまた会社側がつくります鉱害防止事業計画の内容、こういったものを十分見ました上で適切な指導をしてまいりたいというふうに思います。
○近藤忠孝君 適切な指導の中に、事業の状況、例えば資力がなくなったらば対策も少なくていいと、まあ三井金属が鉱業権者だからそういったことはないかと思いますけれども、しかし一般論から見ればそういったことにもなりかねないんじゃないでしょうか。
○政府委員(中田哲雄君) 鉱害防止対策が後退することのないように適切な指導をしてまいりたいと考えております。
○近藤忠孝君 そういう答弁を待っておったんですよ。 もう一つお聞きしたいのは、私が先ほど申し上げたとおり、これはもしも三井金属が雇ったら相当な費用がかかるほどの優秀な学者をたくさん連れていって、例えば植栽やなんかについても相当研究が進んで、あの地に適した植栽が既にもう実現しかかっているんですよ。そのほかのすべての対策が私は世界一と言っていいと思うんです。となりますと、これは私は今後の指定機関が全国で行う鉱害対策に十分にこの到達点は反映されるべきものだと思うんですが、どうですか。
○政府委員(中田哲雄君) 私どもも、神岡鉱山につきまして長期にわたり植栽技術の改良等に取り組まれておるということを伺っておるわけでございます。特に、急傾斜地におきます土どめ法でございますとかいろいろな植栽方法等々につきまして、非常に合理的な実効性のある手法を開発されておるというふうに伺っておるわけでございます。これらが、自然条件その他各鉱山それぞれ違うわけでございますけれども、応用できるものにつきましては今後全国的にも普及させていきたいと、かように考えております。
○近藤忠孝君 指定機関がこれから事業を始めていく場合、各地でやっぱり関係住民はたくさんおると思うんですね。その関係住民がそれぞれの意見をこの指定機関に持っていくという場合に、これはちゃんと受けとめてもらえるんでしょうか。
○政府委員(中田哲雄君) 指定機関が現地で事業を推進するために、住民の方々との意思疎通というものは事業の円滑な実施のために必要であろう、不可欠であろうというふうに思っております。
○近藤忠孝君 もちろん不可欠であるので、申し入れした場合にちゃんと交渉に応じ、かつそういう機関は期間と機会、これは十分設けてもらえると、そういうぐあいに理解してよろしいですか。というのは、指定機関の方が、私はこの法律に基づいてやっているので住民は関係ないといって全然会わなかったり意見に耳を傾けない場合には、これはしょうがない、住民は東京まで来て鉱山保安局へ談判しなければいかぬです。それじゃやっぱりむただしね。問題は、神岡の今までの二十年間の経験もそうですけれども、実際一緒にその場におって、これはこうだ、これをああせい、いや技術的に無理だ、いやこうすればできると、そういうぐあいにやって初めて一歩一歩前進してきたものなんですね。それを東京へ来て抽象的にあれやこれや言ったって大体わからないんだから、やっぱりまず現場で第一義的に住民の意見がある場合には反映する、こういった姿勢が必要かと思うんですが、どうですか。
○政府委員(中田哲雄君) ただいま申し上げましたとおり、指定機関の事業の実施に当たりましては、事業の円滑な実施を図るために、地元の皆様方との意思疎通を図ることが非常に重要であろうというふうに私ども認識をしているわけでございます。ただ、どのような形で意思疎通を図るのかという点につきましては、それぞれの鉱山の実態等にもよるわけでございますので、ケース・バイ・ケースで判断していくのがよろしいんではないかというふうに考えております。
○近藤忠孝君 次に、法案の十三条第四項にこういう規定があります。事業機関が鉱害防止業務を実施している範囲内で採掘権者の鉱害防止義務を解除しようと。これはちょっと読み方によってはいろんな解釈の仕方が出てくるんで、被害地ではちょっとこれ心配しておるんですが、これは正確にはどのように解釈すべきですか。
○政府委員(中田哲雄君) 第十三条第四項の規定は、指定機関が実施しております鉱害防止業務の範囲内で、これらの施設にかかわります採掘権者等の鉱山保安法上の鉱害防止義務が解除されることを定めておるわけでございます。つまり、指定機関が実施していない鉱山保安法上の鉱害防止義務でございますとかあるいは危害防止義務、場合によりますと採掘権者等、これらの義務で指定機関が行わなかったものについては、その義務が採掘権者等に残る、こういう規定でございます。
○近藤忠孝君 そうすると、こう理解していいですね。基本的には第一義的に採掘権者に鉱害防止義務がある、これは変わらないと。ただ、この指定機関がやる範囲ではダブりますから、そのダブる範囲においては責任が解かれる、こういう解釈ですね。
○政府委員(中田哲雄君) 委員御指摘のとおりでございます。
○近藤忠孝君 それから、我々ずっと山へ二十年間みんなで手分けして入っていまして、何年ぶりに行って初めて、ああここにもこんな汚染があったとか、それからこちらの谷はきれいだけれどもこちらの谷は汚染されている。それらが合流して下流は汚染されている。じゃこれはやっぱり清濁分離をしよう、それでそういう対策がされているということを二十年の間に新たに発見した場合というのはこれは随分あると思うんです。幸い、この地域はこれだけの被害が発生した地域ですからそれは一生懸命やっていますね。しかし、全国各地でいずれもこういった体制があるとは言えないわけです。となると、私は相当行政による常時監視体制、中に行きますとずり山が、要するに鉱澤、廃津がもう山のように谷間にいまだに捨ててあるのを発見する、そういう場合もあるわけです。何しろ広大な範囲ですからね。人がふだん踏み入らぬ範囲ですから。この辺の常時監視体制はどうなっていますか。
○政府委員(中田哲雄君) 一般的には、鉱山によりまして定期的な水質の測定等々あるいは巡回等が行われておるわけでございますし、さらに鉱山保安監督局部におきましても必要な水質測定等の監視体制をとっているところでございます。
○近藤忠孝君 鉱山保安法による規制はかなり厳しく、かってはずさんだったんだけれども、イタイイタイ病などが発生し社会の批判が高まる中でかなり厳しく行われてきた、現に行われていることはこれは認めます。ただ問題は、これは環境庁に対する質問ですけれども、通産省だけに、鉱山保安行政だけに任せておっていいのかという問題がある。それは何しろ広大な地域ですし、しかも緑の問題、それから先ほどの植栽の問題また下流域に対する水の問題等々極めて広範囲な問題が多いんですね。これに対して環境庁はどのように考え、この問題にどのように対処するおつもりかお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(橋本善太郎君) 御案内のように、我が国でも旧足尾銅山のように極めて甚大な自然破壊が起きたという例がございますことは事実でございまして、このようなことは再び起こってはならないわけでございます。そのような観点から、環境庁といたしましても十分注意深く見守ってまいりたいと考えております。
