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123回国会参議院1992/04/07

商工委員会 第6号

発言数
198
登壇者
27
会派数
6
開催日
1992/04/07

会議録

岩本政光自由民主党

○委員長(岩本政光君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  去る三月二十五日、予算委員会から、本日四月七日の一日間、平成四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち公正取引委員会及び経済企画庁、通商産業省所管、中小企業金融公庫並びに中小企業信用保険公庫について審査の委嘱がありました。  この際、本件を議題といたします。     ―――――――――――――

岩本政光自由民主党

○委員長(岩本政光君) まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  本件審査のため、本日、参考人として動力炉・核燃料開発事業団理事竹之内一哲君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岩本政光自由民主党

○委員長(岩本政光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

岩本政光自由民主党

○委員長(岩本政光君) 次に、通商産業大臣から説明を聴取いたします。渡部通商産業大臣。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(渡部恒三君) 平成四年度通商産業省関係予算の商工委員会委嘱審査における御審議に先立って、一言あいさつを申し上げます。  世界情勢は戦後長期間にわたって継続してきた国際的秩序に構造的な変化が生じており、我が国は、今こそその持てる力を発揮し、世界経済の秩序ある発展に主体的な役割を果たさなければなりません。  国内に目を転じますと、最近の我が国経済は減速が続いている一方、経常収支及び貿易収支の黒字幅が再び拡大しており、対外不均衡の是正に配慮しながら内需を中心とした景気の持続的拡大を図ることが求められております。  私は、このような認識のもとに、次の項目を重点に全力を挙げて通商産業政策を推進してまいります。  第一は、国際社会への貢献と自己改革の推進であります。第二は、東京一極集中の是正と地域の活性化であります。第三は、伝統と個性を生かした社会の実現であります。第四は、総合的流通対策の推進であります。第五は、科学技術の振興であります。第六は、資源エネルギー施策の着実な推進であります。第七は、活力ある中小企業の創出であります。第八は、情報化の推進であります。  平成四年度の通商産業省関係予算及び財政投融資計画の作成に当たっては、このような基本的方向に沿って諸施策の実現を図ることといたしました。  この結果、一般会計は、八千五百八億一千七百万円を計上しております。特別会計については、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計六千三百九十七億六千二百万円、電源開発促進対策特別会計四千百二十三億七千二百万円、特許特別会計七百二十一億一千百万円など、当省所管の五つの特別会計にそれぞれ所要の予算額を計上しております。  また、財政投融資計画については、財政規模ベースで八兆二千六百四十六億円を計上しております。  通商産業省関係予算及び財政投融資計画の内容につきましては、お手元に資料をお配りしてありますが、委員各位のお許しをいただき、説明を省略させていただきたいと存じます。  何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。

岩本政光自由民主党

○委員長(岩本政光君) 次に、経済企画長長官から説明を聴取いたします。野田経済企画庁長官。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(野田毅君) 平成四年度の経済企画庁関係の予算及び財政投融資計画につきまして、その概要を御説明申し上げます。  総理府所管一般会計歳出予算のうち経済企画庁の予算額は、四百十七億八千万円余であります。また、財政投融資計画につきましては、海外経済協力基金に係る分として七千四百九十億円を予定しております。  以下、重点事項につきまして、その内容を御説明申し上げます。  第一に、内外の環境変化を踏まえた適切かつ機動的な経済運営の推進に必要な経費として十六億六千万円余を計上しております。この内訳の主なものは、機動的な経済運営の推進及び物価安定の持続、さらには国際的な政策協調を推進するために必要な経費であります。  第二に、ゆとり、安心、多様性のある国民生活の樹立に必要な経費として二十八億一千万円余を計上しております。この内訳の主なものは、国民生活を重視した基本政策の推進、消費者の保護、支援のための施策の推進を図るため、国民生活センターの機能の充実強化に必要な経費、内外価格差、地価問題への取り組みの強化に必要な経費であります。  第三に、国際経済協力及び国際研究交流の推進に必要な経費として三百四億三千万円余を計上しております。この内訳の主なものは、まず海外経済協力基金に対する交付金三百一億九千万円余であります。本基金の平成四年度の事業規模は、政府開発援助の第四次中期目標の着実な実現を図るため、九千三百億円を予定しております。このための資金としては、一般会計において前述の交付金のほか出資金二千九百六十二億円が計上されておりますとともに、財政投融資計画において資金運用部資金等からの借入金が七千四百九十億円となっております。なお、出資金は大蔵省に計上されております。また、途上国との対話の促進、アジア・太平洋協力及び旧社会主義圏支援の推進、国際研究交流の推進に必要な経費であります。  第四に、調査・研究体制の充実強化、情報システムの高度化に必要な経費として十三億二千八百万円余を計上しております。  第五に、地球的視点に立った中長期政策の展開に必要な経費として一億五千三百万円を計上しております。  以上、平成四年度における経済企画庁関係の予算及び財政投融資計画について、その概要を御説明申し上げました。

岩本政光自由民主党

○委員長(岩本政光君) 次に、公正取引委員会委員長から説明を聴取いたします。梅澤公正取引委員会委員長。

梅澤節男公正取引委員会委員長

○政府委員(梅澤節男君) 平成四年度の公正取引委員会関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  総理府所管一般会計歳出予算のうち公正取引委員会の予算額は四十四億七百万円となっており、これは前年度予算額に比べて二億五千百万円、六%の増額となっております。  以下、その内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、独占禁止法施行経費等として四十一億二千八百万円を計上しております。違反事件の審査のための経費、経済実態や流通実態の調査及び対策のための経費など、独占禁止法を厳正に運用するとともに、法運用の透明性を確保するための経費等であります。この中には、違反事件に対する審査部門の増員や、違反事件の審査機能を強化する機構の拡充のための経費が含まれております。  第二に、下請代金支払遅延等防止法施行経費として三千七百万円を計上しております。法運用の強化と啓発・普及活動を積極的に行い、下請取引の適正化を推進するための経費であります。  第三に、不当景晶類及び不当表示防止法施行経費として二億四千二百万円を計上しております。公正な競争を維持、促進することにより消費者利益の保護を図り、景晶表示行政を積極的に推進するための経費であります。  以上、平成四年度における公正取引委員会の予算について、その概要を御説明申し上げました。  何とぞ御審議のほど、よろしくお願いを申し上げます。

岩本政光自由民主党

○委員長(岩本政光君) 以上で説明の聴取は終了いたしました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 初めに、経済企画庁長官にお尋ねいたします。  先ほど経済企画庁として、今年度の予算を提出されてこれを執行されるという基本的な考え方をお示しになられましたが、柱は、豊かさを実感できる生活大国の日本をつくっていく、こういうことで宮澤内閣の中心的なテーマをおっしゃいました。一月二十四日に企画庁の方から大臣が提出されました基本的態度の中にも書いてございます。この生活大国の構想というものは、先ほどの御提言の中では労働時間の短縮とか消費の充実とか内外価格差の是正等々ございました。しかし、全体としては、生活大国そのものの構想というものは中身はさきに列挙されたとおりだけでございますか、全体について伺います。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(野田毅君) 御案内のとおり、現在経済審議会で大変濃密な御議論をいただいておる最中でございまして、新しい経済計画の全体像の報告を今できるだけ早くということでお願いをしておりますものの、この夏ごろまでかかるのではないかと実は考えられます。  なお、経済計画を策定する上において、非常に大事な一つの柱が生活大国の実現についての取り組みという問題と、国際的ないわば地球社会という視点からこの経済計画をつくっていただくという視点、そして同時に、二十一世紀に向けて生活大国を支えるための発展基盤の整備を今からやっておかねばならぬという、いわばこの三つの視点からの御検討をお願いをいたしております。  一方で、生活大国ということだけをとってみますと、必ずしもそういう長期経済計画に出てくる事柄のみならず、一方では国民生活審議会でお願いをしておるさまざまな事柄がございます。そういったことを両々あわせて生活大国というものを実現していかなければならぬと思っております。そういう点から見ますと、今御指摘のありましたいわゆる内外価格差の問題であれ、あるいは労働時間の短縮の問題であれ、非常に生活大国を目指していく上で大事な柱であると思いますが、もちろんそれがすべてではないというふうに思っております。これから肉づけが行われる段階にあると思っております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 総理の御発言なさっているところを復習してみましても、内容としては今大臣がおっしゃったようなことがまず初めに出てきて、その他実感できる生活実現ということでございますが、そういうことになると、宮澤総理の一番国民に訴えていらっしゃる生活大国実現のための企画本部、ないしはこれを管理、推進される推進本部、こういう機構については、大臣は大臣のセクションだけなのか全体なのか、あるいはさっきおっしゃったように、そういうものを含めて経済審議会等々で策定していくという管理を企画庁でなさるのか、その辺について御説明いただきます。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(野田毅君) 基本的には、今申し上げました二つの審議会で設計図を今描いていただいておる状況にございますが、そのいずれも経済企画庁が事務方を努めさせていただいておるわけであります。その中で、特にいわゆる経済政策との関連の中で今経済審議会で御議論いただいておるわけであります。もちろん、その中には社会資本の整備の問題であったり、政府全般にわたって各省の協力を得ながら政府としてこの経済計画を取りまとめていくわけでありますから、そういう意味では、全体的な設計、管理というものは、経済企画庁が調整官庁として、計画官庁としてその役割を主導的に果たしていかなければならぬと思っております。  その計画を審議会で具体的におつくりをいただく、御答申をいただくに際しては、当然のことながら、政府、各省内における事前のすり合わせといいますか、調整というものが行われた上で出されるわけでありますから、後、具体的なそれを執行していく場合には、それぞれ各省庁の責任のもとに執行していかなければならぬと思っております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 こだわって聞きましたのは、今労働者のナシ、ナルセンターとしての連合が春季の生活要求闘争を掲げて訴えておる中の、ゆとり、豊かさという大きなテーマの内容と今の生活大国構想とを突合しますとほとんど合致するんですね。その意味ではその実現を期待しております。が、そういうことになると、内閣として、政府としてこれを体系的に一つのイメージをつくりながら完成をさせていく推進本部、絵を描かれるのは企画庁の方で絵を描かれる、しかし、それを管理して約束したことを実現する推進本部、こういう機構があるべきじゃないかと思うんですが、その点を、各省に分かれてしまうと全体的なものの推進がまたそごしてしまうんじゃないかという点で重ねてお尋ねいたします。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(野田毅君) この点は、今設計、管理と申し上げましたが、計画をただ単につくりっ放しというわけにはまいりませんで、それの具体的なフォローアップの状況、それぞれウォッチをし点検をしながら政府全体としてやっていかなければならぬ。ただ、個別の項目について実際に事業を実施する責任官庁があるわけですから、そういった進捗状況などを念頭に置きながら、企画庁として、やはり主体的に役割を果たしていかなければならぬと思っております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 それでは、当面する景気の問題についてお伺いいたしますが、昨年の下四半期の経済指標に赤信号がともって景気の立て直しにそれぞれが今全力を挙げているという状態でございますが、思いますと、この経済の今年度の見通しを実質三・五%と見通される前提として、平成三年度の伸びを推定されたわけですね。それが実質三・七%ということで、名目で五・五%、それで物価指数等々勘案して出されたものを前提として今年度のものをされたわけですね。  そこで、今そういうことでいろいろ対策を講じていらっしゃいますが、三年度の景気そのものの評価については、現在も昨年の十二月も同じということでございますか。若干その推移を見ながら、計数的にはずっと手続はおくれるんですけれども、評価として認識はどういうふうにしていらっしゃるか、お伺いします。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(野田毅君) 昨年の暮れに私ども見通しました三年度の実績見通しについて今から振り返ってどうなのかと、こういう御質問であろうかと思います。  率直に申し上げて、その時点で私ども見通しておりましたよりも多少在庫調整入りがおくれておったのではないかという感じは確かにいたします。それからいま一つは、そのことによって年明けてからさらに一段と生産が抑制ぎみになってきたということ、そしてそれによって、率直に申し上げて、貿易収支について懸念をしなければならぬ情勢になってきておるんではないかということを率直に感じております。  基本的に経済の基調としては、多少数カ月程度のおくれはありますものの、やはり基調認識としては、過去の高いといいますか、過熱ぎみのペースからスローダウンをしてくる、いわばこれは経済として避けて通れない一つの調整過程にある、そしてそれが次への発展に向けて非常に大事な今は調整期にあるという基本認識を変えるものではないと思います。ただ、調整過程にあるものの、そのことがさらに経営者などのマインド先行型といいますか、そういう中で調整が余り深くなり過ぎますと実体経済にも悪影響を及ぼしかねない。こういう認識のもとに、先般御案内のとおりの緊急経済対策を決定したところであり、また日銀においてもそれらを勘案しながら公定歩合の引き下げが累次にわたって行われてきたところであると、こう思っておる、今はそういう状況にございます。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 相当前から経済見通しを立てられたものとその統計上の実績との対比の図を見ながら最近の状況を見ると、大体見通しよりも実績の方が結果的に高くなっている統計数字でございます。  今、状況について昨年の例えば貿易黒字とかというような問題の中身を示されながらおっしゃいましたが、その過去の見通しと実績との差を勘案しながら、結論として、昨年暮れに出された実質三・七%の成長率というものについては現在どうなんですか、若干下がるというふうに思われるのか、いや、もう上がっているとこう御判断なのか。そこが起点になって四年度の経済の情勢に対する手を打つと、こういうことになる流れであれば、もう一度重ねてお伺いします。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(野田毅君) まだ、本年に入りまして一月-三月の間の経済の動向について実績値が出てきておる段階ではありませんので、今ここで確たることを申し上げる段階にはないと思っております。  ただ、一方では、住宅投資につきましては、特にこの一月に入りましてからいわば下げどまりという傾向から、持ち家、貸し家などを中心に年率ベースで見ますと、新規着工戸数というのがやや右上がりになる気配があると。実際に、いつも申し上げておりますが、昨年の九月、十月で百二十六、七万戸程度、十一月、十二月で百三十万戸程度、そして本年一月に入って百三十八万、二月で百四十万、こういう形で住宅の新規着工戸数がほぼ下げどまりないし明るい兆しか見え始めてきておるという事柄。あるいは設備投資につきましても、二けたという伸び、過去三年続きました高い伸びから比べればもちろん大幅な鈍化はいたしておりますものの、三年度についてはある程度の設備投資の額が確保される、そういったような事柄。そういったことがもろもろ個人消費の世界におきましても、ある程度の所得環境がよかったとか消費性向に多少の変化があるのではないかということはありますけれども、基調としての消費そのものが底がたさということは変わってはいない。  こういったことを考えますと、まだしばらく実績値について今ここで確たることを申し上げることはできませんが、比較的実績見通しに近い姿でおおむねではありますけれども出てくるのではないかというふうに考えることができると思っております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 ことしの見通しを既に発表された後、経済のてこ入れのために三月の末に五項目に続いて緊急経済対策を実施なさるということで着手しておられます。これをてこ入れすることによって景気が回復しなければならぬのでありますが、そのことの効果が実質成長率三・五%、まあ過熱してインフレになればまた物価の調整もありますが、当初は名目では五%と、こういうことで設定されたものに対して努力目標としてのこの三・五%は、現在の認識ではどういう評価をしておられますか。これでいける、あるいはこれをやっていける、やらなければもっとダウンしておったはずだと、こういうふうな事態認識というか、手を打ちながらの評価を聞かせてもらいたい。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(野田毅君) 年度当初における私どもの経済の見通しにつきましては、もちろん自然体で推移する姿を予測するということのみならず、政府としてのいわば一年における経済活動の望ましい姿ということをも別途想定をし、そういう政策努力を含めた姿の中で展望をするわけでございます。そういったところからいたしますと、今御指摘がありましたように、現在の足元の経済の情勢につきましては、少なくともかなりマインド先行型の要素が強いと思いますけれども、実体経済面においても調整過程にあるとはいうものの、調整が余り深くなり過ぎるということになるとかえって実体経済そのものに悪い影響を与えかねない、こういう認識のもとに景気対策を策定したところであります。したがって、それに加えて公定歩合の引き下げも行われました。  これらの事柄が個人消費の分野においても、あるいはまた住宅の分野においても、そして特に今回景気対策の中で従来にない一つの目玉といいますか柱として出しましたのが、時短、省力化を促進する設備投資のてこ入れを入れたと、あるいは中小企業に対する金融支援その他のきめ細かい配慮を従来になくやらせていただいておる、こういった事柄。そして一般的な公共投資の分野におきましても、御案内のとおり国、地方を通じ民間の公益事業的な企業にもお願いをし、いろいろ合わせてまいりますと昨年の上半期に比べて五兆円を上回る規模の前倒しの事業が上半期に行われるというようなことを考えますと、それらが最終需要を引っ張る形で在庫調整にもいい影響を与えていくのではないか。そんなことを考えますと、三・五%に向けて着実に前進できる態勢が整ったものであるというふうに考えておるわけであります。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 対策の方法の中では金利調整あるいは最終需要をふやすための前倒し執行等々をやっていらっしゃいますが、依然として、金利を下げて金融が走って民間設備投資が走っていくというようなところまではいっていない。  そこで、省力化の投資について格別に力点を置かれて、労働時間の短縮というものを目標に据えながら、企業の中でそれに取り組まれる支援体制を組まれていくわけですね。これは中身としてはやっぱり融資事業ということのようですが、この容量、果たして企業の方が今の時期に省力化に投資しようといういわゆるマインド形成をして、やれるだけの条件をもって開発銀行なり出しておられるのか、その枠とか方法とかについて、これは通産省の方でございますか、御答弁をいただきたいと思います。

榎元宏明通商産業省大臣官房審議官

○政府委員(榎元宏明君) 今般の省力化投資につきましては、御指摘のように開銀及び北東公庫から特定の省力化設備、特にこれは現在の設備需給のアンバランスな状況にかんがみまして生産能力を大きくふやさない、さらに人手不足等にかんがみまして特に省力化に資する。そういった設備を選びましてこれを助成する。そのことによりまして、基本的に時間短縮でありますとかあるいは人手不足に対応するといった観点から、潜在的に設備投資への意欲のある企業に対しましてそれを引き出すといいますか顕在化する、そういうために設けられました措置でございまして、時間短縮の計画を提出する企業に対しましては、これは特利2と申しておりますけれども、五・九%の金利でこの設備投資の促進を図る、その他の省力化設備を導入しようとする企業に対しましては六・〇の金利でその促進を図る、こういう内容のものでございます。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 省力化の投資についての牽引策としての融資事業の中身は伺いましたが、実体の企業がそれに食いついていけるか、これには単に機械を設備するだけではなくて、つまり労働環境そのものの合理化との関係があり、かつ全体的になお労働事情としては労働省が欲しい企業もあるけれども充足できないという分野も相当残っておる。反面、労働者の方では、働き過ぎないようにという世界的な要請の中で、自分の体も大事にしなければならないけれどもやっぱり超過勤務をもって得た収入というものは捨てがたいものがあるという心情も統計の中には出ております。  そういうものを勘案しながら、これを経済活性化の中の今の時期の一つの重要な柱として執行するということで緊急に提示されたんですから、これを本当に実現できるという態勢がどういうふうに段取りされておられ、また執行される方針でおられるのか、中身についてもう一度お尋ねをいたします。

