国民生活に関する調査会 第1号
- 発言数
- 140 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1992/02/14
会議録
○会長(遠藤要君) ただいまから国民生活に関する調査会を開会いたします。 委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。 産業の動向、流通構造、社会資本整備等国民生活に関する諸問題の実情調査のため、来る十七日から十九日までの三日間、愛媛県及び広島県に委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(遠藤要君) 御異議ないと認めます。 つきましては、派遣委員の人選等の決定は、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○会長(遠藤要君) 国民生活に関する調査を議題とし、内外価格差問題について経済企画庁から説明を聴取いたします。小林物価局長。
○政府委員(小林惇君) それでは、「内外価格差対策について」という、お手元に届いているかと思いますけれども、その資料に即して御説明を申し上げたいと思います。 内外価格差問題につきましては、消費者重視の観点から、その是正のための対策を総合的に推進 するため、平成元年十二月に総理を本部長とする政府・与党内外価格差対策推進本部が設置されております。同本部の開催状況は次のとおりでございまして、現在まで、そこにございますように九十四項目にわたる具体的な施策の推進を図ってきておるわけでございます。 推進本部の第一回会合におきましては、施策の柱といたしまして次の六項目を検討事項とする旨申し合わせが行われました。それから第二回会合におきましては、今申し上げました六項目に絡んで五十二項目の具体的施策を決定して、その推進に努めることといたしたわけでございます。それから引き続きまして、平成二年七月でございます付れども、五十二項目の実施状況についてフォローアップを行うとともに、新たに二十項目の施策を追加いたしまして七十二項目の施策を実行することといたしたわけでございます。それから引き続きまして第四回、昨年の三月でございますけれども、さらに二十二項目の施策を追加しておりまして、全部で現在九十四項目ということになってございます。 その次のページに、その六つの柱のうちの「内外価格差の実態調査・産業界への価格情報の提供」という点でございますけれども、さらに六つほどに分けて書いてございます。一番最初にございますのは、日米共同価格調査ということで、各省が参加をいたしまして、かつ日米両国政府の共同価格調査が行われたわけでございます。これにつきましては、平成元年十月とそれから昨年四月の二回にわたりまして行いました結果を公表いたしたわけでございます。この調査におきまして、元年十月から三年四月までの約一年半ほどでございますけれども、全般的に内外価格差の状況に改善が見られだというのが共同価格調査の結果であったわけでございます。 それから二番目に、鉱工業品の価格調査は、担当でございます通産省が行ったわけですけれども、元年度以降毎年度にわたりまして鉱工業品について内外の価格調査を行っておりまして、結果を公表しております。平成三年度分につきましては現在取りまとめ中でございまして、来る三月に公表予定というふうに聞いております。昨年の調査結果につきましては、特にポイントといたしましては、欧州のブランド品を中心にいたしまして、日本の国内とそれからほかの例えばアメリカの国内において値段にかなり差がある、日本の場合に輸入ブランド品の値段が高く値づけされている、こういうものが見られるというのが調査結果であったわけでございます。 それから三番目は酒類の価格調査でございますけれども、これにつきましても、元年度以降各年度において酒類について内外の価格調査を行っております。平成三年度分につきましては来る三月に公表予定というふうに聞いております。二年の十月の調査結果というものが昨年発表されておりますけれども、ひところに比べまして内外価格差はかなり縮小しております。特に、国内にもございますけれども、酒類のディスカウントショップといったところを他の国のディスカウントショップと比較いたしてみますと、値段にほとんど差がないのではないだろうか。ただ、我が国の百貨店においては、スコッチの中でもプレミアムスエッチという高級品でございますけれども、こういうものについてはやや値段が高いというのが実態であったわけでございます。 それから四番目に、医薬品・医療用具についても価格調査が行われておりますけれども、これについては元年度それから二年度に価格調査が行われております。この結果は、東京と他の都市と比べまして高いものと安いものが混在をしておるということで、一義的にどちらが高いというふうに結果はあらわれておりません。 それから食料品の価格調査でございますけれども、これは農水省がやった調査でございますが、元年度以降やはり毎年度やっておりまして、三年度についての調査結果は現在取りまとめ中でございます。平成二年度分の調査結果で見てまいりますと、食料品の総合で東京は一、二割高い、中でも穀類それから肉類については、ニューヨークと比較いたしまして回ないし五割ぐらい高いというデータが出でございます。 それから六番目に、交通機関の運賃調査というものを運輸省が特別に行っておりまして、これは二年度、三年度に調査を行っておりまして、三年度についてはこれから結果を公表予定でございますけれども、平成二年度分の調査につきましては、交通機関の中でも鉄道、地下鉄、バスそれから国内航空では、比較する国とかあるいはその運賃の対象になります距離によってばらつきはあるわけですけれども、概して日本が割安という結果が出でございます。ただし航空運賃につきましては、正規の運賃で比較をしておりますので、割引運賃の制度につきましては外国の方が充実をしておるという状況でございますので、実態は割り引いて考える必要がございます。それからタクシーにつきましては日本が割高というのが結果として出ております。 それから、そのページで、第二の柱でございます「流通面での規制緩和・独禁法の厳正な運用による競争条件の整備」ということで、競争を活発にしていただくことによって内外価格差を是正していくという方途でございますけれども、一番目には「規制緩和推進要綱の推進」というのがございますけれども、関係省庁におきまして、六十三年十二月に閣議決定されました規制緩和推進要綱に関して、これまでに関連法律十五件が成立しております。例えば大店法の改正でございますとかあるいは物流二法、旅券法等の改正によりまして流通面等の競争が活発になるということを期待して改正が行われておるわけでございます。 それから(1)に、今申し上げました大規模小売店舗法の改正等のことが出てございますけれども、そこにもございますように、本年一月から大規模小売店舗法の改正法が施行されておりまして、出店調整手続あるいは機関の明確化、透明化、それから地方公共団体が独自に規制を行っておりますものを抑制することであるとか、あるいは地方公共団体と国との、権限といいますか、種別境界面積というものを県に任せる範囲を広げたというようなことがございます。 それから、特に運用面におきまして、出店の調整に時間がかかるというようなことが従来言われておりましたけれども、出店調整処理期間を最長一年以内にすべしということになってまいっております。 それから商業活動調整協議会、商調協と言われるものを廃止して、必要な調整については審議会でじかに行うべしということになってきております。この一のところに書いてございますけれども、種別境界面積につきましては、今まで千五百平米以上のものについては国が処理をするということになっておりましたけれども、これからは三千平米までのものにつきましては地方公共団体において処理をするというふうに、地方公共団体の処理できる範囲を広げたわけでございます。 それから、引き続きましてその次のページでございますけれども、制にございます「輸入品専門売場特例法の実施」ということでございます。本件につきましても、本年一月から大規模小売店舗内における千平米以下の輸入品専門売り場の設置については大店法に基づく調整を不要とするということになって、そのための特例法が実施されております。 それから四番目に「商慣行改善指針の策定」というのがございまして、リベートでありますとか返品でありますとか、こういう輸入総代理店制度等の商慣行につきましては、外国製品が日本に輸入されることについて阻害要因になる場合も多いわけでございますけれども、本件につきましては平成二年の六月に改善指針が策定されておりまして、関係団体に周知徹底を図られております。特に我が国の商慣行に関連いたしましては、透明性の確保でありますとか国際的調和でございますとか、こういったことについて図ってまいるようにというのが内容でございます。 それから、五番目にございます「酒類販売免許基準の緩和」ということでございまして、これは輸入の酒類等が新規出店になる大型小売店舗においてなかなか免許が取れないというような事情がございましたわけですけれども、これにつきましては、平成五年秋までにすべて付与する方針で順次免許が付与されておるという状況でございます。 それから六番目は「自主流通米価格形成の場の開設」ということでございますけれども、平成二年八月に財団法人自主流通米価格形成機構というものができてございまして、適正な価格形成の場を開設しておるということでございまして、同年十月から自主流通米の入札取引が実施されております。入札の実施回数等についても、昨年秋までにとれました平成三年産米については五回実施するということで、かつこの価格形成の場につきましては東京、大阪両地区でやるということになってございます。 それから七番目の「貨物自動車運送事業法の実施」でございますけれども、平成二年十二月から、トラック事業に関しまして、参入規制を許可制に改めるということで、競争原理がより強く働くように法制が変わったわけでございます。それから同時に、運賃規制につきましても許可制から届け出制に改めるというようなことの内容の貨物自動車運送事業法が実施されておるわけでございます。 それから八番目にございますのは、独禁当局のやっておられることでありますけれども、「流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針」というものを作成しておりまして、これは昨年の七月でございます。特に輸入総代理店契約などについても、不公正な取引方法として規制の対象とする行為などの基準を前広に示しておるということでございまして、独禁当局の指導方針といいますか、そういったものがあらわれておるわけでございます。 それから、三番目の大きな柱であります「より一層の輸入の促進・生産性の向上」という点でございますけれども、そこにございますように、一番目に「製品輸入促進税制の創設」というのが行われておりまして、平成二年四月から五年三月までの三年間の時限法でございますけれども、卸売業者、小売業者あるいは製造業者が製品輸入を活発にやった場合に、一定の基準を満たした場合に、税制上の優遇措置を講ずるという内容でございます。ただし、製品ということでございましても、関税率がゼロになっているものが対象ということで、一定の製品輸入について条件はございます。 それから(2)にございますような「牛肉・オレンジ等に係る輸入制限の撤廃」ということでございまして、輸入数量制限を行ってきた品目のうち、平成二年四月には牛肉調製品、非かんきつ果汁、リンゴジュースのたぐいでございますが、それから平成三年の四月、去年の四月には牛肉、それから生鮮オレンジについて輸入数量制限を撤廃しております。関税にそれを置きかえていったわけでございます。それから本年の四月には、オレンジジュースについても輸入数量制限を撤廃する予定でございます。 それから三番目の「農業の生産性向上促進」策でありますけれども、平成二年一月に、「農産物の需要と生産の長期見通し」というものを閣議決定しておりまして、特に平成二年の三月には、「土地利用型農作物生産性向上指針」といいまして、稲あるいは麦、大豆についての生産性向上の目標、それから生産対策、構造政策等各種の政策を推進するためのガイドラインというものが発表されておりまして、農業の生産性向上を推進しておる、こういう状況でございます。 それから、第四の柱でございます「公共料金の適正化」につきましては、「各種公共料金の引下げ等」というのが行われておりまして、公共料金の査定において、引き上げ幅を圧縮するということももちろん行われておりますけれども、目立つものといたしましてはそこにございますように、電気料金につきましては平成二年の十一月に、時間帯別電灯料金制度といいまして、夜間の時間帯を割安にする、それからその逆に昼間を割高に設定するというようなことで、価格誘導効果によって負荷平準化を図るような料金制度を導入してございます。 それから二番目にございますように、国内電話料金については、特に遠距離電話料金についてNTTにおいて平成二年には一五%、それから平成三年には一四%というような引き下げをやっております。NTT以外の新規参入の事業者についても値下げが行われております。 それから、国際電話料金については、元年度以降毎年度にわたり値下げが行われておりまして、例えばKDDの料金についても、平成二年には七%、平成三年には二一五%というような引き下げが図られております。 それから、米の政府売り渡し価格につきましては、先般平成三年の二月とそれからこの二月に、政府売り渡し価格についての引き下げが行われておりまして、去年の場合には一・九%、本年の場合には平均して〇・八%の引き下げが行われるという状況でございます。 それから「総合土地政策推進要綱による土地政策の着実な推進」というのが、その大きな柱の「適正な地価の形成」のところに書いてございますけれども、これは昨年一月、閣議決定をされました土地政策推進要綱に沿って適正な地価水準の実現のために政策が着実に推進されております。本年一月からの地価税、それから本年八月に施行される予定の借地借家法の改正、それから昨年の九月に行われました生産緑地法の改正などがそれぞれ土地対策に貢献する内容でございます。 それから「消費者への情報提供等」につきましては、ここにございますように、各種の消費者に対する情報提供の事業が行われておりまして、通産省、経企庁で行っておりますような内外価格差調査結果を説明するための消費価格問題懇談会でありますとか、あるいはパンフレットの作成でありますとか、あるいは国民生活センターによる情報提供でありますとか、それから消費者団体との懇談会、これは現在もやっておりますけれども、毎月やる懇談会でそういった内外価格差対策の企画立案に資するための努力をやっております。 それから(2)に「海外主要都市における生計費調査」ということで、これは一番最初の項目にも絡むわけでありますけれども、ニューヨーク、ハンブルクに加えまして、平成二年度にはロンドン、それから平成三年度にはパリの生計費調査というものをそれぞれ行いまして結果を公表しております。平成四年度においてはベルリンにおいて生計費調査をやろうということで準備をしておる次第でございます。 それから三番目でございますけれども、「カルテルに係る課徴金の引上げについての独占禁止法改正」ということでございまして、これは昨年既に独禁法改正が行われておりますけれども、課徴金の金額の算定に係る一定率を、平均いたしまして売り上げの一・五%から六%に上げるということで、カルテルを行った場合にそれに対する課徴金を厳しくしたということでございます。 それから四番目に、「独占禁止法違反事件に対する刑事罰の活用」ということでございますけれども、昨年の十一月に塩化ビニール製業務用ストレッチフィルム製造業者らに対して独禁法違反による刑事告発をやったということで、法人八社等に対して告発をやった、こういうことでございます。 以上が大きな六項目に関連して現在動いておる部分でございます。 それから、一番最後の参考ということで、「生計費ベースによる物価水準の比較」ということでございますけれども、これにつきましては昭和六十三年とそれから平成三年との間で比較をしております。結論的には、物価水準の比較をしてございますけれども、東京とニューヨークの物価水準につきましては昭和六十三年には一・四倍、東京を一〇〇といたしますとニューヨークが七二というレベルであったわけですけれども、平成三年に至りまして東京一〇〇に対して七九というようなことで接近をしてきておりまして、物価水準で比べますと東京がニューヨークの一・四倍であったものが一・三倍程度に縮減をしたというのが結論でございます。東京とドイツのハンブルクを比較したものが右でございますけれども、同様にいたしまして昭和六十三年には一・五倍程度であった東京の物価水準が、ハンブルクと比較いたしまして一・三倍程度に縮減をしたというのがこの表の読み方でございます。 以上、御説明させていただきました。
○会長(遠藤要君) 以上で政府からの説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○清水嘉与子君 自民党の清水でございます。よろしくお願いいたします。 日米構造問題協議から発しましてこの内外価格差の問題が非常に国民の間にも話題にされるようになりました。一千万人を超える日本人が外国に行くようになりまして、やはりどうも日本の物価が外国に比べて高いのじゃないかというのを実感として受けとめてくる人が多くなったと思います。私たちのこの調査会におきましても、平成元年八月からこの問題に取り組み、いろいろ勉強させていただきまして、なぜこう高く、差があるのかということについて随分問題点がわかってきたというふうに思うのですが、しかし大分時間がたちましたけれども、それじゃあれだけ問題にして取り組んできたものが、本当に実感として下がってきたんだろうか、改善されてきたんだろうかといいますと、どうもまだ十分ではない。この最後の物価水準の比較を拝見いたしましてもまだまだ、確かに安くなったといってもまだ差があるということの結果だそうでございますけれども、どうも実感としてわいてこないわけでございます。 そこで、政府がお取り組みになりました今の一連のお話を伺いまして、この二年数カ月余りの成果といいましょうか、そういうものを取りまとめの庁であります経済企画庁がどういうふうに評価をしておられるのか、そしてそれが国民生活に、九十四項目ですか、こういうものを進めることによってどういうふうに影響が出てくるだろうと期待しておられるのか、その辺につきまして少し御説明いただきたいと思います。
○政府委員(小林惇君) ただいま資料でも御説明申し上げましたけれども、内外価格差の実態調査を継続的にやってございます。昭和六十三年と平成三年との間では、例えばニューヨークでは一・四倍であった東京の物価水準が一・三倍に縮減するというようなことになってございます。しかし、倍率自身、今委員からも御指摘がございましたけれども、実感と違うじゃないかというあるいはことかと思います。為替レートの動向でございますとかあるいは購買力平価、円の実力といいますか、そういったものの改善というものは効果が現実にあらわれてきておるのではないだろうかというふうに考えてございます。現実の消費者物価の動向等を見ましても、我が国のそれが、相対的にでございますけれども、アメリカのそれよりも安定しておるというようなことも購買力平価の改善には貢献をしておるわけでございます。 しかしながら、内外価格差は依然として存在するというふうに認識しておりまして、先ほど来御説明したような各種の対策を総合的に推進していく必要があるというふうに認識しておる次第でございます。
○清水嘉与子君 ありがとうございます。 この推進本部の話なのでございますが、これを拝見いたしますと、平成元年、二年から三年にかけてだんだん何といいましょうか、一少しトーンダウンしてきたんじゃないかなというふうな印象さえ受けるわけでございます。つまり、平成三年は一回開いて後ことしになってしまったわけでございますが、こうやって拝見しますと、確かに各省庁、相当たくさんの省庁が集まってやっているわけでございますので、このフォローだとか調整等について非常に大変なんじゃないかとも思いますが、果たしてこんなスピードでよろしいのかということが心配になるのですが、この対策推進本部の今後の活躍状況といいましょうか、その方向等について御説明いただけませんでしょうか。
○政府委員(小林惇君) 先ほどの資料の一番最初のページに会合の状況等が出てございますけれども、確かに平成三年三月に開かれて後開いてございませんけれども、内容を詳細にわたって御説明申し上げましたように、各種の対策あるいは政府挙げていろいろな方向で努力をしておるわけでございます。 今後につきましても、推進本部自身何月に開催をお願いするかということはまだ決めてございませんけれども、必要に応じまして新規の項目も追加をしながら開催を図ってまいりたいというふうに思っております。会議自体も大事でございますけれども、私どもといたしましては、先ほどの二ページ以降にございますよう狂細かい施策の積み重ねが非常に大事であるというふうに考えてございますし、それからそれらでは、先ほども御説明申し上げましたけれども、例えば大店法のようにこの一月に施行されるものであるとかいうようなものも多々含まれておりますので、今後その効果があらわれてくるということを期待しておる次第でございます。
○清水嘉与子君 それでは少し具体的なことについて伺いたいと思いますが、農水省の古来ていただいておりますか一ありがとうございます。 牛肉・オレンジの自由化ということが行われたわけでございますけれども、牛肉につきましては平成二年から牛肉調製品、あるいは平成三年から自由化されたということでございます。先ほどの調査報告によりましても二年度でまだ肉類が四、五割日本は高いんだという御発表でございましたけれども、確かに牛肉が異常に高いんじゃないかという消費者の気持ちがありますが、この自由化の実態、そしてそれが本当に牛肉を消費者が食べやすくなってきたのかということについて具体的に伺いたいと思います。
