建設委員会,地方行政委員会,農林水産委員会,商工委員会,逓信委員会,土地問題等に関する特別委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 226 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1992/05/22
会議録
○委員長(山本正和君) ただいまから建設委員会、地方行政委員会、農林水産委員会、商工委員会、逓信委員会、土地問題等に関する特別委員会連合審査会を開会いたします。 先例により、私、建設委員長が本連合審査会の会議を主宰いたします。 地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は、お手元に配付しております資料をもってかえることとし、その聴取は省略いたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○野田哲君 社会党の野田でございますが、本日は地方行政委員の立場で建設大臣、自治大臣、国土庁長官にこの法案についてお伺いをいたしたいと思います。 まず、この法案で感じることは、当初の報道によりますと関係各省庁がそれぞれ独自の構想を発表されておりましたけれども、これが一本化の実現を見た点については評価をしているところであります。 それから次に、この種の法案としては異例とも言える地方拠点都市地域の指定について知事が行う、こういうことになっている、この点もこの法案の主役が地方であるということ、地方の役割を重視されている、こういう点で評価をしているところであります。 その点は評価しながらも私どもが地方自治の立場から考えてなお懸念を持っているのは、六省庁の共管になっているために主管される大臣が六人いらっしゃる。そこで、従来の法案の体系からいえばこの種の法案の一つの特徴は所管大臣が地域指定するというのが今までの例になっていたわけでありますけれども、この法案はこれを知事が指定をする、こういうことになっているわけでありますが、この知事が拠点都市地域を指定する場合に六人も関係大臣がいらっしゃるために、それぞれの六省庁の各大臣との協議、これを経ていかなければならない。その際に、各省庁のエゴや縄張りが表面化して、せっかくの知事の指定することの権限が損なわれることになりはしないか。本当に知事の意向が尊重されるかどうか。地方の意向が尊重されるかどうか。この点に危惧を持つものであります。 その点について、自治大臣、建設大臣、国土庁長官、それぞれ、知事が協議をしてきた場合には最大限に、というよりももう一〇〇%それを認める、こういう立場での協議の態度をとるべきではないかと思うんですけれども、建設大臣、自治大臣、国土庁長官、いかがでしょうか。
○国務大臣(山崎拓君) 地域指定に関しましては知事がこれを行うということになっておりまして、ただいま野田委員から申されましたとおり、地域の自主的な拠点都市地域の開発整備を期待いたしておるところでございます。 その際、主務大臣と協議をしていただくことにたっておるのでございますが、その協議の内容につきましては、いわゆる指定の要件の基本的なものを、改めて御紹介申し上げませんが、法案の中に記載をいたしておるところでございますが、さらに、国は基本方針を定めることになっておりまして、その基本方針の中では指定要件をさらに具体的に明確にしたいと考えておるところでございます。 そういう国の基本方針に照らしまして、果たして県知事が指定を行おうとする地域が該当するものであるかどうか、そういう点をチェックさせていただきたいと考えているわけでございます。知事の主体性を損なうような協議を行う考え方はないのでございます。 ただ、委員御指摘の六省庁の主務大臣がいるじゃないか、それをどうするかということでございますが、これは協議会を設けることにいたしておりまして、既に予行演習ではございませんが、先日も六大臣が集まりまして、いよいよ参議院の審査が始まるその直前でございましたが、衆議院の審査を踏まえまして参議院の審査ににも十分に私どもお答えできる意思疎通を図ろうという試みを行ったところでございます。 この協議会につきましては、国土庁長官が取りまとめ役、窓口になっていただく予定でございまして、その協議会という場を通じまして県知事の協議が煩瑣にならないように十分留意してまいりたいと考えておるところでございます。
○国務大臣(塩川正十郎君) 先ほど建設大臣の説明のとおりでございますが、おっしゃるように、この法案の非常に特徴はいわば地方の自主性を認定した上で仕組まれておるということでございますので、その精神は貫いていきたいと思っております。 したがいまして、この法案を可決していただきましたら、直ちに六省庁間によりますところの協議会を発足させ、そこで必要な省令なりあるいは政令等がございましたら、そこで協議をし、そして何としても基本方針をそこで決定いたしたい、それに適合しておるものでございましたら全面的に知事の御意見をそんたくして決定していきたいと思っております。ただ、適合しないようなところがございました場合には再考を求めるという程度のことで知事に対する主導権は確保しておきたい、こう思っております。
○国務大臣(東家嘉幸君) ただいま、建設、自治それぞれの大臣の御答弁の中で、これから知事なり市町村の皆さん方と協議しながらできるだけ地方の自主性をということでしたが、我々としては基本方針の適正な運用が図られるかどうかということについてのみ協議をしていこうということでございますので、私ども、今、二人の大臣からお答えのような方針に沿って十分協議しながら今後とも進めていきたいと思っております。
○野田哲君 この法案を審議するに当たって、現在制定されている地域振興関係の法律、産業振興関係の法律がどのような状況にたっているか、こういうことについて私なりに調査をいたしまして、これは大変な数の地域振興の法律があるのだということに驚きました。 まず、基本的な立場を規定している法律として、国土総合開発法、国土利用計画法、最近制定された土地基本法、さらにこれに加えて多極分散型国土形成促進法、これだけあるわけであります。さらに個別の分野の法律といたしまして、大都市圏の整備法が首都圏と近畿圏、中部圏、三つある。これに付随した法律がそれぞれある。さらに加えて地方圏として北海道、東北、北陸、中国、四国、九州、沖縄、それぞれのブロック、地域の開発のための開発促進法が制定をされているわけであります。さらに産業振興のための法律、地域振興のための法律として、産業振興関係の法律が十一本、地域振興関係の法律が十五本あるというふうに私なりに調査をしたわけであります。 特にその中で、産業振興のための法律としては新産都建設促進法、工業整備特別地域整備促進法、低開発地域工業開発促進法、農村地域工業等導入促進法、工業再配置促進法、特定地域中小企業対策臨時措置法、産地中小企業対策臨時措置法等々、ずっと一連のものがありまして、これがトータルで十一本、それから地域振興関係として特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法、離島振興法、総合保養地域整備法、奄美群島振興開発特別措置法、台風常襲地帯における特別措置法、産炭地の特別措置法、豪雪地帯、小笠原、過一疎地域、半島、こういうふうな法律がずっと制定されているわけであります。 これを受ける方の自治体の方を担当されている自治大臣は、総合計で八十七本の振興法があるということについて御承知でございますか。また、地域振興法あるいは地域の産業の振興法がこれだけの数あることについてどういうふうにお考えになっておりますか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 仰せのように非常にたくさんありますが、この起こってまいりました法のねらいを見ますと、財政的な特例措置を講ずる、つまり補助金であるとかあるいは負担金をつけるとかそういうもの、あるいは地方債の特例を設けること、あるいは税の減免をいたしました分を国がかわって交付税等で措置をするそういう特例措置、こういうことでありまして、ある程度のことはいわば閣議決定事項として、あるいは予算措置等でカバーできるものがあるのではないかと思うたりいたしておりまして、私はそういう観点から、法制局の方に丸地域振興整備なんかはいわば集約できないだろうか一度検討をしていただいて、できるだけスリムなものにしてわかりやすく扱えるようにいたしたい、こう思っております。 ちょっと閣議の席でもそういうお話をしたことがございますが、その点に沿いまして鋭意努力してみたい。しかし、これはそれぞれの各省の設置法の中に権限としてうたわれておるものが相当ございますので、その分とのすり合わせということが今後の重大な政治課題になってくるんではないかと思っております。
○野田哲君 国土庁の事務当局の方に伺うんですが、私が今ずっと挙げた法律、この中の大都市圏あるいは地方圏の開発促進のための特別措置法を除いて、産業振興関係の法律、工特地域とかあるいは新産都とか、それから地域振興として半島振興法とか過疎地域とか離島とかいろいろの法律、全国の約三千の地方自治体の日本列島の地図の中でこれの適用を受けている地域をずっと何か色を塗っていったら、白紙のままで何の法律の適用も受けない市町村というのは残り少ないんじゃないかと思うんですが、そういう調査をされたことがございますか。
○政府委員(小島重喜君) お答え申し上げます。 実は、今回の法律をつくるに際しましても、御指摘のように各種の法律があるものでございますから、一体どうなっておるのだろうということで色塗りといいますか、拾い上げてみましたら、御指摘のとおり三千三百のうち地方圏が二千数百と思いますが、真っ白だところはそのうちの一割もないような状況ではないかと思います。あと九割くらいは何らかの形で色が塗られておる。ただ、例えば、申し上げますと、工業再配置促進法というのは、全国を移転促進地域と誘導地域とほぼ二つに分けてございますものですから、そういう全国的な色塗りがあるものですから、その点はちょっとあれですけれども、いずれにせよ二割くらいが白いのじゃないか、こう思います。
○野田哲君 先ほど塩川自治大臣がおっしゃいました、できるだけ集約することを検討されているということについては、私も同感でありまして、例えば工特地域と新産都の促進法に対する国の援助措置といいますか、これはもうほとんど同じ内容になっているわけです。補助率の引き上げ、地方債の特例、交付税の特例、税制上の特例、融資制度の特例、それに採択基準等の緩和、こういう点についてほとんど共通性を持っていると思うんです。 それで、自治省の方に伺いたいと思うんですけれども、この数ある地域振興法に基づく地方自治体に対する援助措置というのは共通項としては、財政上の特例としての国庫補助負担金の特例、それから地方債の特例として充当率の引き上げとか、あるいは適用事業の拡大とか、利子の補給または元利補給金の交付、それから地方交付税の算定上の特例として地方税の減収補てん、公債費の基準財政需要額の算入、それから地方税制上の特例、金融上の特例、大体こんなことが共通項になっているのではないか、こういうふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(湯浅利夫君) ただいま御指摘のとおり、地域振興を目的といたします地方に対するいろいろな財政上の特例措置を設ける法律の内容は、類型的には、今仰せられるように国庫補助負担率の引き上げを定める法律、起債対象事業の特例を定める、その起債を充当した場合にその元利償還金について将来にわたって地方交付税の基準財政需要額に算入するという方法、地方債の充当率の引き上げをいたしましてそれに対して利子補給を国からするという方法、地方税の一定の税目について課税免除をした場合にその減収額に対して地方交付税の収入額でそれを補てんする、こういうやり方が一般的でございます。 これをそれぞれの法律の内容に応じまして、一つないし二つ、あるいは全部の措置を組み合わせながらやっていく、あるいは都道府県と市町村で取り扱いを変えるというような形でそれぞれ特例措置を決めているということでございます。
○野田哲君 お話がありましたように、今までの産業振興あるいは地域振興のための地方に対する援助というのはほぼ同じような手法、共通項があるわけですね。そういう点でも、先ほども申し上げましたが、自治大臣も述べられましたけれども、できるだけ共通性のあるものについては統合された方がいいのではないかと思うし、これは行政改革の一環として政府の方でも御検討されるべきではないか、こういうふうに思うわけです。 地方自治体の立場から言えば、これだけたくさんある地域振興あるいは産業振興の法律の有利な適用、いかにうまく指定を受けるかということと、それに基づく補助金をいかにうまく受け入れるか、このことに大変な事務量といいますか労力を費やしているわけでございますから、これはぜひひとつ考えていくべきではないか、こういうふうに思います。 そうして結論としては、先々の目指す方向としては、先ほど言われましたけれども、約八割ないし九割に適用されていて、適用の全くないところ、色のつかないといいますか白紙のままで何の適用も受けないところというのは二割前後、こういうふうにおっしゃったわけでございますけれども、そうなってくると、同じような手法で行財政上の特別措置がとられているということであれば、できるだけ統合するといいますか、行く行くの構想としては総合的な施策として財政的な措置も行政的な権限も地方自治体に移してしまうということで、地方自治体で法の趣旨に基づいた施策を独自に講じていく、こういうことにした方が私は地方の活性化を引き出せることになるのではないか、こういうふうに思うんですが、自治大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 今、行革審等で検討されておる一つの考え方はそういう方向にあると思うのでございますけれども、しかしながら、野田先生よく御存じのように、現在の日本の国家行政組織法とかあるいは日本の行政機構そのものを見てまいりますと、これは根本問題に触れてくる事案がたくさんございますので、一挙にそういう権限の移譲あるいは分権という方向に行けば望ましいとは思うのでございますけれども、先ほど申しました各地域指定、八十幾つの指定がございまして、それによって全部財政措置がそれぞれ違うというようなこと、まずそういうことからひとつ整理をしていきまして、私は、そういう地域指定の検討をして集約化していくこと、その段階においてできるだけ一般財源化できるものは一般財源化していこう、そのことから次第に地方への分権を考えてもいいというようなことが起こってくるんじゃないかと思います。 そのためには、まず機関委任事務の実態を正確に把握して、それと現在の財政状況、それから財政措置の問題、こういうのを一回明確にして、いわば国民の意識を喚起していく必要があると思いまして、私は、そういう点から地方自治の新しい認識というものを始めていきたい、こう思っております。 おっしゃるように、そういういわばスリム化をしていかないと市町村の事務がいたずらにふえていくばかりでして、これに対抗し得られないような心配をいたしておりますので、おっしゃる方向に向かっての努力はいたしますが、だからといってすぐに分権へとすぱっとなかなか行きにくいということも御理解をしていただきたいと思います。
○野田哲君 自治大臣は、今、法律がこういう形で非常にたくさんあることによって地方自治体の事務量、仕事量が非常にふえる、こういうことを指摘されていたわけですが、私は、地方自治体の財政が補助金あるいは交付金に大きく依存をするということの弊害は、事務量がふえるだけにとどまらない重要な弊害が自治体に今起こっているのではないか、こういうふうに思うんです。 それは、地方自治体が地域の活性化のためにあるいは自治の拡大のためにみずから考えるという意欲をそいでいるのではないかと思うんです。結局、うまくやろうとすれば各省庁の補助金を上手にもらってくる、そのことが有能な市町村長あるいは有能な職員だというふうな評価になっているわけでありまして、予算編成期にはもうこのかいわいがそのことのための自治体からの陳情団で埋め尽くされるような状態が毎年繰り返されているわけですね。こういう点が私は地方自治体の大きな弊害になっているというふうに思います。 出雲市長の岩國さんが、今、地方自治問題でユニークな市長ということで評判になっておりますけれども、みずからの発想を持つ、地方自治の活性化の方策を地方自治体で考える、このことが私は非常に重要なのではないかと思うんです。 そういう点では、私は、竹下元総理の発想のふるさと創生資金一億円ということについては、これは地方財政の仕組みそのものをかなり変えたわけでありますから、制度的には私はかなり問題意識を持っているんです。 あのふるさと創生資金というのは、その後私、地方行政委員としてあちこち自治体を回ってみて、あれがどういうふうに使われているかということの実態を見たときに評価もちょっと変わったんです。あの一億円をどう使うかということで各地方自治体がいろいろ考えて事業をやっている。こういう点は、今まで、補助金をもらってくればいい、交付金をもらえばいい、地方交付税あるいは特別地方交付税をできるだけ多く取ることに血道を上げていた地方自治体に、あれは一つの、独自の我が村をどう村おこしするか、我が町をどう町おこしするかということで考えるきっかけをつくった。そういう意味で私は、問題はあるけれども、一つのいい方向も生み出したというふうに思っているわけであります。 そういう点では、事業別の細切れの補助金が数たくさんある制度を総合的な地方財政の拡充という方向にぜひ持っていくべきだというふうに考えているわけでございますが、自治大臣としては、地方自治体の立場から考えて補助金行政の功罪という点についてどんなお考えをお持ちですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) これはもう私も予算編成時期にいつも痛感することでございますが、このエネルギーの浪費というものは大きなものだろうと思って実は心配しております。しかし、現に制度がある以上は、その制度を使って少しでも自分らの職員を全うしたいと思っておられる関係者といたしましては真剣なことでございますので、それなりの対応をしてまいっております。 そこで、先ほど申しましたように、またくどいようでございますけれども、地域振興策のいろいろなものを再検討する中で、一般財源化していくものは積極的にする、それと同時に、補助事業筆におきましても一般財源化できるものはそういうふうに振りかえていっていただくということをしたい。そのためには、中央政府が持っておりますところのいろんな委任事務の中身をもう少しつぶさに検討させていただいて、地方自治体の権限として、あるいは能力に応じて、できるものは積極的にその部分を担当していただきたい、それによって財源も同時に考えてもらえれば、こう思っておることが一つです。 もう一つは、おっしゃるようにふるさと創生事業を始めまして、みずから考えみずから行って、そしてみずから反省してあすへのステップにするという、こういうことをやりまして、これはもう年限が切れましたけれども、この発想はすばらしかったと思っております。それを受けまして、地域づくり推進事業といたしまして、これもこの平成四年度で終わろうとしておるのでございますけれども、この思想は引き継いで平成五年以降においても発展させていきたいと思っております。 このふるさと創生事業に並行いたしまして単独事業が一挙に大幅に伸びてまいりました。平成四年度におきましても対前年度比一一・五%、他の予算項目と比べまして突出した増額を図った、このことは地方自治体に非常に歓迎を受けておりまして、この単独事業がいわばみずから考え行うというその思想に全く適合したものであるということから、地方の自主性と自信を取り戻していってもらいたい、こう思っておりまして、引き続きそういう構想を延長させて伸ばしていきたい。それが自治意識の涵養に大きく影響してくると思って期待を込めて努力しておるところであります。
○野田哲君 具体的な問題について伺いたいと思います。 この法律案が構想されているいわゆる東京圏の膨張を抑止して地方に人も産業機能もできるだけ分散していく、こういう構想が実現をしていくということになると、私の知る範囲で考えてみると、今ある新産都とかあるいは鉱工業の工特地域、こういうところと複合したところが大分できてくるんじゃないかと思うんです。新産都の指定を受けているところあるいはその周辺地域がまたこの法律による地域の指定を受けるとか、あるいは工特地域の指定を受けている都市とその周辺地域がまたこの法律の適用を受ける、こういう形ができてくるのではないかと思うんです。 そうすると、中央あるいは三大都市圏と地方とという関係で言えばある程度の歯どめができて地方への分散ということの効果が上がるかもわからないけれども、今度は一つの県内で新たな過疎過密の状況をつくっていくのではないか、こういう懸念を持つわけであります。それが杞憂になれば一番いいと思うんですけれども。 そこで最後に、時間もほぼ参りましたので三大臣に伺っておきたいと思うんですが一これは発想としては、一つの県内で工特地域とか新産都とかいうふうな鉱工業の中心地域、そういうところと複合してもいいのか、あるいはそういうところとはできるだけ複合しないようにしたいということなのか、その点の考え方はどうなんでしょうか。
○国務大臣(山崎拓君) この法案で目指しております地方拠点都市地域の整備は、いわゆる複合的な高次都市機能を持たせるということ、それから産業業務施設の再配置を行うということ、あるいは生活環境の水準を上げて整備してまいるということ等が含まれておるわけでございます。 お気づきと思いますが、先ほど先生お挙げになりました新産・工特、そういう産業機能の再配置は実は第二次産業の再配置と考えております。このたびの法案の中で産業業務施設と申しておりますのは、いわばこの法案のねらいに東京一極集中の是正も含まれておりまして、いわゆる四全総で言っております多極分散型国土の形成と相まちまして、そのことは一極集中の是正と一体のものでございますが、そういう目的も持っておるわけでございます。その場合の産業業務施設というのは、例えば東京の本社機能でございますとか事務所機能でございますとか、あるいは研究機関でございますとか、そういったものを意味しておるわけでございまして、従来の第二次産業の中の工業・再配置、工業移転とはちょっと異なった目的を持っておるわけでございます。 それからもう一つ、御指摘の県内におきまして新しい過疎過密が生ずるんではないかというお話がございました。 そのことは、とりもなおさず、県内におきまして人口集中を見ておりますのは政令都市でございますとかあるいは県庁所在都市でございます。それは東京が持っておりますような複合的な高次都市機能を備えておりますがゆえに人口が集中してくるという関係にあると思うわけでございます。例えば若者たちが職住遊学といった魅力的な生活空間を都市が備えていることに。よって集まってくるということでございますので、そういった高次都市機能を県内の他の地域に持たせようということでございまして、むしろ政令都市とか県庁所在都市は原則として対象にしないということを考えております。 そこで、県内にあと一カ所か二カ所、何と申しますか、ポテンシャリティーを持った整備の対象となる条件をある程度備えたところを選定いたしまして地域指定を行っていただく、こういうことでございまして、そのことを通じて県内の均衡ある発展も図っていこうということでございます。
○国務大臣(塩川正十郎君) 他の地域整備法、地域振興法、こういうものとの抵触は私はないと思っております。それぞれ違った趣旨と対策を持ってそれぞれの法律に基づく指定をしております。 ただ、一般行政上の指導地域、広域行政、例えば自治省が組んでおりますが、そういう行政指導上の広域圏地域とある程度抵触することはあり得るかもわかりませんが、これは全く振興法との関係とは違った観点から指導しておるものでございますので、差し支えないと思っております。
○国務大臣(東家嘉幸君) 今日までそれぞれの法律が多くあり地域の振興のためにも大変複雑な面があることは、私は事実だと思っております。 今回、六省庁が一体となって、そして投資効率をより高め、そしてまた今回の法律は一体的な中に取り組もうということでございますから、質そのものが今までの各省庁のそれぞれの立場でのものとは異なることでございますから、特にまた住宅等の背後地をより居住環境を高めながら地域にそれぞれふるさと志向をひとつ考えようということもございますし、なおまた今後整合性を持たせる問題があることはもう事実でございますから、この法律が実施される過程の中に十分そのことを頭に描きながら各省庁が協議しながら整合性を持たせる方向での措置をしていくことが、私は今回の法案を生きたものにするのではないだろうかというふうに考えております。
○山田健一君 山田健一でございます。 逓信委員会の所属でございますが、今、地域振興の立場から野田委員の方からこの法案に対しての審議が行われていたわけでありますが、きょうは私、主に情報化政策といいますか、地域の情報化政策の観点からこの法案の少し審議に入りたい、こう思っているわけであります。 今審議を聞いておりまして、法案を見る視点といいますか、そういうものについてはかなり共通する部分があるなというふうに思いながら質問を聞いていたわけでありますが、まず、実はこの法案の意義と開発の手法についてひとつお尋ねをいたしたいと思っております。 今もお話がありましたように、今日までの国土政策は、言われておりますように新産・工特から始まって最近のテクノポリスあるいはまた多極分散型国土の形成、いろいろと手が打たれてきた。地域振興法も八十幾つ今あるというお話でありますが、結果的にそれじゃもう随分地域が振興してきたかというと、なかなかそうなっていない。むしろ逆に東京一極集中は進んでおりますし、現在進行形だというふうに思っております用地域の方を見ましても、先般の国勢調査が行われましてまた人口減少県がふえている。こういう現状を私はこの時点でひとつ総括をされ、あるいはまた反省をされて、先ほども今日までの縦割り行政の弊害が指摘をされていたわけでありますけれども、今回の法案は、六省庁一体で取り組んでいく、こういう決意が込められた法律だというふうに私は思っているわけであります。 そこで、まず総則の部分を見ますと、この法律の目的が書いてありまして、「もって地方の自立的成長の促進及び国土の均衡ある発展に資する」、この目的は確かに大変結構でありまして、私もこのことについては全く異議はありません。ありませんが、いろいろとこの背景になりました下敷きといいますか、そういうものの流れを実は見させていただきました。 去年の十一月に産構審の産業立地部会の中間答申が出されておりますが、これ見ますと、「新たな産業立地政策のあり方」ということになっているわけであります。要するに、経済合理性という観点から東京でオフィスを維持をしていく有利性といいますか、それがだんだん失われてきておる、したがってオフィスを地方に移転をしたきゃならぬ、これがどうもこの今回の法案の言ってみれば基本といいますか、その発想の延長線上に実はこの法案があるんではないか、こういうふうに実は思っているわけであります。 どうもこのオフィスを移転しなければならぬ、要するにコストを重視する、あるいは経済効率性といいますか、そういう立場からの延長線上にもしこの法案があるとすれば、私はここに掲げてあるような地方の自立的成長あるいは国土の均衡ある発展に果たしてちゃんとつながっていくのかな、よほどのインセンティブがない限りは今の東昂一極集中からせいぜいその周りぐらいしかなかなかオフィスの分散ということにはたらぬのではないかな、こういう実は気がいたしておるわけであります。 そこら辺について、私はある意味で今回この法案の意義といいますか、先ほども言いましたように、コストを重視するあるいは効率を重視した延長線上に仮にあるとすれば、これは言ってみれば企業、産業の論理だというふうに私は思うわけであります。先ほどからも地域の視点というお話がありましたが、地域の視点あるいは生活者の論理という立場からいえば、ちょうど時あたかも合いわゆる経済大国から生活大国へというようなことが言われておる、これは言ってみれば産業の論理から生活者の論理、いわゆる地方の視点を大事にしていこう、こういう論理だというふうに思うわけであります。 いずれにいたしましても、今日までのいわゆる国土政策、国土開発といいますか、これの基本的な哲学というか、価値観といいますか、そういう視点、これが今日まさに問われているというふうに思うのであります。 これは取りまとめに当たられました建設大臣にと思っていましたが、国土政策上の一つの視点といいますか、法律の意義というものをどう位置づけられているのか、まず国土庁長官の方にお尋ねをいたしたいと思います。
