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123回国会参議院1992/05/11

国際平和協力等に関する特別委員会 第6号

発言数
233
登壇者
19
会派数
2
開催日
1992/05/11

会議録

下条進一郎自由民主党

○委員長(下条進一郎君) ただいまから国際平和協力等に関する特別委員会を開会いたします。  国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律案、国際緊急援助隊の派遣に関する法律の一部を改正する法律案及び国際平和協力業務及び国際緊急援助業務の実施等に関する法律案、以上三案を一括して議題といたします。  前回に引き続き、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 まず最初に、けさの新聞によりますと、毎日新聞に大きな見出しで自衛隊参加の問題について、「PKF本体は凍結 PKO法案 政府再修正案明らかに」と、こういうことで、今私どもこの特別委員会の中で、政府案に基づいて衆議院におきましても可決をし、参議院で継続になって、そして今とりわけPKFという問題が憲法違反と、自衛隊が海外派兵をするのは憲法違反だと、こういうことで重大なる国民の世論が分かれている中で本当に私ども真剣に議論をしているさなかに政府が再修正と、こういうことが新聞の記事の中で明らかになったわけであります。  この点について非常に私どもは大きな問題がある、国会法五十九条違反でもありますし、しかも政党政治の根幹を揺るがすものだ、そういうふうに思うわけでありますが、その点について、官房長官、ひとつ明快に答えていただきたいと思います。

加藤紘一自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(加藤紘一君) この点は、累次総理大臣及び外務大臣などから御答弁申し上げておりますように、政府といたしましては、現在この院で御審議いただいております衆議院から回付されたこの案、政府の案が最良のものと思っておりまして、この点についてぜひ御理解をいただきたいと思っております。現在、政府の方から再修正案等を考えたり、案をつくっていたりしているというようなことはございません。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 この新聞の記事によりましたら、「国連平和維持活動協力法案の再修正問題で、政府が公明、民社両党に提示する予定の再修正案の内容が十日、明らかになった。」と、こういうふうにはっきりと書いているわけでありまして、しかも歴史、伝統のある新聞でたくさんの読者が現実におるということの中で、これ自身が誤報なのかどうか、この記事についてひとつどうなんですか。

加藤紘一自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(加藤紘一君) 私もこの法案の所管大臣でございますけれども、私のところにそういうような修正をやっているというような作業の報告もありませんし、私自身存じておりませんし、政府がそういう修正案をここで考えていることはございません。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 この新聞は誤報なんですか。そうしたら誤報であるということを一回明らかにしたらどうですか。たくさんの人がこれ読んでいる事実があるんですから、影響が大きいですから。

加藤紘一自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(加藤紘一君) 新聞がいろいろの報道をされることは新聞の報道でございますけれども、政府がそういうようなPKFの部分をどうこう、凍結し、どういうふうに区別するなどということをやっていることはございません。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 これはただ単に新聞の報道というだけではなくて、この間の委員会における議論の中身も少しそういうようなニュアンスがずっと出てきておりますし、またこの委員会の外におきましても、例えばそこにおられる渡辺外務大臣も、各党間の中において議論があれば政府としても大いにひとつ柔軟に対応するんだ、こういうようなさまざまの経過があった中での記事ということですから、私はこれ本当に正直な話、真実味を大きく持っている、こう思うのですが、どうなんですか。

加藤紘一自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(加藤紘一君) 政府としては、こういう案をつくりますときに精いっぱい各方面の意見を聞き、政府部内でも討議し、最良の案を提出いたしたという自信を持っております。  もちろん、これは立法府と行政府との関係でございますので、立法府の中で各党でいろいろの御協議がありそしていろいろの御意見が出てきたときに、政府としてはその立法府の御意見を尊重しなければならないケースというのは間々あるかと存じておりますけれども、政府の方で現在その修正の案を考えておることはございません。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 今言いましたように、いずれにしても、政府がPKFを凍結するということを前提にした修正案を出したということになりますと、全くここにおける審議は一体何なのか、審議する必要がないわけなんですよ、これ。  私どもの審議の中では最大の大きなウエートを占めてきたのはこのPKFだと私は思うのですがね。だからこそ私は、この新聞の記事の中身については非常に重大な問題がある。先ほど言いましたように、この委員会の中においてもそれらしい節が節々にあるわけでありまして、また院外のところにおいてもそういう発言がもう本当ににぎやかになっているわけです。その中におけるこの記事の中身でありますから、非常に私は重大だと思うんです。  そこで、委員長、具体的に提案をしたいんですが、これは私どもの各党の政党政治の根幹にかかわるという問題でございますので、誤報なのかそうでないのかという議論で水かけ論という形になってくるわけでありますけれども、私としても、そういう情勢の中で政府自身が当事者として修正をしてきたというこの報道について私は真実味がある、こういうふうに思うわけでありますが、委員長自身としてひとつその点を政府に対して非常に強く抗議をしていただくなり、あるいはそれはどうなのかという事実、そういうことを含めて、我々も理事会を代表させていただいてひとつ提案をしておきたいんですが、どういうものでしょうか。

下条進一郎自由民主党

○委員長(下条進一郎君) 本件は新聞報道でありまして、その真偽の問題については、ただいまの谷畑委員からの御質疑に対して官房長官から誠心誠意御答弁をいただいたと私は解釈いたしております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 委員長の方から、やはりこういう新聞の記事になっていくということはそれなりの、事実でないと百歩譲っても、そういう誤解を与えたり、あるいはそれぞれの当委員会におけるやりとり、あるいは院外における発言等を含めてそういう状況はあってのことだと思いますので、その点はどうですか、やっぱり政府というのはこういう形で注意をすべきであるとか、そういうようなことを委員長の方からも言うことはできないわけですか。

下条進一郎自由民主党

○委員長(下条進一郎君) 本件につきましては、先ほど申し上げましたように、政府の責任ある答弁を官房長官の方から伺ったわけですから、このことを我々は尊重していくべきだ、このように思います。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 宮澤総理、今、新聞の記事に基づいて官房長官とのやりとりをしてきたわけでありますけれども、政府の最高責任者として、こういう記事を、誤解を与えたというんだったら誤解を与えたなりに、状況についてひとつぜひ政府としても慎重にしていくということについてはどうでしょうか。ちょっとそのあたり総理の方から言いただいて、次に入りたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 事実関係は先ほど官房長官が申し上げたとおりでございます。自由な社会において、報道機関の報道に政府は関与すべきものではないと思います。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 私は、こういうことについてはやはり政府として慎重に扱っていくべき問題だと思うんです。  事実こうして記事の中で、政府ということで、PKFの凍結という、再修正ということがもう具体的に書かれてあるわけですから、そのことについて政府自身が、違っておれば政府としてこれは大いに怒るべき問題だと私は思うんです。これは誤報だということで告訴するなり、それぐらいの私は大きな問題を持っておると思うんです。だから、そういう意味では政府としてもやはりその点、書かれたということについて私はもう少し慎重にしていく要素があるんではないかと思うんですが、総理、どうでしょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 政府は、政府の業務の執行に当たって常に慎重でなければならないと思います。ただ、報道機関の報道について、政府は関与すべきものではない。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 今、総理の方から慎重にすべき問題だと、こういうことですので、これは後ほど理事会等また機会があろうかとも思いますので、次の問題にひとつ進めていきたいと思います。  私どもこの連休のさなか、国会議員団四名、そして随員二人を含めまして社会党のシャドーキャビネットということでこの四月の二十五日から一週間、カンボジア、タイというところで視察をさせていただきました。連休のさなかのことでもありまして、当地の今川大使を初めとして本当に大使館員の皆さんにも非常にお世話になりました。またその後、各党も続々とカンボジアに視察ということで、本当に大変な状況の中でお世話になったことをこの場をかりて厚く感謝を申し上げたいと思います。  それで、カンボジアを私ども視察してきた中で、そのことに基づいて質問をしていきたいと思いますので、ひとつよろしくお答えを願いたい、このように思うわけであります。  そこで、まずカンボジアの歴史と日本の立場ということで、この問題に入るに当たって少し総理なりあるいは外務大臣の見解をお伺いしたいわけでございます。  まず、総理あるいは外務大臣、これまで何回カンボジアを訪問されたのか少し参考のためにお聞きをしたいと思うんですが、渡辺外務大臣は何回か訪問されたと聞いておりますけれども、どうでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、カンボジアヘ行ったのは一回です。向こうの首脳者とは何回も会っています。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 総理はどうでしょうか、カンボジアというのは訪問したことがあるかどうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 要務という意味で参ったことは戦後ございません。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 私もカンボジアを訪れるのは実は初めてでございまして、ちょうど私が高校三年ぐらいだったと思うんですけれども、ベトナム戦争、いわゆるトンキン湾事件、トンキン湾というのは非常に頭にこびりついておりまして、新聞の大きなトップ記事であったということを当時高校三年生でございまして非常に印象に今残っているわけであります。  ベトナム戦争、そういうことの中でカンボジアもフランスの占領地の中から、しかもロン・ノル政権あるいはプノンペン政府、そしてヘン・サムリン政権と、こういうことでわずか二十年の間に政権がたくさんかわりながら、しかもプノンペン政府になってから十三年内戦、それ以前を含めると本当に戦争戦争の中でたくさんの犠牲者が生まれてきた。そしてまた、世界に例のない虐殺という内乱の中でたくさんの人々が、非戦闘民が殺されてきた。こういうカンボジアということで私どもも深く心を痛めながら、私も初めての訪問であったわけであります。  そこで、総理、第二次世界大戦以降のそういうカンボジアの置かれた立場といいましょうかあるいは歴史観といいましょうか、そういう点について、総理の方からお考えがありましたらひとつお聞きをしておきたい、こういうふうに思います。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) カンボジアの内戦が長く続いたことは、まことに悲劇だと私は思っております。  私は二十年ぐらい前に一度カンボジアに行ったことがありまして、最近、去年、おととしですか、二年ぐらい前に行ったと。  問題は、ベトナム戦争が起きて、それが終わってからベトナムの勢力が強くなって、一方、当時中国は文化革命とかいろんな問題があってそれでポル・ポト政権をあそこにつくらせた、つくらせたといいますか支援をしたわけであります。  ところが、ポル・ポト政権を追い出すためにベトナムがカンボジアに出兵をして、ポル・ポト政権を追い出して現在の政権を築いた。そのためにシアヌークさんは北京とかピョンヤン等に亡命をいたしましたが、そこには三つの団体があり、そして現在のヘン・サムリン政権と四つどもえで内乱が続いておった。ポル・ポト政権時代に非常に極端な原理主義、共産原理主義というか血の粛清をやったということも事実で、それでベトナム軍に協力をして現政権ができ、民衆がそれに協力をした。  しかしながら、長い間ポル・ポト軍が、クメール・ルージュとも言っておりますが、力をもって武力でゲリラ活動を継続してきた。そういうような中にあって、国連は何とかこれを停戦に持ち込みたいという努力をしてまいりました。それから、海部内閣のときに東京に四派を呼んで停戦のためのあっせんをしたわけでございます。これを何といいますか、進言したのは私は、タイのチャチャイ総理、またチャワリット将軍等ではなかったかと思います。  しかし、これは全部がサインするに至らず、それはそれなりの効果があったわけでありますが、その後に至ってカンボジアの問題については、その背景からして問題は、かつて中国とソ連が仲が悪く、ソ連とベトナムが仲がよくて、要するにソ連の力がベトナムを通して東シナ半島に広がることを非常に中国は快しとしなかったことも事実でございます。したがって、いわゆるベトナムの勢力が東シナ半島に及ぶことが困る、こういうようなことでポル・ポト政権を支援しているんだと。これは中国のトップの方から私はじかに聞いた話です。だから、問題は中国とベトナムとの対立、これがうまくいかない限り、言うべくして外野席でいろんなことを言ってもこの内戦は私は終わらないと、こういうように見ておったわけであります。  したがって、ベトナムと中国との関係正常化を並行的にやることが内戦を収らんさせるためには欠くことのできない問題だ、こういうように考えまして、それらについては多少なりともお手伝いをしてきたという経験があるわけでございます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 このカンボジアにおける歴史というのか、避けては通れないなと私が思いますのは、特にポル・ポトの非常に残虐なる虐殺というのがなぜ起こったのかということは、とりわけあの地を初めて訪れまして、それなりの本は読んだつもりなんだけれども、カンボジアの人たちと接触しても非常に人がいいといいましょうか、素朴性といいましょうか、人懐っこいといいましょうか、そういう接触をしたわずか四日間の期間でしたけれども、そういう中からは想像ができない。そういうことで、なぜそうなのかということがずっと訪問期間中あるいはまた帰ってきてからも一つの大きな私自身としての問題点というのか、一つの課題と実はなったわけであります。  その中で、もう一度カンボジアの歴史をひもといていきますと、結局はフランスにおける植民地であったこと、あるいはベトナムとアメリカとの戦争が始まって、そしてアメリカから爆撃を受ける中でベトナム自身もカンボジアの領土に入りながら戦争を再開していく、そこにおいてまた爆撃が始まっていく。そういうことの中でロン・ノル政権に対してアメリカがまたそれにてこ入れをする。そこでまたポル・ポト政権が自分たちの民族性の中でそれを倒していく。そういう中で不信が大きく生まれてきて、そういうものが一つはあのプノンペンの都会から一人も人をいなくして農村へという、そういう形をとってみたり、あるいは貨幣制度を一切無視してしまうことになったりということになったんじゃないか。  特にその虐殺の方法というのはとりわけ残酷であったと、こう聞いておるわけです。自分が殺されるのに自分の墓を自分の手で掘ったり、そしてまた虐殺の方法も非常に原始的であったりという、そういうことになろうかと思うんですけれども、そこで私は、特にこの冷戦構造というものがそういうことの大きな要素であったと、こういうように実は思うわけであります。  それともう一つは、現地へ行きまして、四派があるということなんですけれども、しかし実際問題は、私どもが接触できたりするのはやはりプノンペン政府、プノンペン政府がほとんど支配をしているというのか国を治めている、こういうことになると思うんですね。そういう点がシアヌークさんとの関係の中で一つの大きな柱に実はなっているということも現地へ訪れまして非常に感じたところでございます。  そこで、結論でありますが、私はそういう意味では、日本が国際貢献ということの中でカンボジアに対して国際貢献をするに当たって、そういう大国といいましょうか、さまざまな国によって影響を受け、そういう中でたくさんの犠牲者を生み出してきたカンボジア人、こういう立場をよく理解し、カンボジア自身がみずからの手で民主的な国家をつくり上げていくという、そこに対して私どもがどう貢献するのかということをこの歴史の中から導き出していかなきゃならぬ、私はっくつくそういうことを実は思って帰ってきたんです。  その点について外務大臣なりあるいは総理大臣、そのカンボジア人自身の手で民主的な国をつくり上げていくんだ、そのために我々は、むしろ日本の国家の発揚の場じゃないということを実は思って帰ってきたんですが、その点について基本的認識をひとつお伺いしておきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) その虐殺は何でやったのか、どういう動機でやったのかということにつきましては私もわかりません。いずれにいたしましても、自分に反対する者を殺したということは一つでしょうが、それ以上に、大学を出た者とかフランス語ができる人だとか、眼鏡をかけている人だとか、そこまではどうか知りませんが、理由もなく大量に虐殺したということは、これはもう否定しがたい世界じゅうが認めている事実だと私は思います。  私は、あなたは時間をたくさん持っているようだから少し長話をさせていただきますが、私はちょうど大蔵大臣のころ中国に行って、超紫陽総理、鄧小平さんが総書記ですかな、そのときの席上で、何で中国はポル・ポト政権を支援するんですか、あんな政権を支援しても、しょせん民心が離れておって、あれだけのことをやればなかなかカムバックすることは不可能じゃありませんか、もうこんなことで応援することはむだなことじゃないかという意味のことを発言を、少し言い過ぎたか知りませんが、したところが、鄧小平さんがこれに答えて言ったのは、今でもはっきり覚えておりますが、我々は要するにベトナムの勢力があそこに広がっていくことは許すことができないんだと。中国とベトナムというものは非常に昔から仲が悪いわけですから、ましてベトナムにはソビエト連邦がついておって、トンキン湾を軍港基地として貸したり、ソ連の軍隊が顧問団として入ったりした時代があって、中ソ対立の時代というのはあるわけですから、結局ソ連という名前は出ませんでしたが、ベトナムの兵隊があそこに出兵をして、そしてカンボジアのクメール・ルージュという自分の民族でつくった政権を力で追い出すというのは絶対に認めることはできないと。  したがって、ベトナムがあそこから撤兵をして、そしてカンボジアが本当に自主独立の、しかも非同盟の国家になるとすれば、それはシアヌーク殿下を長とするものでもいいし、例えば資本主義の国であってもそれは容認をすると。要するにカンボジアが中立地帯になってベトナムの勢力が東シナ半島にこれ以上広がらないというのであればいいということを、今から言うと十二年ぐらい前にもう既に言っておったわけですよ。  ですから、そういうようないろんな国際間の今までのしがらみというものがあったのも事実でありまして、やはりカンボジア和平の第一の条件は、ベトナム軍がカンボジアから完全撤兵をするということでなければならないわけであります。しかし、ベトナムは戦後アメリカと戦い、そしてまた中国と戦い、そしてポル・ポト政権と戦ってやってまいりました結果、かなり疲弊をして、もう戦争はやりたくない、何とかここで我々も戦後復興を図りたいという気持ちになったものですから、これはそいつを助けてやらなきゃならぬと。そのためには、カンボジアから撤兵をするということがまず先決であるということであります。  国連も同じようなことを取り上げて、それで何回かいろいろな勧告をしたり、いろんなことをやってまいった。しかしながら、その暁において完全に両方とも武装解除をして、だれがそれじゃ中心になってやるかといっても、これはなかなかできない。したがって、国連はこれに対していろいろ勧告をした結果、いずれにせよUNTACのようなものを入れて、そしてカンボジアの中ではSNCといいますか、四派の共通の臨時的な政府をまずつくって、それが国連の監視、監督のもとで公正な選挙を行って、その結果つくられた政権を本当の政権にするということが決められて、いろんな手はずが整えられてきたわけでございます。それが今進捗しつつある。  武装解除から始まるんですが、この武装解除というのも、実際は全部武装解除させろといっても、現実はみんなポル・ポト政権の怖さというものを知っておりますから、一〇〇%武装解除にはなかなか応じなかったんです、実際は。したがって、七割武装解除ということになって、三割だけはとりあえず残す。そして、選挙をやった結果どういう程度の軍備にするかということは、新しくカンボジア人の手によって生まれた政権が決めることだということに持っていこうと今しておるわけであります。  しかしながら、この七割武装解除というのが、全体の実際の兵隊の数がわかってわからないようなものですから、これは実際は。だから、七割引いたというけど、幾ら残ったのかということはわからない。特にクメール・ルージュについてはジャングルに潜っておるわけですから、もともと幾ら兵隊があったのかわからないり武装解除された人が本当の正規軍であったのか、そうでなかった、難民であったのかもわからないという不信感を片一方は持っておるし、現在のヘン・サムリン政権の方ではまた十万以上の民兵を持っておりますから、民兵が武装解除になったからといって正規軍が残るのかというような問題もわからない問題があって、なかなか非常に難しいというのが現在の情勢じゃないか。(「答弁が長過ぎる」と呼ぶ者あり)私は今までどうしてそういういきさつになったかを話してくれというから話しているので、質問者の要求によって私は話しているので、別に外野席の要求で言ってないんですから。  そういうような状況であります。だから、何とか妥協に妥協の結果、今国連が提示しておるようなことをやっておるわけですから、これを成功させる以外にはあそこがもとの本当に平和な国になるということはないんじゃないか。だから、この非常に壮大な計画の国連の介入した現在の和平案というものを成功させるというためには、我々も全面的に協力していく必要があると考えております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 ということは、やはり冷戦構造が終わって、そしてその中でカンボジアの内戦も終止符を打ち、そしてパリ協定に基づいてUNTACがカンボジアに暫定政府をつくって、そして民主的国家をつくっていく。こういうことになっていくと思うんですけれども、それに当たって、やはり日本が、もちろんアジアの一員でもあるということもありますし、また東京会議等でも見られますようにこの和平についても相当努力をしてきた、こういうことにおいては、日本自身として国際貢献をしていく、こういうことの試金石といいましょうか、カンボジアにおいては非常に私も大事だと思うんですけれども、その点については政府、宮澤総理自身も非常に強い決意と認識を持っておられると思うんですが、その決意はどうでございましょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 先般現地を御視察なされまして帰国されました報告というものを私も実は読ませていただいておりまして、まさに言われますように、我々として、今長い歴史を外務大臣が話されましたが、この国が独立をする、自分たちの意思による平和な国をつくる、そのために我々としてはやはり最大限の協力をしなければならないというふうに考えております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 そこで、カンボジアに対する国際貢献のあり方ということについては、これは相当大きく国民を二分しておりますし、どうなのかという、貢献をするということについては今政府についても私どもについてもこれは一致していますし、私どもも現地へ行ってまいりまして、何としてもやはり国際貢献を日本もかかわって非常に早く民生の安定をした豊かな国になってほしい、こういうことを強く思って帰ってきたわけでありますが、その点どうでしょうか。  まずPKF、いわゆる自民党さんにとりましてはやはりPKFというものが非常に大事で、とりわけ自衛隊のいわゆる停戦監視、いわゆるUNTACそのもの自身が停戦監視を含めて平和を維持していくという行為そのものが非常に大事なんだという、こういう考え方でございますし、また各党におきましては、そのためには事前国会承認が必要だという考え方もありますし、またあるところにおきましてはPKFを凍結したらどうだという考え方もありますし、また私ども社会党のように、そうじゃなくてもう日本国憲法というものから見ても非軍事、民生そういうことでやはり支援をすべきだと。こういうように、もう本当にさまざまのカンボジア一つとってみても貢献の仕方においてはたくさん意見の相違がこれはあるわけなんです。  そこでどうでしょうか、国際貢献においては全体のさまざまの意見がまず一致をするという、そこからまず始めていくという、こういう姿勢というのはとることができないんでしょうかどうか、その点ひとつ、外務大臣どうなんでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) これはもう国会が全部一致してくれれば一番いいことですよ。それは結論から言えばそのとおりなんです。しかし、問題はやはりその国連の決議、これをそのまま守ってもらうということがなければ和平は生まれてこないんです、内乱がやまなきゃだめなんですから。一応内戦はじゃやめるということでサインを苦したわけですからね、それぞれが。その後でも少しトラブルありましたよ。あったけれども、そういうトラブルも二回も三回も起こさせないようにする。そのためには、何としてもまず国連の決定どおり、各派が戦闘を完全に停止をする、それから武器弾薬それから兵隊七割を削減して武装解除をする、そして大量の武器を処分する。  そうしたら今度、あとは地雷が百万発とも言われるし四百万発とも言われるし、実際はわからない、実際何ぼやっているのか。だけれども、それをくまなく探して、そしてその地雷を撤去させる。その傍らやはり道路をつくらなきゃ難民が帰ってこれませんから道路をつくり、橋をかけ、うちをつくり、水や種をやり、農機具を与え、そして農耕を営ましめる。一方は、選挙体制を整備して選挙をやるということになるんですが、その前の段階があるわけです。  これも本当に半年やそこらで完全に安心できるような環境ができるかどうか、やってみなきゃわからない。わからないが、いい機運が両方でできたわけでございますから、この機を逃してはいかぬということで各国とも、もうどんどん工兵隊を出したりあるいは歩兵部隊を出したりなんかして、それてそれぞれの事業をやっているわけですよ。それによって、もうここじゃ内乱起こしてもしょうがないというふうにみんなある程度あきらめさせることも大事ですしね。  そういうようなことでやっておるわけですから、もう二回と戦を起こさせないというための平和維持活動が展開されるのであって、我々は世界の諸国がやるようなこのノーベル賞に値するような維持活動は日本も参加すべきであるという観点から、日本の憲法の問題もあるのでいろいろな縛りをかけながら原案を実は提出してある。だから、この原案に全部賛成をしていただくならば満場一致で決まるわけであります。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 もうこの国際貢献については二年超えるんじゃないですかね。審議をし、廃案になったりあるいは継続になったりしながらやってきている。そのたびに塀、壁というのが高くなったり、なかなか越えにくいというのか、むしろその国際貢献、UNTACでも率直に言って軍事部門だけではないですわね。いわゆる新政府を樹立するという行動については、もちろん選挙という問題もありますし、あるいは文民警察の問題もありますし、あるいはそのための、難民一つとりましてもいわゆる住宅の問題だとか、そういう復旧の問題だとかさまざまの民生の問題がたくさんある。  だから、そういう意味ではこの国会の各党間における、その塀をまず低くして全体が越えられるところからスタートすれば、私はそれなりの経験も積めるし、もっと経験を積むことができる。そういうことを国民も期待しておるんじゃないか、私はそんなことを思うんですが、私ども社会党の発議者である野田さんなりあるいは久保田さんの方からその点について意見がありましたらちょっとお伺いしたいんですけれども。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○委員以外の議員(久保田真苗君) カンボジアにまずできるところからやろうじゃないかと、全くおっしゃるとおりだと思います。  私どもは、もう本当にカンボジアはこれ大変急がれておりますし、私どもももちろんカンボジアのUNTACに、また難民の定住それから国民生活の基盤整備と、UNTACに限らない広い部門にわたっても将来とも協力が必要だと思いますので、今からそのような要員をUNTACに派遣できたら本当にいいだろうと思って、これは何回も私どもはそういう提案をしてきているところでございます。  つまり、まず求められている文民警察、これには第一回目のは私どもは応じていないわけですけれども、これからますます必要な、全体として三千六百人の文民警察があちらへ行って、現地の警察官とともに四派のどれにも偏らないような警察業務をやっていく、住民を保護していく、あるいは選挙の事務を側面から支援していくといった、そういうことは最終的にカンボジアの再建を成功させるための最大のポイントだと思いますので、まず文民警察を、それから今選挙管理事務が始まりますので、そういったところの準備段階の要員を日本の中からえりすぐった人を送っていくということがすぐにできるべきだと思います。したがいまして、このPKO、政府原案の問題にかかわらずこのようなことは手をつけているべきだったと思いますので、カンボジア支援はそういった形で一日も早くスタートしてほしい、こう思うわけでございます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 どうでしょうかね、まずできるところから派遣をするという、文民の部分から派遣をするという、直ちにそういう構えは、大臣どうですか、ありますか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) それは内乱がもう完全になくなって、武装解除されて治安が確立されなければ、そんなことを言ったって、文民をどんどんどんどん派遣すると言ったって、言うべくしてそれはできないんですよ。それは治安がまず悪いんですから。治安がいいんなら問題はないんです、何も。治安がないし、いつまた始まるかわからないような状態にあるわけですから、まず武装解除とか、そういうことを先にやってしまわないといかぬのですよ。地雷やなんかも撤去しなきゃいかぬのですよ。  だから、それができないというんだったら、しかしそれに近いものがまた輸送とか通信とか医療とか難民救済だとかあるわけですから。しかしこれも完全に治安がよくなってから行くのだったらだれでも行くのであって、それは治安が悪いから行きたくないというのはどこの国だって同じですよ、実際は。だから、中国の工兵隊が参加して、中国の軍報に書いてあるそうですが、我々は初めて世界に貢献できるようなすばらしい仕事を我軍はやる、非常に名誉あることである、やりがいがあるということは軍の新聞に載っているそうだ。全くそうだと思うんです、どこの国でも。そういう気概と誇りがなければやっていけないんですよ。  それからもう一つは、警察とか行政事務とかの指導とか言ったって、そういうものを特定な国、例えば日本なら日本が行って、みんな治安が何かよくなったところへ行って日本の指導で全部行政とかなんかで大きなシェアを占めるということは、これは国連としては好ましくないんですよ。やはり一国に偏るのはいかぬわけですから、非同盟、中立なんですから。選挙の分野であろうと警察の分野であろうと、特定の国がシェアを多くするということはこれは好まれないんです、その国に対する覇権じゃないか、影響を及ぼし過ぎるんじゃないかと。だから、みんなで手分けをして特定の国が影響力を及ぼさないように仕組んであるわけですから、これはもともとが。これはうまいところだけいただきというわけにいかないんですね。だから、そこのところはよく考えて現実的に対応していただかなきゃならぬと思います。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 渡辺外務大臣に反論なんですが、カンボジアで内戦が十二年間続いたんですけれども、十三年前からもうNGOは活動しておるんですね。いわゆる治安が悪い。それは確かに内戦がずっとあったんですから、そんなにいいとは言いませんけれども、しかし十三年前からでももうNGOがかんがい用水の問題だとか、学校の問題だとか、あるいは病院の問題だとか、そういうことでやっている実績があるという、私、そういうことをやっぱり無視したのではいかぬのではないか、こういうことを一つ言っておきたいと思うんです。  それと、さまざまの人的支援を送る場合においては、それぞれの国連の参加国にはバランスよくしていくということは当然のことだと思うんですけれども、そのバランスの中で私はできる範囲の中で送ったらどうか、こういう話でございます。  次に行きたいと思うんですが、私どもUNTACの本部へ行ってまいりまして、サドリさん、いわゆる明石特別代表の代理、あるいはサンダーソンさんだとか含めてお話をしてきました。その中で、私どもカンボジアの民主国家の成立のためにはやはりUNTACの果たす役割というのは非常に大きい、こういうように思うわけでありまして、そのためにはUNTACを何と申しても支えるのはやっぱり予算であるというように実は思います。  そこで私ども、その予算の見通しについて少し心配もしたりしておるわけでありますけれども、その点について、UNTACの予算の最終規模を含めてどうなっていくのか、あるいはどういう現状であるのか、少し政府委員の方からお答えをしていただきたいと思います。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) UNTACの本体自体の予算の問題につきましては、先生も御承知と思うんですけれども、ことしの二月でございましたか、国連の本部の事務局が一応の見積もりといたしまして十九億ドルという数字を出したわけです。これに対して中身の吟味が現在行われておりまして、最終的な数字というのは総会で決定されるわけですが、今のところまだ決定されておりません。いろんな憶測では、恐らく一億か二億ドルぐらい下がった数字が最終的に認められるんじゃないかということで、現在最終的に決まっておりません。  しかし、そんなことをやっていては活動ができませんので、とりあえず立ち上がりの資金として二億ドルだけは決定した、これを各国に分担率に従って割り当てた。それの大体七割ぐらいが現在国連に払い込まれている。日本はそのうち二千五百万ドル支払った、アメリカも大体三〇%ぐらいですから六千万ドルぐらい払ったという、そういう状況にきております。そういう意味で最初の立ち上がりの二億ドルの分について今国際社会から資金を集めている、そういう状況にある。全体の数字についてはこれから決定されるという、そういう状況にございます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 そうしたら、十九億ドルというのもまだこれ下がる可能性があるんですか。そして、決定がまだ最終的にはされていないということなんですか。それちょっともう一度確認のために教えてください。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 最初二月に国連事務局から出されました見積もりは、先ほど申し上げましたとおり十九億ドルかかるんじゃないか、これはUNTACの活動そのものですね。国連の中でその後費目の積み上げにつきましていろんな議論が行われてきておりますけれども、その結果として、先ほど私一、二億ドルぐらい下がるんじゃないかということを申し上げましたけれども、五月三日に再び出された数字によりますと、十九億ドルではなくて十六億八千万ドルぐらい、約十七億ドルぐらい、そういう意味で二億ドルぐらいちょっと下がった数字が出てきておりまして、これが最終的な数字になるかどうかが今議論の最終段階が行われている、国連総会が決定いたしますけれどもまだその決定が見られていない、そういう状況にございます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 そうしたら、サドリ特別代表との話のときにも、立ち上がり資金の二億ドルはもうほとんど使い果たしたと、こうお聞きをしたんですけれども、それはどうでしょうか。立ち上がりの二億ドルの資金というのは、立ち上がりですからスタートを切るということで非常に大事な問題だけれどももう使い果たしたと我々は聞いたんですけれども、そのようなことについてはどういうように情報を得ておられますか。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) お答え申し上げます。  サドリさんが先生のグループにそういう説明をされたのは私たちも承知しておりますけれども、本当に使い切っているのかどうかという点については私たちまだ確認しておらない状況にございます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 私どもこういうお話も聞いてきたわけですけれども、いわゆる世界的な不況という状況があったり、あるいはPKOが各地で、またやがてアフガンでもこれ可能性もあるだろうし、もちろんヨーロッパではユーゴ含めて出てきますし、かつてなく国連にとっても分担金含めて、任意のお金も含めて非常に多く重なってくるという、そういう状況の中で、とりわけアメリカのUNTACの分担金が非常に議会の中においても反対があったりさまざまな憶測を実は呼んでおるという、そんなことも私ども調査の中で聞いてきたわけでありますけれども、それと、この十九億ドルを二億ドル減らして十六億ドルにという、そういうこととも関連性があるのかどうか。そこらの背景をもう少し、これ非常に大事な、UNTACが活動するに当たってやはりお金がなければこれは何もできないわけでございまして、その点について詳しくひとつ説明をお願いいたします。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) まず、アメリカの拠出金の問題ですけれども、最近アメリカの議会はことしの九月までの補正予算の中で新たに二億七千万ドルのPKO資金を認めておりまして、そこからUNTACにアメリカは現に立ち上がり資金の六千万ドルを支払ったわけでございます。  当初の十九億ドルが約十七億ドルぐらいに減額される過程にあると申しますか、そういう議論が行われておりますのはアメリカ一国だけの議論ではございませんで、実はG10と呼ばれておりますけれども、グループ10ですね、十カ国、P5と呼ばれております常任理事国五カ国とそれから日本とかカナダとかドイツとかいう大口拠出国全部集まりまして、みんなが議論をしていろいろ精査した結果として、そういう若干減額されたものが現在議論されておるという状況でございまして、アメリカ一カ国の意見で数字が下がってきているということでは必ずしもないと私たちは思っております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 いずれにしても、UNTACの資金問題が、当初十九億ドルが今聞きますと十六億ドルに減っていくという、しかもその資金調達が非常にスムーズに、それがさらに立ち上がり資金がほとんどもう使われてきた、こう言っておるわけですから、それらの点が非常に重要だと思うんですけれども、もう一度その見通しですね、いや、十六億ドルになったけれども、これはそれぞれの、ヨーロッパを含めて心配なくそれはちゃんと早い時期に集まるんだという、そういうようなことでありましたらそういうようにひとつ答えていただきたいと思います。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 最終的にどういう数字で国連が決定するかはまだわかりません、大体十七億ドルぐらいで決定されるのかどうかわかりませんけれども、率直に申し上げて、今十七という数字を丸い数字で使った場合、それが……

