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123回国会参議院1992/03/27

商工委員会 第5号

発言数
191
登壇者
20
会派数
6
開催日
1992/03/27

会議録

岩本政光自由民主党

○委員長(岩本政光君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  昨二十六日、対馬孝且君が委員を辞任され、その補欠として櫻井規順君が選任されました。  また、本日、谷畑孝君が委員を辞任され、その補欠として吉田達男君が選任されました。     ―――――――――――――

岩本政光自由民主党

○委員長(岩本政光君) 輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する臨時措置法案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

福間知之日本社会党・護憲共同

○福間知之君 今回のこの法律案は、法案の名前に示されておりますように、輸入の促進と対内投資の拡大、円滑化を目指すものであると判断をいたしております。  ところで、この法案の施行によりまして、輸入の拡大というのはどの程度の規模見込まれておるのか、あるいはまた、対内の直接投資というものの増加を幾ばく見込んでおられるのか、まずお聞きをしたいと思います。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) お尋ねの輸入の方から先にお答えを私からさせていただきます。  これまでも、製品輸入促進税制を初めといたしまして、いろいろな輸入拡大策を展開してまいりました。おかげさまで、八六年をピークにいたしました貿易黒字は、その後着々と減ってきたわけでございますが、昨年は御案内のように一千億ドルを超えるといった非常に難しい状況を呈するようになってまいりました。こういった最近の貿易動向にかんがみまして、これまでもいろいろやってまいりました輸入拡大策に加えまして、なお一層施策の充実が必要になってきているわけでございます。  こういった状況を背景にいたしまして、新しい輸入促進策をこの法律案に盛り込ませてもらったわけでございますが、この措置と、それからこれまでのいろいろな輸入拡大策等が相まちまして、全体の輸入拡大の効果を上げていくものと我々は期待をしておりますし、またそのために全力を投入したいと思うわけでございます。  この輸入促進措置、本法案に基づきます輸入促進措置に係る輸入貨物の増加の見通し等につきまして、じゃ具体的に数字は幾らかということになりますと、これは非常に難しいわけでございますけれども、この法案によりまして輸入促進地域が整備されまして、輸入品の流通が円滑化されますし、また輸入ビジネスに大企業も中小企業も入りやすくなってまいりますし、またこの法案の中に盛り込まれておりますが、特定製品の輸入事業の支援ということによりまして輸入品の調達力が強化されます。  そのようないろいろな効果が重なりまして、私どもとしては、相当程度輸入拡大が図られるものと期待しているところでございます。

山本幸助通商産業省産業政策局長

○政府委員(山本幸助君) それでは、私の方から対内投資の部分につきましてお答え申し上げたいと思います。  福間先生御高承のとおり、直接投資につきましては、最近我が国から外へ出ていく方は大変活発でございます。これに対しまして、我が国に入ってくる方は必ずしも活発でないということで最近不均衡が大きくなりました。二十対一ということでございます。こうした状況を何とか改善をしたいというのがこの法律の中心でございます。  この法律の支援措置を行いました場合に、具体的に今どの程度数字がふえるかという御質問でございますが、これについて数字的なお答えはなかなか難しゅうございますけれども、この措置によりまして、外資系企業が立ち上がり期に直面するいろんな諸問題、こうした問題についての対応が容易になるということで、外資系企業の日本における事業の実施が円滑化される。その結果、外国企業の我が国市場への投資というのが相当ふえるんではないか、活発化するんではないかということを期待いたしているわけでございます。

福間知之日本社会党・護憲共同

○福間知之君 なかなか、輸入面、対内投資面、具体的数字で目標を示すということは難しいようですね、今のお答えでも。それは、ある程度やむを得ないと思いますが、また後ほど時間があれば議論をしたい、こういうふうに思っております。  いずれにしても、それぞれを拡大するということが目的でございますので、やはり今さしあたって数字が示されないとしても、仮に本法施行のある段階でやっぱりそれは目標を掲げるということはぜひ必要だろうと思うんです。でなかったら法案の趣旨は生きないと思います。それは、ある時期にはそういう目標を一回ならず二回ならず掲げてやっていかなきゃならない。暫定措置ですから、その期限までには目標をある程度達成をせなきゃならぬわけですから、そういうふうな気持ちで後ほどのこれはまた議論にしたいと思います。  次に、この法案によりまして輸入促進地域として、「当該地域において輸入貨物が相当程度流通し、又は流通することが見込まれる」地域ということになっております。これは、能力不足が懸念されております国内の既存のインフラストラクチャー、これを充実するためであろうと思われますが、その承認地域の内容によりましては、いわゆる海上貨物についての六つの大きな港、航空貨物については成田空港などにより一層輸入貨物の集中傾向が加速されるんじゃないかという危惧がないでもございません。いわゆるインフラ整備による一層の集中化あるいは過密化のおそれというものが考えられるわけであります。したがって、輸入の見込みについて十分確たるものがやはりなくてはならないということはこういう点でも考えられるわけですが、そういうふうな配慮というのは、この立案の過程では行われておるのかどうかお聞きをしたいと思います。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 御指摘のように、今空からも海からも日本向けの貨物は非常にふえておりまして、しかも御指摘ございましたような特定なところに実は貨物が集中をしております。数字で申し上げますと、航空貨物につきまして、東京と大阪では全体の九五%になっておりますし、港湾におきますコンテナ貨物につきましては、神戸と横浜と東京の三大港で全体の約九二%を占めているわけでございまして、空も海も特定の港湾と空港に集中しているのが現状でございます。  この法律案に基づきます輸入促進措置は、輸入貨物が相当程度流通し、または流通する見込みがあるというところにいろいろな施策を集中するということでございまして、現在輸入貨物が集中しております港湾とか空港以外の港湾・空港へも輸入貨物が分散されるようにというところに実は主眼があるわけでございまして、むしろ日本全体に輸入貨物が分散されるように現在の特定な港湾、空港に集中している状況を改善していきたいというところに目的があるわけでございまして、この目的のために、この法律案に基づきます諸措置を適正に実施をしてまいりたいと思うわけでございます。

福間知之日本社会党・護憲共同

○福間知之君 今のお話に関連しまして、輸出入は大変ふえるであろうと期待もし、そうでなければならぬ、こう思うんですが、しからばそれに対応する、言うところのインフラの整備、この必要性も言うまでもないわけですから、自治体を中心にいたしましてさまざまな物流あるいは貿易基地の構想が既に打ち出されつつあるようでございます。例えば、空港の地域ではりんくうタウン計画というのがあります。あるいはまた、港湾の地域では大阪湾の総合流通センター構想、神戸港における流通センター構想、こういうものが準備されておるようでございます。これらは、いずれも今後二年ないし三年を目途に整備が進む予定のようですが、その規模とかあるいは立地のアクセスの点から、今回の輸入促進地域あるいは総合保税地域に十分適しているんじゃないかとも思われるわけでございます。これらについて、今具体的な話といいますか引き合いといいますか、そういう動きはございますでしょうか。また、輸入品を中心にした物流基地構想の現況というものについてどのようにとらえておられるか、現状をお聞きしたいと思います。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 福間先生御指摘の幾つかの計画につきましては、我々もその都度いろいろとお話を承っておりますし、また進捗状況につきまして非常に関心を持っているところではございます。ただ、この法律案に盛り込まれておりますいろいろな促進地域の構想につきましては各都道府県も非常に熱心にお考えでございまして、都道府県知事で構成されます国際産業交流推進協議会といった組織が既に設立をされておりまして、これには四十三都道府県が参加をしていただいております。いずれも、各地方自治体がこの法律案に基づきます計画等に大変深い関心をお持ちであることの証拠だと存じております。  ただ、具体的にどういうぐあいに今後輸入促進地域の内容が定まっていくかとか、あるいはどこにそういうものが設置されるかといったことにつきましてはこれから各都道府県が煮詰めていらっしゃる問題でございますし、我々といたしましては、各都道府県が具体的に内容をお決めになりまして計画の承認の申請がございました段階で決定がなされていくものでございます。私どもといたしましては、一つ一つその計画を丹念に検討させていただきまして、それぞれの計画がどの程度熟したものになっているか等を踏まえた上で決定をさせていただきたいと思っております。

福間知之日本社会党・護憲共同

○福間知之君 それに関連しまして、流通の合理化などについての見解をただしたいのですけれども、国際化に対応した貿易あるいは流通業界におきましては、物流の合理化構想というのが今まででも既に打ち上げられております。数えれば切りがないのでございますが、当面問題となるのは、インランドデポ構想、あるいは終日いわゆる二十四時間稼働制のターミナル構想、輸入手続における欧米等の事前申告制、ジャスト・イン・タイムの配送を可能とするための共同計画配送システム構想などが挙げられるわけでございますが、これらについての評価、当面のシステム導入の可能性について、これは運輸省にお答えを願いたいと思います。

土坂泰敏運輸省大臣官房総務審議官

○政府委員(土坂泰敏君) 輸入促進を進めていかなければならないわけでございますが、そのためには、この法律に基づく輸入促進地域の整備だけでなく、今仰せになりましたような数々の物流の合理化対策というものについても取り組んでいくことが大変大事であるというふうに認識をしておるところでございます。  今具体的に例示を挙げて仰せになりましたので、一つ一つ御説明させていただきますと、まずインランドデポにつきましては、これは空港なり港湾の機能を補完するものとして整備をされるものでございますので、やはり輸出入貨物の取り扱いというのは本来空港ないし港湾において一元的たやるということが効率性の上からいっても望ましいと考えますので、運輸省といたしましては、そのために必要な空港と港湾の整備というものに積極的に取り組んでいかなければならないというふうに考えておるところでございます。  それから、二十四時間稼働ターミナルのお話でございますが、現在二十四時間のターミナルといたしましては、御承知の関西国際空港がそれを目的として整備をされているところでございます。一般的に、ターミナルを二十四時間稼働するかどうかということにつきましては、そういう需要の実態がどうなっておるのかとか、あるいは環境上の制約などもございますので、そういったようなことを一つ一つ考えながら個々のケースごとに対応してまいりたいと思っております。  それからもう一つ、共同輸送、計画配送のことでございますが、昨今人手不足とか道路混雑とか物流関係の制約要因が大変厳しくなってまいりました。従来どおりの輸送をやっていくということが大変難しいわけでございます。そういう意味で、共同輸送、計画配送というような効率的な物流のあり方というものを進めていくことは大変大事なことでございまして、現在ある程度進んでおりますが、これについてもいろんな格好でさらに促進をしていかなければならないと思っておりまして、全体といたしまして輸入促進のために、そういう物流合理化対策については運輸省としても重点的に取り組みを進めていくつもりでございます。

福間知之日本社会党・護憲共同

○福間知之君 さまざまな問題はこれ取り上げていけばあると思います。現に流通そのものは、今こういう輸入の指定地域であるとかないとかとは別に、全国的に大きな問題になっておるわけですから、これまた、これだけでもかなり議論を必要とすると思います。いずれにしろ、今回の法律で、今指摘したような流適合理化ということはもちろん欠かせない課題ではございます。  問題は、輸入の促進地域に指定されますと、流通のみならずすべての分野で合理化が進捗をしていくと思うんです。その場合に、仕事のスピード化、高度化というものに必ずしも十分追いついていきにくい、こういう港湾労働者などへの配慮がどうしても私は必要だと思うんであります。これは、後ほど同僚の櫻井議員からもこのことに関しては質疑をすることに相なろうと思いますけれども、労働省において労働者の立場に立って具体的な対策をどういうふうに準備をしておられるか、お伺いをしたいと思います。

伊藤欣士労働省職業安定局次長

○政府委員(伊藤欣士君) お答え申し上げます。  いわゆる合理化とか省力化といいますのは、一般的には、作業内容が改善される、あるいは単純労働分野が少なくなる、技術が高度化するというような形で、労働者の地位の向上あるいは雇用の改善につながる場合が多いわけでございます。また、昨今のように港湾におきます大幅な人手不足が指摘される中にありましては、人手不足に対する有効な方策にもつながるものだとは考えられるわけでございますけれども、しかし、合理化、省力化の実施に当たりましては、それによる雇用への影響を含めまして、労使間で十分に話し合って進めていただくことが必要であると考えておるわけでございます。  労働省といたしましても、この法案の施行に際しまして、その影響については十分注意を払っていきますとともに、合理化、省力化を進める場合に、労働者の方々に新たな技能の習得が必要となった場合の職業訓練の実施に対する援助を行うなど、必要に応じ雇用の安定のための努力を払ってまいりたいと考えているところでございます。

福間知之日本社会党・護憲共同

○福間知之君 港湾の今の作業、仕事をやっておられる事業者、事業者といいますか、概して中小が多い、こういうことで承知をしているんです。したがって、今おっしゃったようなこと、これは計画だけじゃなくて資金的なバックアップも含めて本格的にやらないと、中小の事業者というのは、労働者に対する思いはあってもついていけない、そういうふうなことに相なろうかと思います。もちろん、この法案の中でも業者の共同化、協業化ということを一つ掲げておりますから、それは必要なことでもございましょう。したがって、計画倒れにならない血の通った施策が望まれるということだけを指摘しておきたいと思うんです。  なお、これありますか。

伊藤欣士労働省職業安定局次長

○政府委員(伊藤欣士君) いや、ありません。

福間知之日本社会党・護憲共同

○福間知之君 じゃ、次に輸入の促進指針あるいは計画の問題についてお聞きをしますが、この輸入促進指針あるいは計画は、輸入あるいは物流の実態を十分に踏まえた上でなされることが重要であることはもちろん言うまでもありません。  そこで、指針についてこの法律の第四条二項第二号におきまして、計画につきましては第五条二項二号におきまして、「輸入貨物の流通に関する目標」が明記されることになっておるのでございますが、これらは実態を正確に反映すべきものでありまして、事業を成功させるための誘導策として意図的に過大見積もりをしたものとなるというようなことがあってはならないと思うのでございます。この点について、いささかの危惧を感ずるんですけれども、当局としてはどういう姿勢で臨まれるんですか。過大な見積もりをするという傾向にならないようにする必要があるんじゃないか、そういう指摘をしておきたいと思うんですが、御所見はいかがですか。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 具体的な輸入貨物の流通に関する見通しというのは、各都道府県が作成をされます地域輸入促進計画の中で記載をされていくわけでございますけれども、都道府県等がこの計画を主務大臣に申請いたします際には、関係の市町村、それから関係の空港・港湾管理者に十分協議をすることとなっておりまして、これらの協議を通じまして輸入貨物の流通量についていろいろな方々の貴重な御意見が入るわけでございますから、我々としては適正な見積もりが確保されるであろうと考えているわけでございます。  ただ、今御指摘ございましたように、各地各地におきまして輸入拡大を図り、また輸入インフラを整備するということから、過大な見積もりの方がむしろ今後の施策の充実、発展のために好ましいのではないかといったような意見がないわけではございません。十分関係者の意見を踏まえた上でお出しいただくことになっている計画申請でございますけれども、その申請がなされました場合には、改めまして主務大臣によりまして十分その計画の内容をチェックさせていただきまして、御指摘のような心配がないように審査をしてまいりたいと思っているわけでございます。

福間知之日本社会党・護憲共同

○福間知之君 姿勢としてはわかります。これ何か過去において同じような議論をここで乱やった覚えがあるんですよ。あれは何の法律だったですか、あるんですね。そのこととあわせて考えますと、もちろん適切に段階を追って拡大の計画というものを延伸していくということは一概に悪いとは言えないんですけれども、急ぐ余りにかえってそれが他の問題を誘発するということになってもいけないというわけでございます。行政当局としては仕事を推進する上で当然積極的な意欲を持って当たるわけですから、それと現実との落差が余り大きくなるとやっぱり問題はある、こういうふうに思うのでお聞きをしておいたわけでございます。これは、具体的に計画を出されたときに検討し承認するかどうかというときの問題だろうとは思いますけれども、十分配慮をして図っておく必要があると思います。  次に、輸入促進地域における利害関係者の意見の聴取という点について、今も高島局長触れておられましたけれども、港湾の事業者や港湾の管理当局あるいは空港の空港長など管理者、そういう万々と協議をするなり意見を聴取するなり、こういうことが行われるわけでございますけれども、法案の五条の三項、六項、九項におきまして、関係の空港・港湾管理者のみでなく、広く関係者も関与をさせるという措置がここでとられなかったのはなぜなのか。また、制度上、制度外、いずれにおいても計画策定の承認において関係者の意見を反映させる場を用意する必要があると思われますけれども、これらの見解はいかがですか。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 先ほどお答えを申し上げたところにも重なるわけでございますが、都道府県等が促進計画を主務大臣に対して申請をされます際には、関係の空港・港湾管理者、そして関係両町村に協議をすることになっているわけでございます。これは、各地のいろいろな計画につきまして、特に関係の深い方々の意見を十分踏まえようという趣旨でございます。都道府県は、これは私から申し上げるまでもなく、地域の総合的な行政主体でございまして、この促進計画を作成するに当たりましては、地域住民等の関係者の皆様方の意見を十分反映されることになるという具合に我々は考えているわけでございます。

福間知之日本社会党・護憲共同

○福間知之君 法案の第五条でしたかなんかで、港湾関係者については意見を尊重するという表現が使われていましたね。それから空港の管理者については、何かそれと協議をする。こういうちょっと差異があるんです。なぜそういう差異があるのかということについて、これは運輸省ですかね。

土坂泰敏運輸省大臣官房総務審議官

○政府委員(土坂泰敏君) 空港は空港管理者がその管理に当たっておるわけでございますが、空港管理者は、その管理に当たりまして、敷地につきまして所有権その他の権限をすべて保有をいたしておりまして、いわば地主の立場に立っておるわけでございます。また、それに基づきまして、テナントの配置なり人の出入りなり、施設の規模、配置等につきましても細かく承認をするということで管理をしておるところでございます。したがいまして、こういう管理の実態からして、都道府県がおつくりになります計画が空港にかかわる場合には、その空港管理者の計画に従ってつくっていただくというような調整をしていただくとどうかということでございます。  他方、港湾の方は、これは港湾管理者が管理を行っておるわけでございますが、港湾区域内の土地についてすべて港湾管理者が土地を保有しているというものではありません。いわゆる、そういう権限を持っておるものではございません。港湾管理者は一定の計画に従って、規制その他によって管理行為をするということになっておりますので、都道府県がおつくりになる計画が港湾にかかわる場合には、そういう管理実態に合わせて港湾管理者の意見を尊重していただくということにしたわけでございまして、それぞれの管理実態とあわせてこういう姿にさせていただいたということでございます。

福間知之日本社会党・護憲共同

○福間知之君 もう一つ私にはわかったようでわかりません、今の御説明では。だから、港湾関係者にしてみれば、今指摘したように、もう少しはっきりと港湾の立場を尊重してもらいたい、こういう気持ちが強いだろうと思うんですけれども、これまた後ほどに譲りたいと思います。  次に、対内直接投資の問題に移りたいと思うんですけれども、一時、欧米の企業の海外進出、いわゆる多国籍企業化に関連いたしまして、資本の移動、技術の移転など、いわゆる産業空洞化という懸念が議論になったことがあります。私も何回か当委員会で取り上げました。今日、我が国の経済力の大きさ、あるいは国内の企業の技術競争力、この強さなどから考えまして、産業空洞化というおそれは少ないとは考えられますけれども、直接投資の極端な出超を考えますと、このままではそのおそれが将来ないとは言えません。  また一方、この直接投資による製造業等の国外移転が行われましても、本社機能など中枢機能さえ確保されれば、利益の国内還元等を通じて経済力そのものに影響が出るわけではないということも考えられますが、これらについての通産当局の所見を伺います。

山本幸助通商産業省産業政策局長

○政府委員(山本幸助君) 先生御指摘のとおり、最近、我が国から海外への直接投資は大変急速に増大いたしています。一九九〇年で見ますと、残高ベースで二千億ドルぐらいというふうに見込まれております。日本の製造業の海外で生産する比率というものを見ますと、これも平成二年度で見まして六・四%、急速に高まっております。ただこれは、例えば、アメリカの場合には海外の生産比率が約二五%、ドイツの場合には二〇%というのに比べますと、まだまだ数字としては国際的には大きなものではございません。しかし、先生御指摘のように、こうした状況が急速に進むということになりますと、産業空洞化という問題も将来生じてこようかと思っております。  そうした観点から見ますと、ただいまお話しございましたような本社機能とか、あるいは中心的ないわゆる生産拠点というようなものにつきましては、我が国にこれを重要な拠点として残す。さりには、基本的には国内の内需をしっかりと振興しながら内需主導型の経済体質をつくる。その上、今回御提案しましたような日本に対する外国の投資も促進するというようなことと相まちて、国際交流を進めながら日本の産業の空洞化あるいは日本経済の弱体化が起こらないようにするということが大変重要な観点であると思っております。

福間知之日本社会党・護憲共同

○福間知之君 今のお話の後段にもありましたよつに、この法律は対内への投資の促進というところに一つの眼目がありまして、さて、他の先進国と言われる国で今、我が国がこのような法律をつくろうということになっているんですけれども、こういうことをやっている国はありますでしょうか。まあ発展途上国はともかくといたしまして、先進国において法律までつくって外資の導入をする制度というのは特別にはないと承知をしているんですけれども、こういう状況におきまして、今回この法案、日本の特殊な事情から緊急措置としてなされたものであるとはいえ、この制度が成功すれば、さらにこの法律の延長、改善措置を要求されて、また逆に失敗すれば、日本市場の特殊性や異質性がさらに強調される、そういう結果を招くおそれがあるんじゃないかなという危惧をするわけであります。  現に私などは、アメリカと日本との関係というのは、とにかく極めて相互依存性が高いし、それぞれにとって重要なパートナーである、こういう認識をしています。だが、長年貿易摩擦が絶えないように、ぎくしゃくしていることも事実です。先般、通産当局が発表した自動車の輸出規制ですね、二百三十万から百六十五万ですか、現実には百七十万台水準にあると、それをさらに五、六万程度引き下げるというふうになりました。早速ECはかみついたわけですね。  したがって、ECに対しても同様の措置をとるということでございますけれども、そういうふうに現実にはなかなか苦労をしておるわけですが、大局的に見れば、しかしそれはやはり管理貿易だということでもろ手を挙げて賛成というわけにはいかない代物でございます。さりとて、相手側に競争力が急速につくかというとそうでもない。やはり強い側が少しはセーブをする、これもまた常識だろう。しかし、それは管理貿易だということで、建前からいうと少し横道にそれてしまった。  なかなか経済というのは難しいものでございまして、そういうことを考えると、日本の我々としては、これ以上にその外資を優遇するということについては果たしてどうかなと。国内の資本との差別というものが拡大をするという意味で問題もあると、こういうふうに考えておりまして、今回の措置があくまでも臨時的、緊急的なものだ、延長はまず考えられない、こういうふうな判断でいいのかどうか、この点の御所見を伺います。