○国務大臣(東家嘉幸君) 今後の国土政策においては、生活者の視点に立った生活大国を実現することが国土の均衡ある発展を図ることの重要な課題だと考えるわけでございます。地方においては時間的にも空間的にも真にゆとりのある生活を営むことができる、ことが最大の魅力であり、私たちはそういうことに導いていかねばならないと思っております。 地方の可能性を最大限に生かし、そしてまた、若い者が地域に魅力を感ずるような環境づくりということが今後大きな私たちの課題でありますが、そういう地方の生活の上に立っていろんな角度から活力をもたらすことが重要でございますし、特にまた、地域が創造性というもので自律的に今後とも皆さんがそうした地方の立地を生かしていけるような拠点づくりがまた必要であろうというように私は考えているわけでございます。 先ほども申し上げましたように、特に住環境の整備というものがこれからの大きな課題でございますから、そういういろんな角度から総合的な地域のこれからの活性化に向けて一層この法律を通じて取り組んで行かねばならない、こういうふうに考えております。
○山田健一君 住環境の整備まで含めて総合的にという形で今御答弁をいただきました。確かにそういうことだろうと思いますが、基本的な法案のでき上がっていく過程、その根っこにある発想、これは私はぜひこういう時代ですから大切にしていただきたい、こういうふうに思っております。 同時に、そのことと、次にお尋ねをいたしますけれども、いわゆる開発の手法というものは当然関連をいたしてまいります。 今日まで、先ほどもいろいろと指摘がされておりましたが、要するに、今回は法案の名前も実は地方拠点都市地域の整備ということでありまして、拠点方式、要するに点を中心にそこから効果を波及させて面に広げていく、これが考え方の基本だというふうに思うのでありますが、下手をすると、先ほども御指摘がありましたように拠点を設けてここに集中的に投資をやっていく、こういうことになりますから、新たな格差といいますか、またその地域でミニ東京ができ上がっていくんではないか、あるいは地方の中で一つのまた格差が生まれるんではないか、そういうことが出てくるわけであります。 たまたま今もふるさと創生の話が出ておりましたが、これは言ってみれば両全体を底上げしていく、こういう発想ですよね。先ほども自治大臣から、要するに、地方自治体がそれぞれ創造性を持ってみずからそこでどういう工夫をしてこれを引き上げていこうかという努力があらわれておる、こういう趣旨のことがあったわけでありますけれども、そういう両全体を引き上げていくという発想も恐らく私はあるだろうと思いますが、拠点方式でやってき長がゆえに、今日、中央と地方の格差、あるいは地方にあって政令都市と田舎との格差がいろいろ出てきているわけであります。 この辺は、結論からいえばうまく組み合わせをしていかなきゃたらぬということになるんだろうと思うのでありますが、今回もなぜ拠点方式でこういう形がやられるのか、この基本的な部分について建設大臣のお考えをお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(山崎拓君) まず、この法案は産業者中心ではないかという御質問でございますが、この法案はまさに地域中心、生活者中心の発想に立つ法案でございます。 国の国土政策といたしましては、国土庁長官も申し上げましたとおり、これは四全総で均衡ある国土の発展、多極分散型国土の形成をうたっておるわけでございます。ところが、実際に国勢調査をやってみますと、平成二年度におきまして、過去五年に、十八道県で人口が減少し東京において人口が増加いたしまして、一極集中が進んでおるわけでございます。したがって、国土政策上から申しましても、これは地域の発展を急ぎ充実させる必要があるということが一つございます。 それから、御指摘ございました生活大国づくりでございますが、これも非常に重要な私どもの政策課題でございまして、例えばゆとりのあるスペースを持った住居を確保するということになりますと、これは首都圏では甚だ難しい。地方に参りますと、そこにはフロンティアがございます。東京におきましては二戸当たり六十平米という平均の居住面積でございますけれども、例えば富山に参りますと百五十平米、鳥取では百二十平米というぐあいに欧米が持っております居住スペースを確保いたしておるわけでございまして、そういうことから生活大国づくりにも地方にはフロンティアがあるわけでございます。 そういうことで、地方の振興、拠点都市地域の整備を行おうということに相なったわけでございますが、それが新しい一極集中を生むのでは困りますから、現在の政令都市、県庁所在都市が持っておりますような複合的な高次な都市機能をあわせ持つ都市を県内に別に一、二カ所指定をしていただいて整備をしたらどうかということでございます。 そのことが新しい過疎過密を生むんではないかという先ほど野田委員の御質問もございましたが、新しい拠点都市のまさにその中心点から地域高規格道路の整備等を通じまして、そこの生活圏、行動圏の円を描いてみるということになりますと、できれば三十分以内ということを一つ考えておるわけでございますが、その半円が、県庁所在地と別に二つ新しい拠点都市ができました場合には三つの円が県内において描かれるということになりまして、それが重複する部分もございましょうが、大体全県にわたりましてその円内におさまっていくだろうということも推量できるわけでございまして、むしろ拠点都市地域の整備が全県的な発展の方向につながっていく、そういう構想も持っておるのでございます。 そういう次第でございまして、高次の都市機能を整備し、そして東京から産業業務施設を移転していただき、居住環境を一段と高めまして生活大国づくりに資する、こういう新しいかなり遠大な理想に燃えた提案でございますので、よろしくお願いをいたしたいと存じます。
○山田健一君 基本的な部分で若干違いがあるんだろうというふうに思っておりますが、地域の視点、さらにはその効果、要するに新たな格差が生じることがたいように、しっかり我々はこの法案に持たせてそれを期待したい、こういうふうに考えているわけでありまして、その意味では基本的に目指すところは一緒だというふうに思っておりますが、この手法というのはその意味では非常に大事だというふうに思っておりますので、これからのいろんな地域政策を展開される場合にひとつ、ぜひ御考慮をお願いしたい、こういうふうに思っております。 さらに、これに関連をいたしましてお尋ねをいたします。 今回、これで国の方が六省庁一体ということで基本方針を定めていかれる。何か、協議会も既に先ほど持たれたという御報告もいただきました。いろいろ衆議院でもこの問題について審議がされて、何をどう具体的にこの基本方針に盛り込むのか、こういう議論がされているわけでありますが、どうもまだなかなかはっきりしない。いずれこれから協議会でというような話もされているわけでありますが、私は、これが開発あるいは地域振興策をやっていく上での基本になる部分でありますから、ここの考え方、これをぜひ聞いておきたい。 せっかく六省庁一体でありますから、それぞれの省庁がそれぞれの立場でこの部分についてはこうだというのは恐らく盛り込まれることは私はたいんだろうというふうに思っておりますが、ある意味では機能別といいますか、この地域の町づくりについての一つの指針といいますか方針、地域交通体系についての方針、あるいは地域の情報化政策についての基本方針、こういった機能別の一つの方針が指し示されるべきではないかなという気がするわけでありますが、ここら辺について、これは国土庁長官、基本的な考え方をお示しいただけますか。
○国務大臣(東家嘉幸君) 一口に申し上げますたらば、今回は縦割りでやるんじゃございませんから、横の連携を図りながら取り組むわけでございますから、この基本方針というものをよく県または市町村に理解をいただき、指導をしながらやっていくということで、私は今回の法律というものは必ずや生きてくるものと思っております。
○山田健一君 中身が大体どのような中身でどういう方針でどの程度のことを盛り込んでいくのか、またこれは協議会でも相談がされていたいわけでありますか。いつごろ大体これはわかっできますか。
○政府委員(小島重喜君) この法案を御可決いただいた上には協議会をできるだけ早く開きまして、この法律は附則におきまして公布された後二カ月以内に施行ということでございますので、それらとの兼ね合いを見たがらできるだけ早くやっていきたいというように考えております。 それから、今の基本方針の話でございますが、先生御案内のとおり、基本方針につきましては法律に、例えばどういうぐあいにその地方拠点都市地域を整備すべきであるかとか、あるいは指定の基準とか、そういうものは総合的に書かれるわけでございます。そして一それを受けて市町村は基本計画をつくりますものですから、その基本計画は今までのと違いまして総合計画でございますから、そういう面では、おっしゃるとおり非常に機能的といいますか、ただどこがどうだというんじゃなくて、縦割りというよりもむしろ市町村の場所で丸いものにされる。そういう意味では機能的な基本計画ができますので、その機能的な基本計画ができ得るような基本方針ということには十分配慮していきたい、かように考えております。
○山田健一君 わかりました。 それでは次に、先ほどは地域振興策についていろいろお話がありましたが、私は地域の情報化政策について少しお尋ねをいたしたいと思います。 四全総で大枠の情報通信関連政策が明らかにされました。それを受けて、郵政大臣お見えでありますが、まず郵政省のテレトピア構想ができ、そして通産省はニューメディア・コミュニティ構想、建設省はインテリジェント・シティ構想、農水省はグリーントピア構想等々次から次へといわゆる地域の情報化政策が打ち出されてまいりました。 本来、情報化がどんどん進展をしていくということになれば時間と距離を克服できる、そしていわゆる東京一極集中は是正できる、こういう立場、で今日まで進められてきたわけでありますが、これまた結果的に、情報にしても東京に一極集中、技術が進めば進むほどますます東京に中枢管理機構がずっと寄ってくる、こういう現状でありまして、改めて一体何のためのだれのための情報化政策であるのかということが私は問われているんではないか、このように実は思っております。 一体どうしてこういうことになったのかというのは、先ほども実は野田委員の方からもお話がありましたが、結論的に言えば、地域が主導的な立場で情報化政策が取り組まれていない。地方自治体はどうしても国の許認可あるいは補助金に依存する。したがって、こういうふうに各省庁がそれぞれテレトピア、ニューメディア・コミュニティ、インテリジェント・シティ構想、グリーントピア構想を出せば、地域はそれの指定を目指して大変なエネルギーを使う。 私も実は県議会におりましたから知っておりますが、それぞれ県あるいは地方自治体が、出れば今度はそれの指定を受けようというので血眼になってやるわけです。大変なエネルギーでありまして、これに地方は振り回される。 しかも、その計画はある意味では国がからっとそれこそ基本方針を今まで示した、したがってそれに合わないとだめだということで、逆に地方の持っている一つのアイデンティティーあるいは創意工夫というものがなかなか生かせない。こういう繰り返し。しかも、それでありますがゆえに、計画そのものも今まではどこかのコンサルタントに頼んだりあるいは民間のシンクタンクに頼む。こういうことが実はやられてきて、言ってみれば本当に地域が担っていかなきゃならないその地域に、それを担っていく組織、人材が育たないままに、まさに国の政策がこういったようなことでどんどん先行しでいっている。ここに地域の情報化が進んでいない基本的な原因があるんではないかな、こういうふうに私は思っております。 きょうは通産大臣にお見えいただきましたし、郵政大臣も見えておられますが、先ほども野田委員から、いろいろあるのをひとつ集約をしてはどうか、自治大臣もそういった方向で少し考えてみたいという発言もありました。 ハイビジョンを使ってこれからやろうというのは、実は郵政省がハイビジョン・シティ構想を持っていますね。通産省はハイビジョンコミュニティ構想。先ほどもありましたように、どういう形で援助していくかというと、大体、中身も融資の芸蔵も、あるいは税制の実態も昔一緒であります。そういう中で、こういうものを出されれば地域はそれの指定に向けて一生懸命やる。中身はほとんど一緒の情報化政策がとられているにもかかわらず、こういうことがある。 これは、今回この時期にこういう形で法案を出されて、六省庁一体で決意を新たにしてやろう、こういうことであれば、まさにこういうものは政策の統一化、あるいは吸収をしていく、あるいは一体化してこの政策を展開をしていくという整理が必要ではないかというふうに思っているわけでありますが、通産大臣、そしてまた郵政大臣、それぞれお考えを聞かしていただきたい、こう思います。
○国務大臣(渡辺秀央君) お答え申し上げます。 山田先生から御指摘をいただいている問題点は、お話によりますと先ほど自治大臣からも御発言があったようでありますが、私もまさに、今までの一省庁による縦割りの行政ではこれだけの多面的な多様性を持った国民のニーズになかなか生活の実感の中で満足感を味わってもらうというような結果にはならない、各省庁が相寄り合ってお互いのエキスを出し合って、そして二十一世紀に向けた郵政省の所管する高度情報社会というものを実現をしていくその一路にいたしたい、そういう感じで実はこの法案に取り組んでまいりましたし、これからも御指導をいただいて取り組んでまいりたいと思っておるところでございます。 したがって、この法案の一番の特徴は、中央の私どもの方からかようしかじかに行えということよりも地域の特性とかあるいはまた地域の持っている長所というのを生かしてもらうということでありますから、地方の意向を十二分に尊重していく中で私どもは情報基盤、通信基盤というものをつくっていく、あるいはまたそこに将来の発展性を考えて努力をしていく、両々相まって新しい時代を構築していく基盤といたしたいと思っているわけであります。 さらに、今御指摘をいただきましたハイビジョン・シティとハイビジョンコミュニティの問題でございますけれども、これはもう先生は御承知しておられて質問をしておられると思うんですけれども、これは通産大臣の方から御発言なされると思いますけれども、私どもの方は地域情報化を進めるに当たってこのハイビジョン・シティという構想を政策の選択としてとったわけでございまして、言うならばハイビジョンを円滑に普及させるための方法あるいはまた具体的手段は、御懸念をいただいておりますが、通産省と十二分に相談し合いましてこの政策の効果を高めていきたい。 具体的には、例えば本年夏のバルセロナ・オリンピックのハイビジョン試験放送などにおいても、通産省と非常に密接に打ち合わせをして国民の期待にこたえたいと思っておるところでございます。全国に多数のいろんな受信会場を設置をして満足をしていただこうと思っておるところでございますので、どうぞひとつ御理解をいただいて、また一層の御指導を賜りたいと思うわけでございます。
○国務大臣(渡部恒三君) 今、郵政大臣からおおむね答弁がございましたけれども、全国的にバランスのとれた高度情報化社会の円滑な実現を図るために、地方自治体が積極的に取り組んでいる各種の情報化事業について各省がおのおのの立場から支援策を講じておることは、先生おっしゃるとおりでございます。また、地方自治体においては、こうした各種の国の支援策をおのおのの地域の特性、それからニーズに応じて活用してきておるのも事実でございます。各省の施策にはそれぞれの特色がございまして、例えばニューメディア・コミュニティ構想とテレトピア構想においては、前者は地域におけるモデル的な情報システムの構築促進に重点があるのに対し、後者は地域における通信インフラの構築促進に重点を置くものであるたど、構想の重点が異なっておりますが、ともに高度情報化社会の実現という共通の目標を目指すものであることから、その推進に当たっては、当然のことだから必要に応じ両省間の連携を図ることといたしております。 また今お話がありましたハイビジョンの構想は、地域にハイビジョンシステムを導入する点では共通しておりますけれども、コミュニティ構想は映像情報処理システムに関する施策であり、シティ構想は放送を含む電気通信システムに関する施策であることから、その目的、内容は基本的に異なっておるものでございます。これまでそれぞれ小役割分担のもとハイビジョンシステムに関する調査研究を実施しており、今後とも通産、郵政の両省で緊密に連絡を取り合って必要に応じて施策の連携を図ってまいりたいと思います。 私も前に自治大臣を経験しておりますけれども、今、自治大臣ここにいらっしゃいますけれども、地方自治体は情報化、国際化というのが大きな目標になって、そういう意味ではこれはメニューがいっぱいあり、自治体の立場からいえば一番いいものをとっていく、あるいはその中のいいところをとっていくという、これは自治体の情報化を進めるためにいい面もありますが、しかしもちろん御指摘のような重複行政にならないように密接な連絡をとって進めてまいりたいと思います。
○山田健一君 それぞれ両省から今御説明をいただきましたが、(「ようわからぬぞ」と呼ぶ者あり)「ようわからぬぞ」という声がありますが、私も実はすうっと聞いていたらわからぬ。ただ、最後のところで両省間の連携、施策の連携をとっていきたい、そういう結論は確かに明瞭にいただきました。それは省庁にそれぞれ別にあるわけですからそれぞれの立場でつくられたんだろう、それはわかりますが、中身がそうい状況でありますから、最後の結論のところをひとつ大事にこれからやっていっていただきたい、こう思っております。 特に、この情報化政策に関連をして言いますが、実は郵政省も地域の情報化に関する調査研究がなされておりまして、これ見ましてもそうでありますが、中央と地方との格差というのはもう歴然といたしております。 私たちもこの情報化に関連をいたしまして高度情報化懇談会というのを持っておりまして、昨年炉ら実は二回、地域において地方でシンポジウム包やりました。一体、地域の振興にとって情報化ほどういう意味を持ちどういうふうにこの情報化を地域振興に結びつけていくのか、こういうシンポジウムを私たちもやりました。 結論的に申しますと、要するに、いろいろ国際化、高度情報化と言われておるが、情報化というりはあくまでも一つの手段である、情報化政策を通じて本当に、何といいますか、地域の創造力、アイデンティティーをどう打ち出していくのか、そのことが地域の特性ある発展につたがっていく、したがって、それを担っていく人材、とりわけハードを使っていける人材、ソフトを開発する人材、そういった意味ではヒューマンウエアが今求められている、こういうふうに私たちは結論づけているわけであります。 いずれにいたしましても、人材の育成を含めたソフトの対策というものが非常に重要になってきておる。 そこで、特に人材育成ということについてでありますけれども、これは自治省とのかかわりもあります。地方自治体の果たす役割は極めて大事であります。 今回のこの法案の関係で申し上げますと、第六条の「基本計画」、その2の五のところに「指定地域の振興に寄与する人材育成」と、ここにちゃんと入っております。この「人材育成」はいわゆるソフトの対策を考えての育成で、地域間交流、教養文化活動等の活動に関する事項を基本計画に招いて定める、こういうことになっておりまして、それを受けて、「資金の確保」というところ、第十三条を見ますと、「国及び地方公共団体は、承認基本計画の達成に資する事業に係る施設の整備を促進するために必要な資金の確保に努めるものとする。」と。「この施設の整備」は、要するに箱物なのであります。箱物に対しての資金は確保する、こういうことで十三条に実は示されているわけであります。 人材育成等々含めてなかなか目に見えてすぐ効果が出るというものではありませんけれども、地道な努力も一方で求められている。ここら辺、この法案はどういうつながりになるのか。とりわけソフトを充実をしていくといった意味での資金の確保、これは、この法案にかかわる部分としてどのようにお考えにたっていらっしゃいますか。
○政府委員(紀内隆宏君) 仰せのとおり、今後の地域振興の場合にソフト事業は大変重要でございます。特に人材の育成等につきましては、重要と思えばこそまさしくそこに基本計画事項として表記したものでございます。 この法案はハード、ソフトの両面にわたりまして地域の振興を図るべくそのいろんな手段を挙げて体系をなしているものでございますけれども、御指摘の十三条におきまして施設整備についての資金の確保に言及しておりますのは、財政的に見るたらばその負担が極めて巨額となるという点に着目いたしまして、念のために努力義務規定を置いているというものでございます。 この法案には盛り込んでおりませんけれども、地域の単独事業におきまして広域的に人材の育成あるいは地域間交流あるいは教養文化活動等を行おうとする場合におきましては、基金を設置してその果実によって広域的なソフト活動を行おうとする場合に、その基金の設置に必要な地方債を起こすことを認め、かつその償還については交付税にはね返していく、こういうシステムをとる予定にしております。
○山田健一君 この法案には明記していないけれども一そういった単独事業を含めて基金の起債等について面倒を見ます、こういう話でありますけれども、いろんな意味でこれから地域振興をやっていく上で極めてソフト対策というのは重要だ、こういうふうに思っております。 法案の中に、ある意味では資金の確保ということで肝確に、いわゆる箱物、施設の整備、これがやられてきた。しかし、なかなかそこで人材が育ってきていない。どんどんいろんな事業はやるけれども、それが地域に根づかない。それは結局、先ほども言いましたようにソフトが十分でない、ここに起因をしているわけでありますから、私はこのことは強く申し上げておきたい。本当であれば修正してくれ、こういうふうに言いたいぐらいの気持ちであります。 あわせてお尋ねをいたしたいと思います。 いろいろ先ほどからテレトピア構想等々出ておりますが、これらを実施していく主体は第三セクターがほとんど中心ですね。これ、ちょっと聞いてみますと、今、テレトピアで第三セクターが百二十五つくられている。これは一つの流れとして民活を利用して民活路線でずっとやってきました。しかし今日、こういった景気の状況もあるかもしれませんけれども、どうも経営状況が思わしくない、あるいはまた行き詰まっておるプロジェクト等々あるやに聞いているわけであります。 この第三セクターは、もちろん民間の方はある程度採算がとれるということが一つの条件になるでしょうし、地方自治体の方は、逆に公共性というものがありますから、そこのところはこういう形にやって何とか運営をしてきておるというのが実態だろうというふうに思うわけでありますが、第三セクターの現状、さらに、これからどういろ形でこういった実施主体を進めていくのか、この辺について自治省の持っておられるお考えをお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 最近、行政改革の指導が少し厳しいというんですか、実情に合わない、そういうことがございまして役所の方は第三セクターということに逃げていっておるんです。これは私は第三セクターが非常にルーズに行われておる一つだと思って実は心配しておりまして、自治省では、第三セクターの実態を一回調査して。設立に必要な条件を整備する、第三セクターとしていろんな種類があるけれどもそれに適合するものを設立する、それをすることと、それから運用についても一度検討を加える必要があるんではないかと思っております。 特に人事面で相当安易に第三セクターに人を派遣しておるというのがありますが、ああいうことは私は自治のいわば本体を失っていくように思う。そして経営も、民間のいいところをとるべきが第三セクターなんですが、そうじゃのうて全く役所式になってしまっておる第三セクターもございますので、そういうのは一回明らかにしておきたい、こう思っております。 先ほど施設、箱物をつくってソフトがそれに伴っておらないじゃないかとおっしゃいましたが、私は、そういうようなものの運用を間々第三セクターに任すところがございますが、そういうときにこそ本当に民間のよさというものを第三セクターは生かしていけるのか、ここに人材養成の問題にも非常に大きいポイントがあるように思っております。 それから、管理運営について、単に設置者だけでやる必要はない、そういうようなことこそ、広域行政を進めるんですから、この拠点都市法は広域行政も進めていくんでございますから、一部事「務組合なりあるいは協議会方式等で県あるいは中央から人材を引っ張ってくる、あるいは民間から入れる、それも可能だと思いますので、そういういろんな多様性をもってそれに対応していくべき。だと思っております。
○山田健一君 大体わかりました。ぜひそれは進めて、一度この辺で、民活路線について一つの限界ということも私は感じているわけでありますが、一度この辺でぜひ見直しをして、そして地方自治体のしっかり役割をぜひ発揮するようにしていただきたい、こういうふうに思っております。 もう余り時間ありませんが、このソフトに関連をいたしまして、きょう会計検査院に来ていただいておりますので、伺います。 今の話でもありましたように、どうも箱物に目が行くんですが、ソフト事業に対する会計検査の現状は一体どうなっているのか、あるいはまた今後の取り組みはどうか。あそこに橋ができた、ビルができた、施設ができた、それに対しての会計検査の実態というのは私たちもよく実は承知をいたしておりますけれども、どうもなかなか、国の資金を使って人を育てる、人材育成をやる、そういったソフトの開発を含めてのそこら辺のいわゆる検査、公の金をどう監査していくのか。これは非常に難しい面は確かにあるんだろうというふうに思うわけでありますが、ここら辺の実態はどうなっておりますか。 そういったソフト事業に対する会計検査といいますか、そこら辺の姿勢がある程度貫かれていれば、そのことを受けて、地方自治体も含めてそうでありますが、ソフト事業に対して非常に積極的に取り組んでいこう、充実したものにしていこう、こういうインセンティブが逆に働いてくるんではないか、こういう気持ちがするわけでありますから、あわせて今後のいわゆる会計検査をやる手法について、そういったことは新しい方法は考えられないか。現実にやっていらっしゃるとは思うのでありますが、その辺の現状と今後の方針についてお尋ねをいたします。
○説明員(阿部杉人君) ソフトに対します検査が重要であるということにつきましては、先生御指摘のとおりでございます。 私ども会計検査院は、以前よりハードに対する検査と並びましてソフトに対する検査を行ってきております。例えば箱物につきましては、建設にかかります設計、積算、施工などの適否にとどまりませんで、その箱物を建設することによります事業効果などにつきましても今まで検査してきております。 これからもソフトに対する検査の重要性に留意しまして検査をしてまいりたい、そう考えております。
○山田健一君 わかりました。 もう余り時間がありませんので、最後に、きょうは情報政策といいますか、そういった切り口で実はこの法案の審議に参加をさせていただく、こういう立場から郵政大臣にお尋ねをいたしたいと思います。 一つは、今、ソフトのお話をいたしましたが、実は去年上げました基盤充実法、これもそうであります。これで、いわゆる人材研修施設の整備、こういうものが進められていっております。ことしは三施設六億円、こういうふうにお伺いをしておるわけでありますけれども、果たしてこの程度でいいのか、あるいは実際にそれでも十分やっていけるんだろうかどうたのか、この辺を実は心配しておるわけでありまして、そういった意味で、情報化を進めていくその基盤、ハードの面の基盤と同時にこういった人材を育成をしていくソフト面での事業の進展に向けてどういう決意を持っておられるか、それが一つであります。 それからもう一つは、先ほどからいろいろ言ってまいりましたが、こういう時期に例えば機能別にできれば国の基本方針を定めてほしい、地域の情報化政策はどうあるべきだ、ある意味ではそういったビジョンも踏まえた国としての情報通信に関する基本計画、こういうものを定めて、一つの指針、ビジョンを示して、それぞれこれから取り組みを進めていく、こういうふうにしていただけぬものだろうかな、こういう立場でいるわけであります。 この二点について御答弁をいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(渡辺秀央君) お答えを申し上げます。 前段の人材育成の問題につきましては、先生の御指摘どおり昨年の人材育成を進めるためのいろんな諸施策の法律を御理解いただいておりますので、まあことしは三カ所で人材育成施設を支援していきたいと思っております。 この事業化に向けた計画づくりや推進体制の整備など、地域の取り組みが円滑に進められるように、郵政省として関係地方公共団体とと連携を密にいたしてまいり、御指導と御援助を申し上げたいと思っているところでございます。 二点目は地域の情報化のための基盤整備、あるいはまた総合的に一体どういうふうなビジョンでやっていくかという地域情報化に向けてのビジョンに対する見解を述べよということでございます。 御案内のこれまでのそれぞれの地域の特色、実情に合わせて、これは先ほど申し上げたとおり行っていかなきゃいかぬということだと思います。郵政省が今までやってきました各般の施策もいわばそういうことを考えてきた具体的な情報化施策のメニューというような意味合いを持っているわけでございまして、私は、この施策をやっていきますビジョンということをできるだげ、言うならお互い政治家として、政治というのはロマンから具体的な実現ということに入るわけでありますから、言うならばビジョンはグランドデザインを非常に大きくして、そして具体的な施策はきめ細かにやっていくというようなことではないかなと思います。 一つずつ施策として指定地域をやったり、あるいはまた今回のこの拠点法によってそれぞれの省庁の持っている特性をお互いにかみ合わせながら私たちは高度情報社会の基盤整備をやっていき、そして地域の特質がそこで生かされた二十一世紀の情報化実現のために努力をいたしてまいりたい。先生の仰せられる点をこれからも十二分に踏まえながら、今私申し上げたような点も考えながら、御指導をいただいて具体的に検討して前進をさせてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