○近藤忠孝君 もちろん十分にやっていけばいいんだけれども、もうちょっと具体的に。というのは、この部分は鉱山保安局が自信を持っていまして、この辺は我々が任されている、環境庁なんか関係ないというような、まあそこまで持っているのかわからぬけれども、それくらいの気概を持って臨んでおるんです。それはあくまで産業の側ですからね。やはり大きな地域の自然の保全、しかも大体植栽が極めてやりづらい地域ですよ。みんなの研究によってかなりの程度まで進んではおろうけれども、まだ森林の問題にしたって、それから谷川の水の問題にしたって、それはたくさんの問題を含んでおるんですね。それを鉱山保安行政だけに任せておっていいんだろうか。通産の方は、もう自分たちだけで大丈夫だと自信を持ってやってもらって結構なんです、大いにやってほしいんです。ただ、それだけで、環境行政という面から見て、今のような御答弁で果たしてこれが国民的視野に立って大丈夫なんだろうか、もうちょっと積極的に踏み込む部分がないのだろうかと思うんですが、いかがですか。
○説明員(橋本善太郎君) 自然環境の破壊あるいは自然環境の保全という立場からしましても、やはり破壊の規模の問題であるとか程度の問題であるとかいろいろあろうかと思います。その辺を十分勘案しながら私たちも対処していくことになろうと思います。
○近藤忠孝君 終わります。
○古川太三郎君 先ほども同僚議員が聞かれたかと思いますけれども、金属鉱業事業団の上に、上にというのか別に指定鉱害防止事業機関というのを設置される。その意味はわかることはわかるんですけれども、本来ならば事業団のところでこの事業も遂行していいんじゃないかというのが一般的にはそう考えられるんですが、特になぜ別にするか。これは鉱害について、本当にこれからその事業についてはもっともっと発展的に考えていきたいんだというような趣旨がやっぱり含まれているものなんでしょうか。そのことをちょっとお聞きしたいんです。
○政府委員(鈴木英夫君) もとより、この坑廃水処理につきまして、金属鉱業事業団が実際に処理を担当するということも考えられないわけではないんですが、私どもこの法案を御提出するに当たりましていろいろ検討をいたしました結果、まず第一に、やはりこれは現在の法体系のもとでは、この種鉱害はPPPの原則といいますか、原因者が責任を持って対応してもらうということが非常に大事でありますので、そうした点から鉱業権者等が出捐する民間の財団法人が行っていくというのが適切であろうということを第一に判断したわけでございます。 それから、さらに加えまして、この坑廃水処理の仕事は実際の実務でございまして、やはり指定機関がやりますことは、個々の鉱山の施設ごとに坑廃水処理の実務をやっていくと、実際の処理施設の運転でありますとか極めて実務的なことでございますので、そういった点では、やはり民間で技術を培った方々が主体的にやっていただくというのが一番効率的ではないかというふうに考えたわけでございます。特に、金属鉱業事業団は、いろんな面での国内金属鉱業に対します支援を行っておりますけれども、基本的にはそういう支援を行う機関として位置づけ、実際の実務は、やはり民間でやっていただくというのが最も効率的ではないかというのが今回の結論でございます。
○古川太三郎君 金属鉱業事業団の鉱害対策というのもあることはあるのだろうと思うんです。それにまた、指定鉱害防止事業機関を設けるというのならば、これは坑廃水対策だと思うんですけれども、金属鉱業事業団だけの鉱害対策、これは一体どういう役割になってくるのですか。
○政府委員(鈴木英夫君) 金属鉱業事業団がこの坑廃水対策についてやっておりますことは、一つは、民間ではなかなか行いがたい新しい技術の開発、特に応用技術を中心にいたしまして技術開発の仕事をやっております。それから、坑廃水処理を行うに当たりまして、鉱業権者に対します融資、そういった面での金融上の支援をするというような仕事を主体的にやっておるわけでございます。なお、新法におきましては、今度は新たに設けられます基金の管理を行うことになるわけでございます。 —————————————
○委員長(岩本政光君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、近藤忠孝君が委員を辞任され、その補欠として市川正一君が選任されました。 —————————————
○古川太三郎君 私が聞いているのは、金属鉱業事業団のそのものの鉱害対策、この役割というのは一体どういうものかと申し上げているんです。
○政府委員(鈴木英夫君) ただいま申し上げましたように、金属鉱業事業団は金属鉱山が行います鉱害防止活動に対しましてさまざまな支援を行っておるということでございまして、技術開発あるいは金融上の支援という点で側面的な支援を行っておるわけでございます。
○古川太三郎君 先ほどの同僚議員の発言にもありましたけれども、鉱害防止の費用というのと復元費用というのは非常に性質も違うだろうし、後にやるということは大変な負担がかかってくる。そういう意味から、金属鉱業事業団そのものも鉱害対策についてやはり真剣に考えていられるんだろうと思うんです。これは開発とか探査をされる部分もございましょうし、そのところで鉱害対策についてはどういう分担をされているのか、そのことをお聞きしたいのです。
○政府委員(鈴木英夫君) 金属鉱業事業団の中には鉱害部門、鉱害問題を担当する部門がございますけれども、ここで行っております内容でございますが、金属鉱山等に起因いたしますカドミウム、砒素等の重金属による鉱害を防止するために、鉱害防止実施主体であります事業者、つまり鉱業権者等でございますけれども、及び地方公共団体に対しまして、鉱害防止事業が円滑かつ効率的に進むよう各種の支援を行っておるというのが金属鉱業事業団の鉱害部門の役割でございます。 具体的には、第一に、特定施設にかかわります鉱害防止資金あるいは農用地土壌汚染対策事業の事業者負担金に対しまして融資、債務保証を行いますでありますとか、二番目に、鉱害防止積立金の管理業務を行う、三番目に、鉱害防止技術の開発のための調査研究業務を行う、四番目に、地方公共団体が行う休廃止鉱山の鉱害防止事業のための調査指導業務及び指導支援業務を実施しておるわけでございます。
○古川太三郎君 先ほどからの話ですと、百ほどあった鉱山が今二十六ぐらいになっておる、そして国内の銅の自給率というのは〇・四ぐらいになってしまった。不足分はどうしても海外に出て開発輸入というのをやっているんだろう、私はそう思うんですけれども、これは日本の埋蔵量が減少したというよりも経済性の問題だというのが午前中の議論であったように思いますが、それは確かにそのとおりなんですか。
