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123回国会参議院1992/05/18

国際平和協力等に関する特別委員会 第9号

発言数
186
登壇者
14
会派数
2
開催日
1992/05/18

会議録

下条進一郎自由民主党

○委員長(下条進一郎君) ただいまから国際平和協力等に関する特別委員会を開会いたします。  理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

下条進一郎自由民主党

○委員長(下条進一郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に矢田部理君を指名いたします。     ―――――――――――――

下条進一郎自由民主党

○委員長(下条進一郎君) 国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律案、国際緊急援助隊の派遣に関する法律の一部を改正する法律案及び国際平和協力業務及び国際緊急援助業務の実施等 に関する法律案、以上三案を一括して議題といたします。  この際、渡辺外務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。渡辺外務大臣。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 先般の質問におきまして、我がPKOに派遣した部隊に対する指揮権の問題に関係をいたしまして、政府の統一見解を申し上げます。  国連の現地司令官は、各国から派遣される部隊が、いっ、どこで、どのような業務に従事するかといった部隊の配置等についての権限を有しています。この権限は、長年の国連平和維持活動の慣行を踏まえて作成された派遣国と国連とのモデル協定第七項において、国連のコマンドと言われています。国連のこの権限を法案では「指図」と規定しております。「指図」とモデル協定第七項にいう国連のコマンドとは同義であります。  法案では、自衛隊の部隊が国連平和維持活動に参加する場合、本部長は、国連のコマンドに適合するように実施要領を作成し、または変更し、防衛庁長官は、この実施要領に従って我が国から派遣される部隊を指揮監督し、国際平和協力業務を行わせることとなっています。  このように、国連のコマンドは、実施要領を介して我が国から派遣される部隊によって実施されることになっており、その意味で、我が国から派遣される部隊は国連のコマンドのもとにある、あるいはコマンドに従うということができます。  もっとも、法案には平和維持隊への参加に当たっての基本方針、いわゆる五原則が盛り込まれています。このため、我が国の部隊により、国連のコマンドは、いわゆる五原則と合致した形で実施されることとなります。  以上であります。

下条進一郎自由民主党

○委員長(下条進一郎君) それでは、外務大臣にお願いいたしますが、ただいまの説明、極めて明瞭であるということもあるかと思いますが、聞き取れない面もあったという節もありますので、なるべく早く、今文書でお出しいただければということでございます。よろしゅうございますか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 結構です。

下条進一郎自由民主党

○委員長(下条進一郎君) 前回に引き続き、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 ただいま外務大臣から政府の統一見解が示されましたけれども、それと大変関係も漂うございますし、従前の指揮、指図の問題について若干整理をさせていただく意味でまずお尋ねをしたいというふうに思います。  関係大臣におかれましては、大変お忙しいところを御出席賜ったわけでありますが、まず、自治大臣にお尋ねいたします。  大規模火災等が発生をいたしまして、一つの市町村だけではとても消火作業が進まぬ、近隣の市町村の応援を求めるというようなときに、その指揮系統が一体どうなるかというのは大変大きな問題でございますが、消防組織法二十四条の三及び二十四条の四では、その辺はどういうふうに規定されておるんでございましょうか。

浅野大三郎消防庁長官

○政府委員(浅野大三郎君) 法律の規定内容でございますので、私からまずお答えさせていただきたいと思います。  これは、消防組織法二十四条の四という規定がございまして、消防職員が他の市町村に応援出動した場合に、どういうふうにそこで活動するかということについて法律上決めておるものでございます。  ちょっと読み上げさせていただきますと、「消防機関の職員がその属する市町村以外の市町村の消防の応援のため出動した場合においては、当該職員は、応援を受けた市町村の長の指揮の下に行動するものとする。」、こういうふうに規定されております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 その場合、応援に行った消防職員が、応援を受けた市町村長のいわば指揮に従わない。君、ここをひとつ消してもらいたい、君はこちらの配置についてもらいたいといったときにそれに従わない、不都合があるというような場合の処分権限は、派遣を受けた方の市町村長がお持ちなのか、それとも派遣した方の市町村長がお持ちなのか、その辺はどうなっておりますか。

浅野大三郎消防庁長官

○政府委員(浅野大三郎君) 実際にはまずそういう事例は起こらないとは思いますが、仮にそういうふうに派遣された消防職員が、派遣先において何らかの不都合、職務命令違反であるとか、仮に何らかの不都合があったといたしました場合には、それに対するもし処分をする必要があるとすれば、それは派遣をしたもとの方でございます。そこも通常は消防長、消防機関のトップとしての消防長という機関がございますが、その消防長がやるということになる。だろうと考えます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 次に、国土庁長官にお尋ねいたしますが、大規模な災害が発生をいたしまして一県だけではどうにも対応できない、当該知事さんが他県の知事さんに応援を求めるというようなことは多々あることでございますが、そういう場合の指揮系統はどういうふうになっておりますか。

鹿島尚武国土庁防災局長

○政府委員(鹿島尚武君) 具体の条文のことでございますので、私から申し上げさせていただきたいと存じます。  災害対策基本法におきまして、ただいま先生仰せられましたのは、七十四条の規定がございます。都道府県知事が他の都道府県知事に応援の要請をいたすわけでございますが、具体の条文で申しますと、この七十四条の中に、「都道府県知事等は、当該都道府県の地域に係る災害が発生した場合において、応急措置を実施するため必要があると認めるときは、他の都道府県の都道府県知事等に対し、応援を求めることができる。」、ちょっと省略をいたしまして、第二項に「前項の応援に従事する者は、応急措置の実施については、当該応援を求めた都道府県知事等の指揮の下に行動するものとする。」という規定になってございます。  そのほか、六十七条の規定によりまして、他の市町村長等に対して当該被災を受けました市町村長が要請をする場合等の規定がございますが、いずれも他の地方公共団体等で発生した災害に係る応急措置への応援に従事する者が、当該応援を求めた地方公共団体の長の指揮のもとに一糸乱れずに行動して応急対策に応じていただくという趣旨を書いたものでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 そこで、同じことを聞いて恐縮でございますけれども、応援に行きました者が何かやはり不都合が起きたと、あってはならぬことでしょうけれども、そういうことはあり得るわけでありますから、不都合が起きた。その場合のいわば懲戒といいましょうか、処分権限はどちらの長が持つのでございますか。

鹿島尚武国土庁防災局長

○政府委員(鹿島尚武君) そのようなケースというのはなかなか予想しにくいかと存じますけれども、これらの場合におきましては、応援に従事する者につきましては身分の異動が伴ってございませんので、懲戒処分は応援を求められた地方公共団体の長に属すると考えております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 運輸大臣にお尋ねいたしますが、海上保安庁は警察庁あるいは税関その他のいろいろな機関と共同してさまざまな任務を果たさなきゃならぬというお立場になることがあると思いますけれども、そういう場合に、派遣をする側、あるいは派遣を受ける側、この間の指揮権の問題はどうなっておりましょうか。

奥田敬和自由民主党運輸大臣

○国務大臣(奥田敬和君) これは、先般の矢田部先生からの御質疑でも明らかになっておるわけでありますけれども、今例示されたように警察とか税関とか、派遣協力を求められるケースがございます。そのときは警察、消防の指揮に従うということは当然でありますけれども、処分権いかがかということになれば、処分権は海上保安庁の長官にあり、終局は運輸大臣にあると。指揮権は協力を求めた方にあるということでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 法務大臣にお尋ねいたしますが、汚職事件等で検察庁あるいは警察が一体となって捜査等に当たらなければならない。その場合、検察官と応援に行かなきゃならぬ警察等のいわば司法警察職員ですな、この関係の指揮権はどういうふうになっておりましょうか。指揮の関係はどうなっておりましょうか。

田原隆自由民主党法務大臣

○国務大臣(田原隆君) お答えします。  先般、矢田部委員から御質問があったときに、私、発言を聞き損なって、警察と検察と混乱して不適切な部分があったことはおわび申し上げます。  この問題は刑事訴訟法の問題でございまして、検察官が司法警察職員に対しては一般的指揮権とそれから具体的指揮権というものがある。それから、それが今度懲戒等に及ぶ場合についても刑事訴訟法に定められておりますが、具体の細かい手続につきましては、政府委員が来ておりますのでお聞き取りいただきたいと思います。

濱邦久法務省刑事局長

○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。  今、大臣からお答えがございましたように、刑事訴訟法におきましては、検察官の司法警察職員に対する捜査指揮には一般的指揮と具体的指揮という概念がございます。委員のお尋ねは、それに従わなかった場合の懲戒処分との関係についてのお尋ねと思うわけでございますが、これらの検察官の指揮に従わない場合に、検察官は司法警察職員に対して直接に懲戒処分等を行うことはできないわけでございます。ただ、検事総長、検事長または検事正は、司法警察職員が正当な理由がなく検察官の指揮に従わない場合において、必要と認めるときは、警察官たる司法警察職員につきまして国家公安委員会または都道府県公安委員会にそれぞれ懲戒または罷免の訴追をすることができるということになっているわけでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 自治大臣にお尋ねいたしますが、先ほどの消防組織法の規定というのはいつできたのでございますかな。

浅野大三郎消防庁長官

○政府委員(浅野大三郎君) 消防組織法二十四条四の規定でございますが、これは昭和四十年にたしか改正で追加されたというふうに承知しております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 災害対策基本法で、先ほど述べた条項はいつ制定されておりますか。

鹿島尚武国土庁防災局長

○政府委員(鹿島尚武君) 災害対策基本法が制定されまして施行されたのが昭和三十七年でございます。当初からこの規定があったと存じております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 刑事訴訟法はいかがでございますか。同じ質問です。

濱邦久法務省刑事局長

○政府委員(濱邦久君) もうこれは委員御案内と思いますが、刑事訴訟法は昭和二十三年に成立しております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 海上保安庁法はいつ施行されておりますか。

小和田統海上保安庁次長

○政府委員(小和田統君) 海上保安庁法、昭和二十三年に施行されておりますが、先ほど大臣からお答えを申し上げました規定は当初からの規定でございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 自治大臣、消防組織法は昭和四十年五月十四日で、今日まで二十七年間この体系で来ておりますけれども、何か実際上運用の面においてお差し支えがございましたでしょうか、障害はございましたでしょうか。

浅野大三郎消防庁長官

○政府委員(浅野大三郎君) 消防の応援ということに関しまして不都合があったかどうかということであろうかと存じますが、格段の不都合はなかったと考えております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 国土庁長官、いかがでございますか。災害対策基本法が先ほど三十七年ということでございましたので、ちょっと私と一年ずれておりますけれども、約三十年間この体制で来ておるわけでございます。こういうシステムで、やり方で来ておるけれども、何か現場でこの法制ではまずいというようなことがあったのでございますか。

鹿島尚武国土庁防災局長

○政府委員(鹿島尚武君) 寡聞にしてそのようなことは伺ってございません。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 寡聞にしてというのはないということなんでしょうな。ないというふうに承っでおきますけれども、よろしいですね。いいですか、ないというように承っておいてよろしいですか。特段否定しないでしょう、どうですか。

鹿島尚武国土庁防災局長

○政府委員(鹿島尚武君) 伺っておりません。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 海上保安庁、いかがでございますか。四十四年間これで来ておるようでありますけれども、いかがでございますか。

小和田統海上保安庁次長

○政府委員(小和田統君) この条文に基づきます派遣の実例はいまだございません。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 じゃ、最後に法務大臣にお聞きしますけれども、刑事訴訟法が施行されて四十三年来ておりますけれども、この条文の運用はいかがでございますか、何か特段差し支えはございますか。

濱邦久法務省刑事局長

○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。  先ほど私がお答えした中に若干舌足らずの点がございましたので改めて申し上げますが、刑事訴訟法は昭和二十三年に成立しておりますけれども、先ほどお答えいたしました検察官の司法警察職員に対する一般的指揮、あるいは具体的指揮に関する刑事訴訟法の百九十二条の規定は昭和二十八年に整備された規定でございます。  それから、今のお尋ねは、この刑事訴訟法の規定について何か不都合があるかどうかという御趣旨のお尋ねかと思いますが、現時点において特に刑事訴訟法の指揮に関する条項について改正を加えなければならないような必要性があるとは認められないと思います。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 消防庁長官、いかがでございますか。この指図、指揮でいろいろ議論をしてきましたんですけれども、今消防組織法に規定されておりますいわば指揮という用語、その用語を指図というふうに変えなければならぬような事態になっておりますか。

鹿島尚武国土庁防災局長

○政府委員(鹿島尚武君) 災害対策基本法の実施に当たりまして、今先生仰せられましたような必要性は私ども感じておりません。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 消防の方はいかがですか。これを指図と変えなければ運営できないかということですよ。

浅野大三郎消防庁長官

○政府委員(浅野大三郎君) 消防の広域的な応援というのはうまく運用されておりまして、法律の規定を変えなければうまくいかないということはないと私は考えております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 くどいようだけれども、現行の指揮ということでよろしいんですね。そのままでいけるということでしょうか、どうなんですか。

浅野大三郎消防庁長官

○政府委員(浅野大三郎君) 私どもといたしまして、指揮という言葉を変えなければいけないというふうには考えておりません。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 海上保安庁の方はいかがですか。指図というふうに変えなきゃなりませんか。

小和田統海上保安庁次長

○政府委員(小和田統君) 今のところ特段その必要を感じておりません。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 刑事局長に再度お越しいただいて恐縮でございますけれども、検察庁はいかがでございますか。先ほどの法律の条文の指揮というところを、検察官は指図するというふうに書かなかったら一困りませんか。