○山田健一君 終わります。
○梶原敬義君 私は、この法律案が六省庁によりまして東京一極集中から地方の活性化を目指すという積極性については評価をしながら、質問をしてまいりたいと思います。 この法案の背景と経緯について最初にお伺いをしたいと思いますが、まず、その中で特に以下のことについてお答えを願いたいと思います。 すなわち、平成三年の十一月に産業構造審議会産業立地部会が「新たな産業立地政策のあり方」、すなわち「産業業務機能再配置による東京一極集中是正と地域活性化」という中間答申を出されましたですね。これに基づきまして、当初は通産省の方から、産業業務機能すなわちオフィスを東京から地方に再配置する、要するにオフィスアルカディアというようなそういう法律をつくるというような話を聞いておりました。しかし、いつの間にか地方拠点都市地域の整備構想に重点が移ってきて、そしてこの法律になった、このように理解をしておりますが、この点についてお伺いをいたします。
○国務大臣(山崎拓君) 梶原委員が述べられましたとおり、昭和六十二年に定められました第四次全国総合開発計画に基づきまして、東京一極集中を是正し、国土の均衡ある発展を図り、多極分散型国土の形成を目指す、こういうことにたっておったのでございます。ところが、実態はそうはいきませんで、平成二年度における国勢調査によれば、十八道県におきまして人口が減少し東京一極集中は一段と進行いたしたのでございます。また、地方におきましても商業、産業業務あるいは学術文化等高次の複合的な都市機能を持っております都市、例えば政令都市、県庁所在都市におきまして人口がふえている。ただいま申し上げました平成二年度の国勢調査期間におきまして三十六の主要な地方都市において人口がふえておるのでございます。 そういう実情を踏まえまして、建設省といたしましては、同様な高次都市機能を持ちました拠点都市地域を整備してまいりますことがいわば四全総の目的に合致することになるのではないかということで、過般来、地方拠点都市地域整備の構想を検討してまいったところでございます。 一方に招きまして、先生が御指摘をされましたような、あるいは東京におきます産業業務機能の地方分散を図る構想も通産省において持たれており、また各省庁におきましてそれぞれの構想をお持ちになっておられたわけでございますが、それが一体となりまして、縦割り行政ではなく政府一体となって四全総の目的を達成していこうではないか、そういう経緯で今回の法案がつくり上げられまして国会に提出された、そういう経緯であろうと考えております。
○梶原敬義君 できればもう少しオフィス機能を移すというそういう法律を最初につくろうとしたのが、いわば地方拠点都市の中に埋没した。どっちかというと、地方拠点都市の方が非常に大きな位置を占めて、オフィス構想というのが小さくなっているような感じを受けるわけですね。この経緯等について、事務方で結構ですからお答えください。
○政府委員(鈴木英夫君) 先生御指摘の産構審の答申におきましても、オフィスを分散させるためには単に移転誘導政策のみならず快適な地方拠点の形成ということが大事であるということが強く指摘をされておりまして、そういった意味では、拠点地区、オフィスの拠点のみならず、その周辺の住宅環境あるいは道路、交通等の総合的なインフラも各省庁の協力を得て進めることがオフィスの分散にも非常に稗益をするという考え方で答申をいただいておりまして、その線に沿いまして各省庁と調整をしたわけでございます。 私ども、本対策を始めます当初からインフラ整備、地方行財政上の措置も含む総合的な施策の推進が強く求められているという問題意識で各省庁との調整をさせていただいたということでございます。
○梶原敬義君 この産構審の答申にもありますように、これから十年間に東京首都圏で恐らくさらに人口が二百四十万人ふえるだろう。そのうち百万人は東京首都圏外から流入するだろう。そういう状況になりますと、さらに地価の問題、住宅の問題、交通の問題、都市環境全体から見ても東京は大変なことになる。したがって、そういう面に非常に大きな重点が置かれておるのか、それとも、今非常に地方の過疎化が進んでおりますが、そういう地方の活性化の方にウエートを置かれた法律なのか、その辺も非常にわかりにくい。この点はいかがでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 梶原さん、これは両方のものがあったんで、これをどちらに重点を置くかということの答弁は非常に難しいと思うんです。 と申しますのは、東京に過度に集中しておる業務施設なんかに出ていけといったって、これは憲法違反で言えないわけです。そうしますと、出やすいようにするということしか政府としてはできないわけなのでございます。出やすいようにするということになりますと、以前の新産・工特でいろいろ勉強してまいりましたが、そういう受け皿、いわゆる生活の場が伴うておらないとなかなか企業は出ていきません。その生活の場をつくるのに企業が努力したければならぬようなことでは、出ていかない。そこで、それを受けるのに地方もそれをやりましょう。同時に、地方の方でもいかに過疎対策をいろいろやりましても、そこで食っていける手段がなければ人口は定着してくれないんですね。そうすると、職住一体のそういう都市をつくるということをやっていかなきゃたらぬと思います。そういたしますと、都市の活性化といいましょうか、そういうものと企業を誘致するということがまさに一体となるというようなものでございまして、そういう点でひとつ御理解していただきたいと思います。
○梶原敬義君 一応理解をいたしますが、そこら辺はこれからの論議の中で少し問題が出てきますから、後に譲りたいと思います。 地方拠点都市法は、当初八十カ所ぐらいの指定を考えているようですが、この地方拠点都市というのは十年ぐらいたってどういう都市ができるのか、どうもなかなかイメージがわかないんですね。県庁所在地に集中しているから第二県都的なものをつくろうと言われておるんですが、なかなかイメージがわいてきません。 昭和六十三年四月の第百十二国会のときの多極分散型国土形成促進法の審議に私も参加いたしましたが、非常に目的が似ておるんですね。例えばどういう点かといいますと、多極分散型国土形成促進法で当初うたっているのは、人口及び行政、経済、文化等に関する機能の特定の地域における過度の集中を是正し、国土の均衡ある発展を図るため、国の行政機関等の東京都区部からの移転、地方における振興拠点地域の開発整備及び大都市地域における業務核都市整備を推進するための措置を講ずるとともに、住宅等の供給と地域間の交流を促進すること等により多極分散型国土の形成を促進する、こううたっております。 それから、今度の大臣の法案の提案趣旨によりますと、「近年、地方においては、平成二年の国勢調査結果に見られますように、若年層を中心とした人口減少が再び広がるなど地方全体の活力の低下が見られるところであります。一方、東京圏においては、人口及び諸機能の過度の集中により、住宅取得難、交通渋滞等、過密の弊害がさらに深刻化しているところであります。このような状況の中で、地方の自立的成長の促進を図り、東京一極集中を是正して国土の均衡ある発展を実現することは、現下の内政上の大きな課題となっております。」、このように言われております。 多極分散型国土法と今提案されております法案との間の整理をどうすっきり頭の中でつげるのか、その点についてお伺いします。
○政府委員(小島重喜君) お答え申し上げます。 今、先生御指摘のとおり、多極法が現在ございます。 今度の法律との関係でございますが、これも実は法制の審議の段階でいろいろ議論がございましたが、同法第五条の「民間の施設の移転の促進等」におきまして、国及び地方公共団体は民間の施設の過度に集積している地域からそれ以外の地域への促進に努めるということと同時に、第三章の「地方の振興開発」の第一節におきまして、第六条に「国及び地方公共団体は、地域社会の中心となる地方都市の育成を図るため、地方都市とその周辺地域の一体的な振興」云々、こういう規定がございまして、多極法と本法の関係で申し上げますと、多極法はいわば基本法と申しますか基本的な理念を書いてあるものでございまして、私どもこの理念に則して今回六省庁で協力いたしまして拠点法を提案申し上げた、こういう整理にいたしております。
○梶原敬義君 多極法の審議をするときにこれは非常にわかりにくかったんです。 議論の中では、多極とは一体何なのか、県庁所在地を多極にするのか、あるいは日本国内の地域を幾つかに絞って極を立てていくのかという私の質問に対しては、それはずっと幾つも立つだろう、そして、ニュアンスとしては必ずしも県庁の所在地ではないような話でございましたね。そういう意味では、多極分散型国土形成促進法が基本法であったとしても、そういう地域を幾つも極を指定していって、そして東京あるいは大阪への一極集中が是正できるように産業も文化も、人、物、金も再配置する、あのときは基本的にそういう趣旨に立った議論なんです。 それが基本法だからというわけじゃなくて、昭和六十三年四月にできた法律ですが、この多極分散型国土形成促進法に基づいて今動いている地域というのは具体的に一体幾つあるんですか。
○政府委員(田中章介君) お答えいたします。 多極法の振興拠点、これは地域の振興の拠点を開発するということで、特色ある機能の集積を図ることにしておるわけですが、平成三年の一月に三重県の基本構想一これは三重ハイテクプラネット21構想と称しておりますが、鈴鹿山麓に学研都市をつくるというものでございまして、この基本構想が承認されております。また、その億か幾つかの県についても現在そういった基本構想作成に向けての準備がなされている、こういう状況でございます。
○梶原敬義君 法律を審議するときに、こういう法律というのは十年単位ぐらいでやります。もう四年ぐらいたっているんですが、四年ぐらいたってこういうようなことですから、これはどうも、この多極分散型国土形成法というのは一体どこに問題があったのか、その点はいかがなものでしょうか。どこに問題があってこんなにおくれているのか。あと四、五年の間にだあっとできるか私もいろいろ当たってみましたけれども、なかなかこれは難しい問題がある。
○政府委員(田中章介君) ただいま御指摘のように一カ所ということになっておりますが、この振興拠点につきましては、どういう中核的な施設をつくるかということに関しましては地域の創意にゆだねている。言ってみればオーダーメードのような形になっていて、地域が自主的にどういう中核施設をつくったらいいのかという構想を立てるわけでございまして、それにそれなりの時間を要している、こういう面は否定できない、こういうふうに考えます。 しかし、さきに第一号が承認されたということでもありまして、また他の県でもかなり今準備も進んでいるということで、引き続きこういった面で積極的に対応していきたい、こういうふうに考えております。
○梶原敬義君 法律をつくるのはいいですが、この多極分散促進法の問題点やなんかもすっかり洗い出さぬままに、それをほっておいてまた次々どんどん行くというところに、何をしているのか、そういうところがあるんです。それで、今のあなたの答弁では、地方にゆだねていて地方の創意が出てこないからということですが、法律をつくるときにそこのところは私たちは少なくとも四十七、東京、大阪、名古屋圏を除けば四十四ですか、その辺まで極は立つんだろうという議論をしておったんですね。これがあなたが今言うような状況ですから、どうもすっきりいたしませんですね。これはまたよく問題点を把握してもらわなきゃ困ると思うんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(東家嘉幸君) 私は担当大臣としまして、この法案が提出されて以後、多極分散法とかいろいろそれぞれ分析をしてみまして、これはもう少し整合性を持たして一本化する方向で過程の中で整理していかないといけないなということをしみじみと感じております。 そうした中に、今後、この拠点法を契機として、本当に地域の皆さん方の求めるものにどう対応するかということを私ども政治家という立場からもこれは突っ込んで検討する必要があるということは歪めたいことだと思っておりますので、今回の拠点法の中でも今後各省庁が協議していく過程の中で、どうすれば地域がより活性化するかということで、中身が運用の面でだんだん膨れていかなければどうしても真の一極集中の是正ができ得ないということも私はわかってきたような気がするわけでございます。 きょう各省庁それぞれの担当の方々がおられますが、私が衆議院の段階でも申し上げましたことは、お互いがかつての縦割りを是正して国民のためにたるこの法案をどう各省庁が協議しながら運用していくかということが私は一番重要なことだと思っておりますし、その気になってそれぞれ各省庁も取り組んでおりますので、地域の活性化に向けての法案の成果が上がるものと私は受けとめております。
○梶原敬義君 多極の極が熊本、大臣のところにもまだ立っておりませんから、これはまたよくその点は分析をしていただきたいと思います。 それでは拠点都市法の問題に入りますが、この法律の特徴は、基本方針を主務大臣がつくり、そして知事が指定し、基本計画は関係市町村がつくるということですから、地方自治体の主体性に任せるという一歩踏み込んだ内容になっている点は私は非常に評価できると思うんですね。そこで、地方自治体の主体性はどの程度貫けるのかという点についてそれから知事と国の間で協議が相調わないときは一体どうするのか、この点についてお尋ねします。
○政府委員(紀内隆宏君) 法文の構成上、知事が地域の指定に当たりましては事前に市町村長と協議をし、あるいは主務大臣と協議をし、協議が調った後においてこれを指定する、こういう運びに相なります。もちろん、協議が調った後において指定することになりますけれども、先ほど来御議論がございますように、あくまでこれは地域の自主性、主体性を尊重する立場で法が構成されておりますから、実際に協議に当たりましては知事の意向を極力尊重する、こういうことになろうと思います。
○梶原敬義君 その「極力」というところに非常に微妙さが残るんですが、こうして法律を改めて一歩踏み込んだ以上はできるだけその自主性が貫けるように努力をしていただきたいと思います。 次に、拠点都市はいわば第二の県都を育成するという構想のように私はこれを読ましていただきました。そのとおりなのか。拠点都市の中に必ずしも産業業務施設をつくらねばならないという建前にはこれはなっていない。第六条の第三項ですか、そうなっておりますが、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(鈴木英夫君) この法案におきまして、地方の自主性を尊重するといっただいま委員御指摘の観点から、関係市町村が基本計画におきまして拠点地区においてどういう事業を行うかということについても定めることになっております。したがいまして、地方拠点都市地域内におきまして産業業務施設の集積を促進する措置を講じようとする拠点地区、つまり産業業務拠点地区でございますけれども、こういうものを設定するかどうかは関係市町村の判断にゆだねられておりまして、必ずしもすべての地方拠点都市地域におきまして産業業務拠点地区が設定されるということにはならないと認識をしております。
○梶原敬義君 そこで、関係して、産業業務施設り地域指定というか、これは八十ぐらいのうちに一体幾つぐらい考えられるんですか。
○政府委員(鈴木英夫君) これは地域の設定も含のましてこれからの問題でございまして、地方の自主性を尊重しまして決めることになっておりますので、私から今の段階でどのくらいの数になるとお答え申し上げることは適当ではないというふうに考えております。
○梶原敬義君 この法律は、要するに「地域拠点都市地域の整備」と「産業業務施設の再配置」ということになっておりますが、この二つを無理やりにくっつけたような感じがしてならない。異なった性質を持った内容のものを一緒にくっつけたような感がいたします。 そこでお尋ねしますが、通産省はどのようにして産業業務施設を東京二十三区から地方都市へ移そうとしているのか。もっと言うなら、想定しているのは東京首都圏から二、三百キロ範囲で、例えば九州の大分県とか北海道とかそういうところまでオフィスを移そうという考えは腹の中では本気ではないんじゃないか、そんな感じを受けるんだが、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(鈴木英夫君) 私ども、この本法におきまして、委員御指摘のように、東京二十三区から地方拠点都市へ移転する企業に対しまして各般の助成措置を講ずるということでございますけれども、一方におきまして、新増設といいますか、新たに企業が立地する場合に東京から行くということだけではなくて、地場産業も含めましてそういう拠点都市地域へ集積をしていただきたいということもございまして、両方の政策をこの法律の対象にさせていただいておるわけでございます。 ところで、この移転誘導のところでございますけれども、移転誘導の光といたしましては、大都市圏の規制市街地、近郊整備地帯等そういう地域は除外をいたしまして、全国くまなく移転先を検討していただくということが大事であろうと思っております。 私ども、単に東京の近くだけではなくて足の長い企業移転、これにつきましても最近は企業の方でもかなり意識が高まっておるというふうに分析をしておりまして、遠隔地と言ったらちょっと語弊がございますけれども、東京近郊だけではたく全国広く企業を分散いたしますためには東京に匹敵する魅力を持ったそういう都市機能の集積あるいはインフラの充実等も必要だと思っております。そういうものができ上がりますれば、東京の近くということだけではなくて足の長い企業移転が進むものというふうに判断しているわけでございます。
○梶原敬義君 しからば、要するに地域は全国くまなく普遍的に考えているということですからそういう立場に立って議論をしたいと思うんですが、いわばこの地方拠点都市法というのは、県庁所在地に一極集中しているので第二の県都を目指すというのが非常にウエートの高い建前にたっております。そういう立場からいたしますと、東京。二十三区から県庁所在地じゃない都市、例えば大分県あたりを想定すると、大分市以外のどこか県北なら県北のこれからのポテンシャリティーを持った発展の可能性のある地域を指定して、そこにオフィス団地をつくる、こういうことですが、そこに一体東京二十三区から企業の事務所が来ますか。来ませんよ。 今そこに大分県の前副知事をしておりました自治省の課長さんがおりますが、これから十年ぐらいかかって都市をつくっていこうというところにオフィス団地をつくって、実際に東京二十三区からオフィスが来ますか。一体そこら辺はどういう、だから木に竹を接いたようだ法律の建前になっている、私はこう言うんですが、この点はいかがですか。
○政府委員(鈴木英夫君) 東京から地方への企業移転につきましては、住宅などの福利厚生施設等の整備状況、あるいは従業員の生活環境、人材確保の容易性、そういうものを総合的に判断して行われるものというふうに私どもは認識しておりまして、必ずしも県都でなければ事務所が行がたいということではなくて、そういうポテンシャル、潜在力、発展可能性のある地域が指定され、そこにインフラストラクチャーも含めました諸施設が整備されることによりまして、第二、第三の都市にも企業は動いていくものというふうに期待を一でおるわけでございます。 〔委員長退席、建設委員会理事種田誠君着席〕 現に、最近、千人以上の規模で県都以外に移転をするというような計画も散見されておりまして、そういった意味では、企業の方も、先ほど申し上げました従業員対策でありますとかそういうことも考えつつ移転先を決めていくものというふうに考えております。
○梶原敬義君 例えば静岡県においては、県庁所在地の静岡、それにもう一つ複眼都市みたいな浜松がありますね。浜松周辺たらばまあ言われるようなことはよくわかる。 オフィスアルカディアというのは、例えば九州の果ての大分県とかあるいは宮崎県とか、熊本はどうかようわかりませんが、そういうところにこれからオフィス団地をつくっていくというんでしょう。そういうところに二十三区から人を持っていくという場合に、交通の面から、あるいは文化の面から、あるいは高等学校もいいところがあるとか、いろいろそういうものが備わったところじゃなきゃ二十三区からは行がたい。それは浜松という市には行くことはできるかもしらぬけれども、過疎県がいっぱいあるんです。私は普遍的な話をしていると思うんです。今、局長はそう言っているけれども、無理がある。こう思うんですよ。 〔委員長代理種田誠君退席、委員長着席〕 したがって、二つのものを一つにくっつけて生かそうとすれば、例えば大分県で言うと、県北なら県北を拠点都市に指定して、そこは事務所を中心じゃなくて全体の都市環境をつくっていく。そして、それは十年ぐらいかかってつくっていく。しかし、二十三区から事務所を来てもらうとすれば、これは、県庁の所在地のどこかいい場所、郊外のちょっと離れたところに立派な事務所団地をつくる。そういうような二つの方向で進まないと、地域の特性にかんがみた運用をしていかたい一と、これは無理があるんではないかと思うんですが、重ねてお尋ねします。
○国務大臣(山崎拓君) 私は、梶原委員の隣県に住んでおりますので、梶原委員の御指摘はもうすべてごもっともであると先ほど来感じ入っていた次第でございます。 今まで最終的には各県一、二カ所、全部で八十カ所程度ということがしばしば言われてまいったわけでございますが、当然、指定は一律全面的にやるということではございませんで、これは順次条件のそろったところからやっていくということが一つございます。この法案の目的が、単に地方拠点都市地域の整備のみならず、産業業務施設の再配置というねらいと一体となりまして東京にあります過度の人口を地方に分散せしめるという目的がございますから、それに資する条件を持ちましたところが私は当然先行するのではないかと考えておるわけでございます。もちろん、資源の重点的な配分が行われますから、これは当然一定の制約もございまして、一律総花的にやるというわけにはいかないということでございます。 それから、何と申しますか、産業業務施設の再配置だけではなくて別途の地域振興の考え方があってしかるべきじゃないかというお話は、当然そうであろうかと思っております。大分県の場合で申しますと、まず先行しなければならないのは高速道路網の整備、あるいは空港の整備も入るかもわかりませんが、そういったアクセスの整備が先行しませんと、先生御懸念のとおり私はなかなか企業はやってこないんじゃないか、そのように考えておるので、そういうこともすべて総合的に判断しつつ順次指定を行っていくということになろうかと思います。
○梶原敬義君 私は、けちばかりつけているわけじゃたくて、いかにすれば、多極分散型国土形成法じゃたいが、ああいう形と並んでこれがどんどん広がっていくようになるかということですから、そのように積極的に受けとめていただきたいと思います。 大分市地域といいますか、今、二十三区を想定しておりますが、例えば大阪あたりから九州に来るということはあり得るわけです。非常に可能性がある。あるいは名古屋、この辺のところも考える必要があるんじゃないか。しかし過度に集積していないじゃないか、こう言っても、大阪を中心にした関西経済圏は、飛行場もできてどんどん活況を呈してくれば、そういう面で出ていけば出ていっただけ寂れるということにはならない。この点についてはいかがなものでしょうか。
○国務大臣(山崎拓君) この法案の第二条に地方拠点都市地域の指定要件の基本的な考え方が述べられておりますが、その第一に「人口及び行政、経済、文化等に関する機能が過度に集中している地域及び」云々と、こうなっておるわけでございまして、「過度に集中している地域」といたしまして私は三大都市圏は当然入ると考えております。したがいまして、三大都市圏以外の県に一、二カ所選んでいくということになりますから、必定、三大都市圏から業務機能も移転してもらいたい、こういうことになろうかと思います。
○政府委員(鈴木英夫君) この法律におきまして、土地の買いかえ税制等、移転を促進するという場合の移転元を東京二十三区に限定しておりますけれども、これは一言で申し上げますと、委員からも御指摘がありましたように、全国的に見て東京へのオフィスの集積が際立っておる、こういうことから今回は二十三区に限定をいたしました。 例えば東京二十三区におきますオフィスの床面積について見ますと、このオフィス床面積の伸び率が全国に比べまして二倍ぐらいのスピードで進んでおりますとか、あるいは東京二十三区内のオフィスの床面積の東京都全体に占める割合が八七%程度に達しておるということでございまして、三大都市その他の地域あるいは地方の大都市と比較いたしまして格段に大きな集積となっておるわけでございます。そういったような東京二十三区へのオフィスの集中が突出しているという現状を踏まえまして、東京一極集中の是正という喫緊の課題を解決していくというためには、二十三区を過度集積地域として指定いたしまして、そこから業務機能の地方分散を図ることが最も効率的かつ合理的であると判断しているところでございます。 なお、この過度集積地域は政令で定めることになっておりまして、現段階では以上のような理由で東京二十三区に限定することが効率的であるというふうに考えておりますけれども、今後、産業業務施設の集積状況の変化あるいは政策の実効性等に対応して弾力的に定めることができるようにこの法体系の中では整備されておるわけでございます。 それからさらに、この二十三区以外のところから地方拠点地域に移転するような場合につきましても、これは新増設ということでありまして、それなりに施策の対象になるように配慮されているところでございます。
○梶原敬義君 なぜそういうことを言うかといいますと、例えば地方でこの法律に従って指定を受けてオフィス団地をつくるとしますね。団地はつくるが、それは東京二十三区だけを中心にして働きかけをしてもなかなか難しい。そうなると、それはもうどこからでも来てほしいということになる。だから、そういう意味では、大阪関西圏、それから名古屋、東京首都圏あたりはこれから検討の対象にしていただきたい。今、二十三区だけしか考えていないというのはわかりますが、そのようにしていただきたいと思います。これはぜひ、大臣、政令で定めるということですから、御検討ください。 次に、これはちょっとこの法案と離れますが、この法律のねらいというのは、地方において県庁所在地にずっと一極集中している、これに対してどうするかということも非常に大きなウエートを占めておるんですね。 それで、先般、私、地方へ帰ってあるところをずっと回っておりましたら、林業調査、風倒木の調査で大分県の日田市に行ったのですが、十五分早く日田市に行けますと、うちの村、過疎の村からも仕事のある町まで通ってまた夜は帰れる、だから何とか十五分間通勤時間が短くなると過疎もとまるんだがな、帰りますと、広い土地があり、そこに家があり、先祖代々の伝わっている家があり仏様もある、それを守っていかなきゃならないけれども、外に出ないと食えないからやっぱり出ていく、だからそれ何とかならないかと真剣に訴えられました。そのとおりだと思うんです。 私はそういう点では、予算委員会で言いましたように、川の流れというのは、上からずっと海に向かって支流からどんどん流れる、そしてだんだん水量が多くなるに従って川は自然に広くなって、そして水をはかしていく。洪水ではんらんすることもありますが、そういうようにたっている。ところが道路は、例えば大分市で言うならば、国道十号線は大分市に入ったと同時にラッシュ時間はもうどうにもならぬ。動かない。二百十号線というのもそうなんです。そういうところが至るところにある。だから、過疎の市町村から通って、そしてそこで仕事をして夜帰る、土曜か日曜は百姓をする、そしてその村を守っていく、そういうことができるようにしなければならぬ。 そういう意味では川の流れにもっと学んで、これは大分だけを言っているんじゃなくて、そういう中核市町村がいっぱいある。そこに遠くからさっと仕事に来てさっと帰れるような思い切った道路を全国土的な規模で改革するようだ発想が、今まさに二十一世紀を展望して必要じゃないか。そうしたきゃ子供たちはもう家におりませんよ。私どものところでも過疎率三〇%を超えている市町村が二つある。全国的に過疎率二五%を超えているところがたくさんあるんですよ。要するに、六十五歳以上の人の占める割合がふえている、そういう状況というのがたくさんある。だんだんそれがもう目に見えて近づいてきているんですね。だから、そこをやらないとだめです。 それは拠点都市も大事ですが、それをやれば何とか私は地方の大自然やあるいは農地や緑というのは食いとめ、また水も治水ができる、このように考えておるんですが、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(山崎拓君) まことにごもっともな御意見であると存じます。 昭和六十三年に第十次道路整備五カ年計画を立てまして、平成四年度まで実施をいたしてまいったわけでございます。よりよい都市づくりのための道路、あるいは地方の定住と交流を促進する道路といったテーマを掲げまして、五十三兆円に上ります第十次の道路整備五カ年計画を遂行してまいったところでございます。これから第十一次の道路整備五カ年計画を樹立する作業に入るわけでございますが、その際、ただいま梶原委員が御提起されましたような構想をもちまして取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 大分県におきましては、大分県には十二の圏域があるそうでございますが、大分市から各圏域の中心都市までおおむね六十分、各圏域内ではその圏域の中心都市までおおむね三十分、県内各市町村から大分市まで一時間三十分で結ぶ、そういう構想を県独自でお立てになっている。また、各県を個別に点検いたしますと、山口県が県土一時間構想という言い方をしておりますが、この県土一時間構想的なものは非常に多い。 そういう各県の構想を踏まえまして、地域高規格道路網の整備、つまり自動車専用道路でございますとか、主要な交差点を立体化いたしました非常に規格の高い質の高い道路網の整備、これを地域高規格道路と総称しておりますけれども、その整備構想にこれから入ってまいるわけでございます。 そのことは地方拠点都市地域整備とも密接に結びついておりまして、各拠点都市から例えば円を描きまして、その半円が三十分ということになりますと、円の端から端までは一時間ということになりますが、そういう各円を一つ二つ新しく従来の県庁所在都市と別に描くことによりまして圏域全体にわたりまして県土一時間構想が実現をしていく、そのことを地域高規格道路でやってまいりたい。 先生の御提案を踏まえまして取り組んでまいることを申し上げておきたいと存じます。