山本幸助通商産業省産業政策局長

○政府委員(山本幸助君) 外資系の企業が日本に参入する場合に、制度的な規制とかそういう障害はほとんどないということでございます。しかしながら、なかなか日本の市場に外資系企業が入るのが難しいという状況でございます。  この法案の支援策をいろいろ考える際に、日本におりますアメリカ、ヨーロッパの企業あるいはそうした企業の団体等からいろいろ調査あるいはお話を聞いたわけでございます。そうした結果、第一は、やはり土地建物、そうした初期の高いコストという問題。第二番目には、人材確保の困難、特に英語がしゃべれる人ということも含めて大変難しい。三番目には、ビジネスの展開が複雑である、商慣行その他でございますけれども。そういうようなことで、幾つか難しい面があるということでございます。そうした結果に基づきまして、税制、金融、あるいは支援会社をつくるというようなことで、支援措置を立案したものでございます。  そうしたことを考えますと、私ども今回の措置というのは、外資系の企業が日本という市場に入るのに大変難しいという状況を、少しでもこれを改善するということの最小必要な措置であるというふうに考えております。  そういう意味で、ちょっと先生が指摘されました国内資本との逆差別というお話でございますけれども、私どもそうした観点を総合的に見ますと、逆差別というような段階の措置ではないというふうに考えております。ただ、こうしたことで現在一対二十という大変不均衡でございますので、海外からもそうした不満が起こっていると。さらには、いわゆるこの地域主義がだんだんに世界的に蔓延する可能性もあるということを考えまして、緊急な対応策としてこの措置をお願いいたしているわけでございます。  そういうことから、四年後の廃止期限にはこの法目的が達成されるということに最大の努力をしたいというふうに考えております。ただ、その期限後の取り扱いにつきましては、そうした時点における貿易あるいは投資をめぐる国際環境等を踏まえまして、適切に対応すべきであるというふうに考えております。

福間知之日本社会党・護憲共同

○福間知之君 これは、山本局長、何か気配が感じられますか。特に、アメリカを対象に考えたら、日本に対する投資はこの法律ができれば促進されるという期待を持ってこれをするんでしょうが、それはそれとして、最近の現状としては、何かそんな気配が感じられますか。日本に積極的に投資をひとつしようと、こういうふうな気配というのはありますか、感じられていますか、いかがですか。

山本幸助通商産業省産業政策局長

○政府委員(山本幸助君) 実は私ども、日本におりますアメリカあるいはヨーロッパの企業ともいろいろお話しします。また、ジェトロ等を通じましてアメリカあるいはヨーロッパでの事情もいろいろ聞いていますけれども、世界から見て一番発展、拡大のテンポの早い有望な市場というのは、だれが見ても日本であるというふうに彼らも考えているわけでございます。そうした日本という市場に対して、基本的には日本に対する輸出ということで対応するわけでございますけれども、輸出だけではなくて、日本に入って、そこで拠点をつくって商売をするということにつきましては、彼らは大変魅力を感じているというふうに思っております。  ただ、先ほど申しましたように、いかにも土地建物等の初期コストが高いとか、あるいは人材確保が難しい、さらには商売がなかなか難しいということがございますので、そうしたいわゆる俗な言葉で言えばハンディがあるわけでございますので、そうしたハンディをある程度少なくする、薄めてやるということによりまして、私どもアメリカあるいはヨーロッパの企業が日本にこれから進出してくるという可能性というのは相当大きいと。例えば、日本に工場をつくるというだけではなくて、日本に販売拠点を設けて、その拠点を中心にビジネスを展開するというようなことを含めますと大変大きいのではないかというふうに思っております。

福間知之日本社会党・護憲共同

○福間知之君 ここでこれを議論する気はないんですけれども、日本の今の企業、例えば自動車にしてもテレビ会社にしても工場にしても、全部アメリカヘ行っちゃっていますわね。アメリカでテレビをつくっている会社は一軒もない、こういう状況になっちゃっておる。しかも日本は、例えば東南アジアに、特にマレーシアあたりには積極的な進出をしています。現地の雇用労働者も何万人という寄与を、日本企業が進出することによってできている。  アメリカと日本との関係では、それは余り考えられないんですね。少し古い話では、IBMだとかテキサス・インスツルメンツとか、代表的なそういうハイテク分野の企業が幾つかはあるんですけれども、そのほかマクドナルドのハンバーガー上かチキンとか、そういう食品産業の一部。だから、これという第二次製造部門のこれからの進出というものが本来は望ましいんだけれども、しかしそれは今局長おっしゃるように、日本の社会の体質というか特殊性というか、そういうものからなかなが入ってきにくいということはどうも否めないようですね。  私は、やっぱりこれから日本としては長い目で見た場合に問題だなという感じがある。どうしても異質性だけがこう自立っちゃって、これはどうしたらいいのかというのは、何もこれは政府だけの責任じゃないのですけれども、確かに大きな悩みだと思うんです。現状一対二十というような投資の格差があるんですから、これは何とかしなければならぬというふうには思っておりますけれども、これはここでこの際議論しようとは思っておりません。  ところで、対内投資事業のうちで特定の事業、すなわちここで特定の事業と言われるのは、輸入拡大に寄与し得るであろうと目される外資系の事業、企業、これについては債務保証等の優遇措置が講じられることになっております。そこで、その特定の要件の具体的内容あるいは当面の運用として、それらにまさに特定する理由というものは何なのか。特定した結果、対象から漏れる外資系企業から異論が出るようなことも予想されますが、それは運用方針としてどういうふうにお考えになって進めていかれるのか、お伺いしたいと思います。

榎元宏明通商産業省大臣官房審議官

○政府委員(榎元宏明君) お答え申し上げます。  特定対内投資事業につきましては、二条五項の各号に要件が定められているところでございますけれども、これを簡単に申し上げますと、この事業の拡大が我が国の経済の国際的にもバランスのある形での発展に資するということ。この事業が多様化する我が国の消費者のニーズの充足に寄与するものであるということ。そして、この事業の実施を通じて内外のすぐれた技術などの交流が図られることを要件として、具体的にはこの五項の政令で一定の業種、これを定めていく、業種が基本になると考えておりますが、これで定めていくことを考えているところでございます。  もう少し詳しく踏み込んで考え方を御説明させていただきますと、まず第一号の要件に関しましてでございますが、外資系企業の我が国における事業活動が先ほど先生御指摘のように極めて低い水準にとどまっている、そういう状況にあるわけでございますので、国際的にその拡大を求める声が高まっている、そういった必要性、そういうものを判断の重要なポイントに置いていく必要があると考えております。  一方、適切性という、支援することが適切であるということが書かれております。これにつきましては、当該対内投資事業の国内経済への影響、こういうものをやはり見ていく必要があろうかと思っておりまして、支援をすることによりまして著しい悪影響がもたらされるような場合は適切でないと判断することになると考えております。  いずれにしましても、この点につきましては、個別業種に即しまして具体的かつ客観的に慎重に判断してまいりたい、このように思っております。  第二号につきましては、外資系企業の事業活動が我が国経済の発展や、多様化する我が国消費者のニーズを充足するものであることが望ましいということでございますが、具体的には、例えば風俗営業等がこういうものから除かれるというふうにお考えいただいたらよろしいかと思います。  第三号でございますけれども、技術面を中心として内外企業の交流が重要になってきておりまして、特にこの点は先ほど局長からも御説明がございましたが、国際経済上日本の産業は非常に強くなってきているわけでございます。また、企業のグローバル化の時代でもございまして、そういった観点からは日本の市場は非常に大事になってきているということ等の状況がございますので、世界の活性化のために日本の高い技術であるとかあるいは経営手法であるとか、そういったものが欠かせない時代になっておりますので、当該事業の実施によりまして、内外のすぐれた技術等の交流が図られることという側面を勘案してここに規定をしたものでございます。  具体的には、やはりそういったことを考えますと、当面製造業や、製造業との交流拡大に資するような販売子会社であるとか関連サービス業が検討の対象に挙がってくるのではないか、このように思っております。  最後に御質問ございました、定めても意見が出てくるんではないかといった御趣旨の問題でございますけれども、確かにいろんな意見はあるかもしれませんが、私ども、この政令を以上のような形で、非常にはっきりとした基準で明確に定めていきたいと思っている次第でございます。したがいまして、そこで御納得をいただけるようにしたい、このように考えていることが第一でございます。  第二に、そうやって定められました後は、適切な広報活動を実施することによりまして、この法律による施策の趣旨でございますとか目的を十分に徹底をしてまいりたい、海外にも徹底してまいりたい、このように思っております。そして、無用の誤解を生ずることのないように努力してまいりたいと思います。  当然のことでございますけれども、状況の変化その他には適切に対処していかなきゃならないのはそのとおりでございますけれども、基本は先ほど申し上げましたようにやってまいりたい、このように思っております。

福間知之日本社会党・護憲共同

○福間知之君 日米構造協議などなどで大変日本もアメリカとの関係では神経を使い過ぎるほど使ってやらざるを得ないという立場にありますので、だからこういう法律で積極的に対内投資を歓迎するよ、日本はもう入ってくるのを拒みませんよ、こういう姿勢をアピールするということが非常に大事だし、今おっしゃったように、まさに広報活動というのがこれは非常に大事だと思うんです、とにかく言葉の違う国でございますし、あるいは社会的な慣習も違う国でございますので。  だから、日本に進出することはメリットがあるんだ、こういうことをやはり周知徹底するという必要があると思うんです。まあ、かく言えば、これは原則論ですわね。実際論としちゃなかなかそんなメリットなんかがあるかいという向きが多いんじゃないかと思うんですね。だから、いまだになかなか積極的なぞれが見られない。限られた分野では、投資ではないけれども、仕事として進出してくる。例えば、インフラストラクチャー分野の建設業なんかが積極的に入ってきたいと思っているんです。そういうことで、双方の思惑は必ずしも一致している面ばかりじゃないわけですね。そのすれ違いというのはどう埋めるかと、その溝を。これが非常にこれから重要だと思うので、民間の立場でももちろん努力せにゃいけませんが、行政当局としてはやはり積極的にひとつこれから取り組んでいただかなきゃならぬ、こういうふうに思うわけであります。  そこで、今の話と関連しまして、外資系企業の立地とそれから地域振興ということについてお伺いします。外資系企業の参入阻害要因として指摘されているものの中に、先ほど山本局長がおっしゃったように、立地のコストが高いということ、あるいは人材確保の難、人材確保の面での問題、こういうのがあるということでございます。こういう点からは、今後外資系企業の参入に際して、工場や販売拠点のみならず、本社機能を思い切って地方に立地してもらうような必要があるのではないか。これがうまくいきますと、大都市志向が強い我が国内の企業の意識の改革にも寄与し得るんじゃないか。  この法律案では、企業立地的措置は特別に用意されてはいないように思うんですけれども、この点はまた間違っておったら御指摘願いたいんですが、他の制度との組み合わせにおきまして新規施策の確立など、企業立地的見地から誘導策を講じるということが意味があるんじゃないかというふうに思いますけれども、この点いかがでしょうか。  また、外資系企業の誘致に熱心な自治体、この自治体の誘致活動というものの現況はどのようなものになっておりましょうか。その成果、及び自治体とジェトロ、新しく設置される事業支援会社、これらの関係についても触れてお答えをいただきたいと思います。

山本幸助通商産業省産業政策局長

○政府委員(山本幸助君) この法律に基づく措置でございますが、そのうちいわゆる国税の措置とかあるいは債務保証、これにつきましては、先生御指摘のとおり地方性といいますか、立地という観点からの配慮はございません。しかし一方、地方税の特例につきましては、地域の発展等に果たすべき役割というようなことで、地域に与える経済効果が高いものという観点から工場を対象とするというようなことで配慮がされております。  また、外資系の企業の地方への展開を促進するということで、従来からジェトロが中心になりまして地域のインセンティブ措置に関する情報提供、要するにここへ来ればこういう制度がありますよというようなことの情報提供とか、あるいは来年度からは地域別の対日投資協議会というのをやろうということでございまして、地方自治体あるいは地域の関係者と十分な意見を交換しながら、地域への展開ということを図ってまいりたいというふうに考えております。  また、御質問の自治体がどういう状況かということにつきましては、最近地方自治体では国際化ということに大変熱心でございまして、私どもいろいろ各自治体とコンタクトいたしますと、輸入促進もございますけれども、外資系の企業を受け入れて国際化を進めようという意欲が大変強うございます。特に、こうした状況につきましてはジェトロを中心に、先ほど言いました投資環境の情報、あるいはシンポジウム等もいろいろ開催いたしておりまして、地方自治体のそうした取り組みに対して積極的な支援をしていくという状況でございます。また、今般この法律に基づきましていわゆる事業支援会社ができますけれども、これもジェトロと提携して外資系企業についてのいろんな意味での情報提供、それから地方との関係での調査、PRということも積極的に試みたいというふうに考えております。

福間知之日本社会党・護憲共同

○福間知之君 時間が参りましたのでこれで終わりますが、最後に、大臣の総括所見はいかがですか。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(渡部恒三君) 今、先生の御質問を聞いておりまして、今日の世界の中に置かれておる日本の立場、またその責任に深い御理解を賜り、またこれに対して今後なさな切ればならないことに対する御見識を拝聴しておりました。  言うまでもありませんが、戦後の貧しかった日本が今日一千億ドルを超す貿易黒字が心配をされるという中で、いろいろの国際的な問題が起こっておるわけでありますけれども、昨年から今年にかけてもブッシュ大統領の訪日を初め、今私のところにECを初め各国の大臣が訪ねてまいります。そのほとんどのものが日本に対する経済的な期待でありまして、しかしやはり面倒な話や商売にしてもお互いに売ったり買ったりでありますから、一方的に売る、投資するということで世界の経済が成り立つはずはありません。  通産省はビジネス・グローバルパートナーシップということを今大きな政策課題にしておるわけでありますけれども、輸入の促進、また対内投資の促進、これらに対する我が方としての、外国の皆さん方が魅力を持って来てくれる条件整備ということは、世界の中の日本、また世界の平和と自由主義経済の中で今日の繁栄を築いてきた我が国の国際社会においてなさなければならないことでありますので、先生には大変深い御理解を賜っておることに心から感謝を申し上げます。

櫻井規順日本社会党・護憲共同

○櫻井規順君 本委員会に審議案件として付されております輸入対内投資法案が港湾、空港と大いにかかわりがあるということで、私は運輸委員会の理事をやっている立場でございますが、きょうは同僚議員の御理解を得まして、この商工委員会でこの法案について質問をさせていただきます。  輸入対内投資法案は非常に我が国の港湾行政、空港行政あるいは港運輸送、港湾・空港労働者の皆さんとも大いにかかわる問題がありますので、そうした角度から輸入対内投資法案の質問をしてまいりたいというふうに思います。  最初に、表敬的な意味ではございませんが、第一条の「目的」の中に非常に非の打ちどころのない目的が規定をされているわけであります。御案内のように、「国民経済及び地域社会の国際経済環境と調和のある健全な発展を図り」というくだりがあるわけであります。  最初に、通産大臣に質問するわけでありますが、直接的には、今大臣のおっしゃいましたように、対外黒字の関係、対外貿易摩擦、とりわけ対米貿易摩擦、これをどう解決していくかという問題がかなり大きく念頭にあるというふうに思うわけです。野村総研の九一年度のアメリカ側から見た対日赤字が四百二十八億ドルと計算されているわけでありますが、こうした対米摩擦をどう解消していくかということが直接的には一つの課題であるというふうに思うわけであります。  しかし、翻ってみますと、SII、日米構造問題協議といいましょうか、そこから始まり、いわばOECD諸国を中心としたグローバルパートナーシップというもの、企業の相互依存関係、経済の相互依存関係というのをどう確立していくかという観点でもかなり通産省は審議会等で検討されていますし、それからこの「目的」にあります各地域、地方の活性化という観点から国際経済をどうとらえるかということでも、先ほどお話がありましたように、関係の会議を通産省が進めておられるということも、私も静岡県でございますが、地元の知事等から伺っているところであります。  まず、通産大臣に、こうしたもろもろの状況の中で、この目的について、本法案の意義についてお伺いしたいというふうに思います。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(渡部恒三君) 近年、各国間に存在する不均衡を背景に、国際的に保護主義、地域主義的な動きが非常に憂慮されております。こうした中で、我が国としては、貿易投資を通じて国際的な相互交流を推進し、国際的に調和のとれた経済発展と開かれた経済社会の構築に努めることが今何よりも大事なことになっております。本法案を提出するまでの過程においても、産業構造審議会、輸出入取引審議会における審議、答申、また各都道府県知事で構成する国際産業交流推進協議会の設立、またブッシュ大統領訪日の際の、今お話しのありましたグローバルパートナーシップ、行動計画の策定など、内外の要請も高まってまいりました。  本法案は、こうした要請にこたえて、輸入促進と対内直接投資事業の円滑化を図ることにより、国際経済交流の一層の促進を図ることを目的として提案したわけでありますが、まさに今先生最後にお話がありましたように、今日の国際社会における我が国の調和という目的とともに地方インフラ、一石二鳥の効力を発揮するものと考えております。

櫻井規順日本社会党・護憲共同

○櫻井規順君 次に、福間委員からも質問があって、しからば、この貿易摩擦解消のためにどのくらいの輸入拡大が見込まれるのか、それは数値的に言うことは困難であるというお話でございます。しかし、これは実際に指針をつくる段階においては年次別に目標数字というものは打ち出すのかどうか、その大体の目安、例えば今アメリカの対日赤字というのは四百億ドル強あるわけでありますが、そういうものをどの程度、どのくらいの負担で解消していくという展望をお持ちなのか。あわせまして、例えば日米関係をとらえてみた場合に、アメリカからの輸入拡大という場合に主に産業別にいってどういう輸入品が見込まれるのか。大ざっぱでいいですよ、御回答願いたいと思います。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 繰り返しになりまして恐縮でございますけれども、具体的に本法案の施策でどの程度の輸入量がふえるかということにつきましてはなかなか難しゅうございます。いろいろな諸施策、輸入拡大策をこれまでたくさん講じてまいりましたし、また御支援をいただいてきたわけでございますが、それぞれについての定量的な、制度開始のときの定量的見通しというのはなかなか困難でございます。  ただ一つ、でき上がった後の例で申し上げますと、製品輸入促進税制というのがございますが、これは昨年の数字を見ますと、この対象になった品物は一八%輸入が拡大したわけでございますが、対象でない品目については八%程度しか輸入が伸びていないということでございまして、お認めいただきましたこういった製品輸入促進税制についても着実に効果は上がっていると具体的な例で我々は考えておるわけでございます。  この法律案に基づきます措置は、これまでのいろいろな輸入拡大政策、施策と相まって輸入拡大の効果を期待しているわけでございますけれども、具体的に申し上げますと、やはり輸入促進の地域が整備されまして物流が円滑化されますし、それから、特に中小企業の分野で申し上げますと、これまで日本は輸出ビジネスの方が楽でございまして、輸入で事業を行うということはなかなか難しゅうございました。そういう意味では、輸入ビジネスに大企業のみならず中小企業も入りやすくなってくるということから、輸入拡大の効果が見込まれると我々は思っております。そういったことが相まちまして、我々といたしましては、相当の輸入拡大がこの法律案の措置によって期待されると考えているわけでございます。  それからもう一点、御指摘ございました例えばアメリカとの関係でどの程度の輸入拡大を考えるか、あるいは黒字幅をどの程度見込むかということにつきましては、具体的に数字で輸出入の見通しを我々は立てておりません。また、非常に難しゅうございます。現に、昨年の一千億ドルを超えます貿易黒字の内容を見ましても、対米だけでございませんで、対東南アジア、対EC、いずれも我々としては考慮。すべき数字になっているわけでございます。したがいまして、あくまで全世界に向けて日本の市場を拡大、活用していただくということで各施策の充実を図っていきたいと思っているわけでございます。

櫻井規順日本社会党・護憲共同

○櫻井規順君 輸入品と輸出品と比べてみた場合に、例えば私の静岡の清水港を見ますと、金額的に言いますと輸入に比べて輸出は三倍の大きさを持っております。しかし、貨物トン数からいきますと逆でありまして、輸出に対して輸入の方が三倍の貨物トン数を持っているわけでありますが、私は、静岡の場合は多分に重厚長大型の港湾になっているのでそういう特徴があると思うんです。この輸入促進法を見た場合に、輸入品から見て、輸出入を比べてもいいんですけれども、輸入品の品物による特徴ですね、今言ったようなわけで、輸出に対して輸入の比率というものはどんな見込みを持っているかということをちょっとお聞かせ願いたいと思います。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 輸入に関しまして今一番日本国に期待されておりますものは、いかにして製品輸入比率を上げるかということでございます。従来三〇%程度しかございませんでした製品輸入というのが、諸般の輸入拡大施策の効果もございまして、また日本国の国内のいろいろな企業、産業界の努力によりまして五〇%にまで上がってきたわけでございます。我々といたしましては、日本の膨大な市場を諸外国に提供し、そして世界経済が円滑に回っていくという大目的のためには、引き続き日本の製品輸入の増大を期待し、そのための各般の施策を充実させていきたいと努力を続けているところでございます。したがいまして、あくまで輸入につきましては、従来の原材料中心の輸入構造から各国で生産された加工品を国内に入れていくという構造になるわけでございます。  一方、輸出の方でございますが、これにつきましては……

櫻井規順日本社会党・護憲共同

○櫻井規順君 輸出は結構です。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) はい、以上でございます。