榎元宏明通商産業省大臣官房審議官

○政府委員(榎元宏明君) 先生御指摘のように、現在の省力化設備に対する潜在的な企業のニーズは非常に高いものがあるわけでございます。したがいまして、今般、そういった潜在的な企業のニーズに対応するという形で特定の省力化設備を選定して、これを特に時短等に対応する場合につきましては特利をもって優遇助成するということでございます。  全体的にどの程度の需要が出てくるだろうか、あるいはさらに広くどのようにこの制度の普及をしていくのかといった問題点につきまして御指摘があったのかと存じますが、現在、特に中小企業の関係で、中小企業の労働力環境の整備ということで中小公庫あるいはその他の政府系金融機関の方から省力化設備等につきまして特利をもって助成をしてきております。その状況を見ますと、実績で約九百三十億程度の状況になっておりまして、開銀あるいは北東公庫の場合は中小企業以外のものが主として対象になるわけでございますけれども、設備の大企業、中小企業のバランス等を考えますと、ややこれからは推測の問題になりますけれども、五百億から一千億の間ぐらいの規模になってくるのではないかというふうに考えているわけでございます。  それから、今般同時に、中小企業の本件に係る融資制度につきましても拡充強化をいたし、さらに制度の普及徹底のための措置もとったところでございまして、非常に現段階の状況におきましてこの省力化設備投資の経済的意義が高こうございますから、各省とも協力をして普及徹底に努めてまいりたい、このように思っている次第でございます。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 せっかく努力をお願いしたいと思います。この融資事業については、条件をつくっていっても結局それを借用して執行するのは事業主でありますから、そこまでいくかどうかがスピードにかかわるわけでありまして、どうしてもタイムラグがある。それが出ないものですから、緊急にやってもそのことに気をつけながら、私どももせっかくの効果が実るように願ってどちらかというと応援しておるわけでありまして、おこたえいただきたいと思います。  もう一つ、先ほど通産大臣の方から御提言がありました中で、ちょっと財政投融資についてお伺いいたしますが、この財政投融資は全体で四十兆ぐらいあるうちで、通産省で事業規模にすると十二兆ということで、財投規模で八兆二千億という枠でございます。これは融資事業でございますから、これもまた効果があれば走り出すと思うのでございますけれども、昨年の実績を復習してみると、大変に資金需要があるはずだと思うのに意外と伸びていない。もともと議会の方としては、財政投融資については柔軟条項をつくっていて、議会の議決を得ないでも五〇%は増額して執行してくださいと権限をゆだねておるのでございます。相当な枠でございますし、またこの執行の効果によってはインパクトを与えるものでありますから、この財政投融資の平成三年の執行状況と関連させてこの枠の有効な執行についてお尋ねをいたします。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(渡部恒三君) 今、吉田先生から財政投融資、これを今後有効に、また経済の活力、また中小企業も含めた当面最大の課題である人手不足、こういうものを解消していくための近代的な設備投資といったようなものの有効な活用を今後推進してまいれと、こういう私は今先生のお気持ちであろうと理解をいたしておりますけれども、昨年から私は景気の問題は非常に心配をいたしておりました。財政の面は極めて重要でありますが、同時に通産省としては、やはり財政投融資の活用であるということで、昨年の補正予算のときも今までかつてない積み増しを行い、また今回の予算でも御報告を申し上げたようなお願いをしておるわけでありますけれども、今後、企業の皆さん方に設備投資の意欲を燃え立たせていただいて、この執行を十二分に有効なものにするために努力してまいりたいと存じます。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 こういうふうにして融資事業は進めてやってもらいたいと思います。実際の予算成立後における執行を前倒しするということで、準備を一般会計ではなさって既に指示をしておられると思いますが、今度の緊急対策の中では、公益的色彩を持つ民間企業の投資ということで相当額ふやしておられますね。これもやっぱり直接に経済効果を引き出すという生の投資でありますから、執行されればそれだけの効果が出ると思うんですが、これについては、準備というか状況はどうなっておりますか。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(渡部恒三君) これも先ほど経済企画庁長官から御報告ありましたが、今回の景気対策の非常に重要な役割を果たすという考えから、私、直接電事連の会長にお目にかかって思い切った御協力をお願いいたし、またこれは私の所掌範囲ではございませんけれども、郵政大臣からNTTまたはその他関連とか、あるいは運輸省とがそれぞれの分野の皆さんからお願いをしたわけでありますが、その中でもこれは電力、ガスが非常に大きな部分を占めておりますけれども、幸いに関係業界の皆さん方が積極的に思い切った協力をしてくださるということでありますから、早期発注、前倒し等、これによってかなり経済の活力を見出すことに効果があるものと信じております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 こうした政府及び政府に関係する、出資している民間企業も執行して三・五%にだんだん近づいておると思うんですが、株の方が追いつかないということで、株対策について証券取引の環境を整備すると、こういう表現になっております。これは所管が大蔵省になりましょうか、特に自己株式の買い取り禁止の商法の規定を改正して、この株価を上げようと、こういう動きがございます。これについては、実際の商法をもって会社運営をされておる、そこのところを行政庁として所管しておられる通産大臣でありますから、ちょっと一般的な問題になるかわかりませんが、お尋ねをいたします。  それは、本来株式の自己取得については禁止をしておるんです、例外的に二十分の一は別記して許されておるけれども、禁止しておる。それは株というものは公開をして、人さんからお金を預かって会社を運営するんですから、預かるはずの会社が自分が株を持ってしまったら株式という経済機能が成り立たぬわけでありまして、その中で証券業界で大衆からお金を預かるについては証券を民主化しなければならぬ、こういう前提がございます。  証券業界では、昨年のバブルのときに損失補てんをしてしまった。これは不透明なことでけしからぬと指摘を受けて、取引法を改正してこれにきちっと対処しようということで議会も努力した。ところが、飛ばしが出てきた。また、それを訴訟でもって明らかにされながら指摘を受けて、結局そういうような不透明な民主的でない証券市場について外国の批判もある。これは直さなければならぬ、こういう強い目がある今日でございます。その中で、自己株式は買い取り禁止されておるものを改正して、自分の株を自分で持ってもいいと、いろいろ乗っ取りなんかもありますからダミーを使ったりして苦労をしておる状況は知らぬじゃないですよ、知らぬじゃないですが、大きい流れとしましては自己株式を買い取りすることをのっぺらぼうに認めてもいいと、こういうことになると、緊急対策として出ておるうちの金融証券市場における取引の公正、透明性を確保する、二番目に、金融・証券市場における競争を促進して整備しようと、こういうことを言っておる趣旨とちょっと抵触する向きが出るんじゃないか。そういうことを疑われてはいかぬですね。会社の企業倫理については殊さら厳しい時期であります。政治も政治倫理について問われて、きちっと折り目を正して、李下に冠を正さずという生活をしなければなりませんが、企業もその社会性、倫理性において問われているときでありますから、そのときにこの自己の株式買い取りについて改正をするということはどういう意味を持つのかと、先に私が心配するところを申し上げながら、通産大臣の見解をお伺いする次第です。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(渡部恒三君) 株の方は私専門家でありませんので、専門家から具体的な問題については答弁させますけれども、一般論として申し上げると、吉田先生がお話ししたとおり、日本の資本主義経済というものにおける株式市場の役割というのは非常に大きい役割で、この十年間の推移を見ても、国民大衆の皆さん方が積極的に投資をなされた、そのことによって企業の自己資本率が高まったりあるいは体質が強化した。あのエネルギーショックにも、またその後たびたび行われておる為替相場の変動といったような厳しい経済環境の中でも、我が国の企業が活力あり健全なものとしてきょうまで来たのは、非常に株式市場が活性化してきておったことが大きな役割を果たしてきたものと私は率直に思っております。  残念ながら、日本人というのは、何か一つの問題が出るとすぐにばっと右に走ってしまったり左にと、熱しやすくて冷めやすいというところがあるんです。去年、証券業界に一連の不祥事が起こったために、大衆の皆さん方の投資熱が冷えてきておるということはこれは景気にもかかわる非常に重要なことであって、一日も早く証券市場の国民に対する信頼を取り戻し、さらに信頼を高めて、我が国には、今不景気だ不景気だと言って騒いでおりますけれども、郵便貯金で百六十兆を超す、あるいは銀行等を入れると一千兆円を超すという預貯金があるんですから、これらがやはり経済の活力を前進させるために役に立っていくというためには、まさに政治の信頼、これが一番大事ですが、また、株式市場に対する国民の信頼を一日も早く取り戻していくということが景気回復のためにも、また今後、厳しい国際経済の中で我が国の経済が大きな役割を果たしていくためにも極めて重要なものであると考えます。  今の問題については、政府委員から答弁させます。

榎元宏明通商産業省大臣官房審議官

○政府委員(榎元宏明君) 先生御指摘のように、自社株保有の規制につきましては、商法の二百十条に基づきまして株式の消却あるいは合併等の定の場合を除きまして原則的に禁止されているわけでございます。その背景といたしましては、これも御指摘なさいましたとおりでございますが、資本の充実の原則でございますとか、あるいは経営者の会社支配でありますとか、そういったさまざまの問題のほかに、今御議論いただきましたような、会社が株価操作をし、あるいは内部情報を利用しまして自己株式の投機を行い、株主や投資家の利益を害するようなそういう弊害を与えることがあるということで一般的あるいは予防的に禁止をしている、そういった見地からこの商法の規定があるというふうに考えられているわけでございます。  このような状況に対しまして、従来から産業界等を中心にいたしまして、従業員持ち株制度の円滑化その他の観点から規制緩和が要請されてきておりました。  また、今般、企業活動の国際化を踏まえまして外国法制とのバランスの問題が出てきておりまして、例えばアメリカのこの面に関する法制は、基本的には利益剰余金の範囲内で法的な上限を律している、そしてSECの規則の遵守をかけている、この二つ以外に特段の制約がなく、自由に自社株が取得できる、こういう状況でございます。  また、欧州につきましては、ECの共同体の第二ディレクティブ、指令でございますけれども、これによりまして各国が一定の取得財源、これは利益剰余金でございますが、とか量的な制限、これは株式の一〇%以内ということでございますが、あるいは手段的な制限のもとで目的を限定することなく自己株の取得を認める法制を許容しているといったような環境がございまして、先ほど申しましたように、企業活動の国際化の観点も含めまして現在法務省の法制審議会の商法部会で検討項目として取り上げられ、今後検討されていく、そういう予定になっているとお伺いしているところでございます。  通産省といたしましては、この自己株式投資規則の見直しにつきまして、先ほどの制度の国際的な調和を図っていく観点や、あるいは企業財務の健全化等の手段といたしまして積極的に検討をしてまいりたいと、このように思っている次第でございますが、先生が御指摘なさいました例えばインサイダー取引の温床になるのではないかといった問題は、私どもとしてもそのとおりだとその点につきまして感じております。したがいまして、検討するに当たりましては、そのようなインサイダー取引であるとか株価操縦の誘発をしないような弊害防止の仕組みを同時に考えていかなければならないと、このように思っております。  また、この商法の規制は古くから行われている規制でございますけれども、現行の証券取引法における規制がどのような運用といいますか、状況に展開されていくか、不十分であるかどうかといった点を含めましてこれは検討していかなければならない、このように思っている次第でございます。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 証券の民主化ということについて、また企業の責任を持つ経営者というもののありようとして、私は若干の懸念を申し上げたんですが、所管が本質的に通産大臣でないということだそうですからこれ以上申し上げませんが、緊急対策として挙がったので、時事問題にもなっておるんでお伺いしたんです。意のあるところをお酌み取りいただきたいと思います。  先般、大臣に地方拠点都市について予算委員会の総括でお伺いいたしたのでございますが、この今の御提言の中にも、二番目に東京一極集中の是正と地域の活性化ということを大きく訴えておられますので、今まで東京一極集中というものを排除する、地方に分散化するということについては、工場再配置等々に鋭意尽くされたんですけれども、結果的には現在の情勢でございます。その中で、また今度はオフィスといいますか、違った形で計画を展開されるという法律の段取りを進めておられるわけでございます。工場再配置の手法と違うんだと。どこが違うのか。それは必ず成功する、させなければならぬと。その辺のポイントについて、大臣の方からお答えいただきたいと思います。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(渡部恒三君) 大変この問題は難しいことでありますけれども、しかし、戦後四十七年のこの国の発展を振り返って、私はやっぱり我々が今最大に内政上問題にしなければならないのは東京一極集中の是正、そして、北は北海道から南は九州、沖縄まで国土の均衡ある発展を図っていく、これが内政上我々に与えられた最大の課題であるということについては、これは吉田先生も私も全く共通する認識であろうと思うんです。  その方法論として、通産省は与えられた分野で、振り返ると、農村工業導入から始まって工業の地方分散ということで、かつては新産業都市の建設に情熱を燃やす、最近ではテクノポリスあるいは業務や頭脳立地、非常にそれぞれの地域に大きな活力をもたらしてまいりましたけれども、最近の変化は、業務機能が東京にどうしても、いろいろ交通や情報等の関係もあるんでしょう、集中してしまっている。  これについては意見はいろいろあるようですけれども、ある調査によれば、このまま放置しておけば霞ケ関ビル、あれを一年に三十本すっ建てていかないと間に合わないとか、これは別に正確な数字でありませんが、いろんな意見がありますけれども、そういういろんな議論があるぐらい業務機能が一極集中しているということが非常に心配されておるものですから、今回、通産省としては、この業務機能を含めて経済、情報あるいは研究、そういったものが地方にできるだけ分散していくようなインセンティブを、財政もありますし税制もありますしそれから金融もありますし、またこれは通産省だけでできる話でありません、交通その他の問題がありますからこれは建設省も関係してくる、あるいは郵政省もかかわり合ってくる、いろんなそれぞれの部署で努力してこの一極集中を排除して地方にこれらの機能を、業務機能をも思い切って分散するような環境づくりをやろうと。  また、それぞれの地域社会では、地場産業とかあるいは伝統産業とかあるいは伝統工芸とか、こういうものを持っているわけですから、こういうようなものも育てていこうと。そうでないと東京にばっかり何もかも集まって、そしてまた東京の人が幸せかといえば、この前の調査、あるいは総理府だったかと思いますが、東京や千葉や神奈川に住んでいる人はだれもおれは幸せだと思ってくれない。これ申し上げて失礼ですが、鳥取県とか福島県とか、我々の方は何かみんな東京に打っちゃって若い者がいなくなって困ったと、こう思っておる。今度は、集まった方の京浜葉工業地帯に住んでいる人も何か豊かさを全然実感できない。  こんな矛盾はありませんから、やっぱり私いつも行きますと、鳥取空港におりて海辺を倉吉から米子から走っていく、こんなすばらしい場所は世界にもあろうかと、こう思うあの鳥取県が過疎であるなどということは、これは政治の矛盾でありますから、これは思い切ってそういう地域に活力をもたらして若者たちに魅力のある地域づくりを進めてまいりたいというのが今回の私ども挙げての考え方でございます。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 大変興味のある発想の中でのこのたびの法律の提案でありましたものですから、いささか、物の本等々を見ましたら、レイコ・ハベ・エバンスという人が著者で、日本では大野さんという人が担当しておるんですけれども、都市開発の一つの考え方として、オフィス建設には経済的な波及効果は投資額の二倍あると、こういうふうに岩波新書等にも出ておりまして、そういう意味では経済的にもオフィスとしてもインパクトを期待しておるところでございます。  依然として従来の伝統的な工場再配置もやる、伝統工芸も育てる、こういうこともあわせながらやられる、こういうことでありますが、これについては、受け入れる自治体等々はそこの地区の大問題でありますから、もちろん通産省オンリーでなくて各省が協力する、こういう構想で進めていらっしゃる。  そこで、自治省からおいでいただいていますが、この地方拠点都市の要件といいますかあるいは支援について、自治省としてのお考えをお伺いしながら、この物の性質上、これはやっぱり一つの町づくりという大きい背景の中でなされる地方拠点都市でありますから、その町づくりの基本的な考え方とあわせて自治省の方の見解をお伺いしたいと思います。

芳山達郎自治省行政局振興課長

○説明員(芳山達郎君) ただいま御質問ございました地方拠点都市地域の要件並びに町づくりの基本的発想の御質問でございますけれども、ただいま大臣からお答えがありましたように、今回の法案は地方における振興の核となる拠点地域の総合整備ということでございまして、法案の要件の中にも地域社会の中心となる都市及び周辺の市町村、またその地域が地域全体として拠点性、成長の潜在力があるというような要件等が定められております。これまでの法体系と違いますのは、拠点都市地域を知事が選定をして、また計画自身も市町村が共同して策定し知事に出す、知事が承認すればそれでスキームは終わるというような地方の自主性を尊重した、国の関与を最小限にしたものとなっております。  また、これまでの町づくりとの関係の御質問でございますけれども、これまでもふるさと創生事業等を通じて地方が知恵を出し発想する、そして地方の自主性を尊重した地域づくりが進められておりますので、そういうような地方の知恵が生かされた計画づくりが進められるものと自治省としても期待をしております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 大分の方にも赴任をして地方自治行政にも実績がおありのようなちょっと記憶でございはすが、その辺も知恵の中に入れてお考えだと思いますが、地方拠点都市はこの要綱によると、過度に産業業務が集積している地域から地方拠点に行くわけですね。だから、地方拠点の市の要件、それから過度に集積をしておる地域、これは具体的にはどういう内容になりますか。

鈴木英夫通商産業省立地公害局長

○政府委員(鈴木英夫君) 私ども、この過度に集積をしている地域といいますのは当面東京二十三区を考えておりまして、そこから地方に移転をする場合に対して税制その他の支援を講ずることにしておるわけでございます。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 私は関西の人間でございます。大臣がおっしゃったオフィスを地方にというものは、例えば東京にオフィスがあって福島の辺に行くとか、あの辺は実感があると思うんですけれども、関西の人間には実感が出ないんです。  確かに、理屈としましては、ルーチン業務のように定型的な変わらない仕事を長い交通時間をかけてそこに来て集まってやる、本当はそこでなくても決まったような仕事だから十分できるんだけれども、集まらなければならぬという現在の機構の中でやっておると。したがって、それをサービスするお茶を酌む人やサポートする人もいろいろ出てきてオフィスが膨れてくる。こういうようなものはどこかにその場所を移しても十分できるはずだという考え方は話を聞いてわかりました。  実効性としましては、関西は、関西を中心にした経済圏の中におる者、名古屋辺までのエリアで想定しておる者からいうと、引き合いに出していただきました鳥取の方はなかなかそういう実感がない。むしろ、この法律をつくるんですから全国的な網を張ってやるべしで、これで産業業務の集中を東京二十三区に限定をすれば、おのずと法律の効果はその範囲しか出ませんよ。法律の行き方がそれだったら、せっかくやっても全国に生きないんじゃありませんか。これはもうちょっと大きい解釈をしてやられるべきだと思いますが、その点については実態としていかがでございますか。

鈴木英夫通商産業省立地公害局長

○政府委員(鈴木英夫君) まず、振興すべき地方拠点地域でございますけれども、これは自立的成長のポテンシャルを持って地方定住の牽引力となるようなことが期待できる地域ということで、先ほど自治省から御答弁申し上げましたように都道府県知事が定めることになっているわけです。  それで、今議論になっております過度集積地域といいますか、この法律の体系は、もちろんオフィスを移転するということのほかに、新たに設置されますオフィスをなるべく地方にとどめる、両方の概念から成り立っていると思いまして、拠点都市に対しますいろいろな税制上の優遇等によりましてそういうオフィスの集積を地方において行っていこう。ただし、移転をする場合の税制上の恩典を東京二十三区から移転する場合にのみとしております理由は、東京のオフィスの過密がほかの地域に比べて格段に大きいということからきているわけでございます。例えば大阪の方に言わせますと、大阪は最近本社が東京に出ていって停滞をしておってこれ以上大阪から出ていったらかえって困るんです、むしろ大阪の方を集積してほしいぐらいのものですというような御意見もありまして、今当面オフィスが非常に集積をして問題になっておるというのは東京二十三区である、こういう認識から特に東京二十三区から分散する場合に優遇策を講じよう、こういう考え方でやらせていただいておるわけでございます。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 過疎と過密は裏表でありまして、過密の方を追い出した場合に恩典を与えるということだけれども、過疎の方からいうと、それは東京でなくても来ていただければ歓迎をする、こういう構図であります。そういう構図の吸引力があって、また進出する方もそれではということが具体的に事業として実るのであって、その点を私は十分考えてこの法律の適用等々もやられるべきだと思うんです。  大臣が熱心に聞いて、鳥取まで来ていただいたものですから言いますと、東京一極集中するということは人口が集中する、人口に比例して選挙区の定数も比例しておるんですから、だから私の隣なんかはもう二名区になりましたよ。こういうことになると、もう国会も東京一極集中しますよ。そうじゃなくて、かつて人口があって議員定数があったんですから、それに合わせて後追いして定数を決めることをやっていれば、直らなければ今のようなことになってしまうので、むしろもどのように人口をよこせという方が選挙区の気持ちなんです。  だから、そのことを思うと、今の業務集積の解釈というものはまことに私は不都合だと思うんです。それは、地方自治体の方を全部見ておられる自治省の方としてはそういう見解に私は見解としてはならぬだろうと思いますけれども、自治省の方はどうですか。

芳山達郎自治省行政局振興課長

○説明員(芳山達郎君) 産業の再配置の関係は、立地公害局長の御答弁のとおり理解をしております。  ただ、税の恩典との関係で申し上げますと、拠点地区というのが拠点地域に立地されますが、拠点地区に立地される産業業務施設のうち買いかえ特例については二十三区からの移転でございますけれども、国税の中で特別償却についてはオフィスの立地についてはすべてそういう対象になる。また、地方税についても拠点地区に立地する産業業務施設についておのおの措置をしておるわけでございまして、大きく産業業務施設の二十三区からの移転とあわせて地域における産業業務施設についても措置をするように法案上なっております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 それでは、地方拠点都市の方の中身についてお尋ねいたしますが、地方拠点都市の方の要件というものは、どういうようなことが対象になりますか。

芳山達郎自治省行政局振興課長

○説明員(芳山達郎君) 拠点地域の要件につきましては、法案の中で、一つは先ほどの過度の集積地区については政令で定めて除外する、そのほかに、先ほど申し上げましたが、地域社会の中心となる市及び周辺の市町村、また自然的、社会的等の一体性のある地域、またその地域の振興整備を図ることが地域全体の発展の拠点となる地域というような要件が盛り込まれております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 じゃ、ずばり聞きますが、一つの県、都は今のとおりだめですから、何カ所ぐらい指定をするという考え方か。その地方の拠点都市なりの集積のありようについて、例えば人口とかあるいはそこの地域における機能とか、ああいうようなものは、一般的なガイドラインといいますかはどういう点で考えておられますか。人口動態等々、要件についてもう少し御説明いただきたいと思います。

芳山達郎自治省行政局振興課長

○説明員(芳山達郎君) 地方拠点都市地域の数及びその要件等の具体的なお話でございますが、拠点地域でございますので地域の拠点数について余りに多いと拠点性が希薄になるというのもございますけれども、大体、関係省庁でお話ししている中で、一県一ないし二地域というぐあいにしております。  また、拠点地域の人口等の要件でございますが、人口何万以上とか地域全体としてどのくらい以上とかいうのはなかなか難しいのではないかと我々は思っておりますけれども、ただ、地域全体がやっぱり振興整備することによって波及効果が相当程度及ぶもの、発展の潜在的な成長力があるものというような認識をしておりますので、そういう方面で今後基本方針を定めるに当たって関係省庁と協議をしながらその点は詰めてまいりたいというぐあいに思っております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 東京一極集中だけれども、地方にとってみれば、地方の県庁所在地とかああいうものとまたその郡部の方とが過疎過密になっている構造ですね。そこで、今の地方拠点都市の構想ですが、その地域の中でもやっぱり都市機能を充実して一つの総合的な機能として整ったものというものを想定するわけですけれども、それでもなお人口動態において一つのところではまた減っていく、県の中でも動いていく、こういうような状態を想定しまして、現状として、人口動態でいくと本当は町づくりからいえばふえるべくして現実にはしり貧になっておる、こういようなものと、片方では膨らんでいっておるこういう町と並んでいるわけですね。そういう場合に、この法律の趣旨からいうとどちらの観点に立って指定をされるというのが趣旨なのか。二点。

