商工委員会 第2号
- 発言数
- 147 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1992/03/12
会議録
○委員長(岩本政光君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。 前回の委員会において聴取いたしました所信等に対し、これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○福間知之君 先般、通産大臣並びに経企庁長官、公取委の委員長から、来年度の施策についての所信の表明を聴取いたしました。きょうは、その所信表明に対して、私、全般的に幾つかの点について、見解を交えながら質疑をしたいと思います。 まずは、景気の問題に関しましてお伺いをしたいんですが、現在我が国経済が直面している最大の課題は、減速しつつある景気への対応ではないかと思います。昨年来の景気動向はいわば予断を許さないと見られまして、今日においては厳しい状況になっておると判断されます。これは通産省が先日発表した鉱工業生産動向や大型小売店販売統計などを見ますと、生産、消費とも停滞傾向を示したことが明らかになっております。 しかし、政府の内部あるいは政府と日銀の間におきましては、景気の現状についての認識に一定のずれがあるように見受けられるわけであります。この認識のずれが経済の先行きを不透明にしておりまして、産業界や国民に不安な心理を広げていると考えられます。こうした不透明感を払拭するためにも、景気の現状と見通しについてまず明確な判断を求めたいと思うのであります。 また、早急に景気対策を講じる必要があることは言うまでもありませんが、先日骨子が明らかになった総合経済対策の中身程度ではその効果が十分だとは言えぬでしょう。これは経企庁あるいは通産省がどういうふうな抜本的な対策をお考えになっているかお聞きをしたいわけであります。 まず、経企庁の方からお願いをしたいと思います。
○政府委員(吉冨勝君) 景気の現状及び見通しについて申し上げます。 政府の統一見解は月例経済報告の中で示されております。そこでは、我が国の経済の現状は、雇用の均衡を維持しながらインフレなき持続可能な成長経路に移行する、そういう調整過程にあるというふうに言っておりますが、その調整過程の中で最近景気の減速感というのが広がってきております。 具体的な現象としましては、在庫調整の動きが本格化しております。とりわけ、資本財と耐久消費財につきましては、年末にかけまして在庫の意図せざる増大が見られました。そのために、生産調整が行われておるため、生産は弱含みで一進一退ながらも推移しております。したがって、こうした中で企業家などのマインドがいわば実態以上に冷え込むというふうなことも日銀の短観なんかで今示されてきつつあるところであります。しかし、そういった現時点での在庫調整などにまつわる動きの中では、今後の我が国経済を見通す場合に次の幾つかの点というのが重要ではないかというふうに思います。 一つは、物価が非常に安定しております。消費者物価の上昇率で二%台というふうに考えてよろしいかと思いますし、それから現時点、この一月でも前年同期に比べまして雇用者数の伸びというのは二・五%、十二月の場合ですと三%に上っております。新年度につきましては我々は約二%を考えておりますけれども、こうしたものと一人当たりの雇用者所得の伸び四%程度というのを合計いたしますと、雇用者所得全体としては新年度には少なくとも六%程度で伸びるだろうというふうに考えておりますので、先ほど申し上げました耐久消費財など一部には需要の一巡ということから需要の低迷が起こりましても、消費全体としてはその所得の堅調な増大に助けられて、基調としては強く堅調で推移するというふうに考えております。 それから住宅投資でありますけれども、これは非常に大きく落ち込んでまいりました。ところが、昨年の秋口以降から全体として百三十万件の着工件数がありましたものが、そこら辺で底を打ちまして、年末から年始にかけまして百三十万台の半ばほど、実際に一月は百三十八万戸、年率ですけれども、そういうところに下げどまりをし緩やかに回復する気配を見せております。これはとりわけ金利に敏感な持ち家それから貸し家などについて今申し上げたような動きが出ておりますけれども、分譲などについてはまだ下げる傾向が続いているかと思います。 設備投資でございますけれども、これはこれまでの金融緩和が投資環境に非常によい状況をつくりつつあります。投資環境と申しますと、まずいわば金利と利潤率との関係ですけれども、金利は長期プライムレートで見ますと六%まで落ちてきております。それに対して日銀等が計算しております資本利益率というのは、それを少し上回るような状況でありますので、そういう意味での投資環境の好転ということから独立投資というものも中心に比較的底がたく推移するというふうに考えられます。 それから、先生御存じのように、補正及び新年度の公共投資におきましては、一般会計、財投、それから地方財政におきましてそれぞれ五%、一〇・八%、一一・五%というふうに、公共投資そのものがかなり伸びるようになっております。 したがって、以上のような消費、住宅、設備投資、それから公共投資といったような最終需要に支えられまして、先ほど申し上げました在庫調整というのは、新年度の比較的新しい時点で調整を終えて生産は上昇に乗るのではないかというふうに我々は考えております。そういう意味で、こういった比較的明るい材料も一方であるわけですので、景気が失速するということは考えられません。したがって、そういう意味での内需を中心としたインフレなき持続成長が実現できるというふうに考えております。ただ、景気の減速が企業家等の心理を非常に大きく冷え込ませることがないように、景気に十分配慮した施策を行う必要があるということは政府で一致して認識しております。 こういうわけで、財政面で平成四年度の予算や財政投融資計画において公共事業の拡充に最大限の努力を払っているところでありますし、先ほどのような金融面でも一層の緩和を図ってきているところであります。さらに先般、関係閣僚におきまして景気に配慮した施策を行うという認識で意見の一致が見られまして、各大臣からの発言が五項目についてまとめられたところであります。そういった五項目の内容については、既に先生御存じのことかと思いますけれども、第一には新年度予算の早期成立とその成立後の速やかな適切なる執行、それから地方単独事業の機動的な執行といったようなことを中心とした五項目というものを官邸における会合で約束しております。 こうしたことから、平成四年度の我が国経済は、一応政府経済見通しの線三・五%に沿って推移するものというふうに私どもは見込んでおります。当面の経済情勢は今のように考えております。以上です。
○福間知之君 ただいまの御説明では、決して楽観しているわけじゃないけれども、在庫調整その他の要因が着々進行しつつあるので、予算の成立を図ることを初めとして、順調に今後の景気回復というものを展望することは可能だ、こういうふうな結論だと思うんです。 世上、この三月期の決算は、日本を代表するような業界、大企業においてかつてない減収、減益とかなり際立った業績悪化が見られるわけであります。だがそれも、この春以降の景気回復ということを考えればさして問題視することはない、こういうふうな御判断のようにうかがうわけですけれども、今公定歩合の再利下げというものが話題になっておりますが、経企庁としては特にこれにどのような関心を払っておられるのかどうかお聞きをしたいと思います。
○政府委員(吉冨勝君) ただいま先生御指摘になりました減収、減益という状況をまずちょっと御説明申し上げますと、確かに大変な減益でございます。ところが、今回の平成景気の頂点のときにはこの利潤というのが大変高うございましたので、仮にこれを売上高利潤率、収益を分子に持ちまして分母に売上高をとりますと、この売上高利益率というのは今回のブームのピークのときには五・八%、それが急速に落ちまして、昨今発表になりました日銀の短観によりますと、この三月期の売上高利益率というのは四・一%前後まで落ちてきております。 ところが、これは製造業だけに限ったものでございますけれども、この四・一%というのはこれまでの過去の景気のピークの四・六、七%という売上高利益率から見ると若干低いわけですけれども、過去の景気後退期のボトムにはこういった利益率というのがわずか二・六、七%でございましたので、今日の四・一%前後の水準というのは過去のピークに比べてやや落ちる程度でありまして、いわゆる不況期のような大変に悪い状況では必ずしもないというふうに我々は認識しております。 ただ傾向としましては、先ほどのように生産調整が在庫調整上必要となっておりますので、あるいは財によりましては秋口に調整がおくれるものもあるかと思いますけれども、全体としては年央ごろから在庫調整が終了し生産が増大に向かうものというふうに思われております。したがって、そういう流れを、つまり在庫調整をスムーズにするための金融の環境というのは、かなり先ほど申し上げましたように設備投資についての投資環境の好転ということで是正されてきている、好転してきているというふうに思われます。したがって、今後の公定歩合や金融政策の動きにつきましては日銀の専管事項でおりますので、その判断は日銀に任せるべきでありますけれども、我々としてはこれまでの金融政策は相当順当な動きをしてきているというふうに判断しております。
○福間知之君 吉冨局長には日ごろ何かとお世話にもなっていますが、この問題だけにかかわっているわけにもまいりません。 ただ、最後に一言、物の資料を見ますと、四十八年の第一次のオイルショックから立ち直りに入った時期の業績、これはまだかなりシビアなものでしたけれども、それに続いてこの三月期というのは今言う売上高利益率などというものがさあ高いのか低いのかちょっと判然としないんですが、そんなような気持ちを企業経営者が持っているようですから、これはかなりショックだということは言えるわけです。私の所属する電機産業などでも最大手で四〇%、六〇%減益というふうなところもありますので、これは自動車のトヨタさんにしてもそれに近い業績悪化が今見込まれているわけですね。したがって、年央から遅くても秋口にはという見通しは、それはそうであれば結構だと思うんですけれども、やはりなだらかな調整過程が今進行しているんだ、これ以上に谷底へ落ちるという危険はまずないと、こういうふうに判断しているようでございますので、十分監視をして対応を願いたいと思います。 そこで、こういう時期にはやはり体力の弱い中小企業が最も影響を受けやすいことは言うまでもございません。当商工委員会はかねて中小企業政策というものをかなり力を入れて議論をし、対処してきているわけでございますが、平成二年に月平均でこの倒産件数が五百三十七件あったのに対しまして、平成三年には八百八十七件と増加をしております。平成三年十月から十二月期の月平均では千件の大台を超えました。したがって、中小企業の実情に配慮して、機動的かつ弾力的な政策運営が求められるところであります。 そのためには、公定歩合の早期再引き下げが重要ではないかと思います。それとともに、中小企業への金融を確保していく上でやはりかぎとなるのは政策金融ではないかと思います。すなわち、政府系金融機関からの資金供給が安定的に行われるようにしっかり準備しておく必要があると思いますが、この点につきましては通産省の方の見解を伺いたいと思います。
○政府委員(南学政明君) 景気が減速傾向を強める中で、先生御指摘のとおり、とりわけ中小企業に対する政府系金融機関の安定的な資金供給というのが重要だと私どもも認識をいたしております。 したがいまして、昨年十二月補正予算を組んでいただきましたときに、中小公庫及び国民公庫に対しまして四千二百五十億円の財投追加を行っていただきました。また、平成四年度の財投計画案におきましても、両政府系中小企業金融機関につきまして今年度を上回る貸し付け規模を想定いたしまして、今年度当初計画比約三千二百億円増の財投規模を確保しているところであります。また、質的な面におきましても、去る二月三日、基準金利を六・六%から六%に引き下げる等の措置を講じております。今後とも、中小企業をめぐる経済金融情勢を注視しながら、中小企業者に対する良質かつ安定的な資金供給に万全を期してまいりたいと考えております。
○福間知之君 先ほど吉冨局長にもお聞きした金利の再引き下げということについては、今の御説明の中にはありませんでしたけれども、通産当局はどういうように考えておられますか。
○国務大臣(渡部恒三君) 今お話しの金利の問題ですけれども、昨年の十一月から景気の問題が大変心配をされておりました。それは、今委員からお話がありましたように、一番大きな問題は設備投資、それから住宅、こういったものの投資が少なくなっておることでありますから、ならば日本の経済にそういう力がないかといえば、十分に住宅を建てるあるいは設備投資をする潜在意欲はございます。 そういうことで、昨年公定歩合の引き下げが新しい内閣になって二度行われたわけでありますが、ことしになっても、経済団体あるいは政党から、もう一遍公定歩合の引き下げを行うべきであるという声が非常に強くなっておって、産業界の中ではもう一遍公定歩合の引き下げがあり、金利が下がるものならば、そこでこれは設備投資を計画した方がいいという、そういう期待感が今停滞させておりますから、公定歩合の引き下げは日本銀行の総裁の専管事項で、これをとやかく言うことがいいとか悪いとかの議論がありますけれども、産業界の実態に責任を持ち、これから景気が下降するようなことのないようにしたいという立場からいえば、これはある日突然思い切ってもう一遍行われて、もうこれ以上はないんだと、いわゆる下げどまり感というものを払拭して、産業界の皆さん方が思い切って設備投資の計画に入ってくださることが好ましいことだと、産業界の実態を預かる私としては考えております。
○福間知之君 中小企業に対する政策金融の必要性ということに関連して、今は公定歩合の再引き下げに関してお聞きをしました。私、一概に、もう何が何でも理屈抜きに再引き下げをやれ、こう必ずしも主張しているわけじゃありません。しかし、今設備投資がそのことによって手控えられ、吉冨局長のおっしゃるような、景気回復過程への順調な歩みが見られないとなれば、これはやはり考えなきゃならぬというふうに思います。要するに、公定歩合再引き下げ問題はしたがってここ一、二カ月推移を見守ることが重要かな、こういうふうに思っております。通産当局としても、産業全般を所管する意味で、今お話のあった設備投資の動向などをにらんで対応を願うことが必要だろう、こういうふうに思います。 次に、産業政策の全般にわたりまして、まず一つは、中長期的に達成すべき課題という点について目を向けてみますと、世界のGNPの約一五%を占めるに至った我が国の経済というものは、一方におきましていわゆる国民がそれに見合ったゆとりと豊かさを実感していないと言われているように、このギャップというものをどのようにして埋めていくのかということが最も重要な課題の一つではないかと思います。 この問題については、現在策定作業が始まっております経済審議会の新経済計画におきましても大きな目標として掲げられていると承知をしておりますが、単に個別の課題を指摘してそれに対する対症療法的な対応という考えだけではなかなか解決ができるものではないだろうと思います。国民全体に経済成長の果実を還元するという明確な理念がまず必要だろうと思います。産業構造を変えていかなきゃならないということもこれまた当然考えなきゃならぬことであります。 したがって、ゆとりと豊かさを実感できるような社会の実現というために、その基本的な考え方、あるいはそれに向けた経済産業政策のあり方等について、これは通産省の見解を伺いたいと思います。
○政府委員(榎元宏明君) お答え申し上げます。 我が国は、これまで効率重視あるいは経済成長志向の経済運営を行ってきたわけでございますけれども、その過程を通じまして飛躍的な経済発展を遂げ、例えば一人当たりの所得をとりましても世界最高水準まで達してきております。また、失業率も非常に低いというところにございます。また、平均寿今も非常に高こうございますし、暮らしの安全度も各国に比べて高いと、こういった形で国民生活の向上が図られてきているわけでございます。 しかしながら、先生今御指摘のように、我が国経済力の大きさと申しますか水準と国民生活の充実感、実感との間に乖離があるのではないかといった状況が生まれてきているのも事実でございます。例えば、所得水準の割に居住水準が低い、あるいは社会資本の整備がまだまだ十分でないとか、あるいは労働時間が長いとかいった問題があるわけでございます。 このような状況にかんがみまして、私どもといたしましては、長期的な経済発展を維持しながら、経済力の高さに見合いましたゆとりと豊かさの実感できるそういう生活ができるために、生活者、消費者の視点に立った産業政策、経済政策を展開していく必要が、これからの二十一世紀に向けての大きな課題であろうと考えているわけでございます。 具体的に、私ども通産省の関係で申しますと、年間千八百労働時間を目指しました労働時間の短縮の問題、内外価格差の是正の問題、あるいは東京一極集中の是正と地域の活性化等の問題につきまして積極的に取り組んでまいりたい、このように思っている次第でございます。
○福間知之君 今の御答弁の中に幾つか出ていましたけれども、後ほどそれらについても若干触れたいと思っております。 要するに、経済の成長とか発展というものは、何のために何を目的にそれは我々社会人が努力をしているのかということですよね。今ここへ来てゆとり、豊かさなどということがどの分野でも口の端に上っているということは、やはり経済の成長、発展の割には国民生活というものがそれに見合っていないということから発するこれは言葉なんですね。かつてウサギ小屋に住む日本人などとやゆされたこともありますが、まさにそれは当たらずとも遠からずという感じで、日本人自身、今実感しているところでございます。 私は、その問題は、したがって単に賃金だけ上げれば事が済むなどという問題ではもちろんないことは言うまでもありませんから、諸般の政策全般を一つの理念に基づいて確固としたものとして進めていく以外にはないわけでありまして、経済発展の自然的条件のみにゆだねておってはこれはいけない、こういうふうに思っているわけですね。 そこで、現在我が国の企業の行動のあり方についての見直しもしたがって求められておるように思います。企業型社会の問題を挙げれば、これは切りがございません。しかし、例えば今日的な重要課題と言われる労働時間問題、あるいはサービス残業、交際費や福利厚生費の企業支出による物価高、社宅を含む企業の土地保有による土地価格の押し上げ、さらにはここへ来て宮澤総理も発言されておりますように、学歴偏重による大企業、大有名大学を頂点とした画一的な受験教育、あるいは企業に過度に依存する個人生活、さらには地域ボランティア活動などの不振、これらの問題が指摘されるわけでございます。 とりわけ、シェア重視の企業行動が企業間の過当競争を生んで、勤労者を初めとした国民生活の豊かさの実現を妨げるとともに、それがまた集中輸出とこれによる貿易摩擦を生じさせているのではないかと考えられるのであります。生活大国の実現及び国際調和に向けた今後の我が国の企業行動のあり方について、これまた通産大臣の所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(渡部恒三君) 過去を振り返ってみますと、戦争が終わって我が国は廃墟の中に貧困をかこったわけでありますから、国の再建は経済の復興にあるということで精いっぱい今日まで働いてまいりました。そうして、世界が驚くほどの経済成長をなし、今や統計の上では世界の中でうらやましかられるほどの豊かな経済になったわけであります。 今、踏みとどまって過去を振り返り、さらに将来を展望しますと、世界の国々からは日本は豊かな国になったという、こういう評価を受けておりますけれども、この国に住んでおる国民の皆さんが豊かさを実感してくれているかというと、現実には残念ながら、大都会の人たちはサラリーマンで汗を流して一生働いても土地が買えないうちが持てないと。毎日、交通渋滞のいらいら、通勤地獄のいろいろ。 また、地方に参りますと、過疎のために息子も娘も東京に出かけていってしまって、五十坪も六十坪もある大きなうちにおじいちゃん、おばあちゃんが寂しく住んでおるとか、そういった中で、世界が日本の国はすばらしい豊かな国になったと見てくれるほど、残念ながら国内の国民の皆さんが毎日生活実感として豊かさを味わってくれておらないというのが率直な現状であろうと思います。 こういう中で、私どもの内閣は、いわゆる生活大国日本というものをスローガンに掲げたわけでありますが、これは一人一人が毎日毎日の生活の中で豊かさを実感していただこうと。ですから、今先生御指摘のように、これは労働時間の短縮の問題も非常に大事なことでありますが、またこれだけで解決できる問題でもありません。職場環境の問題、それぞれの生活環境の問題、もろもろの問題に取り組んでいって、これからはこの国が豊かになったということを国民の皆さんがそれぞれの毎日の生活の中で味わっていけるような国づくりをやろうと、これが私どもの基本的な考え方でございます。