○梶原敬義君 終わります。
○委員長(山本正和君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時二十四分休憩 ―――――・――――― 午後一時三十分開会 〔建設委員長山本正和君委員長席に着く〕
○委員長(山本正和君) ただいまから建設委員会、地方行政委員会、農林水産委員会、商工委員会、逓信委員会、土地問題等に関する特別委員会連合審査会を再開いたします。 休憩前に引き続き、地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○菅野久光君 私は農林水産委員という立場でいろいろ御質問を申し上げたいと思います。 最近の自由化の問題をめぐって私自身非常に被害者意識を持っているものですから、そういう面がある面では強く出るかと思いますけれども、何といっても国民の食糧を安定的に供給するという大事な任務が農林水産省にはあるわけでございますので、そんなこともいろいろ含めながらこれからの時間、質問を申し上げたいと思います。 まず、全国の人口の動きを見ますと、昭和五十年代半ば以降、第三次産業の比重の増大や情報化の進展等によって、従来の政治経済機能に加えて金融だとかあるいは情報などの諸機能が東京圏に集中いたしまして、これに伴って人口の一極集中が一層進行してきておりますが、これは全国的に見れば東京ということですが、地方においても一極集中的な面が見られます。私の選挙区でもあります北海道においても、札幌への一極集中ということが強く見られるわけでございます。いわばこのような大都市圏への人口集中によって他の地域との経済格差が拡大しております。 就業者数の動きにも地域間で相当差があるということで、去る四月に経済企画庁が発表いたしました平成元年度の県民経済計算によりますと、一人当たり県民所得第一位の東京と最下位の沖縄の所得格差は前年度の二二八倍を上回っているということで、今の方式で統計をとり始めた昭和五十年度以降最大になっております。まさに昭和五。十五年度以降続いております格差拡大傾向に歯どめがかからなかったことをこのことが示しております。一 また、全国の農業集落数は十四万集落というふうになっておりますが、全体として農村地域の混住化も進んでいるというような状況にたっておるわけでございます。 ところで、この法律案は、第一条にあるとおり、地方の自立的成長の促進及び国土の均衡ある発展に資することを目的としております。最近における東京一極集中あるいは地方においてもそのような状況があるわけでございますが、このような構造を是正して農業の多様な役割を発揮するための農村の生活圏、定住圏を確立するため計画的な農村の再編整備を進める対策を強化することが必要となっているというふうに思います。 しかし、これは報道ですから真実ではないのかもしれませんが、今回、農林水産省がこの法律案の主務官庁に加わるに当たっては、拠点都市整備のための農地転用許可に配慮する見返りに農山漁村への投資を求めたとも言われております。そこでまず、この際、この法律案に対する農林水産省としての基本的な考え方、立場をひとつ明らかにしていただきたい、このように思います。
○国務大臣(田名部匡省君) 農地転用のために入ったのではないか、こういうお話でありますが、決してそうではありません。 委員も御承知のとおり、農村が大変な高齢化とともに担い手が不足をいたしておりまして、一体これをどうするかというのがもう喫緊の課題です。そういうときに、地方にこうした拠点都市をつくるということになりますと、私たち農林水産省にとっても、農村、漁村、どこになるかわかりませんが、つくるところによっては両方大きなかかわりを持ってあろう。もう専業農家がだんだん少なくなって二種兼業が多いあるいは都会に出る青年たちが多いということを考えると、何といっても地方の農村地帯に担い手を残すためにはどうするかということで今いろいろ勉強しておりますが、これと一体となってやっていただげれば農村から近いこういう都市に仕事場を求める二種兼業の人たちも多くなってくるということもあります。 いずれにしても、都市機能の増進でありますとか、あるいはいま一つは、住居環境が農村はよくないということで嫁問題も実は起きているわけですが、そうしたことから、私どもは今、都市の機能の充実でありますとか居住環境の向上、そうしたものを一体的に整備の促進を図ることが大事だと思っているわけであります。 こういうときに、地方都市を中心とする広域的な地域の一体的な整備を図ることは農山漁村の定住と活性化を進める上で大変重要なものとなってくると考えておりまして、今後、農山漁村における定住条件の整備のための施策等を総合的に講じながら、一体的な整備に寄与することによって地方における都市と農村の均衡ある発展に努めたい、これが主眼であります。 そう言いながらも、これをつくっていく上には、農地というものを一体どうしていくかという問題もあろうと思います。そういう点では優良農地というものを私ども今考えておりまして、そこのところはぴしっとつくりながら一体となってうまくいくようにやっていく仕事もまたその一つであろう、こう考えております。
○菅野久光君 見返りに農山漁村への投資を求めたというような言われ方もある報道関係ではあるわけですけれども、しかし、見返りということではないにしても、特に農業予算が年々削減されていくというような状況の中ですから、ある面では予算はきちっとしなくちゃいけないんじゃないかというふうに思っております。そのことはまた後からもちょっと触れたいと思います。 それにしても、この法律によって拠点地域の指定をするわけですから、指定をされたところの農地の転用が緩和されることになることは間違いありませんね。 既に現在、農村工業導入法、あるいはテクノポリス法、リゾート法、頭脳立地法、多極分散型国土形成法の五つの法律において農地転用の緩和が適用されております。しかし、特にリゾート法に見るように、農村では環境破壊や他目的に悪用されるといった被害が出ているわけであります。今回また新たな施策が実施されるに伴って、これまでしばしば他産業の犠牲に農地が転用されてきたのではないかというふうに私は思います。このことが農村をさらに厳しい状況に追い込んでいるというふうにも言えると思います。 そこで、こうした悪影響が出ないように、この法律による地域の指定に当たっては、地方拠点都市地域には地方都市の周辺の市町村が含まれるわけでありますから、それには農村が多く含まれております。したがって、農地あるいは圃場の整備を含む基盤整備を、また都市型農業の形成のための農村近代化施策の策定を、この基本計画の中にぜひとも義務づける必要があるというふうに思うんですが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(海野研一君) お答え申し上げます。 おっしゃるとおり、こういう整備計画をつくることで農地の転用が行われるということになりますと、周辺の農業への影響というものは避けられないわけでございます。そういう意味で農地転用措置についての配慮事項というものがございます。 ただこれ、私ども別に農地転用を楽にするということで考えているわけではないのでございまして、この種の地域振興立法、その地域全体としてよくなっていくためにどうすればいいかというふうな立法の場合には、何といいますか、そちらの方はそちらの方で計画をどんどんつくっておいていざ転用というときにたって農地転用いいか悪いかということをやるよりも、むしろ計画をつくる段階で、どこは農地としてしっかり残す、どこのところはどういう用地にする、しかもその施設の効果が十分に近隣の農山漁村に及ぶようにしていくというようなことを計画の中で十分やっていくというようなことでやっていった方が計画としてもうまい計画ができていくというようなことでございまして、もしそういうような計画ができてその計画に従って転用するものであればこれは許可しようというのが、いわゆる転用に対する配慮ということで私ども考えている中身でございます。 それで、もちろん、特に農地転用などのある場合に、おっしゃるように、そこだけが単独で転用すると、当然、そこで農業を続けたい人、その外にいるけれどもやめてもいい人、いろいろございますので、そういう場合に、圃場整備事業その他で全体をくるみましてその中で権利の調整もうまく一緒に行ってしまうということがあれば、何と申しますか、残すべき農地の保全のためにもいいわけでございますし、施設自体もスムーズにできるというようなことになります。そういう基盤整備でございますとか、そのほかこの拠点都市地域のものがすべて必ずしも近郊農業というところまでいかないかもしれませんが、そのような農業振興のための生産基盤の整備とか生活環境の整備その他いろいろな投資は、十分に指定地域の都市施設の整備と関連を持たしてやっていかなければいけないと思います。 それを基本計画の中で書くかどうかというのは、基本計画の必須の要件としては都市機能の増進と居住環境の向上のための措置ということでございまして、実は農業振興や農村整備に関する計画を書くいろんな法律いろいろございますが、どこでどう書くということはございますけれども、関係市町村の自主的な判断でまさに一体として一つの計画の中に書いた方がいいということであれば、その中に続けるということはできると思います。いずれにいたしましても、その基本計画に具体的にどんな格好でどう書いていくのか、これは基本計画の指針となるべき基本方針の策定の中で今後十分検討してまいりたいと思います。
○菅野久光君 基本計画の策定の中で十分配慮していかなきゃならぬということなんですが、第十七条の二にも「産業業務施設、教養文化施設等又は住宅及び住宅地の用に供するため、農地法その他の法律の規定による許可その他の処分を求められたときは、これらの施設の設置の促進が図られるよう配慮するものとする。」とあるものですから、そういうことが計画されたらもういや応なしに許可をしなきゃならないようなスタイルになっていくのじゃないか。そういうことになったらまたこれもいろいろ悪用されていくということを私は懸念するわけでございます。 何といいますか、基本計画というものがしっかり立てられる。それで基本計画の中に先ほど言いましたような幾つかの条件というものをきちっと位置づけていく。それができなければそういう申請なり要請があっても安易に許可をするということのたいようにすべきではないか。それが、悪用されない、そして優良な農地を確保していく大事なことでは。ないか。こういうふうに思うものですから、その辺、基本計画をつくるときにきちっとしたものをつくって、その要件を満たさなきゃだめだぐらいのことをしておかないと大変だなという思いたんですが、その点はいかがですか。
○政府委員(海野研一君) おっしゃるように、変な計画ができてしまいますと後でいろんなことが起こります。もちろん、おっしゃるように配慮すると言っても配慮のできないようたそういう内容になってくるというようなこともあるわけでございます。それで、実はさっきおっしゃいました基盤整備なり近代化のための施設自身は計画事項の義務となってはおりませんけれども、いわば同じ十七条の第一項で、基本方針を立てる国、計画をつくるないしは指定をする地方公共団体の義務として「指定地域内の農山漁村の整備の促進及び農林漁業の健全な発展との調和に配慮するものとする。」ということになっております。当然、計画自体の内容は周辺農山漁村の整備ないし振興というものと十分調和のとれたものでなければならないということになると思います。 私どもその段階で、何といいますか、計画ができてから幾ら配慮しても許可はできないというようなことにならないように、むしろ計画作成段階で、その辺の周辺の振興ないしは例えば農地を転用する場合の転用の仕方というようなものとの調整を計画作成の段階で十分指導してまいりたいと思いますし、いわばその根拠としてこの「調和に配慮」という規定が入っているというふうに理解しております。
○菅野久光君 第十七条の二項に「これらの施設の設置の促進が図られるよう」、こう書いてあるものだから、促進を図るためには多少のことがあっても許可をしなきゃならぬというふうにも読み取れるわけですよ。そこのところをどうやって一体歯どめをかけるのかということが大事なことになっていく。歯どめをかげれば法律の趣旨と違うじゃないかということで農林水産省は怒られるかもしれませんが、これは基本的な大事なことですので、促進というところに余りウエートを置き過ぎないで、基本計画の段階できちっと守られるように十分な運用をしてもらいたいということを特に要望しておきます。 、いずれにしたってそういうようなことをやっていくためにはお金がかかるわけです。そこで、建設大臣にお伺いをいたします。 平成三年度から平成十二年度までの十年間に総額四百三十兆円の公共投資を行うという公共投資基本計画がございますが、それとの関係はどういうことになるのか、お伺いをいたします。
○国務大臣(山崎拓君) 拠点都市地域に指定をされました当該市町村地域には、その地域における居住環境の整備等重点的な公共事業が執行されるということになろうかと思います。そういう意味におきましては、公共投資基本計画四百三十兆円の内数におきまして資源配分が重点的に行われる、そういう関係にあろうかと思います。
○菅野久光君 これは公共投資の中できっちり位置づげていってもらわないと私は困るというふうに思います。そうでなければ、わざわざこうやっていろんな法律が幾つかのあるものを関係させて一本にしていくという意味がだんだんなくたっていくのではないかというようなことなどを考えておりますので、この点については、内閣としても、主務官庁の建設大臣がそう言うんですから、なかなかいろんな問題があるんだろうと思いますが、それぞれの関係する省庁の意見なども十分入れながらぜひひとつ予算づけについて特段の協力をしてもらわなければ、せっかく法律はつくってもそれが運用されないということになってしまいますので、そういうことでやってもちいたいというふうに思います。 次に、農地の転用の緩和の問題であります。 全国の農地の転用面積は、昭和六十一年の約二万五千九百ヘクタールを境に、その後の好景気を反映しまして六十二年以降年々拡大してきています。平成二年には前年度比五・二%増の三万五千二百ヘクタールでありました。全国合計で見ますと、レジャー施設用地への転用が平成二年には対前年比で六%の増となっております。県別に見ますと、農地転用面積増加率が前年比三二%の福岡県をトップに三十一県がプラスになっておりまして、逆に前年比マイナスとなったのは十六県にすぎないという状況でありました。 農地面積は年間三万ないし四万ヘクタールの減少が続いて、このままの趨勢が続けば西暦二〇〇〇年には五百万ヘクタールを割るおそれがあるというふうに言われております。 そんな状況で、農林水産省としてはこの法律案による指定地域内での区画整理地区以外の農地、これは当然、市街化調整区域または農業振興地域に指定して保存するという厳しい措置をとるべきであるというふうに考えますが、この点についての見解を伺いたいと思います。また、指定地域に漁村などがあった場合には漁業振興策なども考えられておられるとは思いますが、その点についてもお考えを承りたいと思います。
○国務大臣(山崎拓君) 農水大臣のお答えがある前に、先ほどの私の答弁を補足させていただきます。 公共投資基本計画は、当然、その達成のためにその使途の方向があろうかと考えているわけでございます。一つは国土の均衡ある発展に資するもの、二つは生活大国づくりに資するもの、三つは内需振興に資するもの、そういう方向で公共投資基本計画は遂行されていくと考えますが、拠点都市地域の整備はそのいずれにも該当するのでございまして、そういった意味で、私は有効に資源配分が行われるということを申し上げたかったわけでございます。
○政府委員(海野研一君) 御指摘のように、農地の減少ということは国民の食糧を確保していく上でもってゆゆしい問題であるわけでございます。ただ、いわば農村地域の定住を図っていくという上でも、先ほど農林大臣から答弁申し上げましたように、できるだけその近いところに魅力のある都市が欲しいということも一つあるわけでございます。 そういう中で、都市的な機能を整備していく上での土地需要とうまく調整を図りながら農用地を確保していくということは、難しいけれども、やらなきゃいけないことでございます。そういう意味で、農地転用許可の適切な運用、それから農振法に基づきます農用地区域の設定、さらには条件によっては農用地開発事業によって新しく農地をつくり出すというようなことを組み合わせて従来からもやってきたわけでございます。 この地方拠点都市地域の整備に当たりましては、先ほどから先生御懸念になっているような、計画ができてしまってからその促進を図るの図らないのということにたっては大変だということは私どももまことにそのとおりだと思っております。そういう意味で、本当に促進をして差し支えのない内容の計画になるように十分計画段階で必要な調整を行うように指導したいと思います。 しかし同時に、その他の地域につきましては、そもそも現在農用地区域として設定をしていないところというのはある意味では農用地区域にふさわしくないところもございますし、それから、その拠点地区だけじゃなくて、農村集落としても、何といいますか、従来から次三男住宅と言われてまいりましたけれども、例えば長男であっても親と同じ家で暮らすのではお嫁さんが来ないというような人たちもございまして、そういうための用地というものは残しておかなければいけないというようなこともございますが、そういう配慮をしながらも必要な特に優良な農地というものは最大限残るように十分な農用地区域の設定を行って、もちろんこれは市町村の計画でございますけれども、十分な農用地区域が確保されるように指導してまいりたいと思います。
○菅野久光君 農地の転用緩和の問題については、本当に慎重であってほしいということを特にこの機会に要望しておきたいというふうに思います。 時間の関係もございますので途中ちょっとはしょらせていただきたいと思いますが、農地面積、これは農業生産をしていくためにはある程度の農地面積というのはどうしても必要だということで、いろいろこれから、農地転用の問題などを含めて、農地転用をしたらあるところにはまた別に農地をつくっていくというような話もありましたけれども、最低どのくらいの農地を持っていなければ国民に対して安定的に食糧を供給することができないというふうに考えておられるのか。その点の一定の基準といいますか一定のレベルというものを持っていないと、それぞれのところからいろいろ出てきたものだけで許可をするだとかいいとか悪いとかということもなかなか難しいのではないか。そしてまた、それぞれの指定地域から出てきて農地がつぶされた場合にどこかにまた新たに農地をつくらなくちゃいけないというときには、当然、予算が必要なわけですが、そういった場合の予算などをどうするのかということなどは当然出てくる問題でございます。 何といっても、これからのことを考えていきますと、地球上の人口が非常にふえていって食糧の日給ということが非常に大事な問題になってくるというふうに思います。しかも、地球環境が非常に不安定な状況の中で国民に対する食糧というものをいかに確保するかということがまたこれ私どもの大事な任務でもありますので、その辺、農地をいかに確保するかということは一番基本的な問題でありますので、その点についてのお考えを承りたいと思います。
○政府委員(海野研一君) 申しわけありません、ただいまの御質問にお答えする前に、先ほど答弁を一つ忘れましたので申し上げます。 指定地域内に漁村がある場合でございますが、当然この法律に書いてございます「農山漁村の整備」、「農林漁業の健全な発展」ということで、決して農業だけではなくて、漁業につきましても同じように漁村での村づくりというものが現在行われているところでございまして、そういうために、この拠点都市の都市施設の整備と一体となって漁村の生産基盤や生活環境の施策を総合的に講じまして、漁村の振興整備と都市がまさに一体となって進んでいくという、特にこの地方拠点都市の場合にはそれぞれの都市にいろいろ特色がなければなかなか大都市に対抗できないわけでございますので、そういう意味で、特に漁村が含まれている場合というのは、これは漁村がない地域に比べますと一つの売り物でもあるわけでございます。そういう意味で、特に漁業の振興ということは十分やっていくことが拠点都市地域の整備そのものに対しても必要なことだと思いますし、漁業ないし漁村の振興のため必要な施策を講じてまいりたいと思っております。 それから、農地面積の問題でございます。 現在ございます農産物の需要と供給の長期見通しに基づきまして、五百万ヘクタール強のものを想定しているわけでございます。この長期見通しみたいなもの、これは絶えずまたいろんな時点での見通しを立てながらいかなければなりませんけれども、それにしても、先生今御指摘になりました地球環境の問題などを考えますと、国内での食糧供給のための基盤というものは大きければ大きいほどいいわけでございます。そういう意味で、現在の状況は、先生今御指摘になりましたように、その長期見通しで想定した面積を割ろうとしているというようなこともございますので、余計そこには慎重に意を用いていかなきゃならないわけでございますが、同時に、絶えず十分な供給のできるような農地というものを最大限確保するように常に考えながらいろいろな土地利用の調整なんかに当たってまいりたいと思います。
○菅野久光君 基本的なことですから、ひとつしっかり目配りをしてやってもらいたいと思います。 この農地転用の問題にかかわってリゾート法の関係についてちょっと国土庁の方にお伺いしたいと思うんです。 このリゾート法は、国民の余暇の活用と地域の振興を目的として制定されました。しかしながら、承認済み分だけで全国二百六十七地区にも及ぶ開発重点地区があるわけですが、これがゴルフ場、スキー場、ホテル、マリーナ等、いずれも似たような施設で大変個性に乏しくて競争力に疑問が持たれております。また、最近はバブル経済の崩壊等による進出断念、対象地域との意見不一致による計画挫折等のトラブルも大変目立つようにたっております。特にゴルフ場については環境破壊、農業汚染等大きな問題が生じておるわけです。そして、国が承認した三十五道府県の構想のうち十九件の構想が計画の大幅な見直しを迫られております。 その上、法施行後五年で建設途上とはいえ、本法によるリゾート開発が地域振興に結びついた事例はほとんど見られないと言ってもいいのではないかというふうに言われておりまして、結局、リゾート法は地域の活性化ではなく、農山漁村の環境の破壊を進めてしまったという批判もあるわけです。 これらの反省を踏まえで、今後のリゾート開発においては、一対象となる農山漁村の資源を保全しながらその活用を図る、いわば農村型リゾートを志向していくことが私は大事でないかというふうに思います。国土庁においてもリゾート開発の見直しに向けての研究会が発足したわけでありますが、リゾート開発の現状とその見直しの方向についての政府の見解を伺いたいと思います。
○政府委員(小島重喜君) お答えを申し上げます。 今お話がございましたように、いわゆるリゾート法ができまして五年たちました。その間いろいろ社会経済情勢の変化もございましたし、今先生から御指摘のございましたような批判も一部であることは事実でございます。 ただ、御案内のとおり、あの法律をつくりました際には、今も御指摘ございましたけれども、リゾートというのは何もホテルとゴルフ場ということじゃなくて、むしろあれは都市づくりであったり地域づくりである、こういう基本的な考え方で進めておるわけでございます。そういう点で、今おっしゃいましたような点から申し上げますと、この間も研究会である先生からお話がございましたが、二十年とか三十年とかかなり長い期間をかけてじっくりやっていかなきゃいけない、こういうことでございます。 そういうこともございますので、指定を受けて実際にその後いろんな環境アセスとかやりますと、どうしても二年や三年はそういう点にかかりまして、実際ある意味ではまだ緒についたばかりだという点がございまして、直ちに大きな効果があるとかないとかいうことを現時点では評価はしかねるわけでございますけれども、幾つかの地域ではそれなりの成果も上げているようでございます。 ただ、今お話がございましたような点で、最近EC諸国等におきましても、いわゆるルーラルツーリズムといいますか、今お話ございましたような農村リゾートあるいは山村リゾート、そういうような方向もかなりあるようでございますし、もともとリゾート地域というのは農村地域であったりあるいは山村地域が中心でございますから、そういうような方向も含めて、研究会での結論を待ちながら、私どもはじっくり進めてまいりたい、かように考えております。
○菅野久光君 今、事務方から御説明がありましたけれども、先ほど私が言いましたように、これから本当にこのリゾート法を生かしていくというには法の趣旨によってやっていかなきゃならぬ。法の趣旨から相当逸脱しているところに今日的な問題があるわけですから、したがって、農村型リゾートということを目指していくべきではないかというふうに思って先ほど申し上げたわけでございますが、現状を踏まえながら、これらの研究会の結果なども踏まえてということになるんでしょうが、国土庁長官としてどのように一体進めようとされるのか、その決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(東家嘉幸君) 最近はとみに余暇を利用して海外の保養基地で休養される方が多くなってきたわけでございます。そういうことでございますが、日本国内においてより安くより家族的なということが当初の私はヅゾート法の趣旨、目的ではなかったろうかと思うんです。しかし、それぞれの地域で行われたことは、より高価でより投資型と申しますか、企業と一体と座って町村でお取り組みなされた問題に私は反省点がたくさんあるんじゃないだろうかというふうに考えて泊りまして、そういうことの指導にもう少し私は徹底したものが必要ではなかったろうかということも反省いたしております。 今後は、今局長申し上げましたように、私は農村山村においてむしろ手づくりと申しますか、金が余りかからないで皆さん方がより安く家族が一緒に休養できるようなそうした小規模のリゾート基地、地域をつくったらどうかというようなことを言っているわけでございます。 まあしかし、今御質問の中にございましたように、研究会等のその成果を私どもにこれからの方向づけをまたひとつお示しいただきたいと思っておりますが、今まで取り組んでまいりましたのはまだ緒についたばかりで時間もかかることでございますから、一定のそういう評価もできるわけでございますから、今既に開発しておられるところは、我々もよく指導しながらより効果的な開発を今後継続的にしていただきたいなというふうに思っております。 今お尋ねの点については、私どもは、十分今後ともより地域の発展につなげながら、国民の本当に余暇利用の保養基地としての成果が上がるようにさらに努めてまいりたいと思うわけでございます。