○政府委員(黒田直樹君) 基本的にはそのように考えております。ただ、物理的にもちろん鉱石部分が全く枯渇してしまうということではなくて、経済的な条件との兼ね合いでそういう傾向をたどっている、こういうことだと思っております。
○古川太三郎君 それじゃ、開発輸入なら経済的に合うというのはどういう理由からなんですか。
○政府委員(黒田直樹君) 開発輸入がすべて合うということではもちろんございませんけれども、品位の問題であるとか、あるいは実際の開発するためのコスト、これが比較的有利なものを選定して現在各国で開発が行われている、こういうふうに理解をいたしております。
○古川太三郎君 それはわかるのですが、例えば労働力が賃金が安いとかあるいは鉱害防止に費やす費用が少なくて済むとか、そういうこともあるんですか、どうですか。
○政府委員(黒田直樹君) もちろんそういう面もあろうかと思いますけれども、やはり鉱物の賦存状況あるいは品位等々が基本になるかと思います。 〔委員長退席、理事松尾官平君着席〕
○古川太三郎君 今もう御承知のとおり、二十年前にはたくさん日本もこういうイタイイタイ病とかそういったものが起こりましたが、日本におくれて今これが世界で起こっているというのが現状でございます。それだけに、鉱害対策について日本が本当に無関心であってはならないと思うんです。そういった面で、もし日本でこのような形の坑廃水の処理を確実にしていくというならば、開発輸入している途上国あるいは原産国のところも同じような考え方を持って鉱害の処理をしなきゃならぬ、こう思うんですけれども、いかがですか。
○政府委員(鈴木英夫君) 海外の資源開発を行います本邦注入が環境対策について現地の環境対策について十分な配慮を行うということは当然であるというふうに考えておりまして、かつ本邦企業の過去の経験と蓄積、日本におきます鉱害問題の経験とかあるいはそれの蓄積、あるいは技術水準から見ましても、十分そういった点に対応していけるものというふうに考えておる次第でございます。特に、海外の事業活動のうち環境対策につきまして、当局としては直接の監督権限はございませんけれども、一般的に企業の海外における行動基準につきましては私どもとしても非常に関心のあるところでございまして、必要な要請を行い、海外での環境保全、人の健康への被害予防について万全が期せられるように期待してまいりたいと考えております。 〔理事松尾官平君退席、委員長着席〕
○古川太三郎君 最後に、大臣にお聞きしたいんですけれども、今確かに日本の公害が二十年おくれで途上国に輸出されていると言われているときなんです。その外国では、現地政府の規制が非常に不十分だというのも一つあります。いま一つは、規制があっても監視体制が弱いというのがあります。今また規制の運用が非常にルーズに行われている。日本の企業が外国へ行って、その国の政府の言ったとおりにしたんだからこれは間違っていないんだという言い方で逃げている場合もあるわけなんですね。 しかし、実際に鉱害が発生している、イタイイタイ病が出てきている、こういうことは、外国の規制を守ったからいいんだというだけでは、後で必ず日本が二十年前にやったと同じように社会問題になってくるだろうと思うんです。それになる前に通産省としては、こういう開発輸入をする必要があるんですから、それだけに、鉱害を防止する義務を課するような何か規制の仕方を考えていらっしゃるのかどうか、それよりも、外国でやることだからそれは外国のことだという考えでいらっしゃるのかどうか、そのことを大臣にお聞きして、終わりたいと思います。
○国務大臣(渡部恒三君) これは、御承知のように、今環境問題も地球規模で考えられておる時代でありますから、公害とてこれ例外ではない。これは基本的な我々の政治に臨む姿勢であると思いますけれども、具体的な問題については政府委員から答弁をさせます。
○政府委員(鈴木英夫君) 現在、企業サイドでも、海外進出に伴います環境保全ということについては、真剣に議論がなされていると私ども了解 をしております。特に、平成三年四月に経団連が出しました地球環境憲章というのがございますけれども、その中には、企業が守るべき行動指針としてまさにただいま委員御指摘のようなことが書かれておりますので、御披露させていただきたいと思うんですが、 大気、水質、廃棄物等の環境対策においては、最低限進出先国の環境基準・目標等を遵守することは当然であるが、進出先国の基準がわが国よりゆるやかな場合、あるいは基準がない場合の法令や対策実態をも考慮し、進出先国関係者とも協議の上で進出先国の地域の状況に応じて、適切な環境保全に努めること。なお、有害物質の管理については日本国内並の基準を適用すべきである。 というようなことが書かれておりまして、こういう姿勢で企業も海外の活動に臨んでもらえるものと私どもは期待しておる次第でございます。
○委員長(岩本政光君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 金属鉱業等鉱害対策特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(岩本政光君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 福間知之君から発言を求められておりますので、これを許します。福間君。
○福間知之君 私は、ただいま可決されました金属鉱業等鉱害対策特別措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 金属鉱業等鉱害対策特別措置法の一部を 改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、次の諸点につい て適切な措置を講ずべきである。 一 休廃止鉱山における坑廃水処理事業の確実 かつ永続的な実施のため、国の補助金等所要 資金の確保に努めること。 二 鉱業権者に対する鉱害防止事業基金への拠 出額の算定に当たっては、鉱業権者の責任の 範囲を明確にした上で、的確な算定方式に基 づいて必要額の拠出を求めることとし、その 場合に、指定特定施設ごとの坑廃水処理費用 低減対策工事の実施状況等を十分考慮し、鉱 業権者に過重な負担を課することのないよう 配慮すること。 三 鉱業権者の鉱害防止事業基金への拠出開始 時期については鉱業権者の自主性を尊重する とともに、その資金調達の円滑化に十分配慮 すること。 四 金属鉱業事業団において行われている坑廃 水処理コストの低減化技術の研究開発等坑廃 水処理技術に関する研究開発を積極的に推進 すること。 五 指定鉱害防止事業機関については、効率的 な運営の早期確立に努めるとともに、関連す る事業も行えるよう積極的な支援に努めるこ と。 六 坑廃水処理事業の実施体制の整備に伴い、 集積される人材及び専門能力について、広く 発展途上国等の資源環境に係る技術協力にも 資することができるよう努めること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(岩本政光君) ただいま福間知之君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(岩本政光君) 全会一致と認めます。よって、福間君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、渡部通商産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。渡部通商産業大臣。