○福間知之君 大臣の何といいますか気持ちは今のお話でわかりますけれども、似たようなことは、私も戦後経済活動に参加してきた一人として似たような考えはあります。 そこで、それはそれとして、先ほどの私の質問に関連して、吉冨局長、経企庁長官名代ですから、きょうはお聞きをしたいんです。先ほど私が申し上げたようないわば生活大国の実現、さらにはまた国際調和ということは、切っても切れない我が国の課題でございますのでね。 先般、例のソニーの盛田昭夫会長は、ちょうど今もまたヨーロッパへミッションで経団連として行っておられますが、この前に行かれたときの感想として帰ってきて幾つかの点を大胆に指摘されまして、経済界の中でも一部とやかく議論を醸し出しておりましたけれども、あの中で私はもっともだなと、こういうふうに思ったんですが、これについての感想をひとつお聞きしたいんです。 一つは、労働時間が長いという問題を盛田さんは指摘されました。二つ目には、賃金システム、これは税制面を含めてやはり日本的なものを少し考え直さなきゃいかぬと違うかというようなことが指摘されました。それから配当性向、企業の配当性向を高めなきゃならぬ。大体代表企業でも配当のレベルはみんな横並びになっているということはおかしいのじゃないかと。さらにはまた、下請企業と大企業との対等化ということ。虐げられた下請企業ということであってはいかぬのや、こういうことをおっしゃっていたんです。それから、企業の社会的な貢献をもっと拡大強化すべきだ、最近はやりのメセナなどということを含めて。それから、六つ目には環境対策、省資源対策。これは、やはり日本としては非常に重要だと、先進的に取り組まなきゃならぬ、こうおっしゃったんです。 私は大方の面で賛成でございますが、それをどう実現していくのかということですから、これはある意味では、経済界においても今までの単に品質がよくて安いものをつくればいいという考え方だけではだめなんで、今申したようなことを企業経営の哲学としてはっきりと自覚しなきゃならぬと思うわけです。それでなかったあ、口先だけで言ったってだめだと思う。この盛田提言については、吉冨局長はどう思いますか。
○政府委員(吉冨勝君) 私どもも経済企画庁で考えているところでありますので、今から申し上げるのは、大臣との議論も踏まえましたまだ中間段階の個人的な意見にならざるを得ないかというふうに思います。 冒頭の、いいものを安く売るということは、これまで盛田会長自身もどこがそれで悪いのだろうかということをおっしゃっておりますけれども、消費者の立場からしますと、そういう品質がよろしくて納期が正確で、そういうものが低い価格で売られるというのは、消費者の目からすると、つまり購入者の立場からいたしますと、いわば三拍子そろった消費者の利益になる行動だというふうに考えてよろしいかと思います。 しかし、盛田会長が提起されている問題は、その消費者が同時にいわば生産者であって、それが長い労働時間あるいは分配の関係で労働分配率が低いのではないかということを提起されているのではないかというふうに思います。そこら辺の企業の行動のあり方が、盛田会長もおっしゃっているように、シェアの拡大重視型ということになっているために、いろんな生産要素にかかわる価格、労賃であるとか資本であるとか、先ほどの下請であるとか、さらには配当であるとか、そういった生産にかかわる価格をやや無理に低く抑えているために全体の価格が低くなり、それでいわば日本が欧米の企業に対してひとり勝ちして、それで欧米のナショナルチャンピオンと言われているような企業をも敗北の方に追いやると。これでは、日米欧という企業がこのグローバライズした世界では共生じていけないという反省ではないかと思います。 したがって、そういった生産要素が無理やりに低く抑えられているというのが価格面で見られる場合には、やはりこれに対してはっきりした政策を打ち出していくべきではないかというふうに思います。 実際には、時間短縮につきましては、所定内については相当今進んできております。この三、四年で八十時間減っておりますし、所定外についてはこの景気減速の中でノーマルな方向へ減ってきております。したがって、この三年ぐらい足しますと、既に所定外、所定内を足しまして百時間くらい労働時間はもう減ってきておりますので、既にそういう方向へ企業の行動は進んでいるのではないか。それを盛田会長はさらに進めていきたいというふうに考えているのではないかというふうに思います。 ただ、一つ最後に申し上げたいのは、盛田会長のような発言があったときに、ソニーの中での部長さんたちは、もしソニーだけが今までの行動をやめるならば、それで他の企業がそれをやめないならば、ソニーの経営は大変危うくなってしまうというふうに言われたというふうにおっしゃっておりましたけれども、そういう意味では盛田さんの掲げる理念というのは、いわば同時に企業が一斉に行えるような仕組みを考えていかなくちゃいけないんじゃないかと思います。この仕組みをどうやってつくるかということについては、今までのところまだ、私も時々盛田会長と議論いたしますけれども、これといったいい知恵がないという状況でございます。
○福間知之君 吉冨局長、おおむね肯定的な御答弁だから結構かと思うんです。 したがって、一企業だけでそれを実現するということは盛田会長ならずともこれは無理な話でございまして、だからこそ例えば、私たち政治、行政のレベルでは、独占禁止法の運用などを今のままでいいのかというふうなことも考えなきゃいかぬし、カルテルだとか過当競争を排除するためにやはりなすべきことを国のレベルでも行政のレベルでも考えなきゃならない。あるいは財界全体としても業界全体としても考えなきゃならない。それはそうだと私は思うんです。したがって、そこに今日的な我が国の大きな課題があるわけでございまして、個別の企業ではなかなか先進的に対応をしているところもありますけれども、それを全体のものにしていかなきゃならぬというのはお互いの責任じゃないかと、こういうふうに思うわけです。 そこで、今ちょっと最後に触れられた労働時間の問題に関しまして、私は労働時間と労働需給の逼迫という課題を取り上げてみたいと思うのでございますけれども、今日労働時間は七〇年代の半ばから年間二千百時間程度で推移してきております。所定内時間が八十時間ほどここへ来て減っていると今おっしゃられましたが、しかし二千から二千百時間レベルというのは、欧米諸国に比べますと二百時間から、多いところでは五百時間も長いわけでありまして、これが働く人たちのゆとりの実現に大きな障害になっていることも否めません。かつて前川レポートや現在の経済計画などでも指摘されております年間千八百時間、これを目指して労働時間を短縮して、個人が主体的に選択し得る自由時間をふやしていくという必要があることは言うまでもありません。 一方、我が国の中長期的な経済成長の制約要因ということを考えてみますと、環境あるいはエネルギー、これと並んで労働力不足が一つ挙げられてもいいんじゃないかと思うんです。九〇年代を展望いたしますと、いわゆる生産年齢人口が九五年をピークに減少に転じるものと見込まれておるわけでございます。生産年齢人口が絶対数で減少するというのは、第二次大戦後四十六年たちますが初めての事態でございます。したがって、労働力需給の逼迫傾向にどう対応するかということは、九〇年代を通じて極めて大きな課題ではないかと思います。この労働需給逼迫傾向の中で、しかも労働時間短縮を実現していかなきゃならぬという課題を背負っているわけでございますが、具体的にどう取り組んでいくのか。これは、通産省でも経企庁でもどちらでも結構ですが、御所見を伺いたいと思います。
○政府委員(榎元宏明君) 労働時間短縮の問題につきましては、先ほど来御議論いただいておりますゆとりと豊かさの実感できる社会の実現という観点からも、それから産業の国際的な調和、特に日本の場合はOECD諸国の中で二千時間を超している唯一の国でもございますので、そういった観点からも非常に大事な問題だと認識をしているわけでございます。 そこで、どのように取り組んでまいりますかということでございますが、これまで私ども産業界に対して業界ごとの時短への取り組みということで、具体的には業界の休日カレンダーのようなものを設定したり、あるいは輪番休業方式あるいは下請企業などの関連中小企業への発注につきましての工夫を検討するなどやってきているわけでございます。しかしながら、基本のところは、先ほど先生御指摘なさいましたとおり、将来に向けて労働力需給逼迫の傾向がございますので、省力化投資の促進を進め生産性の向上を図ってまいることだと考えております。 また、女性とか高齢者の社会進出の支援ということも非常に大事なことでございまして、この面では企業の中の雇用管理をフレキシブルにするといった問題、あるいは能力開発の問題、さらには環境整備、公的な環境整備、社会的な環境整備いろいろございますが、そういったものを進めてまいる必要があろうかと考えております。 それから、現在政府部内で検討中でございますけれども、労働省等と連携をとりながら、通産省といたしましても、時短への労使の自主的な取り組みを支援するための法的な整備を含めまして、環境整備に努めるようにさらに一層進めてまいりたい、このように思っている次第でございます。
○福間知之君 すんなりした御答弁で、もちろんそれはそれで当然のことですけれども、今最後の方に環境整備という表現が一つ使われましたけれども、これは厚生省所管の重大課題としては出生率が一・五三以下になりつつあるということが指摘されています。 一方また、現実の問題として今外国人労働者の取り扱いの問題もございますね。これは、私たちが事務所で仕事をしていると余りわからないんですけれども、一歩町に足を出しますとそういう場面に遭遇することがあってはっと感じさせられることが多いんですね。私の近所でもやはり外国人労働者が道路工事に当たっておりまして、家内なんかはこの間行ったら非常に親切だと、工事して足場が悪くなっていますから歩いていくのに非常に親切に誘導してくれたりなんかしているというようなことで好感を持っておりましたけれども、そういう人もおるでしょうし、いろいろ暴行を働く人もおりますし、いろんなことがあると思うんですけれども、全体として外人労働力問題をどうするのかということは日本としてもかなり切迫した問題だと、こういうふうに思うわけでございます。 生産年齢人口が減るということは、やはり私は基本的にかなり重要な問題だろうと思うんですね。人口が多過ぎてお隣の国のように子供一人しか産んだらいかぬというような国柄じゃないわけなんですから、だからそこをどうするかというのは、ただ単に通産省の行政政策だけでどうこう言うわけじゃないんですけれども、お互いこれ考えてみないといけないと思います。昨年の国会でしたか、育児手当を若干ふやしましたけれども、その程度じゃ私はどうにもならぬ。やはりより根源的には住宅の問題、あるいはまたお年寄りと若い人との関係を生活の環境の中でどう再整備するかということも必要だろうと思いますし、かなり幾つかの課題を解決しなきゃなりません。 したがって、ここで答えが簡単に出るとは思いませんけれども、私の指摘したいのは、そういう展望の中で、しかも労働時間を短縮していかなきゃならないということですから、これはかなり社会全体としてシステムの転換ということ、ちょっと抽象的ですけれども、言うならば複合的ないろんな要素を糾合して、システムとして今までの日本の仕組みを転換していくということに成功しなければ私はならないんじゃないだろうか、そういうふうに思うわけです。 その限りで、ある意味では、産業構造の面でも私はドラスチックな変革というものが場合によっては避けられないと思うんです。従来から、日本における産業構造の二重、三重構造が指摘されております。最近では、下請、系列の問題まで英語で指摘されるような時代になってきているわけですね。そのことのよしあしは別にして、だがそういう産業の構造が従来のままでいいのかどうかということは確かに考えなきゃならぬ課題だと思うんですね。 したがって、社会のシステムとしての変革を円滑にひとつ推進をしていくことに成功しなければならぬ。そうでなければ、労働時間の短縮も実は貫徹なし得ないと思う。大企業は達成可能でも、しわ寄せが下請、中小企業にいくということであったら、国全体としてこれは時間短縮に成功したとは言えないわけでございます。そういう意味で、私はこれを指摘しましたし、また将来的には労働力の需給との関係でも問題があるよと、こういうふうに考えていますと、こういうことを指摘したわけであります。 次に、我が国国土の均衡ある発展という課題について触れたいんですけれども、国民が豊かさを実感できない背景の一つに国土形成上のゆがみがあるんではないかと思います。いわゆる、東京一極集中というのは、東京圏においては通勤地獄、地価高騰の問題などによって人々の生活を圧迫しており、地方圏におきましては過疎の問題に象徴されますように人口流出による活力の低下を招来しております。こうした課題を前に、我が国の限られた国土、資源を効率的に利用して東京圏における機能の地方分散を図るとともに、生活環境の改善と地方の自立的成長の促進によって全国民のゆとりある生活の実現、我が国活力の維持を目指していくことが大変重要だと考えておりますが、通産省の御見解を伺います。
○国務大臣(渡部恒三君) 先生の御指摘、まさに私どもが考えておることを端的に語っていただきました。戦後四十七年の日本の国の発展を振り返ってみて、最大の我々反省すべきものが、この東京に経済も政治も行政も情報も学問の場も集中してしまった。これからのゆとりある国民生活のためには、北は北海道から南は九州、沖縄まで三千三百の市町村それぞれの地域が、その特性を生かして均衡ある発展をしていくことが何よりも大事なことだと思います。 そのためには、空港あるいは新幹線、高速道路、交通ネットワークの拡充とか、やらなければならない問題が大変多いのでありますが、通産省としては、今回、業務機能の思い切った地方移転というもの、また地方の伝統産業あるいは地場産業、中小企業集積の活性化等によるところのこの問題の解決策に役に立てたいということで、地方拠点都市構想等を中心にして法案をこれから先生方に御審議を願うのであります。 一例を申し上げますと、この前国土庁からちょっと聞いたんでありますが、今のままでいきますと、東京にオフィス機能が集中して、しかもこれが国際化で外国の皆さん方の要望も非常に強くなって、今の霞ケ関ビル、あれを大体年に三十本、十年に三百本建てないと、その需要に合わないのではないかというようなことすら言われておるのでありますから、これからはただ工場を地方に分散するというような考え方だけでなくて、いわゆる本社機能を含めた企業の業務機能をも思い切って地方に分散させる。 私は、通産省に参る前に自治省に勤めてふるさと創生事業を申し上げたのでありますけれども、今回はいわばふるさと創生経済版と言うべきものを計画し、立法化し、これから先生方に御審議をいただいてこれらの法律を最大限活用して一極集中を排除して、思い切った国土の均衡ある発展を図ってまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
○福間知之君 通商大臣として当然お答えになることを今お答えになられました。国会に提出されている当面の法案とのかかわりにおきましても、それはそれで私は結構だと思います。 東京圏の一極集中という問題は古くて新しい課題でありまして、既に国会レベルでも国会等移転に関する特別委員会などもできているわけですけれども、やはりこれは何らかの具体的な政策を打ち出すことによって効果を上げなきゃならぬと思うんですね。そういう意味では、通産行政の中でかねがね地方経済の活性化などが最重点に取り上げられて、関係法案を何回か我々も審議しますし、この国会でも何本か出ていますから、それはそれで重要だと思うんですけれども、国全体としてやはりここへ来てかなり集中して施策を講じていくべきだと思うんですね。今のお話のように、一年間で霞ケ関ビル三十本建てなきゃならぬほどのオフィスが集中するということではこれはどうにもなりませんので、何らかの措置でもって歯どめをかけなきゃならぬ、こういうふうに思います。 そこで、今お話に出ましたような地域経済、地域の活性化ということを考える上で当然忘れてならないのは、多くの地域経済を支えている中小企業群の存在でございます。これらの中小企業群は、確かに一部は環境変化にうまく対応いたしまして生々発展を遂げております。しかし、多くの地域ではユーザーニーズの変化や技術革新等に十分対応し切れていないのが実際の姿じゃないかなと、こういうふうに思います。例えば、三大都市圏は外の地方圏におきましては、八割近くの中小企業が地域活性化の必要性を感じているという調査が実はあるんですね。 こうしたことから、中小企業、特に地域中小企業が環境変化に対応しつつ発展することができるように抜本的な支援策を講ずるべきではないかと考えておりますが、この点についてどのようにお考えでございますか。
○政府委員(南学政明君) 福間先生御指摘のとおり、我が国は全国に多くの中小企業群、私ども中小企業集積と呼んでおりますが、そうしたものがございます。こうした集積は、今までの息の長い経済成長の中でも非常に厳しく、大きな環境変化にうまく適応できずに機能を低下させているものが多いわけであります。 このような現状にかんがみまして、私ども今般、中小企業集積の活性化を図ることを目的といたしまして、特定中小企業集積の活性化に関する臨時措置法案を国会に提出し、御審議をいただいているところであります。この法案は、中小企業集積が今後の発展の方向性を明確にし、その方向に沿って中小企業が新しい分野に進出することを側面から支援しようとするものでありまして、まさに先生御指摘のとおり、抜本的な中小企業集積の活性化対策であろうと考えております。 この法律を制定させていただければ、これを柱に、私ども予算、税制、金融措置等を合わせまして集積の活性化を進めてまいりたいと思っております。これにより、機能を低下させている中小企業集積の活性化が図られ、ひいてはこれが東京一極集中の是正にも結びつくのではないかと期待をいたしているところであります。(「是正ではだめなんだよ、大臣みたいに排除と言わなければだめだ」と呼ぶ者あり)
○福間知之君 という指摘もございましたけれども、関係する法案が中小企業の集積関係法あるいは伝産法、流通の効率化法等がございますので、その節にまた改めて審議をしたいと思います。 次に、エネルギー政策に関連して一、二お聞きをしたいと思います。 近年、国内のエネルギー需要というのは、国民のゆとりと豊かさ志向を反映いたしまして急激な伸びを実は示しております用地球環境問題が顕在化しつつある今日におきまして、国民生活の充実あるいは地球環境保全、この両面を両立させていくためには、従来にも増しまして省エネルギーということが大変重要だと思います。石油危機のたびにかつては省エネルギーが声高に叫ばれてまいりました一方で、平時におきましては常に忘れがちになってしまう、これは人間の常でございますが、しかしこの省エネルギー政策というものは、まさに一過性のものであってはならないということは当然でございます。今日こそ省エネルギー対策の抜本的な拡充が重要と思いますが、具体的取り組みについての見解をお伺いしたいと思います。
○政府委員(山本貞一君) まず、エネルギー需要の状況でございますが、一昨年、長期エネルギー需給見通しを策定いたしまして、今後十年間は年率一・四%ぐらい、それからさらにその後の十年には年率一・〇%ぐらいという非常に低い伸びを想定いたしました。これは、今まさに先生の御指摘にありました地球環境問題、あるいは国民生活安定、さらにはエネルギーの長期にわたる安定供給のためということから、官民努力して省エネルギーを行ってそういう低い伸びでいこうという方向づけをしたわけでございます。 ところが、その後の実績を見ますと、御案内のとおりでございますが、年率三%あるいは五%を超えるような高い伸びを今示しております。これは、まさにこれも御指摘ございましたゆとりと豊かさ、あるいはライフスタイルの変化、さらには一時の産業活動の旺盛なときの産業面での需要の伸びというようなこともあったわけでございますが、今後ともやはり生活スタイルはなかなかこのままでは変わりにくい。それから、省エネルギー意識という点につきましても、やはり御指摘にございましたようなオイルショック後のような感覚がないというようなこともございまして、私どもの今の想定では、今後このままいけばかなり高い伸び率を示すんじゃないかと心配をしております。 そういう意味で、御指摘の省エネルギーというものは、私どもとして資源エネルギー庁が省エネルギーを中心に据えるのは若干矛盾を感じないでもないんですが、今まさに省エネルギー、環境というのが私ども資源エネルギー庁の第一のキーワードになりつつあるくらいでございます。 実は、最近でも住宅の断熱化基準の見直しというようなこともございましたし、それから自動車燃費の改善の検討といったようなもの、あるいは省エネ関係予算を今度提案しております予算案の中で相当増額しております。それから税制でも、エネルギー需給構造改革投資促進税制をお願いしております。 さらに、抜本的な省エネ対策を昨年の九月から省エネルギー部会を再開していただいて今検討をしていただいておりまして、そこでは省エネルギーのための技術開発、あるいは省エネ法が現在ございますが、その省エネ法の運用あるいは強化といったようなこと、さらには社会のシステムとかライフスタイルの見直し、例えば話題になっていますのはサマータイムをどう考えるかというような点、あるいは下水処理水を利用した地域冷暖房をもう少し活用したらどうかといったようなこととか、いろんな国民に対するPR、学校教育での省エネの意識の高揚といったようなことを今省エネルギー部会で検討していただいておりまして、近いうちにその御報告がいただけるのではないかと思っております。それをもとに、さらに一層省エネ対策に取り組んでいきたいと思っております。