○説明員(齋藤章一君) お答え申し上げます。牛肉につきまして今お話しございましたように、昭和六十二年の日米、日豪の合意によりまして、昭和六十三年度から平成二年度まで毎年輸入割り当て量を六万トンずつふやすということ、それから昨年の四月から牛肉の自由化、輸入の自由化を図るということで輸入牛肉の供給量の拡大が図られてまいりました。また、国内流通につきましては、最近消費者ニーズが変化しておるわけでございまして、それに対応した商品形態の多様化が進んでおります。また、最近の輸入牛肉の特徴といたしまして冷蔵品の割合がふえております。冷凍より冷蔵品の比率が多くなるということで、従来よりも品質のよいものが流通するというような状況になっております。 こういう中で、卸売価格を見ますと、標準的な規格のもの、それからそれ以下の規格のものの価格が低下してきております。これが家計にどういうふうに反映されているかということで家・計調査の報告を見ますと、一世帯当たりの牛肉の購入価額、これは単位当たりの購入価額を見てみますと、自由化後の四月以降、前半の平成二年四月と前年同月比で比べてみますと、この単位当たりの家計におきます牛肉の購入価額というのは前年同月比を下回って推移しているという状況になっております。 現在、牛肉につきましては関税率が七〇%でございます。この関税率につきましては、平成四年度から六〇%、それから平成五年度から五〇%に関税が引き下げられることになっておりまして、これらによりまして、今後の牛肉の価格につきましては漸次低下していくんではないかというふうに考えております。
○清水嘉与子君 私の知り合いのお肉屋さんに伺ってみますと、確かに自由化はされたんだけれども、その肉が出回るのは、大きなお店には割合に行くけれども小さな店には割り当てがない、せいぜい一週間に一遍くらいしかない。そしてまた、入ってきても日本人の消費行動といいましょうか、どうしても日本の和牛の方がおいしいという ような先入観があってなかなか売れないんだというようなことを聞いておりますが、日本の中の流通の機構にも大きな問題があるんじゃないかとも思いますが、その辺はいかがでございましょうか。
○説明員(齋藤章一君) お答え申し上げます。 自由化によりましてどういう商品を扱うかは自由になったわけでございます。そういうことで、現在輸入牛肉の供給量を見ますと、平成二年度、大体国内と輸入牛肉がほぼ半々ぐらいの状況になっておりまして、輸入牛肉の供給量はそれだけ拡大してきているということでございます。
○清水嘉与子君 輸入牛肉がそれだけ、半分ということでございますから、恐らく輸入牛肉も安い価格で入ってくれば、当然のことながら日本の牛肉の価格にも相当影響を与えるものというふうに思いますが、そういうふうに考えてよろしゅうございますか。
○説明員(齋藤章一君) ただいま御指摘がございましたように、輸入牛肉がふえまして、最近チルド、冷蔵品の牛肉がふえてまいりました。そういうことで、国内の乳雄の牛肉につきまして価格低下が見られております。
○清水嘉与子君 与えられた時間が少なくなりましたので先に進めたいと思いますが、為替レートがこれだけ変動いたしましたり、それから日本人の消費行動から見ましても、内外価格差そのものを全くなくすといいましょうか、そういうことをすることにもやはり限度があるのじゃないかというふうに思うわけでございます。そもそも内外価格差というのがどのくらいが許される範囲であるのかというふうな問題もやはりあろうかというふうに思います。購買力の非常にある日本の消費者にとって、やはり自由に物が選べて、そして安全なものが手に入る、そして豊かな生活を享受するというような仕組みができればそれでいいのではないかというふうに私は思うわけでございます。 そういう意味では、消費者の保護あるいは教育といったものが非常に大きな問題になるのではないかというふうに思うわけでございますけれども、やっぱり流通の仕組みがもっとわかりやすくなる、あるいはどういうふうにしたら安い、あるいはもっと何といいましょうか、例えば並行輸入の仕方だとか、あるいは個人輸入の仕方などで外国の安いもが手に入るかといったような知識をもっと知るとか、あるいはその商品が、これから非常に外国の製品が多くなるわけでございますが、そういうものについての安全性ですとか、特に食料品の場合なんかには安全管理の問題が非常に大きいと思います。あるいはメンテナンスの問題、あるいは最近ですと環境にやさしい商品であるかどうかという、いろんなその商品に対しての情報がもっと簡単に提供できるという仕組みがどうしても大事ではないかというふうに思うわけでございます。 それとあわせて、今の日本人の消費行動を見ますと、依然購買力があるということもありますが、お金がなくてもとにかく物が買えるという仕組みが非常に発達しちゃっているわけでございますよね。今非常に若い人たちの中でカードによる自己破産の問題なんかが出てきておりますけれども、内外価格差とは直接関係ないようではありますけれども、結局ああいうところで回収できなくなったお金というは、やっぱり物に加算されるというようなことで内の価格に転嫁される、そういう大きな問題が出てくるというふうに思います。そういう意味では、消費者の保護とか教育という問題についてやはりどういう形でか、もう少し心していかなければいけないんじゃないかというふうに思いますが、企画庁でよろしゅうございましょうか。そういう問題についてどんなふうにお考えでございましょうか、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(加藤雅君) お答えいたします。 御指摘のように消費者の教育あるいは啓発という問題は非常に重要であると思っておりまして、私どもといたしましても平素からそのためにいろいろ努力をしているところでございます。 いろいろな問題を御指摘になりましたのでございますけれども、まず、私どもの取り組みといたしまして今最も重点としておりますのは学校におきます消費者教育でございまして、これにつきましては御案内と思いますけれども、平成元年に学習指導要領が改訂になりまして、平成四年度から小学校、五年度から中学校、六年度から高等学校で、義務教育の中で消費者教育をやる。やるということは今までもやっていたわけでございますが、それを飛躍的に充実するということが決定されているわけでございます。 この問題に対応いたしますために、私ども文部省と共管で、平成二年の二月に財団法人消費者教育支援センターというのを設立したわけでございます。これは、今までの学校教育の対応では求められているような飛躍的な充実というのが難しいだろうということでございまして、そのために教材でございますとか、それから指導者のマニュアルというようなものをつくる。あるいは先生方のためのシンポジウムとか出張講座のようなものをやるというような事業が必要でございまして、そういうことを今この消費者教育支援センターの方で実行しております。四年度から、つまりことしの四月からでございますが、家庭科と社会科でございますが、消費者教育を充実するということが実行されることになっておるわけでございます。 それからもう一つ御指摘の安全性の問題でございますとか、あるいは悪質商法というふうなものが従来から問題になっております。この点に関しましては、私どもは地方に消費生活センターというのがございます。今二百八十八カ所全国にございますけれども、そこへまず御相談いただくということが非常に大事な問題ではないかというふうに思っております。 また、私どもの持っております特殊法人でございます国民生活センター、これは昭和四十五年に設立されておりまして、これは消費者に対する啓発でございますとか情報の提供というようなことを目的にして設立された特殊法人でございます。 この間、この前の調査会でも御案内いたしたわけでございますが、現在この「たしかな目」という雑誌、これを月刊三万一千部発行しております。三万一千部というのは、この種の雑誌では決して少なくないと思っております。これは一般の書店でも売られております。 それから、もう少し特殊な用途と申しますか、県とか消費者行政担当の方がいらっしゃいますが、そういう方に対する情報を提供する必要がございますので、「国民生活」という雑誌と、それから「生活行政情報」という雑誌も月刊で出しております。「国民生活」の方が大体三千部ぐらい、「生活行政情報」の方は需要がそれほどございませんので千部強でございますが、そういう形で必要な情報を提供するように努力をしております。 今後ともこのような団体を活用しながら、それからきょうは申し上げませんでしたけれども、各省でもいろいろな情報を提供しておられるというふうに伺っておりまして、例えば公正取引委員会ではパンフレットを配布して、いわゆる消費者が商品を選択する際の情報ということでパンフレットなどを配布しておられます。例えば環境庁や厚生省などは、それぞれの御担当の、エコマークというのを環境庁でやっておられますし、厚生省では食品衛生の問題とか薬と健康の問題についてそれぞれ普及活動をやっておられるなど、ほかの省庁にもお願いしていろいろな普及活動をやっております。さらにこれらについても充実をお願いしていきたいというふうに考えております。
○清水嘉与子君 時間になりました。ありがとうございました。
○村田誠醇君 私は「流通面での規制緩和・独禁法の厳正な運用による競争条件の整備」という、配付されました資料のこの項目についてお聞きをしたいと思います。特にそのうちの「商慣行改善指針の策定」と、四番目と、八番目の独禁法上の指針についてお伺いをしたいと思います。 輸入されています欧米の商品が価格差を生じるというのは、リベート制とか、ここに書いてあるとおり輸入総代理店制度というものがあって、日本の商慣行で高い物が売られているということがよく言われております。それはもういろんなところで指摘されておりますし、内外価格差を生じさせる原因であると言われています。特に、一番問題になっていますのが輸入総代理店制度というものがガンだと、ネックになっていると言われておりますので、一体この輸入総代理店制度というものに対する競争条件を整備させるという意味で、公正取引委員会は基本的にどういう態度でこういう輸入総代理店契約というんでしょうか、制度に対して対応なさろうとしているのか、まず基本的な態度、スタンスについてお聞きしたいと思います。
○説明員(楢崎憲安君) 御説明申し上げます。 輸入総代理店制度を公正取引委員会はどういうふうに見ているかという御質問でございますけれども、まず基本的には輸入総代理店制というものは、外国事業者が我が国市場に参入するために活用される有効な制度でございまして、その限りでは一般的に競争促進的な制度であるというふうに私ども見ているわけでございます。しかしながら、同時に特定の商品につきまして特定の国内事業者が独占的に輸入する権利を持つということになりますので、当該商品と当該契約の当事者の市場における地位いかんによっては、あるいは輸入総代理店の行動いかんによっては国内流通に競争制限的に作用するということもあるのではないかというふうに考えているところでございます。 このため、それでは公正取引委員会としてどういうふうにこの輸入総代理店制度に対応しているかと申しますと、まず第一点といたしまして、独占禁止法六条で国際契約、輸入総代理店契約も国際契約でございますけれども、その契約を届け出ることになってございまして、届けられた契約につきましては公正取引委員会の方でその内容をチェックいたしまして、問題のあるような競争制限的な条項がございますれば是正するように指導しているところでございますし、また必要に応じて輸入総代理店制や並行輸入等の実態につきまして調査をし、その実態を把握するというふうに努めているところでございます。 また、昨年七月には、輸入総代理店制を含む総代理店契約につきまして、いわゆるガイドラインというものを策定したところでございます。 以上でございます。
○村田誠醇君 この輸入総代理店制度でございますが、並行輸入を妨害しているとか、あるいはほかで購入したものを総代理店に持っていっても自分のところで売った商品じゃないから修理、営繕してくれないとか、いろんな問題点があると思うわけですが、そういう意味で公取が、先ほども最後の説明にちょっと出ました、七月に、独禁法上の指針というんでしょうか、これ各分野にわたって相当膨大な資料もいただいたんですけれども、物すごい膨大なものが出ておりますので、全体を説明してくれというのは非常に難しいと思いますが、この輸入総代理店制度に絡んでどういう行為を、何というんでしょうか、ガイドラインの概略を膨大なうちの中からちょっとかいつまんでどういうふうに指導しようとしているのか、中身について教えていただけますか。
○説明員(楢崎憲安君) 御説明申し上げます。 先ほど御指摘されたのが、この「流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針」といういわゆるガイドラインでございますけれども、これは独占禁止法の違反行為を未然に防止するというためには、どのような行為を行えば独禁法上問題となるかならないかということを明らかにした、独占禁止法の運用の透明性を図るという観点から昨年七月にガイドラインを策定したものでございますけれども、実はこの三部に総代理店に関する独占禁止法上の指針というものを設けてございまして、この三部はいわゆる輸入総代理店であると否とを問わず、いわゆる総代理店契約を対象としたものでございますけれども、この内容につきましては、先ほど申し上げましたように、総代理店制の持つ輸入促進効果と、その弊害というものをバランスをとって規制していくという立場で考え方を示しているところでございます。 まず第一点が輸入総代理店契約を締結すること、どのような場合に独禁法上問題となるかということが書いてございます。いわゆる日本の有力なメーカーが外国の同業者から一手販売権を得るという行為でございますけれども、この行為につきましては、日本の輸入総代理店が国内市場において有力であるという場合には独禁法上の問題が生じますというふうなことでございます。 それから第二点は、外国事業者が輸入総代理店に対してさまざまな制限、拘束を課すことがあるわけでございますけれども、そういった制限、特に再販売価格、国内における総代理店が売る価格でございますけれども、こういった行為を制限するようなことがあるとそれは独禁法上原則違反ですよということを書いているところでございます。 それから、先ほど御指摘ございましたけれども、いわゆる並行輸入の問題でございます。並行輸入につきましては、非常に細かくどういった行為をすれば並行輸入の不当阻害行為に該当するか、そしてそういった行為を行うことによって当該商品の価格を維持するというふうな行為が行われれば独禁法上違法となるということを、総代理店制に絡みましてさまざまな問題につきまして独禁法上の考え方を明確に示しているところでございます。
○村田誠醇君 この指針については、それぞれ業界でいろんな意見があると思うんですね。したがいまして、最初は案というものが出てそれを各業界に提示といいましょうかして、各業界からの意見を徴収してさらに精査したという経過があると思うんですが、その場合、今言われました輸入総代理店が載っている部分について関係各業界からどのような意見が公取の方に寄せられたのか、あるいはそれに絡んでどういうふうな業界に対する啓蒙活動、今一生懸命やっておられると思うんです。それぞれの業界を集めてガイドラインの説明会を多分開いておると思うんですが、輸入総代理店といってもいろいろ分野はあると思いますけれども、こういう業界に対してはどのような啓蒙、指導をなさったのか、概略を教えていただけますか。
○説明員(楢崎憲安君) 御説明申し上げます。 まず私ども、このガイドラインにつきましては原案の段階で国内外の事業者あるいは国際機関、あるいはいろんな機関、各省庁に原案を開示したわけでございますけれども、ここで注目していただきたいのは、国内の事業者だけではなくて外国の事業者団体、関係団体等に開示をして、日本の独禁法ではこういった行為が規制されるんだということまで開示をして意見を求めたわけでございます。したがいまして、外国の事業者も日本において輸入総代理店制度を活用しようと思いますと、どういった行為が規制されているかということが、少なくとも開示をして意見を求めたところでは十分承知しているというふうなことでございます。 それから、どのようなコメントが来たか、細かな点になりますけれども、内外価格差の原因として輸入総代理店制があるという立場からはもう少し厳しく取り締まるべきであるとか、あるいは輸入総代理店の立場からは並行輸入を厳しく規制する、並行輸入というものは自分の独占権が脅かされるわけですので、そこら辺のところについてはもう少し自分たちの正当な権利といいますか、そういったものを尊重してほしいとか、さまざまな意見が出てきたわけでございますけれども、そういった意見等を踏まえて昨年七月に最終的にあのガイドラインを決定したわけでございます。 そして、このガイドラインにつきましては、第三部だけではなくていろんなところに対し、関係の各団体等につきまして要望等、あるいは私どもの方から積極的に説明会等を行っているところでございます。ちなみにこのガイドライン、私どもでつくって公表したわけでございますけれども、公表して数カ月のうちに数千部あるいは一万部に達しているんじゃないかなと。こういったガイドラインが広く周知されている状況にあるわけでございます。
○村田誠醇君 この輸入総代理店制度が、先ほどもちょっと触れましたように、自分のところで売った商品でないために営繕に取り次がないとか、あるいは流通段階ごとに標準的な価格をつけてこれ以下では売るなとか、そういう指導をしておったりして競争を阻害する要因がかなりある。あるいは場合によっては並行輸入をしている業者に対してそういうことをやめろ、あるいはデパート、スーパー等に扱うなというような形で、いろんな意味で働きかけというんでしょうか圧力をかけるという行為があるわけです。あるいは並行輸入をする場合に輸入総代理店側からこういう行為をすると独占禁止法違反ですよと、優越的地位の乱用とかいろいろあるわけですけれども、それはかなり具体的に提示されて今回この指針にあるということを聞いておりますが、簡単で結構ですけれども、具体的に大体こういうような行為をすると独禁法違反事件となりますよという、具体的と言ってはちょっと語弊がありますが、幾つか教えていただけますでしょうか。
○説明員(楢崎憲安君) 御説明申し上げます。 まず、並行輸入が生ずる原因というのは、内外価格差がある場合に外国の安い商品が国内に入ってくるわけでございます。そうすると当然国内で売られている価格が、並行輸入品が安く入ってくるわけですから値崩れを生ずるということが考えられるわけでございますけれども、これをとめるために、価格を維持するために並行輸入を妨害するということが第一点でございます。 具体的にはどのような態様があるかといいますと、このガイドラインで書いてございますけれども、まず海外の輸出業者ですか、海外の業者から並行輸入業者が入手しようとするのを、そこを妨害する行為でございます。それから、並行輸入業者が海外から仕入れた商品を国内において販売する、その販売を妨害する行為でございます。例えば、並行輸入品を扱っているところには輸入総代理店が扱っている商品を供給しないとか、あるいは並行輸入品が真正商品、本物であるにもかかわらずにせものであると誹誇中傷するというふうな行為でございますとか、先ほどもございましたけれども、修理を拒否することによって価格維持を図るとか、さまざまな行為があるわけでございますけれども、そういった行為につきまして、当該商品の価格を維持するために並行輸入を不当に妨害するということをすれば独禁法上問題となるということでございます。 それからまた、総代理店あるいは外国事業者が国内において当該商品、自分の扱っている商品の価格を維持するために、いわゆる再販売価格維持行為ということが考えられるわけでございますけれども、こういった行為をすれば原則として独占禁止法に違反するということを明記しているところでございます。
○村田誠醇君 競争条件を整備するということは、制度的に確かに直さなきゃいけない部分があるのと、現実に競争条件が阻害された場合にそれを排除するということが当然片方でなければ実効性を持たないわけでございますが、これは何といいましょうか、それを取り締まる場合が独禁法であり公取の責任でございますので、基本的な競争条件を維持するというんでしょうか発展させるというんでしょうか、そのために公取として、大分ラップの取り締まりだとかやっておられるようでございますが、基本的に公取として独禁法をどのように活用していく方針なのか、聞かせていただければと思います。
○説明員(楢崎憲安君) 側説明申し上げます。 内外価格差が生ずる要因としてはさまざまな事項が指摘されているわけでございますけれども、公正取引委員会といたしましては、内外価格差が生ずる背景として公正かつ自由な競争を阻害するような要因があれば、これを排除するということが当然のことながら競争政策上重要となってくるわけでございます。 このような観点から公正取引委員会といたしましては、まず第一に、価格カルテルあるいは再販元価格を維持する行為、あるいは並行輸入を不当に阻害する行為、独占禁止法違反行為が行われた場合にはこれに対して厳正に対処しているところでございまして、具体的な違反行為が行われたというふうな事実があった場合には所要の措置をとっているところでございます。さらに、違反行為に対する抑止力を高めるために、審査部の人員あるいは機構を充実する、カルテルに対する課徴金の引き上げあもいは刑事罰の活用等、さまざまな違反行為を抑止する措置を講じてきているところでございます。 それからさらに、違反行為を抑止するためには公正取引委員会の運用方針、どういうふうな場合に違法となるか。独占禁止法上の運用の透明性を百円めるために、独禁法違反となる場合というものを明確にして、これを事業者に示すことが必要なわけでございますけれども、この点につきましては、先ほど来申し上げていますように、「流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針」というガイドラインを作成、公表しているところでございますし、このガイドラインに基づいて厳正に独占禁止法の運用を図っているところでございます。
