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123回国会参議院1992/06/01

建設委員会 第9号

発言数
138
登壇者
18
会派数
6
開催日
1992/06/01

会議録

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る五月二十八日、瀬谷英行君及び三上隆雄君が委員を辞任され、その補欠として青木薪次君及び渡辺四郎君が選任されました。  また去る五月二十九日、西野康雄君、広中和歌子君及び上田耕一郎君が委員を辞任され、その補欠として松本英一君、及川順郎君及び市川正一君が選任されました。     ―――――――――――――

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) 都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案(閣法第七二号)並びに都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案(参第四号)、以上両案を一括して議題とし、参考人から意見を聴取いたします。  本日、参考人として東京大学名誉教授日笠端君、弁護士五十嵐敬喜君、社団法人都市開発協会専務理事花形道彦君、京都大学工学部助手片方信也君、明海大学教授石原舜介君へ以上五名の方々に御出席を願っております。  この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。  皆様からの忌揮のない御意見を賜りまして、法案審査の参考にいたしたいと存じます。  これより参考人の方々に順次御意見をお述べ願うわけでございますが、議事の進行上、最初に参考人の方々からお一人十五分程度の御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただく方法で進めてまいりたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。  それでは、まず日笠参考人からお願い申し上げます。

日笠端東京大学名誉教授

○参考人(日笠端君) 日笠でございます。  それでは始めさせていただきます。  私は、かなり長年にわたって都市計画の研究あるいは教育に携わってきた者でございまして、行政学者でも法律家でもございません。したがって、都市計画の一研究者として意見を申し上げたいわけでございます。  都市計画、建築規制の制度につきましては、土地基本法に示されました土地についての公共の福祉優先、それから適正な利用及び計画に従った利用、こういうことがございまして、こういった土地についての基本理念を踏まえまして居住環境の確保、良好な市街地像の明確化、あるいは土地の有効利用を図るために土地利用計画を詳細化し、きめ細かな規制、誘導を行うという制度を構築していかなければならないと日ごろ考えておるわけでございます。  今回の政府案にはさまざまな改正内容が盛り込まれておりますけれども、時間の関係もありますので、その主な幾つかの点について申し上げたいと思います。  第一は、用途地域制度の整備でございますが、住居系の用途地域を細かにいたしまして、現在の三種類を七種類にふやす、そして用途地域全体では十二種類という新たな制度を考えておられるようです。また、新しく特別用途地区を創設することも盛り込んでおられます。  近年、御承知のように大都市の都心周辺部におきましては、業務ビルのスプロール、ばらばらに業務ビルが周りに建ち始まりまして、そこの居住環境あるいはコミュニティーの破壊といったようなことが問題になっているわけであります。これは今の住居系の用途地域が店舗、事務所等に対する制限が非常に甘いといいますか、緩いわけで、このことが問題であろうということであります。したがいまして、この案にあります第一種住居地域、第一種中高層住居専用地域あるいは中高層階住居専用地区といった制度は、そういった事務所のスプロールを防止し、あるいは都心居住を支援するねらいを持っているというわけでありまして、そういう意味での新しい地域、地区は、今申しました点で有効に機能するのではないかというふうに考えております。  二番目は、誘導容積制度の創設でございますが、土地の有効利用が必要とされているにもかかわらず、我が国の特に大都市におきましては、道路等の公共施設が不十分なために低利用にとどまっているという地区がございます。このまま市街化が進行するということは好ましくないわけでありまして、地区内の公共施設の整備を図りながら良好な市街地環境を形成しよう、土地を有効に使おう、こういうことを目的として、今回は地区計画の定められた区域について適用しようとするものでございます。  これは都市計画中央審議会の制度部会あたりでも最初はダウンゾーニングというような言葉が出てまいりまして、初めは用途地域の規制をすべてダウンさせて厳しくするというような発想なのかなと思っておったのですが、そうではなくて、今申しましたような公共施設の整備の不十分な地域についてこれをいい形で改善する、こういうねらいになりまして、そしてそれがかなり広い範囲に適用されるというようなムードもあったわけでございますが、最終的には、今回初めてこういう新しい発想による制度でございますので、地区計画という中でこれを活用していく、こういうことになったわけでございます。そういう意味で、この実績を私としては見守ってまいりたい、そしてさらにまたこういった発想を展開したらどうかというふうに思っておるわけであります。  三番目は、市町村の都市計画に関する基本的な方針ということでありますが、これは、基礎自治体であります市町村が住民の合意形成を図りながら、地区ごとの将来のあるべき姿、道路、公園等公共施設の計画とか、あるいは都市づくりの課題及びそれに対応してどういう整備をしていくかといった方針を具体的かつきめ細かに決める都市計画のマスタープランなのでありますが、私は前から、地区計画制度がだんだん進んでまいります中で、それに対して何らかの方針があった方がいいと個人的には考えてそういうことも申し上げておったわけです。  この制度は、そういった意味で市町村が定める都市計画としての都市施設あるいは市街地開発事業、地区計画等がその方針の内容になるんだろうと思います。それについて、また従来都市計画としては、義務教育施設であるとかそういった教育文化施設、あるいは市民に非常に日常生活に関係の深い病院とか保育所とかそういった医療施設あるいは社会福祉施設、これも都市計画法では定めることができるようになっておるんですが、余り使われておりません。こういうふうなものも、このマスタープランの制度ができまして市町村がきめの細かい都市計画に取り組む中で生かしていってほしいというふうに考えておりまして、そういった日常生活圏の構想なども織り込めるのではないかというふうに思っているわけであります。  それから次は、地区計画制度の推進でございます。  これについては、地区計画制度は昭和五十五年に創設された制度でございまして、それが約十年の間に全国的にかなり急速に普及をいたしました。平成三年三月、昨年の三月末で統計によりますと約七百地区の指定がございました。また、昨年は全国地区計画推進協議会といったものも発足をいたしております。また、近年の都市計画法、建築基準法の改正によりまして、再開発地区計画であるとかあるいは住宅地高度利用地区計画であるとか、そういった我が国の都市の非常に多様な市街地に対応するためのメニューも拡大されてきております。  今回は、さらにこの制度を拡充しまして、一定の条件のもとに市街化調整区域にも適用し得るというふうにし、あるいは全員合意によって地区整備計画の設定を地元の権利者から要請することもできるようにしたい、こういうことのようで、今後は市町村の都市計画に関する基本的な方針、これを実現する手段が重要でございまして、それでないと絵にかいたもちといいますか、になるわけであります。  そこで、地区計画というものをどう位置づけるかということでございますが、これは市町村が定める都市計画でございますので、ただ、地区計画は、何といいますか、金と力が余りない制度でございまして、そこで補助幹線道路の整備であるとか従来からあります区画整理事業であるとか、あるいは都市の緑地保全であるとか、こういった制度と連携いたしまして、そして市町村レベルの都市計画の中核として地区計画を位置づけるようにして運用するのが望ましいんじゃないかというふうに、この制度には非常に期待をしているわけでございます。  それから、最後になりましたが、都市計画区域外の建築規制でございます。  これは、地方公共団体の条例によって容積率、建ぺい率、あるいは高さなどの制限を適用することができるようにしたいということでございますが、御承知のように、農山漁村など従来はそんな建築物が建つということが想定されなかったような区域におきましても、大規模なリゾートマンションなど無秩序な建築が見られるような地域が生じておりまして、そういう地域においても建築活動を適切に誘導し、あるいは良好な環境を保全するということが必要であろうかと思います。  以上、幾つかの点について申し上げましたが、以上のように政府案は一応土地基本法の理念に沿いまして、その十一条にあります土地利用計画の策定それからその詳細化について、都市計画法、建築基準法を一部改正してそれにこたえようとするものではないかと思います。  我が国の都市の土地利用に関する制度というのは、申すまでもございませんが、欧米のそれとはかなり相違がございます。これは我が国の経済社会の発展の経過が欧米と異なっておるということばかりでなくて、日本の風土、国民性、こういうものにも根差すものであろうかと思うのであります。今度の案は、既存の制度の上に所要の改正を加えるものでありますけれども、次の点で日本の都市計画制度の中で特に土地利用計画に関しては一歩前進ではないか、そして将来に向けての方向としては妥当なものではないかというふうに評価しているわけです。  その点と申しますのは、第一に、大都市の深刻な住宅問題、これに対する政策、それに対応する視点から地域地区制度をかなり大幅に改めようとしておるという点。  それから第二に、土地利用計画の詳細化ということにつきましては、市町村の定める都市計画というものを重視しまして地区計画制度を拡大し、そして市町村がきめ細かい都市計画を推進していく指針となる都市計画のマスタープランの制度を創設しようとしているということであります。  そして第三番目は、誘導容積制度でございますが、我が国では公共施設の整備ができていない非常に問題の地域がたくさんあるわけでございまして、これがこの制度で対応しようとする場合に一番難しい地域でございますが、それを何とかしようということで、公共施設の整備とそこに許容される容積率、この二つを関連づけまして、そしてこういった解決の困難な地域に対して都市計画として新たな対応を試みようとしているということでありまして、これは今後の推移と実績を見たいと私は思っております。  以上申しました三つの点について評価できるんじゃをいかというふうに思っております。  いずれにしましても、こういった制度の運用というものは、住民の環境に対する意識の変革、非常にオイルショック以降、我が国が経済的にも非常に高い水準に達しましたし、国民の生活もそれなりに豊かになってきたという中で大きく意識が変わってきておる、さらに今後そういう意識はさらに高まってくるんじゃないかと思われますし、それからまた、これを受けて立つ市町村の自主的な取り組みに対する積極的な意欲、あるいはやってみた結果自信を得るといったようなことがありませんとこれは進まないわけでございまして、そういったものを前提とするものでございますので、今回はまずその第一段階としてこれらの制度を発足させまして、その実績と経験を踏まえてさらに進んだ制度へ改善を行っていくべきではなかろうか、こんなふうに考えておる次第でございます。  以上でございます。  ありがとうございました。

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) ありがとうございました。  次に、五十嵐参考人にお願いいたします。

五十嵐敬喜弁護士

○参考人(五十嵐敬喜君) 五十嵐です。  私は、第一番目には弁護士として、あるいは都市法という学問的な研究をする者としまして、具体的な事件やら自治体の条例策定についてお手伝いをしてまいりました立場から、今回は政府案と社会党案が両方出されていますので、それを対比しながも意見を述べさせていただきたいと思います。  まず、大きく見まして日本は、多分一九六〇年ころからが画期になると思いますけれども、従来の生産力の整備、あるいは国富の拡大という観点から明らかに生活権の保障と国富の再配分の時代に入ったと認識しております。  これを都市論的に言いますと、いわば農村型社会から都市型社会、あるいはさらには成熟した都市型社会への移行というものをあらわしておりますし、これが今後ますます加速されるものと認識しております。その結果、いわば農村型の自立的社会から、すべて人々の生活が、朝起きてから夜寝るまで、生まれてから死ぬまで、都市の中で都市のあらゆる装置というものに依拠して生きていかざるを得なくなっております。この意味で、都市をどのようにつくるかということは日本国内の最大の課題であり続けると考えております。  日本の都市というものの実情を見ますと、首都東京は既にこれまで私たちが都市づくりの際に目標としてきましたロンドン、パリ、あるいはニューヨークといった巨大都市、しかも先進国の巨大都市の一部を凌駕するという時代に入っておりますし、他方では、私の故郷もそうでありますけれども、後継者が途絶えて全く高齢者だけが取り残されるというような過密と過疎地域の両極端の分解状況になっております。従来、この過疎と過密、極端な一極集中についていろんな案が論議されておりますけれども、率直に言いまして、ほとんど日本全体としても解決策を失ったような気がいたしてなりません。  これをどのようにするかというのが、二十一世紀までの、あるいは二十一世紀を越えた近い将来までの私たちの最大の課題だと私は認識しておりますけれども、まず一つは、過度に膨れ上がった都市の成長というものを一方で抑制しつつ、他方で衰退しつつある都市について一刻も早く成長の種をまいていかなければならないと思います。これを今流行の言葉で言いますと、いわゆる成長管理政策というのがこれでありますけれども、より具体的には、自治体が中心になって開発のスピードとか量、質、あるいはその費用等について具体的にコントロールしていくということが日本では何よりも必要になっているというふうに私は考えております。  この成長管理の都市政策というものを行うときに最も具体的な武器になりますのが今回問題になっております都市計画というものでありますが、これを少し、社会党案及び政府案を考えるに当たって、より原理的に認識しておかなければならないことがあると私は思います。  それは、都市計画というのは一般的に私権つまり土地所有権を制限する側面を持っているということでありまして、これが最大の争点であります。というのは、日本では土地所有権、その具体的中身について言いますと、いわゆる使用、収益、処分の機能、これが自由である、つまり絶対的なものであるということがずっと考えられてきました。公共の福祉による制約というのはいわば非常に軽いものでありまして、他人に迷惑をかけたときにのみその土地の所有権の中身が制限されるというふうに理解されてきたわけです。現行の都市計画法も実はこの考え方に立っていると私は認識しております。  より具体的に都市計画法的用語でいきますと、都市計画法によりますと、日本の国土は、大きく言いますと都市計画区域内と都市計画区域外に分かれます。都市計画区域内は市街化区域と市街化調整区域及び白地区域というふうに分かれておりますけれども、これを開発の優先度という関係から見ますと、明らかに順番がついています。つまり、市街化区域は開発を促進すべき区域でありますし、市街化調整区域は開発を抑止すべき区域で、白地地域はもちろんそうでありますし、そもそも都市計画区域外というようなところについては建築が予定されておらないというのが都市計画法の理念的な考え方であります。  しかし、これを実際の形で見ますと、市街化区域の中に第一種住居専用地域というのがありまして、ここは高さ十メートルとか、容積率についても極めて制限されております。しかし、本来ならば理念的には開発が抑止されるべき地域である市街化調整区域あるいは白地地域あるいは都市計画区域外というところが、逆に建築の自由が認められている。  つまり、市街化区域内でいきますと、第一種住居専用地域というのは容積が非常に限られておりますけれども、市街化調整区域、白地地域になりますと、現行法でいきますと容積率四〇〇%、都市計画区域外になりますと容積率についてもいわば無制限、青天井で超高層が建つ、こういう構造になっているわけです。都市から遠ざかれば遠ざかるほど開発が自由になるという、ある種の理念と全くかけ離れた法制が日本の都市計画法制になっているわけです。  この考え方は、土地所有権というものについて制限がない限り自由である、もっと言いますと、計画がなければないほど自由であるというふうに、逆立ちした都市計画法のシステムになっていると私は考えております。  ここが実は今回のバブル経済のもとで集中的にねらわれておりまして、これが地方自治体のところにいろんな混乱となってあらわれているわけです。例えば神奈川県真鶴でもそうでありますし、静岡県掛川でもありますし、大分県の湯布院でもそうでありますし、群馬県の嬬恋でもこういうことが起きております。つまり、本来ならば開発を抑止すべきところが、法律上開発が無制限になっているためにリゾート等によってねらわれる。これが地方自治体に非常に大きな混乱をもたらしたというふうに私は考えているわけです。  しかし、先ほど言いました近未来のことを考えますと、このような間違った考え方については、そろそろ今国会において廃棄すべきだと私は考えております。それは、さきにつくられました土地基本法の理念からいっても当然のことだろうと私は思っています。  土地基本法についてもう一度確認させていただきますと、土地基本法では、土地については何しろ公共の福祉を優先させることということが第一であります。都市計画的な側面に限って言いますと、公共の福祉とは、「土地は、その所在する地域の自然的、社会的、経済的及び文化的諸条件に応じて適正に利用されるものとする。」こと。二番目は、「土地は、適正かつ合理的な土地利用を図るため策定された土地利用に関する計画に従って利用されるものとする。」。つまり、先ほど日笠先生もおっしゃいましたように、計画優先ということが確認されているわけです。  問題はこの計画をだれが定めるかということでありまして、土地基本法では明らかに「国及び地方公共団体」というふうにしておりまして、国と都道府県及び市町村が地域の特性を考慮して良好な環境に配慮した土地の高度利用、土地の利用の適正な転換または良好な環境の形成もしくは保全を図るための土地利用計画を策定することというふうにしているわけです。なお、地方公共団体が土地利用計画を定める上で、「住民その他の関係者の意見を反映させるもの」ということを確認しているわけであります。  この土地基本法を読みますと、幾つかの点で従来の考え方を変えなければいけないということを確認したと読むことができると思います。  一つは、土地所有権は無限の自由は認められないということであります。第二番目には、土地所有権は公共の福祉によって、つまり計画によってその範囲内でしか自由が認められなくなる。三番目には、計画は国土全体にわたるものについては国、市町村に固有なものについては市町村、そして複数の市町村にわたるものについては都道府県というように、それぞれが固有の領域を持ち、かっこれを実施するという体制にすることということであります。このそれぞれの固有の領域における計画策定に当たっては、先ほど言いましたように、土地の所在するその地域の条件というものをよく考慮すること、住民参加を入れてつくることということが土地基本法で確認されたことだったと私は考えております。  これは、かつてのようなすべて自由である、これを法学上「絶対的所有権」と言いますけれども、絶対的所有権を廃棄して、ある種の計画によって土地所有権に新しい命が吹き込まれるという諸外国並みの相対的な自由権への橋がかりをこの土地基本法によって私たちは獲得したというふうに読むことができると私は考えています。  この論理、つまり絶対的所有権から相対的所有権への橋渡しを見ますと、今、日本でいう新たな都市計画における分権論への手がかりをつくったというふうに読むことができるというふうに私は思っています。この分権論こそ、先ほど言いました新しい社会すなわち生活権の保障と国富の再配分という成熟型都市社会を築くためのロイヤルロードとなっていると私は考えるわけです。  今回の政府案と社会党案を見ますと、政府案は必ずしもそうなっておりません。逆に社会党案はそのアプローチへのシステムを築き上げていると私は理解しております。  確かに政府案でも、今回の都市計画法改正に当たりまして、原則として市町村にマスタープランをつくらせることによってこの分権の論理を強めたというふうにしばしば答弁なさっておりますし、いろんなところでこういうことを聞きます。しかし、よく考えてみますと、市町村のマスタープランというのは都道府県知事、これは、法学上「機関委任事務」と言いまして、都道府県知事というのはいわば国の代行でありますけれども、国が定める整備、開発、保全の方針の枠の中にありまして、具体的な都市計画は都道府県知事の承認を受けなければなりません。市町村の都市計画と都道府県知事の都市計画が抵触したときには、無条件で都道府県知事の都市計画が優先いたします。  同時に、都道府県知事と国、つまり建設大臣の関係を見ましても、都道府県知事の都市計画の多くの事項について建設大臣の承認を受けなければならず、また国の都市計画と都道府県の都市計画が抵触した場合には、これも無条件で国が優先しますし、また都道府県知事の定める都市計画を是正を命ずることができるという形になっています。これがいわゆる都市計画における国家高権理論というものでありまして、あくまで都道府県知事は国の機関、市町村もあくまで、団体委任事務と言いますけれども、国の命令を実行する機関にすぎないのであります。  この理論の最大の欠陥は、当然のことながら都市計画に対する議会あるいは住民あるいは裁判の関与というものを認めておりません。その結果一番困ることは、都市計画について一体だれが責任をとるのかということであります。欧米では、都市計画とは利害の異なる人々の一定の法の手続の保障のもとで、つまりデュープロセスのもとで利害関係を調整していくこと、すなわちプロセスそのものが都市計画と考えられているわけです。  人間はだれでも美しい都市や快適な都市に住みたいと思うわけでありますけれども、欧米で最も重視されているのは、その美しい町あるいは快適な都市を、そこに住むということだけではなくて、そういう都市をつくる過程に参加すること、それが最大の喜びだということが前提になって欧米の美しい都市がつくられているわけです。  なぜこの市町村における議会の関与や住民の参加を本当に認めないのだろうかということを考えますと、よく政府の人々は、市町村にはそのような能力がない、あるいは住民を参加させると混乱が増すばかりだということを言っておられます。この認識そのものについても異論がありますけれども、仮にこの認識が正しいということを前提にしましても、大きな問題があると思います。  それでは、そのような望ましくない状態についてどのようにしたら変えていけるかということであります。  政府はこれに対してしばしば、自治体を指導し監督を強化することによってそういう混乱やら望ましくない状態を変えていくことができるというふうに言っております。しかし、よく考えてみますと、都市計画法の前身の前身である明治二十一年の市区改正条例以来、実に百年にわたってこの指導監督を強化してきたわけであります。しかし、都市は本当によくなったでしょうか。また、今後本当によくなるのでしょうか。  冒頭に過密と過疎の問題を言いましたけれども、これはこの指導監督のその結果の果てにできたものであります。かわいい子には旅をさせよとよく言われますけれども、いよいよ二十一世紀を迎えるに当たって私自身が強調したいことは、市町村にも旅立ちをさせなさいということであります。その結果、一部自治体では迷い子になったりあるいは行方を見失ったりする自治体もあるかもしれませんけれども、それでも自立させていかなければいけないと私は思います。  成長管理の都市政策というものが私たちに教えてくれた最大のことは、都市に対して自治体、議会及び市民が責任をとることを教えてくれたということであります。それは命令に従えという都市計画よりもはるかに生き生きとしておりますし、また、それが自治体間の活性化につながります。ある意味での競争を生み出します。それが自治体の能力を徐々に高めていくものと私は信じております。  最後に、政府案についてもう一点だけ申し上げたいと思います。  政府案は今回だけでなくこれまでもなくさんの都市計画メニューをつくってまいりました。今回も、用途地域が八種類から十二種類になり、特別用途地区は八地区が土地区になりました。これに、用途だけではなくて、建ぺい率あるいは容積率あるいは日影制限というようなものを組み合わせますと、実に何百種類ものゾーニングが可能となってきます。しかし、このような何百種類ものゾーニングが果たして北海道の田舎町からあるいは東京あるいは沖縄まで本当に全国必要とされていることでしょうか。  よく考えてみますと、東京はこれだけでも足りないかもしれません。しかし、北海道や沖縄やら私の生まれた山形では、こんな何百種類ものバリエーションが必要とは到底思えません。つまり、国家が面倒を見れば見るほどわけがわからないほどたくさんのメニューがふえて、それを理解し、それに参加し、それを実際に運用する人々がほとんどもうこういう都市計画法制度について頼ることができないという状態になっているわけであります。つまり、ある種の制度疲労というものを起こしていると私は考えます。これが政府案の限界だと私は認識しております。  申すまでもなく、時代はすべてに変革を求めています。都市計画を分権化すること、これは社会党案だけではなく、既に行政改革審議会でも言われておりますし、国民の世論ともなっているわけであります。二十一世紀には、こういうメニューの相談ではなくて、本当に美しい豊かな都市ができたということについて語り合える機会になれば大変結構なことだと私は思っております。  以上です。どうもありがとうございました。

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) ありがとうございました。  次に、花形参考人にお願いいたします。