濱邦久法務省刑事局長

○政府委員(濱邦久君) 先ほどお答え申し上げましたように、刑事訴訟法の指揮に関する条項について改正を加えなければならないような必要性があるとは考えておりません。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 柳井条約局長にお尋ねいたします。  お手元に「国際平和協力等に関する特別委員会議録第四号 平成三年十一月十九日」、これをひとつお手元に置いておいていただきたいというふうに申し上げておきましたのでお手元にあると思いますので、柳井政府委員の十六ページから十七ページにかけての御答弁を、大変恐縮でございますけれども、読み上げていただけませんでしょうか。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) これは衆議院で小澤先生から御質問がございまして、その御質問に対する私の答弁でございますが、読み上げます。   このいわゆるコマンドの問題につきましては、各国いろいろな考え方があると思いますが、けさほど来御説明申し上げていますように、このいわゆるモデル派遣取り決めにも出ておりますように、やはり各国から派遣される部隊というものは各国の軍隊、日本の場合自衛隊でございますが、という面と、それから国連の活動の一部を担う部隊であるという二つの面があると思います。そして、ここのいわゆるモデル協定案にあらわれておりますようなコマンドの考え方は、繰り返しになりますけれども、その人員の配置、組織、行動等についてのコマンドということでございまして、いわゆる懲戒権等を含まない。我が国の国内法で考える指揮権とは違うものであるということでございます。   そこで、この国連のいわゆるコマンドとの関係をどうするかということでございますが、各国の提供する部隊は、何らかの派遣取り決めにおきまして、このような国連の指揮のもとに行動するということに同意をするという関係になると思います。これを指揮権をゆだねると呼ぶかどうかということはあるいは用語の問題かもしれませんが、いわゆる我が国の国内法で言っておりますような完全な懲戒権で担保されたような指揮権を移譲するというものではない。ただ、行動、活動についての事務総長の指揮、コマンドに従うことに同意をするという関係であろうと思います。以上でございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 あなたのこの発言は、いわば国連事務総長は懲戒権というものは持たないけれども、いわゆる指揮というものはできるというふうに私はこれを読んで理解をしておるんですけれども、そういうふうに理解して間違いないんでしょうか。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) 国連の事務総長あるいはそのもとに置かれるいわゆる司令官が各国から派遣された部隊につきまして懲戒権を持たないということは、いろいろな国連文書上も明らかになっていると思います。  ただ、いわゆるコマンドというものは、国連の平和維持活動の構成員をなしている各国からの派遣部隊あるいは要員でございますが、それらの配置等に関する権限であると、そういうふうに解しております。これは衆議院、それから参議院でも政府側からいわゆる統一見解という形でお出ししたことがございますが、そこに示された考えを述べたものでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 だから、その権限を、もちろん懲戒権はないということはもう国連の文書によってもはっきりしているんですけれども、いわゆる先ほどあなたがいろいろ申された国連事務総長が持っておる権限を指揮というふうに訳して、あるいは指揮という概念でとらまえて何か不都合があるんですか。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) コマンドという英語を指揮と訳す場合もしばしばあると思います。  先ほどもちょっと触れましたけれども、これまで政府側からお示しいたしました考え方の中にも触れているところでございますけれども、いわゆる懲戒権等の強制手段を伴わないコマンドにつきまして、そのようなものは懲戒権を含む指揮権あるいは掛揮監督というものとは性格が違うということがございますので、混乱を避けるという意味で、御審議願っております法案の第八条第二項におきましては指揮あるいは指揮監督という言葉ではなくて「指図」という言葉を用いたものでございます。もちろんこれは法案でございますから、何もコマンドという言葉を訳したというものではございませんけれども、このような概念を指図という言葉であらわすのが適当であろうということでこういう言葉を使っているわけでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 何が混乱するんですか。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) 現に何か混乱があるということではないと思います。ただ、先ほど申し上げたような国連のコマンドという概念をあらわす言葉として、指揮あるいは指揮監督というふうを言葉よりは指図という言葉の方がよいだろうということで使ったわけでございまして、これはむしろ混乱を避けるためにそういうふうにしたということでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 先ほどわざわざ私はお忙しい中、各大臣四人にお越しいただきまして全部聞いたわけでございます。何も指図という言葉にせぬで、指揮ということでずっと四十年もやってきて何の混乱もないでしょう。懲戒権は持っていませんけれども、ちゃんと指揮はできますと。何の不都合もございません。国連の方も、はっきりと懲戒権は各国が持っております、給与と規律については各国でやっていただいて結構でございますと、こういうことを言っておるんですね。全く事の本質においては少しも変わらないですよ、何にも変わらないです。国内法と国外法で違うというんならまだ筋はわかるんですよ。  あなたがそういうことを言うのなら聞きますけれども、事の本質において混乱が起きているのかと、こういうことですよ、起きるのかということです。――ちょっと待ってください、今柳井さんに聞いているんだから、だめだ、委員長。

下条進一郎自由民主党

○委員長(下条進一郎君) それじゃ、私がもう指名しましたから、一応審議官が答えて、それから柳井局長に答えていただきます。

野村一成外務省大臣官房審議官

○政府委員(野村一成君) それじゃ私の答弁をさせていただきましてから後、柳井局長から答弁させていただきます。  ただいま先生、いろいろな国内法令の用例を引用されまして、国の行政機関または地方自治体の間等で職員を派遣したりあるいは応援に出かけたりする等の場合に、応援に出される職員の派遣、あるいは応援を受けた機関の指揮を受けることが定められている一方、先生御指摘のとおり、懲戒権につきましては引き続き派遣元の機関に残る、そういったことは御指摘のとおりでございます。  ただし、御指摘のような国内法令におきましても、そういったまさに当該法令によって派遣先の指揮に従うべき法的な義務が直接生じてくる、そういう関係に相なると考えます。他方、この国連のコマンド、これは先ほどその中身について若干御説明ございましたけれども、これはこのような国内法上の指揮の作用とは次の点において内容を異にするものでございます。  一つは、国連のコマンド、これは先ほど御説明しましたように、各国からPKOに参加している要員、部隊等を有機的に結びつけまして一体として機能させるためにその配置等に関して行う権限であるということ。もう一つは、そもそも国連のコマンドは、これまでのいろんなPKOの慣行から形成されてきました派遣国の要員がその国の公務員として行う職務に関して国連が行使するという性格の権限でございまして、これは国内法の既存の指揮あるいは指揮監督の用例のいずれにも該当しない概念というふうに考えられるわけでございます。  こういった点にかんがみますれば、指揮権とそれにかかわる懲戒権が国内の異なる機関に帰属する用例があるからといいまして、国連のコマンドを我が国の国内法の指揮の用語で表現することには無理があるというふうに考えられる次第でございます。  そもそも、今先生、国内法のいろんな用例を引用されましたけれども、国連のコマンドをいかに受けとめてそれを実施するかということとは私基本的に違う概念であろうというふうに考えられます。  そういった点に加えまして、この法案ではほかの場所において、これは私、矢田部先生にも御指摘させていただきましたけれども、この法案で通例の用例としての意味での、つまり懲戒権を伴う指揮監督という意味で指揮監督の用語を用いておりまして、やはり先ほど条約局長から指摘がございましたように、用語の混乱を避ける上でもコマンドについて指揮または指揮監督という用語は用いるのは適当ではないと、そういうふうに考えた次第でございます。  じゃ、続いて条約局長にお願いします。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) 、野村室長からお答え申し上げたことに尽きると思いますが、発端が昨年の私の答弁にございますので私からも念のた め御答弁させていただきたいと存じます。  たしか平成三年十二月の六日だったと思いますが、当院におきまして「「コマンド」、「指揮」及び「指図」について」という政府の見解をお示ししたことがあるわけでございます。念のため、混乱を避ける意味におきまして、その内容を読ませていただきます。  この見解の二というところでございますが、このように述べております。   法案第八条第二項にいう国連の「指図」は、  前記一、にいう国連の「コマンド」を意味して  いる。   我が国の国内法の用例では、一般に「指揮」  又は「指揮監督しは、職務上の上司がその下僚  たる所属職員に対して職務上の命令をすること  又は上級官庁が下級官庁に対してその所掌事務  について指示又は命令することを意味してお  り、その違反行為に対し懲戒権等何らかの強制  手段を伴うのが通例である。これに対し、前記  一、にいう国連の「コマンド」は、派遣国によ  り提供される要員がその公務員として行う職務  に関して国連が行使するという性格の権限で  あって、かつ、懲戒権等の強制手段を伴わない  作用であり、そのような「指揮」又は「指揮監  督」とは性格を異にしていることから、混乱を  避けるため、法案第八条二項においては「指  揮」又は「指揮監督」ではなく、「指図」とい  う話を用いたものである。政府といたしましては、この考え方で従来から一貫しているつもりでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 野村さんの先ほどの答弁を聞いて御理解をできる国民というのは、御無礼だけれどもちょっとないんじゃないかと思います。わかりませんな。  先ほど消防の関係をお尋ねいたしましたけれども、大火になって一つの市町村ではどうにも処理できないから、他の市町村から応援をいただいて、そして配置、行動等を全部受けた方が決めて、そして命令を下すのであります。  私が言っているのは、国連の場合だって消防の場合だって事の本質において違うことはないだろうと、こう言っているんですよ。事の本質において違うんですか。問題はそこですよ。派遣を受ける方と派遣を出す方との間で、そういった懲戒権は派遣をする方にあるんだけれども、それ以外の指揮系統というのはきちっと統一をしておらなきゃならぬ、それが共同でやる場合の本質じゃないですか。だからそれは、日本の仮に自衛隊が出て行ったとしても、あるいは自衛隊は抜きにして民間のものが出ていったにしろ、そういう共同でやる作業の場合には指揮というものが一貫をしていなきゃならぬ。それは用語の問題以前に事の本質の問題じゃないかと言っているんですよ。そこはどうですか。

野村一成外務省大臣官房審議官

○政府委員(野村一成君) お答え申し上げます。  ただいま先生、事の本質ということに着目しての御指摘がございましたけれども、まさに先ほど御引用になった法令につきましても、そういう応援に出かけていく場合の派遣先の指揮に従うという、そういった法的な義務が生じておるわけですね。だから、それはまさにその法律によって生じている義務であるというふうに考えられるわけでございます。  それと、これはもう累次の説明でございますけれども、国連のコマンドという、そういう実態はまさにこの国内法上の今申しました指揮の作用とは異なる、そういうことを申し上げているわけでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 消防や災害防止、いろいろ先ほど四つ挙げた法律がある。それは法律の規定によっていわば指揮というものの権限が与えられた。それは法律によって与えられたんです。しかし、このいわば今問題になっております審議で、仮に国連が、指図でもいいですよ、百歩譲って、指図でもいいし指揮でも何でもいいけれども、それは法律ではない別の法的な根拠、すなわち協定なりによって与えられるんであるけれども、事の本質としては、全く国内であれ国外であれ、派遣を受ける者、派遣を出す者との間の指揮関係というのは、本質においてはちっとも変わってないんでしょうと、こう言っているんですよ。わかりませんか。

野村一成外務省大臣官房審議官

○政府委員(野村一成君) 私、国連のコマンドと言われている権限について、これはもう先ほど外務大臣の冒頭発言でございましたけれども、やはり長年の平和維持活動の慣行を踏まえて作成されたモデル協定第七項に言っておりますもので、国連が有している権限であるというふうに申し上げたわけでございます。  まさに、その権限をいかに参加する国が実施するかという、そういう関係を規定しておるのがこの御審議いただいておりますPKO法案でございますけれども、そういった関係は、まさに先生、今御指摘のような国内法の関係で説明がきちんとそれに適応するようなものでは必ずしもないと、そういうふうに私は申し上げたつもりでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 ごまかしちゃいけないですよ。  私が言っているのは、事の本質において違うかと、こう言っているんです。事の本質において違うんだと、違うんなら違うさ、一緒なら一緒さ、これ以上答えはないですよ。

野村一成外務省大臣官房審議官

○政府委員(野村一成君) 先生の申されている事の本質ということを、私、正しく理解しているかどうか必ずしも自信ないのでございますけれども、先ほどの引用になられた国内法令に基づきます派遣先で行使される指揮というものの法的な権限と申しますのは、私申しましたように、その法律そのもので直接生じておるわけでございますけれども、このPKO法案に基づきます。そういった関係と申しますのは、まさに実施要領を介しまして、国連のコマンドの内容を盛り込んだ実施要領に従って、要員が我が国の指揮監督のもとでこの業務を国連のコマンドどおりに実施する、そういう関係に相なるわけでございます。そういった点において違いはございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 何の違いもないんです。(「見解の相違だよLと呼ぶ者あり)見解の相違じゃないですよ。いいですか、こんがらがっているんですよ、野村さんは。  要するに、先ほど、国内法はいわば派遣をされた側に指揮権がある、それは法律で決めたと。それは根拠規定なんですよ。だから、指揮という言葉を使ったり指図という言葉を使ったって、いわば派遣される国連の方には、やはり一つの授権がなきゃならぬ。それは協定であり契約であり、いろいうあると思うわけです、慣行もあるでしょう。その上に立って行われる指揮関係と今国内法で行われる指揮関係と、本質はちっとも違わないんじゃないかと私は聞いているんですよ。違うはずないじゃないですか、本質が。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 指名をいただきましたので、ちょっと失礼します……。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 ちょっと待ってください。野村さんに聞いているんですよ。勝手に答えないでください。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 二人で連係プレーでやっているものですから、ひとつよろしく。  先生のおっしゃっておられる事の本質においてという意味ですが、私は国内法の専門家ではございませんが、出て行った先で、司令官に当たる者、指揮官に当たる者が左を向けと言った場合に左を向きますという、そういう問題と、国連にPKOで出て行って、国連のコマンダーが左を向けという場合に左を向きますと、そういう本質ということを先生がおっしゃっておられるんであれば、それはそういうことだろうと思います。しかしながら、先ほどから二人の政府委員が御説明申し上げましたとおり、いろいろな身分とか、先生がおっしゃったペイとかそういう給与という観点のものは日本が権限を持っておるし、そもそも日本の政府の公務員という資格は持っているということは官公文書が認めておると、そういう違いをしておかなければ混乱が生じてはいかぬということで、そこを念には念を入れて指図というお言葉を使わせていただいた、こういう趣旨でございま す。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 事の本質は同じだということを初めて言ったんですよ。当然ですわね、そんなことは。変な話だけれども、懲戒権はあくまでも派遣した方が持っている、これは消防組織法だろうが皆同じ。国連も同じ。何を混乱するんですか。あなたは事の本質は同じだと。指図であろうが指揮であろうが事の本質は同じ、右向け右と言われれば右向いてもらわなければ困るんですよ。あなたが言っているのは余りいい例じゃないけれども、要するに指揮に従ってもらわなければ困るという意味においては同じなんですよ。  だから、この統一見解の中で、私が申し上げたいのは、混乱を避けるためにこういうふうに指揮または指揮監督ではなくて指図という言葉を使ったと、こう言っているけれども、私に言わせれば、ここを指揮という言葉にしたって何の混乱も起きないんだよ。何の混乱が起きるのかというんですよ。だから、今回の外務大臣の統一見解でも何らその問題については触れてないんです。いわば、はっきり申し上げますと、従前こう言っていたんです。要するに処分権、そういうものがなければこれは指揮権がないんだと。その指揮権は国連にあろうはずがない、日本が持っているんだ。そんなことは当たり前の話なんだ、ある意味では。その当たり前のことだけはっきりわかった。しかも本質もちっとも違わないことがわかった。なおかつこの統一見解では、本質が違わないにもかかわらず混乱があると書いてあります。何の混乱があるんですか。ここのところをはっきりさせてもらわなくちゃだめですな、わかりませんな。はっきりしてください。

野村一成外務省大臣官房審議官

○政府委員(野村一成君) お答え申し上げます。  まさに外務大臣の発言の中に明快にこう指摘されておりますけれども、法案で指図と呼んでおりますそれがまさにモデル協定第七項に言っておる国連のコマンドと同義である、全く同じ意味である、そういうふうにはっきりと言っておるわけでございます。その点につきまして、特に実体面におきまして私ども何ら認識の違いはございません。つまり、法案で第八条で指図という言葉で使っておる意味、それはまさにこの長年の慣行ででき上がってまいりましたモデル協定第七項において使われている国連のコマンドというのと同じである、そういう点、実体面についての認識はまずはっきりとさせておるわけでございます。  その上で、まさにこの法案のもとでは、実施要領を介しまして国連のコマンドは我が国から派遣される部隊によって実施されることになる、その意味で、我が国から派遣される部隊は、国連のコマンドのもとにある、あるいは、それに従うということができるというふうに書いてございます。したがいましてその点につきまして、私どもこの法案に基づく要員の参加の場合に国連との間で何ら業務上特に問題が起こるということは想定しておりません。  と申しますのは、まさに国連の持っている権限というのがモデル協定第七項であって、それが法案では指図と呼んでおりますけれども、それと同じ意味だと。それをまさに実施要領を介して我が国から派遣される部隊によってこれは実施されるということにあるわけでございますから。  以上です。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 私の質問にまともに、真っ正面から答えていないですよ。  要するに本質が同じなんだ。本質が同じなものだから、はっきり言えば指図を指揮と言ったって別に混乱が起きるはずはないんですよ、これは。あとは、その指揮を与える根拠は、それは片一方は法律であり片一方は協定なりであろうということです。だけれども、事の本質において変わらないんだから指図という言葉を指揮に統一したってちっとも悪くないんだ。何の混乱もないわけです。それなのにこの政府の統一見解では、指図にしなければ混乱がある混乱があると、こう言っているわけだ。何の混乱があるんですか。何の混乱もないじゃないですか。