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 十六億……

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 十六億八千万です。ですから十七億、丸い数字で。  それが決定されて、分担率で各国に割り当てられた場合に、世界の関係国から迅速にお金が集まってくるかという御質問であるとすれば、私は個人的には心配しているんです。例えばロシア連邦、これはロシア連邦は最近御承知のとおり財政状況非常に悪いですし、果たして分担率だけ払ってくれるのかどうか。それから開発途上国たくさんありますけれども、全体として払ってくれるのかどうか。ですから、私たちの立ち上がりの二億ドルの経費の集まりぐあいを見ましても、先ほど申し上げましたように、少なくとも五月七日現在で私たちが知っているところでは、立ち上がりの経費二億ドルのうち一億四千二百四十四万ドルぐらいしか集まっていない、七割だということで、例えばその中には先ほど申し上げたロシア連邦は入っていませんし、ですからあとの三割は払ってないわけですね。  ですから、そういうことは総額についても出てくる可能性があるわけでして、それから全体として、例えばユーゴにおきますPKOが六億ドルという最初見積もりが出ましたけれども、果たして六億かという議論が行われておりますし、それから最近ソマリアでもPKO的なものが設立されましたし、PKOで大変な財政難を国連が抱えておるということが既にあるわけです。そういう意味でUNTACにつきましても、全体の総額が決まったらさっと世界が出してくるのかという御質問であるとすれば、そこは私は決して楽観的なことは申し上げることはできない状況に国連は当面しているというふうに考えております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 となりますと、非常に深刻な状況にこれはなってくるのではないか。上りわけ、また日本に対する期待というのはこれに反比例して非常に高まってくる、そんな感じもせぬわけじゃないんです。  分担金ですらそういうことでありますから、任意の、特に難民帰還の関連についての問題とかUNDPにおける任意の拠出の問題についてはどうですか。任意の拠出金についてはより一層にそういうことが反映されるという危険があると思うんですけれども、その点についてはどうですか。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) まず、UNTACの本体以外の予算で国連としてアピールを出しておりますのは、見積もりを、当初、復興には八億ドルぐらいかかるんじゃないか、それに加えて難民の帰還問題で一億一千六百万ドルぐらいかかるんではないか、合わせて九億何がしかのそういうアピールだったんです。それが最近になりまして、難民関係の一・一六億ドルはそのままですけれども、復頭部分は五億ドルに減らしたものを、これは先生よく御承知だと思うんですけれども、この間ガリ事務総長がプノンペンでアピールを出した。そういう意味では、これも丸い数字ですけれども、六億ドルぐらいのものがUNTACの本体とは別に、復興プラス難民ということで六億ドルが今国際社会にアピールが出されている、こういうことになると思います。  その六のうちの一・幾らかが難民関係。この難民関係について私たちが持っております資料では、一・一六億ドルのアピールを出したけれども、これは任意拠出ですが、現在まで約八千万ドルぐらい集まったということなんです。したがいまして、大体これも七〇%ぐらいに上っておる。このうち、ちなみに日本は三千五百万ドル出しましたから、比重としては相当高いものがあるんだろうと思うんです。  残りの五億ドルが復興関係ですけれども、これについてはアピールが出たばかりですから、どの程度の資金が集まっているか私たち承知いたしておりません。日本自身も、今後、いろんな状況を考えてこれに参加していくという状況になっておるわけでございます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 今のお話を聞いておりまして、やはりUNTACの分担金、それから難民帰還等を含めてのガリ事務総長のアピールの任意の拠出金においても、それぞれの国の事情だとかそういうものもあってなかなかスムーズにいかないというような、あれは個人的に見ても非常に不安で心配だ、こういうようなお話であった、こう思うんです。  そこで、やはり日本としては、UNTACの特別代表は日本人である明石代表でありますし、あるいはまた難民の国連機関におきましても緒方さんがやっておられるということで、どうしても日本についての期待というものが高まってくる。特にその中で、過日、明石代表が衆議院の参考人ということの中で、分担金と拠出金の全体の予算の枠の中における三分の一ぐらいを期待したい、こういうような発言があったと聞いておるわけでありますが、日本としても国際貢献ということの中でそういう腹づもりというのか、ぜひひとつ率先して、あの湾岸戦争では九十億ドルということですから、そんなのたかが知れておる、もっと大事だというこういう腹構えなのかどうか、外務大臣、ひとつお願いいたします。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) これは政府全体として協議をしなければならない問題でございますが、明石さんの話によると、アメリカは最初なかなか難しいんじゃないかと思ったところが、最近会ってみて、みんなでじゃ自分の分だけ出そうと、日本についてもそれと同じぐらいはひとつ期待をしたいという話がございます。  けさも払お会いしたんですが、しかし財政との問題もございますので、十分政府全体として相談をしてまいりたいと存じます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 その点について、社会党の発議者の野田先生、いわゆる日本としてUNTAC、そして分担金、任意の分担金を含めて非常に厳しい状況がある、日本に対する期待が大きい、こういう一連の今のやりとりの中の状況なんですけれども、どういうように考えられるか、意見がありましたらひとつお聞きしたいと思います。

野田哲日本社会党・護憲共同

○委員以外の議員(野田哲君) 私ども直接財政を今責任を持って担当する立場にはございませんが、やはりアジアにおける日本の立場として、カンボジアに対する今後のもろもろの問題に対応するUNTACの措置をできるだけ効果あるものにしていくために最大限の財政的な支援を行うべきだ、こういうふうに考えております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 それでは、次の問題に移ってまいりたいと思います。  このUNTACが成功するには、いわゆる地雷、この地雷が難民の帰還問題についてもやっぱり大きな問題にもなってまいりますし、また国の復旧についてもこれは出てくるわけであります。その中でとりわけこの地雷の撤去をどうしていくかということが、これまたこの委員会においても大きな議論に実はなっておると思うわけであります。  そこで、まずお聞きしたいんですが、先日私ども社会党がカンボジア支援策の中で、いわゆる地雷の撤去というのは大体こういうことでしたらどうかということを実は発表しているわけでありますけれども、その点について政府はどのように評価されているか、ひとつ社会党のカンボジア案を、前に板垣さんがあれは質問されましたか、ちょっと私も忘れましたけれども、その点について少し御意見をお伺いしたいと思います。どうぞ防衛庁長官、ひとつ。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(宮下創平君) 地雷処理についての社会党案がどのようなものであるか議論のあったことは私も承知しておりますけれども、正確にどのような対応をすべきかという点についてはっきりと認識しておりませんので、できれば社会党の方からその提案をお伺いした上で私の見解を申し上げたいと存じます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 社会党案というのは正式じゃなくて、いわゆる案ということで、一定程度地雷というものの撤去についてはこういう形にしたらどうかということを、これはぜひひとつ野田先生、もしもありましたらそういう説明をしていただいて、それでまたもう一度見解を聞きたいと思います。

野田哲日本社会党・護憲共同

○委員以外の議員(野田哲君) まず、地雷等の処理については「地雷、ブービートラップ及び他の類似の装置の使用の禁止又は制限に関する議定書」というのがあるわけでございまして、その中では地雷等の処理については、和平が回復したときには地雷の排除あるいは効果のないような形にするための第一義的な責任はその設置者にある、こういう取り決めがあるわけでございますから、そういう立場を踏まえて私どもとしては、今回の法案のPKFにはあるいは軍事的部門には参加をしない、こういう立場を提案しているわけでありますから、法案の中では地雷処理の問題については触れておりません。  それで、現地の聞くところによると、約二十万人の武装解除を行っている。その武装解除を行った旧軍事要員、この人たちの雇用の保障といいますか職の保障という面が現地では大変困難な状態に置かれている。そこで、現地でUNTACの指導のもとで基金をつくって、その基金によって現地の武装解除した人たちを要員として地雷処理に当たっていく。そういう構想があるというふうに聞いておりますので、それに対して私どもとしてもUNTACに対する資金的な援助の中でその点についての配慮も行われるべきではないか、こういうふうに考えております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 ありがとうございました。  防衛庁長官、どうでしょうか、そういう考え方については。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(宮下創平君) 地雷処理の議定書につきましてお話がございました。基本的には私は、カンボジアにおける地雷、これは今お話しのように、百万発とも四百万発ともと外務大臣がおっしゃられましたが、要するに不明でございます。そしてまた、設置した場所等も不明のようにお伺いしております。したがって、今野田議員の方からお話がございましたような点はそういう点では十分考慮に値すると思います。  一方、しかるところ自衛隊では、自衛隊の処理の訓練等も一応は行っております。これは我が国に対して侵略が行われた場合の抑止力としての訓練を行っております。したがいまして、自衛隊としても、カンボジアに参りましてこのPKFあるいはPKO活動を実施する上で必要であれば、これは法三条にも明記されているとおり、地雷の処理は私は可能だと思いますが、しかしこれは非常に限定されたものというように従来申し上げてまいりました。しかし、訓練次第によってはある程度可能であろうと思いますが、面的な面で日本が自衛隊の処理を全面的に行えるかどうかという点は、これは私はかなり制限的に今まで答弁をしてまいってきております、現実的に。  したがいまして、今野田委員のおっしゃられましたように、やっぱり民族の自立とこれからの民主的な国家をつくろうということであれば、四派の解除された元軍人なりそういう人たちが自分たちの国の安全を一義的に確保するということは私は大切なことだと存じます。ただ、そういうことだけでもできない場合は助力するなり、我々が出動した場合には地雷処理の必要性があればこれを実施しなければなりませんし、そしてまた場合によりますと、指導その他の指導センター等も設置されるようでございますから、そういった点で貢献もできるのではないか。  いろいろ多角的に考えてまいりませんと、現地の状況が定かではございません。任務が与えられましたならば、それに応じて自衛隊の役割もしっかりと果たしていきたい、このように存じております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 私はこういうように思うんです。いずれにしても地雷の撤去の問題は、いわゆる先に自衛隊がある、先に自衛隊がそこに行かなきゃならぬという前提じゃなくて、どうしたら一日も早く確実に地雷が処理できるのか、そういう点から発想することが非常に私は大事だと思うんです。もっと柔軟的に考えなければならぬ時期じゃないかと思うんです。そういうことが一つの大前提だと思います。  そこでもう一つ、整理をする意味でこれはぜひ政府委員にお聞きをしたいんですが、地雷は百万からあるいは四百万と非常に幅があり過ぎて、ということは逆に言ったら情報がわからぬということにもなろうかと思うんですけれども、実際どれぐらいあるのか。UNTACの、あるいは和平の中で各四派の中でヒアリングをしていると思うんですけれども、その中で想像してどうなのか。そのあたりちょっと教えていただけますか。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) この点は、もう聞く人によって数字が非常に違いまして、小さい数字は百万、けさも明石代表は四百万という数字を使っておられましたし、それからプノンペンにおけるうちの大使も四百万という数字、大きな数字としてはあると。カンボジアの人口は八百万であるから二人に一人分だというような、そういうことを言ってまして、本当に確定した数字というのはちょっとなかなか確信を持って申し上げられないんじゃないか、こういうふうに考えております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 和平の中においてそういう数字は出ていないんですか。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 今まで文書の中で私は承知しておりません。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 数字はわからぬということなんだけれども、いずれにしても百万から四百万と言われている、ある人によったら四十万発やという人もおるし、非常に差があるということなんですね。そうしたら、カンボジア国内のどのあたりに埋められておるのか。  私も、それはカンボジア全土を四日間で回れるわけでもないし、いわゆるプノンペンの市内と、ちょっと車で一時間の郊外へ出るぐらいで、その中においては、(「安全なところじゃないか」と呼ぶ者あり)正直な話はおっしゃるとおり安全なところにおるわけでございまして、現場に行けなかったことは非常に残念なことだとは思うんですけれども、実際問題どうなんですか、どういうところにあるのかということは大体掌握されておるのかいないのか、その点はどうなんですか。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 私がお答えするのが適当かどうかはちょっとわかりませんけれども、多くの人が言ってますのは、タイの北西部を中心として非常に広範囲な地域に分布しておる。  それからもう一つは、小さな地雷になれば、雨期が来れば流されて移動しちゃうということを言っているわけです。そういう意味では、地雷を敷設したその関係者ですらそういう小さなものについてはもう場所がわからなくなるというような状況も出てきているというふうに聞いております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 それで、この地雷については、最近よくテレビでも対人地雷を含めてこういう種類があるということを、我々もそういうことによって知るんですけれども、僕ら自身が地雷を実際見たこともございませんしよくわからない面があるんですが、どうですか、地雷の種類ということを確定をしながら、そういう中で撤去作業が非常にハイテクなどを使われるのか、あるいはこつこつとやらなきゃならないのか。その点少し、今の最新情報がありましたらひとつ教えていただきたいと思います。

畠山蕃防衛庁防衛局長

○政府委員(畠山蕃君) 各国の地雷処理とも、この地雷処理の問題につきましては非常に技術レベルに差がございませんで、かなり一般的にプリミティブな方法で行われているというふうに聞いておりまして、例えば我が国の自衛隊が仮に要請があって協力が求められるという場合になりますと、これは二つのやり方がございます。  一つは、通路を開設するという意味で、地雷原処理車を使いまして、ロケットを発射いたしまして、手元から向こう百メートルの距離を、五十センチンの幅で爆薬がずっとついておりまして、それがスイッチを押すことによって破裂して百メートルの長さ、〇・五メートル幅で処理ができるというのが一つのやり方であります。  それからもう一つは、もっと地道に地雷探知機を使いまして、これでもってこつこつと調べて、それを処理ないしは除去するというような非常にプリミティブな方法がとられておるということでございます。  その程度が、現在各国とも同様の技術でもって行われているというふうに聞いております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 ということは、いわゆる種類の確定、そしてそれで訓練によっては割と、例えば四派の兵士含めて非常に簡単に訓練によって除去していくことが可能なのか、それとも非常に難しいものを伴ってくるのか、技術的に。そこらは実際のこととしてはどうなんでしょうか。