花形道彦社団法人都市開発協会専務理事

○参考人(花形道彦君) 都市開発協会の花形でございます。  都市開発協会と申しますのは、実は大手の私鉄十五社とその関連の不動産会社が集まっております民間のデベロッパーの団体でございまして、私は立場上はそこの専務理事でございますけれども、きょうはやや立場を離れさせていただきまして、そういう比較的都市問題等の情報が入りやすい立場にいる一国民というような立場から意見を述べさせていただきたいと思います。大変勝手なお願いでございますけれども、お許しをいただきたいと思います。  今回の都市計画法、建築基準法の改正案でございますけれども、総論といたしましては、都市行政の一歩前進であるというぐあいに評価をいたします。今後もなお検討すべき課題は多々ございますけれども、現段階では一歩前進であるというぐあいに評価をいたします。  主な点として申し上げますと、先ほどから出ております用途地域の細分化、これは本来ならばもう少し早い段階から検討すべきであったとすら言える問題でございまして、特に最近での住居地域の中の機能の混乱という面からの対策としては評価できます。  それからまた、今回の改正の中には地価対策という面も含まれているわけでございます。しかし、この点は、本来、都市計画というのは地価対策の主役ではございませんのでやむを得ないということは言えるかと思いますけれども、これだけに大きな期待をかけることはできないんじゃないかというぐあいに存じます。地価対策としてはもっといろいろな総合的な対策が必要であるというぐあいに思います。  それから、それに付随します問題といたしまして、用途地域に関連する容積率と建ぺい率の問題でございます。  お聞きしますところによりますと、修正案として、用途地域が指定されていない地域での容積率の最低が二〇〇%から一〇〇%という修正案が出ている、それから建ぺい率が六〇%から五〇%と数字は多少落とされた修正案が出ているというぐあいに伺っておりますけれども、五月十九日の衆議院の委員会で、きょうもお見えでございます真鶴町長さんが真鶴の実態についてるる苦労話をお話しになられまして、要するに、社会資本の要量がないところで非常にマンションが乱立している、そういうものに対する対策の手当てがないということで非常に御苦労されているお話がございまして、諸先生方も非常に感銘を受けておられるようでございました。そういうようなものが一つの動機がと思いますけれども、今回の改正が非常に大都市地域での問題の対処に偏っている面もございましたので、そういう意味では非常に評価できる修正ではないかというぐあいに思います。  それから、誘導容積制度でございます。  これは大都市の一極集中を助長するのではないかという御批判があると聞いております。また、確かに機能的にはそういうものがなきにしもあらずでございます。  ただ、しかし、道路、公園、広場とかオープンスペースを整備すれば土地の有効利用、高度利用をある程度認めていこう、こういう思想は今回の誘導容積制から始まったわけではございませんで、御承知のとおり、既に昭和三十年代、昭和三十六年にできました特定街区制度、これがオープンスペースをとれば容積率にプレミアムをつけるということで、新宿副都心とか霞が関ビルがそうでございます。それから、その流れを酌むものとして昭和四十五年に総合設計制度、これは同じような思想で、ややスケールを小さくした制度でございますけれども、そういうものもできておりますし、平成元年には再開発地区計画制度というものができておりまして、考え方としては別段新しいことではございません。  しかし、確かに一極集中を助長する面がなきにしもあらずでございますので、その補完といいますか、並行的な対策として一極集中排除という確固たる考え方と対策を持った上での創設であるというぐあいに理解をした上で評価をすべきじゃないかと思います。  言葉をかえて言えば、確かに一極集中をせざるを得ませんし、大きな課題でございますけれども、そうは言うものの、今の東京というものを経済的な諸機能等を中心に今後も使っていかざるを得ない、そして、高度利用をすべきところについてはある程度その都市施設の容量等が許される範囲で高度利用していかざるを得ない、そういう課題は確かにございますので、そういう意味では誘導容積制というのも一歩前進ではないかと思います。  ただ、この問題が出ましたのでちょっと申し上げますと、東京の再開発なり高度利用というときに、大体の御議論の場合に、何といいますか、視点がそちらへ行かないのでございますけれども、現在の東京の都市施設というのを見てみますと、道路率でいきますと二十三区では一四・六%しかございません。一四・六という数字をお聞きいただきましても余りぴんとこないかもしれませんけれども、最近の例えば住宅・都市整備公団とか民間企業が開発しております大団地ですと、道路率というのは大体二五%から三〇%前後でございます。これは欧米の先進国の都市でも大体同じでございます。東京で二五%以上あるところというのは都心三区しかございません。  一四・六という数字も非常に驚くのでございますけれども、なお一層驚くのは、その六〇%が五・五メートル以下の狭幅員の道路であるということでございます。要するに、消防車がほとんど行き交えないという状況がございます。  そして、もう一つ驚くべき数字は、都市公園の面積というのが一人当たり二十三区で二・三平米しかございません。豊島区あたりでございますと〇・三平米しかないということで、都市公園がほとんどないというような状況がございます。これは欧米の例で申し上げますと、パリあたりですと一一%ぐらいとか、大きな公園のあるワシントンあたりですと何と三〇%近い都市公園があるというような状況がございます。  そういうことでございますので、一極集中排除というのは今申し上げたような都市施設の容量との関係でいえば極力進めなければいかぬ、しかし高度利用できるところはオープンスペースなり道路等を整備しながら再開発をする、高度利用をするという課題はあるのではないかということでございます。  それから、もう一つちょっと目につきましたのは、建築基準法の改正の方で防火地域、準防火地域以外のところで木造三階建ての住宅を認めるという改正案が出ております。  私たまたま四月の初めにアメリカヘちょっと行ってまいりまして、向こうの合板協会の案内でまさに木造三階建てを使っている実情を見てきたわけでございますけれども、アメリカにはアフォーダフルハウスという言い方がございまして、これは日本式で言うと手が届く住宅というような意味になるかと思いますけれども、勤労者向けの住宅、ガバメントハウジングというような言い方で、要するに、政府なり州の税制とか国庫補助等の助成の対象になっている住宅で、家賃をある程度抑えてそれで勤労者用に供給をしている賃貸住宅がございますが、このアフォーダフルハウスというのはほとんど全部が木造三階建ての住宅でございまして、向こうでは非常にコストが安くできるということで評価されているわけでございます。  これを日本へ持ってくる。御承知のとおり木材が高いというようなこともありますし、それから、私、技術者でございませんので一緒に行った技術の方にお聞きしますと、耐火とか耐震の基準が大分遣うんだというようなこともおっしゃっておりましたけれども、その辺も検討して、木造三階建てができるということであれば、単に日米構造協議で押しつけられたというような評価だけではなくて、せっかくですから有効に勤労者のためのローコストの住宅ということで活用ができないか、検討に値するのではないかと思います。  以上がその主な内容についてでございますが、もう一度申し上げますと、一歩前進であるということでございます。  ただ、この機会に、もう少しその前段の問題として、行政の課題というか、むしろ政治の問題として政治の立場から考えた場合、都市計画というのは何かということについて触れてみたいと思うのでございますけれども、どうも日本では、都市計画とか都市計画施設というと何か非常に難しいことで、余り日常生活に関係ないというような感じが強いわけでございます。  例えば「計画なきところに開発なし」という言葉があります。これはイギリスで発生した言葉ですけれども、これはまさに日笠先生の御専門で、私、大変口幅ったいのでございますけれども、イギリスの都市計画の歴史というのを勉強してみまして、あるいはと考えたことがあるわけでございます。  イギリスで都市計画というような思想が出てまいりましたのは、十九世紀の初めでございますが、向こうでは決して観念的にできたわけではございませんで、十九世紀の初めにコレラが発生しまして、コレラ対策で初めて公衆衛生という考え方が出てきたわけでございます。それで、一八四八年に公衆衛生法ができまして、そこで厨房とかトイレの衛生のチェックとかやや建築基準法的な考え方が入ってまいりまして、そういう公衆衛生法の思想が土台となって、住宅法とかあるいは一九〇九年の住宅・都市計画法ができてきているということでございます。  これは、言い方をかえて言いますと、理念から先に出てきたんじゃなくて、コレラという極めて具体的な町題に対処する方策として都市計画的な考え方が出てきたわけであります。  それは何かというと、要するに、余り考えたくないけれども全体のことを考えないと自分も死んでしまうということです。どうも、人間でございますから、修身の教科書みたいな意味で他人のことを考えろといってもなかなか無理でございまして、都市計画というのは人間を相手にしてやるものですから、単なる理念じゃなくて、全体の町づくりあるいは全体の住環境ということも考えた方が自分の生活もプラスになるんだ、まさに憲法二十五条で言う健康で文化的な生活ができるというのは、個人だけの努力だけじゃなくて全体のことを考える、それが憲法二十五条の生活の実現の方策になるんだ、個人での物の考え方じゃなくて、全体を考える生活感覚を醸成していく必要があるんじゃないかということを考えます。  これをやらないと、いつまでたっても同じような問題にぶつかっていくんじゃないか。  確かに、それはすぐできるのかと言われれば、極めて中長期的な問題であろうかと思います。しかし、ちょっと考え方を変えてみますと、日本の国民というのは、戦時中まではまさにお上の町づくりに従ってきたわけでございます。戦争中までは、富国強兵でありまさに防火体制としての町づくりだったわけですけれども、戦後ほどちらかというと産業優先的な町づくりが進められてきたということでございますので、ある意味では、本当に国民の立場から、生活者の立場から物が言えるようになり、それが多少でも実現し始めたのはごく最近じゃないか、そう考えたら、余り絶望することもないので、始まったばっかりだ、これから五十年かかっても、こう思えばよろしいんじゃないか、こう思います。  例えば、もし御興味がございましたらお帰りになって辞書をお引きいただきますと、「宅地」を引きますと「土地」と出てきます。「土地」を引きますと「宅地」と出てきます。そこに書いてあることは何かというと、建物が建てられる土地、こういう言葉しか出てこないのであります。先ほど五十嵐先生もおっしゃっていましたけれども、本来、都市型の生活を行うためには、単に物理的な土地じゃなくて、そこに都市計画というものと都市施設の整備というものが伴わなきゃいかぬはずです。そこで初めて宅地ということになるわけなんですけれども、生活感覚としてはそういうものが我々の中にございません。  例えば農地の宅地並み課税をやると宅地が出るのか出ないのか、こういう議論になりますけれども、しかし、農家の方がもし土地を手放されたとしても、それに見合う社会資本の容量がなければ、それは宅地じゃなくて単なる物理的な土地のはずなんです。そういう区別がつくような生活感覚から初めて本当のいい意味での都市計画というものが生まれてくるんじゃないか、そう思います。  もう時間が大分過ぎたようでございます。この辺でとりあえず終わります。

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) ありがとうございました。  次に、片方参考人にお願いいたします。

片方信也京都大学工学部助手

○参考人(片方信也君) 御指名を受けました京都大学の片方です。  以下、私の意見を申し述べたいと思います。  今回の法改正は、線引き制度の導入、用途地域の四種類から八種類への細分化を行って、以来の二十二年ぶりの大幅な改正と言われております。  八〇年代以降の十年間を見ると、地区計画制度の導入を初め、沿道整備計画、集落地区計画、再開発地区計画、住宅地高度利用地区計画などが相次いで創設されてきました。このような制度の変遷を見ますと、複雑化、多様化の過程を経てきていますが、特にこの十年間の大都市の膨張と変化は、狂乱地価の出現、多数の住民の都心からの流出を招き、大都市問題は新たな様相を呈するようになってまいりました。  その背景には、民間活力の名による内需拡大、規制緩和による大企業中心の大都市改造の推進がありました。新制度の創設はこれと密接につながって行われてきたと言えます。  一方、このような大都市改造による生活環境の破壊、地上げなどによる住民の追い出し、景観の破壊あるいは都市内や周辺の自然や緑の破壊に反対して多くの地域で住民が立ち上がり、住み続けるための権利の保障を求めています。  例えば、私は京都から参りましたので京都の例を挙げますが、京都では、一九八八年以降、前述のような破壊からみずからの町を守ろうと、都心地域を中心に町づくり憲章や町づくり宣言を町内ぐるみで制定する取り組みが進んでいます。これには、職住近接の町並みや歴史的遺産を守ること、町づくりへの住民の主権の主張が高らかに盛られています。これは今日まで二十の地域を教えました。  このような住み続ける権利や町づくりの住民主権を確立しようとする住民の願いは、この十数年間に環境破壊が著しく進んだ東京や大阪などの大都市や地方都市でも、同様と言えるのではないでしょうか。  したがって、今、国民、都市の住民は今回の法改正に重大な関心を寄せています。改正が安心して暮らしよい町づくりを住民の立場で実現するものであるかどうかが鋭く問われております。  法の改正案には、住居系土地利用への一定の配慮による措置、商業地域における容積率に二〇〇%、三〇〇%の低い側のメニューの追加、用途地域の指定のない地域や都市計画区域外での一定の建築制限の導入、伝統建築物についての建築基準法令の適用除外の拡大など改善の側面が見られます。それらの側面については、率直に評価できる面があります。  しかし、前述のような住民の願いと比べるならば、根本的なところでは大きな食い違いがあり、重大な問題点があると言わねばなりません。二十二年ぶりの改正に当たり、真に住民にとって安心して住みよい町づくりを可能とするために、住民の意思に基づく都市計画のあり方が今強く求められています。今回の改正は、今後長期にわたって都市計画を方向づけるに当たってまたとない改正の機会であると考えます。けれども、今回の改正案には、このような住民の切実な要請に正面からこたえるところは残念ながらありません。  法改正の基本的な特徴は、次の二点にあると言えます。  第一は、土地の有効高度利用を貫いているという点です。  現行の制度で許されてきた容積制限が全体として果たして適切であったのかどうかが実は問題なのですが、改正案では、若干のメニューをふやすというだけで、容積の低減の具体的な提案はありません。そもそも現行の過大な容積指定が地価高騰、住環境や景観を破壊するような高層ビルの乱立を許し、過剰開発の誘因となってきたのです。したがって、本来、現状容積が大き過ぎるという認識に立つことが必要とされています。にもかかわらず、誘導容積制度の導入で新たな規制緩和を図ろうとしています。  改正の根拠となっている都市計画中央審議会、建築審議会の答申が、大都市の中心部に広く存在する一般的な住宅地を低利用と規定し、これらの有効高度利用を強調していますが、それがそこに住み続けようとする住民の立場からの発想でないことは明白です。また、例えば建築審議会の答申には事務所床の需給ギャップなどが地価高騰の原因と見る立場が示されておりますが、そもそも過剰開発を許す容積指定の高さが原因であるにもかかわらず、そのような認識はどこにも示されておりません。今回の改正は、こうした答申の内容に則したものであることは明らかです。  第二は、住民参加の拡充がほとんど図られていないことです。  この点は都市計画中央審議会が、「都市計画の決定手続」のところで都市計画の権限配分などについて「国と地方の機能分担等の基本的枠組みを踏まえつつ」としつつも市町村のマスタープランの創設に当たって住民参加の導入を内容に盛り込んだことと比べてみますと、全くの後退であります。一方、建築審議会の答申の方には、マスタープランの機能として「個々の土地利用規制の意義に対する地域住民の理解を得る根拠」が挙げられています。この文言と答申の全体からは、住民参加によってマスタープランを作成すべきであるという主張があらわれておりません。今回の改正案の基本的立場は、この枠から外に出るようなものではないと言わざるを得ないものです。  次に、具体的に問題点を見ていきます。  法改正の中心の一つは、市町村が都市計画に関する基本方針を定めることにするということです。法案では、基本方針は議会の議決を経て定められた基本構想と知事の決める整備、開発、保全の方針に印すことになっており、文言の上では都市計画制度の新機軸となっていると言えます。新機軸という意味は、ともかくも市町村がマスタープランを定めることにより、個別の都市計画が土地利用上の整合性を求められるようになるということです。この点では二足の評価はできると考えます。しかし、これが我が国の制度の実質的な発展と言えるかどうかは甚だ疑問であると言わねばなりません。最も重要な問題は、基本方針は知事の定める整備、開発、保全の方針に印すことになっており、市町村の自主性は全く制約されたままであることです。その上、住民参加についてもいわば意見を聞きおく程度の従来の公聴会の欠陥をそのままにして、住民の町づくりへの主権を制度の上で保障しようとする視点は何ら示されていません。また、これまで大都市圏では知事の決定は大臣の認可が必要とされていますが、今回の改正はそれにも手をつけていないのです。これでは、市町村のマスタープランもお上のものという制約つきであると言わねばなりません。  住民参加を保障せずにマスタープランが土地利用に整合性を持たせるというのでは、結局は住民は上からの制約を押しつけられるという関係に固定されてしまうおそれがあり、問題は重大です。都市計画中央審議会がその答申の中で限定的ではありながらも住民参加の導入を主張していますが、今回の法改正ではこの点に一つの大きな欠陥を残したままです。  マスタープランの性格が明確でない点も問題です。建築審議会の答申では、さきに外用したところと若干重なりますが、マスタープランの機能として、ア、実現すべき具体的な都市の将来像を示す、イ、個々の土地利用規制の意義に対する地域住民の理解を得る根拠となる、ウ、個々の土地利用規制相互を調整する、工、個々の土地利用規制や各種事業の実施、変更の指針となる、こういったコメントが盛り込まれています。ここには住民参加の視点があらわれていないことは前に述べたとおりです。  「都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案に関する参考資料」という冊子の三十五ページから七ページにはマスタープランのサンプルが示されていますが、全体方針と地域別の整備の方針が例示されているだけで、方針の前提となる市町村の都市計画上の問題点を住民とともに確認するような配慮が全くされていません。これでは、必ずしも実現の保証のない願望を列挙して住民の切実な町づくりへの要求、環境破壊への不安をかき消し、幻想を植えつけるようなものにならざるを得ません。  従来の都市基本計画と言われるようなものは、そのような限界を持ったものでした。このような限界を超えるためには、住民参加により住民の意思を反映し、問題と課題を煮詰めていくプロセスを踏む以外に道はないと考えます。マスタープランは、それを具体的に表現するものと言うべきです。  また、マスタープランの性格として、さきの建築審議会の答申は確かに重要な側面を指摘していますが、基本的な点が見落とされています。それは、マスタープランの柔軟性についての問題です。法案で明らかなように、マスタープランはお上の計画という制約を強く持って、いわばがんじがらめで身動きのとれない柔軟性のない計画となっています。それは住民参加の仕組みがないことに起因している問題と言ってよいと思われます。  本来、マスタープランは、単に個々の土地利用規制や各種事業の実施、変更の指針となるというだけではなく、マスタープラン自体が住民の意思に基づく判断で変更できるというフレキシブルなものでなければなりません。ある時点で予測不可能であったある種の開発や建築行為が将来の一定の段階で顕在化し得るということ、そして、住民の評価を土台としてこの変化を受けて変更できるようなものでなければ本当の指針とは言えないと考えます。また、住民運動の発展によって新たな課題が提起され得るということも十分予測しておかねばなりません。  法案は、このようなマスタープランの基本的な性格を規定しておくべきであります。この点は、以前から専門家として私たちが構想計画の制度化が必要であると主張してまいりました点と共通するものであります。  また、誘導容積制度は、土地の有効高度利用の名による大都市改造にさらに拍車をかけるものとして重大な問題をはらんでいます。  そもそも過剰な開発を容認する現行の容積指定に問題がある上に、さらに地区計画区域内で他に移転するやり方は、早い者勝ちという、大企業など特定の事業者などにのみ特典を与えるもので、これは都市計画の本来の役割を損ねてしまいかねない重大な意味を持っていると言わざるを得ません。また、地価の形成にも影響し、一層大企業などの側に有利に働きかねない面も持っています。京都などでは、高層ビルの出現が乱ぐい景観をつくり出すとして大きな問題となっていますが、この制度はこうした景観破壊にもつながるものです。  なお、既に地区計画制度が再開発地区計画制度として運用されているように、大規模プロジェクト推進にこの制度が運用されてきていますが、これなどは本来の地区計画制度の趣旨とは異なった方向に変身してきたものと考えます。今回の誘導容積制度への適用もこの延長線上のものとして、地区計画制度の乱用という危険な側面もあるように考えられます。  法改正の用途地域の細分化は、容積制限との対応で見ると、住居系では第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域に二〇〇%を超して四〇〇%までの高容積がメニューとして盛り込まれています。これによれば、高層過密化が進む地域がさらに拡大されるおそれがあります。特に、既成市街地では二〇〇%を超す容積は、その建物の居住条件と周辺環境の条件を守る上では上限ぎりぎりの数値であると考えております。それに……

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) 片方参考人、恐れ入りますが、時間の関係がありますので……

片方信也京都大学工学部助手

○参考人(片方信也君) もうすぐ終わります。  それに、高層化を前提とした用途地域の配分化は、首都圏を中心に発想されたものであるという面があると考えます。京都のような地方の都市でこのような細分化が果たしてなじむのかどうか疑問があります。  建築審議会の答申は、全国的に共有できる基本的市街地を実現する全国共通の明確な都市づくりのルールとして、用途地域を評価し、地域特性との対応では特別用途地区、地区計画などの存在を挙げて、我が国の制度はすぐれた構造を有しているとしています。しかし、現実には形態規制とともに運用されている一律の用途地域が都市空間の画一化につながっていることは明らかです。このような画一化を避けるため、用途地域の指定においても市町村の自主性が尊重されるように配慮することがマスタープランの作成の問題とも共通して重要であると考えます。本来、都市空間は地域によって固有のものであり、全国共通の明確な都市づくりのルールとは相入札ない存在であるはずです。  以上で、私の意見陳述を終わります。

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) どうもありがとうございました。  次に、石原参考人にお願いいたします。

石原舜介明海大学教授

○参考人(石原舜介君) 私は、明海大学不動産学部の学部長をしております石原舜介でございます。  さきの都市計画中央審議会の臨時委員といたしまして、今回の改正の前提となる審議に参加した者でございます。そのためとは言いませんけれども、審議の過程でいろいろ意見を闘わせまして、今回の法改正は全体的に大体妥当な線ではないかというふうに考えております。  また、私自身は税制調査会の土地問題の委員をいたしまして、一昨年の土地臨調にも参加しておりました関係上、土地政策の立場から今回の改正をどのように見ているかということについてお話をしてまいりたいと思います。  土地対策といたしましては、御承知のように、大きく四つばかりの施策がございます。その一つは取引の適正化を図っていくということでございまして、二番目が金融政策、三番目が税制、そして四番目といたしまして今回の改正を含めた土地利用計画の適正化ということがございます。第一、第二の施策は応急措置的な内容のものが多分にございまして、早々にこれにつきましては手を打たれ、その成果として最近やや、まだ十分とは言い切れないまでも一応地価の下落を発生させております。  土地税制に関しましては、御承知のようにいろいろ強化してまいりまして、本年から地価税自体も課税されるようになりまして、だんだんその成果も上がっていくのではないかというふうに期待しております。今回の土地利用計画というものはいわばこういう土地政策の一連の中におきまして最後の仕上げ段階というような役割を担っているものでございまして、むしろ恒久的な施策ということが言えるのではないかと思っております。  今回、土地利用計画に対します土地政策の立場からの要請というのがいろいろございましたが、その主なものは二つございまして、一つは土地利用の詳細化、それからもう一つは土地の有効利用の促進でございます。これに加えまして、今まで若干都市計画の中で土地利用に対します秩序というものが乱れておりましたので、これに対します整備ということが加わりまして、この三つの立場から今回の改正を見てみたいというふうに思うわけでございます。  まず、第一点の土地利用の詳細化でございますが、これは先ほどから話題になっております住居系を中心としました。途地域制を現在の三種類から七種類に増加させまして、用途、形態の両面からより詳細な規制を設けて、良好な環境を保護し高地価を誘発しやすい用途の介入を防止する措置がとられたことは、適正な方策ではないかと評価されるわけでございます。また、中高層階住居専用地区や商業専用地区の特別用途地区を明示したことは、さらに土地利用の純化を強化しまして専用化による建物の相乗効果というものを高めることが行われ、望ましい措置だと考えております。しかし、我が国の実態から見まして、戸建て住宅と共同住宅、こういうものがそれぞれ専用化してしまうような厳しい専用地区制度というものは若干無理があると思いますので、この程度の改革といいますか区分というのは適正な措置ではないかと評価しております。  また、建築基準法の改正によりまして、第一種低層住居専用地域または第二種低層住居専用地域については二百平米を超えない範囲で敷地面積の最低限度を定めることにした点は高く評価される点でございます。  住環境というものは単位当たりの敷地面積規模によって左右されるといっても過言ではございません。我々の研究によりますと、百平米以下の戸建て住宅におきましては二メートル以上の立ち木は植えることができません。ほとんど空地がないですから、そういう百平米以下の宅地が並びますとまさに砂漠化してしまうわけでございます。そういう点から、戸建て住宅におきましては二百平米を超えない範囲と言いながらも、できるだけ高い水準でこれらのことを守っていただければ非常に環境のいい市街地が形成されるのではないか。  また、これは地価の高騰を防ぐ一つの施策であるというふうに評価されるわけでございます。その点で、「定めることができるもの」となっていますけれども、場合によると「定めるもの」とするように改正していただければなおありがたいというふうに思っております。  次に、土地利用の詳細化と土地有効利用の促進の柱として地区計画制度というものが大きく位置づけられております。  この場合、一定区域の中におきまして全員同意であれば容積の移転が可能という制度が導入されるわけでございますが、これはアメリカのTDRという開発権の移転という制度をある程度考えたものではないかというふうに思っております。しかし、我が国では、これも早くからこういう議論はされておりましたのですけれども、なかなか登記上の問題がございまして、連続する宅地であれば土地を共有化することによりまして容積率の移転が可能でございますけれども、飛び地のような場合には、これはこちらへ移ったという担保を明記することが登記上非常に難しいわけでございます。  そういうことから、これは制度としては考えられるわけでございますけれども、しかしここで、この場合には容積をブロック別に決めるというようなことになる可能性が高いというふうに思います。  その場合に、容積をこちらに移したというときに、そこに何ら補償もなくてそういうことに同意されるかどうかということは非常に問題がございます。アメリカの場合には、これには金銭的なやりとりがありますので、これをどうするかということは、制度的にはこの制度は適当な制度でございますけれども、これを担保するためには登記法を改正していかなければいけないというふうに考えております。ですから、この法律だけで十分成果を上げていくことは非常に困難ではないかというふうに思います。  次に、市街化調整区域における地区計画の導入ですが、これに類似した手法というのはもう既に神奈川県の津久井町で行われております。  ここでは、乱開発が進行いたしまして無秩序な町並みが形成されていくのを防ぐために津久井町住環境整備条例を公布いたしまして、特定地域整備地区の指定をいたしまして、地区計画制度に倣った詳細計画を行っております。非常に成果を上げております。ここでは将来こういう地区を市街化区域に編入していきたいというふうに考えて指導しているように聞いております。調整区域といえども集落の周辺とかあるいはその他のところでこういうように健全な市街地形成をするということは、地価の抑止効果の面におきましても、乱開発を防止する面におきましても、適当な措置ではないかというふうに思いますので、この導入はぜひひとつ図っていただきたいというふうに思うわけでございます。  次に、土地の有効利用の促進でございますが、誘導容積制度が創設されることになりました。  この制度は既成市街地の再開発に刺激を与え、公共施設の整備された健全な市街地形成を行おうとする非常に意欲的な制度で、その活用及び普及が非常に望まれるわけでございまして、この制度が魅力的で、住民なども十分参加し得るようになるのではないかという期待は持っているわけでございますが、しかし、現在の制度ではちょっとまだ住民が十分魅力を感ずる段階までには至っていないんじゃないか。そこに一ひねり必要なんじゃないかというふうに思っております。  それはどういうことかといいますと、指定容積率を指定いたしておりまして、それを暫定容積率に下げるわけでございますが、その暫定容積率に下げて、今度は地区計画でこれがもとの指定容積率に上がるという形になりますと、何で前にあった容積率までしか上げてくれないんだ、だったら何で誘導なんだというふうなことで、前の容積より若干上回る程度の容積へ新しく誘導するという誘導容積率というものをもう一つ設けて、そしてそちらの方へやることによって住民がそれに魅力を感ずるような制度にこれを仕上げていただきたい。そうすると、これは再開発の上におきまして、市街地の健全な育成につきまして非常にいい制度になるのではないかという期待をしております。  最後に、土地利用の秩序と整備の点でございます。  今回導入されました市町村の都市計画に関する基本的方針でございますけれども、これは千葉県で試験的にいろいろ現在までも行われております。これは、市町村のマスタープランというものを県が指導はしておりますけれども、それぞれの市町村でマスタープランを作成しまして、その作成されていないところは市街化区域、市街化調整区域の見直しをしないということで、その見直しをするためには必ずマスタープランをつくりなさいというふうなことで誘導しています。一そういうふうな実績から見てみますと、市町村にとりましては、自分のところの将来像というものを十分検討いたしまして、そしてバランスのとれた立派な整備計画をつくりながら、個々具体の公共施設整備の方向性というものを含めましてマスタープランをつくっております。そういう意味で、きめ細かな点からもこういうものがあればなお一層よくなるんじゃないか。そういう点で、私は、これは大変今後有効に働く制度である、これがあれば乱開発等を防止し、そしてむだな投資等をなくしていくことができるのではないかというふうに考えております。  次に、開発許可制度の見直しでございます。  これはちょっと細かいことでございますけれども、大店法によりましていろいろ整備が行われますのに対して、中心商店街の方の人たちから郊外型ショッピングセンターというものを規制してくれという要請が非常に高いわけでございます。しかし、大店法では、そういうふうな都市づくりということを言いながらも、制度的にそこまではちょっと手が回らない。そこらが、今回のこれによりまして、接道条件等を見直すことによりまして郊外型ショッピングセンター等の立地をある程度誘導するというふうなことで健全な姿ができるのではないかというふうに期待しております。  それから、先ほどから再三出ております都市計画区域以外の区域内のいろいろな制限でございますけれども、これは再度私から申すまでもなく、いろいろ自然破壊だとかあるいは自治体自体が非常な迷惑を受けておりますので、こういうことに対しての規制というものを考えていかなければいけない、これについては当然のことだというふうなことで、今まで余りにも野放しに過ぎたということがありまして、そういうところの開発がかえって都市全体の地価を逆に引き上げていくようなことになる危険性があるのでぜひひとつこういうような規制を強化してもらいたいということで、今回、全体的に見まして、土地政策の立場から考えますと非常に適切な改正措置だというふうに評価いたしております。