野村一成外務省大臣官房審議官

○政府委員(野村一成君) お答え申し上げます。  私、先生、中身の点については実は御理解いただけると思うんです。この指図と使っておりますそれがまさに国連のコマンドと同じ意味であるということ。では、その次の先生の御指摘は、じゃなぜ指図という用語を、言葉を使ったのかと。まあ用語の問題というのはまた中身の問題とは別にあろうかと思うのでございます。  用語の点につきましては、私、これもまた繰り返して恐縮ですけれども、この法案は三カ所におきまして指揮監督という言葉を使っております。まさに同じ法案の中で用語の混乱を避ける意味でも、実はこれ、法令用語探索を行いました。その結果、ほかに指揮あるいは指揮監督以外の言葉をどうしてもその意味で使いたかったわけです。で、実体に着目していろいろ検討しました結果、やはりここで使うとすれば指図という言葉が最も適当ではないか、そういうふうに考えて使用することといたしたものでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 逆に指図なんてわけのわからぬ言葉を使うから、国内法は全部一貫して指揮という言葉で統一されておるんですよ、こういう場合は。しかも、このPKO法案は国内法なんだ。それを指図という言葉をあえて突っ込んでくるから、まさにこの指図という言葉を突っ込んだことによってむしろ混乱を招いているんじゃないですか。どうなんですか、一体。

野村一成外務省大臣官房審議官

○政府委員(野村一成君) お答え申し上げます。  私、中身の問題と用語の問題については先ほど御説明したつもりでございます。やはりこの法案作成の過程で、この中身に着目いたしましてどういう用語例がいいかということにつきましては、鋭憲法制局といろんな用語例の中から検討いたしました。その結果、法制局長官の了承も得まして、やはりここは指図という言葉が一番適当であるというふうに判断した次第でございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 くどいようですけれども、それは国連と日本とは、国連という機関と日本という一つの国家ですから、これは消防組織法の市町村とは違うでしょう。しかし、さっきからくどく言っておるんだけれども、事の本質はいわば派遣をする方、派遣をされる方、それが統一的に動く場合にはこれはちっとも事の本質においては変わってないんです。そうでなかったら、そういう一つの共同作業というのはできないんですよ。だから、国内の場合は一貫して指揮で来ているわけなんです。何の混乱もなく来ている。四十何年それで全部来ている。  そして、このPKO法案も国内法案であり、事の本質においてはちっとも違わないんだから、違わないのならばいわば指揮という言葉を使ったってちっとも差し支えないんです。何の混乱も起きないにもかかわらず、混乱を避けるためにこれを使ったということは納得できないんで、これは懲戒権との関係において、この混乱問題について政府がきちっとした答弁してくれなきゃだめですよ。

野村一成外務省大臣官房審議官

○政府委員(野村一成君) ただいま私、中身については累次御説明申し上げて、それでまさに外務大臣の発言の中でも、指図と国連のコマンドは同じ意味で用いているということをはっきりと申し上げました。その上で、用語の問題としまして、こういった組織的にお互いに独立した国と国際機関でございます主体間における要求、指示あるいは注文を示す用語として既に法令用語、これは確かに先生御指摘のとおり国内法案でございます、法令用語として使われている用語例から探すとしますれば、一般的に何らかの権限を有する主体からの要求、指示あるいは注文といった意味をあらわす語であると認められるこの指図という用語が最も適当であるというふうに考えるに至った次第でございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 先ほど私が四十何年のやっぱり実績というものを聞いておるのは、今のあなたの言葉で言えば、逆に例えば消防組織法は指図という言葉にしなきゃおかしくなっちゃうんだ、指揮という言葉で一貫してきているわけですから。これは日本の国内法の体系の問題からいって極めて特異なことになるんです。全体の法体系を揺るがす ことになるんです。その辺わかりませんか。そうじゃないですか。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) 先ほど先生が極めて本質をついた点を御質問になったわけでございます。  事の本質ということの意味いかんでございますけれども、その点につきましては、先ほど丹波国連局長がお答えしたとおりであると私も存じます。すなわち、派遣元が懲戒権等の権限を持っている。そして派遣先の方が、いわば右向け右というのがいいかどうかは別といたしまして、そういう行動についてコマンドを持っているという意味においては、非常に近いことであろうと思います。  ただ、一つ違いがあるといたしますれば、先ほど来いろいろ国内法についての御説明ございましたが、これは確かに現在審議いただいている法律ももちろん日本の国内法でございますけれども、ただ、これまで消防組織法その他いろいろな先例、御引用があったわけですが、派遣する、派遣される、そして派遣先というのがございましても、これはあくまでも一つの主権国家の中での話でございます。  しかしながら、今度私どもがやろうとしていることは、日本の公務員を国外に出して、そこで国連のコマンドに従わせるということでございますので、その意味じゃ国内法の先例はございますけれども、いわば本邦初演ということでございますので、そういう意味で指図という新しい言葉を使っても私はいいんじゃないかというふうに存じます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 法制局長官、お尋ねしますけれども、今ずっと議論を聞いておられて問題点はよくわかっていると思うんですけれども、国内法で一貫して先ほど申し上げたような形態の場合は指揮という言葉を使ってきた。しかも懲戒権は出す方に保留されておる。これもちっとも国連と変わらないわけです。それにもかかわらず、まさにこのPKO法案だけに限って指図という言葉を使っている。  私は国内法において、このPKO法案において、まさに事の本質において変わらないんだから、事の本質において変わらないものを用語だけ変えてもらったんじゃ困る。事の本質において変わらないものは同じ用語を使ってもらわなければ通用しないんですよ、世の中は。それが法体系というものじゃないんですか。逆にこれを全部指図という言葉に直さなかったらおかしくなっちゃうんだ、逆に。どうなんですか、一体。こんなむちゃくちゃな法体系ないですよ。ここのところだけ指図にして、あとは全部指揮できている。どうなんですか。

工藤敦夫内閣法制局長官

○政府委員(工藤敦夫君) お答えいたします。  先ほどからの政府委員の答弁で本質的には私、違いはないことと思います。ただ、私なりに多少整理して申し上げれば、事の本質において違うのかと、こういう意味の角田委員のお尋ねがございました。  ある範囲で従ってもらわなければ困る、こういう意味においてそういう事の本質においては確かにそのとおりだろうと思うんです。ただ、それじゃ従ってもらわなければ困るということの範囲と申しますか、これが今回の法案におきましては、いわば国際的な関係、先ほども多少話が出ておりましたけれども、国際的な主権国家が国際的な関係で出ていくときにそういう形で結ばれる、その範囲で従ってもらわなければ困るという範囲もまた出てくるだろうと思います。  そういうものをいわば国内法的には実施要領というものの中に取り込んで、そこの中で指揮監督という形で法案を構成している、こういうふうに申し上げることがあるいは適当かなと、かように思うわけでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 指図という言葉をわざわざここで使っているわけですよ。  柳井さん、ちょっと質問しますけれども、先ほどあなた、日本が今度初めて外国に出ていくんだと。しかし、同じ形態、例えばNATOとか在韓国連軍というのがありますね。これは例えばNATOだったらばNATOの指揮官が指揮をするわけですよ。不都合があれば懲戒権は各国の軍隊を出しているその国が全部持つわけです。当たり前のことです。在韓の国連軍だってアメリカ軍が指揮権を持っている。しかし、事が何かあったときの懲戒権は全部出した各国が持っているんです。指揮という言葉を使っているわけです。指図なんという言葉を使っているところは一つもないんですよ。外国だってコマンドでしょう。指揮なんですよ。同じことなんですよ。どうですか、法制局長官。  日本の法体系として、このPKOにだけ指図とするのはおかしいじゃないかと僕は言っているんですよ。混乱すると言っているんです、あなた方は。指図という言葉を使わなければ混乱すると言っているんです。私に言わせれば、まさに指揮という言葉を使えば何の私は混乱もないと思うんです。逆に指図という言葉を使ったから変になっちゃったんだ。だから、本当ならば全部国内法は指揮でいいんです。ただ、その指揮がたまたま例えば八条の二項によって中断をするときには指揮権が及ばないとか及ぶとかという議論になればすっきりするんです。それが事の本質なんです、この法律の。私はそう思っているんです。  だからこれを、指図を指揮としたって本質は同じなんだから。ただ、どこまで指揮権が及ぶか、一番重大な武力の行使あるいは中断のときに指揮権はどちらにあるかという、そういう問題になってくる。だから指揮というふうに一貫してやって何ら問題はないはずなんですよ。それをあえて指図という言葉を使わなかったら混乱するなんということで、本質を離れたこういう法技術的なことをやって押し切ってきたわけです、今まで、強行採決までやって。私は、この混乱を避けるため指図という文言を用いた、このところは書き直してもらわなきゃ納得できませんよ。

工藤敦夫内閣法制局長官

○政府委員(工藤敦夫君) お答えいたします。  先ほど申し上げたようなことでございまして、そういう意味で用語の選択をいたしますときに指図という用語を、いわば国際的な関係と国内法の関係とを調整するために用いるのが適当である、かように考えた次第でございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 くどいようですけれども、国内法は一貫して指揮できているわけですよ。本質も同じだと言っているわけです。それで指図という言葉を使わなければ逆に混乱をする、こう言っているんです。  僕は、いわば「国連のいわゆる「コマンド」と法案第八条第二項の「指図」の関係について」という統一見解のうちの二項、ここのところについてもう一度、混乱云々と書いてあるけれども、きょうの議論を踏まえて整理してもらわなければ納得できません。

野村一成外務省大臣官房審議官

○政府委員(野村一成君) お答え申し上げます。  基本的には先生、国連のコマンドというのをどういうふうに理解し、またそれがいろいろ冒頭に引用がございました国内法上の指揮の作用とその違いというのをどういうふうに認識するかということにあろうかと思うんです。  やはり私、この国連のコマンドというのは、これはもう繰り返しになって恐縮でございますけれども、各国から出ております部隊を有機的に結びつけ一体として機能させる、いつどこでどういった業務に従事させるかという、これは各国からいろんな部隊が出てきておるわけでございますので、そういった配置等に関して行う権限であるということでございます。  また、先ほど条約局長の方から本邦初演というふうなことがございましたけれども、基本的に国連のコマンドは長年の慣行から形成されました、派遣国の要員がその国の公務員として行う任務に関して国連が行使するという性格の権限だということでございまして、この今申しました二点におきまして、やはり私、国内法で先生御引用になりました指揮あるいは指揮監督といった、そういった用例のいずれにも該当しない概念である、そういうふうに考えておる次第でございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 ちょっと質問を変えますけれども、質問変えるというのは変な話ですけれども、指揮というのは普通、英語で何と訳しますか、英語にすると何になるんですか。

野村一成外務省大臣官房審議官

○政府委員(野村一成君) 私、必ずしも英語の権威ではございませんけれども、コマンドというふうに訳すのが通例であろうかと思います。  同時に私、申し上げさせていただきたいのでございますけれども、研究社の和英辞典によりますれば、指図というのの英訳例というのがございます。その中に、ちょっと英語で恐縮ですけれども、ディレクジョンズ、インストラクジョンズ、オーダーズ、それからコマンズ、ディクナーションというのがございます。その中にもコマンズという言葉も含められているという点を御指摘させていただきます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 同じじゃないですか。同じですよ、あなた。指揮はコマンド、コマンド・イコール指図、指揮イコール指図、こうなっちゃうんだよ。こんなの数学じゃないけれども、私は数学は余りできないけれども、要するに、事の本質が同じだからどんな言葉を使ったってだめなんだよ、あなた。事の本質が同じだから、これはもうみんなコマンドでいいんですよ。コマンドならコマンド、指揮なら指揮で、指揮でやったってちっとも差し支えないんだよ。それを指図にしなきゃ混乱しちゃうからなんて言うからかえって逆に混乱するんだよ。  だから僕は、この第二項、これをちゃんと精査してください。私どもが納得できるように書き直してください、要求します。