○国務大臣(渡部恒三君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重して本法案の適切な実施に努めてまいる所存であります。
○委員長(岩本政光君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩本政光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(岩本政光君) 次に、ゴルフ場等に係る会員契約の適正化に関する法律案を議題といたします。 まず、提出者衆議院商工委員長代理和田貞夫君から趣旨説明を聴取いたします。和田君。
○衆議院議員(和田貞夫君) ゴルフ場等に係る会員契約の適正化に関する法律案について、その趣旨及び内容を御説明申し上げます。 近年、国民のライフスタイルの変化等を背景として、ゴルフ場その他の会員制のスポーツ施設やリゾート施設等に対するニーズが高まってきておりますが、こうした中で会員制事業に係る募集行為や会員契約をめぐる消費者トラブルの発生が大きな社会問題となっております。 しかしながら現在のところ、会員制事業に対し、こうした募集行為や会員契約に係る消費者保護のための包括的な規制が存在しておらず、このような消費者トラブルの防止対策の必要性が各方面より指摘されてまいりました。 本案は、こうした状況にかんがみ、ゴルフ場等に係る会員契約の締結及びその履行を公正にするとともに、会員の利益の保護を図り、役務の提供を適正かつ円滑にするため、今般提案したものであります。 次に、本案の主な内容を御説明申し上げます。 第一に、本案においては、当事者の一方が相手方に対してゴルフ場その他スポーツ施設または保養のための施設で政令で定めるものを継続的に利用させる役務を提供することを約し、相手方がこれに応じて一定額以上の金銭を支払うことを約する契約を会員契約とし、この会員契約に基づき役務を提供する事業を行う者に対し規制を行うことといたします。 第二に、会員制事業者は、募集をしようとするときは、あらかじめ主務大臣に会員制事業者に関する事項や会員契約に関する事項について届け出なければならないこととしております。 第三に、会員制事業者または会員契約代行者は、施設が開設された後でなければ当該施設に係る会員契約の締結をしてはならないこととしております。ただし、当該施設が開設されない場合において拠出金の二分の一以上に相当する額の金銭を会員に支払うための措置がとられており、主務大臣にその旨を届け出た場合は、開設のための行政手続が終了していることを条件に、この限りでないものとしております。 第四に、会員制事業者または会員契約代行者に対し、会員契約の締結をしようとするとき及び締結したときにおいて、会員契約の概要等所定事項を記載した書面の交付を義務づけるとともに、誇大広告や不当な勧誘行為の禁止、業務及び財産の状況に関する書類の閲覧、クーリングオフ等について規定し、顧客及び会員の保護を図ることとしております。 第五に、主務大臣は、会員制事業者に対する指導、会員等からの苦情の解決、預託金等に係る会員制事業者の債務の保証等の業務を行うために民法第三十四条の規定により設立された法人を会員制事業協会として指定することができることとしております。 その他、規制の実効性を担保するため、業務停止命令、罰則等所要の規定を整備いたしております。 以上が本案の趣旨及び内容であります。 よろしく御審議をお願いいたします。
○委員長(岩本政光君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより疑質を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○福間知之君 本日は、和田、額賀及び森本各衆議院商工の理事の皆さん、御苦労さまでございます。ただいま趣旨説明のありました法律案につきまして、私これから数点にわたって質問をさせていただきます。しかし、その内容は、後ほど質問をされる共産党を除きました各会派で合意をいただいた上でのものでございますので、答弁の方もよろしくお願いを申し上げます。 それでは、質問に入らせていただきます。 まず、発議者に対しまして一点お伺いをします。 昨年来、ゴルフ会員権乱売や預託金制度を悪用した会員制事業に関するトラブルが頻発をしており、社会問題化してきております。国民生活センターや消費生活センターにもゴルフ会員権を初めリゾートクラブやスポーツクラブ等会員制事業に関する苦情や相談がふえてきております。こうした会員制事業につきましては規制法がありませんし、ほとんど野放しの状況でありました。しかし、今となっては社会問題として取り上げられてもおりまするし、これ以上の被害者の増加を招かないよう対処する必要があることは言うまでもありません。特に、消費者の被害を未然に防止し、会員としての適切な利益の保護を早急に図る必要があるのではないかと思われるのですが、このような状況、背景に関しまして、提案者の認識はいかがなものでございますか。