櫻井規順日本社会党・護憲共同

○櫻井規順君 次に、第三条の「港湾・空港地域」の御説明を受けたいわけですが、大変御苦労をされてこの第三条はできたように伺っております。港湾・空港地域というのを、港湾または空港及びその周辺の地域、これを総称して港湾・空港地域と言うわけでありますが、ひとつ港湾を中心に据えて地域についての概念といいましょうか、コンセプトといいましょうか、御説明いただけますでしょうか。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) この法案は事業を二つ大きく立てておりまして、一つは輸入促進の基盤整備事業、それからもう一つは輸入貨物の流通促進事業ということでございまして、輸入促進基盤整備事業といいますのは、港湾、空港、それからその周辺地域におきまして輸入貨物を取り扱う事業者の共同利用施設、例えば、輸入品の荷さばき施設でございますとか、保管施設、展示施設等々でございますが、こういうものを設置、運営する事業でございます。  一方、輸入貨物流通促進事業といいますのは、その港湾、空港及びその周辺地域におきまして、先ほど申し上げました基盤整備事業者が設置、運営いたします施設を利用して行われる輸入貨物を取り扱う事業でございまして、具体的には倉庫業とか港湾運送事業、さらには卸・小売業等を考えているわけでございます。  いずれにいたしましても、基盤整備事業とその貨物の流通促進事業とが、その港湾、空港及びその周辺地域におきまして、十二分に輸入の拡大に役立つ形で事業の展開を図っているものでございます。

櫻井規順日本社会党・護憲共同

○櫻井規順君 同じ質問を運輸省にいたしますが、ちょっとつけ加えまして、海上貨物の物流ターミナルを中心とした海上貨物の取り扱い、これは港湾に設置し、そしてまたその取り扱いを業とする仕事は港湾運送事業法の適用を必要とすると確認が必要かと思うんですけれども、それはいかがでしょうか。

土坂泰敏運輸省大臣官房総務審議官

○政府委員(土坂泰敏君) この法律によりまして支援を受けて整備をしていきますところの物流ターミナルにつきましては、その物流の効率性ということから考えまして、港湾地域において整備をしていくということが適当であるというふうに考えているところでございまして、この点については地域輸入促進の指針におきまして明らかにすることにしたいと思っております。都道府県はこの指針に従って地域輸入促進計画をおつくりになりまして主務大臣に申請をなさる、主務大臣はこの指針に従って計画について承認を行うということになっていくと考えております。  また、こういう地域輸入促進計画に基づいて行われますところの物流ターミナルで行われます港湾運送行為につきましては、これは港湾運送事業法が適用になり、港湾運送事業者が行うことになるものと考えているところでございます。

櫻井規順日本社会党・護憲共同

○櫻井規順君 第三条で地域の規定があるわけでありますが、その中で、各条項にかかわってまいりますが、具体的に推進計画をお立てになる場合に、「輸入貨物が相当程度流通しこあるいは「輸入の促進が相当程度図られると認められること。」と、こういう規定があるわけであります。  ここで二つ質問いたしますが、一つは、「輸入貨物が相当程度流通しこということは、いわば実績を評価することで現行の港湾の施設も該当しているのかどうなのか。それから、輸入の促進が相当程度見込まれるという、推進計画を立てる場合の一つの目標数字が与えられるわけでありますが、これはどの程度の目標数字が与えられるかということを御説明いただきたいんですが、いかがでしょうか。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 日本国内に今いろいろな構想、計画がございまして、先生も御案内のとおりかと思いますが、それぞれにいろいろな計画がございますので、この法案の第三条に言います相当程度の輸入貨物の量というのは、その個々のケースによりまして、地域の状況によりまして異なるものでございますから、具体的にこれこれの数値というぐあいに今申し上げることは困難であろうと思うわけでございます。  ただ、第三条二号に言います「輸入貨物が相当程度流通しことございますが、これはこの法案に基づきます措置を講ずることによりましてこれこれの効果が見込まれるだけの貨物の流通量が必要であるという趣旨でございます。  それから、実際に同条の第三号に定めております「輸入の促進が相当程度図られると認められること。」という内容につきましては、具体的な数値というよりも、約三つ程度でございますが、総合的に判断をする基準を考えさせていただいております。一つは、港湾とか空港の貨物の取り扱いの、能力がどのような状況であるか、それから二つ目は、既にその地域においてどの程度輸入が現に行われてきているのか、それから三番目に、その輸入促進基盤整備事業をすると見込まれます事業者がどの程度存在しているのかといった点でございます。  いずれにいたしましても、各都道府県の計画が煮詰まってまいりました段階で我々としては具体的に対処をしてまいりたいと思うわけでございます。

櫻井規順日本社会党・護憲共同

○櫻井規順君 具体的に輸入促進計画を立てて輸入促進基盤整備事業を展開する場合に、今の回答の中にもあるわけでありますが、既存の例えばヤードにしてもターミナルにしても、これをかなり大幅に改良をしてそして流通分野が新たにその周辺に広がるという展望も持っているのかどうなのか、それから、この法律そのものはむしろ新規の基盤整備を既設のものとは区別をして行うというところに重点があるのか、その辺をお聞かせください。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 先ほども申し上げましたように、各都道府県におきまして、現在の空港、港湾あるいはその周辺の地域の状況はいろいろ異おるわけでございますし、現に輸入の状況も違っているわけでございます。したがいまして、我々の方として、主務大臣側として一律にこういうものであれということを申し上げるわけではございませんで、法律にございますような指針は定めますが、この指針はあくまで都道府県が具体的な計画をつくるためのものでございまして、個々の計画の中でその地域に合った輸入促進のための具体的な促進計画を各都道府県がおつくりになることを期待しているわけございます。

櫻井規順日本社会党・護憲共同

○櫻井規順君 この輸入促進地域というものが、今四十三の県がこれに関連して会合を積み重ね、一定の結論を出しているわけでありますが、通産省から見ていて、全国にどのくらいの地域を指定なさるのか、希望としてはどのくらい出されてくるのか、その辺はいかがでしょうか。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 繰り返しになりますけれども、我々としてはできるだけ早く指針を定めさせていただきまして、その指針に沿った形で各都道府県における計画が煮詰まっていくことを期待しているわけでございます。  具体的に全体の数、幾つであるとかあるいはどこを指定するかということは、これからそういった指針に基づきまして各都道府県がおつくりになりますのを待った上で検討させていただいているわけでございますが、率直な希望として申し上げますれば、各地において輸入拡大の実が上がりますように広くいろいろな地域で具体的な計画ができ上がって、そして我々としてそれぞれの計画に対してお手伝いができることを期待しているわけでございます。

櫻井規順日本社会党・護憲共同

○櫻井規順君 あとこの促進の指針と計画についてお伺いしますが、最初に計画の方から。お伺いいたします。  これは、地域別に一定の流通に関する目標というのは大ざっぱでも示すのかどうなのか。促進計画の中身、五項目にわたるわけですが、地域別に示すのかどうなのか。それから、促進計画といいましょうか、基盤整備事業に入る参入事業者の資格というのは大変厳しく問われるものがあるというふうに思うわけでありますが、この事業者の要件、例えばどのくらいの輸入ノルマを持たなきゃいけないかとか、そうした目標的なものを要件として持つかどうか。あるいは輸入促進地域国際経済交流施設というふうな表現があるわけですが、これはどんな中身のものなのか、お聞かせください。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 今お尋ねの点はこの法案の第五条の第二項の各号に計画の具体的な内容を掲げているわけでございますが、法文でございますために少し抽象的になっておりますので、その内容を少し御説明申し上げてお答えとしたいと存じます。  第一号は、第三条に地域のいろいろな要件がございますが、そういった要件等に該当するものとして設置する輸入促進地域の区域でございます。  第二号は、輸入促進地域における輸入貨物の流通量の見通してございます。  それから第三号は、支援の対象とすべき輸入促進基盤整備事業及び輸入貨物流通促進事業の事業内容でございます。  それから第四号は、先ほどの御質問にも絡みますが、輸入促進地域において地方公共団体等が整備をいたします国際見本市会場それから国際会議場等の施設の国際経済交流の促進に資する施設の整備の方針でございます。この関連で、輸入促進地域国際経済交流施設とは、具体的に今申し上げましたような内容でございますが、どういう人たちが、どういう主体がこれを行うかにつきましては、それぞれ今後の計画を待つわけでございますけれども、一般的には関係地方公共団体とかあるいは第三セクターが想定されるかと思います。  それから第五号では、地域の中小企業の事業機会の増大等、輸入促進地域における輸入の促進に関しまして必要な配慮事項を定めたものでございます。  それから、輸入事業者のどの程度のノルマが考えられるかということにつきましては、具体的に参入いたします事業者の数字等について、事前にこうでなければいけないというようなことを定めることは考えていないのでございます。

櫻井規順日本社会党・護憲共同

○櫻井規順君 そうすると、促進事業者に対して要件は付さないということですか、輸入目標数字としては。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 具体的には基盤整備事業と、それからそれを活用いたします事業者との間で決まっていくわけでございますけれども、やはりそこの地域におきましてその施設が有効に使われるということが主眼でございますから、単に名目的な事業者とか、余り輸入効果の期待できないような事業者というものは、個々の地域におきます計画において当然に除外されるといいますか、考慮は十分されて、事業者の選択のところに反映をされていくと我々は考えております。あくまで計画の最初に具体的な数字を掲げてこれこれの人だけ入れるというようなことは、地域それぞれの状況をかんがみれば余り現実的ではないのではないかと考えております。

櫻井規順日本社会党・護憲共同

○櫻井規順君 いずれにしても四年間の時限立法で、当面は四省でどういう指針をおつくりになるかということがポイントになろうかというふうに思います。  そこで、この地域輸入促進指針というものを早期に作成する必要があろうかというふうに思います。その促進方を要請するとともに、指針について作成の段階で、四省を中心におつくりになるわけですが、表現は抽象的ですが、促進計画を県でお立てになる場合も、これは県が中心になるわけですから余り言えないと思いますけれども、指針をつくる場合に、どうぞぜひ関係団体の意見を聞くという御配慮をいただきたいと存じますが、これは通産並びに運輸省にお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 輸入促進の緊急性から、我々といたしましては、関係四省庁、四大臣で早急に指針づくりに着手し、実のあるものをつくり上げたいと思っております。  具体的に、いろいろな方々の御意見は当然各省庁がそれぞれの行政の立場で十二分に認識をし、その認識に基づいて具体的な行動の必要性を理解しているところでございますので、四省庁の連絡が密に行われることによりいろいろの方面の意見は十二分に反映されていくと考えております。また、具体的な実際の促進計画につきましては、先ほども申し上げましたように各都道府県が作成をいたしますが、各都道府県においては、十二分に地域住民等のいろいろな貴重な御意見は反映されてくるものと期待をしているわけでございます。

土坂泰敏運輸省大臣官房総務審議官

○政府委員(土坂泰敏君) 運輸省といたしましても、今通産省からお答えになりましたとおりに対処してまいりたいと思います。

櫻井規順日本社会党・護憲共同

○櫻井規順君 これ当然のことですけれども、促進の指針が、経過はともかくとして、決まり次第公表をすることは、もうこれは当然のことでしょうか。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 我々といたしましては、関係方面の促進計画の推進が早期にそして実のあるものになりますように、関係方面へ十二分に指針の内容の周知徹底を図ってまいる所存でございます。

櫻井規順日本社会党・護憲共同

○櫻井規順君 次に、大変な金融あるいは財政措置を講じて輸入促進基盤という総合的な基盤づくりをやるわけでありますが、大変なこれはハード面でもソフト面でも施設の能力を持ったものだと存じます。  問題は、新法が出された関係で、かなり大手の事業者が中心となり、基盤整備そのものは第三セクターがおやりになるわけですが、そこに参入する事業者というのはかなり資金力のある事業者が想定される感じがいたします。御案内のように、既存の港運輸送業者をとらえてみましても中小業者が圧倒的です。コンテナ設備にしてもあるいはいろいろな運搬手段にしましても、ハード面で整ってくる、ソフト面で整ってまいりますと、既存の港湾の港湾運送業務が、どうしても水が高いところから低いところへ流れるように、新しい第三セクターの方の基盤整備の方に移るわけであります。  そういう意味で、既存の中小の港運業者が協業化あるいは共同化をしてこの第三セクターに参加するという方途、道、あるいは既存の港湾の中で、それに十分従来の輸入能力、さらにはもっと輸入能力を持つような経営改善なり施設整備をやっていく必要があるわけでありますが、この際、こういう新たな基盤整備事業に伴って、それから外れたそうした既存の港湾の事業者に対する共同化という面で、新たな金融的、財政的な措置というものが必要だと考えるわけでありますが、その辺の措置についてはお考えでしょうか。

和田義文運輸省海上交通局長事務代理

○政府委員(和田義文君) 本法によります海上貨物の荷扱いを行います物流ターミナルの整備支援は、急増いたします輸入貨物に対応してインフラの整備を促進するものでございますから、既存の港運事業者の現在の取り扱い量そのものを大幅に減少させるとは私ども考えておりません。むしろ、当該施設の設置によりまして、港湾そのものが活性化し、ひいては既存の港運事業者もその恩恵にあずかるものと考えております。ただ、しかしながら既存の港運事業者への影響が全くないというわけではないと考えておりますので、施設整備に当たりましては、関係港運事業者が関係労働組合と十分に話し合った上で整備を図るよう指導してまいりたい、こういうふうに考えております。  なお、大規模な物流ターミナルに参画するためには相当な資金それから取り扱い貨物量が必要となると思われますので、中小の事業者としては協業化等により経営基盤の強化を図る必要があると考えております。運輸省といたしましては、従来から港運構造改善促進財団を通じた港運事業、はしけ事業等の集約、合併等への助成、中小企業対策関係法による事業転換対策等によりまして経営基盤の強化を推進してきたところでありますが、今後とも、港湾運送近代化基金による中規模物流センターの共同整備に対する低利融資、港湾運送用荷役機械の共同整備に対する低利融資、物流情報システムの共同開発整備に対する補助または低利融資、こういったもろもろの制度を積極的に活用することなどによりまして、港湾運送事業の協業化、集約化等を図ってまいりたいと考えております。  さらに、なお一層の実効の上がる措置についても十分勉強してまいりたいと考えておる次第でございます。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 中小企業全般につきまして、この制度との関連で通産省の方からもお答えをさせていただきたいと思います。  先ほど、櫻井先生の方から指針等についてお話がございまして、一部お答えが重なるわけでございますけれども、我々といたしましては、この制度により、この輸入促進地域の拡充整備によりましてぜひ中小企業の人たちの事業機会がより図られるように十二分に考慮をしたいと思います。  具体的には、先ほどの輸入促進指針の中に、都道府県が地域輸入促進計画を策定する際に、その輸入促進地域におきます中小企業の振興に配慮すべき旨を規定する予定でございます。また、具体的には幾つがその優遇策等も用意、考えさせていただいておりますが、輸入促進計画に即して行います輸入促進基盤整備事業につきまして、中小企業事業団の高度化融資の融資条件の優遇を実施いたしますし、またこの法案にも書かれてございますように、中小企業に対しまして中小企業信用保険の特例措置を講じているわけでございます。  いずれにいたしましても、この制度は大企業だけのものでは決してないということをいろいろな制度面で確保してまいる所存でございます。

櫻井規順日本社会党・護憲共同

○櫻井規順君 御答弁ありがとうございました。  次に、認可料金の関係で質問をいたします。今御案内のように、港運料金は認可になっているわけであります。それはさまざまな事情があってなっているわけであります。ところが今、料金のダンピングということが非常に大きな港運業界では問題になっておるわけであります。御案内のように、流通過程が大分変わりまして、通し料金制といいましょうか、一貫料金制というものがかなり物流二法の改定以降一般化されてまいりまして、いわゆる荷主の工場、それから荷受けの外国の業者が受けとめる集積デポまで、日本の陸上あるいは日本の港湾、海上、外国の港湾、そして外国の陸上輸送から集積デポまで至る一貫の輸送料金のはざまに立ちまして、非常にこの港運輸送料金というものが認可料金にかかわらずダンピングというものが起きているわけであります。  そこで、この際、こうした大量の輸入促進という時期を迎えまして、通産省と運輸省に、この港運輸送の運送事業法に基づくところの料金遵守ということを新たにやはり考慮すべきだというふうに思うわけであります。  一つは運輸省に質問でございます。やはり新たに今も幾つかの努力をなさっていることは伺っております。日本港運協会と全国港湾さん、あるいは友愛会議の同盟の組合さん等々で労使協議会をつくって、料金完全実施特別委員会等をつくって努力されていることは伺いますが、この際、もう少し荷主側それからそれを輸送する港運業者双方にこの料金遵守方について徹底する必要があろうかというふうに思います。  そういう意味で、運輸省と通産省に新たな措置をぜひ考えていただきたいということで御答弁願いたいと思います。簡潔にお願いします。

和田義文運輸省海上交通局長事務代理

○政府委員(和田義文君) お答え申し上げます。  運輸省といたしましては、港湾運送事業の認可料金の遵守は、港湾秩序の安定と港湾運送事業の健全な発展にとって極めて重要なものであると認識いたしております。平成元年の貨物運送取扱事業法の成立に際しましての衆議院運輸委員会及び参議院運輸委員会におきます附帯決議におきましても、港湾運送の認可料金の遵守について求められたところでございます。  これを受けまして、運輸省といたしましては、平成二年二月、先生御指摘ございました社団法人日本港運協会に対しまして、認可料金の遵守について同協会会員事業者に対する指導を要請いたしますとともに、関係者の意見を聞きつつ、その推進方策について協議するための機関といたしまして、協会内に同協会並びに全国港湾及び港運同盟の代表者から構成されます委員会を設置するよう要請したところでございます。これを受けまして、同年四月、同協会内に料金完全実施特別委員会が設置され、認可料金の完全実施に向けて労使の協議が続けられているところでございます。  運輸省といたしましては、今後、その特別委員会や業務監査、こういったものを通じまして、港湾運送事業者への指導のほか、なお一層対策を強化してまいりたいと考えております。  さらに、先生具体的なものと、こういうお話がございましたですけれども、関係者と十分話を詰めながら具体的な問題にさらに突っ込んでいきたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 港湾運送事業の運賃料金に関しまして、あくまでも運輸大臣がお決めになることでございます。したがって、この認可料金というのは、基本的には港湾運送事業法の枠組み、仕組みの中で守られていくものであると我々は考えております。ただ、認可料金が守られるためには荷主側の理解、協力も必要であるということにつきましては、通産省といたしましては、運輸省と連絡を密にいたしまして、適切に対応を図ってまいる所存でございます。

櫻井規順日本社会党・護憲共同

○櫻井規順君 この運送料金が一貫料全体制という中でもって大変厳しいところにあるわけですが、私は運輸行政のサイドに立って、運輸行政といいますか、港湾の立場に立って発言をしているわけですが、どうでしょうか、通産省からも荷主の側に港運輸送料金の遵守について周知を願いたいというふうに思うのでありますが、いかがでしょうか。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) あくまで運輸省と連絡は十二分に密にいたしまして、荷主側等への周知徹底等については努めてまいる所存でございます。

櫻井規順日本社会党・護憲共同

○櫻井規順君 次に、港湾労働者に関係する質問をいたします。  時間がないものですから、結論的になるわけですが、ILO百三十七号条約というのが一九七三年の第五十八回ILO総会で、日本からも労働政務次官の葉梨さんが御出席され、通産省からも企業局企業第二課の長田さんが御出席のもとで、ILO総会で決議をされているわけであります。日本はまだこれは未批准国になっているわけであります。  問題は、このILO百三十七号条約に盛り込まれております中身が、質問すれば――労働省さん。お見えですか。港湾労働法等でかなり満たされてきているという答弁が予測されるわけでありますが、しかし、実態的に見ますと、例えば港湾労働者の常用化を進めるということが一つの大きな柱になっているわけでありますが、実際に現在の労働者の就労状況を見ますと、実質的に日雇い労働であります企業直接雇用というものの占める比率が非常に高いわけであります。  私、一々これ数字は言い史せんが、あえて言えば、例えば雇用安定センターから派遣される、東京湾で言えば年間四千三百二十七人になっているものが、企業直用の場合に三万人というふうに、常用に対して日雇い状態の直接雇用が圧倒的に東京、横浜、名古屋は高いわけであります。関西は比較的常用の比率が高まっているように数字から見るわけであります。  さらには、就労保障の面でも非常に数字が、港湾労働者の特に就労日数を見ますと、雇用安定センターの常用雇用の労働者の就労状況でありますが、平成二年で見ますと、就労日は月に十三・九となっております。こういうふうに就労日も非常に低い実績になっております。職業訓練も、豊橋の訓練センター初め前進してきているわけでありますが、立ちおくれているわけであります。  さらには、雇用優先の原則、職種転換等が迫られた場合に、港湾労働、他の港湾職種に優先採用すると。今度のように新たな基盤整備事業で輸入のための物流センターができた場合には、職種転換で新規に採用される場合には、やはり港湾労働者で職種転換の人が優先雇用というようなILO百三十七号条約の批准、ILO百三十七号の精神と現実というものがかなり日本の場合おくれているわけでありますが、その実態、国内法でまず整備の仕方、あるいはILO百三十七号の批准について考えるときに来ているのではないか、その点を私は質問いたしますが、いかがでしょうか。

坂田稔労働省職業安定局雇用政策課建設・港湾対策室長

○説明員(坂田稔君) 先生の御質問の中にもありましたように、労働省といたしましては、ILOの百三十七号条約の内容は現行の港湾労働法によりましておおむね満たされているものと考えておりまして、三年前の港湾労働法の改正も港湾労働者の雇用の安定を図るという観点から、常用化を促進するなど条約の趣旨に沿った措置を講じてきているところでございます。  しかしながら、条約の批准につきましては、なお港湾の関係者間に利害の相違がございまして、現在港湾調整審議会に公労使三者構成の専門小委員会を設置いたしまして十分な御審議を願っておりますので、労働省といたしましては、できる限りその審議がまとまりますよう今後とも努力をしてまいりたいと思っております。  なお、港湾労働の実情につきましては、先生からもいろんな御指摘がございましたけれども、例えば港湾労働法が適用されております六大港の就労延べ数で見ますと、企業常用が大体九七%を超えておりまして、センターの常用、あるいは日雇いに依存する比率というのは必ずしも大きくないということになっております。