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) ありがとうございました。  これより参考人に対する質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。  この際、参考人の方々に申し上げますが、質疑の際、答弁は起立してお願いいたします。恐縮でございますが、どうぞよろしくお願いいたします。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 本日は、参考人の先生方におかれましては御多用中のところ当委員会の都市計画法に関する審議に際しまして御出席いただき、貴重な御意見を賜りましたこと、冒頭、御礼を申し上げる次第であります。  当委員会におきましては、御承知のように、政府提案による都市計画法の改正案と我が党が提出いたしました対策の都市計画法改正案、この二つが並行して審議をなされているところであります。私どもは参考人の皆様方の御意見を十二分にこの審議に酌み取らせていただきたいと思います。  私どもは、今回、対案を提起してこの審議を深めているわけでございます。  御承知のように、昨今、各自治体におきまして創意工夫を凝らしながら、その独自性や自主性を発揮しつつ、開発や土地の利用に関しましての地域住民の意向に沿った適正な対処方をさまざまの角度から試みている。にもかかわらず、過般の山梨県における景観条例、福岡県の志免町の水道供給に関する問題に関しての裁判所の敗訴事例、このようなことが重なっている。また一方、今、栃木県の方においても都市計画区域外におけるリゾートホテルに対する調整作業が行われておる。  きょう真鶴町の町長さんもおいでのようでございますが、これまた神奈川県におきましてもさまざまな角度で開発と計画が衝突をしておる、こういう実情が重なっておる。果たしてこのままでよいのだろうか。  こういう疑問の中から対案をまとめさせていただいたわけがございます。  その意味で、きょう御出席の五参考人の先生方に、まず最初に、このような都市計画の改正が今論じられているにもかかわらず、ただいま私が申し上げましたような問題がこれからもまた十二分に予想されて、そして法との間において多くの苦悩と悩みが続くだろう、こう思うところでありますが、これらに関しましての解決策、どうしたらば今申し上げましたような問題に関する調整が可能なのか。そして、また逆にこの法の改正の中において自治体の独自性や自主性をむしろ支援する体制がつくれないものなんだろうか、こう思うわけであります。  それぞれ短時間で恐縮でありますが、日笠参考人から順次お願いをしたいと思います。

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) 恐れ入りますが、時間が全体で三十分しかございませんので、お一人からお答えいただく時間はごくわずかでございまして大変恐縮でございますが、どうぞよろしくお願いいたします。  日笠参考人からお願いいたします。

日笠端東京大学名誉教授

○参考人(日笠端君) 社会党案についての資料をちょうだいいたしておりまして、非常に短時日、一日か二日しかまだ拝見しておりませんので十分にあれしていないんですけれども、私はこれを拝見しまして、我が国の土地利用計画というものに対する対応としては基本的にはそう違ってないんじゃないかというふうに拝見いたしました。  部分的にはさまざまな点で政府案と違っておるということもわかりますが……、これ、全体について何か申し上げたらよろしいんでしょうか、それとも何か個別の問題について……

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 それじゃ、もう一度ちょっと簡単に申し上げます。  今、実は地方自治体においてさまざまな条例などを試みられて開発抑制、建築規制等を行っておりますけれども、こういうことが裁判所において山口県の景観条例や福岡県の志免町の条例のように敗訴の結果を受けておるというにもかかわらず、きょう見えておられる真鶴町の町長さんなどにおいても、また栃木県などにおいても、さらに条例なり行政指導なりで開発を規制していこう、こういう流れがあると思うんです。これを現実の法との関係で調整できる余地はないのかあるのか、そしてまた、むしろ本来こういう条例の流れを支援していくことが正しいんではないだろうかということに関して、ごく簡単に御意見をいただければということでございます。

日笠端東京大学名誉教授

○参考人(日笠端君) これは都市計画区域を拡大してその中に含めてしまう、そういう考え方が一つあると思うんですが、これは条件によると思うんでございますね。もう市街地が発展しておって、その外にまだ都市計画区域に入れでないところがある、そこで起こる問題というような場合には、場合によっては都市計画区域が拡大できる、都市計画区域の指定条件に合っているという場合があります。それはそれで都市計画区域に含められます。  そうでなくて、農山漁村と申しますか、従来、都市計画の必要がないといいますか、そういう市街化の見込み、見通しがないところで起こった乱開発に対しましては、これはそこだけまた都市計画区域を指定するということができない場合があると思いますので、この場合には基準法による条例でこれを規制する、そういうことでよろしいんではないかなというふうに考えております。  以上でございます。

五十嵐敬喜弁護士

○参考人(五十嵐敬喜君) まさにそれが政府案と社会党案の最大争点であり、かつ違うところだと私は認識しております。政府案及び修正案によっても、全国の自治体がつくっている条例は救われません。  私、弁護士としまして前にこれと同じような問題、昭和風十八年ごろだったと思いますけれども、東京都武蔵野市というところで宅地開発指導要綱に従わない業者に対して市長さんが水道をとめまして、その結果、裁判で争われまして最高裁までやったときの弁護人をやったことがありますけれども、つまり市町村が独自に行ういろんなそういう開発コントロールについて、政府案及び修正案でもなお解決できないというふうに私は思います。このままでいきますと、多くの条例が違法になります。もっと極端に言いますと、例えば水道法等を使いますと、単に民事事件でありませんで、刑事事件、前科者になるということが予想されます。  その点を解決するために、社会党案で非常に有効だと思う点が幾つかございます。  一つは、都市計画区域の中で用途地域の定めのない地域、つまり調整区域及び白地地域についてきめ細かな配慮をすることができるということになっている部分であります。  今回衆議院段階で修正された容積率の修正を見ますと、政府案は二〇〇%に下げるということでありましたけれども、一〇〇から三〇〇%になっています。しかし、市街化調整区域及び白地区域で一〇〇%というのは明らかに過大であります。つまり、その下でも自由に、まあ自由にというのは語弊がありますけれども、要するに、第一種住居専用地域並み程度の容積率を選択できるようにしないと現在各地でつくっている都市づくり条例は違法になる可能性があると思います。  次に、社会党案で非常に参考になりますし、また現実的に極めて有効だと思っていることがございます。それは開発許可の基準の部分でありまして、開発許可を行う場合に、現行法の開発許可基準でいきますと全国画一であります。しかし、社会党案によりますと地方の状況によって条例によって開発許可に関する制限を付加することができるようになっております。これは明らかに法律上も合法でありまして、この部分について社会党案が採択していただければ、極めて地方自治体の条例が有効に機能するというふうに思います。  最終的に、先ほど意見のとき申し上げましたように、都市計画というのはだれが責任を持つのかということについて、その自治体の営みといいますか自治体の実権について、それが民主的な過程を通じ議会による議決を通じてある種の公共団体の意思と確認された場合にはそれを尊重するのが当然であるというふうに私は考えておりまして、現行の政府案の最大の欠点は、まさにその民主的プロセスといいますか、透明性、公開性、予見性に基づいた町づくりについてだれも責任を負わない、つまり、政府が定めた案をそのまま指定しておけば、それがよかろうが悪かろうがだれも責任がないということが一番問題でありまして、社会党案のうちの住民参加手続あるいは都市計画に関する議会手続という政治プロセスを都市計画に介入させることによって、それぞれの自治体に対してよくもあしくも責任をとらせるということが最も重要だと考えております。

花形道彦社団法人都市開発協会専務理事

○参考人(花形道彦君) 今の御質問で一つ思い出しましたのは、静岡県の掛川市で、昨年、生涯学習まちづくり土地条例というのをつくられたことです。  そこでは町づくり地区を指定します。もちろん最初は指定についても全員同意が必要なわけですけれども、それで全員の同意で今度は町づくり計画をつくる。その地区の中の土地を売る場合には、同じく全員同意がないと売れない。これは極めて住民参加という意味では厳しい条例をつくられて今現在運用しておられるわけです。しかし、掛川市というのは、御承知のとおり、約七万人強の市でございまして、そういう規模ですので、そういう一種のヒューマンスケールといいますか、人間的な規模で行政ができるということがあるわけでございます。  それは、もっと広い今の現状の日本の大都市で考えた場合には、やはり非常に現行では難しいと言わざるを得ないんじゃないか。よく聞きますのは、例えば周辺の都市施設の容量がないにもかかわらず相当大規模なマンション等を建てられるというようなこと、それから個人の住宅についてもそうでございますけれども、土地をお持ちの方あるいは建てられる方々が、自分の土地に自分の家を建てて何で悪いんだ、こうおっしゃるわけでございます。これがまさに日本の現状でございまして、その現状の上に立って都市行政というのは成り立っているような面がございます。  したがって、それが現在のある意味では民主主義であるというようなことになりますので、五十嵐先生が今言われたように、非常に厳しい条例をつくるとそれはむしろ民主主義に違反するというようなことにもなりかねない、こういうことになっているわけでございます。したがって、当面のやり方としてはもう条例しかないんじゃないかと思いますけれども、周辺に都市施設の容量がない場合あるいは十分な計画がない場合には本来都市的な土地利用をしてはいけないんだ、それが結局は自分の身にも将来降りかかってくるんだぞ、自分の子孫の方にも将来降りかかってくるんだぞ、大変抽象的で恐縮でございますけれども、そういう土壌づくりをわきで真剣にやっていかないと、やはりいつまでたっても、おれの土地におれが建物を建てて何で悪いんだ、何でおまえたちは文句宣言うんだ、こういう情勢が続いていくんじゃないか、こういうぐあいに考えます。

片方信也京都大学工学部助手

○参考人(片方信也君) ただいま御質問の件は、いわゆる自然地域あるいは大都市の周辺におきますリゾート開発などが、民間活力導入の結果、乱開発にさらされるというような事態になったために発生している問題だというように理解します。  したがいまして、この間リゾート開発等につきましてはさまざまな規制緩和の措置がとられてまいりましたけれども、今回の法改正はそのようなことを認めるのではなくて、逆にその地域地域の自然や歴史的な環境を守るためにきちんと組み直すということが課題になっているというように考えます。私も、都市計画の主体は行政ではなくて住民であるというように確信しております。その意味で、住民参加の仕組みを徹底して今回の法改正で追求するということが今御指摘の問題を解決する適ではないかというように考えます。  もう一つ、開発許可の問題が出ましたが、この点につきましても、ある京都の町の中の大規模マンションの開発で地元の開発審査会が一たん違法としたものが大臣の逆転裁決で合法になるというようなことが起こりましたが、その経過を見ておりましても、この開発許可の制度の運用につきましても国のいわば権威が物宣言う仕組みが貫いているということを実感したことがございますけれども、そのような点についても今回は改めるべきであるというように考えております。  以上です。

石原舜介明海大学教授

○参考人(石原舜介君) 今回の改正で、用途地域の指定のない地域等につきましては条例を制定することができるという形で一歩前進させておられるように思っております。  その制限内容等に関しましてはいろいろあるようでございますが、こういう今まで適用できなかったところにも新たにそういう制度を設けたというふうなことは、先ほどちょっと紹介しました神奈川県の津久井町の場合でも独自の考え方でいろいろやっておられるんですけれども、そういう条例制定というような形で対応ができる範囲というものはおのずから限界はございますが、できるだけそういう範囲を広げていくということが適切な措置ではないかというふうに思っております。  ただし、私ども住宅問題だとか宅地供給ということに携わっている者から見まして非常に不安を感じますのは、先ほど武蔵野市の例が出ましたけれども、開発指導要綱というようなものが条例化されるような段階に行くと、これは余りにも地域エゴ的な要素が非常に強くなって、この東京で働く人たちへの住宅供給というものが自治体の都合だけで締め出されるというふうなことになる危険性もございます。  こういうものは大都市法という法の中で供給計画等が行われますので、そういう中での技術水準的な面での条例というような形であって、それを本当に締め出すための条例にならないようなものでないと、やはり全体のバランスというものがありますから、自治体だけの独自の考えが常に正しいとは限りません。そこら辺のチェックをどうするかということが必要なんじゃないかというふうに思います。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 次に、私たちが本委員会に提出しております案によりますと、都市計画に関しましては地方自治体で、とりわけ基礎自治体であります市町村区が本来の固有の権限を持って行うべきであろう、そして、もとより今日まで日本の産業、経済発展の過程の中でとられてきた都市計画そのものがすべて誤りであるという認識に立つわけではありませんが、今日、新しい社会情勢の中で都市計画を考える場合には、むしろ大胆に地方分権化を図る中で行っていくのが正しい手法ではないだろうかと考えております。そうでないと、地域のことは地域に任せるとか地域の皆さん方のニーズによった町づくりというのはできないんではないだろうかと思うわけであります。  この点につきまして日笠先生と花形先生に、今、石原先生の方からは同じような御回答ございましたので、お二方から御意見をいただいて、私の質問を終わりにしたいと思います。

日笠端東京大学名誉教授

○参考人(日笠端君) 都市計画の決定権限を市町村におろすべきかどうかということだと思いますが、西ドイツではもう基本的に憲法で都市計画というものは市町村の固有の権限であるとされておりまして、そこから出発して法律がございます。これは、市町村の固有の権限を尊重して計画の中身については市町村に任せるけれども、例えば住民参加とかさまざまな決定手続がございまして、そういうものについては国がそれに従うようにということで、中身については市町村になっているようでございます。  しかし、ドイツはちょっと日本と違って小さい都市が多くて、そして、人口五十万程度の都市が大変多いわけでありまして、我が国のような大都市はそんなにないわけです。  これを日本の場合について考えますと、今の都市計画法ができましたときにその都市計画の決定権限を県知事と市町村の二つに分けたわけでございまして、都市計画の内容としては大部分が知事が決定する、そうなっておりまして、市町村が決定できる都市計画というのは非常にわずかなものでございます。小さな土地区画整理とか地区計画とかそういったものでございます。  それは私は、基本的には、市町村が独自に決定できれば一番よろしいかと思うんです。特に大都市地域の場合には、その用途地域の指定にしましても道路計画にしましても、隣接した市街地が連檐しておりますので、そういうときに個々の市町村で決めるということは余り合理的でない、広域の視点から一体的な地域を都市計画区域として県知事が決める、そして、その外の隣接地域に余り影響の及ばないものについては独自に市町村で定める、そういうふうなことで地方の独立した都市の場合と大都市の場合とは若干違うというふうに思っております。  市町村にそういう権限を持たせるということは理論的にはわかるんですけれども、広域調整という観点からしますと、実際には大都市の場合にはそうはいかないんじゃないかというふうに思います。  今度の市町村のマスタープランもそういった市町村が定める都市計画が中身としては大部分を占めるんじゃないかと思うんですが、そういうことで、今まで日本の都市計画で土地利用計画に関して一番おくれているのは、そういったきめの細かい都市計画で、私はこれを二段階都市計画と言っておるんですが、全体の計画があって、それから部分の地区ごとの計画があって初めていい町ができるわけです。これは、欧米の都市計画はみんな今はそういうふうに制度的にもなっているわけですけれども、その点を踏まえて、大都市地域においては県と市町村でやっていく、県知事が決める都市計画についても市町村の意見を十分に反映してやっていく。  これは現にやっておりまして、用途地域を決定する場合でも神奈川県等でもそういう例がございます。市町村に県が案を見せます。県がまず出しまして、それに対して今度は市町村の方の案が出てくる。このフィードバックをやった上で、これでよかろうということで全体と部分の市町村の要求とをうまく調整した上で用途地域を決めているようであります。  ただ、住民参加という問題ございますが、住民というのは私は大きく分けまして二種類あると思っているんです。一つは地主的な発想をする住民、それからもう一つはそこに住みついて住み続けようとする住民の発想とがありまして、これがどっちも住民なんです。  神奈川県の場合には、これは東京に近い部分がもう町になっておりまして、そこに居住している住民の意見が非常に強く反映している。そして、余り高度利用しないそういう環境のいい住宅、一種住専とかそういうものを望むわけですが、今度は西の方のフリンジの方に参りますと、まだ農村が残っておりまして、ここで住民参加やりますと、もうとにかく緩くしておいてくれ、用途地域は工場が引き上がったときは工場にも来てもらいたい、住宅が引き上がったら住宅も来てほしい、したがって余り細かい厳しい規制は困る、こういう意見が出てくるんですね。  その場合に、県はむしろ逆でありまして、東京に近いところはできるだけ高度利用地としてフリンジの方は良好な低層住宅地にしたい、そういうのが都市計画の一般的な考えでございますけれども、全くそれと逆に出ますので、その辺は公益の視点と両方から調整すべきだというふうに考えております。

花形道彦社団法人都市開発協会専務理事

○参考人(花形道彦君) 今、日笠先生おっしゃったことと大分重複いたしますけれども、一つは、大都市と、それからもう少しきめの細かな行政ができる地方都市とは問題が違う。特に、大都市の場合の住民参加というものをどう考えていくか、これは少し分けて考えざるを得ないんじゃないかというぐあいに考えます。  現在、例えば東京を例にとりますと、今おっしゃいましたように、地主さん的な方もおられますし、本当に地縁性、血縁性を持っておられる方もおられますけれども、大部分は昭和三十年以降に東京においでになった方でございます。東京生まれという方は非常に少なくなっていることは御承知のとおりでございます。ほとんど聞いたことがないような方で地縁性、血縁性もないし、悪く申し上げますと立身出世なりあるいは経済活動のために東京へ出てこられたけれども、どうもうまくいかなかったら帰ろうかなというような気持ちがちらほらされている方も相当おいでになるわけでございます。  私もよく、こんな商売をやっておりまして、住民参加って一体何だろうと自分の生活と合わせて考えてみることがあるのでございますけれども、家へ帰りますと全く寝るだけでございまして、近所の方々と何ら交流がないわけでございます。住民参加という以上は、単に個人で物を言ったり投票したりとかそういうことだけじゃなくて、もう少し地域の中での人間としての交流とか意見の交換なりとかそういうものがあるべきじゃないかと思いますけれども、恐らく現在のサラリーマンの方は単に寝に帰るという方が大部分じゃないかと思います。  住民参加で地方自治体が中心になって都市行政をやるというのは、住民運動対都市行政というのとやや違うんじゃないか。住民運動というのは、例えばどうかと思いますけれども、組合運動で言えばいわば経済闘争のようなことでございまして、目の前に比較的目的がはっきりしております。しかし、住民を中心とした町づくりというのは、もう少し日常生活の中に根深く権利意識なりあるいは本当の意味での住民意識というものが根づいた上でのことではないか、こういうぐあいに考えるわけでございます。したがって、突き詰めていけばまさに先生のおっしゃるとおりかと思いますけれども、やはりそういう現状に対してどう対処していくのだということが一つあると思います。  例えば、まず第一番の問題は、東京について言えばまさに一極集中排除でございます。もう少しヒューマンスケールで物が語れる、町づくりが語れるような土壌をつくることがまず大事じゃないかということが一つございます。それから、東京でございますから、経済機能なりあるいは生産機能なり、そういうものの地域もあるわけでございまして、そういう地域に対してはやはり行政主体の都市計画というものもある程度必要じゃないかというぐあいに考えます。

石井一二自由民主党

○石井一二君 諸先生方、どうも御苦労さまでございます。  私は十五分しか時間を持っていませんが、大分おくれておりますので、その半分ぐらいになろうかと思います。各先生方に単刀直入に一問ずつ御質問いたしますので、よろしく簡明なお答えをお願い申し上げます。    〔委員長退席、理事種田誠君着席〕  まず、日笠先生でございます。  用途地域の細分化について、今回十二種類になったことでおおむねお褒めの言葉をいただきましたが、理想的な種類の数としてもっと多い二十がいいとか十五がいいとか、今の八が九ぐらいでよかったとか、数として理想像はどこにあるとお考えか、お伺いを申し上げます。  次に、五十嵐先生にお伺いいたします。  私は、今まで質問してきた中においても、例えば地区計画の中で容積率にめり張りをつけるとか、誘導容積制度の中で一たん地区の容積率を下げるとかいったようなケースを想像いたしまして、これは訴訟の可能性があるんじゃないか、その結果として計画が大幅に遅延したりするケースもあるんじゃないかというような質問も実は先日の委員会において建設省の幹部にいたしたわけですが、弁護士の立場をもおもんぱかって、どのような感触をお持ちか、お伺いをいたします。  続いて、花形先生にお伺いいたします。  一〇〇%、五〇%という用途地域の細分化の具体的な数値について御意見がございましたが、こういった数値があてがわれた方というのは、旧法の高い容積率に基づいて計画を立てたりお金を払って土地を買ったりしている場合、非常に不公平だというような感じを私は持っておりますが、その点についてどのようにお考えか、お伺いをいたします。    〔理事種田誠君退席、委員長着席〕  続いて、片方先生にかたがた誤解のないようにお伺いしたいんですが、二言目に住民参加ということをおっしゃいますが、住民とは何ぞやとお考えか。例えば、議会制民主主義の中において選挙に出て選ばれた方は確かに住民代表だと思います。反対の声は大きいとか住民エゴとかいろんな言葉もございますが、何でもかでも住民だからといって参画している人の声を聞いておれば、全体の計画が進まない。そういった中で、先ほど来、日笠先生、花形先生からも住民ということについての御所見の一端の披瀝がございましたが、どのようにお考えになっておるのか。  私とかなり考え方が違うんじゃなかろうか。私も県会議員を十二年やっておりましたうち十年間、兵庫県の都市計画審議会の委員をやっておりましたが、そのときは公平に住民の意見を反映して発言をしてまいったつもりでございます。そういった観点から、私とは考え方が違うということを私は指摘をしておきたいと思います。  最後に石原先生にお伺いいたします。  登記法の改正について御示唆があったと思いますが、非常に結構な御意見かと思いますので、もう少し具体的にちょっと詳しく御示唆をいただければありがたい、そのように思います。  以上です。