○菅野久光君 リゾート法についてはまさか今のような状況になろうとは実は私どもも思わなかったわけでございまして、このような法律をつくった我々にも一半の責任がないわけじゃない。しかし、法律はつくっても予測しないことがいろいろ起こるわけでありますから、つくった後、一体それがその趣旨に沿ったような形で運用されているかどうかということを我々は絶えず検証していかなくちゃいけない。そして、法の趣旨と違ったような方向にあるときには速やかにそれに対応していくということが必要だということを私はこのリゾート法でしみじみと感じさせられました。そういう意味では、研究会をつくって直ちにやったということについては非常によかったのではないかというふうに思いますし、ひとつ速やかな対応をお願い申し上げたいと思います。 私に与えられた時間はあとわずかしかございませんが、次の問題。 一極集中を排して多極分散型の国土をつくっていくという、これは四全総もそういう形で来ましたし、今度のこの法律もそういうことを目指している。そうした中で、そのためには農村地域の活性化ということが私は非常に大事だというふうに思うんです。農村地域の活性化を図っていくためには、生活環境の整備を進めるということが大変重要であります。特に下水道の整備が緊急の課題になっておるわけです。農村部の下水道整備率がどうなっているかといいますと、平成二年三月で大都市は八六%、中都市は四五%の整備率になっておりますが、これに比べて農村部は約七%という非常に低い状況でございます。この低い整備率を早急に高めていくことが大きな課題になっているというふうに思うわけです。 農林水産省がこの三月三十日に発表いたしました「農村地域の生産・生活環境と地域活性化の現状(農山漁村地域活性化要因調査結果の概要)」、何だか随分長い名前で読みづらいのでありますが、この報告におきましても、地域活性化を図る上で最も緊急な課題として下水道の整備を挙げた市町村が全体の一五%を占めております。 農林水産省では近年この生活環境整備に大変力を入れておりまして、農業集落排水事業を進めております。平成十二年には中都市並みの下水道整備率四五%まで高めようとしているわけでありますが、全国十二万二千の対象集落のうち平成三年度までに採択されたのは、全体の約三%にすぎません。農業集落排水事業は、既に約七万集落が事業実施に向けて名乗りを上げている極めてニーズの高い事業であるわけです。ですから、その期待にこたえて下水道の整備による地域の活性化を強力に進めるために、農業集落排水事業に係る予算の一層の拡充を初めとして、農村地域の下水道整備のさらなる推進を図っていかなければならないというふうに思っておりますが、その点についての見解をお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(海野研一君) 御指摘のように、農村地域の生活環境を見た場合に、都市と比べて一番格差のあるのは何かといいますと、下水道処理率ということになるわけでございます。 私ども、農業集落排水事業を始めてからもう随分たつわけでございます。当初細々とやってまいりましたが、どうしても若者が残らないとか、おつりの来るところへは嫁は来ないとかいうような中で、ともかく集落排水は緊急にふやさなきゃいけないということで、平成四年度予算におきましても、生活関連重点化枠なども活用いたしまして対前年比四割増の八百三十九億円を計上したところでございます。 もちろん、生産基盤の方に使わなきゃならない金というものもあるわけでございますが、しかし、特に今農村から人がいなくなるという中で生活環境というものを緊急に整備していかなきゃいけないというようなことでございますので、平成十二年度に現在の中都市並みにまで持っていくには相当金がかかるわけでございますが、ともかく緊急にこの集落排水の整備を進めていく、そのための必要な予算は何としても確保するということでやってまいりたいと思っております。
○菅野久光君 時間が来ましたから私の質問はこれで終わりますけれども、先ほど言いましたように、何といっても大事な国民の食糧を生産する基盤であります農地の保全、確保、これだけはもう何としても守っていかなきゃいかぬという思いでやりましたし、この地方拠点都市の整備にかかわって特に多極分散型ということになれば、今言いました農村あるいは漁村の下水道の整備を初め生活環境をよくしていくということが私は大変大事なことだと思いますので、これは一農林水産省の予算だけでなくって、シーリングの問題はありますけれども、それを超えて関係の大臣の方々もひとつ協力していただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。
○猪熊重二君 公明党の猪熊重二でございます。 もう他の委員の方々からいろいろ御質問もございまして、重複するところもあるかもしれませんが、なるべく簡潔に時間を有効に節約したいと思っておりますので、よろしくお願いします。 この法案の目的は、大きく言いますと二つありまして、一つは地方の自立的成長の促進ということ、それからもう一つは国土の均衡ある発展を図るということだろうと思います。ということは、この法案がもともと都市と地方というものの対立というか利害相反というか、そういうことの具体的事実を前提として、いかに地方を活性化させ、またそれによって国土の均衡ある発展を図ろうとしているかというところにあるだろうと思います。 それで、都市対地方という問題の象徴的な問題は都市に対する人口の集中ということであろうと思いますので、総論的にまず都市への人口集中に関する件について国土庁にお伺いしたいと思います。 都市人口が急増しているということ、特に大都市の人口は異常なまでに増加しているということは、何もこの日本にだけ特有な問題ではなくして、世界的にも大都市への人口の異常集中ということがあるやに報道されております。しかも、それがいわゆる先進諸国だけでなくして、発展途上国等においてもこういうふうに都市への人口集中という現象が見られるというふうなことが報道されているわけですが、国土庁としてはこのように世界的に人口が都市に集中するということについて何らかの調査や研究をしておられましょうか。
○政府委員(田中章介君) お答えいたします。 世界銀行の世界開発報告九一年版によりますと、世界の人口の都市への集中度が出ているわけでございますが、それによりますと、一九六五年で人口の都市への集中度というのは三六%であったわけでございますが、それがその後一番最近時点の一九八九年になりますと四九%ということで、人口の都市集中が進んでいる。それを先進国と途上国に分けてみますと、特に途上国の変化が著しいわけでございまして、途上国では二四%から四二%へと同じ期間で高まっております。先進国の場合はそれが七一%から七七%ということでございます。それに照らしまして我が国はどうかと申しますと、我が国の場合は六五年の六八%から七七%へ、こういうふうになっております。
○猪熊重二君 国土庁が職員を海外に派遣していろいろ調べたということじゃなくて、世界銀行の調査でも数字はわかるわけですが、こういうふうな都市への人口集中の原因がどこにあるかということについて、国際機関であれあるいは国土庁であれ、何らかの原因の究明等はしておられましょうか。
○政府委員(田中章介君) 都市に人口が集中する要因と申しますと、地域により、またその国の発展段階によって異なろうかと思いますが、まず第一に農村部の過剰人口が雇用、職を求めまして都市部に流出するということがありますし、また二番目としましては産業構造の変化、これが非常に大きいと思います。 いずれも工業化が進展したというのが二十世紀の特徴であります。二十世紀の近代化の過程で工業化と都市化が同時に進展した、そういうことが大きい要因にもなろうかと思います。さらに、人口が都市に集積しますと、都市の便利性ということもあります。そういうことがさらに人を都市に引きつける、これもまた大きい要素かと思います。
○猪熊重二君 今のお話はどうも我が国と余り実態が合わぬように思います。というのは、今のお話だと農村部の過剰人口が都市へ流入する、そのために都市に人口が集中するということですが、日本の場合はそうじゃなくて、過剰人口じゃなくてもう過疎人口で困っているんです。過剰人口どころじゃないんです。ですから、世界的に見ればそういうことかもしれませんが、日本の場合にはそういうふうなことは当てはまらない原因だろうと思います。 私がなぜこんなことをお伺いするかというと、こういうふうに都市に人口が集中することについて世界的に困っているとすれば、各国ともどんな方策を講じて都市への人口集中を抑制しているか、人のふり見て我がふり直せじゃないですけれども、よそじゃどんなことをやってうまくやっているんだろうかというぐらいのことを国土庁としても一生懸命世界的に調べに見て回って、これはいい方法があったというふうなことを見つけられたら結構だと思うんで聞いているんですが、いずれにせよ、各国がそういうふうな都市への人口集中に困っているとすればどんなような抑止策を講じているかというふうなことについて、国土庁として諸外国についていろいろ勉強、検討されておりますか。もししておられるとすれば、どの国じゃどんな方策でどんなことをやったために非常に効果が上がったとか上がらぬとか、その辺のことについてお伺いしたいと思います。
○政府委員(田中章介君) お答えします。 世界の都市化現象を抑制する施策というのは特別に実施されていないわけでありますが、ただ、ヨーロッパ先進国では既に大幅な出生率の低下あるいは人口増加の急速な減速、こういうのがありまして、七〇年代の伸びに比べますと八〇年代の都市人口の伸びというのは極端に低下してきている、こういうのが実情だと思います。 そのほか、首都圏の抑制策ということになりますと、ロンドンなりあるいはパリ首都圏、それぞれ施策を行っておりまして、例えばロンドンでは行政機関の地方移転、工場の地方分散、こういう施策があります。またパリの首都圏では、事務所の立地に対するコントロールといいますか抑制策、これは許可制度なりあるいは賦課金制度、そういうものが実施されているというふうに聞いております。
○猪熊重二君 結局、こういう問題をどこでやるかといったときに、やれ建設省がどうだとか通産省がどうだとか言っても、どこが主務官庁になって嫌な仕事を責任を持ってやるのかということはよくわかりません。国土庁以外にやるところもなさそうなんで、少し諸外国の例等もよく検討した上で、少々荒療治であったとしても、人口の都市集中という問題の取り組みをしっかりやっていただきたいと思います。 今の問題とほとんど同じようなことなんですが、東京への一極集中ということが日本の場合には一番象徴的に言われていることです。東京に一極集中ということになると、東京自体が非常に居住環境が劣悪化しますし、その反面において地方の荒廃という問題が進んでいるわけです。国としても、東京一極集中を何とか是正しようということでいろいろやっておられるわけですけれども、ほとんど成果が上がっていない。先ほどの御答弁にもあるように、日本の場合においても、東京を含めた都市への人口集中ということは、低下するどころか数値が上がっている。 この東京の人口の異常な増加というのは、先ほどもちょっとお話がありましたけれども、第三次産業の非常な拡大、あるいは特にオフィスビル等も含めて事業施設が都市部において拡大している、あるいは国際関係の問題として大都市の方が便利だとか、いろいろな状況があるだろうと思うんです。 しかし、東京への人口の一極集中を抑制するためには、人の面と物、特に居住用建物等の面から何とか抑止策を考えるべきじゃたいだろうか、こう考えます。まず東京、大地方都市等も含めてもいいんですけれども、とりあえずは人口の東京への流入の抑止策というふうなことを考えてみたらどうなんだろうかと思います。国土庁長官、東京への人口集中を抑止するような方策についてどうお考えになりますか。
○国務大臣(東家嘉幸君) 特に東京一極集中は、若い皆さん方が魅力を感じた地域にかなり一極集中が進んでいるわけでございます。じゃそうした魅力ある地域をつくろう、それはどうすればいいのかということは、今までいろんな法律、多極分散法によってやったんですけれども、しかしなおかつ人口減少県が十八にも及ぶ。そのために、若い皆さん方が魅力を感ずるような地域づくりを一体となってやろうということで今回の法律を提案したわけでございますので、四全総の目標でございます多極分散の国土形成を図るためには一層のひとつ努力を払っていかねばならないと思います。 な拍また、御質問の趣旨は、とにかく東京に一極集中している今日、どうしたらこれ以上はふやさないようにできるのかということだと思いますが、それを法律的に余り縛るということよりも、魅力ある地域づくりをどうやってするかということをまず先に考えていかねばならない。もちろん、首都移転問題であるとか業務移転の問題だとかいろんなことを施策として取り組んでおりますものの、今回の法律をもとに魅力を感ずる地域づくりをすることに取り組んでいくことが私は基本であろうと考えております。
○猪熊重二君 今長官おっしゃったように、それはまことにそのとおりで、政府の今までの施策にしてもあるいは今回の法案にしてもそういう前提に立っているわけです。そういう前提に立っていろんな法律をつくってやってきたけれども全然成果が上がっていないということを前提にして、さあどうするかということを私は伺っているつもりなんです。 多極分散型国土形成だとかいろんなことをやっています。先ほどもお話が出ましたいろんな新産業都市建設促進法だとか過疎地や、あるいは山村等の振興法だとか、首都圏あるいは近畿圏の整備法だとか、いろんな法律をつくって、確かにおっしゃるように魅力ある国土形成、魅力ある地方の振興と言っておられるけれども、地方はちっとも振興していないわけです。地方は荒廃して東京だげどんどん肥大化していく。 だとすれば、戦争中の立法じゃないけれども、都市への流入について何らかの抑制策、例えば職を持っている者でなければ都市への住民登録を認めないとか、あるいは学校に行く必要があるとか、あるいは居住がきちっと確保されてなきゃ認めないとか、何らかの方策を考えて居住制限ということをやったらどうなんですか。非常に難しい問題ではあります。難しい問題ではあるけれども、戦争中には、来ては悪いどころじゃなくて、いるのも向こうへ行けという。こともあったわけです。別に戦争中の政策がいいとかどうとかじゃないですが。 いろいろ長官はおっしゃったけれども、そういうことをやって二十年たっても三十年たってもほとんど成果が上がっていない現況において、東京で生まれてくる子供を外へ連れていくわけにはいかぬけれども、せめて外から来るのは少しシャットアウトしたらどうだということについてのお考えをお聞きしたい、こう申し上げたんですが、なかなも言いにくいことでしょうけれども、どんなふうにお考えになりますか。
○政府委員(田中章介君) ただいま大臣から答弁がありましたように、人の転入転出を直接規制するというのは、居住の自由とかいろいろな観点もありますし、その是非を含め多面的に検討しなければいけないのではないかと思います。 人口が東京圏に集中するというその背景には基本的には機能の集積があるわけでありまして、その機能の分散ということがまず大事なのではないか。そのために政府では工場、大学等の分散もやっておりますし、国の行政機関の移転というのもあります。また、首都機能移転問題にも今取り組んでいる、こういう状況でございます。
○猪熊重二君 結局、今あなたお話しになったのは長官がお話しにたったことと同じことたんです。いろいろ分散することを考えて手を打っているからこれでいいということなんです。 確かに憲法二十二条には、「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住の自由を有する。」という規定はあるんです。しかし、今読み上げましたように、居住の自由だって公共の福祉に反しない限りの居住の自由なんです。ですから、もう少し人口抑止策というふうなことについても、荒療治かもしれませんが、少し検討してみる価値がそろそろあるんじゃなかろうかと思います。 もう一点、今度は先ほど申し上げた物の問題ですけれども、物といっても特に居住用建物の問題に関して、現行の都市計画法だとかあるいは建築基準法その他の関係諸法規によって、東京なり大都市の居住用建物の建築制限は、このままじゃ制限したり禁止したりすることはできませんが、大都市圏に限っての建物の建築を制限すれば人口の流入の抑止策にもなると思います。建設大臣、この辺についてはどうお考えになりますか。
○国務大臣(山崎拓君) 先生はすぐれた法律家でいらっしゃいまして、先ほど来の御議論を承っておりました。 憲法二十二条をお挙げになったとおり、居住の自由の制限でございますとか、あるいは移動の自由の制限でございますとか、あるいは職業選択の自由の制限でやることは非常に難しいことでございまして、そういう憲法の基本的な考え方を尊重いたしまして、先ほど来国土庁長官が力説されましたとおり、東京の持っている高次都市機能を地方に持たせることによりまして人口の移動を図ろうということが基本的な考え方でございます。 東京において住宅の制限を行ったらどうかという御趣旨の御質問であろうかと存じますが、経済審議会でも打ち出しておりますように、実はこれから十年間に首都圏だけで約四百三十万戸の住宅を整備する必要があるということが言われておるわけでございます。かねてから建設省でも大都市法に基づく住宅宅地供給基本方針に基づきまして大体同じ数字の供給方針を打ち出しておるところでございますが、これは東京に対します人口の流入が大きいという前提ではございませんで、現状を打開いたしますためにそのような計画が必要だということなのでございます。 また、これから住宅政策を盛んに進めてまいりますが、地方におきましてできるだけ魅力的な、生活大国づくりにかなったゆとりのある居住面積の住宅を拠点都市地域等において整備してまいることによりまして人口の誘導も図れるかと考えておるところでございます。
○猪熊重二君 建設大臣の今のお話も、先ほどの国土庁長官のお話と同じように大変よくわかる間違いのたいお話なんだろうと思います。 ただ、今ですら人間が多くて困る、それでも何とか劣悪な居住環境の中でごちょごちょ生きている。それで四百三十万戸またつくってやったら、今度は少しゆとり持ってまたどんどん、ふえてごちょごちょするだけで、イタチごっこじゃありませんかということを私は申し上げているつもりなんです。 そして、大都市圏における土地に対する建築制限というふうなこと、これも、先ほど二十二条を申し上げましたけれども、憲法二十九条で「財産権は、これを侵してはならない。」と書いてあるけれども、二項で「財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。」と書いてあるんです。だから、大都市圏においては居住用の建物をもうこれ以上つくるとどんどんふえて困るから建築物を建てちゃならぬとか、あるいは居住用の建物を建てちゃならぬとかということを、もし公共の福祉に反するような事態ならば幾らでもそういう制限をすることは構わないんだということを前提にもう少し考えていただかないと、今の東京はごちょごちょしているから少しゆとり持って家をつくってやろうなんということになれば、またそこへどんどん来て、また足らなくたってごちょごちょしているからまたつくろうなんということになったら、イタチごっこでどうにもぐあいが悪いんじゃありませんかということだけを申し上げておきます。 法案についてお伺いします。 地方拠点都市地域の指定について、四条によると、都道府県知事はが指定することができる、ただし指定するについては主務大臣と協議しろ、こう書いてあります。これももう前の委員の方がいろいろお伺いしたことで重複して恐縮ですが、私はどうしてもこの一項と二項がどういうことを言っているのかよくわからぬのでお伺いしたいんです。 まず、ここで主務大臣とはだれのことを指していますか。
○政府委員(小島重喜君) ここでは、郵政大臣以外の五大臣でございます。
○猪熊重二君 結局、都道府県知事が地方拠点都市地域として指定するについては主務大臣と協議しろということですが、協議というのは具体的にはどういうことなんですか。話し合うということだから、一回話をすればいいことなんですか、話をして話がつかなきゃいげないんですか。要するに、合意が成立しなきゃだめなのか、ただ一日会えばいいのか。しかも、大臣が複数いるわけですから、ある人はよかろうやと言ったけれどもある人はいや指定には反対だと言ったらどういうことになるのか。その辺のことについてはどういうふうに取り扱うんですか。国土庁長官にお伺いします。
○国務大臣(東家嘉幸君) 今後、市町村と協議していく過程の中に、各省庁の今日までのそれぞれの役割というものを一体的に取り組むということになりますと、計画そのものを我々はある面においては指導し、そしてまた、そうした地域の皆さん方が自立的創造性を持ってお上げになるというものを当然これは協議していかなければならない、市町村で提案されたものをすべて知事が認定するというわけにもいかないと私は思っております。 なおまた、それぞれの主務大臣もしくは省庁にそれぞれが個々に御陳情に行かれても大変であろう。当然これは、六省庁一体となって法案を提出した以上は、実のあるものにするためには協議を重ねていかねばならない、協議をされるこれからの問題も地方と連携を図っていきながら協議をしていくということになりますので、できるだけそうした協議というものは一本化した方がよかろうということで協議機関を設けて、その協議機関において一体的に地方との協議も図っていこうということでございます。難しいんですけれども、おわかりいただけると思います。
○猪熊重二君 結局、全然わからない。 私が伺っているのは、協議の必要性だとか協議をすることがこの法を適正に運用していく上に重要だとか、そんたことを伺っているつもりじゃないんです。協議ということはどういうことなんですかということです。日本語で言えば、協議というのは話をすることだということたんです。だから、話をするのは国土庁長官と五大臣、要するに六人ですね。六人の方がおられて、何々県知事が協議する、いろいろ話したけれど、十日話したけれども、だめだった。一年協議しても決まらぬ。要するに、協議というのは今申し上げたように日本語で言えば話し合うということですから、話し合えば、じゃ話がつこうがつかたかろうが都道府県知事は勝手に指定していいんですかということたんです。あるいは、協議の中で六人いみうちに四人なり三人なりは指定に賛成だけれどもあとの二人が絶対嫌だと言ったときにはどうたるんですか、多数決で決めるんですか、こう伺っているんです。
○政府委員(市川一朗君) 大臣からの政治的な御答弁は先ほど申し上げたとおりでございますが、ちょっと法律的な御質問のようでもございますので私から御答弁させていただきます。 主務大臣が知事から協議を受けるに際しましては、この法律にも指定に関します要件が定まってございます。それから、そのほかに主務大臣が基本方針を定めることになりますが、その基本方針の中で、ある程度基本的な事項になるとは思いますが、基本的な問題点を含んだ内容の基準みたいなものをこの基本方針で定めることになると思っております。 具体的には、この法案に基づく施策の実効が上がるような成長の潜在力を有する地域であるということとか、あるいは県内の一極集中が生じないかどうかとか、そういったようなことをいろいろ決めるわけでございますが、そういったあらかじめ定めております基本方針に適合するかどうかということにつきまして、知事から御協議を受けました場合にはそういう観点から主務大臣としては必要最小限の範囲内におきましていろいろと御相談に応じチェックさせていただく、こういうことになるわけでございまして、ぎりぎりのところ、もし協議が調わない場合には、その協議が調わたいでも知事が指定できるということにはならないわけでございます。 しかし、私どもといたしましては、地方の自主性をできるだけ尊重する、創意工夫を生かしていくということが最もこの法案の考え方の実効性にとって重要であるという観点から、そういう協議が不調になるとかいったようなことにはならないようにあらかじめ緊密な連絡をとりましてうまく運営していく必要があるというふうに考えておりまして、その点に関しましては、先ほど東家長官が申しましたように、しっかりと関係省庁で協議会を設けまして、地方公共団体とも協議に協議を重ねていく、そういう意味でございます。
○猪熊重二君 東家長官の答弁が政治的な答弁なら、あなたの答弁も全く同じで政治的な答弁であって、全く法律的な答弁になっていない。 さっきも申し上げたでしょう。協議する必要性だとか、協議したときにいろいろ検討しなきゃならぬ課題が基本方針に合致しているとかしていないとか、そんなこと聞いているんじゃないんです。私が聞いているのは、協議が調わないときには都道府県知事は指定ができないのかできるのかと聞いているんです。しかも、協議というのは、さっきから何度も申し上げているように、六人のうち四人はいいと言ったけれども二人がだめだと言ったらどうなるのか。この二点を聞いているんです。 それはどっちでもいいと言うと非常に言葉は悪いけれども、もしこれが同意を得なければだめなんだったら、協議というようなあいまいな用語じゃなくて、主務大臣の承認を得ると書きたさい。あるいは、主務大臣の同意を得ると書くべきなんです。そうでないのに、協議ということで実質的に同意なり承認なりと同じような効果を持たせようなんというのは、それは法律のペテンになる。だから、私はどっちだと聞いているんです。 あなたの答弁は、法律的な答弁なんて言っているけれども、全然法律的な答弁でなくて、長官の答弁と同じ、あるいはそれ以上に政治的な答弁です。どうなるんですか。
○政府委員(市川一朗君) どうも答弁がまずくて申しわけございません。 協議が調わなければ指定はできないと私ども理解しておりまして、それでは協議と承認はどう違うかということにつきましては、知事の立場を尊重するという意味におきましては承認という言葉よりは明らかに協議という言葉の方が実態にも合うのではないかと思った次第でございます。
○猪熊重二君 しかし、もしそうだとしたら、協議という言葉を使うのは法律としてまことに不適切です。この言葉を読んだだけだったら、協議したけれども協議が成立したいときはどうたるんだろうかというのがせいぜい出てくる答えなんです。もっとよく読めば、地域の創意工夫を生かすだとか地方の自立的成長を促進するとかというこの一条の法目的からいったら、協議が調わないときは指定できると解釈する余地が十分にある。むしろその方がこの法律の解釈としては妥当じゃないか。 それが、何だか知らぬけれども、協議なんていいかげんも言葉を用いておいて、協議が成立しなければ、ということは同意、承認しなければ指定できないということですが、そういうことだったら、これは言葉は悪いけれども、ペテン――ペテンと言って後で取り消されると困るけれども、これはペテン、まやかしですよ。法律というのはだれのための法律なんですか。あなたが腹の中でこうだああだなんという、それが法律じゃないんです。客観的な文言が法律じゃないですか。だったら、協議という言葉はやめるべきですよ。 もう一点ちょっと細かいことを聞くけれども、四条の四項に「第一項の規定による指定は、政令で定めるところにより、公告してしなければならない。」と書いてある。この「政令で定めるところ」の中に、実質的に協議が合意でなきゃならぬというようなことを入れるんだとしたら、それもまたまやかしです。この公告の方法を「政令で定める」と書いてあるけれども、そこのところで、協議は実際には合意が成立しなければだめだなんということを書くつもりはないんでしょうね。いかがですか。
○政府委員(市川一朗君) 四条四項の「政令」は、公告する際の公告の方法を定めるつもりでございます。
○猪熊重二君 そうすると、これは地域の創意工夫を生かすとか地方の自主性を尊重するとかということとまことに違う結果になってくる。その辺はどうなんですか。 それは確かに、都道府県知事がうちもうちもと百も二百も来たら困る、それはわかりますよ。わかるけれども、そうだったら、ちゃんと文言上何らか方策を考えるべきが相当だと思いますが、まあ、もうここまで来てどうこう言ったってしょうがないことたんだが、しかし、これはこの法律の根本問題なんです。指定することによってこの法律が実際に運用されていくかされていかないかなんです。だから、要するに、都道府県知事にとっては指定する権限があるけれども、この権限は甘くないあめ玉みたいなもので全然実権がないということになってしまう。非常に根本的な問題です。 次に、三十三条に関してお伺いします。 産業業務施設の移転計画は主務大臣が認定する、こういうことになっています。この産業業務施設の移転計画を主務大臣が認定するということの理由をお伺いします。
○政府委員(中田哲雄君) 移転計画の認定を主務大臣が行うこととしておりますのは、一つは、移転が都道府県の区域を越えまして広域的に行われるということを予想しているということでございます。それから、跡地処分の公共性の確保でございますとか、あるいは雇用、下請等への配慮など統一的な判断が必要とされる項目もあるということ、さらには全国的な立地政策あるいは業種別の政策等々との整合性を確保する必要があるということ、このようなことから主務大臣が認定をするということにしている次第でございます。