野村一成外務省大臣官房審議官

○政府委員(野村一成君) 私、中身の実体の理解といたしまして、これもまさに外務大臣の冒頭発言にございますように、この法令に使っております指図と、国連のモデル協定にございますコマンドというのが全く同じ意味である、同義であるということを申し上げたわけでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 先ほどから混乱混乱と、混乱を避けるために云々と言っていますけれども、私は本来であれば、いいですか、本来であればこの法律の条文の指図というのは指揮というふうに直すのが正当なんですよ、法体系から言えば。ただ、衆議院で通ってきちゃったから、変な話だけれども、総理大臣じゃないけれどももう政府の方は出たものを修正できないと言うから、用語の問題というのは難しいと思いますけれども、基本的にはそういうことなんです。そうしなければ、むしろ整合性が保てないんですよ、これ。  だから私は、ここに言っている第二項というものをちゃんと整理していただいてもう一遍出してもらわなきゃ納得できません。お願いします。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) この国連のそういう慣行なり文書で使われているUNコマンドというものの性格につきましては、もうくどいぐらいいろいろな方が御説明申し上げたんでもう御説明申しませんけれども、各国がそれでは各国の国内法でそれをどういう表現で受けとめているかと申しますと、あるいは国によってはコマンドという受けとめ方をしている国は、全部調査したわけではございませんのであるいはあるかもしれませんが、私が今例えば手元に持っている幾つかの国の例をとりますと、必ずしもコマンドという表現で受けていない国もあるんですね。  それは、それぞれの国の国内法のとり方で、例えばスウェーデンには国連待機軍に関する法律というのがございますけれども、まさにそこは派遣していく場合に自分の国の要員を国連の、英語で恐縮ですけれども、アット・ザ・ディスポーザル、要するに用に供するという表現になっているんですね。それから、デンマークにもその種の、これは議会の決議でございますが、ありますけれども、やっぱりディスポーザル、用に供すると。ここの意味は、モデル協定の第七項のあそこで言っているUNコマンドの下に入るということをこの国の言葉として受けているという意味では、そういう例はあるわけでございます。  もう一つだけ例を挙げさせていただきますけれども、オーストリアにはやはりこのPKO参加に関する憲法法規がございますけれども、これはドイツ語で、そのコマンド上いう言葉がドイツ語でまさにあるそうですが、この法律はコマンドという言葉で受けているんではございませんで、別な、英語で言うところのインストラクションに当たる言葉で受けているんです。  ですから、そういう意味では、各国のいろんな法的な考え方でコマンドという受け方をしていないからそれはおかしいんだというのは、必ずしもいろんな国の例で見るとそれは当たらない例もあるんではないかというふうに思います。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 デンマークだとかどこの国だとかいろいろ言われていますけれども、私はデンマーク語もわからぬしドイツ語もわからぬけれども、要するに一番大事なことは、本質的なことはこういうことなんですよ。  国連は、言っちゃ悪いけれども、国連はこういうことなんです。全部自分のところに指揮権を持っていなきゃいかぬのです。国連の旗のもとに全部集まってもらわなきゃ困るんです。国連の旗のもとに集まってこそ初めていわば中立性も保たれるんです。統一した組織になって動けるんです。そうでしょう。だからそれは一貫しなきゃいかぬのです。  ところが、日本は日本の憲法があって、新しい見解でも言っていますけれども、いわゆる五原則がある。その中に例えば業務の中断がある、さらには武力の行使がある、そういう問題があって、これが保障されなければ要するに憲法違反になっちゃうから、要するに国連の指揮権を排除したい。ところが、いいですか、ここ大事なんですよ、国連の指揮権を排除したらどういうことになるか。SOPでは何て書いてあるか。SOPはこういうふうに書いてある。要するに、加盟各国は本国の命令を排して、いいですか、ここが大事ですよ、本国の命令を排して要するに国連の命令に従ってもらわなきゃ困る、これがいわばPKOの本質なんです。  いわば各国の主権を、主権のあることははっきりしている、主権のあることははっきりしていますけれども、その統一した指揮に従ってもらわねば、いわばPKOとしては機能しないんです。  じゃ、はっきり申し上げますよ。こう言いましょうか。私がそれを申し上げたのは、間違いなら間違い、正しいなら正しいと言ってください、まず。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 先生、PKOの本質を十分御承知の上で御議論しておられると思いますが、一定の前提条件というものがあって各国が参加していく、これは御承知のとおりです。その前提条件が崩れたときには撤退することもできるというのが原則でございまして、これは例えばスイスが今そういう立法をしておりますけれども、スイスが参加していくに当たって三つの条件を掲げている。  紛争に関与する国の同意が必要だ、それから部隊の活動が中立的であること、三番目は部隊は緊急事態における自己防衛の場合にのみ武器を使用することができる、以上を言った上で、この三つの条件のいずれかが満たされない場合または状況が根本的に変わった場合またはスイスが紛争に巻き込まれる危険が生じた場合には、スイスが自国の部隊を撤退させることができることと、これが原則です。これにのっとって現在スイスの国内で法律が立法過程にありますが、そこのところの条文化したものは次のようになっているんです。  上記の条件が満たされなくなる場合または状況が根本的に変化した場合またはスイスが紛争に巻き込まれる危険がある場合は、スイスの部隊はいかなる時点でも正当性を証明することなくみずからの部隊を撤退することが可能である、こういうふうに言っておるわけです。  もう一例だけ例を挙げさせていただきますけれども、先ほどのオーストリアの憲法法規の第三条というところに次のようにあるわけです。  部隊員は部隊長の指示、この場合は部隊長は日本ですね、日本に当てはめた場合。部隊員は部隊長の指示及びその国際機関の指示に従う義務があ る、つまり、自分の国の隊長に従う義務がある、それから国際機関の指示に従う義務がある、二つの義務があると、こう言っているわけです。その後ですけれども、部隊長の指示と国際機関から直接与えられた指示が相反する場合には当該部隊員は部隊長の指示に従わなければならない、こうあるわけです。「当該部隊員は、国際機関の相反する指示を遅滞なく部隊長に対し連絡しなければならない。」云々とあります。  私がここで申し上げたいのは、コマンドという言葉を指揮とするか指図とするかということによって、中断ができるか撤退できるかということは全然別の話ですと。中断とか撤退というものは、前提条件が崩れた場合にまさに各国がこのように行う法的な仕組みをとっておるわけでございますから、言葉の選択によってそれができたりできなかったりという意味でこの法案で指図という言葉を使ったものではございません。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 あなたは、後でちょっと聞きますけれども、事の本質がちっとも違わなくて、いいですか、指図でも指揮でもいいと今言っているんだよ。今の答弁はそうですよ。指図でも指揮でもいいと言っているんだよ。今度変わったんですか。大事なことですよ、あなた。(「揚げ足だ」と呼ぶ者あり)揚げ足しゃないよ、指図でも指揮でもいいと言っているんだ。また本質論は後で聞きますよ。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 先ほどの条約局長の答弁にもございましたけれども、国内におきます行動はしょせん日本という主権国家の中で日本人が動くときの法体系の処理の問題です。しかし、今ここで問題になっていますのは、主権国家が自分の政府の公務員を送り出していく、そのときに向こうの国連司令官がどういう権限を行使するのかという法体系の処理の問題でございまして、国内法的な観点からの表現と表現が違っても、だからといってそれはおかしいという議論はすぐには私は出てはこないのだろうと思います。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 何言っているんですか、あなた。今あなた図らずも、やはり本質をあなたは知っているんですよ。PKOの本質を知っているから、指揮であれ指図であれそんなことは関係ないんだと今言い出しちゃったんだよ。だから、まさに事の本質においては指揮であれ指図であれ同じだというのは今までの答弁と全然違うんだから、どういうことになっているんてすか、一体これは。混乱しているのは向こうじゃないですか。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 先生、繰り返しになって恐縮ですけれども、その前提が崩れたときに中断あるいは撤退ができるかどうかという問題と、今のこの法案であの七項で言うところのコマンドをどういう表現で受けるかということとは関係のない問題だということをぜひ先生御理解いただきたいと思います。  今御紹介申し上げましたとおり、いろいろな国の例について見ても、それは他国の法律ですから最終的な見解は表明できませんけれども、そういう国はやはり前提条件が崩れたときには撤退なりそういったことをする権限というか、そういうものを留保しながら参加していっているという、たった二つの例を挙げましたけれども、ほかにも調べれば例があるんだろうと思いますが、その点ぜひ御理解いただきたいというふうに考えます。  それから、先ほどの先生の御質問の中で、SOPにもございますけれども、PKOの国際的な性質ということでSOPを引用されました。これは、SOPを引用されるまでもなく、この派遣のモデル取り決めの第九項に、  PKOの機能はもっぱら国際的なものであり、参加国によって利用に供される人員は、国際連合の利益のみを念頭に置いて自らの行動を規制する。それらの者は、本国の行政事項に関する場合を除くほか、その任務の遂行に当たって国際連合外のいかなる他の当局からも指示を求め、または受けてはならず、また、参加国政府もそのような指示をそれらの者に対して与えてはならない。という規定があるわけですが、このことの意味は、先ほど先生自身もおっしゃったと思いますが、国連の司令官から見て、各国が参加をしてきてばらばらな行動をされてはたまらないと、したがってそういう行動にならないことを確保するためにこういう規定を置いておるわけです。この点につきましては衆議院の段階でもあるいは当院でも御説明申し上げましたけれども、実施要領の作成の過程で国連の司令官のコマンドに合わせるために随時それを変えていく、それに必要な連絡ということ、あるいは本国から持ってきた実施要領に従って国連の司令官の命令が実施されるようなこと、こういうことがこの九項によって排除されるとは私たち考えておらないということをあわせて御説明させていただきたいと思います。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 退去とか撤収とかというようなことは、それはどこの国でもやるんですよ、ちゃんと国連との理解の上で。しかし、このいわば業務の中断というのはまさに混乱に陥ったようなときにみずからの権限で引くということでしょう、はっきり申し上げれば。引くということだと思うんですね。そういうことを例えば今度の法律ではっきり書いてあるわけですから、そのみずからのいわゆる日本の判断において引くということ、そのことが、要するにSOPで書いてある基本原則、いわば各国は所属政府の命令を排除して、そして国連の命令だけ従ってもらわなきゃならぬという大原則、まずこの大原則をあなたは基本的に認めるのか認めないのか、これは大臣がいいと思います。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 先生のおっしゃるまさにPKOの基本的な前提条件が続いているときに勝手に中断するということは認められないというふうに考えます。その点では、その原則についてはそういうことだと思います。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 前提が壊れたときが一番大事なんだ、問題は。例えば普通の監視業務がやられている、巡回をやっている、こんなときに勝手に中断させたら認めるはずないですよ。  問題は、混乱が始まる、日本の部隊もおる、各国の部隊もおる、崩れて現場が混乱する、発砲もある。そのときに日本の、(「発砲なんてないよ」と呼ぶ者あり)相手側ですよ。相手が発砲するんだ、こっちが発砲するんじゃない。相手が発砲したときに日本のいわば自衛隊だけがその現場から業務の中断でございますから引き掲げさせてもらいますと、大混乱の中で。国連の方はもうちょっと頑張ってくれ、もうちょっととどまってくれというときに出る。そのことがまず認められるのか、そんなことでそれを認めて例えばPKOというものが成り立つんですか。  いわば日本の軍隊だけがそういうことを許される、すなわち全言った国連の原則を日本だけが排除するんです、この場合。そういうことが果たして許されるのかと、こういうことなんですよ。それでPKOが成り立つのかとこう言うんです。PKOが成り立つのかと、こういうことなんです。これは軍隊の常識ですよ。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 昨年の九月だったと思いますけれども、現在国連でこのPKOを担当しております事務次長はグールディンクといいますが、その前任者はアークハートという人物で、昨年の九月に日本に来ましたときに日本の某主要紙とインタビューをして、その中で、PKOの活動の中で撤退は日常茶飯事である、こういうことを言っているわけです。それから、先般、当院のこの部屋で参考人として意見を述べられた明石さんも、PKOのユニットは武力行使を目的としたものではない、PKOが武力を行使すればそれは紛争当事者になってしまい、行使しないことによって一段高い立場に立てると自分たちは考えておる、こういうことです。  したがいまして、停戦とか同意とかそういう前提条件の中で出かけていって、紛争当事者が組織的に停戦を破り、要するに紛争になるときにはPKOの前提は崩れるわけですから、各国の過去の例を見ましてもそういうときにはあるいは中断し身を避けるという例があるわけでございます。  したがいまして、決してここで考えている、先 ほどスイスの例も挙げましたけれども、私たちの基本的な法案の枠組みが国際的に見て通用しないものであるというふうには考えておらない次第でございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 こういうことなんですよ。あなたは全部百も承知の上で言っているんだ。今言ったように、例えば現場で撤退する。その現場で撤退をするのは、それは国連の司令官があるいは事前にそういう場合には撤退をしてもいいという了解があるから撤退できるんだ。それはあくまでも、いいですか、あくまでも指揮権は国連事務総長のもとにある司令官が持っているんですよ。司令官が持っておって、そして日本なら日本、ニュージーランドならニュージーランドが出るときは、まさにその国連の司令官が持っておる権限が委任をされておるから出るんであって、日本独自の判断で勝手に出られたんでは、これは成り立たないんです。  だから、私が言うのは、法体系として私が言っている方が妥当だと思うんだ。あなたは事実だけ言っているんだ、事実だけ。出たことがあります、じゃ出たことがあるのなら、それはそれについて国連の総長のもとにある現地司令官からの受任があってやられたのかやられてないのか、その国が自分の判断でやったのかどうか、それだけ答えてください。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 私、事実を申し上げましたのは、国連のPKOは先生に申し上げるまでもなく事実の積み重ねでできておる活動だから、まさに過去の事実というものの重みということを念頭に置いて今申し上げたわけでございます。  当院でも御説明申し上げたことがございますけれども、過去のPKOの歴史をずっと見ていって、各国全部に聞いたわけではございませんけれども、前提が崩れた場合にどういう行動を関係国がしたのか、網羅的ではありませんが私たち調べてみました。  例えば一九七四年のサイプラスで、御承知のとおりクーデターが起こって、トルコの軍隊が北からサイプラスに攻め込んできたことは御承知のとおりです。このときに、例えばオーストリアの部隊はトルコ軍に対して口頭で移動の停止を申し入れたけれども、任務を中断したということをはっきり言っているわけです。それから、デンマークの部隊は何らの措置をとることなくニコシアの本部に撤退した。これはみずからの判断で行ったということ宣言っておるわけです。  したがいまして、まさにそういう例があるわけでございますから、前提条件が崩れた場合に各国が身を引くということは決して例のないことではございませんということをぜひ御理解いただきたいと思います。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 例は幾らでもあるに違いないと言うんです、私は。現場が混乱をすればそれは退去することもあるだろう、いわば俗に言う中断することもあるだろうと言うんです。  だけれども、私が申し上げているのは、その場合でもそれは国連事務総長の委任を受けたいわば軍司令官が、そういう場合には退去してもいいですよ、中断してもいいですよと包括的ないわば権限を与えておるのではないか、その中でやっておるのではないか、こう言っているんですよ。日本独自で、そんな包括的なものは受けないで日本独自の判断でやりますよといったことになったら、それはPKFにしても統一体が保てないでしょう、そのことを言っているんです。どうなんですか。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 私、PKO、PKFの前提条件が丸々そっくりあるときに各国はそういう行動はしないと思います。  申し上げた例は、前提条件が崩れたときには、各国はPKOの前提が崩れているわけですから、それなりの判断で身を引いたり通告して撤退してきたり、そういう行動が行われておるという事実を申し上げたわけでございます。あくまでも前提条件が崩れたときのことでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 私はこういうことを聞いているんですよ。よく冷静に聞いてください。  事実は幾らでもあるだろうと言うんだ、結構だと言うんだよ、当然だと言うんだ。私が申し上げたいのは、前提条件が崩れて混乱状態になった、そのときに撤退することは事実としては幾らでもあると言っているんです。判断でやるんでしょう。しかし、その判断は、統括された国連の司令官の事前の授権、その授権のもと。あくまでもその国連の指揮官が権限を持っていますよ、しかし現場で一々それはできないだろうからあらかじめ権限を与えておきますよ、そういう法体系、法システムのもとで事実上出ていったというだけの話である。  私が言っているのは、そこのところの法体系は一体どうなっているんだ。事実は事実でいい、幾らでもある、そんなことは幾らでもある。幾らでもあるんだけれども、法のシステムとしてはどうなっておるんだ、こう聞いているんですよ。質問の意味わからないのかな。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 先生の御質問は冷静に受けとめているつもりでございますけれども、過去の慣行の積み上げによってPKOなりPKFができてきておりますので、今先生がおっしゃる法体系上どうなっているかというのに対してぴしゃっと答えられる人間は恐らくいないんだろうと思うんです。  私は、場合によっては司令官との密接な連絡協議の上で行動をとる国もあるでしょうし、とっさの行動ですから、そのときとっさに身を引く国もあるだろうという、それが恐らく一番正しい答えじゃないかというふうに考えます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 慣行も法体系なんですよ、規範なんですよ、はっきり申し上げて。慣行もそうなんです。慣行を積み上げてきてできたのがPKOだというのは、だれもそんなことわかっているの。いいですか、そのPKOができた経過、それははっきり言って血と涙でできてきた一つの体系なんですよ。その中の一つの大きな知恵として、国連の指揮のもとに置かにゃならぬ、国連の旗のもとに統一して置かなきゃいかぬ、これが大原則なんです。だからこそ各国のいわば命令というものが排除されているんです。そうでなきゃ、ばらばらにやられたんではどうにもならないから。それはだれでも認めるわけでしょう。  だから私が言っているのは、退去する場合もあくまでもそれは国連の事務総長の指揮のもとにある軍司令官のいわば一つの権限のもとにやられるんでしょうと、こう言っているんです。これは、こんなものがなくて自分の国だけの判断でやれるということにならないんでしょう、こういうことなんですよ。自分の国の判断でやるのも、それは上からの授権のもとでやる。そのことをちっとも答えてない。  もうだめだ、これは。こんなことでは答えにならない。質問によく答えてください。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) どうも私の表現力が劣っていて申しわけありませんけれども、通常の前提が存在している場合に各国がばらばらにやられちゃPKOなりPKFができない、この点は私一〇〇%先生に賛成です。全く異論はありません。  私が議論をしておりますのは、前提が崩れた場合、一九七四年のサイプラス、先生御承知だと思うんですが、トルコが北からわっと攻めてきてもう停戦も何も全部ぶっ飛んじゃった、そういうときはまさに前提が崩れていて、入っていけば戦わざるを得ないわけですから、戦えばPKOじゃなくなるわけですから各国がそのときに身を引く、それについて国連として困るということをそういう行動をとった国に対して言ったという話は聞いたことはございません。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 だめだ、全然答弁になってない。答弁になってない、こんなもの。答弁になっていません。事実だけ言っているんだもの。