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) それでは、順次お願いいたします。

日笠端東京大学名誉教授

○参考人(日笠端君) 用途地域の種類をどのくらいにしたらいいかという御質問でございます。  用途地域の制度を非常にうまく運用している国の一つはアメリカだと思いますが、日本も用途地域というものを大正八年以来運用してきている。その種類はどのくらいがいいかということでございますが、やっぱり社会経済の発展に伴いましてさまざまな機能の分化が行われていく。したがって、我が国では最初スタートしたときはたしか四つだったと思いますが、住居、商業、工業、それから今の準工に当たるようなその他、この四つぐらいで始まったんですが、だんだん専用地域が分化していきまして、住居専用とか工業専用、そして八種類になっていったわけなんです。それで、今度十二種類設けるということなんですね。  それからもう一つは、そういうことがありますと同時に、運用の仕方によって種類が非常にたくさんある。ニューヨークの場合はたしか住居系だけで十種類、商業で十何種類でしたか、工業が三つぐらい、全部で二十何種類かあるというんですね。これは非常に運用の仕方が日本と違いまして、細かにブロックごとに指定をしまして大体現況に近いものにしておるわけですけれども、それを変える場合には一々住民参加による公聴会を開きまして、そして部分的にしょっちゅう変えていくわけです。  そういう運用の仕方をする場合には種類もたくさんあってもいいんだと思いますが、我が国では、そうではなしに、一度指定しますとそんなには変えないわけで、せいぜい五年とかそのくらいはそのままにして、それから改定する、こういうことです。アメリカでも地方都市では、そういう必要がございませんので種類は非常に少なくして、二十何種類なんてなくて十種類とかそんなのでやっているんじゃないかと思いますが、そういった都市の規模、運用の仕方、それから機能分化の程度によって用途地域の種別というのは恐らく違ってよろしいんじゃないかと思います。  我が国の場合は全国統一した地域制でございますが、アメリカの場合は州ごとに違い、都市ごとに違っているわけで、その点については、私は、個人的には全国同一でなくてもいいんじゃないか、メニューをふやしたければその中から選択すればいい、こういうことでございますけれども、県別あるいは道州ごとぐらいにそういうメニューがあっていいんじゃないかとは思っております。

五十嵐敬喜弁護士

○参考人(五十嵐敬喜君) 都市計画と訴訟の関係ですけれども、概念を二つに整理するとよく理解できると思います。一つは、違法か合法がという問題と、当か不当かという問題があると思います。  日本の訴訟手続によりますと、違法か合法かについては、訴訟上、当該処分といいますか、ある種の計画的規制を受ける人は争うことができます。しかし、違法というのは手続違反ということでありまして、当・不当については争うことができません。  問題は、例えば超高層ビルが建つというときに、周辺住民の人たちがこれは不当だというふうに争えるかどうか、あるいは、超高層ビルを建てるために容積率をダウンゾーニングしたりアップゾーニングしたりするというときにその当・不当を争うことができるかということでありますけれども、現行訴訟法上は当・不当の問題は争えません。それが都市計画に対する住民の参加の関心を非常に低くしていると思います。  私自身は、違法、合法は手続め問題でありまして、非常に限られた分野でありますので、できるだけアメリカ並みの公聴会とか議会での審議を得るというような形で、その当・不当の部分に住民なり議会の関与を広くしていくことによって初めて都市計画は自分自身のものになるというふうに考えています。  なお、現行の都市計画法の中に開発審査会に対する異議申し立てとか、あるいは建築基準法の中に建設審査会に対する異議申し立ての問題がありますけれども、厳密に言いますと、訴訟法上、この当・不当については行政訴訟法の関係上争えないことになっておりますので、できるだけこの辺は違法、合法だけじゃなくて、それが町づくりにとっていいかどうかということを含めて公開でヒアリングできるような機能に変えるべきではないかというふうに思っています。

花形道彦社団法人都市開発協会専務理事

○参考人(花形道彦君) 用途地域外の地域の容積率を一〇〇%なり建ぺい率を五〇%に落とすことによっていわゆるダウンゾーニング的なことになって、私有財産を侵害しないか、あるいは受忍の限度を超えないか、こういう御質問がと思います。  確かに先生御指摘のとおり、現在の行政の姿勢なり法体系からいきますとそういう問題は当然起こってくると存じます。したがって、もしダウンゾーニング的なことを行政の段階でやろうとすれば非常に御苦労が多くなるんじゃないかというぐあいに思います。  ただ、それだけでいいのかということが一つ残ります。  やはり今後の検討課題としてはダウンゾーニングということもあり得るんじゃないか。それは、むしろそうした方が全体として非常にいい環境ができてくる、あるいはそれによって自分の持っている土地もよくなるということもあり得るわけでございます。現段階でもそういうこともあり得るわけでございますので、一般論としては、非常に難しいですけれどもダウンゾーニング的なこともあり得るんではないかというぐあいに考えます。

片方信也京都大学工学部助手

○参考人(片方信也君) 住民の定義についての御質問だったと思うんですが、私は、住民の定義といいますのは、現にそこに住み続けておられる方でこれからも住み続けようとする人々を指すのではないかと思います。その意味では、先生の御質問と余り御意見が違わないというふうに考えております。  問題は、住民参加との関係で具体的にどうかということだろうと考えます。  事例を申し上げた方が早いと思いますので京都の事例を紹介いたしますが、京都の都心で、ある町内が、これはマンションの建設が契機だったんですが、町民総ぐるみで町を守るために町づくり憲章というようなものをつくりました。これは全員の合意です。その後、京都市の行政の方も動きまして建築協定の策定につながりました。さらに、ことしになりましてから地区計画の策定を行ったところでありますけれども、これを見ますと、住む続ける人々の力によって町がよくなる、言いかえますと、建築協定や地区計画をつくり上げていくという、住民がみずからその地域のあり方について責任を持って決めるというそういうことが可能であるならば、今申し上げましたようなことができるということを示すものであります。  したがいまして、今回の法案の改正につきましても、同様な趣旨から住民の参加をやはり貫くということが大事なテーマではないかというふうに考えております。

石原舜介明海大学教授

○参考人(石原舜介君) 容積率の移転でございますが、現在行われておりますのは、御承知のことだと思いますけれども、プレスセンターが日比谷シティーの方へ容積率を移しております。これは、プレスセンターの方のかつての画地を開放しまして一体化することで今までの持ち分の比率で登記するようにしますので、共有化すればそのやりとりが非常に簡単にできるわけでございます。そういうことで、登記上も別段問題がない。今度は、こちらの離れた土地の容積をこちらに移すということになればこちらの方に用益権を設定しなければいけないわけで、何ぼ以上の用益権をこちら側が設定させられるわけでございますので、それが非常に登記上難しい。個人で用益権をこちらの方にどれだけ移したのかということを登記しなければいけませんので、こちらの方の容積をこちらに移すということがなかなか現在ではできないわけです。  アメリカでこれが簡単にできますのは、アメリカの登記法というのは御承知のようにファイリングでございますので、その土地その土地の履歴をそのままファイリングすれば、その土地がどういうふうな性格の土地であるか、どれだけの開発権利を持っているかということを明確に知ることができますので、そういうことのやりとりがもしも失敗するといけないので保険会社がタイトルインシュアランスという登記の明確な裏打ちをしてくれるようになっております。そういうことで、登記のシステムが違いますので、我が国ではアメリカほど単純にはいかない。  それで、その用益権設定が可能かどうかということを実は法務局あたりと相談していろいろ研究会でやったのですけれども、もう最後の段階でどうしてもこれは認められないというふうなことになりまして、それで今回の法改正ではこれができるというふうになっておりますが、そうなりますと、これはブロックで容積率を低下させないと、例えば全体が七〇〇の場合にはこちら側の容積率を八〇〇%にしこちらを六〇〇%に設定する、このブロックは六〇〇%だというふうにしないとこれはちょっとできないのではないかというふうに考えております。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 自民党の石渡でございます。  三人の参考人の先生にお伺いをしたいと思いますけれども、まとめて今のように質問をさせていただきます。  まず、日笠先生でございますけれども、先ほどちょっと外国の都市計画のことで、その手法、欧米のようないいところだけ見てどうだというふうに義務づけるよりも、日本的なというか、東洋人的なそういったような都市計画の手法いかん、そういう意味での比較を交えて簡単にお願いしたいのが一点。  もう一つは、先ほど来いろいろお話がございましたように、いわゆる都市計画の主体はどこなんだ、住民だとか国とか県だとかいろいろそういうあれもございましたが、そういう中で、私も神奈川県議会に籍を置かしていただきましたが、市町村に行けば行くほど都市計画に対する人員体制等々も貧弱になってまいりますので、そういう意味ではある種の都市計画技術をどうやったら移転あるいは指導、あるいは人材育成をどうしたらできるかという観点から、先生の御所見をお伺いいたします。  それから、花形先生にお伺いいたします。  確かに今まで住民等々のお話がいろいろございましたけれども、神奈川のような都市圏になりますと、市町村に帰属しての住まいというよりもむしろ大きい東京に志向したり、あるいはその地域自体の業務集積とか商業集積を望む、そういったような考え方もございます。そういう意味で、いわゆる国民の意識の面からのそういったような調整、あるいは住と職との関係の町づくりに関しての意識からの先生の御経験をお話しいただければ幸いでございます。  そして、石原先生にお伺いをいたします。  いわゆる都市計画あるいは宅地開発等々に絡んで今回の法案に一応の評価をいただきましたけれども、いわゆる地域の不動産業の方をある程度都市計画の情報収集の一端としてあれしたらどうか、いわゆる不動産屋町医者論でございますが、ある程度いいところ悪い点をそういう面である側面のチェックができるんじゃないか、そういったような、不動産業を都市整備のコーディネーターというとちょっとオーバーかと思いますけれども、そんなような物の考え方というのはいかがなものか、御所見をお伺いいたします。  以上です。

日笠端東京大学名誉教授

○参考人(日笠端君) 欧米の都市計画と比較して日本の都市計画はどうあるべきかという御質問が一つあったと思います。  確かに、先ほど最初に申しましたように、特に土地利用計画に関して欧米と日本では非常に違っております。道路をつくったり公園をつくる、これはシステムとしては余り日本も外国も変わらないんですが、土地の利用のコントロールという点では非常に違っていると思います。  最近のヨーロッパの諸国は、先ほど言いましたように全部二段階都市計画で、全体の計画があり、それから部分の計画がある、この二段階でやっていく。しかも、非常に厳格な運用をしている国もあるわけです。西ドイツなんかがその例でございます。それからアメリカは、これは先ほどから出ておりますように、地域制とか用途地域、そういったものは日本と非常によく似ておりますが、もう一つは敷地割規制といいまして、必ず家を建てるときにば、その地区ある一定の規模の地区について地区の施設が整っていることを条件にして許可をしておるということでございます。  そういうふうにヨーロッパとアメリカは大きく違うんですが、日本はどうかということになりますと、これはもう伝統的に地域性をずっと採用してまいりました。欧米の町と非常に違って日本ではしょっちゅう建てかえがあるんです。木造であったというせいもありますけれども、最近でも始終建てかえが起こっている。ヨーロッパでは一遍建てますと大体百年ぐらいもたせるというのが普通のようですから、余りにもその点で違うということになりますと、地域地区制というのがなじむのじゃないかと思います。ただ、地域地区制というのは最低限の環境の担保しかできませんので、いい町をつくるという積極的な面は欠けるわけでございます。  そこで、戦後、いろんな団地もできましたし、非常に地区のレベルでの開発が進みましたし、また地区計画制度とかそういった形で一般の市街地に対しても地区レベルの環境を整えていくというのを、全部とはいきませんけれども、できるだけそれをふやしていこうというふうな取り組みをしておりまして、見方によりましては、日本はアメリカのいいところもとり、ヨーロッパでやっておるような地区詳細計画的なものも取り入れて、そしてやっておるということです。  ただ、日本の市街地の中には地区詳細計画によらなくても非常にいい町があるんですね。非常に人間性に富んだといいますか、温かみのある町もできますし、そういうものが歴史的にもありますので、こういうものも大事にしていくということになると、すべてヨーロッパ式がいいかというと、そうは思いませんし、やはりうまくバランスをとりながら運用していくことが日本ではいいのかなというふうに私は個人的に考えております。  それから次は、主体の問題で、市町村の都市計画、マスタープランとかさらに地区計画とか、市町村が定める都市計画が拡大していく方向にあると思うんです。これは私は非常に望ましいと思っておりますが、それをやっていくのに人材の問題があるという御指摘はそのとおりだと思います。  これについては、いろんな研修に私も講師で随分引っ張り出されますが、東京都あるいは神奈川県なんかもありますけれども、そういった都道府県レベル、それから市町村の連合、何というのですか、協議会、そういったところでの研修とかそういうものを通じて私はお話をしておるわけですが、小さな市町村の場合にそれだけのスタッフがおられないということであれば県から出向して、特に重要なプロジェクトがある場合にそこへ出向してその仕事をやりながら都市計画のあり方を皆さんに広げていく、そういうようなことも非常に有効ではないかというふうに考えております。

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) 次に花形参考人にお願いするわけですが、恐れ入りますが、三、四分程度以内でおさまりますようによろしくお願いいたします。

花形道彦社団法人都市開発協会専務理事

○参考人(花形道彦君) 大変難しい御質問でございまして、業務機能、商業機能が集積する、特に神奈川県の場合には東京が前に控えておりまして、御承知のとおり東京に経済機能の例えば株式発行数とか本社数とかの約六割から七割が集積してしまっているという実態でございますので、この勢いというのは基本的に当面とめるというのは非常に難しいんじゃ店がろうかというぐあいに思います。もしとめるとすれば、やはり地方の都市の育成、これは単に美術館を建てたり音楽ホールをつくるということじゃなくて、さらにはイベントをするなんというのじゃなくて、基本的には地方経済を育成する、ここにあるんじゃないか。神奈川県の場合には商業機能、業務機能を地方都市に分散するということがないとなかなか難しいんじゃないかというぐあいに考えます。

石原舜介明海大学教授

○参考人(石原舜介君) 先生のおっしゃるとおりでございまして、実は不動産業ビジョンというのをこの六月の中旬に発表しますけれども、その中で不動産業の将来目指す方向としまして、都市環境創造産業というのをうたっております。これは企画から開発、そして後の管理、運営までいろいろ含めまして一貫したことをやってもらって、いい市街地を提供していくようにディベロッパーにそういう方向へ進んでもらいたいというビジョンを出しております。  まさにそのためには、この開発技術といたしましてはコーディネートする力というのが大切だということで、いわば都市づくりのコーディネーターという役割を担ってもらいたいというふうに期待しております。ぜひひとつそういうことを御支援いただきたいというふうに思います。  また、情報収集ということに関しましては、指定流通機構というものを通じまして情報をできるだけ住民に提供していこうということで、生活サービス産業というふうな言い方をしまして、そういうような分野にどんどんこういうような情報を提供していきまして、そして住民の方々にいい条件のものを提供できるように、しかもまたそういうもので迷惑のかからないように、信頼される産業へ成長してもらいたいというふうに期待しております。  今申しましたのはビジョンでございまして、そうありたいという希望でございますが、おっしゃるような方向へぜひ行くように行政の方も努力してもらいたいなというふうに思っております。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 参考人各位の皆様方、有益な御意見をお聞きしまして、大変示唆されるところが大きいと感じたわけでございます。  私の質問は若干御意見と離れるかもしれませんが、今回の改正案についての私の問題意識に関してぜひこの機会に御意見を伺いたい、このように思うわけでございます。  まず、土地利用計画や住宅問題に詳しい花形参考人に伺います。  今回の改正案が適正な地価水準の実現に大きく貢献すると期待していいのかどうか。住宅問題の解決あるいは豊かな住宅水準の実現に寄与できると考えておられるかどうか、御意見をまず伺いたいと思います。

花形道彦社団法人都市開発協会専務理事

○参考人(花形道彦君) 今回、特に用途地域についての改正が地価対策として有効かどうかということでございますが、冒頭にも申し上げましたとおり、全く効果がないということじゃございませんけれども、残念ながら余り多くは期待できないんじゃないかということでございます。それは、今回は特に住居地域を純化することによって土地の機能をできるだけ住居に限る、そういう方向に持っていって、それなりの経済的価値で売買が行われるようにということを期待しているわけでございます。  確かに、例えばフランスあたりに参りますと、パリとかでここの地価は幾らですかと聞きますと、容積何%ですという答えが返ってまいります。これは通訳が間違えたのかと思うと、そうじゃございませんで、向こうの方はそれを聞くとそれなりに、じゃ幾らだなという反応がすぐ頭に浮かぶわけでございます。したがって、言葉をかえれば、要するに、容積何%でそれだけの土地利用ができる、経済的価値がある、じゃ幾らだ、こういうことになるわけであります。  本来、日本でも、例えば二〇〇%なら二〇〇%で、だったら幾らだな、住居地域として二〇〇%を使えばこのぐらいの経済的価値だなというものがはっきりすればいいわけでございますが、残念ながら、日本の場合、例えば昭和六十二年に比べますと東京の住宅地価格は二倍以上になっているところがあり、三倍近くなっているようなところもありますので、したがって、本来の土地の経済的効用ばかりじゃございませんで、要するに投機的な価値がそこに含まれているという実態がございます。その部分を排除しないとどうしても、容積を下げたからといっても、二〇〇%もそれなりに地価の上昇があった場合にまだキャピタルゲインがあるぞというものは払拭し得ないと思いますので、その点でも絶対的な効果は期待できないんじゃないか。  それからもう一つは、残念ながら、住居地域であっても、これから地方自治体の方々は大変御苦労されるところでございますけれども、実態としては商業機能なり業務機能なりとして使われるような部分もございます。そうしますと、そういう価値でまた売買が始まるということがございますので、絶対的な効果というのは期待できない。  やはり総合的な効果の中の一環ではないか。これに合わせて基本的には宅地需給の緩和というのがまずなければ、そのためには一極集中の排除、これがございまして、あと土地税制、国土法による土地取引規制とか、それから特に申し上げたいのは住宅の価格についてですけれども、これもまさに政治の話でございますけれども、やはり社会保障というものをもっと土地対策の一環として考えるべきじゃないかと思います。  土地に対して日本人は執着してけしからぬ、もっと賃貸住宅とかそういうものを利用すべきだ、こういう御意見もございますけれども、しかし、現状の財産保全として最も確実なのは土地を持っているということでございます。それから老後の安定ということがあります。日本の賃貸住宅の賃貸関係というのは非常にウエットな部分がございまして、安心して住めないということがございます。したがって、どうしても国民は自分の身を守るためには土地が欲しいという方に行くわけでございますので、それを土地に対する執着が強くてけしからぬと一概には非難できないんじゃないかと思います。  そういう社会保障まで含めた総合的な対策の一環として初めて効果が出るのじゃないかというぐあいに考えます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 続けて花形参考人に伺います。  美しく豊かで個性のある町づくりのためには建築自由の原則から建築不自由の原則に少し軌道修正しなければならないんじゃないか、こんなふうに考えるわけです。つまり、決められた土地利用計画の中で、建築自由だからといってあるべき都市像から離れて勝手に自分の思うままに建築をしていたら、その地域の理想的な町づくりというものは行われないんじゃないか、こう思うわけです。その意味で、その地域に住む住民の意識、住民の町づくりに関する考えがある程度町づくりのルールに沿ったものでないとだめなんじゃないか、こういうふうに感ずるわけです。  町づくりは子供のころからの教育が大切だとよく言われておりますが、これは大変気の長い話ですけれども、このことが町づくりの市民参加を裏打ちするものではないかというふうに考えるわけです。美しい豊かな町づくりを実現するためには、一人一人がどう町の形成に取り組まなければならないかといった子供のころからの都市教育というものが大事じゃないか、こう認識しているわけですけれども、この点に関しての御意見を伺いたいと思います。

花形道彦社団法人都市開発協会専務理事

○参考人(花形道彦君) 第一段の御質問の建築不自由ということでございますけれども、昭和五十八年以来民間活用ということが言われまして、民間活用という言葉が出ますとすぐ規制の緩和、規制をできるだけ緩やかにして自由にするという方向が浮かぶわけでございますけれども、実はそうではない側面も多いわけでございます。  民間活用ということは、言いかえれば市場メカニズムで都市開発なり再開発をしていこうということでございます。例えば一番いい例は土地区画整理事業でございますけれども、土地区画整理事業になぜ地主さんが協力するかというと、都市施設として道路、公園等を整備してそこの土地の経済的価値が上がるということによって地主さんは協力していただけるわけです。そのかわり、その上がった分を減歩としてちょうだいしてそれを公共施設用地に使う、こういうことでございます。  ところが、日本の場合は、先ほど申し上げたように、都市施設が整備された土地、いわゆる宅地とそうでない土地との間に余り大きな経済的価値の差がないわけでございます。したがって、区画整理のような場合にはむしろ規制を強化していただいて、都市施設の整備が十分整ってないところは家を建ててはいけないんだ、そういう方向での土地利用規制が好ましいわけでございます。むしろそれが市場メカニズムを生かす方法であるということもあるわけでございまして、理念の問題と同時に、そういう具体のシステムの問題としても土地利用規制の強化という課題は今後も大きな検討課題だと存じます。  それから、教育の問題でございますけれども、まさに先生おっしゃるとおりでございます。  これも日笠先生の御専門でございますけれども、イギリスあたりでは、社会秩序に対する教育といいますか、生活のルールというか、むしろ生活感覚としての社会秩序の教育というのは非常に強く行われているようでございます。例えば、公園に連れていってごみを拾わせてちゃんとごみ箱に入れさせるとか、そんなきめ細かな町の中での生活のルールというのを小さいときから教え込んでいるということを聞いております。また、いろいろな発行物にも書いてございます。  そういうことを単なる修身教育じゃなくて、もっと具体的な教育として、なぜ下水がなければみんなが困るんだとか、あるいはそれがなければ自分も決していい生活ができないんだよという、そういうような具体的な教育の中で町の中での住まい方、生活感覚としてのルールというのを養っていく必要がある。これからの大きな課題じゃないかというぐあいに存じます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 次に、大学等で大変幅広く活躍されている石原参考人に伺いたいと思います。  社会党から提出されております対案は、地方の自主性尊重、基礎自治体への都市計画に関する権限の移譲というものを重視したものになっているわけです。将来的にはこれは大変結構なことだと思いますが、しかし、地方拠点都市整備法案でも問題となったのですけれども、権限を移譲された基礎自治体の都市計画への出向体制が十分でないとうまくいかないおそれが十分あるわけです。現在も行っていると思いますけれども、この点で都道府県や国の支援とか相談、あるいは研修等の強力な体制が必要ではないだろうか。基礎自治体の都市計画づくりへの意欲というものを育てる意味での出向体制支援策はどうあるべきかという問題、これが一つです。  それから、出向体制支援策はある意味では対症療法的であって、抜本的に地方の出向体制を支えていくには都市計画に詳しい知識を修得した人材の採用ということが大事ではないか、このように思います。地方拠点都市整備法案の審議の際に都市計画関係の専門講座を持っている大学について伺ってみたわけですが、まだまだ十分ではない、進んでいない状況にあることがわかったわけですが、そこで、今後の都市計画関係教育の推進策、その際の大学の役割、あるいはあり方等についての御意見を例えればと思います。

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) 石原参考人に申し上げますが、大変恐縮でございますが、三、四分程度でよろしくお願い申し上げます。