○猪熊重二君 地方拠点都市地域の指定は都道府県知事が行うことになっているんです。先ほどの質問で、この指定というのが実際には全く風船玉みたいな指定たんだけれども、しかし、法律の条文からいえば地方拠点都市地域を指定することは都道府県知事の権限になっているんです。そのように都道府県知事がここを地方拠点都市地域に指定しますよと指定したそこのところに、ああ結構な話だといって産業業務施設を移転しようという人がこういうことで移転しますと言ったのを、それをなぜその都道府県知事の認定にしないのかということなんです、私が言いたいのは。 今、通産省の方が言われたようたいろんな理由というか必要性、要するに通産省として、いろいろそれについて都道府県知事の認定とした場合にその認定に何がしの関与をする必要がある、それは私もそう思います。だから、それこそ、認定は都道府県知事がするけれどもその認定するについては通産大臣と協議しろと書いておけばいいんであって、何も、わざわざ指定という基本的な権限、ここのところへいらっしゃいよというところの指定の権限を都道府県知事に与えておいて、それで、来たいよという人がいたら行っていいか悪いかの計画の認定はあっちにいく。要するに、発想方法が地方分権、地方の決定ということじゃないんです。 法文からいったら、指定するぐらいの権限を持っている知事が、この計画でそっちへ行きたいんですけれどもどうですと言ってきたら、ああ結構だとかどうとか、ただそのときに移転した後の問題があるからこれを通産大臣にいろいろ相談しろということ、それはいいでしょう。これを協議にすればいいんです。協議して、協議した結果、都道府県知事が認定をどうしようかな、こういうふうに変えれば認定するとかどうとか、これは都道府県知事が考えればいいことであって、何でここのところを通産大臣の認定にせにゃならぬのかということの理由がよくわからぬ。 要するに、都道府県知事の指定というふうなことを言っていながら、実際はみんな中央官庁が権限を握っているというふうに思います。この問題は、指定した都道府県知事が認定権限を持つ、ただ認定するについては通産大臣と協議する、こんなぐらいのことが一番妥当だ思うけれども、通産省の見解はいかん。
○政府委員(中田哲雄君) 申請者の立場からいたしまして、都府県に申請をするということよりも国で一本で申請をお受けした方が手続上簡素たんではないかということ、それからもう一つは全国的な視点からの政策的な配慮、審査というものは私ども国の方でやった方が簡便にいくであろう、このようなことから決めさせていただいておるわけでございます。 ただ、都道府県が実際上、用地の問題にいたしましてもあるいは雇用の問題にいたしましても、非常に重要な役割を担っているわけでございまして、企業と地方自治体あるいは私ども国と自治体との間の連携というものは極めて緊密にやっていかなければならない、かように考えている次第でございます。
○猪熊重二君 あなたが今おっしゃったのは理由にならぬ。 要するに、そういう認定を申請するのに通産省へ持ってくりゃいいだろうということだが、通産省が便宜であるか便宜でないか、大阪の企業にとってはわざわざ通産省に持っていくよりも大阪府知事に持っていく方が全然便利じゃたいですか。全国的に通産省に持ってくるのが手続的に便宜だなんておっしゃるけれども、ちっとも便宜であるかどうかわかりゃせぬ。それから、全国的に云々、いろんな調整を図らなきゃならぬと言うけれども、全国的な調整を図るということと通産省に認定の権限を持ってくるということとは別個の問題なんです。認定の権限を都道府県知事に持ってきても協議の段階において通産省が全国的規模で幾らでも検討できるじゃないか。 だから、今あなたはもう一つ何か言ったけれども、忘れちゃったけれども、あなたは理由を言ったけれども、どうしても通産大臣でなけりゃならぬという根拠は何もないじゃないですか。一番もとの指定権限を持っている都道府県知事に認定権を持たせて、後は協議にすればいい。これは私の意見ですからしようがありませんけれども。何となしにうまいことをいろいう言っているんだけれども、地方の自立的成長の促進だとか地域の創意工夫を生かすとか言葉はいろいろあるけれども、実際は何だか違うような気がします。 だんだん時間がなくなってきちゃったんですが、私は農水委員なんで農水大臣に十七条一項についてお伺いします。 「国もしくは地方公共団体は本法の実施に際して農山漁村の整備の促進及び農林漁業の健全な発展との調和に配慮するものとする。」と書いてあります。この「調和に配慮する」というのは具体的にはどういうことを農水大臣はお考えなんでしょうか。
○国務大臣(田名部匡省君) この地方拠点都市で考えられることは、ややもすると都市の整備ということに思われがちな点があると思うのでありますが、私どもがこれに主務大臣として参画をしたということは、都市も大事でありますが、農村、山村、あるいは漁村、それぞれ指定をどこにするかはわかりませんが、なった地域においては相当農林漁業の活性化につながるということは、何としても他産業並みの収入を担い手の人たちに得させたいという考えが実はあるわけでありまして、そういうことからこの「調和」ということが言われているわけであります。 例えば考えられることは、先ほどもリゾートの話がありましたが、私どもも、所得の高い人たちが遊ぶ場も必要であろうが、勤労者の家族ぐるみでのレクリエーションあるいはキャンプ、そうしたもののできる場というのは一体どこなのかというと山であり海であるということから、それと一体的に整備できるのではないかという考え方が実はあるわけであります。 そのほかに、文部大臣と話をしておりますのは、週休二日制になった場合に子供たちに農村の農業体験をやらせたい、あるいは森林浴。 あるいは定年になった方々が住める環境、各省のいろんな手だてというものは今の農山漁村の特に活性化のためには必要であるということから、あるいは住居にしても、十五分か三十分程度のところにそういうすばらしい環境のところがあれば、何も都市の中に住まわなくてもそういうところから通っていただくということもできるのではないか。優良農地とあわせて、そういうことを十分配慮しながら、都市もよくしていくが周辺の町村もよくしていただげるたらばこれほど結構なことはない。 そういうことでこういう文言も取り入れられておるものと私は解釈しております。
○猪熊重二君 私がちょっと心配するのは、一口に言えば、地方都市の整備に際しては国や地方公共団体は農山漁村の整備の促進との調和に配慮するというんですから、バランスをとることに配慮しろ、こういうことになっているわけです。向こうがこのくらい下だから向こうの下の方のこの程度とこのくらいでバランスとれていればいい、こう言われたんじゃ困るんです。都市部をさらに整備するんだったら、これと同じように農山村も整備してもらわにゃ困るんです。 もともと都市部がいろんな状況において上にある、農山村は下の方にある、もともと下の方にあるんだからそれとの調和を図ればいいんだというふうな、その調和を図ることに配慮するというふうなもし表現にとられるとすると、バランスがとれていて、向こうは下の方でちょうどバランス、前も下でバランスとれている、今回もまた下でバランスをとれと。バランスをとることの問題じゃないはずなんです。都市部の整備を図るんだったら、それ以上に農山村、漁村の整備を何倍か余計やらにゃならぬ。 というふうなことで、この「調和に配慮する」という言葉を下手に使うと、いつまでも格差をそのままにバランスとっていきましょうという法文にも読まれかねませんよということの心配を申し上げたわけです。 それから、同じ十七条二項に「農地法その他の法律の規定による許可その他の処分を求められたときは、これらの施設の設置の促進が図られるよう配慮するものとする。」とある。これも先ほど他の先生からもお話がありましたが、この「配慮する」というのも法律の用語としてどういうことを言っているのかわかりません。法律を曲げても許可するということなのか、そういうことじゃたいのか、「配慮する」というのはどういうことなんだろうか、一言お伺いしたいと思います。
○政府委員(海野研一君) 一つ、一項の方の問題で、ちょっと法律の読み方について申し上げます。 これは、農山漁村の整備の促進に配慮するということで、それとの調和に配慮するということではなくて、私どもこれは、「整備の促進」と後ろの「発展との調和」、この二つに配慮するというふうに読むものだと考えておりまして、決して農山漁村がおくれておるのに合わせて地方都市の整備の足を引っ張るというようなつもりではございません。 ただ、私どもとしては、あくまでも農山漁村の定住にも役立つものでなければならない。したがって、余りここで破竹が起きることによってかえってその拠点地区への一極集中が始まってはいけないというようなことはもちろんございますので、当然、農村地域の整備の促進の方を一生懸命やらなきゃいけないというふうに考えております。 それから、許可の配慮規定でございますけれども、これは、農地法がほかの場合にもいろいろ例示として出てまいりますので農地法のことで申しますと、大体このような地域の立法でやっていった場合に、計画は計画でつくってしまって後になって農地法の許可は実はできないというようなことになってはいけない、むしろさっき申した十七条一項の「整備の促進」なり「発展との調和」なりというものに配慮をして何といいますか、農地法上許可をして問題がないようなそういう計画にした上で許可自体は迅速に行うというようなことでやっていこうというようなことで、今まで大体この配慮というのはそういう考え方で運用してまいりました。 私ども、今回のもそういうことでやるべきものだろうというふうに理解しております。
○猪熊重二君 農水大臣に最後に一言だけ。 この法律ができて、今度は大都市集中じゃなくて各都道府県の拠点都市に対する集中でますます農山漁村が残されていっちゃうというふうなことがないように、この法律に乗りおくれたいように農水大臣も一生懸命頑張らにゃならぬと思うんですが、この法律の実施について農水省としてどうお考えか一言でお答えいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(田名部匡省君) おっしゃるとおり、これを指定する場合には最も有効な地域を指定してほしい、大きな都市を指定するということのたいように、そこをやることによって県全体のバランスもよく発展するし農山漁村も発展するということに私どももまた指導をしてまいりたい、こう思っております。
○猪熊重二君 終わります。ありがとうございました。
○諫山博君 国土庁に質問します。 この法律案は、一極集中の排除、多極分散と地方拠点都市の振興、こういうことを目的に掲げています。この法律によってどれだけの施設、どれだけの人を移転しようとしているのか、説明してください。とりわけ東京二十三区について、幾つの施設、何名の労働者を移そうとしているのか、説明してください。
○政府委員(小島重喜君) お答え申し上げます。 この法律は、先ほどからも御議論がございますように、地方の都市、地方の一定地域にあります都市並びにその周辺の一定の地域を振興する、地域の都市機能あるいは居住環境を整備して地域に魅力づけを与えることによって、そこで多くの人々の定住を促進しよう、こういうものでございまして、国土政策といいますか、上の方からどうするというような話ではございませんで、書いてございますようにむしろ地域の創意工夫によります自立的た発展ということが大変大きな目標でございますので、御指摘のように具体的に数量化することは、また、どの地域がどんな格好で整備されるかということも今の時点ではわかりませんから、そういう意味で目標を設定するということは、本法案の性格からいっても余り適当ではない、かように思います。
○諫山博君 どれだけの施設、どれだけの従業員という目標はないということがわかりました。 多極分散を目的に掲げた法律にテクノポリス法というのがありましたが、この法律は一九九〇年の達成目標を掲げています。そこで、工業出荷額、従業員数、人口においてどのくらい達成されたか、これは通産省だと思いますけれども、説明してください。
○政府委員(中田哲雄君) テクノポリス政策につきましては、昭和五十八年の法施行後現在までに全国で二十六地域につきまして開発計画の承認を行ってきているところでございます。 このうち昭和六十一年度以前に承認を受けまして目標年次平成二年度に至っております二十の地域の目標達成状況について見ますと、工業出荷額につきましては、これは平成元年度の数字でございますが、実績値が約二十三兆七千五百億円……
○諫山博君 パーセントだけでいいです。
○政府委員(中田哲雄君) これは目標値の七八%でございます。それから工業従業員数は目標値の八四%の水準でございます。また、承認前後のハイテク企業の立地動向と比較いたしますと、敷地面積ベースで約二倍に増加しておりまして、全国平均一・三倍を大幅に上回っている、かような状況になっております。
○諫山博君 今の数字は、もともとあった施設、出荷額、もともとあった従業員数を加算した数字なんですね。 この法律によって達成された目的というのは、工業出荷額で五三・八%、従業員数で八二・三%、人口で四三・六%ではありませんか。
○政府委員(中田哲雄君) 目標自体が従来そこに居住しておりました人口あるいは出荷額をベースにして計算しておるところでございまして、先ほど申し上げたようなところでございます。
○諫山博君 私が知りたかったのは、この法律の実施によってどのくらい出荷額がふえたのか、従業員、人口はどうだったのかということを知りたかったわけですけれども、私の説明した数字は間違いありませんから、後で調べてください。 私は、この問題を議論するのが目的ではありません。これは、ちゃんと達成目標を掲げて始まったけれども、それでもなかなか達成できなかったという一例で挙げたわけです。今度の法律案はどれだけの達成をするのかという目安は全くない、果たしてこの目的が遂行されるだろうかということを心配したわけです。 そこで、民活法で多くのプロジェクトが指定を受けましたけれども、その結果はどうたってきたのかということを私は改めて点検しなければならないと思います。 通産省関係のプロジェクトを例にとりますと、八六・五%が首都圏など三大都市圏に集中した、そのために一極集中を大きく促進した、こういう結果ではないでしょうか。
○政府委員(中田哲雄君) 通産省所管の民活法認定プロジェクトは四月末現在で三十六件ございますが、このうち三大都市圏のプロジェクトは十二件でございます。
○諫山博君 質問をよく聞いてください。 私が聞いているのは、この法律によって三大都市圏に人が集中してきたのではないか、こう言っているんです。
○政府委員(中田哲雄君) 民活法によりまして経済社会施設の基盤整備が進んでいるわけでございます。この施設の整備に伴いまして人口の増というものがあるいはあったかもしれませんけれども、私ども、現在確認できない状況でございます。
○諫山博君 これは、通産省の資料で私が指摘したような数字が出てきているわけですよ。 もう一つ、通産省に。 一極集中については、社会的経済的な原因があります。既に午前中から指摘された産構審九〇年代政策部会の中間報告というのがありますが、この中になぜ一極集中が進んだのかという分析がされていて、一、産業構造の変化、二、国際化の進展、三、社会システムの変化、いろいろ挙げられておりますけれども、こういう問題に手をつけずに今度の法案で果たして地方分散の効果が上がるのだろうかというのが私の問題意識です。 結局、これは自治体に任せているということのようですけれども、この法律でどういう中堅都市づくりが進むのかというような青写真というのは全くないわけですか。
○政府委員(中田哲雄君) 産業構造審議会の報告におきまして委員御指摘のような項目が挙げられているわけでございますが、私ども、今般の法律によりましてこのような環境の変化に対応して地方分散を進めるためにいかなる対策が必要かということを検討したわけでございまして、その結果が現在御審議いただいております法案のようだ形になっているわけでございます。 それから、これにつきましてどのような都市を育てるのかという、青写真というお話でございますけれども、これから関係省庁あるいは自治体とも十分御相談しだから検討を進めていくわけでございますけれども、地方におきます産業業務の立地を進めていくために必要な条件を備えたところを拠点として整備していきたいというふうに考えているところでございます。
○諫山博君 この法律の本当のねらいは何だろうか、私たちはいろいろ検討しました。結局、四百三十兆円の公共投資を地方自治体にやらせる、そのための新しい仕組みをつくる、ここに最大のねらいがあるのではないかと思います。 そこで、国土庁に質問します。 この法律に基づいて国は基本方針を定めたり公共事業の重点配分をするということになると思いますけれども、事業を実施するに当たって何か国が新しい財政の負担をしますか。
○政府委員(小島重喜君) お答え申し上げます。 本法案におきましては今御指摘のございましたような特別の補助率のかさ上げというような措置はございませんけれども、各種の公共事業の積極的な展開といいますか、重点配分、さらにはそういう地域におきます地方単独事業、また地方交付税措置等々によってこの地方拠点都市地域の整備を図る、こういうことにいたしておるわけでございます。
○諫山博君 この法律によって新しい国の負担が出てくるのかという質問です。
○政府委員(小島重喜君) 新しい負担という意味がちょっとわかりませんけれども、少なくともこの公共事業を施行するに当たりましては国はそれ相応の負担が当然あるわけでございますから、そういう面では負担があるというふうに思います。
○諫山博君 この法律で補助率のかさ上げたどは考えてはいない、公共事業の優先配分は行う、こういうことのようですけれども、それでは、この法律で実施される公共事業というのはどういう内容のものを予定していますか。
○政府委員(市川一朗君) この法案の目的を達成いたしますためには、地方の自主的な取り組みとか意向をできるだけ尊重するという観点に立ちまして基本計画の作成は市町村が定めることにしております。そういった定められた基本計画の実施が実効性があるようにするために、公共事業面につきまして思い切った重点実施が必要不可欠であるというふうに認識しておるわけでございます。 したがいまして、具体的な公共事業の中身につきましては、非常に幅広い対応は考えられるわけでございますけれども、建設省を中心といたしまして現在具体的に考えておりますのは、土地区画整理事業とか市街地再開発事業等の実施、あるいは道路、公園等の公共施設の整備、それから住宅宅地の供給等の事業でございます。それから、あわせまして、その周辺地域が中心になると思いますが、農山漁村の整備の促進という観点からのさまざまな構造改善事業等の実施も考えられておるわけでございます。 さらには、具体的な事業の実施は平成五年度以降に行われることとなると思いますので、そういう観点に立ちましていろんな新しい検討もしているわけでございます。特にこの法案に直接関係するというわけではございませんが、地域高規格道路等の広域的な交通ネットワークの整備もあわせて推進することが極めて重要であるという観点から、そういった問題につきましても幅広に検討しておるところでございます。
○諫山博君 さまざまな内容を説明されましたけれども、要するに、従来型の公共事業、道路、下水道、公園などが推進されるだろう、その場合は従来と同じような補助率でやってもらいたい、こうなりますか。
○政府委員(市川一朗君) 現時点におきましては、基本的にはそういう考え方ております。
○諫山博君 この法律によって産業業務施設、教養文化施設、こういうものがつくられると思います。これは自治体の単独事業になるんですか、それとも国が補助金を出してつくるんですか。
○政府委員(市川一朗君) いろんな対応の中で、例えば産業業務施設等の受け皿整備としての拠点地区の整備等につきましては、その基盤整備につきまして国レベルにおきまして必要な補助をするということもあり得ますが、いろんな中では地方単独事業で行われるということもあると思う次第でございます。
○諫山博君 建物について聞きたいんですが、産業業務施設という建物、教養文化施設という建物、これには国が金を出しますか。
○政府委員(中田哲雄君) 産業業務施設、いわばオフィスでございますけれども、これにつきましては融資制度を考えているところでございまして、基本的には企業が資金を出しこれを融資によって支援する、こういうことでございます。
○諫山博君 自治体がつくるということは考えてはいないんですか。
○説明員(松本英昭君) 産業業務施設について自治体が直接つくるということを前提にしているわけではございません。
○諫山博君 自治大臣に質問します。 これから膨大な公共事業が自治体に押しつけられる、私はこういう言葉を使いたいと思います。四百三十兆円を消化するために自治体に一肌脱いでもらいたいという立場があるようですから、膨大な公共投資が自治体に負担させられる。 この中には国の補助事業もありましょうし、そうでないものもあると思います。自治体の財政が大変になってくるんじゃないかと思いますけれども、自治大臣、どうお考えですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) この拠点都市法に基づくところの諸事業は、先ほど御質問ございました四百三十兆円、いわゆる公共投資計画の中の枠内においての処理の問題だと思っております。そうであるとするならば、過去近十年の実績を見まして総投資額は十カ年で大体二百四十兆円になっておりますが、その内訳を見ますと、財源的に見まして自治体の方で六〇%ぐらい負担し、そして事業は七〇%ぐらいやっておるわけであります。そうすると一〇%の乖離が出ておりまして、この分があるいは国に、あるいは起債でということで賄ってずっとやってきております。 もしその延長線上でということで考えるとするならば、四百三十兆円のままやっていくとするならば、自治体といたしましてはそんなにえらい無理な計画ではないと思っております。しかし、この拠点法によるところの事業がその四百三十兆円の枠外だということにもしなるといたしましたならば、その分に対する財源は特別た配慮をしていただかなげりゃとても支え切れるものではない。 その点、枠内か枠外かということの成り行きをまず早急に決めていかなきゃならぬと思うのでございますが、何はともあれ、まだ法案が成立させてもらっておりませんので、そこまで議論がなかなかいかないのでございます。一刻も早くしていただいたらすぐそちらの方にかかりたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
○諫山博君 私はかつて大分県国東テクノの調査に入ったことがあります。安岐町というところでキヤノンのために九億九千万をかけて工業用地をつくりました。キヤノンに売ったときの価格は五億円です。そのほかに安岐町は関連地域整備で二十四億円の町費を投入しました。ところが、町が手にした税収というのは、まず均等割の法人住民税、それから、千人予定されていた雇用者は四百八十名で、結局、キヤノン関連の税収は一九八三年度から四年間でわずかに二億円、当時これが新聞でも報道されて大問題になりました一同じような自治体泣かせというのが当時全国で相次いたことを思い起こします。 そこで、自治体が中心にたって受け皿づくりに投資をする、公共事業も進める、土地も買い集める、そういう作業が行われた後、予定していた企業が来なかったというような事態が起きないようにされているんでしょうか。それとも、基盤づくりをしてみた上で、果たして企業が来るかどうかはその後の問題だということになりますか。そこはどうなりますか。
○政府委員(中田哲雄君) この法律によりまして移転計画の認定を受けた後、実際に移転が行われないというふうなことになりますと、認定の取り消しということになるわけでございます。 委員御指摘のような、企業が地方移転をするということを期待して地元が用地の造成等を進めた場合にどうなるかという点でございますけれども、通常の場合でございますと、企業と自治体との間で非常に緊密な話し合いが行われておるわけでございまして、それぞれいろいろな進出の条件等の煮詰めを行っているわけでございますが、その過程で企業進出の取りやめ、延期というふうな問題が起こった場合には、これはやはり自治体と企業との間で十分話をしていただく。私どもお手伝いできることがありましたらばいろいろなあっせん等もいたしますけれども、基本的には地元自治体と企業との間でお話をしていただく、かようなことにたろうかと思っております。
○諫山博君 私はこのことを大変心配します。リゾート法の経験があるわけですよ。 事例を紹介します。 伊藤忠が福島県の北塩原村にリゾート開発を計画しました。ところが、地価が高くたったというので途中でこの計画を放棄しました。迷惑を受けたのは自治体です。大林組が千葉県館山市でレインボータウンという計画を進めました。ところが、地権者が反対する人が多くて、これもさたやみです。自治体はさんざん投資しているわけですけれども、結局、これは実現しませんでした。そして、こういう契約違反といいますか、来る来ると言いながら来なかったことによって損害を与えた。これはそのままになっているんじゃないですか。 こういう問題が当然起こり得るわけですけれども、こういう問題が発生しない仕組みというのはこの法案の中にはないんですか。
○政府委員(市川一朗君) そういった問題が起こることのないようにという意味におきましては、段階的には幾つかの段階があるわけでございまして、まず地域指定の段階、それから基本計画等で計画を定める段階、そういったようなところで基本的に、どういったものがそのところで立地可能であるかどうか、また現実にそれがあるかどうかといったような正確な見通しのもとでやる必要があるわけでございますけれども、そういったようなことにつきまして、ただいま先生の方から御指摘がございましたように、何か法律上うまくいかなかった場合に責任を追及するような仕掛けがあるかという点につきましては、この法律では特段の用意はしてございません。
○諫山博君 この問題は必ず起きますよ。過去にさまざまな実例があるんです。そして、被害を受けているのは自治体です。 企業の方では、採算が合わなくなったから取りやめます。これで終わっているんですね。伊藤忠がその例です。土地が高くなったから採算が合わたくなりました、こういう問題が過去において発生している。そして、今度の法案ではそれを規制する条項はたい。こうなると、企業のやりたいほうだい。これを阻止する方法は何か自治大臣として考えておりますか。迷惑を受けるのは自治体です。
○政府委員(市川一朗君) 基本的に、知事が地域指定をするわけでございますが、その段階と、それから指定を受けました地域で、市町村が中心になりますが、具体的な計画を立てるわけでございますけれども、その計画の中で例えば事務所、店舗等の進出、立地を予定した基盤づくり等を計画するということもいろいろあり得るわけでございまして、そういったようなときに、ただいま御指摘ございましたような点につきましての正確な見通しといいますか、まあ大体私どもの今までの経験でいきますと、そういった進出等につきましてある程度可能性があるところと一緒になって計画をつくるといったようなところが通常のやり方でございます。 ただいま先生の御指摘はそういった計画に参加した企業が途中で方針を転向するといったようなことの部分まで含んでおるように見受ける次第でございまして、やはりその計画の段階でその辺も含めまして慎重に、かつまたしっかりとした打ち合わせのもとで計画をつくっていくということではないかと思っておる次第でございますが、私どもといたしましても全面的にその辺につきましての支援体制も考えていきたいとは思っておるところでございます。
○諫山博君 自治大臣に要望します。 これは自治体と企業で契約をしたらいいではないかということが今までやられてきたようだし、どうも今度もそういう方向のようです。ところが、自治体は誘致競争もありますから、企業と余り厳しい契約を結ぶわけにはいかないと思うんです。ですから、これは政府も関与しているわけですから、例えば計画を作成する段階でそういう問題が発生しないような仕組みをつくる。そうでなければ、また自治体がだまされて泣かされたということになると思いますから、自治大臣、自治体任せではなくて、そういう仕組みを自治省も大いに検討するというふうにしてください。どうでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) そういうそごを来しますとお互いが不幸でございますから、そういうことにならないように何か仕組みを考えていきたいと思います。
○諫山博君 もう一つ、拠点地区内に私有地を持っている個人が自分の土地は絶対に手放したくない、こういう態度を最後まで貫かれた場合に、この計画はどうなりますか。
○政府委員(市川一朗君) 私どもといたしましては、その地域内で、いわゆる拠点地区整備というのが一つの目玉になろうかと思っておりますが、その拠点地区の整備手法としてはいろいろな手法が考えられますけれども、昨今の状況からいきますと、やはりそういっただいま御指摘のような問題もございますので、地権者の方々との十分な話し合いの中で事業が進められるような手法として、土地区画整理事業とかあるいは再開発事業等の組み合わせの中で実現していくということが望ましい姿ではないかなと思っておるところでございまして、地権者の方々との話し合いがつかないままで計画が立案され事業が実施されるということは非常に難しい問題だと思っております。