芳山達郎自治省行政局振興課長

○説明員(芳山達郎君) 拠点地域の要件等の概念の中で、一つは、地方のブロックの中枢となる都市については人口が国勢調査上伸びておる。また、県によりましては県内一極集中ということで、県庁所在地に集中している地域もあるというようなこともございまして、拠点地域のイメージとして第二の地域ないしは第三の地域というのがとりあえず予想されるわけでございますけれども、県によりましては県庁所在地についてそういう地域振興を図る必要があるという県もあろうかと思いますが、いずれにせよ、地域の選定については知事にお任せをし、知事の選定を関係省庁は尊重するというような仕組みになっておりますので、知事さんが拠点地域をどこに選定するかというのは、十分県内の状況等を踏まえて御選定をしてしかるべきというぐあいに理解をしております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 第二、第三の都市等々を想定されながらそこの県の知事の考え方をやっぱり尊重する、こういうことで協議が進められるという手続の中で指定を受け、また支援をそれぞれがされて成功するということですから、きょうの中では期待をしております。  通産大臣、先般総括のときに、当該地区として鳥取では今拠点として手を挙げつつあります倉吉の中身について、工場誘致が一時期は成功したんですが、現在は提供した土地もうまくいっていないで引き揚げられた後どうしようかという問題についてでございます。先般の質問のときに通産省の方でお答えいただいたんですが、市長の方ではなお通産省の方にいろいろ要請をしながら相談をさせていただきたいということで、九日に市長、十三日に議会等々が来て具体的なお願いをすると思います。そこで、通産省の方には二月二十日に行って跡地の利用について相談を申し上げていたという経過でございますから、その点については先般のお答えで市長の方では計画が公共的に進んでいないと、それから現在のスーパーについて進出に合意なさったという点については時間的なそごがございまして、その点についてはお含みをいただいて御了承願いたいと思います。  質問でございますが、第一は、三万坪土地を提供してそれでやってもらった、操業してもらったと。いろいろ経過がありましたが、引き揚げられたという跡を市民の人は何とか部門は違うけれども、紡績という業務が時期的に経済の流れの中で糸へん景気から去って他業種に転換をされているようなケースもありますが、会社が結局なくなったというものもないんで、そういう部門のものがせっかくもともと提供した土地に業種をかえて返り咲くということができないものか、これが願望の一つでございます。  いま一つは、この拠点都市の指定等々と相まってオフィス等々について、その使用の仕方では、せっかく市民の税金の中でつくって提供した土地が随分と形は変わっても生きてくる、こういうことがございます。御指導いただくように先般質問の中で要請をいたしましたし、また地方自治体の責任者の方もそのように段取りを持ちながら重ねて来るということでありますから、今申し上げました二点について、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(渡部恒三君) この前も先生に申し上げましたけれども、経済というのは大きく変化してまいります。明治以後を考えても、産業の中心が鉱山だった時代もありましたし、また紡績が日本の資本主義経済のいわば基幹産業であった時代もありましたし、それからまた戦後大きくどんどん経済構造が変化して一生活産業局長ここに来ておりますが、これも昔は繊維局長と言ったのかな、前は、紡績が大きな役割を果たしておった時代もありますけれども、これは国際経済の変化の中で、本人の責任でなくて、これはその業種が衰退していく場合はやはり企業としては新しい事業転換を求めていかなければ生きていけないわけでありますから、前の約束がこうだったから絶対これでいけというのではかえって地域振興にならない。  やはり、新しい時代へのニーズに合わせて企業も産業の転換をしていかなきゃならなかったり、また土地の利用についてもやはり時代のニーズに合わせていかなきゃならないので、三十年前こうこうだったからそれを絶対的に不変のものということでは地域発展、地域の皆さんのために役に立つか。そういうことはやはり弾力的に考えていかなくちゃならないと思いますけれども、いずれにしても、地方自治体の皆さん方の考え方、これも我々は十分に尊重していかなければならぬと思います。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 今申し上げましたことは、責任者からまたお願いをすると思いますので、具体的にお聞きいただいて御判断の上、御指導いただきたいと思います。  工場誘致というものを再配置の中で受け入れたり、指導したりしていらっしゃいますが、今度この拠点法が実施されたときには、またそういう研究所や営業所やオフィスができて、そこのところに進出を受ける自治体と進出をされる事業所、会社、企業と合意が成って進むと思います。大体、今日までのいろいろな例を見ますと、自治体がその中に入るときに紹介、あっせんを進めながら誘致措置をいろいろやりまして、さっき言った支援の税法上の問題とか、土地を提供したり、あるいは低利融資したりいろいろやっています。そのものは、今度の拠点立地に当たっても同じような配慮がなされるだろうと思うんですけれども、残念ながら、この時点では三十年も前になると、あるいは今日的なほどのことを想定できなかったという対応であったかもわかりません。  しかし、それぞれ各地方の活性化を目指して努力される省であり自治体であるわけでありますから、そこのところの両者の合意また継続的な協力関係のありようについては、一定の協定等々のガイドラインといいますか、そういうようなものはお示しあるのか。また、どのように自治体で取り組まれるように指導なされるのか。この辺についてお答えをいただきたいと思います。

鈴木英夫通商産業省立地公害局長

○政府委員(鈴木英夫君) 私ども、従来の工業再配置政策、新しくまたオフィスの分散の政策を文案させていただいておりますけれども、これらの政策におきまして立地誘導政策というのは、あくまでも自治体の企業誘致努力あるいは企業の地方進出への努力を支援するということを目的として行われるというふうに理解をしております。  自治体と進出企業との関係につきましては、もとよりその企業が地元社会との融和を図りつつ事業発展を図っていく、事業の展開を図っていくということが非常に大事でありますけれども、ただ、自治体と進出企業の関係そのものにつきましては、やはりそれぞれにさまざまな事情が存在するということでございますので、こういうルールをあらかじめ国として定めるというのはやはりいかがかという感じがいたします。やはり個別具体的なケースに即して、当事者間で話し合っていただくのが基本であるというふうに考えておるわけでございます。  先ほど大臣も申し上げましたように、やはり産業構造の変化あるいは社会環境、経済環境というのが大きく変化していく中にありまして、企業の経営環境はもちろん、企業を受け入れる地元自治体を取り巻く諸環境も変化していくというのは、ある意味でいたし方ないといいますか、当然のことでございます。真の地域経済の活性化が図られるかどうかという問題につきましては、こうした環境変化にやはり企業側、自治体側が柔軟かっ適切に対応していただくということが大事だと考えておりまして、あらかじめ国としてルールをつくるというようなことはむしろ問題の方が多いんではないかというふうに私どもは考えている次第でございます。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 それぞれの自主性でやって、枠をはめて硬直化しない方がかえって実効が上がると、こういうお考えであれば、自由経済でありますから、そういう立場の中での御支援もお願いいたします。  そこで、この地域にもう一度話を返しますと、ここのところで商業集積法に基づいて補助金をもらって現在その取り組みがなされております。基本構想の策定ということに相なりましょうが、これの作業ピッチ及び実現の手続ということについては、どのように指導していただいておる今日でしょうか。

麻生渡通商産業省大臣官房商務流通審議官

○政府委員(麻生渡君) 倉吉でございますが、特定商業集積整備法、これに基づきまして整備基本構想をつくるという作業が現在進行中でございます。この作業につきましては、調査費用につきまして国の方でも補助金を出しておるという状況でございます。  今後でございますが、この基本構想作成のための基礎的な調査を行いまして、その後、これら調査をベースに市町村が地元の商工会議所あるいは商工会の意見、あるいは特定商業集積整備を具体的に行います事業者の意見を聞いた上で基本構想を作成するという段取りになってまいります。作成ができますと、これを都道府県知事の方に申請をいたしまして、これが通産大臣、自治大臣、建設大臣でつくりましたこの法律に基づきます基本指針に沿っておるかどうかということを県の方で審査をいたしまして、適応しておるということになりますと承認が行われるという段取りになってまいります。承認が行われますと、県の方からこの主務大臣でございます三大臣の方に通知が来るということになりまして、通知が来ましたらいろんな支援措置が動いてまいるということでございます。  私どもの承知しておりますところでは、倉吉市の方では本年度いっぱいかけてこのような作業を進めていくということを考えておられるというふうに承知しております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 基本構想をまとめ上げて、知事等の手続を経て実際に事業着手ということになるのは、想定される最短時間にするとどのくらいに見られますか。

麻生渡通商産業省大臣官房商務流通審議官

○政府委員(麻生渡君) これは、基本構想の中で具体的に事業をどのタイミングから始めるかということでございますから、今後の検討によって決まってくることでございます。私どもの承知しておりますのは、具体的な事業に着手されるのは相当先になるんではないかというふうに思っております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 法律ができて、人心をうまざらしめぬためには、タイミングよく生きるような施行をしたい、商工会議所等々も鋭意取り組んでやります、重ねて指導を願うわけですが、この中でぜひとも成功させなきゃならぬという側面が一つの条件になりまして、片方で今申し上げました三万の土地が一部はグラウンドの方に既に譲渡になっておりますが、二万三千坪の中のすべてでないかわかりませんが、相当な面積でありまして、既に大店出店の計画が進められております。この出店の計画は発表になりましたから、業者の方の出された資料をもとに判断いたしますと、商業集積をやるという現在の計画にまた新たに大店法出店がなされると、それぞれめ影響が余りにも近接で強過ぎて、集積法の方が今の基本構想が成り立たないのではないかという危惧があるぐらいの状況であります。  そうしますと、この大店の出店の扱いについて自治体としては意見が出てくるわけです。つまり、それが二月二十日の反対の表明になって通産省に行っておるわけであります。しかし、大店法は二月から既に施行時期に入りまして、新しい大店法として国際化の中で動こうとしておるわけですね。それに対する対応はしなければならぬという別な面の側面があるが、どちらも通産省、初めに工場を紹介して誘致しましたのも通産省、この通産省の指導が一つの大きい、すべての問題のポイントになっておるわけでございます。  そこで、提出されないまでにいろんなことを予見するということはできませんけれども、一般的な状況としての大店法の施行以来の、我々はラッシュのようになるんじゃないかという想定をしていたんですが、状況はどうなっておりますか。

麻生渡通商産業省大臣官房商務流通審議官

○政府委員(麻生渡君) 大店法は、ことしの一月三十一日より新しい改正法が施行されたわけでございます。その後の一カ月間、二月の模様でございますが、この間の第一種、国が調整を担当いたします大規模な方の小売店舗でございますが、これの三条届け出、建物の設置者からの届け出、これが三十五件でございます。それから第二種、これは都道府県が調整を担当する分でございますが、これが九十五件でございまして、合計百三十件でございました。これはほぼ昨年の秋の水準でございまして、この動向を見ますと、改正大店法施行後も出店ラッシュというようなことではございませんで、昨年の秋と同じような落ちついた状況が続いておるというふうに認識をいたしております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 状況はい日本の対応も落ちついてお互いにできる、こういう全体的な構えだろうと思うんです。現在、出店予定をされている方は、計画としては六店舗持っていらっしゃるようですから、それは非常に積極的な方だと思うのでございます。しかし、これの状況の中の扱い、出店をするなということは言えないんですが、三条届け出を申請された場合の扱い方、また一般的な問題としてどういう判断基準で大店審がこれを審査されるというガイドラインなのか。  例えば、現在そこの地域における大型店とよろず屋等の小売店の面積比で言って五八%。今の出店計画を計数に乗せてやりますと、およそ一〇%上がって六八%。大型店の店舗面積が六八%。自治省の方の都市のありようとして、第二都市、第三都市というものの想定の中で計数を調べておると人口はちょっとマイナスになっておるらしいですね。というような場合、非常に厳しい条件があり得ると思いますが、大店審の審査の一般的な考え方とされてどのようなものをお持ちなのか、その辺をお示しいただきたいと思います。

麻生渡通商産業省大臣官房商務流通審議官

○政府委員(麻生渡君) 大店審におきます出店調整の判断をする際にどのような考え方をするかということにつきましては、大店番総会におきまして昨年ずっと審議をいたしまして審査要領を定めておりまして、これを公表いたしております。  このポイントでございますが、基本的には、地元の意見をお伺いしつつ、第一には消費者の利益がうまく保護されるように、十分発揮できるように配慮をするということでございます。同時に、周辺の中小小売業の事業活動の機会、これも適切に確保されるということでございまして、この二つの要素をバランスをさせて判断するということが基本的でございます。  具体的には、大きく要因といたしまして、定性的な要因と言われるものと定量的に統計的に考えてどう考えるかという要素があるわけでございます。定性的な要因につきましては、今申しました消費者利益の保護ということでございまして、特に最近のようなライフスタイルが非常に変わってきておるという状況のもとで、地元の住民の生活の利便性について十分役立つようにしていくということがポイントであるというふうに考えております。  また、周辺の中小小売業の問題でございますが、これも事業機会を確保するということに加えまして、いろんな商業集積があるわけでございますが、これがその立地の場所によりましていろいろ影響が異なってまいりますが、異なった要素を考えた上で既存の商業集積への配慮ということをやっていきたいということでございます。そのほかに、将来の町づくりということにつきましても、どのような考え方で市町村が進めておるかというようなことにつきましても御意見を伺いましてそれについて配慮していこうということでございます。  今、先生が御指摘になりました大規模店舗の占有率の問題でございますが、確かに、計算をいたしますと、倉吉の場合には現在で五九%程度に達しておるということでございます。この数字の判断の仕方はいろいろあろうと思いますが、いずれにしましても、判断いたします場合の非常に重要な一つ一つの参考資料といたしまして、このような大規模小売店舗の占有率あるいは小売商業施設の充足率、つまり人口に対しまして小売業の面積はどの程度のものであるか、これが全国的な同じような都市に比較してどのような水準に達しておるかというような比較を行うということでございます。  また同時に、その都市の人口が傾向といたしまして今ふえておるのかあるいは減っておるのか、その結果、購買力は将来ふえそうなのか減りそうなのかというような要素、あるいは購買力の流出入比率、つまりその都市から購買力がどこかよそに逃げておるのかあるいはよそのお客さんもとっておるのかというようなこと、そのような数字も一つの参考資料といたしまして、これらをまとめて総合的に判断していこうという考え方でございます。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 この問題はこれで終わって次に進みたいと思いますが、実はその興和紡の土地所有権を持っているところと出店計画をしているところとは既に仮契約を結んでおりますが、市の、自治体の公共的な計画がある場合、また通産省の指導がある場合、この契約の解消を含む変更をするという停止条件がついておるんです。大臣は難しそうになさっておられますが、そういうことを含めて指導を期待しながら、両者もおられるわけでございます。そういう中で、地元の責任者が市長等々参りますので、適切に御指導をお願いいたしておきます。  次に、ウラン残土の問題について科学技術庁及び動燃に質問をいたします。  この日本で一つしかないというウラン鉱山が発見されたのはそれこそ三十年も前でありますが、その当時、国の宝として掘ったウラン残土が、その当時の世界的な放射線量のレベルにおいて大丈夫だということか、行政的に一定の基準以下で置いていたものが、それぞれ現在の科学的ないろんな判断の中からこの基準では余りにも人体の放射線に対する被害について心配だということで五回にわたる改定がある中で、現在置かれているウラン残土もしかるべき措置をしなければならぬ、こういうことになって、地元と動燃と契約をなさいました。それはウラン残土を撤去する、こういうことでありました。  三月二十三日に、そこの方面地区の自治会に対して撤去ということでなくて仮置きという措置について提案がなされて、そこの地区は反対ということになりました。本来の契約をした撤去についてはどういう責任を果たされるのか、現在における方法についてお考えを聞かせていただきたいと思います。

竹之内一哲動力炉・核燃料開発事業団理事

○参考人(竹之内一哲君) 先生おっしゃいました方面の堆積場問題につきましては、事業団としても、いろいろな状況の中で早期撤去ということに対して精いっぱいの努力をしているところでございます。  撤去につきましては、先生御存じのとおりいろいろな約束がございますが、前提はいろいろな関係諸機関との御了解の上に実施するということでございますが、現在のところ、残念ながらなかなか関係機関の御了解を得られない状況のところでございます。  先生おっしゃいました先日の方面との話し合い等につきましては、そのような状況の中で、今後の事態の進展に備えて事業団としてできる範囲で、できることから実施していくという考え方を持ちまして今年度の工事の状況について御説明したところでございまして、そういう意味で工事の状況において一部残土等の仮置きがあると、こういうところでございます。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 それでは、撤去すると言った協定の趣旨は、今後とも守っていくという基本的な考え方というものは間違いないということですか。

竹之内一哲動力炉・核燃料開発事業団理事

○参考人(竹之内一哲君) 事業団としてお約束したことにつきましては、いろいろな条件はございますが、極力、精いっぱい努力してまいりたい、このように考えております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 ここに、その仮置きとしての提示された図面がございます。これは、仮置きなのでこういうことで提示されたんではないかと思いますが、いわゆる産業廃棄物としての安定型の処理と同様なものになっております、結果としましてね。これは水に溶けやすいラジウムとかウランとか、こういうようなものの扱い場としては、これはまだ合意が成っておりませんけれども、余りにも放射性物質の扱いにしては不用意、不用心と言わざるを得ない。むしろ、ドラム缶等々に詰めて保管をしてその上に立ってということを再々にわたって地元とも協議をされ、また既にドラム缶による保管等々は動燃において実績を積んでおられる、そういうところをもとにしてその扱い方もされるべきではないかと思うんですが、いかがでございますか。

竹之内一哲動力炉・核燃料開発事業団理事

○参考人(竹之内一哲君) 先ほども申し上げましたように、本件については、あくまでも今後の事態の進展に備えていかなる状況になっても行動が起こせるようにという考え方のもとに、地元の方々に工事等について御説明を申し上げたわけでございますので、保管のやり方についてはいろいろな状況があると思うんです。ただ、物質が一応放射線を出すという面がございますので、その辺の安全等に十分注意しつつ、今後も地元の方々と協議しつつ方法等については考えてまいりたい、このように思っております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 この問題は、人形峠の事業所において鋭意取り組んでいらっしゃいますが、非常に大きい決断といいますか、事業執行にれたる予算の裏づけも要りますし、また例えば六ケ所村等においてもドラム缶に詰めておるわけですからね。そういうようなことを日本の中で考えてみても、本社が指導して事の解決に責任を持って当たる、こういう進め方でなければ隣接県との関係についても進まないのじゃないかと思うんです。これについては、本社の役員としてはどういうお考えでございますか。

竹之内一哲動力炉・核燃料開発事業団理事

○参考人(竹之内一哲君) 事業団としてもいろいろな事業所がございまして、一義的に地元に対して責任を持って当たるのは組織的に各事業所が当たる、こういうことを原則としておりますが、先生おっしゃいますようにいろいろな問題の大小、広がり、そういう面から、適宜問題によっては本社としても適切な指導あるいは本社からしかるべく出向く、そういうようなことで本社と事業所と組織的に十分連携をとりながら問題の解決等を図っていきたい、かように考えております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 動燃の方は、三月二十五圧に人形峠の周辺のウラン鉱のズリの跡地で大気中のラドンについて測定されて発表されました。これは、私が委員会で要請をしたデータを示されたいということに対してこたえていただいた流れではあると思うんです。しかし、このデータはどこで、何日、どういう方法で採取したのかという点について明らかになっておりませんので、それらの生といいますかオリジナルなデータの提出を求めますが、いかがでございますか。

竹之内一哲動力炉・核燃料開発事業団理事

○参考人(竹之内一哲君) ラドンにつきましては、先生御承知のとおり、その発生から消滅まで環境中の挙動は極めて複雑でございます。また、そのため、その濃度測定も気象条件、地質あるいは季節等によって大きく変動いたします。  今回の事業団の発表につきましては、長期にわたってかつ堆積場全体の状況を把握するということを重要と判断いたしまして、積分型のラドンモニターで三カ月平均のラドン濃度を測定してまいっております。  先生おっしゃいましたデータ等につきましては、積分型ラドンモニターでございますので、いろいろなデータの出し方というのがちょっと特殊でございますけれども、先生おっしゃいましたように測定地点等につきましては提出する方向で検討させていただきたいと思います。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 検査方法がいろいろありますから、それによってデータも違ってくる。したがって、違った方法によって検出したもので合わせても合わない部分もあると思うんです。しかし、絶対値の違いはあっても傾向としてはわかってくると思うんです。  その中で、特に当方で不審に思われるのは、阪大の福島、三藤先生が調べたもの、京都大学の小出裕章先生が発表されたもの等々と比べてのことであります。特に、一番その量の多かった、二万二千ベクレルも検出された坑口のところ、下一号坑等については全然会社の方のデータが示されていない。会社の方は、その下一号の坑口のところを一時指摘があったものですから土を盛って埋めたりしておられたということですから、そこに濃度の濃いものがあるということは当然御存じでありますから調べられてしかるべきだと思うのに、それぞれの発表にはデータがない。そういうところはどうしてか不審なので、生データとしても示してもらいたいが、その経過はどうなっておりますか。

竹之内一哲動力炉・核燃料開発事業団理事

○参考人(竹之内一哲君) ただいま先生御指摘のデータにつきましては、昨年十一月に市民グループが公表したデータを前提におっしゃっておると思います。先ほど申し上げましたように、ラドンにつきましては非常にいろいろな要素で変動が大きく、また一般的には夏あるいは朝早く、こういう点が特にラドンの濃度が高くなる傾向にございます。  事業団といたしましては、そういうことで先生御指摘の、例えば一号坑口付近につきましては、局所的に見れば堆積場内でラドン濃度が高い傾向にあるということは承知しております。ただ、事業団といたしましては、先ほど申し上げましたように堆積場内の空間線量率分布、堆積場の地形等を考慮して、全体としての堆積場の環境影響評価という観点で、中央点それから東西南北の五点について測定して、これは定常的にはかりまして、それを発表しているところでございます。  そういうことで、先生おっしゃった高いところあるいは低いところ、それをそういう影響を見まして定常的に五点ではかっているということで広い意味ではデータも包含されて、しかも事業団の測定は長期間にわたってはかっている、こういうことでございます。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 調査方法がちょっと私の期待しておった方法でないようですが、調査地点というものを図示してそのものをいただきたい、これが一つ。それから、かねて当方で採掘当時の人形峠周辺の鉱山の坑道内のラドン、このものの管理データを公表願いたいということでありますが、この二つについて資料の提供をいただきたいと思いますが、願えますか。

竹之内一哲動力炉・核燃料開発事業団理事

○参考人(竹之内一哲君) 先生おっしゃいました初めの今回のデータについての私どもの測定地点についての図、これは先生にお届けいたしたいと、こういうふうに思っておりますが、二番目の坑内のデータですか、ちょっと理解しかねる面がありますが……

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 三十年前の、採掘中の鉱山労働者がそこで働いていたころのデータです。被曝管理データです。

竹之内一哲動力炉・核燃料開発事業団理事

○参考人(竹之内一哲君) 被曝管理データ等につきましては、今までも先生からも御指摘あったところでございますが、被曝データにつきましては、いろいろ個人のプライバシーの問題等がございますので公表は差し控えさせていただきたいと、こういうふうに思っております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 後段はかねてからすれ違いですが、さらに私は求めてはおきます。  このデータの評価について大丈夫だと、こういうことを評価、公表されましたが、大体大気中一立方メートルで五ベクレルというのがまず基準とされております。それに比べると、事業団の方で公表されたものはとてもそんなものじゃありませんからね。安全だと、こういうことを言う根拠は何か。それは本来、国の方が何ベクレル以下であれば安全だという基準を示しておって、その基準に照らして安全だということが本旨でありますね。それが基準にないのに安全だということを言い切るのはどうか。  また、科学技術庁等々は、今ラドンによる肺がんについて世界的な危険を指摘されて、カナダを初めどんどんそういう被曝の状況が明らかになるにつれてさっき言ったように五倍も基準を厳しくするほどの趨勢の中で、日本においての取り組みが遅いのじゃないかと思うんですが、この国の基準、調査の規格、これはどうなのか。そしてまた、それに照らして安全だということを主張された動燃事業団の見解の適正、これについてはそれぞれ見解を表明していただきたいと思います。

竹之内一哲動力炉・核燃料開発事業団理事

○参考人(竹之内一哲君) 国の基準についてのお尋ねでございますが、動燃事業団として理解しておることについてお答えいたしますと、ラドンの規制についての国の基準については、まず国際放射線防護委員会の勧告では、鉱山施設などからの放射性物質の放出についても、これによって生じた線量は線量限度に従うべきとされておりまして、公衆の線量限度である年間一ミリシーベルトが適用されております。我が国の法令は、ICRP勧告、国際放射線防護委員会でございますが、勧告を尊重して定められており、周辺監視区域の外側についても線量当量限度してICRP同様年間一ミリシーベルトが定められております。また、これに相当する濃度限度として、平衡等価ラドン濃度で、先ほど吉田先生五ベクレルとおっしゃいましたけれども、一立方メートル当たり九ベクレルが定められております。これは一ミリシーベルトに対応するものとしてでございます。  そういうことで、事業団においては、堆積場の敷地境界における線量当量が法令限度以下であることを確認しておるわけでございます。これが一点でございます。  それから、事業団が安全であるとなぜ判断したのかという御質問のお答えといたしまして、ただいま申し上げましたように、堆積場の敷地境界における線量当量が法令に定める限度以下ということを確認しております。事業団のラドン濃度の測定結果につきましては、まず居住地区におけるラドン濃度につきましてはほかの国立研究機関の測定データと比べて大きな違いがないこと。それから、居住地区においても地質的に、鳥取から岡山にかけては花嵩岩帯でございまして、地質的に濃度が高い地域が存在すること。それから、堆積場内につきましては、さく、警標等を設置して立ち入りを制限しております、こういうこと。それから、最近も発表がございましたが、三朝町の温泉地域でも高い濃度が観測されておりますが、健康に影響は及ぼしていないという発表がございました。  このようなことを総合的に見て、私どもとしては、事業所周辺のラドン濃度は健康上特に問題となるレベルではないと判断しております。  なお、最近鳥取県の実施しました居住地域におけるラドン濃度の測定結果についても、専門家の御検討を得た測定結果が公表されておりますが、健康上特に問題はないと評価されております。  以上であります。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 一立米に正あるいは九、その辺で若干の見解の相違がございますが、ラドンの危険性については今さら言うまでもない。現在、事業団が調査された調査地点のうちに、例えば歩谷地区の民家の前で最高百十ベクレル出ておりますね、最高百六十八ベクレルですか、というような部分も、調査地点いろいろありますから出ておるんです。さきの理事が示された数値に照らしても、これは高いと言わざるを得ない。大丈夫だと言ってもこれは問題がやっぱり残る、数値に格段の差がありますから。本来で言えば、この鉱滓は撤去すべきだと私は思うのでありますが、これらの点についてはどうお考えなんですか。