石原舜介明海大学教授

○参考人(石原舜介君) はい、わかりました。  今後、ますます地方自治体に権限移譲されていくような体制にあることは事実でございますので、そのための支援体制といたしましては中央あるいは県レベルで研修その他こういうような方向での職員の支援体制が必要でございますし、またいろんな計画立案の段階でそういうことと一体になってやっていく習慣をつけなきゃいけないんじゃないかというふうに思います。そういう面で、ただ勉強するだけじゃなくて、実際の物に当たって学ばないと身につきませんので、具体的なそういう計画作成を一緒になってやるというような体制をつくっていきたいと思います。  それから、当然そういうようなことで多くの人材を養成していかなければいけないんですが、残念なことに我が国では都市計画関係の大学その他にしましても、東大の都市工学科とか、私のおりました東京工業大学の社会工学科、あるいは筑波大学の都市工学、こういうようなところで人材養成をいたしておりますけれども、まだまだ十分ではございません。文部省あたりは、こういうような学問ばどうもトータル的な学問なものですから、一つのものを分析していく学問ならば皆さん非常にわかりがいいんですけれども、いろいろな法律、経済、社会とかあるいは技術とか、こういうものをトータル的にやる学問体系というものに対する理解が大変乏しいわけです。私も不動産学部をつくるのに当たりまして文部省と大分折衝したわけでございますが、そういうものを理解していただくだけで時間が非常にかかる。  こういうことで、日本の学問体系そのものが非常に大陸的な学問体系になっておりますが、ところが、都市計画とかこういうものは実務的な学問に近いものですから、どうしてもこういうふうなものを広げていくためには、教育のシステムというものを、経営だとか都市計画だとかこういうような実務を重視するような学問を振興していく策をとらないと、とても人材養成まで進むことは難しいんじゃないかというふうに思っております。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 時間も余りありませんが、五十嵐参考人に一点だけ伺います。  今回創設されも誘導容積制度と容積の適正配分については評価の分かれるところですけれども、過大な指定容積率とリンクしたところの目標容積率、これは一極集中に倣ってますます都市を膨張させるとの批判があるわけです。私もこの点に危惧を感じるわけですが、やはり都市の成長をコントロールする成長管理の思想を都市計画に注ぐべきではないか、ダウンゾーニングの制度を導入するべきではないかというふうに思います。簡単で結構でございますが、お答えをいただきたいと思います。

五十嵐敬喜弁護士

○参考人(五十嵐敬喜君) 誘導容積規制について、私自身は使われ方としては非常に局部的なものになるだろうというふうに理解しています。  一般的に、成長管理の都市政策を行うに当たって非常に重要なことは、今回の社会党案にも織り込めなかったんですけれども、東京の容積率は非常に過剰でございますので、一たん暫定容積率を全部にかけまして、そこにある種の、今回の法律用語でいきますとマスタープランがありまして、そのマスタープランに合うものについて法定容積まで復活するという容積規制の二重的な使い方、つまり、一たんダウンゾーニングをしましてマスタープランに合ったものについて現行容積まで復活させる、それをマスタープランに基づく許可制にして全体的に使うと、非常に広範でかつ有効な成長管理政策ができると思います。  今回の誘導容積規制は、非常に局部的に非常に技術的にやったものでありまして、いわば成長管理の都市政策にとって有効かというと、そう大した効果は上がらないというふうに思っております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 御苦労さまでございます。日本共産党の市川です。  私ごとで恐縮なんですが、実は私は出身が建築科であるということからも今回の法改正について大いに関心を寄せていたわけでございますが、残念ながら与えられた時間はやりとりを含めて十分しかございませんので、御三方に御質問をいたし、順次簡潔にお答えくだされば幸いでございます。  まず、日笠参考人に伺います。  参考人は、日本の都市計画制度について、マスタープランの欠如など土地利用計画が不十分であるということを日ごろ指摘してこられたところでありますが、今回の改正によって、いわゆる「計画なきところに開発なし」という都市計画の原則の日本における具体化はこれで必要な仕組みは整ったとお考えなのか、もし不十分だとされるならばどこをどう強化する必要があるのか、またなぜ今回それが織り込まれなかったのか、都市計画中央審議会の委員でもある参考人に率直にお聞かせ願いたいと思います。  次に、容積配分制度についてでありますが、この制度は、その地域において指定容積率を目いっぱい使おうというものであります。現在の容積率は、前面道路制限などから容積の使用に一定の歩どまりがあることを前提にして定められていると理解しております。また、地区計画で当該地区内の道路その他の公共施設は整備されるとしても、周辺は未整備のまま残っております。こういう状況のもとで指定容積率を目いっぱい使うということになれば、都市の過密状態をさらに一層深刻にするおそれがあると思うんですが、いかがでしょうか。  次に、五十嵐参考人に御質問いたします。  参考人は、冒頭の発言でもお触れになりましたけれども、用途地域の細分化には批判的な立場と承っております。我が党も、大都市で起きている事務所ビルによる住宅の駆逐という事態を防止するという目的であるならば何も全国一斉に画一的に用途地域を全部指定がえする必要はない、むしろ一斉指定がえは規制緩和の方向に走る危険さえあると考えております。そういう方向ではなしに、例えば現行の建築基準法の用途規制には特定行政庁が用途規制を個別に緩和するただし書きがありますが、しかし規制条項はないんで、そこで、地域の状況によって用途地域の目的を損のうおそれのあるものについて条例で追加するただし書きをつければ、それで目的は十分達せられるんではないかと思いますが、御意見を承れれば幸いです。  最後に、片方参考人にお伺いいたします。  今回の法改正は、事務所ビルによる住宅の侵食を防止することが目的の一つとされています。実際に、例えば東京の都心の八つの行政区を見ますと、人口の過半数が商業地域、近隣商業地域などに居住しており、その住機能を確保することは切実かつ重大な問題となっております。これを反映して確かに今回の法改正では中高層階住居専用地区を特別用途地区として定めることになりましたが、果たしてこれだけで商業系用途地域の住機能が守れるとお考えなんだろうか、ほかにどのような方策が必要とされるんだろうか、もしお考えがございましたら承りたいと思います。最後にもう一点、参考人のお住まいの京都では、伝統的な町並みの重要な要素となっている低層の町家が近年地上げで次々と取り壊され、また、京都ホテルやJR京都ステーションを初め高層ビルの建築など大きな社会問題になっております。日本が世界に誇るべき京都の歴史的な町並みを、私のふるさとでもありますが、近代的都市づくりの中でどう位置づけていくべきなのか。私は、ヨーロッパの歴史的都市の多くが取り組んでいるように、調和のとれた町づくりこそがまさに今求められていると思うのでありますが、そのために都市計画として何が必要なのか、お伺いいたしたいと存じます。

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) 恐れ入りますが、お一人二分程度でよろしくお願い申し上げます。

日笠端東京大学名誉教授

○参考人(日笠端君) 「計画なきところに開発なし」という、そういうふうになるかという御質問だと思います。  今度、市町村の都市計画基本方針、これが新しく出るわけでありますが、我が国の市街地の問題はさまざまな問題がございますけれども、根幹的な地区施設なしに家がどんどん建っていく、市街化区域であれば四メーター道路を前につくればばらばらに家が建っていく、全体の基盤整備というものがない。密集市街地になりますと、従来から言われていますように消防車が入らないようなところができてしまう。あるいは最近では高齢者に対する福祉も車でサービスするのがあるわけですけれども、その福祉の車も入れない。ごみを運ぶのに表通りまで引っ張り出さなきゃというような市街地ができるわけでございます。  その点で、今度のマスタープランによって地区計画とか小さい区画整理とかさまざまな手法を使って市町村ができるだけおやりになると思うんですが、当面はやはり、市街化区域というのは相当広いですから、それを全部カバーするだけのことはなかなか難しいんじゃないかと思います。  ただ、私が考えますのに、このマスタープランによって、ある市町村は全体にとにかく地区計画、この地区計画はいろいろございまして、地区計画のマスタープランもあるわけですから、そういった方針地区計画みたいなものは全域にやってもらって、そのうちで意見のまとまったところは整備計画で基盤整備をしていくというような取り組みも可能かと思うわけでございます。  そういう意味で、先ほども冒頭に申しましたように、やはり住民のまたそういう環境に対する意識の向上と市町村がやろうという意欲、これが結びついて、恐らく市町村ごとに違うと思いますけれども、それによって一歩一歩、「計画なきところに開発なし」というこのスローガン、目標に接近することを私は期待しておるわけでございます。

五十嵐敬喜弁護士

○参考人(五十嵐敬喜君) 用途地域の詳細化に関しまして、今回、住居系地域を中心としまして細分化されたわけですけれども、私自身は、その用途地域の特に住居系の細分化が必要なのは極めて限られた都市、つまり大都市の一部だと理解しております。したがって、十二種類を定めまして全国一律にとにもかくにも全部用途地域を指定がえしなければいけないということは全く無用なことだし、不要なことだと思います。むしろ市町村に非常に過大な負担をかけると私は理解しております。  私自身の基本的な考え方は、現行の八つの用途地域を前提としまして、先生のおっしゃいました建築基準法に基づく許可、これは個別建物になるわけですけれども、あるいは特別用途地区という制度を活用しまして不十分な点について対応すればよいというふうに考えています。ただ、現行の特別用途地区については非常に細かく分かれておりまして、これがまた政令によって制約がありますので、この点については思い切って都道府県あるいは市町村に落としまして、その特別用途地区を条例で自由に活用することによって対処するのが正しい道筋だと私は思っております。

片方信也京都大学工学部助手

○参考人(片方信也君) まず、第一の御質問の点ですが、東京の都心区八つの行政区で過半数が近隣商業地域に住宅を持っているというお話がございましたが、私も、特に首都圏につきましては、この近隣商業地域に居住する住民の方の居住する条件をどのように確保するかということが大変重要な課題だと思っております。  今回の法改正では、先ほど御指摘のように中高層階住居専用地区の特別用途地区の制度が入れられておりますけれども、これは提示されております資料を見ましても、超高層雑居ビルといいますか、そういうようなニュアンスが非常に強い説明の図になっておりますけれども、過密化を一層促進するということと同時に、過大な容積が指定されておりますので高地価を形成します。それが家賃や価格に反映するということで、当然、現在住んでいる皆さん方の住居負担に耐え得るかどうかという問題が出てくる。その点をクリアしないと、本当の意味の住居系の用途地域の整備にはならないのではないかというように考えております。  冒頭に申し上げましたように、既存の市街地におきましては二〇〇%がぎりぎりのところでございます。この容積制限のぎりぎりのところを守らないで高層化という形で進めますと、周辺に大変大きな影響を与えまして、周辺から住民が出ていかざるを得ないという事態も起こりますので、過大容積の部分と対応した容積、また用途地域、特別用途地区などの制度は必要ないというように考えております。  二番目の御質問の京都の景観の問題につきましては、御承知のような国際的な世論にもなっておりますけれども、とゆわけ重要な点は、都心にまだたくさんございます伝統的な町並み、特に町家を中心としました京都独得の集積があることでございます。  これがもし新しい用途地域などの区分でやられていきますと、ほとんど存立の基盤を失うのではないか。住環境の圧迫あるいは地上げなどが促進されるということが起こりかねないということで、この伝統的な町並みをどのように守るか、この制度が拡充されることが必要であるというように考えております。  なおつけ加えて申し上げますと、京都の町は、辛うじて大規模な戦災を免れたために職住近接の条件を他の都市に比べてみても持っているところです。私は、これは日本の都市計画の、ひいては世界にも比肩するような職住近接で、そして調和のとれた町づくりを進める上の手本であるというように考えておりまして、そのようなところの調和を乱すような今回の法改正については疑問を持たざるを得ないというように思います。都市計画全体につきましても、ぜひとも景観全体のマスタープランがこういう歴史都市については持てるように仕組みを用意することが大切ではないかというように考えております。  以上です。

市川正一日本共産党

○市川正一君 終わります。

山田耕三郎連合参議院

○山田耕三郎君 たくさんの参考人の先生方が御出席をいただいておりますのにかかわらず、まことに失礼ですけれども、時間の関係がございますので、私は五十嵐先生に限りましてお尋ねをさせていただきたいと思います。  今日、ここにまいりまして都市計画に関連をいたしました事業に対する住民訴訟がかなり華やかになってきております。    〔委員長退席、理事種田誠君着席〕 そして、先ほどから御論議の中に出ましたように、福岡の給水を拒否した問題、山梨県の高さを下げよという行政指導をした問題等は、それぞれの自治体における首長の法律との接点を求めての大変なぎりぎりの選択であったと思いますけれども、建築基準法第六条違反ということであえなくついえ去ってしまっております。確かに、先ほど石原先生のお説の中にも開発指導要綱に対する御意見がございました。私も体験者として、開発指導要綱によらなければならないような行政はしたくはありませんでしたけれども、これはどうしても頼らなければならない面もありまして、それを活用してまいりました。  私の友達に、東京圏の典型的なベッドタウン越谷市がございますが、ここの市長で黒田君という人がおいでになりました。毎年毎年たくさんの学校を建てていきました。年に一度会うときがありますので、ことしの計画は何枚くらいですかということを聞き、私と比べて私の方がまだ楽だなと思って元気づけられて任地へ帰ったことを覚えておりますが、彼は最後に市民病院をつくりました。そのときに、資金調達のために農業協同組合から融資を受けまして、これの融資の受け方に問題が出ました。そして、改選期を迎えましたけれども、あえなく落選いたしました。  同じ友達で越谷市の市民になった人に聞きましたけれども、それは当然のことでしょう、彼は学校をたくさんつくってきた、市民病院も苦労してつくってきた、評価されて当たり前だと思っておるんだろうけれども、行政水準の高い東京から越してこられた市民の皆さんたちにとっては、学校なんてあって当たり前やないか、市民病院などないのがおかしい、これくらいの受けとめ方であることを彼は見落としておったのではないか、こんなことを聞きましたことがございます。    〔理事種田誠君退席、委員長着席〕  彼と私とを比べてみまして、私の場合には公共施設をつくります。辺に水田がまだたくさんありました。その当時はお米が余りかけてきたときでございますので、国の施策として公共用地に水田を使うときには無制限に要るだけのお金を貸してくれました。何という名前であったかよく知りませんけれども、財政関係の諸君は水田債と言っておりましたけれども、これに助けられて公共施設を進めてまいることができました。  もう一つ前、私は第一回の公選によります市町村長の選挙に出て村長になりました。そのときに一番困りましたのは、食糧難を何とかして切り抜けていくためのお米の供出を担当させられる農村におりましたこと、そして新制中学校をつくらなければなりません。この二つの事業のために一緒に当選して任期を満了したのは三分の一でありましたことを覚えておりますが、そのとき仲間同士で、今苦労をしておるけれども何年かたてばこの苦労はなくなるのだ、苦労がなくなったときにその苦労を話してみても聞いてくれる人にはなかなか理解ができないだろう、これはやっぱり体験者だけが知ることなんだろうというあきらめに似た苦労話をしたことを覚えておりますが、なかなか私は難しいものだと思います。本論に返りますけれども、敗訴した場合にこの訴訟は、私は法律はよくわかりませんのですけれども、地方自治法にありますいわゆる代位弁済訴訟によって住民は訴訟をされるんだと思います。これによって訴訟された地方自治体の職員、多くの場合はその長でございますけれども、彼らは応訴していかなければなりません。それは職員として応訴するのではなしに、個人として応訴をせなければなりません。裁判の結果、よし言い分が認められて結審では勝利、すなわち勝訴をいたしましても、また逆に敗訴をいたしましても、その負担はあくまでも個人負担をせなければならないものであって、公がそれを援助することは違法だと地方自治法には決められております。  そういったことから、常に財政的な負担がつきまとってくるのですけれども、きょうびのことでございますからその額もなかなか安いものでは済まされません。問題が複雑になればなるだけこれは高くなります。  私たちが考えますと、国の法律に上乗せをして厳しくしたり乱開発をそれによって防止をするというようなことは好ましくないことなんだ、だからこれからはそういうことができないように個人負担にしておこう、そういうようなたくらみがあってこの制度がつくられておるのではないかとさえこのごろ思わざるを得ないようなことになっておりますけれども、これらはその町の政策決定にかかわります問題によって生じたことであるとすれば、それは勝訴した場合はせめて公費の負担をしてやるべきだ、このように私は思いますけれども、法律の専門家としての先生に御意見を承りたいと思います。

五十嵐敬喜弁護士

○参考人(五十嵐敬喜君) 武蔵野市指導要綱事件のときにも同様な問題が起こりました。それから福岡県志免町の事件でも、あるいは山梨県の訴訟でも将来そういう可能性があります。つまり、訴訟等に係る費用について自治体としての負担ではなくて個人的に負担しなければいけないということがあり得ると私は理解しています。都市計画というのはまさにそこが問題でありまして、刑事事件として有罪になり訴訟遂行に係る費用についても個人として全部負担しなければいけないというようなことが一般的になりますと、意欲的な町づくりをする市長さんあるいは町村長さんがいなくなると私は思うんですね。  それで、今回の都市計画についてぜひお願いしたいことは、意欲的な町づくりを全体として責任を持ってやっていくシステムをつくってもらいたい。そのためには、ある種の住民参加があって議会で議決をしたその政策と具体的な都市計画に基づいて町づくりを行うというシステムが入れば、個人の問題ではないわけです。そういう形に切りかえていただければ非常にありがたいというふうに私は思っているわけです。  現行法のままでいきますと、多分そういう問題にかかわる意欲的な市町村長はいなくなります。そういうことです。

山田耕三郎連合参議院

○山田耕三郎君 ありがとうございました。終わります。

山田勇民社党・スポーツ・国民連合

○山田勇君 五参考人、大変御苦労さまでございます。  私が最終質疑者でございます。御承知のとおり、もう時間がほとんどございません。そこで、五参考人に共通したことと申しますと、先ほど来申し上げておりますとおり、住民参加ということでございます。  日笠参考人においては、住民参加が大切である、住民参加しただけではなく、住民意識の向上も必要であると言われました。五十嵐参考人は、市町村を旅立ちさせなさいというふうな御意見であり、その中にあって、知事が最終的には最優先的な権限を持っているではないかという御意見。それから花形参考人におきましては、イギリスのコレラから発生した都市計画のお話などを興味深く聞きました。その中にありまして、生産緑地法で農地を放出しても計画がないとだめだという形の中であってもこの計画には住民参加が必要だという御意見を述べられました。片方先生におかれましても、いわゆる京都の例をとられて、住民参加を強く訴えられました。石原参考人におきましても、土地政策の四つの柱の一つとしてこれから法律が動いていくけれども、住民参加が必要である、強いて言えば、その中に登記法も改正をしていけばより効果が上がるという御意見を聞きました。  そこで、この住民参加ということにつきまして、多少私も異論もありますし、御賛同する部分もございます。五十嵐先生のおっしゃったとおり、知事が最優先をとるということですし、現行法におきましてはその責任の所在がはっきりしないということですが、一つのプランを立てて、国からにしろ、おりてきたプランを市町村が実行するに当たっては、僕はやっぱり市町村、地方自治体の首長たる者がある一種の責任を負っているんではないかなというふうに判断をいたします。  それと、住民参加ということについて、これは釈迦に説法で大変恐れ入りますが、地方自治体自体も住民参加イコール反対論というそういうアレルギーを持っているんではないかというふうに思いますし、私の体験からいきましてもそういうことがございました。  私は、かつて数十年間、千里ニュータウンに住んでおりました。三千坪ほどの緑地を削って、今の国立循環器センターをつくるというときに、私はニュータウンの居住者として、五万世帯を入れるあれだけの大規模な住宅計画を立ててニュータウンをつくっても、娯楽ゾーンがないこと、スポーツ施設がないこと、それから大きな医療機関がないこと、それが一番不服でございましたので、医療機関の誘致という形の中で、厚生省、地元の阪大の先生方と力を合わせて国立循環器センターをつくるというときに、反対である、緑をなくすことによって病院をつくるなど総攻撃を受けました。  住民参加を我々は求めて一緒にやったんですが、これはらちが明きませんでした。これがもし最後まで住民参加をさせたならば、恐らく今の延べ数十万人という生命を救うあの国立循環器センターはできなかった。いみじくも、先日その反対の自治会の会長が緊急医療を受けて生命を助かったときに、ついこの間私のところへ来て、あの住民参加で反対を唱えたのは間違いであったというようなことを言っておりました。  私は何も国の立場だとかそういうものを保護するために言うのではなく、これからの地方自治体の長たる者、特に知事より市長の権限というのが物すごくあるし、市長が住民と対話をすることによって開発を進めていくことの方が、僕は国より市町村の長たる者の権限が大きくなっていくのではないかと思います。  都市計画法を勉強するためにこの「最適都市を考える」という本を、泥縄でございますが、今一生懸命読んでいるところございます。勉強している中にも、いわゆる国というより市町村の力がこれから開発に大きなウエートを置くのではないかと思います。御承知のとおり、先日上がりました拠点法におきましてもそうです。かなり大きな国の権限というものを市町村に渡していきながら、いわゆる最適な都市開発を考えていくという形の中にありまして、住民参加とはどこから入っていくのか、どこで打ち切ると言うと語弊がございますが、どこまでそのプランの中で参加をしていったらいいのか、五参考人に、簡潔で結構でございますがお答えをいただきまして、私の質問を終わります。

日笠端東京大学名誉教授

○参考人(日笠端君) 住民参加の問題でございますが、日本の都市計画法にも参加手続がございまして、案を作成する以前から住民の意見を反映させるとか、これはもうどこでもやっておりますし、うまくいっていると思います。問題は、反対意見をどう処理するかという点にあるかと思います。  これは御参考になるかどうかと思いますが、私はロンドンに参りましたときに、ある区のローカルプラン、その区の計画でございますけれども、これを決定する手続について調べたわけでございます。これは、反対意見がその区では二百五十ぐらいございまして、その二百五十の一つ一つの反対意見に対してそこで討論をするんですね、役所側とその反対者が。そこに第三者として、国の方が審判官みたいな感じでおりまして、討論を聞いているわけです。記録をとっておる。そして、どうするのかといいますと、そこで解決する問題もあって、二百件はそこで役所側がおりるか反対者の方がおりるかで話がついた。ところが、五十件はどうしてもどっちも譲らないというので残ってしまったのであります。  それについてどうするかといいますと、その報告を中央官庁に上げまして、大臣が、これについて十分討論したかどうか、そこだけを見るわけです。決して国はそこに意見を出すわけじゃないんですけれども、討論が十分行われたかどうか、行われていないと判断しますと、もう一遍公聴会をやり直せ、こういうふうになるわけです。それを聞きまして、やはり日本の場合には、反対意見が出ましても、審議会に取り次がれますけれども、しかし応答はないわけでございますね。計画をめぐっての討論がない。その辺がちょっと日本の場合はまだまだじゃないかなと思います。  私は個人的には、自分の住んでいるところの地区計画を決めるときに町づくり協議会をつくりまして毎晩住民と話し合いをやったわけですけれども、討論になかなかならない。なれていないんですね。お役所の方も住民の側もなれていません。一般論でいつまでも話していたり、手続論でやっていたりしまして、何回も開くんですけれども、なかなか計画の内容に入った議論が進まないということを経験しました。  やっぱり討論の仕方、ルールですね。初めの一、二回は一般論で天下国家を論じていただいてもいいんですが、ある時期からは計画案をめぐって意見を闘わす、そういう習慣をどんどんつけていかないとイギリスのようなことにはならないんじゃないか。その辺は我々もこれから一般の住民の方々とそういうふうにして討論ができるように持っていかなければいけないんじゃないかと私は思っています。

五十嵐敬喜弁護士

○参考人(五十嵐敬喜君) 住民参加ということを考えますと、非常にいろんな意見があるわけです。  ここにも政府案と社会党案の差がはっきり出ていますが、政府案によれば、現行法に基づく意見書あるいは公聴会というシステムをやっているわけですけれども、一つ欠点がございます。それは、役所の方で公聴会については開催しても開催しなくてもよし、意見書については都市計画審議会に要旨を陳述するだけで、その結果がどうなったかということについては一切回答しない、こういうシステムです。最低限度、意見書等が上がったときに、それに対して役所側が応答する。つまり、その意見書に対する報告義務というものを課すことが必要であろうというふうに私は思っています。  その報告義務がちゃんと実施されますと、自分たちの意見に対して役所の方はどう考えるかはっきりします。そこで意見が違った場合には、議会によってまさに日笠先生がおっしゃいました討論ということをちゃんと保障すべきであろうと私は思っています。現行法制度の中で報告義務というものを最低限度入れていただければ、今みんなのおっしゃっている住民参加ということについてある種の発展的な解決の仕方が見えるのじゃないかと一思います。  二番目に反対運動というものの関係ですけれども、今後の都市計画は、単に土地利用を制限するとか、プロジェクトを推進するという非常にハードなものじゃなくて、美しい町、豊かな町をどうやってつくり上げるかという、いわば規制型の都市計画から創造型の都市計画に変わると私は思っております。むしろ歓迎すべきことは、創造型への提案について、これを広く受け入れるシステムというものを議会内に設置すべきであると私は思っております。  ここも、今のところ封鎖されているといいますか、政府案によると封鎖されています。社会党案にいきますと、この点についてもっと創造的な実験がいろいろなところでやれるということのように思います。それをぜひ、今回の改正によって創造型の実験ができるような形にしてもらいたいというふうに思っております。

