商工委員会 第3号
- 発言数
- 57 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1992/03/25
会議録
○委員長(岩本政光君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る十八日、梶原敬義君が委員を辞任され、その補欠として安恒良一君が、また、去る二十三日、角田義一君が委員を辞任され、その補欠として梶原敬義君が、また、昨二十四日、梶原敬義君が委員を辞任され、その補欠として対馬孝且君が選任されました。 —————————————
○委員長(岩本政光君) 石炭鉱業の構造調整の推進等の石炭対策の総合的な実施のための関係法律の整備等に関する法律案を議題といたします。 本日は、本案審査のため、お手元に配付いたしております名簿の五名の方々に参考人として御出席願っております。 この際い参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多忙中のところ、本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。ただいま議題となっております本案につきまして、皆様方から忌悼のない御意見を承りたいと存しますので、よろしくお願いいたします。 なお、議事の進め方でございますが、まず参考人の方々から御意見をそれぞれ十分程度お述べいただいた後、委員の質疑にお答えをいただきたいと存じます。また、発言の際は、その都度委員長の許可を受けることとなっておりますので、あらかじめ御承知おきください。 それでは、まず河原崎参考人にお願いいたします。河原崎参考人。
○参考人(河原崎篤君) 日本石炭協会会長の河原崎でございます。 本日は、本委員会において石炭鉱業の立場から意見を申し述べる機会をお与えくださいまして、まことにありがたく厚くお礼を申し上げます。 先生方には、私ども石炭鉱業に対し深い御理解と並み並みならぬ御支援を賜り、心から感謝申し上げる次第でございます。 まず、今後の石炭政策の策定、換言すれば、今次法律案に至るまでの経過を顧みますと、御案内のとおり一昨年九月、石炭鉱業審議会に対し「今後の石炭政策の在り方について」、また同年十二月には「今後の石炭鉱害対策の在り方について」諮問され、同審議会は精力的にかつ自由な公開審議を重ね、昨年六月答申いたしました。この答申を踏まえた今後の石炭政策及び石炭鉱害対策を推進していくためには、当然のことながら法律的な措置を必要とし、私どもにとって展望が開かれるに至ったものと深く感謝いたしております。 この間、私ども石炭鉱業界は、一昨年十月開催の石炭鉱業審議会において今後の石炭政策について率直に意見と決意を申し述べ、さらに関係各界からもエネルギー政策並びに産業構造調製政策上の観点から意見が陳述されました。 石炭鉱業審議会の答申は、審議の過程では各界の貴重な意見がありましたものの、最終的には私どもの考え方を御理解いただき、その趣旨が全面的に取り入れられたものと考えております。 すなわちそのポイントは、第一には、九〇年代を国内石炭鉱業の構造調整の最終段階と位置づけ、国民経済的役割と負担の均衡点までは経営の多角化、新分野開拓を図りつつ、国内炭生産の段階的縮小を図るこ上が必要。第二には、構造調整に対しては、政府において経営の多角化、新分野開拓等に対し新たな融資制度等の支援策を検討するとともに、需要業界においては構造調整の期間と程度に応じた引き取り協力を行うことが必要。第三には、石炭鉱業の構造調整に即応した先行的な地域対策や雇用対策を行うことが必要。第四に、今後の我が国の石炭需要の増大を踏まえ、海外炭の安定供給確保、地球環境問題への対応、国際協力の展開等が必要。とするものございまして、石特会計石炭勘定の財源の確保並びに政策期間を十年間としたことも含めまして、これひとえに、先生方を初め関係各界の私ども石炭鉱業界に対する深い御理解の結果であると考えております。 かかる次第でございますので、私ども石炭鉱業界は、答申でも指摘されておりますが、親会社、子会社一体となって自己努力をいたすとともに、企業間協力、労使協調して目標を達成する覚悟でございます。そのためには、本法律案と平成四年度の予算等の成立が不可欠でありますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。 これが私ども石炭鉱業界の本法律案に対する意見の結論でありますが、次に私どもの現状並びに考え方の一端とお願いを申し上げ、御理解を賜りたいと存じます。 第八次石炭政策は、昭和六十二年度からスタートし、今月をもって終了いたしますが、この五年間、私どもは政策の趣旨を体し、労使一体となって構造調整に対応し、懸命な努力を傾注してまいりました。この結果、石炭協会傘下の炭鉱は十一炭鉱から六炭鉱に半減し、生産水準は六十二年度の約一千二百万トンに対し平成三年は約八百二十万トンの見込みであり、また従業員数は昭和六十一年末の約二万六百人から約七千七百人と大きく減少し、生産体制の集約は所期の目標を達成いたしました。 一方、生産、保安技術は著しく発展し、生産性は月当たり百二十五トンとなり、災害率も大幅に改善され、蓄積された生産、保安、輸送等の技術とノウハウは膨大であり、かつ高度なものがあると自負いたしております。 これらの成果は、関係方面の御理解と御協力があって初めて可能となったものでありますが、一方では、残念ながら、今後解決すべき二つのひずみと申しましょうか、問題点が生じました。 その一つは、雇用、産炭地域問題への対応であり、その二つは、従来からの石炭各企業の経常収支の赤字基調が一段と悪化したことでございます。 経営環境は依然として厳しく、第八次石炭政策策定時とその基調は全く変化がないことを踏まえ、ただいま申し上げました問題点を勘案すれば、九〇年代は構造調整の最終段階になると認識せざるを得ず、また、経営多角化、新分野開拓を国の内外に強力に推進する以外に雇用の確保と地域への寄与、そして経営改善の道はないと考えたのでございます。 幸い、私どもの考え方と決意は、関係各方面の御理解を得ることができ、答申さらには法律改正の運びとなったと理解しております。また、答申後、石炭各企業は今後の構造調整のあり方について検討を続けているところでございますが、石炭各企業は昨年十月、基本的考え方をまとめ、資源エネルギー庁に御報告するとともに公表いたしました。 その内容は、各企業それぞれ経営内容、体質、所有する経営資源等により異なりますが、基本的には答申の趣旨、ひいては本法律案の趣旨を活用することを念頭に置いたものとなっております。今後各企業は、この考え方を具体的に展開し、親会社、子会社一体となって労使協調して推進してまいります。したがいまして、本法律案は、私ども石炭鉱業界の新展開にとって不可欠なものでございます。 ここで特に強調いたしたいことは、本法律案による新制度の創設と既存の制度の拡充強化のもとで私どもが努力するならば、労使ともども将来への展望が開けると期待できるということでございます。換言すれば、今後の構造調整は、従来と異なり、労使ともども明るい希望を持って対応できるということでございます。 もちろん、本法律案は、今後政省令、運用面での展開がなされるものと思いますが、その面でのお願いすべき事項も多いと考えております。しかしながら、本法律案は、石炭関係諸法が相互に関連した形で整備されており、ワンパッケージとして考え、具体化することが必要であり、細目や関連事項は実施段階で逐次整備していただきたいと考えております。 どうか、意のあるところをお酌み取りくださいまして、現行法の期限内に本案をぜひとも成立、公布していただきますよう心からお願い申し上げ、私の意見陳述とさせていただきます。 どうもありがとうございました。
○委員長(岩本政光君) 次に、藤原参考人にお願いいたします。藤原参考人。
○参考人(藤原福夫君) 石炭労働組合協議会会長の藤原でございます。 炭鉱労働者を代表して意見を申し述べる機会をいただきましたことに対しまして、心から御礼を申し上げたいと思います。 石炭労働組合協議会は、炭労、全炭鉱、炭職協、この三団体で構成されておりまして、今後の石炭政策のあり方に関しましては、この三団体が石炭労協に結集をいたしまして統一対応をする、こういうふうに申し合わせてございますので、その立場から意見を申し上げたいと思います。 まず、昨年六月七日に出されました答申についてでございますけれども、私ども炭鉱労働組合三団体から一人ずつ、合わせて三名が石炭鉱業審議会の委員に任命をされております。したがいまして、一昨年の十月以降、この石炭鉱業審議会の場を通じまして、資源の有効活用、安定供給、技術・技能の涵養、産炭地域の活性化、雇用の確保、これらを強く主張してまいりました。中でも現存炭鉱の維持存続、これを強く要望してまいったわけでありますけれども、結果として、答申は御承知のような内容の答申になったわけでございます。 今後の石炭需要の動向などを見るときに、この答申の基本方向、いわゆる国内炭をさらに縮小するという基本方向につきましては、決して納得できる政策方向ではございません。しかしながら、各界の代表が約八カ月にわたりまして慎重に審議をしていただいた結果の答申でございますので、私ども労働組合といたしましても、今後は石炭企業あるいは産炭地域と一体となって対応していく所存でございます。どうか、政治という大所高所に立った立場から、本答申がさらに前向きに政策化できますように強く御要望申し上げる次第であります。 次に、具体的な内容について何点か御要望を申し上げたいと思います。 今度の石炭鉱業審議会の答申は、御承知のように第八次政策とは違いまして、石炭業界の自主的な構造調整がベースになっていること、生産縮小が先にありきではなくて、石炭業界の努力と政府や需要業界の支援、協力が先にありきになっていること、経営多角化や地域振興対策、雇用確保対策の事前対応を強化することなどが強調されております。また、今後の国内炭につきましては、決して総撤退ではなくて、需要の安定確保、技術活用の可能性などを踏まえて、均衡点についてはさらに検討を続けるということになっております。 つきましては、第一にお願いしたいことは、ここで言われているあらかじめ対策というものが確実に実施されるようにお願いいたしたいと思います。特に、炭鉱労働者の雇用問題の困難性は、八次政策下で既に実証済みであります。新分野開拓、経営多角化による雇用確保といいましても、現在の石炭企業の持てる力だけでは全く不安でございます。もとより、労働組合といたしましても企業と協力をして全力を傾注する所存ではありますが、新しい転換先を安定した雇用あるいは安定した労働条件など一応の展望のあるものにするためには相応の準備期間が必要であります。また、転換職場をつくり出すことだけではなくて、職場が転換した後の対策も含めた諸施策をお願い申し上げたいと思います。 具体的な問題の第二は、均衡点をできるだけ高水準にしていただきたいということでございます。国内炭鉱は、既に主要地下掘り炭鉱は六炭鉱、地下掘り採掘は七百万トンを割っております。また、常用労働者も六千人を切る体制となっておりますが、補助金は基本的に現行制度横ばい、基準炭価は平均トン当たり当面一千円の値下げ、そのもとで我々労働者に対しては一定の賃上げがもちろん必要でありましょうし、労働時間短縮もしなければいけません。こういったことを両立させるとするならば、再び雪崩縮小の方に力が注がれるという危険がございます。必要な炭鉱が残るための体質改善にも、我々労働組合といたしましても努力をいたしますが、やはり一定の準備期間が必要でございます。この面からもきめ細かい施策につきましてお願いいたします。 最後に、第八次政策下で離職した人々の雇用対策について要望いたします。 八次政策下では一万二千八百名強の皆さんが離職をいたしました。そして、現在まだ千二百名以上の方々が職を求めておりますが、この人々の早期雇用施策につきましても引き続き御検討、強化のほどをお願い申し上げたいと思います。 なお、各山元におきましては、新年度からの生産計画あるいは多角化計画などについて既に労使で検討中でございます。しかしながら、肝心の法律が期限切れになるということになりますと大きく影響をいたしますので、どうか、関係法の早期成立につきましてもあわせて御要望を申し上げる次第でございます。 以上でございます。ありがとうございました。
○委員長(岩本政光君) それでは、次に東田参考人にお願いいたします。東田参考人。