○村田誠醇君 大分時間がなくなってまいりましたので、どうも公取の方、ありがとうございました。 あと、最後の時間を利用しまして一つお聞きをしたいのでございますが、通常、内外価格差といいますと、欧米からの輸入品の現地と日本国内の価格の落差が問題になるわけでございますが、逆に、日本の製品の日本国内の値段と海外での値段に落差がある場合、これも逆の意味での内外価格差になるわけでございます。その点についていろいろお聞きしましたら、資料の物価レポート91をいただきまして、いろいろな商品についてかなりその落差は埋まっているんだと。つまり、基本的には日本よりも全体として少し高い傾向にあるけれども、そんなに落差はないというのがこのレポートに書いてあるのでございます。 そこで一つお聞きをしたいんです。これは通産に聞いてほしいというのが経済企画庁の見解でございますが、詳しいことじゃなくて基本的な考え方で結構でございます。日本製のセメントがアメリカの国際貿易委員会でダンピングと判定されまして、ダンピング率に応じた課徴関税をかけられたというのが昨年起こっているわけでございますね。これは業界が既に認めているということになるわけですが、そうしますと、日本国内で売っている値段よりもアメリカで売っている日本製セメントの方が値段がはるかに安いということが認定されて、業界が認めた形になっているわけでございます。こんなことが、今私が言った逆に言う内外価格差ではないか。あるいは日本の消費者が異常に高い製品を買わされているのではないか。これは国民生活に直接影響がない建設資材関係ですから、通産省か建設省にという経済企画庁の意見はわかるんですが、このダンピングと認定された日本製セメントについて、このデータで見る限りは調査していないので言いにくいと思いますけれども、どのような見解をお持ちなのか、ちょっとお聞きをして、最後の質問にかえさせていただきます。
○政府委員(小林惇君) ただいま委員御指摘の、セメントに関しますダンピングの決定というのが昨年四月に行われたということでございます。委員御指摘のとおり、内外価格差の一つの態様ではないかというふうに思っております。特に、日本国内で生産をしたものが海外に輸出される場合に、それが非常に安く売られることについては貿易摩擦の原因にもなるわけでございます。昨年実施いたしました日米共同価格調査で、例えば二十品目調査をしたわけですけれども、その中で、日本からの輸出品がアメリカの方においてむしろ安く売られておる、こういう品目は二十品目のうち五つあったわけでございます。自動車用プラグであるとか、音楽用のテープでありますとか、陶磁器でありますとか、その他あったわけでござい ます。 これは、一般に輸出品の価格については、為替レートでありますとか、生産コストであるとかあるいは輸出相手国の需給状況など、さまざまな要因によって決定されているわけでございますけれども、委員御指摘のような輸出先国で非常に安く売られるというようなケースは、特に円高の進展に対応する外貨建て輸出価格の調整のおくれというようなことが原因である場合もあろうかというふうに思っております。 それから、先ほど委員御指摘のような業態の場合には、ダンピングと認定をされて、それに余り異を唱えなかったというようなことでございますと、まさに輸出で変動費だけ稼げばいいじゃないかということで、あるいは安く売るような素地があったのではないかなというふうに考えております。 いずれにいたしましても、内外価格差の縮小というものは国家的な命題でございますので、そういうことについても目を配ってまいりたいというふうに考えております。
○広中和歌子君 与えられた時間が十分間でございますので、二点につきまして御質問させていただきます。 まず、輸入品の価格設定と航空業界における内外サービス格差についてでございます。輸入ブランド商品は国内で高い価格設定がされるということは我々承知しているわけでございますけれども、酒類については改善が見られた。これに関する公取の御努力を多とするところでございます。しかしながら、輸入品の高い価格設定は必ずしもこうした高級ブランド製品に限らず、意外と日常製品にも及んでおります。 というのは数カ月前でしたけれども、ワシントンで国際会議に出席した際、アメリカのある有名工具メーカーの社長にお目にかかったわけです。アメリカは日曜大工の国でございまして、戦後からすばらしい工具、工作機械をつくっていたわけですけれども、最近は日本の輸出攻勢に負けて、つまり競争力がなくなっているというようなことを新聞で読んだものですから、どうしたんですか、アメリカはかってすばらしかったじゃないですかと私が質問しますと、その社長は、とんでもない、少なくとも我々工具メーカーとしては、アメリカでも頑張っているしヨーロッパにもどんどん輸出していると。じゃ、なぜ日本に輸出なさらないんですか、日本のメーカーがよ過ぎるんですかと申しましたところ、実重言うと自分たちは輸出しているし、またもっと輸出したいと思っているんだけれども、現実にどういうことが起こっているかというと、とんから一つにいたしましてもショーケース、飾り棚に入れられてしまいまして、しかも値段も四倍から五倍ぐらいの高い、つまり宝石並みの高級品として展示されていて、つまり工具のように手にとっていろいろ試したり見たり、そういう品物に対して非常に現実面で差がつけられている。そういうような状況があるようなんでございますね。 国内のそうした高い価格設定とか、そうした取り扱いそのものが日本の国内メー力一からの圧力によるものかどうかということについて公取はどのような見解を持っていらっしゃるか、その辺についてお伺いいたします。
○説明員(楢崎憲安君) 御説明申し上げます。 先ほど例を出して言われたわけでございますけれども、外国事業者が日本に参入して外国事業者の商品が日本で売られるということでございますけれども、基本的にその商品につきましては、日本で売られる外国事業者がみずから参入して日本で売る、あるいは輸入総代理店等の日本の流通業者を通じて販売する、さまざまな行為があろうかと思いますけれども、どのような価格を設定す谷がどうかは、基本的に日本で事業活動を行う事業者の自由な判断にゆだねられているものでございます。 これがまさに市場経済の基本であるわけでございますけれども、そういうこと自体、自由な判断で高い価格をつけていると仮にいたしましても、それはそのこと自体独占禁止法上の問題ではないわけでございまして、他の事業者からの不当な拘束によって高い価格を余儀なくされるというふうな事態、あるいは競争制限的な行為がある、競争制限的な行為が高い価格の下支えをしているというふうな場合には独禁法上の問題になってくるわけでございまして、こういった競争制限的な行為が背景になっているとすれば、そういうふうな競争制限的な行為を排除していくというふうなことが重要であるというふうに私ども考えているところでございます。 先ほど御指摘なされたケースでございますけれども、具体的にどのような状況があるのかどうか、私ども承知しておりませんのでちょっとなかなかコメントしがたいところでございますので、一般的な考え方だけ御説明させていただきました。
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。 少なくともお酒に関しましては輸入代理店が同時にメーカーであるといったような、つまり今おっしゃいました競争制限的行為にかかわるようなことがあったのではないかと思います。 この工具に関しまして、あるいは他の商品に関しましてももっと私も関心を払っていきたいと思いますけれども、公取の方でも目配りをしていただきたいとお願いして、その問題については質問を打ち切ります。 次に、航空運賃の内外価格差というのは是正されてきたということで、これも大変評価させていただきたいと思います。しかしながら、意外と気がつかないところに格差が存在いたしまして、これは私は内外サービス格差と呼ばせていただいてもいいんじゃないか。つまり、日本人がサービスにおいて差別されているということなのでございます。 恐らくここにいらっしゃる方は結構御存じないかもしれないので、ちょっと御説明させていただきますと、数年前からユナイテッドエアラインズとかさまざまなアメリカの航空会社が、これはたまたまユナイテッドなんですけれども、マイレージプラスというカードを発行いたしまして、飛行機に乗るたびに乗った距離に応じましてマイレッジのクレジットをくれまして、何回か飛びますと例えばブリーチケットをくれたり、例えばエコノミークラスがビジネスクラスになったりするわけでございます。大変いいなと思っておりましたら、今度は日本の航空会社もそれをお始めになったわけです。 例えば、ゴールドパスということでオールニッポンエアウエース、それからジャパンエアラインズもJALマイレッジバンクというのがございますんですけれども、私が大変心外に思いますのは、これはアメリカ人に差し上げるけれども、日本から乗る方には差し上げられないということなんです。そういたしますと、日本の航空会社が競争に勝っためにいろいろサービスなさって、そのサービスが非常に高質なものであるんだったらそれに対して高い値段を払うのは当然だと思いますけれども、それであればアメリカ人にもヨーロッパ人にも日本人にも同じように高い値段をつけてほしい。ところが、外国人には特別なサービスをいたしましてそして日本人にはしないということは、これはもう本当に心外を通り越して腹が立つことなんでございます。 つまり、四回ぐらい往復いたしますと一回ぐらいのチケットがただになるんですね。それは自分本人だけではなくて子供とか配偶者にも使える。例えば、公務員の方なんかしょっちゅう海外をビジネスで旅行なさいますけれども、四回のうち一回はただで行ける、それも家族に使えるわけでございますから、日ごろファミリーサービスをしていらっしゃらない方はそういうところで点を稼ぐことができるというような、非常に人間的な側面を持ったサービスでございまして、こういうものを日本人にだけしない。両方にしないんだったら許せますけれども、日本人に対して差別である、そのように思いますけれども、運輸省はこのことについて御存じでいらしたか、そしてこういう差別についてどのような見解を持たれるか、まずお伺いいたします。
○説明員(辻通明君) お答え申し上げます。 先生今お話しになりましたサービス、通常FFP、フリークエント・フライヤー・プログラムと言われているようなものでございます。これは、考え方といたしましては、継続的にかつ頻繁に同一の航空企業を利用したお客さんに対して、その寄与度に応じて一定の特典を差し上げる、こういう制度でございまして、内容としては、今お話しになりましたような無料の航空券以外にも航空座席のグレードアップとか、ホテルの利用料の割引といったようなものがあるようでございます。今お話しございましたように、外国の企業も数社やっておりますし、日本の航空企業も北米における航空券購入者を対象にこのプログラムを組んでいるというふうに聞いております。 ただ、これは各航空会社の営業政策の一環として行われているサービスでございます。したがいまして、我が国の航空企業も北米における航空券購入者というのが、しかも一定年齢以上の者という要件があるだけでございまして、その方が日本人であろうとアメリカ人であろうとそれは制限がございません。アメリカに在住する日本人の方が購入された場合には、当然会員としてこのサービスをお受けになることができるわけでございます。 先ほど、最初にお触れになりましたユナイテッドエアラインズにおきましても、このユナイテッドエアラインズのサービスはフランス、ドイツでは不適用ということになってございます。これは、各航空会社がそれぞれの、言ってみれば自己の競争力を考えながら、営業政策として行われているサービスであるというふうに我々理解しておりますので、そういうプログラムをどの区間、どういう範囲で適用するかということにつきましては、基本的には各航空会社がその自主的な判断でお決めになってしかるべき問題ではないかと考えております。 ただ、きょうこの場で先生からお話しかございましたものですから、その内容につきましては我が国の航空関係企業にも十分お伝えをしたいと考えております。
○広中和歌子君 もう時間なのでやめなければなりませんけれども、先ほどのことですけれども、アメリカの航空会社はヨーロッパの航空会社とタイアップしておりまして、例えばルフトハンザとか、そういうところに乗りましてもユナイテッドの方にマイレージプラスがつくようになっておりまして、そのようなことでございます。非常に世界的な広がりを持ち始めております。 ともかく、私がこれを質問するのはフェアネスの問題、いわゆる公平の原則にもとるんではないか。海外において競争力をつけるためにはいろいろなことをなさる日本の企業が、国内においては国民が知らないがためにサービスをしていない、あるいは高い価格で我々が物を買わされているということは、私は日本国民にとってフェアなことではないと思いますので、運輸省だけではなくて、通産省初め各省庁よくお考えいただければとお願いして質問を終わります。 どうもありがとうございました。
○会長(遠藤要君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○会長(遠藤要君) 速記を起こしてください。
○近藤忠孝君 まず、大店法の規制緩和の問題であります。 今出店件数ちょっとすぐ思い出せませんけれども、相当数ですね。これが間もなく全部出店が認められるとなりますと、その数から見て飽和状態ところか超過剰状態になるんじゃないか、これは当然予想されます、この面積から見ましてもね。そのことの日本経済へのマイナス効果をどう考えるのか。 それから第二点は、この調査会にも参考人として出てこられた方の発言ですが、規模が大きくなると土地購入費、これが大変大きくなって価格に逆に反映するんじゃないか。だから、この大店法の規制緩和が価格に果たして影響がいい意味で出てくるのか、それは疑問じゃないかと思うんですが、この二点端的にお答えいただきたいと思います。
○政府委員(小林惇君) 大店法の法律改正あるいはその運用緩和について先ほど御説明したところでございますけれども、委員御指摘のように、その後非常に出店の申請件数がふえておる。その結果として、それが認められた暁には商業分野における二重投資などが生じて、国民経済的にいかがであろうかということの御指摘かと思いますけれども、その点につきましては、この内外価格差是正、こういった観点あるいは流通面での規制緩和、あるいはより一層の輸入の促進という観点からいたしますと、そういった部分的に二重投資というようなことの国民経済上のロスというものを超えてメリットがあるということで、制度改正あるいは運用改正が行われておるというふうに私は認識しておる次第でございます。 それから、第二点の店舗に要する土地代の件でございますが、実際には、私の知る範囲でございますけれども、すべて用地について所有するという形ばかりではなくて、賃借をするといいますか、借りて、その土地の上に店を建てるというようなケースもあるようでございます。もちろんその場合にも土地価格が反映するわけでございまして、そういうものはすべて商品のコストに乗せてくるということでございますので、それも競争条件の一つになってまいるわけでございまして、在来の御自身の所有する土地の上に店舗を持っておられるところとはそういう意味では非常に競争が激しくなる面があろうかと思います。そのコストを排除しては商店は成り立たないというふうに認識をしておる次第でございます。
○近藤忠孝君 価格引き下げに果たしてそういう要因が、逆の効果が出るんじゃないかということはやっぱり慎重に見なきゃいかぬと思います。 それから、そういう意味で、価格への影響という面では先ほど挙げられた製品輸入促進税制です。大体こういう税制は世界に例がありませんですね。また、これの適用を受けるのは大体大企業です。しかも自分の関係会社、子会社が海外で生産した製品の逆輸入と部品の逆輸入という要素が大変に強いんですね。 それで、一つの試算がありまして、この減税効果、住友商事の場合には約二百億円の準備金が積めるので、地方税を合わせると百億円の減税効果、東芝は五十億円の減税効果、自動車会社の場合全部当てはめると三百三十億円の大減税。黒字減らしの名目によるやっぱりほとんど影響を受けるのが大企業の減税で、しかもそれが関係子会社の海外での製品という点です。要するに税金によって輸入促進をするという要素が大変に強いんで、果たしてこんな方法がいいんだろうか。これは大蔵委員会で反対したのは私だけだけれども、そういう要素があるんです。 問題は、じゃ価格への影響はどうなのか。法人税は転嫁されると言われています。ところが、転嫁されるのは増税の場合であって、増税した場合にその分が消費者に転嫁されるけれども、減税の場合には内部に対して転嫁の効果がない、これは相当有力な学者の論文がありますよ。そうすると、特に大企業の場合価格支配力が強いですから、こんな国民の税金を使ってまで大減税して輸入促進をしましても果たして価格に影響があるんだろうか、大変疑問だと思うんですが、この点、主としてこれは大蔵省、通産の問題かもしれないけれども、経企庁としてもひとつ関心を持って、今お答えいただければいいしまた大いに勉強してほしいと思うんです。
○政府委員(吉冨勝君) 輸入促進税制の場合、まず大企業については一〇%、輸入増加が前年に比べまして一〇%以上ふえた製造業及び卸、小売がその対象になるわけですけれども、製造業の場合、税額控除の対象になるそういう製造業者というのは、中小企業にあっては一五%の税額控除で、その他の場合は一〇%でありますので、税制の面については相対的に中小企業が税額控除を多く受けるような形に今なっております。 ただ、現実には先生がおっしゃられましたように、輸入品の増加の内容を見ますと、コンピューターであるとか集積回路であるとか、あるいはそのコンピューターの部品であるとかというものが、少なくとも九〇年度につきましては前年度に比べてふえておりますので大企業に偏っている可能性はございますけれども、それは全体の輸入の構成そのものがそのようなことになっているということからくるわけで、税制のゆがみそのものからきているものではないというふうに見ております。 それから、全体の目的が輸入促進にございますので、その観点から見ますと、九〇年度につきましてはこの税額控除の対象になるもの、総じてこの促進税制の対象になる金額が一八%ほど九〇年度には前年度に比べてふえておりますので、その面では恐らく輸入促進効果はあったのではないかというふうに見ております。 それぞれの価格にどのような影響を及ぼしたかというのは、各品目について税額がどの程度に実際に及び、価格にどのような影響があったかという個別の調査を別個に必要といたしますので、現在のところ経済企画庁としてはその詳細なデータは持っておりません。
○近藤忠孝君 それは十分調査しまして、今私が申し上げた法人税の転嫁の問題について、逆の転嫁しない方向に行きかねないし、そんなものにこんな大変な国民の税金、減収なんということは私はいけないことだと思うのでひとつ真剣に取り組んでほしいと思います。 それからもう一つ、果たして効果があるかどうかという問題で、先ほど経企庁の方から借地借家法の改正の問題がありました。恐らく、これは定期借地権の創設によってそういう借地権ができるからだというんですが、私法務委員会の借地借家法の議論を全部ひっくり返して見たんです、論文を書く必要があって。そうしましたら、この定期借地権の創設によって地価引き下げ効果は何とも言えない、こういう答弁なんです。となると、ここに先ほどせっかく挙げたけれども影響があるかどうかわからない。 と同時に大事なことは、もう一つ答弁でずっと一貫しているのは、借地借家法、定期借地権は別として借地借家法の改正によって既存の借地権者には実質的に影響はない、今まで判例や学説で到達したその到達点を条文にしただけであって、実質的影響は何もありません、だから御安心をと言うんですが、私が心配するのは土地価格への影響が余りないまま、逆に先ほどのお話だと地価引き下げに借地借家法の改正が影響あるとおっしゃるのだから、結局既存の借地人の利益が後退するような形で、悪影響が出る形でその結果土地価格に影響があるのかなという、そんな心配もするんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(小林惇君) 委員御指摘のとおり、この借地借家法の改正の中で、例えば定期借地権の創設というようなことがございまして、これが行われますと無制限に借地権が維持されるのではないかという懸念が消えるという、結果として土地の流動性が高まるというような効果が期待できるのではないかなというふうに思っております。そういう意味で、地価全体にとっては地価の供給サイドの方にプラスの要素が少なくともあるのではないかなというふうに思っております。 それから、既存の契約云々ということでございますけれども、学者の世界でもこの既存の契約に及ばないのであれば、地価引き下げ効果は微弱だというような意見が確かにあることは理解しておりますが、先ほど来申し上げておりますような一定の範囲でございますけれども、土地の供給をふやす効果が出てくるのではないかというふうに期待をしておるわけでございます。
○乾晴美君 大体三点ぐらいお願いしたいと思っております。 まず、国内の最近の物価の見通しについてお伺いしたいと思います。 総務庁が発表いたしました一九九一年度の全国消費者物価指数の予測というのは二・四%というように言われておりましたけれども、昨年末には二・九というように上方修正されましたですね。これは調べてみますと、八九年度の予測が二・〇%であった、そして実績が二・九%になった。九〇年度は一・六%だったものが三・三%に実績としてはなっているわけです。九一年度も二・四%のものが、まだ年度は終わっていませんけれども、実績見通しが二・九%というように三年続けて予測より高い方に伸びているわけですね。九〇年度の消費者物価指数が三・三%ということであったにもかかわらず、見通しは二・九%になるということには、これは政府の見通しが甘いのではないかなと思ったり、または二・四%が二・九%にならざるを得なかった理由だとか、今の時点で一九九一年度の最終見通しはどうなっているかお伺いしてみたいと思います。