○福間知之君 資源エネルギー庁として積極的に努力を果たしたいという御趣旨はよく理解できますし、ぜひお願いをしたいわけであります。 実は私は、昭和四十八年の第一次のオイルショック直後に国会に上がってきた人間なんです。したがって、自来、エネルギーの課題というのは省エネを含めまして非常に重大な関心を持ってまいりました。近々では、湾岸戦争のときにやっぱり冷やりといたしましたし、なかなかこのエネルギー問題というのは、食糧ともちろん並んで我が国の将来を制するほど重要な意味を持っておりまして、我が参議院の産業・資源エネルギー調査会におきましても私メンバーとして参加をして議論をしてきていますけれども、やっぱり政策なり法案というようなものをこの商工委員会で通産当局と話をする中で考えていかなきゃならぬ問題ですからちょっとお聞きをしたわけでございます。 そこで、エネルギーの需要面での省エネルギー政策の強化が必要だということとあわせまして、今度は供給面で対策を強めなきゃならぬのじゃないかということが不可欠だと思うんです。エネルギー源を見てみますと、石油はもちろんこれは有限でございます。六十年とか百年とか言われていますけれども、いずれにしても有限だと思います。長期的に価格高騰のおそれもまた石油にはございます。一方、石炭には環境保全上の制約がかなり強く存在しております。したがいまして、今後の我が国のエネルギー政策の中心は化石燃料への依存度を低減することに置かなきゃならぬかと思っております。 電力について申し上げれば、化石燃料にかわり得る電源として私は風子力発電というものが極めて重要かつ現実的な選択肢だ、こういうふうに考えております。もちろん安全性の確保というのが最重要でございますから、それを前提に考えるわけでございますが、今の電力需給の展望とか、あるいはまた一方、電源立地の困難さとかいろいろ課題を抱えながら関係業界も非常に苦悩をしております。 今、資源エネルギー庁長官がおっしゃったとおり、昨今の電力の需要というのは、産業用よりも民生用の方が拡大をしつつあります。これは、電気機器等の需要がふえておる、テレビが一軒に何台か、あるいはまたクーラーが一軒に何台がというほど、言うならばレベルアップをした状況にあるわけですから当然といえば当然ですが、それだけまた電力需要というものが拡大するわけでありますので、中長期的にかなり真剣に対応しなければならぬかと思っています。 通産当局としては、今申し上げた原子力問題について今日どういうふうな認識と御見解を持っておられますか。
○国務大臣(渡部恒三君) 今、福間先生から御指摘がありましたが、戦後、エネルギーの需要は、消費生活が豊かになり経済が発展するに従って大変な増大をしております。私自身の経験を申し上げますと、私の郷里の猪苗代湖というところは、戦前、日本一のエネルギー源と言われて水力発電所がつくられたわけですが、これで二十万キロワットで電灯の時代は間に合ったのでありますけれども、戦後、そんなものではどうにもならないと。その後、只見川電源開発というものが鳴り物入りで行われて、これが戦後の東京の電力源にもなったわけでありますけれども、これも百万キロワットに及びません。 今日、高層建築のエレベーター、暖冷房、そしてテレビはみんなが夏はあの甲子園のときに集中する。電力の需要は今日七%ずつ伸びておるわけでありますから、水力発電はもうほとんど開発されるところは開発されておりますし、また風力とか地熱とかいろいろの今新エネルギーを開発しておりますが、これも今一・六%程度のものが全力を尽くして頑張って二〇一〇年で五・七%ということでありますから、今国民の皆さん方に安心して生活をしていただくために大量のエネルギーを供給する、需要にこたえるというのは原子力発電所よりございません。 私の県では一千万キロワットを超える原子力発電をして、これが今日の東京のエネルギー源になっておるわけでありますが、しかし同時にこれを進めていくためには、私は常に言っておるのでありますが、原子力発電所の建設については一二〇%の安全確保、一〇〇%ではない、一二〇%の安全確保と。また、原子力発電所をつくっていただくということは、そのことによって国民全体の豊かな生活を守っていただくのでありますから、その地域の振興に力を努めて、それぞれの地域の人たちが息子や孫の時代まで原子力発電所をおれの町につくってよかったと喜んでいただけるように、地域住民の豊かな生活、所得の向上に役に立っていくというような、この二つの政策を柱にしてこれから進めてまいりたいと思います。 今、福間先生から原子力発電所に対する大変深い御理解を賜って、まさに参議院の良識を見させていただいたと、心から感謝をいたします。
○福間知之君 大臣の出身県はまさに原発銀座でございまして、私も何回か視察に行ったことがあります。 ここで、さらに深い議論をこれに関してやる時間の余裕はありませんけれども、最近感じることは、やっぱり依然として原子力についての国民的理解を得るためになすべきことがたくさんあるなという感じでありまして、俗に言うPAということが言われていますけれども、大変これが重要だと思っておるんです。エネルギー庁としても、もう一つ腰を入れたやり方というのを科学技術庁等と対応してやっていかないといけない。 単に原子力発電のみにとどまらず、高速増殖炉の問題も実は今重要な時点に差しかかっております、プルトニウムの活用を含めまして。これはやはりそこまで完結をしないと、まさに我が国の少資源による、しかも必要な電力需要の確保ということが困難になってしまうわけでありますので、廃棄物の処理を含めましていよいよ胸突き八丁に差しかかっている感が私はいたしております。私なりに勉強もしておりますが、ぜひひとつこれは国会レベルでも問題の提起を大胆になしていく時期じゃないかなという感じが実はしていることを申し添えておきたいと思うんです。 次に、通商問題ということでお聞きをしたいんですけれども、御案内のとおり世界の情勢というのは、ソビエトの解体など、第二次世界大戦後長期間にわたって継続してきましたところの米ソ両超大国の対立を軸とする国際的な秩序に構造的、抜本的変化を生じております。 こうした中で、新たな世界経済秩序の形成を模索して行われているところのいわゆるウルグアイ・ラウンドが今極めて重要な交渉となっておるわけであります。交渉六年目に入りましたこのウルグアイ・ラウンドを成功裏に妥結させることは、今や自由貿易体制の維持強化に不可欠な条件と言えましょう。しかしながら、各国の利害の対立から合意のめどが立たないまま今やその合意期限を迎えようとしているのであります。我が国がラウンド失敗の張本人と指摘されるようなことは、もちろん何としても避けねばなりません。他方、各国が歩み寄りを示すことがしたがって不可欠だと思います。 そこで、アメリカあるいはECなどのガット交渉における姿勢はどのようなものなのか。また、我が国として今後どのように対処していくつもりなのか。先日来、衆議院予算委員会の質疑でもこのことは何人かの人が指摘して取り上げておりますけれども、私は、当委員会で見解をひとつ正式に。お聞きをしたいと思います。
○政府委員(岡松壯三郎君) ガットのウルグアイ・ラウンドの問題でございますが、これを早期かつ成功裏に終結するということが自由貿易体制を維持する上でもぜひとも必要であるというふうに考えておるわけでございます。御指摘のように、過去五年間の交渉を続けておるわけでございますが、このウルグアイ・ラウンドが取り組みましたものといいますのは、整理をしてみると三つの分野があるかと思うのでございます。 一つは、そもそもガットのルールが守られなくなってしまっているものがある。例えば、三〇一条の問題でございますとか、アンチダンピングの問題でございますとか、あるいは灰色措置等が非常に出てきているということ。それから二番目には、ガットのルールでは規制されていなかったようなサービス問題でありますとか、知的所有権の問題といったような新たな分野が出てきた。三番目には、ガットの外にいた農業でありますとか繊維の問題、これらのものを一つのルールの中にまとめようではないかという意味で取り組んできたわけでございまして、五年間という確かに長い歳月をかけたわけでございますが、取り組んでいる問題もそれだけ大きな問題であって、二十一世紀へ向かっての新たな国際的な秩序づくりへの取り組みであったということでございます。 御質問の米、ECの状況でございますが、これら多くの分野でそれぞれ各国いろんな困難な問題を抱えておるのでございますけれども、昨今、米、ECの間で特にクリティカルなポイントとなっておりますのは申すまでもなく農業の問題であるわけでございまして、この農業をめぐって両国といいますか、米、ECの間の対立がまだ解けていないということは報じられているとおりでございます。しかしながら、両国も水面下でさまざまな次第にレベルを上げながら最後の調整に努めているというふうに聞いておるわけでございまして、交渉妥結へ向けての努力が続けられているということは事実でございます。 我が国といたしましても、御指摘のようにラウンド失敗の張本人というようなことにされるのは何としても避けなければいけないわけでございまして、国際秩序維持の担い手として二十一世紀へ向けての国際貿易ルールづくりに積極的にこれを推進していかなければならないというふうに考えておるわけでございます。さきに通産省所管関係の関税の引き下げ表について既に提出したわけでございますが、これらの問題につきましてウルグアイ・ラウンドの早期妥結へ向かって、今後とも精力的に取り組んでまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○福間知之君 ちょっと先を急ぎたいと思うんです。 国際的な秩序に構造的、抜本的な変化が生じている中におきまして、対外政策の基軸をなしている日米関係も変化にさらされていると思います。ことし正月早々の日米首脳会議の目的の一つは、貿易摩擦の拡大の防止にありました。その成果として、輸入拡大を目指す行動計画が発表されました。これに対して、管理貿易的だという批判が各方面からもなされております。経団連のミッションも今欧州でそのような趣旨の批判を受けておるようであります。 自動車や鉄鋼、工作機械等の品目で我が国が輸出抑制、輸入拡大面で幾ら支援してみても、アメリカ産業の競争力強化の効果に疑問が呈されるところでございます。九一年の我が国の輸出総額に占める対米輸出の割合は二九・一%で、先進国の中では突出した対米依存度になっております。日米間の経済摩擦軽減のためには、市場の開放、内需拡大が必要なのは言うまでもありませんが、対米輸出依存度を低下させることも一方において重要じゃないかと思います。通産当局としては、対米輸出依存度の現状、水準というようなものをどういうふうに考え、対米輸出依存度を低下させる必要があるということであれば、その有効な具体策はどうなのかお聞きをしたいと思います。
○政府委員(岡松壯三郎君) 我が国の地域別の輸出シェアでございますが、平成三年度で、東南アジアが約三一%、それからアメリカがそれに続いて二九%、EC諸国が一九%というふうになっておりまして、その他は共産圏、中東等が四%ぐらいということであるわけでございまして、この三地域に大きく偏っているということは御指摘のとおりでございます。ただ、アメリカのシェアについて見ますと、今申し上げましたのが平成三年の数字でございますが、昭和六十一年には四〇%弱という高いレベルにあったわけでございまして、次第に今低下してきているというのもまた事実でございます。 いずれにいたしましても、我が国は、自由貿易原則に立ちまして拡大均衡を目指していく、一地域が高いからそこを減らすというのではなしに、拡大均衡の中でそのウエートを減らしていくということが大事であるというふうに思い、それを目指しているわけでございます。先ほど御質問のウルグアイ・ラウンドの成功裏の終結努力ということも含め、また輸入拡大策をビジネス・グローバルパートナーシップという形で推し進めておるわけでございますが、こういう諸施策を通じまして今後とも調和ある対外関係の形成に努めてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○福間知之君 この問題は、また改めて議論をする場をいただきたいと思っています。アメリカも今大統領選挙でブッシュさんを初め政治的な非常に重要な時期でもございますので、余り不必要なことは申し上げたくありませんけれども、より基本的には日米の関係というのは、やっぱり安定して良好な関係を維持していくことが双方にとって必要だ。その限りで私たち日本の国もベストを尽くして対応をしていかねばならぬ、そういう視点でこれからまたかなりの議論をしていきたいと思っています。 それでは、公正取引委員会委員長においでいただきましたので、最後に独禁法の刑事罰問題を中心にお伺いをしたいと思います。 公取委員会が、さきの衆議院予算委員会で我が党の委員の要求によりまして、カルテルなど独禁法に違反した法人に対して、罰金の上限を現行の五百万円から数億円に引き上げる必要があるという研究会報告を提出されました。これに対して、一部には刑事罰の見直しに消極的な意見もあると聞き及びますが、独禁法の運用強化については日米構造協議でも公約しておるところであり、何よりも独禁法違反に対する抑止力効果が市場経済の健全な発展や一般消費者の利益の確保に極めて有効であると思われるわけであります。独禁法の改正法案の提出の見通し等について、独立機関としての性格の強い公取委の確固たる見解を伺いたいわけでございます。 つい、この委員会の始まるきょうの午前中に公取委の事務方の方からペーパーをいただきました。刑事罰規定の見直しについて公取委として決定をされたということで、特にこの刑事罰に関する罰金、事業者に対する罰金刑の上限額を従業者等の罰金刑の上限額と切り離して定めることとして、五百万円以下という現行を一億円以下というのに改めると、こういうことに決定をされたようでございますが、この経過も含めてお伺いをしたいと思います。
○政府委員(梅澤節男君) 独占禁止法の事業者に対する罰金刑の上限を大幅に引き上げるという問題につきましては、ただいま委員が御指摘になりましたように、昨年来、刑事罰の引き上げに関する研究会、これは刑事法学者、独占禁止法学者による研究会でございますが、作業をお願いいたしまして、昨年十二月にその報告書をいただきました。自来、この報告書の趣旨に沿って各方面の御理解を得べく今日まで調整の作業を進めてまいったわけでございますけれども、ただいま仰せになりましたように、本日、最終的に改正案の骨子を取りまとめたものでございます。 その内容もただいまお触れになりましたけれども、改めて概略を御報告申し上げますと、刑事罰強化の対象となる違反行為の範囲は、独占禁止法第八十九条の罪、つまり独占禁止法第三条、私的独占及びカルテル、第八条一項一号、事業者団体のカルテル等を禁止する行為に違反した場合の刑罰を引き上げるということでございます。その引き上げの具体的な内容につきましては、現行ではこの八十九条の罪は事業者の場合も行為者たる自然人の場合も罰金刑の上限は五百万円でございますけれども、今回、事業者の罰金刑の上限につきましては、これを大幅に引き上げまして、五百万円を一億円に引き上げるという内容でございます。したがって、行為者たる自然人等の刑罰の水準、罰金刑五百万円以下、自由刑、懲役刑三年以下という罰条は現行のとおりということになるわけでございます。 私どもは、この最終案の骨子に沿いまして、今後所定の手続を経まして今国会に可及的速やかに御提出申し上げる予定でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。
○福間知之君 アメリカは、罰金刑があって、課徴金はないんですかね。ECは、その逆で、罰金刑がなくて課徴金がある。我が方は今二つあるわけですね。そういうことをめぐって与党・自民党と公取委との話が随分行われたと聞いておりますし、結論として今法人の罰金刑を五百万から一億に上げる、こういうことのようであります。この額が妥当かどうか、これは今後の課題になるわけですが、私たちの党は、かねがね勉強してまいりまして、独禁法改正案のほぼ成案を得ました。そこではたしか罰金刑五億円だったか三億円か、ちょっと公取案と違いがあるようですけれども、いずれこれはしかるべき機関で議論をしなきゃなりません。この委員会になるんですか、法案が提出されれば、その時期に譲りまして、時間が来ましたのでこれで終わります。 ありがとうございました。
○山口光一君 先ほど、福間委員が景気の動向について経済企画庁の局長から説明を聞きました。 そこで、通産大臣に同じような方向かもしれませんけれどもお伺いしたいと思います。 国民が一番心配しているのは、景気の先行きがどうなるかということです。私は、景気が調整局面に入った現在、政府が一番心がけなければならないことは、政府の経済政策に対する信頼を確保するということが一番大事だと思います。いずれ政府は総合的かつ思い切った景気対策をとられると思いますが、政府と国民の間に認識のずれがあったり、また必要な対策をとるにしても時期を逸していては、結局国民は笛吹けと踊らずという結果になりかねません。そこで政府としては、景気回復に対する強い決意、例えば先ほど経企庁の局長が数字を述べましたが、三・五%の安定成長路線は絶対に達成するという強い決意をあらゆる機会をとらえて国民に表明して、言ったことは必ずやるということが肝要であると思います。それが国民のマインド、企業マインドを明るくするものであり、景気回復に大いに役立つ前提条件であると私は思いますので、渡部大臣のひとつ所感をお願いを申し上げます。
○国務大臣(渡部恒三君) 今、山口委員からお尋ねのありました景気の現状と今後の方向、私も一番これを心配しておるところであります。私は、実態としての経済に触れておるわけでありますけれども、率直に申し上げて、我が国の経済を支えてきた自動車産業、鉄鋼あるいは石油化学、こういった主要産業は、造船だけ例外でありますけれども、ほとんど減益、減収であります。これは数字を並べて減速しつつ底がたくとか、いろいろ表現はありますけれども、民間人、国民の立場に立ってという山口委員のお話でありますが、まさに経済を直接担っている人にしてみれば、これは去年よりも売り上げがふえて利益がふえれば景気がよかったということになりますし、去年より大幅に売り上げが減って利益が減ってしかも在庫がたまってということになれば、これは不景気を心配するのは当然のことであります。 私は、そういう観点に立ってこれからの産業政策というものを考えておりますので、まず第一に今御審議をこれからお願いすることになります予算、これは厳しい財政の中でありますけれども、例えば財政投融資を大幅にふやすとか、かなり景気に配慮した予算をつくっておりますし、特に注目していただきたいのが地方財政計画で地方単独事業、これが十四兆八千億ございます。これはできるだけ早く前倒しで執行をしていただくようにお願いをいたしますし、また参議院の方で予算を一日も早く成立させていただければ、私どもはこれを早期に執行するような努力をしていかなければならないと思います。 近く、私お願いしようと思っているんですが、電力あるいはガスといったような設備産業、この人たちにも思い切って設備投資の計画を前倒し執行していただく。こういったもろもろの施策を弾力的に機動的に進めていけば、先ほどちょっと私は触れましたけれども、我が国の経済が弱くなっているかといえば、郵便貯金は百六十兆円を超す、また国民の皆さんの預金は一千兆円を超す、これはいつでも消費の拡大に向かえる、あるいは設備投資に進めるいわば底力は、潜在力はあるわけですけれども、残念ながら今企業マインドが冷え、消費マインドが冷えておるわけでありますから、いざ立とう、こういうことになれば我が国の経済は進んでいくので、まずそのことが第一なので、この機会に一日も早く予算を成立させていただくようにお願いをしたいと思います。 これから非常に大事な時期でありますけれども、やはり国民全体に明るい展望を持っていただいて、時短の問題が今非常に大唐な問題になっておりますが、中小企業にとってはやはり時短をやるためには思い切った省力化の設備投資が必要でありますから、中小企業等でも中小企業の皆さんができるだけ安い金利で省力化の設備投資ができるとか、これから先生の御期待にこたえる施策を機動的、弾力的に進めてまいりたいと思います。
○山口光一君 大変強い決意、しかも内容のある答弁をありがとうございました。 今、大臣がおっしゃられたように、予算が早く成立することが非常に大事であると。たしか、五十三年の第二次オイルショック以後、本予算は暫定なしで六年間来たと思います。そのことが当時の経済危機を乗り切るためにも大いに役立ったと私は思います。GNPの二割を占める本予算が早く成立して執行されるということは国民を勇気づけて、そしてみんな一生懸命やろうという気になると思います。したがいましてできるだけ早く、できれば暫定なしで予算が成立することが国民の要望にこたえる道であると思いますので、良識ある参議院というか、その中でも良識ある商工委員会と言われている立場に立って、党派を超えてひとつよろしくお願いを申し上げます。 そこで、中小企業の問題ですけれども、景気が下降局面に入りますと中小企業にしわ寄せがいきます。先ほど政府系金融機関に対する貸出金利の問題は説明がありましたけれども、いわゆる第二地銀と申しますか、中小企業が一番縁のある第二地銀の金利が下がっていないという調査が中小企業庁の調査で最近発表されましたが、こういうものに対する何か対策はないのかどうかお尋ねします。