下条進一郎自由民主党

○委員長(下条進一郎君) 速記をとめて。    〔午後三時三十九分速記中止〕    〔午後三時五十一分速記開始〕

下条進一郎自由民主党

○委員長(下条進一郎君) 速記を起こして。  ただいまの角田君の質疑に対し、さらに丹波局 長から事実を明らかにして、法文上の問題、指揮の問題等々説明をさらに明らかにしていただきたいと思います。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 国連は、昨年の五月に国連と派遣国との間の派遣に当たってのモデル協定案というものを出しております。このモデル協定案の意味は、派遣国がPKOに参加する場合に国連とこのような協定をつくってはどうですかというひな形の協定です。  これほど詳しい協定を今まで結んだ国はありませんけれども、この協定の中に盛られておりますことは、PKOの過去四十四年間の歴史の中から積み上がってきた、先生も先ほどおっしゃった慣行というものも含めて、ここに全部PKOの設立の仕方、それからどういう装備を持っていくかというところから始まりまして、権限、装備、それからどういう標章をつけるかといったようなことが全部書いてある、それから撤収の問題についても書いてあるわけでございます。その場合に、今ここで問題になっておりますのは第七項、国連のコマンドの問題、それから第八項、派遣されていった者の懲戒処分の権限をどっちが持っているかというような問題、それから先ほど先生が問題提起された第九項、本国から指示を求めてはならぬ、そういう趣旨のことが全部書かれてあるわけです。  一番重要なことは、これらの問題はPKOが成立する前提、停戦が合意されている、紛争当事者がPKOが来ることに同意しておる、PKOにどういう国が参加するかということについても合意しておる、それからPKOが中立的に活動する、そういう基本的な諸原則が崩れていない状況のときのことを言っておるわけでして、過去の慣行を関係各国に当たって調べてみますと、そういう前提が崩れた場合に一時的に身を避ける、あるいは、あるいはといいますか、身を避けて時間が一定時間経過した場合に、モデル協定の第二十六項のところでどういう場合に派遣国は撤退することができるかという規定がございまして、事務総長に対して適切な事前の通告を行って撤収できると書いてありますが、そういう撤収の仕方もある。その撤収の前の中断というのは、先ほど申し上げたような例でもおわかりいただけますとおり、例えば停戦というものの条件が完全に崩れた場合、各国がそういう中断した例もございます。  したがいまして、私どもとしては、繰り返しになりますが、前提条件が存在しているときに各国が勝手に判断をして行動する、これではPKO活動が成り立たぬという点は、先ほど先生にも申し上げたとおり、一〇〇%先生と全く意見を同じゅうしております。しかしながら、前提条件が崩れたときに、そこにのめり込んでいくと紛争をやらなくちゃいかぬ。それはPKOでなくなるわけですから、それは時間があって、国連の司令官と連絡調整して身を避けるということができれば、それは結構だと思うんです。  しかし、そういう時間もない場合に、瞬間的に日本から出ていった者が隊としてわっと身を引く、それは過去の慣行と申しますか、国に当たって調べてみますと、それはやっておる。したがいまして、日本の現在の法の枠組みの中にそういうときのことも書いておいてもおかしくない。国によってはあるいはそういうことを法律の仕組みとして持っていない国はあるかもしれませんが、しかしそれは主権国家としての行動ですから、そういう前提が崩れた場合にはできるんだろうと思うんです。  以上のことを申し上げたかったわけですが、私の頭の整理がついておらないために先生に御理解いただかなかったわけですが、以上で御理解いただけた、こういうふうに考えます。よろしくお願いいたします。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 質問に対する答弁はさっきの答弁と本質的にちっとも変わっていないんです。私が聞いたのはこういうことなんですよ。  前提条件が崩れないときに勝手に退去するなんということは、それは許されるはずはないんですよ。そんなことはわかっているんです。当たり前の話なんです。  問題は、いいですか、何回人に言わせる、そんなことを。問題は、大混乱に陥ったときに事実上それは出ることもあるだろうというのは、そんなことは幾らでもあるというんですよ。しかし、退去するということは、まさに事務総長のもとにあるいわばコマンダーだ、はっきり言えば。コマンダーの授権の中でそういうときはやってよろしいんですよという、授権の範囲内でやられていることなんだろうと僕は言っているんだよ。その仕組みを聞いているんです。  全然それがなくて、日本だけの判断でそういうときも引き揚げることはできないのではないか。それをもしもあらかじめ全部認めておいたらえらいことになるでしょう、それがいうところのPKOの本質でしょうと、こういうことなんですよ。そこを答えていないじゃないか、全然。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 先生、派遣国が派遣していく場合の国連との取り決めということで衆議院でも当院でも随分議論になってきたんですが、各国の例を調べますと、本当にあれほど詳細な取り決めというのはないんですね。本当に口上書が二、三枚程度と承知しております。どういったぐいの人間がいつからいつまで何人行くという非常に簡単なものです。  したがいまして、先生が今、仕組みということをおっしゃって、私はその点についても先ほどお答え申し上げたつもりですが、国連憲章の第何章第何条に次のとおり書いてあるという趣旨の仕組みというものは、そういう意味ではないんです。それは国によっては事前に国連と話している国はあるかもしれません、私、承知しておりませんけれども。しかしながら、基本的にはそうではなくて、各国の隊長が、時間があれば、そのとき時間的に余裕があれば国連の司令官と十分協議調整するでしょうが、時間がない場合、しかも客観的に前提条件がやっぱり崩れちゃっている、七四年のときのようにトルコがサイプラスに飛行機でわあっと攻めてきた、これはだれが見ても、ああ停戦は崩れたなという状況のときに各国が行動しておると、そういうわけです。  そういう意味で、そういうことが起こったときの法的な仕組みというものがあらかじめからっと存在しているのかと言われれば、恐らく答えはノーなんだろうと思うんです。過去の慣行で、そういう前提が崩れた場合に各国が、申し上げたような行動をしておるということでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 全然、問題の何というのかな、御理解をいただいていないのかという気がするんだな、僕は。  要するに、もう一遍言いますと、このSOPの序論の中で「平和維持の特徴」ということが書いてあって、a、b、c、dと書いてあって、読んでみましょうか。   その活動は、そのすべての側面について安保  理に責任を負う事務総長の指揮の下に置かれ  る。加盟国政府によって派遣された軍事要員  は、作戦(活動)事項については事務総長の指  揮のもとに置かれるが、給与と規律の事項につ  いては各国の指揮の下にとどまる。平和維持活  動の軍事要員が、作戦(活動)事項に関しては  彼らの国の当局者からは命令を受けず、事務総  長から命令を受け取る国連の司令官からのみ  「命令」を受けるということは、平和維持の基  本原則である。この指揮系統が尊重されない場  合は、作戦(活動)上、政治上の深刻な困難を  もたらしかねない。これは中心的な重要性を持  つもう一つの原則である。こうはっきり言っているわけですよ。  だから、そのもとで私が言っているのは、これはまさにこの原則というのは、長年の国連の血と汗の結晶でできてきたPKOがつくり上げた原則なんです。大原則なんです。それをPKOをやっておも国連は外すことができないんですよ、この大原則は。これを外しちゃったらPKOじゃないんだから、各国がばらばらにやっちゃったら。だから、どうしても整合性を持たせなきゃならぬです。混乱したときにも整合性を持たせなければい けないんです。そこを日本だけがその整合性から外れてやるということはできないでしょうと言うんです、私は。  だから、事実上撤退することは幾らでもあるんだけれども、それは今言ったような国連事務総長のもとにある軍司令官の事前の了解なり授権があってやれていることではないんですかと、こう言っているんですよ。そのことについて何にも答えないじゃないか。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 先生、申しわけありませんけれども、先ほどから私は先生の御質問を正確に理解したつもりで何度もお答え申し上げておるつもりでございます。  先生が今読み上げられたこのSOPの箇所は、実は先ほど私が申し上げたこの派遣取り決めの七項、八項、九項にほとんどそのまま入ってきておることでございまして、日本政府といたしまして、PKOに参加するに当たってこの七項、八項、九項の考え方には何らの異論も持っていないということを従来から累次申し上げてきておるとおりでございます。しかしながら、前提条件が崩れたときには、これはPKOの前提が崩れるわけですから、そのときにはそのコマンドを受ける必要はないということについては、先ほども申し上げたとおり、決して日本だけの考え方ではございません。  先ほど申し上げたようなスイスはまさに、しかもスイスが考えているのはスイス的な原則じゃないということまで言っているんです。これはその国連平和維持活動とは不可分の一体をなす考え方だ、まさに前提条件が崩れて紛争に巻き込まれそうになったら帰ってこれるんだ、中断をできるんだということを言っているんですね。  それから、先ほど読み上げましたけれども、このオーストリアの憲法法規も、その部隊長の指示、それから国連コマンドの指示、二つに従わなければならない、しかしもし食い違った場合には部隊長の指示に従いなさいというのがこのオーストリアの法律で、オースートリアは十何年間国連のPKOに参加してきているんですね。  ですから、そういう意味ではそういうものは存在しているわけです。ぜひ御理解いただきたいというふうに思います。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 私はまだ理解できないんです。  例えば、これは最近レバノンでありましたね、イスラエルがいわば停戦ラインを突破して大軍を出してきた。気の毒にネパールの隊員がけがをされるというようなことが現実に起きております。これは事実です。そのときに国連のいわば軍司令官は何と言ったか。すぐ撤収しろとは言わなかったんです。バリケードを築いて頑張れと言ったんです。頑張ってくれ、バリケードをつくってみんな自動小銃を持って頑張れと言ったんです。それはまさに軍司令官の一つの命令ですよ。  そのとき日本は、進んできたからその前にまさに日本だけが引き揚げるというようなことができれば、やっちまえば、それは国連としては大変なことになるんじゃないですか。ここですよ、あなた、問題は。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 同じイスラエルの南レバノン侵攻の事件ですけれども、典型的には八二年六月に起こったときのフィジー、それからアイルランド、ネパールの対応を調べてみました。  例えばアイルランドはあのときは、先生御承知のとおり、八二年六月ですが、イスラエル軍が事前通告をした上でUNIFLのPKO地帯にわっと攻め込んできたわけですが、そのアイルランドの大隊は圧倒的に優勢なイスラエル軍との衝突を避けるため陣地から撤収、英語でステップバックという表現を使っていますけれども、撤収したと。それでアイルランド側としては何らの対抗行動もとらなかったということを言っているわけです。  それからネパールにつきましては、ネパールの派遣部隊の対応は、武器を使用することなく侵入者を阻止するための措置をとった。具体的には、侵入者の進路であった橋の上にネパール派遣部隊は寝そべり侵入者を阻止する行動に出た。しかし、その侵入者が通っていったのに対して、結局何も抵抗せず行動を中止し撤退したというふうになっておるわけです。  先般、先生が今挙げられた例につきましても調べてみましたけれども、UNIFIL側からイスラエルに対して武器の使用をするという行動は全くとっていないわけでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 それも、いいですか、私は何でこの問題にこんなにこだわるかというんです。何でこの問題にこんなにこだわるかというのは、いわば基本五原則というのがあって、その中で中断と武器の使用ということが最大の問題になっていると私は理解しているんです。ほかの一、二、三の前提条件はそれは当たり前のことを言っているんです。要するに四の業務の中断とそしていわば武力行使、この問題が非常に大きな、日本の憲法との関係で最大の課題だろう。そうすると、いわば指揮権との関係で私が先ほどから言っているのは、国連の指揮権との問題で提起をしておるわけです。それについてまともに答えていないんです。  もう一つだけ私はこの例を挙げます。武力の行使について同じような問題があるから、一つ私は質問したいと思う。これは防衛庁長官にもうんと関係があると思うんです。いいですか。  日本のこのPKOの法案では、御案内のとおり、部隊としては一切武力の行使なりできない、こうなっているんですね。個々人の判断でやるんですと、こうなっているんですね。そうですな。それはいいです、こっくりしてもらったから。  ところで、現場では混成部隊ですよ。日本だけが行っているところもあるでしょうし、ほかの国もいっぱい行っているときもある。そのときに例えば混乱状態が起きた。ほかの軍隊は命令に従って発砲せざるを得ない。発砲を認めているんですから、国連は。PKOだって絶対武力を使っちゃいけないとは書いてないんだから。PKOはもうちゃんと手引書の中には武力の行使というのは認めているわけです。ただ、日本は認めてないというから、ほかの軍隊が全部始まっても日本だけはじっとしていなきゃならないわけだ、変な話だけれども。そうなんだ。法の建前はそうなんだ。  それで仮に、逆に今度は自分の身体が危なくなったというときに、ほかの軍隊は自分の身体がまだ危なくないという判断をして動かなかった。しかし、日本の隊員は自分の身体が危ないと思って発砲する。許されるんだから、これ。自分の身体が危なきゃできると書いてあるんだから、この法律にちゃんと。そうしますと、同じ部隊が並んでおって、日本の部隊だけはいわば五原則がありますから、よろしいか、五原則がありますから自分の身体だけ守るために撃ちますよ。ほかは全然撃っていないんです。じっとしていますよ。しかし、判断は自分たちが勝手にやりますと、そうなったときに、いいですか、そうなったときに一体どういうことが起きるのか。まさに統一したいわば国連のPKFとしての機能が果たせなくなるでしょう。そういう場合、どう考えますか。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(宮下創平君) 先ほど来いろいろ議論を指揮権との関係でお伺いしておりますが、一つだけちょっと、国連の司令官が了解しないだろうと、撤収は。あるいは国連……