○政府委員(小林惇君) 委員御指摘のとおり、平成三年度の消費者物価見通しにつきましては、当初二・四%というふうに見込んでおったわけでございますけれども、本年になりまして閣議決定をいたしました経済見通しの中の消費者物価見通しによりますと、実績見込み二・九%というふうに上方修正をされております。これは主に昨年の九月中旬以降の天候要因による生鮮食品の高値というものが影響しておるわけでございます。当初見通し作成時には予見困難であったというごとの原因によるものでございます。
○乾晴美君 これは一九八一年のときにも四。九%というふうに非常に高くなっていたわけですね。十年ぶりの高い伸び率になっておりまして、国民生活は非常に苦しいということが私は言えるのではないかと思うんです。今お答えの中に生鮮食品のことが出ました。異常気象だとかいろんなことを言われますけれども、異常気象というのは三十年に一度ぐらい起こるようなことを異常気象と言うのではないかというふうに私は思っているわけなんです。特に、ここ一、二年の物価上昇の原因が今述べられましたように生鮮食品問題が挙げられると私も思います。これはやはり仕方がないことなのかもしれませんけれども、生鮮食品が天候に左右されるということだけじゃなくて、もっと野菜の供給という面からの対策のおくれが原因しているのではないかというふうに思うわけなんですけれども、今後生鮮食品の安定についてどのようにお考えなのか、お伺いさせていただきたいと思います。
○政府委員(小林惇君) 御指摘の点につきましてはまことにそのとおりだと思います。きょう新聞等で報道されておりますけれども、農水省のきのう発表した調査によりますと、野菜農家が意欲を失ってきておるというような面がちょっとデータの上であらわれておるわけでございまして、こういった構造的な問題に政府挙げて対処するものでなければ、野菜価格を中心とする生鮮食品の価格の安定というものはなかなか期しがたいのではないだろうかというふうに考えております。
○乾晴美君 それでは、内外価格差についてお伺いします。 今も説明を聞かしていただきましてよくわかりましたけれども、皆さん方や政府・与党の方々が内外価格差の対策推進本部というのをつくりまして、それぞれ各省挙げてこの問題に取り組んできているということはよくわかったわけなんですけれども、昨年の十一月に経済企画庁から発表されました物価レポート91を見せていただきましても、やっぱり内外価格差というのは、先ほど清水議員もおっしゃっておりましたけれども、そんなに大きく是正されたということは言えないのではないかと私も思うわけですね。内外価格差是正に向けてもっと具体的に対策を講じて取り組んでいかなきゃいけないのではないかと思います。 一概に内外価格差といいましても、とる指数といいましょうか、その拾い方によってはいろいろ違ってくるのではないかと思います。これは住友商事株式会社が一九九一年の十一月に出した社内広報誌みたいなものでしょうけれども、「世界の物価と暮らし」というのを見せていただきましたら、日本だってそんなに高いものばかりじゃないんだなというようにも見えるわけです。これはとり方によってこうなっているんだろうなと思うんです。私は働く仲間の皆さんからよく言われるのですが、自分が一時間働いたその一時間の賃金でいただける物品の購入のその値で、各外国とどれぐらい違うのだろうか、何がどう買えるのか、違うのかなというような単位のとり方もしていただけたらよくわかるんだけれどもというようなことをよく聞かしていただきます。もっと具体的にどのような対策に今後取り組まれたらいいというようなお考えなのか、もう少し詳しく教えていただきたいと思います。
○政府委員(小林惇君) 委員最後に御指摘になりましたけれども、内外価格差の評価の仕方につきましては、いろいろな手法があるというふうに考えられるわけでございまして、今現在とられております購買力平価あるいは為替レートを用います把握方法のほかにも、理論的にはいろいろな方法が考えられるというふうに思っております。ただ、今までの結果ではこれが最善ではないか、また非常に公平な比較ができるのではないかという前提でやらしていただいておる、こういうことでございます。 それから、内外価格差の、今後の格差是正のためのいろいろな方策についてでございますけれども、先ほど冒頭御説明しましたような各種方策を各省挙げてやっていくということに尽きるわけでございますけれども、経済企画庁としてはさらに問題がございます分野については問題を発掘しつつ、内外価格差対策を充実してまいりたいというふうに考えております。
○乾晴美君 それでは、最後に一言聞かしていただきたいと思うんです。 トイザラスというのが茨城とか奈良の方に出店しているわけなんですが、それについての御見解を伺わせていただいて私の質問を終わらせていただきます。
○政府委員(小林惇君) 先般、ブッシュ大統領が奈良県にございますトイザラスのお店にいらっしゃってキャンペーンに参加されたということでございますけれども、基本的に輸入促進、それからあるいは米国製品の輸入促進ということにつながるわけでございまして、極めて結構なことではないかというふうに考えております。
○寺崎昭久君 経企庁にまずお伺いします。 内外価格差の実態については、昨今次々に数字を挙げて報告されているわけでありますけれども、例えば物価レポート91によりますと、日本の生鮮野菜の価格はニューヨークやロンドンに比べても突出して高いという報告がなされておりますが、その原因というのは需給関係によるものなのかコストが高いためなのか、流通費が高いためなのか、あるいは品質の違いによるものなのか、その辺の分析をどうされておりましょうか。
○政府委員(小林惇君) 委員今御指摘の点につきましては、物価レポートにも報告してございますけれども、ニューヨークあるいはハンブルクの物価水準と比較いたしまして、特に食料品、中でも生鮮食品の部分でかなりの差があるというのは今までの調査結果として事実ではないかというふうに思っております。 食料品については、特にその国固有あるいは消費者固有の食習慣というようなものが、消費量あるいは価格に反映されやすいというようなことが当然ございますので、そういう点に留意する必要がございますけれども、我が国の生鮮食品が各国と比較をいたしまして割高になっている背景といたしましては、今委員の御指摘がございましたけれども、地価の高さでありますとかあるいは人件費の高さ等反映したコスト面の相違、こういったようなことが基本にあるかと思います。 それから、ゆるがせにできないといいますか、非常に大事なポイントでございますけれども、我が国の消費者の場合に非常に新鮮な、良質な商品を選好するというのが基本的な行動形態ということになってございまして、いわゆる規格外品でありますとか傷のついたようなものについて、全く市場価値を認めないような点もございます。そういったようなことが基本になって値段に差が生じておるということではないかというふうに思います。 それからもう一つは、内外価格差調査で、ニューヨークあるいはハンブルクと日本側との比較を行った月の、平成二年の十一月というようなことでございますけれども、その十一月に天候要因などで生鮮食品がかなり高騰しておったというような事実についても注意する必要があるのではないかというふうに考えております。
○寺崎昭久君 今のお話を伺っておりますと、消費者の選好がこうだから高いのはやむを得ないというようにしか聞こえないんですが、私はやはり安くしたいということであれば、その原因がどこにあるのかもう少し詰めて御研究いただいて、それぞれに応じた手を打っていかなければ内外価格差を詰めることはできないと思うんですけれども、今後そういうような検討をされる予定はございますでしょうか。
○政府委員(小林惇君) そういう点につきましては、各省ともいろいろ御相談をしつつ検討、研究をしてまいりたいというふうに考えております。
○寺崎昭久君 ぜひお願いしたいと思います。 それから、これも物価レポート91に書いてあることでありますが、日本の生鮮野菜が高い理由として、市場にける先取りがせり価格に影響を与えているという指摘がございます。つまり、そのことが値段を高くしているのではないかという指摘だと思うんですが、昨年の十月、ちょうど野菜が高騰していた時期に東京の大田市場で先取り率が、農水省では三割と、それを上限にするように指導しているんだけれども、実態は七割に上がっていたという報道がございました。 日ごろ三割とか、そういう基準についてどのような指導をされているのか。これは農水省の関係がと思いますが、強制力がある基準なのか、あるいは日ごろの指導というのをどういうふうに行っているのか教えていただきたいと思います。
○説明員(近藤和廣君) 先取りと申しますのは、卸売市場における通常の売買開始時刻以前の卸売のことでございますが これにつきましては卸売市場法施行規則に掲げる場合に、開設者が許可したときに行うことができるということになっております。さらにその細目につきまして、各市場において地域における需給実態それから商慣習等を勘案いたしまして、市場関係者の合意を得て先取り限度の設定などのルールを、市場において先取りに関する実施要綱等できめ細かく定めているのが今のルールの現状でございます。
○寺崎昭久君 三割が七割になるとどれぐらい価格に影響を与えるのか、実際にお伺いしたいところでありますが、時間がありませんから次に行きます。 昨年の農水調査室の資料によりますと、米国ではスーパー店と有力産地との市場外取引が活発になった結果、流通がほぼ消滅してしまったんではないかという指摘をしております。このことというのは、日本にもこれから起こるかもしれない、そういう可能性のある問題だと思いますけれども、農水省は、こうした事態というのは自由市場経済の中では容認されるべきというか、容認やむなしと考えるのか、あるいはそうではなくて何らかの手を打たなければいけないと考えられるか。委託買い付けの問題あるいは予約相対取引の問題、そういったことも含めて、今後の市場のあり方についての御見解を伺いたいと思います。
○説明員(近藤和廣君) 市場外流通についてのお尋ねがございましたが、我が国におきましては、生鮮食料品等の流通におきまして生鮮食品の特性、非常に規格が難しいあるいは変質しやすい、そういったことから卸売市場における流通というのが大きなシェアを占めております。野菜などでは約八割ぐらいの高いシェアを占めております。しかし一方で、最近市場外の流通、これはいろいろな形態がございます。生産者の直販所タイプのものもございますし、それからゆうパックその他で流通するものもいろいろございますけれども、たくさん新しいタイプの流通も出てきております。 農水省といたしましては、市場の流通を整備すると同時に、そういったいろいろなタイプの市場外の流通がそれぞれのニーズに応じて存在するということも、全体として流通を合理化させるということでは評価できるというふうに考えております。 それから、卸売市場の取引の改善につきましてお尋ねがございましたが、以上申し上げましたように、卸売市場は流通において非常に大きな役割を果たしておりますけれども、やはり最近、生産事情それから消費の事情がいろいろと変わってきております。そういった生産ないしは流通、消費の構造の変化に応じて取引の分野についてもいろいろな工夫を加えるべきだろう、そのように考えております。現在、新しい取引の導入、取引の多様化というふうに申しておりますけれども、そういったことについて関係者の間で種々検討をしております。今後も流通状況の変化に卸売市場が適切に対応できるように努めてまいりたいというふうに思っております。
○寺崎昭久君 今の御説明はやや抽象的で私にはわかりづらかったんですけれども、ぜひ消費者の利益ということを考えて市場の活性化を考えていただきたいと思います。 最後に、野菜生産出荷安定法という六六年の法律がございますが、この法律というのは言うまでもなく生産、出荷を安定させようというところにあるわけですけれども、どうも最近の動きの中では立法の趣旨とは逆に特定大産地の特定野菜が特定市場に集中する、そういう仕組みを助長したんではないかという見方をする人がおりますけれども、その結果安定供給も危うくなっている、そういう指摘をする人がいるわけでありますが、農水省はこの法律の妥当性というか有効性について、あるいは問題点についてどういうお考え、見解を持っておられるか伺いたいと思います。
○説明員(小松兼一君) ただいま先生御指摘の、野菜生産出荷安定法の趣旨あるいは具体的には野菜の指定産地制度のねらいでございますが、これはそれまで都市部への野菜供給の主力であった都市近郊産地が、都市化の進展やあるいは農業労働力の減少によって衰退し供給力が減少した。一万大都市を中心に野菜に対する需要が増大する、しかもその需要は、いわば年間を通じて一定の野菜を欲しいという周年化の傾向もあるという形で、かなり野菜価格が高騰したわけでございます。 そういった野菜の需要に対しまして、私どもとして、この法律に基づきましてそういった指定消費地域に対しての国民の食生活上重要な指定野菜につきまして、安定的に供給するための野菜指定産地というもの、これの集団産地を整備いたしまして、供給力をふやして消費地域に対する安定供給を図るということを基本的な枠組みとするものでございます。現在、全国的に一千百六十八の指定産地が指定されているところでございますが、私どもの考えといたしましては、制度の発足以降、野菜の生産及び出荷の体制整備というものが全国的に広域的に図られて、これによりまして産地から消費地域に対しての安定したかつ低コストの野菜の供給ルートの確保が実現されてきているというふうに考えております。 なお、必ずしも大規模産地についての政策のみをやっているわけではございません。私どもといたしましても、野菜の指定産地以外の産地につきましても、これまで具体的には指定産地の面積要件を例えば引き下げるとか、あるいは都市近郊産地の育成、そういったものも推進しております。また、平成四年度、これはまだ案の段階でございますが、四年度からは畑作地帯においても新たに形成されつつある野菜産地についても、また新産地の育成に努めていこうというところでございます。こういった施策を通じまして、私どもといたしましては、野菜の全般につきまして全国的にさまざまな規模の、あるいはいろんな種別の野菜産地というものを育成して、いわば多様な野菜の供給ルートというものを確保しようと、そういった観点からの検討をしております。
○西川潔君 私も一点お伺いいたします。 平成二年版の国民生活の基礎調査というのを私見せていただいたんですが、高齢者世帯一世帯当たりの平均所得の金額が二百七十五万二千円です。この平均所得金額以下の割合が何と七二・五パー、こうなっているわけですけれども、さらにこれをいろいろ分析いたしますと、五十万円以下が六・五パー、五十万円から百万円が一四・六パー、百万円から百五十万円が一八・三パー、百五十万円から二百万円が一四パー、こうなっているわけですが、年収二百万円以下の高齢者世帯が半分以下の五三・四パー、そしてさらに、百万円以下の世帯は全体の二一・一パーにも上っているわけですけれども、高齢者の多くの方々が非常に低い収入の中で生活にあえいでいる姿が、これを見せていただきますと浮き彫りになっているわけです。 つまり年金を受けた上に働いて、なお年間所得が百万円にならないという世帯がたくさんあるわけです。低所得者の高齢世帯はいわゆる生活安定にはほど遠いわけですけれども、公的年金の給付水準また再就職の困難、そして賃金の低い水準などの要因が加わりまして、今後高齢化社会に伴ってふえることはあっても減少することはないと思います。 そこで、私の方から一つ提案したいなと思うことがあるんです。公共料金はこれは受益者負担が原則なんですけれども、毎日の生活に絶対に必要な水道とかガスとか電気とか、公共料金については生活扶助を受けていない高齢者世帯で一定の所得水準以下についてもその料金を全国規模で割安く、そういう制度の創設が、私いろいろお伺いしますと必要であるというふうにも思うんですけれども、こういう提案をさせていただきたいなと思うんです。これについてひとつ御意見をお伺いしたいと思います。
○政府委員(小林惇君) 今先生から御指摘がありましたけれども、公共料金の世界は基本的にはその事業の独立採算、それから利用する側の受益者負担という原則によって決められておるわけでございます。したがいまして、特定の人々に対して割引を行いまして、それを結局他の利用者に負担をかぶせるという形で制度を拡大していくということについては非常に限界があるわけでございます。あるいは社会保障制度の側で、どのように対応していくかというような問題もこの問題提起の中には含まれておるのではないかというふうに考えております。 それから、先生から御指摘がありましたように、幾つかの公共料金の中では社会政策の観点から割引制度が設けられているものがございます。例えば政令指定市におきますバス料金でございますとか、これは七十歳以上の者には無料のパスを出す、東京都の場合には、これは所得制限を付しておりまして限定的でございますけれども、あるいは身体障害者の方の場合にも同様の措置をとるというようなことをやってございます。 既に一部の公共料金ではこういう社会政策の観点から割引制度が設けられておるわけでございますけれども、これを公共料金一般に、今申し上げたのは地方公共団体が経営しております市営のバスあるいは地下鉄の世界ではそういうものがあるわけですけれども、それは実際には他の人々あるいは他の利用者の料金を引き上げる形ではなくて、市の一般の財政の方からこのバス事業あるいは地下鉄事業に補助金といいますか、割り引いたその分だけ一般会計から補給金を出すという形で実施しておるものでございまして、なかなか一般の公共料金にこれを広げて実施することについては、そういった補給金の、今度はお金の出先を探さなければいけないということで非常に難しい問題をはらんでおるというふうに思っております。 独立採算、それから受益者負担の原則で運営されている公共料金において、今御提案のような割引制度を拡大していくということについては簡単に結論を出すのは非常に難しいというふうに考えております。
○西川潔君 ありがとうございました。終わります。
○会長(遠藤要君) 午前の調査はこの程度にとどめ、午後一時三十分に再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時四十分休憩 ―――――・――――― 午後一時三十二分開会
○会長(遠藤要君) ただいまから国民生活に関する調査会を再開いたします。 休憩前に引き続き、国民生活に関する調査を議題とし、土地住宅対策について国土庁及び建設省から説明を聴取いたします。 まず、国土庁原土地局次長。
○説明員(原隆之君) お手元に土地対策関係資料がお配りしてあると存じます。一ページをお開きいただきたいと存じます。最近の地価動向について御説明を申し上げます。 右肩にございますように、平成三年十二月二十日、第十七回の土地対策関係閣僚会議が開催をされた席で、最近の地価動向につきまして私ども国土庁が報告をしたものでございます。 副題にございますとおり、「平成三年都道府県地価調査以降の全国の地価の状況」とございますように、税の評価を除きます公的な地価の調査制度には、御案内のように、この都道府県地価調査と地価公示がございます。地価調査は、七片一日現在の地価を九月の終わりに公表するというものでございます。また、地価公示は一月一日現在の地価を三月の終わりに公表するものでございます。したがいまして、都道府県地価調査の発表後、地価公示の発表までに半年の間があるわけでございますので、その間における急激な経済情勢の変化等も踏まえて地価の動向を取りまとめたものでございます。本文一行目にございますように、地方公共団体、不動産鑑定士等に対する調査等をもとに最近の地価の状況をまとめたものでございまして、その調査の方法は二ページにございます。 二ページをごらんいただきますと、都道府県において実施をしております監視区域詳細調査、それから地価公示等をお願いしております不動産鑑定士等の地価動向精通者に対する調査、こういったものをベースにいたしまして、これに日本不動産研究所の市街地価格指数あるいは不動産関係諸団体からのヒアリングというものを加えまして調査をまとめたものでございます。 一ページにお戻りいただきますと、まず一に全国概況がございます。基本的には、平成三年都道府県調査で見られた大都市圏における地価の下落傾向は強まりつつあり、また、地方圏においても鈍化または下落している地域が拡大しつつあるというのが全国の概況でございます。 以下、地域別の概況を申し上げます。 三ページをお開きいただきますと、一番上に「住宅地」、「商業地」というふうに区分がございます。「住宅地」をごらんいただきますと、左の三つの欄がございます。これは昨年の九月末に発表いたしました都道府県地価調査の結果でございます。すなわち平成二年七月一日から平成三年七月一日の変動率が書いてございます。その右側二つの欄がそのうち一-三月期と四-六月期、この変動率が記載されておりまして、その右に今回の調査、すなわち平成三年七月一日から平成三年十二月一日までの五カ月間の変動を幅を持って書いてございます。この表をごらんいただきながら、一ページ目の地域別の概況を御説明申し上げます。 まず、一番上の東京圏でございますが、郊外部を含めほぼ全域で下落が見られ、下落幅も拡大しつつある。東京都区部や多摩地域の一部では年率換算二けたの下落となっております。この結果、区部都心部、区部南西部及び区部に隣接する多摩地域の一部では、ピーク時である昭和六十二年秋ごろに対して三割前後の下落となっております。 次に、真ん中辺にございます大阪圏をごらんいただきます。 全域で顕著な下落傾向が継続し、さらに下落幅が拡大する傾向も認められております。京都市では、年率換算三割以上、すなわち京都市の住宅地の今回調査の部分をごらんいただきますと、三角一五から一八とございます。これは十二カ月分の五カ月でございますので、単純に年率換算をいたしますと、今申し上げましたように三割以上の下落ということになります。その他の地域でも二割以上の下落となっております。この結果、京都市及び南大阪ではピーク時である平成二年夏ごろに対して三割から四割近い下落となっております。