○参考人(東田耕一君) 北海道芦別市長の東田耕一でございます。 参議院商工委員会の諸先生におかれましては、平素より石炭鉱業の安定と産炭地域の振興につきまして格別の御高配をいただいており、心から厚くお礼を申し上げます。 また、本日は参考人として発言の機会をお与えいただき、重ねて厚くお礼申し上げる次第でございます。 それでは、まず芦別市における石炭と地域の状況を説明させていただき、その後に考えを述べさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 芦別市は、開拓以来、農業、林業及び石炭鉱業を基幹産業として発展してまいりましたが、特に大正初期から始まった石炭鉱業の躍進は本市発展の根幹を築いてきたのであります。また、我が国の産業エネルギー供給基地として、戦後の日本経済復興の一翼を担ってきたと言っても過言ではないと存じます。 しかし、昭和三十年代後半から始まったエネルギー革命により石炭鉱業は斜陽の一途をたどり、最盛期には十二炭鉱、年産二百万トンの出炭を誇りましたものの、現在では三井芦別鉱一社と露天掘りの小規模鉱三社を残すのみとなり、出炭量も全体で四十一万トンに激減しているのでございます。頼みの三井芦別鉱も、昭和六十二年と六十三年の大幅な縮小合理化により関連会社を含め千名を超す人員削減を行った結果、三井地域の人口も最盛期の二万五千人から三千人へと激減しているのが現状であります。 したがいまして、市全体の人口もピーク時の七万五千人から現在は二万五千人を維持するのがようやくの状態でありますが、このような危機を察知した市民有志が昭和四十五年観光レジャー施設として芦別レジャーランド、現在の「北の京芦別」を設立し、昭和四十七年には旧炭鉱跡地から湧出する泉源を活用して市営の芦別温泉を開業するなどの観光開発を官民で進めてまいりました。 芦別市は、その進むべき道を観光と見定め、昭和五十九年に「星の降る里芦別」を内外に宣言し、大規模観光開発に取り組んでまいりました。平成二年七月、全国初の産業基盤整備基金の出資をいただき、テーマパーク、カナディアンワールドをオープンさせ、日本全国からこれまで四十八万人にも上る観光客に来園いただきました。しかし、開設三年目でまだ業績向上にも苦しい状況にあり、これからも幾つかの課題を乗り越えなければなりません。 一方では、企業誘致にも鋭意努力を重ね、芦別工業団地はほぼ完売の状況で、工業団地外も合わせまして三十四社が進出し、雇用の場の確保と地域経済への大きな波及効果をもたらしているのでございます。 それでは、石炭政策に対する本市の考え方を申し述べたいと存じます。 ポスト八次策において石炭鉱業は需要に見合ってソフトランディングを考える時期と位置づけられ、これに対応する関連法案を御審議いただいておりますが、当市所在の三井芦別鉱はまさに構造調整の苦しみのさなかにあるわけでございます。当市といたしましても、稼行炭鉱を有する隣接の赤平市及び歌志内市ともども産炭都市の痛みの中から活性化に向けて努力をしているところでありまして、新石炭政策の柱とも言うべき関連八法案及び関係予算の早期成立を切望申し上げますとともに、当市の置かれた実情を御理解いただき、地域振興に特段の御配慮を賜りますよう、この場をおかりしてお願い申し上げる次第でございます。 まず第一に、炭鉱労働者等の雇用の安定等に関する臨時措置法でございますが、新分野開拓に伴う雇用安定措置として炭鉱労働者の職業転換のために必要な職業訓練の実施がございます。炭鉱労働者は年齢が高く、適応範囲も狭いなど、離職者の雇用対策が一番心配されているところでありますので、高齢者のための職業訓練の施設を開設いただきたくお願い申し上げる次第でございます。これは、ひとり芦別市だけのためではなくて、隣接市の赤平市、歌志内市の炭鉱労働者のほか、道央の地の利を生かして農林漁業者をも対象となり得るよう期待するのであります。 第二には、産炭地域振興臨時交付金にプロジェクト施設整備等支援調整額が新設されることであります。 その内容の一つは、工業団地造成等に伴う単独事業に対して三分の二相当額が交付されるというもので、当市は新年度から二カ年間、地域振興整備公団により新たな工業団地を造成していただくことになりましたが、市が道路、排水等の公共施設づくりを負担しなければならず、この額も五億から六億に達するものと考えられております。本市の財政はまことに逼迫しておりますので、この制度を事業実施期間中対象となるよう御高配をいただきたくお願い申し上げます。 第三に、炭鉱閉山の場合における地域振興対策費の援助措置であります。 仮に炭鉱が閉山となった場合、炭鉱地区の水道及び電気が時期を見て市または北電に移管されることになろうかと存じます。当市の炭鉱地区は約六キロメートルにわたっておりますが、水道施設は老朽化のため全施設を更新しなければなりません。また、電気は各施設とも北海道電力規格に直さなければならず、住宅の集約、改修など、閉山地域の対策に膨大な費用を要しますが、現行制度上では補助に多くの期待を望みようもありません。加えて、市税は減収する一方となり、財政運営が困難となって、地域の崩壊どころか自治体の崩壊にもつながりかねない状況下にあります。また、炭鉱地区には元炭鉱で働いていた方々が相当数三井から借地で生活しておりますが、現在の生活地のままでは電気、水、交通等に多額の負担が必要となりますので、低所得者、年金生活者にとってはこれに耐えられる状況にございません。 さらに、炭鉱地区の中小企業者、特に商店経営者についても、顧客減少による経営難から廃業または移転を余儀なくされておりますので、こうした方々に対する援助措置が講じられるよう特段の御配慮をお願い申し上げます。 第四は、地域振興方策でございます。 当市においては、大規模観光リゾート施設として「北の京芦別」、市の保健休養施設として芦別温泉を中心とした健民センター、テーマパークとしてカナディアンワールド等異なった手法で道内外にアピールしておりますが、石炭にかわるべき位置には至らず、また熟度の高い大規模プロジェクトを持つに至りませず、今後の地域振興には交通アクセスの整備が当市にとって最も必要であると考えております。 現在工事中の、芦別市から旭川空港まで三十六キロ、四十分で直結する開発道路、旭川−美瑛−芦別線が完成した暁には、当市ばかりでなく赤平市、歌志内市もともに臨空都市の一員となり、企業誘致を初め観光産業の振興が有利に図られますめで、早期開通について特段の御配慮をいただきたいと存じます。また、夕張芦別線の国道昇格にょりまして、旭川から苦小牧まで新たな縦の幹線道路網が完成し、空知炭田各市の振興に寄与することになりますので、この点もよろしくお願い申し上げます。 さらに、先ほどは職業訓練施設の設置をお願いいたしましたが、国関連施設は人と頭脳の集積するところとなり、地域にとってグッドイメージとなります。企業立地とはまた別のイメージアップのために、国関連施設の移転または設置について強く御要請申し上げたいと存じます。 以上、貴重な時間をいただきましていろいろと申し上げましたが、本市の現状を御賢察の上、今後とも本市並びに産炭地の振興に諸先生方の御支援、御高配を賜りますようお願い申し上げまして、陳述とさせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(岩本政光君) 引き続き、山本参考人にお願いいたします。山本参考人。
○参考人(山本文男君) 私は、全国鉱業市町村連合会の会長でございまして、福岡県添田町長の山本でございます。 本日の商工委員会で、石炭関係八法の改正のための御審議に産炭地域の市町村の立場で御意見を申し上げる機会を与えていただきましてまことにありがとうございました。 なおまた、平素、産炭地域の市町村に対しまして格別な御高配を賜っていることに対しましてもお礼を申し上げたいと思います。 石炭関係諸法につきましては、かねてより内容の改善と廃止期限の延長について要望を申し上げていたところでございますが、政府は昨年六月、石炭鉱業審議会が今後の石炭政策等のあり方について答申された趣旨に基づきまして、今国会に石炭関係八法の改正案を提出していただきました。さきに衆議院で、本日は本委員会で御審議をいただくことになりまして、この間の関係の皆様方の御努力に謹んで感謝の意をささげたいと思います。私ども関係市町村といたしましては、法案の早期承認を強く願望しているところでございます。 さて、法案に対しまして総括的に申し上げますならば、産炭地域の振興等は長期にわたって石炭政策や石炭の鉱害復旧を効率的に推進されましたので相応の成果を上げておると思います。多くの産炭地域は、まだ石炭関係諸法の目的を充分に達していないと思っておるところでございまして、もろもろの問題を残している状況下にあると言ってもいいと思います。したがいまして、必要財源の確保の上、継続して法的支援が必要でありますことを冒頭に申し上げたいと思います。 それぞれの各法案に対します要望を申し上げさせていただきます。 まず最初に、石炭政策についてでございますが、先ほどからも御意見が出ておりましたのですけれども、まず均衡点の問題でございます。石炭鉱業審議会の答申に言っております均衡点を高い水準に定めていただくよう、しかもできるだけ早くこれを明確にしてくださるようお願い申し上げたい。そのことは、石炭鉱業の維持存続と今後の産炭地域の振興の方向を決定するために少なからぬ影響を持っているからでございます。 二番目は、構造調整過程の経営多角化、新分野開拓についてでございますが、経営の多角化、新分野開拓は、産炭地域振興の視点より炭鉱所在地において事業展開が図られるよう強力な御支援をお願い申し上げますとともに、炭鉱離職者の再雇用を促進されるよう石炭会社に強く御指導をお願いしたいと思います。 その次は、未利用地の活用についてでございますが、炭鉱跡地の有効利用が産炭地域の振興のかなめでございます。地元自治体がこの用地を取得するためには、自分たちの能力を超える多くの制約を解除しなければなりません。これがなかなか難しい状況下にあることは御承知のとおりでございますので、容易に活用ができるよう環境整備をしてくださることをお願い申し上げたいと思います。 次に、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計法についてでございますが、昨年末の関税率審議会において、今後とも原油等の関税を石炭勘定の財源とすることを決めていただき、その間の政府の御努力に敬意を表したいと思います。しかし、石炭政策を総合的に推進し、また石炭鉱害が予定どおり解消するなど、法の目的を十分達成するためには、今後とも安定する財源を確保することが当然なことではないかと思っておるところでございます。これに加えまして、この石炭勘定を柔軟性のある運営を行っていくことがまた大事なことではないかと思っておるところでございます。 次に、石炭鉱害二法について申し上げたいと思います。 石炭鉱害復旧の現状というのは、昭和二十七年に臨時石炭鉱害復旧法が制定されて以来四十年にわたり復旧が行われてまいりました。このことは、戦中戦後に国策として大量の石炭供給が要請されたため広範囲に石炭採掘が行われた結果、膨大な鉱害の発生となったためでございます。 現行鉱害二法のもとでは、昭和五十七年に策定しました鉱害復旧長期計画に従い、五十七年度初価格にして五千九百億円相当の鉱害復旧事業が実施をされてまいりましたが、平成四年度初で残存鉱害量は約三千七百億円と見込まれております。しかしながら、今日まで鉱害復旧は相当に進捗していると理解していいと私は思っております。 なお、鉱害地域における石炭採掘が終了いたしましてから既に相当の年数が経過をしておりますので、継続してこの鉱害復旧を行うことにより、今後十年間のうちに累積鉱害が解消できるめどが立ちますので、早期に鉱害のない産炭地域になるよう私どもとしては大いなる期待をかけているところでございます。 さて、この二つの法案に対しまして、次のようにお願いを申し上げたいと思います。 まず、鉱害二法の廃止期限の延長でございます。申し上げるまでもございませんが、鉱害二法は国土の保全と有効利用及び民生の安定を図るためのものでございまして、鉱害が残存する限り鉱害二法は存続すべきものであると考えます。石炭鉱業審議会の答申にありますように、最も被害の著しい九州においてもほぼ十年以内に累積鉱害が解消できる状況にあるとされております。累積鉱害の解消のためには、鉱害二法の十年間の延長で最終的な解消を実現していただきたいものだと思っておるところでございます。 その次は、鉱害復旧の基本的な方向でございますが、石炭鉱業審議会答申に示されておりますように、次の三つの基本的方向に即して鉱害復旧を実施することが必要であろうかと思います。 まず、第一点目でございますが、累積鉱害の処理の着実な完了でございます。今後、極力早い段階で、今日まで山積みしております懸案問題等に所要の対策を講じていただきまして、全国各地の累積鉱害の処理を順次完了することが必要ではないでしょうか。 二番目は、鉱害処理業務の適正な運営でございますが、このことについては、従来より関係者から厳しく要望されたところでございますが、かなり改善されたというふうに私どもは評価をしておりますが、さらに正常化対策等は強化をして、処理のあり方について適正を確保する最大の努力が今後望まれるのではないでしょうか。 三番目は、鉱害復旧の早期解決に向けての関係団体の連携と協力でございます。鉱害処理業務を計画的、効率的に処理するため引き続き石炭鉱害事業団を中心としての処理体制とし、鉱害の早期復旧を図るためには、国い地方公共団体が積極的に鉱害復旧の推進努力を講ずることが極めて大切なことでございます。また、法改正原案でも取り上げております実施計画関連だけでなく、鉱害復旧全体において総合的に関係団体が連携をして協力をすることが極めて大事なことだと思っております。 さらに、次でございますが、鉱害処理対策の強化についてでございますが、施行困難案件が鉱害復旧の阻害となっている事実にかんがみまして、これが処理には関係者との連携協力の上積極的な対策を講じ、鉱害復旧の工事施行環境整備等を図り、鉱害関係の行政機関が一体となって鉱害処理が促進されるよう必要な施策を実施することが極めて大事なことだと思っております。 さらに、その次でございますが、累積鉱害の解消後の体制整備についてでございます。累積鉱害解消後の浅所陥没等の被害については、答申にもありますように、地域ごとの法人によるのが適当と思います。法改正原案にもございますが、石炭鉱害事業団の体制から地域ごとの法人の体制に円滑に移行していくことが最も順当と考えられます。さらに体制づくりは、地域の特性を生かし、支障の生じないように処理体制の早期確立等地域ごとの法人の整備に向けて国と地方公共団体が協力することが必要だと思います。 次に、累積鉱害解消後の鉱害地における地域振興施策の積極的な展開が行われることや、鉱害の解消に長時間を要する地域は鉱害復旧と一体となった地域振興事業が推進をされることが望ましいと思います。特に、地域ごとの法人が地域振興との一体的推進に役割を果たすように配慮されるべきではないでしょうか。 次は、炭鉱労働者等の雇用の安定等に関する臨時措置法についてでございますが、石炭鉱業の合理化に伴いまして、炭鉱離職者に対する法的支援は、昭和三十四年より今日まで適切な措置を講じられて相応の成果を上げてまいりましたことは高く評価をしていいと思っているところでございます。 昨年六月の石炭鉱業審議会は、緊就、開就事業について、就労者の高齢化、滞留化等の問題点を指摘されまして、所要の見直しを図るべきと答申されましたが、旧産炭地域におきましては、全体として全国的には雇用失業情勢が好転をしている中にあって依然として厳しい状況下にございます。 福岡県の例だけとって大変恐縮に思いますけれども、現在の有効求人倍率は、日によって変わりますけれども、全国で一・二八でございます。福岡は全体で〇・八五でございます。筑豊地域では、飯塚地区の一・〇四がわずかながら好転をしておりますけれども、直方地区〇・五八、田川地区〇・七三でございます。景気がもう御承知のように不況傾向下にございますので、産炭地域の雇用情勢は今後さらに深刻となると思われます。したがって、改善される見通しは現在ではないと、こういうふうに思っております。 このような状況下でございますので、緊就事業や開就事業は就労の場の確保になお重要な役割を果たしていると認識をしております。したがいまして、今後見直しを行うにいたしましても、事業に就労している者の実情、地域の雇用状況、すなわち労働不安や労働砂漠化などの排除や地域振興の必要性等を十分考慮して、慎重なる検討が必要かと思っておるところでございますので、特別な御配慮をいただきますようお願い申し上げたいと思います。 最後になりましたが、産炭地域市町村に対する財政の支援でございます。 炭鉱の終閉山や縮小などの合理化に伴いまして、産炭地域市町村の財政は極度に逼迫している状況でございます。今日まで産炭地域振興対策の一環として、産炭地域市町村に対して各種の財政支援措置が講じられて、脆弱な産炭地域市町村財政の改善に寄与をしているとは思いますけれども、依然として市町村の財政は困窮している状況下にございます。もちろん、このためには市町村の自主的な財政再建が第一でございますが、厳しい環境下で早期の改善は望み得ないと思っているところでございますしかるに、鉱害復旧を初め、離職者対策、ボタ山、炭柱改良等石炭後遺症と言われる後始末整備と産炭地域振興実施計画の実施に特別な財政需要が生ずることになりますので、財政支援の強化をお願い申し上げたいと思います。 以上、要点だけでございましたけれども、私の意見を申し上げさせていただきました。何とぞ、よろしく御採択くださいますことをお願い申し上げたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(岩本政光君) 最後に、高村参考人にお願いいたします。高村参考人。