櫻井規順日本社会党・護憲共同

○櫻井規順君 ILO自身の、ILO百三十七号の精神というのは、それは労使間で労使問題は一致するのが原則でありますが、今我が国のILO百三十七号をめぐる労使間の意見対立点というのは、衆議院の商工委員会でも労働省から説明されておりますが、そんな大きな差異があるわけじゃないわけてあります。これはひとつILOの精神にのっとって、労働省の方でむしろさばいて、ILO百三十七号批准の条件を整えるべきで、労使間の一致を待っていたのではなかなかできないと思うわけであります。特に、六大港適用を全国に適用ということは、これは港湾労働法の適用はもう当然のことでありまして、百三十七号の批准とあわせてそういう制度化を進めていただきたい。  それから、日雇い状態というのは実態としてあるわけでありまして、その辺のやはり法律、制度の不備があるということを私は指摘をしたいというふうに思うわけであります。さらには、非常にダイナミックに機械化が進んでいく中で、荷役の革新が進んでいく中でもって、港湾労働者の港湾内の雇用優先の法律あるいは政令等の整備等も具体的に必要になるというふうに思うわけであります。  いずれにいたしましても、内閣に設けられた百三十七号の小委員会を、なお労働省として、一年に一遍というふうなペースじゃなくてピッチを速めて作業を進めていただきたいんです。いかがでしょうか。

坂田稔労働省職業安定局雇用政策課建設・港湾対策室長

○説明員(坂田稔君) 港湾調整審議会の専門小委員会につきましては、確かに御指摘のように年一回というペースにつきましては若干の問題もあろうかと思いますので、今後は資料の整備につきましてもできる限りの努力をいたしまして、なるべく早期に結論が得られますように努力をしてまいりたいと考えております。

櫻井規順日本社会党・護憲共同

○櫻井規順君 次に、この法案は四年間の時限立法になっているわけでありますが、非常に短期間のタームになっているわけであります。問題は、一定の基盤整備が発足をして四年間で整うものではなかろうというふうに思うわけでありますが、その後の法律的、制度的保障はどういうふうにお考えでしょうか。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 貿易面、投資面におきまして今国際的に日本のインバランスが問題になっておりまして、これの早急な解決が不可欠ということから、集中的に貿易面、投資面での対策を充実するという趣旨からこの法律は時間を限りましたいわゆる限時法でございまして、臨時措置法にさせていただいているわけでございます。したがって、この四年間の期間に都道府県におかれましても積極的な計画の推進を期待するわけでございますが、その後の問題につきましては、その時点におきます貿易あるいは投資の世界での状況をよく踏まえまして、その時点で適切に対応してまいりたいと思っております。今のところ、あくまでこの緊急な時期に集中的に施策が充実されることを我々としては期待し、努力しているところでございます。

櫻井規順日本社会党・護憲共同

○櫻井規順君 一つ最後に御要望をしたいわけであります。これは答弁はいいわけですが、現行の港湾で、輸入手続の中で、生鮮物ですね、特に生鮮野菜、これの輸入手続が非常に時間がかかるという苦情を結構聞きます。そしてまた、実際手続の過程で、手続が済まないのに物はどんどん市場に出ていくというふうな今度は安全の面からいくとまた問題があるわけであります。したがって、生鮮物、冷凍品の輸入手続の簡素化と、それと消費者の安全といいますか、相反することを言っているようでありますが、それは両立させなきゃ意味がないわけでありまして、その手続の簡素化によるスピード化を図るとともに、消費者の安全というものに配慮したスピード化を促しておきたいというふうに思うわけであります。  それから最後に、通産大臣、一つお伺いして終わりにしたいというふうに思います。  日米貿易摩擦解消ということも一つ、あるいはECも同じであります。今、アメリカ、ヨーロッパでホワイトカラー、あるいはブルーカラーもそうですが、大変なレイオフ、失業状態が生まれて不況に見舞われている産業が多いわけであります。そういう背景でアメリカからブッシュ大統領以下大変な皆さんが日本に見えて、アメリカのいわば不況解決のために、とりわけアメリカの雇用確保のために、アメリカは、日本に輸入を拡大してくださいと、こう言ってきている。  ところが、そのことが今度は仮にも日本の港湾労働者の職が奪われたりするようなことになってはこれは大変なことでありまして、その辺のことがないようにむしろILO百三十七号条約の批准に相まって、港湾労働者の条件改善あるいは職業訓練の改善等々をなすべきだというふうに思うわけですが、国際的な視野に立ってそのバランスについて通産大臣の見解を聞いて、終わりにしたいというふうに思います。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(渡部恒三君) 国際的な経済調和は大変大事なことでありますけれども、そのために国内産業やあるいは国内産業界で働く人たちに影響をもたらすようなことになっては困りますので、これが私ども今当面景気対策を最重要視しておることの一つでもありますけれども、内需拡大によって、国内産業に縮小傾向をさせるとかあるいは働く人たちの条件を悪くするとか、そういうようなことにはならないように努力していくのは当然のことでございます。

櫻井規順日本社会党・護憲共同

○櫻井規順君 どうもありがとうございました。

岩本政光自由民主党

○委員長(岩本政光君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午後零時二分休憩      ―――――・―――――    午後一時二分開会

岩本政光自由民主党

○委員長(岩本政光君) ただいまから商工委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する臨時措置法案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

斎藤文夫自由民主党

○斎藤文夫君 ありがたいことでございまして、数多くお尋ねをさせていただきたいと思っております。  まず本論に入ります前に、この際、御提案いただいた本法律案を必要とする背景について以下何点がお尋ねしてまいりたい、このように思っております。  まず第一に、最近の輸出入状況でございますが、先ほど福間先生からも御質問等ございましたが、貿易黒字が、大変このところの御努力によりまして九〇年度は五百億ドルを割っておりまして、九一年は残念ながら前年対比で約五〇%近くアップをしてきた。本年は一千億ドルを超えると想定をされておられみ現況であります。一体この原因はどういうところにあるんだろうか、その辺をお聞かせいただきたい。  あわせまして、対米貿易については大変インバランス問題は改善を見てきたところでありますが、逆に一方、一千億ドル強の黒字を計上するのは、その他の諸国、いわゆるNIES諸国との貿易アンバランスというものが非常に拡大してきたのではないか、こういう気がいたすところであります。  さらに、製品輸入がどうして伸びないのか。西ドイツがいろいろ論議をされますが、貿易、輸出については日本を抜いて第二位であります。ところが、実際問題、製品輸入という形のものが非常に多いために、貿易のインバランス問題は余り西ドイツには攻撃の矢が来ない。日本だけがいかにも製品輸入が少ない。こういう形の中でいろいろ問題にされるのではないか。  こういうことを踏まえまして、最近の情勢につき簡単にお話を聞かせていただきたい。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 最近の状況でございますが、インバランスは御指摘のように非常に大きくなってまいりました。これは輸入面と輸出面と両方理由が存在するわけでございますが、まず輸入面におきましては、前年急増いたしました絵画、自動車といったいわゆる高級品、バブル商品等とも言われておりますこういうものの輸入は激減をいたしました。また、前の年に比べまして、原油が値下がりをいたしましたために輸入金額が落ちたということでございます。一方、輸出におきましては、円高によりましてドルベースで輸出価格を算定いたしますとこの金額が大きくなってまいりましたし、東南アジアが非常に好況でございまして、ここに大きい需要が発生をしたということでございます。入る方は少なく出る方は大きくなったということからインバランスが大きくなったと我々は認識をしております。  それからNIESでございますが、御指摘のように、東南アジア等におきます輸出入問題につきましてはこれまで以上に実は問題が生じてまいりまして、東南アジア向けの通関收支じりで申し上げますと、むしろ対米と似たような多額な状況になっております。これは、いずれも東南アジアにおきます経済発展のために、その必要となる資本財等を日本から輸入せざるを得ないといった状況が存するためでございます。  それから、三つ目に御指摘ございました製品輸入の件でございますが、御指摘のようにまさにドイツと日本とは大きくその構造を異にしておりますが、製品輸入比率といいますのは、どういう資源がどのようにその国に存在しているか、あるいは食糧の自給状況がどうであるかといったようなことに影響を受けておりまして、申し上げるまでもなく、我が国は全く資源を存しないと言ってもいい、鉱物性燃料等の輸入が他国に比べて非常に大きいわけでございますために、全体の計算の中では製品輸入比率の水準は他国よりも低くなってきたわけであります。  ただ、これまでも製品輸入につきましては、各般の輸入拡大措置の効果も相まちまして非常に増加をしてきております。ちなみに、八六年に五百二十八億ドルでございました製品輸入は、九一年、昨年で千二百億ドルを超えました。したがいまして、従来は比率も四割程度が精いっぱいであったものが、今や五割を占めたということでございまして、この流れを今後ともぜひ増進させてまいりたいと思っております。

斎藤文夫自由民主党

○斎藤文夫君 次に、輸入障壁を年々御努力によって改善をしてきたところでございます。しかしながら、実際こうやってみますと、輸入額がなかなか思うように上がらない。こういう現状を踏まえてみますときに、今日の経済大。国は申すまでもなく自由貿易体制の中ででき上がってきたわけでございまして、今日、ガット・ウルグアイ・ラウンドあるいはまた二国間調整のSII等で大変御努力をいただいておることを歩といたすところでございます。  また、輸入促進対策として、税制、金融面あるいはまたジェトロを通じての輸入拡大事業、関税は特に機械製品等はゼロ関税、大変思い切った手法を講じていただいております。また、国民一人当たり百ドル外国製品を買おう、あるいは大型店における輸入品専門売り場の創設、さらには政府がここで特別機をお買いになられる。また、衆議院でも外国車をお買いになられて話題になる。言うなれば、涙ぐましい御努力を長年にわたって継続をしております。  しかし、こういう一千億ドルを超えるインバランスということになりますと、これは日本の努力もさることでありますが、一面相手国にも、大いにひとつ輸出に情熱を燃やし、日本の市場の動向調査研究、そしてまた日本人のニーズを見きわめる、あるいは品質の高い製品を開発する、さらにはアフターサービス等について、本来はアメリカから教えられた商法であると思っておりましたが、昨今では日本が世界一きめ細かいアフターサービスをしておりますから、これらについてのやはり外国の反省というものなども積極的に求めなければならない。このように思っておるところでございます。  したがいまして、今日日本が、諸外国から一国平和主義あるいはエコノミックアニマル、このような陰口をたたかれているわけでありますが、一面考えてみますと、戦争からたった半世紀、この中でGNPは世界第二位、あるいは一人当たりのGDPはスイスに次いで二番目である、黒字は一千億ドル以上、こういう数字を見てみますと、なるほど貿易摩擦を起こすあるいはジャパンバッシングも起こってくるかな。最近では、戦争で御迷惑をかけた東洋の諸国からも別の角度から賠償問題等が再燃をしているのも、そういう背景があるのではないか。  自由貿易体制を堅持するのが今日日本の生命線でもある。世界から孤児になったら、これは大変だ。こういう立場を踏まえれば踏まえるほど、早く輸出入のバランスを適度にとらなければならないのが日本の貿易政策のあり方ではないか。  そう考えますときに、今回の御提案いただいた法律もその一環としての機能をお果たしいただけるものと思いますけれども、別な観点から将来、来年再来年、計画的に貿易じりをうまく合わせていきなさいとは日本の場合にはとてもできることではありませんけれども、新しい観点から強力な貿易政策というものをこの際お考えをいただくべきではないのかな。  通産大臣、大変恐縮でありますが、これらの御所見をお聞かせいただければありがたいと思います。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(渡部恒三君) 斎藤先生のお話、まことに我が国の戦後の経済の歴史を振り返ってお互いにしみじみたる思いをするお話でございます。  かつては、我が国の経済を発展させるためには、輸出促進、国産愛用という合い言葉でお互いが貧困の中で頑張ったわけでありますけれども、今や、価値観が百八十度転換してしまっている。輸出促進のためにつくったジェトロが、今や輸入促進のためにその役割を果たさなければならない。  そういう中で、最近為替の変動もありますし、またこの経済というのはいずれの場合でもいい面と悪い面で、我が国にとっての輸入の最大であるものは原油であります。この原油価格が下がってきているということは、我が国の国民生活安定のための物価安定には大変大きな役割を果たしておるんですが、これが一方では黒字を大幅にふやすという結果になってしまっております。  そういう中でブッシュ大統領が来られてアクションプランを幾つか持ったわけでありますけれども、これは先生御指摘のように、私もアメリカ側に幾たびも言っているのは、これはやっぱり消費者は神様だと、消費者は何といっても自分の欲しい物を買うにはよくて安い物を買いたがるわけですから、やはりお互いのグローバルパートナーシップを進めていくためにはアメリカも一生懸命頑張っていただく。お互いの努力によって努力目標は達成させられるんだとそのほかの国々にも申し上げているわけでありますけれども、また我が国でもやはりいろいろの問題があるわけですから、今回先生方にお願いして輸入促進また投資促進のための法律を御審議いただいておるわけであります。  これはやはり前提としては内需拡大、これがあって初めて実現できる話で、今景気の問題で先生方に御心配をいただいておりますけれども、三・五%の成長が可能であるとか可能でないとかいろいろ評論されておりますけれども、我が国が国際社会の中で調和ある発展を図り、なお国内産業を痛めるようなことをしないでこの問題をスムーズに進めていくためには、今私の念頭では、やっぱりこの三・五%の成長を達成させるための内需拡大、これを前提にしながら今お願いしておる法案を通していただく。また、これから通産省でも、輸入促進、特に製品輸入の促進のための工夫を練ってまいりたいと存じます。

斎藤文夫自由民主党

○斎藤文夫君 大変御懇篤な御答弁をいただき、感謝をいたします。  さてそこで、輸入問題についてさらに円滑化を図るという立場から考えてみますと、本法のような国際化時代に対応するハード面の整備という一面とあわせまして、ソフト面の整備という立場で考えますと、例えば輸入手続をもっと迅速化する、簡素化する、これがまた輸入を促進する大きな手だてになるのではないか。  実は、現実にいろいろ調べました。時間がありませんから申し上げませんが、もう余りにも日本の従来の水際の対応というのが非常に複雑であるとか、あるいは国内に入ってからのいろいろ問題があって輸出がしにくいとか、やっぱり相手は相手なりにいろいろな問題を主張しておるところでございます。  これはこれとして、特に今考えられますのは、外国製品の基準あるいは認証制度の国際的な整合性をどう求めるか。外国で検査したデータを日本では認めないで新たにいろんなものを、これは具体的に言っていると時間が長くなりますから抽象的で恐縮でありますけれども、新たな検査をするのに手間暇がかかる。あるいは、消防法なんかのように省庁がまたがった場合には極めて時間的なロスが多い。いろいろと問題があるわけでありますが、こういういわゆる輸入手続にかかわる合理化、簡素化について、どう取り組んでいかれますか。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 建物といったような箱物だけでございませんで、いろいろな輸入手続面で簡素化、改善を図るということは、御指摘のとおり最も大切なポイントであろうと我々は深く認識をしております。  現在、いろいろな場がございます。例えば、通産省が中心でやっております輸入協議会という場がございまして、これは海外のビジネスマンにもお入りいただいていろいろ個別に御意見をちょうだいしておりますが、これに対して一つ一つ丁寧に改善を図っていくこと。さらには、関係各省庁が集まりまして輸入手続のための連絡会議がございますが、ここにおきましても、今御指摘の特定省だけでは解決できない他省にまたがった問題の解決に努力をしているところでございます。  さらに、海外からいろいろな問題、苦情等につきましては、御案内のようにOTOというものが経済企画庁の中に事務局も設置され活動しておりまして、これにつきましても各在日の商工会議所等からいろいろ御意見がありますれば、これも一つ一つ小さいこともおろそかにしないでその改善に努めております。  また、国際基準の国内への活用、運営等につきましても、ぜひ我が国の市場におきまして外国製品の輸入障壁にならないように基準・認証制度における国際化につきましても今鋭意努力をしておりまして、一つ一つこれも解決を図っているところでございます。  今後とも、この努力を続けてまいる所存でございます。

斎藤文夫自由民主党

○斎藤文夫君 ぜひひとつ御検討をさらに進めていただきたいと思います。  そこで海上貿易は、ここ数年来の数字を見てみますと、輸出入で既に八億トンを超えました。また、航空輸出入も近年非常に増加をいたしておりまして、既に百七十万トンぐらいになります。エアカーゴにつきましては、特に成田空港がそのうちの八五%を引き受けている、伊丹が一〇・四%であります。したがいまして、成田空港のキャパシティーはもう完全にパンクをしている。これをいかに解決するかということが、極めて輸入を促進する意味においても大きな成果がある。そこで、今度のFAZ、フォーリン・アクセス・ゾーンの設定ということはむしろ遅きに失した、このようにすら思っておるところでございます。そこで前提となる地域輸入促進指針、先ほども御指摘がありましたが、早急につくっていただいて、都道府県とのいろいろ連携を密にしていただきたいし、そしてそのFAZの指定を早く実現し、輸入のスムーズな促進方をお願いしなきゃいけません。  そこで、これは現状の成田とか、あるいは東京湾で言えば千葉、東京、私の地元の神奈川に来まして川崎、横浜、横須賀。日本の輸出入の大半を東京湾が引き受けておるのですけれども、これとても限界に近づきつつある。こういうような状況でございますから、現状を整備するということとあわせまして、だからこそこの際各都道府県の意向を聞いて、一極集中を排除して地方の活性化を求めて地方でもそれにかわるものをつくり上げていきたい。二十四時間空港のなかった日本で関西国際空港がそれを実現するわけでありますから、そうなればそういう拠点に大きなまたメリットというものが出てくると思うわけであります。  今、都道府県で大体どのくらいの問い合わせが来ておられるのか。また、本年は二十億円ぐらい予算を計上しておられる、このように思いますが、通産だけで実はこのFAZができるわけがありません。運輸省あるいは農林省、自治省、それぞれが縦割り行政の中で横の連携をおとりいただき、より積極的に対応をしていただきたい。今回の法案の意図するところは、一極集中地区の改善、そして地方への分散、そういう意味合いを含めた輸入促進法、私は大変よかったなと、遅いけれどもまあまあよかったな、こう期待をしておるところでありますが、それらについての所見をお願いいたします。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 各自治体から、大変熱心な御質問、御意見等もちょうだいしております。御質問のございました数でございますが、北から南まで約三十三の地方自治体の長から、この輸入促進地域につきまして具体的ないろいろな御相談あるいは御意見等を承っているところでございます。  御指摘のございましたように、どうしても一極集中がこの港湾あるいは空港問題について見られるわけでございますが、各地にいわば輸入基地ができますことによりまして、人、金、物が日本全体にもう少し分散をして全体で均衡がとれ、各地域におきます振興、そしてそこにおきます事業者のいろいろないいビジネスチャンスが生まれることを期待しているわけでございます。

斎藤文夫自由民主党

○斎藤文夫君 時間がありませんのでちょっと簡単にはしょらせていただきますが、我が国の対外直接投資残高、それと対内投資残高と比較をいたしますと、何と日本は二十倍です。いかに世界へ直接投資が多いかということになるわけであります。  外資系の企業が我が国で事業をする場合の具体的障害というのは、いただいた資料で、土地が高いとか、いわゆる進出をしてくる費用が非常に高い、あるいはそれだけ投資したものに対するリスクの回収も期間が長い、また適する人材確保困難、いろいろ問題点があるようでございますけれども、今回の本法はそれに対してどういう機能を発揮するのか。  それから、時間がありませんからあわせて聞きますが、いろいろ対策を拝見いたしますとやっぱり同じ条件で自由競争というのが原則で、その見方をすれば、日本の企業は高い土地で一生懸命頑張ってやっているなと。それに対して、特別の税措置等をするというのは、先ほどもちょっとお話がありましたが、逆差別につながるのじゃないか、こんなような論も一方で出てくるわけでありますので、ぜひひとつその辺についての御見解をお聞かせいただきたい。  それから、とにかく我が国の閉鎖性ということでいろいろ指摘を受けるわけでございますけれども、例えば日本がアメリカ大リーグ買収に動けばアメリカ人の心をまた日本が買収に来たとたたかれる。あるいは今度は、ロンドンのテムズ川のシティーホールを日本の不動産屋が買収する。いい悪いはともかくとして、これに対して今度はロンドン子の圧力というのが高まると思うんです。  また、この間の話じゃありませんが、小錦が優勝して、横綱になった人よりもここ三場所成績がいい、にもかかわらず外国人だから横綱になれない。こんなようなことすら要するに貿易摩擦に置きかえられる今の日本の現状というものを見たときに、本当に外国が日本に投資をしてくるそんなときに、外国へ日本が投資をするのと同じような安易な要件でやっていられるのかな、こういう比較というものについても、時間がなくて済みませんが、お聞かせをいただきたいと思っております。

山本幸助通商産業省産業政策局長

○政府委員(山本幸助君) 今、先生御指摘のように、外資系の企業はなかなか日本に入りづらいと申しております。御指摘のように、土地、建物、コストが高いとか、あるいは人材の確保が難しい、甚だ複雑な商慣行があるということでございます。  今度の法律に基づきます基本的な施策の対応としましては、第一には税制上の措置でございまして、これは一つは赤字の繰り越し期間の延長をしよう。それから機械、建物の割り増し償却をしよう。それから金融の制度でございますが、これにつきましては公的機関から債務保証をしよう。それから、開銀等の低利融資をしようというのがございます。そのほかに人材確保とか、あるいは研修その他のいろんな情報の面がございますので、これも公的機関から出資をして特別な支援事業会社をつくって応援しようということでございます。さらには、従来からやっているジェトロのいろんな事業がございますけれども、これも拡大しまして総合的にやろう、こういう感じでございます。  御指摘の逆差別にならないかということでございますけれども、我々考えましても、先生御指摘のように日本に入ってくる場合にハンディも相当あると思われますので、こうした施策を講じて何とか不均衡を少しでも是正するという観点から見れば、これがいわゆる逆差別ということで不合理であるということにはならないというふうに思っております。