次に、名古屋圏でございます。他の圏域に比べておくれて下落が見られ始めたが、下落を示す地域は名古屋近接地域からさらに周辺地域に拡大しつつあります。名古屋市では、年率換算二けたの下落となっております。 最後に地方圏でございますが、三ページの一番下に、地方中心都市、ブロック中心都市とそれから主な非常に地価上昇率が高こうございました函館、甲府、豊橋、岡山というものの今回の調査結果が記載されております。 四ページをお開きいただきますと、「各都道府県庁所在都市における最近の地価動向」がございます。これをまとめて見ていただきますと、ブロック中心都市及び県庁所在都市という地方中心都市では、札幌市、仙台市及び広島市で下落を示すなど鎮静化傾向が見られるわけでございますが、それらの都市の周辺地域や三大圏の周辺地域では若干高い上昇が見られる地域があるものの、総じて鈍化が顕著になりつつあるというわけでございます。 一ページの最後の二行でございますが、これは先ほど申し上げましたようないろいろな方々の御意見を承った結果、「最近の取引は需要に見合った低価格帯の物件が中心となっており、また、エンドユーザーの先安感も強く、現在の傾向が当分の間続くとの見方が多い。」こういうことでございます。 五ページをお開きいただきますと、参考に「三大圏の地価の推移」を、昭和五十八年を一〇〇といたしました各年の七月一日現在の価格の指数、すなわち都道府県地価調査によるところの結果を指数であらわしたものでございます。 例えば、これの一番上は住宅地でございますが、一番上の東京圏をごらんいただきますと、平成二年、二四九・五とピークをつけております。平成三年の七月一。日現在で一・〇%下落をいたしまして、二四七・〇とございます。五十八年を一〇〇といたしまして二・五倍弱ということでございますし、大阪圏をごらんいただきますと二・五倍強、名古屋圏で、一・八倍強、一番下に地方平均とございますが、これらを除く地方平均で一・三倍強ということになっております。したがいまして、住宅地につきましては、大都市圏を中心に依然高水準に地価があるということがおわかりいただけるわけでございます。 さて、六ページを開いていただきますと、土地基本法を踏まえまして昨年の一月二十五日に総合土地政策推進要綱を閣議決定いたしたわけでございます。この推進要綱では「土地神話の打破」、「適正な地下水準の実現」、「適正かつ合理的な土地利用の確保」という三つを「土地政策の目標」と掲げまして、第二以下、需給各般にわたる総合的かつ構造的な施策を政府一丸となって推進していくということが記載されているわけでございます。この以下の施策の実施状況が八ページ以降にございますので、そちらをごらんいただきたいと思います。 「総合土地政策推進要綱策定後の主な土地対策」ということで、首都機能、都市一産業機能等の分散につきましては、懇談会、有識者会議等を初め、あるいはまた、衆参で特別委員会を設置されて精力的な御審議をいただいておるというふうに承っております。さらに、機関移転につきましては、大宮・与野・浦和地区を移転先とする集団移転につきまして基本方針を取りまとめるということをいたしております。 それから、投機的取引抑制のための土地取引規制、②でございますが、現在千百七十一市区町村、これは市街化区域のおおむね八割になるわけでございますが、そこで監視区域制度の厳正なかっ的確な運用をいたしております。 三番目に、土地利用計画の整備・充実でございますが、都市計画制度あるいは建築物の用途規制等のあり方につきまして、審議会で御審議をいただき報告をいただいておるわけでございます。 九ページをごらんいただきます。 住宅宅地の供給の促進でございますが、大都市法に基づく供給基本方針、供給計画の策定が行われております。また、借地借家法の制定をいただいております。さらに、常磐新線の基本計画の策定等も行われているわけでございます。 土地の有効利用の促進につきましては、生産緑地法の改正が行われまして、本年末までに宅地化する農地と保全する農地とを区分するということになっておるわけでございます。 この項の一番下でございますが、地価対策に配慮しつつ、国鉄清算事業団用地の円滑な処分を推進するため、上限価格付入札制度を導入いたしております。この上限価格付入札制度と申しまするのは、従来青天井の一般競争入札に対しまして著しく適正を欠く価格のものを排除するということで天井、すなわち上限価格を設けて競争するという趣旨の制度でございます。 次に、土地関連融資につきましては、総量規制の実施をいたしておったわけでございますが、これを十二月で撤廃をいたしましてトリガー方式を導入したわけでございます。 七番目の土地に関する負担の合理化につきましては、地価税等を初めといたします総合的な土地税制の見直しか行われ、実施をされているところでございます。十ページをおめくりいただきますと、引き続き土地税制の総合的な見直しか書いてございます。八番目の土地の適正な評価の推進につきましては、相続税評価、固定資産税評価等々につきまして地価公示価格との均衡化、適正化を推進することといたしておるわけでございます。 以上、総合土地政策推進要綱及びその実施状況につきまして御報告をいたしました。 以上でございます。
○会長(遠藤要君) 次に、建設省三井審議官よりお願いいたします。
○説明員(三井康壽君) 建設省の住宅局担当の審議官の三井でございます。日ごろから遠藤会長初め委員の諸先生方には、住宅対策につきまして御指導、御鞭撻、御支援をいただきましたことをまず御礼を申し上げたいと思います。 では、資料に基づきまして要点を御説明させていただきます。 資料の「住宅問題と住宅対策について」の一ページをごらんいただきたいと思います。 まず、住宅事情の現状について申し上げますが、その第一は居住水準の現状でございます。囲みの中に書いてございます①が、住宅のストックは、量的には一世帯当たり住宅数が一・二戸となっておりまして充足がかなり進んでいるというのが第一でございます。また、質的な問題につきましても後ほど申し上げますけれども、最低居住水準未満世帯率が、前回の調査で九・五%と一〇%を切ったということもございまして、着実にその向上は図られつつあるというふうな状況でございます。しかしながら、②にございますように、持ち家・借家間での質の居住水準の差はかなりまだ大きいというふうな状況でございます。 これをデータで御説明申し上げますと、下の欄が住宅戸数の世帯との倍率を示しております。この表の一番下の欄をごらんいただきますと四十三年の住宅統計調査、これは住宅の国勢調査でございますけれども、一・〇一倍となりまして初めて一世帯一住宅という状況を迎えました。以降四十八年、五十三年、五十八年と逐次この倍率が高くなっておりまして、六十三年の調査結果では一・一一というふうになっているわけでございます。 次の二ページをごらんいただきます。居住水準のグラフでございます。 このグラフの前に下の「居住水準の規模」についてまず御説明申し上げたいのでございますが、右側の同の「最低居住水準」というのをごらんいただきます。居住水準は世帯の人数によりまして住宅の規模を決めているわけでございます。標準世帯は親子四人の世帯、黒枠で囲んでございます。最低居住水準は四人で三DK、五十平米といたしております。全国の住まわれる皆様方にぜひ最低の五十平米は確保したいという意味の水準でございます。 左側の「誘導居住水準」でございます。これは、できればこの水準まで国民の皆様方に到達していただきたいという望ましい水準でございます。この誘導居住水準には種類が二つございまして、都市居住型誘導居住水準、簡単に言いますとマンションを考えていただきました水準でございまして、四人、三LDKで九十一平米。二つ目の一般型誘導居住水準、これは戸建ての住宅を想定いたしておりますけれども、三LDKS、このSというのは余裕室ということでございまして、普通の使い方以外に何にでも使っていただけるという意味でございます。百二十三平米、これが四人世帯の誘導居住水準でございますが、こういった居住水準がどの程度達成できているかというのが上のグラフでございます。 まず、最低居住水準でございます。先ほど申し上げましたけれども、昭和六十三年の統計調査で最低居住水準未満世帯は三百五十五万戸、九・五%でございます。それまでの五十八年、五十三年、四十八年は、それぞれ一一・四、一四・八、三〇・四というふうに最低居住水準未満は高かったわけでございますので、着実にこれも解消の方向に向かっているということが言えると思います。 それから、前期の五カ年計画から取り入れられました誘導居住水準でございます。これは上のグラフをごらんいただきますと、五十八年が二千四百八十六万世帯が誘導居住水準未満でございまして七一・六%、これが六十二年調査で六七・二%まで上がりましたが、三分の二がまだ未満でございます。三分の一は誘導居住水準を超えておられる、こういった状況にあるわけでございます。 次のページをごらんいただきますが、持ち家と借家の格差が大きいということを示すデータでございます。 上の表にございますように、六十三年の総数でのストックの一戸当たり延べ面積は八十九・三平米でございます。これは総数で見ますと歴年ふえていることがごらんいただけると思いますが、内訳で見ていただきますと、持ち家が百十六・八、借家が四十四・三と、三倍ぐらいの格差があるということでございまして、借家の居住水準をいかに改善していくかというのは大きな課題であるというふうに考えているところでございます。 三ページの下のグラフは、それを経年的にさらに詳細に持ち家でございますとか貸し家でございますとか、分譲住宅あるいは給与住宅というのを書いてあるわけでございます。 以上が居住水準の状況でございますが、四ページに大都市地域におきます住宅事情の深刻化について述べさしていただいております。 まず、①でございます。 先ほど申し上げました居住水準につきましては、全国につきましては今申し上げたとおりでございますけれども、大都市地域につきましては特に居住水準の向上のおくれが目立っているわけでございます。とりわけ、借家世帯におきましては四世帯に一世帯が最低居住水準未満である。 それから②でございます。 近年の地価高騰によりまして、首都圏で見ますと新築マンションの平均価格が年収倍率の八倍というふうに非常に高くなっておりまして、平均的なサラリーマンが良質な住宅を取得しにくくなっている。さらにこの結果、結果といいますか地価高騰を受けまして、賃貸住宅に対しましても家賃が上昇傾向にある。こういった状況にあるわけでございます。 これを数字で御説明申し上げますと、二戸当たりの平均床面積、全国八十九二二平米と申し上げましたけれども、三大都市圏別の内訳がございます。三大都市圏の合計で言いますと七十五・四、京浜大都市圏六十九・五、中京大都市圏は、これは中京圏の五十キロ圏をとっておりますので、全国より大きな数字になってございますけれども九十五・三、それから京阪神大都市圏、大阪圏が七十七・七ということでございまして、その他の地域の百二・六と比べまして大都市地域での二戸当たりの面積は非常に小さい。これは当然のことかもしれませんけれども、そういったデータになっております。 そして、これを居住水準の状況という観点から眺めてみますと、全国では、先ほど申し上げましたように誘導居住水準の達成していない未満世帯率は三分の二の六七・二でございますけれども、三大都市圏合計では七二・八と、大都市圏では未満率が高い。さらに、最低居住水準では全国九・五%が未満率でございますが、三大都市圏では一二・八%。特に、京浜、京阪神圏が二二%台と高くなっております。先ほど上の囲みで御説明いたしました三大都市圏の借家世帯の欄をごらんいただきますと、二四・八%、この方が未満率でございまして、四世帯に一世帯は最低居住水準もまだ満たされていない、こういった状況にあるわけでございます。 その次が五ページでございますけれども、住宅価格の年収倍率の推移に関します資料でございます。 六十年からとっているわけでございますが、暦年の調査でございます。年収につきましては、総務庁の貯蓄動向調査によりまして京浜地区の勤労者世帯の平均年収を掲げてございます。それから、例といたしましてマンションと建て売りが書いてございます。マンション、建て売りとも不動産経済研究所というところが調査いたしております。首都圏の新規売り出しのマンションあるいは建て売り住宅の平均価格をここに掲げてございます。六十年、六十一年、六十二年と四倍台あるいは五倍台という年収倍率で推移しておりましたものが、六十三年から年収倍率が非常に高くなってまいったことをあらわしておりまして、平成二年の倍率では八倍を超えている。マンションで八・〇、建て売り住宅八・五倍と非常に一般のサラリーマンが買いにくくなっている。こういうふうになっております。 こういったことも反映いたしまして、公共賃貸住宅の応募倍率も六十二年を境にいたしまして高くなっておりまして、公営住宅の新規で言いますと六十二年十四・八から元年、二年と二十三・三、三十二一と上がっておりますし、公団の新規応募倍率も二十一・〇、二十四・九、三十七・二と非常に高くなってきている、こういう現況にあるわけでございます。 以上が最近の住宅事情でございますが、これに対しまして住宅対策はどういうことをしているんだということの要点を申し上げますと、第一が第六期住宅建設五カ年計画の推進でございまして、大きな目標は良質な住宅ストックの形成でございます。このグラフにございますように、年々歳々二戸当たりの住宅規模が上がってきているわけでございますけれども、昭和六十三年八十九平米、先ほど申し上げた数字でございます。これを第六期五カ年計画の終わります平成七年には九十五平米、さらにその先の五カ年が終わります平成十二年、二〇〇〇年には百平米にしたいという考えでございまして、これは日米構造協議におきます公共投資基本計画におきましてもこの数字を使わせていただいているところでございます。 そして、第六期五カ年計画におきましては、先ほど申し上げましたように、(1)の①にございますけれども、誘導居住水準を十年後の平成十二年には全国で半分の方が達成する、現在は三分の一と申し上げました。そういうことを大きな目標にいたしまして、住宅の融資の拡充でございますとかあるいは公共賃貸住宅の予算化でございますとか、そういったことに取り組むということでございます。さらに、その光といたしまして、全国で半数といいましても大都市圏では半数いきませんので、その先はなるべく早くすべての都市圏で半数を確保したいという目標でございます。したがいまして、当面この五カ年では九十五平米にしたい。 それから、最低居住水準につきましては、先ほど九・五%と申し上げましたが、これもできるだけ早期に解消したいという目標でございます。 それから、次のページが戸数でございます。 六期五カ年計画は七百三十万戸の計画でございまして、前期に比べまして六十万戸の増でございます。そのうち公的資金住宅は三百七十万戸でございまして、六期五計の約半分強を公的資金で建てていこう、こういう考え方でございます。 また、施策の重点分野でございますけれども、細かく申し上げますと大変長くなりますので、ここでは四点だけ、大きな項目だけ申し上げたいと思います。 一つが、先ほど来申し上げております良質な住宅ストックの形成、それから良好な住環境の形成でございます。二つ目が大都市住宅対策。三つ目が、高齢化社会に対応しまして、シルバーハウジング・プロジェクトでございますとかいろいろ高齢者対策としての住宅対策を講じていく。四点目が地方の住宅対策でございまして、地方にそれぞれの独自の住宅のつくり方もございますし、そういった伝統とか文化を大事にすることのほか、地域の活性化に資するような地域活性化住宅といったものを大いに奨励推進し、支援していこうという考えでいるわけでございまして、この四点が今第六期の住宅五カ年計画の柱でございます。 それから、八ページが大都市の住宅宅地対策でございますけれども、一昨年国会で御審議、御成立賜りましたいわゆる大都市法と言っております大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法によりまして、三大都市圏におきまして各都府県が協力し合って住宅宅地供給をしようという制度が整いまして、供給基本方針を建設大臣が三大圏ごとに定めまして、それを受けまして都府県が圏内の地域別の供給目標量や重点供給地域を決めまして供給量を出します。昨年来ずっと作業を進めまして、都府県の計画までが既にできておりまして、その計画の量は真ん中辺の一の口にございます。十カ年で首都圏で四百三十一万戸、近畿圏で百九十万戸、中部圏八十三万戸、計七百四万戸の住宅を供給する。 住宅地につきましては、首都圏、近畿圏、中部圏それぞれ二万七千五百、一万一千二百、七千六百、合わせまして四万六千三百ヘクタールの供給をする、こういったのを骨子とする内容でございまして、それぞれ各地域ごとにこれを実現するための施策、考え方というのを盛り込んで決めているわけでございます。 それから、次のページに参りまして、先ほど申し上げました都府県の供給計画でございますけれども、二でございます。 平成三年の秋までに既にすべて完了いたしまして、これに基づきまして重点供給地域を一番最後のハにございますけれども、首都圏、近畿圏、中部圏それぞれ千二百、四百五十、四百カ所ということで供給をしていくということを決めまして、これに基づきまして精力的に住宅宅地の供給をやっていきたいということでございます。 それから最後でございます。時間がなくなってまいりまして甚だ恐縮でございます。平成四年度にどういうことをしていくかという予算と税制につきまして要点をここに掲げてございます。 金融公庫につきましては五十四万戸、前年より一万戸減でございます。貸付限度額の引き上げはここに書いてございますように、通常の利子補給によります三十万円を初めとしまして、特別割り増し、大都市加算等々の割り増し貸付の引き上げをお願いしておりますほか、公共団体が独自に利子補給を行うような賃貸住宅につきまして、国も割り増し貸付等で応援しようという八百万円の割り増し貸付。 それから公営住宅につきましては、特に賃貸住宅の建てかえの推進をするために、高齢者のお入りになる際の家賃激変緩和措置をするとか、先ほど申し上げました地域活性化住宅の制度を創設するというお願いを予算でしております。 また、住宅・都市整備公団につきましては、前年度より一・千戸ふやしまして供給をさせていただきたいということでございます。 それから、市街地住宅密集地区の整備の推進でございますとか関連公共施設の整備の推進、あるいは高齢者対策としてここに掲げているような公庫割り増しの引き上げでございますとか、シニア住宅の供給でございますとか等々の対策を講ずるほか、税制につきましても生前贈与の特例措置の期限の延長のほか、所得要件を引き上げるあるいはファミリー向け優良賃貸住宅建設促進税制の創設をする等ということを予算、税制でお願いをしているところでございます。 よろし。くお願いいたします。
○会長(遠藤要君) 以上で政府からの説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○鎌田要人君 狂乱地価の後の地価の最近における動向、あるいは住宅対策の状況につきましてただいま御説明をいただいたところであります。皆さん方国土庁、建設省を初め各省庁の御努力をまことに多とするものであります。 ただ、御案内のとおり私どもの判断では、この狂乱地価が、いわば暴れ馬が一時息を潜めておるような状態と見ておるわけでありまして、いつまたこれが暴れ出すかわからない。そういう意味におきましては、今後とも東京一極集中排除のための有効な対策も含めまして、総合的な土地対策を気を緩めることなく強力に進めていかなければならないと思う次第でございます。 この点に関連をしまして、私は時間がございませんのであらかじめ三点について質問を申し上げます。それにつきまして簡潔にお答えをいただきたいと思います。 質問の第一は、地価の変動を早期にかつできるだけ的確に把握する手法の開発ということについてであります。これまでもこのようなことに関連をしましていろいろの研究がなされておる。地価動向指標等開発検討委員会中間報告という資料もちょうだいをいたして拝見をさせていただいておるわけでありますが、このような三十七でございますか三十五でございますか、こういった系列指標をもって事前に地価の動向を把握する、これも私はこれからさらに掘り下げていかなければならない課題だと思います。 それと同時に、私は非常に単細胞でありますので、ずばりそのもので、例えば東京なりあるいは大阪なり、そういったところの住宅と商業地だけでも、例えば全国で私は子もあればいいのではないかと思うんですが、定点を決めまして、それを四半期ごとに地価の動向というものの速報体制をつくってそれで我々が早く手に入れられる。ただいま御説明がございました都道府県単位の基準地価にいたしましても、あれは七月一日でありますか、あるいは公示地価でありますと一月一日という、これは大変大がかりなものでありますけれども、その中の枢要なポイントだけをピックアップして、それで定点観測という形で速報ができないものか。そうするともっと具体的に対応ができるのではないか。ひっくるめまして地価の変動を早期かつ的確に把握するための手法の開発ということについてお急ぎをいただきたい。その点についての御所見を伺いたいのであります。 それから第二点は、これも前に私この席でお尋ねしたことがありますが、地価対策と土地対策ということにつきましては税制もございますし金融もございますが、やはり基本になりますのは土地の利用計画、これがやはり確立をしなければならない。 日本の場合におきまして、用途規制につきましては用途地域の規制が八つ、そのほかに高度地区とかあるいは緑地地区、こういったもので都合十六のゾーニングの計画をやると伺っておるわけでありますが、例えばアメリカの例で伺いますと三十幾つものやはり詳細な土地の利用計画があって、例えば住宅地域につきましては事務所等のものはつくらせないとか、あるいは住居専用地域の中においてはマンションはつくらせないとか、こういった非常に事細かな土地の利用計画があり、それぞれに容積率、こういったものを決めることによっていわゆるビジネス用地というものが住宅地の中に入り込んできて、金の余っているところで買いあおりまして宅地を上げる、こういったことがない。そういったことで地価も低いところで安定をしておる、こういう例も聞いておるわけであります。 先ほどお述べになりました総合土地政策推進要綱の中にも、この土地利用計画の点につきまして、例えば都市計画の詳細性の確保等とこういったことについての方向づけがなされ、また都市計画中央審議会でもこの点についての御答申もあったやに伺っておりますが、この点につきましての今後の取り組みの状況についてお伺いをいたしたいと存じます。 それから、最後の三点目でありますが、今般の予定されております地価税あるいは相続税の改正、地価税はもう既に施行になっておるわけでありますが、あるいはこれから予定されてまいります固定資産税の評価、いずれも相続税の場合でございますれば公示地価の八割、固定資産税は公示地価の七割、こういうことで地価公示制度の持つ役割、意義というものは非常に重いものになってまいりました。 それだけに私どもが伺っておりますのは、バブルがはじけてそれでところによっては地価公示の方が高い。公示地価では土地の売買ができないというような話も出てきておりまして、そういう意味では公示地価というものが税金の課税標準の基礎になりますので、国民の大変なこれは、六割、七割が、今や国民は土地持ちでありますので、そうなりますというとこれは非常な重大な関心、関係を持ってまいるわけでございます。 その意味におきまして、公示地価の適正化ということにつきましてはこれまでも努力がなされておるわけでございますが、この点につきまして、これまたただいまの推進要綱の中にも「地価公示制度・運用の見直し」、「公的土地評価の均衡化・適正化」、こういったことも宿題として述べられておるわけでありますが、これに対する取り組みの状況につきましてもお示しをいただきたいと思います。 以上であります。