○衆議院議員(額賀福志郎君) ただいま福間先生から発議者に対して御質問があったわけでありますが、私はかねてから、福間先生は原発問題等につきまして賢明なる御判断をしておりまして、尊敬をしておったところでありますが、共産党を除く各会派を代表して御質問を受けたわけでございまして光栄に思っている次第でございます。 まさに福間先生のおっしゃるとおりでございまして、今ゴルフ場の数は約二千、ゴルフ人口一千五百万人を超え、延べプレー人数は一億人というふうに大変国民的なスポーツとして発展を続けているわけであります。ところが昨年、茨城カントリークラブのようなああいう不祥事が起こったときに、我々は初めて気がついたのでありますが、何の法的措置もなかったということに唖然としたわけでございます。 そこで、やっぱり消費者保護という観点から、各党の間で、自己責任の原則に立ちつつも必要最小限の規制を講じて消費者会員の保護を図ろうではないかということになりまして、ことしの初めから精力的に会合を重ねてまいりまして、法的な措置を講じた次第であります。それがこの原案でございます。何とぞ、各会派の皆さん方には前向きに検討していただきまして、ぜひ本日採決されることを心から念願するものであります。 この法案の内容につきましては、今言いましたように自己責任の原則に立ちつつも、やはり事業者の内容、事業内容とか財務内容についてきちっとディスクローズしてほしい、そして会員、顧客となろうとする者が適切な判断ができるようにしようということ、それから、いろんなトラブルというものは大体事業計画を起こして開設するまでの間でございますから、この募集時期に一定の制限を加えて会員の利益を守ろうということであります。また、既存の事業者等に関しましても、会員制事業協会なるものを設けまして、やはりこの法案の趣旨が浸透していくようにしていこうというようなのがこの法律の建前でございまして、福間先生のおっしゃいました認識と全く同一でございますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。
○福間知之君 大変丁寧な御答弁をありがとうございました。認識においても適切なお考えのように拝察をいたしました。 続いて、通産当局に対して、この法案が施行される上での御判断、見解について数点伺います。 まず、本法案の対象となる会員契約に係る施設は、ゴルフ場のほか政令で定めることになっておりますが、まず会員権をめぐるトラブルの増加等の実態把握を十分に行うための体制の整備をする必要があるのではないかと考えます。その指定については、消費者被害の拡大を未然に防止するという観点から、機動的に対処していく必要がこれまたあると思うのですが、いかがお考えでございますか。
○政府委員(麻生渡君) この法案は、御指摘のようにゴルフ場のみならず、他のスポーツ施設あるいは保養施設につきまして対象とするという仕組みになっております。この場合に政令で対象を指定するわけでございますが、それは当然、いろんな形で消費者トラブルが起こっておるということで、これに対して対策をとる必要があると認められる施設を政令で指定していくということであろうと考えております。 したがいまして、前提といたしまして、御指摘のように消費者トラブルの実態の把握ということが非常に大切であるわけでございますが、これにつきましては、通産省の組織といたしまして消費者相談センター、これは通産省のみならず各県にもいろいろな形でお願いをして情報を集めておりますが、さらに経済企画庁の国民生活センター等々の他省庁の組織もございますので、そのようなものとも十分連携しながらトラブルの実態の把握に努めまして、消費者の被害の拡大が起こらないうちに機動的にこれを防止する観点から指定をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
○福間知之君 今回の法案は、会員制事業者が新たに募集を行うときに届け出を必要とすることになっております。すなわち、既に募集を終えた会員制事業者あるいは既に施設を開設し事業を行っている会員制事業者については、今後新たに募集を行わない限り、規制の対象とはならないということですが、こうした既存事業者が過去に問題を起こしたことも事実でございます。 そこで、募集を行わない既存事業者についても、でき得る限り会員とのトラブルを防止し、会員の権利が十分に保護されるというふうにするために、会員制事業協会を活用するなどして会員名簿の発行などによる会員数に関する情報の適正な開示に努めるよう事業者に対し的確な指導を行う必要があるのではないかと思いますが、いかがですか。
○政府委員(麻生渡君) この法律は、確かに既存の事業者でも新たに追加募集をする際にディスクロージャーを行うという規制の対象になってくるわけでございますが、しかしながら、会員制事業の健全な発達という点から見ますと、このような法的義務とは一応離れましても、やはりできるだけ情報公開をするということが望ましいというふうに考えております。 また、この法律では、会員制事業協会という形で、いわば会員制事業者の自主的な規制団体というものもできるわけでございます。したがいまして、このような事業協会の活用等を通じまして、できるだけ御指摘のございましたような会員数その他の経営に関する情報、施設に関する情報の開示に努めるよう事業者を指導してまいりたいと考えております。
○福間知之君 最近の社会問題化したゴルフ会員権に関するトラブルは、会員が業者に支払う預託金をめぐるものが目についております。その本来の目的である施設の建設や会員制事業の運営に預託金が使用されずに、預託金を支払ったにもかかわらず施設が完成しなかったり、他に流用されるなど、会員の利益の保護が十分ではなかったということが問題になっておりますが、そうしたことが今後は行われることのないように、そして本来の目的に支出されるように事業者を適切に指導すべきではないかと思いますが、いかが対処されますか。
○政府委員(麻生渡君) 預託金が本来の事業の目的でございます施設の整備あるいは事業の運営そのものに行われるということが、会員制事業の発達のために非常に大事な点でございます。 この法律では、そのような観点から第一には、法第三条の主務大臣への届け出、その中で資金計画につきましても届け出がなされるという形になっております。さらに、第九条におきまして、会員は事業者に対しまして事業者の業務あるいは財産の状況をチェックできるというディスクロージャーを求める権利が規定されております。このような法律の規定を十分使いまして、御指摘のように、本来の趣旨に沿った預託金の使用がなされるように指導をしてまいりたいと考えております。
○福間知之君 ぜひ、その点はひとつ留意をされて対処願いたいと思います。 本法案が成立しても、施行日まで公布後一年以内と比較的長目の準備期間をとっております。本法の適用を嫌いまして、その間に駆け込みで開発許可を取得し会員募集を行う業者が続々とあらわれないとも限りません。通産当局にあっては、本法案の趣旨を十分尊重して、業者がいたずらに駆け込みに走ることのないよう関係機関と十分な連絡をとるべきであると思いますが、こうした懸念に対しどのように対処される御所見でしょうか。