斎藤文夫自由民主党

○斎藤文夫君 もう時間でございますから、残念ですがやめますが、言うなら本法の施行によって、輸入が促進され、外資系企業が大いにひとつ日本に投資をしていただく、そういう意味の有効かつ目的を達成されるように心から期待をいたします。  先ほど渡部通産大臣いみじくもお述べになられましたが、私は、学校で輸出こそ日本の活路である、こう習って戦後卒業してまいりました。今、まさにお言葉のとおり、ジェトロが輸入をいかにするがというような逆な仕事をせざるを得ない状況下にある、こういうお話を聞きまして、まさに感無量なものを感じたところであります。ぜひひとつ、渡部大臣、日本が二十一世紀も平和で繁栄するように、そしてまた世界の孤児にならないように、日本の経済のかじ取りをより緻密に、より確実におとりをいただくよう心から御期待を申し上げて、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 質問させていただきます。  千億ドルに上る貿易黒字、世界じゅうのほとんどの国で黒字をつくっていることへのはばかり、なかんずくアメリカとの貿易摩擦拡大への懸念等がこのたびの輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する臨時措置法案となったと理解しておりますけれども、まず大臣にお願いいたしますが、日本の貿易競争力が強い理由それから日本への製品輸入が少ない原因、この二つについて大臣の御見解を伺いたいと思います。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(渡部恒三君) これは、大変簡単なようで難しい御質問でございまして、さっきもちょっと斎藤先生の御質問の中で話しておったんですが、やはり戦後、あの貧しさと敗戦の中からみんなが汗を流して、資源がない、国土が狭いこの国の人たちがどうなったら幸せになれるかということで、国民が一生懸命働いて、しかも技術革新に力を入れ、またその後オイルショックあるいは為替の変動、そういう中で合理化の努力、省力化の努力、こういうものが、気がついてみたら自動車もカメラも時計もあれもこれも世界一というようおことになってしまったわけです。  つい十年ぐらい前までは、よくて安いものが売れるのがなぜ悪いのかと。戦前、日本が非難されたのは、安かろう悪かろうだった。しかし、今はよかろう安かろうで、何が悪いのだろうかという単純な気持ちがあったわけです。ところが、残念ながら、国際社会ではいいものが安いんだから売れるんだろうということでは通用しなくなってしまったところに、我々の通商政策の苦悩が今あるわけであります。  また一方、製品輸入でありますけれども、これはやっぱり物の考え方が、さっきも言ったように、ついせんだってまでは国産愛用が国のためだとこうなっておったわけですから、消費者全体の考え方もどんどん変わっていっていただかなければなりません。もちろん、外国から日本人の消費者のニーズに合う優秀な製品を送っていただかなければなりませんけれども、これを受け入れる国民の考え方も、やはりまた国の方向の中で意識改革というようなものを私は進めていかなければならないと思っております。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 どうもありがとうございました。  まさに大臣がおっしゃいますように、日本は安くていい品物をつくり、しかも商社などの努力によって買いやすい状況をつくり出した、そういうようなことが言えるんじゃないかと思います。  一方、輸入の方でございますけれども、ただいま同僚議員の斎藤委員が、いろいろな非関税障壁というんでしょうか、それについてお調べになって、しかし時間がないということで十分に御説明はいただけなかったんですけれども、さまざまな輸入障壁みたいなものが現実に存在したと。輸入手続の簡素化も必要ですし、それから成田空港問題の解決とか、要するに水際の対応が非常に複雑であるといったようなことをぜひ早く解決していただきたいと思うわけでございます。  先ほど、午前中でございますけれども、高島貿易局長が、日本では輸入ビジネスが難しい。いう御発言をなさったんですが、その意味をもう一度御説明していただきたいと思います。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 輸入促進地域におきまして、大企業のみならず中小企業にも広くビジネスの機会が提供されることが重要だということの関連で実は申し上げたわけでございます。  実は、輸出の場合は国内に生産基地がございまして必要な情報は国内ですべてとれるわけでございますが、大企業、大商社はともかくといたしまして、中堅以下の企業にとりましては、海外の商品を日本へ持ってまいります場合には、海外でどのような生産がどの程度の規模で行われているか、あるいはそれを持ってきた場合の日本でのいろいろな手当てにつきましてどうしても難しい点がございました。  したがいまして、一般的に申し上げますれば、例えば中小貿易商社につきましては、これまでずっと輸出中心の企業が中心でございまして、輸入でビジネスを拡大してきたものは少なかったわけでございます。この人たちに適切な海外の情報を提供するということは非常に大切でございまして、先ほど来出ておりますジェトロの活動も、この輸入ビジネスの拡大のためにいろいろなお手伝いをしているといったような状況に現在ございます。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 ジェトロにつきましては後でゆっくりお伺いしたいんですけれども、輸入振興へのこれまでの取り組みについてお話しいただきたいと思います。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 輸入拡大策は、大きく申し上げますと、いわゆるマクロ政策と、それからいろいろ個々の各種施策の積み重ねになりますミクロ政策との二つに大きく分類されるかと思います。マクロの政策は、まさに財政金融政策あるいは国内の景気をいかにして維持するかといった問題でございますが、ミクロ政策と呼ばれるものの中には、ジェトロの個々の活動以外に、例えば製品輸入促進税制でありますとか、あるいは国内の他の輸入促進の団体に対するいろいろな助成といったような問題がございます。さらには、先ほども御指摘ございましたけれども、具体的な輸入促進のための関税なり、あるいは輸入制限と言われるようなものをいかに取り除き、あるいは低くしていくかというようなことも入ろうかと思います。  いずれにいたしましても、ミクロの政策と呼ばれるものの中に入ります個々の具体的な輸入拡大策はこれまでもとってまいりましたし、また、今回御審議いただいておりますこの法案におきます輸入インフラの整備といったものも非常に大切な一つの柱だと考えております。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 先ほど、輸出がふえるのは、安くてよい品物を買いやすい状況で提供しているということでございますけれども、日本産のものはすべて国際競争力があるわけではないだろうと思います。国際競争力のある分野とない分野があると思うんですけれども、競争力のない分野というのはどのようなものなのでございましょうか。つまり、素人っぽい言い方をいたしますと、非常に国際競争力のあるところでもうけて、しかし弱いところで輸入をふやしていく、それが自然な経済活動の中で起こらなくてはいけないものだと思うのでございますけれども、そこのところのバランスはどうなっておりますでしょうか。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 国際競争力の強い分野は、御高承のとおり、電気機器いわゆる先端部門であるわけでございますし、競争力の弱い分野というのは、主としていわゆる労働集約的なものになるということで、分類分けをすればそのように申し上げることができるかと思います。  ただ、輸入拡大という面におきましては、必ずしも強い分野が入らなくて弱い分野が入っているということではございませんで、実際に先端分野におきましても、各地各国で生産されたものと非常に水平の交流、分業が行われてきております。東南アジアで生産されましたものが国内に持ち込まれ、あるいは東南アジアでの生産活動に必要な資本財等は日本からも出ていくといった形でお互いの交流は深まってきております。一方、弱い分野につきましては、やはり国内のいろいろな状況を勘案いたしまして、関税等によりまして、そこへの外国からの影響が大きくなり過ぎて国内問題を生じないように、それなりの輸入の手当てをしているところでございます。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 労働集約的な分野、つまり農業とか食糧などが挙げられるんじゃないかと思いますけれども、それはさておきますとしても、例えば薬品など化学産業とか鉄鋼とか造船というもの、いわゆる重厚長大型の産業でございますが、価格競争力というものが失われつつあるというようなことも聞きますんですけれども、こうした産業への対応、それといわゆる通産省としては輸入も進めたい、そういうところのジレンマというんでしょうか、そういうようなものをどのような形で解決されていこうとなさっているのかお伺いいたします。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 先ほど例示で申し上げられました商品は、実は国際商品でございまして、世界全体の需給によって値段がかなり変動するというものでございます。そのために、国内業界もいろいろな対応を練っているところでございますが、一つは、例えば化学業界の例で申し上げますと、東南アジア、韓国等での生産状況をよく勘案いたしまして、国内の企業はそれに見合った生産規模等を考えているのが実情でございます。通産省として、そういう個別の業界の動き等につきましては、むしろ自主的な判断に一切ゆだねて、自由経済の建前上我々がそこに何らかの手を加えるようなことはございません。  ただ、輸入拡大という国策実現のためには、そういった業界にもそれなりの輸入拡大の努力をしていただく必要がございまして、三百社を超えます、今御指摘ありましたような企業も入りました会合を間もなく開かせていただきまして、通産大臣からそれぞれの企業に輸入拡大の要請をすることになっております。昨年も同じような要請会議を開きまして、三百十五社から具体的な輸入拡大のプログラムをちょうだいしておりますが、各社とも各国との競争の難しい中でありますけれども、広く輸入拡大をすることが個々の業界、個々の企業にとっても長期的な利益になるという観点から、非常に困難な実情にもかかわらず輸入拡大の具体的なプログラムをつくっていただいておりまして、それの個々のヒアリングもさせていただき、輸入拡大も実は図っているところでございます。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 どうもありがとうございました。  かつて日本が経済力、商品競争力が余り強くなかったころ、ジェトロが日本の輸出振興に非常に貢献したということはよく知られているところでございますが、どのような形で輸出努力をなさったのか、それを例えば、そしてその逆を輸出国にやっていただければいいんではないかなと思うのでございますけれども、どのような輸出努力を今までなさったのかお伺いいたします。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 具体的な例で最もジェトロの活動が日本の輸出拡大につながりました事業としては、個別の国の個別の業種につきまして市場を十分に調査をいたしまして、その情報を国内で広報するということでございます。したがって、特定の産地でありましても、それまでは日本の中でヨーロッパあるいはアメリカ、東南アジアの市場のその物品の状況がわからなかったときに、適切な情報が入ることによって輸出拡大のための戦略が練れたわけでございます。一にかかって、一番必要なのはまさにその情報提供でございました。  その点だけを今度は裏返しで申し上げますと、これから日本の輸入拡大を図るには、いかにして内外の必要な情報がスムーズに流れるかということであろうかと思います。したがいまして、我々といたしましては、国内の情報を輸出先に十二分に丁寧に教えてさしあげることであろうかと思います。  例えば、現在、イギリス、フランス、アメリカ、さらにEC等が、日本へ輸出を拡大するためのプログラムとかキャンペーンを行っております。一時いろいろと言われておりましたフランスまでもが、ついに対日輸出拡大のためのプログラムを作成するに至りました。ところが、そういうところには、日本の市場がどういうことであり、特定の物品についてどのような状況であるか、ユーザーの志向がどういうところにあるかといったことについての詳細な、正確な情報というのはなかなか伝わるのが難しいわけでございます。  したがいまして、先ほどのジェトロの輸出のときの例の逆でございまして、そういったプログラムとかキャンペーンの中に我々として正確な日本の状況をお伝えして、実のある輸出拡大につながることが必要だと思います。ジェトロは今まさに輸入促進機構としてそういう役割を果たしつつありますし、通産省も同じような仕事を各部局で行っているところでございます。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 大変個人的な体験を申させていただきたいんですが、今から何十年も前になるんですけれども、私が学生でアメリカにおりましたときに、シカゴのトレードフェアでアルバイトをさせていただいたんです。日本のブースで働かせていただいて、その見本市に非常に強い印象を持っているんですが、つまりそこにはいろいろな商品がアメリカ国じゅうから集められまして、もちろん外国であるところに日本なんかも小さなブースを持っておりましたけれども、そこの場所がいわゆる情報収集の場になり、単に業者だけではなくて一般の人も参りますから、どちらかというとトレードフェアというのでしょうか、お祭りみたいな側面もありまして、結構商品知識を一般に広めるのに役に立っている、そういうような形が海外では意外と多いんじゃないか。  私は、フランスにおりましたときも農業フェアというのを見たんですけれども、これもすごいんですね。フランス各地からワインが送られてくる、豚とか年とか、そういうものまでもやってきて品定めをする、それからあらゆる地域からのチーズとかというようなことで、いわゆるトレードフェアの果たす役割というのでしょうか、それが非常に大きいというような印象を持っているのでございますけれども、通産省の方の御認識はいかがでしょうか。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) トレードフェアの効用につきましては、今御指摘のとおり我々も全く同じ意見でございますしたかいまして、ジェトロ、あるいはMIPROと称しております製品輸入促進協会というのがございますが、そういったところでの見本市あるいは展示会については、我々としてはいろいろな形で支援をしておりますし、それぞれの団体が常設の展示場を持ちましてやっております。また、御案内のように千葉県にできました幕張メッセ、まさにドイツ語のメッセからとった通称でございますが、ここでのいろいろな展示の活況は最近は大変目をみはるものがございます。御指摘のように、そこで具体的な商談が行われまして、それが日本国内への輸入拡大につながっている例はたくさん出てきております。  今後とも、輸入拡大のために、いかにしてトレードフェアを活用するかというのは一つのキーポイントでございますし、ジェトロ事業におきましても展示会のために費やしておりますエネルギーは非常に大きなものがございます。国内だけでなくて、むしろ海外におきましてもジェトロ等がその地での展示会に力を入れておりまして、そこに日本のバイヤー等も出かけていって実際の商談につながるような芽を育てているのも現状でございます。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 どうもありがとうございました。  最近、シカゴから帰られた方からちょっと伺ったんですが、先ほど大変失礼な言い方をいたしましたけれども、国際競争力のない食糧、農産物に至りましても日本の製品をアメリカに持っていって大変に歓迎されたということを聞いております。そういうふうに、一般の民衆レベルでは、トレード摩擦とかなんとか言いましても言われているのはマスコミとか政治家のレベルでありまして、実際には一般の消費者というのは、よくて安い物が目の前にあれば手に取って見る、使ってみたくなれば買ってみる。そういうようなところではなかろうかと思いますので、そういう普通の心理を大いに活用していただきたいなと思っているところでございます。  見本市会場ですけれども、私も幕張メッセに参りまして、そのときに大変印象深くそれを見せていただいたわけですが、日本ではまだ見本市会場の数が非常に少ないというふうに聞いておりますけれども、実数はどのくらいでしょうか。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 現在、日本では、見本市と言われるものは年間約二百五十ぐらいございます。アメリカが多分四百五十、ヨーロッパの主要国は大体二百五十から三百ぐらいの数であろうかと存じております。  ただ、日本の趨勢といたしましては、幕張メッセのような大きな整備された施設ができ上がってまいりました。また、本法律案で御審議いただいておりますような輸入促進地域ができることによって、小さいものもありましょうけれども、展示場等が整備されることによりまして、この具体的な数字は今後確実に、着実に伸びるものと我々は期待をしております。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 この前、幕張メッセに伺ったときにちょっと聞いた話なんでございますけれども、保税展示場制度という特別な関税の例外措置があるというふうに聞いております。見本市に出展している品物には、関税を払わなくていいということらしいんです。  しかしながら、せっかく海外から持ってきた品物が、できたら全部売れれば業者にとっては一番いいわけでございますよね。そのときの関税の手続が非常にやりにくいということで、簡素化ができないかというような御意見が出ていたのでございますけれども、大蔵省に来ていただいておりますが、その点はいかがでございましょうか。

花井伸之大蔵省関税局輸出保税課長

○説明員(花井伸之君) お答え申し上げます。  先生御指摘の保税展示場におきます関税の手続、大変煩雑といいますか面倒であるというお話でございますが、保税展示場におきまして、先生御指摘のような観覧者といいますか展示フェアに見物に行かれた方々が物を買われる、即売等が行われる、それについての輸入手続なり関税の支払いというものを簡単にできないのか。あるいは、先生の御趣旨としては、個々の購入者が手続をして受け取っていくということができないかという御趣旨がと思います。  私どもとしましては、こういったトレードフェアのようなところには大変大勢の方が見物に行かれます、多い場合には何十万という単位で行かれますけれども、こういった方々が、いわゆる関税の支払いをしていないものにつきまして物を購入するということになりますと、その方々に個々に輸入手続、関税の支払いをやっていただくということになるわけですが、御案内のとおり、個々のものにつきましてはそれぞれ個別に関税率を掛けでございます。それをどういった分類でどのように税金を払っていただくのかということを、こういった購入された方々に一々期待するというのは大変なことになります。私どもとしましては、やはり行政上の効率といいますか税関のサイドの負担の面から見ましても、個々の購入者から手続をやっていただくのは大変だという問題がございます。  したがって、現在は、販売するものにつきましては、事前にまとめて輸入手続をやっていただき、それから関税もお支払いいただいて販売していただく。したがって、個々の購入者につきましては税関手続は一切していただく必要はない、こういうことをやっていただいているわけです。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 売れ残った場合は……

花井伸之大蔵省関税局輸出保税課長

○説明員(花井伸之君) もし、売れ残った場合につきましては、これは平成二年度の関税の改正で国会の御承認をいただいて新たに設けたわけでございますが、売れ残った物品についての戻し税制度というのがございます。これは関税定率法十九条の三という規定でございますが、ここに売れ残った品物についての戻し税制度を設けさせていただきました。したがいまして、一定の手続を経てこの規定を御活用いただきますと、その売れ残った品物を外国へ積み戻す場合には関税を払い戻すということになっております。こういった制度を御活用いただければと、こう考えております。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 どうもありがとうございました。  私は、ぜひこの見本市会場を幅広く過疎地、離島対策などにも利用できないかなと。きのう産炭地域の審議をいたしましたけれども、ボタ山のようなところでやっていただくとか、それからリゾート開発なんかがうまくいっていないようなところでそういう見本市の会場を一つの目玉として提供するとか、そのようなさまざまな試みの中で使っていただけたらいいんじゃないかなと思うんです。  大蔵省の方にもう一度お伺いいたしますが、これは今後日本の貿易黒字がどのような推移をたどるかによると思いますけれども、場所によりまして、ある特定の地域にいわゆるフリー・トレード・ゾーンというんでしょうか、そういうようなものをつくる可能性というのはないんでしょうか。私、数年前からそれを主張しておりまして、少なくとも大勢の日本人が海外に買い出し旅行に行くことは大分なくなるんじゃないか。そういうふうに思うのでございますが、いかがでしょうか。

花井伸之大蔵省関税局輸出保税課長

○説明員(花井伸之君) 先生御指摘のような、過疎地といいますか地方の方にそういったフリー・トレード・ゾーン的なものができたら利用されるんじゃないかというお話でございますけれども、私どもとしましては、一言で申しますと、大蔵省としましてあるいは税関としまして器を積極的につくってそこにそういった事業といいますか、そういったものを誘導するという立場にはちょっとないのかなという感じがしております。やはり、現実にそういったところにそういった物流なり需要というものが発生するのかどうか。発生したものにつきまして、私ども関税局あるいは税関の立場として、それにどう対応していくのかということになろうかと考えております。  私どもとしましては、正直なところ、各地にそういったものができることは望ましいとは思いますけれども、一方でなかなか厳しい定員事情、予算事情等ございますので、やはり行政効率等、そういったものを勘案しながら検討していくということになろうかと思っております。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 どうもありがとうございました。  先ほど、制度上のというんでしょうか、各省庁が持っていらっしゃるさまざまな規制など、そういうことによって輸入がしにくいという側面を討議いたしましたけれども、また流通機構そのものの抱える問題なんかもあるのではないかと思います。  私が去年の暮れでございましたかある会議に出席いたしましたところ、そこでツールメーカーの社長にお目にかかったんです。その社長がおっしゃるには、ヨーロッパにも輸出している非常に有名なツールメーカーなんですが、自分たちは日本に輸出することに非常に興味があるんだけれども、ところが日本に輸出されるとそれは飾り棚に載せられてしまうと言うんです。つまり、いわゆる高級品として恐らく普通に売る値段の五倍ぐらいの値段が設定されて売られてしまう、そういうようなことを言っていらっしゃったわけです。  自動車につきましても同じようなことが言えるんじゃないかなと私は思っているのでございます。と申しますのは、日本でつくられて国内で売られている車、例えば高級車をとりましてもいろいろあるわけですけれども、そういう車がアメリカに輸出されますと、日本よりは安いとは申しませんけれども、ほとんど同じぐらいの値段で売られているわけです。ところが、逆にアメリカから日本に入ってくる車というのは、アメリカで売られている車の三倍ぐらいになってしまう。例えば三万ドルでキャデラックが買えるのであれば、実際アメリカで三万ドルなんですけれども、こちらへ来ると、私は幾らか知りませんけれども恐らく一千万円近くになるんじゃないでしょうか。(「七百万ぐらい」と呼ぶ者あり)七百万ですか。少なくとも三万ドルの何倍かになっていますね。何倍でしょうか――二倍、三倍ぐらいですか。  今度、通産省が買われたという外国車でございますけれども、幾らぐらいでお買いになったのか。そのような値上がりというのはどうして起こるのか。それはアメリカ人が高く売っているんでしょうか。