○説明員(原隆之君) まことに的確な御指摘をいただきました。 まず第一点目でございますが、地価の変動というものを早期かつ的確に把握する必要があるのではないか。そのためには二つ、関連指標の把握を一生懸命やりなさい、それからもう一つは短期の動向がわかるような調査を早く仕組みなさい、こういう御指摘でございました。 御案内のように、地価公示制度は土地の取引の指標としての地価の水準というものをお示しする、あるいは土地を強制的に収用する場合に収用委員会が価格を裁決する場合の基準とする。いずれにいたしましても動向よりは水準を示すというのが本来の目的でございます。都道府県地価調査につきましても同様でございまして、国土法の審査をする場合に標準地の価格の水準を把握するというために実施をしているものでございます。その意味におきまして風向きと申しますか、動きと申しますか、そういったものを的確に把握する必要があるということは私どもっとに必要性を感じておったわけでございまして、総合土地政策推進要綱におきましても地価動向の常時的確な把握に努めなさいという御指摘をいただいておるわけでございます。 そこで、私どももいろいろ工夫をいたしまして、先生今おっしゃいましたように、三大都市圏とかブロック中心都市というものの商業地、住宅地を四半期ごとに定点観測をするということを平成四年度の予算でお願いをしているところでございます。それからもう一つ、地価に関連して変動する諸指標三十五指標の調査、研究がなされているではないか、それを実際に動かすようにしなさいというお話でございましたが、私どももそういう研究をいたしております。 それで、地価との関連でいえば地価に先行して動く指標、地価と一緒に動く指標、あるいは地価の変動におくれて動く指標、いろいろございます。そういったもろもろの指標につきまして整備、分析を行うということで、これも平成四年度予算におきまして地価動向関連指標調査ということでお願いをしているところでございます。よろしく御支援のほどをお願いしたいと存じます。 それから便宜私の方から最後、第三点目の御質問につきましてお答えを申し上げます。 確かに御指摘のとおり、地価公示制度が地価税の導入、相続税あるいは固定資産税の適正化、均衡化を図るということでその役割、意義が非常に重くなりつつあるということは私どももひしひしと承知をいたしておるわけでございます。 それで、その前に御承知おきいただきたいことは、御指摘ございましたように公示価格では取引ができないというような一部にお話があるわけでございますが、先ほども申し上げましたように、地価公示というのは同じような性格の地域の中で高いところもございますし安いところもございます。地域によって土地というのは個性が千差万別でございます。したがいまして、そういった同一の類似地域と申しますか、そういった地域の中で真ん中辺の標準的な土地についてその価格を調査し、公表するのが地下公示制度であるわけでございます。したがいまして、その公示地点が代表する地紋の中ではそれよりも上等な場所もございますれば下位の場所もあるわけでございます。そういったことで取引の実態ということとの乖離ということがあり得るわけでございまして、これはひとつ十分御理解をいただきたい点でございます。 いずれにいたしましても公的地価評価、課税も含めまして均衡化、適正化を推進するということは非常に重要なことでございます。そのためには今申し上げました地価公示の標準地の数をふやすということが非常に大事でございますし、それからその標準地を適切に配分するということもこれまた重要なわけでございます。 さて標準地を適切に配置した上で、次に公示価格の算定という段取りになるわけでございますが、これは御案内のとおり、不動産鑑定評価基準という基準がございまして、それに基づいて実施をされるわけでございます。 いずれにいたしましても地価公示制度の役割、意義が重要になってくるということを踏まえまして、標準地の選定それから鑑定評価の適正化ということに一層努力をしてまいるつもりでございます。
○説明員(村上純一君) 都市計画制度の中の用途地域制度を中心といたします都市計画制度の見直しの点でございますが、昨年十二月に、都市計画中央審議会から「経済社会の変化を踏まえた都市計画制度のあり方についての答申」がなされたところ、でございます。 この答申におきましては、近年の地価高騰を背景にいたしまして、地価負担力の比較的弱い住居系の土地利用が商業・業務系の土地利用によって圧迫されているといったような状況に対応いたしまして、用途地域制度につきましても、地区ごとの特性に応じたきめ細かな用途規制を行います特別用途地区あるいは地区計画制度といったような、別途用意されておりますきめ細かな対応をします制度との適切な役割分担を踏まえつつも、基本的な用途規制を行います用途地域につきましても適切な住環境の保護あるいは住宅の確保、こういったことに資するような、的確に土地利用規制を行い得るよう用途地域につきましても組分化することが提言されております。 現在、建設省といたしましては、この答申の考え方に従いまして、用途地域制度の見直しを含め都市計画制度の改正について検討を進めているところでございます。
○鎌田要人君 前段の地価動向調査あるいは地価公示の問題につきましては、今せっかく検討をされ、これが明年度の予算で早期成立をまって実施に移されることを期待しておるわけであります。 それと同時に、定点観測の地点についてもできるだけ網をふやすとか、あるいはただいまの先行あるいは遅行あるいは同時、こういった指標の積み上げの作業につきましても、これは国民の共通の利益にかかわる問題でありますし、この把握のいかんによって国民の利益というものに非常に大きなかかわりを持つものでありますので、やはりこれの予算についてはかなり思い切った、これは大蔵大臣にお願いをしなければならないことでありますが、我々共通の認識として、やはりそういった国民共通の利益にかかわるものについては、ある程度綿密な調査のための所要の予算が必要であるということを会長にも御認識を賜りまして、我が党調査会としての共同の意見の一致を見させていただいて取り組むように、当局に大いに叱咤激励をいたし尤いと思います。 それから、用途地域の見直しの問題は今国会で、これはお尋ねでありますが、都市計画法の改正という形で出てまいりますか。その点だけお伺いいたします。
○説明員(村上純一君) 現在、建設省の方におきまして都市計画制度の改正を検討しておるところでございますが、この改正案がまとまり次第都市計画法等の改正を今国会にもお願いいたしたいと考えておるところでございます。
○鎌田要人君 時間が参りましたのでこれで終わりますが、都市計画法の改正につきましても、私どももまたその成案を見た上でいろいろ意見を述べさせていただきたいと思います。 これで終わります。
○堀利和君 土地住宅については、大変国民にとってもあるいは政治的にも重大な問題であります。 私はきょう、障害者あるいは高齢者の住宅、特に公営住宅の入居の問題について質問させていただきたいと思います。 障害者の場合、近年地域社会に一人の市民として自立生活を送りたいという願いを持っている者が多くなりまして、そういうことから町中にあります不動産屋を訪ねて、民間のアパートを貸していただきたいということで探すんですが、なかなか不動産屋に一歩入っただけで障害者には貸す部屋がない、アパートがありませんと言われ、あるいは家主も障害者には貸したがらないという、そういった傾向があります。こういう厳しい状況について、住宅問題を所管しております建設省としてその辺をどのように認識されているのか、あるいはそういうことから不動産業界あるいは貸家人組合というのがございますけれども、こういうところに対して理解なり啓発ということをなさっているのかどうか、その辺をまずお伺いしたいと思います。
○説明員(藤田真君) おただしの民間アパートの入居条件の件でございますけれども、基本的にはこの入居条件は、貸し主と借り主といういわば私的な関係の契約に属することでございまして、その間に立ちまして仲介業者としてはその貸し主の意向に反して募集をすることはできない、そういう立場にございます。このような中で、貸し主の意向あるいは一般的に申し上げまして、民間のアパートは必ずしも身障者の方々に十分配慮された構造になっていないというようなこともございまして、身障者の方々の入居が困難になるというケースは十分に考えられることであるというふうに存じておるところでございます。 このような場合におきまして、宅地建物取引業法に基づきましてこの宅地建物取引業者を指導する、この法律に基づいて指導する、あるいは監督するということは困難ではございますけれども、当然のことながら、障害者あるいは高齢者などの理由によりまして入居を断わるということは好ましいことではないことは当然でございます。したがいまして、宅地建物取引業者に対する啓発活動といたしまして、例えば研修などの場におきまして、身障者に配慮するなどの基本的人権の尊重ということについて項を起こしながら研修をしておるようなところでございまして、今後とも宅地建物取引業者の基本的な心得として一層啓発に努 め、指導に努めてまいりたいというふうに存じております。
○堀利和君 民間のアパート、その部屋を改造、改築しなければ車いすの障害者が入居できないというケースも多々あるわけです。こういう場合には確かに大変な困難が伴いますけれども、そのことも含めてやはりもっと問題になるのは、私の場合は視覚障害者なんですけれども、例えば私たちの仲間がアパートを借りたいというふうに訪ねても、目が見えない者は火の取り扱いができないだろう、火事になるだろうということで、そういったいわば偏見から、障害者に対するそういった理解が十分なされていないことから貸してもらえないというケースもあるんですね。 私の友人は、ガスを使ってはいけないという条件で入りましてガスを使えないというケースもあるわけです。そういうことからいえば、私は公営住宅ということがすぐ頭に浮かぶわけですけれども、そういう点で民間がそういう状態でありますから、建設省として、公営住宅の問題について十分取り組んで模範的な立場でやるべきかと思うんですけれども、その点についてはどうお考えでしょうか。
○説明員(三井康壽君) 公営住宅への身体障害者の方々の入居の問題でございますけれども、一般的に申しまして公営住宅の入居の条件は、同居親族がいるということが大きな前提でございます。その際に、身体障害者の方も当然お入りになれるわけでございますけれども、常時介護が必要な方は、福祉政策との関係もございますし、公営住宅の管理もそこまでは手が届かないということもございまして、福祉施設の方で対応していただく。しかし、そうでない身障者の方々につきましては、特定目的公営住宅という制度がございまして、公共団体によりまして何といいますか、どのぐらいのそういう方がおられるのかということを考慮しながら特枠で設けまして、供給といいますかお入りいただいている。しかし、すべて一〇〇%お入りになれるというわけではございません。抽せんといいますか、という状況ではございますけれども、多少一般の方々よりも優遇した形でお入りいただいているというのが現状でございます。
○堀利和君 入居の際の抽せんということは、これはもうだれにとっても公平に行われなければならないことであると思います。 ただ、今の答弁の中にもありましたように、常時介護を必要とする者についてということがありましたけれども、公営住宅法における本法の十七条と施行令四条の七にこの件について書かれておりますけれども、この常時介護を必要とする者ということについて少し御説明いただきたい。昭和五十五年にこの施行令四条が出されたわけですけれども、それについて、どうして当時こういった入居資格といいますか欠格事項がつくられたか、お聞きしたいと思います。
○説明員(小川忠男君) お答えいたします。 今先生御指摘されましたのは、公営住宅法施行令の第四条の七、こういうふうな規定がございまして、老人でございますとかあるいは身体障害者等々の方々につきましては単独で、単身での入居を認める、こういうふうな規定になっておるわけでございますが、ただそこにただし書きがございまして、常時介護を要する場合には単身では入居していただかない、こういうふうな形になっておるわけでございます。 これは、今お話にもございましたように、昭和五十五年の公営住宅法の改正で入ったわけでございますが、それまでは、昭和二十六年に公営住宅法が制定されて以来、一般的に公営住宅の対象として入居していただきますのは、特に大都市等々を中心といたしまして住宅難が一般的に非常に根強いものがあるというふうなことから、世帯を単位として入居していただく、これを第一義的に優先順位を与える、こういうふうな考えであったんだろうと思います。ただ、五十五年段階で改正いたしました状況のもとでは、制定当時に比べまして若干なりとはいえ住宅事情は緩和されたというふうなことも背景にはあったろうと思いますが、もう一方で、老人あるいは身体障害者等々の方々には、一般的にはやはり住宅に困窮されている方が多いであろうというふうなことから、単身での入居を認めるというふうな道を開いたわけでございます。 ただ、先ほど審議官が申しましたように、常時介護を要するというふうな場合には、住宅政策と福祉政策との守備範囲、役割分担あるいは現実の公営住宅サイドの管理能力、こういったいろいろな問題があろうかと思います。そういうふうなことから、先ほど申しましたような制度として五十五年に構築された、こういうふうに理解しております。 以上でございます。
○堀利和君 昭和五十五年に単身入居の住宅ができたということではもちろん国民の側から見ても高く評価できるわけですけれども、それに伴って、単身入居の資格において常時介護を必要とする者はその限りではないという内容なんですね。これは一見すると、なるほど常に介護を必要とするような重度の障害者の場合には、とても単身入居はできないからその資格がなくてもやむを得ないなというふうに思われがちですが、しかしよくよく考えてみますと、私は、たとえ公営住宅であろうとも、住宅の基本というのはまずハード面として人が住める住宅、設備、環境として提供するものだというふうに考えるわけです。 現に、常時介護を必要とする重度の障害者が地域の民間アパートに暮らしているというケースがあるわけです。先ほど言いましたように、なかなかアパートを借りるということは大変なんですけれども、中には大家さんの理解で重度の方でも住んで構いませんよというようなことで、家族から離れ、あるいは施設から出て地域の普通の民間のアパートに暮らしているという障害者が現にいるわけです。そう考えますと、民間アパートで常時介護を必要とする障害者が暮らしているのに、なぜ公営住宅ということになるとその常時介護を必要とする障害者、いわば同じ程度の障害者が入居できなくなるのか、民間アパートで暮らせるのに公営住宅になると暮らせないというこの理屈がよくわからないんです。むしろ私は、民間ではなかなか貸してもらえない、無理解がある、だから公営住宅においてはむしろ率先して、そういう障害者の方が入れるようにしていこうということが私は重要だと思うんです。この辺はどうなんでしょうか、もう一度伺います。
○説明員(三井康壽君) 確かに現実問題といたしまして、民間で重度の身障者の方がお住まいという実態もあるとは思います。私どもといたしましては、行政サイドとしては、重度の身障者の方々は、考え方としましては福祉施設の方でお世話をさせていただくということであるという認識のもとに厚生。省と相談をさせていただきまして、常時介護という必要の方につきましては、公営住宅の方の管理も相当の管理戸数もございまして画一的にやらなきゃならないという面もございます。また、公営住宅の管理人が、そういった知識と経験もなくてそういった問題をやるというのはなかなか言うはやすくしてしにくいという部分もございまして、福祉関係の施策と協力しながらやる、その部分につきましては福祉施設の方でお願いをするということでやってきているのが理由でございます。 したがいまして、民間のアパートで、そういう重度の身障者の方がおいでになるがゆえをもって公営住宅でやるのはいいのかというのは、直ちには結びっかないのかなと思っているところでございます。
○堀利和君 確かに福祉施策と協力して、障害者や高齢者が通常の生活を送るためにアパート、公営住宅に入居して暮らせるようにケアの面まで考えてやるというのはこれはこれであるべき姿、また、今日在宅福祉を進めている現状からいえばそれはそれで必要なことなんです。ただ私は、そのことにいく前に基本的なところで、繰り返すようですけれども、常時介護を必要とする障害者が民間アパートで暮らしているわけです。そういう方にとっては、公営住宅に入るから住宅局の方で福祉的施策を、ケアを、ヘルプをやってほしいという要求はしていないんです。ただ、住宅として、ハードとしての建物、部屋を与えてほしい、入れるようにしてほしいということなんです。 比喩として適切かどうかわかりませんけれども、食事をする際に、自分でできない重度の障害者が日本おそば屋さんに入るときに、日本おそば屋さんの店員なりお店屋さんの人に食べさせてくれということで、そんなお願いを要求しておそば屋さんに入る人はいないんですよ。入るときには大人体介助者がいて、伴っておそば屋さんに入るんです。おそば屋さんの玄関に常時介護を必要とする者はおそばを食べさせませんなんという看板はないですよ。まさにおそば屋さんは、店の中に入って、テーブルがあってそしておそばを出してくれて、それでお金を払って、これでいいんです。あと、食べる介助は障害者自身が介助者を連れていくわけです。 それで、公営住宅についても同じことが私は言えると思うんです。住宅を提供さえすれば、民間アパートで介助者を得ながら暮らしている人が入れることをまず私は住宅局としては保証すべきだと思うんです。その上であるべき姿として、また早急にやらなければならないという点ではどういう形でケアをそこに重ねていくのかということで問題を立てるべきで、そこら辺が、すぐ福祉施策を一緒にしなければ重度の障害者の入居を認めないというのは、私はちょっと理屈として違うのではないかなと思うんです。 それで、昭和五十五年の施行令が改正されたのが八月一日です。その運用として十月三十一日に住宅総務課長の通達が出ております、運用上の点について。その中に「常時の介護を必要とする者とはこということで定義がございます。常時臥床しており、かつその状態が継続している者というのがまずあります。その後に、「あるいは、身体上又は精神上の著しい障害のため常時臥床していないが、食事、排便、寝起き等日常生活の用の大半を他の介助によらなければならない」者とあるんです。つまり、常時臥床はしていないが、食事、排便、寝起き等の日常的なものについて介護を必要とする者、こういう方、こういう障害者が今言いましたように民間アパートを借りて自立しているわけです。こういう方を含めて公営住宅では入居を認めないかのようにしてしまうというのは私は大変問題があるんじゃないかというふうに思います。 その点、繰り返しになりますけれども、この昭和五十五年十月三十一日の通達の「常時の介護を必要とする者」という定義から見て、私の言わんとすることが不当なものかどうか、もう一度御答弁お願いしたいと思うんです。
○説明員(三井康壽君) 甚だ恐縮でございます。 今のおっしゃいました重度の身体障害者の方々をどういうふうな行政として振り分けをして、振り分けというのは言い方が悪いかもしれませんけれども、どういうふうな部局が主としてお世話をしていただくかということだと思うわけでございます。やはり私どもといたしましては、基本的には福祉施策の充実といいますか、そういった点でお世話をさせていただく方が一番主ではないかと考えているわけでございます。 なぜかといいますと、公営住宅の管理と申しましてもそういった福祉関係の手が届くわけではございませんので、簡単に言いますと、そういったことも考えますと、福祉施策との関係でできるところの範囲は公営住宅の方でやらせていただくわけでございますけれども、特に福祉施策の方が、経験も知識も、予算も人員もたくさんあられるというふうなことを考えますと、福祉施策の方が基本ではないかというふうに考えておりまして、この通達を出すに当たりましても厚生省と御相談をさせていただきまして、厚生省と一緒になって出させていただいているわけでございます。したがいまして、常時介護という実態がいろいろの経験をしまして福祉政策との関係でもう少し検討したらどうか、そういった御議論はあるかと思うんですけれども、考え方の基本といたしましては福祉政策の方を主にし、私どもがお手伝いできることはお手伝いさせていただく、こういうふうに考えているわけでございます。