○政府委員(麻生渡君) この法律が実際に施行されるまでの間、御指摘のございましたように、開発許可との関係で募集時期が変わってくるという問題がございます。この点につきましては、開発許可を与えます自治体、これがよくこの法律の趣旨を理解していただくということが非常に大切であろうと考えております。したがいまして、本法案が成立し次第、直ちに地方公共団体べこの法律の内容、趣旨の徹底を図りまして、御指摘のような駆け込みが生じないように十分に連絡をとってまいりたいと考えております。
○福間知之君 最後に、本法案の運用に当たりましては、会員契約に係る会員の利益の保護を図ってトラブルの発生を未然に防ぐために、本法案の趣旨を十分尊重しで適切に行っていくことが重要かと思います。 重ねてこの点を指摘し、通産大臣の決意をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(渡部恒三君) 通産省としましては、ゴルフ場等の会員制事業をめぐる消費者トラブル防止は極めて重要な問題であると認識をいたしておりました。このため、昨年の秋から会員制事業適正化研究会において鋭意検討を行ってまいりました。法規制を含めた所要の対策の具体化を速やかに図る必要があると考えておったところでございます。 今回の法案は、昨年来社会問題化している大量会員募集という事態を踏まえ、悪質な事業者から消費者を守ることが緊急に求められているとの認識に基づき、関係議員の先生方の御努力により提出されたものであり、まことに時宜を得たものであると考えております。 政府としては、立法府の御趣旨と法案の目的、内容を十分に尊重し、会員契約に係る会員の利益の保護を図り、会員契約の適正化を図るため、本法の運用に万全を期してまいる所存でございます。
○市川正一君 本日は、どうもえらい御苦労さまでございます。 本法案については、我が党は、衆議院段階では、その作成過程の協議に参加する場が十分にないまま、かつまた、幾つかの問題点を残したまま議員立法として提案されたために、会員契約募集の野放し状況から見れば、ないよりはということで賛成はいたしましたが、共同提案には加わりませんでした。しかし、本当に効果を上げるかどうかという点では幾つかの問題点をなお払拭し得ないところでありますので、この際、提案者に率直にお尋ねをいたしたいと思います。 まず、本法案の規制対象がゴルフ場を初めとするスポーツ施設やいわゆるリゾート施設の会員契約の締結の仕方についてであり、それを営む事業者の事業規制でもなければ、その施設の設置それ自体についての規制でもありません。今会員契約のあり方が問題になっていることは確かに事実です。同時に、詐欺的な事業者を取り締まり、自然破壊、環境破壊などで地域社会を破壊しているゴルフ場やリゾート施設などそれ自体の規制を国民は切実に求めていると思うんです。本法案がこういう国民の切実な要求に真っ正面からこたえずに、契約のあり方に限って立法なさったのはなぜなんだろうか。 第七十一国会から七十二国会にかけて、議員立法として提案されました。ここに持ってまいりました。御記憶に生々しいと思いますが、結果的にこれは廃案にはなりましたけれども、このゴルフ場規制法案でさえ、ゴルフ場の設置は届け出制、会員契約の募集は認可制をとっておりました。当時から見れば事態ははるかに深刻であるにかかわらず、規制の対象、会員契約のあり方のみに限定なさった理由は何なのか、まずお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(額賀福志郎君) 市川正一先生の御質問にお答えをいたします。 お言葉ではありますが、我が党を初め各党でこの法案を協議しておった際に、商工委員会の理事をしていただいております共産党の小沢先生にも何回か参加していただきましてこの法案を作成したことは事実なので、付言させていただきたいと思います。 それから、今御指摘の問題でございますが、会員契約のあり方にのみ対象を絞ったのはいかがな理由によるかということでございますけれども、これは昨年にいろいろと起こりましたああいう悪質な業者から一般の会員の皆さん方が手ひどいダメージを受けたということに着目いたしまして、そこに何ら法的な規制の措置がなかったわけでございますから、ここを消費者保護の観点から何らかの最小限の措置を講じて健全化を図っていこう、会員の利益を守っていこうということが原点なのでございます。 もちろん、この発想の原点には、やはり市場経済、自由経済というのは規制はできるだけ少なくして自由な競争のもとで、大いなる発意のもとで企業の活力をもたらして国民経済に還元するのが原点でありまするから、このゴルフ場をめぐる会員の利益を図る場合にも、自己責任の原点に立って必要最小限の規制措置を講ずるというのが我々の基本的な考え方だったわけであります。もちろん、事業者に対しましても、事業者と会員との間の契約を適正化することによって、それによって事業経営、事業内容を普遍的に健全化させていくこともねらいとしていることを御承知おきしていただきたいと考えます。
○市川正一君 私は、率直に言って必要最小限とは言いがたいと思います。 それから、私どもの衆議院の小沢君が理事に昇格をさせていただきましてまことに光栄でございまして、本人にもさように衆議院商工委員会で小沢君が理事に昇格させていただいたということを申し伝えておきます。 それから同時に、いろいろお話がご中さいましたようですが、最終案をお持ちいただいてこれでどうかと、で私どもの小沢君が二、三の若干の問題を提起いたしましたが、これはもうこれでまとまっているのでという経過も私はリアルに聞いておりますので、お答えに対してお答えしておきます。 法案の内容について入らせていただきますけれども、第三条第一項第二号で、預託金の返還を担保するための措置の有無及びその内容を届けることになっております。実は、今回の茨城カントリークラブの事件でも問題になったのはまさにこの点でありました。ゴルフ場が開設されなくなったのに預託金が申込者に返ってこなくなったと、踏んだりけったりになったわけですね。これを防止する一つの方法としては、万一のことがあっても預託金は全額返還できるように一〇〇%の担保を義務づける必要があるんじゃなかろうかと思うんですが、この点はいかがでしょうか。
○衆議院議員(森本晃司君) 市川先生の御質問に対してお答えさせていただきます。 この法律は、消費者の自己責任の原則の上に立って、書面の交付等による情報の開示、会員契約締結時期の制限等必要最小限度の規制を行うこととしているものであります。このため、書面の交付義務等を定めて、会員に対し契約書面に預託金の保証措置の有無、保証措置の内容を盛り込むことによって預託金の保証に係る必要な情報を提供することとしております。これは、保証措置の有無は事業者の自主的な判断によるものではありますが、消費者は契約締結時の書面内容を確認して、自己責任により保証措置の有無を踏まえて契約締結の選択を行うこととしたものでありますので、ここの条文についてはそのように御解釈いただきたいと思います。