畠山蕃防衛庁防衛局長

○政府委員(畠山蕃君) 訓練をいたします場合には、要するに各地雷の種類がいろいろ何に反応するか、あるいは対人地雷、対戦車地雷、いろいろの種類がございますので、それらについての、現在例えばカンボジアならカンボジアのどの地域にどういう種類のものがあるかということで、まず知識の把握が必要であります。  それに対して探知する場合に探知器を使って探知するというのは、あるピンポイントを定めるわけじゃなくて、大体その辺にあるということを定めるわけでありますから、その後ピンポイントを定めるには一々突っ込んでみて、当てて、その上の泥を排除して、それをそっと出すというようなそういう行為をやっているわけで、そのいわば訓練といいますか非常にプリミティブな危険のない繰り返しの作業をいわば習得するというようなことが指導の内容になろう、教育の内容になろうかと思います。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 もう一度聞きますけれども、その訓練というのは非常に短期間でそういうものができるものなんでしょうか。それはどうなんですか。それももう簡単で結構ですから、できるかできないか、非常に短期間でできるのか、その訓練によって。

畠山蕃防衛庁防衛局長

○政府委員(畠山蕃君) 練度のどういう状況を求めるかにもよりますけれども、これはかなり人海戦術的なところがございますので、一応ある程度のレベルまで行くにはそれほど時間がかかるものではないというふうに思います。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 私どもがカンボジア現地でUNTACのサドリ特別代表とサンダーソン司令官と会談したときに、この両氏の方から、このほどカンボジアの地雷除去活動センター、いわゆるCMACの設置でSNCと合意をした、こういう説明を受けたわけであります。この両氏の説明によりますと、このCMACはUNTAC終了後も一方から二万人のカンボジア人が地雷除去をできるようにするメカニズムをつくる、こういうことなんです。  だから、UリNTACがいわゆる去っていっても、後にやはり地雷というのは長期間かかるという前提の中でそういうメカニズム、システムを実はつくるのだ、それがCMACだと、こういうような説明を実は聞いてま。いりました。  それで具体的には、このCMACはカンボジア人に地雷除去訓練を行い、長期にわたって彼らの手で地雷除去を行う組織でUNTACの枠外としてやるのだと。そして、UNTACと密接な協力のもとに国連の指導と財政援助のもとに活動する、そして一九九二年の末までにUNTACの派遣軍が五千人のカンボジア人に地雷除去を教えることになる、訓練を受けたカンボジア人は雇用契約をして実際の地雷除去に当たる、こういう説明を聞きました。  既にもう、このUNTACの要員二百人がその教官として、指導者として確保された、こういうようなお話を聞いてきたんですけれども、その点について長官どうですか、カンボジア地雷処理活動センターというそういう構想を聞かれておりますか。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(宮下創平君) 今、CMACの話ございましたが、おおよそそんな話も聞いてはおりますけれども、詳しい状況は聞いておりません。  ただし、私は、今委員のおっしゃられるように、地雷処理はそういう方向をとることも非常に必要かと存じております。つまり、この法律によりますと派遣人員は二千人を限度といたしておりまして、自衛隊員もそんなにたくさん、これは選挙監視あるいは警察それらを含めての話でございますから、そんなに大勢地雷処理だけに参るわけにはまいりませんから、当然そういったCMACみたいな構想によって処理されること、これは私は望ましいことだと考えております。  ただし、それでは自衛隊は地雷処理を行わないかと言えば、私は、やはり現地でPKFその他の活動をやる場合に、十分その自己防衛的な意味でもあるいはまた民生協力の意味でもやらざるを得ない場面も出てくるのではないか、こう思っておるところでございまして、決してCMACができたから自衛隊がPKF活動をやるについて、地雷についてはノータッチであっていい、こういうことにはならないと、こう思っておるところでございます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 UNTACのサンダーソンさんだとかあるいはサドリさんの話の中で、今CMACのお話をさせてもらったんですけれども、聞くところによりますとシアヌーク殿下が緊急に世界にCMACのファンド、資金を呼びかけるんだと、こういう話を実は聞いてきたんです。  そこで私は、今防衛庁長官の話を聞いておりまして、少し見解を異にするんですけれども、先ほども言いましたように、まず自衛隊が何が何でも行ってその地雷を処理しなきゃならぬという論の組み立てはする必要はないのではないか、ここはやっぱりはっきりしておかなきゃならぬじゃないかと。そうじゃなくて、この地雷というものがいわゆる難民の帰還の問題、定住化の問題、あるいは国の復興の問題、そういうことについて非常に大きな妨害として実はなっておる。そういうことでありますから、どうしたら合理的に一日も早く確実にそれが除去できるか、ここに僕はきちっと焦点を据えていく必要があるんじゃないか。  それにはやっぱり四派の七〇%の軍隊を解除していく。そうしたら失業者は二十万人を超えるかもわからぬ。民兵を入れるともっと膨れ上がるかもわからない。もちろんこれも定住化路線の中で国内避難民と同じような形の中で進めていくとは思うんですが、しかしそれでも職業に向かない場合だとか、さまざまな状況が出てくる。だから、そういうのはUNDPとの話し合いの中では、例えば商業資金と言いましょうか、小さな商売するのに資金を貸し付けるだとかそういうような制度をつくったりして、さまざまな形で定住化を図っていくことがカンボジアの民生にとっては非常に大事だという話であったと思うんです。  だから、そのためにもぜひ、その七〇%の解除の、カンボジアの兵士、彼らが一番野山を歩いているわけでございまして、またそこに生まれたということで地形もよく詳しいし、そういう中で今政府委員の答弁の中でも、訓練などはそんなに時間がかからない、非常に簡単であるということでもありますし、またUNTACでももう既に二百人の教官を確保したということでありますから、国民が二分をしていく形の中で自衛隊が地雷処理のために行かなきゃならぬということは私はないと思うんです。  その点どうなのかということを、もう一度ひとつ防衛庁長官答えていただきたいと思います。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(宮下創平君) 我が国が今度のこの国際協力に当たりまして、自衛隊を派遣するゆえんのものは、単に地雷処理だけを目的といたしたものではございません。委員に申し上げるまでもございませんが、三条に各種の業務がございます。停戦監視、兵力の引き離し、あるいは武器の搬出入の監視、その他さまざまなイからヘまでの業務がございまして、その中の一つとして放棄された武器の処理という問題が掲記されているわけでございます。  したがいまして、地雷処理の問題とか武器使用だけに非常に焦点が合わされておりますけれども、自衛隊の任務としてはもっと広範な組織力とか今までの訓練の成果、知識、経験等を大いに活用した、民間の人たちではなかなかできない、多少リスキーな点もございますが、そういう点を含めて自衛隊は活動を広範にするということでございまして、PKF並びに、まあ選挙監視とか警察の支援とかそういうことはいたしませんけれども、さらに人道的な支援問題、医療あるいはコンストラクションの問題、輸送、通信等々、広範な領域において自衛隊の組織力を使ってやることが非常に効果的であり、国際貢献にふさわしいと。  また、各国のPKOの派遣隊もそのような任務に従事しているわけでございますから、これは国際協調の一助としてやるわけでございますから、私どもはそういう広範な機能を考えておるわけでございます。地雷だけを目的としたものではございません。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 一番最初に歴史観のときにも触れましたように、やはりカンボジアの国の復興はカンボジア人のみずからの手で自分たちの国をつくっていくんだという、こういうことがやっぱり原則になる。そういうことと、今私が言いましたように、地雷の撤去について何が一番合理的で何がどうなのかということから判断をするべきだ。そういうことの中で、国論を二分した形の中で自衛隊が出ていく必要はないのではないか、出ていかなくとももうちゃんとシステムとしてはでき上がっておるんじゃないか、そういうことを反論として発言をさせていただいたわけでありまして、それを再度私としては自分自身で確認しておきたいと思うんです。  そこで次に、これは外務大臣にお聞きするんですが、このCMACということが間もなくシアヌーク殿下によって国際社会に支援アピールをするというんですけれども、そのことについて、自衛隊が行くというよりもむしろそこに財政支援をすることがシアヌーク殿下のアピールを受けるということで非常に大事だと思いますけれども、その点についてはどうでしょうか。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 私の方からお答えさせていただきたいと思いますが、その前に、先ほど私、地雷の分布状況についてタイの北西部を中心にということを申し上げましたけれども、もちろんカンボジアの北西部を中心にということでございますので訂正させていただきたいと思います。  ただいまのCMAC、カンボジア地雷対策センターと呼ばれておりますけれども、任務は地雷の啓発、地雷の探知、それから地雷処理に関するカンボジア人のトレーニングなどが任務になっておりまして、この活動はUNTACの終了後も今後何年間も行われていくという相当大きな活動だと承知いたしております。これは先生おっしゃったとおり、UNTACの活動とは別にカンボジア自身の対策として行われるものでして、近く財政計画がつくられて、これに基づいて各国に対して財政支援のアピールが出てくる、その点を先生御質問しておられると思います。  これにどう対応するかということだと思いますけれども、これはアピールの内容それから各国の対応その他を見ながら、日本としてもできるだけのことはしていくという姿勢で対応していくんではないかということだと考えております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 次に、難民帰還問題について質問させていただきたいと思います。  当初の計画より難民帰還計画がおくれてきておる、このように報じられておるわけでありますけれども、これまでに実際に何人が帰還したのか、既に国内で実際に再定住し生活を始めたのは何人ぐらいなのか、まずその事実からお教えをいただきたいと思います。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 国連難民高等弁務官事務所からの情報によりますと、ことしの三月三十日から帰還が始まったわけですが、四月九日までに計二千五百七十四人の難民、避難民がカンボジアの国内に帰還した。その後、旧暦のお正月がありまして、さらに四月二十一日から四月三十日までに計三千百三十一人が帰還した。この一千五百七十四人と三千百三十一人を合わせれば三月三十日から四月三十日までの一カ月間、正月休みがありましたけれども、五千七百五人が帰還したということでございます。  当初のUNHCRの計画では四月の末までに一万人の難民、避難民を帰還させるということが目的だと聞いておりますから、そういう意味では若干下回っているということです。それには、安全の確保、それから帰還先の土地の選定の問題、それから水が特に問題だそうですけれども、水の供給などのインフラの整備の問題なんかによってこういうおくれが若干出てきているんではないかということでございます。  ちなみに、緒方高等弁務官が先般、四月十八日から一週間ぐらい日本に滞在しておりまして、そのときに説明がありましたけれども、確かに四月は予定よりも帰還の人数は少なかったけれどもこれは試験段階であると自分たちは考えておる、今後帰還が本格化していくに従いましてスピードアップが図られていってもともとの計画にキャッチアップすることを期待しているという趣旨のことを説明しておられたことを御紹介申し上げておきたいと思います。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 ということは、やっぱり交通手段あるいは帰国後の土地の確保、あるいはキャンプセンターに入りますと一年間の食糧、米それから食塩、油を含めてそれぞれ今支給を受けたりするんですけれども、そういうことの中でおくれておるのか、いやそうじゃなくて交通の手段が一番弱いのか、そこらの点はどうなんでしょうか。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) この点はいろんな複合的な理由であろうかと思います。まさにそういうことでございましたので、私は緒方高等弁務官に対して、アメリカその他国連の中でもこの避難民、難民の帰還のペースが若干遅目であるということについての心配があるようですがどうでしょうかという質問に対して、今申し上げましたとおり、いや、そういう面はあるかもしれないけれども四月は試験段階というふうに私たちは考えておる、今後いろんな状況が改善されていくにつれてスピードアップが図られるようにUNHCRとしては全力を挙げたいということを言っておられました。  しかし、問題は、地雷の危険であるとか、それから帰ってきても、先ほど先生自身がおっしゃったとおり、定職あるいは定住というものがうまくいくかいかないか、そういうことは非常に大きな要素でございまして、その点は今後どういう対応を国連がするのか、関係各国とするのかが非常に重要な要素になってくるんではないかというふうに考えております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 難民の帰還のUNTACのスケジュールというのは、とりわけ選挙を実施するということで、やはりできるだけ多くのカンボジアの人々が選挙に参加するということでこの民主選挙と新政府の樹立ということがあるんですから、やはりこの難民の帰還のスケジュールが当初の計画どおり進んでいくということが私は民主選挙にとっては非常に大事だ、こう思うんです。  今の見通しの中でもう一度この件については最後にお聞きしたいんですが、選挙の実施がこのことによって一定程度左右されるのか、あるいは左右されないのかという点ですね。それと、また同時に、聞くところによりますと、難民の中においても、難民の中での方が生活もできるし、もう今さら帰りたくないというそんなこともよく耳にするわけですが、そこらの点も含めて答えていただきたいです。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 先ほどもお答え申し上げましたけれども、今後難民の帰還がスムーズにいくかどうかは、今まで帰ってきた方々がどの程度スムーズにカンボジアの社会の中に社会的、経済的に吸収されて安定した生活をしていくことができるかどうかということが、やっぱりいろんなうわさを通じてまだタイの国境にいる避難民のところに情報が伝わってくるんだろうと思うんです。帰っても安全だ、それから経済的にも何とかやっていけるという情報が伝わってくればスムーズな帰還ということが行われるわけで、そういう意味では今の段階が非常に重要な段階ではないかなと、こう見られておるわけです。  ちなみに、三十六万とも七万とも言われる避難民がスムーズに大規模な数字で帰ってくるかこないかは、まさに先生おっしゃったとおり、選挙の選挙人になるわけですから、彼らが帰ってこなければ円滑な選挙はできないわけですから、そういう意味では難民、避難民の多くの方が迅速にスムーズに帰って社会に定着するということは今後の選挙スケジュールその他に非常に大きな影響を与えるというふうに考えております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 難民問題についての最後の質問をしたいんですが、難民帰還事業は基本的にUNHCRがやるのは当然であると思うんですけれども、過日ニュースを見ておりますと、バスというのが多いんですけれども、列車で帰還をしたというニュースを聞いたわけなんです。私も、プノンペンヘ視察に行ったときにレールを見ましたし列車も見ました。ある意味で言えば列車が一番たくさんの人が乗れますし、しかもちゃんとレールの上を走るわけですから、非常に私自身としてはいいんじゃないかと思うんですけれどもね。  そこで、もちろんUNHCRの仕事であるということではありますけれども、日本として二国間支援といいましょうか、とりわけ一人でも多く難民がスムーズに帰ってこれることに対する支援ということの中で、聞くところによりますと今約六百両の車両が放置されておる、そしてその列車自身の復旧も余りできていない、行く便も限られる。こういうことでありますから、国際列車でタイまで行けるらしいですし、またベトナムにも行けるらしいですので、そこら辺の復旧に日本が二国間として考慮できないだろうかと私は思うんです。  難民問題としてはこれでもう最後にして終わっておきたいと思いますので、そのために運輸大臣にきょうお忙しい中を来ていただいておりますので、運輸大臣ひとつお願いしたいと思います。

奥田敬和自由民主党運輸大臣

○国務大臣(奥田敬和君) 難民輸送に関してということだけじゃなくて、カンボジアの経済復興、今後予想される形の中で一番恐らく要望されるのは鉄道の復旧あたりだろうと思います。先般も本院の田先生なんかも向こうに行かれて、向こうの要望で一番強いのは、古い貨客車といいますか、貨物であれ客車であれJRくらいで少し中古でそういった形を応援してくれないかというような御要望もございました。  そういったことは当面二国間の問題として援助であれ何であれ解決していかなければいかぬ問題ですけれども、無償ということになれば、いかなる形にしろ外務省の専管でもございますし、私どもとしてはそういった形で技術的な援助も含めて積極的に協力してまいりたい、そういう方針ております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 わかりました。  切りがいいと思いますので、午前中はこれで終、わりたいと思います。

下条進一郎自由民主党

○委員長(下条進一郎君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十四分休憩      ―――――・―――――    午後一時二分開会

下条進一郎自由民主党

○委員長(下条進一郎君) ただいまから国際平和協力等に関する特別委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、三案について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 それでは、午前中に引き続きまして、カンボジア現地調査に行ってきたことに基づいての討論を深めてまいりたい、このように思います。  まず、文民警察の問題についてお伺いをしたいと思います。  カンボジア現地で、サドリ特別代表代理は、文民警察はすぐにでも必要であるとの見解を私どもの会談の中で示していただきました。そこで、現在、カンボジアにどこの国の何人の文民警察が任務についておられるのか、また何人ぐらい不足しておられるのか、またその場合における武器の携帯はどうなっているのか、そういうことについて、これは自治大臣。

塩川正十郎自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(塩川正十郎君) ちょっと私はわかりません。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) お答え申し上げます。  国連の計画によりますと、全体としてこの文民警察は三千六百人の要員を必要とするということでございまして、四十七カ国に対しまして各国七十五名の要請を行う予定、あるいは既に行っているんだろうと思いますけれども、そういう状況でございまして、現在この時点で何名ぐらい集まっておるのかという点についての情報は、今私ちょっと手元に持っておりません。  それから武器の問題につきましては、一般論として申し上げましてピストルを持っていくことが許される場合があります。しかし、現にパトロールするような場合には、例えばオフィスにそのまま置いていくとか、いろんな状況によって対応が違っているというふうに聞いております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 三千六百名が必要だと今答えていただいたわけですが、現在UNTACのもとに文民警察がどこの国で何名参加しているかという質問に対してわからないと、こういうふうに言われたんですか。それはどうですか。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 私たちが四月二十二日現在で承知しておりますところでは、全体は先ほど申し上げましたけれども三千六百名ですが、そのうちシンガポール、フィリピン、インドネシア、マレーシア、フランス、ガーナ、フィジー、オーストラリア、オーストリア、ドイツ、イタリー、スウェーデンについては決まっている。フィジーについては例えば数字は五十人、オーストラリアについては十人、オーストリアについては二十人、ドイツについてはもともとの要請ベースの数字の七十五、イタリアが七十五、スウェーデンが三十二というのが私の手元にある数字でございまして、その他の国については現在交渉中であるというのが私がここに持っております四月二十二日現在の派遣の状況ということでございます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 そうしたら、今の報告はあくまでも予定ですか。今のところだれ一人この文民警察は参加をしていないんですか。それはどうですか。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) この点につきましては、先ほど冒頭で申し上げましたけれども、どこの国が何人現在の時点で出しているかという点については、確認された情報というのは今持っておりません。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 そんな、おかしいじゃないですか。これだけ日本の国際貢献ということで、とりわけカンボジアにおいては何をさておいても貢献しなきゃならぬ、こういう決意の中でこれは議論しているわけでしょう。私が一番最初に質問させてもらいましたように、貢献をしようということについては、これはもう全体が一致しておりますし、国民の世論も一致しておる、こういうことを私は午前中に語ったところでございます。  しかし、その貢献の仕方についてさまざまの意見がある。国民の中においても二分されておる。時には、PKFに自衛隊がそのまま参加することが大事だという意見もあれば、いやそうじゃない、それはもう憲法違反で、非軍事、文民、民生で参加すべきだと。しかし、いずれにしても貢献しなきゃならぬ。そこで、私は、できたらその垣根を取って、もう二年間議論してきたんだから、できるところからやろうじゃないか、まずそういうことをやりながらこのPKOの議論もさらに深めていこうじゃないか、そういうことを午前中の議論の中で私は言わせてもらったと思うんです。  私が今カンボジアヘ行ってまいりまして、そしてUNTACの責任者から、文民警察はすぐにでも必要なんだ、直ちに出していただきたいということを私はUNTACから国会議員の調査団としてそれを受けてきたわけでありますから、そのことについてどこの国が参加しているかしていないかということがわからないというのは一体とういうことなんですか。もう一度これは答えてください。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) UNTAC、先生まさに最近いらして、大変膨大な事実関係を含む活動でして、全貌の把握に私たちできるだけ努めておりますけれども、まだ把握し切れない点がある点については申しわけないと思います。国につきましては、例えばインドネシアとかマレーシアとかフィリピン、シンガポールなどは、例として申し上げますと文民警察を出しておるということは承知しておりますけれども、各国がどのくらい出しているかという点については、数字の動きその他もありまして、何名ということをこの場で申し上げることができないのは申しわけないと思いますが、引き続きそういうことも含めて情報の収集ということに全力を挙げて、わかり次第先生のところに御報告に参りたいというふうに思いますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 なぜそういうことを言うかと申しますと、いわゆるUNTACの文書なりそういうものを見ておりましても、文民警察というのは、どこの国でも中央集権というものがあったりあるいは地方の職員であったりして、なかなか国自身が出そうとしても出せないような困難さがあると、こういうふうなことが明記されているわけであります。だからこそ、我々も各国の出しているところの状況を少し調べて、そしてその中でどういうハードルを越えて出されておるのか、こういうことの掌握をしてこそ、我々は直ちにできることからまず貢献するんだという、そういうことになるんじゃないかと。だからこそ、各国はどこから参加したかということを私は聞いているわけであります。  私がカンボジアのホテルに滞在をしておったときにも、ドイツから来ておられました文民警察の皆さんにも出会いましたし、あるいはシンガポールの皆さんにも出会ったわけであります。残念ながら私ももう少し言葉がわかっておればお聞きをしたかったと思うんですが、だからその点を今後どうですか、もっと調べてどうなのかということを、その点もう一度ひとつ明言していただきたいと思います。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 引き続き事実関係の調査に当たりまして、情報を得次第、先生のところに御報告にお伺いしたいと思います。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 いずれにしても、文民警察官、私どもが想像するのは、いつもお世話になるのは交通警察官であったり、あるいは日本で見るところの交番所であったり、あるいはそういう犯罪に対する一つの治安を守っていくという、私どもが日常見る文民警察ということなんですけれども、しかしUNTACにおける文民警察の任務というのは一体どういうようなものになって、またどういう仕事が必要なのか、その点についてお伺いいたします。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) この点につきましては、一昨昨年のナミビアのときも文民警察が国連のPKO活動の一環として現地で活躍いたしましたけれども、基本的に今回の場合も同じだと思いますが、現地の警察当局と一緒になって、例えばペアになって、あるいは二、二ぐらいのグループになって、基本的には現地の警察当局の警察行政に助言し、一緒に行動しながら援助する。そういうのが基本的な任務であるというふうに承知いたしております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 そうしたら、今お聞きしましたら、私ホテルで会いましたドイツあるいはシンガポール、そしてまたいろいろ参加されたところの各国から派遣された文民警察官ですね、これはどうなんですか、率直に言って。午前中の議論の中で、いわゆる治安が悪い、だから出せないと。だからそれはむしろ組織された、そういう自活能力といいましょうか、そういうことになるので、自衛隊が一番、言えば訓練された人で能力があるからそれがいいんだ、こういうのが午前中の議論であったんだけれども、しかし文民警察で実際にドイツ、シンガポール含めて各国が参加しているという事実ですね、そういう点ほどうなるんですかね。そこらの点はどうなのか、その点ひとつお願いいたします。それはどうなんですか、治安が悪いから出せないんじゃなくて、もう現実にドイツなりシンガポールが出しているじゃないですか。その点はどのようにお考えですか。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 治安の問題がその一つの理由であって、文民が、文民というのは普通の、例えば将来の選挙要員とか、そういう意味での文民が活動するのがなかなか難しいという議論の中で午前中のような議論があったんだろうと思いますけれども、今の文民、いわゆる文民警察につきましては、まさに現地の警察とともに、その治安の状況というものを改善し、おさめていくという、そういうことに協力、援助するという目的で出ていくというふうに理解いたしております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 いや、それは答えになっていないんじゃないですか。やはりカンボジアに対する国際貢献と。特にまずできるところからやっていくことが大事じゃないかと。そういう中で、とりわけ文民警察であれば、この中で、全体で直ちにこれ一致できるんじゃないですか。  しかし、その中においては、いや、それは治安が悪いんだということが常に、午前中の議論においてもその前の委員会の議論においても必ず出てくるんですけれどもね。その場合、そうしたらお聞きしますけれども、もうカンボジア自身が内戦十三年間やってきたんですが、その十三年間にもう実際四十のNGOが入っておるということも聞いております。日本のNGOだってもう十三年前から活動しておるということ、こういうことから見たら、一体これはどうなんですか。ここらの点はもう一度ひとつ答えていただけますか。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 先生もお読みになられたと思うんですけれども、UNTAC設立に当たっての国連事務総長の報告書というものが安保理に出されておりまして、その中のEというところに文民警察の役割というのが書かれてあります。基本的には警察行政というものはカンボジアの担当部局が行うけれども、それを援助するのがこのUNTACの文民警察であるということが書かれておるものですから、そういうぐあいに御説明申し上げた次第でございますけれども、先ほどからの治安状況が必ずしも安定していない、難しいから文民がなかなか出ていくのが難しいという観点からけさ方の御議論があったわけですが、この警察の問題は、まさに文民警察が出ていってカンボジアの警察と協力しながらそういう治安状態を改善していくために活動するというのがこの文民警察の役割であるということを申し上げた次第でございます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 どうですか自治大臣、今の議論の中で、やはり治安が悪いから出ていけないということは、これは論理に合わないと思うんですね。それは治安を守るために文民警察官が行くんですからね。しかももうドイツ、シンガポール、各国が参加をしておるということなんですから。大臣どうですか、直ちに文民警察を出すということについては。