○諫山博君 土地収用法で強制的に取り上げることはできないんでしょうね。
○政府委員(市川一朗君) 若干理論的なお答えになるかと思いますが、どういう公共施設をそこで整備するかということによりましては土地収用法の対象になる事業もあると思いますけれども、しかし、基本的に、今回のその構想は地方におきましてできるだけ住民の方々とも話し合いをしたがら市町村が中心となってやっていきます地域づくりでございますから、そういったような方向で、いろいろと現場におきましてぎすぎすするというようなことはなるべくないように私どもとしても配慮していきたいと思っておるところでございます。
○諫山博君 今の答弁は、この法律で土地収用法を適用することはできない、しかし、この法律をもとにして道路をつくるというような場合には土地収用というようなこともあり得るかもわからない、これは法律的にはそういうことだというふうに理解しまして、気になるのは土地区画整理です。この法律で土地区画整理が行われるということになりますと、自分は先祖伝来のところでこれからも住みたいけれどもほかの人の意見でこの自分の意思は貫かれたくたる、そういうような問題が起こり得るということになるようですから、これは自治大臣に対する要望ですけれども、やはり無理やりに個人の利益を抑えつけるようなことはしてはならないと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) これはそれぞれの状況があると思いますので、一概にごもっともでございますとも言えないし、また協力していただくところはやっぱり協力もしていただいて、全体のためにということもございますし、といって一概にそこのけそこのけという式でもそれはいかないと思いますから、そのケース・バイ・ケースに応じて十分に話し合いをして円満解決していただくことを望んでおります。
○諫山博君 今度は農水大臣です。 この法律で地方拠点都市とされるのは県庁所在地以外の中都市ということになると思います。 私は九州の者ですけれども、九州を例にとると、例えば熊本県でまず頭に浮かんでくるのは八代市、これは第一次産業の占める比率は一八。六%、大変高い比率です。佐賀県だったら唐津市、これは一二・四%。大分県だったら中津市、一二・三%。この地域になるのかどうか知りませんけれども、一例を挙げれば、割合に農業生産が高い比率を占めているところではなかろうか。周辺の都市が加われば、この比率はもっと上がる。 この法律で農水省は何をやるのかということがさっきから議論されておりますが、私は結局、邪魔になる農地を転用が容易になるようにする、どうもこれが農水省の唯一の役割ではなかろうかと感じるんです。確かに法律の第十七条では、さっきから言われております農山漁村の整備の促進とか農林漁業の健全な発展との調和とか、それに配慮するとか、なかなか美辞麗句が並べられております。しかし、こんなことは何もこの法律によってやらなくてもいいわけです。本当にそういうことをやろうとすれば、今の法律でどんなことでもできます。わざわざこの中で農水大臣が一役買って何らかの役割を果たすとすれば、これは農地転用をやりやすくする役割ではなかろうかというふうに率直に感じたわけです。 そこで、きれいごとはさんざん午前中から説明されましたけれども、この法律で農業振興のために何か具体的に考えているのか。例えば整備の促進とか健全な発展とか、そういうきれいごとではなくて、どういうことをやりたいということがあるんですか。
○国務大臣(田名部匡省君) 委員の卑近な例で質問されましたが、私は土地カンがありませんので一よくわかりませんが、一般的にいいまして、優良農地であって農業振興が盛んなところというところが指定になるのかどうかわかりませんが、遠く北海道の方で申し上げますと、もう大変な過疎化が進んでおります。一方では高齢化も、これはもう若い人たちが都会へ出てお年寄りが残るということが顕著に出ておる。担い手がもうどんどん不足して、昨年度の高卒、大卒で千八百人、これを全国四十七都道府県で割っていただくと大体三十七名ぐらいになるでしょうか、それが一県当たりのこれから将来を担う担い手であります。Uターンもありますけれども。そういうことを考えてみて、一体これから農村をどういうふうに活性化していくのかという観点から考えております。 したがって、どうしてもしかし二種兼業で他産業で働きだから農業をやるという部分というものは多い。近郊にそういうものがあるということは、東京から帰ってくるわけでありますから、そういうことを大いに期待したい。また、東京の大都市からお拍いでになる方々を見ると、農村、漁村、こういうところでの労働時間短縮、週休二日制、いろいろ考えてみると、農村の景観に配慮した、あるいは緑や水というものの利点を生かして、あるいは土日の休みには畑や何か一緒になってやって楽しむ。 そういうこと等を考えますと、私たちの立場からすると、農地転用をやるためにだけ私どもは考えているわけではなくて、農村や漁村をとうやったら活性化ができるか、あるいは、さっきも建設省の都市局長からお話があったように、道路を若干整備していただくと、東京で一時間半もかかって勤務地に行くことを考えると、地方だと二十分もすると道路さえよければ相当の距離のところで通えるということもあります。 いずれにしても、東京からそういう方々が農山村に来ていただけるということは、一方においては農業の活性化に私はつながるものというふうに考えております。ですから、知事が本当にどこをやった方がその県のために一番いいのかという観点から決めていただきたいというのも、そういうところにあるわけであります。
○諫山博君 農水省に質問します。 農水省大臣官房調査課の人が「農業生産と地域経済」という論文を書いて、その中で、農業生産が一〇%減少すれば地域経済にどういう影響が及んでくるかということを数字であらわしていると思いますけれども、どうなっていますか。
○政府委員(馬場久萬男君) お答えいたします。 今先生のお尋ねのものは、昭和六十二年に昭和五十五年の地域産業連関表を用いまして、仮に農業生産が一〇%減少した場合の東北、北海道というそれぞれの地域の経済への影響を計測したものを御指摘だと思います。 これは、当然のことながら、農業生産が減少すると、それに伴いまして農業生産に必要な資材の供給産業の生産も減少する、また、もちろん農産物の量が減りますから所得が減り、その所得を得ていろいろな物を買う消費が減少するという直接的影響、間接的影響を産業連関表によりまして計測したものでございまして、それによりますと、地域によって若干差異がございますが、農業生産が減少すると地域経済がその一・七倍から一・八倍減少するという結果になっております。
○諫山博君 これは農水省の統一した見解だというふうに聞きました。つまり、農業生産が減れば、農家の皆さんが苦労するだけではなくて、地域経済がそれだけ一・八倍から九倍だけマイナスの影響を受けるわけですね。 この問題を佐賀県で調査した佐賀大学の奥松氏が次のように書いております。「佐賀県が目指す「技術立県」「文化立県」という二大目標も「農業立県」という伝統的な看板を放棄したもとでは実現はおぼつかない」、こういう結論です。つまり、技術立県とか文化立県と言うけれども、その土台となるのは農業だと。 私は午前中来の農水大臣の説明を聞きだから、農村の環境整備に非常に力を入れている発言をされますけれども、農業そのものはどうなるんだろうかという点については余り御説明がなかったと思うんです。 私は、農水大臣に要望いたします。 これから基本方針の作成などにも関与されることになると思いますけれども、その中で農業そのものが振興できるようなそういう方針を盛り込むように努力していただきたい。そうでなければ、何々法何々法とさまざまな一極集中反対の法律ができましたけれども、すべての法律で農地はつぶされてきたわけです。これからどうたるのかということをみんな心配しております。そして、農地がつぶれるというのは農家だけの問題ではないということを農水省は認めておられますから、ぜひ基本方針の中に農業そのものが発展できるようにという立場を盛り込むように努力していただきたいということをお願いします。どうぞ答弁をお願いします。
○国務大臣(田名部匡省君) 今一番問題になっておりますのは、担い手たんです。農地があっても働く人がいないんでは農業になりません。その担い手をどうやって確保するか。今、新しい食糧、農業、農村ということで、例えば農地は十町歩から二十町歩区画にしてそれを優良農地として残そうという、そういうこともやっております。今、出生率が低下しておりますが、いずれにしても、従来よりも規模の大きなものをやっていただかぬと全体の生産の向上というものは図れたいということ等も検討しながら、農業振興のために優良農地をとにかく確保する。そう言っても、いろんなことで、どうしてもこの地域はというときには、その地域にかからないそういうものでどうやっていくか、とにかく進めていかなきゃならぬことであります。基本的には、私どもは農業振興をやりたい、こういうことです。
○諫山博君 基本方針に盛り込んでいただきたいという点はどうですか。
○国務大臣(田名部匡省君) まだどういうことを進めるかということで確たるものはないものですから、十分検討して、その必要があればそういうふうにいたしたい。いずれにしても、農業振興のために私どもはこれを進める、こういうことであります。
○諫山博君 終わります。
○星川保松君 今回の法案は大変ユニークな法案だと、こう思います。今までにない点として、まず一つは地方が主役の仕事になるということでございます。 〔委員長退席、建設委員会理事種田誠君着席〕 それからもう一つは、今までは工業立地というものがほとんど主力になっておったわけでありますけれども、今度の法律は工業の立地、工業振興配置だけではないということで、極めて総合的な振興法案になっておるということでございます。それから三番目は、珍しく六省庁が共同して法律をつくり、これを進めていくという点でございます。今まで縦行政と言われた中で各省庁が横の連絡、連携をとりながら進めていくということも、大変画期的なものだというふうに注目しておるわけでございます。 その中で、きょうは、主役が地方である、地方の特性を生かし地方に自主性を持たせてやっていくということについて質問をしたいと思います。 国はいわゆる基本方針を立てる、そして市町村は共同で整備計画をつくっていくということでありまして、知事がその計画を承認するということであります。 〔委員長代理種田誠君退席、委員長着席〕 そういう新しい意欲に満ちた法律ができ、それが実施されていくということには大きな期待があるわけでございますけれども、私は一つの心配をしておるわけでございます。その心配というのは、国の各省庁のいわゆる地方に対する考え方、これが果たして今のままでいいのかということでございます。これは私の単なる想定では ございませんで、過去に大変憂慮すべき事態が生じておるわけでありまして、その事例を挙げながら、中央政府、国の地方に対する態度というものをここで改めて心新たにして進めていただきたいということを申し上げたいと思います。 それは何かといいますと、行革審が部会を設けまして検討を進めてまいりました。その中の豊かなくらし部会というところで、地方分権に対する思い切った提案がなされてきたわけでございます。その豊かなくらし部会では、むしろ国がどうしてもやらなければならない仕事というものを宣言列挙して、あとは全部地方に権限を移譲すべきである、そして、権限と同時に財源も移管すべきであるというような提言を行ったわけであります。これに対して各省庁がどういう態度をとったかということが報道されておるわけでありますが、各省庁が極めてこれに対して強い反対を示したということが報道されておるわけであります。 この部会のまとめが出てきたときに、各省庁の局長や次官がこの部分を改めていただきたいと日参した、あるいは、この内容では自民党の各部会が黙っていないと脅し文句を吐く官僚もいた、反対の主力は、建設、自治、農水省など、道路や下水道など社会資本整備の補助金を一般財源化すると全国的にバランスのとれた行政水準が確保できない、それから、起債の自主決定に関しては地方債は国がマクロとして償還を保障するから信用されていると全く譲る気配を見せない、農水省では、自治体に新たに譲る権限はないとけんもほろろだ、こういうように猛烈な権限移譲に対する抵抗を示したというのでございます。 これは、地方に対する権限は移譲するものがないというような見方で地方を見ているということですね。こういう態度を改めないで、地方に自主性を持たせた仕事を進めていくと言っても、果たして信用できるのか。私は甚だ心配なわけでございます。 こういうふうにして細川部会長の試案を骨抜きにしたということが報道されておるわけでありますが、そこで私は、この部会の専門委員という方を調べてみたわけでございます。そうしましたら、専門委員が二十五名いるんですが、その中に民間の肩書で全部入っているんですけれども、その実態を見ますと、事務次官経験者OBが九人入っているんです。自治、郵政、厚生、農林、労働、それから通産、文部、国土、大蔵、これが事務次官のOBを民間の肩書で送り込んでいるんですね。それからさらに運輸省の海上保安庁、これは長官のOBです。それから国土庁は計画・調整局長のOB。 こういう方を送り込んでおって、恐らくこの方々が自分の古巣の各省庁と連携をとりながら地方分権の骨抜きに奔走したのではないか、こう思われるわけでありますけれども、こういう実態にあるということを大臣の皆様は御存じだったでしょうか。まず建設大臣から。
○国務大臣(山崎拓君) 行革審におきまして地方への権限移譲の問題について議論がございましたことは聞き及んでおりますけれども、その際に中央の官庁がいろいろ働きかけを行ったというようなことは、新聞報道では私もかいま見たことがございますけれども、その実情については存じておりません。 いずれにいたしましても、中央と地方は対立の概念であってはならないのでございまして、中央と地方が一体となりまして国土の建設に取り組んでいくべきものと考えております。
○星川保松君 農水大臣からひとつ。
○国務大臣(田名部匡省君) 私も建設大臣が答弁されたとおりの認識でありますが、決して対立の構造ではないと思っております。 いずれにしても、地方の立場というものも理解しながら、あるいは中央での考え方というものもわかってもらいながら、ともに発展のために努力していくべきものだと考えております。
○星川保松君 じゃ、国土庁長官。
○国務大臣(東家嘉幸君) 全国の今後の総合開発ということを広い観点から見まして、計画というものは中央と地方が一体となってやっていかねばならない、計画性を持ったものでなければならないと思います。私も行革審の皆さん方とも、党の方の部会長をいたしておりましていろんな御意見を賜り、そしてまた内容等にも熟知しているつもりでございますが、これから地方と中央が一体となって活力ある地域をつくろうというようなことで、今、六省庁一体となって取り組もうという方向でかなり各省庁の幹部の皆さん方もお考えになっていると私は思っております。 そういう観点から、すべて地方に任せなさいということで即いけるかどうかというような問題も、国土庁長官という立場からもいろんな角度から検討していますが、やはり段階的にそういう方向というものが地方の皆さん方の積み重ねの中から今後生まれてくるのではなかろうかと私は思っております。
○星川保松君 私が言いたいことは、それは大臣の皆さんには相談なしにでしょうけれども、これはもう偶然のごとではないと思うんですね。こういうふうにそろっているところを見ますと、どの段階で進めているかはわかりませんけれども、恐らく各省庁が連絡をとりながらこういうOBを民間の肩書でこういう専門委員の中に入れているんだ、こう思うわけですよ。 それで、特に地方分権を論議する場所に中央政府のOBのこういう大物をずらっと並べて入れて果たしていいものかどうか、私は甚だ疑問なわけですよ。こういうことをやる、そういう感覚、これは早く言えば、地方は何をやるかわかったものじゃないという地方不信そのもの、それから地方無能論、私はそういうものがありありとこういうことに反映しているんじゃないか、こう思うわけですよ。そういうことを腹の中に各省庁が持ちながら、今度は自治体が主力の計画ですよというようなことを言っても、地方は、はいそうですかと言って信じられないのではないか、そういうことを私は心配しているわけです。 ですから、こういうことはやめて、やはり譲るべきものは譲ってやっていかたくちゃいけない。特に審議会にこういうOBを入れるということは私はやめてほしいと思うんですが、今後についてどうでしょうか、それを一言ずつお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(山崎拓君) 御質問の趣旨は委員の選考基準にあると思いますけれども、国民の皆様方から見て、その場で審議されますテーマに対して公正を期することのできる委員の顔ぶれになっていることが望ましいと存じます。
○国務大臣(田名部匡省君) 私も、事務次官経験者がいいのか悪いのかということは別として、やっぱり相当それなりの見識といいますか、長い間、例えば私の省ですと、農林水産業の発展というものは一体どうあるべきかということをしっかりと踏まえて、例えばこういうものは残すべきであるとか、あるいは、農政はこういうふうに進んでおるからただやみくもに農地を開発するということはしちゃいかぬとか、さまざまあると思うんです。そういうことで、結果的には、環境や自然というものも配慮しながらいくということも大事でありますから、そういうものを持った人たちが一つのものをつくり上げるということは決して悪いことではない、むしろどういう決定の仕方をするか、国民が納得いくような方向で決めるということであればそれで結構ではないか、こう思っております。
○国務大臣(東家嘉幸君) 理想は確かにそうした将来の方向、今御提言のとおりだと思っております。 しかし、私ども、先ほども申し上げましたように、こうした現実というものは簡単に今日までの社会の構造の中で、そしてまた特に行政官庁の皆さん方、今日の日本、経済大国にまで持ってくることにはかなりそれぞれのノウハウを持っておられるわけですから、そういう理想と現実、そしてまた特に現実を踏まえて御発言する、そうした各役所での実績を積まれた方々が、何も自分たちのかつての城を守ろうということだけのみの発想というふうには私は受けとめていないつもりでございます。
○星川保松君 各大臣が一生懸命に弁護なさるのも結構ですが、そんなことをしてもいいというふうにあなた方は本当に思っているのなら、これは民間の肩書なんかにしないで兄事務次官の名前をちゃんと出してやったらどうですか。これはもう大変な国民の反発を受けると思いますよ、特に地方分権のことで。それは国の役人のOBが強硬な発言をして邪魔しているということはちゃんと報道されているわけですよ。私はこの委員会だけじゃたいと思う。ほかの方も調べなくちゃいけないと思いますけれども。こんなことをやるというのが改められたいで、今度は自主性を尊重しますよと言っても、私は信用されたいことになると思うわけでございます。 時間がなくたってきたんですが、それでは次に、今回の法律でいろいろな特例を設けて自主性を出すということ、それはわかりますけれども、私は、いわゆる四全総が目標とした多極分散型の日本を目指しでやってきた、ところがその方向に行かないで一極集中がさらに進んだというのはなぜかということについて、今のような状況になれば四全総はその当初において失敗をしたということになるんでしょうか。まず、国土庁から。
○政府委員(小島重喜君) 四全総につきましては、今御指摘のように多極分散型国土の形成を図るということが大きなねらいでございました。その中に各般の施策が書かれてあるわけでございますけれども、私ども従来の地域振興立法を反省してみますと、従来はどちらかというと、例えば工業とか特定の機能だけに着目をして振興をしてきた。ところが、私どもは、そうじゃなくて、四全総の中には同時に、多極分散型国土の形成に当たっては地方都市並びにその周辺地域を一体として整備を図る必要がある、しかもそれは、従来のような国主導、中央主導じゃなくて、地方主導型、地域主導型の方式をとるべきであるということも述べてあるわけでございます。 今回一そういう観点から、私どもは、地方の一定の都市につきまして、その周辺も含んだ地域の都市機能の増進という点とあわせて、居住環境の増進といいますか、そういう二つを目的といたします従来とは切り口の違います新しい地方振興立法、地域振興立法を御提案申し上げておりますので、従来とは違った手法であるという意味では従来の計画とは違いますけれども、大きな意味では、四全総の中に施策として書かれたものを今回六省庁が協力をし合ってそちらの方向に持っていくようにしたい、こういうことでございます。
○星川保松君 多極分散ということを旗印に掲げてきて一極集中がさらに進んだということは失敗として認めて、そして再出発をしなくちゃいかぬと思うんですよ。 それで私は、たぜこれが失敗したかというその原因の一つに、やはり地方を育てなかったということがあると思うんです。地方に権限も与えたければ、金も与えない。そんなことで地方が育つわけがないですよ。それを改めようとしないで、今度は細川さんが本気になって地方分権を進めようとしたら、各官庁のOBが寄ってたかってそれを骨抜きにする。細川さんはとうとう頭にきて新党宣言をしたということも新聞に報道されていますよ。そういうことを謙虚に考えて、そして地方分権ということを進めていかないと、今のようなことではだめです。 私は、国会議員はまだ三年になりませんけれども、もう地方自治を三十年ばかりやってきました。もう道路一つつくるにも何一つつくるにも、陳情陳情で東京まで日参しなければ何一つできないじゃないですか。それから、季節になりますといろんな大会がありますよ。その大会だって、県庁あたりから、あんたのところは何人出してくれといって全部署り当てが来るんですよ。それを出さないと補助金を流さないみたいなことを言われて、高い旅費を使ってみんな押しかけてくるんですよ。それが全部中央に落ちるわけですよ。 そういう行政そのものが私は一極集中をさらに進めてきている原因だと思うんですよ。その陳情政治を改めなくちゃいけない。陳情政治を改めるということは、つまり地方に対して権限を与えるということですよ。権限を与えただけではだめなんで、財源も与えなくちゃならない。地方分権を思い切り進めなければ、私はこれからだって一極集中はとまるわけがないと思います。 それから、我々が例えば市長選挙なんかやります。そうすると何が出てくるかというと、どこでも中央との太いパイプ、それを言った人が当選してくるんですよ。それで、その当選した人が今度は太いパイプと言ったものですから、何でもかんでもそのパイプの中から流さなくちゃならぬと思って、そして持ってくるわけですよ。 持ってくるものというのは、いわゆる高率補助事業を持ってくるほかないんですね、自分の自腹切る分をなるべく少なくしなければ地方財政はもちませんから。そうすると、自分の体に合おうが合うまいが、その地域に合おうが合うまいが、仕事をどんどん持ってくるということでちぐはぐな地方自治ができていく。あるいは、地方住民そのものがもう中央依存の気持ちになってしまう。それをあおり立てているわけですよ。そしてもう日本の地方自治は、完全に中央からたくさんの金を持ってくる人が地方の指導者になれるんだということになってきてしまっているんですね。 それらこれらが全部総合されて今日のような状況になっていると思うんですよ。そこのところからきちんと直していかないことには、私は四全総が掲げている多極分散型というものは進んでいかないと思うんですが、国土庁長官、どんなお考えでしょうか。
○国務大臣(東家嘉幸君) 多極分散法は私は一定の成果を上げていると思います。 しかし是正すべき問題は是正していかねばならないというようなことで、今回はそうした問題点をお互いによくとらえ合いながら、六省庁が一体となってそうした地方の創意工夫、自立の精神を十分発揮していただいて、そして中央と地方が今後とも一・体的に進めようというようなことでございますから、今回のこの法律は画期的なものを私は提出をいたしているものと思っておりますので、先ほどから申し上げますように、地方には地方のこれからの自立的方向でのお互いの勉強を重ねていく私は機関が必要ではなかろうかと思っております。
○星川保松君 長官はそのぐらいなことしか言えないでしょうけれども、もう一つ長官にお話ししておきたいことがあります。それは、中央政府、国が地方をよく知らないということでございます。 その一つの証拠を挙げます。 私は大変な豪雪地帯に住んでおります。私のところは、多い年ですと平地で二メートルの雪が積もります。日本の豪雪地帯、特別豪雪地帯は全部で国土の五二%を占めておるそうでございます。それで私は、国土庁から豪雪の担当の方に地方行政委員会に来ていただきましていろいろ質問をいたしました。 日本の国土がどういう状況にあるのかということを常に全体を眺めて行政をやってもらわなくちゃならない。そのためには普通の市販のあの地図は夏の地図なんです。いわゆる冬の地図があるんです。冬になると国土の五二%が深い雪に覆われて道路交通状態も全く変わってくるし、生活も生産もみんな変わってくるんです。そういう状況ですね。もう国道たつて通れないところはいっぱいあるんです、冬は。県道もありますし、私道なんか通れる方が少ないんですよ。ですから、夏の地図を見れば道路はありますけれども、冬はそれがないことになるわけですね。そういうふうに違ってくるわけなんですよ。 そういう実態をきちんと見て行政をやっておるのかということで、私はその担当の方に、あなたのところにいわゆる雪の地図がありますか、こう聞いたんです。そしたら、あります、それは積雪等高線図ですかと言ったら、最初いぶかっておりましたが、後で、そうです、こう言うんですね。それで自治大臣に聞きましたら、自治大臣のところにもそういう地図はないと言うので、それじゃ自治大臣のところに一枚、私のところに一枚、ぜひその地図を分けてください、こう話したんですよ。ところが、待てど暮らせどその地図が届かないんですね。それで、どうしたんだというわけで催促したわけですよ。そしたら、担当の方がやってきまして、それで出したのが、豪雪地帯地域指定のところと特別豪雪地帯として指定されているところの色分けした地図なんですよ。それでもいいや一枚くれと言ったんです。そしたら、これ一枚しかないと言うんですね。上げられないと言うんですよ。私は驚きました。そして、これなら差し上げますと言って置いていったのがこれですよ。(資料を示す)(「こっちにも見せて」と呼ぶ者あり)どうぞ、これです。 これはもう小学生の地図、中学生だってこれより立派なものを持っていますよ。この斜線と黒く染まったところが豪雪地帯でしょう。これなんですよ。こんなものを見て日本の豪雪地帯の行政をやられたんでは私はたまったもんじゃないと思いました。 私は世界一周したことがあります、豪雪の年に。そして、日本の豪雪というのは世界一だということを確かめました。なぜかといいますと、日本のような豪雪が降るような地理的条件のところがないんですよ。といいますのは、日本海を暖流が上っているんですね。これは冬でもプラス七、八度ありますよ。それから今度は、季節風がシベリアの方からおりてくるわけですね。これがマイナス四十五度なんていうのはざらですよ。その温度差は五十度を超えるんですよ。そして今度は、北の方から吹いてきた季節風が、日本列島が東西に長ければそうでもなかったと思うけれども、ところが南北にこう長く、季節風に対してこれがびょうぶのように立ちふさがるわけですね。その脊梁山脈に上ったのが我々のところに豪雪として降るわけなんですよ。その中のどれか一つ欠けても本当は降らないんです。こんなにいろいろな条件がそろっているところがないわけですね。 そういうことをきちんと押さえて、そして世界一の豪雪が降る日本の積雪地帯であるならばそれに対して世界どこにもない豪雪地帯の対策がなくちゃいかぬですね。それを、こんなずさんな地図を一枚眺めながら世界一の豪雪に対応しているのかと思って、私はもう本当にびっくりいたしました。 そういうことが決して豪雪だけでなくていろんな面であるのではないか。もっとやっぱり国は、日本の国土の地域事情というものをしっかり押さえて、そして研究し、政策を進めてもらわなければ困る、こう思うのでありますが、これについて国土庁を代表して長官の答弁をいただきます。
○国務大臣(東家嘉幸君) 豪雪地帯のことできょう突然の御質問でございますが、この豪雪地帯については、親雪、克雪、利雪という三点からどういうふうに取り組んだらいいのかということで私も中身にはいささか触れさせていただいているわけでございますから、何も取り組んでいないようなことに聞こえますけれども、それはもう……(「地域振興策、豪雪地帯の対策がないんだよ」と呼ぶ者あり)横からそういう声がございますが、とにかく今、そうした問題をさらに掘り下げてこの豪雪地帯対策をどうするのかということで取り組んでいるんですから、そこだけは御理解願いたいと思います。
○星川保松君 終わります。
