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123回国会参議院1992/06/18

建設委員会 第11号

発言数
20
登壇者
6
会派数
3
開催日
1992/06/18

会議録

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る三日、野別隆俊君及び西野康雄君が委員を辞任され、その補欠として松本英一君及び青木薪次君が選任されました。  また、昨十七日、井上吉夫君、坂野重信君、青木薪次君及び渡辺四郎君が委員を辞任され、その補欠として野村五男君、合馬敬君、三石久江君及び北村哲男君が選任されました。     —————————————

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) 都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案(閣法第七二号)を議題といたします。  本案に対する質疑は前回終局いたしておりますので、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、政府提出の都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案に対して反対することを表明し、その理由を以下申し述べます。  第一に、政府案は都市計画に関し、機関・団体委任事務との手法に固執し、その決定手続につき、固有事務としての地方自治体への移譲、都道府県から基礎的自治体である市町村への権限移譲に全く手がついていないのであります。  近年、バブル経済のもとで、従来は考えられなかった地域にも開発が集中し、地域振興とか国民的リゾートづくりと称して乱開発が進行してまいりましたが、これは現行の土地利用規制が不備であったためであります。全国各地の自治体は、こうした法制度の不備を補い、地域の環境と生活を守みために、創意工夫のもと独自の条例や開発指導要綱を制定し、乱開発に対抗してきたのでありますが、今、法とのそごに苦しみ、あえいでおります。  ところが、政府の改正案は、こうした自治体の努力に法律上の根拠を与え支援していくという点では極めて不十分なまま、地域住民から遠いところで受忍の限度を全国一律に定めてこれを地方へ押しつけるだけに終わっているのであります。  町づくりは、本来、地域の住民と自治体が責任を持って行うべきものであります。細かいところまで法律で決めるのでなく、住民参加や議会の権限を拡充するなど法律で骨格となる手続を定めた上で、どこまでが適正な制限かということを含めて、住民と自治体によって都市計画を決定するという方向に改革していくべきであります。  政府案は、自治体に対する不信感があるのではないかという疑問を抱かざるを得ません。  第二に、政府案は、東京一極集中を是正するどころか、大都市への新たな集中と過密化を促進し、地価を再び高騰させるおそれが多分にあることを指摘しておきたいと思います。  今回提案されました誘導容積率と容積率の適正配分の制度は、大都市においてオープンスペースを生み出すという名目で容積率を緩和し、新たな事業所床の供給を可能とする一方で、立地規制的コントロールに欠けるところから一層の一極集中を加速させる要因となるおそれがあります。  また、現在の指定容積率は、いわゆる歩どまりの理屈で、全部は使い切れないということを前提 にしていたはずであります。都市全体の容積率が同じであれば幾らでもめり張りがつけられるという考え方自体、通勤問題、道路問題、ごみの処理問題等々が限界にきている東京などの現状を無視して、もともと過大に設定されている大都市の容積率をさらに目いっぱい使わせようとするものであります。  その上、現に指定されている容積率を既得権のように扱うことで、開発業者による容積率の地上げが起こるおそれさえあります。土地の高度利用によって供給がふえれば需給関係で価格が安定するという考え方も、さして根拠のある話とも思えません。スポット的に容積率を緩和すれば、全体として地価を押し上げることにもなります。今、大都市東京に必要なのは都市の成長を抑え管理するダウンゾーニング的手法であります。  反対討論を終えるに際し、ぜひとも近々に、都市計画法はもとより、都市政策全般に対して中央、地方の権限の見直しやその手法の抜本改正を行う必要があることを要請しつつ、このように問題点の多い政府提出の都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案には反対であることを表明し、私の討論を終わります。