○市川正一君 文章をよう読めばそんなことにならぬというお答えだろうとは思っておりましたけれども、まさにそうでございましたが、私は、本当に事故やトラブルを防ぐという立場に立つならば、やはりそういう歯どめをやる必要があるんじゃないかと思考いたします。 もう一つの問題は、預託金の使い方について特に法律上の定めがないために、ゴルフ場などの建設を名目にして預託金を集めながら、実は株の仕手戦にそれを使うたり、ゴルフに関係のない不動産投機にそれを流用して実際に問題になっております。こうした詐欺的商法を防止するためにも預託金の目的外使用を禁止する規定が必要ではなかろうかと思うんですが、この点はいかがでございましょうか。
○衆議院議員(額賀福志郎君) 衆議院の商工委員会におきまして、今市川先生から御指摘がありました小沢先生に対しましては、委員会で私自民党の筆頭理事としていつも理事のような存在としてお扱い、お相手をさせていただいておりますからつい本音が出てしまったわけでございまして、御理解をいただきたいというふうに考えるわけであります。 ただいまの御質問にお答えをさせていただきますが、なかなか難しい問題でございます。お金はなかなか色をつけて流れていくものではありませんので、これを法律的に縛ってこれ以外は使っちゃだめだよというふうにするには、これは第三者のチェックも必要でありますし、そういうことが果たしてできるのかどうかということもあります。あるいはまた、それ以外に事実をやっちゃいけないよというようなことを法律で決めることができるのかどうか、いろんな問題もございますものですから、この際我々は、先ほど言いましたように、情報を開示する、会員の皆さん方は書面の交付によって業務の内容やあるいは財務内容についてこれを閲覧することができます。そうすると、預託金によって幾らくらい金を集めて、それがそれによってどれくらいの資産をふやしているかとか、どういうふうに使われたかということがある程度チェックできるわけでございまして、これによって、情報の開示によって一定のチェック機能が働いているものと考えておりますから、市川先生の御趣旨に沿っているものと思うわけでございます。
○市川正一君 ありがとうございました。今後とも、小沢君を理事扱いでよろしくお願いいたします。 そこで、私が今問題にしたのは、流用する目的外使用についてやっぱり歯どめをすべきじゃなかろうかという問題提起でございます。 関連しますので、第五条についてお伺いいたします。第五条では、顧客に対する書面の交付と会員になったときの書面の交付について書き分けていらっしゃいます。どうしてこういうことになるんだろうかという疑問を持つんです。というのは、第五条第二項の内容は、会員になるに当たって、つまり顧客に対してその内容の書面を交付して、しかもきちっと説明して契約すべきではないか。要するに、第一項の段階から第二項で規定しているようなことを説明する必要があるんじゃなかろうかと思うんですが、この点はいかがでございましょうか。
○衆議院議員(額賀福志郎君) ただいまの御質問に対してお答えをいたします。 この書面の交付は、会員になろうとする者、顧客の立場から適切な判断ができるように一定の情報を開示させようということでございます。したがって、その内容は具体的にはどうするかというと、この法律では通産省令で決めさせていただくということになっておりまするから、市川先生が御指摘のように、会員になろうとする人が適切に正しく判断できるような内容のディスクローズをさせることが必要であろうというふうに思いますから、この法律が通った時点で通産省にそういった趣旨を踏まえて適切に対応するように指導していくようにしたいと思います。
○市川正一君 私は、事前にトラブルを防止する立場に立ては書き分けることの方がむしろ不適切ではなかろうかと、こう思考いたしております。 第四条でございますが、会員契約の締結時期の制限について、本条で施設開設後という規定はまさに適切だと私も考えます。しかし、ただし書きを入れているために、現在のゴルフ場造成の実態を見ますと本条の規定を空文にしかねないおそれを感ずるんです。したがって、実際の規制はただし書きで行われる可能性が極めて大きいと私は思うんですが、そこでお伺いしたいのは、拠出金の二分の一以上の保証委託契約があればよいということになっておりますが、なぜこれを全額にしないのか、会員の権利保護をあえて薄める理由があるんだろうかという点をお伺いいたしたいと思います。
○衆議院議員(額賀福志郎君) この問題は、全額返還させた方がいいのではないか、なぜ半分にした方がいいのか、いろいろと政策判判でございますから論議はあるわけでございますけれども、ほかの法律に照らし合わせたときに、例えばプリペイドカードとかあるいは割賦販売等の場合は二分の一の保全措置が講じられていることになっております。そういうことから、一つの目安は二分の一かなというふうに判断をしたことと、それから全額担保するようなことになりますと、それは必然的に事業者の負担とかあるいは顧客、会員になろうとする人の御負担にもなりまして、結果的にはこの辺の調整の度合いが問題になるわけでございますから、この辺はほかの法律に照らし合わせても二分の一前後が合理的で適切ではなかろうかというふうに各党の間で合意をさせていただいたということでございます。
○委員長(岩本政光君) 市川君、時間が参りましたので簡潔にお願いいたします。
○市川正一君 時間が参りましたので、私、昨日事前に詳細な質問の御説明をいたしましたので、既設のゴルフ場とのかかわり合いの問題だけを最後にお伺いして、質問を締めくくりたいと思います。 一つは、本法案は、既設のゴルフ場で新規会員募集を行わないとこれは全く規制対象外になっております。これらのゴルフ場の中には休日などは人数が多くてプレーができない、こういうふうな苦情を私も耳にいたしております。既存のゴルフ場にも、第三条第一項の内容を法律施行後一定の猶予を置いて届け出させるとか、第五条に定める書面を交付するなどの措置が必要ではなかろうか。既存のゴルフ場を対象外にすることは、会員契約の適正化を名目に新規参入を規制して既存業者の利益を守るものなどという、そういうあらぬ疑いをかけられないためにも私はそこをはっきりすべきじゃないかというのが一つなんです。 もう一つは、現に開設しているゴルフ場の中で、地理的、社会的条件から経営がうまくいっていないところがあります。そして、バブル経済のもとで高騰した会員権を投機の対象にした経過もあって、近々預託金の返還時期を迎えるものもあります。このままでいきますと、そういうところを中心に預託金の返済不能という事態もささやかれております。 こういう問題に対して、提案者並びに政府、通産省はどのように対処なさろうとしているのかということをお伺いして、以下の質問は割愛いたします。