○政府委員(桑原茂樹君) ただいま先生御引用になられました中小企業金融環境調査というものでございますけれども、これによれば確かにおっしゃるとおりの結果がうかがわれるわけでございます。また、中小企業者が民間金融機関等から借り入れにくいというような状況もあるのではないかということもうかがわせるものとなっております。 こういう状況に対処いたしまして我々は二つ努力をいたしておりまして、一つは、民間金融機関に対しましては大蔵省を通じまして中小企業への貸し出しに特段の配慮を払ってくれるようにということをお願いしたところでございます。また、この民間金融を補完するところの中小公庫とか国民公庫という政府系の金融機関、これに対しましてもなお一段と努力するようにということを伝えでございます。政府系の金融機関は、最近金利もだんだん下がってきておりますし、また貸し出し規模についても財投を追加する等々の方法によりまして万全の対策を講じているというふうに我々は思っておりますけれども、今後とも中小企業に対して安定的な資金供給が行われるように努力してまいりたい、こういうふうに思っております。
○山口光一君 ガット・ウルグアイ・ラウンドの問題については、先般通産省は思い切った鉱工業品に関する国別表を出しましたね。ひとつ成功するように大臣、一生懸命頑張ってください。 それから、日米構造協議の問題ですけれども、日米構造協議というのは本来双務的なものですね。ところが、一般国民の方から見ると、一方的にアメリカから押しつけられているという印象はぬぐえません。その中には、求められるまでもなく自由と公正の見地から自分自身で解決していかなきゃならないという問題もありますが、同時にまた日本側として主張すべきは主張するという姿勢が大事だと思います。そういう点がいま一つ国民の目に見えてこないというのが現状だろうと思いますので、これからもひとつ具体的な提案をアメリカ側に対しても積極的に求めていただきたいし、そういう関係について何かお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(渡部恒三君) 日米構造協議、夏までにまたアフターケアについての協議が行われるわけでありますけれども、私は、日米関係というものは戦後の歴史を振り返ってみて、何といっても廃墟の貧しい日本が今日の繁栄を迎えた最大の要件は日米のグローバルパートナーシップであったと思います。 あのガリオア・エロア資金あるいはマーシャル・プラン、そこから日本は立ち上がって今日の繁栄を来しました。自動車一つの問題を取り上げても、日本の自動車が今日あるのはアメリカを模範として、しかも九一年度ベースで考えると今日本からアメリカに輸出しておる自動車は百八十万台前後、アメリカから買っている自動車は三万台前後、それもホンダとかトヨタとかがアメリカでつくって輸入されているのが二万前後でありますから一万前後。何といっても、日本の今日の輸出産業を支えているのはアメリカのマーケットでありますから、これはやはりこの友好関係は存続していかなければならない。 だからといって、それならアメリカの言いなりになっているかといえば、私もこの職についてベーカー国務長官あるいはヒルズ通商代表等と幾たびか会談をいたしましたが、我が方の立場で言うべきことは率直に申し上げております。通産関係の問題でもセーフガードの問題とか、アンチダンピングの問題とか。しかしまた、構造協議の象徴が公共事業でありますけれども、我が国がこれから下水道や住宅やあるいは都市公園やこういうゆとりのある生活環境をつくることに力を入れていくということは、これはアメリカに言われるまでもなく日本にとって望ましいことであります。 私どもは、この国にとって望ましいこと、また自由主義経済の繁栄ということを考えれば、関税障壁を取り除いていくことも国内の産業を自由化することもこれはいいことですから、いいことはどんどん、アメリカは友人ですから、友人がアドバイスしてくれたことでしかも日本の国のためになり、またアメリカの発展のためにも役立つことについてはどんどん取り入れるし、また彼らの言っていることに過ちがあれば、それはどんどんと指摘する、それが本当の友情というもので、構造協議というものをこれからも進めてまいりたいと思います。
○山口光一君 産業がどんどん知識集約化していく中で、知的所有権の問題が最近特にクローズアップされております。最近は、多くの企業が外国企業から特許権の訴訟を起こされております。その中には、拡大解釈やこじつけではないかと思われるようなケースも少なくないわけです。これを企業ベースだけに任せておきますと、それが判例になって日本産業の将来に大きな悪影響を残すことになるのではないかという心配があります。政府としての対策はどういうものがあるかどうか、ひとつお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(深沢亘君) 御指摘の点でございますけれども、この紛争といいますでしょうか、それが生じてくる背景には、こういうことがあるだろうと思います。最近、製品がだんだんと付加価値が高まってきております。その付加価値の高まってくる進展に伴いまして、製品の価値の中に占めます特許等の知的所有権の占める割合というのが非常に高くなってきているんだと思います。それには非常にコスト、それから時間がかかってございます。それであればあるほど権利があらゆるところで適正に保護されてほしいという要請、必要性というのが高まってきております。そのようなところを背景に、今御指摘ございましたように、なかんずく先端技術分野中心でもって紛争があることはよく承知しているところでございます。 それで、この紛争はまず一義的には民間企業の問題ではございますけれども、それがよって来るところが制度とか運用の違いから出てくるようなケースも間々ございます。それで現在、もう御案内のことでございますけれども、ガットとか、それからWIPO、これは世界知的所有権機関でございますけれども、こういう場で制度の国際的な調和を図るための努力が続けられでございます。そういった意味で、政府としましてはこういった取り組みに積極的に貢献しまして、そうして各国の工業所有権制度及び運用の違いから摩擦が生じないような努力、これをしてまいりたい、こう思っでございます。
○山口光一君 地球環境問題について六月にいわゆる地球サミットが開催されるということですが、大臣も出席されると思いますが、されるんでしょうか。
○国務大臣(渡部恒三君) 国会等の情勢がありますけれども、お許しをいただければ出席さ章でいただくつもりであります。
○山口光一君 非常に注目を浴びておりますので、大臣の所見がありましたらお伺いしたいと思います。
○国務大臣(渡部恒三君) かつては環境問題というのがそれぞれの国内問題でありましたけれども、今、オゾンの問題、フロンの問題とかオゾン層の問題とかCO2の問題とか、これは日本で幾ら環境を守っておっても、中国で石炭が石油がどんどんたかれればそれが日本に流れてくるという時代でありますから、地球全体の規模で環境問題を考えなきゃならない。これは、山口先生もまた私もともに師匠と思っている竹下さんが大変熱心にこのことを全世界に訴えられて、また世界の人たちも大きな期待を持ってくれておるわけでありますし、またこの日本が大きな経済発展をしてきたということは世界が平和であるため、また世界の国々とすべてに自由に我々が貿易をして今日の繁栄を来しておるわけでありますから、日本としてはやはり国際貢献という中の一環として環境問題にも貢献をしていかなければならないと思います。 しかし、同時に忘れてならないことはやはり経済と環境の調和ということであって、我々がこの美しい自然を息子や孫の時代に汚さないで残していかなきゃならないということはこの地球の中で人類が幸せに生きていくということでありますから、経済の発展と環境を守っていくことを調和させる。それには、一番大事なことは何かといえば技術革新で、我が国は幸いに環境問題に対するすぐれたる技術を持っておりますから、これを開発途上国に思い切って移転するようなことで国際貢献ができる、こういった主張をしてまいりたいと思っております。
○委員長(岩本政光君) 山口君、時間が参りましたので簡単に。
○山口光一君 今、渡部大臣が私と山口君との師匠は竹下さんなんと言いましたけれども、これは同じ学友、同窓でございまして、そういう親しさの余り言ったことだろうと思います。通商産業大臣は今政府の重要な閣僚になっておられて、私は本当にうれしく思っております。ますます研さんに努められて御活躍を期待しまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○三木忠雄君 それでは、まず大臣、商工委員会はきょう初めてでございますので、何点かの問題だけお聞きしたいと思います。 〔委員長退席、理事松尾官平君着席〕 大きな問題となっておりました日米首脳会談の問題についてまず一点伺っておきたいと思います。 ふだんの首脳会談は、私たちも今まで見ておった感じでは、ミッションは余り来なかったような感じがするんです。今回は、大統領に経済団体が大分ついてきた特殊な日米首脳会談のような私は感じを受けるわけです。この問題について、やはりECからもいろんな意見が出ておりますけれども、まずこの日米首脳会談の成果というのか、行動計画について米国内ではいろんな意見が出ております。批判する意見もある、あるいは賛同する意見もあるだろうし、この問題について首脳会談後における米国内の反応を通産大臣としてはどういうふうにお考えになっておるか、まずこの点を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(渡部恒三君) 冒頭から三木先生大変難しいお尋ねなのでありますけれども、私どもは、やはり戦後の歴史まだこれからの日米の将来というものを考えると、やはり世界の中で日米の影響力はますます大きくなっていくわけでありますから、これは日米のパートナーシップというものは世界の平和で自由な社会を守っていくために極めて大事なことだという基本的な哲学によって新しい内閣ができて、新しい年が始まってブッシュ大統領が日本においでいただいたのでありますので、この日米首脳会談は成功をさせなければならないと、成功させることが日本のためでありアメリカのためであり世界のためであるということで、いろいろの努力をいたしました。 私は、何かこの日米首脳会談で大変ないろいろの平和の問題、すべての問題がやられているんですが、残念ながら、その中でアクションプラン、特に自動車のみが何か日米首脳会談の中で突出したようにとらえられている。この問題についていろいろの批評を受けておることも承知をいたしております。宮澤さんに対する批判もございますし、またアメリカではアメリカ内にブッシュ大統領に対するいろいろの批判がございますけれども、私は、マクロで見てやはり日米会談は成功であったと確信をいたしております。
○三木忠雄君 細かな具体的なアメリカの報道については、今重要な時期でありますので。私も、日米を基軸にしていかなきゃならないということは十分承知しておりますし、昨年のあの九十億ドルのときにも非常に私たちは苦労して、日米関係を損ねてはならないという立場からもいろいろ苦慮したこともございました。 いずれにしましても、この通商交渉というか、それだけがクローズアップされたわけではないという大臣の答弁、私も納得するわけでありますし、そういうところだけがクローズアップされたという問題があるんですけれども。 EC方面から見ると、昨日も何かブラッセルでいろいろな話題になったそうですね、お聞き及びだと思うんですけれども、やはり日本の貿易交渉が比較的管理的な色彩を帯びてくるんじゃないかと。自動車の部品の輸入だとか、あるいはこれだけ政府調達いたしますとかいろいろな形で、答弁は恐らく自主的な民間の判断と、こうおっしゃるかと思うんですけれども、民間の自主的な判断でもやはり通産省との間にいろんな枠組みというか、そういうような問題ができ上がって、公約的にその数字が受けとめられているんじゃないかと。こういう点を果たして実行できなかったときに、公約違反だこうだというような問題がまた巻き起こってくるんじゃないかという点が非常に心配をされるわけです。 こういう点について、やはり昨日ブラッセルでECからもいろいろ日米だけが余りにもそういう色彩を持って、何か自由貿易に対する考え方を規制するような、というふうな意見があったように伺っておりますけれども、こういう問題を含めてどうお考えなのかということをまず伺っておきたいと思います。
○国務大臣(渡部恒三君) 冒頭、何か機先を制せられたようですけれども、これは率直に申し上げて、自動車工業会というよりは我が国のそれぞれの自動車業界の企業の皆さん方が、さっきちょっと私触れましたけれども、今日の日本の自動車産業というものがアメリカを最大のマーケットとしている。日米自動車業界の発展のためには、これは日米の自動車業界の提携も大事であるという前提の中で、いわゆる行動計画の目標、アメリカの業界にもこういう努力をしてもらうという前提の中で日本の自動車企業がそれぞれアクションプランという目標、計画を立てられたわけでありますけれども、残念ながら、これが国際的に世界に報道された時点では、何か国と国との約束というように受け取られたことも、これは否定できません。 私も、日米首脳会談後、イギリスに参ったりドイツに参って、それぞれ担当の大臣等と話をしますと、まず今のような話が出てまいります。しかし、実はこれこれこういうことでそういうことではないんだと、我々が、我々がというよりは通産大臣、私が産業界に日本の訴えておるグローバルパートナーシップというものは決してアメリカだけを対象とすることでなくて、ECもアメリカももちろんASEAN諸国、NIES、そういうすべての国に開かれた門戸を意味しているんだということを申し上げていくと、だんだんにこれは理解をしていただいているようであります。 特に自動車の場合は、これは我が国は今市場開放を積極的にやっておりますと。輸入車はアメリカから文句を言われて門戸を開放する。ところが、入ってくる自動車はほとんど欧州車。二十万台ぐらいかと思いますけれども、そのうち三万台近くがアメリカ、あとは欧州車と、こういうことでありますから、これは一人一人に話をしていけば理解をしていただけるものと考えております。
○三木忠雄君 私は、こういう首脳会談、ミッジョンが来たとかこれは別にしまして、やっぱり通商問題というのはこれから非常に大きな問題だと思うんです。 日、米、ECあるいはASEANというこの三極、四極の中で、ECが今何か二百四十億ドルですか、対日赤字が。百億ドルふえているんですね、去年から比べると。そういう点からくると、やっぱり非常に微妙な神経で日米の関係をよく見ているわけですから、こういう首脳会議、日・ECやっても、アメリカあるいはASEANとの根回しというか、報道を誤解されるような場合があろうと思うんですね。大臣が行って、いろいろ話をされてわかったという問題もあろうと思いますけれども、やはりこういう重要なポイントは、通産省として、出先の大使館もあるんでしょうけれども、首脳がよく説明するようなこういう場をしっかり早急につくっておいた方がいいと思うんです、定期的に。首脳会談が終わった後の、プレスの報道はプレスの報道あるでしょうけれども、やはり真意はこういう問題だということをやっていきませんと、誤解されてそれがますますECあるいはASEANというところに非常に大きな誤解を招く一つの問題になってくるんじゃないかと思うんです。 私は、提案を含めて、そういうやり方を考えておいた方がいいんじゃないか。やっていらっしゃるんだろうと思うんですけれども、比較的そういう点が日本の通商外交のうちに、外務省が何でもこういろいろやるけれども、本当の自動車の部品の輸入はこうなんだというような具体的な細かなところまで、大使館員の人には申しわけないけれども、アメリカやECには通産省から派遣になっている人もいると思いますので、やはりこちらから行って、そういう説明をしていって理解を深めさせるというそういうコミュニケーションが必要じゃないか、こう思っているんですが、どうですか。
○国務大臣(渡部恒三君) これは、三木先生から大変大事な御意見を賜りました。 実は私は、通産省に入ったのが十一月四日でありますが、あれからきのうで、数えて百二十人を超す外国の大臣が私のところに参っております。きょうもこれからお目にかからなければならないんですけれども、そういう一つの話をしているとわかるように、大部分の国の人は、今度ぜひおまえもおれの国に来てくれと必ず言って帰ります。これは個人と個人とのつき合いでも、やはり先生のお宅をお訪ねすれば、また先生が私の家を訪ねていただくというようなことによってコミュニケーションがこれは高まってくるわけであります。 残念ながら、日本の大臣というのはほとんど国会に制約されて、これは外国に行くことができません。もちろん、これは民主主義でありますから、国会が最重要なのは当然でございますけれども、その合間に国会の審議の妨げにならない範囲ぐらいでは、これから外務大臣や通産大臣を外国に出張させていただくような御配慮をいただければ、より進んで行くと思いますが、なお畠山審議官とか岡松通商政策局長とかおりますので、これらをできるだけ派遣して、日本の真意を外国に理解させるように努力をしてまいりたいと思います。
○三木忠雄君 私は、個人的に外務、通産、大蔵というのは、副大臣クラスがもう実際大臣クラスの資格になって、本当に全世界を回ってやらなければこれは間に合わない。やっぱりグローバル世界の中で、パートナーシップとして日本が本当によく説明もできなければ、日本だけが何か特別な国だというふうな感じを与えるようではならないと思うんで、私は老婆心ながらこの問題を提案したわけです。 アメリカの自動車の輸入計画の問題、あるいは部品の調達の問題等については、大体通産省としては業界の自主的な判断でこう出したわけですけれども、通産省としては大体これはいけそうだという感触は持っていらっしゃるんですか。もしそれがいかなかったら、また公約違反だという問題が沸き起こってくるんじゃないかと。大統領選挙を控えて、いろんな話題になってくるんじゃないか。
○政府委員(熊野英昭君) 自動車の部品につきましては、購入といいましても、日本のメーカーが輸入するものと、それから日本の企業が現地に出ておりまして、その現地企業が購入するものを合わせて購入と言っております。それが合わせて百九十億ドルでございまして、輸入の方が四十億ドル、現地調達は百五十億ドル。それから、完成車の方はいろいろな前提条件をつけまして、そういう前提条件が満たされたら、いろいろ販売協力をしていきたいという意向を表明したものでございます。 その意向の表明に具体性を持たすために、例えば年間このくらいの台数というふうなことも、数字にも言及しつつ各社が発表したわけでございます。当然それぞれ、相手側の最大限の努力も前提にしながら、みずからも懸命の努力をしていくものと我々確信もしておりますし、それから政府においても政府の役割の範囲内で、可能な限りこの応援というか勧奨もしてまいりたいと、エンカレッジをしてまいりたいというふうに考えているわけであります。 いずれにいたしましても、まだこの目標、努力目標を掲げたばかりでございますから、とにかくこれが実現されるように、いろんな面からみんなで努力を重ねていくことが当面大事であるというふうに考えているわけでございます。
○三木忠雄君 この前の新聞等の報道で、アメリカのヒルズさんが通商白書で、日本に対しての通商目標として三点挙げているんですね。きょうは細かな一つ一つについて伺う時間ありませんけれども、一つは日米構造協議の活性化の問題。第二点がウルグアイ・ラウンドを通じての知的所有権とかその他いろんなもの、紙製品の問題等ありますけれども、この参入改善の問題、貿易障壁の問題です。第三点がブッシュ大統領訪日時における日本企業が約束した外国製品輸入増大計画の実行という、こういう問題の三点を日本に対しての通商目標として挙げているわけです。この一つ一つについて伺う時間がありませんけれども、この第三点目の外国製品輸入増大計画の実行ということについてどういうふうに考えているのか、この点についてまず伺っておきます。
○政府委員(岡松壯三郎君) USTRでまとめられました九二年の通商政策課題という中の御質問でございますが、お話のございました輸入目標といいますのは、あの際に盛り込まれました…
○三木忠雄君 簡単でいいです、ちょっと時間が限られているから。
○政府委員(岡松壯三郎君) ビジネス・グローバルパートナーシップのことかと存じます。これは三年間で百億ドルふやすということの数字が盛り込まれているわけでございますが、これはまさに企業が自主的にグローバルな輸入計画を掲げておるものでございまして、この目標に向かって各企業がそれぞれの立場で努力をしてくれるものと期待しておりますし、私どももできる限りの支援をしたいというふうに考えております。その一つとして輸入促進と直接投資の法律をお願いいたしておりますが、それもその実行のための後押しのための法案ということでございます。