○堀利和君 どうも小さな親切大きなお世話という感じがするんですね。確かに福祉というのは重要だと思います。しかし、やはり私は公営住宅というのはまずハード面で提供するということが原則だろうと思うんです。 これを繰り返しても仕方がないわけですけれども、きょう厚生省の方からも来ていただいておりますので、このやりとりも含めて御見解を伺いたいと思います。 やはり常時介護を必要とする者の入居に関してはいろいろな判定委員会もあります。福祉事務所長の意見も聞いた上で決定するというふうになっておりますので、そういう点から福祉事務所長の意見も聞くということですから、あわせて厚生省の御意見をお伺いしたいと思いますし、同時に建設省の方は福祉福祉とばかり言いますので、本当にこの問題を解決するのであればやはり建設省と厚生省が真剣にこの問題に取り組んで、常時介護を必要とする障害者も入居できるようにしてほしいと思いますので、その点お伺いしたいと思います。
○説明員(松尾武昌君) 身体障害者が住みなれた地域社会で自立し社会参加していく、こういう方向は今の障害者対策の大きな流れだというふうに考えております。 それで、今議論になりました昭和五十五年の通達の時点を見てみますと、当時ホームヘルパーは約一万三千人ぐらいでございました。今、在宅サービスを充実すべきだということで高齢者保健福祉十カ年戦略、ゴールドプランでヘルパーの増員に努めておりまして、明年度で約四万六千人ぐらいのベースに持っていきたいというふうに今頑張っておるわけでございまして、こういう意味で障害者、高齢者を含めまして地域で生活する体制の整備というのが大きく変わってきているということは事実だろうと思いますし、その流れの中で我々は施策を進めていくということになろうかと思います。 それで、議論になっております公営住宅の常時介護の問題でございますが、常時介護といいましても非常に幅広でございまして、一部介助すれば自宅で自立生活ができる、あるいは常に介護者がいなくてはいけない状態いいろいろございますので、そういう意味で、今大きな流れの中で、障害者が地域で生活していくという流れの中で、もしその常時介護なりそういう問題で、我々が厚生省の立場としまして建設省に御相談するべきことがあれば御相談しながらもう少し検討してみたいと思っております。
○堀利和君 ぜひ建設省と厚生省で、先ほども言いましたようにこの問題について取り組んで、施行令四条の七にあるように、常時介護を必要とする者は入居できない場合があり得るという、こういうことはやはり見直していただきたいということをお願いしまして終わります。
○会長(遠藤要君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○会長(遠藤要君) 速記を起こしてください。
○広中和歌子君 二点ほど質問させていただきます。 最初に、大深度地下の利用についてお伺いいたします。大都市部における地価の高騰が進んでいる中で、道路その他公共事業の推進が非常に困難になっております。そうした中で、大深度地下の利用、しかも二足の深度以上は私権が及ばないといった考え方は非常に大切であると認識し、過去数年にわたって私はさまざまな委員会でこの問題を提起してまいりました。政府におかれましても、昭和六十三年六月閣議決定された総合土地対策要綱において、大都市における社会資本整備の観点から大深度利用の促進を指摘されております。閣議決定を受けて各省庁、いろいろな省庁がかかわるわけですけれども、内閣官房、環境庁、国土庁、厚生省、農水省、通産省、運輸省、郵政省、建設 省、自治省が法案の検討を開始し、法案化に向けて進んでおるというふうに伺っておりますけれども、この二年間大深度法については余り聞いておりません。新聞などで少なくとも拝見していないという意味でございます。法案作成がおくれている理由は何か、お伺いいたします。
○説明員(石川裕己君) 大都市地域におきますいわゆる大深度地下の公的利用の問題に関しましては、今お話がございましたように、現在まで内閣官房など関係十省庁で協議をしております。今まで局長会議でありますとか課長会議等々を二十回近く開催するなどによりまして、あるいは学者の先生方からお話を伺ったり、そういうふうなことで検討を行ってきているところでございます。それで、どういうところに問題があるかということでございますが、大きく分けまして三つほどあるかと思います。 一つは、いわば大深度地下につきましては公的利用を優先させるということ、逆に言えば基本的な私権でございます土地所有権を一定の割合で制限しようというふうな問題でございます。これは法制上かなり基本的な問題を含んでおりまして、いろいろな検討が必要であるという意味で、そのような法制上の問題というのが一つ大きな問題としてございます。 それからもう一つは、これは直接大深度とは関係ございませんが、例えば新幹線の御徒町のトンネル事故、あるいは大谷石の採石場におきます落盤事故というふうなこともございまして、大深度地下利用に関します安全対策、それから防災対策あるいは大深度におきます地下水の問題、その他の環境問題というふうな問題につきましても十分検討する必要があるということでございます。 さらには、大深度で公的なプロジェクトをやる場合、やはりそれなりの費用がかかるわけでございまして、そのような経済上の問題でありますとか、公的なプロジェクトをやるためのいわば緊急性、必要性というふうな問題等がございます。このような問題に十分配慮する必要があるということでございまして、現在慎重に検討しなければいけないというふうに考えておる次第でございます。
○広中和歌子君 御説明、大変興味深く拝聴いたしまして多くの問題が存在することを理解するわけでございますけれども、しかしながら、例えば首都高二号線でしたか、一・一キロメートルのあの道路工事の土地買収費が一兆円というようなばかげた値段がついているといった中で、そこで大深度が利用できるかどうかは別といたしまして、私権を外した大深度の利用というのは私は非常に希望であるという、少なくとも現在のこのような土地高騰の中でもう唯一の希望だろうと思って期待しているわけでございます。ぜひ前向きに、そしてしかもどんどん推進していただきたい。 その法制化の見通しですね、時間的な見通しと、それからそれができなければ何も手がつけられないのかどうかということでございます。現実に大深度を利用した工事というものは現状でも行われるのかどうか伺います。
○説明員(石川裕己君) 今申し上げましたようにさまざまな問題がございます。特に法制上は民法との関係も整理しなくちゃいけないというふうな問題等がございまして、検討には相当時間がかかるというふうにも思っております。 それからもう一つは、私どもが検討しておりますのは、大深度地下におきまして公的利用をどうやったら促進できるかという観点でございまして、現在の法律体系で大深度地下村用ができないということではないわけでございます。現在でも、いわゆる地権者の承諾を得て、地権者に対していわば補償を行って地権者とのいわば私的な話し合いがつけば、そういう意味ではできるわけでございます。私どもが検討しているのは、そういう地権者の所有権よりも公的利用をより優先する方策はないかということでございますので、現在の法体系で大深度地下利用ができないということではございません。
○広中和歌子君 その利用の費用が非常に高過ぎることを私は問題にしておりまして、ぜひ私権が及ばないような形で、少なくともかなりの部分制限されるような形で推進されることを希望いたします。 次の質問に移ります。 現在、土地は値下がりをしているというふうに御報告がありましたけれども、私の知り合いで御主人を亡くされて相続税を払わなきゃならない、ところが遺産のほとんどが土地であるために現金での支払いが難しいものですから、土地の一部を売って充てようとしたわけですけれども、現在のマーケットはほとんど動いておりませんものですから査定されている値段で売れそうもないし、物納したいというふうに言っているわけですけれども、大蔵省に、このような物納を申し出るケースというのはふえているんでしょうか。そして、それをどのように扱われているのかお伺いいたします。 そしてまた、こうして大蔵省の手元に集まったものは一定の期間後に競売に付されると、そういうような規則はあるんでございますか。
○説明員(皆合達夫君) お答えいたします。 不動産による相続税の物納というのがふえているのではないかということでございますが、私ども、物納申請件数というものを年度ごとに取りまとめておりますけれども、申しわけないんでございますが、財産別というふうなことで、ちょっと申請件数の整理をしておりませんので具体的な件数は申し上げられませんが、いろいろ見ましたところ、このところ不動産を中心といたしまして物納の申請が増加する傾向にございます。 前半の部分のお答えをさせていただきました。
○説明員(建部和仁君) 物納されました土地の取り扱いでございますけれども、これにつきましてはいわゆる普通財産といたしまして管理、処分を行う、こういうことになるわけでございます。ところで、税金は原則として金銭で納付すべきものでございますが、ただ相続税につきましては、一定の場合に金銭で納付することを困難とする金額を限度として物納というのが認められているわけでございます。このような金銭にかえて収納したものでございますので、国において活用できる場合は別といたしまして、原則といたしましては換価のために売り払い処分を図る等、国におきまして適切な管理、処分に努めてまいる、こういうことでございます。
○広中和歌子君 バブル経済のさなか、日本国内の金融機関は土地を担保に非常に多くのお金の貸し出しを行ったわけです。つまりそのときの、時価の七割ぐらい貸し出しているわけですが、その貸し出し総額は幾らか。そして返済不可能な場合それはどのくらいあるのか。そして、その場合金融機関が担保物件、つまり土地を保有することになると思いますけれども、その土地は一定の期間後競売という形で市場に出回るのかどうか。そのことを伺いそして最後に、このような土地暴騰を招いた責任の多くは金融機関の過剰融資にあるというふうに言われておりますけれども、担保物件を市場に放出することによって、つまり土地も市場経済の一環の中でいわゆる需要供給の、つまり市場経済を働かすことによって現状よりも土地の値段をさらに下げていただく、そのような方向にいくことが非常に大切じゃないかと思うのでございます。 時間がない中でたくさんの質問をいたしましたけれども、できるだけたくさん答えていただきたいし、残ります答えていただけない部分はあとの問題といたしまして予算委員会などで伺わせていただきます。
○説明員(福田誠君) お答えいたします。 まず、最初の御質問の金融機関による土地担保融資の規模でございますが、日本銀行の統計によりますと、全国銀行、ただし第二地銀協加盟行を除く全国銀行の不動産担保貸し付けの総額は、平成二年の三月末の統計では約百四兆円というふうになっております。 それから、第二のお尋ねの返済不能額がどれくらいあるのかというお尋ねにつきましては、申しわけございませんがそのような統計は現在ございません。 それから、一定期間後競売に付されるのかという点でございますが、今お尋ねのとおり金融機関が融資の返済を受けられない状況に陥った場合には、その金融機関の判断によりまして担保物件の処分等により債権回収を図るのが一般的でございます。 なお、その場合の処分は、通常、任意売却あるいは競売の申し立てという方法で行われておりまして、資金の回収のためには円滑な処分の実現に努力することになるわけでございますが、実際にその担保物件が処分できるか否かということになりますと、そのときの不動産市況等の市場環境に左右される面も少なくないのではないかと考えております。そういうことで、返済が受けられない場合にいずれかの時点で担保処分に至るということでございます。 それから、それを土地についての需給緩和に寄与できないかという大変難しい御質問でございますが、そういうことですので、金融機関も債権回収の一環として土地を処分するわけでございますので、やはり金融機関の経営の健全性を確保するためにしかるべき手続で、しかるべき価格で売却せざるを得ないということでございますので、その辺はなかなか直接に土地の需給緩和のためにというのは難しいのではないかと思っております。
○近藤忠孝君 土地税制について二点質問をいたします。 まず、ことしから施行された地価税の地価下落への影響であります。 最初、政府税調で考えられておった一定の線があります。その数字は表へ出ていませんが、しかし伝えられるところによると、その中身であればかなり地価下落に影響があったと考えられます。ところがその後の経過の中で、大体あちらの方の皆さんが大分中身をいじったんだけれども、税率が大幅に引き下げられる、それから対象範囲がこれまた随分狭められる、結果的にはほとんど影響ないものになってしまったのではないかという議論を私は大蔵委員会でしてきました。しかしそれは別として、国土庁としてはこの地価税の地価への影響をどのように考えているか、これが第一点です。 それからもう一つは、相続税の問題ですが、ここに「公的土地評価の均衡化・適正化」ということで七〇%から八〇%に評価を引き上げるという問題なんです。それで適切な場合もあるかと思いますけれども、特に都心部、地価が大変高いところ、そこでは控除額の引き上げになったんですが、その引き上げを評価額の上昇がずっと上回ってしまってわずかな土地を持っておっても相続税の負担が相当ふえるんじゃないか、そういう事態があるのじゃないかと思うんですが、まず御答弁いただきたいと思います。
○説明員(原隆之君) 御質問の第一点、地価税がどの程度地価の下落に効果があるかという点でございますが、御案内のように地価税の創設は、土地の資産としての有利性を縮減して地価高騰を二度と起こさないというために枠組みをつくったものでございます。そういうことでございますので、地価税の導入によりまして土地の保有コストが増大をいたしまして収益性が低下をする、そして値上がり期待が縮小するという順番で地価の低下に資するということになるわけでございます。 定量的な引き下げ効果について私明確に申し上げられないわけでございますが、これはいずれにいたしましても、個々の地域の地価水準の問題とか、今先生がおっしゃられたようなそういったことにも依存するわけでございますし、それから土地税制の総合的な見直しということによりまして、先ほど御紹介を申し上げましたように、固定資産税の適正化あるいは譲渡課税の適正化、特別土地保有税の強化というようなことがなされるわけでございまして、そういった総合的な見直しということによりまして地価の引き下げ効果が期待できるわけでございます。さらには、税制以外にも金融とか土地利用規制等々の充実も図られるわけでございますので、そういった総合的、構造的な土地対策の強力な推進ということによりまして、全体として地価の引き下げということが実現をしていくというふうに考えておるわけでございます。 それからもう一つ、相続税の問題でございますが、私どもが申し上げるのが適当かどうか、いずれにいたしましても、地価公示の適正な実施ということについて私ども努力をしていくわけでございますが、相続税の評価額が、ここにもございますように八〇%をめどに引き上げられるということになるわけでございまして、それに伴いましてさまざまな相続税の負担の問題ということも起きてくることが想像されるわけでございます。そういったことに対しまして納税者の負担の適正化ということによりまして、課税最低限の引き上げでございますとか、税率の適用区分の緩和というようなことが行われるというふうに聞いておるところでございまして、私どもはそういったことによりまして、それぞれ適正な負担水準になるものというふうに理解をしておるところでございます。
○近藤忠孝君 どうも二つとも余りはっきりしない御返事で残念ですね。地価税については、定量的な計算は何人もの学者によって行われていましてね、そういった点では政府税調の線だったら一定程度の効果はあったのですが、大変残念であります。 それから次に土地関連融資であります。 これに対する総量規制がされたことが、抑制し、下落につながっていった一つの要素だと思うんですね、ところがそれが総量規制がなくなってしまったわけです。実は、私はそれより約十日ほど前に国土審議会に出まして、そこで総量規制は解くべきではない、これは私だけではなくてもう一人の賛同者がおりました。これは単に税制の問題じゃなくてやっぱり土地政策の問題だ、金融の規制の問題はという意見もありまして、私はわかっておったのかと思ったら、その後間もなくして先ほど発表した地価の動向を公表し、そうすると大蔵省は待っておったとばかりこれを解除しちゃったんですよ。国土庁から見まして、私あの時期にあの数字を発表することが果たして土地価格を下げるという面で適切であったのかどうか。ここへ出てきた参考人の意見によっても、土地の価格というのはやっぱり周期があって上がったり下がったりする、今確かに下がる局面には来ておるけれどもまた上がる局面が来る、そういうものだという意見もあるわけです。 となりますと、緩和したのは、それは大蔵省だと言うかもしれませんけれども、そのもとを発表したのは国土庁ですから、発表の時期なりあるいは土地価格を本当に下げていく、こういった面から果たして妥当だったんだろうかどうかということについてお答えをいただきたいと思います。
○説明員(原隆之君) 冒頭私の方から御報告を申し上げましたように、土地対策全般の効果もございますし、また総量規制の効果もございまして、最近の地価の動向というのは下落傾向にあるわけでございます。そういったことも踏まえまして、あるいは最近の金融経済情勢でございますとか、金融機関の融資の態度でございますとか、その他土地利用計画等々の土地対策の進展というようなことも踏まえまして、非常緊急の措置である不動産業向けの総量規制が解除されたわけでございます。 それにつきましては、そういった経済情勢、金融情勢、融資動向というようなもろもろのことを判断して御判断になられたわけでございまして、私ども国土庁としてはやむを得ないものというふうに考えているわけでございますが、その解除にあわせまして、先ほど御紹介申し上げましたようなトリガー条項というようなことも含まれておるわけでございます。先生も先ほどお話しになられましたように、不動産業向けの融資がまたふえてきた段階では再度そのような措置が導入をされるということにもなっておるわけでございまして、そういったような措置も含まれるということも、全体として私どもやむを得ないものというふうに 考えているわけでございます。 いずれにいたしましても、地価対策には特効薬というものがございません。総合的、構造的な施策を強力に推進していくということが必要であるというふうに考えているわけでございます。
○近藤忠孝君 私は、あの解除は土地対策よりも景気対策を優先させたのではないかというぐあいに思います。 最後に一点。 「土地政策の目標」のところの(2)に「土地の利用価値に相応した適正な水準までの地価の引き下げ。」となっています。これについては、どの時期の地価にまで下げるのかというこの目標を私は具体的に示されるべきかと思うんです。先ほどの数値を見ますと、昭和六十年のころはよかったわけですからね、その後急激に上がったんだから、土地高騰が始まる以前の状況に戻すことを目標とすべきではないかというぐあいに思います。 それが一点と、それから幾つか指摘したように、本当は土地を下げるための施策、地価税にしましても、金融規制の問題にしましてもとるべき手段が余り書かれていない。果たして下げると言っているけれども、下げるための具体的方策があるのかどうか。 この二点について端的にお答えいただきたいと思います。
○説明員(原隆之君) 適正な地価水準の実現につきましては、いつの地価水準というようなことを申し上げるまでもなく、ここにございますように「中堅勤労者が相応の負担で一定水準の住宅を確保しうる」ような水準に早く持っていくということが、私どもの政策の目標であるわけでございます。 それから、先ほど申し上げましたように土地政策と申しますのは、需給各般にわたる施策を総合的かつ構造的に実施していくことが緊要であろうというふうに考えておるわけでございます。
○池田治君 地価問題についてまず私もお尋ねします。 地価が鎮静化して下落傾向にあることは冒頭の御説明でよくわかりました。まことに結構なことでございます。しかし、まだまだ日本の勤労者の住宅は安定した供給がなされるほど地価は下落しておりません。大都市圏における新築マンションの平均価格が勤労者の平均年収の八倍ということは、これは欧米諸国が五年間の収入で住宅が購入できると言われておるのと比べますと、かなり日本の勤労者の住宅の不安定さというのは強いものがあると思っております。そこで、安定した住宅の供給を図るには、まず建築代金よりも地価を抑制することが重要だろうと私は考えております。 そこでお尋ねしますが、昨年立法化されました地価税というのは、立法の過程では地価税収分はまず土地対策に使おうと、余ったものを所得税減税とかその他に回そうというような御趣旨であったかに思っておりますが、平成四年度の政府の予算案を見てみますと、この地価税による税収分まで一般会計に組み入れられておりまして、何も地価対策は、どうも私の見るところでは対策費用に回っていないように思っておりますが、建設省はこういうことを黙って指をくわえて見ておられるだけなんですか、それとも建設省としては強い要求をしたけれども、大蔵が税収不足でどうにもならなかったという事実があったんでしょうか、まずお尋ねいたします。