竹之内一哲動力炉・核燃料開発事業団理事

○参考人(竹之内一哲君) 先生ただいまある地点の二つほどの数字をおっしゃいましたが、一つの数字につきましては、私どもは特にウランの堆積場と直接関係のない地点という意味で発表したものでございまして、そういうところも高いところがあるというデータでございました。それから一つの数字につきましては、これはある四半期では百ベクレルを超すところ――ラドン濃度でございます。ちょっとごちゃごちゃしますが、平衡等価ラドン濃度ではなくて、普通のラドン濃度とちょっと違うんですが、ラドン濃度で百ベクレルを超すところがございますが、これも他の四半期を見ますとぐっと低くなっておりますので、年間平均で言うとかなり下がるデータと、こういうふうに理解しております。

吉田達男日本社会党・護憲共同

○吉田達男君 時間も来ましたので最後にしたいんですが、このラドンはガス状に移動するということで、鉱滓がここだからということでそこに土を盛ってしまえば済むということにならない。溶出をするし、また溶けやすい性質で地下に浸透するものもある。したがって、この扱いについてはなお最大努力して安全を画さなければ、九ベクレル以下なら大丈夫だという判断基準に基づいて大丈夫と言いましたけれども、あるはずがないところでもデータが出ていますと言っても、そういう事情で移動して放射線を放出しておるわけですから、これについて扱う者としては最大の注意で対応されなければならぬと思うんですが、最後に、これについて見解を伺っておきたいと思います。

竹之内一哲動力炉・核燃料開発事業団理事

○参考人(竹之内一哲君) 先生御指摘のとおり、動燃事業団は研究開発機関でありますし、それから放射線についてもいろいろな研究開発を進めております。先生おっしゃった特に問題になった地点等には十分留意しまして、今後もデータの蓄積と研究開発を進めたいと、かように思っております。

岩本政光自由民主党

○委員長(岩本政光君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十分まで休憩いたします。    午後零時十分休憩      ―――――・―――――    午後一時十一分開会

岩本政光自由民主党

○委員長(岩本政光君) ただいまから商工委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

松尾官平自由民主党

○松尾官平君 きょうは二人目の質問でもございますので、先ほどの吉田委員の質問と多少重複をする場面もありますが、我慢してひとつお答え願いたいと思います。  まず、時間も三十分しかございませんので冒頭お断り申し上げますが、ポイントはただ一つであります。東京圏一極集中の排除ということにポイントがあるわけであります。それを中心にしまして、通産大臣のごあいさつというのを見ておりますと重点項目を八つ掲げているようでありますが、第二、第三、第四、第七を中心に御質問申し上げ。たいと思います。  まず、こういう文書を読むときは、渡部通産大臣は一極集中の是正と書いてあるとおりにお読みになりますが、演説を聞いておりますと一極集中排除という言葉をお使いになる方が多いようであります。是正と排除では大変中身が違うと思うし、感じも違うと思うのでありまして、確かに四全総には是正と書いてあると思うんですが、排除というお気持ちで政策を推進されようとなさるお覚悟があるかどうか、まずその点を一言だけお答え願います。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(渡部恒三君) 私のこれは大臣になる以前からの政治家としての基本的哲学でもありますけれども、戦後四十七年、日本の経済はすばらしい発展をしてまいりましたし、我々振り返って、基本的に過ちのない道を歩んできたと思っております。  ただ一つ残念なことがあるとすれば、経済、文化、情報あるいは学術すべての場が東京に集中してしまった、これが私にとっては大変残念なことであって、やはりこれから経済はもとよりのこと、情報も文化もあるいは学問の場も、こういったものが一極に集中することを排除して、これらがそれぞれの地域の特性の中で国土の均衡ある発展を進めていって、私は通産大臣に就任する前に自治大臣を務めさせていただいた当時、ふるさと創生論を訴えて、三千三百の市町村がそれぞれの個性を生かしながら、そこで生まれた若者たちがみずからのふるさとで夢と希望を持って暮らせるような世の中をつくりたい、これは私の政治の原点でもありますので、ついつい今松尾先生から御指摘をいただいた排除というような強い言葉になってしまったのかと思います。

松尾官平自由民主党

○松尾官平君 ありがとうございました。大変心強い答弁をいただきまして、ひとつそういうお心構えで通産行政に当たっていただきたいと思います。  ところで、過般の報道するところによりますと、過疎地域がまた三十四市町村追加になったということが発表になっておりまして、国土面積の四八%を過疎地域が占めている。今大臣からお話がありましたように、約三千三百の市町村の中で千百九十九市町村が過疎地域になっている。これは過密過疎、先ほども吉田委員からお話が出たわけでありますが、まことに悪い方の数字がどんどん進んでいる。四全総が策定されたのが昭和六十二年。ことしはそのままの延長でいきますと昭和六十七年ということになりますから五年たっているわけでありますが、一依然としてこの過疎化が進行しつつあるということを考えますと、やはりいわば諸悪の根源は東京一極集中にあるんじゃないか。そういう意味で、私も、是正なんというなまぬるいことじゃなくて、排除をするという考え方で進んでいただきたいと考えているわけであります。  過般、かつてNHKにおられました鈴木健二先生がある新聞に投稿しておりますが、「東京一極集中の最悪の弊害である過疎は、もはや高齢化だの後継者不足だのの甘い段階を通り越して、子供がいないという究極の過疎にまで到達しているのだ。しかもこの現実が中央の官庁やマスコミには、風物詩程度にしか伝わっていないのである。東京で要路の人に会って地方の現状を話しても、外国人と話している感じがする。」、こういうことを鈴木健二氏は言っているわけであります。  これを打破するには、やはり何といっても町村部の、しかも農業に対する公共投資等をふやして、単に工場誘致とかリゾート開発だけではなくて、農業そのものに公共投資をして、農家人口を一世帯五人ぐらいに近づけて、そしてまた、文化会館等にも十分な予算をつけてプロデュースを可能な組織にしたいものだ。それ以外に方法はない。しかも、「それを実行する時、村の心は一つになり、恐るべきエネルギーがまだ生まれる余地がある。」、ここが大切なところなんですが、「それを実行する時、村の心は一つになり、恐るべきエネルギーがまだ生まれる余地がある。ただし、あと二、三年のうちだけだ。」、この二、三年が過ぎるともう取り返しかつかないということを彼は主張しているわけであります。  そういう観点から、この四全総の精神である一極集中を排除して多極分散型の国土をつくり上げるには急がなきゃならないんだと思うんですが、残念ながら五年たっても相変わらずそういう傾向が続いている。  まして先般、これもまた新聞の報道でありますが、世界一人口稠密なメキシコシティーでもう窒息状態になったと、「「非常事態措置第二段階」で経済活動、日常生活がほぼ停止し、首都は窒息状態と狂った。首都圏の幼稚園、小、中学校はすべて休校、市南部の高級住宅街では郊外へ「疎開」する子供たちの姿がみられた。」、電気は半分にしろ、工場の操業度は五〇%にしろと、すごい今非常事態がメキシコシティーに発生したという報道が出ているわけであります。東京も人口千二百万と言われておりまして、ほっておいたらいっこういうことになるかという心配さえしたくなるような昨今の状態であります。  ところで、私、きのう夕方最終便で青森空港から羽田へ参りまして、車で宿舎へ直行しましたら三十分で来ました。ところが、朝一番の飛行機で来ますと、羽田へ大体十時五十分ごろ着くんですが一時間半を要します。そうすると、時間的なロスはまさに二倍の時間的ロスをしているわけであります。私は、こういう状態にたまたま遭遇しまして東京の交通渋滞というものを考えた場合に、国民経済上の立場から、国家経済上の問題から時間的なロスは大変なものだろうと想像するわけであります。    〔委員長退席、理事中曽根弘文君着席〕  経済企画庁でそういうところに着目をして、東京の過密が起こしているロスといいますか、これを御計算なさったことがあるかどうかということをまず実はお聞きしたいのであります。かって、私、一回このことを聞きましたら、実は予算がなくて調べられないんだ、こういう話でありましたので、まことに情けない話で、もし東京の交通の流れがよくて正常な経済活動ができたとしたならば、大変な国民経済の上からプラスになるんじゃないかと思うわけであります。そういう点について企画庁で御試算なさったことがあるかどうか、あるいはこの問題をどう考えておられるか。そしてまた環境庁にも伺いたいんですが、おいでですね。一者さんの御苦労でこのSOx対策は大変向上したわけでありますが、NOxについては、先般お聞きしたら、高値安定というんですか、高原状の状態がグラフでは続いているということであります。このNOxを減らすのに一体どうしたらいいのか、これも交通渋滞からくる、信号でとまっているあるいは事故でとまっている車がアイドリングしている間に出る排気ガスというものも大変な影響じゃないかと想像するんですが、この辺を計算なさったことがあるかどうか、その点もあわせて。伺います。

加藤雅経済企画庁国民生活局長

○政府委員(加藤雅君) お答え申し上げます。  私どもの出しております国民生活白書で、東京圏の交通渋滞による時間ロスというのは大変計算が難しいわけでございますが、長時間通勤になっておりまして、この長時間通勤がどのくらいのロスになっているか。という計算をいたしております。NHKの放送文化研究所の調査によりますと、東京圏の平均通勤時間は九十一分でございまして、これを人口五十万人以上の都市の平均六十一分及び人口五十万から十万の都市の五十五分と比べますと、それぞれその差の時間というのは、結局自由は束縛されておるわけでございますが賃金は受けていないわけでございますので、くれたけが損失になるというふうに考えまして、これを月当たりの賃金に換算いたします。そうしますと、五十万人以上の都市と比べますと約二万三千円、それから十万人以上五十万人未満の都市と比べますと二万七千六百円の差があるという計算になっておるわけでございます。これは、東京で非常に通勤というのは混雑をいたしますので、そのために疲れるということは考慮をいたしておらないわけでございます。

斉藤照夫環境庁大気保全局企画課交通公害対策室長

○説明員(斉藤照夫君) お答え申し上げます。  東京地域におきます窒素酸化物による大気汚染でございますが、道路沿道を中心に環境基準の達成状況が悪いまま推移しておりまして、大変厳しい状況にございます。  これは、これまでに工場に対する厳しい規制とか、自動車排ガスの一台ごとの車の規制を強化してまいったのでございますが、人口や産業の集中に伴います自動車交通量の増大並びに近年のディーゼル自動車の増加ということによって、これらの対策の効果が相殺されているということによるものと考えております。このために、環境庁といたしましては、発生源対策の強化という観点から、さらにディーゼル車を中心としました排ガス規制の強化をいたしますとか、大都市全体についての自動車排出ガス総量の抑制のための方策を制度化したいと思っておるところでございます。  先生御指摘のディーゼル車の排ガスでございますが、ディーゼル車の特性といたしまして、渋滞をしスピードが落ちますと窒素酸化物の排出量が特に増大をするということでございまして、交通渋滞の増加というのは窒素酸化物排出の増大の一因ともなっておると認識しております。  さまざまな発生源対策の強化を通じまして、関係省庁とも連携をとりつつ、何とか東京地域におきましても環境基準を達成すべく努力をしてまいりたいと考えているところでございます。

松尾官平自由民主党

○松尾官平君 時間がありませんので、どんどん進ませてもらいます。  いろんな意味での東京集中が諸悪の根源になっていると思うので、まず人を減らそうと首都機能の移転という問題が出で、国会でも今研究になっているわけでありますが、先般のまたこれも新聞で恐縮ですが、新聞を拝見しますと、経済審議会でそのことにも触れておられるようであります。ところが、同じ日の新聞に、「ベルリン遷都延期か 財政難で見直し論高まる」という、日本と逆の方向が強まっているようであります。昨年、私ら、六月二十三日でしたか、穐山先生ともどもボンベ行ったんですが、たまたまベートーベンの銅像が、国会はベルリンヘ行ってもおれはここを動かぬぞといったすきをかけた銅像がありましたけれども、やはりベルリン遷都は大変な問題になっている。  このことを考えますと、日本の基本的な長期的な考え方としては、遷都問題も大切でありましょうけれども、経済審議会で中間報告に、「東京一極集中の是正のためこ、ここまではいいんですが、「首都機能移転の基本的方向を明示したい」としておる、こういうふうになっておるんです。これは大分先の話で、もう少し我々政治家は現実的なことを考えなきゃならぬのじゃないかという観点に立ては、私は、やっぱり教育機関の地方移転というのが最も効果的で手っ取り早くていいのじゃないかと考えるわけであります。  先生方も皆さん御承知のように、イギリスにおきましては、ケンブリッジ大学があるケンブリッジと。いう町は人口十万の町であります。世界的に有名なケンブリッジにしてしかりであります。オックスフォード大学は人口十一万六千人の町にあり、こういうところに世界的な大学が立地して、立派に成果を挙げているわけであります。また、アメリカで見ましても、全米の大学数は約二千と言われているわけでありますが、ワシントンにある大学はたった十六であり、〇・八%という数値になります。  これに比較しまして、我が国を見た場合に、全国の大学の数が五百十四、その中で東京に百六あるわけでありますから、何と二〇%以上の大学が東京に集中している、こういうことは東京一極集中にまさに拍車をかけている原因ではなかろうか。あるいはまた、一つの大学を見てみても、たくさんのキャンパスを地方に持っているアメリカの例があるわけでありまして、ニューヨーク州立大学に至っては二十二のキャンパスが散らばっている。こういうことは、今一極集中を是正しようとしている我が国にとって、見逃せない大切な視点ではなかろうかと私は考えるわけであります。  ところが、文部省で設定しております私立大学の地方への移転のための融資という制度があるわけでありますが、これを見ますと、利点は、通常の施設整備の場合五・五%の貸付利率、これに対して地方に出ていくのが五・四五と、わずかに〇・〇五%の利率しか優遇されていないようであります。こういうことは、これは文部省が弱腰なのか大蔵の査定が厳しいのか、関係者、御答弁できたらしていただきたいと思うわけであります。  なお、私立大学もさることながら、私はもう極端な例を引くわけでありますが、東京大学の農学部が二十三区内に存在する必然性があるのかということを言いたいわけであります。私も農業の方の学校を終わっている立場でありますけれども、地方で一向に差し支えないのではないか。ケンブリッジやオックスフォードがロンドンから六百キロ離れた町にある例を見ますと、東京大学の農学部が青森市にあっても何ら不思議がない六百キロという距離なんであります。そういうことを考えます。そうして、私立大学が大学の自治とかそういうネックがあるとするならば、せめて官立大学は、文部省の力で、協議の上で移転等が考えられないかということが一つ。  それから、ちょっと資料をいただきましたら、北海道の富良野に二万二千八百十五ヘクタールの演習林を東大で持っております。こういう演習林、北海道の演習林なんというのは北大の農学部に預けたらどうなんですか。もっともっと成果を上げられると思うし、利用もできると思うし、形ができてくると思うんです。何で、東大農学部が北海道にこういうものを持たなきゃならぬのかという疑問も出てくるわけであります。何と、東大農学部が持っている演習林は約二万ヘクタールぐらいの演習林を持っております。  こういうことを考えまして、ひとつ大学の地方への分散によってもたらす効果というものは、過疎過密の大きな解消策になると思うわけでありますが、関係者の御答弁をお願いします。

草原克豪文部省高等教育局企画課長

○説明員(草原克豪君) 先生御指摘になりましたように、国土の均衡ある発展あるいは地域文化の振興という観点から、大学等の高等教育機関の地域配置の適正化を図るということは、私ども極めて重要であるというふうに認識しております。  東京における大学の数が急速にふえたのは高等教育が拡充しました昭和四十年代であったと思いますけれども、それによっていろいろな問題が生じてまいりました。このような観点から、文部省としては、従来からいわゆる工場等制限法に基づきまして、首都圏及び近畿圏の制限地域においては大学の新設、増設を抑制してきております。これによりまして、大都市圏以外での大学等の新増設が進んだ結果、首都圏への学生の集中あるいは大学等の収容力の地域間格差といった問題については、徐々に改善を見ているところでございます。  例えば、数字を少し御紹介いたしますと……。

松尾官平自由民主党

○松尾官平君 いや、数字はいい。時間がない。

草原克豪文部省高等教育局企画課長

○説明員(草原克豪君) 文部省としては、これからもこのような大学の地域配置の適正化には努める方針でございまして、なおこれまでは政令指定都市についても工場等制限地域に準じた扱いをしてまいりましたけれども、今後は、地方の中枢的な都市の振興という観点から、首都圏、近畿圏、中部圏以外の政令指定都市についてはこのような地域制限を設けないことにしておりまして、どれによって大学の地方分散が促進されるということを期待しているわけでございます。  それから、既に東京都内に所在する大学の地方への移転ということでございますけれども、これは基本的には、国立大学につきましては大学のキャンパスのあり方、これはそれぞれの大学における教育研究のあり方に深くかかわる問題でございますので、各大学の自主的な判断が尊重されるべきであろうというふうに思っております。しかしながら、昭和六十三年の閣議決定において、東京外語大学が移転対象機関とされております。また、その他の国立大学についても……

松尾官平自由民主党

○松尾官平君 具体例はいいから、簡明に基本だけ。時間がない。

草原克豪文部省高等教育局企画課長

○説明員(草原克豪君) その他の大学等についても、文部省において別途検討することとされております。各大学においてはそれぞれ検討組織を設けるなどして検討を進めておりますので、文部省としては、今後とも各大学に対して移転に関する検討を促してまいりたいというふうに考えております。  なお、私立大学につきましては、先ほど御指摘ございましたとおり、大都市の私立大学が地方に移転する場合には、日本私学振興財団において低利の融資をしておるところでございますけれども、これについても今後なお積極的に活用することを期待しているところでございます。

松尾官平自由民主党

○松尾官平君 時間がございませんので、もう結論だけ申し上げますが、この経済審議会の中間報告に、「ぜい弱化している農林水産業を魅力あるものとし、消費者重視型で経済のグローバル化に対応したものとする方策も盛り込むとしている。」こういうことも報ぜられております。いわゆる過疎地帯の振興のためには農林水産業というものも十分考えていかなきゃならぬ、経済審議会でこういう視点を持っだということは、私は、ちょっと珍しいと言っては大変失礼なんですが、画期的なことではなかろうかと思って期待をしております。  それと問題は、高速交通体系の整備、農林水産業に対する公共投資、これが相備わってこそ過疎過密の解消あるいは一極集中の排除ができるんじゃないか。最近、一極集中が進行しまして、選抜野球まで一極で争うことになっちゃいました。  私だけでなく、三木委員や古川委員の母校である中央大学は、神田のあの土地を売り払って八王子へ移転しました。移転した当時は若干問題もあったようでありますけれども、こういう問題は、やはり五年十年先を見て成果が上がると思うのであります。もう既に成果が上がりつつあるようであります。そういう例もあるわけでありますから、どうぞ最後に、冒頭は通産大臣から御所感を伺いましたので、経企庁長官から感想の一端を一分以内でひとつお願いいたします。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(野田毅君) 東京に一極集中が進むということは、先ほど通産大臣からもるるお考えの御披瀝がございましたが、基本的に、私も全く通産大臣のお考えと軌を一にする気持ちであります。  先ほど来の御議論を承っておりまして、大学なりそういう教育機関の地方分散ということもありますが、私は、東京から追いやればいいというものよりも、むしろ教育というものの環境ということを考えれば、そしてまたそれを受け入れる受け皿の都市の個性といいますか、そういったそれぞれの地方の都市が東京のまねをして肥大化していくということを求めるよりも、その地方の伝統なり歴史なりそういったもの、そういう地方都市の個性をどうつくり上げていくかという中で、文化というものを重点に置くような都市がもっともっと地方でも育っていいんではないか。あるいは、今お触れになりましたが、農山漁村をどう活性化していくかということになれは、当然その生活の場をどうやって確保すみかということもあわせて考えなければ、これは絵そらごとになるわけであります。  そういった意味で、現在審議会でいろいろな角度から御議論をいただいておりまして、中間報告ということには実はまだ至ってはおりません。途。中でのこれまでの審議を振り返って、論議のある程度集約といいますか重点化といいますか、そういうような形での作業を今やっておる中で、今御指摘のありましたような角度からの問題点が指摘をされておるということであります。  これから、本当に政治家としてのみならず、国民全体として考えても、東京一極集中をどうやって是正をし、同時に地方においてそれぞれの地方都市をどう活性化するか、農山漁村をどう活性化するか、そしてそのために必要な交通基盤の整備、いわゆるネットワークをどうやってつくり上げていくか、そういうさまざまな角度からこの問題は重点的に取り上げていかなければならぬ大事な大事な課題であると認識をいたしております。