○三木忠雄君 数多くの問題できませんけれども、紙製品とかコンピューターの問題等についていろいろアメリカから指摘をされているわけです。貿易障壁の問題、例えば百億ドル今ふやすにしても、いろいろ目算はあるんでしょうけれども、コンピューターの入札の問題、これは官公需をふやすという話でもう通達が各省に回ったり、あるいはアメリカの、その会社名は余り言わない方がと思いますけれども、一部の日本進出企業では、四月から官公需対策の特別部隊をつくっているわけですね。こういう形で、官公需に対するコンピューターの入札に応札しようと、こういうわけです。 私が一つ心配している問題は、きょうは公取委員長まで呼ぶ必要はないと思って呼んでいませんけれども、日本で一円入札とか、こういう事実が今まであったわけですね。あるいは何円入札とかいった社会常識で考えられないようなそういう入札で日本が応札しているという事実が、これは私もいろいろ新聞のデータや資料を寄せてもらったんですけれども、広島とか長野県とかいろんなところで相次いでこういう問題が起こっているわけです。 そうすると、官公需のこういう入札の問題でも、こういう一円入札というような問題が、今はないと思うんですけれども、こういう問題がやはり官公需のアメリカ進出企業に対する貿易障壁というか、あるいは誤解を招くような一つの入札制度じゃないかと、こう思うんですけれども、こういう点についてはどうお考えでございますか。
○政府委員(熊野英昭君) ただいま委員御指摘のとおり、過去におきまして地方公共団体のコンピューターシステムの調査でありますとか、あるいは設計業務に関連いたしまして異例な低価格での入札例があったことは、遺憾ながら事実でございます。 当省といたしましても、こうした発生した事例につきましては、企業の社会的な信用でありますとか、あるいは国際的な信用を失墜させるおそれもありますし、あるいはひいては健全な競争秩序を損なうことになりかねないと、こういうふうに考えまして、その際に関係企業に対して厳重な注意を行うとともに、関連業界に対しましても再発防止を求める通達を平成元年の十一月一日付で実は出しておりまして、同様の事例が生じないよう周知徹底を図ってきているところでございます。今後とも、こうした事例が再発しないよう注視をしてまいりたいと思っております。
○三木忠雄君 先ほどの公取委員長の独禁法改正の問題等も含めていろいろ手は打たれているんだろうと思うんですけれども、こういう日本の官公需の問題ですから、なるべく安く入った方が国民の立場から見れば税金がそれだけ使用されないわけですので、文部省等もいろいろ輸入の問題でIBMから輸入したというあのコンピューターにしても、安くて、そしてソフトが安くなれば国益上プラスになる問題です。 しかし、余り非常識になってそういう一円入札だとか、そういう問題がやはり日本の貿易慣行、あるいは入札制度、談合の塊だと言われるようなこういう慣行では、日米関係は本当に信頼を増していこうといっても、なかなかこれはできないだろうと思うんです。こういうところについて、建設の問題とコンピューターの問題、あるいはソフトも含めていろんな一つの機械を導入すれば、それに伴うソフトとか修理とかパッケージになっているからいろんな収益があるのかどうかわかりませんけれども、そこらのある程度の大体の入札の基準というか、この程度の範囲は常識的だという線は、ある程度考えられるんじゃないかと、こう思うんです。 こういう点について、やっぱり通産省はしっかり見ていった方がいいんじゃないか。そうしないと、またパートナーシップだとも言ってもやはり誤解を招くような結果になってくると思うので、いろいろ通達を出されたというわけでございますけれども、これから各省にわたって外国のコンピューター等の官公需の問題も、入札が自由になってくるとこうなるわけです。今、どのくらいの率で大体コンピューターは日本の官公需、官庁の中に入っているんですか。
○政府委員(熊野英昭君) ただいま私、政府全体の数字は持っておりませんけれども、通産省の限りで調査をいたしましたものを持っておりますので御紹介をさせていただきたいと思います。 現在、通産省におきましては大型コンピューターを十四台使用しております。このうち、外資系企業から調達したものが三台でございます。これが通産省の状況でございます。 それから、通産省関係の特殊法人について同様の調査をしてみますと、通産省主管の特殊法人でございますけれども、十機関について調べましたところ、大型コンピューターは二十二台使用されておりまして、このうち外国系コンピューターが二台でございます。
○三木忠雄君 何か各省で細かないろいろ検討はされていると思うんですけれども、私は貿易障壁というかいろんな変な慣行が日本にはまだあるんだと言われないような方式をしっかりやってもらいたい。私は、特別に外国のコンピューターメーカーだけを入れろというわけじゃありません。適正な運用というかそういう社会常識というのはある程度のものがないと、日本の官公庁は何をやっているんだ、こういうような感じになりかねないということで、私の考えが老婆心であれば幸いだと思うんですけれども、そういうふうな点をよく注意していただきたい、こう思います。 それから、時間が限られておりますので、中小企業と時短の問題について一、二伺っておきたいと思うんです。 大手企業は千八百時間、ここに松下さんの代表がいらっしゃいますけれども、松下が先頭を切って千八百時間ということで労働時間短縮の問題を進めているわけです。非常に結構なことだと思うんです。東の方では、パイオニアもそのうち千八百時間をやる、こう言ってやっているわけです。大手企業は順々にそういうふうな方向に進んでくると思うんですね。 どちらかといえば、労働省からもらったいろんなデータを見ると、所定外労働時間が多いのは中小企業です。やはり大手企業が時間短縮で進めてくると、そのしわ寄せが最終的には中小企業にくるんじゃないか。中小企業の時間短縮の問題、あるいは生産性の問題、あるいは労働力確保の問題等を進めていくと、ある意味では二律背反するような問題が出てぐるのじゃないか。この点で、制度をよく検討し中小企業の対策を考えていかないと、この時間短縮の問題と中小企業の問題は非常に難しい問題になってくるんじゃないか。まず、この点についてどういうふうに考えているのか伺っておきたいと思います。
○説明員(朝原幸久君) 中小企業につきましては、今先生御指摘のとおり、大企業に比べまして、経営基盤の弱さとか取引先との関係あるいは同業他社との競合等の問題もありまして、週休二日制の導入等の労働時間の短縮が進めにくい状況でございまして、所定内では大企業より相当長くなっておるわけでございます。 このようなことから、労働省では、中小企業の労働時間短縮については特に企業集団を対象といたしましてきめ細かな指導、援助に努めますとともに、中小企業の実情に応じました労働時間の短縮が実現できるように労働時間短縮のための診断、助言、指導等を実施しておるところでございます。また、中小企業の実態を見ますと、横並び意識等の問題が非常にあって、これが労働時間短縮の阻害要因となっておるということでございますので、業種ごとに労使が労働時間の短縮に向けまして自主的努力を行うことを援助するための法的整備について、今国会に提出すべく今準備中のところでございます。
○三木忠雄君 今整備しているというその法的整備というのは、具体的にどういうふうなことをやっていくつもりですか。
○説明員(朝原幸久君) 今回、労働時間切短縮の促進に関する法律というようなことで法案を考えておりまして、基本的に言えば企業の中に労使でもって労働時間短縮のための委員会等を設けるということが一点ございます。これについては努力義務でございまして、従来大企業では持っておりましたが、中小企業ではなかなかそういう組織がないということで、そういうのを持ってもらいたいということでございます。 それと同時に、特に同一業種の時短ということで、独禁法上の問題等もございましてなかなか一斉休業の実施等が難しい面がございましたので、労働時間短縮の実施計画というものをそういう同業種の事業主の団体につくっていただきまして、それを事業所管庁と労働省とでもって計画を受け付けて、もの計画が独禁法上問題がないようにということで公正取引委員会等とも協議、意見調整をいたしまして、その後で承認する。それに基づきましてそういう中小企業集団が一斉休日等をやっていただければ、特に独禁法上の問題をクリアしながら横並びで一斉に時短を進めることができるというような形になりまして、そういうふうなことを考えておるところでございます。
○三木忠雄君 一つ一つ細かく詰めれば、なかなかそんな簡単にいかないと思うんです。 あと中小企業で、週末発注週初納入とか終業後発注翌朝納入、多頻度少量発注、こういう形で労働時間短縮に対して発注の問題がいろいろ話題になっているわけですね。こういう問題、これは中小企業庁ですか、あるいはこの時間短縮のために設備投資をする、あるいは改善する、こういう問題に対する融資の問題とか、制度の問題等含めてどういうふうにお考えになっておりますか。
○政府委員(南学政明君) 中小企業が時短を進めるに当たりましてはいろいろな問題があるわけであります。しかし、中小企業の現状を考えますと、労働力を確保するためにもやはり時短を進めていかなければならないという要請もあるわけであります。 そこで、私ども中小企業庁といたしましては、いろいろな施策を用意してこれを側面から支援しているわけであります。例えば、省力化投資に対する低利融資、それから時短に関する中小企業経営者への経営指導、時短促進のための技術開発、下請中小企業の時短促進のための措置、こういう措置をいろいろ講じております。その実績でありますが、例えば省力化投資に対する融資につきましては、中小公庫、国民公庫の本年度分の融資実績というのは一月末現在で総貸付額六百七十億円に上っておりまして、大変中小企業の方もこうした制度を活用いたしているわけでありまして、平成四年度においてもこうした融資制度などを活用して中小企業における時短の促進に努めてまいりたいと考えております。 それから、しわ寄せの問題でありますが、確かに大企業が時短を進めていく場合には中小企業に対して週末発注週初納入など、ややもすればしわ寄せをしかねない、こういう懸念があるわけでありまして、私ども、昨年二月に下請中小企業振興法に基づく振興基準を改正いたしまして、時短の妨げとなるような発注を抑制するよう指導いたしているところであります。
○三木忠雄君 今の発注の問題で、あるいは時間短縮の問題等でいろいろ指導はしているけれども、なかなかこれは難しいと思うんです。罰則規定を設けるわけにはいきませんよ、これはすぐに。だから、例えば大手の企業でも発注あるいはこういう下請に対する手当てが非常にうまくいっているところのベストから、ワーストをやるとなかなかいろいろ難しい問題があるだろうから、こういう非常に優秀な中小企業あるいは下請に対して発注しているとか、そういうところを公表する制度にしたらどうか、これは提案です。 労働省で、大企業に身体障害者を義務づけてやっていますね、いい企業はここだと発表しています。金さえやればいいんだという問題ではなしに、やっぱりそういう優良な企業をベストとして公表してあげれば、大学の就職のときにも大分違ってくると思うんですよ。悪い方はいろいろ差し支えあってなかなかやれといったって無理だろうから、いいところをそういうふうに公表してあげればその企業というのは非常にイメージが上がる、みんな努力していこうという方向になってくるんじゃないかと私は考える。 JRが、国鉄時代はもう失礼だけれどもなかなか人が入ってこなかった、JR東日本やJR東海になったらどんどん入ってきた、もうベストに入っているわけです。就職希望者が。こういう点もやっぱりいろいろメリットがあるんじゃないか、間接かもしれませんけれども。そういうふうにベストのところは公表していくぐらいの公表制度、全体の業者の数はわかっているんです、これはデータも見ていますから。しかし、そういう具体的な企業名をいいところでも紹介してあげれば、公表していくようになれば大分変わってくるんじゃないか、こう思うんですけれども、時間短縮に対するいろんな問題点を含めて、どうですか。
○政府委員(南学政明君) ただいまの先生の御指摘、下請企業の時短に貢献した親企業の公表という前向きの御提案でありましたが、私どももこれからの下請企業の時短推進施策の一つとして検討をしてみたいと考えます。 なお、非常に悪質な場合に、例えば下請代金支払遅延等防止法で禁止しているいわゆる買いただきなどに該当する場合にどういうことになるかというと、通産省・中小企業庁として改善指導を行うということがあり得ます。また、悪質なものにつきましては、公正取引委員会に対し措置請求を行うということがあります。そしてまた、公正取引委員会がそうした企業に対し勧告を行う。勧告に従わない場合には企業名の公表等が行われるという法体系にはなっているわけでありますが、先生の御指摘はいい方を公表しろというお話でありますので、今後検討をしてみたいと考えています。
○三木忠雄君 それともう一つ、先ほど申された融資の問題ですね。やっぱり制度改善、ちょっとデータをもらいましたけれども、平成二年度は大体消化とか上回っているわけです。中小企業金融公庫の方は大体上回っている。国民金融公庫の方は少ない。国民金融公庫を利用するのは零細ですから、それだけのものに投資をし、あるいは設備投資をし労働時間短縮という場合に、企業の体質がもつかどうかというような問題があると思うんです。ここらの資金の配分の問題と、金利の問題あるいは機械化投資の問題等も含めて、やっぱり融資の貸付枠の問題は検討する必要があるんじゃないか、こういうふうに考えるんですけれども、これはいかがですか。
○政府委員(桑原茂樹君) 中小公庫なり国民公庫の省力化投資に対する融資の実績については、先ほど長官からお答えを申し上げましたけれども、我々はこうした融資というものが今後どんどんふえていくのではないかというふうに期待をいたしております。枠につきましては、現在我々としては相当な金額を用意しておりますので、足りなくなるということはとりあえずはないだろうというふうに思っておりますけれども、万が一それを乗り越えるようになる場合には、その場で適当な措置をとりまして、そういう枠があって貸し付けられないということのないように努力をしていきたいと思っております。
○三木忠雄君 これは財投でやっているわけですから、一般会計とは違ういろいろな問題があると思いますけれども、もう少しやっぱり時短の問題に対する融資というのは、労働大臣が何かもうしゃべっているらしいんだけれども、時間短縮融資というのはどういうふうにやるつもりなんですか、ちょっとお聞かせください。
○説明員(朝原幸久君) 新聞等の報道でございますけれども、労働省でも、中小企業が時短を進めやすくするためにどういうふうなことがあるのかということで、内々研究をしておるということでございます。ただ、先ほど通産省の方も申されましたとおり、現在、労働時間短縮のための設備投資につきましては、中小企業金融公庫等によります貸し付け等もございますので、我々といたしましては、基本的には中小企業の労働時間短縮が促進されますように、中小企業庁と十分連絡をとりながらこの融資の問題は進めてまいりたいというふうに考えております。
○三木忠雄君 あと一、二点。労働時間短縮の問題ではなしに、ゴルフ場の問題を一、二、ちょっともう時間が限られておりますから。 ゴルフ場の問題が非常に世間を騒がせている。茨城カントリークラブの問題も含めて、いろいろゴルフ場の法改正の問題が、予算委員会でも通産大臣から法規制の方向というマスコミ報道等の問題を見ましたけれども、これは以前に時限立法の問題で、やっぱり議員立法で何かやろうという動きも一時あったわけであります。今日のゴルフ場の新規開発という問題と、それから今できているゴルフ場の問題と二つにいろんな面で分けなきゃならないと思うんです。新規のゴルフ場の開発の問題について、どういうふうな方向で通産省は規制を考えているんですか。この点についてまず伺いたいと思います。
○政府委員(麻生渡君) 現在、通産省の中には会員制事業適正化研究会というものを置いております。これは昨年の十月から研究を始めておるものでございまして、座長は藤井元日弁連の会長さんでございまして、学識経験者、消費者、事業者の方々によって構成をされておるわけであります。ここで中心になっておりますのは、第一には募集をする際の情報開示、これをどうするかという点であります。また、第二番目に預託金の保全の問題であります。三番目に会員の法的地位であります。このふうな三点を中心に検討いたしております。現在、新規と既存のものとの関係でございますが、問題になっておりますのは、まさに新規に会員権を募集する際に約束とは違った非常に大きな数字のものをやっておるということでございますから、対策の重点は、新規の募集をどのように適正化していくかということであるというふうに考えまして、そこに今研究の焦点を当てておるという状況でございます。
○三木忠雄君 それは大事なことだと思うんですけれども、古い方のゴルフ場も、やっぱり私たちがいろんな人から意見を聞くのは、預託金がどういう方向に保持されているか、保全されているかということが非常に問題なんですね。 会員は、預託金になっておるところは、例えば株式会員になっているところは問題ないんでしょうが、いろいろ経理状況がわかるんでしょうけれども、預託金になって、そして二千万、三千万で当初募集された会員権が預託をした五年か十年後に上がっていればいいですよ。元値が下がっておれば、例えば預託金を全部返せと来るかどうかは別にしまして、なった場合に、言葉は悪いけれども、企業形態がしっかりしているところはその預託金はきちっと銀行預金なりあるいは保全されていると思うんですけれども、ちょっと経営者の考え方によっては、少し余っているから、税制上も免除をされている、こういう点でどこかに投資しよう、またもう一つゴルフ場をつくろうというような感じで、新規投資の方に向けられる場合がある。そこがつぶれて、こっちの預託金の方の古いゴルフ場にも影響してくるだろう、こういう問題もあるわけです。 したがって、そういう預託金が本当に保全されているのかどうか。私も藤井先生をよく存じています。それから、ゴルフの弁護士の皆さん方ともいろんな議論をするんですけれども、本来ならば、やっぱり預託されている金額は、そのゴルフ場の財産というか、あるいは銀行預金で保管されるとか何か運用に使われて、そのゴルフ場の発展だけに使えるようなシステムにしておかないと、いずれどういう事態になろうと、どうなっているかわかりませんけれども、分散投資されるような形で、そしてそっちの方が失敗して、このゴルフ場の会員に迷惑を及ぼすという問題も出てくるのではないか。この点もやっぱりやっていただきたい、こう私は思うんですけれども、これはいかがでございますか。
○政府委員(麻生渡君) 御指摘の点は、預託金制度の非常に本質的な問題であると考えております。預託金というのは、法律的に見ますと、単純にお金をゴルフ場に預ける、それとの反対見合いといたしましてゴルフ場の優先利用権を得るということでございます。その優先利用権はどうやって発生しておるかといいますと、これはまさに当事者の契約によって発生をしておるということでございます。したがいまして、法律的に見ますと、この会員の権利というのは非常に弱いということでございまして、例えば株式のように会社の財産に対して直接的な権利は持たないということでございます。 そのような中で、今御指摘のような問題はあるわけでございますが、法律関係からいいますと、預託金に新たにいろんな財産的な権利を認めるということになりますと、これは民法の非常に大きな例外の権利を新たに創設するということになってくるというふうに考えられまして、これは非常に大きな問題になるということであります。 したがいまして、そこまでいく前に、とりあえずまずやらなければいけないのは、やはりそれはどのような実態であるかという情報が外に明らかにされる、それを前提に自己責任のもとで判断をしていただくというシステムではないかというふうに考えておる次第でございます。
○三木忠雄君 もう時間が来ましたが、あとそれに付随する会員権の販売業者ですね、ここらに情報公開はされているんですか。余りされていないですね。机一つで会員権の売買をやっているわけですよ。ところが、買うお客はその会員権業者の情報で知らされて買う場合もあるし、高いゴルフ場であればこんな問題はないんだろうと思うんですけれども、この茨城カントリーなんかの問題はやっぱり会員権売買の問題にいろんな問題点があろうと思うんです。これらの問題の整備、検討というのは必要じゃないか、こう思うんですけれども、この点はいかがですか。
○政府委員(麻生渡君) 今、会員権の取引業者につきましては、これは法律的には特段のもちろん規制はないわけでございまして、したがいまして自由にこのような商売はできるということでございます。 それで、会員権が取引される際に、十分会員権業者が情報を与えているかどうかということでございますが、これはゴルフ場によりまして精粗まちまちであるというのが現状でございます。その意味で、取引業者の段階での問題もございますが、やはり根っこのところのゴルフ場の情報の開示というところが非常に重要であろうと思っております。