花形道彦社団法人都市開発協会専務理事

○参考人(花形道彦君) 住民参加でございますけれども、例えば東京のような大都市を考えた場合、どの部分、どういう地域では住民参加が可能なのかというような、そういうきめ細かな作業が一つ必要なんじゃないかなという感じがします。  それから、それに関連してですけれども、要するに参加する側の責任というのをどう考えるんだ、単に物を言えばいいということじゃなくて、参加する側の責任というものがあると思います。じゃ、その責任ある立場というものをどうやってつくっていくんだ、そういう土壌づくりをどうするんだということも一つ必要じゃないかというぐあいに考えます。  それから、ちょっとつけ加えれば、さっき日笠先生もおっしゃったように、確かに日本の場合、いわゆる正反合というアウフヘーベンという生活習慣がどうもない、その辺も一つ大きな問題じゃないかというぐあいに考えます。  以上でございます。

片方信也京都大学工学部助手

○参考人(片方信也君) 住民参加の原点ほどこにあるかということについてですけれども、そのことについて申し上げますならば、私は、日常生活圏の都市計画についての参加がどの程度確保できるかということがポイントになるだろうというふうに考えます。  全国、特に東京都の特別区もそうでありますが、あるいは関西でも神戸市などでは町づくり条例をつくりまして各地区の協議会をつくるような仕組みを既につくりまして、住民の参加を促進するような取り組みが進められております。このような自治体の動きが具体的には手がかりになるだろうというふうに考えます。  先ほど議論にありました、議論がなかなか起こらないということについてですけれども、これは都市計画あるいは建築行政に関する必要な情報が住民に正しく提供されていない。情報公開が言われておりますけれども、都市計画に関する情報は、権利関係に影響するなどの理由をもってなかなか公開されないというようなことがあります。そこのところを町づくり協議会などで住民が審議できるような、そういう十分な情報公開を考えていくということが、学校区とかいった生活圏の単位で住民参加を促進する大変重要な土台になるのではないかと思っております。  同時に、市町村の段階はそれを積み上げた形で、例えば町づくり市民会議といったようなものをつくることによって、そこに住民参加の機会を保障するということにすれば、不十分ながらも、今の仕組みあるいは今回法改正案で提案されている中身と比べましてもより進んだ中身になるだろうというように考えます。  以上です。

石原舜介明海大学教授

○参考人(石原舜介君) 住民参加といいましても、その対象の事業によって密度が違うと思います。直接利害を有するような都市区画整理事業だとか再開発事業あるいは地区計画制度、こういうようなものはほとんど全員参加みたいな形で討論が行われておりまして、もう既にそういうことは行われております。それがだんだん都市全体の計画というふうな形になれば、住民参加のシステムというものもまた違ってくるわけでございまして、一律に全部の計画に全員が参加しなければいけないというようなことはあり得ないわけでございます。  その参加するシステムをどうするかというふうなことは、その対象によって違ってくるわけですから、当然、全体的な計画についてはある程度の代表とかそういうふうな人たちによる参加というふうな形をとって計画案をつくっていくということになるわけです。そして、計画案ができ上がった後で今度はいろいろ意見聴取というふうな形になるので、その計画を作成する段階での住民参加というのは非常に難しいわけでございまして、これはある程度少数の人たちで参加してやっていかざるを得ないというふうに思います。  ですから、その発表の段階とかいろいろ計画のステップの段階で違ってくるという二つの側面があるということを申し上げたいと思います。

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の方々には、御多用中のところ御出席をいただき、貴重な御意見をお聞かせいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼申し上げます。     ―――――――――――――

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) 委員の異動について御報告いたします。  本日、青木薪次君が委員を辞任され、その補欠として西野康雄君が選任されました。     ―――――――――――――

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) これより前回に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 前回、都市計画法政府案さらには対案につきまして審議をし、ただいま参考人の方々から意見を伺ったところであります。前回に引き続きまして、残っておるものがございましたものですから、質疑をさせていただきたいと思います。  ただいまの参考人に対しましても伺ったわけでありますけれども、このバブル経済の中で全国至るところに開発の大きなうねりが発生いたしました。よもやこういう場所に百メートル以上の超高層ビルが建とうなどとはだれも考えていなかったような栃木県の那須の山奥にも、計画があるようであります。栃木県は、何としても、裁判を行っても、こういうものを建てられては困るというかたい決意のもとに今対処をしているというふうにも新聞報道などに述べられております。さらには、山梨県の景観条例、大臣の地元でございます福岡県の志免町の水道供給に関する条例等も、これまた同じ視点での問題でなかったかと思うわけであります。そして、さらに過日の委員会では、同僚の西野委員と住宅局長の間において質疑が行われました湯沢町の開発なども同じような問題であったかなと思うわけであります。別府の方の湯布院においても、これまた開発の問題が提起されております。  日本において都市計画法が「計画なければ開発なし」ということで昭和四十三年以降強力に実行されてまいったし、五十五年以降は地区計画なども積極的に取り入れられて今日に至っているわけでありますが、ではなぜ今日このような諸問題が都市計画法において対処できないような形で発生してしまっているのか、このことについて、冒頭、伺いたいと思います。

立石真建設省住宅局長

○政府委員(立石真君) 先生御指摘がございましたように、最近の地価高騰等を反映しながら、従来は大規模な建築物が想定されていなかった農山漁村まで、例えばリゾートマンション等の無秩序な建築が見られる地域が生じているのは私たちも承知しているところでございます。このような問題が生じている地域につきましては、都市計画区域内の用途地域のない区域、いわゆる白地地域と言っておりますが、そういう地域あるいは都市計画区域外である場合が一般的でございます。  現行法の考え方といたしましては、用途地域のない区域は容積率が一律四〇〇%、また都市計画区域外では建築基準法のいわゆる集団規定は適用されないというようなことになっておりますので、十分な規制を行うことができない場合があるところでございます。このため、地方公共団体がさまざまな条例を策定してこれらに対応しようというようにしているのが現状であると考えております。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 私は、まさに地方自治体にとっては法の立ちおくれによって緊急避難的にこれらの手続が今とられているのではないだろうかな、こうも思うわけであります。したがって、緊急避難でありますから若干なりとも違法性は伴わざるを得ないわけであります。御存じのように、刑法における緊急避難も、一定の価値を守るために一定の価値を損なうということが前提に生まれている構成要件上の制度であります。したがいまして、この緊急避難に対しましては、一日も早く法のフォロー、バックアップが私は必要なんではないだろうかなと思うわけであります。  そういう意味で、今回の都市計画法の改正は、私はこの問題を避けては通れないと思うわけであります。建築物の規制に関しての調整区域における法改正ということは伺っておりますが、果たしてこの問題だけで今私が提起した問題に対処できると政府の方ではお考えでしょうか。

立石真建設省住宅局長

○政府委員(立石真君) 今回、建築基準法を改正しようとしておりますのは、一つは、白地地域につきまして従来の容積率四〇〇%、建ぺい率七〇%という一律の制限に対しまして、政府の原案では、容積率二〇〇%、建ぺい率六〇%の制限を適用できる地域を設定しようとしているものが一つの内容でございます。  御承知のように、これにつきましては衆議院で修正されまして、容積率については一〇〇%と三〇〇%が加えられ、また建ぺい率の上限につきましては五〇%のメニューが追加されたところでございまして、これに政府原案の日影規制を加えることによりまして、白地地域につきましてもかなりの程度無秩序な建築やあるいはまた周辺への弊害を伴いますような建築行為については規制できるものと考えているところでございます。  また、都市計画区域外につきましては、区域を指定いたしまして、容積率、建ぺい率、あるいはまた道路と敷地との関係等につきまして規制をできるようにしたいと考えているところでございまして、これらの制度を活用することにより、相当の程度対応できるのではないかというように考えているところでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 私も、今局長が言われた限りの中においては相当程度効果を発揮することは多分そのとおりだと思うんです。  先ほど私が申し上げました、例えば一つの例であります那須野原、黒磯市の近くのようでありますけれども、今計画されておるのが何と高さ百二十メートル、これに対して栃木県は、三十五メートルの高さ制限を設ける事前指導要綱を実施しているそうでありまして、景観を損なうという理由で建設に反対をしているそうであります。ところが、一方においてはホテルが新幹線から見えてこそインパクトが強いんだ、こういうふうな意見もあるようであります。一歩も譲らない、がっぷり四つの状態だ、こういう状態に関しまして、率直に言いまして今回の改正は効果を発揮するのでしょうか。

立石真建設省住宅局長

○政府委員(立石真君) 栃木県の指導要綱についての詳細は承知していないんですが、百二十メートルのリゾートマンションに関する開発許可申請に対して、排水施設に関する基準を満たさないというような理由で不許可通知がなされていると聞いております。この地域は、都市計画区域内の白地地域と聞いているところでございます。  その後の状況等について詳しく存知していないところでございますが、この白地地域の中において、先ほど申し上げましたように容積率制限、建ぺい牽制限、それからまた日影規制等が行われた場合には、隣地との関係あるいは周辺との関係においてはある程度の規制が行われるところでございますが、もし仮に敷地がぐんと広く、そしてま、た周辺に特に邪魔になるようなものがないとなれば、これらについて高さを規制することはできないのではないかと考えております。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 今、同じようなことで福岡県の志免町では給水関係における条例での制限、そのところから制裁措置としての条例の発動があった、こういうような条例でありますけれども、実際に裁判では敗訴の結果を生んでいるわけであります。  この仕組みが私はやはり問題なのではないだろうかなと思うわけであります。むしろ景観とかインフラの整備状況に合った開発を行わせる、このことに関しましては地方自治体の実情に合わせて地方自治体がみずからの条例でこれを許し、規制する、こういうふうな考えていくのが正しいのではないだろうかなと思うわけでありますが、いかがでしょうか。

立石真建設省住宅局長

○政府委員(立石真君) 先ほどの答弁をちょっと補わせていただきますが、那須町の場合にも、例えば現在ある風致地区等をかければ高さ制限は当然相当低いものにすることができる、そのほかにそういうような措置等があることを補わさせていただきます。  また、志免町の件でございますが、この場合にはリゾートマンション等とは全然別の形態でございまして、福岡市の東側に隣接するような地域で通常のマンションが志免町に連続的に建設されるようになったという大都市周辺の問題になっているところでございます。  このマンションにつきまして、志免町では、従来から二十戸を超えるマンションについての規制を行いたいということで、水道事業給水規則というのを持っておりまして、水が足りないので給水を拒否するというようなケースになっているところでございます。  これに対する福団地裁の判決でございますけれども、水道法第十五条の給水拒否については正当な理由がなければできないことになっておるわけですが、判決におきましては、町が通常の努力を怠らない限りマンションの給水は不可能ではない、そういうようなことから判決が出まして、マンション業者が勝訴したと聞いているところでございます。  この件につきましては、純粋に水道法上の問題でございますので、開発許可、建築確認とは直接は関係がないことだと考えております。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 それでは、対案として出ております社会党の案によれば、今ここで議論をしてきたような開発、建築規制に伴う措置というのはどのようになりますでしょうか。

青木薪次日本社会党・護憲共同

○委員以外の議員(青木薪次君) 法に定める技術基準は政令で開発行為の内容に応じて詳細に決められると言ったにいたしましても、全国一律に適用されるというようなことについては、地方によっては実情に合わない場合も想定されると思います。  このため、必要に応じて地方公共団体の条例によって制限をつけ加えるというようなことが行われているわけでありますが、建築基準法ではこのような規定もありまするけれども、現行の開発行為にはこうした規定が欠けているために多くの自治体は指導要綱などで対応を余儀なくされているものであります。  この規定は、こうした指導要綱のうち相当の合理性を持って条例として定めることができるものについて、法的根拠を明らかにした上で、公正かつ公平な行政手続によって開発許可制度が運用できる道を開こうとするものであります。  県の景観条例をつくっている山梨県とか、あるいはまた白地地域についても調整区域並みに一つ規制を加えるといったような問題を含めた真鶴町とか、今の那須野原とか九州の志免における給水制限といったような問題等についても、その地方によって、その立場によっていろいろと条件を付している、私はこういうように思います。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 私は、今の答弁を聞いていまして、地域の総合的なインフラの整備状況がどうなっておるか、そういう中で開発などをしっかりと押さえながら方向を決めていく、こういう考えの方が、今回政府が提起している形よりは、今日自治体が緊急避難として対処していることに関してまさに真っ正面からこたえることにもなると思うんです。  さらには、過日の地方拠点都市法でも議論されましたように、これからはいかに地方の創意工夫を伸ばしながら自主性、独自性を尊重した地域開発を広域的にも行っていくか、こういうふうなやりとりがあり、その流れがお互いに確認されてきた、これにも合うし、したがって、特に不合理ではないというものに限っては、私は、堂々とこの件に関して条例に町づくり地域づくりをゆだねるべきではないだろうか、そういう時期に都市計画法も入っているんだということを私は強く感ずるわけでありますが、この点に関する大臣のお考えなどを伺わせていただければと思います。

山崎拓自由民主党建設大臣

○国務大臣(山崎拓君) さまざまな事例をお挙げになりましたとおり、みずからの町づくりに関しまして条例等を制定いたしまして取り組みがなされていることは事実でございます。  今回の改正案には、ただいまのような御指摘の問題点を踏まえまして、都市計画区域外における地方公共団体の条例による建築規制の創設等、種々の制度の拡充を盛り込んでおりますことは御承知のとおりでございます。  ぜひ、この改正案を早期に成立をさせていただきまして、この法案に盛り込みました制度の活用によりまして町づくりのために役に立たせていただきたい、このように考えているところでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 大臣の方もなかなかガードがかたくて、一条ぐらいこの辺のところ、本参議院でも修正していただけるような方向でも生まれるかなと期待をしておるわけでありますが、なかなか厳しいようで、今後の法運用の中でぜひともその辺のところは配慮をしていっていただきたいと思うと同時に、このようなやる気のある先駆的な自治体に対しては、これを押さえるんではなくて、むしろいい方向に支援をし、誘導するような施策をとっていただきたいと思います。  次の問題に移りたいと思います。  私も、今回の改正案の中で……

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) ちょっと種田委員に。  今、大臣が今の要望に「はい」と答えられたようですが、もっと聞かぬでいいですか。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 今、私、ちょっと下を向いておったものですから。  大臣の方でうなずかれていたそうでありますので、この点に関する御返事をお願いしたいと思います。

山崎拓自由民主党建設大臣

○国務大臣(山崎拓君) 委員長の御指導に従いまして答弁を少し強化充実させていただきますが、本法案成立の暁には、運用を通じまして今日まで指摘されました問題の解決に大いに努力をいたしたいと考えておるところでございます。  なお、その上で、今後どういった問題が残されるかあるいは発生するか等々を十分注意深く点検いたしまして、先生のきょうの御質問の趣旨も尊重する方向で、次なる改正には十分参考にさせていただきたいと考えておるところでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 どうもありがとうございます。  次の課題でありますが、今回の改正案の中において、マスタープランが都計審の答申を受けられて一定の拡充がな走れてきたということに関しては私も評価をするところでありますけれども、この過般の都計審の答申などを拝見しておりましても、私は、マスタープランが果たす役割というのはかなり大きなものとして期待されておる、それにこたえるものでなければならないと思うわけであります。  一つには、まさに市町村にとってあるべき都市像というのを明記していく、そしてその都市像に従ってさまざまな施策が展開される、大きな役割だと思います。  と同時に、もう一つは、この答申の指摘にもありますように、今日まで地区計画の実施がなされているわけでありますけれども、なかなかこれが進まない。全国で今七百弱の地域であって、パーセントで言えば一%強の存在だと言われている。この地区計画の推進に当たって、マスタープランというのが地域が明確にされていく中でより促進されるし、住民の合意が得られるだろう、こういう大きな役割も持っているものだろうと思うわけであります。そういう意味で、これらの役割にこのマスタープランが十二分にこたえ得るものなのかどうか、そのことについてまず伺いたいと思います。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 今回の法改正の中で、私どもは「市町村の都市計画に関する基本的な方針」という形で、ただいま先生から御指摘ございましたいわゆる都市計画のマスタープランにつきまして市町村レベルで定めるということを御提案申し上げているわけでございます。  ただいま先生の方から、このマスタープランの重要性につきまして大変的確な御指摘があったわけでございます。  都市計画中央審議会の議論におきましても、市町村レベルにおきまして市民のコンセンサスとしての具体的なビジョンがはっきりあるかどうかということが、具体の都市計画を定める場合におけるコンセンサスづくりの最も基本であるということがございまして、そういった点におきましては、私どもの方での理解といたしましても我が国の都市計画の仕組みがいま一つその点で物足りない部分がありまして、それが結果として都市計画決定に対する手続がいろいろありましてもいま一つ議論がかみ合わない部分もあるというようなところから、こういった市町村のマスタープランというものを御提案申し上げているわけでございます。  このマスタープランの中で、例えばただいま御指摘ございました地区計画につきましても、どういったところを自分たちの町では地区計画で整備していくかといったようなことについて、できれば地区計画を策定する場所の明示もマスタープランで行うといったような、できるだけ具体的なビジョンのあるようなマスタープランづくりということを期待しておるわけでございまして、そういったような方向で具体のマスタープランができ上がりまするならば、ただいまお尋ねございましたような意味におきまして極めて有効に機能するものと私どもは思っているわけでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 ただ、私は、今回のマスタープランの法制化に当たって幾つかの不十分さを感ずるわけであります。  一つには、マスタープランというのは、思い描いたときに西ドイツのFプランに本来相当するものではないだろうかな、地区計画がBプランであればFプランに相当するだろう、ドイツの場合のFプランが果たしている土地利用全体に対する一つの方向性、これは果たして日本のマスタープランとの比較においてどうなんだろうか。  私は、その規制の方法にしても、さらに全体の都市像に対する開発のあり方に関しても、今回衆議院で一部文言が改正され、全国的に義務づけまではいかないのかもわかりませんが、そういう方向が与えられてきたということに関しては、これまた一つ前進したなとは思うわけでありますけれども、この辺のところが一つ私は疑問に今でも思っております。ドイツのFプランとの関係での答弁をまずいただきたいと思います。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) ドイツのFプラン、Bプランの関係でございますが、ドイツの場合は連担市街地と通常呼んでおりますが、いわゆる建築行為が許容される場所につきましてマスタープランとしてのFプランを定め、また、そのFプランが定められたところで必要な地区でより詳細な規制としてのBプランを定めていく、こういう関係になっていると理解しておるわけでございます。その意味合いにおきましては、いわゆるFプラン、Bプランともにかなりドイツでは普及しておる制度でもございますし、また、Bプランの段階までになりますとかなり規制も厳しいといったような点があるわけでございます。  私どもといたしましては、町づくりということを考えます場合に、これらの制度は極めて参考になる制度であるというところから、昭和五十五年に地区計画制度を導入いたしました際にも、この辺の制度を参考にしながら制度を構築した経緯があるわけでございます。  それで、Fプランと今回の市町村のマスタープランとの関係につきましては、私の理解では、今回私どもが御提案申し上げております市町村マスタープランの方がその当該市あるいは町にとってみましては、少し幅広い全体としての市の都市計画をどう持っていくかということを考えた具体のビジョンづくりという意味でございまして、でき上がってみないとちょっと比較ができないという面はありますけれども、マスタープランという意味合いにおきましては、市全体をカバーするという意味におきまして今回のマスタープランはかなり幅広な効果が発揮できると思っております。  逆に、Fプラン、Bプランという制度のシステムという点でいきますと、最終的にそれに基づきますいわゆる都市計画規制という意味におきましては、ドイツの制度の方が規制が極めて直接的に連動しておる、そんな感じで理解しておるところでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 このマスタープランに関しましては、対案である社会党案でも触れていると思うんです。社会党案はどういう形になっておりますでしょうか。

青木薪次日本社会党・護憲共同

○委員以外の議員(青木薪次君) 社会党案の基本的な考え方は、これまで自治体が独自に取り組んできた町づくりを法律の面からどのように支援していくかということだと思います。  例えば、都市の周辺部である用途地域の指定のない地区については、従来は規制を強化するのであれば用途地域を指定しなければなりませんでしたけれども、私たちの改正案では、市町村のマスタープランにおいて土地利用の基本方針を定めることで、用途地域の指定がなくとも高さや容積率など用途地域と同様の制限ができることにして、とかく大都市向けになっている用途地域のメニューを補うことができるようにしたのでございます。  このほか、中心市街地においても、市町村のマスタープランの具体的な運用に当たっては、これまでとかく全国一律の用途地域のメニューでしか表現されていなかったのでありますが、地区ごとの将来のあるべき姿をより具体的に明示し、都市計画がより住民に密接なものとなるよう期待し、提案したものであります。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 もう一点マスタープランについて伺っておきますけれども、都計審の答申を見ますと、そこに、マスタープランをつくるに当たっては、「住民や土地所有者の意向が計画内容に十分反映されるよう、住民参加の仕組みを導入するべきである。」、こういうふうな指摘があったと思うんですが、これは今回どういうふうに生かされているんでしょうか、まず政府の方に伺います。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 市町村のマスタープランにつきましては、できるだけ市町村レベルにおきましていろいろと創意工夫を凝らしていただきたい、その際、住民の意見を十分反映させながらやっていただきたいという考え方に立っております。ただ、具体的なプロセス、手続につきましては、今回はそれほどの規定は置かないで各市町村の創意工夫にゆだねたいということに基本的にはしているつもりでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 この点について、社会党案ではどういうふうになっておりますでしょうか。