塩川正十郎自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(塩川正十郎君) お気持ちはわかりますけれども、まず第一に、今さっき国連局長も言っておりますように、UNTACとそれから各派がそれぞれ警察持っていますね、これとの関係、いわゆるカンボジア国としての警察、これとUNTACとしてその警察をどういうふうに支配し指揮していくかという関係、これはまだはっきりと決まっていないように私たち聞いておるんです。これを鋭意詰めていって、その指揮系統と警察権のいわば行使の、運営の仕方というものがきちっと決まってくる、これがやはり私は一つ大事な前提となるんではなかろうかと思うんです。そして、そのUNTACのもとに警察権を行使される場合に、向こうの警察官ももちろん主体になることは間違いないでしょうし、それに対しまして、我々の方から派遣したものをお手伝いどのようにするかという、そういう任務の分担、これなんかも詰めていってもらわなきゃいけないんではないか、このように実は私たちは思っております。  それと同時に、こちらの派遣をする方にいたしましても、これは実は大変な準備が要るものでございまして、ただ単に、まあいわば任意の民間人をというわけにまいりません。これはやはり警察官に依頼して、警察官の中からその適任者を募集しなきゃならぬ。それには体力の問題もありましょうし、語学をある程度習得していかなきゃいかぬし。警察行為といいましても、例えば犯罪捜査の警察の行為、それから交通整理上の警察上の行為、あるいは一般的な警備上の警察行為、いろいろ警察行為というものがありますが、その専門家の割り振りもこのUNTACの方で要請してくる職務に応じてこちらの方も段取りしなきゃならぬと、こう思っております。  でございますから、それなりの準備は必要であるし、第一警察官が誇りを持って行けるようにちゃんとしていただくということがやっぱり一番大事だろうと私は思いますので、どうぞそういう点も考えでできるだけ早くこの法案を通していただくならば、我々はその準備にかかりたいと、こう思っております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 いや大臣、今の大臣の最後の言葉で、法案が通っでさまざまの条件が整っていくんだというように聞こえるんですね、今のお話を聞いていましたら。それと、UNTACが現地の警察官との調整といいましょうか、四派があるし、しかしそれはSNCという国民評議会がカンボジアを代表するいわゆる意思機関としてあるわけであって、それとUNTACとが協議をしながら実はやっているわけでして、そういうことの中でドイツなりシンガポールを含めて各国が参加をもうしているわけですから、だから私はできたからどうだというそういう論理じゃなくて、UNTACがこれはもう三月から始動しているわけですから、むしろその以前に、もっと早い時期に自治大臣として、各都道府県にどれぐらい日本としてその任務にたえられるような、あるいは任務を遂行できるいわゆる基準に合うような人々は何人おるかということは掌握されておかなきゃならぬと私は思うんです。その点についてはどうなんですか、今までそういう会合を持って掌握し、そういうことを準備しているかどうか。

塩川正十郎自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(塩川正十郎君) 事実、具体的にはまだそういう準備はいたしておりません。しかしながらいずれ近いうちにPKO法案が成立させていただけるであろう、そのときには直ちに準備に入るようないわば下ならしは現在は進めておるところでございますが、各都道府県等に対しましての具体的な呼びかけであるとか働きかけであるとか説明であるとかというのは一切やっておりません。  そこで、私たちが思いますのは、今から、確かに谷畑さんおっしゃるように、やれるところからすぐやりたい、私らもその気持ちは持っております。けれども、ナミビアに行きましたのは二十何日間という短期の期間なんです。これだったら臨時急施という方法でやろうと思うたらそんな方法もありましょうけれども、今回のUNTACから要請しておるのは期間はいつまでということもまだ定かにわかっていないわけでございますし、これは長期にわたってやっぱり腰を据えてきちっとやるものは仕事しなきゃならぬ。  そうすると、長期にそういう活動をしていくということになって人員を派遣しますということになりますと、やはり本人に十分な協力の心を起こさせて納得、得心の上で誇りを持って職場に行かすような措置をしなきゃなりませんし、そのためにはこちらの国内において警察当局としても十分な準備と訓練を施していかなきゃならぬ、こう思っております。  でございますから、やりたいことはすぐやったらいいじゃないかという気持ちは私はもう十分持っておりますけれども、それだけの根拠をきちっとつくってやらなきゃいけないんだ、その根拠となるものはまさにこの法案であると私たちは思っておりますので、よろしくお願いいたします。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 いや、僕はこの議論は非常に大事だと思うんですね。特にこの委員会において再三議論になっておりまして、いわゆる治安が悪いから民間人ではなかなか役に立たないというような雰囲気といいましょうか、言葉は別にしましてそういうような議論に実はなってきている。その中で、このPKOの議論の中において最大の問題は、やはり自活できる自衛隊と、こういうことの議論になっている。  私はカンボジアを視察させていただいて、実はこのNGOの皆さんとの懇談会をさせていただきました。日本から六つのNGOの皆さんが参加をされているということで、その懇親会でお話をさせていただきました。そのときにNGOの皆さんが言っておりましたけれども、私どもはもう内戦のときからカンボジアの自立した国家というものに対して協力をし、また支援をしておるんだと、こういう話でございました。  だから、そういう意気込みを私ども聞いていく中で、やはりカンボジアの復興については民間の参加というのか、そういうことは非常に大事なことだ、そういうようなことを私は思うわけです。そういう中で私がUNTACのサドリさんなりサンダーソンさんのお話の中で、ぜひひとつ早急に文民警察官を派遣してほしい、こういうことであったものですから、これはぜひ委員会に伝えて、同時にしていただかなきゃならぬ、そういうことで意を強くして実はやってきたところでございます。  そこでお聞きするんですが、日本の警察官というのは基本的には各都道府県の職員ということになっていると思うんです。だから、そのままその職員が行くということについては少し困難な問題があるだろうと思うんです。そこで、私どもよくお世話になる在外公館においてはよく警察の方もおられるわけですけれども、できましたらそういう在外公館に派遣される警察官の地位ということについて少し私どももお聞きしたいと思いますので、ぜひその点についてお伺いをしておきます。

大森義夫警察庁長官官房総務審議官

○政府委員(大森義夫君) お答え申し上げます。  PKOの遂行ということは、現行の警察法その他で警察の任務とはされておりませんので、日本の警察官が警察官としての身分でPKOの活動に参加することはできないものと考えております。  ただし、先生御指摘のとおり、現行法の枠組みの中でも警察官を他の行政機関、例えば御指摘の外務省でございますが、他の行政機関に出向させた上で、警察官としての身分ではなくてPKOに参加させる方法はございましょうけれども、今回のPKO活動は現地で長期にわたりましての本格的な活動であるということ、かつ警察官としての専門の経験と職能を生かして業務に従事するということでございますので、先ほど塩川大臣の方から御答弁ございましたけれども、警察官としての心得と矜持を持って参加することができるようにPKO法案の成立をお願いしたいということでございます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 これ法案が通らないと何もできないんですか。もう一度聞きますけれども、今日の法的根拠あるいは今日の法体系の中で文民警察官が出ていくという方法は一〇〇%だめなんですか。その点についてもう一度お聞きしておきます。

大森義夫警察庁長官官房総務審議官

○政府委員(大森義夫君) お答え申し上げます。  先ほど申し上げましたとおり、日本の警察官が警察官としての身分でPKO活動に参加することは、現行法上はできないものと考えております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 できない。そうしたら方法としては、在外公館として、その中へ二十人、十人程度の形で派遣をするということについてはできますか。今日の法的な体系においてはできますか。それはどうですか。

大森義夫警察庁長官官房総務審議官

○政府委員(大森義夫君) お答え申し上げます。  先ほど申し上げましたとおり、現行法制の枠組みでも警察官そのものを警察官としての身分ではなくて、他の行政機関の身分をかりまして派遣することは可能であろうかと存じますけれども、その場合には警察官としての派遣にはならない、こういうことでございます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 しかし、今言いましたように、警察官が持っているまさしく経験と能力というもの、それが在外公館という形をとったら、それは数にもよりますけれども現実的には可能だと、こういうお話を聞いたわけですから、言いかえれば、あとは政府としての政治的判断、政府が腹をくくったら文民警察は直ちに参加することができる、私はこう思うんですが、どうですか。政治的判断、外務大臣どうですか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 政治的判断といたしましては、直ちに派遣する考えはありません。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 一番実力派外務大臣ということで私どもも大きく尊敬をしているわけですけれども、今の話でがっくりときておるんです、もう本当に。ここで腹を据えて、カンボジアに対する国際貢献は日本の試金石だと、こういうことで、私どももそのつもりで調査もしてまいりましたし、もう一つ、外務大臣、プラスアルファの話はないんですか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) これは私も腹を据えて今もお話し申し上げたんですよ。それは皆さんから責め立てられていまして、本当はいい話をしたいという気持ちはなくはないんですよ。なくはないが、それをやってしまうと、せっかく法案がここまで煮詰まって多数の人が、まあ仕方ないだろうという人もあるし、大いにやるべきだという人もいろいろあって、それで法案が今まさに成立するかどうかと。  これは五カ月も六カ月もかかるというのなら話は別。しかし、ここ一カ月ぐらいのうちに、そしてちゃんとした法律制度のもとでそれぞれがちゃんと法令違反にもならず、おかしな出向だとかどうだとかというようなそういうふうなこともやらなくともちゃんとできるような制度を今やつくろうとしてやっているわけですから、だからそれがまとまった段階でやることが一番いいじゃないか。  つまみ食い的にここでいろいろやってできないことはないかもし札ません。それは三人、五人ぐらいずつ各省から引っ張ってきてやってできないことはないかもしれませんが、それでは本格的な支援になりませんから、だから我々は一つの法体系のもとできちっとした身分保障も与えられて任務も与えられてやるようにしたいということで、まことに残念ながら、先生の御意見にさようでございますと言えないのはまことに申しわけありません。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 残念ながら、このPKOの法案ができない限り文民警察は出すことができない。いろいろ工夫すれば可能なことはあり得るけれども出せない、そういうような話でございました。非常に私は残念である。いわゆるカンボジアに対する国際貢献はできるところからまずやっていく。そういうことの中で積み重ねていく中でどうなんだと、そういうふうにするのが一番妥当だと私は思っているわけであります。  それでは、このことの最後に、社会党の発議者の久保田先生か野田先生のどちらか、今のやりとりの中で文民警察、とりわけ久保田先生は外務委員会でこの件についても触れておったと聞くんですけれども、少し意見をお伺いして、次の問題に移ってまいりたいと思います。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○委員以外の議員(久保田真苗君) 文民警察はナミビアでも大変活用されたものでございますし、このように非常に広い部門のPKOが派遣される場合には文民警察というものの役割が非常に大きいと思います。  それで、本当にこれは出せないのかどうかということになりますと、今までさきの国会での審議からこちらへ持ち越される間に、これで数カ月たっているわけなんですけれども、本当はまさに外務大臣の言われるようにこれはできた話なのであって、しかしそれがこの法案がひっかかっているためにだれも出さない、行っているのは民間のボランティアだけだと。同じ文民、文官であっても公務員は全く行かれない。これは全く情けない話でございます。  文民警察は、私が緒方高等弁務官に伺いましたところでは、難民の一時収容所ができて、そのあたりにこうした警察官を配置することが非常に望ましいので、そういう方たちがだんだん働いてきているということでございます。  また、イラクにおけるクルド難民の収容所におきましても、これは現地のイラク政府の受け入れるものは国連の職員であるところの警備員だというふうないろいろな立場がございますけれども、私は、軍事部門の軍人が出られる場合と警察官が出られる場合とそうでない全くの文官が出られる場合と、いろいろな段階に応じて出さなければならない。それを出せるものを出すという措置をとってこなかったということは全く残念なことでして、もし私どもがことしの初めにでもその決心をして、そして第一次の文民警察の要請に対してこたえることができたらどんなによかったかと思います。  今後この法案の運命がどうなるのかはわかりませんけれども、しかしそのときになってやるというよりは、複線、複々線の考え方に立ってこの難しい事態を私どもは乗り越えていくべきだと思います。みんなそういう面でできるものからということで心を合わせるべきではないんでしょうか。これが私の意見でございます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 どうもありがとうございました。  私どももUNTACのサドリさんを含めて直ちに文民警察を出していただきたいという要請を受けて、私はこれぐらいは、これだけ国民も関心を持っている国際貢献、カンボジアと、こういうことなので、きょうのこの委員会の後にもすぐに直ちに着手ができる、こういうように期待をして帰ってきたわけでありますが、残念ながらできない。そういうことで非常に残念なことだと、このように実は思っています。  次に、選挙監視の問題についてお伺いをしてまいりたいと思います。  カンボジアが民主国家として再建をしていくということについては、やはり選挙というもので国民に選ばれた、そして四派を含めて全体の合意の中で、和平という合意の中で選ばれた新しい代表者によって憲法がつくられて、そして国家が樹立されていくということがUNTACにおいても一番大事なポイントになるのではないか、そういうように実は思っているわけであります。その中で、とりわけ選挙をするに当たっては幾つかの問題があると思うんですね。  例えば私は、超党派の国会議員団の皆さんと一緒にバングラデシュの選挙監視団ということで私も参加をさせていただきまして、非常に勉強させてもらったものです。特にバングラデシュの国も、エルシャド大統領が失脚していく中で、世界に向けて公平な民主的な選挙をするんだということを国連に呼びかけて、そういう中で私も参加をさせてもらいました。そのときにはアメリカだとかヨーロッパのNGOの選挙監視員の皆さんも参加をしておりました。その中で懇談をすることもできました。  そこで、参加をさせてもらった中で私がかいま見て感じることは、特にアジアの地域におきましては文字が読めない、書けない、こういう状態があります。だから、印刷物を読んでどの人があるいはどの政党がこういうことを国の樹立に向けてやっているのだというそういうことが、文字を読んだり書いたりなんかできないということでバングラデシュの場合はシンボルマーク、いわゆる政党ということとシンボルマークというものがあって、そのシンボルマークを自分がそこへ横に印をつけるというのがそれが選挙行動ということでございました。  もちろん、カンボジアにおいてもこの選挙においてはたくさんの山があったり谷があったりあると思います。難民の帰還問題もそうだろうし、あるいはまず選挙人の名簿を登録する作業も、私どもは想像ですけれども、どういうようにしてこれはきちっとしていくのか、戸籍がある国ではないですからそこらの点も非常に関心があるんです。  そこで、このUNTACの中で、各国において要請されている選挙監視員の数だとか期間あるいは任務の中身、そしてまた日本は人をいつ、どれぐらい出していくことになるのか、そこに参加するのか、こういうことをまず最初にお聞きをいたします。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) UNTACのこの計画書によりますと、選挙の問題につきましては、まず第一段階目として先生がおっしゃった有権者登録ということが先に来ます。これは、この展開スケジュールによりますと、ことしの十月、十一月、十二月、三カ月にわたって行われる、それを受けて来年の四月、五月に選挙が行われる、そういうスケジュールになっておることは先生も御承知のところだと思います。  そこで、要員の問題ですけれども、選挙人の登録につきましては国際監視団として四百人を外から集める。それから登録担当要員として、これは基本的には現地でお願いする。現地人だと思うんですが、五人掛ける八百チーム、つまり四千人を使う、こういうことになっております。それから投票のときには国際要員、国際的な要員として千四百人という数字が挙がっておるわけです。それから投票所の要員、これも現地のスタッフが主たるものだと思いますが、七人ずつのグループで八千チームを現地の人間を使ってあれする。したがって、基本的に国際要員だけを今念頭に置いて考えますと、選挙登録の場合には四百人、それから投票の監視の場合には千四百人という数字がこの計画では挙がっておる数字でございます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 そうしたら、今までPKOの資料を見ておりますと、日本も結構選挙監視に参加をしてきた、こういうように書かれてあるわけなんですけれども、とりわけナミビアあるいはニカラグアというところにおいても参加をしたということなんですけれども、そこらの経験といいましょうか、どういうことで問題点があったりあるいは結果的にはどうであったのか、その点ひとつお聞きをいたします。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) おっしゃるとおり、いわゆるPKOとしての選挙監視への参加、今まで日本は基本的には先生がおっしゃった二つの例がありますけれども、ナミビアの件を例に御説明申し上げますと、これは一九八九年の十月から十一月の二十六日間の間、国連ナミビア独立支援グループ、UNTAGと呼ばれておりますけれども、それに対して二十七人の選挙監視要員を日本として派遣したわけです。  その内訳は、地方自治体の職員が二十一人のほか、外務省から三名、それから自治省より三名という、そういう二十七名でございます。地方自治体の職員の方々につきましては、その身分の問題がありますので外務省員に採用いたしました。それから自治省の職員につきましては外務省員に併任して、そういう手続をとりまして、基本的には外務省の職員として派遣をいたしました。  ナミビアの選挙監視要員の派遣は、今申し上げましたとおり全体として二十七人、それから二十六日という、そういう小規模かつ短期間の問題でございましたので、そういうぐあいに処理することができたというふうに理解いたしております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 二十七名外務省の職員ということで参加をしたということなんですけれども、ここで二つほどお聞きしたいんですが、各自治体からも参加をしておりますから、それに当たってのまず基準、どういうような基準が選挙監視に当たって必要なのかということと、それと同時に行くに当たっては、ナミビアにおいてもあるいは二カラグアにおいてもやっぱりそれなりに、未知の外国に行くということもありますし、あるいはどういう任務につくのかということも非常に不安も伴うだろうし、そういうことなので、行くに当たってさまざまな訓練とか、あるいはまた身分関係に基づくところの保険というのか、万が一の場合どうなのかとか、そういうさまざまな関係があると思うんです。その点、大臣どうですか、知っている限り、ひとつ。

秋本敏文自治省行政局公務員部長

○政府委員(秋本敏文君) ナミビアのときの例、派遣をされた職員の報告などいろいろ拝見をしておりますけれども、選挙の関係の事務について経験があるとか、あるいは外国での生活に耐えられるようなある程度の話学の能力等があるとか体力もあるとか、そういったようなことの中で選抜をして二十一人派遣されております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 その任務はどうですか。

秋本敏文自治省行政局公務員部長

○政府委員(秋本敏文君) いわゆる選挙監視業務に従事をしたと。したがって、投票所における投票の状況あるいは開票の状況、それらについて監視をしたというふうに聞いております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 そうしたら、このカンボジアにおいて選挙監視団を派遣する場合は、具体的には仕事というのはどういう仕事になるんですか。例えばこの資料を見ている限りは、各州ごとに選挙名簿の登録をするセンターというのがある、そこがまた投票所にもなるんだと、こうなるんだけれども、派遣された場合は各州の投票のところの立会人をするのか、あるいはそこの選挙管理委員会というのか、そういう現地の人たちも入った管理委員会、そういうところにおける形でのオブザーバーで入るのか、その点について少しお聞きをしておきます。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) この点につきましても、先ほど言及いたしました事務総長の報告によりますと、選挙監視要員の任務といたしましては、選挙活動、情報、訓練、通信、苦情の処理、それから投票の際の監視という項目が挙がっておるわけでございます。  彼らは、今先生がおっしゃった、何と申しますか選挙を行う実施本部の中で活動するというそういう方もあるいはあるかもしれませんけれども、基本的にはやはり地方の事務所に出かけまして、これも事務総長報告だと思いますけれども、約二百カ所のところに散らばりまして、そこで今申し上げたような任務遂行を行うという計画になっております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 これもまた同じく文民ということで、文民警察官の派遣と同じことに実はなってくると思うんですが、また、これ自身は期間はまだ少し余裕が実はあると思うんですけれども、そこで、どうですか、これ文民警察のときと同じことになろうかと思うんですが、自治省としては具体的にそういうことを想定しながら、二カラグアあるいはナミビアのように二十七人出したように、そういう基準をつくったり、もうそういうことに着手されておるのかどうか、その点についての現状をお聞きします。

塩川正十郎自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(塩川正十郎君) まだ具体的に各都道府県等に対してそういう要請なり説明は一切しておりません。しかし、自治省本省としてはいずれはその任務がおりてくるであろうということから心準備はしておるわけでございます。  そこで、谷畑先生にぜひひとつ御理解いただきたいと思いますのは、先ほど来ナミビアの問題が出ておりますが、御承知のように二十六日間でございました。そこで混成部隊として行きまして、一応内地でやりましたことは、とりあえず二十七人、外務省、自治省入れまして二十七人のチームになったのでございますが、寄せ集めでございますから心を一つにするというこの訓練に随分な時間をかけておる。それはこの記録にございまして、そしてまたナミビアに行きましてから自分らの生活を確保するために、例えば自動車を改造して自分でトイレをつくらにゃならぬ、こういう苦労をここに現実に書いておるわけでございます。  そういう生々しいものを見てまいりましたときに、こちらの方でよほどしっかりと訓練をしておかなきゃいけないし、私はもしこういう事態が起こった場合に協力が直ちにできるためには、やはり身体の強健ということがまず第一の条件になってくるというようなそういうものを想定した心の準備はしておりますけれども、まだ具体的にこういうぐあいにやろうということは都道府県との間で相談はしておりません。でございますから、できるだけ早くこの事態ができますように、ひとつ皆様国会での御協力をぜひお願いいたしたいと思っております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 塩川大臣とは同じ選挙区で、まさしく私の住んでおる隣町でなにですが、いわゆるナミビアなりあるいは二カラグアの場合においても、その当時で二十七名の選挙監視員を派遣されて、そして非常に御苦労を願ったということについては私どもも敬意を表したいと思うんです。その経験をぜひ、そのまま継続して、そしてそれよりもレベルをずっと上げながら、カンボジアについても先ほどの文民警察と同じでございまして、これも腹一つ、決断をすれば直ちに出せるものだ、私はそういうふうに実は思うんです。四月の末から五月の初旬に予定をされている来年の選挙に約五十カ国からということですから、とりあえず日本もナミビアなり二カラグアを見習って二十名から二十七名と、まずとりあえずそういうものからもう一度出す腹があるのかないのかということを申し上げて、次に移っていきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) それはもう先ほどから申し上げておりますとおり、せっかくこの法案について皆さんの深い御理解が得られてきておるという段階でございますので、ぜひひとつ法案を成立させて一緒になってやらせていただきたいと存じます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 非常に残念だと思います。  そこで、選挙監視というのは、ただ単に選挙がスムーズにいくことに対する支援ではないと思うんです。やはり選挙というのは、先ほど言いましたように、各政党が生まれて、その政党自身が国をどうしていくのかというビジョンを国民に訴えて、そして国民が選挙に参加をする。参加をすることによって初めてカンボジアの自立した国づくりの大きないわば第一歩だろう、国民一人一人が参加できるというそういう第一歩だろう、そういうふうに実は思うわけです。  私がカンボジアに行ったときにもテレビがよくはやっておりまして、市内では大きな食堂といいましょうかそういうところには必ずテレビがありまして、人がたくさん、その食堂で四十人、五十人がテレビを見に来るんだと思うんですけれども、見ておって、私ども小さかったころに、ちょうど相撲がよくはやったころに我々も家にテレビがなくてテレビのあるところへ見せてもらいに行くという、そういうような状況でございました。そういう状況ですから、田舎へ行きますとテレビがそんなに普及しているわけでもないだろうと思いますし、まず電気がついていないのであります。そういう意味では、やはりそれぞれのメディアというのか、そういうものでもっと国民を選挙に参加させていく、そういう一つの大きな行動が要ると思うんです。  そういう意味で、過日、久保田発議者を初めとしまして、私どものシャドーにおきましてもぜひひとつトランジスタラジオを含めてのそういう支援が必要じゃないかということが出て、これは過日、田邊委員長が記者会見されたというのですけれども、もう一度久保田先生の方からその経過なり、あるいはそのシャドー委員会の中でどういうことが選挙についての協力という、また違った側面における協力ということであろうかと思いますので、ひとつお教えをお願いしたいと思います。