○三木忠雄君 ゴルフ場の数は大分あるんですけれども、その中に何かゴルフ場の組合に入っているのは限られているそうですね。だから、そこにアウトサイダーが大分いるんで、いろいろ通達しても実際そのアウトサイダーの方には適用しないと。このアウトサイダーの方が大体いろいろなことを起こしているわけでして、ここらの問題等も含めてよく検討していただきたい。 いずれいろいろ結論が出るんでしょうけれども、細かく言えば私的諮問機関で今検討していますということになるので私は答弁は必要ありませんけれども、いずれにしてもやはりもう一千数百万の人たちがゴルフ愛好家になっているわけですから、こういう問題についてやはり混乱が生じないような方向――訪問販売法がありますけれども、あれだけじゃどうにもならぬというような問題があるわけですから、この点について十分な検討をされて、国民が安心できるようにこの問題は今後取り扱っていただきたい、こう要望して私の質問を終わりたいと思います。
○市川正一君 渡部通産大臣は、先日の所信表明において、「現在減速しつつある景気動向を着実な経済発展の軌道に乗せるためこ「適切かつ機動的な経済運営に遺漏なきを期してまいりたい」、こう述べられました。 ところで、日銀が六日発表した二月の短観、企業短期経済観測では、四年三カ月ぶりに製造業の実績が悪化に転じた。売り上げが低下し、在庫がふえ、設備投資が抑制されて需要が伸び悩むという景気の悪循環が鮮明になりました。その中で、中小企業の直面している事態はまことに深刻であります。 東京の中小企業家同友会が行ったアンケート調査では、景気が悪くなっているというのが六三%、悪化の原因の六部が受注減です。そのほか、取引先からの発注計画の変更、受注単価の低下等によるなど、景気減速の影響がもろに下請中小企業にしわ寄せられております。 こういう事態の認識とこれへの対応について、所信を受けての大臣の見解をまずお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(渡部恒三君) 我が国経済が減速しておる中で、中小企業も非常に難しいところに来ております。こうした中で、まず中小企業に対する円滑な資金供給の確保が重要となっておると思います。 先般の平成三年度補正予算において、中小企業金融公庫及び国民金融公庫に対し、総額四千二百五十億円の財投追加を行いました。また、平成四年度財投計画案においても、両政府系中小企業金融機関において前年度を上回る貸し付け規模を想定するとともに、今年度当初計画比約三千二百億円増の財投規模を確保しております。 また、市場金利の低下などを踏まえ、政府系中小企業金融機関の貸出金利についても各種金利の引き下げを行いました。また、特に相対的に弱い立場にある下請中小企業の経営が不安定化することのないように、下請代金支払遅延等防止法の遵守、徹底など下請取引関係の適正化を推進しており、親事業者の団体に対して中小企業庁長官を初め関係局長名で通達を行わせました。 今後とも、実勢金利を含め、中小企業をめぐる金融環境の動向に注意を払うとともに、政府系中小企業金融機関の貸付金利低下の周知徹底を図りながら、中小企業に対する低利かつ十分な資金の融資など、中小企業支援に遺漏なきを期してまいりたいと存じます。
○市川正一君 今、予算措置などのことについて触れられたんですが、衆議院で現在審議中の来年度予算案を見ますと、一般会計予算の中にある中小企業対策費の比率は〇・二七%、これは一九七九年度の〇・六%をピークにしてこの十三年間ずっと減少を続けているんです。言うならば、目下史上最低記録を更新中なんです。今年度には、ついにいわゆる米軍への思いやり予算よりも二十六億円も下回ってしまいました。思いやりというのは、一体だれへのためなのかということを私は言いたいんです。これでは、大臣は今いろいろおっしゃったけれども、所信でこうおっしゃっている「中小企業は我が国経済の活力の源泉であり、著しい経済環境の変化にも対応をし得る中小企業の育成を図ること」ができるんだろうかということを私は言いたいんです。 具体的な事例を申しましょう。この三月の初めなんですが、ある業者が国民金融公庫の東京都中央区の新川支店に運転資金の融資を申し込んだところ、融資の原資がなくて新規受け付けができないといって断られたんです。私は、景気の悪化で中小企業の資金繰りが厳しくなっている折に、政府系中小金融機関が対応できない、原資がない、枠がない、それで融資が受けられないというような状況はあってはならぬと思うんですが、大臣、今政府系資金供給の確保ということをおっしゃった。こういうことがあってはならぬと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(渡部恒三君) これは、そのようなことはあってならぬというよりもあるはずがないと思いますけれども、ただ金融機関ですから、これはもうできるだけ庶民、中小企業の皆さん方にお貸しするように指導はしております。金融機関ですから、やっぱり貸した金は返していただかなければならないわけですから、借りに行った方が相当の方ではないんですか。
○市川正一君 いずれにしても、そちらに桑原部長も見えているようですから、事実関係をちょっと後で調べていただきたいんです。 そこで、問題を前に進めますが、公取見えていますか。公取に確認をいたしたいんですが、去年の五月に下請代金支払遅延等防止法第四条第一項に関する運用基準の一部を改正して、短納期発注、多頻度小口納入について、下請法に違反するのはどういうケースかということを明確にいたしましたですね。そこで、伺いたいんですが、親企業が週末に発注して休日直後に納入させる場合、下請企業が休日出勤して納期に間に合わせる、こういうケース、そしてまた親企業が終業時刻後発注して翌朝納入の発注をしたケース、下請事業者は深夜勤務、休日出勤をして納期に間に合わせなければならぬ。そういう場合に、親企業が一方的に深夜勤務、休日出勤などのコストを見ないで下請代金を決めることは、貴いただきの禁止の規定に違反するおそれがあると思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(矢部丈太郎君) 親事業者が下請事業者に対して、短納期発注ですとかあるいは多頻度小口納入なる発注を行って、それに伴って下請事業者においてその費用増が生じたというにもかかわらず、それを考慮しないで、下請事業者と十分な協議もすることなく、一方的に通常の代価に比べて著しく低い下請代金の単価で額を決めるという場合には、いわゆる買いただきとして下請法上問題が生ずるおそれがあると考えております。
○市川正一君 ところで、中小企業庁の二月二十七日付通達、ここにございますが、親事業者団体に対する振興基準遵守等の要請でありますが、これによりますと、最近の経済の減速傾向の中で、「現在のところ、下請代金支払遅延等防止法上問題となるような事例はないと承知しております」とあるんですが、本当に問題がないと、こう承知なすっているんでしょうか。
○政府委員(桑原茂樹君) 御承知のとおり、下請代金支払遅延等防止法を守るべくいろんな努力をしておりまして、私どもそれから公正取引委員会の方で親企業者等に対していろんな検査等をやってございます。問題ではないかと思われるケースも相当数残ってはおりますけれども、これはそれぞれ申し上げまして改善をいたしておりまして、そういう全体の中で親企業者にますます努力をしてほしいという趣旨で通達を流したものでございます。
○市川正一君 この点では、後で確かめたいと思いますが、まず中小企業庁が二月二十七日に発表された「発注方式等取引条件改善調査の結果」という一覧表がございます。これは非常に重要な内容を含んでいると思うんですが、これによりますと、親企業による休日前発注休日直後納入の発注が「ある」という答えが四一・二%あります。そして、終業時刻後発注翌朝納入の発注が「しばしばある」あるいは「時々ある」を合わせますと一八・七%、発注内容の変更が「しばしばある」あるいは「時々ある」というのが四一・九%あります。 私はまず通産省にお聞きしたいんですが、こういう事態は好ましいこととお考えなのか、好ましくないともし考えられるならばどのように改善を図ろうとなすっているのか、その点をまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(桑原茂樹君) 今、先生御指摘のありましたいろいろな数字に関しましては、我々としてももう少し改善をしてもらいたいものであるというふうに強く思っております。私どもは、この改善を目指しまして先ほど御引用されました通達を親企業団体に出しましたし、今後こうした点をさらに改善してもらうべく発注方式等取引条件改善指導講習会というものもございますので、これを積極的に開催して親企業者にさらに趣旨の徹底を図る、あるいは法律に基づく検査を強化する、こういうことの努力を積み重ねたいと思っております。
○市川正一君 続けて伺いますが、この調査結果によりますと、発注内容の変更に対応するために下請事業者は、「在庫保有」、「残業休日出勤」によって対応する企業が四〇・一%あります。その中で、単価の見直しか行われているものが四八・四%、単価の見直しか行われていないものが実に二千百三十二企業、四八・六%、つまり半分は買いただきになっている。これは下請法の視点から見れば、先ほど公取委員会から見解が表明されたように、違反事項に該当するおそれが多分にあると考えますが、その点の通産省・中小企業庁の見解と対応を求めたいと思います。
○政府委員(桑原茂樹君) ただいま御引用になりました数字はあくまでアンケート調査による数字でございまして、個々のケースにつきましてそれが法律違反になるかどうかというところまで我々は具体的に調査しておりませんので、そういうようなことで、法律に違反するかどうかというのについてはちょっと勘弁していただきたいと思います。 また、法律の解釈につきましては、公正取引委員会の方からもいろいろ御意見があろうかと思っております。
○市川正一君 そうすると、法律の解釈からいうと何ですか、公取の見解と違うというんですか。
○政府委員(桑原茂樹君) 公取と見解が違うということを申し上げているわけでは全くございませんで、実際に違反するかどうかという解釈に関しましては、公取の方の御見解とも十分調整して答えなければならないというようなことを申し上げたつもりでございます。
○市川正一君 公取はそれでいいんですか、あんなわけのわからぬことを言っているけれども。
○政府委員(矢部丈太郎君) 先ほどのような考え方というのは、委員が先ほど御指摘されましたように去年の四月に我々一応運用基準を改正いたしまして下請法違反になるということを違反事例として挙げたわけでございまして、この内容については親企業それから関係団体に対しまして周知徹底したわけでございます。 それで、アンケートという調査ですとどうしてもいろいろ厳しく書く面もあるかと思うんですが、公正取引委員会としては、そういう短納期発注ですとか多頻度小口納入に伴って下請上問題があるという具体的な事案がわかった場合には厳正に法律で対処していく、こういうように考えているわけでございます。
○市川正一君 私が通産省と見解を基本的に異にするのは、あなた方はこれは単なるアンケートだから信用できない、そう言わんばっかりの言い方ですよ。 〔理事松尾官平君退席、委員長着席〕 そうじゃなしに、下請事業者は、まさに今度のこのアンケート調査が下請企業振興協会を通じて行ったから、言うならば本音が出ているんです。本当のことが、実態がここに出ているんです。あなた方も毎年約七万件を対象に調査なすっている。しかし、そこで本当のことを言えば親企業からいろんな圧力が来るんです。いろんな妨害、嫌がらせが来ることをあなた知っているでしょう。しかし、今度の場合は下請企業振興協会を通じて行ったというがゆえに、その本音、その実態がまさにここに反映してくるし、マスコミも注目しているんです。 私はここに毎日新聞や朝日新聞あるいは読売の社説なども持ってきましたけれども、だから私は今回の調査を、中小企業庁もあるいは公取も取引適正化のために、まさにこれを貴重な資料としてその実態を追跡し実効ある活用をなすべきだと考えるんですが、責任ある回答を求めます。
○政府委員(南学政明君) 先般取りまとめました調査の結果というのは私どもも厳粛に受けとめておりまして、早速通達も出したわけでありますが、これからも貴重な資料として下請取引関係の改善のために活用してまいりたいと思っております。
○市川正一君 そうすると、さっきこれはアンケートですからと、ああいう評価ではないというふうに長官確認していいですね。
○政府委員(南学政明君) アンケートであることは事実でありますが、したがってその個々のケースがまさに法律に違反していることになるかどうかというのは、別途いろいろ公正取引委員会の調査なり我々の検査をやってみないと何とも言えないということを部長は言われたものと思います。
○市川正一君 だから、ちょっとその追跡調査を実態に即してやっていただくことを両者に希望いたします。 次に私は、関西電力の姫路火力発電所の公害問題についてお伺いをいたしたい。 渡部通産大臣、お戻りになりましたんですが、所信表明でこうおっしゃっています。地球環境問題についてでありますが、世界の主導的役割を果たしていかなければならないとおっしゃっておるわけです。私は、それは今現に起こっている身近な環境問題を積極的に解決する問題と密接不可分の問題であろう、こう思考いたします。 そこで、関西電力の兵庫県姫路火力発電所の公害問題なんですが、御承知のように国連環境開発会議では二酸化炭素の排出規制が重要なテーマの一つであります。加えて、今姫路市で問題になっておるのは、関西電力の姫路第一発電所及び第二発電所の窒素酸化物の規制問題です。通産省がまとめていらっしゃる「電源開発の概要」という本がございます。これを拝見いたしますと、一九九一年版でありますが、関西電力が建設している火力発電所は兵庫県にかなり集中しておるんです。そのうち、脱硝装置が設置されていないものが兵庫県の姫路市と高砂市に多くあるんです。そのために、姫路市民の間では大気汚染と健康被害が問題になって第一発電所の増設反対と既設発電所の改善を求める声が上がっております。 通産省は、これまで関西電力の公害防止対策にいろいろ対応されてきたと思いますが、事業所管官庁としてどのような指導をなすってきたのかまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(川田洋輝君) 先生御指摘のとおり、環境問題というのは非常に大切な問題と考えておりまして、私どもといたしましては、発電所立地に当たりまして環境調査を実施いたしまして、当該地域の環境の現況などを踏まえた環境保全対策を講ずることによりまして、環境保全に万全を期すよう事業者を指導してまいっているところでございます。
○市川正一君 じゃ、具体的に伺います。 この姫路市の環境報告書、ここに持ってまいりました。平成三年版でありますが、「姫路の環境」というのですが、これを検討しますと、窒素酸化物による汚染は高い値で横ばいになっております。これがそのコピーでありますが、この原因にはもちろん自動車の増加によるものが含まれておることは十分承知しております。そのことを前提としながらも、排出される窒素酸化物の大きな部分を関西電力が占めていることもこれまた事実であります。 姫路市における大気汚染の観測体制を見ますと、五基あります全部の発電所に脱硝装置がつけられている同じ県下の尼崎市と比べて、尼崎市は広さが五十キロ平米です。測定点は六カ所です。地形は平たんです。あの辺の土地カンがあるかないかよう知りませんけれどもそうですのや。ところが、姫路市は広さが二百七十三キロ平米、測定点は九カ所、地形は複雑です。つまり、地形が複雑で風の流れも複雑に変化するところなのに、一測定点がカバーする面積は尼崎の四倍程度になります。 また姫路市は、これは市の行政にかかわる問題ですが、かつて三国の測定点というところのデータが非常に悪かったために、測定点を移して悪いデータが出ないようにし、住民から汚染隠しとして批判の声が上がったこともあります。こういう状況の中で、関西電力に対して、姫路市の大気汚染を緩和させもために、既設の発電所にも脱硝装置をつけるよう市民から要望が起こるのはこれは当然だと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(川田洋輝君) 私どもで把握させていただいております実態をまず御説明させていただきたいと存じます。 姫路第一及び第二発電所につきましては、両発電所の各発電設備からの窒素酸化物排出濃度は、大気汚染防止法に基づく排出基準濃度を十分に下回っておりまして、また第一発電所第一号機及び四号機並びに第二発電所六号機に脱硝設備が設置されていることによりまして窒素酸化物の排出総量が抑制されるなど、大気保全にかかる影響対策は現在適切なものではないかと考えております。 そこで、先生、環境的な側面も御指摘ございましたのでこれらについて申し上げますと、この発電所からの窒素酸化物排出量の周辺地域の窒素酸化物排出量への寄与度を調べてみますと約一五%程度と推定をされますが、発電所周辺の平成二年度におきます二酸化炭素の日平均濃度は〇・〇一三ないし〇・〇四七ppmとなっておりまして、御承知の環境基準〇・〇回ないし〇・〇六ppmに適合している状態となっております。 この姫路第一発電所につきましては、現在五号機、六号機の実は増設をいたしておるところでございますけれども、この五号機、六号機につきましては二つとも脱硝設備を設置することといたしておりますし、あわせて全体の窒素酸化物の総量が増大しないように第二発電所の既設の第五号機にも脱硝設備を設置するということにいたしておりまして、この地域の環境の保全に十分に配慮した計画になって今取り進めているというように承知いたしているところでございます。
○市川正一君 今の答弁の中に幾つかの問題がいわばちりばめられているのですが、その一つ一つをここで論ずる時間の余裕がありませんが、例えば基準が〇・〇二ppmから〇・〇回ないし六に緩和されたこと、それ自体問題であるということをまず指摘しておきます。それはあなたの責任じゃないのだけれども。 さらに、五号機にはつくからということなんですが、そこが住民との間での約束にかかわってくる問題なんです。住民には、第二火力は一号機から六号機まで全部脱硝装置がつくという説明としてそのように関電側は述べていたわけですね。そうじゃなしに五号機だけだという形になって、これはそれ自体また問題になっているんですよ。 それから、あなたは、大気汚染防止法に基づく排出基準は守っているからこれ以上過剰な投資をさせるわけにいかないというのが結局論理なんです。私は、仮に排出基準がクリアされていたとしても、大気汚染の結果住民の健康被害が深刻であれば必要な対策をとるのは当然であり、それに対して適切な指導をするのは国の責任だということを言いたいのです。 ここに持ってきましたのは、これは姫路市の当局とそれから姫路市の医師会が一緒に調査して発表しました「姫路市における大気汚染の健康に及ぼす影響調査報告書」なんです。(資料を示す)これはその中の重要部分をコピーいたしますと、このようにグラフで一日してわかりますように、一九七〇年から八八年までの呼吸器疾患の年次推移を見ますと、慢性気管支炎、ぜんそくともに七〇年代の後半から急速にふえているんです、伸びておるんです。そしてまた、ぜんそく様気管支炎も八七年を境にして増加しております。 私は、その責任が関西電力にすべてあるというふうなことは決して申しません。事実に基づいて、こういうような市民の健康被害が起こっているとすれば、最も大きな排出源である既設の発電所に脱硝装置をつけるよう通産省として指導するのは、またその問題にメスを入れていくのは、これは行政の責任であろうと存ずるんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(川田洋輝君) 先ほども御説明申し上げましたように、火力発電所を設置いたします場合に、地域の実情を十分考えて十分な環境保全対策を行っていくように事業者を指導することは私どもの責務であるというように考えております。 こういう考え方で、先ほど来御説明をいたしておりますように、増設に当たりましても、その増設分だけではなくて、既設の第二発電所五号機の脱硝設備の設置などということによりまして、二酸化窒素の合計排出量が現在よりもふえない、むしろ減るというような方向で考えて指導をしておるところでございまして、こういったことにつきましては、私どもの指導要領に基づいて、地元にも十分御説明をしながら地元の御意見も踏まえて取り進めてきているものというように承知をいたしておるところでございます。
○市川正一君 あなた方はそう言うけれども、関西電力はこう言っているんですよ。これは、去年の九月十六日に姫路勤労市民センターで開かれた姫路第一発電所の増設問題に関する説明会で、約三百人の市民を前にして、参加者を前にして、既存の発電所にも高性能の脱硝装置をつけるための技術もある、資金もある、しかし当社は営利団体であるから行政からの要請もないことをやる意思はない、いいですか、そういう発言をしているんです。これは現地の新聞でも報道され、広く知られているところです。 ということは、通産省が指導すればすべてのユニットに脱硝装置がつけられるということを関電自身が裏づけているわけですよ。だから、やっぱり市民の健康がこのように侵されている、呼吸器疾患がふえているということのこの事実に基づく分析を私はなさるべきだと思うんですが、そういう意思は毛頭ございませんか。