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 武器の使用だけ。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(宮下創平君) 武器の使用だけ、それがちょっと関係するんですけれども、申し上げさせていただきますと、基本的にはやはり国連局長が言っておりますように、この武器使用、中断と撤収ですね、これも国連と事前の協議があるんです。これが認められなければ、我が国は我が国の法制と整合しませんから派遣はしないわけですね。  したがって、我が国の法制としては、中断事由に該当する場合は中断をし、撤収も要件としていたしますよということを国連と話し合うわけですから、それは現地の国連の司令官も、国連の司令官といった場合は五人や十人の司令官じゃありま せん、これは恐らくヘッドクオーターの司令官でしょう。これはやはり国連と我が国との意思の疎通を十分了解の上で司令官として行動されると思いますから、我が国の法制を十分理解していただかないと我が国はこれは派遣できません。そういう点で、この二点はやはり国連との関係が非常にございます。  武器使用につきましては、たびたび本院でも説明申し上げておりますように、国連のSOPの方でいきますと任務遂行上の場合とそれから自己の生命、身体を守るためと、この二つの場合の武器使用を認めておりますが、前者は我が国としては法制上これは認めておりません。したがいまして、今先生の御指摘のように、我が国の武器使用というのはあくまでも個人の自衛官が生命、身体の危険、危害があると判断した場合に武器の使用を認めておるわけです。そして、人を殺傷するような場合は刑法の三十六条、三十七条に該当するというような場合を想定いたしておりまして、あくまでこの方針でやることが法定されているわけですね。  一方、今委員が想定されました、外国の軍隊は撃ちもしないのに我が国の方だけやられて撃つことがあるかというような何か御質問ございましたけれども、私は実際はそういうことは想定できないと思うんです。外国の軍隊が撃たないということは、外国の軍隊が安全性が確保されているからです。たまたま、地形条件その他によりましょうけれども、我が国の自衛隊がいたところが非常に危険で生命、身体に恐れを感じたときにその護衛上発砲が許されるわけでありますので、外国の軍隊が発砲しないで我が国だけ発砲するということは決してありません、条件が同じであれば。しかし条件は、私はそういう場合は異なると思います。そんなことを今感じましたので答弁をさせていただいたわけであります。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 現場というのは、これはもう戦争へ行った人であればようわかるだろうと思いますし、我々だってそれなりの理解はできると思うんです、長官ね。今長官がおっしゃっているのは一つの例でありますけれども、日本なりずっと軍隊が並んでおる、その状況の判断というのは必ずしも全部が一致しているわけじゃないでしょう、それは。ばらばらなことはあるわけですよ。当然それは考えなきゃならない、ばらばらなことがあり得るということは。今長官が言ったように、全部状況判断が同じだというのは一つのフィクションにすぎない。状況判断はそれぞれの部隊がいろいろ考えているだろうと思うんです。  ところが、日本の部隊というのは部隊として武力を行使してはならぬということになっていますからな、そうでしょう、できないんでしょう。あくまでも個人の判断でやらなきゃならぬ。そうすると、同じたまたま並んでおって日本の軍隊だけが、今言ったように軍隊の個々人がこれは危ない、おれはやられそうと言って、先走って撃つということだってそれは絶対ないと言い切れますか。そんなことはないんですよ。やっぱりあり得るんですよ。絶対ないなんということはあり得ないんですよ。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(宮下創平君) 今、御想定は、私は、逆の場合はあるかもしれませんが、先生の今御指摘のような場合はあり得ないと思うんですよ。外国の軍隊は大体同じ状況で発砲しない、我が国だけが発砲するという状況なあり得ないんで、外国の軍隊は場合によると、任務遂行上武器使用も認められておれば、それは武器使用をすることはありましょう。そのときでも、我が国はこれは武器使用しちゃいけないわけですから、むしろその場合は逃避するなり撤収するなりをするということのケースはあると思いますよ。しかし逆の場合、つまり大体同じ条件の場合に我が国の自衛隊の方が発砲して外国軍隊が発砲しないということはまず一〇〇%考えられませんね。そんな感じがいたします。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 私がこれは一つの例を挙げているんで、要はこういうことなんです、言いたいのは。今私が申し上げているのは、日本のこの制度ですな、法律制度、これは要するに憲法第九条、武力行使、これはやれない、憲法上やれない。しかも、この法案でも武力行使はでさないと書いてある。その保障ですよ、はっきり申し上げて、制度的な保障。さっき言った中断もこれは制度的な保障を絡めて私は言っているわけ。いいですか。武力の行使あるいは中断の憲法上の制約があるから、これはどうしても認めてもらわなければならぬということになるんでしょうと言うんだよ。一番大事なことは、憲法を守らにゃならぬということになれば、その憲法上の保障というのはどういうふうにこの制度的な担保としてあるんですかということなんです。これはうんと大事なことだと思うんです、私は。これが一番この基本なんです。  しかも、いいですか、国連は、いわばガイドラインによって命令は一切、さっき言ったように、原則として排除して従わなきゃならぬという大原則があるわけだ。ところが、こっちは憲法で全部それに従ったらこれはえらいことになるわけでしょうから、その憲法と要するにSOPとの整合性の問題、これは最大の問題なんであって、そこのところの制度的な保障というのはどういうふうにだれが担保するんですかと、ということなんですよ。これが一番だ。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(宮下創平君) まさに、今御審議をいただいておりますこの法案によりまして、いわゆる五原則、特に強調されました二原則について法案でこのギャランティーを求めております。そして同時に、これが我が国のひとりよがりであってはならないわけでございまして、これは国連との話し合いの中で、先ほど申しましたように、何らかの意思疎通を図る必要があるということは、これは外務省の方からもしばしは答弁がございます。そしてこの法案を作成する前に、我が国として武器使用は任務遂行の場合はいたしませんよということも国連が理解をしていただいておる。それから武器使用につきましても、厳格な自衛隊員の判断で生命、身体が脅かされるときにのみ武器使用をいたしますよということも国連が話をして理解してあるという答弁が、これは本院でもあったかと存じますが、衆議院ではしばしばこれが答弁されていることでございます。  したがいまして、我が国と国際連合、国連との間で行くか行かないかを決めるわけでございます。これは義務的なものではありません。我が国の主体的な判断が入りますから、そのような条件が満たされない場合は内閣としては派遣しないだろうと、こう私は思うんです。したがって、この法制に基づいて、我が国の枠組みとしてはPKO出しますからこれでよろしいですねということをきちっと念を押して、国際連合との間で意思疎通を明確にした上でこの法律に従って我々が執行していく、こういうことであろうかと存じます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 長官、二つの問題、分けてあれしましょうや。要するに、日本の国内の法律はそれは当然のことなんですよ、憲法を破るわけにいかないんだから。問題は、この日本のいわば法律、憲法を守らなければならぬ立場でいろいろな五原則をつくった。それは当たり前でしょう、ある意味では日本の国内なんですから。それを絶対に国連が受け入れなきゃならぬという、私が言っているのは保障は一体どこにあるのか、日本のこの法律を認める保障はどこにあるのかと、こう言っているんですよ。これが一番大事じゃないですか。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(宮下創平君) これはまさに、そのことが満たされなければ我が国として参加はしないという、この法制になっておることが何よりの保障措置でございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 そうすると、一番大事なことは、指揮権の問題について先ほど例えば防衛庁長官は、この五項目についてニューヨークで、あれは事務次長ですか、相談されているということは私もちゃんとわかっていますよ。しかし、その相談の中身が、例えば今私が申し上げました指揮権との絡みの中で今言ったような中断を、こういう場合には中断させてください、指揮権は日本が保留 しますよとか、あるいは武器の使用についてこういう日本の原則でございますから、同じ並んでおりましても、命令がありましても日本だけは武器は使用できませんよ、いいですか、できませんよと、指揮権には服しませんよ、その指揮権との絡みの中で、指揮権ともちゃんと絡んで指揮権はあくまで日本が持っているんですよ、そういうものについても、業務の中断についてもあるいは武器の使用についても指揮権は、広い意味の指揮権は日本にあるんですよと。このことを前提にしていわば談判が行われたのかどうかということについては、今までだれも答えていないんですよ。だれも答えていないんですよ、これは。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 今の先生の御質問に直接お答えする前に、先ほど私、このアークハート、前の事務次長でPKO担当ですけれども、去年の九月十日に朝日新聞とインタビューしておりますけれども、「「日本だけ撤収できるか」とよく聞かれるが、大きな誤解がある。PKOで撤収は日常茶飯事だ。平和維持軍は自主的な参加が本質で、義務ではない。撤収しても、だれも後ろ指をささない。」と。「維持軍は非暴力、非強制の「敵なき兵士」だからこそ、偉大な力を発揮する。」、「戦う平和維持軍は、決して役に立たない。」ということを言っています。  それから、その同じアークハート氏がことしの二月十日のバートという雑誌でございましょうか、そこのインタビューで、「強調しておきたいのは、国連の平和維持活動はあくまでも非暴力の軍事活動であるということだ。」「PKFの撤退に関しても、いつでもそれぞれの政府の意向によって決定することができる。」、「平和維持という理論について、真の理解がなされれば、日本国民が日本のPKO参加に反対する理由は何もないと私は考えている。」という説明をいたしておる次第でございます。  今の先生の御質問でございますけれども、これは衆参両院に資料としても御配付申し上げておりますけれども、昨年の八月に国連局の幹部が国連に参りましてその五原則を説明したときに、第四原則につきましても、この第一原則から第三原則が満たされない状況が生じる場合というのはPKOがその活動を継続する基本的な前提が崩れた場合であり、このような場合、国連の司令官とも連絡をとりつつ、状況によっては一時他に移動するといったような事態も考えており、さらに第一原則から第三原則が満たされない状況が短期間に回復されないような場合には、日本の部隊が第四原則に従って撤収することも可能であるという、そういう認識を説明したのに対しまして、グールディンク次長から、日本政府の方針として基本的前提が崩れたことを理由に撤収を決定する権利は当然有するということを言ったわけです。  また、当方から、日本としてはPKOに参加するに際して過去のPKOの経験を通じて確立した通常の慣行に反するような形で行動することは意図していない、さらにPKOについて確立している国連のコマンドに置かれる旨述べたのに対して、先方は、日本側がそのことを確認してくれるのであれば問題はないという、そういう説明をいたしておる次第でございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 答えていないんです。一番大事なことをこれは答えていない。一般論としてはその程度の話は出るに決まっているんですよ、それは。当たり前の話なんだ、私に言わせれば。否定する何物もないんだから、向こうは。  私が申し上げているのは、要するに一番大事な指揮権の問題です、はっきり申し上げて。指揮権は、いわば国連の手引書によればあくまでも、先ほどもくどいようだけれども何回も私読んでいるんだけれども、全部各国政府の命令を排除して、排除して、そしていわば国連事務総長のもとにある軍司令官の命令に従ってください、これがずっと一貫したPKOの慣行ですよ。そうなりますと、指揮権との関係で今言った武力の行使の問題、あるいは業務の中断の問題、日本は指揮権をあくまでもその前に持つんですよ、国連には移譲できないんです、渡せないんですというふうに言ってきたのかどうなのか。  事実上の問題として、私は今言った八月十幾日の文書はよく読んだ。しかしその中に指揮権のシの字もない。指揮権のシの字もないんです、何回読んでも。だから今言ったように、その指揮権の問題で国連との間で、いわばはっきり言えば、長年つくられた慣行について、これは国連の指揮権をその場合に排除するわけですから、これは大変なことだと私は思っているんですよ。そういうことを含めて了解を得ているのか、それが問題になると思うんです。  そこのところについては委員長、彼はこれだけ私が質問していても今言った大事な問題について何も答えていないんです。指揮権の問題はどうなんだと聞いているんですよ、僕は。指揮権の問題含めて国連との間でちゃんと談判やっているのか、保証はとっているのか、これが私の質問の最大のポイントなんだから。それを言わないで一般論だけ、協定した、そんなことはわかっているんですよ。そんな協定というか、話し合いの経過見たらわかっているんです。しかし、指揮権のシの字もないから、あの文書の中には。指揮権はどうなっているんですか、指揮権の問題についてどうなっているんですか、こういう質問をしているんです。

下条進一郎自由民主党

○委員長(下条進一郎君) 今のお話は、もう一回説明してわかるようにやっていただきたいんですが、要するに国連の指揮権の問題と、それから撤退するときの指揮権の解釈、それとその保障はどうなっているかという点に絞られると思いますから、その点をもう一回詳しく説明してください。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 先生が引用になられたSOPの関係の規定も、この派遣モデル協定の第七項も、派遣協定の第七項につきましては、国連の事務総長は、この場合軍司令官ですが、国連のPKO司令官ですが、配置、組織、行動及び指令について完全な権限を有しておると、この点は日本としても何ら異論はないということは何度も申し上げておるとおりでございまして、この派遣モデル協定は昨年の五月にできておるわけです。  グールディンクとの会談でも、当然双方はこの規定というものが頭にありまして、私たちとしてはその前提条件が崩れていないときのことは議論はしておりませんで、それはもうこの協定上当然でございますから。前提が崩れたときのことを議論して、先ほどのように、基本的な前提が崩れた場合には、これはその平和維持活動が行われる状況ではないから、その場合には、その第一原則から第三原則が満たされない状況が短期町に回復されないような場合には日本の部隊が第四原則に従って撤収することも可能であるという認識を示し、これに対してグールディンクから、日本が政府の方針として基本的前提が崩れたことを理由に撤収を決定する権利はありますという、そういうやりとりがあったわけです。  また、これに加えまして、日本としてはPKOに参加するに際して、過去のPKOの経験を通じて確立した通常の慣行に反するような形で行動することは意図していないこと、さらにPKOについて確立している国連のコマンドのもとに置かれる旨述べたのに対して、先方は、そのことが確認されるのであれば問題はないと。まさに先生がおっしゃっている問題も含めて私たちはやりとりをしたという認識でございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 中断をするときに、指揮権は日本にあります、国連には指揮権はございませんと、いわばこの協定もその部分に限っては日本は排除することになるんですからね、そのことをはっきり明らかにされているんですかということについては答えていないんです、この人はまだ。指揮権について答えていないんです、中断を言っていない。

下条進一郎自由民主党

○委員長(下条進一郎君) わかりやすく答えてください。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 当方より、日本としてはPKOに参加するに際して、過去のPKOの経験を通じて確立した通常の慣行に反するような形で 行動することは意図していないこと、さらにPKOについて確立している国連のコマンドのもとに置かれるという説明をしたのに対して、先方は、このことが確認されるのであれば問題ないと、これがやりとの概要でございまして、概要として資料としてお出しいたしましたけれども、その中にこの問題を含めて議論をしたというのが私たちの認識でございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 何回同じことを言わせるんですか、質問させるんですか。私は、一番大事なことは、さっきも言っているけれども、国連はいわば本国政府の命令を排除してまで、はっきり言えば本国政府の指揮権を排除してまでいわば国連の司令官の指揮に従ってもらわなきゃ困る。それは、しかも業務の中断という特別の場合を日本は出しているわけです。その場合、業務の中断というようなそういう場合でも指揮権は日本にあるので、国連の指揮権には入らないんです、そういうことまで言っているのか、言ってないのか、そのことについて何も話していないんだ、彼は。(「いや、言っているよ、話しているよ」と呼ぶ者あり)話していませんよ、話していたら日本語がわからない人だ。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 先ほどからの議論にも関係がありますが、日本は派遣するに当たって基本的に主権国家としての地位は保っているわけです。したがいまして、いかなる場合でも適切な事前の通告を行うことによって撤退することができるわけです。これは前提が崩れていないときでも撤退することができる。ましてや今、先生とのやりとりしております状況は前提条件が崩れたときである。そのときに、先ほど申し上げましたけれどもステップバックする、前提が崩れたので身をかわすということは各国がやっておることでございますし、やっておることのみならず、先ほども申し上げましたけれども、スイスの例でございますが、まさにスイスは、これはスイス的なものではないんだ、国連の平和維持活動と不可分の一体をなす考え方であると。したがって、その前提条件が崩れたときに、先ほどのところをもう一度お読みいたしますけれども、スイスはいかなる時点でも正当性を証明することなくみずからの部隊を撤退する可能性を留保するということで立法をしようとしているわけです。  それからもう一つ、先ほど申し上げましたけれども、他国の国内法ですから最終的な解釈のあれは持っておりませんけれども、オーストリアの法令では、申し上げましたとおり、出ていった自分の国の部隊長の指示に従わなければいけない、それから国際機関の隊長の指示に従わなければいけない。しかし、もしこの二つの指示が矛盾した場合にはオーストリアの隊長に従えということを書いてあるわけですね。これはまさに前提条件が崩れたような状況のときに、私は客観的な状況ですから判断の食い違いということは生じないと思っておりますけれども、もしそういう場合でもオーストリアの隊長の指示に従いなさいというそういう法令になっているわけです。  したがいまして、決して仕組みとして日本のPKO法案だけが国際社会の中で孤立して一つだけあるというふうにはなっていないということを先生、ぜひ御理解いただきたい。そういうモデル協定とか今申し上げたことが全部前提となった上でのやりとりだということをぜひ御理解いただきたいとお願い申し上げます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 だめです。要するに私が言っているのは、日本の法律で書いてある大変重大な問題であります。務の中断について、指揮権との関係について、私は談判をしたのかと何回も聞いているんだ。だめだ、もう業務の中断だ、私は。

下条進一郎自由民主党

○委員長(下条進一郎君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

下条進一郎自由民主党

○委員長(下条進一郎君) 速記を起こして。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 日本政府がPKOに要員を派遣する場合に、その要員が、通常のPKOの前提というものが存在しているときには、国連の司令官の配置、組織、行動及び指令についての権限を認め、そういう行動をとるのは当然のことだと思います。それは先ほどから先生自身がおっしゃっておられるとおり、各国がそういう行動をとらなければ、それこそしっちゃかめっちゃかになっちゃうとおっしゃるとおりです。その点については我々は異論はないと。それをまさに言っているのが派遣モデル協定の第七項です。そこまでが一つ。よろしいですね。  ところが、前提が崩れたと。典型的には一九七四年のサイプラスですけれども、トルコが北からわあっと飛行機で攻め込んできた。これはまさに停戦という前提条件がわあっと崩れちゃったときです。ですが、そのときに国連司令官がトルコに向かって鉄砲を撃て、戦車でなにしろということは、通常は過去の歴史を見ますとないですよ、先生、これは。  そこで、各国はどういうことをやるかといいますと、やっぱり身を避ける、これがその中断。で、もしそのときに時間があれば本部まで電話したり走っていって、日本の司令官、例えば私だとすると私と国連司令官がどうするかという対応をしてやっぱり我々は身を、先ほどの英語で言うとステップバックします、中断しますという、それは非常に円満だと思うんです、そこまでは。しかし、その時間もない場合、前提条件が崩れているわけですよ、これのときに。連絡したいけれども連絡はできない、しかし向こうが完全に重武装で攻めてきている、そのときに身を避ける。これが中断ですね、いわゆる連絡も協議もしない。  これについて、各国はやっているわけですよ、先生。国連がこの各国に対して文句を言ったという例、私たち聞いていないんです。これが中断の状態。これが二日間ぐらいで終わっちゃえばまた復帰するわけですが、それが二十日も二カ月もそういう戦争状態が続くと、これは通告をして帰ってくる、こういう順番になろうと思うんです。  それで、もう一度中断のところに返りますけれども、連絡、協議をして円満に中断、なるほど中断しなさいということであれば非常に結構。しかし、その時間がない場合に、前提条件が崩れているんですよ、前提条件が崩れているときにわっと身を引く。それについて国連がノーと言うことはないという前提に立って国連加盟国は物を考えているというのが私たちの理解でございます。