久保田真苗日本社会党・護憲共同

○委員以外の議員(久保田真苗君) 今おっしゃいました携帯用ラジオの件は、これは実は明石特別代表の言葉なんです。それは、明石さんが社会党本部を訪れられましたときに、こちらから何もそのことを聞いたわけではなくて、ただ皆さんに協力してもらいたい、日本の国民の方に協力してもらいたいこととして今のトランジスタラジオ、携帯ラジオのお話が出たわけです。  明石さんの言われますには、カンボジアは二十年以上もの内乱、戦乱の中で国民の教育というものが非常に荒廃して、今やカンボジア人口の二分の一は文盲ですと。したがって、選挙ということになっても政党がどういう政策を持っているか、候補者がどういう政見を持っているか、これを聞かせるには新聞とか書いたものは難しい。しかも、テレビはおっしゃるようにプノンペン周辺までしか届かないそうです。してみると、一番いいメディアはこれは乾電池を使える携帯用のラジオ、これならどこでも国連が特別の放送局をつくって流す、それが聞けるということになります。  私どもは、じゃ具体的にはいつごろどのくらいの数が要るのかと申しましたら、お返事が来まして最低三十万個、できればもっと多い方がいい。つまり、カンボジアの人口を大ざっぱに八百万としますと、半分が有権者と見て四百万、一家に四人有権者がいたと計算しまして百万個という数が出るわけです。  これはしかし、日本の家庭には幾らでも携帯用ラジオで使わないものが転がっておりますけれども、これを集めていくということはなかなか大変なのでございまして、私どもとしては先週執行委員会の了承を得まして、これを日本の家庭から集めて送るという運動をやることにいたしました。けれども、この仕事は何も社会党だの議員だのだけがやればそれでいいということではない。これほど国民が日本の中にいながら、カンボジアに応援に行けない人がほとんどでございます。その人たちが、UNTACのこの国連史上未曾有の一つのカンボジアの再建に取り組んでいるときに、参加できる一番やりやすい方法、しかも日本人に適したやり方というのはこの携帯用ラジオを集めて送ることではないかと思うわけです。  これには私どももそれに協力しましょうという意味合いでキャンペーンを展開したのですけれども、私は与野党の皆様に、また政府に、そして労働組合、婦人団体、協同組合、そういったところの皆さんがぜひ応じて、このカンボジアの人が情報へのアクセスを持てるということを心から願っているということをお伝えしまして、先生のお答えにさせていただきたいと思います。  また、これは確かに日本が国際貢献という大きな言葉、貢献という言葉を使います場合に、ただいろいろなところへつき合うというだけでは済んでいかない言葉だろうと思います。例えば、北欧の国は確かに平和維持活動に大きい貢献をした、それは傑出した貢献であると思います。私どもがこの平和憲法のもとで何を傑出したことができるかといったら、それはしょせん軍事部門ではあり得ないことだと思いますしてみれば、ではそれにかわるどんなすばらしい貢献ができるのか、国民の気持ちがそこへ持っていけるのか、そういう国民の気持ちに呼びかけるというその一つのいい手段として、私ども明石代表の言葉を取り入れさせていただいた次第でございます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 どうもありがとうございました。  今、久保田先生の方から非常に詳しく、とりわけ選挙にかかわって、いわゆる民間といいましょうか国民としても貢献に参加をしていく、そういう一つの話としまして明石特別代表のお話を非常に真剣に受けとめていこう、こういうことでございまして、非常に私どもも努力をし頑張ってまいりたいと、こう思っています。  それで、今のお話を聞いておりまして外務大臣どうでしょうか、選挙の監視についての要員は今直ちに派遣できない、PKO法案が整ってからなんだと、こういうことなんですけれども、選挙をスムーズにしていくための例えばコンピューターシステムだとかそれに対する技術者だとか、あるいは伝達するためのメディア、先ほど言いましたようにトランジスタラジオもありますし、あるいはそういう通信的なものもあろうかと思うんですね。  いずれにしても、政党が生まれて、その政党に国民がやはりたくさん参加をしてそういうことを理解して、そうして自分の意思に基づいて代表者を選んでいく。その代表者がまた国民から選ばれたということによって一つの大きな責任を持って、そしていい国をつくっていこうという、選ばれた人はそういうことでまた一つのけじめになっていくと思うんですけれども、そのときに二国間の支援といいましょうか、何かそういうメディア、コンピューター、あるいは印刷的なそういうものの配布、そういうことについて日本として何か考えておられることがありますか、またできるようなことがあるんですか、お伺いします。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 具体的な事務的なことになると私よくわかりませんが、何かできるかどうかも含めまして検討させていただきます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 次の問題に移りたいと思います。  パリ協定によれば、外務、国防、財政、公安、情報の五分野においてUNTACが直接の監督または管理下に置くことになっており、国連職員とは別に加盟国からも必要な人員をこれらの分野に派遣することが予想されておるわけですが、この点について国連から人員の派遣要請があるのかないのか、派遣する場合はその分野に何人ぐらい派遣するつもりなのか、いわゆる一般行政官の問題についてお聞きいたします。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) この点につきましても、UNTACの設立に関します事務総長報告の中でやはり事務総長が触れておりまして、先生が今おっしゃったとおり、外務、国防、それから財政、公安、情報の五分野につき、厳正中立な行政を保障するために行政部門への要員の派遣が必要である、こういうことを言っておるわけですが、事務総長報告には何名ぐらいの人間を必要とするのかという点についての数字は出てきておりません。  それから、私たちが承知しておりますところ、今確かに先生がおっしゃったとおり、外から要員を集めるという考え方もあるんですが、基本的にはこの行政部門への要員の派遣は、国連はできるならば国連の職員でできるだけ賄いたいというふうに考えておる模様でございます。そういうこともありましてか、その部門についての要請は現在正式なものも非公式なものも、特に正式なものはそうですけれども、来ていない状況にあるわけでございます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 私どもがUNDPへお訪ねしたときに、いわゆる国連の開発計画なんですけれども、特に一般行政官の問題について、カンボジアにおいては難民の帰還の問題あるいは削減された兵士の定住化の問題ということの中で、やはり農業というだけではもうどうしてもはみ出てくる場合もありますので、そういうことで商工業だとかそういう中小企業といいましょうかね、だからそこに、日本で言うとどうなるんですかね、国金制度になるのかあるいは生業資金の貸し付けになるのか、もっと小規模だと思うんですけれども、そういうシステムを指導してもらえるオブザーバーといいましょうかね、オブザーバーというよりもそれを教えていただけるようなそういう部門というのが非常に大事なんだと。  言いかえれば、金融、財政、いわゆる経済の計画ですね。だから、輸出するまでの大きなそういう規模じゃなくても、自分たちの周辺の中で生業ができるような、そんなことが非常に大事なんだと。そういうことについて日本は協力ができないんだろうかということがUNDPの話し合いの中であったんですけれども、私はちょうど日本においてはこのことが一番ぴったりじゃないかと、こんなことを思うんですけれども、その点についていかがなものでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 治安が確保されれば、やはり復興問題というのはその次に出てくるわけでございまして、最初から近代的な工場といったってそれを消化できるものじゃございませんし、やはり技術協力のような中小零細企業の指導、育成というようなことは大きな協力の眼目になってくることは間違いなかろうと存じます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 それでは、次の問題に入っていきたいと思います。  今度はやはり、もちろんUNTAC自身も復旧、再建問題において行われていくわけなんですが、しかしこれは基本的に選挙で選ばれた新政府によって抜本的に国の復旧そして再建ということになっていこうと思うんですけれども、そういう意味では長期的な問題もあるし、あるいは短期的な問題もあるし、またその支援の仕方も、UNTACに対する支援の仕方であったりあるいはその他の国連機関であったり、時には二国間の支援であったり、実は非常に多面的にわたると思うんですけれども、しかしこの点についても日本として非常に大事な支援の分野だと、そう思いますので、詳しくひとつ報告なりをお聞きをしていきたいと思います。  ガリ国連事務総長が四月二十日に発表しました復旧、難民帰還の関連の六億ドルの計画、これは資金のことについては前段に、午前中にお聞きしたんですが、その六億ドル計画の内容をもう少し具体的に、この六億ドルという限られた予算の中で何を短期的になされるのか、そういう点について少し詳しく教えていただきたいと思います。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 先般発表されました復興との関係におきます。そのアピールの、額的なものは先ほど御説明申し上げましたけれども、内容的にはまさに経済の復興に必要な産業部門、復旧部門あるいは難民帰還部門その他のいろんな経済的な分野において必要とする財政的な要請というものを積み上げたのがその六億ドルという数字であると理解いたしております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 六月に東京で復興会議が開催されるということになっていますけれども、その関連とこの計画の討議が主要な柱になるのか、それがテーマなのか、その点はどうなんですか。

谷野作太郎外務省アジア局長

○政府委員(谷野作太郎君) お話がございましたように、六月の末に東京で支援のための閣僚会議をさせていただきますけれども、その場でやはり国連から示されましたこの六億ドル、これについても十分参加国で念頭に置いた議論が行われると思っております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 午前中の話で任意拠出金のこの六億ドルの問題についても、そのお金が集まるかどうかということが非常に大事だということと、それでこの六億ドルについて、もう始められている部分もあるだろうし、あるいはそういう予算との関係の中で、まずどれを先にやってどうしていくのかという、そういう問題があると思うんですね。  難民帰還についての例えば食糧の補給だとか、あるいは難民の帰還についての住宅の問題だとかさまざまな問題もあろうと思うので、もう少しそのあたり分野ごとにポイントを決めて、その点どうなのか、そのときの順位ですね。もしもその六億ドル自身が十分に集まってこない、これ任意ですから、そういう場合においてはどういうところが大きな問題になってくるのか。その点はどうなんですか。

川上隆朗外務省経済協力局長

○政府委員(川上隆朗君) お答え申し上げます。  我々といたしましては、カンボジア国土の復旧復興、今先生の御指摘の点でございますけれども、当面は人道援助を中心として緊急に必要とされる援助を実施する。中期的にはやはり農業、エネルギー、インフラといった分野、さらに人材育成の分野といったものに留意しながら、形態といたしましては無償資金協力あるいは技術協力というものを動員して実施していきたいというふうに考えております。  こういう基本的な考え方に基づきまして、既に三月から四月にかけまして、農業分野、医療分野、それから青年海外協力隊の派遣、さらに通称日本橋と呼ばれておりますチュルイ・チョンバー橋の修復、この四つの分野にかかわります調査団を既に派遣しておりまして、さらに現在は先ほども御指摘のあった電力の分野を中心とする工業分野の調査団を派遣中でございます。  いろいろな調査結果がとりあえず出てきておりますが、先ほど御指摘のブトロス・ガリSGが出しましたアピールの内容、いろいろな分野、まさに今申しましたような分野にかかわってくると思いますけれども、その辺の資金必要額等なんかも頭に置きながら現在調査結果を解析中でございます。これに基づきまして慎重に我が国としての対応を考えてまいる、そういう段階でございます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 ということは、いわゆるUNTACあるいはUNDPのこの六億ドルについての緊急な復旧、再建、そういうことの短期、とりわけ人道的なところにおいて行われていくというそういうことと、我々日本として二国間について、その中でもどういう点をやっていくのかという、そういう話であったと思うんですが、どうですか。この間聞きますと三回調査団を送ってきておるということでありましたし、また私どもプノンペンにおりましたときは、日本橋の調査団と一緒に合流させていただいたこともありますけれども、その点についての調査というのはどういうことになっていますか、もう三回送られたと聞いておりますけれども。

川上隆朗外務省経済協力局長

○政府委員(川上隆朗君) ただいまちょっと御説明、項目的には申し上げましたけれども、調査団につきましては、まず昨年十二月とことしの一月にかけまして総合的な調査団を送りましたが、その総合的な調査団のいわば結果に基づきまして、分野的に農業分野、医療分野それから橋の修復、この三つ。それからもう一つ、先ほど申しましたように青年協力隊を派遣するという調査団、それから現在また電力の調査団ということで計五つになるわけでございますが、そういう分野で調査を行っております。  農業分野につきましては、とりあえずカンボジア農業、これは先生も現地で御視察になったと思いますけれども、生産性が非常に低い、農家が貧困であるといったような基本的な問題がございまして、当面の緊急的な措置といたしましては、やはり我が方の専門家の派遣あるいは先方からの研修員の受け入れ、さらには農業生産をとりあえず上げるための資機材の供与といったことが必要であろうかというふうに考えております。  医療分野につきましては、カンボジア側からとりあえず結核対策、それから人材の養成、これは医師とか看護婦等でございますが、そういう分野での人材の養成、それから病院運営・管理といったものについての技術協力の要請が出されております。今後正式な要請がなされるのを受けまして、具体的にいかなる協力を行うかを検討するという状況でございます。  それからチュルイ・チョンバー橋、日本橋でございますが、これにつきましてはまさに先般事前調査団が参りまして、いろいろな周辺地域あるいは橋自体の調査を概括的に行いまして、できれば七月ごろにももうちょっと基本的な実施設計というようなものの調査を行う、それでどういう修理を行うかということについての方針を出すといったようなことを考えております。  青年協力隊につきましては、まさに先ほどから出ておりました安全確保の問題等々を基本としまして、どういう分野に何名程度の協力隊を出せるのか、これは当初からたくさん出すというのはちょっと難しゅうございますけれども、そういう方向で検討を行っているわけでございます。  電力については、先ほど申しましたように現在調査団を派遣中でございます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 私どもの今度のカンボジア訪問団におきましては、まず第一の大きな柱は、できる限り各省の復旧にかかわる実務者とぜひお会いをしたい、こういうことで行ってまいりました。それで、カンボジアの現地でプノンペン政府の運輸通信省の責任者と実は会ったわけでありまして、その人はまず第一にチュルイ・チョンバー橋、通称日本橋、この日本橋はぜひ復旧を日本の国の手でやっていただきたいということが非常に強い要望でございました。これは、私どもの田邊委員長が第一次カンボジア訪問をしたときにもそういう話でございまして、それを早速衆議院の本会議においても田邊委員長の方からそういう発言があった、こういうことでございました。  特に、日本橋を訪問させていただきまして私どもも同感をするわけですが、一つは日本の国が援助によってつくった橋、その橋が内戦によって崩壊されて、ちょうど両けたは残っておるけれども真ん中だけは落ちてしまっている。そういう意味では内戦の戦争の悲惨ということについてのシンボルだろうし、だからこれはやはり日本人あるいは日本の国によって復旧するということはお互いの、カンボジアの国民と日本国民あるいは国同士における友好の、ちょうど橋ということでもありますし友好のかけ橋になると、実は現場を見て私自身もそういうふうに思ってきたところであります。  二つ目は、やはり大きな川の中にある橋でありますから、しかもプノンペンとその橋を渡ったところの周辺の開発といいましょうか、あるいは農業の育成だとか、そういうことが非常に便利である。遠回りすると非常に時間がかかるし、船になるとまたこれも少し煩わしいことになるけれども、その橋によって相当大きな、人が通り車が通りということで復興になるという、こういう二つのメリットがあるという話を実は聞いてきたところであります。  それと同時に、もう一つの問題は、その橋にかかわって六A道路ですか、ちょうど四十五キロが舗装されていない、赤土の舗装でどうにもならぬのだと、そういう話でございました。これも非常に具体的な話でございましたので、橋についてはわかりましたので、その国直の六A道路についてはそういう検討が始められているのかどうか、お尋ねをいたします。

山崎拓自由民主党建設大臣

○国務大臣(山崎拓君) 実は私も連休にカンボジアに参りまして、チュルイ・チョンバー橋も視察いたしましたし、それにつながります。ただいま先生御指摘の国道六A、これも大げさに言えば走破いたしましたのでございます。国道五号、六号、そして六号のAと、三角の道路をずっと走破いたしましたが、全長百二十キロ走ったんですけれども、ほとんど舗装がございません。まさに荒廃し切った道路でございました。そのようなことから、カンボジアの復興のためにはこれらのインフラ整備がどうしても必要であるということを強く実感をいたしましたのでございます。  フン・セン首相も、恒久的な平和の維持、つまり和平の継続的な維持と同時に、戦後の復興がなされなければカンボジアの将来はないということを力説されまして、意見の一致を見たところでございます。私ども建設省といたしましては、外務省がおやりになっていることでございますが、全面的に協力をいたしましてそれらの復興に当たってまいりたい、かように考えておるところでございます。  具体的には二つ申し上げたいと思いますが、一つは、社団法人国際建設技術協会というのがございまして、この調査団を近々派遣いたしまして、チュルイ・チョンバー橋のみならずカンボジアの緊急なインフラ整備、それも総合的、計画的な整備のための事前調査を行いたい、このように考えております。  それからもう一点は、これは要人招聴事業というのを随分以前からやっておるのでございますが、ただいま委員がお話しになりました運輸通信省、これはソー・クンという人が責任者でございまして、私のカウンターパートに当たる人でございますが、この人みずから在カンボジア中にずっとアテンドしていただきまして、視察にも案内してもらったのでございます。このソー・クン大臣を近々我が国に招聘いたしたい、これは要人招聘事業というので招聘をいたしたいと考えております。そして、我が国のインフラ整備の現状あるいは行政の仕組み、技術水準等につきまして御紹介を申し上げまして、今後のカンボジアの建設分野の技術協力等の円滑化に資するようにいたしたいと考えているところでございます。  私は、非常に印象に残りましたのは、フン・セン首相が、これから四派の兵力を収容し武装解除をする、その数は知らなかったんでございますが、先生は先ほど来二十万という数字をお挙げになりましたけれども、その二十万という武装解除兵に仕事を与えなければそれが新しい不安定要因になるんだ、であるから、ぜひ公共事業を盛んに興してそこに吸収しなきゃならぬというようなことも言っておられたのでございます。  地雷の処理に関しまして、先ほど来御議論がいろいろあっておりました。私も、ついでながらでございますがUNTACに参りましてサンダーソン司令官にいろいろ話を聞いてまいりましたが、そのときに、先ほど来お話が出ておりましたカンボジア地雷処理センターにおいて最終的には二万人の規模でやるんだ、だけれども二十万人のうちの二万ということでございますから、やはり公共事業は非常に重要じゃないかと考えております。  先ほど外務省の局長が答弁をされましたが、間もなく夏ごろには基本設計調査を行う、その後いろいろ手順を経まして詳細設計、そして事業の実施ということになろうと思います。私は、帰国いたしまして直ちにここにおられる渡辺外務大臣に報告いたしまして、フン・セン首相が、このチュルイ・チョンバー橋の完成こそは最もシンボリックな日本・カンボジア間の事業である、これが完成をすれば日本・カンボジア平和友好の橋と名づける、こう言っておられましたので、そのことを申し上げ、かっ橋だけできましても、先生御指摘のとおり、それにつながります国道が整備されない限りその効力を発揮しないわけでございまして、もろもろの意味におきまして、戦後復興に我が国はUNTACへの派遣と同時にこれを推進すべきものと考える次第でございます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 私どもが初日に会談をしましたSNCの官房長官、非常に若うございましたけれども、その人が言うには、カンボジアはぜひ日本を見習いたい、特に第二次世界大戦の敗戦から立ち上がって、そして国を再建したことについて見習いたいんだ、そういう話でございました。それは日本の憲法、いわゆる戦争をしない、そういう反省の中からとりわけ文民中心にして栄えてきたという、そういうことも含めてだろうと私は聞きながら感じてきたわけなんです。  そこで、今大臣からもお話がありましたように、そういう意味では建設というのか、道路であったり橋であったりというのは非常に大事なことだろう。今、橋の再建が成れば、平和友好の橋という非常にいいものができればこれも後世に残っていくことじゃないかということで、地雷はさておいてそういう文民というところにおいて全力を挙げる。建設大臣として頑張っていただきたいと私は思っているわけです。  そこで、運輸通信省の責任者がさらに語るのは、いわゆる国道の全長が三千五百キロメートルある、このうち九〇%の道路が悪い状況にあって、いわゆる赤土の舗装されないままであり、あるいは切断をされた状況にあるんだ。また、国道にかかる橋が四千カ所あって八五%が破壊をされておる。とりわけ八九年以降ソ連が援助をとめたため道路の補修に充てる金が一つもない。プノンペン政府自身は税金を取っていないということもあって、財政を聞きますと、一年間日本円に直して八百億円、この八百億円自身が本当かどうかちょっと私はよくわかりませんけれども、そんなことでいかに国の予算が少ないか、こういうようにも思うんです。  そこで言っておりましたのは、今の大臣のお話と一緒なんですけれども、ぜひ解除した兵隊さん含めて雇用するために道路の舗装だとかそういうものを自力でしたいんだ、そのためには道路の補修のためのセットを四セット、こう言っておったんですけれども、それはブルドーザーであったりエスカレーターであったり、あるいは砂利の破砕機とか、そういう一つのセットが要るんですが、とりあえずそのセットを四つ選挙までにお願いできないだろうかということでございました。そういうことをちょっと報告して、その点についてもう一度大臣、そういうお話を聞いたことがありますか。四セットというか、その要望というのはどうでしょうか。

山崎拓自由民主党建設大臣

○国務大臣(山崎拓君) 四点セットという話は、実はお聞きいたしておりません。お聞きしておりませんが、道路の実情をよく見てくれというお話がございまして、ただいま申し上げましたとおり、実は国道六Aを中心といたしまして百二十キロ車で走りましたわけでございます。もちろんソー・クン担当大臣も一緒に走りましたわけでございますが、百二十キロ、四時間かかったわけでございます。通常六十キロのスピードで行っても二時間でございまして、日本のハイウェーで行けば一時間で行くところでございますが、四時間でこぼこ道を走りまして、これがプノンペン周辺でございますから一番整備されている状況でございますが、あとは推して知るべしということでございます。  なお、UNTACでサンダーソンが、ぜひ日本の自衛隊に来てもらって施設隊にひとつ道路整備をやってもらえぬかということも実は言っておりましたわけでございますのでございますから、通常の復興工事に無償援助等で協力いたしますことと同時に、UNTACはUNTACでまたそういった緊急な戦災復興のための建設技術を発揮する場面もあるんだということも参考までに申し上げておきたいと存じます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 自衛隊の工兵ということについては聞いていないわけですが、先ほど言いましたように、みずからの手でみずからの国をつくっていく、そのいわゆる援助ということで四セットということでお聞きしたところであります。  それで、カンボジアの実務者と、たくさんの人と会えば会うほど、日本は金持ち、しかも援助してくれるものだ、そういうことで必ず何々を援助してほしい、こうだと、こういうことになるんです。私ども、もちろん国際貢献の場でありますから、当然国自身が自立していくことについての援助というのは大事だと思うんですけれども、これも私がバンクラデシュベ行ったときに外務省の方の話で聞いておりましたら、バングラデシュが国会議事堂を日本のODAで建ててほしい、そういう話があったということで、外務省の皆さんもちょっと笑っておりました、自分の国会ぐらいは自分の国で自立していくことが大事じゃないかと。  だからそういうことから見ると、日本の場合を考えましても、払いつも国会見学で立ち合っていますが、日本の国会は日本人の手でできる限り国産を使ってやってきたという話と対比させてみても、もちろん援助を、国際貢献をしなきゃならない、しかしその問題は援助の仕方を含めて、その国自身の自立というのかそういうことを押さえてやらないと援助づけのような状況で、それがいいのかどうかということは大きな問題があると私は思うんですけれども、その点ひとつ外務大臣、どういうようなものでしょうか。