青木薪次日本社会党・護憲共同

○委員以外の議員(青木薪次君) 公聴会など住民参加の手続を拡張、拡充していくというようなことも含めているわけでありますが、社会党案では、都市計画を定めるに当たって、公聴会の開催など住民の意見を反映させるために必要な措置を必ず講じなければならないということにしてあります。その上で、住民からの意見の提出方法その他の具体的内容について自治体の条例で定めることにしておるのでございます。  このことによって、例えば複数の案を住民に示した上で、それぞれの案についてメリットとデメリットを明らかにし、その上で意見を問うなどの方法も条例によって可能になるのでございます。また、意見書の処理についても、現行では、住民から見ると、意見書を出してもどのように扱われたのかわからないというような状態でありましたけれども、私たちの案では、意見書の要旨とそれに対する見解などをまとめた報告書を作成いたしまして、再度意見を聞くなど、住民の意見を反映させるためにきめ細かい配慮をしておるのでございます。  都市計画の作成に当たっては円滑な計画決定も大事ではありますが、住民のコンセンサスがないと実効性のない、それこそ絵にかいたもちになってしまいますので、最大限に住民の意見を酌み取ることのできる制度をつくることが大事だと考えておるのであります。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 青木先生の方では、これからの質問の答えが出ているようでございますけれども、ひとつよろしくお願いいたします。  次に、地区計画の点について伺いたいと思います。  先ほども、マスタープランをつくっていく目的の一つの中に、地区計画を推進し市町村の都市計画の実績を深めていこう、そういうふうな視点があったと思うんです。しかし、率直に申し上げて、私は先ほど地区計画の今日の策定状況は一%強ぐらいではないだろうかというふうに述べたんですけれども、現状は一体どういうふうになっておるか、その辺の説明をしていただきたいと思います。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 地区計画制度は昭和五十五年に創設された制度でございますが、平成三年の三月末現在までに、全国で二百五十五市区町村におきまして六百九十三地区、約二万二千ヘクタールで都市計画決定されております。これは用途地域の指定されている面積全体から見ますと約一・三%でございます。  また、決定されている地区数につきましてもう少し詳細に述べさせていただきますと、昭和六十三年度に百地区、平成元年度は百二十二地区、平成二年度は百六十一地区と年々地区指定数がふえてきておりまして、着実に増加してきているという評価をしているところでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 同じように、ドイツでも地区計画というBプランを中心にして実施されているところでありますが、ドイツなどと比較して日本の進捗状況というのを一体どういうふうに受けとめていますか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) ドイツの統計が必ずしも正確なものがないものですから恐縮でございますが、私どもが知っている範囲内で整理してみますと、先ほどもちょっと触れました、いわゆる建築的利用のための土地として位置づけられている区域というものがございまして、それを分母といたしますと、平均いたしまして約三割から五割ぐらいはBプランが定まっているというふうに理解しております。都市によりましてはもう八割ぐらい地区計画が定まっているところもございますし、余り定まってないところもございますが、それらを平均いたしますと、三割ないし五割ぐらいではないかというふうに理解しております。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 日本の地区計画は、先ほど局長の答弁にもありましたけれども、旧西ドイツの地区計画等を参考にして五十五年に導入したものだということですが、結果として、ドイツの方では割と各自治体の意気込みというか必要性というか、そういうところから八割近くいっているところもある、また少ないところもあるということであります。  それにしても、日本で一%強というのは幾ら何でも少ない。この制度が本来持っているものは、地域の住民の皆さん方のコンセンサスを得ながら総合的にインフラなどを整備しながらっくり上げていく、そういうすばらしい制度であるにもかかわらず、なぜ日本で各市町村等において積極的によしやってやろうという形で話が進まないのか、その辺のところはどういうふうに分析していますか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) なかなか難しい分析なんですが、まず基本的には、昭和五十五年でもう十年たっておるわけでございますけれども、制度としては新しい制度でございますので、その制度に対する私どものPR不足も含めまして理解が進んでないといったようなことがあると思います。  それから、旧西ドイツと日本とのこういう都市計画規制、建築規制の最も基本的な違いは、若干私の私見も入るような感じで恐縮でございますが、何といいましても、ドイツは歴史的にもコンクリート、石づくり等の堅牢建築物がずっと長い歴史を持っているわけでございます。それに対して日本の場合は木造建築物が主体でございますから、日本の建築規制、都市計画規制は、用途地域を定めまして、その用途地域でどういう建物を建てるかということについて用途と容積率と建ぺい率、そういったようなところで規制を決めておきまして、個別のもので建築確認という形でやっていくというのが基本になっておるわけでございます。  ドイツの場合のこのBプランといいますのは、建物の配置とか形式とか屋根の形態まで決める。ある建物が建ちますとそれでもってやや永久的にその都市の形が決まるそういう歴史的な背景の中で決まってきたものではないかと思いますが、日本の今までの建物の建て方との兼ね合いにおいて若干なじまない部分がございまして、その結果として、町づくりに関しましてそういった建築物の形態等も含めた詳細な規制を行うということについて、地区住民としてどういうメリットがあるのかどうかということについての理解が必ずしも十分行き届かない、そこまで規制しなくてもいいのではないかとかいったようなこともあるわけでございます。  そういう意味におきまして、なかなかまだ普及していないわけでございますが、それにしましても全用途地域の一・三%という数字では、これは制度創設の趣旨からいいましても私どもとしては極めて不十分であると考えておりますので、最初のこの指定のふえ方等にも力づけられながら、今回の市町村のマスタープラン等の御提案の中でこういった地区計画等の普及が図られるように努めてまいりたいと私どもは考えているところでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 今の局長のお話を伺っておりまして、私も、地区計画というと何か規制が極めて強くなる、本来自由にいきたいというのに対しての負担意識、それから制度がなかなか見えにくい、そういうところから普及が思ったほど進まないというのがよくわかるような気がするんですね。  問題は、もう一つ根本的に違うのは、旧西ドイツの場合には地区計画ができて初めて建築行為というのが生まれてくる、その差だと思うんです。日本においては率直に申し上げてその逆になっているわけでありまして、逆ですから、ここに地区計画を持ち込んだ場合、本来家をつくるのは私の自由な権利のはずだ、それをなぜ地区計画などを入れて規制される必要があるんだという、こういう認識が当然生まれると思うんです。そこに私は一番大きな違いがあったんだろうと思うんですね。  ところが、土地基本法が日本において制定されたということになりますと、先ほど参考人の方々も述べておられましたけれども、土地という一つの特殊な財産、私はこういう財産こそ内在的な制限というのが付加されて当然なんじゃないかと思うんです。  というのは、土地というのは、率直に言って初めから自分のものだったというのはめったにないと思うんです。二千年、三千年という歴史の中で所有権がその時代ごとにかわったこともあったろうと思うんです。そういうものであれば、しかも国土という限られた範囲のものでありますから、自分がっくり上げた財産というよりは、何かそこに所有というよりは利用に対する内在的制約というのが当然あっていいだろう、そのあらわれが私は土地基本法における「公共の福祉優先」という言葉だと思うんですよ。  ですから、土地の利用ということを、全体的な過ごしやすい町づくり、効率的な土地の利用、こういうことを考えた場合に、私は地区計画でもって制限しようとするよりは、土地そのものが持っている権利性の検証を国民のコンセンサスを得る形でつくり上げていかなければならないんじゃないかなと思うんです。そういうのをあわせて行っていかないと、本来自由だ、おれのものはおれのものという、全体との関係など関係ないという、そういう考え方がある以上進まないと思うんですけれども、その辺の認識はいかがでしょうか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 我が国の都市計画規制、建築規制がどの程度であるかといったようなことにつきましては、いろいろと御議論があるところでございますが、昭和四十三年の現行都市計画法制定に際しまして、まず市街化区域及び市街化調整区域という区域区分をいたしまして、市街化調整区域では原則として開発を禁止する、市街化区域につきましては土地利用を整序するために地域ごとに用途地域を指定し、建築物の用途や容積率、建ぺい率、高さの限度等を定めました。また、必要に応じて特別用途地区、高度地区等も定めて特別の定めも行うことができるというふうになっておりまして、こういう都市計画制度ができ上がっているわけでございます。  これは、私どもの理解といたしましては、我が国におきます活発な建築活動等が現実に展開されているということを踏まえながら、かつ、ただいま先生から御指摘がございましたように、土地利用というものは基本的には都市計画等の計画に従った利用でなければならないという原則のもとで町づくりを進めなきゃならないというところから行っております土地利用の整序のシステムでございます。  これが先ほどの御指摘ございました旧西ドイツのBプラン等の仕組みに比べましていささか規制面において暖い部分があるのではないかといったような御指摘につきましては、これはいろいろそういう部分が全くないとは言えないと思う次第でございますけれども、今までの我が国の全体の経済社会活動の中で具体の建築行為、開発行為といったものを計画に従った土地の利用という観点に立ちまして整序しながら円滑な活動を認めていくという中では、それなりに我が国の実情に適した制度なのではないかなというふうに思っているわけでございます。  ただ、先ほども御答弁申し上げましたように、我が国も木造建築物主体からいわゆる堅牢建築物主体に、特に大都市になればなるほどそういったような方向に進んできてまいっておりますので、そういう意味におきましては、欧米等、特にヨーロッパで古くからとられております。そういう堅牢建築物に対する規制手法といったようなものが国民のコンセンサスを得られやすい土壌になりつつあるのではないかというような考え方は持っておるところでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 私も日本のような形での都市計画のあり方が、一定の高度経済成長を遂げなきゃならないような産業構造があった時代においてはそれなりの大きな役割を果たしてきたんじゃないかなと思うんです。  ところが、今回のいわゆる日本経済の大きな一つの転換、この転換は、私はこれから我々が過去に経験したような高度成長の時代というのはもう生まれてこないだろう、欧米がそうであるように、むしろ質の向上を求めて安定した形の成長というのが続いていくだろう、そういう時代に今転換しようとしている、そういうときであれば、私はむしろ私的所有という概念よりその土地などに内在する公共性、全体とのバランス、こういうものに当然権利性が大きく前進していかなきゃならないんじゃないかなと思うんです。そこに初めて私は、自分たちがそんなに派手じゃなくても、そんなに激しくなくても何か落ちつきながら、風情を感じながら住んでいける町が生まれてくる要素が出てくるんじゃないかなと思うんです。  例えが悪いかもわかりませんけれども、今の京都の町がいい、いいと言われますけれども、あれができた時代背景はかなり権力的に都市づくりがなされた時代かもわかりません。しかし結果として、今の京都の風情に対して私たちは大変な評価を与えています。  私、本などを詠ませていただくと、江戸時代の町づくり、都市づくりというのは極めて整然と機能的にできていたな、こういうふうに思うわけであります。これは非常に権力的に有無を言わせずつくり上げたからできたのかもわかりませんけれども、今日的には、逆に個人個人のいわゆる土地所有権というものに対する内在的な制約として全体とのバランス、公共の福祉との調整、こういうものを大きく打ち出していくことによって初めて私は地区計画などというのがなし遂げられるんだろうと思うんです。  この辺に関する大臣の御所見はいかがなものでしょうか。

山崎拓自由民主党建設大臣

○国務大臣(山崎拓君) 貴重な御意見を先ほど来承っておったところでございますが、このたびの法改正によりまして地区計画制度が一定の前進を見るのではないかと期待をいたしておるところでございます。  確かに、都市局長が答弁いたしましたとおり、まだ都市計画の中で地区計画制度の採用は用途地域の約一・三%にすぎないということでございまして、この地区計画制度についての住民へのPRが不足しているんではないかということが言われているところでございますが、そのことは反面におきまして、詳細な土地利用規制を行うことのメリットを住民がまだよく承知していないということではないかと思うのでございます。  そこで、憲法の定めのように公共の福祉に反しない限りにおいて国民の自由や権利は保障されるわけでございますし、また同時に、公共の利益のために自由や権利の行使が行われなきゃならぬということもございまして、この地区計画制度というのは、いわば公共の福祉のために都市計画が大いに活用されるということではないかと考えます。  かように考えますので、このたびの法改正が行われました場合には一定の地域につきまして地区計画を策定すべきであるということを明示することになっているということでございまして、いわば先生がお考えになっているような方向に、かっての高度経済成長期あるいはそれ以前に笠信太郎氏が「花見酒の経済」というようなことを言った時代もございましたし、最近ではバブル経済ということを言われたこともございまして、土地がいわば信用膨張の源泉となっておった時期が今日まで幾つかあったわけでございますが、これから安定成長の時期に入るというか、落ちついた我が国の土地利用をやっていく経済の時代に入るというか、そういうことも先生は示唆していらっしゃったと思うんですが、そういう時代にまさに適合した今回の法改正ではないか、私はそのように理解をいたしておるところでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君  実は、大臣の今お答えになったような形でこの地区計画が推進されていってほしいと思うんです。    〔委員長退席、理事石井一二君着席〕  そこで、今回これだけ確認しておきたかったんですけれども、都計審の答申を見ますと、地区計画を推進する体制、助成制度、こういうことを整備しなさい、そして都市計画上の優遇措置や助成制度を具体的につくり上げていきなさい、合意形成を促進するための組織、コーディネーターなどによる計画策定の支援、もちろん財政的な支援、こういうことがありますが、この点に関しては、都市局長、どのような配慮が今回なされておるんでしょうか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 地区計画の推進のための仕組みといたしまして、今回の法改正の中にも市町村のマスタープランを初めいろいろなことを盛り込ませていただいております。このほかに具体的な予算措置といたしましても若干の用意もさせていただいておりまして、地元で地区計画を策定するための協議会を開くような場合にそれに対して若干の支援を行えるような措置も講じておりますが、まあその程度ではまだ不十分だと思います。いろいろと今後も工夫を凝らしながら、何といいましても、地区計画を策定しますとそれが地区全体にとりまして、それが翻っては個々の住民の方々にとりまして極めて大きなメリットがあるということが理解される、しかも制度もそういった内容もあるといったようなところも大事な要素がな、つまり、規制の強化ということがある意味でより豊かな都市生活を行う上においてむしろ重要であり、かつ住民にとっては利益になるんだといったようなことが極めて大事だという考え方から、どちらかというと制度の改善の方に力を入れさせていただいております。    〔理事石井一二君退席、委員長着席〕  なお、若干予算面等につきましての対応は少し不十分な部分がありますことをお許しいただきたいと思います。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 それは本当にそういう形も大切だと思うんですけれども、答申自身がより具体的に、もう欧米などでは実行していることですけれども、合意形成を促進するための組織の活用ということを、協議会と言われましたけれども、もう少し今日的な組織として位置づけるべきであると同時に、コーディネーターなどを育成するということもこの計画策定の支援として加えていくということもこの答申自身が積極的にやりなさいよ、こう言っているわけです。  私は、今後の運用の上でこの答申が言っているような視点に立ってこの計画を推進すること自体が、それがただいま大臣が述べられたような目的を達成することになるんじゃないかと思うんですけれども、運用の上において今後とも十分な配慮があり得るのかどうか、その辺のところを念のために伺っておきたいと思います。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 地区計画制度が普及されるに当たりまして、私どもは市町村の地区計画に携わる行政スタッフが不足しているということも極めて重要な要素だというふうに理解しております。これを補うために、ただいま御指摘ございましたコーディネーター等の育成、活用といったようなこともございますし、また、行政スタッフそれ自体を育てていくといったようなことも大事だと思っております。  そういったようなことにつきましては、私どもはこれから極めて重要なファクターとして取り組んでまいりたいと思っておるところでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 都市計画の今風の改正が進む中で、私は、先ほど来何回も言っておりますけれども、過日の地方拠点都市法なども連携して都市づくりのためにぜひ活用されていくべきではないだろうかなと思うんです。  都市計画だからといって単なる計画法案だ、実施法案ではないんだというわけじゃなくて、地域とか町をつくっていく法案なわけですから、ぜひ今述べましたように、せっかく新しい法案が生まれていくわけでありますから、地区計画などをつくる上でも、あの法案では職員の派遣などというのも条項があったと思うんですが、地域の活力ある町をつくるために職員を派遣するわけでありますから、そういう中にもこういう地区計画などの専門家なども考慮していけばより推進があるんじゃないかと思うんで、ぜひお願いをしたいと思うんです。  次の質問に移らせていただきたいと思います。  これも先ほど参考人の方から述べられていたことでもありますし、衆議院においても深い議論がなされてきている課題でありますが、そろそろ日本の都市づくりにおいても都市の成長管理、こういう考え方を積極的に取り入れるべきだろうと思います。  聞くところによると、先ほど来の都計審の中でも一定の都市のあるエリアに関してはダウンゾーニングの発想なども考えなきゃならないんじゃないかな、そして都市をコントロールしながら管理をし、そしてある場合には成長をさせていかなきゃならないんじゃないか、こういうふうなことも議論をされたということなども伺っているわけでありますが、この辺に関して、今回都市計画法の改正に当たってこの都市に関する成長管理の考え方などというのは何らかの形で考慮されているのかどうか、その点について伺いたいと思います。

山崎拓自由民主党建設大臣

○国務大臣(山崎拓君) 均衡のとれた都市の発展を図りますことは極めて重要なことでございます。  このたび都市計画法を改正いたしまして新しく創設しようとしております誘導容積制度は、都市の均衡のとれた発展を図る観点から、地区の公共施設の整備とあわせまして、その整備水準に見合った土地利用を一体的に図るためのものでございます。そういう見地から申しますと、いわば先生の御質問の一つにお答えすると申しますか、都市の均衡ある発展に資するものである、かように考えるところでございます。  なお、都市の成長を政策的に抑制する考え方、ダウンゾーニングあるいは成長管理等を行ったらどうかということでございますが、これは一義的には当該地方公共団体の判断によるものであると考えておるところでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 まさに今大臣述べられたように、どういう都市づくりを心がけていくかということは、各都市、自治体の大きな課題であると同時に責務だと思うんです。しかしながら、そうは申しながらも、国の一つの法律の制度として、成長管理の考え方、いわゆる都市の成長のスピードをコントロールしたりもしくはダウンさせたりという、こういう制度というものを自治体が取り得ることを認めていくのかどうかということに関しては、私はこれは国の法律の制度ではないだろうかな、こう思うわけであります。  もう何回も私ここで申し上げておりますけれども、地方拠点都市法、東京のオフィスをどのように規制していくか、そしてそのオフィスをいかに地方に分散させていくか、そして地方で活力を取り戻すような施策と一体となってこれを誘導していくか、こういうふうなことがとられているわけであります。  その発想というのは、地方拠点都市法は東京の二十三区という限られた分野に対して適用される法律でありましたけれども、オフィスに関してはまさにこれを抑制するという思想が私は生まれてくると思うんです。  そういう思想の中で東京の町づくりがコントロールされると私は思うんですけれども、そうであるならば、むしろ都市計画法などにおいて、もうこれ以上インフラ整備とか都市のキャパシティーの問題からビルや人をふやしてはやっていけぬと思われるような都市が生まれてきた場合には、これを制度上コントロールできるような仕組みを法改正の中に積極的に取り入れていくべきだろうと思うわけでありますが、この点に関してはいかがでしょうか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 具体の都市につきましてその成長の政策的に抑制するあるいは促進するといったようなことにつきましては、ただいま大臣も御答弁申し上げましたとおり、それぞれの地方公共団体におきましてきちっとしたコンセンサスを得ながら判断していかなければならない問題だと思っております。それを国の立場でもっと積極的に政策展開をするということにつきましては、いわば都市計画という世界でやるものと、それから都市計画を超えましたいわゆる全国的な地域政策という観点でやる場合と、いろいろ考えられるわけでございます。  都市計画制度につきましては、先生も御案内のとおり、都市計画の決定権は原則として市町村、それから広域的、根幹的なものは知事ということになっておりまして、大臣も確かに認可権は持っておりますけれども、いわゆる発案権はないわけでございます。したがいまして、都市計画制度によります。そういう政策プロセスといいますのは、一つのメニューの提示といったような形になるのではないかと思います。  先生が先ほどやろうと思えばやれるような制度づくりということをおっしゃったのはそういうことについての御指摘なのではないかと思っておりますけれども、そういうようなことをどの程度都市計画の中でやるかということにつきましては、そういったようなことをやろうとした場合に現行の我が国の都市計画制度がどの程度機能し得るかという問題も実はあるわけでございます。  よく言われますダウンゾーニングという言葉はアメリカの言葉でございますが、これは現在定まっている容積率を都市計画の変更という形でそれを引き下げるということでございます。それをダウンゾーニングと俗に呼んでいるわけでございますが、それは我が国におきましても都市計画の変更ということでやれる仕組みでございまして、そういう意味を超えた仕組みとしてどういう仕組みが考えられるかどうかということについてはなかなかいろいろ難しい議論もありまして、今回一つの試みとして暫定容積率制度というようなものを加味いたしました誘導容積制度の御提案を申し上げたわけでございます。  この誘導容積制度に至ります審議の過程におきまして都市計画中央審議会ではさまざまな議論がなされまして、先生御指摘のとおりいろいろな案も出たわけでございますが、それを都市計画制度として仕組むということになりますとなかなか難しい面がある、そういうところで現在に至っておるというような状況でございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 今、局長が述べていたように、一つの都市づくりの施策のあり方としてそういうメニューを制度化するかどうかということだろうと私は思うんです。まずそこから始まっていって、私は率直に申し上げまして、これは決して大都市ばかりじゃなくて、均衡ある国土の発展という視点に立って、全国的な都市づくり、二十一世紀前半には国民の七割以上の方が都市に住むというそういうことになるわけでありますから、その辺、もうしばらくの再検討というか再検証していくという時間の中でぜひ考えていただきたいな、私はこう思っているところでもあります。  次の質問に行きたいと思います。  今回の改正の中で開発許可に関する基準の見直しというのがなされております。ちょっとわかりにくいものですから、これについて御説明をしていただきたいと思います。

伴襄建設省建設経済局長

○政府委員(伴襄君) 今回、開発許可の技術基準の見直しを少しやらせていただいておりますが、具体の例で御説明させていただきますと、いろいろな基準がありますけれども、例えば、従来適用されなかった道路に関する基準を適用するというようなケースがございます。  これは、市街地の土地利用が非常に稠密化する中で、デパートとかホテルとかあるいは結婚式場、スーパーマーケットといったような多数の利用者を持っている自己業務用の施設がございますが、これは今まで道路の要件が適用されなかったわけであります。したがって、前面道路の幅員が不十分といったようなケースがあって、開発区域の周辺に交通渋滞を生じているといったような事例があるわけでございます。  そこで、今回、こういう自己業務用のものにつきましては、前面道路の幅員が不十分な場合には必要な整備、例えばセットバックというようなことで道路幅員を確保していただいて周辺地域の交通への支障を防除しようといったようなねらいがございます。  同様に、こういう多数の者が来訪するような自己業務用の開発行為につきましては、必要な公共空地を整備してもらうとか、あるいは給水に支障を生じないような給水施設の整備を行ってもらうといったような基準を追加しております。  それからもう一点大きな点は、資力、信用要件というのを自己業務用の場合には余り見ていなかったんですが、それを、例えば資金計画などを見まして、本当に大丈夫か、開発行為できるかといったようなことをチェックすることにしております。  自己業務用には従来なかったんですが、例えばゴルフコース、あるいは野球場、遊園地等、第二種特定工作物と言っておりますけれども、この大規模な自己用の開発行為が資金計画が行き詰まりまして途中で工事が中断、放置され、そのままにしておきますと、例えば造成工事を行った途中でほうり出されますと、出水、土砂の流出等によって周辺地域に災害を発生させるというようなことも懸念されます。そこで、大規模な自己業務用の開発行為につきましては、規模が一ヘクタール以上のものにつきましては申請者の資力、信用をチェックしよう、工事施行者の能力に関する基準を適用するといったようなことをするということにしております。  運動場とかレジャー施設であります第二種特定工作物につきましては、そのほかに例えば公共空地の要件とか、それから騒音等を発生するものがありますのでそれを緩衝帯の設置基準を適用するとかいったようなことで、これにつきましては、種々の今までの各県の取り扱い、そういった要望も聞きまして、こういうものについては開発許可の技術基準が十分でないといったようなことを取り上げまして、全部今回取り入れたつもりでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 この問題に関して、まず、自己業務用と自己業務用以外を果たして分ける必要があるんだろうかという疑問が一つあります。  それからもう一つ、今、局長もいみじくも答弁の中に触れられておったんですが、果たしてどうなんだろうというようなことで各地方自治体の意見などを聞いて技術基準の必要なものの見直しなども考えた、こう言われたということは、むしろこの種問題は、大枠さえ決めてあれば、できれば条例、あるいは条例でなくても少なくとも都道府県の規則等にむしろゆだねる筋合いのものじゃないかな、この辺のところを余り細かく建設省の方で一から十まで全部面倒見る必要があるんだろうか、それともそれが正しいだろうか、思い切ってこの辺は可能な限り都道府県の規則もしくは条例などに移譲するということはできないのかどうか。  この二つについてお伺いしたいと思います。

伴襄建設省建設経済局長

○政府委員(伴襄君) まず、第一点の自己業務用以外は何かといいますと、自己居住用ということになるわけですけれども、自己居住用の行為につきましては、例えば道路等に関する基準を適用するということになりますと、これは大体マイホームをつくるためでありますので、マイホームをつくるためにその開発行為をするときにその道路要件が係るというようなことになるわけですが、大体マイホーム自体は規模も小さいですし、それから周辺地域にそんなに発生交通量が多いというようなこともありませんので、そういったところまで制限するのはやや過剰な規制になるんではないかなというようなことでございます。  それから、先ほど申し上げたスーパーとかホテルなんかも、一ヘクタール以上という大規模なものにしておりまして、ミニスーパーマーケットとか小規模な自己業務用の開発行為は適用除外になるわけでございますけれども、こういったものにつきましても、災害なんかの防除、資金計画をチェックする要件、これにつきましては、小規模なものでありますと中断したり放置することによって周辺地域にそう影響を与えないだろうという判断でございますので、したがって、すべての開発行為に基準を適用するんじゃなくて、必要なものについてこういう技術基準を追加するという考え方かなというふうに思っているわけでございます。  それからもう一点、条例あるいは規則でもう少し公共団体に裁量の幅を持たせて基準を適用したらどうかというお話でございますけれども、今の開発行為の許可は一定の基準に該当すれば許可しなければならないというふうになっておるわけでございます。  これは何がねらいかといいますと、財産権の行使である開発行為についても一定の制限を加えようというわけでありますけれども、それは一定の開発行為をしながら市街地として一定の水準を確保しようというものであって、その一定の水準に適合する限りは許可しなければならない、こういう仕掛けに今の開発許可基準はなっているわけでございます。したがって、最大限の基準を今の技術基準では決めているわけです。ですから、例えばそれに上乗せして条例で追加するというのは不可能である、できない。これは法制局当局等とも相談しているわけでございますけれども、そういう見解であるわけです。  もう一つは、地域によってかなり差があるんじゃないかというお話でございますが、これは実は現行の開発許可基準が既に、例えば開発区域の周辺の状況を考慮してその基準を運用するようになっておりまして、例えば道路の幅員でも、六メートルのところもあれば九メートルもある、十二メートルもある、それから雪道なんかは八メートルにするとか、それは道路、公園だけじゃありませんで、排水施設とか樹林地とか緩衝緑地とか、そういうものにつきましても周辺の状況によって制限するようにできておりまして、したがって、その地域の特性に応じてやれるというふうにはなっているわけでございます。  それからもう一点、懸念を申し上げれば、現在の宅地開発指導要綱でいろいろ規制しておりますのは、これは独自でやっておるのでありますけれども、この宅地開発指導要綱も御案内のとおりいろんなものがございまして、指導要綱で非常に厳しくし過ぎて開発されて、それが宅地コストに上乗せされてコストが非常に高くなっているという例があるわけでございます。宅地のコストのうちの三分の二がこういう関連公共公益施設の整備費であるというふうに言われておりまして、その半分がまた開発者の負担と言われておるんですけれども、余りに不当に開発指導要綱で規制するというのはいかがかという点がございます。  したがって、この開発指導要綱を一種の条例とか規制みたいに個別の地方公共団体で運用されると、その宅地供給コストへのはね返りがあって、国民の住宅宅地に対するニーズにこたえられないといったようなことも懸念されるわけでございますので、現在の最高の基準の中で、しかも地域の特性に応じて運用できるというこの幅の中で運用していきたいというふうに考えているところでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 説明されてみれば、この場では、うんなみほどな、こう思うんですが、よくよくまたひもといて検討してみますと、やっぱりそれはおかしい。  例えば先ほど、最高上限を決めであるんでその中で自由を与えているんだから別に問題はないだろう、これを上乗せでやった場合にはちょっと法令との関係で憲法違反の問題も出てくるんじゃないか、こういう考え方だろうと思うんですけれども、果たしてそもそもこの種問題に関して法令でもって今のような視点を定める筋合いなんだろうか、それよりも、都道府県に一つの公益的な視点での行動がとれるようにしておきながら自治体に実情に応じて対処させる方が本来持っている効果というのが生まれるんじゃないかな、こう思うんです。  そうであれば、これを条例に上乗せしていったとしても、先ほど来ちょっと議論しましたように、土地の利用ということに関しては、今までのあらゆる権利以上に公共の福祉の制限、むしろ内在的な被制約性があるんだ、そういう思想がこれから必要になってくるという時代においては、私はむしろその方が正しいんではないだろうかなと思うんですけれども、もう一回だけその辺のお考えを教えてください。