下条進一郎自由民主党

○委員長(下条進一郎君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

下条進一郎自由民主党

○委員長(下条進一郎君) 速記を起こして。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 何度も先生申しわけありません。  この法案の案文作業を行う前提として、いろんな議論を政府部内でした結果、日本としては五原則というものを掲げてPKO法案を立法しようという考えになってきたことは御承知のとおりで、その五原則につきましては国連との関係というものが当然あるわけですから、その五原則を国連側がどう考えるかということは当然私たちとして考えられたわけです。  したがいまして、昨年の八月十四日でございますけれども、当時の国連局の河村審議官がニューヨークの国連本部におきましてPKOを担当しておりますところのグールディング事務次長と会談をいたしまして、五原則を念のために英文にしたものを先方に渡し、日本の憲法のところから始まって日本の考え方を詳細に説明した。それに対して、結論的には、日本がそういう考え方でPKOに参加してくるということについては、それは結構でしょうというそういうやりとりが全体としてはあったと、それはまず結論だけを先に申し上げたわけです。  今、先生との間でここでやりとりになっております撤収と中断の問題につきましては、まず撤収の問題につきましては、先ほども申し上げましたけれども、第一原則から第三原則が満たされない状況を、ちなみに五原則といいますのは、第四原則につきましては中断ということは言葉としては書かれてないんですね、第四原則は。第四原則は、上記の基本方針のいずれかが満たされない状況が生じた場合には、我が国から参加した部隊は 撤収することができることとなっているわけです。したがいまして、まず撤収について説明したと。  それは「第一原則から第三原則が満たされない状況が生じる場合というのは、国連平和維持隊自体がその活動を継続する基本的前提が崩れた場合であり、このような場合、国連の隊司令官とも連絡をとりつつ、状況によっては」、ここのところが撤収の前の段階ですけれども、「状況によっては一時他に移動するといった事態も考えておりこ、これがまさに中断のところなんですね。「更に、第一原則から第三原則が満たされない状況が短期間に回復されないような場合」、先ほど申し上げたように、二、三日で終わるのならまた戻っできますけれども、繰り返します、念のため。「状況によっては一時他に移動する」というのは、陣地といいますかポストのようなものがあって、そこから一時的に移動する。先ほど英語でステップバックと言いましたけれども、後ろに下がる、一時的に。そういうことを言っているわけです。  「更に、第一原則から第三原則が満たされない状況が短期間に回復されないような場合には」、この場合には第四原則に従って撤収いたしますよ、そういうことを言った上で、さらに念には念を入れて、いずれにしても日本としては、PKOに参加するに際して過去のPKOの経験を通じて確立した通常の慣行に反するような形で行動することは意図しておりませんということを言っているわけです。  要するに国連のコマンドを尊重しますという趣旨の「下におかれる」という言葉ですけれども、そういうことを言ったのに対して先方は、それが確認されるんであれば問題はないということで、撤収の問題もここの言葉では一時他に身を移す、隊が身を移すということ、これが中断ですけれども、その二つのことを含めて議論をしておるわけです。  しかも非常に重要なことは、過去、去年で言えば四十三年間ですけれども、積み上げられてきた国連の慣行に従うということを言っているんですね。これはPKOは、先ほど先生御自身がお一つしゃいましたけれども、まさに慣行が一番重要なことでありまして、慣行というものが場合によっては規範的な意味を持つ。先生自身弁護士御出身で、おっしゃったそのとおりだと思いますけれども、そういう意味で私たち慣行ということを念頭に置き、かつその数カ月前にこの派遣モデル協定を国連として出しておる。その出しておる責任者はグールディンク事務次長自身であるということも念頭に置いてこういうやりとりをして、グールディンク事務次長自身が、そういう考え方であるならば五原則で参加してきてくれて結構であるということを言ったと、こういうのが次第でございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 くどいようで申しわけないんですが、要するに日本の法律の問題になっているのは八条の二項ですよ。中断のときは、総理大臣そして防衛庁長官がこれは中断の権限を持って引き揚げる。まさに判断をこちらが握っている。こういうことなんですね、八条の二項は。  要するに指揮権は、失礼だが、日本は持っていますよ持っていますよということを言っているんです。ところが、八月の十四日の時点ではまだ日本ではこの法律はできていないんです。できていないんだけれども、できていないときに、日本の法律はいわば八条の二項のようになりますよ、中断のときには日本が指揮権を行使しますよ、要するに国連の指揮権には服しませんよということまでは言っているんですか、言ってないんですか。そのことの指揮権の問題について了解をとってこの法案ができたのかということを私はくどく聞いているわけ。  今、もう指揮権のシの手もこの人は言わないんです、委員長。何回私が質問をしてもその一番肝心な指揮権のシの字も一遍も言わないんだ、この人は。これじゃだめ。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) これは先生、せっかくの先生のも言葉ですけれども、先ほどから国連のコマンドのもとには置かれるということを何度も御説明申し上げて、いろんな経緯でこのコマンドというのは今「指図」という言葉になっていますけれども、そういうコマンドには従いますということは申し上げているわけです。国連のPKOの慣行に従う、これは非常に私は重い言葉だと思って使っておりますけれども、そういう次第でございますので、ぜひぜひ御理解方お願い申し上げたいと思います。

下条進一郎自由民主党

○委員長(下条進一郎君) 速記をとめて。    〔午後四時五十五分速記中止〕    〔午後五時五分速記開始〕

下条進一郎自由民主党

○委員長(下条進一郎君) 速記を起こして。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) この中断の問題につきましては、第四原則で「撤収」という言葉を使っている問題の文脈の中で二つのことを言っておるわけです。  一つは、「第一原則から第三原則が満たされない状況が生じる場合というのは、国連平和維持隊自体がその活動を継続する基本的前提が崩れた場合であり、このような場合、国連の隊司令官とも連絡をとりつつ、状況によっては一時他に移動するといった事態も考えておりこということ、これが中断。そのときには中断という言葉は使っていませんけれども、これはまさに先ほどサイプラスの例で申し上げた身を避ける、一時他に移動する、これを別の表現をすれば中断ということです。  「更に、第一原則から第三原則が満たされない状況が短期間に回復されないような場合には、日本の部隊が第四原則に従って撤収することも可能である」という認識を説明したのに対して、グールディンク次長から、「日本が政府の方針として基本的前提が崩れたことを理由に撤収を決定する権利は当然有する」ということを向こうが言ったわけです。これに対しまして当方から、日本としては「PKOに参加するに際して過去のPKOの経験を通じて確立した通常の慣行に反するような形で行動することは意図していないこと、更にPKOについて確立している国連のコマンドの下におかれる旨述べたのに対し、先方は右が確認できれば問題はない旨述べた。」。  このことは全体の文脈から見て、先生がおっしゃっておられる中断の場合は、私は、客観的には中断が起こり得るその前提条件が崩れた場合というのは、国連司令官と判断の食い違いが生じ得ようがない客観的な事態だとは思いますけれども、万が一判断が違った場合でも、日本が独自に判断するということを含めて国連が了解したものであるという認識でおります。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 認識だ。本人が談判した自分の認識を言っているにすぎないんだ。いいですか、本人が談判した認識、自分の認識を言っているにすぎないんですよ。くどいようだけれども、これは非常に大事な問題なんです。  要するに、総理大臣、防衛庁長官が、いわば八条二項の中断のときには、あくまでも日本に指揮権はありますよということなんだ。そのことを何も言わないで、文脈の中ではこういうふうに相手が理解してくれたに違いない、そういう認識を私どもは持っていますと、これでは納得できるはずないじゃないですか。  問題は、こういう法律を今日もなおかつつくったわけだ。つくって、しかもさっきはひどいことを言っているんだ、あなたは。国連のコマンドに従うなんて言っているんだから。国連のコマンドに従うなら、こんな八条の二項なんということで我が方の指揮権を保留するというようなことできるはずないんですよ。全然矛盾したことを平気でしゃべっているわけ。  だから僕が言っているのは、いいですか、今私が申し上げた、具体的に総理大臣、防衛庁長官が、いわば業務の中断のときには日本が、国連ではなくて日本が指揮権を持っているんですよと。この一番肝心かなめの指揮権の問題についてどういうふうに国連と談判して、国連がそれでよろしいと今日まで言ったのか、その経過、文書でもつ てそれをはっきりさせてください、これを言っているんですよ。やってないならやってないと正直に言ったらどうですか。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 先ほどから何度もの御説明で恐縮ですけれども、私たちは過去のPKOの経験を通じて確立した通常のPKOの慣行に反するような行動はしない、要するに慣行に従うということを言っておりまして、その慣行の一つは、まさに前提条件が崩れた場合に先ほどのようなステップバックをする、身を避けるということも全部含まっての議論でございますので、私たちとしては当然そういうことも了解されておるという前提で物を考えておるということです。  これは決しておかしなことではございませんで、スイスが先ほどから何度も御説明申し上げているような立法を合しようとしている、あるいはオーストリアが先ほどから何度も御説明申し上げているような、要するに国連の司令官の判断と派遣国の司令官の判断とが食い違った場合には自分の国の司令官の判断に従えという法律をオーストリアが十何年間持っている、一九六五年から持っておるということ自身は、国連の慣行といった場合にその慣行そのものの中に、前提が崩れた場合にはステップバックあるいは中断するということは各国の判断でできるということも含めての慣行である、これは先生ぜひ御理解いただきたいと思います。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 答えてない、質問に。

下条進一郎自由民主党

○委員長(下条進一郎君) 速記をとめて。    〔午後五時十分速記中止〕    〔午後五時二十一分速記開始〕

下条進一郎自由民主党

○委員長(下条進一郎君) 速記を起こして。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) いろいろ御議論がございましたが、中断について日本が最終的には有権的に判断ができるというのが今までの国連とのやりとり及び過去のPKOの慣行、慣行ですね、にかんがみて明らかであります。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 せっかくの大臣の答弁でございますが、私がお尋ねをすることについて真正面からお答えいただいていないと思うんです。私が申し上げたいのは、今言ったような八条の二項という非常に重大な問題については、日本の主権と国連との関係で重大な問題も含むわけでございまするから、当然文書確認というものがされてしかるべきであると思います。  そこで、二つだけ確認の意味で聞いておきたい。この問題については国連と文書確認というのがあるのかないのかということが一つ。それからもう一つは、グールディンクさんという人がいろいろ談判されておるようでございますけれども、いわば国連のPKOの大原則にかかわるような大きな問題について一体最終的な権限はどなたが持っておるのか。事務総長が持っておるのかあるいは安保理が持っておるのか。このことの二点についてまずお答えをいただきたいと思うんです。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 私たちといたしましては、結論は大臣から申し上げましたとおり明らかであるということでございます。  書類につきましては、先ほど申し上げましたとおり、五原則というもの自体は英文で先方に言い渡しましたが、それ以外につきましては口頭のやりとりでございます。(「先方からもらったものは」と呼ぶ者あり)先方から紙でもらったものは資料その他はございますが、この問題についてのやりとりとしてのものは紙としてはございません。  それから第二番目に、グールディンク事務次長のポジション、地位でございますが、事務的な処理及びその基本的オペレーションということをグールディンク事務次長はPKO担当として統括しておるというのが私たちの理解でございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 理解、認識というふうにおっしゃるけれども、私が聞いているのはこういうことなんです。  いわばPKOの、あなたが先ほどから盛んに慣行慣行とおっしゃるから、それは慣行でできていくことなんです。その慣行を破るようないわば日本の法律だと、こう私は思っているんです。したがいまして、指揮権を日本が持つんでしょう、最終的には総理大臣と防衛庁長官が中断のときに。国連が持つんじゃないんですよ。そういう重大な問題について、それでよろしゅうございますというふうに最終的に言えるのは国連では一体となたなんでございますか、安保理なんでございますかそれとも事務総長なんでございますかと、こう聞いているんですから、答えてください。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 事務的に全部を取り仕切っておるのはグールディング事務次長でございますけれども、最終的なものはそれは国連の事務総長が持っておる。それで、国連の事務総長には安保理、通常安保理ですが、安保理がそのPKOの設立それからその運営、そういったものを事務総長に安保理として託しておるという関係にございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 したがいまして、これだけ大事な、非常に重要なお互いの主権の調整の問題でございますよ、これは。一番肝心な、いわば日本にとっては絶対に避けられない中断の問題、憲法を守らなきゃならぬ立場で言えば中断の問題、その保障というのは、そうしますと最終的には事務総長なりあるいは安保理でいただかなければならぬという形に私は論理的にならざるを得ないと思いますけれども、どうなんですか、見解を聞きたい。グールディンクさんでいいんですか。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 大変先生に御理解いただいていないのは残念だと思うんですが、前提が崩れたときに各国が独自の判断で中断できるというのは、過去四十何年間の国連のPKOの歴史を通じて確立されてきたこれもまた慣行なんですね。その点をぜひ御理解をいただきたいと思います。そういう慣行から見て、私たちはそういう前提が崩れた場合には、日本政府として有権的に最終的には判断できるという、そういうことは明らかだということでございます。  それから事務次長の権限でございますけれども、事務次長が通常、事務総長にかわってそういうことにこたえるというのは当然のことだと思います。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 そうすると、私は、この問題というのは非常に重大な問題であって、今までせっかく大臣から御答弁いただきましたけれども、いわば主権との衝突の問題ですね。非常に大事な問題なんで、これは最終的にはまだ理解できません。理解できませんが、もう一つだけこの主権の問題に関連をして重大な問題を聞いておきたいと思うんです。  それは武器の使用の問題です。要するに、五原則の中に日本は武力の行使はしないと言っております。それは憲法上の制約だからですね。そして隊として武器も使えない。個々の個人個人の隊員しか武器は使えない。命が守られないとき、個々の判断でやりますと、こうなっております。ところが、国連のこの武器使用の大事な問題についての平和維持活動第三章「作戦」というところで、その二でこうなっております。すべてのPKOは、純粋に非武装の監視団を除いて、武力(力)の行使に関する同一の政策を遵守しなければならない。すべてのPKOは、国連の兵士の安全に備えるSOPをもたなければならない。」と、これが国連の大原則であります。  すなわち、こちらが幾ら武器の使用と言ったって、結果的に何十人何百人という人が行って、個々の判断でもって武器を撃ったといっても、それは武力の行使になるのかならぬのかという議論はあると思います。あると思いますが、少なくとも武器を持っていくわけですから、持っていくのは間違いないわけですから、その武器を持っていくときに日本だけは、申しわけありませんがほかの国とは同一のいわば政策を遵守しません、日本だけは悪いけどばらばらでやらせていただきます、このことについてばらばらでやらせていただきますと。武力の行使は言っていますよ、だけどその武力の行使と武器の行使、武器はこういうふうにしか日本は使えないのでございますと。この ことについてはどうなんですか、クルーディンクさんとの間では話し合いができているんですか。  私の質問、わかりますね。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) この点につきましても、当時のやりとりというものを資料としてお出ししてございますけれども、当方から、平和維持隊は、関連の国連文書によれば自衛のため以外に武器を使用することは行わないということとなっていると理解しており、この点について日本としては、要員の派遣に当たり武器の使用は第五原則のとおり要員の生命等の防護のために必要な最小隈のものに限ることとしたいが、従来の平和維持隊の武器使用の実態にかんがみれば、このような方針で十分に任務を遂行することが可能であると確信していますという説明をいたしました。  これに対してグールディンク事務次長から、平和維持隊においては任務の遂行を実力で妨げられた場合にも武器の使用ができることになっている旨の指摘がありましたが、当方から、従来の平和維持隊の武器使用の実態にかんがみれば、武器の使用を要員の生命等の防護に必要最小限のものに限るとしても我が国として十分任務を遂行できるのではございませんかというぐあいに述べました。これに対して、先方も確かにそれはそうだということで了解いたしまして、日本の武器使用に関する第五原則が国連にとって何の問題もないということを述べた次第でございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 これまた大事なことを逃して、言っていませんな。  私が申し上げているのは、国連はあくまでも武器を使うというときにはばらばらでは困るんですよ。自衛するのは当たり前の話なんです。問題は、その自衛をする場合に日本はあくまでも個々の隊員の判断でしかできない、こうなっているんです。隊としてはできませんよと。しかし、このSOPではいわば武器を使うこと、武器の使用と武力の行使なんて分けたってそんなものはしゃばでは通用しないんだ、世界のしゃばでは、はっきり申し上げて。  だから、私が申し上げたいのは、武力の行使は全部同一の政策でなきゃならぬというのはこれは国連の大原則なんだ。当たり前の話なんです。そうでなきゃばらばらになっちゃうんだから。だから、私が言いたいのは、変な話だけれども、日本はあくまでもばらばらでしか使えないんですよ、それでもよろしゅうございますかと。そのことがグールディンクさんはそれで結構なんだというふうに言ったのかというんだ。ばらばらにしか使えないんだ。要するに、ほかの国と同じような政策は日本では守れないんです、やれないんですと、こういうふうになっているのかと聞いているんですよ、いいですか。  武力の行使というのは初めからできないことはわかっているんです、そんなことは。武器の使用しかできないんだけれども、武器の使用はばらばらにやらせてもらいます。国連は統一してやってください、これが原則です。しかし、その原則の例外を日本は主張してきているわけだ。そのことについて、これだけ大事な問題について一体どういう談判があったのか、どういう交渉があったのか。そしてそれがオーケーなら、そんな大事なことはやっぱりちゃんと文書で確認を取り交わしてから法案に出してくるというのが、これは当然の話なんですよ。これは当たり前の話でしょうが。どうなんですか。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) これも先生、今までのこのPKF活動の慣行と申しますか、歴史を調べていただくとおわかりいただけると思うんですが、国連は軍事要員がPKF活動に参加する場合には武器の携行を許すという、しかしその武器の使用というものは、自衛、セルフディフェンスに限られる。そのセルフディフェンスとは、次の二つの場合を含むと、こうなっているわけでございまして、一つは、Aとありまして、自己の生命を防護する場合。Bとして国連のPKFの任務が実力により妨げられた場合と。  しかしながら、同時に、先生の机の上にある書類にも書いてあると思いますが、任務を妨げられた瞬間にずどんと発射していいというふうにはなっておりませんで、説得をしなさいと、それから自分は国連のPKFだよという、それからそもそもあなたたちは当事者間で停戦の協定があるじゃないですかといういろんな説得を通じて、どうしてもそこのところがおかしくなった場合、武器の使用が認められる。  大方の場合は、私たちは関係各国全部ではございませんが、主要なところに調査して調べてみましたけれども、いわゆるBのケースで武器が使われたということをはっきり説明した政府というのは実はないんですね。過去をずっと見ていくと、やっぱり生命が侵されたから使ったと。そういう意味では、ほとんどのケースがAであるというそういう実態なんです。そこを御理解いただくのが非常に重要なので、そういう意味ではBのケースはあるいはあったんだろうと思いますけれども、あるいはそのBのケースのうちの幾つかはAに転じている。そういうような状況をいろいろ考えますと、いわゆるBを切っても、私たちはまさにそこを、Bを切っても実態にかんがみればと、実態にかんがみれば、このような方針で十分に任務を遂行できると確信しますと言ったのは、そういうことを念頭に置いて言った。これに対して、まさにそういう実態を理解しているものですから、グールディンク事務次長もそれはそうでしょうと、こう言ったわけです。  そこで、先ほど先生がSOPの一部を読み上げられましたけれども、ばらばらであってはいかぬ。国連は武器を、どういう状況のときに武器を使えるかということを議論しておるわけでございまして、このまさに先生が読み上げられた箇所の一番冒頭の十八節だと思うんですが、ピースキーピングというものの一番重要な精神は、いかに武器を使わないで任務を達成するかということですということが書かれておるわけで、まさにPKOはそういう精神で貫かれておるわけです。  最後に、過去のいろんな国家が、オーストリアは十八年間このPKF活動に参加しておりますけれども、この十八年間でオーストリアは一発の鉄砲も発射したことがないと言っているわけです。フィランドにつきましても、人に対して発射をしたことは一度もない。イタリアも今まで武器を使用したケースはないと言っているんですね。ですから、そういう実態の中でのこの議論であるということをぜひ先生御理解いただきたいというふうに考えます。(「どうしても戦争したいんだな」「どうしてもやりたいんだ」と呼ぶ者あり)