石井一二自由民主党

○石井一二君 私は、自由民主党、公明党・国民会議、連合参議院及び民社党・スポーツ・国民連合を代表いたしまして、ただいま議題となりました都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案につきまして賛成の意見を表明するものであります。  御承知のとおり、今回の地価高騰に対しては、平成三年一月の総合土地政策推進要綱等に基づき金融面、税制面等の所要の施策が講じられてきており、このため最近の地価の動向は、総じて沈静化の傾向が見られるものの依然として高水準にあります。また、大都市地域を中心に、住宅地への業務ビルの進出が著しく、住宅地の地価の上昇や住環境の悪化を招いたほか、都心部では、夜間人口の減少により地域のコミュニティーの崩壊といった問題が発生しております。  今回の都市計画法及び建築基準法の一部改正は、このような問題に対処するため、総合的な土地政策の一環として土地利用計画制度の充実を図るとともに、良好な市街地環境を整備し都市の秩序ある発展を図ることをねらいとするものであり、かねてからその速やかな実現が望まれてきたところであります。  こうした期待にこたえるため、本法案においては、第一に、住居系用途地域を細分化してきめ細かな規制を行い、業務ビル等の進出を適切に抑制し、住居の環境の保護を図ることとしております。  第二に、地区計画制度を拡充して誘導容積制度を創設し、公共施設を伴った良好な市街地整備を図りつつ土地の有効利用を促進することとしており、また、市町村の都市計画のマスタープランとして市町村の都市計画に関する基本的な方針を創設し、市町村による主体的な町づくりを支援することとしております。  第三に、自己の業務用に行う開発行為に関する技術基準の見直しを行うなど開発許可制度を改善するとともに、無秩序なリゾート開発から周辺地域の環境を守るため用途未指定区域や都市計画区域外における建築規制を充実することとしております。  加えて、日米林産物協議などを踏まえつつ、木造三階建て共同住宅の建築を一定の地域において可能とするとともに、地域文化の振興等に資するため伝統的建築物に関する規制の見直しを行うこととしております。  本格的な高齢化社会が到来する二十一世紀まであと十年足らずと迫ってまいりましたが、今や私たちは、その経済力に見合ったゆとりと豊かさを実感できる生活空間を実現するため、四百三十兆円の公共投資基本計画に基づき社会資本の整備を促進していくとともに、経済社会の変化に対応した都市計画、建築規制制度を構築していくことが極めて重要となっていると考えております。  この意味で、今回の改正は、時代の要請にこたえたまことに時宜を得た措置であり、新たに構築される制度の活用によって、地域の特性に応じた個性ある町づくりが一層積極的に推進され、生活大国にふさわしい良好な生活空間が整備されるものと期待をしているところであります。  以上、本案に対する賛成の理由を申し述べて、賛成討論といたします。  ありがとうございました。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 私は、日本共産党を代表して、政府提出、衆議院修正の都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。  日本の都市計画制度は、開発の自由、建築の自由が優先され、計画に基づく開発、住民と市町村による町づくりという都市計画の原則が極めて不徹底なものです。しかも、中曽根民活以来、都市開発がアメリカの要求に基づく内需拡大の手段とされ、一層規制緩和が進められてきました。その結果、大都市部では事務所ビル等によって住宅用地が侵食され、不当な地上げで町が破壊されてきました。地方では、リゾート法を契機に大型のホテルやマンション建設が相次ぎ、自然や景観を台なしにする事態が続発しました。  本法案が、こうした事態に対して遅まきながら一定の対策を講じようとするものであることは、評価できるものであります。しかし、その手法、内容は、これまでの都市計画制度の根本的な欠陥をほとんど是正していないばかりか、土地の高度利用と称してさらに大都市の過密を激化させるおそれが強いものです。  市町村の都市計画に関する基本方針の策定は、計画に基づく開発という方向への一歩前進ではあります。しかし、その策定においては、知事が決定する整備、開発、保全の方針に拘束される反面、住民の意向を反映する措置は極めて不十分な都市計画決定手続よりもさらに後退したものです。しかも、市町村の都市計画は基本方針に即して行われなければならないとされながら、市街地再開発事業などの知事が決定する都市計画は市町村の基本方針とは全く無関係に行える仕組みになっています。これでは形ばかりで、本来のマスタープランとは似て非なるものになっています。  用途地域の細分化は事務所ビルの住宅地への侵食防止を最大の目的としていますが、それは大都市の一部で起こっている問題であり、そのために一律の用途地域を細分化して一斉に全国の用途地域の指定がえを行うことは不適切です。それぞれの地域で起きているさまざまの問題は、地域の必要に応じた特別用途地域の制定や用途規制の追加などをもっと自治体の裁量にゆだねることによってこそ適切、機敏な対応ができます。不必要な用途地域の全面指定がえは、むしろ高度利用型の用途地域への指定がえをねらったものと言わざるを得ません。  新たに導入された誘導容積制度は、本来都市の成長を管理する手段であるダウンゾーニングの手法を悪用して土地の高度利用を強要しようとするものです。想定されているのは大都市の低層住宅地であり、零細な土地所有者やそこに住む高齢者、低所得者などに犠牲を強いるおそれがあります。特に容積配分制度は、高過ぎる指定容積率の限度いっぱいまで使おうとするものであり、都市の過密を一層激化させることは明白です。また、地権者間の利害関係に複雑な問題を持ち込み、町づくりを一層混乱させるおそれが強い上、結局は資力の強い者が有利になるという不当なもので、断固反対です。  開発許可制度はわずかな手直しか行われていますが、ミニ開発は野放しであること、市町村には権限がないこと、建築行為は対象外であること、一定の技術基準を満たすものは原則許可であることなどの根本的な欠陥は全く是正されていません。都市計画区域外や用途地域未指定区域の規制強化は前進ではありますが、極めて不十分であり、開発許可制度の抜本的な改善が必要です。  木造建築物、伝統建築物に対する規制の緩和には賛成でありますが、在来工法にも十分活用できるよう適切な運用を要望しておきます。  都市の健全な発展を図るためには、民主的なマスタープランの策定、都市計画決定における住民参加の拡充、市町村への大幅な権限移譲と自主財源の確保、タウンジー三シグなど都市の成長管理政策の導入、開発許可制度の強化など、都市計画制度の抜本的な強化、改善が必要であることを指摘して、私の反対討論を終わります。