松尾官平自由民主党

○松尾官平君 ありがとうございました。  終わります。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 それでは、経企庁長官にまず伺いたいんですが、景気の問題で一、二ちょっと伺っておきたいと思います。  「平成四年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」、いろいろ読ませていただきました。それで、おくれながら七項目の経済対策をやったわけでありますけれども、平成四年の国民総生産は四百八十三兆、そして名目の成長率が五%、そして実質経済成長率三・五%程度と、こう予測をしているわけですね。この問題について、現時点でこの目標は達成されるとお考えになっていますか。その点についてまず伺っておきます。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(野田毅君) この点につきまして、まず基本的に消費の環境で見ますと、個人所得、いわゆる所得の環境というものは、総じて雇用者の数もふえておりますし、所得の環境が堅調である、したがって消費全体について底がたいものがある。ただし、内容について見ますと、やや耐久消費財系統について少し元気がないというところがここのところあらわれてきておるという環境にあります。それから、住宅投資について見ますと、昨年の秋ごろを底として大体底を打ったんではないか、むしろ昨年の暮れから年明けにかけて住宅の新規着工戸数は少し明るい回復の兆しか見えてきておる。それから、設備投資については、アンケート調査をとりますと、本年度については、もちろん昨年までの二けたの伸びということではありませんけれども、比較的根強いものがある。ぐれから、公共投資につきましては、御案内のとおり補正予算あるいは財投の追加などによりまして、本年度、対前年で比べれば非常に堅調に推移をいたしておる。そういうような姿で、おおむね本年の最終需要の項目を見てみますと根強いものがある。  したがって、これからもちろん最終的な数字がどうなるか。今、在庫調整が特に昨年の暮れから本格化いたしております。そういうようなことがどういう影響を与えるかということを十分注目しておく必要はあると思いますが、おおむね平成三年度の実績見込みとしては、見通しに近い姿が出てくるのではないかというふうに見ておるわけであります。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 エコノミスト、あるいは昨日ですか、大和総研の報告なんかを聞いておりますと、大体政府がやっと七項目の対策をやった経済対策それ自体が、やっと政府が景気が後退したということを認識したという程度にしか民間は受けとめていないんですね、ざっくばらんに申し上げて。昨日、いろいろ報告を聞きましたよ。  こういう点から考えますと、七項目、後で一、二公共事業の対策等聞きたいと思っていますけれども、こういう七項目の経済対策をやって果たしてそれで三・五は達成可能かどうかというと、非常に疑わしい。前回の六十年ですか、円高不況のとき、いろいろ経済対策をやりました。そのときの問題と比べて、今回のこの不況というか景気を刺激しなきゃいけない問題は、やっぱりバブル崩壊という問題が前回の景気対策の問題とは一部違っている状況があるんじゃないか。この点についての対応をどう考えているのかということが私は重要な問題じゃないかと思いますので、七項目は一応議論するにしても、この七項目の対策だけで果たして景気刺激になるか。  景気の底入れの問題をいろいろ議論してみれば、いつが大体景気の底入れと見ているのかという点もあるでしょうけれども、円高不況のときは前年の十二月にもう景気の底入れを認識しておったわけですね、六十年のときには。それで、二、三カ月ちょっとおくれているという、二、三カ月ちょっと認識が甘かったんじゃないかといういろんな議論もあるわけですね、これは絶対的なものじゃないと思いますけれども。こういう点から考えますと、この七項目だけではなしに、いろんな景気対策をさらにやらなきゃいけないんじゃないかという点を強く感ずるんですけれども、この点についての長官の意見を伺います。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(野田毅君) 確かに御指摘のとおり、今回の景気の現状につきましては、いわゆる円高不況と言われた当時と質的に異なる部分があると思っております。  これは、現象面でとらえますと、一つはいわゆる失業率の問題であります。今回の一つの特徴は、いわゆる有効求人倍率は若干低下してきてはおりますものの、いわゆる失業率で見ますと相変わらず二・〇である。非常に雇用の関係が、この需給がタイトなままであるということが一つと、それからいま一つは、最近は大分全国的に減速が広がってきておりますけれども、基本的に土地の値上がりの著しかったところの方が早くから減速が顕著に出てきておる。いわゆる関西圏、首都圏、こういったところが落ち込みが激しいという、これは非常に従来とは異なった特徴であると思っております。    〔理事中曽根弘文君退席、委員長着席〕  したがって、倒産の件数につきましても、昭和四十年以降、これはよしあしは別として、どんな好景気のときでも月に五百件、いわゆる年間で六千件を下回ったことは実はないわけであります。これは経済のいろんな構造の中で、ついていける企業とついていけない企業、いろいろあるわけでありますからやむを得ない部分はあると思いますが、少なくとも円高のときには二万件を超えたわけであります、年間の倒産件数が。昨年は一万件をちょっと超えたという、実はそういう姿、いろんな現象面から見ますとかなり円高のときとは異なっておる。これはやはり明らかに円高の場合には、外からのショックがわかるわけであります。したがって、輸出関連産業を中心として直撃を受ける分野、あるいはその企業城下町といいますか地域、特に下請関係、そういう円高直撃を受ける特定不況産業、特定不況の中小企業、特定不況の地域、そういう直接目に見えるところで手当てができた。  ところが、今回は御案内のとおり、今御指摘ありましたように、それがどちらかというと外傷性ではなくてむしろ内臓系の部分であるものですから、その認識について経営者自身も多少自分はバブル関連産業ではなかったという思いがあるだけに、対応にややおくれが、これは政府の方も今御指摘がありましたようにそういう点でおしかりを受けるような部分があるいはあったかもしれません。これは一室言いわけしてもしょうがないんですが、少なくとも政府の月例経済報告の中で昨年の九月から減速という言葉を用い、私自身も就任をいたしましてから物に耐えて、山に例えて富士山のてっぺんはもう既に過ぎましたと、下り坂になっていますよということは十一月ごろからアナウンスはいたしておりますものの、その辺の実感が、いや自分はまだ大丈夫だというふうなところもあって、多少在庫調整がおくれたのではないか。  我々見ておりまして、かなり在庫が積み上がってきておるにもかかわらず、生産抑制の傾向が業種によってずれがある、対応が。その点が昨年の暮れから本年に入って特に在庫の圧迫感ということが顕著になり、そのことが昨年の暮れよりも本年に入ってから急速に業況感が悪化した大きな理由ではないか。さらに加えて、過去三年間二けたの高い伸びの設備投資、これの償却費負担がどんどん重なってくるわけであります。しかも、それが安いコストで調達をして投資をされましたために、その借りかえだとか、いわゆる今度は金利のつくお金に借りかえていかなければならぬ。そういう意味で、過去の高いピッチでの設備投資のいわばコストがはね返ってくるという、そういうこと。特に、資金調達市場が思わしくないだけに、そういう経営に対する圧迫感というものがますます強まってきたということが非常にマインドを、先行きについても実態以上に経営者のマインドを悪化させておるのではないか。  私は、そういう意味で経済の実態そのものを見ていけば、先ほど幾つかの重要項目を申し上げました。これはある程度すれば、住宅にしても個人消費にしても、それぞれずっとそういう最終需要が支える形で在庫調整がほぼ本年度の半ばごろには一巡をするんではないか。そうすると、実体経済そのものはそれから明るい兆しか進んでいくというふうに見ておるわけですが、マインドの方はそのほかの要素もありましてなかなか今のところはかばかしく好転はしていないと、いわばマインド先行型であるというような状況にあるのではないか。  したがって、先般の景気対策及び公定歩合の引き下げ、特に中小企業は金融機関からの借り入れ依存が非常に強いわけであります。大手の企業は社債市場だとかそういう形で調達ができるわけでありますが、それだけに、この公定歩合の引き下げということも中小企業のウエートが設備投資の世界でも大きいだけに実体経済にもプラスの影響を与えてくれるんではないか、こういうふうに判断をいたしておるわけであります。  もちろん、経済のことでありますから、これから先どういうことになっていくか、計画経済ではありませんので、十分注視をしていく必要があります。そうした中で、今後さらに必要とあらば経済運営の面においてもタイムリーな手を打っていかなければならぬことは当然のことだと思いますけれども、先般作成を、決定をいたしたばかりでありますので、当分この対策の実効性がどの程度実体経済にプラスになっていくかということを十分注目をしてまいりたいと、こう思っておるわけであります。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 数字的じゃなくて、吉冨さんにいろいろ専門的な見地から、ちょっと大臣に申しわけないんだけれども。  日銀が三年前に公定歩合を二・五から上げましたね。あの時点がやっぱりターニングポイントじゃなかったんですか。あれからずっと金融引き締めをしてきたわけです。したがって、昨年の一月ごろからやっぱり景気が非常に悪いということは実感として、悪い方向に向いていくという実感的なものがいろいろささやかれたわけですね。それで、景気の後退という問題についてのいろんな議論が去年の中ごろからずっと議論をされてきて、経済対策を遅まきながら七項目打ったわけですけれども、そこらの数字的な読みというのか、あるいは数字から出てきたのと実態とは大分がけ離れておったのじゃないかと、こう私は思うんですが、その点とうなんですか。過去を責めてもしょうがないけれども。

吉冨勝経済企画庁調整局長

○政府委員(吉冨勝君) 経済政策を考えるときの基本的な見方は、雇用の状態とそれからインフレーションの状態がどうあるかというのを見ていきます。昨年の一-三月期というのは特殊な要因を除いたもの、季節商品とか石油価格などを除きますと、基礎的な消費者物価の上昇率は三・六%ありました。そのころはちょうどいわば景気のピークであったかと思いますけれども、同時に今回は先ほどのような投機的なブームを伴って設備投資も非常に強かったので、その景気の山の高さというのは過去にない非常に高いものであったわけです。したがって、その高いところから落ちてくる間の期間というのがいわば昨年じゅうでありまして、落ちたところというのは、例えば売上高経常利益率というので見ますと今日でも四。一%、製造業であります。今回のピークはこれは五・九%ありまして、過去のピークはせいぜい四・六、七%であります。したがって、今日落ちた時点でもまだその程度であるということ。  それから、労働市場が、先ほど大臣の方から説明がありましたように、有効求人倍率でもまだ一・二五、それから日銀の短観でも三割以上の企業が不足と感じているということですので、そういういわば落差感というものから見た景気の見方と、それから失業率とかインフレで見たレベルの問題というところの見方の違いがあったのではないかというふうに思います。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 そこは私は、設備投資が非常によかったというのは、確かに株式市場で増資が随分できた。昨年、一昨年ですか、上場企業が相当ふえてきた、店頭市場を公開しまして。したがって、実際よりも国民が株を買ったりいろいろ、これはNTTも政府にも影響があるんだけれども、NTTであおった結果がずっと増資に乗ってきた。これがやはり設備投資に向かう金になってきたのだろう。したがって、証券、金融、恐らく中堅の証券会社が今あえいでいるのは何かといえば設備投資過剰ですよ。電算機とかコンピューターとか全部設備投資入れて、縮小しなければいけない。これが一番困っているわけです、今実態は証券、金融が。だから、それに比べてコンピューター会社だとか関連会社が非常に不況になってきているわけですよ。これがやっぱり設備過剰をやったわけですね。したがって、ここのやはり実体経済とかけ離れておったと今おっしゃった問題が、私は大きな影響が出ているんじゃないか。  したがって、今回のこの不況というのは、やはりバブルの崩壊という問題をよく認識した上での景気対策をしっかりやっていきませんと、これは非常にまずいんじゃないかということを、円高不況のときとは違うなと、こういう認識をやっぱり私は持たなきゃならないんじゃないかと、こう思っているんですけれども、どうですか、吉冨さん。

吉冨勝経済企画庁調整局長

○政府委員(吉冨勝君) 全く御指摘のとおりだというふうに思います。したがって、今回の七項目の最後のところにも、証券市場を含めました資金調達環境の整備ということを特別にうたっている次第でございます。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 過去のことは余り私はどうこうするわけじゃないけれども、恐らく七項目の問題、住宅、金融の問題等も一、二聞きたいと思っていますけれども、この七項目だけではちょっと不十分だなと。したがって、私はやっぱり、今大臣に言えといってもこれは言えませんから、補正予算を組まなきゃだめだろうと、公共事業前倒しで七五%やっても下半期はかくれてくるだろう、二兆円ぐらい打たなきゃ三・五%の景気浮上はないだろう、こういうふうな感じも持っているわけですね。これは一つの問題がある。  それから、やっぱり今までの問題と違って何といいますか、不良債権貸し付けというのが、これの凍結を財務対策上どうするかということが非常に大きな私は景気刺激の問題に絡んでくると思うんです。例えば、名前は挙げませんけれども、やはり一部の大手不動産に対する不良債権の貸し付け等で、利息の凍結とか、前に金融機関が手を打てない、こういう融資もできない、不動産や住宅建設に前向きな融資ができないという、ある意味じゃびびっている。それと株価の低迷によって、やはりこのBIS規制の問題で融資が非常に蛇口が詰まっている、厳しい、こういうふうな問題があるわけです。  もう一点挙げれば、やはり所得税減税というのは、本来ならばやらなきゃならない個人消費の拡大という問題が抜けているんじゃないか、この点についての問題点があるんじゃないか、何点か次の手として打たなきゃならない問題点があるんじゃないかと私は実感で感じているんですけれ戸も、どうお考えになりますか。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(野田毅君) 今御指摘のあったようか角度は、大変三木先生よく実態を御承知になり、御勉強されておられることの御披瀝がありました。おおむねそういうようなことを念頭に置いて、これからどう個人消費の世界をエンカレッジするかということは大事なことだと思います。  ただ、この点についてさっきちょっと申し上げましたんですが、個人所得の環境そのものは堅調なんです。したがって、これは個人消費の世界でもやや逆資産効果といいますか、そういう部分もありましょうし、それから耐久消費財なんかもそのほかに一服感みたいなものがあるというような傾向もあるものですから、いわゆるこの所得減税のお話がダイレクトに消費の拡大に結びつくのかどうかということをもう少し分析する必要があるのじゃないかなと。  そのほかさまざまな御指摘がございました。基本的に、今回はいわゆるバブル崩壊ということの影響がかなりあちらこちら直接関連産業だけでなく幅広くあらわれておるということの認識、これは御指摘のとおりですが、同時に、長く高かっただけに、多少個人の世界でもあるいは設備投資の世界でもいわゆるストック調整的な動きが一緒に重なっておるという、この両面から私どもは見ておく必要もあるのではないかというふうに考えております。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 経済運営をしっかりやっていらっしゃることは十分わかるんですけれども、やはり昨年の一月から考えると、ふだんの不況対策だと大体十七カ月ぐらいで、今の統計からいうと何か在庫調整ができていい芽が見えてくるそうですけれども、それから考えると、今年は秋口があるいは夏ごろにはいい景気状況になってくるんじゃないかという経済対策をしっかりやっていただきたいということを特に私はお願いしておきたいと思います。  そして、その中の具体的な問題として、七項目の中の公共事業の問題で一、二点ちょっと聞いておきたいと思うんです。七五%前倒しをやるのは非常に結構だと思うんです。だけれども、この第一・四半期、第二・四半期の公共事業の前倒しはどの程度になってくるのか、この点、建設省だれか来ていますか。

近藤茂夫建設省大臣官房会計課長

○政府委員(近藤茂夫君) 公共事業の上半期における契約率の実施状況でございますが、大体それぞれの年によってちょっと違うところがございます。例えば六十一年度、六十二年度、これが過去最高の前倒しか行われた時期でございますけれども、そのときに、六十一年度は第一・四半期で五二・六%、第二・四半期で二七・五%、六十二年度は第一・四半期で五三・三%、第二・四半期で二九・五%、こういう状況になっております。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 そうすると、今回も大体前例に倣って、こういう形で上半期の七五%が第一・四半期、第二・四半期と、こういう形になると想定していいんですか。

近藤茂夫建設省大臣官房会計課長

○政府委員(近藤茂夫君) 大体、そういう傾向として把握することができるかと思います。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 細かなことをいろいろ聞くと、いっぱい聞きたいことがきょうはありますので、答弁は短くしていただけば結構だと思うんです。  前倒しをやると、大蔵省の方で、人手不足になるのじゃないかといううわさがいろいろされているわけです。おととしですか、やっぱり人手不足で坪単価が物すごく建設業で上がりましたね、やっと少しずつ落ちついてきたけれども。この前倒しと労働力の問題は、どうお考えになっておりますか。

近藤茂夫建設省大臣官房会計課長

○政府委員(近藤茂夫君) 私どもは、建設業関係の技能労働者の需給状態を把握するために、毎月、建設労働需給調査というのをやっております。この四、五年の状況を見てみますと、平成二年の十二月に不足率が五・七%と過去最高になりました。実は、その状況のときでも、公共事業の執行について特段著しい支障があったということではなかったわけでございますが、その後需給状況が大幅に緩和いたしておりまして、現在、平成四年の一月段階で二・三%、まだ不足でございます。そういう状況でございます。したがいまして、相当大きな前倒しをしても、大きな支障が出てくるというふうには考えておりません。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 もう一つ、住宅金融公庫が経済対策七項目の中に入っていますけれども、住宅金融公庫、あれはいつでしたかね、六年前かのときの不況のときには、融資枠の拡大とそれから融資受け付けの延長をやりましたね。その問題と、住宅金融公庫の金利の利下げはどういうふうに考えておりますか。

石井正弘建設省住宅局民間住宅課長

○説明員(石井正弘君) お答え申し上げます。  住宅金融公庫の金利につきましては、その原資でございます財政投融資資金の金利動向に応じまして、機動的に対応しているという状況でございますので、今回の対策には入っていないとろでございます。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 住宅金融公庫の金利が一番下がったのは四・二五ぐらいですか、これは大分差異があるわけですね。経企庁長官の方に言えといっても無理でしょうけれども、家を建てたいと思っても、公定歩合は三・七五に下がったわけですが、住宅金融公庫は連動して、財投の問題がいろいろあるでしょうけれども、やっぱり少し下げて、刺激を与えるような形にしないとだめじゃないかと思うんです。  それから、融資枠をもう少し拡大するということと、受け付けは住宅金融公庫もいろいろ手間もあるだろうし、いろいろな状況もあるでしょうけれども、やっぱり受け付け期間を延長して、建てたい人が今建てる。住宅建設というのは非常に波及効果が大きいわけですね、景気刺激に対しては。土地を買うのじゃなしに、建てかえだとかあるいはそういう住宅建設に向けては、やはり景気刺激の面からも非常に重要な手だてだと思うんです。  この点についてはしっかり配慮してもらいたい、こう思うんですけれども、これは建設省から、経企庁長官でも結構です。

石井正弘建設省住宅局民間住宅課長

○説明員(石井正弘君) 事務的に御答弁申し上げます。  申込期間の拡充の問題でございますが、今回の対策に盛り込んでおりますが、個人がみずから住宅を建築する場合に適用されます個人建設住宅の住宅貸し付け等につきましては、第一回目の受け付け期間を例年ですと三十営業日程度でございますが、これを四十営業日程度まで拡大するということが第一点でございます。  それから第二点は、マンションや建て売り住宅を購入する人が公庫に申し込んで融資を受ける場合に適用されます高層住宅貸し付けと建て売り住宅貸し付けにつきまして、例年は年間四回の受け付け期間中に限って受け付けていたところでございますが、今年度上期につきましては、これを常時の受け付け、常に受け付けをするという体制に持っていく、この二点を考えておるところでございます。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 僕は、そういうところがちょっとまだ官僚的と言ったら言葉が悪いかもしらぬけれども、やっぱり建て売りのマンションとかそういう集合住宅の場合はいつでも結構ですと。個人の建てかえ住宅はちょっと三十日が四十日になったという、こんなんじゃなしにやっぱり個人で建てたいところは、この上半期は景気刺激をするのだったら、いつでもこいと、どんとこいというぐもいの気持ちがないと、それは景気刺激の一助にならないと思いますよ。経企庁長官どうですか。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(野田毅君) 先般の三十一日につくりました景気対策での新たな項目だけ今御説明を申し上げたと思うんです。現在御審議中の本年度予算に関連する住宅公庫の内容を見ますと、既に貸付限度枠そのものを、東京などの場合には最大規模で従来よりも二百三十億ぐらい既に限度枠を広げておるということを、これもう少しPRしなければいかぬなと。それから、買いたい人はどうぞどうぞとおっしゃいましたけれども、まさに今そういう体制で進めておるわけですから、そういうお気持ちのある人は大いにウェルカムであるということも申し上げなければならぬと思います。  それから、公定歩合の引き下げに伴う金利の引き下げでありますけれども、これも今大蔵省あるいは郵政省でいろいろ御検討いただいておるわけでありますが、基本的には、財投金利がどの程度下がるかということに伴って、結果としておのずから住宅公庫の貸し付けの金利にもその効果があらわれるということだと、こう思っております。現在のレベルでも、さっきちょっと申し上げましたように、ことしに入ってからずっと住宅関連の金利低下の効果があらわれてきておりまして、非常に出足好調であるということを申し上げておきたい。これからさらにそれが加速されるんではないかというふうに思っております。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 前倒しの問題で、最後にちょっと建設省、本当は会計検査院に一遍聞いておこうと思ったんだけれども、地方自治体、地方議員からも私たちはいろいろ要望を受ける問題があるんです。  何かというと、会計検査が、会計検査院が景気刺激のときにでも、七月じゅうに終わらなきゃいけないんですね、あの調査が。そうなると、結局地方自治体が五月、六月に執行しようと思ってもなかなか執行できないような、やっぱり検査に来るとなると、悪いことしていないけれども、いろいろ準備態勢を整えなければならない。新しい執行体制ができないというのが、どこに行ってもよく陳情を受けるんです。こういう問題、会計検査院は独立機関ですからそういう問題でいろいろあると思うけれども、やっぱり景気刺激のために、そこらの問題を建設省はどういうように考えているのかなということを私は聞いておきたい。

近藤茂夫建設省大臣官房会計課長

○政府委員(近藤茂夫君) 先生御指摘のとおり、公共事業の大幅な前倒し執行をする場合には、会計検査院の実地検査の時期、これが非常に大きな影響を与えると私どもも考えております。そこで、既に会計検査院に対しまして、大幅な前倒しか行われるということになるということが明確になりましたので、可能な限り配慮をするようにお願いいたしております。  具体的には、特に先生御指摘のとおり、四月、五月、これは大幅な前倒しを行う場合には、その六月、七月以降の準備時期でもあるということで非常に大きな意味を持つわけでございます。特に、この四月、五月につきましては、極力会計検査院の実地検査を避けるようにお願いいたしておりまして、またその場合でも特に雪寒地域、これは北海道とかあるいは青森、十一道県が指定されているわけでございますが、工事の実施期間が非常に限られているということで、特に雪寒地域につきましては四月、五月を避けるようにお願いいたしておりまして、大体これは御配慮をいただけるのではないかと思っております。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 この問題は、両大臣いらっしゃいますので、これは私はするなと何かそういうことは言えませんけれども、やっぱり有効に、価値的によくやっていかないと、こういう景気刺激しようと思って一生懸命やるといっても、一方では検査だということで何か前倒しかできないというような問題が各地域に行っていろいろ要望があるわけでございますので、この点は国務大臣としてひとつよく検討していただきたいと思います。  次に、通産省にちょっと伺いたいんですけれども、個人健康の医療情報カードの問題について伺っておきたいと思うんです。通産省は個人健康医療情報ファイリングシステムと、何かいろいろ検討されているようでございますけれども、私は国民健康カードとこう言っているんですが、この問題についてどういうふうな状況で今進んでいるのか、その点についてお伺いいたしたいと思います。