伴襄建設省建設経済局長

○政府委員(伴襄君) 今の開発許可制度のねらいは、先ほど申し上げたように、こういう開発行為による宅地造成について市街地として一定の水準を確保させよう、だから一定の水準を確保すればそれは許可しますということでございます。本来自由なはずの開発行為を許可にかからしめたのは、そういう一定の水準を確保しようというところにねらいがあるわけです。  こういう私権制限の度合いが非常に強いものは、その制限内容に公平性とか統一性が要求されるわけでございまして、しかも今回の都市計画法の規定は、一定の水準を満たせば許可しなければならない、こうなっているわけで、それはきちっと法律に枠を決めておいて、それでその中の運用は、先ほど申し上げたような地域特性を勘案してというようなことでやっていくということかと思っております用地域特性を考慮した法律の基準の最大の枠、そういうものは決まっているものだというふうに考えております。  ただ、こういった具体の基準は政省令にかなりゆだねられておりますので、そういった中では今先生御指摘のようないろいろな地方の実情を酌んだような法改正をするということは十分検討に値することかなと思っておヶます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 ぜひこの問題は今後とも検討していただきたいと同時に、今局長の答弁にもありましたように政省令で都道府県等の規則にも一部移譲しているものもあろうかと思うので、その辺のところも見直しなどを行いながら地域のニーズにこたえられるようにしていただきたいと思います。  次の質問に進みたいと思います。  この点については、先ほど社会党案については青木発議者の方から意見の開示があったわけでありますけれども、今回の都市計画法の改正の答申でも地区計画をつくるにしてもマスタープランをつくるにしても、住民の意見を合理的に取り入れてコンセンサスの形成に努めるような施策を展開しなさい、こういうふうな指摘があるわけでありますけれども、今回、いわゆる都市計画の作成に当たっての公聴会や意見書の提出に関して、このような答申の意向を酌んで改正された点があるでしょうか、いかがでしょうか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 市町村のマスタープランの策定に際しまして、住民の意見を反映させるための措置といったようなところで、公聴会の開催等について法律上の例示として規定してございまして、公聴会等につきましてはできるだけこれを積極的に開催していくことが望ましいという基本的な立場に立っておるところでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 ちなみに、この公聴会というのは割と数多く開かれているものでしょうか、それとも開催というのは少ないものなのでしょうか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 公聴会の開催状況を見てみますと、それぞれの地域におきましてある程度重要な都市計画の決定または変更の際に行われているようでございまして、東京都の例で見ますと、線引きの都市計画の決定あるいは変更、用途地域の見直し、それから再開発事業の決定、そういったような場合に公聴会を開催している例が多いようでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 そうすると、そんなに数多く開かれているものではないということが言えるんではないだろうかなとも思うんですが、住民の意見を聞くということが、先ほど来議論になっております地区計画などになってまいりますと、これは直ちに利害のかかわるものであると同時に、ほぼ全員というか大多数の方の合意がなければ進まないわけでありますから、この辺の参加システムといいますか、公聴会のあり方に関して、私は、都市計画、特にマスタープランや地区計画を機軸にして今後推し進めようとするならば、改善し、かつ充実する必要があろうかと思うんです。先ほど、今回、マスタープランについては改正がなされたという御意見がありましたけれども、そのほかの点についてはいかがでしょうか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) せっかく先生から御評価いただいておりますのにこういう答弁をするのはなんでございますが、マスタープランにつきまして、改正したというほどの改正ではないんでございますけれども、公聴会の開催ということについて例示的に申し上げてあるというところでございます。  私どもの理解といたしましては、例えば地区計画等は極めて狭い地区につきましての住民のコンセンサスを得ることが重要でございますから、むしろそういう場におきましては地元への説明会とかそういったような形の内容の徹底ということが大事だと思っておりまして、そういう意味におきましては、公聴会の開催をそういったような都市計画まで全部開くようにというふうに実は指導はしていないわけでございまして、できるだけ重要な都市計画について必要に応じというようなことで考えておるわけでございます。  いずれにいたしましても、要は、都市計画を決定するに際しまして、住民の意見を十分反映させるような仕組みで都市計画の内容は確定していくということが極めて大事だと思いますので、それぞれの都市計画の内容、それぞれの地域の実情等に応じまして最もふさわしい手法をいろいろと工夫していただきたい、そういう中の例示として、意見書の提出とか地元説明会とか公聴会の開催とか、そういったようなことを申し上げているところでございます。  ただ、法律上は、例えば案の縦覧とかそういったようなことは必ずやるようにということで義務づけております。  これが現在の私どもの都市計画の決定手続になっておるわけでございまして、その辺のところで大体うまくやりさえすれば住民の意見が十分反映されるような仕組みになっているのではないかと私どもは思っておるところでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 私も実はこの公聴会とか意見書の提出に弁護士としてかかわったこともあるわけでありますけれども、率直な気持ちとして、非常に形骸化しているし、形式的な形で終わっている。ちょっと口悪く言うならば、施策展開するための一つのアリバイづくりだと言うような人もいるぐらいで、この公聴会のあり方、意見書の提出の仕方に関してもう一工夫して、都市計画の必要性、都市計画の中身について住民が納得できるような方法にした方がむしろ都市計画は進むのではないだろうかな、こう逆に思っているところです。  その意見書の提出にしても今般は特に改正はなかったわけでありますけれども、むしろその意見書が出しっ放しというんではなくて、先ほど参考人などからもお話があったんですが、イギリスなどでなされているように、これに対して審問会を開くということでその意見書に対する意見が討議されるという、こういうふうなものもそろそろ日本の都市計画の中にはっきりと位置づけた方がいいんではないか。  都市計画そのものが日本の場合にはいろんな制度を取り入れています。地区計画もある。用途地域指定もある。特別用途地域指定もある。二重にも三重にもなっている。住民の方々にはなかなかわかりにくい。そういうところからも、私はこの二つの制度あたりをもう少し知恵を絞って、先進国ですぐれた制度となっているものは大胆に取り入れるべきだろうと思うんですが、いかがでしょうか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 基本的には先生の御指摘どおりの考え方を私ども持っておるわけでございますが、ただ、具体的な問題になりますと、それを実際に運用するに当たって、行政の立場にある者、それからそれに参加される住民の方々の問題とか、いろいろ長い歴史的なものも含めました問題があるわけでございますので、仕組みの改善ということも極めて大事ですけれども、それ以上に具体の計画を決めていくに際してのプロセスといいますか、そこにおける実質的な討議、コンセンサスづくりというものに対する慎重な配慮といったようなことが大事だと思います。  特に、都市計画は決定されただけで終わりというものばかりではございませんで、多くの都市計画はその都市計画に基づいて事業を行い、その内容が実現されるといったような問題でございますので、最終的にその目標が達成できるような形でいろいろやっていく必要があるということでございます。  今後、長期的な課題として、公聴会のあり方あるいは意見書の提出の仕方その他もいろいろ検討していく必要があるとは思っておりますが、そういった中で、より重要なテーマとして、どういうふうな方向でやることが最も住民のコンセンサスを得られるものであるか、今回の法案の御議論に際しましていろいろ御討議いただいておるわけでございますが、その中で都市計画の規制の強化といったようなことを強く求められているように感じますし、また一方で、そういう都市計画の内容につきましては個々の住民の方々のコンセンサスづくりといったようなことも求められておるように思います。  したがって、強い規制を伴った計画を一人一人の住民の方々の理解と協力のもとでつくっていく、これは行政としては非常に難しいテーマへのチャレンジだというふうに思っております。それをそれぞれの市町村あるいは都道府県におきます都市計画の担当スタッフがしっかりとこなしていただかなければならないわけでございますので、そういったようなことにつきまして長期的にしっかりとした検討を重ね、またシステムもつくっていく必要があると痛感しておるところでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 この辺の問題に関して、一つの仕組みとして日本で長い間位置づけられてきたものでありますけれども、都市計画に関しても一つの大きな転換期を迎えようとしている今日ですから、もっと現代的な近代的なやり方などもあり得るかと思いますので、さらなる検討をしていっていただきたいと思います。  社会党もこの意見書の提出並びに公聴会のあり方などに関しては今回対案を示されております。先ほどその一部が発議者の青木先生の方から提案があったわけでありますけれども、この意見書の提出、公聴会の開催に関して社会党が今回対策として提起せざるを得なかったという大切なポイントだけを、ごく簡単にもう一回述べていただければと思うのですが、よろしくお願いします。

青木薪次日本社会党・護憲共同

○委員以外の議員(青木薪次君) 先ほども申し上げましたけれども、都市計画づくりについては住民参加の体制をさらに盛り上げて、これを拡充強化すべきである、こういう立場に立っておるわけでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 次に、今回の改正で木造三階建て共同住宅の建築が許容されたわけでありますけれども、私は非常にすばらしいことじゃないかなと思います。あわせて、寺院などの歴史的な建築物に関しても緩和されたことに関しても、これまた時宜に合っているだろうと思うんですが、このことについて二、三点だけお伺いしておきたいと思うんです。  というのは、実は私の地元の方に瓜連町という小さな町があるんですが、今月、その町で町長さんの御努力で木造の小学校校舎ができました。私も拝見させてもらったわけであります。私自身、木造の小学校の校舎で勉強したからかもわかりませんけれども、木の香りがするし、木肌がきれいたし、それから何となくコンクリートと違う弾力性、温かみなどもありました。それから、きのう、実は私、地元である幼稚園の落成式に行ってきました。やっぱり木造だったんです。しかも、建築士さんが建築基準法の厳しさの中でいろいろ最大限の努力をしたという説明をもらって、これまたすばらしいなと深い感銘を受けました。  そういう意味で、木造建築というものに関して、木の持っている特質を最大限利用しながらぜひ私はこれを推し進めてもらいたいと思うんです。もちろん、防火対策上配慮をしなきゃならないということは十分わかっておりますけれども、その上でも最大限に木の特質を生かしてもらうような建築を行っていただきたいと思うんです。  聞くところによると、この前の委員会でもありましたが、石井先生の御自宅は何か三階建てで五十年以上使われているということで、木造建築というのはすばらしいものを持っているんじゃないかなとこの間も伺っておったんです。今回なぜ共同住宅だけに限ったのか、伺いたいと思うんです。  それからもう一つは、この前の質疑にも出ておりましたけれども、なぜ柱を全部覆ってしまったのか。柱を覆ってしまったら、せっかく木が持っている木肌とか温かみとかやわらかさというのが全く消えちゃって、果たしてそこまで日本の建築は規制していく必要があるんだろうかと思うんですけれども、その辺のところを伺わせていただきたいと思います。

立石真建設省住宅局長

○政府委員(立石真君) まず初めに、三階建ての共同住宅だけに限定した理由はなぜかという御質問でございますので、それにお答えしたいと思います。  今回の木造建築物につきましての改正は、最近の木造建築物についての技術開発があったことを踏まえた改正でございます。特に木造の柱とかはり等を石こうボード等の不燃性の材料で被覆した場合には耐火建築物に準ずる高い防火性能を確保できる、そしてまた、同時に火災時に周辺への影響も防げるし、周辺からの延焼に対する安全性も確保することができる、そういうような技術開発がかなり行われた結果、木造の建築物であっても耐火建築物に準じる耐火性能を持つ準耐火建築物として位置づけることができ、そしてそれなりの建物ができると考えたからでございます。  現行の建築基準法におきましては、いわゆる特殊建築物と言っておりますが、劇場、映画館、病院、ホテル、学校、百貨店、そして共同住宅等につきましては、防火上かなり厳しい規制が行われているわけでございまして、三階部分以上を今申し上げた用途に使うときには耐火建築物にしなければならないとされておったわけでございます。  この耐火建築物は、先生も御承知のように、例えば鉄筋コンクリート造であるとか、あるいは鉄骨造、不燃性の材料でつくる等でございました。これらの用途のうち、劇場、映画館は不特定多数の方が非常に多く集まる。それから、病院については健常でない人が利用している。ホテルにつきましては不特定の人がそこで就寝している。それからまた、学校につきましては多数の児童生徒がおって、かつ非常に高密度で利用している。試みに申しますと、住居と比べますと面積当たり十倍ぐらいの利用密度になるようでございます。また、百貨店等には多量の可燃物もあるし、不特定多数の人が利用する。いずれも何らかの火災が発生したときには大規模な火災に発展しやすいという特別の建築物になるわけでございます。  これに対しまして、共同住宅、下宿、寄宿舎というものは、他の用途に比べますと、その建物を利用している者、在館者が少ないということが一つ。そしてまた、常に利用しているわけですので避難経路、どういうふうに逃げたらいいかというようなことについても理解しておりますので、避難上の危険性は比較的低い。さらに、共同住宅の場合には、当然、住戸ごとに壁とか床とかで仕切られているわけでございますので、その部分が不燃性の材料等で覆われていれば一部が燃えても全体の火災にならない、火災の拡大も非常に遅い。こういうようなことで、実大火災実験の結果等を踏まえて今回の改正をしたいと考えているところでございます。  また、木の建築物についての被覆したら木造ということの特色がなくなるではないかということについてお答えいたしたいと思います。  木材といいますのは、今、先生の御指摘のように、木肌がやわらかいとか、あるいはぬくもりがある、香りがある、こういうような大きな特色がありますが、そのほかに、例えば鉄骨等と比べますと、軽量で強度がある、それからまた、加工しやすいとかあるいは施工しやすい、そういういろいろ多様な長所がございます。その反面、燃えやすいとか水と接する部分が腐りやすいとか、品質のばらつきが大きいとか、こういうようなものは木材としては短所だと考えております。  そういう防火上の問題からこれまで耐火性の劣るものとされてきたところでございますけれども、先ほども申し上げましたように、木材についても周りを不燃材料等で被覆すれば防火上の弱点の部分は直すことができるというようなことが今回の改正の内容でございまして、準耐火建築物とするためにはどうしても柱、はり等を不燃性の材料で被覆しなければならないというように考えているところでございます。  なお、今後とも木材の技術開発を進めて、短所を補い長所を伸ばすように努力してまいりたいと考えております。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 局長が述べることもよくわかるわけでありますけれども、果たしてそこまで木材に関してがんじがらめにしてしまった場合どうなんだろうかという疑問を私はまだ持っております。  また、もう一つ伺っておきたかったんですが、共同住宅に限るわけですね。そうすると、個人の住宅はどうなっちゃうんでしょうか。私が三階建てをつくりたいといった場合、それは認められるのかどうか、それが一つです。  それから、柱を覆うと言いましたけれども、木は生きているということを配慮いたしましたでしょうか。木は完全に覆ってしまうと死んじゃうんですね。法隆寺の五重の塔があれだけ長く生きているのは、木は根元で切られても生きているからだそうです。ですから、今日までお寺の建物にしてもみんなもっているらしいんです。その辺のところを科学的に実験しようと思っても、これはできるものじゃないと思うんです。それはもう木造建築が長い間持ってきた習性なり特質なりということを私は参考にしてやっていくべきじゃないかなと思うんです。  その二点についてお伺いしたいと思います。

立石真建設省住宅局長

○政府委員(立石真君) 先ほど述べましたような特殊建築物の規定でございますが、まず個人住宅については原則として三階建ての木造住宅ができることになっております。ただ、市街地の中において、例えば防火地域では木造建築物は原則禁止に近い。準防火地域につきましては、三、四年前の建築基準法の改正におきまして一定の防火被覆をするならば五百平方メートルまでの三階建ての木造建築が認められるようになっているのは御承知のことかと思うわけでございます。ですから、非常に人がたくさん集まるとか不特定の人が利用するような建物についてかなりきつい防火上の制限があったところに、今回は共同住宅について木造三階を認めようという改正でございます。  また、第二点の木を覆うということでございますが、まず木を覆うといたしましても、表面を全部固めて塗りつぶして息ができないようにするということではなくて、乾いたもので覆うわけでございますので、空気はかなり行き来をするわけでございます。大事なことは、木というのは完全に乾燥させた乾燥状態のいい木を使わないと、例えば生木のような状態で被覆等をするとかなり傷む可能性があるということがございまして、今後、乾燥剤を使いながら、かつ耐久性の長い防火建築物の開発、実用化が進んでいかなければならないというように考えております。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 木造建築物は日本人の心に和む建築物でもありますから、ぜひこれからいろんな角度からさらなる研究をしていただいて、これは木の普及にも大きくかかわることでもありますから、よろしくお願いをしたいと思います。  時間の関係等がありまして、質問の順序が逆になるかと思いますけれども、一つこういう事例がございます。  例えば、東京の都心でかつて歴史のある大きな境内のお寺さんがあります。このお寺さんは都市公園の指定を受けるようなかなり大きなお寺さんでありますが、ここに実は超高層のホテルを建てたい、こういうふうな話があったとします。都市公園の中でありますから、公園法からいえば当然こういうホテルは建たないと思うんですが、ホテルが建ってしまうということです。どうして建ってしまうんでしょうか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 都市計画で都市計画公園として決定されておるところにおきましてどういった施設を認めていくべきかといった問題の中で、実は従来から都市計画法の中で第五十九条第四項という規定がございます。  特に公園の件でのお尋ねでございますが、公園に限らず一般的に道路、駐車場、そういったものを含めましてそういう都市計画で決定されておる内容を実現する場合に、第一義的には地方公共団体が行うのでございますが、場合によりましては民間事業者の方々が一定の基準のもとでみずから行う場合も認める必要があるというところで、実は旧法の段階からそういう考え方がございまして、現行の都市計画法でも第五十九条第四項というところでそういう場合の規定がございます。  これは私ども特許事業と呼んでおりますけれども、その特許事業として行われる場合には、公園の中でもスポーツ施設とかレクリエーション施設、あるいは集会施設、教養文化施設等とあわせまして宿泊施設もよろしいということになっておる次第でございまして、最近はホテルという形をとりますけれども、そういうような考え方できている部分が実はあるわけでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 いわゆる都道府県知事の特別の許可があれば今おっしゃった宿泊施設はできる、こういうことだろうと思うんですが、ここの住職さんは由緒あるお寺さんの住職で、せっかく都市公園として地域の皆さんにも日々ここでくつろいでもらっておる、何としても今後も公園として維持したい、それにふさわしくないような超高層のホテルなどはつくってもらいたくない、こういうふうな考えを持ったとしますと、このケースの場合に、この住職はどういう形でみずからの意見を述べ、みずからの意見に関して行政との協議をすることができるんでしょうか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 現在の私どもの考え方でまいりますと、あらかじめ都市計画決定する際に、それをどういう形の公園にするのかといったようなことにつきまして計画内容としてできるだけ具体的に明らかにするようにという考え方をとっておりますから、基本的には、まず都市計画決定の際に地域住民の一人として意見を述べることができるわけでございます。  いわゆる旧法時代からのものといたしまして大分前に既に都市計画公園として都市計画決定されておるものもございまして、そういったものにつきましては必ずしも具体的な内容が計画内容では明らかになっておりませんが、五十九条四項の規定によりまして知事が事業を許可する場合、これは許可という言葉を使っておりますが、認可する場合にその五項の規定で関係の地方公共団体の意見を聞かなきゃならない、こういうふうになっておりますから、大体そういったようなところで意見をまた聞くということになりまして、場所によりましては議会等にもお諮りする場合もあるわけでございます。  ただ、ただいまのようないわゆる超高層のホテルといったような事案に関しましては、東京都もそうなっておりますけれども、大概の地方公共団体におきましては少なくとも地域住民の方々との事前の調整といったようなことを義務づけている場合が多うございますので、そういう場合もありますし、いろんな機会に意見を述べることは可能になっていると思います。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 この件は具体的な現実の事例でもありますから、余り詰めた質疑はここではふさわしくないと私は思いますけれども、重々、地域住民の意見や歴史的な保存すべきものとか、それから都市公園であるとか、こういうようなものが配慮されるように都市計画が今後ともなされていくことをぜひお願いしたいと思うわけであります。  最後の質問であります。  今、都市計画を市町村がベースとなってつくっているではないか、広域的なものに関しては都道府県が全体的に調整をしながらつくっているんだ、国はその意味では都道府県に対してすべてこの権限をおろしている、原則として市町村にもおろしているんだ、こうおっしゃって説明をなさるケースが多いんですけれども、法的な体系からいいますと、あくまでも都道府県に対しては機関委任事務として権限を移譲している、市町村に対しては団体委任事務として権限を委譲している、こういうことにすぎないんではないだろうかなと思うんです。  そうしますと、機関委任事務であったり団体委任事務でありますと、果たして市町村や都道府県が独自の発想のもとに都市計画をつくることが許容されるのかどうか。私は、残念ながら常に上位機関の承認なり認可なりがないと都市計画はできないと思うんですけれども、一昨日、また冒頭、私が述べたように、この流れを権限の再配分という視点から検証していくというようなお考えはあるのかないのか、また、それが検証されないと本当に市町村に都市計画の権限があるんだとか都道府県に権限があるんだというふうには言えないと思うんですが、いかがでしょうか、まず政府の方から伺いたいと思います。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 都市計画の基本的な効果といたしまして、都市計画が決定されますとそれに基づきます財産権の制約が生ずるわけでございまして、その計画に従った土地利用が義務づけられるわけでございます。  そういう意味合いにおきまして、権限を市町村、都道府県及び国も含めましてどういうふうに配分すべきかという問題は、一般的な行政事務の権限配分の問題のほかにそういう私権の制約のあり方という問題も絡むものでございますので、いろいろ議論は分かれるところではございますけれども、昭和四十三年の法改正におきまして、それまでは国が決定するということになっておりました都市計画の事務を市町村及び都道府県の決定事務ということにした次第でございます。  それが、昨今の状況からまいりますならばまさに町づくりに対する国民の関心の高まっているところでもございますので、できるだけ地域住民に一番近い市町村において都市計画を決めていく方向により改善すべきであるという考え方を私ども持っておりまして、大臣からもそういう答弁があっているわけでございます。  私どもといたしましては、今後ともそういったような方向につきまして、いろんな機会を通じ、検討を重ね、取り組んでまいる必要があるというふうに思っておる次第でございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 最後に、社会党の方のこの点に関しての考え方を述べていただいて、私の質問を終わりたいと思います。

青木薪次日本社会党・護憲共同

○委員以外の議員(青木薪次君) ある市町村の都市計画は他の市町村に大きな影響をもたらすものであって、知事に監督権限を持たせておくべきであるという考え方があると思いますが、現行制度はこれを広くとらえ過ぎているんじゃないかと考えるわけであります。  ある市町村の定める都市計画が他の市町村に影響を及ぼすものであれば、それらの市町村は同一の都市計画以内となるべきものだと思いますので、そうした場合においては、私たちの案でも、現行制度と同様、調整を図るため知事の承認を必要とすることに変わりはないのであります。一つの都市計画区域が一つの市町村の行政区域内に指定されているような場合、原則として市町村の権限とした都市計画について都道府県知事の承認が必要であるのは行き過ぎであると考えます。  私たちの案は、一市町村の自主的な町づくりを育てる制度を目指して、国や都道府県による監督の行き過ぎを是正しようとするものであります。

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時二十一分散会      ―――――・―――――

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