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案(閣法第七二号)に賛成の方の挙手を求めます。    〔賛成者挙手〕

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、井上君から発言を求められておりますので、これを許します。井上章平君。

井上章平自由民主党

○井上章平君 私は、ただいま可決されました都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。  都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。 一、用途地域の細分化に伴い、指定替えに際して安易な規制緩和が行われないよう地方公共団体を指導すること。 二、誘導容積制度及び容積率の適正配分制度の運用に当たり、当該地方公共団体が安易な容積割増しを行うことなく、いやしくも、土地の高度利用によって大都市部における一層の集中を招くことのないよう指導すること。 三、市町村の都市計画に関する基本的な方針の策定において、住民の意見反映が十分に行われるよう地方公共団体を指導すること。 四、都市計画区域以外の区域における建築規制制度の適用に当たっては、区域の指定要件、条例による制限の基準等について、当該地方公共団体の自主性が発揮できるよう十分配慮すること。 五、都市計画事業が円滑に実施できるよう、地方公共団体の財源の確保に十分配慮すること。 六、地方公共団体における都市計画の専門家の養成を図るとともに、都市計画制度及び都市計画に係る補助・融資制度に関するマニュアルを作成すること。 七、開発許可の技術基準に関する政省令の制定に当たり、地方公共団体が地域の気候、風土または土地利用の状況を勘案して制度の運用ができるよう配慮すること。 八、本委員会における論議を踏まえて、都市計画決定に係る権限及び手続きについて速やかに見直しを行うこと。  右決議する。  以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) ただいま井上君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) 多数と認めます。よって、井上君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、山崎建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。山崎建設大臣。

山崎拓自由民主党建設大臣

○国務大臣(山崎拓君) 都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。  今後、審議中における委員各位の御高見やただいま議決になりました附帯決議の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。  ここに、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。  どうもありがとうございました。

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) これより請願の審査を行います。  第八二号尾瀬の水の広域的運用に関する請願外百三十六件を議題といたします。  本委員会に付託されております請願は、お手元に配付の付託請願一覧表のとおりでございます。  これらの請願につきましては、理事会において協議いたしました結果、第八四八号有料道路通行料金身体障害者割引制度の内部障害者等への適用拡大に関する請願外四十三件は採択すべきものにして内閣に送付するを要するものとし、第八二号尾瀬の水の広域的運用に関する請願外九十二件は保留とすることに意見が一致いたしました。  以上、理事会協議のとおり決定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  建設事業及び建設諸計画等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十時二十分散会      —————・—————

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