○政府委員(川田洋輝君) 繰り返しになって恐縮でございますが、地元の調査及び地元の意見もお伺いをしながら仕事を進めてまいっておりまして、我々はやはり環境の保全には十分配慮するような指導をやっておるわけそございまして、その結果として先ほど申しましたような計画に相なって現在進めておるということで御理解を賜りたいと存じます。
○委員長(岩本政光君) 時間が来ていますので、簡便に。
○市川正一君 時間が参りましたので、大臣にもずっと伺っていただいたわけですが、地元の意見とか地元の声とか言わはるけれども、私は地元の声を聞いてきてここへ持ち出してきているんで、その聞く耳も持たぬような答弁では承服できません。 この機会に私申したいんですが、関西電力の発電所建設をめぐる企業活動については不明朗なことが多いんです。例えば、去年の十一月七日に第一火力の五号機、六号機の増設起工式のときに、姫路の市長が「関電エリア内で西播磨の人口はわずか四%だが、電力供給は二〇%を占める。にもかかわらず関電本社は地元の意向を受け入れてくれない」と、こういういわばぼやきをやったらしいんです。そしたら、途端にことしの二月に四十億円を関電が姫路市に寄附をしたというんです。ここに私は朝日新聞を持ってきましたけれども、「火力発電基地 関電、姫路市にポンと四十億円」、こういういわば現ナマで面をはたくようなやり方、企業行動のあり方ということに対して、住民の批判が高まっているのは当然やと思うんです。そして、一方では必要な公害防止対策や安全対策に真剣に耳を傾けようとしないということでは、私は、これは地元の住民との十分な合意、納得をかち取ることはできぬと思うんです。 大臣はいろいろ御経験も福島その他でおありだと思うんですが、こういう問題をも含めて通産省は関電に対して強力な指導をなさるべきだと思うんですが、所見を承って、質問を終わります。
○国務大臣(渡部恒三君) 公益事業が立派なその責任を果たすための指導を通産省が行っていくのはこれ当然のことでございます。 今、先生から個々の御指摘がありましたが、何かそれを全部私がうなずいているというような誤解を受けては困りますから申し添えておきますけれども、これは姫路市に火力発電所があって、それで電力供給に役立たせてもらっているということで、今聞いた話ですけれども、その姫路市の地域の発展のためにお役に立ててくださいということで寄附をしたということであれば、それは札束でほおをたたいたとかそういう表現とは全然これ個人にしたものでないんですから違うと思います。先生、素直にひとつ世の中のことを見てやっていただきたいと思います。 もとより、先生御指摘のように、公益事業が安全、地域社会の環境保全のためにその務めを果たすように指導をしてまいります。
○古川太三郎君 これからは公取委員長に主にお尋ねしたいと思うんですが、きょう「独占禁止法の刑事罰規定の見直しについて」というぺーパーをいただきました。これは、去年の秋に宮澤内閣ができたときに、私は、この刑事罰の五百万というのは何とも抑止力にならないじゃないかということを代表質問で申し上げました。宮澤総理からは、それはとにかく研究して早く出すようにしましょうという回答をいただきました。 十二月の終わりごろでしたか、公取委のこの研究報告が出ました。そのときには、アメリカ並みのやはり十億円ぐらいのアップかというようなことも新聞に出たことは事実です。それから何か声が非常にダウンしまして、その報告書すら一般に発表をもされていなかったという事実がございますけれども、これは何か事情があってかどうか、そのことをお聞きしたいと思います。
○政府委員(梅澤節男君) この独占禁止法の罰則の強化の問題につきましては、昨年一月から、いわば公正取引委員会の私的諮問機関という言葉が正しいかどうかは別といたしまして、刑事法学者それから独占禁止法学者によります研究会の検討作業をスタートしていただいたわけでございます。およそ一年余りの期間をかけまして、ただいま仰せになりましたように、昨年の十二月中旬にこの報告がまとまったわけでございます。 当時この報告書を得まして、私ども各方面との調整の作業を開始したわけでございますが、ただこれは我が国の企業法制の共通的な構造になっておりました両罰規定というものを基本的に見直す、行為者たる自然人の罰金の上限と事業者の罰金の上限を切り離すといういわば我が国の企業刑事法制の基本的な転換を求めるという内容のものでもございました。各方面との調整作業に入ったわけでございますけれども、当時この独占禁止法の罰則の強化につきましては、今言いました企業刑事法制の基本をどう考えるかという基本的な問題と、それからもう一つ、独占禁止法につきましてはちょうどその年の七月にこれは国会の御審議を得ました例の課徴金の大幅な引き上げというのがスタートしておりまして、課徴金の引き上げの直後にまた刑事罰の引き上げを行う必要があるのかという大変慎重論と申しますか、そういった論議がかなり強い状況でございました。 しかし、私どもはやはりこの独占禁止法の罰則強化というものは、あらゆる角度から見てこの機会にやはり事業者の上限の水準はぜひ引き上げなければならないと考えておったわけでございますけれども、やはり大きな制度の改正の問題でございますから、基本的にはやはり各方面の御理解を深めていただく、御理解をいただくというのが基本的な前提でございます。 当時この研究会の報告を突如公表するということは、当時の雰囲気ではいわば公正取引委員会がこれから各方面で行われるであろう議論の先取りと申しますか議論を誘導する、あるいは予断を与えると、そういった疑心暗鬼のようなものを持っていただくとかえって改正作業を進める上で障害になるということを委員会として判断をいたしまして、いずれもう少し議論が深まってきた段階でこの研究会の報告書は公表をするということは、当時公表を延期しましたときに私自身が記者会見でもはっきり申し上げたわけで、一時公表を延期しながら、しかしこの報告書の趣旨に沿ってしばらくの間各方面との調整作業を円滑に進める、そういった判断で、これはあくまでも行政機関としての公正取引委員会の行政判断として公表を延期したものでございます。
○古川太三郎君 法人と個人の上限をどうのこうのとか切り離すとか、そういったことを今議論しません、時間がないですから。だから法人の上限についてだけのことに絞って考えてほしいんですが、これからのことですけれども、今委員長は関係各方面の理解を得るために公表もしなかったと、それでどういうような行動を起こされたんですか。関係方面というのは具体的にどういうような方面ですか、答えてください。
○政府委員(梅澤節男君) 独占禁止法は、経済法の典型的な法律でございます。したがいまして、この経済法としての独占禁止法に関心を持っていただく社会各層がおられるわけでありまして、当然のことながら、独占禁止法第一条の「目的」に「国民経済の民主的で健全な発達」と「消費者の利益を確保」という言葉がございますから、まず消費者の御関心も私は強かったろうと思います。 しかし、経済法として実際この法が運用される当事者であるやはり経済界のこの問題に対する御理解を深めていただくということも当然前提になりますし、これは行政府として法制度をまとめる以上、政府部内での調整といいますか御理解も得なければなりません。したがって、経済所管庁との調整も当然必要になります。それから最後には、これは議院内閣制のもとで政府として国会に法律を御提出申し上げる場合には、やはり与党との調整というものはございます。 私が申し上げました各方面というのは、今申し上げましたいろいろな方面を総括して各方面と申しておるわけでございます。
○古川太三郎君 いろいろのとかそういったあいまいな言葉を使わないでほしいんで、どことどことどういうところにそういうお話をされたのか。私は、この法律自身が非常に中立性が必要だと思うんで、まただれのためにあるかということもありますので、どこに、この関係方面に相談されたのかをお聞きしたいんです。
○政府委員(梅澤節男君) 御相談申し上げたわけではなくて、この報告書の趣旨に沿ってぜひ刑事罰の引き上げという制度改正が必要であるという御理解を得るために、個々の説明先というものを私一々今手元に資料を持っておりませんけれども、各種の経済団体には当然何遍も事務当局が説明に上がっておりますし、非公式な関係で関係各省間でのいろんな意見の交換等も行っておりますし、それから与党との関係では、これは自由民主党の独占禁止法問題の調査会がございますから、この調査会を中心にした各機関での御審議がございますし、その御審議の場で我々の考え方を御説明すると、いろんな作業を今まで続けてきたわけでございます。
○古川太三郎君 経済団体に説明されました。そして、与党である自由民主党にも説明されました。野党は入っていませんね。関係各省にも説明されました。消費者団体にはどうでしたか。
○政府委員(梅澤節男君) これも私細かいことは記憶はいたしておりませんが、与党以外の政党の政審当局に当方の事務局からあるいは説明をしているんではないかと存じますが、まだ詳細は私は存じません。 それから、消費者団体と申しますか、私ども独占禁止懇話会というこれまた別の懇話会がございまして、ここには消費者団体の代表の方が何名かいらっしゃいます。この懇談会の過程では、当時、先ほど申しました研究会の作業が進んでおりますので、その中間段階でいろいろ御報告申し上げまして、各懇談会の会員の御意見も伺うという手順をとってきております。その過程で消費者団体の代表の方にはこの内容のあらましは御承知をいただいておると思いますし、この問題について消費者団体がどういうふうな御意見をお持ちであるかということも私は十分承知をいたしながらこの作業をしております。
○古川太三郎君 簡単に答えてもらわないと、私の持ち時間は非常に少ないものですから意を尽くせないと思うので。 こういったことは関係諸団体に聞かれるのもいいことなんですが、これはやっぱり一番大事なことは、消費者団体とかそういった各方面の意見をたくさん聞くということが私は必要じゃないかと思う。経済団体の意見も確かに必要かもしれませんが、この今問題になっている公正取引委員会の組織とか、そういったものを変える問題であれば別ですけれども、刑罰の上限だけを問題にしている。 こういうときに、経団連とかそういったところに相談なさる、また自民党さんにも相談なさる、これはもう大体保護団体、保護しているところはわかっているんですから、思ったよりもぐんと下げられるというのは当然じゃないですか。そういったものの意見がまかり通ってしまったら、せっかくこれはアメリカからも非常にこういったことの強化は叫ばれています。日本の国民の中からもたくさん関心を持たれています。そういったものがわずか二億円ぐらいの金額できよう閣議決定されたと言われるから私は聞きたくなったんですけれども、一億円という金額は、委員長は報告書から見て妥当だと思われますか。
○政府委員(梅澤節男君) 最後の御質問にお答えする前に、これはぜひとも御理解を賜る意味で申し上げるわけでございますけれども、各方面に相談をしてこれをまとめるということではございませんで、冒頭に申し上げましたように、制度の改正を行うためには各方面の御理解を得るということが大前提でございますので、そういった御理解を求める作業をしてきたという、いわば行政機関として制度の改変を行う場合の当然の手順をとってきたということでございます。 それから、この一億円という水準でございますが、これは端的に申し上げまして、昨年の十二月にいただきました研究会の報告では数億円ということになっております。その場合に、研究会がなぜ数億円ということでおまとめになったかということでございますが、これは報告書をずっとお読みいただきますとその考え方がお読み取り願えると思うわけでございますけれども、一つの目安として、法人企業といわゆる自然人たる個人のフローとストックの格差というものを考えてみる。具体的には、この研究会の報告の中では、いわゆる法人企業統計等によりまして、資本金一億円以上のフロー、ストックと資本金一億円以上の役員クラスの個人の収入と純資産、そういったものを比較しながら一つの定量作業が行われておるわけであります。 それからもう一つ、我が国の独占禁止法の刑罰を考えます場合に、アメリカともヨーロッパとも違う基本的な点は、課徴金という行政措置、行政上の経済負担を求める措置があるわけでございますから、これ自身結果としてはやはり違反行為に対する抑止力を持っているわけでございます。したがって、この課徴金の存在というものも考慮に入れた総合的抑止力として刑罰の水準をいかにすべきか。それからもう一つは、国際的な制度のハーモナイゼーションという観点を挙げられておるわけでありますが、結論的にはそういったものを総合的に判断して、なおかつ事柄の性質上一義的に数字というものが出てくる問題ではない、したがって数億円という表現をおとりになったんだろうと思うわけでございます。
○古川太三郎君 そういったことを私は聞いていないんで、おっしゃったから申し上げますけれども、フローなら九十二倍だというようなことも出ていますね。ストックなら五十倍だ、時価に直したら百七十倍だ、こういうことでしょう。これ五百万を何倍にしたんですか。二十倍でしょうが。そんな数字どこに出ているんですか、もしそういうふうに言われるならば。そこが一つ。 もう一つ、証券取引の刑罰は百倍になっているんですよ。三百万が三億になっているんです。今まで五百万が一億といったら、これ公取の方が少ないじゃないですか。本来ならば五億以上にしなきゃおかしいでしょう。報告書だって、数億というのは大体五億ぐらいを予想されていたんだと私は思うんです。そしてまた、抑止力から言えば、学者の研究からでも五億ぐらいだろうと言われるならば、少なくとも公取委員長はそこに説得されるなら、それ以上のことはきっちりとおっしゃらなきゃおかしいじゃないか、そういうふうに思うんです。何もこれが一億円が安いだとか高いとかいう問題じゃなくて、公取委員会の姿勢の問題を言っているんですよ。 私の言葉じゃないですから申し上げますけれども、今まではかみつかない番犬だとか言われていたんです。しかし、最近はよくおやりになる、こういう評価もだんだん上がってきたんですよ。上がってきたけれども、こういうようなまた一億円ぐらいの上限で、これも今事件にある人が利害関係を持つんじゃなくて、これからそういう犯罪を行った企業がその罰金を課される上限なんですよ。だれもそんな文句がないんです。抑止力があるかないかの問題でしょう。そのあたりを考えられたのか考えられないのか知りませんけれども、五億が高いとか十億が高いとか一億円がいいだろうとか、これは大体こういうような決め方をされていると、今までの公取に対する姿勢がまた逆戻りしてしまうんですよ。ここで本当にしっかりしないと、アメリカからも大変なことになるんじゃないですか。それまでに日本自身がもっと真剣に考えるべきだと私は思うんですけれども、公取委員会の委員長として、こういったものは職を賭してでも頑張るべきところじゃないですかと言っているんです。それが国民に対する信頼だと思うんです。
○政府委員(梅澤節男君) 正確を期するためにもう一度申し上げますけれども、研究会の報告でも、ただいま申しましたフロー、ストックの格差のほかに課徴金の存在というものをどのように考慮するか。そこで、証券取引法の罰則が百倍だから独占禁止法の罰則も百倍であるべきであるというのは、私は、研究会の報告を論理的に読み取ってもそういうことは書いてないということをまず一つ申し上げたいと思います。 それからもう一つは、その一億円という水準につきましては、やはりこれだけの大きな制度改正、これはぜひ実現したい。同時に、繰り返すようでございますけれども、やはり社会の大方の御理解を得る線でないと法律制度としてはまとまらない。もちろんその場合にそれをギブアップするという選択もあるけれども、少しでも事柄を前進するために、この際、二十倍といえども従来の水準から比べれば相当大きな引き上げになるわけですから、私どもはその一億円という最終案によって政府としての考え方をまとめるのが現時点における最善の道であると考えたわけでございます。 そういった結論に到達いたしまして、実は昨日、研究会に改めてこの一億という水準をお諮りいたしまして、研究会の諸先生からも、数億円という水準がもちろん望ましいんだけれども、やはりこの際大幅に引き上げるという制度の実現が図られるとするならば、公正取引委員会の今までの各方面との折衝の過程における、現時点における各方面の理解の状況をかんがみるときに、この一億円の水準としては現時点ではやむを得ないというお答えをちょうだいし、なおかつ、しかしながら今後制度の施行状況を見ながら、将来も引き続きこの罰金の適当な水準について絶えず見直し、検討するようにという御要請をいただいたわけでございます。
○古川太三郎君 一番最後におっしゃった絶えず見直し、検討しろ、これはやっぱり少ないという判断がその中に入っているんですよ。そういったことを私は言い合いしたくはないですけれども、問題はそういう安易な、これは本当に犯罪の抑止力とするならば高ければ高いほどいいわけなんですね。逆に言えば。なぜそれができないのか。そして先ほどの証券の問題でも百倍になっている、おれは二十倍しかならない。報告書だって、少なくとも一億円は予定していなかったんです。 そういったことから勘案すれば、もうちょっと落ちつくところがあるじゃないか。これは国民から見て、何だあれは、公取委員会は何しているんだと、自民党の建設部会やなんかがこれは高いだとか言われているかもしれないけれども、もしそういうことがあるならば、これは談合の体質があると国民が見てしまうわけですよ。ここら辺は毅然としてやはり公取委員長が頑張ってもらわなきゃいけないところじゃないかなと思うんですけれども、もう一度だけお聞きします。
○政府委員(梅澤節男君) 私どもこの報告書の趣旨を全面的に実現するために、各方面との御理解を深めていただく作業を進めてきたわけでございますけれども、現時点におきまして、やはりこの数億円という水準は各方面の御理解を得るに至るまでの状況にはない。しかしながら、さればといって一切罰金の引き上げについて制度の改正をこの機会に断念するのがいいのか、理解を賜るぎりぎりの線でしかもできるだけ大幅な引き上げを図るか、どちらがいいのかという判断に最後は帰着するわけでございます。 いろいろ御批判はあるかとは存じますけれども、公正取引委員会としては、この際、実現可能な形で従来よりも大幅に引き上げるという道をとるのが適当であると判断をしたわけでございます。
○古川太三郎君 もうこれ以上続けてもしょうがないですから、今度は大臣にお聞きします。 私のこれは選挙区からの疑問なんですが、大臣のところと同じように福井県というのは原子力発電のたくさんあるところなんです。それも非常に早くからつくりました。五十年以前にできた原子力については電源交付金というのが来ないわけなんですね。しかも、その中にはこの前爆発しかけた、爆発しかけたと言ったら悪いけれども、美浜二号機というのが入っているわけです。相当古いことは古いんです。 そういったことで、防災についての訓練もしなきゃならぬとか、あるいは教育もしなきゃならぬ、そういうようなことについて非常にお金もかかる。しかし、電源交付金はない。これは国の方針として一番最初に協力したんだと、そういったところには全然来ないで、これから文句を言うところにだけ、新しくつくる場合だけ来るんだと、これはやっぱり法の精神としてよくない。もし国の方針でやったとすれば、これは相当の理解を示してもらわないと、地方の住民はもう国の言うことは最初はやらないでおこうと、こういうやっぱり風土をつくってしまってもこれは信用がなくなる。 それともう一つ、固定資産税の償却資産が地方税法の特例措置によって非常に減額されていく、そうすると古いのに何ら税収がない。そういう意味で、これは原電をつくったところは非常に困ってしまうんですね。もうあとそんなのは要らぬ、やめてくれと、こう言いたくもなるんです。だけれども、ある以上そこがだんだん過疎化しちゃうんですよ、そういう意味で町や村が財源もないですから。わざわざ過疎化するために原発を持ってきたわけじゃないだろうと思うんですけれども、そういうように見られて非常にこれはやっぱり国に対する信用の問題だと思うので、そこら辺の交付金とかあるいは固定資産税は減価償却で少なくなったけれども、それはまた何かの方法で見れる余地があるものかどうか、そのことをお聞きして、終わりたいと思います。
○国務大臣(渡部恒三君) 若干誤解があると思いますが、通産省では、昭和五十六年度に電源立地交付金制度、昭和六十年度に電源地域産業育成支援事業を創設いたしました。平成二年度には電源地域振興センターを設置するなど、今の美浜を初めとする原子力の既設地点の地域振興を図るための施策を充実しておるはずでございます。 このような各種制度を活用し、例えば美浜町については平成二年度にイベントビジョンづくりのための約三千五百万円を交付するとともに、企業立地支援のために約一千万円の補助を行うなど、美浜町の振興を最大限に支援をしてきておりますし、さらに平成四年度の予算案においては原子力発電施設周辺地域福祉対策交付金の創設を盛り込んでおりますし、また美浜町などにおける各種福祉対策を強力に支援することにしております。 なお、これは平成四年度においては美浜町のみが対象となっておるものであり、また美浜町において原子力発電所が運転されておる限り基本的に毎年五千万円が継続的に交付されるものでございます。 電源三法の制度が制定されて既に二十年近くが経過した現時点において、法の遡及適用またはそれと同等の措置を講ずることは制度的には不可能と考えられておりましたが、さきに述べた各種制度を有効に活用することなどを通じて美浜町等の振興を図るべく、当省としてもさらに今後最大限の努力を行っていくつもりでございます。 なお、固定資産税のことについては公益事業部長から話をさせたいと思います。