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 不謹慎なやじですよ。どうしても戦争やりたい、何ですか、それは。やじったっていいですよ。もっとやじるなら的確なやじを、的確なやじを。不謹慎な。  私が言っているのはこういうことなんですよ。要するに、自衛のために武器を使うということは、それは最後の最後ですよ、それは。PKOはずっとそうなんです、最後の最後なんです。その最後の最後のPKOが武器を使わなきゃならぬときでも、今言ったように、いわばばらばらにならないで使ってほしい、統一の原則を守ってやってほしい、それが国連の大原則でしょうと言っているんです、私が言っているのは。だけれども、日本の場合はばらばらでしか使えないと言っているんですよ、部隊としては使えないんだと。だから、ばらばらでしか使えません、私はそれはそれでいいというんです。だからそのことを、くどいようなんだけれども、そんな大事なことであれば、その八月の十四日から今日まで、法案をつくって、後からでもいい、ちゃんと国連との間でこういうことでございますと、これまた明らかな文書の協定なり合意ができているんですか。できていないんでしょう。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) この武器の使用の問題につきましても、現行の法案で国連との関係は十分明らかであるというふうに考えております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 これは明らかであるというようなことは私は聞いていない。事実問題として、これだけ日本の立場というものは国連の立場とは違う んです、いいとか悪いとかは別にして、大変な問題なんですよ。ばらばらでしかやれない。だから、その問題について事実関係として私は、文書でちゃんと交換をして、それでよろしいということになっているのか。そんなものありませんならありませんでいい。今言ったように、認識している程度である、これでは委員長、質問に対して的確に答えていないんですよ。そういう自分の方の認識を私は聞いているんじゃないんです。そういう文書でちゃんと取り決めがあって、その結果こういう法律が、日本の法律ができてきたんです、あるいは日本でこういう法律をつくります、審議中ですけれども、ぜひひとつ国連はこれで了解してほしい、大事なことだから文書でもって確認をしてあるんですかと、この事実関係を聞いているのに、何もそれを答えないで、私の方は認識をしておりますと、これじゃだめです。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 武器の関係の問題は先ほどの先生に御説明申し上げたやりとりと同じ日に行っておるわけです、その同じ会談で。私たちは先ほどの問題と同様、この問題についても明らかであるというふうに考えております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 ちょっと、もっと誠意ある答弁してくれませんか。考えておるとか認識しておるとか聞いてないですよ、私は事実関係を聞いているんだから。私が聞いている文書の取り決めというのはないなら、ないと正直に言ったらよろしいんだ。やっていないなら、やっていないでいいんですよ。これからまた場合によればやらなきゃならぬかもしれないんだ、これだけ国会で議論になったんだから。その事実関係ということをごまかしてはいけない。はっきりと、あるならある、ないならない、そのことをはっきり言いなさいよ。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 先生、お言葉ですけれども、グールディンク次長と河村審議官のやりとりの中で、書類になったものは五原則を英文にしたものだけですということを私は先ほどから何度も御説明申し上げておる次第でございまして、この武器のところにつきましても、やりとりは口頭で行われ、内容的には私たちは明らかである、こういうふうに考えておるということを御説明申し上げた次第でございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 私は、ではそういう取り決めの文書はないというふうに理解をします、日本語として、それでよろしいな。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 書類は存在しておりませんけれども、了解は明らかであると私たちは考えております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 くどいようですが、文書の了解もなくて、こっちの方で了解をしたというようなことでは私はとても納得できるものじゃありません。これは今、業務の中断、そして武器の使用、武力の行使というものは、憲法との規定で非常に重要な問題だから私はきょうはその二つの問題について集中的にお尋ねしているわけですよ。この点についてこれは非常に重大な問題なんだし、しかも国連の大原則と抵触するおそれもあるわけです。向こうはあくまでも統一的な立場でもって命令を排除して、そして国連の命令のもとに一切やってくれと、こう言っている。  その例外として、重大な例外としていわば業務の中断とこの武器の使用という問題があるわけです。これはまさに憲法といわば国連との、これがどうこれから調整していくかという大事な大きな問題なんです。今日までのあの答弁ではとても私は納得できません。このことをはっきり申し上げておく。  それから、時間がぼつぼつ来ておりますけれども、最後の先ほど外務大臣がお述べになっていただきました統一見解にちょっと戻りますけれども、要するに国内法でも、いわゆる派遣された公務員は派遣先の指揮下に置かれるということは、これはもう通例なんですね。国内法でも派遣された公務員は派遣先の指揮下に置かれるということは、これはまさに通例なんだ。  したがって、旧統一見解というのは、あくまでも派遣をされないいわば同一組織内の指揮監督のことについて述べておって、これが通例であると、こういうふうに言ってきているわけです。ずっと言ってきているわけです。しかし、派遣をされたとき一体どうなのかということについては、何もある意味では言ってないんですよ。私は、この旧見解の立場というのは、派遣をされた場合にこれは当てはまらない、不適切であったということなのか、そのことをもう一度私ははっきりさせてもらいたいと思う、その処分権との関係において。  これはどうですか。委員長、私が今申し上げているのはよくわかると思うんですけれども、この問題については、私は、もう一度この旧統一見解のいわば懲戒の絡んだ問題、身分の問題、この問題については改めてちゃんとした見解を出してもらわなきゃ納得できませんよ。  くどいようですけれども、前は、あくまでも同一組織内において指揮監督がある、それに服するのはこれが通例なんだと、その通例というのは、そう言ってきたんだ。ところが今、くどいようですけれども、さっきから関係大臣聞いてのとおり、いわば派遣をされるときにはそれは通例じゃないわけです。派遣をされたときにはむしろ指揮・権は派遣先にある、それが通例なんですから、その辺のことについてはもう一度きちっとした取り扱いを私はお願いしたい。改めてその問題についてはっきりした見解を政府から出してもらいたいと思っております。  というのは、先ほど渡辺外務大臣の統一見解がありましたけれども、その点については、まことに残念でございますけれども、何も触れられておりませんので、この点については改めて触れていただけるように理事会で取り計らいを願いたいと思いますが、どうですか。

下条進一郎自由民主党

○委員長(下条進一郎君) ただいまの角田君の御意見、これはきょうの御質問の中でたびたび答弁もあったわけでございます。したがって、この問題は、すれ違いの議論もありましたけれども、最終的に外務大臣からすべてをまとめてお答えをいただいておるわけですから、この点で御理解をいただくのが筋じゃないかと思いますが。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 了解できませんから。

下条進一郎自由民主党

○委員長(下条進一郎君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

下条進一郎自由民主党

○委員長(下条進一郎君) 速記を起こして。  私が言いますから、それから聞いていてください。  先ほどお話を申し上げましたように、これは非常に大事な問題でありますが、先ほど来随分時間をかけて、御質問もありまた政府委員からの答弁もあり、また外務大臣からも御答弁もありましたけれども、それは個々の問題を取り上げながらの議論でございましたから、ここは終局のこの問題の大事なところでありますから、この問題の問題点、いわゆる国内における指揮の問題と、それからいわゆる日本の指揮官が出かけていくときの指揮と、国連の指揮というかコマンドというか指図というか、その問題との食い違いというか違う問題の解釈、そしてそれに対して日本はどうするんだと、こういう一連の問題があるわけであります。  これをまとめて政府委員並びに最後に外務大臣から御答弁をいただきたいと思います。よろしいですか。

野村一成外務省大臣官房審議官

○政府委員(野村一成君) お答え申し上げます。  先生の冒頭の御質問の中で、いろんな我が国の行政機関あるいは地方自治体の間等で職員を派遣したり応援したりするという、そういう法体制を引用して御質問がございました。私の方からまた、御指摘のそういった国内法令においても基本的には派遣先の、行ったところの指揮権に従うべき法的な義務が生ずるのは、直接生ずるのはまさにその当該法令によってであるということも申し上げました。  他方、また国連のコマンドというのはこういった国内法上の指揮の作用とは違うんだということも申し上げました。それはまさに、いろいろと御議論がございましたけれども、国連のコマンドの 実体、特にモデル協定で書いてございます、まさに各国から参加しております部隊等を有機的に結びつけ二体として機能されるために配置等に関して行う権限であるということも申し上げました。また、その次に、重要なんでございますけれども、まさにこういった国連のコマンドというのは、長年の慣行から形成されていました、派遣国の要員がその国の公務員として行う職務に関して国連が行使する、そういう性格の権限であるということも申し上げました。  したがいまして、私、基本的には先生の御指摘の点は、まさに国内法の体系の中で使われている指揮ということに着目しての問題提起でございましたけれども、私どもはやはり国際連合のコマンドという場合には、国連と主権国家の間での関係、つまり国連のコマンドというのを主権国家として我が国がそれをいかに受けてそれをそのとおりに実施するか、そういったぐいの問題であるということも申し上げました。  条約局長は、これは新しい発想だということを言いましたけれども、まさにそういう意味におきましてこれやはり私、厳密に国内法でこれをどういうふうにとらえるかというときに、種々検討いたしたわけでございます。その結果、まさにこれ外務大臣の本日・冒頭の発言にございますように、基本的には、この法案で指図という言葉を使ってございますけれども、これは中身、実体といたしましては、長年の慣行から出ておりますモデル協定第七項に言う国連のコマンドと同じ意味、同義であるということ。  それからまさに、それをじゃ同じ意味だといたしまして、我が国の場合にはそれを、この国連のコマンドをどういうふうに実施するかということにつきまして、この法案の枠内で、実施要領を介しはいたしますけれども、そういう形で国連のコマンドを我が国の部隊によって実施する、そういう意味でまさに国連のコマンドのもとにある、あるいはそれに従う、つまりそういう仕組みをとっておる。  この外務大臣発言の中の三項の五原則との関係、これはまさに先生今御指摘になった中断、撤収等の関係でございますけれども、そういう意味におきまして私は、中身といたしましてはやはり国際連合にとって、この法案をつくりまして不都合というか、が生じてはいけないという点が一番ポイントだと思うのでございますけれども、事国連のコマンドに関する限り、やはり先ほど申しましたように法案で使っている指図とモデル協定で言っている国連の権限とが同じだということ、そのとおりに法案の枠内で、五原則の問題がございましたけれども、実施するということ。また、国連のコマンドのもとにある、あるいは従うと、そこまで言っておるわけでございますので、国際連合との間でこの法案がこの点に関しまして私は問題を生ずるというふうには思っておりません。  若干長くなって非常に恐縮でございました。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 時間の関係もございますので、今、審議官からるる説明をいたしましたが、私の見解も同じでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 最後。  今、審議官から長々と御説明いただきましたけれども、とても私ども理解できませんので、これはもう一度後で理事会で、私が先ほどから要求しております問題についての取り扱いというものを要求して、きょうはもう時間でございますから、今後また引き続いて私がやらせていただくことになるかもしれませんけれども、一応きょうはここはこれで終わりたいと思います。

下条進一郎自由民主党

○委員長(下条進一郎君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

下条進一郎自由民主党

○委員長(下条進一郎君) 速記を起こして。  ただいまの件につきましては、その扱いをどうするか、これを理事会で協議いたします。  本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後六時散会      ―――――・―――――

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