熊野英昭通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(熊野英昭君) 私ども通商産業省といたしましては、従来から、地域の情報化施策の一環ということで具体的な地域を選定いたしまして、例えば兵庫県の加古川でありますとか、岩手県の沢内村でありますとか、神奈川県の伊勢原市といったようなところで、ICカードあるいは光カードを利用した地域住民の健康管理のための地域医療情報システムについてモデル構築に取り組んできておるところでございます。  ただいま先生御指摘の光磁気ディスクを利用したような個人健康医療情報ファイリングシステムにつきましては、情報処理システムの活用によりまして高齢者の積極的な社会参加を推進するという意味で、私どもメロウ・ソサエティー構想という構想を推進しているところでございますけれども、この構想の一環といたしまして、平成四年度より三年計画で厚生省とも共同して開発に着手することとしているところでございます。予算といたしまして、平成四年度の予算案に約一億一千万円を計上させていただいております。  具体的に申し上げますと、医療用に規格化されました光磁気ディスクを活用いたしまして、実は光磁気ディスクというのは、ICカードでありますとかあるいは光カードに比べますと記憶容量が圧倒的に多くございます。その記憶容量が圧倒的に大きいというところを活用いたしまして、エックス線写真でありますとか、あるいはCT画像といったいわゆる医療画像でございます。医療画像については、今申し上げましたように、記憶容量の非常に大きなものを必要といたしますので、こういった画像を含めた個人の健康に関するいろんなデータを一元的に管理することのできるようなシステムの開発、構築、つくってみたいということで、国立がんセンターにお願いして実験を行うこととしているところでございます。  私どもといたしましては、今後とも各面について厚生省と提携しながら、こういう個人健康あるいは医療情報のファイリングシステムの開発に努めてまいりたいと思っているところでございます。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 これは通産省、厚生省が非常に努力されていることは私もよくわかっているんですが、これは国民医療の立場からいうと、私は非常に重要な問題だと認識をしているんです。  国民医療費が二十兆円ですね、一年間の医療費が。防衛費五年で二十兆円です、立場はいろいろ違うでしょうけれども。私は、健康カード、ICカードあるいは光カードいろいろあると思いますけれども、二十兆円の国民医療費、言葉は悪いですが、薬づけあるいは検査づけあるいは病院をいろいろかわる、こういう問題で国民健康保険が非常に赤字が多い。それだけではなしに、やはり高齢者の医療という問題に対して、これは非常に大きな効果を発揮する開発だろうと私は見ているんです。したがって、二十兆円の例えば五%カットされただけでも一兆円ですね、医療費の問題が。確かに、私も何人かの医者ややっている人たちからいろいろ実態を聞きました。そうすると、やはり相当ダブった検査とか、やはり実態がわからずに検査づけになっているとか、あるいはお互いの病院が相互に交流されていないために、本人の予防のためにも非常に大変になっているという。  したがって、光カードなりICカードというものを出雲だとかいろんなところでやっていますけれども、そういうものが実際に普及されてくれば、やはり高齢者の医療という問題について非常に大きな効果を発揮するだろう、こう考えているわけでございまして、このICカード、光カード、それから光磁気ディスクですか、この問題のおのおのの相違点というんですか、あるいはどういう利便、利点があるのか、そこをどう分析されているか、ちょっとお聞かせ願いたいと思うんです。

熊野英昭通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(熊野英昭君) 私も必ずしも専門家ではございませんので、詳細はあれでございますけれども、一番わかりやすく申し上げますと、記憶容量が大変違うわけでございます。  例えて申し上げますと、ICカードについて申し上げますと、記憶容量は八千字ぐらいでA四にして八枚ぐらいの容量でございます。それから光カードは、百万文字ぐらいに対応しまして、A四のワープロで一千枚ぐらいに対応いたします。それから、先ほど御紹介申し上げました国立がんセンターにおいて実験的に開発、使用しようと思っております光磁気ディスクにつきましては、三億文字、広辞苑の二十冊分に相当するそうでございます。したがって、光カードに比べて約三百倍の容量を持つわけでございます。  したがって、そういう大きな容量を持ちますと、単に文字情報とか数字情報だけではなくて、画像情報の蓄積等ができるわけでございます。画像情報はたくさんの記憶容量を必要といたしますし、エックス線でありますとかいろいろ医療情報については画像が大変意味を持ってくるということで、そこが一つの特徴だろうと思います。しかし、それだけにまた、システムも別の意味でお金がかかるとか、あるいは大規模なシステムを必要とすると思いますので、それぞれを使い分けていくことが重要ではないかというふうに考えておりまして、先ほど御紹介申し上げましたようないろんな形の実験を私どもとしても進めていきたいというふうに考えておるわけでございます。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 私も、やっぱり用途別にいろいろこれから使っていくのだろう、こう見ているんですけれども、聞くところによると、光カードもICカードも互換制度ができるという何か研究をされているそうですね。あるいは今文部省では光カードの方を一生懸命やっている、通産省、厚生省の方はICカードの方でやっている。あるいは今度は光磁気ディスクでやるとか、姫路で今度実践するのはICカードであるとか、伊勢原では光カードであるとかいろいろ実験されることは非常に結構だと思うんです。まだ完全なものはでき上がっていないわけですから、いずれ何年かかけて、何年でできるかとこう聞けばわかる人はいないだろうからそんな質問はしませんけれども、大体早く研究開発、実施ができるようなシステムにするためには、各省がばらばらでやっているのが果たしていいのかどうか。この問題も、研究者側からいえばもう少し集中投資をしてもらえればもう少し早くこれが実用化できるという意見があるんですけれども、この点についてはいかがですか。

熊野英昭通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(熊野英昭君) いろんな実験を通産省あるいは厚生省、当然のことながら厚生省が一番いろいろやっていらっしゃると思います。あるいは自治省等とそれぞれの役割に応じてやっているところであります。また、それも先ほど伸し上げましたように、例えば国立がんセンター、これは厚生省の場所でございますから当然厚生省に全面的な御協力をいただいて、しかしシステムの開発という面で私どもが予算も用意をして、それで厚生省のがんセンターとして持っておられる一般的な予算等を活用しながら、いろいろ中身についても御相談をしながらやっているということでございます。  したがって、それぞれ、私どもは先端的なシステムの開発ということが通産省の役割でございますし、厚生省では医療の高度化を進めるという観点から医療分野にそれを適用していくにはどういう問題があるか、例えば個人のプライバシーの問題等いろいろ社会的な影響の問題も当然あろうかと思います。それから、病院ではなくて、自治体に入れる場合には当然自治省からのいろんな自治体としての観点とかいろいろあると思いますので、そういうことをみんなでやっぱり協力をしながらやっていくことが大事ではないか。決して各省ばらばらにということではなくて、相談をしながらいろいろお互いの得意なところを持ち寄って進めてまいりたいというふうに考えております。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 ここで各省のいろんなことは聞きたくないんですけれども、郵政省ではまた何かやる、労働省でもまた何か来年からやるとかいっていろいろ研究みたいなテリトリーを持つわけですが、これがやっぱり縦割り行政の悪いところというのか、私たち長年ずっと見ておって、そういうところはもう少し集中すればお互いにロスもないだろう。いろいろ分野があるのはわかります。そこらをもう少し調整して、大きなプロジェクトなんかはやはり調整しながら集中的にやっていくというシステムをやらないと、いつまでたってもこんなことはなかなか進まない、時代おくれになっちゃうと思うんです。世界でも先カードなんか日本は進んでいるけれども、こっちはICカードがいい、こっちは光カードがいいとこう言い張っていると、非常にこういう問題がおくれてくるんじゃないかということを私は危惧するわけです。日本は非常に技術開発力がすぐれていますからゆったりしているのかもしれませんけれども、そういう点は、予算の集中投資あるいはまた集中研究とか効率のいいやり方でやはり時代に合ったシステムを考慮していかなきゃならない、こう思うんです。  そこで、厚生省に一、二点、厚生省来ていますか。日本医師会との問題で、この光カードの問題は結局これを進めていこうとすると医師会とのトラブルがいろいろあるわけです。やっぱりなかなか薬づけとか検査づけだとか証拠の問題だとかいろんな画像の問題だとかいろいろ問題があるので、今から私は医師会と調整をしっかりやっておくべきじゃないか。それと、プライバシーの保護の問題についてどういうふうにこの問題を検討されているのか、その二点についてお伺いします。

伊原正躬厚生省健康政策局総務課長

○説明員(伊原正躬君) お答え申し上げます。  厚生省におきましてもこの健康カードシステムにつきまして各種の調査研究を行っておりまして、保健医療カードシステム開発につきまして六十二年度から平成元年度までの三年間、兵庫県の五色町におきまして……

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 いや、それは簡単でいいです。医師会とプライバシーの問題だけで。それをやったら、僕の時間が終わっちゃうから。

伊原正躬厚生省健康政策局総務課長

○説明員(伊原正躬君) ただいまの関係では、日本医師会につきましては、医療情報システム開発センターの方に設けられておりますカードシステム委員会の中に医師会の関係者が入って一緒に連携して、共同して研究を進めておるところです。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 せっかく出雲市長さんの岩國哲人さんが一生懸命ICカードで健康カードをやろうとしたんです。ところが、医師会とのなかなか調整がつかなかった問題で、福祉カードに切りかえているんです。これも一つの用途ですからだめだとは言いませんけれども、やっぱり医師会との調整がなかなかできなかった。何が問題であるかとここで私は意見を言うつもりはありませんけれども、やっぱり国民的見地に立ってこの健康カードの問題は医師会との調整をしっかりして、コンピューターは使いづらいという技術開発の問題もいろいろあるだろうし、あるいは証拠の問題で画像になった場合のいろんな意見があるだろうし、あるいはまた薬づけ、検査づけという問題に対する、あるいは互換性の問題、こういういろんな点があろうと思いますので、開発は行われたけれども、実際にこのカードを使用できなくなってしまった、医師会との調整ができなかったというのでは話になりませんので、老婆心ながら医師会との調整を早くやる。  それからプライバシーの保護の問題が、絶えずそれを実施するのを妨げになるようにプライバシーの保護、プライバシーの保護という項目だけ挙げてこれをおくらそうとするいろんな考え方があるわけですから、ここらの問題も法的な準備、そういうものを明確に早く検討されることを私は強く要望しておきたいと思います。厚生省、もう一回答えてください。

伊原正躬厚生省健康政策局総務課長

○説明員(伊原正躬君) お答え申し上げます。  ただいま先生からお話のございましたように、今後の医療の向上を図る上でこのカードシステムにつきましては非常に有効な方法でございまして、ただ御指摘のような患者のプライバシーの保護の問題や情報の入出力、システムの互換性をどうするか、こういった問題が残されておりまして、現在これらのシステムの研究開発を進めておる段階でございます。まずは研究開発の結果を見守った上で、その実施に当たっては医師会との関係等踏まえまして、十分やってまいりたいと思っております。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 強く要望しておきます。  健康カード、ICカードであろうと光カードであろうと、医療にこのカードが国民一人一人に適用されれば、小学校の児童から中学、高校、大学卒業するまで全部コンピューターに入っちゃうわけですから、カード一枚に、健康はどういう状況であるかということが全部わかるわけですから、重複なそれやこれや検査はしなくていいし、どの医者に行っても、十分にこのカード一枚持っていけばわかる。救急医療のときもリードライターを持っておれば、もう病院に着く前にこの投薬をすればいいとかこうすればいいということがわかるわけですから、私は、総合的な医療の見地から、医療費のむだ遣いという立場からも、この問題はやはり一生懸命やってもらいたいという問題でございますので、強く要望しておきたい、こう思います。  次に、もう時間がありませんので、車検の問題だけちょっと一、二伺って、時間がもう四十二分までだそうですから、終わりたいと思うんですが、通産省で部品の取引の問題等も含めて部品の購入の問題、それから車検の問題が、日米構造協議あるいは市場開放の苦情処理委員会等でこの問題が議論されたやに伺っておりますけれども、この点についてどうですか、意見をちょっとお聞きしたい。

樋口忠夫運輸省自動車交通局技術安全部技術企画課長

○説明員(樋口忠夫君) お答え申し上げます。  ただいまの部品と車検の関係でございますが、かつてMOSS協議の場におきまして、車検時において外国製部品を使っていないではないかという御指摘がございました。そういったことはないということでいろいろと米国に対しましてお話を申し上げたわけでございますが、一応それではということでその時点で通達を発しまして、車検の際にそういった外国製部品であるということをもって不合格とするようなことはないようにという通達をしたところでございます。その後におきましても、そういったことはないということで、外国からの苦情等も含めまして今のところ聞いてございません。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 車検の問題で、やはり国際化の問題とは別にしても、日本の車検制度は非常に点検項目が百二十項目にも及んでいるというんです、車検のときの。それから、車検のときの費用ですか、整備費が非常に高額だ、こういう問題で一般消費者は非常に困っておるわけです。車検の問題は、二年になっていますね、今一般の車検は。これは何年以来二年なんですか。通産省から言えば自動車は性能がよくなっていると僕は思うんだけれども、それでもやっぱり二年なのか。認証期間、車検の期間の問題について。

樋口忠夫運輸省自動車交通局技術安全部技術企画課長

○説明員(樋口忠夫君) ただいま先生からの御指摘につきましては、車検の有効期間、それから定期点検制度と両方の御質問かと思いますが、とりあえず車検の有効期間につきましてお話し申し上げますと、昭和五十七年に自家用乗用車に関係します車検につきましては、初回の有効期間をそれまで二年であったものを三年にいたしたところでございます。それと同時に、定期点検の関係につきましても、簡素化という前提で見直しをいたしまして所要の改正を行ったところでございます。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 もう一点伺いたいんですけれども、私、この問北海道へ行ったんです。北海道へ行くとトラクターが、農機具、これはやっぱり車検しなきゃいけないんですって。余りあれを知らなかったんです。それが普通自動車並みなんです、トラクターが。そうなっていますね、どうですか。

樋口忠夫運輸省自動車交通局技術安全部技術企画課長

○説明員(樋口忠夫君) 現在の農耕用トラクターと申しますのは二つに分けられるかと思いますが、ある一定のエンジンの大きさ等によりまして、大型特殊自動車と小型特殊自動車に分けでございます。小型特殊自動車につきましては、これは車検につきましては免除ということになってございますが、大型特殊自動車の農耕用トラクターにつきましては、現在二年ごとに検査を行うというふうに規定上なってございます。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 これは大型トラック二年だけれども、ふだん走っているあのトラックの二年と、田んぼの中で走っている、もう必要なときというのはわずかなんです。これの間の問題が今もう規律どおりやっているから、農民は非常に困っておるわけです、正直言えば。余り使っていないんです。田植え時期だとか何か集中して使うときだけであって、あとはもうどこかで寝ているわけです。それも毎日道路を走っているんだったらちょっと問題なんですけれども、余り道路も走っていないんです、農家ですから、正直言えば。この車検を二年じゃなしに、走行距離だとかやっぱりそこらの問題をもう少し融通を運輸省は持った方がいいんじゃないか。  これは、やっぱり農民の人だってかわいそうです。余り走っていなくて、共用で使っているんだったらいいけれども、最近はもう非常に各地で機械を持っているわけです。そうすると、二年が来たからもう車検、車検だけではないんだ、整備費に金がかかる、またいろんなことで整備に持ってい一けば余分に。一般の自動車も同じです。二年と、整備費がかかるから、日本の車検制度は定期点検等含めて非常に金が高い、こう言われる、消費者からも不満が出ているわけです。いわんや、農機具についてはやっぱり二年といってもこれ走行距離でいくか使用度でいくか、何かそこらはもう少し農機具は考えるべきじゃないか、こう思うんですが、どうですか。

樋口忠夫運輸省自動車交通局技術安全部技術企画課長

○説明員(樋口忠夫君) ただいま先生からの御指摘につきましては、数年前から農業関係者の陳情ということでお話を承っでございます。我々の方といたしましても、特に北海道地区には農耕用トラクターといいますのが全国の六割ぐらい保有しているというような実態もございますので、北海道運輸局を通じましていろいろと調査を行ってきておりますが、ただいまお話がございましたように、確かに旭川周辺地区におきましては、一日に一般道路を走りますのは五百メートルから一キロでありますとか、あるいは富良野地区は若干多くて十キロ前後、帯広地区が二キロぐらいというような実態は把握してございます。  問題になります農耕用トラクターの車検の有効期間の件でございますが、我々はそれと同時にいろいろと実態調査を進めてきてございますが、トラックと比べてみるというのが一つの比較かと思いますが、トラックの現在の整備すべき状況、それから農耕用トラクターの整備すべき状況等につきまして調査を進めてきたところ、基本的には農耕用トラクターの方が整備をしなければいけない箇所が非常に多うございます。  それはなぜなのかというようなことで当方でも実態をいろいろと調べてみたわけでございますが、農耕用トラクター一般には農耕用のアタッチメントを取りつけまして、泥澤地帯と言ったらよろしいんでしょうか、土砂だとか水だとかそういった中を運行するというようなことで、しかも日常的な点検というのは、朝から夕方までというようなことで一日使われるということでほとんど給油等につきましても行われていないというようなことから、大分整備の状況が悪いというような点が報告として挙がってきてございます。  そういった観点から、もう少し御指摘の点を踏まえまして、使用の実態につきまして把握しながら、安全上あるいは公害上問題があるのかないのかチェックしながら検討していきたいと考えております。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 言われてから大分たっているらしいですよ、この問題は。調査は結構ですよ、何ぼやってもらっても、本当に正当であれば。だけど、やっぱりどう考えてもこれは不自然だというのは、私のような素人が見ても不自然なんだ。バスの停留所を一つ変更するのに許認可が要るのと一緒の問題なんだ、これは。もう少し行政機関を簡素化しなければいけませんよ。こういう問題が結局は国民に負担、農民に負担になっているんです。  こういう問題をもう少しあからさまに、トラックと農耕用のトラクターを並べてみてどこがどうなっているかというのを国民の前に一遍あからさまにしてもらいたいんだ、僕は。本当に農民がこういう点で言えないという問題、規律に縛られて本当に困っているという問題、実際の効用からいったら、使っている状況からいったらこんな問題じゃないんだ、使っている使用度数からいってみれば。水の中にこうなっているとかああなっているとかという理由を言えば、いろいろそれはその理由はプラスになるかもしらぬ、一般のトラックに。しかし、そうではないということをもう少しやっぱり認識をして、この車検制度のあり方、整備のあり方というものを、きょうあなたに文句を言って申しわけないけれども、あれだから私は余りかっかこないようにしますが、運輸大臣、よくこの問題は、農水大臣との調整もあるだろうかもしれませんけれども、こういう機種によっていろいろ走行距離だとか定期点検の項目を変えるとか、いろんな形をやっぱり要領よくしなければいけない。  何でも紋切り型で、ひとつ二年間だ、一年間だというようなやり方で行政をやっていくようではまずいんじゃないか。やっぱり国民の要望をしっかり聞いてやるべきだ。規制緩和しようという、民間活力をしようという要求なのに、いつまでもそれが調査だ調査だというのではこれは始まらないということを私は強く言っておきますので、運輸大臣、この問題はしっかり言ってもらいたいと思うんです。早目にこの問題の回答を出してもらいたいということを強く要望して、私の質問を終わりたいと思います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 渡部通産大臣、卒爾ながらお伺いいたしますが、国会に映画議員連盟というのがあるのを御存じでしょうか。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(渡部恒三君) 聞いております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 ここにおられる前田勲男議員が事務局長をやっておられまして、会員数は衆参合わせて約百五十名、文字どおり超党派の組織であります。私も映画を愛する者の一員としてお世話をさせていただいておりますが、実は映画産業、映像産業の振興について、所管する通産省並びに文化庁に対して本委員会で何回か質問をいたしました。  本日は、アニメーション産業の振興問題でお伺いをしたいと思うのであります。  「九〇年代の通産政策ビジョン」、これでございますけれども、この中で映像産業については、   現在ソフトの多くを作成している中小の独立プ ロダクションは、その殆どが不安定な経営基盤に立っており、今後経営基盤の構造改善や高度化の必要がある。さらに、これらのプログクションは制作・配給・小売の各段階で施設・設備面、人材面等様々な課題を抱えており、今後発展基盤の適切な整備が望まれる。  こう述べております。  こうした状況は、映像産業の一つであるアニメーション業界も例外ではありません。例外どころか極めて深刻な状態にあるんです。その一方で、アニメ産業は、放送、劇場映画、ビデオグラムなどでますます大きな比重と位置を占めてきております。また、国際的にも通用する数少ない文化産業ともなっております。  そこで、通産省はアニメーション産業について産業政策上どのように位置づけられているのか、まずお伺いしたいのであります。

麻生渡通商産業省大臣官房商務流通審議官

○政府委員(麻生渡君) アニメ産業でございますが、これは映画その他の映像ソフト産業の中で最近非常に伸びてきておる産業でございまして、今後の国民の余暇活動を担う非常に大切な文化関連産業の一分野であるというふうに考えております。特にこのアニメは、日本で独自に発達をいたしまして、今や世界にいろんな形で輸出されて、非常に大きな影響を世界の映像文化に与えておるという意味で、世界に誇るべき日本の育ててきた文化産業であるというふうに認識をいたしております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 大臣にもう一つお伺いしたいんですけれども、昨年、配給され、上映された日本映画、劇映画も全部含めますが、配給収入が十億円を超えた作品にどんなものがあるか御承知でございましょうか。

麻生渡通商産業省大臣官房商務流通審議官

○政府委員(麻生渡君) 平成三年でございますが、十億円以上の配給収入がありました映画は国内では十八本でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 上位五本ぐらいで結構でございます。

麻生渡通商産業省大臣官房商務流通審議官

○政府委員(麻生渡君) それで、十八本のうち、ちょうど半分、九本が邦画でございまして、あとの九本が外国映画でございます。邦画のうちその上位から言いますと、「おもひでぽろぽろ」、「ドラえもん のび太のドラビアンナイト」、その後が「男はつらいよ」、これは「寅次郎の休日」、それからその後が「ドラゴンボールZ」、その後が「ちびまる子ちゃん」、こういうところでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 上位五位を見ますと、今おっしゃったように、寅さんシリーズを除いて大部分がアニメーションで占められておるんです。つまり、映像産業の稼ぎ頭はアニメーションであるとも言えると思います。  また、興行収入だけではなしに、作品の評価でも、「となりのトトロ」、「火華るの墓」、「魔女の宅急便」、そして昨年の「おもひでぽろぽろ」など、例年キネマ旬報のベストテン上位を飾っており、海外でも高い成果を定着させております。  また、子供たちに人気のあるテレビ番組のランキングをとってみますと、これは三歳から十三歳の子供たちを対象にしたビデオ・リサーチの昨年の調査でありますが、第一位が「ちびまる子ちゃん」、続いて「サザエさん」、「ドラえもん」、「ドラゴンボール」、「キテレツ大百科」などアニメーションで占められております。  このことの是非はこれは一応おくとしても、劇場映画でもテレビでも今やアニメーションを抜きにしては語れない現状にあるということを示しておると思うんです。  もともと、アニメとかアニメーションという言葉は、生命とか生命を与えるとかいう意味を持っている由でありますが、アニメの制作過程を見ますと、監督が絵コンテをつくり、それに基づいて原画マンがポーズを決め、それをアニメーターが動画で動きをつくっていく。それを撮影し、声優が声を入れ、背景や音楽を入れる。こうして動かなかった絵がいろんな人の手を経であたかも魂の宿ったもののように見る人に訴えかけていく、そういう総合芸術がアニメだと思うんであります。そこにまた子供たちの寄せる夢もあると考えます。  ところが、アニメを送り出す業界の実態、特に底辺でこれを支えている下請プロダクションの経営者と労働者、技術者の現状はまことに惨たんたるものであります。去る三月十五日には、子供に夢を、つくり手に人並みの生活をと、テレビアニメの制作案件の改善を求めて関係者が銀座周辺をデモ行進し、大きな社会的関心を集めました。  私も実態を調べてみたんですが、まさに深刻です。例えば、テレビの一番組三十分分でありますが、この場合、実質、コマーシャルなどが入りますから二十二分三十秒になります。その作品の場合に約四千枚の動画が必要となってまいります。テレビ局は大方七百万から八百万の制作費を出すんですが、代理店や元請を経由して実際の仕事をする下請のアニメ業者のところへはせいぜい五、六百万円程度しかおりてきません。私は、ここに持ってまいりましたのが、そのアニメのセル画でございます。こういう形で手づくりで一枚一枚つくられていく。二十二分三十秒で四千枚の動画が必要なんでございます。じゃ、この動画一枚の単価は幾らかと申しますと百五十円そこそこなんですね。ベテランのアニメーターでも時給に換算して五百円にも満ちません。それは東京都の最低賃金の水準にも届かない額で、労働基準監督署から指摘されたほどであります。三月十五日のデモでも、動画二枚でせめてラーメン一杯が食べられるように、こういう切実な要求を掲げております。  したがって、熟練したアニメーターも業界に見切りをつけて転職する、新しく入ってきた若者ももうやめていく、下請のプロダクション自身が事務所の家賃はおろか事務経費にも事欠く事態になっております。こういうことが放置されますと、世界的にもすぐれた水準を誇る日本のアニメを守ることができない、遠からずなくなってしまうのではないかという懸念が広がっております。  あえて私るるこういう実情を述べましたが、映画産業、映像産業を所管しておられる通産省は、こういう実態を御存じなのかどうなのかということをお伺いいたしたいと思います。