熊野英昭通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(熊野英昭君) 違うマーケットで売られている車の値段を比較するというということとは、実ば大変難しいことだと思います。というのは、販売の数量の規模でありますとか、それから同じ車といいましても実は仕様にいろんな違いが出てくるとかそういうことがございますので、簡単に比較するということはなかなか困難だと思います。  日米の両国で比較的数量の多い自動車について政府が実売価格を調査したものによりますと、これはしたがってそれぞれ数量が比較的多い、アメリカ車だったら日本で売られている数が比較的多いもの、それからアメリカの市場でたくさん売られているもの、かつ仕様は申し上げましたように違うんですけれども近似的な仕様の自動車を選択して行いました調査によりますと、アメリカにおきます日本車の販売価格は、日本での販売の価格を一〇〇といたしますと一二一から一三三というふうな数字になっております。他方、日本におきます米国車の販売価格は、米国での価格を一〇〇といたしますと、この調査によりますと一一八ないし一五〇ということになっております。一五〇というのはフォードのトーラスの例でございますけれども、そういうふうになっております。  いずれにいたしましても、一般に輸入数量の少ない外国車につきましては、宣伝費でありますとかアフターサービス費の問題でありますとか、あるいは市場におきます、輸入国におきます安全環境基準適合等のためのいろんな手直しをしていかなければいけないといったふうな費用等がございまして、これらが数量が少ないと一台当たりのコストが大変高いものになってしまうというふうになって、相対的に高くなることは現実の問題としてある程度避けられないということがございます。また、ケースによっては、外国メーカーがいわば価格政策といたしましてみずから高い価格設定を行っているケースもあるやにうかがわれます。  いずれにいたしましても、現在、日米両国で乗用車のMOSS調査の一環といたしまして、米国車の貿易機会に影響を与える日本市場における要因につきまして事実把握を目的とした調査を共同で行っているところでございます。こういう調査の結果を踏まえて、いろいろ問題の所在をできれば明らかにしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 きょう来るときに電車の中で読んでいたんですが、アメリカ車が日本車に追いつけということで非常に努力をいたしまして、ここ数年故障率というんでしょうか、そういうふうに消費者から文句が出た回数というのは、アメリカ車はかつては非常に日本車より多かったんですけれども、今非常に下がってまいりまして、日本車と同じレベルに達しているそうでございます。ところが、数年前アメリカの自動車が評判が悪かったために、その評判が後まで尾を引いておりまして、依然としてアメリカの消費者のかなりの部分がアメリカ車の方が日本車より悪いというふうに思っているんだそうでございます。  それは日本車にとっては大変結構なことでございますけれども、アメリカから入ってまいります車に対して、あたかもアメリカで売れない車が日本で売れるはずがないといったようなことを電車の中でしゃべっている人がいたんです。結構マスコミなどでもそのような調子で受けとめておりますけれども、そういうところはもうちょっとおおらかに、日本も現状を見て見直すということが必要なんではなかろうかと思っているところでございます。それぞれの国がそれぞれの力で輸出努力をしなければならないんじゃないかということは当然のことでございますけれども。  次に、先ほど日本の車が国内で売られているのを一〇〇とすると海外では一二一、逆の場合は一一八だというふうにおっしゃって、これはちょっと信じられないんですけれども、いずれにいたしましても、海外で日本の車が日本と同じくらいに非常に安く売られているということはどういうことなのかなと思うんです。  ここにこういう数字があります。フォードモーターカンパニー、フォードという会社ですけれども、トーラスをつくっている会社です。一株当たりの資本というんですか、それが日本円に直すと六千円、配当が四百円でございます。一方、日産モータースは千二百円、それで配当が十四円でございます。株価はフォードに関しましては約五千円から六千円の間を動いているわけですけれども、四百円の配当といいますと銀行の利子よりも結構いいんじゃないか。アメリカの車は斜陽といいながら、資本家にこれくらいの配当をしているわけでございます。一方、日産モータースは、世界に誇る会社でございますけれども、十四円の配当しかない。株価は五、六百円のところを推移しているんですが、今の現状ですと二%ぐらいの利回りということです。  ですから、株を買う人が利回りということに非常に関心を持つのであれば、日産モータースの株価があと三分の二ぐらい下がらなければ買わないということになるわけですよね。そんなふうにほかの株式におきましても、いわゆる配当というものに対して個人投資家または投資家が関心を持つようになりますと、今の日本の株価というのは大幅に下がらなければならない。そういたしますと、日本の経済というのはめちゃめちゃになってしまうというところで多少心配してもいいんじゃないかと思います。  日本の会社の配当性向というんでしょうか、こういうものについて、どのように思われるんでしょうか。私は、日本製品の競争力、冒頭からいろいろな形でお伺いしているわけでございますが、確かによくて安くて買いやすいということがあるわけですけれども、安過ぎはしませんかということをお伺いします。

熊野英昭通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(熊野英昭君) 株価一般のことは必ずしも明らかでありませんけれども、ただいま委員御指摘のように、我が国の企業の配当性向が相対的に低くなっていることは事実だろうと思います。  私、今手元に持っております自動車メーカーの配当性向を比較した資料を見ますと、日本では赤字会社を除く九社の平均が一九九〇年度におきまして二一%強であるのに対して、アメリカは、八九年度の資料でございますけれども、フォードが三六%強、クライスラーが七七%強ということで、仮に二社単純平均をいたしますと四〇%ぐらいになっているということで配当性向はかなり違います。それから、自動車以外のものを見ましても、日本の配当性向は、諸外国、アメリカのみならずヨーロッパの国々に比べても一般的に低いんだろうと思います。  これは、株主の何と申しますか配当に対する選好の強さでありますとかいろんな要因がございますし、いわゆるキャピタルゲインの方を大変重視して株主が投資をするといったふうな性向がございますから、なかなか何が適正適切な配当性向かということは困難ではないかと思うんです。いずれにいたしましても、そのキャピタルゲインが出てこなくなれば、逆に配当性向を上げていかなければ先ほど委員御指摘のように利回りを重視したような投資動向になってくるということで、いろんな要因で決まってくることではないかというふうに思います。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 これは私の素人としての感じなんですけれども、もうちょっと日本の海外に出ていく品物というのは値段が高くてもいいんじゃないか。これは証明できないので申し上げにくいんですけれども、日本の製品の海外での競争力というのが、多くの日本の消費者とそれから勤労者、そこで働く人とそれから投資者の犠牲の上にもし成り立っているんであるとしたら、これは根本的に日本の会社のあり方というのが問われるんではないかというような気がいたします。  そして、今いろいろな形で日本の経済のシステム、仕組みというものに海外の視線が集まっておりまして、これまでもさまざまな角度から分析がされているわけでございますけれども、今私が申しました消費者の視点、勤労者の視点、投資家の視点、そういう点で経済が見直されるときに来ているんではないかということで、大臣、もしコメントがございましたら……。そして、通産省がこれまで日本の経済をリードしていらした省庁でございますけれども、どのような方向に、指導という言葉が適当でないとしたらそのような方向に話し合いで持っていかれるのか、そういうことをお伺いしたいと思います。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(渡部恒三君) 今、先生のおっしゃられたお話、私は一々なるほどなという感じを受けてこれを聞いておりました。  日本の戦後の経済は、やはり薄利多売ということで、コストダウンにしてもこれはいかにして安く売るか、余計売るかというためのコストダウンで、利益を得るというためのコストダウンというところまではいっていなかったような感じはいたします。また、価値観念が、最近までは企業が利益を余計得ることは何か悪いことみたいな感じがありましたから、何か商売をしている人も、我々いろいろ仕事をしても、おれの会社はこれだけ売り上げがふえたということは自慢するけれども、おれの会社でこれだけ利益を上げたということは、別に税務署がいるわけでなくても、何か余り公然と語らないというような気風がありました。  それは確かに、先ほども私が申し上げたように、貧しい、破壊に瀕した経済を再建させていくためにきょうまで歩んできた道が私は誤ったとは思いませんけれども、今日、世界の中の大変大きな役割を果たし、また一千億ドルの黒字が最大の問題になっているというとき、やっぱりこれからの企業がどうあるべきかということは、ここでまた将来を展望して考える時期に来ておるような感じを今持っております。

広中和歌子公明党・国民会議

○広中和歌子君 どうもありがとうございました。

市川正一日本共産党

○市川正一君 最初に、この法律によって、どれだけ輸入が拡大し貿易黒字が解消するのか、またどれだけ対日投資が増加するのか、その効果のほどをお伺いしたいと思います。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 先ほども実はお答え申し上げまして、同じような御説明になりまして恐縮に存じますが、具体的な数字で幾ら幾らふえるということは、なかなか今申し上げるのは困難でございます。  具体的な輸入拡大施策をこれまでたくさん積み重ねてまいりました。その効果は、御案内のように、八六年がピークでございました貿易黒字がずっと縮小してまいりました。製品輸入も、三割、四割の国全体の輸入の中の比率が増大をしておりまして五割まで参りました。そういうことで、着実にこれまでの輸入拡大の施策は具体的な輸入増となってあらわれてきていると我々は考えておりますが、具体的な、定量的な数字のお答えは、今申し上げましたように困難でございます。  ただ、この法律案に基づきますいろいろな諸措置が実現されますと、これも先ほど申し上げたわけでございますけれども、いわゆる輸入品の物流というものは非常に円滑化されます。それから、いろいろな面での輸入の仕事がふえ、そこへ参入いたします企業がふえます。それは、とりもなおさず、輸入品を扱う人たちがふえるということでございます。それから、実際には輸入品を調達できる力もふえてくるわけでございますから、そういうものの総和というものは相当輸入改善に役立つと考えているわけでございます。  直接投資につきましては、これは産業政策局長の方から……。

山本幸助通商産業省産業政策局長

○政府委員(山本幸助君) 直接投資につきましては、最近、日本は対外的に大変活発に投資をしておりますけれども、他方、日本に入ってくる方はそれに並行して活発化していないわけでございまして、一対二十ということで大変不均衡になっております。  ただ、日本の市場というのは、大変外国から見ても魅力的な、非常に市場の拡大もテンポが速いわけでございます。そういうことで、外国の企業もこういう市場に入ってきたいという意欲は相当強いものと思われておりますので、今回の措置のようにこれに対するある程度のインセンティブを与えますと進むのではないかというふうに思っておりますけれども、ただ先生御指摘の、どのくらいという数字ということになりますと、必ずしも現在の段階では数字的には申し上げられないという段階でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 午前中、大臣は、一石二鳥の効果がある、こうおっしゃった、    〔委員長退席、理事松尾官平君着席〕 どういう効果かと言って聞いてみたら、具体的にはさっぱりわからぬというんでは、私は結局無責任やと思うんです。なぜそのことを言うかというと、ともかく摩擦解消に何か効果のありそうなことはやってみた、しかしやったら効果は上がらなんだというようなことに相なりますと、今の日米関係のもとでは、日本は約束するけれども実行はせぬとか、効果が上がらないから約束違反やという、それをまたてこにして無理難題を押しつけられてくることになるからです。日本の市場が不当に閉鎖的ならば、それは当然是正すべきです。しかし、実際はどうなのか。  貿易局長に伺いますが、鉱工業品に対する日本の平均関税率は二・七%、アメリカは四・三%、ECは四・六%と、欧米諸国に比べて日本の方がはるかに低いと思うんですが、間違いございませんですか。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) そのとおりでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 また、国民一人当たりの相手国製品の購買額ですが、一九九一年版の通商白書にも明記されておりますけれども、日本人一人当たりの対米輸入額は三百九十五ドル、逆にアメリカの一人当たりの対日輸入額は三百六十ドルとなっており、日本の方がはるかに多くアメリカ製品を買っております。これはECの一人当たり対米輸入額の三百一ドルをも大きく上回っておると思いますが、間違いございませんか。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 御指摘のとおりでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 政府はいろいろとアメリカの方に気を使っておられるんですが、日本に進出したアメリカ企業で組織する在日米国商工会議所というのがあります。これが九一年一月にまとめた米国企業へのアンケート調査結果を見ますと、「対日直接投資の障壁はない」というのが四五%、「投資環境は好ましい・問題ない」というのが八二%にも達しております。ということは、以上に確認をしてまいりましたような実態に即して見ても、日本は閉鎖的だと非難されるいわれはないし、わざわざ新しい法律までつくって輸入の促進、対日投資の促進の措置をとる必要はあえてないんじゃないですか。その点はどうでしょうか。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 先ほど御指摘ございました数字の比較は、おっしゃいましたとおりそのことによって日本が市場閉鎖的であるという指弾を受けることはないと、私もそのとおりだと思います。  ただ、現下の問題は何かと申し上げますれば、やはり昨年の数字で申し上げますと、貿易黒字の一千億ドルという非常に大きなインバランスであります。このインバランスをいかにして解消し、国際協調の中で日本経済が発展していくかということが最も今求められる大切な点であろうかと思います。そのためには国内で現在どこを改善すれば、どこに施策の重点を置けばこのインバランスが改善され、国際協調の中での日本の進路が確立されるかということであろうかと思います。  その一つは、今まさに御審議いただいております港湾、空港あるいはその周辺地域におきます輸入インフラの整備ということであろうかと思います。こういう整備を通じまして、貿易黒字、膨大なインバランスの解消にぜひ努めてまいりたいと思う次第でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 まさに何がかなめか、それが問われているんです。じゃ、これがそうなのか。的外れです。以下その問題をきわめたいんですが、山本さんもさっき二十対一の問題をおっしゃいました。確かに、我が国の対外投資残額と外国からの対日投資残額が二十対一になっている、それはそのとおりです。しかし、これは日本側だけの責任なんでしょうか。歴史的、経過的に振り返ってみても、一九八五年九月のプラザ合意で、当時の中曽根内閣がアメリカのレーガン政権の言いなりになって円高への誘導をいたしました。最近でも一ドル百三十円前後と、大方当時の二倍の円高になっております。さらに、八六年の前川レポートを背景としたアメリカの海外直接投資の拡大要求に、日本政府が積極的にこたえてきたことがあります。  ですから、日本開発銀行が九一年七月に発表した対日直接投資の分析というのがございますが、その中でも、円高は日本の直接投資ギャップを拡大させる要因として作用した、こう明確に述べているのは御承知のとおりだと思うんです。こういう経過を見ても、直接投資残高のインバランスを日本だけの責任にするのは事実にも反し、不当ではないかと私は言いたいんですが、いかがでしょうか。

山本幸助通商産業省産業政策局長

○政府委員(山本幸助君) 私ども、二十対一になっている状況を日本の方が悪いからということを申しているわけではございません。私どもは、実は国際交流を進めたいという見地から申しますと、やはりこの二十対一という大きなインバランスというのはまずいのではないか、これを何とかして改善する方向に持っていきたいというふうに考えているわけでございます。  そうしたときに、例えば在日米国商工会議所の最近の調査によりますと、先生御指摘のように、日本政府の規制があってまずいと言っているのは三一%ですけれども、そのほかに大きいのはやはり人材の雇用の困難とか、それから日本でのビジネス展開のときにいろんな複雑なことがあって難しいとか、あるいはコストが高いとかいうことを申しております。先生おっしゃった為替面というのも大きな影響があると思いますけれども、やはり何といっても英語が通じないとか、それから島国でもってなかなか商慣行も違うというようなことも難しいのだろうと思います。したがって、こうした形のいろんな意味でのハンディを少し低めるような形の支援をしながら進めていく、それによって少しでもインバランスを直したいというのが趣旨でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 貿易局長もさっき述べられたのですが、こういう日米貿易摩擦、インバランスについては、その原因に真っ正面から取り組むということがやっぱり不可欠だと思うんです。そのことによって正当な解決が図られる。私はそう思います。  アメリカについて言えば、これは核軍拡、そして産業空洞化、そういう問題の根源にメスを入れるべきであるというふうにあえて私は、これはここ自体の問題ではないにしても、指摘せざるを得ません。同時に、日本の側の問題も重大なことは言うまでもありません。本来、プラザ合意による円高誘導で、また八六年からの輸入拡大と内需拡大政策のもとで、正常な運営ならば貿易黒字は減少するはずだったんです。当時、政府はそう言ってたんです。ところが、そうならなかった。なぜですか。  それは、日本の自動車メーカー、半導体などの電気メーカー、一ドル百二十円でも輸出の採算がとれるように、労働者に低賃金と長時間過密労働を押しつけたんです。中小企業や下請企業に対しては、あの有名なトヨタのかんばん方式あるいは徹底した単価の切り下げ、乾いたタオルを絞るようなそういう下請いじめ。こういう労働者と中小企業への犠牲の転嫁によって競争力をつける、そして異常円高を乗り切るために乾いたタオルを絞ると、それでもなおたらりたらりと出てくる。――これは会津の方ではどうか知りませんが、標準のことわざです。続けますが、そうしてあの異常円高を乗り切ったんですね。まさにアンルールな経済政策です。  したがって、こうした事態に対応していくためには、日本の異常な国際競争力の根源になっている長時間過密労働や下請単価の切り下げなどに対して、ここにメスを入れていく。言うならば、労働時間の短縮や大幅賃上げ、下請いじめを規制して、経営が続けられる下請単価の保証など、こういう対策を積極的に実施していくことがまさにかなめになると私は思うんですが、いかがでしょうか。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 貿易黒字の拡大は、輸出の方と輸入の方とそれぞれ理由があるわけでございます。輸出の方は、円高によりましてドルベースの輸出価格が上昇いたしました。繰り返しになりますが、東南アジアの好調な内需等も反映をされて増加したわけでございます。一方、出る方はそういう形で数字上ふえ、入る方は、それまで急増しておりました絵画とか自動車等の高級商品が減りましたし、また原油価格が減少いたしまして、これも全体の輸入の水準を下げてしまったわけでございます。出る方と入る方の差で一千億ドルの黒字の状況を呈してきたわけであります。  我々通産省といたしましても、調和ある対外経済環境を形成するために貿易の拡大均衡を図ることが重要であるというのは全く深く認識をしているところでございます。一番の基本はやはり内需中心の持続的な成長を図り、新たな国際産業交流促進策を含めました輸入拡大策の一層の推進に努めていく所在であります。いろいろと幅広い御指摘をいただいたわけでありますけれども、我が国産業の国際的な調和を確保していきますためには、やはりゆとりと豊かさの実感できます生活を実現するためにも労働時間の短縮といったような構造調整の各施策が盛り込まれ、産業界のいろいろな努力とも相まって具体的な成果を期待したいと思うわけでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 正常なそういう経済運営という、内需の拡大とこうおっしゃった。前もそう言っていたんです。そのやっぱり一番のかなめの一つは、これは通産省の産業政策局が発表しました労働時間短縮が日本経済に与える影響というのがございます。その中に、我が国の労働時間は諸外国に比べて著しく長い、そして、労働時間の短縮は我が国が国際社会との調和的な発展を遂げていくために不可欠なものとなっているというふうに述べておりますけれども、これに真っ向から取り組むこと、これが一番の根源的な貿易摩擦解消の日本の側としての真摯な取り組みだということを私は声を大にして指摘するものであります。  ところで、一月の日米首脳会談で合意した行動計画の問題でありますが、ここでアメリカ製自動車部品の購入を九四年度までに現在の九十億ドルから百九十億ドルヘ百億ドルも拡大することが表明されています。これは形の上では「我が国自動車メーカーは、別紙にあるとおり、――米国製部品購入拡大の努力目標を発表した。」ということになっておりますけれども、この目標の上積みを通産省が自動車メーカーに強く求めていたという経過などから見ても、各メーカーの自主的な努力目標にすぎないんだとこう仮に強弁しても、政府がオーソライズしたことは事実なんです。そうすると、この百九十億ドルは日米の目標ではなしに合意であるというふうに国際的には受けとめられるんではないでしょうか、その点はいかがですか。

熊野英昭通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(熊野英昭君) 百九十億ドルの米国製部品購入目標の性格でございますけれども、ただいま先生御指摘のとおり、この発表の文書にございますように、我が国自動車メーカーが米国部品産業による企業努力を前提といたしまして自主的な努力目標として掲げたものであります。したがって、各社がその達成に向けて誠実に努力していくものという趣旨のものでございます。ただ、今回のこの努力目標等の発表は、ただいま申し上げましたように、各社が自主的に発表したものではございますけれども、この行動計画の中に事実としてその発表を盛り込んだことも事実でございまして、自動車メーカー各社はそういう盛り込んだことを相応の重みを持って認識をして一層努力を重ねていくことと思います。  それから、政府といたしましては政府の役割の範囲内で、ただいま申し上げましたように日米の双方の企業の努力によってこれらの努力目標が達成されますように、その役割の範囲内でできる限りの努力をしていきたいと思っております。そのことは日米政府の合意でないということは、アメリカ政府もよく承知をしていることと思います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 果たせるかな、二月に来日したECのブリタン副委員長は、日本メーカーの米国製自動車部品購入計画はECにとって差別行為であると、こう言われた。  通産省は、三月十九日に、九二年度対米乗用車輸出自主規制について、今までの二百三十万台から百六十五万台にする自主規制枠を発表しました。この百六十五万台の自主規制枠及び自動車部品購入額百九十億ドルは対米約束となっているんですが、アメリカと同様に対日貿易収支が二百七十二億ドルの赤字となっているECから、貿易赤字の解消を理由に同様の要求をつきつけてくるという可能性が私はあると思うんですが、これに対してどう対応するのか。新しい貿易摩擦を生み出すことになるんじゃないですか。