○衆議院議員(森本晃司君) お答えさせていただきます。 本法案は、事業者の募集、それから契約締結行為に規制を講ずるものであるために、法施行後は募集や契約締結をする場合には法律上の義務を負うことになっております。既存の業者でありましても、今後新たに追加募集を行うという場合にはやはりこの法律の対象になってまいりますから、その時点で既存の業者の会員数の実態等々がこの法律に該当するようになってくるわけであります。 しかしながら、既にすべての契約締結を終えた既存のゴルフ場については、事業者と消費者の間においては既に契約が正当に成立している、そのために私人間の既存の締約の安定性を損なうことのないよう法の対象としていないものであります。なお、既存のゴルフ場の場合であっても、会員制事業協会を通じて今後事業者の自主規制等々によりまして、会員に対し必要な情報開示がされることを期待しておりますし、先生の御質問の趣旨に沿うように協会の方が努力されることを望んでいるところであります。
○市川正一君 通産の方、あの問題はどうですか。
○政府委員(麻生渡君) 既存のゴルフ場で近々預託金の返還時期を迎えるということで、これが返済不能になるんではないかというお話でございます。 預託金の返還期日というのは大体十年以上でございますものですから、近々返還期日を迎えるというのは十年以上昔に預託金契約をしたということでございます。当時は、最近と違いましてずっと金額が小さい時代でございました。そういう意味で、現在のところ、私どもはそのような返還不能に陥る業者があるというような点について確たる情報を得ておりません。 ただ、不幸にいたしまして、仮にゴルフ場の業者が非常に放漫な経営をして倒産などに至りまして預託金の返済がなかなか難しいというような事態になった場合でございますが、これは一般の会社なんかと同じでございまして、一般的な民事上の手続あるいは商法上の手続に従いまして、契約に基づきます預託金の返還を当事者間の問題として請求していくということになる竜のと考えております。通産省としましては、このような民事手続ができるだけ、不幸にしましてそのような問題が起こりました場合には、円滑に行われますように必要な情報の提供に努めてまいりたいと考えておる次第でございます。
○委員長(岩本政光君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らがにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 ゴルフ場等に係る会員契約の適正化に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手一
○委員長(岩本政光君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩本政光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(岩本政光君) 次に、中小企業流通業務効率化促進法案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。渡部通商産業大臣。
○国務大臣(渡部恒三君) 中小企業流通業務効率化促進法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 我が国の物資の流通量は近年急速に増大し、また、配送の多頻度小口化が進展するなど流通業務の内容も一層高度化する傾向にあります。この一方で、運転手を初めとする労働力の不足や道路混雑の激化により物資の流通に支障が生じております。このような物資の流通をめぐる厳しい状況の変化は、企業活動にさまざまな影響を与えております。中でも、物資の流通の大半を担う中小企業は、経営基盤が脆弱であるため深刻な影響を受けており、事業活動そのものに支障を来している中小企業も数多く見受けられます。 このような物資の流通をめぐる経済的社会的事情の変化に対応し、中小企業が健全な発展を遂げるためには、中小企業がみずからの流通業務を効率化することが期待されるところであります。しかしながら、単独の中小企業では、資金調達力が脆弱であること、効率化投資に見合う物資の流通量が確保できないこと等から、中小企業が共同して流通業務の効率化に取り組むことが重要かつ効果的な対応策であるものと考えられます。 このような中小企業の取り組みは、各中小企業にとっては、投資規模・内容いずれの面でもその後の事業活動の成否にかかわる重大なものであります。したがって、中小企業がこのような取り組みを円滑に遂行できるよう、事業の内容、方法等に関する基本的な方向を示すとともに、金融面、税制面等からの支援を総合的に行っていくことが不可欠となっております。 政府といたしましては、中小企業政策審議会での審議結果等を踏まえつつ、中小企業者が共同して行う流通業務の効率化のための措置を総合的、体系的に促進するための法律案を作成し、ここに提出した次第であります。 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一に、主務大臣が、流通業務効率化事業の実施に関し、基本指針を定めることとしております。 第二に、事業協同組合等が、流通業務効率化事業についての効率化計画を作成し、主務大臣の認定を受けることができることとしております。 第三に、認定を受けた効率化計画に従って実施する事業については、中小企業信用保険法、中小企業近代化資金等助成法、中小企業投資育成株式会社法及び貨物運送取扱事業法の特例措置等を講ずることとしております。 以上がこの法律案の提案理由及び要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(岩本政光君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日行うことといたします。 —————————————
○委員長(岩本政光君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 特定債権等に係る事業の規制に関する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩本政光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議、ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩本政光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十六分散会 —————・—————