麻生渡通商産業省大臣官房商務流通審議官

○政府委員(麻生渡君) アニメ産業の実態でございますけれども、これは新しい産業でもございまして、まだはっきりした政府としての統計あるいは業界統計のないという状況でございます。  そういう意味で、はっきりした統計はないのでございますが、大体業界の関係者、有識者がいろいろ集まりまして実態の推計をいたしておりますが、それによりますと、平成三年における制作プロダクションの数、これは大体二百社程度であろうと思われます。それから従業員の数でございますが、これは一万人弱ぐらいに達しておるということでございます。また、年間の売上高、いわゆる制作費でございますが、これは二百億円程度。それから年間の制作本数でございますが、三百五十本程度ということでございます。逆に計算をいたしますと、従業員一人当たりの売上高というのは非常に低いという状況でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 幾つか今実態にお触れになったんですが、もう少し立ち入って見てみますと、そういう事態がある一方で、アニメ業者の足元で進行している危機にもかかわらず、発注元のテレビキー局はかなり大きな利益を上げております。こうした現状、先ほど申しましたように地域最賃さえ下回るような低賃金、また長時間労働でないとやっていけないような状況を放置するんではなしに、私は、通産省としても下請中小企業対策という、そういう側面から何らかの改善措置を検討する必要があるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

麻生渡通商産業省大臣官房商務流通審議官

○政府委員(麻生渡君) このアニメの制作は非常に多段階にわたっておりまして、また非常に複雑な分業関係を形成いたしております。したがいまして、普通の製造業、部品メーカー、アセブリーメーカーというようなわかりやすい下請親元関係というわけではございませんものですから、下請中小企業関係の対策というものが直ちにうまく適用できるかどうかという点については、いろいろ研究の余地が多かろうと思います。  しかしながら、今御指摘がございましたように、いろんなところ、あるいは私ども陳情を伺っておりますと、相当労働条件というのは厳しいということも承知いたしておりますものですから、この産業につきまして下請関係というサイドから毛先を当てて今後のあり方を勉強するということも一つの方法であろうと思いまして、今後検討させていただきたいと思っております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 ぜひ光を当てて明快に対処していただきたいと思いますが、今おっしゃったように多段階いろいろこうありまして複雑で、例えば私調べましたら元請のプロダクションの方は、これは制作しますと著作権が出てまいりますので、ヒットした作品のキャラクターの商品化権などによって一定の収入があるということも、これまた事実です。しかし、末端の下請では、テレビアニメの制作費は低いまま大体この十年間ずっと据え置きなんですね。ですから、再生産もおぼつかないほどに実際追い詰められております。  確かに、この問題はテレビアニメの分野で起こっておりますから、テレビ局は郵政省の所管かもしれません。しかし最近では、ミッキーマウスなどで有名なあのウォルト・ディズニーですね、あのテレビアニメも日本で実はつくっているんですね。そういう国際的にも非常にすぐれた日本のアニメ技術はほかならぬテレビアニメの分野でずっと培われてきた、そういうもので支えられてきた、そういう技術がいわば底支えしているわけですね。  先週、テレビで放映されてごらんになったかもしれませんが、宮崎監督の「魔女の宅急便」ですね、これはテレビで全国放映されました。この作品は、国際的にも非常に高い評価を得ておりまして、事実また配給収入は二十億、興業収入は四十億、ビデオは十万本で約十五億円売り上げたとも言われております。こういうすぐれたソフトも、実は時給換算で先ほど申した五百円という悪条件に耐え抜いて、テレビアニメでいわば研さんを積み、頑張って岩だそういう人々によってつくられたものであります。  ですから、アニメ業界の状況をこのままに放置してそして荒廃させるならば、すぐれたアニメを生み出してきた日本のアニメ産業が足元から崩壊する。そういう瀬戸際に追い込まれていると言っても私は過言ではないと思います。アニメに携わる者がまともな生活と営業ができる正当な制作費が末端の段階まで支払われるように図るべきだと思いますが、そういう御認識についてはいかがでしょうか。

麻生渡通商産業省大臣官房商務流通審議官

○政府委員(麻生渡君) アニメ産業が今後健全に日本で発展していきますためには、もちろんプロダクション段階のいろんな企画は当然でございますが、これを支えます膨大な、具体的な作業をやっておられる若い方々がやはり今後希望が持てる職場であるということが必要であるというふうに考えております。その意味で、今お話がございました産業全体として健全な形でやっていくという方向で、いろんな形の努力は必要であろうと思っております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 先ほども先を当てるとおっしゃっていただき、そして実態の掌握に努めていただくという御確約をいただきましたんですが、この際、通産省がアニメ業界の実態をつぶさにお調べいただく、そしてその対策を探っていただくということを重ねて要望いたしたいんですが、いかがでございましょうか。

麻生渡通商産業省大臣官房商務流通審議官

○政府委員(麻生渡君) 先ほども申し上げましたが、アニメ産業は、日本で独自の発達をした非常に重要な、かつ世界に誇るべき映像ソフト産業でございます。その健全な発達を図るということは大切であると考えておりますものですから、この産業の実態あるいは将来の発展の方向につきましてよく調査検討をしてまいりたいと考えます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 大臣もいらっしゃいますので、ぜひその方向での御指導をよろしくお願いいたしたいと思います。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(渡部恒三君) 市川先生から大変貴重なお話を承って、ありがとうございました。  今、政府委員から答弁しましたように、このアニメ産業は今後の我が国のソフト面での極めて大事な産業であり、しかもこれが手作業による典型的な労働集約的な産業でありますから、人材育成ということ、またそこで働く人たちの問題は非常に大事なことであります。また、子供たちに夢を持たせて、私は残念ながら先生ほど余り見せていただく機会がありませんけれども、今度前田先生にお願いして映画議員連盟に入れていただいて、アニメ産業の健全な発展のために努めてまいりたいと思います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 どうもありがとうございました。  公取委員会にこの際お伺いさせていただきたいんですが、この問題で、昨年の九月にテレビ番組制作委託取引に関する実態調査が行われて、関係団体に要望したと聞いておりますが、その後、追跡調査をなさっているのかどうか。今も指摘いたしましたように、依然として優越的地位の乱用行為を背景にした事態がうかがわれるんですが、いかがになっておりましょうか。

矢部丈太郎公正取引委員会取引部長

○政府委員(矢部丈太郎君) 今、先生から御指摘ありましたように、公正取引委員会では、昨年の九月にテレビ番組制作の委託取引についての実態調査を行いまして、これはアニメに限っているものではございませんけれども、その調査の中で幾つかの独禁法上の問題点がわかりましたものですから、その改善方につきまして、放送局の団体である民放連、それからまたプロダクションもさらに委託取引をしておりますので、プロダクションの団体である社団法人全日本テレビ番組製作社連盟というところに取引の適正化の要望をいたしました。  その後、業界の対応でございますけれども、民放連では、公正取引委員会の要望を受けまして直ちに会員事業者の代表者に対しまして、要望の趣旨について制作現場に徹底するよう文書で要請しております。それからまた、民放連とプロダクションの団体との間で番組制作の委託取引に関する懇談会が持たれまして、委託取引の適正化についての議論が行われていると聞いております。公正取引委員会といたしましては、関係業界におけるこのような努力の積み重ねによってテレビ番組制作委託取引の適正化が図られていくということを期待しております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 公取委員会の現在の調査は委託取引一般についての調査であるわけですが、本委員会的に言うならば、下請代金法的なアプローチといいますか、さしあたってアニメ分野だけでも末端の状況を追跡調査して実効が上がるよう指導すべきではないのか。  例えば、下請のプロダクションの重立ったところを網羅しているアニメーション事業者協会というのがございます。そして、団体としていろいろの要請もいたし、また実態調査もしているようでありますが、ここから事情をじかに聞くのも一つの方法だと思うんですが、公取委員会いかがでございましょうか。

矢部丈太郎公正取引委員会取引部長

○政府委員(矢部丈太郎君) 確かに、テレビ番組の制作は製造業ではございませんので、下請法の対象にはならないわけですけれども、やはり下請取引で規制しているような問題について独禁法の観点から是正を図っていこうということで、特に要望した中に委託取引の条件が書面化されていないというようなことがございますので、書面化するように指導しておりまして、書面化しておればそこでその委託代金が後で減額されたとか支払いがおくれたとかいうことがわかるわけでございますので、先生から御指摘いただきました団体等につきましても、これから引き続きそういう監視には努めてまいりたいと思っております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 一度ぜひ連絡をとって、事情聴取を直接やっていただきたいと思いますが、よろしくお願いします。よろしいですね。

矢部丈太郎公正取引委員会取引部長

○政府委員(矢部丈太郎君) そのようにしたいと思っております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 あと数分の時間に迫ってまいりました。そこで最後に、私は、別の問題でありますが、製造物責任法いわゆるPL法です、この制定問題でお聞きをいたしたいと思います。  九〇年代ビジョン、これでございますが、やはりこの中にも消費者の視点の重視ということで、製造物責任制度のあり方をニーズに即して検討するということを、もう二年前に述べていらっしゃいます。また、国民生活審議会でも一九七五年以来たびたび製造物責任制度を設けるよう答申しておりますが、今日に至るも法律が提案されておりません。  そこで、通産省並びに経済企画庁がどうなさっておられるのかを承りたいと思います。

麻生渡通商産業省大臣官房商務流通審議官

○政府委員(麻生渡君) 製品の事故から消費者を守るということは、通産省の行政の中でも当然非常に重要な課題でございます。したがいまして、これまでもいろいろな安全規制、電気用品その他の安全規制はもちろんでございますが、そのほかにSGマーク制度によります簡易救済制度の導入あるいは商品テスト、消費者相談等々の対策を通産省といたしまして実施してまいっておりまして、消費者保護に努めてまいっておるところでございます。  また、昨年の十二月には、このような製品安全対策を一層充実させるというために、産業構造審議会の中に総合製品安全対策部会を新たに設けまして、現在総合的な製品安全対策の検討を進めておるという状況でございます。  この産構審の議論でございますが、まず初めに、事故の実態あるいはこれに対応いたします被害救済の実態ということを分析いたしております。現在第二段階の、一方でいろいろな制度が現在あるわけでございますが、そのような制度の機能の現状あるいはその評価を幅広くやっておるところでございます。このような二つの側面の議論を踏まえまして、さらに今後の総合的な製品安全対策の議論を行われるわけでございますが、その中におきましては、今御指摘のございましたような製造物責任制度もどうするかということの検討が行われるものと考えております。  通産省といたしましては、このような手順で、現在産構審での検討をお願いしておるわけでございますが、この幅広い検討の結果を踏まえまして、今後適切に対処してまいりたいと考えておる次第でございます。

加藤雅経済企画庁国民生活局長

○政府委員(加藤雅君) お答えを申し上げます。  国民生活審議会におきましては、昭和五十年、五十一年、これは同一の報告でございますが、それから五十六年ということで、製造物責任制度についての提言が出されたところでございます。ただ、その間におきまして、アメリカにおきまして例えば保険危機あるいはPL危機というようなことがございました。七五年、七六年のPL危機、あるいは八五年、八六年の保険危機というような問題が出てまいりまして、他方ヨーロッパでは、八五年にいわゆるEC指令と言われる製造物責任制度が採択されるということになったわけでございますが、これも各国の法律が制定されるには三年ないし六年程度を要しておるわけでございます。  私どもといたしましては、五十六年の報告を受けまして、平成二年にもう一度、十三次の国民生活審議会で改めてこの問題について御審議を願うということで、御検討をいただいておるわけでございます。ただ、中間報告におきましては、特にアメリカにおける製造物責任制度の現状については問題が多いという指摘がございまして、御案内のとおり現在制度の見直しか行われておるところでございます。特に、あの中間報告におきましては、司法に与える影響がかなり出るんではないか、これは訴訟が非常にふえるんではないかと、あるいは新製品の開発が阻害されるんではないか。これはアメリカで現にそういう問題が起こっておるわけでございます。それから、経済的、社会的な制約に基づいて、不利な立場にある中小企業等に与える影響についてもっと検討する必要があるという趣旨の御提言をちょうだいしております。  そういう点を踏まえまして、私ども国民生活審議会では現在大体月二回、一回三時間という非常に精力的な検討をしていただいておるところでございまして、この検討を続けて御提言をいただきたい、御報告をいただきたいというふうに考えておるところでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 最後の質問ですが、今の経企庁のお話を聞いていると、やらぬ口実をいろいろ並べておられるように聞こえるんです。そうでないと思いますけれどもね。しかし、実際に国民世論の動向を見ると、無過失賠償責任制度を織り込んだ製造物責任法の制定というのは、国民的なコンセンサスになっており、またそれを求める地方自治体の意見書も相当数に上ってきております。  両省庁とも検討をなさっておられるようでありますが、いつごろまでに成案を得るおつもりなのか。月二回、一回三時間で精力的に今やっておりますという経企庁のお話でしたが、そのテンポで大体いつごろ成案ができるのか、その見通しをお伺いして、私の質問を終わらせていただきます。

加藤雅経済企画庁国民生活局長

○政府委員(加藤雅君) 私どもの国民生活審議会は任期二年でございまして、既に任期といたしましては一年四カ月ぐらいたっております。一応今年の末に任期が来るということでございまして、私どもとしてはそれまでに御答申が得られるものというふうに一応は期待をしております。

麻生渡通商産業省大臣官房商務流通審議官

○政府委員(麻生渡君) 産業構造審議会の議論でございますが、先ほど申しましたようなことで、現状、救済の実態あるいは諸制度の評価に今後入っていくということでございます。相当幅広い問題でございますし、また今お話がございましたように、非常に幅広い影響を経済社会に与えるということでございます。その意味で、鋭意検討はいたしておりますが、完全な結論ということになりますと、まだ相当時間がかかるのではないかというふうに考えております。

古川太三郎連合参議院

○古川太三郎君 今の続きで、製造物責任法を聞きたいと思いましたけれども、もうそれは別に初めから言っていませんでしたから。このPL法については、私自身も代表質問させていただきました。その中で、本当に一日でも早く成案が得られることを望むことを申し上げたんです。いま一度、同僚議員がおっしゃいましたけれども、本当にこれはもう早くやらなければ日本の恥だと思うぐらいにしていただきたいと思うわけです。また、日本はこれはもうそういう製造物輸出国、また生産国であることは世界一だと言われているぐらいですから、こういう長いことかかった信用を崩さないようにやっぱりしていかなきゃならぬと思います。一日も早く成案になることを望みます。  それと、私も出たり入ったりしましたので、若干重複するかもわかりませんが、吉冨経済企画庁調整局長さんが四月四日ですか、読売新聞で「私の処方箋」という欄でお話しされておりますけれども、とにかく今までの経済のてこ入れは、そういうのは今する必要はないんだと。もしやったとしても、これが政府がやったのは非常に時宜を得たものであるというようなお話をされている。悪いのはマインドだということもはっきりおっしゃっておられる。  なるほど、悪いのはマインドだと言われるのは、これは国民が政府を信用しないのか、していればマインドも冷えないだろう、こう思うわけなんですけれども、どっち側が信用しないのか、あるいは信用されないのか、そこら辺はわかりませんが、現に株が値下がりしたこと、こういったことについてどのようにお考えになっておられるか。あれほどのてこ入れをしたならば、だれでも上がるだろうと思ったことも事実でございます。しかし、株は株で、何といいますか現実化されたときには過去の情報だというような意味もございますけれども、しかしマインドが冷え切っているということについての政府としての感想をお聞きしたいと思います。

吉冨勝経済企画庁調整局長

○政府委員(吉冨勝君) 今回の緊急経済対策は、マインドがさらに冷えまして、それが雇用を初めとする国民経済に悪影響が及ぶことをなるべく防いでいくという観点から主に行っております。そういう意味で、マインド自体が、実体経済、例えば雇用の状態とか経常利益、企業の営業利益の状態に比べて、そういった水準が比較的高いにもかかわらずマインドの方が非常に悪化しているということは、今申し上げたような国民経済に今後影響を及ぼしていくと思われるので、その観点から今回緊急対策をとったということでございます。

古川太三郎連合参議院

○古川太三郎君 緊急対策をとられて、世間では余り効果がないんじゃないかという声も多く聞きます。そういったことの一つとして、それはやはり前と同じような、いつもの不景気のときと同じような財政の前倒しだけではだめだと、今これをやりますと、設備投資そのものがもう冷え切っている。また同じような設備投資をやってしまったら、これまた貿易の不均衡になってしまう。あるいはまた、今生産設備そのものでも非常にもう飽和状態になっている。今までの非常に景気のよかったときに、その設備投資そのものが環境事業とか、あるいは省力化の事業だとか、そういう特殊なあるいはこれからをにらんだ設備投資であるならばよかったんですけれども、また能力をアップするというだけの設備投資であれば、今まで来たことと同じことの繰り返しであり、貿易摩擦をまた繰り返してしまうんではないか、こういう気もします。  また、個人の耐久消費財の需要は大体ストップしたところだと言われてもおります。そういう中で、個人消費が本当にふえていくんだろうかという声は非常に高いと思うんですが、そのことについてはいかがですか。

吉冨勝経済企画庁調整局長

○政府委員(吉冨勝君) 現在、二月時点の一番新しい統計でも、雇用者数は前年同期比で三・一%もふえました。私どもの政府見通しては、四年度についても雇用者数は全体二%は伸びる。一人当たりの雇用者所得というのは、今回の春闘の成り行きを見てもわかりますけれども、大体四%ぐらいでは伸びるのではないだろうか。したがって、全体の総雇用者所得というのは名目値で六・一%ぐらいは伸びるというふうに考えますので、所得の面から見た消費というのは、基調として堅調である。ただ、今先生御指摘のように、自動車とか耐久消費財の一部についてはストック調整という形で売れ行きが鈍化しているかと思いますが、物の需要は今家計調査でも前年比二%前後しかふえておりませんけれども、サービス関係は一〇%ぐらいでふえておりますので、全体としては堅調に推移するものというふうに考えてございます。

古川太三郎連合参議院

○古川太三郎君 個人の所得関係でも四%ぐらいの伸びがある、このようにおっしゃいましたけれども、これはひとつ私が余りここら辺はわかりにくいのですが、公定歩合が〇・七五%下がりました。これは、下がることは確かにいいことなんでしょうけれども、日本の個人の約七百兆円と言われる預金の問題ですけれども、それからくる利息を考えても、約四兆円の目減りになるんじゃないか。もしそのぐらいの目減りになるとすれば、個人所得はその分だけ低くなるんじゃないかと単純に考えるわけなんです。これが二兆とか三兆の減税をやればまだ別の考え方もできますけれども、減税もなし。本当に低所得の方、わずかばかりしか貯金がない方なんかを直撃するようなマインドの冷やし方をしていることも事実なんです。そのことについて、国民所得から見れば非常にダウンするんではないか、こう見ているんですが、どのようにお考えになりますか。

吉冨勝経済企画庁調整局長

○政府委員(吉冨勝君) 確かに、短期的に観察いたしますと、景気を刺激するための金利の低下というのは、年金を受けている方々を初めとしてそういった所得を下げることは事実でございます。そういう矛盾が短期にはあるかと思いますけれども、中期的に考えますと、こういう景気刺激策をとって経済の成長率が全体的に高まりますと、それを通した個人所得の増大というのがありますので、そういう中期的な成長の中では金利もまた異常な低い状態から正常な状態に戻るというふうに思います。したがって、短期の一時的な問題は、中期的な中で解決していくというのが経済対策の考えではないかというふうに思っております。

古川太三郎連合参議院

○古川太三郎君 先ほども同僚議員がちょっと聞いておられたと思いますけれども、住宅ローンの下げ方ですけれども、これはきょうなんかの新聞を見ていますと短期プライムは相当下がったようですが、長プラの方はなかなか下がりにくいという状況があるようですが、本当に個人の何といいますか住宅ローンの金利の低下、これにしてもわずか六十兆円ぐらいの信用残ですから、そう大して二、三千億ぐらいのメリットしかないかもわかりませんが、そのあたりのところの保護はどうなっているのか。保護といいますか、金利は下がってそのメリットは本当に来るんだろうかどうか、そこら込もう一度ちょっと聞かせていただきたいと思います。

吉冨勝経済企画庁調整局長

○政府委員(吉冨勝君) 今回の公定歩合の引き下げが定期預金金利等を含めた金利の引き下げにやがてつながっていくだろうということは、言われているとおりかと思います。それに従いまして財投系の資金の金利も下がってまいりますので、住宅金融公庫を通した金利というのは当然低下してまいるかと思います。  既に昨年の七月以降の金利低下によって市中の金利は下がり、それからまた公定歩合の引き下げ等を通してこういった住宅金利も低下してきている結果、御存じのように、持ち家を中心に住宅着工件数というのは季節調整値で見ますと既に回復してきております。一番低いときは昨年の終わりの十-十二月期の百三十万戸を切ったときですけれども、この二月には百四十万戸というふうになってきておりますが、これは金利に敏感な持ち家、それからさらに貸し家というものが上方に転じつつあるということのあらわれでありますので、今回の金利引き下げはそういった方向を一層促進するのじゃないかというふうに考えております。