○参考人(高村寿一君) 日経新聞の論説副主幹をやっております高村寿一でございます。 今までに関係者四人の方から、それぞれの立場から御意見、御要望がありましたけれども、私は産業界を中心に報道をしてきた中立の立場から自分の所感を述べてみたいと思います。 一昨年九月から昨年六月まで石炭鉱業審議会が行われまして、私自身もそこのメンバーに中立委員の一人として答申案のまとめの作業に参加いたしました。本日参考人として呼ばれましたのもそのような経験から呼ばれたものと思いますので、その経験からも意見を申したいと思います。 日本経済の基本的な政策というのは、今日やっぱり国際化の中で競争的な見地からいろいろ政策が行われておりまして、エネルギーについてもエネルギー市場についてもそういうような枠組みの中で行われていると思います。例えば、石油業界でも輸入だとか石油産業の自由化ということが行われていまして、その中でまた石炭ということを考えるわけですけれども、石炭というのは非常に特殊性がありますが、やはり国際的な視野あるいは全体の構造調整の中でどういうふうにやるか、エネルギー政策全体の中でどう考えるか、それから今御発言になったように地域経済社会への影響をどう考えるかというような非常に幅広い問題を含んでいるというふうに感じたわけであります。そして、その具体的な政策を議論するときに大変困難だったわけですけれども、経過を申し上げますと、三つのシナリオを考えたわけであります。 その第一は、もうちょっと市場原理というんでしょうか、マーケットの力、マーケットのメカニズムにゆだねたらどうだろうかというような案でございます。これは、いきなりこうしますとかなり厳しいものになるんじゃないかということでございます。国内炭は最終的にゼロになってしまうかもしれないというシナリオであります。しかし、これは需要業界の方からかなりこの第一案という意見が出ていたわけであります。 それから二番目のシナリオですね、第二案というのは、現在石炭産業ずっと八次まで再建策でやってきたわけですから、その構造調整は一応終わったんだということで、もうこれ以上調整をしないでいいんじゃないかと、現状維持ですね、こういう意見を第二案として考えたわけであります。これは、労働組合の方とか地域の代表の方がこういうニュアンスだったと思います。 そして、それから第三案というのは、これは一と二の中間的なものなんですが、今後ともやっぱり構造調整は必要であろうと、九〇年代は最後の構造調整の期間として決めようと。先ほどから出ましたように、ある均衡点ということを想定しまして、そこまでは調整が必要ではないだろうかというような、三つの大きなシナリオを描いたわけであります。 大変議論が分かれました。それぞれのお立場からの御主張がありますから、しかしいろいろ需給の合理化、鉱害対策とか雇用対策、地域対策ということを含めて検討し、それから最後に昨年の五月でしたか、私ども中立委員だけの原案検討小委員会というものを開きまして、結果としてやはり第三案ですね、中間案、これをもとに答申案をまとめていったらどうだろうかということで、再度全体会議を開いてまとめていったわけでございます。 したがって、まとまった答申として斎藤会長に出したものは、やはり需要動向を勘案して段階的縮小を図って、その間に新規需要、新規の事業開拓とか経営多角化を図って活路を見出していったらどうだろうか、そのソフトランディングを模索したらどうだろうかということが基本的なデザインになっているわけであります。 このように答申案はいろいろな意見が入ったんですけれども、それぞれの立場のことを強く出すということは非常に難しいわけでありまして、現実は国内炭、二倍以上の内外価格差がございますですね。それから、国内炭の取引の需要業界の協力というものも大変なものでありますし、年間一千億円ですか、それから石炭勘定一千億円、石炭の総エネルギーに国内炭が占める割合は一・数%でありますから、どうもこの均衡点がアンバランスではないかということでは全員の認識が合ったと思います。 そういうことで今回の答申が出たわけでありますけれども、私が強調したいのは、これは業界の自主的構造調整ということが基調にあるわけでありまして、ここでみんなが協力していこう、政府、需要業界も何とか構造調整が進むように協力していこうという筋だろうと思います。そして事前対策というんですか、あらかじめ対策ということも十分にやって不安やフリクションがないようにやっていこうということで、経営多角化、地域振興とか雇用の面であらかじめ対策も強化していこうということでございます。 私は中立委員としては、もちろんあらかじめ対策も重要ですけれども、やはり構造転換を図る主体が相当前向きに積極的に進めていくという気持ちが大事ではないかというふうに思います。しかし、きょうお話を伺いますと、各参考人の方は答申の方向に沿って積極的に対応されているというように伺いまして、大変喜ばしく思っているわけであります。 最後に、私は広く産業界を見ていますが、やはり構造不況対策というのは石炭ばかりではないわけですね。繊維、造船、アルミというのはみんな経験したわけであります。そして、コスト削減、経営多角化ということを必死に模索しておりまして、今のような景気後退期でも、造船などは構造転換してハイテク造船ということで大変商業績を上げているという例もございます。 石炭鉱業というのは、かつての野球で言えば四番バッターですから、八次まで今までやってきた対策、相当時間もかかっているわけですけれども、さっきの均衡点ですね、アンバランスという点が残っておりますので、これを何とか十年間のうちに模索を続けるということだろうと思います。 もう一つ、国際比較ですね。これはドイツ、フランスが相当石炭というもののウエートが高い、国内炭のウエートが高いんですけれども、やはり最近は政府の補てん金が相当負担になってきている。それからEC統合というような問題で、EC委員会からもうちょっと合理化を進めたらどうかというような意見も出ているようでありまして、ドイツもフランスもやはり経済性ということがかなり意識にあるようでありまして、全体としては段階的縮小で新しいエネルギー政策に移っていくというような流れだろうと思います。 いずれも国情というものはありますから、政策はそれぞれ特色があると思いますけれども、日本の業界もこういう中でやはり答申に述べられたような線で何とか転換をしていくということが望ましいと思います。そのような意味で、石炭関係諸法の改正というものは適切であろうかというふうに感じているわけであります。 以上でございます。
○委員長(岩本政光君) 以上で各参考人の御意見の開陳は終了いたしました。 これより参考人に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○対馬孝且君 きょう五人の参考人の皆さんから、石炭関係八法案の審議をあすも行うわけでありますが、貴重な提言あるいは御意見をいただきましたことに対しまして、私からも心から感謝を申し上げるところでございます。 さて、時間の関係もありますので、参考人に二、三点それぞれお伺いをいたしてみたいと思います。 河原崎会長にちょっとお伺いいたしますが、まず最初に三問ばかり伺いたいと思います。 一つは、今も陳述の中にございましたが、新答申を受けましてこれから正念場の石炭政策である。それはつまり構造調整であるということが新答申の基本になっておりますが、私は今回の答申を見まして、やっぱり政策的にかなり欠落している。これ委員会でも何回も私申し上げたのでありますが、一つは、基本的には我が国の資源としては唯一が石炭ですからね、今あるのは、だから、緊急非常時のセキュリティー、安全保障という基本に立つべきではないか。これは埼玉大学の室田先生も同じ意見を申し上げています。 それから第二点は、時間もありませんからあれですけれども、やはり資源愛護論があっていいんじゃないか。我が国は、御案内のとおり三十二億トンの理論炭量があって、司採炭量、実収炭量は私の考えではまず八億と、昭和二十五年のドイツの地質学者の参考資料、データを私は持っていますけれども、通産ベースでいつでも五億トンある。そうすると、これは一千万トン掘っても五十年ですね。あるいは五百万トンベースでいくと百年あるんですよ。こういう考え方に立つとするならば、やはりそういう資源愛護論というものが今度の政策ではどうも積極面が見えない。 第三の問題は何かといいますと、やはり日本の炭鉱技術というのは世界最優秀であると。私も随分海外の炭鉱にも入っていますけれども、そういう意味ではこれからの日本の自走枠採炭、あるいは率直に申し上げますと、これからの機械化に対応する石炭技術というもの、このノウハウは、私もソビエトに何回も行きましたが、中国にも行きましたけれども、ソビエト、中国、あるいはカナダあたりでもかなり日本の技術、ノウハウを非常に高く評価している。そういう意味で私は、そういう観点からも今日の国内炭というものは、むしろ海外に技術、ノウハウの交流あるいは涵養を高めていくとか、かつて北大の磯部教授も何回も今から十何年前から事実を申し上げておりましたが、日本の技術を維持するためにも、やはり国内炭の炭鉱というのは試験炭鉱ということで中長期的に位置づけるべきである、こういう論理を展開してまいりました。 私は、この三点の原則を中心にして考えていった場合に、やはりこれからの石炭、国内炭の認識というのは、構造調整十年という方向性はもちろん出ていますけれども、こういう政策を持たない限り、積極面が出ない限り、むしろ十年が逆に雪崩閉山につながる可能性を持っていると、こういう懸念を私は持っているんです。そういう点での石炭協会としての、政策面でもうちょっと積極的にやっぱり対応していくという姿勢を協会としてお持ちになっているのかどうか。この認識について、まず第一点お伺いしておきたい。 それから第二点、時間もあれですから、今度の答申からいきますと、やはり今までは閉山をして事後対策と、こういうケースでありましたね。ところが、今度新政策というのはそうではなくて、やはりあらかじめ均衡点という、まあもっと高くという皆さんの御意見、高く求められているのはそのとおりでございますけれども、まず、新分野の開拓でもって受け皿をきちっと整理しろと、やむなくやっぱり閉山をするという事態に向かったとしても。そういう条件が整わない限り閉山をしない。もちろん、新分野開拓で三百なら三百、五百なら五百という受け皿条件が、雇用の条件が満たされて初めて、閉山というものにせざるを得ない場合には、そういう体制ができたところで縮小あるいは段階的にいくということ、これが本当のソフトランディングの方式なんであって、そういう認識、これが今度の新政策の目玉である、答申の。この認識について、第二点、どういうふうにお考えになっているかという点です。 それから第三の問題、これは均衡点という問題ですけれども、後でこれは申し上げますけれども、均衡点とは一体何だということですよ。答申を皆さん方が審議会で議論なさっての認識なんですけれども、私は、経済原則で均衡点といったら、これはあなた、海外炭と国内炭といったら二倍以上あるわけですから、均衡点という経済原則に立つのか、そうじゃなくて、やっぱり需要の七百万トンとか一千万トンというそういう需要に対する基本認識というものに立つのか、この点がやっぱり大事なところなんで、均衡点、高い低いとこう言うんだけれども、経済原則に立っての均衡点であるとするならば、これはとてもじゃないけれども話にならないでしょう。そういう点を私、第三点、今懸念をしているんですが、その認識をどう思っているのか。 それからもう一つは、この均衡点を考える場合に、新分野あるいは受け皿体制を考える場合に、私は前半の五年が大事だと思っているんですよ。会長、大事なところはそこ。 私も、今まで石炭に四十何年かかわってきましたからね、国会で十八年間、当委員会でしゃべってきましたけれども、提言してきた。率直に言うけれども、これは受け血とか開発とかとこう言うけれども、第一次から第八次案見たって、一定の雇用なり地域の活性化ができるまでには、今なお十年たっても、私は美唄ですけれども、いまだに美唄においてそういう新開拓、あれはもちろん国のレベルでやっていますが、それに完全にやっぱりかかるといったら最低五年を見なきゃいけないんです。私は、そういう意味では構造調整十年間の前半の五年が勝負どころであると。そういう対応がきちっととれる体制になるのかならないのか、そういう姿勢で取り組まれるのかどうか。とりあえず、この四点を先にお伺いしておきたいと思います。