熊野英昭通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(熊野英昭君) ただいまの委員御指摘の点は、自動車部品の問題と、それから完成車の問題と両方あったと思いますけれども、まず、アクションプランにおきます自動車部品との関連で申し上げますと、自動車部品につきましては、既にECに立地をしております日系メーカーにおきましては部品の現地調達は大変高いものになっております。したがって、ECの自動車部品メーカーとも大変良好な取引関係を保ってきているというふうに認識しております。そういう性格のものでございますから、政府としてはそういう現状を欧州側に折に触れ、あるいは指摘を受けるたびに渡部大臣からも向こうから来られる関係の大臣に御説明をしておりますし、私どものレベルにおきましても、向こうからそういう問題についてのお話があるときには私どもの考え方をるる説明を申し上げて理解を求めているところであります。  それから、ただいまもう一つの問題として百六十五万台の自主規制との関連の御指摘があったと思いますけれども、この点について申し上げますと、実は、対ECにつきましては、既に八六年から我が国からの輸出の急増による市場撹乱を避けるためにモニタリングを実施しているところでございます、自動車輸出については。それから、来年度一九九三年以降につきましては、このECの中にはフランスとかイタリーとか、これまでのところ対日輸入規制措置をとっているところがございます。これがEC市場が統合されるのに伴いましてECの事情として各国の輸入規制は撤廃せざるを得ない状況にございますので、EC側から日本側に対しましてこの統合のために協力を求めてきておりまして、その求めてきた協力ということで、実は、自動車輸出につきまして日・ECの間で話し合いを昨年の七月にまとめて、今後、九三年以降はそれに基づいて対ECの輸出の調整を図っていくということになっておるところでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 私はあえて断言します。ECの要求に対しては、あの自動車部品購入計画は拘束力のない日本企業による努力目標だと、こう強調すればするほど、アメリカは、それは約束違反だと言って、今後の貿易交渉や構造協議の場で努力目標や自主規制枠の実現を求めてくることは火を見るよりも明らかです。  実際に、八六年に締結された旧日米半導体協定を見ましても、米国製品の日本におけるシェアは二〇%が妥当という日本政府の附帯文書で担保した結果、どうなったかといいますと、八七年四月に日本での外国製半導体のシェアの低下を理由に一方的な制裁措置が発動された、そういう実例があります。それがもとで日米構造協議が押しつけられ、大店法の改悪など一連の規制緩和が消費者利益の名のもとに実施された経過が実際にあるんです。  私は、今回の行動計画、自主規制枠についても効果がなければアメリカはそう出てくる。そうならないという保証、貿易局長、ございますか。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 通産省といたしましては、これまでいろいろ講じております輸入拡大策、そして今御審議いただいております輸入拡大のための諸施策、こういうものを一つ一つ誠実に実行し、そして輸入拡大の実を上げていく努力を続けていくことであろうかと思います。そのことが、やはりアメリカのみならず世界各国に日本のこれからの道、すなわち輸入拡大の道ということを誠実に提示し続けることになると考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 事態は、恐らく私の指摘したような展開に相なるだろうということを指摘しておきます。  法案について、若干の具体的質問を行います。  この法案の目的は、輸入の促進と対内投資の支援にあって、一極集中の是正とか地方分散による地域経済の活性化、振興が主目的になっていないと言われるんですが、そういうふうに理解してよろしゅうございますか。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 各地におきます輸入インフラを整備することが目的でございますが、結局各地にそういったインフラが整備されますとそこに金、人、物が集まり、動いてくるわけでございます。そのことは、とりもなおさず、各地域におきます振興、それぞれの地域におきます事業者の事業機会の拡大につながるであろうと思っております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 三条の地域指定の要件で、港湾、空港地域であること、輸入貨物が相当程度流通しているかその見込みがあるところ、しかも当該地域が二つの事業で輸入の促進が相当程度図れると見られるところという条件から見ますと、空港では成田空港の貨物センターになっている原木や関西国際空港のりんくうタウンなど、港湾で言えばアジア・太平洋トレードセンターと一体になっている大阪南港や横浜港など、事実上首都圏、近畿圏など、現在輸入貨物を大量に扱っているそういう都市圏が優先的に対象になるんじゃないでしょうか。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 現在、空、海からの輸入貨物が東京等中心地帯に集まっているということは御指摘のとおりでございますが、この法律案に基づきます輸入促進地域の具体的な計画への熱意というのは、先ほども申し上げましたように北から南まで非常に幅広い地方自治体で行われておりまして、我々にもいろいろな形で接触をいただいております。したがいまして、むしろ日本全体、各地各地におきます国際産業交流の促進ということがこの法律案の目的でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 説明によりますと、地方も指定の対象になり得ると、こういうふうに伺っています。しかし、今指摘したように相当量の輸入貨物の流通がなければ対象にならぬし、仮に輸入促進基盤整備事業や施設を整備したとしても使わなければ自治体の財政のむだ遣いに終わるだけであります。そうしますと、民活法の実績が示すとおり、結局首都圏などの大都市圏が中心になるということにならざるを得ぬということを私は指摘しておきます。  時間が参りましたので、最後に一問伺いますが、対内投資事業者は外国企業か、あるいは日本企業であっても株式の三分の一以上を外国企業が持っておれば対象になる、つまり逆に言いますと三分の二未満までは日本の企業が参加してよろしいということになるんですか。その点はいかがですか。

榎元宏明通商産業省大臣官房審議官

○政府委員(榎元宏明君) 今、先生のおっしゃった考え方でございますが、そのように定めました趣旨は、考え方といたしまして、我が国の商法における重要事項の取り扱いで、株式会社の場合に三分の一以上に当たる多数をもってそういうものを決することができるというようなことになっていることにかんがみまして、外資比率が三分の一を超えていれば相当程度外資系企業が主体的にこの事業に参加しているというふうに評価できるという観点からこのように定めたものでございまして、決して日本の企業を支援するためにそのように定めたものではございません。

松尾官平自由民主党

○理事(松尾官平君) 市川君、時間ですから簡便に願います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 はい。支援するつもりはのうても利用はしようと。ですから私は、ということは、今日の貿易摩擦の張本人である日本の大企業がこれを利用することは火を見るよりも明らかであり、そのために国民の税金を使う法律というものはやっぱり認められぬということを申し述べて、質問を終わります。

古川太三郎連合参議院

○古川太三郎君 このような法律ですから、もうほとんどの質問の点は問題になったと思うんですが、先ほどからの問題点で、これはやっぱりおかしいというのが、看板倒れではないかと。輸入促進という大きな看板がありますけれども、先ほどからの質問のとおり、それに対する輸入がどれだけふえていくんだろうかと。そういう数値の設定もできない。これはなるほどできないものだと思うんですが、これを読んでいきますと、確かに地域での輸入促進の事業が活性化していく、また運輸利用も活性化するという意味はわかるんです。それは、必ずしも輸入だけに限らないんで、こういうインフラができれば輸出に必ずはね返ってくるだろう。これはもう三年か四年たてば、輸出もまた大きくなってくるんじゃないか。そういったものは輸入だけに使う事業ではなさそうに思うんですけれども、そのあたりの見解をお伺いしたいと思います。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) この法律案の支援対象でございますが、これはあくまで輸入促進地域におきます輸入にかかる各種物流施設の整備や輸入品、輸出品ではございませんで、輸入品の展示会とか商談会の開催等の輸入の拡大を目標にしたものに限っているわけでございます。したがいまして、この輸入促進地域が輸出の拡大につながるというようなことは我々は考えられないと思っております。  ただ、この施設に搬入されました貨物がたまたま輸出に回るという場合は全くないのかとおっしゃいますと、それは物によっては生ずるかもしれませんけれども、先ほど来申し上げておりますように、この制度はあくまで輸入拡大のためのインフラ整備でございまして、あくまで輸入貨物中心の諸施策でございます。

古川太三郎連合参議院

○古川太三郎君 確かに、目的はそうです。しかし、この事業に参加する方たち、これが今までの輸入業者ばかりというわけにもまいらないと思うんです。そういうノウハウを持っているのは輸出業者にたくさんいらっしゃいます。また、そういう地域も輸出業者が輸入してきたからこそ、利用してきたからこそ、今度は輸入に転化できる。それを保護するような格好になると思うんです。こういうことで、物流ですから一方通行ということはあり得ないんで、またそういう基盤整備ができますと、どうしても輸出にも使うことが便利だと思うんです。必ずそうなっていくんじゃないかと思うのですが、そういう危険性はないですか。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 物流施設、各種の施設はいずれも輸入中心、輸入のためのものというぐあいに限っておりますので、そこに参加いたしました企業が他の場所、他のところにおきまして輸出事業に携わることはともかくとしましても、この輸入促進地域の中での活動あるいは施設の利用につきましては、あくまで輸入中心ということで、輸出の拡大につながるようなことは皆無だと我々は考えております。  また、現在国会で御審議いただいております関税法の改正の中に、総合保税地域制度というものがございますが、これはこの輸入促進地域の中にこの総合保税地域が活用されることによりまして、より保税面での輸入拡大が図られることも期待をしているわけでございまして、繰り返しになりますけれども、輸入拡大のための施策であり、輸入拡大のための施設充実であると考えております。

古川太三郎連合参議院

○古川太三郎君 対内投資ですけれども、これは輸入促進とはどういう関係になりますか。

山本幸助通商産業省産業政策局長

○政府委員(山本幸助君) 対内投資の促進につきましては、先ほど来御説明申し上げておりますように、直接投資について一対二〇という大変な不均衡でございます。したがいまして、こうしたことを是正するという見地からやるものでございます。  ただ、輸入との関連を申し上げますと、実は現在、我が国のいわゆる外資系企業というものの実態を調べますと、売上高では約一二一%を占めております。日本の全売上高の一・二%を占めております。    〔理事松尾官平君退席、委員長着席〕 ところが、輸入面で見ますと、これが何と日本の全輸入の一六・七%を占めておりまして、やはりこうした外資系企業というのは大変輸入オリエンテッドな会社であるという感じでございまして、私ども外資系企業を日本にもっと招致することによりまして、直接投資のバランスをとることが目的でございますけれども、間接的には輸入促進に相当に役立つというふうに考えております。

古川太三郎連合参議院

○古川太三郎君 では、お聞きしたいんですけれども、この対内投資する外資系企業ですね。この企業の定款、目的に輸出というような項目があったときには、この法案の適用になるんですか。それともはねるんですか、そこら辺。

山本幸助通商産業省産業政策局長

○政府委員(山本幸助君) 私ども、そういう点について、まだ詳しい検討はもちろんいたしておりませんけれども、輸出を日本からすることは悪であると、何か悪事を働くみたいな感じでおっしゃっていますが、我々はそういうふうに思っていませんで、輸出もして輸入もしてもらいたいと。それで結果的には、先ほど言いましたように、外資系企業は、輸出もしておるでしょうけれども、大変大きく輸入をしていると。  もう一回申しますと、輸出高では全日本の四・五%を占めていまして、輸入高では一六・七%を占めているということでございます。そういうことで、恐らく輸出もしておると思いますけれども、輸入が圧倒的に多いだろうというふうに思っております。

古川太三郎連合参議院

○古川太三郎君 今いみじくも自分でおっしゃったと思いますけれども、これは輸入促進というような看板をかけるからいけないんで、貿易の活性化とかということなら話はわかるんですよ。わざわざ、今輸入というのが本当にこう日本のコンセンサスを持っていると、だからこそ安易な法案でも通るだろうと、私はそこら辺にねらいがあるんじゃないかと。こういうのがやっぱりいけないんで、輸入をしなきゃならぬということは、国民の皆さんは本当にもう思っていますよ。だけれども、その法案が逆に輸出をまた活性化していくんじゃないかと、そういったことの歯どめは一つもないですよと言っているんです。いかがですか。

山本幸助通商産業省産業政策局長

○政府委員(山本幸助君) この法律の題名は輸入の促進及び対内投資事業の円滑化ということで、二つが独立しておりますから、私の申し上げていますのは、投資の方については投資のバランスをとるということでございますけれども、結果的に輸入促進になるだろうと申し上げます。

古川太三郎連合参議院

○古川太三郎君 では、もう一つお聞きしますけれども、対日投資と、要するに外資系の資本を多く入れたいと、これがこの法案の目的だと思うんです。じゃ、この法案が通ることによって適用になる外資系企業というのは、その資本が三分の一、今お話がありましたけれども、三分の一というのは解せぬじゃないですか。むしろ三分の二以上とか、あるいは丸っぽとか、一〇〇%とかいうんならば話はわかりますよ。それが三分の二が日本の企業なんです。三分の一しか外資系企業、外資の資本人っちゃいけませんよという、今度はガードをつくる場合だってあり得るんですよ。そこら辺はどう考えられますか。

榎元宏明通商産業省大臣官房審議官

○政府委員(榎元宏明君) 先ほど十分説明できませんでしたので、お時間を拝借して説明させていただきたいと思います。  本法の援助体系は二つございまして、一つは対内投資事業、もう一つは特定対内投資事業ということでございまして、前者につきましては、八条五号の支援サービスが受けられる。後者につきましては、税の特例等が受けられる。こういった形で、全体として外資系企業の参入促進の円滑化を図ろうと、こういうふうにしようとしているわけでございます。その際に、今回の法律の目的でございますけれども、先生御案内のように、国際的な経済交流を双方向で積極的に進めることが、私どもの国の国際経済社会との調和ある発展を図っていくことに役に立つ、そこに着目をして今回の対内直接投資の円滑化を図ろうとしているものでございます。  そのような観点から申しますと、今先生おっしゃいましたように、一〇〇%の外資系企業、これもなるほど一つそういう形で出てまいるわけでございますし、まあどの辺の数字を申し上げるのが適当かどうかと思いますけれども、五〇%、五〇%であるとか、あるいは四五%、五五%とか、出資比率で申しますといろんなパターンがあるわけでございます。  ところで、国際交流の促進、そういった点に着目いたしますと、国内企業と外国企業の、この場合合弁でございますけれども、合弁による協力関係が広く構築されていく。そして、お互いに相互にすぐれた技術の移転等がその関係の中で行われていくということは、極めて重要なことに相なるわけでございます。その場合は、日本の企業がマジョリティーを持っている場合、あるいは相手の企業がマジョリティーを持っている場合、いろんなケースがあろうかと思います。そういうふうに考えましたところで、外資系企業というものをどこで線を引くかと、こういう問題に相なるのかと思います。  先ほど少し申しましたけれども、外資系企業が相当主体的に事業活動に参画していると、こういう概念を数字で言えば、出資比率で言えばどのようなものになるのかということでございまして、先ほど私が述べましたような実態にかんがみますれば、結果的には三分の一を超えるというところ、これを法律の手がかりをおかりすれば、先ほど述べましたように商法等におきまして、定款変更であるとか解散とかそういった重要事項につきましては、株式会社の場合に三分の二以上に当たる多数をもって決すると。有限会社におきましても、そのようなものに準ずる取り扱いがなされているわけでございます。  そういうふうになっておりますので、したがいまして、ある外国企業が我が国企業の発行株式総数の、または出資の金額の総数の三分の一を超えて株式を所有し、また出資している場合は、その企業の経営に影響力を行使することが可能であるというふうに考えられるわけでございまして、したがいまして、相当程度に主体的にその事業活動に参画しているというふうに評価することが適当である、このように考えまして外資比率三分の一超の企業を支援する対象にした、このような経緯でございます。

古川太三郎連合参議院

○古川太三郎君 いまだにちょっとわからないんですが、三分の一というのは、これは外資系企業が三分の一であればいいということでしょう。日本が七〇%持っていいということでしょう、反対に言えば。これは多数決で言えば、日本の企業が主導権を持つということに変わりがないでしょう。三〇%というのは商法でそういういろいろの権利はありますけれども、これはむしろ何かあったときに抵抗する権利、歯どめをかけるという意味で非常に消極的な権利分野だと思うんです。  今の政治は自民党さんがおやりになっている。我々野党が歯どめをかけている。これはやっぱり向こうの方が人数が多いからですね。ということになったら、主導権をどこが持って仕事をしていくかといえば、これはもう五〇%以上持つことなんですよ。そういうことによって外資系企業と私は言わざるを得ないと思うんだけれども、三〇%持って外資系企業だと、さあ日本の税金を使って日本の会社を、七〇%も持っている会社を、本当に応援する必要のない会社を応援しなきゃならぬ、ここに問題があると思うんです。三〇%というのは、どういう意味で三〇%まで来たというのはわかります。だけれども、それがなぜ外資系企業として応援しなきゃならぬのか、そこをお聞きしたいんです。

榎元宏明通商産業省大臣官房審議官

○政府委員(榎元宏明君) やや繰り返しになって恐縮でございますけれども、本邦の企業が外資系企業の比率を下回って株式等の所有をしているような場合でございましても、先ほど申しましたように、三分の一を超えて外資系企業が株式を保有している場合は、先生おっしゃるように、ある種の拒否権といいますか、そういうものを持っているわけでございます。しかも、定款の変更等あるいは役員の解任権などといったような非常に重要事項についてその拒否権を持っているわけでございますので、経営の根幹にかかわる事項について影響力を行使できる立場にある、そういうことだと考えております。  特に、今回の法律との関係で申しますと、外資系企業と日本の企業が友好関係を維持、発展させて交流を深めよう、そういう場面を想定しているわけでございます。交流の拡大を図ろうというような関係では、相互にこのような重要な権限関係を持っている者同士におきましては、経営の重要な事項につきまして十分な協議をしながら企業の運営をしていくというのが実態でございます。  例えば、外国企業の場合、社長の権限が非常に強いといったようなことがございます。また、技師と申しますか、技師もみずからの技術に非常に自信を持っていて、他の技術を余り大きく評価しないといったような方も間々あるということも見受けられます。そういった状況のもとで、日本の実情であるとか、あるいは慣行であるとか、現場であるとか、そういったものを相手の外国企業の経営者とか、あるいは技師が十分理解をしていないという場合におきましては、なかなか相互の意思疎通がうまくいかない、大事な次のステップを踏もうという、例えば事業の次の設備投資をして拡大をしよう、あるいは新規の事業を展開しよう、こういったことがうまくいかないケースが出てまいるわけでございます。  そういったことを考えますと、一言で私ども、我が国の市場のビジネス慣行に十分習熟していないようなことがあるんだ、この三分の一のウエートを持っている場合はそういう問題が起きるんだということを申しているわけでございまして、そういった点を考えますと、先ほど来言っております三分の一超の株式を所有しております外資系企業についても本法の支援の対象として交流の促進を図っていくことが妥当である、これは日本の企業が三分の一の株式を持っている日本のパートナーと共同で仕事をしていく場合と状況が異なっている、そういうことにかんがみましてこのように決めたものでございます。

古川太三郎連合参議院

○古川太三郎君 いや、何だかさっぱりわからないですね。外資系の企業が来る、さあ外人が来る、技術者が来る、そういった技術者が何か頑固だと。だから何ですか。三〇%と七〇%の違いがどうなんですか。頑固だから物が進められない、あるいは社長が自分の意思を通したい、こう言うなら外資系が七〇%持ちたいでしょう。自分の責任において持ちたいはずですよ。むしろ、逆じゃないんですか。三〇%持ってそんなこと言えないです。  だから、日本に来たら日本の慣行に従え、こうおっしゃるならそれは話わかりますよ。そうじゃなくて、外国なら外国の論理で物を進めたいという場合には七〇%持ちたいでしょう。そういう会社でも持たさない。そういう会社ならどうぞ一〇〇%でやってくださいと。これは日本に来ると逆に言葉も通じない、人材もいない、商慣習もわからない、こういったことでなかなか出足が鈍る。少なくとも、日本の会社で三分の一まで持ってください、七〇%は私の方の責任においてやりますと、こういう会社がもし来たとしても、日本の会社はそれじゃ困りますというんですか、どうなんですか。今、逆に説明されたように思うんですけれども。

山本幸助通商産業省産業政策局長

○政府委員(山本幸助君) ちょっと議論の細部があれでございますけれども、一言で言えば、これは先ほど榎元審議官もお話ししましたように、じゃ一〇〇であるがいいかとか、五〇がいいか、七〇の場合、いろいろあると思います。そういうところでもって、これでなきゃいかぬということはもちろんないと思います。  しかし、私どもの感じは、昨今の外資系企業がなかなか日本に入ってこなくなっているという問題、しかし一方、外資系企業の向こうの、アメリカ、ヨーロッパでの日本に対する関心を見ますと、日本の成長性が高い市場が大変重要だ、高い技術を利用したい、交流をしたいというようなことがたくさんございます。そうした意味で、何とかその外資系の企業が日本側にもっと入っていただいてやっていくと。その場合に一番大きな利点としては、日本側とのいろんな意味での技術交流が進む、それから日本側に対する、市場に対する理解が進むというようなことがございます。  そうした意味で、外資系企業が参入をもっと何とか促進したいという観点から見ますと、先ほど言いました例えば七〇とか八〇というのは非常に少のうございまして、実際の例では一〇〇%というのはあって、あとは意外と五〇以下も相当多いわけですね。それで、やはりここら辺までで考えると、外資系企業が相当に日本に入ってくる条件になるのかなということで種々検討した結果、これが絶対正しいということはもちろんないんですけれども、一つのよりどころとして商法の問題もあって、さっき先生のおっしゃった歯どめのかかるラインというのが三分の一ございますので、そこをとったということでございます。  真意は、やはり何とかしてこの制度によってたくさんの外資系企業が入ってきてもらいたい、そこを確保したいというのが真意でございます。

古川太三郎連合参議院

○古川太三郎君 こればっかり余り議論したくはございませんけれども、今しかしやっぱり整理しておきた、いのは、外資系企業というのは、先ほどからもおっしゃるように、とにかく社長を自分がとってワンマンでやりたい、自分の論理で進めたいというのが外資系企業の多くの人が私はそうだと思うんです。  それがわざわざ三〇%しか持てないんだ、これは持てないというのは後で理由を申し上げますけれども。持てないということになると、じゃやめたという外資系の企業も多いんじゃないか、私はそれが心配なんです。それよりも、本当にやりたいのなら五一%持ちたいんだ、こう言ってきても、日本の企業では五一%を持たれて向こうに主導権を持たれて、そして自分の系列の販路を紹介する必要ないんだ、だから私の方で七〇%持ちたいんだ、必ず日本の企業はそう言うだろうと思うんです。そこで、もうけも七〇%だ、損も七〇%あるかもしれないけれども、日本の企業だからそこら辺はよくわかっています。大体自分の系列会社を使って商品を販売するとか生産するとかいうことはなれている、自信を持ってやります。  だから、日本で受け入れるところは外資系企業に五一%よう持たさぬと思う。そこに問題がある。そういうために、だったら何のための法律なんですかと言っているんです。むしろ多いのは外資系が五一%持ちたいだろうと思う。また、そういう会社だからこそ、対日投資の利益を上げましょうと言っているんでしょう。日本の会社が七〇%、これは日本の企業なんですよ、まず言えば。そこで、我々は製品輸入の促進税制とかもういろいろなことで輸入で今補助していますよ。なお補助しなきゃならぬのか、そこが疑問なんです。

山本幸助通商産業省産業政策局長

○政府委員(山本幸助君) 今、先生御指摘のように、一〇〇というケースも相当ございます。それは当然入るわけです。それから五一%というケースもございます。ただ、そういうやつ以外に意外と四五%とかそれから四〇%というのも相当ございまして、私ども今ビジネス・グローバルパートナーシップという運動といいますか呼びかけをしておりますけれども、日本の企業と外国の企業とパートナーを組んで日本でもやろうじゃないか、アメリカでもやろうじゃないかということで、そういうのが進むことによってまさに国際交流が進んでいくだろう、今のような一方的な日本の出ていくだけではないのが進むだろうということでございます。  そういう意味でのパートナーシップを考えますと、三三とか四〇とか四五とかたくさんございまして、私ども一〇〇というのが多い、あるいは五一以上が多いというのも存じておりますけれども、こうした三〇まで全部含めてやることが今度の施策の有効性が上がるというふうに考えているところでございます。