○足立良平君 私に与えられました時間は大変短いわけでございますから、端的に質問をしてまいりたいと思います。 今までずっといろんな点から、東京の一極集中を排除しなきゃならないという観点がこの法案の大きな目的になっている。私もそのとおりしなきゃいけないだろうというふうに思っているわけです。 実は私は大阪の方の出身でございまして、例えばこの法案の対象外になっております大阪の経済圏、あるいは名古屋の経済圏、それぞれの経済圏における企業の動きというものをずっとつぶさに見ておりますと、相当以前から大阪なり名古屋の経済圏に本社を置いている一部上場の大企業はほとんど東京に本社を移してきていますね。本社をどうしても移せないような企業は、例えば地域のガスとか電力とか含めまして地場産業で、そういうところは東京の支社を本社並みに充実を今してきている、こういう状況になってきているわけです。 したがって、そういう面では、先ほど来東京の一極集中というものは一体いかなる条件があるのか、あるいはまたその権限の問題がどうであるのか、いろんな議論が出されているわけでありますけれども、これはやはり単に権限が云々とかいう問題よりも先に、この法案の対象外になっている経済圏の企業の本社というものは既にもう東京に移ろうとしている、それを一体どのように分析されているのか、通産省でしょうか、大臣、ちょっとこの辺のところを一度お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(渡部恒三君) 昨年の八月に通産省で東京に本社を置いておる上場企業を対象に調査をいたしましたところが、約四〇%の企業が移転を検討中という回答をいたしております。
○足立良平君 ちょっと私は、数字の問題より、一体どういうふうなインセンティブが働いて東京を除いた二大経済圏の企業が東京に移らなきゃならないのか、ビジネスチャンスを拡大していこうとするのは一体どういうインセンティブが働いて本社というものを東京に移してきているのか、この点をちょっとお聞きしたいんですが。
○国務大臣(渡部恒三君) 何をする場合でもそうですけれども、便利さを求めるニーズと豊かさを求めるニーズとあると思います。生活するということになれば豊かさを優先する。しかし、仕事をするということになると便利さを優先する。日本のいわば行政、政治、情報、こういったものの中心が東京にございます。しかも、今日、国際化時代になっておりますから、そういう意味で残念ながら便利さを求めて東京に、しかも東京の中でも東京都内の二十三区に過度にオフィスが集中してしまっている。 これにはいろいろの説がありますけれども、このままの状態で置けば、これは一年間にあのでっかい霞ケ関ビルを二十本ずつこれから十年間つくっていかなきゃオフィスの需要に対応できないとか、そういう中で、政策的なインセンティブを与えて業務機能をできるだけ東京二十三区から外に移転するような方向がこれからの日本のためになる、そういう判断で今回の法案をお願いしているわけでございます。
○足立良平君 今の通産大臣のお話を聞いておりまして、確かに今どんどん東京に一極集中してくる、これは大変問題だということ、これははっきりしているわけですね。 それで、例えば大阪であるとかあるいはまた名古屋の経済圏であるとか、あるいはまた九州の経済圏とか東北の経済圏とか、それはそれぞれあるんですが、企業が東京にどんどん集中してきているということには、その企業として見たら相当のコストアップを覚悟して出てきているわけです。そうすると、この法案の意図、通産大臣が東京一極集中を排除していかなきゃならないというふうに言われるその意図、しかし、相当のコストアップを覚悟して出てきている企業をもう一度地方に分散化させようとするなら、それ以上のインセンティブを企業の側に与えないと、現実的には企業が分散し、あるいはまたいわゆる多極分散といいますか、均衡ある国土の発展ということは難しいのではないか、私はそういうように思うんです。 これは法律でもって、例えば企業は入ってきてはなりませんとか、人間が入ってきちゃいけないとか、そういうことを法で決めるというのは実際なかなか難しい。そうすると、そういう必要性なりそういうシステムというものをどのように政治の場できちんとつくり上げていくかということが私はこの法案の一番大きな目的ではないかと思うんです。 というふうに考えてみますと、通産大臣、この内容はそういうインセンティブが働くような条件というものを具備している法案と考えてよろしいんでしょうか、お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(渡部恒三君) やり方は二つあると思うんです、これはあめとむちということになりますけれども。 かつてはむちも考えたことがありますけれども、今日の時代ほむちは考えるべきでないということから、今六五%ぐらい、東京の交通渋滞あるいは通勤地獄、働く人たちがみんな豊かさを求めておる、こういう中で場合によっては地方に移転してもいいなと考えておる企業があるわけですから、先生御指摘のようにここにインセンティブを与える。 つまり、私どもとしては税制あるいは金融、こういった面で、これはやっぱり企業ですから損得を考えるわけですから、地方仁移った方がいいというような政策面のことをやっていくし、今回は建設省あるいは自治省、郵政省、国土庁といったところでそれぞれの分野で受け皿をつくってもらうとか、あるいは情報通信面で便利さをやってもらうとか、関係省庁挙げて、東京二十三区内に集中しておる企業が地方に分散した方が得だ、またそれで十分本社機能を果たせるというような条件整備をしてまいる、こういうふうに考えております。
○足立良平君 確かにそういう面はあるんですが、もう少し私は、その点、企業は相当のコストアップを覚悟して東京へ来ればビジネスチャンスがあるということを見込んで来るわけですから、いわゆる均衡ある国土を考えるとすると、地方へ行った方が企業としてはさらにプラスになるというこういうものが明示をされないと私はちょっと問題だと思うんです。 それで、一極集中をしていくいろんな要因はありますけれども、私は一つは許認可の問題を含めまして権限の問題だろうと思うんです。それからもう一つは、情報化社会の中における集中の問題。これは全国的に見ましても、東京の一極集中だけでなしに、例えば北海道は札幌、東北地方は仙台というふうに、ブロックごとにさらに集中化してきている。 情報化社会というのは一般的には、分散化するんではなしに、現実問題としては機械に入らない生の情報、フェース・ツー・フェースの情報を求めて人々は集まってくる傾向を持ちますから、その情報化社会の中における一極集中をどのように排除していくのかというのは、もう少し別の次元で議論をしていきませんとこの法案が意図することを達成することは難しいのではないか、私はこんな感じを持っております。ちょっとそれだけを申し上げておきたいと思います。あえてこれは御意見は問いません。 時間も余りございませんので、次に移したいと思います。 そういう観点で考えてみましたときに、この施策のスキーム表を実は見ますと、これは先ほどもちょっと議論がされていた内容でございますが、基本計画を市町村が共同して作成して、その作成した内容を主務大臣がいいか悪いかということで認定されるということになっている。 この法案のねらいとして、一つはいわゆる自治体の自主性、あるいはまた創意工夫というものを本当にやる状態をつくっていこうという、これはそういう面ではちょっと今までにない新しい試みをこの法案はしようとされている。完全かどうかは別としまして、私はそういう面で評価をしたいと思うんですが、ただ、ここで主務大臣の認定というところをつけでいるのは、私はちょっとこれはいかがなものかと思います。 逆に言うと、そういう面で思い切って、若干いろんな問題点ありますが、今の中央主管庁の許認可の問題を含めて本当に合理化したりきちんとしていくという、国土庁長官もう帰られましたけれども、先ほどこれはなかなかできないと言われておりましたが、それは一遍にやれればいいんですが、なかなか難しい。そうすると、いろんな問題があるけれども、例えばこういう主務大臣の認定というものをやめて、一度本当に知事に征してみようというくらいの思い切った、ひとつもう一歩進めてみるということはできないものであろうかというふうに私は思うんです。 したがって、これらの点について、これは通産になるんですか、ちょっと考え方を聞かしていただきたいと思います。
○政府委員(中田哲雄君) 移転計画の認定につきましては主務大臣が行うということに委員御指摘のとおりなっているわけでございますが、これにつきましては、移転自体が大変広域的な都道府県の範囲を越えての移転というものを法律でも想定一しております。さらにまた、跡地処分の公共性の問題でございますとか雇用の問題等々、全国的に統一的に判断するべき問題もこれありということ等々ございまして主務大臣の認定ということにしておるわけでございますけれども、御指摘のとおり、企業の地方分散というのは自治体の御協力、地元の御協力がないとできないわけでございますので、十分に御相談をしながらやって、いきたいというふうに思っております。
○足立良平君 ひとつその点、主務大臣の認可というものは余り重くない認定を考えていただきたいと思うんです。 ただ、知事にすべて征してしまえという私の論理も若干問題点があると思っているんです。 というのは、今の地方自治体の例えば市の行政区域の問題あるいはまた県の状態というのは、今のいわゆる経済的な構造の実態からいたしますと、県とか市を越えて人間がどんどん移動する状況になっていますから、経済が完全にもうグローバル化しブロック化してきているわけですから、ある面におきましては、現在の県なりあるいはまた市町村なり自治体の規模が本当言うと今のままでいいのかどうかという問題があります。そういう面では私の言いました考え方は余り固執をいたしません。固執をいたしませんが、しかし、そういう観点でこの問題をひとつ考えていただきたいと思います、 それから、簡単に建設大臣にお聞きしたいと思いますが、今回の施策のスキームでいわゆる県都ではなしに二番目か三番目のところへ持っていこう、こういう考え方があります。考えてみたら確かにそのとおりなんです。 一つの考え方としてあるんですが、例えばこれを県都で一回考えてみたらどうだろうか。というのは、この拠点都市というのをいろいろなフレームから考えますと、実際のところ県都というのは大変小さな状態になっている。例えば現実に百万ぐらいの県があるわけです。そうすると、本当に拠点都市というものを考えてみたときに、まず一つ県都をきちんとしたものをつくってそれをどれだけ周辺に拡大していくかということの方が、むしろ今の実態からしますと現実的ではないかな、こんな感じも受けるんですけれども、この点ちょっと建設大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(山崎拓君) それも一つの御意見であろうかと思いますが、この法案のねらいの主要な部分として地方の自立的な成長、そして人口の分散を図るということがございますので、現在の県庁所在地、先生のおっしゃる第一の都市でございますが、ここは人口がふえているところが大半でございまして、したがいまして、この人口が既にふえているところをさらに整備いたしまして一層そのことを促進するということになりますと、県内一極集中の弊害が広がる可能性があるということが一つございます。 やはり全国土的に均衡ある発展を遂。げる必要がございますし、同時に県内におきましても均衡ある発展を遂げることが必要でございますし、地方への人口の分散も必要であるということ等から、各県におきまして県都以外に一、二カ所の整備をやったらどうかということが基本的な考え方でございますが、原則として政令都市及び県庁所在地を外すということになりまして、あくまでも原則としてでございますから、先生がおっしゃっているような考えが当てはまる場合もあり得ると思います。
○足立良平君 そういう点で「原則として」という今の答弁を大変重く受けとめさせていただきたいと思います。 最後でございますが、これは郵政大臣にちょっとお聞きをいたしたいと思います。 これも既にいろんな議論がされておりますように、従来のいわゆる工業立地というよりもむしろ総合的ないわゆる地域開発というものを考えられる、そういう面では東京二十三区からの例えばオフィスの移転、こういうことになります。 その場合に、これからのインフラとして一番重要なのは、交通の問題とかという問題もありますが、私は一番問題は通信手段の問題ではないかと思います。情報化社会の中で通信というものをどれだけきちんと地方の拠点都市の方に整備をしていくかということ、例えばテレビ会議であるとか、あるいはまたいろいろな問題でフェース・ツー・フェースの情報の収集をカバーし得る次善の策としてこれを大変重要視していかなきゃならないというふうに私は実は思っております。 そういう面からいたしますと、通信の問題で現実的に考えてみますと、例えばテレビ会議なりあるいはまた高速データ通信とかそういうものを現・実的に今使っているところというのは大企業ではまだまだ少ない。これからさらに発展をしていくだろうと思いますが、まだ少ない。これが、拠点都市になりますと、東京との関係で通信手段が相当コストアップになってくる。そうすると、東京でオフィスを構えているのと地方へ持っていって通信のコストアップの分を負担するのと一体どっちがいいのかというふうな判断になってまいりますから、そういう面では、例えばの話ですが、電話料金の遠近格差の解消の問題を一体どのように考えていくのか。 例えば市内が十円で今度NTTが値下げをして例えば二百円になったとか、こういうことで一対二〇の関係ですが、例えばアメリカの長距離と市内通話の関係というと三対一くらいの割でしょう。あるいはイギリスの場合でしたら大体五対一ですか一〇対一ですか、少なくとも日本の長距離との関係と比率が全然違っている。 したがって、そういう面からいたしますと、地方の拠点都市というものを考えていきましたときには、そういう遠近距離のこういう関係をどのように解消するかということもインフラを整備するのと同時に大変重要なファクターになってくるのではないかと私は思いますので、そういう観点でちょっと郵政大臣の考え方をお聞かせを願いたいと思います。
○国務大臣(渡辺秀央君) お答え申し上げます。 もう先生の方がむしろベテランでそちらのことは十二分に研究済みのことだとは思うんですが、テレビ会議というのはなぜもう少し普及したいかというと、コストが高い、特に機器の値段が高過ぎるということが一つあると思うんです。同時に、通信の遠近格差の是正あるいはまた解消というのは、将来どうでしょうか、衛星から一波でもってはっと移動式みたいな電波通信ということが非常に定着をして発達をしていくと、まさ日本じゅう料金は全部画一になるということも、将来の問題でしょうが、あり得るわけです。一しかし、現状においてはそういうことは一つのロマンではあるけれども、この法律でそこはまだ読めないということになるわけでありますから、我々としては、NTTのこのISDNの利用、二、三年急速にここのところ伸びてきておりますが、機器の価格の低廉化なども大いに努力し、これからのテレビ会議やあるいは高速データ通信の私用を大きく伸ばしていかなきゃいかぬ。 また、現実に御存じのとおり大分価格が下がってきまして、既にもうその緒が見られる傾向に入りました。これはお調べいただくとわかると思うんです。アメリカなんかがやっていますけれども、我々としてはこのランニングコスト、利用料が安くなるように一生懸命先生の御指摘のとおり努力をいたしてまいりますが、私もことしの四月に晴海でコミュニケーション東京'92というのを実は見てみまして、ある程度の勢いでこれは普及発展していくなという確信も持つ中で、将来のロマンに向かって一層の努力をしたいと思います。
○足立良平君 終わります。
○下村泰君 まず、この法案を拝見しまして思いましたことは、人が住み暮らせる町づくりのための法律でなければならないということです。人が住み暮らすためにはいろんな視点、条件というものがあると思います。働く場合は当然必要です。そのための議論は多いのは結構です。しかし、暮らしという点で考えますと、本当に住みやすい町づくりがなされているのかというと、ようやく始まったばかりだろうと思うんです。すなわち、だれにでも優しい町づくりが必要で、その基本となるのが障害を持った人々の暮らし、また高齢の方々の暮らし、子供たちの暮らし、これが保障されているのかということだと思います。 この法案において、この点についてはどう対応するのでしょうか、また織り込まれているのでしょうか、これをまず伺いたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) この法案におきましては、地方の持つ豊かさやゆとりを生かしながら職住遊学の魅力ある生活空間を創出する、こういうことによりまして若者を初めとする人口の流出を防ぎ豊かな地域づくりを行うということでございます。具体的な事業の進め方等につきましては、市町村が中心になりまして基本計画を作成し、そこでいろいろと地方の自主性、創意工夫が生かされていくというスキームで考えておるわけでございます。 そういった中で、市町村が作成する具体の基本計画におきましては、ただいま御指摘ございましたような福祉面に十分配慮しながら、若者だけではなくて身体障害者の方あるいは高齢者の方々に配慮しながら、地域の個性や特色を生かした町づくりが行われるということを期待しておるわけでございますが、法律の仕組みの中でその点がしっかりと配慮されている部分があるかということにつきましては、条文上は必ずしもはっきりしてないということを御報告申し上げたいと思います。
○下村泰君 例えばエレベーターをつけたり、段差を削ったり、公園をつくる、これだけではやさしい町づくりはできないと思います。 住民がどんな町どんな都市をっくっていこうとするのかが大事だと思います。その意味で、基本計画のつくり方、その作業過程というのが実に重要になってくると思うのですが、人の顔が見えるような具体的な議論を積み上げていくことが大切だと思います。当然その中で障害を持った人、高齢の方、子供などの意見、考えが生かされてくるだろうと思うんです。 そこで伺いたいのは、この基本計画を策定するに当たってのプロセスをどのように考えておられるのか、どれくらいの時間をかけどれくらいの積み上げをしようとなされているのか、聞かせてください。
○政府委員(市川一朗君) この法案におきましては基本計画の作成は市町村が行うということになっておりまして、市町村は基本計画を策定いたします場合に、大体現在、各市町村で議会の議決を経て定められております基本構想等がございますので、そういったものに則しまして基本計画を策定することになると思います。 具体的な策定の過程におきましては、この法案そのものでは住民参加とかそういった特段の規定は設けてないところでございますけれども、それぞれの市町村の実情に応じまして住民の意見を反映するための必要な措置がいろいろと講じられていく必要があるのではないかと思っているところでございます。 スケジュールといたしましては、これから法律が成立いたしまして施行され地域指定が行われた上での計画の策定ということになりますので、一番早いものでも年度内ということになるのではないかと思っておるところでございます。
○下村泰君 私は急いでやってはならないと思います。もちろんそれは急ぐべき点はあっても当たり前のことでございますけれども、町づくりは長いスタンスで考えないと本当の意味の拠点都市なんてできないと思います。 東京一極集中とはいえ、一九六〇年以降、千代田、中央、港では夜間人口は減少の一途をたどっております。町では子供がいなくなり、百年以上の歴史のある小学校が統廃合によって消えようとしております。学校というのはコミュニティーの中核施設の一つだと私は思いますが、それすら維持できないほどもうコミュニティーそのものがなくなってきています。一方では、豊島区とか新宿区へ参りますと、木造の二階建ての古いアパートに四、五名のひとり暮らしの老人と二十名近くのアジア系外国人が壁一つ隔てて同居していたりするわけです。コミュニティーのあり方、質が変わってきていると思うんです。三十年前にきちんと対応していればコミュニティーのあり方は変わっていたと思います。 私が先ほどから申し上げていることは、ハード面の基本計画をつくる上で当然にそこには一人一人の暮らしを考えたソフト面での哲学といいますか理念といいますか、そうした側面をきちんと踏まえておかないと、せっかくできてもコミュニティーの存在しない都市ができてしまうというふうに思います。 その意味で、基本計画で定められる事項についてもそれに則した事項を含めていくべきだと思います。例えば、福祉とか医療とか教育とかあるいは国際交流とかといった点です。教養文化等の活動といった事項の中に含まれるのかもしれませんが、そういう中に含むということでなく、明確に示すことが大事だと思うのですが、どういうふうにお考えでしょうか。大臣のお考えをひとつ聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(山崎拓君) 基本計画の中に定められる事項は一応法案で定められているわけでございますが、先生が御指摘のような福祉、医療、教育等につきましても重要な構成要素であると考えているところでございます。 新しい拠点都市地域が魅力ある地域として発展してまいりますためには、職住遊学というようなことを今まで言ってまいりましたが、そのほかに当然福祉に理解のある町、あるいは医療についても整備が整っている町、先生が熱心に説いて括られます障害者等に対します配慮が行き届いた思いやりのある都市であるべきだと考えております。
○下村泰君 この法案の中における郵政省の役割というのは、電気通信の活用による町づくりだというふうに思います。その考え方というのは私の知る限りではテレトピア構想、これではないかと思うのですが、その構想の概略を御説明ください。
○政府委員(白井太君) 私どもがテレトピア構想というような呼び名で呼んでおります施策は六十年の三月から始めたものでございますが、いわゆるニューメディアと言われるような新しい情報通信手段を用いましてその地域の情報化を進め、そういうことによって地域の住民の福祉の向上を図ろうということをねらって展開しておる施策でございます。
○下村泰君 その中で、健康・福祉型、それから医療情報型、こういうことについてひとつ御説明ください。そして実情についても教えてください。
○政府委員(白井太君) ただいまお話がございましたような健康・福祉型というようなのは、便宜私どもがこのテレトピア計画として各地方の団体等が行います計画を分類するときに用いている言葉でございますが、いわゆる健康管理でありますとかあるいは住民福祉というものに直接つながりますようなシステムを指しまして、そのような呼び名で呼んでおるものであります。 現在、全国でテレトゼアのシステムというのが二百三十くらい稼働中でございますが、その二百三十のシステムのうちの約一割がただいま先生おっしゃいましたような福祉型あるいは健康型というようなタイプに分類されるシステムでございます。
○下村泰君 こういう例があるんです。例えば静岡の方では総合医療情報システム、それから秋田では健康管理情報システム、松山の方へいきますと福祉サポートシステム、それから大分の別府の方へいきますと在宅老人コミュニケーションシステム、いろいろございます。 以前ある特別養護老人ホームを見て回ったんですけれども、ハイテク装備によって重度の痴呆、重度の障害を持った高齢者でも個室で過ごせるようになったというんです。このテレトピア計画というのがもっと広がりもっときめ細かさを持てば、もっともっと障害者、難病、要介護の老人の生活範囲や質も変えられるような気がするんです。 ところで、先般、逓信委員会で政府側がこういう答弁をされております。 そのテレトピア計画の中の一つといたしまし て、私どもの便宜的な分類でありますけれど も、健康とか福祉とか医療とか、そういうよう なものに関するシステムという型を私どもとし てはいわばお勧め品のような形で皆さん方にお 勧めをしておるわけです。このようなシステム というのは、全国でもかなりのシステムが現実 に計画をされておりまして、実際に運用されて おるシステムもあるわけであります。 ただ、率直に申し上げまして、本当に私ども が期待しているような形でうまく運用されてい るかというと、まだちょっと残念ながらそこま ではいっていないというふうに申し上げざるを 得ないかと思うわけでありますが、ただ、健康 とか福祉というのはこれからの社会ではもうど なたもが一番関心を持たれるテーマでもありま すし、特に、社会の人口というのが高齢化して まいりますと社会的な課題にもなってくるわけ であります。したがいまして、このようなシス テムができるだけ有効に生かされるということ が必要でありまして、私どもといたしまして は、そういうシステムを有効に使っているよう な事例などをむしろ積極的に掘り起こしまし て、皆さんにPRをするというようなことをし たらどうかなということを内部で相談をしてい るところでございます。 こういうようなお答えであったんです。 郵政省がどうも期待するような形にはなっていないような発言なんですが、このあたりの御説明と今後のこと、さらにそうした経験を踏まえて本法案をどう生かしていくのか、お答え願いたいと思います。
○政府委員(白井太君) ただいまの先生がお読みになりました議事録は、多分私が逓信委員会の方でお答えをさせていただいたものであったかと思います。そのときにお尋ねがございましたのは、ある特別のケースについてのお尋ねでございました。 これは、あるテレトピアシステムとして病院が養護老人ホームとCATV回線で結びまして、遠隔地にあるお医者さんと患者さんとがCATVの回線を通じて健康相談とか簡単な診療をする、そういうようなシステムを実験的に行ったわけでありまして、そのことについてのお尋ねがありまして、そのお答えの中でただいま先生がお読みになったようなお答えをさせていただいたように記憶をいたしております。 もともと情報通信というのを有効に利用するということは、今日我が国の大変重要な社会的な問題となっております人口の高齢化というような問題についても幾ばくかのお役に立てるような働きをすることができるはずだ、そういう考えを私どもとしては持っております。 特に、ひとり住まいのお年寄りがふえてまいりますとか、あるいは健康を害されたようなお年寄りがふえてくるとかということになりますと、もしそういう問題の解決に多少なりともこの情報通信を利用して解決に役立つということができるということになりますと、これは私どもの情報通信といいますか、通信の仕事をしている者にとりましては大変うれしいことでございます。そういう期待を持って見ますと、もっと本当はこういうシステムが有効に活用されてもいいのじゃないかという期待を持っておるものですから、そういう期待からしますとその使われ方というのがまだ不十分だというようなことを常々考えておりまして、そんな考えがありましたものですから、先ほど先生がお読みになりましたようなお答えをさせていただいたわけであります。 もちろん、そのような理由としては、システムの使い方がちょっと難しいとか、あるいはお医者さんが大変お忙しいとか、いろんな事情があろうかと思いますけれども、特に新しいシステムをそのような分野で利用することによって皆さんが喜んでくださるというようなことがあれば、そういうものをどんどん全国にむしろPRをいたしまして、こういうような使われ方をすると非常に喜んでいただけますよというようなことも大いに宣伝をする、そういうようなこともしながら普及を図っていくということを考えたいと思っておるわけでございます。
○下村泰君 もう時間が来ましたのでおしまいにいたしますけれども、郵政大臣、せっかく来ていらっしゃいますので、この前の委員会でも申し上げましたけれども、伊豆の逓信病院で文部省以上あるいは厚生省以上の研究をLD児に対してしています。こういったような、何といいましょうか、各省庁の障壁を越えて、いわゆる縄張り争いなんというようなものじゃなくして、こういったすばらしい研究を郵政省がやっていらっしゃるということを踏まえまして、これからのこの法案の中で、この法案ができ上がってこれからの拠点都市といいますか、そういうことに関連してなおさらにこういった方々のための政策を大臣はどういうふうにお考えになりますか、一言目お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(渡辺秀央君) お答えを申し上げます。 日ごろ福祉あるいはまた障害者のために大変な御努力をいただいている先生に敬意を表しながら、また御指導をいただいてきておりますことを感謝を申し上げながら、お答えを申し上げます。 非常に障害者の皆さんに対しての幅の広い、言うならば医療活動の中での通信分野というもの、あるいはまた情報提供というものの役割は大変な責任がある、これからまた大いに期待されているという認識の中で、この法案の中で私ども郵政省として果たすべき役割、あるいはまた期待されることに対する具体的な実現像に向かって懸命な努力を、いろんなこれから試行的なことになろうと思いますけれども、懸命な努力をいたしてまいりたいと思いますので、これからも引き続いての御指導をお願い申し上げたいと思います。
○下村泰君 ありがとうございました。
○委員長(山本正和君) 他に御発言もなければ、本連合審査会はこれにて終了することに御異議ございませんか。 〔異議なしと呼ぶ者あり〕
○委員長(山本正和君) 御異議ないと認めます。よって、連合審査会は終了いたしました。 これにて散会いたします。 午後五時七分散会