○参考人(河原崎篤君) お答え申し上げます。 ただいま対馬先生から御質問のございました点のうち、まず第一番目のセキュリティー、緊急時のセキュリティー問題、セキュリティーに関する考え方、それから資源愛護の必要性に関する考え方をお答え申し上げます。 御指摘のこれらの点につきましては、石炭鉱業審議会において、私どもももちろんでございますが、各分野の委員の方々から意見が陳述され、最終的に答申としてまとめられたと、こういうふうに理解をいたしておる次第でございます。これらの諸問題を含めました議論の中での結論でございますし、かつ私どもの具体的要望事項は取り入れられておるのでございますので、改めてこの内容を申し上げることは差し控えさせていただきたい、こういうふうに存ずる次第でございます。 答申にも、「エネルギー政策上、国内炭の役割は従来よりも縮小してきているとはいえ、全く失われたわけではなく、それ相応の位置付けをもって評価されなければならない。」とされております。したがいまして、私どもとしては、この新政策のもとで最大限の努力をすることが必要であると考えておる次第でございます。 それから、第二番目の御質問の点でございますが、あらかじめ万全の雇用対策が備わった後で閉山すべきではないか、そういうふうに考えておるのか、こういう御質問だったと存じますが、もちろん私どもといたしましては、雇用対策に対しまして最善の努力をいたします。しかしながら、雇用対策は大変難しい問題だというふうに認識をいたしておるところでございます。 完全な雇用対策ができるかどうかという点について申し上げますと、まず第一には、新規事業は一挙には計画規模にはならない。徐々に大きくなっていくということは当然でございます。それから、石炭の生産規模の縮小の時期と新規事業の操業の時期、これは必ずしもタイミングが一致するというわけでもございませんし、また立地の地点につきましても必ずしも産炭地に限るというわけにはいかない、こういうふうに思うわけでございます。 それからまた、新分野の事業の場合につきましては、あらかじめ職業訓練をするにいたしましても、全員元の炭鉱マンというわけにもいかないということもございます。これらの現実から、すべてのものを経営多角化、新分野開拓事業に同時にしかも地元で吸収するということは大変難しいことでございまして、ほかの地域の新規事業、あるいは友好企業での雇用確保ということもあり得るのではないかと存じておる次第でございます。いずれにいたしましても、私どもは最善の努力をするつもりでございます。 それから均衡点のお話がございましたが、私といたしましても、均衡点はなるたけ高いことを希望いたしておりますが、私どもの国民経済的な役割、エネルギーセキュリティーの問題並びに蓄積されました技術、ノウハウの国際的展開の必要性、それらのことを考えますと、適正規模の国内炭鉱の存続はぜひとも必要だと、こういうふうに考えておる次第でございます。 それから、構造調整前半の五年間、これが非常に大変だと、ここが重点でないか、こういう御質問でございましたが、私も全く同意見でございまして、新法の施行にかかわらず、私どもも一生懸命これに取りかかっておるところでございますが、新しい法律に基づきますいろいろな助成をいただきまして、さらに努力を重ねていきたい、こういうふうに考えておるところでございますので、どうぞ先生方にもよろしく御指導、御支援のほどお願いを申し上げる次第でございます。 どうもありがとうございました。
○対馬孝且君 河原崎会長にもう一度三問ほどお伺いします。簡潔で結構ですから。 一つは、今度の新政策で、御案内のとおりにNEDOが融資を三百億、単年度六十億ということで、五カ年間で三百億、こういうことです。これは一定の、地域振興なり産業の新規事業の開拓に無利子の融資制度ですから、私はそれなりの役割があると思うわけです。 ただ問題は、それぞれの企業で、早い者勝ちという意味じゃないけれども、それぞれ今各社別に単年度の計画あるいはプロジェクトの計画というのをお持ちになっているわけですよね。通産省に出しているわけだ。私は、三百億ということは一つの基準ですから結構なんだけれども、企業がその無利子制度の活用というものをぜひこれやりたいと、拡大していきたいということがどんどん出てくれば、むしろ三百億にこだわる必要がないんではないかと。積極的に新分野開拓に伴う、そういう意味では石炭協会が三百億にこだわらずに、むしろ積極面としてこの枠を拡大すべきではないかと、こういう考えを持っていますが、これについてどういう考え方を持っているか伺います。 第二点は、一番私が心配しておるのは、これは炭価が千円下がるわけですよね、今我々が聞いている範囲では。国内炭の炭価が千円、露頭炭は二千円と聞いているんだよ。今でさえこの経営が非常に厳しい経営状態を強いられていると、まして今これ春闘の時期ですよ。これは炭労だってそろそろ賃金闘争が始まるわけです。そうすると、一般炭千円、あるいは露頭炭が二千円下げるということになった場合に、果たして経営、石炭協会の立場からいうと、そのことによってしわ寄せがどこにいくのだろうかと。私は一番心配しますのは、結果的に労働者の賃金、労働条件のしわ寄せにならざるを得ないんではないかと、あなたが経営やったって。まして今春闘の時期に来ていますから、そういうことに影響はさせないと、あるいは責任を持ってそういうことはきちっとやりますよという会長のお考えがあるかどうかということを、ひとつ労働者の立場に立って私は聞いておかなきゃならないと思っている。これが第二点目です。 それから、最後ですけれども、新政策の現行体制、もちろん国の助成その地先ほど言われています。私先ほどから言っているとおり、石炭協会として、これまでの新分野事業開拓ずっと見てきて、先ほど美唄の例を私申しましたけれども、やはり問題は民間レベルでは限界があると、私の経験では。後から市長さんにも御意見を伺いたいと思いますが、国のレベルあるいは県段階のレベルということで、公共的施設、公共的立地というものがなければ、これはなかなか新分野とか新規事業といってもそうやっぱり、これは自治体の市長さんの立場からいうと町の活性化ということが重要なんですからね。雇用と同時に町が活性化できるかどうか、こういう視点から考えますと、むしろ協会として、ここらあたりをどういうふうに公共の対応というものに積極的に提言をしていくか。そうして、皆さん方の企業のもとの新規事業の民間プロパーとセットにするという、こういう体制があって初めて新規事業の体制が整っていくのじゃないかと、こういう考え方を持っていますが、いかがでしょうか。この三点について。
○参考人(河原崎篤君) まず第一の点でございますが、三百億では不足ではないかと、こういうお話でございましたと思います。 確かに、現時点でプロジェクトを合計いたしますと三百億以上になっております。相当な額となっておりますが、しかしながら、今後各プロジェクトを調整いたしましたり検討実施計画を策定してまいりまして、諸条件を整備し着工に至りますまでには、それぞれ所要の時間を要することでございますし、またほかの制度賞金の活用も可能であるということ等から、当面は問題ないんじゃなかろうかと、こういうふうに思っております。ただ、状況によりましては、枠の拡大をお願いすることもあり得るのじゃなかろうかと、こういうふうに存じておる次第でございます。 それから、次の炭価引き下げの問題でございます。 炭価問題につきましては、答申の指摘するところに従いまして対応する考えでございますが、現時点ではユーザーさんとの間で決着を見ておりませんので、具体的な数字に基づく判断につきましてはお答えできない段階でございます。ただ言えますことは、答申は、今後の石炭政策全体のあり方の中で炭価についても言及しておられますし、一方、労働環境等の整備についても指摘しておられるところでございます。したがいまして、私どもは、炭価引き下げ分は自助努力をもって何とか吸収し、今後の国内炭引き取りについてユーザーの協力を得たい、こういうふうに考えておるところでございます。 労働条件につきましても、短期間に他産業並みに引き上げることは難しいと存じますが、御苦労にこたえるための努力はする所存でございます。
○対馬孝且君 それでは、藤原委員長に三、四点ちょっと先ほどの会長質問に関連いたしまして、一つは、やっぱり今冒頭申しましたように、これからの新政策を答申されましたけれども、これからの石炭の中長期を展望した場合に、先ほど私が言った緊急非常時の国内唯一の資源として位置づけるべきである。さらに、大事なことは、国内資源を積極的に活用する愛護論というのはあってしかるべきだと先ほど申しました。 第三は、技術の活用という面からいくならば、多くを申し上げる必要ありませんが、国内炭が存在して初めて、国内炭鉱が存在して初めて海外にノウハウを送れるのであって、国内炭つぶして技術のノウハウを送りましょうと言ったってこれはそんなことはできっこないわけですから、そういう点での認識についていま一点、炭労の立場からどういうお考えを持っているか。 第二は言うまでもございません。均衡点と先ほど強調されましたけれども、この均衡点を高くするためにはどういう政策が必要と考えられているか、これが第二点です。 それから第三の問題は、今日のこれからの均衡点を最高、できるだけ高くして、十年後に総撤退ということにならないためにはどういう歯どめ策が炭労の立場で政策提言として考えられるのか。もちろん一と二の関係がございますけれども、むしろ積極面としてこうした方がいいではないかという御意見があったら率直に出してもらいたい。 それから、しばしば言われたことだけれども、やはり閉山に伴って、今度の労働省関係の改善策が多少出ていますけれども、問題になるのは、相変わらず下請という労働者がどうしても差別される。閉山の退職金を見てもやっぱり格差がつくということ、それはあっていいということではなくて、こういう改善について、むしろ下請労働者の万が一閉山の場合の退職金の手だて、あるいはそれに伴う労働条件その他についてできるだけレベルアップをしていくという、こういう考え方についてとりあえずお伺いしたいと思います。
○参考人(藤原福夫君) 一点目の問題につきましては、私ども先ほど申し上げましたとおり、対馬先生、炭労委員長と言いますが、きょうは石炭労協の会長として参ってございますので、そういう立場で石鉱害でもいろいろ申し上げました。 しかしながら、率直に言って国内炭は値段が高過ぎるということが一つ、それから品質的にはもはや海外炭だけでも十分やっていかれる、こういうような主張がちょいちょいございまして、結局日本の石炭でなければどうしてもだめだという認識は全体としては得られなかったということでございます。 ただ、今日本が約一億一千万トンの石炭を使っているわけですが、十年後にはこれが一億四千二百万トンになるということでございますが、主に今オーストラリアから一番輸入しているんですが、その他アメリカ、カナダ等々から輸入してございます。それからそのほかの国からも輸入してございますが、いわゆる世界で石炭を輸入しているのは日本が一番多いわけでございます。そういう国が自分の国の石炭を掘らなくてもいいのかどうか、こういうことにつきまして私ども意見奄申し上げまして、この点につきましては、やはりそういうことは考えてみる必要があるんではないかという委員の方々もおりました。 それから技術の問題で、やはり日本の石炭技術というのは、炭鉱を探す技術から掘る技術、あるいは保安技術、あるいは燃焼させる技術等々含めまして、かなり優秀な技術がございます。今後、安定輸入あるいは海外炭の開発、さらには今問題になっております地球温暖化問題に関する技術、これら等々を考えますと、十年先はもちろん二十年先もそういった意味での石炭政策というものは存続するであろうというふうに考えます。そういったふうに考えますと、やはりその場合日本に一定の炭鉱を存在させて、その上で技術問題等々に対応していくということが必要だと、こういったことについて主張いたしました。これらについても、必ずしも全員の賛同を得たとは思いませんが、かなりの賛同者がおられたというふうに考えておりますから、そういった意味で今後やはり日本に炭鉱を残していくということは必要だというふうに考えております。 それから二点目の問題で、そういった場合にどの程度の国内炭鉱を残すのか、いわゆる均衡点という問題でございます。私どもとしては、地下掘りだけを言いますと、先ほど申し上げましたとおり、生産量で既に七百万トンを切っておりますし、常用労働者は既に六千人を切っておる、こういう状態でございますから、一億一千万トンあるいは一億四千万トンというオーダーに比較しての七百万トンだとか六百万トンの国内炭は現状を維持していただきたい、こう強く主張したところでございますが、これが答申のようにさらに均衡点まで縮小と、こういうことになったわけでございます。 ただ、今後国内炭が残っていくべき道というのは、そういう石炭鉱業審議会の各界の皆さん方の意見をトータル的に申し上げますと、やはり安定輸入や海外炭開発のために国内に炭鉱を残すべきなのかどうかと、ここのところにかかっていると思います。ある人に言わせますと、いや、炭鉱技術を研さんするにしても海外の炭鉱でやればできるのだから、国内には炭鉱は必要ないではないかという極論を申し上げている人もおります。しかし、私どもはやはり炭鉱がなければ技術の研さんあるいは涵養はできない、こういう考え方でございますし、そのほかに技術関係の学者さんなんかもそういうふうに強く主張しておられる方もおります。 そういった意味では、この安定輸入や技術開発のための国内炭を残すことに国民的なコンセンサスが得られるかどうか、どこまで得られるのか、あるいは一億四千万トンも石炭を使う国が自分の国の石炭を一トンも掘らない、こういうやり方が成り立つのかどうか。この辺についての物の考え方として、これからどうなるかということですから、私どもとしては縮小やむなしといたしましても、その縮小幅はできるだけ小さくして今の炭鉱はできるだけ多く残していただきたい、こういう考え方でございます。 それから、三点目の下請労働者の問題につきまして、なかなか難しい問題なんですけれども、私どもは基本的には直轄労働者、下請労働者一体となって炭鉱を守ってきたと、こういうふうに認識してございますし、これから均衡点を目指して炭鉱を残していくためには、直轄労働者も厳しい状態に置かれますが、もちろん下請の労働者の皆さん含めまして何としても国内に炭鉱を残すために頑張っていきたい、こういうふうに考えでございます。 したがいまして、当然労働条件、福利厚生条件あるいは退職手当等々の問題につきましても、基本的にはやはり直轄労働者同等であるべきである、こういうふうに考えまして、今まで八次政策までに至る間もいろいろと関係方面に要望いたしまして、部分的な改善はしていただいております。ただ、基本的な労働条件、大抵のところの下請の皆さんには労働組合がないとか、あるいは場合によっては労働協約ももちろんないし、それからついせんだってまでは退職金制度そのものがはっきりしていないとか、いろんな事情がございましたし、そこにはもちろん企業の形態あるいは内容等々いろいろ違いがあるわけでございます。 したがって、これらについてなかなか難しい問題があるということで、私どもの言うことがなかなか通っていないという実態がございますけれども、今後ともできるだけのことはやっていきたいと、こういうふうに考えておりますので、先生各位におかれましても、下請問題につきましても引き続き御検討方をお願いしたいと思います。