○古川太三郎君 ちょっと、美浜町だけじゃなくて、これは高浜町にも一号機があるわけなんで、そこのところも……。
○政府委員(川田洋輝君) 今、大臣から御答弁申し上げましたとおり、私どもも原子力既設地点の地域振興は非常に大切な問題だと考えております。 交付金問題あるいは固定資産税などにつきまして、早くつくったがゆえになかなか困っておられる状況ということも私ども地元からよくお伺いをしているところでございまして、制度自体のことでございますから、かなり前のことですからこれをどうということは、大臣の答弁にもございましたようになかなか難しい側面はございますけれども、いろんな措置を通じて既設地点の地域振興が図られるようなことを精いっぱい考えてまいりたいと思っています。
○古川太三郎君 それは、今美浜町だけとおっしゃいましたけれども、高浜町もあることはどうなりますか。
○政府委員(川田洋輝君) 先ほど美浜について申し上げましたが、高浜についても同じように私ども力を入れておるつもりでございまして、これからいろいろ考えてまいります際に、既存地点ということでは特定の町ではなくて、私どもすべての町を対象に考えてまいりたいと思います。
○委員長(岩本政光君) 時間が来ました。
○井上計君 大分時間が経過をしているのと、特にもう大臣は連日の早朝から会議の連続でお疲れでありましょうし、委員各位もいささか疲れて早くやめろと内心思っておるようでありますから、簡単に申し上げます。 したがって、私は、私の意見を率直に申し上げて、あと最後に、長官、大臣からお答えいただければそれで結構でございます。 〔委員長退席、理事松尾官平君着席〕 私が申し上げるのは、先ほど同僚議員から二、三質問が出ておりますが、労働省が今考えておられる労働時間の短縮の促進に関する法律について、今後中小企業にどういう問題が起きてくるであろうか、そこをひとつ予想を前提にしてそれについての対応策を今から中小企業庁、通産大臣にお考えをいただきたい、こういう言えば提言であるわけであります。 この法律が施行されることについては、もちろん反対する理由はありません。現状からして労働時間を短縮していかなければ、ますます外国からの非難も高まってまいりますし、我が国労働者のゆとりと豊かさを求めることは不可能でありますから、これはもう反対する理由は全くありません。ただしかし、平均二千二百五十時間という実労働時間を、松下さんは千八百時間ということでありますが、これを目標の千八百時間あるいは千九百時間に言えば縮めていくためにこれから数年間これは大変なことだ、こう思うんです。ある意味で一種の産業革命を起こさなければ、私はこの短縮は不可能だとさえ考えているわけです。 この短縮することによるメリットは、先ほど労働省も言われましたし、また中小企業庁長官もお答えになりましたが、人手をまず確保するために中小企業といえども労働時間の短縮を当然これはしなくちゃなりません。しかし、労働時間の短縮をしたから人材が中小企業に来るという保証は何にもないんですね。むしろ、労働時間の短縮によって生ずるいろんな問題から中小企業の生存が脅かされる。生き残りのためにどうするかという問題の方が大きくなってくるんではなかろうかというふうに考えます。 〔理事松尾官平君退席、委員長着席〕 私ごとを申し上げて恐縮でありますが、私も二十数年前から中小企業団体の運営、特にその中で労働時間の短縮はもう二十五年前から言ってまいりましたけれども、容易なことではありません。 今、私の若干古い知識でありますけれども、中小企業のコストの中に占める人件費が一般製造業で大体三分の一ですね。そうすると、三分の一の人件費の中で、例えて言うと、現在二千二百時間を百時間縮めるとすると約五%コストアップするわけですよ、人件費が。それから、資材等供給を受ける部品下請の場合には大体七%程度アップするんではなかろうか、こう考える、これは粗っぽい計算ですがね。したがって、仮に年間二百時間短縮するとすると、一般製造業の人件費のコストアップは三・五ないし五・七%ぐらいになると思うんですよ。それから、部品下請業の場合には七%から八%程度、大体最低だと思いますけれども、それぐらいの人件費の上昇が当然行われる。 したがって、言われておるように、時間を短縮するためには大幅にそういう面についての融資を行って、そうして生産性向上のための近代化、設備合理化云々と言われましたけれども、十年前はそれで通ったんです。現在、ほとんどの中小企業が意欲のある人はもうみんなやってきておるんです、生産性向上のための言えば設備改善、設備投資。だから、これから果たしてそれだけのものを吸収することがただ単に設備の改善で可能かどうかと考えますと、私はむしろ不可能に近いと、こういう考えです。 それから、いま一つ問題は、十年前と違って現在では、もうあらゆると言っていいと思いますけれども、あらゆる業界、業種が供給過剰なんですね、物が余っておるわけですから。したがって、これ以上生産性を高めて薄利多売をやっていけば、これはおのずから帰するところはもうわかっています。事実、大臣はごらんになっていないと思いますけれども、東京湾の埋立地を見ますと製品がいっぱい捨ててありますよ、靴からいろんな製品が。なぜ捨てておるかというのは、結局供給過剰で、売ればダンピングになるから売らないでみんな捨てているんですね。そういうふうな状態が今の日本経済の実態だと思う。特に中小企業の実態なんです。 そこで、先ほど独禁法の問題もありました。独禁法はもっと厳しくというふうな声が圧倒的に多いですが、私はこれを考えるときに一定期間、労働省も言っておりますけれども、労使間で話し合いがついて、労働時間短縮のためのカルテルを認めるということでありますが、同時にそこでその期間、二年とか三年とか一定期間は、業種別に労働時間短縮を行うことを決めた、あるいは労働時間短縮についてのカルテルを認めた業種については、最低料金を認めるということを考える必要があるんではなかろうか。すなわち、過当競争、乱売をある程度セーブしていかなければ、とてもそういうふうな言えばコストアップの吸収は不可能ではないか、こういうことを私の実は過去の経験からして多分に感じるわけであります。 従来、言えばいいものを安くするためには大量の生産でやる、薄利多売でやるというのが産業の、経済界の、あるいは商売人のこれは常識であって、また同時にそれが信念であったんですが、私はこれを変えていくべきだと。やはり薄利多売じゃなくて、高利とは言いませんが、適利小売、適正な利潤によって少なく売って経営が維持できる、同時に労働者もそれによって賃金を減らさないで確保していけるというふうなそういう業界、中小企業の実態をつくっていかなければ、労働時間の短縮も不可能だし、同時にまたゆとりと豊かさを求めることも不可能ではないだろうか。こんなふうに実は、特に最近労働時間短縮の法律ができるということによって、これを遵法するためにはやはり一面でそれも考えていかなくちゃいけない。こういうようなことを実は先般も個人的に公取の担当課長に来てもらって言いますと、頭からノーなんですよ、そんなことはできません、消費者保護からして料金の協定を認めるのは絶対不可能ですと。 こう言いますけれども、過去に例があったんですね。これはまだ独禁法が今ほどやかましくないときで、昭和二十七年あるいは八年だったと思いますが、当時、中小企業安定法というのができました。この中小企業安定法というのは、なべ底景気と言われたときでありますが、そのときには要するに中小企業については安定法の指定を受けますと最低料金を認めたわけですよ、一定期間。そこでそれ以上の過当競争、乱売によっての倒産を防ぐということを認めた時期が一定期間ありましたが、たしか三年か四年続きました。この考え方を今私は思い起こしておるわけですけれども、一定期間それらのものを考えていくことが中小企業の生き残りのために、中小企業の自然淘汰を起こさないために必要だ。 大臣は所信で、中小企業の活力が我が国経済界の活力である、こう言われましたけれども、中小企業の活力を維持していくためにはそのような考え方が必要ではなかろうか、こう実は思っておるわけであります。ただ、独禁法の問題は非常に厳しいですから容易なことではありませんけれども、これらのことを中小企業庁としても公取と御検討いただいて、言えば今度の労働省が出すこの法律、時短の法律に関連して、何かその面の生きる道を考えていく。だから、この法律ができるとこういうデメリットがあります、しかし、それについては国が指導して、通産省・中小企業庁が指導して、こういう面についてこうこうこういうふうな面がありますよ、だから生き残っていくためには守りましょうというふうなことでないと、あの法律がずばり出てくると、これは大変な混乱と反対が起きるんではなかろうか、こんなふうに憂慮しておるわけであります。 以上で私の所見の発表を終わりまして、あともし私が申し上げたことに大臣あるいは中小企業庁長官、何か御所見があれば伺って、質問を短縮して、以上で終わります。
○国務大臣(渡部恒三君) 今、井上先生の御意見を承っておりまして、私もささやかな、中小企業というよりは私の場合は小規模企業の家に生まれて育って今日に至っておりますけれども、中小企業がこれから生きていくために実態としての中小企業に直接触れておられる大変貴重な御意見であると、今一々うなずきながら承っておりました。先生のまことに示唆に富んだ考え方を今後の中小企業政策に生かすように努めてまいりたいと思います。 詳細は、長官の方から御答弁いたさせます。
○政府委員(南学政明君) 先生御指摘のとおり、中小企業はこれから時短を進めていかなければなりませんが、中小企業にとってこれは容易なことではないというのはまことに御指摘のとおりであります。 まさに中小企業が時短を進めていく場合、多くの場合に新しく省力化・合理化投資をしなければならない、あるいは技術開発に取り組まなければならない。さらに、新たな労働力を追加的に投入しなければならない。そのようなコストアップ要因が多々あるわけでありまして、したがいまして、私どもこうした中小企業の苦しい事態にかんがみまして、あらゆる手段を講じてこれを側面からバックアップしていくことが肝要かと思っております。とりあえず、中小企業労働力確保法、昨年国会を通していただきまして、今その実施に努めているわけですが、この法律を核に、低利融資制度あるいは税制上の優遇措置等々あらゆる手段を講じて側面から引き続きバックアップをしてまいりたいと思っておるところであります。 なお、先生御指摘の価格カルテルの締結、これは先生も重々御承知のとおり、公正取引委員会は大変厳しゅうございます。また、消費者に不利益を与えるおそれ等も多分にあるわけでありまして、今後も慎重に検討していく必要がある一つのサジェスチョンではないか、このように考えておりますが、いずれにせよ、時短が中小企業の分野においても円滑に進められるよう、我々としては全力を尽くしてまいりたいと考えております。
○井上計君 その点ぜひよろしくお願いします。 それで、一つ思い出しましたが、実は消費者保護のために云々ということを盛んに公取は言うんですね。ところが、労働者、特に数多い中小企業労働者というのは即消費者なんです。だから、要するに企業がつぶれ、失業することは、事実上は実は大変な消費者問題なんです。これらのことをもっと公取に理解をしてもらわないと、公取の人は帰られましたけれども、実は公取というのはもうがんじがらめで、法の番人で、先ほど古川委員はかみつかない犬だと言われましたが、ほえることはほえるけれども、実はなかなかそれについての理解を十分しておりませんので、ぜひ御留意をいただきたい。 それから、もう一つ御参考に申し上げますが、労働時間の短縮をすることによって当然実質賃金が減ることは、労働者はこれはもうみんな反対です、嫌です。ところが、最近私はこういう募集広告でびっくりしたんですが、夕方六時から三時間、こういう作業人員の募集広告が大企業周辺に随分あるんですね。大企業の時間短縮であいた時間を中小企業が使っておるというケースが随分あるわけです。そういうことを、時間短縮に伴っていろいろな施策を考えていかなければ、実は何にもならないというふうなことも、やはり今後の研究課題としてとるべきだ、こう考えますので、つけ加えておきます。 以上です。
○政府委員(南学政明君) 先生の御指摘を踏まえながら、今後対策に遺漏なきを期してまいりたいと考えております。
○委員長(岩本政光君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ―――――――――――――
○委員長(岩本政光君) 次に、輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する臨時措置法案並びに石炭鉱業の構造調整の推進等の石炭対策の総合的な実施のための関係法律の整備等に関する法律案を便宜一括して議題といたします。 まず、輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する臨時措置法案について、政府から趣旨説明を聴取いたします。渡部通商産業大臣。
○国務大臣(渡部恒三君) 輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する臨時措置法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 近年、国際的な貿易、直接投資などの幅広い相互交流が進展する中、各国間に存在する不均衡を背景に、国際的に保護主義、地域主義的な動きが強まっておりますが、我が国としては、国際的な相互交流を推進し、国際的に調和のとれた経済発展と開かれた経済社会の構築に努めることが必要となっています。 しかしながら、一方においては、我が国の貿易黒字は再び拡大傾向を示しており、対内直接投資による事業活動の水準も残念ながら低いものにとどまっております。 このような状況のもとで、我が国としましては、輸入の促進と対内直接投資による事業の実施の円滑化を図ることにより、国民経済及び地域社会の国際経済環境と調和のある健全な発展を図るとともに、国際経済交流の進展を促進することが急務となっております。 本法律案は、以上のような観点から、港湾・空港地域における輸入促進基盤施設の整備などを初めとした輸入の促進に寄与する事業等を支援するとともに、対内直接投資による事業の実施を円滑に進めるための措置を講ずることを目的として立案されたものであります。 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一は、輸入の促進に関する措置であります。この法律案では、港湾または空港及びその周辺の地域において輸入促進基盤施設の整備などを行う事業を輸入促進基盤整備事業と、これらの施設を利用して行われる輸入促進に寄与する事業を輸入貨物流通促進事業と定義いたします。 主務大臣は、輸入促進基盤整備事業及び輸入貨物流通促進事業の支援に関する事項などについて、地域輸入促進指針を定めることといたします。都道府県は、この指針に基づいて地域輸入促進計画を作成し、主務大臣の承認を受けることができます。承認を受けた地域輸入促進計画に基づく輸入促進基盤整備事業を行う者については、産業基盤整備基金による出資及び債務保証の対象とするとともに、地方税の不均一課税に伴う減収補てん措置が講じられることとしております。承認地域輸入促進計画に基づき輸入貨物流通促進事業を行う中小企業者に対しては、中小企業信用保険の特例が講じられます。また、本法律案の附則において、民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法の改正を行い、同法に定める特定施設の追加を行うことといたします。 このほかにも、特に輸入促進が必要かつ適切である製品の輸入を行う事業を特定製品輸入事業と定義し、特定製品輸入促進事業を行う者について、産業基盤整備基金による債務保証の対象とするほか、中小企業信用保険の特例措置を講ずることとしております。 第二は、対内直接投資による事業の実施を円滑に進めるための措置であります。本法律案においては、我が国に支店等を設置している外国企業及び外国企業の出資比率が三分の一超の子会社等の行う事業を対内投資事業とし、このうち、国民経済の国際経済環境と調和ある発展、国民の消費生活の向上及び技術などの国際交流の進展に資する特定対内投資事業を主たる事業として行っている者について、事業開始後一定期間に限り、産業基盤整備基金による債務保証の対象とするとともに、欠損金の繰越期間の延長などの課税の特例措置等を講じることとしております。また、市場の開拓に関する調査、従業員の研修等対内投資事業を支援する事業を行う者に対して、産業基盤整備基金から出資を行うこととしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、御賛同賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(岩本政光君) 次に、石炭鉱業の構造調整の推進等の石炭対策の総合的な実施のための関係法律の整備等に関する法律案について、政府から趣旨説明を聴取いたします。渡部通商産業大臣。
○国務大臣(渡部恒三君) 石炭鉱業の構造調整の推進等の石炭対策の総合的な実施のための関係法律の整備等に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 現行の第八次石炭政策は今年度末に期限を迎えることとなりますが、今後の石炭政策のあり方については、昨年六月の石炭鉱業審議会の答申にもありますように、九〇年代を石炭鉱業の構造調整の最終段階と位置づけ、均衡点までは経営の多角化、新分野開拓を図りながら国内炭生産の段階的縮小を図るとともに、これにあわせて構造調整に即応した地域対策及び炭鉱労働者の雇用安定対策並びに石炭鉱害の早期復旧のための措置を講じることが必要であります。 このため、政府といたしましては、このたび、石炭対策関係八法律を改正するため本法律案を提案した次第であります。 次に、法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一に、石炭鉱業合理化臨時措置法の一部改正であります。 その改正の第一点は、同法の題名を石炭鉱業構造調整臨時措置法に変更するとともに、同法の目的を改めることであります。 第二点は、石炭鉱業の構造調整の目標、石炭会社などの新分野開拓についての基本指針などを内容とする石炭鉱業構造調整基本計画を新たに定めることとし、加えて、石炭会社等の新分野開拓に対する支援の実施に必要な規定の整備を行うことであります。 第三点は、石炭鉱業の構造調整の円滑な推進のため、同法の廃止期限を平成十三年度末まで延長することであります。 第二に、炭鉱離職者臨時措置法の一部改正であります。 その改正の第一点は、同法の題名を炭鉱労働者等の雇用の安定等に関する臨時措置法に変更するとともに、同法の目的を改めることであります。 第二点は、鉱業権者等の新分野開拓に伴う炭鉱労働者の雇用安定施策を新たに講じることであります。 第三点は、石炭鉱業の構造調整に即応した雇用対策の推進のため、同法の廃止期限を平成十三年度末まで延長することであります。 第三に、石炭鉱業経理規制臨時措置法及び産炭地域における中小企業者についての中小企業信用保険に関する特別措置等に関する法律の廃止期限を平成十三年度末まで延長することであります。 第四に、臨時石炭鉱害復旧法及び石炭鉱害賠償等臨時措置法の一部改正であります。 その改正の第一点は、累積鉱害の最終的な解消を図るため、二法の廃止期限を平成十三年度末まで延長することであります。 第二点は、累積鉱害解消後の体制の構築であります。 第三点は、鉱害の復旧促進を図るため、臨時石炭鉱害復旧法の手続を充実させることであります。 第五に、これら石炭政策に伴う安定的財源を確保するため、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計法の廃止期限を平成十三年度末まで延長することであります。 第六に、石炭鉱業再建整備臨時措置法の廃止であります。 以上がこの法律案の提案理由及び要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(岩本政光君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ―――――――――――――
○委員長(岩本政光君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 ただいま趣旨説明を聴取いたしました石炭鉱業の構造調整の推進等の石炭対策の総合的な実施のための関係法律の整備等に関する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩本政光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩本政光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十九分散会 ―――――・―――――