川上隆朗外務省経済協力局長

○政府委員(川上隆朗君) 御指摘のとおり、日本の経済協力の基本姿勢はそのおのおのの途上国の自助努力、自分で経済社会発展を図っていく、そういう自助努力を側面的に御支援するという姿勢でございまして、もちろん世界じゅうから援助の需要、ニーズというものは今大変多いわけでございますけれども、我々もそういう各国から来る要請を処理するといいますか、これに対して日本のODAを供与するということを検討するに当たりましては、その国がどのような形で国づくりに努力しているか、人づくりに努力しているかというようなことに視点を常に向けながら考えていくという建前をとっております。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) カンボジア援助の問題につきましては、ともかくまず戦争が完全に終わって、武装解除が進んで、それで治安が確保される、そして曲がりなりにも行政が、国の考えが末端市町村まで及ぶというようにならないと本格的には動かないんです、実際は。したがって、多少時間がかかるかもしれませんが、できるものを何とか、今の暫定政権であっても日本橋ぐらいは何とかならぬかということを私も言っているんですが、これも何か無償をやるとすると規則がいっぱいあってなかなか難しい、一年間じゃとてもやり切れないとか、二年間は約束できないとかいろいろやっているようですが、できるだけ安全な地域、治安の確保されているようなところはやれるものはやってやりたいなと。  ともかく本格的な統計もありませんし、戦争をやっておったわけですから国の中はもう乱戦状態。ですから、アルキメデスじゃないが見て歩くしかないんで、あとはガンピューターとアルキメデスの両方で、とりあえず大ざっぱなことから私はやるほかないんじゃないかな、それが実務的だろうと、そう思っております。したがって、統計のきちっとある国のような正確なことだけを求めたらいつまでたったってそれはできない。ですから、やはり見てわかるようなものから始めるように今後鋭意勉強をしておきたいと思っております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 そこで、もちろん新政府が樹立されてから本格的に二国間支援というものが大きなウエートになってくるということについては当然そのとおりだと実は思うんですが、しかしいずれにしても、道路にしても九〇%破損をしている、あるいはそれについてはぜひ日本にとか、あるいはまたあそこは割と川が発達しておりまして、いわゆる船舶が川の中に入って国際港的な状況にありまして、プノンペン港もそういうような状況なんだけれども、そういうことについての支援もという話もございました。  だから、私はそういう点については、東京会議というのか復興会議というのか、それぞれの国の中でやはり早急にやらなきゃならぬ問題と、そして長期的な問題と、またそれぞれの国自身の歴史的な背景というのか、得意、不得意というのか、そういうようなことが上手に割り振りをされてその中でやっていかないと、すべてが何でも日本というようなことは、先ほど言いましたように、そこの国の自立ということから見てどうなのかという点で、どの援助にしてもかかわりがあると思うんですけれども、そういう点は東京会議とか復興会議とか、そういうところに議論が出てくるんでしょうか。  それぞれの国々としての割り振りといいましょうか、道路であればここの道路はこうだ、ここの道路は日本でやるけれどもここはフランスだ、ここはこうだという、そういうふうな会議というのはUNDPが招請するのかよくわかりませんけれども、そこらの点については今後どうなっていくんでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) そういうものも含めましてすべてこれからなんですよ。これから相談をして、どうしたらいいか今決まっているわけじゃありません。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 そのあたり東京会議、UNTACの進行状況という絡み合わせの中で推移をしていくと思いますし、また私どもは、その中でもできる限りできるものについてはしていくべきじゃないかという考え方を持っておるわけです。  それで次に、これはUNDPの場合、一番最後に皆それぞれに今この国において、人道的に言って何が必要なんだろう、こういうことを参加されたUNDPの皆さんと一人一人意見交換をしたときに、圧倒的に多かったのはやっぱり医療だと、こう言うんですね。  それは、難民の定住に当たってはいわゆるマラリアというものが非常に多いということでした。私どもは国内避難民のキャンプを訪れたんですけれども、人口が八百名おられるということでした。その話を聞きますと、もちろん内戦とかそういうことで国内避難民のキャンプに来た人もおられますけれども、案外、よく聞いていきますとマラリアでどうしようもないということで避難民のキャンプに来たと、そういう話も結構あったんですね。だから、これは割と国土の至るところにあるんじゃないか。  そういう意味では結核、マラリアに対する薬、あるいは医療、そういう問題も少しお聞きしたいということ。それと、市内のプノンペンの市場などへ行きますと、もうどこへ行ってもハエで真っ黒になるというような状況なんです。これはまた逆からいえば、私どもは病院にも行きましたが、その病院というのは確かに外から見たら立派な病院なんだけれども、お話を聞きますともう全く薬がない。だからお金持ちは皆タイヘ行くということです。だからそういう意味では、ただ単にそこにレントゲンを与えるだけでは、これはなかなかシステムという問題で底の広いものだと思うんで、そこらの衛生の問題だとかそういう点が人道的なことについては私は非常に大事じゃないかと思うんですけれども、その点はどうでございましょうか。

川上隆朗外務省経済協力局長

○政府委員(川上隆朗君) 先ほど私御説明申し上げた際に、医療調査団の話を申し上げましたけれども、医療調査団が調べてまいりましたところによりますと、やはり先生が今御指摘になりました点と関係すると思いますが、先方の保健省側は、特に結核対策、それから先ほどもちょっと申しました人材養成、病院の運営、管理、それからとりあえずの必須の医薬品のサプライといいますか供給といいますか、そういうものに重点を置いて我が国の技術協力なり、場合によっては無償協力を要請したいというようなことに特に力を入れて説明をしていたというふうに承知いたしております。  そういう先方の要請を受けまして、そのラインで、ほかのいろいろな要請もございますので、我が方としてできる限りのことをやってまいりたいというのが、今とりあえずの考え方でございます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 次に、復興問題の最後の質問としてお伺いをしたいんです。  これは将来の問題にもつながってくると思うんですが、そういう観点から見たら、やはりポル・ポトによって教師は殺されていき、医師も殺されていきということで国自身が自立していくに当たって、どうしてもやはり技術者だとか教師だとか医者だとかいうものが圧倒的に不足をする。そういうことなので、カンボジア人の留学生の枠、そういうものがあるのかどうかわかりませんけれども、ぜひカンボジア人の留学生を、日本が受け入れることが割と簡単で、ある意味で言うたら一番将来にまた種を残していくといいましょうか、そういうことになっていくと思うんですけれども、その点についてひとつ必要な措置を講ずることができないかということを申し上げて、この復興についての質問を締めていきたいと思っています。

谷野作太郎外務省アジア局長

○政府委員(谷野作太郎君) ちょっと担当の局長が参っておりませんので詳しい数字を私持ち合わせませんが、いずれにいたしましても、国費留学生、それから先ほど来出ております技術研修生の枠、これは国際協力事業団の受け入れの枠でございますけれども、これはやはり和平が来ましたものですから、少し従来の枠をふやして抜本的なことを双方について考えなければいけないという議論を合いたしております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 UNDPの皆さんの話の中では、最後のお別れのときには、UNDPとしては必ずその国に種を残していく開発をしたい、こういうことを言っておりました。僕も、実はこの言葉が非常に印象に残りました。この復興につきましても、ぜひそういう種を残していくという心がけが、カンボジアの歴史を見てもそういう点が非常に大事じゃないか、私はそういうことを申し上げておきます。  次に、和平問題について二つほどお聞きしたいんです。  六月十三日からいわゆる武装解除のプロセスが始まるとも聞いておるんですが、予定どおり武装解除が進んでいく、こういうふうに政府は判断をされているのかどうか、その点についてお聞きいたします。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 六月からの武装解除のためには、特に歩兵大隊でございますね、十二カ国の、それが本来は全部そろっている必要があるわけですが、聞くところによりますと、必ずしも全部そろわないけれども行うということで、国連が、担当の者がいろいろ協議、会議その他行った結果、六月のその時期から行うという決定をしたわけでございます。私たちとしては円滑に、スムーズにこのプロセスが進行するということを大変期待して見守っていきたいというふうに考えておる次第でございます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 今質問したことと関連をするんですが、最近、例えばソン・サン氏が選挙後もUNTACに一定期間残ってほしい、こういうようなことを述べたと私ども聞いておりますし、また過日の報道によりますと、カンボジアを訪問されております公明党の石田委員長にシアヌーク殿下が、三カ年は在留をしてほしい、こういう要望があったと私ども聞いているわけなんですが、そういう世論になってきているのか。そういう見通し、またそれは事実そういうことにプロセスとしてなっていくのかどうなのか。やっぱりパリ協定に基づいたその中で新政府樹立とともにUNTACは消滅をするのか。その点についての見通しというんですか、お聞きをしておきます。

丹波實外務省国際連合局長

○政府委員(丹波實君) 先生もう重々御承知のとおり、このUNTACは来年の七月までぐらいだと思いますが、その十八カ月というものを対象にして設立が決定されたわけでございまして、やはり遅くとも五月に選挙が行われて、それに基づく政府が樹立されてUNTACが任務を終わる、そういうプロセスであってほしいと思っております。  もし、そこに狂いが生じますと、UNTACはもっと居続けなければならない。そうなりますと、各国からの要員の問題がまた出てきますし、先ほど先生が問題提起された非常に深刻な国連の財政の問題も出てきますし、そういう意味では私たちはやはり来年の七月、八月に円滑にUNTACが撤退できるような、そういう状況が現出してほしいということを祈る気持ちで見ているということでございます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 ソン・サンなりあるいはシアヌーク殿下から、UNTACはぜひ残ってほしいと。こういった背景には、今は四派がSNCというところでシアヌーク殿下という国民的な人気のある殿下がまとめているというようなことにも思うんです。しかし、一たん選挙が終わって、いや、こんなはずじゃなかったじゃないかということで、一つの派が問題だということでゲリラが再発するという、そういう状況があるからまた残ってほしいということに関連をしているのかどうかということを私は思ったりもするんですが、その点についてはどうでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) これは、外務大臣としてはしゃべり過ぎることは一番いけないことでございますが、そういうことがないようにしっかり見きわめなければならないと思います。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 もちろん私どももそういうことを願うものです。  これも、ポル・ポトの方は国連に抗議をしたということも現地で耳にしたんです。それはどういうことかといえば、UNTACは余りにもプノンペン政府ともうぴったりじゃないか、そういうことに対して問題だ、こういうことを耳にしたんですが、これは事実なのかどうか。僕もその辺資料が今はなくてちょっとわかりませんけれども、どうなんでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 私もつまびらかにいたしておりません。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 いずれにしても、この選挙で世界各国から公平、民主的な選挙がされたということと、和平が守られていくことが非常に大事だ、そういうことを申し上げて次の問題に移ってまいります。  次は、これは私、この委員会でも議論をお聞きしておる中で一つよくわからない問題があるんです。それは、六月に行われる東京での復興会議ということがこの間多委員によって言われておるんですが、この中身がもう一つ何かわかるようなわからないようなことのように私は思うんです。  まず、この復興援助会議というのは一体だれが主宰し、しかもこれは国連の会議に匹敵するものなのか、あるいはそうじゃなくてむしろ任意的なものなのか、あるいは単なる調整するための話なのか。いわゆるUNTACが三月から始動をして、六月ということになってきますと、一定程度の状況というようなものはすべて出そろっできますね。だから、そういう中で資金の問題もあるだろうし復興の問題もあるだろうし、そういうことをするものなのか。そこらの点、もう一回言いますけれども、主宰者はだれか、だれが参加するのか、お願いいたします。

谷野作太郎外務省アジア局長

○政府委員(谷野作太郎君) 六月の閣僚会議について若干の御説明をいたしたいと思いますが、幾つかの目的がございます。  一つの大変重要な目的は、やはりせっかくシアヌーク殿下のもとに国民の和解に向けて懸命な努力が継続されておる。UNTACも先ほど来のお話のようにいろいろな活動を既に始めておるわけでございまして、そういう状況のもとでこの国際会議が、日本も含めて国際社会がそういったカンボジアの努力、UNTACの活動、これを全面的に支援する用意がある、そういう強い国際社会の政治的なといいますか意思を伝えるということがあろうかと思います。  それから、ただもちろんそれにはとどまりませんで、第二点は、日本も含めて関係国あるいは関係機関、世銀とかアジア開発銀行とか、そういうところが一体このカンボジアの復興のために、とりあえずは戦後の復旧のためにどれくらいのことをそれぞれなし得るかということをこの機会に、これも進行中ではございますけれども、具体的な支援のあり方、額等をできればまとめてみたいと思っております。  それから第三点は、先ほどちょっと関係国の間の調整をどうするかというお話がございましたけれども、大変重要な点でございまして、日本には日本のやり得る特色ある援助のやり方というのはあると思いますので、その国際的な分担といいますか調整といいますか、それを議論したい。  いずれにいたしましても、これは今回で終わるわけではございませんで、今回の閣僚レベルの会議を受けまして実務レベルにおります。そして、その実務レベルの会議、すなわち仮の名称でございますけれども、カンボジア復興国際委員会というのをつくろうと思っております。これは、横文字で恐縮でございますけれどもICORCといって既に仮の名称はできておるわけでございますが、実務レベルのそういう国際委員会をつくりまして、そこでカンボジアヘの今後の支援の調整のメカニズムを取り仕切っていきたい。そういう委員会、ICORCの発足を今度の閣僚会議でもって決めたいというふうに思っております。  冒頭にお尋ねのどこが主宰するかということでございますけれども、これは先般、三月に東京で準備会議が行われまして、これはぜひ日本にお願いしたいということでございました。日本がそういうことで議長国を務めますけれども、日本だけというのもあれでございますので、UNDPにお諮りしまして日本とUNDPの共同の議長ということになりまして、日本は渡辺外務大臣が共同議長の一員として会議を取り仕切られるということでございます。カンボジアからはシアヌーク殿下が見えます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 ということは、いわゆる正式な国連の機関でこれをやるというわけではないというように私は思ったのですが、むしろ復興援助会議ということでありますから、まあこれはうがった考え方をしますと、どんどんと日本の拠出金がふえてくる、任意の拠出金もふえてくる。あるいは道路も橋なども、はいはいということになってくると膨れ上がってくる。そのためにはぜひ、いわゆる他の国に対してその現状をもう少し理解してもらう、言葉をかえればハッパかけというのか、そういうようなものもあるんですか、あれは。どうですか、共同主宰者として。

谷野作太郎外務省アジア局長

○政府委員(谷野作太郎君) お話の趣旨が必ずしも理解できたかどうかでございますが、国連との関係ということになりますと、先ほど申し上げましたように、国際機関との連絡を密接にとりながらやっていかなければいけないと思っております。お答えになっておりますかどうか、失礼しました。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 よくわかったようなわからぬようなことなんですけれども。  そうしたらもう一つお聞きしますけれども、角度を変えて聞きますと、UNTACが三月からやって、六月になってくるわけですから、そのときには大体三カ月の状況が出てきますね。立ち上がり資金二億ドルを使い切ったところでもありますし、それと任意の六億ドルのいわゆる難民の定住化の問題だとか、そういう問題があるわけなんですが、この復興援助会議はUNTACの任務の見直し、追加ということに影響を大きく与えていくものなのか、それを一つずばりと答えてください。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) これはUNTACそのものではありません。また、国連の正式な機関でもありません。しかしながら、UNTACのやっていること、国連との関係はよく連絡をとりながらカンボジアの戦後復興についてどうしてやっていこうかということに関しまして、先ほど局長から説明した点について相談をまずしようと。それで日本は、インドネシアもあそこの内戦を終わらせるためのいろんな努力をしましたが、日本は日本で停戦の旗振りもやったわけですから、だから旗振りをやった以上は、アジアのことでもあるし、率先していろんな面でUNTACに対する義務を果たすプラスアルファでやっていきたい。  そのためにはやはり各国の協力と理解を得なきゃなりませんので、変な誤解を受けないようにやりたいと思っております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 これは、私どもの委員である竹村さんの方からもお話があったんですが、私もNGOの懇談会のときに、日本のNGOの六つの団体の皆さんと一人一人お話をさせてもらって要望ということについてお聞きをしておったんですが、全体の方がおっしゃるのは、東京の復興会議にNGOがオブザーバーになっているということなんだけれども、これは正式に参加をしたいと。  そして、JVCなどは、私どもが一番早くからこのカンボジアの支援、私もJVCの修理工場へ行ってきましたけれども、私は正直な話、行くまではNGOということですから五、六人のいわゆる日本で言うところの極度の零細工場だろうと思って行きますと、もう本当に立派な大きな工場で、しかも現地の人たちが皆そこで作業をされて頑張っていました。  特にその中で感心したのは、一人カンボジア人の方で日本に留学した方がおられまして、その人が中心になって車を修理をする、整備をするに当たっての専門書を一生懸命にカンボジアのクメール語に全部その教材を訳して、そしてその教材に基づいてカンボジア人の仲間づくりをして、そしてカンボジアの人がもうほとんど自動車の修理ができるんだ、ちょっと複雑なコンピューターのマイコンの入ったような難しいやつの修理はまだ少し難しい面もあるけれどもしかし大体できるんだということを言っていました。私、そういう意味でもNGOが果たしてきた役割が非常に大きいなというようにも感じます。  それと、私どもがカンボジアで、日本で言うところの厚生省の局次長でしょうか、民生を担当するところを訪ねたときもそうなんですが、もうほとんど予算がないと。いわゆる戦争孤児の問題だとか未亡人の問題だとか、あるいは地雷で足がなくなっただとか、さまざまなそういう困難な問題を抱えているんですけれども、そういうことについてもなかなか民生においてはできない。しかしそれも、私もある孤児院へ行き、あるいは未亡人のところへ行きましたならば、これはやはりJVCの皆さんが援助をしながら頑張っておられる。その援助も政府が支給するところの何%ということを決めて、全部をしてしまうとなかなか自立ということもあろうからということで限度を決めておりましたけれども、しかし、そういうところを見ておりましたら非常に生き生きとしておる。  それで、現地をよく知っておるし、そういう声を、ただ単にオブザーバーじゃなくて東京の復興会議の中でひとつ、運用の仕方は別にして何とか参加はできないだろうか、こういうことの要望も私は聞いてまいりましたので、この点に答えていただきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) NGOの方、非常に献身的にカンボジアの問題で今までやってこられている方々が多いのでございます。したがいまして、カンボジアの問題等につきましても、よくNGOの方々から参考になるようなことを吸い上げて連絡をとりながらやりたいということが一つ。  国際会議でございますから、一方的に私が各国の意見を聞かないでNGOを正式メンバーに入れるということをここで表明してしまうことは行き過ぎでございます、どことも相談しておりませんから。議長国ということはやはり各国の意見も聞くということですが、私は参加については前向きで検討してまいりたい。他国の意見がありますからね、そういう意見を聞きながら。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 ぜひひとつ積極的に前向きに検討していただくことをお願いいたします。本当にありがとうございました。  それでは、これに基づいて復興を含めて、あるいは東京会議の問題を締めくくっていきたいわけでございます。  私、四泊五日ということで非常に限られた中で、しかもプノンペンの周辺ということになりますし、そんなにいわばタイの国境だとかそういう周辺を全体を見ていませんので不十分だと思うんですけれども、しかし、できる限り私も時間をとりまして町を毎朝一時間ないし二時間ずっと歩いてまいりました。  確かに町はフランスの町づくりということで道路も広く、街路樹もたくさん植えられて、それなりに非常に美しいという感じを受けたりもするんですけれども、しかし一歩横にずっと路地を入っていきますと、水のドラム缶を子供たちが引っ張って、それを皆が買っている、あるいはそれが日本で言うところの水道なのか。あるいは路地へ入っていきますと、やはり道路とかそういうところに家が建てられて、そこに何世帯も入っているような感じがしましたり、ひとつ路地に入っていくと、そういう民生的な問題とかさまざまなことをかいま見るような感じがしました。  そういうことで、一つ疑問というのか私自身まだ結論が出ていないんですけれども、ホテルで出会った新聞記者なりあるいはテレビ局の皆さんが、全く僕は面識がなかったんですけれども、その話の中で、カンボジアの人というのは人口八百万で土地も広い、だからそういう意味では本来農業国だし、競争がなくて非常に豊かな国なんだということを言っていました。それと、私自身もカンボジアの人たちどお話をしていると非常に人懐こいという感じがしました。  しかし、そこで感じたのは、その人が言うには、これ今UNTAC景気だと。今町はレンガがいっぱい積まれて、そしてどこもかも大工さんが入って家を建てている風景がたくさんあるんですね。そういう意味では活気づいている。そしてまた、公的な市場に行ってもそうだし町のシティー市場へ出かけましても非常に活気がある。これはUNTAC景気だ、だからこれは、今度あなたたちが来たときにはもう外国人を見れば金を寄こせ、欲しいと、そういうことになるのじゃないかと。だから、どう言ったらいいんですか、カンボジアの持っているリズムとお金の落としぐあいの比率というのか、そんなことをその人も言っていますし、私自身も町を歩いておって感じました。  そういう中で国家予算、税金を取っていないんですから、これから新政府を含めてそれなりの適正規模の国家予算というものは確立されていくと思うんですけれども、しかしその中における我々の援助の比率はそれぐらいの限度でしないと、それの三、四年間分のものが援助として入ってくるということは、まさしく援助づけになってしまって自立をしないんじゃないかなという、そういう話をよく聞くのです。  だから、僕自身も帰りながらそれはどうなんだろうということでずっと考えながらきたんですけれども、これを渡辺外務大臣、そして私どもの発議者の方にお聞きして、この復興問題と東京会議の問題についての質問を終わります。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) これは援助の問題はどこでもっきまとう問題です、今のお話は。やはり一時的には人道的な難民救済とかいろんなそういう問題がありますが、しかしこれは慈善事業ではありませんから、長く長くやるというわけには実際はいかない。それが当たり前だということになってしまうと、それは我々の方、出す方でも切りのない話になってしまう。どうしても一時的救済ではあるが、後は自分たちの努力で立ち上がってもらう。そのための呼び水、そのための手助け、そういうように持っていきたいと思っておるわけであります。  本当に、ただ国民が堕落するような援助の仕方ということは非常にまずいし、特定の者がそれをかすめ取るというような騒ぎを起こしてもこれもまたもっとまずいし、その兼ね合いをちゃんと考えてやらなきゃならぬ。  もう一つは、難民がカンボジアに入ってきて、こんな苦しい農村の開拓の生活を自分がするのだったならば、むしろ難民キャンプにいたときの方が生活が楽だったというようなことになってもこれは困るわけなんですね。しかしながら、実際開拓をして、これから原野をかま、くわ持って耕して、そこで自活をしていい生活するということは、口では簡単だけれども、現実はそれは大変な苦労を要する問題だ。  したがって、どういうふうにこれから手助けをしていくか。一遍農村に入った難民が今度は都市集中ということになってプノンペンにみんな集まっちゃうというようなことも当然考えられることでございますから、そこのところはよくよく整合性のとれた国家の再建計画というものをつくっていただいて、それに合わせながら世界の協力を得て援助をする。しかし一方、カンボジア国民自身にもそれは頑張ってもらうということが両輪のことでなければならぬと考えております。

野田哲日本社会党・護憲共同

○委員以外の議員(野田哲君) 私どもは、本院の中でも経済援助の基本的な原則についてODAの基本原則というものの立法化の手続をとったこともございますが、その基本的な立場としては、援助対象国の自立の促進、そして民主化の促進、人権の尊重、こういうことに役立つような援助でなくてはならない、このように考えております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 それでは、少し論点を変えまして、カンボジアの問題についてはこれで終わっていきたい、こういうように思っております。  次に、PKO法案について少し御質問をしたいと思います。とりわけ私は、実施計画、実施要領というところについて質問をしたい、こう思っておるんです。  それは、実施要領、実施計画ということがある意味で言うたら非常に大事なポイントになってきているんじゃないか。特にこれは指揮権の問題との絡み合わせの中で、いわゆるPKFに参加するに当たって国連の現地司令官のコマンドに従っていくんだと。しかし、それも従っていくに当たっては、もちろん日本の自衛隊の派遣については、これは今度は日本自身の指揮権というんですね、指揮権を有しておるんだと。いわゆる五原則が崩れていくに当たった場合は撤収はどうかということは、これは日本の判断なんだと、こういう論理であったと思います。  私も昨年質問させてもらって、そういうこともあったと思うんですね。しかし、そのときには、この実施要領というものが一つのポイントになってくる。言いかえれば、いわゆる国連の現地司令官のコマンドに重点を置くと、これはSOPにも書かれてありますように、平和維持をするに当たってそれを妨害されるような行為にあっては武力行使をもってそれを排除することができる。だから、そういう意味では国連のそういうコマンドに従っていくとこの問題がどうなるのか、こうなってくる。  また、逆に言うたら、その派遣に当たっては日本の側に指揮権があるんだということに重点を置くと、そうしたら平和維持軍の全体の任務というものが日本のエゴ、勝手というのか、ここはやめた、ここはこうだという、整合性の中で任務が遂行できぬのじゃないか、こういう論議が私が承知するにはあると思うんです。  そのときにおいて、その実施要領をできる限りそのコマンドと事前にすり合わすから、その問題は、この二つの軸足が保てるんだと、僕の理解ですが、そういう感じがするわけです。  そこで、そうなってきますと、この実施要領というのは一体どういうようにとらえてどうしていくのかということが非常に僕は大事な問題だとこう思うんで、これもう一度、おさらいじゃございませんが、まず、実施要領、実施計画というのはこの法案ではどういう形でどういうように規定されてどうしていくのか、詳しくひとつ説明をお願いいたします。