○対馬孝且君 それでは、芦別の市長さんに三、四点ちょっとお伺いします。 東田市長は、私も知っていますけれども、カナディアンワールド構想、星の降る里のプロジェクトの大提言を北海道の中でいち早くしました。私も現地を見て高く評価をしているんですが、やはり何といっても芦別の場合は、地元の基幹産業である芦別炭鉱の延命ということがどうしたらできるかということが市長としても最大な課題であろうと、こう思うのであります。かつては、私も同じ友山でございましたが、全盛期は五千三百もおったわけですけれども、現実は今四百四十になってしまいました。結果として、これ何とかやっぱりできるだけ延命をしていくという、市長さんの立場からいってもそういう考えには変わりはないんだろうと思いますが、この点ひとつお伺いしておきたいと思います。 それから第二の問題は、先ほども強調されましたけれども、とりわけ稼行炭鉱としては芦別、歌志内地区、赤平とこの三カ所になっているわけですけれども、今度の産炭地域振興の新政策の提言として、中核的事業主体による地域の活性化の支援というのが新しく出てきました。とりわけ稼行炭鉱を中心にという政府の考え方のようですから、これは私も賛成であります。それなりの評価をしています。 もちろん、これ道段階でも既に、私聞いておりますが、北海道で新年度予算に八億二千五百万円の中核的事業主体による地域活性化の予算を計上されたと。これに対して国が三分の二ですから、平成四年、五年度でいきますと大体おおむね四十五億と。大体道が十五億、国レベルで三十億と。四十五億といえば、それなりのやっぱり金の面からいうと相当な資金になっているということを考えた場合に、これ具体的にどういうふうに中核的事業主体の地域活性化、もちろん国あるいは道の段階が基本になりますけれども、もし地元の稼行炭鉱の中空知、空知を中心に考えた場合に、どういうアイデアがこれと政策的にあるいは結合することが一番いいのかなと。 例えば芦別で言えば、カナディアンワールド構想とこの中核地帯の関係をどういうふうにやっていったらいいのかなと。例えば、土砂川の無重力実験というのが一つの目玉になって、あれがこれからこういう関係でさらに拡大をしていくというか、あるいは赤平で言えばエネルギー構想、この低エネルギーの褐炭あるいはごみを使って新エネルギーをつくる、それが安い電力に結びつくという、こういうような構想も赤平では新エネルギー構想というのが打ち上がっています。この点、もし市長さんの方でお考えがあればこの機会に聞かせておいていただきたい、これが二点目でございます。 それから第三の問題として、新分野の開拓は先ほども市長さんが強調されておりますけれども、今やっぱり芦別の場合、とりあえず農林、林業の町でもありますから、市長の提言としては、単に炭鉱労働者だけじゃなくて、農林業労働者の含めたいわゆる職業訓練ということの非常に積極的な提言がございました。今私も労働省にその話を持ち出しているのでありますが、地域性の関係で滝川があり岩見沢がありと、北海道の分布では。そこらあたりが至近距離にあるのでそのバランスをどう考えるかと、こういうことなんです。 私は、決して芦別が中心になれという意味じゃないんだけれども、そういう産炭地のこれから稼行炭層条件、構造調整十年間の中に縮小していくという流れはあるわけですから、そういう意味ではこの稼行炭層地域の拠点として芦別なら芦別が能力開発センターというものを位置づけるという考え方をした方がかえっていいんじゃないかと。そのかわり、赤平、芦別、歌志内とこれ三十分で往来できますから、そういう構想をかえって出した方が比較的早く能力開発センター、私の言うのは短期じゃなくて恒久的能力開発センター、これに単に職業訓練だけじゃなくて情報の機能システムも入れる、情報機能能力開発センターというものをセットにするというふうな考え方を今労働省に出しているのでありますけれども、そういう考え方を地元の市長さんとしてどうお考えか。先ほど提言がございましたけれども、いわゆるそういう意味での位置づげがどうだろうかという考え方を私は持っているのでありますが、その点ちょっとお聞かせ願いたい、こう思います。 第四点として、産炭地の振興計画、これが出されているのでありますけれども、この実効性ということが問題で、工業団地は確かに今もう来ましたけれども、それ以外の産炭地振興の実効性を上げるためには、どういう手だてが一番いいのかという点がありましたらお聞かせ願いたい。以上でございます。
○参考人(東田耕一君) 対馬先生から四点ほどお尋ねがございましたので、お答え申し上げます。 まず最初に、本市に唯一残されております坑内炭鉱でございます三井芦別鉱の延命の件ですが、市といたしましても市民ぐるみで、厳しい状況下にありますが、一年でも二年でも長く続けていただきたいということを心から願っている次第でございます。 ただその中で、石炭会社の立場でポスト八次策の中に盛り込まれておりますいわゆる経営の多角化、あるいはまた新分野開拓等々の面に国の御援助がさらに強力にいただけるということになっておりますので、私の立場から申し上げますならば、石炭会社並びに親会社ともどもにこの政策に盛られた国の支援策というものを十分活用していただいて、そして会社の経営体質の強化に御尽力をいただきたいものだなというふうに考えております。 ただ、一つそこで申し上げたいことは、会社自体が延命を図ることができて存続していただく、それはそれで結構なことなんですが、今石炭を掘っている地域に波及効果が十分あらわれるような新分野開拓であり、経営の多角化の面を石炭を掘っている地域に結びつけてやっていただきたいということを心から望んでいるわけでございます。そんなことにつきましては、既に会社の鉱業者側とも十分市も一体となって協議、検討も進めさせていただいておりますが、何とかそういう方向で地域波及効果を期待したいと思っているわけでございます。 それから、中核的事業主体の設立につきましては、対馬先生初めこちらの諸先生方にも大変御高配をいただきまして、対象地域の市長としては心から感謝を申し上げる次第でございます。 当面、八次政策の影響地域と現在の稼行炭鉱地域ということで五市一町が対象地域でございますが、これにつきましては新年度予算に国も予算を計上していただいているところでございますが、できますならばもう少し六十億という、何といいますか平成四年、五年度での基金の総額を後年度においてももう少し増額していただければというふうに希望を申し上げる次第でございます。 私から申し上げるまでもなく、基金の果実の運用による産炭地域の活性化ということでございまして、低金利時代を迎えると、六十億にいたしましても五%としても三億というようなことで、もっと下がるかもしれません。私は、今道を中心として対象地域がいろいろと協議をしている中で申し上げていますことは、仮に三億なら三億を五市一町の六市町が五千万ずつ毎年均等に使わせていただくというようなそういうような使われ方ではなくて、三年とか五年とかたったときにトータルしてみると大体均衡がとれるように、この年はこの市に重点的に、この年はこの町に重点的にというような使い方をさせていただくような中核的事業主体の基金の使い方というものをぜひお願いしたいものだ、こんなふうにも考えているわけでございます。 ただ、この基金の使い方につきましては、既存の補助制度に乗らないもの、なるべく公益的な事業というふうに一定の制約がございまして、それらをいかに見つけ出すかということにつきましては現在対象地域の中で道を中心にして協議を重ねさせていただいているところでございますのできますならば余り枠をはめないでいただいて、各市、町単独の大きなプロジェクトについても対象となり得るようなことにお願いできればと、こんなふうにも考えている次第でございます。 それから、三点目にお話がございました職業訓練施設につきましては、先ほどの陳述の中でも申し上げたとおりでございますが、対馬先生にも特段とこの件については御指導もいただいておりますが、ぜひ能力開発センターの恒久的なものを設立していただきたく、お話のように芦別市は二万五千の人口ですが、赤平市、歌志内市を加えますと五万を超える人口にもなりますし、ちょうど中空知の三市が今厳しい経営を余儀なくされている、共通の悩みを持っている三市であるということからいたしますと、先生のお話のように芦別でなければならないということではなくて、この三市の炭鉱離職者あるいはまた将来離職者になり得るであろう方々を対象とした職業訓練センター的なものをぜひ早期に設置していただきたいというふうに考えている次第でございます。 それから、産炭地振興実施計画につきましては、本市も数多くの振興事業等を道に持ち込んで計画に盛り込んでいただいているところでございます。何といっても、かねがね陳情申し上げておりますように、この実施計画の実効性が上がるように国の関係省庁や道の御協力をいただかなくちゃならない、こう思っている次第でございます。さっき河原崎参考人に対する御質問の中で対馬先生がおっしゃっておられた、最初の五年間に重点的にぜひ取り上げていただいて、早く産炭地がそういう振興計画の実現というか実施によって地域の疲弊を食いとめるといいましょうか、衰退を食いとめるというようなことにつなげていただきますようにお願い申し上げる次第でございます。
○対馬孝且君 あと時間が少なくなりましたので、高村参考人に一問だけお伺いいたします。 私も石炭に携わって、海外にも調査に行ってきました。端的に言って、同じ資本主義、自由主義陣営である西ドイツが今なお五千五百万トン採掘しています。西ドイツの石炭政策、エネルギーの基本の柱は、かつてシュミット首相が提言をした、みずからの資源はみずからの国が使うべきである、それをしない国はやがて滅びる、こういう名言を残したのが時のシュミット首相でございまして、それで今日コールペニヒ方式、御案内だと思いますけれども、採用されています。もちろん国が助成金を出しているし、一定の電力用炭については〇・八%まで消費者が負担している、そのとおりでございます。 これは、フランスにしたって一千万トン程度掘っていますね。それから、イギリスは九千三百万トン行っています。いずれにしても同じ。資源がないなら別ですよ、私が言いたいのは。先ほど申しましたように八億トンなんです、私の計算でいくと。その場合の考え方は別にしましても、そういうコールペニヒ方式というものに対する先生の参考御意見があればひとつお聞かせ願いたい。 それと、やっぱり石炭の資源というのは、先ほども出ましたけれども、これはずっと第一次から八次まで来まして、最後の二十一世紀は一億四千二百万トンですよ、海外炭入ってくるのは。先ほど藤原参考人もおっしゃいました。それに対する一割は国内資源として確保すべきだという意見も学識者の中にあります。現に、この委員会で先ほど申しましたけれども、埼玉の室田先生なんか、それぐらいの姿勢を持たずしてどうして資源愛護論がとれるんだということも言われましたけれども、私はそこを強調する意味で言っているんじゃなくて、せめてベターに考えたって一億四千二百万トン二十一世紀に海外炭入る、その国外炭の一千万トン程度がどうして国内の資源として確保することができないのか。いわゆる経済の合理主義だということですよ。私に言わせれば、それ一本やりだからこうなっちゃうんですよ。そこにやっぱり国の資源の石炭政策があってしかるべきだと、だから私冒頭ああいうことを申し上げました。その点、参考人に簡単に御意見を賜れれば幸いと思います。
○参考人(高村寿一君) 対馬先生のおっしゃられるように、ドイツ、フランスでは、かなり国の石炭供給ということに対しては重要な政策の課題としてやってきたと思うんです。 ドイツは、石炭供給の大半をまだ依然として国内炭が占めているということでございますけれども、しかしここ二、三年の動きを見ますと、特に九〇年代に入ってから、石炭委員会が連邦政府に出した提言などを見ますと、基本的には国内炭というのは非常に大事であるということでありますけれども、どうしても内外炭の価格差が日本と同じようにやっぱり二倍以上あるということです、そうすると、政府の価格差補てんのための補助金というものをもうちょっと再検討しなきゃならぬじゃないか。年間数千億円と言われているようですけれども、特に東ドイツとの合併、新生ドイツ建設ということで、非常に財政的な負担が感じられてきておる。さっきも申しましたように、ECとの共同化、経済一体化ということでもハーモナイゼーションをとらなきゃいけないというようなことで、相当石炭鉱業については合理化のセンスが生まれてきておるんではないかと思うんです。 それから、フランスも同じように、四割強ですか、国内炭が占めておりますけれども、やはり九〇年代に入って経済性ということの重視に変わってきているんじゃないかと思うんです。やはり、国内炭と販売価格というのは同じような値段でないとおかしいんじゃないかというようなことになってきていると思うんです。したがって、いい鉱山は残すけれども、余り不採算で脈のないものは閉山せざるを得ないんじゃないかというような傾向にあると思います。 しかし、おっしゃるようにフランスもドイツも一遍には政策を転換しているわけではありません。構造調整ということを時間をかけてやろうとしているということだと思います。それがやっぱり国情に応じた政策ということだろうと思いますが、共通しているのは、国際化あるいは新秩序ということから、エネルギー政策もかなり経済センスが上回ってきているんではないかというような感じがいたしておるわけであります。 我が国も、やはり世界の中の日本ということを考えますと、やや同じような流れでとらえるべきではないだろうかということであります。繰り返しになりますけれども、急にこれは一遍に転換して縮小してしまうということではありませんので、それはその状況によって、先ほどから均衡点というのがなかなか具体的な像を結ばないわけですけれども、それはやはりエネルギーの世界というのは非常に動いております。しかも、今度は国のあり方も動いている、ヨーロッパの場合は。そういうようなことから、なかなかここという目的というのはないんでしょうけれども、情勢によって対応していくということではないかと思います。 以上でございます。