古川太三郎連合参議院

○古川太三郎君 経企庁長官にちょっとお尋ねしたいんですが、私は、こういう状態はむしろインフレになっていくんではないかというような懸念を持っているんですが、そのことをやっぱり一番敏感に感じて株が下がったんではないか、そういうことまで思っているんですけれども、とにかく公定歩合を下げることは円安に振れることは事実です。円安になるということはそれだけ輸入インフレが発生するだろう、また土地が本当に値下がりしてきたのに今値下がりがとまりかけてきていると言われてもおります。また、そこへもってきて人手不足、それに公共投資の前倒しというようなことが起きてきますと、どうしても事業の集中と人件費の高騰が予想される。そういう中で、もうかるものについてはどんどん値上げされる余地が出てくる、特にサービス業なんかではもう値上げをしていくだろう、またしている事実もございます。  そういった中で、本当にインフレがなくて、ここにインフレのような予想は全然されておりませんけれども、私はもっともっと高い消費者物価の値上がりにつながっていくんじゃないかという気がしているんですが、そのことについての話をしていただきたいと思います。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(野田毅君) 今回の公定歩合の引き下げが、今御指摘になりましたさまざまな過程を通じて物価上昇につながるんじゃないかという御指摘ですけれども、私どもは、結論からいえばそういうことにはならないと。現在の物価状況については非常に安定をいたしております。まず、これが第一点であります。    〔委員長退席、理事松尾・官平君着席〕  それから、円安に振れるかどうかの話ですが、必ずしも円レートそのものは内外の金利差だけで決まっておるわけではない、さまざまな事柄を実は反映をいたしておるということはもう御承知のとおりでありまして、現に逆に、公定歩合引き下げ以降今日までの推移を見ておりますと、逆の方法に向かっておるということはお察しいただけることだと思っております。  ただ、余り金融政策にだけ過度の負担を課するということになりますと、利下げ、それが一方ではマネーサプライの極端な増加というような形につながっていくとそういう懸念も発生しようかという感じもいたしますけれども、今のところむしろ逆に資金需要が足りないというようなこともあり、不足しているということもあってマネーサプライは低調であるという状況にあります。  それに、何よりも私どもは、特に金融機関のいろんな貸し出し態度などについてもこの前のいわゆる学習効果がかなり効いておる。多少学習効果が効き過ぎておるなというふうに思われないところもないというような感じを実はいたしておりまして、私どもは、利下げの問題がすぐ物価上昇という形に響くというふうには見ておりません。  ただ、御指摘のありました人件費の問題については、これはたびたび申し上げておりますように、今回の景気減速の局面において特徴的なことは、いわゆる労働需給が緩和しつつあるとはいうものの依然逼迫した状況の中にあると、緊張状態にあるということを十分念頭に置いて、いろんな公共事業の執行に当たっても配慮していかなければならないということは御指摘のとおりであると思っております。

古川太三郎連合参議院

○古川太三郎君 いずれにしても、こういった事柄でもしインフレとかそういったことになる場合には年金生活者なんかを非常に苦しい目に遣わすことになりますので、ここら辺のかじ取りは十分に気をつけてやっていただきたいと要望する次第です。  いま一つ、今経済というのは非常にボーダーレス化しました。それだけに、貿易の不均衡というのは一体何だろうということも考えられます。国際企業というのは、もうかるところにどこへ工場をつくってどう売ろうかということはもう企業の論理で走りますので、日本がそういうインフラが整備されればされるほど、日本で製造してよそに売る、日本外に売るということになりますと、貿易め収支は日本は黒字がたまる一方なんで、大変迷惑しなきゃならぬ。    〔理事松尾官平君退席、委員長着席〕  これは迷惑と言ってはなんですけれども、本当にそれが国民の生活に非常に一人一人が豊かになっていくならいいんですけれども、そうじゃなくて貿易の数字だけが踊っている、そのことが大きな国際摩擦になってくるんだというような状況では非常に困ることになるので、その辺はどのように考えておられるのかお聞きいたしたいと思います。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(野田毅君) 基本的には、国際収支の問題は、黒字がたまったこと自体が直ちによくないということではないと思います。それがどういうふうに世界経済の中に実際に生かされていくのか、そういうことをも十分念頭に置いて論議をされるべきことである。これは、国際的に大体その点は理解をされておることだと思っております。  ただ、それにしても日本だけがため過ぎるということになりますと、それはむし召そういう経済効果という側面よりもさまざまな政治的なリアクションが起きてくるということと、それから特に失業の発生、諸外国における失業の問題などと連動させて物を見られますとさまざまな誤解も発生しやすい環境をつくるわけでありますから、そういった点で私どもも国際経済の中でいかに調整、調和を図りながらやっていくかということは十分心がけなければならぬ事柄である、したがって内需を中心とする成長を私どもも心がけていかなければならぬ、こう思っておるわけです。

古川太三郎連合参議院

○古川太三郎君 今のお話を伺って安心はするんですけれども、やはり日本での生産というものをなるべく少なくして、まあ空洞化ということで非常に恐れられることもあるかもしれませんが、余り護送船団的に全部を助けていくんだというような方向でのかじ取りであるならば、これはいつまでたっても貿易不均衡はなくならない。  これは、名指しして大変あれなんですけれども、アメリカあたりでは自分のところの資本の会社がよそに工場をつくって、その製品は自分のところで使う、こういうような自分のところで必要なものすら外国でつくっているような現状だと私は見ているんです。もっともっと日本もアメリカにたくさん資本を投下して、しかも投下するといってもアメリカの象徴的なものを買って反感を食うんでは困るんですけれども、アメリカで生産して日本に持ってくるとか、あるいはこれは言い古されたことですが、中東から石油ばかり買うんじゃなくて、アメリカのアラスカから石油を買えばこれはそういうものの少しでも足しになるんじゃないか。  私は、防衛とかあるいはエネルギーとかいうような一つのものに固定するとなかなか貿易というのはうまくいかないので、アメリカから見れば、あのメジャーは何も中東から日本に売らなくてもアラスカから売ったって構わないと見るわけなんです。日本の米と同じように一つのものに固定してしまうと、難しい貿易論になってしまうんではないか。ここら辺はどのようにお考えになっているか、お聞かせください。

岡松壯三郎通商産業省通商政策局長

○政府委員(岡松壯三郎君) ただいま先生の御指摘のとおり、我が国といたしましても、国内生産から海外への投資がかなり進んでおるわけでございますが、大事なことは、海外に投資した先において現地での調達を促進するというようなことも大事なポイントであろうかと思います。通産省が、さらに海外で生産したものを輸入する輸入の促進と海外における部品の調達ということを二本の柱として、さらに外国企業との提携を深めていくということを加えましてビジネス・グロバルパートナーシップということを昨年十一月以来呼びかけておりますが、我が国企業がこの呼びかけにこたえ対応してくれておるわけでございまして、今後ともこの方法を進めていくというのが大事ではないかというふうに思っている次第でございます。  最後に御指摘のございましたアラスカからの原油の輸入の問題といいますのは、確かに日米の関係におきましてアメリカから買う一つのものとしてしばしば議論をしてきておりますが、アメリカ側といたしまして、州の法律、環境問題等がありましてなかなか向こうが受け入れるところとなっていないということで進んでいないという点でございますが、我が国としては繰り返し議論をしかけているという点でございます。

古川太三郎連合参議院

○古川太三郎君 最後に一点。今、環境問題というお話も出ました。環境問題と貿易という形で、きょうの新聞だったか何かちょっと見たんですけれども、なかなか難しい問題があろうかとは思いますが、しかし発展途上国の貿易を先進国がエゴであるいは環境というにしきの御旗で制限するようなことがあってはやっぱりよくならないと思うんですが、そういう意味で日本の立場として通産大臣からお話を伺って、終わりたいと思います。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(渡部恒三君) 今環境の問題ありましたけれども、地球的な規模での環境問題は今や大きな声になっておるんですけれども、これは国内的にも世界的にも、先生御指摘があったように、やはり経済と環境の調和ということが人類の英知に今課せられた最大の課題であろうかと思います。それから、先生おっしゃられたとおりに、我々先進国と言うとおこがましいかもしれませんが、経済の発展している国、その尺度で非常におくれをとっておる国に現在のままでおれと言うわけにはいかないわけですから、そこで私は今エネルギー問題と環境問題は一体であるということを言っているんですけれども、日本は二十年前、非常に環境問題が国内生産業の中で高まりを見せた中で非常に技術が発展しております。こういった技術をこれから開発途上国に提供するあるいは我々と協力をするということで環境と経済の調和、地球が大事だということはやっぱり地球を活用して人間が豊かな生活をしていくために美しい自然を守っていかなければならないのでありますから、この調和、その調和を図るための英知、これを我が国が国際社会への大きな貢献としてこれから進めてまいりたいと考えております。

井上計民社党・スポーツ・国民連合

○井上計君 長官初め皆さん、もう大変お疲れだと思います。若干おつき合いをお願いしたいんですが、私は、もう毎年予算の審議のときになると、果たしてこういうふうな状態でいいのであろうかどうかということをいつも毎年のように考えるんですね。  四年前でありますが、いろんな資料を集めた結果、私の当時の持論は、やはり消費課税を実施しなければ日本はだめになるということで、四年前のあめときから私は消費税必要論を選挙運動でも盛んにやりました。テレビの政見放送でもやりまして、演説会場はもちろんのこと、消費税は悪税じゃありません、将来の日本のために必要ですと、こう言ってあの中でやったものですから、もうあいつはばかだと、井上は自分で当然をあきらめたんだと随分言われました。そのときは大変苦戦をしたわけであります。  今から十数年前だと思いますが、内閣委員会で当時各党とも、国民年金をもっとふやせ、厚生年金をもっと増額しろ、軍人恩給をふやせ、そういうふうな年金増額増額の中で、私は、考えようではないか、このままでいったら十数年後に日本の年金はどうなるんだと、こう言って、年金は少なくとも経済の実質成長以外にふやすべきじゃない、いわゆる一種の歯どめが必要だということを言って、そのときにやはりいろんな団体から随分と非難を受けた記憶が今でもあります。しかし、現在でもその気持ちは変わっていません。ということは、予算審議になりますと、野党は減税しろ、減税がないから反対だ。それから、いろんな団体の陳情を聞いておりますと、あれをふやせ、これをふやせ、そういうふうなことばっかりですね。実際に打出の小づちを持っているわけじゃありませんから、あり余っている財源がいつまでもあもわけじゃないのにこんなことを続けておったら、さらにこれから十年、二十年あるいは三十年先、まあ百年先は言いませんけれども、どうなるのであろうかという、いつもそういうふうな疑問を自分で持ちながら野党という立場で予算に反対をするというふうな、いわばそういうジレンマを持っておるわけですね。  きょうは、特にまとまった質問ではありません。私個人も勉強したいし、それから同時に、きょうは経企庁長官、経企庁にお願いをしたいのは、通産省にしても大蔵省にしても運輸省、建設省も応援団体が多いんですが、同時に圧力団体をバックに持っていますけれども、純粋な政策官庁というのは経企庁ぐらいで、経企庁は、どこにもだれにも遠慮なしにいわば将来を展望したいろんな国の重要な政策を立てていただくことができる唯一の省庁なんですね。  そういう意味で、私の若干所見を交えながら、何も結論としてお答えをいただくとかあるいは大臣の見解を、特に詰めた見解をお聞きするとかということじゃありませんけれども、時間が短いですから、こんなことは詰めて話をしていれば何時間もかかると思いますが、大ざっぱな形でひとつそういう提言をして、さらに今後機会があればやはり国民に実態を知ってもらうような、そういうふうな機会をできるだけ我々議員がつくっていかなくちゃいかぬし、また政府もそういったことを国民に知っていただくような、そういうことを考える必要があるんではなかろうか、こんなふうな考えで以下若干雑談的に申し上げますので、ひとつ御了承をお願いいたしたい、こう思います。  経企庁の設置法からいきますと、任務は「長期経済計画の策定及び推進」ということになっておりますが、現在では大体何年ぐらい先までお考えになっていろんなものをまず政策立案をされるのか、それを最初にお伺いいたします。

長瀬要石経済企画庁総合計画局長

○政府委員(長瀬要石君) 経済企画庁の任務として与えられております長期経済計画につきましては、過去を顧みますと、長いものは倍増計画のような十年というものもございましたけれども、おおむね五年程度の計画ということでやっているわけであります。  ただ、それに先立ちまして、昨年もそういうものを発表いたしましたけれども、二〇一〇年委員会というようなものを経済審議会の中につくっていただきまして、そこで長期にわたる我が国経済社会の発展の方向、課題というものをいろいろと御指摘をいただく、そういう長期の展望に立ちながら五年間の経済運営の指針としてどのような方向を目指すべきか、これらの観点から経済計画の策定を進めるというのが今日の立場でございます。

井上計民社党・スポーツ・国民連合

○井上計君 私は、まあこれ大臣によろしかったら差し上げますけれども、調査専門家にお願いして、二十年前と現在との、財政、税制から、いろんな労働問題から全部比較対照表をつくっているんですよ。四年前もつくったんです。つくって初めてこれは大変だということで、今度またつくったんですが、これから見ると、もちろん五年後、やはり少なくとも十年後ぐらいの想定をしていかなければ、日本の財政は、あるいは日本の税制は、あるいは日本の産業はだめになるんではなかろうかなという、こういう感じが強くするんですね。  まず、端的に申し上げますと、現在のいろんな数字から考えると、財政破綻はいつ来るであろうか、もう確実に来ることは間違いない、こういうふうな数字が出てくるわけですね。まだ十年後の細かい試算はしておりません。これは専門家に頼んでまたしたいと思っていますけれども。それから、そうなってきた場合に、この財政の破綻、財政の最終的な責任は国民にあるのかあるいは政府にあるのかということもこれまたあいまいである。国民にあると言ってしまえば簡単なんですが、そうはまいらぬと思います。そこで、先ほど申し上げましたけれども、国会でいわばこういう本音の議論をやるような、そういう状況をつくっていかなくてはいかぬのではなかろうか、これが、たびたび申し上げますけれども、目的であります。  新聞にも出ておりますが、経企庁が策定中の新経済五カ年計画、総理が生活大国の実現を目標になさっておるようでありますけれども、果たしてこの生活大国の実現が可能なのかどうか。というのは、財政との整合性を考えないでただ青写真をつくるだけならこれは大変簡単ですし結構ですけれども、それはますます国民を惑わすばっかりである。やはり、片方でそういうふうな財政計画を、財政見通しを立てながら、片方でそういう青写真をつくらなければ、整合性を持たない生活大国というのはあり得ないんではなかろうかな、こんなふうに考えますが、大臣、これはどうお考えでしょうか。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(野田毅君) まず冒頭に、井上先生前置きのお言葉がありましたけれども、私ども一政治家としては、かねてから先生のそういう真摯な誠実な政治行動に対して敬意を払っておる一人であります。  基本的に、今審議をしていただいております今度の経済計画について、文字どおり生活大国ということと同時に、いわゆる地球社会と共存できる生活大国、そういう環境の問題、エネルギーの問題、さまざまな地球的な視野からのテーマ、あるいは二十一世紀にますます高齢化してまいりますときのいろんな社会基盤の整備、社会発展基盤の整備、こういった事柄を含め、これを経済計画の中でどういうふうに整合性を持たせていくかということが一番の実は経済計画としての課題であります。  そういった意味で、今後大事な部分は、一つは社会資本を計画的に着実に整備していかなければならぬという側面もありますし、それから同時に、老後の暮らしをどのように安定した姿で、あるいは医療の側面、あるいは年金の側面をどうやってサポートしていけるのか、そういうことを考えましても、御指摘のとおり、財政の問題を全く抜きにして論ずるわけにはいかないわけであります。  ただ、この問題も必ずしもワンパターンということだけではなくて、例えば年金の支給開始年齢の問題だとかいろんなこともありましょう。そういった中で、企業の雇用形態だとか、あるいは女性の立場を、決して労働力という側面だけではない、生きがいその他いろんな社会における位置づけ、あるいは高齢者の就業機会の増大を初めいろんな位置づけ、さまざまな課題はありますものの、そういった高齢化社会にどう枠組みをつくっていくかというようなことを念頭に置きつつ、そういう公的な負担がどの程度必要になっていくのか、これはある程度具体的に想定をしながら進めていかなければならぬことだと思います。  その場合に、ただ一直線で財政負担だけが増大をするということを強調し過ぎると、また誤解を招きかねない。一方で、バラ色ばかりで、そういう努力をしなくても政府が何でもやってくれるんですよというバラ色ばかりを強調すると、今度は、安易に迎合的なことになったんでは、本当の意味でのそういった対応ができるのかというような問題を実ははらんでおるわけでありまして、それらのことを含めて、財政の側面、あるいは国民の負担の側面、あるいは計画的な整備、水準、いろんなことを念頭に置きながら、さらに濃密な検討を今していただいておる最中でございます。

井上計民社党・スポーツ・国民連合

○井上計君 長官がおっしゃるとおり、全くおっしゃるとおりなんです。ただ、我々は国民に向かって言えることというか、言うことは、夢をばらまいて、あめをばらまくことしか言わないんですね。だから、国民のほとんどが現在の日本の財政の実態をほとんど知らないですね。実は、知れば知るほどそら恐ろしくなる。  それは、厚生年金でも、先日もナショナルセンター、連合のある担当局長に、あなたたちはいつまで厚生年金の支給六十歳を固執するんだ、なぜ六十五歳を考えないんだと言ったら、それはこうこうだと。このままでいったら今四十歳の人は年金をもらえなくなるのははっきりしているじゃないか、こうこうだと言うと、びっくりしてそれは困ると。いや困るんじゃないんだ、だからそれを考えるべきではないかと。そんなことは我々聞いたことないと言うんですね。労働組合の最高幹部でさえそういうことを言う人がいるわけですよ。  厚生年金、ちょっと質問の順序が逆になりましたが、厚生年金を例にとっても、現在積立金が七十一兆六千億円あります。しかし、実際はこの年金の七十一兆六千億は金ではありません、事実上財投で全部なくなっていますかね、なくなっているとは言いませんが、要するにどこかにいってしまっている。これは二十年前と比較すると、積立金はちょうど二十倍になっています。保険給付が毎年十兆八千億円、これは七十倍になっているわけです。保険料収入は十二兆九千億円、現在もまだ収入は多いですが、これは十七・三倍にしかなっていない。受給権者が七・二倍になっている、それで加入者は二十年前と変わらずです。このままの数字をずっとこれから十年後に置きかえたら、十年後には完全に保険料収入よりも保険給付がはるかに上回りますよね。仮に平均して年に三兆円食い込んだら、七十兆円というのは二十五年できれいになくなるわけですよ。  これから、私もこれ試算を一遍したいと思っているんですが、大体五年後ぐらいにとんとんになる、それからずっとしていくと、それが二十五年後ですから三十年後には厚生年金の積立金がゼロになってもおかしくないという計算ですから、どこかで六十五歳の支給ということを考えていかなければ将来どうにもならぬではないかということをだれかが言い出さなくては、みんながやっぱり六十歳からの受給がいいんだと言っているわけですね。こういうことも一つのこれは実例ではありますが、そんなふうなことを感じます。  もう質問にならぬですが、ちょっといろんな数字を見ますと、これは長官や経企庁の方は御存じだと思いますけれども、現在、今審議中の四年度の予算が一般会計歳出七十二兆二千百八十億円、税収が六十二兆五千億円、その差額は、税収以外のものがありますけれども、主なものは七兆二千億円という国債ですね。建設国債とは言っていますが、事実上の借金です。そうすると、平成四年度末の国債残高は百七十五兆二千億円になるわけでしょう。そうして、四年度の国債費が十六兆四千四百億円、これが十年後には二十三兆円ぐらいになりますよ。だから、どうやってこれを賄っていくのかという計算をやっぱりすべきだ、こう思うんです。  例えていうと、この国債は、未来永劫返済する意思がないならいいんですけれども、しかしこのままでいったら未来永劫返済できないですよ。毎年七兆円の国債、それから年に五兆円ずつ返済するとすると、十二兆円の財源をどこかほかから持ってきて、平成五年なら五年から国債の返済計画を立てても、五兆円ですから大体三十五年かかりますか、そうしないと国債の発行を、建設国債をゼロにして、返済を五兆円やって三十五年目にやっと国債費がゼロになる、こういう計算ですから、現実には不可能なんですね。だからひとつ、これは不可能ではありますが、こういう計算をどこかで国民に明らかにして、国民の協力を求めるということをだれかがしないと一体どうなるのであろうかなという気が多分にするわけです。  それからいま一つ、これは経企庁御承知だと思いますが、日本は金持ちであるのかということです。私は、これについていつも疑問を持っているんです。実際には、日本は確かに対外債務は少ない、対外資産が多いです。しかし、アメリカと日本とを比べますと、アメリカは対外債務が差し引き六千億ドルぐらい、アメリカの中長期の国内の国債、これがあります。それを含めて、アメリカの債務と称するものは四兆二百八十五億ドルですよ。日本は、百七十五兆円というのは一兆三千五百億ドルとなりますが、これは厳密に私は、財政投融資は日本政府の借金だ、こう思っているわけです、郵便貯金から厚生年金積立金から、その他のものもみんな借りているわけです。これを政府の対外債務に入れると三兆四千二百億ドルになるんですね。アメリカも日本も大して借金は変わらぬ、アメリカの経済規模と日本の経済規模とを考えたら日本の方がはるかに危険性が高い、こんなふうなことも実は数字からうかがえるんです。  だから、この辺でぜひ長官にお願いしたいのは、冒頭申し上げたようにもう経企庁が唯一の政策官庁なんですから、ひとつ経企庁でこんなふうな、さっき局長は五年と言われましたが、五年でなくて、二十年とは言いませんが、せめて十年後の日本の財政のあり方というふうなものを何かつくってもらって、国民に今のうちに考えるべきだ、国民だけじゃなく国民の前に我々議員に、まず国会議員が考えるべきだというふうな、そういう警鐘を少し鳴らしていただく必要があるんではなかろうか、こんなふうに思います。  もう取りとめがない、質問ではありませんから、意見ばかり申し上げましたので、以上で私のきょうの質問は終わりますが、長官にぜひお考えをいただきたい、こう思います。お考えがあればお聞かせをいただいて、終わりにします。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(野田毅君) 大変高邁なお話、私ども胸にしみます。  そういう中で、例えば特に社会保障の問題について、それぞれ関係のところにおいてかなり詰めた論議を今行っていただいておることではないかと期待をいたしておりますけれども、まだまだ国民的次元でそういう点が十分な認識を得られていないというのは甚だ残念なことでありますし、全体的に中長期的にこの財政の側面、いわゆる税外負担をも含め、そういったものをどうとらえていくかということについて、さらに総合的に問題提起ができるような仕方を私どもも勉強してみたいと思っております。

岩本政光自由民主党

○委員長(岩本政光君) 以上をもちまして、平成四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち公正取引委員会及び経済企画庁、通商産業省所管、中小企業金融公庫並びに中小企業信用保険公庫についての委嘱審査は終了いたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岩本政光自由民主党

○委員長(岩本政光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十八分散会      ―――――・―――――

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