野村一成外務省大臣官房審議官

○政府委員(野村一成君) お答え申し上げます。  ただいま先生御指摘のように、この法案の仕組みにおきまして実施計画、実施要領は非常に重要な意味を持っております。特に実施計画につきましては、この法案に書いてございますように、国連の方から要請がありまして、それを具体的な業務内容等の骨格につきまして閣議で決定する、そういう対象でございますが、さらにそれを受けまして具体的に、じゃ我が国の要員がそれをどういうふうに実施するかという段階になってまいりますと、この実施要領に従ってまさに業務を遂行するということでございます。  実施要領の位置づけでございますけれども、本来、この法案におきましては本部長、これは内閣総理大臣でございます、本部長によって的確かつ円滑な業務の実施の確保が可能となる、そういう点がまさに実施要領を介している趣旨でございます。自衛隊の部隊による業務の実施自体は防衛庁長官の指揮監督のもとに行われるとしながらも、防衛庁長官はまさに内閣総理大臣、本部長が作成、変更する実施要領に従って自衛隊の部隊に業務を実施させるとともに、部隊に所属する個々の自衛隊員もその実施要領に従って業務に従事するということとしたものでございます。  先ほど先生御指摘のとおり、そういう実施要領と申しますのは、まさにそういう本部長自身が我が国の要員によります。務の的確かつ円滑な実施を確保が可能となるように考えておるわけでございますが、そういうものが、まさに国連のコマンドとの関係というのも当然考えないといけないわけでございます。  国連のコマンドの内容と我が国の指揮監督の内容との調整ということ、その点につきましては、まさにこの実施要領が、この法案の八条の二項でございますが、コマンドと適合するよう作成、変更されるということを法案に明記することによりまして、国連との間で問題を生ずるようにしないというふうにいたした次第でございます。  ただ、極めて例外的と申しますか、国連との協議、調整の中でやっていくわけで、特にそういう事態は起こらないとは思っておりますけれども、いわゆる中断、撤収の場合につきまして、国連のコマンドの枠外での行動があり得る、そういう立て方をしておるわけでございます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 そうしたら、この実施要領というのは、言うたらいわゆる憲法を守らせていく一つの最大の手引というのか、そういうことになってくるのか、あるいは言いかえれば具体的な行動をしていく、そういうような性格なんですか。この実施要領というものについては、どうですか。

野村一成外務省大臣官房審議官

○政府委員(野村一成君) お答え申し上げます。  この実施要領、私、先ほど申しましたが、この法案におきましても、第九条の一項におきましては協力隊員につきまして、それから三項では海上保安庁職員、それから四項では防衛庁長官の指揮の場合、それぞれ指揮監督のことを書いてございますが、同時に、五項におきまして自衛隊員につきましても「実施計画及び実施要領に従い」ということになっておりますので、まさにこの法案に基づく業務を実施する具体的な、何と申しますか一種の指令書というごときものでございます。  したがいまして、これに従って行動する限りにおきましては、まさに五原則の法案の枠に基づく業務の実施ということに相なる、そういうふうになっております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 なぜそれを私が申しますかといいますと、いわゆる国連のコマンド、指揮官、これは私どもの国が派遣する指揮官という問題をすり合わせる実施要領だ、しかもこの実施要領をきちっと事前に適合するようにしていくので武力の行使にはならないんだ、こういう論理なんですね。そうしたら、実施要領そのもの自身がいわば国連のSOPの内容等を含むと私は考えるんですね。もともとそうでしょう。国連においてはSOPというものによってこのマニュアルがつくられて、そういうことの中で一つの実施要領がつくられるわけですね。だから、それとこの私どもの国の法案における実施要領というものはどうなのか。もう少し言いますと、この実施要領は、SOPの内容を含むと考えられるのか、全く無関係なのか、その点はどうなんですか。

野村一成外務省大臣官房審議官

○政府委員(野村一成君) お答え申し上げます。  この実施要領、基本的にはまず閣議決定の対象となります実施計画が決まりまして、その後国連との調整をいろいろ経た上で、派遣前に本部長により作成されることに基本的にはなるわけでございますが、他方、細部につきましては、先生まさに御指摘のとおり、現地におきます国連よりのコマンドに適合させながら、現地情勢を踏まえていろいろと補充されていくということになろうかと思います。  いずれにしましても、そういうものでございますので、SOPで書いてある考え方あるいは個々の現地におきます国連からの現地司令官のコマンド、それに適合させながらこの実施要領を作成ないし変更していく、そういうことになります。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 もう一つここで大事なのは、この実施要領はこれは国会に報告する義務があるんですか。それとも内閣に報告だけでいいんですか。この実施計画、実施要領については、その点についてはどうなんですか。

野村一成外務省大臣官房審議官

○政府委員(野村一成君) お答え申し上げます。  現実問題としまして、実施要領につきましては、いろいろ要員の具体的な行動の側面に着目したかなり細かな面もあるわけでございまして、特に場合によっては隊員の安全にかかわるような情報、あるいは現地の社会に関する情報といった点も含まれますので、公表あるいは国会への提出ということについてはおのずと制約があるという点は御理解いただきたいと思うのでございます。将来、特にこれは国会報告というような機会がこの法案におきましても第七条で規定されておりますので、差し支えない範囲でその内容について御説明するということは可能であろうというふうに思っております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 それはもう大きな問題があるんじゃないですか。いわゆるPKFに自衛隊が参加するに当たって、特にSOPにおいては、平和維持の任務を受けて、それをするに当たって妨害をされた場合は武力の行使ができる、こういうことがはっきり明記されておるわけでして、そういうことなので、日本では国連のコマンドについては従うものもあるし従わないものもある、それは日本に指揮権があるんだ、五原則が崩れればそれは中断をして撤収していくんだ、だから憲法は守れゐんだ、こう言ってきたわけですね。しかもその中で、実施要領は事前に国連のコマンドとそのあたりはよくすり合わせをするんだということですね。  ということは、この実施要領は、基本的には日本の国会あるいは国民に対しての報告というものじゃなくて、まさしくこれは人を殺し、武力の行使という憲法違反の非常に大きな疑いがあるという、そういうところの実施要領でございますから、そういう点について単なる報告だというところに実は最大の問題があるんじゃないですか。その点はどうですか。

野村一成外務省大臣官房審議官

○政府委員(野村一成君) お答え申し上げます。  実施要領につきまして、先生、特に中断、撤収の場合に重点を置かれての問題提起であろうかと存じますけれども、じゃ実施要領は具体的にどういう内容になるかということを御説明いたしますと、例えばこの法案にのっとりますと、「協力業務が行われるべき地域及び期間」ということがございます。これは具体的には、例えば我が国が要請されている業務が緩衝地帯の巡回であるという場合には、具体的にどこの地点で、あるいはいつからいつまでそれをやるのかというようなこと、あるいは協力業務の種類とか内容につきましては巡回なら巡回その他を書いてあるわけでございまして、先生御指摘のような論点というのはここからは生じてこないんだろうと思います。  と同時に、この実施要領はまさに要員の現実の日々の行動の基本になるものでございますので、私も全面的にそれが公表できないというようなことは申し上げておらないわけです。やはり内容によっては要員の安全に関係するものもあり得るということを申し上げておるわけです。  それで、特にその法案の第八条の例えば第五号というところに着目していただきますと、「派遣先国の関係当局及び住民との関係に関する事項」、これも実施要領に含めることになっておるわけでございますけれども、こういったことの中には、まさに私が申しましたような論点からする問題点と申しますか、それの公表についての懸念というのが出てくるのではないかなというふうに感じます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 そうしたら具体的に聞きますけれども、カンボジアのUNTACにおける実施要領は今できていますか。

野村一成外務省大臣官房審議官

○政府委員(野村一成君) お答え申し上げます。  この実施要領、まず国際連合の方から具体的な我が国に対する協力要請がございまして、いっ、どこで、具体的に何をやるかという大枠でございましょうが、それにつきまして、その要請の後、日本政府として種々検討してそれに応ずるべきであるという段階になりますと、具体的に個々にどういう規模で、どういう業務を実施するか等につきまして国連との調整を経た上でやはり実施計画というのを作成いたしまして、それを閣議決定する。あくまでその後でなければこの実施要領というのは作成できないという性格のものでございます。  したがいまして今、先生、UNTACとの関連での問題提起がございましたけれども、私ども、まずこの法案を国会で御承認いただきまして、この法案では三カ月以内に施行しないといけないということになっておるわけでございますけれども、できるだけ早く施行をできるようにいたして、その後に国連との間の協議、そういったものを踏まえた上でなければ具体的に実施計画ないし実施要領がどういうものになるかということについては明らかにならない、そういう仕組みになっております。ぜひ御理解いただきたいと思います。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 いや、それはおかしいと思いますよ。先ほども私申しましたように、その実施計画、実施要領というものがやはり一定程度国連のコマンドとの整合性というのか、それが非常に大事なポイントにこれはなっておるわけでしょう。しかも、そこがきちっとしない限り武力の行使ということにつながってくるからゆえに去年からこの問題の議論がなされたわけなんで、それで今PKOの法案ができない限りUNTACの実施要領が、私ができているかできていないかという質問に対してそれは答えられないというんでは、これはだめじゃないですか。  やっぱりもう少しそれはどうなんだと、この進捗状況は。しかもその状況の中で、UNTACの実施要領に基づいて我々の日本における実施計画というものあるいは実施要領というものができ上がると思うんですね。そういうものをぜひ国会に対してどういうように提出していくか、あるいは我々も含めてそれを見ることができるか、その点について少しどうなんですか、それは。

野村一成外務省大臣官房審議官

○政府委員(野村一成君) この法案の第七条におきまして国会への報告が政府に義務づけられております。基本的には、これは実施計画に着目いたしましてその内容を報告することになっておるわけでございます。その実施計画におきましては、この法案の第六条でございますが、二項で「実施計画に定める事項は、次のとおり」ということで業務の種類とか内容あるいは期間、装備に関すること等々が含まれております。これでかなりの部分が、日本が何をやろうとしているのかというのが明らかになろうかと思います。  実施要領はあくまでそれを受けまして、まさに先ほど私申しましたけれども、具体的な業務の実施に当たっての我が国からの要員の行動を具体的に定めた一種の指令書のごときものでございますので、そういったものにつきましては、繰り返して恐縮でございますけれども、この実施計画の枠の中で作成されるものでございますし、それにつきましては、全部が全部とは申しませんけれども、やはり要員の安全等の見地から公表になじまない部分が出てくるであろうということを申し上げておるわけでございます。  他方、差し支えない部分については当然御説明等、明らかにするということは可能かと思います。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 もう時間がなくてあれですけれども、こういうことですね、日本が実施要領をつくるに当たっては事前に国連のコマンドと整合性が合うようにしていくんだということですけれども、時にはその整合性が合わない場合があると、そういうこともあり得るわけですね。いわゆる実施要領をつくるに当たって、それが合わない場合があるのかどうか、これが一つ。  それと二つ目は、この法案によりますと、実施要領三のところに、「本部長は、必要と認めるときは、その指定する協力隊の隊員に対し、実施要領の作成又は変更に関する権限の一部を委任することができる。」と、こういうことですけれども、この委任は一体だれにするんですか、答えてください。

野村一成外務省大臣官房審議官

○政府委員(野村一成君) 私、先ほど御説明申し上げましたが、国連のコマンドとの関係につきましては、枠外で我が国が行動するということがあり得るというのは、まさにこの法案第八条二項にも書いてございますいわゆる中断、撤収の場合のみでございます。  ただ、これにつきましても、これは累次御説明申し上げておるわけでございますが、まさにこれはこのPKO活動の基本でございます停戦の合意あるいは受け入れ国、紛争当事者の同意あるいは中立といったまさに平和維持活動の基本、大前提が崩れた場合の措置でございます。そういった状況においての対応でございますので、国連、現地の指揮官等と十分な御協議、連絡を経つつ行われることでございますので、現実にこの点が国連との間で問題は起こらないというふうに考えておる次第でございます。  他方、第二番目の点で、委任についての規定がたしかございます。これにつきましては、基本的には協力隊員の身分におきましてこの実施要領が適正に作成されておるかどうかといった点につきまして常に考え、それをフォローする人が必要でございまして、我が国から参加している部隊につきましては基本的にはその任に当たる人は部隊長であろうというふうに考えております。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 わかりました。  もう時間がありませんけれども、これは私八時間の質問要求をしておるということで、まだ時間があるということでまた後ほどの機会にやりたいと思うんですが、最後にちょっと問題点は、やはり今言いましたように、実施要領の作成、変更に関する権限の一部を委任するということは、今現地の部隊長ということはこれは自衛隊でしょう。それだけ確認してください。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(宮下創平君) これは法律的に申しますと、八条が実施要領の作成について記述されておりまして、三項によりまして本部長、これは内閣総理大臣でございますが、「必要と認めるときは、その指定する協力隊の隊員に対し、実施要領の作成又は変更に関する権限の一部を委任することができる。」と、このように明記してございます。つまり、自衛隊は部隊としてあるいは個人として参加が可能でございますけれども、特に部隊等で参加した場合には現地の部隊の責任者等がその委任を受けることは、協力隊の隊員として部隊の長が委任を受けることはあり得ることでございます。

谷畑孝日本社会党・護憲共同

○谷畑孝君 もうこれで終わりにしますけれども、問題は、実施要領というのは、必ず現場においてはSOPも変わってきますし常に変更されていくんですよ。そういうときに委任するんですから、現場のやっぱり指揮官であり自衛隊が実施要領を変えていくんですよ。そうしたらその中における一体文民的な、そういうシビリアンの問題というのはどこで歯どめがきくのかということを次のことで質問をまたすることにして、きょうはもうマイナス三分になりましたので終わりたいと思います。  どうもありがとうございました。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 朝早くから宮澤総理、渡辺外務大臣、また防衛庁長官、官房長官、社会党案の提出者の皆さん方も大変お疲れのことと思いますが、しかしこの法案の審議を通して国民の皆さん方に対して、この国にとって大変重要な国際貢献を主眼としたPKO法案の真実の姿が究明され、また伝えられるわけですから、しばらく御容赦をいただきたいと思います。  先般、五月八日のこの委員会の会議が終わりましてから、私、議員会館の私の部屋に帰りましたところ、つい今さっき政府のPKO法案に反対の人たちが部屋を訪れて帰っていったという報告を受けたのであります。その人たちは私の秘書に、あなたのところの議員は自民党だろう、もしPKO法案が通ったらあなたのところの議員に真っ先に紛争の場に行ってもらう、また秘書のあなたたちも体ががっちりしているから戦場にやられて戦死するぞと、そういった意味のことを秘書に伝えて、そうして別の人がその話し合っている姿を写真に撮って帰っていったそうであります。  私はこの報告を聞きまして、平和を願う心情においては私も全く強いものを持っているわけですが、しかしながら法案に反対するこういったデマゴギーだと思って、法案の内容を十分に検討したり理解することもせず、説明をしても頭から受けつけようともしないで問答無用だと、自衛隊を海外に送るなといったような人々がまだ一部ではあるけれどもいらっしゃるんだということを、まことに残念に感じた次第でございます。  国民の多数の方々は、かつては到底考えられなかったようなベルリンの壁の崩壊だとかドイツの再統一、ソ連邦の解体、東ヨーロッパ諸国の民主化、湾岸戦争など、世界がかつてないほどの激動の渦の中に巻き込まれていることを肌身に感じて、ただ自分の心情やイデオロギーの中に閉じこもって世界の動きや変貌する国々の姿に目を閉じている、そういったあり方だけでは到底日本の国が今後やっていかれない、何としても国際協力、国際貢献、その道がどんなにつらかろうと苦しかろうとも、そういったものを抜きにしては日本の進む道はないということを理解されてきたのであります。  しかしながら、一方においては、先ほど申し上げたような政府から提出されましたPKO法案に対して問答無用で反対する方々もあるわけですが、政府もこういった事柄に対してもっともっと国民の皆さん方にPRの努力をしていただきたい。私もきょうは、極めて基礎的なことではございますが、総理、また外務大臣、防衛庁長官にお伺いしてまいりたいと思います。  四月十八、十九日に読売新聞が国民の意識調査をいたしましたが、その中で、もう既に総理や外務大臣も御存じと思いますが、PKOに今後日本が積極的に人を派遣しなかった場合、日本人は世界の平和のために汗をかこうとしないとの印象を与えるかという質問に対して、六九%が「そう思う」と答えたと報じております。  また、PKOへの自衛隊派遣に対して、一切派遣すべきではないとの反対が二四%ですが、これに対して、自衛隊派遣に賛成するというような方々が六八%に達したということであります。  また、PKOへの自衛隊派遣に対して、国際平和を願う憲法の精神に合致しているので問題はないと答えた人は四五%あったということでございます。これに対して、海外での活動に自衛隊を派遣することは憲法の精神に反するので問題だとする意見が四一%。憲法に合致するが、わずかではございますが上回ったというのが国民の方々の意識でございます。  また、国際連合の役割に対しては、米ソの冷戦構造の崩壊に伴い今後国連の役割が大きくなると思うかどうかと質問したのに対して、「そう思う」という国民の認識が七六%、「そうは思わない」と答えた方が一四%と、大きく国民の国際問題に対する理解が上回っているのであります。湾岸戦争の危機やイラクに対する各種の制裁決議が国連で採択されて、これに基づいてアメリカや多国籍軍がフセイン政権の無道を敗北に追い込んだということが強く影響していると思うのであります。  また、先ほどいろいろな議論がございましたが、カンボジアヘの協力に対しましては、昨年十月パリ合意を受けてUNTACが発足し、明石国連事務総長特別代表を中心にPKOが大規模に展開されておりますが、日本にも非公式ながらさまざまな協力を要請しております。そこで、日本がこうした協力に応じるべきかという質問に対しては、積極的にまたある程度とを合わせて協力すべきだが八八%に上り、大多数の国民がカンボジアでのPKO活動に日本が協力すべきだと考えていることが明らかになったのであります。協力すべきだと言う人の年代別に回答者を見ますと、二十歳代が最も多くて九三%、以下年齢が上がるにつれて協力すべきだと考える人が減っているということでございます。  ただいま申し上げました読売新聞のPKOに関する国民の意識調査は総理や外務大臣も既に御存じと思いますが、どのような御感想をお持ちになっているか、伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 冒頭に、第二次大戦後のいわゆる米ソ対立の時代のことにつきお述べになりまして、その時代が大きく転換をしたということを言われたわけでございますが、転換いたします前、いわゆる米ソの対立があって、核の抑止力という非常に不安定な状態のもとで世界の平和がともかくも保たれておりましたときに、我が国はそれなりに、敗戦をいたしました関係もございますけれども、そのような平和の一方的な受益者として自分の国の繁栄と成長を図ることができたわけでございます。  ところが、ただいま御指摘のように、米ソの対決ということがなくなりました。そして、ソ連と共産主義はついに姿を消した。そして、湾岸戦争もございましたが、国連というものが初めて機能することができるようになった。そういう変化を国民は大体好ましい変化だととらえておられることは間違いないと思うのでございますが、そういう好ましい変化が起こった後に、それなら日本は何か新しいことをすべきなのかすべきでないのかということについて、すべきだなと思っておられる多くの国民と、いややっぱり今までと同じ方が楽でいいではないかと、楽という言葉は不適当かもしれませんが、お人によって、四十何年の長く続きました時代があり、湾岸戦争からきょうまでまだ二年でございますから、長い間のそういう習慣というものが急に国民の思考方式の中から変わらないとしても、変わらない人々がおられるとしても、それは必ずしも不思議ではない。そういう変化の真っただ中に今我々は実はおるのだろうと思います。  現に、湾岸戦争がありましたときに、この四十何年間のいわば平和の一方的な受益者であることについての疑問が広く国民の間に起こりました。そして、財政的な貢献はしたけれどもそれだけで果たして十分なのであろうかどうだろうかという議論があり、また戦争終結後ではありましたけれども自衛隊が機雷の除去に行きましたときには、国民的な共感を広く呼んだというようなことがございました。  そこで、そういう背景のもとに、やはり我々は今や平和の一方的な受益者であることは許されないということで、この法案を政府は御提案いたしておるわけでございますが、たまたまそこへまたカンボジアの和平というようなことも起こってまいりまして、国民の中には、恐らく私は日とともにこの法案の意図しているところを精解され始めていると思うのでございますけれども、何分にも四十何年という長い年月の間の思考方式が変わっていくわけでございますから、全部の人が一遍に新しい思考方式に切りかわらなくてもそれは不思議なことではない。ただ、それに対する政府、殊に国会でこのような御議論をいただいておるということが国民に対する理解を持ってもらう、また理解を深めてもらうゆえんであろうというふうに思っております。  先ほど読売新聞の世論調査についての御指摘がございました。かなりの人がこのいわゆるノーベル平和賞をもらったような国連の平和維持活動に自衛隊の諸君に従事をしてもらうということに賛成であるというふうに述べておられるわけですけれども、また、しかしある程度の数の人がそれについては疑問を持っている。それは恐らく二つ理由がございまして、一つは四十何年間の思考方式、もう日本の人たちが外国へ行って何をするにしてもそういうことはないのだと考えておった人々と、いや、自衛隊そのものが本来違憲なのであると考えておられる人々と、恐らくその両方であろうかと思いますが、幸いにしてこうやって国会で御審議をいただき、また現実にカンボジアの事態というようなものが起こってまいりました。また、今日の日本の世界における立場というもの、地位というものも国民が日とともに理解を深めておられるということから、私どももなお努力をいたさなければなりませんけれども、国民的な賛成と合意がこの背後に形成されつつあるものと考えております。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 総理大臣が詳しく述べられましたから簡潔に申し上げますが、やはり何もしなくたっていいというんだったらそれはそれでいいんでしょうが、国民も今いろいろ大変な知識を持っておりますから、世界の人々がこのようにカンボジアの和平に貢献している、アジアの国もほとんどみんなやっているじゃないか、だからその程度のことは日本もしなきゃなるまいねと言えば、それは全くそうだと、こういう人が多いんですよ。安保条約ができればもう戦争になる戦争になると言って二十年も三十年も過ぎてきたんですが、戦争にはなりませんし、自衛隊が平和維持活動に出たら戦争になる、大変だ、憲法違反だと言っても、やっぱり若い人にはぴんとこないんですよ。むしろ年配者の方が、我々ぐらいの人の方がその心配をする人が多少いるということも事実なんです、逆に。  ですから私は、日本だけが特異な国じゃない、開かれた国際社会においては、国際社会の責任を果たすような国になるべきだという人がだんだんふえてきつつあることは事実だと思います。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 社会党案の発議者として、野田先生、どのようにお感じになられるか、お願いいたします。

野田哲日本社会党・護憲共同

○委員以外の議員(野田哲君) 私どもも、国際貢献を日本が積極的にやっていかなければならない、こういう立場については法案の中でも明らかにしております。ただその実施の方法が政府あるいは他の政党の方々と少し趣を異にしている、こういうことでございます。今日の状況が、世界の国境がだんだん低くなって、そして経済的にも社会的にも国際的に協調していかなければならない、その協調の協議の場が国連であるということはもう異存のないところでありますから、その場を通じて積極的な国際貢献をやっていく、このことについては私どもも同様の考え方でございます。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 再度お聞きしますけれども、カンボジアの協力に対して、PKO協力すべきだという声が八八%もありましたが、そのうち二十歳代の青年が九三%いたということに対しまして、野田先生、どのようにお考えでしょうか。

野田哲日本社会党・護憲共同

○委員以外の議員(野田哲君) 読売新聞の調査の発表がございました。六八%がPKO、自衛隊の参加賛成だと、こういう数字になっておりますが、その内訳を見ると、私も子細に関心を持って検討いたしました。そうすると、いろんな設問に対する反応を全部トータルすると六八%だと、こういうことでありまして、これを大きい分類で整理をいたしますと、「憲法の精神に合致しているので自衛隊の派遣に問題はない」、こういう意見が四四・九%、そして「海外での活動に自衛隊を派遣することは憲法の精神に反するので問題だ」、こういう意見が四一%、その他が二一%、こういう内訳になっておりまして、やはりこれは貢献の仕方について国論は二分の状態にある、こういう実感を持っているわけでございます。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 ただいま貢献のあり方について野田先生からも御意見ございましたが、その一つの考え方として、さきにUNTACの明石代表はことしの一月、三月号ですが「外交フォーラム」のインタビューに答えて、   いまの日本人は、「平和、平和」と念仏のよ  うに言っていれば平和が来るような錯覚に陥っ  ている。平和というのは、汗も流し、ある程度  危険も冒さなければいけない。カンボジアにお  ける地雷の撤去などというのは本当に危険なの  です。しかし「私は危険なところには行きませ  ん」では、ダメだと思うのです。ぬくぬくとし  た平和というのは、私はあり得ないと思うので  す。こういうことを「外交フォーラム」の中に明石代表はおっしゃっておられますが、こういった明石代表の言葉に対して、総理、いかにお考えになられるか、お答えいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど申し上げました平和というものは、我々が一方的にそれから受益をするものであると長いこと考えてきた、そういうことに対して、先ほど外務大臣がはしなくも言われましたが、若い人はなかなか必ずしもそう考えない、むしろ年寄りの人の方がかえっていろいろ過去のことを知っておったりして危惧があることが多いんだろうと言われましたが、私もそういう要素があると思うのでございますね。  若い人は、そういう過去のことはもちろん自分の記憶にもございませんし、そしてきょうの日本というものをよく知っていますし、世界も知っていますから、どうもこんなに、まあいわばコンフォーダブルといいますかイージーといいますか、何もしないでいいのかなとごくごく自然に考えるだろう、そういうことが私はあらわれているんだろうと思いますし、明石さんの場合には、殊にこれは国連という国際公務員の立場でもって、まさにおっしゃいますように、平和というのはただ念仏をしていれば来るものじゃない、平和はから取らなければならない、努力をして維持しなければならない、こういう経験をしておる御当人自身でございますから、御当人が自分の同胞に向かってこれだけはぜひ言いたいとおっしゃったのは、私はもっともなことだと思って承りました。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 野田先生もひとつお願いします。