○対馬孝且君 ありがとうございました。終わります。
○広中和歌子君 きょうはどうも、石炭についていろいろなお立場からお話をいただきましてありがとうございました。 私は、同僚の対馬委員と違いまして、知識の点でも体験の点におきましても石炭産業についてほとんど知らない、そういうことでございまして、ですから、質問申し上げることは全くの素人の素朴な質問でございます。その中で、知らないがための大変失礼な質問などもあるかもしれませんけれども、どうぞお許しいただきたいと思います。 私の石炭産業のイメージなんでございますけれども、全く失礼な言い方かもしれませんけれども、きつい、汚い、危険、三Kの職場ということと、それからもう一つは、石炭を掘っている地域というんでしょうか、それが山の中であったりということで、非常に自然の美しいところという、二つの相反するイメージがございます。これは、私がまだ娘時代のころ、「わが谷は緑なりき」というアイルランドか何かの炭鉱町を主題にした映画を見まして、そして抱いたイメージなんでございますけれども、そういうところから、それぐらいの知識しかないということをまず申し上げさせていただきます。 最初に雇用問題についてちょっとお伺いさせていただきますけれども、第八次石炭政策実施後の現在も、千二百人の失業者というんでしょうか、新たに雇用を求めている人がいるということを河原崎参考人がおっしゃいましたけれども、新しい職場を求めるときの問題点ほどういうものがあるのか。今、日本はほとんど完全雇用と言われる中で、職がないということがちょっとわかりかねるんですけれども、どのようなところから問題があるのか、まず伺わせていただきたいと思います。藤原参考人にお願いいたします。
○参考人(藤原福夫君) 先ほど申し上げましたように、八次政策下で一万二千八百名が離職後、現在の常用労働者は六千名程度ですから、当時は三倍ぐらい、二万ぐらいおったわけですね。これが八次政策で一万二、三千人解雇になりまして、三分の一残っている、こういうことです。一番最初は高島炭鉱から始まっているわけですけれども、そのうち今千二百名がまだ就職できないでいるということで、現役労働者六千名、常用労働者六千名で、離職者が千二百名ということで、大分減ってきたんで、数が少なくなったんですが、しかし、それだけに残っている方々というのはなかなか厳しい状況で残っている。 先ほどどなたかから出ておりましたけれども、まず平均年齢が四十三歳でございます。ですから、何といいますか、高齢者といったらまだ失礼なんでしょうけれども、壮年者が失業いたしますので、それに対して今の求人倍率はかなり全国的によくはなってきておりますが、これは地域バランスが一つあると同時に、年齢バランスあるいは男女バランスというのがございまして、若い人の求人、婦人労働者あるいはパート労働者、こういった人々の求人というのは確かに今上がっているわけですが、産炭地におきまして四十三歳平均以上の人々の男子労働者というのになりますと、なかなか雇用してくれるところがないというのが実態です。 それからいま一つは、八次政策で明らかになったのは、やはり地元滞留志向というのがあるわけですね。やはり炭鉱労働者というのは親子二代、三代にわたってその炭鉱で育ってきたというのがありますし、親戚兄弟が皆同じ近所に住んでいたり働いていたりしているというのもありましたり、いろんなことがあります。それから今は、中央圏、東京、大阪等に来ますと、住宅問題とかあるいは学校の問題ですとか、いろんな問題があって、どうも将来生活——当面の雇用は何とかなったとしても、その雇用がまた定年になったらその先ほどこへ住むのかと考えたら、またやっぱり生まれ故郷の炭鉱地帯に戻っていくんじゃないかとか、いろんな問題点があって、結局のところ、八次政策でやってみたらある程度の人は出てはきたんですけれども、やはり大多数は地元に就職したい、地元で将来とも生活をしたい、こういうのがあります。 しかし一方、企業の進出は、なかなか産炭地域には出てきてくれる企業がそう多くはないですね。あるいは、数はそろったとしても、労働者の数としては、炭鉱は労働集約型で、新しく出てきてもらえる企業は五人とか十人とか、そういう人数的にいえば少人数の企業しか来ていただけないとか、そういう問題がございます。しかも、八次政策は閉山をしてからそういう段取りをすると、こういうことでしたので、なかなかうまくいかなかったということだと思います。 そういう点で、今度のこの政策ができれば、あらかじめ対策に相当な力を注いでいただけるという点に、私どもとしてはかなり八次策と違う点を見出しているところでございます。
○広中和歌子君 平均年齢四十三歳、それから非常に地元志向が強い、これはもう当然なことだろうと思います。先ほど私が三Kというイメージを若いころ持ったと言いましたけれども、現在は日本では炭鉱技術は非常に進んでいて、恐らくそこで働く方もかなりの学歴であり、つまり職業訓練をきちんと受けさえすれば他の職場に転向することは可能だと、そんなふうにお考えでございますか。 そして、もしそうであるとしたら、一応職業訓練所が欲しいと言われますけれども、例えばどのような分野の職業訓練をお受けになりたいのか。やはりある程度重点的にやらなければなりませんけれども、こういう方たちのアンケートなんかをおとりになったことがあるのか。今職場をかわらなくちゃならないとしたらどういう職場にかわりたいのかという、そういったようなアンケート調査をなさったのかどうか。その上でやはり新しい職業訓練の方向なんかも見出されるんじゃないかと思いますが、いかがでございましょうか。
○参考人(藤原福夫君) アンケートは、全体的にとったものはございません。特定の山でとったものはありますが、今手元にございませんけれども、イメージ的に言いますと、率直に言って、平均年齢四十三歳以上ということになりますと、どうしてもやはり移りたくないという意識が先に立って、何だったらいいかと聞きますと、運転手がいいとか、どうもかばんを持ってネクタイを締めて歩く仕事は性に合わないとか、いろんな炭鉱労働者らしい傾向を示すわけです。ただ、そうはいっても若い人は結構早く売れます。いろんなところに希望が来ますので、何とか三十歳代あるいは二十歳代というのは、余りいないんですけれども、そういった人たちの転職というのは案外やりやすいわけです。 問題は、四十代、五十代という人々でございます。しかも炭鉱は、地下の労働者は年金が五十五歳からもらえるわけですけれども、地上の労働者は六十歳でなければもらえません。それから、炭鉱の定年は五十五歳ですから、基本的に会社の方が考える雇用対策というのは五十五歳までしか考えてくれないわけですね。しかし我々は、年金をもらえない人は六十歳までということになるんですが、その五十代から五十五歳過ぎた人ということになってくるともっと厳しい。 しかし、これの職業訓練、いろんな地元から希望が出ますので、労働省にお願いをいたしまして、初めは労働省もいろんな科目が決まっておったわけですけれども、今ではむしろ需要があればどんな科目でもっくって教育してあげると、こういうことに基本的にはなっているんですけれども、それが人数が今度そろわないわけですね。もうたくさんいろんな人が出てくれということで、そういう問題もなかなか大変なんで、やはり一つの山というよりはむしろ広域的にという方が、あるいは他の業界と一緒にとかいう方がいいんでしょうけれども、やはりそういうことも八次政策でやってみてやっとわかったという問題もございますので、今後八次政策を経験にいたしまして、今度の政策ではそういったことについては緻密な政策をお願いしたいと、こう考えております。
○広中和歌子君 年齢的なものもあるかもしれませんけれども、炭鉱労働というのは意外と高賃金だと伺っているんですが、そういうことも一つのネックになっておりますのでしょうか。
○参考人(藤原福夫君) 確かに、そういう点は一部あると思います。 力労働で働いているということと、それから超過労働が炭鉱の場合相当多いわけですね。収入の三分の一が超過労働賃金で、現在の年間総労働時間が千三百五十時間でございますから。したがって、それに対応する賃金ということで、時間給にしますとかなり安いんですけれども、超過労働をやってうんと稼いていると、こういうことです。それでもその方がいいということで、炭鉱から離れたくないというのもあると思います。 しかしもともとは、もっと言えば、先生先ほど三Kだと言いますけれども、危険だというところはこれはうまくないので、絶対事故は起こさないようにということで、八次政策になってからはこれは相当保安はよくなりました。ただ、汚いとかきついとかいうことは、労働者というのは、ただそれだけで働くのではなくて、やはり自分の父、じいちゃんからずっと歴代炭鉱労働者をやって、特に戦後の時代においては石炭を掘ることを相当誇りとして掘ってきた。そういうところで育ってきておりますし、また先ほど言いましたように友達も親戚もみんな近所にいるしとか、その中での人情味が厚いとかも含めまして、いかに住みやすいか、住みなれたかという問題もあるわけです。そんなことも含めて、やっぱりできれば炭鉱労働者としてこれからもやっていきたいと、こういう気持ちの方が全体としては強いわけですが、これも年代によって違います。 先ほど言ったように、四十代、五十代になってそういう意識が強い労働者というのはどうしても、私もその一員でございますけれども、やはり炭鉱がいい、炭鉱地帯がいいという認識があります。ただ、今ごく少ない人数しかおりませんが、二十代、三十代の若い人たちは、案外身の振り方は軽いので、どうしてもやっていかれないんだったら、どこかよそへいいところだったら行ってもいい、そういうこともございますので、やはりそういういわばニーズに合わせたこれからの職業訓練だとか、あるいは会社の多角化、新分野、そういったことを労使双方で検討していく必要があるというふうに考えております。
○広中和歌子君 私は、先ほど炭鉱の技術というのですか、それも非常に高いので、試験炭鉱としても存続させていいんじゃないかというような御意見が今同僚議員から出ていたわけでございますけれども、もしそうであれば、そして地球上に石炭の埋蔵量というのは非常に多いし、それからたくさん石炭に依存している国がいっぱいあるわけですね。しかも、燃焼技術が悪かったり、あるいは使い方の問題、今度はユーザーの方の側ですけれども、それから脱硫装置が十分でなかったりというようなことで、これから日本が世界に貢献していく役割の一つとして、そうした何というのですか技術移転、しかも環境にかかわるような技術移転というようなものもあるんじゃないかと思っているんです。少なくとも現在の炭鉱労働者の方々が、海外にまで行ってそういったような役割をするという可能性はまたあるのかどうかということをちょっと伺ってみたいなと思ったんですけれども。どなたでも結構でございます。
○参考人(藤原福夫君) 先ほども言いましたが、これは今度の石炭鉱業審議会の中でいろいろな議論がありまして、一つは海外炭開発ということを考えた場合、開発をして輸入をしなければ日本の輸入量が確保できないわけですから、単に金を出して買ってくればいいという時代から、外国との関係ではもっと深いつながり、開発輸入であるとか、いろいろな輸入の仕方があると思うんですが、それを行う場合に二つ意見がございました。 私どもとしては、日本に炭鉱があった方がそういったことをやりやすい、だから残してほしい、こういう考え方でしたが、中には、いや、外国の炭鉱で研究すればいいんだから、無理して国内に炭鉱は要らないんじゃないかという意見がございます。しかし、私どもは、これからもやはり国内に炭鉱を残して、それで国際的に交流をしていくという立場の方がいい考えではなかろうかと、こう考えております。 それからもう一つは、今の地球温暖化等の問題については、これは燃焼技術ですから火力発電所等の方での技術にはなるんですけれども、しかし、燃焼技術だけを切り離しをして、いわゆる採掘技術とか炭鉱を残す残さないということとは無関係にして、燃焼技術、温暖化防止技術ということを考えればいいのか。それとも、炭鉱を残しながら採掘もする、生産もする。その中で燃焼技術のことも考える。言ってみれば、日本の石炭という、石炭技術ということをグロスにして一体にして総合的に進めるという観点の方がいいんではないか。僕はこういうふうに考えるんですが、そうでない意見の方もおりますので、この点が今度の答申に出ておりますが、今後均衡点についてはさらに検討を続けるというふうな表現になっておりますけれども、そういったことにつきまして私どもは私どもなりに頑張ってそういう意見を展開していきたいと思っております。 基本的には、やはり国会の審議も含めた国民コンセンサスというところにあると思いますので、今後五年、十年に向けてまた議論をあるいはお願いをしてまいりたい、こう思っております。
○広中和歌子君 時間が足りなくなってきそうなんですけれども、二つちょっと今の点につきまして、高村参考人により広い視点から、国際的な視野からお答えいただきたいことが一点と、それから先ほど東田市長さんから芦別市のレジャーランドとか工業団地の誘致とかいろいろ成功した例を伺ったわけでございますけれども、こうした炭鉱町のいわゆる新分野開拓としてほかにどんなものがあるのか。山本参考人でも結構でございますし、また東田さんでもどちらでも結構でございますけれども、もうちょっと突っ込んだところでお話しいただければ。 まず、高村さんからお願いします。