○説明員(橋本万里君) 地価税の使途の問題でございますが、土地政策等に充てることを検討するというようなことも、税調の答申にもございまして、我々としましては、何とか地価税の税収を土地政策に充てるということで大蔵省とかなり折衝いたしまして、今度の政府の予算案の中におきまして、一つには住宅宅地の供給の促進のためのいわゆる関連公共施設等でございます、道路とか公園とか下水とか、そういう関連公共施設等の促進事業につきまして大幅な増額でございます。例えば千二百五十八億円が千三百八十九億円ということで、伸びでいきますと一〇・四%確保されました。 また、公共用地の先行取得のための特定公共用地等先行取得資金融資制度というのがございます。土地開発公社が先行取得を行う場合に低利の融資の制度を行うということで、事業費で七十五億円というようなこと、あるいは住宅金融公庫がいわゆる民間の宅地開発事業に関しまして、通常の財投金利よりかなり下回っての低利で融資を行う制度、緊急宅地供給促進事業融資制度というようなことの創設というようなことを見ておりまして、こういうような制度の拡充ということで、現在政府案の段階でございますが、土地対策に関しましてはかなりの拡充ができたのではないかというふうに思っておるところでございます。
○池田治君 次に、土地に対する融資の総旦里規制の解除の問題ですが、昨年末に解除されましたが、解除後の土地の価格に対する影響はどうでしょうか。鎌田先生もお尋ねになっておりましたが一政府の住宅局の発表は半年か三カ月おくれた発表なので、こういう問題をお尋ねするのはちょっと酷かもわかりませんが、傾向としてわかればお教え願えませんか。
○説明員(原隆之君) 冒頭御報告申し上げましたこの資料の一ページ目の一番最後にございますように、最近の取引は需要に見合った低価格帯の物件が中心になっておりまして、ユーザーの先安感も強く、現在の傾向が当分の間続くとの見方が多いわけでございます。この見方は私どもの見方とも合っているわけでございます。したがいまして、一月一日以降総量規制が解除されたわけでございますが、その影響の有無を論ずるまでもなく、地価は依然として下落傾向にあるというふうに私どもは認識しておるわけでございます。
○池田治君 次に、大都市法改正に基づいて七百四万戸の住宅供給計画が発表されましたし、冒頭でも御説明がございましたが、これは立派な計画でございまして私も大賛成でございますが、果たしてこれが十年間で実現できるかどうかというのが一番問題だろうと思っております。住宅供給計画のうち、首都圏において二万七千五百ヘクタールの土地の供給をするということですが、まずこれが可能でしょうか。今現在どういう計画を進めておられますか。
○説明員(三井康壽君) 先生方の御審議のおかげで大都市法ができまして、大都市圏で初めて広域的な計画が立つようになりました。これは非常に進歩だと思います。特に首都圏などの例で申し上げますと、東京に集中する住宅地を神奈川県とか千葉県が受け持つのは反対だというふうな考えがあったわけでございますけれども、今回は、この法律によりまして各県協力して問題解決しなきゃいけないと、そういったことは非常に大きな効果があったと思うわけでございますが、ここにお示しをいたしました、例えば首都圏で言います四百三十一万戸、二万七千五百ヘクタールというのは各県と相当協議をさせていただきました。 計算の方法としましては、この数字を出しました方法としましては、マクロで相当需要推計をいたしまして、今までの推計等をまずいたします。それから、各県でそれぞれ推計いたしまして、かつ今までの供給の実績等を見たり、あるいは市街化区域の、これから市街化するような区画整理地区でございますとか、あるいは調整区域で区画整理をするとか、開発許可が出てくるとか、あるいは既にやっているけれども、宅地開発の段階で住宅がまだ建ってないところとか、そういうのをかなり箇所別に当たっていただきましてこの数字をまとめたわけでございます。しかし、多少背伸びをしているところもございまして、例えば宅地並み課税をします生産緑地の問題とか、そういったところはある程度予想も入っておるものでございますけれども、我々としてはかなりこの数字はできるんじゃないかと思っておりますし、しかし努力はしなきゃいけない数字だと思っております。
○池田治君 一生懸命努力をされて、ぜひ実現を図っていただくようお願いしておきます。 次に、昨年六月に日経連と連合が共同いたしまして、勤労者の住宅供給を目的としてNR住宅協会というのを財団法人で設立ができました。これは農協中央会の協力を得て、農家に住宅を建ててもらって、それを企業が借りて勤労者の住宅に振り向けるという半民間型の住宅供給方式でございますが、こういうものには建築費が高くつきますと家賃がはね上がって高家賃となります。非常に勤労者も家賃負担に困るという結果になりますので、できれば低金利で融資を受けることが重要だろうと思われますが、国の方も財政投融資とか公庫とか、国庫とかこういうもので低金利の融資策を講じてもらうわけにはいかぬものでしょうか。この点お願いします。
○説明員(三井康壽君) NR住宅につきましても、一昨年の国会で法案を通していただきまして、社宅の一括借り上げ融資ができるようにさせていただきました。これも先生方のおかげでございますが、この金利につきましてはいわゆる事業者金利と個人金利と大きく分けでございます。個人金利は個人の方々が自分で独立してやられる場合、事業者金利というのは企業でございますとかあるいはマンションとか社宅とか、あるいは賃貸住宅の経営者、こういった方を事業者金利と言うわけでございますけれども、事業者金利の中では一番低い産業労働者住宅融資制度を使っていただく、六・〇%と、こういった事業者金利の中で一番低い金利でお願いをしているところでございます。
○池田治君 ぜひお願いをいたします。 そしてもう一点、東京都は平成四年度の予算で、住宅建設用の低金利融資の措置も講じだということを聞いておりますが、東京都がやるのに建設省はどうもそれほどでもない。住宅金融公庫等の貸付額を見ましても、この予算額は昨年と大体横ばいで、住宅供給は必要だ必要だと言われながらも拡大していないという点について、私は不思議に思っておりますが、これはどういう理由からそうなったんでしょうか、お教え願います。
○説明員(三井康壽君) まず金利の利子補給の問題でございます。これは国の住宅金融公庫の融資は全国一律でございます。したがいまして、一番安いのはこの一月二十七日にさかのぼりますけれども、四・九%という金利でございます、現在五・二%でございます。ところが、各公共団体それぞれ独自の住宅政策をお考えでございまして、東京都に限らず利子補給をしておられる県、市町村がかなりあるわけでございます。 今先生の御質問の中に出てまいりました、東京都の優良民間賃貸住宅に対する利子補給制度というのが今度できるようになりまして、これは公庫融資に対しまして二・二%を都が上乗せ利子補給をしていただく。これは東京都の場合非常に建築費が高いとか土地が高いという、そういう地域の実情がございまして、東京都として二・二%の利子補給をしていく。こういった公共団体が上乗せの利子補給をしていただくのは我々としても大変好ましいと思いますけれども、東京都に合わせてすべて下げるということになりますと、それだけ国の利子補給金がふえるということもありまして、総合的に見ていかなければいけないと思いますから、今の我々の制度はそのままにさせていただいているというところでございます。 また、事業費貸付額がふえてないと申しますのは、一応戸数の推移を見まして、昨年度五十五万戸の予算を決めていただいたわけでございますけれども、最近の状況を見まして五十四万戸がなということで、五十四万戸の予算措置をお願いしているところでございます。そういった関係で、貸付額分の事業費自体は大きく伸びていない、こういう状況でございますが、ただし、もし来年度予算をお通しいただきまして、戸数がそれ以上出る場合は、弾力条項を使いまして無抽せん体制で事業者の方々には対応する、こういう考えでございます。
○寺崎昭久君 国有農地等の活用についてお伺いしたいと思います。 先般、国有農地等の現状について会計検査院から十九都道府県の実態報告がございました。昨今の宅地不足と言われている中で、市街化区域内に数百平米にわたる土地が有効活用されないまま放置されているということについて改めてびっくりした次第でございますけれども、全国ではいわゆる国有農地というのがどの程度あるんでしょうか。何区画、何平米ぐらいあるんでしょうか。
○説明員(澤井義雄君) 全国の国有農地でございますが、ヘクタール単位でお答えさせていただきたいと思います。全体で千百七十六ヘクタールございまして、このうち市街化区域内につきましては二百十一ヘクタールあるわけでございます。
○寺崎昭久君 例えば首都圏ではどれくらいあるんでしょうか。何カ所、何ヘクタールか。
○説明員(澤井義雄君) 首都圏は、東京都とこれに隣接いたします三県、四都県につきまして見ますと、国有農地百三十二ヘクタール、そのうち市街化区域内は六十六ヘクタールということになってございます。
○寺崎昭久君 これは、例えば農地でなくて宅地に転換することは可能な土地ですね。実際に農地としてどれぐらい使われているんですか、農耕地として。
○説明員(澤井義雄君) 管理の形態は三形態ございまして、農耕貸付地、宅地等の転用貸付地、それからどこにも貸し付けていない未貸付地があるわけでございますが、全国で見ますと、農耕貸付地は五百二十七ヘクタール、うち市街化区域内が七十一ヘクタールということになってございます。また首都圏、先ほどの四都県について見ますと、農耕貸付地が六十ヘクタールで、うち市街化区域内が三十一ヘクタールという、そういう数字になってございます。
○寺崎昭久君 国有地については、国が土地を買収した後直ちに売り渡すのが原則となっておりますけれども、昭和二十年来からもう五十年近くも放置されているような土地があるわけです。もちろん、この間に農耕地として活用された時代もあったかと思いますけれども、長きにわたって放置された理由とか背景というのはどういうことでしょうか。
○説明員(澤井義雄君) 国有農地につきましては、先生御指摘のとおり農地改革のときに、当時の不在地主等から強制買収いたしまして、それを即小作人に売るというのが原則でございますんですが、たまたまその土地が市街地に所在していた土地でございますとか、あるいは小作人が大変規模が零細で、その時点ではまだきちんとした農民としての資格要件を満たさなかった、そういう場合に国が一時的に管理しておったわけでございます。それが時代の推移の中で今日まで来てしまったということが背景としてございます。
○寺崎昭久君 都市計画法第七条第二項には、市街化区域については大体十年をめどに市街化すべきであるということがうたわれておりますけれども、この点を農水省はどのように受けとめているんでしょうか。
○説明員(澤井義雄君) 私ども農林水産省といたしましても、市街化区域内の国有農地、これは一般の国有財産と異なりましていつまでも所有し続けるものではないということは重々認識してございます。基本的には、買収前の所有者等へ早急に売り戻しまして、そういう制約がございますので、できるだけ早く旧所有者等に売り払いをいたしまして、それを通じまして宅地など都市的な利用に供されるものである、そうしていただきたいということでございます。 したがいまして、農林水産省といたしましては、国有農地の管理、処分の実務を行っていただいております都道府県に対しまして、市街化区域内の国有農地は早期に売り払いを要する財産であるということを周知徹底させつつ、また旧所有者等についての調査の計画的な実施でございますとか、積極的な買い受け勧奨などにつきまして関係機関を指導いたしまして、国有農地の有効利用を図るための処分のより一層の促進に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○寺崎昭久君 過去のいきさつとか現状の使い方、使われ方についてはおおよそわかっているわけですが、問題は今おっしゃったように、これからこれらの土地をどう活用するかということなんですね。会計検査院の中でも、速やかに都道府県に今後の売り払い計画等をつくらせて実行させるのが適当であろうということを提言しておりますけれども、これだけ大事な国有財産ですから、そういう意味では国が相当関与してもいいのではないかと思うんですけれども、こうした計画をつくるに際してどこの省庁がセンターになるんでしょうか。
○説明員(澤井義雄君) 農林水産省、確かに相当面積の国有農地を市街化区域内また首都圏にも所有しているわけでございます。これは、あくまでも都市的な利用の見地から利用されるべきであるというふうに私ども農林水産省も考えておりますので、私どもの行政の範囲といたしましては、とりあえずはその都道府県の農林部局を指導することになるわけでございますが、実際に事務を行っていただいております都道府県におきましても、具体的な売り払い計画を都市計画部局とも十分連携して作成するよう、私どもなりに指導してまいりたいというふうに思っておりますし、また私どもも、国土庁初め都市計画を担当しておられる省庁と今後より一層連絡を密にしながら行政に当たってまいりたいというふうに考えてございます。
○寺崎昭久君 せっかくですから、国土庁と建設省にこの問題についての見解を一言述べていただきたいと思いますが、よろしくお願いします。
○説明員(原隆之君) 農林水産省の方から御説明があったとおりでございまして、先生も御案内のように、総合土地政策推進要綱の中にも、国公有地の利活用の促進ということが施策として、土地対策の一つの柱として挙がっているわけでございまして、私どもとしても一生懸命これに乗り組んでまいりたいというふうに考えております。
○説明員(三井康壽君) 住宅地として使わせていただけるような適地でございまして、条件等合います場合には、ぜひ農林水産省の御協力をいただきまして庄宅対策にも使わせていただきたいと思っております。
○寺崎昭久君 最後に要望ですけれども、この種の計画、どうやってつくるか、発表するかというのは大変難しい要素があるのかもしれません。ですけれども、国民から見ますとこんなに遊んでいる土地があるのかということは、どうも昨今の住宅土地事情にかんがみてやりきれない気持ちにさせられると思います。したがって、目標時点をきちんと置いて、こういうような手順で計画をつくり実行していくんだということを何らかの機会に明らかにしていただけるようお願いしたいと思います。
○説明員(澤井義雄君) ただいま先生のおっしゃったこと、よくよく私どもも念頭に置きましてこれからの行政、間違いのないように推進させていただきたいと思っております。
○西川潔君 私は建設省にお伺いしたいんですけれども、先日、建てかえ予定の公営住宅にお住まいの主婦の方からお手紙をいただいたんです。茨城の方なんですが、その方がぜひまた国会でひとつお伺いをしていただきたいというお手紙をいただきました。 その方がお住まいの同じ住宅に八十二歳になるひとり暮らしのおばあさんがいらっしゃるわけですが、そのおばあさんのことを心配いたしまして、御近所の皆さんがお集まりになって、おばあさんに老人ホームに入ってもらおうということをお勧めしたわけです。そのおばあさんは体のぐあいが少し悪いところがあるんですけれども、気兼ねをして暮らすのは嫌だと、ひとりで暮らしたいということで老人ホームに入るのを拒否されたわけなんですけれども、こういう場合は御近所の方の方が、いつおばあちゃんにどんなことがあるかもわからないということで、かえって地域の方々の方が毎日心配をして、つまり安心して生活ができないという地域環境になるわけです。こういう方々がこれからはふえてくると思うんですけれども、そんなときに安心してひとりで生活のできる、先ほど堀先生の方からも障害者の方々のお話がございましたが、いわゆるお年寄りの方々がおひとりでも安心して生活ができる公営住宅がないのかどうかということを、潔さん国会で一遍聞いてもらいたいということで本日お尋ねをするわけです。 現在、約百六七万人と言われるひとり暮らしのお年寄りがいらっしゃいますし、また六十五歳以上の御夫婦が二百八十万人もいらっしゃるわけですが、皆さんがおっしゃるのは、何と申しましょうか、死はだれにでも訪れてくる。でも、老後を不安に生活するのが一番これが潔さん心配やと。今後も気兼ねのないひとり暮らしを選ぶ人がふえてくると思うんですけれども、我々から見ると心配ですから老人ホームに入ってくれたらとか、ひとり暮らしは寂しいんと違うかなとかというふうに気遣いをしてしまうんですけれども、御本人が元気でそれを望まれるのであればその方にとっては幸せなことだと思います。 そのためには、こうした方々が安心して長く元気でひとり暮らしかできるように、福祉と連携のとれた住宅・町づくり、いろいろ全国的にも資料によりますとやっておられるんですけれども、その点で厚生省と建設省、共同事業として進めておられますシルバーハウジング、近畿ではありませんが大阪の方でも二カ所、これからはどんどん兵庫県などにもできていくようです。また、公営住宅の建てかえ時にぜひ老人福祉施設を併設する公営住宅再生マスタープラン策定事業という、これも読ませていただいたんですけれども、我々もこれを期待しております。 厚生省とそして建設省で、福祉と住宅と両分野で本当に相談員の方々がシルバーハウジングなんかでも一緒に生活していただけるということで、随分こういうことがふえていくと皆さん方安心して日々の生活を送られると思うんですけれども、両分野のこの連携手法を考える調査委員会も設置したということもお伺いしております。 今後、ひとり暮らしや高齢者の御夫婦が安心して暮らせる住宅づくり町づくり、また近年、子供たちや娘が大変遠くで生活をしておるお年寄りの方々が多いわけですから、それっといったときでもなかなか子供たちもお父さんやお母さんのところにはすぐ戻ってこれないというような状況ですので、ぜひこういう方々の、こういうお手紙の内容を推進していただきたいんですが、今後どのようにされていくのかという御説明をお伺いしたいんです。
○説明員(三井康壽君) まず、公営住宅の入居のことを申し上げたいと思うのでございますけれども、一般的に公営住宅は同居の親族がなければ入れない、これが大原則でございます。したがいまして、若い方、独身の方は御遠慮願っておる。しかし、高齢者の方につきましては、男性と女性とちょっと差があって本当はいいのかどうか御議論があるかもしれませんけれども、男性は六十歳以上、女性は五十歳以上の方は単身で入居ができる、こういうふうになっておりまして、その意味ではある一定の高齢者の方を優遇しているというふうになっているわけでございます。 ところで、高齢者がだんだんふえてこられる、御承知のとおりでございまして、当然厚生省でも御研究になっておりますし、我々も一緒に研究しなきゃいけないということで、昭和六十年度に両省の課長クラスの研究会をいたしまして、これがシルバーハウジングというもので、六十二年度から予算化をいたしまして、公営住宅の主として建てかえなんかをするとききっかけを見つけまして、厚生省から補助金の出ますライフサポート・アドバイザーという方が管理人として入っていただいて、一応お元気な方で自立して生活はできる、しかしそうかといって本当に若い方のように元気ではない、老後も多少心配だという方のお世話をする。こういった形でかなり全国各地で広がってまいりました。これが一つでございます。 なお、そういったハードな計画のほかに、各市町村で高齢者住宅をどういうふうにつくっていったらいいのか、供給していったらいいのか、あるいは相談に乗っていったらいいのか、こういうことで地域高齢者住宅計画、高齢者住宅マスタープランというのをつくっていただくようにしております。特に東京都は、東京都の方針では全区市町村につくらせるということで、ほぼ半分ぐらい東京都の場合はマスタープランをつくられております。そうしますと、例えば公団住宅であろうが公営住宅で建てかえをする際に、地域の高齢者の方が入りやすくなるように、市町村がそれの事業主体にお願いして計画を実現していく、こういったマスタープランでございます。これを全国で現在八十の市町村にやっていただいておりますけれども、これも広げていくというのが第二点目の施策でございます。 それから第三点目は、先ほどちょっとお触れになりましたけれども、もう少し町全体として老人福祉施設を整備するに当たりまして、住宅と一緒に何かできないか。従来の施策というのは何といいますか、相当老人の福祉政策もお金の関係もありましょうし、施策の限界もあったと思うんですけれども、本当にお気の毒な方とか、そういった方を中心にして福祉施設、老人福祉施設をつくってこられたんですけれども、もう少しやわらかい、やわらかいといいますか、それほどお困りの程度が昔ほど重くないという方につきましても老人福祉施設を拡充していこうというのが厚生省の御方針でございます。そうすると、町づくりや住宅づくりと一緒にやっていったらどうかということで、昨年の十二月から厚生省と私どもが共同いたしまして、老人福祉施設等と公共住宅の連携整備に関する調査委員会というのをつくりまして、京都大学の三村先生に委員長になっていただきまして、約一年あるいは二年かかるかもしれませんけれども、両省協力してさらに大きな住宅地づくり、老人福祉施設との共同したつくり方を模索していこう、こういうことでございます。
○西川潔君 最後にお願いしたいんですが、先ほども堀先生の方から障害者の皆さん方の住宅問題がございました。現場へお訪ねいたしますと、お年寄り、高齢者になるということはつまり障害を持つということにもなりますので、どうぞ双方お考えいただいて、そして外国にもいい例がございますんですけれども、もう少しこれから高齢化社会に向かって我々若い者の目の届く範囲内で、いわゆる二十四時間一日の中、どんなことがあってもすぐに我々が手を差し伸べることができる、お助けができるというような環境づくりというものをこれからつくっていただきたい。それに、一つには町の中でも一階がお店で二階、三階には老人ホームというようなところもストックホルムなどではたくさんございますので、そういうふうなことも進めていただければありがたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。 終わります。
○会長(遠藤要君) 三井審議官、答弁お願いします。
○説明員(三井康壽君) 私どもも努力はしているつもりでございますけれども、本日いろいろ御指摘賜りました点をさらに一層、私どもだけでもできないところもあります、厚生省とも協力をさせていただきまして努力をいたしたいと思います。
○会長(遠藤要君) 本日の調査はこの程度とし、これにて散会いたします。 午後三時三十九分散会