古川太三郎連合参議院

○古川太三郎君 国際交流の促進という大きな目的がある以上は、とにかく向こうが五一%以上持ちたいと言って、日本がいやそれは困るというようなことは言わさないようにしてもらいたい。せっかくの目的がありながらそのような形で日本から追い出したら、余計に外国からの非難が多くなるだろう、私はそう思うんです。  この法案が通過することによって、この対日投資の外資系会社は本当に物すごく特典があるわけなんです。土地を買うにしてもそういう建物を建てるにしてもいろいろの特典がある。こういったことがあるからということで、五年ほど前に東京の土地がぼんぼん高くなったということもあったんではないですか。東京の不動産屋さんなんかは、東京の土地がなぜ高くなるか、いやこれは外資系企業がどんどん買っているんだというようなことで高くなったことが事実としてあるわけなんです。そういったことを東京以外のことならば、先ほどもいろいろ同僚議員が言っていましたけれども、東京以外、あるいは首都圏、そういう大都市圏以外にこれが拡散するものなら、また別の意味でこれは促進しなきゃならぬ法案かもしれない。これが東京にばかり集中してきた場合に、またまた上がらないでしょうか。

山本幸助通商産業省産業政策局長

○政府委員(山本幸助君) 一部の外資系の不動産会社が日本の土地を買うとか、そういうことはあり得るかもしれません。しかし、いわゆる私ども考えております製造業を中心とするこういう外資系企業というものがそういう大きな影響を及ぼすかどうか。現在、外資系企業は我が国に数千社ございます。これに対して重立った企業だけでも二百万社というのが日本の企業でございますので、そうした中で数千社というものが土地その他についてまで大きな影響を及ぼすというふうには考えづらいと思っております。

井上計民社党・スポーツ・国民連合

○井上計君 法案については大分審議が進んでおりますから、特にお伺いすることはありません。ただ、この法案が成立をしても効果のほどはいかがであろうかというふうな若干質問があったようでありますが、まあ今の情勢の中では、やはりこの法案が成立することがいろんな意味で効果があるであろうという期待をしておりますので、運用の面で十分万遺漏なきを期していただきたい。これは要望しておきます。  最初にお伺いしますけれども、現在の台湾との貿易状況はどうなっておるのか。特にまた、台湾と我が国との間の貿易収支は我が国の大幅黒字、率からいうとアメリカに対する黒字よりも多いと考えますけれども、どういう状況にあるのか、簡単に御説明を願いたいと思います。

藤原武平太通商産業省通商政策局次長

○政府委員(藤原武平太君) お答えいたします。  日本と台湾との貿易の推移でございますが、先生御承知のとおり、台湾は日本にとりましてアメリカ、ドイツ、韓国に次ぎます第四位の貿易相手でございます。日本側の統計によりますと、一九九〇年、九一年と最近直近の数字をちょっと申し上げますと、九〇年では日本からの輸出が百五十四億ドル、台湾からの輸入が八十五億ドルということでございまして、収支は日本側の六十九億ドルの出超になっております。九一年には日本からの輸出が百八十三億ドル、対しまして輸入が九十五億ドルということで、インバランスは日本側の八十八億ドルの黒字ということで、少し私どもの出超額がふえておるということになっておるわけでございます。

井上計民社党・スポーツ・国民連合

○井上計君 今伺った数字からしても、対台湾貿易というのは大変な出超にあるわけです。台湾のいろんな人たちと話が出ますと、非常に親日的、友好的でありますが、事貿易に関しますと、何とかならぬのか、こういうようにこの十数年来ずっと言われているわけですね、毎年。たしか十二、三年前は二十億ドルぐらいのインバランスがあったと思いますけれども、年々ふえまして、ついに今お話しのように九一年で八十八億ドルでありますから、大変な黒字、出超であろう、こう考えます。  さてそこで、昨年の十一月にソウルで行われましたAPECの会合で、中国、台湾、香港の三カ所が加入しました。そのときに、渡部通産大臣、会議に出席されましたが、台湾の経済大臣とお会いになったと思いますけれども、お差し支えなければそのときの台湾の経済大臣との会見の内容といいますか、お差し支えない範囲で結構でありますけれども、お聞かせをいただければありがたいと思います。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(渡部恒三君) 参議院の先生方のお許しをいただいてアジア太平洋会議に出席をさせていただきました。この昨年の十一月行われたアジア太平洋会議の大きな意義が、台湾、香港、中国、この三カ国を代表する貿易大臣が一堂に会したことも大きな意味だったと思います。また、先生から今お話しのように、これまた今十何年ぶりとか正確な数字は忘れましたけれども、台湾の蕭貿易大臣とお目にかかりましたところ、これは十六年ぶりとか何年ぶりに日本の通産大臣が会ってくれたということで非常に喜んでいただきまして、極めて友好的な話を進めることができました。

井上計民社党・スポーツ・国民連合

○井上計君 正規の国交が台湾とはないということ、また中国との問題がありますから、いろいろと政府としても立場上難しい問題があろうと思いますけれども、先ほどお話しのように、日本と台湾との貿易収支額というのはアメリカそれから西ドイツ、韓国等々に次いで、大変ないわば貿易相手国でありますから、もっとやはり密接な連携をとる必要がある、また交流を進める必要がある、かように考えます。特にAPECにも加入し、また近くガットにも加入するとかというのを聞いておりますと、ますます密接な関係を保っていく必要があるのではなかろうか、これは我が国のためにむしろその必要性が高まってくる、こう考えますので、大臣ひとつ大いにお考えをいただきたい、かように思います。  そこで、きょう審議している法律ですけれども、これが成立をいたしますと、台湾に対する取り扱いというのは全く同じなんでしょうね。ちょっと念のために伺っておきます。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 輸入促進地域におきます輸入促進事業は、特定の国を相手、対象にしたものではございません。世界広く輸入を拡大するためのいわば基地を提供しようとするものでございます。

井上計民社党・スポーツ・国民連合

○井上計君 確認の意味でお伺いをいたしました。  今度は、若干話題が変わります。  沖縄の那覇の空港の近くに、何といいますか自由貿易地域といいましたか、商工委員会として、たしか七、八年前でしたかね、視察に行ったことがありますができて間がないころでした、那覇の空港の近くへ参りました。あの自由貿易地域のその後の状況はどんなふうになっているのですか。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 御指摘の沖縄の自由貿易地域というのは、沖縄振興開発特別措置法に基づいた特別な制度でございます。  御案内でございますが、一応整理して申し上げますと、まず関税法に規定いたします保税地域、それからそこに実際に立地いたします企業について税制上の優遇措置を組み合わせた沖縄独自の制度でございまして、沖縄におきます企業の立地を促進するとともに貿易の振興に資することを目的とした、目指した制度でございます。昭和六十二年に那覇地区に指定をいたしまして、同地区におきまして昭和六十三年に二十七社の立地企業を選定いたしました。平成元年六月からこの二十七社全社が操業を開始しておりますが、平成二年末の従業者数は百五十一名、同年の搬出額、搬出しました金額が四十八億円余りということでございます。

井上計民社党・スポーツ・国民連合

○井上計君 詳細なことは結構ですが、去年でしたか、私、ほかの用事で沖縄に参りましたときにほかから聞いた話でありますけれども、余り有効に機能していないと、むしろ閉めている店が、工場が半分ぐらいあるんだと聞いたんですが、なぜかその理由等については詳細に承知しておりませんし、また沖縄特撮法についてのいわば指定地域でありますからいろんな問題もあったようでありますが、やはりこれらのことについても、今後こういうふうなことが、類似した問題が起き得るおそれもあるわけでありますから、ぜひ御留意をいただきたい、このように希望をしておきます。  そこで、沖縄に現在まだ戻し税制度というのが例の沖縄振興法に基づいてあるわけですけれども、私は沖縄復帰の前から考えておるのです。また最近でも、特に沖特では数回発言したことがあるんですけれども、沖縄のどこの地域がいいか知りませんが、仮に石垣なら石垣島というところを、一つ地域をもう指定してしまう。そこに免税地域というふうな形に指定をして、もちろんいろんな規制はしなくちゃいけませんけれども、そういう方法で特定輸入品の物品販売地域というふうな指定をすることも、これは沖縄の振興開発のためだけでなくて、いろんな意味で効果があるんではなかろうか、こう考えるんですが、現実論としてはやはり全然考慮に入れるわけにいかないでしょうか、どうでしょうか、貿易局長。

高島章通商産業省貿易局長

○政府委員(高島章君) 一定の地域をいわゆるフリーダックスゾーンというような形にする、これはいろいろな定義がございますが、要するに関税とかその他の輸入制限措置をすべて撤廃してしまうということだといたしますと、これは現在のいろいろな輸入にかかります制度の存在している現状からすると実現はなかなか難しい、創設は難しいことだと思います。ただ沖縄県の場合は、御案内のように非常に特殊性がございます。雇用問題でも非常に苦しいところもございますし、それから県外との所得格差が非常に大きゅうございます。さらには県の外の財政に非常に依存している体質でございますので、こういったところを乗り越えるためにいろいろな施策はやはり沖縄には特に図られてしかるべきだと思っております。  先ほど申し上げました沖縄振興開発特別措置法でございますが、今般この改正におきまして、自由貿易地域における税制の特別措置の対象業種を拡大しましたり、さらに総合保税地域制度が新たに関税法上導入されるということになっておりますので、この自由貿易地域そのものの充実というところにやはりポイントを絞って沖縄の振興も考えていかれるべきではないかと我々は思っております。  具体的に個々に先ほど御指摘ございました沖縄での問題を踏まえながら、この法律に基づきます輸入促進地域の発展については考えていくべきでございますけれども、沖縄につきましては、特に我々といたしまして沖縄開発庁と十分連携をとりまして、冒頭の石垣島のような制度の創設は困難にいたしましても、やはり沖縄に人、物がもう少し集まりまして、そのことによって地域の振興が図られるように、通産省としても各般の措置をして努力をしてまいりたいと存じております。

井上計民社党・スポーツ・国民連合

○井上計君 大変期待できるお話をお聞きいたしました。  今、局長お話しになりましたけれども、沖縄の振興開発というのはやはり観光しかないわけですから、国内からハワイあるいはグアム島等へ随分行きますけれども、沖縄にもっと人を送るそのためには、何かメリットがあるということになりますと、私はフリーダックスしかないと思うんです。そういう意味では、一定地域を決めてそういうものができればかなり沖縄への観光客がふえるんではないか、同時にそれは沖縄の振興開発計画に非常に役立つ、特に産地振興計画がまた新しく始まるわけでありますから、ぜひともそういう点を通産省が積極的に沖縄開発庁と協議をしていただいて、そういう面の指導をしていただくように特に期待をしておきます。  それから、先ほど広中委員からもちょっとお話が出ておりましたが、いろんな各国内業界が方々で展示会をたくさんやるんです。晴海あるいは幕張、大阪の南港あるいは各地で随分やります。その展示会がかなりの、特定の人とは言いながらお客が来るわけです。そこあたりに外国製品、完成品の即売所をつくることは非常に効果があるんです。私、五月ですけれども、名古屋でやります印刷の機材展の会場の中に台湾物産フェアというのを私の責任で開設をしてやらそうと、こう思っておるんですが、いろいろ問題があります。難しい問題がありますけれども、何らかの形でやらなくちゃいかぬ、こう思っていますが、テストケースでやるつもりでおりますけれども、これらに対してもジェトロ当たりがもっと指導してもらったりすると、金額的にはそう大したことないかもしれませんけれども、かなり各地で行われるそういうふうな展示会等でやることが輸入促進の欠きおPRになると私は思うんです。これらの点についてもぜひまたお考えをいただきたいと、こう思います。  以上で、要望しておいて、質問を終わります。

岩本政光自由民主党

○委員長(岩本政光君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 私は、日本共産党を代表して、輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する臨時措置法案について、反対の討論を行います。  反対する第一の理由は、本法案は、アメリカ政府の要求を受け入れた日米構造協議長終報告と、日米首脳会談で合意された行動計画を具体化したものであり、国民の要求や生活向上とは無縁のものであるからであります。  我が国の市場は先進国の中でも最も開放されていることは、鉱工業品の平均関税率が日本は二・七%、米国は四・三%、ECは四・六%であることを見ても明らかなところであります。  また、国民一人当たりの相手国製品の購買額でも、日本が三百九十五ドル、アメリカが三百六十ドルと、日本の方が多いことを通商白書も認めておるところであります。  さらに、在日米国商工会議所の調査でも、四五%が「対日直接投資の障壁はない」、八二%が「投資環境は好ましい・問題ない」としており、日本が閉鎖的と非難されることはなく、新たな措置をとる必要性もないことは明白であります。  反対する第二の理由は、貿易不均衡の真の原因にメスを入れないばかりか、逆に輸入促進、対日投資拡大を名目に大企業本位の産業基盤整備を推進するからであります。  日米貿易不均衡の真の原因であるアメリカの核軍拡や国内産業空洞化政策、日本の長時間・超過密労働や低賃金、下請中小企業いじめの構造を改めることなくして、真の貿易不均衡の解決はあり得ないのであります。  輸入促進、対日投資拡大の名のもとに、今日の貿易不均衡を生み出した自動車、半導体メーカーや大手商社、物流業者のための輸入促進基盤整備事業に民活補助金やNTT無利子融資や国、地方税の減免措置など、至れり尽くせりの優遇措置で支援することは到底容認できるものではありません。  反対する第三の理由は、輸入貨物の首都圏や近畿圏などへの集中を一層推し進め、地域間格差を拡大させ、地方の振興につながらないからであります。  我が国の輸入航空貨物の取扱量の実に九五%が東京と大阪に集中しております。まず優先的に輸入促進基盤整備事業で整備されるのは、成田空港の貨物センターである原木や関西国際空港のりんくうタウン、港湾では大阪南港や横浜港など、輸入貨物が多い首都圏や大阪への集中が一層促進されることは間違いありません。  地方へ施設を整備しても、輸入貨物はふえず、利用されなければ自治体財政のむだ遣いに終わることになるなど、地域の振興につながらないおそれが多分にあります。  以上の理由により本法案に反対の態度を表明して、私の討論を終わります。

岩本政光自由民主党

○委員長(岩本政光君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する臨時措置法案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

岩本政光自由民主党

○委員長(岩本政光君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  福間知之君から発言を求められておりますので、これを許します。福間君。

福間知之日本社会党・護憲共同

○福間知之君 私は、ただいま可決されました輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する臨時措置法案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院及び民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する臨時措置法案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。  一 輸入促進地域の整備を円滑に進めるため、主務大臣間の密接な連携の下で各省の施策の一体的な活用を図ることとし、本法施行後速やかに地域輸入促進指針を公表するとともに、地域輸入促進計画の承認を行うよう努めること。  二 「輸入促進基盤整備事業」の地域指定に当たって、海上貨物の荷扱いを行う物流ターミナルの設置については、その効率性から考えて港湾に整備することが適当であるとの観点から、必要な措置を講ずること。  三 地域輸入促進計画の作成に当たって、都道府県が関係者の意見に十分配慮するよう努力すること。  四 海上貨物の荷扱いを行う物流ターミナルにおいて行われる港湾運送事業について港湾運送の認可料金が遵守されるよう運輸省は港湾運送事業者の指導に努めるとともに、通商産業省は運輸省との連絡を密にし、適切な対応を図ること。  五 港湾労働者の雇用の安定を図るため、ILO第一三七号条約の批准に向けて、できる限り速やかに必要な条件整備に努めること。  六 輸入関連の各種行政手続きの簡素化・迅速化を図ること。  七 対内直接投資の拡大については、今後ともこれを推進するとの基本的姿勢を維持するとともに、本法による施策についても海外も含め十分な広報を行うよう努めること。  八 本法に基づく輸入及び対内投資事業に関する措置等は、臨時的なものであることにかんがみ、限られた期間内に十分な効果を上げるよう円滑に推進するとともに、国民生活の向上、地域社会の健全な発展にも資するものとなるよう努めること。   右、決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

岩本政光自由民主党

○委員長(岩本政光君) ただいま福間知之君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

岩本政光自由民主党

○委員長(岩本政光君) 多数と認めます。よって、福間君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、渡部通商産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。渡部通商産業大臣。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(渡部恒三君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重して本法案の適切な実施に努めてまいる所存であります。

岩本政光自由民主党

○委員長(岩本政光君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岩本政光自由民主党

○委員長(岩本政光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

岩本政光自由民主党

○委員長(岩本政光君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、櫻井規順君が委員を辞任され、その補欠として梶原敬義君が選任されました。     ―――――――――――――

岩本政光自由民主党

○委員長(岩本政光君) 次に、伝統的工芸品産業の振興に関する法律の一部を改正する法律案、特定中小企業集積の活性化に関する臨時措置法案、計量法案、以上三案を便宜一括して議題といたします。  政府から順次趣旨説明を聴取いたします。渡部通商産業大臣。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(渡部恒三君) 伝統的工芸品産業の振興に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  我が国には、全国各地に伝統的な技術または技法を用いて伝統的工芸品を製造する数多くの産地が存在しており、国民生活に豊かさと潤いを与える産業として、従来よりその振興が図られてまいりました。さらに、近年、ゆとりと豊かさを実感できる国民生活の実現が緊要な課題となっている中で、我が国の歴史や風土に培われた生活文化の結晶として各地に伝えられている伝統的工芸品の重要性がますます高まっております。  しかしながら、現在、伝統的工芸品産業は、従事者の減少や高齢化、需要の停滞、伝統的な商品のみに依存してきたことによる産業活力の低下等の事態に直面しており、このままでは、近い将来に多くの伝統的工芸品産業が衰退、消滅するおそれがあります。  この法律案は、かかる事態を踏まえ、伝統的工芸品産業の振興に関する法律を拡充し、伝統的工芸品産業の維持、発展を図ろうとするものであります。  次に、この法律案の内容について、概要を御説明申し上げます。  第一に、伝統的工芸品産業の振興の基本的な方向について通商産業大臣が基本指針を策定することとしております。  第二に、この基本指針を踏まえて、伝統的工芸品を製造する事業者またはその組合等が、販売協同組合と共同して実施する需要開拓事業、伝統的工芸品等を活用した新商品の開発または製造の事業、伝統的工芸品産業に対する支援事業について計画を作成し、それぞれ通商産業大臣の認定を受けることができることとしております。  第三に、認定を受けた計画に基づく事業に対する支援措置として、産業基盤整備基金による出資、中小企業信用保険の特例措置、税制上の特例措置等を規定することとしております。  以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。  何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。  特定中小企業集積の活性化に関する臨時措置法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  我が国中小企業は、事業所数の約九九%、従業員数の約八〇%と、我が国経済において極めて大きな地位を占めております。特に、産地、企業城下町等の中小企業集積は、地域中小企業の自律的発展の基盤として極めて重要であるのみならず、社会、文化面でも地域の発展を担う重要な存在であります。  しかしながら、近年、消費者ニーズの多様化、技術革新の進展等中小企業は厳しい環境変化に直面しております。  地域中小企業が自律的発展を図るためには、その基盤たる中小企業集積がこうした環境変化に対応し、地域や伝統にはぐくまれた技術等を活用しつつ、新分野進出や高付加価値化を行うことにより活性化することが不可欠であると考えております。  政府といたしましては、中小企業近代化審議会での審議結果を踏まえつつ、中小企業集積の活性化を図る措置を総合的、体系的に実施するための法律案を作成し、ここに提出した次第であります。  次に、この法律案の要旨を御説明いたします。  第一に、特定中小企業集積活性化のための基本的事項について通商産業大臣が指針を策定することとしております。  第二に、この指針に基づき、都道府県が特定中小企業集積を対象として計画を作成し、通商産業大臣の承認を受けることとしております。この計画には、活性化を促進する措置を講じようとする特定中小企業集積、当該特定中小企業集積に係る特定分野、支援事業の内容等を記載することとしております。  第三に、通商産業大臣の策定した指針及び都道府県の作成した計画に基づき、個別の中小企業者が特定分野への進出に関する計画を作成し、都道府県知事の承認を受けることとしております。また、組合等がその構成員の特定分野への進出の円滑化を図るための計画を作成し、都道府県知事の承認を受けることとしております。  第四に、承認を受けた計画に基づく事業については、中小企業信用保険法、中小企業投資育成株式会社法及び中小企業団体の組織に関する法律の特例措置等を講ずることとしております。  以上がこの法律案の提案理由及び要旨であります。  何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。  計量法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  計量法は、明治二十四年にその前身である度量衡法が公布されて以来百年間の長きにわたり、計量単位の統一、計量標準の供給、計量器の適正な品質の確保等を通じ、単に商業取引の秩序を保つのみならず、我が国の産業の発展、文化の向上に大きく貢献してきております。  しかしながら、近年、我が国の経済社会は国際化と技術革新の大きな流れの中でさまざまな変化への対応を迫られており、経済社会の発展の基盤として計量制度の果たすべき使命はますます重大となる一方、時代に即した計量制度の構築が求められております。  このような要請に対応するため、国際化、技術革新への対応及び消費者利益の確保の三つの視点に基づき、広く計量法全般にわたり所要の見直しを行うために、今般、本法律案を提出した次第であります。  次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。  まず第一に、計量単位について国際的な整合を図るため、計量法上取引・証明に使用することが認められている法定計量単位を、原則として今世紀中に国際単位系に統一することとしております。  第二に、最近における工業生産技術の向上を踏まえ、製造、修理、販売事業者に係る登録制を届け出制とするとともに、計量器の検定については、型式承認制度を活用することにより、一定水準の製造・品質管理能力を有すると認められた指定製造事業者の製品については検定を免除する制度を導入する等、計量器に関する規制の一層の合理化を図ることとしております。  第三に、先端技術分野を中心とした高精度の計量に対応するため、工業製品の生産に欠かせない計量器の校正に用いられる計量標準を国から産業界に確実に供給し、かつ、国とのつながりを対外的に証明する制度を創設することとしております。  以上がこの法律案の提案理由及び要旨であります。  何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

岩本政光自由民主党

○委員長(岩本政光君) 以上で三案についての趣旨説明の聴取は終わりました。  三案に対する質疑は後日行うことといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十七分散会      ―――――・―――――

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