○参考人(高村寿一君) 私も石炭技術については専門では全くありませんで、素人ですので感想みたいなことになるんですけれども、やはり日本の石炭の技術は非常に特色もあるようなんです。非常に深度の深いところの技術、採炭、採掘技術というのは非常にすぐれている。それから、保安技術も割合いいんじゃないかと言われているわけですね。こういうのは、やっぱり輸出のできる、輸出というんですか、技術、ノウハウを提供するような経営資源というんでしょうか、そういうものにはなると思うんです。ですから、それを提供できるような格好につくっていくということは大いに考えてよろしいんじゃないかと思います。 それから公害、今度燃す方ですけれども、その公害防止の技術も先進的だと言われておりますから、そんなものをパッケージにできて輸出することができれば国際貢献の面でも意義があるんじゃないかと思います。 ただ、それで藤原参考人の意見とちょっと違うのは、もちろんそういう技術温存ということで国内炭を守っていくんだという意見もかなり強くあるわけですけれども、そこのところはもうちょっと私は広く考えるべきではないかと思います。一番大切なのはエネルギー政策なんです。ですから、そこから出発して技術を活用していくというふうに考えるのはいいんですけれども、ただ技術を守っていく、温存していくために非常に保護していくというのはやや違うんではないかなというふうに思うんです。しかし、やはり技術というのは非常に大事ですから、何らかの方法で、海外でやるにしてもあるいは今のどこを残すかということは成って考えて、それでサービス供与みたいなことができれば、それは日本の役割ではないかというふうに思います。 余り専門的でない話で、一般的かもしれませんが、失礼します。
○参考人(東田耕一君) 広中先生のお尋ねにお答えいたします。 本市が取り組んでまいった観光開発や工業団地の造成を国にお願いして企業誘致活動を展開いたしておりますこと、先ほど申し上げたとおりでございます。第二工業団地、新たな工業団地を今つくっていただくべくお願いしているわけですが、これに会社側にも力を入れていただいてそこに企業を引っ張ってきてもらう、新しい企業を創出していただく、そして雇用の場を拡大していただく、このことを強くお願いしているわけです。市も完成並びに分譲の時期に向けて努力をしているわけでございますが、そういう効果を上げるためには、早く工業団地が完成していただかなくちゃいけないということがまず第一点でございます。 それから、先ほど申し上げましたテーマパーク、カナディアンワールドでございますが、これは第三セクターで設立いたしました。第三セクターで設立いたしましたのは、やっぱり第三セクターでなければなかなか大手民間、民間資本がやっていただけるということにならない。先ほど先生もちょっとおっしゃったけれども、山の中であり必ずしも風光明媚なところでないわけですから、結局は第三セクターでやらざるを得なかったということなんですが、非常に経営が厳しいということでございます。これらに対する国の長期低利融資であるとか、もっと門戸を広げていただけないかなという気がいたしております。 それから新分野開拓については、これはさっきも申し上げましたように、石炭会社並びに親会社の方にも強くお願い申し上げているわけですが、やっぱり炭鉱の遊休社有地、広大なといいましょうか、広い面積、これを有効に活用していただく。それから、今炭鉱が持っておられる電気や水道などについても十分供給できるわけですから、そういった場所と水や電気を有効に活用した企業創出、企業誘致という面に、石山灰を採掘、生産して経営しておられる会社側の方にもその辺の取り組みを強くお願いしたい、こう思っているわけでございます。
○委員長(岩本政光君) 山本参考人、御意見ありましょうか。
○参考人(山本文男君) 先生のお尋ねでございますが、私は新分野の開拓はこういうふうに思います。 石炭会社というのは、石炭会社そのものが持っているいろんな技術がございます。先ほどからお話のあったとおりです。ですから、もう観光面はすぐだれもが今現在は出てくるんですけれども、これはお考えになっておられるだろうと思いますが、例えば炭鉱で技術というと、これひっくり返しますと建設事業なんかはいいんじゃないでしょうか。それから、機械をたくさん使っていますから、機械に関するメ一カーになるとかあるいは機械を使うようなそういうような企業などが向くんじゃないだろうかと思います。さらに、電気については、かなり炭鉱の石炭を掘るために電気を使っていますから、電気の技術を生かしていくという、そういう企業もいいんじゃないでしょうか。 それからもう一つは、たくさんの人たちが炭鉱というところは働くところですから、いろんな面で人間が生活するためのすべてのものを備えていなければ炭鉱というものは存立てきないわけですので、それらについての炭鉱会社というのは特殊なものを持っていると思いますので、それらを生かしていく、言うならば、何といいますか商社みたいなものもいいんじゃないか。ここはちょっと粗いかもしれませんけれども、例えば購買なんかやっていますから、そういうのをやるスーパーといいますか、ああいったものでも炭鉱会社がうまくできるんじゃないでしょうか。それからまたお世話が非常に上手ですから、ホテルなんかのこういったものもいいんじゃないか。 だから、ある意味では炭鉱会社というのは全部やっているような気がいたしますので、どの分野に進出してもいいんじゃないかな、こういうふうに思います。やっぱり持っている技術を生かしていく企業をつくっていった方がいいんじゃないかな、そういうふうに思います。
○委員長(岩本政光君) 時間が来ましたので。
○市川正一君 私、日本共産党の市川であります。きょうは御苦労さまです。 まず、藤原参考人に二点お伺いいたします。 私ども日本共産党は、エネルギーの自主的供給基盤を確保するという立場から、国内炭の復興、開発利用の促進を主張してまいりました、御承知のところだと思いますが。しかし、今度のこの法案の意味するところは、向こう十年の間に国内炭を事実上放棄しようとするものです。エネルギー供給基盤の脆弱な我が国のエネルギー政策として容認できるものでないと私どもは考えますがい石炭鉱業に携わっている労働者の労働組合としてこれをどのように評価されているのか、まずお伺いしたい。 それからもう一点は、石炭鉱業審議会の答申では緊急就労対策事業、俗に言う緊就ですが、この終息や開発就労事業の見直しを提起し、この法律では事実上法的効果はなくなっているとはいえ緊就を削除するということについて、この事業に就労しておられる方々が実際に残っている現状のもとで、私どものところへもいろいろ請願、陳情の要請が、はがきその他来ておりますけれども、まさに切実、深刻な問題になっておりますが、同じ働く者という立場から見て参考人はどういう見解をお持ちなのか、簡潔にお伺いしたいと思います。
○参考人(藤原福夫君) 私どもも、基本的には少なくとも現行規模の国内炭は残していただきたい、こういうことで主張をしてまいったわけですが、先ほど申しましたように、全体で討議をした結果このようになったものと、こういうことでございますので、できるだけ均衡点を高くしていただきたい、こういうことでこれからお願いをしていきたいと思っております。 それから、先生十年で放棄されるという表現でございますが、私どもはそういうふうには理解しておりません。均衡点という、今のところまだ数字的なものは明らかではございませんが、これはいわゆる構造調整政策であって、いわゆる撤退政策ではない。したがって、量は別として十年以降も必要な国内炭鉱は残り得る、あるいはまた残していただきたい、こういう観点からこれからも運動を進めていきたいし、またお願いもしてい。くと、こういうことでございます。また、今度の出されている法案もそういう趣旨で出されていると、こういうふうに判断しておりますので、放棄するという認識ではございません。 それから、緊就、開就の問題につきましても、これはまだ関係者がおられるので削除は問題があると、こういうことで、いろんな話をしましたけれども結果的に前回改定されたときのまま、こういうことで今後運用されると、こういうふうに聞いてございますので、一応法律文からはなくなるというふうには聞いておりますが、実態としては今までこの八次政策下でやってきたものが続けられると、こういうふうに認識してございます。
○市川正一君 参考意見として承っておきます。 次に、東田参考人並びに山本参考人にお伺いいたします。 産炭地域振興対策は三十年、石炭鉱害対策は四十年の歴史がございます。これらは所期の目的を達しているとお考えなのだろうか、それとも改善すべき問題が何かあるんだろうか。地方行政に実際に携わっていらっしゃるお立場から、御見解をそれぞれ承りたいと思います。
○参考人(東田耕一君) 市川先生のお尋ねにお答えいたします。 北海道の場合は鉱害問題が余りございませんから、これは私のコメント外にさせていただきますが、これまで政策並びに関係諸機関の特段の御配慮をいただいて一定の成果を上げることができたというふうに考えております。 ただ、今なお疲弊が著しい地域、それから、これから閉山あるいはまた合理化というものを迎えようとしている地域もあるわけでございまして、本市なんかは特にそういう危機感を強めているわけでございまして、そういった地域に対して重点的な対策をぜひお願いを申し上げたいというふうに考えている次第でございます。特に、先ほども申し上げたと思いますが、財政運営が非常に産炭地は押しなべて厳しくなってまいっております。したがいまして、そういった面での重点的な御支援というものを国にお願いを申し上げたいというふうに考えている次第でございます。 いずれにいたしましても、産炭地域振興実施計画の実効性の確保についてぜひ国、道の強力な御支援をいただきたいものだ、こう考えております。
○参考人(山本文男君) 適切なお答えができるかどうかわかりませんけれども、産炭地域振興が目的を達成しているかどうかということは、これはもう石鉱害で答申をされておりますからそのとおりだと思います。 ただ私は、最初に申し上げましたように、それなりの三十年なりの成果は上がっていると思います。しかし、それでもなおかつその疲弊から脱却し得ないというのはどういうことかというお尋ねであろうと思いますけれども、もしこの三十年間の支援がなかったとするならば、いまだ疲弊から脱却し得ない市町村というのはもっと悲惨な状況にあるんじゃないでしょうか。それが支えになって今日の状態を維持していると言っていいんじゃないかと思います。 ところが、同じレベルで支援をされておるから産炭地域の市町村が一般市町村と同じ水準、言うならば進行度、速度でよくなっていったとしても、一般の方ともともと差がついているわけですから、ギャップがあるわけですから、一般並みに上がっていかないということは、これはやむを得なかったと。それを追い越すためのさらに強力な支援と市町村の自助努力が相まって効果を上げてきたならば別だと思いますけれども、何といいましても産炭地域の市町村の財政力というのは、何回も申し上げるように極めて脆弱でございます。全国の平均で対比してみますと、もう非常に脆弱であるということがおわかりになるとおりでございますから、したがって、支援を受けてやるのが精いっぱいで、それ以上のものができなかったというのが目的達成にならなかったんではないか、私はそういうふうに思っています。 それからもう一つ、鉱害復旧でございますけれども、これは五十七年の長期計画のときが五千九百億円だったんですが、この数字はその当時正確であったと、私どもはそういうふうに信頼を申し上げておるんですけれども、ところが復旧を行っていくうちに新たな鉱害が発生したり、それからインフレーターでかなり復旧費が高くなってきたりというようなものがあって、数字の上ではそのとおりに進捗をしてきたんですけれども、量の方が残っていった。すなわち、金額と物の方がうまく合っていなかったということが言えるんじゃないかなというふうに思いますのですけれども、広範囲の鉱害が発生しておるものですから、時代の流れが後始末に対するものに対して極めて冷たいところがあると言ってもいいような感じがしますので、鉱害復旧というのは割とそういう面では難しさが伴っている。だから今日残っておる。こういうことであろうかと思います。 ちょっと説明が十分でないかもしれませんが、御理解いただければと思います。
○市川正一君 どうもありがとうございました。 最後に、河原崎参考人にお伺いします。 石炭鉱業審議会の答申は、国内炭の役割について、エネルギーセキュリティーと国内炭技術の国際展開、二つ挙げてございますね。技術の国際的展開について申しますならば、確かに石炭企業が持っている石炭関係の技術をバーゲニングパワー、言うならばてこにして、そして国際的な企業展開を図ろうというものであります。考えてみると、利益を追求する石炭企業にセキュリティーという国家的課題で、エネルギーとして将来性がないというふうにみずから位置づけた国内炭の生産を期待するという答申や政府の姿勢は、ある意味では自己矛盾でもあるんです。業界としては、石炭企業としては、本音のところでどうこれを受けとめていらっしゃるのか、ちょっとこの機会にお伺いしたいと思うのであります。 私、持ち時間がもう参りましたんで、高村参考人にはまことに失礼をいたしますが、御了承願いたいと思います。 以上です。
○参考人(河原崎篤君) 大変申しわけないのでございますが、先生の御質問の趣旨がちょっとはっきりいたしませんで、恐れ入りますが、もう一度。
○市川正一君 回りくどい言い方をいたしましたが、率直に言うと、国家的課題、セキュリティーという課題を言うならば石炭企業に付与していると、技術の国際的展開ということですね。しかし、石炭、国内炭というのはもうエネルギーとして将来性がないと、ヒういうふうに位置づけているわけですね。その国内炭の生産をしょわされている石炭企業、いわばお荷物になっているのと逢いますかというようなあたりは、どないお考えなんでしょうかということなんです。