野田哲日本社会党・護憲共同

○委員以外の議員(野田哲君) 私どもの世代といいますか中高年以上の世代というのは、外国へ行くといえば親戚知人が集まって送別会をしてくれるような時代が戦後しばらくまだ続いていたわけでございますし、最近の若い人たちは、二、三日暇があればすぐ外国へ出向いていく、こういう世代でございますから、高年齢層と若い人たちとの間に国際的な感覚でジェネレーションギャップがあるということは私はやむを得ないと思いますし、私どもの年代というのはかって、私自身もその一人でございますけれども、軍人の一員としてアジアで活動したわずかの期間の体験も持っておりますので、それなりの感慨を持っているわけでございます。  だからといって、今日の国際情勢の中で私どもがただ言葉だけで平和平和と言って澄ましているわけにはいかない。私どももやはり汗をかいて、人的にもあるいはまた財政的にも日本で何ができるか、こういうことについては努力をしていかなければならない、こういうふうに考えています。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 最近、私どもの心に特に強い感動を呼び起こして、国際社会に対する貢献、同胞や国家社会に対する献身、使命感あるいは責任感、危険や苦しさを克服する克己心など、近ごろでは見失われてしまいがちなそういった人間の崇高な姿を体現してくださったのが落合一佐を隊長とする五百五十名の掃海艇の隊員の皆様方だと思います。  中東地域は我が国の石油の六〇%を供給していますので、この石油を運ぶタンカーの航行が機雷によって脅かされたら大変なことになります。食糧を生産したり工場を操業する原動力となるのも石油ですし、生産されたものを私たちのもとに運ぶのも石油を原動力といたしておりますが、いわばこの石油を運ぶ船舶の航行路は私たちの生命線であり、周辺の国々にとっても生命線であります。この生命線が機雷で脅かされた。  この機雷を掃海して安全を守るために、四百四十トンの掃海艇で時速十二ノット、自転車並みのスピードで一カ月もかかってたどり着き、四十度に上る炎天下で、しかもサダム・フセインが油田に火をつけたためにばい煙がやってくる、そういった中でマスクやゴーグルをつけて四カ月間作業をし、日本とアメリカだけで一番難しい機雷を三十四個も片づけました。落合一佐と五百五十名の隊員の皆さんは、我が国の船舶の航行の安全に努めるとともに、まさに国際貢献を危険を冒して身をもって実践されたのであります。  この掃海艇の皆さんに対する各国の評価、日本国内の反響、政府の感謝の表明はどうであったか、この点についてお伺いいたしたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいまの先生の質問の中でおのずから答えが出ておるようなものでございます。  これにつきまして各国の状況を申し上げますと、クウエートですね、これは非常に掃海艇の派遣を歓迎し、大変理解をしてお礼の言葉がもちろんあったわけであります。アメリカは、非常にすばらしい、喜ばしいと四月二十五日にブッシュ大統領も言っておりますし、ペルシャ湾での日本の掃海艇による機雷除去の活動の意義は本当に十分にわかったということです。国連でもデクエヤル事務総長が四月二十四日、日本の掃海艇派遣を高く評価いたしております。それから、同じくフィリピンも掃海艇派遣の決定を支持しておるし、マレーシア光そうですし、それから韓国は、自衛隊の海外派兵には深い憂慮の念を持っている、安全のための機雷除去という制限された目的によるものであると理解する、したがって掃海艇の方は、航海安全のためにやってくれるということは結構です、こういう意味でしょう。  中国は敏感な問題で慎重な対処を希望するというようなことをおっしゃいましたが、全体的に見れば、それはともかく日本国内でも出発するときは反対とか言って赤旗を立てて騒いだ連中もいたようですがね、(「連中というのはだれだ。連中はよくない。」と呼ぶ者あり)方々、方々がいたようですが、しかしながら、帰ってきたときは本当にみんなが、反対反対と言った人はほとんどなかった。えらいみんな感激をして御苦労さんという国民全体の気持ちがそうなったということも事実でございます。  これはもう説明するまでもないだろう。やはり派遣しない方がよかったか、反対されても派遣した方がよかったかというと、派遣することによって、予算はたった十三億円と言っておりましたから、一兆七千億円を出して多いの少ないの、遅いの早いのと言われたときの国際評価を考えれば、全然もう千分の一以下ですからね、それであれだけの効果を上げたということは、タックスペイヤーの我々からすれば本当によかったなというように考えておる次第であります。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 野田先生、いかがでございましょうか。

野田哲日本社会党・護憲共同

○委員以外の議員(野田哲君) 先日、板垣先生からもこの問題についての御質問があったわけですが、私どもの気持ちを率直に申し上げますと、私の郷里の広島県から出ていかれたわけでございますが、派遣された落合さん以下隊員の方々については大変御苦労であったと思います。しかし、もともと日本の沿岸警備のための掃海艇として装備されているものでありますから、ペルシャ湾まで行くということは、これはもう大変だったということを率直に私どもも考えています。それから、日本の実情を知らない諸外国の方でそれぞれ評価があったということについても承知をしております。  だからといって、私どもとしてはあのような形でペルシャ湾に派遣をした政府の態度をそのまま了解することはできない、こういう立場でございます。政府の今までの国会での説明やあるいは防衛庁が発行している防衛白書によっても、掃海艇の任務というのは沿岸海域において海上交通の安全のために対機雷戦を行う、こういうふうに記述をしてありますし、そしてそういう説明を国会でもやってきているわけでございます。それを現行法で掃海業務が規定をされており、掃海艇があるんだからということで一方的な解釈であのような形で派遣をされる、こういうことは了解できない、こういうふうに考えているわけです。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 いろいろな御意見もおありと思いますけれども、しかしながら現実には日本の国際社会に対する貢献というものがあの一事によって高く評価され、また同時に日本国民の中に感謝の気持ち、また日本に対する評価を高からしめたことに対する喜びというものが起きたことも事実であろうと思います。そういう意味におきまして、大変大きな成果があったんではないか、私はそういう意味での感謝の気持ちを持つものであり、一部には確かに今先生のおっしゃったような法的な見地あるいは政治的な見地から余り評価されない方もいらっしゃるとは思いますが、大多数の国民の心というものはそういう意味において政府の行ったあの施策に対して肯定し評価し、私は感謝しているんではないかと思う次第でございます。  あの掃海作業の成功の原因は、やはり自衛隊員の皆さん方の専門的な知識や技術の体得、厳格な訓練、指揮、目標に取り組む隊員の使命感、これが立派な成果をもたらしたと思います。  これは私自身のことで恐縮ではございますが、私はかつて、先日亡くなった山本七平さんや小室直樹さんと一緒にゴラン高原の停戦監視を訪ねたことがございます。そのときにブルーヘルメットのUNDOFといいますか、私はUNIFILだと思いましたがUNDOFだそうですが、この方々がいろいろと説明してくださいましたけれども、イスラエルとシリアとの間に横たわるゴーストタウンといいますかそういったもの、また地雷原、そういうものを厳しい目で監視していらっしゃる。そういう姿を通して、ともすれば火を噴きそうなイスラエルとシリアとの国境地帯の平和というものがこの人たちの鋭い目つきによって守られているんだなということを感じたわけです。  伺いますと、わずかな戦車の動きとかあるいはあの砂漠地帯を歩く羊の群れ、そういったものでも瞬時に見分ける眼力を持っているということを伺ったわけですが、私がカメラを構えたときに鋭い声で制止されました。やっぱりプロであるなということを感じたわけですが、PKOを派遣するにはこういった訓練、厳しい訓練や厳しい中に生きて仕事をするようなそういった体力や知力、判断力というものが養われなければならない。現在の日本においてそういった訓練を受けているのは自衛隊の方しかいないということを感じるわけですが、この点につきまして防衛庁長官の御意見を承りたいと思います。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(宮下創平君) まことに委員の御指摘のとおりでございまして、私どもは、この法律によりまして与えられた任務、これは新たに防衛庁として自衛隊として付加された任務でございますけれども、この国際平和に貢献するという新たな任務、これは今までの防衛庁、自衛隊は専守防衛で直接侵略、間接侵略に対応する、こういうことをもって目的といたしてきておりまして初めての経験ではございますけれども、国際的に非常に意味のあることでございますので、今委員おっしゃられたとおり、要員を、平素訓練はされておる者ばかりでございますが、その中でも選んで本当にあらゆる面ですぐれた人たちを結集して、そして平和のために派遣をしたい。  戦争をしに行くわけではございません。平和を確保するために自衛隊の派遣をするわけでございますので、この点が先ほどお話のございましたようにだんだん国民の間に理解が深まってきたものではないか、私は基本的にそう思っております。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 今の防衛庁長官のお言葉でよくわからせていただいたわけですが、一方では、けさの新聞を見ますと、忠犬ハチ公のところを初めとして全国四十カ所で市民団体の方々が自衛隊を海外に行かせるなという市民投票の運動を始めたり、また憲法九条を世界に広めようというような運動もございます。  そういった中で、ともすればこのPKO法案が何かそういう面で海外の戦場に兵隊さんを送るというような意識でとらえられがちなんですが、こういった意味において、再々この委員会の席でも御説明いただきましたけれども、PKO派遣の五原則について、私物め素人の人でもわかるようにもう一度御説明いただきたいと思います。

野村一成外務省大臣官房審議官

○政府委員(野村一成君) お答え申し上げます。  この法案、今、先生五原則とおっしゃいましたけれども、平和維持隊への参加に当たっての基本方針に沿って立法されております。具体的にどういうふうにその五原則が盛り込まれておるかということにつきまして、この機会に改めて御説明させていただきたいと思います。  第一番目の原則、これは紛争当事者間の停戦の合意があるということでございます。この点につきましては法案第三条の一号、これはまさに国際連合平和維持活動、PKOそのものの定義でございますが、その中ではっきりと明記されておる次第でございます。  次に二番目の原則、これは国連平和維持隊の活動、それからそういった維持隊への我が国の参加に対する受け入れ国それから紛争当事者の同意といういわゆる同意の原則でございます。  この点につきましても、まずPKFの活動そのものにつきましては第三条第一項第一号、先ほど申しました国連平和維持活動そのものの定義の中に含められております。それから我が国の参加についての同意につきましては、この法案の第六条第一項第一号におきまして同じく明記されておる次第でございます。  それから三番目の原則でございますが、これはいわゆる中立的立場の厳守ということでございます。この点につきましてもPKOの定義第三条一号におきまして、「いずれの紛争当事者にも偏ることなく実施される」云々、そういうふうに明記されております。  それから四番目の原則でございますが、これはいわゆる今申しました一、二、三、停戦の合意、あるいは受け入れ国、紛争当事者の同意、中立的立場の厳守、そういった前提が満たされない状況が生じた場合に、我が国から参加しておる部隊の派遣を終了させるあるいは業務の中断ということでございますが、この点につきましても、まず派遣の終了につきましては、これは実施計画の変更ということでございまして第六条第七項第一号において明記してございます。それから業務の中断につきましては、これは実施要領の項目第八条第一項第六号において同じく明記いたしております。  それから最後に五番目の原則でございますが、これは武器の使用に関係するものでございまして、要員の生命等の防護のために必要な最小限のものに限られるということでございますが、この点につきましては武器の使用に関する条項第二十四条におきまして、「自己又は自己と共に現場に所在する他の隊員の生命又は身体を防衛するためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合には」ということで限定されておるわけでございます。  以上申し述べましたように、このいわゆる五原則につきましては法案の中にきちんと盛り込まれておるというのが実態でございます。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 この五つの原則によって、ともすれば憲法九条違反であるとか、あるいはこれをやることによってまさに戦争が始まるようなそういったようなことも中には言う方もいらっしゃるようですけれども、憲法第九条の規定はこの五原則を通して守られ、クリアできたというぐあいにお考えでしょうか。政府委員の御説明をお願いいたします。

野村一成外務省大臣官房審議官

○政府委員(野村一成君) お答え申し上げます。  ただいま御説明申し上げましたように、このPKO法案、いわゆる五原則に沿って立法化されておる次第でございまして、この法案に基づきまして国連平和維持隊に参加する場合には、まず武器の使用については我が国の要員の生命または身体の防衛のために必要な最小限のものに限られるということ、それから紛争当事者間の停戦合意が破られるなどによりまして平和維持隊が武力行使をするような場合は我が国が平和維持隊に参加して活動する前提自体が崩れた場合でございますので、短期間にこういった前提が回復しない場合には我が国から参加した部隊の派遣を終了させること、そういった前提を設けて参加することと相なりますので、我が国が憲法第九条上禁止されている武力の行使、武力の行使をするという評価は受けることはない、そういうことでございます。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 そうしますと、停戦の合意が崩れたときは日本はそこから撤収することはできるわけですか。

野村一成外務省大臣官房審議官

○政府委員(野村一成君) お答え申し上げます。  先ほど御説明申し上げましたが、今先生の御指摘の点はいわゆる五原則の四番目のものでございまして、停戦の合意が崩れると申しますのは、まさにPKO活動の前提、非常に重要な前提が崩れた場合でございますので、まずこの法案第八条第一項第六号に規定しておりますが、業務の中断あるいはそれが短期間に状況が変わらない場合には派遣の終了を行うことができる、そういう仕組みになってございます。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 我が国の歴史の中では、軍部との問題で非常に大きなアレルギーを持っている方もたくさんいらっしゃるわけですが、そういった中にあってシビリアンコントロールというものの構造とPKOとの関係は一体どうなっているのか、そういった面につきまして政府委員の説明をお願いしたいと思います。

野村一成外務省大臣官房審議官

○政府委員(野村一成君) お答え申し上げます。  先生、シビリアンコントロールという一言で御説明がございましたですけれども、そもそも私どもシビリアンコントロールということでは、いわゆる政治の軍事に対する優先が民主主義国家においてぜひとも確保されなければならないものであるということから、我が国の現行制度のもとにおきまして、自衛隊は文民である内閣総理大臣、防衛庁長官のもとで十分管理されているほか、法律、予算等について国会の民主的なコントロールのもとに置かれているということ、そういった基本的なシビリアンコントロールの制度は我が国において十分整っておるという、そういう大前提がございます。その上で、今先生の御指摘はこの法案との関連での御質問でございまして、人的な側面で国際貢献を行っていく上で、シビリアンコントロールをいささかもおろそかにしてはならないというふうに考えてございます。  まず、この法案では我が国がPKO活動へ参加するに当たりまして堅持すべき最も基本となる方針でございますが、いわゆる先生御指摘の五原則をはっきり、先ほど御説明させていただきましたが、明確な形で法文化いたしております。また、国会との関係につきまして、この法案の第七条におきまして実施計画の決定等、およそ閣議決定というのがなされる場合にはその都度国会に報告する旨を定めておりまして、その報告を受けた国会の御審議の結果を踏まえまして実施計画を改めるような機会も出てくるであろうということで、その意味でもシビリアンコントロールに配慮されているというふうに認識しております。  さらに、衆議院におきましては、こういった政府原案の考え方を御理解いただいた上で、自衛隊の部隊等が国連平和維持隊のいわゆる本体業務を行う場合には、二年を超えて継続する場合の妥当性について国会の判断を求めるという、より何と申しますか、慎重な手続とするというのが適当であるという、そういった考え方により修正がなされれている、そういうふうに承知いたしておる次第でございます。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 今、シビリアンコントロールについてわからせていただいたわけですが、さらに国際平和協力業務につきまして、政府案と社会党案、いろんな点で相違する点があるわけですが、特に国際平和協力業務という点について政府案に盛り込まれているイからヘに関する条項、これは非常に重要な点じゃないかと思います。  特に、先ほども谷畑委員の質問の中にもございましたが、武装解除した人たちをいろんな面で建設業務とか運送業務とか、そういった新しい国家建設の仕事に振り向ける意味においても、そういった方々に対するいろんな武装解除の履行の監視であるとか、あるいは移動であるとかさまざまな問題が伴ってくるわけです。新しい国家建設に当たってもそういったものは全部抜きにして、ただ前向きに建設するんだというだけでは私は済まない問題であるのではないか。  そういったような武力紛争の停止の監視だとかあるいは武装解除の履行の監視、さまざまなそういった問題は社会党の御提案の中には触れられておりませんが、これは日ごろのお考えからして当然だろうと思います。しかしながら、現実に苦しんでいるそういった紛争の中にある方々に新しいスタートをさせるためにはこういった問題を無視することもできないんではないかと思うわけですが、この点について防衛庁長官の御意見を伺いたいと思います。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(宮下創平君) この法律の構成からいいまして、ただいま委員御指摘のように、国際平和協力業務とは何ぞやという点について各号列記で掲げられております。  そして、今委員の御指摘のようにイからヘまでは武力紛争の停止の遵守状況の監視でありますとか、あるいは武装解除の履行の監視、ないしは緩衝地帯その他における駐留、巡回。それからまた、車両その他の運搬手段等による武器の搬出入の有無の検査、あるいは放棄された武器の収集、保管または処分、また停戦線その他これに類する境界線の設定の援助でありますとか、紛争当事者間の捕虜の交換の援助、こういうものがいわゆるPKFとしてイからヘまでに掲げられております。  そしてまた、ト、チ、リは、これは自衛隊は参加をいたしませんが、議員の選挙管理、警察行政業務その他行政についての助言等でございますが、ヌ以下の医療、あるいは被災民の捜索、救出、帰還の援助、または食糧、衣料、医薬品等の配布、あるいは被災民を収容するための施設または設備の設置等々、また輸送、保管、通信あるいは建設、機械器具の据えつけ、検査もしくは修理というような広範な領域にわたりまして、これらの任務が国際平和協力業務として書かれております。  今議論のありますのは、イからへまでのいわゆるPKFと言われるものでございますけれども、私どもは、やはり自衛隊がこれらの業務に参加するというのは、まさに国際連合の要請に基づきまして国際連合の要請に直ちに拘束を受けるものではございません。我が国は、主体的な判断で、ただいま御質問のございました五原則に即応した形で、しかもどこにどういう形で行くかというのは、本部長である内閣総理大臣のもとで実施計画を策定して、そして我が国の選択のもとにこれらの業務を実施するわけでございまして、決して国連が要請したから強制的にこれに従うというものでは私はないと思っております。  そういう意味で、我が国の自衛隊にふさわしい貢献を実施計画並びに実施要領等で策定をいたしまして、これを実施する必要があると考えておりまして、現在、政府提出のこれらの法案は、まさに各国がPKO活動としていわゆる国際法上の軍隊を出しておるこれらの業務にかかわることでございまして、この法律がこれからの国際貢献の一つの恒久的な枠組みとしてこの成立を私は望んでおるところでございます。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 よくわからせていただきましたが、このイからヘの項目、この項目につきまして、当然、社会党案には盛り込まれておりませんが、こういったものを抜きにしたト以下の項目ですけれども、これだけによってもしPKOが実施されるとしたら、国際社会、特にそういった当事国や周辺国の我が国に対する評価とか、あるいはそういったものに対する、嫌なことは人にやらせるのかというような意識が起きるんではないかという懸念を感じるわけですが、そういった点につきましては、長官、いかがでございましょうか。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(宮下創平君) 私は、今川大使とお会いしたときに今川大使の述べられた言葉が非常に印象的でございました。すなわち、受け入れ国におきましては、各国の軍隊が平和のために来ておられますけれども、やはり同じような業務を共同してやる連帯意識、これが非常に必要だと。我が国の自衛隊は国際法上は軍隊でございます。したがいまして、武力行使を目的としないで行く、これらの活動がフルな形で行われるということが、現地における他国との共同作業でございますから非常に共感を生み、効果的な遂行ができるということは、私は紛れもない事実だと存じます。  そういうことで、先ほど恒久的な制度としてこれが望ましいということを申し上げたわけでございまして、総理がたびたび申しておられますように、国会の意思によって最終的にはお決めになる話でもございますし、これを通していただかなければなりませんので、そうした点は総理の申されているとおりでございますが、基本的には国際的に通用する制度でもって我が国が参加していく。しかし、我が国は九条という問題がございますから、これのぎりぎりの選択の中でやっていくわけでございまして、例えばSOPの任務遂行のための武器の使用はできないとか、あるいは中断、撤収があり得るとか、そういうことはこれはあらかじめ国連との協議の中で御了解の得られていることでございまして、憲法の建前とそれから各国の共通した活動との調整が図られておるのが本法案だと私は存じております。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 今、長官の御説明をいただいたわけですが、これにつきましてこのイからヘに該当するような項目が欠落している社会党案の発議者として野田委員の御意見を伺いたいと思います。

野田哲日本社会党・護憲共同

○委員以外の議員(野田哲君) 成瀬先生にお答えいたします。  イからヘは欠落しているんではなくて、私どもとしてはやはりイからヘは、先ほど議論がございました五原則を定めてそれを前提として自衛隊が参加するということであってはこれは憲法上の疑義は晴れない、クリアできない、こういう立場からこれは参加をすべきではない、こういう立場で別の法案を出したわけでございます。  それでは国際的に評価の点はどうか、こういうことでございますけれども、PKOの業務はイからヘまでのような軍事的な部門の業務、それからそれ以降の民生分野、インフラ整備、こういう業務もたくさんあるわけでございますから、特に今焦点になっているカンボジアについては、ずっとここで議論されておりますように、インフラの整備、これがかなりの分野を占めておりますので、私どもとしては、この分野に文民を派遣してその役割を担っていって決して国際的に評価が損なわれることはない、こういうふうに考えております。  それから、そういう役割を果たすために、率直に申し上げておきますけれども、今の自衛隊の中での施設隊とかあるいは医療のための要員、こういう点を私どもは評価することにはやぶさかではないわけでございます。しかし、それは憲法の建前もあるんだから、行政の仕組みを変えて、制服も変えて参加していただく、こういうことで鋭意お考えをいただきたい、こういうふうに考えているわけでございますし、また今各党で協議をされている。私はまだ直接に伺ったことはないんですけれども、PKF凍結という議論もやはりそこに懸念があるからそういう議論が他の政党からも起こっているんではないか、こういうふうに考えているんです。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 今、お答えいただいたわけですが、確かにいろんな面での海外諸国の評価というものもございます。しかしはっきり言えば、我々はインフラの問題については取り組むけれども一番その国にとって切実な問題であり苦しい問題はよその国にやってくれと、こういったような考え方で果たして国際社会の評価を得られるのかどうか。こういった面について私どもも大きな懸念を感じるわけでございますが、それと同時にまた、今後の我が国の進むべき道として、やはり苦しくとも、先ほどの明石代表の言葉にありましたように、そういったものを通して国際社会のかつて失われた信用を回復し、まさに物心ともに大きな評価を得られるような日本に私はする必要があるのではないかと思うわけでございます。  同時にまた、もう時間がございませんけれども、(「まだ時間はあるよ」と呼ぶ者あり)新しい組織をつくるということ、そのこと自体が相当多額な経費を要し、相当そういう意味において国民の負担をかけるということを私伺っております。そういう意味において、現在機能している自衛隊を再度御苦労願うことによって国民のそういう負担も免れるし、また同時に、今日までの自衛隊の蓄積された知識や技能、また訓練というものが大きく国家社会や世界のためにも生かされる。そういう意味においてどうしてもこのPKO法案を実施していただきたいと願うわけであります。  時間はあるようではございますが、総理もお忙しいので、そういう意味では私にそろそろ遠慮せいという指示をいただいておりますので、これで質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

下条進一郎自由民主党

○委員長(下条進一郎君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、明十二日午前九時三十分に委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十六分散会      ―――――・―――――

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