○参考人(河原崎篤君) 国内炭についてもう存在の価値がないんだと、こういうふうにこの答申の中では言っているんじゃないと、こういうふうに私は思っております。それは、あくまでもエネルギーセキュリティーの面からも、また高度に蓄積されました石炭生産あるいは利用のノーハウ、こういうものにつきましてはそれなりの将来担うべき役割があると、こういうふうに私は認識いたしておるところでございます。
○市川正一君 それはまあそう言わざるを得ぬでしょうけれども、今の政府の方針、そして今度のこの政策というのは、いわば国内炭切り捨て政策ですからね。そこの矛盾というのは、これは引き続く法案審査の中でやらせていただきますから、どうぞお任せください。 ありがとうございました。
○古川太三郎君 そんなには聞くところはございませんが、今の話を受け取って聞かせていただくんですが、先ほどから参考人の皆さん、答申に沿って努力するというようなお話がございますけれども、本当に答申でいいのかどうか。今同僚議員が質問したようなところもあると思うんですが、本当に日本の石炭というのは、もう価格的に競争は無理なんだということははっきりしているだろうと思うんです。この今度の法案が、これは日本の石炭を本当に活性化するためにもっと増産していくんだとか、そういう方向でないことだけはもう確かなんで、むしろ段階的縮小というような方向に向かっていることも事実だと思うんです。 それで、本当に十年後にこれはゼロにしてしまっていいのかどうか。いや、そうじゃなくて、何割かは、あるいは何%になるかもしれませんけれども、これは何%かは絶対に残さなきゃならぬものなのか。そういったことが本当にその答申を出されるまでに議論されただろうと思うんですけれども、そこら辺の価値観をどうされているのか。例えば、十年後にはゼロになってもいいんだというのか。いや、そうじゃなくて、少しはどうしても残さなきやならぬ価値があるんだというように考えられているのか。これは、高村参考人と河原崎参考人にお聞きしたいと思います。
○参考人(高村寿一君) これは国内炭の役割をどう評価するかという話だろうと思うんですが、この答申ではゼロにするということは全くないわけでありますし、多分そういうふうにはならないだろうと皆さん考えていると思います。答申の中でも、やっぱり縮小していくんだけれども、全く失われだというのは言い過ぎであって、それ相応の位置づけをするという表現をとっているわけでありまして、それはいろいろな意味があると思いますね。 今、現在七、八千まだいらっしゃって、八百二十万ちょっとですか、これは急に転換できないということで、十年間の間にやれるだけやってみようと。特に縮小の目標ということもここでは挙げていないわけです。それは余りにも変動要因が大きいと思います。エネルギーもそうですし、これから新しい分野を開拓していくという不確実要素もありますし、それはですから毎年度見直して、見直しというか評価して、それから先を決めようということでありまして、今十年後を見定めてゼロだということではないのでありまして、決して私は国内炭を過小評価しているものではないと思います、答申自身も。私もそういうふうに思っております。 しかし、全体としては、八次策からどうしても今のような均衡点が、経済負担の問題とのバランスですね、その需給のバランスからいっても、これはやっぱりちょっとアンバランスであるという認識ですから、それは段階的に情勢判断をしていかざるを得ないんじゃないかというふうに思います。 以上です。
○参考人(河原崎篤君) お答え申し上げます。 私、高村参考人から今お答えがございましたのとほとんど同じ意見でございますが、この答申は、あくまでも国内石炭産業をゼロにしてしまうということを考えておるわけじゃございませんで、国内石炭産業にもそれなりの、減ってきておりますが、国民経済的意味合いがあるということで、それに見合う石炭の国内炭の生産体制は残ると、こういうことで答申がなされておると考えております。私どもの主張もそういうことでございまして、御理解をいただきたいと存じておる次第でございます。
○古川太三郎君 もう一点だけお聞きしますが、そういう日本の国内炭はそれだけ残す価値があるんだというお二人とも御認識なんですけれども、ならば、もう少し違った答申が出てもいいし、また法案も出てもいいと思うんですけれども、これは、よくよく目的を定めないで、本当に自然死していく、安楽死するような、そのような感じも受けないではないんです。 これはもう時間がないもんですから、もう本当に大ざっぱに申しますけれども、そういうことであっては、これは逆に、産炭地を活性化するとかいうようなその活性化に向かっての精力も鈍ってしまうし、これはそういう意味からどっちつかずになってしまうんじゃないかな、私こういう気もしないではないので、いま一度その点について明確に、国内炭は残さなきゃならぬという絶対的なものがあるんだということを、やはり我々素人にでも理解できるようなお話を例えればありがたいと思うんです。
○参考人(河原崎篤君) たびたび同じことを繰り返しまして恐縮でございますが、私ども国内炭鉱を経営しております者にとりましては、国内炭の国民経済的意味合いは、先ほど高村参考人が言われました雇用の問題もございますが、そのほかにエネルギーセキュリティーの問題、それから持っております技術を、これは温存するということじゃなくて、海外に展開いたしまして、それによりまして、今までほとんど単純買鉱でやっておりました石炭、海外炭につきましても、これを技術に根差した開発輸入というようなことで日本のエネルギー産業に貢献する、こういうような趣旨で、必ず国内炭鉱はある規模で残る。ただ、どの程度の規模かということにつきまして、これは今後のポスト八次政策の期間中に決まっていくと申しますか、国民のコンセンサスによって決まっていく、こういうことになる、こういうふうに思っておるところでございます。
○安恒良一君 時間がありませんし、もう同僚議員がたくさん聞かれましたから。しかし、どう聞いておってもはっきりわからない点があります。 というのは、石炭をゼロにするんじゃないんだ、セキュリティーの観点から、国民的経済の役割から、それからユーザーとの関係ということで均衡点が決められるんだ、こうおっしゃるんですね。一方、労働組合の皆さんその他からも、早く均衡点を決めてくれ、高い均衡点を決めてくれ、こう言われています。私は、やはりこれがはっきりしないと、どれくらいの人が要るのか、これは例えば新分野とか多角経営に乗り出すに当たっても、それがないとなかなか計画が立てられない。 なぜかというと、例えば観光であるとか建設とか機械とかいろんなことを言われました。私も九州の生まれですが、九州や北海道では産炭地ではまず人がいないんですよ、人口が少ないということですね。そんなところで観光をやろうと思ってもなかなかうまくいかないんです。日本で一番観光で成功しているのはディズニーランドと江戸村なんです。その他若干ありますけれども、やはり観光というのは人がいないと、もしくは人がうんと集まらぬとこれは絶対成功しないんです、観光関係というのは。その他いろんな仕事が炭鉱のノウハウとしてあるということはわかりますが、私は、やっぱりそれらをやるにしても、均衡点がどのくらいなのか、それがいつごろ決まるかということがはっきりしないと、口では言われているけれども、計画が立てられるかというと立てられないんじゃないか。 そこでお聞きをしたいんですが、今までの答申には石炭の生産目標が示されているんですよ、大体。ところが、今回はそれが示されないまま、抽象的に均衡点、こう言われています。そこで、この点だけお聞きしたいんですが、高村さん、三つの案があったと言われました。第一次、第二次、第三次案があった、それで第三次案に落ちついた、いろいろ意見があったけれども、こう言われるんですね。それじゃなぜ、今私が言ったようなところの、少なくとも石炭の生産目標というのが何年後には大体これだけになるということでお示しできなかったんでしょうか。 それがないと、いろんなことを言われていますけれども、実行に非常な支障があるんです。大体、何年後にはこれぐらいの石炭ということになれば、どのくらいの人員が要るということはわかる。そうすると、それだけの人員を新規事業なり多角経営に持っていくためには、例えば産炭地域だけでだめなら広域ということも考えなきゃならないですね。しかし、なかなか炭鉱の方々は年齢が高いし定住性が強いということでほかに行けるかどうか。組合の委員長も言われましたように着い方は比較的出ていく、しかし年をとった方はなかなか出ていかぬ、こういうことになるんです。平均年齢がもう四十幾つですからね。 それらの計画をするのには、私はどうしても均衡点における生産点をどうするかということがやはりないと計画が非常に立てにくいと思いますが、その点について高村さんのお考えと河原崎さんのお考えを聞かせていただいて、私の質問を終わります。
○参考人(高村寿一君) 冒頭、三つのシナリオがあって、第一番というのは、市場で関係者だけで個別で話し合う、政府は関係しないんだというやり方です。これは多分ゼロになると思いますね、日本の国内炭は。それから第二番目は、もう構造調整は八次で終わったんだからこれは現状維持だ。固定的なものですね。この一案と二案はとれないわけです。そして、その両方の中間というのが第三案ということで、構造調整を続けるんだけれどもそれはある身御点を何か仮定したものである。これが漠然としているというお話だろうと思うんです。 しかし私は、過去この日本の石炭産業、さっき四番バッターと言いましたけれども、日本の国の基幹エネルギー産業だったれけですね。それがここまで構造調整を進めてこられたというのは、これは答申にも評価されているわけですけれども、非常に国際的に見ても割合短期間に構造調整を進めてきたという評価なんです。専門家の方も多分そういうふうに思っているわけですね。その延長でポスト八次と言っているんですけれども、九次と言っていない意味は、一応八次で大体のことはやってきたんだけれども、その後は均衡点というのを決めることができない苦しさがあるわけだろうと思うんです。それは、やはりぎりぎりまでくると、エネルギー情勢というのはなかなか固定的には見られませんね、非常に流動的です。オイルショックのときにも石炭というのは見直されたわけです。 私は、現在セキュリティーという問題では、当面はそれほど危機感はないんじゃないかと思います。需給関係その他で、海外炭も非常に安定しているんでしょうか供給されていますし、原子力エネルギーを考えますと、当面はセキュリティーの論議は緊迫しないと思うんですけれども、しかしエネルギー情勢というのは、オイルで経験したように何が起こるかわからないという不気味さが常にあるわけです、不安があるわけですね。そこでもって最終段階、もうゼロに近いところで目標を決めるということはとても難しいと思います。当面じゃなくて、これは十年の幅で見ているわけですね。したがって、量的規模とか到達時期はいつまでというふうにあらかじめ決めるということは難しいし、間違っているんじゃないかと思います。 したがって、それじゃその均衡点というのはいつどれぐらいというのがはっきりしないじゃないかというお話ですけれども、これはやっぱり現実対応からすると、もう先ほどから河原崎参考人もおっしゃっておりますけれども、いろんなファクターがあって、それは様子を見ながら調整していくというやり方が今は一番いいのではないか。先ほど、五年で勝負だという御意見もありましたけれども、そうしたら五年ぐらいたってみて現在の答申をもう一度その時点で考えても決して遅くないと思います。今までやってきた大改造というのは非常に世界的にも相対的にも急テンポでやってきたわけですから、最後のところはそんなに結論を急がないで、しかしそう言うと先になってしまいますからそれは十年ということで区切って現実対応しようというのが考え方でございます。 以上でございます。
○参考人(河原崎篤君) 高村参考人から今詳細御説明がございましたので追加することも余りございませんが、私ども炭鉱経営者といたしましては、炭鉱の技術をさらに磨く、保安の技術につきましてもさらに磨くというようなことに今後とも一生懸命努力していきたい、こういうふうに思っております。また、新規事業あるいは多角化、これにつきましては均衡点が決まらないと腰が入らないというようなことではなくて、これはこれで一生懸命今後最大限の努力をしていきたい、こういうふうに思っております。 どうか、今後ともよろしく御指導、御援助をいただきますようにお願いをいたします。どうもありがとうございました。
○安恒良一君 もう時間がありませんから。私は、やっぱりどうもいろんな説明を聞きますと、ソフトランディングだと、安楽死じゃないんだと、こう言われながらも、そこのところが非常に心配だということをまず……。 それから、二つ目に申し上げておきたいのは、新分野とか多角経営は一生懸命やると、こう河原崎さんはおっしゃいましたけれども、じゃ、八次までにも当然やらなければならなかったんだけれども、僕たちが見てみますと、これは悪いんですが、まず閉山ありきということで、八次までにも本当に、あなたたちが今おっしゃったように、まず雇用対策をお考えになって新分野や多角経営をおやりにな。ったんだろうか。 どうも、私は八次までの炭鉱閉山の過程をずっと見ておりますと、私自身も、おやじが三菱に勤めておりまして、三菱で育った男ですから炭鉱のことをある程度見ていますが、今回は一生懸命やる、それは均衡点が決まらぬでもやると、こう今おっしゃっていますから、その言葉は信用いたしますが、本当にやっぱり積極的におやりくださらぬと、また八次までと同じようなことを繰り返していわゆる失業者が産炭地域に滞留する、こういうことになりかねないなという心配を私は申し上げておりますから、これはなお、あした、法案の中でそれをそうならないような議論を私たちもしなきゃならぬと思っております。そのことだけちょっと申し上げておきます。 以上です。終わります。ありがとうございました。
○委員長(岩本政光君) 以上をもちまして、参考人に対する質疑は終わります。 参考人の方々には、大変お忙しいところ、長時間にわたり御出席をいただき、貴重な御意見を拝聴させていただきましてまことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十二分散会 —————・—————